予算委員会 第11号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/03/12
会議録
○委員長(塩見俊二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和四十四年度一般会計予算、昭和四十四年度特別会計予算、昭和四十四年度政府関係機関予算。 以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き村田秀三君の総括質疑を行ないます。
○山本伊三郎君 議事進行について。実は七日の日に、本院議員の源田実君のことにつきまして総理の見解を聞いたのでありますけれども、今日まで、総理が当時発言された推移がないということをわれわれ見ましたので、あらためて総理のひとつ見解を聞きたいと思います。 実は、誤解をしてもらっては困りますが、源田君個人の問題は、これは党なり院の問題でありますけれども、源田氏のアメリカにおける発言は、アメリカにおいては非常に問題をかもしております。それが日米外交上、非常に問題があるというこの観点から総理の見解を聞きたいのでありますが、したがって、いまの現状において、総理の源田実の発言に対し、あの当時以後の問題につきましてもありますから、総理の見解を再び聞きたいと存じます。
○委員長(塩見俊二君) 佐藤内閣総理大臣。
○国務大臣(佐藤榮作君) 去る七日のこの席における皆さん方の御意見につきまして、私がいままで報告をしなかった、こういうことはたいへん申しわけのないことのように思います。もちろんその間、私も何らしなかったわけではございません。この席を通じて私がしばしば申しますように、源田君の発言と私どもの考え方は相違しておること、違っておること、これは御理解をいただいただろうと思います。そこで、たいへんおくれましたが、前回も申し上げましたとおり、源田君の発言の中には不謹慎な点もあるように見受けられましたので、さらに実情を調査いたしまして、同君の発言は政府の見解とも、ただいま申すように違っておりますが、これが内外に与える影響もありますので、私はいま皆さんも御心配していらっしゃるように、日米交渉を前にしてさような点で誤解を受けてはたいへんだ、かように思って、田中茂穂君を通じまして今後の言動に注意するよう私の意見を十分伝えて、いわゆるしかりおいた。そうして今後は慎重に対処するようにとのことを申し伝えたのでございます。この田中茂穂君の発言は、おそらく議運等で発言して各党にもお話をしておることだと思います。まだしかし十分御了承は得ておらないと思います。本人自身は、今回のことは全く個人的の意見であるし、お騒がせしたことに対してはまことに恐縮しておる。今後の発言については十分注意する、かように言ってきておりますので、いましばらくその模様も見たい、かように私思っております。院でお許しを得た期間ももうすでに来ようとしておりますから、帰ってきて、今後はどういうような発言をいたしますか、十分注意をしておることと思いますけれども、この点を重ねて田中君から誤解のないように、ひとつ一そう注意するように申し渡すつもりでございます。 なおまたそれらのことについて、私自身が委員会を通じて直接お話しないで、いままでたったことについては、私ほんとうに申しわけないと思っておりますけれども、田中君からも、他の席でそれぞれの党の関係の方に御了承を求めつつあると、かように私も理解しておりますので、それらの点については私のほうも注意いたしますから、どうかひとつよろしく御了承いただきたいと思います。
○山本伊三郎君 ちょっと。いまの総理の再度にわたる本件に対する見解につきましては、全面的に納得するという点には至りませんが、重ねての見解の表明でありますから、本日は予算委員会を続けていただいたらけっこうだと思いますが、なお、この問題は社会党だけではなくして、各党の折衝になっておりますので、以後引き続いて各党の間でこの問題の交渉なり折衝をしてもらうということで、この予算委員会を続けていただいたらけっこうだと、かように思います。
○委員長(塩見俊二君) 村田君。
○村田秀三君 農林大臣に、昨日に引き続いて農政問題で若干触れたいと思いますが、二日にわたりましてまことに恐縮でございます。 そこで、昨日来いろいろ論議をしてまいりまして、最後の部分に触れたいと思うのですが、今日もそうでございますが、十年先を展望いたしましても、一需要は伸びるけれどもそれに対応し得ない。しかも、なおかつその労働生産力というものは質が低下して、そしてまことにゆゆしい問題になる。農業労働力は六百万になるであろう。今日のおおよそ三分の二に減少するわけでありますから、こういう状態の中で、さて日本の農業、農政というのはどのように展開されていくのであろうかということは、きわめて重要な問題だと思いますので、その考え方を農村の生活、そういう面も含めながらお答えをいただきたいと思います。 〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
○国務大臣(長谷川四郎君) お説のとおり、きわめて重要な問題であると考えております。離農者の問題につきましては、すなわち高度経済成長の現実の上に立ちまして、年々幾分かずつ離職者がふえていっておるということは事実でありまして、したがって、今後も続くものだろうとは思います。しかし、このままにしておくわけにもまいりません。したがって、それを離農していかれると、残っておられる農業者が少なくなってまいりまするから、いかにしてこれをカバーするかという点につきましては、いかに省力をする、機械化をしていく、近代化していくと口では申しましても、なかなか容易でございませんので、政府といたしまして、できるだけ機械化の促進をしよう、そうして協業化を進めていこう、それには機械を導入する方法としてあらゆる援助をしていきたい、こういうような考えを持っており、また、昨年公表したとおり農作物の需要と生産の長期の見通しによっても、農業就業人口というものは今後年率大体四%ぐらい減少して五十二年には六百万人程度になる、こういうような予想をしておるわけでございまして、今後の農業の生産態勢は、申し上げたように、いかに省力するか、こういうことにやはり重点というものが置かれなければならないので、これらにつきましても整備し、そうして農業生産基盤の上で高度の機械化農業を駆使していく、こういうような考え方でもって生産と需給のバランスが完全にとられるような方途を切り開いていかなければならぬ。したがって、なお、兼業農家等もまだ農村に相当残ってまいりますので、これらの兼業農家を含めて機械の共同利用、協業化、こういうような点に重点を置いて生産の合理化施策を講じてまいりたい、このように考えて、せっかくそれらに対しましては、本年度は相当な予算も組み立てられておると申し上げられると思うのでございます。
○村田秀三君 それと関連をするわけでありますが、近年になりましてから、国の予算あるいは財投資金を投入いたしまして、共同利用牧場でありますか、これを開発しておるということであります。これの現状、そうしてまたそれを建て売りをするという方針でありますが、建て売りをする場合に、共同との関係でどういう状態になるのか、ないしは個人が大きな資本を投入してそれを買い取って、そして経営ができるようになるのか。とするならば、そこには雇用農業労働力というものが新たな形でつくられていくという形になるわけでありますから、その辺の関連をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまもお話がございましたように、離職者がふえていく、農業者が少なくなっていく。こういう上に立って、いかに今後の農業を拡大していくかという点については、現在とっておる共同利用模範牧場設置事業、こういうようなものを大規模にやっていきたい。これは大体こういうような仕組みになっておりまして、農地開発機械公団が建設をする牧場、これは建て売りということが当てはまるかどうかわかりませんけれども、一応、国が五割を負担する、そうしてまずその牧場地帯というものを建設をする、そうしまして三年間を据え置きまして、あと十二年間で償還をしていく、利息は大体年六分五厘、こういうことにして建設をいたします。そのあと、これは県に国から移譲をいたします。県はその地区の市町村あるいは農協の団体、公的基礎を持った、法的基礎を持った団体にそれを売り渡す、こういう方法があるわけでございますが、それによって集団経営を行なっていく、こういうことになるわけでございます。ですから、お尋ねのあったような、何か一人の業者にそれを払い下げて、そうして雇用問題というような、そういうことではなくて、いかに協業化していくかという共同経営をやってもらおう、こういうことでございまして、御心配のような点はないだろうというように私どもは確信を持っております。そうあってはその目的を達することができませんので、さらにその点については十分にわれわれも気をつけなけりゃならぬと考えております。現在やっておる、まあ始まったばかりでございますが、大体二年間調査を続けていたしまして、これならばいけるという確信を持ったところのみを候補地としてあげておるわけでございます。まだまだ日が浅いものですから、御承知でもありましょうけれども、現在では那須の草地ができまして、それが二百四十ヘクタール一ヵ所、事業費は大体一億九千万円かけて、これは那須の町に売り渡ししましてその目的の事業に利用される、こういうことになっておるわけでございます。
○村田秀三君 最後に、この問題の最後でございますが、意見といいますか、あるいは提案といいますか、いろいろお伺いをいたしまして方向性というものはわかるような気がいたします。しかし、いま農政、農村の問題、関連をさせますると、農村の労働力がどの程度必要でどの程度確保しなければならないか、むしろ将来は確保しなければならないという問題が出てくるのではないかと思いますが、そこには出かせぎの問題もあるでありましょうし、非常にこれは社会問題としても重要な問題になっておる。とすれば、これは単に農業の問題ばかりではなくて社会問題の立場からも考えて、いわゆる十年先あるいは二十年先を展望して、かくなるであろうということが予想されるとするならば、一定の目標を立てて、これは農村の問題あるいは農家の問題、需要と供給の問題、全部関連をさせて一つの計画を策定する。策定して、もって、それに政府もまた農家の方々も一緒になって到達すべき努力をするという方途を講じなければならない時期にきておるのではないか、私はかように考えるわけでございますので、それに対する御見解、農林大臣、そしてまた総理大臣、最後に御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) お説のとおりでございまして、昨日も申し上げましたように、もう主産地主義をとっていかなければならないだろう。その計画の一部でもあり、申し上げたように、これらは農林省だけの問題ではなくて、また与党だとか野党だとかという問題ではなくて、広く知識を集めて主産地主義というものを行なわなければならない。しかし、現在さしあたっての、つまり酪農関係、畜産関係というものを、このままそれがきまるまではだめだというわけにはまいりませんので、大体この地区、地方ならば将来そういう点についての展望があると、展望というものを見合わせまして、そしてこの地区ならば大体いけるだろう、そういうような基礎の上に立って、長い、二年間という間も厳重な調査をして、それに行なおうというふうに考えておるわけですから、社会的というお話もございましたが、それらを総合いたしましてそのようにやっていきたい。したがって、将来性、これならばいける、将来はこれでなければならぬだろう、こういうような反面考え方もあって、そのような考え方をいま実施をいたすことになっておる、こういうように申し上げられると思うのでございます。
○村田秀三君 いまの問題と関連いたしますが、これを具体的に、まあ農政審議会はございますが、その中でもけっこうでございますが、あるいは別に機関を設けるかは別にいたしましても、学識専門家等を集めて早急に展望できるところのビジョンというものを確立する、こういうお考えはございませんか。
○国務大臣(長谷川四郎君) いまは農林省がやっており、農政審議会もやっております。私が先日来から農林省の局長さん方々といろいろお話を申し上げているのは、もっと幅を広げようじゃないか、そして野党だとか与党だとかということでなく、この中に学識経験者も入らなければならぬし、さらに、いまの農政審議会の中にも生産団体というか、生産者というか、こういう実際に当たっている方々も入ってもらって、そして、ある程度の審議機関を持つということが、それが将来の展望をここにおいてつくり出してもらうことではないかというようなお話も申し上げて、内部では相談をしておるのでございますけれども、それがいつ誕生するとは申し上げられませんけれども、いまそういうような話し合いを進めているところでございますので、いましばらくその点についてはお待ちを願いたいと考えます。
○政府委員(大和田啓気君) 農林大臣のお話に補足して少々申し上げさせていただきます。 農産物の需要と生産のおおむねの見通しについては昨日申し上げました。それからそれをになう農業労働力と言いますか、農業就業者はお説のように大体九百万人を多少こえている現在から、昭和五十二年には年率四%程度の減り方で、大体六百万人ぐらいになるであろう、農家戸数はただいま五百四、五十万戸でございますけれども、私どもの想定では大体それが百万戸程度減って、四百五十万戸ぐらいになるであろう、こういうことでございます。 〔理事江藤智君退席、委員長着席〕 ただ、農業生産の見通しと申し上げましても、全国の見通しでございますから、それぞれの地域、あるいは村においてどうかという問題は、これはまた別問題でございます。昨日も申し上げましたが、農業生産と需要の見通しであり、あるいはこれからの政策指導の基準でございますから、これをこの数字を元にしてぎしぎしいわば計画生産をするという趣旨ではございませんけれども、ただ全国的な見通しを発表するだけで、わが村、わが県においてどうかということについて何の答えもできないということでは、これは今後の農政の指導としては不十分でございます。また私ども長期的な需要の見通しとしては、果物、あるいは乳製品等についての需要が強いことを疑いませんけれども、今日ただいまの段階としては、それらに多少いわば摩擦的な現象として供給がオーバーして、価格が下落するという問題もあるわけでございますから、農業生産は相当気候に左右されますから、そう見通しどおりできるものではございませんけれども、大体、平年作においては全国おしなべてこの程度の生産でおおむね需要をまかなえるということで、私ども現在全国的な見通しに加えて、地方農政局単位の生産の見通しを現在策定中でございます。それを元にしまして、先ほども農林大臣が申されましたけれども、農業生産の地域的な分担の姿をできるだけ明らかにする。別のことばで申し上げれば、主産地の形成ということでございますけれども、地域的な農業生産の分担の姿を明らかにして、できるだけ村なり、あるいは数ヵ村単位で、いわば厳密な意味での生産の計画化、あるいは計画生産ではございませんけれども、下からの積み上げとして、全体として供給がオーバーにならないようにくふうをしていくという段階に現在あるわけでございます。これはいままでやろうとしてもなかなかできないことでございますから、そう早急に作業が終わるわけでもございませんけれども、私どもただいまそういうことで発足をいたしておるわけでございます。なお、全体の農政問題につきましては、ただいま大臣から申されましたように、農林省の中においてもちろん検討を進めておるわけでございますが、農政審議会においてすでに昨年の十一月に、農政上今後留意すべき基本的な問題についてという諮問を申し上げまして、現在せっかく検討中でございます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 専門的な農林省から御説明いたしましたので、、私から申し上げることもないようですけれども、御承知のように農政の目的とするところのものは、良質なしかも豊富な食糧を供給する、そのことによって農家の収入を確保し、その生活状態も向上さしていく、これが一つのねらいであります。したがいまして、生産者も消費者もともに利益を受ける、そういう意味でただいま総合農政を展開する、その基本的態度はいままでと変わりはございません。農業基本法の命ずるところのものもそこにございます。ただ、残念なことには、いままで一番食糧——主食に困りました。戦後困ったものですから、そういう意味で今日まで主食についてはたいへん手厚い保護を加え、その確保に万遺憾なきを期してきたと、かように私は思っております。したがって、農家の力も主食の確保に向けられた、そして今日のような需給の状況を来たした。そこで、ただいまになって本来の総合農政の姿に立ち返るべきじゃないか。そして主食偏重、米偏重の農政からいわゆる総合的農政、そのほうに変わるべきだ。これがいま当面しておる問題であります。それにつきましては先ほど来いろいろお話があり、また昨日も基本的なお尋ねが展開されまして、また羽生君からもそれらについてのお尋ねがございましたので、私はこの総合農政、それによりまして今後の食糧の供給について、これはただ単に人の食べる食糧だけではなく、一番問題になっておる飼料まで含めて、いわゆる食糧の確保という、そういう方向に積極的に立ち向かっていこう。それには、やはり米の生産について手厚い保護指導をしたが、そういうものがやっぱり他の方面にも魅力のあるような方向に持っていかなければいかぬ。まずその手始めで、牧場畜産について相当魅力のあるような計画を進めてみよう。これが取り組んだ一つでございます。園芸作物等については、もうすでにその実情も御承知でございますか、これらに力が入ることもすでに御理解いただけるだろうと思います。どうも食糧の最も大きな変化が、動物性蛋白質の摂取にある、あるいは牛乳が今日は米と同様に食生活の中心にもなりつつある。そういう点でいろいろの問題を含んでおりますから、こういうような事柄に十分取り組んで、そして生産者のほうから消費者に対しては良質豊富なものを提供する。それによってみずからの生活の向上をはかっていく、両々相まっていわゆる農政を、曲がりかどに来ておるのですから、これを間違いのない方向へ持っていきたい、かように思うのであります。 そこで、また官房長が説明いたしましたように、十年後の農業のあり方はずいぶん変化してくると思います。しかし、これがかつて言われたような、農業の縮小案あるいは切り捨て案、こういうものではございません。りっぱな産業として、企業としても成り立つ農業という、そういうものをねらっているのだ。こういう点に御理解をいただきまして、政府はそういう方向で努力するのだ。かように御了承いただきたいと思います。あえて蛇足を加えたゆえんでございます。
○村田秀三君 それでは次の問題に入ります。 国家公安委員長にお尋ねいたしますが、おいでですか。——去る一月十八日、十九日の両日、東大紛争の際に、機動隊が出動いたしまして、その際、ガス銃であるとか、あるいは催涙ガス液を放射したということでありますが、事実お使いになりましたか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。使いました。
○村田秀三君 その際にですね、機動隊が使用をいたしましたガス銃なり、あるいは催涙ガス液による被害者がおると、こういうことでありますが、その実情をお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。 具体的に政府委員からお答えさしていただきます。
○政府委員(川島広守君) お答え申し上げます。 一月十八、十九両日にわたりましての警察措置に伴います関連いたします負傷者、警察のほうで判明いたしておりますのは、全体で百四十一名でございます。
○村田秀三君 被害者の数を聞いておるわけではないのです。実情です。その被害の状態、そうしてまたいろいろ報道等によりますると、警察が使ったガス、あるいは催涙ガス液によるものではないかといわれておりますので、その点を確かめたいと思うわけであります。
○政府委員(川島広守君) ただいま申しました百四十一名の負傷者があったわけでございますが、これはいまお尋ねにもございましたように、いろいろな理由によるけがでございまして、その内訳を詳細に申し上げ、さらにまたお尋ねの点にお答えいたしたいと思いますが、その中で直接そのガスによって皮膚炎を起こしたという者が何名であるかは、実はつまびらかじゃないわけであります。と申しますのは、現在警察が使っておりますガスは、御案内のとおりに一過性の催涙効果を伴うものでございまして、後遺的な機能障害を残さないというのが現在使っておるガスの特色でございます。ただ、過去の例にもあったわけでございますが、特異な体質の方々もおられまするし、あるいはまたガスを浴びた後に、激しくまあ動作を行なう、そういうような場合、あるいはまた長時間にわたってそれを浴びたままにしておるというふうな場合には、特異体質の方なり、あるいは皮膚に傷等がございますような場合には、接触性の皮膚炎を起こすということはこれは過去の事例にもございます。その中で、そういうようなことで、あわせまして、一応自分で、自傷、自損行為として、火炎びん等を多量に投げておりましたので、御案内のとおりに。東大の安田講堂だけに例をとってみましても、十八日の日におおよそ五百本程度の火炎びんが投げられておる。さらにまた警察が使いました可燃性のガス等でございますけれども、これをまた投げ返したものもございます。調査の中にも出ておりますが、そういう意味で、自損行為、自傷行為もございます。全体としてやけど的なものを含めまして八十八名のけがが出ております。 以上は学生のほうでございますが、警察側の負傷も約六百名程度にのぼっておるわけでございます。この中には御案内のとおりに、あの当時は硫酸、硝酸、それから鉄のパイプ、投石その他が間断なく投げ返された、ああいうふうな状態でございましたので、いま申しましたような負傷が起こってまいったと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○村田秀三君 いまのお答えによりますると、これが必ずしも警察が使用したものの影響ではないような言い方に聞こえる。私もその点につきましては研究をいたしておらないわけでありますが、その判断はともかくといたしましても、とにかくここに写真を持っております。あえて出す気はありませんが、これを見ると非常にひどい。それは相互関係があるというような言い方がなされるかもしれませんが、かりに警察が使用したものの影響でないと言明されたとしましても、とにかく一般に原因がわからないわけでございますから、一般の方々は、そのための影響であると考えざるを得ない。そのように疑わしい、つまりそれを使って、警察に対する不信をむしろ助長するような、国民と国民の離反策がこれによってはかられるのではないかと思われるような、そういうような器物といいますか、それは使用しないほうがよろしいのではないかというのが、まあ私の質問の立場でございますが、さような意味におきましては、この種のものを将来使わないというお考えがあるかどうか。公安委員長にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 まあ、御承知のような最近の大学の騒ぎの中における暴力学生の暴力行為、非常に過激なものがあることは御案内のとおりであります。こういう過激な学生の集団的な、いわば異様な暴力を対象としまして、警察官が、いまも政府委員から申し上げましたように、火炎ビンや投石の中で、相手方を警棒ないしは警じょう等の警察官の持っております武器等を使用して、直接規制する場合には、相互に多数の、場合によっては死傷者が出るおそれを感ずる次第でありまして、こういうふうな事態のときには、事態に応じて、集団の暴力でありますがゆえに、催涙ガスを使用するほうがはるかにけが人を出すというふうなおそれが少ない、かように考えておりますので、同様の過激な集団暴力事犯があります限りには使っていきたいと存じております。
○国務大臣(佐藤榮作君) これも蛇足を加えることになりますが、私は、ただいまのように催涙ガスも、ただ涙だけというものでもなく、これが長時間にわたるとか、あるいはそれをこするとか、こういうようなことになると、やけど的な症状を来たすと、こういうこともいわれておるようでありますが、全然無害で、ただ涙を流すだけの催涙ガスというものは、ただいまのところないようでございます。したがってこの種のものを使わなければならない。そういう事態に対する、事態の認識並びにその使用等については、十分注意しなきゃならぬ。そういう意味では、私も村田君のお尋ねと同じような考え方を持ちます。しかし、ただいま、最近行なわれるような集団的な悪質な暴力行為に対してこれを使うことを、全然使わないと、かようには約束はできません。私は、ただいま慎重にそれを使うことはあり得ると、かように御了承いただきたいと思います。
○村田秀三君 まことに、まあ公安委員長の答弁といたしましては意外でございますが、これでやり合いますと、なかなか相当深いところまで入らなきゃなりません。別の機会に譲りたいと思いますが、いずれにいたしましても、いま総理が御答弁なさいましたように、国民が見て、ここまでやらなくてもいいのではないか、他に方法があるのではないか、こう思っておることは間違いのない事実であります。まあ、私はどちらが暴力の度合いが高い、だからそれ以上の暴力を使ってもよろしいなどというようなものの見方、そういう論争をするつもりはありませんが、少なくとも、公安委員長のよく言う、警察アレルギーということでありますが、とにかく、むしろ、こういう状態があるからこそ警察アレルギーというものは深化するのだということを考えると、やはりもう少し別な方法を考えるとか、あるいは慎重の上にも慎重にすべきである、かように思いますので、その点お願いをしておきたいと思います。 この際、防衛庁にお伺いをいたしますが、防衛庁では現在、ガスをお持ちでありますか。
○国務大臣(有田喜一君) 防衛庁も、この自衛隊の任務達成上、催涙ガスを保管しております。
○村田秀三君 その性質、性能をお伺いいたします。
○国務大臣(有田喜一君) その性質、性能などにつきましては、政府委員をして答弁させます。
○政府委員(蒲谷友芳君) 現在保有しております催涙ガスは、いわゆる催涙ガスでございまして、目に対します刺激効果が大きいものでございます。先ほど警察庁のほうからお話がございましたように、一過性の無障害の化学剤でございます。
○村田秀三君 それは自衛隊自体が開発をしたものであるかどうか、現在も研究を続けておられるのかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(有田喜一君) 自衛隊自体が開発したものではありませんし、またこの研究も、開発のための研究というようなことはないと思いますが、詳細は政府委員をして答弁いたさせます。
○政府委員(蒲谷友芳君) ただいま大臣がお答えいたしましたように、これは部隊でつくったものでもございませんし、また開発研究もいたしておりません。
○羽生三七君 いまのに関連して、外務大臣か防衛庁長官のどちらかにお伺いしたいと思いますが、核の問題は非常に重要な問題として論議されておりますけれども、同様にガスの問題も非常に重要な問題になってきておるわけですね。特に最近、新聞にも出ておりますけれども、昨年の五月十四日、内閣調査一室発行「国際情勢資料」、われわれ全部に配付したこの資料の中にこういうのがありますね。見出しは「化学・生物兵器の新しい恐怖——原子・水素爆弾も子供のおもちゃ——」こうありまして、アメリカのユタ高原で数千頭の羊が突如原因不明の死を遂げた。それはその前日、ユタ州のそういう羊が数千頭死んだという前日に、米軍のダグウェイ実験場で神経ガスの散布実験が行なわれて、そのガスの結果、数千頭の羊が狂い死にしたということであります。これに対してワシントン大学の天然組織生理学センターのほうのコモンナー教授は、「われわれが是非とも創造しようと力を注いでいる怪物がもし出来上がると、核兵器などは子供のおもちゃみたいにみえるだろう」、こう言っております。これはワシントン大学のコモンナー教授です。しかも、これは単なるおもしろ半分の週刊誌等の記事でなしに、まあおもしろ半分と言っちゃ語弊があるかもしれませんが、これは内閣調査室がわれわれに配った正規の資料の中にちゃんと出ておる。ですから、そういういま村田委員が質問されたガス問題に関連をしてですが、核問題が非常な重要な問題として扱われておる際に、こういうものが、もしほんとうに原爆、水爆は子供のおもちゃといわれるような驚くべき化学生物兵器が開発されていくならば、——開発しておるのです。これができ上がった際には、原爆、水爆は子供のおもちゃになる。しかも、それを堂々と大学の教授が発表し、政府が資料としてわれわれのところに配りておるわけですね。政府が配っておるというか、内閣調査室の資料に掲載されておるわけです。しかも、一九二五年に生物化学兵器を禁止するジュネーブの議定書というものが四十七ヵ国で調印をされておる。これは日本も調印をしたと思うが、批准をしておりません、日本とアメリカは。確かにそのはずであります。ですから、そういう問題と関連して、非常に私これは将来重要な問題であると思うので、一体この種の問題はどのように——いまの報道ですね、真偽は確かめられておるのかどうか。あるいは、そのようなものの開発が現に進んでおるとするならば、核だけが問題じゃない。これもむしろ重要な問題であると思いますので、もし情報があれば外務大臣なり、防衛庁長官に、またかりに情報がなくても、現にそういうものがある程度明らかにされておるのでありますから、十分なる注意を喚起する必要があるのではないかと思いまして、関連して質問さしていただいたわけであります。以上をひとつ御説明願いたい。
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま御指摘のありましたそういう調査、情報というものは、私も承知いたしておりますけれども、その後特に新しい情報というものは私まだ承知しておりません。しかし、ただいまもお話のございましたように、まあ何と申しますか、人類の科学知識というようなものは果てしなく進んでおりますから、ガスの問題もそうでございましょうし、あるいは細菌関係などにつきましてもいろいろの情報等がございますようです。これらの点につきましては、十分配慮してと申しますか、情報の調査、研究はしておく必要があろうかと思っております。ただいま特に御指摘のありました以降の新しい情報というものは、いま私は承知しておりません。
○秋山長造君 ちょっと関連。いまの羽生委員の御質問の中にあった一九二五年の毒ガス使用禁止に関するジュネーブ議定書、これ日本で批准してないというのは、どういう事情でそうなっておるのか、ちょっと参考にこの機会に聞かせておいていただきたい。
○国務大臣(愛知揆一君) ちょっと突然のお尋ねですし、古いことでございますから、さっそく調べてみます。
○村田秀三君 防衛庁長官に重ねてお伺いいたしますが、まあガスは持っておる、催涙ガスである、それはいかなる場合に御使用になるのかということであります。
○国務大臣(有田喜一君) 村田さんも御承知のとおり、自衛隊には治安出動という一つの任務も課せられております。なかなかこれは慎重に発動しなくちゃなりませんので、軽々にはやりませんけれども、わが自衛隊に課せられておる任務の上にそういうことがありますがゆえに、平素の訓練のためにこれを保有しておる、こういうことでございます。
○村田秀三君 どうも私の認識では、いま羽生委員からも関連質問がございまして、少なくともわが国は、ずいぶん古い話ではございますけれども、一八九九年にへーグで宣言された、窒息せしむべきガスまたは有毒質のガス、これを使用することを各自に禁止しようじゃないかという申し合わせをして、そして日本はこれを批准しておりますね。いま秋山委員の質問にありましたジュネーブ議定書は、これは調印はしたけれども批准はしておらない、そういう経過であるようでありますが、いままでお聞きいたしました催涙ガス液あるいはガス筒に使いました性能、成分が、はたして過去における宣言であるとかあるいは議定書の作成されます段階においてどういう性質のものであったかは別にいたしましても、少なくとも窒息せしむべきガスあるいは有毒質のガスを国際的に使わないようにしようじゃないかとまできめておるにもかかわらず、国内において同一の国民がこれを相互に使用しなければならないということが私には理解ができないわけであります。防衛庁長官はその点どのようにお考えですか。
○国務大臣(有田喜一君) 私のほうで持っておりますところのいわゆる催涙ガスというものは、へーグ条約で禁止されておるああいう毒ガスというような、ああいう性質のものじゃないです。しかし、先ほど総理も言われたように、かようなものが使われないような日本の環境にありたいものと思っていますが、軽々には使うことはどうかと思いますけれども、しかし、決して相手に非常な、いわゆる死傷に至らしめるというような、そういう性質のものではありません。ひとつこの点は、もっと詳しいことは専門家の政府委員から答弁させますが、私はそういう考えでおります。
○政府委員(宍戸基男君) ただいま大臣からお答えのとおりでございますが、御指摘の「窒息セシムベキ瓦斯又ハ有毒質ノ瓦斯ヲ散布スルヲ唯一ノ目的トスル投射物ノ使用ヲ各自ニ禁止スル宣言」というのが、明治三十三年でございますが、第一回のへーグ会議で宣言されております。これは日本も加入しております。 それから、先ほど御指摘の一九二五年のジュネーブ議定書にも大体同趣旨の宣言がございますが、これは外務省のほうの御解釈によりましても、ここで言います毒ガスといいますのは、致死的——死に至らしめるようなガスと、こういうふうに解釈されております。 先ほど大臣からのお答えのように、われわれが持っております催涙ガスは、ここの国際的な宣言でいう毒ガスとは全く性質の違う一過性のもので、もちろん致死的なものではございません。
○村田秀三君 どうもこれを科学的に論争しようとするつもりもございませんが、先ほど公安委員長の答弁の中にもございましたが、とにかくそれは一過性のものであって影響はないんだというけれども、たとえば皮膚から吸収されるとか、あるいは傷があってそれが体内に侵入した場合にどうなるか、これはそういうこともあり得るだろうと、こう言っておりますね。それで、私が写真あるいはものの本で見た限りにおいては、これは失明あるいは死亡に至らしめないとも限らないということが言われておるわけですね。だとすると、やはりこれは相当強烈なものである、単に涙を出して目を見えなくして、そして制御する、規制するという程度のものではないように判断をするから、私はこういう議論をしておるわけでありますが、とにかく国民同士の中でお互いにそのことによって予測し得ないような摩擦がないようにしてほしいということを言っておりますけれども、むしろ摩擦をつくろうつくろうとするような傾向というものがあったのではたいへんでございますので、厳重に注意をしていただきたい、かように申し上げたいと思います。
○委員長(塩見俊二君) 村田君に申し上げます。社会党残り時間三分がございますので、御注意申し上げておきます。
○村田秀三君 それでは、非常に時間がなくてやりにくいのですが、一点だけ最後の質問申し上げたいと思うのですが、磐光ホテルの火災がございました。その事故の原因いろいろ探求もされております。また、規制をしなければならない問題等も論議をされて、それぞれ対策が立てられておりますが、ただ一つ私がここで疑問に思いますのは、これはまあ観光行政というのは非常に重要視されておるわけです。ところが、この観光行政を主管しておる省庁がないというのが常態です。私が、どこが担当しておるのかと思いまして、運輸省あるいは総理府に聞きましたけれども、両省におきましては、おれのほうではないと主張しておるわけでありまして、どこに何を聞いていいのやら責任ある答弁が得られないというのが現状でございます。これをどうお考えになりますか。どこへ何を話したらいいのか。これは官房長官おらないようでありますが、運輸大臣ひとつお願いします。
○国務大臣(床次徳二君) お答え申し上げます。 観光行政は非常に多岐にわたっております。したがって、その所掌しておりまする各省が非常に多くて、十幾つにわたっておるわけであります。したがって、国におきましては、観光基本法を制定いたしまして、観光に関する施策の目標をつくっておるのでありまするが、しかしその具体的の実施はそれぞれの所管の官庁の取り扱いになっておる次第でございます。しかし、その個々の仕事がまとまらなければいけない、総合調整を必要といたしますので、そのために特に総理府におきましていわゆる政策的な問題を取り扱うために観光政策審議会というものを設けまして、そうしてその連絡調整、基本的な問題を取り扱っておるのでありまして、今日は観光に関する長期ビジョンの作成、将来の開発に対して検討いたしておるわけであります。なお、事務的な機関といたしまして、その総合連絡の事務的な立場といたしまして、観光対策連絡会議というものを、総務長官を議長といたしまして、関係各省の次官が集まりまして構成いたしておりまして、さらにその連絡会議のもとに幹事会というものを設けまして、常時政策の連絡、浸透につとめておるわけであります。 なお、行政管理庁におきましては、さらにその観光行政というものを強化する他の方法はないか、関係閣僚協議会あるいは観光政策推進本部というようなものを設けたらどうかという御意見もあるのでありますが、今日その問題に対しましては検討中でありまして、不日結論は得られると思っております。
○村田秀三君 そういうことになっておるようであります。しかし、そのために、私のこれは抽象的な言い方でありますが、磐光ホテルばかりではありません、とにかく観光地におけるところの大きな災害というものが最近目立っておるわけでありますから、これはやはり、各省庁に権限と監督が分掌されておりまして、それで技術的にも期間的にも継ぎ足し継ぎ足しなされておるような状態が、極言すればいわゆるああいう大きな事故が発生するもとではないかというように考えておるわけでありますから、この際やはり規制も含めて観光行政の一木化をはからなければならない状態にあるのではないか。内容に触れたいと考えておりましたが、きょうは時間が詰まってございませんので、内容的なものは将来機会を見てやることにいたしますが、観光行政の一元化、各省庁のなわ張り根性は捨てて、とにかくこの際やはりどこかの省庁が責任を持って万般にわたってこれを監督、指導、規制をする、そういう体制をつくっていただきたいと思うわけでございますが、総理大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 観光行政の一元化ということがしばしば言われております。ところが、これはなかなか問題が——いわゆる平面的に見ると観光行政の一元化可能なようにも考えられます。運輸省と厚生省と一緒になれば大体一元化はできるでしょう。ところが、火災というような問題になりますと、どうも、ホテルの消防だけはこの一元化した機関がやるとか、あるいは風俗営業については普通の警察から離してこの一元化した機関がやるとか、こういうようなことはちょっとできないことのように思います。また、建設省の関係の建築にしても、それだけを抽出して、そうしてホテルだけは別だ、こういうわけになかなかいかない。だから、観光行政の一元化、これは言うべくして実際はできない。ただ、総合的にお互いに関連を持って、そうして緊密な関連を持って、事故の発生がしないようにその防止はしなきゃならない。ならば、ホテル側から見れば、関係があるからといって、たとえば運輸省からも、厚生省からも、あるいは建設省からも、また消防庁からも、別々に出てこられても、これもずいぶん迷惑な話だと思います。だから、そういう場合にも、相互に連携をとりまして、そうして実地調査をすると、そういうことは必要だろうと思います。 それから、あまり好ましいことではございませんが、この観光ホテル等が法規違反をしておるとか、あるいは建築違反をしているとか、あるいは消防上不十分な施設だとか、こういう場合も、罰則というか、あるいは営業についての制限規定であるとか、そういうものはやっぱり整備されないと、いまの事故はなかなか絶滅ができないのじゃないか、かように私は思いますが、いまの総合的な施策をとること、同時にそのために、各官庁のなわ張り争いではないが、共同してそういうものを取り締まる、チェックする、調査する、そういうような方法が必要だし、またそれに対するあと始末ですね、どうも不十分な施設であるにかかわらず、注意はした、注意はしたけれども、いついつまでにそれを直してない、そのために事故が発生した、こういうようなことでは困りますから、そういう意味での法の整備は必要ではないだろうか、かように実は思っておる次第でございます。その一元化ということは簡単ではないが、総合的に十分施策を効果をあげるようにこれから指導していく、同時にまた、これがばらばらに出かけていって事業者自身が迷惑にならないように、そういう措置をとりたいものだ、かように私は思っております。
○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして村田君の質疑は終了いたしました。 午後一時十分再開することといたしまして、これにて休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 —————・————— 午後一時十九分開会
○委員長(塩見俊二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き総括質疑を行ないます。森中守義君。
○森中守義君 先週の土曜日に施設庁が板付基地周辺の人身影響調査というものを発表しております。これは九大の発表によれば、総括と言っております。しかし、防衛庁の発表によれば、中間報告と、こうなっておるのですが、「総括」と「中間」の違いはどういうことですか。
○国務大臣(有田喜一君) この「板付基地周辺の航空機騒音に伴う人身影響調査」は、一応調査の結果が出ておるのですけれども、これは、ここに書いてあるように、中間報告になっておりますね。そこで、この中間報告は九大からそのまま私らのほうに報告されたものなんです。この裏には、それはたくさんな資料はあるでしょう。その資料も来ております。しかし、あまりにも膨大なものですから、報告されたその報告書をそのまま発表したというのが今日の段階でございます。
○森中守義君 ちょっといま長官の御説明で理解がいかないんですがね、九大が出した原文を全部発表したということにいま私は理解したんですが、そのとおりですか。
○国務大臣(有田喜一君) そのとおりでございます。ただ、その裏に資料があることは、これは事実でございますが、非常に大部の資料でございますから、そこまで発表せないでも、報告されたこれをそのまま発表したがいいだろうというので、これをそのまま発表した、こういうことです。
○森中守義君 そのままと言われるけれども、私が見る限り、内容はずいぶん違いますよ。要するに、原文の発表ではない、こういうように私は見るのですが、長官はあくまでも原文のとおりだと言われるのですか。
○国務大臣(有田喜一君) ここにありますこれが九大から私のほうに送られたものそのままでございます。その裏に資料とかいろいろな経過的なものがあることは事実でございますが、私はそういうように聞いて、そうしてこのまま発表さした、こういうことですね。
○森中守義君 防衛庁長官、ちょっと取り方が違うんです。「このまま」と言われても、表題を読まれなければわからない。二つあるんです、原文と。九大が出したずばりそのものと、施設庁が発表したものと、二つあるんです。その意味はどうなのかと、こう聞いているのです。もう少し丁寧に答えてもらわないと困りますよ。
○国務大臣(有田喜一君) 先ほど私が表題を読みましたように、「板付基地周辺の航空機騒音に伴う人身影響調査中間経過報告書」、これが……。
○森中守義君 これが施設庁が出したもの。
○国務大臣(有田喜一君) これが施設庁が出しましたね、九大から来たそのままのものを出した、そういうことです。
○森中守義君 そうしますと、九大から提出された報告書という現物は持っておりますか、どこが一緒ですか。
○国務大臣(有田喜一君) 私は、先ほど来説明しておるとおりですが、それは施設庁長官をして答弁させます。
○政府委員(山上信重君) ただいま大臣がお答えになりましたとおりでございまして、「板付基地周辺の航空機騒音に伴う人身影響調査中間経過報告書」と申しますものは九州大学から福岡市に報告になり、その福岡市を通じて当庁に報告がありました全文そのままを発表いたしたものでございます。ただいま大臣が言われましたように、これまでには約九ヵ年の年月を要しておりますので、その間、毎年毎年こまかい報告はございました。その間に、先生がおっしゃるいわゆる総括という報告が昭和四十年にあったことは事実であります。それらをすべて、過去九年間のものを総括した、今日の段階における総括した報告書がこの報告書でございます。それをただ発表いたしただけでございます。
○森中守義君 原文のとおりということで全く相違ありませんね。そのとおりですね。
○政府委員(山上信重君) そのとおりでございます。
○森中守義君 三十六年から四十三年に至る調査が行なわれておりますが、この間にどのくらいの予算が投入されたのですか。
○政府委員(山上信重君) 総合計で三千三百八十三万七千円でございます。
○森中守義君 四十四年でやはり継続調査をしたい、こういうことで予算がついておるように聞いておりますが、幾らですか。
○政府委員(山上信重君) 四十四年度の予算といたしましては四百万円ございます。
○森中守義君 さて、その四十四年度に計上されている予算の四百万円ですが、これは九州大学がさらに継続をして調査することが合意されておりますか。
○政府委員(山上信重君) 四十四年度予算につきましては、最近に至りまして、九州大学の大学内部の事情から直ちに施設庁からこれを受けることは困難だという意思表示がございます。したがいまして、これの予算の使用方法につきましてはさらに検討いたしてまいりたいと思っております。ただ、われわれといたしましては、かような調査が今後もまた必要であると考えておりますので、その方法等につきましてはさらに検討いたしてまいりたい、かように考えております。
○森中守義君 いまのお答えですとね、直ちに困難ということであり、直ちに困難ということは、将来の若干の可能性がある、こういう理解をする。ところが、毎日新聞の十日のものでは、正確に拒否をした、九大はいけない、こういうことを言っております。また、私のいろいろな手当を通じての調査によれば、九大は自後本件の調査はお断わりをする、こういう正確な態度をきめております。その経過を少し明確にしてもらいたい。
○政府委員(山上信重君) 九州大学におきまして、本調査をすることにつきまして学内におきまして学生との間にこの経過等についていろいろ論議があったようでございまして、大学の医学部といたしましては、施設庁からこの作業をいままで受けておったことについて、特にこの調査の内容は、従来発表いたさないということでまいりましたので、そういったような事情が大学の研究等とまあ矛盾するというようなこともあったやに伺っておりますが、さようなことで、施設庁からの調査は今後は受けかねるというふうに伺っておるのでございます。ただ、私どもといたしましては、必ずしも施設庁が直接補助するというような方法によらない、たとえば文部省に委託するというようなことも考えられ得るかとも思っておりまするし、また、さような方法がもし困難な場合には、あるいは今後この調査もさらにわれわれといたしまして、九州大学がどうしてもむずかしいというような場合には他の方法を考える、そういったような点を検討いたしておる段階でございます。
○森中守義君 結局、継続調査の予算上の問題はともかくとして、九大が三十六年から四十三年に至る長期の調査ではまだ十分でない、正確にアンサーが与えられていない、こういうことですね。九大の調査は不十分であるということですか。
○政府委員(山上信重君) この調査は私どもとしては最終結論だとは必ずしも考えておりませんので、でき得れば、今後も調査をさらに深めて真の結論を得るようにつとめたいというふうには考えております。
○森中守義君 この内容で特に不十分とは言わないにしても、さらに継続調査の必要があるとするその主要な点はどういうところですか。
○政府委員(山上信重君) この報告書の中にしばしば散見されておりまするように、いまだ十分な結論が出ていないというような点もございます。いろいろな多少の傾向があるがさらに検討を要するというようなことが、たとえば「一般健康状態調査」にも載っておりまするし、また、「母乳分泌・乳幼児発育と学童の一般健康状態および発育調査」等にもそういったようなことをしばしば散見いたしております。そのほかにも「精神疲労度調査」におきましても、限界量をきめる実験的研究もさらにやりたい、それについてはまだ結論は得ていないというような点がございまするので、でき得べくんば、今後もさらにこれを深めていくのが望ましいんではないかと私どもは考えておる次第でございます。
○森中守義君 そこで、ひとつ内容に入りますが、先ほど長官の説明によれば、元来この種の報告は公開しないのを原則としている、こういう説明があった。これは大体反対じゃないですか。なぜ在来たてまえとして公開しないものを今度したのか、その辺のいきさつですね、少なくとも基地公害が今日のように強く叫ばれているおりですから、権威ある機関によって調査究明された結果というものが公開されるのは当然じゃないですか。その辺のものの考え方が私にはわからない。ひとつ答弁してください。
○政府委員(山上信重君) この調査の結果は、影響するところもきわめて大でございまするので、私どもといたしましては、この調査の結果につきましては十分慎重を期す必要があろうかと存じておったわけでございます。数年間——長い期間にわたって調査いたすものでございまするし、内容もきわめて学術的な面も含まれておるものでございまするので、中途段階において断片的に発表することはかえっていろいろな誤解、間違いを起こしてもいけないということで、最終結論を得て発表するというふうな考えからもともと出発したと私ども承知いたしております。ただ、この段階でそれじゃなぜ発表したかという点でございまするが、これは先生あるいは御承知かと思いまするが、九州大学の事情等も今後継続を困難にするような実情でもあり、かつまた、九州大学においても、この際一応中間報告をいたすから発表いたしたいという希望もございます。私どもといたしましても、ただいま先生のおっしゃったような御意見も十分しんしゃくいたしまして、この段階におきまして一応中間ではありまするが、現段階における一つの結論ということで発表をいたしたような次第でございます。
○森中守義君 ということは、将来に残されている継続調査の結果及び結論についても同様に公表するということですね。間違いありませんか。
○政府委員(山上信重君) 今後研究が続けられれば、その結果についてもちろん発表いたしたいと存じておる次第であります。
○森中守義君 施設庁が発表した中間報告の中で、「高血圧症の発生について」というのがある。これは九大が発表した報告書の内容のどこにありますか。先ほど、防衛庁長官も山上長官も、ともに「原文のとおりである」と、こう言われた。ところが、私が見る限りにおいては、中間報告に言われている「高血圧症の発生について」というのは、九大の原文にはない。これでもなおかつ同様ということになりますか。
○政府委員(山上信重君) 先ほどからたびたびお答え申し上げておりまするように、この発表は九大の報告書をそのまま発表いたしたものでございまするので、「高血圧症の発生について」という字句につきましては、そのまま発表いたしておるのでございます。先生のおっしゃるのは、四十年の報告のことをさしておられるのではないかと思いますが、私どもがちょうだいした報告はこれでございます。
○森中守義君 四十年と四十三年と二つ言われるけれども、私のは一番新しいつもりですよ。新しいものの何ページですか。
○政府委員(山上信重君) 私どもの受けました報告の九ページでございます。「高血圧症の発生について」というところで報告があります。
○森中守義君 九ページ。私のにはそういうのがない。どちらが本物ですか。ちょっとこれを見てごらんなさい。——資料が必ずしも符合いたしませんので、新しい資料を出してもらいたい。
○委員長(塩見俊二君) 森中君に申し上げます。新しい資料は、即座に出されれば政府の答弁を求めますが、出なければ、理事会において協議して決定いたします。
○森中守義君 これは、その中間報告というのが、九大が出したのは全文であって、ここに言われているのはみんな大要であり、要綱なんですね。この違いがやはり問題なんです。その点、どうですか。要するに、出したのは全文でない、大要でしょう。大要であるか全文であるかで、いまの問題が変わってくる。
○政府委員(山上信重君) 全文であると同時に、大要であると考えております。
○森中守義君 この件は、先ほど、事故の調査についても正確に公表するということですから、その時期でまた議論することにして、一応この問題はこれで終わります。 その次に、法務大臣にお尋ねしておきたいと思うのですが、今回の警察官の大量増員の問題ですが、この点で、総員何名なのか。それから増員の種別、及び機動隊の現在数と今回予定される増員の増加率、こういうことを教えてもらいたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 ごく具体的な御質問でもございますから、政府委員からお答え申します。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 昭和四十四年度の警察官増員の総数は五千名でございます。そうしてその種別は、二千五百名が機動隊でございます。それから千名が公安専従の捜査員であります。それから残りの千五百名が外勤警察官でございます。
○森中守義君 機動隊の増加率。
○政府委員(浅沼清太郎君) 機動隊の現在員は七千二百名でございます。それに対しまして二千五百名増員する……。
○森中守義君 ですから、何%ですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) ちょっと計算しまして——お答えいたします。 現在、七千二百名でございますので、機動隊七千二百に対する二千五百の増員率は三五%でございます。
○森中守義君 一挙に五千名増員ということになると、おそらく画期的な大量増員、こういうように私は理解をする。その大量増員を必要とする理由ですね、財政当局への説明、こういうものは一体どういう内容であったのか、ひとつ定員を増加する理由を詳細に説明してもらいたい。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 本年は、ただいま申し上げましたように警察官の五千名の増員を予定いたしておりますが、最近の治安情勢、犯罪情勢等にかんがみまして、警察庁といたしましては、たとえば四十一年度から四十三年度までにおきまして、外勤の一万八千人を増員いたしております。したがいまして、四十三年度は六千人の外勤の増員をいたしております。ことしだけ特別な大量の増員ということではございません。 それから、今回の増員の理由でございますが、新聞等で報道せられておりまするように、最近の学生の問題、これらの不法事案に対しまして、警視庁は連日五千人の動員であるとか、あるいは七千名の動員というような動員をいたしております。しかし、そのうちで機動隊員は三千名でございます。したがいまして、その以外のものは、いわゆる外勤でありまするとか、交通でありまするとか、そういう第一線の警察官を引き揚げまして、それをもって充てているというのが実情でございます。したがいまして、これらの引き揚げの措置が月に二回とか、そういうととでありますると、一般の業務にも支障がないわけでありますけれども、最近の情勢によりますると、もうほとんど連日引き揚げなければいかぬというようなことになりまして、一般の警察業務の面におきましても相当な支障を来たしておるというのが実情であります。加えまして、そのつど引き揚げるという関係上、非常にけが人がふえておるというのが実情でありまして、たとえばその数字を申し上げますと、四十一年に警備関係でけがをしたのが七百七十三名、四十二年は千九百七十六名、四十三年に至りますると七千二百六十名、四十一年の十倍近いけが人が出ておるというような事情でもあります。さらにまた、御承知のように、最近の学生の不法事件を見ますると、学校の中だけでなく、神田とか御茶の水で見まするように、一般の市民に対する脅威といいますか、市民生活に対して非常な被害を及ぼしておるというようなことでありまして、これらの事情を勘案いたしまするときには、どうしても部隊活動の中心になる機動隊の絶対数が足りないという考えに立ちまして、増員の計画を進めたわけであります。
○森中守義君 五十七条の政令をつくる場合に、自治体の意思は反映されるのですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 ただいまのお尋ねの問題は、警察官の定員の五十七条の関係だと思いますが、法律は、五十七条におきまして、都道府県の警察官の定員につきましては、条例で定める。その場合に、「政令で定める基準に従わなければならない。」という規定をいたしております。で、もちろん私ども平素都道府県の公安委員会なりあるいは知事部局なりあるいは警察本部長等を通じまして、それぞれの都道府県における治安情勢なり、犯罪情勢なり、あるいは交通情勢なりを聴取をいたしまして、十分にそれらの各都道府県の意向を参考にいたしまして、この基準を定めるというふうにいたしております。
○森中守義君 いまの官房長の説明は、あくまでも一般的なものであって、政令をつくる際に、その際に、具体的なものとして意思を問うておるか、こう聞いておるのです。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 政令の基準を定めるその時点において個々に聞くという作業はいたしておりません。
○森中守義君 したがって、そういうように、個別的な問題でなければ、自治体あるいは当該の議会等がこれを否認をするということはあり得ますか。
○政府委員(浅沼清太郎君) 従来そういう例はございません。
○森中守義君 ないけれども、あり得るということです、やり方では。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいま申し上げましたように、五十七条で、政令で定める基準に従って条例で定めるということになっておりまするので、それらのことはあり得ないと考えています。
○森中守義君 あり得ないということは、条例を政令が拘束する、こういうように理解しなければならぬと思いますね。そのとおりですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) 政令が条例を拘束するというふうに考えております。
○森中守義君 そうなれば、憲法九十二条及び地方自治法一条の関係はどうなりますか、つまり自治体の侵害が行なわれる、こういうようになると思うんですけれども、その基本的な考え方はどうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。 御承知のように五十七条二項におきまして、先ほど来質疑応答を通じまして明らかになったような条項があることはそのとおりであります。そこで、この現行警察法第五十七条二項にいう「地方警察職員の定員は、条例で定める。」こととして、さらに「この場合において、警察官の定員については、政令で定める基準に従わなければならない。」ということとなっておるわけでありますが、これは都道府県警察が地方公共団体の組織であること、その定員は条例で定めることを明らかにしたものであることは、すでにお答えも申し上げたところであります。したがいまして、これらの規定は憲法第九十二条に定める、地方公共団体の組織運営に関しては、地方自治の本旨に基づいて、法律で定めるべきであるというたてまえに即して規定されているものであることも当然でございます。ただし書きもその趣旨に沿ったものである次第であります。ただ、さらに補足さしていただけば、警察法においては、地方自治法の特例として種々の規定が設けられております。地方自治法に対する特別法としての警察法の立場から、さような規定が設けられておりまして、警察職員の定員についても、条例で定むべきものとしながら、政令で定める基準に従わなければならないと、法律の委任を受けました政令によって基準を定めるものに従わなければならないといたしておるのは御存じのとおりであります。先ほども申し上げたとおりであります。これは、ひとえに警察の事務が一都道府県の内部の問題にとどまらず、国全体としての治安に影響するところがきわめて大きく、全国的な視野において均衡のとれた警察力を整備しなければならないという治安の特質上の要請にこたえるためにとられた措置でございまして、地方自治の本旨に即しながら、一方国全体の視野からの治安の要請にもあわせてこたえる、こういう立法政策上の裁量の範囲内において規定されたものでございまして、これは憲法の保障する、規定しております自治権、地方自治の侵害などということには当たらない。むしろ、法の前に平等であり、治安行政の前に平等の保護を受けるということをあわせ考えました措置であると存じております。
○森中守義君 いま公安委員長は、本旨に即してということですけれども、この機会に自治大臣にちょっと聞いておきたいのですが、要するに、政令で定数をあてがう、それで条例をつくるということになれば、自治体における固有の意思というものは、この際は全く無視されている、つまり形骸化されている、こういうことになろうかと思うのです。私は率直に言って、これは制度上のきわめて重大な欠陥かとも思うのですが、自治大臣としては、それはそのとおりだというようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(野田武夫君) ただいま公安委員長からお答えいたしたとおり、警察官の定員については政令に基づいてやる、警察法の五十七条でございますか。そこで、森中さんの御指摘になりましたように、地方自治そのものの意向というものを無視されているじゃないかというような御懸念でありますが、いま公安委員長も理由を申し上げたとおり、つまり地域住民の安全と秩序を維持するという大局的な立場からいたしますと、これはその治安の維持、安全を保つということからすれば、治安当局としてはやはり全国的な統一的な見解と申しますか、その根源を把握して、いわゆる定数については、全国的統一的な考え方から政令できめるというたてまえでございますから、基本的にはいわゆる地域住民の安全と秩序という目的に沿うようにやるということでございますから、これは必ずしも自治権を侵害するものだというふうには考えておりません。大体公安委員長の見解と同様でございます。
○森中守義君 憲法や自治法の精神からいけば、いまのお話は私には同意しかねる。しかしそれはそれとして、どうなるんですか、自治体の執行部が条例を提案しても、議会はこれを否決するという場合があり得る。その場合は、政令との関係、どうなるんですか。
○国務大臣(野田武夫君) ただいまお答えいたしましたように、この警察官の定員は、政令で条例を押えておりますが、必ずしも自治権の侵害ではないという考えを持っておりまするから、もしそういう場合が、あるかないか、わかりませんが、そういうことのないようにひとつこちらも指導したいと、こう考えております。
○森中守義君 いまの行政指導上の問題よりも、一応予定されることなんです。むろん、過去にそういうことはなかったのでしょうが、執行部と議会というのはおのずから質が違うのです。もしかりに議会が否決をした。その場合どうなる。これは一体どういうことですか。いままでなかったから将来もないということには言いきれない。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 治安当局の立場からも関心のある課題の御質問でございますから、自治大臣からもお答えがあると思いますけれども、申し上げたいと思います。先ほど来申し上げますように、地方自治の本旨に即して、地方自治法の特別法としての警察法が、昭和二十九年に、先ほども申し上げました趣旨を体して制定されたのであります。したがいまして、法律の委任に基づく政令の定める基準に従わないという内容の、御指摘のとおり地方議会が否決しました場合、その場合には、政府としては当然法律の趣旨に従ってもらうように、自治大臣お答えのとおり行政指導がなさるべきものと思うものであります。その行政指導のやり方は、その場合に応じまして違いましょうけれども、地方自治法の定めるところに従って措置さるべき課題となってあらわれる、そういうことでなかろうかと思います。実際問題としては、さっき自治大臣お答えのとおり、あり得ないこととは思いますが、概念的にはあり得るかもしれないということを想定しての御質問に対しまして、以上お答え申し上げます。
○森中守義君 行政指導の、その経過措置という意味ではそれはわかるんですよ。しかしながら予定は、これはするかしないかはあなた方の判断なんだけれども、さっきから申し上げるように、地方自治体の執行部と議会というのは質が違うんだから、当然議会が独自の機能により、独自の認識に立って否定をするということはあるでしょう。そういうぎりぎりの場合にどうするか、こういうことを聞いてるんですがね。ちょっといまの答弁では釈然といたしません。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 行政指導の範囲内のことだけを申し上げました。議会の否決しました場合にいかなる法律上の措置がとり得るのか、そのことにつきましては、純粋に法律的にお答え申し上げねばならぬと思いますから、要すれば法制局長官にお答えをしていただきたいと思っております。
○政府委員(高辻正巳君) 御指摘のように、憲法九十二条の、地方公共団体の組織、運営は、地方自治の本旨に基づかなければならないという規定があります。これはまあ地方公共団体、地方自治制度の根幹になる規定であって、御指摘のような問題を問題とされるお気持ちはよくわかるのでありますけれども、元来から申しまして、国の事務あるいは公共団体の事務と、もうおしなべて事務一般、これはきわめて口で言えば簡単でございますが、全く国だけの関心の事務というのが一つあり得ます。これは例としてよくないかもしれませんが、たとえば外交事務など当然そうであります。それから、全く地方公共団体の、地方住民だけにかかわりのある事務、これも極端にものを申すようでございますけれども、いわゆる地方自治事務というのがございます。まあしかし、すべての事務が実はその二つにさい然と分かれるものではなくて、たとえばこの公共の安全あるいは秩序の維持というものであるとか、あるいは幼時から学校に行く、いわゆる教育の事務、そういうようなことになりますと、一地方の事務だけだというふうに何といいますか限定し得ないものがおのずからあるということはお認めいただく必要があると思います。たとえば警察の事務なんかになりますと、実はその中間的な事務、私は教育でもそうだと思いますが、そういうものについては、全く地方自治体の事務にしながら国の関心をそこに及ぼすか、あるいは国の事務にしながら自治体の関心をそこに及ぼすか、これは立法政策の問題になろうと私は思っております。現に、一つ一つ例をあげればいろんな例があると思いますが、やはり警察のことにつきましても概していえばそのような事務である。したがって、警察の定員を条例で定めるとしながらも、やはり全体の目から見た統一性というものを保持したいために、政令でもって基準を定めるという仕組みにまあ国法はやっているわけでございます。 ところで御指摘のように、それでは条例でもって政令の基準に従わない場合があり得るのではないかというのが御指摘の問題でありますけれども、法律というものは、やはり法律となっております以上は、みんなが、関係者が法律を守っていくというのが基本の態度であるべきであろうと私は思うわけであります。もしも法律は守らないでもいいものだということになれば、およそ国法の秩序ということは崩壊に瀕することはあたりまえのことであって、これは一つこの問題だけに限らないと思います。したがって、いまの政令の基準に従ってというものを法が命じております以上は、その地方公共団体においても、その趣旨に即してものごとを処理されるのがこれは当然ではないか。しかし、理論的に全く法の違反というものは、いま申したことにもかかわらず、あり得るわけでございますから、この法律に違反したらどうなるかということになりますと、これはどうにもしようがない。ただし、地方自治法等に、この長が再議に付するとか、そういうような規定は用意はございますけれども、それもまたしなかったということになれば、これは法の、まああえていえば法の違反の状態がそこに出てくるということをいわざるを得ない。これは一般の場合と全く同じであろうと思います。ただし違反の状態と申しましても、政令の定める基準に従わなければならぬという場合の政令は、あくまでも基準を示したものでございますから、その基準のとり方、これは私、むしろ警察当局の必要があれば御説明を受けたほうがいいと思いますけれども、その基準ということも無視するということは、この法の所期するところではない。むろん法としては、これに従うことを予期し、またこれに従ってものごとを処理するのが当然であろう、こういうふうに思うわけです。
○森中守義君 一通り、それはそれとしてですね、いま法制局の長官のお話の中にも、結果的にはしようがない、こういうことなんですね。 そこで、長官というよりむしろ自治大臣と公安委員長に聞きたいのですが、先ほど警察庁の官房長の話だと、一般的にいろいろ聞くけれども、政令をつくる際に個別的には聞いていない。すなわち、具体的に政令で定数を定めようとする場合に、意見は問わないのだ、こういうことなんですね。そこに私は問題があると思う。だから、この理解できないような制度をこのまま持続していこうといういまのような説明であれば、前段における、単に行政指導——条例をつくれという行政指導ではなくして、定数はどうなのか。たとえば東京都にしても、全国の都道府県に対して、あらかじめ個別的に政令制定にあたっての意見を問う必要はないのか。もし問わなければ、執行権のあるいは議決権という関係において、おそらく地方自治体の首長といえども説明ができないでしょう。できなければ、議会というものは否決する可能性が出てくる。その辺の関係をどういうようにお考えになりますか。これは両方から答えてもらわなければいけませんね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 純法律的な立場からするお答えは、先刻法制局長官からお答え申し上げました。もし基準に従わなかったという結果が出た場合、それは現行法律制度上の違法状態がそこにあるということであると、先刻の答弁を理解いたします。 そこで、そうなりました場合に、どういう救済措置があるかということを、現行法律上、制度に基づきまして一応申し上げてみれば、主務大臣は当該都道府県に対して、「技術的な助言」または「勧告」をすることができる。地方自治法二百四十五条第四項。そのほか、条例が違法であると認められるときは、内閣総理大臣は、当該都道府県に対して違反の是正のため必要な措置を講ずることを求めることができるということに地方自治法第二百四十六条の二できめられておると了解いたします。ただ、先ほどちょっとお触れになりましたことですが、その基準をつくるのに、自治体警察と無関係にやっておればおかしいじゃないか、住民の意思が全然無視されるということになるんじゃないかという御趣旨のお尋ねであったと思うのですけれども、これは警察法によりまして、警察庁長官が各自治体警察に対しまして調整機能、権限、職責を与えられておるのでありまして、各本部長会議等を通じまして、あるいは地方の公安委員長会議等を通じまして、常時連絡をしながら、相互理解を深めつつ行政執行をしてきておるのであります。そういうことを通じまして、地方自治体の固有の警察の範囲及び全国的な視野に立って考えられるべき課題につきましても、調整機能を通じまして十分の相互理解はできておる、その線に立って想定を加え、予算の要求もし、配分しますときの政令の基準というものもそういう資料に従っていたす、こういう運びに相なっておるのでございます。
○国務大臣(野田武夫君) 法律上の見解、それから地方自治法のつまり政令に違反した場合に云々ということは、いま法制局長官及び公安委員長からお答えいたしましたですが、森中さんの御意思、つまり政令をつくる前に個々の意見を聞いたらいいじゃないか、私はやはりできるだけそうしてもらいたいということは同感であります。しかし、いま公安委員長の御説明を聞いておりますと、政令を定める前にやはり本部長あるいは自治体警察の首脳部といろいろな折衝をやって、大体の目標をつくって一応政令を定める。同時に、先ほど申し上げましたとおり、これは公共の治安を目的とするものでございますから、やはり警察法による政令というものは、やはり全国的な視野で考えて政令が出たものだ、その意味におきましては、これに沿うてやはりその法を守っていくということが——目的そのものが治安の問題だけに、私は地方自治としても十分理解ができはしないか。しかし、まあいま森中さんの御指摘のとおり、政令を定める前にやはり個々にできるだけの折衝をし、また理解を求めてやってもらいたいということは、好ましいことだと私は思っております。
○森中守義君 荒木さんですね、ちょっと言われたこと、私の質問の趣旨と多少違うんですよ。私は、本庁と指揮系統下にある地方警察との関係じゃない。条例を提案するのは自治体の執行部なんです。その辺との話のほぐし方をどうするか、こう聞いている。それが個別的にあらかじめ協議すべきことではないか、こういう趣旨なので、その辺ちょっと誤解があったようですから、再答弁をお願いしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 政令の基準を定めますときは、あらためて個別に都道府県の意見を聞くことはいたしておりません。なぜかと申し上げますと、各都道府県の警察本部長が都道府県当局と常に十分な連絡をとっているところでありまするし、警察庁は、その警察本部長から常日ごろ各都道府県の実態について十分な報告と連絡を受けておりまするので、あらためて個々にそのつど意見を聞くという必要はない、こういう実情を根拠にいたしまして、先ほど申し上げたような趣旨の警察行政責任を果たしておるつもりでございます。
○森中守義君 総理に伺いますが、いま自治大臣のお答えの中で、個別的に意見を聞くように自治省としては望みたい、こういう希望意見を付されたわけです。ところがいままでの答弁によれば、一般論、原則論としてはそういうことをやってきているんだけれども、政令策定の場合に具体的にやっていない。これに対して自治大臣は、そういうやり方が望ましいと、とう言われるんですよ。ずいぶん食い違うというわけでもないけれども、将来の問題が残されているように思うんです。どうなんですか。これは私は、制度上、それにも非常に問題がある、あるけれども、そこまでには触れないにしても、何か内閣の意見を統一された、それで政令つくる場合には、もっと正確に個別的に意見を聞くなり、こういうことが望ましいと思うんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま自治大臣あるいは国家公安委員長、その話にはそれぞれ表現のしかたは違うようですけれども、結果的には私はそごがないように聞き取っております。他の例で、先ほども教育の問題についてのお話がございましたが、教育制度で、予算も地方で半分持つ、国が半分持つ、そういう関係のものになりますと、これは中央できめて、一々その地方の意見を聴取するわけでもない。それでうまく運営ができている。警察の場合も、詳細にわたっての話し合いはしないにしても、実際的な問題として、公安委員長がいま申しましたように、それぞれの本部長と自治体の長との間に連絡はとり得る。そうしてまたとり得る以上、今度はこれが執行部と同時に立法府との間ですね、議会との間においてどういうような連携をとられるか、ここら辺はそれぞれを具体的の問題としてうまくやっておられるんだと、かように実は思うんです。でありますから、いままでにいわゆる御心配になるような事態を引き起こしておりません。ただ問題は、普通の状態の場合の定員なら、私が申し上げる程度で済むと思いますが、しかし、特殊な場合において、特殊な考慮を払わないと問題が起こるんじゃないか、かように思います。 まあ今回のような機動部隊の特別異動の場合におきまして、いわゆる正式のルートとして云々はないにいたしましても、それぞれの場合において、やはりそれぞれが連携を密にして、一応の了解はそれぞれとっておると、こういうことが言えるんじゃないか、かように私は思います。その詳細については私自身ここで申し上げることはできませんけれども、おそらくこういうような事態については、それぞれの出先——出先ではございませんけれども、そういうものがそれぞれの系統ございますから、普通の府県ならば本部長、そういうものが十分連絡をとっておる。こういう場合にも、今度のような場合でも、そういうものが考えられるんじゃないか、また実際の処理ではそういうことをやっておるんではないか、かように私は理解しております。
○森中守義君 政令を出す時期の問題ですが、これは四十二年あるいは四十三年は、いつの時点で出しておるのですか。もし公安委員長、答弁漏れがあったら一緒にやってください。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。 従来、政令を出しておりますのは予算通過直後であります。国の予算の通過直後であります。 それからなお先ほどちょっと申し上げるのを漏らしたと思いますが、また御説明のしかたが悪かった意味もあるかと思いますが、政令を出すときに、各都道府県当局と個別に連絡はしないと申し上げました。それは大小となく種類によって違いますけれども、国が地方の自治体警察に予算措置を講ずる、そのことに関します限りは、予算を要求しますときに、各都道府県とは具体的に個別に連絡をした、その根拠に立って、打ち合わせの根拠に立って予算は要求いたしておるわけであります。したがいまして、政令を出すときに、あらためて個別に打ち合わせをするという必要はない。だからしていない。こういう意味であったことを補足さしていただきます。
○森中守義君 さっき私は具体的に四十二年、三年の政令はいつ出したか、こう聞いたわけですから、いま予算が成立したあとということなんですが、すでにもう過去の事実としてあるわけですから、正確に答弁をしておいていただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 具体的に政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 昭和四十二年四月五日でございます。昭和四十三年四月十七日でございます。
○森中守義君 ことしの場合はいろんな方面で、すでに予算成立の前に出すんじゃないか、こういう話等があるやに聞いておる。まさかそういう不見識なことはないと思うのですが、いま参議院で予算審議している最中ですから、この最中に出るようなことはないでしょうね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 国会で予算の御審議を願っておる間に政令を出すことは絶対にございません。
○森中守義君 宇宙開発関係について少しくお尋ねいたしますが、世界の主要国における開発の状況をお答えいただきたい。 〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
○国務大臣(木内四郎君) 概略御説明申し上げますが、御案内のように、この宇宙開発は人工衛星を打ち上げるのを主体としてやっております。そこで人工衛星を打ち上げている国は、これもすでに御案内と思うのですが、七ヵ国あるわけです。米国、ソ連、フランス、イギリス、西独、カナダ、オーストラリア、これだけあるのですけれども、自分のロケットで自分の衛星を打ち上げているのは米国、ソ連、フランス、これだけであります。ほかの国は米国のロケットを借用してやってもらっているというような状態です。しかし、これらの国は非常に努力をいたしておりまするので、この宇宙開発のほうの開発が非常に進んでいることは、これも森中さん御案内のとおりですが、あるいは科学衛星のほうの問題、これは非常にまた利用が進んでおりまするが、そのほかに通信、航行、気象、あるいはまた測地、こういう方面の実用の方面が非常に進んできております。それからさらにこのごろは惑星探索機、これによって金星あるいは火星までひとつ行こうというようなことも進んでおりまするし、また有人の人工衛星を月のまわりに回す、こういうようなことも進んでおります。ことに米国とソ連がやっておることは非常な成果をおさめておるわけなんであります。 ところで、そういうような状態でありまするが、ここでいま当面問題になっておる大きな問題は、それでは月のほうへ着陸、これはいつ実現できるであろうか、こういう問題と、通信衛星のインテルサット制度の恒久化の問題、こういう問題が大きな問題になってまいっておるわけです。ところで、そのほかに最近の新聞の報道によりますと、アメリカが非常に大きな通信衛星を打ち上げた。タコムサット一号、大きなものを打ち上げた、これが強力な電波を出しますというと、それは直径三十センチぐらいのさら型の受信機でどこでも受けられるということになり、そういうことになると、これを通じてラジオ、テレビ放送するというようなことになると、これが確立されれば非常に大きな成果をおさめるだろう。そこでいろいろな夢があるのですけれども、科学の世界は無限の発展性がありまして、今日は夢だと思っていても、あすは可能性が出てくる、あさってはこれは実用になるというようなのが科学の世界の実情でして、ことに宇宙開発ではそういう状態であります。そこでいますでに宇宙開発の初期の段階を過ぎて開発利用の段階に入ってきておる、かように思っておるわけであります。
○森中守義君 そこでわが国における開発の長期計画あるいはその概要はどういうことになっておりますか、日本における場合。
○国務大臣(木内四郎君) この問題につきましても、すでに御案内だと思うのですが、いま申しましたように科学、宇宙開発は非常に急速な発展をしています。しかも分野も非常に広がってきております。そこで私どものほうにおきましては、宇宙開発の委員会のほうにおきまして、これも短い期間をはかったのじゃいけません。少なくも十年間の展望のもとに、十年間でも足らぬと思うのですけれども、まあさしあたり十年間の展望のもとに、当面五ヵ年ぐらいの計画を立てる。そこで御案内のとおり、四十六年には実用面においては電離層の観測の衛星を打ち上げる、四十八年には実験静止通信衛星を打ち上げる。また一面においては、科学衛星のほうにおきましては、これは東大のほうで研究しておりますが、これも打ち上げる、こういうような態様であります。 そこで、この委員会のほうにおきまして、いま申しましたように、今後十年間を展望して、当面五ヵ年間ぐらいの計画を立てる、それをいま研究してもらっております。それも近く答申を得ることになると思うのですが、そうしますれば、それに基づいて各関係省と十分に連絡協力いたしまして、この開発計画を進めてまいりたい、かように考えております。
○森中守義君 この国会に事業団が法案として提案されておる。その構想はどういうものですか。 それからいま一つは、かねがね佐藤内閣、行政改革として事業団が相当チェックされておる。しかるに今回この事業団については新提案が行なわれているわけですが、少なくとも、これは佐藤政権下における行政改革の方向と必ずしも一致しない。したがって、その辺の経緯はどうなっているか、これもひとつあわせてお聞きしておきたい。
○国務大臣(木内四郎君) お答えいたしますが、ただいま申し上げましたように、宇宙開発というのは非常に各国ともに進んでおります。各国の例を見ると、大体これを一元化した機関において行なっておる。アメリカではNASA——航空宇宙局、あるいはフランスなら宇宙研究、これは特殊法人です。それからドイツにおいては、主として政府が出資しておりますところの宇宙研究有限会社、これは主として国が出資をしている、そういうことでやっております。ただイギリスだけは科学省におきまして基礎的の研究をする、技術省のほうにおきましてロケットの研究をする、あるいは郵政省のほうにおいて通信の研究をする、こういうふうでありまするけれども、何しろ広大な問題でありまして、多額の経費も使います。広範多岐にわたっておりまするので、これを総合的にできるだけ一元的に行なっていく必要があると、むだなくやっていく必要があると、こういうことで今回のこの事業団を設けていただくことになったんですが、この内容について見ますというと、今日まで宇宙開発推進本部というのがありまして、ここでやっておったものを、宇宙開発推進本部をやめまして、そしてこれに振りかえてこれをこしらえたんで、新しくそれだけのものをやったんじゃないといえば、ないといえると思うんです。そういうようなわけで、今度は行政簡素化の強い要望もありましたけれども、いろいろな点は認められませんでしたけれども、開発推進の体制ですね、実施体制のほうは、機関のほうはひとつ認めていただいたと、こういうようなことでございます。
○森中守義君 行管。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 行管長官としての立場からお答え申し上げます。 御指摘のとおり、政府としましては、行政改革の重要課題をしょっております。そこでその一環としての公社、公団、事業団ないし特殊法人の新設は厳に抑制するという閣議決定をいたしまして、予算編成に臨んだわけであります。御指摘のとおりであります。ところで、宇宙開発事業団を認めたのは、その方針に沿わないという意味はないかというお尋ねもあったように思いますんで、その点に立ってお答えを申し上げたいと思います。 行政組織全般を、いま申し上げるように簡素、能率化する一般的方針のもとに、事業団等のものを新設しないということでございましたが、ただ、これもむろん、何でも全部押えればよろしいという課題でないことは当然でありまして、慎重審議の経過を経まして、宇宙開発につきましては、一般的に申しまして、国民的一つのビジョンでもあるわけでございますが、具体的にも、宇宙開発委員会の御意見が昭和四十三年九月十一日に出ておりまして、開発体制は一元化が望ましいということでございました。この一元化をはかり、宇宙開発を強力に推進するというための方策について、種々検討もいたしましたわけでありますが、事業団方式が最善であろうと、先ほど科学技術庁長官の御説明のとおりでありまして、そういう結論に達しまして、最後の閣議、最終的に予算案決定閣議の席上におきましても、所管の長官としての科学技術庁長官の御主張も拝聴し、やむを得ないものとして、ただ唯一の新設を認めるという結論に到達したわけであります。もちろん、従来科学技術庁にございました宇宙開発推進本部を廃止いたしまして、そのスタッフも吸収いたしまして新設するという内容として、事業団が生まれたわけでございます。そういう経過を補足的にお答えを申し上げます。
○森中守義君 私はたいへん申しわけないんですが、あんまり警察で活躍されるものだから、行管長官ということはちょっと私失念しておりました。しかし、行管の長官としても御活躍をいただきたい。 そこで四十八年に予定するという静止衛星ですね。これはどうなんですか。自主的にやって成功をおさめるという自信があるんですか、あるいはいずれかの国の協力を求めねばならぬと、こういう体制なのか、その辺ひとつ率直に御意見を承りたい。
○国務大臣(木内四郎君) 四十八年の打ち上げは成功すると私は確信いたしております。いま自主的とおっしゃったけれども、すべて自主的というのは、日本で何もかもやらなきゃならぬという意味じゃないと思います。われわれは自発的に自主的に他国の技術を導入すること、し得るものはこれを導入し、これにさらに自主的に開発を加えてやっていくのが、わが国の科学技術の進歩の全体の趨勢であり、今日までのあれであります。今後においても、当分の間はそれを免れないだろうと思います。 〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
○森中守義君 自発的に、他発的にという、きわめて抽象的な言い方でなくて、具体的にどこの国から、たとえばロケットであるとか、たとえば星であるとか、そういうものを援助を求めねばならぬというようなことがあれば、もっと具体的にお答えいただかないと、答弁になりませんよ。
○国務大臣(木内四郎君) この問題も、すでに御案内だと思うのですが、アメリカの政府から、もしも日本政府が希望するならば、ロケット、あるいはそれを打ち上げる機器その他についても、平和目的に関する限り大いに協力しよう、こういう申し出がありました。これはもうすでに御案内だと思います。そこで、わがほうにおきましては、これに対して、去年の十二月の末に、この申し出を歓迎して、そして内容についていろいろひとつ御相談しようと、こういうことを申しまして、そうしていま向こうの科学アタッシェ、大使館のアタッシェと私どものほうの技術者の間にいろいろ打ち合わせをしております。その成案を得まするならば、それによって必要なるものは技術の導入もしよう、こういうことを考えておるわけであります。
○森中守義君 俗にいわれているジョンソン・メモ、ジョンソン申し入れ、これは昨年の一月十七日ですね。したがって、これが出発点であるというように理解するんですが、日本から進んで提携ないしは導入を求めたものでなくして、アメリカから言われたものを歓迎をする。何となれば、昨年の十二月二十三日に日本のあの意思表明が出されておりますね。そういうように理解していいですね。アメリカの申し入れがあったからこれを受ける、日本から進んで求めたものではない、こういうことになるのですか。そしてもっと具体的に、まあ私は衛星なのか、ロケットなのか、こういうお尋ねをしているわけですから、いかなる部門であるかをお答えいただきたいのですがね。
○国務大臣(木内四郎君) アメリカからそういう申し出があったのは去年の正月です。しかし、その前から、わが国におきましてはロケットの開発について自主的の研究はしておりまするけれども、同時に、いろいろな面において向こうの情報などを入手して研究していることは、これは御案内だと思うのです。そこでアメリカが出しましたのも、もし日本政府が希望するならばと、こういうことなんですね。そこで、私は、さっきから申しましたように、私どもはそれを歓迎しまして、それについて、ひとつロケットについてはどういう部分、あるいはこの制御装置についてはどういう部分、いろいろな面について目下交渉中であるということを、先ほど申し上げたとおりです。しかし、その内容につきましては、いま交渉中の段階でありまするので、ただいま申し上げるわけにはまいりません。
○森中守義君 私はもちろんですが、広く国民が聞きたいのは、その内容なんですよ。要するにジョンソン申し入れと同時に、各新聞等は一斉に、その代償として機密保護法の制定をジョンソンは要請をしている、こういわれているのですね。で、それが一つの大きな問題であると同時に、どうして約一年近い間公表しないで、いまさらのようにこれが公表されたか、その経過がどうしてもわからない。したがって各方面に非常に大きな不信、不安を持っておる。その辺の経過をいま少し詳細に説明してもらわないと困る。
○国務大臣(木内四郎君) いま二点、大きな点、二点ばかりお話があったと思うのですが、機密保護法制定云々というお話がありましたが、この前十二月に私どものほうから出した回答は、もう発表しておりますから、御案内だと思います。それには、法律を制定するようなことは考えておらないということをはっきりその最後の一項に加えております。それは機密保護法のようなものは制定する考えはないということです。 そこで、どういうわけでそういうことになるかというと、私は機密にわたるようなものはアメリカはこちらによこさないだろうと思います。またしかし、それが来なくても、私どものほうは十分開発を進めていくことができる、かように考えておりまするので、別にそういう法律を制定してまでそういうことをやるというつもりはない、こういう一項を加えてあるわけです。 それから、なぜこれは去年一月に来たものを十二月まで発表しなかったか。これは、いろいろな理由はあると思います。外交上の慣例として先方でこれは発表してもらいたくないと言われておったということで、それはまあこちらとして発表できなかったというのが一つの理由であります。それがたまたま向こうが、どういうことか、発表したか漏れたか知りませんが、漏れた。そんなようなことで、十二月に発表するようになったわけです。これは、外務省の慣例として、こういうものは前には出さないということになっている。しからば、返事がなぜあんなにおくれたかというと、これは簡単なものじゃないのですね。時候の見舞いぐらいならすぐに返事も出しますけれども、その内容についていろいろこまかな交渉をしなくちゃならぬものを、研究もしないですぐに返事を出すことはできないことは、これは森中さんよく御了解願えると思います。
○森中守義君 外務大臣、どうですか、経緯は。
○国務大臣(愛知揆一君) 本件につきましては、ただいま科学技術庁長官からも御説明がありましたが、昨年の一月にアメリカ側の申し入れがあって、昨年の暮れにこちらから回答いたしました。ただいまお話がありましたとおり、こちら側の気持ちというものは、いまさら申し上げるまでもございませんが、平和利用に徹底するということ、それから、いまもお話がございましたが、機密保護法というような関係には全然触れない、これが私は一番大きな制約であろうと思いますが、その中でいろいろの態様の協力関係があると思うのです。たとえば、これを扱う民間の商社間の契約の形になるものもあろうかと思いますが、そういう点について日本側としても研究に相当の時日がかかった。 それからまあ、いま科学技術庁長官のお答えの中にもあったかと思いますが、日本側としては、御承知の宇宙開発委員会というものがその間新たにできたわけでございますが、せっかく最高の権威者を網羅する委員会ができることでもございまするから、そこの権威者の人たちの意見も聞いた上で返事を出そうというようなことから、回答することがおくれたというか、相当の時日がかかったというだけで、ほかに全然他意はございません。 なお、これも、ただいま科学技術庁長官からお話がございましたように、こちらの回答といいますか、これはメモという形をとっております。何といいますか、公式の文書というよりは、むしろこちら側の口頭の回答を念のため文書にしたという形のいわゆるメモ、双方ともメモでございますが、そのメモの中に、特にわがほうとしてはこれがために立法をするというようなことの考え方がないということも明確にしてありますのは、そういったようなわがほうの態度というものをこのメモの上でも明確にしたいと、こういう気持ちからでございますので、その点からも事情は十分御理解いただけるものと信じております。
○森中守義君 他意があったかなかったか知りませんけれども、相当複雑でしかも重大な要素があったことは事実のようです。 そこで、原子力基本法の中でいわれている自主、民主、公開の原則、これは宇宙開発にはどういう関係を持つことになりますか。
○国務大臣(木内四郎君) お答えいたします。 民主的管理のもとに自主的に開発して、そして開発の成果はこれを公表する——これは私はきわめて普通のことで、この宇宙開発についても、いま各党間においていろいろ研究していただいておるようでありますが、それができるときには、どういう形でおいでになるかわかりませんけれども、その問題も考慮されるという問題かと思います。
○森中守義君 それから、アメリカは機密に属するようなものはよこさないだろう、こういう答弁でしたがね。じゃ、ありきたりのものを日本が受け取って、それで開発の援助とかあるいは前進ということが期待できますか。
○国務大臣(木内四郎君) 軍事機密法を設けてまでそれを保障しなければならぬような技術は入らないでも、私どもはこの開発を進めていけると、かように思っております。
○森中守義君 アメリカの開発の体制というのは、私の聞くところでは、民間及び軍事両面を同じポジションで握っている、こういうように聞いているのです。そうなれば、軍事と民間を一つに握っておるものが日本との協力体制を結ぼうということになると、非常に複雑なものになりかねない。しかも、いま申し上げましたように、機密にわたるものはよこさないだろうし、もらわない、こういうことなのですが、はたしてそれが日本の開発にどの程度の比重を持つことになるわけですか、どの程度役に立ちますか。
○国務大臣(木内四郎君) お答えいたします。 これは手放しで話しましても私は水かけ論みたいになると思うのですが、私は、アメリカの宇宙開発というものは、平和利用と同時に軍事の面で非常に大きな働きをなしておる、これも認めざるを得ないと思うのです。私どもは、あくまで平和利用、こういうことに徹しているわけですね。そこで、多少そこに違いはありまするけれども、私は、さっきちょっとことばが足らなかった点なのですが、商業上の取引によるところの機密は、これは適当に保護されなければならぬことだと思います。そういう面のことで私は十分に足りる、かように考えております。
○森中守義君 ちょっと時間を取り過ぎておるのですが、総理に聞いておきます。 やはり、原子力基本法が早くも制定されておれば、当然この問題については宇宙開発の基本法が制定されなければならぬと、私はこう思う。したがって、その御意思があるのかないのか。むろんその中には言うところの三原則というものが基調となるべきものだと思うのですが、その点はどうですか。 それからいま一つは、なるほど日本側のメモによれば、新しい立法措置は配慮しない、こう言ってアメリカには答えてある。しかし、この機会に、国民に、心配要らないよ、絶対に秘密保護法的なものはつくらない、こういう約束がいただけるか、これらの点をひとつ総理からお答えいただきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) この問題は、私もかつて科学技術庁長官をいたしました。そのときの私の願いは、このくらいのものをひとつ純国産で開発したい、日本で開発してどこにも迷惑かけないようにしよう、ここに一つのビジョンを持とうじゃないか、こういうことで関係者を実は督励したのでございます。その当時は米ソ両国、またその後においてフランスが打ち上げた、こういうことでありますけれども、フランスの場合にはアメリカの協力を得た、かように私は理解しております。これは純然たる国産ではない。だから、まだ日本の純国産のもので開発できれば第三番の国になれる、こういうのが一つの私の夢でもありました。その後アメリカから、なかなか日本も成功しない、そういう意味で、協力できるものがあればやろう、こういうことの申し入れがあり、これは私がアメリカを訪問した際にもそういうことがありましたが、そのときに、私もだいぶがんこですから、いやそのうちに打ち上げるからしばらく日本にやらしてくれ、こういうことで実は過ごしたのであります。それが、ジョンソン大統領から昨年の正月メモが来た。もうとにかく日本で全然できないのか。御承知のように、第三段階まではこれはうまく推進していく、第四になるとこれができていない、こういうことで、どうも残念ながら日本の開発はおくれております。そうして、関係の省それぞれが、打ち上げというか、推進については非常な関心を持っておる。実は、みんな花火を打ち上げることについては関心を持っているけれども、そんなものでもないんじゃないか。それぞれの立場においてそれぞれの分担があるわけです。だから、そういうような意味合いでこの問題と取り組んでいけばうまくいくんじゃないか、こういうことも実は私自身がいろいろ指図したわけであります。したがいまして、最初の間は大学を中心にして文部省関係のものを一生懸命やる。そこへもってきて科学技術庁が来た。この二つに、さらにインテルサットが出てきて、そして、ただいま言われるように、今度は通信衛星としての機能が非常にあると、こういうことになってくると、今度は郵政省関係もこれに多大の関心を寄せている。ただいま、そういうようなことで、関係省が非常にふえてきております。そこで、先ほども申したように、何らか自分たちが推進して固有の衛星を一つ打ち上げる、そのためにはもう少し機構もやはり考えなければならないのじゃないか。一番最初は文部省と科学技術庁の間を調整することが主でありましたが、その後の状態等から見ると、運輸省の気象も関係するし、主として郵政省の施設、これが重大なる関心を寄せる、こういうことになってきた。これは森中君の守備範囲でございますが、その関係される範囲だと思いますが、そういうようになって、変わってきております。 そこで今度は、いまのような点がどうしたらいいのか、もっと早くやらないとすべてに立ちおくれやしないか。国際的な地位、それも守らなければならないし、これからの宇宙開発の利用面、これは平和の面においてもすばらしいものがある、かように考えるがゆえに、今度は事業団を設けてこれで開発を進めていく。その際にアメリカの協力も得よう。しかし、もともとが本来自分のところでもやろうというくらいに考えておるものでございますし、またいまの技術をもってすれば十分総合的な機能を発揮すればできないことはないはずだと私はいまだに考えておりますので、そういう点でも、もちろんずいぶん金のかかる問題ですから、アメリカも協力しようという、これはいい機会だからこういう意味で協力を頼もうというような気持ちにもいまなっております。そういう関係がありますので、さらにそれを軍事的に利用するという考え方は最初からございませんし、これからはもちろんそういう心配はない方向でこれを利用するというところに徹したいと思います。ただ単に国際的に、メキシコ・オリンピックが宇宙衛星を通じてすぐ日本で見られるとか、こういうようなことばかりではございません。国内的の通信需要から見ましても、もういままでのような有線だけではなかなかできない。また、無線にしても、おそらくこの需要を充たすためには不十分だと思います。国内的にもこれは必らず役に立つ、かように私は考えておりますので、そういう意味においてこの衛星がさらにりっぱな平和的な機能を発揮し得る、こういうことも考えます。だから、それらの点についても私は国民に約束をするもので、軍事的には利用いたしません。これも約束ができますし、またその点において機密事項というものは——商売上の問題は先ほども触れましたが、特に軍事上の機密というようなものがこれにあるわけはないというのが私どもの基本的な立場であります。したがって、その御心配のないようにしたいと思っております。むしろ積極的に、宇宙は二、三の国が人工衛星を上げており、それらの国だけに開発の権利があるわけではない、われわれも同じように宇宙開発に加入し、またその宇宙の人工衛星を利用して、そうして平和にこれを利用できるその権利を持ちたい、かように考えて、せっかくこの問題と取り組んでいる際でございます。 そこで、関係省が非常に多い。いまおそらく、郵政省の関係を見れば、テレビの問題も、また無線の問題も、また国内における有線の関係からも、こういうものが使われる。さらに、まず第一は、最近は情報産業ということが言われておる。情報産業にもこの宇宙衛星、人工衛星は必ず役立つものだ、そういう意味でも使いたい、かように考えておりまして、ただ単に気象関係だけではない、その範囲が非常に拡大してまいっておりますから、その立場において、日本が十分先進工業国の仲間入りをして、また先進工業国としての科学的な恩恵に浴し得るような、そういう立場でこの問題と取り組みたいと、こういう考え方でございます。 いまいろいろ御心配がございますようですが、軍事的な問題とは取り組まない、どこまでも平和に徹する、そういう意味でありますし、また宇宙は国際的に世界各国とも同じようにこれが利用されるということでなければならない、かように思いますので、国際条約その他につきましてもそれぞれ日本のポジションというものを明らかにするようにこの上ともつとめていきたい。また、機密そのものは、商業上の問題は別として、それ以外には私どもは考えておらない、かように御理解をいただきたい。
○森中守義君 基本法は。
○国務大臣(佐藤榮作君) 基本法は、まだいまのところ私はただいま申し上げるような関係でどうだろうかと思いますが、一応前向きで検討したいと思います。
○森中守義君 インテルサットの暫定協定ですがね、この性格はどういうふうにとらえていますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 内容について私から申し上げるのは少し不適当かと思いますけれども、条約の関係でございますから、私からまずお答えいたしますが、御案内のように、インテルサット関係のできておりますものは、御承知の暫定協定、その暫定協定は二つに分かれております。政府間の協定、それから企業間の協定、実質的な内容は企業間協定で、その企業間協定の中がさらに特殊協定と実施協定二本立てになっておりまして、これが実質上の中身であることと、それから暫定協定はきわめて暫定的なものであるという形式的なものであります。こういうことから、こういう性格のものであると思います。 そこで、いま本協定につきましてワシントンで関係各国の間で討議が行なわれておりますことは、御承知のとおりでございますけれども、現在私どもの考えておりますところは、今度できる協定、本協定というものは、その内容が十分充実したものであったほうが適当である、かように考えておりますから、性格的にもこれから考える本協定というものは実質的なものにしよう、こういうふうな考え方でおるわけでございます。
○森中守義君 ちょっと、外務大臣少し取り違えがあるのです。私が聞いておるのは、本来ならば最初から本協定に合意すべきである。そこで大混乱が生じて暫定協定になったわけだから、したがって、暫定協定に合意された以降、その後の経緯というものは一つも解消されていない。そこで、一体暫定協定に基づく衛星の運用というものは非常に大きな弊害が伴う、こういうことなんです。だから、その辺の実情はどう理解をされるか、こう聞いておる。
○国務大臣(愛知揆一君) そういう内容のことは、科学技術庁長官からお答えいただいたほうがよろしいかと思いますけれども、現在の政府の立場としては、関係各国の間を調整をして、そうしてりっぱな本協定ができるようにしたい。見通しはまだなかなか困難のようでありますけれども、そういう本格的協定ができるように努力をするという姿勢で処理に当たっておるというのが現状であると思います。
○森中守義君 率直に伺いますが、本協定に臨んでいる日本の態度というものはどういうものですか。そして、その見通しは実現しそうにありますか。
○国務大臣(河本敏夫君) いまお話しのように、インテルサットの恒久機構を成立させるための交渉は二月の二十四日から始まっております。この会議に臨みます日本政府の基本的な態度は、まず第一番に、どうしても本協定というものが成立することが望ましい。できるだけ成立するように各国間で話し合いが進むことをひとつやってみようじゃないか。 それから第二は、この協定が成立をいたしましても、わが国が将来地域衛星を打ち上げる権利は留保しておきたい。これが第二の基本原則でございます。 さらに第三といたしましては、政策面では一国一票、こういうふうな組織が望ましいが、実務の面ですね、この面では、ある程度出資比率に応じた運営もやむを得ないであろう。さらに、将来弾力的に運用できる、こういうふうにひとつ持っていきたい、こういうことを考えながら会議に臨んでおるわけでございます。
○森中守義君 そこで問題なのは、先ほど来、わが国の開発体制というものが事業団構想まで含めて述べられた。しかるに、今日の国際会議におけるわが国の主張というものは、必ずしも諸外国、ことに関係のある東南アジア各国に同意されていない、こういうふうに私は聞いておる。そこでもしわが国の主張、つまり一国一票ということであるとか、あるいは地域衛星の打ち上げというものが実を結ばなかった場合に一体どうなるか。いまの開発体制というものは全部総くずれになるのじゃないですか。それを懸念するがゆえに、もしわが国の主張が通らなかった場合に一体どういう態度をとるのか、そのことをひとつ外務大臣、関係の閣僚からお伺いしておきたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 交渉は二月の二十四日から始まりまして四週間の予定でございます。
○森中守義君 三週間。
○国務大臣(河本敏夫君) いや、四週間でございまして、会期は残りもう十日余りでございますが、案外スタートでつまずきまして、まだ本格的な実質の内容の協議には入っておらぬようでございます。いま、東南アジアの地域衛星に対する基本的な態度についてのお尋ねでございますが、これは必ずしも全部が全部日本の地域衛星、日本の地域衛星の将来の打ち上げと、こういうことに対して反対をしておるわけではないようでございます。たとえばインドネシアとかインドなんかは日本の態度に賛成をしておるようでございますし、やや反対的な態度をとっておりますのは、マレーシア、タイ、フィリピン、この三ヵ国ぐらいでございまして、残る数ヵ国は態度を表明しておりません。ですから、東南アジアが全部日本の態度に反対だというふうな報道はどうも少し違っておるのではないか、かように考えております。それから、もちろん、当初に申し上げましたように、今度の本協定が成立するということはわが国も熱望しております。しかし、四週間という期限がございますので、あるいは成立しない場合もあろうかと思うのです。その場合は、現在の暫定協定がしばらく続くと思います。そうして、引き続いて適当な機会に第二回の会議が招集されるであろう、かように存じております。
○森中守義君 非常に郵政大臣のお答え、重要な点がありますが、もし合意されなければ当分は暫定協定でいく。その後数回交渉が開かれる、こういうことですね。そのとおりですね。
○国務大臣(河本敏夫君) 本協定が今度の会議で成立を見ない場合は、現在の暫定協定がそのまま当分の間続くと思います。そうして、できるだけ早く第二回の会議が招集されるであろう、こういうふうに考えております。
○森中守義君 もう一つ聞いておきたいんですが、暫定協定の改定というのはコムサットですよ。これに対して日本政府はどう思いますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 暫定協定はですね、御承知のように昭和三十九年にできました。
○森中守義君 いや、それはわかっておる。だから、コムサットが背景になっておるわけだから、それを是認するのかどうなのかと聞いておる。
○国務大臣(河本敏夫君) コムサットは、アメリカの日本のまあ国際電電のような仕事をしておるところでございまして、ここがアメリカの実務面を担当している。先ほど外務大臣から暫定協定についても詳細な御説明がございましたが、ちょうどわが国の国際電電と同じようなことをアメリカのコムサットが担当しておる。そういうことでございます。
○森中守義君 ちょっと違うんですよ。今度の本協定にあたっても暫定協定をアメリカはそのまま移しかえたい、こういうことなんだが、コムサットが背景になって運用している今日の暫定協定というものはですね、日本政府は是認をするのかどうなのかと、こう聞いておる。
○国務大臣(河本敏夫君) これはですね、暫定協定が当分の間続くということになりますと、現在の運用の機構がそのまま当分続くものだと考えます。
○森中守義君 そうしますとね、是認か否認かという問題はどうなんですか。結局、そのことには同意をしない、日本は反対だということ。
○国務大臣(河本敏夫君) いや、同意をするもしないも、現在の機構は当分の間続くわけでございますから、是認をせざるを得ないんではないかと思います。
○森中守義君 是認する。
○国務大臣(河本敏夫君) はい。
○委員長(塩見俊二君) この際、長谷川農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川農林大臣。
○国務大臣(長谷川四郎君) 近年まれな大雪でございまして、特に関東はたいへんな大雪でございますので、これに対しまして雪害対策本部を本省に設けまして、本部長を大口事務次官に担当させる。各府県に御協力方をお願いを申し上げたわけでありまして、さらに不足するであろうという、輸送に懸念のある魚類あるいは野菜類、まあ、魚類には冷凍魚を放出してその対策を講ずるようにいたしましたことを一言つけ加えて御了解をお願いいたします。
○委員長(塩見俊二君) 森中委員の質疑の途中でございまするが、ただいま運輸大臣より発言を求められておりますので、これを許します。原田運輸大臣。
○国務大臣(原田憲君) ただいま農林大臣から、近来まれな豪雪であるという発言がございました。このことにつきまして御報告を申し上げます。 四十四年三月十二日十二時四十五分現在、伊豆諸島付近を、発達中の低気圧が東北または北東に進んでおり、東京地方の風雪は宵のうちまで続き、積雪は三十センチから四十センチ、ところにより四十センチをこえる見込みです。風は北寄りの風で、陸上の最大風速は二十メートル前後、海上の最大風速は二十メートルから二十五メートル前後に達し、波が高くなるでしょう。交通機関は厳重に警戒してください。 昨日大体予報いたしておりまして、これが大体当たっておりまして、きょうは昼の閣議で総理から、気象の通報がよく当たったとおほめがありました。それから、十四時現在、国電区間で二時間送電をとめまして、二時間の間に架線とパンタグラフの雪を取りまして、十六時から山手線五分間隔、京浜東北、中央線十分間隔で運転を開始いたします。今度の雪では、箱根から西のほうは雨でございます。東海道はたいした被害はございません。山陽線で岡山、広島の一部に列車がとまったというような状況がございます。九州は阿蘇山付近がやはり雪でございますが、たいした被害はございません。大体関東が豪雪でほかは雨と、こういうような状況でございます。 以上でございます。
○委員長(塩見俊二君) 引き続き建設大臣より発言を求められております。これを許します。坪川建設大臣。
○国務大臣(坪川信三君) 道路関係の状況を御報告いたします。 首都高速関係は、都内は全部二車線動いております。ただ、チェーン着用以外は禁止しております。それから、箱根、それから阿蘇登山、これは九州ですからなにでございますが、箱根のほうはとまっております。その他は全部動いております。東京都内で交通どめは柿の木坂、それから中目黒の陸橋、それから乃木坂、霊南坂、江戸見坂、池袋大橋、新宿駅の西口、以上が交通どめに相なっております。 以上、大体都内を中心とした道路の状況でございます。
○委員長(塩見俊二君) 森中君の質疑中でございまするが、ただいま各大臣からも御報告がありましたとおり、本日は気象庁より大雪警報及び強風波浪注意報が発表せられ、各交通機関は不通、あるいははなはだしく混乱をしてまいっております。今夜夜半に至るまで降雪は続くとの予報でございますので、本日の審議はこれにて終了することといたします。 明日は午前十時より開会することとし、これにて散会をいたします。 午後三時十一分散会