P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
61回国会参議院1969/02/25

文教委員会 第2号

発言数
18
登壇者
5
会派数
2
開催日
1969/02/25

会議録

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  本委員会委員、北畠教真君が、去る二月十四日、脳腫瘍のため逝去せられました。まことに哀悼痛惜にたえません。各位とともに黙祷して御冥福をお祈りいたしたいと存じます。  起立を願います。   〔総員起立、黙祷〕

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 黙祷を終わります。御着席願います。     —————————————

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) この機会に一言ごあいさつを申し上げます。  私このたび、はからずも中村前委員長のあとを受けまして、委員長に選任されました。はなはだ微力でございますが、皆さま方の格段の御指導、御協力を得まして職責を全ういたしたいと存じますので、どうぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。     —————————————

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 中村前委員長からごあいさつがございます。中村君。

中村喜四郎自由民主党

○中村喜四郎君 過去一年間、愚鈍な、そしてわがままな私が委員長としてつとめさしていただきまして、その間理事の皆さん方、委員の皆さん方各位のたいへんな御鞭撻をいただきまして、私は政治家としていい勉強をさしていただきました。心から感謝を申し上げます。ことに大学紛争問題等々の中で、円卓会議のようにみんな自由に討議し合っている場、そうしてこれをどうもっていくかということ等につきましても、新しい政治の道を私自身も切り開かせていただきましたように、心から感謝申し上げる次第でございます。  なお、引き続き当委員会に所属させていただきまして、新しい委員長を中心としてこれらの問題につきまして鋭意今後も努力させていただきたいと存じますので、どうぞこれからも御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。心から皆さまに感謝申し上げましてごあいさつにかえます。     —————————————

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 委員の異動について報告いたします。  去る一月二十七日、内藤誉三郎君が委員を辞任され、その補欠として平泉渉君が、同月二十九日、伊藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として青柳秀夫君が委員に選任されました。また、二月十九日、北畠教真君の補欠として斎藤昇君が委員に選任されました。     —————————————

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。  私が委員長に選任されましたので、理事に一名の欠員を生じております。ただいまからその補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に中村喜四郎君を指名いたします。     —————————————

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。  まず、昭和四十四年度における文教行政の重点施策について、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂田文部大臣。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 第六十一底国会において、文教各般の問題を御審議いただくにあたり、所信の一端を申し述べたいと存じます。  わが国の文教は、明治五年に学制がしかれてから発展を続け、わが国が敗戦による廃墟の中から復興し、世界の驚異とされるほどの経済的社会的発展を遂げるに至ったのは、もとよりわが国民の勤勉と努力によるものでありますが、とりわけわが国民のすぐれた資質と、その教育の成果に待つところが多いと考えるのであります。  わが国が、今後さらに世界の中の日本として、経済的繁栄と精神文明の豊かな発展を続けるためには、年令に応じ、能力に応じ、適性に応じた教育に重点を置いて、世界の人々から尊敬される国民の育成につとめることであると存じます。  わが国の教育は、世界的にも高い水準にあると思うのでありますが、なお、社会の変化に対応して、学問の世界的水準と、高度の科学技術の維持発展のための研究と教育体制を早急に改善するなど、検討すべきいろいろの課題があると思うのであります。これらにつきましては、今後それぞれの課題の本質を見きわめもその解決につとめ、国民の信頼にこたえる所存でございます。  まず、その重要な課題として大学問題があります。  今日生じております大学紛争はまことに憂慮すべき事態となっております。その実態を見ますと、多くは正常な学生活動の範囲を逸脱し、大学の秩序を破壊するまでに過激化し、その結果、東京大学及び体育学部を除く東京教育大学においては、明年度の入学試験中止のやむなきに至ったのであります。このような不幸な事態に立ち至った原因は、現代社会における諸般の問題とも深い関連があると思いますが、大学の教育、研究及び管理運営など大学のあり方について、社会の進展と、量的にも拡大され質的にも変貌いたしました今日の事態に即応して、検討すべき多くの問題があることを率直に認めなければならないと考えております。文部省としましても、このような課題に対し、改善の実をあげえなかったことに対してその責任を感ずるものであります。  しかし当面の異常な事態を正常化し、大学がその使命を果たすためには、大学みずからが努力をいたすことこそ緊要なことと考えます。もとより、当面の事態の解決を急ぐあまり将来の大学運営に禍根を残すことのないよう留意するとともに、大学制度の基本にかかわる事項については、慎重に対処すべきでありますが、大学当局、教職員及び学生は、大学が教育、研究の場であることに深く思いをいたし、それぞれの社会的責任を自覚し、なかんずく暴力を否認する姿勢を堅持し、一致協力して学園の再建に当たることを切望するものであります。  文部省としましては、すでに、学校制度全体の再検討が必要と考え、中央教育審議会に諮問し、さらに昨秋、当面の大学問題についても諮問をいたしておりますので、答申を待って今後の社会の変化、技術の進歩等に応じ、大学がその機能を果たし得るよう制度及び管理運営のあり方等について基本的に検討を加え、適切な措置をいたす所存であります。  次に、初等中等教育の改善、充実につきましては、従来からも教職員の資質の向上と処遇の改善及び施設、設備の整備等に努力を重ねてまいりましたが、今後も一そうの推進をはかるとともに、時代の進展と児童生徒の適性、能力に即応するよう教育内容を改善するため、学習指導要領の改訂を行なってまいりたいと思います。  また、今日問題となっておりますいわゆる過密、過疎地減等に対しましては、それらの地域における教育水準の維持向上のために、それぞれの事情に対応し、教職員定数の充実につとめるとともに、校舎不足の解消、学校用地の確保等の面について、なお一そうの努力をいたす所存であります。  さらに、心身に障害をもつ子供のための特殊教育の振興につきましては、特に意を用いたいと存じます。心身障害児の実情は、昭和四十二年度に実施いたしました調査にも明らかなとおり、複雑多岐であり、そのため、一そうきめの細かい施策を推進してまいる所存であります。なお、教育の内容方法についても今後さらに研究、開発を進めなければならないと思います。このため、中央教育審議会にもこの方面の学識経験者を新たに御参加いただいたのであります。また昭和四十四年度から特殊教育振興の基礎となる科学的研究を関連諸機関の協力体制のもとに、総合的、実際的に行なうための研究機関の設置に着手したいと考えております。  私学の振興につきましても、わが国の学校教育に占める私立学校の役割りのきわめて大きく、社会経済に及ぼす影響も増大していることにかんがみ、私立大学の経常的な教育研究費、施設設備に対する補助などについて引き続き助成措置の拡充改善をはかることといたしております。また、私立学校の今後のあり方及び役割りについてもすでに中央教育審議会で検討中であり、学校制度の総合的課題の一環として検討したいと考えております。  また、国民の一人一人が、今後の社会の進展と生活環境の変化に対処し、社会の構成員としてそれぞれの役割りと責任を果たしてまいるためには、学校教育を終えた後も生涯を通じて学び、また、体育、スポーツを実践し、たくましい精神と強健な身体を養っていくことが大切であると思います。このためには、社会教育及び体育、スポーツの振興に一そうつとめなければならないと思っております。  特に、青少年が将来国家社会の成員としての責任を自覚し、個性を生かし、能力を十分に発揮するためには、幼少のうちに人面としての基本的な考え方や、正しい行動のしかたなどを身につけさせることが大切であると思いますが、このような青少年の人格形成は、まさに家庭を中心として行なわれるものであり、明朗で健全な家庭こそ根幹であります。このためにも今後とも婦人教育、家庭教育等の振興につとめなければならないと考えております。また、幼稚園教育などを充実し、適切な環境で集団生活を通じ、幼児教育の実をあげるようつとめたいと思っております。  次に、文化の振興についてでありますが、昨年、文化庁を設置して伝統的な文化財の保護と現代の芸術文化の振興を一体的に推進するための体制を整備いたしましたが、今後とも地方文化の振興、史蹟の保存のための土地の公有化や環境の整備等を積極的に推進する所存であります。  また、教育、学術、文化の国際交流と発展途上にある国に対する教育、学術、文化に関する国際協力の推進については、留学生教育、東南アジアに対する教育協力をはじめ、二国間あるいは国際機関を通じての国際交流と国際協力を一そう推進してまいる所存であります。  最後に、沖繩における教育につきましては、その教育水準の向上と本土の教育との一体化を進めるため、学校教育のみならず、社会教育等についても協力援助をいたしたいと考えております。  以上、文教行政の当面するおもなる問題について所信の一端を申し述べましたが、その他の文教行政上の諸課題につきましても、文教委員各位の御協力と御支援を得て、その解決に努力するつもりであります。何とぞよろしくお願いいたします。     —————————————

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 次に、昭和四十四年度文部省関係予算の概要について説明を聴取いたします。坂田文部大臣。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 昭和四十四年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、文部省所管の一般会計予算額は七千四百二十二億二千八百十万一千円、国立学校特別会計の予算額は二千七百六十三億七千二百二十五万三千円でありまして、その純計は七千八百八十八億六千七百四十三万一千円となっております。  この純計額を前年度予算と比較いたしますと、およそ九百五億円の増額となり、その増加率は一三パーセントとなっております。以下、昭和四十四年度の予算案におきまして特に重点として取り上げました施策について御説明申し上げます。  まず第一は、初等中等教育の充実であります。このことにつきましては、かねてから努力を重ねてまいったところでありますが、前年度に引き続き、まず、父兄負担の軽減に留意し、教材整備の推進、教科書無償の実施、就学援助の強化、遠距離通学費補助の拡充、学校給食の普及充実等につとめることといたしました。  そのうち、教材整備の促進につきましては、教材整備十か年計画の第三年次の整備充足を行なうこととし、また、教科書無償につきましては、引き続き国、公、私立の義務教育諸学校の全児童生徒に対して教科書の無償給与を行なうとともに、新たに不就学の学齢児童生徒に対しても教科書の無償給与の措置を講ずることとして、総額百四十一億円余を計上いたしました。  次に、就学援助の強化につきましては、要保護、準要保護児童生徒の就学奨励として、校外活動費を新たに支給対象費目に加え、遠距離通学費補助につきましては、対象人員を一万人増加いたしましてその拡充につとめました。  次に、初等中等教育の充実のうち、まず、後期中等教育の拡充整備につきましては、定時制または通信制の高等学校の施設設備に要する経費の補助を行なうほか、生徒の就学援助を拡充する等引き続き定時制教育及び通信教育の振興をはかるとともに、理数科及び職業科関係において高等学校教育の多様化に対処するための施設設備等に必要な経費を計上しております。  また、理科教育設備及び産業教育の施設、設備につきましては、引き続き新基準による計画的な改善充実を行なうことといたしました。  次に、幼児教育の重要性にかんがみ、既定の幼稚園振興計画に基づき、引き続き幼稚園の普及整備のために必要な施設設備に関する助成を強化いたしますとともに、私立の大学及び短期大学の教員養成課程に対する設備費の補助を拡充して、幼稚園教員養成の充実をはかることといたしました。  次に、特殊教育の振興につきましては、養護学校及び特殊学級の計画的な普及と就学奨励費の内容の改善のため必要な経費を増額し、また、教職員定数の充実をはかるとともに、新たに特殊教育総合研究所の設置準備経費及び私立特殊教育学校教育費補助に必要な経費を計上しております。  次に、僻地教育の振興につきましては、僻地の教育環境の改善等のため、引き続き教員宿舎、スクールバス・ボート、給水施設等各種の施設、設備の充実をはかるとともに、複式の学級編制の改善及び教職員定数の充実を行ない、寄宿舎居住費補助等従来の施策を拡充するなど総合的に施策を推進することといたしております。  また、学校給食の普及充実につきましては、その振興の基本方策について現在検討しているところであります。  来年度予算では、引き続き給食施設、設備の充実をはかるほか、栄養職員の増員等施策を拡充し、さらに、小麦粉及び脱脂粉乳につきましては、従来どおり肝要の補助金を計上いたしましたが、脱脂粉乳につきましては、牛乳の使用量の増加に伴い、所要の量に調整を加えております。  次に、公立文教施設整備費につきましては、三百六十四億円を計上し、引き続き単価の引き上げ、構造比率の改善、公害対策等に留意するとともに、特に過密地域の教育対策として、人口の社会増地域における小学校校舎の不足整備に特段の配慮をいたすこととし、また、新たに新設の小・中学校の校地整地費を国庫負担の対象に加えることといたしました。  次に、義務教育諸学校の教職員定数の充実につきましては、従来までの義務教育諸学校に関する定数標準法の実施の成果を基礎として、なお一そうの教育水準の向上をはかるかめ、昭和四十四年度を初年度とする五か年計画により、学級編制の一部について改善を加えるとともに、教職員定数の充実についても細部にわたる改善措置を講ずることとし、義務教育費国庫負担金総額三千七百八十一億円余を計上いたしました。なお、教員給与の改善に関する基本的検討を行なうため、引き続き調査研究費を計上しております。  以上のほか、教育課程の改善、道徳教育及び生徒指導の充実、教職員の研修及び研究活動の推進、学校安全の充実等各般にわたる施策の拡充に必要な諸経費を計上いたしました。  第二は、過密過疎地域教育対策であります。  来年度予算におきましては、過密過疎地域対策を新たに重点として取り上げることとし、これらの地域における児童生徒の急増、急減の現象に対処することといたしました。  まず、過密地域対策につきましては、さきにも述べましたように、人口の社会増地域における小学校校舎の不足整備に最重点を置くこととし、また、新たに新設小・中学校の校地整地費を国庫負担の対象としたほか、校舎の前向き整備等も引き続き実施することといたしました。  次に、過疎地域対策としましては、従来僻地教育振興施策として実施してまいりました教育環境の整備、教職員関係及び児童生徒関係のそれぞれの施策について、さきに述べましたとおり一そう拡充をはかることといたしております。  第三は、高等教育の整備充実と厚生補導の充実等であります。  国立学校特別会計予算につきましては、前年度予算額と比較して二百五十九億円の増額を行ない、約二千七百六十三億円を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの繰り入れ二千二百九十七億円、借入金十七億円、附属病院収入三百二十四億円、授業料及び検定料六十億円、学校財産処分収入三十億円、その他雑収入三十五億円であります。  歳出予定額の内訳は、国立学校運営費二千二百四十五億円、施設整備費五百十八億円などであります。  まず、国立大学の充実整備につきましては、その質的充実をはかる見地から、一学部の創設、二学部の創設準備、十二学科の新設及び六学科の拡充改組を行ない、短期大学についても二学科を新設することにいたしました。  次に、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費等各大学共通の基準的経費につきましても、引き続きその増額をはかっております。  また、新制大学における大学院修士課程の拡充、附属病院、附置研究所の整備につきましても配慮をいたしておりますが、特に附属病院につきましては、看護要員の増員について措置するとともに、病院教官の増員、臨床研修医等の謝金の増額をはかり、臨床研修制度の充実等に必要な措置を講じております。  次に、専門技術者育成のため、昭和三十九度席に設置を見た工業高等専門学校十一校に各一学科を増設するとともに、商船高等専門学校五校の学級の増加をはかり二百人の増募を行なうことにいたしました。  次に、国立学校施設の整備につきましては、五百十八億円を計上し、その整備の促進をはかることといたしておりますが、なお施設整備の円滑な実施をはかるため、後年度分について、百七十億円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。  次に、大学問題の現状にかんがみ、特に学生の厚生補導関係については、多角的かつ総合的な施策を推進することとし、合宿研修の拡大等学生指導費の増額、課外活動施設設備の整備、学生厚生福祉施設の充実等に必要な経費を大幅に増額いたしました。  また、育英奨学事業の拡充につきましては、大学院奨学生及び高等学校特別奨学生の採用数の増をはかるとともに、高等専門学校の高学年在籍者については、貸与月額を大学並みに改定するなど引き続き事業を拡充し、総額で百五十一億円余を計上いたしております。  以上高等教育の整備充実について配慮いたしておりますが、現在、一部の大学におきまして、諸種の理由から学内において紛争を生じておりますが、教育と研究の正常化につとめ、学問と教育の府にふさわしい教育環境を確立するよう努力いたす所存であります。  第四は、私学の振興であります。  わが国の学校教育において果たしている私立学校の重要な役割りとその経営状態の実情にかんがみ、来年度においても、引き続き私立学校に対する助成措置の拡充改善を行なうことといたしました。  まず、私立学校振興会の貸し付け資金につきましては、政府出資金及び財政投融資資金からの融資並びに自己資金を合わせて総額三百四十億円を確保することといたしましたが、明年度は、貸し付け条件の改善をはかり、特に低利の経営費の貸し付けワクを大幅に拡大する等の措置を講ずることといたしました。  また、引き続き私立大学の教育研究の充実向上をはかるとともに、経営の健全化に寄与するため、経常的教育研究費の助成の範囲を拡大することとして三十三億円を計上し、また、理科等教育設備費助成及び研究設備費助成につきましても、合わせて四十八億円を計上しましたほか、幼稚園に対する施設費の補助の拡充等の施策を講じております。  第五は、学術の振興であります。  近年、学術研究の分野においては、研究活動の増大、専門分野の細分化、大型研究施設の需要等急速な進展を見るに至り、したがって学術振興に関する施策も今後、多角的に講ずることが必要と考えられます。  来年度予算につきましては、まず、科学研究費補助金を大幅に増額し、総額六十億円を計上いたしましたが、この補助金については、引き続き配分審査等の改善に留意しつつ適切公正な執行をいたす所存であります。また、研究所の整備につきまして配慮するとともに、科学衛星・ロケット観測、南極地域観測経費及び加速器に関する基礎研究に要する経費等についても引き続き所要経費を計上することといたしました。  第六は、青少年の健全育成と社会教育の振興であります。  最近における都市化の進行、技術革新の進展などにより、社会構造の急速な変化を見ておりますが、来年度予算では、このような現状を踏まえて、社会教育指導者の養成確保に意を用いるとともに、社会教育施設の拡充につきましても、公民館、図書館、博物館等の施設設備の整備を一そう推進することとし、また、大学開放講座の拡充など国民の学習意慾の高まりに対応する施策を進めることといたしております。  また、青少年の教育問題において社会教育の分野でになう役割りは非常に大きいものとなっておりますので、学校外における少年の健全指導事業の拡充等を行なうとともに、新たに、青少年の団体宿泊訓練を通じてその健全な育成をはかる機関としての国立第七、第八青年の家を設置することとし、さらに、都市青年の家等公立青少年教育施設、青少年団体等の助成を拡充する措置を講じております。  このほか、青少年に対する映画、テレビ等の影響力の大きいことにかんがみ、積極的に優良な映画、テレビ番組の製作の奨励及び普及を促進するとともに、視聴覚教材の利用の推進についても十分配慮することといたしました。  なお、家庭教育学級の増設等家庭教育、婦人教育の振興についても留意し、経費の拡充をはかっております。  第七は、芸術文化の振興と文化財保護の推進であります。  昨年新たに文化庁を発足させて、文化行政の総合的かつ効果的な推進をはかる体制を整備し、その後芸術文化の振興と文化財保護の拡充に努力してまいりましたが、来年度予算におきましては、それぞれの分野でさらに施策の充実をはかることといたしました。  まず、芸術文化の振興につきましては、芸術祭の刷新充実をはかるため国の主催公演及び地方公演の充実等に要する経費を計上することとしたほか、特に、地方芸術文化の振興に重点を置いて関係経費の増額をはかることといたしました。  また、芸術関係団体に対する助成措置の拡充を行なうとともに、国立の美術館、博物館等の整備費及び公立文化施設整備費の補助についてもそれぞれの実情に合わせて充実をはかることといたしております。  次に、文化財保存事業につきましては、文化財の修理、防災施設の整備等を一そう充実することといたしておりますが、特に最近国土開発の急速な進展に伴なってその必要性を痛感されております史跡等の買い上げ及び環境整備に対する補助並びに埋蔵文化財の保護につきましては、特別の配慮を加えております。  また、平城宮跡の買い上げ、整備を引き続き行なうとともに、新たに飛鳥、藤原宮跡の発掘調査を開始することとして、所要経費を計上いたしました。  なお、無形文化財の保存活用等につきましても、引き続き必要な経費を計上いたしております。  第八は、体育・スポーツの振興であります。  わが国の体育・スポーツの現状から見ましても、青少年をはじめ広く国民が体育・スポーツを実践し、健康の増進、体力の向上をはかり得るよう強力な施策を推進する必要があります。このため、来年度予算では、体育・スポーツの普及奨励に力点を置き、水泳プール、体育館、運動場、柔剣道場及び野外活動施設等の整備を促進するとともに、スポーツテストの普及、スポーツ教室等の実施、スポーツ団体・行事の助成、指導者養成等について、引き続き必要な経費を計上することといたしました。  また、体育・スポーツに関する国際的行事としましては、札幌オリンピック冬季大会の実施準備経費を大幅に増額計上するとともに、ユニバーシアード選手団派遣等に必要な経費を補助するなど国際的交歓事業の実施を拡充することといたしております。  第九は、国際交流の推進と教育援助の拡大であります。  わが国と諸外国との間に文化の国際交流をはかり、開発途上国の社会経済的発展に寄与する施策として、まず、外国人留学生教育につきましては、国費外国人留学生の人員を増加いたしますとともに、その受け入れ体制の強化をはかることといたしました。  次に、国際学術文化の交流を促進するため、引き続き教授、研究者の交流を推進するとともに、新たに、日本古美術の海外展を実施する等文化交流についても配慮いたしております。  また、最近、特にアジア・アフリカ諸国に対する教育協力の要請が高まってまいりましたおりから、教育指導者の招致、理科設備等の供与および指導者の派遣を実施するほか、アジア諸国への留学生の派遣等に必要な経費を計上いたしております。  さらに、ユネスコ国際協力につきましては、国内ユネスコ活動の推進をはかるとともに、アジア諸国の出版専門家の養成、ユネスコ本部との共同事業による各種ワークショップの開催等一段とその事業の拡充をはかることといたしました。  以上のほか、沖繩の教育に対する協力援助費につきましては、これを増額し、別途総理府所管として計上いたしております。  以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。何とぞ御慎重御審議のほどお願いを申し上げる次第でございます。

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 次に、ただいまの概要説明の補足説明を聴取いたします。安養寺会計課長。

安養寺重夫文部大臣官房会計課長

○政府委員(安養寺重夫君) 昭和四十四年度文部省所管予算案概要説明につきまして補足の説明を申し上げます。  お手元に「昭和四十四年度予算要求額事項別表」をお配りいたしておりますので、二ページ以下に記載いたしました九つの重要事項について順を追って申し上げます。  重要事項の第一は、二ページ、初等中等教育の充実についてであります。  まず(1)父兄負担の軽減のおもな内容としては、義務教育諸学校の教材整備につきましては、昭和四十二年度から着手されました教材整備十年計画の第三年次として六十億円の国庫負担を行なうこととし、次に、教科書の無償給与につきましては、前年度においてその完全実施を見るに至りましたものを引き続き実施することとし、教科書の定価六・二%引き上げ分を含め総額百四十一億円余を計上しました。  次に、就学援助の強化につきましては、要保護、準要保護児童生徒の就学奨励としては、その対象人員の比率は前者を三%、後者を七%と変わらないものとし、児童生徒数の減少による金額の減はございますが、従来からの補助の対象としていた学用品費等の単価を改定増額するほか、校外活動費を新たに支給対象費目に加え、また四ページの学校統合等による遠距離児童生徒の通学費の補助につきましては、対象人員を大幅に増加いたしました。  次に、四ページの(2)初等中等教育の充実では、まず教育内容の改善充実として、道徳教育、生徒指導の充実、教育課程、教科書の改善に要する経費を計上しております。  次に、後期中等教育の拡充整備につきましては、定時制または通信制の高等学校の施設設備の充実、生徒の就学援助の拡充とあわせて、七ページの理数科及び職業科関係において高等学校教育の多様化を進めております。理科教育及び産業教育の充実につきましては、前者については十三億八千万円、後者については五十六億九千万円を計上し、いずれもその大半は従前からの年次計画を推進し、その改善充実を行なうものであります。  次に、幼稚園教育の振興につきましては、昭和三十九年度からの既定の振興計画に基づき、幼稚園の普及のための助成を続けるとともに、教員養成の拡充をはかることとしています。  次に、一二ページの公立文教施設の整備につきましては、三百六十四億円を計上し、単価の引き上げ、鉄骨・鉄筋による構造比率の引き上げ改善、公害対策等を行なうとともに、事業量は前年度比九・一%増の三百八万平方メートルとしております。そのうち特に過密地域の教育対策として、人口の社会増地域における校舎の不足整備に重点を置くこととし、たとえば小学校校舎については前年度比五〇%増の七十二万平方メートルのうち、社会増地域分は六十三万五千平方メートルとし、また新たに新設の小中学校の校地整地費国庫負担三億円を計上いたしました。  次に、一四ページの(3)義務教育諸学校の教職員の定数充実につきましては、給与改善を含めて、義務教育費国庫負担金三千七百八十一億円余を計上いたしました。すなわち昭和四十四年度を初年度とする充実五カ年計画が策定され、単級複式学級の解消等の学級編制の改善を加えるとともに、教育指導の充実をはかるための教員定数の改善、養護教員及び事務職員の増加、学校図書館事務担当事務職員の新設等の改善措置を講ずることとし、初年度としては全体計画約二万八千五百人充足のおおむね五分の一の改善を行なうとともに、過疎県における急減に対する最低保障措置を講じ、さらに特殊学級増に伴う教員増を行なうことになりますが、現行法によれば自然減となりますので、差し引き一千八百三十七人の増員となります。なお教員給与の改善についての検討、教員による日宿直廃止後の施設設備管理のための補助につきましては、前年度同様措置いたしました。  次に、一六ページの(4)特殊教育、へき地教育の振興等でありますが、特殊教育につきましては、特殊教育推進地区を設置し、特殊教育のための各般の設備充実の助成を強化し、また養護学校及び特殊学級の計画的な新増設をはかるとともに、新たに高等部専攻科の交通費その他就学奨勧のための経費を増額し、さらに特殊教育のための学級編制の標準の改善及び教職員定数の充実をはかることといたしました。なお、特殊教育総合研究所の新設のための準備に着手することとなり、また新たに私立の特殊教育学校の教育費を補助することといたしております。  次に、一九ページの僻地教育につきましては、あとで述べます過疎対策の一環としても関係のあるところでございますが、教員宿舎、スクールバス・ボート、学校ぶろ、給水施設等各種の施設設備の充実をはかるとともに、複式学級の学級編制の改善と教職員定数の充実を行ない、遠距離児童生徒通学費、寄宿舎居住費、学校給食費についても、単価の増額あるいは対象人員の増員など、補助を拡充いたしました。  次に、二一ページの同和教育につきましては、同和教育振興についての総合的な施策の策定について検討がなされておりますが、当面、学校教育においては、同和教育推進地区を設けるほか、高等学校進学奨励費の補助対象人員を大幅に増員し、社会教育においては、同和地区集会所の設置費の補助を拡大いたしております。  二二ページの(5)学校給食の普及充実につきましては、小麦粉については百グラム当たり一円補助、総額二十億八千五百万円を、脱脂粉乳につきましては百グラム当たり四円六十銭補助、総額六億四千八百万円を補助いたします。ちなみに、牛乳の使用量は、前年度に比べまして五十万石の増加、二百十万石となります。このほか従前どおりの方針にのっとり、学校給食施設の設備を充実し、高度僻地学校児童生徒、準要保護児童生徒あるいは夜間定時制高等学校生徒の給食の助成を充実し、また栄養職員の増員をいたしました。  二七ページの(6)公害対策及び交通安全その他学校安全の改善充実につきましては、従前からの学校公害に対する学校施設対策の調査研究を継続するほか、公害対策部分を含む小中学校の環境調査を実施いたします。また、交通安全教育センターの増設を促進するための補助を継続し、日本学校安全会の活動の充実についても必要な補助を増額いたしましたが、別途、学校安全会においても掛け金の値上げを行ない、給付水準の維持、給与内容の改善を予定いたしております。  二八ページの(7)地方公共団体の超過負担の解消の促進につきましては、公立文教施設整備費において引き続き構造比率の改善その他必要な措置を講ずるとともに、新たに人口の社会増地域における新設、小中学校の校地整地費を国庫負担の対象に加えることとなり、他方、いわゆる政令県における義務教育費国庫負担金の給与費にかかわる国庫負担の最高限度給料額の改定増額は三年計画の最終年として終了いたします。  重要事項の第二は、二九ページの過密過疎地域教育対策であります。  来年度予算において、新たに重点事項として取り上げられましたが、(1)教職員対策については主として僻地における教職員の処遇、定数について、(2)教育施設の整備については、主として人口の社会増地域における小学校校舎の確保に重点が置かれ、また、新設小・中学校の校地整地費を国庫負担の対象に加え、三一ページの(3)児童生徒対策費としましては、主として僻地における児童生徒の就学援助の強化についてそれぞれ必要な経費の増額をいたしております。  重要事項の第三は、三二ページの高等教育の整備充実と育英奨学事業の拡充であります。  まず、三二ページの(1)国立大学の充実整備につきましては、過去三年間のいわゆる大学生急増期も過ぎ、今後は一そうその質的充実をはかるべしとの見地から種々検討を経たものであります。まず、いわゆる新制大学七校に大学院修士課程を増設し、三重大学に工学部を創設し、秋田大学に医学部を、大阪大学に社会学部を創設するための準備に着手し、地方大学を中心に理工系十二学科の新設及び六学科の拡充改組を行ない、教員養成大学学部に、特殊教育のための教員の養成課程等必要な九つの課程を新設し、短期大学についても二つの学科を新設することといたしました。  なお、各学校共通的基準的経費である教官当たり積算校費及び学生当たり積算校費につきましては、八%の増額をいたしております。  次に、三三ページの付属病院につきましては、特に看護要員三百八十人分の増員をはかり、また引き続き病院教官の増員、臨床研修医等の診療協力謝金の大幅な増額をはかる等、臨床研修制度の充実に必要な経費を計上いたしております。  次に、三四ページの国立学校施設の整備につきましては、自己財源三十億円、財政投融資資金借り入れ十七億円、その他は一般会計繰り入れを財源として五百十八億円を計上しております。  なお、後年度分について百七十億円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。  三四ページの(2)国立高等専門学校の拡充整備につきましては、昭和三十九年度に設置された十一の工業高等専門学校に各一学科を増設するとともに、五つの商船高等専門学校に各一学級を増加し、専門技術者養成のための措置を講じました。  三五ページの(3)公立大学の助成につきましては、ほぼ従前どおりの施策を推進することといたしております。  同じく三五ページの(4)厚生補導の充実につきましては、一般会計において厚生補導の改善研究及び研修の実施、関係団体への助成に要する経費五千百八十万円を計上し、特別会計においては新入生合宿研修、少人数学生に対する教官の特別指導、学生精神衛生指導の拡大、学内広報活動の促進、課外活動の施設設備の整備、九大学に保健管理センターの増設を含む学生厚生福祉施設の充実等に必要な経費二十六億五千万円を計上いたしております。  三六ページの(5)育英奨学事業の拡充につきましては、大学院奨学生及び高等学校特別奨学生の採用数の増加をはかり、大学通信教育奨学生に対する貸与額を増額し、高等専門学校の高学年在籍者については、大学並みに貸与額を改定増額しました。  なお、日本育英会による事業総額は、前年度比九億三千百万円余増の百七十四億四千八百万円、奨学生総数は前年度比二千人増の三十一万二千八百人余となります。  重点事項の第四は、三八ページの私学の振興であります。  来年度においては、新規に私立学校の教職員の退職手当制度の実態調査の実施を加えて引き続き(1)私立学校に対する振興方策のための検討を行なうほか、各般の助成措置の拡充改善を行なうこととしております。  まず、(2)私立学校振興会貸し付け金の拡大を貸し付け条件の改善につきましては、政府出資金十五億円、財政投融資資金からの融資二百三十億円、自己調達資金九十五億円、合計三百四十億円と、前年度同様の貸し付け資金となります。明年度は一般施設費の融資率を引き上げるとともに、大学院施設をその対象に加え、また低利の経営費の貸し付けワクを五十億円と大幅に増額されました。  (3)私立大学等教育研究費補助の推進につきましては、設備、図書以外に教育研究用の光熱水料にまで助成の範囲を拡大することとして、三十三億円と一〇%の増額を見、(4)私立大学理科等教育設備、(5)私立大学研究設備についての補助も合わせて四十八億円となります。  このほか、(6)私立学校教職員共済組合補助につきましても、その長期給付事業百分の十六の補助は変わりませんが、昭和四十四年十一月から実施を予定されている旧法期間の給付額の改善等に必要な経費を補助の対象に含めております。  重要事項の第五は、四〇ページの学術の振興であります。  まず(1)研究費の拡充では、科学研究費補助金を大幅に増額し、前年度比十億円増の六十億円を計上いたしました。  (2)重要基礎研究の推進では、第十一次南極地域観測について八億七千万円、科学衛星及びロケット観測については三十億二千万円、加速器に関する基礎研究については一億七千万円等の所要経費を計上いたしております。  なお、(3)在外研究員等の派遣についても、引き続きその増員をはかりました。  重要事項の第六は、四一ページの青少年の健全育成と社会教育の振興であります。  急激な社会構造の変化に対応する社会教育のあり方について検討中でありますが、来年度予算では少年団体活動助成、青年教室の委嘱、青年学級等の運営、青少年団体指導者研修等、青少年の健全指導事業の拡充等を行なうとともに、家庭教育学級を一千学級増の一万二千学級とし、家庭教育、婦人教育の振興について経費の拡充をはかっております。  また、地方社会教育活動の充実に資するため、指導者の派遣、社会教育主事講習の実施等、指導者の養成確保に必要な経費を計上し、新たに四二ページの国立第七、第八青年の家を設置するほか、都市青年の家等、公立の青少年教育関係施設に対する助成を行ない、また四三ページの昭和四十六年八月実施予定の第十三回ボーイスカウト世界ジャンボリーの準備に対する援助費等を含め、青少年団体活動の助成を拡充する等の措置を講じております。  なお、公民館、図書館、博物館等の施設設備の整備、大学開放講座の拡充等をはかっております。  このほか、引き続き教育放送番組の内容の改善、都道府県ライブラリーの充実等による視聴覚面に及ぶ教育の推進方をはかることといたしました。  重要事項の第七は、四五ページの芸術文化の振興と文化財保護の推進であります。  昨年新たに文化庁が発足し、文化行政の推進をはかるための体制が整備されました。文化庁の来年度予算は五十五億九千二十七万円であります。  まず(1)芸術文化の向上普及につきましては、芸術祭の刷新充実をはかるため、新しい計画に基づきその充実をはかるほか、特に地方芸術文化の振興に重点を置いて、地方芸術文化の振興策を研究協議し、各都道府県主催の芸術文化行事を助成し、地方巡回美術展を開催する等、関係経費の増額をはかりました。  また芸術関係団体に対する助成措置の拡充を行なうとともに、国立美術館、博物館等の整備、フィルムセンターの設置及び公立文化施設整備の補助の充実をはかることといたしました。  次に、四七ページの(2)文化財保護の推進につきましては、文化財の保存修理補助について六億六千八百万円、防災施設、環境保全等の補助について五億千二百万円計上し、一そうの充実をすることといたしておりますが、特に最近の国土開発の急速な進展に伴い、史跡等の買い上げ五億六千三百万円及び環境整備九千七百七十万円と、それぞれ必要な補助を拡充いたしました。  なお平城宮東側の国道二十四号線バイパス路線旧予定地を買い上げ、平城宮趾のあと地の整備を引き続き行なうとともに新たに四八ページの飛鳥、藤原宮趾の発掘調査を開始することとして、必要な経費を計上いたしました。  なお、無形文化財の保存活用等につきましても、わざの維持向上、及び後継者の養成のための助成、伝承者の養成の助成、技術記録作成、資料の買い上げ等、引き続き必要な経費を計上いたしております。  重要事項の第八は、四九ページの体育・スポーツの振興であります。  来年度予算では体育・スポーツの普及奨励に力点を置き、水泳プールは前年度比百カ所の増で七百五十カ所を見、従前からの体育館、運動場、柔剣道場のほか、大型柔剣道場二カ所、及び野外活動施設の三カ所等整備促進するとともに、五十ページのスポーツテストの普及、スポーツ教室等の実施、スポーツ団体・行事の助成、指導者養成等を行ないます。  他方、国際的行事としては五二ページの各種国際的交歓事業の実施を拡充するほか、五三ページの昭和四十七年二月実施予定の札幌オリンピック冬季大会の実施のための諸施設の整備、選手育成強化対策の推進等の準備経費二十六億七千万円を計上いたしております。  重要事項の第九は、五四ページの国際交流の推進と教育援助の拡大であります。  まず、五四ページの国費外国人留学生の人員を五十七人増加いたしますと同時に、外国人留学生のための教育機関として日本語学校を開設することとし、その準備に着手いたします。  次に、五五ページの国際学術文化の交流を促進するため、引き続き教授、研究者の招致、派遣等その交流を推進するとともに、新たにスイス、西ドイツにおいて日本古美術の海外展を実施いたします。  また、五六ページのアジア、アフリカ諸国から教育指導者五人を招致し、またわが国からはこれらの諸国に理科教育、農業教育の指導者五人の派遣を実施するほか、前年度に引き続きアジア諸国への留学生の派遣を行なうために必要な経費を計上いたしております。  五七ページのユネスコの国際協力につきましては、都道府県ユネスコ活動指導者研修会、関係団体の助成等国内ユネスコ活動の推進をはかるとともに、アジア諸国の出版専門家の養成、ユネスコ本部との共同事業によるアジア地域プログラム学習ワークショップ、アジア地域農業教員ワークショップの開催等、事業の拡充をはかりました。  このほか、沖繩の教育に対する協力援助費六十三億六千七百万円は、別途総理府所管として計上されております。  以上で補足説明を終わります。

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 以上で国務大臣及び政府委員の説明は終わりました。  この際、小林君から発言を求められておりますので、これを許します。

小林武日本社会党

○小林武君 いずれこれらの問題については、長期間にわたって御質問申し上げる機会があると思うのですけれども、当面した一、二の問題について文部大臣に質疑というよりか要請を申し上げておきたいと思います。  一つは、文部大臣もおっしゃっていますが、当面の異常な大学の状態を正常化すること、これは文部省の責任であるとか、政府がどうだとかという問題を離れて、それぞれの立場で、これはもう国民的なやはり課題であるということについてはだれもがこれを否定することはできないと思うのです。そういうことから考えますと、大学問題について文部省、政府においては、そういう形の取り扱いが必要じゃないか。文部大臣の御所見の中にも、大学の使命を果たすためにみずからの力、みずからの努力によらなければならぬと言っておることは、これは私は大学の自治という立場からいって、きわめて妥当なことだと思うのです。その御意見に従って、それぞれ先ほど来申し上げたように、協力しなければならぬと考えるわけです。そこで中央教育審議会にいま諮問しているわけですけれども、この諮問の結果、従来でありますというと、答申が出る、待っていたというようにして文部省で早急に案を立てられる。そういう何と言いますか、手続の中に、考えようによっては、文部省の提案があって、それを大体中教審が賛成をして、まあいわば原案の承認をしたような形に従来はなっているのではないかという考え方を一つわれわれは持っているわけです。今回の場合は、やはりそういうことはこれは適当じゃない。ものがものだ。私は自民党の一、二の大学関係の問題を調査している方にも申し上げたのですけれども、中教審というようなものが、いまの場合、なかなか御苦労さんであるし、また非常に努力なされていることも認めますけれども、的確にこれをつかむということ、あるいはいろいろな面からのつかみ方ということになると、多少片寄っていると言っても私はよろしいと思うのです。ですから、この問題の答申が出ましたら、文部省としてこれを取り扱うだが、従来とは違って、今度の大学の問題の重要性にかんがみて、この処理にあたって何か新たなやはり考え方で、少なくとも事を急いで、押しつけられたというような感じとか、あるいはどうも適当にやられたというような感じをそれぞれの立場にある者に持たせないような措置ができないかということなんです。そういうことを、坂田文部大臣はその面については見識の深い方でいらっしゃるから、ひとつ新たな気持ちでこの問題にあたってもらいたいと思うわけです。実は前の文部大臣の灘尾さんにも言ったと思いますが、私は中教審の意見がどのように各委員から述べられたかということについても、全体に公開してもらえないかということを申し入れたわけであります。そのことについてはいろいろございましたけれども、中教審の委員の方々の了解もなしにできないから、まず了解をとっておくから、そのあとにしてもらいたいというようなあれをいただいて、しかし、まあその後私はそれを調べる機会がないわけですけれども、大学問題などというのは、中教審はこう考えている、各人もそれぞれ責任を持っておっしゃっているのだろうから、そういう面について、もっとガラス張りでやっていただいて、みんながこれについて討論をして——こういう状態を起こしたことを悲しむべき状態だと思うのですが、二度三度起こすというようなことじゃ、さらにこれがもっと深刻になって、これは扱いよくなければなかなか容易なことじゃないと思っているわけです。でありますから、この点ひとつ大臣に御要望申し上げておきますから、また何かいまここで御意見があったらお聞かせいただきたいということと、もう一つは、これはほんとに事務的な話ですけれども、ただいま大臣の御説明の中にも、沖繩の教育の問題についての援助についてのあれがございましたが、これは総理府のほうで取り扱うということですが、これはやはり文教委員会にこのことの内容はお知らせいただいて、われわれもまた委員会は違っても、沖繩どうなっているのだということについて、やはり両方で相談することとか、あるいは大臣にお願いすることとかということがあってしかるべきだと思いますが、その点ひとつぜひやっていただきたい、こう思うわけです。以上二点です。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 前段のお話でございますけれども、小林さんのおっしゃることは私も同感するところが実は多いわけでございます。したがいまして、ただいま運営の方法を若干私なりに考えまして、お願いをしている。また会長の森戸先生もそういうようなお気持ちでやっておられるわけでございますが、たとえば二、三日前でございましたけれども、会長招待という形で、まあわれわれでありますとヒヤリングの一種だとは思いますけれども、若手の方々、たとえば東大の助教授クラスの方あるいは学習院大学のやはり助教授の方、あるいは評論家でもわりに若手の方、これら四人をお迎えして、そうして一日その御意見を聞かれた。そうしてそのことについて多少新聞にも出ておったと思いますけれども、そういうふうに、がちっと固めてしまってそうして抜きさしならない形でなくて、私は衆議院、参議院の本会議あるいは予算委員会等を通じまして申し上げておりますように、大学問題というのは単に学生だけの問題ではない。またそれを受けとめている大学の教授だけの問題ではない。二十年間の民主主義の、いわば弱点というものが集約されているというふうにも見れるという意味から、紛争の中のいわば関係だけによって将来の基本的問題に触れるような問題を定着させるということは好ましくないのじゃないか。したがって、十分これは各党においてもお考えをいただきたい。また国民の方々もそれぞれの立場においてお考えをいただきたい。また、われわれ文部省も謙虚にその御意見に耳を傾けていかなければいけない。同時に、中教審自身においてもそのような運営ということをお考えいただきたいということを実は申し上げているわけでございます。今後、御趣旨を十分考えまして、しかしながら現在の制度の中にあるわけでございますから、どういう具体的な形に出てまいりますかわかりませんが、とにかくそういう気持ちを持っているということをひとつ御了承をいただきたいというふうに思います。(「出てからどういうふうにするのか。」と呼ぶ者あり)いやいや、そこまでひとつはっきりおっしゃらないでいただきたいと思うのですけれども。  それから第二番目の後段のお話でございますが、これは仰せのとおりだと思いますので、いずれ資料を御提出申し上げて御審議をわずらわしたい、かように考える次第であります。

久保勘一自由民主党

○委員長(久保勘一君) 本件に関する質疑は後日に譲りたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十九分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗