物価等対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/06/11
会議録
○委員長(山本杉君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本杉君) それでは速記を起こしてください。 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。 御質問のある方は順次御発言を願います。 鈴木君。
○鈴木強君 最初に農林関係で、桃の灰星病、この灰星病の防除薬の使用の許可についてお尋ねをいたします。 桃の灰星病というのは、昨年、山梨県から福島県を中心にして多量に発生をいたしました。山梨の場合は約十五億円の被害が出ておるわけでございます。非常に農家にとりまして大きな痛手であったと思います。また、もちろん、われわれ消費者の面からいいましても、うまい桃が食えない、そういう経験があるわけですが、この灰星病をどうしたら退治できるか、これが、桃をつくっております農家にとりましても、また、私ども消費者にとりましても、たいへん重大な課題になっていると思います。 そこで、きょう私は、灰星病の新防除薬スレックス水和剤、これについてお尋ねをしたいと思います。このスレックスという防除剤は、昨年の十一月にインゲンの菌核病防除剤としてすでに登録がされております。で、昨年、桃の灰星病が発生いたしましたときに、従来使っておりますモノックスですね、このモノックスという防除剤があまり効果がなかったわけです。そこで、山梨県の場合の例をとりますと、県の果樹試験場のほうで、スレックスを使ったらいいだろうということで、いろいろ御苦心をなされ、試験もなされたようでありますが、その結果、スレックスが桃の灰星病の防除剤として適切な新薬であると、こういう判断を下したようでございます。そこで、おそらく県当局のほうからも、農林省に向かって、早くこの許可をしてほしいという申し出があったと思いますが、すでに、わせものはこの防除の時期に入っておりまして、一日も早く許可をしてほしいという、そういう強い農民の願いがございます。ただ、そうかといって、製品がほんとうに灰星病に適するものであるかどうか、この点は化学的に専門的に御研究をいただかなければなりません。かつて、ジベレリンの処理問題で私も取り上げたことがありますが、製法その他において問題がありましたために、甚大な被害を農家に与えたことがございます。ですから、私は、その点についてはかなり慎重にものを考えておりまして、農林省の農薬検査所等において十分にこの性能について御研究なされ、この判定の出ますことを実は願っておるわけですが、これはおそらく残存毒性の問題もありますから、一緒に厚生省にもお尋ねしたいのでありますが、食品衛生の面から見ると、このスレックスを使うことによって何がしかの毒物が残るということになりますと、これもまた問題でありますので、これらの点を十分勘案された上で、できるならば、ひとつ結論が出るならば早くこれを許可してほしい、こういう願いを持っておるものですから、現状、このスレックスの認可の問題はどういうところまで、技術的に、専門的に、事務的に進んでおるか、これを最初にお聞かせ願いたいと思うんです。
○説明員(遠藤寛二君) お答え申し上げます。 桃の灰星病の防除剤でございますスレックスの問題でございますが、先生御指摘のとおり、山梨県、福島県その他で昨年大きな発生がございまして、それまでのモノックスは、いままでの薬ではよかったわけでございますけれども、なかなか効果が十分でないということがございまして、スレックスの問題がやかましくなりましたわけでございますが、これも先生御指摘のとおり、ジベレリン等で、そういう薬をかけまして事故が起こった例もございますので、私どもといたしましては、これは実は、これもまた先生御指摘のように、インゲンの防除薬としてはすでに登録済みのものでございますが、適応範囲の拡大ということで、本来でございますとこれは新農薬ではないわけでございますけれども、新農薬に準じまして検討をいたしまして、農林省の園芸試験場の盛岡支場、それから山梨県の園芸試験場、それから山形県、福島県、それぞれの試験場におきまして効果の試験を行ないまして、昨年の大発生、多発の年に非常に卓効をあらわしましたので、効果の点では大体問題はなかろうという観点に立ち得るに至ったわけでございます。 そこで、もう一つ、残存毒性の問題でございますが、これも実はインゲンの問題ですでに農薬として登録されておりますものでございますが、やはり慎重を期しまして、厚生省の御関係筋とも相談申し上げまして、いろいろ検討いたしました結果、特に問題はないという御回答を得ましたので、それによりまして現在早急に登録をすることを検討いたしまして、目下手続中でございますので、遠からず登録ができるというように、今度の桃の防除に間に合うようにはなるんじゃないかというように考えております。 以上でございます。
○説明員(小島康平君) 厚生省から御説明申し上げます。 スレックスにつきましては、農林省のほうからその毒性についての検討を協議したいという申し入れがございまして、私どもとしては、農林省のほうから御提出のありました農薬の残存の試料及び東京歯科大学衛生学教室、弘前大学医学部及び北海道衛生研究所において行ないました毒性の試験を検討いたしまして、使用いたしましても人体に被害のおそれのないものと判断いたしまして御回答申し上げました。
○鈴木強君 二人の御説明によりますと、効果の点では問題がない、残存毒性についても特に問題がない——問題ないわけですね。そうすると、あとは事務的にいつ登録になるかということですね。まあ、できるだけ早くということなんですが、もうここまで来たら、さようならきょうでもやるべきじゃないですか。そんな、ちゅうちょ逡巡していることはない。もう科学的に立証され、検討が済んでおれば、いますぐやらなければうなそじゃないですか。どうしてそんな可及的すみやかだとかなんとか、一流のあいまいとした答弁しかできないのですか。どういう点が残っているのですか。
○説明員(遠藤寛二君) 先ほどの私のお答えの申し上げ方がまずかったわけでございますが、今明日くらいに手続が完了する予定になっております。
○鈴木強君 そうすると、これは無条件許可と考えてよろしゅうございますか。
○説明員(遠藤寛二君) 効果の点ではいいわけでございますが、残存毒性の問題がございますので、使用上の注意といたしまして、本剤の散布は収穫の前日までにすることということを使用上の注意として記載をさせまして使用させるということにする予定でございます。
○鈴木強君 これはもう、スレックスというのは、インゲンの菌核病の防除剤としてかなり生産をされていると思いますが、そうすると、それを直ちに今度は灰星病に使うということになりますと、いまかりに登録になりましても、使用上の注意は、農薬取締法に基づいて当然そういうものは印刷をして中に入れていくんだと思うんだが、そういう点の配慮はどうなりますか。
○説明員(遠藤寛二君) 御指摘のように、従来からあります薬でございますが、使用にあたりまして、適応範囲の拡大ということがきまりますれば、それに対します使用上の注意書きを必ず添付させて販売させるというように指導をいたすつもりであります。
○鈴木強君 いまこれをつくっている会社は北興化学というふうに聞いておりますが、いま生産されている現有高というものは、品物はどのくらいあると踏んでおりますか。
○説明員(遠藤寛二君) 現状の数字は、ちょっと把握いたしておりませんので、いずれ調べましてまたお答えをいたします。
○鈴木強君 そうすると、これはまあ範囲の拡大ですから、ほんとうは新薬ということではないんだが、特に新薬に準じていろいろと効能その他について御研究いただいたわけですね。非常にこれはけっこうだと思います。 そこで、登録の有効期間は、やはりこの法律にあるように三年間ということになりますね。
○説明員(遠藤寛二君) そのとおりでございます。
○鈴木強君 それから、いままで使っておりましたモノックスですね。これは、せっかく灰星病の防除剤として厚生省が認可をし、登録になっているものなんだが、効果があんまりあがらないというのは、どういうところに原因があるか。
○説明員(遠藤寛二君) 灰星病のモノックスの効果というのは、わりあいゆるやかな効果でございまして、それから灰星病が発生いたしますのは、桃の収穫期に近い、後期からあとに発生しまして、出ましてから急にまいて急にきくという性質でないものでございますから、その点で多少いままでのは劣っていたといわれているわけでございます。
○鈴木強君 劣っていたと言うんだが、去年発生した灰星病には、残念ながら効能はなかったということになるわけだが、どういう場合にモノックスはきいたわけですか。
○説明員(遠藤寛二君) 従来、実は昨年のような大発生が急激に来ましたことはいままでございませんで、従来の程度でばらばらと出ます程度のものにおきましては効果が出ていたわけでございますが、昨年、桃の栽培面積が非常にふえましたりいたしました関係で、それとまた天候の関係もあったんじゃないかと思いますが、去年は非常に効果が薄かったという現象が出ております。
○鈴木強君 ですから、そういう使用上の注意書きといいますか、どういう時期に、どの程度、どういうふうな方法にするというようなことを、詳細に、使用の方法について、法律にもいろいろ書いてありますけれども、適切なやっぱり書き込みをしてほしいですね。言うならば、軽い病気ならモノックスで済むかもしらぬが、きわめて重症になり、範囲が広くなるとモノックスでは手に負えないのだと。ところが、そういうことは知りませんから、百姓のほうでは一生懸命薬をかけて、これを防除剤でやったわけです。効果はないのですよ。そういうことではおかしいですよ。少なくとも、認可されている以上は、それを使えば百姓はきっともうかる。ところが、むだに金を使った、いまのような話だと。そういう点のもう少し親切な指導というものができないものですか。
○説明員(遠藤寛二君) モノックスが悪かったというふうにおとりになったわけでございますけれども、それまでの段階では、モノックス以外にほかに薬がなかったわけでございます。最近になりましてスレックスが出てまいりまして、いい薬に置きかわったということでございまして、私の説明が不十分でありました点は、おわびを申し上げます。 それから先生も御指摘のように、指導の問題でございますが、極力、おっしゃいますように、使用上の指示事項は書かせるわけでございますけれども、それだけではなかなか十分にはまいりませんので、県の指導官と十分な連係をとりまして、そちらを通じまして、栽培上の指導、農薬製造上の指導というものをいたさせたい、そういうふうに考えております。
○鈴木強君 それはけっこうです。ぜひ間違いのないように。ジベレリンで私は非常にこりておりますからね。ですから、やはり今後におきましても、認可をした、登録をした製品が効力の点で間違いがないかどうか、製法その他についても、立ち入り検査もできるはずですから、抜き取り検査もできるはずですから、そういう意味において、ただ認可のしっぱなしじゃなくて、できるだけそういった検査の面における配慮というものを忘れないでほしいと思うのです。
○説明員(遠藤寛二君) 御指摘のとおり、十分注意してまいりたいと存じます。
○鈴木強君 それからこの件では最後に、値段は、これは幾らになっておりますか。
○説明員(遠藤寛二君) まだ、桃のほうにつきましては販売されておりませんので、ちょっとまだきまっておらないわけでございます。
○鈴木強君 これはインゲンの菌核病に使っているのだから、そうすると、桃に使っているのは値段を変えるの、これ……。
○説明員(遠藤寛二君) どうも失礼いたしました。まだ今年度の新しい製品の値段というものはきまっておらないそうでございます。先ほど私言いましたのは間違いでございまして、ものは同じでございますけれども、まだ今年度の販売価格がきまっておらない。後ほど調べまして御連絡いたしたいと思います。
○鈴木強君 それはちょっと……。参事官は最近かわられたんですか。
○説明員(遠藤寛二君) はい。
○鈴木強君 ああ、その関係だろう。そんな適当な答弁で国会というのは済むものじゃないですよ。現に、スレックスというものはインゲンマメで使っているわけだ。これは山梨県のほうにも何百箱というケースが事前に予約してありますから、インゲンマメのあれであるんだから、値段がないという、そんなことはないので、ことしまた値上げするかどうかは別としても、現状のスレックスは幾らかということを聞いているのだから、幾らですと、答えがわからなかったら、わからないで後ほど調べてお答えします、こう言えばいい。
○説明員(遠藤寛二君) どうも申しわけございません。いま私、数字がはっきりいたしませんので、後ほど調べましてまた御連絡申し上げます。
○鈴木強君 はい、わかりました。じゃそれで終わります。 次に、公取の委員長、たいへんお忙しいところ、おいでいただきましたが、 〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕 富士・八幡の合併の問題について、その後の経過を含め、今後の見通し等についてお尋ねをしたいと思います。 公正取引委員会山田委員長以下、この一年有余カ月にわたって、八幡・富士両社の合併問題について、きわめて慎重な審査を進めていただいたのであります。前回の委員会におきましても、わが党の竹田四郎委員から、かなり詳細な経過についての質問をいたしております。で、そのほか、本委員会におきましても幾たびかこの問題を取り上げまして、事が重大であるがゆえに、公取の意見をただし、われわれの意見も申し述べてまいりました。そういうこの間における幾多の経過がありましたが、とにかく、公取が厳正な立場に立って、いろいろの圧力もあったように聞いておりますが、そういうものを一切はねのけて、独禁法のただ一人の番人として、両社の合併が一定の取引分野における競争を実質的に制限するかどうか、問題はここにかかっておったと思いますが、これについて公正な審査を行なっていただきました。われわれもまた、そのことを強く要望しておったのであります。幸いにして、去る五月七日、慎重な審査を重ねました結果、独禁法第十五条によって、両社が三月六日に締結した合併契約に基づく合併をしないことと、こういう勧告を出されました。同時に、東京高裁に対して、合併を差しとめるための緊急停止命令を申し立てたことは、その意義がきわめて私は大きいと思います。この結論を得るまでに非常に苦労されました公取委員長以下関係の皆さんに対し、心から敬意を表し、感謝を表したいと思います。 そこで、私ども、発表されました合併をしてはならないという勧告について、最大の理由というものは一体どこなのか。ここでも示されましたように、鋼矢板、それから鋳物用銑、それから鉄道用レール、食かん用ブリキ、この四品目について問題があったと思うのです、制限になるかどうか。そこで、まあいろいろこの勧告の内容等を伺ってみますと、ある程度、鉄道用レール、あるいは食かん用ブリキの点については、出されてまいりました対応策というものについて評価をされているようですね。ただ問題は、具体的に対応策の裏づけというものが示されなかったように聞いております。それから鋼矢板、鋳物用銑——これはまあ銑鉄のことですが、鋳物用銑については、出されました対応策は認められないと、こういうことであると思うのです。一番の合併をしてはならないという理由はどこにあったんでございましょうか。いま私が抽象的に申し上げたような、そういうところにあったのでしょうか。
○政府委員(山田精一君) 御承知のとおり、独禁法の第十五条におきまして、会社は次のような場合には合併をしてはならない、そのうちの一つに、「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」と、かような規定がございます。それに照らしまして、ただいま御指摘のございました鉄道用レール、食かん用ブリキ、鋳物用銑及び鋼矢板、この各取引分野におきまして競争が実質的に制限されることとなるというふうに認定をいたしましたので、ただいま御指摘の勧告をいたし、また、それが応諾されませんでしたので、審判開始決定を去る五月十九日に行ないました次第でございます。
○鈴木強君 通産大臣きょう御出席になっていませんが、次官おいでいただいておりますので……。通産省としては、いろいろこの間御答弁がありました。ときには、ここで大臣と激論したことも私覚えておりますが、この勧告が出されて、この勧告を見ると、主文、それから事実、法の適用を明らかにする、そういった理由が盛られておるのですが、特にこの中で、事実関係について何か通産として勧告を見て意見を持っているものなんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(植木光教君) 御指摘のとおり、勧告が行なわれましたあと、通商産業省といたしまして行政的な立場で考え得る対応策について検討いたしましたことは御承知のとおりでございます。ただ、現在審判手続に付されている段階でございますので、私どもといたしましては、いろいろ問問を提起いたしますことは適切でないということで、いま見守っているという状況でございます。
○鈴木強君 これは、厳正な勧告が出た以上は、次官がおっしゃるような態度が私は正しいと思います。 それでは、ちょっと私気にかかる点がありますから、二、三具体的にお尋ねしたいのですが、たとえば、勧告の中で、富士・八幡の製品とその他の会社の製品との間に格差があるというふうな点が述べられておりますね。私は、これとの関連だと思うのですよ、思うのですが、おたくのほうで、ユーザーのほうにそういったふうな実態調査を行なっているとか、あるいは成分について差があるかどうかというような研究を早稲田大学の鋳物研究所のほうに、第三者機関に調査を依頼しているとか、こういうふうな具体的な動きがあるのですけれどもね。こういうものは御存じでございますか。御存じだとすれば、私は、いま言ったような勧告が出た以上は、いまとやかく通産省も動くべきでないという考え方とは、ちょっと違うと思うのですよ。私の申し上げたことを通産省も全然やっていないということであれば、私の質問は意味ないわけですけれども、そういうふうな情報を、私ども新聞雑誌その他で聞くものですから、念のために伺ってみたんです。
○政府委員(植木光教君) 御承知のとおり、通産省といたしましては、産業政策を推進をしていくという責任を負っているわけでございまして、公取のほうから勧告が出されまして、それに対処して審判の手続を取りますとともに、両社は対応策を真剣に考えているわけでございます。その後、当事者の対応策とともに、通産省としても、この対応策をつくりますのに手助けをするということができるかどうか、さらにまた、できるとするならば、どういうふうなことをすればよいかということを行政的な立場で検討を続けているというのが、ただいまの申し上げましたようなことなんでございます。
○鈴木強君 そうすると、勧告が出ましたあとに、通産大臣が閣議を報告をしておりますね。そして、いま申し上げたような三つの点について通産省としても協力のできるものならしようじゃないか——すなわち、おそらく対応策に重点を置いたと私も思いますがね。あとからも問題になりますが、この勧告というのは、合併をしてはならないという勧告ですね。ですから、この対応策を出す場合でも、なかなかこの点はむずかしいと私は思いますけれども、そこで、その対応策を出す協力を政府が積極的にこれはやろうという姿勢なんですか。それから、そのために鋳物用銑鉄について早大の鋳物研究所にその調査を依頼している、この事実は認めますか。それとの関連で、どうしてこういうことをやるのですか。
○政府委員(植木光教君) 公正取引委員会といたしましても、審査の段階で両社から出しました対応策では合併の条件は完備していない、してはならないという勧告をなさったわけでございまして、今後審判の過程におきまして、御承知のとおり、両社から対応策を出していくということになるわけでございます。その両社が出します対応策を行政的な立場から補完をしていくことができるものであるならば、すべきではないか、そして、できるのであるならば、どういうふうな点ができるのであるかということをいま通産省として検討を進めているわけでございます。これは、言うまでもなく、独禁法でうたっております、そしてまた、今回のこの合併問題について中心になっております競争条件というものを確保しなければならないという観点からやっているわけでございます。御承知のとおり、合併してはならないということは競争制限になればということなのでございますから、競争条件の完備のために行政の立場で検討を続けていくというのが実情でございます。
○鈴木強君 ぼくの質問するポイントにズバリ答えてくれないのですが、これはまあ公取の委員長にもちょっとお尋ねしておきたいのですが、勧告は、合併をしてはいけないと、こういう趣旨ですね。したがって、まあ対応策について通産省はえらい力を入れて、何とか違反事実というものを打ち消そうという努力をされているわけですが、問題は、あの勧告、十五条の勧告の趣旨は、合併してはいけないということですから、合併をしてはいけないというのは対応策が足りないからということであろうと思いますね。しかし、そのことのウエートというのはどういうことなのですか。合併してはいけないというのだから、合併をしてはならないという勧告の趣旨に沿わなければならないことが重要視されるのですか。その点、ちょっと解釈に困るのですが、その辺はどういうふうに考えているのでしょうか。
○政府委員(山田精一君) 現在までの段階におきまして私どもが当事者から提出を受けましたところの届け出の内容及びその後いわゆる対応策として補充されました内容から判断いたしました限りにおきまして、現在の段階においては合併をしてはならないと、こういう勧告をいたしましたわけでございます。もとより、私どもといたしましては、この合併は何とか成立させたいとか、または何とか成立させたくないとか、こういうような予断は一切持っておらないのでございまして、法律に定める問題点がなくならない限りは認めるわけにはいかないと、こういう趣旨であの勧告を出しておるわけでございます。
○鈴木強君 そうすると、これから審判に、十五日から入っていくわけですが、その過程で具体的に、十五条の制限にならないというような対応策が出てきて、それを委員会のほうで認めた場合には、これは同意審判といいますか、和解審判といいますか、そういうふうな形で決着をする可能性というのは出てくるわけですね、そうすると。
○政府委員(山田精一君) 問題点が払拭されますかどうか、これは一に今後の審判廷におきます先方の主張によるところでございまして、何とも申し上げられないわけでございます。その競争の制限になるという問題点が完全になくなりますれば、これは合併してもよろしいわけでございます。ただ、いま和解とか同意審決というおことばがございましたが、私は考えますのに、和解というのは普通民事裁判の場合に使われる表現だと存じます。これは、原告と被告とがお互いに譲歩し合いまして、それで譲り合って和解をする、こういう趣旨ではないかと思うのでございますが、合併問題の場合には、両方で譲り合ってという観念とは違うように思うのでございまして、要は、法律第十五条に抵触するか、抵触しなくなったか、とういう点でその審判の結果は定まるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鈴木強君 いろいろ回りくどい話もあるんですけれども、結局、十五条の実質的制限になるというようなことが打ち消されるような具体的な裏づけのある、だれが見てもそうだと、こういうような対応策が示されてくれば、審決の場においてこの勧告の趣旨というものは消えていくと、そういう審決が出てくる、要するに、合併してもよろしいということになるわけですね。そういうふうに、じゃ理解していいんですか。
○政府委員(山田精一君) 審判の過程におきまして、ただいま仰せになりましたように、法律第十五条に照らしました問題点というものがなくなりますれば、これはもう勧告というものをいたします必要も、また実益もなくなったとして、合併は認められることになる、かように考えております。
○鈴木強君 そうすると、合併を会社のほうでは、しようとしたわけですね。それを、しちゃいけないと言ったわけですから、ですから、合併をしないということがやっぱり前提になって、それから対応策というものを考えながら、もう一回振り出しに戻ってやり直すということになるのが筋じゃないでしょうか。合併をしちゃならないということですから、合併しないということが前提になるような気がするんですけれども、まあ、うらはらのことですからね、委員長のおっしゃることもよくわかりますけれども、念のために、もう一回聞きたい。
○政府委員(山田精一君) 先ほどもちょっと申し上げましたごとく、ただいま私どもが受け付けておりますところの届け出の内容及びその後のいわゆる対応策による追加、この内容では合併をしてはならないと、こういう判断をしておるわけでございます。
○鈴木強君 まあ大体わかりました。 それで、政務次官、植木さん、この早大の鋳物研究所に調査を依頼していることは、これは事実ですか。
○政府委員(植木光教君) 六月の二日に、重工業局で合併にかかる当面の措置というものをつくりまして、これは、両社だけでは問題点の解消のために十分ではないということで、措置を講じたわけでございます。鋳物銑につきましては、関係業界から公取に対しまして厳重な抗議が行なわれますとともに、通産省に対しましても善処方が要請せられましたので、したがって、仰せのような措置をとったわけでございます。
○鈴木強君 それからもう一つ、鋼矢板についても、建設省が通産省のほうに、八幡・富士とその他の会社の製品との間にはそれほどの品質の格差がないというような連絡をしたように聞いておりますが、これは事実ですか。
○政府委員(植木光教君) 仰せのとおり、JISマーク表示許可の対象品目に指定するように要請がございました。したがいまして、通産省としましては、本件が新規メーカー進出の促進と安全性の確保に有効であるという見地から、JISマークの表示許可対象品目の指定を行なうという方針を決定いたしまして、需要家の意見も徴しながら早期にこれの作業を開始するということにしたわけでございます。
○鈴木強君 ちょっと私は不審に思うんですけれどもね、建設省の見解が。というのは、四月十、十一日に公聴会を公取がやっておられますね。その際に、建設省の佐土参事官が公述に立っておるんですね。この内容を拝見しますと、日本においては鋼矢板のほか代替品はないというのが一つですね。それから、鋼矢板はシェアが高く新規参入の余地はない、それから合併の場合価格が硬直化されるおそれがある、こういう措置を公聴会で証言しておるわけですね。したがって、これはただ単に佐土参事官の個人的な意見ではないと私は思うんです。したがって、建設省の大体の意見と私は理解するんですが、この陳述の要旨から見ると、あまりにもかけ離れたような気が私はするんですね。いま植木次官からは、JISマークとの関係でというお話が出ておりますがね。私どもひがんで考えるわけじゃないんですけれども、いまここに勧告が出て審判開始をしようとする段階において、たとえば前の鋳物銑にしても、どうも政治的に見て、勧告に何かこう抵抗しようというようなものにとれますよ。それからこの鋼矢板の問題についても、なぜ建設省が通産省にそういう意見を申し述べたのか。JISマークにするんだったら、いまにわかにそんなものが出てくるはずはないんでして、もっと早目に、製品についてJISの規格をほしいなら、そういう申請をすればいいわけですね。それがことさらに勧告後に出てきているということになりますと、関連して考えたくなるのは当然ですよ、これは。何かしら、あなたが最初に言っているように、通産省は冷静な立場に立って、とにかく現行の法律に基づき、私的独占禁止法によって公正取引委員会が設けられ、取引委員会は法律に基づいて勧告をしておるんですからね。これに対して通省産がつべこべ言うことはこれはおかしいのであって、あとからいろいろ客観的な情勢についてお尋ねしますけれども、そういうようないろいろな意味からいって、対応策についてできるだけ行政的な協力をしようという、そのことを私は否定はしませんよ。否定はしませんけれども、そのこと自体も、何かいまの進んでおる段階ですからね、あまりこうした大だんびらにやられると、これは問題がありますよ。公取のほうの立場、国民の立場から見ると、鉄なんというのは、なべかまから、すべてわれわれ国民生活に密接するわけですからね。このことが価格がどうなるかということは、物価との関係、国民生活との関係で重大な問題ですからね。ですから、私は合併問題についてはことさら執拗に、しかも繰り返しやってきているわけですからね。そういうふうな意味からいって、この二つの具体的な事実を私は指摘しましたけれども、それが何か、公取の勧告、公取に対する一つの抵抗的な、レジスタンス的な印象を受けるのは私だけではないと思うんですがね、その点はどうですか。
○政府委員(植木光教君) 通産省が公取に対しまして圧力をかけるんだとか、あるいは抵抗するとかいうような意思は毛頭ないのでございまして、審判に付されておりますので、これは厳正また迅速に適切に結論が出ますように、私どもとしては見守っておるところなんでございます。 先ほどお話がありました点につきましては、建設省から鋼矢板について公聴会に臨んだ技官から意見が開陳されたことは私どもも承知いたしております。この鋼矢板につきましては、後ほど事務当局から説明をさせたいと存じますが、いずれにいたしましても、ああいう勧告が出されました後、競争の制限ということがあってはならない、いかにすれば競争条件を確保することができるのかということを、両社だけではなしに、行政の立場でも十分に考えていくべきだということで、いろいろ検討し、措置のできるものは措置をしているという状況なんでございまして、その点について御理解をいただきたいと思うのでございます。
○鈴木強君 大臣でも次官でも、通産省の幹部はあなたと同じようなことを言うでしょう。また、言わなければならぬでしょうね。しかし、実際にはそうでないのだ。われわれ表だけのものを見ているわけじゃないのです。いろいろと裏からのものの見方もあるでしょう。現に、きょうも新聞を見ますと、経団連が公取委に対してかなり批判を加えるような記事を拝見します。産業政策無視の独禁法運用とか、事実を誤認しているとか、いろいろ批判が出ています。これは、批判は、国民の側に立って自由ですからね。私はいいと思いますけれども、たとえば、椎名さんが、合併を公取が認めぬがごときようないろんな風潮が伝わったときに、ある場所で、これは記事になったのですが、もしそんなことなら独禁法を改正しても合併させるんだなどというような発言があって、ここで私はかみつきました。そうしたら、そんなことはない、もしもそんなことを言えば私はあしたから首だ、ということを言われたんですけれども、それは、どういう場所でどういうことを言うか、いろいろあるでしょう。いろいろあるでしょうが、最近特に勧告が出まして以来の客観的な情勢というものを静かに見ておりますと、政府自民党においても、すでに独禁法改正の動きを具体的にやっているじゃないですか。そういうものによって、与党である自民党、政府というものがやっぱり陰に陽にいろんな意味において私は影響を受けると思うのです。そういう表面的に言われている姿と、実際には、われわれから見ると、もっと突き進んだ意見というものが出ているような気もするわけです。ですから、われわれがこういう具体的な問題を見たときに、すぐそう直感するのです。直感するなと言ったって、そういうふうに直感するようないままでの幾つかの積み重ねというものがあるものですから、たいへん失礼な質問になったかもしれませんが、私はそういう意味においてあなたに伺ってみたんですけれども、文字どおり、おっしゃるように、少なくとも現行法律に基づいて——これは現行法律は守るのがわれわれの義務ですから、そういう意味において、法律できめられたものに対して、もし問題があれば裁判に移行することもできることでありますし、それに対して政府当局が三権分立の立場においても、一般国民が批判するのと違った意味合いがあると思いますから……。そういう意味で、現状その他についても、何か公取を袋だたたきするような情勢というものがうかがわれるわけです。それは全く遺憾千万なことだと思うのです。もちろん、これは余談ですけれども、現行法律に不備があるなら、いろんな考え方があるでしょうが、それをいまこの段階で出してくると、非常におかしなつじつまの合わないようなことになるような気がするのです。次官の言われるような態度であるならば、私もそれで一応きょうは聞いておきますけれど。 それから、この鋼矢板のJISマークの表示の指定については、どこの会社から出ておりますか、申請が。 〔理事林田悠紀夫君退席、委員長着席〕
○政府委員(植木光教君) 川崎製鉄、日本鋼管の両社及び既存メーカーの八幡製鉄、富士製鉄両社から出たのでございます。詳しいことは局長から答弁させます。
○説明員(山下英明君) 五月の中旬に、日本鋼管から通産大臣あてに要望が出ておりまして、従来は圧延鋼矢板は八幡、富士二社で製造されておりましたが、日本鋼管も現在のところ試圧延中であり、近く市販する予定でありますので、また、ほかに川崎製鉄も製造開始と聞いておりますので、この際JISマーク表示品目の指定をお願いしたいという趣旨の要望でございまして、JISマーク表示制度は製造者に対する技術水準の安定維持を法的に義務づけ、また、使用者に該当鋼材がJIS品目であることを容易に識別させることにより使用者の利益を保護することを目的として設定されたものと考えられますので、ぜひこの際にお願いしたいという趣旨の要望でございます。かつ、あわせて、別に川崎製鉄から同様趣旨の、表現は異なりますが、要望書がまいりました。自来、私ども担当の工業技術院で従来のいきさつ等も含め検討いたしましたが、六月の初旬に新規参入の二社からこういう要望があったについては、従来のメーカーである富士、八幡がどういう考えを持っているか、意向を打診する文書を富士及び八幡両社に出したわけでございます。それに対しまして、六月の六日に、全面的に協力しますので規格改正の手続をお進めいただいてけっこうですという趣旨の文書が、八幡、富士側から出てきております。
○鈴木強君 そうすると、JISの表示品目に、すでに八幡、富士の鋼矢板はなっておるわけですね。さっきの次官のあれだと、川崎と日本鋼管、ほかに既存の富士、八幡というようなお話だったんだが、その他はどうなんですか。
○説明員(山下英明君) JISのマークを表示するべき品物としては、まだ指定されておりません。
○鈴木強君 そうすると、富士、八幡のほうは、鋼矢板のJIS指定については、まだ要望、申請が出ていないということですね。
○説明員(山下英明君) 従来は、JIS規格だけで、マークの表示がございませんで、富士、八幡両社はそれぞれ自社マークで販売してきたわけでございます。
○鈴木強君 だから、この二社だけが申請されておるということでしょう。
○説明員(山下英明君) 今回JISマークの指定品目に指定されたいということを新規参入の日本銅管及び川鉄が要望してまいったわけでございますが、既存メーカーの富士、八幡側も賛成協力するから手続を進めてほしい、こう言ってきたわけでございます。
○鈴木強君 それは聞いたからわかりましたよ。だから、問題は、日本鋼管と川鉄がJISマーク表示の品目指定にしてくれという申請をしたんでしょう。それに対して、御丁寧にも、富士、八幡のほうに皆さんは照会したわけでしょう、こういう申請が出ておりますと。そうしたら、どうぞそれはおやりくださいということですが、富士、八幡については、自社のマークでやっておったので、まだJISマークの指定は受けていないわけでしょう。ですから、現在来ておるのは二つだけだ、こうなるんでしょう。さっきの話だと、何か四つ来ておるようなんですが、その点を確認したかったんですよ。
○政府委員(植木光教君) 先ほど申し上げましたのは、ちょっとことばが足りませんで、二社からまいりましたあと、既存の二社から協力をするから推進をしてほしいと、こういう申し入れがあったということでございます。
○鈴木強君 わかりました。どうもこれもまたふしぎな話ですね。実際。だから、これは語るに落ちるというんだが、やはり、さっき私が心配した点がこういう面にも出てきているような気がしてなりません。こういうところに、また通産省が批判を受ける原因があると思います。 それからもう一つ、公取の委員長にこの際はっきりしていただきたいのは、勧告が七日にありまして、翌々日の九日の日に、八幡、富士の両専務が委員長をたずねておられますね。そうして、合併するなという勧告の回答期間である五月二十日までに完全に対応策を提出したら合併は不問にしてくれるか、勧告は取り消されるのか、こういうのが一つですね。対応策づくりの相談に乗ってくれるか、こういうのが二つ目。それから、回答期間五月二十日を延ばしてもらえないかと、こういうことについて相談に、これは非公式のあれだからわかりませんけれども、行かれたようですけれども、これに対して委員長は大体ノーというようなお答えのように聞いておるのですけれども、これは新聞ですね、この委員会で、この点はかなり重要な点だと思いますから、ひとつ明らかにしてもらいたい、こう思うのです。
○政府委員(山田精一君) ただいま御指摘のございましたように、五月の九日に両当事会社の専務が打ちそろって私のところに見えられました。私に対しまして御質問がありましたのは、大体ただいま御指摘のございました項目、三項目でございます。第一は、勧告の応諾期間として定められました期間中に自分たちの手で完全な対応策を出したならば勧告は取り消してもらえるか、これが第一点でございます。第二点といたしましては、対応策の作成につきして勧告応諾期間中にネゴシエーションに応じてもらえるか、これははっきり「ネゴシエーション」ということばを使われたわけでございますが、これが第二点。第三点といたしましては、二十日が応諾期間になっておるけれども、それを適宜延長してもらえるかどうか、この三点について御質問がございましたわけでございます。私は、この第一点につきましては、むろん先ほどお答え申し上げましたごとく、明らかに抵触する事項がなくなってしまいますならば、勧告の必要も実益もなくなるわけでございまして、いままで勧告を取り消したという先例はございませんけれども、勧告自体を何らかの形でなくするということは検討をしてみましょう、ただし、二十日の期限ぎりぎりになりまして、たとえば十九日などに対応策をお出しになりましても、あまり期限ぎりぎりでは委員会といたしましてそれを十分に検討いたす余裕がないわけでございますから、しかるべき余裕を置いてお出しを願いたい、それから第二点といたしましては、対応策の作成につきまして、御質問があればむろん応じますけれども、いわゆるネゴシエーション、一種の商取引のような形でもっていたしますことは私どもの立場としては困りますので、公正な形で対応策の御相談にあずかりたい、それから第三点につきましては、なるほど法律において、正当な理由があれば応諾期限を延長できるということになっておりますけれども、それはおのずから常識的な範囲で、まあ、一両日程度延期いたすということではなかろうか。しかも、これは先例によりますれば、当該会社の社長がよんどころないことで海外に旅行しておるとか、そういうようなことで応諾の期限を延長しなければならないような事態があってこれに応じたことはございますけれども、対応策ができるまで長期間待ってもらいたいというわけにはいかないと、こういうふうにお答えをいたしましたわけでございます。
○鈴木強君 その点はわかりました。そうして十六日の午後四時に、両社から公取の勧告に応じがたいという拒否回答が出ているわけですね。そのときに、五月二十八日に株主総会を予定しておりましたが、その株主総会には合併の案件をかけないということが一つ、それから十二日の日に両社がかわした合併期日延期の覚え書きというのがありましたが、その覚え書きをつけて委員長のところに提出されたと思いますが、そこで、この点に関する限りは、私は、独禁法六十七条による合併を差しとめるための緊急停止命令、この点は、東京高裁に申し立てをしておりますけれども、合併しないということですから、この点は何か意味がないように、消えておるように思うのですけれども、公取としては高裁への申し立てば取り下げる意思はないのですか。これは取り下げたのでございましょうか。
○政府委員(山田精一君) ただいま御指摘のように、私どもといたしましては、審判開始決定をいたしました同じ日に、東京高等裁判所に対しまして緊急停止命令の申し立てを行ないましたのでございますが、その後、五月のたしか二十八日、二十九両日であると思いますが、両社の株主総会がございまして、定款変更その他の案件は付議されなかったわけであります。また、同時に、両社からさしあたり合併をする意思はない、もしそういうような場合には事前連絡をいたすということがございましたので、この緊急停止命令の申し立てば五月三十日に取り下げを実行いたしましたわけでございます。
○鈴木強君 その点はわかりました。 これは今後の問題ですけれども、たとえば、取り下げましたね。これは一つの例ですからそのつもりでお聞きいただきたいのですが、もう一回何か合併をするがごときような動きがあった場合には、一回取り下げたものがもう一回申し立てができるようになっておりましたですか。
○政府委員(山田精一君) これはどこまでも仮定の問題でございますけれども、ただいま御指摘のような事実がございました場合には、再度申し立てをいたすことができるたてまえになっております。
○鈴木強君 それで、これからお尋ねするのは、今後の問題にかかってくるのですが、いよいよ審判にかかることになりまして、十九日から開始されるようですが、審判開始の決定書というものは両社に当然発送されておると思います、その十九日の前に。この決定書に富士、八幡両社から反論のための答弁書というのが出されておりますが、いつ出されましたでしょうか。
○政府委員(山田精一君) 答弁書が出ました日付は五月の二十三日付でございました。答弁書が出ております。
○鈴木強君 それから、法律によると、審判は審判官によって行なわれるのですが、この審判官は委員長以下の委員の皆さんがなる場合と、それから事務局の方がなる場合とあるようですね。今回はどういう御方針でおやりになるのか、非常に事が重要な案件でございますから、この際伺っておきたい。
○政府委員(山田精一君) 第一回の審判は六月の十九日の午前十時と定められておるわけでございまして、すでに非公式に、先方の代理人でございます弁護士さんと私どもの事務当局の間で準備手続を進めておるわけでございまして、その準備手続の進行によりまして、言いかえますれば、争点が整理されました暁において、ただいま御指摘のございましたいずれの方法によるかを決定しようと考えておりまして、まだどちらの方法をとるかは委員会で合議いたしておらないわけであります。
○鈴木強君 これは非公式に準備手続を進めているとおっしゃるのですが、この審判官の任命の方法についても、ちょっとわれわれは理解しがたいのですね。普通の裁判のあれなんか見ますと。性格はそういう性格を持っているわけですが。ですから、状況によっては委員がなる、状況によっては事務局員でいいんだという、そこらがちょっとおかしいように思うのです。法律でそうなっておりますから、それは私がここでそう言ってもしようがないわけなんだが、いままでの経験に徴しまして、委員の方が直接審判官になるというような場合には、事がきわめて——みんな重大でしょうけれども、特に重大だというような場合に委員の方がなるというような、そういうふうな何か慣行みたいなものがあったのでしょうか。
○政府委員(山田精一君) これは、法律のたてまえが、ただいまおっしゃいましたように、二つの方法があることになっておるのでございます。かって、過去において、何年何月でございましたか、ちょっといま具体的に記憶しておりませんが、委員会で直接審判をいたしました事例が、たしか三件でございましたか、あると。三件という数字はあまり的確ではないかもしれませんけれども、ございましたわけでございます。これはかなり古い時期において行なわれましたのでございまして、現在の審判規則が制定されました後においては、ほとんど例外なしに審判官による審判が行なわれておりまして、最近では、委員会が直接審判をいたしたという例は見受けられないわけでございます。
○鈴木強君 まあ、公取の最高責任者は委員長ですから、その委員長がまだ腹がきまっていないわけですね。もう少し様子を見なきゃきめかねるということですか。
○政府委員(山田精一君) これは委員長がきめることではございませんで、委員会といたしまして、合議の上で決定することになっておりまして、まだきまっておらないわけでございます。
○鈴木強君 それはわかりました。それ以上お聞きしても、きまってないと……。 そこで、大体のスケジュールなんですが、これだけの大きなものですから、そう簡単には進まないと思います。その過程において、いろんな、それこそ調査やなにかもあるでしょうしするので、はっきりした見通しはつかないと思いますが、大体この審判というものは月に一回ぐらい開けるものですか。それで、おおよその見通しとしてはいつごろに結審しようというふうに、そう委員長としてはお考えでございますか。
○政府委員(山田精一君) これは、一に先方の当事会社の代理人が、どういうような証人の申請、あるいはどういうような証拠を提起されますのか、これがわかりませんと、大体どのくらいというめどは私ども一方的に申し上げることはできないわけでございます。また、過去におきます審判の例、これはほとんど全部が違反事件の審判でございまして、そうしまするというと、これは少し表現が適切でないかもしれませんけれども、当事者側においてもあまり審判を急がないという心理が入ってまいるわけでございまして、事実、かなり長期間を要した例があるのでございます。今回の場合においては、そのような心理はおそらく働かないと思います。私どもといたしましても、できるだけ早期に頻繁に審判を開きまして、早い機会に結論に達したいと、こういうふうに念願いたしておるわけでございます。
○鈴木強君 大体、経過、今後の見通しについてはわかりました。 そこで、これは政務次官と大臣に伺ったほうがいいんですけれども、政策の問題で、先ほどちょっと私は調べましたが、自民党の経済調査会で独禁法の再検討というものに着手されたように伺います。また、それに対して、野党は一致協力して、何を言うかというので、反発をしておるのもこれは事実であります。こういう動きに対して政府は一体どうするのか、もう一回あらためて私は聞きたいのです。
○政府委員(植木光教君) 先ほど来、お説のとおり、経団連におきましては独禁法の研究会が独禁法の研究を進めておりますし、昨日見解を中間的に発表したようでございます。また、自民党におきましても、経済調査会において独禁法の勉強会が行なわれております。これは、それぞれ経済界あるいは政党の立場で独禁法を勉強し、研究をしておられるわけでございまして、通産省といたしましては、いまちょうど審判が行なわれているところでありますので、これが早く結論づけられますように見守っているというところでございまして、当面、通産省としては、独禁法を改正するような考えはないのでございます。経済界及び政党において独自に研究を進めておられる。私どもがそれにとやかく申しますのは僭越だと考えておるのでございまして、通産省の立場、姿勢は、先ほど申したとおりでございます。
○鈴木強君 これはまあ菅野長官がおいでいただいておりますから、所管は通産でございましょうが、国務大臣として、どうこの点はお考えですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 御質問の趣旨、私はっきりつかめなかったのですが、合併すること自体がいいか悪いかという御質問ですか。
○鈴木強君 そうじゃなくて、勧告が出ている段階で、あなたの与党、自民党では、経済調査会というものをもちまして独禁法の再検討をしようという、具体的に動きだしているわけですね。野党のほうでは、それに対して——過去にもありましたね、改正が出ました。それはまあ廃案になりましたが、それは簡単にはいきませんよ。これはたいへんな重大なことですから、野党は数が少なくても、簡単にやれると思ったら大間違いで、たいへんなことになると思いますがね。そこで、政府として、こういう段階で一体独禁法についてどうしようとするか、そういう考え方があるのですかということを聞いたのですよ。
○国務大臣(菅野和太郎君) 政府として、いま具体的にその動きはありません。
○鈴木強君 わかりました。 まあ、山田委員長も、昨年の秋に独占禁止懇話会というものを脇村先生を会長で持たれて、検討を進めておられるようです。委員長の持たれた趣旨も、われわれは新聞その他情報によって伺っておりますから、ここであらためて伺いませんが、私は最後に、とにかくいまこの事件はまさに審判に付されようとしているわけです。したがって、政府のほうもその審判を厳正に見守るということで、国民もきわめて重大な関心を持っていると思います。委員長のおっしゃるように、できるだけ早目に結審したい、審決したい、こういうような御趣旨でございますが、どうかひとつ、今日まで取りかかった公正取引委員会の、厳正しかも厳粛な、この法律に忠実な、この精神をいつまでも堅持されて審判にあたっていただくように心からお願いをして、この点は終わります。 それから通産大臣、ちょっとあなたにもう一つ。これはもうちょっとですからね。私鉄関係の運賃やタクシーに入る前に一つ伺いたい。 政府が、五月二十三日の閣議で、公共企業体の仲裁裁定の実施に関係して、賃金と物価の悪循環を解決するということで、各省の次官を中心に、具体的な賃金と物価の悪循環解決のための検討をするということをきめたようですがね。この関係各省というのは、次官は一体だれか、これを一つ。 それから、この名前は賃金と物価の悪循環というふうになっておるが、この政府の態度というのは、明らかに所得政策というものを日本に導入しようとするのではないだろうか、こういうような見方をわれわれはするわけです。いままで、これは経済企画庁長官に関連が非常にあると思うのですが、宮澤長官の時代には、ここでやはりかなり論議いたしましたが、西欧でやっておるからといって、いまにわかに日本にその政策を持ち込んでみてもむずかしいだろうという、必ずしも西欧で成功していませんね、ですから、まあ慎重である、こういう態度の御表明がありました。われわれはこれを信頼をしていままで来ておるのですが、どうもこの閣議の決定を見ますと、ちょっと心配が出てきましたので、実際に政府が所得政策を日本に持ち込もうということに関して踏み切ったのかどうなのか、これをひとつ伺いたいのです。
○国務大臣(菅野和太郎君) この問題は、どこの委員会であったか、どこかの参議院の委員会で私お答えしたと思うのでありますが、所得政策を取り入れるということは全然考えておりません。宮澤長官と同じ考え方であります。また、お話のとおり、現在所得政策をとっておる外国の例を見ても、はたしてそれが成功しておるかどうかということは、これは疑問だと思いまするし、ことに、日本のように経済が均等に発達していないような国では、所得政策を考えることの時点までまだいってないと私は思っておる次第でございます。
○鈴木強君 わかりました、その点は。そうしますと、この賃金と物価の悪循環を解決するということに対する具体的な検討をするというのは、これはどういう趣旨であったのですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 最近、賃金の値上げ率が、額においても、率においても、いままでの例から見ると非常に高いので、そこでまた、それに従って、それが物価に影響を及ぼしやせぬかという一つの危惧の念を持っておるということから、この問題が考えられることになったのでありまして、実質的に経済成長を念頭に置いた妥当な給与の改善ということを考えるように各省において研究し合おうと言うたことでありまして、これは決して所得こいうこととは違いますからして、さようひとつ御了承願いたいと思います。
○鈴木強君 わかりました。じゃ、それはこれで終わります。 その次にお尋ねしたいのは、大手私鉄と地下鉄の関係ですね。それからタクシー、ハイヤー、こういう、おもに陸上運輸関係の各業界における運賃料金の問題についてお尋ねしたいのですが、きょうは運輸大臣は見えていないですね。これは、菅野長官も昨日閣議後の記者会見で、米価は据え置いた、したがって、もう私鉄を上げる理由はなくなった、わしは断固上げない、こういう心強い発言をされたようですね。それから佐藤総理も、先般の物価安定推進会議の最後の会合で同様なことを言っております。これはまあけっこうですね。ところが、どうも、国鉄が片づき、米価が片づいて、いよいよ私鉄だ、タクシーだ、公共料金の番に来ているように思うのですね。いままで経済企画庁長官の答弁はきわめて明快だったのですが、ただ少し、ぐらついてきたようにぼくら受けているのです、本会議なんかの答弁を聞いておりましても。ケース・バイ・ケースという運輸省のペースの中に巻き込まれておるように——これは私の受けた感じですよ、そういうように受けているのですね。したがって、この機会にひとつ、もう一切私鉄も地下鉄もタクシーもハイヤーも上げません、経済企画庁としては運輸省からどんな相談があってもだめです、こういうことを言明してもらいたい。もし、いままで私がたいへん失礼なような、うがった見方をして間違っておればたいへん失礼でありますが、そういうことを打ち消すためにも、もう一回ここで企画庁長官から、一切上げない、こういう御言明をいただけますか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 国鉄料金以外の交通関係の料金の値上げについては、一切ということばは使えないのです。というのは、地方鉄道なんぞでは、今日現に料金の値上げを許しております。地方のバスとか鉄道は、料金を値上げしなければ廃線になるというふうな、そういう経営状態でありますからして、そういうところではもう値上げを許して、一月以来、また、私が大臣になってからも値上げを許しているのです。だからして、一切ということばは使えない。極力ということばを使っているのであります。そこで、問題になるのは、消費者物価に影響を及ぼすような交通関係の公共料金は、これは押えるということを堅持するということで、経済企画庁長官としては堅持するということを申し上げている次第であります。
○鈴木強君 消費者物価に影響しないような値上げというのはあるのでしょうかね。私は、これは一つのことばのあやだと思いますが、なるほど長官のおっしゃるように、上げなければ会社がつぶれて廃線になるというような、これは例でしょうがね、そういう会社については、まあケース・バイ・ケースでやるということだと思いますが、では、今日まで、なぜそういうふうな、廃線にならなければならないような経営に落ち込んだのか。そういうことは、いまにわかに始まったわけではないと思うのです。長い間のやはり政策の行き詰まりがそこにきたと思うので、そこらの判定というのは、これは、会社の内容に立ち入りをし、具体的な利潤についての分配をどうしたかというところまで詳細にタッチして経営内容が把握できれば別です。しかし、なかなかそれは無理でしょう。実際問題として。このごろは粉飾決算なんていうのが多いし、粉飾予算なんていうのがあるから、ですから、これはなかなか大臣のおっしゃるように、正直者がほんとにそうだと思ってみたものが、案外結果的に見ると、おかしなことが出てきたりするように思うのです。ですから、その判定は非常にむずかしいと思うのですけれども、そういう極端な例を出され、しかも、物価に影響しないものはといっても、これはみな物価に影響するので、それなら、いままで、あなたが大臣になって、私鉄とタクシー関係ですね、幾つ認可されたのですか、就任以来。
○政府委員(町田直君) 四十三年度におきましては、大手、と申しましても西鉄の軌道線でございますが、一つ、それから公営、鹿児島市、仙台市、二つ、それからいわゆる中小、三十六、合計して三十九件。これは四十三年度でございます。四十四年度に入りましては、中小が六件、三井芦別炭鉱鉄道外六件ということでござ、います。
○政府委員(黒住忠行君) 路線バスにつきましては、四十二年の六月以降現在までに申請が百九十九社ございましたが、その中で六十四業者を認可いたしております。それからハイヤー・タクシー事業につきましては、四十年の十一月から全国で百二十九地区、二万二千八十六社の申請がございましたが、そのうち十四地区、七百三十社につきまして、昨年の六月以降運賃改定を認可いたしております。
○鈴木強君 ちょっと自動車局長さん、お答えが、私の質問と違ったお答えをしましたが、これはわかりました、申請数と値上げした数は。管野長官になってからということを申し上げたんですが、それはまあ、大体その数字でわかりました。 そこで、私鉄のほう、地下鉄のほう、大手中小含めまして現在まで申請をした件数——認可したのはわかりましたが、これはどうなってますか。
○政府委員(町田直君) ただいま申し上げましたもののほかには、私の申し上げましたのは四十三年度の数字でございますが、申請は、四十三年十一月から四十四年一月にかけてでございますが、いわゆる大手十四私鉄、それから営団、合計十五でございます。で、大手私鉄につきましては実質二九%値上げ申請、営団につきましては二三・三%の申請、これが出ている。それから中小につきましては、現在申請されておりますものが十八件ございます。
○鈴木強君 鉄監局長ね。中小十八件というのは、これは私鉄全部入れてですか。私の調査では、百三十くらいの中小私鉄から申請があるように聞いてるんですけどね。この十八件というのは、値上げをしたところなんですか、そうじゃないんですか。
○政府委員(町田直君) 現在、現時点で申請を受け付けておるものでございます。
○鈴木強君 そうすると、大手十四社、営団一社、十五社と中小十八社、合計三十三社ということですか。
○政府委員(町田直君) 現時点ではそういうことでございます。
○鈴木強君 そうしますと、この中で、さっき大臣のおっしゃったように、いろいろまあ検討されて、これは上げなきゃならぬ、これは上げるべからずと、こういうようないろいろな審査を個々に進めておると思うんですけれども、一体いまの段階で、大手十四社、営団一社、お述べになりました中小十八社ですね、この三十三社のうちで、値上げをしなきゃならぬと考えられるようなものは、およそこの中で幾つぐらいになりますか。
○政府委員(町田直君) 大手十四社並びに営団につきましては、何と申しますか、非常にまあ、先ほどお話のございました、たとえば消費者物価に影響のあるというような、そういうものでございますので、これはこれで別個にいたしまして私どもで審査を進めておる最中でございます。中小につきましては、ただいまの十八社の中で、現在どれも審査中でございますので、どうしてもこれだけは上げなきゃいかぬということを申し上げる段階ではございませんけれども、この中で、現在の段階におきましては、十一社につきまして、運審への諮問、それから経済企画庁の協議というような形で進めているという段階でございます。
○鈴木強君 まあ、大手のほうはいま審査中ですか、個別に特に慎重にやってるという。これは中小も個別に慎重にやってると思いますがね。そうしますと、十一社については運輸審議会に、もうかけてあるわけですか。経済企画庁としては、まだその運輸審議会の結論を見なければ何とも言えないという段階ですか。
○政府委員(町田直君) 運輸省といたしましては、運輸審議会に諮問いたしまして答申を待っておるという段階でございます。同時に、これらのものにつきましては、経済企画庁と御相談をしていると、こういう段階でございます。
○政府委員(八塚陽介君) 私どものほうでは御相談を受けているわけで、いま検討いたしておるわけでございます。それの意見がまとまりますれば、運輸省のほうへ御連絡申し上げます。運輸省のほうは、当然企画庁の意見を十分尊重されて、また運輸審議会等でも御説明に相なるというふうに考えております。
○鈴木強君 菅野長官、これは新聞の記事ですから間違いないと思います。ただ、もう一回ここで確認しておきたいのですが、きのうの閣議後の記者会見でお述べになりました、まあいろんなことがあったと思いますけれどもね、簡単に言って、この点に関してはこのとおりでいいのですか。——現在申請の出ている大手私鉄の運賃、それから大都市のハイヤー、タクシーの料金について、今後も認めない方針を貫く、こういうふうに強調されたというのですが、その方針はそのとおり間違いないですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) そのことは私もうたびたび申しております。
○鈴木強君 そうすると、自動車局長のほうに、ハイヤー、タクシーで大都市から申請を受けているのは何件、たとえば東京、大阪、名古屋、横浜ぐらいでいいですかね、まあ大都市と皆さんが言っているところから何件ぐらいですか。
○政府委員(黒住忠行君) 大都市、いわゆる七大都市でございますが、東京と横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、北九州市から現在各関係の陸運局のほうに申請を提出しております。
○鈴木強君 何件ですか。
○政府委員(黒住忠行君) 個人タクシーを合計いたしまして、七大都市分が一万一千八百五十業者でございます。
○鈴木強君 そうすると、いまのところでは、菅野長官は、この一万一千八百五十件については絶対に認めないぞと、こういうことですね。安心しておいていいですな。
○国務大臣(菅野和太郎君) 私のところへ直接お見えになりますが、みな私お断わりしております。
○鈴木強君 まあ、その精神をひとつ貫いてもらいたいと思います。 それから、乗車拒否のことは、この委員会でも何回も出ておるのですけれど、先般、各新聞を私参考に持ってきましたけれども、かなり追跡調査をやってくれておる。それからまた運輸省のほう、あるいは警察当局も、きょうは来ていただいておりませんが、真剣に取り締まりに乗り出していただいたので、われわれがここでいろいろ申し上げることが実際に実行の面に移っているわけですから、われわれとしても非常にありがたく思っているわけですが、なおこの乗車拒否を完全に一掃するというところまで、ぜひ皆さんに御協力いただき、われわれもまた御協力をしなければならぬ点はしたいと思うのです。 そこで、先般、行政処分の基準というものを変えられたようですね。それで、テレビを拝見しますと、十何社だったですか、具体的に車の使用禁止を命令したというようなことを言われておるのですが、最近の取り締まりの実態ですね、これをひとつ、簡単でいいですから、要領よく教えてもらいたい。
○政府委員(黒住忠行君) 従来は、使用停止をやりました場合に、まず第一回目ですと、四両のものを二十日というふうにやっておりましたが、今度は十両というふうにまとめましてやっております。したがいまして、それだけ経済的といいますか、会社に対する負担は大きなわけでございます。で、新しく基準によりまして、最近、この五月七日以降の違反に対する処分をいたしました。五つの会社につきまして十両十日間の使用停止をいたしております。それから文書警告は二社についてやっております。それからさらに、五月六日以前の事犯に対する処分を九件最近行なっております。これは旧基準に基づくものでございます。
○鈴木強君 われわれから見ると、何回も何回も乗車拒否をして、それでなおかつ営業を続けているということに対してはかなり抵抗を感ずるわけですがね。もっと、営業停止をするというような、そういう思い切った措置はできないものでしょうか。
○政府委員(黒住忠行君) 第一回では十両十日でございますが、さらに再犯、三犯と繰り返しますというと、車両数を増加いたします。それで、そういうふうになってきますというと、特別監査をやりまして、罪状によりましては営業停止処分まで及びたいということで、現在新しい基準で東京陸運局においては臨んでいるわけであります。
○鈴木強君 伺いますと、一回目には一社十両で十日間、それから二回やった場合には十五両で十日間、三回目は二十車両で十日間、そして四回目をやったときに初めて特別監査をして営業停止処分をすると、こういうことですね。まあ、三回やっても聞かぬからやるんだという、これはわかりますけれども、もう少し、一回でもやったら営業停止を何日かするというほうが効果があるんじゃないですか。まあ私は処罰だけで事足れりとは思っておりませんけれども、根本的に考えてもらわなきゃならない点があると思いますが、この点だけ考えるとそう思うんですけれども、それらについてはどうですか。
○政府委員(黒住忠行君) 従来のように、四両というふうな、あるいは五両、六両というふうに増加いたしますが、少数車両でございますというと、会社によりましては、運転手不足のために実際には休止をしているような場合がございますから、あまり痛痒を感じないというふうなことが間々あったわけでございますが、十両というふうな大量になりますと、たとえば五十両という会社が十両停止ということになりますと、二割でございます。十両、十五両、二十両というふうな単位でやりますというと、実質的には一部の営業所の停止に近いようなことでございますし、これだけやりまして、さらに営業所ごとの特別監査によりまして全部の営業所の停止まで及ぶわけでございますから、この処分自体は相当会社に対しては深刻な影響を与えるんではないかというふうに考えております。
○鈴木強君 おたくの見解わかりましたが、われわれ利用する側から見ると、こういう取り締まりをしても、大体夜中の十二時とか一時ぐらいまでは警察官がおり、また皆さんのほうの指導員がおれば乗車拒否をしないんですが、一時過ぎていなくなってしまえば、また依然として乗車拒否をしているというような、こういうようなケースもございますね。赤坂へ東京駅から行くのに千円を見なければ全く相手にしないというような悪質なものが出ているんです。私は、法律によって取り締まるだけが能ではないから、もっと基本的な——何回も言っているように、運転者の待遇の面についても、もっと思い切った一つの改革を考えなきゃならぬでしょうし、それから乗車拒否の摘発についても、これは氷山の一角であって、警察で聞きましても、拒否をしたということに対する証人がないと、なかなか告発しにくいというような点もあって、なかなかその辺、われわれ側の協力も足りない点もあると思います。ですから、もっともっとたくさんの乗客がいろんないやな目にあっていると思うんですね。ですから、そういう意味において、ひとつ、この点についてはどうでしょうか、もうちょっと思い切った……。東京都に何社あって、何万台か車を教えてほしいんですけれども、そういう方々ともよく相談をし、それから利用車の皆さんとも、監督官庁や警察当局ともよく相談をしてみて、どうしたらこの乗車拒否が根本的に解決できるんだろうかという、そういう基本問題に対する検討を加えてほしい。それをやっておるんでしょうか。
○政府委員(黒住忠行君) 乗車拒否の原因はいろいろたくさんあるかと思います。したがいまして、この対策といたしましても、総合的なものがなくてはいけないわけでございます。そのことにつきましては、関係の官庁からいいますと、運輸省のみならず、労働省、警察庁等とも密接な連絡のもとに根本的な対策を樹立する必要があると思います。で、われわれといたしましても、それらの関係省とも連絡をとりつつ、現在タクシーサービス改善の対策につきまして検討を進めております。特に乗車拒否の多いのは東京及び大阪の二つでございますが、それを重点的に考えまして、まず項目ごとに申し上げますというと、 タクシー運転手の登録のセンターを設けたらどうか。これは、良質運転手を育成し、悪質運転手を排除するというふうな意味から、登録の制度。それから、しかしながら、ここでは、運転手の養成、教育あるいは福利厚生施設を整備するというふうなことをこういう中立的なところでやらしたらどうかという考えでございます。 それから、運転手の労働条件の改善でございますが、これは、労働省のほうから、いわゆる二・九通達というものが出されておりますが、これの励行をはからなければならぬわけでございますが、われわれといたしましても、許認可の場合に、それを励行しているかどうかということを条件にして措置をいたしたい。 それから、事業者の経営の改善でございますが、先ほど御指摘がございました行政処分の強化、いわゆる罰則を適用するということとともに、事業者が公共企業としての仕事を十分やるという認識も必要でございますので、これらの点についての指導者の育成、養成といいますか、それから、現在のタクシーは、非常に中小企業といいますか、たくさんの業者でございますので、これがかりに協業化する、合併するというふうな場合においての優遇措置を考える必要があるのではないか。 それからタクシーで、ちょうどハイヤーとタクシーの中間的な無線タクシーというものが現在ございます。東京では約五千台あるわけでございますが、これをさらにふやすと同時に、この無線タクシーを使いやすいようにする必要があるのではないか。 それから、運賃の制度自体につきましても、現在は、御承知のように、タクシーの運賃は、東京におきましても大阪におきましても一律でございますが、アメリカないしヨーロッパの主要都市に行なわれておりますような時間と距離を併用するというようなメーター制度にしたらば、混雑地点における近距離のものを拒否するとかという現象がなくなる一つの原因になるのではないかというふうなこと。 それから、夜の乗車拒否の面ですが、十一時あるいは十二時ごろになりますというと、国電、地下鉄は動いておりますが、バス等は動いていない。それから、そのあとにおきましては、タクシーが非常に中心的に動いているわけでございますので、それらのバスあたりの運営というものをもう少し夜間においても実情に即応し得るような方法を検討する必要があるのではないかというふうにも考えるわけでございます。 昨年暮れに東京におきましては約三千台の増車をいたしましたが、運転手の確保ということに相当問題点がございます。運転手が働きやすい職場であるというためには、給与等も改善するということにいたしまして、運転手を確保しなければ、せっかくの自動車というものも効果があがりませんので、それらの点も十分勘案しつつ、需要というものは依然旺盛でございますから、それに即応するくらいの輸送力の増強という点につきましても実質的な面を改善しつつ対処していく必要があるのではないか。 いま申し上げましたようなものをテーマといたしまして、われわれがさらに具体的に現在検討をいたしておりますと同時に、関係の官庁にもいろいろ関係するところが多いわけでございますから、それらの意見等も十分取り入れまして総合対策を樹立するようにつとめていきたい、かように考えております。
○鈴木強君 いろいろ御苦心の点はよくわかりましだが、しかし、内容的にはまだいろいろむずかしい点もありますし、さらに突っ込んだ検討を必要とする面がありますから、いずれにしても根本解決には積極的にやはりやっていただかないといけないと思います。ですから、そういう意味で、ひとつさらに関係の皆さんの積極的な御検討と対策の樹立に専念していただくようにお願いして、時間がだいぶ過ぎておりますから、これでこの点終わります。 最後に、もう一つだけお答えいただいて、あとはひとつ文書で資料で出していただきたいのです。チーズの問題です。これは申し上げますから、聞くところだけあとで聞きますから、あとは文書で出してください。 日本におけるチーズの生産量は年間幾らか。そのうち、輸入しているチーズ、それから原料だけ輸入しているものがあるかどうか。これもひとつ出してください。それからメーカーは何社あるのか。それから銘柄は幾つあるのか。この点も資料で出してもらいたいのです。 それから、私がきょう聞きたいのは、チーズについての取り締まり法規が非常に不備で、問題があると私は思うのですよ。というのは、いろいろ調べてみますと、チーズの成分の規格というものが厚生省令できめられることになっているのです。ところが、この省令を見ますと、チーズとは乳を乳酸菌で発酵させたものをいうと、こういうことだけ書いてあって、成分についてはその規格が全然示されていない。ここらに非常に私は不備があると思うのです。先般、日本消費者協会が厚生省の委託を受けて、市販の二十四銘柄、十六社のチーズを買い求めて分析検査をいたしましたところ、植物油脂の含まれているものが二十四銘柄のうち九銘柄、それから中でもあるチーズは全脂肪量の四分の一が植物油脂であった、こういうような事実もあります。それから、あるチーズでは半分しか乳の脂肪が入っていない、こういうのもありました。それからそのあとは、マーガリン、大豆だけでつくっているようなものもある。そういうわけで、非常にこれは問題があると思うのです。人工着色の面で見ても、二十四銘柄中入銘柄が出ておる。そして防腐剤というものはほとんどの銘柄から出ている。しかし、そのことについては一切表示がなされておらない。こういうふうなずさんな、まゆつばものが市場にはんらんをしているわけです。そこで、われわれは、厚生省が省令できめているように、これは明らかに乳酸菌で発酵させたものだと、こういうふうに考えてチーズを食べているのだが、実は中身は違う、うそものだ。こういうことで、価格の点を見ましても、また品物そのものを見ましても、たいへん消費者においても迷惑千万なことなんです。ところが、実際にはこれを取り締まる方法がないのです。基本法の改正等によって従来の不備はかなり是正されておりますが、なおかつ、まだいろいろな問題について不備な点があるわけです。 これはいろいろと申し上げたいのですけれども、この点だけ伺っておきたいのですが、実際に純粋な乳だけを使ったものと、それから植物性の油脂の入っているようなものと、それから一定の植物油脂が限度をこえた場合のチーズ、こういうふうなものについては、表示のしかたについて何か一考をわずらわしてもらいたい、こう思うのです。それで、公取と農林省のほうでいろいろ御相談をされておると思うのですが、不当表示防止法によるところの公正取引規約というものを業者といろいろ御相談をなさっておつくりになったらどうかと思うのですけれども、それらの話し合いをしているとすれば、どこまでいっているか、そのいきさつと現状、さらに今後の問題だけをひとつお答えいただきたい。
○説明員(松浦昭君) ただいまお尋ねのございました規格の問題につきましては、適正な名称表示ないしは成分表示によりまして、的確に消費者がチーズの内容を選択するということによりまして正しい表示を行なわせ、かつ表示を正しく規制してまいりたい、こういう考え方を持ちまして、かねてから規格を検討してまいった次第でございますが、先ほど先生の申されました問題もございまして、その後関係各省と協力いたしまして、その規格の内容ないしは名称表示、成分表示等を公正取引規約をもちまして、きちっときめてまいりたいということで強力に指導してまいっております。その結果、業界の一致をした意見といたしまして、五月三十日に試案を私どものほうへ持ってまいりました。六月五日に、私ども、厚生省とともに、この公正取引規約の素案になります業界の案を、実はヒヤリングを受けておるような次第でございます。 その内容は、大要といたしまして、純正なチーズ、それから他のものが混入しているチーズ、あるいは他のものの混入が著しいチーズと分けまして、おのおのにつきまして名称の表示をきちっとし、かつ成分の表示、つまり何%混入されておるというものをちゃんと表示するというような公正取引規約の試案でございます。したがいまして、この試案をもとにいたしまして、厚生省のほうといたしましても、食品衛生上の見地から若干目下検討なさっておられるようでございますから、至急各省間で最終の調整をいたしまして、正式な公正取引規約としての手続をとりたいと考えております。
○説明員(神林三男君) 先生の御指摘の点、お答え申し上げます。 確かに、いまの食品衛生法に基づく乳及び乳製品の成分確保等に関する省令では、定義だけでございまして、成分規格がつくってございませんが、これは、われわれもひとつ公衆衛生の見地から至急検討してまいって、先生の御希望に沿いたいと思っております。 それから表示の件、人工着色とか防腐剤につきましては、これは食品衛生法全般にわたりまして至急にやるようにいたしたいと考えております。
○委員長(山本杉君) 竹田君。
○竹田四郎君 菅野企画庁長官にお伺いしたいと思いますが、去る四月の中旬でありますか、物価安定推進会議というのが一応その任務を終わりまして解散をいたしまして、そして今度は、物価安定政策会議ですか、というものに発展的解消を遂げるということであります。そして、その代表者を物価関係閣僚協議会に参加をさせていくというようなお話を承っているわけでありますが、これは私は一つの進歩であろうとは思います。しかしながら、その前に、物価安定推進会議が四月の十六日の総会に、総括的な政府に対する提言を内容とした「物価安定対策の実施状況と今後の基本的方向について」というものを決定して出したと思いますが、まず、政府のほうはこの物価安定推進会議の総合的な提言というものについて一体どのような態度でこれを受けとめているのか、政府の基本的態度について、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) この答申案につきましては、ただ答申を聞くだけでは効果がないと思います。せっかく各方面の英知を集めて、そうして貴重な時間を割いていろいろ研究調査されてこの提言が出ておるのです。したがいまして、この提言を実行してこそ価値があるのでありますから、今度はこの提言を極力実行をするということについては、私のほうでもしばしば委員会においては言明いたしておるのであります。今度また物価安定政策会議ということばに変えたのも、やはりその意味があるのであって、推進ということよりも政策という名前に変えたのは、実行性という意味を含めて政策会議ということに変えてあるのでございまして、したがいまして、あくまでこの会議において決定されたことは実施するという方針でいくということを私ははっきり会議で委員には申し上げておるのであります。また、委員の方も、それであればわれわれ委員として働くかいがあるというおことばもいただいておるのでありまして、いままでとかく、政府のいろいろ委員会が決定しても、そう実施されていない場合がたくさんある。したがってその点について非常な不満を持っておられたと思いますが、そういう意味で、今度はひとつ各委員の御不満を招かないように、せっかくの提言を実行に移すということを決意をして今後やっていきたいと、こう考えております。
○竹田四郎君 物価安定推進会議の前身は、物価問題懇談会の第一次、第二次、さらに物価安定推進会議という形で発展をしてきているわけでありますが、この間に、実は昭和三十八年以降ずいぶんたくさんの提言といいますか、あるいは研究成果といいますか、そういうものを出されているわけであります。物価安定推進会議になって、もうたしか八項目あるいは十項目くらいというものを出しております。そして、最終的な提言によりますと、「物価安定対策については、第一次物価問題懇談会以来の諸提言がほとんどすべてをいい尽しており、要は、これらの諸提言が政府の強い決意によって統一的に実施されるかどうかにかかっている。」と、かなり強い提言であるというふうに私は承っております。しかし、その前段においては、「年平均五・七%に達する消費者物価の上昇が依然として持続してきた事実からみれば、近年その上昇率に若干鈍化のきざしがみられたとはいえ、遺憾ながら、これらの努力はあまり効果をあげなかったといわなければならない。」、これもかなりきびしい提言であろうと思うわけであります。 いま長官は、今度は政策会議をつくって、この政策会議をつくった趣旨は実行することなんだ——私もそのとおりであってほしいし、国民も実はそれを望んでいるわけでありますが、具体的に、政策会議と、いままでの第一次物価問題懇談会以来の諸提言との関係、これはどのように私ども理解をすればいいのか、こうした諸提言を政策会議の中で具体的な政策として消化をし、それを実行をしていくという、そういうふうに理解していいのか、あるいは、これらの諸提言は諸提言なんだ、諸提言という非常にぼうばくとした、そうしたものを背景にしてこれから新しく政策会議で政策をつくっていくというのか、この安定会議と政策会議との関係、これはどのように関連づけて理解をし、具体的にどのように二つの関係が持続し発展をしていくのか、その辺について政府の考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 物価安定推進会議がもう任期が切れたので、一応解消したということになっておる。しかし、私たちのほうでは、この推進会議というようなものをやはり存続してもらいたいという考えで、そこで物価安定政策会議という、名前を変えて、そうして新しい先ほど申し上げましたとおり実行性というニュアンスを持ってこの編成をすることになったものであります。また、委員の任命もまだやっておりませんからして、まだ政策会議は事実成立しておるわけではありません。近く国会が少し落ちつけばやりたいという考え方でおるわけであります。したがいまして、いままでの推進会議と違うということは、先ほど申し上げましたとおり、いままで推進会議でいろいろ提言されておりますからして、これをもう少し実行に移すような会議にしたいという考え方をしておりまするし、それから政府自体も、いままで物価安定の閣僚協議会というものがありましたけれども、臨時ということばでやっておりましたけれども、臨時ということばを取りまして、そうして政府自体も物価の問題については積極的に取り組むという方針をきめておるのでありまして、その物価対策閣僚協議会には、あるいは日銀の総裁あるいは公取の委員長も出席をしてもらうし、なお物価安定政策会議の会長も場合によってはその閣僚協議会にも出席してもらうということで、直接閣僚にそういう人たちの意見をわれわれ聞かしてもらって、そうして物価安定政策とか安定策というものを考え、またそれを実行に移したいという考えでいきたいと、こう考えておるわけであります。
○竹田四郎君 そうしますと、せいぜいいままでの安定推進会議の名前を変えた程度だ、こういうふうに言われてもいたしかたないような気がするわけであります。しかし、この最終提言には、もう諸提言はほとんどすべてを言い尽くしている、このように述べられています。いま長官は、われわれはその代表者に来てもらって物価問題の閣僚協議会で話をしてもらいたい、そうして物価の問題について具体的にお知恵を借りるといいますか、話をしてもらいたい、いまこういうふうにおっしゃっているわけですが、そうしますと、どうもあまり変わりばえがないし、政策会議も相変わらず文書だけつくっているというような会に堕してしまうおそれというものが非常にあると思う。何らかそこに、ただ実行をする形になってきたという点と、どうもそぐわないような気がするわけでありますが、まあ、これはまだ出発していないということでありますから、まだぼうばくたるものなのかどうなのかわかりませんけれども、しかし、いままでの経過から見ていきますと、かなり明確な政策会議の任務とか、あってしかるべきですし、当然、こういう提案が出ている以上は、そうしたものに基づいて、すでにもう二カ月近くたっているわけでありますから、政策会議の方向というようなもの、あるいはその任務というようなものが具体化されてしかるべきだと私は思うわけであります。 特に最近の物価の情勢というのは、菅野大臣は、四十三年度の物価が予定していたよりも上がらなかったということで、たいへん安堵の胸をなでおろしたような発言を、しばしば私ども承っておるわけでありますが、しかし、その大部分というのは、ことしの冬野菜の生産出荷が順調であったという天の恩恵ですか、に助けられたと言ってよいと思います。一般的に物価の構造というものは少しも安定した状況にありませんし、相変わらずインフレ的な構造になっておると思います。そう考えてみますと、政策会議の具体的な任務というものが明確になっていいし、しかも、ここ二カ月近くも国会が忙しいということもよくわかりますけれども、空白な状態が続いているということは、物価問題全体を考えている国民として、これは納得できないと思いますけれども、その辺はどのように理解すればよろしいのですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 物価安定推進会議の提言は五月十二日なんです。まだ一カ月たつかたたぬくらいです。でありますからして、いま、新しい陣容をどうするかということで、いろいろわれわれのほうで苦慮をいたしておる次第でございます。構成委員も多少かえたいとも考えておりますし、そういう点で、最適任者をこの際選びたいということで、人選にいま苦慮しておる最中でありますから、そこで、十二日ですからして、二カ月たっておるわけでは決してありません。 それからなお、推進会議において提言されたことで一つも実行していないというような意味のお話がありましたが、そうではありません。たとえば、米価の問題でも、これほど佐藤総理ががんばったのも、やはりこの推進会議の提言があったればこそです。それからまた、公共料金を極力押えるというような問題も、やはり推進会議で提言があったればこそ、やはり佐藤総理が極力この提言を実行したのであります。でありますからして、そういうことで、この推進会議の提言というものはできるだけ実行するように今日までやってきておると思います。しかし、事実まだ提言どおりにいってないものもあります。たとえば、地価の問題などは、提言したとおりに地価値下がりといっておりません。 それから、なるほど物価が、私が大臣に就任したときには、昭和四十三年度の消費者物価は五・四%という計算をしておったのでありましたが、事実は四・九%になりました。これは、いまお話しのとおり、野菜類も安くなったためでありまして、これはいわゆる暖冬異変のおかげでありますからして、私たちも暖冬異変のおかげで物価が安くなりましたということを申し上げておるわけなんで、何も私たちの力であったということは決して言うておりません。それは暖冬異変のおかげで、そういう生鮮食料品やくだものが安くなったおかげで消費者物価が安くなったということを申し上げておる次第でございます。 それから、物価というものは大体からいうと上昇の気配でありますからして、これをそのままにしておけば、おそらく、政府がもう確固たる態度をとらなければ、私は、昨年あたりは六%ぐらいになっておったのではないかというように考えておったのでありましたが、極力努力すれば五・四%に押えられるという一応計算をしたのでありましたが、幸い暖冬異変のおかげで四・九%ということになったのでありますが、本年度においても、私は五%以内ということを言明しておりますが、しかし、五%以内で押えるについても、これはよほどの努力が要ります。決して安閑としておれないという情勢でありますからして、これは、政府といたしましても、この物価を五%以内に押えるということについては、幸い閣僚各位の了解を得、また御協力を得るという方針でやっておりますので、本年度は五%以内で押えるように努力をしたいと、こう考えておる次第でありまして、決してわれわれは、この物価問題については、これをないがしろにしておるわけではなくして、もう物価の安定ということは佐藤内閣の重大使命でありますからして、その効果のあらわれるように、微力でありますが、私はやりたいと、こう考えておる次第であります。
○竹田四郎君 菅野長官、だいぶ私の言ったことを誤解をされているように思うわけであります。私が言ったことは、確かに野菜等の値下がりで助けられたけれども、依然として物価の上昇するという構造、こういうものは直っていない。こういうことを申し上げたわけでありまして、政府が提言について何一つやらなかったということを私は申し上げておりませんので、その点はひとつ誤解を解いていただきたいと思います。この提言にも、やったことも書いてあります。全体として不十分だという評価をしていることは、すなおに政府も受けなければならないことであろうと私は思うわけであります。 それから、日にちについては若干私の記憶違いがありましたけれども、しかし、安定会議というものが終わる。そうして、それが次へ発展をしていくということは、これは総会を別に開いた時点でなければわからないという問題ではおそらくなかったであろうと思います。また、それにしましても、これだけの長い間、しかも、これだけの多くの提言があったということ。そうした作業を物価安定推進会議がやってこられたという、こういう実績の上に基づいて次への発展的解消を遂げ、新しく組織される政策会議というものの具体的な任務というものは、私はすでにつくられてしかるべきだ。その点については特別にお触れにならなかったようでございますけれども、当然に私は、政府として安定会議に続くところの政策会議は、こうこうこういうことをするのだという目標は与えて、国民に明確にされて私はしかるべきだと。そういう意味では、どうも政策会議というものが具体的にどういうものなのか、先ほど長官の答弁によりますと、政策を実行するのだという非常に概括的なお話でありましたけれども、この点、さらに明確なものが私はあっていいはずだ、こういうふうに思うのですが、そうしたものはありませんか。どうですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 問題は、政策会議にしても物価を安定さすというのが目的なんですからして、そして、政府の態度は物価を安定さすという態度をとっておりますからして、そこで政府以外の各界各層の英知を集めて、そうして有効な物価安定策というものをわれわれ聞きたいんでありますからして、いま、その構成ということについて、まあ会長にどなたになってもらうか、まだ決定いたしておりませんが、会長になってもらう人の御人選、またわれわれも御相談に乗ってそうして人選をして、そうしてまた、会長の方針をわれわれも承りたいと、こう考えておる。政府としては、もう物価を安定さすという方針で政府はずっと政策をとっておるのでありますから、したがって、そこで民間の英知をわれわれ借りたいということで、こういう会議を設けたわけでありますからして、政策会議は、そういう意味で、ひとつできるだけベスト・メンバーでやりたいというのが、われわれの考え方であるわけであります。
○竹田四郎君 大臣、最終提言をもう一回読んでいただきたいと思います。これは案ですから、このとおり決定になったかどうか私わかりませんけれども、私は四月の十六日の案というものを持っておるわけでありまして、決定というのとあるいは違うかもしれません。しかし、実際の内容からいきますと、同じだというふうに考えてよかろうと思いますが、この二ページに、先ほども読みましたように、「物価問題懇談会以来の諸提言がほとんどすべてをいい尽しており、」と、こういうふうに言っておるわけです。しかし、いま長官のお答えを聞いておりますと、物価安定策を聞きたいんだと、こうおっしゃっているわけです。そうしますと、推進会議のほうは、もう言い尽くしたと、こう言っている。大臣のほうは、聞きたいと、こう言っている。そうして見ますと、政策会議も推進会議と何ら異なるものではない。政府は、いかにも物価について熱心にやっていますよというような形ですか、形態、あるいは呼び方、こうしたものを変えることによって、何だかやっているような、そうした印象を与えるだけで終わってしまうんではないか、こういう懸念が出てくるわけであります。その辺、もう少し明確に、政策会議の任務といいますか、そうしたものをもう少し明確にしていただかないと、少しの発展もわれわれは感じ取ることができない。こういうことですが、どうですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 先生の持っておられるのは案でありますからして、ページ数が違うかもしれませんが、決定した提言の十五ページに、「「物価安定政策会議」(仮称)を設け、ひろく国民各層の意見を聞くことがのぞましい。」と、こういうことが書いてあるわけであります。だからして、われわれとしては、安定政策会議で広く各層の意見を聞いて、よりベターな政策、そうしてそれをもっと実行に移すという考えでおりますからして、いままで言うたことで、それでもう事十分ということでないので、また違った人がメンバーになれば、また違った意見を出してもらえると、こう考えておりますので、したがって、各方面の英知をこの際集めてひとつ会議を構成してもらいたいと、こういう考えです。
○竹田四郎君 何だか押し問答みたいで、のれんに腕押ししているみたいな感じで、たいへん残念でありますが、しかし、これ以上やっても時間の空費になってしまいますので、次に移っていきたいと思います。 長官、この二十一ページ以降の「物価安定の決意」という二ページばかりのこの点については、お読みになりましたか。私が指摘をしたい点は、文書が違えば失礼しますが、——その十六ページですか、このページの四行目ですね、「物価安定のためには、何よりも政府の強い政治的決意が必要であることを、すでにしばしば強調してきた。」と、こう述べております。政府がいままでの諸提言というものを実行する気があれば、少なくも不十分だという評価はされなかっただろうと思います。おおむね提言に従って物価安定の仕事をしてきた、必ずこうした評価をされると思うわけです。前のほうにも、五ページでありますか、「提言の趣旨が実施の運びとなった事例」ということで、たいへん政府のやった業績を評価しております。しかし、それ以降の問題については非常にきびしく政府の決意を要請しているわけでありますが、一体、いままでこれだけたくさんの提言を、多くの学者あるいは各界の学識経験者からたくさんいただいていたにもかかわらず、どうしていままでこうした提言を具体的な政策として生かすことができなかったのか。私は、かなり多くの提言を物価政策の中に生かすことができたはずではないか、こういうふうに思います。物価安定推進会議のメンバーにいたしましても、ただ観念的にものを述べておる人たちではないはずであります。政府に非常に近い方々、あるいは今日の日本の財政事情というものにも非常に明るい方々、日本の経済構造にも非常に明るい方々がこうした提言をされているわけです。そういたしますれば、この提言というものが一から十まで非常に実行が困難な提言では私はなかろうと思います。いままで長い間、三十八年以降今日まで六年間にわたっての提言、こうしたものが非常に不十分であったという反省というものがこの最終提言の中から私は出てきてしかるべきだ、自己反省といいますか、成果と欠陥ということでありますが、そうしたものが出てきていいはずだと思うのです。物価関係を担当している国務大臣として、そうした反省といいますか、そうしたものがあれば、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) これは、先ほど申し上げましたとおり、従来は提言が実行されない場合があったので、したがって、この中の文言にもそういう意味が書いてあります。そこで、私は、せっかく提言された以上はこれを政府としては実行しなければならぬということを考えましたし、また、委員の諸君にも、実行するということで、今後はやりますということを私は言明したのであります。そこで、そのことが今度物価安定推進会議——推進ということになると、実行性が何らかこう、提言するというだけの意味にとれますから、それで政策ということばにかえて、もういよいよこの提言があれば政府は実行に移すという、これは政府に対する一つの督促といえば督促でありますが、そういうことで、ことばを変えたところに意味があるのであります。あくまでわれわれは実行するという考え方でいっておりますが、今後の提言については実行のできるものはどんどん実行するということでやりたい、こう考えております。 しかし、ここで、物価という問題は政府の政策が非常に左右するのでありますが、同時に、それは、たびたび皆さん方に申し上げておりますとおり、政府の政策と国民の経済活動の総結果として物価というものがあらわれておるのでありますからして、したがって、国民の経済活動自体についても、われわれとしてもいろいろまた考えてもらわなければならない問題もありますからして、せっかく政府がいろいろ政策を立てましても、国民が協力しなければ実効はあがらないというような問題が多々あるのでありますからして、そういう点についても、今後においては国民の協力を得てやりたいという考え方をいたしておる次第であります。
○竹田四郎君 私は、いま長官にお聞きしたいことは、いままでの六年間の物価安定に対する諸提言、こうしたものがきわめて不十分であったという評価を、この提言にはいただいておるわけです。不十分であったということが書いてあるわけであります。そういう不十分であった、大半までが実行できなかったという隘路ですね、なぜ提言の大部分が実行できなかったか、そういう隘路は一体どこにあったか、政府自体のそれに対する反省といいますか、そうしたものをお聞きしたわけでありますが、いま長官がおっしゃられたのは、国民が協力しなければ実行できないわけだ、こういうお話であります。何か、この提言が実行できなかったのは国民が協力をしなかったからだという印象を、いまの御答弁から受けるわけであります。私はそうではないだろうと思うのです。その点で、政府はこの諸提言について十分でなかったという評価を得た、その点に対する自己批判といいますか、どういう隘路があったからこれはできなかったか、こういう面について私は何らかあると思うのです。ただ単に、十分でなかったというふうに言われて、はいさようでございますかというほど政府も人がよくないはずでありますから、何らかの形でこういう困難な問題があったからできなかった、あるいは安定会議の提言のしかたが非常に唐突であったとか、こういうようないろいろな諸問題というものが当然あるはずだと思うのです。その点について私はお聞きをしているわけであります。そういう反省があって、私は、政策会議というものがほんとうに物価安定の施策のために前進のできるものが初めてできていく、こういうふうに思うわけです。その点について、ひとつもう一回御答弁をわずらわしたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) その点は、先ほどから繰り返して申し上げておりますとおり、いままでこういう推進会議の答申がありましたので、政府の決意が足らぬというようなことも書いてありますからして、したがいまして、これにわれわれ教えられて、そうしてひとつ今度はほんとうに実行に移すのだということで、「推進」ということは弱いということで、「政策」ということばに変えて、われわれ決意を新たにしてこれを実行するという態度をとって今後進みたいということを、先ほどからたびたび申し上げたとおりであります。いままでのとおりでいいのであれば、「推進会議」でいいわけです。「政策会議」という名前に変えたところに意味がある。われわれの決意のほどをせいぜい御了承してもらいたいと、こう思うわけでありまして、だから私は、国民の協力ということになると、これは誇張したわけではありません。先ほど私は、政府の政策はもちろんのことでありますがということばを使っておるのでありまして、やはり国民も協力してもらいたい、国民の生活に非常に影響を及ぼすものでありますからして、したがって、国民の利害に影響を及ぼすものであるからして、国民もしたがって協力してやってもらうということが必要であるということを申し上げたのでありまして、たいへん国民の協力ばかりをたよっておるというわけでは決してありませんから、その点はひとつ誤解のないようにしていただきたいと思います。
○竹田四郎君 長官、こういうことを申し上げては、はなはだ失礼だと思うのですが、どうも長官は、この提言をお読みになっていないのじゃないか。どうですか。お読みになりましたか、どうですか。その点、はっきりお答えを願いたいのです。私、いままで聞いておりますと、何かお読みになっていないというような感じに受け取るわけでありますが、お読みになったことございますか。
○国務大臣(菅野和太郎君) そういう御質問は、私に対して失礼なことばだと思います。私は、これは何回読み返したかわかりません。
○竹田四郎君 提言に実はそのことが書いてあります。書いてあるわけです。いいですか。もう一回目を通していただきたいと思います。 十ページの最後の「実施上の問題点」というところに書いてあるわけです。その点を少し読んでみたいと思います。 「提言の実施上の問題点を要約すれば、次のとおりである。(1)関係各省庁の施策には、物価安定以外の独自の行政目的をもったものが多く、物価安定という政策目標と所管の行政目的とを調整する認識がややもすれば少なかったため、当該施策を物価安定の観点から配慮することが十分でなかったこと。」と書いてあります。これは、国民の責任ではなしに、むしろ政府の各省庁間の問題であろうと思います。 「(2)提言に基づく諸施策の立案および実施にあたり、関係各省庁の横の連絡が必ずしも緊密に行なわれず、その結果、実施された諸施策も整合性を欠き、全体として期待された物価安定の効果がかなり減殺されていること。これを要するに、関係各省庁が経済の各分野をタテ割りで担当する行政体制が国民経済全体という総合的見地から、統一的に実施されるべき物価安定対策の有効適切な実施を妨げていると思われる。」——ちゃんと書いてある。 私は、少なくともこうした面、政府の横の連絡あるいは政府の各省庁の独自の政策に物価的な考え方を入れているか入れていないか、こういうところに、いままでの諸提言というものが実施をされていかなかったと思う。たとえば、去年のビールの三円の値上げなんというのは、まさにそうであります。当時は宮澤さんが長官でございましたけれども、宮澤さんは、当時、三円高く売る、そういうビール会社のビールはボイコットをしろと国民に呼びかけたわけであります。あるいは、これは独占禁止法違反の疑いがあるというような御発言もしたように記憶しております。こういうふうに、物価の立場と大蔵省の立場というものが連絡なしに行なわれている、こういうところに、物価問題に対する諸提言というものが実施をされていかない問題点があった、こういうふうにここは指摘をしているわけです。この点については、長官は先ほどの御答弁から何らお触れになっていらっしゃらないわけです。ですから、私はたいへん失礼だという前置きをして、一体お読みになったのかならなかったのかという、たいへん失礼な質問を申し上げたわけです。こうした仕事というのは、私は、やはり物価担当の企画庁が中心になって各省庁との横の連絡をはかり、一つの省が持っている独自のその所管の行政目的に物価安定の目的を調和さしていく、こうした努力が足りなかったのではないか、こういうふうに思いますが、提言のこの「実施上の問題点」という指摘につきまして、長官はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(菅野和太郎君) いままでの御質問は観念的な御質問でありましたから観念的のお答えをしておったのですが、具体的にいまのような御質問が出れば、具体的にお答えします。 省庁間の連絡が不十分だということは私も認めております。したがいまして、いままで物価安定閣僚協議会も臨時ということばを使っておったのを、私が大臣になってから臨時ということばをとったものでありまして、決してこの物価問題は臨時的な問題ではないのです。常に政府としてはこの物価という問題に取り組んでやるべきものだということで、臨時ということばをとったのであります。それによって各省庁間の連絡を密にするということでしたので、そこでまた、日銀の総裁あるいは公取の委員長も参加してもらうということも、これも、そういう日銀の金融政策、あるいは公取の独占禁止政策というようなものも、やはり物価の問題に関連がありますからして、そういう人たちの意見もひとつ聞かしてもらうということで、この閣僚協議会に参加してもらうということにいたしたのでございまして、私といたしましては、できるだけ各省庁間の連絡を密にしなければ物価政策というものは効を奏するものじゃありません。これは私はもう痛切に感じております。でありますからして、その点については佐藤総理もしばしばいままで経験されておりますから、この物価問題については各省庁ともひとつよく協力してくれということを佐藤総理も閣議ではたびたび言明されておるのであります。で、お話のとおり、これはやはり各省庁が連絡して物価問題に取り組んでいかなければ、その効果があがるものではありません。いままでその点において私は決して完全にいっておるということは御返事はできない、ここに書いてあるとおりであります。
○竹田四郎君 いまそういうふうにおっしゃられましたからわかりましたけれども、おそらく、そういうお答えがもっと早く出てくるというふうに期待をしていたわけでありますが、この点はひとつ今度の政策会議の中で具体的に企画庁がイニシアチブをとって、各省庁間の横の連絡あるいは所管の行政目的と物価安定の目的との調和、こうしたものを十分はかっていただかなければならない、私はこのように思っております。そういう意味で、私は、おそらく、今度の政策会議の代表者が物価問題閣僚協議会の中に入ってくるという、そうしたことになったのではないか、このように思うわけであります。 それから、十六ページの最後から二行日あたりから、「この観点から、政府は、政策効果を含んだ物価の見通しを立て、それについて責任をもち、その見通し達成のため、政策全体の意識統一を図り、その体制を整備して実効性のある物価安定対策を強力に実施すべきである。とくに消費者物価の上昇率が政府の見通しを上回るような事態が予想される場合には、政府は、年度中においても、直ちに経済政策全般にわたり再検討を加え、強い政治的決意をもって物価安定に積極的に取り組むべきである。」、こうした提言を出し、政府の強い決意を促しておるわけでありますが、先ほど鈴木委員のほうからもお話がありましたけれども、国鉄運賃の値上げ、あるいは私鉄、バス、タクシー等の値上げ、こうしたものから、また一つの説によりますと、一五%にわたる春闘の賃上げが物価にはね返るのではないのかという説をなす人もあります。こういう形で、今年度の物価の上昇というものが、長官はしばしば申しておりますように、五%以内にとどめたい、こうしたかなり強い決意をお持ちのようでございますが、実際上は、ことしの当初予算の編成過程においても、長官は、国鉄運賃問題においては、どちらかというとその主張を貫徹することができなかったというようなこともございまして、どうも五%の消費者物価の値上げというものはおそらく守られないのではないか、こういう心配が世論の中に非常に強いわけでありますが、もしこの五%の消費者物価の値上がりというものを守れない場合、企画庁としては、物価担当の部局としては、この提言に基づいて一体どのようなことを考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) もし五%以上に物価が上昇するという場合には、まあ一カ月くらいな上昇であれば問題ないのですが、数カ月も続くということになれば、そこに機動的な活動をするということを申し上げておるのでありますが、機動的なというのは、その場に応じて対策を講じていく、それにはやはり各省庁の協力を得なければやれないのでありまして、たとえば肉が高いという場合、安い豚肉を海外から輸入するとか、あるいは牛肉が高ければ牛肉を——たとえばアルゼンチンの牛肉などは日本の十分の一だそうですが、それの輸入をはかるというようなことで、そういう対策を講じて物価を下げるということを意味しておるのでありまして、この点は、いまお話しのとおり、各省庁で協力してもらわなければやれないのでありまして、そういうことは、われわれといたしましては、各省へ、ぜひひとつこれは実行してほしいということをお願いして今日まできておる。そういうことで、それぞれその場に応じた対策を講じていきたいと、こう考えておる次第であります。
○竹田四郎君 最近の新聞によりますと、企画庁は、地方自治体の物価安定に対する役割りというようなものを再評価されているというのか、あるいはそういう物価抑制の措置を地方自治体が積極的にとることを希望しておられると思うのですが、具体的には地方自治体に対してどのような点について、特に物価の抑制をしてもらいたい、こういう希望をお持ちになっているのか、もしあればおっしゃってください。
○政府委員(八塚陽介君) 実は、ちょっと日付を忘れましたが、ごく最近において、私どものほうの次官名と自治省の次官名をもちまして、各地方公共団体、特に府県、特別市に対しまして、消費者行政の進め方について、いわば地方で県はどういうことをおやりいただいたらいいだろうか、あるいは市町村ではどういうことをおやりいただいたらいいだろうかという事務分担について通達を出したのでございます。これは、まあ端的に言いますと、物価政策的な面はあまりなく、むしろ、他のいわゆる消費者保護基本法にいう消費者行政についてでございます。ただ、特に物価の問題につきましては、その通達とは別にいたしまして、各地方ともいろいろ県民あるいは住民の方から苦情があり、御意見があった。ところが、やはり物価は、どうしても性質上、いわば国民経済的な広がりを持っておりますから、なかなか地方自治体としては処理に苦しむというようなことで、私どものほうへも、どういう対応策をとったらいいだろうかという御相談が間々あるわけでございます。いま申し上げましたように、物価水準というような問題は、これはどうしてもやはり国全体で当然処理すべきものであるというふうに私ども考えておりますが、ただ現実の問題といたしましては、たとえば、その地方の急激な都市化に対応して、その地方における流通の体制が不十分であるというような場合等は、やはり地方的な物価の問題があり得るわけでございますし、それからまた、その地方地方におきます、たとえば中小企業等からできております流通の業者の組織、これあたりの指導につきましても、やはり地方は地方としての範囲でいろいろ、先ほど御指摘がございました、中央で各省庁間の意識の相違、政策目的の対立というようなことが、同様、地方の段階でもあり得るわけでございますから、そういう場合には、物価担当部局は、私どものような気持ちで、やはり県庁なら県庁内の各担当部局と意思の疎通をあわせてやってもらいたいというようなことを、かねがね申しておるわけでございます。もちろん、物価政策は、何回も繰り返しますように、国全体の経済運営の問題ではございますけれども、やはり地域に、あるいは段階に応じた各地方公共団体の御協力も、これは当然必要であるということで考えておるのでございます。
○竹田四郎君 地方的な物価については、やはりもっと問題があるのじゃないか。特に最近の政府の考え方では、国民のインフレ的な心理を征伐していきたい、こういうことを非常に強くおっしゃっておられます。これは私は非常に重要な一つのことであろうと思います。しかし、地方的に見ると、都市的なところにおきましては、水道料金あるいは交通料金、こうしたものはもうほとんど地方自治体がやっている問題であります。こういうものが上がっていくということになると、国全体として見れば、国鉄運賃が上がるということと同じように、地域的には自治体の公共料金が上がるということがインフレ心理をさらに助長をしていく、こういう要素に私はなっていくだろうと思う。いま国民生活局長さんですかのお話では、そういう問題にはお触れになっておりませんけれども、そういう問題については具体的に私は企画庁だけでできることではないと思いますけれども、どのようにお考えになっておりますか、お教えをいただきたい。
○政府委員(八塚陽介君) 私いま申し上げましたのは、一例を申し上げたのでございますが、いまお話しになりましたように、いわゆる地方公営企業の料金、これが住民にとっては、したがいまして、その地域の物価、あるいはひいては国全体の物価に相当な影響があることは、もう御指摘のとおりでございます。たとえば、東京都なら東京都の都バスの運賃をどうするかというような問題等につきましては、これは地方公営企業でございますから自治省、あるいはまた運輸省が事業としてはバス事業でございますから所管しておるというようなことで、御相談を申し上げる。ところが、東京都バスのような問題になりますと、これはさらにもっと問題が広がりまして、地下鉄との割り振りはどうであるとか、あるいは道路建設との割り振りがどうであるとかいう問題に広がってくるわけでありますから、まあ広い視野からの解決も当然でありますが、やはりそういう面では、国として応援できることはできるだけ応援して解決していくということで、先ほども鹿児島の市営の電車の料金の問題等もございましたが、私どもとしましては、自治省あるいは運輸省、それから水道の問題では厚生省等々と連絡をとっておるわけであります。これは、正直に言いまして、運輸関係のほうの公営企業につきましては、かなりな程度に、私どもも運輸省、自治省とお話し合いをいたしております。地下鉄等はなかなか困難があるようでございますが、とにかくいたしております。水道のほうにつきましては、実はこれは非常に立地条件と申しますか、どうもまちまちでございまして、古い大きな都市必ずしも水道料金は高くない、むしろ最近の新興都市の料金が高いとか、そういう都市に限って財源が非常に乏しいとか、非常に問題がございまして、しかも多岐にあらわれてくるようでございます。今後とも、やはり御指摘のような地方公営企業についても、当然物価問題として大きな問題がございますから、関係各省と御相談を今後ともしてまいらなければならぬというふうに考えております。
○竹田四郎君 もう時間がまいりましたので、若干時間が足りないような気がしますけれども、これはまたこの次に譲りたいと思います。 ただ、私はここで希望を申し上げておきたいことは、ひとつ長官をはじめ、やはりもっと真剣に物価問題というものに、政府部内ですら取り組むべき事項というのは非常にたくさんある、そうした問題にひとつ真剣にお取り組みをいただきたいと思います。 農林省の方がお見えになっておりますので、ほんの一問お聞きをいたしまして終わりたいと思いますが、農林省の方も、おそらくこれはお読みになっていらっしゃるだろうと思う。この中に、自主流通米を設けたというようなことについて評価をしておりますが、競争原理というものを常に維持して、それを発展させていかねばならない、そうしたことがこの中にも触れられているわけでありますが、昨年の消費者米価をきめるときに、たしか、小売り店の登録制度というもの、これは同一市町村においてはもっと競争の原理が働くような、そうした形で米の販売登録店についてお考えになる、そうしていい米屋の育成助長をしていく、悪質な米屋を排除していく、という方針であったろうと思います。そうしたことがいつの間にか消えてしまった。こういうことは相変わらず考えないで、特定された米屋から米を買わしていく、こういうような方針が相変わらず続いているように思うのですけれども、これに対して何らかの改善策をお考えになったことがあるか、今後そうした競争原理の導入というようなことをお考えにならないのか、お伺いして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(馬場二葉君) 米の販売業者の間の競争原理の導入の問題でございます。これは、最近の米の需給事情なり、あるいは物価安定推進会議の御提言、あるいは米価審議会等の建議等もございまして、かねて研究しておったわけでございますが、去る四月一日からその実施に移したわけでございます。その内容は、まず、いまお話ありましたように、小売り販売業者と消費者の結びつきをなくしまして、同一市町村営業区域であれば、どの小売り店からも消費者は米の購入ができるということが一つございます。もう一つは、小売り販売業者と卸販売業者とのつながりでございますが、これは、従来非常に硬直的な運用をいたしておりまして、なかなか小売りが自分の結びついた卸を変えるということが容易でなかったわけでございます。今度は、一年に一回は卸の選択ができる、こういうことを四月一日から実施に移したわけでございます。この面で、従来非常に結びつきが硬直的であった消費者と小売りの関係、ないしは小売りと卸の関係が、今後競争的な関係になりまして、小売りのいわゆる配給業者としての機能の発揮といいますか、サービスの向上といいますか、そういうこともできます。あるいは、卸も小売りに対して、従来のような、ほとんど一たん結びついたらなかなか変更できないということでなくて、小売りの要望に沿った営業ができる、こういうふうに実は考えておる次第でございます。 それからもう一つは、人口急増地域における小売りの新規参入の問題でございます。これも、従来から、人口の急増いたしました地域については都道府県が営業地域を指定いたしまして新規の小売りを認めるという制度があったわけでございますけれども、これも実際はなかなか運用の面であまり効果をあらわしていなかったわけでございます。今度は、人口が急増いたします地域については、市町村単位の営業区域でなくて、もっと狭い区域について都道府県知事が指定ができるということと、それから、そこの消費者住民の相当数の要望があれば、都道府県知事はそこの区域を指定して新規の小売り業者の登録を認めるという方途を開いたわけでございます。この点も、先ほど申し上げました登録制度の改正とあわせて、販売業者の競争が今度若干自由濶達になるだろうということをわれわれは期待しておるわけでございます。
○竹田四郎君 いまの御答弁、満足はいたしませんが、時間が来ておりますから、終わります。
○鈴木強君 ちょっとこの際、委員長にもお願いしたいのですが、きょうは、私どもは、米価の問題について政府の態度もきまったようですし、われわれ社会党は、この米価問題に対して本会議での緊急質問も要求しておったんですが、なかなか運営上できなかったわけですよ。きょうは決定したあとですから、少なくとも大臣、大臣ができない場合は政務次官に御出席をいただいて、われわれは政府の報告を受け、質問をしたいと、こう思っておったんです。ところが、聞いてみると、大臣は自民党との折衝で、衆議院のほうの何か委員会に出られないとかというお話ですから、これはわかりましたが、大体政務次官がどこに行ったかわからぬと言うんでしょう、事務当局に聞いてみると。そんなばかな話はないですよ。きょうは物価対策特別委員会があることも知っているはずだし、米価決定のあとですし、物価対策でその問題が出るのは、これは常識ですよ、国会の。それにもかかわらず、行く先がわからないというようなことでおるということは、これは承服できないですよ、私は。だから、きょうは食糧庁長官も来れぬわけだ。次長が見えるということですから。われわれは、少なくともこれだけの大事な問題ですから、大臣なり次官がいない限りは私らは報告は受けない、こういうことで、むしろお断わりしたのです。ですから、この事実をひとつ食糧庁次長は帰ってよく伝えてください。こんな委員会を無視したような政務次官じゃ困るのです。どこへ行ったかわからぬなんて、そんなばかなことはない。これは委員長からもひとつ御注意いただいて、きょうは、ほんとうは、われわれが要求した人でまともに出てきたのは菅野長官だけですよ。これはまじめですね。ほかのところは不まじめです。要求した人が出てきてないでしょう。これじゃ審議を尽くすのに困るわけですから、ぜひ委員長からも、今後は必ず要求した人は出てくるように、どうしても出られぬ場合は、こういう理由ですということを委員長に明らかにしてくださいよ。どこへ行ったかわからぬということじゃ、これは理由になりませんから、この点はひとつぜひ委員長にもお願いし、政府委員のほうにもお願いしておきます。
○塚田十一郎君 委員長、次はどこか視察ということできめられておるようですが、そうすると、実際に質疑ができる委員会はいつなんですか。
○委員長(山本杉君) 速記をやめてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本杉君) 速記をつけて。
○塚田十一郎君 自主流通米が配給の米とごちゃごちゃにならないくふうは、どういうぐあいにしておられますか。
○政府委員(馬場二葉君) 自主流通米で、まず集荷の段階と、それから配給の段階とあるわけでございますが、集荷の段階では、検査の際に、やはり容器、袋なり俵に自主流通米という表示をいたしたいと思っております。それから運送につきましては、やはりこれは輸送証明書が要りますので、いわゆる一般の自由米とはそこで区別ができると思うわけです。問題は、配給段階、お米屋さんの段階だと思うわけでございますが、これにつきましては、従来から、販売業者の不正販売については、都道府県食糧事務所を通じて指導監督を行なっておるわけであります。特に自主流通米と政府売り渡し米の区別につきましては、販売業者に、もちろんこれは台帳をつくらせまして、両方の売り方について、はっきり区別をする、それから、できるだけでございますが、大臣もしばしば申し上げておりますように、ただいま食糧庁は、やはり配給秩序の確立は、大精米と言いますか、大精米所において集中精米をいたしまして、そこでいわゆる元詰めの小袋でございますが、これで袋に自主流通米なり、あるいは銘柄を表示させる、それから配米米については値段も表示させる、そういうこともあわせてさらに推進をいたしたいというふうに考えているわけでございます。もちろん、一般的に配給米検討会だとか、あるいは巡回指導だとか、国の従来やっているような指導監督も、さらに今回は自主流通米の制度が新たにできるわけでございますから、さらに緻密に指導監督をいたしたい、こういうように考えております。
○塚田十一郎君 一応伺っておきます。 次に、自主流通米が最終段階で小売業者から一般消費者に渡るときの価格というのは、これはほんとうの経済原則、要するに需給均衡という形できまるものですか。その点どうでしょうか、見通しは。
○政府委員(馬場二葉君) 自主流通米が、そもそも農家が自主流通米を売る場合は、政府に売る値段よりも少し高いという場合に、自主流通米を集荷団体に委託という形で売ると思うのです。したがって、そこにいわゆる中間経費——これは、政府の管理米については財政負担をいたしておりますけれども、自主流通米については財政負担はありませんから、農家の販売価格、手取り価格にいわゆる中間経費が加算されて消費者の手になる、これが普通の価格形成ではないかと思います。ただ、需給事情は、御承知のように、非常に政府の手持ちももちろん豊富になりまして、米自体の需給基調がきわめてゆるんでおりますから、特にそれが不当に高くなるということでなくて、需給のこういう事情のもとでは、大体農家の売り値にそういう中間経費を加算した値段で消費者が買えるのではないか、こういうふうに考えております。
○塚田十一郎君 それは一応伺っておきますけれども、現在のやみ米というのは配給米よりかなり高くなっております。そのやみ米が相当開いているという、この現象が自主流通米にもかなり私はやはり出てくるのではないか。私がまあ心配をしておりますのは、自主流通米が生産者からは大して高くないで、消費者に渡るときにはかなり高くなるというのは、私は、消費者には、米代なんというのは全体の生活費から見たらわずかなものですから、うまくさえあれば値段はたいしたことはないという感じがかなりありますからして、相当高くなってしまって、結局、中間のマージンがよけいとられて、消費者は決して安い米を買っていないという現象が出てきやしないかということを非常に心配しているのですが、その点はだいじょうぶでしょうか。
○政府委員(馬場二葉君) ただいま自主流通米として一応予定しておりますのは、一般家庭配給等のウルチ米等については百万トン程度でございます。これは全体の配給量のおおむね一五%程度の数量でございまして、あとは、政府が大量の手持ちをいたしまして、それで需給ないし価格の調整をはかる、そういう機能が十分果たせるだけ現在政府の手持ちがございます。また、四十四年産米が出回りまして、それが政府に集まると思いますので、政府のそういう需給なり価格の調整機能は十分私は今後も残ると思うのでございますから、そういう不当に消費者価格が上がるということは十分防止できるのではないか、こういうふうに考えております。
○委員長(山本杉君) 阿部君。
○阿部憲一君 自主流通米の話がだいぶ出ましたので、まずそのことについて、農林省の方がおられますので、伺いたいと思いますが、ことしの生産者米価も、何かだいぶ曲がりなりにもきまったように伺っておりますが、いままで、御承知のように、米価が、特に消費者米価の値上がりということが、私たちの担当しておりまする物価の安定を阻害してきた、物価をむしろ押し上げるような大きなモメントになってきたということは御理解できると思いますが、幸いにも——幸か不幸かしりませんが、非常に米が余ったということなんかが原因して、ことしは生産者米価、消費者米価とも据え置かれる公算が強くなってきたわけでございますが、ただ、ただいまも質問があったんでございますが、私自身も心配しているのは、自主流通米のことでございますが、これは結局、生産者である農家にとっては、高いから流通米のほうに出すわけであって、国に売るよりもそっちのほうが得だからということだろうと思います。それからまた、したがって、商人が一定のマージンを取ってこれを消費者に売るということになりますと、どうしても価格は、いまの一般の米価、政府できめてある消費者米価を上回るのは当然でございます。ただ、いまのお話で、お米は食糧のうちでたいした部分を占めてないというようなお考えもありますけれども、庶民、まあ零細な人たちにとっては、むしろ、まだお米は依然として主食であります。ですから、これが非常に値上がるということは大きな問題でございますし、ただ問題は、私どもいま非常に過剰ぎみな状態であるから、案外米の問題についてはのんびりした判断を持っておるわけでございますが、これは、たとえば、ことしだって、すでに東北、北海道方面では不作という声さえ聞いておりまして、たかだか三百万や五百万の米があるからといって、えらそうな顔をして、のんびりしているというのは、もちろん問題だと思います。したがって、自主流通米にしても、もっと慎重にやりませんと、お米の値段が以前の昔のような、自由経済的な大きな物価を押し上げる原因になりはしないかと思いますし、現にそういったふうに考えるべきだと思います。したがって、この自主流通米、結局は、もっとわかりやすく言えば、私は、やみ米がただ公式に認められたというふうに判断されるべきだと思いますので、この自主流通米についてのこれからの決定、まあ、これからどんなふうに、何%ですか、一五%ですか、市場に流れてくるわけでございますけれども、これはおそらく、私、いま想像では、おいおいこれがやはりいままでの米価と同じように、物価の上に相当の影響を与えるんじゃないかと懸念しているわけでございますが、この辺について、長官のひとつお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 自主流通米のなには百万トンでありまして、量からいうと約一割ですか、米全体の生産高の。でありますからして、私はやはり政府買い上げ米がやっぱり中心にあると思うんです。そして、いままではやみだから高かったですけれども、今度はやみでないのでございますので、やみのときには売り手相場ですからして、お百姓さんがこれでなければ売らぬと言えば、やみですからして、やむを得ず高くても買わなきゃなりませんが、今度はそうではない。公然と売買できるのでありますからして、したがって、やみ米みたいに高くはならないという私は見通しをいたしております、したがいまして、まあ一五%そこそこの、高くはなりますけれども、全体的に見て物価にそう影響はないという私は見通しをしているんです。
○阿部憲一君 いまの長官の御答弁なんですけれども、現状だけ見てそういうふうに考えるのか。あるいは、たかだか百万トンじゃないか、それから、しかもいま売り手相場ではなくて買い手相場になっているのだからいいのじゃないかというふうにお考えになりまするけれども、仄聞するところによると、この自主流通米というものは、いままでの米価の管理政策をそっちのほうに振り向けるといいましょうか、おいおいにいままでの統制をほぐしていくというような意図のあらわれとしてやっておる、そういうふうに考えますと、私は、先ほど申し上げましたように、米の需給段階のバランスからいっても、これが今度将来物価に対しての強い働き、影響力を持つようになりゃしないか、それを憂えるわけでございますからして、現時点においては長官のおっしゃるとおりでございますが、これをことしだけの自主流通米といえば私は何も別に心配もしませんけれども、これがおそらくだんだん百万トンが二百万トンになり、三百万トンになる、あるいは今度むしろ自主流通米のほうが市場に多く出るというような事態が近々来るとしたら、これは大きな問題になると思います。いまのところ、これが物価にどのような影響を与えるか、また、自主流通米は物価政策から考えてどういうふうに押えていくといいますか、持っていかなければならないか、そういうふうに思われますので、少し先の見通しまで含めて長官のお答えを承りたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 自主流通米のことについての詳細は、私は関係しておりませんから……。まあ、いまの先生の御心配になったことは、それはあり得ることだと思います。だからして、農林省がこの自主流通米を今後いかにこれを処置するかということが重大な影響を及ぼす。この点を見ますと、その点は農林省も十分考えていただいておるのではないか、このように思います。
○阿部憲一君 まあ、いろいろ仮定の問題もあって、やや前提がはっきりしておりませんから、いまのような御答弁でよろしいと思います。私もこの点でいまの問題についてはとめておきますが、総理府の四月の全国消費者物価指数によりますと、三月に引き続いて四月も一%前年比上がって、四・六%という上昇になります。一時、どちらかというと安定したような状況だったのが、急に上昇がひどくなってきたと思いますが、これは、先々月来の例の鉄道運賃の値上げとか、あるいは一般の公共料金の値上がりの気がまえですか、そういうことが結局物価上昇のムードをつくったのじゃないかと思います。結局、こういったことで、四月、さらに五月、六月というふうに消費者物価は上がっていくのじゃないかと思われます。その辺のところを菅野長官のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 四・六%で、これはまだ鉄道料金が影響してないわけです、四月ですからして。がしかし、この場合、やはり野菜類、そういうものが安かったために四・六%ですが、そういうものを除きますと、やっぱり五%程度の上昇率です。だからして、大体大勢から言うと、上昇の情勢というものは強いものがあるというように私たちは見ておるのであります。したがいまして、今後物価対策については、われわれといたしましても、これに強い対策を講じなければならぬということも考えておる次第でございます。そういうことで、この物価問題についてはあらゆる観点からわれわれも検討いたしまして、物価上昇が五%以上にならぬように極力努力するつもりでおりますが、しかし、先ほどもお願い申し上げましたとおり、政府もやりますが、国民もひとつ御協力を願ってやりたいと、こう考えております。 なお、この機会に、余分のことでありますが、いま物価上昇が世界的な情勢になっております。ことに、アメリカなどはもう非常に苦心をしておるところでありまして、フランスにしてもそうですが、ドイツでさえも、日本よりも上昇率の低い国でありますが、物価対策についてはなかなか強硬な態度をとっておりますので、日本といたしましては、幸いそれほどまでに外国のまねをする必要はありませんが、しかし、私は、公共料金を押えるということによって、政府が物価を上げるという政府主導型の物価上昇ムードというものをひとつ消したいということで、公共料金をさしあたり押えて、そうして物価は上がらないという、そういう意識を国民に持たしたい。幸い米価が、生産者米価、消費者米価も据え置くということになりましたから、これによって、政府はなるほど物価を上げないのだというような考え方を国民が持っていただいたのではないかというように楽観的な考えをしておりますけれども、これについても、もう少し政府でもPRをせなきゃならぬと、こう考えておる次第であります。
○阿部憲一君 私ども、先般きまった鉄道運賃の値上げなんかにつきまして、当時からも現在も心配しておるんですけれども、例の関連した交通料金の値上がり、私鉄とか、あるいはタクシーとか、バスとかいうものの値上がりにつきましては、先ほど来いろいろ論議されたところでございまして、また、長官のお考えもよくわかっております。いままで長官もそれに対しては相当物価の安定の立場からがんばっておられたことは認めますんですが、どうも長官は、少し安心していられるような気がまえが見えまして、それじゃ困りますので、その点をむしろ私ども心配するわけですが、長官の御健闘をお願いするわけでございます。便乗値上げは認めないとか、あるいは先ほども、消費者物価に影響するような値上げは認めないというような、極力がんばるというようなおことばでしたけれども、これはぜひ御決意どおりにがんばっていただいて、多少物価の値上がりムードになりつつある現在のムードをかき消すように、この上とも御努力願いたいと思います。 それから、先ほど竹田委員からもいろいろお話がありましたんで、私もごく簡単に御質問しますけれども、例の物価安定推進会議が先月解散されたわけでございますけれども、これは、昭和三十八年の第一次物価問題懇談会が発足してから、物価安定についての提言が二十幾つにのぼっておりますですね。これを実際政策に生かし、実行し、そして物価安定に寄与さしたかというと、極端に言うと、皆無じゃなかったか、こういうふうに私判断される。いかがですか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 皆無というと、ちょっと耳ざわりですが、しかし、これは阿部先生も御存じのとおり、昭和三十八年からできたんですが、御承知のとおり、所得倍増計画で、あの計画によって国民総生産が非常に増加いたしました。国民総生産が増加したということは、日本の経済力が伸びてきたのでありますが、大体国民所得倍増計画では、この諸物価が上がったという原因については、生産性の高いものと生産性の低い産業構造ということが大きな原因でありまして、したがいまして、所得倍増計画では、生産性の低い産業を極力伸ばすという政策を立てたのであります。しかしながら、実際はそうじゃなくて、生産性の高い産業が伸びて、生産性の低い産業は伸びなかった。そこに、物価というものが予想以上に私は騰貴してきたと思うんです。そこに、私は、政策の誤りと申しますか、政治がその点において少し軽く見ておったのじゃないかということを感じておるのでありまして、したがいまして、今後におきましては、やはり基本は生産性の低い産業を強化するということ、これが私は基本だと思います。今度は、公共料金を上げぬという一つの旗じるしを出しましたけれども、この次は生産性の低い産業の生産性を高めるということ。そうすれば、労賃の格差というものがなくなりますししますからして、そういうことによって物価というものを極力押えたい、安定させたいという考え方でおるのであります。この点につきましては、先ほどもお話のありましたとおり、各省庁の御協力を得なきゃなりませんので、私は、物価の問題に閣議で触れるたびに、各大臣の御協力をお願いするということを常に言っておるし、総理もしばしばそういうことを重ねておられるのでありまして、これは各省庁ともにひとつ協力してやらなければ、実際効果をあげることは困難だと、こういう考えでいたしております。ひとつ、今後私としては微力でありますが、できるだけのことをやりたい、こう考えております。
○阿部憲一君 長官のただいまのおことばのように、経済の成長というものと、それから物価の安定というもの、これが相互に調和を見出すことが物価安定の要件だと思いますし、また、先ほども申し上げました物価安定推進会議の最終の提言の中にも、そのことがうたってあります。いまお話のような生産性の低いものといいますと、——もっとも、物価に関係すればこそ生産性が低いということにもなるわけですが、農業部門、これは最もあれだと思います。お米については、政府の施策で、むしろ何といいますか、でき過ぎるような現象が出てきたのですが、その他農産物については非常に微々たるものでございますし、生産性は極度に低い。諸外国に比べても低い。国際価格から見ると割り高になっている状況でございますので、これについては、政府におかれても特段の努力をお願いしたいと思います。 もう一つ、流通機構。特に小売りですね、小売り商、小売り関係というものについては物価に非常に大きく影響するのですけれども、これも、ほんとうに御承知のように、生産性の低い、むしろ前時代的なような経営をしているものがたくさんある。このために、せっかく生産地では安いものが、消費者の手に渡る際に、考えられないような価格になっている食料品などございます。その点についても、ひとつ政府の特段の努力をしていただいて、流通機構の改革についてがんばっていただきたいと思います。 それから、今度価格安定政策会議というものをおつくりになる、出発されるようですが、先ほど来竹田委員からもいろいろお話がありましたので、私もよくわかりましたですが、結局、推進会議の延長みたいな感じがしてならないのです。それじゃ、何も、何といいますか、物価の安定に寄与しないような会議が、いたずらに、会議は踊るといいましょうか、会議は会議ですが、ですから、これはぜひとも、何といいますか、いままで提言された物価安定対策を具的体にどしどし実行さして、その効果を検討し、監視していくという、そういう形に持っていくべきだと思います。そうでなければ、いままでの会議、推進会議と、たいした効果のないようなものになってしまいはしないかとおそれます。その点、ひとつお含みの上で、この機関を一日も早く発足されて、また、効果をあげるように期待しております。 以上をもちまして質問を終わります。
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまお話しの流通機構の問題、これがやはり消費者価格を高くしていることは事実であります。これは、御承知のとおり、商慣習等がありまして、多数の手を経なければ生産地から消費者の手に渡らぬような流通機構になっておりますからして、この点はひとつ今後改善をして、そして途中の手を経ることを簡素にして、安く消費者に渡るようなくふうをしなければならぬということで、これは主として農林省、通産省でおやりになることですが、そういうものにお願いしておりますし、また、事実やっております。そういうことで、消費者価格というものを安くするように鋭意努力いたしたいと考え、先生の御趣旨のとおりわれわれもやりたいと、このように考えております。
○委員長(山本杉君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会をいたします。 午後四時三十九分散会