農林水産委員会 第15号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/05/08
会議録
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 昨七日、高山恒雄君及び鬼丸勝之君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君及び重宗雄三君が選任されました。 また本日、重宗雄三君が委員を辞任され、その補欠として亀井善彰君が選任されました。 —————————————
○委員長(任田新治君) 農業振興地域の整備に関する法律案を議題といたします。 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 四点ぐらいお伺いをいたしたいと思いますが、その一つは、この振興地域整備の法律と林野、それから国有林ですね、そういうものとの関係はどういうふうに考えられておるわけですか。官房長でもいいですし、それから局長でもいいです。
○政府委員(池田俊也君) この法案の二十二条に、いまの林業基本法の趣旨に即して、農業振興地域において積極的に国有林野の活用をはかるようにつとめるという規定があるわけですが、私どもの御質問の理解といたしましては、農業振興地域の整備の場合に、当然国有林野の活用をはかる余地が相当大きいわけでございます。それでそういうような趣旨を十分この基本方針なり、あるいは計画の段階で取り入れるようにという、いわば一つの姿勢をここでうたっているわけでございますが、国有林野活用法案の内容は、これはまたいずれ御審議をいただくわけでございますが、国有林活用についての基本的事項を定めて、国有林の活用についての一つの指針みたいなものを明らかにするということと、それから具体的には延納特例がございまして、それは五年間の延納を認めるという規定がございますので、そういうような点からいたしまして、国有林の活用についての具体的な裏づけ措置といいますか、それが積極的に進むような措置を考えているわけでございまして、まあ、私どもは両々相まって国有林の活用がはかれるのではなかろうかと考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 この法案の第三条に、「農用地等」ということで定義がありますですね。この定義は従来の「農用地等」という「等」ということばでいままで定義したことがあるのかしら。ここにありますのは、何か「農用地等」ということで非常に広い範囲のことが考えられているようにも受け取れるんですけれども、要するにたんぼと畑ということですか。それとももう少し広い意味の「農用地等」ということを考えられておるのか。これを見ると、何か放牧の土地とか、あるいは竹や木が生えているようなところまで入っていますから、ですから、早い話がたんぼと畑を対象にしているか、もう少し広い意味のものを対象にしているのかということなんです。
○政府委員(池田俊也君) 比較的広い意味で考えておるわけでございまして、もちろん田畑の耕地は当然でございますけれども、それ以外に採草、放牧地を一応対象として考えておるわけでございます。そのほかに、さらに二のところに書いてございますけれども、木竹というようなものを対象にして考えておりますし、それから現在はそういうものでなくても将来開発をされまして、たとえば農用地になるというような土地も考えておるわけでございます。なお、三号におきましては「土地の保全又は利用上必要な施設」ということでございますから、そういうような特定の施設の敷地になるようなところも一応対象になる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 それでは農林省が配付いたしました参考資料というのがありますね。これの二ページの下のほうに、農家の経営する土地面積というのがあるのですがね、いままで農林省の資料を見ても出てこなかった統計数字が関連して並べてあるのですよ。つまり耕地が五百三十二万ヘクタール、耕地以外の農用地が百十万ヘクタール、山林が五百七十六万ヘクタール、合わせまして、農家の経営する土地面積が千百九十五万ヘクタールある。こういう数字が出ているのですが、こういうものを全部考えておられるのですか。ここにあげてある千百九十五万というのは、大まかに言いますと、耕地以外の百十万ヘクタール、それから同じように農家が経営しておる山林五百七十六万ヘクタール、合わせて千百九十五万と、こういうものを考えておられるのですか。
○政府委員(池田俊也君) この全部を考えておるわけではございません。山林につきましては、これが農用地等に開発をされまして、いわゆる国有林活用といいますか、山林の農業上の利用に供されるという意味で農用地等の中に入る場合もございますけれども、一般的に山林というものをこの中の対象として考えておるわけではないわけであります。その他の土地につきましては、耕地のほかに草地でございますとか、山村で採草、放牧する山林というようなものを対象として考えておるわけであります。
○鶴園哲夫君 それでは次にお伺いをいたしたいのですが、これは同じように農林省からこの間配付になって、大臣が説明しました法律案の提案理由説明を見ますと、近年非常に国民経済が高度成長を遂げてきた、それで都市地域への人口集中からさらに工業の開発——二十六ページですね。工業の開発、交通網の整備というものがあって、農地の無秩序な潰廃、土地利用度の低下、農業経営の粗放化、これは都市周辺だけではなくて、農村地域にも次第に波及しつつあるというのが振興の法案を出した何か根っこのように思うのですがね、ここでこれを伺いたいのですが、「無秩序な潰廃」というのはどういうことですか。いわゆる宅地になるとか、あるいは工業敷地にするとか、都市化に伴っていろいろな耕地がつぶれていくというようなことをさしているんですか、この無秩序な潰廃というのは。
○政府委員(池田俊也君) もちろんそういうのも潰廃でございますが、全般的にそれを無秩序と言えるかどうか——私どもは全部が無秩序であるとは考えていないわけでございます。まあ都市化が進みまして、当然宅地等の用に供される土地の需要がふえてくる、あるいは道路敷地等の需要がふえるということはこれは当然でございまして、そういうようなもののために農地がつぶれるのは、ある程度はやむを得ないと私ども考えるわけでございますが、ただ、それがたとえば都市周辺の土地がある程度まとまりまして、そういう用地に計画的につぶされていくというのであれば、これはやむを得ないと思うわけでございますが、非常に飛び飛びに相当優良な農地の中にぽつんとそのある個所だけが宅地にされる、そういうようなのが次第に今度は密になりまして、市街の中に一部農地が残るというような、状態はあまり好ましい状態ではない、それはもう少し計画的に宅地の確保なりあるいは農用地の保全なりが考えられてしかるべきではないか、そういうふうに考えております。
○鶴園哲夫君 農林省が出しました資料によりますと、耕地の潰廃の中に、植林が五千幾らというのが出ていますね。五千何ぼヘクタール年間つぶれている。その数字を見ますというと、農地法による許可によって植林をしたものが五千幾らあるのだと書いてありますね。ですから、許可をしない耕地がつぶれていくという、つまり限界耕地が自然化していくというやつですね。畑に雑草がはえてくる。雑草がはえるというと、隣近所にも雑草の種が入ってきてしようがない、おれのところも雑草をはやしておけということで、畑がだんだん自然化されていく。それからさらに畑が植林されていくという、逆の方向へ追い込まれているわけですね。ですから、そういうものの数字というのはつかんでおられるのかどうか。つまり、植林のためにどの程度の耕地がつぶれておるとか、それから実質的にはこれだけじゃなかろうかとか、農地法による許可では五千幾らだ、五千幾らの耕地が毎年つぶれている、実際はこの程度じゃなかろうか、あるいは畑地として残っているけれども、実際はもう自然化してしまっている、雑草がはえてしまってですね、というような状態になっているものがどの程度あると推定しておられるのか、さらにそういうものがこれからどういう方向にいこうとしているのかという点についての推定を伺いたい。農林省はよく、長期計画とか長期見通しとかいうことを言われるわけですから、そういうものはどういうことになっているかという点について、わかっておればひとつ出してもらいたい。
○説明員(松平孝君) 農地の潰廃のうち、耕作放棄を含みます植林その他による面積は、昭和三十九年から四十三年までの合計で約十五万六千ヘクタールという統計になっておりまして、そのうち畑は十三万三千ヘクタールでございます。 なお、今後の見込みでございますが、これは昨年出しました「長期見通し」にのっとります考え方で申し上げますと、これは一種の趨勢値をとっておりますので、総体として畑の潰廃を四十万ヘクタールというふうに見込んでおりますが、それが山林になるかあるいは耕作放棄になるかという点については、内容をまだ分けておりませんので、一応合計としては四十万ヘクタール、畑が今後十年間で潰廃になるであろうと見込んでおるわけであります。
○鶴園哲夫君 いまのお話の初めをちょっと聞き漏らしたんですが、三十九年から四十三年に十五万ヘクタール植林されているんですか、それとも畑が潰廃したという意味ですか。
○説明員(松平孝君) 三十九年から四十三年までの農地の潰廃のうち、植林その他耕作放棄を含む面積でございます。
○鶴園哲夫君 私は、いま農業といいますかあるいは耕地といいますか、農業をする場というものが二つの方向から追い込められているというふうに思うんですよ。一つは、大臣がこの法案を提出する理由で説明しましたように、都市化並びに工業化の発展に伴いますところの端的な直接の影響としての耕地の潰廃ですね、それが一つともう一つは、非常に過疎化してきまして、そういう面からの限界耕地というものが自然化していく、畑が雑草になってしまって山になってしまっていく、あるいは植林をしていくという二つの方向から農業の場としての耕地が追い詰められているというふうに思うんですね。 その場合に、この法案に出しておりますように、一方の側の、つまり都市化の方向から、工業化の方向からの農業の耕地の追い込められ方、それに対する考え方だけではこれははなはだしく不十分だと私は思うんです。むしろそういう考え方は農業の発想じゃない、農業から出てきた考え方じゃないんじゃないか、そう思うんですがね。農業から出てくるとすれば、それは、長期見通しと生産の見通しの中でどういうふうに農業そのものを高めていくかという形の中で、そういう潰廃を好ましい方向で防いでいくという方向を打ち出さなければならぬじゃないか。ただいたずらに一方の側だけから、都市化の側だけから考えたんでは、これははなはだ不十分だ。消極的であるし、第一、農業の発想ではない、こういうふうな気がしてしようがないんですね。私は先ほどから思っているのは、発想としてはどうももっとそういう農業の立場から出すべきじゃないかと思うんですけれどもね。
○政府委員(大和田啓気君) おっしゃるとおり、この農業振興地域の整備に関する法律案の大臣の提案理由の中に「農地の無秩序な潰廃」ということがありますことに関連してのお話でございますが、農地法によって農地の潰廃の許可、不許可をやっておるわけでございますから、むずかしく言えば、無秩序な農地の潰廃というのは行政当局のことばとしては必ずしも適当ではないわけでございます。無秩序な潰廃は農地の許可制度で押えることができるはずでございますが、ただ実際問題といたしましては、従来しばしば御指摘もあったわけですけれども、土地利用区分が必ずしも明確ではなかったということがございまして、農地の許可制度をある場面場面でとって議論をいたしますと、やむを得ず許可したあとで、全体から見ますとやはり土地利用区分として必ずしも合理的なものでなかったということが事実上あるわけでございます。 したがって、この法律案は単に外から責められるから措置するということではございませんで、農林省として当然都市化いたすべきところはやはり農地の潰廃を相当自由にして、宅地あるいは工業敷地等の要望も現にあるわけでございますから、それはいわば無理押しに押えることはしないけれども、農業地域として守るべきところについてはしっかり守っていこうという、そういう積極的な態度のあらわれでございます。したがいまして、ただ外からの要求にこたえて、いわば受け身の姿勢ということではございませんで、受け身という面も一面ではありますけれども、むしろ農業地域を積極的に守っていこうという、そういう姿勢であるというふうに御了承をいただきたいと思います。
○中村波男君 関連でもう少しお聞きしたいと思うのでありますが、いただきました資料の「農地転用統制許可実績」というものの中に、植林への転用が昭和四十二年度で五千二十七ヘクタールある、これは三十年から比較してあるわけでありますが、この農地転用の植林面積というのはトータルとして戦後どのくらい転用されたという数字があればお聞かせをいただきたいというふうに思うわけです。 それからもう一つは、農山村の労働力不足等々もありまして、山畑あるいは山間の田という、いわゆる生産の低いところがどんどんと植林に転用されている、この結果、いま官房長がおっしゃったように、利用区分がはっきりしておりませんから、農業委員会等では転用の申請が出ますと、これは簡単に許可をしていく。しかしその中には、植林をして木が大きくなれば陰になりまして、農業をやろうとする人たちもまたその被害者になりまして植林をせざるを得ないところへ追い込まれておる、こういう実態というものをどう見ておるかという問題が一つ。 それから、米の過剰に伴う稲作転換の中に、私の承知しておるところによりますと、いわゆる植林といいますか、山林への転換というものも基準の中に農林省は入れておる。これは私は、ただ米が余ったから稲作を転換するという、こういう立場からいえば当然の政策として考えられると思うのでありますが、いわゆる農業というものを、食糧の自給度を高めるという、そういう高度な政策として考えられる場合には、これはただ稲作を転換すればいいという、そういう考え方という問題については相当私は疑問を持っておるものなんです。しがたってやはりこれはただ申請をすれば許可をするという、こういうことではなくして、土地の利用区分というものに従う規制というものがやはり転用の面で考えられなければならぬのじゃないか、こういうことを考えるわけです。 二つの角度から政府の考え方をこの機会にお聞きをしておきたい、こう思うわけです。
○政府委員(大和田啓気君) 農地が林地にかわりましたものの面積は、非常に古い統計はございませんので、詳細いま申し上げることはできませんが、いまのお話の、水田の転換等々の場合に林地にかわることは、一体今後の日本の農業の生産力を考える場合にどうかという話でございまして、私は、水田に杉等を植えられるというのは、ところによっていろいろな呼び方がございますけれども、山合いの谷津田とか谷地田とかいうようなところが大部分でございまして、通常の生産力の高い水田はたとえば果樹とか野菜とかに転換する場合はございますけれども、そういうところが杉林等にかわるということはまずない。私どもも項目として、水田に木が植えられることも稲作転換の一つの場合として認めるつもりでございますけれども、ただいま来ております情報によりますと、その面積はきわめてわずかでございますし、私どもも稲作転換の主体はやはり農作物または需要の面で心配のない農作物にかわることを考えておるわけでございまして、そうドライブをかけて林地にかわったらいいだろうという指導はいたしておらないわけでございます。 なお、確かにおっしゃるように、一ヵ所谷津田で杉が植えられるとすれば、それが伸びれば日陰になって、ほかの水田地帯の生産力が非常におちるということも事実あるわけでございますから、私どもも稲作の転換に関連してということではございませんけれども、やはり水田その他を林地にかえる場合には、その村々においてこの法律に基づいて土地の利用の区分あるいは土地の利用の計画が進められるわけでございますから、単に一筆の土地に対して林地に木を植えることがいいか悪いかということよりも、もう少し広い見地に立って土地の利用の面でどういうふうに土地を利用したらいいかということをひとつ村できめてもらえるようになることを期待しておるわけでございます。
○中村波男君 もう一つ、利用区分を近くつくるという計画のようでありますが、いままでつくられなかったということについてはこれは怠慢だというふうに思うわけです。利用区分について午後の時間に少し議論をさしていただきたいと思ったところでありますが、振興計画を町村が立てる場合でも、やはり農産物の長期需要という立場で生産計画と利用区分が立てられておって初めてそれをめどにして町村が計画を立てるのでしょうけれども、そういうものが国に全然立てられていない中で地域の特殊性を生かして立てようといっても、これはむずかしい問題ではないかというふうに考えておるわけでございますが、それはそれといたしまして、いわゆる山間等の田畑等が植林等に転用されておるというこの実態から見まして、これはやはりそのために今度はいま私が申し上げましたように、植林されることによって日陰になる、また好まざる人たちが植林をせざるを得ないように追い込まれていくという、こういうことからいいまして、これはでき得れば採草地等に利用するというこういう立場で、計画的にそういう地帯というのをやはり市町村なりあるいは農協等で営農という立場に立つ具体的な計画というものを考えるべきではないか、そのためにはやはり農林省としては一つの計画なり方針を早急に私は立てるべきではないか、こういう意見を持つものでありますが、その点はどうですか。
○政府委員(大和田啓気君) 昨年の十一月に出しました「農産物の長期見通し」によりまして、四十一年に草地が十七万町歩程度でございますものを、五十二年には六十一万町歩までふやすという見通しでございますから、いまおっしゃいましたように、普通の雑草地を開くという場合もございましょうし、それから畑とかあるいは水田とかで山合いで草地として改良することが適当であると認められるものにつきましては、草地の改良ということは私は相当積極的に行なわれるし、また行なわせるべきだというふうに考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 少し整理しまして、ぼくはどうも、結論から先に申しますと、振興法案というのははなはだ農業的な発想じゃない、単に農業の場というものを何か確保したいというような感じが前面に出ている。あとでこの農業地域という問題について論議をしたいと思うのですが、この地域の考え方もどうも場にすぎない、農業の場にすぎないという感じがしてしょうがないですね。こういう振興法じゃ振興法の名に該当しないのじゃないかという考え方なんですけれどもね。 まあそれは別といたしまして、もう少しそこを整理して申していきたいと思いますが、この農林省が出しております資料によりまして、都市化による農地の、無秩序潰廃じゃないのですが、潰廃というやつですね。宅地が、これは一万三千ヘクタール、四十二年度一年で。工業用地というものが三千三百ぐらい、それにその他の建設というようなものを加えまして大体二万ヘクタール程度が年間に耕地が潰廃をしていくということになるわけですね。もう一方の過疎化による限界農地が自然に返っていくという、そういうものがほぼ三万ぐらいあるのじゃないか。少なくともこの程度は、都市化による潰廃程度であると明らかに推定できるのじゃないか。そこへもってきまして、この耕地の利用率が年々落ちていく、しかもそれが固定化していく。ですから百万や百五十万ヘクタールの農地の利用率というものが利用されないで固定化されていく、さらにそれがふえていくという状況でしょう。 そういう点から農業を考えた場合に、私はここに出しているような考え方ではこれはどうも農業振興に当たらないのじゃないかという気がしてしょうがないのです。そういう一方だけの問題の考え方でいいのかどうか、もう一つの問題を考えなければならぬのじゃないかと私は思う。しかも今後日本の農業が発展していくというのに、農林省の「長期見通し」をたてにとるわけじゃないですけれども、酪農がどうだ、畜産がどうだと盛んにおっしゃる。そういう点等から考えれば、ますますこれはそういう限界耕地が自然化していくという点についてどういう態度をとるのか。あるいは耕地の作付率、利用率というものが年々低下していってそれが固定化していくというのをどう考えるかという点を、もう一つ大きく出さなければ振興にならないと私は思うのです。その点だけではまずそうならぬのじゃないかというように思うのです。 次にこの農業地域ということばを使っておるのですが、この点について、私はここにいっておる農業地域というのは農業地域に該当しないというような気がするのですが、これはあとで論議したいと思うのです。ですから、いま私が申し上げたこの工業化と都市化と過疎化等からくる農地の農業の問題についての考え方を一ぺん承っておきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 確かに御指摘のような問題があるわけでございます。まあ都市に比較的近い地帯の農業と都市化との調整という問題と、あるいは都市とは縁のない、いわゆる過疎地帯と申しますか、そういう地帯における問題があるわけであります。私どもこれは土地の利用率が比較的山村に近いところで落ちていくという問題は、農産物の価格関係とか労働力の問題とかいろいろな問題がからんでいる問題だと思うわけでございますが、先ほど先生御指摘ございましたが、この法案は土地の利用区分を明らかにいたしまして、都市化との調整をはかるということが一つの観点ではございますけれども、それだけではございませんで、やはり今後農業として地域の開発をはかっていくべき地域というものを明らかにいたしまして、そこに対して農業の施策を集中的に、総合的に実施をする、こういうねらいがあるわけでございます。 もちろんこの法律だけでいま申し上げましたようなことができるわけではございませんので、同時に他の施策、たとえば今回御提案申し上げております農地法改正の問題もございますし、あるいは農基法の改正で考えていることもございますし、いろいろあるわけでございますが、私どもといたしましては、やはりそういう地帯におきましては、一般論として申し上げるならば、構造改善をはかっていく、構造改善といいましても抽象的でございますが、たとえば労働力等がかなり不足をしてきておりますような地域では、たとえば集団的生産組織といったものを活用いたしまして土地の有効利用をはかる、あるいは規模拡大をはかっていきまして大型機械を導入をしていくというような、やはり他の施策と相まってやりませんと、この農業振興地域の制度だけではもちろん非常に不十分なことは御指摘のとおりでございます。そのようないろいろな施策と相まちまして、やはりそういう地帯における農地の有効利用というものを極力はかっていきたい、こういう非常に抽象論でございますが、気持ちでいるわけでございます。
○鶴園哲夫君 それでは次に同じように、大臣の提案理由の説明の中に、二十七ページに、こういうような「健全な発展を図るための条件をそなえた農業地域を保全し形成することを目途として、」というところなんですが、この「農業地域」ですね。これは一体、もう少し説明をしてもらうとどういうものですか。私はどうも農業の場みたいな感じがしてしようがないのですが、単なる場じゃないのですから農業地域というのは一体何だ、農業地域というと、どうも誤解をしますから、農業の場といたしますならば、そういうふうにしてもらうといいと思うのですけれども、私はそれは困るのじゃないかというふうに思うものですから、農業の場としての耕地では困る。地域では困るというふうに思うのですけれどもいかがです、これもう少し「農業地域」というのを説明してください。
○政府委員(池田俊也君) この提案理由の中で御説明申し上げております「農業地域」というのは、非常に厳格な意味で申し上げているものではないわけでございます。要するに農業生産を行なう場としての農用地、それに付帯いたしました農業集落でございますとかいろいろあるわけでございますけれども、そういうようなものを保全するということがありませんと、これは農業生産の確保ができないわけでございますから、そういうような意味でここでは言っているわけでございますけれども、この法案で言っております農業振興地域として私どもが考えておりますのは、やはり今後その地域の就業人口の状態あるいは国土の利用というような観点から見まして、農業として将来も地域の開発をはかっていく、地域の振興をはかっていくというような地域というものを、私どもは、そういう条件を備えた地域でございまして、またその地域の住民がそういうような意思をはっきり持っている地域、そういう地域を農業振興地域として指定をいたしまして確保をし、またそれに対して必要な施策を実施していく、こういうふうに考えているわけでございます。
○鶴園哲夫君 私はそういう意味ではまずいというふうに思うのですけれどもね。ですからまあ非常に消極的だし、非常に防衛的だし、はなはだしく場当たり的な感じがしてしようがないわけなんですよね、考え方が。私は初め見ましたときに、農業地域というのはよくいわれておりますように、地域農業というようなものを初めは見ながら想定したのですよ。地域農業という立場からいいますれば、非常に意味のあることだし、これからもはなはだしく価値の高い問題だというふうに思ったのですね。ところが内容を見てみるとそうじゃなくて、これはちょっと誤解をするので、単なる農業の地域じゃないか。そんなものをいまどうこう言ってみても、そんな重要なことなのかというような感じがしまして、むしろやるならば地域農業としての指定をして、そして農業の場を確保していくというような、逆にしたほうがいいのじゃないかというふうに思うのですがね。これじゃあまり農業として価値ないですね。そう思いますけれどもね。つまり、これは地域農業というようなことばで言う地域ではない。一つの場なんだと。農業をやるとしての場なんだということです。どうして後者を考えなかったのか。私の言うような地域農業というようなものを考えなかったのか。
○政府委員(池田俊也君) 先生のおっしゃいます地域農業という場合の地域の広さというものの考え方でございますが、これは私どもの理解では相当に広範囲な地域、場合によれば県の区域を越えるというようなこともあるというような……。
○鶴園哲夫君 農林省の局長がそんなおかしなことを言うのがありますか、あなた。県を越える農業地域なんとは一体——局長、それは無理だな、そういう話は。農林省だって農業地域というのはきめておられるでしょう。統計の上からもはっきりしているのですが、県単位という話をされたのじゃ話にならないですね。さっきも大臣の言っている「農地の無秩序な潰廃、」——それは他人が見た場合には「無秩序な潰廃、」と言えますよ。しかし、農林省が言った場合には、「無秩序な潰廃、」ということは一言も言えないと思うのです。こんなことばを大臣の説明の中に使ってみたり、大体、県単位を越える農業地域なんて、そんなばかな農業地域を考えておるのですか。
○政府委員(池田俊也君) ちょっと御質問の趣旨を取り違えたわけでございますけれども、先生がお考えになっている農業地域、農林省もかつて一つの区分としてそういうものを部内的に試みたことがございますけれども、それは私どもが考えている地域とある場合においては一致する場合もあるかと思いますし、あるいはやや私どもが今回農業振興地域の法案で考えております地域というのは、もう少し狭い場合もあるのだろうと思います。といいますのは、やはり六条にあるわけでございますけれども「一体として農業の振興を図ることが相当であると認められる地域」ということになりまして、その場合の「一体」ということの意味でございますけれども、これは社会的あるいは経済的な意味で一体性があるかどうかということになるわけでございますが、その場合にはやはり従来の市町村の区域というようなものが一つのめどになる場合が非常に多いわけでございます。で、先ほど先生がおっしゃいました農業地域というのは、あるいはそれよりもかなり広範囲な地域になる場合があるのだろうと思いますけれども、やはり今後農業を中心にいたしまして地域の振興をはかっていくというようなことが、住民の意思との関連におきましても確立をされるというような地域は、そういうような一体性が必要なんではなかろうかというふうに、私どもは実は考えておるわけでございます。 そういうようなことで、農業振興地域というようなことの意味づけがはっきりいたしますならば、そこにおいて土地の利用計画を立て、それに対して必要な施策を総合的に実施をしていくと、こういう仕組みを考えているわけでございまして、単に農業の場にすぎないのではないかという御指摘でございますけれども、私どもはそうではなしに、もう少しそれに対する農政といいますか一の面でもこれを育てていこうと、こういう積極的な意味を実は考えているわけでございます。
○鶴園哲夫君 いま局長の話を聞いていますとね、農業地域、それは四百に分けるかどうか——いろいろあるでしょう、四百に分けている場合もあるし、いずれにしてもそんなでかいものじゃないですよ。県単位というような農業地域なんか考えてないでしょう。ですからそういう場合、まあ、その地域の場合に、原則として市町村区域という考え方のように見受けられるのですが、場合によればその市町村区域を離れてある意味では農業地域みたいな、つまり一郡単位程度の、あるいは市を中心とした三ヵ町村の、自然なり社会なりそういう条件の一致したような、そういう農業地域というものと一致するような面もあるのだということですか、原則として市町村と一致する面もある、こういう考えですか。
○政府委員(池田俊也君) 原則として市町村というふうにかっちり考えているわけではございませんけれども、経済的、社会的、自然的諸条件から考えまして一体性があるという地域でございますならば、それは二、三町村が一つの農業振興地域として指定されることももちろんあるわけでございます。しかしながら、実際の場合におきましては、やはり一つの行政区画の場合がいろいろな土地の利用計画を樹立していく体制として考えた場合、あるいはその後の農業施策を実施していく段階として考えた場合、一つの区域、市町村の区域のほうが妥当であるという場合もかなりあるのではなかろうかというふうに考えるのでございまして、そういう意味で私どもは、これは何もきめているわけではございませんけれども、農業振興地域の全体的な数というのは、現在市町村の数が三千三百近くあるわけでございますけれども、その中で一部都市化される地域は残しまして、ごく荒っぽい率で申し上げますならば、三千ぐらいの地域が農業振興地域として指定を受けるのではなかろうかというような見通しを持っているわけでございますけれども、もちろんそれは二、三町村ということもあるわけでございます。
○鶴園哲夫君 この酪農近代化の計画とか果樹振興の計画、それから蔬菜等についての主産地の指定というようなものがありますね。これは逐次地域的な関係になっているのじゃないですか。あくまで市町村というワクでやっていますか。ぼくはどうもある意味で地域農業的な広がりというものを持っているというように見ているのですがね。
○政府委員(池田俊也君) 私どもの理解では集約酪農——酪振法の関係のそういう地域指定、あるいは野菜の指定産地というようなものは大体市町村を中心にしましてきめている場合が非常に多いように実は理解しております。
○鶴園哲夫君 農政局長は果樹園芸の局長じゃないわけですが、どうなんですか、畜産の関係、それから蚕糸、園芸の関係で、私がいま申したことを、原則として市町村の単位でいくのだ、これからもいくのだという考え方ですか、農林省は。どこへ行ったのかしら、これはやはり局長をそろえてやらんと、何も……。
○政府委員(池田俊也君) どうも私がお答え申し上げるのがいいかどうか非常に疑問でございますが、いま担当局長がおりませんのでお答え申し上げますが、やはりたとえば酪農振興法によります酪農近代化計画というものは、これは御存じのとおりでございますが、市町村ごとにきめているものでございます。それから野菜の指定産地等でございますと、これは市町村をこえた郡等できめている場合もあるようでございますけれども、私どもの理解では市町村単位になされている場合が非常に多いんじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。それから果樹の場合におきましては、これは県ごとの計画がございまして、あとは現実的には広域主産地、濃密団地といますか、そういうものがございますが、これはもうちょっと広い範囲をきめているわけでございます。いろいろその事業の種類によりまして若干のニュアンスの違いはございますけれども、そういうような状況になっておるように理解をいたしております。
○鶴園哲夫君 私は酪農関係の場合についても決して市町村単位ではないと、それは行政的にはそういう措置をとっているんですけれども、しかし全体として酪農政策として見た場合にはやはりいろんな意味において適するところ、そういう意味で地域的な面が非常に強く出ているんじゃないかと、県にまたがってすら草地開発をやるわけですから、従来からもそういう意味では町村という区画にこだわって酪農政策が行なわれているというふうにはとっていないし、今後ますますそうだろうと思うんですね、果樹についてもそうなるだろうし、園芸についてもそうだろうと思うんですがね。 そこで私はこれはあと畜産なり蚕糸の関係の方に答弁をいただかなきゃならぬと思いますけれども、この農業地域が市町村単位という、あるいは原則でといいますか、そういう考え方で貫かれる。一方において酪農とか畜産とか園芸とか、そういったような関係のものについては、土地改良についてもそうですわね、地域的な考え方でもっていかれるということになれば、両方指定の立場が違うんじゃないかと思いますですね、そういう点はどういうふうに考えておられるのか。 それからもう一つ、どうも地域指定の関係は、基盤整備というようなものには農業基盤整備ですね、土地改良関係といいますか、そういうものに非常にこだわっているんじゃないかという気もいたしますが、どうもその辺がはっきりしないもんだから二つ違う立場できまっておるんじゃないか。そうするというと、酪農なり果樹なり、蔬菜なり、その他養蚕なり、そういう産業が、農業が相当農業地域的な関係でとられているにかかわらず、農業の振興地域の指定は町村単位という二百、三百なら三百というような、そういう場としてつかまえられるというようなことになるというと、そうすると問題が出てくるんじゃないかというふうに思うもんですから伺っているわけです。
○政府委員(池田俊也君) 確かに農業の形といいますか、果樹農業でございますとか、あるいは養蚕でございますとか、そういう形としての一体性から言いますと、必ずしも市町村に限定されないわけで、もうちょっと広い地域の農業地域というものが考えられるわけでございます。ただその場合に、私どもがそれとの関係として考えます場合に、市町村単位に農業振興地域の整備計画がきめられましても決して矛盾はないというふうに考えているわけでございます。当然そういうような、たとえば果樹の濃密団地というようなものが相当広範囲にありまして、その中の一つの地域が農業振興地域になりました場合に、当然その当該県におきます振興計画がございますけれども、その線に沿ってその地域の市町村の、たとえば果樹なら果樹についての生産目標というものが一応想定されまして、それに基づいてもろもろの計画がきめられる、こういうことになるわけでございまして、私どもはそこにひとつも矛盾はないというふうに考えているわけでございます。 なぜそれならば市町村の農業振興地域の整備計画を定める主体として市町村をきめて市町村にこだわるのかという疑問があるわけでございますけれども、私どもはやはり単に計画をきめてあと土地の利用区分を明らかにするというだけではございませんので、先ほど御指摘がございましたが、私どもはやはりこれは相当積極的に今後農業施策としてその線に沿って進めていくということを考えておるわけでございます。その場合にやはり市町村というような行政主体が中心になる場合が多いわけでございますから、それが数ヵ町村にまたがって、その責任の主体が必ずしも十分はっきりしないというようなことではやはりそういう面でも非常にまずいのではなかろうか、だから農業振興地域としては数ヵ町村にまたがる場合もちろんあるわけでございますけれども、その場合におきましても計画の主体なり事業の実施主体は市町村に置くと、こういう気持ちでいるわけでございまして、まあ何か非常に狭く市町村にこだわるのではないかという感じが持たれることも非常に私どもそういうあれはごもっともだと思うのでございますけれども、やっぱりあとあとのことを考えますと市町村に責任を持たせるほうが私どもはより実際的ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○足鹿覺君 この際建設省に伺いかたがた資料の提出を求めますが、ただいまも鶴園委員から農林省の農業振興地域というものについての御質疑にありましたことにも関連する重要な点でありますのでお願いしたいと思います。 すでに六月一日を目途に施行されることになっておりますいわゆる新都市法に基づく市街化区域の範囲の基準について、つまりどこで線を引くかということが、先般も私の質問の際にもるる申し上げたのです。で、建設省と相談をして協議がととのった段階において公表すると、こういうことでありました。しかるところ、報道関係を見ますと、すでに建設省の基準が掲載されておりますので、その基準となるべき政省令、通達等をこの際当委員会に資料として至急御提出を願いたい。なお、その他その基準設定に必要と思われる関係資料もあわせて御提示を願いたい。 第二点は、適用都市がいろいろ地域指定の条件が異なっておりますけれども、農林省の場合は今度の鶴園委員の御質疑によってもきわめて振興地域の設定の方針があいまいでありますけれども、建設省の場合は首都圏あるいは近畿圏、中部都市圏、新産都市、工業整備特別地域、その他十万以上の都市というふうに明確になっており、その数は八百九十八市町村と聞いておりますが、その適用市町村名、また、それに基づいて指定基準が異なるものがあればそれをもお示し願いたいと思います。 なお、東京都の場合、首都圏の場合、既成市街地の人口密度はどのようになっておりますか。三点としてひとつ参考にしたいと思いますので、首都圏を例にとって二十三区は人口密度が現在どういうふうになっておるか。全国平均はどういうふうになっておりますか。報道関係を通じてわれわれ、あなた方の考えを知るところによりますと「人口密度が一ヘクタール当たり四十人以上の区域が連担して五千人以上の人口がある区域」という要綱がありますので、それを参考にしてみたいと思います。首都圏それから近畿圏それから中部圏あるいは人口十万以上で県庁所在地を予定されているようでありますが、そういった地域の人口密度、それらの資料がありましたならば御提示をいただきたいと思います。
○政府委員(竹内藤男君) 第一点の市街化区域の範囲の基準でございますが、実は先般都市計画中央審議会から答申がございまして、その答申におきまして市街化区域設定の基準がきめられているわけでございますが、これは政令に盛り込まなければならない事項でございます。ただ、全体の施行政令がまだ各省協議の段階で固まっておりませんので、政令、省令、通達等につきましていま資料を国会に出すことができないわけでございます。ただ、市街化区域、調整区域の設定に関する中央審議会の答申がございますので、これはもう答申されたものでございますので、これは資料としてお出しすることができる、こういうふうに考えているわけでございます。 それから二番目の適用都市でございますが、これも政令で指定することになっております。大体の考え方はいま先生おっしゃいましたとおりでございますけれども、具体的にどこの市町村ということになりますと、まだ、細部につきまして県のほうと相談をしてきめるのでございますので、どこどこの市町村名をという資料はいま直ちにまだ出せない状況でございます。 それから三番目の人口密度の点は、これは実態でございますので、おっしゃられたような資料をお手元に出したい、こういうふうに考えております。
○足鹿覺君 それはちょっとおかしいじゃないですか。もう六月一日は目睫の間ですよ、だのに関係各省と協議をしておるから発表できない。しかし、新聞報道機関にはどんどんあなた方の見解が出ておる。これではお話にならぬじゃありませんか。これが来年の六月一日ならわれわれも気を長くして待っております。だけれども、六月一日にすでに審議会から出たものを参考にしてきめられるとして、そうしてイ、ロ、ハとあってこれはたいへんなもうきちんとした指定地域もきまっておるわけですね。で、たとえば一例をあげますと、新産都市の区域、工業整備特別地域というようなものは、これは私どもの地域の市町村もその新産都市の適用地域になっておりますが、これはもはや市街地とはほど遠い農村地域を広範に含んだ地域でありまして問題になると思うのです。だのに、いまの池田局長のお話を聞いておりますと、農業振興地域の概念すら明確でない。全くたよりない話であります。あなた方は一割宅地化が進行すれば市街化区域として線を引くのだ、こういう基準を、そうして、「人口密度が一ヘクタール当たり四十人以上の区域が連担して五千人以上の人口がある区域」というもののほか、明らかにその他数項にわたって示されておるわけであります。そうすると関係各省と合意に達しないも一のをこうやって一方的に新聞紙に出しておる以上、国会として、さようでございますか、まだですか、じゃ、きまってから伺いましょう——は審議の参考にすることはできません。こういう宣言立法は、問題は、政、省令、通達に依存しておるわけでありますから、これは御提出になりませんと、われわれこれから審議を進めるこの法案の取り扱いにも苦労することになろうと思いますが、それでよろしいですか。
○政府委員(竹内藤男君) 適用都市につきましては、先生おっしゃいましたような線で考えておるわけでございますが、いま先生ご指摘になりましたように、たとえば新産業都市の区域といいましても非常に広いわけであります。その中のすべての市町村をこの適用対象都市にするか、あるいは——人口十万以上の都市を中心にいたします広域の都市計画区域を考えておるわけでありますが、その中におきましても、どこの市町村を入れるか入れないかというのは、いま都市計画区域をどういうふうにとるかということで、県のほうとも相談して、そうして政令をつくるべく作業をしている段階でございますので、前に八百九十八と申し上げましたのは、全部入るとすればそれが八百九十八になるということでございまして、八百九十八の市町村全部が市街化区域、調整区域に区分される都市計画区域になるというふうな、最終的な形になるということはまだ言えないわけでございます。大体こういう方向であるという資料は出せますけれども、市町村名をあげまして、この市町村は入る入らないということは、ちょっといまの段階ではまだ詰まっておりませんので、御容赦を願いたい、こういうことを申し上げたわけでございます。
○足鹿覺君 私はどんぴしゃりのものをお出しなさいと言っておるのではない。その点よく私の意思を御理解になって、このいわゆるきょうも農林省から、政省令に規定される見込み事項というものがわれわれの手元に配付されておりますが、少なくともこういう程度のものはお出しにならないといかぬのではないか。それから、八百九十八市町村というものは、そのものがそのものずばりに指定されると私どもは即断いたしません。目下、県並びに関係当局と打ち合わして検討をする、対象市町村名はこうこうであり、その数は大体こうだということを知ればよろしいのであって、それが政、省令が明らかになってからおのずから事態は判明するわけであります。しかし見当もつかないで、いまの鶴園委員の御質問を拝聴しまして、あなた方のほうはまことに先行しておる、そういう印象を受けますので、六月一日に新都市法を実施になろうとするならば、すでにいまごろは関係各省との合意に達したものが町村におろされて、知事におろされて、そこで話し合いが進められておる段階でなければならぬと思うのです。ところがいまだに関係各省とは協議が整っておらぬ。法律によれば、協議が整わなければならぬことになっておるのですよ。この点どうですか。どうもたよりないのですね。
○政府委員(竹内藤男君) 政、省令はできておりませんが、政、省令でこういうものを考えているというようなものをお出しすることはできると思います。 それから、先生いまおっしゃいましたような、指定対象市町村という形で適用都市につきまして明らかにする資料もお出ししたいと思います。ただ、この施行令と申しましても、単に市街化区域、調整区域に関する問題だけではなくて、権限配分の問題その他ございまして、私どもとしましては、一刻も早く政令をつくりたいということで現在各省と折衝をいたしておりますけれども、なかなか折り合わない点もございますので、まだ施行令の閣議決定ができないというような段階でございます。もうしばらく御猶予をいただきたい、こういうふうに思います。
○足鹿覺君 私は資料要求のつもりで簡単にやるつもりでおったんですが、御答弁聞いておるとおかしいので——農林省は私が先週質問を申し上げたときには、調整措置等に関する方針案だと称しながら、これは各都道府県知事に通牒として流しておる。通知として流しておる。それでおって国会が要求すれば内部資料だといって出し渋った経過がある。やっと出てきた。そこで問題をいろいろと調べてみたところが問題がたくさんあるが、建設省とこれは協議中だと。ところが、あなた方のほうでは市街化区域の全域の指示を建設省としてはすでに末端へ流されておる。何を根拠にしてそういう指示をなさるのでありますか。その指示事項なるものはどういうものでありますか。どうもどっちも国会をあまり形骸化されるような形でよろしくないと思います。この法案審議の趣旨からいって、もう少し御反省になってしかるべきだと思います。
○政府委員(竹内藤男君) 実は市街化区域の範囲の基準につきましては、都市計画中央審議会、これは各省の専門委員が出ておりまして、私どもとしてはこれの考え方の基本につきましては、各省とも問題ないというふうに考えているわけでございます。ただ施行令自体にはそれ以外の問題がございまして、開発許可の基準をどうするか、あるいは都市計画の計画決定の権限を今度都道府県知事と市町村に分けておろすわけでございますが、そのおろし方をどうするかというようなことで問題があるものでございますから、政令をというお話で先ほどそういうふうに申し上げたわけでございます。市街化区域の範囲の基準につきましては、各省あまり問題はないというふうに考えておるわけでございます。 それから農林省との間の通達案、方針案につきましては、これは相当の時間をかけまして農林省との間で、細部の点は別でございますが、大体基本的な了解に達しておるものでございます。その点は農林省との間のまあ問題でございますので、この点はあまり問題がないと思います。問題は個々の都市計画決定でどこまでを知事に下げ、どこまでを市町村に下げるかということが非常に各省の施設にわたるものでございますから、問題になるわけでございます。したがいまして、政令全体というふうに私は考えまして、まだ政令はできていないというふうに申し上げたわけでございます。
○足鹿覺君 これは農林省の官房長にも関連してあとで質問したいと思いますが、この前はあなた方との話し合い中であって未決定案なんだと、したがって部外には発表できないのだという説明であったんです。しかし、農林省の考え方をすでに地方へ流しておるのだから出しなさいということでお出しになったわけなんです。いま聞いてみると大体合意に達したと、いつ合意に達したのですか。
○政府委員(竹内藤男君) まだ合意には達しておりません。細部の点についてはまだ問題があるわけでございます。基本的な線では大体了解、お互いに問題はないというふうに考えております。こういうふうな意味で申し上げたわけでございます。
○足鹿覺君 だから指示事項、政令、省令、通達の見込み事項、それから対象と予想される関係市町村名——問題はこういう法案の審議は現地に当てはめてみないとだれしもわからないですよ。どういう形になるものかわからないです、実際。おそらく農林省だっておわかりにならないと思う。われわれもわかりません。ところが、あとになってこれは非常に問題の出てくる可能性がありますから、私どもは万全を期して申し上げておるのでありまして、別に他意はありません。ですから、それをいついただけますか。きょういただけるならばそれを拝見しないとどうもまずいですね、審議を進める上において。農林省はそれでも一応出したのですからね。あなた方も新聞報道関係が伝えておるものはちゃんと出しなさい。重ねて言いますが、指示事項、政令、省令、通達の見込み事項……。
○政府委員(竹内藤男君) いまのような資料をできる限り早く出したいと思いますけれども、その市街化区域、調整区域に関する事項につきましては、実は都市計画中央審議会等で使いました資料もございますから、それをお出ししたいと思いますが、政令案要旨ということになりますと、私どものいま考えております考え方を出さなければいけませんのですが、それにつきまして若干資料をつくらなければいかぬ面がございます。いま直ちにというわけにはいかないと思います。
○足鹿覺君 六月一日に法律を施行しようというのに、都市局長、これはあなたのほうが準備不足じゃありませんか。しかもわれわれはタイミングを合わせて審議を進めようとしているのですよ。だのにまだその骨子もない。あっても出さぬという量見ならば考えがありますよ。そうじゃないでしょう。建設大臣にお越し願いましょうか。そんなことではらちあきませんよ。めくらがやみ夜にちょうちんもつえもなしに歩くような審議はできませんよ、われわれは。だからあなた方としては、未確定要素は多分にあるけれども、かくかくかくかくの要求資料については提出いたします、そう言えないですか。
○政府委員(竹内藤男君) ちょっとおそくなるかもしれませんけれども、きょうじゅうに提出するようにいたしたいと思います。
○足鹿覺君 それではそれを拝見いたしましょう。
○鶴園哲夫君 局長と私の考えは初めから食い違いがあるのですね。農業地域についても、ぼくは場所ではなくて地域農業的なものをこの際考えるべきじゃないかという考え方があるものですから、食い違いがあるのですが、もう少し中身に入りまして承るといいのですが、ただここで私が若干くどく質問しておりますのは、この法律でいう農業地域というのが、市町村区画のつまり農業の場みたいなものですよね。それに対してどうも農業関係においては地域農業的なものがやはり相当前進をしている。ですから、指定の基準が違う面があるのじゃないかというふうに思いますし、それからもう一つは、従来のやつは農林大臣が指定をしたのですが、これを見ますというと、今度の振興地域の地域指定は都道府県の知事になっいますですね。もちろん協議をすることになっていますけれども、知事になっているという点もあるものですから、そういう二つの点からその食い違いが出てくるのじゃないかという心配をしているわけなんですよ。 それでまあいろいろ伺ってるわけですが、それはそうじゃない、そういうことにはならないというお話のようですが、まあその点はどうも局長の答弁だけでは少し理解しにくい点もあるわけです。ですから、もう少し中に入りまして、これは私読んだわけじゃなくて衆議院で答弁なさったということを聞いたのですが、議事録を見ておるわけじゃないのですが、具体的に、局長、盛んに積極的積極的というふうにお話になりますけれども、一体内容は何なのかというのを伺いたいのです。法律そのものにはほとんど予算がついておりませんし、第二次構造改善事業はその骨になるのかどうなのかという問題もあると思うのですが、ただ衆議院で答弁なすったとぼくが聞いておるのは、何か五年間に三千ぐらいの農業地域を指定をしていくのだということなんですね。そこら辺のもう少し積極的な中身を説明してもらいたいと思うのです。
○政府委員(池田俊也君) 大体数といたしましては、いまお話のような数を私どもは期待をしているわけでございますが、最終的にはこれは地域住民の意向が決定的な要素になるわけでございます。で、私どもはこれに対する施策として考えておりますのは、もちろんこれに特有な一つの予算のワクというようなものを考えているわけではございません。まあ従来農業施策というものを、土地基盤整備でございますとか、あるいは近代的施設の導入でございますとか、その他いろんな施策をやってまいったわけでございますけれども、従来のやり方というのはもちろんそれぞれの地域の必要に応じましてやってきたわけではございますけれども、必ずしもはっきりした農業振興地域というものがきまってたわけでもございませんし、また土地の利用計画がきまっていたわけでもございません。今後私どもは、こういう農業振興地域が一応きまりましたならば、その地域に応じまして従来やってきた施策を総合的に実施をしてまいりたい。 具体的に申し上げますならば、たとえば基盤整備でございますならば、たてまえとしては農業振興地域に限って実施する。農業振興地域になりません地帯におきましてはたてまえとしては実施をしない。もちろんこれは防災関係でございますとかそういうやむを得ないものはやることはあるわけでございますけれども、積極的な意味では土地改良事業等を農業振興地域以外にはやらないで、農業振興地域に集中的、総合的にやってまいりたい。あるいは機械の導入でございますとかその他の施設の導入でございましても同様でございます。それからいまお話がございました第二次の構造改善事業も同様でございます、農業振興地域に実施をしていく、こういう考え方でいるわけでございます。そういうような意味で積極的に農業振興地域を盛り上げていこう、育成していこう、こういう意味で実は申し上げているわけでございます。
○鶴園哲夫君 そういうことならもう前からわかっているので、何も特に別な政策を行なうわけじゃない。それを積極的だとおっしゃる意味はどういう意味なんですかね。積極的だとおっしゃる意味は、従来特にぼくは土地改良というのは農林省の予算の中で非常に大きいですから、米を除きますと、食管特別会計の繰り入れを除きますと、半分近いものが土地改良関係ですから、その土地改良関係でやったと思ったら五年後に宅地になっちゃった。それなら農林省が金を出してやる必要がないじゃないか。土地改良じゃない。そのためにしたと思ったら、それは農用地にならないで工場用地、木材団地になったという話があちこちにありますね。そういうことをやることは初めからどだいおかしいと思うのです。三年後、四年後にそういうことになることを見越してやるということは、それはぼくは行政としておかしいと思うのですよ。それを押えるということですか。だからそれ以外に特色となるものはないですね。構造改善事業というのは、第一次構造改善事業の反省の上にやるわけですから、新しいものはないと思う。何が積極的な内容なのか、どうもその点何もないじゃないか、前からやっているのです。 それで伺いますけれども、三千指定をしたいとおっしゃるけれども、いまの農地の中からどの程度除くのですか、五百八千万町歩、その中の約五、六十万町歩というものがなくなるでしょう、この十年の間に、農林省の「長期見通し」だと。さらにその中からどの程度除くというのですか、数字を出してもらいたい。
○政府委員(池田俊也君) 積極的に実施をするということを申し上げますと、従来積極的でなかったかということになりますので、あまりことばとして適切でないという気もいたします。私どもはただいまお話がございましたように、従来やっておりました事業があまりほかの用途に転用されてしまって、その事業としての効果を十分発揮しなかったというような反省もございますし、そういうような意味で目標をはっきりきめまして、事業の実施をはかるということが一つあるわけでございます。そのほかにもちろん従来もいろいろ努力はしてまいったわけございますけれども、必ずしも十分ではないという点がございます。たとえば第一次構造改善事業におきましては、従来のいろいろの反省もございますし、事業量といたしましても相当大きい、従来の事業に比べますと、拡大をされて実施をされるわけでございます。そういうような意味から申し上げまして、私どもは姿勢といたしまして、積極的にそういうものを育てていくような施策をいたしたい、こういうふうに実は申し上げておるわけでございます。 それから地域の広さございますが、まあこれはたびたび申し上げて恐縮でございますが、最終的には農業振興地域というものがきまりますのは、地域住民の意向によるわけでございます。ある程度の農地があっても、それが比較的市街地等に近くて、将来は、近い将来に宅地化されるというようなことで、当面は農業振興地域として指定されることを希望しないという地域もこれはあり得るだろう思います。で、そういうようなものがどうなるかという、どのくらいあるかということは、実は見通すのは非常にむずかしいわけでございますが、はっきり申し上げられますのは、市街地調整区域の中に、現在約十九万ヘクタールくらい農地がございます。これは明らかに農業振興地域に大体指定をされないだろう、一部例外的に指定をされるところがあるかもしれませんが、原則的にはないだろう、そういうふうに考えられますので、二十万ヘクタールぐらいのものが脱落をする、そうすると現在は約五百九十万ヘクタールでございますから、それだけを引けば五百七十万ヘクタールぐらいになります。さらに見通しでは五百九十万ヘクタールが五百七十二万ヘクタールに五十二年には減るという見通しを出しておりますから、その関係からいえばさらに二十万ヘクタール減るという見通しも出てまいります。 それからあとどれだけのものがその中から落ちるかということは、これは全く地域住民の意向によることでございますけれども、国としてはそういう農業地は確保したいという面もございますけれども、これは無理にやるわけにはまいりませんので、そういう指導はいたしますけれども、どの程度落ちるかということはいまの段階では申し上げられない段階でございます。数字としては大体そういうことになると思います。
○鶴園哲夫君 どうもやっぱりいままでだって土地改良関係にしても、あるいは稲作の共同化にしましても、これはまんべんなくやったわけじゃないのです。それぞれ選択基準がありまして、きちっとしていたわけですけれども、土地改良関係の予算はでかいですから、ますます広がっていますけれども、それ以外の政策というものは小さいものですよ。ですから初めっからまんべんなくやっているわけじゃない。非常に限られた地域にやられたわけですから、ですから何でこう書くかぼくはよくわからないのですがね。局長の答弁を聞いておっても、集中してやるとおっしゃるけれども、いまだって集中しているわけじゃないでしょう、ばらばらじゃないですか。しかも関連なくやっているのですね、というふうに思いますよぼくは。そこのところ、集中化、集中化とか、積極的だとかいう内容は、どうもはっきりしない。そうしていまはっきりしていることは、都市計画法との関係で何かはっきりしている面は出ている、それ以外はどうもやみくもだ、地域住民の主体性だという話も出ている。そうだっら従来と変わらないじゃないですか。何が変っているのですか。何を変えようというのですか、はっきりしない。 しかもぼくは初めから言っているように、農業の振興というのを考えられて振興地域というものを指定されるなら、これはやはり農業地域的な考え方を出す必要があるのだし、都市化の面だけではなくて、もう一つの、せっかく耕地化したものがいたずらに自然化していくということを考えなければならぬ面もあるのじゃないか。そういう問題はまた別だというかもしれない。しかし、そこに最も農政の根本がある。水が流れ込んでいくのを幾らか防げる面を防ごうという気もしますけれども、どうも初めからぼくの考え方と局長なり法案の考え方が食い違っているものですからいかないのかもしれないのですが、どうもぴんとこないですね。どういうのが積極的なのか。いままでもそうじゃないですか。特にあるのだろうか。それは幾らか出たのもありましたよ。先ほど申し上げましたように、土地改良をやったけれども、それは農業にならないで、宅地の土地改良であったとか、干拓をやったけれども、それが宅地になったとかあるいは団地になったとかというのもありますよ。しかしそれはきわめて少ない。そんなことをしたらたいへんですからね。非常に少ない例なんで、特にどういうことなんですか。第二次構造改善事業というのが骨組みになっていくのですか。これだってたいしたことないないじゃないですか。そうじゃないですか。四億の事業だとこう言う。 それじゃ第二次構造改善事業をちょっと伺いましょうか。いままとまっているのですか。
○政府委員(池田俊也君) 第二次構造改善事業につきましても、まだ最終的なこまかい点は詰め終っていないわけでございます。大筋がまとまっているわけでございまして、具体的な事業のこまかい内容でございますとかあるいは予算の執行方式でございますとか、そういう点はまだ詰まっていないわけでございます。 ただ、従来までに大体考え方としてまとまっておりますのは、あるいは御存じかと思いますが、申し上げますと、今後十ヵ年に規模といたしましては従来に相当大きくふくらました規模で事業を実施する地域数といたしましては二千二百五十という予定をいたしておりますが、規模といたしましては大体一地域四億円ぐらいの規模を考えておるわけでございます。考え方といたしましては従来のように土地の基盤整備でございますとかあるいは機械化施設というようなものを導入していくという点では基本的には変りはございませんけれども、従来の事業の反省の上にたちまして、最近の農業の要請にもこたえまして、新しい考え方を若干導入していきたい。といいますのは、従来生産性の向上とかあるいは主産地形成という点ではかなり成果をあげたように思いますけれども、なお経営の本来の目標でございます相当大きな規模の経営を育成していくというような点からいうと、これは必ずしも十分でございませんので、そういうような、意味で規模拡大をこの中で極力はかっていくような、そういうような運用あるいはそれを助長するような事業も極力取り入れていきたいということで現在いろいろ検討している段階でございます。
○鶴園哲夫君 局長の農業振興地域の指定によって集中的に積極的に農業政策を集中していくということばはいいのだけれども、中身がどうもはっきりしないですね。どういうことなのかな、わからないですな。どうも恐縮なんですが、わからないですね。どうもはっきりしないな。もっとわかるように説明してもらえぬかな。端的にどういうことなんですか、これは。
○政府委員(池田俊也君) どうも説明があまりうまくなくておわかりいただけないようでございますが、非常にはっきり申し上げますと、やはり農政としては一つの目標をはっきりいたしたい。従来でももちろん目標が全くなしにやみくもにやっているわけではないと思いますけれども、それぞれの事業の場合にいろいろ検討いたしまして、こういう地域においてこういう事業を実施するのが必要であると、こういう判断をそのつどいたしておるわけです。それを私どもが農政の全般的な一つの目標といたしまして、農業振興地域というものをきめるいわば目標を明らかにいたしまして、そこに対して各事業の実施担当者がたてまえとしてはそういう地域に農業施策を実施すると、したがいまして、その農業振興地域以外におきましては、全く農政を実施しないというわけではございませんけれども、濃度はかなり薄くなる、こういうふうに御理解をいただいたらいいのじゃなかろうかというふうに感じているわけでございます。
○鶴園哲夫君 それがぼくはどうもわけがわからない。それは従来と変わらないじゃないかと言うのです。いまだって山とか地域の小さいたんぼとか畑というようなのは放置されていますよ。今後もそういうところは放置するのでしょう、やはり。だからどうもぼくはどこが変わるのかというと、わからない。変わらないじゃないか。ただ二年後、三年後に宅地になるようなところを、そこを農林省が、農業のためということで土地改良をやるとか農道をつくるとかあるいは農道を舗装するとかいうようなことはやらないでしょう。それは本来やっちゃおかしいのでね。いままでもそんなことは、例外的にいろいろあったのでしょうけれども、それ以外に何か目標をはっきりすると言うのだが、いまだって目標ははっきりしていますよ。山だとか山の中に入っているたんぼとか、あるいは非常に面積の小さいところのたんぼとか畑とか、そういうものはいままでだって農業政策から切り捨てられてありますよ。何かさらにその中をまだもっと小さくするのですか。はっきりしないなあ、どういうことなんですか。
○政府委員(池田俊也君) 私どもがやはり従来のいろいろな事業の実施等を振り返ってみますと、大体は本来農業振興地域として指定をされるべきようなところに対しまして実施をしているとは思います。それはそんなに全くやみくもに必要のないところにやってるわけはないので、もしやってるとすれば、それは非常にやり方が不適切であった、こういう批判を受けるべきであろうと思います。ただそうでございますけれども、私ども農業振興地域の施策をいろいろ省内で検討をいたしまして、一体これに対して事業の実施との関係を一体どういうふうに理解すべきかということを、各事業を実際に担当しております原局といろいろ協議をしたわけでございます。そういうことになりますと、かなりきわどい問題が出てくるわけでございまして、ある事業につきましては農業振興地域に全部限っていいと、その他の地域には一切やらないというこの方針をはっきりうたってよろしいという事業もございますし、また必ずしもそうは言い切れないと、どうもきわどいような問題が出てくる可能性があるというような事業も、実はいろいろあるわけでございます。 そういうようなことで事業を一々洗ってみますと、性格によりましていろいろな差が出てくるわけでございますけれども、私どもはこういうような農業振興地域という制度を定めて、農政のいわば中心になりますような場所を明らかにした以上は、それに対してやはり責任を持つべきであるということで、各原局ともいろいろ御相談をいたしまして、それはたてまえとしては全部農業振興地域中心にその事業を実施していくという態度を極力とりたいということで、いろいろ調整をした経緯があるわけでございます。 で、大体従来はそういうことになっていたと思いますが、必ずしもそこらの問題意識が非常にはっきりしていてやったかどうかということになりますと、そこいらは必ずしも全省的に非常にはっきりした意識を持ってやったとは言い切れない場合があるわけでございまして、事業の実施担当者としては、それは最善のいろいろな検討をした上でやったと思いますけれども、また事業の種類によりましては若干のバラエティーがあるわけであります。そういうものを、私どもがやはり目標をとにかくはっきりするということがこの際必要なんではないかというふうに考えまして、目標が明らかになった以上は、それに対して事業を集中的に実施をすると、それ以外にはもう必要やむを得ざるもの以外は、これを一応事業の実施ということをそれ以外の地域についてはたてまえとしては考えない、こういうことになるわけでございまして、まああまり違わないではないかという点も確かにございますけれども、私どもやはりそういうような非常にはっきりした統一的な考え方でいくことが今後ますます必要なんではなかろうかと、こういう考え方でございます。
○鶴園哲夫君 局長、はっきりした、はっきりしたとおっしゃるのは、要するにいろんな農業政策をやるその場がはっきりしたということでしょう。はっきりした、はっきりしたということは、その場がはっきりした——その場は幾らあるんですか、どの程度除かれるのですか、いまの耕地面積五百七十万町歩の中から何ぼ省かれるんですか。いままでどの程度省かれておったんですか。つまり、切り捨て農政というものはもう少しはっきりしてくるわけですか。いままでは二割程度だったと、山であるとかへこんだところ、段地として小さいたんぼであるとか、畑であるとか、そういうものは省かれておったと、しかしもっと省くと、いままで二割省いておったのだから三割省く、四割省くということになるのか。そこいら辺の数字をはっきりしてもらえませんかね、はっきりした、はっきりしたとおっしゃる、その場は幾らになるというふうにおっしゃらないとはっきりしない、どの程度と見ておられるのですか。
○政府委員(池田俊也君) そこのところは実はこの法案をよくごらんいただきますと、要するに地域の指定というものも、これももちろん国が指定するわけじゃございませんし、知事が指定をいたすわけでございますけれども、地域住民の意向を十分配慮いたしまして、その上に立って指定をすると、こういうことになるわけでございます。だからある地域におきましては現にある程度の農業は行なわれておりましても、それはいわば過渡的なものでありまして、将来は市街化されるというような地域におきましては、これはその土地の住民もあるいは希望をいたしませんでしょうし、農業振興地域としては指定をされないことになるわけでございます。そういうふうに最終的には地域住民の意向の上に立ってこの指定をいたそうというわけでございますから、実はこのぐらいの地域が明らかに農業振興地域に指定をされ、その中の農用地面積は幾らであるということははっきりしたことは申し上げることができないわけでございます。 それで、私どもは実は明らかに市街化されるような地域、たとえば市街化区域の中の、さっき申し上げました十九万ヘクタールというようなものは、これは農業振興地域に指定されることはまず考えられない、そういう明らかにだめなものはわかりますが、さらに残りましたものの中からどの程度のものが農業振興地域に指定され、どの程度のものが脱落をするか、これは最終的には地域住民の意向によってきまることでございますので、いまの段階ではっきりしたことは実は申し上げることができないわけでございます。 ただ私どもはやはり一方からいたしますと、農業総生産を極力確保したいという要請がございますから、必要な農地については確保したいということでございますので、極力そういう指導はいたしますけれども、最終的にはそこから若干のものが落ちてくるわけでございます。その数字はまだいまの段階ではまことに残念でございますが申し上げられないのが現状でございます。
○鶴園哲夫君 幾らかはっきりしてきましたですね。従来は自然的な条件とかあるいは事業の採択基準というものによってそれぞれ切り捨てられておった耕地があったわけですよ、たんぼにしましても、畑にしましても、これは農政の対象から切り離す、あるいは切り離さなくとも事業費が高くついちゃってやれないということで、相当の面積というものが切り捨てられておった。しかし、今度は地域住民という立場から、おまえさん方切りなさい、おまえさん方切りなさい、いままで政府が切っとったんだから、これからはおまえさん方が切りなさいということで、地域住民にまかせて切り捨てるということになるんですか。そして、指定を受けますというと五年後には全部終わるというのだから、最切は四百、二年目には何ぼというふうにきまっていくと思いますが、初めに四百というのがきまりますと、その地域においては切り捨てられた地域というものははっきりするのですから、その市街地域以外にはっきりしてくる、そして五年後には何十万町歩切り捨てられたということがはっきりするでしょう、これによって。この点を明らかにしてください。
○政府委員(池田俊也君) これは最初の年度では必ずしもはっきりいたしませんので、一応私どもが考えておりますのは五ヵ年程度ということでありますが、それで農業振興地域の指定というものが一巡をいたしました暁には、たとえばその中におきます農用地というのは五百五十万ヘクタールであるとかそういう数字が出てまいるわけでございまして、切り捨てるということばがあまりいいことばではないように私思うのでございますが、結果といたしましては五百五十万、かりにそのときに五百五十万ヘクタールという数字が出てまいりますれば、五百五十万ヘクタールという農業振興地域が農政の主たる対象になると、こういうふうにやはり理解せざるを得ないと思います。
○鶴園哲夫君 局長、はっきりしたはっきりしたとおっしゃるのだから、はっきりしたはっきりしたということは、結局農政の対象がはっきりしたということなんだから、しかもその対象は地域住民の意思によってきめるのだとおっしゃるのだから、そうするとやはり農林省としてはどの程度のことを考えているのだと、従来はどの程度はオミットされておったのだ、今度はどの程度オミットしたいのだという考えはないのですか。ただ地域住民にまかせてしまうということですか、全然ないのですか、ありそうなものですね、ぼくは、やみくもに地域住民の皆さん、皆さんというわけではありますまい。これは何ぼ切りたいということがあるのじゃないですか。いままでは何ぼ切っておった、これからは何ぼ切るのだと。小さくするほうでしょう、いままでよりもガッと。——これから聞きましょう、いままで切り捨てておったところがありますね、事業費が高くついてやれぬようなところ、初めから切り離してやっているところ、そういうところでおのずから農政の対象から除かれておったところがあった。これは農民ばかりでなく土地そのものが今度は地域住民ということでもっと減るのでしょう。それをまずはっきりさして、その上でどの程度減らすつもりでおられるのか。いま十九万町歩というのが出た、都市化との関係で十九万町歩。それをもっと減らす、はっきりするはっきりするというのは何ぼになるのか、どの程度減らすことなのか。
○政府委員(池田俊也君) 私どもが切り捨てたいという気持ちを持っているわけではないのでございます。現に農業をやっておりまして、将来も農業としてやり得るような条件のあるところは極力とり入れていきたい、むしろ農業振興地域としては極力多くの農用地を確保したい、こういう気持ちがあるわけでございます。ただ、そういう希望はございますし、またそういう面で指導をいたすという気持ちでございますけれども、やはりそういう地域住民の意向によりまして、もうそういう農業振興地域として指定されることを希望しない、大多数の住民が希望しないということでございますならば、それを無理に国として指定をいたしまして農業をさせるというわけにはこれはまいらないわけでございます。そういうようなことで極力、できるだけ条件に合うものは取り上げていきたい気持ちでございますので、どの程度にそれがなるかということは私たちの今後の努力いかんにもよりますし、また地域住民の意向に最終的にはよるわけでございますが、気持ちとしてはそういうふうに明らかに除かれるものは別にいたしまして、その他のものはできるだけよく趣旨をPRいたしまして、そういう中に入るように指導をしたい、こういう気持ちでございます。
○鶴園哲夫君 私は、農林省が出しました五十二年度の「長期見通し」というものから見ましても、そういういままでのいろいろな政策のやり方から見ましても、どうも局長がいまおっしゃるように、農業をやりたい者はどんどん希望によって施策をやりますよというようなふうには受け取れないのですよ。むしろ農業の場というものは縮めていっても差しつかえないのだという考え方を持っておられるというふうに私は見ておるわけです。だから明確にした、明確にした、集中してやるんだ、やるんだとおっしゃるから、それじゃ、いままで自然に、いままではそれぞれの事業によって切り捨てられているところがあるのだけれども、これからはその地域住民の立場に立ってもう少し狭まるのじゃないかというふうに思っておるものですからそういうふうに私は聞いている。 今度の「長期見通し」を見ましても、たとえば農地ですね、畑作というものは何ぼ残るのですか。私見ますと、畑作というのはなくなるのじゃないかと思いますね、あと何が加わっていくのだろう、ないのじゃないかと思いますね。稲も——米は千二百五十万トンあればいいという。そうすると百万町歩くらい減っていいんです、たんぼは、百万減らしても千二百五十万トンなら。畑作も水稲もそうだし、酪農を本気でやる気があるのか。ほんとうにやる気があるかといえば非常な疑問がある。たいへんな疑問だと思う。そういう中で農業というものの場を少なくしていってもいいんだという考え方が明らかにぼくはあると思うんです。だから振興地域ということで何となく締めていくのではないかという気がしてしようがないから聞いているんです。それを局長はどうもそうではないと言う。しかし、農林省にいる局長としてはそうかもしれないけれども、静かに見てもらいたいと思うな、農業全体の動きを。 普通、畑作物を代表するものは麦ですね。大豆とかカンショとかいろいろありましても、そんなものはなくなりますね、これから十年たったら。この間、農林省に電話をかけていろいろ話をしたら、カンショはいまの調子ではなくなってしまう。これにはびっくりした。まさか二十万町歩を割らないだろうと思ったらたちまち二十万町歩を割ってしまった。この勢いでいけばカンショはなくなるんではないかというんです。大豆にしてもそうでしょう、他の畑作についてもそうでしょう、それはなくなってしまう。何をするんですかね。水田も百万町歩ぐらい減らしてもいいんですね、いまの調子でいったら、そういうような気がするんです。それなら酪農を本気でやるのかといえば、どうもそうではないようです。こういうふうに思うものだから、それで自主的、自主的と言いながら農業の場というものはうんと狭まってくる。それで山がうんと下がってくる、畑が自然化する、自然に返るが、そっちのほうはあまり知りません。こっちは狭められてくる。中身が小さくなったあとの農業の重点地域ということを明確にするということになりますと、ますます小さくなる。三百万ヘクタールくらいやるつもりではないかという気がするんです、ばく然として言うと。そういう話をしてくれませんか。そうするとちょっとわかるんです。そうでないとさっぱりわからぬ。
○政府委員(池田俊也君) 私どもはそういう気持ちは実は毛頭持っていないわけでございます。やはり農業総生産を確保する、もちろん農業経営の向上をはかるということも非常に重要でございますが、農業総生産の確保をはかるということは農政の重要な目標でございます。もちろん外国農産物との関係はございますけれども、またいろいろの作物につきまして先生御指摘のようないろいろな困難はあるわけでございますけれども、しかしながら農業の場を狭めて、農用地面積を相当大幅に縮小するというような気持ちは毛頭ないわけでございます。 見通しにおきましても、五十二年におきまして五百七十五万ヘクタール程度になるだろうという見通しを出しておりますけれども、これは見通しでございますが、私どもはやはりその程度の農用地は極力確保する必要がある。作物の入れかわりはいろいろあると思いますけれども、そういう農用地を確保するということはいろいろな点から見ても、国民経済的観点から言ってもやはり必要であるという感じを持っているわけでございます。 いまいろいろな作物についてお話がございまして、私一部以外は直接所管しておるわけではございませんが、たとえばカンショなどにつきましても、これは相当面積は減る可能性はござますけれども、地域としてはどうしてもやはりカンショに現状においてはたよらざるを得ない地域もあるわけでございます。そういうものにつきましては、それに対する施策というものを強化いたしまして生産を確保するということは、これは当然必要でございますし、私どもはそういう気持ちはやはり持っているわけでございます。どうも説明がうまくないためか、非常に逆のような意味に御理解いただいているようでございますが、私どもは決してみずから戦線を縮小しようという気持ちは毛頭ないわけでございます。
○鶴園哲夫君 私はもう少し、午後でもいいですが具体的に伺ってもいい。たとえば米を、十アールで五百キロとれたとする、とれるでしょう。五百キロ、ちょっとあれですが、そうすると一ヘクタールで五トン、千二百五十万トンと農林省は見ておるけれども一一千万トン説だって十分あり得る。そうすると二百万ヘクタールで足るじゃないですか。いま三百四十万ヘクタールです。だから十年の間に百四十万ヘクタール水田はなくなってもいいということになる。あと何をするんだと言うんです。そこのあとはどうする、何をするんですか。カンショをつくるわけにいかない、麦をつくるわけにいかない、何があるということだって、これはちょっとしゃべってもらわなければ困りますな、どうするのかということを。畑について個々に伺ってもいい、麦についても何についても全部伺ってもいい。そういうことがあるんですから深刻に考えているんです。農林省はそんなことはないとおっしゃるけれども、外からくるんです、圧力は。中よりも外からくる、両方かもしれぬけれどもね。ですからそこら辺もう少しはっきりしてもらいたい。これは大臣も来てもらったところで、どうなさるつもりか——。ぼくには場をますます狭めるというふうに見えるんですけれどもね。
○政府委員(池田俊也君) まあ確かに現状におきましていろいろ難点があるのは御指摘のとおりでございますし、また一般によくそういうことを言われているわけでございます。ただ私どもはやはりその中に全く道がないかというと必ずしもそうではないし、またそこに努力の必要があるんじゃなかろうかという気持ちを持っているわけでございます。たとえば果樹につきましてもこれは見通しを出しておりますけれども、需要は相当将来大幅に拡大をいたしますし、たまたまミカンが昨年非常に大幅に増産されましたために価格が下がって、どうもミカンも先行きあぶないんじゃないかという見方があったわけでございますが、私どもはやはりミカンにおきましても相当将来需要がふえるし、また生産がある程度なだらかにふえていくならば必ずしも将来見通しが非常に暗いというわけではないというふうに考えているわけでございます。また畜産関係、私あまり専門家でございませんけれども、このほうの需要も非常に大幅にふえるわけでございますし、これはいろいろ畜産経営のやり方を改善するというようなことによりまして生産をふやしていくという必要があるわけでございます。 いろいろ問題はございますけれどもやはりそういう方向に私どもは努力していく必要があるのではなかろうか、また努力していく考えで現在いるわけでございます。もちろん一々の作物をとりますと、たとえばコスト等の点で外国産の農産物になかなか太刀打ちできないものもございますし、そういうものはある程度自給率が低下するということもやむを得ないと思いますけれども、需要が伸びるようなもので国内において生産を十分することが考えられるようなものについてはそういう指導をし、またそれに必要な施策を講じていくということが、やはり農業を指導するものの立場としては必要なんじゃなかろうか、こういう気持ちでございます。
○委員長(任田新治君) これにて午後二時まで休憩いたします。 午後零時十八分休憩 —————・————— 午後二時四十四分開会
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農業振興地域の整備に関する法律案に対し、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中村波男君 先般来各委員から一わたりの質疑がかわされたのでありますが、私も概括的には大体を承知しておるつもりでありまするけれども、概して答弁が抽象的でありまして、したがってこれからできるだけ具体的な内容についてお尋ねをしてまいりたいと思いますので、 つとめて具体的にひとつ御答弁をお願いしたいと思うわけです。 最初に御質問いたしますのは、新全国総合開発計画と、土地改良長期計画、さらに農業振興計画との関係についてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。先般、新聞等によって全総計画を承知したんでありますが、それによりますと、農用地は現在の六百万ヘクタールから六百五十万ないし七百万ヘクタールにふやす。乳肉牛については一千万頭にこれまたふやす。そのためには百四十万ヘクタールの草地の開発を行なって高生産農業を実現する。そのために水田二百万ヘクタール、畑百九十万ヘクタールの圃場整備事業を実施するなどとなっておるのであります。聞くところによりますと、政府は現行土地改良長期計画を調整するために目下調査中であるということでありますが、この土地改良の新長期計画は当然全総計画を織り込んで決定されるのが当然だと、私は思うのでありますが、これに対する構想はいかがですか。
○政府委員(中野和仁君) 土地改良長期計画、現在のきまっております計画は先生御承知のように、昭和四十年から四十九年までの十ヵ年計画でございます。それの前提をなします需給の見通し等は三十六年につくりましたものに若干その後の情勢の変化を織り込んだものを前提にしております。したがいまして当時の計画では、潰廃する面積を補うという造成をする。その場合に水田がいまのような状況でございませんでしたので、水田も造成する、畑も造成をする、そのほかに草地は四十万ヘクタールを造成したいということで実施してまいったわけでございます。現在ことしの終わりになりますと、ちょうど前半五年が過ぎるところでございます。しかし去年の秋農林省で需給見通しを改定いたしましたように、情勢がずいぶん変わってきております。米の過剰傾向、作付転換等もございますし、一方では畜産なり果樹なり、これから伸ばしていかなければならぬものをどうするかという問題があるわけでございます。 そこで農地局といたしましてはことしの予算に四千万円計上いたしまして、すでに実施に入っておりますが、現在の長期計画の基礎となっております調査の補正を現在やっております。それの方向は大筋ではもちろん総合開発のねらいの方向でやっていくわけでございます。ただ具体的な数字は、総合開発計画のここにあります数字は、六十年を目標にしておりますわれわれの長期計画を今度補正をします場合にどうするかという問題はまだ詰め切っていないわけでございます。筋といたしましてはそういう方向でいかなければならないというふうに考えております。
○中村波男君 土地改良の長期計画をいま再検討中だということでありますが、その結論を出されて、だいぶ改定をされるめどはいつに見ておられますか。
○政府委員(中野和仁君) 先ほど申し上げました現在の土地改良長期計画の基礎になっております調査は三十九年にやりましたものでございます。それが全面的にだめだということではございませんで、それの補正でございますので、われわれの計画ではこの夏から秋、早いうちにその調査をまとめまして、できれば来年の予算の段階に大体の方向ぐらいはまとめてみたいということで努力をしたいということで、もうすでに地方におろしまして現在実施をしております。
○中村波男君 次は新都市計画との関係でありますが、市街化区域に指定見込み面積は十九万ヘクタールだという答弁がなされてきておるわけでありますが、市街化調整区域に指定される面積が百五十万ヘクタールと見込まれておると、こういう答弁もお聞きしてきたのであります。この百五十万ヘクタールの大部分を含めて農業振興地域指定を行なうということでありますから、その総面積というのは三百九十万ヘクタールを想定しておると、こういうふうに私はお聞きしておるのでありますが、これが間違っておるかどうかということが第一点。 そうだといたしますと、既存農地五百七十万ヘクタールから三百九十万ヘクタールを差し引いた残りの百八十万ヘクタール程度が農業振興地域から除外される結果となる。これは今朝来いろいろ議論がなされたところでありますが、算術計算ではそういうことになると思うのであります。したがって、農業振興地域と除外地域とはおのずから政策的に二本立てになると思うのであります。このことは午前中の鶴園委員の質問に対しても農政局長から答弁のあったところであると思うのでありますが、さらにこの二本立て農政を進めるということに現実的になるのでありますから、具体的な内容ですね、どういう違いになるのか。言いかえれば農振地域を重点とする政策というのは何と何があるのかと、けさほどもある程度の御答弁はあったのでありますが、さらに具体的にお尋ねしてまいりたいと、こう思うわけであります。
○政府委員(池田俊也君) ただいま先生おっしゃいました三百九十万ヘクタールという数字ちょっと私よくわからないのでございますが、私どもが考えておりますのは、市街化区域の中に現在十九万ヘクタール程度農地があるわけでございます。これは大部分市街化区域の中でございますから、農業振興地域にはたてまえとしてならないと、これは明らかに除かれる。そうすると、現在耕地が五百九十万ヘクタール程度でございますから、それを差し引きますと五百七十万ヘクタール程度になるわけでございます。私、先般申し上げたかと思いますが、市街化調整区域の中に百五十万ヘクタール程度の耕地があるということを申し上げたわけでございますが、これはつとめて農業振興地域の中に取り込んでいきたいと、こういう気持ちでございます。まあそういうことでございますから、残りの、五百九十万ヘクタールからいま申し上げました数字を差し引きましたものは、市街化区域あるいは市街化調整区域のさらに外にある耕地でございます。で、ございますから、まあ最終的には午前中もそういうことを申し上げたわけでございますが、地域住民の意向にかかっておるわけではございますけれども、私どもといたしましては、現在ある耕地の大部分のものは農業振興地域として極力取り込むようにいたしたい、こういう気持ちでございます。したがいまして、二本立てになるかと思いますが、大部分は農業振興地域の農家というふうにまあ実は考えておるわけでございます。 それで、それならばまあかりに農業振興地域に入らない地域の農業につきましてどういう施策をするのかということでございますが、これはやはりそういう地域の性格でございますから、新しくたとえば土地基盤整備事業をやっていくというようなことはこれは考えるのは妥当でないと、こういうふうに考えておるわけでございますが、たとえば基盤整備の上から申しますと、災害復旧等に関連いたします事業で、どうしてもやらないと困る事業でございますとか、まあそういうものは行なわれることがあるわけでございます。あといろいろな機械あるいは施設等でございますが、その効果がかなり長期にわたるような事業につきましては、これは農業振興地域の外では行なう考え方はないわけでございます。そういう地域はいずれは市街化されるというところでございますから、効果が相当長期にわたるようなものは考えないわけでございます。しかしながら、まあその中でも一部もちろん農業が行なわれておるわけでございますから、必要な事業はあるわけでございます。 まあ具体的にどういうことかと申しますと、たとえばこれは非常にはっきりしている事業の例でございますけれども、植物防疫に関しますいろいろな事業でございますとか、あるいは農業経営の指導に関する現在の普及制度というようなもの、あるいはまあ既存の施設でございましてもこれは維持をしなければならぬというようなものもあるわけでございます。そういうような維持的な事業というものはこれは行なわれることが当然あり得るわけでございます。だから、いろいろなその個別の場合、またこまかい話になるかと思いますが、基礎的な考えとしては効果が相当長期にわたるような事業は原則としては行なわない。しかしながら、現に事業が行なわれておるわけでございますから、その限りにおきまして必要ないろいろな指導でございますとかあるいは維持的な事業、これは行なう、考え方としてはそういうことになろうかと思います。
○中村波男君 私が質問した焦点というのはですね、市街化区域についてはまたあとからいろいろ具体的にお尋ねしようと思っていたわけですが、いま御指摘をいたしましたように、既存の農地が五百七十万ヘクタールある。そういたしますと、大体農業振興地域として政府の考えていらっしゃるのは三百九十万ヘクタール程度ではないか。これが私の聞き違いであるならばこれは議論を進めることが間違いでありますが、そういうふうに承知をしておったわけです。そうしますと、面積的に見ると百八十万ヘクタールというのがいわゆる振興地域以外の面積である。百八十万ヘクタールと三百九十万ヘクタールの振興地域とが二本立ての農政になる。いわゆる政策的にもあるいはいろいろな面で差別的な取り扱いを受ける。この具体的な内容とですね、これはいろいろ問題があるというふうに思いますので特にお尋ねをしておるわけなんですが、農業振興地域として指定をしようとする面積は、先般来の質疑の中で明らかになりましたのは、市街化調整区域についてはほとんど農業振興地域の中に入るであろう、まあ入れなければならぬであろう。したがって、市街化調整区域とその他の地域を含めて何百万ヘクタールぐらいを考えていらっしゃるのかどうか、この点をまず明らかにしていただきますと次の議論に入れると思うのですが、いかがですか。
○政府委員(池田俊也君) 分けて申し上げますと、市街化区域と市街化調整区域とその他の区域とあるわけでございます。市街化区域の中には十九万ヘクタールくらい現在農地があるわけでございます。それから市街化調整区域の中には大体百五十万ヘクタール程度の耕地があるわけでございます。したがいまして、その他の地域におきまして四百二十万ヘクタール程度の耕地があるわけでございます。でございますから、私ども明らかに農業振興地域の外に落ちます地域は十九万ヘクタール程度。でございますから、大部分は入る資格が一応ある。ただ最終的には地域住民の意向にもよるわけでございますから、その中の幾ぶんの地域が落ちるかもしれないということでございまして、したがいまして、大部分の現状の耕地は農業振興地域の中に入るであろう、またそういうふうに努力をしたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○中村波男君 そういうことになりますと、私の理解とたいへんな違いが出てきたわけでありますが、いまの御説明によりまして、いわゆる市街化調整区域とその他の地域と既存の農地は五百七十万ヘクタールくらいある。この五百七十万ヘクタールのほとんどが農業振興地域として考えておるのだ、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(池田俊也君) これは農業振興地域の要件のところにいろいろ規定がございまして、その地域として相当規模の農用地等がある地域あるいは将来の見込み等からいっても、農業を中心として地域の振興をはかるにふさわしい条件を備えている地域というような要件がございますから、その要件にどれだけはまるかということは、実はこれはなかなかむずかしい問題でございます。しかしながら、私どもはやはり極力現状の農用地というものは確保してまいりたいという基本的な考え方がございますから、ただいまお話の五百七十万ヘクタールの大部分、極力それに近いものを農業振興地域として指定をするように努力をしたい、こういうふうに考えております。
○中村波男君 そうしますと、いままでの御答弁で大体振興地域として指定する面積というのは一団地二百ヘクタールであるというような御答弁があったですね。私は日本の耕地の地形から見まして、二百ヘクタール以下の団地というのが相当面積あるのではないか、こう考えておるわけです。そうしますと、片方に一団地としての面積規定を置いておきながら、いまの答弁では五百七十万ヘクタールの既存農地全部に振興地域としてのいわゆる地域指定をする考えだということになりますと、全く数字の上におきましても何といいますか、矛盾が出てくるのではなかろうかと思うわけです。 それから今朝来の池田局長の御答弁を聞いておりまして、私はたよりないという感じを受けたのでありますが、もちろんこういう計画を地域の農民なりあるいは農業団体なり特に計画を立てます市町村の意向を無視しておっかぶせることにはまいらぬことはよくわかります。しかし、少なくとも法律を出し、一つの政策目標を掲げて振興地域指定をするということになるならば、大体の想定面積というのを出しまして、そうして年次計画を立てて、やはり強力に推進をしなければ、農民の意向によってきまるんだ、こちらは法律さえ出しておけばいいんだ、こういう無責任な出し方というのは私は納得がいかないわけです。そういう面から大体の振興地域に該当する面積というのは、どれくらいに押えて、それをまず対象にして、何年間で地域指定を行なうんだ、そうして総合的な農政をその振興地域にやっていくんだ、こういう私は具体的な計画があってしかるべきだし、なければならぬ、こういう立場でお尋ねをしておるわけでありますが、全くばく然たる計画で、これからいわゆる手探りでやっていこうとされるのでありますか。
○政府委員(池田俊也君) この六条に要件がございますが、相当規模の土地がある、こういうことをいっておるわけでございますが、これは私どもは一応の運用の基準として二百ヘクタール程度を考えておるわけでございます。もちろん地域によりまして弾力的に考える必要あろうかと思っておるわけでございますが、一応そう考えておるわけでございます。ただ、これは必ずしも団地としてまとまっていなければならないとは考えていないわけでございまして、予定されております地域の中でその程度のものが農用地として利用、これはもちろん現状は耕地でなくても開発をしてもよろしいわけでございますけれども、そういうものがあって、将来農業として相当振興をはかるのに適しているものであれば極力取り込んでまいりたい、こういう気持ちでございますので、必ずしも団地とは考えていないわけでございます。 それで私どもの気持ちはやはり農業の健全な発展をはかるというのが本来の宿題でございますから、やはりその中におきましては農業総生産を極力確保したいということがあるわけでございます。でありますので、やはり農用地につきましては極力これを確保をするというのが一つの命題でございますから、そういうような観点から明らかに市街化区域で農業から離れていくという地帯はやむを得ませんけれども、その他の地域はできるだけこの制度の趣旨の普及をいたしまして、農業振興地域の指定が受けられるように指導してまいりたい。もちろん地域住民の意向にもよるわけでございますが、そういうふうに指導してまいりたいという気持ちを持っておるわけでございます。ただ、五百七十万ヘクタールのすべてが農業振興地域に指定されるか、あるいはそれからさらに十ヘクタールなり二十ヘクタールがどうしても落ちていくか、これはいまの段階では実ははっきり申し上げにくいわけでございまして、目標としては極力確保をしてまいりたい、こういう気持ちでいるわけでございます。
○中村波男君 ことばじりをとらえるわけではありませんけれども、午前中鶴園委員の質問に対して、農業振興地域については農業基盤整備事業を重点的にやるとか、あるいは農業機械施設等を集中的に対象に入れていくとかいうお話があったわけであります。いまの農政局長の御答弁では、ほとんど既存の農地を対象にするんだ、これは一度に計画が立つわけじゃありませんから、もちろん指定をされなかったところもだんだん指定をされるところの年次的な違いは出てきても、結局最終的には全日本の耕地を農業振興地域として指定をして、そうして法の目的趣旨に沿って農業政策を総合的に進めていくべきだ、こういうことになると思うわけです。あえて言えば都市周辺のスプロール化を防止するためにいわゆる領土宣言をするんだ、政策的には結局普遍的な政策に最終的にはなるんだ、こういうことでありますか。
○政府委員(池田俊也君) この法案の重要なあれといたしまして都市的な土地利用との調整をはかる、俗に言いますと農業の領土宣言ということがいわれておりますが、そういうことも非常に重要な一つの点でございます。それと同時に私どもは、やはりもちろん従来の農政におきましてもいろんな施策をやっていく場合にそれぞれの地域条件というものは十分に考えてやっているはずでございますけれども、それをさらにもっとはっきりしたかっこうにいたしまして、いわば農政の目標というものをはっきりしたい。で、農業振興地域というものをきめまして、その中でさらに農用地というものをはっきりして、それにつきましてはいろんな規制もする、こういうことでございまして、それに、そういうような地域を確定しました上で、これはまた私ども現状の事業をそれにやっていくというだけではなしに、さらに将来新しい見地から必要な事業は実施をするような努力をする必要があると思っておりますし、午前中もいろいろあれがございました第二次の構造改善事業等もそういう観点から実は考えているわけでございますけれども、結局そういう目標を明らかにして、それに対して農政の計画的、総合的な実施をはかっていきたい、こういう気持ちでいるわけでございます。
○中村波男君 これは私の勉強不足か認識不足であったかわかりませんけれども、結局は全農耕地に適用していくということになるならば、二重農政といいますか、格差農政というのは五年なり十年あとには解消するということでありますから、質問の焦点というのはまた変わってくるわけでありますが、またこれはいろんな具体的な内容との関連においてさらにお聞きすることにいたしまして、全総計画は地域別に大規模開発プロジェクトの構想を盛り込んでいるのに対しまして、振興計画は十ヵ年程度を見込んだマスタープランということであるわけでありますが、したがって、原則として市町村別に指定する振興計画とかなり異なった全総計画とをどのように調和をはかり結びつけようとするのか、この点をひとつ詳しく説明を願いたいと思うわけです。
○政府委員(池田俊也君) 全国総合開発計画は、国土の総合的な利用という観点からかなり大胆な実は方向を打ち出しているわけでございます。農業につきまして、先ほどおっしゃいましたようないろんな大規模なプロジェクトを考えている。私どもの理解ではこの農業振興地域の整備に関する法律によります仕組みといたしましては、大体午前中もいろいろ御議論ございましたが、市町村を中心にいたしましてその地域におきます計画を定めまして、もちろんその場合にはその地域におきます農業の生産の目標というものも、これは法律には書いてございませんけれども、当然私どもはやはりきめるべきであるというふうに考えているわけでございます。したがいまして、知事がまずそれぞれの県につきましてこういう方向で農業の生産を指導していくという基本方針を一応定めまして、それに基づきまして市町村を中心にいたしました当該それぞれの市町村における農業生産の方向づけが一応なされ、それの心要な限りにおきまして基盤整備等の事業の一応の方向が示される、こういうものだと思います。その場合に、当然全国総合開発計画の方向、たとえばこれは都市に比較的近い首都圏の地域におきましては、施設園芸でございますとかあるいは一部の畜産でありますとか、そういったようなものを中心に考えていくとか、東北とか北海道では大規模な耕種農業とか大規模な畜産をやっていくとか、そういうような大きな方向があるわけであります。当然ございますから、それぞれの地域におきましては、そういう方向づけの上でそれぞれの地域の基本方針がつくられ、さらに市町村の計画がつくられる、こういうふうになり、さらにそれに基づく基盤整備の姿というものが描かれる、こういうふうに私どもは一応理解しておるわけでございます。
○中村波男君 ただいま局長から御答弁がありましたように、農業振興地域整備基本方針というものは都道府県単位で作成をされる。農業振興整備計画は原則的に市町村単位で作成する。したがって縦割り行政の機構の中で整備計画の策定や地域指定が行なわれることになるわけでありますが、この方式の決定によって、自然的、経済的な面を生かした、より広い農業圏式の設定やそれに即応した計画が可能かどうか、私は大きな疑問を持つわけであります。いまの御答弁によると、全総計画があるから、それを基本にして県や市町村で計画を立てればいいのだという、これは私は所管省である農林省はほおかぶりをして、悪いことばで言えば、傍観をしておって県や市町村に具体的な計画を立てさせるというこの基本的な姿勢に私は大きな疑問を持っておるわけです。 申し上げるまでもなく、酪農近代化基本方針、耕種農業振興基本方針、野菜指定産地の指定をはじめとして、いずれも法律に基づいて農林大臣が定めることになっておるわけです。私は農振法の基本方針というものはこれらの計画よりさらに原則的なものであろうと思うわけです。したがって、他との均衡を失することにいまのようなやり方ではならないか、他との均衡を失する結果になるのではないか、こういうことをまず考えるわけです。こういう形式的な問題以外に他制度とのバランス、農畜産物の地域分担の機能、主産地形成の強化など、地域農業の振興とその農政における位置づけを明確にするといった観点に立って考えてみても、国自身が定めたほうが妥当であり、より望ましいのではないか、こういうふうに私は考えるのでありますが、それを避けた理由ですね。これを具体的にひとつわれわれに納得のいくような説明を願いませんといろいろ問題があるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○政府委員(池田俊也君) 先ほどの御質問で、全総計画との、非常に抽象的な言い方で恐縮でございますが、関係づけについてお答えをしたわけでございますが、もちろん私どもは、実際に県知事が基本方針をきめた場合あるいはそれに基づいて市町村が計画を定めます場合、それであとはひとつしかるべくというだけを考えておるわけではないのであります。一方では昨年、「農産物の長期見通し」を公表したわけでございます。あれで大体需要に見合った生産の姿というものが大まかでございますけれども、一応出ておるわけであります。ただ、それもナショナルベースの話だけでございまして、地域的にそれがどうなるかということは、それは触れておりませんので、これがやはり今後の農業の指導の形としては当然、そういう地域別の姿というものはやはり明らかにすべきであるということで、現在省内で実は作業しておるわけでございます。当然そういうものがいずれ近いうちに私どもは一応でき上がるというふうに考えておるわけでありまして、そういうものを基礎にいたしまして知事が基本方針を定めます場合に私どもが必要な調整をいたしたい。かってにおつくりなさいというだけではなしに、全体のものを集めた姿が国の全体の姿にうまくマッチするような指導調整をする必要があるわけでございます。 それから、そのほかにいま御指摘のように、いろいろな果樹とか主要な農産物につきまして、国なりあるいは県が定めた計画がございます。その計画に基づきましてそれぞれのまた、地域、産地の指定等をいたしておるわけでございます。これはそれぞれのやはり農産物の生産政策の観点から必要であるということでやっておるわけでございます。そういうものとの調整がはかられるべきことはこれは当然でございます。なぜそれならば、私どもがそういう果樹でございますとか、酪農でございますとか、そういうものと同じように、これは地元の意向の上に立ってやっているとは思いますけれども、国が定めるとか、指定をするとか、方針をきめるとかいうことをしないのかと申しますと、これはやはり特定の産物でございますならば、そういう形もあり得るし、また必要性があると思うのでございますが、それぞれの地域の農業というのはいろんな複雑なものでございます。これはもちろん主になる作物は一つか二つだとは思いますけれども、いろんなこまかい農業の姿があるわけでございます。それを国がきめるということはいかにも実地に即しない点がある、それで私どもはやはりそういうものは全体の指導はいたしますけれども、具体的には地方公共団体なりあるいは地域住民の意向の上に立ってきめるのが最もいいんじゃないか。ただその場合に、必要な誘導なり指導なりはもちろんこれは十分いたさなければならないわけでございまして、その点についての責任をないがしろにするという気持ちは毛頭ないわけでございます。
○中村波男君 なるほど「農産物の長期需要見通し」を発表になりましたけれども、これは先般の当委員会においても大和田官房長に私が質問したときに、この見通しについては実にうまい表現をされたと思うのでありますが、意欲的な見通しと、一般的な見通しと二つあるんだというような御答弁があったわけです。意欲的というのは、いわゆる政策的目標だと思うのでありますが、それはそれとしまして、その「長期需要見通し」を具体的に地域別に計画を立てて、それを示してあるならば、まだ私は県なり市町村が計画を立てます上において目安というものがあると思うわけです。しかしそういうものも目下検討中だ、目下それをつくるべく準備中だということで、いつできるか存じませんけれども、そういう中ででき上がったものを、今度は農林省が調整をするというような、これは私は逆だと思うのですよ。せっかく立てたものを調整されるということになったら、計画側はどういう迷惑をこうむるのか、私はこういう無責任な計画方針というのはいただけないと思うわけです。したがってこれはやはり国が一定の方針計画を示して、その中でまた調整をするということが本筋ではないかというふうに思うわけです。残念ながら、いまの局長の御答弁では、国が、地域の問題であるという立場から表面には出ないようにしておるというこの態度について、私は理解ができないわけでありますが、私の申し上げることが間違っておるならば、もう少し具体的な御指摘をいただきたい、こう思うわけです。
○政府委員(池田俊也君) まあそこのところを下のそれぞれの地域におきます意向を基礎にして、いわばやや積み上げ的な方向で——もちろん基本的な指導はいたすわけでございますが、積み上げ的な方向でやっていくかあるいは上のほうが先に出まして、それが次第に下のほうに伝わるような方式でやっていくか、私は確かに率直に言って二つの考え方があり得ると思います。あり得るわけでございますが、やはり農業生産の形というのは、基本的にはこれは農民がきめるものでございまして、国が全体の需給の立場なり、国全体のあるべき農業の姿から必要な誘導をすることは当然でございますけれども、その決定なり基本的な形というものは、やはり地元の意向を中心にしてやって、必要な調整なりあるいは事前の指導を国がやるということが一番実態に合っており、また将来も長続きがする形ではなかろうかというふうに私ども考えるわけでございます。非常にむずかしい問題ではございますが、私どもは全く責任を転嫁するとかそういう気持ちはございませんので、でき上がったものをこれを直せと言うだけのつもりもございませんし、事前にもいろいろ密接な御指導を申し上げたいというふうに考えているわけでございます。
○鶴園哲夫君 関連。いま局長のお話を承っていますと、まあ五十二年を目標にした「農産物の需要と生産の長期見通し」を出した、さらに省内に何かもうそれをさらに地域ごとのような見通しなり需要というのを作業しつつあるというお話でありました。それからまた一方においては都道府県なり市町村がそれぞれ生産見通しなり等についてのことをやるのだ、そうしてそれを国が誘導し、指導をし、全体としての需要と生産見通しができ上がるようなふうに聞いたのですね。そういうところから私は二、三点伺いたいのですがね。 一つは、そういうふうにしてでき上がったものというのは、つまり生産なり需要の見通しというものは下から積み上げたものですね。それは一体昨年発表になったものとはどういう関係になっているのですか。昨年の十一月二十二日に公表した「長期見通し」とはどういう関係になるのかという点ですね。なおいま私がそういう質問を……下から積み上げてくるようなお話なんですが、それは一体どういうものに基づいてそれをやられるのか、何に基づいてそういうことをやられるのか。何か法律に基づかないとはなはだ弱いものになるわけですが、「長期見通し」は御承知のように基本法の八条に基づいてやっておられるわけですよ。ところがいまお話のようなものはそうじゃないようですね。何か行政的にやられるようなふうにもとれますし、どういう根拠に基づいてそれはやられるのか、あるいはそうではなくて、基本法八条にいう需要と生産の長期見通しなんだということですか、それを承りたい。
○政府委員(池田俊也君) 私の説明がちょっとうまくなかったのかと思いますが、私どもがいま申し上げましたことば、特別な何か農業振興地域に関する全体からきます全体の農産物の需給見通しみたいなものをつくろう、こういうつもりではないわけでございます。国が農業基本法に基づきまして、一応重要農産物の需給見通しを出したわけでございます。その姿から見て県がつくりました基本方針というものをかりに合計してみたものの姿が非常に変ってくる、たとえば米はこのくらいの生産の規模で需要とバランスするというようなものは一応昨年出しているわけでございますが、それと比べましてさらに米が何百万トンか余計にできるというようなものが、都道府県の知事さんのきめます基本方針でありますならば、これはやはり非常に適切でないということでございますから、そこにやはり本来の国側として考えております需給の姿との非常にアンバランスが出てくる場合にはこれは必要ならば調整を行なう必要があるというような意味で、非常に厳密な見通しを、そういうものを考えているわけでございませんで、昨年公表いたしましたものとの必要な調和をはかる、こういうような観点でやはりチェックをしてみる必要がある、こういう意味で申し上げたのでございます。
○鶴園哲夫君 私はまた基本法八条に書いてありますように、長期見通しに基いてナショナルなものをさらにもう少し入って、「必要に応じ、主要な生産地域について」云々というのがありますですね。ですからその必要に応じて主要生産地のものというものができていないように思うし、その意味で基本法にいう八条の「生産の長期見通し」というものをそこまで掘り下げて地域まで掘り下げてお考えになったのかというふうにも感じたわけなんです。そうじゃないわけですね。そうでなくて、ただ市町村なり県に地域の生産目標を立てさせるのだ。立てないとまた困るのでしょうけれども、立てさせるのだ。それが国の五十二年を目標とした「長期見通し」と食い違っては困るし、そういう意味の調整をとっていきたいのだというそれだけのことなんですか。
○政府委員(池田俊也君) 後段はそのとおり御理解いただいてよろしいわけでございますが、前段のほうは、農業基本法の八条だったかと思いますが、後段でうたっておりますように、必要な場合にはさらにおもな地域ごとの見通しをつくるということになっておりますけれども、それはそれといたしまして、現在作業をいたしておりまして、いずれそういうものをつくるということで考えております。
○鶴園哲夫君 どうもよく理解できない。いまおっしゃった必要に応じての主要な生産地域の長期見通しですね。生産と需要の見通し、そういうものをつくるのだと、それをいま進めているのだというお話ですね。それはそれっぽっちなんですか、それだけのことなんですか。この振興法とは関係ない、何も関係ないということなんですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私が前にお答えいたしたことに関連いたしますので、多少補足をいたします。 昨年の十一月に見通しを発表いたしましたものはもちろんナショナルベースで、全国の数字でございますから、具体的に各町村、あるいは極端に言えば各農家の生産についての指針には抽象的には成り得ますけれども、具体的な指針にはなかなかなりがたいという問題を持っておるわけでございます。基本法では御承知のように八条で、主要生産地域についても見通しを立てるものとするというふうに書いてございますが、三十七年に全国ベースで数字をつくりましたときは、そうやりたいことは山々であるけれども、なかなかむずかしいという事情もございまして、実際問題としてやっておらなかったわけでございます。 で、その後昨年の全国ベースの数字を立てましたときの経過を申し上げますと、やはり少なくとも農林省としては、地方農政局単位で生産の見通しを立てるべきではないかということで、現在地方農政局単位で生産の見通しをせっかく検討中であるところでございます。 それで、今後の作業といたしましては、基本法八条による見通しは全国のものと、それから主要生産地域のものでございますけれども、地方農政局単位のものができましたら、当然これは都道府県についても重大な関心のあることで現在でも、私どもは地方農政局別の数字は持っておりませんけれども、県でそれぞれやっておるところが多いわけでございますから、地方農政局単位で生産の見通しを立てますときに当然県と相談をしながら作業を進めておるわけで、地方農政局単位のものができましたら、私どもはやはり都道府県別の生産の見通しを立てるように県と相談をしてまいりたいというふうに考えております。 それで、それから先のことですが、できるだけ、都道府県の中でもいろいろな農業地域があるわけでございますから、主要な農業地域については、県の仕事として地方農政局と連絡をとりながら、地方農政局としての数字を参考にしながら、やはり県内の農業地域別の生産の見通しを立てるというふうに私どもはやっていきたいと思います。 で、これでまあ市町村ごとに農業振興計画を——これは必ずしもその農業振興地域の整備計画ということに関係なくあるいは市町村でやる向きも出てくると思いますけれども、それぞれの市町村がそれらの県内あるいは県内の地域別の数字を頭に置きながら、ある程度実践的な意味のある計画を——計画といいますか、生産の見通しを立てるように私どもはだんだんに相談をしてまいる、そういうつもりであります。したがいまして、農政局長が申し上げておりますように、農業振興地域整備計画等における市町村内の生産の見通しというのは直接は農業基本法に基づく見通しではございませんけれども、全国的、あるいは農政局単位別での数字、あるいは県内のそれに基づく数字を頭に置きながら、ある程度実践的なものを市町村の中でつくってもらう。やはり今後野菜、くだもの等々私ども過剰の問題というのを意識して農政をしないとあぶない面があるわけでありますから、今後は産地間の競争ということが実はあって、市町村内あるいは県内の統制ということもなかなかむずかしいことは御承知のとおりでございますけれども、一方において、産地間の競争というものがありながら、やはり全体としてできるだけ需要に応じて生産を進めるというたてまえから、市町村におけるそういう生産の見通し、その見通しに基づく措置として農業団体等による生産なり出荷なりの計画、そういう方向で私どもは行政を進めるべきである、そういうふうに考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 いま官房長のお話があってある程度はっきりしたのですが、まあ私は、さっき官房長もいなかったし、大臣もいなかったので、また前の論議に戻して相すまぬけれども、また戻してやりたくなったですね。 それは農業地域というのをきめますね。私はこの農業地域というものはあまりにも行政区画にこだわり過ぎているということを言っていたんですが、私の考えている農業地域というものは、つまり、行政区画ではなくて、もう少し地域農業といったようなものですね、平たく言えば。そういうものとして考えることがいいんではないか。しかし、行政区画というものを離れて論議するわけにはいかないし、措置するわけにいかないから、どううまくそこを調整して農業地域としての発展をとっていくかというところに農政のうまみがあるのではないかと私は思うのです。そうでないと、事ごとに都道府県なり自治省なりとごちゃごちゃしましてうまくないという点を考えますけれども、それは別といたしまして、農業政策として考える場合にはそれはやっぱり基本に置くべきじゃないかと思うのです。 そこで、先ほど局長のほうから何か基本法の見通しというようなものと、市町村の見通しというようなものがからんだようなお話があったものですから、それでもう一ぺんぶり返して論議するという気になったのです。ですから、そこの辺は、いま局長のお話のように、ナショナルベースの長期見通しを立てる、そうして、今度は農政局ごとの地方農政局の見通しを立てていく、さらに基本法八条の後段で言うその「必要に応じ、主要な生産地域」における見通しが立っていくということになりますと、これは地域農業というところまではっきり足がすわるということになると思うのです。それと個々の振興地域というものをどううまくからませるか、つまり、行政的な区画というものと農業政策から出た地域農業というものとをどううまくからませるかというところにぼくは農政の一つの目標があるんじゃないかというふうに思っているのですが、遺憾ながら、この法案で言う農業地域というものは、これは何だかようわからぬが、とにかくがっちり市町村区画であることは間違いない。ぼくはその点で非常に矛盾を感ずるのですけれどもね。どうですか、局長。
○政府委員(池田俊也君) まあ午前中もいろいろお話があったわけでありますけれども、私どもは考え方としては、この農業振興地域というものは市町村の区域に限定をするという気持ちはないわけでございます。これは法案にもうたってありますように、一体として考えるに適した土地を農業振興地域として考える。私が午前中に申し上げましたのは、ただこれが計画を立て、それからその計画の線に沿いましていろいろな事業を実施していくということがあるわけでございますから、その事業の実施主体として考えた場合には、やはりたとえば、たとえばというか、市町村というような公共団体が事業の中心になって計画をつくり、いろいろ進めていく場合の推進役になるということが必要であろう。たとえば数ヵ町村にまたがる農業振興地域というものもあり得るわけでありますけれども、その場合にやはりそれぞれの計画主体は市町村になるのがより実際的ではなかろうか、こういう意味で申し上げたわけでございまして、確かにおっしゃるように、それほど農業地域との間の調整といいますか、実際のやっていきます場合に、それをどう調整するかというのが一番むずかしいところであり、また問題のあるところだと思いますけれども、地域の広がりとしては、何も市町村に限定をするということはないように思っております。
○中村波男君 これは押し問答になりますので次に移りたいと思うのですが、いま私は農政局長の御答弁を聞いておって、これは農林省は要らぬな。農民にまかせておけばいいのだという発言は、これは一ぺん、大臣としてもこの間の方針を明らかにしていただきたいと思う。正直に言って、いま農政局単位に、地方のいわゆる農産物長期需要見通しを検討中である。それがいまできないから、都道府県なり、市町村が振興計画を立てるときに国の具体的な計画を示すことができぬけれども、これができたときにはそういうものを示して、それを基準にして、ぜひひとつ国の重大政策にできるだけ合致するように協力を求めるのだというのであるならば話はわかりますけれども、全く国が計画を持たずに、民主的と言えば言えるかもわかりませんけれども、それでは私は農政というものが不在になるのじゃないかというように思うわけです。具体的に言うならば、私たち反対でありますが、その作付転換にいたしましても、一万ヘクタールを各府県別に内示をされまして、それに向かって県がいまいろいろ具体的に調整をして、それの四割ないし、いままでのところ見込みが立たぬ、しからばどうするかということで、また農林省考えなければならぬ、こういうことだと思うのですよ。この点はどうなんですか、実際。そういう国が一定の方針を持たずに町村におやりなさい、できたものを調整する。調整するときには国の計画なり方針がなければ調整できないじゃないですか。どちらが先かという問題じゃなしに、一定の国が方針を持つことが当然じゃないかと思うのですが、いかがですか、大臣ひとつ……。
○国務大臣(長谷川四郎君) いまお話を局長からも官房長からも申し上げたとおり、国がこの地区をというように強制的に行なっていくよりも、やはり何と言ってもその地区内から、そういうこの地区を市街化区域、この地区を振興区域にするというような方法をもって出されてくる。それが最もその土地をよく知ったというか、高度利用できる一番のいい方法ではないだろうかというように考えますが、しかしそれとあわせて、しからばそうなったものに対する、その振興すべきその地区をどういうふうに活用していくのだ、どうして生産性を上げていくのだ、こういう点については、いませっかくこれらの問題に対しましては、農林省としても振興法に基づいた生産性をいかにして上げていくかというような点については、ある程度こちらからもサゼッションをしなければならぬ、こういうようなことで、いませっかくその方面に対しての検討は十分加えておるところでございます。
○中村波男君 全く方針が理解できないわけでありますが、一つの問題で押し問答しておりましては時間がたつばかりでありますから、特に大臣にお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、法の二条の「(農業振興地域の整備の原則)」の中で、農業振興地域について「農業に関する公共投資その他農業振興に関する施策を計画的に推進することを旨として行なうものとする。」と規定をしておるわけです。この内容については、午前中の池田農政局長の答弁では、第二次構造改善事業を重点的に実施する。もう一つ新しい答弁としては、農地の基盤整備事業、農業機械、農業施設等の集中的な助成と、こういうような意味の答弁があったわけでありますが、本年度の予算を見ましても、振興地域を計画するための予算は計上されておりますが、この原則の中にうたっておる公共投資その他農業振興に関する施策を計画的に推進するというような、そういう予算の裏づけは全くないわけです。この点については、これはただ法文の中でうたっておるだけで、具体的な裏づけというものも本年度はないわけでありますが、今後どのようにこれを実行していかれようとするのか、具体的にお聞きしたいと思うわけです。
○政府委員(池田俊也君) ちょっと先に私から。これはいまのお話しのように来年度から事業——本年度計画樹立に入りまして、事業としては来年度からということになるわけでありますが、私どもはこの事業の、ここにうたっております整備の原則につきましては、特別な、このための特別事業というようなものは考えてないわけでございます。ただ午前中も、そういういろいろな話がありましたが、従来やっております事業につきましてはもちろんのことでございますが、さらに必要な事業もあるわけでございますから、そういう事業につきましては、たとえば来年度構造改善事業が具体的に事業実施に入るわけでございますが、そういうもののほかにも、必要に応じまして事業を農業振興地域を中心にいたしまして計画的に総合的に実施をしていくということでございまして、そのための、たとえば山村振興でございますと、山村振興のための特別事業というワクをとりまして、予算の裏づけがあるわけでございますけれども、農業振興地域というのは、先ほど来いろいろな農業振興地域の広さ、農地の広さから見ました農業振興地域の考え方というようなことについてのいろいろお尋ねがあったわけでございますけれども、そういうような点からいたしましても、私どもは、国の主要な農用地の大部分は農業振興地域の中に入れていきたい、こういうことでございますから、いわば従来の事業、新しく今後必要とされる事業は、すなわちたてまえとしては特に土地基盤整備とか機械施設の導入というような、相当長期にわたって相当多額の金の要るようなものにつきましては、これはそういうものがたてまえとして農業振興地域に実施をされる、こういうことでございまして、それをさらにそういう面の必要な配慮をするわけでございまして、もちろん現在の事業が十分であるとは必ずしも思っておりませんので、そういう面についてはさらに努力をしたいと、こういう気持ちでいるわけでございます。
○国務大臣(長谷川四郎君) 大体いま局長が答えたのでございますけれども、やはり何といってもこれだけの振興法を出し、そうして計画的に発展をしていかなければならぬ、そうして農業の生産性を高めていかなければならぬ、こういうことに対しましては、御指摘のように、まさにどういうふうに財政的な援助を行なっていくのだという裏づけがないのじゃないか——これはもっともなことだと思います。したがってこの点につきましては、もう何といってもこういうような方向づけの上に立って、そうして明年度からは思い切った財政措置を講じていかなければ、とうてい——私も三日間インドへ行ってけさ帰ってきたのは御承知のとおりでございますが、あれだけ国々が集まった中においてのお話を承りますと、農業というものがいかにむずかしいものか。そして各国とも農業の振興という点については今後さらにずいぶん力を入れていくような考え方の発表をしております。こういう上に立って、さらにわが国においては、その他の国々とは違って、農耕地の小さい国々はより以上の資本というものを投下していかなければその目的を達することはでき得ないというふうに、深く私は考えてまいったわけでありまして、といって、それじゃ農耕地を広げるといっても、御承知のようにこれだけの領土の中にそう簡単に他の国のように農耕地を拡大していくわけにはまいりません。でありますから、この振興法は、ある程度、決定すると同時に、来年度からは財政的な面において十分裏づけを行なって、その目的が達せられるような方向にいかなければ相ならぬというふうに痛感してまいりました。またそれによって行なっていく考え方でございます。
○中村波男君 いま大臣から、来年度の予算には振興地域について重点的に予算配分を考えてみたいという御答弁があったのでありますから、それが口約束にならないように、ひとつ公の公約にしていただきたいということを要望するわけでありますが、私はこの農振法を出された背景、目的というものは、オーバーな言い方をすれば、全農村が都市化にさらされている。したがってそれを押えますために、優良農地を確保するというこの大きな目的、目標があると思います。したがって市街化の調整区域について、特に都市開発を抑制する見返りとして、農業施策を重点的に進めることは、たてまいとしてしなければならぬというふうに私は考えております。その裏づけとなる農業振興地域整備法案の対象に調整区域のすべてが含まれるという、こういう考え方が出てきておるというふうにも思うわけです。したがって土地所有者としては、むしろ地価の上昇が望めなくなりますから、調整区域の指定を避けようという動きが強く出てきていることは、政府も十分認識をしていらっしゃるのじゃないかと思います。したがって、同じ区域内の農家の間で思惑はさまざまでありまして、そうしたことの中で区域の境界線を引くことが、どんなに重要な意味を持っておると同時にむずかしいかということになると思います。へたをすると大騒動さえ巻き起こすような空気が当該市町村等に現在あるわけです。 したがって、私が特にここで強調したいのは、農業振興地域に指定をされれば農業者としてこういう特典があって、農業をやっておっても、へたに自分の貴重な財産を高いからといって手離すよりも、長期的に見たときには安定するのだという、こういうものがない限りは、おそらく調整区域に入らない運動というものが周辺から巻き起こってくるというふうに私は思うわけです。そういう状況、背景を考えますと、来年度の予算で検討してみましょうなどというのんびりしたことを言っておっては、ますます虫食い、蚕食されてしまうのではないかというふうに思うわけです。したがって私は、少なくともこの段階で農地基盤整備事業の補助率をこの農振地域については引き上げる。少なくともわれわれから言えば、全額国庫補助ということを言っておりますが、それができないにしてもいまよりは二割なり三割引き上げる、あるいはその他の補助事業についても補助率を引き上げる、またいろいろな補助等を行ないます採択基準についても農振地域を再優先させる、こういうような具体的なやはり私は予算的な裏づけというものを示さなければ、特に都市周辺のいわゆる市街化調整区域に編入されようとする地域の農振法指定というのはむずかしいのじゃないか、こういうことを考えておるわけです。これは私は机上の空論や政策論争じゃないと思うのです。現実の問題であるというふうに思いますので、さらにひとつ大臣の所信をお伺いしておきたいと思うわけです。
○国務大臣(長谷川四郎君) まさに私も御指摘の、政治の上から見ますと、お話、そのとおりだと考えます。 また、都市の荒廃というか、無秩序な潰廃のみ考えているわけでもないだろうし、したがってこれと並行して過疎地域をどういうふうに持っていくかというような、中身に重大なものが含まれておるだろうと思います。したがって、急速に補助問題ばかりでなくて、指定された地域にすればこれだけの有利な点があるのだというものが、やはり何といっても明らかに示されることによって協力を求めることができ得る、こういうふうに痛感をいたしております。でありますから、あわせましていまの都市周辺ばかりじゃなくして、過疎地域にどういう繁栄策を持たせるか、農業生産を高めるような方向に持っていくかという、あわせて両面からこの問題の解決に当たらなければならない、このように考えておる次第でございます。
○中村波男君 どこからか知りませんが、大臣、出席要求がありますので一時抜けられるというふうな理事から伝達がありましたので、私は最後に、直接法案の審議とは関係ありませんけれども、ぜひこの機会に公式にお聞きをしておきたいと思っておったことがありますので、お許しをいただきたいと思うわけであります。 それは先般来、社会党として大臣に、米価審議会の委員の選任についてぜひ生産者、消費者の代表、具体的に言いますならば総評あるいは日農あるいは全生協等の代表を加えていただきたい、こういう要請をし、大臣も考慮する旨を約束されてきたわけでありますが、大体連休明けには米価審議会委員の選任を行なうということをお漏らしになっておったのでありますが、いつ最終的に御決定になるのか。また、われわれ社会党の申し入れをぜひひとつ聞き入れて選任を願いたいと思うのでありますが、その間のお考えをこの機会にお聞かせいただけないでしょうか。
○国務大臣(長谷川四郎君) この問題も早急に解決つけたいと思っておったやさきに、先ほどのようにインドのほうへちょっと行ってきたものですからおくれましたけれども、ごく近いうちに何とかこの問題を解決つけていきたいと思っております。しかし、何といっても申し込みはたくさんございますので、なぜあんな苦労するものに多いかと思うほどたくさんございます。もう申し上げるまでもなく、消費者米価というのは本年度は据え置くんでございます。消費者米価は据え置くという点において、十分もう生産者米価の問題を審議をしてもらわなければなりません。そういうような意のもとにあらゆる角度から十分選択といいましょうか、いたしまして、御選任申し上げて、委員に任命をいたしたい、こういうふうに考えております。十分意のあるところを尊重いたしたいという気持ちはありますけれども、なかなか人数に制限がありますので思うようにはいかないかもしれませんけれども、十分承っておくことにいたします。
○中村波男君 そこで振興計画はまあマスタープランだと説明をされておるのでありますが、法の第八条の「(市町村の定める農業振興地域整備計画)」の規定を読んでみましても、この条文だけでは不明確でありますので、その内容についてお尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。 この計画によって十年後の農家戸数、経営規模、経営類型等がどのようになるのか、いな、どのようにしようとするのかと聞いたほうが正確かもわかりませんが、この点を明らかにしていただきたと、こう思うわけです。
○政府委員(池田俊也君) この振興地域の整備計画の定める事項というのは一、二、三、四と、こう書いてございますけれども、私どもがこの前提といたしまして、当然その地域におきます農業生産の姿をどういうふうに考えるかということがまず当然あるべきでございますので、そういうこともこの計画の中に取り入れたいと、こういう気持ちがあるわけでございます。それからさらに、この各項の中もはっきりいたしておりませんけれども、当然そういう生産をやりながら農業経営というような面から見た場合にどういうような経営の姿に持っていこうとするのか、これも当然明らかにする必要があるというふうに考えておるわけでございます。 もちろん一般的に申し上げますならば、自立経営を極力数多く育成するのが好ましいわけでございますが、実際問題としてはなかなかそうもいかない場合もございます。相当規模のもの、零細なあるいは兼業に相当大きく依存している農家もあるわけでございますから、その中におきましても自立経営というものをこういうふうに育成していくと、そしてその自立経営の姿というものは一応これぐらいをめどにと、それでまいりませんものにつきましては、集団的生産組織等をこういうような姿で育成していく、こういうものを地域整備計画の中では明らかにするように指導をいたしたいと考えておるわけでございます。 ただそれならばそれについての国の考え方いかんと、こういうことがあろうかと思うわけでございますが、これはまた先ほどの議論とやや共通する面があるわけでございますけれども、私どもの考えではやはりそういう望ましい経営の姿というようなものはこれは地域の条件によりまして、作目によりまして非常に違ってくるわけでございます。たとえば自立経営というのも、ある地域におきましては五ヘクタールぐらいが必要である、しかし他の地域におきましては三ヘクタールくらいでも大体自立経営が営める、こういうことがございますので、一般的にきめることは非常にむずかしいので、極力そういう指導の指針みたいなものは示したいと考えておりますけれども、具体的にはそれぞれの市町村の整備計画で定めていただくと、こういうふうに考えているわけでございます。
○中村波男君 これもまあ国としては十年後の青写真というのはないということでありますね。 さらに、八条二項三号の「農地保有合理化のための農用地等及び農用地等とすることが適当な土地に関する権利の取得の円滑化に関する事項」とは、すなわち、「農地保有の合理化」の内容としていかなるものを考えておられるのか、これとの関連において離農対策が私は問題になるわけですが、またやり方によっては貧農切り捨てになりかねないという危惧をする向きもあるわけです。したがって、その具体的な方針と計画をこの機会にひとつ示しておいていただきたい、こう思うわけであります。
○政府委員(池田俊也君) 「農地保有の合理化」ということばは非常に幅広いことばでございますので、内容としてはいろいろなことが考えられるわけでございます。たとえば耕地が相当散在をしている、これでは効果的な生産は営めないわけでございますから、当然これは集団化をしなければならない、こういうこともございますし、あるいはそれぞれの地域におきます経営規模が非常に零細であって経営としての生産性が非常に低いというようなこともございますから、これはそういうような場合には当然規模拡大をはかる必要があるわけでございます。いま一、二の例をあげたわけでございますが、そういうような観点からいたしまして、今後その地域におきまして農地のあり方をどういうふうに持っていくかということについてのめどをここでつけていただきたい、こう考えているわけでございます。当然先ほど申し上げました将来あるべき経営の姿というものがまずあるわけでございますから、その姿に持っていくためのいろいろな過程あるいはその方法ということが問題になるわけでございます。農地法が現在衆議院で御審議をいただいているわけでございますが、その中におきましてもいろいろな点の改正を考えているわけでございまして、規模拡大に資するような、これは単に所有権だけではなしに借地権、賃借権等も含めまして規模拡大に資するような見地でいろいろな改正点が考えられているわけでございます。そういうようなものを利用しながら一方では農業委員会等を使いまして農地の取得の円滑化に関するあっせんに相当期待をするというような面もあるわけでございますから、そういうようなものをどういうふうに組み合わせて本来あるべき姿に持っていくかということについての内容をここできめていただく、こういうふうに考えているわけでございます。
○中村波男君 いまの質問に関連をしてですね、第二次構造改善事業の中で農家住宅地造成事業、集落整備事業、農用地移動援助事業の促進、さらに農業構造改善センター整備事業、農場創設事業等々を考えておられるようでございます。あえて言えば第一次構造改善事業より新味のある項目だ、こう言えないこともないと思うのでありますが、そこでどなたかの質問に答えて、構造改善事業がまだ本ぎまりにならないのは大蔵省との折衝においてまだ結論が出ておらない、このような趣旨の御答弁があったように私は記憶をいたしておるのでありますが、その大蔵省との予算折衝で問題になっておりますのは、新聞によりますと、「市町村、農協、公社が農地の流動化、自立農家の育成をはかるために離農者から農用地、住宅などの建て物を買うことによって生ずる損失額に補助金に出すとの農林省案には強く反対している。これは農林省が当初離農者に対し一戸当り百万円の援助金を出すとの農用地移動援助事業を、大蔵省の反対で内容的に組み替え、大蔵省との折衝しているものであるが、大蔵省は損失の出るような買い入れはすべきでないと依然として難色を示しているもの。」と、こういうような記事が載っていたのでありますが、これらの内容とその後の折衝状況、またこういう事業を盛ろうとする農林省の意図、構想等について具体的にお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○政府委員(池田俊也君) いまのお読み上げになりました記事、私あえて否定はいたさないのでございますが、何ぶんまだ私どものところで一応いろいろな考え方を整理いたしまして財務当局といろいろ調整をしている段階でございますので、いわばまだはなはだ内部的な問題でございますので、こういう点が調整がつかないというようなことを申し上げるのもはなはだいかがかという気もいたすわけでございますが、気持ちといたしましては、私どもはやはり今回の第二次の構造改善事業におきましては、やはり経営、いわゆる構造改善ということに極力結びつくような事業の実施のし方をしたいと、こういう希望があるわけでございます。さらに具体的に申し上げますならば、やはりさっきお尋ねがございましたことに関連いたすわけでございますが、経営規模の拡大等につながるようなこともいたしたい。で、そういうことになりますと、一方ではたとえばもう農業をやめて、農業から離脱をしたいという方もいるわけでございますが、そういう方が土地に執着をいたしましてなかなか離れられない、こういうこともございますから、そういうものを他の産業に円滑にいけるようなお手伝いをするということも一方では必要であろう。と同時に、そこに残りました土地については、これは規模拡大にやはり役立つような方向に持っていくためにいろいろな援助措置が必要ではなかろうか。こういうような観点で実はいろいろな案を考えているわけでございます。 ただ、これは先般の予算折衝の際にはきまりませんことで、その後引き続いて検討いたそうということになっているわけで、現在も密接な連絡をとりながらやっているわけでございますが、当然財務当局としては財務当局の立場からのいろいろなまた配慮が必要でございますし、私どもはそういうような意図、いろいろな手段があると思います。私どもの内部的にもいろいろな考え方が変わったりしておるわけでございますので、最終的にどういう形に落ちつくかということにつきましては、まだちょっと申し上げにくいのでございますけれども、いずれにいたしましても、そういうような手段はいろいろな手段があり得ると思います。いま新聞に出ておりましたようなのも一つの手段でございますし、また他の手段もあり得ると思います。その手段につきましては早急に詰めまして、今後計画樹立をいたしていく場合の一つの重要な問題でございますから、早急に詰めたいというふうに考えているわけでございます。
○中村波男君 条文についてさらに二、三点具体的にお聞きをしておきたいと思うわけでございますが、第八条にありますところの農業振興地域の整備計画は市町村が定めることになっているわけでありますが、そこで市町村の中で、市町村長と農業委員会がそれぞれどういう役割りをになうのか明らかではございません。今朝いただきました「政令及び省令規定見込事項」を拝見いたしましても「市町村が農業振興地域整備計画を定めようとするときは、農業協同組合、土地改良区その他関係農業団体等の意見をきく等の決定手続を規定する見込み。」こうありまして、第六には、「都道府県が農業振興地域整備計画を定めようとするときは、都道府県農業会議、都道府県農業協同組合中央会、都道府県土地改良事業団体連合会その他関係農業団体等の意見をきく等の決定手続を規定する見込み。」こういうふうにあるわけであります。したがって、市町村段階における整備計画樹立にあたりましては、農業委員会というものは法の中に規定をしていないわけでありますし、政令その他においてもこれを入れるお考えがないように見受けられるのであります。 〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕 私は計画を最終的に決定するのは市町村長であると思うのでありますが、従来から農地行政については、農業委員会が専権的に処理してきたのでありますから、この両者の関係がはっきりしないと農地行政が二元化して市町村段階で混乱をするのではないか、こういうふうに思うわけです。したがって農業委員会を諸規定の中に入れられない理由ですね、これがあろうかと思いますので、御説明をいただきたいとこう思うわけです。
○政府委員(池田俊也君) これは農業委員会の性格によるわけでありますけれども、御存じのように、農業委員会は一つの市町村の機関でございます。そのいう意味におきましては、市町村長とやや同じような立場にあるわけであります。ここの八条のところには、市町村が計画を定めるということでございますから、必ずしも市町村長が定めるわけではございませんので、当然農業委員会も市町村の一つの機関としてこの計画の樹立にあたっては当然その機能が活用されるはずであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。でございますから、内部的に当然市町村の当該事業の担当者と農業委員会のほうの担当者の間で密接な連絡の上で、いまお話のように農業委員会は農地につきましての一つの固有の事務を持っているわけでございますし、それから市町村の一般的な振興事務につきましてもいろいろの権限が与えられておるわけでありますから、そういうような意味で私どもがやはりこういう計画を立てられます場合には農業委員会の機能を十分生かすようにしていただきたい。また、そういうふうな実は指導をいたそうというふうに考えておるわけであります。 ただ、市町村の一つの機関でございますために、他の事業団体等と同じように意見を聞くとかいうようなことがたてまえとしてはとれないわけであります。農業会議でございますと、これは団体でございますから、明らかに知事は意見を聞くという立場にあるわけでありますけれども、農業委員会のほうはむしろもっと自分の中の、市町村の中の機関でございますから、そういう政令等でそういう体制がとれないわけでございます。私ども実際には農業委員会とよく打ち合わせて計画の樹立なりあるいはあとあとのいろいろの、特に農地に関する事務につきましては、その事業の実施については十分農業委員会の機能を活用していただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○中村波男君 農政局長の答弁によりますと、農業委員会は市町村の内部組織であるから法律に規定する必要がないという御見解のようでございます。そこでこの機会に農林省の見解をお尋ねしておきたいと思うわけでありますが、これは私の記憶が間違っておらなければ、自治省が、行政機構の簡素化というような目的だと思うのでありますが、農業委員会を廃止するという、こういう提案を出してきておるように聞いておるので、あります。そういうこともありまして、市町村と農業委員会とは必ずしもすべて円滑であるとは私は言えないと思うわけです。これは農業委員会の運営ですね、それから農業委員のまあ何といいますか、能力といいますか、特にどこかで問題が起きましたように、農地の移動をめぐってあっせん的な役割りをしたり、むしろ公然と周旋料を取ったというような、こういう本来の目的から逸脱したような農業委員会のあり方というのも問題があると思うわけです。まあこれはこれとして、農業委員会法によって一つの機能が与えられて、特に農地の移動については農業委員会が処理をしてきておる実態からいいまして、私は農委との関係をやはり明確にしておくべきではないか、こういうふうに考えるのでありますが、内部組織であるから必要がないんだ、まあこういう御答弁でありまするけれども、しかし、いま法第十八条においては、農業委員会に対して、農地等の権利の取得のあっせんを行なう際には、「農業振興地域整備計画に基づき、」「農業経営の規模の拡大、農地の集団化その他農地保有の合理化に資する」ようにすべしという規定を設けておられるわけでありまして、片方でこういう規定を設けて、農地の保有の合理化というものの一定の役割りを与えながら、整備計画を立てる際には農業委員会に何らかの形で参画させるという規定を載せておらないということは矛盾しておるようにも思うわけです。その点はどういう御見解でありますか。
○政府委員(池田俊也君) 農業委員会というものを特定いたしまして、農業委員会と他の何がしかの事業との調整等を云々するというようなときには、これは農業委員会というものを取り出すことは一向差しつかえないわけでございますけれども、この八条の立て方といたしましては、市町村が計画を定めるという立て方をしたことと関連をいたしまして、まあ農業委員会というのは市町村の一つの機関でございますから、さっき申し上げたようなことで、特に農業委員会の機能を活用するとか、そういうような制度の立て方ができなかったわけでございます。そういうことでございますが、私どもは農業委員会、まあいろいろ御批判はあるにいたしましても、先ほどのお話のように、当然この種の事業にはその機能を活用すべきであろうと思っておりますので、これは具体的には、この法案が成立をいたしました暁には、当然実施のための事務次官通達等を出すわけでございますけれども、その中におきまして私どもはそういう方式を明らかにしたいと、こういう気持ちでいるわけでございます。
○中村波男君 だとすればですね、農業委員会が整備計画に参画することが不都合であるという立場で規定をしていないのではなくて、法律的にできないからしてないのだ、したがって実際の運用の面では、次官通達なり指導要綱として、市町村が計画を立てる場合には農業委員会を参画させて決定すると、こういうふうに運用すると、こういうふうに理解してよろしいわけですか。
○政府委員(池田俊也君) そのとおりに御理解いただいてけっこうでございます。
○中村波男君 次に、税金の関係について少しく御質問をいたしたいと思うわけでございますが、自治省から御出席をいただいておりますね。—— 新聞その他で拝見いたしますと、自治省におきましては、四十五年一月一日現在で固定資産税の評価がえを行なう方針で準備を進めておられる。そこで、現在農地についてとられております税額据え置きの特別措置を廃止するかどうか。それからもう一つは、市街化区域内の農地において、宅地並みの評価を行なうかどうか。この二点がこの法案審議に関連をいたしまして重要な事項でありますから、もちろん検討中でありますので、こうするという御答弁はいただけないと思いまするけれども、事務局としてのお考えを具体的にお聞かせいただきたいとこう思うわけです。
○説明員(山下稔君) 御指摘の第一点でございますが、御承知のとおり、現在農地の税負担については、三十八年度の価格を当分の間据え置くというふうに地方税法上規定がされております。この「当分の間」はまさに当分の間でございまして、いまのところ明年これをどうするというところにまで結論が出ておりません。今後の検討事項とさせていただきたいと考えております。 第二番目に御指摘のありました市街化区域内の農地の評価の問題でありますが、一般的には市街化区域内の農地といえども農地であります以上は農地として評価するのは当然でございますが、ただ土地対策の見地から、市街化区域内の農地のうち特定のものについて宅地との均衡を考えてはどうかという意見がかねがねありますことは、御承知のとおりでございまして、この点について税制調査会でも論議が行なわれました。その結果、昨年七月の税制調査会の答申におきましては、市街化区域内の農地のうちで特に都市施設が整備された区域内における農地については、近郊の宅地との評価の均衡をはかるべきであるという答申をいただいたわけでございます。そこで私どもといたしましては、答申の線に沿いまして検討はいたしているのでございますが、ただ実際問題といたしまして、都市施設が整備された地域というものを具体的にどうして認定するかということになりますと、課税技術上非常にむずかしい点がございます。私どもとしては非常にこの問題が重要な問題でございますので、慎重に検討いたしたいと考えております。しかし私どもといたしましては、この問題は技術的な点を検討いたしますけれども、できるだけ限定的に厳密に考えてまいりたいというふうに考えております。
○中村波男君 で、いまおっしゃった厳密に考えていきたいということは、結果的にどういうことになるのですか、ちょっと愚問だと思いますが。
○説明員(山下稔君) 具体的な認定の基準についていま検討いたしているわけでございますが、この基準をつくります場合においては、できるだけ限定的に厳密に特定できますように、そういう意味で限定的に考えたいというわけでございます。
○足鹿覺君 関連。できるだけ厳密にということは、私も——愚問だとは思いませんが、もう少しお尋ねしたいと思うのです。 たとえばですね、私もわかりません、例を引いて申し上げますが、農地を市街化区域内において売却したときに、代替地として別に農地を買う場合がありますね。そういった場合、現在においては課税されないというたてまえになっておりますが、四十四年度限り廃止されるというやに伝えられておるのでございます。で、この点については、もしそうだということになると、農地の売却を強制促進をさせることになり、再取得が困難になって、結局農業を離脱せしめるという結果になると思いますが、この点についてできるだけ精密に、ひとつわかりやすく御答弁願いたい。
○政府委員(中野和仁君) ただいまの問題は土地の譲渡所得税の問題かと思いますので、直接自治省の問題ではなくて、大蔵省の問題かと思います。 なおこの点につきましては、先般足鹿先生からの御質問がありました際に、私、先生の御質問をちょっと誤解して別の答弁をしたような記憶もございますので、私から申し上げたいと思いますが、今回の租税特別措置法の改正の際にも、先生おっしゃいましたような議論がありました結果、市街化区域の中の農地を売りまして市街化調整地域なりそれ以外の地域に代替地を求めるという場合には、従来と同様の取り扱いを税制上やる、結局、差し引きいたしますということでございます。したがいまして農地を売ったやつに大きな税金がかかるということはないわけでございます。ただ、今度の租税特別措置法の政令で、買いますものが面積は五倍までという一応制限が大蔵省の政令で出ておるようでございますけれども、その点は御心配はないというふううに考えております。
○足鹿覺君 自治省、そのとおりですか。
○説明員(山下稔君) そのとおりでございます。
○足鹿覺君 いま一点。これから、人口十万以上の都市ということになりますと、上下水道、なかんずく下水道建設等は相当各地で計画されておるやに承ります。そうしますと市街化区域における受益者負担の問題が私は出てくると思うのです。農地なるがゆえにこれは一般土地と区別するということになりますか。市街地の近郊にある農用地の場合ですね、従来の取り扱いはどういうふうになっておりますか。受益者負担の取り扱い方についてひとつ承っておきたい。
○政府委員(中野和仁君) 都市計画法によりまして法律の七十五条に「受益者負担」という規定がございまして、「都市計画事業によって著しく利益を受ける者があるときは、その利益を受ける限度において」費用の一部を受益者に負担させることができるという規定がございます。先生のお話がこのことであれば、それは事業によって「利益を受ける者」でございますから、「受ける者」の中に、農地といえども土地でございますから、そこがいろいろ利益を受けるということになりますと、費用の負担がかかるというふうには思いますけれども、いまの具体的な詳細はちょっと建設省のほうからの御説明がないと私ではちょっと無理かという気がいたします。
○足鹿覺君 受益者負担の問題は必ずしも建設省ではなくして、地方自治体が条例をもって定めるわけでございます。私の町でもいま下水道計画を立てておりますが、受益者負担の限度、徴収の方法等は市町村条例をもってこれは定めております。したがって自治省が御答弁ができないはずは私はないと思います。
○説明員(山下稔君) 受益者負担の問題につきましては、恐縮でございますが、私直接その事務を担当いたしておりませんので、後刻また担当のところに聞きまして、先生あてに別途お答えさせていただきたいと思います。
○中村波男君 山下固定資産税課長にさらにお尋ねをいたしますが、税額の据え置きといいますか、特別措置を廃止いたしますと、概算どれくらいの農地の固定資産税が増徴になるか、試算したものありませんか。
○説明員(山下稔君) 先ほどもお答え申し上げましたように、ただいま農地の据え置き措置を廃止するというふうに考えているわけではございませんが、仮定の問題としてお尋ねがございましたのでお答えするわけでございますが、三十九年度に評価がえをいたしましたときに、三十八年度の評価額に比べまして田は三割三分、畑は三割評価の上昇を見たわけであります。評価はそのように上がりましたか 税負担は三十八年度の額でそのまま据え置いておりますので、かりに仮定の問題といたしまして三十九年度の評価額で課税をすることにいたしますと、田において三割三分、畑においては三割上昇することになろうかと思います。
○中村波男君 私はあまり税法の知識がないわけでありますが、四十五年一月一日現在で資産税の評価がえをおやりになれば、三十九年からさらに何割か評価額が上がりますね、そうすると税の据え置きの特別措置を廃止しますと、いまおっしゃった三十八年と比べて三割三分だということでありますが、四十五年の一月一日現在で評価がえをし、特別措置を廃止しますと、三割や五割ではなくて、さらに高い倍率のいわわる税額が出てくるのじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
○説明員(山下稔君) 御指摘のとおりでありまして、私がお答えいたしましたのは現在の段階のことでございまして、四十五年に評価がえをいたしまして、その結果農地の評価額がさらに上昇するということになれば、先ほどの率よりも高い上昇になろうかと思います。 ただ一つ付け加えさせていただきたいのは、ただいま一般の宅地につきましては三十八年と三十九年の評価の上昇率に応じましていわゆる負担調整措置を講じておりまして、もう宅地の中でも全部が三十九年度の評価額でまるまる課税されているものはごく一部でございます。そういう意味では、かりに農地の据え置き制度を廃止したと仮定いたしましても、直ちに三十九年度の評価額もしくは四十五年度の再度の評価額をまるまる直ちに使うかどうか、これは宅地との均衡を考えた上で措置されるものであろうと思います。しかしいずれにいたしましても、ただいまのところ農地の据え置き制度を廃止して、直ちに新評価額で課税するのだというふうに結論づけているわけではございません。
○中村波男君 そこで大臣、この問題は今後政治問題になると思うのですよ。したがって私がいまさら指摘をするまでもなく、農地にも宅地並みの固定資産税が課せられるということ、これは市街化調整区域でございますが、そうなったときには、相続税と土地譲渡税が必然的に高くなる。それからいま一般農地について特別措置が廃止になれば、これはたいへんな固定資産税の値上がりという結果になるわけでありますから、これはもうそういうことが実施されようとするならば、これは農民がそれは総力をあげて反対するでありましょうし、われわれとしてもそういう急激な値上がりになるような措置は絶対に反対でありますし、食いとめなければならぬと思うわけです。税制調査会の土地税制についての答申等から見ましても、また自治省の考えの中にも、宅地の供給促進の観点から宅地並みに評価をして固定資産税の課税を行なったらどうかという意見のあることも聞いておるわけでありますから、したがって、いまからこの問題については、ひとつ農林省として、農民の立場で自治省と十分手抜かりのないような事前折衝をしていただいて、いま私が指摘をいたしましたような結果にならないように、せっかくのひとつ御努力をお願いしたいと思うのでありますが、大臣のひとつ決意と、これに対する御所信を明らかにしていただきたいと思うわけです。
○国務大臣(長谷川四郎君) 答弁申し上げるといろいろなものがあるようでございますけれども、お説のような点について抜かりなく十分折衝をいたしまして御期待に沿うようにいたしたいと存じております。
○中村波男君 自治省のほうから……。
○説明員(山下稔君) 農林省の御意向も十分拝聴いたしまして、先ほども申し上げましたように、慎重に検討いたしまして、かつ厳密、限定的に考えてまいりたいと思っております。
○中村波男君 そこで固定資産税と農業振興地域との関係で懸念をされる問題がありますので、続いて御質問をいたしたいと思うわけでありますが、御承知のように、固定資産税は地方自治体の有力な財源でありますから、したがって農業振興地域となった場合と工業用地、住宅用地等に転用した場合とでは相当の市町村の財政に収入面で開きが出ることは明らかであります。したがって農振法の指定をそういう財政的な理由から敬遠をする。そして工場誘致等の可能性を残すというような財政的理由から、整備計画を決定する市町村が足踏みをする可能性がないとは私はいえないと思うわけです。こういう側面があると思うのです。したがって、農振法の指定による減収分の補てん措置として地方交付税交付金の算定及び起債等について特別の優遇措置を考えるべきではないか、こう思うわけです。これは自治省の固定資産税課長にお尋ねをしましても、これは所管が違うと思いますので、こういう立場で農林省としては自治省に対して交渉といいますか、折衝をされる御意思があるのかないのか、こういう必要を感じておいでにならないのかどうか、この点をお尋ねいたします。
○政府委員(池田俊也君) 確かに市町村財政という立場から申しますと、おっしゃるような考慮が特に市町村の実際の担当者からいたしますとそういうような問題としてひとつあがってくるだろうという気がいたします。私ども実は打ち明けた話みたいなことで恐縮でございますけれども、法案作成の段階で実はそういうこともいろいろ検討いたしたのでございます。まあ、自治省の御意見も伺ったことがあるわけでございますが、結論といたしましては、今回の法案にはそういう措置が盛り込まれなかったわけでございます。それにつきましての、なぜそういうことになったかと申しますと、これはたとえば新産業都市とかあるいは工業整備特別地域とか、比較的全国の中で限られた地点でございますと、それに対して、そういう市町村財政等に対する何がしかのてこ入れ的な措置が行なわれている例があるわけでございますけれども、農業振興地域の場合は午前以来いろいろ御議論があったところでございますが、相当広範囲に私どもは考えているわけでございます。市町村の数にいたしますと、大体三千市町村ぐらいはそういうことになるであろうという想定をいたしておるわけでございまして、一部の市街化された町村がこれの対象外になる、こういうことでございまして、いわば市町村財政という観点からいたしますと九割程度のものが一応この対象になる。そうすると九割に対しましてそういう措置をとるということは、どうも市町村自治行政という見地からいたしますと非常に問題である、こういうことでそういう制度がとられなかったという経緯があるわけでございます。 ただ、私どもがやはりこの事業が相当本格的に実施、農業振興地域が定められまして、それに対するいろいろな施策が集中的に行なわれるということになりますと、 〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕 市町村の負担も相当大きくなるわけでございますから、そういう場合に当然、基準財政需要額の算定の場合にそういうことを当然加味すべきであるというように、実はそういう考え方を持っておるわけでございまして、これにつきましては、毎年そういうような点の、たとえば基準財政需要額の算定をする場合の基礎になる測定単位と申しますか、そういうものについて若干ずつくふうを加えてきているわけでございますけれども、さらに私どもはそれらの点について、自治省とも御相談をいたしまして、こういう農業振興地域におきます財政需要が増大するのに対する裏づけ措置といいますか、そういうものについては、この基準財政需要額の算定の中で何らかのかっこうで見られるようなふうに努力をしていきたい、こういう気持ちでおるわけでございます。
○中村波男君 了解しました。 次は、農用地の交換分合などの農地保有の合理化を本格的に行なおうといたしますれば、その前提条件として譲渡所得税、登録免許税の軽減措置がなされるかどうかということが問題になってくると思うわけです。この問題については、すでに御質問があったかと思いますが、あれば重複いたしますけれども、いずれも法案の中で、法第二十三条に軽減する旨の規定はされておりますけれども、その内容はいかなるものであるかということをこの際お聞かせいただきたい、こう思うわけです。
○政府委員(池田俊也君) これは軽減措置をするということは、方針としては明らかに二十三条に書いておるわけでございますが、内容はまだきまっておらないわけでございます。なぜそういうようなかっこうで、内容をブランクでこういうようなことになっているかということでございますが、この法案が成立をいたしました暁には一年程度の期間を置きまして事業実施に入る、こういうことでございますから、この振興地域の法案が成立した後に租税特別措置法の改正をする、こういう含みに実はなっておるわけでございます。 で、それならば、譲渡所得税の軽減措置の内容なり、登録免許税の軽減措置の内容なりはどうかということでございますが、これはまだ率直なところを申し上げまして、結論としては具体的な数字はきまっておらないのでございます。ただこのくらいのところまで軽減をしてほしいということを私どもは大蔵省にもう前からお願いをしておるわけでございまして、大蔵省もその点については何がしかの軽減措置をやる必要は認めているわけでございます。ただ、具体的に現在の租税特別措置法では、長期保有の土地につきましては、本年度の租税特別措置法の改正によりまして百万円の基礎控除が設けられておるわけでございますけれども、私どもはこれに上乗せをいたしましてさらに軽減をしたい、こういうことでございますので、それが百五十万円になるか、あるいは二百万円になるか、いろいろな私どものめどはございますけれども、まだ結論は得ていないわけでございます。登録免許税につきましても大体同様でございます。
○中村波男君 まあ具体的に実施は来年度で間に合うのだということでありましょうけれども、しかしこれは法案等の説明をして歩かれる場合に、軽減する、軽減すると書いてありますから、今度は聞いたほうはたいへんな軽減をされるという期待感を持ったところが、軽減は軽減でも全く軽い軽減でわずかであったということでは、詐欺とは言いませんけれども、だましたことになりますので、早急に煮詰めて、もちろん法案の取り扱いとしては、来年度の国会か、次の臨時国会か、できるだけ早い機会に出されるべきであるというふうに思うわけです。したがっていま御答弁のありましたように、譲渡所得税については一般が百万円になったわけですから、農業会議等は三百万という要望を出しておるようでありますが、できるだけひとつ大蔵省と折衝をされまして、大幅積み上げをしていただきたいし、登録免許税についてもできるだけ大幅に引き上げをかちとっていただくように、ひとつ私たちも鞭撻をいたしますから、がんばっていただきたいと思うわけであります。 次は、買いかえの特別措置の問題でありますが、土地税制の改正によって、事業用資産の買いかえにつきましては、政策目的に合致するもののみを存続させることになっておるのでありまして、都市計画法によると、市街化区域内の農地を区域外と買いかえる場合と、土地を売って土地以外の償却資産を買う場合だけ存続されることになっておると思うわけであります。したがって私は、政策目的からいえば、農業振興地域も市街化区域同様取り扱ってよろしいのではないか。そういう措置を農林省としては立てられまして、至急に大蔵省と折衝をされるべきではないか、こう思うのでありますが、この御見解いかがですか。
○政府委員(池田俊也君) いま御指摘がございましたように、私どももその必要があるというふうに考えているわけでございます。具体的にはたとえば農業振興地域の中で土地の買いかえが行なわれる場合、あるいは他の地域から農業振興地域の中に移ってきまして土地を買おうというような場合、そういう場合等は、買いかえ措置を認めるという必要があるように考えているわけでございまして、これにつきましても 従来から大蔵省等には話をしておるわけでございまして、先ほどの措置とあわせまして結論を出したい、こういう気持ちでおるわけでございます。
○河田賢治君 それではしばらく質問しますが、まず大臣にお願いします。 この間新全国総合開発計画が企画庁で立案されて、大体審議会は三十日答申を終わったということが伝えられております。おそらく近く閣議で決定されるということも同様報ぜられております。この計画は、御承知のとおり、二十年間の長期の開発の方向というものがうたわれて、市街地、工場地あるいは住宅地等々のいろいろな開発や拡大、工場の移転だとか交通、高速道路、港湾整備等々やられているわけです。特に東海道なんかは第二新幹線をつくるとか、第二高速道路をつくるとかこういうこともうたわれておりますが、この計画が実施されますと、これはもう直ちに農業の、御承知のいま提案されております、たとえ農業振興の地域が指定されておっても、これが実施に移るにつれて大きな影響を与えるわけですね。そうしますと、一体二十年間の総合開発の計画がどのように実施されるのか。これは担当ではありませんけれども、おそらくこういう問題は閣議でもしばしば話題にはのぼっていると思いますし、関係者もおそらく農林省からも出向いてこの立案に参画していると思いますが、これらの大きな、いま掲げられております長期計画が、五年先とか十年先とかいうような形で大体この実施計画ができておるのかどうかということを、これをまずお伺いしたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 全国総合開発計画あるいは近畿圏整備計画等と本制度との関連につきましては、都道府県知事が農業振興地域整備基本方針を定める場合に、これらの計画と調和の保たれたものとなるように指導をしてまいる考え方でございますが、またこの農業振興地域整備基本方針に基づいて作成をされる農業振興地域整備計画において、たとえば高速道路計画等か予定されてくる場合には、当然これを考慮して整備計画の樹立がなされなければならない、そう考えます。これらが明らかでない場合であって、将来その計画が具体化された場合には、でき得る限り整備計画との調整がなされることが望ましいと思いますので、そのような方向に向かってわれわれは考えるつもりでございます。
○河田賢治君 調和をはかるということは、それはもうことばでは幾らでも調和ははかれるわけですけれども、しかし、どことどこの線をどこに引くかということがきまれば、先に二十年先まで見通して、そうすれば、大体そこの農業地域というものが、そこを振興地域としていいか悪いか、あるいは五年先あるいは七、八年先までもつだろう、その間投資効果も考えて、そこはやめてもかまわぬというような具体化がこれによってできるわけですね。ところが、計画が粗漏ではっきりと何年先にどこからどこへ行くというような計画が立てられぬ限りは、農業地域の振興の指定ということはかなり困難ではないか。早まっては直ちにむだな——この法案自身は御承知のとおり何ら予算措置はありませんけれども、しかし、この地域が指定されれば、ここに集中的にこれから第二次構造改善事業やその他の投資事業がやられるわけでしょう。そうすると、それがもうむだになってしまう。あるいはこれからいろいろ計画がおくれちゃって、二十年先という、そのころになって計画が実現するようなところは、二十年も待つわけにはいかぬでしょう。こういう問題があるわけですね。こういう点について、まず大臣、この点をお聞かせ願いたい。
○政府委員(池田俊也君) 大臣から御答弁申し上げましたが、補足して申し上げてみたいと思います。 確かにこういう全国総合開発計画あるいはその他の地域の整備計画等で高速道路なり鉄道なりのおおよその計画はありますけれども、具体的にどこをどう通るというのは必ずしもはっきりしていない場合があるわけでございます。そういう場合に、確かにかりに農業振興地域の指定をいたしまして計画をつくりましても、その後どうもそこに道路が来るというようなことで計画変更しなければならぬ場合も確かにあろうと思います。 ただ私どもは、もしかりに何にもなかったならば——かりにそこに道路が通るという場合でも、何にもない場合と整備計画を持っている場合と比較いたしますならば、それは農業側としては道路計画等に対して注文をつけられる余地があるわけでございますから、そういう意味におきましても、私どもはやはりまず農業振興地域の指定なり計画を持つことは、なるべくやはり早い時期にそういう計画を持つほうが、いま申し上げましたような観点からもよろしいのではなかろうかと思いますが、ただ、高速道路なり新幹線というような大きな計画になりますと、なかなか農業側の注文だけでもいかないということもあろうかと思いますから、そういう場合には若干計画変更という余地が出てまいりますけれども、これはいろんなそういうもののズレみたいなものについてはある程度やむを得ないことでございますので、そのために指定なりあるいは計画の作成をおくらせるべき筋のものではなかろうというふうに考えておるわけでございます。
○河田賢治君 なかなか、農林省がここに優良土地があるからといって、高速道路はそこを避けて通るようなことはしませんね。高速鉄道だってそうだと思うのですよ。だから、結局はやはりその法律のほうが、どちらかというと今度の農業地域振興指定よりも新総開発計画なりあるいは各首都圏、中部圏その他、このほうが大体において優先しているわけですね。だからこの法律の中にも、「都市計画との調和が保たれたものでなければならない」というような非常に受け身な形で農業地域の振興が表明されているわけですよ。これを私はここで追及はしませんけれども、そういう場合は、あまりに先ばしってむだな投資をする必要もないだろうし、しかしそうかといっていつまでも待つようなやり方では、これはもう農業のほんとうの発展あるいは農業のこれからの経営を——自立経営あるいはその他農林省が考えておられますけれども、全体として農民の経営を守り、日本の農業を発展させるという見地に立つことは困難じゃないかというふうに考えます。 さて、それから第二に、やはりこの計画の中には、北海道、東北、九州地方が食料の大体の基地になる。それでかなり大きな規模の家畜なんかもここでやるというようにあげられておりますが、これもだんだん実現していきますと、やはり農林省もこの方向に向かっていかれるのじゃないかと思いますが、そうしますとこの間の「長期需給の見通し」ですか、あれなんかでも、いま農林省では話し合っているというようなことをお話しになりましたが、こういう問題についても、ある程度農林省は、この総合開発計画のこのような方向に沿って、農作物あるいは畜産あるいはその他のつまり農業上の諸施設等々、大体こういう方向で大綱としてお進みになるかどうかということをお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 私どもの発表しました「長期の見通し」は、昭和五十二年が目標でございますし、それから企画庁がいままとめようとしております新全国総合開発計画は昭和六十年目標でございますので、時点において相当食い違いがございますけれども、また十年先の見通しより二十年先の見通しというのは、なかなかいまのように動いている時期にむずかしいわけでございますが、大体の方向としては私どもあまり矛盾がないように調整をいたしているわけでございます。 新全国総合開発計画におきまして、相当論議の材料になりましたのは、牛一千万頭程度のものを飼うようにするということでございます。それもある意味で、現在昭和四十一年で申し上げますと、二百八十八万七千頭、これは乳用牛と肉用牛とを合わせてでございますが、それから見ますと昭和六十年において千万頭というのは、相当いわば雄大な構想になるわけでございますが、昭和五十二年における私どもの見通しも、乳用牛と肉用牛とを合わせて五百五十四万頭でございますから、四十一年、二百八十八万頭、五十二年、五百五十四万頭といいますと、相当な努力は必要でございますが、昭和六十年において千万頭というのも、そう夢のような計画ではないだろう、畜産その他の点におきましても、「長期見通し」とこの全国総合計画と、時点の差がございますから多少の違いがあることはもちろんでございますが、全体として見ますと、まあまあ私どもの見通しと同じ方向、同じ路線であるというふうに考えているわけでございます。
○河田賢治君 もう一つ、これは大臣にお伺いいたします。 先ほど官房長も、無秩序な農地の転用とかいうようなことにはちょっと抵抗を感ぜられておったのですね。御承知のとおり、しかし市街化の無秩序ということは、立法の中にも書いてあるわけでございます。いずれにしましても、今日農振法を出して、表面だけでも農用地の保全とか利用を看板にしなければならぬといういま事態にあるほど、最近の日本の安定経済成長とかいって、無理やりに大資本ができるだけ土地の安いところ、若干労働力のあるところ、これを求めて市街化に近いところに工場なんかも建てずに、たんぼのまんまん中に建てるとか、あるいは山すそに建てるとか、あるいは農道をつければそのほうが地価が安いから、結局市街化に寄ったところより安上がりだということですね。東海道を見ますと、どこもそういう調子になっておりますね。いわゆる虫喰い状態が出ているわけです。ところが農業委員会というのは御承知のように、日本の農業などについて、その地域あるいはその生活環境ということも建議したりいろいろなことをしなければならぬのですね。そういう任務を負わされているわけです。また農林省としても、こういう問題についても深甚な考慮を払って、そうして農業委員会の指導あるいは知事の指導、これをやらなければならぬ。農地転用でも、御承知のとおり大きな転用は、農林大臣がこれを許可するわけでしょう。そうすればどのように農地が減らされるかということもわかるわけですね。ところが、 これまでずっと——長谷川さんの責任じゃございませんよ、安心してください。しかし、そういう形でこれまでむやみやたらにいわゆる工場や、あるいは企業が農地の中にずっと侵入してきているわけです。この点について先ほど来農業委員会の役割り、あるいは——農業委員会の中にずいぶんおかしなのがおります。われわれの地域でも最近、農地法が通ったんだからおまえのところの田は取り上げるんだとか言ったり、あるいは最近肥料なんかまいて小作人の土地を取り上げるような農業委員もおります。しかし全体としてやはり農業委員の役割りをほんとうに認識して、そして農林省がこれに対する適切な指導、また農林大臣あるいは各知事がこういう農用地の転用についてはもっと責任のある態度をもって日本の農業を守るという立場でこれまで仕事をしていなかったということをお認めになりますか。どうでしょう、この点。
○国務大臣(長谷川四郎君) 中には御指摘のようなのもあることを私も承知しておりますが、全体的から見るとそうばかりではないというように申し上げたいと思います。しかし、そのようなことが部分的にもあったということと、また現在そういうような行為を行なっておるというような点につきましては、十分これらに対するところの措置を考えなければならないと思っております。
○河田賢治君 この農振地域の整備の法案というのは、大体において農地の利用と保全ということが中心になっているわけでしょう、転用しちゃならぬということが。それにずっといろんな手続が書かれてあるだけです。そうすると一番問題は、私はこれまでの過去における農業委員会や知事あるいは市町村長等々が農業をどのような立場でこれを守るか、またこれから守らなきゃならぬかということも、私は一つのこれは大きな問題だ。もしこれがずっとうまくいっていれば何もこういう法律が出なくともよろしいのです。御承知のとおり、たくさんの農林省関係の法律がありますが、いろいろな作物やいろんな地帯における振興法というのはずいぶんあります。十指を下らないほどあります。だから、こういう点から見るならば、私は今日のこの農振法が出なくちゃならぬ理由はない。一方においては都市計画が出たりしてどんどん都市のほうが農地を侵食するという事態になっているからこれが出たんだろうと思いますが、そういう点で私は、この農振法の今日出された理由の重要な、大きな原因がここにあると思うわけです。 そこで、農振法の中に入りますが、もうあとは局長さんでもけっこうです。 第一、この農地指定の第三章の六条ですね。つまり知事が農振の地域整備基本方針に基づいて一定の地域を農業振興地域として指定するというこの地域ですね、午前中もだいぶ話が出ましたけれども、ちょっと大まかにさらに進める一つの前提をなしますので、これについての説明を願いたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 午前中も農業地域の広さというような観点からいろいろ御議論があったわけでございますが、私どもは必ずしも固定的には考えておりませんので、農業振興地域の資格要件と言いますか、いろんな経済的、社会的あるいは自然的な条件からいたしまして、一体として農業の振興をはかるのが望ましいという地域を農業振興地域として考えているわけでございます。まあ市町村の圏域の中に入る場合も非常に多いというふうに考えているわけでございますが、またあるいは数ヵ町村にわたるというようなこともあり得るわけでございます。
○河田賢治君 これはまあ市町村の場合にも地域の区域の問題が出ておりますが、つまり日本の行政、市町村の区域というものはかなり町村合併によって非常に広いところと、まだまだ昔のままの村単位でおるところとあるわけです。京都あたりでもずいぶん大きなところがありまして一つの郡が、大体五つぐらいから多いところは八つぐらの地域が一つの市になっているとかあるいは町になっているところがあるわけですね。こういう場合には、ここで言う振興地域、「一定の地域を農業振興地域として指定する」という場合に、こういう近村でたくさんあるような、そしてかなり農地があるところは、これはまたそれぞれの地域について一つの地域と見るようにお考えなんですか。これはどうなんですか。
○政府委員(池田俊也君) 確かに御指摘のように、かなり町村合併が進みました地域とそうでない地域とございます。町村合併がかなり進んでおりますような地域では一つの市町村が一つの農業地域というようなことが非常に多かろうというような気がいたしますけれども、また市町村合併が進んでいないような地域でやはり二、三の地域が同じような条件を持っているというような場合には、市町村行政という面から見ますと、一つの市町村が一体という意味では最も一体なんでございますけれども、必ずしもそれにとらわれないで、経済的あるいは社会的な条件、たとえば農業サイドから見ますと、ある農家から見て一部の耕地は他の市町村にあるというような場合もあり得るわけでございます。そういうような場合に、それを切り離して一つの別な農業振興地域にするというのはいかにも実態に合わないわけでございますから、私どもはやはりそういうようなことも考え、あるいはいろんな農産物の流通等の点から考えましても二、三の地域が一つの地域として一体的に処理されるのが好ましいという場合には、それは一つの市町村にとらわれないで、その地域の数ヵ町村が一つの農業地域として指定されるようなそういう御指導もしたいというふうに考えているわけで、実態に応じてやるのがよろしいのではないかというふうに思っているわけであります。
○河田賢治君 次に、六条の第二項の一の「農用地等として利用すべき相当規模の土地があること。」、ここに「相当規模」ということばが使われているんですけれども、大体これはどういう程度の標準になるのでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) これは私どもの内部的な一つのめどといたしましては一応二百ヘクタールということを考えているわけでございます。これは二百ヘクタールということ自体が根拠があるわけではございません。まあ従来の土地改良事業の採択基準等も勘案いたしまして考えているわけでございまして、これは地域によりましてはやはり相当弾力的に考える必要があるのではなかろうか。特に山村地帯等で必ずしも二百ヘクタールの農地がないけれども、いろいろの観点から見て農業振興地域として育てていくのがいいというような地域もあるわけでございますから、そういうような地域については相当弾力的に考えていってよろしいのではなかろうか。まあどのくらいのめどかという御質問でございますれば、一応その程度を考えているということでございます。
○河田賢治君 次の二ですが、最後のほうに「その地域内における農業の生産性の向上その他農業経営の近代化が図られる見込みが確実であること。」と、かなり将来を見通して若干ここではうたわれているわけですね、それで指定の要件にしょうと。そうすると、見込みというものは大体どのくらいの期間をここでは大体めどに持っておられましょうか。
○政府委員(池田俊也君) これは具体的にたとえば今後五年とか十年とかいうことを特にこの項目について考えているわけではございませんが、振興地域の計画の一応の考え方としては大体十ヵ年程度をめどに計画を立てたらどうだろうかと考えているわけでございます。その場合に、ここに書いてありますことは、まあ非常に限定的な感じも与えるわけでございますけれども、私どもは必ずしもそうではなくて、やはりたとえば都市に近いような地域で、農業就業人口が将来相当減っていくということになりますれば、農業の生産性を上げるというようなことはそういう地域ではなかなかむずかしいわけでございます。あるいはまた非常な過疎地帯等で就業人口が急速に減って、将来その地域において農業の近代化をはかるといってもそれはとうてい考えられないというような場合には、これは適当ではないと、そういうことで一応農業振興地域には指定をされないというふうに考えているわけでございますが、しかしながら、そうかといいましてこれを非常にうるさく運用いたしまして極力切り捨てていくといったような気持ちは毛頭持っておらないわけでございます。
○河田賢治君 ちょっとこまかくなりますけれども、次の第三ですね。これは「国土資源の合理的な利用の見地からみて、その地域内にある土地の農業上の利用の高度化を図ることが相当であると認められること。」と、これが知事のほうの考えで、ここは水もあり、少し土地をうまくあれしたらば水田にもなると、かりにこういうふうに思った知事がおるとしますね。そうすると、いま米が余って水田つくっちゃぐあい悪い。これはなるほど国土資源の合理的な利用にはなりますけれども、そういう場合も起きるわけですね、知事の認定によりましては。そうしますと、そういうことだけではやはりまずいんじゃないか。こういうところは相当厳格に、やはり国家的な見地とか何とか、国の見地から問題を利用するようなことがありませんと、セクト、セクトで米ばかりつくるんだと、あるいは他の作物をつくって、よそは困ってもかまわんのだというような立場をとりますと、第三号に掲げておるところは非常に問題になるのではないかというように考えるのですが、この辺はどうでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) ここに書いてありますことは、まず農業とその他の利用、農業的な利用と、それから国土の農業外の利用、これは工場敷地ということもございましょうし、あるいはさらにへんぴなところで非常に景色がいいというところで観光産業で立地をしていくというようなところもあるわけでございます。そういうような、どれを一番利用したならば国土利用という見地から最もいいかという判断がまずありまして、そうして今度はその農業という見地から見ました場合に、その地域内にある土地の農業上の利用の高度化をはかることが十分考えられ、また適当であろうというふうな場合には、農業振興地域の指定をするというぐあいに考えておるわけでございまして、これも午前中いろいろ御議論がございまして、国の方針と県の方針とのうまい調和というのが、県知事にまかせたのではなかなか十分にいかないのではないかという御指摘もあったわけでございますが、私どもはやはり国の基本ラインというものは当然あるわけでございますので、そういう線から必要な御指導も申し上げ、あるいは調整もいたしまして、いま御指摘のありましたように、特定のところが国の全体の姿と非常に食い違った農業生産の姿を考えるということのないようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(任田新治君) 本案についての質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十五分散会