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61回国会参議院1969/04/08

農林水産委員会 第8号

発言数
151
登壇者
15
会派数
2
開催日
1969/04/08

会議録

任田新治自由民主党

○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  理事の辞任及び補欠選任についておはかりいたします。  中村波男君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

任田新治自由民主党

○委員長(任田新治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、去る四月三日、園田清充君が一たん委員を辞任されましたので、すでに理事が一名欠員となっております。この際、欠員二名の理事の補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

任田新治自由民主党

○委員長(任田新治君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に高橋雄之助君及び達田龍彦君を指名いたします。     —————————————

任田新治自由民主党

○委員長(任田新治君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。  昭和四十四年度農林省関係の施策及び予算に関する件について調査を行ないます。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私は、過日この委員会において農林大臣から所信表明があったわけでありまして、この所信表明に基づきまして今後の日本農政をいかに進めるかについて若干の質問をしたいと考えておるのであります。  この所信表明演説の中でも申し述べられているように、今日の日本農政があらゆる諸条件の中で大きな転換期に差しかかっておることは事実であろうと考えるのであります。その中で第一には、御指摘があるように、まず、今日まで米を中心にする農政を米以外の果樹あるいは畜産、野菜等における総合的な施策を中心にする農業に転換をしていかなければならぬ、こういうことをまず言われておるのでありますけれども、確かに私は、今日の農業の課題は、今日過剰傾向にあると言われる米をどうしていくかという問題、さらには、国民食糧を安定的に総合的に確保するための畜産、果樹、野菜等の総合的な農業をどう進めていくかという問題、あるいは流通、消費にわたるところの農業全体の政策をどう進めていくかという問題等、たくさん今日進めていくために強力な施策を施していかなければならない問題があると思うのであります。  まず私は、そういう点からこの所信表明演説を見てまいりますと、この中で大臣は、総合農政の位置づけとして大体三つのことを言われております。それは、今日の農業を取り巻く諸情勢の推移を十分に織り込みながら、基本的には農業基本法の定める方向に従いまして国民の食生活の多様化、高度化の動向に応じて、米ばかりでなく畜産物、野菜、果樹など総合食糧の安定的な供給をはかること、生産、価格、流通、構造など各般の施策を均衡のとれた形で総合的に推進すること、農政を農業生産の場だけでなしに、流通、消費の場まで広げて施策を充実すること等をねらいとして総合農政の推進をはかることをしていきたいということを述べておられるのであります。  そこで、私がまず第一に御質問を申し上げたいのは、今日の農業の中で総合農政を展開しなければならない日本農業の現状と、その背景をどう考えておられるのか、どう分析しておられるのか。まず、この点について大臣から、基本的な考え方を明確にしていただきたいと考えるわけであります。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) お話にもございましたように、日本の農業がこのままでいいか悪いかということはもう議論の余地はないと思います。したがって、この際、総合農政と申し上げましても、幾たびも申し上げるように、基本農政が変わるものではないんですけれども、すなわち米というものに重点が置かれておったということと、かつては、いままでの過去を考えてみても、消費というものがどういうふうに変わっているか。まず消費者というものがどういうようなものを要求してくるであろう、要求しているであろう、こういう点に立った上での生産というものが行なわれていかなければならないだろう。それにはまずお話があったような、たとえば野菜にしましても、果樹にいたしましても、従来、いままでどおりのものを生産したんだからあなた方は食べなさいと言うんでは通らなくなりました。高度のといいましょうか、高級食糧ということになってまいりますると、やはりそれと合う生産が行なわれていかなければならない、こういう上に立ちまして今回総合農政というものの進め方を行なうわけであり、米にいたしましても、そのとおりでありまして、米もいままではつくればいいんだということ、大量に米をつくりさえすれば、それが所得に変わっていくというような考え方でなくて、やはりたくさんはつくってもらわなければならないけれども、消費者の要求するものがはたしてつくられているかどうか、生産は消費が目的でありますから、その本来の使命に戻って、生産が行なわなければならないであろう、こういうような考え方によって、ただいま御指摘のあったような、たとえば生産、価格、流通、消費これらに対しまして幾多の施策を変え、そして均衡のとれた形に立った農業政策を行なっていきたい、こういう考え方でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで私は、そういうものが今日の当面する農業に対する施策だとするならば、一体三十六年にできたところの農業基本法の農政と、今日の総合農政とはどう違いがあるのか、農基法農政の求めるものは、いま大臣が表明されたような農業を形づくっていくところに日本農業の将来の方向が当時はきめられたはずであります。それが完全にいかなかったから、総合農政という形で打ち出されてまいった、中身にどういう違いがあるのか、確かに農業を取り巻く背景と現状は私は違うことを認めます。しかし、基本的な農政の方向と内容については、総合農政と基本法農政の中にどういう違いがあるか。八年間の経過の中における農業を取り巻く情勢や農業それ自体が持つ他の経済の変動等から出てきたところの変化は私は認めますけれども、農政としての基本的なあり方が一体基本法農政と総合農政とどう違いがあるのか、それを明確に御説明願いたいのであります。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私は基本農政というものと総合農政というものの相違はないと申し上げます。しかしながらその間におけるところのいろいろな指導方針、こういうような点については、その目的のすべてを全からしめたとは考えられないだろうということは、すなわち、先ほどもちょっと触れましたように、お米ならお米の生産が非常に伸びてきておる。一方には不足した均衡のとれないものが出てきておる。こういうような点についての政策についての欠陥はあったことを認めざるを得ないだろう。しかし、総合農政、基本農政そのものには相違はないということだけは申し上げられると思うのでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 基本農政と総合農政が基本的には相違はない。してみると、総合農政というものを今日打ち出したということは、基本農政のいわゆる失敗から、米の過剰と偏重した農政が行なわれたところに問題があるという反省の上に立って今回総合農政というものを当面の対策として打ち出したという理解でいいのかどうか。その点どうですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私は失敗したとは申し上げられないと思います。要するに時代といいましょうか、申し上げるように、食糧構造というものの変化によって、大衆、国民の要求そのものが次第に変ってきておる、こういう上に立っておりますから、その上に、さらに肉づけをしていかなければならないだろうというのが総合農政に多く用いられておるところであろうと考えられます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 非常に苦しい大臣の答弁でありますけれども、農基法農政の出発にあたって、政府は、今日の米重点の農業から、畜産、果樹、野菜等に至る国民食糧の総合的な供給と安定をはかるために、基本農業というものをつくるのだということを指向しておるわけであります。そうなってまいりますと、本来農基法農政が八年間進められた今日、そういう姿の日本農業が、施策が十分であるならばできておらなければならない。ところが、そうではなくて、現状ではこの所信表明の中では、国民経済の動向その他ということで言っておりますけれども、実際には、そういう描かれた農業ができなくて、米の過剰にあらわれるような、あるいは農家の所得が不安定なような、あるいは農業の労働人口が老齢化するような、機械を入れても高収益にならないような農業が今日できてきたというのは、私は、基本法農業が描かれたとおり進められなかったところに、今日の農政の混乱と問題点があると見ているのであります。その意味では、米中心の農業がもたらした今日の現状を是正していこうというのが私は総合農政であることは間違いないと思います、その意味で、総合農政が今日出てきたとするならば、明らかに基本法農政は失敗であると私は見るのが今日の農政担当者の正しい判断であろうと思うのであります。そういうきびしい農政のいわゆる現状認識の上に立って、総合農政を進めるという決意が農林省にない限り、その失敗を認めないで今日の農政が正しいという前提に立って総合農政を進める限り、私は総合農政に期待するものはほとんどないと考えておるのであります。どうですか、大臣。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私は、先ほど申し上げたように、失敗はしておらない。ただ、幾分の欠陥のあったところだけは認めます。先ほどこう申し上げたのであるのであります。したがって、その欠陥等がございましたし、さらに、食糧の構造というものが変ってきましたから、それに対応するような肉づけをさらにして、そうして総合農政の目的を達していきたい、こういう考え方でございまして、昭和三十六年の経済の実態から見、また四十四年に入った経済の実情、これらと、やはり経済が高まっていくに従って一般の食糧というものがこれに対応して高級化していく、その高級化していくのと相マッチしない面があらわれてきておりまするから、これに対するところの肉づけ等をしていかなければならないんだ、これを総合的に考えるべき時代だ、こういうふうに申し上げたのでございまして、それを失敗だときめ込むわけにはいかないけれども、欠陥のあったということだけは少なくも私は認めざるを得ない、こういうふうに考えます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 大臣非常に苦しい答弁をされておるのでありますけれども、私は、総合農政を大臣がほんとうに腹を据えてそして施策の万全をはかろうとするならば、過去の農政に対するきびしい反省がなければならぬと思います。その反省が、いま、ことばのあやでごまかすような答弁よりも、むしろ、農業の今日の現状を考えるならば、基本農政はきわめて不十分である、失敗であるという強い反省の上に立った施策が当然考えられなければ、将来の日本農政に対する農林省の施策は私は期待できない、こういう考え方に立っておるのであります。その端的なあらわれは、今日の日本の農業は、何といってもやはり価格の安定が保証されておるところの米が中心にならざるを得ない形態を持っております。その農業の形態の中にあって、この食管会計を、食管の制度というものをどうしていくか、あるいは過剰米をどうしていくか、その他畜産果樹に至っては価格が非常に不安定だ、農業経営としてはこれまた非常に困難な不安定な経営を続けておるというような現状の中において、今日、総合農政を進められようとするならば、やはり何といってもそういう反省の上に立って農業を進めるべきであるということを私は考えておるのであります。  そこで、さらに申し上げておきますけれども、いま大臣は、不十分であったという意味のことを言われておりますけれども、この日本農業の今日の現状というのは、農業基本法の成立当時も今日も私は基本的には変わっていないと考えておるのであります。それは、農林省はそんなものは認めないというお話はあるかもしれないけれども、四十一年一月の「農基法以後五年を回顧して」という農林省が発表しておる「五年報」あるいは経済白書を見ても、あるいは農業白書等を見ても、表現は若干変わっておるけれども、基本法成立当時の農業の持つ問題点と困難性というものを基本的には認めておる状態で書かれておることは事実であろうと考えておるのであります。もちろん、部分的には年ごとに変動が見られるし、また新しい芽がうかがえることも私は認めるわけでありますけれども、大勢として、基本的な課題と日本農業の基調はほとんど変わっていないと考えておるのであります。たとえば、先ほど私が若干触れましたように、基本法農政が進められた当時の日本農業の状況を考えてまいりますと、まず、農業基本法のねらいの一つであった高い所得を求めて、そうして日本農業が自立できるような体制をとるべきであるという考え方に対しても、今日なおかつ農業の所得では農家経営がまかなえないために農外所得に依存をしてそうして労働力が依然として農外へ流出をしておるというような状態は今日ほとんど変わっておりません。あるいはこの家族労働の老齢化の問題あるいは婦女子化の問題、あるいは劣悪化の問題等これまた変わっておりません。それから近代化のための機械その他の施設の導入の問題についても、労働力は不足してまいりますから、それをいれて農業をやるという方向に進んでまいっておりますけれども、これは資本投下のわりには収益があがっていないというような農業に今日なおかつなっておるのであります。さらにまた成長農産物であるところの果樹、畜産等に至っても今日低収益、不安定であります。そうした中で農産物の輸入は著しく伸びておるのであります。こういう状態でありますから、農家の経営というものはきわめて不安定である、こういう状態というものは、基本的に日本農業の基調として私は変わってないと見ておるのであります。これは皆さんが分析した農業白書、あるいは農業を回顧した「五年報」あるいは経済白書等にもそのことがうかがわれるのであります。大臣、どうお考えになりますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) いまいろいろ述べられましたけれども、しかしながら、労働力が不足はしてきておりますけれども、それ自体についての生産が非常に少なくなったというような面はあらわれておりませんし、さらに国外からの輸入も多くなってきている。これはまさに数量でまいりますると多くはなってきておりますけれども、御承知のように、これらは飼料の問題が多いので、トウモロコシだとかマイロだとか、あるいはまた小麦の例もございますけれども、これらのものがはたして現在の日本のこれだけ高度化した農業の生産にはたして合うかどうかという点等も十分考えなければならない問題であろうと考えます。したがって、私たちはただ生産に合わないからつくらせないのだ、つくらないのだという意味ではなくて、今後これらに対しても大いに配慮をしていかなければならない問題であろうと考えております。いずれにいたしましても、少ない、老齢化してきた上でございますので、土地基盤の整備だとか機械化等をさらに推進してその補いを十分にはからなければならない、このように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 納得いく、理解のいく回答がないので非常に不満でありますけれども、さらに私は政府の見解をただしたいと思うのでありますけれども、基本法農政の発想は、先ほど私が申し上げたように、また大臣もお認めになったような発想で進めてまいられた、それは米に偏重した農業から畜産、果樹等の選択的拡大による高収益、高生産をねらいとした国民食糧の安定的供給をはかるということが一つのねらいであります。もう一つは、農業とその他の産業の格差を是正する、解消するということに置かれておったと考えるのであります。ところが、ことしの所信表明演説を見てまいりますと、米が余っておる、総合農政を推進しなければならぬ、こういうことは言っておりますけれども、もう一つの大きなねらいであったところの農業とその他の産業との格差の是正、解消ということはこの表明の中では一言も触れてないのであります。ましてけしからぬことには、この中では、ことしの米価は生産者米価及び消費者米価を据え置くことといたしたいということを表明をされておるのであります。  大臣、お尋ねをいたしますけれども、基本的には農基法農政の基調を変えるものではない、総合農政もその方向と考え方に立って進めておるものであるということを言われております。ところが、基本法農政の一つの大きなねらいであったところの農工間の格差の問題については全然触れられていないし、むしろ格差を拡大する結果を招くであろう米価の据え置きという表明をされておるのであります。農業白書やあるいは日本経済の展望を考えたときに、日本農業の今日の生産と所得というのは、確かに若干ではありますけれども農家所得は上がってはおりますけれども、農業所得においては半分以上農外収入に依存しながら、農家収入が今日若干ずつ上昇をしておるというのが現状であります。裏返して言うならば、農業生産の中では、生産が上がって収益が上がっていない、所得の向上は農業収益それ自体ではないというのが今日の現状ではありませんか。言うなれば、農工間の格差は今日さらに拡大をしておるというのが私は現状であると思うのであります。であるならば、この農工間の格差是正のための農基法の基本というものを一体どういうふうにお考えになっておるのか、明確に御答弁願いたいと思うのであります。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 前段を私がお答え申し上げますが、総合農政と申されましても、全く事実上総合農政といってもまだ緒にもつきませんし、これでいかなければならないという第一歩を踏み出したところでございまして、しかしながら、このままの姿で完全なる総合農政を行なえるかといいますと、私は行なえないとはっきり申し上げます。しかしながら、なさねばならぬ大問題であり、それでは日本の農政はこのままでいいのかそれこそたいへんなことになるだろう。そこで、——今後の日本の総合農政を行なっていく上に立っては、これは多くの知識をもっと集中しなければならないし、さらに、たとえば一例をあげるならば、主産地主義をとっていくとするならば、これらに対しましてもこれは多くの方々の十分なる知識をここで結集しなければならぬ、その上に立って行なわなければならない大きな問題でございます。これらに対しましては、万全を今後期しまして総合農政の体制をつくり上げていきたい、こういうことでございますけれども、何と申しましても、御承知のように、国会が始まっている最中でございますので、国会の皆さん方の招集があれば来ないわけにもまいりませんので、これらをやっている時間がございませんけれども、国会が半ば過ぎまして幾分かなにができましたならば、総合農政とはかくなるもので、かくいかなければならないというはっきりしたものをつくり上げて、そして皆さん方のさらにまた御批判を賜わりつつ、お知恵を十分拝借しなければならないと考えます。後段については官房長からお答えいたします。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) いま御指摘になりました点でございますが、農業基本法で農業生産の選択的拡大、それから農業構造の改善ということと他産業と農業との生産性あるいは従事者の生活水準の格差の是正ということが大きな眼目でありましたことは御指摘のとおりでございます。しかし、その他産業と農業の生産性ないし生活水準の比較という点につきましては、私は、基本法以降相当な改善が行なわれたというふうに考えておるわけでございます。  すでに御承知のところと思いますが、基本法が出ます前後の三十五、六年ごろは、大体農業と製造業、あるいは農業と他産業との生産性の比較は四分の一程度でございます。ヨーロッパの中農国を見ましても大体悪くて三割、よくて四割弱でございますから、私ども、農業の他産業に対する生産性の格差が二五、六%であるということはやはり農業にとってきわめてまずい事態であるという認識を持っておったわけでございますが、その後の推移によりまして、また四十一年に労働力調査を改正したということがございますから、いろいろ問題はございますけれども、とにかく四十一年、四十二年には農業の製造業に対する比較生産性は三七、八%と白書でも御指摘しておりますように、四十二年においては、製造業に対し三八・七%という生産性の比較でございます。これは、ここ十年間に一〇%程度も農業の製造業に対する生産性がふえたということは、これはあまり外国にも例のないことであります。したがいまして、日本の現在の農業の製造業あるいは非農業に対する生産性の格差は四割弱であって、ヨーロッパ水準、それで私ども必ずしも満足しておるわけではございませんけれども、大体、ここ七、八年のところでいいところにきたという感じはあるわけでございます。  また、生活水準の問題といたしましても、農家とそれから非農家といいますよりも、むしろ勤労者の世帯の一人当たりの生活費と比べますると、農家にとって一番比較しやすい勤労者というのは、人口五万人未満の都市といいますか、人口五万人未満の市町村在住の勤労者でございますけれども、勤労者世帯に対する農家の生活水準は三十七年に八九・九%で、約九割でございましたのが、だんだんよくなりまして、四十二年においては初めて一〇〇をこえて、一〇五・三%ということになっておるわけでございます。全国で比較いたしましても、三十五年に七五・八%から出発して四十二年には九一%になっておるわけでございます。これも私どもこれでいいというふうには思いませんけれども、生活費の比較においては、まずまず農家が勤労者の生活水準に相当接近してきた、小都市における勤労者に比べれば農家の生活のほうがよくなったというふうに言えるだろうと思います。これが農業所得の増加だけではなくて、農外所得の増加に大きく依存しておることは、確かに問題でございますけれども、四十二年について申し上げますれば、むしろ農外所得の増よりも、農業所得の増が目立って大きいということ、そういうことになっておるわけで、必ずしもいま御指摘になったような見方だけではないというふうに考えておるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 大体いいところまできたというふうに自画自賛いたしておりますけれども、私は皆さんが出しておる資料によっても、また私がいろいろ調べた資料によっても、確かに農業収入は若干伸びておる。しかし、他産業との格差は依然として大きいのであります。さらにまたいま触れられましたけれども、農業収入よりも農家収入という表現をされておるように、農外の収入が大体五〇%、場合によっては六〇%を占めて農家収入が他の産業と比較をして非常に上昇をした、こういうかっこうになっておるのであります。私はそういう意味においては、今日の農基法農政が大きく目的にしたところの農工間——農業と他の産業との格差の是正は依然として大きい。将来もまたこのままの状態ではさらに拡大するであろう、こういう懸念がいたすのであります。  こういう状態の中にあって、私は、ことしのこの所信表明の中では、米価を据え置くと、こういうことを表明をいたしておるのでありますけれども、さらにお尋ねをしておきたいことは、米価算定の方式の中に生産費・所得補償方式を採用しておるのであります。  この方式は言うまでもなく、農業と他の産業の所得の格差をなくすることが大きなねらいであるはずであります。過去の委員会における政府の答弁によりますと、この基本的な方針は堅持をするということを表明しておりますけれども、この基本的な方針を堅持する限り、米価が据え置かれるという理屈は成り立ちません。論理的にもそういう理屈は成り立たないのであります。今日、物価が上がり、それに見合うだけの米価に対する補償があることは、これまた当然であります。この米価を据え置くためにはいろいろな理屈を並べなければなりません。いま官房長の言われた説明も、据え置くための一つの私は係数的なそういう理屈であろうと思うのであります。堅持をすると言いながら、一体、いま申し上げたように農工間の格差というものを少しでも少なくするためには、私は米価を据え置くということは相矛盾する方向であろうと考えるのであります。大臣が、「そういう方式は捨てます、したがって需給調整によって自由米価に近づけていきます」と言うなら、私はまだ話はわかるのであります。そのことの是非は別にして、理論としてはわかるのであります。食管堅持の問題にいたしましても、食管の基本的な根幹については堅持をいたしますと言いながら、自主流通米を認めて、将来は自由米構想にいくのであろうということが予想されるような米の管理体制をしこうとしておることもこれまた事実であると私は考えておりますけれども、いずれにしても、この方式は堅持をしますと言いながら、現実には堅持できないような方向をとるところに最大の矛盾と問題点が私はあると考えておりますけれども、一体どうお考えになりますか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 四十四年産米の具体的な米価の決定は今後の問題でございまして、現段階でどうこう言うわけにはまいらないのでございますが、政府として四十四年産米の米価決定に臨む基本的な方針として、本年度は生産者、消費者両米価を据え置くという方針を明らかにする必要があるということで、総理大臣の施政方針演説にもその点が触れられたのでございます。私ども事務当局でございますので、政策的な高度の判断はもとより私どもの能力の及ぶところではございませんが、事務的な御説明ということに相なりますと、従来米価の算定方式は、御承知のとおり、十アール当たりの投下物量、物材費あるいは労働費というものを米価によって補い得る方式、さらに自家労働労賃については、都市労働者の労賃と均衡するように評価がえをする、これが私は生産費及び所得補償方式の本質であろうというふうに理解をいたしておるのでございます。農林大臣が生産費・所得補償方式の基本的な考え方は堅持をするという言明をされましたのはそういう趣旨であろうと私は理解をいたしております。この十アール当たりの生産費は、生産費・所得補償方式によってはじきました評価がえ生産費というものは、御指摘のように物価、賃金の上昇によって私は上がらざるを得ないだろうというふうに思います。  ただ、昭和三十五年以来とってまいりました十アール当たりの生産費を百五十キロ当たりの価格に換算をいたします場合の反当の収量、反収をいかなる限界点で押えるかという問題は、私はこれは需給の事情の変化に応じて配慮をさるべきものであろう。ただし、分子に当たります十アール当たりの評価がえ生産費というものは、いわゆる平均生産費でございますから、したがって論理的に分母にあてはめるべき限界反収が一定の限界を越えて恣意にわたることは、これは計数論理の上で許されることではなかろうということでございますので、本年の米価の算定は、現実に私どもとしてははじいてみなければ結論が出ないのでございますが、両米価を据え置くという基本方針が生産費・所得補償方式を維持するということと直ちに矛盾をするというふうなことではなかろうというふうに理解をいたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 全く矛盾のある答弁をしながら矛盾じゃないと言うので、何を考えておるのか全くわかりません。いまの答弁を日本の農家や農業者が聞いたら、一体農林省というのは農家や百姓のことは考えてくれているのだろうかという失望と不安を私は抱くだろうと思うのであります。  さらに私はお尋ねしておきますけれども、先ほど官房長は、格差はほとんど今日なくなっておる。したがって、今日では総合農政というのは格差がすでに解消をしておるという前提に立って進めていく、こういうふうに理解をしていいのかどうか、明確に答弁をしていただきたいと思うのであります。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 都市と農村との格差がほとんど解消されたに近いと申し上げたのは、農家と勤労者との一人当たりの生活費の比較でございまして、農業の生産性と製造業あるいは非農業の生産性とは、依然として四割弱の格差があるわけでございますから、基本法の命ずる生産性の格差を是正すべきだという命題はなお私どもの農政に生きておる、当然追求すべき一つの目標であると考えるのであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そういう重要命題があるなら、何で所信表明演説で明確にしないのですか。農基法の基本を堅持しながらその方向に従って今後農業を続けていくと言っておるのであります。そうして総合農政は農業の現状の上に立って当面総合農政の方向で、先ほど私が申し上げたような農政を展開すると言っておるのであります。その中には総合農政は、当時一つの大きな命題であったところの農工間の格差、農業と他の地域との格差の問題については大きな命題であるわけでありますからその問題の解決がない今日の中では、これも大きな政策の対象にならなければならぬと私は考えるのであります。その方策が当然所信表明の中では述べられてしかるべきにもかかわらず、政府には意図するものがあるから私は述べなかったのであろうと思うのであります。その端的なものが両米価の据え置きにあるからであります。あるいは食管会計の赤字の解消にあるから、そういうことはあえて言えなかったのであろうと思うのでありますけれども、いま明確に答弁されるように、その命題が依然として残っておることは事実でありますし、農林省の認めた事実でありますから、これに対してどう対処するのか、総合農政の中でどう施策を施そうとするのか、明確に御答弁をいただきたいと思うのであります。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 生産性の格差の是正ということが所信表明にないのではないかということでございますが、一番最初のほうに農林大臣が言われましたことは、「申すまでもなく、農政は、国民に対しその必要とする食糧を安定的に供給するとともに、農業従事者の所得と生活水準の向上をはかることを目的といたすものであります」ということで、その問題に対する実質的な農林大臣の心がまえを申されておるわけであります。  それから、一体、生産性の向上あるいは格差の是正ということをどういうことでやるのかという御質問でございますが、これは私どももしばしば申し上げておりますように、米のある程度の生産の調整、あるいは米価をいままでのような勢いで上げることはとても無理だという、そういう客観的な条件のもとで、農家の所得、生活水準の向上、あるいは格差の是正に取り組むということは農政としてきわめてむずかしい中心的な課題でございます。私どもは構造政策、あるいは果樹、畜産、あるいは主産地形成等を含めましての生産政策等々、総合農政として打ち出そうとしておりますものもすべていま申し上げた米をめぐる新しい条件に対応する政策であるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 まあその回答をいただくんでありますけれども、本質的な回答はほとんどなされないで、すれ違い、また一方的に一方の見解を述べると、これでは私は国会審議が実のあるものにならないと思うんであります。私の質問していることにまともに政府の態度を表明してもらいたいと、こう私は思うんでありますけれども、なかなかそういう回答を得られないことを残念に思います。  先ほど大臣は、総合農政というのはまだほとんど中身はないというような表現をされておるのでありますけれども、私も総合農政という大きな看板を掲げて当面の農政をやっていこうとする農林省の決意のあらわれと見るべき四十四年度の予算を見てみるときに、一体こんなものが総合農政に対する政府の施策であろうかということで非常に失望いたしておるのであります。総合農政の今回の予算の中に出ているところの農政の貧困さ、あるいは新味の乏しさについては、農家も私たち関係者も非常に失望いたしておる。ただ、この総合農政の展開の中で特徴的にあらわれているのは、申すまでもなく米の過剰対策をどうするかということが中心になっておるのであります。大臣の所信表明演説の中では、先ほど私が触れましたように、総合的な農政を進めていくと、こういうことが大きく掲げられておりますけれども、四十四年度で総合農政として銘打ってやろうとされる農政というのは、米の過剰をどうするかということが総合農政の中心になっておる。私は総合農政の目的と四十四年度にやろうとする政府の農林省の方針というものは明らかに矛盾があると考えております。総合農政をやろうとするならば、総体的な国民食糧としての安定的な総合農政をはかるべきが至当であるにもかかわらず、その中心は米の過剰をどう解決するかということが中心になっておるということは、まさに総合農政を、私は米の問題をすりかえるために総合農政ということばを使い、総合農政ということばでカムフラージュするような印象を受けてならないのであります。このことは、各地を回ってまいりますと、農民そのものがそういう不安を強く抱いておるのであります。私はそういう意味において一体ことしの四十四年度の中における総合農政というものは、予算の面から見ると約八十億程度でいわゆる作付転換の問題等がちょっぴり出ている程度でありまして、ほとんど新味ある、しかも満足いくようなものは出てないのであります。いまから総合農政というのは肉づけするんだというお気持ちかどうか、またその構想というものはどういう方向で進められようとしておるのか、明確に大臣から御答弁をいただきたいのであります。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) もちろん御指摘のように米の過剰もまあこの点についても考えなければならない一点ではあろうと思いますけれども、それのみによって総合農政を進めるわけにはまいらないと考える。したがって、米の過剰、これと相まちつつ、国民一般が要求するところの、需要の強いところの畜産だとか、野菜だとか、果樹だとか、こういう面も合わせてわれわれのことばで言えば高びっこのないような方向に持っていきたいというのが総合農政であり、それにはさらに流通の面、消費の面等々も十分に考えた、それらを取り入れた施策でなければならないと、こういうことの考え方の上に立って本年の予算も組まれておるはずでございます。御指摘ではえらい少ないようなお話でございますけれども、かなりの予算を——それらについては、他の面から見るならば予算は十分盛り込んであると私は考えられるのであります。けれども、見方によればいろいろでありますから、これはやむを得ませんけれども私はそのように考えます。したがって今後におきましても、先ほど申し上げたとおり、総合農政といっても、完全な総合農政はいますぐこうだというわけには、いろいろこれから肉付けをしてそうして総合農政という究極の目的の、その達成のために施策をさらに加えていかなければならないんだ、こういうふうに先ほどから申し上げておるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 大臣はいま申されたように総合農政については十分努力しておると、そうして全体としても総合農政に力点を置いた予算の組み方をしておる、こういう認識でありますから、私は将来の総合農政についてはほとんど期待を持てないんです。私は今日の総合農政というものが当面する農業の諸問題解決のためには、いま申し上げたように努力が非常に不足であり施策が乏しいと考えております。  ただ、あえて政府が今回の総合農政の中で実施しようとしているのは、米の過剰をどう解消するか、米の管理をどう食管制度を含めて検討していくかということが中心になっておる。私は米の過剰の問題と食管制度の問題についても、農業全体として米からいま御指摘があったように畜産、果樹、野菜等に転換をするならば、転換するための道順とその裏づけとしての予算が必要であると思うのであります。同時にまた価格対策、機構対策、消費対策、流通対策等あらゆる万般の総合的な対策が裏打ちされなければならぬと私は思うんです。  そこで、そういう意味で総合農政に対する農民の不安というのは、あるいは不満というのは、米の転換を、いわゆる米作の転換を急なあまり、転換する農業に対する施策あるいは流通機構の整備、消費対策等については無為無策である、むしろ転換する農業の基盤整備の問題にしても、あるいは流通機構の問題にしても、そのことが十分にされて初めて転換という方向が打ち出されてこなければ日本農業の安定的な食糧の確保ということはできないんです。そういう意味で今回の総合農政予算、総合農政の方針を見てみると本末転倒である。まず、米の過剰を解消しよう、食管の赤字を解消しようということを中心に置いて、そうしてあとその転換する農業というものについての施策、予算の裏づけ、道順というものは無策に等しいのであります。いみじくも農林大臣はそのことを先ほど私に対する回答としても申されたんでありますけれども、そこに今日の日本農業の最大の混迷と最大の問題点があると私は考えておるのであります。日本の農民がいま一番農業に不安を持つのはそういう農林省の農業政策であります。米によってやっと安定的な農業ができるという状態になると、直ちに農業の転換を行なって、作付転換その他によって他の農産物に切りかえる。切りかえると言いながら、その裏打ちとしての施策がほとんど行なわれてないところに私は問題があると思います。むしろ逆にそういう転換先の施策を先に行ない、そうして流動的に農業が総合農政の形態として進められるような方向をとることが私は農業施策の基本的な道筋であろうと思うのです。私はそういう考え方に立って農業を進めなければ、農業は安定的な国民食糧の供給の場にはならないし、また農民も高収益、高生産の農業を期待しながら農業をしてみても、価格が不安定で流通機構が非常におくれておる、あるいは構造改善がなかなか思うように進まない、土地基盤の整備にしても若干は進んでおるけれども、高収益あるいは高生産というほどの農業には、なかなか基盤整備も進んでいないという状態では、不安の増大になるのであります。大臣、そういう点についてどうお考えになっておりますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のような方向に行なおうとするから総合農政ということを実施しようと、こういうことなんです。たとえば、もっとこまかく言いますと、米がいいといえば米ばかり、北海道から九洲鹿児島の果てまでつくってしまっていく。ミカンがいいといえばこれはもう何しろ日本の農業技術でいったらどんなところでもできないものはないようになってきているということははっきり申し上げられるだろうと思うのです。そういうような欠陥があったから、その欠陥は是正しなければならないじゃないか。そこで他の需要の多いもの、こういうようなものにもさらに生産を高めていかなければならない。しかし、この間も申し上げたように、果樹の面におきましても、いままでのリンゴ一つをとらえましても、いままでのリンゴは、たとえば世界の中でも非常にいい、りっぱなリンゴであったけれども、まだその上の種類のいいリンゴがこのごろできている。それがために、いままでの高級リンゴが売れなくなってきているという現実であるから、ことに青森あたりは本年からは特にこれらの種苗というものを全部入れかえなければならないだろうというような考え方の上に立っていろいろな施策を施しているという、やはりそれにマッチしたような農政を行なっていくというのが何でも議論の余地のない総合農政だと思うのでございます。ですから、高びっこのないように——米がいいから米をやればいい、ミカンがいいからミカンをやればいいということのないような、つまり農政を行なっていかなければならない。それには御指摘のあったようなすべての施策というものをあわせ考え、そして行なっていくことによって、初めてその目的を達することができるんだ、このように考えて、総合農政というものを完全に行なってまいりたい。といってもまだ、総合農政といいましても、それが全部緒についたというわけではないのであって、いよいよ第一歩を踏み出した。そしてかつての基本農政に肉づけをしながら、その総合農政の基本方針にのっとった施策を施そう、こういう考えであるということを先ほど申し上げたわけでございます。ですから、ただいま御指摘のあったような方向に向かってやっております。それでなければならないだろうというふうに考えておりますと、こういうようにお答え申し上げておきます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 どうも大臣の御説明は私はわかりかねるのですが……。ではお尋ねをいたしますが、基本農政というのは本来は総合農政でなければならなかったのです。ところが、基本農政を八年間続けてみた結果、米中心の農業と農家の生産になっておるのであります。これは私基本農政の指向する農業であったのかどうかということになれば、発想からいうならば、米中心の農業になったことは、私は農林省は失敗であったと考えざるを得ないと思うのです。そうであるとするならば、今日の基本農政にはそういう大きな欠陥があったということは、裏を返せば、米以外の畜産、果樹、野菜にしても、安定した農業ができないというところに欠陥があるがゆえに、比較的安定収入の得られるところの米中心の農業をやらざるを得ないという結果をつくり出しているのです。私はそういう意味においては、今日の米中心の農業というのは、農基法農政を続けた日本農業の施策の失敗が、一つは米中心の農業にならざるを得なかったということをつくったと見ておるのです。この現状の認識とその失敗の反省がない限り、総合農政を幾ら続けてみようとも、この大きな問題は解消できないと私は考えておる。  そこで言いたいのは、総合農政をするという問題を提起するからには、そういういわゆる果樹、畜産、その他の成長部門の価格安定をはじめ、流通機構の改善等も含めた消費の面までも及ぶ施策というものが当初の年度において大胆に打ち出されない限り、米の転換政策だけが特徴的にあらわれるような農政では、一向に総合農政と銘打つような農業はできてこないと私は言うのであります。そういう点の自覚、反省がない農政は私は期待できません。また大臣は、総合農政についてはいままで以上の努力をした、予算も組んでおるぞ、——そういう認識も私はどうしても納得できません。そういう点が私一番重要な問題であると考えるがゆえに、この問題を強く指摘をいたしておるのであります。どうですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) どうも私の答弁が舌足らずかどうか知らないのですけれども、私は基本農政というものは、これは基本農政というものと総合農政というものは別に変わっているわけではないのですと、しかしながら基本農政の中には、いままでやったような、つまり米が、いま御指摘があったような生産面で非常に高まってきて米ができた。米ばかりでなくて、他の面でもそういう面があらわれてきておる。しかし一般の需要は、生産というものは何といっても消費というものの目的の上に立った生産をするのだから、消費面も大きく変わってきているから、それに合ったような今後の農政に転換をさせていかなければならない。ですから新たに総合農政というものの上に立った農政を行なう。その総合農政には少なくとも消費流通、こういうようなこまかい面にまで手を入れた農政を行なっていくことでなければならないのだと、こういうことを先ほども、こまかいことは申し上げませんけれども、申し上げたのですから、私は達田さんのおっしゃるような方向に今後進んでまいる考えでございますと、さっき申し上げたのですけれども、まだ何か食い違いがありますか。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 なかなか私はそのすっきりした、まあ私と農林大臣とは、そのものの考えている基盤がどうも違うようです。ですからほんとうに理解できるような回答が出ないのじゃないかという気がいたします。時間がないので、私は予定よりも、この問題の農林省の回答が私の思うような、意を尽すような回答でないために進まなくて、たくさん質問が手に残ってしまったわけですけれども、まだいろいろ深く論議をしながら総合農政の中身というもの、あるいは認識のしかたというもの、日本農業の現状というものの自覚の問題、あるいは今日までの日本農業のとってきた問題点に対する反省の問題、そういう問題を実はもう少し明確にしながら、今後の日本の農業というものに対して自信と確信ある農政を進めてもらいたいということを実は申し上げたいのでありますけれども、そういうことの解明をする時間がございませんので、もう二、三点次の問題に進みながら明確にしてみたいと思うのであります。  それで、いま各農家を回ってまいりますと、一番農家でやはり問題にしているのは何かというと、米の過剰に伴うところの自主流通米の問題であります。この自主流通米という制度が、今回の総合農政の一環として政府から打ち出されてまいっておりますけれども、農家では非常に不安と危惧をこの自主流通米の中には持っておる。そこで、まず明確にしてもらいたいことは、自主流通米制度の採用のねらいは、一体米の過剰を解消するところに大きなねらいがあるのか。それとも、食管の赤字を少なくするために自主流通米というものを採用されたのか、その他の理由によるものか。まず自主流通米の構想について、政府がおとりになったそのねらいは一体何なのか、明確にしてもらいたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 政府が自主流通米の構想を持つに至りました動機と申しますか、目的は、御承知のような米の需給事情にございまして、これはもう明らかに恒常的な過剰傾向に入っておるわけでございます。そういう事情に相なりますと、一般の消費者は従来のように一定の価格で一定の量を政府の定める配給計画、その中での米の配分を受けるというだけでは満足しなくなってきた。こういうような状態のもとでは、消費者の中には自分の選好に応じた米を購入したいという傾向が明らかに出てきておるのでございます。農林白書でも御報告を申し上げておりますように、全国の都市家庭が購入します米の約三〇%は、消費者の側としては非配給米の受配——受配といいますか、購入をいたしておるという記帳をいたしておるのでございます。このことが事実そうであるか、私は多少の疑問なきを得ないのでございますけれども、消費者の意識がそういう意識になっておるということだけは間違いがない。したがって、現在のような段階に相なりますと、消費者の選好に応じた米の流通というものを考える必要がある。その場合、従来のような画一的な統制のもとではこれが対応できないうらみがあるということでございますので、政府を通さないで、しかしながら食糧管理の立場からする行政上の一定の行政規制のもとに、政府、食糧管理特別会計を通さない米の流通を認めていこう。そのことによって、消費者の消費の動向は即応した米の生産、消費の維持増進というものをはかっていきたい、そういうことが、この自主流通米を考えました動機であり、また目的であるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 きわめて都合のいい説明と解釈をされておりますけれども、いま長官の説明によりますと、米の嗜好の問題が出てきたので米の選好を消費者にまかせる。こういう意味では、政府の管理米ではそのことが達せられない。そのことを目的として自主流通米という制度を採用した。そのことを通じて米の消費の拡大をはかる、こういう目的だというように受け取れるのですが、もう一回端的に聞きますけれども、米の過剰を解消するためか、あるいは食管赤字を少なくするためか、その他の目的かということを私は三つを中心にしてお尋ねをいたしたわけでありますけれども、いまの回答によりますと、その他のいわゆる嗜好を満たすために自主流通米というものをつくったのだ、こういうふうに理解をしていいのですか。どうも長官の回答はいつも、私もお聞きをいたしておるのですけれども、端的に説明をしないで回りくどく言われるので、あとになって考えてみれば何も頭に残らないという回答になっているのですが、もう少し端的に御説明をいただきたいと思うのであります。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 御答弁申し上げる、何といいますか、お答えのしかたがまずいというおしかりは十分心得まして今後お答えするようにいたしたいと思いますが、重要な問題でありますればありますだけ、でき得る限り意を尽すようなお答えをしたいという結果と御理解をいただきたいと思うのでございます。  自主流通米について、一体過剰対策なのか、食管の赤字解消対策なのか、あるいはその他の目的なのかというお話になりますと、そういうワクの中だけでどうも端的にお答えはしにくいのでございます。ただいま申し上げましたように、過剰対策といいますか、現在のような需給事情、過剰の状態がなければそういうようなことは考えられない、そういう条件がなければ考えらなない、こういう意味では私は、米の過剰と関係のある対策であるというふうに御理解願ってよいと思うのであります。それは、現在のような情勢のもとでは、需要の動向に応じた生産ができるだけ進められることが好ましい。また需要の動向に応じた流通が食糧管理の基本的な使命というものと矛盾しないで進められるならば、それはまた消費の維持拡大に役立つはずであるという意味において、過剰問題と無関係ではありませんということをお答え申し上げてよろしいかと思うのでございます。  自主流通米の制度を実施いたします結果、食糧管理特別会計が買い入れます量がそれだけは減少するわけでございますから、その結果、財政の負担を特に伴わないということから、それだけ食管のいわゆる欠損額が減るということは、結果としてはそういうことに相なりますが、食糧管理特別会計の赤字解消を目的とするということでございますれば、それは食糧管理制度そのものに対する一種の反逆ということに相なりますので、私どもは毛頭そういうことを考えておるのではございません。ただ結果としてそういうふうに確かに相なりますということはお答えできると思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それで、いま長官はやっと最後にお認めになったように、結果としては自主流通米は食管会計への反逆であるということになると思いますということを認めた。それはほんとうのことを最後に言ったのです。これは最後にほんとうのことを言ったのでありますけれども、私はこの問題については、日本の農業の中で大きな転換になる問題だと思うのです。農家でも農業でも農村でも、この問題に対しては非常に不安を持ち、疑問を持っておる、これは一体どうなるのだろうかと、というのは、過去の農政が不安と疑問を持たせるような農政を進めておるからであります。米でも豚でも——米はそうではありませんけれども、豚やあるいは果樹にいたしましても、あるいは生糸にいたしましても、そういう生産体制をしきながら、価格安定もできないために農家では借金だけを残すというような農業が今日行なわれておるところに、一つは米中心の農業が行なわれざるを得なかった大きな要因があると思うのです。そういうところにまた作付転換あるいは開田の抑制と、こういっておるのです。けれども、一体どうなるのだろうかということを実は考えておるのです。  そこで、私は本質的に、この自主流通米制度というものを今回米の問題の中で持ち込んだ本質的な理論的な目的というものは、自主流通米によって確かに国民の嗜好に応じた米を供給することが一つと、もう一つは、米の流れを変える制度ではあっても、この自主流通米制度は生産調整機能的な役割りを果たす制度であるとするならば、これは私は誤りであると思う。米がたくさんでき過ぎている。だから自主流通米制度を採用することによって、生産調整機能をこの中に求めるとするならば、私は農政の誤りであるし、農政が大きな混乱を招くことであると同時に、農家はそのために大きな不安を持っておるのであります。ここに自主流通米制度の不安の最大の原因があると私は思う。いみじくもいま長官は、自主流通米制度の問題に対して、食管の反逆児に結果としてなるかもしれないということを言っておりますけれども、それは私はほんとうの農林省のねらいであると思います。なぜならば、これはずっと突き詰めてまいりますと、自主流通米というものがだんだん拡大していくであろうと考える。それは両米価の据え置きの中に端的に農林省の気持ちが出ておるので、政府買い入れ米というものをどんどん、どんどん押えてまいります。物価は上がる、その他の生産費も上がるにもかかわらず、両米価が据え置かれ、場合によっては財政答申に出ておりますように、三%、五%の生産面からの引き下げというものが財政と資本の要請に基づいて出てまいりますと、必ず管理米というものがどんどん引き下げられてまいります。で、自主流通米のほうが農民にとっては高く、しかも安定して供給ができるという制度に早がわりになったときには、管理米というものはほとんど政府で管理することができない状態になるのであります。結果として出てくるものは何かというと、生産者には低く、消費者には高く、流通業者がその間におって利益をあげるという米価になるのであります。私はこれが自由米構想に通じていくというふうに考えておるのであります。私はそこにこの自主流通米制度の本質があると思うのであります。またそれがないとおっしゃられますけれども、そういう歯止めの機関は今回の自主流通米制度の中には出ておりません。私はここに農民の最大の不安があると思うので、そこでこの制度の本質というものをまずここで明確にしてもらいたい。いま私が申し上げたように、自主流通米制度というのは米の流れを変える制度である。それから国民の嗜好に応じた米を供給するための制度ではあっても、生産調整機能を果たす役割りを持つ制度ではないかどうか。その点をひとつ大臣から明確に御答弁を願いたいのであります。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 政策の面として、いまの食管法では、先ほども申し上げたように、消費者が好む米をつくれということを、これを政府が命令するわけにはいかないわけです。御承知のとおりだと思うのです。したがって、こういう面から、自主流通米というような面も、消費者の動向という、消費者がどういうものを好んでいるかという一つの動向を示す上に立っても大いに役立つであろうし、したがって、それを是とするならば、今後さらにやはり生産者が消費者の好む米を必然的につくるようになってきてもらうことができるだろう、こういう面はわれわれのほうは希望を持っております。したがって、生産の上に立った大いなる役立ちになるのかということになりますると、ただいま申し上げたようなものは、なるのだということだけは申し上げられる、こう思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 補足して事務的に申し上げますが、お話の生産の調整ということをねらいとしておるのかということでございますと、大臣の御答弁も私どもの理解するところでは、生産を規制する手段ということで自主流通米の制度を考えておるのではないということでございます。  なお、重大なお聞き違いがございますようでありますから、お許しを得まして再度申し上げたいと思いますが、自主流通米が食管の赤字解消対策としてそれを目的としておるということであれば、そのことはこれは食糧管理制度に対する反逆になりますので、私どもはそういうことを目的としておるのではございませんということを申し上げましたので、御了解をいただきたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それは長官ね、あなたはそういうふうに言わなかったのだ。結果としては食管の反逆児になることはあるということを言ったのだ。だからちょっぴり本質が出たからあわてたのだと思うが、いずれにいたしましても、これはいまの長官と大臣の説明では、私はどうも自主流通米制度というものが不安と、それからまだ解明しなければならぬ本質があると思う。この運用によってはいま私が申し上げたように食管制度というものはくずれます、これは。くずれる微候がいま申し上げたような両米価を据え置きというような形で出てきている。将来は必ず資本とそれから財政の圧迫によって米価を引き下げるという方向が出てくるであろうと私は予想いたしております。すでに出てまいっております。しかし、農林省という立場は生産者擁護の省でございますから、これは財政の面からこういう問題を検討するのではなくて、日本の農業の面から米価の問題あるいは米のあり方の問題についても、日本の農業全体のあり方として検討するのが農林省の立場だろうと思います。だからいままでも大臣の回答は、ちょっぴり農林省の立場として財政当局がどう言おうと、国の政策がどういう方向になろうと、農民の所得を守るために私は両米価の、特に生産者米価の問題については十分に努力いたしますということを大臣がしばしば言っているのはそういう気持ちと姿のあらわれだろうと思います。そういう自主流通米制度というのは、農林省は食管の根幹を堅持する。したがって、食管を堅持するために自主流通米が生産調整機能を果たすようなものであってはこれは私はならぬという気持ちを一部持っていることも事実だろうと思うのでありますが、しかし、この問題がいま申し上げたように歯どめもなしに、あるいは政策の裏づけでもなしに行なわれるとするならば、必ずこれは自主流通米の比率が高まり、政府管理米の比率が低くなって、最終的には政府管理米というのは少なくなり、場合によっては解消する方向になることだけは間違いないと私は見ている。これに対する不安があるから、今日自主流通米に対する施策に対して農村と農民は非常な不安と危惧を持っているのであります。  これは私がいま申し上げるまでもなく、日本の農業の形態を見てまいりますと、やはり米を中心にして、畜産、果樹、野菜なんというのはある意味ではプラス・アルファ的な所得の要素として日本の農業が成り立っていることはこれは事実だろうと思う。この所得形態というか、生産形態というのは、いま直ちに一気に転換できる状態ではない。その意味ではやはり米を中心にして日本農業の生産と農家所得というものは維持されなければならない性質と本質を私は今日まだ持っていると思う。  そういう観点に立つならば、この自主流通米制度というのは、いま農林省が考えている以上の大きな方向でいろいろな複雑な要素がからまっておりますから出てくることは間違いありません。そこで私はここで、国会の中でいまの二人の説明ではどうしても理解できませんが、自主流通米というのは嗜好に応じた米を消費者に与えるという目的の中で、単に米の流れを変える、こういうものであって、生産の調整機能を果たすものではないのかどうかもう一回明確にしてもらいたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 何回申し上げても同じことなんですけれども、私は調整機能を果たすものではないと、これだけははっきり申し上げられると、先ほどから申し上げておるとおりです。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 調整機能を持つものではないとするならば、その方針に従って具体的な施策をつくってもらいたいと思います。今日の自主流通米というのは、とにかくどうしていくかということについてもいろいろ問題が出てまいっております。また、そういうものを打ち出しながら、具体的な施策については全く無策である。でありますから、政府がそういう基本的な自主流通米制度に対する考えがあるとするなら、それを生かすような、下部で混乱が起こらないような、そういう具体的な施策を自主流通米については具体的に私はつくってもらわなければならぬと思いますけれども、大臣どうですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 確かに農村の一部、におきましては、二十七年の間運営されてまいりました食糧管理制度というものと違った運営が一部行なわれるということで、やはりそういう変化というものに対する不安を持っておることは、私はこれは想像するにかたくないのであります。ただその不安の中には、いろいろな誤解からくる不安もあるようでございますので、今後とも私どもとしては、その不安を持つ必要のないゆえんを十分理解をしてもらうよう努力をいたしたいと思っております。  で、混乱ということでございますが、集荷の機構につきましては、これは従前と何ら変わらないわけでございます。政府に対する指定集荷業者というものが、政府管理米と並んで自主流通米の集荷に当たるわけでございます。また生産者側からは、生産者は従来どおり作付と言いますか、収穫以前に事前に売り渡し申し込みをするいわゆる予約制度はそのまま継続して実施をいたします。それに対する予約概算金の支払いも従前どおりいたします。そういうふうにいたしまして、需要者の側は政府の指定します、農林大臣の指定する特定の実需者、それから卸売り業者というものが自主流通米の買い受け人になるわけでございますから、その需要に対応いたしまして政府へ売り渡しますよりもより有利に販売ができるという場合に、生産者は指定集荷業者を通して、指定集荷業者の全国団体を通じた販売をすることができるというシステムをとるのでございますから、生産者が特に集荷販売の面で混乱を起こすようなおそれは私はない。また予約制度をとります関係から申して、当然に生産者は政府に対して無制限な買い入れを求めることができます。政府は無制限に買い入れをするつもりでございますので、その間も特に混乱はあり得ないというふうに思っておるのでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 時間がなくなりましたから、まだ実はたくさん質問が残ってしまったわけでありますけれども、最後に一つだけお尋ねをして終わりたいと思います。  私がいまこの自主流通米の問題の基本的な制度の維持とあり方について、くどく農林当局にその姿勢と態度の表明を迫っておるのは、この自主流通米制度をてこにして、いま日本の農家の中で米作から他の農産物の生産に転換をするというような場合に、いわゆる米の値段が生産者のいわゆる生産者価格が不安定であり、あるいは低く押えられるという結果、農家がやむを得ず他の作物に転換をしていくという姿が自主流通米の作用として出てくることになりますと、他の転換作物における農家の安定的な生産と収入は今日の施策ではなかなか得られないのであります。私は自主流通米の強行が先に強く押し出される結果、ほうり出された転換先の農業の中で安定収入がなかなか今日では農家は得られません。したがって、そういう懸念を実は自主流通米の作用によって農家に及ぼすとするならば、これは非常に大きな問題であると私は考えておるのであります。したがって、自主流通米によってそういう作用を起こすのではなくって、農家が自然に自信を持って畜産あるいは果樹、野菜等に転換できるような施策が先に施され、生産機能が基盤整備を含めて完全に行なわれ、価格対策が完全に維持されて農業が農民の自主的な判断と自主的な方向によって転換されるような方向に私は農業が転換されなければならぬと思うからであります。それを自主流通米という単なる米の流れの機構、流れるたの作用によって、これによって他の農業に無理やりに押しつけられていくというような農業は、私は将来の日本農業のあり方からいっても、あるいは農家の安定のためからいっても、あるいは国民食糧の安定的な供給としての農業の姿からいっても好ましくないと考えるからであります。そういう総合農政に移行できるような、基盤整備の問題にしても、あるいは価格安定対策にしても、あるいは流通機構の施策の問題にしても十分施されながら転換できるような安心した農業が施策の中で施されたときに自主的に農民の判断によって農業の移行がなされなければならぬと考えるからであります。そういう本旨を私は十分とらえて、今日の米の問題と総合農政というものを進めてもらわなければならぬと思うのであります。そういう意味で自主流通米については、いま申し上げたように食管をくずす大きな要因を持っておりますし、農家の家計の不安定な要因も持っております。そのことは日本農業の根幹をくずすことになるわけでありますから、そういう点十分ひとつ御判断をいただいてこの問題に対して対処してもらいたいと思うのであります。大臣からそれに対する最後に考え方を御説明いただいて私の質問を終わりたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 転換は自主的に行なっていくようになることが非常に望ましいことであり、ぜひそうありたいというような考え方の上に立って総合農政をあわせて強く行なっていく、それにはやはり何といっても農家の家計に不安のないような方向を、方途を切り開かなければなりません。でありまするから、本年度のたとえばことしの一万ヘクタールを転換するにつきましても、決して私のほうは無理にこれをどうこう転換させなければならぬという強制的な方向、方途はとっておりません。しかしながら何といっても、米が今日需給のバランスを変えてこのままで生産が高まっていくということになれば、おのずからどうなるかということは農業者自身も考えなければならないことであり、御指導をなさるわれわれ、皆さん方も当然これは考えなければならない大きな問題だろうと考えます。よって今年度の予算を見ましても、さらにこれらの自主的に転換というおことばがあったような方向に、その望ましい方向にいくように大いに努力をし、指導をしてまいる考え方でございます。

任田新治自由民主党

○委員長(任田新治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      —————・—————    午後一時二十七分開会   〔理事高橋雄之助君委員長席に着く〕

高橋雄之助自由民主党

○理事(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いままで足鹿さん、それから達田さんからこの委員会でも自主流通米についていろいろ質疑がありまして、そこで私は作付転換とそれから農産物の生産者価格、この二つにつきましてお尋ねをいたしたいと思います。  その前に、けさの毎日新聞に今度韓国に貸与した米の問題が出ていますね。きのうの日本農業新聞にも出ていまして、夕ベの読売にも出ましたですね。各紙が取り上げているんですが、これについてこの記事を見ますと、三月の二十九日に下関を積み出した貸与米が積み出すときからすでにおかしい、三割近いものが商品として不良だという報道なんですね。そして新聞によりますと、現地に着いてみたところが、三分の一くらいがコクゾームシがたいへん出ているとか、あるいは商品として不適格だとか、日本大使館も現地で調査に乗り出したとかいうような報道なんですね。私はどうも解せないんですけれども、積み込むときからすでに三分の一くらい商品として不適格なものをどうして積み込んだものか。それで新聞によりますと、これは植物防疫の言い方とそれから食糧事務所の言い方と差がありますね。実情をまずお尋ねをしたい。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 新聞の報道は私どもも見ておりまして、非常に、何といいますか、意外の感に打たれておるのでございます。新聞の報道について私どもは若干手違いがあったのではなかろうかというふうに見ておるのでございますが、問題になりました米は、たしか三月の二十九日に下関で積み込んだ米が報道の上で問題になったのでございます。積み込みの事情は私のほうも調査いたしておりまして、当委員会でも御報告を申し上げたと思いますが、韓国への貸し付け米は、四十二年産米と四十三年産米と両方を国内の本年二月までの配給比率の割合で貸し付けるということに相なっておりまして、したがって、四十二年産米の中にはよほど注意をしなければならないものが含まれておることは事実でございます。米の品質の規格につきましては、両国の間でかなり詳しい取りきめをいたしておりまして、その規格に従って海外貨物検定会社、略称オミックと申しておりますが、海外貨物検定会社が国際検定の立場から検定をいたしたものを船に積み込む、これが国際的に穀物取り引きのやり方になっておるのでございます。  当日積み込みました米の中に若干いわゆる台付米とかあるいははだずれの米がございまして、規格不適合というのが約七百俵ばかり、トン数にしますと四十トンあまりのものが検定不合格ということではねられておるのでございます。こういうものは契約外の品質になりますのでこれは当然のことであります。検定に合格いたしましたものの中で、これは貸し付けとはいいながら法律上は輸出でございますから、植物防疫の検査を受けるわけでございますが、その検査を受けた際に約三割程度の米については虫害のおそれがあるので港頭倉庫において駆除をする必要があるということで駆除をして積み込んだものでございます。その事実をある国内新聞が、不良品が出たということは確かに事実でございますが、不良品はすでに取り除いて積み込んだのでございますが、三割のものが虫害で食糧に適しないというふうに私どもとしては取り違えた報道をしたと理解をいたしておるのでございます。  韓国側からは私のほうへ在京大使館を通じまして、そういう報道があったことから韓国内で非常に問題とされたので今後の積み込みについては契約どおり十分注意を払ってほしいという申し入れを受けておりますけれども、具体的にどういう量の米について契約の規格と異なったものであるかという指摘はまだされてないのでございます。  この問題は、両国国民感情にも重要な影響を及ぼす問題でございますので、私どもとしては慎重に処理をする必要がある。また、明確な契約による貸し付けを行なっておるのでございますから、契約の適格規格のものであるかどうかは双方十分に注意をする必要があるわけでございまして、現在、検定機関でありますオミックから現地に、たしか本日出発ということになっておると思いますが、担当者が韓国へ出向きまして実情調査の上、その報告を待って処理をする。私どもとしては、ただいま申し上げましたとおり契約に従った積み込みをいたしておるので、新聞で報道されたような重大な事態、あるいは信義違反というようなことがあるとは思っていないのでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そうしますと、いま長官のお話しのように、七百俵ばかり不合格の米があった、さらに輸出でありますから植物防疫所のほうで検査をしてみたらどうも三割程度が虫が出るおそれがある、したがって殺菌の駆除をするというやり方をやった、そういうことが誤り報道されたのではないか、しかし現地において韓国でおろしたときに若干のそういう米があったかもしれない、虫がわいたとかあるいはコクゾームシがたかっておった米があったかもしれない、これはあったわけなんですか。誤り報道したのはいいですけれども、現地で実際そういうものが出たのかどうなのか。これを見ますと現地でも三分の一くらいがそういう虫が食ったものがあった、あるいは虫がたかっているものがあったというような報道のようにとれるのですけれども、現地では何もないのですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 現地の側から在京大使館に対してもまだかくかくの不適格品があったという連絡もないそうでございます。それから現地からオミックに対して連絡がありました内容でも、現実にかくかくの不適格品があるという指摘はないようでございますが、内地の報道を現地のほうが見まして、向こうからいえば外電に当たるのですが、外電で見まして韓国内で非常に問題とされておるという点で十分今後注意してほしいという申し入れでございます。それで、ただ私どもはオミックの検査は終わってはおりますけれども、先ほども申し上げましたように、万が一にも不適格なもの、つまり被害粒、契約の上では被害粒二〇%以内のものということになっておりまして、それも大事をとりまして、オミックの検査基準は被害粒一四%以内のものという実際上の扱いをしてきたということでございますので、間違いはないとは思いますけれども、万が一の場合に両国間に悪影響が起こるような事態になりましてはこれは好ましいことでございませんので、事実の調査の上に立って処理をいたしたいというので、担当者を派遣いたしまして、両国立ち合いの上で問題の米の品質についての現地鑑定をするということにいたしておるのでございます。現地側からはっきりした指摘は私のほうへまいっておりません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それでは作付転換につきまして伺いたいのですけれども、これは米を作付転換するというのですからたいへんな政策だと思うのですが、急停車だけじゃなくてどうも百八十度転換するような政策なわけですね。しかし一万ヘクタールという、当初農林省が盛んに言っておりました四十四年五万ヘクタールというのではなくて、一万ヘクタールということでありますから、そうたいへんな深刻な問題でもないようにも思いますけれども、しかし、いずれにいたしましても急停車して百八十度転換するという、そういうことには間違いないわけですし、ですから少しこの点についてお尋ねをしたいのですが、今年は一万ヘクタールなんですが、政府としてはことし、四十四年一万ヘクタール。来年はきまっているのですか。一万ヘクタールだけ、本年だけきまっているのですか。来年はきまってないわけですか。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 作付転換の問題は、今年は予算で一万ヘクタールだけをきめておりまして、来年度以降どうするかということは、この一万ヘクタールの作付転換の実績その他を見て、もう一度慎重に検討しようということでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そうしますと、それは政府の見解ですか。農林省は、私どもが新聞なりその他農林省の人たちが書かれたものを見ますと、作付転換に二十万から二十五万ヘクタール、初年度五万ヘクタール、百五十億ちょっとの予算要求をしたわけですね。そういう構想に立ちまして、初年度五万ヘクタールということで要求して、それが四十四年度一万ヘクタール、それっきり、あとはないというふうに見受けられるのですけれども、いまの官房長の答弁ですと、本年の実績の上に立って四十五年度は考えるのだということになりますと、いまの官房長の答弁が政府の考え方なのか、あるいは農林省としてはそういうふうにやっていきたいということなのか、そこらを正確に答弁願いたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 本年度の予算に組んでおりますものは、四十四年度に一万ヘクタールの稲の作付転換をするということだけでございます。四十五年度以降については、政府としては予算編成関係において何らの取りきめをいたしておりません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そこで政府の考え方はわかったのですが、農林省の考え方といいますか、大臣の考え方としては、やはり三年間に二十万ヘクタールから二十五万ヘクタール程度の、年限はそれは三年間にならないかもしれませんが、そういう方向に今後とも努力をしていきたい、政府の中にあって努力をしていきたいという考え方なのか、それともいまのように一万、来年のことはわかりません、そういうことなのですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 希望はありますけれども、これも何と言っても、いままでの日本農業というものがこれだけ米に定着しておりますものですから、この一万ヘクタールをぜひことしもやってまいりたいという考え方でございますけれども、これは強制的にやらせるわけでなくて、ぜひこの点で御協力を願いたいというふうなやり方でございますから、これもなかなかその目的を達するかどうかも心配をしております。来年、あとはどうするのだということになりますが、ぜひ来年度も、お話のように二十万、三十万というような大きなものは望んでおりませんけれども、ある一定の、ことしやってみて、結果がよろしいということになるならば、ぜひとも御理解ある御協力をお願い申し上げたいというような考えはあります。何ヘクタールにするかという、そういうような決定した考え方はまだ持っておりませんです。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そうしますと、非常に疑問に思うのは、幾つもありますが、一つは、昨年の十一月の二十二日ですか、閣議で決定をして公表いたしました、五十二年を目標にした「農産物の需要と生産の長期見通し」、それとの関係は一体どうなのか。これはどうも理解に苦しむわけです。それからもう一つは、こういう重要な政策転換をやる場合に、なにか今年ばかりなんだ、来年のことはそれはわからんというような展望のないやり方では、これはどだいもう初めからお話にならんのじゃないか。一万ヘクタールそのものもお話にならんのじゃないかという、そういう気がするのです。ですからある一つの、農林省としてあるいは大臣としての構想はあって、しかし政府できめたのはこれだけだ。しかし、わがほうとしてはこういう構想を持って今後とも本年から来年にかけて努力をするのだ、そういう中で転換をはかっていくのだという構想なら、わからんことはない。それなりにわかる。ですが、二十万から二十五万ヘクタールというものを考えておったけれども、予算では一万になった。来年のことはわからん。それで一万ヘクタール転換しなさいというような、政策としてはまことにお粗末もはなはだしい、どだいこれはどういうわけだという感じがするわけですがね。そんなものなのかしら。いや、ぼくはまあそんなものだろうと思っているのです、実際は。そんなものだろうと思っているのですが、それにしてはどうも政府の立場からいったら、農林省の立場からいったら、どうもお粗末過ぎるというふうな気がするのですね。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 昨年の十一月に政府として公表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」によりますと、昭和五十二年における稲作の生産それから米の消費の予測から見まして、水稲の面積で二百七十七万ヘクタール程度におさまれば需給がバランスをとれる、そういうことでございます。四十三年の水稲面積は三百十七万ヘクタールでございますから、四十万ヘクタールの作の減があれば需給のバランスがとれるということでございます。ただ、別の機会にも申し上げましたけれども、最近における農地の転用の増加という傾向を考慮いたしますと、昭和五十二年までに水稲の面積が三十万ヘクタール程度つぶれるだろう。私ども開田の抑制ということを言っておりますので、開田がある程度まで抑制されて、五十二年までにおける開田はおおむね十万ヘクタール前後というふうに考えられるわけでございますから、そういたしますと、先ほどの数字と合わせますと、五十二年における水稲面積の過剰は、大体二十万ヘクタール程度というのが私どもの見通しでございます。ただ、大臣が先ほど言われましたのは、作付転換ということはなかなかむずかしいことでございますから、そう車が走っているのをいきなりうしろに向けるということでもございませんので、慎重な用意と準備が必要でございますので、四十四年度におきましては、とりあえず一万ヘクタールの稲の作付転換をはかって、そうして私が申し上げましたような長期展望を持って今後の措置を十分慎重に考えるということでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それじゃ、若干食い違いがありますけれども、こういうふうに理解できるわけですね。つまり農林省としては、政府としては十一月の二十二日にああいう「長期見通し」を発表されたわけですから、そういう中で、やはり農林省としては、ということでしょうね。あるいは農林大臣としては、ということでしょうが、政府としてではなくて、やはり二十万ヘクタール程度の水田というものを転換しなければいけないのだ、そうして官房長の答弁のように、さしあたり本年は一万ヘクタール、その結果を見て慎重にひとつ考えていきたい、そういうことなんですな。ですから、それは政府の考え方じゃなくて、いまのところ農林大臣のお考えということになるだろうと思うんですね。  そこでお尋ねしたいのですが、いま官房長がおっしゃった二十万ヘクタールというのは、五十二年に米の需要が千二百四十四万トン程度という前提に立って二十万ヘクタール程度余分になるということだろうと思うのです。で、米の需要が千二百四十四万トンではなくて、一千万トンだという話もありますね。それは国民一人当たりの米の消費量がこの五年間に一三%程度減少した。その一三%五年間に減少したという傾向からいえば、これから十年の後には、農林省が言うように十年間一〇%需要が減少するのではなくて、少なくとも二〇%程度減少するのではないかという意見があることは御承知のとおりですね。そうしますと、一千万トンということになりますと、これは二十万ヘクタールじゃなくて、七十万から八十万、あるいはひょっとすると百万ヘクタール程度耕地がなくならないと、水田がなくならないと何ともならないということにもなるわけです。いま官房長のお話の五十二年に千二百四十四万トンの米の需要だということが、そうではない、それはとんでもない話だ、一千万トンぐらいになるのだという話があるのだが、その場合には八十万ヘクタールから百万ヘクタールというものの水田をなくさなければならないのではないかとぼくは推定しているのですけれども、そういう点についての考え方はどうなのか。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 米の消費が今後どうなるかということはなかなかむずかしい問題でございます。御指摘のように、昭和三十七年から四十二年までの五年間の一人当たりの消費の減退のあとを見ますと、一人当たりの食用としての米の消費は三十七年に百十八・三キロ、それが四十二年に百三・三キロでございますから、五年間で十五キロ、一三%の減でございます。これに対しまして、五十二年における一人当たりの食用としての米の消費は九十一・六キロと想定いたしておるわけでございますから、四十二年の百三・三キロと五十二年の九十一・六キロとを比較いたしますと十一・七キロでございます。で、過去五年において十五キロ減ったのに、今後十年間において十一・七キロしか減らないのはどうであろうかという議論があることも事実でございます。ただ、過去におきます米の消費の減り方の中には相当小麦の需要がふえたということが大きな原因をなしておるわけでございます。今後におきましては、小麦の需要のふえ方は過去におけるふえ方よりももっとはるかに小さくなるわけでございますから、私どもが予想いたしましたように、昭和五十二年における九十一・六キロという想定はまず無難ではないか。御指摘のように、今後十年間で二割ぐらい減って千万トン程度になるのではないかという御意見もございますし、また逆に、過去においてもう減りに減ってここまできたのだから、今後そうは減らない。私どもの九十一・六キロという想定も少しから過ぎるので、米の需要はもう少しあるのではないかという御意見も別にあるわけでございまして、私ども九十一・六キロというこの想定はまずまず無難な想定ではないかというふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まあ官房長のは無難だというよりもそういうふうにありたいという御希望だと思うのですね。そうでなければ、八十万町歩から百万町歩程度の水田を削らなければなりませんから、これはたいへんショッキングな問題です。農家はとん死します。まあ二十万ヘクタールぐらいならとん死しないかもしれない。百万ヘクタール減らすのはたいへんな話だ。だからそういうことになるのでしょうが、それはまあ日を別にいたしまして……。  食糧庁長官が、私は新聞で見たのではっきりしないのですが、国会の答弁の中で、自主流通米というのは十年程度あるのだという答弁をしておられるのを見たのですが、それはいま官房長の答弁がありましたように、昭和五十二年に需要と供給がとんとんになるのだ、ほぼ矛盾のないような数字になるのだ、そういう前提に立って、自主流通米は五十二年度ごろなくなるのだという、あるいはその間あるのだというお考えなのかどうか、それを長官にお尋ねします。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) たしか参議院の予算委員会で、中村委員の御質問に対してお答えしたように記憶いたしておるのでございますが、自主流通米制度は、少なくとも米の自給に余力のあるときでなければ条件としては考えられませんということを申し上げましたのに対して、それならどのくらい継続する可能性があるのかという御趣旨の御質問がございましたので、政府としては、昭和五十二年ころまでは少なくとも米の需給関係については余裕があるという見方をいたしております。したがって、その見通しによれば、昭和五十二年、つまりいまからほぼ十年くらいは私の考えでは自主流通米が存続する条件はなくならないのではないかと思いますという答弁を私申し上げたわけでございます。もちろん、自主流通米制度というものについて、平均的にそのような見通しになっておりますことが、あるいはある特定の年度について何らかの大変動があるということがございますれば、自主流通米の運営についても反省を加えるという必要もございましょうけれども、一般的なそういう見方のもとでは、五十二年ころまでは条件というものはあるはずであるということを申し上げたのでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 先の話になっちゃって恐縮なんですけれども、ことしの十月三十一日に約百万トンかの米が——本年平年作であった場合、千三百五、六十万トンであった場合に約百万トン余る。そういう形で五十二年にどの程度の米が蓄積されているのか。つまり過剰米として蓄積されているというふうにお考えになっているのか、食糧庁長官、それを考えますといまのような長官の答弁にはいかない。五十二年に、たしか農林省の計画ですと、生産と需要はとんとんになる、しかし余剰米として蓄積されていく米というのは、これはやはり残っていくわけです、何か大きな不作があれば別ですけれども。ですから五十二年かあるいは五十三年あたりに自主流通米がなくなるという、あるいはその間まではあるだろうということ、どうも解せないのですがね、こまかい話で恐縮なんですが。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 確かに先ほど官房長から御説明を申し上げました米の需給の見通しによれば、今後も作付面積の変化というものによっていろいろ違いもございましょうが、基調としては過剰が継続するという見通しと理解してよいと私は思うのでございます。で、そういうことになれば、御指摘もありましたように、年々過剰米は政府の管理下で蓄積をされるわけでございますけれども、今後の保管の合理化といいますか、技術体系の確立といいますか、そういうものによってどの程度の保管期間、需給調整能力を持った米として蓄積されるかという問題があるかと思いますが、おおよそ常識的には、私はやはり米が食糧の需給調整の能力を持って保管する期間というのは限られておるだろう。現段階の水準からすれば、低温倉庫等を用いましても、私は三年目のつゆを越せばもう食糧としての需給調整能力を持たないということでございますから、したがって、五十二年にどれだけの備積米といいますか、そういうものを持っておるかは、毎年の過剰量の総累積ではない、現実にはあり得ないということと理解をするのでございます。  それにしましても、かりに百万トンの余力が毎年続くとすれば、三年間の余力は三百万トンという余力を持つことに相なりますから、したがって、五十二年で見通しのように作付面積が調整をされてまいりまして、需給がとんとんという姿になったといたしましても、なお政府が米の需給操作をし得る力はそのほかに備蓄米によって持っておるということはありますけれども、政府自身が見通しを立てております五十二年のさらにその将来にわたってまで私どもは推測をする力を持ちませんので、私どもとしては五十二年までは少なくとも現在の見通しのもとでは、自主流通米を実施し得る条件を持ってくるであろうというふうに考え、またそのとおりお答えをしたわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 時間がだいぶたちましたですね。  さっき食糧庁長官から、自主流通米が食管制度の反逆児になるかもしれんというお話があったんですけれども、確かに自主流通米というのは幾つかの性格を持っておるけれども、一つは米を商品として認めていくという、そういう性格がはっきり出てるわけです。また、かっこうだけは何か自主的に管理しているようなかっこうはとっている。中身はどうも商品としての性格をはっきり持たせるというふうに見られますし、いまの諸条件、これから見通される諸条件の中で言えば、自由米ですね、自主じゃなくて、自主なんという名前もなかなかよくつけたものだと思うんですけれども、自由米的な性格をはっきり持っていく方向に動いていくと思うんですね。その意味では反逆児的な性格をいますでに持っているというふうに私は理解するわけです。さっき長官は若干この反逆児みたいな問題について少し補足説明みたいのをなさったんですが、よくわからぬ点がありました。もう一ぺんその点を伺っておきたいと思います。そして、次に移りますが、作付転換はどうもあいまいですね。政策的にいうと非常にあいまいな形をとっているんですが、ただまあどうなんですかね、私どもの率直な見方は、いままで米については前進前進だ、こう来たわけですね。特にさらに一そう三年来前進の旗を振ったわけですが、ここで急停車をして、そして逆戻りすると。つまり、昭和五十二年には、農林省の説明だと昭和四十一年程度の生産状況に持っていこうというのですね。しかも、どんどんどんどん成長するのだけれども、がっと引き戻して、がっがっがっがっと引き戻して四十一年ころの状況にしようというわけですね。その意味から言うと、どうもちょっとでっかいお話のように思うし、どうもすっきりしないんだけれども、ただ言えることは、一万ヘクタールという作付転換をするということが、象徴的に米について非常に大きな衝撃を与えている。官房長としてはそれでお気に召したんだと、農林大臣としてはこれで安堵したんだということなんでしょうか。その点を伺っておきたいんですね。  それから檜垣長官には、先ほどの弁解みたいな補足説明みたいなものをですね。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 自主流通米と食糧管理制度の本質との関係については、先ほどお答えを申し上げたことで尽きておると思うのでございますが、なお、鶴園委員におかれては誤解が残っておるようでございますので、重ねて補足的にお答えいたしますが、私が申し上げましたのは、自主流通米制度が食糧特別会計の赤字解消の手段として考えられておるのではないかという御質問がございましたので、それに対して、もし自主通流米が食管の赤字解消対策であるということならば、それは食管制度に対する反逆になる。政府はそういうことを考えておるのではございません。私どもはそういうことを考えておるのではございませんということを申し上げたわけでございます。  なお、こういう席での用語として反逆ということは適切でなかったかと思いますが、気持ちを端的にあらわすために申し上げたのでございまして、その意味は、もしも自主流通制度が食管の赤字解消対策であるというならば、食管の赤字がなくなるまで自主流通量をふやさなければ目的が達成できないということに相なりますから、私は、それは明らかに食糧管理制度というものに対する反逆であるというふうに心得ておりますので、その旨を申し上げたわけでございます。なお、自主流通米を実施することによって、米のいわゆる自由流通というものを促進することになるのではないかという御趣旨の御質問もございましたので、あわせて私の見解を申し上げますが、現在のような需給事情のもとで、消費動向が画一的な配給統制というものに満足をしなくなるということに相なります。一方において、必ずしも消費者米価に深い関心はそれほどないが、むしろ自分の好む米がほしいという需要があり、一方において現物を供給する意思のあるものがおりますと、どうしても経済の原則で結びつこうとする運動が起こるはずでございます。これは放置をいたしますれば、いわゆる不正規流通、やみ米になるわけでございますので、これは私は食糧管理制度の立場から好ましいこととは思えないのでございますので、正規の流通系路により食糧管理の立場からする行政的な規制のもとに自主流通を認めていくということは、不正規流通の防止、そういうものの横行を食いとめ得る有力な方法であるはずだというふうに考えておるのでございます。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 私ども米の需給の面から見て、このまま米の生産がどんどん行なわれては、農業あるいは農政としてたいへんなことになるということから、米の生産調整をぜひ行なわなければならないということと、あわせてそれが農家の生産意欲をできるだけ落とさないように、あるいは日本の農業にとって後退ではなくて前進のよすがにすることができないかということが、私どもの苦心の存するところでございまして、一万ヘクタールの作付転換をして農家に衝撃を与えることをもってよしとするわけでは決してございません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それぞれ理屈がありますね。長官、なかなかうまい理屈をおっしゃいましたね。ですがね長官、何じゃないですか、自主流通米というのは幾つかの目的を持っていると思うのです。政策として目的を持っている。その中の一つに、赤字をできるだけ減らすというものがあるのではないですか、私は思うのですよ。それは百万トンとしますと、それで約三百億程度の赤字がなくなるわけです、バイパスを通すことによって。食管会計を通さないことによって三百億程度の——ラフにいって三百億程度の赤字がなくなるわけですから、それはやはり自主流通米が出た基本的な問題といえば、やはりこれは大蔵省からがんがん言われた点に大きな原因があると思うのですが、だから踏み切れなかったと思うのですよ。そういう意味ではやはり赤字対策の一つではあると私は思うのです。しかし、それはよけいなことにもなりますので次の問題に移ります。  これは農林省としては、政府としては一万ヘクタール作付転換をやるんだ。これからも本年の模様を見て、政府としては、大臣としては、政府の中でさらに十万なり転換するという方向に持っていくんだ。もし消費量が、私の言うように、あるいは世間がいうように、もっと減るということになれば、これは三十万、五十万という作付転換をやらなければならないという想定に立って努力をされるのかどうか。どうも私はそうじゃないんじゃないかという気がするのですけれども——というのは、ことしの一万ヘクタールの転換についてどれだけの、何といいますか、転換についての努力をなさるのか。つまり畜産なら畜産に転換する、あるいは果樹なら果樹に転換するといった場合に、どの程度の指導と援助をやられるかというと、そこは実にお粗末だと思うのですね。どうも策がないのじゃないかという気がするのです、端的に言って。  私の考えを出しておきますと、私は作付転換というのは結局、食糧の、米の価格維持政策、価格政策というものを、まあとらぬというと語弊がありますけれども、つまり米の値段というものを上げない、そこに作付転換の内容があるのじゃないか。名目だけは作付転換ということをいっているけれども、内容はそこにあるんじゃないかというふうに思うのですがね。そうでなければどうも解せないですね。どうなんですか、大臣。ほんとうにおやりになるつもりですか。たとえば畜産との結びつきをお考えなりましても、ぼくは畜産と稲作というものはなかなか結びつきがたいと思うのです。三十四、五年なり、三十二、三年のころ、農基法農政が始まる前、あの前後のころはそれは稲作プラスアルファ。そのアルファは畜産だ、果樹だ、園芸だということが基本的には言えた。あるいは表面では言えた。しかし今日そういうことは言えないのじゃないですか。畜産はある意味では稲作からもう別に独立してしまっている。稲作プラスアルファになってはいない。むしろ専業化しまして、農業から抜けて豚を飼い、鶏を飼うということになってくる。牛にいたしましてもそういう傾向を強めているんじゃないかと思うのです。したがって、稲作プラスアルファ。稲作を転換するという形では、これは畜産も園芸も、あるいはそういうものも結びつけようがないじゃないかと私は思うのです。  ついでにもう一つ伺っておきますが、作付転換をやるのに重要なことは米価だと思うのですね。その米価を大臣は四月にはきめたいようなお話だったですね。しかし、いまのところは、いますぐとてもそんなことはできないので、五月にきまるか六月にきまるか——大臣は五月と言っておられるようですが、とてもたいへんだと思うのです。だから作付転換をするときに、米の値段が幾らになっているかということは重要な問題ですね。その重要な問題がかりに一万町歩といえども無視されているような形跡があります。だから、私は作付転換というのはどうも名目だけであって、主たる目的としているもの、内容としているものは食管を改正するなり、あるいはさしあたっては米価を上げない、生産者米価を上げないというところに主たる内容があるんじゃないかと思っているんですが、大臣の所見を伺いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) それほど奥深く——これで鶴園さんのお考え、言われましたように、作付転換、米価の据置き、これによって作付を強制していこうというようなそういう深い考え方も何も持っておらないのです。実際、作付転換をしなければならなくなってきておるという現実は、もう何というか、私もっとはっきり申し上げるなら、食管法というものをどうしても置きたいという考え方なんです。そうすると先ほど御指摘のように、昭和五十二年までの累計をとってみましても、想定ではありますけれども、あれだけの数量になっている。そういうようになっていった場合、古米、古々米というものがあって、古々米というものが、さてこれが餌のほうに回さなければならない事態は、これは当然くるだろう。そういうようになったときに、世論というものは食管法をそのままに置かせるであろうか、いかに農業は大切であろうともどうであろうとも、米がせっかく食糧としてつくられたものが、それが餌になってしまうというようなことが毎年続くということになって、それでも食管法を置くんだという  ことが世論として許されるだろうか、これは私はその点もあわせ考えなければならない。したがって、作付転換もしてもらわなければならないけれども、まず本年度はこれだけ定着してきたものを本年度一度に十万ヘクタール、二十万ヘクタールだと言ってみても始まらぬじゃないか、少なくとも一万ヘクタールくらいのものを御協力願ってみて、ただ転換しろと言ってもそれはできないから、転換した先、その先を何年間見るとか、あるいはお話にもあったように二万円は出しますけれども、そのほかにいろいろな機械を導入するとか、新しく近代化していくためのいろいろな機械、近代化するためのいろいろな施設が必要だというような点については、やはりこれは政府が見てやらなければならないというようなことを一切計算をいたしますと、三万六、七千円くらいはかかるだろう。農業というものは、ことし一年だけでそれでいいというわけにはいかないので、少なくとも二年、三年やってみなければ安定した、自信を持つ生産には入っていけませんから、その点までも見るということは当然ではないだろうか、こういうようなことについて、本年度は少なくとも一万ヘクタールを協力願って、政府としてもやれるだけやってみて、それで欠陥があるとするならば、どこをどう補っていけばいいんだというような方途がはっきりできたならば、あるいは十万ヘクタールであろうとも二十万ヘクタールであろうとも、協力のできる限りのものを、つまりやっていこうじゃないか、こういうような考え方でございまして、これによって米価を押える、米価を押えれば、おのずからそういう結論が出るだろう、そういうような奥深い考え方を持ってはおらないのでございます。実際は、お考えによれば、そういうようなお考えが出るかもしれませんけれども、そういうような考え方でなくて、食管法というものを維持していく、それにはどうすれば残すことができ得るのだと、こういうような点から作付転換の問題も出てきているんだということを御了承賜わりたいと思うのでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は作付転換というのは、本質的にはこれは価格の問題だと、本質的には転換する農作物が米に比較してそう遜色のないもので、安定をしているということが転換の本質だと思う。そういうものがないのじゃないですか。またそれをつくるような施策は行なわれているのかといえば、行なわれていないじゃないですか、というように言いたいわけです。だから転換の本質は何かといえば、そこだと思うのですよ。それがなければ転換しない。そこにもってきて、まだ米の値段も、まだたいへんだからおきめにならぬだろうと思いますけれども、できれば引き下げなければならないくらいのお考えかもしれません。大蔵省はそういうお考えをすでに出したことがありますが、だから何か農業全体の方向を押えていって転換させようという気配を非常に感ずるのですね。ですから私はさっきから言っているように、どうも本質はそういうところにあるんじゃないかということを申し上げているのです。  それじゃ次に農産物の価格について、時間の関係がありますので申し上げたいのですが、大臣は、米価はどういうようになさるおつもりなのか、大臣の考え方ですね、少なくとも作付転換が行なわれる前に、これは苗しろをつくるとかあるいは種もみのことを考えておる。その段階にやはり米価というものをきめなければならないとお考えになるのは当然だと思うのですが、それがずれてずっときておりますね。ですから、大体作付転換なんというのは大したことはないと考えておられるのじゃないか。やはり米の価格の問題じゃないかと私は思うのですけれどもね。  しかしいずれにしましても、本年の農業白書を見ますとなかなか朗らかな話になっていまして、農基法農政の中の最後といってもいいくらいの朗らかな話で、農産物の価格が前年に比べて九%ほど伸びた。さらに農産物の生産高、生産量といいますか、それも前年に比べると米が一六%伸びたので、農産物全体としては九%伸びた。それを掛け合わせてみれば、まことに異常な農産物の生産価格の上がり方だという話なんですね。がしかし四十三年度、四十二年はいま言いましたように九%程度、農産物の価格は全体として上がった。生産者価格は去年に比べて、四十一年に比べて上がった。しかし四十三年度は農林省がすでに推計をいたしておりますように三%だ。三分の一に落ちるわけですね。農産物の価格というのは、三十五、六年ごろから、生産者価格というものは大体九%から一〇%程度伸びてきておるわけですね。それがまあ四十三年は三分の一に落ちてしまう、たいへんな問題だと思うのですけれども、その中心をなしましたのは生産者米価が、いつもですと九%か一〇%程度上がるものが五・九八%上がった。半分くらいに下げられた。五・八九%ですと、これは農産物に直せば二%ちょっとの上がりになるでしょう。カンショの問題にしましても、なたねの問題にしても、バレイショの問題にしても、麦類の問題にしても、たばこの問題にしても、上がり方が米よりもさらに一そう小さかったし、四十三年は三%という異常な事態になってくるわけです。総合農政がいわれる四十四年度はどうなのか。米は農林省が出しましたあの予算の説明によりますと現行どおりとするということになっておりますね。現行どおりとする、生産者米価は。それでは納得できないので、それだけではどうもまずいというので、総理の施政方針演説の中で、異例な、生産者米価は据え置くという一項を入れました。ですから、生産者米価はこれで押えられる、ゼロだ、上がらないということになりますと、これはほかの農産物はすぐ推定がつくわけです。これは今度つい最近きまりました乳価の問題にしましても、加工原料乳の保証価格の問題にいたしましてもあるいは繭糸の問題にいたしましても据え置きと同じような状況ですね。豚価は若干上がりました。それにいたしましても、豚価は非常に問題がある。  そういたしますと、総合農政というものは農産物の価格を上げないということじゃないか。私そこに総合農政の最もき大な眼目があると思うのです。先ほどちょっと演説となりまして恐縮なんですが、言い足りんものだから、質問時間短かいものだから、言いたいのですけれども、先ほど遠田理事のほうからも、総合農政について意見が出ました。私は総合農政の基本は農産物の価格を抑制するということ、上げないというところに基本を置いておると私は思う。それが総合農政の出発点だ、大前提だ、それなくしては総合農政は成り立たぬのだと私は思うのです。だから農政の転換だ。いま申し上げたようなことについて大臣、所見がありましたら承っておきたいのです。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 農林大臣から申し上げます前に、私から多少事務的なことでもございますので、申し上げます。  四十三年度の農産物の価格の上昇率は、前年に比べて大体二%程度でございます。それから四十四年度におきましては、これはまだ作業は終わっておりませんけれども、私の推定ではあまり上がらないというふうに考えております。  そこで総合農政との関係でございますが、総合農政は農産物の価格を上げないための政策であるというふうには私は思っておりません。   〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕 むしろ農産物の価格を上げにくい条件において、一体農家の生活をどう守り、農業をどう進めるかというための農政である、そういうふうに考えておるわけでございます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまも官房長からお話がございましたように、私たちは価格の安定はどうしてもはからなければならぬ。しかし価格の安定をはかるのには、それだけの裏づけというものが当然必要だ、お話しのとおりでございまして、したがって価格政策ばかりじゃなくて、要はどうやって生産政策というものを立てていくか、こういうところにやはり重点を置くということがすなわち総合農政でなければならない。ですから、いままでのような価格政策だけにとらわれないで、生産政策というものをどう持っていくかというところに今後重点を置いて進んでいくべきである、こういうふうに考えております。したがって本年度の予算におきましては、そういう点にはまだ不足だというような御意見でございますが、来年度予算等には、本年度の推進をにらみ合わせまして、さらに十分これらの点を検討する必要があると考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私が申し上げたように、三十五、六年ごろから農産物の生産者価格というのは、大体前年に比して九%から一〇%前後の伸びを示してきた。農産物の生産高というのは一・五%から二%程度の伸びを示してきた。それが農家の所得の増加としてあらわれてきている。農家の所得増加の一番の中心は、やはり農産物の生産者価格が上がってきたということと、それに農外所得だと思うのです。生産高じゃないですね。でありまするが、四十二年はいま官房長お話しのように、二%になる。五分の一ぐらいに落ちるわけですね。そうして四十三年はゼロだ。米を上げなければこれはゼロになりますよ。間違いない。それなら総合農政というものの大前提は、農産物の価格を上げないということじゃないか、それなくしては総合農政は成り立たないと言ってもいいのじゃないかということを私は申し上げておる。現実もそう動いておるのじゃないか。それに対しまして官房長は、あるいは農林大臣は、農産物の価格を上げないで農家の所得を上げるようなことをやりたいのだとおっしゃる。気持ちはわかる。しかしそのようにいつなるか。ことしなりっこない、来年もなりっこない、再来年もなりっこない。そんな夢みたいな話じゃどうにもならぬじゃないかと私は思うのですよ。政策は進まないで前提だけ進んじゃう。つまり農産物の価格は上げないで所得を上げましょう。農産物の価格は上げないでという、そのことだけははっきり現実のものとして農民の前に立ちあらわれるということになるわけですよ。だから総合農政の大前提は農産物の価格をゼロにすることだ、上げないということだと私は思うのです。その中心は米の値段を上げないということだ、これが私は結論だと思うのですよ。しかもそのことが農基法農政の失敗の結論だと思いますね。官房長は首をひねっておられるようですが、これはこれからやってもいいんですけれども、これは農協農政というものは失敗をしてきた。これはいま農基法農政の最初の立場に返りおるですね。農産物の価格を上げないで……。農家は農産物の価格に対して非常に不安を持ち、この不安が非常な高まりを見せておるんですね。非常に高まっています、この不安は。しかも、作物転換やると言うんだけれども、その転換先というものはありはしない。どうなさるおつもりなんですか。  若干時間を食いましたが、以上で私の質問を終わりまして、最後にちょいとばかりこれは文句を言っとく必要がありますよ、ぼくの言ったことに対しては。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 農林省の大先輩の鶴園さんのお話ですけれども、申しわけないんですけれども、米だけはそのように私はすなおに受け取ります。しかし他の面においては、転換しよう、また転換させよう、またさらにその方向に対しては、さらに生産を高めていかなければいけない。これの栽培の条件だとかこういうような面については、さらに一そうの助成といいましょうか、援助といいましょうか、十分にこの辺についての幾多の条件を克服して、そして米だけでなくって、さらにこちらでも米より以上のつまり所得の上がるような、ということは、価格においてのみでなくて、そちらの生産政策の上に立って、結論はそのほうがよくなるような方法をとっていきたい、こういうことを念願もし、さらに本年度から幾分なりとも主産地といいましょうか、そういうような方途を進めながら、来年度はさらに本年度のその一万ヘクタールの転換の結果を見て、そして大いになさなければならない方向に向かって努力を傾けてまいりたいと、このように考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 先ほど委員部を通じてお願いをしておきましたが、運輸省関係、それから総理府関係、御出席ありますか。

任田新治自由民主党

○委員長(任田新治君) 来ています。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、ほんとうはあと回しにしようと思いましたが、皆さんに関係のある問題から先に始末をつけていきますから……。  きょうは、さきに農業白書の問題で本会議で質問をしたわけですが、きわめて抽象的な御答弁をいただき、私も理解できないし、また内心きわめて不満でございますので、各項目に分けて詳細な質問をして答弁をいただきたいと思うわけです。  それは、一つはいま鶴園委員から提起された一万ヘクタールの作付転換の構想の問題について。いま一つは、先般引用いたしました関西経済連合会、去年の八月二十六日の意見書の各項目についての政府の見解。並びに第三点として、長期出かせぎについての原因とその結果並びに今後の対策等について。四点は、運輸省の関係もございますが、奥能登の農業開発事業の振興の現状と、同時に能登線の撤廃の問題。五番目は、新佐賀段階の米づくり運動の今後の指導について。六番目は、本土、沖繩一体化の観点から、沖繩の農業と本土の農業とのかかわり合いをどのような見通しを持っているか。これらの問題について質問をしたいと思うわけですが、いま私申したように、運輸省関係とからんで奥能登の問題から先に取り扱いたいと思います。  で、これは私から言うまでもなく、農林省が本腰を入れて四十一年度からかかっておられるわけですから、すでに四十三年度までは約八億円のお金を投入してこの事業推進に御努力をいただいていることを承っているわけです。そういう中で、特に基本法農政から総合農政への大きな転換をされるわけですから、その観点から見てこの国営改革パイロットの事業に対する現時点における農林省の価値評価、それを実は承ると同時に、その中身は、四十四年度はこれに対してどの程度のお金の手当てをしようとしているか、それをお伺いします。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) ただいま御指摘のように、奥能登の開発につきましては、従来から農林省といたしまして、この地域が開発の可能性が非常に広範にあるということから重点を置きまして調査を進めているわけでございます。いまお話のございましたように、すでに二つの地区につきましては着工をしております。そして一つの地区は本年度から全体の実施設計に入る。それからもう一つの地区については、新しく地区計画を立てるというところまで進んでおりまして、四十四年度におきましては、先ほど申し上げました着工中の二つの地区、二子山、神野につきまして、合わせまして、四億五千万円の事業費を予定しております。この地域は酪農なりあるいは肉牛、また果樹といたしましてはクリ、それから桑等の成長作物と申しましょうか、今後伸ばしていかなければならない作物を中心に開発を進めていきたいというふうに考えているわけであります。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 いまの答弁ではそれにもう一つ大事なことが落ちていると思うのです。これは私の考え方でございます。奥能登でございますから、私もこの間初めて行ったのですが、いわゆるいま政治課題として大きく提起されている過疎対策という意味があると思う。それはどうですか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) この地域は現在一戸平均いたしますと、経営面積が六十アール、六反程度でございます。それを未開発の山等を開墾いたしまして、二、三ヘクタールに持っていきたいという考えでございます。このままほうっておけばどんどん都会に出るかもしれませんけれども、できるだけそういう農業を専業的にやっていくという農家の定着をさせたいということもあわせて考えているわけであります。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 該当農家は約七千戸だと思いますがね。その農家の人たちはこの計画に政府が本腰を入れてがんばってくれることに大きな期待を寄せていると思います。同時にまた政府の側からすれば、いま農政の大転換にあたって、それこそパイロットとしての十二分の値打ちがあると私は見てまいりました。そこでただいま、私本会議でも指摘したとおり、運輸省関係、国鉄でありますが、この発想——この計画の起こった理由は幾つもありましょうけれども、この中にやはり可能性を含めて少なくとも穴水から蛸島までの六一・一キロにわたる国鉄が昭和三十九年に完成したわけでありますから、この三十九年に完成したということがこの計画を地域の住民が真剣に県とも話し合い、皆さんの御指導をいただいて取り組んでいると私は理解いたします。その意味において、運輸省関係は企業の立場からいろいろ言われて赤字八十三路線の一だ、六千三百キロの一部だ、こういうことで廃止の方向に指向していることは、先般私の所属しております産業公害及び交通対策特別委員会の中で国鉄監督局長ですか、局長からも言明を実は聞き、先般の本会議における原田運輸大臣の答弁の中では、十分地元の人たちの意見をも聞きながら、最終的な結論を出すかのごとき表現をしておられるわけですが、いま農林省当局の答弁でおわかりのようでございますが、一体現時点でこの能登線の問題をどう考えておいでになるか。私はあえて隣の県だからといってこの問題を提起するわけじゃありませんので、全国的な視野に立って、つまり国鉄赤字路線の廃止の問題が、やはり地域産業あるいは過疎対策の問題と大きなからみ合いを持っておりますので、そうしたことをも踏まえてお答えをいただきたいと思います。

大久保一男運輸省国鉄監督局業務課長

○説明員(大久保一男君) お答えいたします。  赤字線の問題につきましては先生の御指摘のように、いろいろ大きな政治問題あるいは社会問題になっておることはよく存じておるところでございます。ところで、いま先生が御指摘になりました能登線についてどうかというお尋ねでございますが、その前に少しく赤字線の問題に対する各種審議会の考え方を簡単に申し上げて、それからお答えいたしたいと思います。  いまおっしゃった能登線廃止云々の問題でございますけれども、それは国鉄総裁の諮問機関であります国鉄諮問委員会というものが廃止を勧告したということでございまして、たしか昨年の九月四日であったかと思います。一方、政府といたしましては、昨年閣議了解によりまして、国鉄財政再建推進会議というものを設けました。これは一応運輸大臣の諮問機関でございますけれども、まあ関係各大臣の御協力をいただいて運輸大臣が開催をするということで、農林大臣もその御一人として入っていただいたわけでございます。そこで、その国鉄財政再建推進会議は、昨年の十一月一日に国鉄の財政再建についての抜本的な対策について意見書が提出されたわけでございまして、その中の一つに赤字線の問題があるわけでございます。その国鉄財政再建推進会議の意見書の中で赤字線についてどういうことを申しておるかと申しますと、道路輸送への転換が適切な線区については極力その転換を促進するということをいってございまして、さらになお転換後の輸送の確保については万全を期するんだということを意見書で勧告してございます。そこで、運輸省といたしましては、まあその意見を尊重するわけでございますけれども、その場合でも、その赤字線の廃止ということは非常に影響するところが重大でございますので、これは先ほど先生がおっしゃったように、運輸大臣が本会議その他でいろいろ御答弁申し上げてありますように、影響するところが非常に重大でございますので、一つ一つの線区ごとに、その鉄道網の占める地位であるとか、地域交通に占める役割りとか、あるいは総合的な国土開発計画との関連とか、あるいはただいま問題になっている点かと思いますが、地域開発等から見た将来性でありますとか、あるいは道路の整備状況といったようなものについて一線一線具体的かつ綿密に調査をして総合的な観点から慎重に判断をするんだという態度を固めているわけでございます。  そこで、お尋ねの能登線についてでございますけれども、まだ運輸省といたしましては、能登線を廃止するとか、存置するとかいうことは全然白紙でございまして、全般的な線についてこれから慎重に克明な、細密な調査をいたそうとしておる段階でございます。  以上でございます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま運輸省から御答弁がございましたが、私も先日運輸大臣と一緒に御答弁申し上げていたそのときに、公式ではございませんけれども、いま農林省がここで奥能登、能登の計画というものは非常に大きな大計画を持ってやっておるんだから、ぜひひとつこれだけは御協力頼むということを大臣には私から公式ではないけれども、よく十分御理解をしていただきたいということを申しつけておきましたことだけを、この際、お伝え申し上げます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それではこの問題については最後にお願いをしておきますが、運輸省関係の方も十分御承知だと思いますが、この線を廃止すると結局自動車で交通を確保することになると思いますが、国道網の中でわずかに幅が四・五メートルの国道がある、これがネックになっている。だからこれを廃止すればたちどころに交通上の諸問題が起こる。これは交通特別委員会でぼくは指摘して、鉄道監督局長にもその旨十分伝えてあるのでありますが、いま白紙であるということですからあえて申し上げるのですが、そういうことも十分踏まえ、同時にまた、農林大臣からただいま誠意ある御答弁をいただいたように、奥能登の住民はもとより石川県政の場におきましても、県政計画の中でこの問題を大きく取り上げて、年次計画を立てながら進めているわけでございますから、ひとつ運輸省のほうも腹に置いて御検討いただきたいし、同時に農林省側も、大臣の意思表明で十分私もわかりましたが、開拓パイロットとして特にみなさんが進められようとする総合農政に最も合致するような形ですでに四十一年から始まっており、五十四年に終わるわけでありますから最大の御努力をいただきたいものだと思います。このようなお願いを申し上げまして、この問題についての質問を打ち切ります。  次に沖繩の問題でありますが、床次長官も帰って来られたようでありますが、そのことについて文書を要求しておりましたが、出てきませんがどうせられたのでしょうか。床次長官が屋良主席といろいろ話をして、本土と沖繩の一体化の問題についていろいろ援助の問題なり産業、経済、社会保障教育の問題について将来三年間にわたる何らかの政府の案を示されたということを聞いておりますが、そのことについて文書をお出し願いたいとお願いしておきましたが、どうしたのですか、出してもらえないが。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○政府委員(加藤泰守君) ただいまのお話、実は私その点が通じていなかったものでありますから、それで何も用意してまいりませんでしたが、文書で出すということにつきましては、実は屋良主席に対して確かに大綱と称するものでプリントしたものを一応お渡しいたしましたけれども、それは琉球政府のほうの意向を聞いておいたものでは全然ございませんで、むしろ琉球政府に検討を依頼するという意味でお渡ししたわけで、われわれといたしましては、琉球政府の御意向を十分伺って、さらに修正を加えてこの計画を確実なものにして実施していきたい、そういうふうに考えている関係上、それをお出しすることがちょっと無理だろうというふうに思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうしますと、それについて議論していると時間をとりますから。とにかく新聞ではある程度のことを発表しているが、具体的な内容等についてはわれわれにも示すものはいまのところない、こういうことですが、その辺をはっきりしてくれればそれ以上追及いたしません。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○政府委員(加藤泰守君) ちょっと一言。  新聞で長官が発表されたというふうになっておりますのは、このものを新聞に発表したということではございませんで、質問に応じまして大体こういうような内容のものを考えているんだ、そういうようなものを屋良主席に示したんだという意味の説明をされただけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ここは農水の場でございますから、沖繩特別委員会ではございませんので、問題を広げて議論をする気持ちはありません。ただ、農業の問題にしぼって申し上げたいわけですが、まず先般、三月幾日でございましたかね、農林大臣が沖繩への内地米七万トンほど供与をしたいという指示をお出しになって、その後行政的に措置をとられたわけですか。その経過を聞きたいと思います。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○政府委員(加藤泰守君) 内地米供与につきましては、先週の金曜日に大蔵大臣、それから農林大臣、総務長官の三者でいろいろお話し合いをされた結果、大体の方向といたしまして、二十年のうち三年据え置きの形で一応売り渡した代金をあちらで基金として積み立て、それを第一次産業を中心にして運用して、その開発の資金に充てるというような意味合いで、大体の基本的なものをきめられたと承知しております。その点につきまして今回床次長官が沖繩に参られたときに、屋良主席にもその方針をお話しになり、また昨日ランパート高等弁務官との会談におきましても、そのような計画を持っておるということをランパート高等弁務官にお話しされたわけでございます。その節ランパート高等弁務官は、その点については自分の権限外のことであるから、外交ルートでひとつよく話をつけてくれと、こういうことでありました。したがいまして、そういう趣旨で今後外務省を通じましてこの計画を実施するようにしていきたい、そういうふうに思っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 佐藤総理のことばを借りると、沖繩の本土復帰は両三年だそうですけれども、もう期限がきているわけですね。しかしそのことをそれなりにしておきましても、いまから計算しても、床次さんじゃないけれども、三年計画ということになるわけでしょう。そこで私は論を進めるためには一つのポイントがなければならぬと思います。延び延びにして三年後といえども沖繩は日本に返ると、本土と沖繩が一体化するということは一つ大前提で、その前提に立った場合、沖繩の産業の構造、とりわけ農業の構造、それが本土の農業との関係、それはどうあるべきか、どうあるのが望ましいのかということについて簡単でようございますから、農林当局の御意見を伺います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) やはり総合農政の前提である主産地主義をとっていきたい、こういうような考え方を持っておりますし、何といっても沖繩が亜熱帯地区である。その天恵をいかに高度利用して、それらの種目によった生産を高めていくかということが第一の条件であろうと思います。したがって、今後におきましてもそのような方針のもとに指導を行なってまいるつもりでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、いま総理府からも、先般の長谷川農林大臣の記者団会見でも明白になったと思いますが、米を向こうへ援助するということですか、あるいは売る、貸してやるということ、どっちかはっきりしませんけれども、ひとつそれを聞きたいのです。が。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) これはあまりはっきりした、両三年中といいましょうか、日本に帰属をすることは当然な事実でございますので、しかし、現在は別でございます。こういう上に立っての一つの方式でございますので、これはあまりはっきりお聞きいただかないでいただきたいというふうに私のほうからお願いを申し上げます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 数量はどうなりますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 過日私の手元に手紙がまいったときには、総需要が八万トンで一万トンは国内でできるのだと、そういうようなお話がございましたので、私のほうは七万トン、これを手配するようにというお話は長官にお願いしておいたわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは沖繩の農業の遠い歴史を聞くまでの必要はないわけですが、沖繩がどうしてこんなにたくさんの米をいまの場合本土からそれを都合する——ということになったわけですが、第一点は、沖繩ではある程度米で自主的にやれた時期があったのではないか。やはり国内で自給体制がある程度とれたのじゃないか。それがいまとれなくなっているという理由、それをひとつまずお聞きしましようか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) どうも終戦というよりは、戦前のことはよくわかってはおりませんけれども、やはり基地にとられたとか、いろいろなそれらの——そうだとするならば、そういうような大きな関係が起因であろうというふうに想像をいたします。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 沖繩は主食に関しましては戦前から自給力は低いところでございまして、戦前の米の自給力はおおむね四割程度であったということでございます。現在は一割程度しかないわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私もずいぶん古い統計しか持たないわけですが、沖繩には米価審議会というのじゃなくて、米穀審議会というのがあるそうですが、六七年の六月二十九日には、輸入数量は六八年度、去年八万トンないし九万トン、備蓄米は七千トン、課徴金が二ドル七セント、それから最高消費者価格が二百二十ドルなどということをきめているそうでありますが、こういうところでいま農林省のほうの説明がほぼ数量的には合致しておるわけです。ただ問題は、ことし日本本土から都合しなければならないという理由はわからないのですね。沖繩で足らぬから都合するのじゃなくて、それならいままでどうしていたか、こういう問題になりますから、その辺のところを明らかにしてもらいたいと思います。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○政府委員(加藤泰守君) その点につきまして申し上げますと、先ほどお話がございましたように、一割程度自給しておりますけれども、それ以外は輸入しておる。これが大体カリフォルニヤ米あるいはオーストラリヤ米ということでございますので、沖繩の方々の立場からいいますと、やはり本土の米を食べたい、こういう希望があるわけでございます。実は私も総務長官と一緒にきのう帰ってきたわけでございますけれども、現地の方々、特に主婦連の方々のお話を伺いましても、ぜひ本土米を入れてくれ、こういうお話でございました。そういう趣旨をくみまして、屋良主席から一月末であったと思いますが、農林大臣のほうに本土米を入れてほしいというお話があったように聞いております。そういうふうに、数字の上の問題ではなくて、やはり本土と沖繩の一体化が進むにつれまして、できたら本土の米を食べたいという気持ちがあらわれてきたというふうに私は考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 一割程度の自給の話はわかりましたが、もともと三割程度の自給じゃなかったと思うのですね。アメリカに占領されてからでもなおかつ相当の食糧特に米の自給体制が整っておったのですが、それがいつかの時点で農政転換が行なわれたと私には思われるわけです。いろいろ資料にもそう書いてあるわけですが、どういう方向の転換で、農産物にはどういう形で数量的に出てきたか、私のことばで言うならば曲がりかどですがね、いつ、どこでどういう曲がりかどで曲がったのか、だれが曲がらせたのか、その辺のところをちょっと聞きたいと思います。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○政府委員(加藤泰守君) その点につきまして、私ちょっと資料を持ってまいりませんでしたが、私の記憶では三万トンぐらい米を生産していたことが十年ぐらい前ですか、あったと思います。ちょっとはっきり記憶しておりませんけれども、三万トンぐらいの米を生産しておったわけでございますが、その後、農業生産といたしましてはキビのほうが中心になってまいりまして、全体の耕地面積の七割程度までキビをつくると、こういう状態になってきておりますので、やはり農民の立場におきましてもキビと米との関係、特に沖繩においては輸入米が非常に安く、約二百ドル程度で買えるというようなところから、内地と違いまして買い入れの価格も内地よりも低いわけでございます。そのようなことから、むしろキビのほうが有利ではないかという判断のもとに今日のような状態になってきたのだというふうに私は考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 キビだけじゃないと思いますね。もっと農産物で多いのがあるんじゃないですか。失念なさっておられると思いますが、指摘すればパイナップルもあるでしょう、相当量あると思います。それはそれでよいわけですが、そういう沖繩農業の実態に立ってこれから農林省、腹を据えてやってもらいたいわけですが、幸いか不幸か向こうから米をなんとか都合してくれという話が出て、こちらは米が余っているということで、それこそ有無相通ずるということで問題を一歩前進させたわけですが、今後、日本の農政を進める場合にも、沖繩を配慮していくということがきわめて当然、一体化の原則に立ったならば。そういうことで、沖繩農政と本土農政との一体化についての農林省当局の基本構想があったらお聞きしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 基本の考え方というのは先ほど申し上げたとおりでございます。何といっても、いま沖繩が米作に転換するよりも、さらにキビだとかパインだとか、このごろは非常に肉牛などにも相当適するのではないかというようなことが考えられまして、その技術的な点について大いに指導を行なっております。またこれに対しましても、財政的にも援助を行なおうとしております。こういう上からいって、やはり先ほど申し上げたような主産地主義というものをとるという上に立っては、沖繩がいかに重要な地帯であるかということも一つの例でなければならないと考えられます。よって、本年度も、パインの輸入をかなり強く各国から攻められましたけれども、断周としてパイナップルは、沖繩がもう一段生産が高まる間というものは断じて受け入れるわけにはまいらないというような観点に立ってお断わりを申し上げてあるようなわけでありまして、今後の沖繩と本土との農業は一体化したものでなければならぬ、そういう上に立って、先ほど私が申し上げたような、すなわち亜熱帯地方である、天恵——天の恵みというものを大いに高度利用してもう一段高いところの農産物の振興に当たってもらうように、われわれは大いに努力を傾けながら、そして模範農場というようなものまで建てていかなければならぬし、したがって、今度沖繩へつくる試験場などというものもやはり沖繩を中心としたところの産物をいかに高めていくかというその研究機関であるということも御了承賜わりたいと存ずるのでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ぼくの友人が沖繩報告のレポートを私に送ってくれたわけですが、今日まで自分らの手で米をつくっていたにかかわらず、たんぼが飛行場になったり、滑走路になったりしてアメリカのまずい米を食っている沖繩県民の姿を見ると、これまさに残酷物語といったようなことをレポートの中に記しているわけです。幸いいま一つの活路が見出され、とりわけ農林大臣から農産物の自由化の問題について決然たる決意を表明されたことに対して私非常にうれしく思います。そういうことをも踏まえながら本土と沖繩との一体化が、単なる白紙だとかあるいは白紙がよごれたというような議論じゃなしに、そうした問題等を含めて今後とも強力に推進していただくことを私は要望します。  この問題はこれで終わりますが、中村委員のほうから関連質問があるようでありますから、中村委員のほうからひとつ……。

中村波男日本社会党

○中村波男君 端的にお伺いしますが、供与方法について大臣は沖繩の返還交渉の前だからこれ以上聞いてくれるなというお話がありましたが、その要項についてはすでに新聞に相当詳しく報道してあるわけです。したがって、そういうことをおっしゃることが理解できないわけでありますが、それはそれとして、新聞によりますと、三年据え置きで買い付けるといいますか、そういう方式をおとりになるようでありますが、問題は、国内米管理勘定の中でどういうふうにこれを扱われるのか。ということは、私の意見から先に申し上げますと、これはどこまでもやはり沖繩との一体化の援助として食管会計へはそういう金が入りまして、そうして食管会計からこれは外に移すべきではないかというふうに考えておるわけでありますが、そういう点、食糧庁長官はどういうふうに、三省ですでにいろいろ御協議になっておると思いますので明らかにできると思うのでありますが、いかがですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 総理府、大蔵、農林の間で沖繩琉球政府が要望いたしております内地米の供与という問題を要請の本旨を実現できるような方向で実現をさしていきたいということで研究をしてまいったことは事実でございます。またこの問題について総理府総務長官が沖繩へおいでになったときにお話しをするためにある程度の政府間の見解の統一が必要であろうということで大臣間のお話のあったことも事実と聞き及んでおります。で、私ども、まあ大臣からお話がありましたように、いろいろ微妙な問題があるようでございますので、本土側で勝手なワクぎめをすることはどうかというふうに思いますので、最終的には琉球政府と総理府の接触の結果きまった方向で私どもも対処していきたいというふうに思いますのですが、ただ御指摘もございましたのでちょっと触れますと、沖繩に現物貸与、現物返還ということはちょっと期待できない、これは生産の状況からいいましても、あるいは双方ともに早期施政権の返還ということを熱望いたしておる立場からもどうもおかしいということでもございますので、したがって、他の方法をとらざるを得ないのではなかろうかということに相なりますし、他の方法ということになりますと、本土における内地米の価格水準と現地価格とのギャップの問題も出てくるわけでございます。でございますので、どうも三省の事務当局で検討いたしました結果は、最終的にはそうむずかしいものではないと思いますけれども、国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の特例あるいは食糧管理に関係します食糧管理法の擁しておる条文では処理しきれない部分についての立法措置があるいは必要ではないだろうかというふうに思っておるのでございます。食管特別会計の国内米勘定でどう処理するかは、それらの問題の解決を見た上で私どもとしては考えたい、またそれを考えることは可能であろうというふうに思っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは次の問題に移りますが、さいぜん鶴園委員のほうから究明された作付転換の問題構想について大体農林省の考えている方が理解できたわけですが——納得できませんが、ただこれを進めていく行政指導の立場から、二月でしたか三月ですか、地方農政局長会議をお開きになって、この一万ヘクタールの目的達成への行政指導をされたと思うのですが、その際の指示の内容、大まかなところをお聞きしたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 作付転換につきまして地方農政局長を呼びましてお話しいたしました内容は、一万ヘクタールの作付転換は、今回やりますことの趣旨とそれからやり方の指導につきましては、あくまで農家の自主的な転換を行政当局が誘導するということであって、この際押しつけはやらない、地方農政局単位あるいは場合によりましては県別に目標を示すことがあっても、それを基準にしてどしどしやることはしないというたてまえで話をいたしたわけでございます。  なお、作付転換の内容といたしましては、ある程度面積がまとまったものについて反当二万円の奨励金を出そうではないかということの話し合いをしたわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、転換のある程度まとまった云々というのは具体的な指示内容に入るのですが、そうした問題をいつかどこかで私たちの手元へ渡っていますか、文書として。私見ていないような気がするのですが、指示の。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) そのとき申し上げましたことを多少数字にわたりますが申し上げますと、作付転換の行政措置といたしましては、一つは反当二万円の作付転換奨励金がございますが、そのほかに特別事業といいまして、牧草、果樹その他を導入いたします場合に、機械なり、あるいは畜産でいいますとサイロなんかでございます、その分が一万ヘクタールについて九億ほどの予算が用意されておるわけですが、その九億ほどの予算でやる特別事業につきましては、野菜、桑等につきましてはおおむね十ヘクタール以上、果樹、サトウキビ、飼料作物等については十五ヘクタール以上、てん菜については三十ヘクタール以上という、そういうのがまとまりがいいのではないか。しかし、この場合も、これだけの面積全部について転換をするということではなくて、その面積の中で転換水田は二分の一以上あればよいと、また、野菜、桑、果樹、サトウキビ、飼料作物、てん菜ということを申し上げましたが、地域によりましてはこれ以外の作物で需要について心配がないというものがあり得るわけでございます。北陸地方のある県では稲作をやめてチューリップに転換したらどうかという動きが現実にあるものでございますから、そういうものにつきましては、なお事情によって追加するということでございます。  さらに反当二万円の奨励金の交付につきましては、いま申し上げました特別事業を実施する場合はもちろん作付転換の奨励金は交付をいたしますか、それ以外でもいま申し上げた数量までまとまりませんでも、たとえば地目変換を伴う土地基盤整備事業については十ヘクタール以上、造林事業については五ヘクタール以上、あるいは飼料作物を作付ける場合は四ヘクタール以上等々、いろいろこまかい規定がございますが、こういうものについて反当二万円の奨励金を交付しようではないか、この場合におきましても、転換水田は、以上の面積のうち二分の一以上あればよい。また実はこれ以外にも、いろいろケース・バイ・ケースで転換を至当とする場合があるわけでございますから、そういうものにつきましては、地域の事情に応じて知事が地方農政局と協議して、特に必要と認めれば転換奨励金を交付していいのではないかという、そういうことでございます。ただ私どもそのとき注意いたしましたことは、農家の希望としては、一反歩あるいは二反歩水田がありますものを、乳牛を飼っておるので牧草を植えたいという希望が現実に出ておるわけでございますが、一反一反ばらばらのものでございますと、これは当然反当二万円の奨励金を受ける関係で、補助金の適正化の法律の適用もあるわけでございまして、いままでいろいろそういう種類の補助金をほんとうに有効に使ったかどうかということで、農家があとでたいへん困った事情におちいる場合もないではございませんから、また個人々々が一反、二反ということでばらばらに作付転換するのでは、作物として安定しないということもあるわけでございますから、ある程度のまとまりをもって、しかもそれも五ヘクタールあるいは十ヘクタールといっても必ずしも一団地としてまとまっている必要はない。一つの町村の中である程度のまとまりがあればいいという等の条件をつけて、これでまだ予算が通っておらないときでございますから、これですぐやるのだということもいかがかと思いまして、こういう条件で一体、作付転換がどの程度行なわれるかということを、県市町村を通じて打診をしてみてくれということを申したわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 後ほど速記録を見ればいいわけでありますけれども、文書等で指示なさったと思いますから、できれば文書等を当委員会にお出しいただくことができないだろうか、その点をお願いしたいと思います。  そこで、そのような考えで作業をお進めになったわけですが、きのう実は地方農政局長会議をおやりになったのですね。その結果がきょの新聞に実は出ているわけで、一万ヘクタールと言いながらも、現在全部トータルをしたら四千ヘクタールしかなかったと、「朝日」では、米作転換に農民が抵抗という形で出ているのですが、私はさもあらんと実は思ます。北海道はゼロです。私の県も六日に私が県のほうを車で回ったのですが、もう種もみを実はまいております。農民は非常に不安に思いながら、おれはおれの道を行くという顔で一生懸命苗しろ田に種もみをおろしておるわけであります。ただここで望むらくは、いま官房長が申したように、四千だからこれを強制力を働かして、圧をかけて強引にやるというようなことは万々ないと思いますが、そういう処置が行なわれないように、自主的に農民がその道を選ぶ方向で指導されることが望ましいのではないかと実は思うわけであります。  これと関連して、若干それますけれども、三月の十八日であったと思いますが、新聞では、長谷川農相が日中会談の打開のために、中国からもち米を買わないかという話をなさっているわけですが、その後この問題は結果的にどうなったのですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) かねてから北京において日中覚え書き貿易についての交渉が行なわれていたのでございますが、本年度からは、食糧庁としては、ウルチ米につきましては一切輸入の必要がないということで輸入する考えはないのでございますけれども、モチ米については需給調整上若干の輸入を考えざるを得ないということで、輸入をする方針をとっておったのでございます。従来、中国からの輸入は全部ウルチ米でございまして、私どもも中国からできれば一部モチ米で輸出をしてほしいという要請もしたのでございますが、ついにいままで実現しなかった。そこで私どもとしては、中国からのモチ米の輸入は事実上むずかしいのではないかという考え方であったのでありますが、もし中国にモチ米の輸出余力があった場合には、それを貿易交渉の際に話をするということを内諾してもらえないかという趣旨のことを、使節団の代表の方が農林大臣に意向を伝えたようであります。農林大臣としては、大きな数量はとうていいまの段階では考えられないが、わずかなものであれば、貿易輸入交渉の推移によっては農林大臣として輸入を受けるということを考えてよろしいという内意を示されたのでございます。その後、日中覚え書き貿易につきましては、大綱について双方の合意を見たというふうに思っておるのでございますが、輸入品目の中にはモチ米が入っていないというふうに聞いておるのであります。これがどういう事情で輸入品目に入らなかったのか私はちょっといまこの段階で明確に申し上げかねるのでございますが、おそらく中国側でまとまった輸出量というものはないということではなかろうかというふうに想像をいたしております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 とすれば、モチ米は足りないということが前提でこの話が可能性が出てきたわけですから、向こうからお断わりされれば、足りない分をどうするかという問題がおのずから起こるわけですから、それが一体四・五万トン程度なのか。その当時は四・五万トンということを農相が言っておるわけですけれども、現在米の需給計画から見て、モチ米は一体幾ら足らぬのですか、その数量。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) モチ米の流通は特殊な流通をいたしておるのでございまして、ちょっと普通のウルチ米と違った事情にあるのでございます。大体国内の生産量が八十万トン前後モチ米が生産をされておるのでございまして、そのうち二十二、三万トン程度が食糧庁で買い入れをする。その数量でもって需給の操作をするわけでございますが、一部のモチ米の需要の中には必ずしも国内産のような良質のモチ米でなくてよろしいというものがあるわけでございまして、そういうものに対応するある程度の量を食糧庁が持っておりますことは、国内のモチ米の需給操作に非常に有力に働くわけでございます。でございますので、従来から、たとえば昭和四十二米穀年度で二万二千トン、四十三米穀年度で二万七千トンの外モチの輸入をいたしておるのでございますが、四十四米穀年度でも自主流通米制度が発足しておることとあわせて、われわれとして用意をすることは若干の調整余力を持った状態にしておきたいということで、ほぼ一ほぼといいますか、三万三千トン程度の外モチを輸入したいということで、その数量についてはすでに手当済みでございます。  ただ、今後といいますか、私どももこの数量以上になるとどうにもならぬということでもございませんしいたしますので、もし中国側にモチ米の輸出について希望があるというようなことであれば、私どものほうで積極的に数字を言ったのではございませんが、代表団のほうから、五千トン程度の輸入について話がまとまれば農林省としては引き受けてくれるだろうかという話がございまして、その程度の数量であれば、私どもとしてもモチ米である限り、品質、価格、そういうものの折り合いがつけば考える余裕があるということを申し上げたのでございます。大体、昭和四十年、四十一年ころまでは、モチ米は国内自給ができておったのでございますが、この二、三年若干需要のほうが強くて生産が伴っていないというのが実情でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私も百姓しておりましたから、だんだんモチ米の作付面積を減らしてきたわけです。それは農民としては当然なことなんで、私は、子供の時分は大正モチをつくったり、アカモチをつくったり、最近昭和モチをつくったりしているが、収穫はウルチから見れば落ちるわけです。そうすると、これは問題は別な形で私論を進めますが、先ほど作付転換だとかなんとか大騒ぎをしておられますが、ごくわずかですがモチ米をつくるように農民に指導する、指導する場合に一番必要なことは価格の問題でしょうが、これはかつてやはりプラスアルファがあったと思うのですが、そうした操作をしてモチ米は国内で自給する、作付転換等につきましても、これはモチ米をつくるということは作付転換にならないわけですけれども、そういった配慮をすれば、いま米は余る余ると頭にきている皆さんも、若干ちょっとばかりほっとすることができるのじゃないかと思いますが、そうしたことは不可能ですかどうですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 先ほど申し上げましたように、昭和四十一年度までは国内自給はできておったのでございまして、その需給調整のためにモチ米加算というものを価格面でも考慮してきたことは事実でございます。モチ米加算につきましては、集荷団体と実需者団体とで毎年協議会をもちまして協議の上、水準をきめるということで、農林省がその意向を受けて、その額を決定し、告示するというやり方をやってまいったのでございますが、四十一年、四十二年は加算を据え置いたのでございます。四十三年産米から、つまり四十四米穀年度に入ってからモチ米の加算額を引き上げまして、現在のような若干の不足状態というのも、これはいまのような事情では解消することが当然でございますので、モチ米加算をふやしたのでございます。で、現在、農業団体等にモチ米の作付についての動向を聞いておるのでございます。本年度はやや作付は伸びるであろうという見通しのように聞いております。なお、モチ米も自主流通の対象になるわけでございまして、需給に応じた価格形成ということで、モチ米に対する何といいますか、供給、需要、その上に立つ価格の形成が合理的に行なわれるようになるだろうと私ども期待しておりまして、指導のいかんによりましては、モチ米の国内自給は至って簡単であると私どもは思っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、いまの作付転換に関する構想の問題については、先ほどの鶴園委員の質問にありましたからこれで打ち切りまして、二番目の次の問題に移ります。  これは八月二十六日付の関西経済連合会の意見書、私たちのところへも「米穀管理制度の改善に関する意見書」というのが実はまいっております。あえてこうした問題を取り上げるのは、実は私、昭和三十五年度の安保闘争の県段階における指導者であったわけですが、そのときに政府のいろいろ安保条約改定の宣伝があったわけですね、あるいは双務性の問題なり、あるいは日米経済協力の問題、いろいろあったわけですが、しかしほんとうはそうでないということをぼくら実証するために、最大限に活用したのは、アメリカの上院等における議事録を最大限にとりました。日本の総理大臣やそういう人の言われることが信用できなかったわけです。また、一応国内の内政問題につきまして、私たち賃上げの春闘などをやる場合、日経連の前ピンさんがどんなことを考えているかということに対して、最大限に神経をとがらしてぼくらおったわけです。何かそこらあたりに日本の政治を動かす力があるからであります。だから、関西経済連合会の問題をここで取り上げるのはお門違いじゃないかと言われるけれども、大体いま進めておられる作付転換の問題、自主流通米の問題等、名前が変わっておってもこの意見書の路線に沿って仕事が進められているように思います。先般、本会議において農林大臣はそういうことはない、米の自由取引などは断じてやらせない、こういう御答弁も実はいただいております。  私、時間がございませんから、ほんとうは一々お伺いしたいところでありますが、この意見書には前提——いわゆる前提と申しますか、現状分析とあわせて要望事項とが並べられておるわけですね。だから、現状分析のところは省略いたしますが、要望事項のところに入りますと、第一点として「間接統制への移行」を要望しているわけです。つまり、「米の直接統制を廃止し、原則として米の取引を自由とする。」、これが第一項でございますが、どうでしょうか、こうした意見が今次の農政転換の中に配慮されているのではないでしょうか。お伺いしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 間接統制は行なわないんだと、あくまで食管法をわれわれは守らなければ相ならぬ、そういうような上に立って今日まで施策を講じておるんであって、先ほども申し上げましたとおり、自主流通米というようなものも、決して皆さん方が先ほど言われたようなものではなくって、いかにしてその根幹を守らなければならないかという上に立っての考え方の一端であるということを申し上げたわけでございまして、特に間接統制などということは現在では何も考えておらないことを明らかにいたしておきます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 次に、「環境の整備」ということで、「流通機構の整備」のことを言ってるわけですね。その場合に、「米の自由な価格形成が円滑に行われる様、取引市場の再開、育成など流通機構の整備に努めるべきである。」といっているわけですが、これはどうですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 間接統制も行なわないというはっきりした上に立って、なお取引市場再開などということはとても考えられるものでもございませんし、想像もいたしておりませんでございます。ですから、この点の御心配はないものと考えます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 若干ズレがあると考えますが、これは二月十四日の地方新聞が書いているわけですから、おそらく共同通信のニュースだろうと思いますが、「自主流通米」、「動き出した大手商社」、「伊藤忠が石川県経済連へ一万八百トン買い付け協議に来た」というようなことを非常に大きく具体的に書いているわけです。それは、あなた方自主流通米というものをどういう形でこまかくやられるのか、運用細則は手にとっておりませんからわかりませんが、こういう動きは、かりに昔のような米穀取引所ができなくても、何らかの形で独占なり、大商社が動き出しているのではないか、そのことによって皆さんが期待するような米の流通機構が根本的に破壊されるおそれありと私は思います。  先般——日は忘れましたが、NHKの「スタジオ一〇二」において新潟の事情を話しておりました。耳で聞いたことですから確認をしたわけではありませんが、新潟では農家十軒のうち一軒、いわゆる十分の一の農家は、何らかの形で大商社の手先が軒先をたたいて米のいわゆる買い付け、買いあさり、そうした動きが出ていることを「一〇二」で報道していたわけですが、これは日にちがわかれば的確になりますが、日にち忘れましたので確認していただければいいと思いますが、そういう動きがある。昔のような米穀取引所が再開されなくても、そうした動きが、根本的には食糧管理制度が農林大臣の意図と別途に動いて——経済は生きものでありますから、根本から破壊するおそれありと私は判断します。同時にまた私の県におきましても、かつて大阪、高岡、もう一つどこでしたか、米穀取引所が、何か相場の中心になるようなところがわが県の高岡にあったそうですが、わが県におきましても、もうすでに米穀取引所が再開する動きがあるというふうに伺っております。非常に私はそういう意味で生き馬の目を抜くといわれる商人のことでございますから、私この関経連の要望が要望でなくして、なまの動きとして今後出てくることをおそれるわけです。農林大臣がいまはっきり言明された点に従って努力をしていただきたい。  重ねてこの「環境整備」の中で、「転職円滑化措置をすみやかにとれ」という内容は、農業の近代化、合理化から出てくる余剰労働力、特にいわゆる中高年齢者を、工業部門に吸収するために離農者の職業訓練施設などを充実したまえといったようなことを書いているわけです。これなりにとればこれはこれなりの理解はできるわけですけれども、この意見書の前段の、彼らの分折主張等によって、労働力の効率的利用を阻害するような農政ではいけないのではないか、農政を変えるべきだ、もっともっと労働力が自由に農村から工場へ、農村から都会へと流れるようにしてもらいたい、こういう分析と要望がついているわけでありますから、それに伴のうて、離農者の職業訓練施設の充実等については、これは平面的にとれば、農林省の政策の中の一部にとられていると思いますけれども、この辺のところをどう踏まえて、政策にどう実現しておいでになるかお聞きしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私のほうは、余剰労働力がある場合はいろいろな施策も必要だろうし、今後離農をどうしてもしなければならないようなお方であるとするならば、こういうようなことも必要であろうと考えます。私たちは反面、後継者対策等々を考えまして、そしていかにしてりっぱな農業を、営農が行えるようにするかという逆の立場に立って後継者対策等も行なっておるのでございます。しかしながら、こういうような離農者があるとするならば、その反面は、こういうような施策も必要ではあるだろうとは思いますけれども、私たちは現在これらには賛意をもって迎えているというわけではございません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それではこの問題はこれで打ち切ります。  次に、去年の十月二十五日に、農林水産委員会は三班に分かれて各県を視察したわけですが、特に私たちは任田委員長なり宮崎理事とともに秋田、青森に行ってきたわけです。その報告は詳細に述べてあるわけです。ただ、気がかりなことが二、三ありますからお伺いしたいと思いますが、当時合川町長から痛烈に訴えられたてん菜の作付転換からオカボにかわった。オカボをつくったら不作になった。等外米が出て困った。これをどうしてくれる、こういう話であったわけですが、そのことについて、その事後の処置がどうなっているか、きわめて具体的でありますので失礼かもしれませんが、おわかりになったらお聞かせください。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 秋田県の合川町の陸稲のいわゆる不合格米、等外規格外米の処理の問題でございますが、四十三年産の等外規格外米の買い入れにつきましては原則として、天災あるいは天災に準ずる災害によりまして集団的に大量の等外規格外米が発生いたしました場合には、これは予約制度の関連もありますし、また被災農家の経営、経済に及ぼす影響も甚大であるということに相なりますので、一定の基準を置きまして、その基準以上の被害を受けた県はこれは政府買い入れをする府県として指定をしてまいったのでございます。鹿児島県外十二県について指定をいたしたのでございます。  秋田は合川町の場合は、私どもも当時東北地方の天候の工合によってはこの秋田でも十分配慮せねばならぬことになるのじゃないかというふうに思って、たしかそういうお答えをした記憶があるのでございますが、結果は秋田の等外規格外米の発生量は非常に僅少でございまして、基準に相当するような災害でなかったものですから、御注意のありました合川町も政府買い入れの対象にならなかったわけでございます。ただ私どもも特に開拓地のことでもございますので、等外規格外米で政府買い入れにならないものについては、現地の食糧事務所が農協等によります共同販売をいたします際のあっせん等には十分気をつけて協力をするという指示をいたしまして、まあ地元の県もその処理方針で納得をいたしたのでございます。最終的に実はどういうふうに処理されたかということは報告を受けていないのでございますが、他の被指定県と同様に農協の自主共販という形で処理をしたものと思っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 その点は私ちょっとほかの情報を持っているのですけれども、ここで明らかにするわけにもいかぬ。かなり独占が動いて始末をつけたということも聞いているわけです。  このことはそれで打ち切りまして、次は長期出かせぎの問題であります。合わせ関連しながら、ちょうど合川町の隣りの鷹巣町であります。長期出かせぎの状況について調査をしたわけですが、ときたまたま荒川放水路の架橋工事現場において死亡した、八人のうち七人までが青森県の長期出かせぎ者であった。そしてもう三月の終わりになるにもかかわらず、一生懸命働いていたがとうとう死んじゃった、こういう問題でありますが、地元の町長が来て述懐していわく、私の農業政策が誤っておったのだと、こういうこともざんげしておるようであります。こうしたことを、現象的に実際起こっていることも踏まえながら、農林当局は長期出かせぎについて、その原因は那辺にあるかということをまずひとつ明らかにしていただきたいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○政府委員(池田俊也君) まあ長期出かせぎの基本的な原因は、やはり農業所得なりあるいは在村する場所では他の兼業所得がなかなか得られない、農家所得が十分でない、それを補ないたいというのが主たる原因であることはいまさら申し上げるまでもないわけでございます。ただ、最近におきます傾向等を若干申し上げますと、御存じのように、三十八年ごろが一番長期出かせぎの数が多いピークでございまして、私どもの統計によりますと約二十九万ぐらい当時ございましたが、それが若干減少してきております。それから出かせぎの傾向といたしましては、まあどっちかといいますと、窮迫型の出かせぎといいますか、要するに一般的には所得が不足するということでございますけれども、単にそれだけではなしに、やはりいろいろな生活水準が農村でも上がってきておりますので、そういうような点から生活費が十分でない、それを補いたいというような趣旨の出かせぎも最近はちょっとふえてきておるように思うわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは長期出かせぎ、出かせぎから起こる社会的なさまざまな問題あるいは家庭的な問題同時にまた農業そのものについて起こるマイナスの問題、幾つかの問題点があると思いますが、農林省当局はそれをどういうふうに掌握しておいでになるか、お聞きしたいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○政府委員(池田俊也君) 確かに出かせぎによりまして農業面あるいは農家の生活面にいろいろな影響があるわけでございます。農業面から申しますと、大体冬型の出かせぎと申しまして、農繁期を終わりまして比較的ひまな時期に出かけていく出かせぎが、出かせぎとしては比較的多いわけでございます。これにつきましては農業面では比較的影響が少ないわけでございます。ただ家庭生活の面では、いろいろ新聞にも出ておりますが、好ましくない影響があるわけでございます。私どもといたしましてはそういうのに対して、やはり出かせぎというものはある程度は当面の問題といたしましてはやむを得ない現象であろう。先行きの問題としては当然これは規模拡大をはかったり、集団的生産組織を育成するというようなことで、農業の実質的な規模拡大をはかることが必要だと思いますけれども、当面はなかなかそうはいきませんので、出かせぎ対策を考えざるを得ない。出かせぎ対策といたしましてはやはりそういうようないろんな悲劇みたいなことが起こりませんように、しかるべき機関が秩序のある出かせぎというものをあっせんするということが必要であろうということで、実は農業委員会等を中心にいたしまして、もちろん職業紹介機関と連絡をするわけでございますが、できるならばやや集団的に好ましい職場にあっせんをする。それから都会に働きに出てきております間、故郷との連絡を十分にする。指導者みたいなのをきめまして、常時故郷と連絡して、そして蒸発とか何かその他好ましくない事態が出ないようにする。あるいはまた故郷のほうの状況を随時連絡をするというようなことを中心にいたしまして、農業就業近代化対策事業というものを従来からやっておるわけでございますけれども、これをさらに本年度から充実をする、実はそういうような対策をやっておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっといまの説明と秋田県の農林部農政課から聞いたのと若干違っておりますが、その点を指摘だけしておきます。冬型がだんだん夏型になっておる。同時にどこのだれが出かせぎに出るかということは流動的でなくて固定化しておるという、こういうとらえ方をしております。同時にいまおっしゃったとおり、昭和四十一年、四十二年で大体頭打ちになってその後漸減の傾向をたどっておるということでございます。これはまたのちほど点検していただければいいと思います。  次に最後でございますが、佐賀の米づくり運動の問題でございますが、先ほど農林大臣のことばを借りるならば、おれは、農基法行政、または総合農政、これは変わらないのだ。そうしてまた、農基法行政は失敗していないのだ。欠陥はあったが補うのだ、こういうふうに言っておられるわけですが、しかし佐賀の県民、農民は素直にいまの農林大臣の答えを受けとめてくれないのじゃないかと私は思います。それは西村農林大臣のときには実はちらっとほのめかしたきりで、後ほど詳しく質問したりする機会がございませんから、きょう実は若干そのことについて触れるわけですが、昨年の経済白書の中で、日本の「新しい農業への道」としていろいろ書いてある中で、やはり佐賀の米づくり運動について若干のページをさいて、これが言うなれば好ましい農業の効率的な進め方であるというふうに一そう持ち上げてはおりませんが、ことさらに固有名詞を使っている限りにおいては、相当自信を持って経済白書は書いていると実は思います。しかし今日の事情は、現地を見ておりませんけれども、佐賀大学の教授の報告など、研究会あたりにいろいろお伺いしますと、佐賀の農民には全く暗雲が低迷して、非常に不安の中に立っているというようなことを報告されたのでありますが、とにかく米づくり段階にいま活路を見出して、生きがいを感じてやっているわけですが、いろいろ私言いたいことがいっぱいあるのですけれども、ここでまず、農林省がこの米づくり運動に対して今日までどのようなかかわり合いを持ってきたか。もっと端的に言えば、行政指導をしてきたのじゃないだろうか。それはどういう程度の行政指導をしてきたのか。しかも、その行政指導をする限りにおいては、それに対する展望と期待を持っていたと思うのですが、そのところを実は率直に聞かしてほしいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○政府委員(池田俊也君) 佐賀その他、米の主産地で、まあ三十八年から四十年ころの米の需給状態を前提にいたしまして米づくり運動というのが非常に活発に行なわれたわけでございますけれども、まあ、そういうことが関係していたかどうか存じませんが、非常に生産がふえたということになるわけでございます。この米づくり運動につきましては、実は、いまお話がございましたけれども、農林省としては直接御指導を申し上げたということはないわけでございます。これは、大体県におきます、県の当局とか、あるいは農業団体等が一体になりまして、増産を主体にしたそういう運動をしたということでございまして、農林省が直接指導したわけではございませんが、まあ、やはりいろいろな品種の改良でございますとか、あるいはその他のいろいろな稲作の技術につきまして農林省はいろいろやっているわけでございまして、そういうような関係では、いろいろそういう運動を、基礎としては支えていたということはあると思います。しかし、直接指導したというわけではございません。まあ、現在もそういう運動が続けられているわけでございますが、やはり県におきましては、最近の米の状況に応じましてやや方向を変えて、うまい米づくり運動というようなことで、品質の向上とか、あるいは生産性の向上というふうに重点をいろいろ移しているようでございまして、私どもはそういう方向は非常にけっこうなんじゃないかと考えているわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 先ほど冒頭に言ったように、佐賀の農民は非常に不安と今後の希望を失いつつあるという前提に立って私はものを言っておるわけですが、佐賀大学の教授の集約によりますと、昭和三十五年の農基法、それが農基法行政という形で選択的拡大なり構造改善の問題が指導されて、さればというので、畜産をやる、あるいは果樹をやる、選択的拡大に移行して農民はやっきになって努力をした。ところがそれはほとんど失敗に帰した。しからばわれわれはいかにして生きるかということで、佐賀県という、九州という、きわめて自然の条件、地理的条件等の米づくりには困難な条件を克服しながらこの運動に入ったといわれておるわけです。いま御説明のあった主産地各県とも努力をしておるといわれておるが、経済白書にもあえて提起されるぐらいに、この米づくり運動は若干技術的にも組織的にも違っておると思います。しかもその技術を駆使し、組織を動員しながら佐賀の人たちは一生懸命米づくりをしたという、この米づくりの姿は、私は中国のかつての合作社運動とまではいかないけれども、かなり私は日本農業の将来の展望を示唆する一つのいい傾向にあったのではないか。やはりこの中には涙ぐましい、自然を克服していくという努力と農民の利己主義を克服して共同化作業に打ち込んでいったいろいろの経験があると私は思います。そうして努力をしながら、とにかく十アール五百キログラム以上の米をとるところまで佐賀はたどり着いた。そこへもって皆さんは失敗でないと言っておられる。基本法農政から総合農政に転換される。具体的には自主流通米、作付転換という大転換をなさったわけですから、おまえら心配するな、おれにまかしておけとどんなに言われても、私は佐賀の農民は納得しないと思います。  そういう意味で、少なくとももうすでに三月県会は終わったと思いますけれども、県知事も苦慮したと思いますが、この点にあたってやはり中央で日本農業の旗を振っておいでになる皆さんがただ黙って、それこそ自主的だ、しっかりやれよというかけ声だけで済まされておるとは思わない。もしそうであるとするならば私はどうかと思う。そうした面で何か農政局長がノータッチのような表現でありましたが、それでいいのか。私は各県の知事がそういう意味では苦労しておると思うのです。そういう点でこれはお答えをいただこうとしても出ないかもしれませんけれども、私はやはり今日の農政が、先般も小倉さんのことを引用して、曲り角じゃない、袋小路だと言ったのでありますが、袋小路に入っておるのであります。袋小路に追い込んだものは政治の責任者、あなた方ですから、アメリカだとか独占だとかに責任をなすりつけるわけにはいかない。そういう立場からやはり皆さん方が農政を今後進められる場合に、進められる発想の原点というものがあると思うのです。それが過去における農政に対するきびしい自己批判、もっと端的に言ったら、やはり農政の欠陥をはっきり国民の前におわびされて、そこからスタートされるだけの雅量と愛情があっていいのじゃないか、こう思うのですが、おまえ何を言っているのだ、佐賀にはこのような手を打ってあるぞというようなことがあったり、あるいは秋田の小畑知事ではないが、おれは五石運動をやってきた。で、去年の農業祭りではたんかを切ったのだ、中央は何と旗を振ろうとも秋田は秋田だと言って、農民の前で大みえを切られたということを聞いておるわけです。そうしたまちまちの動きを実は知っておるわけですが、そうしたこと等についても何かの指導があってしかるべきだと思うし、されたと思うのですが、あれば最後に御披露いただき、私の質問はこれで終わります。

池田俊也農林省農政局長

○政府委員(池田俊也君) 私どもは米の問題、米の生産というものを取り上げまして申し上げますならば、いろいろ需給上問題はございますけれども、米が日本農業の柱であることは間違いないわけでございまして、やはりこれにつきましては生産性を上げていく。特に最近の需給事情に応じまして、うまい米をつくっていくという体制は、これは当然相当強力に推進する必要があるという考えでございまして、実は本年度からでございますが、これは一例でございますが、米の生産改善パイロット事業というものを始めまして、相当大規模な米の主産地づくりといいますかをしようと、こういうことを考えておるわけでございます。これは相当大規模なものでございますが、一般的にはやはりこの米づくり運動を通じて行なわれております集団的な生産組織、これを助長していくということは、私どものそういうことに対する政策としては非常に重要な部分を占めているわけでございまして、いまお話がございましたような点については、私どももさらに努力したいと、こういう気持ちを持っておるわけでございます。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 たいへん長時間になりましたので、皆さんお疲れと存じますが、若干の意見を申し上げたり、御質問を申し上げたいと存じますので、ごしんぼう願いたいと存じます。  まず、農林大臣の所信表明に対する農政の基本問題について、いろいろ意見を申し上げたり、御質問を申し上げたいと存じますが、その前に、北海道は非常に農林省のお世話になっております。でん粉の買い上げ、あるいはハッカの問題、また今回の乳価決定、さらには十日までビート価格の決定というようなことで、まあ寧日なく御苦労をちょうだいしておりますが、先般乳価決定に当たりましては、大臣はじめ関係局長には深夜にわたる御折衝をいただき、非常な御苦労をいただいたことに対しまして、この機会にお礼を申し上げておきたいと存じます。  まずその乳価決定に当たりまして、いろいろ長期にわたる限度数量並びに価格の決定について種々陳情があり、いろいろとむずかしかったために、いろいろまちまちな受け取り方になっております。そこで、この機会に局長から決定した時点について御報告を願って、明確にいたしたいと存じます。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) 四十二年度の加工原料乳の限度数量につきましては、最終的には四月十日ぐらいで数量が確定いたすわけでございますが、当初設定いたしましたのは百七万一千トンということでございましたが、おおむね八万トンほどこえるのではないかといわれております。そこで、これをどう処理するかということが問題になったわけでございますが、不足払い制度に限度数量を設けた制度の趣旨から見まして、限度数量を直ちに変更するということはいたさなかったのでございますが、実質的に限度数量をこえたものにつきまして、実は畜産振興審議会でも御答申をいただいておりますが、その中で「四十三年度の限度数量をこえて発生すると見込まれる加工原料乳については、酪農経営の安定を図るため、適切な措置を講ずること。」という附帯事項をいただいておったのでございまして、こういった附帯事項等も参酌いたしまして、政府といたしましては、限度数量をこえたうちの半分のものにつきましては、畜産振興事業団に助成勘定という勘定がございまして、その中で実質的に交付金を農家に交付すると同じような効果のことをやろう、残りの半分につきましては、指定生乳生産者団体等が行ないますところのクーラーステーション等の事業に対する補助をいたそう、こういうことで決定を見たのでございます。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 基準価格と保証価格の問題が今回きめられたわけでございますが、この点について御報告を……。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) 最終的には三月三十一日付で告示をいたしたのでございますが、それによりますと、加工原料乳の保証価格は、これは工場渡し価格、しかも乳脂肪分三・二%というふうな注がついておりますが、一キログラム当たり四十三円五十二銭、前年の保証価格が四十二円五十二銭でございますから、一円のアップということでございます。それから加工原料乳の基準取引価格につきましては、一キログラム当たり三十七円三銭、前年度が三十六円五十八銭でございますから、四十五銭のアップになっております。したがいまして保証価格が四十三円五十二銭、基準取引価格が三十七円三銭ということでございます。いわゆる不足払いの単価はキログラム当たり六円四十九銭、前年度が五円九十四銭でございますから、五十五銭のアップということでございます。  それからそのほか告示しなければならないものは限度数量があるわけですが、限度数量は百三十五万トン、前年度が百七万一千トンでございますので、二十七万九千トンの増、それから指定乳製品の安定指標価格でございますが、これは現在の需給実勢から見まして据え置くことが適当であろう、現に畜産振興審議会でもそういった答申をいただいたのでございますが、前年度どおり据え置きまして、バターが一キログラム当たり六百四十七円、脱脂粉乳が二十五キログラム当たり九千七百十一円、全脂加糖練乳が二四・五キログラム当たり五千二百九十二円、脱脂加糖練乳が二五・五キログラム当たり四千七百五十六円、以上のように決定いたしまして告示をいたした次第でございます。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 限度数量が上回る、保証価格が上回ったということになりますれば、当然四十五億でしたか、補給金として予算が計上されておりましたが、その金額を上回ると思いますが、これらの処置をどうお考えになっておるか。さらに限度数量が百三十五万トン、非常にけっこうなんですが、これは市乳化を相当積極的に進められて私どもも不安はないと存じますが、万が一にもことしのように限度数量を上回るということになりますれば、ことしのような非常に不明朗と、申しますか、困った事態の起きないようなことをいまから考えて対処していただきたい、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) ただいま河口委員のおっしゃいましたように、本年度の一般会計からの交付金勘定への交付額は四十五億ということになっておりますが、限度数量並びに先ほど申し上げましたような不足払いの単価等の増大に伴いまして、当然四十五億では不足する、これは当初から不足をすることになっておったのでございますが、現に昭和四十三年度におきましても、不足をいたしまして、農林中央金庫からの借り入れによって支払ったということもございますので、明年度におきましても、同様不足分につきましては、農林中央金庫の借り入れによって当面は措置するということになるというふうに考えます。  それから市乳化の促進の問題で、確かにこれが一番大きな問題でございまして、酪農経営の近代化は何と申しましても、市乳化の促進にあるのでございまして、あの加工原料乳の法律のねらいもまたそこにあるわけでございまして、実は畜産振興審議会におきましても、建議といたしまして、「政府及び関係者は、国内産生乳の市乳化の促進について今後特段の努力を払うこと。」、これはもちろん直接的に市乳化の消費の拡大等の運動もあるわけでございますが、それ以外に輸入制度等も含めまして、市乳化の促進をはかるような措置を、特段の努力を払えというような建議もいただいておりますので、われわれといたしましては、この今年度百三十五万というものがこえることのないように、関係者われわれ一体となりまして市乳化の促進につとめてまいりたい、かように考えております。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 いや、そういうことはないと考えておるのですが、万一限度を超過した場合に不安のないような対象がおありか、ないのか、それをお尋ねしておきたい。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) 現段階におきましては、われわれは、いま申し上げたような基本姿勢で、市乳化の促進をはかることによって百三十五万トンをこえることのないようにつとめたいということを申し上げるほかないと思います。ただ、御承知のとおり、畜産振興審議会におきましても、答申の中で、「なお、異常な変動があった場合には、法第十一条第八項の手続をとること。」というような答申もいただいておりまして、異常な変動とは何ぞやということになろうかと思いますが、現段階におきましては、百三十五万トンまでふやしたわけでございますので、これによりまして、とにかくこの限度内に押えるように、市乳化の促進につとめるということで御了解をいただきたいと思います。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 まあ農政については年々経験を経ていくわけですから、ひとつ大臣の所信表明にもありますように、農民に不安を与えぬような対策で今後処置するように、積極的な態度で臨んでいただきたいということを御希望申し上げておきます。  次に、最近、私郷里に帰りましたら、農業団体の一部の者と存じますが、安保問題とからんでいろいろ取りざたされておるわけでございます。それは、安保条約が結ばれておるから農産物の自由化が促進される。また、それをやらなければならぬのである。したがって、この自由化阻止のために安保反対をせなければならぬ、こういう主張を耳にするんですが、私もそれで安保条約を読んでみたんですが、第二条に「経済協力」という字句があるわけでございます。この問題について先般農林省の方にもお尋ねをしたところお答えがなかったんですが、私ども朝日新聞社の権威ある解説を見ましても、そういう解説はないわけでございます。農林省として、これはまあ委員会が違うと存じますが、農民に不安を与えておるという現実から考えまして、農林省はこの問題をどう受けとめて理解をされておるか、この際明らかにしていただきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 政府は昨年の十二月、輸入の自由化の促進に関する閣議決定を行なったのでございます。これはわが国の経済の実態及びガット加盟国たるわが国の国際的な立場の上に立って、これは十分に考慮しなければならない問題でございます。一つ例をあげれば、わが国ほどガット加盟国の中で自由化を押えている国は、先進国中一番でございます。といって、即時に現在これを自由化をしようなどという考え方はないけれども、両三年のうちには幾分たりともガットの趣旨にも沿うように、基づいて行なっていきたいというのが考え方で、このような閣議決定を行なったのでございます。でありまするから、日米安全保障条約というようなものとは全く何らこれは関係がございません。したがいまして、日米安全保障条約第二条後段は、従来より存続している日米間の良好な経済関係の一そうの緊密化を目的とした一般的なことを規定したものでございまして、特定の分野について特定の処置をとることを規定したものではないと了解をしております。また、これらの問題につきましてもアメリカからもいろいろな御注文はありましたけれども、われわれはいま総合農政を行なっているのであって、あなた方の要求にお答えすることはできない、そうしたらガットのほうに持ち込んでどうこう言ったというような話もございましたけれども、もうおやりになるのならけっこうでござる、われわれのほうは断じてこれを、よろしい、自由化するわけにまいりませんと言って、一切をお断わりをしてあるような次第でございますので、日米安全保障条約とは全く何ら関係のないことだけは私は明らかに申し上げておきます。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 まあそれは広範な問題でございますから、これ以上質問をすることは避けたいと存じますが、あまり農民に不安を与えぬような形で大臣は御努力を願いたいと存じます。  次に、自主流通米の問題でございますが、いろいろ社会党の諸君から長時間にわたって質疑がかわされて、おおよそ私のお聞きすることも要を得た点もありますが、これもこの前関連質問で申し上げておいたのですが、自主流通米、これから受ける印象は何と言っても自由販売につながる。素朴な農民感情から受ける感情はそういう感じが強いわけで、まあマスコミは食管制度に風穴があいたというようなことを書くものですから、なおさらその印象を強めておる。  で、私はこの自主流通米のその後の説明なり内容を検討いたしますと、これは自主流通米でなく、自主管理米、あるいはまあことばは非常に権力的な表現になりますが、自主統制米、まあ自主販売ということは従来農協がやっておるわけでございまして、これは価格の維持についても、流通の過程においてもなかなか容易でないわけで、苦労に苦労を重ねておるわけでございます。したがっていまの食管制度の中でやるということになれば、自主管理米程度の名称であれば、ある程度理解がつくし、農村における混乱も避け得たのでないか。しかし政府は自主流通米という名称をつけられたには相当の御研究をされてつけられたと存じます。その内容についてお考えがあればこの際お聞かせを願いたい。この農政の問題は私は農林省を責めるとか何とかでなく、ともどもに力を合わせて困難な農政を打開をしてまいりたい、こういう気持ちでお尋ねをいたしておるので、どうかあまりかみしもを着たしり切れトンボのお話でなく、もっとうちくつろいだ答弁が願いたいと存じます。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 自主流通米は、もう御理解をいただいておりますとおり、いわゆる自由な米の販売流通を認めるものではない。食糧管理制度の立場に立ちます行政上の規制のもとに、需要者の需要動向に応じて政府を通さない米の流通を正規の集荷機構、販売機構を通して流通させるという趣旨のものであることは御理解をいただいておると思います。で、そういうものであるならば、自主管理米というほうが適当ではないかという御意見でございまして、私は生産者の立場から見れば販売の委託をする先は農協等の指定集荷業者であり、またそれはその組織する団体が立てる流通計画を農林大臣の承認を受けた上で樹立をして、その計画に従って販売をするということでありますから、御指摘のように、自主管理米という性格があるということは私どもも否定をする気持ちはございません。ただ政府として自主流通米ということばを考えましたのは、生産者の側からだけでなく卸売り業者、小売り業者、消費者と流れてきていきます全体としての流通が、政府が買い取り販売をする場合と違った形のものであるという趣旨から自主流通米という名前を用いて御理解いただくように努力をいたしておるところでございます。実態の認識につきましては、私は自主管理米ということを生産者の段階でお用いになり、あるいは言われるということが政府の考え方と違っておるということではないと思います。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 まあ、この問題はなかなかむずかしくて、ここで討論をしても結論がつかぬと思いますが、いずれの名前にしても、自主流通米のために不安が起きておるということはいなめないので、これらの問題をわれわれ政府と力をあわせて問題を解決してまいらなければならぬと考えております。ただ、いままでの御答弁なり御質問を伺いまして、私は米の問題に対してうしろ向きの質疑で終わっておるというふうに考えるわけで、もっとこれを前向きの形でこの問題を処理するという姿勢をまず要求いたしたいのでございます。すなわち、米は余っておると申しても絶対量が余っておるわけでないことは明らかでございます。したがって、消費の拡大という面について政府がもっと積極的に民間にも呼びかけて対処する。大蔵省が税金を取るのには、納税は国民の三大義務とかいうようなことで盛んに納税奨励をいたしております。食糧庁が、米が余ったという場合に対処する対策がいままでは一般企業のように、まあ余ったというときは操短をすれば——これが経済の原理でございましょう——ものが余ってくるというんだから生産を抑制する、これが原理であって、しかし一般企業でもものが売れなくなって余った場合は宣伝をして販売に全力を傾注いたします。操短をする前に全力を傾注いたします。ところが、今回の米の問題は、余ったから減反をするとか、自主流通米に置きかえて処理をするという、全く私は経済の原理から考えてもまことに農民の期待しない答えしか出されておらぬというふうに考えるわけで、先般も学校給食で文部省の役人を呼んで質疑をされるのを聞いておりました。ほとんど学校給食に対しても意欲を欠いておるという実態でございます。まあ、学校給食に限らず種々の消費拡大の道があると思います。そういう面で農林省がもっと積極的に、テレビぐらいに出して、この米の消費宣伝をやる、そういうことによって民間の農業団体もこれに呼応してやるということになりますれば、まず絶対量が足りない段階でございますから、私は非常に効果ある前向きの施策が生まれてくると思いますが、こうした点について長官なり大臣なり、どういうことを考え、どういうことを今後とろうとされるか、お尋ねをしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 消費をいかに増すかという点については先ほどもお話がございましたように、学校給食もしかりであり、またテレビ等に私出たときにも必ず一言、米がだいぶ本年からはうまくなってきて、そして消費者向けに皆さんが満足のいけるようなお米がことしから配給することができますというようなことをいつも申し添えておりますが、別にあらためて米の宣伝ということはやっておりませんけれども、つとめてそのような機会をとらえては宣伝をいたしておるのでございます。まだ他にも給食の面等々の面もございますので、これはもういま文部省等といろいろその面に立って交渉を重ねておるのでございますけれども、なかなかいろいろな事情もあるようでございますが、何とかしてこれらの面の解決をつけていきたい。そして消費をはかりたい、こういうように考えておるところでございます。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 大臣がテレビでおっしゃっておられることは御苦労に存じますが、われわれが聞いておると、米が余って困ったから悲鳴をあげておられるというふうにしか受け取れないので、そういうことではいかぬので、これにはやはり予算をある程度確保して、そうして農業団体なりと、あるいは消費者組合と相提携して、もっと積極的な行動をしてもらいたいということを私は希望申し上げるわけで、それらの宣伝というものを持たずに、ただ口でおっしゃっておられる、演説でおっしゃられるということでなく、もっとポスターをつくるぐらい、あるいは米の消費宣伝の奨励を、具体的にお考えになればいろいろあると思います。  それから食管の政策で考えると、米が余って古米になってまずくなったという、そういうイメージから出てこないんで、これは私は消費に大きな影響を及しておると思うんです。もっと余ったときの施策というものがあるはずだと思います。たとえて言うなら、食管制度のない時代は生産者が米を手持ちして、そうして米の需給調整をやってきたんですが、今日食管制度が立てられてからは、まあ農民には裸供出を要請しております。消費者は結局米が余っておるというようなことから、買いだめというようなことが全然行なわれない。その日買いでよいということで、政府が非常に手持ちが多くなる、ストックも全部政府が手持ちをさせられる。これらを少し生産者なり消費者が分けて手持ちをするようなことが施策として私は生まれてくると思うんです。まあ、私ども北海道におりまして、北海道の米が食味がまずいとか低品質米だということでなかなか人気が悪いんで、ストックが多くて、ことしの秋あたりは倉庫問題でわれわれ協同組合は、全然単協の倉庫は米が入る余地がない、ホクレンあるいは全販で倉庫を用意して、政府買い入れに応じてもらいたいということで、頭痛はち巻きでおるわけですが、その上、でん粉も政府買い上げでストップしてしまったというようなことで、倉庫問題が非常に大きな問題になってきております。  こういう問題に対して、たとえば私の卑近な例ですが、この金利倉敷等が月々加算されて買い上げをされる。また、消費者にもそういうことで生産月においては非常に安いが、あくる月から金利倉敷が加算されて販売されるというようなことになりますれば、これは卑近な例ですが、来月高くなる、それだから今月買っておく。また余力のある農家は、来月金倉が自分のふところに入るんだから手持ちをする、こういうやはり消費者も生産者も政府も一体となってこの余剰米の処理に当たるような体制をとれば、私は問題を、そう政府がその赤字を生まない施策が打ち立てられるというふうに考えるわけです。まあ卑近な例を申し上げたんで、決してそうしろと申し上げたのではないので、どうか農林省においてもそういう余っておる問題に対して、結局この消費者、生産者に手持ちをさせる、まあ私ども東京で生活をしておりますが、米がなくなればパンで間に合わす、そこへ米が手持ちをしておりますれば米で間に合わすという、消費拡大に私は大きく寄与するというふうな見方もできるわけで、これはまことに卑近な例を申し上げるんですが、そういう点でこの消費拡大の面にもっと衆知を集めて、そうして米が余ってまずいというイメージから脱却するような御苦心をひとつお願いをいたしたい。  そこで、先ほど杉原委員からもお尋ねがありましたが、モチ米が不足だということで外国から輸入をいたしておるという御質疑がありましたが、私の手元にも、モチ米はおおよそあられに、菓子製造に使われておるようなことを聞いておるわけでございますが、先般も韓国に三十三万トン余の貸し付けが行なわれましたが、その見返りではないでしょうが、韓国からモチ米によるあられが国内にたくさん輸入されておる、現在でも米に換算して十二万トン、あられにして九万トンという数字が輸入されて、今後を考えると年間を通じて三十万トン近いもち米があられになって国内に入るというようなことを聞かされておるわけでございますが、こういう問題は、私は国内の中小企業に対しても大きな影響力を与えておる、米生産者ばかりでなく、中小企業に対しても大きな打撃を与えておるという事態を承知しておるんですが、実は、先般私どもの北海道から組合長が参りましていろいろ話をしておるさなかに、モチ米が相当北海道に残っておるというお話でございます。まあ長官はそれを把握されておるかどうか承知をいたしませんが、こうした余っておるモチ米を——東京ではあられにするために外米を入れなければならぬ、非常に私は矛盾を感じたのでこういう調査をして、現に余っておるとするならば、すみやかに東京に持ってきて、これらのあられ業者に払い下げをすると、こういう処置をすみやかにされるべきであると、こういうふうに考えるわけでございます。  これに関連をいたしまして申し上げたいのは、私はこうして考えると、日本の農産物あるいは畜産物あるいは果樹にいたしましても、これは諸外国の生産物と比較をいたしますればすべて高いと、こう言い切れるのでないかと存じます。したがって、先ほど総合農政で論議をされましたが、それは国内における総合農政、基本農政の御議論であって、私は今日の段階は世界の農業をとらえて、そうして日本の総合農政を打ち立てなければ恒久的な対策にならない、農村の、農家の不安を解消することに結びつかぬと、こう断言できると思うのでございます。  そこで意見を申し上げたいのですが、砂糖が自由化になったときに、私は北海道のビート産業が壊滅をする、こういうことから、当時法律がなかったわけでございますが、当時の赤城農林大臣に強くこのことを要請いたしまして、そうして暫定的でございましたが、十五億の予算をつけてもらってトン当たり五百円の補給金を出すということを法律のない中でも北海道のビート産業を守るということから暫定的に処置をしていただいた、それが基本となって糖価安定法ができて、いわゆる自由化された輸入粗糖から課徴金を取って北海道のビート糖に対してキロ当たり昨年は十七円程度の補給金が支払われて、今日北海道のビート糖産業がまずまず安定の域を守っておる、こういう実態でございます。消費者に対しては輸入粗糖と同値でビート糖が供給されるという施策が行なわれており、大豆についても大豆のAAと同時に補給金制度をつくって大豆に対する補給金が支払われて北海道の大豆生産に、不安がないと申し上げる段階ではございませんが、若干なり、この生産が行なわれている、補給金の金額が少ないから減少はいたしておりますが、私はある程度の適正な補給金が払われればこれは大豆は増産されると考えるわけでございます。その他、くだものについても本年の二月ごろグレープフルーツが自由化されるというので、これに日本のかんきつ類が大打撃を受けるというようなことで自由化反対の運動をした、まあ自由化されるのが安保の関係でないとおっしゃるけれども、方向としては自由化の方向をたどってまいる、そのたびごとに自由化反対というので農業団体なりわれわれが狂奔をする、しかしそれは防ぎ切るものではないと私は考えておるわけでございます。  したがってこの際、日本の農畜産物、果樹に対して補給金制度を一本につくっていただければ、これが農業の基本的価格政策になろうと存じます。生産性を向上するということによって補うとおっしゃられるけれども、生産性の向上をするということは価格を安くするということに、これは結論はなるんです。また、そうしなければならぬと私どもは考えております。しかし、その段階に入る過程について、農家に不安をなからしむるための補給金制度というものをまず確立をしていただいて、そうして農業の構造改善なり近代化を推進していくということにいたしますれば、私は農民の不安は、まあ解消までいかなくても、今日のような混迷を避けることができると、こういうふうに考えられるわけで、もし米のようなものに補給金は、これはいまの段階では要りませんから、米のようなものは消費者のほうに補給金をやって、輸入の小麦に匹敵するような価格になりますれば、私はこれはもっと消費が拡大される。もうそのことは明らかなんで、ただ、米が高いから私は消費が減退をしておると、こう思うのでございます。  したがって、その財源をどうするかという問題でございますが、輸入粗糖から課徴金を取って、そうしてこれを生産者にやることによって、消費者には輸入粗糖と同額の値段で配給しておるということは、国の財政には何らの負担をかけていない。もっと卑近な例を申し上げると、小麦から課徴金を取って米に補給をするならば、一方、パンは若干高くなるか知りませんが、米が安くなる、まあこういうことになりますれば、消費者に負担を与えたということにならぬはずです。そういう抜本的な政策をとられればもっと米の消費も、お菓子の原料にもなり得るし、消費も拡大されるということは明確になるわけでございます。  先般もMKチーズの問題に対して農林省は、もうおおよそ認可をされるという腹がまえのように承りまして、業者からこれに対する反発があったというふうにも聞いておりますが、生産者としてこれに反対をしたというのは、いわゆる自由化されておるナチュラルチーズがどんどん入ってきてそれが国内消費のチーズに充当されるということはたえられないということから反対をいたしておるんで、こういう乳糖であるとかチーズであるとかカゼインというようなものから課徴金を取るような法律をつくって、ここに課徴金を取って、その課徴金によって国内の乳製品にこれを裏打ちして輸入乳製品と競争をさせるということになりますれば、消費者には私は負担を与えぬと、そうして国内の農業、畜産業を守るということができる。これは肉の問題についても、いま事業団があって若干の課徴金を取っておりますが、こういう事業団で畜産製品を全部、こういう自由化されたものも課徴金を取ってやるという法律をここにつくっていただいて、そうして国内産業、国内農業、畜産業を守るという姿勢がない限り、私はいろいろと論議をされても、なんぼ名答弁をされても、農家、酪農家の不安は解消できない、まあこういうふうに深刻に考えておるのでございます。こうした点について即刻、へたな答弁をされるとこの問題がもう解消されますから、ひとつ十分御研究を願ってともどもにこうした方向にいくように御高配をいただきたい。しかし、どうしてもやれないという点があるならばこの際承っておきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 御答弁は要らないというお話でございますが、十分御意思を承って今後の措置に資したいと存じます。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 まあ唐突に申し上げたように受け取られたんですが、私はこの問題は唐突でないと考えておるので、これは農政を進めるのには、私は自民党も社会党も、党派をこえて農家の不安をなくするということで、皆さんが一生懸命問題を究明されておると思います。価格の問題であるとかないとか御議論がありますが、それはやっぱりその農家が農業をやり畜産業をやるのですから、農家が理解できないような名論を言われても、私は日本の農政は推進できないという端的な判断をいたしておるわけで、それにはやはり価格というものが適正であり、安定しておる、そうしてさしていく方策はこうであるということでなければ、これは農政をやっておるということにならぬというまあ皮相な考え方をいたしておるので、この問題はひとつ私は小委員なり、専門委員を設けて——委員長に申し上げるのですが——御研究願いたいと思う。  これは非常に興味深い問題で、大豆など、私は資料をここに持っておりませんから申し上げられぬのですが、補給金で、昭和三十八年ですか、大豆がAAになってから、大豆に対して補給金を出していますが、このトータルが昨年まででたしか十億に達しないと思うが、大豆の輸入で関税だけ取ったのが九十億あるというふうに聞いておる。いわゆる農民搾取のいま予算をやっておると私は申し上げたいので、これがね、この間十勝の豆地帯の農民に聞いたんですが、ことしはまあ六十キロ四千三百円に価格がきまりましたが、せめて五千円にしてもらえるならば何も農林省のいやがるバレイショなんかつくらぬでも大豆をたくさんつくる。わずか一俵七百円の補給金が増されることによって転換が自由にできる。それを七百円ちびったためにもう大豆はごめんこうむる、ジャガイモをつくると、そうしてそのジャガイモを政府が買って農民も困るし政府も困っておる。もうでん粉はほんとうに足りぬで困っておるのではなくして、アメリカのいわゆるコーンが、トウキビでん粉コーンスターチがすなわち災いして余るという実態を生んでおる、これも関税四〇%を取ってそうして抱き合わせ販売をするというようなことをやっておりますが、こんな小手先の農政をやっておって何で農民が安心できるか。これは国内法で課徴金を取ってそうして国内でん粉に補給金を出せば、これはコーンスターチもバでんもカンでんも同じ値段ということになりますれは、——これは足りないのです、国内生産では。しかし、まあ余っておる、余っておるとおっしゃるけれども、いやこの施策を小委員会を設けて、私はこういう問題を討議してもらいたいと思うから申し上げるので、私は小委員、専門委員をあげて、学者も入れ、役人も入れてこの問題をひとつ研究してもらいたい。そうして不足払い制度なり補給金制度というものを、肉も、乳製品も、果樹も、穀物も、全部これに該当するような施策を立てれば、それこそ農民が安心して農業ができる。高い安いの議論はその中に多少はあっても、私は価格の安定がはかられるというように考えるので、委員長、この問題をひとつ即刻つくるということも容易でなかろうと思いますから、理事会でひとつ十分御研究願って、そういう方向で日本農政という、それこそ私は世界の農産物を入れた総合農政がそこで生まれれば、日本の農家、酪農家も安心してやれるというふうに考えるので、このことを委員長に要望申し上げて、ぜひそういうぐあいに進めていただきたい。  それから時間も若干あるようですから申し上げたいんですが、農業構造改善です。私は最近まで直接農家と接触をし、自分みずからも農業をやっていますが、過去二十二年から二十七年まで衆議院をやって、十五年間ブランクがあって、また飛び出してきたわけですが、その間静かに地方で見ておりますと、いまのような問題がもう真剣に考えさせられた、こういうことで申し上げておるわけでございます。その中で、この水田の農業構造改善の問題が非常に農家が迷惑をして拒否をしたり、農協がやって非常に赤字を生んだり、コンバインなどは農家が希望しないものをセットにして、農林省が構造改善のセットでこれをせんければ、補助金を出さぬというようなことで、非常に苦労をいたしております。  で、私は意見を先に申し上げておきますが、あんなコンバインなどをいまの水稲に持ってくることが、私は間違っておると思うんです。それはいまの日本の水稲のわらというのは軟弱で、俵を編んだり、繩をなったり、むしろを編むために非常に弱くつくってある。倒伏しやすい。そういう稲をコンバインで刈れといっても、コンバインの効率があがらぬ。そのために非常に農家は迷惑をしておる。で、私はアメリカのテキサスのマイロを見てまいりましたが、マイロを改良して茎をちょうど日本のトウキビのしんくらいの太さに改良をしておる。そうしてたけを目の高さに改良しておるために、いつまでたっても、その畑で乾燥ができるくらい置いても倒伏の心配がない。刈り取るときは一斉に上のほうだけ刈っていくから効率があがる。私は今日の稲というものを、コンバインを使うんなら、わらをカヤくらいのじょうぶなわらに品種改良が先である。これは私は帰ってきてから北海道の試験場長をつかまえて、農業の近代化なり、構造改善をやるのに、いまのままでやらせることが大体試験場長、間違っておるのじゃないかということを申し上げておいたのです。わらの品種改良をしてじょうぶなわらにして倒伏をしないようなことにすれば、もっと増収もできますし、機械化も自由に駆使できるということになるのです。そうでない、繩をなったり、むしろを織ったりするようなわらの稲にコンバインを入れさしておるところに、私は、今日の生産性の向上も、農業の構造改善も、近代化も行き詰まっておると極言を申し上げたい。もっともっと日本の水田農業も構造改善なり、近代化が進むはずであるが、そういうところに問題点がある。いわゆる機械に合うような作物の研究が行なわれておらぬ、作物に合う機械をつくらせておるから効率があがらぬということを私は申し上げたいので、この構造改善もいわゆる学者が考えたのか役人が考えたのか知りませんが、一方的な考え方でこれを奨励し、補助金を出して、そうして迷惑をしておるのは農民である。そうして効率のあがらぬ農業構造改善をやっているというふうに極論をしたくなるので、これを実態に合うような農業の研究、品種改良、そういうものと両々相待って構造改善を進めるという姿勢がほしいのだ、すなわち基盤整備というような問題は積極的にやってもらいたいが、その上に立つコンバインの使用あるいは乾燥機の使用についてはもっと効率のあがる、成果のあがる、農家所得が向上するような段階で御指導願いたい、こういうことを希望として申し上げて具体的な構造改善に対する問題点が地方からたくさん要望がきておると存じますが、そういう要望あるいは欠点等お気づきであればこの際承りたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) いま御指摘のように、農家がいやがるのを無理にコンバインを押しつけるなんということは私どもないと思います。これはまた機械化を進めます場合にも私ども何も大規模機械化一本やりで全部を律しておるわけではございませんで、地域の事情によって大型機械の場合もありますし、中型機械の場合もあるわけで、その点は構造改善事業発足の当初は多少問題は私どもあったと思いますけれども、現在においてはずいぶん是正をされたと思います。御指摘のコンバインにつきましても機械化に適応するような品種の育成ということも必要でございまして、農業試験場でそういう方向で進め、品種改良をやっているわけですが、現在の品種についてもコバインが比較的うまく使われて、とにかく地域住民で労力が非常に払底してコンバインはいいというところも決してないことはございません、内地において。したがってそう一面的に農林省として構造改善事業で非常に無理なことをやっているというふうには私はどうも思わないわけでございますが、とにかくたくさんの農家あるいは農村を相手にしての仕事でございますから、今後とも十分注意はいたすつもりでございます。

河口陽一自由民主党

○河口陽一君 農林省はそうおっしゃっておられぬと言うけれども、地方の市町村あるいは道の御指導と、基盤整備に伴う乾燥施設あるいはコンバイン等セットで入れるのでなければ構造改善事業はもう補助はやらないと、こう言い切っているのですよ。そこら辺の食い違いが末端へ行くと非常に——私の村が現にそう言われた。そうして組合の総会になると組合員から追及される。もう私は農民の生活を向上させるために構造改善をやるので農民を困らすために構造改善をやるというふうには考えておらぬと答弁はしても、そう言いましたところ、市役所の産業係が来まして、組合長、そういうことを言われてはこの事業がやれません、セットで入れるのでなければこれは認可にならぬということを末端で言われておるのです。そこら辺の食い違いについては、今後是正されると思いますが、ぜひそういう問題に対して是正をして、そうしてこれをやらぬと、この農業の近代化なり構造改善が進まぬわけです。私はやっぱり大臣の所信表明にもあるように、基盤整備というものがまず第一だ。そんなみのの下にたんぼがあったというようなたんぼじゃ機械化ができないので、必ず基盤整備をして土地改良をやれば、これは生産性が高まってくるので、北海道においても戦前は遊ばせておいた泥炭地が、構造改善事業によって全部水田になって、そうして増産をした結果が米が余るということでおしかりを受けるという事態まで進んだんですが、これらの問題もだんだん私はこのいまの構造改善を進めることによって、いわゆる生産性が高まって、低米価政策がやがてやれるようになると思います。だから構造改善なり農業の近代化という問題は私は至上命令で、今後農民もわれわれも取り組んでいかなければならぬ問題と考えておりますが、しかしいまのようにセットでなければやれぬということになりますれば、あの大型な輸入コンバインでは十分効率をあげられない、国内でいま小型のものができましたが、私はあんな小型の農機具を使っておる限りにおいては生産性の向上はできないだろうと判断をいたしております。やはり大型のトラクターなり大型のコンバインを入れる農業でなければ、国際競争に立ち向かいできる農業生産は生まれてこない。したがって、そういう方向でやらなければならぬので、一足飛びに二階へ飛び上がれといっても上がれませんから、はしご段を一つずつ登る姿勢で対処していかなければならぬのが農政の実態でございましょうが、また農民の頭もそう急激な変化を要求してもこれはできません。やはり隣近所でやる農業を見習って、百姓は見習い百姓で、あの人がうまくやっておるからおれもやろうというようなことで進めなければならぬ、非常にむずかしい問題をはらんでおります。したがって私は、ここで一足飛びの話を、あるいは農政を要求しておるのではなく、そういうはしご段を登るために基盤整備の問題を重点的に取り上げて、その間に品種改良なり、そういう需要の増大なりの施策をやりながらこの問題を解決してまいるのでなければ相ならぬ、農村の不安解消はできないというふうに考えて意見を申し上げておる次第でございます。  所定の五時の時間が来ましたが、質問することがまだ数多く残ったわけでございますが、きょうはたいへんお疲れでございましょうし、私も意見を申し上げて皆さんに聞いていただいて、大体そういう方向で野党の諸君も賛成のようでございますから、委員長にぜひくれぐれもこの問題を進めるようにお願いを申し上げて、質問を終わります。

任田新治自由民主党

○委員長(任田新治君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時四分散会      —————・—————

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