農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/03/18
会議録
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 去る八日、小枝一雄君が委員を辞任され、その補欠として小林国司君が選任されました。 —————————————
○委員長(任田新治君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 昭和四十四年度農林省関係の施策及び予算に関する件について調査を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。足鹿君。
○足鹿覺君 私は大臣の所信表明に対しまして若干の質問をいたします。 第一は、食管制度と自主流通米について、第二は、米価と物価統制令関係等について、第三点は、米価の算定並びに決定方式について、第四点は、韓国等に対する米の貸与問題並びにこれに関連する事項について、第五点は、食管特別会計とその運営について、最後に、米の長期需給見通し等について、主として大臣の御所見を承りたいと存じます。 そこで第一に、自主流通米と食管制度との関係についてでありますが、政府は、先般、自主流通米実施に伴う食糧管理法施行令及び政府に売り渡すべき米穀に関する政令の改正要旨なるものを作成されたやに聞き及んでおりますが、これを本日直ちに本委員会に提出を願いたいと思いますが、いただけますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 印刷してありますからただいま配付いたします。
○足鹿覺君 それを拝見した上で私はお尋ねを進めたいと思いますが、ここに私の質問をし、問題を取り上げる立場について申し上げたいと思います。 政府は、食管法それ自体をそのままにして置いて、自主流通米を政令等の改正または新条項の挿入をもってして実施せられるようでありますが、このことは違法であり、かつ不当であるという見地に立って若干御質問をいたしたいと思います。なお、でき得るならば政府与党の諸君もわれわれと共通の立場に立たれて反省をされ、新しい時点にいかに対処すべきかということについてさらに検討を深められることを期待してやみません。 第二点は、この問題について私は、食管法の、もしやるとすれば、大幅改正を必要とするのではないかと思います。われわれはいま述べましたように、政府が堂々と所信に向かって邁進されるとするならば、国民に国会を通じて食管法改正の根本を論じ、主張を明らかにされてこそ、至当の措置であると考えます。しかるに、一部政令等によって対処されることはきわめて姑息な態度であると言わざるを得ません。われわれは食管法を堅持し、これを守っていく立場から、若干自主流通米と食管制度の関係につきましてお尋ねをいたしたいと思うのであります。 そこで第一点についてでありますが、自主流通米制度が政策的にもいろいろ問題があることは言うまでもありません。しかし、この制度のより根本的な問題は、食管法違反の疑いがはなはだ強いことであります。言うまでもなく、われわれは、自主流通米制度は、農民のための農政でないのであるから、反対の立場をとっておることは先ほども申し上げたとおりでありますが、百歩を譲ってこの制度を実施するとしても、それは食管法改正の手続を踏んで行なうべきであると考えます。農林大臣は、この点について、率直にどのように御判断になっておりますか。ただ事務当局が起案したものに対して、それに依存をせられるとは考えられませんが、一応この際明らかにしていただきたい。なお、予算措置をとっただけで、あとは政令に依存をし、既成事実をつくろうとする政府の態度は、憲法九条の防衛問題にもまさるとも劣らない脱法行為であると私は言わざるを得ません。このような点について、基本的な考え方を農林大臣にまず明らかにしていただきたいと存じます。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私も日浅いのでございまして、農林省にまいりましていろいろなこの点について疑問はありませんかというような点についていろいろな意見を申し上げました。結論としてわれわれはこのような考え方をもって自主流通米制度というものは食管制度をくずすものではないという意見に私の意見も到達をいたしまして、もって食管制度、自主流通米制度を行なおうということを申し上げたのであります。その第一点として申し上げますのは、米穀の一部の自主流通の考え方は、米の全く自主な流通を認めようとするものではなくて、米穀の需給事情に即応して食糧管理制度の根幹を維持しつつその直接管理の長所を生かすとともに、米穀の品質問題の前進をはかる等のこの自由の長所をあわせて実現することをねらいとしておりますし、そのために一定の規制のもとに政府を通さない米の流通を認めようとするものであるというような点が一つ。次は、自主流通米を認めても、米の価格や需給の調整に必要な米は、食管法第三条の規定に基づいて政府が農家から直接買い入れをすることを続ける、これは無制限に買い入れをするということでございます。その次は、その場合、政府の買い入れ価格は、食管法の規定に基づいて、米の再生産の確保をはかることを旨として定めるということには変わりはない。したがって消費者に対しては、必要な一定量の米の配給は確保すること、また政府は、それに対し、売り渡し価格は、消費者の家計の安定を旨として定めるということを継続をする、以上の点を堅持するのであるから食管制度の根幹をくずすことにはならない、こういうような解釈の上に立ってただいまの御質問にお答えを申し上げるわけでございます。
○足鹿覺君 ただいま第三条について所見を述べられました。第三条第一項に即して申しますと、「命令ノ定ムル所ニ依リ」、また「命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府ニ売渡スベシ」とありますうち、「命令ノ定ムル所ニ依リ」というのは、全量か全量でないかといった制度の根幹に関することではなくして、政府に対する売り渡しの手続等を命令に委任しただけであると私は解します。「命令ヲ以テ定ムルモノ」というのは、自家保有米という表現が法律的にむずかしいから命令に委任しただけのことであると私は存じます。したがいまして、全量買い入れであるかないかという制度の根幹に関する事項まで命令に委任したものではないと私は断言してはばかりません。これに対して政府の所見を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 食糧庁長官から御説明を申し上げます。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 第三条第一項の規定は、いま足鹿委員がお読み上げになったとおりでありますが、この規定は、第一条の食管法の目的を達成するために必要な米を政府は農家から直接に、生産者から直接に強制的に買い上げることができるという権能を付与した規定であると解しておるのでございます。でございますので、「命令ヲ以テ定ムルモノ」というのは、当然、第一条の、国民食糧の確保、国民経済の安定をはかるために食糧を管理しその需給の調整をはかるために必要な米については三条の強制買い上げの規定が働くというふうに理解をいたしておりまして、この第一項の規定が、およそ生産者の生産した米を全量政府が買い上げなければならないということを義務づけた規定ではないというふうに解釈しております。この解釈は、政府部内で統一的に確認された解釈でございます。
○足鹿覺君 たとえばですね、麦の場合をあなた方が振り返ってお考えになればいいと思うのであります。麦の間接統制移行にあたっては、食管法改正案を国会に提出され、その成立を待って実施したではありませんか。また、食糧緊急措置令というポツダム政令が生きていて、必要な場合はこの政令により強制供出、かつての自主供出のような措置をとれる権限を、政府はいまだ留保しておるのであります。したがいまして、あなたがいまおっしゃいますように、全量買い上げの手続問題ではなくして、この重要な第三条の根幹をくずすとするならば、法改正でおやりなさいと、それが麦の場合にもとられた適法の措置であり、ポツダム政令に基づく強制供出についての措置権限が政府には留保されておるわけでありますから、何もそれに、政令をもって法そのものの内容を変えられるような必要はないではないか、こういうことを申しておるのであります。 なお、申し上げておきますが、時間の都合もありますから、的確にですね、簡潔に私も質問をいたしますが、あなたのほうもそのおつもりで、簡潔に急所に触れた御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 確かに、麦の直接統制を変えて間接統制に移行した際に食糧管理法の改正をもって臨んだことは御指摘のとおりでございます。米についても、間接統制をたてまえとして、そうして政府のある一定の条件の場合における介入、あるいは生産者の希望にもっぱら依存して政府の買い入れ量を定めるということだけでございます。そういう制度に変えるのであれば、私は法律改正を必要とすると思うのでございます。しかし米については、わが国の国民の基幹食糧としてのウエートを持ち、また農業生産面でも最大の穀物としての位置を占めておる米でございますので、食管法第一条の食糧の需給の調整について政府が直接統制を行なうという権限は留保し、自主流通と申しましても、自由に米が流通をするということを認めるものではなくて、食糧管理の立場に立ちます行政規制のもとで政府の食管特別会計を通さない米の流通を認めるということでございますので、私は麦と同断に論議をすべき問題ではない。また、先ほど申し上げましたような理由から、食管法の改正を待たずとも、政令の改正をもって、現在構想しております自主流通米制度は適法にかつ適正に実施することができるというふうに考えております。
○足鹿覺君 要するに自主流通は現行法のワク内でやれるという解釈のようでありますが、そういたしますと、政府は、あるときには必要に応じては直接統制をきわめてきびしくやる。また、必要に応じては、自主流通制度といって、間接統制まがいの、あってなきがごとき統制もやれるということになる。このような食糧行政に関してはわれわれ国会は何ら関与できないということになろうかと思います。食管法が戦時立法であるため、その性格に国家総動員法的な性格のあることはいなめないのでありますけれども、今日まで三十年近い運用の妙味を発揮し、予約買い入れ制度が定着した今日、何ゆえにこのような、そのときどきの政府の行政優先的な行き方による法の運用がなされていいのでありましょうか。私はそれを問題にしておるのであります。行政が優先するのか、法律に従って行政が行なわれるのか。そのことを言っておるのであります。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 大臣のお答えするのが適当かと思いますが、一応私からお答えいたしますが、言うまでもなく、行政は法律及び予算のワク内で執行をされるべきものでございます。したがって、われわれは、法律のワクを越えて行政を行なうことはできないものであり、また政省令のごときも法律の授権の範囲内でやるべきことは当然のことでございます。で、現在のような需給事情のもと、また需要の動向のもとでは、かつてのような食糧、米の需給の絶対的な不足の条件というもとで運用された方法とは異なった、新しい事態に即応した運営というものが、私は当然政府にゆだねられた執行権の範囲内にあるというふうに考えるのでございます。少なくとも現在考えております自主流通の制度は、現行食管法の中で適法に実施できるというふうに確信をいたしておるのでございます。
○足鹿覺君 これは、私は農林大臣に大きな政治問題でありますから伺っておきますが、戦後の今日、民主的な法治国家がわが国のたてまえであることは言うまでもありませんが、その根本である憲法の精神に基づきまして、食糧管理法のごとき重要なこの種の法律の運用は、きわめて厳正たることが肝要だと思います。いやしくも国民の権利義務に関する事項は、法律によって改める態度が少なくともとられなければならないと私は思います。したがいまして、政令によって法の根本をくずすという、現在あなた方がお考えになっておられることは、絶対に容認することはできないのであります。つまり、あるときはきびしく、あるときはゆるく、こういう行政優先は、いかように巧妙な答弁をもってされましても、国民は法そのものの威信を疑い、法治国家の根本をくつがえすことに通じはしないか。これを私はまずおそれるのでありまして、このことは、あまり与野党とか、立法府とか、行政府にこだわらなく、憲法の基本に従って明快に御答弁をわずらわしておく必要があろうかと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) まさに憲法下、法のもとに行政が置かれることは当然でございまして、お説もごもっともであろうと考えます。しかし、現在の食管制度というものにつきましては、この食管制度が昭和十七年二月にできまして、その当時の実態、その後の食糧の需要の状態、これらの問題を考えてみるときに、少なくとも米という、わが国の主食であるこの米をいかにして消費者に配分をするか、すなわち平等に配分をするか、そういうような考え方の上に立ってこの法がつくられたのだと思うのでございまして、でありまするから、今日のような状態、緩和した状態になってまいりましても、政府はたとえば自主流通米をやるにいたしましても、必要の全量だけは、国民の基本的な米の全量だけは確保しておる。そういう上に立って、自主流通米というものを行なおうとしておるのでございまして、自主流通米というものもただ野放しにしてしまおうということではなくて、ある一定の規制のもとにこれらを行なっていこうと考えるのでございまして、また反面、食管制度というものを何としても私は堅持しなければならないし、食管制度を据え置きたい。それには、いまのように毎年毎年お米が余っていくというような実情、その上に立って今度は古米が出てくるという、こういうような計算の上に立ってまいりますると、これがやがて飼料にも回さなければならない運命にもあるだろう。こうなってくるとき、はたして世論がこれを許すだろうか。私はそういうような点までも真に農民の将来を考え、さらに食管制度を堅持する上に立っては一つの考えなければならない資料であろうと考えているのでありまして、こういうような点から考えて、今回の自主流通米というような措置をとったのであります。 また御承知でもありましょうけれども、一般大衆のためにつくられたこの法が、何か一般の消費者は、もうこういうものは不必要だということまでも言ってきておるその原因はどこにあるかといいますと、やはり何といっても、その配給米そのもの自体の食味、つまり味のいい米が要求されてきておる、こういうような点から考えましても、今回の措置はとっていくべきではないだろうか、こういうふうに私は考えます。したがいまして、御答弁になるかどうかはわかりませんけれども、そういうような考え方の上に立って自主流通米というものを認め、そうして食糧管理法というものはあくまで残すという、こういう基本方針には変わりはないということを申し上げて御答弁にかえさせていただきます。
○足鹿覺君 私はその法の順序を経ていきたいのでありますけれども、御答弁の順序によって追及的にお尋ねをしていきたいと思います。 いま御答弁によりまするというと、法のたてまえもくずさないし、配給の問題にも触れられました。配給の問題は第八条ノ二ないし六の規定にあるわけでありますが、八条ノ二ないし六の規定は、昭和十七年制定当時にはなかったのであります。すなわち第九条により命令に委任されていたものであります。現在削除されている第八条は検査に関する規定があったことは、大臣並びに食糧庁長官も御承知のとおりであります。これが昭和二十四年の改正の際加えられたものでありますが、国及び知事が配給計画を立てる、これは第八条ノ二であります。販売業者または消費者は八条ノ三による購入券に必要事項を記入しなければ米の売買ができないとしているのは、全量買い入れ、全量直接配給という政府の方針を確認しておるではありませんか、この矛盾をどのように解せられるのでありますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) この当時は何といってもお米が不足しておるときであって、その食管制度、食管法というものをつくったその目的というものに対する一つの方法、こういうような強制的な方法と考えたものだと解釈をいたします。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 補足してお答えを申し上げますが、第八条ノ二から第八条ノ六までの配給に関します規定は、これは大臣も答弁をいたしましたように、当時のお米の絶対不足という事情のもとで、公平に米の配分を実現するためにその手段的な規定として設けられたものであるというふうに私どもは理解をいたしておるのでございます。このことが直ちに、第三条の規定が全量買い上げを意味するものである、政府が全量買い上げの義務を負っているというふうに理解をする規定というわけには私はまいらないと思うのでございます。
○足鹿覺君 自主流通米制度はこれらの規定があるために体裁をつくろって、卸、小売り、小売りから消費者への売買は購入券により行なうとしておるようであります。この間新聞紙によりますと、うずたかく食糧庁には購入券が新しく印刷して準備をしておられるということが新聞に報道されております。このことは何を意味するかと申しますと、いわゆる購入券——役に立たなくなった、事実上空名にすぎない購入券をそのまま印刷して、形式的に一般家庭にこれを配るということは、法律違反を免れるための苦肉の策としか受け取れない。現行制度さえ配給通帳はほとんど名ばかりです。これが現実の姿でありますが、自主流通米は生産者の委託により、集荷業者と販売業者との自由取引で流通するわけでありますが、この自主流通米と従来からのいわゆるやみ米とを区分することは、これではとうてい不可能であります。国や県が販売業者から事後報告を受け取るわけでありますが、どういうふうにしてその真偽を食糧庁は見分けますか、承りたい。
○政府委員(桧垣徳太郎君) まず購入券の問題でございますが、確かに現在購入券が、発足当時あるいは米の不足当時に果たしたような役割りを果たしていないという事実は私ども認めざるを得ないと思います。そのことは、購入券は一定の米をその購入券に記入せられておる量までは配分を受ける権利を保障されたものでございまして、その権利保障の手段的なものでございますけれども、通帳あるいは購入券を呈示せずとも生活に必要な米の受配ができるという需給事情が、私は今日のような購入券の事実上の機能喪失ということにつながっておると思うのでございます。ただ、一定の数量は必ず政府としては配給の保障をするという限りは、最後の保障の手段はやはり購入券というものであって、したがって、配給制度が続く限り、購入券あるいはこれにかわるべき何らかの保障措置というものが私は必要であると思うのであります。 それから、自主流通米といわゆる非合法な流通米との区分をどうするかということでございますが、米自身に色をつけるわけにもまいりませんで、その点は、私は、一見してどう違うということではないのですが、全体として米について予約制度を存置し、予約制度の中で、自主流通米に回すものについては集荷業者の全国団体において流通計画を定め、その流通計画に従って、流通計画を承認された上で正規の取引が行なわれていくものが、これが自主流通米でございますので、私はそうなってもなおやみの米の流通がなくなるかということは断言はいたしかねますけれども、少なくとも現在のようなやみの流通に拘束を加える、いわばそれを抑制をする作用は十分に果たし得るものというふうに思うのでございます。
○足鹿覺君 私が尋ねておることに御答弁にはなっておらぬのであります。要するに、国が、あるいは県が販売業者から受ける報告は——配給米を何ぼ、自主流通米を幾ら配給したという事後報告を求めるでしょう。どうして求めますか、その区別を。事後報告にすぎぬではありませんか。どうしてそれをやるかというんです。まさか米に色をつけることもできますまいし、表玄関に袋詰めにして飾っておいて、裏では自主流通米を自由に配給してもいくわけです。看板どおりにはちゃんと袋に入れておく、それでもいけるんです。どうしてその事後報告を受けるかというんです。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 販売の報告は当然事後報告にならざるを得ません。
○足鹿覺君 数量をどうして把握しますか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) その事後報告が正当であるかどうかは、これは販売業者の伝票、諸帳簿等について行政上の監察をする以外には、確認をする方法はないと思います。
○足鹿覺君 現在の厳重な全量国家管理米のもとにあっても、あなた方はほとんど監察、指導等はやっておらぬではありませんか。いわんや、米に色をつけることはできないといみじくも指摘されたように、どうして一軒一軒当たることができますか。事実上においてこれは事後承認の、ただていさいをつくろうことだけにとどまるのではありませんか。だから、混米格上げということが行なわれても、この全国のたくさんの配給業者にどうして一々干渉することができますか。その良識と誠実に期待する以外に何ものもないではありませんか。だから、私は、ある市町村におけるところの小売りが自由化するわけでありますから、サービス競争となって、配給通帳に記帳するような煩瑣なことは実行されないでありましょう、おそらく。実行させるのですか、あなた方は。小売りをしたものの中に、これは配給米で、これは自主流通米で、まさかこれはやみ米とは記入できないのでありますが、どうしてその実態を把握するのでありますか。首尾一貫しないではありませんか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 現在の段階におきましても、御指摘のように、格上げ販売等の問題が問題とされていることは私どもも認めざるを得ないのでございます。で、そのことの適正化を期しますために、かねてから消費家庭への配給については伝票を付して配給をするということの励行を求めておるのであります。今後も消費家庭への米の配給に当たっては伝票制の励行をさせるということは一そう強くやっていきたい。また販売店に対する監査、指導等についても従来に増して私どもとしては厳正に実行するようにいたしたいというふうに思っております。
○足鹿覺君 あまりそらぞらしい御答弁は自粛していただきたいと思うのです。私は少なくとも架空の上の質問をしているのではありません。まじめにその流れを、自主流通米というものがどういう流れを経て、どういうふうにまた政府はその実態を握ろうとしているか。いわゆるやみ米と自主流通米との区別もつかぬ。格上げ混米の見分けもつかぬ。そういう事態をおそれるからでありますよ。つまりそのことは食管の根幹をくずすおそれがあるから、私はこんな熱心に具体的に質問をしているのに、あなたはあまりにもそらぞらしいことを言う。どうしてやりますか。もし不正、不当の配給が行なわれたことを発見したときには、どうしてこれを処分をし、その適正を期しますか。年間日本全国一定の計画に従って厳重な監査、指導をやりますか。どうして食糧庁はこれを取り締まる方針でありますか。そういうことはできやしない。配給業者の良識と誠実と、自由競争の原理を導入することによって、消費者の良識も加えてこの問題をやるのだとあなた方は言っているではありませんか。だとするならば、格上げ混米をしたり、あるいは自主流通米とやみ米との区別がつかないようなもし事態が生じたときには、どうしてこれをチェックし、どうしてこれを厳正に取り締まるかということを聞いているのですよ。そんな伝票をつけて一々取り締まるというようなことを聞いているのではありません。そんなことは現在だってできていない。
○国務大臣(長谷川四郎君) もう何もかも足鹿さんのおっしゃる点、全くなかなかむずかしい問題なんで、私もその問題で食糧庁長官ともいろいろ就任と同時にやってみました。そこで結論として自主流通米、これはもう初めから小袋詰めにして出すと、そして手間もかかるであろうけれども、全部自主流通米は、政府管理米と、こっちが自主流通米でございますと、これではなかなか見分けがつかないし、またこれはいかに商人というか、取り扱い人を信頼いたしましても、なかなかむずかしい面が、おっしゃるとおりの面が出てくるだろうと思いますから、そこで自主流通米は全部小袋詰めにしようじゃないか。こういうような考え方で指示というか、お話を申し上げたのでございまして、その自主流通米はそのような最末端の取り扱いはいたしたい。こう考えております。
○足鹿覺君 食糧庁長官、あなたは実務を総括しておられる。大臣がこういうこまかい末端の実情というものは知っておられるかもしれないけれども、あなたがこの制度を編み出した根本だからあなたに責任とってもらおう。一々伝票渡して整理をするとかそういうことでその実態の把握はできないではありませんかと言っているんです。もしその監督の結果、格上げ混米をしたり、やみ米と自主流通米を混同したり、あとで触れますが、物価統制令をはずすわけでありますから、大きく不当な値上がりを、不当な利益を占めるような小売り店ができたときには、やはり地域の固定しておるところにおきましては競争の原理もある限界があると思うんです。都道府県知事は小売り業者からどういうふうに取り扱いの種類別区分の報告を受け、国に報告をしますかと、それは作文にすぎぬではありませんかというのですよ。どこで自主流通米とやみ米と管理米との区別をするかというのですよ。それでなかったら自主流通米の流通管理なり、幾ら流通したかということについて政府は指導力を持たぬではありませんか。合法的やみ米だといわれてもしかたがないではありませんか、それを聞いておるんです。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 自主流通米はもうお配りをいたしたかどうかわかりませんが、生産者の販売の体制は、集荷業者に委託をしてその全国団体を通じて卸売り業者もしくは農林大臣の指定する実需者に売り渡すということで規制をいたしておりまするから、したがいまして農家の販売数量の把握は私は困難ではないというふうに考えます。で、卸は小売りに対して購入券によって販売をいたすのでございますから、これも把握は困難ではない。で、小売りの段階につきましては、これが一番困難であることは大臣もおっしゃったとおりでございます。それらの誠実な配給業務を営んでもらうということのためには、私はやはり根本的には配給業者の商業道義、順法精神というものにまたなければならないというふうに思うのでございますが、そういうことの保証の意味も含めまして小売り店の自由選択小売りと消費者との結びつきの登録廃止というようなことも四月からやろうとしているわけでございます。で、販売の報告文につきましては、これは調査についてかなり困難があるとは思いますけれども、仕入れと販売を追及をいたしますれば、一升一合に至るまで追及することは困難にしても、適正なる配給業務を営んでいるかどうか私は把握できると思うのでございます。そういう場合にはまた地域、各県に政府米配給協議会というものを現在も置いておるわけでございますが、消費者を含めて一種の監視体制も強化をしてまいりたい。で、明らかに悪質な規制、統制違反、法律違反というものが発見をされました場合には従来は勧告をするということでございましたが、今後小売り店の選択自由ということになりますれば、扱い業者にとって信用の問題がきわめて重大な問題になってまいりますので、悪質なものについてはこれを公表するということを知事あてに通達をいたしておりますが、なお業務の改善のあとが見えないという場合には私としては政府配給米、政府管理米の売り渡しについて停止の処分をするというようなことぐらいはぜひ励行をしてまいりたい。
○足鹿覺君 そうしますと、第八条の二ないし八条の六の規定が事実上順守されない場合の措置は政府管理米の配給停止をやる、こういうことですね、大臣、それでこの運用の適正が期せられると御判断になりますか、配給の停止ということは一方においては自主流通米の取り扱いは認めるということですよ、そういう片手落ちがありますか。八条の二ないし八条の六が明らかに守られず脱法をしておる者の認識がついたときに、管理米だけを配給を停止する、やみ米をしっかりやれ、そういうばかなことがどこにありますか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 政府の側で政府の管理米については売り渡しという行為が続くわけでございますから、したがって売り渡しの停止ということを申し上げたのでございますが、もっと突っ込んで申し上げれば、市町村長の発給する購入券の発給を停止すればこれは自主流通米もあわせて買い入れは正規にはできなくなるということでございます。
○足鹿覺君 登録そのものはどうなるのですか、端的に言いなさい。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 私は、登録そのものについては、いまの購入券の発給停止という、登録の取り消しまでの処分ではなくて、その前段階において反省を求める措置として考えておるのでございます。
○足鹿覺君 なお、その場合にも第八条の二ないし八条の六の規定が事実順守されなかった場合にはどうしますかということを聞いているのですよ。そんな警告——警告ばかりではだめです。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 第八条の二−八条の五までの規定につきまして、私は購入通帳の正規の取り扱いを完全にやらなければ、これは一種のペナルティを課すほどの問題であるかどうか、私は端的に申して疑問があるのでございますが、配給業者が配給業者としての業務に適正を欠く、違法があるという場合に、私は措置をすることをもって足りるというふうに考えております。
○足鹿覺君 配給業者が配給業務を行なう場合に適正を欠いた場合というのはどういう場合ですか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 現在におきましても米の卸売り商から小売り商に対する売り渡しは購入券によって実行されておるのであります。ただ、私が先生の御指摘に対して多少おそれますことは、末端の消費者と小売り店との間ではたして購入券、配給通帳による流通が厳守されるであろうかどうかという点については、私は実情から見てなかなかそうはいかないのではないかと、ただ、小売り業者が政府の政府管理米の売り渡しを受けてそれを政府管理米の統制価格で消費者に渡すというべき義務に違反するという場合が私は最もとがめらるべき不適正な場合であるというふうに思うのでございます。
○足鹿覺君 だからそういう抽象的な論議は別として、端的にですね、いわゆる良貨と悪貨をどのように区別をし、悪貨にどのような制裁を加えて、そして流通の適正を期せられる御所存かということを聞いておるのです。現行管理制度のもとにおいてすらもなし得ないような弱体的な現情勢なんですから、いわんや自主流通米というものが公然とまかり通り、年々それを増量することをあなた方は期待しておるのでしょう、増量することを、そうでしょうが、それが縮小するならこういう主張は必要ない。増量して政府の財政負担を消費者に肩がわりをする目的がこの自主流通米の真の目的なんでありますから、そういう場合になってくればくるほど食管法の根幹を守らんとしておる善良な末端の小売り業者をいかにして善悪を見定めていくかということに対して私が答弁を迫っておるのに、なぜもっと具体的な答弁ができないのですか。その答弁ができない限り私はこの質問をするわけにはまいりません。何ですか一体それは。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 私は末端の小売り業者は消費者の希望する米を正規の規制のもとで的確に売り渡していくということが任務であるというふうに思うのでございます。でございますので、そういうことについて法律の違反、統制違反ということがございますれば、これは先ほど申し上げましたように勧告、公表等によって誘導いたしますが、さらに悪質なものについては購入券の発給停止を考える。さらに質の悪い違反行為を続けるというような場合には、これは法律の規定に基づいて登録の取り消しも考えることにいたしたい。
○足鹿覺君 登録の取り消しをする……。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 登録の取り消しも考えたいと思います。
○矢山有作君 ちょっと関連して一つだけ伺いますが、現在の米が直接統制下に置かれておる。これから自主流通米を認めようという状態とはもっときびしい状態の中で、一昨年の二月東京都が調査したところによりますと、調査の回答数が三千五百六十、その中で半数以上が配給米でないいわゆるやみ米を消費しておったということが発表されておる。それからさらに、かつて農林省から特選米の制度が行なわれておったときに、一、二等米が特選米になっておったわけですが、これの売り渡し量が全体の政府売り渡し量の六%であった。ところが、特選米を食べていると回答した者が二〇%あった。これは食糧庁の調査結果です。こういう事実がわかったときに、食糧庁はこれに対して一体どういう規制を加えたですか。具体的にそのことを聞きたい。そういう違反事実が食糧庁の調査ではっきりわかっておるのに何らの規制を加えることができないような食糧行政をやっておって、ただいまの足鹿議員の指摘したような問題についてあなたのおっしゃったような措置を適正にとることができるのかできないのか。これは私は大きな疑問だと思います。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 現在の米の配給面におきます実態の調査につきましては東京都の調査も私ども見ました。また総理府の家計調査によりますれば、全国の都市家計では全体の約三〇%が非配給米を食べているという記入がされておるのでございまして、これがはたしてやみ米であるのかどうかということは、私は立証はかなりむずかしいとは思いますけれども、少なくとも費消者が一般の配給米ではなくて自分の好む米を買いたいという、そういう意欲を持っておる証拠には十分なり得るものと私は思うのでございます。 さて御指摘のありました特選米が政府売り渡し量よりも末端において多量の特選米が売られておるということには、確かに格上げ混米等の疑いが濃いのでございますが、当時はそのことについて特別の行政的処分というようなことはいたしておりません。いたしておりませんが、このことには二つの意味、その二つの意味をくみ取りまして特選米制度というものをあの需給事情のもとではやめたほうがいいということでいわゆる内地米一本に統合をしたということが具体的な措置でございます。その後そのことについての特別の措置はとっておりません。
○矢山有作君 まあ総理府の調査によると全国の三〇%以上、これは大都市なら四〇%以上がやみ米を食っている、これはやみ米とは限らぬとおっしゃるけれどもね、やみ米じゃないとするならば、政府が売り渡した米をそういうふうな自由米として売っているわけですから、だからいずれにしても正当なやり方ではないということははっきりしているわけです。それはそれとして、なぜそういう不正な事実が数々調査によって指摘されたのに何らの行政措置を加えなかったか、行政措置を加えなかった理由を聞きたい。行政措置を加えようにもこういう違反の事実を的確に掌握するだけの能力がなかったから行政措置を加えなかったのですか。的確に掌握できるのに行政措置を加えなかったとするならそこに行政の不公平が生まれます。それをおそれたから行政措置をとることができなかったのでしょう。そうじゃないのですか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 全国平均で三〇%の数量が非配給米という記入がされておる、ただそのときに最高販売価格以上のもので買ったものはこれは非配給米だという意識を持つものも私はあり得るのではないか。たとえばビタミンの補強強化米を混入をしたものを買う、その場合に記入者は配給米として記入をするか、非配給米として記入をするか、この辺は分明でないところが私はあると思うのでございます。いままで特別の行政処分というものはいたさなかったということについては、政府としては府県庁と協力をいたしまして、これはやや私は微温的であったかと思うのでございますが、配給米の集合監査というようなことをやりまして警告をしていくという指導的措置をとってきたのでございますが、そのことによってある程度業者の自粛を求め得たというふうに思うのでございますけれども、今後自主流通米については自由な価格形成を認め、政府の管理米の配給価格については物価統制令の規制を尊重するという方針をとりますと今後の行政上の監査、指導の責めは一そう重くなるというふうに思われますので、その点については監査の強化をしてまいりたいというふうに考えておるのでございます。
○足鹿覺君 ただいま食糧庁長官は私の追及に答えてやっと登録の取り消し等の措置も考えるということを言われました。その場合ですね、食管法には罰則が生きております。八条の四の購入券によらない売買、九条の米の譲渡、配給、加工等に関する命令の違反、第十条の価格等に関する命令の違反に対して十年以下の懲役または十万円以下の罰金というきわめて重い罰則がございます。また三条一項の供出に関する命令違反に対しても三年以下の懲役または三万円以下の罰金という重い罰則が定められております。このように罰則が重いのは、言うまでもなく全量買い上げ、全量直接配給を前提にしているからであると私は思いますが、いまさらこの問題についてはさかのぼってこの全量買い上げ、全量配給問題にあえて言及することをこの際省略いたしますが、このような重い罰則を不問にしておいて、法の精神を没却してあえて一部自由流通米が違法でないという形式的な解釈をとられることを私は非常に遺憾に思うのであります。そして罰則はそのまま残しておっても、現在配給過程にあっても、先般の予算委員会において同僚中村委員の質問に対しても、法務大臣は検察当局によって起訴されたものはほとんど指折り数えるほどしかないという無法状態が現出しておる。こういう条件の中で自主流通米がまかり通った場合に、最悪の場合登録の取り消し程度でどうしていわゆる法の精神を順守していくことが可能でありますか。民主的な法治国家におきまして、われわれ国会の一員としては、このような脱法、違法行為が堂々とまかりとおるようなことは見のがすわけにはまいりません。 私はここに一例を農林大臣に示して御検討願いたいと思いますが、単に需給調整だけで目的を達成するということであれば罰則を削られる必要がある。削ったらどうですか。戦時立法なんで、こういう重い罰則はないんでありますから、罰則を軽減するとか、もっと全面的にこの戦時立法を民主憲法下に合致するように法改正すべきではないですか。やるならそれぐらいの決意をお示しになったらよかろう。戦後できました需給調整を目的とする、たとえば加工原料乳不足払い法の一番重い罰則は「六月以下の懲役又は五万円以下の罰金」です。繭糸価格安定法の一番重い罰則は「一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金」であります。糖価安定法では懲役はなく「三万円以下の罰金」であります。農産物価格安定法のごときは罰則は全くない。こういったことでもわかるように、食管法ほど重い罰則を設けるわけがないのだ。需給調整でいくということでありますならば、罰則で取り締まるのじゃない、政府が最悪の場合登録の取り消し程度で、あとは管理米の操作によって値上がりを操作していく、需給調整でいくならば、戦後できたこの立法程度の軽微な罰則で事足りるではありませんか。食管法のこのような「十年以下ノ懲役又ハ十万円以下ノ罰金」というような極刑に処するような法律を科しておいて、需給調整のワクでいくなどということはおよそ本末を転倒しておる。つじつまが一つも合っていない、私はそう思うのです。やりなさいと言っておるのではありませんよ。つじつまが合っておらぬではありませんか。需給調整で、戦後できた法律はほとんど軽微な罰則で事足りておる。あなた方が需給調整でやるという自信があるならば、この罰則を削りなさい。少なくとも大臣はそれだけの決意を持ってこれに当たられてしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) お説ごもっともなところもございますけれども、いずれにしてもこれは直接統制という食管法そのものは現存しておるし、したがって、私たちのたてまえとしては食管法をあくまで堅持していきたいという、こういった上にございますから、そういうような面をひとつ御理解いただきたいと思っております。
○足鹿覺君 それでは申し上げますが、先ほど申しましたように食管法違反に問われた件数というのは、毎年毎年少なくなって、白昼堂々やみ屋が店をかまえて、やみの正米取引所が東京にも大阪にもできておるという始末であります。法治国家にあるまじき現実の著しい矛盾を露呈しておるのであります。 そこで大臣に伺いますが、このような罰則を残して、食管法の根幹を守ろうという御意図は、もし需給が逼迫したときにはこれらの規定を発動して、厳格な統制を再びとる、そのための存置でありますか、この点を明らかにしておいていただきたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 事情が変われば御指摘のような方法を当然とらなければならないと考えております。
○足鹿覺君 先日、中村波男委員が予算委員会で農林大臣に伺ったときに、少なくとも十年間この自主流通米制度は存続するだろうと言われましたが、いまの大臣の答弁では、情勢が変わればこのような罰則も適用することがあり得るという御答弁でありますが、食い違いがないですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 食い違いではないのでして、私たちのほうの長期見通しという、そういう展望に立ちますと、五十二年を出してありまするから、五十二年までの展望からいくと、そういうことでございましょうと、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○足鹿覺君 檜垣さんどうですか、十年間必要ない。その間に食管法はなくなっちゃう。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 中村委員の御質問は、自主流通米制度は米の需給にゆとりのあるときにやるという考え方のようであるが、そうすれば米の需給の見通しと、ゆとりがあるとはどのくらいが見通せるのかというお話でありましたので、農林省の米の需給の長期見通しでは、約十年間は需給の関係のゆとりがある、そういう意味で自主流通米の実施の条件は、たぶん十年程度はその条件を満たすでありましょうということを申し上げたわけであります。でございますので、しかし、この見通しに狂いがあって、需給事情が非常に窮屈になる、あるいは食糧の確保、公平な配給ということに、国民経済上の重要な意義を持たざるを得ないというときには、これは大臣が申されましたように、罰則その他の適用についても厳重に励行する必要があるということになろうかと思います。
○足鹿覺君 どうも私が聞かんとしておるところに的確に御答弁にならないのでありますので、質問を進めますが、いたずらな空転を避けて、進めますが、消費者の立場からひとつ考えてみましょう。米の場合は、消費量がきわめて固定的であります。野菜の場合とはよほど違うのでありますが、野菜の場合におきましても、自由企業であり、地域の独占性の強いところにおきましても相当の変動が起きておるのであります。で、いま申しましたように、小売り商は比較的固定された消費量を前提にして、一定の利潤をあげていかなければ、まかり間違えば営業権の停止を受けかねない。といって法律をそのまままじめに守っていけば、米びつが干上がってしまう、こういうことになるわけでございます。そこで登録を取り消すという厳罰に科せられるということは、商売人にとっては死刑の宣告と同じ状態でありますが、自主流通米とやみ米とどこで区別をして売るのか、その区別もつかないのに、さような厳罰を、一体何を基準にして科せられようとしておるのか、当面の問題として皆さん方にわかるように御説明願いたい。最悪の場合は登録の取り消しをやると、こういうことでありましたから、質問をもとへ戻して、その登録取り消しの条件をこの際具体的に明らかにしていただきたい。そうしないと罰則は適用しない、あるときがきたらやるかもしれぬ。ただ一つの、消費者が安心しておられるのは、自由競争の原理の導入といわゆる登録の取り消しというこの二本にたよらざるを得ない。そうですね、だとするならば、どういう条件のもとに消費者の家計の安定をはかることを旨として消費者米価を定めるとなっているその法の精神に合致させられるおつもりでありますか。その点をひとつ明らかにしていただきたい。これは経済企画庁の長官にお越しをいただいて物価との関係で私はお尋ねをしたがったのでありますが、食糧庁自体が経済企画庁とどのような打ち合わせをし、関係方面とどういう連絡調整をとってこの問題を解決されようとしておりますか承りたい。 大体、衆議院における政府答弁では、十キロ当たり二百六十円ないし二百七十円自主流通米が上昇すると見込んでいると答弁をしておられます。二百六十円ないし二百七十円の内訳はどういうものでありますか。何を基準にあなた方はこういう計算をはじき出されたか、それを承りたい。生産者は政府買い入れ価格より高い水準でなければ自主流通に回さないのが普通でありましょうから、その分だけ二百六十ないし二百七十円にかさ上げされることになろうかと思います。戦前の銘柄格差から判断をいたしますと、卸売り価格で上下一割強くらいの格差が生ずるものと考えられますから、極端に資質の悪い米を別にいたしますならば、最上級の自主流通米と配給米との間にはこれは百五十円から百六十円の格差を生ずるのではないかと私は過去の資料に基づいて判断せざるを得ない。といたしますと、消費者は十キロについて四百十円から四百三十円高い米を食わされていくことになるのでありますが、そうなってもいたしかたがないのでありますか。物価政策との関係においてあなた方はどのようにこれを処理されようとしているのでありましょうか。その第四条の規定に基づき、消費者の家計の安定をはかることを旨として政令の定めるところによって消費者米価を定めるという法の精神に合致させようとしているのか、これを明らかにしていただきたい。大臣、これは非常に重要な問題であります。物価対策との関係において、物価閣僚会議や物価問題懇談会等でどのような対策を練っておられますか承りたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 前段は長官のほうから申し上げますが、後段のいまの件は、政府の管理米は一億の国民に全部、自主流通米を要求しなくて、こちらから管理米を要求されれば全部管理米を与えられるだけの用意はしてあるわけでございます。でありまするから、いま御指摘のような特別嗜好によって自主流通米のほうのこういうのがほしいといった人に対しては、価格の面ははっきりは申し上げられませんけれども、幾分か高くなるであろうと、これは間違いないわけであります。それは間違いないと思います。その点はこちらから、長官からお話ししますが、しかし、食管法にあるその精神に基づいては、まさに私どものほうは国の方針としては全量買い上げもするし、全部が管理米がほしいというなら全部管理米でお渡しをいたしますと、こういうことを申し上げて用意してあるのでございますから、その点だけははっきりしてもいいだろうと考えるのであります。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 記憶に基づきまして御質問の項目にお答えいたしますが、自主流通米の価格がどのくらいになるかという御質問は予算委員会でも受けたのでございますけれども、そもそも自主流通米は需要の動向に予測して価格の形成をさせるということでございますから、一律の価格が出るとは私は思えないのでございます。ただ一応のめどになる数字として申し上げたのが、政府の買い入れ価格を前提にし、政府の負担をいたしております諸経費、そういうものを基礎にして試算をいたしますと、現在の最高販売価格であります消費者価格水準よりも十キロあたり二百六十円ないし二百七十円のコスト高になるということを申し上げたのでございます。で、これは現在政府が予算上用いております諸経費を基礎にし、保管経費と金利については、流通期間が短いものですからその期間に応じた計算をいたしまして試算をいたしたものであります。 なお、銘柄格差の最高限度のお話がございましたが、これは消費者段階における需給の関係から形成されたのでございますから、経費の上に上積みされてさらに格差が大きくなるということは私はあり得ないというふうに思います。
○足鹿覺君 あなたがいま言われておるのは管理米価格を基準としていわゆる単価を積算されたもののようですね、よくわかりませんが。しかし、今度の自主流通米の目的は、うまい米を安くということなんですよ、いいですか。うまい米を安くということであるならば、政府の定める基準価格、農民の対応のしかた、消費者の所得水準の推移、選好等いろいろの要素があって私はそう軽々しく言えない。それからあなた方のキャッチフレーズの「うまい米を安く」なんということは、インチキきわまる宣伝と、こう申し上げてきた。事実そのとおりですね。二百六十円ないし二百七十円に従来のこれは基準価格であれば上がっていくわけですから、これは全販連と指定販売業者の間において虚々実々の価格形成が行なわれますけれども、あなた方はその実態をにぎっておるわけではありませんからまだわからぬ。しかし、大体はこの程度であろう、しかしこの中に幾らか銘格基準が含まれた価格であるとはおっしゃっておりませんけれども、この上何ほどかの銘柄格差が積まれるということはお認めになるでしょう。その価格が百五十円ないし百六十円だといたしますと、十キロ当たり百五十円ないし百六十円、一キロ当たり十五円ないし十六円のうまい米の格差がつかざるを得ないと思うのです、私は。無理ではないと思うのです。といたしますと、十キロ当たり四百十円から四百三十円も高い米を消費者に売りつけることが自主流通米じゃありませんか。そうすると、「うまい米を安く」ということは事実上偽らざるを得ない消費者不在の、いわゆる政府の財政負担を消費者に肩がわりするためのねらいにしか出ないでありませんか。何をもっていい米を安く食わせる手段方法がありますか、御答弁があったら承りたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 「うまい米」はわかりますけれども、「安く」は少しどうも、そういうふうに答弁をしていないつもりなんであります。どうも「うまい米」まではよくわかるのですけれども、「安く」というのは少しどうも、そこまでは考えておらないのですが……。幾ぶんか高くなるだろうと、こういうことを申し上げておるのですけれども、「安く」ということはまだ申し上げていないのですけれども。
○足鹿覺君 「うまい米を高く」ですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 「うまい米を高く」とも申し上げません。嗜好に応じたうまい米ですから、幾ぶんか高くなるでしょう。こういうことは申し上げているのですけれども、安いとは申し上げておらない。
○中村波男君 長官、予算委員会等で大体管理米を基準にして二百六、七十円高くなるだろうということをおっしゃったわけですね。そこで足鹿委員がいま聞いておられますのは、率直な言い方をすれば、今度は売る農民は管理米と同じでは自主流通米に売らぬことははっきりしている。そうしますと、その価格差というものは、戦前等の例から見ますと二百円あるいは二百五、六十円高くないとうまい米を自主流通米に農民は売らぬであろう。そういうことになりますと、問題は農民が実際に自主流通米に売ります場合に、百五十円か二百円か二百五十円かによって違いますが、かりに二百円とすれば、政府の試算に基づく政府米の財政負担は四百十二円だと思いますが、それから均等すると二百六、七十円になるということになれば、農民がいわゆる管理米より高く売る額をプラスして消費者の手に渡らなければ自主流通米というものは動かぬと思うのですよ。そうなりますと、どう考えてもいまの管理米よりも四百円以上高く消費者は買わなければならぬ。それがいまの実勢価格が今日大体百九十円から二百円だというところに合致するんじゃないか、こういうふうに私たちは考えて、したがって自主流通米というのは、いわゆる財政的に政府としては四百億負担が軽くなるかもわかりませんけれども、その肩がわりとして今度は消費者が負担をする結果になるんじゃないか、こういう論点でいま質問しているんですよ。その点明らかにしてください。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 私が申し上げましたのは、政府の買い入れ価格、あれは一−四等の平均買い入れ価格を基準にして考えますとという前提を置いておりまして、それから政府の管理経費というものを資料として用いて試算いたしますと、その場合二百六十円ないし二百七十円のコストアップに相なります、それは一つの価格を推測するめどにはなりましょうということを申し上げたのでございます。したがって、それぞれ政府の買い上げ価格は等級別に価格がきまっております。したがって、それより有利な価格でなければ農家が自主流通米に回さないということは御指摘のとおり。したがって、その分がどのくらいになるかということでございますが、そのどのくらいになるかということの尺度に戦前の最上と最下限の価格差、私の資料では一三%くらいの数字があるようでございますけれども、それを直ちに導入をいたしまして、生産者がその価格差でなければ売らないということには私はならないし、またそういう価格差の上にさらに政府負担分の差がついた消費価格がついてくるということも私は簡単には考えられないということでございますので、一体幾らになるかということを問い詰められますと、それは私は非常に困難で、いま予想することはそもそもだれもできない話だというふうに思いますが、一方において政府管理米について、大臣からお話もありましたように、消費者の需要がある限り政府としては十二分の操作余力を持っておるのでございますから、その政府管理米の操作によって消費面における価格水準の規制は事実上行なわれ得るというふうに思いますので、御指摘のような水準を基準として考えるようなことは、私はどうも必ずしも適当ではないのではないかというふうに思うのでございます。
○中村波男君 長官のいま答弁を聞きまして、全く無責任な言明だと思うんですよ。それなら今度逆に聞きますが、自主流通米が高くなったときの手として、押えるきめ手としては、管理米をたくさん持っているからそれを放出して値を冷やしていくという考えでしょう。そういう操作をおやりになるという前提があるわけでしょう、安定的需給という立場で。そうなったら幾らになったらそういう操作をしますか。少なくとも自主流通米制度を発足させるにあたりましては、大体自主流通米の消費者価格はこれくらいに落ちつけなければならぬし、落ちつくであろうという前提があって制度というものを考えなくちゃならぬのじゃないですか。ただ政府の財政四百億だけをとりあえず百万トンで押えればいいんだ、あとは幾ら高くなっても消費者は買うんだ、こういう考え方であるならば大問題だと思うんですよ。したがって、具体的に幾らぐらいに自主流通米が上がった場合には政府はどういう方法で操作をする、こういう考えを明らかにしておられるわけでありますから、その点はっきりしてください。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 政府管理米の操作ということは消費者が自主流通米、自分の好む米を買いたいと思っても、あまりに高価であるということであれば当然買い控えるわけであります。どうしても米は食わざるを得ないわけでありますから、政府管理米の需要としてあらわれる。そうしますれば、その需要に対応するだけは十分に供給するということで、現在の配給の機構、システムのもとでは十分に対応できる。そのことの弾力は——専門家もいらっしゃいますが、流通段階にはそれぞれ政府管理米の需給の弾力に応じるだけの手持ちは持っておるわけでありますから、その手持ちの多寡というものに対応すれば十分私は操作ができるというふうに思うのでありまして、自主流通米がどのくらいの価格水準ならば操作をするのだということは、私は客観的にそういうことをきめる必要は現段階ではない。自主流通米について何割は自主流通米を消費者に押しつけるという性質のものであれば、これは問題だと思うのでございますが、消費者の選好に応じて価格との相談で購入をする米でございますから、これらについて抑制すべき水準というものを予定する必要はないというふうに思っております。
○中村波男君 それは衆議院の予算委員会、分科会等でも参議院でも、長官は、もし自主流通米が高くなったら、いわゆる政府管理米の配給量を多くして、そうして価格操作ができるから心配ないという答弁をしていらっしゃったでしょう。いまの答弁は全く違いますね。そういう必要がないのだ。高ければ消費者が買わないから、高ければ消費者は政府管理米を買うからそういう措置を必要としないし、そういうことを考えておらないということでしょう。そうすると、従来から言われてまた答弁と全く食い違いますがね。いま言われたのはほんとうですか。政府のほんとうの考え方ですか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 参議院の予算委員会等でも申し上げたことは、私は一貫して変わっていないつもりでございます。政府の管理米の操作余力が十二分にあり、またそれについては現在の配給機構というものがある限り、消費者が自主流通米の高騰のためにその価格を承服しないということになれば、需要は当然政府管理米に向かってくるのでございますから、その需要に対応するだけの操作をすれば、自主流通米の価格はおのずから規制されるということでございまして、私の申し上げたお答えのしかたは一貫をしておるつもりでございます。
○足鹿覺君 この問題は非常に大事な問題なんですが、あなた方は自主流通米の制度は十年間続くという見解を発表されました、十年間の推持の展望を。本年は大体百万トンですね。七十万トンは酒と加工原料ですから、百万トンを一般消費に回す、こういう考え方になりますね。そうしますと、来年度はそう。十年先の展望ないしは五年先の展望はどの程度の自主流通米を認めていく方針でありますか。大体、自主流通米のねらいは、政府の財政負担を軽くしていくということにねらいがあるのです。だれが肩がわりをするかは別として、私はさっき指摘しておりますが、これは別として、私は消費者が肩がわりしていく、生産者が価格を押えられると、こう見ておるのでありますが、それはしばらく別として、とにかく財政負担を軽くしていくためには、自主流通米を増加せしめなければあなた方の目的は達成できない。そうでしょう。そうしますと、いま中村君が質問されたように、いかような場合に政府管理米の基準価格で放出してやるかということに対して明確な答弁ができないということは、つまり自主流通米を抑制するのではなくして、増量の方向へもっていこうというから明言ができないのでしょう。そうでしょう。じゃ何ですか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 一部は大臣でなければお答えできない点もあるかと思いますが、自主流通米のねらいは財政負担の軽減を眼目としてやっておるのではございません。そういう考え方はございません。現段階において、米の需給事情、ことに消費の動向から見まして、消費者については、みずからの選択、嗜好に応じた選択をして米を買いたいという事情に即応して、また生産者に対しましては、需要の動向に応じた生産の努力をするということの刺激に役立たせるというメリットをねらっておるのでございます。そういう消費者の選好に応じて購入をするという米について財政負担をする必要はなかろうということから、結果的に何がしかの財政負担の軽減に役立つことは、これは私どもとしても当然のことであるというふうに思っておるのでございます。 なお、自主流通量をどういうふうにするかということでございますが、本年の、本年といいますか、来米穀年度における流通量を一般消費用としては百万トンというふうに見込んでおりますけれども、これは一応の見込みでございまして、さらに、来年度どの程度のことを見込んでいくかということは、これは生産者がこの制度にどういうふうに対応するか、また消費の動向がどうなるかということで判断をすべきことであって、財政負担の問題であるとか、あるいは制度の固定的な方針というものを前提にしてどういうふうにふやしていくとか、あるいはどういうふうにふえることを期待するとかいうような性質のものでは私どもは全くないというふうに思っておりますので、次の年度における自主流通の量をいまここでどうこうというわけにはまいりませんけれども、私は個人的には、自主流通は現在の消費の動向から見て急速に拡大するようなことはまずあるまいというふうに考えております。
○足鹿覺君 それは新説ですね。一応承っておきましょう。そういうことで自主流通米の目的は達成できると、こういう御判断のようであります。大臣間違いありませんな、いまの食糧庁長官の判断で。
○国務大臣(長谷川四郎君) そのとおりでございます。しかし一言申し上げたいのは、このたび自主流通米をつくったことも、ただ、いまの食管法からいくと、どうしてもこういう米を、うまい米をつくらなければならぬということは強制できないのです。そういうような奨励方法はなかなかむずかしいし、一方において、それを強制することができないけれども、作付の転換等を行なって、一方にはうまい米をつくっていけばこうなるということと、作付の転換等を行なっていけば、必然的にその需給と生産のバランスがとれるようにもっていきたいと、こういうふうな考えであることは間違いないのです。ですから、一方でなるべくうまい米をつくってもらいたいという、それを強制できないから、この点もひとつ考えていってもらわなければならぬだろう。私もいろいろ、この問題で議論をいたしましたので、そんなようにも考えるわけなんですが、なかなかそれはそちらのほうが専門家で知っていて聞くんでしょうし、わかりませんけれども、どうもそんなような考え方でおります。
○足鹿覺君 私は賢明な長谷川農林大臣が食糧庁の行政ベースに巻き込まれつつあることを非常に遺憾に思いますが、この問題は同僚議員からも関連質問を申し上げておりますし、相当時間を食いましたので、いまの食糧庁長官並びに大臣の結論的答弁を一応聞き置いて次の重要な問題に入りたいと思います。 物価統制令の問題と米価との関係について伺いたいと思いますが、大体これは予算委員会でも触れられておりますので、簡単に前段を申し上げておきたいと思います。 佐藤総理は一月二十七日の施政方針演説で、生産者、消費者両米価を据え置くとの方針を明らかにいたしました。これは当然に現地農民の強い反発を巻き起こしておるのでありまして、まことに残念に思います。本年も政府の見通しによると年間五・三%の物価上昇が見込まれておるおりから、ひとり農業者、米麦農民のみが生産者米価を据え置かれていく、収入を押えられるということは、五・三%の物価上昇に対比いたしますと、実質的に切り下げを食うことになるのでありまして、政府の方針の違法性と不当性を明らかにしておるものと言わざるを得ません。そこで私は、この生産者米価抑制論の食管法上の違法性についてお尋ねをいたしたいと思いますが、食管法にはちゃんと再生産を保障するの規定がある。すなわち、第三条に、政府の買い入れの価格は生産費及び物価その他経済事情を参酌し米穀の再生産を確保することを旨として定めるというふうに書いてあります。生産費を考えない、物価の上昇というものは知らないというふうにしておいて、どうして再生産を確保するのでありますか。再生産を確保する価格が出てくるのか。私は、佐藤総理にかわって長谷川農林大臣に答えていただきたいのであります。もし、生産者米価を去年並みに据え置いてこれが再生産が確保されると政府当局は考えておられますかどうかということが一点。もし、去年の生産者米価が高過ぎて、ことしは据え置いたほうがちょうどいいというならば、去年はどれだけ高過ぎたか、それを明らかにしていただきたい。去年が高過ぎたとするならば、去年の価格決定方式は誤まっておったことになりますが、それをお認めになりますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまのお説のように、総理が施政方針演説において両米価を据え置くというお話を申し上げたことは事実でございますけれども、消費者米価を据え置くことは総理としてもできますけれども、生産者米価を総理が権限によって据え置くことはできないだろうと考えます。したがって、現在米穀の需給の大幅の緩和の実情だとか、物価安定の緊要性とか、こういう上にかんがみて生産者米価及び消費者米価を据え置くことが適当と考えると、こういうふうに思って、その旨を明らかにしたのでございまして、申し上げるまでもなく、生産者米価はまだこれから審議会を開かなければなりませんし、まだ審議会委員の任命も終わっておりません。したがって、審議会にはかって、その上で審議会の結論が出たら、それをわれわれは尊重をいたす考えでございます。でありますから、まだ生産者米価を決定したというわけではないと思うのでございます。
○足鹿覺君 審議会にはかってきめるということなんですね。総理といえども生産者価格を据え置くという権限はない、こうはっきり断言をされました。ところが、この間、中村委員が予算委員会で質問をされ、その前に立たれた自民党の高橋委員の、生産者米価の算定は生産費所得補償方式を続けるかという質問に対して、農林大臣は、そのとおりだと言っておられる。ところが、その直後に高橋氏が、首相は米価を据え置くと言っているが、何が何でもくぎづけにするというのではあるまいという質問要旨に対して、総理は、消費者米価については方針を貫けると確信している、生産者米価は米価審議会の議を経てきめるのだが、生産者、消費者両米価とも上げないという政府の方針について米審の十分な理解を得るようにしたい、こう答弁をしておられます。つまり据え置くという考えに変わりはないのですね。権限はないけれども、据え置くという方針で乗り切りたい、こういう所信を与党議員に明らかにしておる。これは私は重大な発言だと思います。速記録を調べてみなければそのニュアンスはよくわかりませんが、新聞を通じてはそういうことになっておるのであります。なお、大蔵大臣は、生産費について平均農家方式をとると言っておる。長谷川農林大臣は、先般の衆議院の農林水産委員会で限界農家方式をとると、はっきり言明しておられます。総理は、消費者、生産者米価とも米審の理解を得て押えたいと言っておられる。一体政府の統一見解はどこにあるのでありますか。——委員長、きょうは関係大臣の御出席を求めて、私はこの点をはっきりしてもらいたいと思っておるわけでありますけれども、事が農林水産委員会が開かれておるだけでありまして、予算その他の関係もありまして、他の所管大臣をお招きするということができませんから後日私は承りたいと思いますが、要は、消費者米価は別として、生産者米価の所管は長谷川農林大臣である。したがって、長谷川農林大臣は——蔵相は生産費については平均農家方式をとると言い、総理は押えると言い、あなたは限界農家方式をとると言われておるが、統一見解はきまっておるのかおらぬのか、きまるのはいつごろであるのか、まずこれを明らかにしておいていただきたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 委員会で大蔵大臣は、平均反収方式でいくという話だが、それは事実か、こういうお話がありましたから、私のほうは、いいえ、そればかりでございません、生産費所得補償方式をとる以上は限界方式もとるのです、こういうふうに申し上げたんでございまして、別に食い違いはないと思います、大蔵大臣と私の答弁の食い違いは。そういうふうにはっきり申し上げてあります。ただ限界をどこにとるかという、こういう点についてはまだただいま申し上げられる段階ではございません、こういうふうに申し上げておるはずでございます。
○足鹿覺君 それは長谷川農林大臣、それを平気であなた言われるのですか、違うんですよ。いわゆる平均農家をとるか、限界農家をとるかということは、これは根本から違うんですよ。——いいですか。事務当局、あなた方補佐が足らぬじゃないですか。何を言っておるんですか。蔵相が言っておられるいわゆる平均農家方式と限界農家方式というのは本質的には違うんです。長い間、米価審議会がいわゆる算定小委員会を設けて、現在の生産費所得補償方式というものを、私もその小委員として、現在は米価抑制のほうへ回っておられるある学者が委員長をしてこれはできた方式なんです。つまりバルクラインをどこに置くかということが問題なのであります。すなわち、バルクラインを六五とするか、八五とするかが論争の種になっておるのであって、平均値をとるかとらぬかなのではないのであります。この点をはっきりしてもらわぬと困りますよ。限界方式もとっていいという、そういう答弁のしかたは誤解を生じますので明らかにしておいていただきたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 大蔵大臣も——よくそれを見ていただくとわかると思うのですけれども、私も聞いていたんですけれども、大蔵大臣も平均でやるとは言っておらないと思うのです。私が申し上げたのは、大蔵大臣は平均でやると言うが、あなたはどうなんだ、限界方式のほうをとると、こういうふうに申し上げておると思いますが……。
○足鹿覺君 さっきの答弁を訂正になるのですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) いま申し上げたように、大蔵大臣と私とのやりとりの話です。ですから、大蔵大臣はこう答えているが、あなたはそれで間違いないかと言ったから、私のほうは平均でいくのではなくて、限界方式をとるんですと、こういうふうに申し上げたんですけれども……。
○足鹿覺君 あまり大臣をいためても——いためるつもりはないですが……。
○中村波男君 これははっきりしてもらいたいのは、大臣は限界反収方式をとると言われますけれども、その限界はどこにとるかは検討するとおっしゃっておられる。そういう限界反収方式というのは新しい方式だと思うのです。どこにとるかという余地のないものではないのですよ。ずっと米価をきめられる生産費所得補償方式というものが、今日固定したいままでの経過から見たって、バルクライン方式が初めとられておって、これが七五がいいか八〇がいいかという論争がありまして、それから算定方式があまりにも、何といいますか、めんどうで、そして限界反収方式というものがとられて、したがって一般が、平均反収か限界反収かということは、昨年おとりになった限界反収方式がことしも踏襲されるかどうかという、こういう受け取り方をするのです。したがって、昨年とられた限界反収方式を修正するというのであるならば、その点をもう少し具体的に明らかにして、長谷川農林大臣の言う限界反収方式とはこういう内容のものだということを明らかにしてください、そうせぬと論争できませんよ。
○国務大臣(長谷川四郎君) まだその限界反収というものに対して、どこを基準にとるかということを決定しておらないのです。ですからこの間からもそういうふうに申し上げておるのでございますけれども、この審議会が開かれるまでには、これをはっきりしなければお説のとおりにならないだろうと考えますけれども、まだいまのところはっきりしておらないのでございまして、これがどこでとるかということをはっきり申し上げられる段階ではないと思います。
○足鹿覺君 いま中村君の言われるように、去年は——従来は六五できたんです。去年になって平均反収へ、平均農家へこれをおろそうとして、自民党が板ばさみになって苦しんで、そうして生産性のメリットやいろいろのもので若干これを補正して現行米価というものはできたことは御承知のとおりであります。ですから、いわゆる平均反収方式というもの、いわゆる平均農家方式というものは、かねて大蔵省がそこに持っていこうとしておるし、財界もそれを主張して、農林省はこれに対して抵抗してきておるのが今日までの姿です。ですから、その根本をやはり腹に入れていただいて、いわゆるバルクラインを六五にとるということが従来の最小限度であったものが、昨年はこれを削られたんですから、昨年どおりにはいけないというのが中村委員の関連質問の要旨であります。ですから、私どもは、従来の六五をバルクの限界にとって、それ以上にとっていくということの限界方式、ここで私の言う限界方式ということは、そういうことを意味しておるのであります。間違いなく御理解を願って御答弁を願いたいと思うのです。——大和田君、君が言うなら君が答弁してください。
○政府委員(大和田啓気君) 私、当面の食糧行政の責任者ではございませんけれども、お許しをいただいてお話し申し上げます。 生産費及び所得補償方式をたしか昭和三十五年にとりましたときに……。
○足鹿覺君 三十一年だ。
○政府委員(大和田啓気君) 三十五年でございます。三十五年にとりましたときに、一体限界農家というものをどういうふうにとるかということが議論の中心でございました。そのときに、単に限界ということばはございませんで、適正限界というふうに議論したはずでございます。要するに、いろいろの条件のもとで米価でとる限界農家というものの性格いかんということで、当時農業団体は八〇%のバルクラインということを主張されておったわけでございますが、生産費を現実に調べますと、八〇%バルクラインに位する農家というのは五島列島の三反歩農家でございましたり、あるいは京阪神の三反歩の兼業農家でございましたり、きわめて不規則なものであったわけでございます。したがいまして、八〇%のバルクラインをとるということはいかがであろうかということで、いろいろ小委員の人たちが知恵をしぼりまして、数額上の措置として、平均反収から一シグマを引いたものを適正限界というふうに考えたわけでございます。したがいまして、平均か限界かということを詰めて議論をいたしますと、ただいま農林大臣が御答弁いたしましたことは、平均生産費はとらないということでございまして、しからば、限界生産費あるいは限界反収をとる場合に、一シグマがいいのか、あるいは二分の一シグマを引っぱったものがいいのか、あるいは〇・二シグマを引っぱったものがいいのかということは、それはそれぞれいろいろな条件のもとで成立することでございまして、それもまた一つの適正限界であろうと、そういうふうに考えるわけでございます。したがいまして、大臣が申し上げたことは私はそのとおりで、別に間違っておるというふうには考えないわけでございます。
○足鹿覺君 まだ固まっておらないということのようですから、まあこれ以上いまの時点においては答弁を得ることは無理だと思いますが、つまり、再生産を確保できる価格であるかどうかということはいつの時点できめられるかということを、私は、総理なり大蔵大臣なり農林大臣によく考えていただきたいと思うのです。いいですか、都市勤労者の賃金が幾ら伸びるか予測もできない一月の時点において、政府が予算を組んだ。そのときに、政府が生産者米価の据え置きを決定したことは私は非常に遺憾に思う。都市勤労者労賃がまだ予測もできない一月の時点において、生産者米価を据え置く方針だというようなことを従来言った総理大臣もなければ、そう言う政府はありませんよ。その不当性を、少なくとも農林大臣はよくお考えになって、今後適正な米価の算定方式を十分確信を持ってがんばっていただきたい、かように私は強く大臣の決意をこの機会に求めておきたいと思うのです。いま大和田君の御答弁で、まだ固まっておりませんから、どの時点で固まるのかその見当もひとつ聞かしてもらいたい。私は、大体、毎年の恒例に従って、七月の時点においてきめることが従来の慣行上もいいし、大体適当だと思いますが、予算委員会その他、農水、衆議院の論議を通じて見ますと、四月説を農林大臣は考えておられるようでありますが、つまり春闘等の都市勤労者の賃金が一応決定した時点において、また、農家の植えつけ直前において、あるいは日本の穀倉地帯が植えつけを終わった時点において、大体従来の慣行どおり、その時点をとって米価の算定値をきめ、価格を一応きめることが妥当だと私は考えますが、この点について、きわめて単純明快な問題でありますから、農林大臣から御決意のほどを承っておきたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 米価審議会の決定は私は逆な立場に立つと思っているのですけれども、なるべく早い機会に決定すべきものじゃないか。そうすると、その決定によって、生産者のほうも、やはり本年の米価は幾らだというそういう上に立っての生産が行なわれているほうが、農民に、生産者に対する最も親切な方法ではないだろうかと、こういうふうにも一面考えられる面がございます。したがって、ことしはなるべく早目に決定をいたしたい、こういうふうに考えております。
○足鹿覺君 早目ということは、米価審議会にはかって早目にきめるということですか。米価審議会はいつごろできそうですが。
○国務大臣(長谷川四郎君) 米価審議会をいつごろという……、なるべくいま急いでおるのですけれども、なかなかその、統計のほうからのいろいろの資料が出てきませんものですから、大体少なくも五月ごろには開きたいという考え方を、目途を持っていまやっております。
○足鹿覺君 米価審議会の構成についてこの際承っておきたいと思いますが、首相は、去る七日の本院の予算委員会において、米審の十分な理解を得るようにしたいということなんです。いまの農林大臣の御所信はそこまではっきり申しておられませんが、要するに消費者米価と生産者米価を据え置くというニュアンスをほのめかして、米価審議会を説得する考え方のようなんですね。説得するということは、米価審議会の意見を聴くのか、米価審議会を飾りものにして、形骸化して、政府の意見を聴取していく機関化していくのか、私は非常に大事な分かれ目に来ていると思うのです。少なくとも、政府の意のごとくならないような米価審議会なら置かないほうがいいという考え方、つまり、説得になかなかむずかしくて応じられないような米価審議会はつくりたくない、こういう審議会ならば、私は何をか言わんやであります。したがって、米価審議会の、国会議員はともかくとして、従来の構成をやはり堅持していくことが、私は少なくとも、政府の意のごとくならない人物があってそれらと国民の前で議論をし、得た結論を政治に反映さしていくということが、公正な政府のとるべき手段だと思いますが、聞くところによりますと、総評の選出の委員や、少なくとも農民の代表である全日農出身の審議会の委員を除いて、そうして三分の一は学識経験者、三分の一は消費者、三分の一はいま言った農民組合等を除いた農業団体で構成するといううわさが流れておりますが、賢明な、きわめて常識的な、あまり理屈は言われませんが行動をもって今日まで示された長谷川農林大臣は、よもや御用米審を再現されるとは私は考えておりませんが、その点について御所信のほどを承っておきたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 昨年の経緯もございますし、また昨年私が国会対策委員長をやっていたときのいろいろな話しもございまして、これらを基礎に置いて米価審議会委員の任命を行なってまいりたいと、このように考えております。したがって、まだ、どなたをどうするということをここでまだ申し上げる段階までは来ておらないことを申し添えておきます。
○足鹿覺君 米価審議会の構成方針はどういう方針でありますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま申し上げたとおり、昨年のいろいろな経緯がございまして、その経緯に基づいて私も今度は構成をしていきたい、こういうふうに考えております。経緯とは、私が国会対策委員長をしていたときにいろいろな話をたくさん承っておりますし、折衝にも当たりましたし、そういう体験の上から出たものによっての任命をしてまいりたい、こういうことでございます。
○足鹿覺君 二十五名の米審の構成委員のうち、昨年は二十二名を選任してあと三名を留保されました。そしてあのような事態になりました。いま大臣は、国対委員長をして苦労したお話をなさいましたが、まさか前倉石農林大臣がとられたような、あのような事態をみずからの責任において出されようとは私は思いませんが、そのように理解してよろしいのでありましょうか。
○国務大臣(長谷川四郎君) お説のような方法をもってまいりたいと考えております。前段ではなくして、後段のお説のような方向にまいりたい、こう考えております。
○足鹿覺君 じゃ二十五名の委員は少なくとも欠員を頭から予定しないで選任をいれる方針ですな。
○国務大臣(長谷川四郎君) 二十五名全員を任命をいたしたいと考えております。
○足鹿覺君 その際には、消費者団体から労働者等の組織代表を、生産者代表から農民組合等の農民代表を除外した三分の一、三分の一、三分の一方式をとらないという方針でございますな。
○国務大臣(長谷川四郎君) 申し上げましたとおり、昨年いろいろなお話を承ったその経緯に基づいて、公正を期していきたい、こういうふうに考えております。
○足鹿覺君 昨年の国体委員長の経験をもとにして対処したいという意味は、皆さんによく理解されておらないようなんですが、あなたが倉石発言の結果、半分は米審の構成、半分は軍隊三十万をつくって、軍艦もつくって堂々とやるべきだというあの放言がたたったあと始末をされたときのことを言っておられると思うのです。そうですね。ですから、後段の軍隊云々という憲法違反の問題は別として、米価審議会の委員の構成がそのとき問題になった。これについて与野党間においていろいろと話があったことは聞いておりますが、その話のあった焦点は、現在の構成メンバーの中から、特定の政府に強硬意見を述べる批判的な立場の者を除くような御用審議会をつくらない、こういう意図のもとにお話し合いがあったものと私は理解するのでありますが、そういう理解で御善処をいただくのでありますか。私はもうこれ以上農林大臣を追及しようと思いませんが、その点を明確にしていただきたい。——そのことは、大和田君の意見を聞かないであんた……。
○国務大臣(長谷川四郎君) お説のような考え方でいきたいと思っております。
○足鹿覺君 それでは大体まあ固有名詞まで出さないで、私もこの程度で委員会——米価審議会の問題で相当時間を食いましたが、いま申しましたように、五月ごろにというお見込みのようでありましたが、五月はまだ東北方面は田植えが始まったばかりであります。ですから、やはり従来の七月程度に審議会の構成を終えられて、それまでにじっくり米価算定方式をお考えになってお開きになることが好ましいと思いますので、ぜひいうふうに御善処を願いたいと思います。 そこで、ことしの米価の算定上の一つの問題になるのは、いろいろあろうと思いますけれども、葉たばこにとられたように、葉たばこの在庫が二十四カ月分に達した。ちょうど米と同じような状態なんですね。そこで去年の十二月九日に開かれたたばこ耕作審議会は、学識経験者と生産者代表と半々でありますが、ところが、これを審議するに至らず、結論を出すに至らずして一月に持ち越し、さらに一月九日から十二日の払暁三時に至って、ついに二・一四%の諮問案を四・六%に引き上げて、やや物価上昇率に近い数字で妥結を見ました。その二・一四%の政府諮問案の中に、葉たばこ在庫の需給在庫の需給在庫係数、いわゆる需給係数、調整係数というものを、葉たばこの需給調整係数というものをかってにつくり上げて、従来の算定方式をくつがえしたことから激突となって、このような経過をたどり、四・六%に落ちついたのであります。この経験を私は農林省当局はよもや知らないはずはなかろうと思いますが、需給調整係数等を一つのファクターとして重視し、需給均衡価格を形成していくような一切の不明朗な算定方式を排除してもらいたいと思いますが、先ほど来算定方式の根幹に触れる問題だけは明らかになりましたが、付随するこの問題について一つの想定の上に立ってどのような要素を考えて算定方式を考えておられるか、この際明らかにしておいていただきたい。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 現段階におきまして、四十四年産米の価格の算定方式をどうするかというようなことは、事務当局としても申し上げられる段階ではないのでございます。いわんや、需給調整係数の導入というようなことについては何らまだ検討をいたしておりません。
○足鹿覺君 もう一ぺん、もう一ぺん。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 四十四年産米価の算定方式につきましては、まだデータもそろわない段階でもございますし、事務当局としてもいかなる算定方式をとるかというようなことについて御説明のできる段階ではございませんし、いわんや需給調整係数の導入というようなことについては何ら検討をいたしておりません。 —————————————
○足鹿覺君 時間がなくなったそうですからもう少しお尋ねをして終わりたいと思いますが、食管特別会計の問題と米の長期需給見通しの問題が残るようでありますが、これはまた別の機会にすることといたしまして、韓国への米の贈与等について、その契約内容を知らしていただきたい。公表してもらいたい。資料として配れ。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 韓国への国内米の貸し付けにつきましては、去る三月十一日の閣議において政府の基本的方針を決定をいたしましたので、その閣議決定の資料は後刻印刷をいたしましてお配りをいたしたいと思います。 簡単に要点を申し上げますと、この貸し付けにつきましては、国内産米を韓国に対して貸し付けまして、韓国からは等質、等量の米を返してもらうという考え方であります。貸し付けの数量は、玄米で三十三万三千トンということでございます。三十三万三千トンのうち、四十二年産米——いまでは古米と呼ばれるものでございますが、四十二年産米は十六万トン、四十三年産米が十七万三千トンでございます。引き渡しの条件は、送り出しの際は日本の港で船に積み込んだところで韓国に引き渡す。したがって船賃は韓国持ち。それから返還の際は、日本の港まで持ってまいりまして、舷側において日本政府が受け取るということであります。この場合も船賃は向こう持ちということでございます。貸し付けの期間は十年間据え置きといたしまして、自後二十年間に各年均等に現物をもって返還するということでございます。貸し付けの手数料といたしまして、送り出しの際は在庫倉庫から船積みまでの経費相当額であります米ドル三百万ドルの支払いを第一船の出港と同時に日本側に引き渡してもらうというやり方でございます。返還時の手数料は日本の港に入った船の舷側から埠頭倉庫へ積みおろしをいたしまして、はい付けをいたしました上、最初の一期の倉庫料に相当する額をそれぞれの時点における時価を基準として双方協議した金額で定めるということにいたしておるのでございます。 概略は以上であります。
○足鹿覺君 あとでひとつ契約書の全文をお配りいただきたいと思います。 そこで、三月十日の政令第一九号食糧管理法施行令の一部を改正する政令によりますと、前略、「外国の政府その他これに準ずるものとして農林大臣が指定するものに対して行なう。」とありますが、この種のものはいままで食管法始まって初めての措置でありますが、このたびの外国の政府とは韓国をさしておるようであります。「その他これに準ずるものとして」——これに準ずるというものは沖繩をさすのでありますか、いかなる場合をさすのでありますか。元来韓国も干ばつ等で食糧不足で飢餓に悩んでおるといたしますならば、私どもは人道上の立場からこれを無視するわけにはまいりません。問題は供与条件であります。韓国が悩んでおると同様に沖繩の同胞は、私も先年行ってまいりましたが、全く収入は日本の半分、物価は日本の倍、基地収入を得たもので全部アメリカの米を買って食っておる。こういう状態を知りながら今日まで韓国と同じような、それ以上の沖繩対策をお講じになったのでありますか。沖繩に対する対策、また今後インド、インドネシア等にもこれを拡大していくというやに新聞は伝えておりますが、御方針を承りたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 沖繩はもちろん優先して考えなきゃなりませんし、まだ最近沖繩からの要求があったばかりでございまして、したがって、ただいま各省と中心となってその検討をいたしております。それは総理府が中心となっていま検討を加えておるのでございまして、これらは申し上げるまでもなく韓国やインドよりも優先的にこれらの諸問題を解決しなきゃならぬ、こういう考え方でございます。ただ、この方式とは全く違う方式になりますものですから、その点についての試案があるだろうとは考えます。いまインドとかインドネシアだとかというお話でございますけれども、 〔委員長退席、理事園田清充君着席〕 インドは何か新聞で私は見たんですからわからないけれども、もうインド始まって初めての大豊作だというようなお話があって、とても米を買い入れるわけのもんじゃないというようなこと、フィリピンなんかもそれと同様のことが出ておりますが、それは別といたしまして、他をさしておるという、沖繩もですけれども、沖繩はこの条文そのままでは沖繩は条件が違いますから、そのままずばりでいくというわけにはまいらないのじゃないかと考えられます。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 外国の政府という場合に韓国の政府も含まれることは当然でございますが、韓国に限られるというものではもちろんございません。それから、「その他これに準ずるものとして」——私どもの念頭にありましたのは、実は御指摘のように琉球政府というものが法律上外国の政府と呼べるであろうかどうかという問題がございますので、もしそれに問題があれば「これに準ずるものとして農林大臣が指定する」という道を開いておく必要があるだろうということでございます。そのほかにも、政府そのものではないけれども、米の調達を任務とする政府機関があって、その政府機関の約束について当該国の政府がその債務を保証するというような形のものがあれば、これも場合によっては考えざるを得ないだろうという気持ちでこの「準ずるものとして」を入れたのでございます。 なお、大臣が沖繩の場合には条件が異なるということについては、御案内のように沖繩につきましては日政援助という問題がいろいろございますわけでございまして、したがって米の供与というものが他の援助との関係でどういうふうに考えられるか。また施政権の早期返還ということをお互いに念願をいたしております日本政府と琉球政府との間でいかなる供与の方式が適当であるかというような問題も残りますので、大臣が韓国と同様の条件というわけにはまいらぬということがあるかもしれないというお話をしたと理解をしていただきたいと思います。
○足鹿覺君 いずれにいたしましても、三十三万トンといたしますというと四百十二億三千二百五十一万円という膨大な金額にのぼる。しかも三十年間の金利の累積額四十五億四千八百八十二万二千円というものはそっくり日本が負担する。おそらく貸与協定の中で従来のものを見ましてもこれくらい有利なものはありませんね。日本がアメリカからガリオア、エロアを国民がもらったかのような錯覚を受けたけれども、あとでごっそり全部取り上げられた。 〔理事園田清充君退席、委員長着席〕 これくらい人道的に有利な条件をもって韓国を救う以上、沖繩に対してすみやかに措置されることは当然といわなければなりません。しかるに総理府が担当していると言われるが、いま中村委員の話を聞きますと、総理府は農林省まかせと言っておられるそうです。いつになったら実現するのでありますか。少なくとも四百二十億円からの代金で、血税四十五億四千八百八十二万二千円という三十三万トンとしての利子補給をわれわれ国民の血税でまかなう、こういう未曾有の破格の貸与には、私は法制的な責任はなくても何か貸与協定のごときものが必要となるのではないか。これは一つの政策上の大きな論議の焦点になると思います。ただ単に、法制局長官が予算委員会において食管法第七条の施行令を改正することによって、追加挿入することによって可能であるといとも簡単に答弁をされましたけれども、それは条文どおりに言えばそうでありましょう。しかし四百二十億になんなんとする金額、五十億になんなんとする利子補給を国民の血税から充てるといたしましたならば、少なくともこれは何らかの貸与協定あるいはこれに準ずる覚え書きの交換等が必要になるのではないか。そうしてこれを食管会計法上から見てどこに一体はまりますか。このわれわれがいただいておる食糧管理特別会計法の中を見ても、国内米の中にこれは勘定として一括して入るのでありますか、あるいは何か別勘定を立てて海外援助勘定のようなものを、沖繩も出てくるということになれば立てられるのでありますか。いわゆる予算面における措置というものが何らなされておらない。その参考資料としての国内米管理勘定貸借対照表の中を見てもどこにもないといたしますと、これは一体どういう食管会計法上の処理がなされるものであるか。現在余った米を、余剰米を処理するという一念から、あるいは韓国の飢餓に悩んでおる国民を救うの一念からこのことがなされるといたしましても、少なくとも国会に提示された食管会計法上に疑義を残すような運営があっては、私どもは国会の権威の立場から安易に妥協するわけにはまいりません。どのような会計法上の措置をとられていくのでありますか、その点を明らかにしていただきたい。 また今後も外国の方々に対して全額利子補給して、三十年後に現物で戻してもらうということは、くれてやったと同様なことではありませんか。これを私どもは、今後——国内的にも現在高金利に悩んでおる農民の立場や、中小企業の立場というものを考えたときに、これをのむといたしましても、国内の立場から、はたして一体バランスがとれておるであろうかということを疑わざるを得ない。酪農しても借金、新しいくだものをつくって政府が言うとおりミカンをつくっても借金、土地改良をやっても借金、その肩がわりの融資すら考えてはいない。政府が気前よく四百二十億円もの米を三十年後に戻してもらうという条件で貸して、しかも五十億近い、無利息で利子まで負担するという気前のよさを、もっと危機に直面している国内の農民や農業の面にもとくと考えていただきたい。私は、決して韓国やその他の国に日本が愛の手を伸べることに対して一点の疑義を持つものではありませんが、食管会計法上の処理は的確にし、少なくとも国内の農業や農民に対し、もっとあたたかく行き届いた政策がとられなければならぬ。四十五億四千八百八十二万二千円という利子補給を三十年後までされるということを、農業の場合にとってみましたときに、もしこのような措置を日本の悩んだ基盤整備や酪農振興や、あるいは畑地農業の振興にこれを使ったらどれだけの効果があがるだろうかということを、長谷川農林大臣は静かに考えていただきたい。どうかその点を長谷川大臣の信念をかけた御答弁をひとついただきまして、本日私は予定の時間が若干オーバーいたしましたので、あとの長期見通しの問題、食管会計法上の問題は一点だけにしぼってお尋ねを申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 沖繩のほうは中村さんがおっしゃったようでございますけれども、総理府が中心で、農林省が中心に考えるわけにはいかないのでございます。でありまして、私のほうからもこの間からも要求をしておりますけれども、目下中心となって農林省、大蔵省ともどもこれに携わって、どうやってやろうかということについての研究をしているはずでございます。まだこれも申し上げたように、屋良主席からの最近のお手紙がございますので、これらも検討を始めて、まだ日も一応なくもないけれども、懸命にこの点は何とかしなければならぬということで考えておりますし、私たちが考えたよりももう一万トンよけいに出してくれるようにという話も、昨日でしたか付け加えての話がございましたが、その点につきましてもあわせて考慮をしなければならぬ。
○足鹿覺君 八万トンですね。
○国務大臣(長谷川四郎君) そうですね。向こうは一万トンとれるから、八万トンなんだけれども七万トンでいいと言ったのですけれども、今度は八万トンそのままそっくり日本のほうから融通してもらいたい、供与してもらいたい。こういうようなお話でございますので、それらにつきましてもあわせて研究するように、急いでやるようにということを申しつけておきました。 韓国は、申し上げるまでもなく、昨年の大干ばつにあいまして何とか助けてもらいたいというこの要求でございますので、隣国の韓国からそのような申し入れがあった件について、われわれも同情し、同意するのは当然だろうというような考え方の上に立って、これらもずいぶん大蔵省当局あたりとも検討に検討を加えまして、いまこれから檜垣さんがその内容については申し上げますけれども、結論を見たわけでございます。内容については檜垣長官から……。
○足鹿覺君 結論に対する答弁、肝心な答弁をそんな事務当局にまかしてはいけない。
○国務大臣(長谷川四郎君) もちろん日本農業にとっては気前のよい、予算を見ましてもわかるとおり、ずいぶん日本農業の振興のためには前年にないほどの何とか予算をとっていくとか、あるいはまた近代化していきたいという考え方をもって、いませっかくの審議をしてもらっているように、予算の面を見ただけでも努力のほどをうかがってもらうことができるだろうというように、自負するわけではございませんけれども、お説の点は十分身にしみて伺っておきますし、今後に対しましてもそのような意気込みを持って、農業の振興に尽くす考えでございます。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 韓国への三十三万三千トンの国内産米の貸し付けということは、韓国側にとりまして食糧不足事情の解消に役立ち、かつ長期に無利子で貸し付けるということが韓国にとって大きな利益であるということは、私は否定すべくもないというふうに思うのでございます。が、米穀買い入れのために食糧庁が発行をいたしました糧券の利子は、これは貸し付けがありましょうとなかろうと、食糧庁としては使わざるを得ない金利でございます。一面においては食糧管理の必要経費でもございますので、足鹿委員のおっしゃるように、利子補給というふうには私どもは考えていないのでございます。 特別会計における処理につきましては、国内米勘定からの貸し付けでございますから、国内米勘定に貸し付け米債権として資産として計上いたします。貸付米債権として、債権の期末評価額の金額をもって計上する。したがって、損益には関係がない。 なお、返還時には、返還されます米は輸入食糧ということに相なりますから、輸入食糧勘定で受け入れることにいたします。そうしますと、受け入れましただけ国内米勘定には債権の消滅ということで欠損が出ます。輸入食糧勘定には、返還米の受け入れということで益が出ますから、その損益を調整勘定に組みかえまして相殺をして整理をする、というやり方をする予定でございます。
○足鹿覺君 長官、本年米穀年度四百二十億円韓国米が出るのですね。そうしてそれだけ在庫が減るわけですね。来年度十月からの新米穀年度の持ち越し余剰米というものは、債権化されるわけですね。それだけのいわゆる現金操作が苦しくなるというわけですね、食管会計は。そうですね。それだけのものは韓国から戻ってこないのです、三十年後でなければ。そうすれば、その四百二十億円該当分はいわゆる調整勘定へ一般会計から何らかの形で補給をするか、あるいは食管会計の中の予備費をもってこれを充当するか、二つの道しかないと思うのですね。そうしますと、いずれにしましても、食管会計が苦しくなるということは間違いないじゃありませんか。そういう場合、どうしますか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) ただいまも御説明いたしましたように、韓国へ貸し付けました三十三万三千トンの分の債権は資産として残りますから、資金繰りの関係あるいは損得の関係では何ら変化はないのでございます。
○足鹿覺君 貸借対照表上の問題だ。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 貸借対照表の上では、資産相当額の資産を債権として計上いたしますから、したがって、損益はないのでございます。したがって、そのための食管特別会計調整勘定への一般会計からの繰り入れということは、そのこと自身では必要はございません。
○足鹿覺君 そうしますと、食管会計がさなきだに苦しくなるのに、どういうふうに運用の円滑をはかられる御所存でありますか。要するに貸借対照表上は国内米勘定の中へ一定の債権勘定を設けるということでありますから、それは適法の措置として、私もいいか悪いかわかりませんが、一応承っておきましょう。が、しかし、それはあくまでも貸借対照表上の問題……。食管法の、会計法上のいわゆる形式論であります。中身の運用は苦しくなることは間違いないじゃありませんか。それは予備費をもって充当するのでありますか、あるいはこの予算書からいって、あるいは調整勘定へ一般会計から四百二十億円に該当分をそのまま持ってくるか、あるいはその幾パーセントかを入れるか、何らかの措置をしなければ、食管会計それ自体は非常に窮屈になることは間違いないじゃありませんか。自主流通米を思いついたのも財政負担を軽減するという立場からでしょう、矛盾しておるではありませんか。ほおかぶりは許しませんよ。適法の措置をやはり前提としてとられることが必要なんです。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 繰り返し申し上げるようでございますが、食管の操作上苦しくなるではないかということでございますれば、食管の現物操作の上で需給が逼迫してきたときに、もし貸し付けなかりせば三十三万トンの米を操作できるという場合には、これは操作上不自由があるではないかということはあり得ると思います。で、そういう場合に備えまして、貸し付け期間につきましても、計画の上でわが国の需給事情が窮屈になって繰り上げ償還を求めたいというときには、双方協議の上貸し付け期間を短縮することができるという旨の規定を置いております。で、食管の損益、資金繰りの問題については、三十三万三千トン分の買い上げ費用はすでに糧券を発行いたしまして食管はまかなっておるわけでございますから、貸し付けに伴って何らの支出の増というのはないわけでございます。しいて——しいてといいますか、厳密に申せば貸し付けに要する船積みまでの経費の支出がございますが、これは先ほど申し上げましたように、経費相当額を韓国からドル貨で受け入れますから、その関係も支出の、いわば資金繰りの関係では何ら影響はないということでございまして、現物——米の、三十三万三千トンの現物という財産が対韓貸し付け米という債権にかわるというだけでございます。
○足鹿覺君 それはおかしいですよ。一般論的にいって檜垣さんね、あなたのおっしゃるとおりだろうと思う。だけどもね、少なくとも三十三万三千トンというものは韓国に行っちまうのですよ。三十年後でなければ返らないですよ。これが少なくとも四十四米穀年度に一般論的にいって影響をしてくるということは間違いないではありませんか。ですから、これを貸借対照表上の参考書類の上では、これに中身として入れば一応つじつまは合うのでありましょうけれども、一般論的にいって、食管特別会計の圧迫条件になることは否定できないと私は思う。本来いうならば、少なくとも日本の政府が韓国にそこまで好意を示すならば、政府が当然これに見合う金を食管会計に入れる責任が私はあると思う。なぜあなたたちはそういう努力をしないか。少なくとも食管会計が赤字だ赤字だということについてはあれだけ宣伝をしておきながら、このような重大な問題に対しては何らの補てん対策も講じない。三十年先の債権を持っておって、きょうびの赤字になる食管会計の穴埋めは一般会計の予備費からも入れない。それではつじつまが合いませんよ。そういう不見識な予算書をわれわれに審議させるのですか。少なくともここで言明できることができないとするならば、来たるべき食管会計の補正に何らかの措置を講じて、趣旨を尊重して善処したいぐらいの判断を示すべきではありませんか、当然じゃありませんか。大臣、いかがですか。私は無理なことを言っているのではありません。もう少し常識的にわれわれ国会がこの膨大な予算書を少なくとも検討する上において大きな問題点が出てきたならば、この点についてはよく検討し、しかも赤字になやむ食管会計の処理に関連のあることである以上、適正な何らかの措置を講ずる、この程度の答弁があってしかるべきだと思う。何ら関係がないとは何ですか。一体、そういう答弁がありますか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 私は食管特別会計の整理の方針を申し上げたのでございますが、食管特別会計として貸し付けに伴って新たな負担、あるいは新たな支出というものは起こりません。したがって、特に予備費を使用する必要もございませんし、一般会計からのそのための補てんも必要としない。むしろこまかく申し上げれば、糧券は確かに発行いたしておりますから、糧券金利については、それぞれの年度末において食管特別会計の全体の収支の中で調整勘定の資金欠減という点が起これば、これは何らかの財政措置を必要とするということは、過去の例から見ても当然のことでございます。なお、御参考までに申し上げますと、貸し付け債権にかわります関係上、三十三万三千トン相当の保管料だけは、これは支出の軽減になるわけでございまして、年間約十一億円ばかりが助かるということに相なります。
○足鹿覺君 大臣、いまの答弁でよろしいのですか、まだ予算終わっていませんよ。
○中村波男君 最前、足鹿委員から私の名前をあげて質問がありましたから、ちょっとこの際確認をしておきたいと思うのですが、私もこの問題については時間がなくて、足鹿委員からまだいろいろな問題点がある質問が残っておりますので、たぶん、二十日の予算委員会の一般質問でお尋ねをしたいと考えておるわけです。そこで先日総理府の長官に御出席を求めたいと要請をいたしたところが、総理府では、この沖繩の米の供与の問題については農林省でいろいろいま検討をいたしておって、総理府は全く関知しておらない、こういうまあお話がありまして、だから総理府の長官が出席をしても答弁申し上げようがない、こういう話がありましたから、そういう実態であるならば、総理府の長官に御出席をしていただかなくともよろしいと、こういうふうに申し上げたわけです。いま、長谷川大臣は総理府で具体的に検討しておられるという話でありますから、全く食い違いますので、この間ひとつ両者の間に御調整をいただきまして、その間の事情も明らかに願いたい、二十日の日にぜひ明らかに願いたい。 それからもう一つは、私の聞き及んでおりますところによりますと、この問題は西村農林大臣の時代に沖繩から要請があって、農林省として検討を始められたいきさつがある、まあこういうことも聞いておるわけです。大臣はまあ最近急に持ち上がったようなお話でありますが、そういう点についてもわれわれの聞いた話とは食い違いがありますので、そういう点もひとついま少し御調査を願いまして予算委員会で明らかにお願いしたい、こういうことを申し添えまして質問を終わります。
○国務大臣(長谷川四郎君) ちょっと一言だけ申し上げておきます。 この話は、まさに西村さん時代からのお話のようでございます。しかし、お話はそんなようですけれども、正式には何らこれに対しての要求はなかったわけでございます。初めて先日文書をもって申し込みがありましたので、それによってわがほうはこれの処理方法を考えてきた。で、窓口は総理府でございます。もちろんこれはまた農林省が直接やるわけにはいきません。窓口は総理府でございます。したがって、総理府でございますけれども、私のほうは農林省対大蔵省での打ち合わせ、それからまた総理府と各省にまたがっておりますから、やっぱり相当打ち合わせをしなければならないのでございます。それだけはもう間違いはありませんで、私も先日も床次長官にやるんならなるべく早くやるようにしないかということだけは申し添えておきました。そういうわけでございます。 —————————————
○足鹿覺君 最後に、さっき長谷川農林大臣は私の総合的な締めくくり質問ないしその前に米の減反を一方において進めて自主流通米の量が多くならないように調整をとるんだと、こういう基本方針を明らかにされました。ところが昨年の秋政府が発表されました米の長期需給見通しによれば、四十万町歩を作付転換をはかって需給の均衡を得るということを前提にした需給見通しを作文化した。ところが本年の予算によれば、これが一万町歩の転換予算となっておるのでありますが、この点に矛盾はないのでありますか。私は、昨年西村農林大臣のときにこの問題をただしたところが、四十万町歩やるんだと、こういうことで長期の需給見通しを立てて、そして昭和五十二年には横ばい状態になるという見通しを立てた、官房長から説明された。しかるにその前提は四十万町歩の作付転換を前提にしておった。今度は一万町歩転換が予算化された、差し引き三十九万町歩の大きな開きになっておりますが、こういう行き当たりばったりの計画で長期の需給計画が権威あるものとして農民や一般国民が受け取れるかどうか。政府は十年後の日本産業経済における農業の位置づけと評価が明確でないばかりでなく、定見に欠けておるというそしりを受けても弁明の私は余地がないと思う。 それから、冷害周期説と本年度以降の米の需給について確信があるかどうか。去る気象台が発表した「ことしの寒い夏」という見出しの、この新聞記事を何と考えられるか。十年周期の冷害、三十年周期の天候異変ということはすでにことしの大雪によって象徴されておる。このままの状態が、暖冬が続くとは考えられない。そういう点からも冷害周期説等をよく考えて、長期の展望を誤りなくしてもらいたい。いわゆる秋には四十万町歩の減反をする。今度の予算では一万町歩をこれに切りかえる、こういう基礎数字がそのままになるようでは長期の展望とは言いがたい。したがって、国外より輸入を必要とする場合政令の改廃等の措置をとらないとの確約ができるかどうか。大蔵省は財政面から、企画庁はいつも物価の面から米を取り上げようとしている。農林省は今日までこれに追随の一途をたどってまいりました。それがただいま問題になっておる自主流通米の性格であります。もっとき然たる態度をもって、いわゆるこれを財政面からのみでなく、物価の面からのみでなく、日本農業の位置づけの面から、当初農林大臣の御就任のときに申し上げたような位置づけの問題から農林省は出直してもらいたい、このことを私の最後の結論として申し上げ、いま申しました四十万町歩と一万町歩との関係だけは明確にしていただきたい。 これをもちまして私のきょうの質疑を打ち切ります。
○政府委員(大和田啓気君) 昨年十一月の長期見通しでは、昭和五十二年で約百八十万トン程度の平年作においても米の過剰があるであろうから昭和四十三年の水稲作付面積三百十七万町歩から四十万町歩減った二百七十七万町歩程度の水稲の生産であれば需給が見合うだろうと、作付の転換あるいは開田の抑制ということで需給が見合うようになることを見通しておるわけでございます。しかし、三百十七万ヘクタールと二百七十七万ヘクタールのこの四十万町歩の、四十万ヘクタールの差はこれが転換の対象ではございません。なぜかといいますと、十年間で水田の改廃面積が約三十万ヘクタールあるわけでございます。それから国、県、団体あるいは個人の開田が相当抑制いたしましても十万ヘクタール近くあるわけでございますから、四十万ヘクタールの作付が減少するという前提に立ちまして十年間で作付の転換を要するものが約二十万ヘクタールでございます。いずれにいたしましても相当面積の過剰があることは私どもの見通しのとおりでございますから、考え方によりましては二十万ヘクタールの水稲の作付をやめてそれに奨励金を出して米の生産を減らすという考え方も考え方としてはあり得るわけでございますけれども、私どもそう簡単に、この作付転換の問題を考えるべきではないということで、まず四十四年度において一万ヘクタールの作付転換について十分の予算措置を講じてそれでこの一年間やってみようと、米についてのいろいろな見通しもさらに明らかになるであろうから、四十四年度の経験に照らしてまた相当期間を置いて検討すべきじゃないかという、そういう立場でございます。
○櫻井志郎君 私は、持ち時間が足鹿君の半分しかありませんので、どうか政府委員の方から簡単に御答弁をお願いいたします。また、私自身もできるだけ、数次にわたって政府委員の御答弁を願うようなことをしないようにやっていきますから、方針等について大臣からどうぞ明確にお答えをちょうだいしたいと思います。 私がお尋ねしたいと思っておったことは、韓国に対する米の援助の問題、それから同じく米の輸出の可能性の問題、開田の制限の問題、消費者保護基本法と農林省の諸施策の関連の問題、それから農業者の他産業に転業する者に対する対策の問題、学校給食の問題、漁業専管水域あるいは領海の問題、これと、ブリのモジャコの人工繁殖といいますか、この問題についてお尋ねいたしたいと思います。 韓国の問題についてはいま足鹿君が詳しく質問されたので重複を避けまして私はこれを省略いたします。 ————————————— 先月の日本経済新聞に、「”過剰米”輸出で解消」という大きな見出しで、「農林省などで検討」と、なおその次に大きな見出しで「有望な西欧市場」の問題というような記事が、大きく出ておりました。私はほかの新聞に出ておれば別にそう意に介しないんですけれども、「日経」にこういう問題がこういうふうに「″過剰米″輸出で解消」という大きな見出しで出ているということは、この見出しだけを見て中身をよく読まないにしろ読んだにしろ、非常に農民あるいは農業団体に誤解を招くおそれがあるんじゃないかということでお尋ねするわけでありますが、ガットのたしか十六条ですか、ガット十六条に、輸出に対して、補助に対する制限問題を長ったらしい条文で書いております。ちょっと読んでもわからぬ書き方でありますが、たとえばその中に、「締約国は、一次産品の輸出補助金の許与を避けるように努めなければならない。」、長い長い文章の中にこういうことがちょっと入っております。こういうことからいたしまして、国際価格の約二倍である日本の米の生産者価格、これを西欧諸国に対して輸出が有望であるという話が一体どこから出たのか。実際有望ということがどこから考えられるのかどうか、まずそのことをひとつお願いいたします。
○国務大臣(長谷川四郎君) 国内産米の連続の豊作によって政府の手持ち米も年々増加の傾向をたどっておる。この際、広い意味での、よく要求をされる広い意味での消費拡大の一環というような考え方をもって外国への輸出、たとえばもう古い話でございますけれども、昭和八年にはヨーロッパのほうへと日本の手持ち米が多いので何とか考えられる方法はないかというような点で幾ぶんか輸出がされたというような話も聞いております。しかし、なかなか日本の現在のこの米をヨーロッパへ出していくということは非常な困難性があるだろうと私は考えます。したがって、目下この状態にあるのをそのまま見のがしておくというわけにもまいらないと、何か輸出方法はないかというようなことで、在外公館を通じて幾ぶんかその調査をしてもらっておるということだけは事実でございます。でありますけれども、まだ本格的にこれに向かってこれがかくすべきものだということはまだ得てないようでございます。なお御指摘のあったように、米穀の輸出につきましては、価格、嗜好、あるいはまたガットの十六条等の問題がございますので、今後こういう問題に対しては慎重に検討を行なうべきであると考えております。
○櫻井志郎君 大臣はいまたいへん困難な問題であるというふうにお答えになりましたが、困難ということは可能性が若干あるというふうにとっていいんでしょうか。私自身は全く不可能な問題だというふうに考えるんですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 私も新聞の記事を見て、いたって楽観的な内容でございますので驚いたのでございますが、欧州市場ということで見ますと、年間の輸入量はEEC、イギリスを合わせまして大体毎年三十万トン程度でございます。そうして、これらの輸出国は、アメリカからも出ておりますが、東南アジア等からの後進国からの輸出が多いわけでございます。この市場で日本が五百数十万トンという過剰処理のために乗り出すということは私はなかなか容易でもなし、かつ、かりに何らかの輸出が可能となりましても大した力にはなり得ない、それほどの市場ではないということをまず私どもは頭に入れておく必要があるだろうということでございます。ただし、多少なりとも消費の、広い意味の消費の促進ということで輸出には努力をいたしたいということで目下市場調査あるいは市場の動向、そういうものについての調査を在外公館、ジェトロ等を通じてやっておる段階でございます。
○櫻井志郎君 努力されることはたいへんけっこうです、現在のこの日本の国の状態から見て。いろいろな点から検討することはたいへんけっこうですが、「日経」にああいう大きな記事が出ると、私は生産農民に対して非常に何というか、楽観を与えている。いま農林省がいろいろ考えておるようなことは、ああ、あんなものは役人の言うことだ、聞かぬでもいいんだ、あれの逆をいっていればまあ何とか過去の例からいっても何とかやっていげるのだというような印象を与えやせぬか。ましてや私は一新聞記事を取り上げてだけ言っておるのじゃありませんが、農林省で検討しておるというからには、農林省の食糧庁のだれかから、あるいは食糧庁以外のだれかからそういう可能性、わりあい楽観性があるのだという話が出ておるのじゃないでしょうか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 私どももあの記事を見まして食糧庁から誤まったニュース提供というものがあったのではないかということを心配しまして取り調べたのでございますが、食糧庁内部から出た形跡はないのでございます。しいて推測をいたしますと、商社の協議体でございます輸出入協議会において米の輸出入市場の状態の取りまとめを最近やったそうでございまして、その問題について何らかのニュースをとってああいう記事にしたのではないかと推測される節はございます。で、食糧庁からはああいう記事が出ようもないわけでございますので、その点は私どもは食糧庁から出たものではないということははっきり申し上げられると思います。
○櫻井志郎君 こういう問題に対して、あるいは大臣の記者会見、そういう機会にああいうことは間違いと断定するのはちょっと行き過ぎかもしらぬけれども、事態はそんなに容易ではないと、一般の国民はガット条項なんというものはほとんど知りません。ガット協定によって非常にこういうことは困難だというようなことは、もっと大臣が、記者会見をしょっちゅうなさるのですから、大臣からもっとPRをしてもらったほうがいいと思う。まあその問題はそれでやめておきましょう。これは大臣にお願いをしておきます。 ————————————— それから、米の過剰制限に対するいろいろな方法ですが、現在とられておる一つの方法としては、開田抑制の問題がある。これはこれで私は妥当だと思いますが、しかし、一面過去十年前にさかのぼりまして、三十三年から四十二年までの間に人為的に水田のつぶれ地がどういうふうに変化してきたかということを農林統計でちょっと調べてみました。調べてみますとほとんど十年間毎年上りカーブでつぶれ地が上がってきております。これは災害によってつぶれておるものは別としてですよ、人為的に道路とか宅地とかあるいは鉄道とか、そういう人為的につぶれているものだけ取り上げていいましても四十二年には約二万五千町歩、正確にいえば二万四千八百町歩、これが十年前にはこれの四・五分の一、つまり十年間に四・五倍に上りカーブでずっとのぼってきておる。その間にたった一年、百町歩前年より減った年があります。あるいは約三千町歩前年より減ったというのが十カ年の間にたった一年かそこらありますけれども、上りカーブでのぼってきておる。そうすればいまの農林省の開田制限というもの——やっぱりこうした傾向から推計学上あとどのくらいしたらつぶれ田のほうがふえてくる、だから開田の制限はおおむね十年とか十何年とか、そういう方向というものを一応農民側なりにその推計を示しておく必要があるのじゃないか。ということは米が足りない、足りないといって増産をした、増産をしておるさなかに突如としてこんなに余ってきて、もう余ることによってうれしい悲鳴であるはずがほんとうに食管勘定としては悲しい悲鳴をあげておる、そういうような場当り的な行政にならないように相当先まで見通しを立てて、何年後にはどういうふうになるというふうにしていったほうがいいのではないかと思いますが、一体農林省はそういうことを学問上計算してみたことがあるか。ただ、当面の目先の何で、当分ストップ、それだけにすぎないのか。ストップではありませんが、ストップというのはちょっと言い過ぎですけれども、計画中のものは何はどう、何はどう、ちゃんと一応のめどをつけてやっておるけれども、そういう方向に対していま言った計算というものをやってみたことがあるかどうか、これは農地局長から……。
○政府委員(中野和仁君) 過去十年間の人為的壊廃の傾向は先生のいま御指摘のとおりだと思います。 今後それはどうなるかということにつきましては、われわれといたしましても先ほど官房長から足鹿先生にお答え申し上げましたとおり、十年間に約三十万ヘクタールと考えております。それは過去の傾向を加えまして数学的な処理でいろいろ検討いたしました結果、最近におきましては二万二千あるいは二万四千という数字が出ておりますが、その間、都市化の傾向その他を織り込みますと、やはりもう少しふえるのではないかということで、今後十年間を合計しまして約三十万ヘクタールくらい減るであろうという推定をいたしておるわけであります。
○櫻井志郎君 問題をかえまして、四十四年度におきまして、農林省は、農業から他産業へ転職しようとする者には転職給付制度を改善し、その転職の円滑化をはかるということを考えております。まあこれはある意味では私はいいかと思いますけれども、農業というものは現在の石炭産業とは根本的に性格が違うというようなことからして、そしてまた現状が農業の労働人口が非常に老齢化し、女性化し、労働の質としては劣悪化してきておる。その中において他産業に転出しようとする者といえば、少なくとも青年であり、壮年である。そういう方々に対して転職に対する給付制度で援助をしようということは、政策的に一体農林省はほんとうに農業の政策を考えておるのかどうかという感じがするのです。で、私はこの文句は一体農林省のどういう予算にあるのかということを調べかかったんですが、農林省の予算ではなしに、おそらくは労働省所管の職業転換特別給付に必要な経費に乗っかって、こういうことを農林省がやっていこうというんじゃないか。これは自分の想像です。一体農林省がそういうことをやって、農業労働力というものをますます劣悪化しなきゃならぬ、その点はどうですか。
○政府委員(池田俊也君) 優秀な質の農業労働力の確保ということは農業の振興をはかるために非常に重要なことでございます。そういうような意味で私どもも農業の優秀な、特に若い質の高い労働力の確保ということには従来から非常な関心を持っているわけでございますが、現在の農業生産をやっていきます上で、どうしても農業が他産業とバランスするような産業になり得るためにはやはり経営規模の拡大ということがどうしても一方では必要なわけでございます。で、そういうような点から言うと、今後労働生産性というものを大幅に向上していかなければならぬ、こういうことになるわけでございます。その場合に、やはりどうしても労働力というものが今後相当減少するというかっこうになるんではないか。私どもが先般発表いたしました見通しによりますと、五十二年に農業就業人口は六百万という想定をいたしておるわけでございますが、現在約一千万弱でございますから相当減少するわけでございます。そういうようなかっこうでございますので、私どもといたしましては、まあ他産業にいきたいという農業者、これにつきましては、やはり適当な職業をさがすようなお手伝いをすることが現状では必要なんではないか、こういうふうに考えておるわけでございまして、先ほど先生御指摘のように、雇用対策法によります職業転換給付金制度というのがございますが、これをうまくそういうような目的に運用していくことはやはり必要であろう、こういう考え方をしているわけでございます。それで労働省とも連絡をいたしまして、若干今度四十四年度から内容の改正をいたすということになっているわけでございます。
○櫻井志郎君 そういうことが、農政として必要であるかどうか、これはひとつ慎重に考えてほしい。 ————————————— 次に学校給食の問題ですが、学校給食は私どもは戦後の施策であるというふうにとかく考えがちであるんですが、調べてみたところが昭和七年から虚弱児童に対して学校給食というものをやっておる。やっておるが、その後いろいろ改廃をして、昭和二十七年ですか、ガリオア資金を財源として全国小学校を対象として学校給食をやるまでに広がってきている。その後中学校も学校給食の対象にするように変わってきましたが、昭和三十七年の文部省の体育局長、実はきょう出てほしかったのですけれども、私はこの質問の準備をしたのは日曜だったものですから、とてもきのう言ってきょうというのは何か悪いような気がして実は要求しなかったのですけれども、三十七年の体育局長の地方の知事、教育長あての「学校給食の食事内容について」という通達がございます。その通達で見ますと、「カロリー源は主として小麦粉に、たん白質源は脱脂粉乳にこれを求め、その他の材料は、学校の実情に応じて適切な食品を選択する」云々とありまして、次には、「特例として主たる熱量源を米に求めても差しつかえない。」——特例として差しつかえない。「この場合においては、従来の食習慣から米の過食に流れ、食事内容の栄養的均衡を失うおそれが大きいと考えられるので、下記により食品強化」云々、こういうふうにありまして、学校給食は少なくとも炭水化物は小麦つまりパンに求めるのは当然だ、特例として米を使ってもいい、こういうような通達になっておる。あるいは当時の事情からして、また学校給食が戦後大々的に全般的に実施されるようになった経緯にかんがみましても、アメリカからの輸入小麦を材料にし、また資金もアメリカの資金援助というようなことから大々的に出発した経緯にかんがみまして、このことは私はよくわかるのです。それからパンを製造しておるのは主として中小企業であり、この中小企業の方々の生活ももちろん考えなければならぬと思いますけれども、こういう現在のような習慣というもの、戦争直後とは言いませんが、直後に近い時代に大々的に発達した学校給食のしかたを、そのまま時代がいかに変わっても、現在五百九十万トンの米が余って四苦八苦しておるそういう時代にも、同じことを継続していくことは一体いいことか悪いことか。ただ、学校給食をかりにパンを米にかえたとしてもわずわ二十万トン程度ですから、私はそのことを問題にしておるのじゃないのです。ただ、民族の主たる食糧というものは、これは民族によってきまっております。小学校から中学、この九カ年、学校でパン食の給与を受けて、そういう人たちが高等学校を出、大学を出、社会に出、そういう時代のサークルの中でやがて日本人の食糧が米からパンにかわっていくというようなことができやせぬか、もし日本の国土においてパンをつくる硬質小麦ができれば私は心配はしない。しかし、日本の国土においてそういうことは期待できない。少なくとも現在の状態においては、いまやアメリカの小麦かカナダの小麦、そういうものが中心になっておるときに、日本人に、あり余っておる日本人がつくった主食があるにかかわらず、もうパンを食べるのはあたりまえなんだ、ただ特例の場合だけ米、こういう施策を相変わらずとっておることが一体妥当であるかどうか。民族の何といいましょうか、セキュリティの問題からいたしましても大いに考える必要があると思っております。もちろんパン製造業者等に対することも十分頭に置いて、農山村において米の給与のほうがベターであるというところは米にしていったっていいじゃないか、「特例として」とは書いてありますけれども、大体において文部省の方針というものはそこまでいっておらぬ。現に私は、現在全国の小学校でどういうふうにパンの給食がなされ、あるいは米の給食がなされているかというようなことを調べてみましたが、どこかにそれをやってしまいましてね——調べてみたところが、米の給食を受けておるものはわずかであります。たしか私の県には一校もない。私の県では町村長が、米の給食をしたほうがベターであるところは米の給食に切りかえようという決議をしたけれども、そのことは全然実行されぬで、パン給食の学校だけ、こういう状態に対して農林省がどう判断するか。長い将来の日本の農業、日本民族のあり方、そのことに対して農林省がどういうふうに考えるか、あるいは現在どういうふうに農林省が交渉しておられるか。これはひとつ大臣から御答弁をお願いします。
○国務大臣(長谷川四郎君) 申し上げるまでもなく、粉食がこれまでよく定着してきたということは、米の需給をまかなうことのできなかったその結果からこうなってきたのだと考えるのでございまして、したがいまして、最近における米の需給事情にかんがみまして、御指摘のように、米を学童の嗜好に応じて学校給食に使用してもらいたい、こういうようなことは農林省としては望ましいことでございますので、再三、文部省のほうへもこの点は申し込んでおります。しかしながら、学校給食について米を使用することについては、なかなか炊飯設備というようなものに多額の経費がかかるというようなこともございますし、給食費用、こういうような点についても父兄負担を増すという点、学校給食行政の面から検討を要する事項が多いと、いろいろ聞いておりまして、これらにつきましても、つい最近でございますけれども、文部大臣にもこの点をぜひ検討を至急にやってくれないかというようなことも、先日申し入れてあるのでございます。 なお、現行方式のもとにおいても米飯給食を全面的に否定しているわけではないので、知事から要請があれば、材料の米穀についても、十分これらについては配意をしなければならないし、炊飯を行なう器具につきましても、何ぶんかこちらの農林省としても当然見なければならない課題だと思いまして、これらについては十分検討を加えていきたいと考えております。
○櫻井志郎君 先ほど表がどこかへいったと言いましたが、私の調べた範囲では、全国の町村の中でわずか二十六町村が米飯給食、小学校数にして三十六校、生徒数にしてわずかに二千七百、中学校数にして七、生徒数にしてわずかに千百四十一名が米の給食を受けておる。全くネグリジブルであります。文部省の言っておるような、特例の場合は米でもいいということは、ことばの上ではありますけれども、このことはもう原則的にパン食でなければいかぬというような指導をしていなければこういう数字は出てくるはずがありません。これはひとつ大臣に、先ほども申しましたように、よくひとつお考えになって文部省と御交渉をお願いしたいと思います。もちろん、中小企業であるパン製造業者の立場もよく考えて、何とかこのことを解決してくださるようにお願いをいたします。これは御答弁は要りません。 ————————————— 次に、消費者保護基本法の問題でございます。これは議員提案で法律を定めた関係があるからといってひねくれてものを言うわけじゃありませんけれども、私が物価対策委員長をしておった当時、衆議院の砂田議員その他と同時にこの問題を検討して、昨年ですか、これが国会に提案されて成立をいたしました。この法律に対して農林省はどういうふうなことをやってきたか、このことをひとつお尋ねしたいのであります。たとえば水銀農薬の問題について、これは何人かの衆参の議員があるいは予算委員会、あるいは農林水産委員会等でずいぶん問題にいたしました。私も予算委員会でたしか問題にした一人であったかと思いますが、問題にしてようやく農林省が腰を上げて三カ年のうちに水銀農薬は禁止するということをやった過去の例を覚えております。これといまの消費者保護基本法とは直接どうこうという問題ではありませんけれども、この法律に対しまして、いや、それは厚生省の食品衛生法の改正の問題であるというだけで農林省が知らぬ顔をしておるのか、あるいは農林省がいろいろな措置をとっておるのか、まずそれをお伺いいたします。
○国務大臣(長谷川四郎君) さきの通常国会において成立をみた消費者保護基本法の趣旨にのっとりまして、農林省としては、農林物資規格制度の改正を行なうことはでき得る限りこれはすみやかに本国会に提出をしたい、こういうような考え方をもって進めておるのでございますが、農林物資規格法の改正は、JAS制度の改善と農林物資に関する表示等の適正化を内容とするものでございます。したがって、半面では従来行なわれておる農林物資の品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化、使用及び消費の合理化、こういうものをはかることをさらに改善、拡充するとともに、表示の適正化、これがすなわち御指摘の消費者の保護政策でなければ相ならぬ、こういうようなことで、何としてもこの問題は今国会で解決をつけなければならぬ問題である。これらは、消費者保護の団体の会議に先日も出ましたところが、やはりこれらは早急に行なうべきだという意見も非常に強いし、世論としてもこのままでは相ならぬではないかというような意見でございますので、ぜひとも今国会にこれを通過させたいという考えでもってただいま臨んでおるところでございます。
○櫻井志郎君 私の聞き違いかもしれませんが、いまの問題について何か公取と話が合っていないとかどうとかいうことをちょっと耳にしたのですが、ぜひ改正案を今国会出してほしいと思っておりますが、私の間違いでしょうか。
○国務大臣(長谷川四郎君) そんなお話が、これは公取の分野だというようなお話もございまして、ただいま企画庁が中心となりまして、両者のいろいろと意見調整をいたしておるところでございます。
○櫻井志郎君 大体この問題は大臣の答弁ではっきりしましたが、これはぜひ大臣在任中に、というよりは今国会にぜひ提出してもらうことを希望しておきます。 ————————————— 次に、漁業の問題でありますが、いつかこの委員会で砂田議員と同じことを言ったかと思う。くしくも与野党同じことを言った。というのは、私は従来から領海三海里、領海といっていいか、専管水域とこういっていいか、あるいは領海といえば外務省の問題だといって農林省が逃げるかもしれませんが、領海といっていいのか専管水域といっていいのか。(「領海だ」と呼ぶ者あり)従来の三海里というのは私はやめて、せめて専管水域を十二海里にぜひ広げていく必要があるんじゃないか、このことをかねて主張しておるんですが、農林省は耳をかそうとはしておらないわけであります。たまたま漁業関係の統計を見ると、世界の生産高が六千五十万トンですか、四十二年度。そうして第一位がペルーで約一千万トン、日本は第二位で七百八十五万トン、その中で沿岸漁業による漁獲高が二百四十八万トン、こういうような数字が出ておりますが、日本が外国において十二海里以内で、他国の十二海里以内の水域に入って漁獲しておるものがこの沿岸漁業の漁獲高に入っておるのか、あるいは輸入魚族の中に入っておるのか、あるいは遠洋漁業の範疇に入っておるのか、まずこれをひとつ聞かしていただきたい。
○政府委員(森本修君) 数字についてのお尋ねでございますから白書を、漁業白書に書いておりますその沿岸漁業の四十二年度の漁獲高の二百四十八万トンの中には、日本の船が外国の沿岸に参りまして漁獲したものはまず入っていないと御理解いただきたい。どういう分類の中に入っておるかといいますと、こまかく精査したことはございませんけれども、大部分は遠洋の分類の中に入っておるわけでございます。
○櫻井志郎君 それでは外国の沿岸十二海里内でとっておる漁獲はどのくらいありますか。見当でいいです。
○政府委員(森本修君) 約十一万トンです。
○櫻井志郎君 その十一万トンというものにこだわって、日本が三海里説に固着しておるというのではないでしょうか。世界の趨勢は専管水域十二海里という方向に向かっていっておるように私は思うんです。日本もその方向に向かっていくのは当然ではなかろうか。しかし日本がその方向に向かっていけば、十二海里以内の水域で外国で既得権益として持っておるものを失うから、それがこわさに三海里ということにこだわっておるんじゃないでしょうか、その点をひとつ。
○政府委員(森本修君) ちょっと、先ほど申し上げた数字でありますが、これは現在までに主として日本と協定を結んでおる国ですね、これから若干交渉を予定しておる国もございますけれども、大部分は協定を結んでおる国の漁業水域内における最近の漁獲の実績というふうに御理解をいただきたいと思います。協定を結んでいない国の領海におきましても魚はとっておるわけでありますから、その点については、この数字からは若干はずれておるというふうに御理解をいただきたいと思います。 それからただいまの御質問でございますが、私どもが従来まで漁業水域なり領海についてとってまいりました態度は、大きく分けて二つございまして、一つは何といいましても原則論でございまして、国際的に見まして各国が共通に異論のない線というのは、従来からも領海三海里、それ以上については領海を広げるなりあるいは漁業水域を設けるなりということになりますと、いろいろな国で態度なり立場なりが違うということでありますから、国際的にながめまして、そういった実情を考えますと、やはり日本としてはそういった共通のならわしといいますか、そういうものに立って対外的に主張するのが原則的な考えとしてはいいのではないかといったようなことが一つと、それからもう一つは、やはり漁業の置かれております実態論といいますか、そういう点で、御指摘がございましたように、数量はともかくといたしまして、日本としては、何年かにわたって先人が非常に苦労して開拓してまいりました漁業の実績というもの、またその努力の結晶というものをやはりこの際尊重を各国に対してしてもらうのが日本としての主張ではないか、ということが現実問題としても日本の国益に合うし、そういう点を主張せざるを得ないというふうなことで主張してきたわけであります。もちろん、そういう点につきましては、いま言われておりますように、最近日本の沿岸に外国船が来ておるとか、あるいは、各国においてこういう問題についてどのような主張あるいは立場が最近の趨勢として、傾向としてあらわれてきておるかといったようなことについても深く思いをめぐらさなければいかぬということは、私どもとしても考えなければいかぬことでございますが、従来とってまいりましたのはそういう主張であり、なおそういう立場については依然として現状においても失われていないのではないかというふうな感じを持っておるわけであります。
○櫻井志郎君 従来の立場はそうだったでしょう。それからできるだけ既得権益を守ってやりたいということ、これもわかります。しかし、世界の動向というものはそうではないんじゃないですか。世界の動向は十二海里に漸次変わりつつあるんじゃないですか。その問題が一つと、それから、アメリカ、ニュージーランド、インドネシア、メキシコ等々と漁業水域について交渉したというようなことがありますが、その交渉はどういうふうになったんですか。その二点をお願いします。
○政府委員(森本修君) 後段のほうから申し上げますと、すでにここ二、三年でアメリカ、ニュージーランド、メキシコ、オーストラリア、インドネシア——インドネシアは民間の協定でございますが、そういう国々とは、先ほど申し上げましたようにわが国の実績の確保というような意味合いの協定が成立をしております。なお、若干の国については、今後そういった交渉を進めたいというふうな考えでおります。 それから前段のお話で、確かに世界の各国におきましてこの数年間に領海を広げる、あるいは漁業水域を宣言するという国がふえてまいりましたことは事実であります。しかし、先ほど申し上げましたように、世界の各国が共通にいま異存のない線というのはどういうことであるかということになりますと、やはり先ほど言ったような原則的なことではないかという感じはまだ事実としては私はあると思います。ただ、先ほど来お話がございますように、そういった国がふえてまいる、またあるいは日本の沿岸で外国の漁船が相当継続的に操業をする、こういった最近の事態の変化にわれわれとしては目をおおうわけにはいかないというふうに思います。そういう点をよく彼此勘案をいたしまして、こういう問題については態度を決すべきであろうというふうに思っております。
○櫻井志郎君 三海里説が世界の常識といいますか、何かそれに近い表現で長官言いましたが、一方において漸次十二海里に変わってきておる国があるということも長官言いましたね。ということは、三海里で不満であるから十二海里に変わってきた。だから、世界の動向は三海里で落ちついているんじゃなしに、その従来の古い三海里は、もう飛行機も船も潜水艦もすべて今日のような発達しない時代にきめたことがそのまま残っておる、それに対する不満があるからこそ十二海里という方向に世界の動向が向かいつつある。向かいつつあるにかかわらず、日本が相変わらずもう三海里はそれは世界の常識みたいなきまりだというふうに考えておること自体が、私は、考え方がちょっと古いというか、世界の動向に沿っていないというふうに考える。現に、長官自身が言いましたけれども、日本近海にずいぶんソ連船がやってきておる。私は道楽でやるのは沖釣りだけですが、銚子方面から沖釣りにときたま職業船に便乗して出ます。トランシーバーを使っていると、入ってくることばが日本語よりもソ連語のほうが多いくらいもう近間までやってきておる。そういう状態を現実に控えながら、相変わらず三海里に固定しておるということは、私は考え方が古過ぎるのじゃないかというふうに思うのですが、これはひとつ大臣からお答えを願います。
○国務大臣(長谷川四郎君) お説たびたび伺うことでございますし、また、このごろ、各国がその領海を拡張し、あるいは漁業水域を広げているということは事実でございますが、わが国といたしましては、一方的にこういう領海を広げることは認めることはできない、国際上認めないということは、長官が言われるように、昔から今日までとってきておる方針でございます。特にそれを主張するゆえんというものは、わが国は何といっても世界の中でも最もすぐれた遠洋漁業をやっておる、そういうような関係でありますものですから、どうしてもその説をいままでとらざるを得なかった、こういうようなことでございます。しかしながら、最近に至って、わが国の周辺にも、各国からといいましょうか、まあたとえばソ連あたりからもだいぶ船団が入ってくるような状態にもなっておりますので、これらの問題をからめまして、ある程度これらの問題とあわせまして検討を加えるべき時期ではないだろうかとも考えるのでございまして、ただこれらは国際法上から見ましてなかなか問題が残されておりまして、農林省だけの見解できまるわけではございませんので、十分これらは外務省あたりとも検討を加えて、そしてどっちのほうがわが国の国益上有利かというふうに考えて結論を待つべきものだ、こんなふうに考えます。
○櫻井志郎君 漁業と国防を両方合わして、あくまで国益上どっちがいいかということで政府が判断していかれることを大臣にお願いしておきます。 最後に、これは長官でけっこうでございますが、日本のブリ漁業でありますけれども、これは大体沿岸を回遊しておりますわね、水温によって。ところが、一方において、養殖漁業が瀬戸内海から始まって各方面に発達してきました。その対象になるものはほとんどブリの二年魚であるイナダが多うございます。そこで起こってくる問題は、ブリの稚魚であるモジャコの乱獲という問題が起こってきておる。それが起こってきたために、ブリ定置漁業者に非常な不安を与えております。こういう現実が一方にある。ところが、たとえばサケ・マスをはじめとして、人工ふ化ということがいろんな研究の段階を経て実用段階になってきておるのが幾つもあります。最初はおそらくサケ・マスでありましょうが、その後、いろんな魚族、魚介類において研究の結果が成功し、かつ実行の段階に入っているのがありますが、農林省はこの貴重なブリの稚魚であるモジャコの人工繁殖というようなことに対してほとんど何もやっていない。いたずらに地方の県の試験場にまかせっきり、つまり自主的に県がやるならやれという段階でやっているのが現状ではないかと思う。私の判断が間違っておればこれはあやまります。しかし、そういうようなことでは、このブリの問題がたいへん将来大きな問題になってきますから、たいした金でもない、農林省の水産試験場あたりでは本腰を入れて研究し、その研究の成果を確保して、そして実際に稚魚を放流してブリ漁業というものを繁栄させるということは当然考えていいことではないかと思うのですがいかがでしょう、長官でけっこうです。
○政府委員(森本修君) お尋ねはブリの養殖のためのあれとして、人工ふ化について研究を奨励すべきではないか、あるいはみずからやるべきではないかということだと思いますが、確かにこの問題について、いままでやってまいりましたのは、主として各県の試験場なり、あるいは大学の水産学科というところで研究をされてきております。まだ量産化というところまでは十分試験研究が進んでいないという段階でございます。私どもとしても国のしかるべきところでやることが必要だというふうな感じを持っております。現在やっておりますことは瀬戸内海の栽培漁業センターというのがございますが、そこの漁業場で熟卵の採捕、あるいはそういったところで出てまいりますところの小さい魚に対する餌料とか、あるいは生育技術の開発というふうなことをやっておるわけであります。国の施設としましては、ただ御指摘がございましたように、これは一、二年来始めたことでございまして、まだ十分軌道に乗っていないというふうなこともございます。その他の試験研究機関においてもやるべきではないかという御意見、十分私どもとしてもそういう点に沿って将来研究をしていきたいというふうに思っております。
○櫻井志郎君 いまの問題について、大臣は、ぜひ来年の予算に強く実行してもらいたいと思います。御決心のほどを……。
○国務大臣(長谷川四郎君) 過日もそういうようなお話がございまして、イナダを持ってきて養殖するということは養殖ではないじゃないかというような御意見もございましたし、いまそれらについては人工ふ化から始まってブリの養魚ということが当然行なわれなければならない。したがって、今度は何といっても、近海漁業というものがかくのごとくさびれてきておる今日でございますので、つくる魚をどうしてもやらなければならぬ、それには第一義的に取り上げるのはこれらの問題だろうと思いますし、また今日はエビにおいても……、タコとかあるいはフグだとかいうふうなものまで人工ふ化が成功しているという話でございます。さらにえさづけ等もだいぶ成功しているというお話を承っておりますので、来年度は——本年もかなりこれらの問題にかんがみまして予算づけをしたつもりでございますけれども、さらに来年度はこれらに意を用いて十分その意のあるところは実現できるような方途を開くように努力をいたす所存でございます。
○委員長(任田新治君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時散会 —————・—————