内閣委員会 第29号
- 発言数
- 397 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/07/15
会議録
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○峯山昭範君 今回の農林省設置法の一部を改正する法律案のいわゆる審査にあたりまして二、三質問したいと思います。 初めに農業者大学校の問題でありますが、この農業者大学校の問題につきましては、昨年この法案が出てまいりまして未成立で終わっておりますが、それにもかかわらず、現在、現実の問題としては、農林省中央青年研修施設と、そういうふうな形で実質的には発足をしていると聞いております。そういうふうに聞いておりますけれども、その実態はどのようになっているのか。いわゆるその研修生はどういうぐあいになっているのか、その点について初めにお伺いしたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 昨年農林省設置法の改正が成立いたしませんでしたが、都道府県から推薦によりまして五十名ほどの青年が農業者大学校に入るつもりで自宅に待機いたしておりましたこと、さらに施設がすでに完備いたしておりましたこと等によりまして、設置法が通りませんで、はなはだ遺憾でございましたけれども、残念でございましたけれども、中央研修施設ということで教育を開始をいたしまして、昨年とことしとで八十名ほどの一年生及び二年生の教育を現在やっておる実情でございます。
○峯山昭範君 こういうようなことがたびたびわが内閣委員会ではあるわけですけれども、非常に私はまずいと思うんですが、法案が実際通らないにもかかわらず、実質的には発足をしていると、こういうような例がたびたびあるわけです。このこと自体、私は実際問題としては脱法行為ではないかと、こういうぐあいに思うわけです。実際問題としてこういうようなことがないように、現実にそういうふうな施設をつくる前に当然設置法を提出して、そして法律が成立して後にそういうような施設をつくると、または予算を計上すると、こういうふうに基本的にはすべきじゃないか、そういうふうなことが当然ではないかと、私はこう思うんですが、この点いかがでしょう。
○政府委員(大和田啓気君) この農業者大学校の場合は、ただいま申し上げましたように、すでに相当優秀な生徒が五十名ほど自宅で待機いたしておりまして、その中には当然大学に進学することをやめて農業者大学校を希望した有為な青年もございますので、農林省設置法が通りませんでしたけれども、いわば応急の措置としてやった次第でございます。私ども、できるならば、農林省設置法が通りましてからこういう施設を活用いたすつもりでございますけれども、今回は残念ながら、右申しましたような次第で、やむを得ない措置としてやった次第でございます。
○峯山昭範君 大体そういうのはおかしいと思うんですよ。要するに、大学に進学するはずであったその人たちが自宅で待機しておる、そんなことは初めからわかっておるわけです。もっと以前に当然設置法を提出して、そして予算ができる、法案も通ってからちゃんとやったっていいと私は思うんです。法案が通る前からその研修生を募集しておった、大学生を募集しておったということになるわけです。そのこと自体が私はまずいじゃないかと、こう言っているわけですよ。いかがですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は、峯山さんの御意見が違うとは申しません。また、そのとおりでなければならないと、このように考えます。しかしながら、今回のこの場合は、前もってそういうようなことに対して、今後の農業の経営というものをいかにすべきかといういろいろな議会での御意見等もございますので、その御意見を私たちは尊重をいたして、そして今後の経営を十分にできるそういう有為な青年をつくり上げていきたいと、こういうような考えの上に立っておりましたものですから、ついといいましょうか、ごもっともであると、議会もそのようなおことばでもあり、そういう専門的なものをつくるべきであると、こういう考え方によってつくる段取りをいたしまして御提案を申し上げましたところが、これは他の法案との道連れといいましょうか、これだけの問題でなくてそういうことになりましたので、ぜひとも、そういう点はごもっともでございますけれども、御理解賜りたいと思うのでございます。
○峯山昭範君 実際問題として、私は農業に携わる有為な青年を育てるということは、これは非常に大事なことであろうと思います。しかし今回の農業者大学校をつくることによって、従来からこれは当然各都道府県では経営伝習農場とか、またはそれにかわるような施設がずいぶんあります。そういう点から考えてみると、ただ単に有為な人材を国でやるということと、各都道府県でやるということと、私はこの設置法の意義等を見てもあまり変わらないと思うのですが、この点については、従来のいわゆるその施設というものがやっぱりまずかったのか、まだ足りないところをもっとやろうというのか、そこら辺のところをちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) ほとんどすべての県といってもよいほど、経営伝習農場その他の名前で、若い農民の教育をいたしておるわけでございますが、現在の経営伝習農場に入学の資格から申し上げますと、中学校なりあるいは高等学校を卒業した者がすぐ入学をいたすわけでございますし、教育期間は一年ないし二年でございます。それで私どもが現在考えております農業者大学校は、高校を卒業して、自分のところで少なくとも二年間は農業をやった経験のある者を入れるというたてまえでございますし、教育期間は三年間で、そのうちにはもちろん大学あるいは試験場の教師、研究者等々の講義がございますけれども、先進地の農家に泊まり込んで実習をする、そういうこと、あるいは自分のところで農業をやりながら研究を進める、そういう制度もあるわけでございます。さらに程度の高い、いわばいい農家をつくって、単に自営農民として農業経営をりっぱにやるということ以外に、その地域住民のいわばリーダーとして地域開発のために挺身できる、そういうことをねらいとしているわけであります。したがいまして、農業者大学校ができて訓練をいたしましても、やはり私どもは、経営伝習農場、その他現在県でやっております農民の教育、研修機関というのは、ますますその意義を今後において発揮してもらいたいというふうに思っておるわけでございます。
○峯山昭範君 あなたのおっしゃっているのはおかしいですよ。先ほど、いわゆるこの設置法が通らなかったから自宅で待機させておった、高校を卒業して大学に入学するはずの人を自宅で待機させておったとあなた言いましたけれども、いまのあなたの話ですと、高校卒業して、待機じゃなくて、自宅で二年間農業をやった人を入れるというのでしょう。おかしいじゃない、これ。高校卒業して、すぐ自宅で待機じゃなくて、当然二年間は農業をやるのじゃないか。この二年間やるのを三年間、四年間、それだけの話じゃありませんか。何も設置法が通る前にこういうような研修施設をつくるというあなたの先ほどの理由は全然なくなっているじゃない。どうです。
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げましたのは、農業者大学校に入学する人の中に、現に大学を選んで進学をしようとしたのを取りやめて、農業者大学校に入りたいという人もおるわけでございまして、自宅で待機といいますのは、とにかく農業者大学校に入ることで専心そのつもりでやっておりましたのが、農業者大学校が、農林省設置法が通らないためにできないという形で、むなしく自宅におるという状態が、いかにも若い人たちにとって気の毒だということで申し上げたわけでございます。
○峯山昭範君 そういうようなことでは全然納得できないですよ、実際問題として。しかしこの農業者大学をつくったからといって、いわゆる青年の都市への流出といいますか、そういう問題を実際問題として防ぎ切れるかどうかということについては相当疑問があると思います。また、先ほどちょっとありましたけれども、こういうふうな研修施設というのを私はずいぶん調べてみたのですけれども、相当各都道府県にわたってあります。これも当然必要だとは言っておりますけれども、先ほどもちょっと話がありましたけれども、私は農業者大学を、定員も五十人くらいでたった一つつくったからといってどうということはない。それよりか、各都道府県におけるこういうふうないわゆる農業研修センターとか技術センターとかいうようなものがずいぶんあります。そういうようなものにもっと力を入れるべきじゃないか、そういうふうな基本的な姿勢がちょっと間違っているんじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、いかがでしょう。
○政府委員(大和田啓気君) 現在、中学校あるいは高等学校を出て新しく農業に従事する人の数は大体ここ数年あまり変わらない数字で六万程度でございます。その中に半分と少し男子、半分より少し少なく女子ということでございますが、その人たちにやはり実技をあわせて研修をいたすことは、今後の農業経営の後継者を養う意味で、私ども非常に大事なことだと考えております。したがいまして、農林省といたしましては、農業者大学校の教育を充実する以外に、現在五十ほど各県に経営伝習農場的なものがありまして、現に六千の人たちがここで教育を受けておるわけでございますが、その人たちの教育のレベルの向上等につきましては、農林省としても今後十分努力をいたすつもりでございます。
○峯山昭範君 だから、要するに国で一つ施設をつくるよりも、もっと各都道府県の施設に対して力を入れるべきじゃないかと、私はこう言っているのです。実際問題として、あなたのほうから出していただいている研修施設、伝習農場の一覧表によりましても、いわゆる生徒、研修人員が全然入っていないところがずいぶんある。高卒から入っていないところが幾つもある。またその生徒が一人しかいないというところもある。こういうような点から考えてみると、もっともっと力を入れるべきところが間違っているんじゃないか。各都道府県におけるいわゆるこういうような施設がもう満員になって、そして非常に何といいますか、こういうところから優秀な人たちがどんどん育っていっているというような、そういうような現状であれば、私はそういうふうな人たちの中から、また要するに優秀な人材を育てる、農村のリーダーを育てるというならわかりますけれども、現実に各都道府県でやっておるところのいわゆる農業学園とか、または研修所とか、そういうところで高校を卒業してやっている人たちがほとんどいないところがずいぶんある。こういうような状態では、私はこういうようなところにこそもっと力を入れるべきじゃないか、こう思うのですがね。
○政府委員(大和田啓気君) 五十ほどの経営伝習農場の中には、大都市を含む府県で生徒があまり集まらないところが事実あるわけでございます。これは具体的に申し上げますと、大阪がそうでございますけれども、それはなかなか大阪府の実態からいたしまして、そこで若い農家の人が経営伝習農場的なものに入って、みずからを鍛えるということがなかなか望まれないような環境の人もあるわけでございまして、四十六県、私ども一律に経営伝習農場をやっていくということではなくて、やはり県の実態に即して、そこの農業の今後の進み方に即して、伸ばすべきところを大いに伸ばしていくと、四十六県の中で一つ二つそういうなかなかうまくいかないところがございましても、それはあきらめるということではございませんけれども、まあ地帯によって伸ばすべきところを大いに伸ばしていきたいというのが私どもの趣旨でございます。
○峯山昭範君 あなたはいま大阪をあげましたけれどもね、大阪は確かにそうかもわかりませんけれども、いたほうがいいところにいないところがずいぶんありますよ。福島県の経営伝習農場、二つとも高校卒一人もいないでしょう。それから石川県の経営研修農場だっていないでしょう。岐阜県の農業センターだっていませんよ。それだけじゃない、香川県の機械化農場だって一人もいないでしょう。福岡県の農業経営伝習農場で研修人員のところも高卒の人は一人もいないでしょう。佐賀県の農業研修学園も高卒一名もいないでしょう。あなた大阪だけ言いましたけれども、大阪なんか関係ないです、大阪は都市なんですから。当然あるべきところでないところがずいぶんあるんじゃないですか。あなたのところから出た資料ですよ、これは。
○政府委員(大和田啓気君) いま御指摘がありました福島等々の研修農場で高卒がおりませんのは、これは最近まで中卒だけをとっておったというところでございまして、福島がその適例でございますが、高卒は今後ふえるというふうに私ども当然考えておるわけでございます。
○峯山昭範君 ほんとうですか、それ。いつから高卒を今年まで全然採用しなかったのですか、来年からする予定ですか。
○政府委員(大和田啓気君) 別に国が高卒はだめであって中卒に限るという、そういう指導で前からいたしておりませんけれども、県のそれぞれのいわば持ち味という形で、中学校を出た人をもっぱら教育したいということでやっておったのが福島であろうと思います。したがいまして、この福島の数字をごらんいただきまして、高卒がないのはどうじゃというふうにおっしゃるわけでございますが、今後の県の方針あるいは地元の農家の気持ちの動き等々によりまして、私は中卒ばかりでなしに高卒もだんだんふえてくるというふうに考えておるわけでございます。
○峯山昭範君 ぼくは何も福島だけ言っているのではない。全国的な動きから見て言っているのです。全然とにかくここにあるようにいないところが多いじゃないか。たとえば岐阜県の農業センターだって高校卒一人もいないじゃないですか。香川県の機械化農場というのは一人もいない。あなたのほうから出た表には一人も載ってない。こういうところにもっと力を入れたほうがいいのじゃないか、こう言ってるのですよ。ちょっと何か突っ込まれると、各都道府県にまかしておるなんという、そういう考えはよくないですよ。
○政府委員(大和田啓気君) 先ほども申し上げましたように、高卒をとるか、あるいは中卒を主体にするかということは、農林省で一律に指導しておらないわけでございますけれども、最近における農家の子弟の動きを見ますと、だんだん高卒で農業に残っていく人の数がふえておるわけでございます。したがいまして、いま申されましたように、だんだん福島、その他高卒の入っていないところの経営伝習農場等において大いに高卒を入れて、研修農場の教育のレベルを上げていくということは、私も当然そうすべきであろうと思います。今後そういう方向で努力をいたしたいというふうに思います。
○峯山昭範君 ですから、この今度の農業者大学校設立のいわゆる教育方針並びにその趣旨を読んでみましても、これは農業をめぐる内外の動向にかんがみ、みずから自立経営のにない手となるとともに、地域農業の振興と社会開発推進の中核となるべきいわゆる人材を育成すると、まあこう書いてありますし、また、経営伝習農場の教育要項の中にも、将来自営農民になる農村青少年の男女に対して、農業経営並びに生活について実習教育を行ない、新時代の日本農業を担当するにふさわしい知識と技術を身につけさせるにあると、こういうぐあいにあるわけですけれども、これ両方とも、大学校の設置の趣旨と、それから各都道府県でやっているところの経営伝習農場の教育要項の趣旨とはほとんど一致しているわけですね。そういう点からいって私は、いまさらあらためてこういうふうな大学校をつくるというそういうようなことよりも、まだ現在できている各都道府県のいわゆるこの伝習農場とか、こういう施設に対してもっと力を入れたほうが、実際意義があるんじゃないか。要するに各都道府県の伝習農場があって、その上に農業者大学校ができても、その設置の意義は案外薄れるのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。
○政府委員(大和田啓気君) 先ほど申し上げましたように、農業者大学校の生徒の質あるいは教育の水準は、県の伝習農場に比べて相当高いわけでございますから、私どもこれからの農業経営の進んでいく道を考えますと、やはり相当高い能力が要求される面もございますし、また地域の指導者として高いレベルの青年を必要とするという事情がございますので、農業者大学校をつくるわけでございます。ただ各県の経営伝習農場も、何といいましても、農家のあと取り、青年経営者の質がよくありませんと、りっぱな農業ができないのが当然でございますから、各県の伝習農場の質を今後も向上させて、若い農家の育成に私どもつとめるために十分の努力をいたしたいと思います。
○峯山昭範君 わが国の農業のいわゆる農業近代化をしていくためには、次代の農業をになう人材を育成する、また後継者を育てるということは重要なことであるということは、私もよくわかります。いま実際問題としては、各都道府県ではそういうふうにいわゆるいろんな農場とか研修センターをつくっている。それに対して一体政府は、それじゃいままでどんな後継者政策というものをやってきたのか、この点について伺いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 経営伝習農場は、これは相当前からある施設でございますが、私どもこの仕事といたしまして、その施設の整備のための努力をするということが一つでございます。それから各県の施設をやや離れて、各地域からの若い人たちを養成するための施設もあわせて充実をいたすわけでございます。そのほか農村青年の活動を促進するための費用として、ここ二、三年四千万円程度の予算を計上いたしまして、青年の農村の活動のために大いに努力をいたしておるわけでございます。
○峯山昭範君 この農業者大学校をつくって農業のいわゆる後継者の育成という点については、まあ大体わからぬでもないのですけれども、一つ心配なことは、各都道府県で高校を卒業してやはり各都道府県の伝習農場とか技術センターに入っている人たちと、また国の農業者大学校に入った人たちとの断絶というのが生まれてくるんじゃないか。特殊な人間をつくることになりはしないか。かえってそういうところから、いわゆる農村の青少年の優秀なリーダーが生まれるのはいいけれども、そのことによってかえって農村が混乱しはしないか、そういうことも現実の問題として考えられるわけです。そういうことについても、私はこの点についてはもっと力を入れて、基本的に考え直すべきじゃないかということを考えるわけです。そういうふうな意味におきまして、先ほどからずいぶんありましたけれども、各都道府県のこういうような施設に対しても、もっと抜本的に政府が力を入れていくべきではないか、こういうぐあいに思うのですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 地方の研修所のシステムというこれに対しては、御承知のとおりでございますが、せっかく峯山さんのお話もございます。そのとおりと私も考えますので、特に今後は各県の研修所等には特別な意を用いて、その目的が達せられる方法を講じていきたいと、こういうふうに考えます。 特にまた、いま提出して御審議を願っている点につきましても、これは各県の適地適作という点はもちろんでございましょうけれども、もっと日本国内、アジア全体の農業の上に立って、日本農業の進むべき道、こういうような点も考慮しなければなりませんので、少しくは趣が相違がございます。そういうような観点に立って、ただいませっかく皆さん方に御審議を願っておるわけでございます。峯山さんの意は十分尊重いたしてそのようにしたいと考えます。
○中尾辰義君 関連。農業者大学校の件ですが、これは各省とも付属機関なりあるいは講習所みたいなものが、それぞれ防衛大学校とか税務大学校とか、いろいろありますけれども、大学令に基づく大学とはどういう点が違うのですか、その点をちょっと。
○政府委員(大和田啓気君) 農業者大学校について申し上げますと、就業年限が三年間でございます。それから学力といたしましては高等学校卒業程度でございますが、ただ高等学校を出たということだけではなくて、自宅で農業を二年間程度やってきた人ということを条件にいたしておるわけでございます。 さらに教育の内容について申し上げますと、全部合宿制度をとっております。さらにいわば講義のほかに、先ほども申し上げましたけれども、自宅研修あるいは篤農家、先進農家等に対して実地に行って勉強するという、そういういわば学問と実際とあわせて教育するのが、この農業者大学校の特色でございます。
○中尾辰義君 私が聞いているのは、いわゆる大学という名称が、別に大学令に基づかなくても、かってにいろいろと使えるのかどうかですね。こういうように大学という名称を使いたがると、国民が非常にまぎらわしく思う。そうして卒業した場合に、卒業後の資格はどういうところが違うのですか、この二つの点を。
○政府委員(大和田啓気君) これは学校教育法等による大学と違いまして、そういう大学卒業の資格はございません。この実力ができたということだけでございます。それから大学校の名前を持っております施設がたしか十三ほどあるわけでございますが、農林省関係では農業者大学校ができますと、そのほか水産大学校、この水産大学校も就業年限三年でございます。また農林関係では三つほど、農林研修所あるいは食糧管理講習所、林業関係にも研修所がございますけれども、農林省関係の中では研修所と呼びますものは大体三つございまして、これは農林省の職員あるいは都道府県の職員というものの実技の講習でございまして、農林省といたしましては、大学校と研修所あるいは講習所とは厳格に区別をして使っておるわけでございます。ただ、自治大学校、その他農林省以外にいろいろな大学校がございますけれども、それは必ずしもそういう農業者大学校、水産大学校のような、いわば学生を教育する機関ではなくて、職員の教育機関であるものもあるようでございます。
○中尾辰義君 そうしたら、これを卒業しましても学士号なんかはないわけですね。
○政府委員(大和田啓気君) 学士号はございません。
○中尾辰義君 これで終わりますが、それならば、要するに一つの研修所なんですから、何も大学という名称を使わなくてもよろしいのじゃないか、その辺。
○政府委員(大和田啓気君) 大学ではございませんで、大学校でございますが、これは大学ではなくて大学校でございますが、まあとにかく三年間優秀な学生の教育をして、しかも、先生は大学の研究機関等の一流の人でございますから、私ども一般の講習所、研修所という名前よりは農業者大学校というふうにするほうが、学生のためにいいであろうということで、農業者大学校という名前をつけたいと思っておるわけでございます。
○峯山昭範君 続いて出ております熱帯農業研究センターのことについて、二、三伺いたいと思います。 先日質問もありましたけれども、熱帯農業研究センターが今回新設されるにあたって、その見返りにいわゆる高知の種畜牧場ですか、あれが廃止されるということをちらっと聞いたのですが、これはいかがですか。
○政府委員(大和田啓気君) 今度のお願いしております農林省設置法の改正で、熱帯農業研究センターの新設と、高知の種畜牧場の廃止とが内容としてありますことは、御承知のとおりであります。これはある意味で、たまたま一緒にこういうことになったということでございまして、高知の種畜牧場は、後ほど畜産局長から話があると思いますが、種畜牧場の整備というたてまえから高知の種畜牧場を廃止して、さらに種畜牧場全体の整備をはかるというたてまえで廃止をいたしますもので、熱帯農研をつくるから高知種畜牧場を廃止する、そういう直接の牽連関係ではございません。ただ私ども行政機構はできるだけ簡素化いたすことがたてまえでございますから、そういうことでそう付属機関をたくさんつくるということは考えられない状態でございますが、この問題で直接高知の種畜牧場と熱帯農研とが直ちに結びついておるということではございません。
○峯山昭範君 ただいま熱帯農業研究センターの設置の趣旨のところに、アジアの農業先進国であるわが国の立場より、熱帯、亜熱帯の開発途上にある国々の農業の発展をはかるため、内外から強く求められておる、こういうぐあいにありますけれども、内外から強く求められておるということはどういうことですかね、具体的に。
○政府委員(横尾正之君) 熱帯または亜熱帯に所在をいたします東南アジア等のいわゆる開発途上国におきまして、食糧問題、農業問題が経済振興の上できわめて重要な事柄であるということは申し上げるまでもないと存じますが、これらの国におきまして、いま申し上げましたような観点から技術の振興をはかりますために、研究水準、研究領域を上げる必要があるということで、従来から、具体的に申し上げますならば、セイロンでございますとかマレイシアでございますとか、そういった東南アジアに属しまする諸国におきまして、わが国の稲等の研究水準を現地に生かしてほしいというような要望は繰り返しあるわけでございます。片や一方、国内の状況から見まするならば、先刻先生のお話しにもございましたけれども、わが国の東南アジアに対します国際的な位置と、国内におきます試験研究の水準を向上するという観点からいたしましても、具体的に申しますならば、たとえば稲につきましてインディカ稲を導入をいたしまして、耐病性、耐倒伏性等の特性を付与するというような観点で、国内におきましても熱帯農業研究を進めるべしという、それが従来とも具体的に相当強かったのでございます。そういうことで、内外のそういう背景を受けまして、今回それを組織的にはっきりいたしたいということで、付属機関として熱帯農業研究センターを設けたいというのが趣旨でございます。
○峯山昭範君 そうすると、今回の設置以前に、もうすでに現在まで何人かの人を東南アジアに派遣していらっしゃるわけですけれども、それは一体どういうふうな資格で派遣をしているのか、またどういうふうないわゆる成果があったのか、この点について伺いたいと思います。
○政府委員(横尾正之君) 御指摘のごとく、昭和四十一年度から在外研究員という名前で現地に研究者を出張の形をとって派遣をいたしております。その身分は、国内の試験研究機関の研究者という身分を持続しながら、出張という形をとって、先ほど申しましたように、昭和四十一年度から在外研究員を派遣をいたしてまいっておるのでございます。 次に、御質問のございました成果でございますが、昭和四十一年度から派遣を始めまして、大体におきまして基準は二カ年くらい同一個所で研究を続ける、同一の現地で研究を続けるということでございまして、まだ帰ってまいりました者がぼつぼつという段階でございますので、的確にこういう成果があるということにつきましては、なかなかむずかしい点もございますけれども、たとえば稲の育種につきまして、現地の状況に応じます品種の改良ということが非常に重要でございまして、こういう点につきましては、現地におきまして研究過程を通じて相当の寄与をいたしておるというふうに存じております。そういった成果は、今後研究員が帰ってまいりますれば整理をいたし、それをベースにしてさらに進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 そうすると、この熱帯農業研究センターの設立によって、組織的にもうはっきりするわけですけれども、従来から、こういうふうな組織ができて、いわゆる能率を推進するというようなことは非常にいいことでありますけれども、実際現実の問題として、こういうふうな機構が一つふえた、そういうようなことに終わっては私は何にもならないと思うのです。現実にそういう資料は現在どういうふうに保管されているかわかりませんけれども、ただ単に資料を積んでおくというような形になっては、私は何にもならないと思うのです。そういう点について、どういうぐあいに考えていらっしゃるか。また現在、おたくからの資料の中にもいろいろ書いてございますが、これだけの人数でいわゆる所期の目的を達成することができるのかどうかですね。この点について伺いたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 峯山さんのお尋ねのこと、海外に出張はしていますけれども、実際は日本の技術は、全部出張をいたしまして、現場現場の指導を与えております。フィリピンにおいてもそのとおりでございますし、インドにおいてもセイロンにおいてもそのとおりです。特に今回は、沖繩が当然もう近いうちにわがほうに返ってまいります。それで沖繩を、いかにフルに使って沖繩の生産向上をやるかという、こういうところに最も重点が置かれてある、これを御了承願いたいと思う。ただ表向きははっきりと沖繩のために何だというわけにまいりませんが、沖繩は重点的に、いかにして高能率的な農業政策をやるか、こういうところにありますので、それに間に合うように十分な研究をさせていきたい、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 沖繩が出てまいりましたから沖繩にいきますが、非常にいまの趣旨は私は賛成です。重点的に沖繩の農業についても大いに力を入れる、これは当然大事なことであると思います。ですから、今度のセンターの設置について、沖繩に支所をつくるということは非常に意義のあることであると思います。しかし、ここでちょっと気になるのは、それだけ大臣がいま力を入れていると言われるその沖繩の支所の人員がたった二名である。たった二名で実際に、大臣がいまおっしゃったような所期の目的を達成することができるのかどうか。こんなことでは、ほんとうに、実際口で言っていることとこの設置法にあらわれた問題とは食い違っているのではないか、こういうぐあいに思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(長谷川四郎君) その点は十分私のほうが申し上げたいくらいなんですけれども、一応こういうような開設要員として出して置く、こういうふうにやっておかないと、なかなか初めは通らぬもんだで、それをやっぱり御理解願わなければ、まず出発することをしなければなりません。これはうちうちの話まで申し上げてば申しわけございませんけれども、そういうことなんで、まさにおっしゃるとおりでございますので、今後は十分それに備えるだけの人員を確保してまいりたいと思います。
○峯山昭範君 いまの開設要員として二名というのはよくわかります。ですから、一応設置法を通すために、それはそういうことであるなら、それはけっこうですけれども、将来の見通し、考え方、沖繩に対してはどういうぐあいにやっていくという考えであるか、それを伺いたいと思います。
○政府委員(横尾正之君) 沖繩にございます支所の研究の方向でございますが、御承知のように、沖繩の農業の発展をも含めて、当該支所を生かしてまいるという観点からいたしますならば、まず熱帯等の優良作物を導入いたしまして、それを沖繩等に定着をさせ、さらにこれを他の地にも活用してまいるというような意味での優良作物の導入・定着、さらにそれを延長いたしますと、育種といったような側面も入ってまいります。 具体的に申し上げますならば、サトウキビ、パイナップル等の作物につきまして、優良なものを導入して、定着してこれを活用させるということが第一点でございます。それから第二点といたしましては、御承知のような気象条件下、多雨高温の気象条件下でございますので、地力の維持増強といったことが非常に重要でございますので、それを第二点の目標に取り上げたい。第三点は、病害虫の防除でございます。これは温暖地と違いました病害虫の生理、生態がございますので、それを追及してまいるというようなことを考えてまいりたい。 以上申し上げたようなことを重点にいたしまして、今後、研究課題を組織的にきめて、それに応じて関係方面とも十分に連絡をはかりつつ研究の拡充をはかる。そのためには必要な施設を充実をし、人も、関係方面と連絡しながら、計画的に充実をしてまいりたいというふうに事務当局としては方向を考えておるのでございます。
○峯山昭範君 いまお伺いした範囲内では、どうも現実の問題としては、大臣の決意とはずいぶんかけ離れた、抽象的な計画のように私は思うのですがね。もっと実際問題として、抜本的に沖繩に対する考え方は進めていくべきじゃないかと、こう思います。 最後に、沖繩のことをもうちょっと聞いておきたいと思うのでありますが、沖繩における農業人口はどれくらいいるのか。また、沖繩における農業の実態は現在どういうぐあいになっているのか。また、沖繩におけるお米はどういうふうになっているのか。この点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(横尾正之君) 御質問のございました点でございますが、まず就業人口でございますが、農業就業人口は昭和四十二年の数字によりますれば十四万一千程度でございまして、全就業人口の中で約三割を占めると、こういうふうになっております。 それから稲作でございますが、稲作につきましては、面積は一九六〇年には一万一千七百三十ヘクタール程度の面積がございましたが、一九六七年におきましては四千二百六十二ヘクタールということで面積は減っております。それから収量につきましては、内地から比べますとその水準が低くて、十アール当たり三百キロを切るというような状況にございます。
○峯山昭範君 お米の問題についてはまだ……。
○政府委員(檜垣徳太郎君) 米につきましては、最近の実情は、島内の総消費量約九万トン程度でございますが、島内における生産量は一万トンをやや切るという、九千トン前後という生産の状況でございます。したがって、約八万トン程度の外国からの輸入を行なっておるという実情でございます。
○峯山昭範君 それでは続いてちょっと関連いたしまして、農林省関係の審議会のことについて二、三質問したいと思うのです。 まず初めに、審議会の問題については先般からいろいろ問題になっております。最近は審議会が非常に多くて、非常に実質的な審議会が少ない。だから整理したほうがいいじゃないかとか、また、せっかく審議会で意見が出ても、政府はそれをほとんど無視しているとか、また先日の新聞によりましても、自民党ではいわゆる一省一審議会にしようというような意見が出ていると、そういうようなことを私は聞いているのですが、この審議会のこういうふうなときにあたりまして、特に農林省関係相当たくさんの審議会がございます。いろいろ問題がありますので、初めに基本的な問題でありますが、この審議会の設置につきまして、これはすでにもう大臣も御存じのとおりだと思うのですが、いわゆる閣議了解事項として昭和四十二年ごろにきめられたものがあると、私はこういうように聞いておりますのですが、これをほんとうは全部読んでいただきたいわけでありますが、時間の関係もありますので、いわゆる昭和四十二年十月の閣議了解事項の中でその第五項目、委員の人数のところがあります。この点についてどうなっているのか答弁を願いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 委員はまあ二十名程度を原則とするという趣旨のものがございます。それで農林省関係で申し上げますと、二十三ほどの審議会があるわけでございますが、おおむね二十名程度でございますが、中には二十名をオーバーいたしておるものが幾つかあるわけでございます。それでその中で、たとえば農林物資規格調査会というのが委員の定数五十名、これは部会で処理いたします関係上、人数が多いわけでございますが、農林物資規格調査会の五十名につきましては、ただいま法律の改正を国会に出しておりまして、そこでは二十名以内とするというふうに改正をいたすつもりでおるわけでございます。したがいまして……。
○峯山昭範君 ちょっと、私が聞いたところだけ答えてくれればいいのです、時間がないから。わかりやすく、さっとやるために言っているのです。きまったことよりも、よけいなことをぐずぐずぐすぐず——このもうきまりをちゃんと初めに言ってもらえばけっこうです。ですから先ほども言ったように、わざわざ言っているのです。昭和四十二年の十月に閣議了解事項としてきめられた、いわゆる委員の数の項が第五項目にあるから、そこを一ぺんはっきり読み上げてもらいたいと、こう言っているのです。
○政府委員(大和田啓気君) 委員の数を二十名程度にするということになっております。
○峯山昭範君 私きのうからこの点言っているのですからね、ちゃんと読み上げてもらいたいのです。まあそれはけっこうです。 次に行きますけれども、審議会の委員の人選についても、これは人選についてはすでに昭和三十八年の九月に閣議了解事項としてきめられまして、それからそのあと昭和四十年の八月には、閣議決定として、審議会委員の選考に関するきまりがちゃんと出ているはずであります。このいわゆる審議会委員の人選に関する閣議了解事項はどのようになっているか、この点を教えてもらいたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 閣議の了解事項といたしましては、国会議員及び行政機関の職員は原則として審議会委員の構成員にしないものとする等々のことがございますが、兼職は四以内とするというのがあるわけでございます。
○峯山昭範君 どうもはっきりしませんので、はっきり私申し上げますけれども、、審議会の委員の兼職については、「兼職の数は最高四とする」と、こうはっきり、昭和三十八年の九月二十日の分でありますが、最高四とはっきりきまっております。それから昭和四十年の八月の十七日の分についても、先ほどの三十八年九月二十日の口頭了解事項のこの主旨を徹底させることとすると、この閣議決定が両方あります。この二つに基づきまして、先ほど官房長がすでにおっしゃいましたけれども、審議会の定数は二十人、委員の兼職は最高四までとすると、こういうぐあいになっているわけでございますが、現実の問題として農林省関係は全部で二十三ある審議会の——現在二十三だと思うんですが、その審議会のうち十二の審議会がもうすでに二十名以上となっているわけです。この点については、先ほどオーバーしているものを多いものを言い出しましたけれども、どういうぐあいに考えられているのか、伺いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 二十名程度オーバーをいたしておりますものの中には、審議会の中で部会をつくって相当こまかく審議をいたします必要上、どうしても二十名をこえざるを得ないものがあるわけでございますが、私どもできるだけ人数は二十名以内に整理することを目途といたしまして、先ほども申し上げましたが、農林物資規格調査会のごときは、委員定数五十名を、今回の改正法で二十名にするというように努力をいたしておるわけでございます。今後ともこの努力は続けたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 定員の問題についてはいろいろありますから、このくらいにしますけれども、それじゃあ次に、審議会の委員の選考については、先ほど申し上げましたように、二つの閣議了解事項、決定事項がございますが、この点についてはどういうぐあいにお考えか、伺いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 兼職四が最高であるということにつきましては、私どもその努力をいたしておるわけでございます。それでずうっと累年調査がございますが、詳細は略しまして、昭和四十年におきましては、五以上の兼職の人が十七名おったわけでございますが、四十二年、四十三年と逐次減少いたしまして、四十四年七月現在においては九人あるわけでございます。今後におきましても兼職四が最高ということを目途といたしまして、努力をいたしたいと考えております。
○峯山昭範君 いま聞いておりますと、審議会の委員の兼職は最高四、その点については検討していると、そういうように聞こえますけれども、現実には全然逆でありまして、私が調べたところによりますと、そういうことについてはまるっきしむとんちゃくである。はっきりその点がわかるんですが、一例をあげて具体的に言うとわかるので申し上げますけれども、たとえば米価審議会にいきたいと思います。米価審議会の委員については、これは任期は一年であります。ですから四十四年の五月にこれは再選、または新しく任命したと、こういうふうに聞いておりますけれども、これから私が名前を申し上げる方々は、一体幾つ審議会を兼任しているか言ってもらいたいと思います。米価審議会の、これは敬称を略しますが、石原さん、稲葉さん、円城寺さん、大来さんですね、この四人について幾つずつ審議会を兼任しているか、そこで一ぺん言ってもらいたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 御指摘の稲葉さんが八、円城寺さんと大来さんが七、石原さんが六でございます。ただ農林省としてこの点について無関心だというお話でございますが、米価審議会につきましては、実は昨年は兼職四をこえる人が十人でございましたが、ことしはこれが七人に減っておるわけでございます。
○峯山昭範君 実際兼職の人が減ったとなんて言っておりますけれども、いま石原さん、稲葉さん、おっしゃいましたけれども、実際石原さんは幾つ兼任しているかといいますと、いま六と言いましたね。ところが実際は私が調べたところによりますと、九つ兼任しておる。言ってみましょうか。これはもちろんいま問題になっているよその省では、あまり兼職が多いのでかえようということになっている。かえようということになっているのが産業構造審議会、四十四年六月一日が任期でありまして、今度の改選にあたってあまり多いからかえようじゃないかという話が出ている。また都市交通審議会というのが六月十三日が任期ですが、いわゆる米価審議会が四十四年五月十日に再任されている、そのときには現実には九つあった。そのときに、こういうことについては閣議了解事項、それできまっておりながら、こんなことについては全然考えなかった。全然考えなくてやったのでしょう。こういうことは閣議決定事項、そんなことについて、一つも頭の中になかったのでしょう。従来からなっているからそのとおり、そういう感じじゃあないですか。もう少しやはりきまったことはちゃんとやるだけのあれがないといけないと思う。実際問題として、そのほかの人たちがどのくらい兼職しているかということが何もわかっていないのではないか。もっとこういうふうな兼職の問題については、米価の問題一つ取り上げてみても、全然何もなしでそういう……、そういうことは検討しないで再任しているのですか、どうですか。
○政府委員(大和田啓気君) 石原さん、これは米価審議会の委員を任命するときに、私ども承知いたしておりますところでは、兼任は、米価審議会を入れて六でございます。おそらくその後の選任があったのではないかというふうに考えております。 そこで農林省はこの問題について無関心ではないかというお話しでございますが、無関心ではございませんで、私ども委員の任命をいたしますときに、兼職の有無あるいは兼職の多寡ということは、慎重に考慮いたすことの一つでございまして、その証拠には、先ほども申し上げましたけれども、四十年には兼職五つ以上の人が二十六名ございましたが、四十年八月、十七名、四十二年八月、十六名、四十三年十一月、十三名、四十四年七月、九名というふうに漸次減らしてきている次第でございまして、米価審議会につきましては、後ほど食糧庁長官からお話があるかもわかりませんが、この兼職四をこえる九人の人たちのうちで八人までは米価審議会委員でございます。そのほかの委員会につきましては、兼職四をこえる人は一人でございまして、これは米価決定がきわめて重要であることからも、やむを得ない措置というふうに私ども考えておるわけでございますが、できるだけ兼職の問題は今後とも慎重に取り扱ってまいりたいと思います。
○峯山昭範君 ですから米価審議会が一番問題だから私は聞いているわけです。米価審議会の問題についてはもっと生産者代表を入れるべきであり、また、もっと消費者代表を入れるべきじゃないかという話まで出ております。ことしから多少入ったようですけれども、審議の問題についても十分審議されていないのじゃないか、こんなこともいわれております。当然こういう七つも八つも兼職して、こういう人を何も委員にしなくても、もっとほかにいるのじゃないか、検討していると言っておりますが、一つも検討していることにならないと思います。この点についてどういうように考えているか、もう一回伺いたいと思います。
○政府委員(檜垣徳太郎君) 確かに現在米価審議会の委員をお願いしております方々の中には、閣議了解による最高兼職数をオーバーする方がかなりの人数いるわけでございますが、私は、申し上げるまでもなく、米価審議会の委員の選任には、それぞれの立場からの御意見のほかに、米価が及ぼします社会、経済一般の影響の大きさという点から、大所高所からの御議論を願う必要があるということで、現在の委員の兼職の問題、私ども承知はいたしたのでございますが、どうしてもこういう先生方にお願いいたしたいということで、兼職の問題につきましては、私は、農林省だけで兼職の問題の整理はなかなか進まないのでございます。内閣におきまして、人事担当官会議において、最高兼職数をオーバーする場合には、その審議をした上で、内閣の了承を得て任命できるということに事実上取り扱われておりまして、私どももその手続を踏んだのでございます。兼職数の多い委員の方々については、内閣としても、各省協力して兼職数の減少に努力をするという条件つきで了承を得たのでございます。今後とも私どもとしても、どうしても米価審議会にお願いいたしたいという方については、農林省はもとより、各省の御協力を得て、閣議了解の線に沿って努力を進めていきたいというふうに考えております。
○委員長(八田一朗君) 議事の都合により、本案に対する質疑は後刻にいたします。 —————————————
○委員長(八田一朗君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○前川旦君 それでは、防衛二法案、ただいま審議されておりますのは、陸上自衛官の増員が中心になりますが、三次防で日本の自衛力は強化されつつありますし、さらに引き続いて四次防ということになりますが、一方では国内で自衛力を増強する、一方外では軍縮に積極的に取り組む、軍縮と自衛力の増強というものと、これはやや矛盾してるようにも思いますし、関連があると思いますので、軍縮問題について、外務大臣と防衛庁長官にお伺いをしたいと思います。 まず、防衛庁長官にお伺いいたしますが、今度のジュネーブの軍縮会議に対応して、軍縮問題でいろいろ防衛庁の中でもスタッフをおつくりになったということが報ぜられておりますが、防衛庁長官はどういう態度なり、どういう姿勢なり、どういう考えを、今日の軍縮に対して持っておられますか。ごくかいつまんで手短かにお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(有田喜一君) いわゆる軍縮問題は、平和を願う世界各国の共通の問題といたしまして、われわれもこの軍縮委員会に非常な関心を持っておるのであります。これは外務大臣からお話しがあると思いますが、今回の軍縮委員会におきましては、核軍縮、また地下核実験の禁止の問題、化学生物兵器の禁止の問題あるいは海底軍事利用の禁止といったような諸問題が討議されるものと思っておりますが、防衛庁といたしましては、これらの諸問題の検討が促進されるように、積極的に協力いたしまして、軍縮の促進による平和の維持に貢献したい、かような考えを持っております。 なお、防衛庁が軍縮スタッフを設置したようだがというお尋ねでございますが、さっきも言いましたように、軍縮問題につきまして、われわれは特別の関心を持って、世界平和のために協力しなければいけない。で、日本としましては、外務省が御承知のとおり、いろいろやっていらっしゃいますが、いわゆる外務省から防衛庁に対するいろいろの御照会もあると思うのです。つきましては、そういうことに対する防衛庁としての一つの窓口が必要であろう、かように考えまして、渉外担当参事官を中心といたしまして、そうして防衛庁の関係の深い人々をそれに配置いたしまして、新たに部局を設けるというようなことではなくて、関係の人が渉外参事官を中心として約十名程度の担当官を入れて、そうして外務省のいろいろの御照会に対して迅速かつ円滑に進むように、こういうふうな臨時的な一つのスタッフをつくろうとして、いま検討しているという段階でございます。
○前川旦君 時間が短こうございますので、手短かに御質問いたしますが、まず今度のジュネーブの軍縮会議でいろいろ問題になろうと思うことがたくさんございます。外務大臣、前から軍縮に対して非常な熱意を持っていらっしゃるということを私伺っておりますので、いろいろ聞いてまいりたいと思いますが、まず一つはBCWという化学細菌兵器がひとつ問題になろうと思います。そこで防衛庁いかがですか、このBCWというものは、日本はいま開発しておりますか、研究しておりますか。
○国務大臣(有田喜一君) 防衛庁ではいわゆるBC兵器は開発しておりません。したがいまして研究もしておりません。
○前川旦君 在日米軍が日本でBC兵器を研究開発しているという事実はありますか。
○国務大臣(有田喜一君) そのような事実はないと承知しております。
○前川旦君 このBCWにつきましては、防衛庁としては、この兵器の特徴として、攻撃兵器であるとお考えですか、いかがですか。たとえばこれはBC兵器の中にも一部分、たとえば催涙ガスというようなものは一部分純粋な防御に転用できるものもあると思いますが、そういうものを除いて全体として見た場合、これは攻撃兵器と考えるべきであろうと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(有田喜一君) 個々の兵器につきまして、どれが攻撃のものであるか、どれが防御的なものであるかということは、それが使用される状況に応じまして、その使用の目的、用法などによって判断されるものと思います。その機能を固定的に定義することは、私は適当でないと思うのでございますが、したがいまして、このことはBC兵器についても同様のことが言えると思われます。BC兵器が本来的に攻撃的であるか、防御的であるかということは、そういうことを規定することは非常にむずかしい問題と考えております。
○前川旦君 たとえば細菌兵器、生物兵器にいたしましても、それは特定の対象だけ、敵対する相手の国の戦闘員だけを対象にして働くのではありません。相手も味方も、非戦闘員も全部含めて広がっていって、これは防ぎようがないわけですね。そういうことを考えると、これは国内で使うということはちょっと考えられませんね。主としてやはり国外で使うのが主たる目的であろうと思います。そういうことを勘案していきますと、このBC兵器、まあC兵器の一部は、先ほど申しましたように防御的に使える場合があっても、全体としてやはり攻撃兵器と見るのが正しい認識ではないかと思いますが、いかがですか、再度お伺いいたします。
○国務大臣(有田喜一君) BC兵器の開発は、さきにも申しましたように、わが国ではこれはやっておりません。また、将来もそれを開発する意思はいまのところ持っておりませんので、現実問題として、自衛権とBC兵器の関係について検討したことは、実を言うとないのであります。したがいまして、私から明確に答弁することは差し控えたいと思うのですが、もしも必要であれば政府委員をして答弁せしめます。
○政府委員(島田豊君) 先ほど長官からお話しございましたように、BC兵器につきましてのわが国としての開発もございませんので、その実態がよくわからないわけでございますが、したがいまして、それを攻撃的に使う場合と防御的に使う場合、双方の使い方があろうかと思います。したがいまして、先ほど長官からお話しがありましたように、そのときの用法によりまして、それが攻撃的ともなり、防御的ともなるということでございますので、これが本来的に攻撃的な兵器であるというふうに規定することは、ちょっとむずかしいのではないかというふうに考えるわけでございます。まあ防御兵器として使う場合も絶無ではないというふうに考えられるわけでございます。
○前川旦君 それでは法制局にお尋ねしますが、このBC兵器、非常に大きな災害をもたらします。核兵器以上だといわれておりますね、常識的に。これは、こういうものを保持するということ、あるいはつくるということ、持つということですね。これは日本の自衛権の範囲を越えると思いますが、その辺の法律解釈はいかがですか。
○政府委員(真田秀夫君) お答え申し上げます。 BC兵器であれ何であれ、およそ兵器、武器を持つことができるか、どの程度まで持つことができるかということは、憲法九条の解釈として問題になるわけでございますが、お尋ねのBC兵器についてどうだということの点につきましては、私のほうでは、個々の兵器の性能なり効力なりについての的確な知識を持ち合わせているわけではございませんので、BC兵器はどうだということはお答えいたしかねるわけでございます。ただ、一般の原理、原則といたしまして、自衛のための必要かつ相当な範囲内のものであれば持てると。これは核兵器についてすでにしばしば御答弁申し上げている点でございますが、理屈はそれと同じことになるだろうというふうに考えるわけでございます。
○前川旦君 核兵器と、質的に法律論でとらえた場合に共通点が実はあるように思います。核兵器の問題で、防御用の核兵器はともかくとして、攻撃用の核兵器は、憲法上自衛権の範囲を越えるということであります。BC兵器も、あなたにきのう私は質問の内容を知らしてあるのですから、研究なさっているはずなんですがね。先ほど申しましたように、どういう場合に使うかというと、これは防御用には使えないわけですよ、国内では、純粋国内では。攻撃用でしか——特別細菌生物兵器なんというものは当然そうなんです。それから、どういうふうにやっているかというと、爆弾に仕込んだり砲弾に仕込んだりする方法もいろいろあるわけなんですね。そういうことを考えていくと、どう考えても防御用に使われる兵器ではない、これは攻撃用だということなんですね。特に地元でない、外の国で使うしかないんだと。だから、これは核兵器の場合と同じように、やはり解釈を同じようにして、自衛権の範囲を越えるのだという明確な答弁なり検討なりをあなたはなさるべきだと思いますが、検討してないということは、私は怠慢だと思いますがね。その点どうですか。
○政府委員(真田秀夫君) 前川委員の御質問のアウトラインは、おっしゃるとおり前もって伺っておったわけでございますが、ただ個々の細菌兵器なり化学兵器について、その性能が攻撃用であるかどうかというようなことは、実は私のほうで判断をしてお答えを申し上げるべき筋合いではないわけでございまして、具体的に、ですからこれがアウトであるとか、セーフであるとかというようなことはお答えできないというわけでございます。 ただ、従来から申し上げておりますように、核兵器につきましても、たとえば水爆とかというようなものは、おそらくだれが見ても、これは自衛の範囲を逸脱することになるであろう。したがって、これは憲法上持つことは許されないというふうにお答えしているわけでございまして、その原理原則をやはり応用していただきまして、もしそういうのであれば、BC兵器であっても同じように持つことが憲法上許されないことになるであろうというお答えしか実は申し上げられないわけでございます。
○前川旦君 それでは外務大臣にお伺いいたしますが、ジュネーブの軍縮会議でこれが問題になった場合、日本はこのBC兵器の禁止について、あるいは制限をする内容は、討議の過程でいろいろ変わると思いますけれども、日本のとるべき態度はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 軍縮会議の関係でございますが、時間の関係もございますから、きわめて簡単にまずお答えいたしたいと思いますが、今月の十日にイギリスが生物兵器の禁止に関する条約案、それから安保理事会における決議案を提出いたしましたことは、御承知のとおりと存じます。これは一口に申しますと、化学生物兵器について一挙に包括的な禁止を行なうことが困難であるという前提に立って、二つを切り離して、とりあえず生物兵器について包括的な禁止を打ち出したものであるわけでございます。ところで査察ということになりますと、先ほど来お話しがございますように、非常にむずかしいことであろうと思いますが、それを、査察ということを前提にして、包括的な禁止ということについて、どうやったらいいだろうかということについては、イギリス案も一つの示唆のある提案であると思いますけれども、ひとつこういったことも考えながら、英国案というものも考えながら、日本としては積極的なひとつ協力態度を打ち出すべきではなかろうかと考えております。で、すでにそういった趣旨は、今回軍縮会議に日本が参加いたしました第一声として、朝海政府代表からもその点に触れた演説をいたしておることも御承知のとおりだと存じます。
○前川旦君 この禁止のために積極的な姿勢で、前向きの姿勢ですべて取り組む、すでに朝海代表ですか、演説の中に入っていると言われました。それを了といたします。 それじゃちょっと聞いておきますが、核の場合には、中国とフランスがのいているために、非常にこれは中途はんぱなものになりましたね。この場合おそらくは——想像ですけれども、中国はおそらく進んでいないと思うのです、こういう研究は、国力から言って。であれば、やはり中国に働きかけてこの中に入れるということが、完全なものにするために非常に必要だろうと思いますが、その辺の働きかけはなさるおつもりはありますか。
○国務大臣(愛知揆一君) これはただいまの問題もそのように考えられますけれども、やはり軍縮会議というのは、核軍縮というものがほんとうに実りがあることにならなければいけないのであって、その点においてもフランス、それから中共が参加しなければ、実りは期待できないわけでございます。したがって政府としては、一九六五年だったと記憶いたしますが、国連の総会でも、中共を含むすべての国が参加する世界軍縮会議を開催する準備を進めようという決議案が上程されましたときに、日本政府はこれに賛意を示して、この決議に参加いたしております。かような関係で、核軍縮についても、あるいはまた今後の生物化学兵器問題につきましても、関係国が全部参加をして、そうして崇高な目的が達成できるように、あるいはそれに一歩でも前進できるようにつとめるべきであると、かように考えております。
○前川旦君 ちょっと私わかりませんでしたが、中国の問題ですね、やはり中国と一番そばにいるのは日本なんですから、積極的に一歩一歩現実的に築いていくというのが朝海大使の演説の趣旨であったと思いますが、この問題については、やはり中国へも積極的に働きかけるべきである。その努力は日本でなければできないんじゃないかと思いますので、その点を実は見通しをもっとはっきり聞きたかったわけです、一般的なことではなくて。
○国務大臣(愛知揆一君) 見通しということになりますと、中共側のものの考え方や態度にも非常に大きなウエートがあるわけでございますから、簡単に見通しというところまでは申し上げられませんけれども、わがほうの心持ちあるいは態度としては、中共が参加し得るような雰囲気が醸成されることに努力を続けたい、かように存じております。
○前川旦君 それではこの問題の最後ですが、一九二五年のいわゆるジュネーブ議定書の問題ですけれども、これは日本は批准をしておりません。日本とアメリカとブラジルの三つだけが批准してなかったと思いますが、今度のウ・タント報告の中には、このジュネーブ議定書にあらためてやはり批准してもらいたいという精神があると思います。一体この日本の政府としては、戦前は別として、戦後はこういうものを開発してなかった、だからこういうことはちょっと縁遠かったと思うのですけれども、あらためてこの際真っ正面からこれを取り上げるべきではないかと思います。世論も実はそういうふうに動いていると思いますが、どうなさいますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は結論的にごもっともであると考えております。実は今年の三月、参議院の予算委員会でもこの件についてお尋ねが出まして、当時のジュネーブ議定書に化学兵器の禁止の問題が取り上げられておるが、そのときに日本は批准をしていなかった、これはどういうわけであるかということで、だいぶ古いことでございますので、いろいろ調べてみましたが、一八九九年、ヘーグの毒ガス使用禁止宣言、それから一九〇一年のヘーグの陸戦法規慣例条約、この締約国になっておるので、一九二五年の分に特に批准をして参加しなくてもいいというような考え方が当時の考え方であったのではなかろうかと想像される以上に、具体的によるべき資料が実はないわけでございます。 そこで問題は新たに、ただいまお話しがございましたように、ウ・タントの勧告などもこれあり、政府としてはたいへんおそきに失しましたけれども、前向きに態度をきめたほうがよかろう、こういうふうに考えております。ところが先ほども御指摘がございましたような、きわめて最近になってイギリスの提案が出てまいりました。このイギリスの提案は、一九二五年の条約の全部を含み、かつそれに加えて新しい提案があるわけでございますから、このイギリスの案のほうが場合によってはベターであるかもしれない、また最新であるかもしれない。かように考えますので、現在のところは、七月十日のイギリスの提案に対して日本がさらに付加するような考え方があり得るかどうか、あるいは現状においてはイギリス案をそのまま支持するのがよかろうかというようなことも含めまして、各国の意見なども徴しまして、最終的に態度を決定いたしたい、かように考えております。冒頭に申し上げましたように、私は前川委員の御意見は全く御同感でございます。
○前川旦君 くどいようでございますが、ジュネーブ議定書には、生物兵器のところで若干ウィルスが除かれておりますから、何というか、現状に合わない面があります。したがって、これをこのまま批准するというのではなくて、もう一つ前、一歩踏み出してより完全なものにして、そうしてそれを調印、批准するのだ。で、精神は同じなんだ、しかもそれは早急にやるのだと、こういうふうな御決意である、方針であるというふうに伺ってよろしゅうございますね。
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりに私は運びたいと思っております。
○北村暢君 ちょっと関連してお伺いしておきますが、防衛庁長官は、BC兵器について開発の意思はない、こういうふうに言われましたが、開発の意思のないのはいいんですが、かつて旧軍隊がこういうものを相当研究したことはあるわけですが、したがって私は、研究したことがあるから、それで開発する意思があるとかないとかということで問題にするわけじゃないのですが、ただ問題がこれ、防衛の観点からいけばいま前川君の言われるように、攻撃用兵器にして開発する意思はなくても、相手側から使われた場合における防御のための対策というのは、これ検討する必要があるでしょう。それは全然考えておらないのですか。こういう兵器がいま問題になっている。国際的にこれだけ重要な問題として国連で軍縮委員会で問題になっているのですが、こういうものが、攻撃がくるということの予想が全然ないとは言えないのですね。核の攻撃すらあなた方は考えて日本の防衛を考えているんですから、したがって、どうも一時のがれ的に、攻撃用としては開発する意思がないと、それで答弁は済まないと思うのですね。そういう点からして、全然無関心でおるかどうなのか、それでいいものなのかどうなのか。大体、国際舞台に行ってこの問題について反対しようというのに、外務省としてはそういう性能とか何とかということについてまで研究はおそらくされておらないだろう。いかにおそろしいものであるかということの研究もなされておるかどうか。そこら辺、技術的に問題があると思いますね。そういうような点で、今度の軍縮委員会に臨むにあたっては、後ほどの前川君の質問にある海底利用禁止の問題等で、外務当局と防衛当局と意思疎通をやってきておりますね。と同様に、この条約の問題が論議せられるのに、全然科学的な知識がなしに行くというのも、これまたおかしなことだろうと思う。そういう点について無関心でいいのかどうなのか。この点について検討されたことがあるのかないのか、お伺いしておきたい。
○国務大臣(有田喜一君) さっきも言いましたように、関心はあるのですけれども、防衛庁としては、それは開発の意思もなし、したがいまして開発の意思がないから、あまり深い研究もやってないということでありますが、その詳細につきましては政府委員からお答えいたします。
○政府委員(浜田彪君) BC兵器に対します防護の研究ということでございますが、現在化学用防護措置ということで防護マスクあるいは化学剤、あるいは自動警報機というようなものについての研究を技術研究本部でやっております。 それからB兵器に対します、いわゆる生物兵器に対しましては、残念ながら文献を得ている程度でございまして、実際問題としての研究は行なっておりません。
○北村暢君 どうも研究不足で、外務大臣、どういう目的でこれ、この条約のイギリスの提案について評価する際に、そういう技術的な検討なしに、外交上の条約の文面だけで判断をして、そしていいとか悪いとか、批准すべきでないとか批准すべきだとか、こういう判断というのは、どうも何も研究しないで、いいも悪いも、やみくもにいってやるのですか、どうもそこらがはっきりしません。あなたはそういう確信を持ってこの条約の交渉に当たられようとするのか、この点お伺いしておきたい。国務大臣(愛知揆一君) ごもっともな御質問だと思いますが、実は外務省といたしましては、ENDCに参加したいということをかねがねの方針にしておりまして、参加ができたならば、こういう点について日本としても、大いに自主的な活躍の場を求めたいと考えております。したがって、ただいまの生物兵器の問題にいたしましても、たとえばわが国には千葉大学の学長をしておられた川喜多博士のようなりっぱな、世界的な権威者もおられますので、内々で、まことに乏しいことではあったと思いますけれども、内々は部内でもだいぶ先生などの教えも聞きながら、勉強はしておりました。それから今回イギリス案が出ておりますことも、先ほどから申しておりますが、いろいろの各国のやり方、研究などの情報も取りまして、そして、今後の政府の態度というものが、こういうふうになればよさそうだというようなことを実は勉強をしておりましたわけでございますが、それが今回軍縮委員会で席を持つようになりましたものですから、とりあえず、まだ十分の研究ということには評価がないかもしれませんけれども、従来内々に検討しておりましたようなことを胸に置きまして、まだ抽象的ではございますけれども、政府代表をして発言をさせたようなわけでございます。 また、軍縮会議に参加いたしましてから、毎日東京からも連絡をとっておりまして、軍縮会議の中における本件の取り扱いぶりなどにつきましても、十分ただいま情報を取り、かつ勉強の資料にしておるわけでありますが、日本が参加してから最初の会議が、これから三、四週間したら終わるわけであります。その終わりましたところで、政府代表一行が帰ってまいりますから、そこであらためて今後の対策なども検討したいと思います。また、内容的にも、BC兵器についてわがほうの研究の足らざるところがあれば、どういう点を考えたらいいだろうかということも検討したいと思っております。なお、先ほど申し忘れましたが、御議論がいろいろございますが、イギリス案は、純防御的な研究というようなものは禁止しておらない、こういう状況になっております。
○前川旦君 ただいまイギリス案のことが最後に出ましたが、イギリス案の趣旨とするところは、まず生物兵器を使わない、不使用ですね。それからつくらない。それから貯蔵したものを破壊するのですから、持たないということが骨子になっておるわけでございます。このイギリス案を前向きに討議して、それによって日本はBCWの禁止に前向きに進むということを言われましたが、外務大臣のそういう軍縮におけるBCWに対する態度、防衛庁長官、それでよろしゅうございますね。それで押して、防衛庁の立場として……。
○国務大臣(有田喜一君) それでいいだろうと考えております。
○前川旦君 それでは、時間がたいへん短こうございますので、次に海底の軍事利用の問題にまいりたいと思いますが、まず現在出されておりますアメリカ案、ソ連案について、どういう批判を持っていらっしゃいますか、外務大臣からお伺いします。
○国務大臣(愛知揆一君) 海底の軍事利用禁止につきましては、いろいろ検討いたしておりますが、こまかいことは専門的に政府委員から答弁することにいたしますが、概略私の意見を申し上げますと、まず禁止の対象の問題でございますが、ソ連の案は非常に包括的であると考えます。で、海中の音響の探知装置のような純粋の防御装置も禁止されることになるわけでございます。そこでわが国としては、申すますでもないところですが、海に周囲を囲まれておりますので、海からの攻撃に対処するためのこのような装置まで禁止することはいかがであろうかという点が、一つの研究課題ではないかと思うのです。先ほど申しましたように、海中の音響を探知するということまで禁止しようという包括的な考え方でございますから、この点は、わが国のような国としては真剣に検討する必要があるのではなかろうかと思います。 それから、米国案のほうは、核兵器などの固定大量破壊兵器、それからこれらの固定発射台を備えつけることを禁止するということになっておりますが、固定というのは一体どういう意味だろうか。必ずしも固定した核兵器の意味するところは明らかでないように思われます。したがって、禁止の対象についての意味も含めて、これらの点を真剣に検討した上でなければ、にわかにわがほうの意見というものは言えない点もあろうかと思います。 それからその次は禁止の範囲でございますが、ソ連案も米国案も、それぞれの領海と一致する沿岸国の距岸十二海里あるいは三海里以遠の禁止を打ち出しておりますが、わが国としては、禁止の範囲はできるだけ広いものにすることが必要ではなかろうかと考えまして、この見地からも、わがほうの態度というものは真剣に検討する必要があると思います。 それから第三は検証の問題、検証手続の問題でありますが、ソ連案では、査察が相互主義において行なわれることになっておりますが、現状では深海の海底にある物体について完全に査察を実施することがはたして技術的に可能であろうか。この点について米国の案のほうは、とりあえず各国が観察する権利を有することを規定して、将来の技術の進歩に照らして完全な査察制度を確立し得るようにしようという余地を残しておると、こういう点から見れば、やや現実的だということも言えるかと思います。しかし、いずれにいたしましても、いま申しましたように、対象なり、それから範囲なり、あるいは査察なり、大きく分けましても、まだまだわが国としてもほんとうに真剣に検討するものが多々あるように感ぜられておるわけでございます。
○前川旦君 そこで、ひとつ防衛庁長官にお伺いいたしますが、実用化されている海底兵器というのは、どういうものがありますか。現在実用化されているもの。
○国務大臣(有田喜一君) 各国が海底を利用する兵器として現在装備しておるものには機雷、それから防潜網、その他音波、磁気などを利用して、主として潜水艦を探知する各種の探知装置があるといわれております。
○前川旦君 そこで朝海演説の中にも含まれていると思いますが、防御用兵器ということばが出てまいりますね、いろいろ新聞にも出てまいります。その防御用の兵器というのは、日本が言っている防御用兵器までも制限されると、ちょっと困るということを、防御兵器というのはいま長官の言われたもののうちで全部を含んでいるのでしょうか。たとえば、純粋な探知装置のみを指すのでしょうか。それとも機雷のように相手を傷つけることができるようなものも防御用兵器の中に含んでいるのでしょうか。そういった機雷のようなものでない純粋の探知なんだと。その限界はどうですか、その区別。
○国務大臣(有田喜一君) まあ、いわゆる探知装置が防御の最たるものと思っておりますが、機雷といえどもやはり領海内とか、あるいは公海内とか、そういったものはやはり私は防御的なものだと、かように考えております。
○前川旦君 長官、勘違いしないようにしてもらいたい。いま言っているのは公海の問題です。領海の問題ではない。公海における海底の制限をやっているのでしょう。ですから、いまのはどうなんですかということをもう一度お伺いいたします。
○国務大臣(有田喜一君) 公海については問題があるかと思いますが、政府委員をして答弁させます。
○政府委員(宍戸基男君) もともと攻撃兵器、防御兵器というのは、境い目はむずかしいということを前提にしました上でのことでございますけれども、ごく軍事常識的に申し上げまして、先ほどの中で防潜網、水中探知機は、これは完全に常識的に防御用兵器である。それから、機雷もそれは場所の問題と離れましても、性能的に考えて軍事常識的には防御的な兵器である。つまり、一定の海峡なら海峡、港湾なら港湾に設置しまして、そうして侵略者がきた場合にそれに触れて撃破するという機能、御承知のとおり、そういういわば自動的な機能でございますから、もちろん敵を破壊するような一般的な武器、兵器でございますけれども、その中で区分けすれば防御的な兵器の部類に入るほうが強いのではないか。理論としてはそういうふうに言えると思います。
○前川旦君 この朝海演説の中にも入っておりますね。この防御的な装置というのは、いまの機雷のような相手を傷つけるようなものを入れているのですか。探知装置のことだけを意味しているのですか。これは外相でも防衛庁長官でもどちらでもけっこうです。
○国務大臣(愛知揆一君) 私、先ほどある程度詳しく御説明申し上げたつもりですが、要するにこの対象範囲ですね。こういうものについてはまだまだわれわれ日本としては十分に真剣に検討する問題が多々あると思います。それが前提でございますけれども、この朝海政府代表の演説は、私がいま申しましたところと全く同じことを言っているのですけれども、四方を海にかこまれているわが国としては純防御装置までも条約によって禁止することには問題がある。これを指摘しているわけでございます。それ以上のことはこちらにまだ意見がないわけですから、それ以上に言及しているわけじゃございません。同時に可能なところから着手すべきであるというわが国の現実的アプローチからして、米国及びソ連が本件に関し条約案を提出したことは歓迎すると、こう申しておるわけでございまして、歓迎される提案を出した米ソ両案を、この件についてはとっくりこれから会議の場でも検討する必要があります。各国の考え方も承知することは必要でありますし、そうしてわが国としての最終的な態度というものをつくり上げたい、こういうふうに考えておりますから、私のほうの、外務省のほうの立場からいたしましても、どこまでがそうか、しかしながら、最小限度に純粋の防御装置までも条約によって禁止することはいかがであろうかということを率直にここに指摘したにとどまっておるわけでございます。
○前川旦君 いまの防御の装置、防御用の装置、新聞では略されておりますが、英文で演説されたのだと思いますが、防御装置、いまの機雷も含まれていることになると、これは公海ですから、極端な例をいうと、公海で許されるということになれば、かりに日本の、東京湾を出てすぐの公海のところへある国が機雷を敷設しても、あるいはこちらがよその、たとえばウラジオストックでもどこでもいいです。すぐ公海のところに機雷を敷設しても、これは防御用兵器だということになると、やはり常識では通らないでしょう。ですから、ここでいっている純防御的装置というのはやはり探知装置のような相手を傷つけるものでない、こういうふうに解釈をしていくのが自然じゃないでしょうか。たとえば日本の場合は南極の問題でも宇宙の問題でも、これは絶対軍事使用しないということの一本筋を通したことをやってこられたわけですが、いままでの筋からいうと。しかし、いまのような話ではおかしくなりはしないか、やはり筋を通すならばこれは純粋な探知用に限る、相手を傷つけるものでない探知用、そういったものであれば公海で許してもらいたい。機雷のようなものを、領海内は別ですよ。公海ではやはりそこまでは許すべきものでない、やはり禁止してもいいというふうに解釈すればごく自然なように思いますけれども、繰り返しお尋ねをいたします。
○国務大臣(愛知揆一君) 繰り返してお答えすることになるのですが、この演説をよくお読みいただきますと、私の言っていることが御理解いただけるかと思います。さらに他の一節を引用いたしますと、「わが国は、海底、海床及びその地下での軍事利用を原則的に禁止することには賛成であり、特に海底が核戦争の基地にならないよう、今から措置を講ずることを切に望んでいる。」、これが基本的態度でございます。それから純防御装置——純粋のという意味をここに入れておりますが、それが何であるかということについては、先ほど申しましたように、十分こういう種類の検討を進めなければいけない、先ほど申しましたように、対象範囲あるいは査察というような点についての米ソ両案などについてとっくり検討した上で最終的にわが国の態度をきめよう、ここではこの問題に対しての日本としての何といいますか、考え方を明らかにした、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○前川旦君 そうすると、逆に考えますと、まだこれから検討するのだとおっしゃったけれども、ここでの純防御装置というものは単なる探知装置だけではないのだ、そうとはいえないのだ、こういうことに、裏返しになるとそういうことになってしまいますが、そういうことなんでしょうか。
○国務大臣(愛知揆一君) その点は研究課題であると思います。
○北村暢君 ちょっと関連して。いまの攻撃用、防御用の判断の基準、これは一体どうなるかということは非常に重要な問題だと思うのです。それだからいま前川君、具体的に兵器の名前をあげて、攻撃用なのか防御用なのかということをしつこく質問しているわけなんですが、いままでの防衛論争の中において戦術核すらこれは憲法上違反じゃない、国民感情が許さないから使わないだけだということで、戦術核が防御用の兵器であるということは、従来、憲法上の解釈からいえばこれは使ってもいいんだ、こういうことですね、これは国民感情を考えて政策的に使わないだけだとこういっている、そういう点からいって、防御用、攻撃用というまことにあいまいなこの限界が、どこをもって線を引くかということについて非常に問題のあることなんでしょう。したがって、防御用の兵器であるならばこれは認めるべきだ、しかも領海内においてということは、どうも日本の置かれる四囲が海であるという点からいって、そこら辺のところが明らかにされないというと非常に問題が出てくると思うのです。そのために外務省と防衛庁は朝海大使の出発前に協議をして意思統一しているわけでしょう、そういう非常に明確にしなければならないものが、今後の研究課題でぼうっとしているというところに、どうも私ども割り切れない感じがするんですが、一体、どういう協議をされて、防衛庁の見解と外務省の見解とが一致して、行ったのか。この点を、朝海さんの演説の内容はわかりましたけれども、防衛庁との了解はどういうような形で了解されて行ったのか。この点を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 若干おことばを返すようになって恐縮なんですけれども、先ほど生物兵器の問題で、お前らは研究もしないで、抽象論言ったって、国の安全にかかわる大事な問題をどうするんだといったおことばがございましたが、これは本件の私の説明についてそのとおり申し上げたいのです。私は、この朝海演説に書いておりますことは、日本国の態度として私はこれは堂々たるものだと思うのです。しかし、これ以上に何が純防御装置であるか、それからどこまでを条約できめればいいかということについては、十二分に検討し、また、他国の検討というものも聞いてみなければ、これ以上私は言えないというところがあるんじゃないかと思います。そういう意味に御理解をいただきたいと思います。 私どもの申し上げておるのは、さっきもお断わりしたように、これを繰り返し繰り返し申し上げておるわけでございまして、これ以上に何が防御であり、何が攻撃であるかというところまで、少なくとも私は申し上げるだけのまだ用意と研究はいたしておりません。非常に大切なことであると思いますから。同時に、こういうことは、現在この防衛庁との間にも、常々、いろいろの問題で密接に共同研究をいたしておりますけれども、防衛庁との間でこういう結論を純粋防御兵器として持っておりますということも、したがって、まだ申し上げるだけの研究が成果をあげておらないわけでございます。
○前川旦君 これから慎重に検討をするということで、まだ結論は出ていないというふうに理解をいたします。これから慎重に……。
○国務大臣(愛知揆一君) だから、純防御装置——純防御装置。
○前川旦君 その内容ですね。
○北村暢君 わからないものを……。
○国務大臣(愛知揆一君) だって、純粋の防御装置が必要でないと言えるんですか。
○北村暢君 いや、防御装置というものは必要でないとかあるとかということでなしに、その防御装置が一体どういうものなのか。機雷なのか、前川君が言っている探知するものだけが防御ではないのかと、ここら辺に疑問を持っておるものですから、そこら辺のところの意思統一をされて行っているのですかどうですかとお伺いしているのですよ。条約についての防御装置が必要でないとか何とか言ってきめつけて言っているのではないのですよ。したがって、海底利用をする場合における防御装置というのは、防衛庁としては一体どういうものが考えられるか。言ったら、機雷とか、防潜網とか、探知機とか、現実にあるものはこういうものですというので、ただ一般に、これは国際的にこういうものがあるというだけであって、日本の自衛隊としては、一体、海上の防衛においてこういうものを現実にやっていこうというのかどうなのか。そこらのところが話し合いがついて行っているのですかどうなんですかということを言っているのですよ。
○国務大臣(愛知揆一君) その点は、だからいま私が申し上げておるところに尽きているわけなんです。同時に、さっき私は、ソ連の案についてどう思うか、米国の案についてどう思うかというお尋ねがございましたときに、ちょっと触れている点もございますのですけれども、たとえばソ連案はきわめて包括的なんですね。だから、極端に包括的になれば、たとえば海中の音響探知装置ですね、これまでも含まれてしまうが、それでもいいだろうかというようなことも一つの大きな研究課題である。これは一例でございますが、そういう疑問も私は率直にここで提起しているわけでございます。したがいまして、何々がこれで制限をすべきものであるか、お互いに禁止し合える必要の限度はどこであるかということは慎重の上にも慎重な検討を要しますと、こう申し上げているわけです。
○前川旦君 先ほど申しましたように、探知装置だけじゃない場合もあるのだ、こういうように裏返して言えばなりますが、これは検討なさっているのですが、一応外交上のフリーハンドで言わないのだ、出さないのだということなのか、やはりこれからの研究課題だということになるのか、その辺ちょっと微妙ですが、 これはどうなんです。
○国務大臣(愛知揆一君) あまり微妙にお考えいただかないほうがいいと思うのですが、これはやはり日本国の安全を守ると、将来長きにわたってですね。そういう角度から主体的に検討すべきものであると思います。で、幸か不幸か、米ソ両案もそれぞれ違いがございますし、また私どもの研究からいっても双方に相当欠陥もあるように思われますので、これから国際的な検討も研究も必要だと思いますが、同時に、それらを踏まえてわが国がどういう姿で出るべきかということについても十分今後も検討しなきゃならぬ。私がすごい何か防御用と称して攻撃兵器でもつくろうという考えを持って、それを秘密にしておって、いまにジュネーブで発表するかというようなお疑いをお持ちになっているとすれば、これはまことに残念でございまして、さようなことは全然ございません。
○前川旦君 これは完全にお話しを伺いたいのですが、時間がないので、また次の機会があると思いますので、次の機会に譲りますが、それではこの朝海演説で、七月四日の朝日に、「各国に感動を与える」という小さな記事が出ておりますが、二度にわたって憲法を引用しておりますね。前文と第九条を引用している。そうしてこの戦争放棄の平和憲法を引用して言ったところで「「ある種の感動」がただよった」、おそらくこういう憲法を主張して、「「戦争のない国際社会の実現」を訴えた国は軍縮委七年の歴史で、この日が初めてであろう。」というようなのがジュネーブからの新聞記事として出ております。で、私は日本のこの戦争放棄の憲法の前文の精神ですね、これをやはり徹底して軍縮委員会の場で世界の軍縮の指導理念として働きかけるということ、そのことが同時に日本の実力、経済的な実力、核開発し得る能力があるにもかかわらず核兵器を持たないという、そういう非核三原則とからまって他国に対する非常に大きな説得力と信頼感を持つゆえんだというように思います。この点、外務大臣も同じようにお考えになりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 私も全く同じに考えます。先ほど申し上げました朝海演説はわれわれとしても十分練ったつもりでございますし、それからわが国の立場というものも、ことにこの待望の軍縮委員会に入れたこの機会に、日本の民族的な願望といいましょうか、民族的な気持ちというものを十分基礎にして全世界に許え、かつ同調を求めるということを基調にして、そうしてこの軍縮委員会にしても、最初の項に出しておりますけれども、核兵器の全廃ということをできるだけすみやかにやりたい。同時にその理想だけを追って日がたってはいけないから、現実的なアプローチとして、こうこうこういう問題については日本側としては積極的に、ひとつ知識も持っているつもりだから大いに活用してもらいたいというふうに結んでいるつもりでございまして、ただいまお話がございましたとおりに、こういった立場を貫いていくことによって、わが国の軍縮への呼びかけというものが非常に強いものになるのではないか、また国民的に絶対的な御協力も得られる道であると、こういうふうに考えております。
○前川旦君 それでは防衛庁にお伺いいたしますが、憲法の九条と前文の精神を軍縮委員会で国際的に広げていく、その指導理念を世界の軍縮指導理念にしていくということは、これは日本の地位を高める上と発言力を増す上において非常に適切なことで、しなければいかぬことだと、こういま外務大臣言われました。これは一つの見方からいうと、一つの理想的な高い理念だと思いますね。ところが今度は裏返して、日本の狭い安全保障という立場で考えてみた場合、これは核軍縮も含めて、日本が非核三原則で持たないというのであれば、よその国にも持たせないということ、日本がBCWをやらないというならば、よその国にもやらせないということですね。日本が海底を軍事利用しないなら、よその国も制限するということ。ということは、単なる理想だけではなくて、ごく狭い意味の安全保障、狭い意味の防衛という見地から見ても私は非常にプラスになることではないかと思うのです。そういうようにお考えになりませんか。であれば、防衛庁も狭い、この今の防御兵器がどうのこうの、機雷がどうのこうのというのではなく、もう少しマクロの立場でどんどんそれをバックアップしていくということが、ミクロの目で見ても現実論としてプラスになるのだ、こういうふうにお考えになりませんか、どうですか。
○国務大臣(有田喜一君) 私は世界の国が早くいわゆる非武装とか、そういう理想的な国々に全部がなってほしいということを期待しております。またそうありたいと思います。しかし、やっぱり日本の国というものはわれわれ日本人にとってはきわめて重大であります。したがいまして、現実を直視したときに、いま直ちに非武装でいくというようなことはやっぱりいまの段階ではいけない。しかし、われわれはあくまで平和を守るために、また世界の大戦争が起こらないようにということを祈念しながら、安保条約もあり、また日本の防衛体制も憲法の大きな制約のもとに、こういったものを排除してもっぱら専守防御の立場で進んでおるのが今日の段階でございます。
○前川旦君 私、時間がないのですから、私の質問で言っていることをはぐらかさないでもらいたいのですよ。防衛庁というところは、武器を持っているところは往々にして唯武器主義といいますか、武器にたよる、それはわかるでしょう、あなたはステーツマンですから。一方では軍縮を進めるといっておられるのでしょう、ですからこの軍縮を防衛庁としても真剣に取り組んでいる、軍縮を推進するという立場があってしかるべきである、軍縮を推進すべきであるというその一方での立場に対して横からブレーキをかけるようなことがあってはいけない、そういうことをよく連絡し合って、やはり防衛庁も積極的に現在行なわれている軍縮ですね、取り組むのだ、推進するのだ、こういう決意を私は聞いているのですから、非武装がとうのこうのということを——いまやりますか、論争を。そんなことを言っているのではない。そのことを聞いているのですから、そのことを答弁してもらいたい。
○国務大臣(有田喜一君) その点につきましては一番最初の質問のときに、私どもが世界の平和を愛好するために、軍縮委員会に対して外務大臣がやっていらっしゃるが、外務省に協力して、そうしてこの目的を完成できるように協力しておるということを最初に私お答えいたしましたが、そういう私は精神によって外務省に対して協力して、その平和目的が達成されるように私は誠意をもってやっていきたい、この考えは間違いありません。
○委員長(八田一朗君) 速記とめて。
○委員長(八田一朗君) 速記始めて。
○国務大臣(愛知揆一君) 御承知と思いますけれども、今度のジュネーブの軍縮会議に防衛庁の石榑君が代表団に参加いたしまして積極的な協力を防衛庁から現場でいただいておりますが、申し添えておきます。
○岩間正男君 資料要求ですが、外務省にお願いしておきますが、イギリス案と朝海演説、ちょっと文書で出してください。いいでしょう。資料みんな配ってください。
○政府委員(重光晶君) それではいま御指摘のこの海底利用に関するアメリカ案、ソ連案、それから細菌兵器に関するイギリス案、それから朝海演説、これは至急お配りいたします。
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。 午後二時まで休憩いたします。 午後一時七分休憩 —————・————— 午後二時十四分開会
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○峯山昭範君 午前中、審議会の問題について途中でやめておりましたので、もう少しやりたいと思います。 先ほどからいろいろと述べてまいりましたように、審議会の問題については相当問題がございます。そこで、初めにも読んでいただきましたけれども、この審議会の委員の兼任の問題を先ほど来やっておりましたので、兼任の問題を伺いますけれども、審議会の委員は、閣議口頭了解事項ですか、これでいきますと、高齢者または兼職の多い者は極力避ける、そして兼職の数は最高四とする、こういうぐあいになっておりますけれども、実際問題としては、いろいろ調べてみましたら、これが全く守られていない。私は、どこら辺の年齢からを高齢者とするのか、ちょっとわかりませんけれども、実際問題はこれが非常に多いし、また兼職をしていないというのは全体の一割にも満たない、ほとんどの人が兼職をしている、こういうぐあいになるわけでありますけれども、この点についてどういうぐあいにお考えか、もう一回ただしておきたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 午前中にも申し上げましたけれども、兼職あるいは年齢等の問題につきましては、それぞれの専門家あるいは学識経験のある方をお選びするわけでございますから、一時になかなか機械的にはまいらないわけでございますが、農林省としては、逐次この閣議了解事項等の線に沿うて委員の人選を進めておるわけでございます。
○峯山昭範君 しかし、しつこく申し上げませんけれども、この意に沿うて選定をしていると言いますけれども、意には少しも沿うていないように私は思うのです。少なくともこの審議会委員の問題については、私はまるきし逆の考え方を持っております。この点は水かけ論ですから以上で終わりますが、次に審議会の問題であと少し突っ込んで話を聞きたいと思います。 それは審議会の中に畜産振興審議会というのがございます。この審議会のいわゆる委員並びに会長の報酬、これはどういうぐあいになっておるか、伺いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 私どもの審議会の報酬は、会長は四千円、委員は三千五百に大体統一してやっておるわけであります。
○峯山昭範君 そうすると、確かに農林省関係の審議会の委員の場合、会長が四千円で委員が三千五百円というように、大体統一されておるように思います。資料によっても確かにそのとおり出ております。そこで問題なのは、具体的に申し上げますけれども、畜産振興審議会の四十二年度の決算によりますと、開会日数四日であります。そうして延べ出席委員の数が六十八名になっておりますが、四十二年度のこの委員に対する人件費は総額幾らになっておるか、伺いたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 四十二年度の決算でございますが、人件費が二十三万二千円となっております。
○峯山昭範君 いまの六十八名で二十三万二千円ですね。それじゃ次にもう一つお伺いします。 その次におたくの資料の九ページにあります獣医師免許審議会の、いわゆる同じく審議会の人件費でありますが、昭和四十二年度におきましては三回審議会を開かれまして、延べ同じく六十八名委員が出ておりますが、その人件費は幾らですか。
○政府委員(大和田啓気君) 獣医師免許審議会の四十二年度の決算額で申し上げますと、人件費は四十三万九千円でございます。
○峯山昭範君 そうすると、要するにいま委員のいわゆる人件費並びに会長の人件費は統一されているという話がありましたけれども、同じ六十八名で、延べ人員六十八名で、隣合わせに書いてある片っ方のほうは二十三万二千円、片っ方は四十三万九千円、倍です。なぜこういうふうに違うのですか。
○政府委員(大和田啓気君) この人件費の中には会長、委員に対する報酬、直接の報酬ばかりではございませんで、地方の方がおいでになります場合の旅費等の支給が当然入っているわけでございますから、一人当たりにいたすと違ってくるわけでございます。
○峯山昭範君 官房長ね、そんないいかげんなことを言っちいけませんよ。この人件費の中には旅費交通費も入っているのですか。旅費、交通費はその他というところとダブっているわけですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども人件費として正規の報酬として支払いをいたしておりますものは、先ほど申し上げましたように、会長四千円、委員三千五百円でございますが、それ以外のものは支出をいたしておらないはずでございます。これは当然旅費等あると思います。
○峯山昭範君 おかしいから聞いているのですよね、これは。人件費は倍になっているのですよ。しかもその他の中に交通費が入っているということを私は聞いているのです。資料をちゃんと調べて、非常におかしいのです。まだおかしいところがたくさんあるのですよ。その次にもずいぶんあるのです。内容的にもおかしいから私は聞いているのです。審議会については非常にでたらめな運営をやっているのです。こんなことではぐあいが悪い、だから聞いているのですよ。
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げたとおりと思いますが、念のために至急調査をして御報告いたします。
○峯山昭範君 それでは、この問題については、もう時間ありませんのでそれくらいにしますけれども、まだあるのです。 その次のページの、いわゆる蚕糸業振興審議会ですか、これについても一人平均九千円になる。これもおかしい。現実にこういうふうなのが、これはおたくから出た資料です。おたくからもらった資料を見ただけでもこういうふうなおかしい点がずいぶんある。ですから、こういう点についてはあとで詳細に資料を提出してもらいたいと思います。 それからもう一つ審議会の委員のことで聞いおきたいのですが、審議会の委員をちょっと教えてもらいたいのですがね。たとえばここに中央森林審議会というのがあります。この中央森林審議会というのは、委員の定数は二十名ということになっておりますけれども、二十名の名前を一ぺん教えてもらいたい。
○政府委員(大和田啓気君) 資料としてお出しいたしましたものの中に、森林関係の委員名が書いてございませんが、これは現在委員の選考をいたしている途中でございます。
○峯山昭範君 それでは、これは委員がきまってないというならばそれでけっこうですが、それじゃもう一つ、全然きまってないのがもう一つあります。中央生乳取引調停審議会委員、これはどうなっているのですか。
○政府委員(大和田啓気君) これは乳価につきまして話し合いがつかない場合に中央で調停するということでございまして、かつてそういう案件がございましたときに審議会をいたしましたけれど、現在そういう事案がございませんので、委員の任命をいたしてございません。そういう事案が起こるようなおりには直ちに委員を任命して、遺憾のないようにいたすわけでございます。
○峯山昭範君 確かにそうかもしれませんけれどもね。実際問題としては、この審議会はもう二年間にわたって何も開かれてない。確かに問題が起きたときに開く審議会かもしれませんけれども、こういうような審議会、要するに一年、二年にわたって開かれてない審議会がほかにもあるわけです。こういうふうな審議会の運営についても、もっと積極的に今後検討をやってもらいたいし、まあそういう面に力を入れてちゃんとやってもらいたい、こういうぐあいに思います。 それから次に問題を移しまして、水産庁、来ていますね。水産庁の特に漁港整備計画、これは大体どういうぐあいになっておるか。この点について伺いたいと思います。
○政府委員(藤村弘毅君) 第三次漁港整備計画というのがございまして、これは昭和三十八年、四十三国会で御承知いただきまして、昭和三十八年から昭和四十五年度までの間に、事業費といたしまして一千億で漁港を整備する計画を立てております。これが現在になりまして現状にそぐわないので、本年、四十四年四月に、今国会において御承認を受けまして、四十四年度以降五カ年で、新たに事業費一千五百億円をもって、新しく三百七十港につきまして整備をいたす計画でございます。現在の四十四年度の予算といたしましては、事業費といたしまして約百七十億を計上いたしまして、五カ年計画の一一・五%に当たるものを整備いたす計画になっております。
○峯山昭範君 初め三カ年計画で一千億円という相当な金額を投じ、またそれで四十四年からは五カ年計画で一千五百億というような相当な国費をかけて漁港の整備をするわけでありますけれども、私はきょうはその中の一つを取り上げて話を聞きたいのでありますが、その計画の中に、泉佐野のコンビナートの建設計画が入っておると思うのですが、これについてはすでに三十八年から計画立案されて着工しているわけでありますけれども、その経過について概要を伺いたい。
○政府委員(藤村弘毅君) 第三次漁港整備計画は、三十八年から八カ年計画で進めておりますが、泉佐野につきましても、三十八年に計画を立てまして、国の漁港計画と、大阪府単独の事業と合わせまして埋め立てをいたしまして、大型船の着岸と合わせまして陸上の食品加工工場をここに集中いたしまして、大型の食品供給センターというものを計画いたして進めております。これにつきましては、本年度の計画改定にあたりまして、同じく計画改定をいたしまして、当初の計画を推進いたしております。
○峯山昭範君 この問題については、当初の計画からすると、相当私はおくれているように聞いておるわけですけれども、当初計画されたときは、一体いつ完成することになっておったか、この点伺いたいと思います。
○政府委員(藤村弘毅君) 第三次計画では八カ年計画でございますので、四十五年度に完成する予定になっておりまして、四十三年度末、すなわち本年の三月三十一日までに国のほうの漁港修築計画といたしましては約七二%これを達成いたしております。第三次修築計画の全体の計画といたしましては約六三%でございますが、泉佐野につきましては若干早まって進めた状態でございます。
○峯山昭範君 それでは三十八年から着工したわけでありますが、この着工をする前に、私は昭和三十七年に泉佐野漁港整備計画について東京でその打ち合わせをやったと、こういうふうに聞いております。いわゆる泉佐野漁港拡充計画懇談会というのがあったと思います。水産庁のほうでも漁港部長以下出席されたということを聞いておりますが、その会合に出席されたメンバーはどういうふうなメンバーであったか、具体的にお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤村弘毅君) 水産庁漁港部長も出席いたしておりますが、大日本水産会、全漁連、日本鰹鮪連合会、全国漁港協会、その他太洋漁業、日本水産等の大手の会社の社長並びに専務等が出席いたしております。
○峯山昭範君 そうすると、その会合に出られた大手の日本水産とか、太洋漁業とか、そういうところの人たちの出席したいきさつ、それから並びにどういうふうな会合であったのか、その点について伺いたいと思います。
○政府委員(藤村弘毅君) 先ほどお答え申しましたように、陸揚げのほかに、水産の加工食品の供給センターといたす考え方でございますので、要するに、漁港の問題のほかに、大手の加工業者等を加えます計画を綿密に練るために、大阪府が中心となりまして懇談会を持った次第でございます。
○峯山昭範君 先ほどから盛んに大阪府が中心になってと言ってますけれども、これは大阪府が中心だけでは、これだけの、いわゆる大手のこういうような太洋漁業とかいろいろありますけれども、こういう人たちが全部出席しない。やはり農林省や水産庁の要請があったからこそこういう会合に出席した、現実にこう言っているわけです。ところが、それじゃもっと具体的に伺いたいんですが、現実にそれじゃ水産庁があと押しをしてこの計画を進めた——現在ずいぶんでき上がりつつあるわけですけれども、現実にはこういうところの人たちは現在一社も出ていない。まるっきり全然変わったような状態になってきている。また大阪府会でも相当問題になっている。さんざん議会でも取り上げられている。それに対して、水産庁はほんとうに知らぬ顔をしている。この間からさんざんつついてやっとみこしをあげて何とかしたという話ですけれども、実際問題は何にもやってないんじゃないか、もっと初めの計画どおり本格的に取り上げてやるべきではないか、私はこう思うんです。この点いかがですか。
○政府委員(藤村弘毅君) 大阪府の計画につきまして、水産庁が全面的に協力、指導いたしておりましたが、現在でもこの態度は変わっておりません。ただ、たまたま大手の水産会社が、御存じのような状況で、比較的新規の設備投資を控えておりますので、たまたまそのときにあたって、いますぐに出るという状態になっておらないというようなわけでございます。
○峯山昭範君 それはあなたおかしいですよ。泉佐野には出てないと言いますけれども、これはあとで言いますけれども、そのほかにもまだあるんです。要するに、ほんとうは大手の五社は、昭和三十七年の十二月から三十八年の一月にかけて、現実に泉佐野が完成したらぜひとも進出さしていただきたいというような念書を入れた。あなた知っているでしょう。念書を現実に入れているんです。にもかかわらず、現在一社も出てない。あなたがおっしゃるように、これから出るだろう、またほかに設備投資があってとか、いろんなこと言うかもしれませんけれども、現実には神戸に、今度は、おたくの管轄と違いますけれども、第四港区にいわゆる水産コンビナートみたいなものをつくっているというのを御存じですか。
○政府委員(藤村弘毅君) 神戸市が神戸の第四港区に埋め立てをいたしまして、そこで市場をつくり、その付近を分譲していることは、承知しております。
○峯山昭範君 これは神戸市じゃないですよ。神戸市もおもなあれですけれども、運輸省が現実にやっているわけですよ。要するに、農林省と運輸省と全く違って、農林省のほうには全く大手の水産会社がそっぽを向いて運輸省のほうについたということになるわけです。現実の問題として、泉佐野を変更して神戸の第四港区のほうに出たというのは、これはやっぱり政治的配慮があったんじゃないか、こういうぐあいに言われてもしかたがないわけですがね、どうですか。
○政府委員(藤村弘毅君) 第四港区のほうに出ましたのは、日魯漁業が出たという話は聞いておりますが、特に泉佐野をその他の大手会社がやめて第四港区のほうに行くというような特別な動きがあるということは承知いたしておりません。
○峯山昭範君 いまの日魯漁業ですね、これは泉佐野に全然出る気がないのです。要するに、どんなことを言ったかというと、泉佐野ができたら、要するに当社船舶の漁港利用につき格別の御配慮をお願いすることになるかと思われますのでその節はよろしくお願いしますと。日魯は入っている、現実に。ここら辺は、当然、いままでのいきさつからいっても、水産庁がこういうところに十分気を使って、またよそのところと連絡をとってやるべきじゃないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(藤村弘毅君) ただいま御指摘の日魯の覚え書きでございますが、ここにも書いてございますように、具体的計画がないのに、できましたらお願いしたいというようなことでございまして、水産庁といたしましては、これがあるのでどうしても泉佐野に行かなければならないというような指導はいたしておりませんが、泉佐野が立地的にも比較的広い場所だし、水産庁といたしましては当初から水産食品の供給センターというものを考慮に入れてつくっておりますので、今後とも水産関係の加工食品会社についての指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 私は何でこんなことをさんざん言うのかというと、地元の人たちは、いわゆる漁業補償にしましても、要するに大手の水産会社が来るというので、それこそ涙をのんで漁業補償にも応じ、そうしてああいうふうなコンビナートをつくった。あなたは、大手が入らないことについては、計画がはっきりしていないから、その暁にはなると言っておりますが、それじゃなぜ水産庁としては、私はあまり言いませんけれども、実際これ徳島水産とか共和水産という会社は、水産庁の後援、側面的な協力によって最近誘致することができたと言っているのですよ。こういうような会社は水産庁の協力かもしれませんが、実際問題は何十万坪と言われる中で千坪も二千坪もないほんのわずかな話にならないようなあれですよ、現実の問題として。そこで、入っている会社というのはわかっておりますか、いま入っている会社。まるっきり関係ない小さい会社ばかり入って、それで地元の人たちは相当がっかりしているのです。こういう状態は、この全国の一千五百億というような相当な金をつぎ込んで何カ年計画としてやっても、そこのところをもっと本気になって取り組まないというと、計画そのものがおかしくなってしまう。私はこういう姿勢はよくないと思うのです。もっともっとこういうような点にも力を入れて、全魂をあげてやるべきだと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 御承知でしょうが、指導はいたしますけれども、なかなかこちらから命令でもってやれというようなわけのものでもないのでございます。しかしながら、ただいま峯山さんのお話のように、推進方が非常におくれているという点については、さらに今後泉佐野の水産コンビナートの造成計画については、大阪府に対しましても所要の指導をして、早期これが完成するようにいたしてまいりたいと存じます。
○岩間正男君 この法案の審議に入るに先立って、この改正案の成立促進を要望する電報がたくさん届いているのです。しかし、事もあろうに、全国の統計調査事務所長から届いているのですね。これは内閣委員全員に届けられたものだと思われますが、これはどうですか。この内容を見ますと、「職員を代表して」というのが書いてある。ところが、われわれ実際に聞いてみますと、労働組合が反対している。反対しているにもかかわらず、「職員を代表して」というような電報がたくさん来ているのです。しかも、これは非常に組織的に出されている。こういうふうに考えますと、何か上層部からこういう指示があったのかと、このような、議員に対する一種の圧力でありますが、こういうことを加えるということは、どういうことになっているのですか。第一に、私は大臣にお聞きしますが、このようなことが行なわれていることをまず知っているかどうか。 第二に、だれの指示によってこのようなことがされているのか。 第三に、このようなことを一体どう考えるか。この点についてお聞きしたい。
○国務大臣(長谷川四郎君) 労働組合が——組合の方が自動的に岩間さんのほうにお願いしたのだろうと思いますし、私のところには別に来ておりませんけれども、各委員の方に来ているとすれば、自動的に——自発的に、岩間さんの発言を信じて、そうしてやってもらいたいと、こういうふうにいい機構の改革だからお願いしますと、こういうことなんであって、それをどうも私のほうでどうだと言われても困るので、いま岩間さんの御判断にまかすよりしかたがないと思います。
○岩間正男君 あなたしっかり聞いてください。これは労働組合が出しているのじゃない、事務所長だ。たとえば埼玉統計調査事務所長、しかもこれが「職員を代表して」という形で出しているのです。こんなこと、あなたの指揮下にあるこの事務所長が、法案に圧力をかけるような形でこれを出すことはいいのですか。私の質問に対してあなたはよく聞いていない証拠ですね。どうなんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 「職員を代表して」というと、職員全体の意見が統一されたものが出てきたのだと私は思います。しかし、そういうことがいいか悪いかと言われてみても、職員の統一した考え方を議会に反映さすべく出してきたということに対して、私がいいとか悪いとか言うわけにはいかぬだろうと思います。
○岩間正男君 私が聞いているのは、これは公務員でしょう。公務員がこのような法案に対して——労働組合という組織があって、そこでやるなら、これは別です。ところが、実際制度の——行政機関の手先、こういうところの事務所長がこのような法案に対して働きかけをやっているから、問題が私はこれはやはり重大だと思っているのですよ。それをあそこの労働組合員として、このようなやり方に対して、機構改革についての考えを述べるとかなんとかということは、これはあり得る。しかも、一方で労働組合は反対しているのですよ。われわれ調べてみると、統計調査事務、この関係の労働組合、反対です、この法案に。それなのに、それを「代表して」と、こういうことをやるということは、これはいいのですか。それから、行政指導のしかたとしてかまわないですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) その電報料が行政費から出ているということなら、これはまかりならぬということになります。しかしながら、所長としては、所長さんの下に組合の方がたくさんいるのですから、その人たちの意見がこうでございます、こう言っている。岩間さんは電文の解釈についてそう言われておりますが、私はどうもそれに対していかぬと——行政費を使ったというなら、これはけしからぬということは言えますけれども、それはどうも、そこまで私のほうから……。
○岩間正男君 しっかり答えてくださいよ。こういうようなことを、いいですか、一つの省庁の設置法、これの改正案に対して、この関係者である事務所長がね、職務の名前を——何のだれがしという個人の名前で出すならいざ知らず、これは統計調査事務所長とあるのじゃ、これはちゃんと職名を帯びたそういう形で出している。こういうことは差しつかえないかどうかと言っている。国会の審議に対して、こういうような形でかまわないですか。それから金のことを言っているけれども、金の問題よりも、そういうようなこれは体制でいいのかどうかということを私は聞きたいのです。 それからもう一つ聞きたいことは、あなたは、反対しているかどうかということは、これは調べてみなければわからぬですね、少なくともいまの段階では。これは調べてみて、そうしてほんとうに全職員が賛成しているのか。それから、全職員を代表するという形でこれを出しているのだから、こういうことが事実に反したら、これはどうします。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私の知る限りでは全職員——私のところへ来ている全職員は、ぜひ通してくださいと言うのだから、賛成だと私は解釈いたします。しかしながら、その電文が所長名でいいか悪いかという点については、今後検討いたしましょう。
○岩間正男君 これは調査してほしいと思う。はたして全部が賛成しているなんて言ったって、われわれは反対の意見をたくさん聞いているわけだ。これは労働組合、職員組合として聞いてるんです。それとまるで反するような形で、事務所長がこういうような電報を出して、いかにも全体を代表するような形で、しかも職名を帯びたそういう電報を出していいかという、この国会審議でそういうことが許されていいのかどうかということを聞いている。これは綱紀の問題と関係がある。こういうことを許すとすれば、ほとんど各省庁——関係のあるところの省庁の職員の名前において、職員の全体の意思だというようなことで、この意思をはかったかどうかということは事実を明らかにすればいいのだが、それもしないで、こういう形で圧力を加えるということは、これはいいのか。いいとするならば、これは農林大臣の意見だとすれば、それは私は重大だと思います。そうでしょう。そのことです。国会の審議に対して、その対象者になる——適用を受けるというような人たちが、公務員として、しかも事務所長という名前でこういうことをやっていいのかどうかということです。これはかまわないのか、綱紀上かまわないのですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) ですから、ただいま言ったとおり、事務所長名を使った、こういうことにつきましては、今後調査をして、またそれからお返事を申します。
○岩間正男君 そうすると、事務所長名を使ったということには当然問題ありますね。これはあると考えてよろしいのですね。調査するというのだ、これはある。なければ……。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は、問題があるとかないということは、所長としての陳情をする権利があるかないかということについての問題だと思います。ですから、十分検討を加えてみて、お返事申し上げなければならぬと思います。
○岩間正男君 それじゃ、この法案上がるまでに、さっそく調査してください。労働組合にも聞いてください。職員組合に聞いて、はたして職員組合が賛成しているか反対しているか明らかにしてください。職員組合が反対していれば、職員の意思を代表して、そうしてこういうものを出す——そうしてこれはともかく請願という、要請という名前で、これは一つの審議に対してそういう圧力になるわけですからね。そういうことは一体許されていいのか、どうなんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) どうも岩間さんのところへ行っているお方と、私たちのところへ来る同じ組合の方は、違っているのかもしれません。しかし、私のところへ来た範囲内の組合の方は、これは所長じゃありません。その組合の方々は、いろいろなことは言いましたけれども、ぜひ通してもらいたい、なるべく早目に通してくださいと、こういうふうに私のところには来ております。ですから、これはどうも岩間さんのところへ行ったお方と私のところへ来た方とは違うのかもしれません。それは見解の相違ですから、これはしかたありませんから、ひとつ御了承を願いたいと思います。
○岩間正男君 これはまあ大臣の前に行くと、これは職員でもいろいろあるでしょうから、職制もあるだろうし、そういう人たちがあるだろうと思うんです。そういうところは反対できないから、賛成している人も多いだろうと思いますがね。しかし、一般の職員を代表して、全体を代表していることになるんですか。ここのところはやっぱり調査して、今後のこともあることですから、国会審議のあり方としていいかどうかという点で私は問題にしているわけです。各省庁のそういう責任者が、こういうような職員を代表するという名前で、そうして国会審議に対してこのような意思表示という形になるわけですね。これは公務員等のあり方としてよろしいかどうかということが問題なんですから、これはやっぱりただしておかなければならない問題でしょう。これがいいとなって、無制限にやられたとすれば、これはやっぱり私は一つの法規の問題として問題あると思います。こういうことでは、国会審議に対する正しい態度とは思えないですな。だから、その点からも、この調査を、この次までにこのことについての調査と、それから強制されてやっているんだか、ずいぶんこう来ているんですが、どこか何ですか、本庁からでも指令を出しているのか、あるいはそういう勧告でもしているのか、そういう事実あるんですか、ないんですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども別に統計調査事務所の所長にそういう電報を打つようにという指示は一切いたしておりません。それから、大臣のお答えがございましたから、私ども調査をいたしますけれども、統計調査事務所長としては、この法案の取り扱いあるいは農林統計の今後の問題について実に真剣に考えての結果、国会の先生方に陳情を申し上げておると、そういう趣旨に私ども理解をいたしておるわけでございます。
○岩間正男君 とにかく私の提出した問題で、これは大臣が了承されたと思いますから、その結果を待ちます。 それでは本論に入って聞きますが、臨時行政調査会は昭和三十九年に「統計調査事務所の所管にかかる事務のうち行政の推移によってその必要性が減少しているものは整理または縮少し、」と、こういうことを答申していますね。行政の推移によってその必要性が減少している事務とは、これは具体的に何をさすのか、またこの答申に対する農林省の見解はどうなのか、お聞きしたい。
○説明員(岩本道夫君) 農林統計は行政のために必要な資料をつくることを重要な使命としておりますから、行政の推移によりまして、行政の実情に沿うように常にその内容を検討し、充実さしていかなきゃならないわけでございまして、最近のように生鮮食料品の価格、流通対策等が重要な問題になってきますと、その方面の仕事も充実してまいらなきゃなりませんので、従来やっておりました、特に作物統計と申しますか、生産量を把握するような仕事につきましては、調査方法を簡略にするとか、できるだけ労力を節減しまして新しい仕事に回すということで、常に新しい情勢の変化に対応できるような措置を講じてまいったわけでございますけれども、その三十九年の答申の御趣旨もそういう意味であろうと解釈をし、それに即応してまいっておるわけでございます。
○岩間正男君 次に伺いますが、昨年出された行政監理委員会の意見書によりますと、現業を除き、府県単位以下に設置されている各省庁の出先機関は全廃すべきであると、こういうことをまあ述べているわけですが、これに対して農林省はどういう見解を持っていますか。
○説明員(岩本道夫君) 農林省全体としての御意見は官房長のほうからお答えしていただくことにしまして、その一部であります統計につきまして私の所信をお答え申し上げます。 統計調査は、御存じのように、戦後食糧の非常にきびしい時代に、供出制度に対応するためにできた組織でございますが、その後食糧事情も緩和しましたし、情勢が大いに変わって、単に作物統計でなしに、農家経済調査とか、あるいは生産費調査とか、価格流通対策調査とか、いろいろな調査を通じまして、価格政策や、流通政策や、その他農業構造政策に貢献するような形で仕事をしております。で、行政を遂行しますためには、その求めるデータが科学的であり、かつ中立公正でないと使いものにならないわけでございますが、戦後の食糧問題を契機として、私どもの組織は、そういうことに専心する組織として成熟をし、かつ発展をしてまいっております。したがいまして、いまこれを都道府県に移譲して私どもの組織をやめますと、いままで蓄積しました専門的な知見と職員の能力というものはおそらくなくなってしまうでありましょうし、各都道府県によって調査の方法なりやり方が違ってまいりますと、調査の統一がとれませんので、農林省が全国的な立場で行政をする上に非常に支障になるのじゃなかろうかということでございまして、私どもといたしましては、統計調査事務所を廃止してこの仕事を都道府県に移譲するということは、絶対に反対でございます。
○岩間正男君 それがまあ行政の推移ということになるのですか。そうすると、これは総合農政にまあ移行してくる、それから食糧事情が非常に変わってきたんだと、したがってこの統計調査事務所のこの任務も非常に変わってきているのだと、そういうことについてあなたまあ話をされたのですね。しかし、これを廃止するということは考えていないと、こういうことなんだが、これはどうなんです。私はこれに関連してお聞きをしますが、改正案によると、今後一体統計調査事務所というのはどういうことをやることになるのですか、これは本質的にどうなるのですか。
○説明員(岩本道夫君) 統計調査事務所がやります業務の内容は、この組織改正があろうとなかろうと基本的には変わらないと思います。すなわち、国が必要としますこの農林行政に必要な基礎資料をつくるということを目途として調査をし、統計をつくるわけでございます。ただ、その仕事をやります過程で、従来はともすると農林省の中央行政のための資料をつくる、統計をつくることに重点が置かれました結果、都道府県あるいはそれ以下の、特に地方公共団体の末端をにないます町村のための統計作成ということにつきまして、この重点が置かれなかったと申しますか、問題があったということでございますので、今後、農林局にこの統計事務所を統合することを契機としまして、そういう方面の仕事を開発をし、世間の要請に応じていこうというつもりでございまして、基本的には変わりませんけれども、そういう業務のやり方は若干改革をされていくと、それが今回の法案を提案する基本的な理由の一つでもあろうかと思うわけでございます。
○岩間正男君 基本的に変わりないのですか。これは現行法ではどうなっているんです。それから改正案ではどうなっているのです。その点対比して法文的に言ってください。
○説明員(岩本道夫君) お答え申し上げます。 農林省設置法の改正案の三十六条第七号に、「農林省の所掌事務に係る統計の作成及びこれに必要な調査に関すること。」という規定がございます。この規定は現行法の趣旨をそのまま受けておりまして、その意味におきまして基本的には変わりないと思います。
○岩間正男君 法案的に対比して、現行法はこれはどうなっているんですか。
○説明員(岩本道夫君) ただいま申し上げましたように、改正法案の三十六条第七号「農林省の所掌事務に係る統計の作成及びこれに必要な調査」をすることというのが改正案の内容でございます。現行法におきましては、四十二条に統計調査事務所の所掌事務がございまして、「統計調査事務所は、本省の所掌事務のうち、耕地面積及び農林畜水産物の収穫高の調査並びに農山漁村における統計的経済調査に関する事務を分掌する。」というふうに規定されております。その精神は基本的にはもう同じでございまして、改正法におきましては現行法の精神を受け継いでおります。表現は変わっておりますけれども、内容は変わらないというふうに理解しております。
○岩間正男君 どうもおかしいじゃないですか。これはなぜこんなこと——ちゃんと詳しく現行法ではこれは規定しているわけですね、それが今度の改正案では非常に簡単になるわけですね。ここに問題は、行政の推移ということがさっきの説明によっても当然出てくるわけです。そうすると、この改正案で、これまで現行法に「耕地面積及び農林畜水産物の収穫高の調査並びに農山漁村における統計的経済調査」、こういうふうにはっきりうたってるんだね、この面がなぜ抜けたんですか。
○説明員(岩本道夫君) 先ほど私が申し上げました現行法の四十二条のところの書き方は、昨年の一省一局削減法のときに変わりまして、農林省設置法第八条の二十六号で「農林畜水産業及び農山漁家に関する統計その他農林省の所掌事務に係る統計を作成し、並びにこれに必要な調査を行なうこと。」ということに書き改められております。したがまして、先ほど私が御説明申し上げました改正法律案の第三十六条第七号の「農林省の所掌事務に係る統計の作成及びこれに必要な調査に関すること。」というふうに表現が変わっておりますけれども、事柄の精神として基本的な点については変わりないものと考えます。ただ、行政の変化に即応するために、統計の内容は客観情勢、行政の変化に即応する必要がありますので、この改正法律案の七号の表現が最も妥当であると私は考えます。
○岩間正男君 どうもそこのところが私は納得できないところですがね。一方では変わりはないんだと言っている。現行法でも改正案でもその中身は変わりはないんだ、そう言っていながら、一方では米穀事情、食糧事情の変化によって、行政の推移、それに即応をするためだと言っている。これはつまり、まるきり違うんでしょう。変えていくんでしょう。変えていくねらいのためには、こっちは抽象的にやったのでしょう。これが規定しているのは非常に意味があるんですよ。どうしたってこれは客観的な科学的な調査というのは必要なんです。それなしには、農政をやるとかなんとか言っても、話にならぬわけです。この基礎調査が必要なんです。それをちゃんとうたえばいいでしょう。ところが、その中で非常に内容的なものについて、どうでも融通できるような、そういう形の改正をやっているのでしょう。それで、その背後には、あなたたちの言っている行政の変化、推移、これによって、それに即応するようにやるのだ、ちゃんとこう言っている。それで、具体的には、食糧事情が変わっているのだ、米はたくさんとれるのだ、余っているのだ、したがって、作物の調査なんていうのは、これはここで要求されている、現行法によるような厳密な、そういう科学的な調査というものは省かれてしまって、わからなくなります。それだけじゃない。さらに「耕地面積」、それから「農山漁村における統計的経済調査」、こういうものは、もっと客観的に科学的にやらなければだめなんです。ところが、どうでもこれはあんばいされる——行政の推移ということであんばいされる。具体的には、総合農政という名前で、実際はこれは政府の政策が非常にまかり通ってくる、現実から離れる、そういうかっこうで、政策的なものでぐっと締められてくる。そういう面がこういう抽象的な表現になったのだということ、これは事実あなたたちの答弁の中に矛盾があるのだ。そうじゃなくて、ほんとうにあくまで基礎的な調査は必要だ。やはりこれは、どんなに食糧事情が変わろうが、必要でしょう。耕地面積、それから農林畜水産物の収穫高の調査並びに農山漁村における統計的な経済調査、こういうものなしにどんな一体農政をやろうというのですか。総合農政とかなんとか言っているが、何も実体がないじゃないですか。具体的にいままで、昨年の委員会からこれは追及してきているのです。いまだに総合農政の実体なんていうことは明らかにされない。見込みみたいなものだ。それで、食糧事情が悪い、そこのところだけ何するために、そういう一つの先入的な意図があって、それに合わせていった改正じゃないか。その点非常に重大です。日本の農政の基本的な問題をどうするかという課題が科学的な調査なしに一体できるのかどうか。ほんとうにこれは農政を科学的なものにするかどうかということの土台です。だから私は、この統計調査事務所というのは、こういうものについての今度の改正というものは非常に重大だと考える。農林大臣、どういうことです、これ。
○国務大臣(長谷川四郎君) これはもう議論の余地がないのです。あなたがおっしゃるように、総合農政の、新しい農政を行なっていくにも何にいたしましても、統計というものが基礎になって、そうして今後の消費、生産、その需給のバランスというものをとっていかなければならぬ、これは当然のことなんです。それをもっとこまかな——いままで地方というのは、統計は統計だけなんだ。そういうことであってはいけない。もっとこまかに、中まで入り込んで、そうして一体となった農村の一人一人の経済面の実態、そうして生産の実態、こういうものを把握して、その上に立った今後の新しい農政を行なっていこうという上に立っているのでございまして、ですから、あなたのおっしゃるとおりに、もっとこまかに調査をしてもらおう。それにはもっと中に入り込んで、おれは農林省だ、おれは地方だ、こういうことでなしに、一体となった姿になって調査して、統計を出して、その統計に基づいた、いま申し上げたような生産と消費のバランスをとっていこうというようなことでございますので、もう岩間さんのおっしゃるとおりに、もっとこまかにやろうじゃないか、こういう意思でございますから、その意思に反していることはないだろうと私は考えます。
○岩間正男君 私は、統計調査事務所があるというのは、やはりそれだけの理由があるし、それから基礎的な調査というものはどうしても必要なんです。ところが、実際はこれはどうなんですか。統計調査事務所が農林省にかかわる統計の調査をやるということですが、何でもこれはするようになってくるでしょう。そうしたら基礎的な調査のほうが非常におろそかになる可能性があるわけです。そしてどんどん絶えず変わるわけですね。農政の推移によって変わるのだ。そういうことになると、だんだんやはり調査のやり方だって変わってくる。それだから、いまのような説明をすれば、そういうふうに言えるような 大臣のいまの説明のように、もっとこまかく中に入ってと、そういうことを言っているが、一つはどうしても科学的な、基礎的なそこのところをやはり守っていくということ、これがどうしたって必要ですよ。その点どうなんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) もうそれを守ることが一番の大事なことであって、いままでのような統計からいえば、おい、しゃっぽこだめだと、農村から農民一人一人の統計とほんとうにかけ離れて、実際の調査ができない。調査に行っても拒まれるというような事態が今日まで起きてきて、しゃっぽこということばでもってなるべく近寄らせないようなことであった。そういうようなあり方はもうすでに去った。あなたのおっしゃる、その根幹である、どうしても今後というか、日本の食糧の実態というものを調査しなければならぬ、その統計をはっきり出さなければならぬ、もちろんその精神はそのままであって、それ以上にやってもらわなければならなくなるだろう。こういうふうに、国内の事情というものと需給という点、さらにいま農村の置かれているきびしい立場、国の内外の実態、こう上からいって、統計事務というものはますますむずかしくなるが、調査をしてもらわなければならないと私は考えます。ですから、それは基本は基本として、さらにもっと融和のとれた、こまかい調査にまで入っていくという点については、これが最も妥当であるという確信の上に立って今度提案をしたわけでございます。
○岩間正男君 それは、そういう説明ですが、納得できません。とにかく、農地法の改悪の問題、食管法の改悪の問題、それから保護農政というようなものを打ち切りをする、そして総合農政という、いわゆるそういう名前でこれは推進されている。ここには、非常にこれは政略的な、そういうものがにじみ出ていることは事実です。これはとにかく、いままでの論議を通じて出ている。したがって、食糧確保をすること、それから日本農業の健全な発展、それから農村生活の向上に資すること、そういう統計調査というものでなく、ともすると政府のそういう意図によって統計調査というものが非常に左右される、そういう危険を私は感ずるのですね。第一、今度の改革によりまして、地方農政局、ここに統合するわけでしょう。地方農政局というのは、いままで総合農政を推し進めてきた一番中心でしょう。そうでしょう。そうすると、その政策にすっぽり入るような、そしてその目的のもとにこれは統計を今後進めるという、そういう点が非常に多くなると思うのです。そこのところが私は非常に問題だと思うのですよ。はたしてこれはいまの説明のようなことになるのかどうか。やはり地方農政局のそういう意図に非常に左右される危険性というものが出てくる。こういう点、そういう心配はないということですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は絶対ないのだということを岩間さんの前にはっきり申し上げられると思う。統計などというものは、政府の意図によって云々されるべきものではございません。もしそうであるならば、これは統計というものは全然必要ありません。統計局、これは廃止してしまいます。政府の意図によって支配されるような統計だったら、何にもなりません。ですから、そうではなくて、岩間さんのおっしゃるような方向に向かって方向づけていくのには、どうしてもこのほうが最も妥当性を持っている、こういうふうに申し上げるのでありまして、政府の意図によって統計がくずされるとか、左右されるという、そんなことであるならば、統計というもの必要でありません。私は必要ないから廃止すべきだと思う。けれども、そんなわけではない。そういうことではなくしていきたいと、こういう考え方であります。
○岩間正男君 あなたはそう言っておられるけれども、最近の事実を御承知でしょう。それはたいへん問題になった生活白書の問題です。どうです。せっかくつくったあの白書がどうなったのです。閣議でどうなったのですか。そういうことだから心配しているのですよ。経企庁がせっかくつくって出したものが、閣議でどうなったか。それの内容をほんとうに出してもらいましょう、最初の原案、それから閣議で決定して、それからどうなったかということ全部を。こんなものは、科学的な客観的な統計だと言っても、信用しますか。そうなる可能性が十分にあるということを私は心配しているのだ。総合農政というようなことでまっこうに振りかざして、いまその旗のもとにやっているのでしょう。それを推進する一番具体的なやつはどこかといったら、それは地方農政局ですよ。そこのところの管轄に入れられれば、当然これはやはり科学的な客観的なそういう調査というものは破壊される。どうですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 岩間さん、むずかしいなあ。どうもそうじゃないのだと言うのに、岩間さんはそうだそうだと言う。そうではないので、白書の点は、レジャーがアメリカが一〇〇で日本がわずかの七だというから、それはおかしいじゃないかということで字句の訂正があっただけであって、岩間さんそうおっしゃいますが、アメリカがレジャーが一〇〇のものが日本がわずか七、そういうふうに書いたから——それはほんとうだと岩間さんおっしゃいますが、それほどでもないのじゃないですか、いまの日本は。ですから、文句の書き方が違うから、その字句を直しなさいということで、数字はちっとも違っていないので、それを力こぶを入れてやるほどのことでもないのじゃないですか。いずれにしても、白書の内容はそういうことでございます。
○岩間正男君 それはずいぶん問題になったのだ。閣議によって、せっかく出たのに、そういうようなことで変えられる。そうしてそれが書き直されるという形で出されれば、何ぼでも政府の意図で変えることができるということをこれは証明している。そういう形では、これは非常にまずいですよ。だから、そういうことをやっているから、農林省だけ信用しろと言っても、そうはいかぬのです。しかも、総合農政というのはいまだに全くわからぬ。その推進の本部は、ほんとうに地方でやっているのは地方の農政局でしょう。そのもとに今度は統計調査事務所を入れてしまう。そうしたら、結局はいつでもにらみがきいているわけだ。その指導のもとにやられればどういう調査になるかということはほぼ見当がつく。農林大臣もだいぶいままで経験豊かな方だと思うから、知っているでしょう。日本の政治が権力支配の中でどういうふうに一体変えられていくか、そういう点を私は心配しているのです。だから、いまあなたはむきになって答弁されたけれども、そういうことではいっていないのですよ。なぜ一体ああいうことをやるのか。
○国務大臣(長谷川四郎君) まあ、日本の政治は権力政治じゃないのであって、民主政治であって、自由の中で行なわれている。権力政治と岩間さんが言われるとおかしくなるので、その点は私は別にいたします。しかしながら、統計というものがいかに必要であるか、これは議論の余地のないところなんですから、岩間さんが御心配のようなことのないようにやりますから、どうぞ御了承ください。
○岩間正男君 それはあなたの答弁の範囲内でどうだこうだという問題ではないのであって、この法案が発足すれば、あなたが農林大臣をやめられても、法案は生きている。そうして自民党のこういう権力政治がまかり通る。そういうところでどういうふうにゆがめられるかということを私は言っている。 次に聞きますが、農林統計審議会の建議によりまして、昭和四十三年十二月二十七日の「農林統計の地方組織を地方農林局に統合することについては地方農林局が地域農政を実質的に推進する機関として確立されることと並行して実施されるべきこと」、こういうような建議を出されているのですが、これに対しては、これはどうなんです、これに合っておりますか、今度の改正は。
○説明員(岩本道夫君) 御質問ございました農林統計審議会の答申がございましたことは事実でございます。その答申の趣旨は、今回の農林省設置法の改正案によりまして統計調査事務所を地方農林局に吸収いたしますにつきましては、まず地方農林局はほんとうに総合農政を推進する実質的な地方支分部局として熟成されるべきこと、そういうことにこの統計調査事務所を統合することが役立つのでありますれば、大いにこれは賛成であるという趣旨に私ども拝聴いたしております。 それから、農林統計調査事務所は、従来、統計の独立、行政からの独立という、ただいま岩間先生から御質問ございましたような趣旨で、できるだけ行政には近づくなという指導方針できておったわけでございますが、どうも最近その弊害が出てまいった。と申しますのは、先ほど大臣から御答弁ございましたように、調査客体のほうの事情が変わってまいりまして、兼業農家が多くなったこと、あるいは都市化が進んだことといったような背景のもとに、調査に参りましても、兼業で忙しいから農業のことを聞いてもなかなか答えてくれないとか、行ってもいないとか、いろいろな調査上の支障のある事態が生じてまいりました。そこで、これを打開いたしますためには、やはり地域政農の中で、統計調査をやっております職員も、地域の住民の一人としてこの地域農政に参画をして、その上で統計をとる協力をお願いしなければならぬ。もしそれができますれば、統計をとる末端の調査のやり方が非常にスムーズになるのじゃないかというようなこともございまして、そういうようなことにも役立つであろう、こういう二様の意味をもちまして農林統計審議会が御答申をされたわけでございまして、私どもそれを拳々服属してまいりたいと考えております。
○岩間正男君 どうも、私たちは文書によって見ているわけですが、「地方農林局に統合することについては地方農林局が地域農政を実質的に推進する機関として確立される」、こういうことと「並行して」というのですが、そういうようなところが並行していますか。
○説明員(岩本道夫君) 地方農林局は、現在は、現行法では地方農政局でございますが、地域農政を推進し、きめのこまかい農林行政を行なうためにできた機関でございまして、年々歳々権限も強化しやってきておりますが、なお行政を推進する基礎的なデーターをとる統計調査事務所を欠いておりますためにやはり行政推進上問題があるということで、もしこの統計調査事務所を統合いたしますならば、画竜点睛と申しますか、真にこの地方農林局が地域農政を推進する機関になり得るという確信を持ってこの改正案を提案しておる次第でございます。
○岩間正男君 とにかく私が心配しているのは、これを合併統一することによって、統計そのものに対する行政面からの圧力と干渉が強まる、そうして統計の独立性、客観性、独自性がそこなわれ、農民の実態が正しく統計に反映できなくなる、そういうおそれがあること、これは避け得られないと思うのです。これをそういうおそれがないようにするというどういう保証がありますか。その点についてどういう一体あなたたちは今後これに対する措置をしようと考えておるのですか。
○政府委員(大和田啓気君) 農林統計につきましては、元来客観的な統計をつくるという伝統が非常に強くあるわけでございます。私ども農林省の幹部といたしましても、政策を論議する場合に、客観的な統計を材料にして論議しなければあやまつことは明らかでございますから、私どもの気持ちの中にも、統計調査部はいよいよ客観的な資料をつくることに専念してほしいということ以外に、行政的にこれをゆがめたり悪用したりするような意図は全然ございません。これは特別にことさらにそういうことを客観的な統計をつくれということをこの際に申し上げる必要もないほど農林省の中では徹底しておるわけでございます。
○岩間正男君 どうもそういう、ものをチェックする、そういう方法は、具体的にいまの説明だけでは、これはわれわれは納得しかねるのであります。
○委員長(八田一朗君) 岩間君、もっと元気を出してください。聞こえないのです。大きな声で……。
○岩間正男君 次にお聞きしますが、統計調査事務所を都道府県に移譲することに農林省は反対しておるわけですね。その反対の理由というのはどういうことですか。
○説明員(岩本道夫君) 反対しております理由はいろいろございますが、最も主要なものをあげますと、統計をとります場合、特に全国的な統計をとります場合には、全国共通の方法論と、共通の目標、それから手続、さらに、農林漁業は非常に複雑な産業でございまして、調査の対象も非常に多くございますし、業態が千差万別で複雑でございますから、単に統計の専門家であるのみならず、農林漁業についても知識を持った専門的な職員が必要でございます。ところが、これを都道府県に移譲いたしますと、その保証がございません。現在都道府県の統計課あるいは市町村の統計課でやっております統計は、人口統計に始まりまして、労働、厚生、文部その他各般の各省の仕事をやっておりまして、そこへこの複雑な農林統計を移譲しましても、いまの精度の高い統計をとれるという保証はございません。したがいまして、統計の独立性、正確性という先生の御主張からも、その説には組し得ないと思います。さらに、最も問題がありますのは、災害とか価格対策の基礎資料になります生産費調査のたぐいを各都道府県に移譲しました場合に、はたして中央において客観的な査定ができるような資料が得られるかどうかも疑問がございます。それらの点もいろいろ勘案をいたしまして、地方移譲の案には反対でございます。
○岩間正男君 同じことが言えるじゃないですか。なるほど地方移譲ではないにもせよ、地方農政局に統合する。そうすると、やはりこれはどうしても地域的ないろいろの圧力とか、そういうものが出てくるでしょう。そういう中で、全国的に統一したそういう機能というものはいままでのように保たれますか。
○説明員(岩本道夫君) 先ほど法案の解釈のところで、権限のところで申し上げましたように、私どものやっております統計調査の仕事は、現行法でも改正案でも基本的には変わりはないということを申し上げたわけでございますが、たとえば耕地面積とか、農家人口とか、農家数、あるいはおもなる農作物の収穫高、経済調査とか、そういったような基本的な項目については、全国的にこれはとる必要がございまして、これはこの点は現在も将来も変わりはないと思います。したがいまして、そういう意味で、農林局に入りましょうが、入りますまいが、その点は変わらないわけでございまして、ただ、将来この仕事のやり方をより合理化して、多少労力と経費を浮かして、農林局が地方的に必要とする部面の統計調査ができるようにしてあげたいと、それで地域農政をきめこまかく推進したいということを考えておりますので、全国統計は現在統計調査全体の仕事の八割ぐらいになっておりますが、その比率を下げまして、そちらのほうの仕事を広げようということでございまして、その基本になる面については、その精神においては、独立的、客観的であるということはごうも変わりないわけでございまして、先生の御指摘になるような心配はないと思います。
○岩間正男君 農作物の生産費調査、それから農作物の被害調査のように、米価の決定等農作物の価格対策、あるいは天災融資法の発動等、こういう災害対策を実施するにあたって、直接に基礎資料をとる、こういう点で統一されて、私は非常にやはり問題が出てくるんじゃないか、こういうふうに考えられますね。どうしてもこれは地方への圧力、そういうもの、そうしてそこにさらに政府の政策面がやっぱり一つの圧力を加えてくる。そういう心配は免れないと思う。それに対するそんな、そういうことをしない保証があるかというと、その保証については具体的なこれは説明がないんです。だからこの点は、説明がいまなされましたが、十分にこれは納得のできないことであります。 その次にお聞きしますがね、これはどうですか。地域の農林行政に役立つ地域統計を進めるために統合が必要だ、こういうことを言っておられるわけでありますが、これを進めていけば、当然これは自治体とぶつかりませんか。自治体が行なっておる統計調査ですね、こういうものと競合する部面が出てくると思うんですがね。こういうものをどういうふうに調整しようと考えているのですか。
○説明員(岩本道夫君) 先ほどもお答え申し上げましたように、農林省としましては、中央で農林行政を進めるための統計に重点を置いて統計をとっております。その副次的効果として、全国統計を地域的に別に集計をしますと、地域別の統計がとれるということは、これは都道府県、市町村等に役に立っておると考えております。ただ、全国統計をとることが最大の任務でございますから、県なり市町村なりの立場から見れば、なお不十分で足りないという面が多々あると思いますので、現在都道府県なり市町村では、農林省のやっております調査を補完する意味におきまして、独自の調査をやっております。これは唇歯輔車の関係にございまして、相補完するものでございまして、矛盾がないと考えます。
○岩間正男君 これは矛盾がないという説明ですけれども、どうです、市町村で進めているんですね。それから農林省で進めている。そういうところに相当な食い違いが出てくる。それから、やっぱり農林省で進めているのがどうも具体性がない、そういうようなことで、当然競合する部面というものが出てきませんか。
○説明員(岩本道夫君) 先ほど災害調査や生産費調査の例を先生お出しになりましたが、たとえば生産費調査になりますと、全国的な数値を出す必要がございます。たとえば米価決定の基礎になります米の生産費調査にしましても、これは全国の約四、五千の農家を調査しまして、この平均値を出して判断をするわけでございます。そこで調査の方法は、中央の統計調査部の中で設計をします。調査の企画、設計、実行方法について逐一参謀本部であります本省の統計調査部でやるわけでございまして、現場はその実施をするにすぎないわけであります。したがって、都道府県が市町村別にこれをばらしていきますと、必ずしも十分なものではございませんので、市町村なり県なりで独自の調査をするということがあり得ます。しかしこれは、調査の方法なりやり方が違えば、おのずから違う数字が出てくることも予想されますが、私どもは、全国的に統計数理的に計算しまして、これで精度が幾らだという判断をしてものが言える数字をつくっております。全国段階では私どものやっておる数値で間違いないと信じております。これを地域的にばらして別の数字が出ることもありますが、これは矛盾ということではなくて、そういう調査方法の違いに基づくものであろうというふうに判断します。また、災害の調査につきましては、都道府県、市町村等では、災害が起こりますとすぐ数字を出さなければなりません。災害に対する対策の要望を中央にいたします関係で、災害が起きてすぐに数字をはじき出すため、相当見込みの数字が入っております。私どもは、災害が起きますと、まず情報をとって情報を上げろ。それから、一週間ぐらいたって、足で回ってもう少し確認をせい。さらに二週間たって、もう一度数量的に確かめろということで、一報、二報、三報というシステムをとっておりまして、数値が確定するのは三報以後の段階でございます。おそらく洪水の場合ですと、水のかぶった状況で調査をしましても、実際数字はつかめないと思います。したがいまして、そういう意味で都道府県なり市町村が出しておる数字と私どもの出しておりまする数字が、食い違いでございましても、矛盾ではなしに、調査方法の違いで、私どものほうが精度が高いと、かように判断いたしております。
○岩間正男君 それは機構を持っておるから……。けれどもやはり実情にこれは合わない問題があったりして、これはいろいろ災害の場合なんか、見積もりの問題なんか絶えず食い違いが出てくるんじゃないですか。そうして必ずしも、そんなら農林統計の調査が実情に合っているかどうかというと、そうでない。そこでしばしばこれは論議も巻き起こしているんですから、ここで競合することが出てくるんですね。そうすると今後どうですか、地方の発言が非常に強化されて、どうも農林統計はあてにならぬじゃないか——実際またそういうことありますよ。現実に合わないという調査がしばしばありますよ。われわれ災害の調査に行ったり、農作物の補償の場合ですね、被害の程度なんかというのは全く地方の実情に合わないというようなことが出てくるわけですね。だからそういう点で、地方から地方移譲の声として、地方農林局に置くなら、もういっそのこと地方へ移譲したほうがいいじゃないかという声が起こってきているんじゃないですか。その点どうなんですか。
○説明員(岩本道夫君) 私どもは農林統計については日本で唯一の専門の機関であると自負をいたしております。したがいましてこれが地方農林局の中に入りましても、府県庁や市町村から統計についてあれこれ指示を受けたり、指導を受けたりする必要はさらさらないと思います。むしろ逆に都道府県や市町村を指導する立場にございますので、今後地域農政の中に入りまして、国が市町村の農業統計のとり方を指導していきたい、そうして地方的にもそういう正しい統計がとれるようにがんばっていきたいと思います。したがいまして、向こうから影響を受けるのではなしに、私どもの正しい統計のやり方を市町村に普及したいと、こういうふうに考えておりますので、先生御指摘のような矛盾が起こり得ないと思います。
○岩間正男君 これはあなたのほうの自信のほどをお聞きしていたんだが、どうもこれは現実と合わないこと相当あるんですよ。われわれぶつかっている。それをいまのようにやっていくと、確信があって天上天下唯我独尊というふうに聞えるわけです。これはわしのやっているのは間違いないというように言われていますが、どうです、これは自治省の見解聞きたいんですがね、自治省来ていますか——自治省としてどういうふうに考えているか。この統計調査事務移譲について、今度の地方農林局構想、今度の改正案について一体どういうような考えを持っているか、自治省の見解を聞きたい。
○説明員(森清君) 国の出先機関につきまして、地方行政と非常に密接な関係のある機関につきましてはできる限り都道府県に統合をしていただくというのが自治省の基本的な希望でございます。当統計調査事務所をどのような形にするかについても、政府部内でいろいろ御検討の段階に、最初の意見としてもそういうことを申し上げたのでありますが、諸般の事情を検討されて、結局政府としては地方農林局に統一することが妥当である、このような結論になったので、それに従っておる次第でございます。
○委員長(八田一朗君) ちょっと速記とめてください。
○委員長(八田一朗君) 速記を起こしてください。
○岩間正男君 そうすると何ですか、今度の構想については反対というんですな。
○説明員(森清君) 地方行政機構全般につきまして基本的な考えは持っておりますが、その考え方がそのときそのときの情勢に応じて実現できるものから実現していくということでございますので、今回はこれについて、基本的な大きな方向としては都道府県に移管をしてもらいたいという考え方をもって農林省ともよく話し合をしたわけでありますが、現在といいますか、この情勢においては、この事態においては、地方農林局に置くことのほうがより現実において妥当性があるという農林省の判断に自治省も従いまして、同じ意見として政府で決定したものと考えております。
○岩間正男君 一応妥協したというわけですか。あなたのほうの基本構想とは違うわけですね。そういうことですか。
○説明員(森清君) 地方行政機構全般について自治省はそのような見解を持ち、また希望を持っておるので、この見解に従って、政府部内でそれぞれの法律案その他の施策が決定される際には、政府部内において意見を申し上げますが、これがいろいろな角度から検討されて、最終的に政府案として決定されるのでございます。この段階において、自治省もこの地方農林局に統計調査事務所を吸収するといいますか、置くことに賛成いたしている次第でございます。
○岩間正男君 昨年の七月に全国都道府県、市町村に対して、この地方行政の合理化に関するアンケート調査をやったでしょう。その結果どうなんですか。統計調査事務所の廃止の問題、さらに都道府県に移譲する、こういう問題についてどういう結果が出ているのですか。
○説明員(森清君) 都道府県知事、都道府県議会議長、市町村議会議長に対しまして、各種の地方行政について、合理化に関してアンケート調査をいたしましたその結果でございますが、この統計調査事務所につきましては、その事務は廃止をして都道府県に移譲する、あるいは統計調査事務所のやる統計とそれから都道府県のやる調査統計と適当に調整をして、都道府県に帰せられるものは帰すというふうな、いわゆる改革を要するという意見が都道府県、市町村とも約八七%から八九%程度でございます。現行のままでよいというのが、都道府県が八・七%、市町村が六・七%というふうな状況でございます。
○岩間正男君 これは大臣この問題について話し合いをされたのだと思うのですが、どういうことですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほどからも岩間さんのお話の中に、地方は岩間さん、やっぱり災害だとか何とかがあれば一銭でもよけいほしいという、これはよくわかるのです。岩間さんのお話の中身もよくわかるのです。しかし統計ですから、やはり妥当性を出していかなければならぬということで、何か関係方面とそういうことで打ち合わせて、これでいこうじゃないか、そういうふうに、やはり内容は統計にあらわれてくるだろうと思います。ただいまの件につきましても、これは別に自治省がどうだということではなく、閣議決定でございますので、閣議決定であれば自治省がどういう考え方を持とうと、農林省がどういう考え方を持とうが、政府はやはり政府としての一体の考え方の上に推進することになるわけでございます。もっとこまかい御説明ならば、官房長からいたさせます。
○政府委員(大和田啓気君) 先ほどお触れになりました自治省関係、地方公共団体のアンケートあるいは自治省の意見等々、地方農政局なり、あるいは統計調査部についての御意見は私ども十分慎重に検討いたしておるわけでございます。ただ私どもの立場から、なかなかそうは簡単にまいらない点があるわけでございまして、最近閣議で決定いたしました行政改革の第二次によりましても、地方農政局に統計調査事務所を統合するということが閣議できめられておるわけでございます。ただ自治省あるいは地方公共団体からの地方農政局に対する御批判等は、私どももこれからの仕事の進め方については十分頭に入れて改革を、改善をすべき点が私どもの中にもあるというふうに考えて、せっかく努力をするつもりでございます。
○岩間正男君 とにかく災害の問題で、私たちも決算委員会で現地を調査して、しばしばこの問題についてぶつかったわけです。それで、これは必ずしも農林省が発表した数字が現地を調査してそれに適合するかというと、そうなっていないということが非常に多い。そうして農林省の立場としては、非常にこれはやはり軽微に見えるでしょう。そのことのためになかなか実情に合わないで、実際は被害が補償されないというようなこともずいぶんあるわけです。そこからこれはやはり一つは起こってくる課題だと思うのですが、こういう点についても、これは情勢について十分にこの点は明らかにならなければ、どうもここで自治省と一応法の改正案を出すので話し合いをするというが、自治省の考え方は依然として地方を考えている、それが実は根底にあるのだ。それから農林省のほうは、あくまでこれは農林省がやっていくのだ、こういうことになりますと、先にいってそういう問題は、これはどうですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 岩間さんのおっしゃるのは、先ほども申し上げましたとおり、これがかつては、いままで統計と地方が——市町村と離れておりますけれども、今度はやはり農政局のほうになりますと、かえって緊密化するといいましょうか、交渉というか話し合いもできやすくなるのではないでしょうか。それはもう一方、地方になっていくのですから、地方地方の実態の調査ですから、統計なんですから、私のところの災害はこれだけあった、いや、それはひど過ぎる、これを災害と見るのはひどいじゃないかという点は、市町村、県庁としても、地方としては少しでもよけいにみてもらいたいのが市町村の当然の心理です。しかし、統計のほうはそうはいかぬ。こういうことについてもっと接近をして、もっと妥当性のある地方の実情をこの中に繰り入れたそうした統計というものの報告が出るのじゃないでしょうか、かえって。ですから、岩間さんの御心配はよくわかるのです。それにはかえってこのほうが有利性があるというように私は考えます。どうか、そういう点についての岩間さんの御意見もよくわかるので、そのように私は理解いたしますので、岩間さんも十分その点は考えてみてもらって御判断を願いたいと、こう思います。
○岩間正男君 ただいまの問題について、そういう意見はこれは聞くだけにしておいて、ここは水かけ論でしょうがないから、次に移ります。 これによってその定員が問題ですな。定員振りかえ措置をやるわけでしょう。そうでしょう。これは千五百人ですか、この地方移譲と同時に定員の振りかえが行なわれる。しかもこれは、この総定員法の五%削減とは別ですね。こういう形で考えておるのですか、この内容について説明してください。
○説明員(岩本道夫君) 統計調査部関係の定員規則上の取り扱いを御説明申し上げます。 四十三年度末で本省統計調査部の定員が四百九十二名でございますが、これが振りかえは二十二名振りかえになりまして、最終的な四十四年度の定員の姿は四百七十名になります。それから統計調査事務、これは県の事務所、出張所を含めまして、四十三年度末で一万二千三百二十七名でございます。このうち五百六十六名が削減になりますとともに、三百六十四名が振りかえになりまして、合計九百三十名減りますので、四十四年度の統計調査事務所の定員の最終的な姿は一万一千三百九十七名になります。本省と統計調査事務所を合わせますと、四十三年度末一万二千八百十九名が九百五十二名減りまして一万一千八百六十七名、こういう姿になるわけでございます。
○岩間正男君 これは農林省と行政管理庁、大蔵省との間でこの意見の調整が行なわれたと思うんですね。それで、どうですか、農林統計組織については今後三カ年間におおむね千五百人を目途に、定員を農林省内の他行政部局に振りかえることとして、このことの関連によって農林統計事務の県移譲等は行なわないと、こういうような大筋の了解が得られたと、こういうことを聞いておりますが、これはどうなんですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども統計調査事務所を地方農政局に繰り入れますときの話に、三カ年で大体千五百名程度の統計調査部の人をよそに配置がえをしたいと思うということを行管と話し合った事実はございます。そのうち四十四年度におきましては三百六十名程度の振りかえをいたすわけでございますが、千五百名とこうきっちりきまった数ではございませんけれども、先ほども統計調査部長から申し上げましたように、大体大ざっぱに申し上げまして統計調査部の定数が四十四年で一万二千五百人程度でございますから、それで、千人程度は三年五%の削減で落とすのだ、千五百人程度は農林関係で他の必要な部局へ移すということで、そこで実は率直に申し上げまして統計調査部につきましては、統計調査事務所の将来の運営につきましては、御質問の中にございましたようにいろいろ問題点がございまして、統計調査事務所に勤務している職員につきましても、自分たちの将来について不安ということもないわけではございません。したがいまして、仕事のやり方を改善すると、あるいは事務調整をするということを前提といたしまして、いま申し上げましたように一万名程度の統計調査事務所関係の定員に将来すると、その中には千六百名程度の流通関係の仕事がございまして、それは本統計調査部の仕事とは異質のものでございますから、それを除きますと八千三、四百名ということになるわけでございますが、そこで統計調査事務所関係を地方農政局の中に入れて、安心をして統計調査事務に従事をするというふうに私ども考えて、この問題の展開を進めておるわけでございます。
○岩間正男君 これは伝え聞くところによると、自民党の内部には——これは政調会だと思いますが、現在の一万二千五百、これでは多過ぎるじゃないか、八千人程度にこれは減員をすべきじゃないかと、こういう要求があるやに聞いているんですが、これに対してはどういう見解を持っていますか。
○政府委員(大和田啓気君) ただいまお話しのようなことは私ども全然承知をいたしておりません。そういうことと別問題に、私ども事務的な判断で措置をいたそうとするわけでございます。
○岩間正男君 これは四十四年の三月七日ですか、農林省の農林経済局統計調査部長ですか、あなたですね、あなたが全農林東京都本部統計本省分会委員長あてに出した回答、こういうのがありますな。その中で、これは何ですか、さっきもちょっと幾ぶんやりましたけれども、「農林省と行政管理庁、大蔵省との間で意見の調整が行われた。その結果、農林統計組織については、今後三カ年間におおむね一、五〇〇人を目途に定員を農林省内の他行政部局に振り替えることとし、このこととの関連において、農林統計事務の県移譲は行なわないということで大筋の了解が得られた。」、こういう回答が出されているようですが、これは事実でございますな。
○説明員(岩本道夫君) 事実でございます。
○岩間正男君 そうしますと、これはまあ自民党内のそういう一つのこれは見解があるにしても、あくまで大筋は守られると、こういうことですね。
○説明員(岩本道夫君) そのとおりでございます。
○岩間正男君 それでは、この移譲は、当然この問題に関連して職員の配置転換という問題が起こると思いますね。これは避けられないでしょう。さらに今後はブロック単位にこの統合が行なわれるのですから、結局東北の青森から福島県に配置転換される職員というようなものも当然出てくると、こう考えるのですね。そうすると、どうですか、これについてですね、当然妻が農業やっている、ところが夫が統計に勤務している、そういうような職員も多数いると思うのですね。その場合どうなんですか。夫の単身別居というというような問題も当然出てくる。子供の教育問題とかさまざまな問題が発生するわけですが、こういうような問題についてこれはどういうふうにしようと考えているのか。
○政府委員(大和田啓気君) 実はこの問題につきまして、農林省の職員組合と私どもとの間に相当長い間の話がございまして、農林大臣からも正式に全農林に対して回答をいたしまして、お読みいたしますと、「身分の安定については、いわゆる出血を伴う首切は絶対に避けるとともに、定員の振替に伴う配置転換にあたっては、極力本人の意向を尊重しつつ、その勤務条件につき、従来より低下することのないよう必要な措置を講じた上実施することといたしたい。」ということを農林大臣から職員組合にお話しいたしまして、これでいこうということになっておるわけでございます。
○岩間正男君 そうしますと、具体的にお聞きしますがね。この配置転換に対して本人の意見が出て、どうしてもそれはうまくないと、こういういわばまあ拒絶をするというようなことが出た場合には、これは優先的に認めるということですか。
○政府委員(大和田啓気君) これは常識の問題でございますから、きわめてだれが考えてもおかしいという言い分でありますれば、それはあるいは別になるかもわかりませんけれども、通常の場合は、よく本人の事情を聞いて、強制配転はいたさないということをはっきり申し上げておるわけでございます。
○岩間正男君 これは総定員法の中でもずいぶん審議された問題ですね。それを分限免職にしないと、強制配転はしないと、それから退職勧奨とかこういうことば、強要は絶対にしないと、こういうことは佐藤総理もそれから行管長官も、本委員会で確認している問題なんですね。そうすると、組合とこの問題で当然そういう問題について団交を行なう、こういう場合もそれではあり得るわけですね。そういう点についてはどうなんですか。
○政府委員(大和田啓気君) まあ団交でありますとかあるいは事前協議ということばを使いますと角が立つわけでございますが、十分組合と話し合ってその意見を聞くというふうにいたすことを全農林についても言っておるわけでございます。
○岩間正男君 これは大臣に伺いますが、総定員法審議のときに確約された分限免職は行なわないと、強制配転はしないと、それから退職勧奨ですね、こういうものの強要はしないと、こういうことは確認されていいですか。——いやこれは大臣に聞いているのです。
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま総理がという、総理と私の意見はちっとも相違はありませんから、そのとおりでございます。総理がおっしゃったとおりでございます。私としても、現在の情勢のもとで農林省職員の身分、勤務条件の安定、この維持については万全の措置をとって臨みたい、こう考えております。ただいま配置転換にあたりまして、本人の意向を十分に尊重していきなさいと、特段の注意を払うべく事務当局にもそのように命じてありますから、そのとおりでございます。
○岩間正男君 まあ常識という問題がありますが、常識についての見解もこれはなかなか主観的に違う場合が出てくるわけですが、常識の問題はこの前出ましたよ。これは荒木行管長官がこういう常識の問題について出したのです。この常識の問題の解釈で、やはりあくまでこれは押しつけるということにはならぬと思うのですが、この点についても、当然これは配置転換が出てくるわけですから、この運営については組合との確認事項があるでしょう。これはあくまでも守るという、しかも当委員会で確認されたそういう問題をあくまで守ってほしい、こういうことを要望しておきます。 次に、これは大臣急いでいられるようですが、お聞きしますが、人事管理の問題です。農林省にお聞きしますが、総理府人事局の出した「昭和四十四年度における人事管理運営方針」というのが出されておる。これについて、すでに労使間の問題としていままで確立されているルールがあると思います。たとえば勤務評定などその一例になりますが、これと非常に抵触する問題が出てくるのではないかと思うのですが、農林省はこの人事管理運営方針の実施にあたってどういう態度をとられるか、お聞きしたい。
○政府委員(大和田啓気君) 「昭和四十四年度における人事管理運営方針」という問題につきましては、この趣旨に沿いまして農林省としては人事管理を進めておるわけでございます。
○岩間正男君 ところが農林省の実態を見ますと、勤務評定一つ見ましても、これは実施しているところもある。していないところもある。していてもほんとうに活用されていないというような、いろんなまちまちになっている現状じゃないですか。ところがこの方針によりますと、もう一律に勤務成績本位の運用に力点を置くということが強調されていると思うのです。従来の慣行とはここで食い違いが出てくるわけですが、こういう具体的な事態に対してお聞きしているわけですが、これはどうなんですか。慣行をあくまで尊重するのか、それともこの方針でいくのか、これでは非常に違ってくるわけですが、これはどういうことになっておるのですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、勤務評定は当然行政庁としていたすべきものだというたてまえで指導をいたしておるわけでございます。ただ、農林省の職員組合はこれの実施について反対をいたしておりますので、部分的に勤務評定が事実上行なわれにくかった地点があることは確かでございますけれども、大勢は、昨年度におきましても、今年度におきましても勤務評定の実施は終わったわけでございます。
○岩間正男君 しかし、これはどうですか。全農林と官房長が出られたのだと思いますが、団体交渉を持ったのでしょう。本年の七月五日の団体交渉が妥結したと聞いておりますが、労使間の問題については従来の慣行を尊重する、こういうことになっていると聞いております。この点の食い違いはどうなんですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私も出席いたしまして全農林の委員長と話しましたことは、勤務評定はやる、いままでいろんなところで話し合いが事実あるわけでございますから、その話し合いの趣旨を尊重しつつ勤務評定は必ずやるという、そういう趣旨でございます。
○岩間正男君 これは何か協定書かなんかありますか。話し合いをまとめたものありますか。
○政府委員(大和田啓気君) 協定書といいますか、全農林と官房長との文書の交換はございます。
○岩間正男君 それは資料として出してもらえますか。またぼくはいまのように聞いていない。あくまでも慣行はこれは尊重すると、こういうふうにいっておるのです。そうすると、これは慣行の解釈で非常に違ってくる。現行では実施しているところとしていないところ、それから実施しているというのでもほんとうに活用されていない、いろいろな段階があると思うのですね。従来の慣行というものを尊重するということになると、そういうような解釈で組合側が受け取っていれば、これは一方で、いま答弁されたように官房長が答えたにしても、ここに食い違いがきて、将来これはうまくいかぬのじゃないですか。そういう点を心配するものだから、あなたたちの立場もこういうものを出されておるのだから、こういうものに反するというような答弁は、ここではできない、そういうこともわかるけれども、そこのところはどうなんですか。
○政府委員(大和田啓気君) 私どもが文書で交換いたしたものは、勤評をめぐる話し合いを尊重しつつ、勤評を実施するというのでございます。それから、組合と当局とのいろいろな慣行につきまして、一ぺんにすぐこれを廃止するというふうには私どもいたしませんけれども、労使間の正常な関係の樹立にお互いに努力をするという趣旨の、これは文書ではございませんけれども、そういう趣旨の話し合いは絶えずいたしておるわけでございます。
○委員長(八田一朗君) 速記をとめて。
○委員長(八田一朗君) 速記を起こして。
○岩間正男君 さっきの資料、それは出してほしいと思います。その上でもっと検討してみたい。 それじゃ、その次に総理府の人事局長に聞きたいのですが、それは人事管理運営方針について総理府が出した「業務運営大綱」というようなものがございますね。四十三年度のね。これを昭和四十四年度の人事管理運営方針に変えたのはどういうわけですか。
○政府委員(栗山廉平君) 昨年におきましては「業務運営大綱」という名前でございまして、ことしはいまおっしゃいましたように、「人事管理運営方針」という名前に変わったわけでございます。これにつきましては、今年度から、昨年はいろいろまじっておりましたものを整理いたしまして、(別紙第一)(第二)ということで、歩調を合わせて実施していこうというのが(別紙第一)、(別紙第二)としまして、主要検討事項としまして、総理府の人事局を中心にこういうものをひとつ検討してまいりましょうというふうに、大きく二つに分けたので、こういうふうなかっこうにしたわけでございます。
○委員長(八田一朗君) ちょっと速記をとめて。
○委員長(八田一朗君) 速記を起こしてください。
○岩間正男君 それじゃ続いてお聞きしますが、この四十四年度の人事管理運営方針ですね、これを出した一体目的は何なんですか。
○政府委員(栗山廉平君) その年々の人事の目標といいますか、そういうものにつきまして、従来から各省の人事管理官の会議を持っておりますが、その会議におきまして、その年の大綱なり運営方針なりをきめまして、それをお互いにひとつやっていきましょうということできめるわけでございます。
○岩間正男君 あなたたちのくれた資料なんですがね、この中に、「内外諸情勢の緊張が増大すると予想されることに対応して、」と書いてある。これは明らかにこれが目的じゃないですか。これはどういうことなんです。
○政府委員(栗山廉平君) わが国の諸情勢がいろいろ緊張が増大するということを考えたわけでございます。
○岩間正男君 そうすると、これはなんですか、七〇年を予想してのことかね。そう考えるほかないですね。「緊張が増大する」というのは、総理府の見解なのかどうか。そういうことでこれが出されていることは明らかでしょう。そうでしょう。どうですか。
○政府委員(栗山廉平君) これは別に七〇年そのものを念頭に置いているわけではございません。従来の前書きにも似たような文句を使っておるわけでございまして、いろいろの問題が起きるということで、国民へのサービスのために、われわれ大いにつとめていかなければならないという気持ちをあらわしたものでございます。
○岩間正男君 四十四年のやつでは、いま言ったように非常に強いことばでいわれているわけですね。そこで四十三年の大綱と、四十四年度の方針とのおもな違いはどういうところです。
○政府委員(栗山廉平君) 先ほど一番初めの御質問だと思いますが、そのときに申し上げましたように、昨年とことしは、少し内容の仕組みを変えまして、二つに分けましたということを申し上げたわけでございますが、昨年と配列は変わっておりまするけれども、おおむね大体似たような内容でございます。ただ、ことしの場合におきましては、御承知のような汚職の発生が相当あったわけでございますので、服務規律及び綱紀の保持という点に少し長いことばを使っておるという点が違っておるわけでございます。
○岩間正男君 具体的に聞きますがね、こういう点、どうです。四十四年度の方針には、「勤勉手当、特別昇給について勤務成績本位の運用に力点をおく」というこういう項目は、これは四十三年にはなかったですね。今度つけ加えたわけですね。これはどうなるんですか。
○政府委員(栗山廉平君) 昨年度におきましては、一番最後のところに、「勤務評定の結果の活用」ということで、「職員の能率の発揮と適正な処遇をはかるため、勤務評定の結果を給与制度の運用や昇進、配置との関連において活用するほか、能力開発等職員の指導面にも活用するようにつとめる。」という文句で、大体似たような文句でございます。
○岩間正男君 似たようなというけれども、この「勤勉手当、特別昇給について勤務成績本位の運用に力点をおく」というのだから、ここが一つの重心だ。 第二は、四十三年度の大綱には「民主的職員団体からの交渉申入れについては積極的にこれに応ずることとする」ということがあったのですね。ところが四十四年度では、こういうことは昨年から消えているのです。これはどういうことですか。
○政府委員(栗山廉平君) その年その年の重点を書いたわけでございまして、ここにないからといいまして、それをしないというわけではございません。昨年これをつとめまして、これは当然このこととしていたしまして、そのほかに、ことしはこれを重点として考慮しようということでございます。
○岩間正男君 こういう条項は、これは何べん強調してもいいことですよ。だから本年度の方針からこれが消えているということじゃやはりまずい。ですからこういう点は、むしろいまの現実の情勢の中では、これはほんとうにうたわなくちゃならない問題です。 第三に、違法行為についてですが、四十三年度大綱では、「厳正な処分」となっていたのが、四十四年度方針では、「すみやかに厳正な処分を実施すること。」といって、「すみやか」という文言が入っていますね。これは処分だけは敏速にやってしまうということですか。
○政府委員(栗山廉平君) 処分につきましては、やはり足並みをそろえて、すみやかに歩調をそろえてやっていきたいという意味をあらわしたわけでございます。
○岩間正男君 第四に、庁舎管理規則、それを見ますと、四十三年大綱では、「庁舎管理の運用面における各省庁の共同歩調に重点を置いて」となっていたのが、四十四年度方針では、「争議行為、違法不当な政治的行為等の防止については、庁舎管理規則の適正な運用に待つところが大である」として、全体として非常にそういう点を強調している。これはまあ以上あげたような四点ですがね、非常に強化されている。それで職員に対する締めつけというのは、これでは非常に強化されてくるというふうに思うのですがね。こういう点はどうなんです。
○政府委員(栗山廉平君) 庁舎管理の問題につきましては、ことばが少しいまおっしゃいましたように違ってはおりまするけれども、従来から庁舎管理についての違法、不当行為との関係は念頭にあったわけでございまして、格別にこれによって従来と方針が異なったという意味ではございません。なお、先生がおっしゃいましたような締めつけとかいうような意味は、特に意図しているわけではございません。この中をごらんになればわかりますように、職員の福祉の増進、表彰の実施といったような点も、これは重点事項として入っておるわけでございます。
○岩間正男君 そういう説明をされますがね、これはあなた方出すほうではどういう意図か知らぬが、下のほうで実施をするときには非常にそういうところが重点になってくるんですよ。それで責められるんですよ。だから、それはやはりいまの非常に諸情勢の緊張が増大するというふうなことでこれは出されて、そしてそれが下のほうで著しく評価されるというようなことになれば、非常にこれはやはり職員に対する圧力が加えられてくると思うので、そういう点でたとえば正当な組合活動に対する規則というようなものがいまあげたような条項から見ても非常にきびしくこれはなってくると思うんです。大体人事管理ですね、人事管理をやるのになぜ一体「庁舎管理規則の適正な運用」、こういうことが関係があるのか。人事管理とそれから庁舎管理というのは全く別の問題だと思うんだけれども、こういうものがなぜからまっていまの時限で出されてくるのかということが問題だと思うがどうですか。
○政府委員(栗山廉平君) 岩間先生もよく御承知だと存じますが、役所の建物、あるいは敷地と申しますか、土地は、これは御承知ように、公務を、公の仕事をやるために設けられておる。それを行政当局なり政府機関なりがお預かりして公務の適正な執行のためにこれを管理する、こういうわけでございます。したがいまして、単に火災予防といったような、あるいは中をきれいに保つというような、建物ないし敷地等、物件だけの管理には終わらないわけでございます。もちろん、それが非常に大きな部分を占めるかと存じますが、公務が公正に適正に行なわれるという目的を持っているわけでございますから、そういう意味におきまして、これと相反するような場合にはその目的を優先させるということから関連が出てくるというふうに御理解を願いたいと思います。
○岩間正男君 そう言われますが、これは庁舎管理規則ということを口実にして実際は組合運動そのものを制限すると、そういうことがこのねらいになっているんじゃないか。そういう点がいままでのこれはやり方の中でずいぶんあらわれているわけですよ。ここのところ二つをいかにもからみ合わせてやっているところに私は問題があると思う。これと関連してお聞きしたいんですが、あなたのほうからもらった資料です。この中でどうですか。資料が抜けているんだな。これはどういうわけなんだ。これはあなたのほうで出した資料ですね。五ページから七ページになっている。六ページが抜けておる。これは何か意図のあってのことですか。どうしてこんな資料を……。
○政府委員(栗山廉平君) いま先生のおっしゃいましたのは何という名前の資料ですか。
○岩間正男君 人事管理運営方針、四十四年度の。
○政府委員(栗山廉平君) 六ページはもともとございません。別紙第一が五ページで終わっておりまして、印刷の関係上、別紙第二が七ページから始まっておるのでございますので、六ページは全部ブランクでございます。
○岩間正男君 これはおかしいんだな。これはあるんじゃないんですか。庁舎管理の重点細目というんですが、これはなぜ抜けているんだ。資料に抜けているんじゃないの、どうですか。
○政府委員(栗山廉平君) 印刷の関係上、六ページは全部ブランクでございまして、私、原本を持ってまいりましたが、版組みの関係だったと思いますけれども、六ページは全然印刷がございませんから御承知おきを願いとうございます。
○岩間正男君 これは配付したのですか、この部分。庁舎管理の重点項目は、「一、集会等のための一時使用を認めてはならない場所を限定列挙し、これらの場所の使用は各省協同して認めないこととすること。 二、庁舎の一時使用を認める際は、所定の手続を励行させるとともに、一時使用を認めるときは、所要の条件を明示し、その条件違反に対しては、断固たる措置をとるものとすること。 三、職員の勤務条件に直接のかかわりを持たない政治問題に関するもので、公務所ないし公務員の政治的中立性について疑いを抱かしめるおそれのある文書・図画等は、庁舎内に掲示を認めないものとすること。」 こういうやつが抜けてるんじゃないですか。
○政府委員(栗山廉平君) ただいまお読みになりましたことは、この方針に沿いまして各省の人事管理官において申し合わせを別途いたしたいというものでございます。
○岩間正男君 なぜ最初に公表したものを認めないんですか。ぐあいが悪かったのですか、何かこれ発表することに。どうもおかしいですよ。われわれも見ていてふしぎに思う。五ページまで来て七ページに飛んでいる。六ページの中身というのはどうもいまのようなことらしい。こういうことになると、これを申し合わせ事項にするところにおかしいところがある。ここにこの方針に問題点があるとせざるを得ない。そうとられてもしかたがないでしょう。これはどういうことなんですか。
○政府委員(栗山廉平君) 先ほどから申し上げましたとおり、この運営方針につきましては六ページはブランクでございまして、これは印刷の関係がございますが、お手元に差し上げてるとおりのことを決定したわけでございます。これを決定したあとにおきまして、いまの「庁舎管理の適正運用」のさらにそれの細目と申しますか、ということで、これのあとでこういうものを、三項目を申し合わせたというのでございまして、初めから、ただいまお読み上げになられました三つの点は入っておったわけじゃございません。あとから申し合わせで、細目として申し合わせしたということでございます。
○岩間正男君 じゃ、細目を出してもらいたいのですがね。それでどうなんです。この三項目については確認しているんですね。これはあとで出してもらうこととして、いまの読み上げた事項がそのとおりらしいからお聞きしたいが、「集会等のための一時使用を認めてはならない場所を限定列挙し」とあるが、従来慣行として認められていたもの、こういうものもこれは限定列挙するんですか。これを禁ずるんですか、どういうことですか。
○政府委員(栗山廉平君) われわれの考えておりましたものは、たとえば国民の皆さまが公務のために出入りなさいます玄関とかあるいはエレベーターの前のたまり場とか、そういう公務を行なうために非常に差しつかえるという点のところは、これはそういう集会等のためには使うことは認めないようにしよう。比較的差しつかえのない、たとえば講堂とかあるいは会議室とかないしは中庭といったようなところを重点にいたしていこうという気持ちがあらわれているわけでございます。
○岩間正男君 慣行もこれは認めないということなんですな。そうすると、慣行を制限すると、こういうことですか。これはどうも農林省の場合どうですか。これはどういうことになりますか、いままでの話し合いは。
○政府委員(栗山廉平君) たとえばこれは個々の省でよくわかりませんけれども、詳細には承知いたしておりませんけれども、たとえば正面玄関で集会をするというようなことが従来あったとしますならば、これはやはり避けていくべきである。国民の皆さまが国民にサービスをする役所に出入りをする場所の前でそういう集会をやられるということは、たとえ従来事実があったとしても、避けていくべきである、こういう気持ちでございます。
○岩間正男君 そういうふうに説明していますけれども、実際の運用の面では非常にこういうような文書がこれは一つの根拠になって、それでやはりいままで認められたものがどんどん制限されてくる。こういう方向に動いているのがいまの現状ですよ。したがって、私たちはこれを問題にしているわけです。大体、公務員がそこで働いている、そういう職場の中で、あまり実際は公共のじゃまにもならないような、そういうことまでずいぶんじゃましてきている。もっとひどいのがありますね、最近は。それは非常にきびしくなってきている。公務員の活動というようなものが制限されているところが問題だと思う。 それから、庁舎の使用についてですが、「条件を明示する」とあるが、従来たとえば慣行として電話一本でその使用を認めていた、こういうものなどについても新たにこれは制限を加えるということですか。それから「断固たる措置をとる」というのはどういうことですか。
○政府委員(栗山廉平君) 先ほどから申し上げますように、庁舎はこれは公務——国民のために公の仕事を行なうというところでございまするから、おのずから、組合がたとえば集会をするというような場合には、その公務を行なうための目的との間に条件が違ってくる場合があるわけでございます。したがいまして、そういう場合に条件を付する。こういうふうに使ってくれ、あるいはこの時間で切ってくれというような条件がつくわけでございます。その条件がついて初めて使用を認めるということでございまして、この条件をのんだ上で御使用願うわけでございますから、それの違反に対しましてはやはり断固たる措置をとる必要がある、こういうことでございます。
○委員長(八田一朗君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
○岩間正男君 そういう強引なことはやめなさいよ。わずか五分やそこらじゃないですか。
○委員長(八田一朗君) 次に、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○岩間正男君 わずか五分や何じゃないですか。最初から予定した時間を——結局は損するじゃないですか時間を。そういうやり方はいけないですよ。そういう安易なやり方はいかぬ。
○委員長(八田一朗君) 速記をとめて。
○委員長(八田一朗君) 速記を起こして。
○前川旦君 それでは午前中に引き続き若干質問いたします。 最近たいへん問題になっております、七〇年を控えての自衛隊の治安出動の問題で若干伺いたいと思います。この治安出動につきましては、自衛隊法七十八条で規定があるわけですが、ここで述べられている「間接侵略」というものについて確定的な定義というものがはっきりしていないように思います。一体、国際的な通念としての確定した定義があるのか。あるいは日本の場合、最終的、確定的といいますか、「間接侵略」についての七〇年を控えての明確な定義といいますか、考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(有田喜一君) 私どもは、間接侵略というのは、外国の教唆または干渉による大規模の内乱または騒擾ということを間接侵略と申しております。
○前川旦君 それは、前には「外国の教唆」ということばを使ったり、「扇動」ということばを使ったり、いまのは「干渉」ということばを使われましたが、その辺、いろいろ言う人によって違うんですね。ですから、そこのところをはっきりしてもらいたいのです。これからあと混乱しないように、いまの「教唆」、それから「干渉」、これでよろしいですか。どうなります。
○国務大臣(有田喜一君) さように考えております。
○前川旦君 いまあなたの言われた「教唆」、それから「干渉」のほうでこれから通すわけですか、「教唆、扇動」でなくて。それでよろしい、かように考えておりますということですが、具体的に、初めに言われた「教唆、干渉」ということですか。
○国務大臣(有田喜一君) 「教唆または干渉」ということです。
○前川旦君 そういたしますと、前の増田長官は「教唆、扇動」ということばを使われたのですが、これから「教唆、干渉」ということになります。こういう教唆、干渉によって起きたもの、つまり、大規模な騒擾といわれるものが、その原因が教唆であり、干渉によって起きた。つまり、それが原因であるということが一応間接侵略というふうに考えれば、きびしい一つの要件になると、こう考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(有田喜一君) さように考えております。
○前川旦君 自然発生的に起こって、あとで干渉のようなものが加わるという場合は、それではこの間接侵略に入らないということになりますか。これはどうなりますか。
○国務大臣(有田喜一君) 自然発生的に一つの内乱のようなものが起こった、これは私は間接侵略じゃないと思っておりますけれども、自然発生的の、何ら外国からの教唆とかそういうことがなくて、自然発生的に起きたものですね、しかし、調べてみて、それがもし外国から手が回っておるということになれば別ですが、全然、自然発生的に起こった場合は間接侵略とは考えておりません。
○前川旦君 それじゃ、事後に外国からの干渉がかりにあったとしても、それは間接侵略とは、いまの話では、言えない、こういうふうに解釈してもよろしいですね。
○国務大臣(有田喜一君) あとから干渉が加わったことがわかれば、その時点から間接侵略になる、こう見ていいと考えております。
○前川旦君 その辺、さっき言われたことと……あなたちょっと笑っていらっしゃるけれども、やはりちょっと違うじゃありませんか。初めのほうは、それが原因で——多国の教唆、干渉によって起こされたもの、それ以外は間接侵略と言えない。あとから加わったものも、初めは自然発生的であっても間接侵略になる。その辺ははっきりしないといけないと思うのです。でないと、間接侵略とはどういうものか、これはあとあと影響がありますから、その辺のことを、実ははっきりした、あとで混乱を起こさないことを、最終的なことを聞いておるのです。もう一度いまのをすっきりさせてください。初めに加わったものとあとから加わったものといろいろありますね。その点いかがでしょうか。
○国務大臣(有田喜一君) 間接侵略につきましては、「外国の教唆または干渉による大規模の内乱または騒擾」と言いましたが、そこで、自然発生的に起こったのはどうかというお尋ねでしたけれども、自然発生的なものは、これは間接侵略と言えない、しかし、あとからそれに外国の教唆が加わって、そうしてその事態が明らかになってくると、その時点から私は間接侵略、こう解釈してしかるべきだ、かように考えております。
○前川旦君 「教唆、干渉」ということばは非常にあいまいですな。どういうことをもって教唆と言うのか、どういうことをもって干渉と言うのかということは、取り方によってずいぶん変わってきますね。ですから、乱用して大きく広げて考えると、幾らでもこれは当てはまるようになるし、狭く解釈すれば間接接略となかなか言いがたいということになってきますが、その辺なかなかむずかしくなります。 そこで、私はひとつ具体的に伺いたいのですが、たとえば某国、まあある国ですね、X国としましょうか。かりにX国が武力攻撃を日本にかけてくる。それに呼応して、たとえば日本国内に住むX国の国籍の人が決起する、立ち上がって行動に移る、こういう場合はどうですか。教唆、干渉ということで間接侵略とみなされますか。
○政府委員(宍戸基男君) お尋ねの事柄が、直接侵略、間接侵略、あるいは普通の意味の国内的な緊急事態といいますか、治安が乱れた事態の問題だと思いますけれども、その境目は、具体的に一線を画することはなかなかむずかしいと思います。そういう前提で——しかし先生のほうから具体的な例を示してお尋ねでございますので、それに当てはめてわれわれの考えを申し上げてみますと、いまお示しの、他国の直接侵略が、つまり武力攻撃がすでにあったということを前提にして、そのX国に呼応してわが本土から呼応した武力といいますか、治安撹乱的な騒擾が起きるというふうな場合のことを考えてみますと、一般的にはむしろ直接侵略の一部ではないかというふうに考えられる場合が多かろう。たとえば具体的な場所を示してもいかがかと思いますが、たとえば北海道なら北海道にそういうことが、直接侵略があった。そこはまさに外国からの武力攻撃である。これは典型的な例です。しかし、その北海道の少し離れた所で、すでに武器なりその他のものを某国から持ってきて、それに呼応する準備をしておった者が、某国の上陸と同時に呼応して背後から襲うというのは、全体から見ると直接侵略の一部であるというふうに考えられる場合が多いのではなかろうかという感じがいたします。ただ別の例で申し上げますと、北海道に直接侵略があった、同時に今度は九州のほうでそれに、某国に呼応して内乱的な事態を起こしたということになりますと、これは北海道には直接侵略、同時に九州で間接侵略があったというふうに言えるのではないか。九州のそういう事態を間接侵略としてとらえて、わがほうは北海道には防衛出動で対処するし、九州のほうの呼応した者に対しては治安行動として対処する、こういう事態も考えられる、こういうことになるかと思います。
○前川旦君 その場合には、必ずしも外国の教唆、干渉がなくても、必ずそれが要件というのじゃなくても、それに呼応して自主的に起きた場合でも、これはやはり間接侵略というふうにみなす、こういうわけですか。そういう解釈になりますか。
○政府委員(宍戸基男君) 私の申し上げたのは、直接侵略か間接侵略かということで、同じ北海道で起きれば、まず直接侵略の中に含まれるであろう。非常に場所が違えば、必ずしも直接侵略の一部とはみなされない場合があるでしょうということをおもに申し上げたわけですが、その間接侵略ということを申し上げる以上、単なる国内の治安撹乱とは違って、外国の某国の干渉なり教唆なりがすでにあったということを前提にして申し上げたつもりでございます。
○前川旦君 それでは、たとえば他国から武器を送り込まれた場合は、これは明らかに干渉になりますか、この場合はどうですか。
○政府委員(宍戸基男君) お話のとおりと思います。
○前川旦君 同じように、他国から指示、指令を受けている場合も、これは教唆あるいは干渉になると思いますが、どうですか。
○政府委員(宍戸基男君) お話のとおりでございます。
○前川旦君 そういうものがなくても、たとえば他国から資金援助を受けている場合はどうですか。
○政府委員(宍戸基男君) それも当たると思います。資金援助があれば、間接侵略と言うべきではないかと思います。
○前川旦君 資金援助というのはこれまた非常にむずかしいですが、その行動に直接その資金援助が関係のある場合というふうに、やはり狭く考えるのが適切じゃないですか。その資金援助というのは、たとえば前々からずっと連続して平常なときにもあったというのじゃなくて、やはりそのものに関係してあったということで、それは干渉というふうにみなすと、こういうことですか。
○政府委員(宍戸基男君) 資金援助ということばから、要するに金を何らかの方法で送って援助して、その内乱、騒擾を某国が助けたということであれば間接侵略、いわば他国からの教唆的な教唆、干渉に当たって、間接侵略になるというのが普通ではないかと思います。
○前川旦君 それでは、たとえばそういう行動をする集団がよく最近はやっていますね。外国の指導者の肖像を掲げてやるのがありますね。具体的に言うと差しさわりがありますが、ゲバラとか、何とかかんとか、そういう場合はこれはどうですか。やはりこれは外国の教唆の中に入りますか。
○政府委員(宍戸基男君) 外国の人の特定の人物の肖像だけを掲げて騒ぎ回るということがあるとしますと、それで教唆、干渉があったというふうには普通言えない。間接侵略でなくて普通の意味の内乱、騒擾事態であるというふうに考えるのが普通ではないかと思います。
○前川旦君 同じように、外国の指導者の言っていることとか、その理論とかを用いている場合も、やはり肖像の場合と同じようだと思いますが、これはいかがですか。
○政府委員(宍戸基男君) お話のとおりと思います。
○前川旦君 たとえば一つの騒ぎがあります。たとえば学生の騒ぎなんかがあります。外国からの日本向けの放送がその行為を賛美し、非常に何というか、その勇敢さをたたえ賛美している、そういう放送がしょっ中外国から入ってくる、これはどうですか、教唆の中に入りますか、考え方として。
○政府委員(宍戸基男君) この場合もなかなかむずかしいと思います。この場合は、ことばによって教唆し得る、干渉し得る場合が十分ありますから、ある騒擾事態があって、それをいわばおだてるといいますか、賛美するといいますか、それによってさらに騒擾をエスカレートさせるというふうな因果関係がある場合には、教唆、干渉と判断していい場合がありましょう。つまり、とにかく内乱、騒擾的な事態があるわけですから、それと因果関係があれば教唆、干渉ということが言えるでしょうし、それと直接の因果関係がなくても、あるイデオロギーならイデオロギーを外国放送が宣伝している、内乱、騒擾と直接の因果関係はないという事態であれば、直ちに教唆、干渉とは言えないというふうに申し上げていいかと思います。
○前川旦君 教唆というと、かなり厳密にやはり解釈しなければいけませんね。それから前に増田長官が扇動ということばを使った。扇動というのは非常に幅が広い。それをいま一応くずされて、干渉というかなりシビアなことばに置きかえられましたね。学生が非常に騒いでいるのを、外国から日本向けの放送でどんどんそれを賛美するというようなこと、これは非常に広い意味の扇動にも入るかもしれませんね。しかし、わざわざのけられました。ですから、干渉、教唆ということではちょっとこれは不自然ではないか。それはちょっと少し無理じゃないかというふうに思いますね。これはどうですか。
○政府委員(宍戸基男君) 具体的な事態にもよると思いますけれども、すべてが教唆にかかるかどうかももちろん断定はできませんし、すべてがかからないとも申し上げにくいわけですが、要するにそそのかすという、具体的に内乱、騒擾的な事態があるとして、それをそそのかして教唆と、簡単に言えばそういうことですから、向こうのその放送を客観的に聞いてその内乱、騒擾的な事態の人々がそれによって影響を受けているというふうに判断されるときには教唆といってもよろしいでしょうし、それと直接因果関係はなさそうだということであれば教唆、それから干渉には当たっていないというふうに申し上げるしかないんじゃないかと思います。
○前川旦君 たとえば外国の放送が、次は放送局をやりなさいとか、次は発電所に行くべきだとか、そういうふうになれば、これは教唆と言えるでしょうね。これは法制局の第一部長にも返事してもらいたいが、これは刑法でいう教唆と似ていると思いますが、同じだと思いますが、一般的にそれを鼓吹している、激励している。これば教唆、干渉にはならぬと思いますよ。それを一々教唆、干渉ということになると、外国から、何と言うか、日本のいろんな政治活動をたたえるということはしょっちゅうあります。それは全部間接侵略だということになったらたいへんなことになりますよ、どうです。
○政府委員(宍戸基男君) 肝心なことは、単に外国からの放送等でたたえているとか、おだてているとか、けなしているとかいうことでなくて、内乱、騒擾的な事態がありませんと、間接侵略にはもちろんならないわけです。一般的にいろんな放送が日本をけなしたりほめたりしていると思いますが、それはもちろん先生のおっしゃるように間接侵略になるわけじゃありません。具体的な内乱、騒擾的な放送等が現にある、ありそうだということと外国放送との結びつきがどうなるかということにポイントを置いて考えるべきじゃないかと思います。
○政府委員(真田秀夫君) 教唆の件でございますが、刑法でいっている場合の教唆と、それから間接侵略の定義として用いている教唆と必ずしも同じだとは言い切れるかどうか疑問でございますけれども、教唆といい、あるいは干渉といい、ことば自身の意味からいたしまして、ただ単にある国で自分のイデオロギーの宣伝をしている、日本のほうで要するにそれを受けまして内乱、騒擾が起きたということだけをつかまえて、これが間接侵略だというのは何かやはりいかにも不自然なように思います。それは具体的には一々のケース自体によりまして、やはり教唆し、あるいは干渉する、される、その国のほうのやはり意欲がある程度、どの程度かはなはだ微妙なことがあろうかと思いますが、ある程度の意欲がくみ取れるというような場合じゃなかろうかと思います。大体、防衛局長がおっしゃったことでよろしかろうと思います。
○前川旦君 これはやはり因果関係というものが十分に証明されないと、間接侵略はあまり広くなり過ぎると思いますがね、どうですか。そこがやっぱりポイントじゃないんですか。
○政府委員(宍戸基男君) そのとおりと存じます。
○前川旦君 それでは、同じ条項に出ております「その他の緊急事態」というものについて、先ほどと同じように、従来いろいろありましたが、この際はっきりおっしゃっていただきたいんです。「その他の緊急事態」とは一体どういうものか。
○政府委員(宍戸基男君) 七十八条で「間接侵略その他の緊急事態」ということばがございますが、間接侵略というのは、いまお話のとおりの事態でございますが、これが例示にあがっておりまして、「その他の緊急事態」といいますのは、間接侵略的なことに近い、しかし別にいま先生がずっとお詰めになりました外国からの教唆あるいは干渉がなくても、国内的な治安の乱れ方が相当規模が大きい、内乱、騒擾的な事態であると、簡単に言えばそういうことで別に刑法でいう内乱罪なり騒擾罪が成立するということを申し上げているわけじゃありませんが、常識的に言いまして、そういう大規模な治安の乱れ方があると、同時に次のことばにも出てまいりますが、一般の警察力をもってして対処しがたい事態であるというような事柄をここでいう緊急事態と申し上げてよろしいかと思います。
○前川旦君 一般の警察力で対処しがたい大規模なものであって間接侵略には当たらないものをすべて言うというふうなことなんでしょうか。そういうことですか。
○政府委員(宍戸基男君) 広く申しますと、間接侵略が例示ですから、広い意味では緊急事態の中に間接侵略が一つあって、それ以外の、間接侵略に至らないでそれに準ずる程度の大規模な治安の乱れ方というものが残った緊急事態と申し上げるべきであろうと思います。
○前川旦君 それは具体的な例を言っていただけば一番わかるのですがね、たとえばというような話で。そうすると、一番理解ができますが、これはどうですか。
○政府委員(宍戸基男君) さいわいにして、自衛隊ができましてからこの条文を発動する事態がございませんでしたので、ごく具体的に申し上げるのはなかなかむずかしいわけですけれども、過去の事態をとらえてみますと、たとえば関東大震災、これは私は当時まだ子供で東京にもおりませんでしたので十分に想像もできませんけれども、一般に言われている関東大震災的なことが緊急事態の典型的な種類ではなかろうかという感じがいたします。
○前川旦君 先ほどの外国からの放送云々は、あなたのおっしゃったことを私承服しているのではないんですよ。これはちょっと保留にしておきましょう、これはじっくりやらなければいかぬ問題ですから。 そこで、それじゃ警察庁からも来ていただいておりますので補足もしてもらいたいと思いますが、ここで言う「一般の警察力」——「一般の警察力」というのはこれはどういうことをさしているのでしょうか。一般の警察力以外に何かほかのことがあるのでしょうか。特別に一般ということばをここで使われるのはどういうふうに解釈すればよろしいのですか。
○政府委員(川島広守君) ただいまお尋ねの一般の警察力という意味、内容でございますが、われわれといたしましては、さまざまな事態がそれぞれの都道府県の中に起こるわけでございまして、その都道府県につきましてそれぞれの治安対処能力を持っているわけでございますが、それで足りない場合には警察法六十条によりましてそれぞれ支援することになっております。したがって、その支援することを含めまして可能な範囲の努力をした場合の治安対処能力と申しましょうか、そういうものを一般警察力と、こういうふうに理解するわけです。
○前川旦君 そうすると、全国的な目で見て、全国的な警察力のトータルとしてできるだけの努力をしてみてということが一般の警察力と、ここで具体的な内容というとそういうことに理解してよろしゅうございますか。全国的な立場で最大限の動員をする、一つの地方に。一般の警察力というのは、一つの自治体ということでなくて、警察全部トータルとして可能な限り全国的な動員というふうに考えてもいいわけですね。
○政府委員(川島広守君) おおむねいま先生おっしゃったとおりだろうと思いますけれども、警察の果たすべき責務はたくさんございまして、いわゆる治安保持の出動といいますか、われわれが治安問題に対処するだけでなくて、広い意味の後方治安等もございますので、あらゆることを勘案して警察力の配分なりあるいは配置なりというものを考えてまいります。全体的なトータルの意味で、北は北海道から鹿児島までそれぞれ必要なる警察力は六十条によって相互支援をするわけでありますから、そういう意味では先生のおっしゃったとおりだろうと、こういうふうに考えております。
○前川旦君 地方自治体の長は当然知事だろうと思いますが、知事の要請による出動というのはその警察の警備体制とどういう関連がありますか。一地方自治体で起きたことですから、これは一地方自治体で起こったことであっても、全国的に動員しても治安維持ができない、こういうときには地方自治体の首長が要請するということになるんでしょうか。地方自治体での要請による動員と、警察の総体としての警察力の不足ということはどういうことになります、関係は。——八十一条。
○政府委員(宍戸基男君) 七十八条と八十一条の差のお尋ねかと思いますが、八十一条の場合は、まず知事が判断されるというところに意味がある。警察との関係は、知事は警察の管理機関である公安委員会と協議をされて判断されるというたてまえになっております。七十八条は、御承知のように総理が判断される、直接、防衛庁長官はもちろん補佐されるわけですけれども、直接、総理が判断される。八十一条は知事が判断された上で、さらに総理が判断されると、こういう仕組みになっております。そこを、つまり地方自治体の長としての知事が治安の乱れ方で警察力を、もちろん第一義的には警察で対処される、そのために公安委員会と協議されるわけですが、自分の県の警察力以外にも警察庁と協議されて他府県の警察の応援を求めるということが十分警察法上可能でございます。そういうことを十分手を尽くされた上で、なお警察力をもっては不十分であると、これは質的に不十分である場合がありましょう、それから量的に不十分である場合もあると思いますが、そういうことを警察の管理者である公安委員会と協議をされて判断されるというのが八十一条の趣旨であると、こういうふうに考えております。
○前川旦君 そうしますと、この場合にも七十八条に規定した一般の警察力をもってしては、トータルとしてのこれがやはりかぶさってきて、対処できないということがやはり一つの要件になると、こういうふうに理解してよろしいんですか。
○政府委員(宍戸基男君) 法文上は先生よく御承知のように、七十八条には法文上直接に一般の警察力をもって治安を維持することができないというふうに法文上の要件にしてあります。八十一条の場合は、法文上はそれと同じことばではございませんで、「治安維持上重大な事態につきやむを得ない」というふうに知事が判断される、あるいは総理が、「事態やむを得ない」と判断されるというふうに法文上のつくり方は若干違っております。その違い方はやはり地方的な判断のしかたと全国的な判断のしかたということの違いがあるということを先ほど申し上げたわけですが、しかし、一般の趣旨としましては、法文上、片一方を一般の警察力をもって十分でないというふうに八十一条に書いてないからと言って、まだ警察力で対処できるのに自衛隊を出す、出していいということが八十一条に含まれているとはわれわれ考えておりません。やはり治安維持は第一義的に警察力であるということは七十八条の場合も同じである。軍隊と言いますか、自衛隊的な軍隊的な組織は、やはりそういうところには、警察力をもっては不十分であるということが明確な場合に初めて出るべきであるという趣旨に考えております。
○前川旦君 くどいようですが、そうすると、一つの地方自治体の中で起こった問題だと、地方的な。だからといって、その県の警察力だけというその県の警察力では不十分だということだけでは、これは要請はできないというのですね。結局、他府県にも応援を求めることもあるでしょうから、この七十八条で言っていることと同じような一般の警察力という観念で努力して集めて、努力してもなおかつだめだというときでなければいけないというふうにおっしゃったと思います。そのとおりですか、そのとおりですね。私そのとおり理解してよろしいですか。
○政府委員(宍戸基男君) 繰り返すようでございますが、先生のお話のとおりで、法文上の若干の違いはありますけれども、趣旨としては、まず警察力をもって対処すべきである。その警察力はその県だけの警察力ではなくて、しかるべき事件を考えた上で、しかもなお足らないということが八十一条に含まれているという趣旨として、私どもはそう考えております。
○前川旦君 この八十一条の場合は、知事の要請ということがこれは絶対的な要件になっておりますね。ところで、知事がもしかりに要請しない場合でも、知事から判断すると一般の警察力で十分やれると——知事の判断はですよ、要請しない、そういう場合に、たとえば七十八条で総理大臣が、知事はそう判断しているけれども、総理大臣は、これはとてもだめだ、出さなければだめだと判断すれば、治安出動を命ずることができるのでしょうか、地方的な騒動と七十八条との関連です。
○政府委員(宍戸基男君) これはなかなかむつかしい問題だと思います。ただ、法律的に申し上げますと、結局は総理が判断されることになろうかと思います。ただ、八十一条と七十八条と両方ございますので、八十一条的な事態であるとかりに客観的に考えた場合には、八十一条にきめてあります知事が判断され、公安委員会と協議の上で判断されるという手続を踏まれるべきが当然であるというふうに考えます。ただ、実際の事態は各種各様でなかなかむつかしいと思います。といいますのは、両方の意見が合致する場合にはもちろん問題はございません。先生のおっしゃるのは、主として知事の判断と総理の判断とが食い違うように見える場合ではないかと思いますが、この食い違いの型も実際のことを考えてみますと多種多様で、つまり、ある県だけで見ますと知事は公安委員会と協議されてもまだ警察でその県——知事は周辺のことももちろんお考えでしょうけれども、主としてその県をお考えになると、A県ならA県の立場でお考えになって、まだ全般的に見てだいじょうぶじゃないかと思われる場合もあり得ると思います。しかし、全国的に見ますとA県だけではそうかもしれない、しかし、B県、C県、D県とあわせて考えると、警察ももうB県からA県に応援に行けない、D県からも応援に行けないというふうに総合的に判断されると、七十八条の事態と判断されてしかるべきであるという場合もあるいはあるかもしれません。しかし、原則的に申し上げると、地方的なことで判断する場合は八十一条の手続を踏まれるのが当然であるということは原則的に申し上げられると思います。
○前川旦君 そこで矛盾がちょっと出るのですね。七十八条の命令による治安出動で、全国的な規模による大規模な内乱騒擾ということばがありました。全国的な規模というのは、全国的というのは地域的という形での全国的だと思います、当然に。そうすると、一つの県だけで非常に騒乱状態が起きた、知事は自分の説得なり警察なりでやっていけるというふうに判断しているから要請しない、そういう場合に、七十八条で知事のあれを飛び越えて総理大臣が七十八条を適用して、全国的規模でなく、一地方的なことに七十八条の適用をして治安出動を命ずることが法律上できるかどうかということを実は伺いたい。
○政府委員(宍戸基男君) 条件の置き方としまして、全国的な規模にはまだ至っていないと客観的に明白であると、一県だけの事態であるというふうに条件を設定しまして、そしてその県、まあA県ならA県だけの判断でよろしいと、その場合にですと八十一条の規定でいくべきである、その事態が非常に濃厚である、警察力をもってとうてい対処できない程度の事態であるというふうに客観的に考えられる場合には、公安委員会と知事さんとは八十一条を発動されることになろうかと思います。そのちょうど境目は、きょうはまだ早い、一週間後にはよくなるかもしれぬが、まだ早いというようなデリケートな事態は十分あると思いますけれども、たてまえとして八十一条に従って判断されると、公安委員会と十分協議されて判断されるという手続を踏まれるべきであるというふうに申し上げていいかと思います。
○前川旦君 私は純粋な法律論を実は伺いたいと思うのですよ。ですから、いまのは公安委員会と知事とが相談をしていろいろきめるのですが、知事がだいじょうぶだ、やれるという固い信念を地方で持っているのに、それを飛び越えて七十八条で、地方の知事の判断なり公安委員会を飛び越えて七十八条を適用することは無理があるだろうと思うのです。法律論としてそこを実は伺っているわけなんですが、その点ひとつ法制局でもいいですがね、これ純粋な法の解釈として伺いたいんですが。
○政府委員(真田秀夫君) お答え申し上げます。 条文で明らかなように、自衛隊法は治安出動につきまして、命令による治安出動と都道府県知事の要請による治安出動と二つの制度を設けて、二つについてそれぞれ手続と要件を書いているわけでございまして、そのうちの七十八条の命令による治安出動につきましては、その要件として、まずその治安の撹乱状態が全国的なものでなければならぬと実は押えていないわけでございますので、現行法の解釈といたしましては、その内乱、騒擾その他の治安の撹乱という事態が必ずしも全国的な場合でなければ七十八条は発動できないと、発動した場合に違法になるというふうにはやはり申しかねると存じます。ただ原則、たてまえとしまして、考え方といいますか、運用の方針と申しますか、それにつきましては、先ほど来、防衛局長からお答えがございましたように、地元の都道府県知事の判断というものをまず尊重して動かしていくべきだろうという、その精神といいますか、運用の心がまえはそういうところだろうと思いますけれども、法律論を言えとおっしゃいますと、やはり全国的なものでなければ七十八条は発動できないんだと、発動すれば違法であるというふうにはやはり申しかねるという解釈でございます。
○前川旦君 そうしますと、最初にお伺いした七十八条の「間接侵略その他の緊急事態に際して、」云々というところで、やはりこれは全国的な規模の一般の警察力ではとてもやれない、全国的な規模でということばがありましたからね、そうすると矛盾をいたしますね、いまのあなたの法制局の解釈とは。それはどういうふうになります。
○政府委員(真田秀夫君) 七十八条が全国的でない場合に発動するのはいかなる場合かという御質問だろうと存じますけれども、たとえば間接侵略またはこれに準ずるような事由によりまして、現象的にはなるほど当該都道府県にのみ起きているけれども、それのいろんな要素から見て、あるいは質的に、あるいは時期的に全国的に広がるという要素を持っているというような事態も考えられるわけでございまして、そういうような場合はまさしく現象としては一都道府県の区域内の治安の撹乱であっても、それがこのほかにここに書いてあります警察力をもってしては云々という要件に該当するものである、やはり七十八条の発動は許されると見てしかるべきだろうというふうに考えております。
○前川旦君 全国的な規模に必ず発展するんだということではなくて、全国的な規模に発展しない、するおそれがないという場合には、これは知事が要請しないのにそれを飛び越えて七十八条適用できるというのは、少しこれは言い過ぎじゃありませんか、解釈として。それはどうですか。全国的な規模になっているとか、あるいはすぐ飛び火して全国的な規模になる危険性が十分に考えられるとか、そういうことであればまた別ですけれども、そうでない場合に、しかも、知事が要請したら別ですよ、要請しない、自分でやれるというのに、それを飛び越えて七十八条を適用するというのは、法の趣旨からいって少しおかしくなりはしませんか。
○政府委員(真田秀夫君) 私が先ほど引用の、心がまえとしてと申し上げましたのは、いまおっしゃった場合のことを実は頭に置いて言っていたつもりでございまして、要するに、条文自体の適用の場合はどうかということであれば、これは全国的な規模で治安の撹乱が起きたという事態のもとでなければ発動できないというものではないんだというふうに申し上げたつもりでございます。
○前川旦君 こればかりで時間とるの何ですから、それじゃ保留しておきます。またやりたいと思います。私、なぜこれをくどく聞いたかというと、たとえば沖繩で——沖繩復帰後の沖繩県ですよね、これ。ここでたとえば、この間のようなゼネストという態勢になる、知事が自分で押えられる、それをですね、飛びこえて、自衛隊の出動を命ずるということになると、これはたいへんなことになると思いますので、その辺のきちっと私はやはりけじめをつけてもらいたいと、それを踏まえて言っているのですから、これは次に保留しておきましょう。次に十分これをやりたいと思います。 そこで、次にお伺いいたしますが、自衛隊が治安出動をする場合ですね、その場合にはこれは治安出動に関する訓令とか、それから治安の維持に関する協定とか、いろいろまあこれあります。これ生きていると思うのです。そこでお伺いしたいのは、治安出動の際における治安の維持に関する協定、昭和二十九年九月三十日の協定ですが、最初の段階は支援後拠であるというふうにまず第一段がそうなっていますね。これは一体具体的にはどういうことを言っているのでしょう。具体的な例で、こういうのを支援後拠というのですというふうに実は答えてもらいたいのです。
○政府委員(宍戸基男君) 協定全文のことは御承知の上での御質問と思いますけれども、これは全体の基準でございますので、すべての場合にこれが当てはまっていくかどうかわかりませんけれども、まず典型的な支援後拠として活動する場合を考えますと、内乱騒擾的な事態が、ある場所にあって、それを、警察力が対処している、しかし、警察力に限界があって、それが長く続く、あるいは暴動起こしているほうの人たちがもっとふえそうだという場合には、もう警察力の限界がきそうだという場合に自衛隊が出て、そうして、その出た場合には直接その暴動的な事態に対処するのでなくて、いわば遠巻きに対処している警察力のうしろにうしろがまえとして控えている、自衛隊はすでにキャンプから出て出動していますけれども、直ちにその暴動の直接の鎮圧には当たらないという事態が考えられるかと思います。
○前川旦君 この協定のそれでは次の口ですが、警護すべき人物、施設ということばが出ておりますね。これはたとえば具体的にあげる警護すべき人物とは一体どういうのを念頭に置いてつくられたのか。あるいは施設とは一体どういうものを言っているか、具体的にひとつ例をあげてお答え願いたいと思います。
○政府委員(宍戸基男君) この口の項のことのお尋ねと思いますけれども、警備に関して警察力が不足する場合に、自衛隊が後方の防護対象から逐次警備を担任しというところの具体例と、こういうお尋ねと思いますけれども、この文章では、したがって、あまり人のことを、個人的なことはあまり考えているようには思いません。主として考えておりますのは、重要防護対象、たとえば東京のことを考えますと、東京で相当な騒動が起こっている、さらに、電源なら電源が切られる、遮断されるということであれば、それが一そう人心の不安を生むという場合に、相当遠距離に電源地帯がある場合に、その電源を十分守る必要がある場合、具体的に申し上げると、たとえばそんな場合が頭に浮かぶわけでございます。
○前川旦君 この協定のハは、イ、ロは言いましたが、ハは、直接鎮圧に当たる場合ですか、このイ、ロ、ハ通じて全部かぶさっていることは、「警察力が不足する場合においては」ということが実はこのイ、ロ、ハに全部かぶさっておりますね。ということは、この考え方は警察力が第一義的なものである、第一義的には警察力である、自衛隊はこれを補完するものである、ハの段階で、いよいよ最後になればこの中核体に当たるけれども、ここに流れておる考え方は、自衛隊はそれを補完するものである、こういうふうに実は受け取れるのですが、このようにとってもよろしいですか、この文章から。
○政府委員(宍戸基男君) まさにそのとおりでございます。
○前川旦君 こうやって治安出動で出ていった自衛隊はどういうことをするのですか。イ、ロ、ハを通じて、最終的には武器を使うという場合もあるでしょうが、主として機動隊と同じことを警察機動隊の補完としてやるのですか。たとえばいろいろジュラルミンのたてだとか、ヘルメットとか、ガス銃だとか、こん棒のかわりに木銃とか、いろいろお買いになっていらっしゃいますね。機動隊がやっていることと同じことを、服装は違うかもしれないけれども自衛隊はやるということになるのですか。警察力の補完としてやるのですか。
○政府委員(宍戸基男君) 部分的には機動隊と同じことをやる場合もありましょう。したがって、蝟集をなして火炎びんを投げる場合に対処するために、それを防護する準備もいたしておりますが、趣旨として機動隊と同じことをするために出るわけではございません。まさに、先生がおっしゃったように、警察力が不足するという場合に出るべきだと考えております。その出る場合のむしろ典型的な場合は、質的に警察力ではすでに及ばないという場合が第一に頭に浮かぶわけでございます。たとえば、もう単なる石が飛んでくるとか、火炎びんが飛んでくるとかというような事態でなくて、暴徒がライフル銃なり何なりを相当数手に入れた、ライフル銃には警察ではこれに対処できません。ガス銃でも十分対処できにくいという場合に自衛隊の火力がものをいう、それによって事態が鎮圧されるということが期待される事態で、初めて自衛隊が出るという場合がむしろ考えられる第一の場合ではなかろうかという感じがいたします。そういうことが想定される場合に、そういうことになりそうだという場合に、まあ支援後拠として出たり、直接出たりすることになるのじゃなかろうか。したがって、そういう力を自衛隊は持っておりますし、そういう事態を警察にかわって鎮圧するわけですが、しかし、そういう事態であるからといって、それじゃ自衛隊が出たどの地域においても全部相当な火力が飛んでいるかといいますと、ある中心地帯ではそういう火力を用いなければいかぬ事態が考えられますけれども、しかし、ほかの地域ではライフル銃じゃなくて石が飛んできたり火炎びんが飛んできたりする場合も十分考えられます。したがって、火力のほうの訓練は直接侵略の訓練として十分やっておりますから十分なんですが、警察的な機動隊的な訓練は実は自衛隊としては不得意なところで、装備もむしろ下限のほうの装備なんですから、必ずしも十分じゃないのですが、それをやはり補う必要がある、訓練もそこを補う必要があるというふうには考えておりますが、そのために出ると、趣旨として機動隊と同じことをするために出るというふうには考えておりません。
○委員長(八田一朗君) 速記とめてください。
○委員長(八田一朗君) 速記を始めて。 暫時休憩いたします。 午後五時三十五分休憩