内閣委員会 第20号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/06/12
会議録
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明を聴取いたします。原田運輸大臣。
○国務大臣(原田憲君) ただいま議題となりました昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております旧国家公務員共済組合法及び現行の公共企業体職員等共済組合法に基づく既裁定年金の額につきまして、このたび、別途今国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じまして、所要の改正措置を行なおうとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 まず、年金額の改定内容でありますが、公共企業体の共済組合が支給しております既裁定年金の額につきましては、昭和四十三年度におきまして年金額算定の基礎となる俸給を、昭和四十年度改定後の額に対し原則として二〇%増額することにより、その改定を行なったところでありますが、さらに今回、その増額率を四四・八%に改めることとし、昭和四十四年十月分以後、年金額を増額することといたしております。 次に、最低保障額の改正でありますが、旧法年金につきましては、退職年金及び廃疾年金の最低保障額六万円を九万六千円に、遺族年金の最低保障額三万円を四万八千円にそれぞれ引き上げることといたしております。 以上のほか、今回の恩給法等の改正案におきまして、傷病年金を併給されている普通恩給受給者の一部についての普通恩給額の是正、未帰還公務員の在職年の制限撤廃及び本土の公務員であった者等の琉球諸島民政府職員期間通算についての制限撤廃等の改正措置がとられることとなっておりますので、これに伴い既裁定年金額の増額等、所要の改正措置を講ずることといたしたものであります。 以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(八田一朗君) 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。 速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(八田一朗君) 速記始めてください。 —————————————
○委員長(八田一朗君) 同和対策事業特別措置法案を議題といたします。 趣旨説明を聴取いたします。床次総理府総務長官。
○国務大臣(床次徳二君) ただいま議題となりました同和対策事業特別措置法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 政府におきましては、さきの同和対策審議会の答申等の趣旨を尊重いたしまして、かねてより同和対策事業の積極的な実施につとめてまいったところでありますが、さらに、昭和四十四年度からは十カ年計画で同和対策長期計画を発足させ、これを一段と推進いたしたいと考えております。 しかしながら、この問題を一日も早く解決するためには、この際、各省庁が実施している同和対策事業についてその目標を明らかにし、この目標を達成するための財政上の特別措置を講ずることが緊要事と考え、ここに日本国憲法の精神にのっとり、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域を対象とし、当該地域における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上等に寄与することを目的として、同和対策事業特別措置法案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案のおもな内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一に、国及び地方公共団体が協力して行なう同和対策事業について、その目標と内容を明らかにしたことであります。すなわち、対象地域における住民の社会的経済的地位の向上を不当にはばむ諸要因の解消をはかることを同和対策事業の目標とし、そのため、生活環境の改善、社会福祉の増進、産業の振興、職業の安定、教育の充実、人権擁護活動の強化等、必要な措置を講ずることとしたことであります。 第二に、同和対策事業の円滑なる実施をはかるため、国及び地方公共団体並びに国民の責務を定めるとともに、関係行政機関等の協力義務を定めたことであります。 第三に、同和対策事業に要する経費について、地方公共団体の財政負担を軽減するため特別の措置を講ずることとし、同和対策事業にかかる国の負担または補助の割合を引き上げるとともに、地方公共団体の起債について特例を設け、その元利償還金を地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入することとしたことであります。 なお、この法律は、十年間の時限立法とし、問題の早急な解決をはかることとしております。 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。 以上でもって提案理由の説明を終わりましたが、なおこの機会に、この本案の提案を見るに至りますまでに、各党関係者の各位に対しまして、特別の御配慮をいただきまして、その結果、提案することができたことを感謝申し上げる次第であります。
○委員長(八田一朗君) 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。 —————————————
○委員長(八田一朗君) 宮内庁法の一部を改正する法律案を議題といたします。 なお、本法律案は衆議院において修正議決されておりますので、その修正部分の説明を聴取いたします。床次総理府総務長官。
○国務大臣(床次徳二君) ただいま議題となりました宮内庁法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の内容といたしましては、本改正案中、臨時皇居造営部の廃止に関する改正につきましては、昭和四十四年四月一日から改正することとなっていたのでございますが、すでにその日が経過しておりますので、これを公布の日に改められたものであります。 よろしく御審議をお願いいたします。
○委員長(八田一朗君) それでは、質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○北村暢君 総務長官せっかくおいでになっておりますから、まず宮内庁の設置法の審議に入るにあたりまして、若干総理府総務長官と宮内庁との関係についてお伺いしておきたいと思うのですが、提案理由の説明等は総務長官からお伺いしたのでありますが、総理府所管の外局には各国務大臣が充てられておるのでありますが、宮内庁だけは国務大臣が充てられていないわけです。したがって宮内庁だけは外局でありますけれども、総務長官が責任を持って国会の答弁、その他をされることになるのだろうと思うのですが、一体総務長官と宮内庁との行政上のつながりというのはどの程度あるのか、あまりこまかいことを聞いても総務長官おわかりになるのかならぬのか、ここのところが問題だと思いますので、まず総務長官と宮内庁とのつながりからお伺いしたいと思います。
○国務大臣(床次徳二君) 宮内庁は総理府の外局であります。行政組織法の第三条により設置せられたところの行政機関でございます。したがって、宮内庁の全般的な問題におきましては、総理大臣が責任を持つわけでありますが、しかし総理府の長官という立場に立ちまして、宮内庁の問題に対しまして所管をいたしておる次第であります。予算その他の問題につきまして、総理府長官を経由いたしまして、今日いろいろの処置を行なっておる次第でございます。
○北村暢君 そうしますと皇室会議並びに皇室経済会議等の経過等については、総務長官は一々承知をしておる、こういうように理解してよろしいのですか。
○国務大臣(床次徳二君) 皇室経済会議その他に対しましては、総理大臣が中心となって行なっておられますが、しかし事務的にはやはり連絡を受けておりまして、正式なメンバーではございませんけれども、皇室会議にはことしから総務長官も出席いたしまして、会議の模様を伺っておる次第でございます。
○北村暢君 そうしますと、総務長官もそういう会議には、正式のメンバーではないけれども、出席をされておられるということのようでございますから、経過等については理解をされておる、こういうふうに理解してよろしいかと思います。 そこで、若干法案に関連をして最初にお伺いいたしますが、新宮殿の完成に伴いまして臨時皇居造営部を廃止することになっておりますが、従来の臨時皇居造営部の機構、定員というのはどうなっておりましたか。
○国務大臣(床次徳二君) 先ほどちょっと私が申しましたのは、ことばが一つ足りなかったのですが、皇室経済会議に出ているというふうに申し上げましたが、メンバーでございませんけれども出ておると申し上げましたが、メンバーでございませんけれども、皇室経済会議の懇談会に出まして、ことしは模様々伺っておりますが、いつも会議の問題につきまして、総理府の長官として連絡を受けておりますことを申し添えたいと思います。 なお、造営に関するところの措置が終わりましたので、今回提案をいたしましたが、その人数その他に関しましては次長からお答え申し上げます。
○政府委員(瓜生順良君) 臨時皇居造営部の職員は、この四月一日現在のところでは十五名残っておりまして、多いときには五十何人いましたが、だんだん仕事が進むにつれて、去年の秋くらいから減ってまいりましたので、他に転職する人もあり、それからまた配置がえする人もあって、四月一日では十五人になっておりましたのですが、この人につきましては、皇居の造営の記録の編集とか、そういうところに回るとか、あるいは工務課あるいは大膳課、あるいは式部職というところに一応は配置転換を予定をしておったのでありますが、この宮内庁法の一部を改正する法律案がまだ通りませんので、全員の配置転換をしておりません。しかしながら、予算面では、たとえて申しますと、造営部の予算がもう落ちておりましたので、管理部長が臨時皇居造営部長を兼ねるという形になっております。それから造営課長はそのまま造営課長という名で残っております。しかし実際の造営は済んでおりますので、工務課の仕事を実際は手伝いをしております。庶務課長、これは管理部の管理課長が庶務課長を兼ねるという形でいたしておりまして、一応形は残っておりますが、仕事が済んでおるわけでありますので、それぞれ他の仕事のほうを手伝っておるわけであります。
○北村暢君 いま御答弁ありましたが、まだ法律案が通っていないために、正式の機構、人員、配置転換等が行なわれない、まあこういうふうのようでございますが、この法案が通った場合に、臨時皇居造営部が廃止になった場合、定員の振りかえ等はどのように実施しようとしておるのか、この内容を若干説明願いたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) この現在いま部長のほうはそういうふうに兼任になっておりますから、これはそれでいいのですが、それから課長クラスの造営課長、庶務課長、これはなくなります。それから他の下のほうもなくなるわけでありますが、これに関連して行政管理庁と、また大蔵省のほうとも、本年度の予算編成の際にもいろいろ打ち合わせをした要領がございます。そのままを継続しないで、一部は減員になるわけであります。課長クラスで申しますと、いま造営課長になっておりますそういうようなポストが、管理部の参事官というようなかっこうになりますが、それから新しい官職の管理のためには特別にいろいろ配慮を必要として、課長クラスの人が頭を使っていく必要がございます。そこで宮殿管理官というものを設けようというようなことが行管、大蔵省の間で話がついておりましたが、これも現在はまだ設けておりませんが、この臨時皇居造営部がなくなりますれば、この宮殿管理官という課長クラスのものが設けられていくわけであります。 しかし実際、宮殿の使用を始めておりますので、それに予定される人が管理部付ということでその仕事はいたしておりますが、課長クラスではございません。そういうようなことでございます。それから下のほうの職員でありますと、管理部の皇居造営記録の編集をするために、そこに三名ぐらい残って編集をいたします。それから工務課のほうに六名とか、大膳課のほうに一名、式部職のほうに二名、それから東宮職のほうにも若干いければというようなことで、そういうように残っておる人の身分は変わりますが、実際いわゆる全然職場を離れるという人はないように考えるのであります。
○北村暢君 いまの説明では、部の廃止に伴って管理部の参事官を設ける、そういうようなことのようですが、これは人がおるから参事官というものをつくったように受け取れるのですね。管理部の参事官というのは、参事官並びに宮殿管理官はいずれも政令職であるようですが、どうも人に合わせてポストをつくったというふうにしか受け取れない。管理部の参事官というのはいままでおらなかったわけですね。それで仕事ができておったわけです。ところが造営部が廃止になって参事官を設けた。参事官という仕事は、従来よりも参事官を置かなければならない機構上の必要性というものがあったのかどうなのか。どうも説明を聞くというと、部が廃止になったので、やりどころがなくて参事官をつくったと、こういうふうにしか聞こえないのですがね。どうなんですか。その仕事の内容で、どうしても置かなければならないという理由があるのですか。
○政府委員(瓜生順良君) この管理部といいますと、皇室用財産全体の管理をするというのが主たる仕事でございますが、その中にいわゆる技術的な工務的なことをする工務課というのがございます。これはいろいろ小さな、いたんだところの修繕だとか、小さい施設というのは、これはどんどん従来やっておるわけです。しかしながら大きな仕事になりますと、現在の工務課だけでは十分にはいかないので、特にいま下田の御用邸の建設の問題がございます。それから皇族の殿邸をつくろうということで、四十四年度の予算では三笠宮のための殿邸というのがつくられよう、こういうふうになっております。したがって、そういうような重要なことを担当する人として、そうした参事官という人があることが必要だということで、これはそういうことで行政管理庁、大蔵省のほうで認められたわけであります。
○北村暢君 宮殿管理官というのは、あれだけの宮殿ができたのですから管理官を置かなければならない、こういう理由もあるのでしょうけれども、この宮殿管理官というのは、やはり管理部の所管として、特に宮殿管理官というものを置いて管理をする。宮殿管理の最高の責任者というのは、一体どういうふうになるのか、この点ちょっと説明をしてください。
○政府委員(瓜生順良君) 現場の責任者は宮殿管理官でありますが、その上に管理部長があり、その上に次長、長官があるわけですけれども、管理部というのは非常に仕事が多いのであります。いろいろな皇室財算の管理をする管理課というものがあります。工事関係の工務課というのがあります。それからいろいろな自動車課——車馬課というのがあります。それからいろいろ料理のほうの大膳課というものが管理部のほうの仕事であります。それから特別、衛生官というものもおります、環境衛生のほうをやる。そういうものも管理部で、管理部は非常に仕事の多いところでございます。特に宮殿の関係の現場は、宮殿管理官という人を置いて、専心頭を使ってやってもらわなければならないということでございます。
○北村暢君 次にお伺いをしますが、新宮殿が完成いたしまして、りっぱなものができたわけでございますが、この新宮殿の管理運営についての基本的な考え方というものをひとつお伺いをしておきたいわけです。どういうふうに新宮殿というものを管理運営していくか。そう申しましてもちょっとぴんとこないかもしれませんけれども、諸外国の宮殿もあるわけです。特に新宮殿というものは、私はやはり天皇と一般国民との結びつきというようなものから、新宮殿の管理運営というものについて、新しい憲法下における新宮殿というものは一体いかにあるべきか。そういう基本的な考え方というものはどこに置いて管理運営していくか、こういう意味の点についての考え方をお伺いをしておきたい。これは総務長官と次長と両方からひとつ聞いておきたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) 事務的に私から申しますと、この新宮殿の管理運営の点でありますが、陛下が象徴として公的に御活動になるのにそれが利用されているわけでありますが、対外的には、国賓その他外国の貴賓と会われ、また接伴もなされる、こういうようなこと。対内的にはいろいろの儀式、行事をここで行なっていかれるということでありまするが、いま先生のおっしゃいますのは、対内的な面が相当多いかと思いますが、この宮殿の関係は、いままでの仮宮殿あるいはその前の明治宮殿などに比較いたしますと、部屋等を比較的広くとっております。したがって、対内的な行事の場合に御参列を願う方も、従来よりは範囲を広げるというように考えられております。 一例を申しますると、この四月二十九日、天皇誕生日の宮中午さんのお祝いの際、いままでは二百人ずつでありましたが、今度は五百人で、そのために御夫妻ということにし、なおそのほかいままで招かれなかった方も加えて行なわれました。そして他の行事についても、そうした配慮が配られていくことと思います。なお、勲章を受けられる、あるいは褒章を受けられる方のいわゆる賜謁という、陛下にお会いになってお礼を言われ、陛下からもおことばがありますが、そういうことも新しい宮殿の中で行なわれておりまして、相当多数の方が中へ入っておられます。ただ、一般の参観という点、こういう方が中を見せてもらいたいという御希望がございまするけれども、これはやはりいろいろ中で行事がございまするし、また中は清潔に保っておいて、行事にこられる方に、やはり宮殿だというイメージをこわさないようにしていただく必要がございますので、一般の参観につきましては、中へは入らないが、外から見ていただくというような方法をとっております。これは午前が千五百人、午後千五百人、一日三千人を大体限度にして、そうしてあらかじめ申し出を受けました方を、宮内庁の職員がまず最初に概要の御説明をし、それから宮殿の前まで案内しまして、この概観を見ていただくというふうな方法をとっております。
○国務大臣(床次徳二君) ただいま次長からお答え申し上げましたが、新宮殿は国民の熱意によりまして今日完成を見た次第でありまして、従来の宮内庁の、皇室の伝統というものを十分考えながら、対外並びに国内におきまして、十二分にその目的を達するように運営いたしたいと存じます。
○北村暢君 いま次長からの御答弁で、新宮殿が完成したために、従来の仮宮殿当時よりも、いろいろな儀式を行なう際にも、少しでも多く参列者が参加できるように配慮された。この点は、そういうことの配慮は、一つには新宮殿ができたために考えられたことだろうと思うのですが、ただ、そういういままで二百人だったのが五百人参加できたから直ちに民主的にというふうなことになった。これはまあそういうところへ行かれる方は、三百人にしても五百人にしても、ごく限られた人であることばもう間違いないわけですね。それはそれなりに、宮殿というものの目的で、儀典に使用されるという目的があるから、それはそれでいいと思うのですが、ただ私どもこういう宮殿がりっぱになりますというと、どうも象徴である天皇が奥のほうに閉じこめられたような形で、だんだん神秘化されていくというような逆コースの感じがあってはいけないのではないか。もちろん、そういう趣旨ではないと思うのですが、どうも宮殿がりっぱになり過ぎるというと、そういうことが起こりがちじゃないかということを心配するのが一つ。それから一般に公開される際に、午前午後、千五百名程度受け付けて参観されておるというのですが、一般参観は、これなかなか全部を中までというわけにはいかないだろうと思いますが、国民の要望では、何か完成されて一般に公開されたときに、非常に多数の人が詰めかけまして、いろんな批判がやはり出ておった。せっかく行ったんだが、遠くのほうから宮殿をながめる程度で帰ったということについて、だいぶ一般に不満の声が各新聞に出ましたね。そういう点で、私どもはやはりこれは毎日といえばたいへんなことになりましょうから、何かもう少しくふうをして、一般の国民が宮殿というものについて認識を持つ、まあ実際に見られるのが一番いいわけですけれども、そういうような措置というものが考えられていいのではないか。それが皇室と国民とのつながりというものをより密接なものにするのではないかという感じがするのです。 したがって、いま御答弁のありましたことについて、外観をながめる程度で一般参観が帰られるということについて、せっかく参観にこられて不満で、全部の人に満足というわけにいかないが、やはり何らかの機会にこれやはり一般の国民にも見てもらうというような、参観のできるような機会というものが与えられていいんじゃないですか。これは一般参観全部やれ、毎日やれというわけにいかない。もちろんそうだろうと思うのですが、何か考えていいのではないか、こう思うのですが、そういう点についてはもう考慮の余地がないのかどうなのか、この際お伺いしておきたい。
○政府委員(瓜生順良君) その毎日の三千人のほかに、外まわりだけでありますが、新年の一月二日は、これはまあ二重橋から入っていただいて、一般国民参賀という形で、陛下が長和殿のバルコニーにお出になってお祝いを受けられる。これはことしの新年ですと二十万人受けております。手続が要らず、ずっと皆さん入ってこられる。それから天皇誕生日、四月二十九日も、これは午前中だけでありますが、これが七、八万だったと思いますが見えております。 で、外まわりだけではどうも不十分じゃないかという先生のお考え、これも考えられるわけでありまするけれども、この一般参観の場合、外まわりだけしかごらんいただけぬものですから、まず最初に桔梗門からお入りになりまして、休憩所がございますが、そこには色のついた写真をパネルにずっと張りまして、室内はこうなっておるという拡大した写真などを置いて御説明して、それから御案内しているわけでありまするが、しかし、それにしても写真だけですから、人によっては強い不満があるかもしれませんが、大部分の方はああよかったというふうに、あるいはおせじかもしれませんが、われわれはそういうふうに聞いております。 それからなお中の模様をわかるようにということで、落成式のときに新聞社からグラフ写真帳が出ましたけれども、すぐに売り切れた。そのグラフ写真帳は必ずしも完全じゃなかったので、もう少しきちっとしたものをというので、いまある新聞社から中のほうの写真をとったのを、これは名前を申していいと思いますが、写真家協会の会長の渡辺という、そのほうの専門の人が一生懸命とりました、この写真をある新聞社から写真帳として出すように準備をいたしております。しかし、なおそのほかに絵はがきもあったほうがいいのではないかというお話もありましたので、そういうものもいま考えておりますが、まだできておりません。そういうようなことでございます。 なお、中へ入られる方の関係は、相当いわゆる社会的な地位の高い方が多いわけでありまするが、しかし勲章の受章者であるとか、勲章の上のほうの方もありますが、そうでない下のほうの方もございます。それから褒章の関係も、いろいろな方がございます。それからなお大臣表彰なんか受けられた方でいわゆる陛下に賜謁、正式の拝謁でありませんけれども、お目にかかられるという方も、つとめて屋内でやっております。以前は室外でありましたが、新宮殿の中で入れる限り、あまり多い場合にはやむを得ませんから、新宮殿の車寄せの前でなさることがございますけれども、そうでない場合においては中へ入っていただいて、中でお目にかかられます。そういうような配慮はいたしておるつもりですが、ただいわゆる参観として中をずっと通っていただくということになりますと、なかなかちょっとむずかしい。それをどういうふうに切りをつけるということもむずかしいですし、なかなか多くなりますと、中の行事に差しつかえるだけでなく相当汚れまするし、そこらあたりがかなりむずかしいものですから、将来の研究問題として研究さしていただきたいと思います。
○北村暢君 内部の参観については確かに混雑することの整理もありましょうし、多数の人が一度に入るというと汚れるという問題も出てくるでしょうし、むずかしい問題ですわね。確かにあれだけのりっぱな宮殿ですから、多数の人がくれば必ず汚れるという問題出てきますから、何か汚れない方法考えない限りは、これは入れるというわけにはいかなくなってしまう問題だろうと思うのです。したがってこれは年じゅうやれというわけにはもちろんいかない。したがってこれは日にちを限ってやるかどうかという問題だと思うのです。一年のうちに何日かくらいしかおそらく——参観をすること考えても、そう何日もはできないのではないかとは思います。思いますが、一つにやはり宮殿を一般の人が参観をする機会を与えられたのだということになれば、やはりちょっと国民の感情からいって違うのではないかという、微妙な点だろうと、そういうふうに感ずるものですから意見を申し上げたのですが、この問題は早急にどうということはないわけですが、いま次長もむずかしい問題だけれども検討してみたいということですから、そのようにお伺いしておきます。 それからこの新宮殿完成とともに、皇居の東地区の庭園も完成せられたのだろうと思うのですが、建設当初に、途中には行きましたが、完成されてからまだ行っていないのですが、一般国民の利用状況というのは一体どのようになっておりますか。
○政府委員(瓜生順良君) この東地区、これは皇居東御苑という名前に一応なっておりますが、昨年の十月一日から一般公開で、午前の九時から午後の四時まででございますけれども、土曜、日曜も祭日も公開しておりますが、そのかわり月曜と金曜は休む、整備をしたりする関係がありますので、その関係で、一番多く見えました日は、お天気のいい日曜あたりは一万五、六千人も見えておりますが、少ないときは何百人くらいです。ずっといままで続いてきておりまするが、一日の平均の数は、たしか平均しますと四、五千人くらいになります。多いときと少ないときとあります。この間お見えになった方は、まあ比較的整然とごらんいただいておりまして、芝生の中に入って、そこをいためるというような方もほとんどございません。それから落書きなども一、二件ちょっとありましたけれども、これはたいして問題にするほどのこともございませんので、この間皆さんが楽しく御利用されていると思っております。
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、先ほど総務長官は、皇室経済会議ではなしに懇談会に出席された、こうおっしゃったのでありますが、懇談会というのはどういう性格のものなんですか。
○政府委員(瓜生順良君) 私から説明いたしますが、皇室会議、皇室経済会議と申しまするのは、それぞれその会議にかける事項が法律できまっております。皇室経済会議でありますると、内廷費とか皇族費の改定をする場合とか、それから皇族が皇族の身分を離れる場合に一時金というのがございます。その金額をきめる、そういうふうなことに限定をされておるわけであります。したがって、それ以外の事項についてはその議案とするのは、法律上どうかという疑問の点があるわけであります。 そこで昨年の暮れ、この皇室経済法できめられておる事項ではないが、皇室経済に関する相当大事な問題であるから、これを皇室経済会議のメンバーの方と、関係の深い総務長官という方で懇談会を開いて、そこで御意見を聞いてやったほうがいい、そうすれば宮内庁だけで独自でやるよりも、皆さんの意見を聞いてやったほうが間違いないということで開かれたわけです。たとえて申しますと、内廷費、皇族費の改定は、そこではかっていないのですが、ことしは内廷費も皇族費も増額いたしておりません。しかし、増額をする場合にはどういう基準で増額をするか、今後提案する場合、たとえて言うと、前の年から見て一割以上増額をする必要があるというような場合に、この議案として皇室経済会議を開く。ことしは一割に達しません、物価の値上がり、一般の情勢から見まして。一割上がる場合と申しますと、いまの情勢ですと、二年に一回ぐらいということになりましょう。そういうふうなこと、あるいは先ほどちょっと申し上げました皇族のために殿邸をつくるということ、それから下田の御用邸の建設の概要、そういうようなのをお話しをしていろいろ御懇談を願った。これは法律でいう皇室経済会議ではなくて、その皇室経済会議のメンバーと総務長官に入っていただいて、御意見拝聴の会ということで懇談会と申すわけです。
○北村暢君 その懇談会は従来からあったのですか、最近から始まったのですか。
○政府委員(瓜生順良君) これは昨年の暮れやりましたのが初めてであります。これは実はざっくばらんに申しますと、前の田中総務長官が、これから重要な事項は、皇室経済会議の事項でなくても、そういうメンバーの方々の御意見を聞いてやったほうが間違いもないしいいから、そういうふうにしたらどうかというお話がございました。そのうちに総務長官おかわりになりましたけれども、総理ももちろんそれがいいからということで、そういう懇談会が開かれた。去年の暮れが初めてであります。
○北村暢君 その初めての懇談会において懇談された内容はどういうものでありますか。
○政府委員(瓜生順良君) それはいまほど申し上げましたように、内廷費、皇族費を上げる場合にはどういうような基準で考えるか、四十四年度には上げないけれども、将来どういうときに上げるかというような問題、それはいま申しましたように一割以上増額するような状況のとき懇談する。それからもう一つは、皇族のための殿邸をつくる問題、これは皇族、いま宮家は四宮家ありますが、常陸宮家は、これは皇室用財産の常磐松の御殿に入っておられます。秩父宮さんは青山のやはり皇室用財産でございます。以前は秩父宮さんのものでありましたが、国に寄付をされて皇室用財産に入っておられます。三笠宮さん、高松宮さんは、御自分のところにおられるわけでありますが、たとえていいますと、三笠宮さんあたりですと、上大崎のお宅はあまり広くもないし、りっぱでありませんので、外国の大使などお客さんに会われる場合には、あすこのうちでは会いにくいということで、三番町に宮内庁の分室というのがありますが、宮内庁の分室の二階で時間をきめてお会いしたりしておられます。 これは皇族の方の公的なことでございますが、そういうようなことで、やはり品位を保持されるのには、やはりもっといい殿邸が要る。ところが宮さんにおつくりなさいといっても、これは現在の予算ではそういう資力がございません。毎年皇族費が出ておりますが、その年の経費というもので出ておる程度で、したがって、そういう資力がおありにならないわけです。だから国で皇室用財産としてつくって、そこへ住んでもらって、皇族としての公のそういうような活動もそこでやってもらうということがよかろう。皇族さんの公邸のようなものでございますが、そういうのをつくるほうがいいんじゃないかということを御相談いたしました。最初に三笠宮さんですが、将来高松宮さんの問題も考えられるかと思います。
○北村暢君 そうしますと、内廷費、皇族費の二年に一ぺんとか、そういう基準をきめるとか何とかいうのは、これは皇室経済会議で正式に取り上げても差しつかえない議題だろうと思うんですが、その懇談会で協議された、いまお話しのあった皇族の殿邸の問題についてでありますが、いま御説明ありましたように、皇室財産であるものと宮家個人の財産であるものとある、こういうふうな御説明であったようですが、そういう点について懇談会で、三笠宮家の邸宅を新築されるというようなことが懇談会で協議されたと、こういうことのようでございますが、これは宮邸費の中で運用でやっておられるのかどうか、この皇室用財産を新たに取得する場合等については憲法第八条かの規定がございますね。それから皇室経済法の第二条の規定ですか、これらとの関係で、この憲法制定後において、憲法八条の運用を実施したことがおありになるのかどうなのか。こういう点について私詳しく存じませんので、この三笠宮邸の新築等は、どういう予算で出されるのか。憲法八条と皇室経済法二条、こういうものとの関係で、関係あるのかないのか、これもちょっとわかりませんけれども、そういう点についてもつまびらかにしておりませんので、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) 憲法の八条と申しますのは、これは皇室がいわゆる献上を受けられたりすること、それからなお一般の国民のほうへいわゆる賜与というような形で賜わるということに対しての制限でございまして、それもいま金額の制限があって、それをこす場合には国会の議決を要するようになっておりますが、予算によりまして、この憲法の条文でまいりますると、憲法の八十八条に「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。」と、この国会の議決を経た上でこの皇室用財産ができますということについては、予算の議決によって国会の御意思を聞いております。これはそれでよろしいということになっておりまして、三笠宮さんの殿邸の経費は、四十四年度の皇室費の中の宮廷費の中の施設整備費というところに入っているわけであります。その中に一億一千万ばかりが入っておるわけであります。
○北村暢君 そうしますと、この四十四年度の宮廷費の施設整備費六億二千六百万ですかのうちの一億一千万程度ですか、ことしの予算で、それが三笠宮邸の建設資金である、こういうふうに御説明あったのではないかと思うのですが、間違いございませんか。
○政府委員(瓜生順良君) この施設整備費のこの刷りものですと、その中に皇居等施設維持費というものがあります。その下に新御用邸等施設費三億一千四百七十三万というのがございますが、そのうちに下田の御用邸の関係は約二億で、あとの一億一千万ばかりが三笠宮さんのほうの経費ということであります。
○北村暢君 そうしますと、皇族の殿邸は、三笠宮邸ばかりではなしに、今後この殿邸の建設計画というようなものを持っておられるのかどうなのか。今回は予算で承認されるのですが、毎回の予算等でこれは検討されると思うのですけれども、どうもそういう点について親切なのか不親切なのかわかりませんけれども、新御用邸等ということでなっておりまして、こういうものはやはり明らかに説明を加えたほうが私はいいと思うのですね。これは一般の予算書を見ただけではわからないと思うのです。したがって、そういう点を今後配慮してもらうということと、今後の殿邸の建設計画というものがどのようになっておるのか。 それからもう一つは、先ほど皇室経済会議で協議することは法律できっちりきめられている。この皇室経済法以外のことは、この法律の規定以外のことは経済会議ではできないことに、非常に厳密に限定されておるわけですね。したがって、それ以外のことを協議するという意味でこの懇談会を設けたように承りますが、この懇談会でやられることについては、それなりの、この懇談会そのものは法律にないことですから、運用でやっておられることですから、それは御自由だと思うのですけれども、内容的に、宮廷費等の、特に殿邸の建設計画とか何とかという問題については、新宮殿なら新宮殿というものは、これは閣議決定でなさって、そうしてはっきりしてできたわけですね。したがって、何かこの施設整備費というような名目のもとで皇族の殿邸が次々につくられていくということについて、この皇室経済法から厳密にいうと、何か規定があっていいのではないか、こんなような感じがするわけです。先ほどの憲法八十八条かの、予算で承認をされているのだからいいのだと、こういうふうにも受け取れますけれども、その予算を承認せられるにあたっての予算の積算根拠というものが、何かの規定等に根拠を持ってやったほうが、私はもっと何か公明正大にいくのではないかという感じがするのです。この予算書を見て、どうもこそこそと、三笠宮殿邸が一億何千万で建設される。それも一億一千万余ですかで完成するのか、もっとよけいかかるのか、これだけではわからないわけですね。したがって、御用邸はことしは一億であるけれども、もっとどのくらいかかるのか、大体そういう点がもっと公明にわかるような形でなされたほうがいいのではないかというふうに思うのです。 したがって、懇談会という便法をとられたということについて、より皇室経済会議のメンバーで忌憚なく話をしていくというのですから、それなりに慎重に懇談をなされたのだろうと、そういう懇談会を持たないよりは持ったほうがいいというふうな御理解でやられたのだろうと善意に解釈はいたしますが、それならばもう一歩進めて、もう少し予算面においても明白にしたらいいのではないか、こういうふうに思うのです。そういう手続的な点についてのお考え方をひとつお伺いしておきたいということと、それから下田の御用邸の問題については後ほどお伺いしますが、三笠宮殿邸の建設は、総額で一億一千四百万何がしになるのかどうかということですね。どういう計画によってどういうものがどこにできるのか、こういう点についてちょっと御説明をいただきたい。
○政府委員(瓜生順良君) いまこの予算の明細書の説明なんかの不備な点、御指摘がありました。この点は今後検討したしと思います、大蔵省のほうとの相談の上でありますが。特に明細書のほうでいま申しました一億一千万といいますのは、工事費のほうだけで、予算の上のほうに、皇族殿邸等設計依嘱謝金というのを約一千万ばかり盛っております。全体としては四十四年度には一億二千三百万くらい盛っているわけであります。何かそういう点もわかりにくいというような点もありますので、将来はひとつもう少しわかりやすくなるように検討いたしたいと思います。 なお、三笠宮邸の全体の予算としましては、ことしはこの工事費その他いろいろなものを合わせて一億二千三百万円でありますが、四十五年度は五千二百五十七万という程度を一応予定しておりという予定でありまして、そういうことで考えておるわけであります。 それから、なお将来のいろいろ計画等については、高松宮さんのほうをどうするかというような問題、これはまた高松宮さんの御意見もありまして、まだ具体的になっておりませんので申し上げかねますが、しかし何らか考えなければならないと思っております。
○山崎昇君 関連。皇室とか皇族の問題というのは、私どもにとってはある意味では雲の上の存在みたいなものでよくわからないのですが、それで一点だけ私はお聞きしておきたいと思うのは、いま何か皇室経済懇談会のようなところでいろんなことが議論されておるようでありますが、こういうものをきめるときに、皇室なり皇族の意思というものはどの程度入るのですか。たとえばいまあなたから、高松宮邸の場合には高松宮さんの意思がどうなのかわからぬから、まだ将来についてはわからぬという御答弁でありますが、たとえば三笠宮殿邸の問題等では、三笠宮のほうからある程度こういうふうにしてもらいたいというような意思があって、そこへ皇室経済会の懇談会と称するメンバーの方々がもっともだと判断して、こういう提案になり、予算というものは取られておるのか、そういう場合における皇室の意思といいますか、皇族の意思といいますか、そういう表示というのはどういう形でなされて、どの程度なのか、どうも私どもにはわからない。ある意味でまた別な観点からいえば、集まられた皆さん方が、こうしてやりたいのだということがほとんどの意思決定になっているのか。それによって今後の審議のしかたが私自身かなり変わってまいりますので、この一点だけをお聞きしておきたい。
○政府委員(瓜生順良君) たとえば三笠宮殿邸の問題での三笠官さんの御意思の問題ですが、これは事務的に宮内庁が考えても、どうもあすこの上大崎のほうにおられたのでは適当ではない、といって新しくおつくりなさいと言うことも、実際資力がない、何か考えたらどうだろうということで、その場合に宮内庁側としては、事務的にひとつこういうふうに考えたらいいのじゃないかと思いますがということは、三笠宮さんにお話をします。で、三笠宮さんもある程度慎重にお考えになっておって、みんながそう考えてくれるなら、これはそのほうがけっこうだということで、それでこの話が前に進んだわけであります。 高松宮さんの場合についても、いま光輪閣の問題というのも一つありますし、光輪閣は光輪クラブに貸しておるわけでありますが、あそこは記帳とか、大公使に会ったりしておられるというようなことですけれども、そういう問題との関連もあり、光輪閣を廃止するという問題もございます。となると、高松宮さんの御意向も聞いてからでないと、事務的にかってにほっといっても、そこへ住んでいただく場合に、それは住まないとおっしゃってもいけないので、そこなら住もうというふうにうまいぐあいに意見の一致がある程度ございませんとできませんものですから、そういう意味でこの御意向を聞きますが、しかし、責任としては、そういう御意向も聞いた上で、事務的には宮内庁が責任を持ってその案をやはり皆さんに御相談をして、御意見があればまた考えるというようなことで進んでいくというようなことになっておるのです。
○山崎昇君 私は、事務的には宮内庁でいろいろ計画をされて、そうして皇族の方に、こういうふうにしたいと思うのですが、どうでしょうかという形をおそらくとられるのだろうと思うのです。そうして先ほど来お話にあったように、皇室懇談会というのにかけるのには、その前に皇族の方の意見というものをかなりお聞きになってかけられるのじゃないかと思うのです。で、私が聞きたいのは、こういう問題を判断されるときに、皇族や皇室の意思というものがどの程度入るのか。だから、いわば審議する私のほうからいえば、問題によっては、宮内庁なりあるいは内閣のほうでやるやるやると持っていって、そうして皇族の方がそれでもけっこうだという受け身のかっこうならば、これは審議するところの側からすれば、まだ早いではないかとか、これはもっと議論して必要ないではないかというようなことになるし、それから別な角度でいえば、ある程度相当強い御意思があるとするならば、それらをぼくら国民として判断する場合に、どの程度に判断したらいいのかということは、これは微妙な問題だと思うのです。こういう問題の前提として、皇族の意思なり皇室の意思というものは、どの程度あるものか、どうも私はわからないのですね。そういう意味で聞いておるわけです。 ですから事務的にどうだこうだと言う前に、こういうものについての皇族の意思というのは、どういう表明のしかたをされて、どの程度これは入ってくるものか、どうも私ども、雲の上の存在なのでよくわかりませんから、それによって私どもやはり、後ほど議論されるであろう御料牧場の問題についても、私ども意見があるわけなんですね。そういう意味でこの一点だけいま関連してお聞きをしているわけです。
○政府委員(瓜生順良君) そういう場合に、皇族の御意思という場合、ぜひこうやってほしいとか、そういうことをおっしゃるようなことはあまりありません。遠慮がちで、みんながいいと言うなら、そういうふうにやってほしいということで、したがって無理なくできるならばと。ですから、いろんな予算を大蔵省と折衝することもございます。そこも一応やはり、今度予算を国会で審議されますから、そこでもよろしいというふうになれば、それはよろしいというようなことで、そうぜひとおっしゃるようなことはございません。
○北村暢君 殿邸の問題については大体わかったような気もいたしますが、ただ先ほど懇談会というものの性格ですね。まあ前の長官が、こういうことをやったほうがよかろうと言われたから懇談会をやられたと、こうおっしゃるのですがね。しかも、その懇談会というのは、相当重要なことをやはり論議されておられるわけですね。したがって、皇室経済法に基づく皇室経済会議の規定は非常に厳密であるから、それをはずれたものを懇談会でやられる。しかし、それも実は非常に重要なことが論議せられているというのであれば、皇室経済会議自体があまり厳格にきめている。しかも、先ほどのお話もありましたように、内廷費、皇族費の定額を改正したりなんなりするとき以外は、ほとんど皇室経済会議の必要性というものはないわけですね。したがって宮廷費の問題が、これは宮内庁が経理するようになっておって、宮廷費がいまの内容的にはあまりはっきりしない。内廷費と皇族費というのは額でびしっとわかっているのですね。運用面がきくのは宮廷費だと思うんです。したがって、この皇室経済会議で宮廷費等の運用の問題についても協議ができるように、法律を改めることがいいのではないかというような感じがするんですけれども、これはどうなんでしょうか。そういう懇談会というようなことの便法ではなしに、皇室経済会議にそういう任務を与えたほうが、もっと明朗にいくんじゃないかという感じがします。 ただ、皇室経済会議が皇室典範の皇室会議との手続を準用しておりますから、そういう意味で非常に厳格になっているようですが、この点の懇談会に対するものの見方なんですが、私は何か懇談会というようなところで、正規のものでないようなところで何か重要なものをきめる、それが実施されるというところに、何かちょっとすとんと落ちないものを感ずるんですけれどもね。どういうふうにお考えになっておるか、感想をひとつ聞いておきたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) その皇室の経済に関するいろんな重要なことは、大体皇室経済会議にかけるというような方針をとるということも一つの御見解だと思います。しかし、まあ現在のところは、この限定した法律のもとに進んでおるわけです。まあこの法律でいまの経済会議といいますと、たとえば内廷費、皇族費の場合でも、「皇室経済会議は、第一項の定額について、変更の必要があると認めるときは、これに関する意見を内閣に提出しなければならない。」、変更の必要があるときはと、四十四年は必要がないわけですから、したがって意見を立てるということもないわけで、何かそこでおきめになっても、その意見はどうなるのか、どこへ出すのかということも何もないわけであります。懇談会の形をとったわけであります。まあ法律できちんときめたほうがいいかどうか、いろいろ見解は両論あると思いますが、われわれとしては、一応法律がありますものですから、法律のたてまえを尊重してというふうに考えております。
○北村暢君 ですから皇室経済会議で協議することは、もう法律で限定されてきまっているわけでしょう。内廷費と皇族費の点だけがかかる。宮廷費についての運用という問題については、これは皇室経済会議の議題になることがあるのですか、ないのですか。この法律でいうと、私は宮廷費についてはないように思うのですが、その宮廷費の運用について原則的なことは経済会議でやはりやることができるというふうに解していいのですか。そこら辺のところ、それが私は意見としては、宮廷費の運用について、法律改正をして、宮廷費についても皇室経済会議の議題として取り上げ、検討することができるようにしたほうがいいのではないかという意見を持っているものですから。いま次長は、法律の規定に基づいて厳格にやられるというような、将来懇談会でなしに、皇室経済会議で宮廷費の運用等について議題に供して協議ができるようになれば、私はこの懇談会ということでなくて、法律に基づいてできるのではないか、こういうふうに思いますので、そういう意見を申し上げているのですが、将来の点として、現在の法律ではできないとしても、将来改正をしてそういうことに、宮廷費の運用について協議ができるような形にしたらどうかという意見なんです。それについて将来ともその必要はない、懇談会でやっていけばいいんだ、こういうふうな御理解なのかどうか、この点。
○政府委員(瓜生順良君) この宮廷費の関係は、これは内廷費とか皇族費と違いまして、宮内庁で経理する公金でありますが、そういう関係上この予算の編成については内容をこまかく、まあいわゆる大蔵省との折衝なんかも相当こまかくいたします。それから自後には会計検査院の検査もあります。内廷費、皇族費の内容についてはありません。これは公金ではありません。そういうので内廷費、皇族費と宮廷費はだいぶちょっと違います。国会の予算の御審議の場合も、宮廷費については内容についてこまかく御審議をいただくわけです。内廷費、皇族費は総額だけのことで、内容はあまり立ち入らないというようなふうな内容のものであります。国会で宮廷費についてはいろいろ御審議があります。やはり国会のほうでいろいろ御審議がある事項について、まあ皇室経済会議のほうの出した意見と国会の意見、これが合わないというようなこともまああってもどうかということも考えられまするし、懇談会は御高話拝聴ですから、他の機関のほうと合わなくてもそれほどでもありませんが、合わないときはどうかなということも、われわれの立場から見てちょっと懸念する点もございますし、宮廷費については別途こまかく審議をされる内容のものもありまするので、やはり現在の法律のようでいいのではないか。しかしながら、予算を立てて国会に出すにしても、重要なことは宮内庁だけの考えでやるというふうなことは、ときによっては慎重を欠く場合があって、間違う場合があってもいかない。そこで、皇室経済会議のメンバーと御高話拝聴の形で懇談会の御意見を聞いたわけですけれども、場合によっては皇室経済会議のメンバーのほかに総務長官にお入りになっていただく場合もある。御高話を拝聴するだけの懇談会ですからいけないとも言えないようなもので、いろいろ御意見を聞くということで懇談会も将来あってもいいが、しかしこれといってきまりますと、それによって意見をどうしてこうしてというようなことになりますので、かえってどうかなという懸念を持つわけであります。
○北村暢君 それから次にお伺いいたしますのは、下田の新御用邸の建設計画、一部説明をお伺いいたしましたが、今後の計画はどうなっておるのか。それから沼津の御用邸の廃止について、この廃止をされる場合、どういう処置をとられるのか、この点についての概要を御説明願いたい。
○政府委員(瓜生順良君) 下田の御用邸の建設の計画でございまするが、すでにこの用地の買収は全部四十三年度で終わっております。で、四十四年度はその土地の造成、それから道路の建設、それから御用邸になる建物のくい打ち程度までやる。それの予算が四十四年度に二億一千万出ておるわけであります。そしてそのあとは、四十五年度と四十六年度の三年度で、いま一応予想されております金額は五億二千七百万であります。物価の変動等で先のほうでいろいろと動くこともありましょうけれども、合わせますと、現在のところでは七億三千七百万円というので建設をいたす。で、四十六年のできれば秋ごろまでには完成したいというふうに技術者は言っておりますが、あるいはもう少しおくれるかもしれませんが、おくれても四十六年度中には完成したいということで考えておるわけであります。 なお沼津の御用邸でありますが、沼津の御用邸は、これはこの際皇室用財産を解除する、廃止をするという方針でございまして、すでに大蔵省の理財局のほうへはもうだいぶ前に申し出てあります。で、手続の関係上、もうちょっと待ってほしいというので、手続をちょっと待っているだけでありまして、これは今年中には皇室用財産の解除ができると思います。そのあとそれはどうなるかという問題でありますが、解除しますと、大蔵省のほうの持つ普通財産になるわけでありますが、これを大蔵省のほうでどうされるかという問題でありますが、これは主として大蔵省がお考えになるわけでありますが、現在何か地元からはあそこの土地を記念公園にさしてもらいたいというようなことを大蔵省のほうへ申し出ているようであります。沼津市のほうから申し出ているようであります。
○北村暢君 七億三千七百万のうちには、用地買収費は入っているのですか。
○政府委員(瓜生順良君) これは四十三年以前ですから入っておりませんで、用地の買収費としては、前の四十三年度のほうの予算にたしか七億五千万入っておりまして、その中で用地を買収し、いろんな補償をしたりして、全部済んでおります。
○北村暢君 そうすると土地の買収費は七億五千万なんですか、それとも七億五千万と七億三千七百万の差が土地買収費になるわけですか。
○政府委員(瓜生順良君) ここに正確な買収費がございますが、買収費としては、実は六億七千八百九十万で買収ができております。したがって予算が余りました。で、余りました分は大蔵省のほうへ返しております。で、これはなおそのほかに、何か漁業補償の関係で千百万で組んだけれども、実際の補償費は千六百万かかりましたので、五百万足らなくなったのであります。その土地を買収するための関連経費を回しましたが、それでもなお余りました分は大蔵省のほうへ返しましたんですが、これはできるだけ、そう無理をかけているわけではありませんが、安く買えるものなら買いたいということで、いろいろ折衝の結果、そのとき余ったわけであります。
○北村暢君 そうすると、この用地買収の御用邸の規模はどの程度なんですか。
○政府委員(瓜生順良君) この土地の面積は全体で、坪でいくと十一万何千坪になります。で、そのところへこの御用邸として本邸、本邸というのが千六百平方メーター、ですからそのほかに事務棟、合宿所、それから別館、車庫その他で、全部合わせますと四千三百二十平方メーター、坪ですと千二、三百坪ぐらいになります。これはいろんなものを加えたものでございます。
○北村暢君 従来の御用邸建設にあたって、職員の施設というものが、どうも私ども聞いておる範囲ではあまり十分でない。特にそのときだけ行かれる場合に、職員は自炊したり何なりしておられるということを聞いておるわけなんです。したがってそういう面の配慮が、こういう新しい御用邸ができる際に考慮されて、改善されるような意図があるのかないのか、お伺いしておきたい。こういう広大な御用邸の中に、職員はつまり独身のような形で自炊をしながら細々とやっていくという事態があるということは、もうこの前の設置法のときに私、意見を申し上げておいたんですけれども、そういうような配慮がなされて、職員の厚生施設なんかはどんなふうに考えておられるのか。御用邸がりっぱにできても、職員の方々がさっぱり無視されているようでは、これはせっかくの御用邸で、私はどうも完全ではないというふうに思うのですがね。そういう点、特別に配慮をされたかどうか、ひとつお伺いしておきたい。
○政府委員(瓜生順良君) 下田の御用邸の場合には、職員の合宿所としましては三百三十平方メートル、まあ百坪くらいのものでございます。これは那須の御用邸の職員の宿舎あたりに比較しますと狭いのですけれども、しかし那須の場合、相当部屋がダブっておる、あいておるのでございます。これは以前はお供の数が多かったわけですが、いまは少ないですから、したがって狭くなっても、必要なそれぞれの部屋はあるわけであります。まあ居ごこちのいいようにつくるようにいたしております。 なお、いまおっしゃいました、職員が自炊をしておるという問題、これは最近はそういうことはございませんので、だいぶ終戦後しばらくの間はそういう時期がございました。というのは、旅費が非常に少なくて、出張した人のもらう金額が少ないものですから、普通の食事を外の人にやらせますと高くなる。自炊で赤字の出ないようにしたという時期があったのでございます。しかしながら、もう数年前からはその点は改善されまして、旅費のほうも普通の総理府一般並みに、減額旅費ですけれども、といいますのは、官の施設を利用しますので、普通の宿泊料は出ません。しかし減額旅費ではございますが、金額がふえまして、いまは外の仕出し屋にやらせてそれを食べておりますので、自炊というような点はなくなっておるわけであります。
○北村暢君 その寮をせっかくつくられるのですから、寮母さんというような人を置いて、外から一々大きな御用邸の中に運んでもらって、仕出しをしてもらって食べるだなんというようなことがないようなことを考えることはできないものでしょうか。寮母さんを置いて、食事が寮でできるというような形、自炊はしてない、安い旅費で一々外部から仕出しを取って食べるというのもちょっとどうかと思うのですが、そういう施設はできないのですか。
○政府委員(瓜生順良君) この外部からでありますが、外部の人にも、あたためたりする場所がありまして、来てやっているようであります。寮母とかそういうのを置いたほうがいいという御意見もありますのですが、いろいろ、なかなか人員の関係は削減削減でむずかしいものですから、人員の点では定員のほうに食い込まないようにしたという点はありますが、なかなかその点は苦しい場面がございます。
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。 午後一時三十分まで休憩いたします。午後零時二十五分休憩 —————・————— 午後一時四十二分開会
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 厚生省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○山崎昇君 大臣がおられませんので、ごく事務的な点で政府委員にお聞きをしておきたいと思うんです。割り当てられた時間もあまりありませんから、ごく大ざっぱに四、五点聞いておきたいと思います。 第一は看護婦の問題についてお聞きをしておきたいと思います。けさの新聞を見ましても、全国で日赤病院の闘争がストライキに入っておる。あるいはまたその他の公立等の病院等でもかなり激しい戦い等が展開をされておる。一部には妥結をしたところもございますが、何といっても看護婦の問題というのはきわめていまの医療制度のもとでは重要な問題であろうと私は思います。そこでお聞きをしたいのですが、まず第一に、どうしても申し上げておかなければならぬのは、こういう問題は労働組合がストライキをやるか、あるいはまた相当世論的にどうしようもないというようなことが報道されなければ、なかなか政府のほうは本腰を入れてこない。問題を整理をして、あるいは資料を出して話し合いをしている段階では、どうも政府は消極的な態度しかとらない。こういう私は政府の態度が、一つは今日のような事態を招来をしているのではないか、こう思うのですが、そういう点について、まず政府は責任をどう感じておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) 看護婦の問題、御指摘のような状態でございますけれども、厚生省としましても、この看護婦の養成テンポを拡大するということには年々努力はしてまいったつもりでございます。大体現在の看護婦学校を卒業します者が約三万二千名程度というところまでまいっておるわけでございまして、就業人口も二十五万三千人というふうに増加をしてまいってはおるわけでございます。しかしながら、いま御指摘のように、勤務条件の大幅な改善でございますとかいうような点に対応して比較をいたしますれば、私どもの過去にとってきておりますそういう養成力の拡充ということを一つとりましても、決して十分な数字にはまだ達していない、こういうふうなことは率直に申し上げましていいかと存じます。したがいまして、従来のようなそういう需給計画というものをもっと根本的に洗い直しまして、将来にわたって十分な人が確保できるような需給計画を基本的に立て直したいということで、いま作業しておるような状態でございます。
○山崎昇君 いまたいへん検討されているというのですが、この問題を提起されたというのは、それはもう長い間の問題ではありますが、私ども調べた中でも、昭和三十六年には、病院経営管理者改善懇談会というところの報告書があり、あるいは三十八年には医療制度調査会からも出されており、さらに三十九年には看護婦制度に関して有識者の意見を聞く会というのをやられておる。あるいは去年は看護体制の検討会というものをやられておる。質問するたんびに検討中だとか、いや抜本的にやらなければならないとあなた方はおっしゃるけれども、何にもされていない。だんだん事態は深刻になって、そうして社会問題化する、あるいは政治問題化する。いまもまた御答弁を聞いておりますと、検討はしていただいたが、具体的には何もない。こういう態度が、私はだんだん問題を複雑にしていく、あるいは混乱をさしていく、こういう私は基礎になっているんじゃないかと思うのですね。したがって、いま検討されているというのですが、具体的にどういうことを検討されて、それがいつまでにどうするのかということを、もう少し内容を明らかにしてもらいたい。
○政府委員(松尾正雄君) 従来の需給計画を基礎に置かれました考え方というものは、医療法で看護婦の置くべき数というものが、一般ベッドの場合には四人に一人、こういうものが基準にきめられておりますので、そういったものをもとにいたしまして、将来におけるいろいろ病床の増加というものを見込みながら供給計画を考えていく、こういう基礎で従来やっておったわけでございます。その限りにおきましては、そういう基礎の上に立った限りにおいては、四十八年ごろには十分その養成力が需要数を満たし得るという計算に立っておったわけでございます。しかしながら、この中には率直に申し上げまして、そういう勤務条件というものが大幅に変わるというファクターが入っておらないわけでございます。入っていないと言えば語弊がありますけれども、十分組み込まれているとは言いがたい。したがいまして、私どものただいま立てております計画の基礎は、そういう四対一というようなことにとらわれないで、御承知のとおり看護単位というものが看護婦の勤務の一つの単位でございますので、平たくいえば一般の病棟単位、こういう看護単位というものを全国にわたりましてその数を推定する。それから一つの看護単位というものにおきまして、看護婦が処理すべき業務の量というものを一応想定をいたす、その業務量全部を看護陣営によって解決できる、こういう数をまず単位ごとに算出していく、さらにその場合にその勤務条件としまして、人事院判定にございますような二人夜勤というものを織り込んでいくといたしまするならば、その勤務のローテーションの上から見て、最低どれくらいいなければならない、こういう数を計算し、その上に婦長さんというものが必要になってくるわけでございまして、そういう計算に立って全国の病床数に当てはめ、さらに今後の病床の伸びというものを——一年に四万二、三千ベットずつふえておりますけれども、その非常にふえておりますものも織り込みまして、そうして必要数というものを一方において確定をしたい、こう考えておるわけでございます。 この数字はかなり従来四対一という考え方から見れば、相当やはり強い数字を出さなければならぬようになってまいります。それにあわせまして供給計画のほうも、養成力のほうも、先ほど申しましたように相当ふえてはまいっておりますけれども、そういうものをさらにカバーいたしますためには、相当大幅に養成施設を増設しなければならぬ。特に現在、三年課程の看護婦養成所等は、かけ持ちもございますけれども、競争率は六倍という平均でございます。そういう志望者のおる間になるべく多くの方を獲得をするという、やはり相当急ピッチで養成施設を拡大するということをやらなければならぬ、そういうことと、それを年次的に組み合わせてまいりたいと、こう考えております。 さらにただいま准看護婦というものの養成が非常に大きく占めておりますけれども、これは御承知のとおり中学を卒業した人が二年間看護婦学校に、准看護婦養成所に入るという原則になっておるわけでございます。最近の進学率というのは非常に高まりまして、高等学校の進学率も七七・八%、今後ますます中学を卒業して高等学校にいかないという子供さんが非常に減ってくると見込まれますので、そういったものを、中学卒業を限度とした養成制度で対応しようとしてもこれは成り立たない。したがいまして、そういう進学状況に応じました、新しい准看なら准看の養成制度、こういうものをこの中に織り込みたい、こう考えております。それらを合わせまして、なるべくすみやかな時期に調整できるように持っていきたい。まあ、いわば全体の計画を全部洗い直しまして、新しい観点で進めるということでいま詰めに入っているところでございます。
○山崎昇君 いまあらましの説明があったんですが、そういうのはいまやられているそうですが、一体いつまでにその計画ができて、そしていつからそれじゃ計画の実施に入るのか、ここらのところを明らかにしていただきたい。
○政府委員(松尾正雄君) そういう計画を大幅に実現をしてまいります初年度は、予算の関係で四十五年度からと考えております。したがいまして、その四十五年度の予算というものの編成にあたりましては、そういう全体計画の第一年度、こういう形に位置づけをしたいと、こう考えております。したがいまして、その時期は、ただいまも予算編成にかかるところでございますが、大体予算編成の時期というときには全貌は完全に明らかにしたいと考えております。
○山崎昇君 重ねてお聞きしますが、そうすると四十五年度を起点にするようですが、何カ年計画ぐらいになるんですか。その計画も、長期計画でこれから十年だの二十年になっているのじゃものになりませんね。したがって三カ年計画というのかどうか知りませんが、一体そういうことについても明確にしておいてほしいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) そこのところがまだ、先ほども申し上げましたように、いろんな制度をどうかみ合わせるかということによって多少動くという状態にございますけれども、私どもの一番ゆるいと申しますか、計画の長いほうをとりまして大体七年計画、それからそれをしかしもっと短縮してくるという可能性はないかということで、その短縮の方向でいま具体的な対策を詰めておるところでございます。ただしこれは御承知のとおりでございますが、養成でございますので、設備をつくり、養成施設を拡充するというその計画は、その七年間を待ってやっているわけにはまいりません。これはもっと前のほうにおいていたしませんと、三年課程の高等学校であれば三年後でなければ卒業生は出てまいりませんので、養成計画としての整備計画はもっと前のほうに繰り上げたい。しかし、卒業生が出てきて、それが実際就業できるという形は、なるべく七年以内にとどめたいという形をいまとっております。
○山崎昇君 ことしの四月十五日の衆議院の内閣委員会で、あなたのほうから答弁をされておる数字を見るというと、ここ十年ほどの間に正看護婦というのがあまりふえていない。そのかわり准看というのが大体正看護婦の十倍くらい近いものがふえておる、こういう数字があなたのほうから答弁されています。私のほうから数字言ってよければ申しますが、三十一年から四十二年までの間に正看護婦が一万三千三十九名、准看護婦が十万一千五百四十三人ふえたと答弁されておるのですね。そうすると私はこれから七年、最高限あなたは七年と言うんだが、どういう内容になるのか、もちろんこれから計画を立てられるのでわかりませんが、こういう趨勢から見ますとね、またもやこの准看護婦がふえていく、正看護婦はその割りでもない。いわばことばをかえて言えば、どうもこの看護体制の内容というものは低下をしている、ひいては医療体制全体が低下を来たすのではないか、こういう心配を一つするわけです。その点がそうならないのか、なるのか。看護婦と准看護婦というものとをどういうふうに考えられるのかということが一点と、それから時間を節約する意味でもう一点お聞きをしたいのですが、調べてみるというと、看護婦というのは、高卒三年で国家試験を受ければ看護婦になるわけですね。これはもちろん教育になりますが、ところが准看護婦から看護婦になるのは、これは私の調べが間違いであれば指摘してほしいのですが、中学卒業してから二年間教育を受けて、知事の試験にパスをすれば准看になる。その准看は三年勤務して、さらに二年は進学課程の教育を受けて、国家試験を受けなければ看護婦になれない。いわば准看から看護婦になるのにはかなりきびしい条件をとっている。 こういうものも、私は准看というものが十倍もふえて正看というものはあまりふえない。そうして各病院あるいは個人経営の医者も、どうも正看というのは少ないせいもありますけれども、勢い准看というものに力点を置いて採用してきているのではないか、こういう気もするわけです。これはまあ私よく実態はわかりませんから、数字の上だけでその判断するわけです。特に最近は看護婦補助者という名前でありますとか、副看護婦という名前でどんどん、どんどんやられている。もしもこれが看護の途中で事故が起きた場合、一体どういう責任を負うかというと、私はかなり背筋の寒いものを感じるわけなんです。そこで、いまあなた方の計画の中身で、准看と正看というものをどうされようというのか。それから准看から正看にするのに、私の感じではあまりにもきびしいのではないだろうか。資格を取る試験といいますか、課程といいますか、そういうものについて、一体厚生省としてはどう考えられるのか、あわせてひとつお聞きをしておきたい。
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおり、准看の養成が非常に伸びてまいりまして、ただいまの就業人口で申し上げますと、看護婦と准看は、准看のほうが多少多い。半々を少しこえる程度に准看のほうの比率が上回ってまいりました。ただ、今後の養成計画におきまして、ただいま御指摘のように質の問題、看護婦の質の問題ということは、これは十分に大事な問題でございますが、同時に現在の看護業務というものを見ましたときに、そこにやはり量的な不足があれば、せっかくの質的な発揮もできない。こういうところにもまた悩みがあろうかと存じます。したがいまして、質という問題をにらみながら、同時に量の問題を早急に解決をしていかなければならないというのが、現在置かれておる状況であろうと考えておるわけであります。 したがいまして、将来にわたっての計画の場合、ただいま申しましたような進学課程というものから、准看を看君になしてくるという道でございますとか、そういうものを含みながら、大体最終的に正看護婦と准看がどのくらいの比率であればいいかということを決定した次第でございます。これはいろいろ関係者のほうからも専門的ないろいろ意見もあろうと思いますけれども、私どもとしてはいろいろ検討しました結果として、大体看護婦がいまの勤務の場合四、それに対して准看が六程度の比率というものであれば、そのチームとして、体系的に一応チームとしての看護業務ができ上がるのではないか。したがいましてその辺をひとつにらみながら、それぞれの養成課程を調整したいと、こう思っております。 御指摘の准看から看護婦になりますために実務経験三年を必要とする。その上で二年間の進学課程ということがやや酷ではないかという御質問でございます。これは看護婦というものが高等学校を卒業して、三年間行って、国家試験を受けているという実態とバランスをくずさないというような意味から、従来そういうふうに制度的にきめられておるわけでございます。 ただ私どもそういうふうに現在行なっておりますものですけれども、こういうものをもっと別の角度で検討する余地はあろうというふうに考えております。ただそれは、看護高校というものが現在八十八校になるほどふえてまいりました。この看護高校を出ました方は准看の試験をすぐ受けられるわけでありますが、直ちに二年課程に進学をするということになると、五年で、実は最短距離で看護婦の試験が受けられるわけでございます。したがいまして、そういうものをにらみながらもう少し弾力的な検討をさせていただきたいと思います。
○山崎昇君 ことしの五月に看護協会と看護連盟の会長の連名で、十八項目に及ぶ要望書が出されておるのですね。私もまだこれ詳細に検討しておるわけじゃありませんが、そしてこれを見ますというと、法改正を伴うもの、予算を伴うもの等々もかなり含んでおると思うのです。ところが内容によっては、厚生省が決意をすればすぐできるものも含んでおる。たとえば、ここでその十一項目に述べられておるような、厚生省保健所課に保健婦の代表として課長補佐一名くらい何とかしてもらえんだろうか、こういう点なんかは、私はもちろん人の問題ですから、そう簡単に右から左にいくとは思いませんけれども、しかし、やりようによってはそういう要望がやはりかなえられるのではないかという気もするわけです。あるいはまた十五項目目ですか、そこに、先ほど申し上げたように副看護婦だとか、准助産婦、助産士、産科看護婦、まぎらわしいような名称はやめさせるように行政指導してもらいたいというような内容もある。こういうこともやろうと思えば、それは厚生省の行政指導なり何なりでやれる問題ではないだろうかと思うのです。 そこで、これ一つ一つ聞いたのではとても時間がありませんから言いませんが、この十八項目に及ぶ看護協会等の要望書というものを、一体どういうふうにあなた方これからされるのか、お聞きをしておきたいと思う。
○政府委員(松尾正雄君) 大部分の陳情にございます部分は、私どもが先ほど申し上げました計画というものの中に、具体的にはかなり織り込まれるものであるというふうに理解いたしております。もちろん、先ほど申し上げませんでしたけれども、いろいろの待遇改善の問題、そういったことも含まれております。これは当然看護婦の確保対策というものの一環として、その数字とは別にまたやるベき問題でございますので、そういった点について、私どもはほぼ大かたのところでは、大体同じような姿勢でいっておるというふうに理解いたしてよいかと存じます。 ただ、いまの保健婦を保健所課に置いてくれ、こういう話も私ども聞いております。また寄り寄り相談をいたしておりますけれども、それの実態は、率直に申し上げますと、保健婦の業務というものについてもっと具体的指導をしてほしいという願望のあらおれであるというふうに、直接会って聞きますと、そういうことが予想されます。そういたしますと、それが保健所課がいいのか、保健所課以外に、たとえば看護課の中に保健婦係長がちゃんとおるわけであります。また国民健康保険等につきましては、保険局のほうにも、本省に保健婦を置いて指導をやっておりますので、そういったものとあわせまして、どこに置いて業務を指導したらいいかということは、私どものほうで真剣に検討させていただきたいと思います。
○山崎昇君 これは別な機会がありましたら、これは十八項目一つ一つ聞いたんではたいへんなことになりますから、やめたいと思いますが、あわせてお聞きをしておきたいのは、最近交通事故がものすごく多くなったのですね。そこで緊急医療制度というものをどう確立されるのか。前から何か病院を指定したり、いろいろなことをやっておるようでありますが、それではもう追いつかないのじゃないかという気が一つする。さらに最近は、高速道路の事故が一ぱい起きて、毎日の新聞というくらい事故者が出てきておる。そしてその扱いがどうもやはり適切でない。そうするといまのあなたの答弁された、看護婦問題でいま聞いているのですが、緊急医療の問題等も含めて、これはますます看護婦さんの問題はやっぱり重要になってくる。あるいは脳外科の医者が問題になってくる。たくさんの問題を含んでおるわけですが、緊急医療制度というものについてどう考えられておるのか、あるいは現状で計画等があればひとつお答えを願っておきたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) 救急医療の体制の整備につきましては、ただいま御指摘のように救急告示病院——都道府県知事が申請に基づいて指定をする告示病院というのがございます。これは消防署が救急業務を担当いたしておりまして、そのときに、搬送するときの行き先まで明確になっておるということを明らかにすること、並びにその他の準備を整えているという意味におきまして、そういう機関を告示しておるわけでございますが、これも最近非常にふえてまいりました。現在四千件を越す程度の状況まで上がってまいりました。しかしながら、救急体制の中ではそういう第一番目の治療というだけじゃなくて、より高度の治療をやらなければならぬという問題が非常に深刻でございます。したがいまして、そういう四千個所程度のものとオーバーラップいたしまして、救急医療センターというものの配置を考えております。 これは大体いまの計画では、人口にいたしまして大体百万人の人口に一カ所というくらい、全国で百十一カ所程度を、具体的な病院の名前をリストアップいたしまして、その整備を補助金等ではかるということをやっております。これは相当高度の設備、器械等を持ったものでございまして、現在、そのうち四十三年度までで六十三カ所はもうすでに整備の着工が終わっております。あと二年ほどで大体その百十一カ所の整備はほぼ完成をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。さらに、しかしながら、そういう病院や設備をいたしましても、専門の医者がいないということではだめでございますので、脳神経外科につきましても、すでに脳神経外科学会に委託をいたしまして、厚生省からその専門家の養成を委託をしておる。さらにことしからはそれにプラスしまして、麻酔科の専門家の一緒になって働く方の養成を麻酔学会にもお願いをするということで、専門家の養成もあわせて進めておるという状態でございます。 ただ、高速道路の医療の問題につきましては、これは非常にむずかしい問題がまた別個にございます。一つはインターチェンジというものが設けられておりまして、そのインターチェンジに原則として入りますと、その高速道路で救急車はUターンしないということでございますから、原則としてこちらから入って向こう側に突き抜けてしまう。そうすると市町村の消防というものの範囲をはるかに越えるところに消防活動が及ばなければならぬという問題がございます。この点は消防庁ともよく連絡をとりまして、より広域のそういう救急搬送体制というものを御検討願っております。しかしながら、同時に、インターチェンジの出口のところに一体そういう適当な病院があるかどうか、これもやはり問題でございますが、たとえば東名高速道路あるいは名神、中央、すべての県について、先般私たち御関係の方にお集まりいただいて、検討会を開いておりますけれども、幸いにいたしまして、現在の東名高速道路では、たしか二十三カ所インターチェンジがあるかと思いますけれども、その降りたところから五キロ以内というところに百二十ほどの病院がそれぞれございます。先般問題を起こした三ケ日のインターチェンジは、不幸に病院のないところでございましたけれども、ほかのところは大体そういう分布があることがほぼ確認されております。 ただ今後、幸いに、東名高速道路のようなところは比較的大きい都市と都市とを結んでおります。これからできてまいる高速道路は、相当部分いなかのところを通ってくるという計画もあるのではなかろうか、こう考えられております。その際、道路をつくる側におきましても、たとえば救急のための非常口的な降り口をつくる、そういうこともぜひひとつ配慮してもらいたいということを私どもは申し入れをしているような状況でございます。
○山崎昇君 重ねてお聞きしますがね、最近のような交通事故になってくると、個人で医養費の負担能力がなくなってくる。とてもできない。そうなると、その救急病院に指定をされて、患者がかつぎ込まれる、指定病院ですから一生懸命やりますわね。しかしやったけれども、医療費をもらうことがなかなか困難だ、長くかかる、こういう場合のこと等も私はよほど考えて緊急医療という問題を考えませんと、単に病院だけ指定すればいいのだという問題ではないのではないかと思います。 さらに最近、聞くところによれば、何か東名高速道路もそうでありますが、高速道路の場合なんかには道路公団か何かも緊急医療の問題を担当すべきではないか、こういうことが議論されているように私ども聞いております。しかしこれは簡単に道路公団がどうこうする問題ではないのではないか。もちろん事故を起こすものは悪いわけですが、しかし起きてしまったものの救急医療をどうするかということも、またたいへんな問題だろうと思います。そこでこういう治療費の問題等を含めて、この救急医療制度というものは確立されなければならぬのではないかと私は思うのですが、そういう点について、厚生省は、どのようにお考えになるのか。 さらに、これは北海道の問題がありましたようですが、せっかく指定を受けるわけなんですが、病院自体が指定をされても、それに伴う施設をしたり、あるいは看護婦さんを雇ったり、さまざまなことをやるわけですが、だんだんだんだん行き詰まってくる。そこでそういう病院に対する国の補助なり道の補助なり、あるいは県の補助なんというものがたいへん重要になってくると思いますが、それがどうもあまり万全でないために指定病院を何とかやめたい、そういう病院がまた半面ふえつつあると、私どもは現地に行くと聞くわけです。そこで厚生省としては、こういう病院の指定はいいわけですが、その裏づけになるものについてどの程度のことをし、あるいは今後とも万全の対策をどうとられるのか、あわせてひとつ聞いておきたい。
○政府委員(松尾正雄君) 交通事故の起こりましたときの医療費でございますけれども、これはしばしば厚生省の保険局からも申し上げておると存じますけれども、健康保険等が適用できるわけでございます。ところがなかなかその点について誤解がございまして、保険はきかないのじゃないか、こういうことで当事者同士の話が進んだりするケースが相当あるように聞いておりますが、この点はそれぞれ所掌の部門におきまして、十分保険がきくのだ、また、きかないということは誤解だということをいろいろの機会にPRにつとめていただいております。 そのほかにもう一つの問題は、率直に申し上げて、自賠法によるいろいろの賠償の問題が起きますと、これは当事者間の事故が起こったときの心理状態が反映していると思いますが、その範囲内でどうこうという話し合いがついてしまって、保険を使わないで自賠法のほうで払うということも事実でございます。しかし御指摘の問題は、患者の負担がそういうふうにして制度的にはとれているわけでございますが、問題は、そういう医療機関が救急業務を引き受けるという体制を準備されておるのに、必ずしも毎日受療の患者がたくさん来るということでもございません。結局俗っぽいことばで申し上げますと、準備をしていてもから振りになった。そのから振りのためにいろいろの費用がかかると思います。この点私どもも十分いろいろの角度で検討いたしまして、病院によりまして必ずしも一様ではございません。したがいまして、これを補助助成するということになりますと、民間の機関等に対する助成という問題のむずかしさは別といたしましても、かなり個々の条件に合わせて、どのくらい出したらいいかということは非常にむずかしい問題でございます。しかしながら、ある程度どうしてもそういうものがないと、協力体制が得られない。現に都道府県では自発的に幾らかを支出しているところもございます。何とか理屈のつく方法で、ひとつ何らかの費用を補てんするようにいたしたいということで苦労をいたしております。前年もそういう形でやりましたけれども、なかなか成功いたしませんでした。御指摘のとおりの事情がございますので、いろいろのくふうをいたしたいと思っております。
○山崎昇君 そういう予算の出し方の問題にも関連すると思うが、私は一つの方法論とすれば、やはりそこの医師会なり何なりの証明があって、指定病院によって、もちろんあとで清算されることはいいと思う。それは医師会の証明あるいは副中といいますか、そういうものをもとにして、厚生省であらかじめここの病院には過去の実績——これは実績といっても変な話でありますが、あるいはその他のファクターである程度計算して、その病院に対する補助なり何なりということはできるのじゃないか。そして翌年度末になりましょうか、その際にこれは清算ということもあり得ると思いますが、何かそういう形で具体的にこの指定された病院に対する裏づけというものをきちっとしておきませんと、これはたいへんなのではないだろうか、こう思います。だんだんだんだんそういうのが多くなるに従って、病院のほうは解除してもらいたい、これでは意味がありませんので、そういうことも含めてひとつ御検討をぜひこの問題はお願いしたいと思うのですが、どうですか。
○政府委員(松尾正雄君) いま概算払いしておいてあとで清算するというような方式、私ども従来気がついていない御提案がございました。先ほど来申し上げましたように、いろいろなかっこうでひとつ検討したいと思っておりますが、特にこの問題の中で、救急病院が一番困りますのは、夜間等における宿直体制、一つの病院でやはり相当がんばっておりましても、なかなか限られた人員で三百六十五日、夜間当直体制をとっておくということは、言うべくしてなかなかむずかしい問題でございます。また一方、その告示病院等におきましても、夜中たたき起こされますと、診療所等では家族が全部起きてしまうという面もありまして、なかなか両立しがたい問題をかかえておるように思います。 したがいまして、たとえばこれは一つの案でございますけれども、特定の病院を、夜間はもうその病院だけの、たとえば公立病院でも国立病院でもけっこうでございますが、そういったところにその地区の担当の先生方が当番で当直制度をそこでやっていただき、そこへ夜間なら全部来れば必ず当番でスタッフがいる。そこの設備機械全部使っていい、こういう形ならば、その地域の全部の医者の負担を比較的平等に軽くしながら、しかも体制は常に準備されているということもできるのじゃなかろうか。そういったようなことも含めまして、そういったときにひとつ何か助成の道なり、手当てなんかできないだろうかということもいま検討いたしておりますが、いずれにいたしましても、ひとついろいろなお知恵をいただきながら、積極的に検討さしていただきたいと思います。
○山崎昇君 この間北海道の衛生部の方が来られて、北海道でもたいへんこの問題が議論になって、私ども聞いている範囲では、地元の医師会に、釧路市で三十万、札幌市が二百万、道が一千万、医師会に対して補助をする。医師会がそういう緩急の度といいますか、そういうものを見て具体的にやるのだと思うのですが、ですから私は、やり方によっては具体的にこういう救急医療病院に指定されたところに対してそう不満——もちろん満足にはいかぬにしても、やり方があるのではないかと思うのですね。ですから、これはひとつ早急に私は具体的に検討してもらいたいと思う。もちろん会計法上の問題もあるでしょう、その他の問題もあると思うのですが、これは私のほうから提案みたいなかっこうになりましたけれども、ぜひひとつ検討して、実現を願いたいし、ますますこれはふえていくばかりですから、減ることはないわけですから、指定された病院が不満で指定病院を返すなんということの起きないように、きようはあなたに指摘をしておきたいと思うわけです。この点についてのもう一ぺんひとつ答弁をいただいてから、次の問題に入りたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) 私どもも全く先生の御意見のような、根底においては同感でございまして、いままでもいろいろ具体的な案を出してはおりましたけれども、なお一そういろいろな角度でこの実現ができますように検討を進めさしていただきます。
○山崎昇君 それでは次の問題で聞きたいと思うのです。 一 最近、イタイイタイ病だとか水俣病だとか、俗にいう公害病についてはかなり社会問題になりましたし、また政治問題にもなりましたから、厚生省のほうも相当本腰を入れているだろうと思うのです。そこでこれと同じような性格であるが、まだはっきりその病源がわからぬという意味で、スモン病というのがどうも対策がおくれているのではないか、こう私ども感ずるわけです。そこでこのスモン病というものについて現在どういう対策を持って、どうされておるのか、御説明を聞いておきたいと思います。
○政府委員(村中俊明君) お尋ねのスモン病につきましては、昭和三十年ごろに原因の不明の腹痛と下痢、それから始まる神経性の病気が出てまいった、こういう症例報告が専門誌に出まして、その後三十四年ごろから似たような病気が出てきたということで、内科の医学会でこれをいろいろ学者が集まって討議をいたしました。しかしその結論からは、なかなか原因もはっきりいたしませんし、またどういうふうな症状がそろったら同じ病気だという、そのカテゴリーの中に入れられるかというふうな点の検討もいろいろされたようですが、結局原因がよくわからない。しかも、いろいろな症状を伴う病気があるというふうな程度にとどまりまして、その後、隔年あるいは毎年のように専門の学会で討議されまして、昭和四十一年になりまして病名が統一されました。これは腹部症状を伴う脳脊髄炎症、こういう名前がついております。その少し前に、これは似たような病気でなくなった方の病理解剖をいたしまして、その解剖の結果、脳脊髄に症状が出ていたというふうなことから、解剖学的な名前をつけまして、これの学名の略字がいまの使われておるスモンという病名でありまして、ほほ現段階では、先ほど申し上げましたような種々の不明の病気というのは一応スモンという病気の症状の中に入れられるんじゃないか、しかしこれは原因、正しい意味で病名ということにはまだ至ってない。そういうふうな経緯がございまして、現在まで一応把握されておりますのは二千名程度の患者がある。特に多発地区といたしましては、ただいま御指摘もあったかと存じますけれども、北海道が三百名近い患者の発生がある。そのほかに宮城、山形、埼玉、それから長野、三重、さらに岡山、最近、岡山で相当患者が出て、現地へ担当課長を派遣しまして実態についていろいろ協議をしたという経緯もございますが、大体そういう経過をたどって、いわゆるスモンという症状の病気が流行と申しますか、発生を見ております。ただこれの原因については、これも新聞その他でいろいろ報道されておりますけれども、残念ながら現在まだ原因が究明されない。学問的にはいろいろな学説があるようでございますが、現在まだ伝染するかどうかということについても学会の定説はないのでございます。そういうことで病気の始まりました、流行の出ました三十年の後半においては、私どもも原因不明のあるいは伝染性の疾患じゃないかというふうな判断も入れまして、伝染病予防法の中で若干処理したケースもございますが、その後の究明でやはり伝染病ということに名づけるにはまだ問題があるというふうなことで、さしあたっては対策の重点をとにかく原因の究明に向けようじゃないかというのが国としての基本的な姿勢であったわけでございます。これは御承知の昭和三十九年から研究班をつくりまして、ここに三年間で約二百万円の研究費を投入いたしまして、特に専門的な神経学者、内科学者、こういう方々の参加を得て研究をしてまいりました。それとは別個に、四十一年から国立の病院の中にやはり臨床的な面から研究班をつくって、これはやはり調査研究をいたしております。これはたしか現在も続いていると存じます。 それとは別に、文部省系列ではやはり基礎的な原因解明の研究ということで、相当多額の研究費をそれぞれ専門の学者のいる大学に配付いたしまして、同じような原因究明その他の研究をいたしておるというのが現状でございます。昭和四十四年度といたしましても、年間約三百万円の疫学を含めた研究費を組みまして、現在これの執行について専門家と相談をしているというふうな実態でございます。
○山崎昇君 いま厚生省でやられている対策並びに文部省で一部学校等に研究費を出して研究をやらしておる。そこで、多く存在しておる自治体では民間の医者で研究会をつくっているいうようなところには自治体でもやはり補助金のようなものを出してやらしておるところが幾つかあります。そういうものに対しては、自治体がやっておるのだから国はやらぬでもいいのではないかというお考えかどうか知りませんが、やはり具体的に患者が存在して、一番接点で治療に当たっている医者がそれぞれ研究会を持つようなところに、私はもっと国でも力を入れて補助金なり研究費なり出してやらせるべきじゃないか。何か研究というと大学の研究室だとか、中央の研究室だけで研究すれば、何か対策をやっているような私は形におちいりやすいのじゃないかと思うのですね。そういう意味で、たとえば釧路市なんかは二十名ぐらいの民間の内科あるいは外科、その他の医者が総動員されて研究会をやっておる、こういうものに対して厚生省は一体研究費なり補助金を出す考えがあるのかないのか、そういうところにもつと私は力を入れてやはり研究さすべきではないのか、こう思うのですが、どうですか。
○政府委員(村中俊明君) 研究体制の問題についての御指摘でございますが、確かに御指摘のとおり・私的な自発的な研究体制に対する国の助成と申しますか、協力が十分でないということについては私も御指摘のとおりだと思います。ただ、今年度で組みました予算の執行に当たりましては、全国的に特に多発している地域の実際に例数を手がけたそういう専門家の参加を得てこの研究をやっていきたいと思います。御指摘の北海道につきましても、私はできればそこの研究の責任者に参加をしてもらいまして、室蘭とか釧路とか、そういう多発地域の問題も含めたいろいろな現地の問題点を中央に持ち出してもらうというふうな研究体制はぜひとりたいと、こう考えております。
○山崎昇君 こういう問題はもちろん学問的なこともあるでしょう。ですから大きい機構なり組織で原因究明することも私は大事だと思うのです。しかし、それよりまして、毎日毎日患者を見てやっておられるところの研究が私はもっと重要ではないか。ところがそういう方々はなかなか自分の費用でそんなに長らくやることができないから、やむを得ずそれぞれの自治体で幾らかでも補助金なり研究費を出してやらせているのですね。そういうものに対してぼくは国はもっとやはりあたたかい援助をなすべきじゃないか。むしろ積極的に言えば、そういうところにもつと研究費を出してやらせるべきではないかとさえ思うわけなんです。そういう意味であなたに聞いているのです。そこの先生を連れてきて、ときたま意見を聞いたからといって研究は進むものじゃないと思うのですね。この一番いい例は富山県のイタイイタイ病だと思うのですよ。あの萩野さんが十年かかって、そして自分の私財をなげうって研究して、いま初めてあなた方公害病と認定したのだ。ああいう人たちがいなかったらまだまだ私は公害病にならなかったのではないかという気がする。そういう意味で考えると、こういう原因のわからない、しかし苦しい患者を毎日目の前にして一生懸命やっている医者、あるいはそういう方々が集まって自主的に研究するもの、そういうものに対して私はもう少し厚生省は積極的な姿勢をとってもらいたいと思う。このほかにも一部新聞の報道ではかなり全国に原因のわからぬような病気があるのじゃないか、そういうものについてもほんとうは医療というものは研究するのが本質であるが、どうも最近は心臓病だとか、世の中をあっと言わせることばかりに医者は目を向けているという批判もされているようでありますが、私はそういう点にもう少し厚生省はほんとうに人間尊重だとか、あるいは人の命が大事だと言うならば厚生省は目を向けてもらいたい。そういう意味で四十四年度予算がもう間に合わないというならやむを得ませんが、四十五年度ではどうですか、そういうことやってもらえますか。これはかなりやっておられるのですよ。ただ、たまにその担当している医者を呼んで意見を聞くなんという簡単なことじゃなしに、積極的に私はやっぱり厚生省としての援助の手といいますか、研究の手といいますか、そういうものを伸べてもらいたいと思う。そういう意味で私がとりあえず聞いているのは、釧路の市内で二十名くらいの医者が列席してやっておる。こういうものについて来年度考えられますか、どうですか。ほかにもまだあるかもしれませんが、私いま聞いているのは釧路の例で申し上げたのですが、どうですか。
○政府委員(金光克己君) 研究に対する私どもの態度の問題でございますが、これは先ほど経緯を若干申し上げましたけれども、現在の段階でこういうスモンの疾病の一番手がける率の高いところは内科系統の施設でございまして、さらにそれにプラスして神経系統がまじった形で主として専門家が養成されて、そういう方々がスモンの対策に専門的に取り組んでいるという実態があるわけであります。私どももこういう網の張り方といたしましてはできるだけそういう専門家の系列を通した形で、たとえば、病名がまだつかない症状を幾つかきめて、その症状がそろったら、症候群というふうなかっこうで、一応病名にかえているというふうな実態の中では、個々の臨床的な症状の再検討という問題もありまして、一がいにスモンという病名をつけて入れて見たところが、やはり違う種類のものもあるというふうな場面が出てくる。そういうことで内科と神経学者の専門的な系列の中で問題の処理をしたいと考えたわけです。そういうところから、いま例に出ました釧路につきましても、たしか北海道大学及び札幌医科大学の内科、神経科系統の専門家グループとつながつた形で処理されていると私は理解しております。ただ問題は、そういう形でもなくて例がございました。富山県のイタイイタイ病のように、現地の篤志的な専門の診療所の先生がこつこつとやられた研究が、やはりスモンという問題を究明する場合にも貴重な問題じゃないかという点につきましては、これはいま非常に重要なことだと思いまして、来年度、今後の研究課題にさせていただきたい。繰り返しますけれども、一応、地方自治体という系列の中で何とかまとまる、あるいは連係のとれるものについては、なるべく網の目を広げる形で処理してまいりたい、こう考えております。
○山崎昇君 私がいまそういうことを言ったのは、たとえば、これは問題が違うのですが、厚生大臣がテレビに出演きれて、あの問題になっておる米ぬか油の被害なんかの問題で出ておられる。大臣とか、あなた方がああいうところに出ていくというと、たいへん調子のいい答弁されるわけですね、私ども見ておりますと。この間、厚生大臣出られまして、いまのスモン病でありませんが、米ぬか油なんかについては、あそこを扱っているのは熊本大学でしょうが、研究費は十分やってあります、もう御安心ください、気を大きく持ってがんばってください、こういう話ですね。あれは熊本大学の先生が中心になってやっておるから、そこに私は研究費はかなりいっていると思うのですよ。これを私は否定してものを言っているのじゃない。しかし、あなたのいま説明を聞いても、確かに文部省からそれぞれ研究される大学なり学者なりに研究費の補助がいっている。あるいはまたあなたのほうに研究班ができたということを聞きました。しかし、私はそれよりもっと重要なのは、こういうスモン病でないかということを、臨床、通じて現実に一生懸命やっている医者がたくさんおるでしょう。そういう方々が自分たちが集まって研究やる。しかし、どうしても金その他でどうも万全でないから、その自治体はなけなしの金をはたいて研究やらしているわけですね。そういうことに対して私はもう少し厚生省は積極的になっていいんではないか。確かに系統を通じてやる研究は否定しませんし、重要だと思います。それよりもっと第一線で、そしてそういう患者を相手にして、臨床的にも研究やっている医者に対して、厚生省はもう少しあたたかくなっていいんじゃないか。あるいはそういう方々が集まって自主的な研究をやるならば、その研究が進むような体制を厚生省がつくってやることも大事なのではないか、そういう意味で私は言っているんですよ。ですから、いま例にあげたのは、一番よく釧路の例を知っているからあげたんです。内科も外科も脳神経も集まって、市内にあるお医者さんの二十名か二十五名かが、一月か二月か知りませんが、一ぺん集まってやっておるようです。そういうところに対しては厚生省の研究補助金なり何なりという手段が講ぜられていいのではないか、こういう意味でお尋ねしておるんです。四十四年度予算がないというかう、それならば来年度以降そういうことは考えられるかどうか。あるいは自治体に対して補助して、自治体がそれをそういう研究に回すということもあり得るでしょう。いずれにしても、国がそういうあと押しをするといいますか、そういう形がとれないかどうか、もう一ぺんあなたに聞いておきたい。
○政府委員(金光克己君) 四十四年度につきましては、ただいま申し上げたとおりでございますが、まだ新年度の予算の編成の作業に入っておりませんし、その御意見は十分拝聴いたしまして、今後の作業の参考にさせていただきたい、こう思います。
○山崎昇君 それではぜひそうゆうところで、じみであっても一生懸命、こういう原因不明の、一応の病名もできたようでありますけれども、こういうものに取り組んで研究を進あている医者、あるいはそのグループに対してひとつ皆さんの力強いあと押しを願っておきたい。これは四十五年度でどういう方法をとるかわかりませんけれども、あらためてまた後日その点についてお聞きをしたいと思いますので、ぜひこれは実現をしてもらいたい、最後に要望してこの問題を終えておきたいと思います。 その次にお聞きをしたいのは、保健所の問題についてですね。これは機構面に入ると思うんですが、官房長でけっこうでありますが、お聞きをしておきたいと思います。たしか昭和三十四年だと思ったんですが、保健所の設置については、その定員が型が分けられて、型別定数になっているんですね。いま全国で八百三十二ヵ所の保健所があると私どもは記憶しておるわけでありますが、ところが三十四年にこの定数がきまってすでに十年たっておる。その間、保健所の業務がかなりふえているにかかわらず、依然として十年前の基準でやられておる。こうゆうことについて各保健所ではかなり不満があるようです。そこで保健所の今後の運営についてどういうお考えであるのかが一つと、それから最近横浜その他で人口三十万人ですかに一ヵというような何か基準があるようでありますが、それに基づいていろいろ市としての保健所を設置しておるようですが、どうしても人口が膨張しますので、それではさばき切れないというところから、支所というものをかなり設けられておるようであります。そこで最近は支所を保健所に昇格をさしてもらいたい、こういうことをかなり厚生省に、言うようでありますが、厚生省のほうは、全国の八百三十二の数字にこだわるのかどうか知りませんけれども、なかなかそういう実情が認められない。こういうことで人口が膨張してくる都市なんかはかなり不満を持っているようであります。したがって、保健所の支所の昇格等の問題について、厚生省としてどういう検討をされておるのか、この機会に聞いておきたい。
○政府委員(金光克己君) 保健所の問題につきましては、昭和三十五年に再編成の計画ができましたことは御指摘のとおりでございます。その後十年たちましてなかなか現地の地域の実態に合った保健所の活動ができない。特にここ数年間の社会的な情勢の変化の大きな問題としては、人口の流動ということがありまして、過密都市と過疎地域との非常なアンバランスが出てまいりました。これは三十五年につくりました再編成当時の社会的な情勢とはもっと違ったような実態、が出てまいりました。そこで私どもは、一昨年から保健所の仕事のあり方ということのまた検討を始めておりますが、いま柱としてあげて検討いたしております事項は、人口が都市に流出してしまった過疎地域、僻地を伴ったようなそういう地域の保健所のあり方はどうかという問題が出てきております。御指摘のように、一応、保健所法では人口十五万以上の都市については、保健所を市が持つというふうなことも保健所法の制定当時にはありまして、現在三十市が政令市の形で保健所を持っております。しかし、このような人口移動の中で、一体十五万というふうな人口の押え方が、市が保健所を持つことに適当なのか、どうか、あるいは御指摘のように三十万という人口が適当なのかどうか。政令市のあり方の問題もまた出てまいり、基本的な私どもの考え方といたしましては、やはり住民に密着した健康の問題というのは、なるべく下の段階にと申しますか、行政単位の小さなところに下げて、そこで住民サービスをするというのが筋が通るのじゃないかという判断をいたしまして、これらをまぜて保健所の今後のあり方という検討をいたしたい。これはまだ一年くらい続こうかと思いますが、さしあたって私どもはそういう過疎地域、特に流出してしまったあとのそういう小さな町村に対する住民サービスを中心にした保健所活動の強化というふうなことを考えてまいりたいと、こういうふうなことでございます。 なお、横浜市の例がありまして、支所を保健所にということでございますが、そういうことで、現在、横浜市では政令市という形で市自身で保健所を持っていることは御承知のとおりであります。この政令市が、横浜の場合は別といたしまして全国に三十ございます。二十七、八万から百万をこえるような人口の地域、人口の多いところの地域は幾つかの保健所を持って、それなりに市は機能的に仕事ができやすいのでありますが、小さな人口の市につきましては、一市一保健所というふうなところもある。こういうところになりますと、たとえば監視業務的な権限を伴うような仕事になりますと、人事管理業務そのものについてもいろいろ問題点が出てまいる。そういうことで、政令市のあり方という問題もこれは込めまして保健所の再検討をいまいたしております。さしあたってそういうことでございまして、特に人口が膨張してとても支所という形ではやっていかれない、どうしても保健所という形をとる必要があるというふうな客観的なデータが出てまいりましたら、その段階で今後も関係の市当局と話をしてまいりたい、こう存じております。
○山崎昇君 厚生省という行政機関ですから、部分部分でものことを判断できないということも、これも私は反面理解をします。それから全体的な規模の中で、ここはどうしようかという、そういう判断をされるということも私もまた理解をします。これから一年ぐらいかかってこの保健所法をどうしようかと、こういうわけでしょう。そのあとに、まあ保健所がなくなるというところはないでしょうが、縮小するところ、ふやすところ、いろいろあると思うのですね。しかし、いずれにしても、政令都市の場合にはそこの市の設置条例でこれを置くわけですね。ですから、その市で人員、あるいは建物、あるいは予算等々が整備をされて、どうしても支所ではどうにもならないというかっこうで昇格をさせようという場合に、私ども聞いているのは、何か全体で八百三十二ヵ所の保健所だから、この数をふやすことはどうもぐあいが悪い。だから、どこか一ヵ所減ったら、それじゃその分だけあなたのほうの支所を認めましょうか、何かこういうようなやり方が中心だとも私ども聞いているのです。それが間違いであればけっこうであります。しかし、それでは、いま例にあげました横浜でありますとか、東京周辺の毎年毎年これだけ人口の膨張しているような市ではどうしようもないのです、正直のところ。一朝何か伝染病の発生でありますとか、保健所がもうフルに活動しなければならぬようなことが起きて、初めてまた皆さんのほうはあわてて保健所の機能がどうのこうのということになると思うのです。だから、そういうことにならぬように、こういう人口増加の問題のところについては、全体の計画はは計画としても、そういうところもやはり個別的にある程度ものを見て対策を講じなければ、行政的に私はおくれていくのではないかと思うのであります。そういう意味で、いま例に横浜を出しましたが、ぜひ、全般の計画は計画で私はわかりますが、ひとつそういう政令都市であなたのほうに相談されたら、あまり全体的なこということをたてにして首を横に振らぬようにきょうはお願いしておきたいと思う。 そこで、重ねてあなたに確認しておきたいのですが、そういうところはあなたのほうに相談に行ったら、やはり十分事情を聞いてもらって、そうしてその市がやはりこういう保健行政の立ちおくれのないようにするためには、その市が責任を持ってやるわけでありますから、ぜひひとつ実現するように願っておきたい、こう思うのですが、どうですか。
○政府委員(村中俊明君) 保健所の新設につきましては、私どもも現地の実態を十分聴取し、場合によっては現地に出向いて実態の把握をした上で処理しておるわけでございます。ただ、地域住民が保健所の活動に対して期待する部分が、必ずしも私どもあるいは自治体の行政当局が見て考えておるのと違う面があります。端的な例を申し上げますと、地域の住民は、保健所ができたら赤ちゃんの健康相談がどんどん受けやすくなるだろう、あるいは栄養指導も受けやすくなるだろうというふうな、私どものことばを用いますと、対住民のサービス業務ということに対する期待が非常に多い場合があります。保健所という形では、そういうふうな対人関係のサービス業務ももちろんあるわけでございますが、御承知のように監視業務というようなもの、あるいは施設に対する指導というふうな業務、いろいろあるわけでございます。そういったものをワンセットにした形が住民の期待するような保健所に対する設置の要望であるというふうな問題が出てきて、初めて私は保健所の設置の意味が出てくるというふうなことで、基本的なと申しますか、一般的な考え方といたしましては、型の小さな保健所をたくさんつくるよりは重点的な保健所の整備をやって、精密な濃度の高い業務をやらなければならないものはそこで処理する。直接住民に密着したようなサービス的な業務は、これはできれば末端の支所あるいは出張所、そういうようなところで処理されるような体制を考えていくというふうなことが、いま私どもが作業をしている意見の一つでありますが、考え方としてはそういうことでございますけれども、現地の実態を十分聞いた上で処理をすることは現在もそのとおりで、今後もそういうようにしてまいりたいと、こう思っております。
○山崎昇君 そうすると、あれですね。必ずしもいまあります八百三十二の数字にこだわってどうこうということはありませんね。私ども何か厚生省では全国の保健所の数字にこだわられて、どうもそれからふえることはまかりならぬ。だから、どこか減ればどこかふやしてもいいのだ、こういう相対的なことだと聞いておりますが、これは誤りですね。そうすると、こういう数字に関係なくそこの自治体で地域住民との関係をよく見て、どうしても必要ならば認めます。こういうことと私は確認をしておきたいのですが、いいですか。
○政府委員(村中俊明君) 事務的なこととしては、なるべく先ほど申し上げましたように、できるだけ機能の整った大きな保健所の体質改善をしたいという考え方が一点あるために、いろいろ誤解があるようでございますが、私ども現在の段階では、まだこれはペーパープランまでいかない問題でありまして、現地の実態を十分聞いた上で、必要と考えられれば処理をしてまいりたい。こう存じております。
○山崎昇君 それではその問題はその程度にして、次に老人対策について二点ほど聞いておきたいと思うのです。 最近の厚生省の資料によりますというと、平均寿命がずいぶん伸びて、一応五十五歳を定年だと考えるならば、それから大体、男性で十九年くらい生き延びて死んでいくという勘定になっておるようであります。そこで私が聞いておきたいのは、この平均寿命が延びたことに関連をして、いろいろ分析をされておるようでありますが、老後の問題というものをほんとうに安心させるためにはどうしたらいいだろうか。これは二、三外国の例を調べてみても、一番社会保障が進んでいるといわれるスウェーデンなんかで老人の自殺が多いと、こう私ども聞いているわけです。そうすると、施設が整備をされておる、そこへ老人が入っていただく、それだけではどうも老人というのは満足できないのではないだろうか。だんだん平均寿命が伸びていけば何が足りないんだろうか、どういうふうにしたらこの老人対策というものは万全なんだろうか、これはやさしいようで実際考えてみればむずかしい問題を含んでおるのではないかと思うのです。そういう意味で、平均寿命の伸びと老人対策というものと厚生省ではどういうふうに関連づけて今後の対策を講ぜられるのか、まずお聞きをしたいと思う。
○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。 いま先生おっしゃいました問題は非常に込み入った問題でむずかしいとは思いますけれども、端的に言いますと、日本の現状から言いますならば、スウェーデンのような社会保障、いわゆる年金とか、あるいは医療とかいう問題が非常に、出発、日が浅いという問題が一つ残っております。それからもう一つは、衛生状態がよくなったというようなことで寿命が伸びておりますけれども、その寿命の伸びが、ほかのヨーロッパあたりでは一世紀ぐらいで逐次伸びてきたのが、ここ十年くらいで非常に大きくなってきている。その裏側に、もう一つは、家族制度というのは昭和の始めくらい、明治、大正以来というのは大体五人平均、きょう現在といいますか、四十三年あたりではもう四人を切っておる。おそらく一人減るにはイギリス、アメリカあたりでは一世紀、それを十年くらいで下げてしまった。家族制度の崩壊といいますか、変貌といいますか、そういうようなものから非常に心理的な不満というようなもの、それが自殺なんかに相当響いてくるのではないかと思います。それからもう一つは、これは先生御指摘になろうかと思いますが、いまの終身雇用制度、定年制とかいう問題が、労働力が不足になってまいりますとだんだんそれが伸びるんだろうと思いますけれども、とにかく五十五歳定年、年金も六十あるいは、六十五というふうな関係、この辺のギャップをどうするか、いろんな多方面にわたると思いますが、その辺はどうせ厚生省だけではけりがつく問題ではありませんので、労働なり各方面と連絡をとって研究してまいりたいと思います。
○山崎昇君 そうすると、いまのところは平均寿命が伸びたに伴う老人福祉の総合的な対策といいますか、計画といいますか、そういうものはまだない、これからいろいろ関係各省と相談をされてつくられる、何かそういうふうにも聞こえるのですが、どうかということ。これはもちろん雇用の問題ならば労働省の問題にもなるでしょう。しかし、何といっても私はあと十年もすれば国民六人に対し一人は五十五歳以上の老人になるともいわれておる。そうすると、あとで村田君から出るかもしれませんが、児童福祉の問題ももちろん大切でありますけれども、この老人の問題をどうするかというのも、私どももそうなってきますしね、きわめて私は重要だと思う。さらに考えてみるというと、さっき申し上げたように、何か環境は整備されるけれども、先進国であるスウェーデンでは自殺が一番多いという。そうすると、私は環境だけでないような気がするんで、一番こういう問題に中心になられる厚生省としての見解をきょうは聞きたいと、こう思ったわけなんです。したがって、具体案がなければやむを得ませんが、いずれにしてもこの平均寿命がどんどん伸びるわけでありますから、この老人対策というものについて私は真剣にひとつ取っ組んでもらいたい。 あわせて、これもいつか私は社労委員のときにお尋ねしたと思うのですが、依然として家庭奉仕員というものの待遇がどうもあまりよくない。何かことしはずいぶん人数をふやしたようでありますが、それでもかなり足りない。そういう意味で家庭奉仕員というのを、これからあなた方どこまでこういう人に対して待遇をされるのか、いま現在、たとえば来年度であればどういう程度のことを考えられておるのか、少し早いような気もしますが、伺っておきたいと思う。
○政府委員(今村譲君) 最初の点、問題点だけをたとえば職業の問題、年金、医療の問題というふうに、こういうふうなテンポの早い人口老齢化についてこういう問題がありますということだけを申し上げたので、対策はこれから考えるのかとおしかりをいただいたのですが、実は厚生省としましても、厚生年金、国民年金、それの内容充実、国民年金なんかは三十五、六年からやっとやり出して十年にもなっていないというようなことで、その内容改善に非常に努力しておる。医療問題につきましても、いま抜本問題でいろいろ議論されておりますが、給付率を上げるとか、老人保険の問題を別個につくるとかというふうなものを真剣に検討いたしておる。それから家族制度の変貌というものを直接的に厚生省がどうこうということはできませんが、そこからはじき出されてくる老人というものは非常に数が多いのでございます。そういう意味で老人福祉施設というふうなものの大幅な増設に毎年努力しなければならぬというような傾向とか、うちの省の部分だけでやっていることをひとつ御了承いただきたいと思います。 それから家庭奉仕員の問題でありますが、これは施設に全部収容してしまうというようなかっこうならばわりあい簡単でありますが、とてもそこまでいかない。寝たきりだけで全国で四十万人くらいおられる。家族の人手がある人はいいにしても、非常に困るということで、本年度は約四千五百人くらい増していただいたわけであります。これはやはり相当困った程度の人については週に一、二へんでも必ず半日くらいは行けるかっこうにしたいというには、まだまだ膨大な人数が要るということでございます。それから処遇改善、ことしやっと一万九千二百円ということにしましたが、これについても普通の常勤ならばそれはまだまだ低い。ただパートタイマーのような人もおられます。勤務形態がいろいろあります。これについては大いに今後とも改善しなければならぬと思います。
○山崎昇君 あと二つでやめますが、二つはこれはほんとうは時間があれば、私は児童問題について十分聞きたいと思ったのですが、時間がありませんから一点だけ聞ますが、最近テレビのコマーシャルにずいぶん子供が使われるのですね。私はどうも、あれ見ていて納得できないのですよ。そこで、私は厚生省の児童局長か何か知りませんが、この学校に行かないような小さい子供をコマーシャルのあれに使うことについて、あなた方いいと思うのか、悪いと思うのか、お聞きをしたいと思うのです。これは子供はいろいろなかっこうをさせられていますが、契約して報酬は親に入ると思うのですね、これは。どうも私はテレビを見ていると、こんな小さい子供がいろいろなかっこうをしますよ。たとえば何というのですか、お湯をつぐやつならば、トラの皮みたいなものを着て出てきたり、ミルクで赤ん坊がミルクを飲んでいる姿ぐらいいいとしましても、私はあまりにも子供というものが企業の道具にされているのじゃないか、そういう気がしてならないわけです。だから、ほんとうに児童憲章のいうように、乳幼児なり、子供を大切にするとか、企業の道具にしたくないというならば、私はああいう子供をコマーシャルの宣伝に使うといいますか、企業の宣伝に使うということはやめさせるべきじゃないかという見解を持っておるのです。そこで厚生省にお聞きをしたい。こういうことはいいと思いますか、悪いと思いますか。悪いと思われたらやめさせるような指導をするかどうかお聞きをしたい。
○政府委員(戸澤政方君) 児童局長おりませんので、私からお答え申し上げます。 コマーシャルに子供がたくさん出てくるということは事実でございますけれども、コマーシャルの中にもいろいろございますので、明るい感じのもので子供が出てくるのがかえって効果的であるというようなものもあろうかと思いますけれども、そういう企業の商業目的のために子供が利用されるというようなことは、これはもう児童福祉法の趣旨にも反することでございますし、おもしろくないことでございますので、今後その内容につきまして、十分に個々に検討して、必要があれば規制を考えていきたいと思います。
○山崎昇君 もちろん就業年齢が十五ですから、中学出た以上ぐらいの子供が民間会社で働くわけですからいいとしまして、何にもあんたわからないのに、その企業のつくっている商品がいいも悪いも全然知らないんですから、親は報酬もらってのうのうとするわけでしょう。ですから、私は事の善悪を別にして、ああいう宣伝の道具に子供を使うということをやめさせるべきだと思うんです、内容いかんにかかわらず。そういうことを私は強くここで訴えておきたい。最近は特にひどい。食料品から始まりましてね、それから石油製品、あるいはふろ、ほとんど私は厚生省に関係する業者が多いんじゃないかと思うんですよ、薬でもそうです。そういう意味で、私は子供をああいう宣伝の道具に使うようなことは、いまやっているものを一気にやめろと言ったって無理な点もあるかもしれませんが、やはり厚生省の行政指導としては、法律的に禁止されてないんでしょうけれども、この点は十分考えてもらいたいと思う。こういうことを重ねて私は指摘をして、厚生省に善処を要望しておきたいと思う。 最後にもう一点聞きたいのは、先般、麻薬取り締まりに関連して起きた汚職ですね、その後一体どういうふうにされたのか、そしてそれに関連してあの業者関係をどういうふうにされたのか、その二つだけ聞いて私の質問やめたいと思います。
○政府委員(戸澤政方君) 先般、薬務局に関連しまして贈収賄に関する汚職容疑事件が起こりましたことはまことに遺憾なことでございまして、申しわけなく思っております。事件は去る三月ごろで一応検察当局の取り調べが終了いたしまして、薬務局の末吉という技官一人が起訴処分になっております。それで、その本人の処分につきましては、一応、裁判の結果を見るまで休職処分にしておりまして、その結果によりまして必要な行政処分をすることにいたしております。なお、この事件に関する監督責任としまして、薬務局長以下関係者の行政処分をそれぞれいたしております。 事件はそういう落着でございますが、この綱紀粛正問題につきましては、もう従来とも政府としてもいろいろな方法を通じて指示もされ、監督もされておりますので、その指示に従って万全の策をとっておるわけでございますけれども、特にこの薬務局等の業者との関係につきましては、ほかの公務員以上に十分な監視並びに対策が必要ではなかろうかと考えております。それで、事件後、薬務局を中心としましていろいろな具体的な対策を考えまして、今後ああいう製薬業の許可のしかた、業界との接触のしかた、そういうものにつきましていろいろ具体的な方策を立てまして、これに関係する職員については上司の監督、相互のチェックシステム、そういったものを従来以上に強化してあやまちのないようにいたしたい。それからまた、業者との接触等につきましてもこまかいことまで言いまして、平生のつきあい関係等についても誤解を招くようなことがないようにいろいろ具体的な対策を考えて、いま実施し始めたというところでございます。
○山崎昇君 ほんとうはこれはいずれ私は総理府に聞きたいと思っているのですが、五月二十三日に総理府から、「綱紀粛正のための各省の具体的措置について」という報告書が出ているのです。ですからほんとうは所管の総務長官に私はこの内容でこまかに聞きたいと思っているのですが、その中に——あなたのほうでもやはり汚職者を出したわけでありますから聞いておきたいのは、この報告書によるというと、本省に綱紀粛正対策委員会を設置して毎週一回必ず会議を開いてその結果を報告せよということになっているのです。そこで、本省に綱紀粛正対策委員会をつくることになると思うのですが、ずっと事故を起こしたものを見ると管理職がほとんどです。管理職が事故を起こしている。そこで、監督する側だけでこういう対策委員会をつくって幾らやっても、私は効果がないことは言いませんが、万全の対策ではない。そこで、私はどうしてもこういうものはやはり下級職員を代表するもの、ことばをかえて言えば、その省に労働組合があるならば、労働組合の代表を一名こういうものに加えて、下級職員から見てどういうふうにしたらこういう事故が再び起きないようになるのか。こういう綱紀粛正対策委員会というものの構成についてあなたの見解を聞いておきたい。できるならば、私はそういうものをつくるならば、職員代表という形で組合の代表を入れて万全を期してもらいたい。こう思うのですが、それについてのあなたの見解が一つ。 それから、この報告書の最後に、業者への協力要請ということがありまして、「綱紀粛正についての趣旨を伝え、協力方を要請する。」というのです。業者にどういうかっこうでやるのか知りませんが、もしあなたに案があればお示しを願いたい。 さらに、二点ありまして、そのあとに、「職員等に対し物品を贈与する等不公正な求人活動を行なう企業に対しては、必要により紹介保留、紹介停止の措置を講ずる。」、これが総理府から出た報告書の一部です。厚生省としては、こういうのが総理府から出ているのでありますが、これに基づいてどういうふうにされようとしているのか、もし厚生省としてのまとまった考え方がなければ、あなたの見解でもいいですが、聞いておきたい。
○政府委員(戸澤政方君) 第一の、そういう綱紀粛正対策委員会の構成、性格に関する問題でございますが、これはやはり公務員の管理監督に関するいわば人事権にも関連する問題でございますので、やはりこれの構成としては管理者を中心につくるべきものであろうかと思います。厚生省におきましても、官房長を長にそういうものを運営しておるのでございますが、しかし、その運営につきまして、たとえば具体的にいろいろ綱紀粛正対策を考える場合には、一般職員の意見も聞くということが必要なこともございます。それは必要に応じて実際実務に携わっておるものの意見を聞いて対策を立てるというような運営をいたしているわけでございます。 それから第二の業者への協力要請、これはたとえば業者との面接をどういう時間に行なうかとか、あるいはつき合いをどうするとか、盆暮れの贈りものなどはもう厳禁するといったようなことは、こちらで一方的にきめましても、相手方にも協力してもらわなければならないことですし、これは、たとえば製薬業者ならば製薬関係の団体——連合会のようなものがございます。そういうものを通じまして、そういう方面に協力をしてもらうというようなことを正式にお願いして協力を要請しているというようなことをやっているわけでございます。 三番目の問題は、労働者の問題でございますかか。
○山崎昇君 そうではないです。中身を見ると必ずしも労働省とばかり言えませんよ、これは。まあいいです。しかし何といっても、当初は行政監理委員会なんかはそういう業者の出入りを差しとめろというぐらいの声明が出たのですね。これを見るというと、何か協力を要請するというのですから、私はずっと後退していると思いますけれども、これはあなたのほうの所管でありませんので、いずれ総務長官には詳細にこの内容を聞きたいとは思っておりますけれども、ただ当面あなたのほうも事故者を出しておりますから、こういうことについては相当神経をとがらかさなければならぬと思うのです。そういう意味で、省議がまとまっていなければあなたの見解ということで聞いたわけですから、これでいいと思います。いずれにしても満足でありませんけれども、私の質問をこれで終えておきたいと思います。
○岩間正男君 最初にこの前お願いした資料はどうなったでしょうか。まだ出てないのか。
○政府委員(戸澤政方君) こまかい資料もございますので、恐縮ですが、今週中かかるようでございまして、来週の月曜日にお出しする予定にいたしております。
○岩間正男君 こういうことだとちょっとこれは質問にも差しつかえるところが出てくるので、きょうは時間も相当過ぎていますから、ある程度やって——きょうは大臣が出席してない、そういう事実があるし、条件がそろっていないようですから、できるだけのところをやって、この次に継続してやらしていただきたい。こういうことを前提にしてやりたいと思います。 そこで、まあ最初に官房長にお伺いしたいのですが、どうなんですか、統計調査部というのが大臣官房にあるわけですね。これは相当なスタッフを持ってるのでしょう、どのくらいですか。
○政府委員(戸澤政方君) これは官房に属する部でございまして定員六百九十名ほどでございます。
○岩間正男君 おもにどんな仕事をやってるのですか。
○政府委員(戸澤政方君) これは厚生省の行政に関する基礎になるような各種の統計、人口動態、衛生に関する統計、社会福祉に関する統計、そういったものの計画、実施、解析、そういったものをやってるわけでございます。
○岩間正男君 これは厚生白書に反映しているわけですね。
○政府委員(戸澤政方君) もちろん厚生白書の基礎的な資料として使用されているわけでございます。
○岩間正男君 私、先ほどから、一昨日から聞いているのですが、どうも厚生行政も科学的になってるのかどうかという疑問を実は聞いていながら持っているわけです。ほんとうに客観的な事実があるわけでしょう。その上に立ってむろん政策が加味されるわけだけれども、しかし、その医療の問題、保健の問題、国民の生命に関する問題ですから、これはまあ実際にその政策で非常に手心を加えるとか、あるいはこれを縮小するとか、こういうかっこうじゃ非常にまずいというふうに思うわけです。だから、少なくともこの業務にあずかっておられる皆さんは、事実は事実として、その事実の上に立って明確にこの事を処すという態度がなかったら、実際は国民の生命は守られない、こういうふうに感ずるわけです。そういう点から実はお聞きしたいと思うわけです。それで、先ほどから看護婦の問題が出てまいりました。看護婦不足の問題というのは、深刻なこれは政治問題になり、社会問題になっているのが現状だろうと思う。これについていろいろな対策が考えられ、社労なんかでも決議が出されたようですね。そういう中で、国立病院と療養所の場合ですが、これはどうなんですか。看護婦の不足率はどれくらいになっているのですか。
○政府委員(松尾正雄君) ことしの五月でございましたか、五月段階では、看護婦の充足は一〇〇%と申し上げていいと思います。これは御承知のように新しい卒業生等が入ってまいりますので、これは年度初めは非常にいい。しかし 途中でだんだん、抜けていく傾向がございます。しかしながら、昨年度の平均で九八%強という充足の状態になっております。
○岩間正男君 そうすると、九八%というと不足数はどのくらいになりますか、絶対数は。
○政府委員(松尾正雄君) 約三百七、八十名程度になります。
○岩間正男君 そうすると、松尾さんのこの前の答弁によると、四十一年の試算では三万一千足りないと、こういうのが速記録に残っているわけですが、そうですね。四十三年十二月十三日の参議院社労でそういうことを言っている。そうすると、それからこの三年間ですか、三年間に三万人ばかりの充足ができたというわけですか、そういうことなんですか。
○政府委員(松尾正雄君) この四十二年でございますが、三万一千人看護婦が不足しておるというのは、当時の日本の病院等の病床数、それに入っておる患者数をもとにいたしまして、それに四人に一人の看護婦を配置すると、こういう計算をいたしましたときに、そのときに勤務しておる者との差が三万一千名ということでございます。その後の状態がどういうふうになるかということになりますと、たいへん複雑になってまいりますが、新規の卒業生は先ほどお答え申し上げておきましたように、三万人をこす程度の新卒業生が出ておるわけでございます。そのうちに学校に行く人や何かもございますので、就業人口としては二万九千人程度でございます。それだけが実働としてその上にふえてくれば、すぐに解消できるわけでございましょうけれども、実際は自然退職というものがございます。したがいまして、最近のそういう要請にもかかわらず看護婦の就業人口の増加というのは、年によって多少差がございますけれども、大体一万五千を限度とする程度のふえ方でございます。一方・病院の病床数というものが年平均いたしまして大体四万二千から四万三千床の増床がございます。その部分は新しい需要として看護婦を必要としてくる。そういう現状にございます。また病院の外来患者というようなものの増加というものも当然その必要性を増大させる方向になっておりますので、その辺のところを見まして三万一千名というものが急速に縮まってきているとは考えられないわけでございます。
○岩間正男君 これは資料を出してもらうのが一番いいと思うのです。先ほどのあなたの説明だと、最初は四人に一人と、こういうことだけれども、これにとらわれないで看護単位をきめたと、そういうような配置で充足率が一〇〇%だというような御答弁じゃないんですか。基礎が狂ってくれば、こういうことになる。これは三年前と違うんですか。その上に立ってのいまの充足率を言っているのか。だから、ここのところは、科学的な行政でなければいかぬというのは、その数字を明確に出してその基礎についてはっきりやって、それによってこれは検討しないとどうもぐあいが悪い。年間四万人もふえている、ベッドがふえていく。そして充足率、養成はそれに伴っていない。そういうものを何とか説明の上でごまかすようなかっこうで、結局四人に一人じゃぐあいが悪いから、これは看護単位をきめた。看護単位というのはこれは非常にぐあいが悪くなっている。そういう形で現在はやや充足されておりますという答弁では、全然保健行政は私は科学的なそういう基礎の上に立っていないと思うんです。どうなんですか。
○政府委員(松尾正雄君) 先ほどの充足率と申しましたのは、国立病院等で看護婦の定員に対して減員が幾らいるか。こういう意味のつもりで充足率とお答え申し上げたわけで、したがって、国立病院の看護婦の定数と病床との関係でいえば、大体三・七ベッドに一人程度の看護婦の数字になっておりますわけでございます。その定数が、大体先ほど申し上げましたような割合で埋まっておる。そういう意味の充足率と申し上げたのでございます。後段のほうで御指摘のございました看護単位というものを中心にして考えるということは、私どもがこれからの看護婦の需給計画を立てる上のースにしたい。それは単に、ベッド数を四で割っていくという単純なものでなく、看護単位の実態に即したものの積み上げでやっていきたい。こういう意味で申し上げておるわけでございます。
○岩間正男君 そうしますと、これは何ですね、定数に対する充足率というようなことで、いろいろな年間のベッド数、ベッドがふえるとか、そういう条件というものは十分に加味された、そういう基礎の上に立っているということじゃないですね。
○政府委員(松尾正雄君) 国立病院、療養所についていえば、それぞれの病床の伸びなり、そういったものに見合うようにそれぞれ定数をきめておるわけでございますので、その限りにおいては、大体見合ってふえておるというふうに考えてよろしいわけでございます。
○岩間正男君 民間を含めたらどうですか。民間を含めて全般的にどうなるか。
○政府委員(松尾正雄君) 民間を含めましたときに、先ほどの三万一千人というのが足りないというふうなことでございます。
○岩間正男君 次に移ります。人事院判定の問題は非常にいま切実な問題になって、これを中心としていま医療関係の人たちが大きな問題を起こしているわけですね。そのために慶応病院の最近のあのような戦いも一起こっておる。それから日赤でも現在要求が激しくなってきておるわけですね。これで過般から問題になっておりましたが、八日と、それから複数夜勤、二、八というやつですね。この要求について、どういった一体調査をされているんですか。具体的にお聞きしますと、これは資料でもお願いしておったんでありますけれども、複数夜勤に必要な増員は、一体何人必要だと考えておりますか。
○政府委員(松尾正雄君) 二人夜勤というものと、一月に八日以内というような二つの条件を国立病院、療養所に当てはめまして、かりにこれを全病棟について実施をするという仮定に立てば、現在の定数をさらに一万人程度ふやさなければならぬということになろうかと思います。
○岩間正男君 そうすると、その基礎ですね、その計算の基礎を明らかにしてほしい。二つに分けられますね。一つは八日と、八日にすれば幾ら。そうしてさらにそれを二人以上、これは複数ですから三人の場合もあるわけですが、そういう場合に幾ら、それは基礎があるわけでしょう。あなたたちそれをせっかく膨大な、六百九十人もいる調査機関を持っておるわけですからね。そうすると、この統計で集めて検討されたと思う。そのデータがないということはこれは言えないだろうと思う。これは判定が下ったのは四十年でしょう、四年も経ているわけです。足かけ五年ですから、五年の間にこの調査もしていないということは、私は全然問題にならないと思いますので、お持ちになっておるだろうと思う。お持ちになっておるものがなかなか出ないというところに私たちおかしい感じを持つのです。 まず最初にお聞きしますが、八日の場合どうなります。何人と考えています。何人必要だ。資料出ないから実は困る。こんなのすぐ出るはずだよ。できていなければ問題にならぬはずです。
○政府委員(松尾正雄君) 国立病院、療養所のその看護単位というものを八日制度にだけ限って計算をする場合ということでございますが、現在行なっている一人夜勤なり二人夜勤の制度はそのままにする、据え置きにいたしまして、日数だけをそういうふうに減らし得るような人員を幾らにするということでございますが、大体千六百名程度でございます。
○岩間正男君 あなたたちの予算要求は何人だった。三年間で二千百人前後ですか。
○政府委員(松尾正雄君) ただいま八日だけにするというような非常に厳密にくくったお話がございましたのでそういうお答えを申し上げたわけでございます。私どもがとりあえず必要だとした二千百九十という、前にも申し上げたかと思いますが、その計画というものは、そのほかに一人看護の体制の場合にはパトロールシステムといって、もう一人よけいな看護婦が夜勤に協力するという数も含めてでございます。でございますから、いまの体制で八日にしたら幾らかということと多少違っておるわけでございます。
○岩間正男君 そうすると、千六百人というのがあなたたちのあれですか。そうしていまのパトロールまで含めれば二千百人、それを三年間で充足する、それで七百人の要求をしたわけですか。その基礎はどうなんですか。これは計算の基礎、ちょっとデータを見せてもらいたいというのはそこなんです。はたしてそういうことですか、どうなんです。何かありますか、あなたのところには数字が。
○政府委員(松尾正雄君) 計算の基礎というのは国立病院、療養所の全部看護単位というものがわかっておるわけでございます。その看護単位に一人夜勤、二人夜勤という形がございます。そこに何人の人間をふやせば平均の回数が八日になるということを積み上げるわけでございます。
○岩間正男君 ちょっとお伺いしますが、看護単位というのはこれは何ですか。原則として守らなくちゃならないものですか。あなたたちのほうではっきり言っているじゃないですか。これは医療法施行規則第十九条にはどういうこときまっておるんですか。
○政府委員(松尾正雄君) 看護単位ということばは法律上規定したものはございません。ただ、先ほども申し上げましたように、通例は一つのチームの看護婦が一人の指揮者の看護婦の中でめんどうを見る病棟の範囲、病床の範囲を看護単位と言っておるわけでございます。普通の場合にはこれがいわゆる一個病棟ずつの病棟単位というふうに分けられる場合が通例でございますけれども、しかしながら、一つの病棟の建物がございましても、それを二つの単位に分けて、要するに二つのチームが分担して責任を持っているという場合もございます。そういったものをいわば看護単位として、看護婦のいろいろな業務の計画の中には、実行上どこでもそういうものが入っている単位でございます。
○岩間正男君 これは何ですか、いま言いましたが、医療法施行規則の十九条に、看護婦と患者の比率は四対一にする、こうなっておるわけですね。
○政府委員(松尾正雄君) はい。
○岩間正男君 これは守られておりますか。
○政府委員(松尾正雄君) すべての病院について四対一の——これは標準でごさいますけれども、標準が守られているかということになれば、なおそれに不足しているところが相当ございます。またそれより多く持っているところもございます。
○岩間正男君 看護単位というのはどういうふうにきまっておりますか。いまの四対一では具体的に看護婦が足りない、守れないでしょう、そうでしょう。そのために今度は看護単位というものが新しくあなたのほうで考えられたのじゃないですか。
○政府委員(松尾正雄君) そうではございませんで、四対一というのは一つの病院に置くべき看護婦の標準の数字でございます。したがって、たとえば四百ベッド、正確に申し上げれば、患者数が平均して四百人ということでございますけれども、その四百人という入院患者があれば、標準としては四で割った百人というのが入院部門としての看護婦としていなければならない。また外来については三十人に一人ということで看護婦を置かなければならないということになっております。したがいまして、一つの四百なら四百という病院に、標準として百人の看護婦がいなければならないということが、いまの医療法施行規則の標準ではございますけれども、その百名の看護婦さんをその病院の中でどういう配置で働かせるか、勤務をさせるべきかというときに出てくる単位が、いわゆる看護単位でございます。五十ベッドが普通でございますけれども、かりに五十床単位で切って おるとすれば、四百のベッドというものは八つの単位がある。その八つの単位というものにそれぞれ一単位ごとに、たとえば病棟主任婦長でございますとか、そういうリーダーと、その下に何人かの看護婦さん、准看護婦さん、あるいはまたその補助者というものがチームを組みまして、その五十ベッドの単位については、そのチームが責任をもって看護に当たる、こういうしかけになっておるわけでございまして、法律上の問題というよりも、看護業務というものの実態として計画するときに、現在いろいろの病院で全部行なわれているような単位でございます。
○岩間正男君 それでは数字を出してください。実際国立病院、療養所の場合、全体のベッドの数、これに対して四対一でいえば看護婦の数、それから具体的に実施されておる看護単位、この看護単位がくせ者です。看護婦がちゃんと充足されていればこれはだいぶ違ってくるわけでしょう。ところが最近看護単位を二つにするとか三つ、これが複数になってから、実際の施行の上ではそういうやり方をやっていることが出てきているんじゃないですか。これが現状じゃないですか。そういう実情をあなたたちおつかみになっていないのか。
○政府委員(松尾正雄君) 御要望の、具体的に国立病院、療養所の看護単位が幾つあるかということはわかりますので提出いたします。しかし、その看護単位というものは、私が需給計画を立てる上の基礎にしたというのは、決して私どもはそれをくせ者として扱う気持ちはございません。むしろ四対一というような形式的な計算をしているときには、かえってほんとうの看護婦の必要量というものがつかみにくいということでございますので、その看護単位は積み重ねていけば、おそらく四対一よりもはるかに大きいというか、多くの看護婦がなければならない数字になります。それより低くていいという数字にはおさまらない、そういう方向で看護単位をつかみたいと思っておりますので、決して値引きをするためにこの問題を取り上げるということは考えておりません。
○岩間正男君 これは資料を出してもらわないと、そんなことを言ったって話にならぬわけですけれども、この看護単位というのは普通どうなんですか、一病棟をたとえば二つに割るとか、いろいろあるでしょうが、これは私たちしろうとだから詳しく実態をつかんでいるわけじゃないけれども、しかし一人で——結局、夜勤の場合どうですか、四十人とか五十人とか、そういうところを見るのじゃないですか。どういうふうになっているのですか、そういうところは。
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおりでございまして、大体の一般の病院の通例の単位というのは約五十ベット、五十床というものを一単位にしております。そこを一チームでもってやっている。
○岩間正男君 一チームというのはどのくらいですか。
○政府委員(松尾正雄君) これはいろいろまちまちでございまして、たとえば正確にいまの標準どおり四対一とすれば十二人か十三人の看護婦がそこに配置されているということになります。したがいまして、十二人なら十二人というチームが、日勤、夜勤というような交代勤務を、その中でローテーションをやっていくというのが普通のたてまえでございます。
○岩間正男君 たいていいま三交代ですね、それで深夜の夜勤、それから準夜勤といいますか、そういうような夜勤でなぜ二人できないのですか。もう非常に口の子算で計算してみたって、これは一人というのはおかしいじゃないか。昼間は全部なんですか。昼間の勤務が多くて夜はむろん少ないのだけれども。
○政府委員(松尾正雄君) 普通はそのとおりでございます。昼間のほうには、いわゆる患者の起きている時間としていろいろ看護の量がふえているわけでございます。また診療介助、いろいろな治療なり処置なり診断なり、いろいろなことが昼間に行なわれておりますけれども、そういう意味で、やはりどうしても昼間の看護婦が多くなければならない。しかし夜間は、現在でも二人制をとったり三人制をとったりして、その必要性に応じてやっている病院はたくさんあるわけでございますから、その必要度に応じてやはり二人夜勤なり一人夜勤なりに振り分けている。どちらかといえば、夜間は患者さんは大体眠っている時間でございますから、病状観察なり、あるいは特別なときにいつでも対応できるという形をとりながら、三交代をとりながら待機をしている、あるいは見回っておるというような姿になります。どうしても昼間に多くなるということはやむを得ないことだと思います。
○岩間正男君 これは全く資料が出ないのでちょっと困ってしまうのだな。こういう議論をやっていても、実際資料で検討してなければ、数字の上に立たないと。そうしてあなたたち結局二千百人の増員をすればこれは八日やれるのだ、そういうことで今度は要求したということになっているわけでしょう。どうも私は、すすんでやらぬとだめですよ、この問題は。それだけで充足できるかということになると、非常にこれは……。それからこれは実態調査なんですか、それとも全体をトータルしてそれで計算したものなんですか。
○政府委員(松尾正雄君) 国立病院や療養所については、具体的に個々の病院ごとにわかっておりますから、そういう実態に基づいての計算でございます。それが看護単位を使って全国の今後の需給状態というものを捕捉したいというときにはマクロの計算をいたしますから、これは実態というよりも看護単位というものを別の調査を使って計算することになります。
○岩間正男君 それじゃ、ここで一つのサンプルでいいですが、ちょっと言ってください。夜勤を判定に従って八日にするためには二千百人が必要だという、それならば根拠を一応ここで明らかにしてください。
○政府委員(松尾正雄君) らい療養所、がんセンター等も含めまして、現在二人夜勤の看護単位というものが五百五でございます。一人夜勤をやっている看護単位が千百二、これにそれぞれ所要人員というものが二人夜勤の場合に八日にするためには幾ら要るのだということになりますと、大体一五・二人程度、小数点がかかっておりますけれども、そういう平均になろうかと思います。
○岩間正男君 これは八日のことですね。
○政府委員(松尾正雄君) 八日でございます。そういう形で積み上げてきている数字、さらにいま申し上げました一人夜勤というものが千百二ヵ所の単位があるわけでございます。これはいきなり二人夜勤という形にはなかなか数字的にもまいりませんので、先ほど来申し上げましたようにこれをパトロールをつけよう、そうしてその二つの単位にさらに一人よけいな人間が入ってまいりますから、千百二という看護単位に分散いたしますと、そうすると、一単位〇・五人ということになります。そういう人間を加えますと、先ほどのように二千百人という数字でございます。
○岩間正男君 これは昼と夜と全体の配置を見なければわからないですね。四対一のそういう看護婦の数がどういうふうに勤務の中で使われておるか。一看護単位というものはあるかもしれないけれども、五十に対して何人それぞれやっているのか、そういう実情の実態をつかんだわけですか。その上のトータルをして、統計をとって、その上で数字を出したと、こういうことになるわけですか。
○政府委員(松尾正雄君) いまのこの看護単位というものは実態でございますから、そのままそれを使っております。そしていまのような形で計算をしていって、そしてそれが現在の定員と幾らの差があるかという差し引きをして増員という形になるわけでございます。実態は積み上げた数字でございます。
○岩間正男君 とにかくベッドの数は幾らなんですか、国立病院、療養所。
○政府委員(松尾正雄君) 国立病院で三万一千四百三十、国立療養所で六万一千八百というのが病床数でございます。
○岩間正男君 まあ十万ですね、大体。これを五十で割ったら二千でしょうが、看護単位。あなたのさきの計算では千五百か、千六百にしかなっていない。だから、どうもそういうところ、これは数字をもらってやりましょう。しかし、目の子算でやってみたっておかしいですよ。その辺がおかしいですよ。ほんとうに科学的に実態をつかんでいるのかどうか。私がいま計算をしてみたって大体十万でしょう。十万を五十で割れば二千だ。二千ベッドあるはずでしょう、かりに。ところが先ほどの計算では二人の何でやっているのが五百五、それから一人でやっているのが千百二、合わせれば千六百でしょう。こういうところが実情に合わぬです。それからこれは二千というのは、これは全体の数を割ったってこんなものは誤差があるのですから、これは二千五百くらいになるのですよ。
○政府委員(松尾正雄君) 看護単位というのは必ずしも五十でなければならないというものでもございませんし、ときには大きな単位を持っていても差しつかえない場合もあろう、それから特に代表的なものは、おそらく小児科とか、手術病棟というものはもう少し大きな単位が適当であろうというふうなことから、大きな単位が適当でございますから、個々の病院ごとにそれぞれの一番適当と思われる単位を持っておるわけでございます。病院内で全部一律で、その病院については五十なら五十でいくというものでもございません。したがって、計算上はそういうふうなものもあると思いますけれども、これは現に国立関係で行なっておる単位を全部拾い出しての数字を申し上げておるわけでございます。
○岩間正男君 そういうことになるわけでしょう。その後、単位が非常に移動したり、それから説明、あるいはそのときのやり方で移動していく、ここに何かあるのです、魔術が。魔術があるのですよ。ここが非常に大きな問題になっているのです。その調査はどうかというと、行って調べるのじゃないのですよ。そうでしょう。全部報告でしょう。ところが、報告を実際規則どおりやったらやっていけないところがたくさんあるわけです。人数が少なくて報告がなければこれは足していますよ。官庁統計というものは、由来こういうふうにしてできておる。実態把握といったって、その実態というのは、報告を求めて、そうして何というか、同じ系統の何をあげてくるのですから、ここで実態がつかめないというのは残念ながらいまの官庁統計のこれは一つの大きな穴です。そういう上に立ってさえも、いまやっていると、私はここで急にこれは計算をしてみて、それで最後こういう穴が出てくる、それを説明しておりますけれども、これはほんとうは共同調査でもやらなければ話にならないのですよ。そこのところを徹底的にやることなしには、ほんとうにこの問題を検討、解決することはできない、これが一つですよ。 そこでお聞きしますが、あなたのほうで七百人の要求をしたのだが、二百六十一人に切られたのでしょう。そうですね。これはあなたたちどう思っておりますか。
○政府委員(松尾正雄君) 私どもはやはり七百名台の要求をいたしたわけでございますから、それがそれよりも減っているということは、私どもとしてはまことに残念でございます。
○岩間正男君 全く不完全なものさえもやっていけない。そこで、これは主計局にお伺いしますが、これはどういうことなんです、二百六十一人に切ったという根拠を明らかにしてください。
○説明員(辻敬一君) 予算折衝の段階におきましては、いろいろの数字がございます。しかし、政府として決定いたしましたのは、先般御審議をいただきまして成立いたしました四十四年度予算の数字でございます。この数字は、ただいまお示しがございましたように、直接、夜勤体制の改善の分といたしましては二百六十一名でございます。しかしながら、別途、国立病院におきましては、新生児——赤ちゃんの看護のために七十名の増員を行なっております。この増員は、病棟勤務者でございまして、したがいまして、夜勤のローテーションに加わることになるのでございますので、結果といたしましては、夜間勤務体制の改善のための増員になるわけでございます。したがいまして、実質的には七十名を加えて三百三十一名になるわけでございます。なお、そのほか看護婦につきましては、いろいろ増員を行なっておりまして、全体といたしましては四百六十一名の増員、かようなことに相なっております。
○岩間正男君 これはまあ予算が通ったから、あなたたちはここで大きな気になってそういうことを言うのだけれども、これで四百四十一名、まあいろいろ説明をされたのだけれども、二百六十一人という数は、国立療養所とそれから国立病院全部で二百六十一ですね、たしかそうでしょう。一人なんだな、一人入れて一体これはできますか。そんなら夜勤八日に変えるということできますか、いま平均何人になっているんですか、一人何日になっていますか、いまの統計では。
○政府委員(松尾正雄君) 約九日でございます。
○岩間正男君 九日——九・四ですね。そうすると、九・四日を一・四だけ縮めると、そういうことのために、いまの一つの病院に看護婦一人の増員をやってこれはできるんですか、この基礎はどうかというのです。これはそろばんの上からどうしてもやらなければならなかった、こういうことだけですか。この切実な問題というのは、どれほど認識されているか、主計局。賃金の問題、あとでこれは話を出しますけれども、これが実際医療労働者、ことに看護婦たちに対して重い負担になっている、心身をむしばんでおる、家庭が破壊されているのですから。それでやめていく人も非常に多くなってきておりますし、そういう実態をカバーできると思っているんですか。しかもそれだけじゃない。その結果は、全くこれは患者の生命に関することなんです。大きくいえば国民の命に関する問題なんです。こういうような問題をこういう形で片づけていくというようなやり方で、大蔵省の大なたをふるうやり方で医療行政をまかなえると考えておりますか。だから私が聞きたいのは、二百六十一人というものの根拠をはっきり言ってもらいたい。これは根拠なしにはできないことだが、根拠があって、こうこういう根拠で二百六十一人にしました、七百人の要求を三分の一切りましたと、これは国民を納得させなきゃならない。官庁相互だけのあなたたちの話し合いでどうこうという問題じゃないのです。どうですか。
○説明員(辻敬一君) ただいまの点につきましては、二点、問題があろうかと存じます。第一の点は、私どもといたしましては、職員の配置の適正化でございますとか、そういうことによりまして、そういうような運用面の改善余地があるというように判断しております。この点が第一点でございます。 それから第二点は、御承知のように、看護婦の総数が全体として不足いたしております。したがいまして、実際問題として一挙に国立病院、療養所の増員をするということは困難な実情にございます。したがいまして、私どもといたしましては、全体としての需給状況をにらみながら、運用面の改善と相まちまして夜勤体制の改善につとめてまいりたい、かような考え方で予算編成に当たったわけでございます。
○岩間正男君 私は数的な根拠を出してもらいたいんですがね。あなたがここで目の子算で、ここで説明できればいいというあなただけの説明で、問題にならぬ説明でしょうが。職員の配置改善をやって、それじゃ職員を夜勤させるんですか。看護婦さんが足らなくて、それでぎゅうぎゅうのところで、御承知のように九・四日やっているわけでしょう、一人でね。ひどいのは十六日やってるんですよ。それをどんなに配置したって看護婦の仕事できますか。問題違うんですよ。だから、そういうことではこれは話にならないのであって、こういう基礎的根拠によって、ちゃんとこれでとにかく厚生行政はまかなえる、医療行政はまかなえるんだ、こういう見解をやっぱりここではっきり言えるような、そういうなたのふるい方でなければ国民は納得しないんです、そうでしょう。全くこれは目の子算なんだ。そして非常にこれは機械的な、二百六十一病院と療養所があるんだから、国立に対して一人づつ割り当てるというようなことで、こんなこと、これを引き受けてくる厚生省も厚生省だと思うんです。しかも、一体この数というのは実際の要求、実情に合わない、合わない低いものだ。その低いものを出しておいて、しかもその要求の三分の一に切られておる。こういうことでこのしわ寄せが一体どこに行っているんですか、いま。ここのところをはっきり考えなきゃならぬのです。なぜ一体看護婦の問題が今日切実な問題になってきているんですか。これは答弁しろといったって無理でしょう、大臣もいないのだから。こういう点について、いまのような説明では、これは絶対納得しません。国会も納得できない。国民も納得できないんです。そういうところにたくさんの何か穴がある。それでまかり通ったって話にならぬと思う。 もう一つお聞きしたい。複数以上にするために、二人以上にするために、これはあなた千百二人と言われましたね、こういうことでいかぬでしょう。ここでの荒っぽい暗算みたいなものですが、厚生省の数字によりますと、現在の九・四日を八日にすれば、つまり一・四日を解消するというと二千百人が必要だと、かりにこの計算に従うとしますか、逆算すれば、八日でやるには一万二千人要るじゃないですか。実際はそんなことじゃない。この倍以上もこれは要るんだろうし、ここで私は数字を持っているわけじゃないから言うことはできませんけれどもね。実際そんな形で、この複数夜勤の問題解消できますか。いまの九・四日の夜勤をこれを八日にする。それよりも人数は少なくても間に合うという計算ですね、さっきの御答弁では。複数夜勤で、そういうことですか。
○政府委員(松尾正雄君) それより少なくて済むと申し上げたつもりはございませんが、一人夜勤の単位は千百二人という看護単位というのがありまして、算出の基礎で申し上げたわけでございます。それをこなすために、それでいいということを申し上げたつもりはございません。
○岩間正男君 どのくらい要るんですか。
○政府委員(松尾正雄君) 全部を、かりに残らずという仮定に立った場合には、やはり先ほど申し上げましたように一万人前後になると思います。
○岩間正男君 これは計算できておりますか。
○政府委員(松尾正雄君) この問題は現実性という問題からいえば多少極端な例をいま申し上げたわけでございまして、一人夜勤でまかない得るものと、それから二人夜勤を必要とする病棟というものがそれぞれあるわけでございます。そういったものが人事院判定にも出ておりますので、そういったものを最終的に具体的にはどこまでなるかということがきまりませんと、判定の数字にはならぬと思います。しかし、それを一応のけて、いまの病棟単位というものを前提にして計算をすればという仮定に立てば、そういう計算ができるわけでございます。
○岩間正男君 この点について、これは医療の労働者ですね、全医労、医療協、そういうところと話し合ったことはいままであると思うんですが、こういう点で共同調査でもする考えはないんですか。共同調査をやれば、私はサンプルのあれよりもある程度のものが出るだろうと思うんですがね。そういうことをしないでこの問題で論争をやっても問題はそんなところにないと思うんです。どうなんです。ともかくいまの人事院判定を、これをどうしても解消するということが非常に私は直接国民の保健のために必要な問題であると同時に、看護婦不足というものすごいいまネックになっている問題を解決するためには、やはりこの辺から手をつけていかなくちゃ話にならぬと思うんですよ。どうなんですか、そういう点。
○政府委員(松尾正雄君) 私どもが国立機関等について持っております資料というものは相当正確なものを集めているわけでございまして、一般の行政報告というようなものとはかなり違って、直轄のものでございますから、いろいろな形で正確な数字というものが常時つかみ得るわけでございます。したがって、そういうことに関する限りは非常に信憑性の高い数字を使って私どもは計算していると考えております。
○岩間正男君 複数夜勤について一万人以上必要だということを認められたんだが、そうすれば基礎数字はあるんでしょうか、あなたの場合。
○政府委員(松尾正雄君) いま申し上げましたように、そういう看護単位というものは国立機関では正確にわかっております。しかも二一人夜勤をやっているところと一人夜勤をやっているところの単位というものも、先ほど申し上げたようにわかっておるわけでございます。それをもとにして計算をしていけばできる、当然のことでございます。
○岩間正男君 しかし、資料としては出せないという官房長のおとといの話がありました。これはどういうことなんですか。
○政府委員(松尾正雄君) そういう計算をしていけば全部できるわけでございますから、出さないと官房長が申し上げているわけではございませんで、少しおくれますということを御了解いただきたいというふうに申し上げたはずなんでございます。
○岩間正男君 いいですか、官房長、それは出せないと、おととい言われた。
○政府委員(戸澤政方君) 出せないと申し上げたわけではございませんで、できるだけのものは出したいと思って作業をしておりまして、若干おくれておりますので、来週までお待ち願いたいということです。
○岩間正男君 それではきょうは、とにかくこれじゃ基礎がないのだから、やはり科学的な行政について迫る努力をしなくちゃね。そのためにはあなたたちそういう機構を持っているんだから、それを隠しておく理由はないわけですよ。これはどんどん出して、おおらかに論議の対象にして、その上に立ってやらぬから、結局大蔵省にだって負けてしまうのであって、そういうことでは話にならぬのですよ。われわれは何も厚生省を擁護する立場に立っているわけじゃない。しかし事実は事実です。客観的な事実です。そうしてそこのところに迫らなければ、日本の保健行政などというのは成り立たないでしょうがね。それをそのときの政府の政策や重点政策の陰にされて、そうして国民の健康が犠牲にされていったんではたまらないんです。福祉国家もへちまもない。特に医療制度の抜本的改悪が事実上行なわれている現状だから、そういう点から考えれば、これに対してはっきり対決するには現実をつかまなくちゃならない。私はとりあえず人事院判定、すでに五年をかけますから、この五年おくれている問題についての基礎的なつまり調査、それに伴うところの厚生省としての方針、これをどうするのか。いまのところは単に八日夜勤だけの問題を部分的にちょっと申しわけ的に解決しようたって、これは話にならないので、複数夜勤の問題と、とにかくはっきりこの二つを総合して、そういうような方針についてはっきり出してもらいたい。数の上に立った、そうして科学的な見通しのある、そういう方針をきょうはとりあえず要望しておきまして、この次の機会に譲らしていただきます。 これで終わります。
○委員長(八田一朗君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時散会