内閣委員会 第10号
- 発言数
- 152 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/04/10
会議録
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○山崎昇君 通産省の設置法の一部改正案の審議に先立ちまして、大臣に、ぜひお聞きをしておきたいと思うんですが、せんだって来、たいへん世間を騒がせた通産省の汚職事件について少し伺っておきたいと思います。その後どういう経過になっておるのか、それから通産省としては、どういう処置が講ぜられておるのか、まずお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) その後司直の手で調査が進んでおるわけでございまして、その詳細につきましては、あと事務当局から御報告申し上げます。 あの事件が起きまして以後、どういう措置をとったかということでございますが、同一人が長く特定の職場で仕事をやるということにつきまして、人事の管理上は配慮すべきではないかということが第一点でございます。三年程度でもって人事を一新して、情実の醸成することのないような配慮をしようじゃないかという点が第一点でございます。 それから、一人の人に権限が集中するというようなことのないように、省全体の判断を最終的にやる場合は、できるだけ合議制でやるという仕組みを考えようということで、官房を中心にそういった体制で管理に遺憾なきを期したいといたしておるのでございます。
○政府委員(両角良彦君) 事件のその後の経緯につきましては、ただいま大臣から申し上げましたとおりでございますが、去る三月二十日に、収賄事実の一部につきまして起訴が行なわれた次第でございます。その内容は、大昭和製紙との関係につきましての起訴でございます。その後もなお当局は調査を進めておりまして、最終的な起訴はまだ行なわれておらない、こういう状況でございます。
○山崎昇君 いま御説明あったわけですが、私どもも週刊誌や新聞報道だけをすべて信じるというわけではありません。この問題の報道は、いままでの汚職事件に関する報道より、きわめて私は広範囲にわたっていますし、また詳細をきわめているのですね。そこで、私が承知している限りでは、二年間にわたって毎晩あれだけの供応を受けておりながら、上司である方々が全然知らなかったとは、私は言えないのではないだろうか、こうどうしても思わざるを得ないわけです。そこで、いま大臣から、二つの点が答弁ありまして、一つは、特定の職場に長く置くことはどうもいかぬから、三年程度でかえたい、もう一つは、特定の人間に権限が集中しちゃいかぬからこれを排除する。そこでお聞きをしたいのですが、これは行政管理庁にも私ども聞かなければならぬと思いますが、行政機構上のポストがきちんとあるのに、さらに法律なり政令なり、あるいはその他の関係で、俗にいうスタッフ的なものがかなり置かれておる。それと行政機構上のポストとの運営がまずいのではないか。いわば課長、課長補佐というのがありながら、総括整理職であるとか、あるいは何々審議官でありますとか、そういうものをたくさんこしらえて、行政が複雑になっておる。課長は自分の課の仕事があまりよく掌握できておらぬ。こういう私は行政機構の運営上に相当な欠陥があるのではないかと、どうも思わざるを得ないのですが、その点についての見解をお聞きしたいということが一つ。 それからもう一つは、先般、総務長官から綱紀粛正についての通達が出ているわけなんですが、あれによりますというと、今月じゅうにどういうふうな措置をとるか、いろいろ各省から計画をとるようになっておりまして、すでに私は通産省でも論議がされているだろうと思うのですが、あの中に問題点として指摘をしたいのは二つありまして、一つは、上司についても、いわば監督者ですね、これについても厳重な処分をすると、そこで通産省では、この二年間にわたってこれだけのことを毎晩やられておって、全然上司が知らなかったということにはならないと思うのですが、上司の処分等については、どういうことをやられたかということが一つ。それから行政監理委員会の声明を見ますというと、関連する業者についてきびしい措置をとれと、こう言われておりますが、関連する業者について、どう通産省としては対処されるのか、まずこの二つをお聞きしておきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 第一点の行政機構が非常に複雑になりまして、責任の所在が客観的に必ずしも明確でないというような点の御指摘でございまして、私も同感に存じます。これは私事にわたりまして恐縮ですが、現行の給与制度が戦後立案された当時、私も大蔵省におりまして、その仕事を担当したんでございますが、ある種の職階制を導入いたしたわけでございまして、一つの職務にペイが与えられるという思想でございます。したがって、いろいろな職にからまった給与が支給されるということでございますので、どうしても給与の改善ということを考える場合に、以前にはなかった参事官でございますとか、次長でございますとか、補佐でございますとか、そういったいろんな職階的なものが全行政機関にわたってつくられた弊風があるのではないかと思うのでございます。いま御指摘の点は、確かに私は行政組織上の問題として、政府において十分考えないかぬ課題であると思います。ただ、そういう全体の行政組織を担当する責任者でございませんので、私からいろいろ申し上げる立場にございませんけれども、御指摘の点に問題性があるということは十分理解できまするし、政府部内でそういう審議にあたりましては、十分留意してまいりたいと思います。 それから第二点のああいう不行跡が長きにわたって反復継続的に行なわれた。それを上司が知らなかったというのは、いかにもうかつな話だと思いまして、その点御指摘のとおりだと思います。それでそれを、上司についてどのような処分をしなければならないかということについて苦慮いたしておりますが、この問題は調査中でございまして、正規の起訴がなされた段階におきまして、私として考えなけりゃならぬ課題だと考えております。
○山崎昇君 もう一ぺん聞きます。いま大臣から、上司の処分については実は苦慮しておる、正規の処分がきまったら考えますと、こう言うのですが、さっき官房長の説明では、三月の二十日に起訴されておる、本人はね。引き続き調査をされておる、こういういま答弁があるのです。ですから、一応の司法当局の結論は出ているにかかわらず、上級者については何の処分がないというのは、私はどうもそれはいただけない。ですから、幾ら総務長官のほうから綱紀粛正についての通達が出ても、これは下級職員を締め上げるような通達の内容になっておって、上級職については何もされない。こういうところに、私はやはりこういう事件に対してあまりにも政府のやることは、政治的な判断が先に立って、実際は行政的な判断というのはずっとおくれてくる。いつの間にか霧散してしまう。こういう私は傾向にあるのじゃないかと思うのです。したがって昨年の二月以来、綱紀粛正については三回も通達が出ているのに、何ら改善されておらない。この点はどうしても私は納得できません。ですから、上司についてどういう処分をされるのか。先ほど私は二つ目には、こういう事件を起こした相手方業者に対してきびしい規制をせよというのが行政監理委員会の声明にあるわけなんですが、そういうものについて、一体どうされるのか、重ねてこれは聞いておきたい。
○国務大臣(大平正芳君) ちょっと私のことばが足りませんでして、先ほど官房長が事件の一部について、大昭和製紙との関連についてのお話がございましたけれども、調査の全貌が、調査がいま進行中でございまして、全貌が明らかになって、最終的な起訴がきまりました状況を見て、その段階で上司についての処置をきめたいと、私は考えておるわけでございます。 それから会社側に対する措置でございますが、これは官房長から説明させます。
○政府委員(両角良彦君) 会社側につきましては、ただいま当局において取り調べが進行中でございまして、その実態は、私どもに必ずしも明確になっておりませんが、事態の明白になりました時点におきまして、会社側の反省を求めることは当然かと存じまするが、あわせて会社自体としても、自主的な体制の整備ということを当然期待申し上げることになろうかと思います。
○山崎昇君 これは通産省でいま検討の私は最中だと思いますから、深追するつもりはありませんが、今月中に総理府に対してあなたのほうは答弁しなければならないのですね。回答しなければならないことになっておる。それによるというと、こまかにたくさんありますけれども、中心になっておるのは、監督者の責任問題がやはり中心の一つだと思う。二つ目は、いま業者に対しては、もう少し事情が明らかになれば反省を求めると、こう言うのだが、それだけでは私は対策にならないのじゃないか。異例の声明だといわれる行監の声明について、あなた方どう判断されるか。少なくともこういう業者については出入りをさせぬとか、簡単にいえば。あるいはそれ以上の規制をするとか、何らかの方法がなければ、ただ今後やらないようにという程度のことだけでは、私は意味がないのじゃないかと思うのですが、重ねてこれは聞いておきます。一体どういう方向であなた方は、それならば総理府に対して回答されようとするのか、どういう態度をとっておられるのか、重ねて聞いておきたい。
○政府委員(両角良彦君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、上級者の責任につきましては、当然これは厳重な処置を講ずるという方針でございます。また、民間業界との関係につきましては、行政自体は、これは今回の事件とは別個にやはり進めなければならない行政もございますので、そういうものは当然この関連企業といえども公平に対処していかなければならんと存じますが、役所との非合理的な関係については厳に反省を求めますし、また、そういう面で当省の職員につきましても、十分細心な注意を払って対処するように善処いたす方針でございます。
○山崎昇君 そこで次にお聞きをしたいのですが、通産省は勤務評定をやっておりますか。
○政府委員(両角良彦君) 行なっております。
○山崎昇君 そうすると、私は勤務評定というものを否定する立場をとるものなんですがね。あなたのほうでやっておるというからお聞きをするのだが、二年間にわたってこういうことが行なわれているものに対して、どういうあなた方は、じゃ、勤務評定をやっておったのですか。一体、毎年毎年か、毎月か知りませんが、どういう勤務評定をやっておられたのですか。
○政府委員(両角良彦君) 今回の当人につきましては、公務についての成績というものは、きわめて有能な事務の処理を行なってきておりまして、またその勤務状況も、昼間の勤務状況という面では、まじめに処理をしてまいったわけでございますが、その私行の点につきましては、先ほど御指摘をいただきましたように、われわれがうかつにも気がつかなかったという点は、率直に反省をいたしておりまするけれども、勤務評定の対象となりまする公的な面につきましては、本人としてきわめて能率的な仕事の展開をしておったということは事実でございます。
○山崎昇君 それじゃ通産省でやっている勤務評定というのは、どういう内容でやるのですか。私は、あなたのいまの説明のような勤務評定だけではないはずですよ。もっともっとこまかにいろいろなことを評定されているはずなんです。結論から私の意見を言えば、いかにこういう勤務評定がでたらめなものかということは、これで証明されていると思うのです。本人は朝定時に来て、ただ仕事をやっておれば、それで優秀な公務員になっちゃう。気がついてみたら、二年間にわたって銀座かいわいをうろついて、堀田さんという名前でかなり有名人になっておる。そういうことを全然知らずにいて、あなた方は勤務評定やっておって、この人は優秀なんだからというので、定期昇給もやれば期末手当その他についても、何のあれもやっておらない。こう考えると、私はこの勤務評定なるものがいかにいいかげんなものか、特に私は、上級職になればなるほど、実際の勤務評定なんということはできないのじゃないか。なぜならば、大臣は局長なんというのをわかりますか、それは大臣のところに来るときにはわかるでしょう。局長は課長なんというものはわかりますか、わからないでしょう。ですから私は、勤務評定なんという制度は、下級職員だけがいじめられるようないまの実態になっているのじゃないでしょうかね。そういう意味でいうと、はしなくもあなたのいま説明がありましたように、この勤務評定制度なんというものは、ほんとうにずさんなものである。こんなものによってたまには昇給がストップされてみたり、期末手当が削られてみたり、そういう事態を招来しているわけですから、この勤務評定制度については考え直すという考えはありませんか。もっとその前に、私が触れましたように、どういうふうにして勤務評定というものをやるのか、もう少し詳細に聞いておきたい。
○政府委員(両角良彦君) 勤務評定を行ないますものは、人事院の規則によりまして、客観的な項目についての判断を下すわけでございまするけれども、ただいまお話がございましたように、勤務評定自体をより正確に、かつより正しい内容を持った判断ができるように、われわれが一そう改善の努力をすべきであるという点につきましては、全く御指摘のとおりと思います。
○山崎昇君 私の質問に答えていないじゃないですか。じゃ、どういうふうに改善するのですか。あなたの見解でいいから述べてください。
○政府委員(両角良彦君) 当省は、勤務評定自体を議論する立場にはございませんが、現在の勤務評定をより正しくより正確に運用できるように、一そうの努力を払うべきであるというように考えるという趣旨でございます。
○山崎昇君 私、抽象論を聞いているんじゃないんですよ。現実的に二年間もこれだけのことをやっているのを、全然あなた方知りませんと言う。しかし、勤務評定は人事院規則に従ってあなた方やったと言う。本人は何のとがめも受けたことがない、優秀な公務員だとあなたは言う。だから結論からいえば、いまあなた方のやっているこの勤務評定制度というものはきわめてずさんだと思う。何の価値もないではないですか。そうしたら、あなたは、いまより正しくよりいいほうに運用したいと、こう言うから、それじゃ官房長の見解でもけっこうですが、一体どういうところに欠陥があって、どういうところをより正しくよりよくしようとするのか、もう少し具体的に言ってくださいよ、抽象論ではなくて。
○政府委員(両角良彦君) 要は、私は上司がその部下をいかに的確に把握するかということにかかっていると思います。そういう点につきまして、当省の監督の立場にあるそれぞれの部署の者が、そのそれぞれの部下について、より正確な本人の掌握というものについて、一そう努力をすべきであるというふうに考えておるところでございます。
○山崎昇君 それじゃどういう方法でやるんですか。あなたは的確、的確と言うけれども、どうも私は納得ができないんだよ。いまもちょっと触れましたが、たとえば局長さんは局長室にいて、一体課長やそういう者を、あなたは的確に把握というものができますか。あなたのところに、会議で会うとき、あるいは書類の決裁をもらいにくるときは、確かに課長とあなたは顔を合わせるでしょう。しかし、あなた方は個室におって、課長なんという者をどうやって見ますか。だから私は、勤務評定制度なんというものは、私個人は否定する立場をとるけれども、いまあなた方やっておられるというけれども、こういう事件等を通じて見るというと、この勤務評定制度というものはずさんなものである。こんなもので人の評価をされてみたり、あるいはこれによってその人の生活が制約されるような、給与上の制約が出てくるわけですから、こういうものについてどう思うかということをひとつ聞いておるわけですよ。そうしたらあなたは、いま上司が的確に把握するとか、より正しくよりいいほうに運用するとかと言うから、それじゃ具体的にどうされるかということを聞いておる。そんな抽象論を聞いているのじゃない。意味がないのです、抽象論を聞いたって。もう少し明確に答えてください。
○政府委員(両角良彦君) 具体的にお答えを申せとの御要望でございますが、私はやはり、個々の判断を具体的に的確に行なうことが大事であるということでございまして、要はただいまお話のございましたように、監督者がその部下を平生の勤務を通じましていかによく知り、またよく判断をするかということに、個々の問題にかかるわけでございまして、一般的にはこう申し上げるほかにないのではないかと存じます。
○山崎昇君 勤務評定制度そのものは、これはあなたと私とやり合う問題でもありませんし、人事院もからみますから、別にしたいとは思いますが、ただ私は、幾つかのこういう事件をずっと見ておりまして、いかにいまの制度というのは、職場の民主化ともからんできますし、あるいは私が承知する限りでは、どうもいまの中央の職場というものは、上意下達機関であって、必ずしも下級職員の声というものが正確に反映しない、あるいは十分ものが言えないような職場にあるのではないか。その一つの私は証拠として、中央における労働組合の運動というのがなかなかしにくい状況にある、あるいは十分されてない、こういうものを、私は全部だとは言いませんが、一つの私はバロメーターになるであろう、こういう判断をする一人なんです。 そういう意味で、いかに汚職についての綱紀粛正の通達が出ても、何かしらん綱紀粛正の通達が出れば出るほど、勤務評定というものがさらにきつくなってくる、あるいは下級職員に対する監督だけがきびしくなってくる。上級職員はすべて責任のがれみたいなことばかりいっている。汚職を起こすのはほとんど上級職員である、こういう私はいまの官庁の実態というものを、もう少し私どもはやはり掘り下げてみなければならぬのではないか。こう考えるから、いま勤務評定制度に関連してあなたにお聞きをしているわけです。しかしこれは、あらためて私は人事院なり、あるいは行管に関連があれば聞いてみたいと思いますが、この問題はこれでやめたいと思うのです。しかし、いずれにしても、すでに三月二十日には起訴されておって、なお調査をされているわけでありますが、あなた方の、上司に対する処分のやり方いかんによっては、私はこれはもう重大関心を持っておりますので、これは十分ひとつ慎重に配慮してもらいたい。このことだけ付け加えておきたいと思います。 そこで、法案の内容で一、二お聞きをしたいと思うのですが、すでに火曜日の委員会で各般にわたってもう聞かれたようでありますから、私はごく一、二点に限定をしてお聞きをしたい。 第一は、今度の設置法の一部改正案の中身を見ますと、組織及び定員という説明がございまして、それを見るというと、所長さんが官房長兼務なんですね。そしてこれまた主幹という制度をとっておる。どうしてこういう制度にしなければならないのか。通常の行政機構でいけば、かりに付属機関であっても、所長なら所長専任制あるいは副所長とか次長とかいろいろあるでしょう。なぜ、ことさら主幹というふうな制度をとらなければならぬのか。そうして所長は官房長の兼務だという。説明を見るというと、たいへんこの研修所というのは重要な研修所だと、こうなっておる。しかし実際の運営のしかたを見ると、さほどでもないように私ども受け取れる。この辺のことがどうしてもわかりませんので、まずお聞きをしたいのです。
○政府委員(両角良彦君) ただいま御指摘をいただきましたように、当研修所の使命の重大性にかんがみますと、より充実した陣容で発足をいたしたいということは、私ども強く希望いたした次第でございますが、ただいまのような定員、定数のワク内で、新しい増員をとるということはまことに困難な状況がございまして、とりあえず初年度におきましては所長兼務の形態で発足をいたす。しかし、それによりまして研修所の運営というものに影響のないように遺憾なきを期する趣旨も加えまして、主幹制度というものを設けた次第でございます。
○山崎昇君 それほど重要なら、主幹を設けるのであれば、なぜ専任の所長を置かないのですか。そうしてあれを見ると、大体機構図を見ると、庶務課と教務課と二課制をとるのですね。なぜ所長は兼務で、私はこの主幹というのは、事実上のこれは所長みたいなものだろうと思うのです、あなたが兼務なんですから。それほど重要な研修所ならば、むしろ私は専門の所長を置いて、そうしてそれを補佐する副所長なり次長という制度がとれないならば、二課制なんですから、庶務課長あるいは教務課長に優秀な人材を配置して、所長を補佐させるべきじゃないですか。行政機構論からいったら、これは邪道じゃないですか、こういうやり方というものは。だからあなたのほうは、ずいぶんこれは重要だ重要だというけれども、機構論的に見れば、さほどでもない、どうも私は納得できない。どうして所長の専任がとれぬか、主幹というのをやめてもいいんじゃないですか。
○政府委員(両角良彦君) 先ほど申しましたように、専任所長を置きたいのは、私どもも全くそういう希望を持っておりまするが、実際問題といたしまして、一等級ポストということに該当いたしまするので、主幹の増員よりはさらに困難な情勢もございましたので、初年度におきましてはかかる形態で発足をお願い申し上げたいと、こういうことでございます。
○山崎昇君 そうすると一等級は無理だから二等級の主幹で、事実上所長の仕事をやらせる、こういうことでしょう。するとその制約はどこにあるのですか。それは級別定数にあるのですか、人事院の持っておる、それともあなたのほうの、通産省の内部の人のやりくりでそうなるんですか、どうもその辺はっきりしない。
○政府委員(両角良彦君) 定員及び定数の客観的な条件のもとで、できるだけの努力を尽くしましてかような結果に相なりましたので、初年度はこれでお願いを申し上げたい、こういう次第でございます。
○山崎昇君 いや、客観的なあなた情勢と、われわれわからないですよ。どういうのが客観的なのか、どうして一等級の所長の定員は取れなくて二等級なら取れるんですか。 それから初年度はこういうかっこうでいくが、次年度からはそうでもないようなあなたの答弁なんだけれども、それなら、来年度は専任の所長置くんですか。
○政府委員(両角良彦君) 定員といたしまして、所長の定員増は認められなかったという行政管理庁及び大蔵省との交渉の経緯からきまったことでございます。 また、明年度におきましては、先ほど申しましたように、われわれは専任所長を置けるように努力いたしたい、そういう希望を強く持っておるということでございます。
○山崎昇君 そうすると、これは行政管理庁呼んで私のほうは聞かなければならなくなってくる。なぜこれほど重要な教育機関である、行政機構論でいうと付属機関になるけれども、実際は教育機関ですね。こういう重要な教育機関の所長を置かれないのか。しかし、定数は主幹置こうが所長置こうが一、一ですね、いまあなたの説明だと。来年も希望するけれども、置かれないとするならば、この研修所は発足をしながら、しばらくは主幹でいかざるを得ないという場合もあり得る。それではあなたのほうの重要性というのはないじゃないですか。どうも私はその辺が納得できない。主幹なら認めるけれども、これは新たな十一名定数増なんですね、説明見ますというと、十一名の定数増やるのに、主幹なら認めるけれども、所長なら認めないという理屈は私はどうも納得できない、これは。そうなら、いま申し上げたように、行政管理庁と大蔵省呼んで聞いてみないことには、とても私ども賛成できないね。なぜ所長、専任の所長が認められないのか、ただあなたの言う客観的ということでは私は納得できない。もう少し経過があるなら説明してください。
○政府委員(両角良彦君) 当省といたしましては、とりあえず、発足を急ぎまして、この総合的な研修体制を発足させるという見地から、この陣容で発足をいたすことをわれわれとしてはお願いをいたしたわけでありまして、専任所長というものにつきましては、今後ともこれを設けるように努力をいたしたい、こういうことでございます。
○北村暢君 関連してお伺いしますが、これはいま山崎委員が指摘しているように、付属機関ということで、法律を改正してまで新しい研修所というものをつくるというのでしょう。したがって行政組織上からいくというと、組織法からいっても、組織と定員というものは不離一体でなければならないはずなんです。法律で付属機関として認め、それが一等級の所長が妥当である、こういうことであるのに、組織ができて定員が割り当てがない、これはおかしいのじゃないですか。行管と大蔵省が認めなかったというけれども、新たに通商産業研修所というものを法律が認める限りにおいて、当然これは一等級の所長というものが妥当であるとするならば、同時に認められてしかるべきものなんだ、同時に認められてしかるべきものなのだ。これは行政組織の、法律的にいってもですよ、非常に矛盾するのですよ。これは法律で組織というものを認めておいて、それに定員のつかないというような法律というものはあり得ないですよ。行政組織法上からいってもこれは許されないことなんですよ。法律上からいっても、その定員が認められないというのは、所長が認められないようなものだったならば、法律でこの研修所というものを認めること自体がおかしい。そういうものなのです、行政組織法というものは。厳格に一名の定員といえども法律改正をして、定員法の改正が出されなければならない。そういうところにいいかげんな、認められたとか認められなかったとかいう、そういう問題で片づけられるべき筋合いのものではない、こういうことなんです、大臣、これは、そういうことを、いいかげんなことを了承するとか、しないとかいう問題じゃないです。これは行政組織法の根本に触れる問題です。国家行政組織法の運用上の根本に触れる問題なんです。だから通産省が、行管が認めないとか大蔵省が認めないとかいうことで、納得しましたとか、しませんとかでもって通る筋合いのものではない。そういう点からいって、私どもはこれ、いま山崎君の質問していることは、行政組織法を無視しているものなんです。組織ができたならば、必ず定員がつかなければならないのが現代の行政組織法です。これは総定員法が通れば別ですけれどもね、通ることを前提にしてこれやっているのですか。
○国務大臣(大平正芳君) 厳格に行政組織と定員という問題を吟味いたしますと、仰せのとおりでございますが、まあ政府部内におきましても、他の所管におきまして、研修所の所長があるいは局長が兼ねておるところもあるようでございまして、そういった先例があったので、本件につきましてもこういう査定がなされたのではないかと想像するわけでございますが、仰せのとおり、厳格に申しますと、行政組織上の一単位として御審議を願って、運営の厳正を期そうという場合におきまして、決してほめた態度ではないと思います。
○山崎昇君 私は、どうしてもふしぎに思うのは、東村山市にできるのですね。そして法律で付属機関としてこれだけ重要な研修所をつくって、これからこの研修所を充実しなければならぬのでしょう。そういう際に、あなたが官房長で忙しくて、所長兼務で、一々何をするにしてもあなたのところへこれは来なければ、あなた所長兼務なんですから、こんなばかな非能率的なことをやらせていいということにはならないじゃないですか。ですから、やはりあなたに、この研修所の充実についてはおまかせしますと、所長さん十分おやりくださいといって、これが初めて私はその能率的な運営にもなるし、充実もされていくものだと思うのですね。ところが、そうでないんだ、これを見るというと。東村山から本省まで一々判取りに来なければならない。一々あなたにお伺いを立てなければ、ものごとが進まないんです、これを見ると。こんなばかなことを、何でこれだけ重要な研修所をつくるにあたってやらせるのか。それが単に、私は定員の面からあなたにお聞きをしているけれども、運営の面からいったって、こんな不合理なことを許していいということにならないです、大臣、これは。これが一つ。 それから二つ目に、なぜ主幹という制度をとらなければ運営ができないのか。なぜこれが副所長とか、行政機構論にマッチした名称なり地位なり与えたらできないのか。そうして下は庶務課と教務課で行政機構をとっているじゃないですか。どうしてここだけスタッフ的な主幹というものをとらなければこれができないのか。どうも私は、さっきの汚職事件の問題でありませんけれども、最近の政府の行政機構のあり方というのは、行政機構論とスタッフというものと混在してごちゃごちゃになっておる。これは国家行政組織法——あとでもちろんやらなきゃなりませんけれども、こういうものをつくるときに、もう少し私はすっきりしてもらいたい、そういうことは。全く便法じゃないですか、これでは。ですから、私はこの法案ではどうしても納得できない。やはり私は、かりに二等級であろうが何であろうが、専任の所長を置いて、そうして、どうしても定数上それをカバーする人ができないというんならば、むしろ主幹を欠員とすべきじゃないですか。あなたがどうしても置きたいというんならば、私は主幹なんということばより、むしろ副所長なり次長なり、そういう行政機構にマッチしたやはり名称を使うべきじゃないですか、ほんとうの補職であるならば。そういう意味で私はどうしてもこれは納得できない。どうですか、大臣、こんなことでこれはスムーズに運営できますか。一々官房長のところまで決裁もらいにこなければならない。
○国務大臣(大平正芳君) 先日の本委員会で北村委員から御指摘になられた点と関連があるのでございますが、つまり予算という形式で国会の御承認を得て、建物を去年、おととしと国家予算という形式で御承認を得て、一応建物ができたわけでございます。それで今度ここに御提案申し上げておりますのは、こういう姿で御提案申し上げずに、私どものほうでやりますと、仰せのように、訓令でやらないかぬと、そういうことは、いわば行政府がかってにやることになるわけでございますので、そこでどうしても設置法の改正という姿で、法律の形であらためて御承認を得て、その筋でちゃんときまったラインに沿って公明に運営していくということでございますから、基本の気持ちはおくみ取り願いたいと思います。 ただ、いま山崎委員が御指摘のように、しかし、そうせっかくするのでございますならば、ちゃんとした行政組織法の筋に沿ったシステムで、もっとちゃんとした姿になってしかるべきじゃないかという御指摘でございますが、御所論として私は仰せのとおりだと思うのでございます。しかし、ただ実際上は官房長を兼務にしたという考え方は、先ほど申しましたように、ほかにも例があるようでございますけれども、この研修所の運営全体につきまして、通産省全体の力で動員していかなければならぬという必要もございますので、官房長を兼務にしておいたほうが動きやすいのではないかと、機能を果たしやすいのではないかという配慮があったのではないかと思うのでございます。専任の所長がすぐれた方があって、全責任を持って運営に当たっていただくというのが、一番理想的な姿でございますけれども、それにいたしましても、通産省全体が協力することが必要な要件になるわけでございまして、その意味において官房長兼務というようなことを、悪意でなくて、善意でこういう姿を次善の策として考えたのではないかと私も思うのですが、そういったことがいいか悪いかの御批判はあろうかと思いますけれども、発足を、一応設置法上認められた機関として第一次年度発足をさせていただく場合、不満足でございますけれども、この姿をお認めをいただいて、今後の運営の実際をよく吟味いたしまして、改善すべき点につきましては改善をちゅうちょなくやってまいるというようなことで、御了解を願えることができればたいへんしあわせと思います。
○山崎昇君 私のほうもこの研修所を否定してものを言っているわけではありませんし、それからいま大臣から、善意でやっているということですから、私のほうもまた善意でいろいろ言っているわけです。しかし実際に私だってやはり公務員の出身でありますから、こういうものをつくるときに、いろいろ計画を立ててやっていく場合に、どれだけつらいものかということは知っているつもりです。 そこでいま見るというと、これは東村山にできて、これはもう距離的にだってかなりあるわけですね。内部の専決規定やその他の規定をどういうふうにつくるか、私はわかりませんが、いずれにしても、こういうものをほんとうに仕上げるというなら、専任の所長を置いてやはりやらせるのが私は筋通じゃないか。いまお聞きしたら、十一名の新規増を認めて、一等級の所長なら認められないけれども、二等級の主幹ならいいと、こう言うから、それなら私は行政管理庁なり大蔵省を呼んで、なぜそういう査定になるのか、聞いてみなければ納得できない。ただ、客観的にと言われただけでは納得できないわけです。すべてこれは兼務で当面やりなさい。五%の定員削減ということだから、定員増そのものが認められないなら、私は責任は別だと思います。そうではないのですね。これを見ますと、また、ですからどうしても私はこの運営には何か支障を来たすという考え方もあって、これはどうも私は納得できない。 それから二つ目には、どうして主幹という制度をとらなければならないのか。これもまた私のわからないところなんです。そうすると、これは官房長に少しこまかいことをお聞きしますが、どういう発令事項になるのですか、通産事務官か何かに任命して、主幹に補するということなんですが、これは主幹というのは補職になるのですか、それとも国家行政組織法上にいう総括整理職のような意味のスタッフ職になるのですか、この主幹というのは、これは官ですか職ですか、これもひとつ聞いておきたいと思います。
○政府委員(両角良彦君) 主幹の制度につきましては、現在自治大学校、労働研修所等で、所長もしくは校長の下に主幹制度というものが設けられております。事実上代行業務を行なっているわけでございまして、さような先例もございまして、この際、主幹制度をここで取り上げたわけでございますが、その発令は、主幹を命ずるという、補職ということになっております。
○山崎昇君 そうするとあれですか、いまの御説明ですとね、自治大学だとか労働省関係のやつをまねされて主幹制度をとられたというのですね。そうすると、私どもは、これから行政管理庁とまあいずれいまの国家行政組織法全般についてやりとりはやるわけなんですが、これも将来そうすると変わらなきゃならぬという場合も出てきますね、一つには。これも伺っておきたい。その際には、あなた方は主幹制度をとったんだが、どうも行政機構論としてはおかしいから直すということもあり得る、そういう含みもあるということに理解をしておきたいと思うんですが、いかがですか。 それからもう一つは、これもどうしても私の脳裏から離れないのは、ことしはあなたが兼務して、来年は専任の所長を置きたいと思うが、どうもそれもわからないということになれば、初年度だけこういうかっこうということにはならない。へたをすれば、これはかなりの長い年数こういうかっこうで据え置かれるという私は危険性もあるのではないかと、こう思うんです。ですから私は、機構をつくるなら、つくる最初にやっぱりきちっとした機構をつくるべきじゃないか、便宜主義をとれば、そのまんまやはり移行するおそれが出てくる。そういう私は考えもあってしつこくこれは聞いてるんです。 ですから、これはどうですか、主幹なんてのをやめてね、むしろ専任の所長に直したらどうですか。二等級の専任所長じゃいけませんか。大臣どうですか、これは。こういう変則的なやり方せぬで、やっぱり専任の所長を置いて、きちっとしたこういう研修所というものは発足させるべきだと私は思う。ただ野党だから政府に文句言っているんじゃありませんよ。私はあくまでも、こういうものをつくるときには、設置の最初からきちんとしたものにしとかなきゃいかぬ、そういう意味で申し上げてるんでね。どうですか、あなた、相談してくれませんか、それは。
○政府委員(両角良彦君) 御趣旨は私どもまことにごもっともと存じます。主幹制度自体につきましては、これは一般的な横流れの問題もございますので、私どものほうで、現段階においてはかような制度で発足をお願い申し上げたということでございます。また、専任問題につきましては、御説のとおり私どもも考えまするが、発足にあたりましては、ただいま大臣から御答弁申しましたように、特に最初の運営というものにつきましては、いろいろ本省関係との問題も多かろうと存じますので、官房長兼務ということで、その間の密接な連絡をはかりながら運営の万全を期したいという趣旨で、われわれとしては全力をあげて、官房長兼任ということによってマイナスの起こらぬように努力をしてまいるつもりでございます。また、明年度以降は専任所長を置きたいという私どもの希望は強くあるわけでございますから、さような希望の実現に向かってわれわれも努力いたしたいと考えております。
○山崎昇君 それで、どうも私は納得できませんが、こればっかりやっておってもしょうがありませんのでね、私はまあ強く希望しておきたいと思うんです。 そこで次にお聞きしたいのは、各府県にそれぞれ計量研修所みたいのものがありますし、それからその他の研修機関等もあるのですが、そういうものと、今度これできる研修所との関係は、大体どういうふうにお考えになっておるわけですか。
○政府委員(両角良彦君) 現在、当省の研修機関といたしましては、計量教習所、鉱務監督官研修所、保安技術講習所、それから特許庁に工業所有権研修所、こういうものがそれぞれございます。この中の鉱務監督官の研修と保安技術の研修は、石炭鉱業、金属鉱業等の現場におきまして技術研修を行なう必要が多い、いわば技術職員のための研修でございますので、従来の施設を利用させていただきたい。また計量教習所というものにつきましては、新しい通産省の研修所と同じ施設を利用してまいるように処置をいたしたい。こういうふうに考えております。
○山崎昇君 そこで、収容人員が二百九十六名だそうでありますけれども、これ一回の研修は、大体期間的にいうとどれぐらいのことを見込んでやるわけですか。
○政府委員(両角良彦君) 研修によりまして異なっておりまするが、平均いたしまして一ヵ月から二カ月程度、長いものは六カ月、短いものは二週間、一週間、いろいろございます。まあ平均的にさようになっております。
○山崎昇君 大体まあ火曜日にも聞いたそうでありますから、私の質問もう終わりたいと思うのですが、いずれにしてもこの問題は、いまあなたの答弁では、どうも行政管理庁と大蔵省の査定の方針、私わかりませんからね、これは行政管理庁と大蔵省に聞いてからでなければ、私はとても賛否明らかにできない。もしも行政管理庁なり大蔵省でそんなことを言った覚えはございませんと、専任所長置いてもけっこうですと、こういうことになれば、これは当然変えなければなりませんね。これはあなたのほうの訓令でやるのでしょうから、内部規定は。しかし、所長を置くその他は、当然法案の内容になってくるわけですから、そういう意味でそういう間の質問私は留保して、一応通産省に対する質問はこれで終えておきたいと思います。
○峯山昭範君 日中覚え書き貿易の日本代表としまして古井さんが二カ月近くの交渉を終えまして、昨日帰国したわけでありますけれども、その覚え書き貿易の概況と、それから結果について、大臣の見解を初めに伺いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 二月の下旬から交渉が始まりまして、一カ月余り政治的な問題の討議に終始されておったようでございますが、三月の末から四月にかけまして貿易交渉に移られたようでございまして、覚え書き貿易の協定が暫定的に一年間認められた、合意したということの報道に接しております。ただ、その交渉の経緯、それから内容等につきましては、まだ一切覚え書き事務所の関係筋から伺っていないのでございまして、前に田川誠一議員がお帰りになったのでございますけれども、田川さんのおっしゃいますのは、古井先生がお帰りになりました上で、一緒にお話を申し上げる機会を持ちたいという御連絡があったままでございまして、まだお二人とお目にかかる機会に恵まれておりませんので、そういう交渉経緯につきましてはつまびらかにいたしておりません。 政府といたしましては、この覚え書き貿易の方式というものによりまして、一本の窓口によりまして、大量の取引が従来行なわれてきたわけでございまして、日中間の貿易の方式といたしましてオーソドックスな方式でございまするし、できればこの方式が、今度の交渉によりまして継続してまいるということを希望しておったわけでございますが、それはそれなりな結果になったようでございまして、その点は私どもとして歓迎をいたしております。
○峯山昭範君 まだ正式に報告を受けていらっしゃらないようでありますけれども、しかし、昨日からマスコミ機関も相当報道いたしておりますし、いろいろと重大な問題が相当あるようであります。特に中国の周恩来総理は、この覚え書き貿易協定の会談コミュニケを、日本政府は内政干渉だと、こういうように言っているけれども、佐藤政府こそ中国の内政に干渉していると、こういうぐあいに述べておりますけれども、実際問題としまして、この日中貿易に与える影響というのは非常に大きいと思うんです。こういう点について大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、通商産業行政をあずかる者といたしまして、貿易の拡大ということに関心を持ち、最善を尽くさなければならない責任を持っておるわけでございまして、しかし、貿易を遂行してまいります場合にいろいろな制約がございます。一つには、たとえば輸出入金融の制約でございますとか、あるいは貿易自体が非常なインバランスの姿になっておるところでございますとかいうような、通常貿易に伴う制約がございますほかに、日中間におきましては、国交がいまだに開かれておりません関係で、北鮮でございますとか北越であるとか、あるいは東独等と同様に越えがたい壁があるわけでございます。私どもの任務は、そういった制約のもとにありまして、可及的に貿易を拡大してまいるという方途を進めていくのが私どもの任務であります。したがって、政治的な問題について、私の立場でいろいろコメントをするという立場ではありませんので、今度出されましたコミュニケにつきまして、通商産業大臣としてどう思うかというお尋ねに対しましては、私の守備範囲をこえた問題でございますので、御遠慮さしていただきたいと思います。
○峯山昭範君 しかし、あの古井さんの手記ですか、こういうものが新聞等に掲載されておりますけれども、これを読みましても、将来日中貿易を拡大していくには、どうしても二つの山を越えなきゃいけない。二つの山というのは、要するに安保と台湾の問題を除いては取り組むわけにはいかない。この安保と台湾を前向きな姿勢で取り組んでいかなければ、日中貿易の発展ということは考えられないと、こういうぐあいに古井さんは言っていらっしゃるわけですが、この点についてもう一回大臣の考えを伺っておきます。
○国務大臣(大平正芳君) 古井さんが御指摘になられるとおり、日中間の政治問題として二つの山があるということは、御指摘のとおりだと思います。これをどう打開してまいるかということは、先ほど申し上げましたように、日本国全体の、政府全体の大きな政治問題でございます。私がそれについて責任を持っておる問題ではございませんから、御遠慮申し上げたいと思います。 ただ、貿易との関連におきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、そういう政治的な壁がある、そういう制約がある、そういう制約の中で、どうすれば拡大に持っていけるかというくふうをこらすのが、私どもの任務であると思います。 そこで私はまず第一に、日本側といたしましては、これはどこの国に対しても同様でございますし、中国に対しても同様でございますが、主体的な真実性をもって対処せにゃならぬと思うのでございます。たとえば政治的な意図で、できるべき取引もできないというような、曲げてしまうというようなことはあってはいけないわけでございまして、ことしの交渉においても問題になった食肉輸入問題、これにつきましても、私どもは、家畜衛生上の安全保障措置、そういったものを家畜衛生当局は非常に主張されておるわけでございまして、しかし私どもは、輸入政策の上からいって、できるだけ輸入を拡大していって、貿易の拡大につなげようという立場から、鋭意家畜衛生当局に交渉したわけでございます。ところが、どうしても、いろいろなくふうをお願いしたわけでございますけれども、なまの肉をそのままで入れるということが、どうしても突き破ることができなかったわけでございまして、したがって船上加工というような方式でいかがでしょうかということで了承を得て向こうにオファーいたしたわけでございます。これは実らなかったのでございますけれども、終始貿易拡大の真率な意図は持っておるんだということを、私どもは常に与えられた条件の中ででも貫いていかなけりゃならぬと考えておるわけでございます。すなわち、政治的に曲げていくというようなことのないように、これは非常に商売も信用でございますから、お互いの間の信頼でございますから、そういった点に狂いのないようにしようというために、精一ぱいの努力をしておる次第でございます。
○峯山昭範君 話はよくわかるんですけれども、こういうような政治的な問題が相当からんでまいりましたし、いま大臣もおっしゃるように、政治的制約の中でくふうをこらしていくのが私の任務だと、こういうふうにいまおっしゃいましたけれども、今後の日中貿易については相当問題もあると思うんです。そういうふうな政治的な制約の中でくふうをこらしていく、このくふうとして、今後日中貿易を促進していく上で、どういうふうなくふうをこらす御決意があるか。どういうふうな考え方でいらっしゃるか、それをまず伺いたい。
○国務大臣(大平正芳君) 中国からの輸入拡大、日本からの対中輸出の拡大ということについては、いろいろな手段を考えなければいかぬわけでございます。いろいろ展示会等が開かれる場合におきましても、可能な限り、政府としてはそれに御援助申し上げるという態度に終始して、貿易拡大のために終始していかなけりゃならぬと思っておるわけでございます。国内にはいろいろな議論がございますし、与党、野党を通じていろんな御見解があるのでございますけれども、私どもは、貿易拡大という立場から、そういう機会はのがさないようにやるべきじゃないかという態度に終始してきましたし、今後もそうしてまいりたいと思います。 それから第二の、今度は向こうのマーケットの拡大の問題でございますが、国内におきましては輸出金融の問題がございます。この輸出金融の問題は、いまのところ、輸出入銀行というものが一手に信用を供与する形で行なっておりまして、市中銀行にはそういった力がないのがいまの実情でございますが、この輸出入銀行の資金はできるだけ確保いたしまして、輸出を阻害することがないようにせにやならぬのでございますが、ただ中国に対しましては、御承知のように、輸出入銀行という政府機関を使ってファイナンスを与えることについて、国府側から非常にきびしい反対の意向が数年前から表明されておることは、御案内のとおりでございます。それでこれは貿易の問題でございますから、できるだけ御理解をいただくように、私どもも努力したのでございますけれども、依然としてまだその態度が変わっていない状況でございまして、これは深く政治問題につながる問題でございまして、単なる貿易金融技術の問題ではないと思うのでございます。そういう制約はございますけれども、輸出金融というようなものをできるだけ潤沢なものにして、輸出を阻害することのないようにやってまいらなければならぬと思います。 それから根本的には、やはりわが国の経済が高度に成長し、多様な発展を見まして、すぐれた商品を安価に提供できるだけの自力を養ってまいらなければいかぬわけでありまして、通産省ばかりでなく、政府あげての経済政策はそこに道標を置いて、いろんな施策をかみ合わせて行なっておることは、御案内のとおりでございまして、そういう貿易拡大の方針に沿いまして、直接間接いろんな手をしんぼう強く遂行して、期待にこたえなければならぬと、そういたしますならば、相当程度の貿易は可能であったし、今後も可能であろうと思います。一九六五年以来、日中貿易は世界で日本が中国にとっては最大の貿易国になったわけでございまして、その後この王座はゆるいでいないわけでございます。とりあえず、去年の下半期からは輸出がたいへん躍進を見ておるわけでございますから、お互いに貿易をしようという気持ちがあり、お互いに誠実なおつき合いが前提にございますならば、私は、貿易の面につきましては、やはり有無相通ずる貿易が逐次拡大を見るのじゃないかというように考えておるわけでございます。
○峯山昭範君 昨日の古井さんのラジオでの話を聞いておりましても、日本代表として行った私たちの考え方というか態度というものが相当甘かった、初めそういうぐあいに思ったと、現実におっしゃっておりましたけれども、大臣のいまのお話を聞いておりましても、確かにやはり相当先方の考え方というものはきびしいものがあると思うのです。現実に覚え書きのコミュニケによりましても、周恩来総理はこんなようなことを言ってるのです。友好貿易は、友好商社がわれわれ共通の敵と戦い互恵平等の原則に従えば必ず発展する、こういうぐあいに言ってるわけですが、大臣どうですかね。このコミュニケを見ましても、共同の敵と戦うと、ここら辺の発言もしているわけです。こういう点から見ても、そんな簡単な甘いものでは私はないと思うのですけれどもね。こういう点については、大臣はいかがお考えですか。
○国務大臣(大平正芳君) それは先方の御意見として拝聴いたします。
○中尾辰義君 私、関連で二、三お伺いしますが、いま日中貿易といっても、友好貿易もLT貿易もあるわけですけれども、中国の対外貿易の中で、日中関係の貿易はどういう地位にあるのか、それが一つと、それから、先ほどおっしゃった輸銀使用の問題ですがね。輸銀の使用につきましては、かって総理は、ケース・バイ・ケースでいくと、こういうような発言もあったわけですけれども、通産大臣はどうお考えになるのか。また、吉田書簡というものは、あれは吉田総理の一個人の書簡であって、正式の公文書じゃないのだと、こういうことも言っておるわけですね。ですから、輸銀使用ということも一つの大きな障壁になっておるわけですけれども、日中の貿易に輸銀を使用するということは、どういうことになるのか。外交上は中国を承認するということになるために輸銀を使用しないというのか、その辺はどうなっておるのか。さらに、台湾との問題があるとおっしゃったけれども、それならば、台湾が輸銀を日中貿易に使用してよろしいという許可がなければ、これは輸銀は使えないのか。その辺のところのひとつ見解を聞かしてください。
○国務大臣(大平正芳君) 日中貿易は、先ほど申しましたように、一九六五年以来、日本が中国にとって最大の貿易国になっております。それまではソ連でございましたけれども、断然群を抜いて、日本が王座を占めております。それで一昨年から去年にかけて、ややスローダウンしておりましたけれども、去年の下半期からはまたぐいぐいとふえてきております。これはヨーロッパ諸国とか、あるいはカナダ、そういったところがその間ふえた、日本の輸出がスローダウンしたときにふえておるかというと、そうでないので、全体としてやはり大勢として減っておるのですね。でございますから、これは中国内部のいろいろな事情、文化革命、その他のいろいろな事情があったのではなかろうかと推察しておるのでございますが、いずれにいたしましても、日本がいま圧倒的な第一位の貿易国であるという状況でございます。 それから第二点の輸銀の問題でございますが、輸銀というのは、私が先ほど申しました輸出入銀行というのは政府機関で、もし日本の市中の金融機関に、非常に資金の蓄積が豊かにございまして、長期にわたるプラントの輸出金融までも市中金融機関がファイナンスをするということであれば、国府のほうは私は何とも言わぬと思う。だけれども、政府機関が関与をするということは、非常に事が重大だと考えておるのが国府側の考えでございます。これに対しまして、私どもは、それは日本が戦後、敗戦の結果、資本の蓄積がなくなってしまって、長期にわたるプラント金融なんていうものは、どうしても政府が強制蓄積をいたしました、税金で取り上げた金でファイナンスするよりほかに、いまの金融機構ではできないので、過渡的にこうなっておるんだから、貿易金融には変わりないのだからというわけで、当時私が外務大臣をしておったのでございますけれども、再三再四説得をしたんですけれども、なかなかどうも政府機関というのが問題になりまして、御承知のように、吉田さんをわずらわして国府のほうへ行っていただくとか、そのあと私が参るとかいうようないきさつがありましたことは、御案内のとおりでございます。これは要するに、したがって政府は、国会その他に対しまして申し上げておりますことは、輸銀使用の問題は、これはやっぱり諸般の事情を考えてケース・バイ・ケースで処理するのでございますという、たいへん回りくどい答弁をいたしておるわけでございまして、それで、まあそれより以外の適切な表現が実はないのでございます。つまり、諸般の事情というものはいろいろあるわけです。その諸般の事情の中に、いまそのように申し上げた事情も含まっておる。そういう事情の中で、もし申請があれば、それは審査はいたしますよという態度を政府はとっておるわけでございます。つまり、これはいいか悪いかというようなことは別問題といたしまして、現実がそうなんでございまして、それですからそういう回りくどい御答弁を申し上げて申しわけないのでございますが、それより以外に、何か答えようがあるかと思って、私もいろいろ考えてみたんだけれども、どうもほかに適切な日本語が見つからないのでございます。 それから吉田書簡の問題でございますが、仰せのように、吉田書簡というのは、あの時期に吉田さんがポケットに入れて持っていった手紙でございまして、当分の間輸銀の金融は政府は考えていないようだというようなことを書かれた書簡であると、考えていないように聞いておるというようなことを伝えられたと私は思います。したがって、そういう時期は過ぎてしまったんだし、それからまた、これは吉田さんの個人の手紙でございますから、政府と関連はないわけでございます。ただ、いまなお吉田書簡なんていうことが問題になるということは、なぜ問題になるかというと、もう、吉田書簡を発出するような事態になったそういう事態がまだ続いておるという意味で、しょっちゅう国会でも問題になるんじゃなかろうかと思うんです。吉田書簡そのものよりは、吉田さんが、それじゃあひとつおれが行ってくるかというようなことで行かれた、そういう情勢がまだ、何年もたちましても、依然として続いておるという意味で、依然として国会でも問題になっているということです。まあ第二次世界大戦後、世の中がたいへん複雑になりまして、対北鮮の問題にいたしましても、北越の問題にしても、東独の問題にいたしましても、こういうような国際法上で律しられないような問題ばかりが出てくるわけでございまして、たいへんすっきりしないわけでございますけれども、先ほどから申し上げているように、すっきりしないのは、私の答弁というよりも、事態がすっきりしないのでございます。その点御了承を願いたいと思います。
○中尾辰義君 それならば、市中銀行の金融によって便宜を与えることは、これはかまわぬ、そういうことですね。そうすると輸銀と市中銀行の金利の差というのは、どの程度ありますか。また、中国のほうがなぜ輸銀にこだわるのか、それと、それから先ほどおっしゃった輸銀使用は非常に事が重大であるとか、問題であるとか、こうおっしゃったわけですけれども、その重大な問題だという意味を、もう少し具体的におっしゃってください。それと、輸銀使用というのは、結局台湾問題が解決して——解決してというのはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、自民党政府が中国を承認した暁でないと、輸銀の全面使用ということはあり得ないのか、それとも、台湾政府が輸銀を使用してけっこうであります、台湾政府から、日本政府は日中貿易に対して輸銀の使用をやってけっこうでございますと、こういうような御返事をいただかないとできないのか、その辺のところですね。まあ一番きわどいところだけれども、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) まあ似たような答弁になるわけでございますが、実は市中金融と輸銀の金融は、いわゆる市中は八分とか九分とかいうような利率でございますが、輸銀のほうは安いのと——多少高いのもありますが、やはり二分やそこらの差が、輸銀のほうが安うございます。しかし、その利率だけでなくて、長期の金融になりますから、膨大な資金が長期に寝るわけでございますから、しかも低利の長期資金が寝るわけでございますから、いまの市中金融では、そういうことをしておったのでは、銀行の資金コストにもカバーできないというようなことで、実際上いま金融のシステムの中にも、私はプラント金融なんということは、市中銀行ができぬと思うのです。非常に資金が豊かであって、相当低利で長期の金を寝さすだけの余裕があれば、こんな問題起こらないのですけれども、実際そうでないから起こるということをまず御了承いただきたいと思います。 それから国府のほうでいろいろ、これ政府機関であるということについての御指摘があるということは、先ほど申したのでございますが、それは結局、台湾問題じゃないかという御指摘でございますが、私は、やはり台湾問題と非常に深く関連した問題であると思います。そういう輸銀の金融というような衣を着た問題でありまして、貿易金融という衣を着ておるのですけれども、実態は非常に政治的な問題であるわけでございまして、すっきり片づけるには、政治問題が片づかぬと片づかない問題だ、逆に言えばそう思うのでございます。ところが政治問題は、先ほどもお尋ねがありましてお答申し上げましたとおり、ちょっと私の守備範囲をこえておる問題でございます。
○中尾辰義君 これでおしまいにします。政治問題は当然でしょうけれども、政治問題だって、安保の問題だとか中国の承認問題だとか、いろいろあるでしょうけれども、結局いずれにしても、貿易だけはやっていきたい、こういうことなんでしょう。ですからいろいろな深い関係があるという非常に微妙な答弁なんですがね。その辺のところをもう少し聞けませんか。どういう経済の問題あるいは軍事的な問題、そのほか政治的な問題で、長期の融資はちょっとぐあいが悪いと、こういうことなんですが、その辺のところをもう少し具体的に……。
○国務大臣(大平正芳君) 端的に申し上げますならば、中国に二つの政権がある。そしてその二つの政権は不倶戴天の対立関係にある。日本は一方のほうと正規の国交を結んでおる。他方のほうと政府機関を通じての関係を持つことに対しまして、釈然としないというのが国府の立場であろうかと思います。したがって、日本の問題というよりも中国の問題なんでございまして、私どもではどうにもできない問題なんです、これは。そこで政府はいろいろ苦心した答弁をいたしておるということなんでございまして、深く政治問題とからんだ問題と申し上げるよりほかにないと思います。
○峯山昭範君 今回の覚え書き貿易によりまして、自民党の内部にもいろいろと相当批判の声やらいろいろあるようでありますけれども、いずれにしましても、古井さんの二カ月余による努力によりまして、ようやく日中両国間のいわゆるパイプが、細いながらでもありますけれども、つながったわけであります。この今回の覚え書き貿易のつながったこれに対して、大臣はどういうぐわいにこれを評価しているかということが一つ。 それからもう一つは、やはり新聞等のあれを見てみましても、相当苦労してやってこられたことはよくわかります。非難も覚悟してこういうようにやってきたと言っておりますように、いろいろありますけれども、高い政治的見地から見まして、こういうふうなコミュニケを処理しょう、そういうくらいな腹を固めてきたという話もありますけれども、大臣は、ここまできて、当然今回のことに対しては高く評価し、また積極的に支援のほうに回るべきじゃないか、こういうふうに思うわけです。その点、大臣にお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 古井さん並びにミッションの御一同の御労苦に対し深甚の敬意と謝意を表します。この覚え書き貿易の意図が継続できたということに対しまして、先ほど申しましたように、私どもは十分これを評価いたしておるのでございます。今後、日中関係の打開という問題につきましては、通商産業行政を乗り越えた高次の政治問題になるわけでございます。私どもも一政治家といたしまして、絶えずこの問題に関心を持ち、この問題にどう対応していくかということにつきましては、十分研さんを積んでいかなけりゃならぬと思っております。
○委員長(八田一朗君) 本案に対する午前の審査はこの程度にいたします。 午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十四分休憩 —————・————— 午後一時二十三分開会
○委員長(八田一朗君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○中尾辰義君 午前中に続きまして、日中問題で少しお伺いしたいと思いますけれども、かって日中貿易は長崎事件もありまして中断になったことがあるんですが、ああいうような状態がまたあると、非常にこれは日中双方ともにたいへんな迷惑になるわけで、それでまあ私は聞いておるんですけれども、今回の日工展の開催にあたって、上海の日工展が中止になったと、これはどういうわけで中止にならざるを得なかったのか、その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 日工展の会長、理事長は北京のほうに参っておりましたので、その方々からお話を聞かないとわからないのでございますが、私どもも新聞でそういう情報を聴取しておる程度でございまして、先方とのお話し合いがどうであったのか、日工展当局がどういう判断をされたのか、そのあたりはまだつまびらかにいたしていないのでございます。
○中尾辰義君 そのあたりをつまびらかにしていないというのは、ちょっとあなた怠慢でしょう、そういうことは。それは民間貿易かしれませんけれども、やはり所管は通産大臣にあるんでしょう。これはまあ国民注目の的になっておりますし、日中貿易の推移というものがどういうふうになっていくか、これは通産、農林各省が非常に心配しておる。私が存じておるのは、結局北京政府の北京における日本に対する態度が非常に厳酷であったから、上海における日工展もやめなきゃならないような情勢におちいったと、まあこれくらいしかわからないんですが、この辺の実情がどういうことだったのか聞きたかったわけなんです。それお伺いしなきゃわからぬということじゃ、大臣がそういうことじゃ、私はどうも納得いかないんだけれども、それともう一つお伺いしますけれども、いま日中貿易は政経分離になっているんですね。政経分離になっておりますが、しかし政経分離というのは政治と経済と分離することですか、その点を一つ。
○国務大臣(大平正芳君) 政経分離の原則というものがどういう意味のもので、いつごろからこれが政府で取り上げられるばかりでなく、日中貿易の論議のときに必ず出てくる問題でございますが、政経分離の原則とはこういうものであるというような定義ははっきりしていないと私は思います。政治と経済は本来分離しようにも分離できないものだと思うのでございまして、問題は、国交がない国との間に貿易関係を、商売はすると、そういうことを私は政経分離という表現で言っておるものとぼくは考えておるわけでございますが、本来政治と経済は可分のものであるというような理解は私どもはいたしておりません。
○中尾辰義君 ですから、政治と経済は、いまのお話では、どこまでが政治で、どこまでが経済あるいは貿易であると、それは明確に分離はできない、これがあなたの答弁でありますけれども、できないものをなぜそれならば政経分離でやっているか、こういうふうになるでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) つまり、国交のない国と貿易をやるということを政経分離という表現で言っているのではないか。この品物はこういう名前をつけるというのと本質的に変わりはないのじゃないかと思いますが、本来政治と経済は可分であるというようなことは世界に通用しないことであると思います。
○中尾辰義君 政経分離の問題は結論が出ぬかもしれませんけれども、それで今度の日工展に対して十九品目がこれは出品の不許可になったのですね、この辺は政治の分野に属しますか。
○国務大臣(大平正芳君) 当然政府のやるべき仕事でございますから、政治の分野の仕事でないかと問われたら、政治の分野の仕事でございますとお答えするよりほかないと思います。
○中尾辰義君 それならば、これは政経分離になっておらぬでしょうよ。政治が介入しているんですよ、結局。
○国務大臣(大平正芳君) でございますから、私が言う政経分離の原則というのは、一つの国交のないところと貿易はするという状態、言いかえれば、国交がなくても貿易の関係は持つのでございますという現実、そういう態度、そういうことを便宜上政経分離という表現で言っておるのではないかと思うんでございまして、だれが言い出したことなのか、これは私もよく究明してないんでございますけれども、普通よく慣用語として言っておることは、国交がありませんけれども経済関係は持ちますという原則を便宜上政経分離でやるのでございますという、言いかえれば、当面国交、中共政府を承認する意図はございませんけれども、貿易はやるという態度でございますということを、非常に簡潔にそういう表現で言っておる、そう御承知願えればいいんではないかと思います。
○中尾辰義君 結局、国交が開かれてないけれども、あなたのほうと貿易をやりたいけれども、ある程度は政治的制約がある、こういうことですね。
○国務大臣(大平正芳君) そうです。
○中尾辰義君 それは便宜上、だれがつけたかもわからないけれども、政経分離と、こういうふうに言っておる、そういうふうにお伺いしたわけですけれども、便宜上だれが言ったか、この辺もやっぱり、これは所管大臣としていろんな質問もあるんですから、ちゃんとした定義を置かないとこちらのほうも困りますよね。またくだらぬ質問をいつまでもこういうことでやりとりしなきゃならぬ。 それから、もう一つお伺いしますけれども、ココムというのがございますね。ココム、これは対共産圏の輸出統制ということでございましょうけれども、これはいま十九品目の出品が不許可になったということで裁判になっておるように聞いておりますけれども、この問題、大臣としてはどうお考えになるのか。職業選定の自由といったような憲法に触れるようなことはないのかどうか。裁判は裁判として、所管大臣としてどういうような見解をお持ちになっていらっしゃるか、その辺はいかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) これはたびたび国会においてお尋ねがありました問題でございまして、私どもとしては、ココムという調整委員会というものがパリにあることは事実でございます。日本がそれに加わっておることも事実でございますが、しかし、ココムで一つの申し合わせができた、その申し合わせが直ちに日本の国民の権利義務を規制するものであるとは思いません。ただ、そういうところの申し合わせを加盟いたしておるメンバーとして順奉してまいるというのが国際信義であろうと思います。日本政府としては、それを輸出管理令に受けとめまして、これこれの品物については政府の承認を要するという法律的な仕組みで初めて国民との間に権利義務の関係が起こるというように従来ずっとやってまいったわけでございます。で、そのことが今度訴訟になっておるわけでございまして、私どもは公正な裁判所の判断を期待いたしております。
○中尾辰義君 それじゃ、時間がありませんから、最後に一つ聞きますけれども、日中貿易の将来に対してどういうような姿勢で持っていくのか。この辺はまあ当然、日本の経済の拡大、また貿易の拡大、そういうような面から見ていって、東南アジア、中国、この辺のところもどんどんやっていかなければならないと、こうは思っておるわけですけれども、しかし、実際問題として、中国は非常にあのような広い国でありまして、いろいろなまあ日本との関連もあるわけですけれども、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。前向きで進めていくのか、もうしょうがないと、国交をおさめるまでは向こうさんがどう言ってもやむを得ないと、こう思うのか。それとも、まあその中においてできるだけ努力をしていくと、努力をしていくならばどういうふうにしていくのか、その辺のところをひとつ最後に聞かしてください。
○国務大臣(大平正芳君) 結論から申しますと、あなたが一番後段に言われたように、努力をしてまいるということでございます。私も先ほど申し上げましたようないろいろな制約が、政治的制約その他がございますけれども、そういう制約の中でベストを尽くしまして貿易の拡大をはかる、これが私どもの貿易政策を担当いたしております者の責任であろうと思います。ベストを尽くすと一言簡単に申し上げましたけれども、あらゆる誠意を尽くさなければならぬと思うのでございまして、おざなりに仕事をやるというようなことではいけないのでございまして、いろいろな困難をどうすればほぐすことができるかについて鋭意努力をしながら拡大へつないでいこうという方針には寸毫も変わりはございません。
○中尾辰義君 私はその努力のしかたを具体的にお伺いしておるわけなんだけれどもね。それは聞いても、あるいは明快な答弁、お答えになりませんから、終わります。 それで、法案に関連して二、三お伺いしますけれども、今度通商産業研修所が設置されるわけですが、その中に、計量教習所は従来地質調査所内に置かれている、これが今度通商産業研修所に共同利用することができる、こういうことが出ておりますけれども、それで、この計量教習所ということにつきまして、これは現状どういうふうになっているのか。職員の構成だとか、施設、それから入所者、あるいは受講者の状況、それから利用者の種類、それからそこを出ればどういうふうなところに働けるのか、修了者に対しては何か義務づけがあるのか、その辺のところをひとつ説明してください。
○政府委員(吉光久君) 計量教習所でございますけれども、これは昭和二十七年の三月から施行されました計量法に基づきまして、計量に関する業務に従事する官公庁の職員並びに計量士——これは計量法上の計量士でございます、計量士になろうとする者等につきまして必要な技術及び実務を教習する機構といたしまして、通商産業省の付属機関として設けられたわけでございます。その組織でございますけれども、現在計量教習所は所長以下五名で成り立っておりまして、そのほかに専任の講師といたしまして三人、それから民間の併任の講師といたしまして十二名、それから計量研究所の職員で併任いたしておりますのが十六名というふうな構成になっております。それから、この教習課程は年二回やっておりまして、一回の講習は四月から八月の五カ月、それから十月から翌年の二月というふうに、一回五カ月というふうな教習課程をたどっておりまして、大体採用人員は、年によって違いますけれども、五十名から百名の間、本年は大体六十名程度でございます。ここを卒業いたしますと——資格の問題でございますけれども、計量法上の検定、取り締まり等の事務に従事する。これは官公庁の職員はすべてこの教習所を卒業していなければできないことになっておりますので、したがいまして、官公庁職員がこの教習所を卒業いたしますと、ただいま申し上げましたような計量法上の取り締まり業務を担当する職員になるわけでございます。また民間から入りました一般の修了者でございますけれども、これは卒業いたしまして、通算いたしまして五年以上計量の業務に従事した者でございますれば、計量士として登録される道が開かれておるわけでございます。なお、卒業いたしまして会社あるいは工場、事業場等の計量の業務に従事する職員もこの中から出てまいっておる、こういう状況でございます。
○中尾辰義君 それじゃ、この計量教習所の修了者は、これは民間の国家試験を受けました計量士というのがありますね、これとの関係はどういうふうになるのですか。
○政府委員(吉光久君) いまお尋ねございました計量士、計量法上の一定の業務を行なう者としての資格を備えた者、それが国家試験に合格いたしまして通商産業大臣の登録を受けた者を計量士といっておるわけでございます。いま、先ほどお答え申し上げました計量教習所を卒業いたしまして一定期間計量の業務に従事した者もまたその登録を受ける資格を持っておるわけでございまして、登録を得ますとこれもまた計量士になるわけでございます。したがいまして、いきなり国家試験を受けました計量士と、この教習所を卒業いたしまして一定の実務経験を持ちまして計量士の登録を受ける人と、これはいずれも計量士として同じ立場でございます。
○中尾辰義君 この消費者保護基本法に、「計量の適正化をはかる」、こういうことが出ておりますが、通産省としてはそういう計量の適正化ということについてどういうような対策をしていらっしゃるのか、その辺いかがですか。
○政府委員(吉光久君) 計量行政につきましては、従来ややともいたしますると、計量器の検定でございますとか、あるいは検査でございますとか、いわゆる計量器自体の取り締まり行政というふうなものに相当のウエートがあったわけでございますけれども、一昨年——四十二年に計量法の一部改正をお願い申し上げまして、その計量法改正は主として消費者保護に関する規定を拡充してまいるというふうなことで行なわれたわけでございます。その大きなポイントといたしまして、いろいろございますけれども、新しく正味量表記等につきまして強制的に表記する制度でございますとか、あるいはまたその内容につきまして、それが消費者の前でよく見えるように計量するような義務と申しますか、ごまかしはいけないというふうな基本的観点からの規定でございますとか、その他消費者保護に関する規定をその際充実していただいたわけでございまして、そういう線に沿いまして、実際の実施問題といたしまして、たとえばそれらの法律の規定に基づきます政令の指定品目の数をふやしてまいりますというふうなことで、消費者保護基本法——昨年できました第八条の基本的な線に沿いまして、具体的な措置を現に講じつつあるわけでございます。 なお、この法律上の制度の問題とはまた離れまして、現実の指導行政の問題といたしましても、たとえば日本計量協会などの団体が行なっております計量表示でございますとか、あるいはパブリック・スケール制度と申しまして、あちらこちらの大きな市場に国の予算で買い上げましたはかりを置きまして、それを消費者が自由に使い得るというような、そういうようなことによりまして正しい計量思想を普及向上するということが、これが逆に申し上げますれば消費者保護そのものにつながるというふうなことから、そういう事業につきましていませっかく努力をいたしておるところでございます。
○中尾辰義君 それじゃ、えてして計量のごまかしもあるわけでございますが、そういったごまかしの取り締まりの面とどういう関連があるのですか。
○政府委員(吉光久君) この実際問題といたしましての取り締まり、これは非常に広い分野で、毎日のように日常行為といたしまして計量行為が行なわれているわけでございます。したがいまして、すべてがすべて現実にうまくいっているかどうかというふうな点につきましては、いろいろとあるいはそごもあろうかと思うわけでございますけれども、基本的な考え方といたしましては、まず第一にその品物をはかりますはかりが正確なものであるということ、このはかりにつきましては市の部におきましては年に一回定期検査をやっておりますというようなことで、はかりが正確なものであるということが第一でございます。それから第二には、先ほどお話にございましたような、そういうごまかしをどうするかという点につきましては、先ほど法律改正のところでお答え申し上げましたけれども、正味量表記、あるいははかりを消費者の前によくわかるようにして示すというふうなこと、こういうことに対する監督の問題として、昨年度計量モニターを千二百名動員いたしまして、あれこれの苦情処理に当たったわけでございますけれども、同時にまた制度の問題といたしましては、そういう不正が発見されました場合には、これに対して勧告する、そうしてまた最後の手段といたしまして、そういう不正表示と申しますか、不正にごまかして売っておる店等につきましてこれを公示してまいるというふうな制度等もあるわけでございます。取り締まりの体制といたしまして、現行で十分であるかどうかという点につきましては、さらに努力する必要があろうかと思いますけれども、以上のような民間モニター制度の活用、あるいはまた都道府県の検査員等による検査の励行というようなことで、消費者に御迷惑をかけないようなそういう仕組みあるいは心がまえで充実いたしておるわけでございます。
○中尾辰義君 それじゃこれで終わることにいたします。 大臣にお伺いいたしますが、茨城県の筑波山ろくに各省の研究機関あるいは技術陣が集団疎開をする、こういう話が出ておりますけれども、通産省の工業技術院はこれに対してはどういうふうになっておりますか、お伺いいたします。
○国務大臣(大平正芳君) 試験研究機関の筑波山ろく移転の問題は前々からございまして、通産省もそういう要請を受けておるわけでございます。ところが、前々から、研究機関を移すにつきましても、関係職員の諸君と事前によく打ち合わせた上で、了解を得てやるというお約束がございます。それで、通産省の研究所は、御承知のように、産業界と非常に密接な関係がございますので、本来ならば東京都内であるほうが便利であるという事情もございますが、いま申しました職員組合側とのお話し合いの経緯もありまして、いまにわかに第一次の移転のリストに載せるというまで用意がまだできていないのでございます。これから先方のほうで十分環境の整備が行なわれて、話し合いが十分ついた場合には、向こうに移転を適当と認めるものにつきましては移転させたいという考えは依然として持っておるんでございますが、今回は第一次の移転のリストにはまだ載せてないのでございまして、第二次においてそういう状況の熟するのと並行して考えてみたいと考えております。
○岩間正男君 一昨日に続いて二、三の点伺います。 資料を出していただいたんですが、この資料を見て、どうも非常に急につくった資料かと思いますが、満足できないものがあると思う。私の要求した資料にもこたえていないということですね。この各産業における公害施設の状況を出しておりますけれども、これを見ますと、火力発電所関係、それから石油精油所関係、こういうものが出されております。鉄鋼とか、石油化学、その他化学、ガス、こういうものについてもこれはお伺いしたはずです。ところが、こういうものについては、ほとんどあるK社のN工場というようなもう一、二の例しか出していない。全体的に把握しようがないわけです。実際は政策論議として進めるには非常にぐあいが悪い資料なんです。まあ時間もあまりなかったのでこういうことになったのかと思いますが、一つは、何といっても常にこういう調査を持っていないんだということ、こういう実態がこの資料によって暴露されたんじゃないかと思いますが、これはどういうことなんでしょう、この点まず伺いたい。
○政府委員(矢島嗣郎君) 先生おっしゃるとおり、昨日提出した資料は部分的でございまして、全体をカバーしていない点はそのとおりでございます。実は、すでに本国会におきましても、三回か何かこういう御質問がございまして、われわれとしては、そういう御質問に答えるためもありまして、とりあえずの資料としてこういうものを用意して、これに基づいてお答えをしておったわけでございますが、これでは不十分でございまして、昨年度におきまして予算をとりまして、公害関係の全業種につきまして全部悉皆的に調査することをやったわけでございます。そういたしまして、大体三月末に調査表が集まりまして、ただいま集計を始めたわけでございまして、この集計がまとまりますと、公害関係の全業種を網羅するこの種の調査が完了するものと思います。で、これは従業員三十人以上の全事業所につきまして公害防止施設の設置についてどれだけの資金を投じたか、同時に公害も含めて全投資額はどのくらいになるかということを詳細に調査するものでございます。以上の調査がおそらく五月早々にはまとまると思いますが、そうすれば先生の御要望の点を十分満足する資料が集まるものと思います。
○岩間正男君 それは五月にできるとすれば、それは出してもらえるんですね。どうもそれがないので実に審議に差しつかえるわけですけれども、しかし大体の大きな筋はつかんでおられるんじゃないですか。たとえば資本金十億円以上の会社、これが現在何ぼありますか、九百ぐらいありますか。その中に、公害関係の企業ですね、これがどれくらいあるか、そういうものについての調査というものはお持ちになっていられないんですか、現在どうなんですか。
○政府委員(矢島嗣郎君) ここにございますように、電力関係と石油関係以外は、手元に現在はそういうような調査はございませんです。
○岩間正男君 さらにまた、この前、四十二年度の法人企業の純利益金について質問したわけですね。金融、保険を除いて、大体三兆五千六百九十六億円、これが純利益になるわけですね。その中で公害関係にどれだけの支出があるのか、こういう問題も全体の国の政策を察知するには非常に重要な資料だと思うんですが、そういうような調査もございませんか。
○政府委員(矢島嗣郎君) いずれにいたしましても、公害防止施設そのものに対する投資額がわからないとその点わからないんですが、そういう公害防止施設に対する投資額につきましては、電力関係と石油関係以外は現在のところはないんでございます。あとは、ここにありますように、サンプル調査的なものがあるにすぎないのでございます。
○岩間正男君 いままでの公害対策というものはいかにずさんな、しかも行き当たりばったりなものであるかということが、はしなくもここで明らかになったと思うんですがね。今度の調査はどういうところですか、たとえば公害関係の企業について調査したというんですが、どういう内容ですか。
○政府委員(矢島嗣郎君) まず業種につきまして申し上げますと、大分類で十四業種、電力、ガス、石炭、鉱業、鉄鋼、非鉄金属、石油、金属製品製造、機械、化学、繊維、紙パルプ、窯業、食料品、以上十四業種です。
○岩間正男君 何会社です。
○政府委員(矢島嗣郎君) 会社の数は約四千でございます。従業員三百人以上で、以上十四業種に属する全事業所ということで、約四千でございます。
○岩間正男君 非常にこれは中途はんぱになるわけですが、それを早く出してもらいたいわけですね。その結果、これについてお聞きしたいと思いますが、とにかく調査なくして行政なしでしょう。科学的な行政をやるとかなんとか言ったって、全然そういう基礎の上に立っていない。それで、いままで公害問題に対処するとかなんとかいうことを言ってきたわけです。しかも、企業の立場からいえば、当然これは通産省がこの責めに任じなければならぬわけですが、そういう点から、今度の結果を見てこのところは論議したいと思います。 その次に、もう一つ出してもらった資料ですが、これを見ますというと、今度の研修所の研修内容に触れているわけです。なるほど二月に出した資料に比べますと、今度は公害研修が出ている。ところが、よく調べてみますと、これはどうです。大体二回やるんですね。人数が十六人で二回、期間が六日間。しかもこれは、この前の資料と対比してみたんですが、経済研修の項目がこの前は六十になっておりましたね。これを削って公害研修に回したんじゃないですか。今度は経済研修は五十四、そうして六つだけこっちに回して公害研修という一つの項目を設けた、そういうやりくり操作だけでこれはつくられた資料のように思うんですが、どうですか。大臣笑っておられるけれども、そのとおりですね、全くそのとおりです。どうですか、ひどいですよ、速成だ。
○政府委員(矢島嗣郎君) 形式的に申し上げますと、先生のおっしゃるように、経済研修に予定しておったものをこちらに振りかえたということは言えると思いますが、実際問題を申し上げますというと、決してきのうきようで変えたわけではないのでございまして、私は本件を立地公害部長としてかねて非常に重要視しております。すでに二、三カ月前からこれを計画しておりまして、そうして官房と折衝いたしておりまして、ようやくこれを入れてもらうことになったいきさつがございます。おそらく官房のほうでも、これをつくる際においては、二月か何かの前の段階で大ワクとしておつくりになっておったわけでございますから、私のほうの具体的な計画ができた段階におきましてこれが入った、こういうことに相なるわけでございまして、決してきのうきょうでつくったわけではございません。私としては、これはもうすでに地方の通産局職員会議にこの計画を全部達しております。
○岩間正男君 公害部長としてはそういうことを言わなければならないと思いますが、しかし少なくとも全く、さしみのつまということばがありますが、この資料を出されないで、一昨日問題になってこういうものを出されたわけです。われわれ検討してみたら、何とほかとの対比の問題が出てくる。公害に対する政府の対策というものはかくのごときものである。これは大臣、管理監督者研修というものがありますが、これは五十八日、これに対して、これの十分の一です、公害研修は。外国語研修は三百六十日でありますから、これの六十分の一。経済研修は二百三十四日のようですから、これの四十分の一。そうしてしかも、これは全体の計算ですが、あなたたちの出した資料を見ますと、この備考のところに書いてあるが、延べ人日、これが四十四年度では三万八千六百四十六人目となっております。同じ計算で、公害調査の研修の場合は、これは百九十二延べ人日。これを三万八千六百四十六に対比しますというと、わずか〇・五%ですね。ことしから始めるのだから、その突破口をつくるんだ、それで公害部長はずいぶん努力してとにもかくにもこういう突破口をつくったと言えば、それまでなんですが、こういう形であなたたちの出しているこういうものが実施できると思いますか。「事前調査の効率的な実施を図り、公害の未然防止に資するものとする。」、こういうことをうたっておるわけです、研修の目的として。大臣どうですか。こういう形のもとで、公害の問題は全くさしみのつま。そうして、非常に大きな問題になり、そうして国会でも追及されたから、やむを得ずこれは出してきたというような形で行なわれている。現在の公害に対処する佐藤内閣の姿勢がここにはっきり出ているんじゃないですか。こういうことはどうですか、大臣、この点についてはっきりした答弁を願いたい。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、公害問題というのは、岩間先生御指摘されるように、このカリキュラムの中の延べ時間数で数えるというような性質のものではないと思います。通産省全体が各部局を通じまして公害防止意識というものを全行政に浸透させていかなければならぬ性質のものであると思います。したがいまして、ここに公害研修の延べ人日ということだけで私どもの政策の軽重を御判断されないように、通産省全体として公害対策にどれだけ情熱を傾けておるか、全体として御判断を願うようにお願いしたいと思います。 それから、このカリキュラムを見まして、職員の研修、新規採用者の研修、管理監督者の研修等、これすべて公害問題という通産行政が当面しておる大きな柱が当然この中に含まれるわけでございますから、この一つの公害研修のアイテムだけから、非常に軽視しておるというおしかりでございますけれども、そのように軽視しておるわけでは決してないということは御了承をいただきたいと思います。
○岩間正男君 大臣としては軽視しておるとおっしゃることはできないと思いますが、われわれはこれに従って見なくてはならない。とにかくほかの監督のところもあって、これも公害に関係あるんだと、それはそういう面もありましょう。しかし、〇・五%——全体の研修内容の量からいいまして〇・五%、千分の五です。これが何をあらわしているかということは明白ですよ。これほど数字が確かな性格をあらわしておることはないと思う。そういう点からいうと、非常に私は、現在の公害対策というものが、現実はどんどん国民の被害となってあらわれ、至るところでそういう悲惨な姿を私たちも幾たびか目にしてきたわけですね。そういうところをほんとうに見てみると、やはりくつを隔ててかゆさをかく感じを免れない。こういう点について、どうもこれは肝に銘じてやってもらわなければならぬと思います。 ついでに、経済企画庁からお見えになっていると思いますが、大体われわれぶつかってみていつでも痛感することは、統一された公害対策というものは実はないということのように思うんです。通産省はいまのような企業の面での調査を最近始められたというような程度で、しかしなるたけ企業の負担というやつは実際軽減される、そういう方向に努力されてきたように感ずるわけです。やはりほんとうに企業の利益代表みたいな性格があった。われわれも数々いままでぶつかってみてそういうことを感じた。そういう中で、一体今後どうなんですか。これの関係するところは、われわれの歩いたところでは、厚生省に、通産省に、それから科学技術庁、そういうことなんですが、私は経済企画庁というものが日本の産業を進めていく、そういう中で人命をほんとうに守ると、このような公害というものが、また産業そのものにとっても一つの大きなこれは否定的な要素になるわけなんですが、これは積もり積もれば必ずそういう形になってくるわけです。だから、そういうような面から考えましても、もっと総合的にこの対策を進めていくということが必要だと思う。そうしたら経済企画庁としては、経済企画を立てる中で、一体公害に対する対策というものはどうあるべきか、そしてこれの予算の面ではどれだけの、全体のたとえば設備投資に対して公害対策の面はどう進めなくちゃならないかというような策定は当然なされなきゃならぬ。これがはっきりした科学的な行政として政治の方向を明確にするということが、これは少なくとも経企庁の任務じゃないかというふうに考えるわけです。まあ大臣お見えにならないんですが、これはどういうふうに経済企画庁ではこの問題に一体対決しておられるのか。それから通産大臣には、これは国務大臣の立場から、佐藤内閣としては、このような統一した公害対策の政策を推進する、そういう方向をとっているのか、それともいままでのように——これはばらばらなんだ。各省に分かれていて、実際は責任が分散してる。いざというときには責任回避が行なわれてる。そうして被害を受けるのはこれは国民ですから、国民に人的に来るわけですね。こういうすき間というやつは、いまの体制の中で非常に私は不備だと考えざるを得ない。一体統一的なそういう方策を持ってるのか、この二点についてお伺いしたい。
○説明員(宮内宏君) 経済企画庁の宮内でございます。 まあ公害問題につきまして直接私のほうで所管しておりますのは、水——水質関係の公害、これはまあ法律をおもにしておるわけでございますけれども、一般論といたしまして、公害対策が非常に重要なる施策であるという立場におきましては、先生と御同感でございます。公害と申しましても、その現象が非常に多岐にわたりまして、あるいは大気汚染、水質汚濁、騒音等々ございまして、またその性質あるいはその種類によりまして、発生状況あるいはそれの影響というふうなものがいろいろと異なるわけでございます。たとえて申しますれば、同じ大気汚染でございましても、発生源によって、工場から発生する場合の汚濁、あるいは自動車の排気ガスから出てくる場合、これに対処する行政というものはそれぞれ異なったものでございまして、これは各担当省でチェックされるわけでございます。ただいま申し上げましたように、公害現象というものが非常に多元的で複雑な性格を持っておるものでございますから、やっぱり公害行政も企画的でなければ、実態に即した行政指導といいますか、行政がまあ実態に即応しないおそれがありますので、ただ公害であるという包括的な概念でもっていろいろ異質的な行政を一カ所に集めてやろうといたしましても、かえって行政の能率を阻害するようなおそれも考えられます。したがって、公害問題を一元的に処理するという機構の問題ではなくて、それぞれの行政の分野の中でよく連絡を密にいたしまして、そして実効果あらしめるということに重点があるのではなかろうかというふうに考えております。
○国務大臣(大平正芳君) いま企画庁からお話がありましたとおりでございまして、まあ公害問題に対応する施策といたしましては、実態に即して適切な施策を講じてまいらなければなりません。そこで政府では、関係各省それぞれの立場におきまして、その日常の行政に即して効果をあげるようなたてまえでやりつつ、総合調整は、総理大臣を会長としております公害対策会議というものを持っておりまして、これを活用して総合調整をはかって推進していくことにいたしております。そのもとに幹事会が置かれて、各省の連絡会議がひんぱんに開かれておるわけでございます。 それから、先ほどの私の答弁でちょっと足らなかったのでございますが、公害の研修の問題でございますが、これは本研修所の研修には、公害発生源に伴う設備は全部用意してあるというわけじゃございませんで、通産省としては別に研修を現場に即してやっておりますので、そういった事情も事務当局からお聞き取りいただければしあわせと思います。
○政府委員(矢島嗣郎君) ただいま大臣からお話がございました研修所、今回の御審議いただいておる研修所以外における公害関係の研修についてちょっと申し上げたいと思いますけれども、通産省におきましては、もうかねてから、その公害関係担当の職員を十分研修して公害行政に遺憾なからしめるという認識のもとに、もう数年前から公害関係の研修をやっておるわけでございます。それで、昨年度におきましても、大気汚染、それから水質汚濁、騒音、この三つについて一回ずつやっておりまして、数字的に申せば五十人の三百の九百、延べ時数にして九百のものをやっておるわけでございますが、さらに来年度におきましては、それぞれふやしまして、大気については一回を二回にするとか、水質については一回を二回にする、騒音は一回を三回にするというようなことにいたしまして、延べ人日について言えば二千四百にわたるものが予定されているわけでございます。ただ、これは、いま大臣からお話がございましたように、設備の関係——公害関係は非常にいろいろな設備を要する点がございますので、たとえば大気汚染については資源技術試験所、こういうようなところでやらなければならぬ、そういう事情もございまして、今回の研修所以外のところでやっておる次第でございまして、従来はもとより、今後さらにこういうものを充実してまいりたいと思います。
○岩間正男君 これは、大平通産大臣からお話しの、総理のもとに置かれている総合調整の委員会ですか、会議ですか、これについては、どういう機構で、どういう運営をやって、いままで何回会議を持ち、どのようなことが協議されたか、これは何かございますか、資料か何か。
○国務大臣(大平正芳君) メンバーといたしましては、十八名の閣僚のうち四名を除きました全閣僚が入っております。
○岩間正男君 いつからですか。資料ありますか。
○国務大臣(大平正芳君) 昨年の八月です。それで、私就任いたしましてからの会議は、先般の紛争処理法案の調整の場合、一回開かれた記憶がございます。
○岩間正男君 どうも、これもまあ私明らかにしたいと思うんですが、結局ケース・バイ・ケース、何か問題が起これば会議を開くというようなやり方では、いつでも問題起こってそれを追っかけるということですね。そういうことでは公害問題は解決つかないんですね。公害は迎え撃たなければならない問題です。だから全体を総合された国の産業政策の中で、計画の中にはっきり公害に対してどういう対策を打つかという、そういう積極的な私は施策が同時に並行しなければならぬということを主張している。さらにそういう任務を、これは総理のもとにやられておるといっているが、どうも申しわけ的なことにすぎないのじゃないか。実際それを推進する機関としての総合された、もっと科学的にこれを検討していく機関が必要ではないか。そういう点で、私は経済企画庁というのが一国の経済企画をやるのですから、それと同時に公害に対する対策が打たれなければならぬと、こういうふうに考えて質問しているわけです。しかし、これは大臣でないからちょっと無理かもしれぬけれども、国策のあり方として、これは私はさっきのような答弁では話にならぬと思うのです。多角的だから、実情に沿うようにするにはやはり分散してやらなければならない。なるほどケース・バイ・ケースの問題ではそうでしょう。しかし、私はそんなこと言っていない。ここで論議しているのは、そんなあとを追っかけていって、あとからヨジュウムチンキをつけたり、こう薬を張ったりするというようなことをいっているのではない。一国の産業計画の中で、どう一体これは対策を持たなければならないのか、そういう点についてはっきりした政策としてこれは立案される性格のものなんですね。これがないということははっきりしている、いままでのいろいろな御答弁から総合してみて。総理のもとにあるけれども、全くこれはそういうような機関ではない。計画がないでしょう、科学的な。この問題をどう推進するかという、そういうものがないでしょう。だから、実は私がお聞きしているのは、日本の産業のそういう仕組みの中で、公害対策費は一体どうなのか。設備投資全体の中で、公害対策に対する設備というのは一体何%占めなければならないのかということをお聞きしているのも、そういうことを検討しているのかどうかということをお聞きしたいからなんです。これはもっと全体としてのそういう対策をわれわれはここでどうしても考えなければならぬ、そういう立場にあるから言っているわけです。ところが、実はそういうことについては、資料の出し方といい、それからいまの御説明からはうかがい知ることはできない。はなはだこの点は残念に思うわけです。こういうことについて、もう少しもっと検討される考えが通産大臣おありですか。もう少しやっぱり科学的にこの問題をやらなければいかぬと思うのですよ。いろいろほかの諸外国のいままでの例もありましょう。また社会主義国家におけるこういう問題に対する対処のしかたもございます。これは資本主義体制とは根本的に違っている面が出てくるわけですが、何といっても人命尊重ということです。だから、そういう点で、はっきり人命尊重をさきに掲げて、人命のそういういろいろな損傷、そういうことをあたりまえの日常茶飯事にして、そういう犠牲の上に立って、そうして大企業の利潤が保証されるというような方式をとっている限りは、この問題の解決はあり得ない。何よりも人命を尊重するのだというたえまえに立って、そのために万般の措置をとって産業を推進するということと基本的に違う。少なくとも資本主義体制の中でそういうことをやっていかなければ、ほんとうにこの公害の問題というやつは、結局は企業の命取りにさえなりかねない。そういう面が出てきている。そういう点からこの問題を私は十分に検討していただきたい。何よりも国民の命を守るという点で、安全対策というものを明確にする必要があるのじゃないか。それをもっと本気になってこれを立案してみて、そういう問題について国会でも論議するところまでいかないと、この問題の解決はつかないわけですよ。私は個々の問題について言っているわけではない。この点について通産省の御見解を伺っておきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 基本的な考え方は岩間委員のお考え方に私は反対ではないのでございます。仰せのとおりだと思います。ただ一つには、公害問題が政治の問題として、あるいは行政の問題として取り上げられてきたのはごく最近のことでございまして、したがいまして、いまおしかりをちょうだいいたしましたように、十分の資料もまだ私どものほうでも整えかねておるような段階にあるということでございまして、いろいろ十分のデータをそろえた上で、政府のほうでおっしゃるとおり国策として大きな政策を樹立し、勇敢に推進していく姿勢をかまえていかなければならぬと思います。 それから第二の問題といたしまして、諸外国よりは一単位面積当たりの利用度が高いし、密度も高いし、したがって、公害問題は世界の中で日本が一番やっかいな国であるとわれわれは承知しておるのでございまして、先進諸国の例は必ずしもこのパターンにならないと思うのでございまして、私どもとしては諸外国、先進諸国が行なっているいないにかかわりませず、日本の実態に即しまして周到な公害対応策を掲げてまいらなければならぬと思います。通産省もぼんやりしているわけでは決してないのでございまして、産業公害総合事前調査というようなものもすでに始めておりまするし、東三河地区であるとか、あるいは水島地区の調査の結果は近く新聞に発表させていただくことになると思いますけれども、工場立地の事前にもう公害の発生源を全部せん滅した上で立地をはかるというようなところに力点を置いて、鋭意いま科学的な調査を実地についてやっておるわけでございまして、御期待の線から申しますと、なお距離があるわけでございますけれども、鋭意そういった材料をずっと積み重ねてまいりまして、十分のデータをそろえた上で、大きな国策の樹立、その推進ということに異常な決意をもって当たらなければならないことは政府の大きな責任であるというように心得ております。
○岩間正男君 最後に私はお聞きしたいのですが、具体的なそういう公害に対する努力の程度というものはこういうことでわかると思うのですが、たとえば電気事業法を見ますと、これについて公害規制の条項がございますか、この事業法の中に。どうですか。
○政府委員(矢島嗣郎君) 電気事業法におきましては、施設の計画の段階から全部許認可にかかっております。それから計画以後完成の段階におきましてももちろん種々の規制の方法をとりまして、電気事業に基づく技術基準の中に詳細に規定をしておりまして、それによって規制をしているわけでございます。したがいまして、一般産業につきましてはおおむね施設が設置されてから以後の、いわばオペレーションの段階以後につきまして、大気汚染防止法なり、あるいは工場排水規制法等によって規制しておりますけれども、電気事業法につきましては、先ほど申し上げましたように、計画の段階から法的に十分規制できる体制になっているわけでございます。
○岩間正男君 私は法律として聞いているのですよ。法に公害規制をうたっているとうたわないでは、これは非常に違うわけでしょう。電気事業法にうたっていますか。あなたの返事はあいまいだ。うたっていますか、うたっていませんか。
○政府委員(矢島嗣郎君) 電気事業法の本法そのものには公害そのものはうたってございませんけれども、電気事業法を受けました技術基準の中に詳細に公害に関する規制が規定されているわけでございます。
○岩間正男君 そこが問題なんですね。本法にこれはうたうべき重大な問題です。あとから発生している。当面、私は電気事業法なんかは公害のそういう点で改正しなければならないと思う。それから電源開発促進法、これでもそうでしょう、公害規制条項というのはないのです。電源開発調整審議会、こういうところで公害規制を実際行なっていないでしょう。これが現実です。だから、やるとか、いろいろな何に書いているとか、そういうことでここのところを逃げたってだめなんです。現実の問題としてそれがほんとうに国民にどう影響しているかということが問題なんです。国会の論議もそうでなくちゃならぬのです。そういう点からいえば、当然、立法府としては公害と密接な関係のあるこういう諸法律、これは電力関係だけじゃなくて、いろいろな法律があると思いますが、少なくともこういう法律を通産省は検討して、それで少なくともこの公害規制の問題を法律にはっきりうたうべきじゃないか、そういうことをしない限りは、これはやはり企業を拘束しないわけです。そうでしょう。許可基準の中にそれが入っていなければ、どうして一体ほんとうに公害を事前に防止するという、そういう方向をとることができますか。だから、私はそういう点からいいますと、当然このような公害に関係のある法律ですね、こういうものを再検討して、そして私は公害の規制というものを明確にする、この決意があるかないかということが、ほんとうの佐藤内閣の公害問題に対するバロメーターだ。通産省としては当然所轄官庁としてこれに対する態度をとるべきだし、それから通産大臣としてはそういう決意を私は述べられることが必要だと思うのです。これはどうお考えになりますか。まあ、原子力発電についてはあるのです。安全審査にのっとって事前審査をする、こういうことになっているわけです。原子力部門についてはあるのだけれども、しかし、原子力は目に見えて、だれでもこの問題は国民の間にはっきり映っている問題です。しかし、もっとじくじくときているばい煙と大気汚染に深い関係のある電力問題、こういうような問題とか、その他鉄鋼の問題、それから化学の問題、そういうところがたくさんあるわけです。これについてほんとうに私は立法の上からも明確にすべきときにきていると思うが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように公害という問題が政治、行政の日程にのぼってまいりまして、国民の日常生活に不断の深刻な影響を与えるようになってきたという段階でございまして、これに対応する策は、政府として十全でなければならないと思います。そこで私どものほうでは、岩間委員が言われたような構想で、一つの立法の計画を持って鋭意検討いたしております。工業立地適正化法案というようなもので、去年来、鋭意検討いたしておるのでございますが、これは総合立法でございまして、既存の法律に非常な関連を持ってまいる大立法でございまして、まだ各省との間に十分意見を詰めなければならない問題が残っておるわけでございます。そこで、さしあたっての問題といたしましては、既存の法律の中で、その活用によりまして実効をあげてまいる、たとえば電気事業法でございまするならば、いまの電気事業法の活用によりまして、電気事業はほぼ完全に規制できるということでございますし、公害法の体系におきましても大気汚染防止法、その他既存の法律がすでに出ておるわけでございますから、そういった既存の立法でカバーできるものはできるだけカバーしていく、なお足りないものは何かというようなところを拾いまして、新しい立法の問題も検討してみたいと思っておるわけでございます。したがって、決してそういった点を等閑に付しているわけではございません。当面の課題といたしましては、現存の法律の活用によってカバーできるものはできるだけカバーしていこう、それに漏れるものについては新しい立法を検討中である、こういうように御承知を願います。
○岩間正男君 それじゃ、その検討中の法案というのですが、これはありますか、内容は。どういうことをいま検討しておりますか。これはここでいきなりですから、もし何でしたら、検討されているそういうものを資料として出していただいてもけっこうですが。
○国務大臣(大平正芳君) 政府と国会の問題になりますから、政府のほうでまとまらないと国会のほうに御相談申し上げるのは行き過ぎだと思いますので、私どもがいま検討中であるという事実だけを御了承置き願いまして、それがどういう内容のものかというようなことにつきまして、国会方面に御相談を申し上げるというのは多少行き過ぎであろうと思います。その点はごかんべん願いたいと思います。
○岩間正男君 どうもそこのところがあいまいになってまずいのですけれども、検討されていることはどういうものかと、検討されているということですから、実はその内容は、具体的にどういうようにするという点はその次にしても、法案の種類くらいだけでもこれは聞かせていただけばと思う。で、そういう問題と、それからほんとうに、これは立法的に私は実現させる必要がある。現行法で措置をするのだというこそくな手段でなく、もし現行法でできるような、いろいろな措置をやっている、その措置を法的にもやはり明確にしておくということが非常に私は重大だと、こう思うのです。この点についての努力というものをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(矢島嗣郎君) 現行法におきましては、石油業法によりまして、石油設備の許認可許可をやっておりますが、その際におきまして、公害防止施設が十分できるように十分チェックいたしまして、必要があれば許可の条件にするというようなことをやっておりますし、また石油化学等に関しましては、外資法の認可の際におきまして同様なチェックをするということをやっております。 それから、先ほど出ました電気事業法、ガス事業法におきましては、計画の段階から全部チェックするということをやっておりまして、公害防止に遺憾なきを期しております。 なお、現在ガス事業法は国会に提案されておりますが、そのガス事業法の改正点の一つは、やはりこういう公害の関係も技術基準を十分完備いたしまして、そういう点遺憾なきを期するという点も改正の一点になっているわけでございます。 以上の点が既存の立法による公害防止に対する規制ということが言えると思います。
○北村暢君 ごく簡単に、時間ですから、二、三質問をいたします。 まず一つお伺いしたいのは、五%定員削減に伴います四十四年度、四十五年度の定員削減の計画について、四十四年度と四十五年度で四百三十一名削減をすることになっておりますが、この四百三十一名の削減をするのはどういう計画になっているか、その内容を明らかにしていただきたい。
○政府委員(両角良彦君) 四百三十一名のうち昭和四十四年度につきましては、百四十三名の削減ということに相なりました。これを当省の部局単位で配分計画を検討いたしております。
○北村暢君 いや、そういうことを聞いているんじゃなくて、削減をするんですから、何か、どこかなくならなきゃいけないわけでしょう。この研修所を設置するのには十二名の新しい定員をふやすということを言っているから、削減をするということになればどこを削減するのか、通産省の中でどこを削減するのかということを聞いている。
○政府委員(両角良彦君) 四十四年度につきましては、別途、定員増が研修所等をはじめとして百三十二名認められたわけでございます。したがって、百四十三名と百三十二名との差が減員になるわけでございますが、これは実際問題としては欠員をこれに充てるということで処置をいたしております。
○北村暢君 四十四年度も四百三十一名から百四十三名を引いたものが四十四年度になるわけですね。したがって、あなた方は増員をするときには、どこどこ十二名とかと言ってやるんだが、削減をするときにはかってに欠員でどこだかわからないところを削ってしまうというやり方をやっておる、そうでしょう。あなた方、これ計画を出して、数字は出ているけれども、どこを削るという目安はないわけでしょう。どこか欠員の出たものが、ただ何となく減っておりましたと、こういうことになる。これは定員管理上、行政組織法からいっても、行政組織と定員というものは、私ははっきりしていかなきゃいけない。欠員で埋めますということは成り立たないんですよ、定員を減らすんですから。どこを減らすかということがはっきりしないと行政組織と定員というものはぴったりしないのです。そういうものなんです。それをいいかげんに欠員でやりますということは、欠員というのは定員はあるんですよ。それを欠員補充しないというだけなんでしょう。どこか一人減ったものをもって充てるということは、定員管理が正しく行なわれていないということですよ。定員と実員と欠員と、これは違うわけですよ、定員というものは。定員四百三十一名を減らすといったならば組織上どこを減らすかということがはっきりしていなければ、これは私は成り立たないと思う。そういうことはっきりしていないでしょう。
○政府委員(両角良彦君) 仰せのとおりでございますが、定員の増加ということと、定員の削減ということとは省内の局別についても、その業務の繁閑に応じまして、また新しい行政の需要の実態に応じまして、それぞれの実情に即した計画をわれわれとしては立てておるつもりでございます。たとえば特許庁でございますとか、あるいは工業技術院の公害関係の技術職員でございますとか、そういったものは重点的に増員要求をいたしますとともに、また定員の削減におきましてはできるだけ実害の出ない形態で検討いたす、こういうたてまえをとっております。
○北村暢君 だから、あなた方はふやすときはちゃんと理屈をくっつけて何名何名とふやしていく、削るときには何%でもってやる。これはけしからぬことですよ。私はこの問題、総定員法との問題とも関連するんですが、こういうことでいいかげんにやって裏づけのない、あなたのいまおっしゃるどこをふやしてどこを減らすという計画だったら、その計画はあるはずだからそれを出していただきたい、この数字の裏づけになるものを。いま出せと言ったってあなたたちないんだから、持ってない。その資料を要求いたします。まあ一時間か二時間、省へ行って来ればあるというんならお目にかかりたい、ないんだ。これはないんだよ、これ。あとからつくれば、何日間かかってつくってくればできるかもしれないけれども、ないんですよ。そういういいかげんな定員管理をやっておる。これはまああとで数字を合わせるというやり方をやっている。間違いない。そうでなかったら資料出してください。
○政府委員(両角良彦君) 四十三年度の局別の増員、定員の増及び局別の定員の減ということにつきましては、計画は持ってございます。
○北村暢君 四十四年度はもう予算で級別定数がきまっておるからそれはわかっているのだ。四十五年度の分も数字が出ている、この数字の裏づけのものを出していただきたい。あとから数字を合わせるのでしょう、あなた方は、四十五年度のものはないでしょう。四十四年度のものははっきり予算で出ている、級別定数で出ているから、これははっきりわかっている、私は。四十五年度のこの閣議決定をした数字の裏づけというものはないでしょう、あとからつくるだけでしょう。したがって、合理的な定員管理というものはやっておらぬのじゃないか。これは行管が五%削減しろと言うから、大臣も五%よろしいというわけで、どこを削るのかさっぱりわかっていない。行政組織法上そういう定員の削り方というのはほんとうはない、むちゃくちゃなんです。そういう意味において、私はこれ以上これをやっておっても出てこないだろうからやりませんが、そういう意味において定員管理というのは、行管の資料を見ましても出している。これを見ましても、自動車の運転手一名をふやすのにも定員法を改正しなければいけないから総定員法でやるということを説明している、行管で出しているのです。ふやすときには運転手一名でも、これはあなたのところの研修所で運転手二名をふやすことになっている。そういうふうに定員というものは運転手一名ふやすというときにも法律でいままで規定しておった。したがって、減らすときにもどこを減らすということを法律でちゃんと出してもらわなければいけない。それを総定員法でやってしまうということでありますから、何が何だかわからなくなってしまうということになる。そういう意味において、私はこの定員というものは、各省ごとに聞いてもみな同じようにしかおそらく答弁ができない、そのくらいのものである。厳密にやっていない。この点は私は指摘しておいて、これは総定員法のときにやる問題ですからあとにいたしますが、これでいかに定員管理がずさんであるかということだけは通産大臣もおわかりになっただろうと思うからこの程度で終わります。 次に、消費者行政について、きょうこういうりっぱなPRの資料をもらいましたが、これはきょうできたんだそうで、私はこの資料について質問しょうと思っておったところが、きょうできて幸いであったかもしれませんが、なかなかこれを見まして、わかりやすいんですが、一体これはどのくらい印刷して、どういうところに配付するんですか。
○政府委員(大慈彌嘉久君) この「賢い消費生活へのしおり」という資料でございますが、四十四年度の事業としまして力を入れておりまして、三万部印刷をいたしまして、地方の通産局であるとか、県庁であるとか、それからモニターというのが、先生御承知のように七百人おりますので、モニターであるとか、広く窓口に配付をいたしたいと思っております。
○北村暢君 まあ広くと言うが、大体お役所向けのようですね。消費者自身にはいかないようですな、いま聞きますと。消費者行政というのは、大体行政ですから、指導行政やればいいんですから、県庁なり市町村なりの消費者行政を扱っている者にいく程度で終わるから、これは問題が起こるわけです。消費者から苦情が出る。したがって、これにならって府県、市町村がつくれと言うのならまた話は別ですけれどもね。そういう点からいって、きのうもお話ありましたように、公害関係、消費者行政というものが、今後、通産省として非常に重要な行政であるということが言われましたね。したがって、私はこの消費者行政というものが企業べったりではなしに——企業の味方ばかりやっているんじゃないということを大臣は岩間君の質問に対して非常に強調をされましたが、実際に通産省が本気になって消費者行政といままで取り組んできたかというと、これはそうは言えない。まあこれからやるんだろうと思いますが、この消費者行政を取り扱っているのは、通産省設置法において企業局が取り扱うようになっておりますね。企業局の中の消費経済課が消費者行政を取り扱う、こういう立場をとっておりますが、どうも消費者行政というのは、企業からすれば、どちらかというと、まあ一貫した行政とはいえども、利害が相反するものですね、企業から言わせれば消費者行政というものは。ところが、その消費者行政を担当する消費経済課というものが企業局の中にあるわけですわ。だから、この企業に従属した消費者行政しかできないのだろう。これは大臣がどんなに弁解されても、そういうふうになっている。だから、これは企業に従属した消費者行政、都合のいい行政になる。もっと勇敢に企業にものの言える組織というものもやはり考えられてしかるべきではないかと、こう思うのですが、どうも大臣は、企業べったりでなしに公害についても消費者行政についても、今後、通産省は勇敢にやるんだと言うんだが、事実、組織上はそうなっておらない。組織機構上はなっておらない。この点についてひとつ御意見を伺いたい。
○政府委員(大慈彌嘉久君) 先ほどお答えいたしました資料の配付でございますが、消費者のほうにも極力行き渡るようにいたします。消費者団体等を通じまして出すわけでございます。さらに、PRの方法については今年度からテレビを利用しまして訴えるつもりでございますので、やはり私たちが消費者行政については、まあ十分ではないにしても相当努力しておるつもりでございますが、行き渡らないというところに大きな問題があると思いますので、PRについては極力努力をさしていただきたいと思います。 それから先ほどの消費経済課が企業局にあるから、企業べったりではないかという御質問でございますが、企業局という名前の企業というのがそういうことでございますと、どうも誤解を与えて遺憾であるということになるわけでありますが、私のほうは各局を通じまして横断的なと申しますか、通産省には横割りの局と縦割りの局とございまして、各局を通じます政策のうち、国内向けの政策というのですか、その大半が企業局にきておりますが、これは企業局だけで仕事をやれる筋でもございませんし、各局全部と、縦割りの重工業局以下各局と力を合わせまして、先ほどの公害行政もそうでございますが、消費者行政も大いに進めていこう、こういう覚悟でございます。
○北村暢君 岩間君がせっかく公害のことを取り上げて、公害は立地公害部という部ができて、課も相当設けてやるような体制が出てきておる。だけれども、消費者行政というのはまだまだおくれた行政ですから、こういうのはやむを得ないかと思いますが、私はやはりこの消費者行政を通産省が一生懸命やって、足りないところは認めたようでございますが、まだまだ十分とは言えない。しかも機構的にはやはり縦割りにしても、横割りにしても、横割りのこのやや総合的な企業局という形をとっているのだが、その中で、これだけ膨大な機構の中に消費者行政をやるのは一課だけですよね。ですから、まあこれは官房にでも置いて、総体のところに目をつけるような形でやらないというといけないのじゃないかといったような感じを非常に強く持っております。企業局に置くこと自体が、何か組織上から言っても十分でない、能力発揮できないじゃないか、このように感じます。したがって、今後の問題として検討してもらいたいと思います。 次に、中小企業庁、これは中小企業庁設置法が通産省設置法とは別途に法律化されております。特許庁は外局として通産省設置法の中で規定されておる。ところが中小企業庁は外局であるけれども、中小企業庁設置法によって設定されておるわけです。それで、私は中小企業の今日の問題を見ますときに、各省に通ずる共管事項がある。食品関係は中小企業は農林省、そのほか環境衛生関係では厚生省、このように同じ中小企業でも各省に分散して行政が行なわれておるということによって、中小企業行政そのものがどうも組織的には複雑である。そのためにばかりでないでしょうが、行政の中における中小企業というものは、非常に予算の面においても、行政の面においても立ちおくれておるというふうに思うんです。そういう点からして中小企業庁設置法でわざわざきめた。こういうところはほかの省にもあります。中小企業庁自身にも付属機関として付属機関を持っておる。まあ、どちらかといえば組織的には非常に大きな外局ですね。そういうような観点からして、私は中小企業行政というものが今後統一されていく場合に、ほんとうに中小企業行政を徹底するためには、わが党はきのうもこの中小企業省設置法というものを提案しているわけなんです。まあそういうことで、行政の一元化ということがやられない限り、金融の面においても行政の面においても不徹底な面が非常に多いんじゃないか、こういうふうに思うんでありますが、これは行政機構改革の改革案にも出ておりませんから、直ちに政府がどういうふうに取り組むというようなことはないかもしれませんが、ひとつこの中小企業の今後の問題について、組織的な問題について大臣はどのようにお考えになっているか、この際お伺いしておきたいと思うんです。
○国務大臣(大平正芳君) まあ非常に大胆なことを申し上げることをお許しいただければ、私は企業にいい企業と悪い企業の区別はありましても、大、中、小というようなことでいろいろ差別するのはよくないと思うんです。それでございますけれども、わが国のような二重構造を持った低生産性部門をかかえておる産業構造のもとにおきまして、各政党が中小企業という概念でとらえられる業態を一つの政策対象としてあげられることも無理はなかったと思うんです。でございますけれども、これをどこへまいりましても私どもはよく耳にするんですけれども、中小企業のいまの定員を広げて、もう少しカバーする範囲を広げるとか、そうして政策をもう少し厚味を持たせるという御議論が多いのでございますけれども、こいねがわくはこういう、いま中小企業としてとらえておるものの中からだんだんと成長して中堅企業に脱皮していく方が多くなって、それで在来の中小企業という政策領域に残っておる業者の数が少なくなって、それで厚味のある政策的なフェーバーをより多く受けられるようなぐあいに持っていくのが、私は本来の行き方じゃないかと思っております。したがいまして、産業行政の中ではこういう領域がもうないようになるのが一番いいわけでございますから、底上げをしましてだんだんととらえる領域が狭くなるようなぐあいに産業政策全体を持っていくべきじゃないか。そういう意味では産業行政の中にあるほうが私はいいんじゃないか。せっかく社会党のほうで構想されておると伺いますけれども、一つの省として独立の官庁になって、そこで独立の大臣ができてまいりますよりは、できたら有力な産業行政と一体となって政策が行なわれるほうが実効があがるのではないかというように、あえて御質問でございますから率直にお答えすると、私そういうように考えます。
○北村暢君 いまの問題、共管事項の整理の問題があるわけです。通産省、農林省、厚生省それぞれ中小企業の問題を所管しているわけですね。なかなか金融問題にしても、金融は通産省、行政指導は厚生省というような形が起こるわけです。そういう点についても聞きたかったのですが、次の質問でひとつ御答弁いただくということで、最後に特許行政についてお伺いいたしますが、人員五%削減は、各省一律五%削減するわけですが、もういつも特許庁は人員不足のために事務が渋滞しておるということで、今日までだいぶ定員の増加をやってきたのですが、四十四年度、四十五年度、この五%の削減との関連において特許庁の人員はどのようにされようとしているのか、この点を最後にお伺いいたします。
○政府委員(荒玉義人君) 全体が削減のときにわれわれのほうは行政需要の拡大に応じまして、御好意ある御配慮をいただいておるわけでございますが、具体的に申しますと、総定員法はまだ通っておりませんが、かりにこれが通ったという前提で考えますと、最近でございますと、四十二年度の現在の定員は千六百二十五名でございます。総定員は御承知のように二年分でございますので、合わせてみますと千八百名でございます。単年度で申しますと四十二年度から四十三年度が八十九名でございます、定員ベースで。それから四十四年度が八十六名プラス、合わせまして千八百名。もちろん、これは五%カット分を織り込んだ数字でございます。
○石原幹市郎君 先般の質問の中で出ておったようですが、今度の設置法の改正で通商産業研修所が設けられるわけです。提案理由を見ますると、「識見を養うため」とか、「研修の充実」ということをいろいろ書かれておりますが、よその省には農業大学校を置こうとか、すでに自治大学校とかいろいろあるのですが、この大学校と研修所との違いですね。この間もちょっと質問があったようですが、官房長はこれは研修所であるとえらいがんばって——私も研修所のほうがほんとうは好きなんです。ところが研修所というのもあれば大学校もあり、いろいろあるので、そこらに何か基準があるのかどうか、そこらのことをもう一ぺん重ねてちょっと聞いておきたい。
○政府委員(両角良彦君) 研修所と大学校との区別の基準というのは理論的に厳密に分ける基準はあるいはないかと思いますが、実際問題といたしましては、大学校の例を拝見いたしますと、当該省庁以外の職員に対する研修教育というものが大きなウエートを占めておる場合が多いようでございます。また、研修期間等も一年もしくはそれ以上の長期の研修を行なうというようなものが大学校という名前で運営されているように承知いたしておりますが、当省の場合は、まさに研修対象が当省の職員を主たる対象といたしておりまするので、研修期間も平均三カ月程度という実務研修を主眼といたしておりまするので、研修所のほうがより実態に即した名称であろうかと存じ上げます。
○石原幹市郎君 主たると、いま言われたんですが、通産省の職員以外の者もやはりこの研修所へ来て研修を受ける者もおるにはおるんですか。
○政府委員(両角良彦君) 当省の職員以外では、高圧ガス取り締まりの関係及び火薬類の取り締まりの関係につきまして、都道府県の担当職員につきまして取り締まり行政及び技術の研修を行なうということでございます。
○石原幹市郎君 この提案理由を見ますと、最近の資本自由化、大型合併、物価の動向、いろいろ内外の高度化する行政需要に対処して高度の識見を養成すると、こううたわれているんですが、三ヵ月やそんな程度のことでいいのか、どうせつくるなら一年くらい、もっともまあ通産省といえば相当なんでしょう、外国へ行く人もたくさんおるし、役所の中でもなかなか高度な知識を持っていなければならぬ役所だと私どもは思うのですが、そういう意味でちゃちなものでなしに、もう少ししっかりした研修所をつくられたら、あるいは大学校というてもいいですが、そういうものにされたらいいのじゃないかと思ったのですが、予算の制約等からやっぱりそういうことがあったのですか。
○政府委員(両角良彦君) 研修の実態をできるだけ充実してまいりまして、また、これに参加する人員もできるだけふやすということは、私ども仰せのとおり努力をいたしたいと思っておりますが、ただ、現在の日々の行政の遂行に支障を来たさない範囲で、これら職員の研修を行なってまいりたいということも他方ございまして、その面からも実際問題として三カ月平均程度の研修で行政事務に支障を来たさない研修を遂行いたしたい、かように考えておりますが、しかし、可能な範囲におきましては、より充実した長期にわたる研修を今後進めてまいりたいと存じます。
○石原幹市郎君 あまり満足した答弁ではありませんけれどもこの辺で。
○委員長(八田一朗君) ほかに御質疑はございませんか。——別に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認め、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決を行ないます。 通商産業省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(八田一朗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(八田一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十四分散会