逓信委員会 第26号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/07/10
会議録
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 郵政事業及び、電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。 本件に関し、質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木強君 前回の委員会で、私はラジオ関東の遠山社長事件を取り上げ、郵政省にその真相についての把握があるかどうかお尋ねをいたしましたが、もう各新聞には出ておったわけです、三日くらい前に。ところが、まだ真相を把握されておらないということですから、次回に回答を保留して調査していただくようにお願いしておきました。したがって、まず、郵政省が遠山事件をお調べになってどういう経過になっておりますか、この点を説明していただきたいと思います。
○政府委員(石川忠夫君) ラジオ関東の社長であります遠山氏と、社員であります加勢氏の間の暴行傷害事件は、お話しのございましたとおり、本年の一月六日の新年の祝賀会の終了後起きた事件でございまして、この事件につきましては、本年の六月六日に遠山氏から東京地検に対しまして加勢氏を傷害罪で告訴いたしておりますし、片や組合側は、六月十七日に本事件を不当労働行為として都労委に提訴し、また、加勢氏から六月三十日に遠山氏を傷害罪並びに謹告罪で東京地検に告訴いたしておりますというようなぐあいでございまして、この事件の真相につきましては、司直の手でいずれ取り調べられ、係争中の事件でございますので、ラジオ関東から聞いたところを以下申し上げたいと存じます。 事件は、ことしの一月六日正午からラジオ関東事務室におきまして、新年の祝賀会が行なわれたわけでありますが、その祝賀会のときに、遠山氏から加勢氏に対して、加勢氏は制作部員でございますので番組の制作についての意見を聞きたい、こういうことを言ったわけでございますが、そのときに加勢氏は、大ぜいのいるところでは話すのは適当でないという趣旨のことが述べられたわけでございますが、その後この祝賀会が大体終わりに近づいたころ、社長が先ほど言われたことを思い出して、そうしてもう一回加勢氏に対して、他人のいないところで二人きりで君の注文を聞こうじゃないかということで、たまたまドアのあいておりました労組の書記局に入ったわけでございます。このときには、加勢氏はうなずきながら先に書記局に入っていく、そのあとから社長が入った、こういうことでございます。で、先に加勢氏が入って長いすに腰かけ、そうして社長が入り口のほうの一人がけの小いすにすわったわけでございますが、その部屋は非常に狭い部屋でございますので、自然に先から入った者とあとから入った者との順序で、こういうようなかっこうになったわけでございます。 で、どういう番組をつくりたいかということを社長から聞かれて、加勢氏はそれに対して回答を考えていたようでございますが、その後こういった事情を知らない組合員なり、社員がやってきてドアをあけようとしたのでございます。そこで、社長は会話のじゃまになるということで、ドアのかぎボタンを内側からかけたのでございます。それから一分間ほど沈黙が続いたのでございますが、このときまでは、二人ともきわめて平静であったとのことでございます。 そのとき、まただれかが外からドアをノックしたのでございますが、それまで黙って加勢氏は、社長の質問に対してどう答えたものかということを考えていたようでございますが、ドアのノックを聞いたとたんに、急に表情を変えて、狂ったように長いすから立ち上がって、そうして、おれは仕事があるんだということを大きな声で言いながら、いきなりドアを背にしてすわっている社長に、結果としては襲いかかったというかっこうになったのでございます。そうして、社長の胸ぐらをつかんで締め上げながら、おいそこをどけということで社長を脅迫した。社長としましては、瞬間に恐怖心を起こしたようでございます。と申しますのは、社長はすでに五十歳でございますし、体力的にもとても三十五歳の血気盛んな青年とここでとにかく取っ組み合いなどしたらとてもかなわないということで、本能的に胸ぐらをつかまれた手を払いのけたようでございます。そのはずみを食らって、加勢氏は長いすにしりもちをついた。それからまた、しりもちをついてすぐに再び狂気のようになって社長に襲いかかった。遠山氏に襲いかかって、胸ぐらをつかんだのでございます。また、社長もその腕を払いのけたということで、三たび社長のところに襲いかかり、胸ぐらをつかんで、引き倒そうとした。また社長は社長でそのつど手を払いのけようとしたということで、そのことによりまして、社長のワイシャツのボタンが引きちぎられたり、ネクタイが乱れるということがございました。遠山氏は、こうしたことによりまして息が詰まり、意識がとだえそうになった。遠山氏は夢中で加勢氏をはねのけまして、それから約一分間にわたりまして二人はもみ合い、また離れて加勢氏はやがて長いすにすわったのでございます。そのときにまたドアがノックされました。ところが、長いすにすわっていた加勢氏が助けてくれと大声を出したのでございます。社長は助けてくれって話は逆だ、ふざけるのもいいかげんにしろということを言ったのでございますが、さらにドアがノックされまして、遠山氏としても、これ以上加勢氏の話を聞くというようなことはとうていできない状況にあるということを判断いたしまして、そこでドアをあけて廊下に出たのでございます。まあそういうことで、今回の事件は、最初に手を出したのは加勢氏であり、遠山氏はいわばその被害者である、こういうことでございます。 以上が一月六日に起きまして、その部屋の中における状況は、加勢氏と遠山氏二人しかおりませんので、私どもはその直後に、遠山氏が何と申しますか、しゃべったことを録音にとったところから、そういうことである、こういうふうに私ども報告を聞いたわけでございます。
○鈴木強君 ただいまの報告の説明は、これはラジオ関東から何か文書なり、口頭なりによって言われたことをそのままオウム返しにここで言われたわけですか。
○政府委員(石川忠夫君) 大体ラジオ関東から提出してもらった資料によりまして、それから話を聞いたところと合わせまして、大要を申し上げたわけでございます。
○鈴木強君 最後に二人だけですから、なかなか内部の事情は、わからないのだな。テープレコーダーか何かあったと、おっしゃったのですが、そこはどういうことですか。
○政府委員(石川忠夫君) この部屋から出ましたあとで、社長室に帰った際に、労組の幹部が十数人で社長室に参りまして、社長に対して状況の説明を求めたようでございますが、そのときに社長は後日の証拠に折原秘書役にテープの録音をさせたということであります。
○鈴木強君 いまの事実関係については、会社側から出された資料で報告をされておるわけです。で、私が前回の委員会で、指摘をした四つの点について触れない点もございますが、いずれにしても、事実関係はだいぶ違うわけですね。ですから、私は両者の言い分が分かれておることもわかりました。 そこで本事件は告訴され、係争中の事件だと思いますから、私も深く立ち入ることは差し控えます。ただ、明らかに、この私の把握しております事実関係と、いま電波監理局長が会社を通じて得た資料による事実関係とはたいへんな違いがございますので、これは私は私なりに、今後いろいろと調査をしてみます。そして、その上で納得のいかない点については、さらに質問をしたいと思いますので、そういうことで、きょうはもう一回これは保留しておきますが、郵政大臣に私はぜひこの際伺っておきたいと思うのです。放送局は電波法に基づきあるいは放送法に基づき運用されております。その免許は、大臣が免許しておるわけであります。その社長が社員に対して暴行をふるったという、そういうふうな行動が行なわれる。これはただ単に一つの新聞社だけではなくて、マスコミがあげてこれを報道しておる。ごく最近の週刊朝日等にも載っておるのでありますが、これは放送でありますから、その社長の言動というものは、きわめて国民に与える影響というものが大きいと思うのであります。まあこれは真相がどうか、裁判の決着を待たなければ何とも言えないと思いますが、いずれにしても、こういう事実関係があったことは間違いないわけでありまして、どっちが悪い、いいということは別としても、そういう事実があったことは間違いないわけでありますから、こういう郵政大臣が認可をした放送局の中に、このような残念な事件が起きたということは、大臣としてどうお考えになっておるか、ひとつ大臣の考え方だけは聞いておきたいと思うんです。それからあとは、また私は保留しておきます。
○国務大臣(河本敏夫君) 事実関係もまだ正確に掌握しておりませんし、何ぶん裁判もあることでございますから、いまはとやかく言うことは差し控えますが、しかし、いずれにいたしましても、こういう事件が起きたということは、私もたいへん遺憾に存じます。
○鈴木強君 じゃ、この点については終わります。 もう一つこの際、大臣に伺いたいんですが、異常な梅雨前線、これに伴う集中豪雨、特に北九州を中心にして起きておりますテレビや新聞やラジオで現地の報道を私ども聞いておりますし、また、院からも、政府からも現地に調査団が派遣されております。特に、われわれは通信関係についてその被害状況がどうだろうか、こういうことを非常に心配をしているわけであります。したがって、大臣がいま把握されております郵便、電信・電話関係の被害状況についておわかりになっている点を概略説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(溝呂木繁君) 六月二十九日からの集中豪雨による被害について御報告申し上げます。 まず、郵政関係につきましては、窓口を閉鎖しました局が三局でございます。それから外務関係では、外務事務を全面休止した局が同じく三局、それから同じく外務事務の一部欠区等があった局が四局ということになっております。それから職員の家屋等で被害があったものが二十世帯、そういう被害がございまして、早速熊本郵政局内に災害対策本部を設置いたしまして、関係職員を被災地に派遣いたしました。なお、鹿児島逓信病院からも、これは非常に被害がひどかった川内地区に救護班を派遣いたしております。 それから郵政業務としてとった援護対策といたしましては、まず、被災地あて救助用小包の料金の免除をいたしております。それから郵便はがきと郵便書簡の無償交付をいたしております。それから貯金、保険の非常取り扱いをいたしております。それから、災害救援金の郵便振りかえによる送金の料金免除、それから簡保事業団、これは簡易保険診療所でございますが、これによる災害医療救護班を派遣いたしております。 以上が大体郵政関係の被害及び対策でございます。 それから、電電公社関係につきまして申し上げますと、被害を受けました回線は、市外電話回線が九百十回線、市内電話回線が一万九千百三十三回線になっておりますが、これは七月三日中に全部復旧いたしております。 それから、途絶局が十局ございます。中国、九州、四国にまたがっておりますが、この十局も七月二日午後四時までに全部解消いたしております。 それから公社のほうの職員の被害でございますが、川内市内を中心として七世帯が浸水を受けております。 以上が郵政関係及び電電公社関係の被害及び対策の概要でございます。
○鈴木強君 局舎その他の固定資産関係ですね、こういうものに与えた被害の額というのはどのくらいになっておりますが、郵便関係と電信電話関係別にわかっておったら知らせてもらいたいと思います。
○政府委員(溝呂木繁君) 正確な把握はいたしておりませんが、郵政関係といたしましては、局舎関係で約一千万円、それから公社関係につきましては、概算二億円というふうにいま承知いたしております。
○鈴木強君 これはさらに質疑をしたいのですけれども、きょうは時間がありませんからお願いだけ申し上げておきますが、職員の被害等につきましても十分な御配慮をいただきますと同時に、この被害の起きました原因の追及等についても、こうしておったらよかったというようなこともあると思います。したがって、それらの点についても十分なひとつ対策を立てていただくと同時に、とにかく被害を受けております皆さんは塗炭の苦しみの中に事業を守っていると思いますから、万全なひとつ配慮をしていただいて、ぜひ通信事業が災害時におきましては、特に大事な役目を果たすわけでありますから、こういう趣旨で、万全のひとつ配慮をしていただきたいことをお願いして終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(永岡光治君) 他に御発言がなければ、本件に関する本日の調査は、この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(永岡光治君) 次に、有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一〇六号)(衆議送付)を議題といたします。 郵政大臣から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。
○国務大臣(河本敏夫君) ただいま議題となりました有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 最近都市におきましては、高層建築物等人為的原因によるテレビジョン放送の受信障害が急速に増加しているところでありますが、このような受信障害に対しましては、有線放送設備を利用することがほとんど唯一の有効な解決方法でありまして、各視聴者を対象として有線によってテレビジョン放送を再送信する業務の必要性が今後ますます強くなるものと予想されます。 このような事情にかんがみ、受信障害が相当範囲にわたって発生している都市の区域でテレビジョン放送の再送信をする有線放送の業務を規制することによりまして視聴者の利益を保護するため、この際、有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する必要があると考える次第であります。 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、郵政大臣が指定した都市の区域において有線テレビジョン再送信の業務を行なおうとする者につきましては、郵政大臣の許可を受けなければならないこととしようとするものであります。また、再送信の業務の用に供する設備は、郵政大臣の許可を受けなければ、再送信の業務の用以外の用に供してはならないことといたしております。 次に、許可を受けた事業者の義務といたしましては、事業者は、業務区域内において適正な役務を提供しなければならず、また、業務区域内のテレビジョン放送を受信して、そのすべての放送番組に変更を加えないで同時に再送信しなければならないことといたしております。 次に、事業者に対する監督につきましては、郵政大臣は視聴者の利益を阻害していると認めるときは、事業者に対し一定の事項について改善を命じ、また、法令違反について許可を取り消すことができることといたしております。 最後に、この法律の施行期日は、この法律の公布後六月を経過した日といたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(永岡光治君) この際、本法律案に対する衆議院における修正点について、修正案提出者、衆議院議員小渕恵三君より説明を聴取いたします。
○衆議院議員(小渕恵三君) 有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正について、その趣旨を御説明申し上げます。 衆議院修正の趣旨を端的に申し上げますと、有線テレビジョン自主放送の業務を郵政大臣の許可にかからせることといたすものであります。政府原案によりますと、自主放送のみを行なう有線テレビは許可制の対象となっていないのでありますが、現に自主放送のみを行なうような有線テレビの構想がいろいろ伝えられているほか、有線テレビ再送信放送の普及を背景として、将来、一般家庭を対象とするような有線テレビ自主放送の出現も十分に予想されるところでありますので、この際、所要の法的措置を講じておく必要があろうと存ぜられます。申すまでもなく、一般家庭を対象とする有線テレビ自主放送は、その社会的役割りや影響力の点から見れば、無線によるテレビ放送に類似するものでありまして、無線による放送と同じような公共性を有することになると認められるのであります。また、その施設に即して見ましても、自主放送と再送信放送とが合わせて行なわれる場合はもちろん、単独に自主放送のみを行なう場合においても、大方は地域独占の形を形成することになると見られるのでありまして、この面からも、また相当の公共性を持つことになると思われるのであります。この修正はこうした判断のもとに、有線テレビ自主放送についても、都市、地方を問わず、これを郵政大臣の許可制として、その業務の適正な運営を確保しようとするものでありまして、その許可の基準としては、業務を的確に遂行できる経理的基礎があることや、業務の計画が確実かつ合理的であることのほか、特に自主放送について必要な事項として、再送信放送と自主放送とを同じ設備で行なう場合には再送信の業務に支障を与えないこと、及び郵政省令で定める有線テレビ自主放送の業務に関する基準に合致することの二項を設けております。 なお、自主放送を許可制にすることに伴って、原案の第三条の二第六項、すなわち、有線テレビ再送信用の整備は、許可を受けなければ、再送信以外の業務の用に供してはならないという規定は、これを削除することとなっております。 以上、簡単に要点のみ御説明いたしましたが、何とぞ十分御審議の上御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(永岡光治君) 本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
○西村尚治君 ただいま郵政大臣から本法案の提案理由の説明を聴取したわけですが、テレビというものが国民の日常生活に定着しまして、日常生活に欠くことのできないものとなっておりまする現状から見まして、大都市におけるビル陰障害を能率的に、克明に救済しようという御趣旨での改正案、これは私どもとして全面的に賛成でございますが、ただCATV方式によりますと、ビル陰障害でCATVを利用する人たちは、NHKに対して聴視料を払うほかに、そのCATVに対する施設料といいますか、加入料といいますか、また、月々の維持料、これを払わなければいかぬことになります。二重の負担になるといったようなことからして、二重払いになるというようなことからして、視聴者の中に、一部不満があるやに聞くんですけれども、そういったことについては、郵政省では、電波監理局長、どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(石川忠夫君) 都市におきまする高層建築物の続出、増高によりまして、テレビが非常に見えにくい、あるいは乱反射を受けて二重像、三重像ができるというようなことで、画像が鮮明でないというような状況が最近ふえてまいっておりますが、これを従来解決いたしますには、個人であるいは数人でアンテナの位置を移す、あるいは共同でアンテナを高いところに立てて、線を引っ張ってきて見ると、こういうことで措置してまいったわけでございますが、結局この有線テレビに加入しないということでございますと、やはり個人個人である程度の負担をして、そうしてきれいな絵を見るという措置をせざるを得ませんし、また現在の大都会におきましては、高層建築その他のいろいろな構築物、あるいは自動車、あるいはその他の高周波利用設備等によりまして、非常にいろいろな電気的な雑音がふえてまいっておりまして、何がしかの受信に対する障害を受けているわけでございまして、こういった障害をほんとうに除去してきれいな絵を見るためには、やはり有線によって見る有線テレビがほとんど唯一の方法でございますので、これに加入してきれいな絵を見るためには、やはりそういった負担もある程度やむを得ないと、私ども考えているわけでございます。とは申しますものの、この負担する加入料、維持料が幾らでもいいということになりますと、受信者に非常に大きな迷惑と申しますか、負担をかけることになりますので、そういうことのないように、許可する場合の基準にも、対価が適正であるということを申しておりまして、今後この面においてもコントロールしてまいりたい、かように考えております。
○西村尚治君 放送法の七条、日本放送協会の目的というところを見ますと、「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」と明記してありますね。日本全国において受信できるように放送をあまねくすべての人が見えるように放送することを目的とするということは、これからいくと、あまねく見えるようにNHK自体が措置する、救済措置を講ずる、これがNHKの使命でもあるというふうにもとれる、そういう見解を持つ人もあるわけです。その辺はそうすると、どういうことになるんでしょうか。
○政府委員(石川忠夫君) 従来からNHK、民放ともにここに書いてございますのは、日本放送協会でございますので、放送協会で申しますと、全国至るところで放送電波を受けてテレビ受像機にちゃんとした絵が映るように放送をするということで親局はもちろん、さらに二次局、サテライト局をつくりまして見えないところをなくすように努力してまいっておるところでございますが、この七条で申しておりますあまねく全国において受信できるような放送を行なうことということは、各放送局につきましては御承知のとおり、一定の電界強度の到達する地点として、放送区域というものが定めてございますが、この放送区域が全国をおおうようにするということを目的に放送局を設置しなさいというのが第七条の趣旨でございます。したがいまして、都会における放送電波は行っているのだけれども、いろいろな人為的な事情で、これが絵が見えにくい、見えないということに対しても、NHKが法律的に全部それを解消する義務があるかどうかということについては、私どもはまあ、法律上の義務があるとは言い切れない、かように考えておるわけでございます。とは言うものの、これをNHKあるいは民放がほったらかしておいていいかということになりますと、私は、そういうことは適当ではないということで、NHK、民放事業者、その他関係者が協力いたしまして、受信障害の解消のために措置を講ずる、こういうように必要な行政指導を行なってまいるべきであると、かように考えまして、今後さように備えたいと考えておる次第でございます。
○西村尚治君 そうすると、いまわが国で、国内でこのビル陰障害、先ほど大臣の説明にありましたように非常に見にくいビル陰障害の起こっているような地域は、どれくらいありますか。どういう実情になっておりますか、概略。何といいますか、山、谷、へんぴなところで見えないところは別として、大都市内においてビル陰障害、そういうことによって見えなくなっている、弊害の起こっているところをひとつ実情を教えてください。
○政府委員(石川忠夫君) これははっきり詳細については正確な数字は出し得ませんが、いままで受信障害の防止対策協議会でいろいろな受信障害に対しまして措置を講じました数字から推計をいたしてみますと、大体東京において一万世帯、それから大阪で三、四千世帯、その他そのほかの都市におきましては、それぞれそれに準ずるような数字の世帯数が、ビル陰その他の受信障害を受けている、こういう推計でございます。
○西村尚治君 そうしたビル陰障害救済のために、この事業を興そうと申請してくるこの事業主体は、株式会社でもいいのですか、それとも何か公益法人に限るというふうに考えていらっしゃるのか、それはどうでしょうか。
○政府委員(石川忠夫君) 法律上は、株式会社で悪いとか個人で悪いとかということは明定はいたしておりませんけれども、私ども考えますのに、有線テレビの事業は、その地域における受信者の利害と非常に密接な関係がある、いわば公益性の非常に強い事業でございますので、地元の放送事業者、それからその他の関係者を含めました公益法人が運営することが望ましいと、かように考えている次第であります。
○西村尚治君 そうすると、株式会社ということで申請しても、公益法人にするように指導すると、そういうことですか。
○政府委員(石川忠夫君) 郵政省としては、できるだけ公益法人でやってまいりたいと、かように考えております。
○西村尚治君 先ほどの質問とちょっと関連するのですが、NHKは全国の加入者と契約を結んで聴視料を取っているわけですね。ただビル陰などにおきましては、映像品位というのか、あるいは受像品位というのか、それがマイナス三以下は取らないということになっているわけですが、ところが、CATVによって品位が上がると、これは聴視料がおのずから取れるようになるわけですね。そうした場合に、そういうことを考えると、やはりCATVの経営は公益法人か、私企業か、まあ公益法人にするように指導するというお話ですけれども、それにはNHKにも当然やはり出資をさせるべきじゃないか、それが当然じゃないかという気がするのですが、そうした場合にNHKは、私ちょっとまだ不勉強でよくわからないのですが、NHKは出資をする道が開かれているのかどうなのか。放送法九条とか三十条とか制限規定がありますがね。そういう点はよく研究なさっていらっしゃるでしょうが、NHKに出資をさせるべきだと思うが、させる道はあるのかどうなのか。公益法人の場合には可能なのかどうなのか、その辺をちょっと説明してください。
○政府委員(石川忠夫君) お話もございましたように、NHKは放送法で申しますと第九条の第三項に「業務を行うに当っては、営利を目的としてはならない。」、こういう条文がございまして、したがいまして、営利、利潤を目的といたします私法人に対しまして出資はできないと、かように考えております。それからこれをさせるためには、お話しのように出資条項を入れなければなりませんわけでございますが、この点につきましては、いままでのNHKの仕事のあり方と関連して慎重に考えていかなければならない問題点だと存じますが、私どもといたしましては、現在の放送法でやっていける。要するに先ほども申し上げましたような民放、NHKあるいはその他の関係者を集合いたしました公益法人によって運営させていくのが一番いい道である、これが一番望ましい道である、こういうふうに考えまして、そのように行政指導をしてまいりたいと考えておる次第であります。
○西村尚治君 こまかくは申し上げませんが、そうすると、いまの現行放送法のたてまえからして、NHKに出資させられると解釈しているわけですね、郵政省は。それでいいんですか。
○政府委員(石川忠夫君) 公益法人に対しましては出資できると、こういうふうに解釈しております。
○西村尚治君 ところで、先ほど聞きますと、東京、大阪、名古屋、こういうところにかなりのビル陰障害が起こっておるという御説明でしたが、こういったところは、当然郵政大臣としてこの改正案によって指定区域になるものと思います。ただ、東京、大阪、そういったようなところを区域として指定する場合はどういう指定をなさるのか。たとえば東京都ということ、あるいは大阪府ということで指定するのかどうなのか。なぜそういうことを聞くかといいますと、同じ東京都ということで指定をいたしますと、まあ都心部は確かにビル陰障害が起こっておりますけれども、三多摩地区とか奥多摩のほうに行くと、もういなかの山間僻地と同じで、山あり谷あり。そうすると、いなかですと、NHKあるいは民放が自分の手でサテライトをつくる、あるいは共同聴取施設をつくって何がしかの補助をする。ですから、そういうところは指定をなさらなくても、幸か不幸か知りませんけれども、これから聞きますけれども、施設費とか月々の聴視料を払わないでもいいわけなんです。奥多摩地区にもそういうところがあると思います。だから指定をするときでも、東京都あるいは大阪府なんというような指定のしかたは、ちょっとおおらか過ぎる懸念があるのですが、そういうことはないと思いますが、その辺をちょっと念のために、どうですか。
○政府委員(石川忠夫君) 改正案におきましては、相当広範囲にわたりましてこういった受信障害が発生しまたは発生するおそれがあると、こういうことでございまして、東京都あるいは大阪府というような全域ではございませんで、ただいま法文にありますように、発生し、あるいは発生するおそれのある東京都で申しますれば二十三区を指定すればいいんじゃないかと、かように考えておる次第であります。
○西村尚治君 わかりました。 すると、その指定区域、一定の二十三区なら二十三区というものが東京で指定をされる。そうすると、それに対して今度は、この許可を受ける事業体が今度はその業務区域というものがあるわけですね。この指定区域と業務区域との関係はどういうことになるのか。東京都二十三区には一社しか認めないということになるのか。それとも各区ごとに認めて二十三社という法人を認めるのか。大体この郵政省のほうで考えていらっしゃる適正規模というようなものは、どの程度にお考えになっておりますか。
○政府委員(石川忠夫君) この適正な業務区域という問題は、非常にむずかしい問題でございますが、私ども考えておりますところでは、東京都全域を直ちに一つの業者が業務区域としてやるということは困難ではなかろうか、さればといって、またあまり小さいと、これは経営上に問題がある、こういうことで、大体一特別区以上、たとえば新宿区とかあるいは新宿区とほかのもう一区合わせるという程度の業務区域にしたいと、ただいまのところ考えております。
○西村尚治君 ちょっと聞き取れなかったんだけれども、一特別区以上ですか。
○政府委員(石川忠夫君) 一特別区あるいは二くらいを考えておるわけでございます。
○西村尚治君 その一適正規模は、まあこれは人口にもよる、区にも大小がありますからね。まあ大体の基準はわかりましたが、そうすると、その一適正規模における施設費というものは、大体どの程度かかるものなのですか。おわかりになっていますか。新宿でありますような例からして、大体のところ、わかりますか。これは利用条件に関連するものだから、ちょっと聞きたいと思ったんです。
○政府委員(石川忠夫君) こちらでまだ正確な数字をはじいておりませんが、新宿で行なおうとしたケーブルビジョンの計画によりますと、二万円、四百円ということで考えております。
○西村尚治君 ちょっと声が小さくて聞こえなかったんですが、何万円ですか。
○政府委員(石川忠夫君) 二万円の四百円でございます。
○西村尚治君 私の言うのは、それは施設料と、私の言うのはセット——セットというのか、システムというのか、一つの企業体が設備するものですよ、中央アンテナを立てて、ケーブルを立てて、そのワン・セット、その施設費——事業体の施設費はどれくらいかかるものかということです。わからなけりゃあとでけっこう。
○政府委員(石川忠夫君) 私どもが試算したところによりますと、大体一施設で、新宿区内に行き渡るようにする施設の建設費は一億八千万円、こういうふうにに考えております。そのほか各世帯へ入っていく、何と申しますか、引き込み線と申しますか、そういうものは一世帯当たり一万円ぐらいじゃなかろうか、かように考えております。
○西村尚治君 この改正案の第三条の二のこのところに、「利用条件」というのが出てくるわけですが、これは第三条の二の三項の二ですが、役務を提供する場合に、加入者から受ける対価、これは「テレビジョン再送信の業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものであること。」というふうに表現してあります。これは電気事業法だとか、ガス事業法などにありますね、適正なコスト、適正な原価に適正な利潤を加えたものといったような、公共事業にそういう表現がよくありますよ。あれと同じ精神と解していいんですか。
○政府委員(石川忠夫君) 同じ精神でございます。
○西村尚治君 そうすると、大体あまりもうけ過ぎないように、公共的な色彩が強いのだから、必要最小限度の利潤で押えるように指導していく、そういうものに認可すると、そういうことですね。そうすると、さっきちょっと私、聞き漏らしましたが、施設料と聴視料は大体どの程度になるのです。これは規模にもよるんでしょうけれども、いまさっきちょっとおっしゃいましたね、二百円とか、四百円とか。どの程度になるんですか。
○政府委員(石川忠夫君) 新宿のケーブルビジョンの計画では、二万円、四百円という計画でございます。
○西村尚治君 二万円が加入料じゃない、施設費で、四百円、これは月々ですね。ちょっとかなり高いような気がしますね。せめて二百円くらいにならないものかという気がするのですが、これは勘の問題ですが。ところで、同軸ケーブルを引くわけですね。この同軸ケーブルというものには、余裕がおそらく出てくるのではないだろうか。そうすると、いまは再送信ということしか考えられていないわけですが、将来情報化時代を迎えて、ファクシミリとかテレビ電話だとか、あるいはデータ通信だとかにこれは利用したいといったような意向も出てくるのではないかという気がするのですが、そういったときには、むしろそうさしたほうが再送信自体のコストは安くなるのじゃないか、四百円とおっしゃるけれども、二百円くらいにも下げられるのではないかという可能性も出てくるのではないかという気がする。これは将来の問題ですけれども、そういう姿勢が出てきたときには、どう対処されるのですか。それはまだ先のことだということで、考えていないのですか、どうですか。
○政府委員(石川忠夫君) 将来の問題としては、いまお話のようなことが出てまいろうかと存じますけれども、現時点において考えますと、ファクシミリにしましても、データ通信にしましても、現在の有線テレビを利用することにつきましては、いろいろな技術的な克服すべき問題がございますので、現在八チャンネルがあるといって、それに利用するということは考えられないわけでございます。将来の問題といたしましては、こういった問題に対処すべく今後慎重に研究、検討を続けてまいりたい、かように考えております。
○西村尚治君 いますぐ起こる問題じゃない、将来の問題だから、将来検討するということで、それはそれでいいと思いますが、それに関連して、実は外国の例ですが、アメリカ、イギリス、いろいろ数が多いようですけれども、ベルギーとかカナダ、こういうところはCATVは外国人には許さないという規定があるやに聞くのですけれども、またわが国もおそらくそういうことは認めないのだろうと思います。将来の問題ということになるのかもしれないけれども、そのときに、そういうことも検討してもらいたいと思いますが、どうなんです。いまの感じとしては、どういうふうに、こういう問題については考えますか。
○政府委員(石川忠夫君) お話のございましたように、外国人に持たせるということを禁止している国もございますし、現実には禁止規定がない国におきましても、外国人に許可を与えているという事例はございません。日本におきましても、明文の規定はございませんが、今後におきまして、国益を損するというようなことのないように処理していきたい、かように考えている次第でございます。
○西村尚治君 もうそろそろ打ち切りますが、河本大臣にせっかく出て来ていただいているのですから、ぜひ一つだけお尋ねしたいと思いますが、これは郵政大臣の指定でございますので、いまの電波監理局長のお話で大体わかりましたけれども、どうもビル陰障害が現実に起こっているというところは、そうそうまだ現時点においては多くないようでございますね、いま聞いてみますと。しかし、少なくとも東京、大阪、名古屋というようなところは指定なさるのだろうと思います。衆議院逓信委員会での質疑の話を漏れ聞きますところによりますと、指定地としては、県庁所在地程度を考えているという。これはどなたの御答弁でしたかあったように私聞いたんでございます。あるいは間違いかもしれませんが、県庁所在地程度というのは、どうもちょっと少し現時点においては行き過ぎではなかろうか。どういう御表現になっておるか、わかりませんけれども、県庁所在地ではなくて、たとえば川崎とかなんとかいうようなところはおそらくビルが林立しましてビル陰障害が若干起こりつつある。そういうところもあるだろうと思われますし、県庁所在地でも全然そんな懸念のないところもあるわけでございますので、あまりこの指定に当たっては、画一的、機械的になさるべきではないのではないかという気がするのでございます。しかも、この問題は、私、全面的に賛成なんですが、これは憲法第三章の条項に照らしまして、とかく問題を提起する人がないでもない非常に重要な問題を含んだ法案でございまするので、指定に当たっては、最初からどんどん指定するというのでなくて、必要なところから、状況を見ながら指定していくという方針のほうがよろしいのではないか。むしろ私自身としてはそう希望するのですが、いかがなものでございましょうか。 最後に、大臣にその辺の御所見を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 大体御趣旨のように考えておるのでございまして、将来は、県庁所在地程度の規模以上の都市、こういうふうに衆議院の段階では説明もし、現在でもさように考えております。しからば、さしあたり県庁所在地がみなビル陰障害を起こしているかというと、お話しのように起こっておらぬところもございますし、あるいはまた県庁所在地でなくても起こっておるところもあるわけです。さしあたりは七大都市ぐらいを対象にして考えていく。それから順次障害が起こったところから指定区域を広げていく。こういうことにすればいいのではないか、ただいまのところはさように考えております。
○委員長(永岡光治君) 他に御発言がなければ、本法律案に対する本日の質疑はこの程度でとどめまして、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二分散会 —————・—————