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61回国会参議院1969/07/03

地方行政委員会 第22号

発言数
194
登壇者
17
会派数
2
開催日
1969/07/03

会議録

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  都道府県合併特例法案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。     —————————————

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) 委員の異動について報告いたします。  本日、鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として柳田桃太郎君が選任されました。     —————————————

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先日、各省の通達関係の資料をいただいたわけでありますが、どこがどうだという指摘のしかたをしませんが、一般的にやはり通達の件数というものは減っていない。さらにふえている。そういう意味において、地方自治体への干渉がやはり歴年非常に多くなってきている。通達の件数から考えてみるとそういうふうに指摘をすることができるのであります。たいへん忙しい中で各省の官房長の方に来ていただき、通達の数などをこまかく出していただいたわけですが、この数が正確に地方公共団体に対する国の関与の度合いを、ふえているからといって、そのまま私は示しているものだというふうに断定するつもりはもちろんありませんが、一つのメルクマールであることは間違いがないと思うのであります。先日もこの資料の四〇ページの部分について指摘をいたしましたけれども、「地方公共団体に対する国の関与には、法令に基づくもののほか、補助金、通達等による事実上の関与が広く行なわれ、しかも、しばしば法令に基づく関与より以上の実質的影響を伴って行なわれている。当調査会は、このような事実上の関与が、しばしば行政責任の所在を不明確ならしめるばかりでなく、地方自治の健全な発達を阻害する一因となっていることにかんがみ、今後必要なものは法律に明記することとして、事実上の関与は廃止するとともに、現在の補助金制度そのものに根本的改革が加えられることが必要であると考える。」、こう四〇ページに指摘しておるわけです。こういう第九次の地方制度調査会の答申にかんがみて、自治省は総括的に現状をどのように認識をされているのか。そして、今後この問題に対してどのような態度で対処をされていくつもりなのか、御答弁願いたい。    〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方制度調査会の答申の中で、補助金や通達等による事実上の関与という問題を指摘をしておりますが、そういう事実上の関与が広く行なわれているということは、まあ答申が指摘しておるとおりだろうと実は思っております。もちろん自治省の考え方といたしましては、法律なり政令によりまして、地方団体に国が事務を委任するなり、あるいは事務を規定するということは、これはまあたてまえとして認められなきゃならないことでありますが、通達等によりまして新しい義務を課するような結果になるような指示をするというようなことが適当な措置であるとは考えておりません。したがいまして、そういう点についての関与はできるだけ避けるようにしてもらいたいということを考えまして、昨年、地方公共団体に行政改革についてのアンケートをとりましたものを取りまとめをいたして政府の行政改革本部に提出をいたしておりますが、その中におきましても、通達とかそういうものによる関与というものについての問題も出ておりまして、行政監理委員会等におきましては、それらの中のある部分についてはぜひ改革を進めるべきだという御賛同もいただいているような状況でございます。これは今後行政改革という法律制度だけの問題ではなくて、運用上の問題としての通達上の関与というものも、必要以上にわたって事実上義務を課するようなかっこうになるものは、ぜひこういうことは廃止されなければならないものと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 どうですか、いまの自治省側の答弁を、資料を提出なさったところの各省御確認をされますか。まず、農林省いかがですか。

鈴木諒農林大臣官房地方課長

○説明員(鈴木諒君) 御指摘の点につきまして、今後一そうアンケート調査をやるにつきましては、実施その他に問題はございますけれども、一般的に地方の声も十分反映いたすように努力いたしたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 経済企画庁いかがですか。

三喜田龍次経済企画庁長官官房調査官

○説明員(三喜田龍次君) 経済企画庁も、御存じのとおり総合的な経済政策の企画、立案、各省庁の総合調整を担当している官庁でございまして、地方行政に関しましては直接的には——特殊なものを除きまして直接指導をするという立場にございません。ただ、担当している部面に関しましては、補助金交付要綱その他作業要領等の関係の通達を出しておりますけれども、実質的な行政に関与するということはほとんど担当しておりません。もちろんいま自治省の言われました点につきましては同感でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 建設省。

吉田泰夫建設大臣官房文書課長

○説明員(吉田泰夫君) 建設省におきましても、通達等による都道府県への事務の関与につきましては、必要最小限度のものにとどめるよう今後ともつとめたいと存じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 各省大体そういうことですか。  次に入りますが、各省大体答弁は以たり寄ったりだと思うのですが、やはりいまの問題の根本というものを実は考えてみますと、現行法上機関委任事務とされているものの実は問題だと思うのです。国の選挙とか、国の統計の事務とか、外国人の登録に関する事務とか、もっぱら国のみに利害関係のあるものについては、ある意味で問題はないわけですが、たとえば産業の保護であるとか、助長であるとか、あるいは干拓とか、河川や砂防や海岸というような土木行政、それから生活保護とかあるいは児童福祉といったような社会福祉行政、その他保護衛生行政とかあるいは労働行政、文化行政、あるいは取り締まり行政とか、国にも地方にも利害関係のある事務がいわゆる機関委任という形になっているわけですから、一昨日も幾つかの省の官房の方々と論争したわけですが、各省の方たが、この種の事務は国家的利害にかかわる事務であるから、その処理に国家的に関心が払われて、全国的に統一的に処理されることが望ましいとか、あるいは行政の一定水準を維持する必要があるから、そのために国家が関与する必要があるとか言われても、そういう理屈であったならば、すべての機関委任事務についてそういう理屈が成り立つわけでありまして、そもそも行政事務の再配分などという問題が発生するはずが私はないと思うのですね。行政事務そのものに、本来的に国家的事務とか、あるいはこれは自治事務であるとかいった区別があるわけではありませんから、この問題はある一定の基準を引いて、この事務は国の責任で処理させたほうが適当である、あるいは自治体で処理させたほうがよいという、いわば立法政策の問題であると私は思うのです。そうして私が強調したいのは、地方分権という立場からの立法政策そのものでなければならぬのだということなんです。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕 したがって各省の方々の意見が私に対して説得的であるためには、その事務が国の利害にかかわるということを言うのではなくて、いま言ったある一定の基準を示して、その基準に基づいて、この事務は国で責任をもって処理したほうがよいというような形でなければならない、そういうように思うのです。各省の官房の方々の中で、もしどなたかその基準をお示しになられる方がいらっしゃるのならば、ここでその基準を明らかにしていただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。もしいないということになれば、あなた方の主張、ずっとこうこの前の中でもされてきておることなどを総合的に判断をしてみますと、やはり一般性を持つものではないのだということになるのじゃないかと思うのです。一つのセクションの利害を代表するものにすぎないということなのではないか。行政事務再配分を行なっていくのだと言われる自治省は、立法政策の問題としてその基準をどこに置くわけですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) いまのお話は非常にむずかしいお話であると私も思います。なかなか容易にはお答えができない問題を含んでいるように思っております。と申しますのは、やはり行政によりましては、国家的なスケールといいますか、日本国全体あるいは国際的な条件というようなものを考えながら進めていかなければならないものももちろんございます。それからまた国内的な問題に主としてかかわるものでございましても、相当広域にわたって考えていかなければならないものもございます。したがいまして、地方団体という面から考えますと、地方団体の行政の及びます範囲は一応地方団体の区域内のみに限られるわけでございますから、そういうことで、行政の対象としますものの影響が地方団体の区域を越えまして及んでいくようなものについて、しかしその行なっている活動の主体は当然地方団体の中にあるということでございますから、それは地方団体自身として、全国的な基準に従ってそういうものは処理をしていっていいのじゃないかという議論も立ちます。しかしながらそういう影響の範囲とかいろいろなものを考えます場合には、地方団体だけで考えるわけにいかない、こういうことにも相なります。そこで、全体の行政のあり方としまして、国家が初めからしまいまで統一的に考えていかなければいけないし、直接自分で責任を負わなければいけないという行政もないとは言えないと思います。それからもう一つの極限としましては、地方団体のみにおいて処理してかまわないというものもあるわけでございますが、その途中の中においていろいろな段階が出てまいります。そういう場合に、一般的な基準を国家が設けまして、その基準に従って地方団体が処理をしていく、こういうことが出てくるわけでございます。その場合にも、基準に従うことについての事前の指揮といいますか、事前に絶対に基準に沿わせるように手を取り足を取って指揮、指導をしていかなければいかぬという考え方の出てくるような行政もあるかもしれません。こういうものが指揮、監督というものの一つの例になると思います。それからそうではなくて、基準に従ったか従っていないか、適合しているかどうかということを事後において調べまして、そして適合していないものについてそれを矯正する方法を考えるということでも済むような行政もあろうかと思います。まあそういうことがありますし、また同時に、地方で決定をすることができるようにするといたしましても、あらかじめそういう決定の中に、非常に重いものにつきまして国との間の事前の連絡というものをして、つまりこれは指揮、監督の一つにもなるかと思いますけれども、そういう形で円滑に行政を処理するというようなことも行なわれてまいります。そういうような場合に、つまりいわゆる通達による指導と申しますか、そういうようなものが多くついてくるようなケースになってくる。また同時に、国家としてはやはりそういう一定の水準なりあるいは統一なりを保ちますために、必要な行政については国家がその必要な経費の一部を負担したり、補助をしたりするということによりまして、補助なり負担なりの条件といたしまして、一定の事務処理というものを、実質上補助負担というものを監督し、あるいは検査するというような形で基準の維持というものをはかっていく。その検査や監督にも、中には事前にも検査し、設計も検査し、最中にも検査し、事後において検査する、こういういろんな段階をお取りになるような仕組みもございます。現在の公共事業の多くはそういうような形態をとっておると思います。まあそういうようなものはいろいろな行政の要請から出ておるわけでございますけれども、概して言いますと、そういう意味で、事前に予防的な指揮、監督というようなものをどういう行政についてどのように考えていくか、事後の是正で済みますものは地方団体に是正させるか、あるいは国が直接乗り出して是正するかというような形で、事後措置というものを考えていくべきものもある。それらのものについて、国と地方との関係におきまして、行政の性質なり効果なりというものを考えながら、なお整理いたしてまいりますならば、地方制度調査会の答申等のものの考え方というものにおおむね合っていくんじゃないだろうか、そういう努力や検討を今後重ねなければならないだろうと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その地方の出先機関に関する問題ですが、地方の出先機関に関する問題点というのは、府県の機能をめぐる問題点の一つの現象でありましょう。府県政白書は、ほんの一例と断わって幾つかの具体的な問題をこの中であげていますけれども、それらについて関係各省のお考えをお聞きしたいと思っているんですか、それでは、いわゆる二重行政、二重監督にかかる弊害の例として、府県政白書は、たとえば、「通商産業局との関連における中小企業行政に関する事務についてみると、中小企業の設備近代化資金の貸付け、商工会議所、商工会、中小企業等協同組合の指導監督等中小企業行政において本省の権限がほとんど地方出先機関である通商産業局に移譲されていないために(移譲していても協議、承認等を要する。)通商産業局は単なる経由機関にすぎない。」こう述べているんですが、通産省いかがですか。

竹村豊通商産業大臣官房審議官

○説明員(竹村豊君) 御指摘のように、中小企業行政は都道府県と非常に密接な関連がございまして、都道府県かむしろ実態をよく知っておられるということもございまして、都道府県を中心にやっております。したがいまして、ほとんどの権限は都道府県のほうにおろされておるという実情になっております。ここで指摘してございますように、通産局が経由官庁になっておるということも、一部のものについてはそのとおりでございます。通産局は、先ほど自治省のほうからもお話かございましたように、県を越えるもので、またその、国一本という見方の中間的な見方をするという観点から、一応どういうかっこうで各都道府県内の中小企業行政がおろされておるかという点を知るという意味から経由庁にしてあるわけでございまして、そういう見方が若干違うという意味で、二重行政というような感じのものではないんではなかろうかというふうに考えております。    〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 またいわゆる行政が重複している例として、「農林統計調査事務所の統計、食糧事務所の統計と府県の農林統計等の例、農林省の農事試験場と府県の農業試験場の試験の例」があげられていますが、農林省はいかがお考えになります。

鈴木諒農林大臣官房地方課長

○説明員(鈴木諒君) この問題につきまして統計調査部並びに食糧庁から関係の統計を担当しておられる方がお見えになっておりますので、そちらのほうから御説明をお願いしたいと思います。

竹下禎二農林省農林経済局統計企画官

○説明員(竹下禎二君) 統計調査部で行なっております統計調査と、それから都道府県の行なっております統計調査との関係についてお答えいたします。統計調査部の行なっております統計調査は、主として国が必要とする統計をつくるということでやっておりまして、大体県単位の統計をつくるということに主力を置いてやっております。したがって、都道府県の中の市町村別でありますとか、あるいは市町村の中の行政集落別の統計というようなものはとうてい私どものほうでそういうものを直接つくるというような調査は仕組まれておりません。それで、都道府県がいろいろ行政をおやりになりますのには、どうしてもそういう中身のあれが必要になるのだろうと思います。そういうことで、都道府県等で調査をおやりになっておられる。これは国のつくっております統計を、さらに府県のほうでお使いになります際に補完的な役割りをしておるものだと思います。そういう意味で、都道府県でおやりになっておられます調査につきましては、行政管理庁のほうに報告、調整の手続きをとられまして、この間で調整をされておりますので、両者の間には、項目として見ますと同じような項目が出てまいりますが、それぞれ利用目的が違いますと、統計の調査と統計の表象のしかたも違うという点で、重複はしておらない、むしろ両方が相互に足らざるところを補完している、こういう役割りをしているだろうというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 目的によって違う、利用によって違う、そして補完的だとこう言われるのですが、全く俗な言い方をすれば、世上うそに三つある。うそも方便といううそ、見えすいたうそ、三つ目のうそというのは官庁統計数字である。たまたま経験をするのは農林省の統計と地方自治体の農林関係統計だが、同一の年度、同一の状況を取り上げても、数字的な結果としては違っている。何も農林省だけに言うんじゃありませんが、そういうような形のことが、政治的目標によって出される数字が違う。こういうような形のことをわれわれ指摘をしているわけです。世間的にもそういうことを言われているわけですね。それは一体補完的な状態の作用を持つものであろうかということに対してはたいへん疑問を持つわけです。いまの御答弁との関連で、いかがお考えになります。

竹下禎二農林省農林経済局統計企画官

○説明員(竹下禎二君) 都道府県のほうの調査の目的については、これは私どももつまびらかにわかりませんが、やはり国の、いま私どもが統計調査部でやっております調査法は、統計の利用目的から、府県間に非常にアンバランスがないように調査の設定をしてやっておりますから、均衡がとれた統計がつくれるわけでございます。調査方法が違いますと、どうしても数字が違ってくることは当然でございますので、調査方法を一定にいたしまして、それで均衡がとれるようにということで私どものほうはやっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまの二つの省からの答弁について、自治省はどう考えておりますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方出先機関に関する一般論でございますけれども、自治省としましては、いわゆる臨時行政調査会等でも指摘をしておりますように、行政における現実性あるいは総合性、計画性というような観点から考えますと、似たような行政について考える場合には、どこが統一的に責任を持って行政をやっていくのが一番妥当であるかという考え方を基本において考えてみるべきだろうと思うのでありますが、そういう意味で、国の地方出先機関の中にはいろんな種類のものがございますけれども、地方行政に非常に密接な関係を持っておりますものとの調節ということは、かねてから自治省としては非常に主張をしておるわけでありまして、そういう意味で、出先機関の関係の整理統合というか、そういうものを十分考えてもらいたいということを機会あるたびに申しておるわけでございますが、どうも最近は各省の御主張が全部私どもは適当でないというふうにも思っておりません。最近の各省の出先機関についての権限付与というようなものは、やはり広域行政というような観点から、どうしてもそういう点で府県を越えるような行政につきましては、やはり一応の中間的な統一というものが必要であるという立場で、いろいろと権限付与をなさるわけでございます。そういうときには、つとめていわゆる二重行政、二重監督というようなことにならないように、また同時に出先機関によりましては、たとえば適切な例かどうかわかりませんけれども、いま府県政白書に述べておりますように、特定の事務については経由官庁に終わっている、そういうものもございまして、静岡県の関係の業務について、まず一たびは名古屋にあるそういう出先機関のところへ行かなければならない。そのあとでまた方向をかえまして、東京の各省に行かなきゃならないというふうな場合も、経由官庁の中にはあるわけでございます。こういうことについては、そういうこと自体を非常に議論をするということもいささか問題もございますけれども、やはり私どもは出先機関というものについて考えます場合には、なるべく単なる経由でなくて、そこできめるものはきめてもらうということができるような形で、しかもそれがその地域の総合的な行政の中で十分しっくり落ち着くような、地域の特性というものを十分考慮してやってもらうようなことが、ぜひできればお願いしたいということで、常にそういう権限付与という問題については話し合いをいつもいたすわけでございます。全体としての印象で申し上げて恐縮でございますけれども、そういう面ではなおなお地方としても考えなければならない問題は確かにございます。また各省の出先機関の事務処理の現況というものについても、改善、合理化をはかっていただきたいことは少なくない、だろうと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま自治省の答弁で、各省の見解聞きたいんですが、時間をあまりとりますから、端的に一、二の例をあげますが、これは国土計画協会の府県合併調査報告書の一部であります。この中に、たとえば九一ページに、「例えば、補助金等の交付について農林省関係の土地改良事業、開拓パイロット事業等の補助金の決定は地方農政局が行なうこととされているものについても、都道府県営の事業についてはそのほとんどについて実質的な決定権限はなく、農政局は単に経由機関にすぎず、」と指摘をしているんです。これはやっぱり国の地方出先機関の持つ問題点なんですよね。これは一体どういうふうにお考えになりますか。要らないじゃないですかね。

鈴木諒農林大臣官房地方課長

○説明員(鈴木諒君) いまの御指摘いただきました点につきまして、地方農政局といたしまして、本省は企画事務、出先は実施事務ということで実際はやっているわけでございまして、いろいろやっている中におきまして、若干その点で御指摘の点があったわけでございますが、極力私どものほうはそういうことのないように努力いたし、出先機関で処理できますようにやっておりますので、たいへん改善されたと考えておるわけでございます。今後ともこれらの点につきまして、二重行政にならないように努力してまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さらに続いて、たとえば、農林統計調査事務所の実施する統計調査と都道府県の統計調査、農林省の肥飼料検査所の検査と都道府県の検査、それから通商産業局その他の事業官庁の出先機関の商工組合の指導と都道府県の指導などが、形式的にも実質的にも重複した行政が実施されている。さらに市町村の実施する公共事業等の指導監督等は、第一次的には都道府県がこれを行なうこととなっているが、実際にはこれらの国の出先機関が細部にまで関与しており、実質的には重複行政が行なわれている。こうなっている。重複行政ということになっている。一々お聞きしていてもあれですから、自治省の答弁さっきもらいましたから、こういう点はやっぱり出先の問題点、逆の意味で私はやっぱり地方出先機関というものは整理をされていって地方団体に移されていく、そういう形のことが、私は今日の機能の上からいっても緊急に必要になっているんではないだろうか、そういうふうに思います。  ところで自治大臣、いかがですかね、先日来の私と各省庁、また自治当局とのやりとりをお聞きになっていて、どう考えても県の側の、府県政白書なら府県政白書が指摘していることのほうがもっともだというふうにお思いになりませんか。昭和二十五年の国土総合開発法の制定後再編をされた国土総合開発審議会の中にあって調査に参加をされた東京大学の辻清明教授は、この調査に若干参加した体験からいえば、総合開発を妨げる最大のガンは、府県の境界というよりもむしろ中央各省、たとえば建設省、農林省、通産省などの割拠性とその複雑なる出先機関の存在であったと、述懐をされている。このことは、前にも触れたんですが、大臣はこの意見をごもっともだとはお思いになりませんか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) ただいま和田さんの御指摘になりました出先機関の二重行政と申しますか二重監督といいますか、これは総合開発というか国土開発のいまの学者の御意見が出ておるようですが、これはまあ国土開発ということに限定せずに、あらゆる行政面におきましても私はその弊害があると、こう認めております。これはきのうきょうの問題でなくて、多年の問題でございまして、実情から申しますと、われわれもやっぱり実際そう感ずる点が深いのでございます。したがって、いま和田さんは区域の問題を加えられましたが、区域の問題は別といたしまして、全体の行政機構と申しますか、これは私は実際申しますと、府県合併ということを離れて、大きな意味において国家の行政機能というものはどう持っていけばいいかというところであると思います。私、別に区域の問題をさておいてということではありませんが、私の感じ方はそう感じております。それには、どうしてもこの行政をもっと簡素化し、効率的に持っていくということは当然のことでございます。それには、現在の出先機関のあり方というものは、これは全部いけないというようなそういうことを私は申すのではございませんが、ほんとうにひとつ各省も十分実際を検討されて、いろんな面においてこの際ひとつ、内容はもちろんだが、行政その他についてのいわゆる合理化と申しますか、そういうものをやっぱり一歩ずつ進んでもらいませんと、日本の行政全体の機能というものが、私は、相当いろんな面において阻害されていると、こう私は思い切って言えると思います。これは、ことに地方公共団体の行政面に対する一つの影響と申しますか、それからいま問題になっておりますかりに開発問題にとりましても、計画的な総合的な運営をする場合、いろんな問題におきまして、どの役所の出先機関がどうだということは、これはまたなかなか簡単にすべてが悪いとか、そう割り切って申し上げることはできませんが、その間に、いまの姿の出先機関のいわゆる行政の運営にあたっては、まだまだ十分検討する余地がある。できるならば、やはり私は簡素化したい。簡素化するということは、いま御指摘になっております二重行政、二重監督の弊をできるだけひとつ除去したい、こう感じておりますから、和田さんの御意向というものは、大体私自身もそういう感じを深くいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 府県政白書の九七ページから一〇一ページにかけまして、いわゆる公社、公団の問題が取り上げられております。この公社、公団という形態で行なわれている事業についても、府県自治という観点から問題になるものも少なくないのではないかと思うんです。たとえば公社、公団の事業のうちには、形式的には地方団体の仕事を取り上げた形になっているものもあると考えられますし、また公社、公団の事業には住民の意向が反映されないという欠点もあります。またこれらの事情を見ますと、人事については古手の官僚の失業救済というような弊も見られます。私としては、公社、公団の実態というものを全国的な立場での調査をいま行なっておりますが、その全貌を明らかにしたいという衝動にかられていますし、もう一つは、議会の審議権も公社、公団、協会というようなものに関してもたいへんな疑義を持っているんですが、自治大臣は、この府県自治という観点から、現状をどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 公社、公団につきましても、まあ内容にも非常によりまして、全く公社や公団でするのがふさわしいものもたくさんあるというふうに私も思いますが、中には公社、公団の設置されました理由の中に、広域にわたる一つの事業の計画を考えていく必要があるというような問題、それからまた事業をいたしますための資金の調達というものが、単に一般の予算だけでなくて、民間資金その他を導入して弾力的に行なっていくことができる、そういうことで、国とか地方団体の事業というよりは、むしろそういう形で、民間資金を導入して、そうして事業の促進をはかっていくと、こういう意味で非常に効果があるというような考え方、こういう考え方ででき上がっているものも相当多いわけでございます。その中に、ちょうどお話しがございますような、府県の行政の範囲とされております事務に非常に近いもの、あるいはそれがなければ当然に府県なり国なりが行なうもの、こういうものがあるわけでございまして、やり方なり事業の実施なり、あるいはその実態から考えました場合には、そういう面で、府県行政あるいは市町村の行政もそのとおりでございますが、そういうものに非常に影響を及ぼしながら、実施の状況を見ますというと、中には地方の特殊な事情なり実情というものを反映しないで、そういう一方的な計画と申しちゃあれでございますけれども、そういうもので事業が執行される、そういうことで地元の府県なり市町村との間に非常な計画上のそごを来たす、事業上のそごを来たすというようなことも現実にいろいろ指摘をされておるところでございます。したがって、そういう公社、公団そのものの置かれ方の問題と、それから運営上の問題、こういう二つのものが問題としては考えられると思うのでございまして、その点では私どもも公社、公団、事業団というようなものがつくられますときには、やはりその必要が認められる場合でも、地方の意思といいますか、意向というものが十分反映されるような形、そういう形での組織なり運営なりというものをぜひ考えてもらいたいということにつきましては、機会あるたびに申しておりまして、まあそういう点での改善には、関係の公社、公団もずいぶんまあ努力をしていただいて、相当改善をされているように思いますけれども、運営の実態におきましても、なお問題がなしとはしないというような印象を持っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 三十六年当時でしたか、自治省は、いわゆる公社、公団ブームがこうずっと出たときに、やはり一定の基準でも設けて規制の措置をやられたということを伝えられました。そうすると、具体的には、あの当時検討を始められると言われたんですが、いままあ抽象的にはこういういろいろお願いをしていると言われる措置、それがその措置なんだと言われればそれまでかもしれませんが、何か具体的にその規制の措置というものを結論づけられたわけですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) まあ公社、公団、事業団というような、それぞれ性格が共通的な面もありますけれども、その事業の目的において非常に異なるものもございます。したがいまして、新しく設置される、そういうような場合には、いま申し上げましたような地方との調整、調和というものをはかっていただくように、個々の問題について話し合いを進めておりますが、一般的な基準というものは、これはなかなかつくりがたいものでございまして、そういうものをきめまして、それに従って公社、公団についてのまあ調整をはかるということはいたしておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 地方公共団体のその公社、公団ブームを呼んだ裏には、まあいまも言われたようにそれなりの事情が私もあったと思うのですけれども、一口に公社等の乱設というのはですね、地方債許可制度の生んだ鬼子だろう、私はそういうふうにまあ実は言われていることについてですね、私もそういうふうに実は考えるのです。で、私も地方債論については別の機会に一ぺん本格的に論争させてもらいますが、いわゆる高度経済成長を得た今日、地方公共団体は、必要があるならば市中銀行等から融資を受けることができる、そういう情勢にまあある、いまも言われました。ところが、実情に合わない起債制限のためにそれができないところに、公社、公団の乱立する重要な要件があるのじゃありませんか。要因があるのじゃないですか。地方債の許認可制度を廃止の方向でまあ検討する、そういうことをどういうふうにお考えになっていますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方債につきましては、私担当しておりませんので何とも申し上げられませんが、まあ起債制限の鬼子と先ほどお話がございましたが、そういう点で言われておりますのは、むしろこの公社、公団よりは、地方団体がつくっておりますところのいろいろな公社、民法法人等によりますところの開発公社でありますとか、土地造成のための公社でありますとかというものがございますが、こういうものにつきましては、まあその設置の理由といいますか、設置の根拠となっておりますものは、一つは地方債の規制というものをある程度免れたいというようなことが一つの理由になっております。あるいはまた、同時に運営に弾力性を持たせたい、そういう意味では何をいっているかということになりますと、たとえば予算というようなもので官庁会計によって規制をされていくというようなかっこうでなく、弾力的な運営ができるような方向がほしいというようなことがもう一つのまあ主張の理由になっておるようでございまして、ただそういいましても、おのずからそういう地方でこしらえられます公社にも、そういう資金調達能力にも限界がございます。必ずしもそれだけで目的を達しているというわけでもございません。結局はまあ一つの行政をそういう形で行なっておるといいますか、そういうことになってしまっておるようなものも相当あるようでございまして、当然一般の行政なり財政なりの側面からそれにてこ入れをしていかなきゃならないというようなかっこうになっておるところもございます。まあこれはいろいろ事情がございますが、公社や公団といわれる国でつくっておりますものは、さらにそのほかに一そういうことがないとも申し上げられぬと思いますけれども、もっと広域的に、住宅政策でありますとか、あるいは道路政策でありますとかというものを推進していく、それは一府県、一市町村というものの範囲でのものの考え方だけではやっていけないという側面を持っておるように思っております

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと答弁はぐらかされたようですけれども、そこはまた担当者の方と一ぺんあれしますが、六月二十五日の毎日新聞にも、「退職幹部は、いいナ」、「大阪市でも優雅な天下り」そういう見出しで、大阪市の外郭団体についての記事が載っておりました。「府県政白書」の一〇一ページから一〇七ページにかけて、「これらの外廓団体の多くは、府県から補助金の交付をうけており、また府県職員が団体職員と兼務をし、府県の事業の肩がわりをしているものが少なくない。これらの団体は、地方公社の場合と異なり、行政的必要というよりは、政治的理由や中央各省または中央の団体からの指示によって設立されたものが少なくない。これらの外廓団体の中には、その存在意義の大なるものや、設置の必要性の認められるものもあるにはあるが、責任が不明確であること、非能率であること、不必要な事務を多く行なっていること、予算陳情のための陳情団体、圧力団体にすぎないこと、内部秩序がたてられておらずその結果不正のおこりやすいこと等の理由のために、その存在意義が疑われており、問題となっているものが多い。」とあります。自治大臣はこの現状をどのようにお考えになりますか

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 地方にいろいろの外郭団体があるのはそのとおりでございます。この外郭団体を設置します当時におきましては、いろいろの必要に応じてつくったものと思いますが、その時点における重要性はあっても、その後はあまり、そういうものがなくてもいいというものがあると思っております。したがって、いま御指摘のありましたような非常に弊害があるということは、私もよくつぶさに存じませんが、各府県におきましても、最近は整理をしようという傾向もだいぶあると思います。まただいぶ整理されたものもあると思います。また、しかし、あとにできるものもございましょうが、いま御指摘のありましたような数多くの外郭団体でございますから、その一々を拾い上げて見ますると、もちろん相当重要な、必然性といいますか、外郭団体としての活動が必要だというものと、あまり必要じゃなくなったものだというものもまだ残っておるかと存じます。しかしこれは精査いたしませんと、私も抽象的に批判ができませんから、政府委員のほうは知っておりましょうから、私が一々これということはちょっと、わからぬことをお答えしてもかえって無責任になりますから——そういう感じはいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 以上の質疑応答を通じて、実は私がほんとうに明らかにしたがったこと、あるいは言いたかったことというのは、地方自治の区域の問題というのは、一般的には行政の機能と区域の調整という意味において、地方分権の再編成の問題であるということ。しかるにわが国では地方分権の確立ということがまず十分でなかったわけですね。したがってこの地方分権の確立という観点から、曲がりなりにも地方制度調査会や、あるいは臨時行政調査会を通じまして、行政事務再配分ということがいわれてきた。それにもかかわらず、それは中央各省庁の根強い抵抗にあって全くといっていいほど実現をしなかったのです。これはもう一昨日以来のやりとりで明らかなとおりです。そのうちに広域行政というひとつの要請が出てきた。言ってみればそういう広域行政の要請ということを、いわゆるそれが表面に出てきて府県合併が問題になってきた。府県の自治権の確立がないままに行政の機能のみが問題にされるような法律案が実は出てきたと、私はそういうふうに理解します。すなわち、いま問題になっているところの府県合併が、行政管区の変更の問題はあっても、ことばの厳密な意味における地方自治の区域の問題ではないということ、私はそういうことじゃないかとこう思うのですよ。  長野行政局長は、最近行なわれました第五回全国都道府県出納職員研修会において、「一つは、皆さん方の勤務しておられる府県の体制を変える。しかし、府県の体制を一挙に道州制とかに変えることは地方自治の原則からして適当でない。したがって、府県を府県のままで規模の拡大をはかっていくことは最小限度考えざるを得ない」——これを全部読んで、もう少し何か変わったことを言ってらっしゃるかと思ったら、たいへん注意された講演になっているので、ある意味じゃがっかりしたのですが、そういうふうに述べておられるわけです。  ここでいわれている地方自治の原則とは何ですか。一挙に道州制に持っていかないで、府県の規模をだんだんに拡大していくやり方であったならば、地方自治の原則に反しない、そういうふうにいわれているのですか。そういうふうにとったら誤りですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 広域行政というものを考えます場合には、やはり府県行政と申しますか、こういうものが、府県というものがどうしても一つ問題になってくるわけでございます。それからもう一つは国の側といいますか、国の立場からの地方に対する広域行政という考え方が出てくるわけだと思います。そういうことで、広域行政体制を整えるという場合に、まあ変な言い方になって恐縮でございますが、国のサイドから考えていくのか、地方の自治というサイドから考えていくのか、こういう問題をまず考え方の根底ではっきりさせていく必要があるというふうに考えるわけでございます。その理由は、やはり広域行政の必要というものにつきましては、これは否定することはできない。社会経済の発展といいますか、変化によりまして、次第にそういうことになっていくという、この傾向というものを無視してかかるわけにはいかない。そうなってまいりますというと、それをどちらのサイドで受けとめていくのがいいのか、適当なのかという問題になってくると思うのでございまして、そういう場合には、やはり自治省の考え方といたしましては、地方自治というサイドからこれを考えていくということが、いまの国、地方、あるいはいろんな行政の仕組み、あり方というような、問題が山積しておるわけでございますけれども、そういうものの解決のためにも、やはり地方自治というサイドから考えていくほうが正しいのじゃないかというふうな一般的な考え方、そういう考え方というものを基礎にいたしまして、府県合併というものはそういう意味でやはり地方自治のサイドから自主的な理解と認識というものをもちろん伴わなければなりませんが、地方団体あるいは住民のそういう認識のもとに、そういうサイドからの発展、そして広域行政に対応する体制を整えていく、こういうことが一番必要であり、また適当な方向ではないかというふうに思っておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 現行府県制度には不備欠陥があって、問題点が少なくないとしましても、白書も指摘をしたとおりに、その原因の大半は国の行政に責任がある、あるいは府県自治の未熟なことに伴う行政運営のまずさによるものである、そう思います。したがって私としては、当面は府県の自治機能の拡充を最小限考えざるを得ないと思います。府県の規模の問題をまさに地方自治の区域の問題として成立せしめるためにも、府県が完全自治体であるという前提がどうしても必要であるということを、私はここまでの前段で、私の結論として強調をしておきますが、自治大臣いかがですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) それはお話のとおり、国の行政のあり方、また今日の地方の自治の能力と相まって、なかなか今後残された問題が多いのでございます。私どもとしては、できるだけ自治機能を強化するということに進めてまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大体区域の問題をこれで終えて、冒頭申しましたように、次に広域行政と府県合併という点で論議に入りたいんですが、時間のこともちょっとありまして、その前に、総理大臣との関係でちょっと残ったことで自治大臣にお尋ねをしておきたいんですが、これはあのときちょっと不満だったんですが、四十分という時間だったものですから、時間を守るためにそれ以上総理大臣に追及はしなかったわけですが、私は一都三県のたとえば合併構想については、この間読み上げました美濃部さんの発言もありますが、都知事みずからが、広域行政は都と周辺県が共同組織を設けて処理すると言っているわけですから、論外であるとしても、二十三区を一本化して東京市にするという構想を先日総理は一応は否定をされましたが、いま政府当局者がもし持っているとしたら、たいへんおかしい。持っているのではないかということは、この間お聞きのとおり新聞記事で申し上げたんです。特に、もしこのような指摘のとおり自治省がそういう考え方を持つなら、私は筋が通らないと思うんです。昭和三十四年の都知事選挙の当時を振り返ってみるんですが、あの当時、東さんと有田さんが立候補されて争われた。そのときに東龍太郎さんは、選挙の際に、御存じのとおり区長公選を中心とした特別区の自治権拡夫に向かって努力する意向を表明されたんですが、そしていま万国博の事務総長である鈴木さんが副知事になってこられて、その東さんの公約というものを実現するための努力をされる段階を実は迎えた、そして東さん自身もまた、当選直後の六月にその意向を、今度は二十三区の区長会で重ねて表明されたんです。そして、この東知事の意向や特別区制の動向を反映をして、昭和三十六年の四月一日に、東京都は特別区に対して、まず都道の一部、それから保育所、普通河川の維持管理の事務を移管しました。清掃問題はたいへん大きな問題になって、結果的には移管にならなかったんですが。さらにその前の年の昭和三十五年の十二月には、都・区双方の当事者が構成をして、都と区が対等で都区間の重要事項について連絡協議をするための都区連絡懇談会と都区財政協議会が設置をされております。そのときに人々は、冷たい戦争の続いた都と区との関係が明るい雪解けの季節を迎えたと評価をした。ところが、この東都政の出現が転機となって、その機運が昭和三十九年の改革をもたらしたといえるんですが、この昭和三十九年の改革は、東京都身軽論的な観点に立つ都制調査会が提出をした三十七年九月の首都制度の改革に関する答申と、地方制度調査会が同年十月に提出をした首都制度当面の改革に関する答申にのっとって行なわれたものですけれども、この三十九年の改革といわれる地方自治法の改正案を自治省がつくる段階での考え方が、実は最近いろいろ問題を読んでおったらわかったんですが、区制春秋の二十一号に浅井幸七さんという人が書いた「首都制度改正に関する特別区の総合報告」という論文が載っております。それによればこういうことになっているわけです。地方制度調査会の十月答申も都政調査会の九月答申も、区議会の議員定数について具体的な数は示していないが、ともにその定数の縮減を提案している。法改正はこの答申に基づくものであった。しかし、事務量が増大するのに議員定数を縮小するのは矛盾しているという批判が第四十六国会の審議においても出ている。これについて、法案作成の段階で、自治省の行政課長は——ここからですね、「自治省は区長公選に踏切っていた。区長が公選になれば、それだけ民意が反映されるので、議員は若干減らされても仕方がないと思った。つまり、区長公選との取引きと考えていたが、」ここまでがまあ発言ですが、十月答申が区長選任方式の改革を見送ったので、議員定数の縮減だけが制度化されることになり、「説明をするのは辛い。」と特別区側に自治省は説明しているのであります。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕 こうした三十九年の自治法改正までの自治省の考え方が、一転して二十三区廃止、一本化論を考究しだしてきているのではないかと考えられる節があるが、そういうところに不純な動機というものを私は見ないわけにいかない。区長公選運動に水をぶっかけようという官僚的いやがらせと憶測をされてもしかたがないのではないかとこう思うんですが、自治大臣いかがですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) まあ先般もお答えいたしておりますことで私の考え方は和田さんは御了承願っておると思っておりますが、その前に申しますが、いろいろ役所の者の意見が文書に出たり口頭で出たりしております。私はその間、内容が不当なものについてはこれはもう検討してまた本人に対しても注意をいたしております。ただ、和田さんに一つ申し上げますけれども、変なことばで言うのは恐縮ですが、なかなか私の役所は——まあどの役所にも人材が多いと思いますが、私の役所は相当人材が多いので、いろいろ意見を出しているのです。これは決してあなたに何ということではありませんが、そこで、たまたま私は、役所で集まります場合、まあ意見を持っていることは自由だと言うんです、私は。また大いに建設的な意見を出す、これは一つ一つとどめることはないが、しかし、それに対してやっぱり責任ある行動をとらなければ、その地位、役職によっては非常に誤解を与える。だから意見を言うなとか、自分の考え方を発表するなというような制限はしないが、まあ誤解を与えて、それがいかにも役所全体の意向のようにとられるということは、これは非常に迷惑だ、こういう一つ考え方を持っております。それで、つまりおのおの意見は自由に吐いてもよろしいし、またこれらについての表現も、まあ表現の自由といいますか、建設的な意見を出すのはいいが、それがいかにも役所の全体の意向だということに解釈されることは、これはもう注意すべきことだ、それで、私はいま自治省の最高責任者でございますから、最後はわが輩が判断し、わが輩がきめるんだ、実はこの間そう話しておきました。最後に私がものをきめる、そういうたてまえから、意見を言った者に、まあしかし不当な表現なんかありますから、これは注意するのはあたりまえですが、一々意見を言うなということは言っておりません。そういうたてまえで、私のほうはそういう考え方でもって指導しているわけです。  そこでいまのお話でございますが、実はこの前も弁明といいますか、申し上げておりますように、いまの、具体的に申しますと特別区二十三区を一本にしてこれを一本の行政区にするというようなことは、これはもうたいへんなことでございまして、またこれらにつきましてこそやはり各都民、区民の意向を十分尊重しなければいかぬ。またそれが、どの案が一番いいかということになりますと容易ならざることでございまして、しかも現在はこういう問題が非常に論議されておりまして、これはもう東京都政の全般に重大な影響も持っておることでございますから、軽率にどの案がいいとか悪いとかいうことをきめる段階ではない。しかも現在は地方制度調査会におきましても、検討事項として真剣に検討をしていただいております。これらのやはり結論を待つのが当然のわれわれの態度でございます。この前も申しますとおり、いま特別区の二十三区を一本の行政区画にするというようなことは全然自治省の意向としては何らのこれに対する結論も持っておりませんし、そういう意向も持っておりません。重ねて申しますが、現在の地方制度調査会の御意見も、その結論を待って十分参酌し、尊重すべきことは尊重していく、こういう考え方でございますから、この前も申し上げましたように、私がいま申しましたのがこれがありのままのことでございますから、そう御理解を願いたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 前段の部分については私もそれは期待をしていますから、大臣の言われることが結論だと思うんですが、しかしその結論が出るまでの過程というものは、有能な人材の意見に十分われわれも耳を傾けていくわけですから、私も能力の足りないところを十分に官僚の方々の文章で勉強させてもらう、こういうことになるわけです。それでその中で疑義を感じてきて、大臣が最終的に意見をきめられるまでの過程で、それらの意見を——一方に偏重していっちゃ困りますから、私どものほうの意見も十分に言わしてもらう、それも考えてもらって、やっぱり自治省の考え方はこれだということになろうと思います。そういう意味でいろいろ取り上げさしてもらっているわけですから、その辺は誤解のないように。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) それは私はこの前も申しましたとおり、実はこの委員会でのいろんな委員各位の御意見は非常に私は参考になって、これもほんとうに尊重すべき点があると。これは内輪でやっておることでございまして、あまり表向き言いたくないですが、非常に私としてはそういう深い御意見に対しての関心と申しますか、御意向に対しても非常に私自身もやはり大きな一つの何というか、参考資料として拝聴いたしております。この点はこの前申しましたから省きましたけれども、そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それで、これは行政局長にお尋ねをいたしますが、いまの大東京市構想というのがこれだけやっぱり権威ある新聞に出てきますと大臣の答弁で、いまもちろん固まったものではないでしょう、ないということを信じておきますが、やっぱり私たちは気になるわけですね。たとえば「自治研究」の四十三年五月十日号、この中で田中二郎さんが自治省の官僚の方々と共同研究会に出られていらっしゃいます。そうしていろいろ討論をされております。この中で、それは田中さんの意見だと言われてしまえばそれまでなんですがね、しかし共同研究会の中で官僚の方々が言われた意見というものが全然背景になくてこういうような意見が出るのだろうかということに私は疑義を実は感ずるからお聞きしたいのですが、その一九ページですが、「東京については、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の統合を行ない、これを一つの広域県とするとともに、東京都の区域から三多摩の区域を除いた二三区をもって東京市(特別市とせず、ただ、行財政に関し、特別の地位を認める)とし、広域県との間の特別の調整連絡機構を設けることとする。」それからまた「大阪についても、ほぼ同様の見地から、大阪府・奈良県・和歌山県を統合するとともに、大阪の中央環状線内の区域をもって大阪市とし、ほぼ東京市に準ずる地位を認め、広域県との間の特別の連絡調整機構を設けることとする。」「東京・大阪以外の五大市及びこれに続く大都市の場合は、東京大阪の場合ほどに、これを包括する府県との間に深刻な問題は生じていないように思われるが、人口及び産業の急激な過度集中に伴い、府県の統合や財政的な特別の措置を講ずる必要があるであろう。」こういうふうになっておる。これはやっぱり共同研究の中で出てきていることなんですが、この辺については行政局長も討論に参加されているかどうか知りませんが、どのように判断をしておりますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 私どもも、実はそれの研究の会合がときどきございまして、参加をさせていただいておるのでございますが、その研究は任意のものでございますけれども、それで、そのメンバーとされておる、たいてい各大学のそういう関係の先生方でございますが、いろいろな御意見がございます。その研究会というのは、実はフリートーキングでございまして、別にこうでなければならないということでなかなか説得のいくような学者ではございませんから、それぞれ自分の学問的な確信に基づかれた御意見が出ておるのでございまして、中には、東京都の場合で考えました場合に、田中先生のようなお考えもございますが、また同時に、いわゆるロブソン報告に似たような、特別区の区域を三多摩全部に広げまして、いわば都というものの区域の中を全部特別区にするというような考え方のほうがいいという考えもございます。それから、そういう考え方だけではなくて、やはり現状の中で特別区自体の区域そのものが非常に不均質であるから、もう少しそういうものを再編成をして、そして特別区というものの区域を調節をする必要がある、まずそれが大切だという考え方もあります。まあ、元来の行政法の関係の方の御意見の中には、従来は、大都市問題というものにつきまして、大都市の内部の組織としては、大都市行政の一元化という観点から、行政区というもののほうが正しいんだというような考え方が従来はずいぶん強かったように思います。しかし最近は、そういうことだけではございませんで、やはりむしろそういうことだけで考えるべきではなくて、やはり住民自治という要素から考えていくと、いまの二十三区などはもっとこまかく分けて、それぞれが公選制といいますか、そういうものをとりながら調節をはかっていくべきだという考え方もございます。その中では、私ども聞いておりませんが、首都ということでものを考えるという御意見はあまりないようでございます。やはり大都市問題ということでものを考えていくべきだという考えが大勢のようでございますが、その研究会の中でも、大きく分けまして、この特別区問題を区長公選という方向で進めるのと、それからいわゆる東京市市制論でございますか、そういう方向でまとめながら、東京都というものをさらに広げていって、そうして首都圏とは言わないと思いますけれども、そういう調節のつく大きなものにいくべきだという考え方と、二とおりあるようでございます。それぞれのメンバーであられる方々がいろいろな意見をいま出し合われながら、それぞれの利害得失をそれぞれの立場からフリートーキングされている、こういう状況でございます。

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      —————・—————    午後一時四十六分開会

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  都道府県合併特例法案を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 広域行政と府県合併という問題で若干のことをお尋ねをいたしたいと思います。  自治大臣による法案の提案理由の説明を聞きましたところが、この資料の四七ページから五〇ページに掲載をされている第十次地方制度調査会の答申をまたあわせて読んでみますと、当然両者は完全に符合していることがわかります。四七ページから四八ページにかけての「最近における社会的、経済的発展に伴い、広域的行政処理の要請は、ますます増大しつつあるが、府県合併は、府県の区域をこえる広域行政のより合理的かつ効率的な処理を可能ならしめるとともに、広域的地方公共団体としての府県の自治能力を充実強化するために、効果のある方法であると認められる。」ということが唯一の合併を促進をする理由となっているように思われます。  そこで、昭和三十九年の九月に臨時行政調査会が提出をしたあの「広域行政の改革に関する意見」は「最近、広域行政に関する論議が盛んになされているが、それらの見解は必ずしも統一されておらず、それぞれの立場からの、いわば個別的な見方や主張がなされているだけで、それらの間に総合化や体系化がなされていない。広域行政とは何であるのか、その意義が確定されていないことからくる混乱がみられる状態にある。」という指摘で始められているのでありますが、私も全くこの部分について同感なわけであります。  こういうことの問題を整理する上で、私はきわめて興味深い問答を見たのであります。それは地方自治研究会——大阪府の地方課にあるものが出した「府県制の現状と展望」という、これですが、この中で、自治省の林前行政課長が田中二郎氏にこう質問をしているわけです。「この問題の広域行政というものは、純粋に、たとえば琵琶湖の水の問題とかあるいは阪神地区全体の公害の問題というものを中心に考えればいいのか、あるいはそうではなくて、たとえば貿易自由化に対処するために、産業の指導は、産業別に、全国的にやらなければいけないというような縦割りにつながる全国的な広域ということなのか、そこらはどういうふうに問題を考えたらよろしゅうございますか。」という問いに対して、田中さんは、「それは非常にむずかしいのですが、いい方として、市町村の区域をこえる行政は広域行政だということもいえますし、府県の区域をこえる行政は広域行政だといういい方もありますが、私の一応の了解としては、府県を中心にいま問題をとらえているので、その府県の区域内だけでは解決できない。府県の区域をこえる、しかも地域的な問題という意味で考えていったらいいんではないかと思うのです。」、こう答えています。私は、この田中氏の答えというのは、林前行政課長のきわめて正当な議論に対する回答に実はなっていないと思う。といいますのは、田中氏が、広域行政というものを「府県を中心にいま問題をとらえているので、その府県の区域内だけでは解決できない。府県の区域をこえる、しかも地域的な問題という意味で考えていったらいいんではないか」、こう言ったところで、その府県の区域を越える地域的な問題というのは、林さんが言われる貿易自由化に対処するために全国的な規模でやらなければならない産業の指導、こういうものと無関係に起こってくるわけのものではないと私は思うのであります。それでまさに両者は一体的に起こってくると言っても過言ではないと思います。ですから、ここで問題なのは、全国的な規模での産業構造の転換に伴ってというよりも、その一環として各地域ごとに起こってきている広域行政需要というものを地方団体はどのようにとらえるべきなのかという問題なのではないでしょうか。その辺は「新国土計画論」を書かれた宮澤官房長に来ていただいてその考え方をただそうと実は思っていたのですが、答えはどうですかね、行政局長。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) たいへんそういう意味ではむずかしい問題でございますし、十分今後も分析をして整理をして考えなければならない問題だと思いますが、やはり広域にわたる行政というものは、御指摘がございますように、大きく分けて二つ問題が考えられるように思います。一つは、全国的な範囲といいますか、むしろある意味では国際的な背景というものを踏まえた全国的な範囲というのでしょうか、そういうような観点のものと、もう一つは、やはり地方公共団体の区域というものによってそれぞれの自治能力というものは限界がございますから、地域的には。そういう意味で、そういう区域を越えるような地域的な問題、こういうものも一つあるわけでございます。  で、かりに申しますと、たとえばそれでは港湾でございますとか、これは具体的な例があまりいいかどうかわかりませんが、港湾でありますとか、あるいは飛行場でありますとかというもの々考えますと、これは見方によりますとまさに全国的な問題、あるいは外国との通商とか交通とか貿易というものとの関係ということになってくるわけでございます。しかし、現在の制度によりますというと、そういうものにつきましても、港湾管理者というものは地方公共団体であります。したがいまして、そういう面で考えますと、港湾というものも、大きな港湾につきましては、全国的な作用をしておりますけれども、その管理というものは地方公共団体が行なうというようなものも実はあるわけでございます。空港でも、国際空港とかそういうことになると国が直接管理しておりますが、外国の例などはやはり地方が管理している大きな空港もあるようでございまして、ですから、これは問題のとらまえ方の中にいろいろな面からのとらまえ方があるわけでございまして、そういう機能、影響は全国的であり、あるいは地域を越える場合でありましても、少なくともそのものの管理というものから考えました場合には、その地方のたとえば自治体なら自治体が管理する、その重要性を認めて十分に管理するという能力があればそこに管理させることもあながちそれが絶対にいけないというものではないというようなものも実はあるわけでございます。しかし、また同時に、この区域を越える地域的な問題といいますのは、やはり地方団体それぞれの連関におきまして、地方団体におきまして、国の場合も当然でございましょうが、地方団体相互間というものを考えました場合でも、それぞれが同じものにつきまして統一的に問題を処理していくということがなければ行政上の一つの合理的な解決というものが行なえないというようなものも実はあるわけでございまして、そういうものになりますというと、非常に小さいものまでわたって考えようと思えば問題を指摘することもできると思うのでございます。しかし、どちらかといえば、この広域にわたる行政というものは、やはり地方団体の区域を越える地域的な問題というものを中心にしてとらまえていっているというのが、また広域行政という問題の考え方の大きな一つのとらまえ方ではなかろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実は、長野行政局長の先日の御答弁と、それから宮澤さんの書かれた「新国土計画論」やあるいは田中二郎さんの編の中で書かれている広域行政なんかを読み合わせてみて、ない知恵をしぼってみたのですが、広域行政の特色の一面は行政権限の集中的処理とそれらの調整に関連する総合行政にある、こういうふうに、まあ言ってみればこの間から言われていることの一端だと思うのですね。で、総合行政という以上、一地域を総合する行政である。だから、この機能の地域的分担を称して広域行政の原理というふうにこの表現をされている、そういうふうに考えざるを得ないと思います。一方では、機能の合理的分担をその原理とする広域行政というような言い方も盛んにあっちこっちでされる。機能の地域的分担という場合に、その地域的分担が合理的分担であるのかどうかの基準は一体何なのか。いろいろその御答弁や書かれたものを総合して私なりに考えてみると、私の理解によれば、新全国総合開発計画といったような全国的フレームワークに位置づけられたところの地域的分担というようなことになろうかと思うのですが、そういうふうな理解で一体いいわけでしょうか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) どうもその辺になりますと、私も少し的確なお答えはできないのでございますが、まあこの問題を考えます場合に、全国的ないわゆる大規模プロジェクトとかあるいは全国的なその地域分担という一つの計画の中から地域分担を考えていくと、この辺はいわゆる重工業地帯にしたほうが適当であろう、このあたりは農業専用地帯にしたほうが適当であろうというようなことが出てくる。そういうようなことの中から全国的な視野に立ちまして分担を考えていくということから、そういうことがまあ合理的であるというときに、そういう相似た使命を持っておるものをどういうふうに締めくくっていくか、これは行政を非常に技術的に考えまして、そして非常に合理的な考え方に立って全体を区画していくという考え方を基礎にしていると言っていいのじゃないかという気もいたします。しかし、地方団体で考えます場合にも、そういう全国的な開発計画とか、そういうものを無視して考えていってよろしいとは思いません。思いませんけれども、やはり地方団体の区域というものを考えます場合には、それだけでは律し切れないものがあるという気がいたします。つまりそれは何かといいますれば、その地域におけるところの地域的な一体性と申しますか——一体性というものの中には経済的な一体性とか経済圏域であるとかいうようなものもございますが、やはり社会的にも一体性というものを考えていく、また考え得るというようなものも考えていかなければなりませんから、そういう意味で、全国的な規模での特色のある地域分担を考えたからこれを全部を広域的に総括していけばよろしいのだという考えだけではやはり割り切れないところが出てくるのじゃないだろうか。そこで、国のサイドからだけものを考えるということになりますと、勢い画一的な再編成とか統合というようなことにも関連するような気もいたしますが、やはりそこだけではいけないので、地方自治というサイドで考えていって、同時に国の大きな全体の視野というものからもはずれないと申しますか、その大きな線には沿っておるということで考えていく必要がある。だから、同じような機能を受け持つ地域だからといって全部が一つになってしまえばいいというような簡単なものじゃない。その点では、やはり社会的にも、住民の認識といたしましても、一体となり得るというやはり広い意味での自治的な要素、あるいはまたある意味では自治意識と申しますか、そういう意識的な要素というもの、そういうものがいろいろな事情によって培養されてきたと思いますけれども、そういうものを十分考慮に入れて考えていかなければならない。そういう要素は、やはり地方自治というか、地域社会というものを土台にして初めて出てくるのじゃないだろうかというふうに思いますので、こういう広域というものを考えます場合にも、ぎりぎり詰めてまいりますと二つの立場からの考え方というものが出てくるように思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 府県の規模を越える機能の地域的な分担としてのいわゆる広域行政の守備範囲といいますか、地域的単位は、この新全国総合開発計画に位置づけられて初めて合理的な機能分担としての地位を獲得するということが言い得るといたしましょう。そこで経済企画庁にお尋ねをしますが、新全総計画は、「全国土を七ブロックに分け、各ブロックを主軸によって結びながら開発整備を進める。」、こういうふうになっているわけですね。このブロック設定の手法は、当然のことながら、すでにある社会経済圏といわれるものの追認を基礎としていると思うのです。社会経済圏といわれるものの概念をもっと明確にする必要があるかもしれませんが、ともあれ新全総が設定したブロックは、恣意的といいますか、純粋に計画的というのか、全く上から設定されたものではない、すでに前提的になっている幾つかの圏域というものを基礎としている、そう私は考えているのですが、それでよろしいわけですか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) 御指摘のとおりでございまして、全国計画の七ブロックにつきましては、現在ブロック別にございます九ブロック別の法律がございますが、その法律の圏域を基礎といたしまして、今後新しい交通通信体系ができることによって、あるいはその他の経済活動の広域化に伴って、除々に圏域の変化があるであろうということを六十年という時点について考えました際に、七ブロックということが予想されるのではないかということを言っておりまして、これは六十年以降においてさらに変化することが予想されるという前提に立っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、この都道府県合併関係資料の二〇二ページから二〇五ページにかけて、関西経済連合会が出した「広域行政の経済効果」という抜粋が載っております。ここの部分を載せるくらいなら、あと残りの少しの部分を載せたほうが実は親切であったのじゃないかと、こう思うのです。この資料に抜粋してある部分のすぐあとにこういうことばがあるのです。「行政の広域化と一体化とに関連する実態の分析は、この動きが京都さらには滋賀に波及する可能性を示している。ここで注意しておくべき点は、行政統合の範囲は現行の行政区域と行政単位とに束縛されないということ、すなわち現行の市域ないし府県域を超える地域あるいはこれらの一部のみが新しい行政区域に組み入れられる可能性もあるということである。」、こういう指摘があるのです。いわゆの社会経済圏の広がりというものと現にある地方公共団体の区域の幾つかの総和というものとが一致する必然は少しもないということだろうと思うのですね。で、いまの答弁されました下河辺さんのことばは、府県の区域はもう少し広いほうがいいという程度のことを、あなたの講演の録音テープをじっくり聞いたことがあります。そうすると、新全総を実現していく立場にある経済企画庁としては、この既成の地方公共団体の区域の単純総和としての府県合併ですね、そんなものについては一体どのようにお考えになりますか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) 都道府県の合併問題と申しますのは、行政一般にわたって判断さるべきであろうというふうに思っております関係で、私たちが所管しております地域開発関係という中で議論されるということは非常に部分的な話にすぎぬかと思っておりますけれども、私たちが専門にしている地域開発の分野だけで申しますと、これからいろいろな開発を進めます場合に、非常に広域的に考えなければならない側面というものがたくさん出てくると思いますから、現在の都道府県の区域を越える共通の構想を持たなければならないことがふえるだろうということから、私たちは広域開発行政ということを、開発行政の部分に限っても、全国計画の中で明らかにしておりますが、そういう行政を推進していくときにいろいろ御議論があります。いろいろな国の役割りと地方の役割りということも、開発の分野におきましても、検討の余地がございますが、その中で区域が広がって合併されるということについての評価はどうかという御質問かと思いますが、私どもといたしましては、地域の方々がその一つの合併を肯定なさる限りにおいては、やはり地域の開発に対して一つのプラスが大きいのではないかというふうに判断しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この資料の一〇ページから一一ページにかけての文章を見てください。第四次地方制度調査会の答申でありますが、「一 現行府県は、廃止すること。二 国と市町村との間に、次のような中間団体を置くこと。名称 中間団体の名称は、「地方」(仮称)とすること。性格 「地方」は、地方公共団体としての性格と国家的性格とをあわせ有するものとすること。区域 「地方」の区域は、自然的、社会的、経済的、文化的諸条件を総合的に勘案して、全国を七ないし九ブロックに区分した区域によること。なお、現行府県の区域は、原則として分割しないものとするが、必要がある場合は分割することを認めること。」となっています。これは新全国総合開発計画の理念にまあぴったりであるわけですね。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) 申しわけありませんが、この一〇ページについて私いままで勉強しておりませんで、ですからこの真意が何であるかということを知らないでお答えすることには間違いがあるかと思いますが、私たちの新全国総合開発計画におきましては、やはりこの計画のエリアというものはかなり時代によって非常に長期的には変化を伴うだろうというふうに思っておりますが、一つの団体としてのエリアというものがそう簡単に計画の変化に対応して変化するということは避けるべきであるという観点もあるかというふうに思っておりますが、現在の都道府県の範囲を越えたブロックという段階で開発行政上必要な調整事項が相当ふえているという事実に基づいてブロック計画の構想を述べているわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省はもちろんこの新全総計画の実現に協力する立場でしょうが、この第四次地方制度調査会の答申のいわゆる地方案については、まあ先日も伺いましたが、どのように考えておられるのか。なぜ先日あれだけの答弁をあれしながらきょう聞くかというと、あれからどこかで見たなあと思っていろいろ繰ってみたら、官庁速報の四十三年四月十三日号に「自治省は全国九ブロックに圏を設け、府県を廃止する作業を進めている」との記事が載っていることを思い浮かべたんです。そうすると、抵抗が強いのでいまは伏せていらっしゃる、それともほんとうにそういう形は反対なのですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) この前も申し上げましたが、この地方制の答申はまあその当時のいろんな背景から出てきたのでございますけれども、これにつきましては、この答申自体が、まあ地方制度調査会の中でも非常な異論がありまして、いわゆる二、三府県合併案というものがその当時からいわれておったわけでございます。そういうこともございますし、同時に、この地方制という答申は、まあそれ自体としては一つの考え方であるかもしれませんけれども、その後におきまして地方制度調査会におきましてもいろんな検討を経てまいりまして、地方制度調査会といたしましては、地方制ということではなくて、現在では自治体の構造としては府県と市町村という二重の構造というものを維持していくべきだという考え方を確認をしております。そこで、そういう観点に立ちまして、いわゆる府県の自治能力の充実強化という立場から府県合併というものについての考え方を出してきたと、そしてその考え方は、いまの——これは法律問題になりますが、合併につきまして国が法律で国のサイドできめていくということじゃなくて、地域の住民の意思というものによって自発的に合併を進めていくと、こういうことを中心にして府県合併というものを進めていくことが必要だという考え方にいま落ちついてきておると思うのでございます。したがいまして、行く行くはこの地方制へ持っていくのだというような考え方をとっておるわけではございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは速記録に残りますからあれですが、次に進みますが、行政効率の観点から見て広域行政の必要性ということがいわれるようになったのはそう古いことではありません。開発計画が前面に出てくるようになってからだと思うのです。で、昭和二十五年に資源の開発と国土の保全を目的として国・地方を通ずる開発行政の基本法として国土総合開発法が制定された。これは全国総合開発計画、地方総合開発計画、都道府県総合開発計画、特定地域総合開発計画という開発計画体系を軸とした秩序である。その秩序立った国土総合開発計画を推進することが予定をされておりました。しかしながら、実効性のある開発計画というのは一向に策定をされなかった。一面において、その後の日本経済の目ざましい発展と地域構造の変貌によって、従来の開発理念というのは転換を必要とされた。また、国土総合開発法が有効に機能しないためもあって、四十をこす各種の開発立法が国土総合開発法の体系を無視して簇生をしている。今日では開発行政の基本法としての役割りをほとんど果たし得なくなっていると言われていますが、私もそうじゃないかと思うのです。しかるに、新全国総合開発計画は、国土の総合的開発を計画的に推進するため、現行の地域開発計画諸制度を整理充実しなければならないが、この計画は新しい地域開発諸制度の基本的方向を示唆するものであるとうたっています。昭和三十五年の七月に経済同友会が出したあの「地域経済開発について」という意見は、「地域開発を促進するとき最大の障害となるのは行政制度である」、こう述べていますね。新全国総合開発計画が示唆するといわれる新しい地域開発諸制度の基本的方向というのをちょっとわかりやすく御説明願えませんか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) なかなか一口にわかりやすく御説明することはできませんけれども、私が考えておりますところでは、昭和二十五年の国土総合開発法ができました当時の日本の地域開発というのは、おもに国の力によっていろいろな地域をどのように開発するかという角度が開発の課題として非常に大きかったというふうに考えておりますが、そのあとブロック別の法律がいろいろできておりますが、それらもあの当時は国が計画々きめて地方公共団体の同意を得たりあるいは協力を得て推進するという形の法律が中心であったというふうに思いますが、三十七年に新産業都市の法律ができましたときに、もっと地方の考え方を主眼とした開発論というものが成り立つかどうかということが議論になりまして、新産法の三十七年当時から地元の申請に基づいて国が計画を承認するという形の法律がかなりふえてきたのではないかと思っております。そして今日までそういったタイプの法律を中心に地域開発立法が一ぱいできておりますが、しかし、これからいろいろな地域開発を考えるときに、もっと強く地元の意思を中心として開発計画を立てるというふうな制度が一体どのような効果を持ちあるいは現実に法制化できるかということについては、私たちは非常に大きな研究課題であるというふうに考えておりますので、今度の新全国総合開発計画で示しておりますように、これからの地域開発というものが、国全体の新しい交通通信体系を考えるという要請があると同時に、実は各地域におきます自主的な、あるいは独創的な、あるいはその地域の特性に基づいた開発計画が策定さるべきであるということがうたわれておりますから、これが可能な一つの地域開発の法律の形というものが一体どういうものであるか検討すべきであるということが新全総の第三部の考え方であるというふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところで、六月二十日付の自治日報によりますと、経済企画庁は十二日、東京平河町の全共連ビルで都道府県総合開発主管部長会議を開き、地域開発行政、経済社会発展計画の補正、国民生活行政、国民所得の新推計などについて説明するとともに、新全国総合開発計画に関して都道府県と意見交換を行なったそうでありますが、経済企画庁は新全国総合開発計画を実施に移すにあたって府県に何を期待されているわけですか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) 都道府県部長の集まりを開催いたしまして、私たちの新しい全国総合開発計画の考え方を御紹介いたしました。それに対して部長さん方の御意見を拝聴するということも、計画を決定いたします前におきましても、後におきましても、精力的にやりたいというふうに考えておりまして、私たちのきめました新しい全国総合開発計画におきましては、きめて書いてあるものもございますけれども、かなりのものは今後の検討に待つもの、あるいは今後の日本経済の成長によってきめていくものが一ぱいございますから、関係都道府県の御意見を十分入れながら、実施のアフターケアをしたいというふうな考え方を持っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 たとえば、各県の総合開発計画書を見てみますと、当初は国土保全、資源開発、産業基盤整備等の施設計画としての色彩が強かったのですが、最近のものは、長期経済との関連において、しかも広く教育から民生、衛生部門に至るまで、住民の生活向上のための施策全般がその対象に入れられるようになってきています。したがって、ある意味では、いまや開発行政はあらゆる個別行政のかなめとなっていると言っても過言ではないのであります。それらの総合企画、調整といった機能を果たすものになってきているという意味では、広域行政そのものであるとさえ私は言えるかもしれないと思っているんです。このような動きに対応して、開発行政機構の整備拡充も進められてきました。たとえば県の場合に、戦後初めて開発が取り上げられたころは、せいぜい統計であるとか、調査だとか、合同で課や係がつくられていたにすぎなかったのですが、いまではすべての府県で開発行政を担当する企画部門が設けられています。企画部は、地方自治法上、現在、私は法定部局として認知されているものではないと思う。認知されていないと思うのですが、それにもかかわらず、その名称はまちまちではあるにしても、すべての府県でこれが設置をされる状態になってきている。その裏をいろいろ考えてみますと、自治省のやっぱり大きな指導の力があったのでしょう。またそういうふうに聞こえてきます。自治省はどうも企画部を新設させておいて、そこに自治省から人を天下らせている。これは何べんと指摘しましたから言いませんが、自治省のいわゆる天下り人事の重点がこの部面に移ってきている、こういうふうに言えるんですよね。自治大臣、いかがですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 沿革なんかの事務的なことはよく承知しませんが、要するに、いまお話しのとおり、国も地方自治体も急速に開発計画というものをつくられてきたことは、お話しのとおりであります。また、これがなくては、地方の地域住民の生活の向上ということはやはり開発を待たなければ期待できない、これも事実であります。  そこで、いま企画庁からも言っておりましたが、国が一つの計画をきめて、その国の方針によって地方団体を指導するという、国家権力の立場というものは、私どもは好まない。そこで、いま企画庁からの答弁にもありましたように、できるだけ地方自治体の実情に照らしてこの開発を進めたい。これには国の力を要するのはもとよりでございます。そこで、地方と連絡をとって今後の具体化についてはいろいろと練っていきたい。私はその方針をきめなければならないと思っております。そこで地方は、とにかく地方の独自の開発計画というものが出てくる。そこで、地方に企画部が全部あるかどうか私存じませんが、全国に相当あるようです、事実。それでこれは、自治省の指導ということよりも、私は実態的に必要じゃないか。各県もやはり企画部くらい持って、もう少し検討しなければならない。私は逆なことばで言うと、どの県ということは避けますが、むしろ県としては、企画立案ということは口では言いますけれども、もう少し積極的な態度を示しませんと、国が何とかしてくれるだろうとか、国の財政がどうするというようなことで、少し依存度が従来どうも強かった傾向も認められる。それには、みずからやはり立って、企画立案して、そうして国にぶつかる、こういう姿勢が私は必要だと思っております。  そこで、いま和田さんの御指摘のように、自治省からも相当行っているかもしれない。どれくらい行っているか私はわかりませんが、しかしこれは、天下り人事ということはいま議題ではございませんので、別に弁明いたしませんが、府県の必要な自主的な開発計画を進める場合、いま自治体だけの力ではできないことも明瞭でございます。そこで、この間において、まずその自治体の地域開発を立てる。同時に、国の力をどこまでこれに及ぼしていくかどうかを調整する必要もございましょうし、これこそ自然といいますか、地域開発が進んでいきます場合、だんだんこういうものが各県に出てぐるということは、私は成り行きとしては当然じゃないか。そこで、人事がどうだということがからみますと、これは和田さんのおっしゃっていることについて私はどうこう言いませんけれども、これに子供をつくらして、自治省の役人をぶち込むということはない、私常識的にそう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 後段の部分は、ちょっときょうのあれと別ですからあれですが、まん中の辺がかなり重要なんで、自治体というのはかなり、大臣、自発性を持っているのですよ。意欲的にいろいろの総合的な開発を、まさに住民自治、住民福祉の観点に立って計画をするのですよ。しかし、それを一切押えて、この辺はこう削ってしまうというような形のことがどこで行なわれたか、そうして言うことを聞かなかったら交付税で少しやるぞというようなことがどこで行なわれたかということも、これは大臣お考えになっておかないと、いまの大臣のあれでいうと、その前に取り上げた森さんの地方公務員はだらけ切っているという論法とある意味では似通って、地方のほうはさっぱり創意性がないじゃないかということに——そうお考えになっているとは思いませんが、うわべだけ聞くとそういうことになりますから、それは主客転倒している議論だと、こう思うのですがね。自治省の幹部職員の名簿に載っている、登録されている人が企画部を担当している県は何県ございますか。

林忠雄自治大臣官房総務課長

○説明員(林忠雄君) 七月一日現在で九県でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その県数というのは年々ふえていますよね。

林忠雄自治大臣官房総務課長

○説明員(林忠雄君) このところしばらく異同はございませんけれども。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 とにかくふえてきているんですよ。そのことだけ知っておいてもらえば、きょうはそのことはあまりしません。  地方自治の絶対的な危機を叫ばれて、新中央集権的な傾向と地方自治の調和をうたった自治省の行政課の課長補佐であった久世公堯氏も、いまは大分県の企画部長であります。彼は——まあこれは個人的な問題といえばそれまでですが、本籍地を大分県に移されたそうでありますが、善意に解釈すれば、それほどこの仕事に没入しているということであろうと、こう思うんです。県の企画部長という仕事は、自治省の人々にとって全身で没入するに値するほどやりがいのある仕事になってきたのかもしれないと、一面では私はこう思っているのです。自治省の幹部職員の方々にとってもこれほど魅力的になってきた府県段階での開発行政というものをいろいろ考えてみて、府県の開発行政についてこの「府県政白書」では次のように述べているのであります。二四四ページです。「昭和四十年には、府県および政令都市が、国と地方行政機関と連絡協調を保ちつつ、その相互間の連絡協同を図ることによって、各地方における広域にわたる行政の総合的な実施と円滑な処理を促進することを目的として、地方行政連絡会議法が制定され、公共事業の促進、交通、水資源、都市開発等について、それぞれ広域にわたる連絡協議を行なうことになってきている。」「さらに、各地方ブロックでは」云々、こういう形でずっと続いている。時間をあれされていますから全部読み上げませんが、こうした数府県が協力をしてまさに広域的な開発行政を進めていっている現況を、新全国総合開発計画の立場から経済企画庁はどのように評価をされますか、それでもなお府県合併がどうしても必要だとお考えになりますか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) かりに四十六都道府県、これが一つも合併しなかったら日本の地域開発は新全国総合開発計画のもとで全然不可能かというお尋ねであるとすれば、現在の四十六都道府県のままでもわれわれは最大の努力をしなければならないということだと思います。ただ、合併をもししたならば、それがどのようなプラスがあるかということについては、われわれも大いにそのプラスを生かして新しい全国総合開発計画の促進に資するようにしたいというように考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治大臣、いま前段の御答弁にあった部分というのを十分玩味をしていただきたいのです。  で、田中二郎氏は「地域開発論」というこの書物の中で、まあ時間がなくなってきていますからあれですが、「現在、都道府県において、いちばん悩まされている問題の一つは、国の縦割式官庁機構がバラバラのまま地方の行政に介入し、あるいは直接的な指揮命令によって、あるいは間接的な——人事とか補助負担金を通しての——コントロールによって、地方の総合行政を妨げている点ではないかと思う。地元地方公共団体の側に全然責任がないとはいえないが、問題の中心は、現行の縦割式官庁機構とその機構による行政運営の仕方にあるといってよいであろう。国全体の見地から一本化した全国総合開発計画を策定することも結構であり、新産業都市の区域の指定や建設基本計画の決定にあたり、関係各省庁間の真の協力体制がととのえられたとすれば、それも歓迎すべきことといってもよい。計画の作成・決定の段階では、そういう意味での一本化は絶対に必要である。」と述べておられますが、私はこの部分は正しい指摘だと思うのです。首都圏内だけに限ってもおもな開発計画が一体どういう形にあるかちょっと聞きたいのですが、経済企画庁。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) 首都圏内につきましては、全国的な角度から首都圏をどういう位置づけをするかということについて全国総合開発計画に明記してございますが、首都圏エリアそのものにつきましては、首都圏整備委員会におきまして首都圏整備法によりまして計画を立案しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 具体的に私の調べた限りであれしますが、全国総合開発計画のほかに、鹿島工業整備特別地域計画、それから水資源開発基本計画——施機関は水資源公団ですが、大体首都圏のおもな開発計画はそういうものですね。  それから建設省ですが、国土建設長期構想、都市公園整備長期計画、道路整備新第五次五カ年計画、住宅建設五カ年計画、下水道整備五カ年計画、これ以外にございますか。

吉田泰夫建設大臣官房文書課長

○説明員(吉田泰夫君) ただいま言われたものは大部分法律に基づいて閣議決定しておる計画でございますが、たとえば公園などはそういうものではございません。建設省内部で事実上つくっておるだけのものでございます。公共施設の五カ年計画等の整備計画といたしましては、以上言われたもののほかにないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 運輸省ですが、新港湾整備五カ年計画、それから首都圏内における高速鉄道網構想、新東京国際空港計画、東京外郭環状線計画でよろしいですか。

内村信行運輸大臣官房審議官

○説明員(内村信行君) いま運輸省として持っております計画といたしまして、港湾整備五カ年計画、それから空港の整備五カ年計画がございます。それから外郭環状につきましては、これは建設省所管でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 農林省は土地改良長期計画。

島崎一男農林省農地局経済課長

○説明員(島崎一男君) 土地改良計画のほうでは地区別の計画を実は立てておりませんので、どれがストレートに土地改良計画になるかわかりませんが、農業関係ということで一般的に含まれるということを前提にいたしますれば、水資源開発の関係で農業関連のものも一応対象になっております。それから農林省単独で利根川水系で調査中、工事中等含めますと十幾つにわたる土地改良事業等がございます。それから、一部福島県に入ってまいりますが、阿武隈八溝の大規模畜産開発計画という考え方で四十四年度から調査に着手した事業がございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 厚生省は水道整備五カ年計画。

曽根田郁夫厚生大臣官房総務課長

○説明員(曽根田郁夫君) はい。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 通産省で工業用水道建設計画。

工藤敦夫通商産業省企画局立地指導課長

○説明員(工藤敦夫君) ただいま御指摘の点と、それから私ども試案でございますけれども、工業開発の構想というものを一応考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そのほかに、たとえば国鉄には国鉄第三次長期計画がある。電電公社には第四次電信電話長期拡充計画、首都圏整備委員会には首都圏整備計画がある。公害防止事業団には公害防止事業計画がある。そうして日本開発銀行やら首都高速道路公団やら日本住宅公団やらがそれぞれの計画実施機関として関係したりしておる。こうした各省の事業別長期計画の乱立という形であらわれている開発行政、こういう無政府状態こそ、実は自治体の自主的、計画的開発と行政を無効にしていると思うのですよ。自治大臣、いかがお考えになりますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 自治体の行政と、いま御指摘になりました各種の行政関係についてでありますが、政府で持っておりますいろいろの機関というものは、当然これは有機的に動くべきものでございます。これがために、自治行政に影響するところは、私はこれはきわめて緊密な連絡と、それからたとえばいまお話しになっております地域開発に対して地域の自主的な考え方を尊重してやってもらう、こういうことをお互いに理解し合って、お互いに有機的に効率的に緊密な連絡を持つということが一番好ましいことであります。一々どの部門がどうなっているかということにつきましては、また地域の実情を把握いたしませんとはっきり申し上げられませんが、おそらく和田さんの御意思は、今日個々のたとえば公団とか公社とかいろいろのものがありますが、中央の行政官庁の縦割り式行政機構というものが、地方の自治団体の自治行政に対しての関連において、その自治の機能を高めるということになかなか阻害になっておるものがあるじゃないかという御指摘だと思っております。私も率直に申しますと、今日の官庁機構というものと自治行政との関連において十分自省すべきものが多い、これは否定できぬのです。まあいろいろ国会でも問題になりました。また閣議あたりでも相当論議されておりますが、こういう面をはらんで行政改革というものが出ておりますが、これはなかなか実効をおさめておりません。これはそのとおりであります。非常に私は遺憾に思っております。これらの問題につきましては、これは世間で言う、官庁のなわ張り意識と言いますけれども、これは官庁には官庁の理由がありましょう。必ずしもどの役所がいいとか悪いとかということはわかりません、打ち明けますと。しかし、一般論で申しますと、やはりいまのこの中央官庁の機構というものか、地方自治行政との関連において相当修正し是正するものが多いということは、私は大局的に感じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実は、いま各省のそれぞれの計画と首都圏の中のそれぞれの自治体が持っておる計画との比較をして、各省の見解をずっと矛盾をしている部分等を含んでついていくつもりでいたのですが、私のほうの理事からもう少し自治省に協力しろということで時間の制限をされておりますので、そういう意味でそこは省略をいたします。 実は大臣、いまの答弁と、もう一つ考えていただかなければならぬのは、これからいろいろ計画が出てきて、これは各省にいろいろあるかと思うのですが、自治体はそれに合わせるように努力してせっかくつくる。そうすると、たとえば政府の物価政策の拙劣さ等によって長期計画はまた書きかえられなければならぬ。そうすると、自治体はまたそれによって書きかえられなければならぬというような形で、もう地方自治というものは一体どこへ行ってしまったのだろうかということが現象として出ております。その辺をこの法案との関連で十分に指摘をしたかったのですが、いま言ったようなことで、そこの部分は省略しておきますが、これらのことは各省の皆さんも含んで、ここには大臣がお見えになっているのは自治大臣だけですから、政府としてやはり十分に考えていただかなければ困ると思うのです。  ところで、開発行政の総元締めとしての企画庁としては、先ほど来申し上げましたような形のものをどういう形で整理をされるおつもりでいらっしゃるのですか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) 私としては、いま御指摘ありましたたくさんの縦割りの計画がございますが、進歩があればあるほど実は非常に細分化の傾向ということも一方では否定できないというふうに思っておりまして、すべてを一つの部局で統合すればいい計画ができるとは必ずしも思っておりません。したがって、複数化した主体を持った計画を総合調整するということの業務が重要であろうというふうに思っておりまして、経済企画庁としては、国のレベルで調整するものがあれば調整をいたしたい。地方公共団体でまた大いに調整をしていただかなければならない問題というものもかなりふえてくるだろうという見方をしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国土計画協会の出している「府県合併調査報告書」の八六ページの第三に書いてあるのですが、上位計画たる全国総合開発計画とたとえば近畿整備計画との関係というのはどういう関係になりますか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) 国土総合開発法によりますと、全国総合開発計画は国総法上の特定地域の総合開発計画あるいは地方総合開発計画あるいは都道府県総合開発計画の基本となるというふうに書いてございますから、国総法上の全国総合開発計画が他の総合開発計画の基本としてどこまで考えられるかということにはいろいろ問題があるかとも思いますが、私たちが新しい全国総合開発計画をつくりました趣旨としては、近畿整備計画についてもやはりこの全国総合開発計画というものを基本として考えていただきたいと思っておりますが、ただ上下関係ということで、上位計画が優先するかどうかということについては、その施設計画のそれぞれの内容によりまして異なるわけで、国全体から考えなければならない施設と、その地域において独自に考えたらいい施設あるいは農民自体が判断したらいい施設を含んでおります関係で、一括して上下関係というふうには考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、その中段くらいにあります「全国総合開発計画では、その対象区域である近畿圏を近畿地方の二府四県(三重県を除く)となっているのに対し、近畿圏整備計画では三重県及び福井県を加えた二府六県となっている。更に、全国総合開発計画では、近畿圏の工業生産の地方分担が基準年次(昭和三三年)の二二・五%から目標年次では二〇%に低下することを想定しているのに対し、近畿圏整備計画では近畿圏のわが国経済における地位はますます重要となるとし、第二次産業の生産所得のシェアも高まることを想定している。」、こういうふうに指摘をしています。この辺をどのようにお考えになりますか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局総合開発課長

○説明員(下河辺淳君) ここに書いておりますのは、おそらく、正確にはあとで判断いたしますが、三十七年の全国総合開発計画の関係を書いてあるように思われます。今度の新しい全国総合開発計画におきましては、近畿圏整備法の区域とあわせて近畿地方ということを計画しておりますので、全国総合開発計画と近畿圏整備法の区域とは一致しておるつもりでおります。  それからさらに、ここに書いておりますように、全国的な経済の伸びに対して近畿圏かどのようなシェアを占めるか、あるいはそれが全国的な立場でどれほどの斉合性がとれるかということについては、全国総合開発計画の立場から調整をはかりたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私はいままで、この法案の提案理由になっている広域行政——広域河川行政とか、広域運輸行政とか、広域取り締まり行政とかの広域個別行政を総合したものとして概念づけ、いろいろ述べてきたわけですが、それぞれ個々の行政分野にかかわる広域行政について考察をしてみますと、ますます府県合併という論理は出てきません。それこそ、従来からの自治体間協力方式で、その運営などを改善していく中で十分やれるからであります。府県間の協力による広域行政の処理のしかたとしては、主として地方自治法二百八十四条第一項に規定をするもの、いわゆる一部事務組合等共同処理方式、地方自治法第二百五十二条の二の協議会、地方自治法二百五十二条に基づかない協議会、そして地方行政連絡会議法に基づく地方行政の連絡会議などがおもなものですが、この四つの方法について現況を示していただきたいのであります。そして行政局長からその長所と欠陥を示してもらいたいのです。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 現在、府県間におきますところの協力という関係で申しますと、二県以上にわたりましていろんな形の協力の組織といいますか、そういうものがいろんな行政分野において行なわれておるわけでございます。それは、たとえば河川についての協議会でありますとか、あるいは産業公害についての協議会でありますとか、中小企業の関係についての輸出の振興のための協議会、あるいは観光関係の協議会、あるいは期成同盟会、調査会、まあいろんな形で行なわれ、また同時に一部事務組合として行なわれておるものもございます。そういうことのほかに、いまお話がございましたように、地方行政連絡会議というものもございます。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕 これらのほかにも、たとえば県で申しますと、各県の知事が集まりまして、知事間におけるところの会議等を随時重ねておるというようなこともあるわけでございます。ただ地方行政連絡会議は、御案内のように、国の関係におきましては国の地方出先機関、それから各府県、市の代表というようなもので構成いたしまして、主としては現実の行政の執行の関係を円滑にしていくというようなことでの連絡協議機関でございます。それから地方自治法におきますところの協議会、一部事務組合というものは、地方公共団体——これを府県の場合で申しますと、府県の事務の一部について数府県がこれを共同して管理、執行するという組織でございます。協議会につきましては、これは法律上の協議会というよりは、むしろいろんな必要に応じまして事実上の連絡協議をする協議会というものが現実には多いようでございます。そういうことで、いわゆる共同処理というものについては、法律上のものと事実上のものといろいろございます。これらは現実には、一部事務組合につきましては、確かに特定の事務ではございますけれども、それを共同処理をしているというかっこうでございます。それ以外のものは、どちらかといいますと、おおむねお互いの意思の疎通をはかるというようなことで行なっておりまして、それ自身も大いに効果はあるとは思いますけれども、やはりそういう協力方式というものの中では最も結合関係から考えますとゆるいもの——ゆるいと言いますとことばが過ぎるかもしれませんが、結合関係という点からいえば最もそういう意味で意思疎通程度と言っては語弊がございますけれども、そういう関係では法的に完全に一つになって共同に事務を処理していくというかっこうではございません。また同時に、そういう意味で、個々の行政においてそういう連絡、協議を行なうということそれ自身意味があるわけでございますが、それは地域の行政の関係がそれぞれの部門におきまして、結合関係といいますか、関連性に濃淡もございますから、一がいに申すわけにはまいりませんけれども、そういうことで、行政が相互に関連しておるという関連性については、そういう随時の協議というものでもある面十分やっていけるという点もございましょうが、またそういう面では、相互の関連というものが非常に欠けるという点も、関連する行政については欠けるという面もあるようにも思います。ですから、現在の協議方式というものについての運用の問題ももちろんございますが、私どもの見るところでは、一がいには申せませんけれども、府県間において十分この体制を推進することができればそれで広域行政の実をあげるというには相当距離があるのじゃないだろうかというような現状のようにうかがわれるのであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 広域行政といいますか、広域的な処理を必要とする各個別の行政のうちで、いまあげた四つの処理方法ではどうしてもうまくいかない、そういう行政はありますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) これはやはり基本的には、それぞれの地方団体は、地方団体の利益といいますか、その立場に立った考え方というものを基礎にいたしまして調節をするというか、連絡をするということにどうしてもなるわけでございますから、その面で基本的な全体としてのものの考え方に立って考えるという立場をとることは実際問題としてなかなかむずかしいわけであります。そういうことがやはり基本的な一つの制約に相なりますので、もしそういうものを離れまして、ほんとうにお互いにそういう衣みたいなものを脱ぎ捨てまして、そうして調節をはかるということになれば、これは相当な成果もあげ得ると思いますけれども、やはりそれは基本的な制約というものから脱するわけにはとうていまいらないということもわかるわけでございます。そういう意味で、協力方式というものには私どもやはりおのずから限界があるというふうに考えざるを得ないのじゃないかと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、いま構想されるような合併ということで解決がされるとお考えになりますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 府県合併につきましては、合併をして直ちに具体化の実があげ得るかどうか、これはまた合併される府県の実情にもいろいろ関連をすると思いますが、しかしながら、長期になるだろうと思いますけれども、やはり合併をいたしまして、その地域が一体として経常されていくという基盤に立たざるを得ない。そういうことで、新しい府県というものが発足をいたしまして、そうしてその新しい府県に応ずるところの組織なり施設なりというものの一貫した考え方というものが経営の基本になってまいりますならば、その点はやはり一つの広域的な計画というものが合理的に編み出されていくという基本の体制が整ってまいるということは、これは当然否定することのできない合併における長所だろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、広域行政、広域行政というものをさっきから長くあれしてきたのですが、どのような行政が一体どう行き詰まっているのかということがやっぱり明確にならないのですが、そこでこの趣旨説明をされた自治大臣としては、どのような行政がどう行き詰まっているからこの法律はこう必要なんだということをちょっと御説明願えませんか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) どのような行政がどう行き詰まっているかということですが、私は、この部分は行き詰まっておる、あるいはやや障害がある、いろいろあると思いますが、この法案の実はねらいは、私が趣旨説明申しましたとおり、現在広域行政の必要というものはいろんな施策においてこれは認められ、また実態においてもそういう体制においていろんな施策が行なわれております。そこで、いま御指摘になりました共同処理とか連絡協議会、いろんな各種の形態でやっておりますことも、やはり広域行政のあらわれだと思っております。そこで、そういうような方式でやっているが、いわゆる自然的な経済社会の大体相寄ったものが、むしろ共同処理されていかなくてはならぬような客観情勢があれば、いま言うようなことで一体となったほうがいいんじゃないかということで、これが行政の水準を上げていく、私はそういう場合があり得ると思っております。従来広域行政というものはいろいろ言われておりましたけれども、その形がやはりいろいろ意見がありまして、たとえば府県制を廃止して道州制にやるとか、あるいは地方制度調査会のあげた地方という中間の機関をつくるとか、いろいろ意見がありまして、結論において一応やはり府県と市町村の二重構造でいくのがいわゆる現在の自治体として最も適当である、こういうことでございまして、その推進する行政の運営上どうしても広域行政というものが基本になってくる。そこで、そういう場合において、いま申しました一体化し得る地域、そのほうが合理的であるし、また行政の運営にも効率的である、そういう場合には、私はやはり合併するいろんな事態、ケースがあると思っております。そこで、どの行政がぶつかるからどうだということよりも、いままでの広域行政というものを、御存じのとおり、どの行政のためにというのじゃなくて、やはり地域の開発にはどうしても広域行政で進めたほうがいいということで、広域行政の運営というものが各種の形であらわれてきておる。その意味において、私がいま繰り返して申し上げますとおり、一体性のある府県は、むしろ共同処理、協議というよりか、実質ともに一体となって推進したほうが非常に合理的である、こうなって、府県は合併するという場合に、やはり法律上その道をあけておいたほうがいい。これは、御存じのとおり、この法案は促進特例法でございまして、その地域住民の意思によって自発的にそういうことが必要と認めるという場合その合併の道を開こうというのがこの法案の私はねらいだと、こう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここのくだりでどうしてもそうなると思ったものですから、さっき下河辺さんの答弁の部分を大臣に強調しておいたんですが、広域行政を否定する論議というものにはなっていないんですね。それを統括的に進めておる経済企画庁の側でも、いわゆる都道府県合併というものが前提になって広域行政ということを行なっていないわけですね。現在のままでも十分やっていけるし、やっていかなければならない、そういうことだと思うのです。したがいまして、自治省と私たちが十分に考えなければならぬことは、やっぱり地方自治の本旨に基づいて、ことに府県の区域というものが合併というようなものを繰り返しながら広大化をしていくことが自治の本旨により近いものなのか遠いものなのかということが、どうしてもやっぱり、元に返りますが、論議にならなければならぬところだろうと、こう思うのです。そういう意味で、やっぱり広域行政の必要性から、広いほうがいいんだという論議にはならない、そういうふうに私は思うんですが、第九次地方制度調査会の答申の中にあった地方公共団体の連合制度は、その後どのように処理されたわけでしょうか。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 連合制度については、現在なお検討中でございます。これは府県のみならず、市町村につきましてもそういう意味の協力方式というものを考えていくべきじゃないかというのが答申の趣旨でございますが、いろいろとその後検討を重ねておりますけれども、どうも法制度的にやってみますというと、一部事務組合とそれほど変わらないような形が出てきてしまいます。もう少しさらに検討を加えて、そういう制度化を私どもも進めてまいりたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 広域行政の問題の最後にしたいと思うんですが、私は国土計画協会の「府県合併調査報告書」の一八五ページから一八六ページにかけての合併の必要性というところを何度か読み返してみましたが、「第一節 府県合併の必要性」ですね、一体何が合併の必要性なのかさっぱりわからないのであります。つまりこう書いておるわけです。「現段階における行政需要が従来に比し、どのように変化してきており、これに対して府県がどのように体制をととのえてきたかをみたが、それにもかかわらず府県行政自体には未だ解決すべきいろいろな問題点があることもまた否定し難い事実であって、これについても各行政項目別にのべてきたところであるが、これは各府県が将来の行政をどのようにもっていくかについて構想やビジョンを示した各府県計画をみても、なかなか解決されるようにも思われない。何故ならば、以上に指摘した行政上の問題は単に一府県のみの努力によって解決できる問題だけでなく、府県の区域をこえた広域的な見地から、また府県の行財政能力を強化し、国の行政運営方法の改善をするなどの手段を通じてでなければ解決することのできない問題が山積しているからである。」、ここで言う「府県の区域をこえた広域的な見地」というのは、合併だけしかないのでしょうか。また、合併によって府県の行財政能力は強化されるのですか、一体。また、ここで言う「国の行政運営の改善」と合併とは関係ありませんよね。いま引用したことばに続いて「具体的にいうならば、」云々と、こうなって、ずっとあるのですが、「土地利用、水資源開発、道路、鉄道等の交通網の整備、住宅あるいは都市の配置、および産業配置等」が合併によって一体解決されますか。都市問題、過疎問題が合併によって解決されますか。解決されるとお考えになっているわけですか。これは要するに、合併したからどうとか、しなかったからどうとかという問題ではない問題とでもいいますか、そういうことばかりがここに書かれている。どう読んでもそうとしか思えない。その点、大臣いかがお考えになりますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) いま一つずつおあげになりまして、どなたの御意見かはっきりわかりませんが、私は、合併したからすぐ解決すると、それをいろいろ書いてあるとおり、合併しなければそれはできないぞ、こう断定はできないだろうと思っております。これはあくまでも実情に照らしたことであります。しかし、いずれにいたしましても、府県が共同の処理をしていく協議会を持つとか連絡会を持つとかということに関連いたしまして、都道府県がいわゆる合併したほうがより行政の運営に効果的だ、合理的だということが、しからばこれが絶無かという場合に、一々これは府県の実際の状態をつかんで、またその地域住民の考え方を把握して県の理事者というのが考えて、自分の地域の開発には自分だけのいまのいわゆる府県制で独立して考えるよりも、一緒に手を合わせてやったほうがいい、こういうようなことは、私は、これはもう四十五も六もある府県でございますから、どの県がどうだということは私指摘することはできませんが、いずれにいたしましても、この広域行政というものを基準として、いろいろな、先ほどの経済企画庁の答弁にも出ております、また、それのあらわれがいまもういろいろな形態で出ているし、また、これが広く出ているのがいまの首都圏とか近畿圏とか各種のいろんな形であって、これはとりもなおさず広域行政の姿だと思っております。そういうことからいたしまして、府県合併しなければこれはできないのだという、どれがどうだとは、これはなかなか各地域の状態を見まして、また、その当事者の考え方を聞かなければ、自治省としてどの県はどうすべきだという判断はできません。また、自治省は、かってに国がこれを施行するということは絶対避けなければならない。しかし、その必要があった場合にはやれるぞという道を開くことは、私は決してむだではない。広域行政を進めていく上において、やはりこれは必ずしも市町村合併と同一に考えるのじゃありませんが、やはりこれも広域行政がああいう自然の推移を見たし、だから府県が一体となってやったほうがいいという認識が強まって、そうしてその地域の要請がありますれば、その場合にそれに備えるところの道を開いておくほうが私はより合理的だと思っております。したがって、いま、どの県がどうだということになりますと、私どもが指摘いたしますこともできませんし、また、そうすべきでないという意味におきまして、これは何と申しますか、国の力によって、国の指導によって促進するという法律ではございませんのです。特例法を設けておくのだ、必要な場合にはひとつ皆さんのお考えでもっておきめなさい、こういう態度でございますから、私はこの法案が必ずしも今日の広域行政を進めていく国の考え方、また地域の考え方というものと反するものではない。私は、その道を開いておくことは、やはりそれだけの合理性があるのだと、こう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣が言われるいまの御答弁が、ほんとうのところなんでしょう。そうすれば、現行法で、大臣、何も関係ないですがね。現在の地方自治法でやれることを何で特例法を設けなければならぬのか。大臣のいまの御答弁というのは、やはり本音だと思うのですよ。何もこの法律をつくる必要は一つもないと、いまの御答弁で思うのですがね。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 大臣のお話にもありますし、提案理由の説明にもありますように、やはり現在の法制におきましても、もちろん、御指摘のように、府県の廃置分合といいますか、合併につきましては法律で定めるという手続があるわけでございますが、地方制度調査会の答申にもありますように、やはり国のサイドで考えて合併を強制するという形だけではなくて、現在の進展していくこの社会経済の変化に対応して行政体制を整えるということの発想が、地方団体の側からも、やはり住民の自発的意思によって進められていくという、そういう民主的な手続というものを開くことが必要ではないか。また同時に、基本的に府県の合併の有効性といいますか、妥当性といいますか、合理性、効果性というようなものについても、この際やはり方針を明らかにしておくことが必要であるし、さらには、現在の法制だけでは、合併に伴ういろいろな障害と申しますか、法律制度上のたてまえとしても、障害なり疑問なりというものが出てくる。そういうものの必要最小限度のものはそれを取り除きまして、そうして自主的な合併でありながらも、それが円滑に進められるようにしておくということ。それから同時に、新しい合併府県に対しましては、国なり公共企業体なり、あらゆるそういう関係機関というものが協力をしていくという考え方を明らかにする。こういうことでございまして、現実に府県合併というものの必要性というものをどう考える、またその進め方をどういう進め方をしていくことがいいかは、国の判断で考えていくというよりは、むしろ地方団体の側で自発的な意思に基づいて合併についての認識を持って進めていくということが望ましいのではないか。そういう望ましいものについての基本的な姿勢を府県合併特例法という形で整えておくことが必要だと、こういう考え方に立っておるというふうに御理解を願いたいと思います。もちろん、現行法でも合併の手続は全然ないというわけではもちろんございません。それから、現行法のままにしておきましても合併ができないというわけではないという意味では、それはお話しのとおりだと思いますが、国の合併における基本的な姿勢なり考え方、それから合併の進め方についての民主的な方式、それを地方自治というサイドで考えてもそれが必要であり、それが前進だというところに合併の道を開いておくということが適当ではないかという考え方であります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 やっぱり説得力にたいへん欠けるんですよね。じゃ、地方自治のサイド、住民のサイドということになれば、やはり憲法が保障するところの住民投票というのが一番の住民のサイドですね。それから国のサイドから考えるんだということを言われますけれども、現行法がいわゆる自治体のサイドからこのことを考えないということにはなっていないのであって、そこでもって考えていろいろのものが出てきたという条件の中で国が法律を考えると、こういうことになろうと思うのであります。まあ、いつもの長野さんらしくなく、たいへん説得力に欠けています。  時間がなくなりますから、逐条の中でもう一ぺん振り返ってみたいと思うんですが、次に、合併の効果という問題で二、三お聞きをしておきたいんです。  府県の規模を越える広域行政の必要性ということから、大臣何べんも強調されたんですが、何か当然のことのように府県合併が結論づけられているんですね。これも大臣くどいように言われたんですけれどね、そこが私どうしてもわからぬのです。府県の規模を越える広域行政の必要性から直ちに一般的に府県合併を結論づける論理というようなものは私はないと思うんです。この広域行政から府県合併を結論づける中間項として、合併効果についてのまっこうからの議論が必要だというのが実は私の意見なんです。市町村合併について、たとえば、戦後わずかの期間の間に数多くの経験をしましたのですが、いまだわが国においてその効果を判断するに足るところの調査または権威ある意見は見当たりません。自治省は、やはり広域行政の要請ということで、合併した北九州市なりあるいはいわき市なりについて、その合併効果を自信を持って実証できますか。私はまあ先日いわきに行きましたが、これはたいへんな市ですよ。驚いた。市会議員の選挙が新しく行なわれたときに行ったんですけれでも。そこで振り返って考えてみると、たとえば英国では、あの一八八八年の地方行政法においてこの方法が奨励されてから、すでに八十年を経過しています。その当時の立法の目的並びにその後の実績というものについては、すでに幾つかの権威ある調査が行なわれております。それによりますと、この法律の立法の趣旨は、町村が財政上又または人的要素の上から国家の要求する自治機能を遂行することができないから、それを都市に併合せしめて、カウンティ行政の確立をはかって、その能率ある行政を、何といいますか、行なわしめるというところにもあったにもかかわらず、その後の実績というものは、やっぱり都市側の財政負担を増大をして能率の低下を来たしています——いますと言ったら不遜になるから、まあそういうふうに言われています。その難点を解決すべくあのカウンティボロウのごとき特別市制の問題というものが発展をしたのでしょう。これはまあ教えてもらえばいいと思うのですが。——ですから、合併問題というのは英国でも何ら解決案として価値を認められた——英国がどうだからこうだからということを言うつもりは一つもありませんけれども、しかし、経験はわれわれよりも長いわけです。認められたとは言えないのではないかと私思うのですが、その辺行政局長専門でいらっしゃるから、どのように考えておられますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) まあ、諸外国におきましても、これは現在は都市を中心にして、みなその地域の広域的な発展というものにつきましてどういうふうに対応していくかということは、都市を中心にしてではございますが、もう各国共通の悩みになっているということが一般的にいわれております。そういうことで、まあ国によりましていろんな方式、方策を考えまして、その合理的な能率的な経営体系というものを確立する努力をしておるように私どもは伺うのでございますが、わが国の町村合併につきましては、これは日本独特のやり方であったということにも相なります。しかし、いまいわき市の例をおあげになりましたが、これはある特殊なケース——特殊なケースと言うと語弊がございます、もちろん合併の一つでございますから、これがいかぬというわけではございませんが、これは非常に長期にものを考えてみなければ、あのいわき市の経営の将来というものは発展するわけにはいかないという点もあることは私ども同感に存じます。しかし、あの昭和二十八年ごろを中心にしまして行なわれました町村合併というものは、いろんな問題もはらんでおりましたけれども、今日振り返ってみまして、あの町村合併というものがなかった場合、行なわれなかった場合、つまり、一万人以上の町村で、町村の人口の平均が二、三千の町村というものを考えました場合、いま一体市町村の行政というものが、市町村に要求されておりますような行政を充実さなせながら進行していき、十分経営をされていくかということになりますというと、私はやはり、そういう正確ないろんな各方面の調査というものはあまり全部目を通したわけではございませんけれども、概して申しまして、あの町村合併というものはやはり適切な措置であり、また望ましい方向をたどっておる。もちろん、中には個々にいろいろな問題を含んでおるものもございますし、また合併の十分の実のあがっていないところもございます。ございますが、その辺の評価はもう大体適当であったということで考えていただいてよろしいのではないかというふうに思っておるわけでございます。まあ、諸外国におきましてそういう問題についてのあらわれ方——まあ国民性もございます、いろいろな沿革もございまして、その点ではいろいろな方式が考えられておるようでございますが、概して言いますと、そういう面での規模の合理化というものは、わが国のほうが早く着手をして早く進んでおるということに相なるのじゃなかろうか。ニューヨークなぞを考えますというと、ニューヨークの都市圏というものはたしかアメリカの三つの州にわたっておるように聞いておりまますし、英米系のところでは、自治体というもののほかに特別な機能を持った特別地方団体的のものをたくさんつくりますから、それでそれらの関係が非常に錯綜いたしておりまして、非常に団体の成立、組織というものが錯綜し重複をしておるということで、その点では非常に困難をしておるというふうにも実は聞いておるところでございます。まあ、それはそれぞれの国の沿革がございますから一がいには申せませんけれども、わが国の市町村合併を考えました場合には、いまお話しございましたが、やはりもう少しいい点をつけてやっていただきたいと思うのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 フランスは、パリ首都圏の開発のために、昭和三十九年の法律でセーヌ県をパリ特別市と三つの県に——セーヌ・エ・オーワーズ県をエソン県など三つの県に分けました。これはたとえば東京都議会でつくった「世界の大都市」という本を見てみましたら、地方公共団体の行政区域を小さくすることによって、住民が行政管理ともっと密着した、より人間性のある関係が持てるようになり、よりよい行政を可能にするということでやられたということになっておるのです。私もパリに行って行政の責任者に会った機会なんかにも、いま都議会編の「世界の大都市」が指摘をしているようなことをやはり盛んに強調されていました。まあ、浅い知識ですが、うべなるかなと思ったのですが、じゃあその点は行政局長はどのように判断されますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) フランスもたしかパリとかリヨンとかボルドー、そういうようなところについての大都市行政の改革をやっておるように私ども聞いております。ただ、フランスの地方制度というものは、ある面非常に古い制度をとっておりまして、パリの市長というのはセーヌ県知事が兼ねておるようなかっこうが従来あったわけでございます。フランスの府県というものはちょうど昔のわが国の官選の時代と同じようなかっこうである。そして、府県のもとにはたしかアロンディスモンという言い方をしましたが、郡というものがございます。郡のもとに市町村というものがあるということで、それぞれが非常にこまかく分けられる。こまかく分けられるという点は、御指摘のような長所も確かにありますが、ただし、自治体として分担している範囲というものはごく少ない範囲でございまして、それを都市の膨張に従ってどういうふうに分割していくか、また、中央政府が見るものをどういうふうに分けていくか、いろいろフランスはフランスなりのやり方をしている。私どももフランスの問題も検討はしておりますが、むしろもう少しこれらの行なわれました成果というものを見届けたいという感じがいたしまして、まだ現在資料を集めておる最中でございまして、これ以上詳しいことは申し上げかねます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 合併に伴う府県のおもな行政に及ぼす影響について先日も若干お聞きをしましたが、警察の問題でちょっとお聞きをしておきたいのですが、現行警察制度というのは府県警察として府県公安委員会のもとに形式上はありますが、警視正以上は国家公務員である。で、県警本部長は国家公安委員会が任免するというそれでなくても中央集権組織のわけです。かりに東海三県と阪奈和三県が合併したとするとどうなりますか。公安委員会も一本化をし、合併により県警察は強大なものとなり、ますます県民から離れて政府警察そのものになるのではないでしょうか。人口、面積とも広大な北海道で五つの方面本部が行なわれていることを考え合わせてみますと、どうお考えになりますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 警察はやはり合併をいたしますと、新しい県の公安委員会のもとに警察本部以下のものが組織される、こういうことに相なると思います。方面本部とかそういうものは北海道には確かにございますが、この合併特例法におきましてはそういうような組織は規定をいたしておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 教育行政ですが、広域化することによって県教育委員会が扱う学校数というのは膨大になりますね。たとえば東海三県と阪奈和三県の現状を調べて見ましても、岐阜、愛知、三重で小学校千七百九十一、中学校七百九十九、高校三百八、計二千八百九十八。それから阪奈和の場合、大阪、奈良、和歌山で小学校千三百七十七、中学校六百二、高校二百八十六、計二千二百六十五です。東京でさえ——東京でさえという言い方は悪いですが、小学校千百二十八、中学校七百十一でしかないことを考えますと、ますますきめのこまかい教育が不可能となって画一化が進むということになりはしませんか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 義務教育につきましては、義務教育の施設の面、その他の管理は市町村で行なうわけでございますが、教育関係の、教科内容の指導でございますとか、あるいは義務教育職員の人事の取り扱いその他というのは府県が当然行なっておるわけでございまして、そういう意味で、学校数が非常に多くなるということは、そのとおり三つのものがプラスになるわけでございますから多くなるわけでございますが、人事の取り扱いその他が非常に粗漏になる、あるいは教育、あるいは教科内容の指導とか、そういう指導上の問題がおろそかになるかということは、これはそういう関係の要員というものが必要な数がいま整っておると思いますけれども、そういうものを合併によって非常に少なくしますとか、あるいは不十分な体制をとるとかいうことになれば、そういう問題が出てくるということが起こる心配というのはもちろんございますが、もちろん、合併をいたしました場合に、別の面で、水準が一定になっていくというようなことは、これは効果としてむしろ考えらるべきものじゃなかろうか。義務教育の水準なんというものも、高い水準を当然に指向していくべきものが、府県によって、府県のいろんな財政力、あるいは行政力の差によりまして水準の低いところがかりにあるといたしますと、そういうものの水準が合併の結果高められていくということになれば、むしろそれは望ましいことであるというふうに考えられます。だから、取り扱いの仕組み、あるいは今後の扱い方を全体ひっくるめて問題にしなければならぬのじゃないだろうか、こう思うわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは私はたいへんなことになると実は思うので、この点も実は論議を深めなければならないと思いますし、たいへん不用意に、そんなことを考えずに、この前の答弁のときも思ったのですが、警察や教育ということをほとんど考えに入れずに都道府県合併特例法というものができている感じがどうしてもせざるを得ません。そういう意味からも、やはりこの法律案についてたいへんな、提案される以前の準備の段階で必需要件を欠いている、そう思いますが、もう一つ、たとえば公共事業なんかも考えてみると、公共事業の実施というのは県の重要な仕事の一つですが、たとえば四十二年度の実績で、行政投資について見てみましたら、東海三県の場合に、投資総額が二千九百四十——単位は億ですが、その中で国費が千二百五十、県費が七百十八、それから市町村費、これは別ですが、九百七十二億、あるいは阪奈和の場合に投資総額が三千九百八十一、うち国費が千三百二十九、県費が一千十二、そして市町村費は全体として千六百三十九、こういう状態なんですがね。この従来どおりの投資額比率を保ち得るとお考えになっているのかどうなのか。または、県会議員の選出が、これは前にも問題になりましたから重複を避けますけれども、東海三県なら愛知に、あるいは阪奈和三県だったら大阪に片寄るということとも関連して区域、地域格差は拡大するということをどんなに考えてみても考えざるを得ません。その点いかがですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) この合併に伴いましては、この法律にも書いておりますように、合併計画というようなものがあるわけでございます。やはり新しい県としての建設の目標といいますか、経営の目標というものは、当然合併に際して一番大きな問題になるわけでございます。そこで新府県というものの一体性を確保するというようなことは当然一つの問題でございましょうし、また、行政水準に差があります場合には、その差を縮めるといいますか、あるいは行政の格差を解消するといいますか、そういうことの努力もしていくということは当然のことでございます。全体として合併して強化された行財政能力というものを背景にいたしまして、総合的に行政をさらに合理的に進めていくということを基本にした合併計画というものが立てられることは当然だと思うのであります。しかも同時に、合併に伴って新府県の一体性を保ちますためには相当大きな、大規模な公共投資というものも当然予想をされることに私どもはなると思います。新しい合併の需要に伴う考え方というものも出てくることでございまして、そういうことから言いますと、私は、合併をしていままでの公共投資額というものが確保されるということだけでは足りないのでありまして、むしろ、新府県の建設に必要な限りにおきましては公共投資を伸ばしていくという方向で考えなけれりゃならない。またしかし、それが直ちに合併して、とたんに全部の水準を一定にするということは実際問題として困難が伴うと思います。したがいまして、ある一定の猶予期間といいますか、たとえば大きな市との合併におきましても、タッチ・ゾーン方式とかいろんな方式を言っておりますが、そういうことを言いながらも、結局は一つの水準に向かって格差を解消していくということになるので、むしろそれを逆に格差をふやす方向へいくというふうには私どもは考えないのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 全く苦しい答弁だろうと思うんですがね。国と市町村とのたとえば連絡調整という問題及び市町村指導というのも県の重要な仕事でしょう。ところが、東海三県に例をとってみると、二百六十の市町村を県の地方課がかかえ込むことになるわけですよ。これではスパン・オブ・コントロールがききませんから、市町村合併が強要される結果になるんでしょう。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) この合併によって直ちに市町村合併が必然的に伴わなければならないと考えておりません。ただ、府県の合併ということによる一つの効果としての府県が広域化していく、そして市町村にも力をつけるという方向で、市町村の区域の合理化のできますところは、これは常時ふだん、合併といなとにかかわらず、広域化することが市町村の自治能力を強化するという面でも適当であり、関係のところでその点での理解がいきますところがありますれば、それは区域の再編成ということをそのときそのときに考えていくということにはそれは相なるだろうと思いますが、合併いたしましたから直ちに市町村合併を強行しなければならないというふうには考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 一貫していま何か自発性を尊重されるようなことを言われておりますけれども、どうせ指導をされるわけですから、いま言ったような形で、たいへん広大な市町村、たくさんの数の市町村をかかえ込んで、そこに指導が行なわれないということは、これこそ行政の常識として考えられない。やはりねらいはそれぞれ、ずっと御答弁いただいていると明らかになってきているのです。また、県の役割りには一ぱいありますが、たとえば、その役割りの一つには、特に農村部に対する補完行政ということがある。区域の拡大ということを考えてみますと、これらの行政の後退を意味すると指摘せざるを得ません。たとえば三重県の紀和町は県庁の所在地から片道六時間かかります。岐阜県の白川村にしても県庁の所在地から片道十時間もかかるわけです。各県ではブロックをつくって、そこに地方事務所ないしは出先機関を設けておりますけれども、ブロックごとに総合的に行政を行なうことは現状でも困難なんですよ。ましてや合併でもしたら一そう総合行政というものは後退をする。そういうことになるじゃありませんか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 市町村との連絡は距離が遠くなればそれだけ困難になるのではないか、近ければそれだけたやすいのではないか、こういう御議論は私は全部それがそんなことはないということを申し上げるつもりはありません。やはり距離が遠くなれば遠くなるだけの不便というものはあるということは考えられますが、いまの例を取り上げては恐縮でございますが、それは八時間のところが九時間になるかもしれません。九時間のところは十時間にということになればなるようなことには相なりますが、最近の交通通信手段というものもいろいろと進歩を遂げておりますし、いろんな方法での連絡なり情報の伝達というのはこれは可能でございますが、それと同時に、やはりそういう面での市町村の補完行政については、それは合併府県としては確かに従来と変わった考え方といいますか、特に一そうそれに意を用いまして、連絡なり調整なり補完なりに遺憾のないようにする努力が要請されるということは、これは御指摘のとおりだろうと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 答弁、たいへん不満だし、その答弁聞いておっても、ますます都道府県合併なんという法律案の必要性は感じなくなるばかりでありますし、答弁されるほうも、何のためにこの法律案を出したんだろうという気持ちにだんだんおなりになっているのではないかと思うので、いっそのことこの法律案取り下げられたほうがいいのではないかという感じがするのですが、そうすれば終わりますよね。  逐条で二、三お聞きをいたしますが、第一条ですね、ここで言う「都道府県の能力の充実強化」ということですが、自治体としての都道府県が強化されるということは、県民の自治意識と、それに裏づけられた政治的統合の問題であって、それはむしろ人口、面積の拡大と反比例の関係にあるのではないでしょうか。また、都道府県の能力の充実強化は、行政事務の再配分、財源強化によって国の権限が委譲されることによってなされるのではないか、いかがですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) まあ、面積が小さければ小さいほど、規模が小さければ小さいほど能力があるというふうには私は思いません。昔から一本の矢より三本の矢のほうが力が強いというたとえ話もあるわけでございまして、そういう意味で、合併というものも、単に合併前の府県の力をそのまま足したという以上の力がそれによって生ずるということが当然考えられるものだと思うのです。その意味で府県の能力の充実強化という問題につきましては、一足す一が二だから、一と一でも同じだという議論では私はないのでありまして、やはり合併の効果というのは、そういう意味で、行政的には組織なり施設なりというものを合理的に再配置をし、統廃合をやっていくということによって行政的な効果というものをより生み出していく、あるいはまた、行政の考え方の基礎というものが、非常に広域的な区域において合理的に考える、これはだれかということを申し上げるのははばかりますが、ある県とある県、いま合併のことが問題になっているところでの話を私はじかに聞いたことがございますけれども、かりにそれらが一つであったらいままでのような計画なり行政処理というものは起こらなかったであろう。もっと二つを一体にして合理的なことが行なわれたはずだということをしみじみ申されておった話を聞いておりましたが、やはり合併というものはそういう効果を持っておると私は思っております。同時に、そういうことのみならず、国の出先機関の統廃合、あるいはまた公共的諸団体の統廃合というような社会経済的な諸関係におきますところの合理化というものも同時に進められていくわけでございます。もちろん、統合されることだけがよろしいんだということを強調し過ぎてはいけないと思いますけれども、そういうことの合理的な合併による効果というものがやはり能力の充実になり、また人的組織というものも非常に厚くなっていくということも県の行政能力という点に非常に有力なものである。たとえば、いまの府県で農事試験場その他というものはどこの県でも同じようなものを置いておって同じような研究をいたしておる。極端に言えば、そういう傾向にございます。これをそれぞれ専門的に深く掘り下げていくような機能分担というものを考えていくというようなことは、やはり県行政の面でも非常に合理化を進めていく効果のある問題として考えていくことができる一つの例だと思いますけれども、そういうようにいたしまして、行政的にも技術的にも財政的にも強化されていく土台というものはつくっていくことができる。これは間違いないところだろうと思うのでございます。そういう意味で、さらに、もちろんその上には、この合併ということに対応いたしまして国の協力、あるいは事務、あるいは財源の移譲というようなことの処置が伴うということを考えていく機会を与えるようなときにも絶対なっていく、こう私ども考えているわけでありますが、そういうことになってまいりますければ、さらにそういう意味の能力の充実強化ということに資していくべきではないかというふうに思っているわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いよいよ法律は必要じゃなくなってきて、最初の答弁からずんずんこれ変なところに行ってしまって、そうすると、そのことだけでまたもとからやり直さないとどうにもならなくなってきて……。委員長とうちの理事との話の時間がだんだん迫るし、結果的には、やっぱりどうしても総合的に考えると、全く、賢明な行政局長、もう法律は要らぬという心境になられた感じですね。もうこの法律要らぬという心境ですよ、いま言われたようなことはですね。たとえば「効率的な行政」って第一条にありますと言いますが、この行政投資というものが、地方各省庁のセクショナリズムによって他の行政との総合が行なわれずに、非常にむだが多くなっていることについて先ほど来指摘をしました。大都市において、たとえば一級河川管理は建設省ですが、下水道や沿岸の工場規制等の総合が行なわれていないために、はかり知れないむだが生じていること。一昨日来、各省の官房長呼んでずいぶん私自治省に協力した質問をやっておったんですが、そういう意味では時間制限されるほうが間違いなんで、自治省のためにずいぶん各省庁から有利な答弁引きずり出したつもりなんだけれども、もっとやっておかなければいかんと思うのですが、その点、一体大臣、どうお考えになりますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 私は、先ほど申しましたとおり、自治能力の拡充強化という問題は、これはやはり府県合併ができたからすぐあらわれるということじゃなくて、やはり基本的な問題は、先ほどもお答えしましたように、各官庁の、端的に言うと、なわ張り争いというようなものが続いております。これが非常に国全体の行政機構としてもこれはまことに考えなければならないし、したがって、行政改革の声がいま強いのであります。私どもは絶えず、ことにこの自治能力というものを上げたいという立場から主張し続けております。この点は私は和田さんの御意見に全く同感であります、それを持っていきます前に、やはり私は決して、これはつけ加えた意見を言うんじゃございませんが、やはり自治能力というものは、みずからもやはり力を持って国の行政の圧力というものを排撃するというようなことをすることも、自分のかまえというものも必要である。現在広域行政というものが、これは必要性を認めなければならないと思いますが、この意味からいたしましても、やはりその都道府県におきましては自然的や経済的その他の理由において、一体化するところは一体化して、やはりそのものの力をつけていくということは私は必要なことじゃないかと、そういうことで、この間原田さんの御質問のときも、私はこれを別にこの府県合併から起こすんじゃございませんが、一つの力になっていくんじゃないか、そう言うのは、御承知のとおり、理屈ばかり言ったっても、なかなか長い間の因習といいますか、私は端的に因習ということばを使いたいほどまだなかなか残っております。こういうものを打破していくためには、やはり自治体もおのずからいろんな体制を変えまして、やはり実態に沿うたものを持っていけばいい。こういう意味で、府県合併を、いまこの法律を出す必要はないんじゃないかという御意見がございますが、私はこういう道を開いておく。先ほど行政局長が申しましたとおり、国のサイドにおいて、支配的な指導的な立場でなくて、みずからそこに地域住民いわゆる地方団体が、自分たちが一緒になってやったほうが力がつくんだということになりますれば、その道を開くのは私は非常に合理性があると、こう考えておりまして、それとは別でございますが、いまの地方自治の権限の拡充という問題は、これはもう当然やっていかなければならぬ問題である、こう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 効率的な行政という観点からは、第十条にもかかわらず、長期的に見れば人件費の削減のみに結果するのではないでしょうか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 先ほど申し上げましたように、合併によりましていまの府県がそれぞれのかまえで行なっておりますものを強化し充実していくという効果というものは、これは無視することのできない力だと思うのでありまして、そういう意味で、人件費の削減ということではなくて、むしろ府県の機能をそれぞれ専門的に充実していくという効果が私どもは非常に大きいと思うのであります。また同時に、国の出先機関等につきましても、府県を単位としておりますところの出先機関というようなものは当然に統廃合をしていくということに相なるわけであります。そういうことによりまして、その際に府県との事務の分担なり調整なりということは当然に考えて、これを広域府県というものに適合するように直していくということは考えていかなきゃならない問題であります。また、社会的に考えましても、いろんな施設なり機能なりあるいは職域団体なりそういうものも、大きな単位におきまして、そういう県の行政面におきますところの合理化と同じような合理化がはかられていくということは非常に大きな利益だと思うのでございます。そういう意味で、この法律に書いておりますように、十条にもかかわらずというお話がございましたが、十条には大いにかかわるのでありまして、むしろ府県としてもまだ十分行政の手当てができてない面がたくさんあるわけです。人的な面でもその点はたくさんございますが、そういうものをやはり強化していくということが府県の行政能力というものを上げていくということには当然になっていくと考えてよろしいと思うのであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 疑問ですね。第二条で「合併関係都道府県間の格差の是正に寄与することができるように配慮されなければならない。」、とありますが、いわゆるこの自主合併方式は、現在すでに存在をしている府県間の格差を増大する結果を生むのではないでしょうか。したがって、この配慮は一部にでも合併する条件が整ったならば他に普及させるということにあらわれるのではないでしょうか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方制度調査会の答申でもその点についても触れておりますが、新しく合併をした府県と未合併府県と申しますか、旧来の府県との間には格差ができやしないかという問題がある。しかし、その点については、合併をした府県があるから、未合併府県を悪化させるということはないということも言っておりまして、同時に、未合併府県についての問題はやはり別個にそういう府県についての措置というものを考えていくべきだということも、地方制度調査会の答申では指摘をしておるのでございます。一つ、あるところが合併をしたから、その波及なり関連なりにおきまして、当然に他の府県も合併を迫られるというようなことを考えておるわけではもちろんございません。しかしながら、逆に、ある府県が合併をいたしますと、それに隣接するようなところが同じような規模をとりたいということで、自主的にそういう合併が進んでいくということであれば、これは避ける必要はごうもないわけでございます。そういうことの結果、府県間の格差が是正できるということであれば、これはそれ自身望ましいことであり、またこの法律が目的としておるところであるとも言えると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 第四条ですね、あなたのお書きになった「逐条地方自治法」によって地方自治法第六条第一項の解釈を見てみたのであります。「都道府県の廃置分合又は境界変更は、国家全般の政治行政上に重大な影響を及ぼすものであるので法律によってのみ行い得ることとせられている。この法律は憲法第九十五条にいう「一の地方公共団体のみに適用される特別法」となるものと解される。」、とあるわけです。一方、宮澤俊義さんの「注解日本国憲法」によりますと、それは特定の地方公共団体のみに適用される法律ではあるが、一般的な制度の存在を前提とする特別法の観念には該当せず、また地方公共団体そのものの全部または一部の創設廃止の問題であり、これも憲法第九十五条の特別法に該当しないとなっております。その点についてはどのように考え、あなたの考え方の正当性について御説明を願います。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) これは私の考えと申しますより、むしろ宮澤先生は確かにそういう御解釈をとっておられるわけでありますが、現在行なわれております多くの学説と申しますか、御見解によりますと、やはりこれは憲法九十五条の特別法に該当するというお考えだと私どもはそのように理解をいたしております。問題は、宮澤先生のおっしゃるような議論も確かにあるわけでありまして、地方自治特別法というか、つまり憲法九十五条が考えておりますのは、他の一般的な制度ではなくて、特定の地方団体に一般的な取り扱いと違った取り扱いをするということが、国が法律でそれを強行するということになれば、地方自治の利益というものを害するおそれがある。つまり、そういう意味で、地方自治を尊重する、また同時に、地方自治の平等性といいますか、平等に扱われる自治の保障を害するおそれがある、あるいはまた地方の自主性を害するおそれがある。同じことになるかもしれませんが、そういうようなおそれのあるものが国法によって特定の地方団体のみにしいられるという結果になることは、これは地方自治の本旨を害するから、したがって、そういう場合には住民の一般投票というもので、過半数の同意を得なければ国が法律としても制定することができないという考え方でございます。その点は確かに現在の地方自治法第六条の府県の境界変更なり廃置分合という規定は一般的な制度でございます。つまり、形式的に申しますと、どの地方団体、府県が合併するに際しましても個別な法律を用いなければならない。特定の府県についてはこの法律を用い、それ以外のものはこの法律を用いないということは現行法ではできないから、したがって、他との取り扱いが違うということではないのじゃないかという御見解を宮澤先生はとっております。しかしながら、法制局の見解も含めて、現在の地方自治法の六条というのは、その個別の合併法というものが国会で制定される場合には、九十五条の特別法だという多くの見解がとられておりますので、私もそういう見解に従っているわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはたいへん議論のあるところですし、私は行政局長とは違った考え方、むしろ宮澤教授の考え方を正しいものと考えますが、約束の時間ですから次に進みます。  第五条の第四項ですね。「都道府県合併計画を添え、自治大臣を経由して」云々、あるいはまた、「内閣総理大臣は、その申請に基づき、国会の議決を経て」云々、その場合、都道府県合併計画は単なる添えものでありますか、そうでない、重要性をもつものであるならば、自治大臣がそれに意見を述べたり、変更させたりできるのでなければ実に変なもんだと、こう思うんですが、その点大臣、どうなんですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) この府県の合併計画につきましては、第六条に規定しておりますように、関係都道府県が協議によりまして合併計画を定める。その合併計画は、第三項によりまして、その定めるにあたっての協議した結果につきましては関係の都道府県の議会の議決を経なきゃならない。言ってみますと、これは一種の行政上の協定と申しますか、合併前の関係府県におけるところの一種の協定でございます。この合併計画というものは当然府県が合併をいたします際に、その前提条件といいますか、そういう協議がととのわない限り府県の合併ということはあり得ないというほど基本的に重要性を持っておるものと私ども思いますが、これはしかし、もっぱら関係府県の協議にゆだねられておるということでございまして、そういう意味では、合併の申請をいたします場合には、合併計画はでき上がりました行政協定でございますけれども、それを添えるということにはなっておりますが、その変更なり何なりということについて自治大臣なり内閣総理大臣が関与するということはございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、第五項との関係であれしてみますが、たとえば内閣総理大臣は合併関係府県の申請に基づくとは言いながら、国会に議案として審議にかけるわけですね。議決を経る以上は、そこに総理大臣としての政治的判断が介入する余地がいまの答弁ではないことになりますね。そういうことで自治大臣いいわけですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) もちろん府県の合併の申請がありました場合に、総理大臣はその申請に基づいて国会に提案をいたすわけでございますけれども、総理大臣としてその合併が適当でないというようなことがかりにございました場合には、総理大臣として当然に提出しなければならないという義務を負っているわけではございません。そこでそういう非常に不適当な——これはちょっと考えられないわけでございますけれども、府県同士においては非常に一致した、しかし、国家的立場から言ってこの合併は非常に不適当であるというようなことがかりにもせよあるといたしますならば、そういう意味では総理大臣が当然に国会の議決に付さなければならないという義務は私は負わないと思っております。しかし、現実問題といたしまして、一体そういう事態が予想されるかということになりますと、現在市町村の合併につきましても同じような手続をとっておるわけでございまして、府県の考え方と市町村の考え方とで非常に意見が食い違ってしまって、そういう申請がそのまま認められなかったというような事例というものは私はまずほとんどないと考えております。と申しますのは、やはり府県は府県独自の考え方で合併を行ない、市町村は市町村独自の考え方で合併を行なうということではございましても、結局は、合併問題というものはその地方団体にとっては大きな問題でございますから、各方面の意見というものを参考にしながら合併というものを進めていくということはもうこれは当然なことである。もちろん、その間に住民の意向というものも十分確かめながら、合併の功罪というものは論議を重ねた上で結論が出ていくわけでございますから、そういう意味で、合併の話がととのうということになります場合には、事実問題としてはまあ政府関係の考え方あるいは地方団体間の考え方というものはおおむね一致した考え方になるということは事実問題としては予想されるだろうと思います。現在の市町村の合併も同じようなかっこうで円滑に進んでおるというふうに思っておりますから、同じような状況は府県であれば一そうそういう配慮というものはされる、だろうと期待はいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、やっぱり総理大臣に判断の基準があるということになりますね。基準がなければならぬわけでしょう。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 基準と申しますか、まあお話しの意味は、これがいいとか悪いとかいう判断をすることがあるだろうという——それはもちろん総理大臣としては全体の国政の責任者として当然責任を持って国会に議案を出していただくわけでございますから、もちろん、御判断があり、その御判断とも一致するということでなければならぬだろうと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると大臣、この法律案を提案されるまでの討論の過程で、いま言ったような場合の判断の基準というものはどこに置かれたわけですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 判断の基準をどこに置くかということでございますが、私はこの法律案から考えて、自主的な合併を欲するのでございます。さらに、この府県合併を国としてもこれを尊重し、そしてやる場合においてはこれは正しい合併の手続をとってきた。それで総理大臣にこれを申請する。総理大臣がこれに基づいて告示するということではなくて、やはり国会の議決を経て総理大臣がこれを告示するということは、やはり私は自治体を尊重するというたてまえとしてば私は当然のことではないかと思っております。したがって、この法律から申しまして、いま局長が、総理大臣がいろいろこれに対するところの、何と申しますか、内容についてのいろいろの干渉があるとかないとかということでございますが、私は、自主合併の方式がいわゆるきわめて民主的に行われ、そして合併府県の意思を統一した手続をやっておるということが出てまいりますと、自治大臣としては経由する機関でございますから総理に持っていくのでございますが、私は総理はこれに対して、かりに異議を申し立てるとかなんとかということがあるかもしれませんが、私はこの法のたてまえからして、あくまでも自主合併ということを尊重する以上は、この法律の精神から言っても、総理大臣はそれを尊重して国会にかける。総理大臣としては自分が申請を受けたからすぐ告示するというんでなくて、重ねてこの合併の案というものをやはり国の全体に関連いたしますから国会にこれを提案する、こういうことでございまして、それがいままであるとかないとかということじゃなくて、一応私を、自治大臣を経由してきた場合は、総理はそのまま一応国会に提案される、こう考えております。したがって、いまお話しの非常な疑義があると、たとえば、手続上不法があるとか、こういう場合は、これはまた別な政治的な意味でございます。不法があったものを認めて総理が提案するということは、これは行政の最高責任者としてなかなか容易ならぬことでございますが、これが合法的に出た場合は、私はそこにチェックする考え方はない。しかし、いま申しましたとおり、やはり手続上においても欠けるところがあるとか、あるいは疑わしき点があるという場合には、これは総理大臣といたしまして国会に提案する場合にどういう措置をとりますか知りませんが、総理大臣の考え方によってこれはその際の判断をすると、こういうことがいまの行政局長の答弁の内容じゃないかと私は思いますから、一応また事務当局がもっと、この法案を作成した手続上のこととか、各省の関係もわかっておりますから、御説明申し上げます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと違うんじゃないですかね、行政局長。いまの答弁のまま承っておいていいんですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) さいぜん私が申し上げましたのは、法律的な、純法律的に言いますと、総理大臣といたしまして、絶対にトンネルなのかということであれば、この法律は絶対トンネルだということは書いてないわけでございます。総理大臣としてどうしてもこの合併というものに——大臣のおっしゃいましたのは、その意味では非常にごりっぱなことでありますが、少なくとも手続に違法がある、これはいかぬと、これは私は当然だと思いますが、同時に、内容についてどうだと。内容については絶対にいかぬということは書いてない、法律的には。ただし、いま大臣からお話しございましたように、合併の基本というような、ものの考え方ははっきりしておりますから、そういうもので出てくる限り、府県合併というものについて総理大臣がこれを拒否するというようなことは、これはもう現在の町村合併でもそういうことはないと同じように、ないというふうに考えていいのじゃないだろうかと思っております。そういう意味で、法律的には総理大臣は全くのトンネルであるということを書いておるわけではないという意味で申し上げたのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治大臣の答弁のまま、そこでとまっておれば、実は理解できるんですよ。大臣の答弁のほうがすなおだし、それで私はある意味では理解できるわけですが、いま言われたとおり、トンネルじゃないというのが本音だと思うんですよ。やっぱり総理大臣が政治的な判断をする余地がないんだということには私もならぬと思うものだから聞いたんですがね。そうすると、政治的な判断をするという場合は——私はこの法律案に反対ですからそもそも問題にならないにしても、まあ法律ができ上がった場合に、やっぱり一定の判断の基準というものがないと、常識的に、いけないんじゃないですか。それがやっぱりいまの抽象的な形じゃなくて、トンネルじゃないんだというだけじゃなくて、もしチェックをしなければならないとすれば、その基準は何なのかということは当然問題になりませんか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 大臣のおっしゃいましたとおり、自主的な合併でございますし、その合併の基本というものはこの条文にもはっきりしておるわけであります。そういうことで、自主的な手続に従って合併が行なわれたということであれば、総理大臣がチェックをするという余地はまずないというふうに考えて私はいいんだと思います。ただ、法律上これは絶対にチェックを禁止しておるという条文なのかというお話のように承りましたので、それはそうじゃない、し得る場合がある、しかし、それはいかなる場合かといえば、まずほとんどないということにならざるを得ぬのじゃないかと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 答弁としては名答弁ですけれども、そんなことでいいわけですかね。いろいろの政党が存在をするわけだし、いま多数党の皆さんがある意味では歯牙にもかけていないような政党だって地方分権の中心になっていく可能性なんていうことはたくさん存在していますからね。そういういろいろなことを考えて、全く抽象的にここの部分をのがしてしまうわけにはいかぬような気がするんです。野田大臣の勢力が地方の議会で多数勢力になり、あるいはその政治の中心の首長たちがどういう政治勢力を代表するものになるかということは、これは地方自治の問題ですから、そういう点をいろいろ考えてみますと、やはり明確な政治的な判断の基準というものが示されていなければならない。基準というものを将来にわたっても指導上もお示しになるおつもりは、それじゃないわけですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 判断の基準と申しますものは、つまり、おっしゃいますような意味もあるかもしれませんが、一条、二条の考え方というものが判断の基準で言えば基準であるということしかないのではなかろうかと思いますし、手続が正確に行なわれてまいりました場合には、それが当然に合併ができないということになるとは私どもは全く予想をしていないところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先に進みますが、そこでこの「内閣総理大臣は、その申請に基づき、国会の議決を経て」云々ということになるわけですが、形は議案であるにしても、実質は法律的な効果をそこですでに持つわけですから、憲法上の特別法として扱われないのは、ある意味ではおかしいということに逆に言えばなってきますね。そういうことになりませんか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 先ほども申し上げますように、憲法九十五条との関係におきましては地方自治特別法ということであるがゆえに一般投票にかかるということでなければ法律にならないわけでございますが、その理由は、やはり国が法律として取り上げるということでございまして、発議権は全く国にあるということでございますが、この合併の手続の場合には当然に発議権が国にあるということではないのでございます。つまり、それは府県の議会の議決を経ますか、あるいは、そういう絶対多数の賛成がない場合には住民投票によって過半数の賛成を得たものか、いずれかでございましょうが、そういうことで地方の発意によって申請が出てくる。その申請がなければ発議はできないわけでございますから、合併のイニシアチブは全く地方にあるわけでございます。地方にあり、地方の利益のために合併をするということでございますから、その発議をすることが、国会の議決を経るからといいましても、全くその発議の態様というものと実質は違っておるわけでございます。したがいまして、そういう意味では、地方自治特別法とは全く性質が違うものと私どもは考えております。地方の発議がありましたものを、また地方で何かそれが地方の利益を害するおそれがあるからもう一ぺん住民投票にかけるということになると、これはロジックの矛盾になってしまうようにも思われますし、そういう趣旨が全くここでは二重にとらなきゃならないということでは、かえっておかしい——と言っては言い過ぎかもしれませんが、そういうわけでございますので、この国会の議決を経て定められます府県の合併について、さらに住民投票というものは要らないものだと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこなんですよね。内閣総理大臣は全くのトンネルではない。起こり得ないだろうけれども、トンネルではない、議案として内閣総理大臣はみずからの意見もまさにそのことについて合意するがゆえに発議をする、そして法律効果が生まれるということになれば、憲法九十五条にいうところの住民投票は必然化をしなければならない、これはもう筋通っていませんか。ロジックが合わないということにならぬじゃないですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) おっしゃいますように、国会に出すというところからお考えになりますと、法律じゃないが、これは国会の議決だけれども実際上同じじゃないかという、形式論と申しては失礼かもしれませんが、形式論というものはあり得ると思いますが、しかし、憲法九十五条との関係におきます意味では、私は全く違うものであるというふうに思います。憲法九十五条は国の、そう言っては語弊がありますけれども、一方的な意思によって一般的な取り扱いと違った取り扱いを特定の地方団体に対して行なう、そのために地方自治を阻害するなり、あるいは地方自治の平等扱いというものを阻害するというおそれがあるから、そのままでは法律にしてはいけないので、したがって、その関係地方団体の住民の投票を得なければならない、こういうことでございますが、この合併の申請はむしろ地方自治の側からぜひ合併したいということで申請が出てくるわけでございます。その申請に基づいて総理大臣は合併の議案を国会に出すわけでございます。これは国のサイドから考えたわけではございませんので、実質的にも内容的にも地方のサイド、地方の発意、地方の要望に基づいて合併の議案として国会に出すわけでございますから、そういう意味では地方の利益になるということが確信されているがゆえに合併ということが出てくるわけでございまして、憲法九十五条のように、地方の利益をそこなうおそれなんていうものはその当該団体については全くないと考えなければならない、また考えるのがすなおな考え方ではないか。そういたしますと、形式的に国会に出してからのところだけお考えになりますと、特別法的なものに近いじゃないかというお話もそれはあると思います。しかし、実質と内容は全く違うものであるというふうに考えるのがすなおな考え方だと思うのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実質的な内容というのは、しかし私はある意味では一緒だと思うのですよ。住民の意思、地方の意思、そこに該当するところの法律を国のサイドから出すにしたって、やはり全くそこの意向というものが無視された法律の作業というものはあり得ないだろうと思う。ただ問題は、その手続が書かれたか書かれていないかの違いだというふうに考えれば、やっぱり形式論理的には私が言っていることの発想というものは当然成り立つわけです。逆の意味じゃ国のサイドから出されるもの、たとえば沖縄の現状を考えれば、沖縄というのは憲法九十五条に全く吉田内閣は違反をしたままの形でああいうことをやったのですからそういうことをやっぱり逆の意味で考えていって住民投票というものは最後にはやっぱり住民がほんとうにこの法律というものを認知するかどうかという意味で必要なものだということは、当然論理としては決して矛盾したものじゃなくて成り立つと思います。意見が分かれるところですから、この辺でやめておきます。  それじゃ二十条へ進みましょう。カッコの中の「第二号を除く。」、「第四号を除く。」というのは、一体なぜですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 自治法の百八十条の五、第一項二号は、ここを除いているわけでございますが、これは選挙管理委員会の関係の規定でございます。選挙管理委員会の関係につきましては、合併に伴いましての手続が別にあるわけでございます。そこで、その関係をここで重複させる必要がないということでございます。  それから第二項の四号は海区漁業調整委員会の規定、これは海区ごとにおきまして合併には直接関係がありません。そういう意味でこの関係の規定を除いたのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その問題の地方自治法の施行令第四条のほうですがね、それは根拠を地方自治法にいま言われたことを持っていますか、それとも憲法七十三条の第六項に基づく一般的政令ですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方自治法の施行令は地方自治法に基づく政令でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方自治法の二百五十五条でございますが、「この法律に規定するものを除く外、第六条第一項及び第二項並びに第七条第一項及び第三項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。」という規定が二百五十五条、地方自治法の中にございまして、この関係においての政令でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これはやっぱり自治大臣、最後に、総括的に申し上げる時間がなくなりましたけれども、大体区域、区域の問題、いわゆる自治を中心とする区域の問題と広域行政と府県合併の問題、各条の問題との関係でいろいろ述べてきましたが、結論としては御答弁が満足するわけにはいきませんでした、残念ながら。そしてこの特例法が意味するところのものを十分理解をすることがそういう意味でできませんでした。そして答弁をされる側も、総括的に言えば建設大臣はその行政の責任ある立場からこの法律案の緊急性を認められませんでした。しかし、広域行政の責任ある官庁としての経済企画庁も明確にされましたように、都道府県の合併というものの緊急性というものをお認めになりませんでした。したがって、私はこの法律案全体を、そのつど申し上げてきましたけれども、やはり自治省の側としてはもう少しやっぱり検討する余地があるのではないか、そういう意味でお下げになったほうがいいと、こういうふうに残念ながら考えざるを得ません。この辺で一応、まだ残っておりますけれども、やめたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) 本案の審査は、本日はこの程度にいたします。     —————————————

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) 次に、地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより補足説明を聴取いたします。長野行政局長。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方公務員法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の説明を補足いたしまして簡単に御説明を申し上げさせていただきます。  この法律案関係資料の中に法律案要綱というのがございますので、要綱に基づいて御説明を申し上げます。  第一は、定年退職者で再雇用されたものを特別職とするという規定でございまして、これは再雇用職員についての身分取り扱いを特別職にして取り扱うことが実態に即するという関係の規定でございます。  第二は、職員に関する離職の規定の整備をいたすのでございまして、現在、地方公務員法の上では職員の離職に関する統一的な規定がございません。そこで、職員の離職の態様を明らかにいたしますために、職員は次の場合に離職するという規定を新しく設けまして、分限免職、懲戒免職失職、定年退職、任期満了退職、辞職という規定を設けるのでございます。なお、これによりまして、提案理由説明にもございますように、定年退職というものが分限免職とはその範囲を異にするということも明らかになるわけでございます。  第三番目には、この離職の規定の整備に伴いまして、職員の離職の事由や手続、効果につきまして、は、法律に特別な定めがある場合を除きまして条例で定めるものとするということを明らかにいたすわけでございます。そういうことで、現在辞職あるいはその他の規定において事由なり手続、効果が必ずしも明確でないものがございますが、そういうものにつきましては条例をもってその手続、事由、効果というものを明らかにするということでございます。  第四番目には、地方公務員等共済組合法の一部改正でございまして、現に在職しております職員につきまして、定年退職によって退職しましたものを再雇用いたします場合におきましては、当分の間、この共済組合法の規定の適用にあたっては職員に該当しないものとする。つまりこの意味は、再雇用職員につきましては共済組合員でないということでございますから、年金なり一時金なりの支給を受けられるということに相なるわけでございます。しかしながら、その関係につきましては、現に在職する職員で定年退職後再雇用されたものに一応限定をして考えていくという特例にいたしたいということでこのような規定を加えることにいたしております。  その他の関係規定の整備と申します中では、その次でございますが、おもなものは義務教育関係の職員についての規定でございます。義務教育関係の職員につきましては、再雇用の場合に法律上はそれぞれの市町村の職員ということに義務教育職員はなっておりますから、再雇用ということを考えます場合には、そのやめた時点におきますところの市町村だけに再雇用されるということだけでは、これは実態に合いませんので、当該都道府県のいずれの市町村にも再雇用し得るようにいたしますために、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の関係の改正をいたしまして、読みかえの改正をいたしまして、読みかえ規定を置かしていただく、こういうことを考えているわけでございます。  簡単でございますが、補足説明をさしていただきます。

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 この法案の実質的審議にこれから入るわけでございます。この中に含まれている定年制の導入ということは、賛否非常なまあ論議を招いておるということは御承知のとおりでございますので、これらについてできるだけ真相をはっきりさせなきゃならぬというふうに思いますが、まずもって、私はごく簡単に申してこの定年制というものを地方公務員に実施せられた場合の利点、あるいはどうしてもこれを導入しなければならない理由、必要性と、こういうものについてひとつごくわかりやすいようにまず御説明を願いたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) この法案は、つまり定年制を必要とする自治団体では条例を設けることができるという定年制の道を開いたものでございます。現在の地方公務員の状態は、御承知のとおり三千幾つの多数の自治体でございますから、一律にはどうこうということは害えませんが、実情は相当高年齢の方がおられます。また従来、条例がしかれてなくても、勧奨退職という方法をとっていろいろな自治体でおのおの定年制に近い、まあ何と申しますか、実質の定年制というふうな方向に向かっております。それはすなわち基本的には行政の能力を引き上げる、それからできるだけ新陳代謝をして、つまりまあ活発な行政を推進すると、こういうことがねらいでございまして、これにはおのおのいま申します三千数百という自治体でございますから、これを一律にいろいろなことはきめられませんから、先ほど申しましたとおり、その各自治体の実情に応じて、もし必要があるという自治体は条例を設けて、その人事、まあいわゆる人事管理の推進をはかっていく、合理的に持っていくと、こういうことでございまして、これはあくまでもこの自治体の発意によってその定年制の道を開く、条例を設けることができるという趣旨でございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 公務員の問題は、まあ国家公務員も当然関係するが、地方公務員のほうをまずもってこういう規定を設ける、国家公務員についてはその必要がないのか、また、政府全体としまして地方公務員の定年と関連して国家公務員のことは将来どうするのだと、このままでよいのか、何かやるのかですね、そういうようなことについては政府のお考えはどういうふうでございましょうか。もしそのことが、自治大臣としてはお答えできないというなら、また適当な機会に担当の方からお聞きしてもよいのですが、その点に私ども疑問を持つわけであります。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 国家公務員の定年制につきましては、現在なお検討中ということでございまして、国家公務員の一般職員につきまして、いま直ちに定年制をしくという準備には至ってないようでございます。ただ、国家公務員につきましても、特定の職務に従事しております職員につきましては、現在も定年制はございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 この問題は局長のお答えになる問題でもありませんし、政府の担当大臣から次の機会にでもひとつこれからの見通し等についてはぜひ承らなければならぬと、こういうふうに思います。それで、その点はひとつ自治大臣から適当にお計らい願います。  今度の法律はこれは初めてでない、前にも両三回お出しになったことがありまして、今度は政府としてもよほどな決意を持ってこれをお出しになったと、こういうふうに思いまするし、また、熱意を持って対処する必要がある、いいかげんな態度では、これはなかなか進まないと、こういうふうに思いますので、前回の法文の書き方と今度の法案では規定のしかたが違う。これは何か時代の変遷によってお考えが変わったのかどうか、この点お聞きいたします。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) いま御指摘になりましたように、前回提案いたしました法案と今回の法案の内容が多少異なっておるのです。これは昭和三十一年に提案しました改正法案におきましては、公務員法の中に地方公共団体は条例で職員の定年制を定めることができるという条項を設けることによって、地方公共団体において条例で職員の定年制を設けることができる道を開くことを趣旨としたものでございます。しかしながら、現行の地方公務員法は、職員の身分変動の最も重要な態様である離職について、先ほど行政局長からも御説明申しておりましたが、統一的な規定がなくて、その運用に関しての疑義もありましたので、今回の法案は離職に関する規定の整備をはかりますために、離職の態様を明らかにいたしますとともに、その事由、手続及び効果については条例で定めようとすることによって、定年退職は分限免職とは別の離職の態様であることを明らかにいたしまして、地方公共団体は条例で定年退職の制度を採用することができることにしようとするものでございます。したがって、地方公共団体が必要に応じて条例で定年制を設ける道を開くものであるという限りにおきましては、さきの改正案の場合と異なるものではございません。

小林武治自由民主党

○小林武治君 この定年制の問題は、先ほどからお話があったように、国家公務員においては特定の職種しかやっておらぬ。しかし、民間においては多くの企業が採用しておる。これはいまの日本の雇用制が終身雇用制と年功序列型、そういうことになっているから、その職員の新陳代謝等も円滑を期する能率的な企業活動をしたい、こういうことでありますので、こういう制度の必要ということは私どもよく理解ができるのでございます。それについて地方公共団体が今度こういうことをやろうというのでございますが、これらは大体いまの民間企業、こういうものと同じような観点がおもな理由でおやりになる、こういうことでしょうか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) いま小林委員から御質問のありました民間企業の定年制の実態はよく御存じのとおりだと思っております。最近の労働省の調査によりましても、大体五百人以上の規模の事業所におきましては、その約九四、五%が定年制をしいております。まあ漸次それが各企業体も定年制に向いているのは御承知のとおりだと存じております。しかし、民間企業はこれも御承知のとおり、労働組合その他の話し合いによることでございますから、民間企業がやっているから地方公務員もすぐやるということでございませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、地方公務員の実態、やはり民間企業で定年制があるという、その手続、方法、その他は違いますが、一つの人事管理の方向としては、やはりそういうことも十分考えなくちゃならぬことだということで参考にいたしております。また、二面におきまして、先ほど局長が申しましたとおり、国家公務員につきましては、これは一般の定年制はつくっておりませんで、特別な職種によりましてはすでに法律によって定年制を設けておるものもございます。そういうことで、いわゆる今日の地方公務員の実態を考えました場合、これらいろいろのことを参酌しまして、この際、地方自治体の実情において、もしどうしても定年制を設けたいというような地方団体がありますれば、それにやはりいままで全然その道がなかったのでございますから、この際、条例でもってこれをできる道を開くということは非常に必要なことではないかと、こういう考えでこの案を提案した次第でございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 民間ではおもに能率を増進させるとか、あるいは新陳代謝を促進するとか、こういうことが言われることでありますが、地方公共団におきましては年功序列型のために給料が非常に高くなって財政の硬直を来たしておる、こういうことがだいぶ言われておりますが、その目的はどっちにあるとも、こういうことは言われないのでありますが、財政上の理由というものを大きく考えておる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 私といたしましては、財政上の理由というものはあまり強く考えておりません。やはり率直に申しますと、長いことおつとめになっている、そうしていろいろの地方財政の関係もございますから、給与体系においても長くおつとめになれば相当これは給与もいい、これがいままでのあれでございますから、かれこれ言うのではございませんが、やはり、つまり人事の刷新と申しますか、行政の能率化と申しますか、そういう意味におきまして、やはりできるだけ若い方とか、あるいは必要な、いままでつとめておられる方々に対しての給与も、別に高齢者の高い賃金をカットしてその財政を浮かそうという考えではなくして、それはやはりできるだけ待遇全体をよくするという考え方を持っております。それは地方団体が自由におやりになることでございますから、われわれはそういう指導をしたいということは考えておりません。それから財政上の都合でこの定年制を設けるという考えは自治省としては考えておりません。

小林武治自由民主党

○小林武治君 ひとつ、お調べ願ったものがあると思いますが、地方公務員の年齢構造ですね、こういうものは、六十歳以上が何人で何割か、六十五歳以上が何人で何割か、それから七十歳、こういうものがそこにあればひとつお知らせ願いたい。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) お答えいたします。  都道府県、市町村を通じまして、また一般行政職員あるいは警察、消防、教育、全職種を通じまして、昭和四十二年四月一日現在の数字でございますけれども、五十七歳以上の職員が六万九千八百八十五人でございます。この調査の時点におきまする地方公務員の総数は二百二十八万五千二百八十三人でございますので、ただいま申し上げました六万九千八百八十五人、五十七歳以上の職員は三・一%に当たります。それから六十歳以上の職員でございますが、六十歳以上の職員は約二万七千百五十一人ということでございます。一%余りということに相なります。七十歳以上の職員ということになりますというと、千五百六十七人でございまして、〇・一%、こういう数字になっております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 これは五十七歳以上というのは何か特別な事情があってお調べになったのですか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) 五十七歳以上のところの前に一つ落としておりまして、五十五歳以上の職員を申し上げるのを落としておりまして非常に失礼いたしました。五十五歳以上の職員が全体で十二万三千百七人でございまして、これは二百二十八万五千二百八十三人という公務員全体の数の五・四%でございます。五十七歳を申し上げましたのは五十五歳と六十歳との間の中間ということで便宜申し上げたのであります。

小林武治自由民主党

○小林武治君 公務員が全体の奉仕者だ、これはわかっておりますが、これについては労働基本権、こういうものがある程度制限を受けております。しかし、また一方においては、労働条件とか福利増進等についても規定ができております。しかし、さような制限を受けておる代償として、定年制を設けることはどうなのか、こういうふうな議論があるのでありますが、この点については地方公務員法制定当時にも何かと問題があったと、こういうふうに思っておるのでありますが、そういう定年制をこれにつくらなかったこと、こういうことについては格別な議論あるいは理由があってつくらなかったのかどうなのか。こういうことを伺っておきたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方公務員法を制定されましたときにおきましては、立法的には、定年制の問題というものについてこれを禁止するとか、あるいは廃止するとかいうことを考えるということではなくて、それについての何らの規定を設けなかったのだというふうに私どもは存じております。しかし、そういうことの結果といたしまして、公務員法の全体の考え方から、その意に反して退職させるというような場合には、やはり全体の考え方として、分限免職というようなことではなしにしても、法律による根拠が必要だというような考え方が行なわれまして、その結果、それまでに多くの地方団体におきまして条例で定年制を設けておりましたものが、公務員法施行とともに、そういう措置をすることは違法であるという考え方になってまいったのでございます。そういうことでございまして、立法的には私どもはそういう意図がなかったと思いますが、現在の解釈といたしましては、現行の地方公務員法のたてまえのもとにおきましては、そのままでは地方団体がそれを欲しましても定年制を設けるわけにはいかない、こういう考え方になっておると言ってよろしいと思うのでございます。その点につきまして、それはいろいろなこの団結権とか、争議行為を禁止したとか、労働権に制約があるという問題というわけではもちろんございませんので、もちろん定年制を設けるか設けないかということは、人事管理上の必要という問題でございます。争議行為の禁止その他の問題は、公務員の特殊な地位、いわゆる全体の奉仕者として公共の福祉に責任を負う公務員の立場というものからの、私どもは必要やむを得ない制約であろうと思っておりますから、そういう意味で争議行為等を禁止した代償として定年制を設けなかったのだということには相ならないと思いますけれども、現行の地方公務員法の解釈といたしましては、要するに、広い意味では分限に関する規定であるから、そういう意味で公務員法の立場として、法律に根拠がなければそういうことができないのだという解釈によって、条例で設けておりました定年制は設けることができない、こういうことに相なったと思っております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 新しい地方公務員法ができる前に、条例はみな相当に条例があったが、あれはもう自治省からいけないと、こういうふうな指導をしてやめさしたと、こういうことでございますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) そのとおりでございます。昭和二十六年であったかと記憶いたしますが、地方団体——佐賀県の総務部長でございましたか——から、当時ございました定年制というのが地方公務員法の第二十七条の第二項の規定、すなわち、職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して免職されることがない。この規定の解釈をめぐりまして、定年制について照会を求めてまいったわけでございます。それに対しまして自治省といたしましては、二十七条二項の解釈といたしまして、定年制の条例はこれに違反をするのでできないという行政実例を立てまして、その解釈をもって一貫してまいった。その結果、当時八百八十八の地方団体が定年制を持っておったわけでございますが、実施できなくなった、こういう歴史的な経過がございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 それで地方公務員の定年制の問題についてはいろいろ議論がある。たとえば職業選択の自由とか、あるいは勤労の権利とか、こういうものに反するというふうな議論もありますが、そういうことには絶対に抵触しない。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕 こういう確信を持って政府当局としてはおられるのか、こういうことを伺っておきたい。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 職業選択の自由でありますとか、憲法二十五条に規定しております、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるといういわゆる生存権でありますとか、そういうような問題、あるいはまた、憲法二十七条に規定する勤労の権利というような問題との関係というお尋ねでございますが、職業選択の自由といいますのは、国民が自己の従事すベき職業を決定する自由というものが確保されているということでございますし、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということにつきましては、国政としてそういう処理をするという政治的な基本姿勢といいますか、そういうことが国の責務であるということを明らかにしたものというふうに考えております。それから勤労の権利の関係につきましても、それが具体的に各人に対しまして各種の勤労の獲得の機会をすべて国民に保障するという考え方ではなくて、そのように国として努力すべきであるという考え方を明らかにしたものであって、もし国がそういうことができない場合には、失業保険とか、その他失業対策事業とかいうようなことで、国はそういうことの勤労獲得の機会を与えることにつとめるという考え方であろうと思うのでございます。そこで、定年制につきましては、定年制は、もちろん一定の年齢に職員が達しました場合には、その雇用関係を絶つということではございますけれども、単に雇用する機会というものを失わしめるということではございませんので、こういう関係の規定に直接触抵するというふうには全く考えておりません。

小林武治自由民主党

○小林武治君 政府当局がそういうことはないと、これはそういう確信を持っておられるということであればけっこうでありますが、民間の定年制というのは、多くはこれは労働協約あるいは合意と申しますか、そういうものがあるんじゃないかと思いますが、この定年制はいわば法律による  一方的のものと、条例というものによってやる、こういうことで多少その辺の関係が民間とは違う。民間のほうはいま言うような協約上の合意、こういうことがおもだから、いまのような問題は起きないので、多少この定年制のやり方についてはその相違がある。これらについては問題にならないと、こういうお考えですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 公務員につきましては、公務員のそれが特殊性ということに相なるわけでございますが、地方公務員につきましても、国家公務員につきましても、公務員を雇用するという権限なり責任なりというものは住民にある。その住民の意思を具現をいたしておりますところの地方議会、あるいは国会というものによりまして公務員の勤務条件というものがきめられる、こういうかっこうになっております。そこで、そういう意味で確かに民間の企業におけるところの勤務条件のきめ方とは違っているということが言えますが、一方におきまして、法律によって勤務条件を定める、条例もその意味では法律に似た性質を持っているわけでありますが、そういうことによる勤務条件のきめ方というものは、やはり法律による保障、条例による保障という意味も含まれているわけでございます。そういうことでございますし、またもちろん、定年制の採用ということになりますというと、この場合は条例で地方団体がきめるわけでございますが、定年制そのものは勤務条件に関する事柄でございますから、そういう意味で職員団体のいわゆる交渉事項でございます。また、企業関係の職員につきましては、公営企業関係労働法の規定によりまして団体協約事項でございます。そこで、そういう意味で公務員の意向といいますか、意思と申しますか、意向というものと十分折衝を遂げながら、条例を提案するにしても、当局者としては当然提案をする前提といたしましてそういう交渉事項なり団体協約ということを経てものを行なっていくということに相なるわけでございまして、実質的には公務員の意向というものも十分反映されながらやっていくということに相なりますが、結果としての実現の形式は、この地方公務員の場合は条例で定める、こういうことになるわけでございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 その点は私もちょっと納得しかねる点もありますが、団体交渉の結果として条例をつくれなんということは私はいかがかというふうに思いますが、公務員といえども、これは大きく見てこれは契約、雇用は契約、任免といっても契約、これはもうはっきりしておるわけですね。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) 公務員関係、公務員の任用行為の性格でございますが、これは先生御案内のとおり、公法上の契約あるいは絶対的ないわゆる一方的な任命行為説、それから相手方の同意を条件とする一方行為説、いろいろこの任用行為の性質をめぐりまして学説の対立があったことは御案内のとおりでございます。ただ現行の私どもいわゆる公務員関係の役所のいわゆる有権解釈と申しますか、あるいはまた学者先生のいわゆる多数説というものは、相手方の同意を条件とする一方行為、こういう解釈をとっておられるわけでございます。いわゆる私法上の、民法上の雇用契約、こういうものとはやはり性格を異にする、こういうふうに解せられておるのが通説のように思います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 これはいろいろ問題があろうと思いますが、条例によってこれは同意を要しない、一方的に自然消滅する、こういうのが今度の条例でありますから、その点についてはいろいろまた問題があろうと、こういうふうに思いますが、それはともかくとしまして、今度これを提案されるに当たりまして、公務員の労働関係の基本事項は、   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕 公務員制度審議会にはかるということになっておるようでありますが、今度ははかっておらない、こういうことでありまして、これについてはそれでよろしいというふうなことを考えておられるのか、その点はどうですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 公務員制度審議会と定年制問題との関係でございますが、御承知のとおり、この公務員制度審議会の審議事項としてあげられておるものは、公務員等の労働関係の基本に関する事項ということになっております。この労働関係の基本とは、これはもう御承知のとおり労働関係のあり方とか仕組みとか、すなわち労働の基本権の問題であります。この今度の条例は、先ほど御説明いたしましたとおり、離職の一態様であるというこの定年制は、公務員制度審議会の審議事項ではないというたてまえから審議会にかけないことになっております。かける必要はないと、こう考えております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 その離職の態様いろいろありますが、普通の場合は、勧奨にしましても何にしても辞表を出すということは要するにお互いの合意ができてやめる、こういうことになるし、これは合意は要らない、もっとも条例で何とかかんとかいうふうな問題もございますが、とにかく個々の公務員にとっては合意がないと、こういうふうな特別なことであるから、中にはこういうようなことは審議会にかけたらいいんじゃないか。たとえば国家公務員ももし万一何かやるとすれば、これと同じようなやり方がやれるかどうか、こういうふうな問題もありますから、そういうことはひとつよくお考えになっておいてよかろうというふうには思います。  それから次は、近ごろは若年労働者がどんどん不足する、したがって、中高年齢の方々にもそういう傾向が出ておる、したがって、このような時期に定年制によって雇用を解除する、こういうようなことはどうか。民間等においても、いま定年の年齢の引き上げを方々でやっておる、こういうときであるし、したがって、そういう傾向に逆行するようなことがないか、こういうふうな意見もありますが、その点はどういうふにお考えですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) いま小林委員からお話がありましたとおり、最近、若年労働者の不足からきて、特に中高年齢者の雇用促進の必要が言われておるのは事実であります。したがって、いままである民間における定年の年齢が漸次高まってきつつあることも事実でございます。また、今日の人命といいますか、人間の健康力等から考えましても、従来、大体民間では五十五歳というのが六〇%以上契約にあるようでありますが、現にこれが高まりつつある傾向はそのとおりでございます。  そこで、今度の定年制の条例を設けますことは、単にただ労働力の需給という観点にとらわれただけの問題ではございません。先ほど御説明しお答えいたしましたとおり、人事管理上の問題として定年制をどうしても必要とする、そのためにはこの制度を法律上整備しておく必要がある、こういうことでございます。したがって、先ほどお話のありましたとおり、定年制を地方公共団体が条例でつくりました場合に、これに、離職された方のやはりできるだけ再雇用の道を開くという考え方は、いま御指摘のありましたとおり、中高年層の活力をやはり利用する必要がある、同時に退職者の方の退職後の生活をまた考える必要がある、こういうことでございまして、いまこの法案に特に再雇用制をとりましたのは、いま小林委員から御指摘のありましたとおり、高年労働力の活用ということも第一の柱でございます。これは退職の方の生活の問題ももちろん兼ねておりますが、そういう趣旨でございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今度は、法律の無責任と申しますか、とにかく条例にまかせる、そういう考え方でありますが、条例を地方でつくる場合に、年齢ははっきり書くかどうか、あるいはその年齢にしても、いろいろの職種について変える、あるいは条例の見本みたいなものを自治省でおつくりになるのか。それから、条例をつくることは全く地方団体の自由であるということになると、たとえば職員団体が、さっきのお話のようにうんと強いところはつくらぬかもしれない、つくらぬ自由も、あなた方はあると、こう言っていると、同じ地方公務員でも、一つの県内でも隣の村と違う、こういう実態が必ず出てくるが、そういうことについてはあなた方は腕をこまねいて見ておるのか、こういうことはどうですか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 定年制に関する条例を制定いたしまする場合には、定年制におきましての一番の柱になるのが年齢でございますから、年齢につきましては当然条例に明記する必要がある、こう考えております。それから、その年齢について職種によってどういうふうな扱いが起こり得るかというようなお話がございますが、これはやはり職種によりましてその要求する労働能力というものに差異があるというのは当然ございます。たとえば肉体労働を主として必要とする職種もございますし、いわゆる精神的な頭脳労働というものを主として必要とする職種もございます。そういうように職種によって要求される労働能力に差がございます場合に、それぞれに従いましてそれに応じた定年年齢を考えるということも、これは必要があればそういうことを考えることも適当であろうと考えております。それから、地方団体によりましては、そういう定年制をしく必要がない、新陳代謝も活発に行なわれておって士気も停滞していないというようなところにおきましては、それは定年制を設けないことも自由でございます。定年制を設ける必要のあるところのみが設けるわけでございますが、定年年齢のきめ方につきまして、そういうことであれば地方団体ごとに非常に差ができるということになるのではないかというお話もございますが、その点は基本的には確かにそういうことも起こり得ると思います。それはその当該地方団体ごとにきめることでございますから、そういうことも起こり得ることはこれは避けられないだろうと思っておりますが、一般的には、先ほども大臣が申し上げましたようなことがございまして、定年年齢の延長その他の問題を考えて、妥当なところでつくっていく、一般的なものの考え方としては十分必要な指導は行ないたいと思いますが、何歳でどうでなければいけないということまでは、画一的な指導はいたすつもりはございません。

小林武治自由民主党

○小林武治君 したがって、もう条例の見本などはつくらない、年齢等についてあなた方耳打ちはしない、こういうことですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) これはいま行政局長からお答えいたしましたとおり、現に勧奨退職をやっている地方団体が相当多いのです。うまくいっているところもあるし、うまくいかぬところもある。したがって、理事者のほうから条例の必要を訴えておることも事実でございます。そこで、その年齢の問題は、もちろん条例に明記いたすのはあたりまえでございますが、これは先ほど局長が申しましたとおり、地方の実情によってやはり相当年齢層についての考え方も違ってきはしないか、こう思っております。したがって、自治省そのものが一つの案をつくりまして、これでやれというようなことは私は避けるべきだ、むしろ避けたほうがいいと思う。  それから、傾向としては、先ほどもお答えいたしましたが、また、小林委員からも御指摘になりましたとおり、漸次、定年制の年齢というものは、いま民間におきましてもだんだん延びてきておることも事実でございます。こういうことを勘案いたしますと、何も画一的に自治省が何歳からだったらいいということを言う必要がないし、また条例をつくられるほうは、いろんな職員の方等ともお話になるでしょうし、また地方議会のほうでもいろいろ研究なさいますでしょうし、これは自主的にひとつ判断しておやりになるのが当然じゃないかと思うので、私はむしろ年齢その他について指示しないほうが、こういう問題の取り扱いについては自主性を尊重したほうがいいんじゃないかという考え方を深く持っております。したがって、この職種の問題につきましても、地方によって非常に違うと思います。都会、農村、またいろんな地域の差別が多いのでございますから、どんな職種はどのくらいまでいいかということは、中央におります私どもが測定するということはあるいは実情に合わない点もありはしないか、こういうことを非常に心配いたしておりますから、こういうのはやはり弾力的にお考え願って、そうして地方段階でお考え願うのがいい、こういう私は基本的な考え方を持っております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 条例をつくることは地方団体の自由、しかし、地方団体によっては職員組合が非常に強いところと弱いところといろいろありますので、そういうふうな影響を受けるというようなことは当然予想されますが、これはやはりできるだけあまりそこら隣近所で均衡を失しないようにすべきだというふうに私も思いまするが、そういうふうな理由でできない、必要を理事者が痛感しながらもできない場所もあろう。これは理事者はき然とした態度をとって私はやるべきだと思うが、そういうふうな問題は必ず起きると思いまするが、こういうことについては自治省はどういうふうにお考えになりますか。

長野士郎自治省行政局長

○政府委員(長野士郎君) 地方団体によりまして、先ほど大臣が申し上げましたように、職員の年齢構成でございますとか、あるいは給与の体系でございますとか、あるいは昇進の実態でございますとか、職員の需給関係と申しますか、そういうふうなものが状況は必ずしも一致いたしておりません。したがいまして、それがまた職種によってもその事情というものが違うということも多いわけでございまして、したがって、実態に即するように考えていくということが前提といいますか、基本でなければならないと思っておるのでございます。地方団体としていろいろ相談を持ちかけられた場合に、こちらとしての考え方を、全国的なそういう傾向というようなものについての御連絡をすることは、あるいは必要によってはなさざるを得ないかと思います。ところが現在でも、たとえば勧奨退職をいたしておりますが、この勧奨退職も一律一定ということで、どういう年齢ということで画一的な基準を示しているとか何とかいうことではございません。個々の地方団体において、その状況に応じて勧奨退職の年齢というものをきめておるわけでございます。しかし、そういうものを見ましても、それがあまり飛び離れたかっこうになっているかといいますと、まあそれほどでもない、相当な幅はございますけれども、大体、最大公約数といいますか、そういうところでおおむね一般職なら一般職というものについての年齢というものが、おのずから大体似通ったところで行なう、こういうような実態でございますので、まあ地方団体が考えます場合にも、いろいろそういう研究もいたすだろうと思います。そういうことの中からおのずから妥当な年齢というものは定まっていくのじゃないか、こう考えております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 それから、これが実施されれば相当の数の者が、首切りというのですか、そういうふうになるというような宣伝がされておるが、一体そういうことが考えられるのか。もう一つは、この中の規定で再雇用しようということになっておりますが、再雇用をした場合に、一体年数はどのくらいのことを考えておるのか、あるいは給与はどういうふうなことを考えておるのか、むろん再雇用の場合には、恩給とか、あるいは共済とか、そういうものの対象にはならない、こういうことのようであります、が、いま私が申したようなことはどういうふうに自治省は考えておりますか、それを伺っておきます。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○説明員(鎌田要人君) まず前の点でございます。私どものところにも十二万人首切り法案反対というような声があるわけでございます。で、先ほど申しました五十五歳以上の職員の数、十二万人というものをさしておられるのであろうと推測をするわけでありますが、先ほど来お答え申し上げておりますように、この法案が成立いたしまして、この法律に基づいて直ちに各地方団体が定年制を実施しなければならないわけのものでもございませんし、各地方団体それぞれ条例の定めるところによりまして、この定年制というものを実施してまいる、こういうことでございますし、また、この年齢のきめ方ということにつきましても、先ほど来、大臣なり局長から申し上げておりますようなニュアンスをもって考えておるわけでございますので、大量の首切りといったような事態には相ならないのではないかというふうに私ども考えておるところであります。  それから、再雇用職員の問題でございますが、この再雇用職員につきましては、御案内のとおり、定年退職後の職員につきまして、老後の生活の安定と高年労働力の活用と、この二つをねらいといたしまして、特定の業務を指定をいたしまして、その再雇用をする、こういう構想に立っておるわけでございます。したがいまして、その業務というものも、相談業務でございますとか、あるいは単労的な業務でございますとか、いわゆる軽作業的なもの、あるいは公務員として長年つとめられた、その知識、経験を活用できるような職種ということを考えておるわけでございますが、そういうものに自由任用、選考任用という形で任用いたしましたり、あるいはその勤務の態様につきましても、正規の勤務時間に必ずしもよることが適当でないといったようなことがございますし、給与の面におきましても、いわば純粋の職務給的なものに徹してまいる、こういったような考え方もございまして、特別職のカテゴリーに入れる、こういうことを考えているわけでございます。したがいまして、お尋ねの雇用の期間ということにつきましても、原則といたしまして一年ということにいたしまして、この更新ということを考ているわけでございます。その職種の内容なり、あるいはその業績の内容なりというものによりまして更新をする、こういうことを考えているわけでございます。それから給与の点でございますが、給与の点はそういうことでございますので、純粋にその業務に対する報酬、いわゆる職務給的な考え方で給与を定めてまいりたい、こういうふうに考えております。それから共済の関係でございますが、これは先ほど御説明申し上げましたとおり、共済組合員でないということにいたしまして年金受給の道を開くことにいたしますが、別途、厚生年金の対象に相なりまして、再雇用期間が終わりました段階におきまして厚生年金のほうで通算老齢年金の対象になる。それから退職手当でございますが、これも再雇用期間を対象にいたしましてこの退職手当を出す。定年退職時に過去の分につきましての退職手当が支給されるわけでございますが、さらに再雇用期間につきましては、再雇用期間に対応するものとして退職手当を支給する。それから公務災害補償の関係につきましては、地方公務員災害補償基金の対象になる、こういうふうに考えておる次第でございます。

内藤誉三郎自由民主党

○委員長(内藤誉三郎君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。   午後五時三十八分散会

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