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61回国会参議院1969/07/10

大蔵委員会 第28号

発言数
227
登壇者
11
会派数
2
開催日
1969/07/10

会議録

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  国税通則法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 大臣がお見えになったのがたいへんおそいので少し気が抜けましたけれども、あとの人に迷惑がかかってもいけませんから、なるべく短時間に二、三お聞きしたいと思います。  最初に申し上げておきますけれども、私は、この委員会は初めてですし、こういう問題には全然しろうとでございます。ですから、私の質問は非常にナイーブな気持ちでやるんですから、お笑いにならないで、ひとつ懇切丁寧に御説明をいただきたいと思います。まあ国民にはそういうしろうとのほうがむしろ多いんでしょうから。  そこで、最初に、今度の法律は、異議の申し立てとか、不服の審判とか、そういうことに主としてなっておるようですが、異議の申し立てをするときには更正決定というようなことがなされるんですけれども、私自身そういうことに直接タッチした経験がないので、ちょっと奇異に感じたことがあるんで、最初にお尋ねしたいと思うんですけれども、衆議院のほうで参考人の前田という方のお話の中に、「事前の処置としましては、とにかく税務署と納税者とは話し合いをしなければいけないんだ、話し合いさえすればある程度解決のつく部面があるわけなんで、いま更正決定の数が多いというようなお話がちょっと出ましたが、その数も話し合いをすることによって大幅に減ずるのではないかというふうに考えたものでございますから、更正決定をする必要があるというような場合には、まず呼んで、納税者と税務当局とが話し合う場をつくるというような考え方でございます。と、こういうことが出ているんですよ。私は、これを読んで、そんな話し合いというものが現在なされていないということに対して非常に奇異な感を感ずるのですが、実際そういうことなんでございますか。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 現在、こういった更正の処置をとりますときに事前に必ず話し合いをしなきゃならぬという制度のたてまえには相なっておりませんが、いろいろな納税者の方の申告のあれとわれわれが調べてやったところの数字がそう大きくないときに、一々これは更正だということには直ちにいたしませんで、われわれの見たところはこうだということで修正申告を出していただくということで、そうぎしぎししないで解決している例も相当あるわけでございます。しかし、事柄がどうしても納得できぬと、こう対立的なことになりまして、また、金額も非常に大きい場合ということで更正をする場合は、正直言ってございます。しかし、非常に多いというお話ですが、総体そう――有資格者と私どもよく言っておりますが、申告をしなければならない方のうちで、更正はたしか三%前後という、そう大きな数字には相なっておりません。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 ところが、そういう話を聞いておると、話し合いがなされているように思えるんですけれども、これを読むと、これも相当専門的な知識のある方でしょうから、一応ほんとうのことをおっしゃっているんだろうと思うんですけれども、そうすると、どうもそこらが矛盾しているような気がするんですが、実際は話し合いをしておられるたてまえになっていないということになると、話し合いをしておられないときのほうが多いんじゃないですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) ただいまの参考人の御発言につきまして、若干補足して申し上げたいと思いますが、前田参考人が話し合いということを申しました前提が実はあるわけでございます。と申しますのは、税理士会の改正案というのがございまして、その中には事前の話し合いという考え方を取り入れております。つまり、アメリカでいまやっております制度といたしまして、調査官が調査をいたしますと、あなたのこれこれの点はこういうふうに違っておると自分は考えるという通知を出すわけでございます。これは三十日レターと申しておりまして、それに対して納税者が同意をして署名をいたしますと、その指摘どおりにいわば更正決定のような形で税額が改正されるわけであります。不服があれば、それに対して私はこれを認めないということを申しますと、次にいわゆるコンフェリーという協議機関というものがこれの審査に当たりまして、そうしてあらためて審査した結果、また通知を出して、これはこういうふうであると思うと。九十日の間にそれに対して受諾しないという意思表示をすれば、これがまたタックス・コートなり何なりに上がっていくというような形をとっております。それで、アメリカの制度では、御承知のように、日本のようないわゆる単独制官庁のような制度をとっておりませんので、権限のある調査官は自分で相手方に意思表示をすることができるという制度をとっておりますから、そういう形で、日本で申しますと税務署の更正決定に当たるものを、調査官が単独で自分はこう考えるという通知を出すというやり方をしているわけでございます。税理士会のほうはそういう事前に間違っている点を通知してやって、それで相手方が修正すればいいではないかというお考えなのでございます。そういう点、私どももずいぶん税制調査会で検討していただいたわけでございますけれども、わが国では、官庁制度というものが、税務署であれば税務署の意思を表示するのは税務署長だけという形でございますので、いま申しましたような意味の通知を出すときには更正という通知が出てしまう。そういう点から申しますと、アメリカの制度と日本の制度は、ちょうど更正決定をするのが向こうでは調査官の出します三十日レターで、三十日を経たら不服を申し立てる。そうすると、今度は九十日レターというのがちょうど審査請求に当たるような形になるわけであります。そういう意味では、日本とアメリカでは実質的にはそう違っていないんだということを税制調査会で言っております。その前田さんの言っておられるのはそういう意味の事前の話し合いということを言っておられまするので、その前に、さらに、長官が申し上げましたように、軽微の誤りがある場合には、相手方に対して確認してみる。相手方もそれはもっともだということになれば、修正申告なりまた更正をしても異議申し立てが出ないはずですから、相手に、間違っている、こっちはこうするよということをあらかじめ話をしたほうがいいではないかという考え方で、現在、国税庁でも、私も東京国税局長をしておりましたが、できるだけ納税者に問題があれば確認をして、納税者がそれはもっともだということであれば、修正申告を出させる場合もあるし、はっきりする意味で、向こうが承認しているけれどもほんとうに税を直すという意味で更正をするというようなことをやってまいりました。そういう意味の事前の話し合いというのはやっておりますが、税理士会で言っておられるような意味の制度としての事前の話し合いというものは日本の制度ではのらない、それがまさに更正に当たるわけであるということを税制調査会は言っておるわけでございます。そういう点が参考人の意見として出たわけであると私は了解をしておるわけであります。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 わかったようなわからないようなあれですけれども、そうすると、一ぺん税務署のほうから書類でそういうことがなされると、それが更正決定になると。更正、決定と二つのことばがつながっているんですが、更正ということを一たんやって、そうしてそれで話し合いをやって最終的に決定するんだということになるんじゃないですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 俗に更正決定と申しておりますけれども、申告があった場合に、その申告を直しますのが更正でございまして、本来納税義務がある者が申告を出さない場合に税務署のほうでその申告にかわって決定をするのが決定でございます。ですから、更正と決定は同じ意味でございますが、申告書が出ている場合には更正と申しまして、申告書が出ていない場合を決定と称しておるわけでございます。それをつづめて更正決定と俗称しておりますけれども、更正または決定と言うのが本来の姿でございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 これも非常に素朴な質問になりますが、更正決定というのがなされると、その金額というものをともかくも異議申し立てをするしないにかかわらず納めるんですか、納めてしかる後異議の申し上てをやるわけですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 原則として納めて、まあ滞納される方もございますけれども、納めるのがたてまえでございます。ただ、現在の制度では、その場合に徴収猶予の申し出をして徴収猶予をしてもらうということも可能でございます。現在は実はいまの国税通則法でございますと、異議申し立てがあっても徴収は猶予しないというたてまえになっておりまして、ただ、差し押えはするけれども、公売処分はしてはならないというたてまえになっております。今回は、その制度に加えまして、異議申し立てまたは審査請求があった場合には、本人の申し立てまたは職権で徴収猶予、つまりそれから先の徴収の手段をとらないという決定を下すということができるというたてまえにしております。審査請求が出た場合に、内容を調べて、これはもう審査請求の主張ももっともらしいなというときには、審査庁のほうでこれに対して徴収猶予の決定をすることができるたてまえにいたしましたので、ほんとうに更正のほうが間違っているらしいということがわかれば、徴収猶予ということで税金を納めずにやっていくことができるという制度に今度改めたわけでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 それは、現在もうすでに改まっているんですか、それとも、この法律でそう改める、こういうことですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 今回の法律案はそのように改めようといたしております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうすると、今度の案の七十五条というところに異議申し立てと審査請求のことが書いてあると思うんですが、この中に第四、項の一号ですか、「青色申告書に係る更正」ということが書いてあるのですが、これを適用されるのは青色申告をやっておる人だけということですか。青色でない白というのですか、そのほうの人は、一ぺんどうしても異議申し立てをやらなきゃいかぬということですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) そのとおりでございます。青色申告書を提出している者は、異議申し立てを省略して審査請求ができる。白色のほうは、一応異議申し立てをした上で、なお、その場合に、税務署のほうで、これはもうすぐに審査請求に持っていっていいという感じがするものについては、納税者の同意を得て審査請求に移してしまうこともできるという規定を置いております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうすると、いまの御答弁を聞いておると、どっちでもいいというふうに聞こえるのですが、それは青色の場合だけですか、白色の場合でもどっちでもいいような取り扱いができるのですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 青色の場合には、本人が選べば、審査請求、異議申し立て、どちらでもできるということになります。白色の場合は、たてまえとしては異議申し立てからやらなければなりませんが、異議申し立てをした場合に、それを直ちに審査請求に移しても――異議申し立てを一ぺんやって審査請求に決定をして審査請求にのせるよりも、いきなり審査請求にしてもよさそうだ、事案の内容から見て、という場合には、申し立て人が同意をすれば直ちに審査請求に移す道はあけてあるわけでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうすると、これはどっちでも本人の選択ということにしてもいいんじゃないかと思うのですが、どういうわけでそういうふうに分けてあるのですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 松本さんの御疑念というか、それはまことにごもっともなんです。どちらでもいいんじゃないか、こういうふうに考える人が多いのですが、白色申告の場合におきましては、ほとんど帳簿なんかないと、こういうような状態なんです。一度審査請求という形で計数を整理してもちょっと箸にも棒にもかからぬという状態をひっかかる、こういう状態にしておいて、それから審判にかける、こういうふうにしたほうがいいんじゃないかという見解に基づくわけです。そこで、青色の場合におきましては、これはどちらでもいいんじゃないか、おっしゃるとおりにしてあるわけでございます。この場合は、帳簿はちゃんと整理してあるというがためであります。しかし、白色の場合は、一応整理をしてそれから審査に付する、こういうふうにする、そういう考え方をとっているわけでございます。いろいろの人がそういう疑念を持ちますので、そういう説明をいたしますと納得をしていただける次第でございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうすると、整理をしてあげるといったような親切心があるわけですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) さようでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 それじゃ、そういうふうに解釈させていただきます。  第四項の第三号ですが、「その他異議申立てをしないで審査請求をすることにつき正当な理由があるとき。」ということが書いてあるんですが、これがいま局長がおっしゃったすぐ審査へ持っていっていいというような場合に相当するのですか。これはどういう場合ですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 先ほど私が申しましたのは、八十九条の「(合意によるみなす審査請求)」というものでございまして、八十九条には、「税務署長、国税局長又は税関長に対して異議申立てがされた場合において、当該税務署長、国税局長又は税関長がその異議申立てを審査請求として取り扱うことを適当と認めてその旨を異議申立人に通知し、かつ、当該異議申立人がこれに同意したときは、その同意があった日に、国税不服審判所長に対し、審査請求がされたものとみなす。」と、この規定を申し上げたのでございますが、御指摘の第三号は、たとえば、ある件につきまして更正を受けたといたします。その更正に対して異議申し立てをしてそれが審査になっておる。ところが、そのあとにまたその再更正をやるというようなときには、むしろいきなり審査請求にして一緒にやってもらったほうがいいわけであります。そういうように正当な理由がある場合には、異議申し立てを飛ばしてやることができるという趣旨でございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 次に、七十八条ですが、国税不服審判所のことが書いてありますが、その中で、二項ですか、「国税不服審判所の長は、国税不服審判所長とし、国税庁長官が大蔵大臣の承認を受けて、任命する。」ということが書いてある。これで不服審判所というものの性格といいますか、ある程度わかるわけですが、国税庁長官が任命するということになると、この審判所の長というものは、国税庁長官の下にくっついているものということになるわけですね。そうすると、こういう審判所というものは第三者的な独立した力を持っておるものでなければほんとうの仕事はできないように思うのですが、それが国税庁長官が任命権を持っておるということになると、その下僚だというふうな感じがするんですが、そういう点についてどうですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これも、ごもっともというか、そういう御質問をしばしば受けるのでありますが、これは、要するに、正式の権利救済機関としては司法制度があるわけなんですが、その前の行政救済の機構である、そこに御疑問の解けるもとがあると、こういうふうに思うわけであります。いままでは、協議団が当たっておる。したがって、これは、国税局長つまり税をかける人がまたその機構内において審査の請求に当たる、こういうことでございますが、今度は、そうでなくて、その上の国税庁長官が国税局長のやったことを反省してみる、こういうわけなんで、そういうことで国税庁長官の任命する形をとっておりますが、これはあくまでも行政段階の救済措置である、こういうことで、おおむね他の仕組みにおきましてもこういう機構をとっておるものと、こういうことでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 その説明を聞いているとごもっともとも思えるんですけれども、行政段階でとおっしゃっても、やはりもう一つ高い段階へ持っていったほうがいいのじゃないか。たとえば、任免権を大臣がやるというようなことにして、一応国税庁から完全に独立しないまでも、ある程度独立した感じの持たれるようなものにしたほうがいいのじゃないか。行政の中でやるので、実際最終的には司法裁判というものがあるのだからいいじゃないかと、そうおっしゃればそういうことにもなりましょうけれども、それはもちろんいままでのやり方と比べたらよほど前進しているようにも思えますけれども、そういうことが私には非常に感じられる。また、この法律の第五項が今度修正されましたね、衆議院で。この衆議院の修正でも、これの運営に関して必要な事項は、初め原案では「大蔵省令」ということになっておったのを、「政令で、」という修正をされておる。そういったような気持ちから見ても、この部分はやはり大臣の任命ぐらいのところまでは持っていくべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ強い意見になりますと、これは内閣に置いたらどうだ、こういうようなことをおっしゃる方もあるわけです。それは、いま松本さんがおっしゃるのと同じような考え方に基づくわけなんですが、税務案件の処理の一番大事なことは何だ、こういいますると、迅速ということだろうと思うのです。これが、不服審判所がかりに準司法的な性格を持ち、そして慎重審議だというようなことで時間がかかるということになりますると、これはかえって権利救済の趣旨そのものにそぐわないことになるのではあるまいか、そういうふうに考えるわけでありまして、これは司法救済前の行政段階の救済措置である、しかも、一番大事なことは何かというと、迅速にやらなきゃならぬというようなことにある、こういうふうに考えまするときに、これは国税庁の機構内においてこれを処置するという基本的な考え方をとることが納税者のためにむしろいいのではあるまいか、そういう考え方をとったわけでございます。  ただ、それにいたしましても、国税庁長官が自由勝手にというわけにはいかない、それは大蔵大臣の承認を受けてやる、こういうことをいたしておるわけであります。運用といたしましては、まさに松本さんのおっしゃるようなことでやっていきたい、かように考えております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 ごもっともなようにも思いますけれども、第三者的な公平な判断を下すのには、やはりもう少し第三者的な制度にしたほうがいいように私は思いますけれども、これは見解の相違と言ってしまえばそれまでですから、それ以上続けませんが、これに関連して一つお聞きしておきたいのは、「国税審判官の資格は、政令で定める。」ということがありますけれども、これはどういうふうに……。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 現在予定しておりますのは、学校の教授、いわば法律に関する教授、あるいは弁護士、公認会計士、税理士というような資格を持っている人、または税務関係の行政庁で一定以上の経験を持った者の中で国税に関しまして学識経験を有すると認められる者を規定する予定でございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 衆議院のほうに出された資料を拝見したんですが、これにはまだ修正のほうは入っていないので、運営に関するところの政令はないのですけれども、これはまあ一般的な運営のしかたということですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 不服審判所の運営につきましては、法律でかなり詳しく規定をいたしましたので、あと規定をするものとして残っているものは、たとえば、担当審判官をだれにきめたということは必ず相手に通知しなければならない、あるいは、協議をいたします場合に合議の決定は過半数できめるのだといったような当然の事柄を規定する予定でございまして、ほとんど法律に書いてございますので、簡素なものになると思います。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 これは国税庁長官か大臣かどちらかにお答えいただきたいのですが、実際もうこれはすぐやらなきゃならぬ仕事だと思うのですけれども、たとえばどういうふうな方を任命されるということになりますか。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) まだ法律が通っておりませんので、いまだれをという具体的な選考には入り得ない段階でございます。特に所長に関しましては、自分としては大臣の――先ほど、大臣が、形式はこうであるけれども、運営上は松本先生のお気持ちをとおっしゃいましたのは、大臣御自身の判断でいろいろ御示唆を賜わるということの意味かと思っておりますが、特に所長は、これはまあ若干の私見は大臣にもちょっと私の気持ちを申し上げたことがあるわけでございますが、単に税に詳しい――税を全く知らないという方では困るのでございますが、何といいますか、一般の学識豊かで、一般的に常識も高い、そういう方を何とかして選びたいものだ。それからまた、特に独立的な感じを出す意味でも、審判官という方は、じっくり腰を落ちつけて、あまり交流とかいう問題なくして、ここで冷静な判断をしてもらう、そういう方方を選びたいと、かように考えております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 まあそういうことであろうと思いますが、この法律はいずれは通るのでしょうから、できるだけ運営の面でそういった独立性を持たせるようにお願いをしたいと思います。特に大臣は政治家ですから、そういう点でひとつ特別な判断でやっていただきたいと思うわけであります。  それから次に、なかなかむずかしいのですが、九十九条に、「国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈と異なる解釈により裁決をするとき、」云々ということが書いてあります。これを詳しくお尋ねしていると時間ばかりとりますのであれですが、今度修正がありましたね、衆議院で、この第二項ですか。「国税審査会の議決に基づいて」というふうな修正があったわけですね。ということは、通達と違った解釈によって審判所長が決断を下すというようなことは、たとえばどういうことなんですか。これは税のしろうとにはよくわからぬのですけれども、具体的に例をあげていただいたらわかりやすいと思うんですけれども。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) たとえば、通達で、一般的には、一定の機械に修繕を加えたというような場合に、その修繕によって機械の耐用年数が延びる、あるいはその機械の価値が増加する場合にはこれを資本的支出とするというような規定がございます。その資本的支出というものは、その場合、修繕費と違いまして、その場合の損金にはならない。資産の上に加えまして、減価償却で損金に毎年毎年落としていくということになるわけであります。ところが、具体的な場合に、それが耐用年数を延ばすようなものではあるけれども、また別の理由がございまして、それはそうではあるが、必ず五年以内に取りこわさなければならぬというような条件がついているような、たとえば、借家に対して造作をつけ加える、しかし五年しか借家権がない、五年後にはこれをこわさなければならないという場合を考えますと、必ずそのまま資産につけ加えることがいいかというような問題が出てくると思います。そういう具体的な場合には、一般的な通達は確かにあるけれども、具体的な場合には通達と異なる決定をしたほうが妥当であるという場合があるわけでございます。そういう場合には、不服審判所長としては、場合によっては特別な資産として五年で償却し得るのだというような考え方も出得るかもしれません。しかし、通達から申しますと、本来の資産の耐用年数につけ加えてやるのだというようなことが考えられるとしますと、そういう具体的な場合にはそれを申し出をする。もし国税庁長官がその申し出のほうがいいなと、また、それが納税者の主張に沿っているという場合に、それを認めようと思えば、もうそのままそれでよろしいと。しかし、それはやはり通達のほうが正しいので、そういうやり方はおかしいということになれば、それに対して拒否していくわけでございますが、その拒否をしようという場合に限って審査会にかけます。その審査会の意見を求めて、修正したところによりますと、議決に基づきましてそれに対する決定を下すと、こういうことになるわけでございます。つまり、国税庁長官としては、自分が出した通達でございますが、当然長官としては反省をすべきところであると考えればもうそれでいいわけであります。これはやはり通達がいいのだとした場合に、その長官の判定を客観的に裏づけるために、学識経験者をもって組織する委員会に一応かけまして、そこでそれが正しいということになれば、拒否の決定を下します。しかし、それは審判所長の判断のほうがよろしいという議決になれば、大体それに基づいてそれを容認する、こういうシステムをとったわけであります。つまり、審判所長が通達によらないほうが具体的にはよろしいと考えた場合、それを容認するならば、国税庁長官は審査会にかける必要はないわけでございまして、意見が一致するわけであります。しかし、その審判所長のやったことは通達の面から見て困るし、やっぱり間違いであるということを言おうとするためには、審査会というものに意見を聞いてその決定に基づいてそういう審判所長に対する指示の内容をきめる、こういうシステムでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 ちょっと待ってくださいよ。いまおっしゃっていることとここに書いてあることと何かちぐはぐなところがあるように思うのですけれども、「あらかじめその意見を国税庁長官に申し出なければならない。」ということですね。審判所長がそれをきめたことじゃないのですね。きめようとする前に申し出なきゃならない。きめてしまったらどうなるのですか、申し出ないで。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) これは、不服審判所長が通達と明らかに異なる決定をする場合には、あらかじめ国税庁長官に申し出ることを義務づけているわけでございます。単独ではきめられないということになりますが、もちろん通達と明白に違っていないんだと、通達の線であると国税不服審判所長が判断すれば、それは申し出ないでもいいということになるわけでございます。通達と異なるということをはっきり意識した場合には当然に申し出をしてやらなければならないという義務づけをしておるわけでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうすると、人間には解釈のしへたもいろいろあろうし、考え方もいろいろあると思うので、たまたま不服審判所長が国税庁長官の通達とそんなに違っていないつもりで裁決をしてしまったということに対して、あとから国税庁属官がそれにクレームをつけてそうして国税審査会にかけるというようなこともあり得るわけですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) これはそういう事態左予想いたしておりませんので、そういう裁決が下ればその裁決が最終的なものになるという法律構成をとらざるを得ないと思います。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 私は、そういうようなときに、これはさっきの話ですが、独立的な権限の強いものである場合とそうでない場合とではたいへんな違いが起こると思うんですよ、実際に。それは、審判所長の身になってみればそういうことが非常にあり得る。これは、おそらく、裁決をすれば、もう第三者に対して裁決をしたのでしょうから、これは動かせないことになるのじゃないかと思うのですが、そういう場合があるので、そういうことでもさっき私の主張したような形にしておいたほうがいいのじゃないかということが言えると思うのです。御異論があったら言っていただきたいと思います。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 審判所長自体の法律的な権限というものがはっきりいたしておりますので、むしろその人の選び方によって仰せのような実効をあげることは十分できるのではないか。国税庁長官の任命にいたしておりますのは、先ほど大臣が申し上げたように、行政上の不服審判であれば、やはりその行政行為をする最高責任者のところに置かないと、現在の制度としては矛盾が出てくる。最高責任者を越えて第三者機関をつくりますと、これはその行政機関と納税者との間の争いを裁定する機関になりますから、準司法機関的な性格を持ってしまうということから、行政の最高責任者として大臣から賦課決定の委任を受けております国税庁長官のもとに附属機関として置いたわけでございますが、附属機関として置きますと、どうしても任命権者は外局の長官はその外局の人間につきましては任命権者というものに国家行政組織法上なるものでございますから、常置機関である場合には例外なしにもう任命権者が任命しております。あとに出てまいります審査会の場合は、同じ附属機関でございますが、非常勤の委員会でございますので、これには上級の任命権者が任命するということになっておる制度はございます。そういうような意味では、審査会の決定を非常に権威のあるものにするために、修正によりまして大蔵大臣任命ということにしていただいたわけでございますけれども、常置機関としての不服審判所のほうは、前例もなく、やはり任命権者のところでやらざるを得ない。しかし、それについては、大蔵大臣の承認を前提にいたしまして、そういう意味では客観的な判断を下せる人を任命するという態度をとるべきだろうということでこうしておりますので、私どもは、審判所長が大蔵大臣任命でないからといって、審判所長が遠慮をして客観的な判断を下せないというようなことがないように、まあさっき長官が申しましたようなりっぱな人を任命していただくようにすれば問題は解決するのじゃないかと、かように考えております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 時間がかかりますから、先へ進みましょう。  そういうことで、私は皆さんとちょっと違った考え方を持つわけですが、そこで、「議決に基づいて」というふうに修正をされたのですが、これは非常に強い修正だと思うのです。このあいだ、国税庁長官は、どなたかの御質問に対する答弁の中にも、これは非常に強い表現だというように説明しておられたようですけれども、この場合の「議決」ということは、もうこれは絶対的なものというふうに考えてよろしゅうございますか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 先般も国税庁長官から申しましたように、私どもは、主観的にはもう絶対に近い、かように考えて扱いたいと思っておりますが、法令用語といたしましては、絶対的であるのは「議決により」ということでございます。「基づき」という場合には、必ずしも一〇〇%それに基づくということではないわけでございますけれども、「議に付して」とか「議を経て」というものに比べれば、非常に強い拘束力を持っているという感じをもって運用いたしたい、かように考えております。修正前の「議に付し、その意見を尊重して」というのも同じ気持ちで書いたわけでございますが、「議決に基づいて」のほうがより明確ではないかという御主張でございますので、かような御修正をいただいたわけでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 ちょっと、そういう点、大臣から聞かしていただきたいと思います。事実上はこれは絶対のものであるというふうにこちらは受け取っておいてよろしいかどうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 前のほうは、「尊重して」と、こういうふうに書いてあったわけであります。それを「議決に基づいて」というような修正になったわけですが、法律論としますと、これは私は差異はない、そういうふうに思います。しかし、当初の「尊重して」にいたしましても、修正された「議決に基づいて」にいたしましても、私ども、法は法といたしまして、これを運用する立場からは、「議決により」というような表現の法的措置の場合と同じような気持ちでやっていきたい、かように考えております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 わかりました。  それでは、その審査会の委員あるいは構成の問題ですが、これは「大蔵大臣が任命する。」というふうに修正されたようですが、これは大臣はどういうふうな人をお考えですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは、非常に大事な役目を果たすわけでありまして、税務のことについても知識のあることが必要でありまするけれども、同時に、ものを客観的に判断するという立場が必要であろう、こういうふうに考えておりますので、そういう二つの要請を満たすようなお方が御委嘱さるべきだ、かように考えております。これは、審判所長、あるいは国税審査会の委員、同じような気持ちでやってみたい。特に審査会の委員につきましては、客観性を持ち得る人ということに重点を置いた考え方をしてみたい、かように考えております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 これはもちろんここに書いてある「非常勤とする。」ですから、役人じゃないわけですから、いろいろな階層からなってもらっていいわけですね。そうすると、いろいろな階層からお選びになるというような構想をお持ちになるわけですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 それでは、時間もだいぶ経過いたしましたし、直接この改正案についての質問はこれで終わります。  最後に、お聞きしておきたいのですが、私どもは、うわさ話だけで見当がつかないので、もうちょっと具体的にお話しを願えたらと思うのは、税金の問題でよくクロヨン(九・六・四)ということを言われますね。皆さん御存じだろうと思うんです、私でさえ知っていることばだから。これはどういうことなんですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) クロヨンというのがいつごろから言われ出したかということは、なかなか歴史があるようでございます。その主張するところは、給与所得者は九割まで所得を捕捉されている。それに対して、営業所得者は六割、農業所得者は四割であるという主張のように私ども受け取っておるわけでございます。たぶんそういうことを言っておられるのじゃないかと思います。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そこで、いまのそういう御説明くらいなことは私も考えておったんですが、実態ですよ。実態といっても、あなた方のほうの税の専門家からごらんになって、実態はそれに近いものであるかどうかということですね。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) まさにそういう非難は実施面に対する非難でございまして、われわれも常日ごろそういうことがないかということを反省しておる次第でございます。ただ、いろいろ税に対する批判その他はたいへんけっこうなんでございますが、基本的なところでの誤解、十分な理解をいただかないままの批判が率直に言って多い。よくある例で、たとえば給与所得者の月給取りの方の月給が二百万、三百万という方と、営業々やっておられる、あるいは医業を営んでおられるという方の収入金額の二百万、三百万と同じものをとらえて、同一に同じベース議論されるというようなことが非常に多いわけでございます。ところが、営業しておられる方は、物品販売業を例にとりますと、それだけの売り上げ、二百万なり三百万なりの売り上げがあるためには商品を仕入れなければいかぬわけで、何もこれをただで手に入れるわけにいかぬので、必ず仕入れるときにはその仕入れ代価を支払わなければならぬという重要な大きなポイントが抜けたまま比較されている例がございます。  したがいまして、私はいつもよく考えるのですが、十ぱ一からげの議論というものが非常に、ミスリーディングで、確かに総じて給与所得者の方々は、現在の源泉徴収制度は非常に精緻にできておりまして、また、同時に、その面で煩瑣なことから解放されているということで、大体年末調整で正確な税額が計算されて源泉徴収される。したがって、一カ所からしか給与をもらっていない、その他の所得が少ないという方は、もう申告納税義務がないということになっておりまして、一カ所から月給を取っておられる方は、もう確かに、九というよりも、むしろ一〇〇%税金を納めておられるということになろうかと思います。しかし、他方、営業所得者の人がみんなそれじゃそれに対して六かと、今度はそういう議論のときに、私はよく「納税者の声を聞く旬間」で参りますのですが、そのときに、営業所得者の人が、クロヨンということばに対して、われわれは青色申告してまじめにやっているものを同じような感じで言われることはたいへん迷惑だというようなことを言われる例がございます。それで、青色申告をして誠実に記帳をしてやられる方は、やはり一〇〇に近い、ほとんど一〇〇の方もおられるわけでございまして、ただ、総じて、なかなか源泉徴収のようなきっちりした制度にのりにくいものでございますので、また、間には、意識して、ひどい場合には帳簿を表の帳簿と裏の帳簿と二つつけて、それで大きく売り上げを落とす、あるいはほんとうに仕入れていないのに架空仕入れといって仕入れがあったような形にして所得金額を少なくする、こういう事例は残念ながら多くあるわけでございまして、私たちとしましては、大体源泉徴収面では非違はない。また、こういう方々については、まさにたとえば減税をいたしました場合には減税の効果がもうフルに適用になるわけでございまして、われわれは五万の職員がおりますが、ほとんど大半の職員が、給与所得者以外の法人なり営業なりあるいは農業、こういった面での所得漏れ、そういうことがないように、そういう意味で課税の公平を期すべくほとんど五万の全員が当たっていると言っても過言ではないような状況でございます。  したがいまして、総じてやはりそういう給与所得者と比較しまして営業なりそういった分野で申告漏れが相対的には確かに多いということは言えると思いますが、世の中で言うようなクロヨンとかいうことは当たっておらないと、私はかように考えております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 私は、苛斂誅求をやれといった意味でそういうことを言っているのではないんですが、こういうことが公平に行なわれているんならクロヨンでも何でもいいような気もするんですが、ある部分で非常にルーズになって、ある部分で苛斂誅求が行なわれているというようなことがあったんでは困ると思いまして、全体として軽くなっているとかといったようなことなら大した違いはないというような気もするんですが、税というものは公平でなきゃいけないということもあってクロヨンというようなことに対する世論も非常に高くなっているし、このあいだも大臣のおことばを聞くと、サラリーマン減税というものも次々と段階的に考えておられるようなこともあるというようなところを見ると、やっぱりサラリーマンは税金が重いんだなあという気もするんですが、まあひとつできるだけ公平に税を取るように考えていただきたいということと同時に、税務官僚の方々と納税者のほうと何かお互いに探り合ったりするようなそういうことが行なわれているような気がするんです、うわさ話もよく聞きますし。そういうようなことがないように、やっぱり人間同士ですから、お互いにできるだけ親切にし合って、納税者のほうは税金は納めるということをほんとうに考えようし、税務署のほうは相手に対して何かごまかしちゃいないだろうかといったような、初めから人を見たら泥棒と思えといったようなそういう態度をとるようなことのないように、そういう点はよく皆さん方幹部の方が指導していただきませんと、これはえてして税務署の人と警察の人はとかくこわいんですわ、世間から見るとね。そういうふうな感じがないようにお願いしたいと思うんですが、こういう指導方面について、今後の心がまえを一応聞かしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 松本さんのお話、御意見、一々ごもっともでございます。そういう方向で今後も特に努力を進めていきたい、かように思います。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 これで質問を終わります。     ―――――――――――――

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) 質疑の途中でございますが、この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、浅井亨君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君が選任されました。     ―――――――――――――

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 もう十二時過ぎて休憩の時間になると思うんですが、大臣は午後いらっしゃらないようですから、あと事務当局から聞かしてもらうものはございますが、この法律が通りました後に運営いたします立場からの大蔵大臣のお考えなり、あるいは大蔵省の姿勢、心がまえについて、お尋ねをいたしてみたいと思います。  なお、委員長のほうでは、きょうは私は一応この法律案の概要についてお聞きいたしますので、次の機会を得ましたときにさらに各条項について同僚委員とともに究明をいたしたいと思います。お含みおきをいただきたいと思います。  そこで、この通則法の一部を改正する法律案は、実は非常に固有の法律文章で書かれておりまして、一般の納税者にはその内容を理解するのが困難であると思います。また、全体を見ますと、何となしに納税者に押しつけておるような個条書きが羅列されておるという感が深いのでありまして、言っているところの納税者の権利救済、ことばではそう言いますけれども、ほんとうにこの法律が納税者を守り、その権利救済の目的をはかるものであるというふうに言えるかどうか実は疑わざるを得ないという感がするのでありますが、大蔵大臣ははたしてこの改正案が万全のものだとお考えになっておられますかどうか、この際率直に御意見を伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まず、この法律案の文章が難解だというようなお話でありますが、税法は、国民の権利義務に関することを規定しておるものですから、しかも、特に国民の経済財政に関することを規定する関係上、勢い難解になるんですが、この国税通則法に関する部分におきましては、他の税法、つまり実体法に比べると、これでもかなり楽に読めるという状況かと、こう思うのであります。  今度、国税通則法の改正をいたしますのは、従来協議団というのがありまして、これが一口に言うと同じ穴のムジナだと、こういうふうな批判を受けてきたわけであります。つまり、国税局長が税の決定をいたしますと、その国税局における機構の一部としての協議団というものが決定についての批判をする、この批判が一体適正な批判であるかどうか、こういうことからいろいろの議論が出てきたわけでございますが、今回は、国税局の協議団の行き方が間違っておったとかそういうことではございませんけれども、そういう世の中の意見を取り入れまして、今回不服審判所というものを設ける、かようにいたしたわけでありまするが、現在の段階におきましては、これが最善のものである、こういうふうに考えております。ただ、これをやってみて、またいろいろな感触が出てくる場合もなしとしませんけれども、今日考えられる最善の道はこうだと、かように考えておるのでありまして、これによって国民の権利救済がうまくいくようにということを念願いたしております。しかし、その権利救済が円滑でないとか、あるいは何か支障があるとかいうようなことでありますれば、また実施の結果を見て考えてみるということにつきましてはやぶさかでない、かような態度をとっておるのであります。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 協議団の問題、あるいは国税不服審判所の問題は、いずれまたあとで事務当局と検討いたしたいと思いますが、そこで、いまのお話にもあるんですが、税制調査会の「税制簡素化についての第三次答申」の「第一 答申の背景」という中で、「重要なことは、納税者が新しい問題の起るつど、自らの立場や個別事情を申し立て、納税者と税務当局が腹蔵なく相互に意見をかわし、問題を正しく、かつ、迅速に解決しうるような環境を整備することであり、そのための制度を確立してはじめて、真に納税者の個別性と自主性とを尊重することが可能になる」ということを言い、そして、「当調査会は、この協議団制度を中心とする不服申立制度の十八年にわたる歩みとそれが現在果たしている役割について、具体的な事例分析、統計資料等を通じて詳細に検討したが、現行の不服申立制度は、納税者の正当な権利を救済することを通じてわが国における申告納税制度の定着と納税秩序の正常化に少なからぬ貢献をしてきたものと考える。」と述べております。そして、続けて、「納税者の不服をきき、その正当な権利を救済するための特別な部局として協議団を国税局内に設けるという考え方は、当時において極めて革新的なものであったし、現在においてもなおその意義を失なっていないことは疑いをいれないところであろう。」と、こう出ております。したがって、これは当時においてきわめて革新的であったという理解を一応しておりますけれども、あくまで「現在においてもなおその意義を失なっていないことは疑いをいれない」と、こう実は調査会は言っておるわけであります。  そこで、いま大臣の言われるように、協議団制度を新しい機構と申しますか制度に変えようということについては、税制調査会も一応認めておるようでございますが、もしそうであるとするならば、ほんとうの意味における独立機関としての審査する機関をどうして考えなかったのかということを大臣から聞いておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 観念上、理論上は、そういうことも考えられるわけであります。しかし、わが国におきましては、あわせて司法機関が最終的な国民の権利救済の制度ということになっておるわけであります。ところが、税務行政の反省というかそういう機構として司法機関に訴えるというやり方は、これは納税者の権利救済という面から見ていかがであろうかと、かような見解を持つわけであります。つまり、納税者は、その権利が迅速に救済されるということを願っておるわけであります。そこで、行政段階の措置としてできるだけ独立性を持った機構をつくりまして納税者の立場を擁護することが適切である、こういう考え方をとりまして、国税不服審判所というただいま御審議をいただいておる法律案を御提案を申し上げたわけでありますが、これも、司法救済のつまり司法機関に提訴すると、こういう道がふさがれておるわけではないのであります。不服審判所の決定になお不服であるという際には、司法機関に訴える、こういう道は当然開かれておるわけでありまするけれども、とにかく、迅速に、しかも可及的に適正にものごとを処理するというためには、行政段階の救済機構というものが妥当であろう、かように考えまして、中間的な段階の救済機構ということで国税不服審判所構想というものを打ち出した、かように御理解願いたいと思います。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 その点は、あなたにあとで私たちの考え方を申し上げ、また、御意見を聞かしてもらいたいと思います。  そこで、調査会は、「戦後二十有余年を経て、社会、経済も安定し、民主的納税制度も定着してきた現在、当調査会は、現行の不服申立制度の全般にわたって、新しい社会、経済と納税秩序とに応じて見直しを行なうべき時期であると考えた。」と、こう言って、そして、今日の時点においては、「協議団に代わる新しい」制度の設置「及びその他不服申立ての手続等に関する所要の改善措置を行なうことが適当である」と答申をしております。一つは、十八年にわたる協議団制度の果たしたということの高い評価、これとの現状におきましての矛盾をどのように理解をするのかという問題について、それから調査会みずからが認めておるところに対して、もしそれが当時において革新的であったという理解に基づくとするならば、今度大臣の言われる新しい時代に合うようにという考え方をさらに一歩進めて、もっと民主的な運営ができるように、あるいは納税者がもっと納得できるような独立した機関に考えることができなかったのか、そういう前向きの納税者を中心にする立場からの制度を考えることがどうしてできなかったのかということをお伺いしておきます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは、納税者の立場というものを考慮するがゆえに、こういうかっこうにいたしたのであります。つまり、納税者は、迅速に事案が処理されるということを最も重要視すると思います、それが権利救済だと。これが、そういうことで準司法機関でありますとか、あるいは現存の司法機関でありますとか、そういうところへ提訴いたしましたのでは、迅速という点において大いに欠けるところが出てくるのではあるまいか。これは非常に多数の案件が出てくるわけでありますから、あくまでも国税庁という行政機構の段階において片づけることが適当である。しかし、と申しまして、国税庁が国税局以下において決定する税に対しましてこれを反省するという、しかも客観的な立場において反省するという性格も持たせなければならぬ。これは当然のことでありますが、そういうことをあわせ考えますときに、行政段階の機構であるべきこと、それからこの機構が客観性を持つべきであるということ、そういうことを考えますときに、まあ知恵をしぼりまして得た結論というものは、ただいま御提案を申し上げておるような不服審判所構想というものに落ちついた、かようなことに相なったわけであります。そういうお気持ち、しかし、そのお気持ちを理論に走らず現実的にこなしていくというためにはこの構想が一番いいのだ、こういう見解をとっているわけであります。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 国税庁は、あるいは大蔵省もそうですけれども、税金を取り立てるほうなんです。徴税をすることが任務であり、仕事であるのですが、そういう立場で急がれれば急がれるほど、納税者のほうからすると、権利救済、不服申し立てが踏みにじられるという感じを持たざるを得ないことになろうと思います。だから、そういう意味においては、合理的なあるいは民主的な運営のできる、あるいは納税者が納得のいけるような機関というものが必要ではないか、こういう考え方として実は申し上げておるわけであります。そこで、不服申し立て制度のあり方についてこの際大臣にお伺いいたしたいのですが、いまの問題に関連するのですが、法案の第七十八条二項では、国税不服審判所の長は、「大蔵大臣の承認を受けて、」とはなっておりますが、その任命権は国税庁長官が持っております。そうして、九十九条は、国税庁長官には国税不服審判所長に対する指示権も実は明示されておるわけです。このことは、国税不服審判所が国税庁の附属機関である、明らかに国税庁長官の指揮下にあることを実証しておると思うのであります。第百条三項の国税審査会の委員はやはり大蔵大臣の承認を受けて国税庁長官が任命することになっておりましたのが、大蔵大臣が任命するように修正になりましたが、これは実質には全く変わりがない。国税庁長官の指揮下において動くものであるという感じをするわけであります。そうなりますと、税制調査会の協議団を改変しようとする目的に反しておるのではないかという実は感じを受けるわけでありますが、その点は大臣はいかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 今回の制度は、いままで国税局長が処分をする、その税の処分につきまして、国税局の機構である協議団がやったので、同じ穴のムジナじゃないかというような感触を与えておった。それを是正しようというので、今度は国税庁長官の機構のワク内の機構に審判制度を置こう、こういうことにしたわけでありまして、これは私は相当の大きな改善だと思うのです。したがいまして、人事は国税庁長官がこれを行なうわけです。しかし、人事の執行にあたっては、国税庁長官の恣意によるということを避けまして、大蔵大臣の承認を要する、こういう慎重な手続をとる。それから九十九条のお話がありましたが、これは不服審判所長の独立性を端的にあらわしておるわけです。つまり、「国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈と異なる解釈により裁決をするとき」と、国税庁長官の見解と違った裁決をする場合があり得る、こういう非常に独立な立場をあらわしておるわけであります。そういうときには国税庁長官に申し出をする。国税庁長官は、その申し出を受けた場合にどうするか。必ずしも審判所長と意見が合わないのだという際には、これを国税審査会に付議をする、こういうことになるわけであります。国税審査会が不服審判所長の意見のほうが正しいんだということになれば、その意見に基づいて税務の執行にあたらなければならない、こういうふうに不服審判所の独立性ということを確保いたしておるわけであります。ただ、この不服審判所の機構というのは、あくまで司法機関でもないし、また準司法機関でもない、あくまでも行政段階の仕組みにいたしたい。それは、事柄を迅速に処理したい、こういうことなんです。しかし、迅速であって公正を欠いては困る、こういうことから、ただいま申し上げましたような独立性をこの機構に付与するということにつきましては細心な注意を払っておる、かように御了承願いたいのであります。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 あと、国税庁長官、主税局長といろいろ質疑をいたしたいと思いますが、大臣の御都合もありましょうから、附帯決議の中の問題について一つお伺いいたしまして、私の大臣に対する質問はきょうのところはこれで終わりたいと思います。  衆議院の大蔵委員会で本法案の採決が行なわれました際に、各党一致の附帯決議が付されております。この決議に対しまして、大蔵大臣は、「ただいま御決議がありました附帯六項目につきましては、十分尊重いたします。なお、これらの趣旨につきましては、国税庁の末端まで浸透するようにいたしまして、納税者の権利救済に遺憾なきょう善処いたします。」という決意を述べておられるのであります。どうも、法律が通りまして附帯決議が通りましても、事務当局のほうでは、軽く扱うとは申しませんが、法律とは違いまして、なかなか末端にその精神、趣旨が徹底するような指示がなされていないという感が実は深いのであります。税金を取り立てるという立場からいいますると、大蔵省の場合には通達行政がたてまえでございますから、特にその点が気になるのですが、そこで、この附帯決議の三でございますが、御承知でしょうが、「大蔵大臣は、国税不服審判所長の任命についての承認に当たっては、自らが任命するのと同様に積極的に取りはからうべきである。」という決議がついております。そこで、いま大臣もおっしゃいましたことに関連するわけですけれども、大蔵大臣はどの程度の指示を大蔵大臣の承認を得て国税庁長官が任命をするときお与えになるお考えでありますかどうか、大臣の心がまえといいますか、お考えを一応聞いておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この機構で一番大事なのは、やはり不服審判所長である、こういうふうに思うのです。審判所長の任命につきましては、法律では国税庁長官というふうになっておりますが、この附帯決議にありますように、大蔵大臣がみずからこれを任命する、そういう気持ちで任命に当たっていきたいというふうに考えております。まだ具体的にどなたというような構想は持っておらないのでありますが、法律案が通りました上でさような段階に移るわけでございますが、国税庁長官の意見、これは重要視されなければなりませんけれども、まあ両者よく話し合って、そうしてこの法律の効果が最も高く発揮できるようなお方、こういうお方を物色して指名してお願いいたしたい、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 大臣の心がまえと申しますか、姿勢は、一応理解をしたつもりでおります。いまおっしゃいましたようなことが税務担当において下部まで浸透いたしますように、そうしてあくまで納税者との必要のない不和の感が起こるようなことがないように、十分配慮願いたいということを希望しておきます。

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) 速記を起こして。  午後一時三十分再開することといたしまして、休憩いたします。    午後零時四十分休憩      ―――――・―――――    午後一時四十一分開会

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国税通則法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 これは本来大蔵大臣にお聞きしておけばよかったと思うんですが、納税者の不服申し立てを処理したり、その権利を救済し保護する制度のあり方や、裁決の公正を期すものとしては、基本的な考え方としては、最も公平な機関として、たとえば公正取引委員会、あるいは労働委員会、社会保険の審査制度など、第三者的な独立機関としての裁決制度が一番理想的な姿であると思うのです。これは衆議院においても広沢君が聞いておりまして、当局のほうからもわりあいに丁寧な答弁があったように思うんですが、国税当局としては、第三者機関の裁決機関の設置という考え方よりも、やはり税務行政の統一のほうがあくまで優先するんだという考え方に一応は立つと思うんですが、その点の見解、考え方を少し聞いておきたいと思います。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) ただいま御指摘の点は、おそらく今回の改正の一番ポイントになった点であったかと思います。税制調査会におきましても、この権利救済機関にいかなる性格を持たせるかという点について、一番問題を提起し、また、議論をしたところでございます。御指摘のように、税務機構から全く切り離した第三者というものに審査を行なわせるということも、一つの案として検討されたわけでございます。その際にいろいろ議論がございましたのは、一つは、そのように行政機関と納税者との間の争いというものを第三者機関として裁定をする場合には、それはもはやいわゆる行政機関の行為としては成立し得ない一種の法律判断をする司法機関的なものになる。行政部内に置かれたとしても、それは準司法機関的なものになら、ざるを得ないという結論になったわけでございます。それで、準司法機関としてのタックス・コートのようなものを設けていくことも一つの案として考えられるわけでございますけれども、準司法機関という法律判断を行なう機関を設けるならば、それに加えてさらに三審級の司法機関の判断を仰ぐということは重複に過ぎるのではないか。ちょうどアメリカでやっておりますように、タックス・コートの判決に対しては直ちに高等裁判所に出訴をするというような形をとるのが制度としては妥当ではなかろうかということになったわけでありますが、はたしてそのような形を現在の行政、司法のわが国の制度一冊の中で調和的に解決し得るかどうかという点が非常に問題になりました。現実問題としては、いま直ちにそのような準司法機関を設け、そのようだ裁決に対して高等裁判所に直接係属するというような制度をとるのは事実上困難であろう。そうすると、結局、行政機関の中における解決をはからざるを得ないのではないか。行政機関の中で解決をはかるといたしますと、いわゆる通常の行政不服審査という形にならざるを得ない。その場合には、わが国の実定法の全体の秩序といたしましては、行政機関に対する不服申し立てを行政的手続として解決する場合には、その最高責任者である者の段階で最終とせざるを得ない。そうでないといたしますと、行政行為を行なう責任者が他の行政機関の判断によってその行為を批判されるということになりますと、行政機関というもの自体が権限として成り立たなくなってしまいますし、また、場合によっては行政が二つの判断に分かれるという結果になりかねないわけであります。そういう趣旨から申しますと、準司法機関的なものをつくらないとすれば、結局においては行政行為の最高責任者である者のところに置くべきであるという結論になったわけでございます。  しかし、同時に、税務機構におきましては、ほかの行政機関と異なって、協議団という第三者機関的なものを入れるということは昭和二十五年以来やっておるわけでございまして、これが、先ほど御指摘になりました税制調査会でも、当時としては非常に進歩的な革新的なものであったと言っておるゆえんでございまして、行政機構の中でこういうような第三者機関に判断をゆだねているというのは、ある意味では非常に進歩的な形であったかと思いますけれども、しかし、それでもなお、純粋の第三者機関という観点から見れば、裁決権がないという点では不十分である。そこで、先ほど申し上げましたような行政機関の最高責任者のもとに置くにしても、そこの中では純粋に第三者機関に近いものにするのにはどうしたらいいかということが議論されまして、その結果として、裁決権を持つ附属機関というものを設けて、課税とは切り離して、国税庁長官の権限を課税機構と審査機構とに分けて、その分けた審査機構で裁決権を行使させるということにすれば、第三者機関としてはかなり完全なものになるのではなかろうか。  なお、その場合に、そこまで分ければ、国税局長が決定をする場合の指針でありまする通達というものと別個の判断をすることも可能になるのではないか。ただ、その場合に、別個の判断をするといっても、やはり国税庁長官の附属機関が審査機構としての機能を営む以上は、国税庁長官自身の通達をその具体的ケースについて妥当でないと判定するならば、やはり一応国税庁長官にそれに対する判断を仰ぐ必要があるのではなかろうか。その場合に、しかも、国税庁長官がみずからそれに対して判定を下すということになりますと、また従来の裁決権のない場合と類似した結果にもなる。そこで、さらに第三者機関としての審査会というものを設けまして、その具体的な通達によらない決定をする場合の裁断をこの第三者機関にゆだねるということによって国税庁長官の判断をできるだけ客観的なことにするということにいたしたのが税制調査会の最後の判断でございました。  そういう意味で、御指摘のように純粋な第三者機構を設けるということが不可能であるという意味ではございませんが、純粋の第三者機構ということになりますと、その性格は当然準司法機関というものになる。準司法機関となった場合には、現在の司法、行政の立場から申しますと、実現はなかなか困難であろうということで、現在の行政、司法組織の系統の上でぎりぎりまで考えた制度がこの制度である、かように私ども解しているわけであります。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 そこで、またお聞きいたしますが、いまのお話を別にいたしまして、この数年来、納税者の不服申し立て審査請求等の件数が非常にふえておる。逐年累増する納税者の不服に基因いたします審査請求の増加することに対して、言われるように、当局は、裁決の公正とか納税者の権利救済制度の充実整備をするというようにいろいろ努力をしておることもわからないではないのですけれども、徴税する者の立場からのそれは努力でありますから、税金をすみやかにできるだけ多く取り立てることが、合理的な場合といたしましても、大蔵省、事務当局としては当然のことであります。ところが、納税者のほうでは、取られるほうですから、だから、おっしゃるように、大蔵省側のほうで行政事務の統一をも考え合わせながら一応納税者の立場立場ということを言っておってもそれは取るほうの立場で、取られるほうの立場にいたしますと、どんなに親切に丁寧に言われても、そういうふうに受け取りにくい。これはやっぱり人情だと思うのです。特に東京におる幹部諸公は、大蔵大臣もそうでしょうけれども、そういうふうにことばでは言われるんですが、末端ではなかなかそうはいかないのであります。末端の税務署員は、どうかするとやはりこわいものですから、なかなかそういうふうな考え方が徹底をしないし、また、徹底する条件ではないと思うのです。だから、そういう意味において、やはり第三者的な性格を持った機関ということが、納税者からすると非常に関心が違う、こう思うんですが、その点はどうですか。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 私たちも、税務運営方針の一番最初に、納税者の身になってと申しますか、親切に接触するようにということを運営方針の第一義にいたしておりますし、事あるごとに、こまかい点のあらさがしじゃなくて、まじめな人を尊重していくという立場を貫けということを日々繰り返して申しておるような次第でございます。   〔委員長退席、理事青田源太郎着席〕 そういうような基本的なかまえで臨んでいるわけでございますが、今回の不服審判所の成立に関連しまして国税庁としてはどう考えるかというお話かと思いますが、今回の改正の趣旨は、やはり納税者のいろいろな不服不満というものを少しでも納税者の側に立って解決するという立場を尊重すべきではないか。そういうことで、私どもが現在考えております点は、もちろんここにりっぱな人が行くということに努力する半面、特に運営面におきまして、実は私衆議院の段階でもいろいろ申し上げたことでございますが、単に不服審判所の問題だけでは今回はない。異議申し立ての段階から、これを機縁として、親切懇切にすみやかに処理する。それからまた、すでに通達を出しておりますが、異議の申し立ての段階で、従来は一ぺん自分で処分した者がその見直しに当たるという仕組みにいたしておりましたけれども、これを機会に、これは不服審判所の制度とは別でございますけれども、違った人の目で、したがって、異議の申し立ての処理は別な調査官、むしろそれよりも上級の者に人を変えて見させるというふうに、具体的にやはり問題を改善していきたい。ことに、不服審判所の改正に関しましては、いろいろまだ不十分ではないかという御議論も多いのでございますが、従来の国税局長が裁決をしたということを切り離して、すぐ不服審判所というものが独自に判断し得る。しかも、通達に反するといいますか、通達のおかしいという場合には、通達をも批判できる立場をもって処理しようという今度の新しい仕組みというものは、相当――われわれが申し上げますと、いやあ、おまえ手前勝手なとおっしゃるかもしれませんが、相当思い切った改善で、この議が初め出ましたときにそれでうまくいくだろうかというような議論が率直に申して内部にあったような状況でございますけれども、しかし、こういう点がいろいろ世の中の問題になるということであれば、百尺竿頭一歩を進めましてこういうところに踏み切るべきではなかろうか、かように考えて、この法案が提案され、また、われわれ執行面に当たる者も、もしもこれが成立いたしますればこの精神を十分に生かすようにいたしたいと、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 この問題はまたあとでちょっとお伺いしたいと思うのですが、不服申し立て処理の内容を私たちが知っている範囲内において実際に検討しておりますと、非常に膨大にのぼる異議申し立て、審査請求のうち、二〇%近いものが、一七、八%ですか、取り下げがあると思うんですが、この不服申し立ての審査請求をいたしまして、そして取り下げているものの中には、双方の話し合いで了解がついて、それでわかりましたということで済んでおる取り下げもあると思うんですが、その中には、中央のほうでどういうふうになっておっても、実際の末端では、取り下げの内容の中に、たとえば、ことしもう少し突っ込んでいけば納税者のほうは自分の立場が正しいのだからまけてもらえそうだと思っても、いや、へたにことしまけてもろうても、来年かたきをとられて、また元をとられたらどうなるということで、泣き寝入りの意味ではなしに、来年のことも想定しながら妥協する意味において取り下げをするというふうな事実を私たちは聞くわけなんですが、これは末端での問題ですけれども、おそらく皆さんのほうでも大体御承知だと思うんですが、そういう傾向はないと言い切れますかどうですか。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 異議の申し立ての件数も、先生おっしゃいますように、大体、年間の異議申し立てが三万件、審査請求が一万件と数多い中で、その全般の一つ一つについて私はもちろん全部知っているわけでございませんし、常識的にいま先生おっしゃるような場合があるのではないかということをよく疑問に持たれるのでございますが、私たちが承知いたしておりますところでは、取り下げの件数が二八、七%、これは納税者の方の思い違いとかいろいろな点もございますし、いろいろ数字をあげて御説明して納得していただくという点も相当あるのではないか。同時に、取り下げの件数をおっしゃいましたが、たとえば異議の申し立てで言いますと、取り消し変更といって、われわれの原処分を反省して直すということが実は四六、七%、約五〇%、半分近く、内容を一部取り消しのこともございますし、全部取り消し、いろいろございますが、とにかく約半数は納税者の方の言い分を片や聞いているという姿を見ますと、必ずしもなんでもかんでも異議の申し立てをすれば押えつけてやめさせるということではないということがこの計数の上からもうかがえるのではないか、私はかように考えております。もちろん数ある中でいろいろなケースもございましょうが、大きな方向、傾向といたしましては、あまりそういうことはないのではなかろうかと考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 六月二十六日の「日経新聞」にも載っておるんですが、そこに税務署員の質問検査権に基づく所得税確定申告調査を拒否した事件があるのですが、この判決で、「一律に刑罰で臨むことができるとするのは不合理である。したがって法手続きによらなければ刑を科してはならないと定めた憲法三一条に違反する」ということで新しい判断が下されているのですが、ごらんになっているはずですから、知っておられると思うので、内容を申し上げませんが、この六月二十五日の東京地裁での判決に対しまして、国税当局のほうでは、上訴する考えでおられるのかどうなのか、この対処のしかたをお聞きしておきたい。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 当該地裁の判決がございまして、昨日控訴の措置をとりました。この問題の一件は、先生がおっしゃいましたところは結論だけおっしゃいましたわけでございまして、その間の具体的な過程は、これも民主商工会の会員の方でございますが、前年の所得と比べて所得が低い、しかし業況から見ましてそんなに低い所得ではないはずだという一つの問題点をもちまして調査に臨んだケースでございますが、何回参りましても――この判決の中にもそのときの文句が引いてございますが、調査官に対しても、何度話しても同じだ、もう帰ってくれ、生活の保障がない限り答えられない、調査をさせないと、まあ非常にどなりながら署員の腰を押す、まあ危害を加えるところまでは至っておりませんが、何回調査に参りましてもそういった抵抗を受けまして、なかなか調査ができない、残念ながら。この場合、白色申告者の方でございまして、帳簿ももちろん見せようとされない。では取引先はどこだ、答えられない、仕入れ先はどこだ、答えられない、まあそういうようなことを何回か繰り返してどうにもならなかったケースでございまして、私たちといたしましては、結論的な話もさることながら、そういった事態の中での調査が拒否されるという事態についてどう考えるかという問題であろうかと思いまして、われわれといたしましてはさらに控訴いたしまして、この事実関係をさらに詳しく法廷で申し述べて、さらに上級裁判所の判断を仰ぎたい、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 いま、お答えの中に、民主商工会云々ということがありましたが、私たちは、その人がどこに所属しておろうと、あるいはどういう立場であろうとも、自分たちの納めるべき税金が妥当かどうか、あるいはその徴税をするための調査が妥当であるかどうかという問題は、その問題としてやはり考えなきゃいかぬのじゃないかと思うのです。先ほどもちょっと申し上げましたように、確かに末端の税務署員はいろいろ苦労いたしておると思うのですが、しかし、これは取るほうですから、取られる者の立場からすると、取るほうはどんなに低姿勢で親切丁寧であっても行き過ぎにならぬのではないか、こう思うのです。もっとも、悪質な脱税専門の連中、これは別ですけれども、そうでない中小の零細企業者の場合、末端の税務署員が権力をかさに着たような押しつけがあるとすると、やはり重大な問題ではないか、こういうふうに思います。新聞に出ております範囲でありますけれども、結論だけ申し上げますと、ごらんになっておるから言わなかったのですけれども、「工場を訪れ、「事業関係の帳簿類を出し、得意先や仕入れ先などを教えてほしい」と要求した。この際特に調査理由の説明がなかったため、「調査はさせない。生活の保障がないかぎり答えられない」と拒んだ」と新聞では書いておるわけです。だから、おっしゃるような事情がもしかりにあったとしても、この記事を読んだ一般の者としては、また税務署やっているわいということになるんじゃないでしょうか。同時に、この新聞記事によりますと、「弁護側は「税務署員といえども申告ずみのものを調べるのに理由も告げず、罰則規定をちらつかせて無制限に質問検査するのは違法」と主張。」と記事になっておるわけです。そうして、「戸田裁判長もこれをほぼ全面的に認め、判決で「国税当局が過小申告の疑いを持ったからといって、具体的理由もなしに帳簿類や得意先、仕入れ先を示すよう要求するのは許されない。疑いをただそうとするなら、」云々と、こういうふうに裁判長の見解が示されているのですけれども、こうなりますと、いま長官がどのようにおっしゃいましても、一般の納税者、取られるほうの側からすると、このほうに好感を持てるというか、あるいは納税意識を鈍らせるようなことになる、このおそれを私たちは持つわけですけれども、これは審判所の問題にも関連してくるわけですが、その問題をもう一ぺんお答えを願いたい。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 先ほど、私は、ただこの判決文によりまして客観的に申し上げただけでございまして、われわれが特定の団体に属しているから特別に目をさらにして別扱いにするということでは全然ございませんので、その点は御了承願いたいと思います。この新聞記事を大半の方々がお読みになりましていろいろ誤解を受けられたりということがたくさんあるわけでございますが、こういった個別の問題につきましては、納税者の方の主張もございましょうが、私たちの主張もございますし、それでこそ文字どおり第三者的な司法裁判での判断を仰ぐケースでございまして、この個別の話に私もこれ以上入ることは差し控えさしていただきたいと思いますが、一般的な調査のあり方というものにつきましては、基本的に毎々申し上げておることは、申告納税制度のたてまえである。しかし、同時に、課税の公平という見地を守らなければいけない。その際に、まじめに申告しようと言っておられる方についてわれわれは重箱のすみをつつくようなことはやってはいけない。同時に、一応帳簿その他の上では整然としておりましても、大きな脱税が背後に隠れております場合に、あくまでも真実発見のために追及の手をゆるめないということが私たちの基本的な立場かと思います。同時に、これは毎々よく言われておるように、なんでもかんでも疑ってかかるという態度は絶対に避けなければいけないことではないか。特に申告納税制度を定着させるということが税務執行の基本的な心がまえでございまして、そのために進んで正しく申告される納税者を一人でもふやしていくということが基本的なかまえでございますし、そのために税務職員の納税者の方々に対する態度、姿勢というものは常に反省をし正していかなければいけないと、かように私は考え、同時に、常日ごろ五万の職員にその点を強く強調しているような次第でございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 実態の調査をするといってもなかなかできませんので、あとでそういう訴訟事件についての資料を出していただくようにお願いをしたいと思うのですが、あくまでも権利救済の趣旨に反しないように末端の御指導をぜひ強くお願いをいたしておきたいと思います。  そこで、いまもお話があったのですが、税務行政の処分をするという立場にある国税庁に、担当官は異なりますけれども、審査請求を裁決する機関が設けられるわけです。法案の第九十九条第一項では、審判所長は、協議団と異なり、その裁決は、先ほどお話がございましたように、通達に拘束されることなく通達と異なる裁決をすることができるとされてはいますが、しかし、この場合必ず国税庁長官の指示を求めなければならない。通達と異なる裁決を認めないという指示があった場合には、通達に従った裁決をすることになると一なっております。したがって、審判所長の裁決は国税庁長官の通達に拘束されるということになると思うんですが、その点はどうでしょうか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 国税庁の附属機関として置かれた不服審判所長が一般的に国税庁の通達を無視するという立場にないことは、これはやむを得ないと思います。ただ、しかし、具体的な案件を扱う場合に、その案件を従来出されていた通達の解釈によるときは不合理な結果になるという判断をしたときには、それと異なる裁決を行なう権限があり、ただ、その権限を行使するに際しては国税庁長官に申し出をするということでございますので、やはりこれは通達が具体的事案を解決する場合には必要に応じ拘束力を排除するという趣旨の規定であると解すべきだと私は思います。したがって、国税庁長官の通達に完全に拘束されてそれから逸脱した裁決はできないということではなく、むしろ逆に、具体的事案については、国税庁長官通達と異なる解釈が適当であれば、それによって裁決をする権限を新しく与えられた機関である、かように考えている次第でございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 そういたしますと、もしかりに通達と異なる裁決を認めるというようなことにあるとしますならば、通達の改正を考えなければならぬということになるんですが、その点はどうでしょう。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 通達と申しましても、法律に関する解釈でございまして、現在の複雑な会計経理あるいは経済条件のもとにおきましては、必ずしも全部を尽くしているわけではないわけでございます。したがいまして、特定の通達が抽象的に出ている場合に、他の具体的条件によってその抽象的な通達をそのまま適用することが妥当でないという事柄はいくらでも起こると思います。そういう通達自体は、一般的には妥当しても、具体的案件に対しては妥当しない。これは、先生御承知のとおり、刑法の条文にいたしましても、構成要件に該当したといたしましても、具体的に道義的責任がない、あるいは違法性阻却事由があるというときには、これは当然妥当しない。同じような意味で、一つの一般的抽象的な通達が、そのまま具体的案件に一面には妥当しながらも、他にはそれを適当としない事由がある場合には、必ずしも通達そのものを否定しないでも、具体的事案に対してはその通達を適用しないで済むという場合もあり得ると思います。そういう場合には、通達そのものを改正する必要はないと思いますけれども、通達そのものが法律に照らして妥当でないという結果になる。したがって、審判所長の意見というのが、単に具体的案件に妥当しないというだけではなくて、通達自体の解釈の誤りであるという判定を下したと、そうして審査会もそれを認めたという場合におきましては、国税庁長官もその妥当性を認めれば、通達そのものを改正する場合もあり得る、かように考えているわけでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 通達を改正するということもあり得ることと私たちも一応想定をするわけなんです。もしそうなりますと、すでに税金を納めておる者に対して、通達が改正されたあるいは変更されたということになりますと、アンバランスが出てきて、これたいへんなことになるんですが、私はそういう意味においてなかなか通達の改正というものはできるわけではないと、こう理解しておるんですが、その点のアンバランスが起こることも予想しておるんですか、どうですか。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) これは、法令自体を改正した場合、政令等を改正した場合にも同じ問題が生じるわけでございます。通達も、解釈として実行してきたものが新たに改正をされたという場合に、その改正そのものはやはり新しい解釈として新しい事案に適用されアンバランスが生じるということはある程度やむを得ないというふうに――現在も通達を改正いたしておりますが、その効力は大体においてその改正後の事案に適用するということにいたしております。そういうアンバランスが生じるということは好ましくないことではございますけれども、国税庁としても通達を改めるほうが適正であると考えるときは、やはりそれに沿って改正をすべきものであるかと、かように考えるわけでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 いま一般の納税者が不安に感じておるのは、わが国の税務行政が通達行政が中心である、しかもそれが大きな権威を持っておるということを知っておるわけです。したがって、通達も一種の法規である以上は、そうおっしゃるように改正が簡単にできる筋合いのものでもないわけですし、また、おそらく大蔵当局としては考えてもいないと私たちは思っておるわけです。もっとも、現今のような複雑な経済情勢下のもとですから、どんな場合を想定して規定しておりましても、あるいはそれが理論的には誤謬はないとしても、年月の経過や社会経済情勢の変化等によって通達の解釈のしかたに変化があり得るということも想定するのですが、局長が通達を変えることもあるかもわからぬということ――私は変えることはできないと実は思っておるのですが、解釈のしかたをいろいろ変えることはおそらくあり得ることだと思うのですが、ここに納税者が非常に不安を感じ危険を感ずるわけなんですが、その点をお伺いいたします。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 先ほど主税局長が御説明いたしたとおりでございますが、通達と申しましても、もとは、税法並びに法律、政令の範囲を決して出るものではございませんで、やはり私たちが扱っております経済事象は非常に多岐にわたっておりまして、その事実を一々こまかく全部法律その他で書き分けるというわけにはいかない、どうしてもそこに解釈で穴を埋めなければならないところが出てまいるわけで、そこを通達で穴を埋めておるわけであります。  それからもう一つ、通達上の問題でございますが、やはり調査者の恣意によっていろいろ違うということであってはいけない、東京におられる納税者も熊本におられる納税者も同じ考え方で扱ってもらわなきゃいかぬと、そういう税務行政の一貫性を保つ意味で通達は必要であろうと考えております。したがいまして、通達のほうの中身は、先ほど主税局長が申しましたように、いろいろ一般的に書いてありますが、具体的な全く想定しなかった事態が出てまいりましたそういう場合の解釈を拡張して言わなきゃならない。したがって、もとを直す必要がない、しかし、そういう具体的なケースの場合にはこういうふうに適用するということ自身を示すことが、似たような事態が出たときに似たように処理するということが可能でございますので、そういうための解釈を補充するような通達をそういうときには出す。また、先ほど主税局長が申しましたように、どうも基本的におかしいということがありました場合には、これは当然通達を直すべきものと考えております。また、納税者の同じようなケースに同じような処理するという行政の一貫性はそうでなければ保たれないと、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 先ほど、大蔵大臣は、ことばの中でありましたが、いまも局長のことばに出たが、同じ穴のムジナだと、えらい気にして言っておるようですが、もちろん世間は全部そう言っているわけです。ところが、納税者にとって税行政に不服がある場合でも、異議の申し立てをしたり、あるいは審査請求をするというようなことは、納税者の立場からいいますとたいへんな勇気がいることであります。それは、先ほど申しましたように、京のかたきを長崎でとられることもありますから、ことしうまくいっても、来年やられたら困るから、やはり末端の税務署員となれ合うというようなことが多分にあるわけです。税務当局と審判所とは実は全くの同僚なんです。同じ国税庁長官の指揮下にあることを納税者はだんだん知ってくると思うのです。そうすると、何といっても同じ穴のムジナだという理解をせざるを得ない条件が出てくるわけです。もう一ぺん、長官のほうから、局長のほうから、新しくできる審判所はいままでの協議団とは全く異質のものである、運営であるという確信があることをお聞かせ願っておきたいと思います。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 先ほど申し上げましたように、今度の改正は、国税局長の段階を全くはずしまして別個に不服審判所をつくるということで、仕組みの上でもはっきり違っております。また、人事その他の面でも、特に審判官については原則として人事交流ということはあまり考えられず、ここに行っていただく方はじっくり腰を落ちつけてやっていただくという仕組みにすべきではないか。特にこういった問題は、やはり人事なり運営というものの適切を期することが一番肝要なことかと思います。法案が通過いたしましてこれが成立いたす暁には、十分この趣旨を生かすように運営するかたい決意でおりますことを申し上げさせていただきます。    〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ちょっと関連して。いまの質問じゃないんですが、前の質問でちょっと三点程度お願いします。  主税局長が、長官通達とそれから審判所の解釈が違った場合、九十九条一項の裁決の趣旨というものは別途の違った解釈が生まれることを認めると、こういうところにむしろねらいがあるというようなことを言われたわけですね。そういうこととすなおに理解していいのか、これが一点。  それからもう一つは、主税局長が、別途通達を考慮していると、こういうことをいま言われた。だから、これの改正が通過した後にどういう通達をおおむね想定されているか、その別途通達の具体的な内容を想定されているものがあれば教えていただきたい。  それからもう一つ、長官が、通達を審判所の裁決によって改廃を必要とする、そういう場合はその通達を変更するにやぶさかでないと、こういうことを言われておるのですね。はたしていままでそういう取り扱い上通達にそごがあって改廃を要請されたそういう事実が一体あるのか、また、改廃した事実があるのか、これを示していただきたい。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 九十九条は、私が申しましたように、通達の示しておる解釈と別の解釈による裁決をなし得ることをきめましたと同時に、逆に申しますと、国税不服審判所長は、通達の解釈に反しないといいますか、通達の範囲内のものであれば、事実判断に関しては最終的な判断を下せる。つまり、通達の解釈と異なる裁決をするときだけ長官に申し出する義務がありますが、それ以外の場合は全く義務がないわけでございますので、その点では不服審判所長は完全に独立した裁決ができるということをまた裏で言っているわけでございます。現在、審査請求のうち九〇%以上は実は事実問題の争いでございますので、その意味では今後九〇%以上の案件は完全に審判所長のもとで独立の第三者の手で裁決されるということを意味するものでもございます。二重の意味を持つ条文であると、かように考えております。  それから別途通達と申しましたのは、もしも審判所長の解釈が通達の一般的な解釈を改めるほうが妥当だというものであった場合には、それに応じた通達の改正も考えられ得るということを申したわけでございまして、この法律が通ったときに別に新しい通達を出すという意味で申し上げたわけではないのでございます。長官にお尋ねになったことと同じではないかと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうすると、審判所の決定というものは、最終的にはやっぱり法政令に反しない限りにおいて、こういうことなんですか、いまの主税局長の答弁は。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) 国税不服審判所長の裁決が独立でなし得るのは、事実問題に対する措置、たとえば所得が幾らであるかというようなことだけの争い、その場合には最終決定たり得る。それから法律、政令には違反するわけにはまいりませんけれども、その解釈として出された通達の解釈の内容、それと異なる内容の裁決が妥当であると認めたときには、これは条件つき、つまり国税庁長官に申し出をするという条件つきで自分の解釈に従って裁決をなし得るという権能があるということでございます。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 現在でも通達の改正を独自にやり得ることがあるかという御質問でございますが、非常にたくさんございます。通達を出しましたとき以後、やはりいろいろな経済事象も変わりますし、新しいことが出てきまして、どうしてもその通達でうまく当てはまらぬし、そのままではどうにも皆が解釈に苦しむという場合がございますから、新しい事態についてはこう考えるという通達を出すことはございます。現に、五月の初めでございましたか、法人税の通達がだいぶ古く未整理のままになっておりましたので、個別にばらまいたものも全部一括いたしまして、最近「法人税基本通達」の改正を行ないました。その際に、実際の民間の会社の方、会計人の方、そういう方々の御意見もいろいろ聞きながら、主として相当簡素化する点と、基本的に大きくあれでない限りは、原則として企業の経理基準にのっとった考え方を極力尊重するという考え方で話をしたりいたしております。やはり、法律と法律のワクの中で処理せざるを得ないという話でございますが、その中でいろいろ新しい事態に即応してうまくいかないケースが出てまいりますので、従来といえどもそういうことは、こういう仕組みはございませんでも直しております。ましてや、こういう個別のケースだけで不服審判所長からおかしいではないか、そうしてまた審査会の委員の方もそうだと御賛同願った場合は、私たちもすなおに反省してそのとおりに直すべき筋合いであろうと、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 どうも、委員会での答弁になじむような答弁をされておるのじゃないかという気が実はするんです。いまのお話を聞いておりますと、必要な場合には通達の改正までやり得る、こういうふうにとれるような話をされておりますが、先ほどもちょっとお尋ねしたんですけれども、通達を改正するというふうに言いましても、もしそういうことがあり得るというふうに判断ができると仮定いたしますと、その改正によって起こる事態はこれからの問題になると思う。将来に向かっての問題になると思う^遡及するわけではないでしょうから。だから、遡及するのではなくて、将来に向かっての改正だということになりますと、すでに払った既納税者、改正前の通達に基づいて末端の税務署で示されたとおり払ってきた納税者との間にバランスを欠くことになるんじゃないか。これでは納税行政の統一を乱すことになると思うのですが、いいですか、そういうふうに解釈して。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 先ほど主税局長も申しましたように、法律なり政令そのものが改正される場合があり得るわけでございまして、そのことは、一つの一貫性を保つ、ある時点時点を押えての一貫性を保つためにはやむを得ないこともあろうかと思います。ただ、いまの先生の場合は、具体的な問題をあげての話ではございませんので、なかなか抽象的にはあれでございますが、多くある事態は、判決で一々根本に帰るというよりは、従来の通達では十分に解釈ができないというような新しい事態の場合にそれをどう解釈していくかという問題がやはり多いのではなかろうか、そしてそういう新しい事態に対してそういう一つの判断が出れば、むしろ今後そういう同じようなケースには同じように判定するというふうにみんなにも公示し、納税者にも広く知っていただくということが大切なことではないか、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 私たちの理解が足りなければ、足りないということで教えてもらったらいいと思いますが、通達はもちろん法律に基づいて、政令、省令に基づいて出されておるものだと私たちも理解しております。けれども、税行政に対しては特に通達行政が中心だというふうに私たちは考えておるので、なかなかそう簡単にはいかぬだろうということを申し上げておるのですが、何か事態が変わり情勢が変われば改正があり得るというふうにとれそうに思うのですが、そうとってよろしいかどうか。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 私は、むしろ先生の、不服審判所の裁決が通達と変わった裁決をして、その個別にそういう扱いを認めながら、ほかはだめだと言うほうがおかしいんで、それが正しいということがきまれば、それを広げてすなおに直すということが自然な姿ではなかろうかと、私はかように考えるわけでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 おっしゃるような権威のある不服審判所になることを私たちも期待をいたしておるのですけれども、この通則法に基づいての審判所は、なかなかそうならぬのじゃないか、やはり国税庁長官の指揮下にあるものと私たちは理解をしていまは審議しておるつもりなんですが……。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) その点が私は基本的に違う点で、むしろその点は通達に反しないでやれるというところに――法律で明記してあるわけでございますから、そのところに意義があると思うので、そこを疑ってかかられては全然これは進歩がないので、われわれはこの法律で進歩ある改正を望んでいるわけでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 わかりました。いまの御答弁は、まことに自信のある、納税者の立場に立っても理解ができるような御発言でありましたので、それはそれなりに受け取っておきたいと存じます。納得できない面もありまするけれども、それは次の機会に各条項についての質問の場合にいたしたいと思います。  この際、今後の審議の必要から、先ほど申し上げた東京地裁の調査拒否の裁判の資料にも関係するのですけれども、衆議院の阿部君の要求によりまして「不服申立ておよび訴訟の件数について」という資料をもらっておるのですが、この最後のところに「訴訟事件件数表」という資料がございます。そこで、この中で、昭和四十二年度の「終結件数」、「取下」、「却下」、「国側勝訴」――これはけっこうですが、「国側一部勝訴」が十五件ございます。「国側敗訴」の分として十六件ございます。おそらく、これは、終結件数ですから、すでに四十二年度分として終結した件数だと思うのですが、このほかに上訴しておるのがあるのかどうか。上訴しているのは「発生件数」の中に入っておるという解釈を先ほど事務当局から聞いたのですが、もしそれなら、たとえば「国側一部勝訴」十五件というほかに終結をしていないので上訴中のものが幾らあるというのであれば、そういうのも示していただきたいと思うのですが、一応このいただいております資料の「国側一部勝訴」、「国側敗訴」ということについての終結件数の理解のしかたを教えてください。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) これは、先ほど先生ちょっとおっしゃいましたように、たとえば地裁で国が勝った、あるいは敗訴したという場合には、一応この「終結件数」の中に入っております。それに対して控訴をいたしました場合には、同時に新たな一つの「発生件数」の中にまた入れられる、そういう表になっております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 そうすると、この「終結件数」のほかに「発生件数」という形において上訴したものがあるということですね。たとえば「終結件数」の「国側敗訴」十六件、こうありますが、これは済んだもので、地裁でやった問題が国が納得できないのでいま上訴しておるのはこれに入っていないのですね。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 全くこれで終結したものも入っておりますし、地方裁判所では勝ったとか負けたということで一応この「終結件数」の中に入っております。それで、さらに控訴いたしますとそれは発生になりますし、控訴審で判決が出ますとまた終結の中に入ってくる、こういう仕組みで整理しております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 そこで、資料を実はお願いしたいのですが、終結件数と、そのほかに、地裁では、国側一部勝訴、あるいは国側敗訴、そうして上訴しておるものもわかるはずですから、件数を四十二年度の分を出していただきたい、これが一つ。  それから、数は三十一ですから、上訴中のものがあるといたしましてもそう大した数ではないと思うのですが、私たちが今後検討する場合において参考になりますので、国側一部勝訴、国側敗訴、この訴訟事件の件数に限りまして判決文を出してもらいたいと思うのです。――非常に膨大なものになりますか。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) ここに掲げられた数だけあるわけで、相当膨大になるわけです。しかし膨大なものになりますが、その判決の要旨をまとめたものならば差し上げることができると思います。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 件数は大したことはないのですが、判決文が非常に膨大であって、私たちが目を通すことができないほど膨大ならこれまた困りますが、要旨でけっこうですから、ただし、その場合、すなおに要旨を出してください。都合の悪いところを抜かれたら困るので、その点をお願いいたしておきます。  それから先ほどちょっと大臣にもお聞きしたのですが、衆議院の大蔵委員会でこの法律案の採決をいたしましたときに附帯決議がつけられております。その二のほうですが、「政府は、国税不服審判所の運営に当たっては、次の点に十分配慮を行ない、納税者の権利救済の実現について万全を期すべきである。」とあるんですが、その一号のところに、「納税者がためらうことなく自己の主張を行ない得るために、いやしくも税務当局が不服申立人を差別的に取り扱うようなことのないよう、厳に適正な運営を確保すること。」となっておりまするが、これまでには差別的に取り扱った事例があったと私たちも判断しておるんですが、そういう実態の調査をやったことがあるかどうか、今後、この際だから、実態調査をやってみようということになりますかどうか、それから今後末端まで徹底させるためにどのような方策をお考えになっておるかを一応聞いておきたいと思います。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) まあいろいろ個別の話といたしましてはいろいろな御不満なり文句が先生のお耳に入るかと思います。しかし、個別にさてどうかといいますと、私たちは常に差別的取り扱いをしないようにということを注意いたしておりますし、まあ差別的な取り扱いをしたケース、しないケースというものを調査して調べるということは、率直に言ってむずかしいことかと思います。むしろ私たちはそういうことはないと信じでおりますし、今後この法案が通りました暁には、十分この附帯決議を下部におそらくこれは不服審判所長を通じてでございますが流し、また、こういう点につきましては、現在もないと信じておりますが、なお一そうこの点を強調して注意をする示達をしなければならないと、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 それからその二号に、「質問検査権の行使に当たっては、権利救済の趣旨に反しないよう十分配意すること。特に、国税不服審判所の職員は、その調査が新たな脱税事実の発見のためではないことを厳に銘記の上、納税者の正当な権利救済の実現に努めること。」というふうにあるんですが、この中の後段の「その調査が新たな脱税事実」云々ということは、実行方法として具体的な方策をどのようにお考えになるのか、あるいは、「厳に銘記の上、」云々とありますが、この趣旨徹底のために通達あるいは省令、政令で流していくというお考えを持っておられるのかどうか、聞いておきたいと思います。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) これは、不服審判所ができましたらば、まあ私が出す話か不服審判所長が出す話か、そこら辺はなおよく考えなければいかぬ要素がございますが、この不服審判所は納税者の権利救済といいますか、文句を聞くことを専担する役所でございまして、そこの職員が、さあ来たからついでにほかに何かないかというようなことでやるべきでないことはむしろ当然と言いたいところでございますが、念には念を入れてそういう点には十分注意する示達をしなければならない、また、したいと、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 先ほどからいろいろ話を聞いておるたびに、法律が通ってからということでございますが、そういう答えが出てくるのもやむを得ないわけですが、そこで、二の三号に、「納税者が審査請求に当たって自己の主張を十分に行ない得るよう、税務当局はその処分又は異議決定において附する理由をできる限り詳細に記載するよう努めること。」と、こうなっておるんですが、これも法律が通ってから考えるんだというふうに言われればやむを得ないんですが、この中に「詳細に記載」となっていますが、この詳細という記載の問題なんですが、具体的に記載することの場合に、詳細とはどの程度のことが想定されるのか、これは聞いておきたいと思います。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) どうも、ここでは「詳細に」とお答え申すほかないんですが、たとえば具体的なケースを前提にして、こういった場合にはこういうふうに書きなさいというような若干具体的な指示なんかを考えるべきではなかろうか。現在も青色申告の更正理由を書かなければいけないことになっておりますが、その書き方が不十分なために訴訟を提起されまして負けたケースもございました。十分そのことは骨身にこたえておりまして、この理由の付記が、文字どおりともかく今回新たにやりましたことは双方の主張を具体的に並べて議論し合うということが前提でございますので、そのためには処分庁がなぜこういう決定をしたかという理由は、やはり納税者側から見てその具体的な点を突きながら反論ができるような理由の付記の内容でなければならない、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 それから第四なんですが、「本法の目的を達するため、国税審判官等がその職務の執行を厳正に行ない得るよう、その身分及び処遇等について十分に配慮すべきである。」と、こう決議は言っておるんですが、大臣の見解を聞かなきゃならぬかもしれませんが、その身分及び処遇について当面長官としてはどの程度の配慮をしなければならぬか、お考えがあれば示していただきたい。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 実は、税制調査会で、審判官の方々の給与面で特別俸給表をつくるべきではないかというような議論もあったのでございますが、このそう多くない人数のために特別号俸を設けるということがなかなか人事院との関係でむずかしゅうございましたので、むしろ実質をよくすべきではなかろうかということで、今回設けられました不服審判所長並びに首席審判官の一人は指定職にいたしておるわけであります。ちなみに、指定職の甲、乙とあるわけでございますが、たとえば大蔵省で申しますと、次官、それから私もちょうだいしておりますが、それと主計局長、財務官、四人が現在指定甲になっておりますが、人のよろしきを得ますれば指定甲ももらえるという仕組み、それから大体本省の局長クラスが指定乙でございますが、東京の――東京といいますか、たぶん東京になろうかと思いますが、首席審判官は指定乙と本省の局長クラス、それからまた、各地に首席審判官というのが常駐するかと思いますが、これが現在国税局長が行政職の一等級でございますが、大体国税局長並みの行政一等職、十一ございますポストをもらっておりますので、むしろこの問題は実質的に高い、まあ率直に言ってこういうところで申すと恐縮ですが、官吏全般の給与というものが必ずしも民間に比べて魅力のあるものではないという制約はございますが、限られた中では非常にいい俸給にするように努力いたしたわけでございます。ただ、身分の保障というと、やはりこれは行政機関でございますので、たとえば裁判官とかそういう方々のような身分保障ということになりますと、あるいはこれが今後租税裁判所とかいうものに発展いたしますればそういう面の改善ということもあろうかと思いますが、少なくとも待遇面では、主計局との折衝で相当難航いたしたわけでございますが、われわれとしてはできる限りのものを取ってきた――取ってきたというのはおかしいのでございますが、そういう処遇を予算上認められたということを御説明申し上げさしていただきます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 次の五のほうも四にならっていただけると思いますが、「新制度への移行に伴い、現在の協議団の職員が不利な取り扱いを受けないよう十分に配意すべきである。」と、これは配意してもらえるということで質問いたしませんが、その次の六の「納税者が自己の正当な権利を安んじて主張しうるよう、納税者の不服に理由があると推測されるときは、支障のない限り、徴収を猶予し又は滞納処分の続行を停止する等運用上十分に配慮すべきである。」と、こうなっておるんですが、この「運用上十分に配慮すべきである。」という「徴収を猶予し又は滞納処分の続行を停止する等」について、当面現時点で具体的にはどのように努力するというお考えをお持ちであるか、伺っておきたいと思います。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) ここでこまかく具体的にお約束するのはちょっと早いかと思いますが、私、現段階で、考えておりますことは、やはりこのために具体的に徴収面での通達を積極的に出すべきではなかろうかと、かように考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 さっきの資料は、いつごろもらえますか。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) ちょっといまその要旨がまとめてないとすれば、膨大な判決を全部読んで要旨をまとめるということはなかなかたいへんなことですから、できれば何もかも全部と、こうおっしゃっていただきませんで、われわれも常にフェアで負けたほうも堂々と出しますから、やはりいろいろ問題の事案を精査さしていただきますれば非常に……。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 じゃ、信用します。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 信用していただきまして、重要な事案を率直に、勝ったほうばかりじゃございませんで、負けたほうも出しますので……。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 勝ったほうは要りませんから、負けたほうだけ出してください。

亀徳正之国税庁長官

○政府委員(亀徳正之君) 勝ったほうも、ひとつ双方読んでいただきたいと思います。(笑声)

青木一男自由民主党

○青木一男君 先日の私の質問の中で、私はまだ十分納得できない点があるわけです。それは、審判所が、争いとなっておる課税原因に基づく課税金額でなしに、全然新しい課税原因に基づく納税義務ありと認めた場合に、不利益に変更の制約を受けない範囲においては、納税義務ありとして審査請求を棄却することは私は違法である、できないものだという前提で質問したのでありますが、あるいは私の聞き違いかもしれないが、大蔵当日はそういうことができるという趣旨の答弁をされたやに記憶しておる。これはたいへんなことなんです。この問題は、いまお読みになった衆議院附帯決議の二の(2)の「質問検査権の行使に当たっては、権利救済の趣旨に反しないよう十分配意すること。特に、国税不服審判所の職員は、その調査が新たな脱税事実の発見のためではないことを厳に銘記の上、納税者の正当な権利救済の実現に努めること。」と、これと関連するのであって、この附帯決議は運用上の心得を説いておる。ところが、私は、同じ問題でも、法律の解釈からそういうことはできないはずだという趣旨で質問しておるのであります。この問題は、私は、今度の法律の書き方でいいと思う。法律の書き方はこれでよろしい。ただ、その解釈につきましてどうも理解ができない。いずれもこの法の解釈ですから、審判所は自分の判断で裁決するでしょう。さらに、裁判所では、裁判所の信ずるところで法の解釈をするでしょう。しかし、立法府である国会の審議において、議員の中からこういう意見が出たということは、審判所あるいは裁判所の判断の場合に有力な資料をなすものであります。これは当然であります。そういう意味で、私は、少しくどいけれども私の見るところを述べて、そうして最終的に政府の所見を聞きたい。この問題は、審判制度の職務権限の範囲の問題ですから、根幹に触れる問題なんです。また、納税者の救済を主眼とするという今度の改正法の主眼に触れる問題なんです。そういうことでありますから、十分御検討の上、あらためて御答弁をいただきたい。  私の質問の趣旨をもう少しはっきり申し上げます。私は、この点を明らかにするために、わが国の審査制度の沿革をごく簡単に述べる必要があると思うんです。戦前の審査制度は覆審である。つまり、審査の段階で課税処分をやり直すという制度であったんです。でありますから、審査の段階でかえって更生決定よりも税金がふえるということがあった。それでありますから、納税者はそういうことがおそろしいから、審査請求をやめておこうというような傾向が非常にあったわけです。行政裁判所の判例でもそれを認めておった。ところが、昭和二十四年でありますが、私が弁護士登録をして一番初めの事件、これは富士産業の戦補税事件で、このとき東京国税庁の審査決定に不服で会社が訴訟を起こしたのですが、私はそのときの代理人なんです。私は、その訴状において、どうも大蔵省のやり方は審査請求の本質を間違えておる、審査というものは納税者の救済手段でなくちゃならないのに、それを課税のやり直しのようなつもりで税務署の決定よりも金額をふやすなんていうことは本質を間違えておるじゃないかと、こういうことを私は主張した。しかも、法文の解釈としては、もとの戦前の租税法では、「審査ノ請求アリタルトキハ之ヲ決定ス」と書いてあった。これを決定するというのは、審査請求の正当かどうかを決定する意味に読むほかないんじゃないかと私はそのとき主張したんです。そうすると、そのときの池田大蔵大臣と平田主税局長が私の訴状を読みまして、これは確かにこのとおりだ、従来の大蔵省のやり方は間違っておるということを大蔵大臣と主税局長が認めまして、それで、これから通達も変えるけれども、しかし永久に大蔵省が再び同じような間違いを起こさないために法律を改正するといって改正した法案が、昭和二十五年のあの税法の改正なんです。このときに審査の決定はどういう形をとるかというと、ちょうど今度の法律と内容は同じなんです。審査の請求が理由がないときは棄却する、理由があるときは原処分を全部または一部を取り消しまたは変更する、もうそれ以外にやりようのないように法律を改正した。その後、この規定は、税法からはずれて行政不服審査法のほうへ移ったようですが、今度またこれを税法に取り上げられる。私は、もちろん、これが正しいのであり、そのたてまえに異議があるはずはない、そういうことを主張した発頭人の一人ですから、賛成なんです。ことに、今度は審判所という名前がついた。いままで国税局長がやる場合にも、私どもは、覆審でなく審判でなくちゃいかぬということをその当時から主張している。今度はもう審判所と名前まで変わっちゃったのでありますから、今度の審判所というものは第二の税務署であっちゃならない、税務署系統の官庁と全く離れた立場の行政庁でなくちゃならぬ、これが第一です。  それからさらに、私は、法の解釈上、私の言うとおりになるということを申し上げてみたいんですが、私どもが納税申告する場合には、ただばく然と百万円の所得がありましたといって申告はしません。あの大蔵省の示したような課税原因の種類によって、たとえば事業所得、営業所得、配当所得、あるいは不動産の譲渡所得とか、山林所得とか、そういうふうなように種類ごとにこの項目では幾らの所得がありました、合計幾らありましたから、幾ら税金を納めますというのがわれわれの納税申告の内容なんです。それで、税務署がこれを更正する場合があるとすれば、更正する場合もただばく然としてトータルの金額を更正するのじゃない。おまえの申告の中で、この種類のこの所得申告はこう間違っておる、こういうのが税務署の更正決定であることは、これは私が言うまでもない。でありますから、申告納税にしても、更正あるいは決定にいたしましても、所得の種類ごとに申告し、あるいは決定し、そしてトータルの納税額というものはただ計算の結果にすぎない、これはお認めでしょう。それで、今度の新しい税法を見ましても、第八十七条には審査請求にあたっては「審査請求の趣旨及び理由」を提出するとなっておりますから、自分は営業所得でこれこれしか所得がないのに、税務署はこれだけ多くの所得がありとして更正をしたから不服である、こういうのが審査請求の趣旨及び理由である。それから第九十三条には、税務当局は審判所のほうへ審査請求に対する答弁書を出さなくちゃいけない。その法律の規定によると、「答弁書には、審査請求の趣旨及び理由に対応して、原処分庁の主張を記載しなければならない。」と、こう書いてある。だから、審査請求が営業所得の見積もりが多過ぎたと、こういうことで請求書が出ておれば、その営業所得の評価は間違っていないと、こういうことを出すのが審査請求の趣旨及び理由に対応しての原処分庁の主張でなくてはならない。そこで審判所における論戦の土俵がきまるのです。その土俵の中で審判所は行司の役目をして、どちらの主張が正しいかということを判断するのが裁決である。これがすなわち審判である。土俵にのぼっていないところの課税原因を取り上げて、そうしてトータルの納税額においてはやっぱりおまえはこれだけの税金の納める義務かあったというようなことを言うのは、審査請求人の主張にも処分庁の答弁書にもない問題を取り上げて勝負をするのであるから、土俵の外で勝負したことになってしまう。私は、こういうことは、法律のたてまえ上、あり得ざることだと思うんです。もし、こういうことが認められて、審判所で新しい証拠によって他の課税原因による納税義務があるということを判断し、これによって請求人の請求を棄却して原処分を維持したということになりますと、たとえば営業所得でなしに不動産譲渡所得があったという理由で審判所が原処分を維持したとなると、不動産譲渡所得の課税原因については納税者は異議の申し立ても審査の請求もできない。この異議申し立て、審査請求という二段の手続において弁護し防御するということができないままに裁決されることになるのである。まあその次に裁判はありますけれども、かように法律がりっぱに認めた二段階の救済手段というものを奪い取って、その段階の救済をすることができずに一足飛びに裁判に行くというようなことは、これはもちろん法律の精神を逸脱するものである、こういうふうに私は思うのです。それから大蔵省としても、たとえば営業所得で、納税者は五十万円の所得だ、税務署は石万円の所得だといって争った。ところが、不動産譲渡所得が二百万円あったという場合です。そうすると、もし不動産護渡所得を審判所でとり上げて、そうして不利益変更にならない限りでその納税義務を認めたならば、不動産譲渡所得の利益はごく一部しか税金は取れない。こんなばかげたことはないと思う。審判所としては、堂々と営業所得のあるかないか、どちらの主張が正しいかによって決定を下して、大蔵省は、だれがどの段階で発見しようと、新しい脱税事実を発見したら、あらためて決定をすればよろしい。納税は一事不再理ではないから、何度でもできるのです。何を好んで当然取れる金額を一部まけなくちゃならないような徴税をするのですか。私は、この点は、衆議院の附帯決議の二の(2)は、審判所の運用の心がまえ、方針として期待している。これは法律解釈ととしていまのような場合にはできない、こういうことが私の意見であります。これは非常にあり得ることなんです、実は。二十五年の法改正後においてなお大蔵省が間違えた例があるんです。私はそのことを知っているから、今度もまたこれだけの法律改正をしてもなおかつ大蔵省は伝統のあれにとらわれて間違いをおかすことがありはしないかと思うから、こういう質問をするのです。これは非常に大きな問題でありますから、ひとつ大蔵省、国税庁はよく研究された上、あらためて適当な時期に御答弁いただきたい。

吉國二郎大蔵省主税局長

○政府委員(吉國二郎君) ただいまの御意見は、非常に貴重な御意見でございます。われわれといたしましても、十分さらに検討いたしてみたいと思います。別の機会に御答弁申し上げたいと思います。  なお、衆議院の附帯決議につきましては、衆議院で問題になりましたのは、今回の改正法では本人については罰則を付さない、その取引の相手方である第三者に対しては罰則が付されている。したがって、その場合に、第三者は罰則が従来の所得税等の罰則より低いというようなことから、はたして審査請求の趣旨に沿った解決ができるかどうかという疑問が出たわけでございますが、その際に、第三者を調べるのに脱税を摘発するような意味で審査庁が調べると、どうしても第三者はほんとうのことを言わない。したがって、審査請求の権利救済を主眼とした質問審査権の行使をやることによって、むしろ第三者の脱税をあばくというような態度をとらなければ審査請求の精神が貫徹できるであろうという趣旨でつけられたものだと思いますが、おそらく関連する問題だと思いますので、十分検討いたしたいと思います。

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 きょうは急で申しわけなかったんですけれども、今後の大蔵委員会の審議状況とにらみ合わせてきょうが一つのいい時期だと思ったものですから、そういうことでお願いしたんですが、きょうは主として問題点をお伺いして、本格的にお伺いするのは次回に回したいと考えます。  それで、最初に、専売の今後の合理化等の問題についてお伺いしたいんですけれでも、新長期計画というものが立案計画をされておると思うんですが、その長期計画の内容ないし問題点、その概要についてでけっこうですが、要点をひとつ御説明願いたいと思います。それで、これは私もまだ全部見ていませんけれども、非常に膨大な資料になると思いまするから、そのこまかい点は資料として別途御提示を願いたい。資料は別途要求をいたしておきたいと思います。おおむねこの問題点と概要についてお話しを願いたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 公社におきましては、昨年の十一月に「長期経営計画」というものを策定をいたした次第でございます。これは、昨年、御記憶でありますように、五月にたばこ小売り定価引き上げということをお願いいたしました。公社の経営に関しましてその際いろいろの批判をいただいたわけでございます。私ども、それらの御批判にかえりみまして、公社の現在の経営のやり方を基本的に再検討してみようではないかという考えに基づきまして、現在の問題点、先行き十年ぐらいの間の期間においてわれわれがなさなければならぬと思う仕事というようなものを検討いたしたわけでございます。この長期計画は、考えております計画期間は長短いろいろのものを含んでおりますけれども、まあおおむね十年ぐらいの間にやらなければいけないことを考えてみようということをやってまいったわけでございますが、かなり先の考え方によりましては抽象的にとられる問題も含まれておりましたので、先行き五年ぐらいの部分につきましてこれを具体化するという作用を行なってまいりました。それを今回「第一次中期経営計画」としてきめたわけでございます。  この計画の期間の実行しなければならない諸問題といたしましては、まずは、企業の立っております基礎である販売部面につきまして、市場拡大計画というものを入れておる次第でございますけれども、これは、最近の事業の成長の伸びの鈍化を反省いたしまして、新しい商品を計画しまして水準の向上をはかろうということを一つの柱にいたしておりますのでございます。新しいタイプの新製品を投入していこうというのがその一つでございます。次に、販売の第一線の組織につきまして合理的に整備充実する方法を講ずるということを計画いたしました。さらに、市場調査機能というものが現在十分でありません点を拡大強化したいということを思っておる次第でございます。  商品計画として最初に申しました分につきましては、本格ブレンド・タイプとかりに称しております国際的なたばこの傾向に合った製品をつくらなければならぬというねらいでございます。たばこの喫味の緩和化ということがおもな問題点になるかと考えておるのでございます。また、たばこの新しいタイプのものを計画いたしますというと、その原料面から手を打っていかなければならぬという問題がございますので、新しく売り出しますたばこの傾向、その他基本的に緩和化する国際的な嗜好の動向を考慮いたしまして、国産葉の生産というのをまたそのような傾向に合わせたものに引っぱっていくべきではないかという考えを立てております。また、この原料についての加工技術につきまして、いままでやっていませんでした方法をも今後積極的に取り入れて、技術の向上というものをはかりたいということを考えておる次第でございます。  原料をいままでとやや変わった考え方でつくっていくということの土台の上に、第三番目は工場の近代化計画というものを立案いたしております。こまかいことはいろいろございますけれども、思い切って技術水準の高い、能率のあがる仕組み、機械装置というものに持ってまいりたいと考えておる次第でございます。この過程におきましては、工場規模をある程度拡大したほうがより経済的であるという考え方をしておりますので、現在たくさんあります工場のうちには統合すべきものもあると考えておる次第でございますし、また、作業のしかたにつきましても若干の変更を行なわなければならぬかと考えておる次第でございます。  最後に、経営組織自体につきましてももっと効率的なきちんとしたものに直してまいりますために、中央、地方の組織の再検討、改編、それから運営の方法としまして目標管理というようなものを取り入れてまいりまして、職員の自己能力と申しますか、自己開発とでも申しますか、そういうものをもっと発揮し得るような仕組みに持ってまいりたいということにしてある次第でございます。  たいへん抽象的で恐縮でございますけれども、大筋の骨組みを申し上げますというと、今回の「中期計画」の柱はいま申し上げたようなものでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 非常に膨大な計画内容ですから、全部説明といってもなかなか問題があるだろうから、前ほど要求いたしましたように、資料ですね、ぜひ全計画を出していただきたい。いま副総裁がおっしゃられましたように、「中期計画」の内容もあるわけですね。そういうものを出していただきたい。  問題は、「長期計画」の見通しは一体何年後くらいまで――いま、副総裁は、十年見当と、こういうことを言っておられたですけれども、今後の十年間ぐらいの見通しの上に立って今回の「中期計画」がつくられた、こういう理解でいいですか。当面、「中期計画」というものは、大体どの程度の見通しで具体的な計画なり立案がされたのか、それでいつからそういうものを取り入れ実施をしようとしているのかですね、この辺の見解についてお伺いしたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 申し落としましたけれども、私どもの今回の経営計画におきましては、数字の整合性という問題につきまして過去の経験から考えますと疑問が出てまいりましたので、数字をきちっと出した経営計画にはしてございません。いかなる手段を打つべきかということに中心に置いておる次第でございます。先生が期間を問題にされましたのは、政府がつくっております数字が入りました計画と同じようにお考えになっておられるかと思いますけれども、私どもは今回意識的にそれを避けましたので、「長期計画」においてはほぼ十年ぐらいに打つべき手を考えております。「中期計画」におきましては、ことしから始めましてはぼ五年を考えたいということでやっておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そのことしというようなことではなくて、具体的に九月なら九月というやっぱり設定期間があるだろうと思うのです。だから、ことし四十四年度の何月から一体中期計画を実施をしたいと思っておるのかですね、そういうその具体的な内容がわかれば教えていただきたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いろいろな項目が含まれております関係上、現在すでに実行に入っておりますものも、実行と申しますか実際に目的を達するための準備をすでに始めておりますものもございまして、何月からというふうにきちっとスタートラインをそろえてあるわけではございません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 副総裁、私はすなおに聞いていますから、すなおにひとつ教えていただきたい。それで、「第一次中期経営計画」という四十四年六月に日本専売公社でもって作成したものがありますね。それがいま前段で副総裁がいろいろと大ざっぱに説明された内容だと思う。これを見ますと、いまおっしゃられましたように、一つは「市場拡大計画」、内容としては、「商品計画」であるとか、あるいは「製品の多様化」ですとか、あるいは「販売促進活動」とか、「売場の充実」、「営業活動の充実」と、こういうことがずっとこう並べてありますね。だから、こういった「中期計画」に基づいてある一定の時期をもうすでに実行に移しておるもの――しかし、いずれもそこから出発しておるわけでしょう。だから、これは、出発しようとしているものは一体どこから出発させようとしているのか。内容は非常に膨大であるから、これはその具体的な実施についてはそれぞれの情勢に基づいて進行させていくということになるだろうと思うんですね。いつから一体この「中期計画」というものは出発をさせようとしているのか、その出発点です。たとえば、国鉄の合理化計画はおおむねこの程度から、あるいは、今回国会で問題になった国鉄財政再建計画というのは向こう十カ年がいつからだと、この出発点があるわけですね。だから、そういうものの「中期計画」の出発点をどこに求めているのか、どこからそういうものをやっていくか。まあ中身はいろいろあるだろうと思うんです。おそくなるもの、早くなるもの、あるいは検討事項もある、いろいろあるだろうと思うんですが、いつから「中期計画」というものを出発させるのか、その点をひとつ明確に説明してください。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) この中身といたしまして、直接実行に入れるものと、ここに打ち立てました方針に基づきましてどういう実施のしかたをするか決定をしなければならぬものと含んでおる次第でございます。したがって、いつの時点から計画の実施になるかという御質問はちょっと答えにくい点があるわけでございますけれども、私どもの気持ちとしましては、いろいろと折衝をしなければならぬこと等もたくさんございますけれども、方向といたしましては、きめた時点からこれはある意味ではスタートしておると申し上げてもいいかと思う次第であります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それじゃ、もうすでにスタートしているものは計画のどの内容ですか。それからこれから計画を実行に移すものは一体どういうものですか。この「中期計画」の内容でけっこうです。項目的でけっこうです。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 具体的に申し上げますというと、「本格ブレンド・タイプ製品の投入」というタイトルをつけて、われわれが販売いたしますたばこの品質を国際的な水準へ近づけたいということを書いておるのでございますけれども、このブレンド・タイプにつきましては、どういう葉っぱの組み合わせでどういう香料でやるかということについては、ほぼめどがついておる次第でございます。これを市場に投入しますための具体的な生産設備につきましては、工事に入っているものがある次第でございます。その次に私ども出しております「販売促進活動」の面につきましては、これは具体的な基準とかその他のものをこれから検討してきめたいと考えている次第でございます。特別にこの方面に経験の深い方々や学校の先生の御議論などを伺いながら具体的方法についてきめてまいりたいと考えておる部分でございます。「市場調査」を充実しなければならぬということを考えておる次第でございますけれども、どういう手段でどういう目的のものをということにつきましては、目下検討中の次第でございます。   「原料合理化計画」の部分について申しますというと、葉たばこそれ自体の生産問題につきましては、御承知のとおり、これは現在やっておりますものは収穫期に入っておりますので、明年度から順次入れていかなければならぬことになるわけであろうかと思います。この中で、国内の葉たばこの生産性向上というものを、耕作経営の安定とのバランスをとりつつやっていくためのいろいろな検討を書いておるわけでございますけれども、これも大部分が今後の検討によって具体的手段を詰めていく部分があろうと思うのですが、この中に書いてありますルーズリーフ収納は来年から実施を始めるというふうに考えておる次第でございます。  「工場近代化計画」につきましては、整造工場拡充計画のほうは、これからどういう機械を設備したらいいかという問題を含めまして検討をいたしたいと考えております。原料工場の部分につきましては、このうち、束原料工場からスレッシング方式に切りかえるという問題に関連いたしまして、現在八工場あります束原料工場につきましては、四十四年度に廃止するという方針に基づきまして、関係の地方の御了解等をお願いしておるところでございます。  「経営管理の近代化」で、本社組織等を改めたいと思っております。問題は早急に検討を進めまして、あまり遠くない時期に、本年度内でも実施したいと考えておる部分であります。地方組織になりますというと、地方のいろいろな特殊事情、地方の組織の当事者の考え方というものを具体的によく検討をこれからいたしたいと思っております。「目標管理」につきましては、少しずつテストしながら広げてまいりたいと考えておる部分でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 「中期計画」の内容全般については、きょうは時間もありませんから、詳細にお伺いできません。問題をしぼってお伺いしたいと思うのですが、それは、工場、事業所の統廃合等の問題でありますけれども、この「中期計画」の内容を見ますると、「拡充計画」の(2)でありますが、「新工場の建設」、これは、函館工場、盛岡工場、金沢工場、臼杵工場、それから高松、徳島工場――これは合併、新工場設置ということになるのだと思いますが、それから新東京工場、北関東工場、大体こういうものが一応予定されておるようでありますね。それから(3)「既設建物のままでストリップ原料使用方式に切替える工場」ということで、茨木、岡山、府中、鳥栖、京都、浜松、こういうことで一応の計画を載せてある。それから「新工場の設計」でございますけれども、これは「今後計画する新工場は、工程全般について基本的に再検討し、高水準の近代的工場として設計する。」と、こういうことになっておりますね。その他いろいろとこまかい工場の統廃合計画についてあるわけですけれども、原料工場で廃止されるという工場はどのくらいあるのですか。それからこの「中期計画」は五年間という先ほど説明がありましたけれども、そういう中で、函館の新建設であるとか、あるいは品川、業平の統合、あるいは高松、徳島の新工場、あるいは茂木、宇都宮の新工場ですね、こういったことで、総体、何工場を廃止をして新工場を設立していくかまえなのか。この辺の問題が一つ。それからもう一つは、いま、出張所というものは一体どのくらいあるか、この出張所というものを一体どのように統廃合していく、区画整理をしていくのか、その構想。それから収納場は一体どの程度考えるか、この問題。そういった主としてこの工場の統廃合の問題について内容を説明していただきたい。それからこれらの具体的な実施期日は一体どの辺に考えておるのか、ずっと先に送ってそれから実施していこうとするのか、その辺の見通し、そういう問題についてお伺いしたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 具体的に打ち出しております原料工場八工場の廃止が、ことし耕作者の方々から秋以降葉たばこを収納いたしますけれども、その収納した葉たばこを束原料工場であります八工場についてはもう回す必要がありませんので、これを今年度からもう使いませんという考え方でございます。この八工場と申しますのは、南から申し上げまして、鹿児島県加世田、宮崎県の都城、久留米、諌早というふうに九州では四カ所になります。中国地方へ移りまして、広島県の本郷というのがございます。それから西金沢にあります原料工場。それから四国へ移りまして、高知県の土佐山田にございます原料工場、徳島県小松島にあります原料工場、これが廃止と予定を立てておるものでございます。  先生のお話のうちにありました、建物が堅牢でありますのでそのまま使いまして、製造方式をストリップ原料使用方式と称しておりますものに変えていこうという茨木、岡山等の工場につきましては、四十五年七月に切りかえることができるようにときめておりますのが茨木、岡山、府中、鳥栖でございます。浜松、京都工場は、四十六年四月から切りかえが行なえるように計画を立てております。  新しく建設します工場としましての函館は、四十七年七月から稼働できるようにしたいと考えておる次第でございます。盛岡工場、金沢工場も同様でございます。合併をいたします新東京工場は四十八年四月から動かせるように、北関東工場は四十八年十月からの稼働を目標にいたしております。四国の関係も同様でございます。それから新工場建設のところで臼杵が入っておりますが、これも四十八年十月時点で稼働が始められるようにと考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 盛岡、金沢はいつだったですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 盛岡、函館、金沢は四十七年七月でございます。  原料工場のことを先に申し上げましたけれども、われわれが製造工場と申しておりますたばこを巻いております工場につきましては、新東京工場というものをつくりまして業平と東京を統合いたしまして、北関東工場をつくりまして宇都宮と茂木を統合いたします。四国の高松、徳島につきましては……。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いまのはいつですか、茂木、宇都宮の北関東は。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 四十八年十月でございます。統合を打ち出しておりますほかは廃止する工場というものをいまのところ考えておりません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 一番最初に説明のあった鹿児島の加世田、諌早、それから本郷、それから土佐山田、小松島、こういったものを廃止をするのじゃないですか、違うのですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 廃止をいたします。ただ、先生に申し上げておきますが、私のほうで特殊なことばの使い方をしておりまして恐縮でございますが、たばこを巻いております工場を製造工場と申しております。巻いております工場へ原料を持ってきます前の段階で原料を再乾燥をやります工場のことを原料工場と称しております。工場のやっております作業の中身が違いますので、これを区分して扱っておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 原料工場の品川、業平が統合、廃止をする、あるいは、茂木、宇都宮を新工場を北関東工場ということで置きかえていく、これは結局どういうことになるのですか、どっちか廃止するということになるわけですか、名前だけ変えていくということですか、内容はどういうことですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 私ども、統合するという考え方でおります。どっちかの土地の上に工場が建つ場合もあるかもしれませんけれども、職員につきましては、現在あります両方の工場の職員を一つの工場にまとまってもらって作業をしてもらうという考え方でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 だから、結局、品川、業平という工場は廃止をして、それで新東京工場ですか、そういう名称でどっかへ新たな敷地を求めて新工場建設をやっていく、確かに表面は統廃合でそういうものを移動したというようなかっこうになるのでしょうけれども、実際はそういう既存工場というものを廃止をして、それで新しく統廃合で新工場を建設をする、名称も変わる、こういうことになっているのじゃないですか。茂木、宇都宮もそうじゃないですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 新東京工場、北関東工場の考え方につきましては、建物は建て直さなければならぬと考えております。土地につきましては、既存の土地を新東京工場の場合には利用しなければならないと考えておる次第でございます。まあ考え方であるかもしれないと思いますけれども、両方をつぶして新しいものということに考えますよりも、両方を集めてつくり直すという――先生の御質問の趣旨をよくわかっていない点があるかもしれませんが、私どもは非常に常識的に御説明申し上げましてそういうふうに考えている次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私は非常に常識的に言っておるんで、そういう疑いを持たないでもらいたいんですが、問題は、品川工場が現存しているわけです。業平工場が現存している。茂木工場があり、宇都宮工場が現存している。これを全部一応は廃止するわけです、実際は。そこに土地があるやつを、まさか北関東工場に持ってくるわけにいかないんですから、結局は、実際の内容というものは、こういう既存工場というものは廃止をして、それで新工場を新たにつくり上げていく。中期計画全体を見ると、製造機械を高度な近代的なものに置きかえていくということですから、既存のたばこ製造機械というものはそれを廃止をするか、ないしは流用して財産償却をしていくか、そうすることになっていのんだろうと思うんです。そういうことの解釈でいいんですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 製造機械につきましては、先生御指摘のとおり、私ども、性能の高いものに入れかえたいと思っておりますので、現存のものはやめることになるかと思います。ただ、私ども、もう一つ、人の問題につきましては、両方から集めて働いてもらうという考え方をとっておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私は、人の問題はまだ聞いていないんですよ。問題は、既存工場を廃止をするんでしょうと聞いているんです。それで新しく新工場を建設するんでしょう、そういうことなんです。その見解を聞きたいわけです。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いろいろ検討しておるものがございますので、いまこの段階ではっきり申し上げかねる点がございます。現在地を動かないで新しい工場をつくりました場合には、おそらくそっちのほうは廃止ということにならないかもしれないと思います。名称の変更はございましょうが、廃止という手続をとらないで済むのではないかと思います。もし現存のどちらの土地も使わないという場合が起きますというと、それは、先生御指摘のとおり、規定の整備上は、両方廃止になって、新しい工場が別にできるというかっこうになるかと考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その辺をはっきり見解を承らないと、先に進まないんですよ。だから、品川、業平は現在工場があるわけでしょう。茂木もあるいは宇都宮もあるわけですね。いずれにしたって、この用地なり施設、製造機械なり、そういったものは使わないわけでしょう、新しい工場を建てるんですから。使うんですか。どうなんですか、その辺は。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 私ども具体的ないろいろな場合を考えました場合に、現在あるいずれかの工場を使う場合があると思っておる次第でございます、工場の敷地を。建物はかえますし、機械はかえます。しかし、現在ある敷地の上にそれをやるという場合が起こるかもしれないと考える次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そういうことだとすれば、「中期計画」というものはきわめて片手落ちじゃないか。いま副総裁がいろいろ発表されたように、四十四年から使わないものは鹿児島の何だということで八工場、それから原料工場でいわゆる廃止統合をやるものは、品川であるとか、茂木であるとか、あるいは高松、徳島も予定されておると思うのですが、こういうものが計画をされている。そして、なおかつ、新工場建設については、函館とかいろいろずっとあがっている。その完工年月日まで計画面としては明確に策定をされておる、こういうことですね。そういうことであるとすれば、品川、業平とか茂木、宇都宮、こういったものを統廃合される、その後の計画を何に使ってどのようにやっていくということを策定されなければ、こういう計画は片手落ちじゃないですか。その辺はどうなんですか。廃止をして統合したところは何に使う、これは計画はあるのですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いまのところ、統合してつくるという方針を打ち出した段階でございますので、廃止後の利用計画を具体的にお示しできるまでにはなっておりません次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 じゃ、もう一度伺いますが、工場の新統廃合でもって原料工場はずばり何工場廃止するのですか。ないのですか、あるのですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 原料工場とわれわれが申しております作業をやっております工場は、二十三工場ある次第でございます。そのうち、先ほどから申し上げております加世田等八工場を廃止したいということでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 八工場は廃止をすると。そうしますと、廃止をするんですから、そこには国有財産というものがあるわけですね。この財産も当然資産償却ということで何だか転用なり交換なりそういうことをされていくわけですか。その辺はどうですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 公社の持っておる財産は、国有財産法の適用を受ける意味での国有財産ではございませんですけれども、御指摘のように、廃止をされましたあとの利用につきましては、いろいろ地元の御要望がありましたりしますので、今後現地の実情に合わせまして話し合いを詰めてまいりたいと考えておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうしますと、それは、結局、財産の処分、こういうことになりますか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) お話のとおりでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そういうことになりますと、ひとつ見解を聞きたいのですけれども、専売公社法の四十三条の十九、この見解はどういうふうにおとりになっているのですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 原料工場を廃止いたします点につきましては、この法律の規定には関係がないと思う次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま、前の私への回答で、八工場廃止をする、これは財産処分ということになりますかと言ったら、副総裁は、そういうことになりますと明確に言っているんです。それで、私、四十三条の十九の解釈というものをどうしますかと、こういうことでいま質問したら、関係がないということは、これはどういうわけですか、法的根拠を明確にしていただきたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) たしか、四十三条の十九は、「製造工場及びこれに準ずる重要な財産を譲渡し、又は交換しようとするときは、国会の議決を経なければならない。」ということに書かれておりますが、原料工場は作業はいたしません、廃止をいたしますという段階では、この法文とは関係がございませんということを申し上げました。ただ、地方公共団体その他へ売却をいたします際には関連を持ってくると考えておりますが、ただ、原料工場の個々の敷地等は、「製造工場及びこれに準ずる重要な財産」の「重要な財産」の範囲に入るかどうかは、評価その他が具体的にきまりましてから検討いたしたいと思う次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 副総裁は検討ということを言われておりますが、これは前にもそういう経験があると思うんですね。それで、この四十三条の十九というのは、「(財産の処分の制限)」で、いろいろといままで国会で問題になってきた諸点だろうと思うんですが、「公社が製造工場及びこれに準ずる重要な財産を譲渡し、又は交換しようとするときは、国会の議決を経なければならない。」わけです。さらに、内閣法制局の権威ある見解によると、  一、本条は、公社が重要な財産を処分する場合に、国会の議決を経なければならない旨定めたものである。 ということで、いろいろ解釈の方法はあります。たとえば、価値説がどうであるとか、あるいは機能説がどうであるとか、法文の内容等の検討は今日までも解釈上分かれてきておることは間違いないのですけれども、しかし、これはずっといきますと、確認みたいなかっこうで国会で明確な結論を出しておることは、  国会の議決を経べき財産として、本条は特に  「製造工場」を掲げているが、これは、公社財産  の保全を図る見地からみて、「製造工場」が公社  財産の中核をなすためと解される。と、こういう見解をもって、いまの製造工場の廃止等については、明確に、国会の議決を経なければならない、こういうことに結論づけをされておる。それで、なおかつ、小名浜製塩工場が処分をされた事例があるわけですけれども、この場合には、  日本専売公社法第四十三条の十九の規定に基づ  き、国会の議決を求める件以下、内容といたしましては、  次の財産を処分することについて、日本専売公  社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)第四  十三条の十九の規定に基づき、国会の議決を求  める。  一、日本専売公社     用財産   (一) 所在地   県   市   (二) 処分する財産の区分、種別、数量及び台    帳価額等 ということで、土地、建物、構築物、装置、こういうものが入れられて、財産の処分はこういうことで国会の議決を求めなければならないということで明確に国会にはかられたためしがあるわけです。今回は、この中期計画に見られるように、いま副総裁がおっしゃられたように、八工場を廃止をする。当然、それに伴う財産なり用地あるいは各種機械、こういうものがすべて交換もしくは流用ないしは廃止、こういう角度で一つ一つ整理をされていくわけでしょう。だから、副総裁も、それは廃止だということを明確に答弁をされておるわけですけれども、これは当然国会の議決を必至とするものじゃないですか。どうですか見解は。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 法律の解釈問題でございますので、監理官が御答弁申し上げるのが正式だと思いますけれども、私ども、さっき申し上げましたように、売却するとか交換するとかいうことになりますというと法律の関係も検討しなければならぬと思いますけれども、工場の作業を停止し、原料工場としては廃止するという段階では、この法律と関係を生じてこないのではないかと考えておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それじゃ、この八工場を廃止して、機械とかそういう施設はどういうかっこうにしておくわけですか。あるいは、その用地というものはどういうかっこうにしておくのですか。副総裁は、前に、そういうものは当該地と相談をして流用もしくは交換云々というようなことを言われているわけですね。そういうことはその「財産の処分」ということにはつながらないのですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いろいろ御要望の向きもありますので、これは地方公共団体にお譲りするような場合も出てくると思いますけれども、さしあたりのところでは、倉庫等は不足しておりますものでございますから、物の貯蔵等にさしあたりは使うことになる、処分がきまるまでは使うことになろうと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そういうばくとしたことではいけないと思うんです。片方の新工場の統廃合なり建設は具体的に策定をされる。そういう国の財産を、何といいますか、工場廃止等に伴ってあいているこういうものについて、どういう使用方をしていくのか、そのまま寝せておくのか、機械はどうするのか、こういうものがやっぱり同時計画として立案されなければ、ほんとうは片手落ちでしょう。いま、副総裁は、あくまでも財産として持っておる、有効適切にこれを使用するかのような答弁だった。これは非常に漠たるものですね。片方のものは明確に計画にのせられている。しかし、そういうものについては全然計画がない。  それで、参事官にお伺いしますけれども、これはいま指摘をした「(財産の処分の制限)」に該当しませんか。

平井廸郎日本専売公社監理官

○政府委員(平井廸郎君) 四十三条の十九の解釈の問題でございますので、副総裁の御見解を補足して御説明申し上げたいと思います。  先ほど、副総裁が、原料工場の廃止等に伴って、あるいはこれを譲渡するというようなことが起こってくるというようなお話がございました。したがって、当然廃止自体についてもあらかじめ国会の議決が要るのではないかというお尋ねではなかったかと思いますが、本条の解釈につきましては、あくまでも資産価値として重要であるものを譲渡し、または処分するという、あるいは交換するというような場合におきまする財産処分の制限規定であることは、タイトルから見ましても明らかでございまして、その意味におきまして、重要な財産を具体的に譲渡し、または交換しようとする際には、確かに国会の議決を経るということになることはもちろんでございます。ただ、ただいま御指摘のような原料工場につきまして、具体的に国会の議決が必要であるかどうかは、個別的な案件につきましてそのつど検討して決定すべきものであろうというふうに考えておる次第でございます。ことに全国の八工場につきまして廃止そのものが行なわれましても、すべての話し合いというのが同時的に行なわれるものでもございませんし、話し合いのいかんによっては公社として一時使用するというようなものもございましょうし、あるいは譲渡が比較的すみやかに行なわれていく場合もございましょうし、したがいまして、全体としてこの案件を国会で御議決いただくということにはならないものというふうに考えております。  なお、ここで「製造工場及びこれに準ずる重要な財産」ということを規定いたしておるわけでございますが、確かに、たばこ製造工場というものが、公社の基幹的な財産であり、重要な財産であるということは言うまでもないわけでございまして、その限りにおきまして製造能力のある形で工場を譲渡するというような場合におきましては、当然そういう具体的な施設の譲渡について国会の議決を要することはもちろんでございますが、それとバランスする程度の重要な資産という具体的な認定につきましては、やはり具体的にケース・バイ・ケースで判断していく以外にはなかろう、どの程度の重要性を持っているかということはその段階において判断することであろうということでございます。  なお、小名浜工場の問題が出たわけでございますが、小名浜工場の事例を見ましても、これは財産処分の承認を求める件という形で出ておるわけでございまして、その意味におきまして小名浜工場の廃止というものについての承認問題ではないという形になっております。なお、その場合におきましても、これが重要な財産に当たるかどうかという点についてはかなり議論があったわけでございますが、むしろ、小名浜工場の場合におきましては、当時全体として塩の生産量を減らしていくという問題の一環として、公社の持っております唯一の製塩工場をやめるというような特殊な問題であった関係もございまして、特に国会にかけるというような考え方をとったようでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま副総裁が指摘をされた八工場の廃止というのは、製造工場を廃止するわけでしょう。

平井廸郎日本専売公社監理官

○政府委員(平井廸郎君) 先ほど副総裁がちょっと御説明申し上げたと思うのでございますが、いまの法律の書き方というのは、実は製造工場と原料工場というものを書き分けておりまして、製造工場というのは、あくまでもたばこを巻き上げてたばこという形でつくり出す工場を製造工場と申しておるのでございまして、その他それに至る準備過程の葉たばこを再乾燥する原料工場というものは直ちに製造工場には当たらないというふうに理解しております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それじゃ、原料工場と製造工場の現行の工場をひとつ教えてください。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いまある工場でございますか。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうです。原料工場と製造工場を……。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 製造工場は三十九ございます。関東地区を試みに申し上げますと、東京品川、小田原、秦野、東京の業平、水戸、宇都宮、茂木、高崎というふうになっております。これは三十九全部申し上げるのでございましょうか、例示でよろしいのでございましょうか。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 統廃合に関係のあるものでいいです。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 統廃合に関係のありますのは、先ほど申し上げました業平、東京の品川両工場を統合して新東京工場をつくろうと考えておりますのが一つ、宇都宮、茂木両工場を統合いたしまして北関東工場というものをつくりたいと考えておりますのが一つでございます。高松、徳島につきましては、まだ検討を加えなければならぬかと考えておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それは製造工場ですね。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) そうでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 参事官ね、製造工場なんですよ、東京品川、業平、宇都宮、こういったものはね。製造工場を廃止をする、こういうことで明確なんですよ。

平井廸郎日本専売公社監理官

○政府委員(平井廸郎君) 先ほど先生から私にお尋ねになりました段階におきまして原料工場という話がございましたので、原料工場についてはということで御答弁申し上げたわけでございますが、製造工場につきましては、先ほどの答弁の中でちょっと触れたと思うのでございますが、製造工場としての機能を有する総合的施設のままで譲渡しようとするケースが起こりますれば、これは当然国会の議決を得べきものであろうというふうに考えております。ただ、私どもがいろいろ相談いたしまして、見解としてこういうふうに政府部内で統一いたしております考え方は、たとえば工場の統廃合等によりまして、あるいは工場の移転等によりまして、ある工場の施設、機械施設等が他の工場に移されるというようなことが出てまいるわけでございますが、そういった施設の移転等によりまして工場がいわば製造工場として体をなさ丸くなったというような場合におきましては、そのあとの施設を譲渡する場合は、直ちに製造工場とはならないであろう。ただし、その場合におきましても、これが製造工場に準ずる重要財産であるかどうかということは、これは全体としての資産価値について判断すべき問題であろう、こういうふうに考えておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 理財局の次長が来ておると思うのですが、いまの副総裁の説明では、明らかに製造工場を廃止するということを明言しているわけですね。財産の今後の使用方については一体どうなのかと言えば、それはまたこれから検討すると。これは明らかに財産の処分ということにならないんですか。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○政府委員(谷川寛三君) どうも、私どもの所管いたしておりますいわゆる国有財産法に言う国有財産じゃございませんので、全く公社のほうとは関係がございませんので、さっき監理官がお答えしましたところで御了承願いたいと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 参事官ね、これは製造工場ですよ。じゃ、具体的に、これを廃止をした事後の使用方についてはどういうことになっているんですか。それは聞いているんですか。  それからもう一つ、参事官はこの内容についてお調べになったことがありますか。今回の専売公社の「中期経営計画」の工場統廃合ないし新設計画等について、あなた知っていますか。

平井廸郎日本専売公社監理官

○政府委員(平井廸郎君) 私ども、職制上、「中期経営計画」におけるこういう計画は伺っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうしますと、本計画については、あなた方とも相談をして計画をしている、こういうことですね。

平井廸郎日本専売公社監理官

○政府委員(平井廸郎君) 専売公社法の第一条は、国から付託された専売事業を健全かつ能率的に経営するのが専売公社だというたてまえでできておりまして、大蔵大臣の監督権限は、公社法なりたばこ専売法なり塩専売法なり関係法令において具体的に定められておるわけでございまして、その基本的な姿勢は、公社の経営については原則として予算なり国会の御統制のもとにおいてできるだけ国自体が直接タッチしないというたてまえでできておるわけでございまして、こういった長期の経営についてのいわば公社のビジョンと申しますか理想図というようなものについては、できるだけ公社の立場を尊重して、これを形式的に申しますればバックアップするという気持ちはございますけれども、具体的にこれを承認するとか、あるいは公社とともにこれを計画するという立場にはなっておらぬわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ちょっとぼくは錯覚を超こしておったんですが、あなた専売公社監理官ですね。  理財局次長のほうにお伺いするんですけれども、国会の議決を経る財産としてはどういうものですか、ちょっと列記してみてください。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○政府委員(谷川寛三君) 国有財産につきましてのお話でしょうか。――私のほうの所管しております国有財産につきましては、これは全く公社とは関係がありませんから……。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私の質問要旨は、いま専売公社の財産等の問題について質問をやっているんです。その点についての理財局次長の見解はどうなのかと……。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○政府委員(谷川寛三君) ですから、全く所管が違いますので、私から申し上げることは適当でないと思います。管理官がおりまして、これは専売公社のほうをやっておりまして、国有財産ではございませんので……。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 理財局では一切タッチしないわけですね。専売公社に一任をしておる、こういうことですね。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○政府委員(谷川寛三君) 一任ということよりも、法律の対象外なんでございます。国有財産は国有財産法に書かれておる財産のことを言っておるのでございまして、広い意味では国ということになるかもしれませんが、専売公社は別の人格になっております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 わかりました。  それじゃ、監理官に伺いますが、国会の議決すべき財産としてはどういうものですか。

平井廸郎日本専売公社監理官

○政府委員(平井廸郎君) あらためて申し上げるまでもないと思うのでございますが、専売公社法第四十三条の十九に定められておる財産であるというふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 内容を言ってください。

平井廸郎日本専売公社監理官

○政府委員(平井廸郎君) 「製造工場及びこれに準ずる重要な財産」でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま副総裁が言った三十九工場の中で廃止をする八工場というのは、製造工場でしょう。東京品川、業平は製造工場じゃないんですか。違うんですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 八工場廃止しますと、こう申し上げておりますときは、それは原料工場でございます。これは四十四年度から廃止したいと考えておりますと繰り返し申し上げておる次第でございます。先生がお聞きになっております品川、業平、宇都宮、茂木の統合計画は、先ほど申し上げたとおりでございますから、これは四十八年稼働ということになっておりますから、具体的に工事を始めますのが二年前と見ましても四十六年にどうするかという問題が起きるという時間的な見通しになるかと思います。したがって、まだ先のことでございます。それまで動かす工場でございますから、廃止のあとどうするということにつきましては、経過をかけてゆっくり検討してまいりたいと思っておるところでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうしますと、専売公社自体としては、この「中期計画」の中で、工場の統廃合ですね、こういうものは、この四十三条の十九に該当する事項は一切ないと、こういうことですね。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○一説明員(佐々木庸一君) さしあたり、現在のところ、国会の承認をお願いするような状態までいっているものはないと考えておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 全体としてこの計画を推し進めていくときは出てくるわけですか、「中期計画」を推し進めれば。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 場合によりましては出てくるかもしれないと思います。つまり、工場統合いたしました場合、あとがあいたというときに、これを公社で使えば出てこないと思いますけれども、ほかに処分をするというようなことになりますというと、出てくるかもしれないと思う次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その処分を要するようなものが想定をされるものはどういうものですか、計画の中で。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いまのところ、まだ一年をこえる検討期間の残っているものでございますので、ここでたいへんあいまいなことを申し上げますよりも、まだきまっていませんと申し上げたほうがいいかと思う次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これは五年間を想定して策定されたんでしょう、「中期計画」は。だから、この計画は五年後のものを全部青写真を描いているんですから、そういう中でいま言うた四十三条の十九に該当するようなものも当然想定されるものが出てくるんじゃないですか。それはまだ一年後にいかなければ検討できないということですか。それで、さっき発表したように、各工場の完工時期は四十八年何がしと、そこまで全部きめておるわけでしょう。一年後にいかなけりゃそういう問題については検討できないというんですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 前置きの部分につきまして方針を打ち打ち出したばかりのところでございまして、新しくどうやるかということにたいへんな時間と精力を使いましたので、その後の処分問題につきましては今後順次詰めてまいりたいという考えでおる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 だから、その詰めたいと思うものは一体どういうものがあるのですか。その辺がわからないんですか、詰めたいと思うものが。とにかく一年先にいったら検討するものが出てくるのでしょう、こういうものに該当するかどうか。それはわからないんですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いろいろ利用について計画が出ておるものもございますが、まだ白紙のものもございます。計画の出ておりますものも、あとで変わったりいたしますと失礼でございますので、まだ決定しておりません段階におきましては推測を申し上げるのを差し控えさせていただきたいと考えておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 たとえば、具体的な問題でお伺いしますけれども、これは四十四年の四月十日ですけれども、小松市で原料工場の用地買収を実際やっていますね、それを今回廃止をしている。これは新工場の建設のために用地買収をして、当該市の協力をいただいて、一定の契約書を当該局長とやって、そしてやったわけですけれども、こういうものの処理はどういうことになるのでしょう。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 私ども、そのあとの処理につきましてはいまたいへん苦しんでおるところでございますが、何らかの利用方法があれば考えてまいりたいと思っているところでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 しかし、これはもう用地買収を決定してから相当たっているわけでしょう。いまだに何らの検討がなされていないということですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 当初は工場を拡張する計画で土地をお世話願ったと記憶しておりますが、最近の作業の変わり方等によりまして新しい拡張はやめたほうがいいという判断になりましたので、廃止という線を打ち出しまして、計画の変更をやりました次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これは実際は四十一年ですよね。すでに決定しているのは。今日は四十四年ですから、もう三年も過ぎているんじゃないですか。それで、まだ何ら結論も出ていない、こういうことですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 前に立てられておりました計画を変更する必要があると判断いたしましたので、まず改築計画というものを停止いたしまして、その後いろいろ検討しました結果、廃止に踏み切ったという経緯のものでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いや、だからその経過措置はいいですよ。一体、どういう今後の対策を持っているのかというんです。ただ検討だけじゃなくて、相当年数がたってきているわけですから、どういう具体的処理で専売公社は臨むのか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 買いました当時の計画を変更いたしてまいりましたので、これは今後の問題といたしまして町の当局の方々とも御意見を伺いながら処分の方法を考えてまいりたいと思っているところでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まだきまっていないのですね。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) きまっておりません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それで、既設建物の茨木とか岡山、こういったものなどをストリップ原料使用方式に切りかえるということなんですが、これは四十六年の四月までに京都、浜松、こういうものを切りかえるということですが、これは順調に今後進み得る見通しにあるのですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) これは、ストリップ原料使用方式への切りかえは幾つかの工場ですでに経験を経ておりますので、私ども支障なく行なえるものと考えておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 でき得るならば、小名浜工場を廃止をした当時の専売公社の法的解釈、こういったものについてひとつ資料があればあとで出していただきたいと思いますが、それはいいですか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 調査してお出しいたします。

丸茂重貞自由民主党

○委員長(丸茂重貞君) 本件の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十一分散会

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