石炭対策特別委員会 第10号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1969/04/23
会議録
○委員長(阿具根登君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 当面の石炭対策樹立に関する調査のため、参考人として本日、日本石炭協会副会長貝島弘人君の出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。 貝島参考人から発言の申し出がございますので、これを許します。貝島参考人。
○参考人(貝島弘人君) 私は日本石炭協会の副会長をしております貝島弘人でございます。 去る十六日、当委員会における大槻参考人の発言中、大矢先生に対する答弁の中で、大矢先生も云々と名ざした発言と、同時に、小野先生に対する答弁の中で、現行抜本策の失敗は、業界の要望が政府、国会の段階でいれられなかった云々とございましたが、これは適切を欠き、かつ事実の思い違いに基づく失言でありました。本人も深く遺憾の意を表しておりますので、大槻参考人にかわりまして、その意を受けて深くおわび申し上げますとともに、右発言を取り消しますので、委員長におかれまして、よろしくお取り計らいくださるようお願いいたします。 なお、その後業界におきましては、当協会の評議員会を開きまして、あらためて業界一致の所信と決意を確認いたしましたので、以下申し上げます。 新石炭政策については、昨年末の石炭鉱業審議会の答申、本年初頭の閣議決定を経て、さきに四十四年度予算が成立し、いまや国会においてその実施を定める法律案が審議中でございます。石炭業界といたしましては、今日に至るまでの政府、国会、石炭鉱業審議会、その他関係各方面の石炭産業再建に対する長期間にわたる一方ならぬ御努力と御支援に衷心感謝と敬意を表しておるものでございます。 現行の抜本対策実施後、日ならずして新対策をお願いせざるを得ない事態に立ち至りましたことにつきましては、客観情勢の変化はあるにせよ、経営責任者として見通しの甘さ等、至らぬところもあり、深く責任を痛感いたしておるものでございます。 今回、政府、国会の御腐心により、多額の国費を投入して破格の対策が確立されようとしておりますときにあたり、ここにわれわれの決意のほどを明らかにしたいと存じます。 新対策が実施に移されました暁には、われわれは企業が負うべき経営責任を十分に自覚し、石炭産業再建の前途に横たわる諸困難をこん身の力をふるって克服し、国の援助にこたえたいと存じます。これがため各企業としては、労使関係の改善の上に立って労使一体となり、一そうの経営刷新につとめることはもちろん、業界全体としても共同共助の体制のもとにでき得る限りの合理化メリットの追求につとめたいと存じます。 以上、国民の期待にこたえるべく、われわれの新たなる決意を表明した次第でありますが、今後とも一そうの御指導、御叱正をお願いいたします。終わります。
○委員長(阿具根登君) 別に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。 なお、ただいまの貝島参考人の発言にもありましたとおり、日本石炭協会においては、去る十六日の大槻参考人の発言について遺憾の意を表明し、不穏当な個所を削除せられたい旨申し出ております。よって委員長においては、後刻速記録を調査の上、適宜処置することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 貝島参考人には、本日御多忙のところまことにありがとうございました。御苦労さまでございました。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。 このうち、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきましては、衆議院において修正が加えられておりますので、右修正点について、衆議院における修正案提出者から説明を聴取いたします。衆議院議員三原朝雄君。
○衆議院議員(三原朝雄君) 本日は、衆議院の石特から岡田理事、不肖三原が参っておりまして、私から発言をさせていただきます。 ただいま説明を求められました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正点について御説明申し上げます。修正点につきましては、お手元に配付してありますので御了承を願います。 修正の要旨を簡単に申し上げますと、昭和四十四年四月一日以降、閉山によって再び離職をする炭鉱離職者に対して発給する炭鉱離職者求職手帳の有効期限が一年に満たない場合には一年間を限り有効なものとするものでありまして、趣旨は新石炭対策に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者の再就職並びに生活の安定について万全を期そうとするものであります。 以上が本修正の要旨及び趣旨であります。何とぞよろしく御賛同をお願いいたします。
○委員長(阿具根登君) 御苦労さまでした。 ただいま御説明のありました衆議院における修正点について質疑のある方は御発言を願います。——別に御質疑もないようでごさいますので、続いて四案について順次政府委員から補足説明を聴取いたします。住職業安定局長。
○政府委員(住榮作君) 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その内容を御説明申し上げます。 この法案によります第一の改正点は、炭鉱離職者求職手帳の発給要件の緩和に関することでございます。炭鉱離職者求職手帳は、現在御承知のとおり、昭和三十七年三月三十一日あるいは昭和四十一年八月三十一日におきまして、炭鉱労働者として在職していた者に限って発給することとなっておりますが、今回の政府の石炭対策によって離職を余儀なくされる炭鉱労働者の再就職の促進と生活の安定をはかるため、新たに昭和四十三年十二月三十一日に在職していた者に対しましても求職手帳を発給することにいたしておるのでございます。 改正の第二点は、炭鉱離職者臨時措置法の有効期限を三年間延長することでございます。現在この法律の有効期限は昭和四十六年の三月三十一日までとなっておりますが、石炭鉱業審議会の今次の答申が昭和四十八年度を石炭鉱業を安定させるための目標年度といたしておることにかんがみまして、この法律の有効期限を昭和四十九年三月三十一日まで延長して、離職者対策の万全を期そうといたしておるのでございます。以上でございます。
○委員長(阿具根登君) 次に中川鉱山石炭局長。
○政府委員(中川理一郎君) さきに大臣から御説明申し上げました石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案及び石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明を申し上げます。 御承知のとおり、これら三法の改正は、現在の石炭鉱業が深刻な苦境の中に置かれており、現行の対策のもとにおいては、その存続自体が困難な状況に立ち至っておりますことに対処いたしますために、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申に基づき立案いたしました諸政策を実施いたします上で必要なものでございます。これら三法の改正案の理由及び概要は、大臣の御説明に尽きるものではございますが、これら三法の中には、技術的かつ複雑な規定が多々ありますので、法律の規定の運用の方針といたしておりますところを補足して御説明申し上げることといたします。なお、これら三法中政令及び通商産業省令に委任いたしておりますところでございますが、これらの立案は、目下検討をすすめておりますところでありますので、そのおおよその輪郭につきましても御説明をいたします。 まず、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明をいたします。 今回の改正は、大臣から御説明申し上げましたとおり、再建交付金の交付に関する規定を追加することであります。再建交付金は、その作成する再建整備計画について本法施行後新たに通商産業大臣の認定を受けた石炭会社に対し交付するものでありまして、この再建整備計画について認定を受けることができます会社は、石炭鉱業を営む会社で、その採掘可能鉱量が過去三年間の年間平均出炭量の十倍以上あることを要件といたしますよう通商産業省令を規定いたす所存でございます。これは、従来の元利補給金の交付対象会社が、この要件のほかに赤字の状況であることを要件といたしましたことと異なるものでありますが、この点は、今回の再建交付金制度が石炭鉱業がこれまでに負担してきた累積赤字を解消するという消極的目的にとどまることなく、将来にわたる石炭鉱業の再建のための基盤づくりを積極的に行なおうとするものであるためでございます。 このような再建交付金の交付の対象といたします債務は、会社が金融機関から昨年九月以前に借り入れました借り入れ金、すなわち一般金融債務、同じく金融機関から昨年十月以降今年四月以前に借り入れましたいわゆる経過金融協力分の債務、それに賃金や退職金などの従業員関係債務の三つとなっておりますが、これらの債務につきましては、経過金融協力分と従業員関係債務を一般金融債務に優先して支払うことといたしております。このため、これら二種の債務の支払いが完了いたしますまでの間を、一般金融債務につきましての据え置き期間といたす所存であります。 また、再建交付金の各社別に配分すべき額は、法施行後申請を待って確定することとなりますが、その中から経過金融協力分をまず控除し、残額分につきまして、各社の持っております金融債務残高と出炭実績の比率を勘案して配分することといたします。 次に損失の補償の規定であります。今後の石炭企業における設備資金等に要する長期金融につきましては、石炭鉱業合理化事業団が行なう無利子貸し付けが中心となるのでありますが、同時に、市中の金融機関につきましても応分の寄与を期待いたしているところであります。しかしながら、現在の石炭鉱業には、市中金融機関からの融資に必要となります担保に供し得る財産が枯渇いたしておりますことにかんがみ、所要の担保を捻出するための方策を考える必要があります。この損失の補償の特例の措置は、以上の趣旨にかんがみ創設するものでございまして、市中金融機関にすでに担保として差し入れてある財産を再活用してその金融機関が石炭鉱業の再建のための新たな貸し付けを行ないました後に、その会社が石炭の生産の事業を廃止してその貸し付けが貸し倒れになった場合に特別の手当てを施そうとするものであります。 ————————————— 次に石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。 今回の法律の改正の第一点は、今後やむを得ず生ずる企業ぐるみ閉山による社会的混乱を防止するため、石炭鉱業合理化事業団が石炭鉱山整理特別交付金を交付する制度を創設することであります。この特別交付金の交付対象企業は、昭和四十四年四月一日から昭和四十六年三月三十一日までに会社を解散し、その保有する鉱業権をすべて放棄いたしました場合で、所定の要件に適合いたしている場合に交付いたします。 次に、特別交付金の額の算定でありますが、この制度は、著しい超過債務の状態で石炭企業が企業ぐるみで閉山いたしますと、従業員、関連中小商工業者、鉱害被害者などが耐えがたい打撃を受けますことを防止するために設けようといたしているものであります。したがいまして、従業員関係債務、一般債務、鉱害債務等につきまして、それぞれが適切な限度まで充足されるように特別交付金の額を算定いたすこととしております。すなわち、従業員関係債務につきましては、未払い賃金の七五%のほか、退職手当等に対しては、一定の基準に該当する部分に関して、その全額を、鉱害債務につきましては、原則として金銭打ち切り賠償の全額、鉱害復旧に関する鉱業権者の納付金の三年分等を、一般債務につきましては、原則としてその取り立て不能額の五〇%を、金融債務につきましては、原則としてその取り立て不能額の五〇%とすることといたす所存であります。なお、一般債務につきましては、法案に規定いたしております資材の購入のための買い掛け金債務のほかに、何を含めるかにつきましては、通商産業省令に委任されておりますが、産炭地域における中小商工業者が持っております債権が保全されますようにできるだけ配慮いたしたいと考えております。 改正の第二点は、石炭鉱業の体制の整備に資するため、石炭企業が相互に協力して事業を行ない、またはその事業を一体的に運営することが特に必要な場合には勧告を行なう制度を設け、また、石炭の流通の円滑化をはかるための共同行為の指示の制度を設けることにいたしております。 ————————————— 最後に、石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 今回の法律改正は、大臣から御説明申し上げましたとおり、石炭鉱業安定補給金を政府から受けております石炭会社をこの法律の規制の対象に加えるものでありますが、これは今回の石炭鉱業審議会の答申に基づき石炭鉱業安定補給金が大幅に増額されましたので、これに伴うものであります。安定補給金は、従来再建会社と中小石炭企業を対象にトン当たりほぼ百五十円程度を交付いたしてきたものでありますが、わが国石炭鉱業の安定と再建のための重要な柱としてこの安定補給金制度の充実、活用をはかろうといたします観点から、この対象を中小炭鉱に限ることなく、全企業に拡大することといたしました。なお、予算規模は、昨年度の二十三億円から百二十億円へと約五倍の拡大をはかりました。 今回、法律を改正いたしまして経理の規制をいたしますのは、このような多額の国家資金が安定補給金として投入されますので、石炭会社の経理を明確化し、その経理処理を統一して実情に合うものにいたしますほか、安定補給金を受けている会社が利益金を不当に社外流出させて、その結果安定補給金を交付いたしました効果を減殺することにならないよう利益金の処分について認可制度を実施いたしたいと考えているからであります。 以上、石炭関係三法につきまして、その提案理由並びに概要につきまして補足して御説明いたしました。
○委員長(阿具根登君) 以上をもって四案についての補足説明は全部終了いたしました。 続いて質疑に入ります。まず、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○大矢正君 まず、労働大臣にお尋ねをいたします。先般四十四年度の予算が成立をし、石炭特別会計が同時に成立をいたしましたので、予算面における新石炭対策というものは一応確立をしたわけでありまするが、しかしながら、その予算を実行するにあたっての施策を盛り込んだ法律案がただいま補足説明をされ、これから議論をされることになるのでありまするが、国が答申に基づき閣議決定をして新しい石炭対策を樹立いたしたとしましても、最終的には労働力の確保が得られない限り石炭の産業的、また企業的基盤の確立は望むことができないと考えます。したがいまして、これからの石炭産業の安定、再建企業も含めてでありますが、その第一の要件は、いかにして労働力を確保するかということに私は尽きると思います。それほど今日労働力の確保は困難な状態に直面をしていると思われるのであります。政府が、特に労働省が考えておりまする離職者臨時措置法ももちろん労働力の確保にほかなりませんが、法律にとらわれることなく、さらに一そう労働力の確保に向かって労働省も行政官庁として努力をされない限り、石炭の再建安定はないと私は思うのでありますが、この際労働大臣の所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) いま大矢先生の御説まことに同感でございまして、われわれも単に離職者対策をやるという消極的なものでなくして、積極的に労働力を確保していきたい、こういうことに考えております。労働力確保をはかることが必要なことは言うまでもございません。それには基本的に申し上げますと、石炭鉱業そのものの経営基盤を将来にわたって確立すること、これが最も基本的なものでございます。さらに鉱山の保安を含む労働条件全般を魅力あるものにいたしたい。そして明るい、働きやすい作業環境を維持するというようなことを考えております。さらに今回の石炭対策につきましては、このような観点から再建交付金の交付等の諸施策を講じて経営基盤を確立し、保安の確保をこの法律によってはかっております。さらに住宅の改善、福祉対策の推進、退職金の確保等をはかろうといたしております。 さらに労働省といたしましては、これらの諸施策と相まって、炭鉱離職者臨時措置法に基づいての措置といたしましては、炭鉱離職者が存続炭鉱へ再就職する場合の移住資金を増額するなど援護措置の充実をはかり、また炭鉱における労働力の確保をはかることといたしておりますが、この問題の重要性にかんがみ、今後においても積極的に労働力の確保ということを主力といたしまして、十分検討して御期待に沿うように万般の施策をやっていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○大矢正君 具体的にはどのような再建案なり再建計画なり安定計画がかりにできたとしても、労働力を確保することなくして産業と企業の安定はできないことは、ただいまの大臣の御答弁によって十分述べられておると思いますので、私はこの際特に政府に要望をいたしたいと思いますことは、今日石炭以外の産業、あるいは産炭地域から炭鉱に働く労働力を確保するということはなかなか困難であります。一番早道は、かりにやむなく閉山あるいは合理化、縮小、こういう形になった山の離職者をできるだけ多く吸収するということが、現にいままで炭鉱労働者として働いておりまするゆえに、技術的な問題もありまするし、また炭鉱生活の経験もありますから、早道だと思うのであります。だが、残念ながらいま大臣も言われたとおりに、かりに残った炭鉱といえども、一つには不安定な問題を将来かかえている、魅力がないということで他産業に流出していく労働力が非常に多いという現況にあります。そこで、離職者手帳の交付あるいは移住資金、あるいは離職金等々、労働省におきましてもそれぞれの施策は打っておりまするが、しかし、なおこれをやっても十分な労働力が確保できないという現状にもありますから、この際一番近道として、終閉山を余儀なくされた炭鉱の離職者をいかにして炭鉱に再就職をさせるかということに、いま少し積極的な姿勢が望ましいのではないかという私は感じがするわけであります。 そこで、これは私の私案でありまするが、炭鉱から炭鉱に再就職をかりにする、あるいはしたという人に対しては、ある一定の年限を限って奨励金を個人に支給する等の措置をとられることが、さらに一そう労働力の確保の上に役立つのではないか。もとよりこれは現行法の中ではできないことでありますから、これから所管官庁として十分検討が願いたいと思う点でありますが、ともあれ、そういうような措置を講じていかないと、なかなか労働力の確保は困難だと思いますので、ぜひひとつこの点に対しての検討をしていただきたいということをこの機会に強く大臣に私として希望いたしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 御承知のように、今度こういう山の離職者が他の再建炭鉱に行く場合に移住資金を全額支給するという、これは新たなことをやっておるわけでございます。で、御説の今度は別に奨励金を出すような制度をつくったらどうかということでございますが、私は趣旨としては賛成でございますが、この法律には盛り込まれておりませんので、将来大いに検討して、前向きで善処いたしたいと思っております。
○大矢正君 労働力の確保は、第一義的には経営者の責任であることはもちろんでありますが、政府も多額の国費を投入して産業と企業の再建と安定をはかろうとしておるのでありますから、ぜひひとつ積極的に検討を願いたいと思います。 次に、法律に関連をしてお尋ねをいたしますが、局長から御答弁をいただきたいと思いますが、第一の問題点は、今度の法律改正によって、従来と異なり、昨年の十二月三十一日現在において炭鉱労働者であった者がその以前に、もしくは以降において一年間炭鉱で働いた際には手帳の発給の条件が生まれるのだということでありますが、四十四年の一月一日以降炭鉱に就職した者は手帳をもらう資格がないということになるわけでありまして、これはこれから新たに炭鉱を希望して就職をしようとする者に、ある意味においては門戸を閉ざすような法律の内容になるのではないか。もちろん従来合理化あるいは抜本策というものが出され、時点時点でとらえてやってこられておることは私もよく存じておるところではありますが、ただいま申し上げたとおり、労働力の不足というものは深刻なものがありまするし、そしてまた経営者の一部には、離職者手帳を交付すること、そういう制度をつくることが逆に炭鉱に人を来させないような原因になっているというような誤った考え方がありますが、私はそうではなくて、万一終閉山になっても離職者手帳があるから心配ない、あるいは安心だということで炭鉱に働くという者のほうが本質的には私は多いと思うし、それが事実だと思います。したがって、そういう面から考えますると、昨年の十二月三十一日現在で打ち切ってしまうこの法律の内容が、石炭産業、企業の安定、再建のために役立つかどうかという点にはどうも疑点を感ずるわけでありますが、今後この問題について、この法律ではできないにしても、考える余地があるかどうかということを承っておきたいと思います。
○政府委員(住榮作君) 炭鉱離職者の手帳制度は、ただいま御指摘もございましたように、政府が抜本的な石炭対策を打ち出しましたときに、現に炭鉱労働者として雇用されているそういう方が、いわば国の施策によりまして、本人の意思にかかわらず離職を余儀なくされるということを考慮しまして、そういう方に対しては手厚い再就職のための措置をとろうということから、たとえば今回の場合は四十四年の一月十日、石炭対策の閣議決定がなされておるのでありますが、それに最も近い暦月の末日である四十三年の十二月三十一日に在籍した石炭労働者を対象にしたのでございます。そういうような趣旨で、いわば石炭対策が決定された後にそれを知って石炭産業へ入ってきた者については、制度の趣旨から見ましても手帳を発給しないというのが現在の法律のたてまえになっておるわけでございます。しかしながらいまも御指摘がございましたように、炭鉱労働者、炭鉱における労働力の確保という意味から見ましても、はたして現在の制度が適当かどうかということについていろいろ問題もあろうかと思うのでございます。そこで今後この問題は一年間実は起こってこないのでございますが、一年間の推移を十分見た上で、御指摘のような問題にどう対処するか、検討をする、一年間の状況を見た上で十分検討していきたいというように考えておる次第でございます。
○大矢正君 次にお尋ねをいたしますことは、炭鉱に再就職をし、その後合理化によって再び離職をし、新たに安定した他産業の職場に働くことになった者が、重ねて炭鉱に働くというような非常に何段階にも変化をしている最近の離職者の現状があります。そこで安定した職場についた者について手帳の再発給はしないということが行なわれるということになりますると、今後労働力の確保の上において非常に困難な問題が発生してまいります。従来の経緯を見ますると、合理化その他によって終閉山ないしは縮小になり離職をした者が、他に職を求めて移動をいたしまして、ある程度職場は確保したが生活が成り立たない、あるいは職場の環境が長い間の炭鉱生活をしている者にとって耐えられないというようなことで、重ねて炭鉱に戻ってくるという者がかなり最近はあると私ども聞いております。しかしながら、こういう者は現行法の厳格なたてまえからいくと、安定した職場という解釈をされて手帳の再発給が困難だということになるような向きがあります。そこで、安定した職場というものの解釈につきましては、やはりその本人の参りました新たな職場や、あるいは職場の労働条件や、そういうものを十分勘案をされて、でき得る限り手帳再発給の道を今後講じてもらいたいと思うのでありますが、その点についてのお考えを承りたいと思います。
○政府委員(住榮作君) 石炭労働者が離職いたしまして、そしていろんな過程を経まして、炭鉱労働者以外の安定した職業についた後に、さらに離職しまして炭鉱に就職し、そして炭鉱から離職する、そういうような場合には、すでに他産業における安定した職業に対する適応性がついておるというような観点から、臨時措置法では炭鉱離職者の手帳を発給しないというようなことになっておることは御承知のとおりでございます。しかし、御指摘もございましたように、他産業の就職では生活が成り立たない。たとえば賃金が一般水準よりきわめて低いところに就職している。あるいはまた、炭鉱離職者としての長年の作業環境からきました特殊事情から、新しい職場環境になじめないために離職を余儀なくされたというような場合が多々あることは承知いたしておるわけでございまして、そういう場合に、安定した職業についたということだけで手帳の発給をしないということは、はたして炭鉱離職者の援護上の問題としていかがかということが考えられますので、今後安定した職業についての解釈につきましては、そういった賃金の事情とか、あるいは他産業における就職、雇用の実態というものを十分検討しまして、安定した職業の解釈について慎重を期してまいりたいと考えております。
○大矢正君 次にお尋ねをいたしますることは、先般の当委員会においても私お尋ねをしたことでありまするが、石炭各社の本店あるいは支店等、直接鉱区のない、租鉱権上にその職場のない個所で働いている職員に対する炭鉱離職者手帳、求職手帳の発給についてでありますが、御存じのとおり長い間坑内にいたとか、あるいは現に租鉱権上の事業区域の中で働いておりながら、ごく最近本店勤務あるいは支店勤務というようなことで、その直接の事業場から離れたというような場合の職員の取り扱いは、やはりあくまでも事業場の職員の取り扱いと同様にその離職者に対し手帳の発給をすべきではないかと思うのでありますが、お尋ねをいたします。
○政府委員(住榮作君) 山元の職員につきましては、労働者と同様炭鉱離職者臨時措置法の適用をいたしておるのでございますが、そういう方々がある事情によりまして、たとえば東京の本社とか、支店、営業所に転勤になる。そういう場合に単に本社、営業所、支店の職員であるがゆえに臨時措置法の適用がないということでは非常に臨時措置法の趣旨に沿わないような結果も考えられますので、そういった職員の方の個別的な実情に即しまして、炭鉱労働者と同様にきめこまかい再就職あっせんの措置または各種の援護措置を適用して万全を期してまいりたいと考えております。
○大矢正君 最後に、産炭地域の私鉄問題についてお尋ねをいたしますが、今日まで長い間産炭地域の私鉄は、その採掘された石炭の輸送業務を本来の業務として、石炭の発展、安定のために協力をしてきているという立場があります。それだけに、これらの炭鉱が終閉山ないしは合理化縮小になりますると、この地方鉄道も当然のことながら路線の廃止に伴い離職をしなければならないということになるわけでありますが、他の一般的な職業、職種、企業と異なって、全く石炭の輸送部門を中心としてきているこれら私鉄に対しては、やはりその離職者の取り扱いについて再就職はもとよりのこと、でき得る限りの措置を法律上も載せることができたならばとるべきではないかと思うのでありますが、政府の見解をこの際最終的に承っておきたいと思います。
○政府委員(住榮作君) ただいま御質問の点につきましては、実は衆議院におきましても、その点につきまして附帯決議がございました。いろいろ再就職の促進援護措置に万金を期するようにというように言っていただいておるわけでございます。労働省としましては、こういう産炭地域の地方鉄道の労働者が炭鉱の合理化の直接的な影響を受けまして、離職を余儀なくされるという方々に対しましては炭鉱労働者とみなしまして、炭鉱労働者、炭鉱離職者と同様の再就職の促進援護措置が受けられるように措置する考えでおります。
○藤原房雄君 二、三お聞きしたいと思いますが、まず、現在この法律によって手帳を受けておる数というものは、おおよそどのくらいか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(住榮作君) 現在手帳の所持者は約五千名でございます。
○藤原房雄君 新聞にいろいろ批判され、また当委員会においてもいろいろ議論されておるのでありますが、今後ある程度の終閉山が見込まれる。こういうことでこの離職者対策というものが非常に重大な問題になってくると思いますが、この問題につきまして、おおよそ当局といたしましてはどのくらいの数を見込まれていらっしゃるか、この点をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(住榮作君) 今回の石炭対策では、生産規模がどれだけというようにはっきりきめられておりませんので、正確に離職者が何名という予想が必ずしもできないのでございますが、今回の政策の基礎になりました答申では、四十八年度の生産規模をかりにまあ三千五百万トンというように考えますと、今後予想されます離職者は約三万六千名、そのうち四十四年度、つまり本年度に予想される離職者はおおむね一万一千名程度というように考えております。
○藤原房雄君 この離職者に対しては、あくまでも石炭産業は前向きで進めていただきたい。これはわれわれの願いでありますが、諸情勢からいたしまして、ある程度のことを考えなきゃいけないと思います。先ほど大矢委員からも、あたたかい処置をということでるるお話がございました。これらの方々に対して職業訓練ということがあるわけでありますが、この問題について質問といいますか要望といいますか、お聞きしたいと思うのであります。いすれにしても若年——若い労働者の方々は他産業への道も開かれておるわけでありますが、どうしても中高年齢層の方々につきましては、なかなか再就職、他産業への再就職ということはたいへんなことだと思います。石炭産業にその技術が生かされるならばよろしいのでありますが、そうでない方々に対する道として現在行なわれておりますこの職業訓練を受けている方々、これもいろいろお話を聞きますと、先ほど大矢さんのお話にもございましたが、なかなかそれぞれ他産業についても長続きがしないということがしばしば聞かれるのであります。この離職者に対してはまあ三年ということで国でめんどうを見ているわけでありますが、中高年齢層の方々が新しい技術を身につける、まあその技術にも職種にもよるのでありますが、一人前になるのはやはり三年という期間は非常に短いのじゃないか、このように考えられる。それが年配者であるがゆえによけい自分の身につかない技術のために、せっかく受けた技術が生かされない、こういうことも考えられるわけでありますが、この三年という期間につきましては、どうも少し短いのじゃないか、もう少しこの中高年齢層の方々についてはめんどうを見るべきじゃないかというような考えを持っているのでありますが、この点につきましてはいかがでしょうか。
○政府委員(住榮作君) 現在手帳を発給された方に対しましては、手帳の有効期間を三年といたしておりまして、その間離職者の就職の促進なり、各種の援護措置を行なっておるわけでございますが、現在御承知のように失業保険の制度におきましては、失業保険の受給期間が最高で九カ月、特別の地域においては三カ月延長の措置がございまして一年、十二カ月という制度になっておりまして、大体一年程度で失業者の再就職のめどをつけるというような考え方があるわけでございますが、御承知のように、炭鉱離職者は長年特殊な作業環境のもとで就業をされておられた関係もあって、一般他産業への転職にはそれだけ一般の失業者よりは長期の期間が必要ではなかろうかということで、臨時措置法ではその期間を三年間といたしておるわけでございますので、大体三年間で離職者の技術の習得あるいは就職問題が解決するという観点から期間がきめられておるわけでございます。御承知のように一般的に最近労働力が不足でございまして、その中にありまして、御指摘のように中高年の就職は非常に困難なのでございますけれども、従前に比べまして求人も多くなりまして、就職も早目になってきております。大体一年の間に六割程度が就職をしておるというような状況にもなっておりますので、現状では三年が適当ではないかというように考えておる次第でございます。
○藤原房雄君 関係の局長がいらっしゃらないようでございますので、数字的なことについてはお聞きしませんが、訓練を受けた方々が実際に社会に出て、その訓練で得た技術が相当生かされているかどうか、この点について検討を願いたい。そうした上でこの中高年層の方に対する問題については検討をお願いいたしたい、このように要望いたします。 次は、法律からはちょっとはずれるかと思うのでありますが、離職者に対する問題といたしまして出てまいります教育問題あるいは住宅問題、いろいろあるのでありますが、特に離職者が現在の産炭地から離れる場合に起きる問題として、一つは高校生の子弟を持つ方があるのでありますが、小学校、中学校ですと転校は容易なのでありますが、高校に就学している子弟をお持ちの父兄の方々は大体四十過ぎの方でございます。これらの方々が都市へまいりますときに、特に公立でありますと、なかなか転校が容易でない、こういうことがしばしば聞かれるのでありますが、こういう問題について御検討なさったことがあるかどうか、その点についてお伺いいたします。
○政府委員(住榮作君) 高校は試験で入学するということで、非常にいろいろ問題があるのでございますが、従来地方の府県の教育委員会等々と連絡をいたしまして、そういうことができるだけ円滑にいくように努力をいたしておるのでございますが、必ずしもいまのところ十分とは言えない状態かと思います。
○藤原房雄君 産炭地を離れる方につきましては、大事な問題でもございますので、この点も御配慮を願いたいのであります。 次は、炭鉱事故等によりまして身障者、からだに大きな事故を生じたような身障者の方々、このたびの新制度によりまして相当終閉山があるように考えられるわけでありますが、この身障者の方々に対して再就職の道というものについてはどのように当局では考えていらっしゃるか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(住榮作君) 身体障害者につきましては、これは御承知のように身体障害者雇用促進法に基づきまして、労働省でいろいろ身体障害者の身体的な条件、状況に応じていろいろ就職の指導あっせんにケースワーカー、就職指導官を置きまして、特に念入りな相談業務なり紹介業務を行なっておるのでございますが、特に身体障害者の雇用を促進するという観点から、事業主に対しましては石炭離職者の場合と同様に雇用奨励金の制度もつくっておりまして、そういう援護措置に基づいて身体障害者の就職の促進に特に力を入れておる次第でございます。
○藤原房雄君 その点につきましても、ひとつ十分の御配慮をお願いする次第であります。 次は、いつも問題になることであります。私もしろうとなものでお聞きするわけですが、同じ炭鉱の仕事に従事する方々でありながら、大きないつも問題になります組夫の問題でありますけれども、組で働いておる方々につきましてはどういうことになるのか、この点ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(住榮作君) この離職者臨時措置法の適用につきましては、炭鉱労働者と同様の扱いになっております。
○藤原房雄君 また炭鉱の終閉山がありますと、いつも問題になる住宅問題でありますが、当然これは会社との関係になると思うのでありますが、いままで住みなれたところでぜひ住まわしていただきたい、こういうことで、働いておる方々は少しぐらい遠いところであってもいままで住みなれたところに住ましていただいて、そこから通勤するようなことにしていただきたい、こういうことをよく聞くのであります。これはもちろん会社との関係であって当局には問題はないと思うのでありますが、こういう住宅問題につきましての対策といいますか、当局の考え方というものについてお聞きしたいと思うのですが。
○政府委員(住榮作君) 御指摘のような従前の社宅に住みながら他のところに働きに行く、その場合の問題は会社との関係かと思いますが、一般的に炭鉱離職者に対する住宅問題といたしましては、一つは雇用促進事業団におきまして移転就職者用の宿舎の建設、これは本年度も一万戸の計画で全国各地に建設をいたしております。したがいまして、炭鉱離職者でたとえば労働力の需要地域に就職する方につきましては、そういう事業団の建設します移転就職者用の宿舎の利用ができるかと思います。 それからもう一つは、炭鉱離職者を雇い入れる事業主に対しまして、事業主がそういった離職者を雇い入れる場合に事業主として住宅の手当てをするという場合に、たとえば新築の場合は事業主に二十万円の住宅確保奨励金を払う、あるいは増築の場合は十万円とか、あるいは間借りの場合は幾らと、こういう制度でできるだけ住宅の点で不便のないように措置をいたしております。
○須藤五郎君 きょうはあまり時間もなさそうなんで、私も問題をできるだけ詰めて質問しようと思いますが、先ほど大矢さんもおっしゃいましたが、炭鉱労働者の労働力のほうで石炭産業というものは崩壊してしまうおそれもあるから、労働力を確保する必要があるという意見が出ました。これはもう私の従来述べておる意見と同じことなんですが、そこでいま審議されておりますこの炭鉱離職者法でありますが、この離職者の問題をりっぱに、労働者の満足、納得のいくように解決、対処しておかないと、今後の労働力確保に大きな影響があると、私はこういうふうに考えます。安い給料で使うだけ使っておいて、要らなくなったから出て行ってください、こういう態度では私は済まされない問題であると思う。こういう態度をとるならば、もう労働者は集まってこない、こういうことがはっきり言えると思うのですね。そこで今度離職者就職促進手当としてこの予算面に組まれておるのを見ますると、やはり一日当たり単価六百円から六百六十円、最高日額六百五十円から七百二十円、また最低は三百円だと、こういうふうに私は伺っておるのですが、こんなことで一体三年も生活やっていけますかどうですか。こういう措置をしているから労働者は炭鉱に集まらない。もっとちゃんとした生活のできる手当を考えたらどうですか。どうですか労働省、こんなことでいいとお考えなんですか。その意見を伺っておきたい。
○政府委員(住榮作君) 一つは炭鉱労働者が離職した場合に、まず第一に失業保険の支給が行なわれます。失業保険の支給は期間によって二百七十日とか百八十日とか違うわけでございますが、失業保険によって約九カ月ないし一年の失業中の生活の保障を行なうわけでございまして、さらに失業保険が切れた後、いま御指摘の就職促進手当によって手当をな支給しながら再就職のあっせんをはかる、その最高額が御指摘のように本年度は七百二十円、昨年度は六百五十円でございますので約一割強の引き上げをはかったのでございます。これで十分とは言えないのでございますが、本年度も最高額は一割以上引き上げておりますので、その点は御了承いただきたいと思います。
○須藤五郎君 もともと低いんですよ。もともと食えぬような手当を出しておいて、一割上がったからと言ったって、もともと低い額の一割だから何の役にも立たないですよ。こんな扱い方で炭鉱へ労働者が集まるとお考えになりますか。大臣どうですか。
○国務大臣(原健三郎君) 御説のように、もう少し多額に支弁したほうがいいことはお説のとおりでございますが、諸般の情勢、財政事情等々を考慮してこの程度に落ちついておりますが、将来はもっと考えていきたいと思っております。
○須藤五郎君 はなはだ無責任な答弁だと思うんです。炭鉱労働者はこれでは食えぬと言って皆おこっているんですよ。こんなこと百も承知でほったらかすというのはいかぬですよ。そんな無責任な答弁じゃなしに、ことしから上がるものならもっと上げなさいよ。金はたくさんあるじゃないですか。むだづかいする金はたくさんあるのです。こんなことでは炭鉱労働者は承知しません。 それから離職者に対する退職金は一〇〇%確保するか、債務は一〇〇%保証されるのかどうか。これも私は退職金は一〇〇%払うべきであり、債務は一〇〇%払うのが私は当然だと思うのです。それを七五%とか何とか、そんなばかなことをやったって理屈に合わないですよ。合理的じゃないですよ。そういう扱いをしては炭鉱の労働者は承知しませんよ。炭鉱に労働者は集まってきませんよ。その点答えてください。
○政府委員(中川理一郎君) 本来炭鉱労働者の退職金は企業が支払うべきものではございますけれども、今回の新対策をもってしても企業の存続ができない、見きわめがつかないという事態がございまして、退職金を企業側がほとんど払えない状態で閉山をするという事態が予想されまして、将来の炭鉱労働者の確保というただいまの御指摘の上に非常に悪い影響を与えるんではなかろうか。また、事実長年地下労働に従事された方に報いるものが何もないということでもたいへんお気の毒なことであるということで、今回の特別閉山交付金による退職金の手当てといたしましては、先ほど法案の補足説明で要点は申し上げたのでございますが、いま少しく具体的に詳細に申し上げますと、次のようなことを特別閉山交付金についての退職金手当てとしては考えておる次第でございます。 第一は、当該企業につきまして、過去の一定時点までに定められておる退職金の支給規程というものに基づく自己都合分の退職金、これは全額国がお渡ししよう。 それから同様の退職金支給規程の中で会社都合分として定められておりますものにつきましては、各社間に非常にアンバランスがございますので、これについては国が定める一定の基準によって算定されました加算額というものをできるだけ公平という立場を貫く趣旨で、一定の基準によって算定されました加算額をお渡ししたい。 それから前回に期末手当をおもらいになったあと、閉山時点までの間には期末手当の時期がこないという状況がございますので、この分に見合うものといたしまして、一人当たり一律五万円という金額を加給いたしたい。 なお、解雇予告手当といたしまして、平均賃金の三十日分を交付することにいたしたい。 そのほか、会社によっては閉山のたびにいろいろそのつど協定を行なっており、諸種の加給がございますけれども、これは国の側から見るというわけにはいかないけれども、以上のところは確保をいたしたい。 また、未払い賃金、社内預金につきましては、それぞれの額の七五%相当額を交付することにいたしたい。 このように、実は御指摘のような今後の労働力確保という観点と、労働者各位に対する御迷惑のかけ方というものを念頭に置きまして、国の立場で破格の、出し切れるすべてを私どもも用意をいたしたつもりでございます。
○須藤五郎君 従来の例を見ますると、退職金を半分も払ってもらえない労働者がたくさんあるのですよ。それから労働者もそのとおりですし、そこの閉山地の商店街の人たち、そういう人たちも売り掛け金はほとんどもらえない。ひどいところになると二割ぐらいしか手に入らない。これは九州から私のところへそういう例がきておりますが、これはあらためてほかの法案のときにいたしますが、そういう例がたくさんあるのです。だから私はこういうふうに考えるのです。閉山交付金は炭鉱会社にすぐ渡すのではなしに、労働者の退職金や商店の売り掛け金などは政府関係機関で押えておって、政府関係機関から直接労働者に退職金は一〇〇%払う、売り掛け金も一〇〇%払う、こういう形にしていかなかったら、一たん炭鉱企業者に渡してしまったら、それはどこへいってしまうかわからないのです。それで労働者の手に渡らない。また商店街の人の手にも渡らぬというようなことが従来起こっているから、そういうことのないようにするためには、今度は新しい手を打って、政府が責任をもってその人たちに迷惑のかからぬようにすべきだと思うのですが、その点政府はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(中川理一郎君) 法律をごらんいただきますとおわかりになりますように、事業団が直接お渡しすることにいたしております。
○須藤五郎君 それでは一〇〇%渡るのですか。
○政府委員(中川理一郎君) それぞれの債務につきまして、どのような範囲までお渡しするかということは、先ほどの補足説明で申し上げたところでございますが、退職金債務につきましては、いまお答えいたしましたところでおわかりいただいたと思いますが、金融債務、中小企業等の一般債務につきましては、補足説明で申し上げましたように、取り立て不能分の五〇%をお支払いする、こういうことでございます。
○須藤五郎君 それは五〇%じゃだめだというのです。それは商売人が物を売った金を五〇%しか受け取れないというそんなばかなことありますか。そうではなしに、一〇〇%渡すようにしなさい。政府が責任をもってやりなさいということを私は言っているのです。交付金で払うと言ったって、そのために交付金を出すのじゃないですか。 労働大臣がちょうど見えていますから、私はちょっと質問したいのですが、三月中ごろの当委員会におきまして、産炭地の開発就労事業ということについて私は質問をいたしました。本年度の予算を見ますと、開発就労事業費は政府出資が二十五億二千三百万円、それから地方自治体出資が十二億円で、都合三十七億ぐらいの予算を組まれておるのですが、この内容はきっぱり明らかにされていないのです。どういう仕事をさせるのかという点、それから賃金は一日幾ら払うのか、それから就労日数は幾日働かす予定か、それから就労者の範囲、そういう問題について、この前御出席下すった部長は、まだきまっておりませんということで、そのとき何らお答えがなかったわけですが、大臣どうなんですか。
○国務大臣(原健三郎君) この事業は、このたび新たにつくるものでございまして、労働省におきましても鋭意その具体策をいま練っておりまして、この前にはお答えができなかったそうですが、現段階においてわかっている程度のことを局長からお答えさせます。
○政府委員(住榮作君) 事業の種目といたしましては、土地整備事業とか道路整備事業、河川整備事業、あるいは営造物整備事業のような事業を考えております。それから対象、吸収される失業者といたしましては、石炭鉱業の合理化に伴いまして出てきます離職者及び関連産業から出てくる失業者で、労働能力の高い方を対象にして事業を実施したい。それから実施地域につきましては、当然のことでございますが、この事業は産炭地の振興をも大きな目的といたしておりますので、産炭地域振興臨時措置法第六条の地域であって、従来から炭鉱の離職者等が出まして失業情勢の悪化していること、あるいは今後さらに離職者の発生が予想される、あるいは地域開発の可能性もあり、またその効果があるというような地域について事業を実施したい。それからこの事業は、そういう先ほど申し上げました失業者の吸収七〇%ということを除いては、全く公共事業と同じような観点で実施していきたいというように考えておりますので、賃金が幾らとか、そういったことはすべて事業施行をする事業主がきめて事業を実施していただくというように考えております。
○須藤五郎君 そのいまのお答えですとね、一カ月半前のお答えと前も違ってない。何も前進してないんです。おんなじです、それでしたら。私に答えて、答えることできませんと言って、あくる日か二、三日後の新聞記事見ますとね、この職種ですね、この事業の範囲がもっと詳しく朝日新聞に出ているんです。労働省発表で。国会に発表ができないと言っておきながら、二、三日たつというと新聞社に発表している。もっとありましたよ。果樹園の地ならしとか、住宅の地ならしとか、それから何ですか、いろんなそういうこともやると書いてありましたよ、私が見た新聞に。そういうこともやるんでしょう。いまあなた二つぐらいしかおっしゃらなかった。そういうふうにあのときから何も進んでないということは、あなたたち一体これはどうするつもりなんですか。いつはっきりするのか。何の計画も何も具体化せないで予算だけぶん取るというのは一体どういうことなんですか、これは。仕事の内容があって、そして初めてこれだけの人数をこれだけ働かしてこういう仕事をやって、これだけの給料出してと、そういうところから三十七億という金をはじくんでしょうが。つかみ金ですか、これは。とにかく三十七億つかんでこっちへ置いとけというそんな無責任な予算の組み方でいいんですか。それは国会の予算審議をあまりにもなめてますよ。私は予算委員じゃなかったからこれは言う機会がなかったけれども、大臣、そんな予算の組み方するんですか。これは問題ですよ、そういう予算の組み方をしたら。大臣はっきり答えてください。そんなことでいいんですか。
○国務大臣(原健三郎君) 新聞に載ったのを私知りませんが、いま申し上げたようにだんだん——骨組みは前から予算要求のときに出ておりますし、こまかいことは逐次労働省の中で固めつつございます。決してつかみ金で取ったとか、そういうような事実はございませんので、要綱は最初から大蔵省と折衝いたしているし、こまかい点もだんだん固まってきておりますが、あなたにはどうもお気に召さぬで何にもないと言われるが、何にもないことはありませんので、あることはあるので、だんだん固まってきておりますから、ひとつよろしく。
○須藤五郎君 大臣あると言うけれどもね、これはいまあれでしょう、事業単価が三千六百円、この中で収容人数は三千二百人、これだけですよ。何にもあときまってないじゃないですか。事業単価がきまっていて、何で労働者の賃金は幾らということをはっきり言えないのですか。言えるはずでしょう。三千二百人という数をはじいた根拠はどこから三千二百人という数をはじいているのですか。三千六百円の単価とすれば、労働賃金幾らという見通しは立っているはずじゃないですか。それをなぜ言わないのですか。
○説明員(上原誠之輔君) 事業のこまかい実施状況の問題でございますので、私からお答えさしていただきたいと思います。 これは先回の委員会でもお答え申し上げましたように、この事業を実施いたしますのは、地方公共団体であるところの県あるいは市町村でございます。私どもといたしましては、予算書に掲げられておりますようなことで予算を計上いたしておるわけでございますが、ただいま局長から申し上げましたのは、どういう事業をするかという大まかな事業の骨組みでございまして、この骨組みの事業につきまして、具体的にどういう事業をやるかということは、県なり市町村が計画を立てて申請をしてきて、それを認証して初めて事業として実施すると、こういうことになるわけでございます。そもそもこの事業につきましては、六月から実施するということで、先ほど大臣が申し上げましたように、鋭意現在その細目について検討中でございます。私どもといたしましては、六月から実施できますようにやっていきたい、こういうふうに考えております。
○須藤五郎君 それじゃ私から問題を出しましょう。そんな不手ぎわなことでね、全く私は国の金を二十五億にしても使うというような——それに地方の命十二億、そういう無責任なものの考え方でこういう金を使うということはいかぬと思いますよ。大いに反省してもらいたい。特失の場合は労務費は全額労働者に払わねばならないということになっておりますね。緊急就労なら緊急就労、その場合、事業費が、大体事業単価が二千五百円でしょう。二千五百円の中には資材費と労務費が組まれるのですね。資材費を引いた労務費は全部労働者に払わなければならぬと、こういうことになっておりますね。そうすると、大体この緊急就労になりますと、千三百七十円くらい平均払うことになっておるのです、ずっと調べますと。そうして日数が二十三日、こういう計算になっております。昭和三十六年三月からこういう保障がされておるわけですね。それから五省会議におきまして、労働省、大蔵省、建設省、通産省、農林省でこの公共事業労務基準単価というものがきまっておるでしょう。あなたさっき公共事業並みに扱っていきたいのだと、こういうことをおっしゃいました。そうしたら、もうちゃんと、ここに単価がきまっておるのだから、それに準じて払ったらいいんじゃないですか。間違うといけませんから読んでみますと、公共事業労務基準単価、これは福岡県の分ですが、大工が二千円、左官が二千円、とび職が千七百四十円、石工が二千二百三十円、土工が千三百七十円、自由作業が千二百三十円、軽作業が八百四十円、板金工が千六百七十円、屋根ふき工が千九百円、配管工が千四百八十円、塗装工が千七百八十円、電工等が千八百四十円、コンクリート工等が千七百二十円、かじ工等が千六百九十円、これが公共事業労務基準単価による福岡県内の基準単価ですよ。そうすると、福岡県内における今度の開発就労事業の労働賃金というものはこれと同じくあるべきものだと私は思うのですね。どうなんです。
○説明員(上原誠之輔君) この開発就労事業で働く就労者に対してどういう賃金を払っていくかということにつきまして、これは前回の委員会でも私申し上げたのでございますが、先ほどから私のほうの局長も申しますように、この事業の実施につきましては、公共事業と同じような形で実施をしていくと、こういうことでございます。公共事業の実施にあたりましてどういう賃金をきめるかということでございますが、実際の事業の実施にあたりましては、それぞれの事業の内容に応じまして、事業の実施官庁におきまして設計を組むわけでございます。設計を組む場合に、労務費をどうするか、資材費をどうするかというそれぞれ設計の単価がございまして、いま先生お話になりましたように、五省で話し合って、こういう職種についてはこういうふうなことで設計を組もうということは、これはあるわけでございます。したがいまして、その線で設計を組みまして、そして業者に入札をさせるということになるわけでございます。入札を受けましたあとで、その業者が具体的にその事業を実施する場合にどういう賃金をきめるかということになりますと、これは、やはりそこの事業に就労する労働者との間の関係ということになるわけでございます。おそらくは、その設計されました単価というものが基準になりまして、具体的に支払われる賃金の額がきまっていくということになるかと思いますけれども、これはあくまでも設計上の単価でございまして、具体的にどういう賃金がきまるかということは、その事業に就労いたします労働者の能力なり何なりということを十分見きわめた上で労使の話し合いできまるということになると思います。
○須藤五郎君 そうすると、資本家が労賃を値切って、公共事業できまっている基準単価よりもうんと安い値段で働かす場合もあるということですか。そうなると、労働者はその心がまえでこれから組織を強固にして事業主と戦う体制をしいていかないといかぬということになってくるのですね。やはり労働者の心がまえ上そうすることが必要になってくるのですが、どうなんですか。
○説明員(上原誠之輔君) 賃金をどういうふうにきめていくかという労使間の関係になりますれば、いまお話がございましたように、十分組織上のことも考えながらやっていくということがいまの労使関係における賃金のきまり方ではないかというふうに考えております。
○須藤五郎君 そうすると、緊急就労の場合は、これは事業単価が二千五百円、こちらは三千六百円、千百円高い。千百円高ければ、当然、この公共事業労務基準単価よりは、労務賃金が高くあるべき性質のものだと思うのですよ。あなたたちは、事業単価を払う場合は、三千六百円向こうの言いなりに事業単価を払うのですか。やはり査定をしてこの事業は三千六百円じゃない、もっと安いんだと、こういうふうなきめ方をしていくのですか。どういうふうなきめ方で事業単価というものはこれから査定していくのですか。
○説明員(上原誠之輔君) 緊就の場合も、これは公共事業と同じような形で請け負い施工という形になっておるわけでございます。で、今回の開発就労事業のやり方も、先ほど申し上げましたように公共事業と同じようなやり方でやっていくということでございますので、公共事業で現実に支払われる賃金というものが緊急就労事業の場合におきましても、あるいは開発就労事業の場合におきましても支配していくと、こういうことになろうかと思っております。
○須藤五郎君 緊急就労事業のほうは、あそこはやっぱり組合があるのですよ。組織があって、そうしてやはり組織の力でいま千三百円なり千三百七十円という賃金を獲得しておるわけですね。ところが、今度はこういう関連失業者となりますと、炭鉱から失業して出てきた人よりもいわゆる組織力も弱いしまた組織がないわけですね。そうすると、それにつけ込んで非常に賃金をたたかれていくという、そういうこともありますので、大体政府が緊就並みだとか緊就以下にはなりませんというような、そういうめどをやはり出しておく必要があると思うのです。それは事業主と労働者との交渉でやってください、こういう態度では私はいかぬと思うのです。どうですか大臣、そういう扱い方でいいですか。それで一体うまくいきますか。
○国務大臣(原健三郎君) 建設省などでも全国的に公共事業をやっておりますので、わりあいうまくいっておりますので、これが例外でうまくいかないとは思いません。いくであろうと大体予測いたしております。
○須藤五郎君 それは私がいま読んだような公共事業労務基準単価ね、大体この線が守られていくという中で、それがいま労働大臣が言ったようなことが行なわれるのでしょう。だからそこが……。
○国務大臣(原健三郎君) 大体お説のとおりで、うまくいくと思っております。
○須藤五郎君 それじゃもう一つ。先ほど能力の高い労働者というふうにおっしゃいましたが、関連失業者で能力の低い失業者もあると思うのですね。この開発就労事業は高度の機械を使ってやるということも伺いましたし、そういう能力のない人もあるし年寄りもあり、いろいろあると思うのですが、そういう人たちは一体どういうふうにどこへ就労なさるのか、従来の失対事業へ就労なさるのか、その点をこの際ひとつ伺っておきたいと思います。
○説明員(上原誠之輔君) 先ほど局長からお答え申し上げましたように、この開発就労事業に就労いたしますものにつきましては、この事業の性格上やはり相当の体力なり能力が必要だということになるわけでございますが、出てまいります失業者の中でそういう能力がなくてこれにつけないというものも御指摘のようにこれはあろうかと思います。その場合にどういう手を打つかということになるわけでございますけれども、私どもといたしましては、従来やっておりますように、中高年措置という制度もあるわけでございますから、中高年措置を適用させながら常用就職を促進さしていくということを考えておるわけでございます。なおこの常用就職が促進できないというようなことに結果的に相なりますれば、最終的にはやはり一般失対事業でめんどうをみていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○須藤五郎君 もう一つだけ。関連失業者といいますけれども、その関連の範囲がばく然としておって私たちははっきりつかめないのですが、かりに炭鉱地帯でいろいろな仕事、商売をしている人がある、そうすると、関連失業者はその実際商売をしておった当事者だけを言うのか、一つの商店で働いておるそこのおやじさんだけが関連失業者になってしまうのか、そこで働いている労働者も関連失業者というふうに含めていくのか。それからもう一つは、もう少し大きいようなところで下請企業があって、下請企業のまた下請企業があるような場合ですね。その第一の下請企業の失業者だけが関連失業者になるのか、そのもう一つ下の下請企業も失業者になっていくか、それも関連失業者として扱われるのか。その関連失業者の範囲を明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(上原誠之輔君) いまお話しになりました関連産業というものをどういうふうに見るかでございますが、私どもでこの事業を実施いたします上におきまして、関連産業ということにつきましては、従来その炭鉱の一部門でございましたものが合理化によりまして分離して別会社になったものという、これは直接的な関連度の強いものでございます。まあこういうことを中心として考えていきたいと思っております。したがいまして、いまお話にございましたような一般的な商店、これはもちろん産炭地でございますから、ある部分は産炭地の石炭産業に非常に大きく依存しておったということはございますけれども、こういう商店関係等につきましては、たとえば炭鉱の直接的な購買部門であった、実質上購買部門的役割りを果たしておったというようなものであるといたしますならば、これは対象になると思うわけでございます。一般的な商店につきましては、対象にはならないというふうにお考えをいただきたいと思うわけでございます。ただ、いずれにしましても、この関連産業の中身につきましてはいろいろ議論があるわけでございますけれども、この点の認定につきましては、一定の基準を置きまして、現地の安定所の判断にまかせたいと思います。
○須藤五郎君 大体賃金は、きょうあなたたちの答えで大体私めどがつきましたが、この前部長さんは就労日数も大体緊急就労の二十三日、そういう点を守るように努力していきたいというようなお答えだったと思うんですが、そういうふうに理解をしておいていいですね。
○説明員(上原誠之輔君) この開発就労事業に就労いたします労働者の就労日数をどうするかということでございますけれども、これは先般の委員会でもお答え申し上げましたように、制度的には一定の就労事業、たとえば一般失対事業のように特定の就労日数を確保するということは制度的にはなっていないのでございます。ただ、予算の積算といたしましては、二十三日就労ということで考えられておるわけでございます。この事業に就労する労働者がどのくらいの就労日数を年間確保できるかという点につきましては、かりに工期として一年間開発就労事業が行なわれるということであれば、いま申し上げましたように二十三日就労が可能であるというふうになるわけでございます。ただ、なかなか事業の実施がそううまく一年間つながらないという面が当然出てくるわけでございますから、これは単に開発就労事業だけではなくて、他の一般の公共事業なりあるいは産炭地振興事業等が行なわれるわけでございますので、そういう事業との関連も十分つけまして、いやしくもこの事業に就労する労働者が就労日数において不安定な状態に置かれるということのないように十分私どもとしては万全の配慮をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
○鬼丸勝之君 いまの産炭地域開発就労事業につきましては、いろいろと須藤委員からもお尋ねになりましたが、補足的に一、二お尋ねをしたいと思います。 第一には、いまも論議されましたように、この事業は失対とか緊急就労事業とは本質的に違うというその性格をはっきりしていただきたいと思います。今後行政運用の面でもその性格、目的をはっきりしていただきたいということを要望いたしますが、特に設定単価の問題、あるいは就労日数の保障というようなことは、これは一般公共事業の本質からいって考えられないことでございますから、この点もはっきりさせたほうがいいと思います。それから関連失業者につきましては、大体炭鉱が閉山になることによって直接それによってつぶれるというような事業の失業者と、こういうふうに考えていいかと思いますが、これもあわせて簡単にお答えを願います。
○政府委員(住榮作君) まず、事業の施行の関係でございますが、先ほど来申し上げておりますように、これは公共事業と同様なやり方で事業の施行をやっていくというふうに考えております。 それからどういう人に働いてもらうかということでございますが、これは当然のことでございますけれども、第一に石炭産業の離職者、余裕があれば石炭の山の閉山によって直接的に影響を受けた企業の離職者、当然そこに緊急度と申しますか、就労をさせる順位があろうかと思いますので、そういう順位に従いまして、そういう方々の就労をはかってまいりたいというように考えております。いずれにいたしましても、事業はただ単にそういう働いてもらう方々の就労の場を提供するということだけではなくて、産炭地の振興に寄与するということを考えておりますので、そういう意味では二つの目的を同時に追求していくということを念頭に置きまして、事業の実施に当たるつもりでおります。
○鬼丸勝之君 いまお話しの二つの目的を持って、しかも地域的に失業者があるいは離職者が相当滞留しておる、今後滞留するという地域に限定してこの事業を進められると思いますが、この実施地域の選定の基準についてはどうですか。
○国務大臣(原健三郎君) どういう場所にこの事業を行なわしめるかということは非常に重要なことでございまして、いま考えておるところでは、産炭地域開発就労事業は産炭地域振興基本計画の地域区分による産炭地域振興臨時措置法第六条の指定地域内に置く考えでございまして、その地域の中でも次の三条件を満たす地域に実施する考えでいま研究を進めております。 その条件の第一は、過去の石炭鉱業合理化による失業者の滞留が著しく、雇用、失業情勢が悪化しておること。それから第二の条件は、今後において石炭鉱業の合理化に伴い多数の失業者の発生が予想されること。第三は、将来において産業開発の可能性を有しながら現在まで有効な開発が進められていない地域であることでございます。で、以上のような三条件を満たす六条指定地域において実施することとし、公共事業並びに産炭地域振興諸事業と即応しつつ開発効果が十分発揮できるようなるべく重点的に実施いたしたいと考えております。具体的にいかなる地域に重点的にやるかということについては、現在いま鋭意検討を進めておる最中でございます。
○鬼丸勝之君 ただいま大臣の御答弁にございましたように、これはひとつ重点的におやりになることが効果をあげるゆえんだと思います。御承知のように福岡県の筑豊地区などはその第一の候補地だろうと思いますが、あまりほかの地域にまで広げられないほうが、私はせっかく開発効果をねらう事業としては一番じゃないかと、かように考えますから、要望いたしておきます。慎重に重点的にひとつ御選定願うようにお願いします。 最後に、そこでこの事業は県なり市町村が施行することになりますけれども、地方負担の問題です。三分の二の補助金でございますから三分の一は地元負担になります。この地元負担についてはどういう配慮をなされておりますか、この点お伺いします。
○政府委員(住榮作君) 地方負担分につきましては、産炭地域の財政事情にかんがみまして、できるだけ県なり市町村の負担が少なくて済むようにいろいろ考えておるのでございますが、たとえば三分の一の事業主体の負担につきましては、一部は特別交付税でまかなうとか、あるいは起債を認めていただきまして、起債の利子分につきましては、これまた特別交付税で考えるとか、そういうような方向でできるだけ事業主体に負担がかからないように自治省等ともせっかく折衝をいたしております。そういうような方向で対処してまいりたいと考えております。
○鬼丸勝之君 せっかくこれはわれわれ非常に期待しておる事業ですが、御承知のように、産炭地の市町村はもう財政的にも疲弊の極に達しておる。また県もなかなか産炭地域だけに自己負担をして事業をやるわけにいかぬと思いますから、いまお話の特別交付税あるいは起債については、労働省が中心になって自治省にも強く働きかけられまして、ぜひ十二分にめんどうを見ていただきますように要望いたします。
○委員長(阿具根登君) 他に御発言もなければ、本案について質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿具根登君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 鬼丸君から発言を求められております。これを許します。鬼丸君。
○鬼丸勝之君 ただいま可決されました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同をお願いいたします。 案文を朗読いたします。
○委員長(阿具根登君) ただいまの鬼丸君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿具根登君) 全会一致と認めます。よって、鬼丸君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、原労働大臣から発言を求められておりますのでこれを許します。原労働大臣。
○国務大臣(原健三郎君) 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につき、ただいま御可決をいただきましてまことにありがとうございました。政府といたしましては、ただいまの附帯決議につきまして、その御趣旨を十分尊重いたしまして、今後の炭鉱離職者対策の推進につとめてまいりたいと存じております。
○委員長(阿具根登君) 本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(阿具根登君) 次に、石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤原房雄君 二、三の点についてお聞きしたいと思いますが、一つは、今日までこの法律の対象になった会社の数、それから今度の施行によりまして対象になる会社の数はおおよそ幾らくらいになるか、この点についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(中川理一郎君) 現在まで経理規制法の対象になっております会社は四社でございます。具体的に申しますと、宇部興産、日鉄鉱業、松島炭鉱、太平洋炭鉱、この四社でございます。今回の改正によりまして、前年度の出炭量が十五万トンをこえるということであり、かつ石炭鉱業の安定補給金の支給を受けておる会社というものが、指定の対象として追加されることに相なるわけでございますけれども、現在までのところ、この指定会社の数は大体二十社程度になるものと考えております。
○藤原房雄君 この法律は、十五万トンの制限があるわけでありますが、十五万トンのワクでそれに該当しない会社も出てくるでしょうが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(中川理一郎君) 現行法におきましても、十五万トンということにいたしておりますが、これは非常に小さい零細な個人経営的な炭鉱というものの経理その他につきましては、法人経営の大きな企業と同じものさしで規制の対象にするということが実態的にむずかしいというところからこの限定を加えておるわけでございまして、この十五万トンというところから見まして、新しく対象になるのが二十社くらいであろうと、こうお答えをいたした次第でございまして、十五万トン以下のものをこの二十社の中には数えておらないわけでございます。 なお、経理規制全体といたしましては、再建整備法によりまして、本法と同じような、あるいはこれよりも強い規制を前回の肩がわりを受けた会社は受けております。およそ二十七社ということに相なりますので、経理規制全体としての対象となります。社数は、これを加えますと四十七社と相なりまして、大体出炭総量で申しますと、この経理規制の対象になります会社の出炭量が四千二百万トンくらい、全出炭量の九三%程度をカバーすることに相なりますので、これだけのことをやれば経理規制の実効はあがるのではないかと考えておる次第でございます。
○藤原房雄君 いまの説明で一応わかりました。この十五万トンのワクからはずれる会社が一、二というような少数であるならば、大事な国のお金でやっておるわけでありますから、その点も全部入れて見ていったらどうかというそういう感じもしたので、いま質問したわけであります。 次は、法律によってこの経理規制をするわけでありますが、この管理のシステムはどのようになっておるのか、この点簡単でよろしゅうございますから、説明願いたいと思います。
○政府委員(中川理一郎君) 経理規制法全体の仕組みを申しますと、一つは利益金の処分についての認可でございますし、それからもう一つは、事業計画と資金計画の届け出でございます。これらのことを適確に行ないますために、通産大臣は監査をしなければならないということに相なっておりまして、監査のために立ち入りもできますし、いろいろと調査をいたし、報告を求めるということもできるわけでございまして、これらに基づきまして、必要がある場合には勧告を命ずることができるというのが全体の仕組みでございます。 そこで、お尋ねの御趣旨が、もし監査の実態をどのような機構でやっておるかというお尋ねかと存じますが、現在、鉱山石炭局石炭部の炭政課に監査班というものを設けておりまして、班長一名、それから専門職を四名、それに係長、係員がそれぞれ一名、計七名の監査班を持っております。それからその仕事は、経理面での監査ということになりますので、実は資金ぐり等の実態を担当いたしております資金班というのが同じ炭政課にございまして、これは班長を込めまして六人の定員に相なっております。監査の実施につきましては、この資金班というものの陣容を動員いたすことが必要に相なってまいります。また御承知のように、採掘技術その他の問題もございますので、炭業課なり、計画課なり、あるいは調整課といったところの全陣容を適当に動員いたしまして、対象会社の問題の所在、あるいは対象会社の大きさ、小ささというものに組み合わせまして実施をいたしておるわけでございますが、現地監査につきましては、当然のことでございますけれども、所轄の通産局の人員をこれに合流さして監査班の編成をいたしておるわけでございます。いままでの実績で申しますと、おおむね一年間に対象会社は必ず一回の監査を受ける、実績で申しますと、大体一・二ぐらいに相なっておりますが、かなり詳細にわたりまして厳正なる監査を実施をいたしておるつもりでございますけれども、今回の改正の趣旨にもございますように、安定補給金の大幅に増額されるということになりました以上は、経理の明確化、適正化という観点での監査はより厳格、厳正に実施をいたしたいと考えておる次第であります。
○藤原房雄君 いま監査の体制といいますか、システムについてはお聞きをいたしたわけでありますが、いま局長からお話がございましたように、今度はいままでとは違いまして対象会社がふえるわけでありますし、そういったものに対応する体制を整えなければならないと思うのでありますが、そこで聞きたいのは、今日まで、この法律の中で、届け出なかったり、また虚偽の届け出をした者は三万円以下の罰金というようなきびしい規定がございます。いまの局長のお話では、相当明確に適正に処理しておるというお話でございましたが、いままでの監査で問題はなかったかどうか。また、もし問題点があったとすれば、それはどう処理をなすったか、この点について最後にお聞きしたいと思います。
○政府委員(中川理一郎君) 形式的に申しますと、罰則の適用をいたすような事態はいままでのところございませんでした。それから正式勧告という形でなくして、事前勧告と申しますか、その前の段階での指導で若干直させた事例はかなりございます。それから一番大事でございますのは、むしろそういった意味の事後監査と申しますよりも、事前段階における事業計画及び資金計画の届け出段階における私どもの指導というもののほうが圧倒的に、実は私どもなりの考え方で申しますと重大視しているわけでございまして、正式な事業計画なり資金計画なりの届け出をもらいます前に予備的な相談を受けまして、われわれの目から見て適正でないものと思われるものは是正を指示いたしまして、是正されたものを正式な計画書として持ってきてもらうということをやっておりますのが実情でございます。
○大矢正君 通産大臣にお尋ねをしますけれども、石炭政策全般にわたりましては、この法律以外の二法律案の中でただしたいと思いますから、この法律に限定をして、一、二お尋ねをいたしたいと思います。 これはまあこの法律だけじゃありませんが、石炭に関連のある法律というのは全部臨時措置となっておるわけですね。たとえば合理化臨時措置法のごときに至りましては、昭和三十年に成立施行されて今日まですでに十三年有余も経ているわけです。これからもなお昭和五十年過ぎまでこの法律を実際に運用しようというわけですからね。私ども常識的に考えて臨時措置とか、臨時ということばの表現というものは、ごく限られた短期間のものではないかという感じがするのですが、二十年も三十年も臨時措置、臨時措置というのは、どう考えてもわかりませんがね。これは大臣、経理規制の法律はあとから成立をし、施行されている法律には違いありませんけれども、一番古い合理化法は昭和三十年ですから、昭和五十二年までやるということになりますと、どういうことになりますか、二十二年間臨時措置をやるということになるわけですね。これは臨時措置などといわないで、石炭というものは将来にわたって特別の法律を置かなければならぬのだという立場じゃなければいかぬのじゃないかという感じがしますけれども、これはまあさほど重大な質問ではないにしても、どうも割り切れないものがあるわけです。二十何年間やってもまだ臨時措置だと、五十二年ですから、これから八年も十年も以降のことまですべてきめておる法律が臨時としてはたして通用するのかどうかということに疑念を持っておるわけです。ひとつこの際だからお答え願います。
○国務大臣(大平正芳君) 第四次の政策は御提案申し上げまして国会の御審議の段階に入りまして、佐藤総理大臣は、まあこれがファイナルなものになるとはなかなか思えない、石炭の問題はたいへん複雑でやっかいで、にわかに確信が持てなかったのだろうと思うのです。それで私どもとしては、まあえらいことを言うてくれたものだと思いまして、本来これをファイナルなものにしたいという意気込みでかかったわけでございますけれども、正直に申しまして、論議の冒頭から位置づけが問題になってまいりましたし、体制が問題になってまいりましたし、やっぱり総理のほうが聡明であったのじゃないかと、展望を深刻に考えられておったのじゃないかと思いまして、やはり体制問題につきましても、もう一度一ぺんいろいろ基本的に考え直さにゃいかない。それからエネルギー全体で石炭資源が占める位置づけ、どこの位置にすわっていただくか、そういった見当もつけてかからにゃならぬということをいま頭の中で描いておるわけでございます。 そこで、まあそういう意味では、大矢委員が言われた臨時的な、非常にこれは確信が——恒久立法としてこうであらねばならぬという確信が持てないという意味におきまして臨時性を持ったものでないかと思うわけでありますが、この臨時的な措置をいろいろと積み重ねていくということであれば、そういう呼称はやめたほうがいいじゃないかということはごもっともなのであります。したがって、その御質疑に対する私のお答えといたしましては、せっかく今度の措置を国会を通過させていただいたあとで、本格的な体制問題を勉強いたします途中におきまして、道程におきまして、石炭政策につきましては何か恒久的なこういうものが要るじゃないか、枝葉を切り落としても、少なくともこういうものは国として考えなければならぬというようなものがくっきりと浮かび上がってまいりますならば、仰せのように臨時という呼称を取った立法が望ましいと思うのでございまして、それはいま御質疑をお受けしながら考えたことでございまして、実のところ私も臨時措置法となぜ呼ぶかということをいままで考えたことがなかったのでございまするが、しいて申し上げますならば、そういう意味にとるべきじゃなかろうか。これを取るときには、もう少し展望をはっきりした自信を持った実体を備えたものにすべきじゃないか、そういう感じをいたします。
○大矢正君 大臣に先回りして答弁されたようなかっこうで、実はあとの質問ができにくくなったのですが、私が考えることは、昭和三十年にできた法律が昭和五十二年度まで有効だという場合に、はたしてそれが臨時と言えるかどうかという、単なる手続や事務上や、そのことばの表現の問題ではなくて、根本にいまの政府の石炭政策というものがどうもそのつどそのつどつけ足しながら、つぎ木をしながらやっていくところに臨時ということばをいつまでも使わなければならぬ原因があるのではないかということを実は私は申し上げたかったわけですよ。ですから、中小企業に対する中小企業基本法がありますように、石炭に関する基本的な法律というのは、やはり合理化臨時措置法だと思います。これが柱となって、具体的にはいろいろな石炭対策が講じられ、また必要な法律的措置も講じられているわけでありましてそのものそれ自身が臨時と名前をつけなければならないほど将来に対して展望がないこの石炭産業というものに対しての不安感を実は私持っておるわけでありまして、重ねてひとつ大臣に私のそういう不安が危倶であるのかどうか、お尋ねをいたしたいと思うわけです。
○国務大臣(大平正芳君) 最近、われわれの預かる行政の分野で大きな変化がいろいろ起こってきていると思います。それで通産行政としてもいままでのやり方を根本的にもう一ぺん見直さなければならぬ段階にきておるんじゃなかろうかという感じを痛切に感じておるのです。それは何かと申しますと、一つは、申すまでもなく技術の開発の問題でございまして、繊維にいたしましてもあるいは化学にいたしましても、鉄鋼にいたしましても、いまそういう縦割りの行政をやっておりますけれども、これを通じまして、やはり機械技術の問題の壁にぶつかっておると思うのでございます。言いかえれば、これは結局共通の技術の開発というところにたどっていけば問題がぶつかるように考えられます。 第二の問題は、石炭に関連を持つわけでございますが、資源の確保という問題であろうかと思います。いまから膨大な資源が経済の成長に伴いまして要るわけでございまするけれども、その手当ての見当は全然ついていないというのが偽らないただいまの状況でございます。粘結炭にいたしましても、石油にいたしましても、ウラン鉱にいたしましても、あるいはメタルにいたしましても、海外にそれぞれ拠点をさがしまして、ぼつぼつ探鉱を始めておりますが、そのうちで実際に稼働に入っているのはわずかでございまして、まさにこれからだというのでございます。ところが、それに対して膨大な資金が要るわけでございます。大きな危険を負担せねばならぬ。いまのどの業態をとってみましても、そういう大きな要請にこたえて、自分の力で資源の将来の需要の展望をとらえて、それに対する対応の姿勢をとり得る企業なんというのは日本中にございません。したがって、結局これは大きく国が心配しなければならぬ問題、資金的にも技術的にも、そして危険の分散の意味におきましても、いろいろやらなければならない問題があるんじゃなかろうかというように考えます。その他新しい問題がいろいろ出てきておりますが、たとえばそういうような新しい問題に直面しておる中で、第二の資源問題、資源問題というものは一ぺん根本からわれわれが対処し直さなければならぬ非常に緊切な課題ではないかと、そう考えております。 それから一方、資源の問題にからみまして非常にむずかしい公害問題が出来してきておるわけでございまして、この資源をどのように確保してどのように処理してまいるかという場合に、どういう資源をどの程度どういう価格で受けて需要者に供給させるか、これは供給、需要面全体を通じて考えなければならない政策的な大きな問題でございますが、そういったことをわれわれも——従来の方々が非常に場当たり的であったわけではなくて、事柄がそんなに、まあ緊急度が薄かったわけでございまするが、もうそういうタイミングをいたずらに空費していくことができない非常に緊急度を加えてきているように思いまするので、そういう資源政策の一環として石炭の政策をとらえるということ、これはどなたもお考えになられておることと思うのでございますが、それをもっとクリアな形でやって、それで石炭産業なるものに場を与えなければならない。そうしないと、体制の問題にいたしましてもほんとうに定着していかぬのじゃないかというように思うわけでございまして、大まかな考え方でございますけれども、それを早急に始めまして、来年の八月ごろを一応の目安にして体制問題についての見当をつけてみようじゃないかという各党と政府の間でいま一応の了解ができておりますけれども、そういったことを取り運んでいくのと並行いたしまして、この作業を進めまして、人間のやることでございますから、完ぺきなものとはなかなか申し上げられませんけれども、一応政策のベースにとり得るだけのものは用意しなければ相済まぬのじゃないか。そう考えておりまして、その検討を待ちまして、いま仰せの石炭産業の展望、それから金融機関はもとよりでございますけれども、経済社会全体が、労使も含め、関連産業もみな含めましての信頼の基盤をそこにつくっていかなければならぬのじゃないか、そういう感じを持っておるわけでございまして、いま直ちにどうだと断案的に申し上げるだけの余裕はございませんが、大まかな考え方、方向といたしましては、そういう方向を一応想定いたしまして、これから事務的な段取りをひとつ詰めていこうと考えておるところでございます。
○大矢正君 次は、法律の解釈上の問題もありますから、局長にお尋ねをいたしたいと思いますが、今度この法律の目的の一部を変えることになっております。それは従来は合理化を円滑に実施をするため、あるいは合理化に資するため、こういう目的であったものが、合理化をより安定にするためというように安定ということばが新たに挿入をされたということの考え方の上における旧法律と現行法との違いは一体どこにあるのか、考え方の上で。それからその考え方が実施面あるいは施行面、あるいは施策面でどういう変化が安定ということばの入ったことによって変わってくるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(中川理一郎君) 従来の経理規制法は、指定会社の指定の条項をごらんいただきましてもおわかりのように、財政資金を借り入れておる残高というものを一つの要素にいたしまして会社指定をしてきたということでございまして、このことの意味合いは、合理化事業団からの融資というようなものは既存のスクラップ・アンド・ビルドの政策の実施に必要な資金ということを中心にいたしまして、この角度で合理化に資するために金を出しておる、その金を受けておるということから見て経理規制を行なうべきである、こういう考え方が基調であったと思うわけでございますが、今回の指定会社の対象にこのような要件のほかに、単純に安定補給金の補給を受けるということをもってそのことがらだけで指定対象になるということが加わってまいりましたので、安定補給金の性格から見まして、安定ということばを目的の中に入れた、こういうふうに私どもは理解をいたしておるのでございます。
○大矢正君 最後に一点だけ具体的にお尋ねをいたしますが、この経理規制臨時措置法に基づき事業者が負わされている義務は、利益金を処分する場合に通産大臣の認可を受けなければならぬということ、いま一つは事業計画並びに資金計画を毎年度提出をして、これは認可事項じゃないが、一応の了承を得なければならぬというのがおおむねこの法律によって事業者が拘束される内容でありますね。そこで私企業でありますから、おのずから国が企業の経理に介入する限度というものは法律上はともあれ、常識的なものはあるとは思いますが、具体的に多額の再建交付金ないしは安定補給金を受けている企業としては、あるいはそれ以上にこれが補給金、補助金を受けている企業としては、単に利益金の処分や表面的な専業計画、資金計画だけではなしに、もっと具体的に会社の経理の実態にまで政府の行政指導が及ばなければ、あるいは監督、監視が及ばなければ、今後の石炭企業ないしは産業の安定は困難ではないかという感じもいたすわけでありますが、現在までどういうような態度をとられ、今後はどのような措置を講ぜられようと考えておられるのか、最後にお答え願いたいと思います。
○政府委員(中川理一郎君) 先ほども藤原委員の御質問に対してお答えいたしましたように石炭鉱業に対する経理規制という体系といたしましては、御承知のように再建整備法上の規制と本法経理規制法による規制とがあるわけでありまして、経理規制の内容は実態的にはかなりのところが共通をいたしておりますけれども、再建整備法による経理規制のほうがより強いという実態がございます。これはたとえば本法におきましては、利益金の処分についての認可という事柄にとどまっておりますのに対しまして、投資等の計画の届け出ということで、国が当該企業の負いました債務まで元利補給という形でめんどうをみるといっている助成の厚みと申しますか、これに対応した規制の濃淡も両法ではあるわけでございます。いままで経理規制法では先ほどお答えいたしましたように、財政資金で融資を受けた、それによってその資金が適正に使われ、かつ石炭鉱業の合理化に役立っているかどうかということを主体にみてきたわけでございます。しかも事実上の対象会社は、本法による事実上の対象会社は兼業四社だけということでございましたので、それだけの融資をして兼業部門に出るというようなおそれはないかどうか、これを中心にしてみてまいったわけでございます。一方再建整備会社につきましては、むしろ専業会社が主体でございますので、これは再建整備計画の適正なる運用をやっているかどうか、しかもこれらは程度の違いはございますけれども、若干の兼業事業等も行なっておりますし、子会社も持っておりますので、投資等の計画について事前チェックをするということに重点を置いてまいったわけでございます。今回の本法改正によりまして、新たに二十社ぐらい対象になると申し上げました会社は主として中小炭鉱でございますので、これの運営につきましては、むしろ安定補給金を受けているという実態からみて加える経理規制でございますので、いろいろな利益金処分のところに重点を置いてみたい、私どものいま考えております案といたしましては、この運用を一定配当率にとどめるということで考えたいと思っておりますので、かりに一割配当ということで考えますと、それ以上の利益があった場合、それらのものが石炭鉱業のためにほんとうに長期的な展望に立って有効に内部留保されるか、あるいは投資に振り向けられるか、そこらのところを中心にして監査を進めてまいりたい。規制内容が中小炭鉱に対する配当制限というところに実態的にございますので、これを主軸にして監査を行ないたいと考えております。
○原田立君 いま大矢委員から御質問のあったところを実はお聞きしたいと思っておったのですが、いまの局長の答弁の中に兼業企業の場合、他の企業に流れないようにそこのところはよくみてきたということでございますが、それは当然のことだと思う。ところが、いろいろといわゆる他企業に流れちゃって、そうして他の企業のほうはじゃんじゃんもうかっていて、石炭鉱業のほうが貧乏しているのだというようなことが巷間まま伝えられておる。これについてどういうふうにお考えですか。
○政府委員(中川理一郎君) 私はただいまかように考えておるんでございますが、率直に申しまして、兼業事業あるいは子会社への投融資という問題につきましては、経理規制法も御承知のように三十八年度につくられた法律でございます。それから社外投融資を非常に私どもが神経質に処理し出しましたのは、前回の第三次答申によりまして、私企業が負っておる借り入れ金債務というものまでも助成手段として国が元利補給という形で償還をしていくという再建整備法をつくりましたときに、そこまでしておるという実態から見ますというと、いま御指摘のようなことがあってはまことに趣旨に反するという感じがいたしまして、実施上の重点は前回の俗称肩がわり以降、社外投融資の規制を厳重にしなければならないと考えたのでございます。何ぶん石炭は古い産業のことでございますので、かなり早い時点におきましては、普通の企業のような頭でのいわゆる多角経営と申しますか、総合経営と申しますか、こういう頭があったことは事実でございます。現在たしか四十三年度九月末以降で八百二十億くらいの社外投融資がございますが、ざっと半数くらいが石炭関連の別会社になっている石炭会社でございますとか、輸送部門でありますとか、そういうものに出ておりまして、残りのものが比較的関係のない、そういった意味での多角経営部門に出ていったと、こういうことでございますが、この時点をまだ時系列的に正確にはとらえておりませんけれども、相当古い時代のものが多いという感じでございまして、私としましては、ちょうどたまたま再建整備法の実施と同時に私は石炭の担当を命ぜられたわけでございますが、それ以降は社外投融資については非常に厳格な態度で臨んできておったつもりでございます。その間出入りがございまして、若干の増はございますけれども、その中にはたとえば子会社に土地その他を売り渡したと、ただ金がすぐ現金ではもらえないというところから貸し付け金の形をとっているもの等もございまして、若干のものは将来の発展のための兼業事業として認めたものもございますけれども、そのためには、まさにその仕事のために金融機関が貸し付けをしてくれる、つまり石炭関係の資金需給の上で石炭部門に迷惑をかけないということが明らかであるものに限定して認めるとかいうことを個別に指導をいたしてきておる次第でございまして、今後さらにこの問題につきましては厳正な執行を考えていきたいと思います。
○原田立君 厳正な執行はぜひやられるべきだと思うのです。そんなような変なうわさが出るようなことは、これはとんでもないことじゃないか。ところで、過日大臣の法律案の提案理由の中に、これはもっともな話なんですが、真にこれを石炭鉱業の再建目的に沿って使用することが要請されると。そのために所要の法規制を行なう必要がある。これはもっともそのとおりなんです。裏を返して言えば、再建目的に沿わないような使用であってはならないのだ、だから見るのだと、こういうことなんですが、いまも申し上げたように、こういうふうな事例があったのかどうか、過去に。石炭鉱業の再建目的に沿わないような使い方があったのかどうか。
○政府委員(中川理一郎君) 趣旨説明のときに大臣から申していただきました趣旨は、現在規制対象にない会社を対象にするということからいたしまして、規制の対象に加えておかないとそのようなおそれがあるというところから、ただいまのようなことを申し上げていただいた次第でございますが、経理規制法の実施の上では、これは三十八年度からでございますけれども、そのような事実は私どもの監査結果ではなかったと、かように考えておる次第でございます。
○原田立君 ぜひないようにしてもらいたいと思う。 それで、この今回の法律自体は別にどうということはないのですけれども、先ほど局長の答弁の中に、年一回監査するというお話がありました。この年一回の監査がきちっと厳重で厳正であれば、いま私たちが考えている大事な国税を使って石炭鉱業を盛り上げようとするそれに違背するようなことはおそらくないだろうと思うのだが、監査がぬるかったり、あるいはゆやるかだったりしたような場合には、また大きな事故が起きるのではないかという心配があるのです。それでこの年一回の監査というのをそのまま今後も年一回というようなことでやっていくのか、あるいは臨時的に抜き打ち的に監査などもやるのかどうか、あるいはまた監査をする人たちがどういうような資格能力を持った方たちがやられるのか、そこら辺がはっきりしないと、ただ形式的には監査をやっただろうけれども、中身がゆるゆるであったということでは問題なんですが、そこら辺のところを聞かしてください。
○政府委員(中川理一郎君) おっしゃるとおり、監査というものは中身が大事でございまして、これはもう形式に堕したりマンネリズムに陥ったりするということは、制度の目的から見まして、結果として羊頭狗肉だということになりかねない事柄でございます。また、実施をいたします私どもの関係者の能力とか知識とかいうものも半面大事な問題でございまして、これにはできるだけ監査の目というものを養うような訓練なり教育なりというものを施していかなければならぬと考えております。先ほどお答えいたしましたように、監査班の定員の設置につきましても、専門職ということで四名の監査専門職を置いたというのも、まさにそういう監査の目を持った人間を備えたいという気持ちのあらわれなんでありますけれども、なかなかこれは生きている企業、そこに専門家が処理していく経理事務というものをほんとうの目で見抜くだけの力が持ち得るかどうかということは、私ども今後十分ひとつ私を初め戒心いたしまして、勉強につとめなければこの仕事の実効を上げることには相ならぬだろうと思っておる次第でございます。 なお、先ほどお答えいたしましたように、資金班等を動員いたしますし、技術職も相当これに入ってもらおうと思っておりますのは、もし数字だけ見ていてはわからない事柄を、現場の採掘条件、その他の帳簿上かりに坑道があるといっても、坑道があるかないかというのをきちっと見抜くやはりそういう総合性というもので見ていかなければならぬのじゃないかという観点から申し上げた次第でございます。十分やれますかどうか、私どもはほんとうにこの問題につきましては厳格に、かつたえず研さんを積ましまして、この仕事をやらせたいと思っております。
○原田立君 局長の答弁そのまま額面どおりに受け取るわけなんだけれども、何の場合でも大臣、事故が起きてからいつも騒ぎ出すのですよね。まあ保安のほうの問題を出して恐縮なんだけれども、いつも事故を起こしておいて、ああだこうだとか言っておるわけだ。今度これは安定補給金を出して石炭鉱業を何とかして盛り上げていこう、位置づけをがっちりしていこうとこういうことなんで、これからそれは始まることだから、事故が起きてから、へい、どうも済みませんでは話は済まない。それで事前のそういう事故が起きないような意味で私も質問しているわけです。この前も当委員会で問題になった例の福岡県ですね、北九州。これは閉山交付金で収賄とか何とかという事件がちょっとありました。まさかそんなことがあってはならないと思うのですけれども、そういうようなことが起こってくる原因ですね、それだけは除去しなければいけない。こう思うのですけれども、どうですか。
○政府委員(中川理一郎君) いま御指摘のような事件が合理化事業団の九州支部の職員に起こりまして、いま二名福岡県警の手で汚職容疑として取り調べを受けておる状況でございまして、私どももたいへん申しわけなく存じておるのでございますが、合理化事業団は過去十九年、いままでこのような指弾を受けることなく業務を行なってまいりましたので、私どもまあまあと安心をいたしておったやさきでございまして、いままでの事業団の歴史から見ましてもたいへん残念なことに存じておる次第でございますが、御承知のように合理化事業団を発足させましたときに、ありていに申しますと、ある程度の寄り合い世帯で始まった、役所で石炭関係の行政に従事していた経験を持っている人だけで編成するということも不適当でございますし、またそれだけの数もおりませんし、業界からの出向を受け入れてそれで仕事をやってきた。まあ融資業務等もございますので、金融機関等からも人の援助を求めてやってきた。そういう意味で部内の融和と厳正な職務執行、国のお金を預かるわけでございますので、これには相当努力を理事長以下傾けてきておったのでございますが、今回民間から出身の方で若干その政府機関という感触について常識的な配慮といいますか、こういうものがなかったのではなかろうかという感じをいたしております。ただ、よくわかりませんけれども、容疑は閉山交付金の留保金額の解除にあたって業者に便宜を与えた、そのことによって金品の贈与を受けたのではないかと、こういうことでございますが、交付金の留保の解除につきましては、これは組織的には一人の裁量で簡単にやれるというしかけにはなっておらないはずでございますし、本件の経緯をいま事業団で調べさしておりますけれども、やはり合理化事業団の組織の中で、その仕組みに即しまして正確にやったという感じの報告がきておりまして、容疑を受けた二人がどのような形で贈与を受けるような便宜をはかり得たのかというところは、若干私どももまだ理解に苦しむところがございますけれども、今後の問題といたしましては、かようなそしりを受けないように、各機関に督励いたしまして、厳正にひとつ職務を執行してまいりたいと思っております。
○原田立君 まあ私何もこの事件をとらえて、この説明をしてくれというような意味で申し上げたのじゃなくて、今回こうやって、今度の法律によって経理を監査する、不正に使われないようにするのだということだから、こういうことがあってはならないという意味で例として申し上げたわけです。この監査班四人ということなんですけれども、まあそれと関連してお聞きしておきたいのですが、いまの局長の説明があったように、確かに合理化事業団では混成部隊、こういうふうな形でどうしても公務員意識が薄くなりがちであったんだろうとこう私も思います。それで今度この法律で行なう監査班四名というのは、これは通産局の中にきちんと置かれて、身分は国家公務員で、そうして優秀な人を使っていくのだというようなことになるだろうと思うのですけれども、そこいら辺はどうなんですか。
○政府委員(中川理一郎君) 先ほど四名と申しましたのは、石炭部の炭政課の中にございます監査班の専門職の数でございまして、監査班そのものは班長一名とただいま申しました専門職四名、係長一名、係員一名の計七名でございます。それに資金班その他の陣容を動員いたしまして監査に当たる所存でございます。これはもうもとより公務員としての身分で通産省の職員として厳正な執行に当たるわけでございます。
○原田立君 事業団の場合には、事業団自体がいつまで存続するかわからぬ不安定なものであるということで、経験を要する仕事だけに若手職員を採用できないジレンマもある、こんなふうに推察しているんですけれども、そういうような心配は今度のこの法によって規制されて監査をしていくその人たちには心配はありませんね。
○政府委員(中川理一郎君) その点では通産省の職員でございますので、人事交流も適当に考えますし、新規採用も考えますので、御心配の点はなかろうと思います。
○原田立君 最後に大臣に。先ほどもちょっと要望意見を申し上げましたけれども、いつのときでも事件が起きてから弁明これ大わらわというようなことがしばしばあるわけですけれども、石炭鉱業についてもそういうようなことがあってはならない。また局長の答弁もありましたけれども、そういうことがいわゆる綱紀粛正の意味にも通ずるわけです。そういうことは断じてあってはならない。かように思うのですけれども、大臣の所見をお伺いして終わりにしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように、行政の根底に一番大事なのはモラルの確立であろうと思います。国際情勢も重大なときでありますし、石炭業ばかりでございませんで、私ども行政全体を通じまして、モラルの弛緩ということがないように十分戒めてかかるつもりでございます。
○委員長(阿具根登君) 速記を落として。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記を起こして。
○片山武夫君 時間がないようなので、一つだけお伺いしておきますが、今度の経理規制に初めて始まったわけではありませんが、石炭産業に対するいわゆる規制監督といいますか、これは非常に強化されております。もちろんこれは政府のいわゆる国庫から多額の資金が投入されるわけでありますから当然とは言いながら、これは私はいまの佐藤内閣のとるべき道ではない、異例のことだというふうに私は考えておるんです。そういう意味でちょっとお伺いしたいんですが、いまの経済体制の中で私企業に対する規制あるいは監督、いわゆる国庫資金を投入することによってそれを強化していく道をここで一つ開いている、こういうふうに私は感ずる。したがって、たとえば政府の助成なり資金、そういうものが私企業に入った場合、こういうことが一つの前例となっていろいろ官僚介入といいますか、そういうような道に通ずるという心配を私は多くの産業がするのではないか、そういう心配が一つありますし、これは異例のことであろうとは思いますけれども、こういうことがこれからも行なわれるということであると、これはやはりそれぞれの産業なり私企業というものは、今度これに対する考え方を改めなければならぬような重要な問題をここに含んでいると思うのですが、どうでしょう、大臣のお考えですと。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり、これは全く異例の措置でございます。政府が私企業に介入するというようなことは原則としてやるべきでございませんし、私企業の企業責任というものが弓弦のように張った状態において初めて活力のある経済が保障されるというたてまえで私どもは行政にかかっておるわけでございます。石炭産業は急激な構造エネルギー革命の中にありまして、非常に特異な立場を持っており、固有の天然資源であるし、多数の従業員を擁しておるという意味におきまして、全く異例の措置としてこのような措置を講じたのでございまして、こういう措置を一般化するようなつもりは毛頭ございません。これをどういう姿において将来変えていくかという問題は、先ほど大矢委員にも御説明申し上げましたように、今後十分私ども検討した上で、過度にわたらぬように考えていかなければならぬと思います。
○片山武夫君 これは基本的な問題に触れますので、いずれまたの機会にこの問題を含めて御質問したいと思いますが、先ほどちょっとお話が出ましたいわゆるこの規制、監督には直接関係はないのですが、未払い賃金ですね、これを七五%、退職手当に対しては一定の基準にということでいろいろ御答弁がありました。私はこれは働き損となるということをこの時代にさせるということは、これはもってのほかだと思う。したがって、この七五%なり退職手当の一定の基準というものに対して、もちろん政府資金によってこれは補うわけでありますけれども、これは満額払うという企業の努力ですね、これは当然政府として私は強硬に制限を加えるべきだと思うのです。これは政府としてはこれだけしかできないけれども、企業としては当然これでいいのだということで逃げられては困ると思う。そういう点が十分にこれは厳重に企業の側に注意を喚起してもらいたい。そういう意味にこれを理解するならば、私はこの部分だけは満足するわけなんでありますけれども、先ほどの御答弁では、政府はそれまでやる必要はないんだ、だからあとはかってにしろというような態度では、これはほんとうに働いた人は困ると思う。先ほどちょっと触れようと思ったのですが、こういう規制、監督が強化されていくと、企業努力なりあるいは創意くふうというものが企業の場合できなくなってしまう。したがって、やれることは、労働者のしりをたたいて、石炭を掘れ掘れ、とにかく石炭をたくさん掘らなければしょうがないんだ、これだけしか残された道はないんですよ。企業としてやることは、そうでしょう。売るにも値段は規制されているということになりますから、したがってこれだけが企業の仕事、何にもない。そして働いている労働者のあと始末が、これは賃金の未払い、七五%しか払えぬのだ、あるいは退職金は一定の基準しか払えぬのだ、これでいいのだということではこれはたいへんなことになる。そういう意味で、政府としてはこれだけしかできないが、企業の全責任において満額支払うべきだということは、これは当然付加されるべきだと思うのですが、お考えをお聞きしたい。
○政府委員(中川理一郎君) それはもう御指摘のとおりでございまして、先ほどお答えいたしましたのは国側のとり得る措置について申した次第でございます。可能な限り企業側において責任を果たすということについては厳重に申し伝えるつもりでございます。
○須藤五郎君 今度五年間に四千二百億というような多額の金、いわゆる国民の金を無償で与えるのですから、やはりその使い道、利益に対する規制をすることはこれは必要だと思う。当然すべき問題だと思うのですが、これは大臣が監査するということになっておりますけれども、私はこの金はやはり国民の税金でありますから、国民の金だと思うのですね。だから国民の金をこういうふうに与えるのですから、その国民の金を使ったあとの監査とかは、これはやはり国民の代表である国会が当たるべき性質のものだ、こういうふうに思うのですが、こういう国の金を出すようなこういう事業に対しましては、国会にひとつ監査する機関をつくって、国会が責任をもって国民の代表として監査していくということが私はぜひ必要だと思うのです。やっぱり汚職や腐敗をなくすためにも、そういうことが必要であるから、ぜひともこの際、私はこのような政府出資企業に対します徹底した監査を国会でやるように考えていく必要があると思いますが、大臣どうですか。どういうふうに考えておりますか。
○国務大臣(大平正芳君) いまの内閣は国会に対して責任を持っておりますので、内閣が全力をあげて行政の全責任を国会に対して負うたてまえになっております。したがいまして、せっかくの御提言でございますけれども、私どもの責任として任務を遂行さしていただきまして、それの勤務評定につきましては、国会のほうでひとつお願いしたいと思います。
○須藤五郎君 従来赤字赤字と言っておりますけれども、その赤字の内容を国会に出せと言っても、国会にその赤字の明細を出さないですよね。われわれは国民の金を審議している責任上、やはりそのあと始末は詳細にわたってわれわれは知らなければならぬと思うのですよ。ところが、それを知らさない。明細書を資料として出さない。だからわれわれは国会議員として、その会社の監査にまで会社の帳簿なり何なりを調べて、そうしてだいじょうぶだと、われわれが確信を持てるだけの監査をやる義務があると思うのです。政府の責任においてやるといっても、政府自体が私らに対して十分な資料を出さないのですから、やはりそういうことは必要になると思うのです。どうですか、資料をこれから全部出しますか。
○国務大臣(大平正芳君) 国会の御審議に対しましては、われわれはあとう限り御注問に応じて資料を出さなければならぬと思っております。ただ、一部私企業の秘密に属するようなこと等がございまして、表向き資料を差し上げるのがいかがかと思うような場合もないではございませんけれども、できるだけ御審議にお差しつかえのないように私どもは資料を収集整理いたしまして、お目にかけるということは私どもの責任であると心得ております。
○委員長(阿具根登君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿具根登君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは次回は明日午前十時開会いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時四十分散会 —————・—————