商工委員会 第16号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/06/26
会議録
○委員長(八木一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 六月二十一日、瓜生清君が委員を辞任され、その補欠として中沢伊登子君が選任されました。 —————————————
○委員長(八木一郎君) この際、おはかりいたします。 本委員会では、委員の異動に伴い理事が一名欠けておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に土星義彦君を指名いたします。 —————————————
○委員長(八木一郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、日本万国博覧会に関する件につき質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤間文三君 お尋ねを申し上げますが、万国博覧会は、関係者の非常な御努力によって参加国も非常にわれわれ予期しておった以上にふえ、万国博に来る人も非常に多いというように聞いて、非常にわれわれは心から喜んでおる次第であります。 まず一つお尋ねしたいのは、たしか四十一年だったと思いますが、そのときに万国博覧会に来る人間は大体三千万で、百万くらいが外国人であろうというように承って、大体それによっていろいろな計画がなされておった。ところがこのごろわれわれ聞くところによると、カナダは五十万をこしておるし、それから日本の経済が、施策が非常にいいために好況が続いておる。それから名神とかいろいろな道路も完備し、農家も非常によくなっておるので、三千万をはるかにこして、少なくとも四千万くらいの参加人があるのじゃないといろいろいわれる。きょうの朝日新聞でも、大体四千万くらいになるだろう、それについてはやはりいろいろな点において運営に特に注意しなければならぬのじゃないかというようなことを書いております。この来る人間について大臣はどういうふうにお考えになっておるか。いわば四千万になれば、それに相当するだけの施設をやはりやらなければならぬのじゃないかというふうな、これは先のことで心配がございますが、わからぬのでありますが、この準備は四千万くらいの準備をやられたほうが安全じゃないかと思うのですが、この点について御意見をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(菅野和太郎君) この万博を開くにつきましておよそ入場者が何千万あるかということを野村研究所のほうで調査をしてもらいまして、それで日本人が三千万、外国人が百万ということでそれを基礎として実は関係の公共事業、会場内のいろいろな設備もやっておって、それぞれ進んでおるわけであります。しかし私個人としては、カナダが五千万の入場者がありましたので、延べでやはり日本の博覧会も五千万くらい来てほしいなという私個人としてはそういう念願を持ち、そういうような期待を持っておったのでありますが、最近総理府の調査などからして四千万をこすというような結果が出てきたのでありまして、そうしまするとたちまち考えられることは道路の問題、輸送の問題、このことを考えなければならぬと思っておるのでありますが、しかし、いまの道路計画をこれをにわかにまた拡大するといってもこれは間に合わぬことでありますので、そこで輸送の運営をどうするかということ、これは今後関係の各省でひとつ研究してもらわなければならぬと、こう考えております。場内においては、たとえばそれだけ人がふえますと、あるいは飲食店、料理店などもふえますから、そういうことはこれは間に合うのじゃないかということを考えておりますが、とにかく輸送それから宿泊の問題でありまして、宿泊の問題は、これはあとで政府委員からお答えさせますが、大体宿泊のほうはまあ間に合うのじゃないかと、こういうように考えております。御存じのとおり、京都、大阪にお寺もありますし、そういうところを設備すれば大体学生の団体などはそこへ泊めることができるのじゃないかというようなことを考えておりますので、とにかくそういう点について万遺漏なきを——これからひとつ新たに考えて面して、一ぺん万博の閣僚協議会を開きましてそれぞれの対策を講じたいと、こう考えておる次第であります。
○赤間文三君 いまのお答えで非常によくわかったのでありますが、私もやはりこれは非常に景気がいいので、いま大臣のおっしゃったように、四千万、五千万ということが容易に考えられるので、それに合うようにできない、恒久的なものはしようがないが、できるだけ運営と申しますか、入場者をうまく混乱せぬようにやるということに、よほどの御留意を願うように、運営について一そうの、数が一千万もふえて三千万が四千万ということになるとたいへんな数になるのでありますから、混乱をすることのないように、ひとつくれぐれもお願いを申し上げておきます。 次にお願いをいたしたいのは、参加国が七十カ国以上になり、三、四千万人の人間が来るというと、非常にこれはかつてないほどのりっぱな博覧会がととのうように思うのであります。スケールにおいても前古にないというようなことでありますが、お伺いしたいのは、今度の博覧会の施設で世界に誇り得るようなものが相当考えられておると思う。たとえば大屋根のようなものも承っておりますし、テーマ館のようなものもまさにそのうちに入るんじゃないかと思います。私は博覧会の内容実質で世界に誇り得るものがあると思う。そういう点についてひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) 御存じのように、アジアで初めてであり、日本で初めてでありますので、やはり世界の人がアジアなり日本のこの文化と申しますか、産業というものに対して非常な期待を持っておると思うのです。そういう点にやはり重点を置いてこの万博を開催すべきだという考えをしておりますからして、そういう点において、事日本の制度あるいは文化というものについてはできるだけ展示をしたいというようなことで、それが呼びものになるんじゃないか。また、日本の経済は御存じのとおり非常に発展をしておりますから、世界の人の日本に対する関心は非常に強いのでありまして、したがいまして、そういう意味で、日本という国がどうしてこのように発展してきたかということについてやはり非常に好奇心を持っておりますから、そういう意味において、この日本のものについてお互いにひとつ力を入れて見せたい。政府館などはその一例でありますが、その他の施設についても、日本庭園なども相当金を出してつくっておりますが、それなどもおそらく外国人を非常に引きつけるんじゃないか、というようなことを考えておる次第でございます。 なお、具体的には参事官からお答えいたさせます。
○説明員(井上保君) この前のモントリオールの博覧会は、セントローレンス川を利用いたしまして水の周辺ということで非常に評判になったわけでございますが、今度は日本の場合は自然の丘陵を利用しました人工的な周辺ということで、非常に従来あまり例のないような会場になるんじゃないかと思います。非常にコンパクトでございまして、しかも全体の会場が一つの未来都市の形態を形づくっておる。シンボル・ゾーンがございまして、それから動く歩道があって、それから広場があるということでございます。そうようなことで、非常に従来にない新しい会場の建設が行なわれておるということでございます。 それから個々のものといたしますと、たとえば冷房装置であるとかあるいは大屋根でありますとか、あるいは電子計算機による会場整備であるとかいうような、いろいろ従来になかったような新しい科学的な能力を駆使いたしまして会場整備、その他運営をやっておるわけであります。さっきお話ございましたような日本庭園にいたしましても、古くからの日本庭園の技術を網羅いたしまして、そこで世界の人に日本の庭園の歴史とその調和された現在の形というものを見せるというようなことでありまして、いま夜で例がなかったようなものが多々あるということでございます。
○赤間文三君 次にお伺いしたいのは、万博に関する関連事業の進捗状況でありますが、これは六千三百億の関連事業の予算がたしか組まれておると思うのですが、その進捗状況はどういうふうになっておるのか、やはりいろいろな関係で、なかなか進捗せぬところも相当あるのじゃないかと心配をしておるわけであります。私は関連事業はいろいろな苦労もあろうが、ぜひとも、あと九カ月でありますから、この際ひとつ思い切って馬力をかけて、残りの部門が一日も早く完成するように、関係者と連絡をとられるようにしてもらいたい。 先日私大阪へ参りました。土曜日でしたが、雨が降っておりましたが、市内をずいぶん回って見ると、市内の交通が、たいした大会とかいろいろなものがないのに、なかなか自動率の交通がいまでも自由でないように、ずいぶん待たされることが多かったように思います。万博に行った人は、大阪にたいてい寄る人が多いのじゃないか。万博もないのに、普通のときにこんなに交通麻痺があるようじゃ、日によるとたくさんの人が大阪に来たら、とまってしまうのじゃないかというようなことを非常に私は心配をいたしました。これは大阪市の今日の状況であります。しかし、地下鉄とかいろいろな工事が進んで、努力されて、だんだんよくなっておりますが、やはり今度の関連事業は、いずれも抜き差しならぬ、万博を成功させるためにやむを得ない必要な事業だけが六千三百億と聞いておるのでありますが、その進捗状況を承りたい。
○国務大臣(菅野和太郎君) 私の今日まで聞いておる点では、大体関連公共事業も本年末までに完成ができるという報告を聞いておりますが、幸いきょうは建設省、運輸省からも見えておりますから、その関連の公共事業の進捗状況を、各省からひとつ具体的に答弁させます。
○説明員(若木三夫君) 建設省の所管の万博関連事業につきましては、道路、河川、下水道、公園、これらを含めまして総額で四千十二億円でございます。これを昭和四十二年から実施いたしております。昭和四十二年から四十四年度までの累計の事業費につきましては、国庫債務負担行為の額を含めまして三千六百九十八億円であります。これは事業費にしまして、進捗率の点から見ますと九二%に当たります。残りの部分でございますが、これは地方公共団体等が用地の先行取得等をやりますので、この分を含めまして、一応全部できることになるかと思いますが、工事につきましては、四十四年度の末においておおむね完成する見通しでございます。そのつもりで鋭意努力するようにいたしております。 それから大体の事業の進捗状況でございますが、若干のものにつきましては、万博開催時までの完成がいささか困難なものもあるように思いますが、事業の重要性に照らしましてさらに努力を続けていきたいと考えております。ただ、しかし特に会場の周辺の関連事業、これにつきましては円滑に現在のところ進捗いたしておりますので、万博の開催時までには支障がないものと思っております。 以上でございます。
○説明員(渋谷正敏君) 運輸省の関連事業につきまして御報告いたしますが、うちの所管といたしまして、港湾と国鉄、空港並びに観光ホテル等がございますけれども、港湾につきましては、総事業費を四十四年度末に五十二億消化させていただきまして、進捗率一〇〇%を見込まれてございます。国鉄につきましては、後ほど国鉄の建設局長から御説明していただくことにいたしまして、空港関係といたしましては百七億の事業費で行なっておりますが、これまた四十四年度末までに百七億消化させていただきまして開催時に間に合うように相なっております。観光につきましても、予定室数の完成を終わりまして、支障なく完成する目標でございます。 以上でございます。
○説明員(石川豊君) 国鉄の設備投資につきましては、大体はただいま観光部長から御説明があったとおりで、さしたる障害はございませんが、一部たとえば鳥飼の貨物駅、あるいは一、二の電車区の用地買収につきまして、地元と御協議がととのわないためにおくれておるものがございます。しかし鳥飼の貨物駅にいたしましても、梅田その他の貨物駅を使うことによりまして材料輸送に対しまして対処してまいるということで、万博の輸送の設備関係につきまして支障はないと確信いたしております。以上でございます。
○赤間文三君 いまの関連事業は非常によくやっていただいていますが、残りの部分は、いろいろな困難はありましょうが、ぜひともひとつ万博あと九カ月の間に最善を尽くしてやってもらいたい。できないところは、それに対してどうするかということなども十分御研究になって、ひとつ完全にやってもらいたい、特にお願いいたします。 それから、私、時間が催促を受けたので、一つ一つやりますとかかりますので、まとめて簡単にやりますから、明快にひとつ御答弁を簡単にお願いいたします。 まず一つは、発展途上国から、東南アジアとかアフリカとか、だいぶ出品があると思うのですが、こういう国はやはりいろいろな関係でなかなか出品なども困難であると考えられますので、できるだけ国においてこれを援助して、できるだけ出品を多くして喜んでもらう。それからなお、将来の日本とそういう低開発国との友好関係などもやっぱり増進する一途になるようにしたいと思う。発展途上国の出品に対する日本政府の、ことに日本側の援助の問題を具体的に承りたい。これが第一点。 それから第二点は、一九七〇年にちょうどあいまするので、あらゆる面において万博の警備については、私は非常に関心が深いのであります。この警備がうまくいかないようなことがあると、外国の前で恥をさらすようなことがあってはたいへんだと思います。万博内外の警備についてはどういう方策を講じられておるか、この点は特に私は交通関係とあわせて、警備は重大な問題だと考えております。それの準備計画について承りたい。 第三は、いずれあと地の問題がありますが、あと地の問題についてはいまいろいろと委員会などをおつくりになって勉強されておると聞いておりまするが、何か後世まで、さすが日本の万博のあとだと、私は私個人の考えを言いますと、関西に旅行した者は必ず万博のあとに行くような施設が望ましいのじゃないか。御承知のように、フランスはエッフェル塔ができたと聞いておりますが、今度の博覧会のあとに残るモニュメント、あと地利用については、思い切って後世に残って外国人が関西に来たら必ずそこへ行くようになるようなひとつすばらしいものをつくってもらいたい、こういう希望を持っております。 以上三点につきまして、時間がきておりますから大体要点だけお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまお尋ねの件で、第三番目のあと地の問題でありますが、これは赤間委員が御希望になった線に沿うてわれわれもやりたいという考えをしておりますが、しかし、さしあたり国民各界各層の人々のアイデアをわれわれ聞いておりまして、いまそういう懇談会を開きまして——これは私の諮問懇談会でありますが、懇談会を開きまして各界の意見をいま聞いておる最中であります。それによりまして大体方針を定めて、そうして万博閣僚会議にかけ、あるいは閣議にかけて決定したいと思っでおるのでありまして、大体赤間委員の御希望の線に沿いたいという考えを持っておることだけ私から申し上げておきます。
○説明員(井上保君) 発展途上国の参加につきましての政府の措置でございますが、現在発展途上国のために共同館というものをつくりまして、そこへ協会が施設をつくりまして、そこを一応貸してやるというようなかっこうで発展途上国が入ってきやすいような組織をつくっておるわけでございます。現在そこへ入ることが確定しておる国は二十一ございまして、今後入るだろうと思われている国が——参加はきまっておりますけれども——共同館といっておりますが、そこへ入るだろうと思われているのは、さらに三カ国ほどあります。そういうことでいろいろと努力してまいったわけでありますが、今後もまあ従来の方針を引き継ぎまして努力するわけでありますが、そういう共同館方式、それから共同館に入ります金につきましても分割払いができるような形にしたい。あるいは延べ払いを認めてやるというようなことにしているわけでございます。それからなお、発展途上国で一次産品の問題だとか、あるいは経済協力、特にKR援助というような話が出ておりますが、それぞれの国の実情に応じまして合理的な範囲で措置しております。
○説明員(田中八郎君) 警備関係について申し上げますが、万博会場内の警備は万博協会側でみずから警備するというたてまえになっておるわけでございまして、それぞれ協会側で措置はなされておるわけでございますが、協会側の要請もございますので、警察も会場内外の警備を担当いたすわけでございまして、現地に協会側と共同して警備本部を設けまして、平日は約六百人ぐらい、ピーク時、要するに祭日、休日等におきまして混雑するような場合は平均いたしまして千人ぐらいを配置いたしまして、必要な個所については警備の詰め所というものを置くことといたしまして警戒に当たっていきたい、かように考えておるわけでございます。また、いろいろ全般的な問題といたしまして、もう万全の対策をはかり、警察におきましてもこらして準備を進めておるような状況でございます。 また交通の問題につきましては、駐車場も相当整備されてはおりますけれども、混雑は予想されますので、高精度の信号機等を要所等につけまして、交通の円滑な流通をはかりたい、かように考えておるわけでございます。
○赤間文三君 万博につきましては、関係者の非常な努力でわれわれが予期しておった以上に施設が進捗いたしておる。この調子でいくならば、きっとこれは私は大成功をおさめるだろう、かような期待を持っております。今後におきましてもひとつますます関係者の間で御努力願いまして、是が非でもひとつこの日本の万国博覧会が形式、内容ともにこれは世界に冠たる、誇り得るりっぱなものにしていただくように、特にお願いしておきまして私の質問を時間の関係で終わります。
○竹田現照君 一昨日、一年ぶりで会場を見てまいりましたが、いろいろ時間の関係もあって質問をする時間もなくて、全然一方的な説明だけ聞いてきたのですけれども、確かに一年ぶりでだいぶ会場は変貌していますが、砂漠の中に、にょきにょきあれが建っているような感じで、完成したところをごらんくださいというふうにお答えになるのでしょうが、どうもモントリオール等の会場を見ていますから、これを感じますけれども、日本の中でも関西というのは、やはり一つのいい意味のふるさと、日本の美、そういうようなものがイメージとしてあるわけでございますので、それと必ずしもそぐわないような感じを率直に言って受けてきたのです。あのような広大な会場をああいうような状態では、万博も何か安らぎとかいこいとか、そういうようなものをはたして持ち得るような会場になるのかどうか、私なりに感じております。実際にこれは結果的にでき上がったものを見なければわからぬと思います。こういう点は十分に配慮されておると思うのですけれども、先ほど赤間委員からおっしゃったように、あと地利用の関係——関西に行った者はぜひともと、こう言っても、何か関西と飛び離れた新しい近代的な創造の国というものができ上がったので、ちょっとちぐはぐになるだろうと思うのですが、そういう点は十分配慮されてこの会場づくりが進められていると思うのですが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(菅野和太郎君) 会場をごらんになっての御感想を承ったわけでありますが、モントリオールの万博を見ますると、あちらは両側に川がありまして、何だか広々とした、そうして川の水、あそこはもともと公園であったので、森、湖もあるというようなことですが、今度は元来やぶ地であったところを切り開いたものでありますからして、いま多少木を植えておりますが、あの木を植えただけでも一年前と比べて、見た感じとしては非常に違ってきておる。それからいまも人造湖をつくって水をたたえておりますが、あれを見ても一年前の古い感じとは私どもはだいぶ感じが違っておると思う。それで日本庭園ができますと、これが完成しますと、なるほどこれは日本の博覧会だという感じをお持ちいただけるという感じがするということで、やはり先ほど申し上げましたとおり、日本の博覧会というところに一つのわれわれは特色を生み出したいという考えをいたしております。同時に、世界各国がみなそれぞれ自分の国の産業なりあるいは技術なりを持ってきて展示するところでありますからして、そういうものを持ってきて展示されますし、同時に、日本の独特のものを見せて日本との対照、同時にわれわれは世界のものを見ることによって世界のあり方を、世界の実情を知って、われわれはまた啓発されるということで、これは私のいつも申し上げておりますとおり、万博を一億国民の教育の道場にしたい、そういう意味でございますし、お互いが新しい知らないことを見せてもらうことによって新しい知識を得て、また新しい今後の道をわれわれは歩んでいくという考え方であるのでありまして、そういう意味で世界のいいところは各国から出してもらう。日本のいいところは日本も出すということで、ひとつそこでまあ来ていただいた人には十分満足して見物してもらうようなところにまでいろいろくふうをいたしておる次第でございます。いまのところ、まだ建築中でありますからして、先ほどお話のとおり、でき上がれば相当りっぱなものができる。ただ、あそこは平地、いままでやぶ地であったところを平らにしたのでありますからして、そういう点においてモントリオールみたいな感じが行ったとき出てこないと思います。しかしほかの博覧会、フランスの博覧会を見ても、単なる平地でした博覧会でありますから、何もそこに川も何もないところでありますからして、モントリオールと比較すると、そういう山水の美というものはありませんけれども、まああれだけ、百万坪、モントリオールよりも広いのですからして、相当私いろいろな設備ができるのではないか、こういうように感ずる次第でございます。
○竹田現照君 時間にだいぶせめられていますから、観客対策について一つお伺いいたしますが、協会でもあるいは推進本部でもいいのですけれども、いま大臣もお答えになりましたけれども、万博を一とおり見て、万博を見たというような感じをするのは、大体どれくらいの日数と金が要るというふうにはじいているのですか。これはやっぱりその点がはっきりしないと、この万博に行く心がまえというのが国民になかなかつかめないと思うのですが。
○説明員(井上保君) まあ会場の見方でございますけれども、大体有名な館といいますか、おもな館をごくざっと見る、それから特に興味があるところを見るというようなかっこうで考えますと、大体二日ないし三日くらいかかるのじゃないかという感じでございます。それで費用でございますが、どこから見にいくかということで、場所によって交通費がずいぶん違うと思いますけれども、一応東京から新大阪ということで「ひかり」を使うというようなことで一応計算をしてみたわけでございますが、そうしますと、おとなと子供が一人ずつ往復しますと交通費だけでもおとなが八千円ほどでございまして、子供が四千円ちょっとというところでございます。それから会場までのタクシーだとかあるいは市内宿泊の関係だとか、そういうようなものをいろいろ計算してみますと大体三万五千円くらいかかるのじゃないかと思います。おとな一人子供一人をとりますと、そんなような感じでございます。ですから食事その他いろいろな幅がありますけれども、大体子供は一万円、おとなは二万円ちょっとくらいかければ大体ざっと見れるというような感じじゃなかろうかと思います。
○竹田現照君 これはかなりの金ですね。一人二万、子供一人連れて行けば三万五千円というのは。きわめて少なく見積もっておると思います。あの会場に入るとけっこう金がかかりますからね。そういう点をやはり協会なり何なりがもう少し親切に教えておかないと、金の準備ができなければ動員がうまくいかないわけですからね。そういう配慮というのがやはりないような気がするのです。外国に対するPRばかりじゃなくて。それから入場券の販売実績を見ますと、近畿地方に重点が置かれることはわかるけれども、第一期販売で六七%、あとは東海、関東で約二〇%ですか、ですから、そうなってくると、日本の人口分布からいってあまり国内の動員も成功はいまの段階はおさめてないというような私は気がするのです。いまブロック別にどれくらいの比率になっているのでしょうか。たとえば北海道、東北、近畿あるいは中国、四国というふうに分けて、全府県の販売実績からいってどういうことになっていますか。
○説明員(井上保君) 第一期の販売は六百十五万枚でございますが、それの割合を申し上げますと、先生御指摘のとおりでございまして、大体近畿が六六・四、五%でございます。関東は二七・三%でございまして、それ以外の地域は五、六%のかっこうでございます。 それから、当初に野村経済研究所で日帰り圏であるとか、あるいは半日宿泊圏であろうとか、あるいは宿泊圏とかいろいろ地域を分けて計算をしておるわけでございます。総計が三千万ということになっておるわけですが、その場合の数字を見表すと、大体近畿圏が千八百万人、それ以外のところが千百万、外人が百万というようなかっこうになっておりまして、それからいたしますと、近畿圏が六割程度ということでございますけれども、実際はおっしゃるとおり非常にまだほかの地域に対してPRが不徹底であるという感じが強うございますけれども、従来もそうなんですが、万博の行事を万博デーとかあるいは三百一日前とかいいまして、いろいろ行事を地方都市でやっておるんですが、そういう際にいろいろPRもいたしておりますけれども、今後もますますPRをやっていきたいということでございます。おっしゃるとおり地方のほうがちょっとおくれており、東京ではやっておりますが、中国であるとか四国であるとか九州とかではPRが不足しておるようでございますが、今後は注意していきたいと思います。
○竹田現照君 最初にお聞きしたように、東京からでも親子で三万五千円ですから、九州にしても北海道にしても、北海道は親子で十万円ぐらいかかるんじゃないですか、東京で三万五千円ですからね。これはちょっとやそっとで万博というものは見にいけるしろものじゃないということになる。そこで観客誘致の重点を、これは協会でも推進対策本部ですかでも、修学旅行だとか職域団体に置かれていますね。そこで、文部省にもお聞きをするんですけれども、最初おっしゃった、いま通産省の参事官がおっしゃったんですけれども、二日ないし三日だと。いま修学旅行に例をとりますけれども、日数制限というのが文部省の指導で行なわれておりますね。そうすると、あの会場に入って、万博というものはとてつもなく広いところにいろいろな建物が建っておる。動く歩道もあるし、ジェットコースターもいままで見たこともないようなものもある。会館だけを見て、おれは万博に行ってきたんだという感じの程度にしかぼくはならぬのじゃないかと思うのです。ですから、見学のコースも、たとえばモントリオールの実情を見ましても、たくさん建っていますけれども、まあ大阪も同じことになると思いますが、人気のあるところというのは限定されると思うんですね。日米ソあるいはチェコだとかね、そういうようなところに限定をされると思うんですよ。そういうところに入るのに、入るだけで二時間ないし三時間、この説明にも、場合によっては四時間ぐらいかかるんじゃないかといっておりますね。大きなところは見学に二時間かかるだろう。ましてやアメリカ館には月から石を持ってくるというんでしょう、月の石というものはどんなものかなということで修学旅行の子供は一番見たいところだと思う。入るのに中間取って三時間、見るのに二時間、それじゃ修学旅行なんというものに重点を置いても、それはどういうふうにそういうものをうまくさばこうとしているのか、あるいは十分に見せようとしているのか。文部省はこれは四十三年十月二日にいろいろ教育委員会あるいは高校なんかに通達を出しておるようですけれども、これは宿泊施設とか交通機関の手配などに遺憾のないように通知をしたにすぎないのであって、万博をどう見せてどう理解をさせるか、これに対する、何というのか、指導というのか、事前の教育というのか、そういうのは全然なされていないわけですね。先ほど大臣おっしゃったように、見たことのないものを見せて知ってもらう。特に私は将来をになう青少年に万博で進歩と調和というようなものをどう理解をさせるかということは十分配慮されなければいけないと思うんです。そういう点はどういうように考えられるんですか。
○説明員(吉里邦夫君) 竹田先生 御指摘のように、やはり児童生徒に今回開かれます万博の正しい理解あるいは有意義な理解を深めることは大事だと思っています。ともかく修学旅行の一環としまして、現地を見ていただく希望の人がずいぶんおります。ただ、いまおっしゃるように時間的制約あるいは日にち的な制約、距離的な制約というものがございますので、それをカバーする意味におきまして、文部省では約二十万部の手引きを編集をやろうと思っております。すでに編集員を委嘱しまして、大体編集のアウトラインをきめつつございますが、おそらく九月か十月にはこの二十万部の指導の手引きと申しますか、それを発行できるだろうと思っております。その中には、万博の意義なりあるいは概要なり、あるいはその中に、これは協会のほうでいろいろ計画をしていただきましたが、有意義あるいは有効に見れる見学のコースあるいは計画というものを、協会の協力を得ましてその中に入れ込もうと思っております。そのほかに、私のほうで約十万あるいは十二万ほど刷っております文部省の広報紙がございますが、それにスペースを毎号さきまして、万博の意義、概要等をPRというか、趣旨の普及をいたしております。この文部広報は、各都道府県、市町村等、小学校、中学校等の先生方まで配付がいくような計画にしておりますから、そういう面で、完全とは言えないと思いますけれども、万全の措置をとっていこうと思っています。
○竹田現照君 指道庁の手引きも、九月や十月にできたんじゃ、これはぼくはもうおそいと思うんですよ。いまから旅行業者があっせんをして、宿泊あるいは輸送対策というものはもう進んでいるわけでしょう。その手引きというものを先にやって、その上でどういう日程を組んだら万博というものを満足して見れるか、まあ十分満足はいかないでしょうけれども。どうもさか立ちのような気がするんですね。特に私は力点が修学旅行に置いてあるという考え方からいって、そういうさか立ちの対策というものは早急に直さないと、せっかくの青少年が夢を持って行っても、何を見てきたんだか、建物だけは見てきた、中は何だかさっぱりわからなかった、見てきたのは人の頭だけだったというのじゃ話になりませんし、だから、三千万なり五千万なりの動員対策で、子供も人数式で、何でも動員可能だったら集めるということでなく、実際に実のあるものとして動員をするような対策というものがやっぱり私は必要だと思う。修学旅行に例をとっていま文部省にお聞きしたんですが、これは郵政省にもお聞きしますが、いま万博を見にいこうといって、郵便貯金を盛んに宣伝していますね。あれは、ぼくが冒頭お尋ねしました日数と金ですね、それはちゃんと計算の上でああいう勧誘をやっておられるのか、これは地域別に当然そうなんですが、そういうことをよく説明をした上で郵便貯金を——万博をダシにして、貯金の奨励率というか勧奨率というか、そういうものを上げればいいのだ、あるいは十五人募集すれば一人ただでついていけるから、そのためにやるのだ、こういうのじゃ、ちょっと話になりませんから、これはやっぱり政府機関がやっているわけですから、何もかも万博を利用して、あとでおかしなことになるというかっこうにならないように、どういうふうに考えておられるんですか、これをちょっと聞いておきます。
○説明員(仲松次郎君) 万博の見学を目的とした目的貯金を四十年の五月ごろからやっております。これは各郵政局別に幾つかのコースを設定しまして、それで勧奨しているということでございます。コースの設定でございますが、あっせん業者でありますところの交通公社等と十分協議をいたしましてコースを設定したわけであります。この中では、全国まちまちでございますけれども、平均万博見学は大体二日でございます。それと観光をかね合わせて勧奨しているわけでございます。十分協会発行のリーフレット等を事前に配付して勧奨しております。
○竹田現照君 まあしかし、実際は勧誘をして歩く外務員の人には責任はないのですけれども、万博についての理解はないのです。これは札幌郵政局貯金部長以下、モントリオールの八ミリを見せて、万博というものはこういうものだ、そういう認識に立ってやらないとペテンにかけたということになりますと——ぼくのほうが教えておるのだから……。そういう配慮というものがやっぱりない、一つの営業として万博を考えている。だから、そんなことというものは、これはやっぱり文部省にしても郵政省にしても——これはピックアップしてきょうは聞いておりますけれども——万博担当大臣として、これは各省担当者がいらっしゃるようですけども、そういうきめのこまかい対策というものをやっぱりひとつ早急にやってもらわないと、文部省が十月ごろになってから手引きを出したのじゃ始まりませんし、郵政省がいまはそういうことを言っておるけれども、実際はそうじゃないのですね。そういうことを郵政省は十分に配慮してやっていただきたい。時間がありませんからあとでお答えは聞きます。 それから宿泊の問題、先ほども御質問がありましたけれども、どうもわれわれが説明を受けますと、何か外人かなんかの対象で、ホテルがどうだとかこうだとかいう説明は重点的に聞きますけれども、三千万の大半を占める一般の国民の宿泊というものは神社仏閣等いわゆる社寺を利用すると、こういうのですね。これは信仰で天理教に行ったり、本願寺へ行ったり、どこへ行ったというようなかっこうで行ってそういうところに詰め込まれても、これはたいした文句がないのと違いまして、やっぱり十分な配慮をしないと、寺は大きいから何千人も入るのだなんて、こういうようなかっこうだけの宿泊対策では私はいけないと思いますね。この機会に、このごろ寺も斜陽なものだから、神社も斜陽なものだから、ここで一もうけをしてまあ改築でもしようかなんというような不心得な者がいないとは限らないし、現にそういうような傾向がないわけではないと私聞いておりますけれども、だからそういう点では料金だとかあるいは宿泊の環境だとか、あるいは会場に至る輸送、こういう総合的なことを十分配慮して、雨露をしのげればいいんだ、泊まれればいいんだというようなかっこうの宿泊対策では私はいけないと、そういうふうに思うのです。ですから、そういう点、ちょうど時間もきましたから……。 それから最後に、赤字が出た場合にどうするのかというのが私ちょっと心配なのです。このモントリオールでも、動員予定が三千六百四十万でしょう。それに実績が五千三十万入って、かなりオーバーですよ。ところが、この赤字が三百二十七億も出ているのです。千四百二十四億六千万円に対してね。そうすると、日本の場合、三千万で八千百幾らですか。これはモントにしてもああいうことで、アメリカがしかも動員の中の二割以上占めているのですね、ああいう地理的条件が恵まれてなおかつこれだけに、四分の一弱の赤字が出ている。日本の場合、いま総理府の世論調査その他を見ても三千万をオーバーするというようなことをいっていますけれども、現実にこの赤字というものの見通しというものはいま私は立つような気がします。出てしまえばどうでもないけれども、今度大阪府あるいは大阪市、近辺の府県で、あとは全部これは国で持てというようなかっこうになるのか、そういう赤字が出た場合に、どういうように処理をされようとするのか、これをひとつ、案が立っておりましたら説明をしていただきたい、こう思うのです。
○国務大臣(菅野和太郎君) 宿泊については、まあ学生などはお寺とか神社あたりに泊まってもらいたいと、泊めるようにしたいと思うのですが、もちろんそれには設備が要ります。便所とか洗面所等をつくってもらわなければなりません。そういうようなことで、相当設備の費用も要ることでありますが、とにかくこの万博のために泊めてもらうということで、寺あるいは神社のほうもそういうつもりでひとつ万博のための宿泊人だということで金もうけというようなことを抜きにして、ひとつ泊めてもらうようにわれわれも念願しておるのでありまして、これは主として自治体にお願いして、自治体のほうでひとつそういう勧誘をしてもらいたい、こう考えておるのであります。モントリオールなども、御承知のとおり宿泊する場所がなくて、しまいには小学校に泊めたわけです。日本人で小学校に泊めさせられた方もあると思いますが、小学校みたいなところではなくして、幸い日本には大きな寺、神社が京阪にありますから、そこへひとつできるだけ収容したいということで万遺漏なきを期したい、こう考えております。 それから赤字の問題ですが、入場者が四千万、五千万ということになれば赤字の心配はないかと、こう考えておるのですが、で、いまのところ赤字に対してどうするかということは、これはひとつ赤字が出たときの勝負にしてもらわぬと、いまから、赤字が何ぼ出るかわからぬのに、赤字をどうするということを議論しても大蔵省はそれに応じないと思いますから、赤字が出たときには、そのときはそのときで大蔵省と折衝して遺憾のないように処理したいと、こう考えておる次第であります。
○大矢正君 明年開かれる万国博覧会がアジアで初めての国際的な行事であるという意味にかんがみて、私自身もその成功を心から祈りたいと思いまするし、また関係者の一そうの努力をお願いしておきたいと思います。 そこで、時間がありません、したがって一つ一つ御答弁をいただくということになりますると私だけで終わることになりますから、以下私は四点ほど申し上げますので、その中で、なるほどなと思うことが一つでもあったら受け入れられる範囲においてひとつ受け入れてもらいたいとお願いをいたしておきます。 根本的な考えの上において多少気がかりになる点があります。それは先ほど竹田君も申しておりましたが、博覧会というものを九九%——観客ですが——占める日本国民にどう結びつけるかということが一つと、それからまたそれが博覧会自体でどう生かされておるかという点、またいま一つは、三千万から五千万という大量の国内の人たちをいかに自主的に博覧会を見物させる気持ちを抱かせるかということが私は大事なんじゃないかと、こう思うのであります。博覧会を見に行きなさい、行かないとおまえは日本人じゃないから国籍を剥奪するぞといわれれば、これは行かないわけにもいかないから行くでしょうけれども、まさかそういうことで見せるわけにもいきませんから、いかにして博覧会を見ようかという気持ちをまず持たせることが大事だという点を強調いたしたいと思いまするし、また、テーマでありまする人類の進歩と調和というものがあの会場自身そうしてまた会場がかもし出す雰囲気なり環境の中で、どう生かされておるかということもあわせて大事なことではなかろうかという感じがいたします。そういうような立場に立って申し上げますると、第一に私は問題点だと思うことは、周囲を含めた環境の問題、それから会場それ自身の環境の問題があると思います。これは少なくとも科学、文化あるいは芸術、そしてまた人間生活やその環境というものが、言うならば一体となった調和された会場というもの、周囲の環境というものができ上がらなければいけないと思いますが、私が見ている限りにおきましては、必ずしもそうなっていない。たとえばあの会場を取り巻く周囲の環境、モントリオールに比較して非常に残念ながら悪いと申さなければなりません。これはまあ自然条件があることで、モントリオールのような公園を中心とした万博ではありませんから、その意味では御苦労のほどはよくわかりますが、しかしながら、だからといってそれが放置されて許される問題ではありませんし、そういうものが一番最初に見にいった国民が自分の国に帰って、どうも行ったけれどもさっぱりだったということで、あとが続かないという結果ももたらしますから、この点を考えなければいけないのじゃないか。たとえばモントリオールの場合には会場が分割されていたという意味もありますし、それから周囲が非常に緑におおわれて、木におおわれて、人間生活に対して非常に環境のいいところだったということがありますが、まずこの点で欠けるところがあります。だからといっていまこれからやり直しするわけにはまいりませんから、それをこれから残された一年足らずの間にどのように充実させていくかという問題点があると思います。先般も私は現地に参りました際に申し上げたのでありますが、こういうように緑のないところでの博覧会というものは、ちょうど東京でいえば丸の内やその他のビルの中に入って仕事をしたりものを見たりしているようなもので、さっぱり潤いのないものである。これでは人間の生活の環境の調和とか、芸術であるとか文化であるとか言ってみても、およそ緑がないじゃないか。科学だけが強調されて、それ以外のものは何ら生かされていないということになりはしないか。これからやっと緑の芝を植える、あるいは木を植えつつありますが、極端な表現をさせてもらえば、万博が終わってから、まことにりっぱな会場ができ上がる、環境ができ上るということを言っても私は過言ではないんじゃないかという感じがいたしますので、そういうような問題点、それからある意味においてはニュータウンが周辺にあるということも、逆にいうと、美的観念の上からいうとわざわいをしているという面もありますし、いろいろ問題点はあると思いますが、とにかく周囲を含めた環境を充実させなければいかぬのじゃないか。たとえば遠く東京あたりから出かけていく人は、やはり安上がりでやろうとすれば日帰りしなければいかぬ。日帰りする際に、あのごみごみした会場の中でどうやって潤いを求めることができるのか。たとえば第二会場、公園のようなものを設置して、見て疲れたならばそこへ行ってくつろいで休んでから、乗り物が混雑を緩和するのを待って帰るというような配慮がされていればいいのでありますが、そういうことはない。あの混雑きわまりない会場の中から、まっすぐ今度は満員の電車なり乗りものに乗って帰らなければならない。こういうことは人間のたえられないことであります。そういうことが多くの観客の動員を阻害する要因ではないかということで、そういう環境の問題がこれから充実される可能性があるとすれば、十分考えてもらいたいと思います。 第二の問題は輸送上の問題でありますが、これは大阪市内の輸送上ではなくて、国内各地から来る人たちの輸送上の問題であります。三千万から五千万の人たちを動員するという計算をいたしますると、一日の輸送力というのは、もちろんこれは自動車、鉄道を含めてでございますが、これはたいへんなものになると私は思うのでありますが、私の感じておる限りにおいては、大阪市内の輸送力は、どうやら地下鉄あるいは道路網の整備によって何とかやれそうな気もいたしますが、国内全部から日本国中至るところの人を運ぶという意味におきましては、どうも配慮がないじゃないかという感じがいたします。これが第二点です。 第三点は、これは現地でも指摘いたしたところでありますが、モントリオールにおいて、ある会社が自社製のものを出して、しかもネームをつけたということが不評判のもとになりましたが、今回はかなりの、パビリオンその他は民間企業独自で出品されておりますが、こういう中に企業の存在を誇張するような宣伝をするようなことがかりにもあってはいけないと思うのでありまして、これではせっかくの企業や国境を越えた国際的な行事というものの意義が失われることになりますし、わが国が国際的に恥をさらけ出すことになりますから、十分にひとつ配慮を願いたいと思います。 最後に、先ほどもお話がありましたあと地利用の問題でありますが、これは道路網があれだけ充実をされますと、経済的な価値を見出す点においては財界その他から強い私は希望が今後とも出るものと思われます。しかしながら、私自身あそこを見まして、少なくとも国家的な、国際的な行事でありまするからして、それを後世に伝える歴史的な価値を一つ見出すという要請があるのではないか。いま一つは、やはり経済的な価値、そういう観念を捨てて、この際、文化的な価値と意義をあの万博のあと地に求める必要性があるのではないかということを強く感じておるので、この面についてもぜひひとつ御配慮、御検討を願いたいと思います。 悪口を言うようで申しわけありませんが、大臣もだいぶ自信を持って、数が七十二カ国集まったから、相当数上回っておるから成功間違いなしと、こう言われておるようでありますが、数がそろえば成功するんじゃなくて、日本の国の万博対策が成功するかしないかのかぎなんでありまして、そういう意味では、自信を持たれるのもけっこうだが、自信過剰になることが心配の種の一つでありまするし、あなたが自信を持たれると事務局もますます自信を持って役人的な——ことばは悪いんですが——役人的な万博をやられたんでは、これは迷惑であります。私はそうではなくて、国民の総意を結集した万博のために、一そうのひとつ御尽力を賜わりたいと思います。以上です。
○国務大臣(菅野和太郎君) いま大矢委員から万博の基本的な、根本的な考え方について深い御理解を披瀝されたのでありますが、いまの大矢委員の言われることには私全く同感でありまして、そうしてこの万博というものは一億の国民がすべて関心を持ってもらわなければならぬということで、私は前から一億の国民が参加し、そして一億の国民の教育道場にしたいという考えをいたしているので、そして万博に一たび行けば新しい世界を知り、そしてそれによって非常な教育を受ける。学校教育よりも実物教育を受けて、そして行った人が、なるほどこれは行ってよかったというような万博にしなけりゃ、行った者に、もうあんなところは行くところじゃないというような印象を与えるような博覧会であれば、これはもう失敗なんです。何ぼ参加国が七十二カ国になろうがそんなことは私は価値の判断の上においては問題じゃないと思う。問題は、行った人が、なるほどこれは行きがいがある、参加した値打ちがあるというような心情を持って帰ってもらうということで、成功するかせぬかということになると、こう思うのでございまして、そういう観点において、われわれ非常に苦心をいたしておるのであります。そして一億の国民が参加をするという意味は、まあ俗なことばで申し上げれば、金のある人は金を出すし、知恵のある人はアイデアを出してもらって、いろいろと新しい日本人のアイデア、独自のアイデアを出してもらうし、そしてまた力のある人は労力を出してもらうということで、われわれ国民が全部自分らが皆参加しておるのだという感じをひとつ持たしめたいという感じをしております。これはカナダの博覧会が成功したのも、初めは盛り上がらなかったのでありますが、二千万の国民の博覧会というスローガンを掲げまして、そして国民運動を起こした。そこで国民がわれらの博覧会という気持ちを持ったということがカナダの博覧会が成功した私は原因だと思うのであります。そういう意味で、私は一億の国民の博覧会という気がまえをひとつ国民の間に植えつけたい。これはもちろん文部省などにもそういう点をお願いして、小学校教育、中学校教育などにおいても、十分そういうようなひとつ指導をしてもらいたいと考えておるのでありまして、まあ私自身も各地に参りまして、万博についてはそういう考えでわれわれやっておるから皆さんの博覧会だという気持ちでやって、そしてお互いの力でひとつこれを成功さすという考え方でやってくださいということをお願いしておるのでありまして、ただ一部の人の考え方でこの博覧会を開くというような考えは、毛頭われわれ持っていないのであります。 そこで、お話の、行ってみて不愉快な思いをするということは、やはり環境の問題があると思います。その点においては、モントリオールに比べますと、先ほど申し上げましたとおり、いわゆる山水の美といいますか、そういうものはありません。そういうことで、建物が一ぱい建っているということで、まあごちゃごちゃしているという感じを持たしめたくないというので、日本庭園ということも考え出したし、またあそこへわざわざ小さいものでありますが人工の水をたたえて、そうして水に親しますというようなことで、自然的な環境をもって、そこをいこいの場所にさしたいというような考えをしているのでありまして、朝から晩までパビリオンを見ていたら、疲れるだけで私はあとにいい印象は残らぬ、やはり見ては休みまた見ては休むと、こういうような方法でひとつ見学してもらうように考えたいというつもりをしております。 植木の点は、いまぼつぼつ植えておりますが、元来あそこは植木の育たない土地でありまして、それについては苦心をいたしまして、ほかから土を運んできて、植木が育つようにいまやっております。また大きな木もあそこへはよそから持ってきて、これも二、三年前からちゃんと育てて、あそこへ持ってきて、大きな木を植えつけたりしているのであります。相当そういう点について、自然の美をつくるという点については苦心をしていると、こう考えているのであります。 輸送の点については、これも私、一番心配しているのは輸送の点でありまして、輸送で実際不愉快な思いをさしちゃいかぬということで、この点も私は非常に心配いたしておりますが、そういう意味で、関連の公共事業というものは、大体輸送の点において満足のいくようにしたいということで、思い切って公共事業というものの予算を取ったのでありまして、大体開館までには間に合うということでやっておりますが、少しピークになりますと、一日四十二万の見学者が来るというようなことも考えられますので、そういう場合の輸送がはたしてうまくいくかどうかということは非常に心配いたしております。これらの点につきましては、運輸省と建設省におかれましてもいろいろと苦心をしていただいておるのでありまして、これらの点については皆さん方に不愉快な目をさせないようにひとつ考えたい、こう考えております。それで、お話のとおりに大阪市内は地下鉄ができますと大体輸送ができると思いまするが、大阪市外から来た人などについては、輸送の問題が問題になると思うのでありまして、まあ鉄道輸送もでありますが、またハスで来る人も相当あると思います。そういう点において、バスの駐車場、その他の点においてもいろいろ苦心をいたしておりますが、これもあるいは予想以上にバスが来るのじゃないか、こういうような心配もいたしておりまして、その点についてはいろいろとまた関係方面においても苦心をいたしておるようであります。 それから企業の自己宣伝におちいらないということ、これはもうお話のとおりでありまして、あくまで人類の進歩と調和というこのテーマによってパビリオンをつくってもらいたいということを言っておりますからして、またその内容もわれわれのほうで一つ一つ調べまして、そうして宣伝になるようなことは一切させぬということでやっております。また万博国際条約の中にもそういうことがはっきり書いてあるのでありまして、宣伝のためのパビリオンは一切つくらせぬという方針でおりますからして、したがいまして、その点では、われわれのほうでできるだけ注意して、その会社の宣伝というふうにならぬようにひとつさしたい、こう考えております。 あと地の点につきましては、いまお話のとおり、これを文化的な歴史的なものとして、そうしてまた国際的な意義も持つというようなものに、あと地を利用したいという考えは、もう大矢委員と私と同じ考えでありまして、決して民間企業などに分配するというようなことは毛頭考えておりません。また、いまのところ民間企業からあれを払い下げてくれという希望、申し出も一つもありません。でありますからして、もうおそらくだれしもあのせっかくつくった万博を、永久に残る記念のものにしてほしいというみな念願を持っていると思うのでありまして、したがいまして、これは国民の声に応じて、われわれはそういう永久に残るものにしたいという考え方で、各方面のいま知識、ア意デアを承っている次第であります。
○塩出啓典君 それでは二、三の点についてお聞きしたいと思います。 非常に最近はテレビ等が発達いたしまして、万国博覧会の時代はすでにもう過ぎ去った。一生懸命苦労して驚くようなものを見せようとしても、なかなかそういうものはテレビ等でも見れるわけですから、そういうものをつくるというそういう時代はもう過ぎ去ったんじゃないか、そういうことを言っておる人もあるわけであります。そういう点から万国博覧会には人類の進歩と調和、そういうようなスローガン、さらに四つのサブテーマもございますが、今回の万国博覧会は、日本民族とそうして世界民族との交流をはかり、そうしてやはり平和な世界を築いていく、そういうための一つの働きをしていく、そういう点にやはり大きな焦点があるんじゃないか、そのように私は考えるわけなんでありますが、大田のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(菅野和太郎君) いま塩出委員のおっしゃったことは、私全く同感でありまして、そういう意味でわれわれも万博をひとつやっていく、こう考えておる次第であります。
○塩出啓典君 そういう目的に対して、現在万国博覧会も企画そのものがそうなっておるかどうか、そういう点、われわれも非常に疑問に思うわけでございますが、ナショナル・デーというのがありますね、ずっと置かれておる、これは非常にいいと思うのでありますが、大体このナショナル・デーというのは内容はどういうふうなものですか、簡単に御説明を願いたいと思います。
○説明員(井上保君) ナショナル・デーは大体各国が会期の間で日にちを申し出てまいりますが、大体各国にちなみの深い、たとえば建国の日であるとかなんとかというような、そういうわりに各国にとって由緒ある日などを中心として申し込まれております。そういうときに日本から各国の元首を招待いたしまして、それでその国の日としましてその国を中心にしたお祭りをそこでやるということでございます。いろいろとこまかい行事がございますけれども、根本の趣旨は大体そういうことでございます。
○塩出啓典君 私は、日本を訪れてくる人は、それはいまの計算では百万人だそうでございますが、全体の世界の人口を見れば数少ないと思いますけれども、日本を訪れた人が、ほんとうにやはり日本は平和な国であると、そういう印象を持って帰るということは、これは非常に大事じゃないかと思うわけであります。そういう点で、一つは外国から訪れた人たちに日本国民との個人的なつながりも持って、そしてやはり生涯日本を訪れた記念として日本人と——日本の農民の方々とか、世界からいろいろな階層の人たちが来ると思うんですが、そういう人と日本のそういう職業の人とも交流をして、末長く文通もしていくと、そういうようなことが非常にいいんじゃないかと、そのように思うわけでございますけれども、そういうような企画は考えておりますか。
○説明員(井上保君) いま大阪地区を中心にいたしまして、外人用の民宿の開発をいたしておりますが、大体いまのところ二千人ぐらいの民宿の申し込みがございまして、大体二千人ぐらいの施設ができると思います。これはみんなここへ外人が泊まりまして何日なりそこで生活をするわけでございまして、そういう機会をできるだけつくりたいと思います。それ以外に、また日本のホステスであるとか、あるいは日本の建築家であるとかいうような、そういうような人が、向こうにも、パビリオンの関係の仕事に携わっておりまして、これは相当長い期間、たとえば半年であるとかあるいは特別な人はそれ以上長い人もありますけれども、そういうことで向こうの技術屋なり、あるいは向こうの来ている人々と一緒に仕事をするというような機会が相当あると思います。
○塩出啓典君 それで、私はお願いしたいことは、民宿にいたしましても民宿する人が単なる金もうけとかそういうようなことのないように、厳重にやはり指導していくべきではないか、そしてまた先般新聞を見ますと、ホテルあたりでも東京博覧会のときには非常に取り消しが多かったために当日取り消したときには一〇〇%、前日、前々日は八〇%の取り消し料を取るという、そういうようなことで、日本ホテル協会の京阪神地区がそういう規制を設けた、そういうことが新聞に書かれているわけなんですけれども、ホテルとすれば当然かもしれませんけれども、これはやはりホテルにはホテルの慣例もあろうし、その慣例を破って日本だけはひどくがめつい、そういう感じを持たせたのでは非常にまずいのじゃないか、その点心配するわけなんですが、その点どうなのですか。
○説明員(井上保君) 宿泊料金の問題でございますが、民宿の場合につきましても、それからいろいろと今後開発いたします寺社その他の宿泊施設にいたしましても、運輸省のほうあるいは厚生省のほう等からそれぞれ適正料金についての行政指導をいたしておりまして、非常に高い料金になるようなものがないように指導いたしております。 それからホテルのキャンセル料金につきましては、これはホテル関係の慣行があると思いますので、ちょっと私よく知りませんが、慣行どおりにやるのではないかと思いますが、はっきりそれはわかっておりません。
○塩出啓典君 そういう点もひとつ気を配って、やはり日本を訪れた人たちが悪い印象を残さないように配慮をしていただきたい。 それからまた、警備体制のことがいろいろ問題になっておりますが、特にすりとかは非常にカナダの場合でも多かったそうでありますが、せっかく日本を訪れてすりにすられたというような思い出を残したのでは非常にまずいのじゃないかと思いますが、そういう点のやはり万全の体制、その点をひとつ。まあ先ほどのあれでは千名くらいの警官をつけると、そういうお話でございますが、そういう点で十分であるかどうか。そういう点もやはりさらに検討すべきじゃないかと思います。 それから今回非常に人員の問題が、いままで三千万と言われておったのに、最近の調査によると四千万だ、五千万だと、それに従って設備もいろいろ検討しなければならない、そういうわけで、非常にそういう点がわれわれといたしましても何となく行き当たりばったりで、調査そのものも、どういうぐあいでそんなに狂いが出てくるのか。それからさらにこれから何カ月かたって万博の前に調査したら今度はものすごく見込み違いがあって大混乱をする、そういうことでは非常に困ると思うのですけれども、そういう点どう考えておられるのか。
○説明員(井上保君) いまの入場人員の見通しの点でございますが、これは当初三千万というのがふえそうだというようなことが出たばかりでございます。それで、宿泊対策、輸送対策について御説明いたしますと、輸送対策ですと、大体最高、休日平均で四十二万一千人ということでございます。したがいまして宿泊もそれに見合って準備いたしておりまして、これは休日の平均ということで相当ピークのところを考えております。でございますので、ある程度人がふえましても、従来まあ土曜、日曜に来ようと思った人が土曜、日曜ではホテルが満員だというようなことで相当ピーク・カットされて横へならされてくるというようなことになるのじゃないかと思います。そういうことで、実際に運営をする面である程度人数がふえましてもカバーできるという点が相当あるのじゃないかというふうに考えております。たとえば平均の入場者は大体十七万人くらいですが、ひどい場合は四十二万人ということで、一応その四十二万人を目標にしたあらゆる施設を考えておりますので、その十七万人のところがふえてくるというようなかっこうの運用をしていくしかないのではないか、こういうふうに考えます。
○塩出啓典君 それから最後に、万博の傷害保険業務を一手に引き受けている万博保険プールが万博協会に対して学生デモによる傷害補償には一切応じられない、そういうような申し入れをしたというふうに聞いておりますが、われわれも安保の年の万博であるために非常に心配をしているわけであります。協会側はデモの被害補償については参加各国にすでにこれは補償するということを通知しておると、このように聞いておるわけでありますが、これはまあ万博保険プールがそういうような言明をしますと非常に困ると思うのでありますが、そういう点の対策はどうなっておるのか。
○委員長(八木一郎君) ちょっと速記待って。 〔速記中止〕
○委員長(八木一郎君) 速記つけて。
○説明員(井上保君) ただいまの点は先生御指摘のとおりでございまして、いまの状況では、協会のほうで従来協会と保険プールと話しておりました際に、そういう暴力による障害も入るということでありましたので、約束と違うではないか——まあ契約前でございますけれども、契約前の約束と違うではないかということで、協会のほうで保険プールのほうと話を進めておる段階でございます。その辺で話がつきますれば問題ないのですが、もしつかなかったような場合には、大蔵省等と相談いたしまして、対策を講じていきたいと考えております。
○委員長(八木一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、散会いたします。 午後十一時三十三分散会