商工委員会 第9号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/10
会議録
○委員長(八木一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 本日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として沢田実君が選任されました。 —————————————
○委員長(八木一郎君) この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。それでは理事に土屋義彦君を指名いたします。 —————————————
○委員長(八木一郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題として質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次発言を願います。
○近藤信一君 私は、自転車競技会に対する通産省の指導監督、そうした問題についての通産省のあり方について緊急質問をするわけでございます。 自転車競技会は、わが党としては、基本的には、これは競輪廃止ということで、基本的な問題はきめられておるわけでございまするけれども、やはりこれが存続する以上は、これらに働らく職員の問題等について毛やはり考慮していかなければならぬと私は思うのです。この問題につきましては、衆議院の商工委員会でもさきにいろいろと詳しいことの質疑がなされたことでございまするが、私は、基本的な問題について数点ほどお尋ねしておきたいに考えます。 まず、競技会に対する包括的な監督権は、これは法律で明示されているとおりでございまして、通産省としては幾つかありまするところの地方の競技会に対する監督指導というものが十分なされなければならぬことはよく承知しておるわけであります。しかし、競技会が定めるべき事項の労働問題に対し、いろいろと通産省におきましてはこれが行き過ぎ的なことがなされておるんじゃないかというふうにも考えるのです。しかし、よく考えてみますれば、これらの各競技会に働く職員の待遇の問題、労働賃金の問題等、幾つかの問題があるわけでございまするけれども、いわゆる競技会で独自にこれを決定するというふうなことが現在なされない。それはやはり通産省の監督下にございまするから、通産省からいろいろと問題が指示されておる。中には半強制的に行なっておるというふうな面もあるんじゃないかと思われるわけでございます。そう考えますると、競技会自体の自主性というものが、私はほとんどないんじゃないか。労働組合はいわゆる競技会の木部などといろいろと団交を行なうわけでございまするけれども、それに対して一向にその交渉というものが進まない。それは通産省のいろいろな規制の壁にぶつかりまして、その団交自体がスムーズにいかない、こういう点が各地に出ておるというふうに私聞いておるのですが、この点は一体どのような仕組みになっておるのか、この点をまずお尋ねいたします。
○政府委員(吉光久君) すでに先生御承知のとおり自転車競技会は、三十六年の総理府に設けられました公営競技調査会の答申の結論に基づきまして、三十七年から特殊法人に切りかえられたわけでございます。その結果といたしまして、会長、副会長等の任免、あるいはまた事業計画、収支予算につきましての認可制度、あるいは事業報告でございますとか決算書の提出でございますとか、あるいは業務報告書等につきましては認可にかかるというふうな、国の監督権限が非常に強化されてまいったわけでございます。当時の立案の趣旨といたしましては、自転車競技会自身が相当それまでに問題を起こしておりましたので、この際はっきりと特殊法人に切りかえまして、公正円滑な競輪の実施をはかっていこうというふうな趣旨であったかと思うわけであります。と同時に、また自転車競技会の実際の事業活動に伴います事業経費の関係でございますけれども、これは施行者——都道府県でございますとか市町村でございますとかいう施行者——からの交付金によってこれをまかなっておるというふうな、そういうふうな現状もございますので、そういう観点から、通産省といたしましても、従来これらの団体につきまして指導監督というふうなことをやってまいったわけでございます。ただ、いま御指摘になりましたように、現実にやっております各種の指導監督行政の内容を、いま、しさいに調査いたしておりますけれども、従来の惰性と申しますか、そういうふうなことにとらわれまして、いささか指導監督面が強過ぎている向きもあるんではないかというふうに私どもは反省いたしておるわけでございまして、できるだけ各団体の自主性がそこなわれないよう注意いたしてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○近藤信一君 通産省の通達——これは通産省の通達といっても重工業局長名だと思うのですが——この通産省の通達に先立って、車両課の担当官が個人名で競技会に指示を与えておる。それに服するようにと、威圧的な指示であると私は聞いておるのです。会長以下役員の持つ権限というものがこれによって抑圧されておるということにも相なろうかと思うわけであります。そういたしますると、労使間の観点に立ってこれを考えてみますれば、労働組合法第十四条に規定するところの労使間のいわゆる当事者能力といいますか、そういうものが明らかに私は否定されるというふうに思われるわけでございますが、そういたしますると、競技会の自主性というものは全くない、こういうことにも考えられるわけでございまするけれども、そうした問題についてはどうお考えになっておられますか。
○政府委員(吉光久君) お話の中にございましたように、労働条件は労使の間で決定されるべきものであるというふうに思っておるわけでございまして、この競技会におきましても、給与等につきましての問題につきましては、あくまでも労使間で決定されるということが基本的な私どものかまえであろうかと思うわけでございます。ただ、先ほど御説明申し上げましたように、自転車競技会の経費と申しますか、収入は、施行者からの交付金によってまかなっておるというふうなことになっておるわけでございまして、しかも、交付金の額は車券の売り上げ高に応じまして通商産業省令にきめますところの基準に従って配分されるというふうなことになっているわけでございまして、長期的には収支が相つぐなう、こういうたてまえからこれらの基準の省令がきめられておるわけでございます。したがいまして、この省令を制定いたします場合には、競技会の経費、その中で特に大きな部分を占めます職員の給与水準というふうなものがどうあるかということが常に問題になるわけでございまして、あくまでも適正な給与水準ということを前提としてこれらの省令が制定されておるというふうな事情にもかんがみまして、毎年の収支予算でございますとか、あるいは事業計画というふうなものは大臣の認可事項となっておるわけでございます。そして、これらのいまのベースアップ問題につきましては、収支予算の変更認可というふうな手続が必要となっておるわけでございまして、したがいまして、そういう点から、実は従来当省におきまして、一般社会の給与水準でございますとか、あるいは経済情勢等の推移を勘案いたしまして、一つの給与水準的なもの、適正な給与水準と考えられるべきものをつくりまして、これを各競技会に示し、そして、その後予算変更認可手続というふうな手続をとってもらうことといたしておったわけでございます。ただ、先ほど来御指摘いただきましたように、当事者能力を前提としてこれらのものを考えます場合には、やはり私どもも過去の経緯に拘泥しないで、もう一ぺんこの際あらためてここらのあり方につきまして検討させていただきたいと思うわけでございます。
○近藤信一君 いろいろと局長が御答弁をされておりまするが、各地の競技会の労使間で職員の賃金問題でしばしば紛争が起こっておる。局長はそれを御存じか、また御存じないのか、私はわかりませんけれども、三月にも競技会の職員が大ぜい通産省に参りまして、そして担当官の車両課長に会っていろいろと陳情した点もあるわけなんです。それはやはり常にそういう問題が起こっておる。あの職員の人たちも、自分たちの生活問題であるからああして遠くからやって来るわけなんです。で、職員の給与改正や、それから補給金の問題におきましても、これは通産省からいろいろと規制しておるといいますか細部にわたって一つのワクというものをきめられておる。そして通産省からこうせい、ああせいというふうな指示がいくわけなんです。それが地方にいくのが非常におくれる。それで、地方にいって労使間でまた交渉に入るわけでございまするけれども、一向にそれがのれんに腕押しのような形で解決されない。そういう点から考えると、この自転車競技法の精神からいっても、私はその運営がうまくいかないということは、やはり何かのそこに欠陥があるんじゃないか、そういうふうにも考えるわけでございますし、もう一つは、競技会の役員が実際に自主的に解決できるという給与問題の仕組みになっていない。この点が一つの大きな問題になって紛糾が起こっておるということじゃないかと私は判断をするのです。そういたしますると、一体通産省として、いま局長が言われましたように、やはり何らかの方針を考えていかなければならぬと、こういういま答弁されましたけれども、今後一体具体的にはじゃどういうふうにこれをあなたは改めていこうとしておられるのか。突然でございまするから、あなたここで即答はできないかもしれませんけれども、ある程度の具体的な問題を私はお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(吉光久君) 全国に八つございます競技会の給与水準というものが、常に平準化の方向に動いていかなければならないというふうな感じで従来の給与問題について対処してまいっておったわけでございます。それぞれの団体で給与体系がそれぞれ違っておるというふうなことは、施行者のほうから、都道府県または市町村のほうからの、その交付金収入でその経費をまかなっておるという現状から考えますと、できるだけそこらが平準化されるほうが好ましいんではないであろうかというふうな、こういう基本方針で扱ってまいっておりまして、それらの基本方針の点と、具体的な俸給表の改正の問題と、そういうふうな一つの立場でものごとを考えておりました関係上、私どもといたしましては、俸給表の適用の問題については、それぞれの交渉にまかされておるというふうに感じられていたわけでございます。ただ、従来のやり方を振り返って考えてまいりますと、どうもやはり当事者能力と申しますか、そういうふうなものについて、少し国が入り過ぎておったのではないであろうか、こういうふうな感じがしないわけでもないわけでございます。したがいまして、いま申し上げましたような、基本的にその収入源が都道府県あるいは市町村等の施行者から入っておるということを頭に置きますと同時に、できるだけいま御指摘ございましたように当事者の自主性というものが、具体的な問題につきましては反映されるような仕組みと申しますか、いままでのような、先ほど来御指摘ございましたような、いずれかといえば相当こまかいところまで指示いたしておりました事項につきまして、これをむしろもっと簡素化いたしまして、要するに、大きな事項と申しましょうか、そういうふうなこの競技会自身のよって立つ財源、収入のもとが、そういう施行者のほうにあるというふうな、その線はこれは貫かざるを得ないわけでございますけれども、そういう基本的な線を貫きながらも、できるだけ各競技会の特性がそのまま生かせるという形で運営いたしてまいりたいと思うわけでございます。 突然のお尋ねでございましたので、実は具体的な問題といたしまして、いまここに準備いたしておりませんけれども、そういう基本方針で本年度早々検討に着手してまいりたい、こう思っているわけでございます。
○近藤信一君 現在競技会の職員の給与は、いわゆる国家公務員の給与に準じて改正されていくわけでございます。私はこの点が非常に不可解だと思うのですが、いわゆる補給金でいろいろと給与が支払われておる、しかも一方は特別法人組織の事業団体である。公務員は事業団体じゃないわけなんですね。ところがその給与面だけが公務員に準じてきめなければならない、これは大蔵省との関係もあるだろうと思うのですけれども、四十三年度の例をとりまするならば、これは国家公務員のベースアップが本俸の七・一%で押えられておる、したがって競技会の給与も七・一%以内でこれをやれというふうなことで指示されておるわけなんですね。そうすると一方は事業団体でございますから、やはり大きく利潤の上がるところでは補給金が多いわけなんです。通産省では、あそこの競技会は高過ぎるとか、ここの競技会は低過ぎるというふうな話を私は聞いたこともあるわけなんでございますが、そういたしますると、やはり現在の給与の七・一%と、こういうことになりますから、従来高いところを抑えなければならぬとか、低いところを上げなければならぬというようなことで、配分についても地方でいろいろと問題になったのです、いままで。今度もそうじゃないかと私は思うのですが、やはりそうするといろいろと公務員の給与に準じていくという一つの問題はありますから、そういう結果がそこに出てくるわけなんです。このことについて、私は当否をいまここで追及しようとは考えておりませんが、やはりそういう競技会職員の給与を、競技会とそれから職員とが自主的に解決する、こういう方法が私は望ましいと思う。必要以上に通産省が指導監督の立場から給与面だけをいろいろと言われるということは、私はどうも納得がいかない、いわゆ職員の諸君は納得がいかないのじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。
○政府委員(吉光久君) 現在の競技会の職員の平均給与でございますけれども、ベースァップ前におきまして、三十七・六歳平均で五万八千六百二十七円、これは総平均でございまして、公務員が三十八・三歳で四万八千四百三十円でございます。いずれもベースアップ前でございます。したがいまして、競技会の職員の平均給与額が必ずしも低いというふうな感じは持っていないわけでございます。またボーナスにしましても、公務員につきましては年間四・四カ月分でございますけれども、この競技会の職員につきましては年間五・八カ月分、こういうふうな状況でございまして、ボーナス水準も、一般に比べましてそう低い水準だというふうには考えていないわけでございます。また今回のベースアップの関係のアップ率でございますけれども、公務員のアップ率が七・一%平均であったわけでございますけれども、この競技会におきましてはアップ率最高が一二%、最低が七・三%というふうな状況でございまして、これまた公務員ベースを上回るものであったわけでございます。ただ、いま御指摘ございましたように、また、さきにお答え申し上げましたように、何ぶん同じ団体で働いておりまして、団体を異にすることによりましてそこに給与水準に相当大きな開きがあるというふうなことは、私はいかがなものであろうか。同じように施行者のほうからの収入金によって財源をまかなっておる団体であって、団体を異にするに従って相当そこに賃金ベースに格差があるというふうなこともいかがなものであろうかというふうな点を加味いたしまして、従来、非常に給与水準の高いところにつきましては、アップ率がわりあい低く、従来低いいなかにおきまして、いなかと申しますか、地方都市関係におきましては、そのアップ率をわりに上げてまいったというのが今回の考え方であったわけでございます。こういうふうな、財源がそういう施行者団体のほうからの収入に依存しておるというふうな特殊な事情が、この自転車競技会にあるわけでございまして、そういう点をこういう給与水準の場合に、どの程度まで反映さしていくべきであるかどうかということが、一番大きな問題であろうかと思うのでございます。ただ、基本的な考え方というふうなものは、やはりこれはあくまでも、全国八団体ございますので、八団体通して考えなければならない一つのものもあろうかと思うわけでございますけれども、細目につきましては、できるだけそれぞれの各団体の中におきます自主的な運営方式というふうなもので処理してまいるのが最も適当ではないであろうか、こう考えるわけでございます。
○近藤信一君 通産省の給与改正に対する指示というものが、先ほど申しましたように非常におくれておる。それは人事院の勧告が出ましてから、それから長いことかかって、政府がそれについて、最後的な決定をする。それからまたしばらくたってから通達がいくというふうなことで、非常におくれるということがあるわけなんです。それから今度は、地方では団体交渉をやる、こういうことになりますると、いわゆる競技会の職員の給与がずっとおくれてしまう結果にも相なろうかと思うし、それからいま局長が言われましたように、公務員の給与より上回るという点もあるわけなんでございまするが、それは競技会で利潤が多く上がるところはやはり多く上がるような方法でこれが考えられていかなきゃならぬと思うのですが、しかし、また全体的に考えましても、非常にアンバランスがあることも私は知っているのです。しかし、競技会が利潤が多く上がりますので、競技会から日自振へ吸い上げていくのも多くある。競技会としても、自転車振興会としても、やはり何らかの形で、まだほかに補給しておる面もあるわけですね。たとえば中小企業の技術革新のための研究、機械のところに、振興のために出資しておる面だとか、あるいはまた、なんとかかんとかの施設に対してどうするとか、オリンピックに出したとか、また万博には出すとか、こういうふうに、新聞では、支出面の点についてもいろいろとあるわけなんですが、一体いまどれくらいのあれを出しているのですか、全体的に、これは大まかな点でいいんです、こまかいことは必要ありませんが、ざっとどれほどいわゆるそうした自転車から上げた利益を支出しておるか、そういう面ですね。
○政府委員(吉光久君) 振興資金のお話だと思えわけでございますけれども、振興資金の中に機構工業の振興資金と、それから一般公益事業の振興資金と、二つあるわけでございます。二つに分けて、四十三年度の実績についてお答え申し上げます。 まず、機械関係でございますけれども、四十一年度機械関係全体で六十四億六千五百万円が交付されております。 それから公益事業関係でございますけれども、四十三年度五十六億二千四百万円が支出されております。
○近藤信一君 非常にたくさんの金額というものが、そういう施設やいろいろな面に支出されておる。そこで、私が思うことは、いわゆる競技会の職員の身分というものは非常に不安定じゃないかと思うのです。なぜかと申しまするならば、局長も御承知のように、今日ギャンブルを廃止するという世論が相当あるわけなんであります。で、地方自治体においては競輪廃止に踏み切ろうとしておるところもございますし、もうすでに踏み切ったところもある、こういうことになりますると、競技会に働く職員の身分というものは、まことに不安定になってくる。そうした競技会の職員の身分についての指導というものが、通産省としてなされていないのじゃないか。一体その点どういうふうな身分保証に対する指導というものを行なっておるだろうか。これは、私は先ほど言いましたように、いずれは公営ギャンブルというものは廃止の方向に滔々と向いていくと私は思うのです。またわが党もそれが基本的な線なんです。そうすると、ますます職員の身分というものは不安定になってくるから、やはりそうした問題を私は真剣に通産省として考えてやるべきじゃないか。その指導をあなたのほうが考えてやる、これが指導監督の立場にある通産省の立場でなきゃならぬと私は思います。この点どうですか。
○政府委員(吉光久君) 自転車競技会に勤務いたしております職員の身分不安定の問題でございます。お話ございましたように、各地で自転車競技についての廃止の声も出ておりますし、安心して働ける職場という環境にないことは御指摘がございましたとおりでございます。したがいまして、実は先ほどお答え申し上げました給与につきましても、実は一般公務員に比べまして平均ベースで二万円強くらいの高い給与でございますけれども、これを公務員並みに引き下げるというふうなことは全然考えていないわけでございます。と同時に、また退職していく職員の退職引き当て金につきましても、配慮すべき必要があろうと思っておるわけでございまして、現在退職金の引き当て金は五〇%というふうにきめられております。こういう上昇時でございますので、従来の五〇%ということで妥当であるかどうか。むしろこれを引き上げるべきではないだろうか、こういうふうに考えておりまして、その線で関係各省庁とさらに折衝を進めてまいり、退職時における退職手当につきまして遺漏のないように、そういうふうな措置を積極的に考えてまいりたい、このように考えます。
○近藤信一君 いま局長が、退職金引き当て金の問題を言われまして、現在五〇%と答えておる。ところが、職員組合は常に一〇〇%を主張しておるわけなんですね。私は、利潤が多く上がって、いろいろな施設に何十億という金額を支出するなら、やはり退職金の問題も、これはいつこの競輪がなくなるかわからぬ、これは早急になくなるかもわかりませんよ、東京都もいわゆる廃止論へもう踏み切ったようでございますし、そうすると、これは非常に身分が不安定であるから、退職金の問題は、やはり組合が要求しておるような引き当て金を一〇〇%——一〇〇%いかなくても九九%、こういう近い線でもってもっと通産省が考えていくべきではないか。これは大蔵省との関係もございますけれども、やはり五〇%でいつまでも押えておくということは、私は、この身分の不安定な職員の立場というものは、何といいますか、非常に気の毒な立場だと思うから、やはりいつつぶれるかわからぬというふうな、いつやめなければならぬという、そういう不安な立場にある職員の気持ちというものを、あなた方は十分考えて、そうして退職金引き当て金なども五〇%ということでいつまでも抑えておくということではなくて、もっと、あなたがいま言われましたように、引き上げていく方向であなたのほうは考えてやるべきだと私は思います。私は、いまあなたが引き上げを考えておると言われましたから、これ以上、このことについては申しませんけれども、やはりそうした面が、私は、指導監督の立場にある通産省としてのあたたかい気持ちでなければならぬと思う。ただ規制する面だけをあなたのほうは強力に規制していく、こういうことでは私はいけないと思うんです。 で、もう一つは、いま不満が出ておりまするのは、各競技会の職員があの競技会に入って営々としてあそこで仕事をしておる。御承知のようにあの競技会というものは、非常に職場的には幅の狭いものですね。だから、あそこにしんぼうしておっても、なかなか頭が壁につかえてしまって、頭打ちになってしまって、そうして身分的にも上がれないわけなんですね。たとえば各地の競技会の会長などは、ほとんど通産省からの天下りか、地方におけるところの自治体から押しつけてくる人事か、そういうのが多いわけなんです。通産省からだいぶあっちこっち行っていることも、私よく知っております。あの天下り人事については、いろいろと国会でも問題になっておる。これは天下りというのか、転出というのか、私は知りませんけれども、やはりいま問題になっておるその天下り人事については、いろいろと毎年この国会で問題になりまするから、ああいうふうなことで上層部にどんどんと関係のないところから持ってこられるのでは、あそこに働く競技会の職員としても仕事に実際身が入らない。誠意をもってやろうとしても、よそからちょいちょいと持ってこられるのでは、われわれはいつまでもこんなことをしていなきゃならぬという下積みの職員の不満というものがそこに出てくるわけなんです。一体こうした人事について、あなたのほうはどういうふうに考えておられるのか。むしろ通産省から押し込んでいくというふうな傾向もあるんじゃないかと私は思うんです。あなたがそんなことはないと言われれば、私ははっきりと、ここで私の調べたあれから、言ってもいいですが、そういう点について、通産省として今後一体どういうふうな見解を持っておるか。また、どういうふうにしていきたいと思うのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(吉光久君) 従来の競技会の役員につきまして、官庁方面あるいは地方公共団体方面からの出身の役員が非常に多いことにつきましては、御指摘をいただいたとおりでございます。おそらくこの競技会の運営その他が地方公共団体——地方公共団体と申しますよりは、むしろ施行者でございます——と非常に密接な関係を持っておるというところから、こういうふうな人事形式がいわゆる適材適所として行なわれたものだと思うわけでございます。ただ、御批判いただきましたように、やはり競技会全体の運営が、何と申しますか、競技会全体としての士気が沈滞するというふうなことで、こういう人事が行なわれるというふうなことであれば、これはまた他方におきまして大きなゆゆしき問題であろうかと思うわけでございまして、こういう人事問題につきましても、過去の経緯に拘泥しないで、さらにどうしたらいいかという点について積極的な姿勢で検討をさしていただきたいと思うわけでございます。
○近藤信一君 私は、必ず天下りが悪いとは考えておりません。その道に精通した人ならば、運営上においても非常にいいことだと私は思う。しかし、職員の立場からこれを考えてみると、職員がこの事業一筋に精励していって一生懸命やっておる。ところが何にも競技会の事業に未知数な人、無知識な人がぽいぽいとこう入ってくるわけなんですね。そうすると、職員の昇進の道というものはみんな閉ざされていくわけなんですね。私はここが問題だと思うのです。私は、できればそういうことはやはりその競技会の自主性に待って、そうしてこれを本省で任命するとか——あれは通産大臣の任命ですか——こういう形をとっていく、そのほうが私は正しいのじゃないかと思うのです。何も知らないのがぽかんと入ってきて、私は会長でございますと言って会長室におさまって、この部屋が悪いからこう直せああ直せと言って、そこに何百万円もかけて部員を直したり新しい器具を入れたりしている。それでは職員のひんしゅくを買いますよ。その道一筋に精励してきておる職員から見れば、何だと、こういう気持ちになることは当然だと私は思うのです。こういうことはやはり今後改めていかなければならぬと私は思いますし、通産省としても、いつまでもそんなことを続けていくのじゃなくて、やはりそういう点は地方の自主性にまかしていって、そうして精通した者をこのキャップならキャップに持ってくる、こういうことでなければ私はいけないと思います。ただ配分で補給金がもらえるのだから、だれ持っていってもいいわいと、こういうことでは私はないと思うのです。いろいろな問題でそれぞれの競技会の職員が苦労しておるわけなんです。そういうことを私は考えてやらなきゃならぬと思うのです。一体今後通産省として、そういう人事に対してもっと大きい立場から、高度の立場から、こうした天下り的なことを今後はやめるというふうな覚悟があるかどうか。その点どうですか。
○政府委員(植木光教君) 先ほど来近藤委員から競技会の運営につきましていろいろ御注意をいただき、いずれもごもっともであると拝聴いたしておりました。 特殊法人でございますので、通産省として競技会が公正に運営せられるように、また自転車競技が公正円滑に運営されるようにという点につきまして、指導監督をしていかなければならないのは申すまでもございません。ただ、競技会としての運営は自主的であらねばならないということも同感でございまして、したがって、たとえば労使の関係、あるいはまた人事の問題等につきまして、いま仰せのごとき方向で私ども努力をしてまいりたいと考えております。
○近藤信一君 最後に、私は注文しておきたいのですが、私が知っているのでもあるのですよ。で、会長が二年ですか、あの会長、副会長の任期というものは、今度の会長が変わるというときに、職員の中では、当然あの人は今度会長になれるのじゃないか、それが会長になれば次が副会長へ出ていけるというふうな考えを持っておるところへ、突然全然競輪の事業に関係したこともない、また寝際そうした仕事について知識があるのかないのかわからぬような人が会長にぽかんと持ってこられる。私も驚いたことがある。それは通産省だけじゃなくて、地方でもそういうように、今度は地方の施行者側のほうからぽんと会長のいすに押し込んで、そうしてこれを通産大臣が承認する、こういうことでは、私は繰り返し言っておるように、職員としては、将来自分は会長にならなくてもある程度のところまではいけると、こう思っておる、昇進できると、こう思っておるやつが昇進できなくなる。全体がそれで頭打ちになる。年齢構成も高まってきていることも私は事実だと思う。そういう点をいま政務次官が言われましたように、やはり将来十分通産省としては考えて指導監督に、通産省としては考えて人事の問題についてはやはり地方の競技会の意見というものを十分に聞いて、その上で私は最終的な判断というものをやっていただきたい。このことを私は注文をつけておきまして、この問題については時間もございませんから、本日はこの程度にして質問を終わります。 —————————————
○委員長(八木一郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(八木一郎君) 次に、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について、政府委員から補足説明を聴取いたします。高橋繊維雑貨局長。
○政府委員(高橋淑郎君) 提案理由及び概要について御説明申し上げました特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案に関しまして、さらに条文に沿い、補足的に御説明申し上げます。 第一に、対象業種についてでございますが、従来、第二条に規定されておりますとおり、特定紡績業と特定織布業を本法の対象業種といたしておりましたが、繊維工業全体の構造改善を達成するためには、繊維工業の一体性からいって相互に密接な関連のある他の部門におきましても所要の対策を講ずる必要があり、この趣旨から、今回、メリヤス製造業と特定染色業を構造改善の対象業種として加えることとしております。 メリヤス生地及びメリヤス製品を製造するメリヤス製造業は、織布業に匹敵する規模を持ち、世界的なニット化傾向の趨勢の中にあってその成長が期待される業種であり、一方、特定染色業すなわち機械による織物の染色整理業は、繊維製品の多様化・高級化の要請にこたえていくために重要であり、繊維工業におけるキー・インダストリーともいうべき業種であります。 このように重要な業種でありながら、両業種とも、設備構造のおくれ、過小規模企業の乱立による過当競争といったような構造上のひずみをかかえており、これを放置すればわが国繊維工業全体の発展を阻害することになるおそれがございます。このため、両業種を特定繊維工業構造改善臨時措置法の対策業種として加え、抜本的な対策を講ずることといたしております。 第二は、メリヤス製造業、特定染色業両業種の構造改善計画の承認についてでございます。これについては、業界が自主的に計画を作成し、それを大臣の承認にかからしめる点で、特定織布業と同様でありますので、その関連規定を第三章に追加することといたしました。 ただ、特定織布業におきましては、その計画作成は、産地の商工組合といたしておりますが、メリヤス製造業におきましては、メリヤス製造業商工組合連合会が、特定染色業におきましては、民法上の法人であります特定染色業団体がそれぞれ計画作成、遂行の任に当たることが業界の実態から判断いたしまして最も効果的と考えられますので、そのような構成といたしております。 第三に、第十八条におきまして従来の特定織布業に加え、メリヤス製造業及び特定染色業につきましても、政府は、承認を受けた計画に従って実施される事業について資金の確保と融通のあっせんにつとめ、また関連労働者の職業の安定につき配慮することといたしております。 第四は、第四十条におきまして繊維工業構造改善事業協会の業務を拡充し、メリヤス製造業及び特定染色業の構造改善に必要な資金の調達の円滑化をはかるための融資及び保証の業務を行ない得ることとし、このための信用基金として政府が出資を行なうとともに、第四十二条の改正によりましてメリヤス製造業商工組合連合会及び特定染色業団体もこの基金に出指し得ることとしております。 第五は、この法律の廃止時期につきましては、メリヤス製造業及び特定染色業の構造改善事業が特定紡績業、特定織布業に二年おくれて昭和四十四年度から五年間にわたって実施されることとなるため、附則第二条を改正し、昭和四十九年六月三十日まで延長することとする一方、特定紡績業及び特定織布業にかかわる規定につきましては、従来どおり、昭和四十七年六月三十日までとしていることであります。 このほか第五十九条の報告の徴収の規定等、若干の関連規定の整備をいたしております。 本法律案の内容の主要な点につきましては、以上御説明申し上げましたとおりでございます。
○委員長(八木一郎君) それではこれより本案について質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○近藤信一君 私は、ただいま補足説明がございました特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正するこの法律案について御質問をするわけでありますが、まず最初に、繊維工業の構造改善に乗り出したということについてお尋ねしてみたいと思います。 なぜそれではこのたび法律の改正をやらなければならなかったかということは、いまあなたが内容を説明されたとおりでございます。いわゆる日本の経済成長の中で繊維工業というものは、やはり提案の中にもいわれておりまするように、わが国の繊維工業を取り巻く内外の環境というものは非常にきびしいものであるというふうにいわれておるわけなんですね。そうしてまた繊維産業というものは斜陽族じゃないか、斜陽産業じゃないか、こういうふうなこともいわれてきた事実があると思うのです。これは非常に斜陽産業だといわれました石炭産業、これと同じように現在では相当危険を帯びておるということもこれは事実だと思います。経済成長といいましても、やはり重化学工業のような地位ということとまた違うわけでございまして、大体繊維工業というものは、終戦後いわゆる日本の重工業というものが、何といいますか、非常に大きなショックを受けて、これからどう立ち上がろうかというときに、まっ先に日本の産業再建のためにはということで、軽工業の中心であるこの繊維産業とかまた石炭産業がこれの再建に努力をした。そうしてそこに働く労働者もこれに取り組んで再建に努力してきた。そうしてあるときには繊維の面においては外貨獲得の中心でもあったわけなんです。ところがだんだんと経済面においても変動がきて、そうしてこの繊維工業に対しましては、やはりいろいろと後進国といわれる国なども今日ではだんだんと整備されてきている。そうして日本の繊維工業を脅かすような地位になりつつあることもこれは事実だと思うのです。そう考えてまいりますると、非常に繊維産業の構造改善というものが必要になってくることは、これは事実でございますし、私は、やはりこの繊維工業の改善計画がなされて、当初この本委員会におきましてもいろいろと審議に当たったわけでございますが、このときにも私はいろいろと申し上げたこともあるのですが、このことはさておきまして、やはり今日日本の一つの重要な地位を占めておる繊維産業が危険な状態になってきた。そこでこれの構造改善をやらなければならぬということで苦慮しておられることは私はお察しができるわけでございまするけれども、やはり重工業と軽工業とを比べてまいりますると、今日では重工業というものが非常にまだ発展過程にある、世界の産業とも競争でき得る地位にまできておるわけなんでございますが、そういうふうに考えてまいりますると、やはりどうしてもここで石炭産業のように行き詰まってしまってからではおそいわけでございまするから、あなたのほうはこの構造改善をもう一ぺんやろう、こういうことであろうかと私は思うのですが、この点、将来の見通しについて、あなたのほうは大きな期待をかけておられると思うのですが、そういう点について見解をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) ただいま先生からるる御指摘いただきましたように、わが国の繊維産業が置かれている現状はまことにそのとおりであると思います。私たちは決してただいま繊維産業を斜陽産業とは考えておりません。また斜陽産業にしてはならないと思います。確かに日本の重化学工業化の進展は非常に著しいものがございます。生産の面、あるいは輸出の面、両面におきまして、この重化学工業化の進展に伴いまして繊維産業のウエートは相対的には低くなっております。しかし、日本の繊維産業は全製造業の中で付加価値額についてみましても二二%程度、あるいは従業員の数においても一七%余、あるいは事業所の数についてみましても二二%余、これは少し古い統計で、たしか四十一年の工業統計の数字だと記憶いたしておりますが、まあこういうような地位を占めております。輸出の面におきましても二十億ドル近いやはり輸出をやっております。これは日本の全輸出の中で一五、六%程度に相当する。こういうことから考えますと、繊維産業は、私は非常に重要な産業である、こういうように考えます。日常生活に欠くことのできない衣料、それから産業用資材、その供給者として国民生活にとって必要不可欠な部門であります。日本の経済全体の健全な発展のためにも、この繊維産業は着実に維持かつ発展を遂げることが私たちとしてぜひとも要請されるところと考えております。ただほうっておいてはたいへんなことになります。それでこの繊維産業がかかえておりますいろいろな構造上の弱さ、もろさ、これを特繊法を基軸といたしまして体質改善を緊急に進める必要があるということで、御指摘のように昭和四十二年度以降やっているということでございます。この構造改善事業を基礎としまして、関係業界の各位が最大の努力を傾注していきますならば、日本の繊維工業は発展途上国との技術的格差というものを常に保ちながら今後発展を遂げていくということは十分私は可能であると考えております。このことは、先進諸国の繊維産業がそれぞれ近代化を積極的に行ない、態勢整備をいたしまして、彼らの生活水準の向上に応じまして増大し、かつ高級化する、あるいは多様化する需要を彼らの繊維産業が満たして、そして存続、発展を遂げておる。こういう例から見ても私は明らかに言えることであろうと思います。日本の繊維産業についての見通しについて、このように私考えております。
○近藤信一君 わが国の繊維産業の構造改善をやって、品質の面からいろいろな面で日本の国内繊維産業というものが発展していく。そうすると、どうしても今度は国際市場において競争が激しくなってくることもこれは事実だと思うのです。特にアメリカにおきまして今度ニクソン政権になって、ニクソン政権は、日本の新聞等でしばしばいわれておりますことは、保護的な色彩というものが前の大統領より濃いんじゃないか、だんだんといわゆるアメリカ国内の産業に重点が置かれて、いろいろと輸入に対する規制という問題がしばしば起こっておる。これは今日起こった問題じゃないんで、日本の繊維製品についての輸入規制というものは、もう前からアメリカにあるわけなんですが、それがニクソン政権になってますます強化されていくというふうに私どもは聞いておるわけなんですが、そういたしますると、日本の輸出産業の大きなシェアを占めておる繊維というものは非常に苦しくなってくることも事実だと私は思うのです。アメリカが今日何がゆえに輸入規制にやっきになっておるのか、そのいきさつについて、御存じであろうと思うから、この点をお尋ねいたします。
○政府委員(高橋淑郎君) ニクソン大統領は就任以降、とにかく貿易の拡大あるいは自由貿易主義ということを強調しておられますが、ただ唯一の例外は繊維である。繊維についてはこれは特別な事情にあるということで、繊維産業の保護のためには何とか輸入の規制ということを考慮する必要があるという趣旨のことを申しております。この点はニクソン大統領が選挙の公約として繊維産業の保護ということについて述べられておりまして、その点がずっと現在まで尾を引いておりまして、御存じのように大統領就任後の記者会見、あるいはヨーロッパを訪問されたときの各国首脳との会談においても、繊維の問題についても触れられた模様でありますし、さらにはスタンズ商務長官が明日ですか、四月の十一日から二十五日までヨーロッパ各国あるいはガット、OECD このような各事務局を訪問する際に、さらに通商貿易、経済問題の討議の中でこの繊維問題についても触れられると、このように思われる。したがいまして、この繊維の輸入制限問題というのは、今後非常に大きな問題としてわれわれの上にのしかかってくるということで、私たちは非常にその点憂慮し、またこれに対して適切に対処をしなければならない、このように考えております。
○近藤信一君 繊維については、アメリカのような先進国が輸入を抑圧しようとすることが私は非常に不可解だと思いますし、また、低開発国いわゆる発展途上国といっておりまするが、これらも繊維問題については非常に追い上げてきつつあることも事実でございますし、また、日本から輸出しておりましたインドは、綿布についてはもう日本から輸出ができなくなった。そうすれば、今度やはりアメリカ市場におけるところの競争が激化してくることもこれは事実だと思うのです。その上、一九七〇年には後進国特恵関税が実施される。こういうことになりますると、一体何を特恵品目にするということはまだきまっておりませんけれども、私ども考えますと、やはり繊維製品というものはやはり当然これは入ってくるだろうと、こういうことが考えられるわけでございますが、そういたしますると、この特恵関税品目についての交渉が現在でも行なわれておるのじゃないかと思うのですが、この点、日本の繊維製品についてこれがどういう影響をもたらすかということと、それから特に局長も御承知のように、日本の繊維製品というのはおおむね中小企業の生産というものが多いわけですね。そういたしますると、これらの中小企業が将来どのような結果になってくるのか、構造改善の暁には、そうした中小企業がどういうふうに今後運営されていくのか、全部構造改善の中に入ってくるのか、切り捨てられるのか、この点も重要な問題の一つになってくるのじゃないかと私は思うのですが、この点はどうですか。
○政府委員(高橋淑郎君) いわゆる特恵対策としましては、一昨年秋の閣議で決定を見ました基本的な方向、すなわち特恵の供与に関しましては、国際会議の場において最善の努力を尽くして日本にとって不利な仕組みにならないように各国に働きかけ、また、日本がどういうような供与方式をとるかということについては日本の考え方を各国によく認識してもらう、あるいは必要に応じてセーフガードを機動的に発動するというようなことを根強く根気強く主張いたしまして、できるだけ国内産業への影響を少なくするようにつとめる、これが方針でございます。また、国内対策としましては、やはり産業の一そうの近代化によるコストダウン、また品質を高級化するということを行ないまして国際競争力を強化していく、そのために繊維について見ますれば特定繊維工業構造改善法あるいは中小企業近代化促進法、こういうような法律的な措置に基づきまして構造改善を一段と強力に推進していくということがやはり何よりも大事だと思います。それでは現在どういうような交渉が行なわれておるかと申しますと、これはまず先進国の間でとにかくこの特恵供与にあたりまして、例外リストと称せられるものを一応出し合おうということで、過日日本につきましては三月十日にOECDに例外リストを出しました。しかし、これはあくまでも暫定的なものでありまして、大体の国のリストは出そろったかと思いますが、たしかアメリカはまだ出していないのではないかと思います。またこの例外リストをどういうぐあいに扱うか、それからまたこの特恵供与のやり方についても、まだ先進国の間で完全な意見の一致は見ておりません。それから先進国と開発途上国との間の話し合いも、これから四月ないし六月の間にかけて行なわれる予定だと伺っております。しかしいずれにしましても、この例外品目の選定にあたりましては、やはり一方においては経済協力という広い立場から日本もやはり積極的に協力をしなければならぬというそういう面と、片方、国内産業に及ぼす影響、これをよくにらみ合わせまして意見の調整を政府部内ではかりまして選定を行ないました。ただ繊維品あるいは雑貨というものにつきましては、特恵を供与した場合の影響が特に危惧されますので、この点については重点的な配慮を行なうという方針のもとに今回のリストもつくられたというふうに伺っております。
○近藤信一君 やはり今度の構造改善に、メリヤスと染色を加えるわけなんでありますが、このことにつきましては前の構造改善の法律のときにも私どもいろいろと申し上げたのですが、やはりこのメリヤスと染色を加えてさらに一歩進めようという形なんだけれども、私はこの前のときになぜ染色なんかも加えないのかと言って、このとき御質問したこともあるわけなんです。私先日もある商社の人と話をしたわけですが、そのときにその商社の人が言うには、もういままでのような安いからということでは、これからの輸出は非常にむずかしくなってくる。だからうちでもやはり高級品に切りかえての輸出を考えていかなければとうていこれはだめですと、こういうお話を私は聞いたんです。さらに私が中小企業の貿易促進のためにソ連に行きましたときも、ソ連でもそれを言っておりました。日本の繊維製品というものはソ連に持って行けば何でも安いから売れるということでいままできたのだが、もうこれからはだめですよと、とにかくデザインからいろいろとムード的にももっとりっぱなものでなければ、ソ連といえどももう日本の繊維製品を買うわけにはいきませんと、こういう話があったわけなんですが、そういうことを考えますと、やはり鮮明なもので、色彩的にも国際的にも負けないものというふうなことから、染色も今度は構造改善に入れていこうと、こういうふうなことになったんじゃないかと私思うのですが、やはり将来のそうした国際市場で競争していくということになれば、いろいろな面でもっと考えていかなければならぬ。今度毛織物の染色についてはこれは省いているわけなんですが、このことにつきましても私は一つの意見を持っておる。やはり毛織物といえども非常に危険な状態であることは、これは事実でございますし、また毛織染色については、やはり何といいましても国際的にまだ若干劣った点があるんじゃないかと私は思うのですが、そういう点についていろいろとあなたのほうも考えてはおられるのでございましょうけれども、今度メリヤスと染色を構造改善に入れたという目的というものは一体どこにあるのか。この点はどうですか。
○政府委員(高橋淑郎君) メリヤス染色をこの構造改善の業種に追加をお願いしておると申しますのは、コスト競争商品分野における徹底した近代化と、それから高級品、特殊品分野において高度の技術水準を確立するという目的のもとに、一番その繊維産業の中でも大事な部分に当たるメリヤスと染色を加えていただきたい。これがねらいでございました。それから染色の分野につきましては、特に技術の開発あるいは新鋭設備の導入をはかりまして、いま御指摘のありましたように性能あるいは風合いを高めるための各種の特殊加工あるいは堅牢度の高い品物をより多くつくる。あるいは高級品の増大をはかる。こういうことを柱にいたしまして対策を進めていきたい。このように考えておりまして、この対策が着実に効果的に実施されれば、付加価値の生産性というのは五年後には約九割方は増加するのではないかというように見込まれます。 なお、毛織物の染色を構改法の対象から今回見送らしていただきました理由は、関連業界であります毛紡績業につきましては、一般方式によりまして構造改善を進めておりますし、また、この毛紡と毛の染色整理業者の経常がたしか半分くらいあると思います。そういうような密接な関係もございますので、この法体系によらず一般の助成あるいは一般の構造改善対策によって行なうことが、現在の業界の実情その他から考えて最も現実的であると、こう考えた次第でございます。
○近藤信一君 時間もございませんから、もうあと一点だけ質問するわけでございますが、昨年、本委員会から福井県に調査視察にいきましたときにそこでウォーター・ジェット・ルームという新しい織機を見ました。また染色におきましても、連続式の精練装置が発達してきております。今度構造改善でいわゆる染色とメリヤスは加えられた、染色も、しかもこれは毛染色は置き去られておるわけですが、私はもう一つ重要なことは、繊維問題で、やはり繊維機械ですね、繊維機械が今度の構造改善に入ってないわけでございますけれども、機械的にもやはり非常に発達してきておる今日でございますし、将来やはり国際市場で競争していくということになれば、まずその基本になる機械の問題も重要視していかなければならぬと私は思うのですが、この点、今回も機械はこれは省かれるわけですが、この点についてあなたのほうの考え方はいかがですか、もう時間がありませんから、これだけで私は質問を終わります。
○政府委員(高橋淑郎君) 一言が申し上げればもうそのとおりでございます。織布業の構造改善かやりました経験から言いましても、繊維産業の構造改善を進めていく場合に、機械の開発ということが伴うというか、一体的に行なわれていくことがぜひ必要である、こういうことを痛感いたしております。したがいまして、このメリヤス染色の構造改善にあたりましても、この設備開発の促進ということを重要な柱として推進いたしたいと考えております。やや具体的に申し上げれば、日本繊維機械協会と染色メリヤス関係業界との間で定期的に懇談会を持ちまして、そしてユーザーの最も欲する機械の開発について密接な連絡をとりながらその開発につとめる。あるいは公設の試験研究機関の活用、あるいは種々補助金がございますので、この現行制度を活用していきたい。これは同じ省内に関係の部局がございますので、そらちの協力を得ながら進めていきたい、このように考えております。
○塩出啓典君 それでは続きまして質問いたしたいと思いますが、やはり構造改善事業ということは、当然将来国内的にもまた国際的にも伸びると、そういう想定のもとにこの計画がなされていると思うわけです。そういう点から考えて、先ほども問題が出ました輸出量の増大、これが非常にわれわれも心配するわけでありますが、このアメリカの輸入制限、そういう問題に対して通産省として、どのような手を今日まで打ってきたのか。また今後は具体的にどういう方針でやるつもりなのか、また見通しはどうなのか、そういう点をお聞きしたいと思います。アメリカのほうは商務長官もヨーロッパへ行っておる。また、さらには日本にも来るのじゃないか、そのようなことも聞いておりますので、それに比べて、わが国は非常にそういう点が消極的である、何かそういうような私たちは感じがするわけでございますが、そういう点、通産省のお考えを聞きたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) 日本の繊維の輸出全体を見ますと、確かにアメリカをはじめヨーロッパ諸国、いろいろな国で現にいろいろな形で制限を受けております。概括的に申し上げますと、毎年そういう相手国とはしんぼう強く交渉をいたしまして、たとえば数量を増大さぜるとか、あるいは非常にこまかく品目を分けられておるというような、そういう面を直すとかというようなことで努力をいたしております。特にアメリカに対しましては、これは現在日米で綿製品取りきめというものがございまして、その範囲内で輸出をやっておりますが、この運用についても改善方を毎年交渉いたしておるということでございます。一番の問題であります、新たに綿製品以外の繊維品について、アメリカが日本のみならず主要輸出国に対して輸入制限を求めると、こういう動きにつきましては、先ほど近藤先生にお答えいたしましたようないま状況になっておるわけでございますが、スタンズ長官も五月の十日に日本にやってくるということでございますので、その際、日米間の貿易経済上の問題を中心に話し合う。その中で繊維の問題も必ず取り上げられるだろうということを考えておりますので、それまでの間にこちらとしての対処ぶりを十分関係各省、それから関係の業界とも連絡を密にして万全の態勢を整えて臨みたい、このように考えております。
○塩出啓典君 それで、私が思うのは、そういうアメリカの繊維の輸入制限というのは日本だけではない、対ヨーロッパからの問題もある、東南アジア後進諸国からの輸入制限、そういう問題もあると思うのですね。日本とかヨーロッパとか東南アジアとか、そういうアメリカに輸出している国が協調していく、そういう点も大事じゃないかと思うし、一つはアメリカの国内の輸入制限に反対をするそういう動きもかなりある、そのように聞いておるわけでありますが、そういう点、今回のこういう法律をつくって、そうして繊維業界の改善をはかっていく、しかし輸出の面に行き詰まりがあったならば結局効果というものはあらわれてこないのじゃないか。そういう点で、私が言ったように、いまそういう積極的な手をとるべきじゃないか、そのように私思うのですけれども、そういう点、いままで積極的な手をとらなかったというのは、何か特別な理由があるのか、その点はどうなんですか。
○政府委員(高橋淑郎君) 二つに分けてお答えしたいと思いますが、先ほど申し上げました日米綿製品取りきめを結びました当時は、確かにアメリカの繊維産業、なかんずく綿産業というものは非常に苦しい状況にありまして、先方の立場もわからぬではないということで、取りきめに応じたわけでございます。もちろんその基本になるものは、国際綿製品取りきめというものがございます。ところが今回アメリカが言い出しておりますのは、綿以外の繊維品、たとえば毛織物でありますとか、あるいは合成繊維、あるいはその混紡製品、そういうものを主体としてあらたに輸入の規制を考えたい、あるいはそのために関係国の協力を求めたい、これは経済的に見ますと、アメリカの繊維産業というのは、ここ何年来、非常に好況裏に推移いたしておりまして、一九六九年の見通しも決して暗いものでない、むしろ明るいというようなことが先方の資料、あるいは見通しからも受け取れるわけです。全く経済上の理由がない。しかも、いわれなくしてこういうような制限に、こちらが納得のいかないものに、応ずるわけにはいかないということで、実は手をこまねいているわけではございませんので、日本の考え方というのは再三にわたりましてアメリカ側に伝えてございます。 それからなお、お話の中にありましたアメリカの国内におきましても、やはり自由貿易のリーダーシップを従来とってきておるアメリカとして、こういう制限措置に走るべきではないという声も強く出ておるわけでございまして、そういう方面に対するわがほうからのPR、あるいはヨーロッパ諸国、その他との情報交換、あるいは連絡を取り合うというようなことも、いろいろなルートを通じてやっておりますので、決して手をこまねいてじっとしておるというわけではございません。
○塩出啓典君 それで、今回こういう構造改善事業をやるわけでございますが、考えてみれば、繊維の場合は、原料である石油にしても、綿にしても、わが国に資源がない。またパルプも非常に不足してきておる、そういう状態であります。また機械化の面について、機械のそういう技術という面においても、日本の国は非常におくれておる。そういう点から考えるならば、この構造改善事業によって体質を改善し、将来のわが国の繊維産業としては、一体いかなるところに焦点を置いておるのか。いまその商品の高級化、そういうようなお話でございますが、また一方においては、低賃金の後進国がどんどん追い上げてきておる。そういうような点を考えるならば、わが国の将来の繊維産業としては、いかなる部門に日本独特の力が発揮できるか。ただ安いからというだけでは、先ほども話がありましたように、必ず行き詰まりがくると思うのですね。そういう点で、今度の構造改善事業のその内容というものが、どういう点でこういう方向を目ざしているのかという、その点がちょっとはっきりしないわけですけれどもね。ただ機械化をする——幾ら機械化をしても、これはアメリカには追いつけないのではないか、そういうような気がするわけなんですが、その点はどうなんですか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) いま例に出されましたアメリカの繊維産業も、一時は非常に苦境に陥ったのです。しかし、それも徹底した近代化あるいは合理化をはかることによって、また復活してきたということでありまして、日本の紡績業のたとえば綿とかスフとかいう、そういう紡績業を例にとって考えてみましても、設備が非常に陳腐化しておる、老朽化しておる、それからいかにも過剰であるということで、この設備を思い切って近代化して、そうして人手不足に対処して高性能の機械でもって生産性を上げて、コストの安い糸を紡出するということをいま一生懸命やっておるわけで、すでにその効果も相当程度出てきておりますので、私は、たとえばこの紡績を例にとってみましても、近代化をするということによってどの国とも十分太刀打ちができると、ただしこれは量産品種の場合と、それから非量産品種の場合とではまた対策が違いますけれども、やはりこの機械化を行なうことによってのメリットというものは、私は十分あり得るということを申し上げたいと思います。 それからどういう方面をねらって輸出をするかという点につきましては、これはもう確かに高級化の方向が一つ大事な分野としてございます。これは染色業の構造改善をはかることによって、あるいはメリヤスの分野においても高級化をはかることによって十分市場の開拓ができます。それから一般の織物につきましても、綿製品からいろいろ合繊織物への需要の移行にあわせて輸出をしていくということによって、先ほど申し上げましたように、こういう分野におきましては、まだ発展途上国との技術格差が非常にございますから、日本が努力をしていけばその格差というものを常に維持しながら、一歩先、一歩先ということで輸出を伸ばしていくことはできると思いますので、私は努力をすれば必ず将来道が開けると、このように考えております。
○塩出啓典君 それで、まあいまアメリカ、それからまた東南アジアが非常に伸びているようでございますが、将来の需要先として中共とかソ連とか、そういう方面の見通しはどう考えておりますか。その点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) ソ連はいま非常に日本の繊維製品に対して注目をし、関心を持ち、たとえば毛織物とかあるいはメリヤス品とか、そういうものに対する需要が出てきております。ですから、将来仰せのとおり、日本としては特定市場にあまり集中せずに、できるだけ多くの市場を求めて伸びていくということが望ましいわけでございますから、ソ連はそういう意味で将来さらにさらに開拓すべき市場であると考えております。日中の貿易につきましては、これはバランスをとりながら拡大していくというやり方が現在とられておりますので、その伸ばし方においてやはり一定のワクといいますか、限界がございますけれども、これもやはり根気よく努力を続けて、中共市場に対してもできるだけ機会をとらまえて輸出を伸ばしていくべきである、このように考えます。
○塩出啓典君 やはりアメリカだけをたよるのではなくして、そういう東南アジア、中共、ソ連、こういう点にも大いに力を入れてやっていただきたいと思います。 それと、これはそういう問題と関連するわけでございますが、現在綿花の輸入ですね、そういう点で、中共やソ連あたりからも買ってもらいたい、そういう要望があるやに聞いておりますが、現在はおもにどこから入っておるのか、それからまた将来はどういう方針であるのか、その点をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) 手元に資料がございませんが、アメリカ、メキシコ、エジプト、こういうところがもちろん主要輸入国でございますが、しかし最近ソ連の綿花を日本は買っております。それからオーストラリアからも綿花を買い始めております。おそらく相当多数の国から綿花を、数量は別といたしまして、買いつけておると、このように考えます。決して特定の市場だけから買っているということではございません。
○塩出啓典君 それでは時間がおそくなりましたので、要点だけ質問したいと思いますが、メリヤスの輸出の値段が昭和三十九年、四十二年、非常に落ちておりますが、これはおたくからいただいた資料にそう書いてありますが、これはどういう理由で値段が下落したのか、どこに原因があるのか。
○政府委員(高橋淑郎君) 私は、やはり関係する企業あるいは方々が非常に多くて必要以上の競争をされる結果値段をくずしたということが一番の原因であろうと思います。過当競争です。
○塩出啓典君 これも通産局の資料でございますが、倒産も最近ふえておる。この倒産の理由というのはどういう点が理由で倒産したのか、大体の状況でいいと思いますが、その点はわかりませんか。
○政府委員(高橋淑郎君) 繊維産業一般についての倒産が多いという御質問かと思いますが……
○塩出啓典君 いやメリヤスだけ。
○政府委員(高橋淑郎君) 失礼しました。これはやはり非常に規模の小さい業者の方が多くて、全体でたしか一万四千企業ぐらいございます。数も多いわけでございますから、その倒産の数も繊維産業全体の中でどの程度のウエートを占めるかというようなそういう見方をして見た場合に、メリヤスが非常にきわ立って率として大きいかどうかということは、ちょっと数字がありませんのでわかりませんが、仰せのように倒産は確かに多うございます。それはもう一口でいえば零細企業が競争をし合っているということからくる共倒れと、それからもう一つは、やはり品物をつくって売って代金を回収する、そういう場合の取引関係の資金が不足しておるということが原因であると、このように考えます。
○塩出啓典君 この計画におきまするメリヤス及び染色業の、昭和四十八年ですか、終了時の生産の見込み、これはやはりどういう観点から立てたのですか、この策定の内密というものをお聞きしたいと思います。やはりこれは将来の伸びというものが予想どおりいくかいかないか、これはやはり大きな問題じゃないかと思うのですね。その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) これは繊維工業審議会それから産業構造審議会の繊維部会で、合同で長い間かかられまして、いろいろと御検討をいただきまして、それからまた実際にいろいろな数字を積み重ねまして、そして五年後の姿を描いたわけでございまして、もちろん頭の中で考えることでございますから、そのとおりいくかどうか、これは何人も明言はできないわけでございますけれども、そういう作業を通じて出された数字からしますと、五年後にはメリヤスについて見ますと、大ざっぱに申し上げまして、物的生産性あるいは付加価値生産性ともども現在の二倍程度になるだろう、このように見込まれます。それから染色業につきましては、設備の近代化というものを中心にいたしまして、これまた付加価値生産性は、現在の約二倍、物的生産性のほうは現在の一・五倍程度になるであろう、このように目標を定めております。この目標を達成するために、いろいろと努力をこれから進めたい、このように考えます。
○塩出啓典君 次に、人員の削減の問題でございますが、この計画では五年間で約人員が二十数%、どちらの業界も減るようになっておりますが、こういう人たちは自然に減っていくのか、非常に求人の充足率が低いようでありますが、そのために自然に減少するのか、あるいは転業、廃業していくのか、その点はどのような内容になっておるのか、その点をお尋ねします。
○政府委員(高橋淑郎君) 御指摘のように近代化あるいはこの構造改善をやったためにいわゆる退職を余儀なくされるということではございませんで、求人なりあるいは人手不足、これは日を追って激しくなるわけでございますから、その人手不足に対処して現在以上の生産量を維持し、また現在以上の高度化、高級化された品物をつくっていくというためには、設備面で見れば近代化を徹底的にしていかなければいかぬ、そうすることによって、いまお示しのような五年後に数万人の労働に従事する方が減っても、その近代化によってギャップを埋めていくことができる、こういう姿でございます。
○塩出啓典君 これだけの人間が減ってもやっていけるということで、減らないかもしれないし、減らなければもっと生産がふえちゃうし、あるいは合理化するためには首を切らなければならないのか、そういう点は、やはり企業にまかせるというわけですか。
○政府委員(高橋淑郎君) 私は、この構造改善あるいは近代化を進めることによってのいわゆる強制的な首切りというようなことは起こらないと思います。
○塩出啓典君 ということは、この計画で二四%減っているのは、自然に求人が集まらないから当然定年退職、当然やめていくその数だ、そう考えていい、わけ一ですか。
○政府委員(高橋淑郎君) やはりほかの職場に変わっていかれる方もございましょう。それからいわゆるある年齢に達してそのままやめていかれれる方もございましょう。こういうふうな転職あるいは退職をしてよその職場に移っていかれることについて、必要がある場合のいろいろな労働面での助成策というのは、これは関係省であります労働省とも十分連絡をとって従来やっておりますし、染色、メリヤス業についても同じ考え方でやってまいりたい。実は予算面で離職者対策の予算が四十三年度に数千万講ぜられておりましたが、これはたしか使用実績なしというように承知いたしております。手短に申し上げれば、やはりこのわれわれの考えました目標からすれば、染色、メリヤス両業種とも五年後には自然退職あるいは転職ということで労働に従事される方が減っていくであろう。このように見ておるわけでございます。
○塩出啓典君 大体わかりましたが、二四%といえば非常に大きな減り方でありますし、自然退職だけで減るにしてはあまりひどい減り方でありますし、そういう点はわれわれも詳しくは調べておりませんが、そういう人たちに対する問題も、通産省としては労働省と話し合って真剣に検討していただきたい。そのために零細企業がばかを見ることがあってはならないし、だからといって合理化をしていかなければならない、そういうひとつバランスを考えてやっていただきたいと思います。 それから次に後進国の問題でございますが、メリヤスも後進国から日本の国への輸入が非常に最近急増をしている、わが国は非常にアメリカ等に比べて機械化率がおくれているというお話でございますが、後進国の機械化率、それがこの資料にはないわけですが、これは大体どの程度なんでしょう。
○政府委員(高橋淑郎君) 台湾とか香港における機械化率というようなもの、手元に資料がございませんので、後刻調べまして、わかりましたらお届けいたしたいと思います。 それから先刻の、大事な点でつけ加えさしていただきたいことは、労働力が減るということは、やはり基本は産業構造の変革に伴いまして労働力が移動する、こういうことがポイントであろうと思いますので、つけ加えさしていただきたいと思います。
○塩出啓典君 最後に、さきほどもちょっと問題出ましたが、織布のそういう紡績の機械、織物の機械、私たちは豊田織機等非常に世界において最も先端をいっておった、そのように思っておったわけでありますが、いろいろ聞いてみますと、最近は非常におくれている、トリコットの機械なんかももう九〇%輸入している、そういう状態と聞いておりますが、なぜこのように織物の機械がおくれたのか、また、それに対して今後どういう手を打っていくのか、これは繊維雑貨局とは関係のない問題かもしれませんが、そういう点はどういう状態かお聞きしたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) 第一点の、たとえば織機部門について開発がおくれておったということのやはり大きな原因の一つは、その需要者である繊維産業のほうからの刺激がなかったということで、まあ従来からずっと研究は進めておられたのですけれども、そこにもう一つ刺激が足りなかった、あるいは需要面からの刺激が足りなかったということが原因ではないかと思います。ちなみに、この構造改善が軌道に乗り始めましてから、革新織機の実現を見ましたし、また近く革新織機が実用化されるという見通しもございますので、この点は従来に比しますれば非常に進んだ動きが出てくるのではないかと思いますし、先ほど近藤先生にお答えいたしましたように、いろいろな手だて、場面を通じまして、この積極的な機械設備の開発にせっかく努力いたしたい、このように考えております。
○塩出啓典君 この五カ年間における設備の改造ですね、設備の更新が行なわれるわけですが、その機械は国産なのか、あるいは外国の技術にたよろうとしているのか、そのバランスは一体どういう方針でおられるのか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) 極力国産でまかなうように進んでおりますが、しかし機種によりましては外国から技術提携によってあるいは技術導入によってやる、あるいはものによっては輸入機械にたよらざるを得ないということでございまして、これはメリヤス、染色、紡績、織布、いろいろの分野あるいは機種によって相違がございますが、極力国産機械の開発を進めたいというのが私たちの考え方でございます。
○塩出啓典君 現在繊維関係の機械の輸出、東南アジア方面には輸出していると思うのですが、また輸入、その程度がどの程度か、そうしてまた、いろいろ技術輸入と技術輸出の関係、それはいま、大体の傾向でいいと思いますが、どういう状態で、これからの見通しはどうなのか、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(高橋淑郎君) 日本からの東南アを中心にした、たとえば織機の輸出というのは、これは相当大きな金額でございます。で、織機の輸入も増大はいたしておりますが、その輸入の額に比べれば、もう比べものにならないほど輸出の金額は大きゅうございます。これは数字的にお手元に差し上げられますので、まあたとえばメリヤスの例をとってみますと、国産と輸入の比率というのは、国産が九一、二%で輸入機械が八%ちょっと、まあこういうようなことでございます。
○塩出啓典君 それでは最後にいたしたいと思いますが、まあ先般ミシン工場を見学させていただきまして、非常にミシン工場は技術の面においてもアメリカに太刀打ちできる、そういう技術を持っておる。同じ日本でありながら——そういう繊維機械においても日本人は本質的にそういう機械の製造においては能力があると思うのですね。技能オリンピックなんか見ても、非常に優秀な成績をおさめている。そういう点から考えて、製品の輸出も大事かもしれませんけれども、やはり日本の将来のあり方としては、それ以上に繊維機械、そういう面の後進国への輸出、あるいは将来は逆に先進国へも輸出をする、そういうことも大事じゃないかと思うわけです。そういう点で、今日までのそういう繊維機械に対する育成というものは非常に弱かったと思うけれども、そういう点をもっと強力に進めていかなければならないのではないか、そのように思います。そういう点で通産省としての考え、また、そういう面には具体的にどういうような援助をしていくのか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(高橋淑郎君) 先ほどもお答えいたしましたように、今度の構造改善を契機といたしまして、繊維機械の開発意欲というものも非常に高まってまいりまして、この意欲をさらに向上させていくというために、いろいろな場面をつくって、行政指導をし、また公設の試験研究機関あるいは関係部局で構成いたします共同開発のワーキング・グループの設置を促進する、そういうようなことで、いろいろな手だてを講じてまいりたい。なお重要技術研究開発費補助金とか、こういう制度がございますので、せっかくこれを活用するようにも行政指導してまいりたいと思います。
○委員長(八木一郎君) 本法案についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。 次回は四月十五日火曜日午前十時から開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会 —————・—————