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61回国会参議院1969/07/26

社会労働委員会 第34号

発言数
76
登壇者
10
会派数
3
開催日
1969/07/26

会議録

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会をいたします。  健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律等の一部を改正する法律案の取り扱いについて発言を求められておりまするので、これを許します。大橋和孝君。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 今回の臨時特例法がただいま議題になろうとしておるのでありますけれども、これまでの経過を考えますと、理事会におきましても、理事といたしまして、この取り扱いについては、事前にある程度その内容を聞かなければ、われわれとしては、即刻入るのには抵抗を感ずるわけであります。特に、この中間報告から、あるいはまたいままでの臨時特例法が修正をされた過程から、あるいはまた採決の状態から考えますならば、ここに非常に疑義があるわけでありまして、これについては、本会議におきましても、いろいろ議論はされたわけでありますけれども、まだまだその答弁の中には非常に明快さを欠くものがあるわけでありまして、そういう観点から、理事会におきましても、野党理事といたしましては、この取り扱いに入るまでにいろいろその当該の事情をよくわかっておられる方から釈明を聞かない限り、どうもその審議に入るのに抵抗があるというふうな感じ方を持ちますので、理事会においてもそれを要望し、与党側の理事からもいろいろあっせんをしていただきまして、いまここに、この特例法の修正の発議者、あるいはまた法制局のほうの法律的な見解、あるいはまた担当大臣もおいで願ったわけでありますからして、一応この問題について一、二点私は疑義と思う点をただしながら、そしてほんとうに審議に入るほうがよりその取り扱いとしてはベターであるということで、理事会においてもこれを承認されましたので、一、二の点についてその担当の方々に御意見を拝聴いたしたいと思うわけであります。  その第一点は、衆議院のほうにおきまして、この特例法が大きく修正をされたのであります。ここには発議者として澁谷、谷垣両君がおみえになっておりますが、この点で問題なのは、非常に内容が、この特例法なるものは赤字対策として期限つきで、しかもその二ヵ年間の期間内にこの抜本改正をすべきだというので、二年前にこれが議決をされておるわけであります。ところが、それができておらないのに、いろいろな事情がありましたにしても、これができないままに延長法案が出てきたわけであります。われわれも、参議院におきましても六月の十八日ですか、本会議においてその趣旨説明を聞き、私も党を代表して代表質問をしたわけであります。ところが、今度こちらへ参りますと、これが根本的に変わってきておる。特にその特例法という、期限つきで抜本改正をしなさいということが消えてしまっておる。期限ははずされた。しかも、この保険法の中に料率が固定化される、あるいはまた一部負担の初診料並びに入院料の一部負担は固定化されてきておる。そうしてこれは本法なるがために永久化されておるわけであります。これは法の性質からいえば、時限立法から恒久法になってしまうわけでありまして、たとえば甲の土俵と乙の土俵と変わってしまう形になります。こういう場合には、これはもちろん政府が提案する場合であろうとは思いますけれども、これは社会保障制度審議会あるいはまた社会保険審議会あたりの十分審議の過程を経て、そしてやられるのが、政府の場合は当然通らなければならない規則になっておるわけであります。今度は議員立法であるからしてそれができないという解釈は、私も十分知っておるわけでありますけれども、このような根本が変わってしまっておる、このすり変わってしまったところの法律が、しかもこの七月十日でありますか、衆議院の社労委員会では、何でも発議者の谷垣君は廊下で説明をされたという、これはうそかほんとうかまだわかりませんが、そういうようなことでもって、そこにおられる方も実は七名ぐらいしかおられなかったという話も聞いております。そうなれば可決、多数とも言われないわけでありますからして、この問題は、非常にたいへんな問題だと私どもは解釈をいたしておったわけでありますし、また報道されておるところの新聞紙上あたりでもさように承知をいたしておるわけであります。こういうような過程でこちらに回ったというこの法律案を、それではよろしゅうございます、すぐ審議しますということでなくて、一応その衝に当たられた人からどうであったかということの説明を受けて、そうしてこれを釈然とした上で質疑を始めていくのが適当ではなかろうかと、こういう点で、いまの問題についてひとつ発議者の方からその間の事情を説明をいただきたい、こういうことをお願いする次第であります。ひとつ詳しく御説明を願いたい。

谷垣專一自由民主党

○衆議院議員(谷垣專一君) お答えを申し上げます。  問題が二つあるようでございますが、一つはどういう立場で修正したかという点だと思います。それからもう一つは、委員会における修正なり、委員会の決議と申しますか、そこに私の名前も出ましたけれども、どういう事情であったか、こういうふうにお聞き取りいたしましたので、そういうことにつきましてお答えをさせていただきたいと思います。  第一点の修正をどういう立場でやったかという点でございますけれども、御存じのとおりに、今度の特例法を延長いたしますのに対していろいろと議論がございました。今度の特例法は、いわゆる特例法の期限、現在の法律が八月末で終わることになっておりますが、これをもう二年延長するというのと、それから健康保険法の本文そのものを改正する、これは例のお産給付に関係いたします改善と、それからそれに見合う形でございますが、千分の一のあれを改正、かさ上げする点、船員保険も同様でございます。そういう三つの部門に分かれたそういう原案が出ておったわけでございます。これに関しまして、特例法自体の延長はもうよしたらいい、いわゆる廃案にしたらどうか、こういう野党各方面にも相当強い御意見がございました。また、審議の過程におきましても、だんだん議論をいたしておりまして、千分の一を上げるのはこれは不適当じゃないか、あるいはこの薬剤費の一部負担でございますが、これらの問題どうだというような議論、その他いろいろと審議の過程におきまして明らかになり、あるいは議論が集中された諸点がございました。そういうような諸点を考え合わせまして、そして修正をいたす原案を出す結論を出したわけでございまして、修正の内容は、もう御承知のとおり、延長をいたしますものを延長いたさない、こういうことになりますというと、延長いたさなくなりました場合における健保の財政の状況というものを最小限何らかの形で維持していく必要がこれは出てくると思います。そういうことを考えてみますと、先ほど来議論になっておりますような諸点、いわば大体見通しまして、この程度の負担はどうしてもやっていかなければならぬというような、最低限度の財政的な維持をいたします諸点を健康保険法あるいは船員保険法の改正という形で移していった、こういうのがごく簡単に申し上げまして修正案の内容になっておりますし、また、修正をいたそうといたしました場合の立場になっておるわけでございます。  それから、この委員会、あるいは修正をいたします場合の状況はどうかということでございますが、委員会におきまして、先ほど大橋先生からのお話がございましたように、私が修正理由の説明をいたしたのでございますが、私自身その場におったわけでございますが、これは明瞭に委員室の中に入ってその提案理由の説明をいたしたのでございます。採決その他の問題につきましては、これは私から申し上げる必要もございませんが、衆議院におきまして合法的にやった、こういう判定をいたしておりますので、私の名前が出ました点についてのみ申し上げておきたいと思います。  なお、非常に広範な御質問でございましたので、私のいまの説明だけでは不十分な点があろうかと思いますが、もしございましたら、御指摘を願いますれば補足さしていただきます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私にという名指しでございますからお答えをいたしますが、政府といたしましては、国会で修正をされるときまった場合に、御承知のように、国会法に定めてありますように、予算に影響をもたらすものについては政府の意見を聞かなければならないということになっておりますから、そういう面におきまして、国家財政という見地から、おそらく国会法が定められているんだろうと思います。その点におきまして、大蔵大臣もこういう修正をされる場合にはやむを得ない、財政的に何とかやらざるを得まいということで、やむを得ないという返事をいたしたわけでございます。その他の点につきましては、それは国会で修正をされる点については、政府はいやおう言うべき立場ではございません。ただ、いまお尋ねになられましたのは、政府も与党も一体ではないか、おそらくその場合に二ヵ年の延長を取りやめるということ、そして千分の七十を本法へ持ってくる、これは三年以内に抜本改正をやらないという、そういう免罪符を与えるという意図の修正ではないか、そのことを承知の上ではないかというお尋ねであろうと思いますが、これは同じ与党内でありますから、修正をされるという最後の段階に私も意見を聞かれましたが、その際に、政府としては、二年内に抜本改正をやるという考えは変更していない。修正案を出される党としてはどうなのかといいますと、党のほうも、それはすみやかにやるべきであって、決して免罪符を与えようという趣旨ではない。特に成案を党の意思として決定する際に、総務会に——これは最後の党の意思決定でありますが、この修正をしても抜本改正をゆるめる、おくらせるという趣旨ではない、すみやかに引き続いてやるべきだという決議もついているわけでありますから、その点は政治的に考えても変更ではない。政治的に変更だということになれば、これは政府は、何といいますか、いままでの方針を変えたということになるわけであります。政府としても、方針を変える必要はないのみならず、変えてはいけないんだということでございますから、事態には変わりがないということで了承をいたしたわけでございます。  なお、足りないところは、さらに御質問に応じてお答えをいたします。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 私は、これに対していろいろ質疑的なことはあると思いますが、これはまあ質疑であとに取っておきます。私はいまここで、先ほど申したように、この質疑に入る前に、少なくともただすところをただしておきたいという考えでありますから、そういう気持ちで、これに対していろんなことを言えばたくさんありますから、それは省きまして、ただ、その要点だけを明らかにしていきたいと思います。  この問題に対して、次にちょっと私は尋ねておかなければならないと思う点は、これは閣議で決定されたと聞いております。修正案だからしてこれは党で、この国会で修正される分にはどうもないということはわかるわけでありますけれども、これは閣議であり、また大臣もそれに関与をしておるということになれば、ここに問題点があるんではないか、やはり審議会無視というか、国民にそうしたことを問う前提を軽視しているんではないかというふうに考えるわけであります。この点はどうお考えになっておるのか、これは発議者に対しても、大臣に対しても聞きたい。  それから衆議院のほうの法制局長もおいでになっておるようでありますからして、私は、衆議院段階でああいうふうな採決をされたと、これは先ほど発議者の谷垣君からごく概略のお話を聞いております。また詳しいことはあちらのほうからも聞いておりますけれども、この問題に対して、法制局としては、あれは当然のものであり、たとえば実際与党側の議員が何名おられた、こういうことは質疑の中でやられると思いますけれども、おおむね私の聞いているのでは非常に数も少なかった、あるいはまた、このような大きな修正がされているものでも、一分間ぐらいの間であれば、趣旨説明もあまり徹底はしてなかったんではないかと、こういうようなことで採決をされた。場所的にもいろいろな問題があると、こういうことを聞いているわけでありますが、これは聞いておる範囲でありますから、法制局長としては、あれは法的解釈では万やむを得ない、あれはあれで正しいと認識しておられるのかどうか、その点をちょっとお聞きしておきたい。この二点をひとつ御答弁願います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 閣議で修正案に対する意見を決定をする際に、関係の審議会に諮問をして、その意見を聞くべきではなかったかという御質問でございます。御承知のように、社会保障制度審議会、社会保険審議会の法律によりまして、政府が関係する法律について改正をしたりあるいは重要な運営を変更しようとする際には、あらかじめ審議会の意見を聞くものとする、こういうことになっておるわけであります。したがいまして、国会で修正をされます場合には、国会は、そういった審議会に対する何といいますか、制限というものは受けておりません。したがって、国会から諮問をされるということはあり得ないことです。同時に、政府が国会の修正案に対してやむを得ないと、こう返事をいたしましたのは、先ほど申しますように、国会法何条でありましたか、財政に関係のある修正あるいは発議に対しては政府の意見を聞かなければならない、その意見でございますから、もっぱら予算の執行面においてとうていその修正には応じられない、その発案には応じられない、あるいは応じられるかという点の返事でありますから、したがって、政府が進んでこういった修正案を出そう、あるいは改正案を出そうという場合には諮問をしなければなりませんが、いまの点はそうではないのでございまするので、したがって審議会に諮問をするということは必要がない、かように考えております。

三浦義男法制局長

○衆議院法制局長(三浦義男君) 私、衆議院の法制局長の三浦義男です。  ただいまお尋ねの点は、健保法案に関しまする本会議における採決についてのあり方についてのお尋ねでございますか。それとも社労委員会における……。(「違う違う」「社労委員会」と呼ぶ者あり)法制局は、議事の運営等につきましては、直接職務上タッチする立場にございませんので、すべて事務局のほうで議事運営その他委員会のいろいろの議事の進行の処理等をいたしておりますので、修正案の内容につきましては、私のところで相談を受けましてつくりましたけれども、それ以外の点については、私としてはちょっとお答えを申し上げる立場にございませんので、あしからず御了承願いたいと思います。

谷垣專一自由民主党

○衆議院議員(谷垣專一君) 私に対しまする質問は、閣議の議を経たのかどうか、あるいは審議会等にかけることの必要性云々の問題ではなかったかと思います。これは閣議の問題をよく存じておりませんから、私たちのほうと関係がないわけでございまして、閣議のほうはよく存じておりません。  それから社会保険審議会あるいは社会保障制度審議会等の問題は、先ほど厚生大臣がお答えになりましたけれども、私たちのほうも同様に考えておりまして、修正を国会でやります場合、それらの審議会の議を経なきゃならないというふうには考えておりません。そういう状況でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 採決はどう……。

谷垣專一自由民主党

○衆議院議員(谷垣專一君) 採決のどういうことでございますか。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 衆議院の社会労働委員会であなたが修正案を出されて、そして採決をとられました。そのときに、あなた自身はその採決についてどういうふうにしてどうそれがあるのだと、私どもは、先ほど申したような見解を持っておるのでありますけれども、あなたの見解をひとつ聞いておきたい。

谷垣專一自由民主党

○衆議院議員(谷垣專一君) 私は、当時その場におった一人でございますが、当時、あれはたしか十日の夜の八時過ぎだったと思います。あの委員会は四時過ぎから実は野党の皆さんが数十人委員会室にすでに入っておられまして、こちらのほうがなかなか入っていけるような状況ではございませんでした。しかし、何とかそれがうまくいけると思ったのですが、なかなかそういう状況が変わっておりません。そこで八時過ぎに私たちがそちらへ参りまして、委員長ともどもそこへ参りまして、そしてそこで開会が宣せられて、それぞれの動議が出ました。谷垣專一という名前が出ましたので、私は提案理由の説明を申し上げたわけでございます。このそれぞれの採決の詳細につきましては、これは私が申し上げるのはあるいは不適当かとも思いますので、私の結論だけ申し上げさしていただきたい。確かに委員長が委員長席に着けない状況で採決をいたしましたことは異例の状況であろうと、私も思います。しかし、必要なそれぞれの賛成者その他は明瞭にその意思表示をいたしておりまして、採決そのものは有効に私はなされたと、かように考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 これについての質疑もまだいろいろ詰めることがあると思いますけれども、私は、その先生のような趣旨によって話をいたしておりますので、詳しくはこの質疑をしていこうとは思いませんし、あとの機会に譲りたいと思いますが、あなた自身は有効と思っておられるということでありますけれども、あの状況は、いろいろと伝えられているところによって、非常にそこに与党側におられる方も少なかったし、あなた自身も廊下で提案説明をされた、委員会の中に入っていない、こういうようなことも明確になっているようでありますし、本会議でまたあなたがいろいろ答弁しておられる中にもいろいろ落ちたものがある、そこらに二義的な解釈もあると思いますが、これはあとからされるものとして、あなたのお考えだけをいまは承っておくことにいたしたいと思います。  次に、もう一つ私が伺わなければならぬことは、本会議の採決の問題です。あれは憲法五十七条違反ではないかというふうな疑義が非常に行なわれておるし、あるいはまた巷間伝えられる各紙の報道においても、これに対しては非常に疑義があるわけでありまして、ことに投票を起立採決に切りかえていった、こういうようなことの中にはいろいろ問題があるというふうに聞いておりますけれども、これに対しましては、法制局長はどういうふうにお考えになっておるのか、あるいはまた、ああしたことに対して大臣は一体どういうふうに思っておられるのか、そのお考えだけを伺っておきたいと思います。

谷垣專一自由民主党

○衆議院議員(谷垣專一君) 私の名前が出ました点がございますので、もう一回繰り返して申し上げておきたいと思います。あといろいろと誤解があると困りますので申し上げておきます。衆議院におきまする社労委員会の採決におきまして、私自身は委員会の中に入りまして、席に着くことはできませんでしたが、入りまして提案理由を説明したわけでございます。いろいろと見方がおありになって、いま大橋先生は、谷垣君は入らずに廊下でやったということを結論づけたようなことばに私受け取ったわけでございます。私は、そういうことではなかったのでありますので、それだけを申し上げておきたいと思います。また、いろいろと御質問があろうかと思いますが、それはあとで……。

三浦義男法制局長

○衆議院法制局長(三浦義男君) ただいまのお尋ねの衆議院の本会議における採決の問題に関してでございますが、これは、私、先ほどもちょっと申し上げましたように、衆議院の法制局は——両院とも同じだと思いまするが、いわゆる議員の立法の立案に資する職責は持っておりまするけれども、議事の運営等については直接タッチいたしておりませんような立場にございます。特に、今回の問題につきまして、衆議院におきまして、私は、事前にも、その後にも特別の相談を受けたわけでもございませんし、たまたまそのとき議場の傍聴席におりまして、その事態を見ておったというにすぎませんので、これにつきまして、私から特別に見解を申し上げるということは適当ではなかろうかと思いますので、(「法的解釈です」と呼ぶ者あり)その点御了承を願いたいと思います。したがいまして、ただいま私が申し上げましたことは、法的な解釈等につきまして、すべてそれを補佐しておりまする部局は事務局でございまして、衆議院におきましてはことに。したがいまして、私ども日ごろそういう方面にタッチをいたしておりませんので、議事運営等につきまして、至ってうといものでございますから、法律解釈上これがどうだということは、何か具体的に特別に向こうでいろいろ将来でも問題が起こって、お尋ねもあって、研究してならお答えできますけれども、いまのこの段階においては、そういう事情でございます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私に、あの採決は憲法違反であるかどうかというお尋ねであるかと思いますが、政府の憲法解釈は、これは、まあ法制局長官がやるべきだと考えております。私は、個人的な意見はございます。しかし、それは個人的なものであって、政府の憲法解釈というのは、法制局長官からお答えをさせるほうがよろしいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 法制局長は非常にものが言えぬ。ものが言えぬとおっしゃっているが、これは法律上どういうふうに見られるかということでありますから、あなたの解釈、あなた自身のお気持ちだけを聞かしていただければそれでいいわけでありまして、あなた自身は何とも感じていないのか、法律の立場、法制局であれば、法律的な見地からものごとをいろいろ判断する。そのために衆議院の中にも法制局としていらっしゃるんでしょうし、そういう立場からあれを見てどうだったというあなた自身の私見はおそらくできぬのですか。

三浦義男法制局長

○衆議院法制局長(三浦義男君) たびたび申し上げてくどいようでございますけれども、そういう立場にございまするので、私として、その問題について、衆議院のほうで特に研究して法制局としての見解を打ち出してくれとか、あるいは述べてくれというような事態に現在ございませんので、したがいまして、先ほど申し上げましたように、議事運営の面においてのいろいろな国会法の解釈等は事務局がいたしておりますので、私から申し上げることはどうも適当ではないと、こういうふうに考えますので、そういうことで御了承を願いたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いまの時点で、あなたの私見を伺いたいと思ったのでありますけれども、どうもしいてのことでありますから、私はそれ以上いろんなことは申し上げません。  先ほどから申したように、私は、この法律案が参議院に送られてまいります前段階で、衆議院において行なわれておることでありますからして、深追いはいたしません。けれども、この問題が国民全体から見ても、あるいはまたわれわれ議員の側から見ましても、この法律案が根本的なものにすりかえられているというか、中身がすっかり変わっておる、時限立法であるのが恒久法になってしまっておる。あるいはまたこの抜本改正とワンセットになって二年間にやらなきゃいかぬのをもう二年間延ばしてその間にいたしますということが、その点が消えてしまっておる。しかも恒久的なものになってしまっているというようなことで、私はこれはもうほんとうに表にあらわれたものと実際出てきたものとはすっかり変わったものになっている。しかも、これがごくわずかな時間に趣旨説明がされて、そしてこれが通ってきておる。その趣旨説明は国民も納得はできないし、われわれ議員ですら納得ができないのでありますから、こういう段階で参議院で審議するためには、非常に私は疑義を感じておったわけであります。しかし、こういう問題はこれからの質疑の中で明らかにされるだろうと思いますからして、それに譲りまして、その質疑に入るまでに皆さん方のひとつ御意見を伺ったわけでありまして、私は、この問題に対しては根本的に、いまの御説明の中では、全然納得のいけるものが何も引き出せないという感じをやっぱりいまでも持っているわけでありますが、これは次々の委員の方々からもこの質疑の中で明らかにしていただくでありましょうし、私自身も、今後の質疑の中でこれを明らかにしていきたい、こういうふうに思います。やはりこの質疑に入るまでには、この程度のことは皆さんから説明を受けておかなければ釈然としないという観点から、いま質問を申し上げたのであります。ですからして、私はもっともっと言いたいことがたくさんございますけれども、これは後の機会に押えまして、この質問をしたわけでありますので、今後、この問題に対しては十分な質疑が繰り返されると思いますけれども、その中で十分な答弁をしてもらいたい。特に私はいま申しておきましたけれども、法制局長のように、立場が違いますからなんという、そういうような立場でお話をなすって、筋違いのことばかり言うのじゃなくて、私は、今度はものの申せる方に来ていただいてお話をしていただきたい、こういうふうに考えております。ほんとうに大きな問題でありますので、国民の前に明確にしなければならないということが非常に感じられますので、今後ともそういう問題に対して、われわれのほうも、ただしていきたいと思いますし、また、それに対しては徹底的に答弁も明快にしてもらいたい、こういうことをお願いして、私の初めのいろいろなお伺いする点をこれでやめたいと思います。次にまた……。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私から法制局長に一点だけをお尋ねしておきます。  御承知のように、昨日、本会議において、特例法に関する委員長の中間報告があったわけであります。中間報告の中にありましたように、社会労働委員会としては、非常に審議が順調に進んできておった。これはおわかりになったと思いますけれども、数々先議案件もあった。そういう中で突然この特例法の中間報告がなされた、要求されたということは、こういうことが実際法的にできるのかどうか、こういう問題をまず明らかにしていただきたい、こう思います。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) ただいまのお尋ねの趣旨は、他の案件がいろいろあったときに、突如として中間報告の議案が議題になったことに対する御疑問であったかと存じます。これはやはり実を申せば、議事運営の問題でございまして、議事日程にそういうものが入ってくることがどういうことであるかという問題かと存じますが、これはやはりあえて申しますならば、同じように、法制局の直接関知しておるところではなくて、そういう議案を追加していくことに関する問題は、事務総長のほうで補佐している問題と思います。したがいまして、お答えすることが適当かどうかわかりませんが、想像いたしますところによれば、それは追加するのに必要な手続を経て追加したのではないかと、こう存ずるわけでございます。ただいまのお尋ねがそういう問題かと存じましたが、あるいは答えが違っておりますれば訂正さしていただきますが、いまのお尋ねはそういう問題かと存じましたので一応お答えいたしました。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 法制局長、いまの上林理事の質問は、そういう趣旨ではなかったと委員長は判断しています。法制局長に答弁を求めたのは、それは当委員会では趣旨説明も行なわれていない、同時に具体的な審議にもとより入っていない、こういう状態ですね、そこで中間報告というのは、御承知のとおりである。国会法の五十六条の三なんです。五十六条の三の場合は、審査中のものに限って中間報告を求めて、そして院議によって、いわゆる期限つきで委員会に審議してもらう等々のことが定められております。あるいは院議で一挙にきめる、この二つよりないと思うんですよ。その法律が無視されたんじゃないか、法律に違反しているんじゃないかという質問の趣旨なんですよ、上林君の趣旨は。ですから、国会の運営、委員会の運営の問題ではなくて、つまり法律的な解釈を法制局長としてのあなたに求めたものと委員長は判断しているんですが、その点は、上林君、どうですか。

上林繁次郎公明党

○上林繁次君 全くそのとおりでありまして、だから最後に法的にはどうであるか、こういうふうにつけ加えているはずです。その点をひとつぼんやりしないで聞いてもらいたい。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) そういう御趣旨でございますならば、お尋ねの趣旨を取り違えましてまことに申しわけございません。その点につきましては、つまり中間報告の規定のございます国会法の五十六条の三というのは、審査中の案件について中間報告を求めることになっているのにかかわらず、今回は提案の理由さえも聞いていない状態で中間報告に入ることが国会法に違反しているのではないかというお尋ねの趣旨かと了解いたします。この点につきましては、実は法制局といたしましては、すでにかなり以前から、この「審査中」と申しますのは、いわば委員会審査の段階にあるというふうに読むべきだろう、したがいまして、つまり委員会に付託された以後はどのような段階でも中間報告を求めることができるというように解釈してまいっておる次第でございます。そういたしますと、それでは審査中ではないじゃないかというのが疑問の起こってまいります根拠であろうかと存じます。  そこで、少し講釈めいたことになって恐縮でございますけれども、法律を解釈いたします場合に、どこまでも字句そのものを寸分離れないで、字句だけで解釈してまいるか、それとも、その法律規定の意味するものが何であるかということを探求しまして、その意味の中で使われている文字を合理的に判断していったらどうなるかという行き方と二つありまして、後者の行き方は一般的には承認されているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この五十六条の三の趣旨がどういう趣旨であるかということを考えます場合に、つまりは、これは国会の委員会中心主義の審議のしかたと、それからそれに対する本会議との関係がどうであるかということから出てくるのではなかろうか。と申しますのは、委員会審査というのは、つまりにおいては、本会議が審議して意思決定をするのに便し、これを能率的、有効的にするための制度ではないかと考えられてくるわけでございます。そのように考えました場合に、結局委員会審査の最後は本会議につながるべきものである、このように考えられますので、委員会に付託されました以後におきましても、本会議といたしましては、その案件の審査の状況というものに無関心でいることはできない。したがいまして、いろいろな事態によりましては、委員会での審査の状況がどのようになっておるか、委員会におけるこの場合の「審査」と申しますのは、委員会においてこの案件がどのように扱われておるかということを本会議としては知る必要があるという趣旨でこの規定ができておるのではないかと、このように考えておるわけでございます。そのように考えますと、委員会で趣旨説明が行なわれたかどうかということそれ自身も、すでに本会議といたしましては、中間報告を聞いてはじめて知り得ることであって、その場合においては、個々の議員の方々が情報として御承知であるかどうかは別といたしまして、本会議そのものとしては、その成り行きを知ることができないというものでございますので、そういうものは、いかなる段階におきましても、委員会にいっている案件の成り行きを知る必要がある。そういう意味から、中間報告の制度ができておるというふうに理解することが合理的であり、この規定の趣旨を全うするものでないかというふうに考えておるわけでございます。そのように考えました場合には、やはり案件が委員会審査の段階にあります場合におきましては、その段階においてその案件がどのように取り扱われているかということを本会議として知りたいという場合に、まず中間報告を求める、こういうふうに理解することが合理的ではないだろうかという理由に基づきまして、従来からそのような見解を持っておる次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 こういうことがいままで先例としてあったのですか、今回のような事情の中で行なわれたことが。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) 先例といたしましては、趣旨説明さえもないという事実自体は、これは初めてのようでございます。趣旨説明だけはあったという例はございます。そういう場合に、やはり同じような問題がございまして、当時から法制局といたしましては、さらに進んで、それでは趣旨説明のない場合でもどうなんだろうかというような見地からも検討いたしました結果、付託後の案件はすべてここに入るのだというふうな解釈をしてまいった次第でございます。したがいまして、お尋ねのような実例、それは、それ自体としては、いままでにはないかと承知しております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 先例がないということは、今回のこの特例法を契機としてこれが先例となってしまう、こういうことになりますか。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) 先例となるかどうかという、その先例の意味でございますが、とにかく一度そういうことが行なわれたという事実は事実としてこれは抹殺できないと存ずるわけでございます。それはもはや法の解釈、あるいは法の言っている意味ということを離れた別個の問題になってくるのじゃないかと存ずる次第であります。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 法制局長、きのうの本会議で中間報告を求められて、形式的には私が中間報告をしたということになっておるわけでしょう。しかし、私もはっきりあそこで申し上げたように、つまり五十六条の三には当てはまらないのではないかと私も言い切っていますよ。その意味は何かというと、あなたがいろいろ法制上答弁ございました。説明をされました。しかし、これはあなたのお仕事のバックにはいろいろなものがあるから、あなたその程度のことより言っていないと思うので、そのことをより深くぼくは追及しようと思いませんけれども、かりに一歩譲って、あなたのような法解釈をするとするならば、まことにこれは法律などというものは、あってなきがごとき状態になるのではないか。たとえば、いま、あなたは委員会に付託された案件は、付託されたと同時に審査をしておるものと解釈して、本会議がそのことについて無関心でいられないのである、その状況を聞かなければならぬ、こういうことですよ。かりにそのとおりであったとするならば、なおさら私は疑義を感ずるのです。なぜかならば、当委員会は、きのうの報告にもいたしておりますように、順調に、しかも、それぞれ付託されたものを日程をちゃんと編成して、それぞれの案件を議了して本会議できめてきているわけですよ。したがって、七月十四日にこの委員会に——衆議院のことを言いませんよ、私は。他院のことですから、あまり言いませんけれども、どういう形であろうと、衆議院から送付されてきて、付託になったのは十四日ですよ、十四日、わかりますね。十四日であって、きのうは一体何日ですか、二十五日ですよ。その前にすでに中間報告をやるとかやらないというのは、どこでどういうふうになったのか知らぬけれども、世間では、すでにもう新聞報道、新聞というのは国民の公器ですよ、公のものです。出ておったんですが、こういう事柄にまず私は非常に疑義を持っておる。それから、本会議が、委員会で持っておる法案について関心を持たねばならぬということは、これだけ与党の理事以下委員の人々がいるんです。全部知っているわけでしょう、この審査の状態というのは知っている。付託されてから物理的に、時間的にあの法案がここで実質的に審査に入られる段階であるかどうか全部知っている。きのうも、つまりこの政党政治だということばをあえて私は使いましたけれども、それであるならばなおさらのこと、一体この与党の自民党の諸君は、いわゆる政党政治だということですから、いま内閣を持っておりまする佐藤内閣と同体のものだと、これは私は一歩譲って解釈しているんですがね。そういうものであるならば、委員会の実態というものはよく把握しておりまするから、ことさらに、議長から私がそのことを求められたというなら、これは話は別ですよ。本会議の主宰者である、責任者である議長から私が求められたというなら別ですがね。議長からただの一回もそういう質問を受けていない。審査の状態はどうなっておるかということを受けていない。そのときに、突如として与党の議員から中間報告を求めるの動議できまったのですよ。一体これが五十六条の三を解釈するにあたって、あなたのような法解釈できますか。役人の三百代言的なあなたの法解釈ですよ。これをもう少し解明してください。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) 御意見は十分に拝聴いたしましたし、御趣旨も十分理解いたしたつもりでございます。ただ、これ以上お答えいたしますことは、やや議論にわたることになるのではないかと思いますので、差し控えさしていただきたいと思います。  ただ一言だけ申し上げたいことは、背後にあるものによって動いたということは一切ございません。これはわれわれ法律の徒として、もっぱら法律的な見地からそのように解釈いたしておりますことを申し上げておきます。

小野明日本社会党

○小野明君 あの書いてある条文のとおりに、文言のとおりに読まないで、その背後にある趣旨を読み取るべきである。ことばというものは、法文というものは、背後にある趣旨を含めてきちっと皆さんにわかるように表現をすべきじゃないか、背後にあるものは直して。字づらに出ておるのはこうだけれども、裏はこうだ、自由かってなこれは解釈ができやしませんか。それでは法制局長の私はことばというものが信用できぬ。しかも、中間報告の動議が出る前に、参議院法制局の見解ということでプリントになって、われわれのところに回ってきたんだが、全くこれは上林君も指摘するように、先例を破るものなんですね。これはあとから尋ねるとして、参議院規則をこれはどう読めばいいんですか。ここにあなたも御存じのように、三十九条に「委員会は、議案が付託されたときは、先ず議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」、これは裏も表もないじゃありませんか。「説明を聴いた後、審査に入る。」、これをもって「審査中」と、これがあるからこそ先例になかったのではないかと思う。それを新たにあなたは新しい先例を開こうとしている。一体、われわれは何を見て条文を解釈していけばいいんですか。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) どの範囲にお答えしますか、何ですが、まことに仰せのとおり、法文は読んで読み違えのないように、ことばだけですぐわかるようにつくることが、これが本来でございます。そしてまた、そのために法制局もございますことを承知いたしております。それはお説のとおりでございます。それでただいまお話の三十九条の「審査」ということの意味から読んだら、五十六条の三の「審査」は、いま私が申し上げましたようなことにならぬじゃないかということから問題が発生いたしておることも承知いたしております。実は、今回の件について、参議院法制局の見解なるものが回されたこと、そのことさえ私どもは承知いたしませんと同時に、今回の事態にあたりまして、そういう見解書を出したことは実はないのであります。先ほど来申し上げましたように、先般来、そういう法の解釈をとっておりますと申しまして、昭和三十三年かと思いますが、こういう問題が起こりましたときの、これは委員会でもそのようなことを申し上げておるわけでございますが、おそらくその当時の文書が回ったのではないかと思います。今回といたしましては、具体的に参議院法制局といたしまして御相談に応じたことはないわけでございます。  それからなお、あるいはその程度では答えが十分じゃないかもしれませんので、幾らかつけ加えてあえて申しますと、実は「審査」ということばがほかに国会法の六十八条にございます。で、この六十八条のただし書きに「第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案」は、「後会に継続する。」とございまして、これも「審査した」とございます。これもことばどおりに解し、それから規則の三十九条と一貫して解釈しますと、閉会中にと申しますか、議案が委員会に付託されて以来、提案理由の説明も行なわれていなかった場合は、審査した議案にならないのではないかという、字句上はそういう問題が出てくるわけでございますけれども、これはすでに幾多の先例によりまして、閉会中も、それからその前の開会中も提案説明がなくてもやはり後会に継続するという扱いになっておりまするし、この点については、いずれからも疑義が起こっていないわけでございます。そういう趣旨から申しましても、その場合の「審査」というのは、まさに委員会付託ということだけで段階がきまるわけでございまして、少なくとも、国会法相互の間におきましては、五十六条の三もそういうふうに理解して、むしろ一貫する結果になるのではないかというようなことも考えている次第でございます。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 法制局長、そのあとの、あなたつけ足してかってに解釈している。そのために国会は、委員会において閉会中の審査については議了して、委員会の名において議了して、議長の承認を求めて、閉会中の審査にするということになっておるのであって、そういうでたらめなへ理屈を言ってはいかぬよ。

小野明日本社会党

○小野明君 とにかく、いままでこの条文の解釈の疑義があったから、こういう先例はまだ開かれてないと思うんですよ。この委員会の事情というものは、先ほどからるる説明をされておるとおりである。しかも、順調に行なわれておるのに、また特に必要があるときに該当させて今回の場合取り上げて、そうして委員会中心主義を破ると、こういった運営のあり方は、あなたどうですかね、好ましいあり方とお考えですか。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) ただいまのお尋ねは、これは法の範囲内においての運用のよしあしの問題にかかってくるかと存じます。したがいまして、先ほど衆議院法制局長が申したと同じように、私の立場としてそれを云々することは、これはむしろ越権になると思いますので、御遠慮させていただきたいと思います。お許し願いたいと存じます。

小野明日本社会党

○小野明君 この中間報告の問題は、これはこの委員会が有効、無効にかかわる重大な問題なんですね。そこで、これはあとでまたきびしくお尋ねをしていかなければならぬと思うんですよ。先ほどから大橋理事の質問を聞いておりまして、非常に私はふしぎに思うことがある。たとえば衆議院の法制局長がお見えでありますけれども、私は修正案には関与しましたけれども、違憲問題等については、私の範囲ではない、たしか、このように言われましたね。厚生大臣も、これは法制局長官かだれかが説明には適当であろう、こうおっしゃった。そうですね。そこで、これは委員長にもお願いだけれども、違憲問題かどうか、違憲かどうかということがはっきりしませんと、この委員会も、またわれわれはむだな努力をしているかもわからぬ。その点が明確にならなければ、これは問題にならぬ。そこで、違憲かどうか、これを判断するのに適当な人がこの席上に来べきだと思うんです。そこで、衆議院の正副議長、あるいは言われるように、事務総長あるいは法制局長官、それらの人がそこにすわらなければ、これは違憲かどうかということは、われわれは判定できぬじゃないか。これは委員長、その辺はいかなるお考えですかね。先ほども重大なところになると、それは私ではという両法制局長のポイントをはずされた御答弁ですが、その辺は、私はちょっと問題があるように思うのです。だから、衆議院の正副議長か、あるいは事務総長、あるいは法制局長官、それを呼んでもらいたい。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 速記をつけて。

小野明日本社会党

○小野明君 いま委員長が出されている問題は、これは私は後ほどやりたいと思っておる。そこで、先ほど提起をしましたこの違憲かどうか、この問題についてですね、それを説明をし得る人がいないということは、これは問題だと思う。それは裁判所で争わるべき問題だと委員長はお考えのようですけれども、これは、たとえばどういうことで裁判所にいくかということを考えますと、料率がアップされたと、たとえばですね、そこで、これは違憲の疑いのある明らかに違法な採決が行なわれた法律であるから、おれは払わぬと、値上げ分については払わぬと言った場合に、初めて裁判所の問題になってくると思います。そうでない場合、いまのところ、衆議院から正式に送られてきたと、あるいは送りましたと、こう言っておる以上、送った本人がここにおりませんと、あるいはその事務の最高責任者がおりませんというと、どういう解釈をして送ったのか、これはもう死産であったのか、異常分べんでも曲りなりにでも生きておったのか、そういうことがわからぬのです。だから説明できる当事者を呼んでくると、先ほど厚生大臣も、これは法制局長官かだれか、とても法制局長では——とはおっしゃらなかったけれども、そういうおことばをちょっと言われたと思うのですよ。そういった意味で、私は正副議長あるいは事務総長を呼べきである、こういうのが私の主張です。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 速記を起こしてください。  暫時休憩いたします。    午後五時三十四分休憩      —————・—————    午後六時五十五分開会

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 社会労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。  御質疑のある方の発言を求めます。

小野明日本社会党

○小野明君 事務総長お見えですが、この委員会というのが院議をもって拘束をされておる、こういう解釈で開かれているのでありますけれども、私といたしましては、その院議自体に疑義があるわけです。夜おそくまでこうしてわれわれやっておりますけれども、結局、これはむだな努力ではないか、こういう疑義があるわけです。それは三日間の徹夜国会を通じて事務総長もおわかりのところだろうと思います。そこで、先ほど参議院の法制局長の御答弁をいただきましたけれども、肝心なところにまいりますと、どうも政治的な判断というようなものが入っているような感じを受けるわけです。そこで、そういうものを含めて、事務総長がお取り運びになっておるわけですから、あなたにお尋ねをいたしておきます。  参議院規則の三十九条によりますと、「議案が付託されたときは、先ず議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」、ですから、これを条文のとおりに私は読むべきである、こういう主張なんですが、この委員会では、まだ趣旨説明が行なわれていなかった。そういった事態の中で取り上げて本会議で中間報告をおやりになった。これはこの規則違反ではないか。言いかえますと、国会法五十六条の三違反ではないか、こういう疑義が当然生じてまいるわけです。それについて、事務総長の明確な御答弁がいただきたいと思います。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) お答え申し上げます。  ただいま小野先生のお取り上げになりました参議院規則三十九条は、通常の審議過程を規定したものでございまして、法律案が付託になった場合にはさような趣旨説明、質疑、討論、採決、そういう段階に入ることは、これは当然でございます。それから中間報告の制度につきましては、これとの関連において考慮されなければならないものでありますから、中間報告は委員会中心主義に対しまして最後の議決権を持っておる本会議との関係を調整してでき上がったものでございまして、これは私から申し上げるまでもなく、昭和二十三年七月第二国会、国会法第二回の改正によって制定された制度でございますが、自来、今回を入れて十二回中間報告の実例がございます。そういたしまして、この過去を振り返ってまいりますと、二回——今度の事例を抜きますと二回、趣旨説明だけで本会議の中間報告の討議が開始されたのは二回でございます。今回はその趣旨説明もなしに動議が本会議場に提出された、こういう事情でございますが、法制局の見解をつぶさに御聴取になったことと思いますから、私はあまり詳しいことは申し上げませんが、この委員会と、それから本会議との関係につきましては、いかような調整をとるか、こういうことが問題でございます。一度委員会に付託したら、本会議のほうでは永久に何の権限もないんだということではないわけでありまして、常に最後の議決機関である本会議におきましても法案の運命を見守っておることでありますし、そうした点につきまして委員会の進行状況、こういうものを聴取する権限があるということでございます。それに基づきましてこの制度がつくられたわけでございまして、法制局から見解を申し上げましたかもしれませんけれども、付託された以後の状況は本会議においてこれを聴取すると、こういうことでございますので、その付託された以後、いかなる段階におきましても、本会議で聴取できるのじゃないか、こういう考え方のもとにこの制度が実施されております。しかし、いま小野先生のおっしゃったように、どういう段階で取り上げるのがいいか、こういう妥当、不妥当の問題も起こりましょうが、法律論的には、もう付託された以後、いかなる状態においても、これを本会議に聴取することはできる、こういう制度だと私は了承しております。

小野明日本社会党

○小野明君 そういたしますと、いかなる段階においても取り上げることができる、こういう解釈ですけれども、取り上げるには取り上げるだけの条件が要るわけです。これは一つは、特に必要と認める、いま一つは「審査中」ということばですね。そこで特に必要があるということも、もちろん客観的、合理的でなければならぬと思うのですね。あなたのほうが必要であるとき、いつでも取り上げるというわけにはまいらない。私が申し上げたいのは、後段の「審査中」という解釈ですね、これを規制したのが参議院規則の三十九条だと思います。この条文のとおり読みますと「趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」となっております。ですから、その条件が整って初めて「審査中」という条件が整うことになる。この条件が整いませんと、私は、規則違反、言いかえれば、国会法違反の疑いがある、こういうことを申し上げておるのですね。ところがあなたのほうは、付託をされた以後はいつでも審査中だ、このように解釈をしておるようですが、今回、この趣旨説明を聞いておらぬ段階から取り上げたというのは、先例から見て今回が初めてですね。だから、この条文から見てどのような解釈か、私は納得できないということを申し上げたのです。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) 小野先生の御解釈によりますれば、三十九条の「審査」というのは、趣旨説明を済んだあとの段階、こういう御解釈だと思いますが、法制局長のほうから申されたことと思いますが、各条文はそれぞれの目的、つくられた制度の趣旨というものがございます。国会法の五十六条の三を読みますれば、またそのつくられた制度そのものの趣旨、目的のもとから解釈するのがやはり法制の解釈かと存じますので、目的論的に本会議と委員会の調整をはかるという、こういう大目的からこの国会法五十六条の三の「審査中」ということは、その目的に沿って解釈する、こういうような解釈の上に立つわけでございます。そう申しますれば、一度付託された以後はいかなる段階においてもこれを中間報告を求めることができるのじゃないか、しかし、何もしないで、趣旨説明もしないのを取り上げるとか、あるいは趣旨説明が済んだだけで何ら審議に入らないのに取り上げるとか、そういうやり方がいいか悪いか、妥当かどうか、その運用の問題につきましては、別途の御議論がございましょうが、制度としてはつくられた制度の目的から、付託後はいかようにも本会議が自由に中間報告を求められるのだ、しかし、その必要性は本会議がきめるわけでございまして、本会議がその必要をきめられていままで行なわれてきたと、私はこういうように解釈いたしております。

小野明日本社会党

○小野明君 あなたのおっしゃるのは、どうしてもごまかしがある。制度、趣旨というものが私の解釈では生かされていないような御説明があっているんですが、制度や趣旨というものが条文の上に生かされないと、これはわからないじゃないですか。腹に何があるかわからぬようなことを察せよといってもわからぬ。この規則をそのとおり読んでみると、議案が付託されたときは、まず議案の趣旨について説明を聞いた後審査に入る、だから議案の説明を聞かなければ審査中という解釈は成り立たない。これは本院が委員会中心主義との間の調整をはかるということはわかりますよ。むやみに本院がチェックすべきものではないということもご存じのとおりですね、委員会中心主義をとっておられるわけですからね。そういうものからみだりに本院の暴走——この委員会中心主義の趣旨からこういう表現になっておるので、この条文はそれではどう読めばいいんです。これはあなたのような解釈でありますと、この参議院規則は書き直さなくてはいけない。付託された時点で審査中と解するとか、そういったように条文を書き直さなければならない。どうしても納得できません。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いま議論を聞いておりまして、私は、法律の解釈の上から言ったら、やっぱりぎりぎりの線としてはいま答弁の中にありましたように、この解釈はどうするかということで、小野君と総長との間に意見の差が出てくるわけですね、解釈論のぎりぎりの線としては。私はもう少し方面を変えて、やっぱりいま総長の言っておるように、この中間報告というものは、いわゆる議会と、そうしてまた委員会を主体にしてやるんだけれども、その間の調整をはかるんだということをおっしゃっておりましたね、私もそれはそのとおりだと解釈するわけです。そういうことであるならば、社会通念の上から考えてみて、この両方の法律ですね、院も、あるいはまた、委員会も両立するような方向にいかなければいかぬわけです。そういうことが運営上十分配慮されなければならぬわけです。ところが、今度は残念ながらそれが十分配慮されてないからこういうふうな現状になってきておると、私は思うわけでありますが、そういう観点から考えますと、この中間報告の制度というものの運用のしかたによって、これはいろいろあれがあると思うんです。それはいま総長も言っておるわけですが、そういう二つの原則を調和するような形でいかなければならぬわけでありますから、それを私は総長あたりは、もっとそういうことの見地からこの運用上にもっと配慮されるべきであり、そういうことがないと、こういうふうなトラブルも起こってくる。そういう観点から、これはまたいま小野君の質問の中にもありますように、こんなことが前例になって、だんだん調和さるべき性質のものが乱用されては困るんじゃないか、こういう懸念があるわけでありますので、そういう点に対しては、もう少し運用上十分生かして、両方が相マッチするような形でいくということを今後考えなければいかぬのじゃないかと私思うんですが、その点についてどうですか、そういうことをはっきりしてもらえば、いまの疑義の点なんかに対しても、もう少し何とか前向きの方向が出てくるんじゃないかと私は思いますが、いかがですか。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 総長ね、小野委員の質問は法律論として展開されているわけですよね。それから大橋君のいまの質問は、それに関連して、つまり運用上の妥当性、妥当でないということの理論展開だと思うのですよね。そこで、総長、かりに法律論、法制論的にあなたがいまここで答えられたようなことだとしても、政治というものは、ただ単に法律論とか、法制論だけで行なえるものでは私はないと思うのです。現実に、総長御存じのように、この委員会では趣旨の説明がない。審査も一回もしていない。また物理的にもそういう時間的なものはなかった。積極的にやろうたってなかった。そうして、今度はこれを逆に——いま総長が言うような法律論だとしても、総長がおっしゃったように、いわゆる本会議というものと当該委員会というものを調整しなければならぬ、こういういまお話がございましたね。さて、では、その調整役はだれかというと、国会である限りにおいては、議長もしくは議長を補佐する副議長、あるいは国会運営上さらに補佐する議運の委員長が、やはりその当該委員会を主宰する少なくとも委員長の私に、この状況はどうだということをいろいろ聴取をして、そこで初めて調整というものが行なわれるべきだと私は思う、一般論として、政治論として。それがなされていない。そこで、いまの大橋委員の言われる妥当であるのかどうか、運用上ですね。この点については、あなたのように国会運営、同時に、法律専門にやっておる人ならそれで理解ができたとしても、いま、今日この問題が各それぞれの新聞を通し、テレビを通して法律を専門としない一般国民がずっとこれはもう見たり聞いたりしているわけですよ。そういった方々が、一体、この実態をながめた場合に——これは一般論です、妥当であるかないかという、こういう疑問は当然起きてくるのだと思うが、総長としては、いまの答弁にあわせて、含めて答えていただきたいと思うんですよ。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) 小野先生のおっしゃられたあと、また関連で大橋先生の御発言でございますが、特に大橋先生の御発言の趣旨から感じる御意見は、私としても了解できると思います。この制度が置かれまして、あるわけでございますから、存在理由があることと私は思います。それで制度のことでございますから、これが運用よろしきを得れば、いま世論でとやかく言われておることと逆に、この制度が逆に好評を博するかもわかりません。しかし、過去、今回を入れまして十二回の中間報告が行なわれましたが、評論家の批評はしばらく別といたしましても、参議院の半公文と申しますか、各党の申し合わせ、議長の談話等から拝察いたしましても、これが完全なものであるとは断ぜられません。特に重宗議長の談話、最近の談話におきましても、十分委員会が審議するようにと、こうおっしゃっておりますから、そういう点を拝察すれば、むやみに抜くべき宝刀ではないということは、火を見るよりも明らかでございます。そうした運用の面につきましては、十分本会議なり——いま社会労働委員長のおっしゃった、われわれが、直接補佐をいたしております議院運営委員会を組織する先生方に十分御努力をいただかなければならないと思うのでございます。また、不肖私もそれを補佐する者でございますから、十分力をいたしたいと、こう考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 最後に。あなたが最後まで合法とおっしゃられるならば、今回の中間報告というものが合法だとおっしゃられるならば、社労に差し戻しなんか要らぬわけですよ。これはそのまま中間報告でやってしまえばいいわけです。お経読みもしていない、審議も全然しておらぬから、ああいった議決をして、われわれは再びやらなならぬわけでしょう。だからこの解釈に、あなたのほうの解釈に一点の疑義もない、付託されればすぐ審査中である、一点の疑義もないということがあなた言えますか。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) 法律のことはあまり専門家でないのでございますが、冷ややかな論理解釈から、あるいはそういうようなことが出るかもしれませんが、これが運用をつかさどる者といたしましては、また別の目的のもとにこの運用をしていく、こういうふうに考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私のほうから先ほどお尋ねした問題が一つあるのです。それは先例ということです。いままでにこういう先例があったかどうかという点についてお尋ねしたい。いままで中間報告は十二回あったということを聞きましたけれども、こういう形のいわゆる先例というものはないのじゃないか、こう思うのです。そうなると、これを契機に今後こういったことが先例として行なわれていくのかどうかということが非常に心配になってくるのですね。そういった点についてどうでしょうか。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) 先ほど初めのころに申し上げましたことでございますが、十二回の先例中、付託後何らの行為が当該委員会になかったのは今回が初めてでございまして、趣旨説明が行なわれただけで中間報告を求められたのが二件ございます。あとはもう審査の段階に入りまして、公述人等呼びました事件もございました。いま、上林先生の御意見でございますが、これが将来先例としてどんどん行なわれるかどうかというようなことでございますれば、これは私は事務的に言うても、そうこれからたびたびあるようなことじゃないのじゃないかと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 総長のお話ですと、これは今後先例にしたくないというような話であります。そこで、もしそうだとすれば、今回のこういった中間報告というものは、それは正しいあり方ではないのだと、あなたがお認めになったというふうに解釈してよろしいですか。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) 私は事務を補佐する立場でございますから、現在行なわれている、行なわれたこの中間報告が妥当なものであるか、それは悪いものであるかということは、私は批判をする立場ではございませんけれども、過去、趣旨説明だけで中間報告を求められた、二件ありますが、そのあとの先生方の、各党のお申し合わせ、それからこれに対しての議長の御見解、そういうものを拝読いたしましても、こういう制度がたびたび行なわれていいとは私思っておりません。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それで、中間報告の問題でございますけれども、国会法の第五十六条の三に「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」そこで今度の中間報告の問題ですけれども、「特に必要がある」、このようにうたわれているわけですけれども、「特に必要がある」というふうに今度の場合認められるのかどうか、こういうことなんですね。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) 今回動議を出されました大谷議員の質疑に対する答弁がございました。お答えになったのが理由でございますので、あれが動議提出者の正式な解説であると思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで「特に必要があるときは」という、それで委員長がすでに報告してあるとおり、この問題が、特例法が付託になったのは十四日です。二十二日には趣旨説明も受けようというような話を進めてきたわけです。二十二日にやったとしても、あと八月五日まで二週間はあるわけですね。言うならば日にちも十分ある。そういう中で「特に必要」ということは、これはどう考えても、その辺のところは私にはわからない。そこで、その点について明確にひとつ答えていただきたい。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) これは動議を提出されました先生の御答弁がよろしかろうと存じますが、その答弁に納得されない方があり、それに同意した方がある状況で決をとりまして、多数をもってその必要ありと、こういうふうに可決されたわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私はその辺のところを、いわゆる二十二日以後二週間あるのだと、こう申し上げておるわけです。そこで、そういう中で、日にちも十分あると考えられるそういう中で、特に必要だというその点ですね。その点について私は総長に対して、その総長の考え方、意見を求めておるのです。回りがどう言ったという問題ではない。

宮坂完孝事務総長

○事務総長(宮坂完孝君) 非常にお答えにくい御質問でございますが、法案が何日間あればいいのかというようなことは、そう簡単には申し上げられないのでありまして、国会の長い、常会で申しましても百五十日ある間でも、前半においてはどう、後半、会期末になってくれば何日間、こういうことはもう種々雑多でございますので、これは与野党の皆さま方のお話し合いでその審議過程がきまっていくのではないかと拝察いたしております。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 他に発言もなければ、本件に関する質疑はこの程度にとどめます。  暫時休憩をいたします。    午後七時二十二分休憩      —————・—————    午後八時十一分開会

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 社会労働委員会を再開いたします。

小野明日本社会党

○小野明君 いま、理事会の打ち合わせをお聞きいたしますと、趣旨の説明を聞くという決定のようであります。ですから、その趣旨の説明を聞く前に、ぜひ、私としてはただしておかなければならぬことがあるわけであります。  そこで、厚生大臣にお尋ねをいたしたいと思うのです。先ほどからの論議によりましておわかりのように、私ども、また私は、この法律については、やはりどうしても衆議院本会議における憲法違反の疑いがある。その点については本日責任者が見えませんから、その解明がなされておりません。全然なされておららぬわけです。ですから、この疑義は、私どもやはり解消するわけにはまいりません。  第二には、中間報告に対します疑義、参議院の法制局長並びに事務総長からお聞きをいたしましても、国会法違反の疑いがあるということは、どうしても私どもはぬぐい去ることができないわけであります。そこで、趣旨説明をここで聞きますというと、国会法違反の疑いあるいは参議院規則違反の疑いというものが、これは大きく違法性を阻却されてくるということが事実としてできてくるわけです。そこで、私は趣旨説明の前に、この憲法違反の疑義、それから中間報告に対する疑義、この二つの疑義を残しながら、あえて趣旨説明をおやりになるその結果、憲法違反という、あるいは中間報告無効という結果が私は生ずるかもしれないと思うわけです。そういった責任を国務大臣でありますから、私は厚生大臣に、どうおとりになるつもりであるか、まずお尋ねをいたしておきます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私は、政府の一国務大臣といたしましても、国会において成立をされました法案は、そして先ほどお話が出ておりました憲法問題、法律問題等において最高裁判所で最後の決定があれば格別、それまでは国会の国の最高の意思決定、さように考えて、尊重して、その法律を執行していくべきである、かように考えます。

小野明日本社会党

○小野明君 かりにそういった違反がはっきりした場合に、それをしも押しておやりになる責任をどうとられるのか、こういうことをお尋ねをしているわけです。参議院本会議における参議院規則の解釈——あるいはこれは衆議院からきょう責任者が見えておりませんから、正式な回答を私お聞きいたしておりませんから、その辺の疑義も解消しておらぬわけです。ですから、その辺の責任は一体どうなるのですかと、こういうお尋ねをしているわけです。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 先ほど申し上げましたように、政府の提案をいたしました法案なりその他のものがもとから憲法違反であったり、法律違反であったりいたしますれば、これは政府としてはその責任を考えなければならぬと、かように思います。ところが、国会の審議の過程において、その国会運営の方法において、あるいは法律違反、あるいは憲法違反だという疑いがあるという論がありましても、国会の全体の意思として、院議としてきまりました以上は、これは、やはり国の最高の権威として最高裁判所において決定があるまでは、国の最高の意思として、その法律を政府は順守してまいる義務があるというふうに考えます。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 速記を起こして。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私は、特例法案に関する提案趣旨の説明が行なわれることを了といたします。これは、昨日の参議院本会議の院議に基づくものとして、この手続きによることを了解をしております。その上に立って、社会党側の見解をひとつ述べておかなければならないと思います。  私どもは、明確に、昨日、諸規則にのっとった決議としての院議によりまして本日の会議を進行し、また提案趣旨の説明を受けるのでありますけれども、院議と申すべきものは、つまり国会法であれ、あるいは憲法にさかのぼるまでを含めたとしても、言うところの三権分立の中での国会における解釈論の限界を越えるものではありません。終局的に国会が、四十一条におけるところの最高機関としての立場をとるとしても、なお、三権分立における司法権を侵すことはできないわけでありますから、これは、先ほど来、厚生大臣が一国務大臣としての立場から、そのように最高裁判所等の見解があるならば別というところで、私は了解いたします。そういう立場でわれわれが従うべき院議の限界が、成規の手続にのっとった——それも認めます。成規の手続にのっとった上でのなお立法府における解釈であったというふうに了解をいたします。厚生大臣、国務大臣も御了解のようでありますから、その点は了解した範囲に含まれるものと思われます。そういたしますと、私どもは、ここでこの院議がいかなる手続に基づいてなされたかという根拠を明らかにしておきたいと思います。  その第一点は、中間報告であります。その第二点は、順序はいろいろあると思いますけれども、自民党の大谷議員によって提起されている動議であります。この二つを根拠として院議が成立をしているわけでありまして、その辺の適法性については、そもそも多数決原理をもって結論は出ておるとはいいながら、少なくとも、与党と、そうしてすべての野党を含め、大別すれば二つの見解に、他の問題とは違って憲法論議として違憲性が問われている点で意見が食い違っていたという点は、明らかな事実として確認をしておきたいと思います。  それからもう一つは、その中間報告及び大谷議員の動議の中に、われわれの問題としておりますところの衆議院における本法案の採決のあり方についての議論については、他院の権威を侵すべきではないということが述べられました。また、中間報告を求められた吉田社労委員長の見解の中でも、他院についての介入をすることはできないなどということが留保されておりました。その限りにおいては、私どもは、他院について、なお述べるべきではないという範囲で院議を確定をしたわけでありますけれども、少なくともチェック・アンド・バランスという立場をかまえている衆議院、参議院の二院制度を十全に活用するということであるならば、他院の権威に介入するということではなくて、参議院独自に与えられた立場から、私どもがその点について、その留保事項について本法案の審議の中で問題を明らかにしていくということは、当然な権能と義務であると考えます。これも国務大臣は御了解のようでありますから了承いたしますが、この点について、先ほど社労委員長が法案審議の中で十分な議論を尽くすということをその点で了解いたします。かかる意味合いにおいて、私どもは、とりあえず、国会内の立法府解釈論としての院議を尊重し、その範囲において提案趣旨の説明を受けることを了とし、その中で具体的な審議を進めることとあわせて違憲性の問題についても、参議院の立場において、国会運営それ自体について取り上げていくことを留保しておきます。このような立場で提案理由の説明を受けることを了解いたします。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ただいま議題となりました保康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  まず、健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律の一部改正部分について申し上げます。  この法律は、政府管掌健康保険等の窮迫した保険財政に対処し、医療保険制度に関する抜本改革が行なわれるまでの臨時応急の措置を講ずるため、一昨年、第五十六回臨時国会において昭和四十四年八月末までの時限立法として制定されたのでありますが、自来、政府といたしましては、抜本改革の早急な実現を期し、与党と一体となって具体策の検討を続けてまいりました。  しかしながら、この問題はきわめて広範多岐にわたるほか、根深い問題点を有し、また関係各界の意見にもかなりの懸隔がありますため、容易に結論を得ることができず、今日なお抜本改革の成案を得るに至っていないことは、まことに遺憾に存じております。政府といたしましては、今後とも一日も早くこれが結論を得て、医療保険をめぐる諸問題の抜本的な解決をはかるよう一そうの努力を続ける所存でありますが、このまま本年八月末をもって健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律が失効するとしますれば、きわめて大幅な単年度赤字を生じ、すでに千二百億円をこえている巨額の累積赤字にさらに上積みされる結果、制度運営に重大な支障を来たすことは必至であります。このため、国としても昨年度に引き続き財政措置を講ずると同時に、抜本改革が実施に至るまでの間の当面の措置として、この法律の有効期間を二年間延長し、昭和四十六年八月三十一日までとする改正案を提案いたしたのでありますが、この点につきましては、衆議院において、この法律の有効期間の延長は取りやめて、健康保険法等本法に所要の措置を規定する旨の修正が行なわれております。  次に健康保険法及び船員保険法の一部改正部分について申し上げます。  人口構造の推移等に即応して将来のわが国の繁栄を期するためには、次代をになうべき児童の健全な育成と資質の向上をはかることがますます重要な課題となっております。  このため、政府といたしましては、母性及び乳幼児の健康と福祉の向上を期して、本年度において母子保健対策の一そうの推進をはかることといたしたのでありますが、これに即応して、医療保険の分野においても分べん時における経済的負担の軽減に資するため、抜本改革の問題とは一応切り離して、現行制度のたてまえのもとで分べん給付の改善を緊急に行なうこととし、昭和三十六年以来据え置かれております分べん費の額を大幅に引き上げることといたした次第であります。  改正案の内容は、健康保険及び船員保険における分べん費の最低保障額を現行の六千円から二万円に、配偶者分べん費の額を現行の三千円から一万円に、それぞれ引き上げるものであります。  また、この財源につきましては、保険料によって措置することとし、政府管掌健康保険及び船員保険の保険料率をそれぞれ千分の一引き上げることを提案いたしておりましたが、この料率改定につきましては、衆議院における修正により、取りやめることとなされております。  なお、この法律の実施時期につきましては、衆議院における修正により、昭和四十四年九月一日からとされております。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概略でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 次に、本案につきましては、衆議院において修正議決をされておりまするので、この際、本案に対する衆議院における修正点について、修正案の提出者谷垣專一君から説明を聴取いたします。谷垣君。

谷垣專一自由民主党

○衆議院議員(谷垣專一君) 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律等の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。  この修正は、いわゆる健康保険特例法の有効期間の延長等を取りやめ、これに伴い政管健保等の財政対策については、最小限必要な措置に限って、健康保険法等本法に規定し、国民負担の軽減をはかることといたしたものであります。  その具体的な内容について申し上げます。  修正の第一は、薬剤の一部負担については、これを取りやめることとしたことであります。  修正の第二は、分べん給付の改善は、政府原案どおり実施いたしますが、これに伴う政管健保の保険料率の千分の一引き上げは、これを取りやめることとしたことであります。  修正の第三は、政管健保の保険料率千分の七十を健康保険法に規定することとしたことであります。  修正の第四は、初診時二百円及び入院時六十円の一部負担を同じく健康保険法に規定することとしたことであります。  なお、船員保険につきましても、以上に準じた修正を行ない、その他法律案の題名及び施行期日につき所要の修正を行なっております。  以上が修正の要旨でありますが。何とぞよろしくお願いいたします。

吉田忠三郎日本社会党

○委員長(吉田忠三郎君) 本日は、本案は対する提案理由及び衆議院における修正点についての説明聴取のみにとどめておきます。  本日はこれにて散会をいたします。   午後八時二十九分散会      —————・—————

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