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61回国会参議院1969/05/14

災害対策特別委員会 第6号

発言数
202
登壇者
26
会派数
3
開催日
1969/05/14

会議録

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  昨十三日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として鈴木力君が選任されました。また、本日、多田省吾君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。     —————————————

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  初めに、派遣委員の報告に関する件を議題とし、先般当委員会が行ないました委員派遣について、その調査報告を派遣委員から承わることにいたします。佐藤隆君。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 派遣委員を代表いたしまして御報告申し上げます。  去る五月六日、足鹿委員長、塩出理事、上田委員、松井委員と私の五名で、新潟県北魚沼郡広神村水沢新田における地すべりの被害状況について現地調査を行ないまして被災者の方々にお見舞申し上げ、かつ激励してまいりました。  すでに本件につきましては、去る四月二十八日の当委員会におきましてその被害の概要を政府側から聴取いたしておりますが、現地で明らかにされました当時の実情並びに調査結果の幾つかの措置すべき問題点を提示いたしたいと思います。  まず、被害の状況について申し上げます。  御承知のように新潟県はわが国における有数の地すべり地帯でありまして、特に融雪期には地すべりが多く、したがって、今年も四月初旬から異常高温が続き、一時的ながら降雨も加わって急激に融雪を促したために四月二十六日早朝、突如として広神村水沢新田に地すべりが発生しました。当地域は地すべり等防止法第三条の規定によります危険地域の指定については、現在未指定の地域であります。  被害地域の現状は通称「水沢でっこ」と呼ばれる標高三百六十メートルの山頂から長さ約四百メートル、幅約二百メートル、土量にして約二十八万立方メートルにわたってくずれ、死者六名、行くえ不明者二名、住家全壊十戸、その他農地、山林等を含む被害額は、約二億円に及ぶものと言われております。  地すべり発生後、県においてはいち早く昭和四十四年春季地すべり対策本部を設置するとともに、広神村に対して新潟県災害救助条例を適用しております。  また、広神村においては災害対策本部を設け陸上自衛隊の出動を要請するとともに警察、地元消防団並びに隣接市町村消防機関をはじめ建設業協会、一般住民の協力を得て連日連夜にわたり、行くえ不明者の捜索を行ない、地すべり土砂の排除や、堆積土砂によってため池化されていた水を排除するための仮排水路の開さく、被災者への応急仮設住宅の建設、たき出しその他による食品の給与、被服寝具等生活必需品の給与などきわめて迅速に一連の応急措置を行なったのであります。  これに出動した人員は延べ五千八百余名、ブルドーザー、ショベルローダー等の借り上げ機械も延べ二百五十台に達しております。  しかし、この大がかりな救助作業も土砂が屋根まで埋まっているため作業は思うにまかせず、現在までに六名の遺体が確認されておりますが、あとの二名は行くえがわからず土砂の下に眠ったままの状態でありました。  県の調査によりますと、県下の地すべり危険地域は約一千三百六十カ所、約五万ヘクタールに及んでおりまして、県の南西部上越地方が六二%、信濃川流域の中越地方が三一%であります。  今年に入りましてから県下での地すべりによる被害面積は約百三十二・七五ヘクタールで、そのうち水田五十五・二五ヘクタール、畑三十三・四八ヘクタール、山林原野三十九・四九ヘクタール、建物の被害は全壊二十七一尺半壊四戸で復旧費総額は十五億二千万円となっております。  これらの地域は水がしみ込みにくい頁岩の上に粒子のこまかい砂層と粘土層が重なっている地質で砂岩、泥岩で構成されております。  このたび被害がありました広神村につきましては、第四紀層の魚沼層郡からなる地質でありまして、比較的地すべりが起きにくい若い地層でありましたが、地下水や雪どけ水がこの砂層に浸入して水圧を持っていたところに融雪と降雨でさらに水圧が増し、砂が固い頁岩と粘土層の間を砂とともに流れ出して地すべりを起こしたものといわれております。  以上、広神村における地すべりの被害状況について概略申し述べましたが、次に県当局、地元関係者の要望等を踏まえ現地調査をいたしました結果、感じました諸点について申し上げます。  地すべりによる災害から国民の生命、財産を守ることはきわめて緊要なことでありまして、わが国におきましては融雪、長雨等によって地すべりによる災害が頻発しており、毎年多数の犠牲者と多くの物的被害が生じている実情であり、地すべり等防止法が制定されて以来すでに十年の歳月がたっておりますが、今日なお全国に地すべり危険地域が約五千五百カ所、総面積にして約十四万ヘクタールにも及んでおり十分な成果をあげていない現状であります。  したがいまして、第一に必要な点は地すべり防止区域の指定については、地すべり等防止法施行以来未指定になっている危険地域を含み総点検をすみやかに実施し、その結果に基づいて、たとえ小規模であっても大規模な地すべりを誘発助長するおそれのある区域や、人家等に危険を生ずるおそれのある区域についても重点的に区域を指定し、防止工事を実施するなどその防止策に万全を期することであります。  第二は、地すべりに関する予知等について科学的に究明するとともに、警戒避難体制の整備をはかるため、地すべり危険地域及び地すべり地域を適時に巡視する必要があります。さらに地すべりに関する予報、警報の発令及び伝達が円滑に実行され、地元民の協力はもちろん、官民一体となって避難誘導等が適確に行なわれるよう措置することであります。  第三は、地すべり地域は過疎地域が大部分であるために公共投資が不完全でありますから、被災農家の生活安定をはかり、すみやかに災害復旧工事を実施するなど、正常な営農が行なえるよう、その救済措置について格別の配慮が必要であります。  また、これら地すべり危険地域の家屋等の集団移転についても救済のための助成措置等について早急に実施するよう検討すべきであります。  第四は、地すべり防止事業の促進をはかるため、計画調査費に対して国庫補助の道を考慮するとともに、地すべり防止工事に対する予算を大幅に増額するよう格別の配慮を行なうべきであります。  なお、小災害は被災市町村の財政負担を大きくし、早期復旧を遅延せしめている状態でありますから、特別交付税等の財政措置を講ずる必要があります。  以上、申し述べました諸点について地すべり地域における被災住民の生活安定をはかるため、一日も早く適切な措置をなされるよう、委員各位並びに政府に対して強く要望いたしまして報告を終わります。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 御苦労さまでございました。  ただいまの派遣委員の報告に関する調査も合わせ、新潟県における地すべり等による災害対策に関する件について調査を行ないます。  この際、政府当局から本件についてその後の調査結果について説明を聴取いたします。鯨岡総務副長官。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(鯨岡兵輔君) ただいまは委員諸先生方の御視察賜わりました報告を承りましたが、きわめて詳細緻密な御報告に対し心から敬意を表するとともに、これから申し上げますことは、いまの御報告で尽きておるわけですが、やや詳細に金額の面において判明いたしましたことを主点として御報告をいたしたいと思うわけであります。  広神村の地すべり災害について、概要は先般の委員会で御報告を申し上げたところでありますが、本災害は去る四月二十六日、新潟県の広神村において幅約三百メートル、長さ八百メートルにわたって二十八万立方メートルの土砂が崩壊を起こしましたことは、いま御報告になったとおりであります。これによりまする現在までの被害は、県の報告によりますると、一般被害は死者六名、行くえ不明二名、家屋の全壊十戸、公共土木施設では金額にして一億九千万円、それから農地、農業用施設——この点はこの前遺憾ながら御報告ができなかったところでありますが、一億八千万円相当額、それから荒廃した林地帯、これがおおむね二億円、あれこれ合計いたしまして金額に推定されるものは五億七千万円となっているわけであります。政府といたしましては、これらの災害に対して応急の対策を講じておりますけれども、さらに各種の災害関係法令による措置、すなわちこの公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法あるいは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律などを適用いたしまして、これが処置を講じておるわけであります。  さらに建設省のほうからは、いま佐藤先生御指摘のように、御報告にありましたように、新潟県は特にこのことに心配をしなければならないところでありますので、梅雨期を迎えて再びかかることのないように、広神村が一番危険なところというふうに指定されておらなかったという苦い経験にも照らして、詳細に再検討をするようにということを建設省のほうから県のほうにも命じてあります。そういうようなことを一連行ないまして、現在起きましたものに対する措置とともに、今後の問題についても鋭意努力をいたしておる次第でございます。  以上、報告いたします。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 以上で説明は終わりました。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言をお願いいたします。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 四月二十八日の当委員会において、すでに私はこの地すべりの問題についていろいろ質問をいたしております。それぞれの答弁もいただいておりますが、それを大部分は補足する形になりますが、質問をいたしたいと思います。具体的に申し上げますので、ひとつ時間も何でございますので、簡潔要領よくお答えをいただきたいと思います。  まず、農林省にお尋ねをいたしますが、このたびの地すべり災害で局地激甚の適用が受けられるかどうかということにつきましては、地元のたいへんな関心事でございます。局地激甚の適用を受けるか受けないかによって、地元に及ぼす影響も大きゅうございますので、それがどんなめどにあるか、漏れ聞いておるところでは、まだ調査の段階であるということも聞いておりますが、その点についてお答えいただきたいことが第一点。  もう一つは、現地で約七ヘクタールのたんぼがつぶれてしまって農地復旧、農業用施設の施設災と農地災ですね、この復旧が一体どうなるか、特に四十四年——ことしの作付ができるかできないか、わずかな面積ではありますが、相当土量も易く、二十八万立方メーターという山くずれ、地すべりでございましたので、なかなか復旧もたいへんだと思いますが、建設省の工事の手順、それらとのかね合いでどうなるか、この点も危倶されておりますので、ことしの植えつけが一体どうなるか、ぜひとも植えつけにひとつ間に合わせていただきたい。この二点についてまず農林省にお願いします。  さらにこれは私があえて質問するまでもございませんけれども、あすこでは家畜の乳牛も死んでおります。そうしたことについての家畜導入の今後の問題、さらにあの被害農家の各種借り入れ金の条件緩和措置、あるいは再生産に必要な融資措置、これらについてはもう手配をなさっておると思いますが、念のため、ここで申し上げておきたいと思います。農林省お願いします。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) 局地激甚の指定の件につきましては、農林省といたしましても、ただいま御指摘のありましたように、現在、現地のほうで災害復旧についての査定を鋭意進めております。まだ、非常にどろを大量にかぶりました関係で、各省との間の災害復旧に際しての設計のやりかたについての協議も多分に残っておりますが、いまの段階で、直ちに局地激甚の対象となるような、いわゆる災害査定額もまだ確定し得ないと、もうしばらくお待ち願わぬと査定額が決定いたしませんので、局地激甚の指定になるかどうかについては、本席では農林省といたしましては答弁が非常にむずかしい、こういうように思っております。なお、局地激甚の指定につきましては、昨年来の当委員会での御審議もありまして、農林省といたしましては、九月末の時点で全国的に当該市町村別のいわゆる農業所得額の推定額を出すことになっておりますので、その時点でないと最終的な御返事はいたしかねる、こういうかっこうでございます。  それから第二点の災害復旧を早くしろということの御意見でございます。田植えに間に合うかどうかという御質問でございますが、ただいまわれわれといたしましても、先ほども申し上げましたように、鋭意努力いたしておりまして、大体農林省で現在つかんでおります数字から申し上げますと、今度の災害を受けた、まあ壊廃した田畑約七ヘクタールというふうに理解しております。そのうち、この七月の上旬の最終的な田植えまでに何とか水を、田植えができるのは大体二ヘクタール前後ではなかろうか。できるだけ多くしたいのでありますが、非常に土砂の多い関係もあって、ニヘクタール前後ではなかろうか、こういうふうに農林省としては判断している次第でございます。  それからなおそのほかの家畜の救済とかあるいは金融緩和の方法等につきましては、現地、県を相手に現在それぞれ話をしている次第でございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 局地激甚の適用はいま調査中だということでありますが、ひとついま現に地すべりを起こした地域、それからその隣接で警報器等備えて起こしつつある個所もあるわけですから、それらを含めるとある程度の広範囲ということになるでしょうし、その辺弾力的なひとつ調査を進められて、ぜひとも適用ができるようにお願いを申し上げておきます。  自治省にお尋ねをいたしますが、このたびの災害で村当局は各戸あたり二十万円ずつの見舞い金を即刻支出をいたしております。そのほかいろいろ金がかかっておると思いますが、何ぶんにもこの広神村は非常に貧弱な村財政でございますし、まあこのしりをどうしても特交でひとつ見てもらわなければいかぬということで強い要望がございます。そこで、特交の関係は年度末にということになろうかと思いますが、ひとつこれからの財政支出の計画等もいろいろあるでしょうし、村当局もある程度早目に、大体この程度ならこの程度だというようなことがわかれば、今後の村財政の運用上非常にいいと思いますので、きょうここでお答えになれなくても、ひとつなるべく早い機会に、四・四に入らなければこれはとても検討することもできないんだということでなしに、ひとつ何らかの形で明示していただきたい、こう思いますが、いかがでございましょう。

山本成美自治省財政局地方債課長

○説明員(山本成美君) 災害のありますたびにいつも申し上げていることでございますが、特別交付税につきましては御承知のようなルールもございますし、なお、いま災害の状況等の数字がかたまりますれば、ほぼ確定した数字を申し上げられると思いますが、いまのところはちょっと申し上げられません。なるべく早くお知らせできるように準備は整えたいと思います。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 いなかのことでございますので、盆暮れ勘定じゃございませんけれども、お盆というのが一つの区切りになっておりますし、先ほど農林省のほうの答弁でも数字的な詰めば八月というような話もありましたけれども、できればひとつお盆前にははっきりしたものを出していただければありがたいと思いますので、特にお願いをいたしておきます。  それから厚生省にお尋ねをいたしますが、仮設住宅がもうすでに建てられておりますし、喜ばれておるわけではございますが、仮設住宅については災害救助法二十三条ですか、政令九条の二によって一つのそれに基づいた基準等が通牒によって示されておるように伺っておりますが、六坪十九万円と基準単価、基準規模、そうしたものがきびしく定められております。これは基準としてそれはいいんですが、ただこの六坪、十九万円の仮設住宅ではたしてあの豪雪地域において積雪に耐え得るかどうか、いま県においてとりあえず措置、これは県の条例によって、この災害救助法に準じた条例によって措置したものも、やはり六坪十九万円の単価でやっておるわけです。したがって、たとえばあの辺で言いますと、大体一晩に一メートル以上積もる場合はざらでございます。したがって、県当局においては私の聞いている範囲では一晩に一・五メートル降っても耐えられるものにしなければならないというような話を聞いておるわけでございますし、そのためには六坪で二十二万円ぐらい、三万円ぐらいひとつアップする、それならば何とか耐え得るんではないかというようなことがいわれておりますので、このことについて、それじゃおまえ新潟県は条例を直せばいいじゃないかと言われるかもしれませんが、災害救助法を受けて、救助法の適用にならない場合に県がこれを措置しておりますので、大元は災害救助法でございますから、ひとつ災害救助法そのものあるいは政令、通牒、そうしたことにひとつ御検討を加えていただきたい、こう思いますが、いかがでございますか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。いまの御指摘、まさに積雪の地域におきましては、そういうふうな問題がありますので、私どもこの単価、何も六坪のものをつくらなければならぬというふうにきめているわけではありませんが、臨時応急に早急につくらなければならないという場合に、既製品のプレハブみたいなものをすぐ現地に運んでというような体制なものですから、去年五坪を六坪にしてもらい、十九万ということに予算上直したわけでありますが、これも今後も早く言えばもっと坪がどうであれ、単価が高ければそれ相当のものは急場の間に合う、柱が太いとか何とかいう、プレハブでできますかどうか、問題はありますけれども、そういうふうに単価の引き上げにつきましては、今後ともいろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 申しおくれましたが、このことについては、六坪、十九万円というのは全国一律にということできめられておりますので、私の所属しております豪雪審議会、ここにもひとつこの問題を持ち出して、豪雪地帯に対する措置ということで持ち出したいと思っております。ひとつそれなりに積極的に御検討をお願いいたしたいと思います。  次に建設省にお尋ねいたしますが、これは四月二十八日に実は要望の形でお願いをしておきましたが、地すべり防止のための計画調査についての配慮、これは一体どう考えておられるか、計画調査についてひとつ国庫補助をという県当局、あるいは地元の強い要望もございます。すでに二十八日に私もこのことは申し上げましたが、このことについて具体的に、まだ一カ月もたっておりませんけれども、具体的にどう配慮しておられるか、配慮しようとしておられるのか、それをひとつ河川局長からお聞きしたいと思います。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 調査費の問題でございますが、今般、先ほどお話がございましたように、今回の新潟県の災害にかんがみまして、全国的な土砂崩壊による危険個所の再点検という通達を五月一日をもって出したわけでございます。その結果に基づきまして、さらにおそらく詳細な調査が必要となることと思いますが、これに要する調査費は行政部費をもって措置するように予算要求をいたしたいというぐあいに考えております。また、直接全般的な問題でございますが、防止工事として採択されていよいよ実施するものにつきましては、当然工事費の中で必要な調査費というものは計上されております。ただ地すべり工事の実は基本計画作成のための調査というのがございますが、これは従来とも県の負担においてやっていただきますので、これは県にお願いいたしまして、先ほど申し上げましたように詳細な再点検の結果に基づく調査費につきましては、ぜひともひとつ予算の実現に努力してまいりたいというぐあいに考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 大蔵省にお尋ねをいたします。去る三十九年の新潟地震の際に、地震で家がこわれた場合、損害保険の対象とならないということについて世論がわき起こりまして、あれ以来検討を重ねていただき、地震も損保の対象となる。しかも国もこれの再保険をするというような形で非常に前向きな取り組み方をしていただいて、むろん被災者は喜んでおるわけだし、また地震がいつどこでどういう形で起こるかわかりませんので、非常に人心安定策としても効果をあげておることは、非常に私は喜んでおります。  そこで私は、地震とか自然災害にはいろいろなものがございます。ございますが、この地すべりなどの場合も、私、現地の、このたび倒れた、全壊した十戸というものがどういう形になったか、まだつまびらかに調査はいたしておりませんけれども、あるいは農協等の建物共済をかけておったのかどうか、そういうようなことはまだ調査はいたしておりませんけれども、全般的な問題として、地すべりもやはり損保の対象とすべきではないか、こういうふうに私は考えるわけです。その点についてどう考えておるか、大蔵省にひとつお答えいただきたい。

松永正直険部保険第二課長

○説明員(松永正直君) お答え申し上げます。現在、損害保険会社において、建物、家財、こういう物的損害に対します保険といたしましては住宅総合保険、店舗総合保険と、こういうものがございまして、火災の危険のみならずいろいろな危険を担保しておるわけでございますが、その中の自然災害につきまして、風水害、雪害と、こういった自然災害につきましてきわめて限られた範囲ではございますが、若干、部分的に担保をしておるわけでございます。いま、地すべりの問題でございますが、地すべり自身は、大体、現在、住宅総合保険、店舗総合保険の中で、直接的には保険を担保しておりませんが、こういう地すべりが主として風水害あるいは雪害、風雪、こういったものから続いておるというような場合、したがいまして自然災害というものに因果関係がある場合には、それによって生じた地すべりは、きわめて限られた範囲ではございまするが、一部保険会社の売っております住宅総合保険、火災総合保険の中で担保しております。地震保険の御指摘がございましたが、確かに地震保険は、新潟地震を契機といたしまして四十一年に法律が成立いたしまして、現在これを、全面的ではございませんが、三割、九十万、六十万という給付金額の限度で国が再保険するというような形でやっておるわけでございまして、地震保険と比較をいたした場合に、自然災害の場合は現在一〇%二十万円と、こういうような非常に限られた金でございますので、非常に不十分であるという御指摘はもっともなんでございますが、保険の立場から申しました場合、地震の場合はこれはなかなかむずかしい問題がございますが、しかし、わが国の全国が地震の地帯である、したがって地震の発生の危険というものがほぼ全国的に広がっておるという点がございますが、地すべりその他自然災害というものは、地域的に非常に特定されておる。地すべりの指定地域というものがございますけれども、非常に発生する地域が限定されておりまして、保険で申しますと、その偶然性、偶発性というものがきわめて乏しいと、こういうような点、非常に技術的な点でございますが保険としては非常に扱いにくい、そういうような事情から、実は、現情においてこういう地すべり等に対する保険の面からの救済というのはやっておるわけでございますが、したがって、地震と同様にと申しますとなかなかむずかしい問題が、先ほど申しましたように内在するわけでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 ちょっと歯切れが悪いという言い方をすると恐縮でございますが、ちょっとあとのほうが、そういう御指摘はもっともであるけれども、というようなことで、あとのほうにいくとつぼんでしまったような形ではっきりしないのですが、これは、私はきょうこの委員会において一つの提案を申し上げておるわけであります。個人災害というものについて救済の道を何ら講じておられない。このことについては、四月二十八日の委員会においても総理府が中心になられていろいろ私の試案等についても検討していただいておりますが、私有財産制度のもとにおいてはどうとかこうとか、理屈を言えば切りがないのですが、しかしながら、だれに責任があるのかわからないという自然災害、そうしたものについてやはり国民全体の連帯感、そうした考え方に基づいての措置というものは、これはもう文明国であるなら当然のことなされなければいかぬと思うのです。したがって、地震といえば全国的に九州も北海道もあるいは東京もこれはみんな関心を持っておる。もう地すべりは限られた地域であるということで、保険の対象になりにくいという従来の考え方については、これは私はいささか、個人災害救援対策の一つとしてこうした地すべりについても、自然災害であったらひとつ損保を対象として国も再保険をするくらいの、その他いろいろな方法があるならまた別でございます。そうしたことについて即刻検討を進めていい時期ではないか、こう判断いたしますので、この地すべり災がたまたまございましたので、地すべりについてということに引っかけて自然災害についてということで新しい提案々申し上げているわけです。したがって、きょうは大臣はもちろん政務次官も来ておられませんしあれでございますが、まあしかし実際銀行局の保険第二課長さんのところで、あなたのところで、もう大体実際の実務、しかもそれに加えてプランメーカーとしての配慮はもうあなた自身がおやりになっておるということも私調べてわかっておりますので、あなた自身がほんとうにそれと取り組むということでひとつ——しかし形はどうなるか、これは別でございます。私どもまだ、私自身もまだ研究不足でございます。しかも過去にやられてない新しい形の提案でございますから、異論もあろうと思います。思いますが、さっき申し上げましたような観点から、やはり今日の時代においてはそういうことと真剣に取り組むべきである、こういうことで申し上げているわけでございますから、地震保険と同じ形で、あるいは総合保険の中においてどういう形で織り込んだらいいか、いろいろあろうかと思いますが、それはやはり検討に値する、それはもう検討を進めていきますよ、ということだけはこの際はっきりと、それはもう実務者であり、あなた自身も監督課長ですから、ひとつその程度のことはここで言っていただかぬと、私自身も相当考えても考えても切りのないことではございますが、相当考えて新しい提案をいたしておりますので、もう一度簡単でいいですから御答弁をいただきたい。

松永正直険部保険第二課長

○説明員(松永正直君) 私の説明がどうも必ずしも十分でなかったので失礼いたしましたが、私どももちろん現在の保険会社がやっている、そういう地すべり等の自然災害に対する保険のメーカーの救済というようなものが十分でないということは、十分承知しております。先生が御指摘のとおりでございます。私どもとしても今後鋭意検討いたしまして、いろいろ先ほど申しましたようなむずかしい問題もございますが、できるだけ前向きの姿勢で検討して、何らか保険メーカーももう少し救済というものができるように努力してまいりたい、このように考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 ひとつ個人災害救援対策に関するような、いま申し上げたような問題、それから私が試案を出して検討していただいている問題、それらをこれから、この本委員会の場を通じまして、これから相当私自身も積極的にお願いもし検討いたしてみたいと思いますので、さよう御承知おきいただいて、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。重ねて要望をいたしておきます。  最後に、この間も建設省からさっそくまあ総点検をということで、危険地域をパトロールをするとかいうような形、むしろ総点検というよりは再点検というような形でいろいろ配慮をいただいておるようでありますが、現実問題として、これはもう建設省の地すべりにかかわる専門技術員がそんなにたくさんいようはずはございませんし、これは結局官民一体というか、地元の協力を得て、しろうとでもわかる判断、そうした意味でのパトロール、これが必要だと思うのです。そこで、まあ消防庁長官も来ていらっしゃいますが、たとえばこれは思いつきでございますが、たとえば地元消防団が建設関係の技術的な専門、官の指示を仰いで、そして、消防団をしろうとと言っちゃ悪いけれども、実務に関してしろうとであっても、こうしたパトロールの方法があるんだとかというようなことで、ひとつ検討をしていただきたい。そして官民一体のパトロールをやって初めてその予防措置もできるんじゃないか、こう私思うのです。ほんとうに地すべり危険地帯、たとえば新潟県千三百六十カ所に全部専門官を配置しておけばいいでしょうが、全部二十四時じゅう見ているわけにもいきませんので、ちょうど各市町村で消防演習をやるような気持ちで、そういうところのパトロールを何らかの形でやるということはどうなんだろうかと、これは思いつきでございますが、そういう意味で、できれば中央防災会議においても、あるいは地方防災会議においてもひとつそうした意味での、何かいまのお役所の仕組みとそれから民間団体の仕組みとのかみ合わせによって、人命を守り、国土を保全するという。パトロールそのものについて、これは非常に広範囲にわたると思いますが、ひとつ御検討いただきたい、こう思いますが、副長官ひとつお答えをいただきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(鯨岡兵輔君) いま御指摘のように、かかる災害が再びないことを望むと言うても、ただ望んでいただけではだめなんで、そういうものが起こりやすいようなところに対して特段の注意を払わなきゃならぬ。前段も申し上げましたが、それをいま総点検をいたしておるようなことでありまして、これは御承知のとおりであります。ただし、もっとわかりやすく、民間においてもこれを注意をする、たとえば消防団などというものがありますから、そういうのもひとつ御協力を願って、もちろんいままでもやっていてくださると思いますけれども、再びそういうことが起こらないように、事前にひとつ状況の変化等についていち早くキャッチする、そして事前の措置ができやすいようにするというようなことは、いま思いつきと先生おっしゃいましたけれども、そういうことも含めてぜひやっていかなきゃならぬことだと、近く会議を開きますので、そのことを議題にいたしまして御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 まあ民間側の協力をもということになりますと、何かお役所仕事を民間側に肩がわりするのかというような、あるいは批判も出ないとも限りませんけれども、災害対策基本法では、これはもう国の責務、地方公共団体の責務、住民の責務まで災害対策基本法ではきめてあるわけですから、そうした点からは遠慮なく官民一体の形というものを進めるべきだと、こう私は思いますので、一言申し上げた次第でございます。  私の質問はこれで終わります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私も地すべり対策一般についていろいろお伺いをしたいと思います。  今度の新潟の広神村のあの惨事をきっかけにして、だいぶ地すべりというものに対する認識が改められたかと思いますけれども、私はこの災害対策の基本というものはもう言うまでもなく防災にあるわけでありますけれども、   〔委員長退席、理事武内五郎君着席〕 防災という点から見て、地すべりというのは非常にやっかいな現象のように、少なくともいままでの経過を見る限りは思うわけであります。今度の広神村にしても、現実に地すべりが起こった地域は、砂防法の上での指定はあるけれども、地すべりの指定はなかった。あるいはまあことし起きた新潟県下の地すべり例だけを取り上げてみましても、たとえば糸魚川で地すべりにあった人は、これはもうそこの地域は安全だということでわざわざそこへ引っ越した。引っ越したら、そこの土地で地すべりにやられた。あるいは新井町というところで地すべりが広神村と同じような時期にあったわけでありますけれども、そのときは、そこの地域というのはかつて地すべりにあったことがあるにもかかわらず、この指定地域に入ってなかったということがあるわけであります。これは地すべりの防止、防災対策としては、まず何としてもその点をもう少し具体的に究明をすることが必要だと思うのであります。ちょっと見ますというと、いま申し上げましたように、なかなか地すべり個所というものは神出鬼没で、まるでゲリラか何かみたいになかなかつかみにくい。しかしほんとうに一体そうなのかどうなのか。地すべり現象というのは、そういう意味で自然科学的な理由で一体やむを得ないものなのかどうなのか、そこのところを私はもう少しはっきりさして、そうしなければ防災対策が出てこないと思いますので、それを中心に私はお伺いしたいと思うのでありますが、最初に基本的な数字をちょっとお伺いをいかしますけれども、この地すべり等防止法の第五冬で、地すべり地域の調査を全国的にするようになっておりますけれども、この調査というのはやられたのかどうか。そうしてその結果の数字、全体的な数字は一体どれぐらいずつつかんでおられるのか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 御指摘の調査の問題でございますが、これは昭和三十二年に地すべり危険個所の調査を行なったわけでございます。その方法としましては、全国的に地すべりがその当時非常に頻発しておりましたので、主として地すべりの起こりやすい地帯というものを重点にいたしまして、現地踏査等による方法をとったのでございます。したがいまして、その内容としては、地すべり地域の個所、面積、それから調査時点の移動状況、既往の地すべり防止工事の状況、地すべり被害の経歴、家屋、公共施設等保全対策の状況等を調べたものでございまして、その当時の数字といたしましては、全体で約五千カ所でございまして、そのうちで建設省分といたしましては約三千五百カ所に及んでおります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 約五千カ所、私のいただいた資料だと五千五百八十何カ所というのですけれども、そういう数字、これはまあ全体、全国の数字でありますけれども、それもいま局長からお話がありましたように、地すべりの起こりやすい地域を中心に調査をしたというようなことばがありましたが、そういうように全国をくまなく調査されたということでもないようであります。  もう一つお伺いをしたいのは、この五千何カ所というのは、地すべり等防止法には、区域の指定をするのには一定のひとつの指定基準があるようでありますけれども、その指定基準に合う個所だけが五千何カ所、こういう趣旨でございますか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 御指摘のとおりでございます。指定基準に合った個所を対象として調査したものでございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そのことも非常に問題だと思うのでありますが、その前に、昭和三十二年、もういまからみれば十数年前でありますけれどもそのときに調査された。これはまあ法律制定前ですね。この地すべり等防止法制定前に一度調査をされた。これは形式的に言えば地すべり等防止法による調査とは言えないかもしれません。それは別として、それから現在までの間に調査というものは全然なされなかったのですか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) その間においては、本格的な調査はやっておりません。

松井誠日本社会党

○松井誠君 建設省が指揮をとって全国的な調査はやらなくても、たとえば多発地帯である新潟県なら新潟県はそれなりにあるいは独自の調査をしているかもしれませんが、この全体で五千何がしという数字はその後動いていないわけですか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) これは農林省関係でございますが、その後の調査によって一部変動しているようでございます。たしか六十何カ所ふえていると思います。

松井誠日本社会党

○松井誠君 三十二年の調査がどのようにして行なわれたのかということはよくわかりませんけれども、とにかくそれから十数年たって最近やっと総点検ということで、どの程度の点検のしかたをやるのかわかりませんけれども、とにかく総点検という事態になった。しかし、少なくともこれまでは三十二年の調査にもっぱら依存をしておった、このことに私は大きな問題があろうと思うのですが、それよりももっと大きな問題は、いま言ったように、その地すべり等防止法による指定基準以下のものは調査の中に入っていない、このことが私は非常に重要だと思う。このことは、実際に調査はしたけれども、この五千数百カ所には入っていないが、しかし指定基準以下の地すべり地域というものはこれだけだという具体的な数字はつかんでおられるわけですか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 一応先生御指摘のとおり基準が五ヘクタールというようなことを踏んでおりますので、それ以下のものにつきましては調査をいたしておりませんが、しかし五ヘクタール以下のものであっても、家屋の移転等が行なわれるために必要がある場合は指定ができることになっておりますので、そういうものについては、いわゆる全国的な数字はあがっておりませんが、そのつど県のほうからの申請があれば採択して指定することにはいたしております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 それは人家移転という特殊な事情がある場合にはあるいは別かも知れません。しかし、いつも必ずしもそういう状況にあるわけではないし、これは新潟県に聞かなければわからないことでありますけれども、たとえばことし起きた地すべりの中で、もらった資料によりますと二十何カ所地すべりが起きている中で、指定予定地とか、未指定とかというのが数カ所あるわけですが、これは規模は指定基準に達するのだけれども、しかし指定しなかったのか、あるいは指定基準に達しなかったものだから指定をしなかったのか、その辺はわかりません。わかりませんが、とにかくこういう形でその調査というものが、指定基準以下のものは、言ってみれば政治のワク外にほうり出されておるような形で行なわれる。そこに私は、さっきもちょっと申し上げましたような地すべりというものが意外なところで起きている、意外なところで災害にあうという一見この異常な現象というものの原因はそこにあるんじゃないか、そういうように思うのですけれども、地元からあがってくればこれは組み入れますというようなことでなくして、今度建設省は総点検の音頭をとられたそうでありますけれども、これはやはり今度こそは指定基準に合うという一定の規模のものだけではなくて、まさに地すべりの危険のあるところは全部洗う、そういうことでなければ同じような事態が繰り返されると思うのですが、この総点検の内容というものは一体どういうものですか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) このたびの総点検は、地すべりあるいは一般砂防を含めまして、土砂の崩壊のおそれあるものはすべて対象にいたしております。したがいまして、その総点検の結果、特に危険が多いとか、あるいはその崩壊の結果重大な災害をもたらすというようなものにつきましては、たとえば五ヘクタール以下の問題につきましても、できるだけひとつそういった重要度というものを勘案いたしまして、必要があればその必要に応じてひとつ考えるように検討いたしたいというぐあいに考えておりますが、ただ五ヘクタールといいましても、地すべりの危険の直接の個所だけでなくて、地すべりの誘発するおそれのある場所とか、あるいは地すべりが起きたためにそれを助長するおそれのあるというようなことを、私どもは従来からも弾力的に考えておりますので、できるだけそういう面で直接の面積が五ヘクタールだけでなくて、そういう間接的なものを含めてひとつ拡大的に考えまして、順次ひとつ指定をやっていきたいというぐあいに考えております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 いまのことはわかるのですけれども、しかしいまの局長の答えの中にもこれはうかがえるのですけれども、つまり五ヘクタール未満でもあぶないところはひとつ調査をしろという、そういうことばの裏には、やはり依然として調査というものはその区域の指定をする前提なんだということもやっぱり頭にあるのじゃないですか。私の言いたいのは、地すべり等防止法の指定基準の問題は別といたしまして、とにかく地すべりの起こる危険のあるところは全部洗えという意味なんです。それは区域のあれをはずれても県なり市町村なり手当てをすべき個所になるわけです。とにかく危険な個所というものは全部洗うことが必要なんで、何も国がそういうものを指定するということを、そういうことを前提にして、そういう限りでの調査をするという体制はやめて、そしてひとつ全部それこそ洗うという気持ちにならなければ、いま言ったように非常につかまえにくい地すべりの現象というものを、そういう形というものは改まらないじゃないですか。そういう意味でこれはまさに全部洗うという、そういう方式でやられますか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) お説のとおりでございまして、私どもは危険個所の総点検ということで考えて、今回の通達を出しております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 まあおそきに失したと思うのですけれども、それが広神村の惨事をきっかけにいたしてそうなったとすれば、私はここでなくなった人もそういう意味ではなにがしか浮かばれるだろうと思う。そこでこれは指定基準の問題でありますけれども、これは次官もひとつ一緒にお答えをいただきたいと思うのですが、この指定基準では、御承知のように、五ヘクタールという基準がある、その五ヘクタールというのは、先ほども局長もお話がありましたけれども、具体的に地すべりの起こるというところ、だけではなくて、なにがしのその周囲も入れられるという弾力性があります。従来そういうようなことで、うちは十戸以上という一つの基準がある。私はこの十戸というのは、べらぼうな基準だと思う。十戸というのは、ほかにたとえば公共施設を並べまして、こういう公共施設がある場合、こういう公共施設がある、そういうものと並べて人家が十戸以上ある場合、こういうことになる。人家が十戸というと人命にすれば数十人ですね。この数十人の人間の命というものが、何か公共施設の一つや二つと同列に並べられているのですよ。私はそういうところに人間尊重という看板が泣く実態がある。今度何か聞くところによりますと、急傾斜地法ですか、その法律で五戸にしたそうでありますけれども、十戸よりは五戸がいいに違いありません。しかし少なくとも人間の命を一つでも守ろうということになりますと、この指定基準は人命尊重の立場から全面的に考え直さなければならない、このように考えますが、いかがでしょうか。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○政府委員(渡辺栄一君) ただいま松井先生のお話でございますが、私どもも人命尊重の立場に立ちまして地すべり対策を進めておるのでございまして、特に今回のような惨害が発生いたしましたのにつきましては、御承知のような再点検をやろうと、こういうことで考えておるのでありますから、お話しのように何戸以上ということにするかということにつきましては、今回の再点検の結果、調査の結果に基づきまして、できる限りその万全を期するという方向で対処してまいりたいというふうに考えておりますから、従来の何戸基準ということにこだわらない方向で努力をいたしたいと、こういうつもりでおるわけであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 こだわらないというよりも、もっと積極的な、少なくとも人間がそこに住んでいる限りは、とにかく政治というものがそこから目を離すわけにはいかないと思いますね。私は全部国がやるのがほんとうだと思いますけれども、それを一ぺんに国に要求してもあるいは無理だとすれば、ある程度以下は市町村なり地方団体の責任にまかせられるのもやむを得ませんけれども、しかし、とにかくいままでのようにたとえば防災事業だとか川だとか道路だとかというふうに書いてありますけれども、そういうものと十戸が並べられていること自体べらぼうな話だと思う。そういうことで、指定基準を再検討されるときにはそのことをやはり考えていただきたいし、それから防災工事をするときも全部はもちろん一ぺんにはできませんから、私はやはり人家のあるところ、そういうところをやはり優先順位をつけるという、そういう考え方にならなきゃいけないんじゃないか。そういう全部一緒にできないとすれば、何がしかの優先順位というものをきめる、その優先順位というものを何に求めるか。それは、いままでともすれば政府というのは、公共施設があぶなくなるところ、そういうことで非常に公共というところに重きを置いて、私はそれはそれでわからないじゃありませんけれども、しかし、そういう公共災害というものについては、いままで政府が何がしかいろいろ手を打ってきた。ところが、先ほど佐藤委員から話がありましたが、個人災害の手当てがおくれていることを考えてみても、やはり家があるいうことと、そのことを中心にして防災そのものにもつと力を入れなければならぬじゃないか。そういう考え方の基本についてもう一ぺんお伺いをしたい。   〔理事武内五郎君退席、委員長着席〕

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○政府委員(渡辺栄一君) ただいまの松井委員のお話でございますが、われわれも同じような考え方を持っておるわけでありまして、特に人命尊重ということに重点を置きまして今後の地すべり対策というのは進めてまいりたい。したがって、従来のように公共施設等につきましての問題につきましても、なお今後十分配慮をせねばなりませんけれども、考え方としましては人命尊重ということにさらにひとつ配慮をいたしてまいりたいと、かように考えておるわけであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 防災の計画に関連をいたしまして、治山治水五カ年計画との関連をお伺いをしたいのでありますけれども、この治山治水五カ年計画には地すべり等防止法により指定された区域というものも何がしか入っていると思うんですが、治山計画に入ったりあるいは治水計画に入ったりしているだろうと思うけれども、この地すべり等防止法による指定区域がどの程度入っておるか、治山治水計画の簡単な基本的な数字とあわせてお伺いをしたい。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 先ほど申し上げましたように、私どもの三十二年の調査では三千五百地区あるわけでございますが、それを従来から逐次事業を実施いたしておるわけでございますが、五カ年計画におきましては約千四十地区を対象として考えております。現在、御参考のために申し上げますが、四十四年度は約五百地区の事業の実施を考えておる次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 それは建設省所管分だけですね。あと農林と林野の関係はわかりませんか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 治山関係でございますが、地すべり指定地区千四百四十六カ所のうちに五カ年計画では三百五十カ所であります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 その三百何カ所というのは、地すべり等防止法による林野庁関係の指定区域のどれぐらいに当たるんですか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 初めに申し上げました千四百四十六カ所、これは全体計画でございまして、そのうちに指定が行なわれておりますのが七百七十八カ所、そのうちに新五カ年計画で三百五十という計画をいたしております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そうしますと、その指定は全体の調査数の約半分ですね。未指定の所はどういうことなんですか。さっきの建設省関係と違って、これは指定基準には合うけれども何かの理由で指定していないというのか、あるいは初めから指定基準以下だから指定しないというのか、どういうことですか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 現在まで行ないました指定七百七十八でございます。これはなぜ全部を指定しなかったかということでございますが、新五カ年計画の計画相互を勘案いたしまして、緊急度、度合いから順次指定をしていく、このような考え方であります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 そうしますと当然指定基準に入る規模のものだけれども、治山治水計画のワクと考えて、それだけは、はみ出した、こういうことですね。そうしますと、その治山治水計画のワクのはみ出した地すべり地域というものの手当ては一体どういうことになっておりますか。つまりそれについては、年次計画みたいなものは全然ないわけですか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 逐次この指定をふやしております。また新五カ年計画で着工個所も逐次ふやしておりますが、なかなか思うようにいかないのが実情でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 思うようにいかないのはわかっておりますけれども、それがつまり計画はあるけれども、思うようにいかないのか、初めから計画がなくて、いわば行きあたりばったりと言うと悪いけれども、そういうことでやっているのか。私の聞きたいのは、治山治水計画というのは、ともかく五カ年という期限を切って計画がある。しかし地すべり等防止法というものは、調査の期限もないし、この地すべり等防止法による指定区域の全体の年限を切った計画も全然ない。だとすれば計画に入らないものはどんどんあとへ送られていくだけじゃないか。治山治水計画と並んで、そのワクをはみ出した地すべりの指定区域というものの防止工事と並行して行なわれているということはあるのですか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 最後の御質問、もう一度おそれいりますが……。

松井誠日本社会党

○松井誠君 治山治水計画から漏れたけれども、しかし地すべり防止工事として治山治水計画とは別ワクで防止工事をやっているということはあるのか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 緊急に指定をした所、新五カ年計画に入っておらない所でも、指定に入っておる所、また指定に入っていない所でも、緊急に起きました場合には、緊急治山あるいは特殊緊急治山で実施をしているわけであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 緊急という意味は、つまり災害が起きたという、災害復旧の意味でなくて緊急の防災ですか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 起きた場合も含めまして、起こる危険性のある場合も含めて両方やっております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 もう一ぺん政務次官にお伺いしたいのですけれども、いまお聞きのように治山治水計画というのは、五カ年計画という一応時間的なめどがある。しかし地すべり等防止法というのは、調査をしろということになっておりますけれども、何年間で調査をしろということは全然ない。現実には法律ができる一年前の三十二年調査をしたままになっている。その間現実には未指定の所で地すべりというものの災害が何度か起きているわけです。そこで何としても必要なのは、総ざらいをする調査ですけれども、調査のあと、だからどうするかという問題を考えるときに、いまのように治山治水計画からはみ出したものについては特段の年次計画も何にもない。こういうことで一体国土の安全というものは政府が責任を持って守れるのかどうか、そういうことを考えると、やはりこの調査というのは、あくまでも防災工事の前提でなきゃならぬわけですから、防災工事そのものの計画をもっときちんと立てるという——たいへんだと思います、大蔵省の抵抗があってたいへんだと思いますけれども、それはやっぱり私はやらなきゃ政治の名に値しないと思うのですね。その辺はどうですか。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○政府委員(渡辺栄一君) ただいまの調査の結果に基づきまする今後の対策の問題でありますが、調査の結果の緊要度等を検討いたしまして、もちろん早急に必要なものが出てまいりますから、そういうものにつきましては地すべり防止工事等をすみやかに施行するようにいたしたいと思っておりますが、基本的には調査の結果に基づきましてやはり計画そのものに対しましても抜本的な措置を講じなきゃならぬ、かように考えております。いずれにいたしましても、調査の結果を待ちまして万全を期したいと、かように考えておるわけであります。

松井誠日本社会党

○松井誠君 どうも大臣の答弁みたいですけれども、そういう大臣の答弁みたいでなしに、もう少しきちっとお答えをいただけませんか。それは万全の措置をとるとか調査の結果に基づいてとかいっておれば無難です。しかし、私はやはり特にこの地すべりというのは、先ほど申し上げましたように、外から見た形だけを見ると思わぬところで出てくるという、そういう苦い経験を何度も繰り返しておるわけです。それをまずないようにするということのために調査をするわけですけれども、調査をしたら、やはりその緊急の度合に応じて、その緊急というのは、私は、さっき言いましたように、まず人間のおるところを中心にするという意味で緊急の度合いに応じてやはり工事をする、そういう計画をやはり立てるということができるかどうかということなんです。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 先ほど政務次官が答えられましたが、五カ年計画におきましては一応の個所の張りつけをいたしておりますけれども、問題は総ワクでございまして、その中で地すべり、砂防幾らというワクは設定されておりますので、その範囲内におきましては、今回の総点検の結果、従来考えているものよりも緊急度が大であるということが判明いたしましたものがありましたら、それに振りかえまして工事を実施をするようにいたしたいと考えております。

松井誠日本社会党

○松井誠君 押し問答をしていてもしようがありませんけれども、基本は、やはり先ほどの佐藤委員からの報告にあったような、もっとやはり災害の予防のために国が思い切って金を出すということに飛躍的に踏み切る以外にないだろうと思うのです。  そこで、そういう防災の関係のことは終わりまして、あと一点だけ、さっきちょっと佐藤委員からの質問に対してお答えされたこの局地激甚のことなんですけれども、農林省の関係ですね。九月にならなきゃ最終的な決定にはならない。これは九月というのは、九月の終わりにならなければ、いわばこの指定基準にあるような当該年度の農業所得というものはわからない、そういう意味で九月になるのですか。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) 私たち去年からことしにかけまして局地激甚の農業関係の指定についていろいろ論議しました過程から、いわゆる当該年度における農業所得の推定額という表現をとっておりますが、推定額といたしますと、やはり日本の農業の特殊性といたしまして、当該年度における稲作の植えつけ状況がわからないと何とも申し上げかねる。それもいつごろが大体植えつけの完了が行なわれるのかということでいろいろ議論いたしましたが、農林省の統計調査部では八月一日現在におきまして、全国の市町村のいわゆる稲作の作付状況を掌握することになっておりますので、それに基づきまして、それで八月までにはどんなにおそくともいわゆる当該年度における生産米価もきまるだろうということで、いわゆる農業所得のほとんど半分以上を稲作の関係が占めますので、八月一日現在において稲作の作付状況と、それといわゆる米価の見込み額から大体全国的に市町村別に所得推定が出るのは、大体九月末にはおそくとも何とか整理できるのではなかろうかということで、九月末で市町村別所得推定額が出ますので、それに基づいて被害額を算出いたしまして局地激甚の指定ができるかできないかの判断ができる、こういうふうに判断した次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 一般的には私はそれはやむを得ないと思います。しかし、局地激甚の指定になるかならないかは、この農地の災害復旧をどういうふうな形でやるかやらないか、もうたんぼというものはあきらめてしまうかどうか、こういういわば営農のこれからの将来を決するためには、何としてもそれが最大の関心事である。いつごろからというそれをなるべく早くめどをつけなければ自分の目先がわからないわけですよ。ですから、一般的には九月という意味はわからないわけではありませんけれども、こういう場合に、たとえば広神村なら広神村だけの農業所得というのは、九月末、どっちみち推定ですから、どっちみちきちっとやるためには十二月末にならなければわからぬということになるわけですから、それを推定ということで九月末というものに繰り上げるならば、もう少し便法で農業所得を推定する方法を考えられないのか、そして一日も早く局地激甚の指定になるかどうかという判断のめどだけは取りつけるという方法は一体ないものかどうか、その辺はどうなんですか。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) 局地激甚の指定が、単なる従来のように災害復旧という程度のあれでございましたら、災害査定額の確定し次第いわゆる全部わかるわけでございますが、このたびの局地激甚の指定は、一つの制度としてきめた関係上、やはりきちっといわゆる国のべースでいろいろ市町村別に多少いろいろな事情の勘案なしに一つのものさしをきめるというルールを確立したいという前提で、今回の局地激甚の指定方法論を検討いたしました関係で、どうしても全国的にきめるのを国が掌握できるのは九月末にならざるを得ないという結果でございます。  なお、その局地激甚になるかならぬかという多少の見込みは、いわゆる一〇%以上の被害額があった場合というふうに限定されておりますので、いわゆる今年でいえば四十三年度における農業所得推定額をある程度つかんでおりますので、いわゆる災害査定額が出ますれば、おおまかな、非常に災害がひどければ、極端なことを申しますれば二〇%をこえるような数字が出ますれば、ある程度の、これはだれが見ても局地激甚の指定だというふうに申し上げられるのではなかろうか。ただ九%とか一一%前後なんという見込み、判断の数字が出たときには、いわゆる一〇%というふうにきちっと整理することになっておりますので、そのボーダーライン前後のことになりますと、あらかじめ、たぶんいいでしょうとか、たぶんむずかしいでしょうとかいうふうな御返事が非常にしにくくなるというふうに、われわれとしては判断しておる次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井誠君 激甚法がそういう基準というものをきちっとやることに一つの目的があった。これは私も衆議院の地方行政で激甚法の審議をやりましたから知っています。そういうこともわかっておりますけれども、しかし、農業所得の一〇%かどうかということは、あなたの話では全国的な調査が集計されなければというようなお話ですけれども、これはもちろん各市町村が集計されればそれでいいわけですね。たとえば広神村なら広神村の農業所得の推定額がわかれば、それが広神村に関する限りは、その局地激甚の指定ができるかどうかという判断はつくわけでしょう。ですから、考えてみれば、いまあなたは米作というものを中心に九月ということにめどを置いたと言いましたけれども、九月にならなくてももっと早くわかるそういう農業地帯もあるわけです。九月まで待たなければ推計額が出てこないという、そういう機械的な考え方ではおそらくないだろうと思う。あなたの言われたように、少なくとも作付ができて、ことしの米価のめどというものもそう遠くない将来にめどがつくでしょう。そうすれば台風の時期が過ぎて刈り入れが終わったというそれまで待つ必要は実際はないのではないか。大事をとれば切りがありませんけれども、そういう場合には具体的に九月以前に災害が起きたような場合には、そういう心がまえというか心づかいというものも必要じゃないか。それは激甚法を指定した精神に少しもそむかない。一〇%かどうかというボーダーラインのときにどうするかということなら問題ですが、いま言ったように、二〇%か五%かというくらいなら大体の見当がつくわけですね。あなたの言われたのは九月末にならなければ……、これはあくまでも推計ですから、私は数字は動くと思いますけれども、指定基準は推計額と書いてあるから、あくまでも推計でいいわけですね。ですから多少数字を動かすことは可能なわけです。ですからボーダーライン前後のところで数字を動かすことは可能だと思いますけれども、私の言いたいのは、およそのめどを九月末にならなければつかないというような形の考え方ではなくて、およそのめどというものは実質的にはもっと早くつき得る。そういうことはこの激甚法の精神をこわさなくてもできるんじゃないですか。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) 御質問の御趣旨はわれわれとしてもよくわかるのでありますが、先ほどから多少私として申し上げておりますのは、いわゆる全国ベースで、同時にことしの市町村別の農業所得推計額を一応発表、決定するような仕組みになっておりますので、どうしても新潟県のある村だけを取り上げて先にきめてしまうというわけにはまいらない。全国的ないわゆる作付——多少理屈ぼくなりますが、北は北海道から南の九州までの作付状況の全部の完了を見て稲作についてはそうしたのでございますが、そのほかの作物につきましても、いろいろな統計の資料でいわゆる所得把握率というものが作物別に、また地帯別にも一応計算されておりまして、そういったいろいろな要素をかみ合わせまして九月末とこう押えたので、米の関係につきましては八月一日で一応作付状況はわかりますが、そのほかのいわゆるこの村につきましても、牛乳とかあるいはその他家畜あるいはくだもの等もあると思いますので、そういったすべての当該年度における値段の動き等から所得把握率を出すことになっておりますので、全部一応国として決定するのは、どうしても九月末にならないと非常に困難というふうに、農林省としては考えておる次第でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、非常に激甚な被害であれば、こういうたいしたこまかい議論をしなくても分母が——被害額が非常に大きければ早く大体意見というものは申し上げられる、こういうふうに思っております。われわれといたしましても、こういう局地被害を受けられました村につきましては、ある程度早く当該村にサインできる方法をさらに今後研究いたしまして、できればこういうふうに思っておりますが、いまの段階では、正直なところ災害査定額のめどがおよそ立っていない。現地でどういう災害復旧のしかたをするかというところに、今回の被害が各省にまたがっている関係もございまして、農林省としては設計の立てようがない。いまの段階ではどういうくらいの規模になるかということが申し上げられないというのが現状でございますので、この村についての局地激甚がいま直ちにどうなるかということが非常に答弁としてむずかしい、こういうふうに御理解願いたいと思います。

松井誠日本社会党

○松井誠君 これでやめますけれども、災害復旧費そのものがきまらなければ話にならないわけで、それがおそらくきまるという前提で実は申したので、それが災害復旧費がたとえば七月なら七月一ぱいにきまった、ところが農業所得の推計がまだできません、たんぼはわかったけれども、あとの農業所得の推計はいわばこれは法律でも何でもありませんけれども、役所の取り扱いによりまして九月末ということになっております、それまで待ってくださいというわけには私はいかぬだろう、そのことを申し上げたいわけです。ですから、そういう精神でひとつこれからあとの指定をされるかどうかをきめるときに心づかいをしていただきたい、これでやめます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは新潟の地すべりの点につきまして防災科学、そういうような面から少しばかりお聞きしたいと思うのでありますが、先ほどのいろいろ答弁の中で建設省あるいは農林省等が地すべり危険地帯の総点検をやる、そういうようなお話がございました。この総点検、この地が地すべりの危険性があるかどうかそういうような点検をする具体的な方法、どういう測定をしてどういうような方法で判断していくのか、そういう点教えていただきたいと思います。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) 地すべりの予防とかあるいは一般的な調査につきまして、科学的な研究をどのように行なっておるかという事柄につきましても、地すべりの原因、特に地質の構造と、発生の誘因でございます地下水の状況との相関関係といったような事柄につきまして、それぞれの地すべり地域によりまして非常に要件に差異がございます。またこの地すべりを誘発いたします諸条件の相関関係の解明ということにつきましては、きわめて学問的にも、また地質工学的にもむずかしい問題が多く含まれております。また多くの地点につきまして、長期にわたる調査の資料がこういう問題の解明にも必要でございます。また地すべり地区は非常に広大な面積にもわたっておる関係上、これらの広大な地域にわたって十分な調査を行なうということは、現実的には非常に困難な状況でございます。現在、防止工事の実施に伴いまして適切な工法の決定のためには技術的な調査を十分行なうように配慮をし、また指導もいたしておりますので、これらの調査資料をできるだけ活用いたしまして、建設省土木研究所の地すべり研究室の調査の機関を活用いたしまして、今後もこういう科学的な地すべり対策の推進につとめてまいりたいと、かように考えておる次第であります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 私がいまお聞きしたのは、そういう研究態度ではなくして——それもお聞きしてわかったわけでございますが、現実に現在どうなっておるのか、そのことをお聞きしたいわけであります。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) 今回再点検を計画いたしました、この点検の要領でございますが、地すべりを含めまして土砂崩壊などによる災害危険個所、この災害危険個所と申しますのは、三十二年に調査いたしました地すべりのすでにわかっておる個所、あるいは四十一年度に行ないました土石流危険個所、すでにわかっておる個所、それから四十二年に行ないました急傾斜地の崩壊危険個所、これも内容のつかまれておる個所、こういうものは一応除きまして、これ以外の個所につきまして、危険な状況のところを十分調査するという趣旨で、各府県においてこれらの個所の危険状態を調査するということで、現在、調査を行なっていただいておる次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ちょっと私の質問したいところと答弁が違うわけでありますが、時間もありませんので、要は、現在そういう地すべりのどういうふうに危険地帯の検査が行なわれているか、そういう点をこの前現地に参りましていろいろ聞きましたところが、ともかく歩いてみて、非常にここは急傾——傾斜が非常にきびしいから危険だと、そういう単なる目測で行なわれておるのが現状である、そういうようなお話しであったわけであります。で、今回の地すべりのあった地点も、そういう指定外のところから地すべりがあった。まあそういうようなことから判断いたしまして、総点検をやられるのはいいにしても、それではどういう方法でやるのか、また形式的にぱっぱとやったのでは、むしろ、意味がないのではないかと思うわけであります。まあそれは理想論であって、現実においてはそういう技術がないわけでありますから、それはやむを得ないにしても、私は、今後の問題として、現在、医者が人間を診断するにしても、レントゲンを使うなりして内部を見て診断する。外見だけで診断するようなそういうのはやぶ医者じゃないかと思うのですね。そういう点から考えて、この地すべり危険地帯を調査し、そしてまた、それに対する防止工事をしていくにしても、その危険度を正確に把握をし、そしてまたそういうものに対する防止工事としては、この程度のこういう工事が一番いいのだ、そういう点の研究をもっともっと推進していかなければならないのじゃないか、そのように私は思うわけでありますが、実際にそういう現場を担当している建設省として、そういう点をどのように考えていらっしゃるのか、その点をひとつ聞きたいと思うのであります。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) 危険個所の調査、特に地すべりの危険個所の調査につきましては、概括的には踏査を主体に行なうわけでございますけれども、特に危険のおそれの著しい場所につきましては、そういう表面からの観察、調査以外に、物理探査あるいは必要な場合にはボーリング——地下ボーリングを行ないまして、地下水の状況の把握、またボーリングしました穴を利用いたしましての継続的な地下水の変動調査、あるいは地盤の傾斜変動、あるいは過去の地すべりの経歴調査、またその個所を中心といたします周辺の航空写真を利用した地形の解析、そういった方法を用いまして、著しいおそれのある個所につきましてはなお突っ込んだ調査をいたす、かように取り扱われておるわけであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあこういうように研究が非常におくれているという問題に対して建設省はどう考えているか、そういうことをお聞きしたがったわけでありますが、いずれにしても、いろいろそういう関係の学者の意見を聞いてみましても、非常におくれている。しかも、災害科学というのは、一つのものではなくして、非常に多岐の部門にわたっておるわけですね。地すべり等を見ましても、たとえば土木工学、農業工学土木あるいは地質学、地球物理学、そういうような非常にあらゆる部門にわたっておりますし、そういう点をことに総合的にやっていかなければならないと思うわけであります。そこで、この前そういうことがこの委員会で問題になりまして、地すべりという研究一つにいたしましても、この前総理府から出していただいた資料によりますと、北海道開発庁の土木試験所、農林省の農業土木試験場、林野庁の林業試験場、通産省の工業技術院、地質調査所、気象研究所、あるいは建設省の土木研究所、あるいは国立防災科学技術センター、さらに大学関係においては京都大学の防災研究所ですね、あるいは新潟大学とか、そのように各所で研究しているわけです。そういう研究というものはほんとうに横の連携をとって、また実際の行為の上に生かされなければならないのじゃないかと思うのでありますが、建設省としてはそういう点と横の連携等がちゃんととれているのかどうか。そういう点がいろいろ聞いておりますと、全くとれていない、そういうように私どもは聞いているわけでありますが、そういう点で、ほんとうに現場を担当する立場の率直な気持ちとしてどう感じていらっしゃるのか、その点をお聞きしたいと思うのであります。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) 地すべりのいま先生のおっしゃいましたような研究関係の横の連絡につきましては、従来とも地すべりが非常にむずかしい困難な要素を多分に含んでおる関係で、行政機関の研究機関あるいは大学等の学者の先生方と、そういった地球物理学的、あるいは土質工学的な各分野にわたりまして、この地すべり防止に必要な技術的な問題の知識の向上と技術の発展のためにさようなあらゆる機関の成果を相互に交換し、またそういう知識を防止工事の案施面に生かしていくよう、つとめて配慮をしてまいっておるわけでございます。今後そういう各種機関との間の相互連絡にさらに意を用いまして、成果の活用をはかってまいりたい、かように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いまあなたが言われたようなことは、いままでも何回もここで言われてきたわけでございますが、しかし実際にはなかなか、ここだけの答弁に終わって、現実に実施されていないわけであります。そういう点で、私はこの中央防災会議を主宰する総理府にお聞きしたいわけでございますが、この災害対策基本法には、ちゃんと中央防災会議というものは、防災基本計画をつくり、促進をしなければならない、そういうようにちゃんとうたわれておるわけであります。それでこの防災基本計画、これは昭和三十八年六月十四日にできた基本計画で、これは昭和三十八年六月十四日にできた基本計画で、この前の委員会でも問題になったわけでありますが、防災に関する科学技術計画の推進、まあ私がいままで述べたようなそういう非常に総合的な研究を推進していかなければならない。そうして、その中の項目にも、地すべり及びこれらの災害、そういうような災害の研究の中心もちゃんと防災会議がやるべきである、そのようにちゃんと明示されているわけでありますが、そういう問題に対して防災会議は今日まで一体どういう手を打ってきたのか、また今後はどういう方針でその問題をやっていくのか、その点をお聞きしたいと思います。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○説明員(川上幸郎君) お答えいたします。ただいまの点は、地すべりの研究につきまして各省間の調整をいかに防災会議が行なっておるか、また、今後なすべきであるかという御質問でございますが、先生が御指摘のとおり、防災基本計画におきましては、その内容といたしまして、各防災業務計画及び地域防災業務計画におきまして重点を置くべき事項の中にはもちろん、その他におきましても、地すべり等に関しまして十分研究をなすべき旨を書いてございます。これによりまして、各省におきましては防災業務計画というものを作成いたしまして、これはもちろん建設省にもございますし農林省にもございます。でございますので、各省におきまして、防災業務計画におきまして、おのおの地すべりに関しまして行なうべき研究等については、記載してあることとは存じます。ただ、なお総理府におきましても中央防災会議を主管いたしております関係上、各省にわたります研究につきましては、総合調整をする必要は十分あると存じます。先生が先日の委員会で御指摘でございましたように、「昭和四十四年度において実施すべき防災計画」の中におきましても、科学技術に関する研究といたしまして、建設省及び農林省におきまして各大きな項目の中にあがっておりまして、細分はなされておりませんけれども、包括的なあれとしまして、地すべり等に関する研究については何億円というような額はあがっております。でございますので、本件につきましては、地すべり防止という点に関しまして、主として建設省及び農林省にまたがっておりますので、総理府においても調整において若干あれがあったかと存じますが、今後、地すべりの特殊性にかんがみまして、総理府及び農林省におきまして、その話し合いにおきまして不十分な点がありますれば十分これに参画し、かつこれを指導してまいりたい、かように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 具体的な問題をお聞きしたいと思うのでありますが、ちょうど国立防災科学技術センターの所長もお見えになりましたのでお聞きしたいと思うのでありますが、現在そのように各省庁で災害に対する研究が行なわれておるわけであります。これは川上参事官も言われましたように、横の連携を密にしてやってもらいたいわけでございますが、現在科学技術の特別研究促進調整費というそういう名目のもとに、国立防災科学技術センターが中心となって一つのモデル地区をきめて、そこに対して総合的な研究を行なっておる。私のいろいろ感じた範囲では、その研究だけは各省庁が連携してやっておるわけであります。ところがそれ以外のものについては、口ではそう言っておるけれども、形式的にはっきりきまった連携の会議もないわけで、いかにばらばらで、まあ担当者同士の話し合いはやっておるかもしれませんが、その程度にしかやっていないわけであります。その点で、私はいわゆる科学技術庁の特別研究促進調整費、いま防災センターが中心になってやっているようでありますが、こういうものをどんどん推進をしていくことによって、そういう連帯的な、総合力というものが発揮されるのではないか、そのように思うわけでありますが、この特別研究促進調整費は、今年度はどこを調査するようになっているのか、また、それに対する所長の考えをお聞きしたいと思います。

寺田一彦防災科学技術センター所長

○説明員(寺田一彦君) お答え申し上げます。科学技術庁のいわゆる特調費によりましてやっておりますいろいろの研究につきましては、各省の方といろいろ御相談をしまして、そしてできるだけその結果が行政面に反映できるように努力しておるつもりでございます。で、本年は実は六件ばかりこの問題をやっておりますが、地すべり関係は、北松の地すべりが継続といたしまして昭和四十一年度から続いておるわけでございます。そしてあとは、そのほか都市開発に伴う水害及び風害に関する問題とか、それから雪害の問題だとか、それから富山の海岸浸食の問題とか、そんなものがいろいろ入っておりますが、この地すべりの問題はいま北松関係が一つございます。これはいままでに数回現地で関係者と討議いたしまして、おもに技術的な討議でございますが、そういう意味で関係の県及び当局からいろいろと御指示もいただき、また、それでは次はこういう点を解明していきたいというようなことも進めておりまして、大体これは本年度に終わる予定でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 この科学技術庁の特別研究促進調整費による、そういう地すべりについては、いま九州の北松地帯の調査をことしで終わる。いろいろ聞いてみますと、いままで箱根とかそういうのは地すべりをやっている、またこれが終われば今度は関東の南多摩のローム地帯の地すべりをやる、そのような計画を聞いておるわけでありますが、しかし、いろいろ聞いてみますと、新潟県というのは日本の中でも最も地すべりの多い地帯である。なぜ最も多いそういう新潟についても、もっと国全体において、各省が力を合わせてその特調費による調査をなぜやらないのか。どうも箱根とか温泉のあるところばかりやっているじゃないか、そのような、新潟県のような交通の不便な過疎地帯というのは危険がなおざりにされているんじゃないか、そのように私は感ずるのでありますが、そういう点について総理府——最も責任のある、中心である川上参事官に、これは長官はおりませんから、代行として、どういうわけで新潟をやらないのか、その点の御答弁を願いたいと思います。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○説明員(川上幸郎君) ただいま先生から手きびしい御質問をいただきましたけれども、御存じのとおり、科学研究に関しましては科学技術庁において総合調整をするというたてまえが主になっております。これはもちろん文部省の分は入りませんけれども、そのような関係がございますので、私がここで発言いたしますよりも、むしろ科学技術庁のほうから発言願ったほうがよいのではないかと考えますので御了解をいただきます。

寺田一彦防災科学技術センター所長

○説明員(寺田一彦君) お答え申し上げます。私のほうでも地すべりにつきましては、日本全国で非常にたくさん調べております。その個所は枚挙にいとまないくらいにあるわけでありまして、どこを重点にしなければならぬかということが非常に問題でございます。それは単に、いまおっしゃったような温泉があるとかいうようなところではないのでありまして、結局地すべりのメカニズムがある程度解明できそうなところからまず始めたわけでございます。そして前に箱根とか、それから長崎と佐賀県の境の多良岳とか、そういう問題も調査をしたこともございますが、いまの新潟その他山形県方面の地すべりにはこれは特に雪解けの問題にも関連しておりますものですから、私どものほうでは新潟のところには、御存じかと思いますが、雪害実験研究所がございまして、それからもいろいろ資料をもらって検討させております。先般の新潟の地すべりについても、私どもの職員を行かせまして調査をさせたわけでございますが、また山形県にも相当地すべり地帯があるわけでありまして、これも今年から発足することになっております、私のほうの新庄の支所がある程度検討するという立場に立っておるわけであります。そんな意味でありまして、地すべりをいろいろ調べるとなるとあらゆるところに手をつけなければならぬ。しかもこれを一つやるのにもやはり数年かかるものでございますから、なかなかどこが一番先にやらなければならぬかということは問題になるので、そういう候補地はいろいろ出ておるわけでありまして、そのうちからピックアップしましたのが若干ございましたが、今度のローム台地の問題は、これは特に首都防衛という点もございましてこれをまずあげたわけでございます。そういう意味で別に過疎地帯などをないがしろにしているという意味ではございません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 時間もありませんのでまとめてお伺いしたいと思うのでありますが、先ほど総理府のほうからこういう答弁は科学技術庁だと、そういうような御答弁でございますが、私は大体そういう考え方がよくないと思うのであります。ということは、いまも所長のほうの話がありましたように、非常に数の多い個所からどこを優先的にやっていくとか、その計画自体が非常に大事なものじゃないかと思うわけであります。ほんとうに国全体の立場から考えて、ただ一つの省だけが簡単にきめるべき問題じゃないと思うわけであります。だからそのために中央防災会議というものができたのじゃないかと思うのですね、そしてまたその基本計画の中にうたわれているわけですから。現在そういう研究はそのほかにも大学関係でも行なわれております。大学は文部省の科学研究費によりまして、災害科学研究班というものが各大学を網羅して一応そういう組織もできておる。大きく分けて大学関係の研究とそれと役所関係の研究になると思うわけでありますが、こういうものをほんとうに統轄をして指針を与えてやっていくのが、私はやはり中央防災会議じゃないかと思うのです。また実際にそれが中央防災会議でないにしても、たとえば国立防災センターがちゃんとできておるのであるならば、それがちゃんと中心になって、そうしてもっともっと積極的にたとえば防災科学研究会議くらいを持って定期的にやる、大学との交流もやはり国全体の立場に立ってやっていかなければならないのじゃないかと思うわけであります。そういう点具体的にどうするのか、そういう問題はまだいろいろ検討の余地があると思いますが、いずれにしてもそのようなばらばらな点が大きな今日のおくれのもとじゃないかと思うわけであります。そしてまたそういう総合的な連携がとれればまたそれに応じて予算もどんどんふやしていくこともできるのじゃないか。そういう点でひとつ、いつも言われることでありますが、どうか防災会議がその任務をほんとうに果たしてもらいたい。ただ何だかんだといっても実際に何も進まない、そういうことではわれわれ残念だと思うわけですね。そういうわけでそのことをお願いいたしまして質問を終わりたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 速記をつけて。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○説明員(川上幸郎君) お答えいたします。ただいま私の説明若干まずうございまして、先生の御質問が具体的にお聞きしたいとこうおっしゃいましたので、特別調整費の関係は科学技術庁にお願いしております関係、これはもちろん科学技術庁だけではございません。科学技術庁が各省と相談をして、特別調整費をいろいろ配分いたしておるわけでございます。でありますが、総理府におきまして特に防災会議でございますが、防災会議は各省から構成されております。ここにおきましても必要に応じて科学技術庁と十分相談はいたしております。この荊の委員会でございますか、佐藤先生からも煙の研究に関しまして総理府は何をやっているかとだいぶ強いおしかりを賜わりましたが、これにつきましても通産省、建設省、消防庁等と科学技術庁といろいろ打ち合わせまして研究を進めておるわけでございます。したがいまして本件につきましては、特別調整費の配分の権限は、もちろん科学技術庁にございますけれども、その打ち合わせ等におきましても、総理府におきましても十分その中に参加いたしまして、むしろリードいたしましてこれを行ないたい、こう考えております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 私も広神村の地すべりについてちょっと御質問を行ないたいと思います。  まず、一番地すべりを扱っておられる建設省のほうにお聞きをいたしたいと思うのでございます。地すべりと申しますと、私たちがよく目に見ますのは、山の傾斜に沿いまして、あるいは傾斜をこえたところまでに及んで、地面がむくむくと動いておる。したがって一日に多いときにはニメートルも三メートルも動いている、また動かないときには十センチとか二十センチ、あるいは一センチくらいのところもある、そういったような常に地面も動いていっておるというようなものを地すべりと見ておりますが、この広神村の地すべりは一種変わっておる地すべりじゃないかと思うのですが、まず建設省のほうに技術的に地すべりを分けてどのようなものがあるのか、御説明をいただきたいと思うのであります。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) 地すべりの形態と申しますか、地すべりの態様でございますが、まず地すべりの発生原因につきましては、素因と誘因とに分けて考えられるのでございます。素因のおもなるものはいわゆる地質でございまして、第三紀層地帯のように岩石が水を含みやすく、また水を含みますと非常にやわらかくなる、あるいは水溶物質の化学変化によりまして、たやすく粘土化される、そのような基盤のところに発生しやすいのが地すべりでございます。また誘因のおもなるものといたしましては、降雨あるいは融雪によりまして、地下水の異常な増加といったような影響が考えられるのでございますが、地すべりの種類といたしましては、特定のところに大体集中いたしておりまして、その形態も個々の地すべり地について異なるのでございますから、一般的には地質的に分類いたしております。すなわち、第三紀層の地帯における地すべり、それから地殻構造線に沿った変成岩地帯の地すべり、あるいは温泉の作用を受けまして地盤の地質が変質いたしまして起こる地すべりと、こういうふうに大体のところ分類しておるのでございます。  それからまた形態といたしましては、第三紀層の地すべり地帯に多く見られるように、ただいま先生がおっしゃいましたように、毎年繰り返して起こる比較的緩慢な継続的な地すべりというのがございます。それから変成岩地帯、温泉地帯に多く見られますように、何年かの休止期間を置いて運動を繰り返すという比較的突発的なあるいは間欠的な地すべりというふうに形態的には分けられるのじゃないかと、かように考えます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 この広神村の地すべりを私、現地で見せていただいたのでございますが、これは第四紀層の上において地すべりが起こったというのではないかと思うのですが、この第四紀層というのは地すべりが起こらないというふうにいわれておるわけですが、これはやはり地すべりと見ていいのでしょうか。これは見方によっては、何かこう表面が破壊されてくずれてきた土砂崩壊というような面も見られるのですが、いかがでございましょうか。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) 今回の広神村の地すべりにつきましては、その発生原因は、今後の詳細な調査結果を待たねばならないのでございますけれども、一般的に言います第三紀層地帯の地すべりとは少々趣を異にいたしておりまして、地質的には、ただいまおっしゃられましたように、第四紀層の砂またはシルト質の層から成っておる地層の地すべりでございますが、この第三紀層に見られますような緩慢な動きではなくて、地下水の急激な異常増加、さらに地下水に水圧が強くかかっておったと思われる節もございますが、そのような崩壊性の比較的突発的なものでございまして、いわば今回の変動の最初の土地の変化というものは多分に崩壊に近いものではないか、その崩壊の動きが地すべりのようなときの動きを誘発しまして、さらに多量の地下水があったために泥流となって河川を埋塞したものと、かように考えております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 そうしますと、あの地点におきましての地すべりというのは、この山の傾斜の下のほうに砂層とシルト層があった。その砂層の中に水圧を持った水が一ぱいに入ってきて、それが何かの誘因でぽんとどこかに穴があいてどっと出ていった。それに従って山がどしんと落ちてきた。まあそれに、そうすると、地下水の水脈が変わってくるから、その割れ目によってこうまた層の中に入って、そうしてまた砂を出していった、こういうふうなことが誘因と見てよろしいのですか。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) ただいま先生のおっしゃったように私たちも理解いたしております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 そうしますと、この地すべりというのは、私は、非常に発見しにくいのじゃないか。先ほどから総点検を行なうということを建設省が言っておられますが、こういうものはなかなか発見しにくい。こういうところはよく地層というものをごらんになり、そうしてその現地を現地の人によくお聞きになって、あるいはまた過去にさかのぼって、小さなそういった類似の地すべりというか、破壊というか、そういうものがありはしなかったろうか、こういうことをよく調査して、そうしてそれによってきまってくる。しかも、非常に危険であるかどうかということについてはボーリングをやったり、地下水の水圧をはかったり、そういうようなことをやらなければいけないのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。

木村三郎建設省河川局砂防部長

○説明員(木村三郎君) 広神村の地すべりの内容につきましては、先ほど原因等について申し上げましたように、非常に突発的でございまして、しかも、今回の場合一般にたやすく発見できるような前駆現象というものもほとんどなかったように聞いておりまして、事前の予知と申しますか、事前に危険のおそれを感じるということが非常に困難な性質のものであったわけであります。

上田稔自由民主党

○上田稔君 そうしますと、あの近くにおいてはいろいろたんぼの水を取るために横穴を掘って水をお取りになっておる、かんがい用水をお取りになっておるというのを見受けたのであります。ということは、山の中にある砂層、その砂層は非常に水が多いということ、こういうことを示しておるのじゃないか。そうすると、そういうものをやはり常に調査をして、あるいは今回の総点検においては、そういう水圧を調査したり、あるいはまたこの地質というものがどういうふうに変動しておるかというようなことをある程度調査をしたりしなければいけないのじゃないか。しかも、それを小屋柄川だったですか、小屋柄川の沿線にわたって私は見ますと、全部にわたってそういうような地形になっておる。しかも、わりに山の傾斜は急峻であるということから見ると、あの付近のどこの場所でも起こるかもしれないという危険性をはらんでいるように思えるわけです。そういうことになると、これは調査費が相当要るのじゃないか。そういうことを考えますと、まあそこの地すべりは、そこに行けばむくむく動いたり、家が傾いたりするものですからわかるのですけれども、ここの地すべりはちょっとわからないのじゃないか。わからないものをやっぱり診断をするのには、お医者さんでも診断料の非常にかかるものとかからぬものとがあるが、これは非常にかかるから、こういうものについては国庫補助でもつけて十分な調査でもおやりにならないと、いま言われたように突発的に起こるのだ、こういうことであれば非常に人命に関係する。たとえば胡桃の地すべりのようなときには、非常にむくむく動いたときには人は助かっておる。しかも地面が動いておるから危険を察知して、ほら動き出したということで安全地帯に逃げられる、いつも逃げることを考えておられる。ところが、この地帯のように急にばっと出て、しかも出たものが三百メートルぐらいさっと走っていく。そうして家もつぶしてしまい、たんぼもつぶしてしまい、人間もその中に埋まってしまう、こういうことになるのですから非常に危険である。こういうものに対しては、やはり相当調査費を注ぎ込んでやる必要がある。これにはひとつ建設省のほうで、ぜひこの調査費に補助をつけていただきたいと考えるのですが、いかがでございますか。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 全く先生の御指摘のとおりでございまして、今回の総点検は、まあいわば概括的な地質、それから地すべりのおそれ、前駆現象等があるかないか、あるいは先生のおっしゃるような周囲に住んでいる人たちの聞き込み、あるいは水田の状況あるいは井戸水の状況、そういうものを概括的に踏査いたしまして、調べるわけでございまして、いわば聴診器を当ててみる程度でございまして、精密なレントゲンの検査だとかその他の精密な人間ドックに入って調べるような問題は、やはり相当な調査費が必要でございますので、概括的な総点検の結果を待ちまして、おそらくそれに基づいて、原因がなかなかつかめない、あるいはいつどのくらいの規模でどの程度のものが発生するかという問題につきましては、今後時間をかけてそれぞれの個所につきまして必要に応じて調査する必要があると思いますので、それらにつきましては今後調査費を確保いたしまして、そういった精密な検査なり点検というものをひとつ行なってまいりたいと思うわけでございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 それでは第四紀層のこういうような地すべりの個所につきましては、総点検のときにおいても十分注意をされて、そしてここの場所においても、これはたしか昭和三年ごろだったですか、何年か前に小さなものはあったというお話を聞きました、現地で。やはりそういう徴候があるわけですから、そういう点をひとつ注意をして、この第四紀層で傾斜の急峻なところで、そして横穴で水を取っておるというようなところについてはひとつ十分な御注意をいただき、そして調査費も十分に投資をしていただきたい、こういうふうにお願いをいたします。  それから次にこの小屋柄川は建設省で砂防区域に指定をされておるということを聞いております。それからこの小屋柄川の沿線の山のふもとのところは森林法か何かの何か予定地になっておるとか何とかいうので、農林省のほうで監督をしておられるというようなことを聞くのですが、そうなると、この小屋柄川のいまの地帯を込めてその沿線というものは農林省と建設省と非常にふくそうしておる、これは一体どういうふうにお考えになられますか、将来に対して。これはひとつ建設省、農林省、両方にお聞きをいたしたいと思います。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 建設省で所管しております地すべりの区域といたしましては、主として砂防指定地ないしは砂防指定地に隣接する区域というものを重点にいたしております。したがいまして、河川の上流部の渓流沿いのものを主として対象といたしておるわけでございますが、その渓流に関連いたしまして、同時に山腹を含めて関連上管理する必要がある、あるいは工事する必要があるというものにつきましては、建設省におきましてもちろん地すべりというものを区域に指定をいたしまして、それらの対策工事を行なうわけでございますので、今回につきましては県あるいは本省同士で話し合ったわけでございますが、まあこれは農林省のほうでもおやりになってさしつかえない地域でございますけれども、今回につきましては、建設省のほうで砂防指定地を拡大しあるいは必要に応じて建設省のほうで地すべり防止地区ということに指定をいたしてやろうということに、大体現在調整中でございます。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 林野庁の関係につきましてお答えをいたします。今回地すべりの起こりました左岸側でございますが、これは新潟県におきまして関係部局との打ち合わせ、本省段階においての打ち合わせにより、その結果、建設省の砂防指定地で一元的にやっていただくということに決定いたしたのでございます。それからつけ加えまして右岸、対岸でございますが、人家が二軒ばかり残っておるところがございます。これは林野庁がかってなだれ防止事業をやったところでありまして、保安林に編入されております。それと緊急を要するということで、亀裂が入って非常に危険だという状況を目の前にいたしまして、私現地に参りましたときに、その場ですぐ防止に必要な応急工事に取りかかるように指示をいたしまして、現在着工中でございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 どうもこの責任分野のはっきりしておらない部分というところは、非常に、災害が起こっても責任がなすりつけ合いをされる。それで平生の管理というものも、やはりどうもどちらがやるのかわからないというようなことがよく起こりますので、先ほどから議論をいたしましたように、非常にわかりにくい災害である。したがって相当深く調査をやらないと、私はこの原因がつかめない、個所がつかめないということになるのじゃないか。そういうことから考えますと、この責任分野というものははっきりとさしていただきたい。そうしてやっていただかないと、どちらがどちらか、どちらでもできるのだ、いやどちらでもやらんでもいいのだというようなことでは困るので、はっきりとさしていただきたい、こういうふうにお願いをしておきます。  で、次に、農林者のほうで右岸側をやっておる、こういうお話を聞きました。これも私は現地を見せてもらったわけでございます。そうしますと、相当高いところ、あれは何十メートルか高いところに亀裂が入っておる。その亀裂はちょうど本日問題になっておる地すべりが起こった個所においても高いところで亀裂が入った。その亀裂が入ったところから亀裂に沿って断面ができてすべり面ができて、そうして下の土が抜けると同時にどしんと落ちて水をふき出して斜面からこわれたやつを一緒に流していった、こういうことが起こったわけです。今度のいまやっておられるところも、これもやはり亀裂は相当高いところにできておる。すべり面はどういうふうにお考えになっておるか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) お答えいたします。該当の個所は、上部がお説のとおり平たんに近い部分がございます。その下が急傾斜地をなしております。その下が砂岩ないしは礫岩の五層、その上に何十年か堆積をした土砂がたまっておる。その土砂が必ずしも安定的な状態にない。そこに亀裂が入ったということで、確かに危険個所に該当するものと見られるのでございます。そこでそれに対しましてボーリングをいたしますが、応急工事として、くい打ち工事と排水工事を早急にやるということをとりあえず考えております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 現地へ行きましたら、その排水工事とくい打ち工事はやると、そのほかにコンクリートのウォールを二つつくるのだ、長さが十三メートル五十と十八メートル五十ですか、そういう二つのウォールをこの傾斜に沿ってつくるのだ、こういう御説明を聞きましたがこれはおやめになったのですか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) 排水工事、くい打ち工事のほかに土どめ工としてニメートルくらいのものを二つ入れることになっております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 いまの土どめ工というものがどういうものかちょっとはっきりわかりませんが、現地の説明では、長さが十三メートル五十、下のほうは十八メートル五十、こういうコンクリートのウォールをつくるんだと、高さははっきり言われなかったんですが、地面からせいぜい一メートルかそこら入れて、そしてつくるんだと、こういうお話がありました。ところが先ほどから地すべりという話になっておる。地すべりというのは、そんな一メートルの深さやニメートルの深さのところですべるんじゃない。もっと、いま亀裂が起こっておるところからほとんど直にひとしいか、あるいは少しくらい傾斜がついているかもしれませんが、そういうすべり面ができて下のほうの土が抜けると同時にどしんと落ちてくる、こういう性格のものですから、いま言ったようなウォールをつくられると、むしろおもしになる。これは地すべりを奨励しているようなものになる。こういうようなものでは、やっぱり指導を十分にしていただかないと私は困るんじゃないかと思うんです、現地ではそう言っておられましたから。これは、しかし現地の考え方はちょっとおかしいんじゃないかと思うんですが、これはひとつ治山課ですか、の指導部のほうで御指導をいただいて、そういうようなことがないように、そしてもっと地すべりというのはすべり面なんかもおやりになる、緊急でおやりになるとしても、やはりすべり面がどの辺に発生しそうだとか、やっぱりボーリングとかそれから地下水の状態とか、そういうものを検討してやっていただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

松本守雄林野庁指導部長

○説明員(松本守雄君) たいへん御注意をいただきまして、まあそのとおりボーリングもこれからやる計画でおります。また、御心配のウォール、これは一応当方としましては、あそこに堆積をしております土層がそれほど深くない、対面の大きく地すべりを起こしたところに比べればそれほど深くない。排水路の、水路どめと申しますか、そういう意味でやる土どめ工であります。なお、このウォールによりまして、すべるものをすべてとめるんだということではなくて、排水、くい打ち、土どめという各種の工法によって地すべり、また崩壊のないように、このように考えてやっておるわけであります。

上田稔自由民主党

○上田稔君 この地すべり防止工というのは、私どもはあまり詳しくは、しろうとでございますので存じませんが、非常にむずかしゅうございますので、これはうっかりすると地すべりを誘発するようなことに相なるとたいへんでございます。しかも真下には家屋があって、林野庁のほうで工事をやっていただくと、そういうことで非常に安心をしてお住みになられるわけです。そうすると、そのときに、もしそれが誘因になったりしたのだということになるとたいへんなことになります。十分にひとつ御調査をされておやりになっていただきたい。くい打ちもあの個所は非常に、いろいろ言われたとおり、すべり面が浅くて、下の固い層に届いておればこれは何も言うことはございませんけれども、その辺もいろいろ土質によって違うから何とも言えないだろうと思いますが、ひとつ御注意をいただいて、十分に御指導をいただきたいと思うわけでございます。私も簡単に行きましてこういう言をはいてたいへん失礼でございますけれども、もしこれが変なことになった場合においてはたいへんなことになりますから、その点はひとつお願いをいたしたいと思います。時間ですから、これで終わります。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 だいぶ時間なくなりまして、各委員から科学的、技術的にだいぶ質問が出ました。もう私、一、二に限定しまして質問を終わりたいと思います。  まず現地の問題であります。私は実は最初広神村に地すべりが発生したという電話を受け取ったときは、和田川の沿岸に起きたのではないかと実は想像した。ところが広神村に入ってみましたら、和田川ではなくて小屋柄川です。そこで私申し上げたいことは、あの一帯には地すべりが前からしばしば大なり小なり繰り返されてきておる地帯です。実はそれで指定の問題についていろいろ質問申し上げたかったんでありますが、松井君から法律的な専門の質問があったので、私はそれは略します。  そういうように、あの地帯が実は地すべり地帯である。あるときは緩慢に、あるときは急激に、小規模であってもとにかくいままで起きておる。特にあの一つ山を越えて古志郡の山古志村へ入りますると、これは一帯に地すべりの地帯である。昨年のちょうどいまごろ、まだ残雪が山をおおい畑をおおっておるときに大きな地すべりがあった。そういうように、あの地帯は地すべり地帯である。それが今日まで地すべりとしての対策が立てられなかったということは、これは実に残念だと思う。しかし今回の事件で地すべりに対する認識を新たにして、対策をお互いに研究をする機会を与えられたことは、不掌中の幸いだと思うのです。  で、私は一点、まず第一に、ああいうふうな、ずっと山の中腹の上のほうまで、ほとんど天端に至るまで耕地、水田を耕しておる。それが先ほども総務副長官から説明があったのでありまするが、農地の七〇%が土砂で埋まった、そのとおりなんです。そうすると、あとが一体、全く生計の道を絶たれる。耕作の土地もなくなる、こういう状態でありまするので、強く私は、まず第一に農地の復旧を要求する。農地の復旧を早急にやってもらわなければならぬ。先ほども荒勝参事官から、ニヘクタール前後の植えつけを可能にするという話があったのでありますけれども、ニヘクタール前後というと、四十数戸の部落の糊口をどうしてふさぐことができるかということも考えなければならぬと思います。そこで最大の努力して、私はこれはもうこの点で第一点を終わりまするが、最大の努力して、ニヘクタール前後というと一・五ヘクタール前後にもなるかもしれません。そんなことではなくて、ニヘクタール以上、三ヘクタールであろうが五ヘクタールまでの見通しで、ひとつ努力してもらわなければいかぬが、それができるかどうか、ひとつお伺いしたい。

井元光一農林省農地局参事官

○説明員(井元光一君) ただいま武内先生から御指摘のように、非常に現地はお困りになっておるわけであります。私どもといたしましては鋭意復旧に努力いたしたいと思っておりますが、何ぶんにも農地の基礎等ができないとなかなかいろんな関連がありますので、努力しても限度があると思うわけでございますが、できれば二町歩以上は復旧したい、全力をあげて復旧に努力したいと考えております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 御承知のとおりあの地帯はV字形がほとんど——VでなくUです。V字形の谷がU字形なんです。この地すべりというのは一面平滑運動だ、谷が埋まってくるのでこれは平滑運動。こういうとにかく、あの深い谷が非常な浅い平地になっちゃったことを考えなきゃいかぬ。これが私がとにかく一応他の形をつくってでも今年植えつけに間に合わして、何ぼでもいいから二ヘクタールどころの話じゃない、もう少しやらなければあの村が休まることができない、そういうことを考えてもらわなきゃだめだ。それが一つ。  もう一つは、今度崩壊した土砂によって小屋柄川原の上流地帯が沼沢、池になった、三ヘクタール以上の池になった。まだこれがきのうまで水を抜かれておりません。私はこれを最も先にやってもらわなければ、その水圧によってあそこへ積もった土砂がまた下のほうに流れ落ちるようなことがあったら、これは災害をさらに倍加するに至るであろうということを、実は再々警告しているわけです。まだ水が抜かれていない。この水を抜くことが私は水田造成の前に非常に大事な仕事ではないかと思うんですが、どうなんですか。それをやらなきゃならぬのですが、どうなんですか。

井元光一農林省農地局参事官

○説明員(井元光一君) ただいまの御質問は建設省が現在仮水路を掘ってやっているということを聞いております。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 現在上流部に湛水しておりますものにつきましては、先生御承知のように応急的にいま排水路を掘ったわけでございます。それに対して補強を行なっておりますが、基本的には早く河川の改修工事を復旧いたしまして、そしてこの復旧した残土を現在できている水面に埋めたてまして、そして湛水を解消するように緊急に指示してまいりたい。これは災害復旧工事として緊急査定をすでに行なって、緊急的に工法の協議等もすでに済んでおりまして、一刻も早くこれ着工するようにいたしたいと思っております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 それは緊急に早急に完成していただかなければ災害をさらに大きくすることになると考えます。  そこで、次は私は、もうだいぶいろいろな方本触れておりまするが、特に私が触れたいことは、地すべりを予知する措置をどうしても考えなきゃいかぬ。御承知のとおりいま私が申し上げた一点の中に、あの地帯の上々に水田がある。その水田における水がやはり浸透してくることは何といっても避けられない。浸透した水が地下水になって、地中においてうんで、何かの物理的な衝撃やあるいは何かの原因で崩壊流出することは、これはいままでもいろんな経験によって明らかです。ことにあの地帯は豪雪多雨の地帯です。私は地すべりが新潟県で発生したその季節、月等をいろいろ私なりに考えて調べてみたんです。それによると、昭和二十四年から去年の四十三年に至るまでの間いろいろ調査してまいりますると、三月から四月にかけて地すべりが多発しておる。これはなぜかというと融雪水が地下に浸透した結果出てくる。さらに六月から七月にかけて、特に七月には発生件数が多い。これはなぜかというと、六月以降における雨期に入った水がまた地下に浸透して地すべりを発生しているのではないか。私はそう判断いたします。これはいろいろと私は各年、各月の数字を調査してみた。いろいろ時間の関係もありますけれども、そういう私なりの調査です。しかも、特に地すべりが多く発生した年というのは、豪雪多雨の最もはなはだしかった年であります。たとえば最近年において、昭和二十八年これが一つ、さらに三十一年、三十二年、三十三年、さらに三十六年、こういうふうに豪雪多雨が続いた年が地すべりの多発している年なんです。これらを考えてみますると、私は季節的にもまた風土的にも地すべり発生の調査の基礎になる。それによってあらかじめ発生する個所と時期と、こういうものが発見されるのではないか。したがって、私は、そこにさらに、いまいろいろ病気の話が出ました、聴診器の話もいろいろ出ておるが、病気で言えば前駆症状的な現象がある。しかもあの今度の地すべりの個所においても、山腹の地帯にときどき亀裂が入っている。これはこの前駆症状が早く発見され早く把握されなかったことが、ああいうふうな災害を起こしたわけなんです。そこで、病気も早期に発見して手当てをすればなおる。地すべりも私は一種の大地の病気だ。壊疽のような病気だ。くずれ落ちる壊疽のような病気、これを早く症状を発見して手当てするということで、災害を縮小し、または災害をなくすることができるのではないかと考えております。そこで私はまず先ほど申し上げましたように、調査の決定、危険地域の指定、それから危険だと考えられるところにさらに予知に関する施設が必要である。たとえば、地表の移動変化計、あるいはひずみ計というような施設は最小の施設であり、これくらいの施設は必要とするのであります。こういうことをまず、危険と予知される個所に設置することが大事だと思うのであります。これをぜひひとつやってもらいたい。  それから、もう時間がありませんからあとずっと並べまするが、危険発生に至った場合、これをあるいはセンターなりどこかに通報する、通報組織と通報機関。さらに、一般国民、地域の人々に危険を警報する、警報の組織と機関、機械、こういうような施設。こういうようなものがどうしても必要だと思うのでありまするが、今日までそれは各地の地すべり地帯においてはほとんど見られていない。これらをまず私は考えていただかなければならぬ。時間がありませんのでずっと並べましたが、それについて、総理府並びに建設省からお考えを承っておきたいと思う。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○説明員(川上幸郎君) お答えいたします。まず、最後に御質問になりました通報設備等の問題でございますが、本件につきましては、中央防災会議におきましては、各都道府県の地域防災計画——都道府県及び市町村を含みますが、これらの指導等によりまして通報の万全を期したい、このように考えております。  それ以外の点につきましては、渡辺政務次官のほうからお答えをお願いすることにいたします。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○政府委員(渡辺栄一君) ただいま武内委員からの御意見でありますが、われわれも、今回の事例等にかんがみまして、非常に予知並びに警報の体制は必要であるということは痛感をいたしております。ただ、全般にわたりましてこれを科学的に行ない、あるいはまた長期的なこれらの資料の収集、費用の問題等、相当困難な問題もあるというふうには考えられまするけれども、さらに今後検討を要する重要な問題であると思いますので、今回の調査等にかんがみまして、地すべり危険地域等の巡視、また地すべりに関しまするところの予知の体制、あるいは警報、警戒避難の体制等の整備につきましては一そう検討を加えたいと思いますし、また必要なものにつきましては行政指導も強化してまいりまして、今回のようなとうとい人命を失うということは、今後絶対にこれを回避するように努力してまいりたい。かように考えております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 時間がありませんので、もうやめますが、いまの問題を繰り返して念を押しておきます。それは農地復旧の問題、これに最大限に努力していただかなければ、私は今後のいろいろな問題に大きな支障を来たすことになると考えます。たいてい地すべりというやつは遠隔僻陬の地域に発生します。したがって、一般に今日の物の考え方から言って投資効果がわりに少ない。投資効果が少ないから復旧も、また手当ても安易に考えられる。先ほど塩出委員からもお話がありましたが、温泉地帯を早く復旧するのではないかという考えも出てくるわけです。そういうようなことで、しかも私どもはいま今後いろいろな農業の問題、各地域の振興の問題等がいろいろ考えられる政策があると思います。それらの政策の問題に関連いたしましても、こういう地域におけるこういう災害を早く復旧する。少なくとも農地復旧についての最大の努力を示すことによって、私はまずこの第一歩を踏み出すことができるのではないかと考えます。そこに最大の努力をしていただきたい。これを私は最後にお願いして、それで私のきょうの質問は終わります。

井元光一農林省農地局参事官

○説明員(井元光一君) ただいま御意見のありました点につきましては、農林省といたしましては全力をあげてすみやかに田植ができますように努力いたしたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 本件に対する質疑は、この程度にとどめます。     —————————————

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 次に、本委員会の決議に関する件についておはかりいたします。  まず、決議の案文を朗読いたします。    地すべり防止対策等の促進に関する決議案  地すべり等防止法が制定されて以来、すでに十年、その対策事業にやや進展をみたとはいえ、こんにち、なお全国に約五千五百箇所、総面積約十四万ヘクタールに及ぶ地すべり危険地域があり、十分な成果をあげていない。去る四月二十六日の新潟県北魚沼郡広神村における地すべりは、人命、家屋等に悲惨な災害をもたらし、まことに遺憾である。従って、政府は、すみやかに地すべり対策事業を促進するため、次の諸点について抜本的な措置を講ずべきである。  一、地すべりに関する予知等について科学的に究明するとともに、警戒避難体制の整備を図るため、地すべり危険地域及び地すべり地域を適時巡視し、地すべりに関する予報又は警報の発令及び伝達、避難誘導等が適確に行なわれるよう措置すること。  二、地すべり防止区域の指定については、危険地域の総点検をすみやかに実施し、その結果に基いて、小規模であって大規模地すべりを誘発助長するおそれのあるものについても地すべり防止区域に指定し、防止工事を行なうこと。  三、地すべり危険地域等における家屋等の集団移転に対する救済及び助成措置等について、すみやかに検討すること。  四、地すべりによる被災農家の生活の安定を図るため、すみやかに、災害復旧工事を実施し正常な営農が行なえるよう、その救済に万全を期すること。  五、地すべり等による自然災害について、地震保険と同様の救済の途などを、すみやかに検討すること。  六、地すべり防止事業の促進を図るため、計画調査費に対する国庫の補助制度について考慮するとともに、地すべり防止工事に対する予算を大幅に増額するよう努めること。   右決議する。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本決議の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ただいまの決議に対して政府から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺建設政務次官。

渡辺栄一自由民主党建設政務次官

○政府委員(渡辺栄一君) 政府といたしましては、ただいまの御決議を賜わりました御趣旨を尊重いたしまして、さらに慎重に検討いたしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。     —————————————

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 次に、岩手県等における山林火災による災害の対策に関する件について調査を行ないます。  まず、政府当局から被害状況等について説明を聴取いたします。松島消防庁長官。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 岩手県下におきまする山林火災につきましては、お手元に一応資料をお配りいたしてございますので、それをもとにして御説明を申し上げます。  まず、火災の状況でございますが、五月六日岩手県下に発生いたしました山林火災が五件ございます。そのうち二件は延焼によるものでございます。五件のうち三件は七日に鎮火をいたしましたが、久慈市と山形村の火災部分がなおそれぞれ八日、十日までに延焼を続けておりました。久慈市は八日、山形村では十日にほとんど鎮火を見たのでございますが、その後さらに久慈市及び山形村のものは数カ所において再燃をいたしました。しかし、十三日現在では一応鎮火をいたしておる状況でございます。火災による被害は山林が三千六百六十ヘクタール、住家二十七むね、非住家二十二むねが焼失いたしておりまして、罹災世帯二十九世帯、罹災人員百六十人でございます。  この火事に対しまして、地元消防団、消防署が強風の悪条件のもとで自衛隊、営林署等とともに消火活動に当たったのでございます。またヘリコプターによる空中消火も行なわれた次第でございます。  岩手県及び地元山形村等では災害対策本部を設置をいたしまして、各種の応急対策を実施をいたしましたが、消防庁といたしましても調査官外二名を現地に派遣をいたしまして、火災の調査並びに消火の指導に当たらせております。なお、詳細につきましては、お手元にお配りいたしました資料に表として消防団の出動状況等を掲載してございますので、ごらんいただきたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 片山林野庁長官。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) ただいま消防庁のほうから御説明あったとおりでございますが、なお若干補足いたして御説明申し上げたいと思います。  今度の岩手県下の火災は先ほど御説明のとおり五件でございますが、二件は延焼でございますので、実質的に三件の発生があったわけでございます。その中で一番大きいのが山形村で、炭焼きがまから出ました火災でございますが、これが大体二千八十ヘクタールという大きな被害になったわけでございます。そのほか二件につきましては盛岡市あるいは大野村等にそれぞれ発生したわけでございますが、これは火入れ等の不始末等から出たわけでございますが、これが大体千五百八十ヘクタール、二件におきまして。したがいまして、三千六百六十ヘクタールという山林の被害になったわけでございます。  消火につきましては、地元営林署並びに関係の消防団、あるいは自衛隊の御出動もいただきまして消火に当たったわけでございますが、山形村の火災が非常に大きいわけでございますので、八日にヘリコプター三台を国有林としてチャーターいたしまして、これは初めての——実験ではいろいろやっておったんですけれども、実際の被害に出動いたしましたのは今回初めてでございますが、三台チャーターいたしまして消火に当たりましたところ、相当の効果をおさめまして、十二日に大体鎮火したということでございます。  概要、以上でございます。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 以上で説明は終わりました。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 岩手県の火災について若干お伺いをいたしますが、まずその前に、私も一日だけでありましたけれども、現地に参りまして、この関係者といいますか、地元の市町村、県、あるいは消防、特に林野庁の職員なんかがしょうすいし切った姿で必死に防火、消火作業に働いておられた姿を見まして、ほんとうに御苦労だと思ったわけであります。  ただ、そういう姿を拝見するにいたしましても、今度の災害については相当われわれが考えなければならない問題があるのではないかということを感じました。それは従来災害対策というのが、どうしても都市集中主義といいますか、人口稠密地帯には災害対策というのがまあ不十分であっても、まずまず重点が置かれておるわけでありますが、こういう地域についての災害対策がきわめて手抜かりといいますか、穴があいておるといいますか、そういう問題ではこの災害対策のあり方については、相当新しい立場で検討を要する問題がたくさんあるのではないかという感じをいたしました。まあそういう観点に立ちまして、若干の御質問を申し上げたいのでありますが、まず、しかしその前に、被災者に対する対策が何といっても最重要な問題であります。世帯数でいいますと二十数戸でありますから、若干少ないようにも見えますけれども、しかし、この被災者は、実は大野村の被災者の場合には開拓部落の人たちである。それから小国地区山形村の被災者は、これは相当の貧困家庭である。したがいまして、そういう立場から被災者をどうするかということが、世帯数が少ないといえども、これはほんとうに重要な課題であると、こう思いますので、最初この被災者対策についてお伺い申し上げたいと思います。  いま、消防庁の長官、それから林野庁の長官からの御報告にもありましたように、大野村のほうは民有林の火災であります。それから山形村のほうは国有林から発火をいたしまして、その国有林が小国という部落の回りにある民有林に延焼をして部落を焼いたというケースであります。この二つのケースにつきましては、被災者の感覚はおのずから違うものがあると私は思うのであります。私が現地に参りましたときには、いろいろな相当高ぶった感情も入っておると思うのでありますけれども、いろんな注文が出ました。まず、これは林野庁の長官にお伺いいたしたいんでありますが、あの被災者はこういうことを言うのであります。これはまあ高ぶっておる気持ちもあるわけでありますけれども、国有林からの飛び火でわれわれはもう裸になって住むところもなくなった。少なくとも国の機関である国有林から火が出て、そうしてわれわれの家までも焼き尽くされてしまった、これに対しては国はやはり責任を持って補償してくれるだろう、あるいは補償する義務があるというような趣旨の発言があったわけであります。私はまあそれが直ちにできる、できないという法律的な立場はともかくといたしましても、林野庁の長官といたしまして、こういう被災者の気持ちというものは十分理解していただけると思うんですけれども、まずその点についての林野庁の長官のお気持ちを伺いたいと思うんです。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 今回の火災が国有林が火元になりまして出たということでございます。そのとおりでございますが、ただ従来の国有林の火災、今回の火災もそうでございますが、従来の火災の原因を見ますと、やはり人為的の、何というんですか、不注意というものが非常に多いわけでございます。たとえばハイカーの方がたばこをひょいと捨てたというようなことで、それがたまたま国有林の中に捨てられたということから出火しておるというような例が相当多いわけでございます。今回の場合も、たばこの例をとるわけでもございませんけれども、国有林の作業員が不始末をしたというわけではございませんで、民間の方の炭焼きということから出ておるわけでございます。とにかく一人一人のほんのちょっとした不注意がそういうような形で、たまたま国有林である、民有林であるというような形で火災が起きておるわけでございます。そこでわれわれとしまして、そうならないように各人に御注意をいただくために特に火災危険期、二月から五月に対しましては再三そういう御注意を申し上げ、あるいはPRのためのパンフレット、あるいは山に行けば火災の注意の幕を張るとか、いろいろやっておるわけでございます。今回の炭がまを中心として一基ございましたのも、私どものほうで調べてみますと、やはり四月三十日にはそういう炭の不始末は非常に危険であるからという注意をしておるわけでございます。正確な調査はまだ不十分でございますが、二十基ぐらいの炭がまがあるわけでございますけれども、たまたま一基がそういうことで出火したということでございます。したがいまして、ほんとうに焼けられた方には申しわけなく、かつお気の毒とは存じますけれども、そういう意味の補償と申しますか、そういうことは現在の法律では国家賠償法であるとか、あるいは物品の無償貸付の問題であるとか、あるいは災害救助法というような問題でも、どうも法的にも該当し得ないのが実態でございます。しかし、焼けられた方に対しまして非常にお気の毒でございます。何とか、たとえば生活資金の、雇用の場を与えるとか、あるいは材木を安く売るわけにはいきませんけれども、御希望があれば営林局署の材を売り渡すというなことも御相談申し上げていきたい、かように思う次第であります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ぼくはいまの長官は先のことを考えて御答弁なさったと思うから、それはあとでもう少し御質問を申し上げるんですが、質問する際にはっきりしておきたいことが一つあるんです。それはあとで具体的にどうするという問題はこれからの問題なんですけれども、私が聞いたのは被災者の人たちは国有林から飛び火がきている。そうすると、少なくとも国の機関ですから、国の機関から飛び火がきて家を焼かれたという場合は、少なくともこれは補償してもらうだけの権利があるというような言い方をしている。その言い方が正しいかどうかということは別だと私は思うんです。別なんですけれども、そういう被災者の気持ちがわかるかという質問をしたんです。そうしたら原因は民家の人が炭焼きの不注意で燃えたんだから、こういうことを言われますと、非常にぐあいが悪い話なんです。被災者にとってはだれが焼いたという問題ではないんですね。まわりの国有林から民有林が燃えて、そして自分の家が焼かれた。焼かれた直後でありますから、気持ちが高ぶっておる、高ぶっておるから多少無理なことを言っているかもしれません。しかしそういう人たちの気持ちがわかるかわからないかによって、具体的な処理をどうするかということについてはいろいろと問題が発展してくる。だからそういう被災者の気持ちに対して申しわけないということもいまおっしゃったんですけれども、ほんとうにそういう気持ちの理解の上に、この次からの私の質問に答えてもらいたい、そういうつもりでいま伺ったんです。その気持ちだけはわかってもらえますか。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 家を焼かれた方々がその火元が何であれ、国有林からの延焼だということに対するそのお気持ち、十分承知いたしておるわけでございます。ただ、一点申し上げますと、国有林としても一つの被害者にも考えられるわけでございます。しかし、お気持ちは十分尊重して対処してまいりたいと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はこういうことはあとで考えればいろいろいい知恵が出てまいっても、どこに責任があるから責任論でどうというような立場ではきょうはものを言うつもりはございません。ですからその辺はひとつ御理解の上にお答えをいただきたいのです。  そこで国有林も被害者の一人であることはよくわかるのでありますが、国としての災害対策という立場でこの人たちのことをやはり考えなければいけないわけです。そうすると、先ほども、もう長官もお話しになりましたけれども、具体的に助ける方法と申しますか、補償というとまた手続的にいろいろと言語上問題があるとすれば、この被災者の気持ちにこたえる具体的な方法というのは、さっきの長官がよく理解できる、そういう立場でやはり善処してもらわなくちゃいけないと思うのです。  そこで具体的にお伺いするのですけれども、まあ林野庁も被害者だからそこまで責任持てないということになれば話は別なんです。しかし、やはりいろいろな点では手だてというものは講じられると思うので、まず家を建てる。家を建てるというときに、やはりこれは無償で自分の家を建ててくれという要望は非常に強いのです。これは長官はいまの現行の法律制度では無償で家を建ててやる、あるいは補償するという道はないと、こうおっしゃった。それはそのとおりだと思う。しかし、火災というのは法律に基づいて燃えているのじゃありません。だから法律とか制度とかだけで追っていくわけにいかない問題がある。そういう点で先ほども長官も何らかいろいろとくふうをして見たいと、こういうことをおっしゃっておるのですけれども、この点についての検討を少なくとも住民の要求といいますか、被災者たちの言っていることは、住宅についてはやはり相手が林野庁のことであるから、少なくとも建築資材というものは、これはもうお手のものであるからもらいたい。それから住宅建築につきましてはこれだけではいけないのであって、少なくとも作業場を含めた農家としての再建をするための住宅規模でいいますと最低でも四十坪ほしい、こう言っておるのでありますし、焼けた家もそのくらいの大きさはあるようであります。そういたしますと、製材費も十五万ぐらいかかる。あるいはトタン板なんかも十五万ぐらいかかる。大工が二十万円ぐらいかかる。こういうような面についても何らかの方法で見てもらえる方法を検討してほしいという強い要望があったわけなんです。私どもはそういう住民の気持ちの立場に立って、いまの現行の制度上からでもこれらに対する対処というものはいろいろのことがある、だろうと思いますから、そういう点については具体的な御検討の上に善処をしてもらいたいと、こう思うのですけれども、いかがですか。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 先生御承知のように、国有林材を安くあるいは無償でする、いろいろなやり方はございます。しかし、いまの材木に関する問題につきまして安く売る場合には、災害救助法に基づいて発動された場合に限り、かつ、その内容が厚生省で出しております基準がございますが、その基準に基づくものに半額の減額売り払いという道が開かれておるわけでございます。それ以外につきましては、やはり時価主義というものがとられておりますので、そういう形で対処していく以外にございません。したがいまして、私たちといたしまして、いま被災者の方々に対して安くしてどうするというものはできないわけでございます。ただ、お困りになる資材につきまして、国有林として法の許す限りの御協力を申し上げる場合には、時価主義ということで必要な材を、これは丸太でございますけれども、お打ち合わせの上対処してまいりたい、善処してまいりたい、こう申し上げる以外にないわけでございます。なお国有林としてできる範囲のことといたしまして対処いたしました措置といたしましては、ふとんあるいはマットレス、そういうものを百組用意いたしまして、被災者の方々にお貸ししたということを実施したわけでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 いまの救助法適用でなければいけない、これは一番先に申し上げました災害対策としては今後新たな観点から検討しなければならないことなんです。これは規定の上で戸数が足りないから、人口数が足りないからということだけでは対処ができない課題であります。これは新たな研究課題だと思う。それですから厚生省の基準で許されている範囲内で、あるいはその他の方法というのもいろいろ考えられる、こう思うのであります。これはいまは具体的にこの点は木材を無償にして、この点は有償にしてということをいま具体的に答えてもらうということは、そういう期待はあまりしません。しかし、やっぱり林野庁としてさっき申し上げたような被災者の立場というものをよく理解してくれますというと、いろいろな方法があると思うのです。これはここでどんな方法があるのか、私もよくわからない点もありますけれども、そういう面についての研究といいますか、御検討といいますか、さらにまた出先の局もありますから、出先とこの被災者との間の話し合いなり相談なり、そういう方向でひとつ前に向けて進めていっていただきたい、これは強い要望だけをしておきます。それからさっき申し上げましたように、被災者の要望というのは、ただ家を建てるだけではなしに、家のまわりの付帯工事等やいろいろありますから、それから屋根についてはあとで申し上げたいと思いますけれども、これは別の問題であります。  もう一つの問題がある。これは林野庁にお伺いしたほうがいいんでありますけれども、住民は立ち上がるということに非常に苦労をしておる。私が参りましたときにも、たとえば小国部落ですと、再起不能だというのが、たとえば無償で相当何かしてもらったりしても、もうここには家を建てる能力がないというのが四戸。あとの十六戸については、いまの手当てその他の援助のしかたというか、もらうほうからいうと援助を受ける条件次第によっては何とか歯を食いしばっても再起したい、こう言っているのであります。そういう人たちの再起の条件にもう一つの問題は、実はこの被災者のうち大部分の人たちは男手は出かぜぎ、しかし自分の家まで焼いていま出かせぎにも出られなくなってしまっておる。したがって、家を建てるということよりも、むしろ生活をこれから続けていくということ自体が、それのほうがむしろ先の問題だというような現象が出ておるのですね。そこで、しかしそれまで見てくれとはあの人たちも言わない。その一つの案として幸いあの地域には牛を飼っておるのでありますけれども、さらに牛をもう少しふやすなりしてやってみたい、出かせぎに出るかわりにそういう仕事に切りかえてやってみたいという強い要望がある。その場合に林野庁の土地の一部分を牧野として無償で貸し付けてくれないか、こういう要望も非常に強い。これは私なんか聞いてもっともだ、こう思うんですけれども、そういう道はいまの制度上ではもう焼けたからどうということはありませんとおっしゃるかもしれません。しかし、焼けるのは法律にないのでありますからして、焼けた以上は、やはりそれらの点については研究の余地がありますか、ありませんか。直ちにいまそうします、という答えまではむずかしいだろうと思いますけれども、検討の余地があるかないかということをお伺いしておきたい。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 火災あと地の処理の問題に相なると思いますが、まず火災あと地につきましては、われわれといたしましては焼けた材木、あるいはその他乱雑になっているそのものをあと片づけする、そうして再生をするというのに重点を置きまして、まず整理をしてもらいたい。そのあとでその土地をどういうふうに利用すべきかという点につきましては、地元の意見をお聞きして、そうして関係農林省部内に意見もございましょうから、そういう点も場合によってはお打ち合せしまして、そうして総合した観点から計画してまいりたい、こう思っております。あと地整理その他の問題について、もし当面の現金収入というようなことで御要望がございますれば、十分それはまた対処したい、こう思っております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 その点はいまおっしゃったような方向でぜひひとつ、機械的にどこをどうというそんなわけにはまいらぬわけでありますから、いま長官がおっしゃったような方向で、十分に住民の意思にこたえるような方法をひとつ講じてもらいたい、こう思います。  その次に同じ被災者の問題なんですけれども、農林省の大臣がいらっしゃいませんから参事官にお伺いいたしますが、九戸郡大野村のほうはさっきも申し上げましたように、ほとんど開拓地なんです。やっと開拓部落をつくって、どうやら農家が成立しかけたときに、今度火災になったんですね。そこでぼくがいまお伺いしたいことの一つは、開拓者に対するこういう災害についての援助の道というのは、いま農林省ではあるのかないのか。あるいはないとすれば、今後検討する意思があるかないか。私はなければ検討すべきだ、こういう意見なんですけれどもいかがですか。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) ただいままでの農林省のいわゆるこういう災害にかかる開拓者に関してのみの特別の助成の道は講じていない次第でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そこで開拓者という問題は、これは重要な問題にいまなっていると思うんですね。これは私の言うより農林省のほうがよく知っているだろうと思う。もう開拓自体が農業が成立をしないで、それでつぶれてしまうというような状態になっているときに、歯を食いしばってどうやら成功しそうだ、こうした人たちをやっぱりこういう不可抗力な災害、われわれ天災と言いたいくらいでありますけれども、災害にあったような場合に、これを援助するという方法は、これはなければ、現在ないというのを、なぜないと言ってもしようがありませんから、時間がありませんから簡単に申し上げますけれども、これはひとつ真剣な農林省の対策として直ちにでもこれは検討をしてほしい。そう要望申し上げるのですが、いかがですか。検討の余地がないというのであれば、これはちょっと問題なんです。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) 開拓者の被害については、ただいま何も制度がないと申し上げましたが、開拓者一般の営農資金とかそういったいわゆる一般農家のほうに開拓者資金の融資体制とか、そういったものは別の方法も多少なきにしもあらずというかっこうでございますので、県の事務当局と相談いたしまして、今後検討いたしたいと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 それでは大野の場合はいまおっしゃったような方向なり、新たな検討なりを加えまして、あそこはどうやら立ち上がれるというところまできておった開拓の人たちです。いろいろの点から援助して立ち上がらせるような方途を講じていただきたい、こう思うんです。  なお、あと災害対策本部の総理府がいらっしゃらないし、時間もありませんから省略いたしますが、少なくとも今回の火災を見ますと、いま言ったような非常に零細な人たち、いまの法律や規定だけではなかなか立ち上がりがむずかしいという事態がありますので、したがいまして、私はやはりさっきから申し上げておりますように、たとえば災害救助法を適用になるかどうか。これはもう適用にならないのでありますけれども、これは新しい災害対策として新たな検討としてぜひこれは取り上げていただきたいし、こういう新しいケースの火災でありますから、少なくとも私はやっぱり災害救助法適用と同等程度の手当てというものを、早急に樹立して手当てをしておくべきだと思いますが、これももう時間がありませんので御要望だけを申し上げておきたいと思うんです。  農林省のほうにもう一つお伺いしますが、これはもう農林省というよりはあるいは消防庁かもしれません。今回の火災で、個人の災害住宅は例外なしにわらぶき住宅である。したがって災害対策ではいままでは防火地域の指定なり、いろいろの法規によって、これは建設省の所管でありますが、防火建築の地域を指定してやらせておる。そういうような観点からこういう山林地域でのわらぶき家屋の改造というようなことを真剣にいまやり出す時期が来ておると思うんです。今度の火災の経験にかんがみましても、直ちにでもこれは手をつけるべきだ、現行制度上そういう道があれば直ちにやってほしいと思う。ないとすると、これも防災関係のあなたのほうで直ちにでも立案をして手をつけるようにしてほしい、こう思うんですが、いかがですか。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、今回の火災に当たりまして飛び火が非常に多かったということから、それがわらぶき屋根に燃え移って人家の焼失というような事態を招いたわけでございます。したがいまして、私どもの担当官が調査した結果でも、やはり少なくとも屋根をトタンぶきにしておけば、あれほどの被害は出なかったのではなかろうか、少なくとも人家に対する被害は減少し得たのではないかという意見も出ております。ただ、これを具体的にどう進めていくかということになりますと、個人の経済の問題とそれに対する公の援助というものをどういうふうに考えるかというたいへんむずかしい問題でございますが、いま直ちに私こういう方法でトタン屋根に切りかえていくということをすすめていくというふうにお答えすることはできませんが、重要な問題でございますので、引き続いて検討していきたいと思います。

田所萌農林省農政局普及部長

○説明員(田所萌君) 農村の住宅問題につきましては、建設省の所管でございますけれども、農林省の立場といたしましては現在普及事業ということで農村生活改善についていろいろ指導いたしておるわけでございます。それで平生から日常活動におきましても、そういうような東北とか北関東、九州等のわら屋根の非常に多い地区につきましては、わら屋根をできるだけ改造するようにというような指導を、課題といたしまして日常活動としてやっております。それで住宅金融公庫のほうでそういう住宅改良資金というものがございまして、その中で居住性を高めるというようなことでその資金が借りられるわけでございますが、それもやはり屋根の改良ということにつきましてもこの資金を借りられるようになっております。それで大体一戸当たり十万から大体三十五万程度の融資が受けられるということになっております。このほか額はよくわかりませんけれども、農業の系統資金の中でやはり生活改善資金というものがございまして、それで住宅の改良ということがその資金でたしかできるようになっておるというふうに承っております。

沢田光英建設省住宅局調査官

○説明員(沢田光英君) 私のほうも、いまの答弁に関連をいたしまして補足させていただきます。  基準法上規制の問題といたしまして、わら屋根を禁止するというふうな措置はいま講じてございません。大体市街地におきましては屋根を不燃にしなければいけないという規定がございますけれども、都市計画区域外ではさようなことがございません。したがいまして、これはただいま御答弁ございましたように助成の方策をもちまして、おもに金融公庫の資金で、ただいま申しましたようなことで新築をいたしますものにつきましては、当然公庫の基準で屋根はわら屋根でないような基準になっておる、そういう融資をいたします。それから部分的な改修——修繕をいたしますものにつきましても、そのような基準によってやるようにということになっております。以上でございます

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これはやっぱり総理府の総務長官がお帰りになったのでぐあいが悪いんです。災害対策という問題をだから、私は真剣に検討する時期がきたと、こういうことを言っておるんです。都市集中的な災害対策をずっと今日までやってきているわけです。ですから都市の場合には防災建築街区造成法なんという法律もあるでしょう、あるいは防火建築の指定をされたところには防火建築をやらして、融資なり助成なり、組合をつくらせてやる道もあるわけです。こういうような問題は、たとえば山火事の非常に多いような過疎地域にそういう形の新たな施策というものがどうしても検討されないと、いまのような同じようなことを繰り返している。だからさっきの地すべりのときの箱根論じゃないけれども、過疎地域なり、そういう人間の少ないところに対していまの防災なり災害なりというものの対策の手が伸びていない。こういう観点から、もうやっぱり山林保護という立場からも、この点は検討し画さなければいかぬということに、いま私は問題提起を含めてものを言っているわけです。したがってこれはもう消防庁の長官、おそらく防災会議のメンバーでしょうから、この最高の会議の場所でこういう問題をもっと取り上げて、そうしていまの災害対策、過疎地域の災害という問題は真剣にやっぱり議題に載っける時期がきたと思うので、問題提起として私は要望しておきたいと思います。  どうも時間がたって恐縮でございますけれども、農林省といたしましても、この際やっぱり私は現地へ行ってみて強く感じたんですが、農家集落という問題もいろいろと検討はされておる。農家集落の再編成という問題と、それから火災対策あるいは防火というような観点から、これもまたひとつ検討してみるべき時期が来ているのではないか。焼けたあとでいつも議論をして現行制度上はどうにもなりません、ということを何べん繰り返してみても、これはいまの災害基本法の趣旨に合っていないと思うのです。そういう意味からも具体的な検討をぜひこれから——私は問題提起としてきょうはやっておきたいと思います。  最後に消防体制なんでありますが、消防体制に入る前にもう一つ林野庁にお伺いしたいんです。今度の大野の火災の場合、こういう現象が起こっております。自分の持っておる山林の中に住居を持っておるうちは火事になっていない。自分の家が他の山林と接続しているうちが火事になっておる。ということはどういうことかといいますと、自分の家でまわりが自分の山林の場合には火が飛ばない程度のあき地をつくっている。ところが、山林の持ち主と家との違う場合には、山林側のほうはあき地をつくることなしに家の近いところまで植林をしておるわけです。そういう関係で火災にあったということが、やや共通的に言えるようであります。これは現地に行って私は被災者の人たちからも話を聞いてみました。そういたしますと、そういう問題は、これは民有林でありますから、林野庁が直ちに責任だというわけじゃないのです。林野行政という立場からいたしますと、この植林の規制という場合に、他人の財産なり建物なり、そのまわりに関する一定程度のところは植林できないというような規制をするということが必要ではないかということなんです。こういう点はおそらくまだ御検討はないと思うのです。これも新たな事態として、焼けた六戸とも大体そういう共通の問題があるという以上は、検討に値しませんと私は答えてもらいたくありません。具体的な検討はいかがですか。あるいは調査してみてもらってもよろしい。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 一般の山林のそういう問題につきましては、即座に先生のお答えに該当するかどうかわかりませんけれども、防火樹帯、そういうもの、あるいは燃えない木の樹帯、そういうものを設置しまして、そして防ぐということから、そういう姿を指導してはおるわけでございます。ただ、民有林の場合でありますと、なかなかそういうものは簡単にいかないという実態がございます。しかし、そういうものを含めて検討してまいりたいと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 もう一つだけ、消防体制なんです。これは消防庁の長官にむしろ伺いたいのですけれども、今度の報告でもありますように、ヘリコプターで空からの消火が相当効果を得た。これは一回でありますから、科学的にどういう結論になるかはまた別といたしまして、いずれやはりこの山林消防という問題は、どうしても早急に具体的にこれを配置しなければいけない時期がきた。これを今度の火災の経験にかんがみてやってもらいたい。しかし、これは自治体にやれといっても非常にむずかしいことだと思うし、一つはそういう近代的な山林消防という問題を具体的に解決をしてほしいということが一つ。それからもう一つは、今度、これも事実かどうかは私もあまり自信がありません。三カ所で聞きますと、三カ所とも多少のニュアンスが違った意見があるのでありますけれども、自治体消防とそれから林野庁の消防との間の連絡がきわめて悪いという点が、実はある地域から出されておる。そして今回の火災の発見をしてから自治体のほうに連絡があるまでには相当の時間があったという批判をしておった人もあった。ただし、これは全部の人たちが全部口をそろえて言ったということじゃありませんで、私のところはよく連絡をしておりますと言ったところもありますから、全部ではないにいたしましても、特にこういう問題についての自治体消防とそれから林野——国有林の消防の組織、これの統一といいますか、統一というよりも有機的な密接な連絡組織ですね。そういう点については、やはり点検をしてみる必要があるのではないか。その上に立って、いま言った近代的な山林消防体制を早急に整備をされ、あるブロックごとになりそれぞれの駐屯をするような何かそういう問題を具体的にもう実現をしてもらいたい。そういう点についての、これもいま始まったばかりでありますが、早急な検討をひとつやっていただきたい、こう思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) ただいま御指摘のございました今回の火災にあたりましての消火に当たりました消防機関あるいは営林署関係、自衛隊等の連絡の問題でございますが、私ども聞いております範囲では、必ずしも連絡が悪かったという事例を聞いてはおりませんけれども、何ぶんにも広範な地域に及んでまいりました関係上、それぞれ山を越え谷を越えということになりますと、連絡がとりにくくなるというようなことから、御指摘のような問題もあったのではなかろうかというふうに考えております。具体的には、五月六日に小国部落に火が移りますような事態になりましたときには、消防団は主として部落防護に当たるということで、それから営林署なり自衛隊のほうでは山火事のほうを消してもらうというような、それぞれ部署を定めて防護に当たったようでございますし、また七日の朝には、村の災害対策本部で、本部長、自衛隊の派遣隊長、青森営林局の経営部長、岩手県の消防係長というような方々が集まって、それぞれ部署を定めて行動に移ったというようなことで、適時連絡はとってきているようでございます。ただ、もちろんこれは火災発生時における問題でございますけれども、それ以外にも、一たん火災が発生したならば、それぞれがどういう体制で初期に配置につくかというような問題につきましては、今回の教訓も十分生かしまして、今後あらかじめ計画をつくって、相互の連絡を密にしていくということが、なお一そう必要であると思いますので、そういった面も十分今後は考えていかなければならぬというふうに考えております。  なお、こういう山林火災に対処いたしますための消防体制の問題でございます。御指摘のように、今回の山林火災にあたりましては、ヘリコプターの出動というようなこともございました。私どもも、そういった問題についても、さらにどういう体制をとっていくのがいいのかという問題を考えつつ研究をいたしてまいりたいと、かように考えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 最後に一言だけ申し上げますが、私の申し上げた趣旨は、いままでの災害対策という考え方では当てはまらない新たなケース、ほとんど全部新たなケースだと思います。そういう観点でいろいろな個人の要望などにつきましても、現行上はできませんということではなしに、これらの要求をいれるためにはどうするかという、そういう角度であらためて災害対策の御検討を当局に早急にぜひお願いを申し上げたい。そういうことをつけ加えてこの質疑を終わります。

増田盛自由民主党

○増田盛君 時間の関係上、要点をしぼって御質問を申し上げたいと思いますが、おおむね三点、まず第一点は、ただいま同僚の鈴木議員から御指摘がありました山火事の場合の関係機関が複数であるということにかんがみまして、その相互の協力体制であります。私も今回の山火事に関しましては、関係村を二日間にわたりまして全部回ってきたわけでありますが、大体、消防庁長官のお話しのように、専門家から見ればよくいったと、こういう点は認められるのでありますが、地元では問題の多いようであります。そこで、山火事の特殊性もございますけれども、林野庁とそれから地元の消防団関係、それから自衛隊もございます。それから県もございましょう。春あるいは秋、春だけでもいいのでありますが、それに対して、山火事の発生のおそれのある地点、これは終戦後見ましても、大体国内におきましてある地帯に固まっておるようであります。そういう地帯だけにおきましては、常時現場におきまして、国が県段階におきまして協議する。そうしていつでも出動できる体制、そういうものがとられているのかおらないのか、まずその点に関しましてお伺いいたします。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) この火災の多発の時期というのは大体、それぞれの地域によって多少違いますけれども、冬から春さきにかけて多いわけでございますので、その時期にはそれぞれ防火活動のためのいろいろな準備なり宣伝なり、あるいは消防とその他の機関との協力体制なりというものを円滑にするようにいろいろ打ち合わせ等も開いているわけでございまして、たまたま岩手県の山林火災予防のための協議会でございましたか、それを四月の末に山形村でも現に開いていたわけでございますが、今後とも、やはりそういう時期というものはある程度限定されておりますので、その時期に警戒体制なり、そういうものを十分とって、また連絡等も十分とって、迅速なる出動というようなことができますような配慮を、引き続いて指導いたしてまいりたいと思います。

増田盛自由民主党

○増田盛君 その点は了解できましたが、山火事の特殊性は御存じのとおり、非常に広範なる範囲にわたって多数の人を短い期間に動員しなければならないわけでありますから、その点の協力関係に関しましては十分意を用いて検討し、実行されているようでありますが、その問題で現地で痛感したことは、出動人員が非常に多い場合に、しかも今回の岩手の山火事のように比較的長期間にわたって防火活動が行なわれております。報酬の問題であります。ただで働く人もございましょうし、常時そのめたに月給をもらっている人もあるはずでありますが、そういう人の報酬というものは十分全般的に考えておられるのでしょうか。具体的に申し上げますと、消防団、それからこれは自衛隊は別問題でございますが、たとえば営林署が中心になって出動いたした場合におきましても、私は、営林局署の職員、これは常勤、非常勤まで含めまして、営林局署の職員以外に従来のいろいろな御関係があると思いますが、多数の自動車で、大型の通勤バスで一般の人が動員されましたか、あるいは自発的な応援でありますか、たくさん来ておられます。そういう場合に、昔から林野庁の場合におきましてはかけつけ手当というものがあるはずでございますが、それが非常に安い。常時月給をもらってやっている人はこれはいいでしょう、特別手当をもらわなくてもいいでしょうが、臨時にとにかくかけつけて消火活動をやった場合にかけつけ手当が日額百円、これはおそらく間違いじゃないか、千円の間違いじゃないかと思ったのでありますが、昔はたしか百円という時代もあったんじゃないかと思うのでありますが、非常に前近代的な金額のように聞いております。形だけ幾らととのえ、幾ら鼓舞激励いたしましても、あの消火活動に動員した人々に一日百円のかけつけ手当というのではまことに少額であると思うのであります。特に国有林特別会計で支出する場合におきましては、天下周知の大金持ちの会計でございまして、これが出せないはずがないのでございますが、林野庁長官がお見えでございますから、おそらくは何かの御事情があると思うのでありますが、その真偽に関しましてお答え願いたいと思います。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 先生御指摘のとおり国有林野の火災に対する御協力をいただいた人に対するかけつけ手当というものはたしかございます。その金額も先生御指摘のとおり百円、二百円、三百円、そういうような形で実はきめておるわけでございます。時代の姿とはまさしくマッチしないと思います。今後これにつきましては検討してまいりたいと、善処してまいりたいと、かように思う次第であります。

増田盛自由民主党

○増田盛君 ただいまのとおりでございまして、どうも話がほんとうのようでございますので、いずれ本委員会におきまして別途御研究いただきたいと思います。  そこで引き続きまして第二の問題に入らせていただきますけれども、ヘリコプターによる防除でございます。私が到着いたしました当時もヘリコプターが一機まだ作業に従事しておりました。今回の大山火事におきましてヘリコプターの使用に踏み切ったということは、私はこれは非常な英断であると思うのでありますが、やはり将来を展望いたしますと、いろいろな問題が多いように思うわけであります。  そこで、まず第一点は、過去におきましていろいろ実験された成果を今回初めて本物に使用したというお話でございますが、総合判定——一つの例だけで判定されるのもどうかと思いますが、こういう事例が数多く起きてもたいへんでございますから、林野庁御当局としましてヘリコプターで防除をされたその効果に関する最終的な判定効果と費用でございます。こういう点に関しまして御報告願いたいと思います。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 火災消火につきましては、林野庁としましても従来の方法ではなかなか困難であろうということも想定いたしまして、林業試験場をしてだいぶ検討させておったわけであります。いわゆる化学消火剤を使っての効果ということで研究しておりました。幾つかの薬剤につきましていろいろ検討し、実験をしたわけでございますが、現在のところは硫酸アンモニウムが一番よかろうということでおおむね実験等を考えておったわけでございますけれども、今回の化学消火剤もそれを使いまして、実際の場に当たらせたわけでございます。その結果を見ますと、非常に効果があるというふうに判断いたしますが、ただ、それのみではやはり不十分であります。やはり人の手と合わせまして、火の大勢がずっと下火になりますから、その下火を利用して消していくということで、火の大勢と人の力と合わせましてやはりやっていく体制をとらなくちゃならぬというふうに考えております。なお、もう少し具体的に詳細に実態を調べまして、さらにそれに備える体制をとってまいりたいと、かように思っておる次第でございます。

増田盛自由民主党

○増田盛君 まだヘリコプター使用の機種、機体の問題、あるいは使用する薬剤の問題等に関しましては、最終的な御結論は得てないようでありますが、想像いたしますのに相当多額の費用がかかるのじゃないか、つまり費用の問題でございます。国有林でございますから、国有林の特別会計から支出されるだろうと思うのでありますが、これが民有林のほうにおそらく使用される、使用されねばならない時期がそのうちに来るだろうと思うのであります。具体的に例を申し上げますと、大野村延焼の状況とやはり山形村を中心にした延焼の状況が相当違うようであります。われわれは火事の専門家じゃございませんが、どうも私の目で見ましても、山形村のほうは山岳地帯でありますから、人がのぼっていって消火するのには非常に困難な地帯であります。消火器を運ぶだけでもたいへんでございますから、これはヘリでやったら一番効果がありますが、大野村のほうは多少の起伏を伴う平地林に近い地帯であります。したがいまして、道路さえあればどんどん消防車が入る、こういう地帯でございますので、焼けておる実際を見ますと、大野村から種市町にかけましては山が一面に連続して焼けておりますけれども、山形村のほうには広い範囲にぼつぼつと焼けておる。つまりぼつぼつと残っている地帯があるわけでございます。そういうふうな点から申し上げましても、やはりその点はヘリコプターによりますところの消火の効果のあらわれだと思うんでありますが、ただこの方面の開発が進んだ場合におきまして、同じ森林でありましても国有林しか恩恵を受けられない、民有林のほうは放置状態であるということになりますと、問題が依然として残るわけであります。そういう点で何とかくふうがないかどうか。たとえば予算措置を講ずることも一つでありましょうが、国営の森林火災保険の中に組み入れまして民有林の防除にも使う、こういう方法がないかどうか。非常に多額の費用がかかっておるというお話で、どれくらいかかっているか知りませんけれども、その費用の点と効果の点をあわせながら、大体の方向としての考え方をお伺いいたしたいと思います。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 実は費用の点はいまわかりませんので、後ほど調査して御報告さしていただきたいと思いますが、ただわれわれとしましてヘリコプターを使っているのは、現在薬剤散布をいたしましてササとかそういう雑草を枯らすために、造林の保育のためにいまやっております。それで日本航空協会ですか、あれとも連絡いたしまして毎年薬剤散布をやっております。大体ヘリを常時二十カ所予定いたしましてやっております。そういうものを今回たまたま利用いたしまして、そして消火に当たらしたわけでございます。費用につきましては、もう少し具体的になったら御報告さしていただきます。  それからもう一つ、民有林のやつはどうかという御質問でございますが、実態を申し上げますと、先ほど森林保険特別会計があるからそれでやったらというお話でございますが、これは保険料ですべてまかなっていくという特別会計でございますから、これだけ出費がありますと、いろいろな面で特別会計そのものが問題になるだろう。それから入っておる方が現在人口の三分の一ぐらいしか入っておりません、保険には。したがって、それ以外の全山に対して保険者以外の人も相当出るわけでございまして、必ずしもマッチしないのではないかと思います。そこで御所管の消防庁のほうとも連絡申し上げまして、実は現在連絡協議会というものをすでに昨年消防庁とつくっております。そういうところで研究さしていただきたいと、かように思う次第でございます。

増田盛自由民主党

○増田盛君 ヘリコプター防除に関しましてさらにお伺いいたしたいと思いますが、実際に実験したのが——実験といいますか、今回本格的に使用したのが初めてであるというお話でございますが、もう少し突っ込んでお伺いいたしますと、機体や機種、これとそれから先ほど消火剤は農薬だというお話でありますが、日本航空協会ですか、あすこでは稲作を中心にして農作物の共同防除の体制でやっているわけでありますが、つまり林は林だけじゃなしに、林業以外に農のほうまで広げる、漁業関係はおそらく何にもないんだろうと思うんでありますが、農林だけ一体になってヘリコプターを活用する。一方は従来やってきた農薬によります農作物、それから樹木の災害防除でございますとか、それとからみ合わせて火災の場合の消火活動に使うというのは、非常にヘリコプター自体が高い機材でございますから、これをできるだけ高度に活用する。つまり使用する能率を高めなければ維持できないと思うのであります。そういうことを研究しておられるかどうか。できたらそういうことまでからめまして森林火災多発地帯に春季に基地をきめて、ある程度ヘリコプターを配置する、将来はそこまで進みますと、非常に防火体制が整うのではないかと思うのでありますが、そういう点の見解あるいは見通しに関しまして、長官にひとつお願いします。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 先生お話しの日本航空協会とのヘリの使い方、農業その他との使い方は、先ほどちょっとお話し申し上げましたが、林業の薬剤をまく場合に、あらかじめ予定されますので、農業との関係を十分考えていただいて、そうして両方むだのない体制をつくるように航空協会と連絡してやっておるわけでございます。そこで今回のこういう新たな火災の問題につきましては、これはたまたまそういうことで活用してやったわけでございますが、今後どういうふうにするかというのは大問題、相当の問題であります。まず第一は、その機種の問題、今回、実際やった場合は、そのヘリコプターの機種の問題でいろいろ風が強いとか地形の問題とか、いろいろなことで若干ああいう機種でいいのか、もう少し変わったものを研究する必要がないか、基本的な問題になりますけれども、そういう問題があります。それからもう一つは、薬剤を散布する機械の問題、もっと能率のいい機械いわゆる散布機械ですが、飛行機に積む散布機械ですが、普通の薬剤をまく形ではどうもまずいのではないか、というようなこともございます。したがって、そういうものも含めましてどうするかというのは、今後の相当の課題であろうと思います。少なくとも、しかし、そういう化学消火剤を使って、かつヘリを使ってこれの体制をとるというのは、今後の方向だろうと思いますので、十分検討したいと思います。

増田盛自由民主党

○増田盛君 もう一つ重ねてでございますけれども、いまのヘリコプターの使用に関しまして、たくさんの役所が関係してまいります。それから業界も関係してまいるわけでありますが、現在まだいろいろ検討しなければならぬという点が多いようでございますが、先ほどのお話では森林の火災関係に関しては、国立の林業試験場で主としておやりになる。そこで研究がされるようでありますが、非常にけっこうでございますが、どうも林業試験場だけではなしに他の一般の農業の問題があります。機体の問題があり、しかも消火剤の問題がありまして、関係するところが多方面でございますので、これに関する少し早めに思い切った連合的な、組織的な研究体制の確立ということが望まれるわけでありますが、その点に関して林野庁だけではなしに、農林省全体として森林火災及び農林全体のヘリコプター使用による火災防除ないし病虫害の防除、こういうものを一括して研究する必要があるような私には気がするわけでありますが、それに関して農林省のほうから参事官がお見えでございますが、御所見を伺う次第でございます。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) ただいまの御質問につきましては、林野といたしましても今回航空防除、航空による山林火災の防除は、初めての実験でありまして、農林省のほうとしてもその実験——実験と言っては失礼でありますが、その成果も十分検討したいと思っておりますし、また農薬による航空防除も一方では進んでおりますので、その有機的関連がはたして今後可能であるかどうかにつきましても、なお林野庁と十分打ち合わせていきたい、こう思っております。

増田盛自由民主党

○増田盛君 先ほど鈴木委員から、被災者の対策に関しまして詳細な御質問がございましたので、重複を避けまして若干お尋ねいたします。  で、それに入る前に、自治省の本省のほうからお見えでございますか。——一つ、特別交付税でございます。これに関しては、県、それから地元町村の要望がきわめて大きいのでございますが、これに対する御考慮、特にひとつ厚い御考慮をしていただきたいと思うのでありますが、検討を始めておられるでしょうか。

山本成美自治省財政局地方債課長

○説明員(山本成美君) すでに検討はいたしております。なお、この問題につきましては、一般の災害と若干異なった形態のものだと思うのですが、たとえば地すべりとか、あるいは水害、震災というようなものが若干違った形態でございますけれども、私のほうとしてはさまったルールでいつもやっておるわけでございますが、さらに当該団体の財政事情等も考えまして、最終的に遺憾のないようにはできると考えております。

増田盛自由民主党

○増田盛君 十分御配慮のようでございますが、特別交付税の決定というものは非常におくれるわけでございまして、大体年度末に最終決定だと思うのでありますが、県はともかくといたしまして、この山形村、大野村等は、はなはだ残念でございますが、きわめて貧弱町村であります。山形村について申し上げますと、財政力指数は零コンマの下に零がついて、もう一つ零がつく、それだけの貧弱村でございます。全国的にもそうたくさんない貧弱なところでございまして、今後対策を立てるとき、恒久対策あるいは応急対策を立てる場合に、なかなか容易にことが進まないようでございます。こういう地帯でございますので、特別交付税の御決定が最終的にきまる前に何らかの事前措置等をしていただけばいいのではないかと、かように考えるわけでありまして、従来の例もあると思いますが、特別な財政貧弱村でございます。しかも家業の対象の国有林が、あるいは民有林が大幅に焼けてるという状況下の中で、いろいろな諸般の対策を考えていかなければならぬという緊急な条件にございますので、十分御配慮願いたいと思います。  次に、厚生省のほうですが、たくさん御関係があるようでございまして、実は災害救助法の関係に関しましては、先ほど鈴木議員からも各方面に触れられたわけであります。それはそれといたしまして、まれに見る貧弱な町村で、はっきり申しまして極貧町村であります。何をやるにいたしましても、一人前のことがなかなかできかねる地帯でありますから、やはりそういう地帯に対しては、特別の援助がなければならぬと思うのであります。災害救助法というものが適用されないという事態に対しましても、私どもは異様な感じを受けるわけであります。山林まで含めた全体の火災を見ますと、これはまれに見る大災害であります。数千町歩にわたる大災害で、しかも被害総金額も十億を突破するわけでありますから、非常に大きな災害なんでありますが、どうもそういうところにぽつんと民家が入っておりますと、災害救助法の適用対象にならぬということでありまして、現行法がそうなっておりますならば、すぐにはいたし方ないことでございますが、しかし次善の策として、厚生省の御所管で、世帯更生資金貸付要綱に基づきますところの災害援護資金、これは一例でございます。そういう制度があるようでございますが、そのためにもいろいろ適用を受けて、適用をする対策というものが、あるいは県の段階まで十分におりているのかもしれませんが、しかし、災害援護資金に対しましても、一世帯十五万円以内であります。どう考えても、幾らどう貧乏村でありましても、家を建てて、仮設住宅は何とかやるでしょう。しかし、それ以後の住む家を建てて、しかも、これは家業資金も要るわけであります。出かせぎの多い、ほとんど全部出かせぎみたいな家庭でございますけれども、今後は落ちついて村を中心に生活をしたいというやさきに、それに対してあたたかい、力強い援護をするというのが法の趣旨だと思うのでありますが、十五万円ではいかにも少な過ぎる。もう少し、これは四、五十万円ぐらいに増額すればしのげると思うのでありますが、これ以外に何か便法があるでしょうか、これは処置なしでしょうか、その点お答え願いたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。いまお話になりました、災害援護資金、これは四十三年から十万を十五万に上げてもらいました。そのほかに運用といたしまして、災害援護資金のほかに、たとえば、住宅資金というのが最高二十万円でございます。したがいまして、これと両方、二つまではよろしいという運用にして、三十五万までは出し得るという。

増田盛自由民主党

○増田盛君 この住宅の二十万円というのはあれですか、同じ要綱の中でやっているのですか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) はい、同じ要綱の中でやっております。

増田盛自由民主党

○増田盛君 これは建設省のほうと全然別のやつですね。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) 全然別でございます。したがいまして、これだけで、三十五万ぐらいで建てられないという場合には、いま住宅金融公庫、あるいは先ほど出ました農協の系統資金というようなものでありまして、これはほんとうの低所得者の世帯を救うというかっこうでのものでございますので、金額は非常に小そうございますが、十万を十五万に上げましたが、それだけでは足らぬというので、住宅資金も別個に二十万円、災害以外の部分もありますから、それの両方借りることができるという運用に直してございます。その辺ひとつの御了承願いたいと思います。

増田盛自由民主党

○増田盛君 勉強不十分で建設省以外に住宅二十万円というやつをあまりはっきり承知していなかったのでありますが、ぜひひとつ今回の災害に関しましては、満限に、最高限度でひとつお貸し願えるように県とお話し願いたいと思うのであります。なお、それと関連しまして、先ほどからお話しになりました林野庁、あるいは国有林野の処置でございますけれども、表向き規定上はおきまりもあるだろうと思いますけれども、おそらく地元の村に対する、被災者に対する援護でございますから、国有林当局のほうも木材の点に関しまして、いろいろのお考えがあるだろうと思うのであります。そういうものとタイアップしまして、ひとつ御処置願えるように、県を御指導いただきたい、かようにお願い申し上げる次第であります。  それから最後にもう一つ被災者対策として、これは林野庁長官にお尋ねいたし、お願い申し上げる点があるわけでありますが、私の現地に参った場合の話し合いでは、被災者の就業の機会に関して、国有林側の協力を盛んに求めているわけであります。これは、住宅建設に関する木材の問題もさることでございますけれども、一番大きいのは就労の機会だろうと思うのであります。やはり今後長く、すぐしかも長く国有林側のほうで雇ってもらいたいと、かような要望だろうと思うのでありますけれども、はっきり申し上げまして、被災者世帯の大多数は、これはほとんど全戸、京浜を中心にいたしまして出かせぎ中であったわけであります。おそらく労賃の差があるのだろうと思います。しかも、もう一つは、年間雇用じゃない。国有林側のほうは、年間雇用じゃありませんから、やはり単価が高いのと、それから、比較的雇用期間が長いということで、その被災者の人たちは東京をあるいは横浜を中心に出かせぎをしているわけであります。そういうふうに賃金の問題がからんでくるわけであります。そういう点を考慮されまして、なお国有林側のほうで今後いろいろ火災を契機にしてすぐにでも仕事があるだろうと思いますが、こういう点を綿密に指導するならば、立ち上がりに非常に大きく稗益するのじゃなかろうか。大きく申し上げますと、山村地帯におきます国有林のあり方に関しましても、従来いろいろ苦心をしておやりになっているようでありますが、やはりこういう火災、大火災、大山火事という機会を通して見ますと、地元の反応のしかたというものはいろいろであります。したがって、こういう村に関しましては、林野庁長官として、国有林側の思い切った措置——甘えさせてはいけませんけれども、これだけは十分めんどうを見るのだと、しっかり働いてくれと、こういうことで大きな配慮、大きなあたたかい措置をすることが適切ではないか、かように感じた次第でございまして、林野庁長官の率直な御意見を伺いたいと思います。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 罹災された方の就労の場と申しますか、そういう問題につきましては、少なくとも当面の問題としては、その焼けた山の整理の問題が即座にございます。地元の御意見を聞きながら対処してまいりたいと思います。  それから、もう一つは通年的な問題という今後の問題がございましょう。しかし、これは林野庁全部の問題ではございますが、いわゆる東北地方、北海道を控えまして、いわゆる通年雇用が非常にしにくい、積雪地帯とかということで、どうしても林業の仕事は季節性が非常に強いものでございますから、御承知のとおり、なかなか通年的にできないというのが実態でございます。それは、現在雇用しております国有林の作業員についても、一つの問題として解決しようとしておるのですが、なかなかできないという実態がございます。また、賃金につきましても、組合との話し合いできめてはおりますけれども、ほかとの比較をしますといろいろ問題があるようでございます。いずれにしましても、そういう将来を含めたいろいろな問題については、御希望を聞きながら何とか検討してまいりたいと思っております。

増田盛自由民主党

○増田盛君 それじゃ質問を終わります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 私は、過日、農林水産委員会で大綱のことにつきましては長官にもいろいろお聞きいたしましたので、二、三点細部にわたってお聞きしたいと思います。  まず最初には、火災が起きて、それに対してどうするかという対策のこともさることながら、それ以前の予防という問題について、少しく考えてみたいと思うのでありますが、まあこのたびの火災につきましては、出火原因についてはここにございますが、いずれにいたしましてもこの大きくなった山形村については、炭焼きがまということでございますが、最近は非常に山林に入る人口といいますか人が多くなったという、こういうことが言えるのじゃないかと思うのであります。こういうことについては、現在はあまり規制されておりませんので、たばこの火とか、こういうことからさらに山林火災というものが大きくなるということが予測されると思うのであります。こういうことからいたしまして森林法の第二章のところに、「営林の助長及び監督」ということがございまして、ここのところにいろいろございますが、火入れやまたはたき火とかこういうふうに火を使うような、こういうことをする場合にはある程度の規制をしていかなければいけないというような、こういう感じがするわけであります。再門の炭焼きの方でさえも、こういう不注意で火事を起こしたわけでありますけれども、いわんやしろうとの方々に対しましては、十分な規制といいますか、注意を喚起する、こういうような法的なことが必要じゃないか。さらにまた罰則によってこういうことが少なくなる、減少するとは考えられませんけれども、一応そういうことについても、現状に即してこういう問題も考えてはどうか、このように思うのでありますが、この点につきましてはいかがでございましょうか。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 先生の御指摘のとおり森林法の二十一条には、いわゆる火入れをするとか、あるいは害虫を駆除するためとか、あるいは開墾事業のためとか、そういうことにおける火入れをする場合には市町村長の許可を得る、許可を得る場合には、火入れをする人はそれなりの準備をしてやるというようにうたわれているわけであります。この運用もそれぞれ市町村でやっていただいておるわけでありますが、問題はこういうもの以外に、たとえばハイカーの方が国有林の場合は先ほど申しましたように、たばこの火というものは非常に原因として多いわけであります。ハイカーの人たちが心ならずもそっと捨てたものが、火災の原因になることが多いわけであります。これは私は単に山に入るなということも、確かに入らなければ原因はないわけですからそれでいいわけでございましょうが、それよりもやはり入る人の心がまえというものを徹底してやってまいりたい、そのような意味で実は二月から五月のほんとうの火災期に対しましては、消防庁にもいろいろ御協力いただいて、あるいは御指導いただいて、そうしてそれぞれの通達に基づきまして、ポスターなりあるいは講習会なり、そういうことをやっているわけです。さらには巡視員を相当な人数その期には配しましてやっているわけでございますが、残念ながらあとを断たないという実情でございます。要はやはりそういう一人一人の注意を、いままで入っておらなかった人がどんどん入る傾向でございますから、注意を何とか喚起していくということにまず重点を置くべきじゃないだろうかというふうに思って指導してまいりたい、こう思っておるのであります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この火災予防の問題につきましては、いま長官から注意を喚起する、PRが大事だというお話でございましたが、この森林保険特別会計ですか、これを見ますともう森林火災予防費補助金というもの、これは前年度より三百万、四十四年度は減額になっておるようなふうに見たのでありますが、これはいま長官のお話とだいぶ違うようなんでありますが、こういう大事なことでございますし、そのほかのまた措置が講じられているのかもしれませんが、なぜこういう大事なことが減額になったのか、この点についてお聞きしたいと思いますが。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 今年度の減額の一つの理由としましては、従来は望楼というものを設置しておったわけでございます。見張りでございますね。それが一応計画として完成いたしたものでございますから、その分だけ減額されております。普通の巡視員、そういうものは入っておりません。望楼の施設が完了したということでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そういう理由があって減額されたのかもしれませんが、いずれにいたしましても、ひとつ時代の推移に伴いまして予算と、火災予防についての力を十分に入れ、この思想というものを徹底することが大事だ。こういう点についてはさらにひとつ十分に留意をして進めていただきたいと、このように要望する次第であります。  もう一つは、先ほど長官のお話しの中にもあったのでありますが、異常な乾燥期を迎えておるわけであります。いつもではございませんで、特にこの春さきの四月、五月は注意しなければならない。これは当然のことでございますが、気象庁といたしましても、この長期予報、さらにまた異常な状態については情報は発せられると思うのでありますが、それを受けて林野庁ではどういう対策を、どのように周知というか、異常な状態を徹底する機構というか、機関というか、徹底されていらっしゃるのか、この点についてお聞きしたいと思うのであります。地元でいろいろお話を聞きますと、なかなか広範囲でもありますし、そういう異常なことについて徹底ということが非常にたいへんだということでございますが、そう長い期間でもありませんし、大事な期間だけは総力をあげて火を使わないように、また十分な注意をするように、きびしく徹底する体制というものが必要ではないか、このように考えるわけでありますが、この点につきましてお伺いしたいと思います。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) これはこの前もちょっとお答え申し上げましたように、ある期間につきましてはそういうことで厳重な注意をするように言っておりますが、特に風が強いとかあるいは湿度が非常に下がっておるとか、そういうときにつきましては、さらにその注意を喚起することをやっておるわけでございまして、今回の岩手県につきましても、四月三十日にあらためてそういういうことを連絡し、注意をするようにやっておったわけでございますけれども、不幸にして失火になったわけでございます。そういう注意とともにその期間につきましては、巡視員を増員いたしまして重点的にそういうことで見回らしておるということでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 非常に岩手県は広範囲でありますし、東北、北海道につきましても巡視といいましても人員の上から、はたしてどうかという疑念が持たれるわけでありますが、長官も十分だとは言えないということでありますけれども、異常な状態のときについては、巡視員についても特に増員する体制といいますか、こういうものが必要であろうと私は思うのでありますが、こういうことについては対策が講じられているかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 私どもの現在やっておりますのは、湿度の判断の、どういうふうに判断するかというような問題で、その湿度を判断する試験紙がございます。そういうものを通して一応の判断をそれぞれの巡視員がわかるようにやっておるわけでございますが、何さま不徹底でございます。確かにもう少し徹底しなければならぬ、もう少し湿度を科学的にやはりはっきりしていかなければならぬというふうに思います。そういう問題について、一定湿度以下、ある一定風の吹いている場合というような問題には、ことに注意をしなければいかぬ。これは消防庁のほうからもそういう内容のものが連絡されております。しかし、さらにそういう問題を含めてほんとうに重点的にやる時期、重点的にやる気象条件、そういうものをさらに詰めまして、もう少し徹底してまいりたいというふうに思います。それは今後十分対処してまいりたい、こう思っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 先ほどもお話しあったと思いますが、災害のあと地の復旧ということですが、これはなかなか現状はたいへんなようであります。現在そのあと始末も完全でないような状態でございますから、これも今後の対策として十分考慮するのじゃないかと思うのでありますが、この再造林について特に特段の配慮を願いたいという地元の声であります。その再造林の補助金の査定係数といいますか、こういうような問題についても非常な貧困な農家の方々でもありますし、多くのまた焼失面積も持っているのであります。十分に配慮していただきたい。こういう地元の声もあったのでありますが、この点については、長官としてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。この点ちょっとお聞きしたいと思います。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 焼けたあとの造林の補助金の査定係数でございますが、これは一定の基準がございます。基準に合致した場合に査定係数の優遇措置をとるわけでございますが、従来の査定係数でありますと、再造林については優遇措置をとる場合には百点、そうでない場合には六十点。それから拡大造林の場合には百二十点、こういう優遇措置をとっているわけですが、今回の火災によっての具体的の数字をまだ把握しておりません。この程度の被害ならば、当然優遇措置の対象になるのではないかと思います。具体的には資料が整備ししだい対処してまいりたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 次は消防庁長官のほうにお伺いしたいのでありますが、先ほどもいろいろ各委員の方からお話がございました。特にこういう状態でありますので、この消防体制の体質とかまた待遇とか、いろんな問題について旧態依然とした姿ではいけない。こういうお話がございました。いろいろお聞きしますと、関係当局におきましても、山林火災対策協議会こういうものをつくって非常に積極的にこの対策に取り組んでいるようでありますが、ここで全国の山火事の多いところ二十カ所を選んで、パイロット地区としていろいろやっているのだということでございますけれども、この一年間、この協議会ができて、パイロット地区を指定して、それがこの一年間どういう有効な手段が講じられてきたのか。この点についてお聞きをしたいと思います。

松島五郎消防庁長官

○政府委員(松島五郎君) 昨年五月の十二日に林野庁と私どものほうで林野火災対策研究会というのを設けまして、最近林野火災が増加しつつある現状にかんがみまして、この対策を早急に立てるべく検討を続けてまいっております。従来までに検討をいたしましたことは、林野火災対策の近代化という問題をめぐってどういった措置を講ずるか、あるいは火災予防の徹底をするためには、どのような方法をとるべきかというようなこと等を検討いたしてまいりまして、その検討に基づきまして、昨年の十一月には林野の火災出火の防止対策について関係方面にいろいろと注意すべき事項、あるいは実施していただきたい事項等を掲げまして、指導をいたしておるような次第であります。  なお、御指摘のございましたモデル地区と申しますか、パイロット地区の設定につきましては、林野庁といろいろ具体的なやり方についてただいま打ち合わせを続け、検討を続けておる段階でございまして、できるだけ早い機会に結論を得まして、実現をはかってまいりたい。かように考えている次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 先ほどの報告にございましたように、今回の火災は、非常に長い間燃えていたわけであります。それでそれに対してどうか、先ほど先輩議員の方からいろいろお話がございました、ヘリコプターを使って消火したのは実験的段階であるというお話であったのでありますが、なるほど当初のような風の強いときにはあのヘリコプターではほんとうに消火の役には立たなかったろうと、このようにも思われます。そしてある程度成果をおさめたとはいいながら、一週間近く、五日、六日、燃えていたわけであります。焼失面積については、戸数はわずかかもしれませんけれども、そういう絶えず不安の中にあったということは事実だと思います。そこで私はこういうたいへんな、十億近い損害を出し、また貴重な山林が焼失し、家屋を焼失するという、こういうことからいたしまして、どうしてもっと早く強力な体制がしかれなかったのか、このように思うのであります。たとえば火災発生時期、または次の日でもけっこうでありますけれども、空中写真によって現状を把握する、風の方向とかいろんな状況が写真によって正確に把握できる、それに対して適切な措置がとられる、こういうことも聞いておるわけでありますけれども、ヘリコプターが実験的に飛んだ、それで消火に当たったという程度で、このたびはそういう対策で終わってしまったわけであります。しかし、これだけの大きな被害をもたらしたのでありますし、再びこういう被害は起こしてはならない。このような見地からいたしまして、先ほどもいろいろ長官のほうからお話がございましたが、強力な研究、そしてまた対策というものを早急に講じなければ、貴重な森林を、そしてまた貴重な財産を焼失する、こういうことをいつもいつも繰り返さなければならない事態になるんじゃないかということを危倶するわけであります。こういうことで、どうか、先ほどの答弁にもあったのでありますから、要望として、答弁は求めませんけれども、空中写真とかまたはさらに空中消火、こういうことについて強力な研究を進めていただきたいと思うのであります。  最後に私は厚生省になるかどこになるかわかりませんが、被災者の方々のことについても先ほどいろいろお話がございましたが、まあ災害救助法が適用されないと、こういうことであります。三千六百六十ヘクタールというようなたいへんな広い面積にわたって被害があったわけであります。家屋の災害が少なかったということは不幸中の幸いであった、こう私どもは思うのでありますが、しかし焼失家屋が少なかったために、反面では災害救助法の適用が受けられない、こういう矛盾した問題がここに起きてきたわけであります。非常に零細な農家の方々であります。これらの方々に対して、どうしてもあたたかい手を差し伸べてあげるようにしなければいけない。先ほど来先輩委員のいろいろな質問に対しましても、法としては現在のところはないと、こういうことでございますが、この点につきまして、わが公明党が終始主張しておるのでございますが、これらの個々の被災した方々を救済するためには、どうしても国民災害共済制度とでも言うべきものを設け、そうしてたとえ一世帯であろうが、一人であろうが、その被災された方々を救済する道というものをどうしても講じなければならない、講じてあげるべきだ、このように考えるわけであります。いろいろな制度の上から問題はあろうと思いますが、一世帯、たとえばまた、ただ一人の人であろうとも、被害をこうむった方々を救済していく国民災害共済制度というべき、このような方途というものをぜひひとつ研究して実施するようにしていただきたい。このように強く要望するのでありますが、関係はどなたになるかわかりませんが、御答弁願いたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。問題は二つございまして、一つは災害救助法、これは厚生省主管ということになっておりますが、非常に制約のある法律でありまして、災害の場合に国民生活を臨時応急的に一週間とか十日、とにかく家をつくり、あるいは食料を供給しということで、臨時応急的にやるんだという応急救助法という性格。それからもう一つは、やはり一定規模以上、たとえば五千人から一万五千人、四十世帯以上というような、社会的に見て相当大きい範囲という法律上の制限があるものでございますので、これの内容については、私どもまだまだ不十分であるので努力しなきゃならぬというふうに思いますが、そういう制約のあるものであります。ただ、第二点でお話になりました、たとえ一軒でも、一人でもそういう災害がありましたときに、国全体としての制度、国民共済というような問題につきましては、実は総理府が中心になりまして各省でいろいろ研究会をやっておるんでありますが、これがいわゆる産業の再建、あるいは家族、家庭の再建というふうな相当長期にわたる対策という問題につきまして、なかなか結論がまとまらないというふうな状況、これは厚生省が申し上げるのはおかしいんでありますけれども、そういう状況であるということをひとつ御了承いただきたいと思います。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○説明員(川上幸郎君) ただいま先生から御指摘のございました個人災害共済制度の問題でございますが、この問題につきましては、前回の委員会におきましても佐藤先生をはじめとする先生方からいろいろ御質問がございまして、副長官から答弁いたしておりますが、繰り返して答弁をさしていただきます。政府といたしましては、ただいま今村社会局長からお話ししましたように、現段階におきましては、個人災害につきましては個人の自主的回復を原則としておりますので、国が関与するのは適当かどうか、またその関与する場合におきましても、その方法等は非常にむずかしい問題がある、このように考えております。政府は、この点を考慮いたしまして、去る四月四日におきまして関係各省庁、これは自治省、厚生省、大蔵省等でございますが、その間で会議を開き、以後もなお連絡等を続けておりますが、これらの基本論につきましては現在あります交通災害共済の関連をも考慮しまして、現在の交通災害共済の運営状況等を慎重に見ながら検討してまいりたい、こう考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 最後に一言。趣旨はわかりましたが、いずれにしましても、この山形村では村の構成からして四十世帯焼失しなければ災害救助法を受けられないということらしいんです。まあそういうことで少ないほうが望ましいわけでありますが、そのことのために結局焼失した方々が救済されない、こういう問題がございます。法的には、制度的にはいろいろな問題があると思いますけれども、どうかこれらの方々の救済の道もひとつ積極的に進めていただきたい、このように心から要望いたしまして、私の質問を終わります。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 今回の岩手県の山林火災、これは私はわれわれに一つの検討すべき問題を与えたと思います。特に先月の末から今月の六日までの間に実に岩手県において民有林で五件「国有林で五件、さらに岩手県に接する青森県において国有林で一件、民有林で三件、計四件、岩手県、青森県合計十四件、こういう火災が発生しておるのであります。私は最近だんだん山林火災が頻発する傾向があるように見られるんです。たとえば昭和三十八年以降昨年までの間に年々二千件以上、四十二年のごときは三千件をこえる火災が発生した。おそるべき私は山林火災だと思うんです。まさに風林火山の思いがするわけであります。そういうような非常に最近山林火災が多くなっておるのでありまするが、どうもこれに対する火災の予防、火災の防止、消火等の体制が十分できておるのかどうかということを、われわれがここで検討する機会を与えられたんではないか、こう考えておるわけであります。たとえば、きわめてこれは間接的な素朴な何でありまするが、これはたぶん林野庁関係で調査されたと思うんでありますが、日光の小来川地区の山林地帯の山林組合にアンケートをしたものがあります。一町未満どうだ、あるいは一町から五町未満あるいは百町までの間で各層の考え方を聞いておる。それには火災に対する考え方というものは全然出ていない。で、ほとんど多くは労務管理の問題、苗木のあっせんを改善してくれとかというような問題、機械化を推進するようにとか、こういうような問題が多いのであります。したがって、一般の林野の中で生活している人々でさえも、火災に対する考え方が非常に低いのじゃないか。一方、私はそういうふうに対火災観念というものが低い、一方火災の予防、防火等についてのいろいろの施設というものも案外そこまで進んでいない。こう考えるので、今回の岩手県を中心とした火災が非常に私どもに大きな反省の機会を与えてくれたと思う。  そこで、私は一応火災ばかりでなく、山林の中で発生する気象災害がたくさんあります。これについて一応気象庁からお伺いし、どういうふうな気象災害があるのかということをお伺いしておきたいと思います。

毛利圭太郎気象庁予報部長

○説明員(毛利圭太郎君) ただいまのこの気象災害でございますが、まあここに、先生がいまお話しになりました山火事でございます。このほか、まあたとえばふだんでございますと雨とかいろいろな場合がございますけれども、今回の山火事に対しましては、大体各地方気象台から異常気象、異常乾燥注意報というものを出して、いろいろ一般に周知しておるわけでございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 そこで、林野庁にお伺いしまするが、いろいろな気象変化に応じて気象庁からあるいは強風があるぞ、あるいは豪雪があるのだ、あるいは豪雨があるのだ、あるいは異常な乾燥があるんだというような予報、とにかくそういう予報なりあるいは警報が出たのに対するその際の林野庁の対策というものはどういうふうになっておりますか。林野庁からお伺いします。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) いまの火災並びに気象災でございますが、気象災は保険の対象としては大体六ついたしております。火災、気象災でございますが、火災につきましては何べんもお答え申し上げているわけでございますが、これは山林所有者が火災を起こすという、火災になるという原因をつくるわけじゃなしに、むしろ一般の関係、山に入ってきている人等も含めまして、たとえば、たばこの火とか、あるいは火入れは山林以外でやるわけでございますが、そういうようなこととかが原因になっていることが非常に多いわけでございます。したがいまして、どうしてもそういう山に関係し、入ってくる人のそれぞれの人の認識を高めていくという以外にないわけでございますが、特にその時期と申しますか、火災発生の非常にあぶない時期につきましては、そういうものを高めるためにポスターをはるとか、あるいは講習会をやるとかあるいは幕をはるとか、そういうようなことをつとめていたしまして、特に乾燥期、特に強風期、そういうものは特に注意するように指導をいたしておる次第でございます。  なお気象災につきましては、これはたとえば苗畑とか、そういう人の手のやりやすい場合ですと、乾燥期なりあるいは急に温度が下がるという点については、あらかじめその予報を受けまして対処いたしておるわけでございますが、膨大な山につきましては常日ごろ、たとえば雪害に対しては雪害に耐えるような樹種、植え方というようなものを通して、これに対処すべきじゃなかろうか、そういう意味で指導をいたしておるわけでございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 どうも責任を山林住民に嫁するような話ですが、しかし何といっても山林当局の林野庁の責任が大きいと考えます。それをやはり山林の住民に転嫁するような考え方では、私は山林火災の予防対策というものはできないんじゃないか、そんなことではいかぬと思います。もう少し積極的な体制を持った対策がとれないのかと考えます。たとえば、そういう気象災害が予知される強風、台風が襲ってくる、あるいは異常な乾燥が起きる、そういう気象現象が発生することが、今日すでに何時間か前あるいは何日か前に予知されるのであります。今日の気象科学からいうと予知されるわけでございます。それが山林の中に生活している人々に伝達されないはずはないのでありますが、そういう伝達の組織、機関あるいは施設というようなものは、これはどういうふうになっておるか、それを伺っておきたいのでありますが、時間の関係もありますので、私はある程度まで進めていこうと思います。たとえば営林局営林署の関係で、現地のほうの関係で、そういう気象災害の発生のおそれある場合にこれを伝達する、あるいはそれに対する予防措置をとるというようなことで、現地でいろいろとられるだろうと思う。けれども、そのたとえばまず第一に人間の配置がどういうふうになっておるのか、今日いろいろ聞いてみますると、あるいは調べてみますると、林野庁関係に就職する山林労働者がだんだん少なくなってきておる。それはどういうことかというと、非常に賃金が低くて、労働条件が劣悪だ。だから、だんだん少なくなっていってみんな逃げてしまう。私のおります新潟では、たとえば入広瀬村方面の山林で非常に劣悪な労働条件で働いておるので、とてもかなわぬと逃げ出す。そうなってまいりますると、山林の伝達機関というのは、ほとんどこれは人間の足だ。伝達すらも十分でないと思うのであります。まして、予防措置というものが一体どうしてとれるのか、私は非常に不安に感ぜざるを得ない。だから、昔は、火災の問題を取り上げてみますと、山林火災が起きますと向かい火を一方から、東のほうから火が延びていくと、西のほうにまた火をたいて東と西の火をぶっつけ合って火を上に向けて火災の延焼を防ぐ、これが昔からとられてきた向かい火です。まあそういうような原始的な方法は、これは地元の人たちが、さあ山火事だというとそういう方法よりとれない。もちろん水が足らぬのでそれよりほかない。われわれは小学校のとき日本武尊が草なぎの剣をふって山火事を防いだといっておりますが、それはやっぱり一つの向かい火じゃないかと思うのです。そういうようなこと以外は今日までとられなかったのじゃないか。原始的な方法、それも地元の農民、地元の山林居住者に依存するよりほかない。私はそれでは、あのそれこそ風林火山のような、早いこと風のごとく、激しいこと火のような山火事をどうして防ぐことができるかと考えざるを得ない。それは結局林野当局の火災に対する体制というものが十分とれてないせいじゃないか。本年出されました、これは林野庁の白書かな、林業白書かな、これには防災施設のことが書いてありますけれども、いま長官が言った警報器、警報幕を出すとか、いろいろなことが書いてある。また一方にはこういう林業試験場で火災の対策の研究をやっておる。その結果どういうふうにするかわからぬが、とにかくそういうふうな非常に私はきわめて貧弱な体制をまだとっているのじゃないかと思うのです。本年初めて化学消火薬を散布してわずかに防止することができたのが一つの大きな進歩だと思うのでありますが、そういうようなことで実はもう少し一問一答やっていきたいんだけれども、もう時間がないのでせかれるのですが、そういうことでありまするので、私は林野庁にもう少しその火事に対する体制の整備、施設の整備というものを積極的にやっていただかなければならない。それをやらんで山林居住者に対して、おまえたちがわれわれの言うことを聞かないからこうなったといって転嫁するようなことは、これは私は納得できぬと思のですが、どうですか。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) いまのは予防並びに消火の林野における体制が不十分じゃないかということの御質問だと思いますが、実態をお話し申し上げてみたいと思います。まず国有林につきましては、先生、先ほど御指摘のございました営林局署におきまして消火予防並びに消火対策本部というものを常に火災危険地につくっております。すぐなれまして、いつでも発動できるような体制を常時備えておるわけであります。その施設につきましても消火ポンプ、背負い式の化学消火器をつける施設とか、そういうものを含めまして、たとえば消火ポンプにつきましては全国一営林署二・五台当たりの平均を持っております。特に東北地方は火災が非常に多いということから四、五台一営林署当たり持っております。そのほかに背負い式の化学消火器の施設、そういうものを一応そろえて体制はとっておるわけでございます。いろいろな予防につきましては、先ほど申しました連絡あるいは啓蒙、そういったもの、あるいは注意、そういうことを常にやっているわけでございます。連絡機関としましては、無線機をそろえまして、それぞれに連絡できるような体制にいたしておるわけでございます。しかし、最近の火事が非常に多いあるいは大きくなる傾向がある。と申しますのは、今回の場合も非常に強風が吹きまして、二十何メートルという非常に風が強いというようなことから、非常に大きくなったわけでありますが、それらに対処するために数年前から試験場をして研究させております。いわゆるヘリコプターによる消火方法を研究させておりましたが、いろいろな薬剤についてそれを研究させておったわけでございますが、隣酸アンモニウムが一番いいだろうということで今回実施したということでございます。  なお、民有林の関係につきましては、それぞれ白書に書いてありますような標板とかあるいは望楼とか、携帯の無線機とかあるいは人の配置とかいうようなことで、これも体制をとっておるわけでございますが、予防消火につきましての行政としての姿といたしましては、消防庁のほうで御担当いただき、かつわれわれもそれと相協力しながらその体制を固めていくとようなことで、先ほど消防庁の長官もおっしゃいました研究会を昨年設けまして、その体制をどうにか万全の体制を固めよう、こういうことで始めておるわけでございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 あと二、三点具体的にお伺いしますが、先ほども火災あと地の問題が取り上げられておりまして、これに対する善後処置、たとえばそこに林野庁が進んで官行造林をやるのかあるいはこれを民間にも利用させて民間に利益を残していくのか、どういう体制をとるのか、その一点。それから従来ともおそらく慣行特売、慣行による利用権というものがその山林居住者にあったと思う。その焼けあとに慣行利用権を持っておる住民に対する対処はどういうふうにされるか、まずその点を。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) あと地の問題で二つ内容があると思います。一つは国有林のあと地で、国有林のあと地につきましては、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、まずあと地の整理をやったあとでその土地をどういうふうに回復するかという問題につきましては、地元の意見もお伺いいたしまして、総合的にその土地がほんとうによく利用されるように、そうしてわれわれもすみやかに造林するように、その場合に地元の意見も十分お聞きしましてそうして対処してまいりたい。民有林につきましても、その造林関係につきまして補助金の優遇措置というものがございます。これもある一定基準以上でございますけれども、今回の場合はおそらく面積が多いわけでございますから、具体的にならないとはっきり申し上げかねますけれども、基準ではおそらく当てはまるだろう。としますと、その優遇措置を講じまして、造林補助金の増額によってすみやかに造林していただくという形に指導してまいりたい、こう思うわけでございます。  それから慣行の問題でございましたが、これは前に一度三十九年かなんかの大きな火災、これはことしの発生の十倍ぐらいのがございまして、そのとき地元の関係の部分林関係がやはり若干火が入ったようなことがございまして、それらの処分につきましては地元にそれを払い下げた。利用権者と申しますか、部分林権者に払い下げたというような措置を講じておるわけでございます。いずれにしましてもそういう慣行の問題の関連につきましては、もう少し地元との具体性の中でお話を承って検討してまいりたい、かように思います。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 これは重要な問題でありまするから前向きにひとつ検討して地元住民の利益になるように対処していただきたい。  その次は保安林の問題。保安林には御承知のとおり国有の保安林もあり、公有の保安林も民有の保安林もある。だがその保安林も災害が起きておるに違いないと思うのでございます。そうすると、かりにこれから雨季に入る。豪雨がきて災害の発生するおそれがある。その火災の後における今度はそれを——先に審議いたしました地すべりやあるいは土砂の崩壊や土石流やら、いろいろな災害が伴ってくることは避けられないと思います。この保安林に対する対策をひとつ検討しなきゃならぬと思うのだが、どういうふうにされますか。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 保安林の対策といたしましては二つございます。第一点は、そういう焼けたところをすみやかに整理をさせる、具体的に申し上げれば造林をするということが重要でございますが、その場合に、保安林の場合は国と県とが持ちまして、全額国と県との費用負担でこれを実施するということでございます。それからもう一点は、いわゆる焼けあとに対する予防、いわゆる今後の災害に対する予防という問題がもしありとすれば、これは治山関係の、予防治山ということで現地に即した検討の中で進めてまいりたい、かように存じます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 さらに最後の一点、国有林がそのように火災になって——いままでは国有林地元町村に対して交付金が出ていたのだっと私は考えておりますが、焼けたからもう出さないと、ごめんこうむる、ほっかぶりでいこう、こういうようなことはおそらくないでしょうね。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) 先生御承知のように、地元交付金というのは、土地に対する交付金の算定でございます。したがって、立木の問題とは関係ございませんから、焼けたから交付金がなくなるということはございません。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 終わります。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) この際、私から一言要望を申し上げておきます。  山林火災に対する各委員より提起された切実にして重要な諸問題に対し、政府部内の対策はきわめて不十分であるのみならず、総合的統一性に欠けるものがあると考えられます。よって、政府は中央防災会議を中心に当面、消防庁、林野庁は密接な連絡をとり、山林火災に対する防火体制、消防活動、被災者救済対策等について、すみやかに総合的方針及び具体的対策を樹立せられる必要があると考えます。本日のところ、中央防災会議関係者、消防庁、林野庁、両庁間に強くこれを要望しておきます。後日、その方針を承りまして、さらに審議を進めたいと考えておりますので、よろしくお含み置き願いたいと存じます。  本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 次に、霜害による災害の対策に関する件について調査を行ないます。  この際、政府当局から、霜害による被害状況等について説明を聴取いたします。農林省荒勝参事官。

荒勝巌農林大臣官房参事官

○説明員(荒勝巌君) 農林省から凍霜害の被害の概況について申し上げます。  五月六日、前線が日本本土上空を通過いたしまして太平洋上に移動した結果、全国的に晴天になり、なお、高空の寒気の影響と相まって、七日早朝、東北から近畿にかけまして内陸部に相当量の降霜がございました。その結果、果樹、桑、野菜等を中心に農作物に相当の被害が発生した模様でございまして、被害は山形、福島、長野等の各県を中心に十三県にわたり、被害の総額はただいまのところ府県からの報告によりますと、五十九億七千万円前後に及んでおります。  なお、農林省といたしましては、統計調査部を通じまして早急に被害状況の実態を把握いたしたい、こう思っておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○委員長(足鹿覺君) 本日は、これにて散会いたします。    午後六時二十分散会

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