決算委員会 第8号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/05/16
会議録
○委員長(木村禧八郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、須藤五郎君が辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。 —————————————
○委員長(木村禧八郎君) 昭和四十二年度決算外二件を議題とし、総括質疑を続行いたします。 御質疑のある方は、順次御発言願います。
○黒柳明君 私はきょうも大学問題を取り上げたいと思いますが、新聞報道によりますと、大学立法も政府自民党の手によりまして最終的な原案もかたまりつつある、まあ二十日、二十三日ごろをめどにしまして具体的な国会提出も行ないたいと、こういうような報道がなされております。その間、政府も野党の意見を取り入れたことは一応多としますが、根本的にはまだまだ立法内容、原案自体には問題点が幾多あると思うんですが、そこで私は、前回も裏口入学のときに指摘しましたように、確かに現在の学生の暴力的な行為というものは全面的に否定されなければなりませんが、とともに、政府の大学問題に対して取り組む姿勢、あるいは大学当局が紛争を巻き起こすような原因を内在していると、このような点も感ずるわけでございます。 で、きょうは、私は政府の姿勢、並びに、なかんずく大学内におけるこの学園紛争が大学紛争の大きな原因をなしているのではないかと、こう思うし、またこう断定したいのですが、いわゆる受託研究費、まあ委託研究費、しかもこれは国庫を通っておりませんし、いわゆるやみの受託費、これについて私は指摘したいと思います。文部省のほうも、もし資料がございましたらごらんになっていただきたいと思うのですが、私の手元の資料によりますと、四十三年度会計検査院が検査した結果判明したいわゆるやみの受託研究費は一億三百六十八万二百九十六円である。大学別に言いますと、北海道大学が十二件・五百八十六万四千二百六十円、東京大学が八十七件・三千九百九十二万七千二百七十八円、京都大学が二十二件・二千六百七万七千六百七十円、以下帯広畜産大学、東北大学、千葉大学、横浜国立大学、岐阜大学、名古屋大学、大阪大学、広島大学、熊本大学、計二百七十九件で、先ほど言いました一億三百万余のお金がやみ受託研究費として会計検査院によって指摘されている。この間、国が正式に受け入れたものは、四億三千百十七万三千七百二十円、こういうことになっておりますが、この数字について、間違いがないと思うのですが、念のために確認したいと思うのです。
○政府委員(安養寺重夫君) いま御指摘の会計検査院から照会のございました二百七十九件一億三百六十八万余という金額には間違いございません。なお、四十三年度の受託研究費の予算額につきましては、四億八千五百七十六万円でございます。
○黒柳明君 従来から産学協同、こういわれております。それ自体には賛否再論がありますけれども、プラスもありマイナスもある。しかしながら、この産学協同の美名に隠れて、そして一企業が、官立、公立の大学、そうして教授——こういうことになると思いますが——に研究費を渡す、その大学の教授が国の施設を使い、あるいは学生を使ってその研究に当たる、そしてそのリポートを一企業にまた返す、こういうふうなことです。しかしながら、これをよく考えてみますと、これはいま言いましたように、国庫に入ってない、これが相当あると思うのです。この一億三百数十万という金額は、あくまでも検査院が照会し、指摘した分であって、これはまだまだ氷山の一角である。このほかに隠れたやみ受託研究費が相当あることは、これは間違いない、私はこう見たいのですが、いかがでしょう。
○政府委員(安養寺重夫君) いろいろお話でございますが、日ごろそういう経理につきましては、一たん国庫に入れまして国の歳出として適正に使用するというような指示をいたしているわけでございますが、御指摘のような事例が絶無であるということは私ども残念ながら言いかねる状態でございます。
○黒柳明君 当局の手前、絶無であるとは言いかねる、私に言わせると、絶無どころか、このやみ受託研究費のほうが多い、こういうふうに見たいと思います。それで、さらにこれをこまかく調べて見ますと、いわゆる東京大学等、先ほど指摘しました中で、企業別の金額、これらを見ますと、八幡製鉄から百五十万、富士製鉄から二百十五万、三共製薬百万、天野製薬百二十万、富士写真フイルム六十万、芝浦電気五十万、巴工業五十万、住友金属二十五万、大日本塗料二十四万、いすず自動車二十万、日本カーテンウオール三十万、その他いま指摘しました十二大学にわたって各一流企業からこのような金額の受託研究費が出ております。さらに私の手元にそれがどの教授にいき、いつどういう受託研究目標として使われたか、さらにそれがどのように使われたか、この東京大学の受託研究費に関しての調べた資料はここにありますが、ただいま私が東京大学だけに限って部分的にあげましたが、これについても、この数字は間違いないと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(安養寺重夫君) いまお話のございました件につきましては、相違ございません。
○黒柳明君 ただいまおっしゃいましたように、四十二年の九月八日ですか、大学学術局長から各国立大学の学長に対して、研究の受託に関する経費は、すべて歳入歳出予算を通じて適正に経理すること、こういう通達がいっているわけですね。ところが現在においては絶無とは言えないどころか、こういうやみ受託研究費が相当に使われているし、そしてこれがいまもって横行している。聞くところによりますと、文部省当局がこれについて通達し、さらに実際的な調べあるいは示唆、勧告を与えても、大学教授の権限が強くてこれは受け付けられない、こういうふうなことで文部省当局も困っているんだ、こういう話も私は聞いております。また、ある大学の教授はそれこそこの研究費を私腹化して、そして豪遊をしている。りっぱな邸宅もつくってそうして研究費自体を私腹化しているというようなことも幾多聞いております。そういうようなことをここにあげても時間がございませんので、そのことは割愛させていただきたいと思いますが、こういうふうに国の会計を通ってない。しかも、文部省はそうするようにしてきた、要するにこういう研究費は国の予算に入っていない、これは会計法違反じゃないかと私はこういうふうに思うんですが、いかがでしょうか、会計検査院のほうは。
○説明員(石川達郎君) ただいまの御指摘でございますが、受託研究一般には、これは先ほど先生御指摘のように、国の施設を使いあるいは光熱、水道、消耗品等を使用するわけでございますが、財政法の規定によりましても、こういった需用を充たすための支払いの財源となるべきものは、すべてこれを収入にあげるという規定もございます。したがいまして、財政法の趣旨に沿わない事態であるということは申し上げてよかろうと思います。
○黒柳明君 財政法の趣旨に沿わない、そのこと自体が違反である、こういうようなことにも通ずるんじゃないかと思うんですが、それで、会計検査院のほうとしても、こういう一億数百万、氷山の一角であると私は言いましたですが、こういうことを公表しなかった理由、これは私は現在の大学問題というものが非常に紛糾しているこういう時代にかんがみて、要するに、ある一部の専門家に言わせますと、今日の大学紛争の最大の根源をつくるのは、このやみ受託研究費である、このようなことを言っていた人もおりました。御存じのように、学生はただ働きさせられる、あるいは医学部においてもインターン制度、こういうものが問題となるとともに、一部の教授が研究費を使い、そうして学生はただ働き、無給で使われる、こういうような大学の教授が企業とタイアップして、しかも研究費というものを私腹化する。その反面、それによって、悪いことばですが、こき使われるような者がいる。こういうことは長い間一応大学の公然の秘密とされてきた。しかも、このことが積もり積もって相当内部のうっぷんもあった、それが一つの暴力学生、大学問題に対しての暴力を中心にして紛争を巻き起こし、いま言ったように、長くうっせきした不満というものがさらにそれをバックアップするような結果になって、大学当局の内部からも紛争を推進するような動きが出てきたんじゃないか、こういうことも聞いておりますから、会計検査院が、むしろこういう会計法違反の事実を公表しなかったことは、いまの大学紛争の事態というものを考慮してのことではないかと、私はこのように思うんですけれども、その点いかがでしょう。
○会計検査院長(山崎高君) 前後の関係も承っておりませんので、御答弁申し上げましても、あるいは的はずれではないかと思っておりますが、その点は御容赦願いたいと思います。受託研究費につきましては、正規の、国庫からの歳入歳出の手続を経ないという場合もあるというようなことが指摘され、検査にあたりまして察知される場合がありましたが、これはなかなか証拠がなくてむずかしいことでございますので、いろいろと検査のときに総合的な判断から持っていくというようなことで実地調査をする調査官のほうも非常に骨折っておるところでございます。そういうようなことが大学の実地検査等におきましてちらほらと見えるということがございますが、われわれは確たる証拠によってものを言う役でございますので、こういうようなことがありますれば、会計面からいっておもしろくないということで、文部省に対しましては注意をうながしてまいってきておったのでございます。文部省におきましてもその基準をつくるというようなことも考えまして、適正を期するというようなことで、私たちも、これは一部だけちょっと、というようなことで、詰めが足りない部分もございますので、国会のほうに報告するには、さらにもう少し調査検討の上がよかろうし、しかし、わかった分については、とりあえず口頭で文部省に注意して、今後は十分にやろうと、こういうようないままでの取り扱いになってまいっております。なお今後とも十分にひとつ注意したいと、かように考えておる次第でございます。
○黒柳明君 それで、かつて昭和二十八年度において、教育大学と同じような問題が起こりまして、それで一部を予算外に経理した、この事実を検査院から指摘された文部省が、その関係者を戒告処分にした例がございます。これはこのやみ受託研究費についてただ一点の私が調べた調査です。二十九年度の文部省の処分調書、これございますけれども、これと当然類似行為である、こう思うのですが、そうなりますと、このわかった分だけでも、当然これ今後の問題になると思いますが、これで調べて、それで不適正なものは当然変えさせ、これに関係した者は適正なる処分をしなきゃならないという、過去の事犯から見て、結果が出ると思うんです、結論が出ると思うんですが、局長、いかがですか。
○政府委員(村山松雄君) 国立大学における委託研究の受け入れ方につきましては、法規にのっとった受け入れの方式があり、それ以外のことはやらないように指導しておることは、先ほど会計課長から御答え申し上げておるとおりであります。しからば、そういう指導をしておるにもかかわらず、それに反することをやった者の責任ということに相なるわけでありますが、委託研究というような場合には、関係者は主として教官でございます。教育ということになりますというと、また別の観点から身分につきましても保障がなされておる。そのあり方についてもみずから大学において自粛自省するというたてまえがとられております。そこら辺を勘案いたしまして、事柄がどれだけ不適正であるか、その処置について関係者の処置をいかにするかということはさらに慎重に検討をいたしたいと思います。
○黒柳明君 それから、ただいまのは企業から本人に対しての受託研究についてですけれども、さらに財団法人をつくって、そうしてこの受託研究費を受け入れ、それを一つの隠れみのとして教授ないし研究所に渡す、こういう例が、これは東京大学と東工大の例ですけれども、大京大学の場合には生産技術研究所、東工大の場合には工業振興会、こういう財団法人をつくっております。四十一年度には受託研究費の件数として三十件、金額として三千三百三十四万、四十二年度には三十四件、二千四百十万、四十三年には三十件、千五百五十万余、こういうふうになっております。それで、国庫のほうに入れたのは四十一年が二件、四十三年が二件、四十三年が一件、東工大の工業振興会のほうは四十二年度が二百八件、九千百八十三万、四十三年度は二百四十八件、一億三千六百四万、これは全部やみ受託研究であると、この資料は間違いないと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(安養寺重夫君) いまお話ございました二つの団体が、その団体の事業といたしまして、みずからが受託研究をするということになってございまして、その該当件数並びに金額はいまお話のあったとおりでございます。 なお、その一部につきまして、正式に国の機関でございます教官にさらに再委託といいますか、委託しました件数並びに金額は、やはりこれまた御指摘のとおりでございます。
○黒柳明君 こっちの場合は、要するにいま言いましたように、財団法人をつくってそれを隠れみのとして、そうして国庫に入れないで各個人、教授に渡してしまう、こういう事犯であると私は思うのです。しかも、もう一点私指摘したいのは、先ほどは民間企業から教授に渡されたやみ受託研究費ですが、今度は国、地方公共団体及び特殊法人から教授に流されたやみ受託研究費があるのです。東京大学の場合には農林省、林野庁が非常に多くて、先ほどの四十三年度の内訳ですが、林野庁は七十七万が一件、百万が一件、農林省の家畜衛生試験所は百十六万が一件、同じく関東農政局三十万一件、二十五万一件、四十万一件、二十三万一件、その他各冒頭に申しました十二大学にわたって国、地方公共団体、特殊法人からこういう受託研究費を、これを受けております。これは民間の企業から出る研究費と当然性質を異にしておるわけですけれども、これに対して御見解いかがでしょう。
○政府委員(安養寺重夫君) いまお話がございました国なりあるいは地方公共団体の実は該当例がございますが、国立の大学の教官と特定の研究の受託契約を結ぶという事例がございます。これも、まあいわばまことに不当なことでございまして、われわれとしてはたいへん遺憾に存じておりまして、指導の徹底を期したいと思っております。
○黒柳明君 わずかな時間で大臣もいらっしゃいませんし、ほんとうは大臣みずから、先ほど申しましたように、大学立法の最高責任者になって、目下その立法原案を研究、最終段階を迎えておるわけですから、大臣みずからこのようなやみの受託研究費に対してどのように今後対処するかということの決意を承りたかったし、また具体的な方途、対策というものもお伺いしたい、こう思ったわけですが、局長は、このいま私が指摘しました、要するに民間からのやみ受託研究費、さらに悪質な国、公共団体、特殊法人から、いわゆる国民の税金を一教授が私有化すること、このような状態、さらには財団法人をつくってそれを隠れみのとして、そうして研究費をこれまた私有化しておる、先ほどの財団法人の例をあげますと、生産技術研究所、これは東大の関係ですね、東京ガスが百万とか芝浦電気十五万、日産自動車三百万、ここにあがっておりますが、東工大の工業振興会が東芝三十万、日本電気は二十万、沖電気四十万、その他があがっております。このように各種のルート、各種の方法を講じて、ともかく国の施設を使い、あるいは自分の学生あるいは研究所員を私物化する、こういうような方途で、それで会計法にも違反の疑いが濃い、違反ではないか、あるいは文部省の勧告にも違反しておる、こういうような事態に対し、今後どのように対処していかれるか、これを局長にお伺いしたい。
○政府委員(村山松雄君) 国立大学におきましても外部から資金を受け入れて、また外部に対してサービスをするという事柄自体は、大学の教育研究の目的を阻害せず、自主性を失なわない範囲において適当なことでございます。そのために現在特別会計におきまして受託研究費あるいは奨学寄附というような正規の受け入れの道を開いておるわけであります。したがいまして、外部からの資金の受け入れは、国あるいは公共団体、民間たるとを問わず、そのような正規のルートによってやってほしいというのが文部省の考え方であります。その考え方に基づいて指導しておるわけであります。ところが、正規のルート以外の資金が入るという実態は御指摘のとおりでございます。その原因を考えてみますと、やはり大学の教官において法規等に対する知識の不十分というような問題もあります。それから事務的な扱いについてのふなれというような問題もあります。俗に申しますと、ついめんどうだから早道でやってしまう、そういうような気持ちは、これは私どもとしても根気よく法令の趣旨の徹底をはかって、そういうことをしないように指導してまいらなければならぬと思います。それからまた、正規のルートにたよらない一つの理由といたしましては、たとえば受託研究という正規の道をとりますと、予算の年度区分等がありまして、大学の教官などはそういう年度とかそういうことに関係なしに研究をやりたいという、非常に自由というか、あえて申せばわがままというか、そういう気持ちがございます。そこで正規の受け入れ態勢にいたしましても、できるだけ取り扱いの改善をはかりまして、教育研究がしやすいように、しかも外部資金の経理が適正に行なわれるように改善につとめながら、やることは必ず正規の道によるということを指導助言あるいは会議、研究会等々を通じて徹底をはかってまいるほかにないかと思います。そういう徹底をはかりまして、なおかつあやまちをおかす者につきましては、事柄によって適正な措置を検討してまいりたい、かように存ずる次第でございます。
○黒柳明君 最後に一言。結局この問題の原因というのは、研究費が少ないということに原因するんじゃないかと思います。ですから、やっぱり国防費に多額な金を使う、その反面、やっぱり教育費に対してもそれ相当な予算の措置も講じなければならぬじゃないか、ここらあたりが非常にやっぱりいまの関係者、政府・自民党がこの学校教育に対する真剣なる取り組みが足らない、こういうことが最大原因である。あながち教授がいまおっしゃいました法に無知であるあるいは会計経理方面に暗いということだけがこの問題を惹起した原因じゃないんじゃないか、私はそう思います。最後に、検査院の指摘した点、非常にこれも多としますが、先ほど言いましたようにこれは氷山の一角である。文部省当局もこれに対して厳重に臨むし、また違反者は適当に処分する、こういう御答弁をいま聞いたわけですが、検査院当局もまだまだこれに対しての検査を重ねて、それでさらに適正なる処置をする方向に持っていっていただきたいと思いますが、院長のお話を承りたい。
○会計検査院長(山崎高君) 受託研究の経理の適正化につきましてはお話のとおりでございますので、今後さらに十分に検査をいたしたい、かように考えております。
○委員長(木村禧八郎君) 速記をとめてください。 〔午後零時十五分速記中止〕 〔午後零時三十分速記開始〕
○委員長(木村禧八郎君) 速記をつけてください。 —————————————
○松井誠君 私は、いささか旧聞に属する事柄ではあるのでございますけれども、新潟県の長岡駅を中心として起こりました団体旅行の募集をめぐる、あえて言えば不正事件、そのことを中心に少しお伺いをしたいと思います。 あまりゆっくりした時間がないようでありますから、簡潔なお答えをお願いいたしたいと思うのでありますが、最初に、国鉄では旅客による収入、特に団体旅客による収入というようなものについて、全国の支社なり鉄道局なりごとに割り当てといいますか、何か達成目標といいますか、そういうものを毎年度の初めなら初めに割り当てるというようなことをやっておるのでしょうか。
○説明員(長瀬恒雄君) 国鉄の収入につきましては、国家予算で収入がきまりますと、これに対して過去の実績を顧慮いたしまして、それぞれの支社に全体の収入目標を配賦するわけであります。その中身は、旅客の中では普通客あるいは定期客、それから貨物収入——一括して渡しまして、それをさらに地方の局におきまして、それぞれの駅に努力目標というものを明示いたしまして、収入の確保につとめるわけであります。特に団体ということで、これを割り当てていることはございません。
○松井誠君 その団体旅客による収入というものは、やり方によれば具体的に増収することもできるというような性格があるだけに、私がお尋ねをいたしますのは、その達成目標、努力目標というものが高過ぎたせいなのか、あるいはそれをオーバーすることによって成績をあげようという、いわばあせりといいますか、そういうことがあったからなのかわかりませんけれども、その団体旅客の募集をめぐって問題が起きたわけであります。この団体旅客の募集は、いま言ったように年度の達成目標というものが一応あるとすれば、その年度間の団体旅客の募集は大体どうするか。そういう目標といいますか、そういうこともあらかじめ大体の予定というものはきめるわけですか。
○説明員(長瀬恒雄君) 駅に収入が割り当てられますと、駅長は、それに対して、貨物で申し上げますと荷主を訪問する、あるいは団体募集を計画しまして、駅長がこれについてやるわけであります。しかし、団体の募集にいたしましても、大体、例年同じような計画があるわけでございまして、団体の運賃収入と申しますものは、四十二年度で申し上げますと三百五十五億ございますが、駅のは全国で大体四十四億。したがいまして全体としてはほんのわずかなパーセントでございまして、したがって、大体前年の実績に合わして駅長が、そうした地元の方々の中には団体を希望する方が非常に多いわけでございますので、そういうことを察知いたしまして、そうした団体募集をするというのが現状でございます。
○松井誠君 その達成目標というのは、おそらく各駅ごとにまた細分化して割り当てられると思うのですが、その割り当てられた目標を達成するために、駅ではいわゆる旅客のあっせん業者というものと一緒になって団体旅客の募集の計画その他を立てる、こういう仕組みというか、そういう手順になっておるのでしょうか。
○説明員(長瀬恒雄君) 団体の問題としましては、御承知のとおり、学生の団体がございます。これはもう学校から申し込んでまいります。それから定期便というのがございまして、これは宗教団体を中心としまして、一定の目的地へ毎日あるいは毎月、企画的にやる団体がございます。そのほかに、いわゆる二十五人以上の団体として、お客さまのほうから直接申し込みがある。で、共催団体と申しますのは、これは駅長が主催いたしましてビラを配る、あるいは看板を立てまして、そうして募集するわけであります。ただ問題は、遠距離に行きますときは、旅館の手配とかあるいは交通機関、バスの手配、そういうものがございますので、その関係上、そういう仕事につきましてはあっせん業者に依頼をするという結果になるわけでありまして、その関係で共催という形式をとっておるわけでございます。
○松井誠君 で、この共催団体との取り扱い規程といわれるものがあって、私の聞いたところでは、予定された団体旅客の数が足りないと、足りない分について——大体九割まで達成されればいいわけでありますけれども、目標数の九割に満たない場合には、満たない分についての旅客の旅費というものを、その業者と国鉄とで半分ずつ持つ、何かそういうことが規定としてきちんと書いてあるということですね。
○説明員(長瀬恒雄君) 旅客の営業に関します約款がございますが、さらに公示をいたしましてそれらの規程をつくっておりますが、現在の仕組みとしましては、本線を走る列車、これは一両では困りますので、そこで六両というふうに一応規制をいたしております。したがいまして、その点から、それに対して定員が大体八十人でございますので、それに対するパーセントとして普通の団体は九割。したがいまして四百八十人に対しての九割でございますので、約四百三十名の責任人員、これは先生がおっしゃいましたとおり、それに達しなければ、その分だけは、国鉄としてはその責任人員までの運賃はちょうだいする。したがいまして、業者のほうで損をするというかっこうになるわけでございます。
○松井誠君 その責任人員——予定数の九割である責任人員に満たない場合には、業者が責任を持って旅客運賃を納める、そういうことになっておったその制度が、業者がかりに責任人員に一割足りなかったその一割分を、国鉄に金を納めるということをやらないで、家族が国鉄の職員の割り引き証、それを使って乗る、あるいはほかの旅客が乗る場合もあるし、あるいは家族もだれも全然乗り込まないで、とにかく乗ったことにして、割り引き証を使って責任人員の責任だけ果たしている。そういう仕組みがどれくらいの期間の間かわかりませんけれども、続けられておって、去年の秋明るみに出たという、そのことが当時の新聞に報道されておるわけでありますけれども、これはその後の調査で、そういう事実が一体あったのか、なかったのか。そのことからお伺いしたい。
○説明員(長瀬恒雄君) 新聞に報道されました点につきましては、実態がちょっと間違っているところがございますので、御説明申し上げますと、先ほど申しました責任人員というのは、これは国有鉄道がそこまでの運賃は収受するという仕組みになっております。いま御指摘の家族乗車証、これはやはり国鉄の職員が同じように団体募集に応じていた場合には、それに割り引きの運賃で行けるということでございまして、これは現在そういうような規定をつくっておりまして、何も国鉄職員ばかりじゃなくて、たとえば学生の割引証、あるいは戦没者の遺族の割引証、いろいろございますので、それらを込みにいたしまして、運賃を計算するわけでございます。たまたま新聞に出ておりました件は、参加人員が三百十七名ということでございました。責任人員は三百六名でございます。そして国鉄の家族が三十五名参加するといったのが、実態は十八人しか行かなかったということでございまして、その間の点につきましては、その穴埋めをする——現実にその職員の家族が旅行するつもりでこれはやったわけであります。しかし、先生御指摘のような、あるいは新聞に書いてありますような点についていろいろ調査いたしますと、若干無理をしたのじゃないかという点がございまして、駅のほうから職員に呼びかけて、家族は行かないか——ところが、行かなかった人が出てきた、こういう結果になるわけであります。
○松井誠君 いまのお話ですと、三十五名という数字が出ましたけれども、それはたまたまこのことが表面化したときの具体的な事例がそのことなのであって、言ってみれば、それは氷山の一角といえば大げさかもしれませんけれども、そういう事態があったのは何もこのときだけに限ったのではない。いま言われましたように、割引証を使ってとにかく家族の人が乗り込めば問題はないわけであります。しかし、全然乗らない。いま言ったように、三十五名という割引証を使ったことになっておりながら、実際乗ったのは十何名ということを言われましたけれども、十何名乗ったのかどうかわかりませんが、ともかくそういう形で、しかし最終的な処理は三十五名の職員の家族の人が乗ったということで処理をされた。そういう意味では、現実の旅客の数とは実際は違った数で処理をされたということに、少なくともそのときはなったと思いますね。
○説明員(長瀬恒雄君) 団体の申し込みのときには確かに三十五名、それから一般の方が二百八十名、無賃が二名で三百十七名ということで受け付けております。しかし、これは仕組みといたしまして、現実にこの旅客が乗らなかったとなりますと、それに対して、結局国鉄の運賃としては三百六名の運賃を取るわけでありますので、三十五名は一応表面上、受け付けのときにおきましてはそうなりますが、現実には十八名乗っているという計算でその差額を取るわけであります。したがって、家族乗車証による、あるいは途中で病気になった、あるいは急に用事ができて不参になった、いろいろな例があると思いますので、そういう場合の実態と最後の運賃というものは計算をいたしておるわけであります。
○松井誠君 あなたもお読みになったと思うのですが、そのことが表面化したときの新聞に、柴山というその当時の長岡の旅客担当助役の話があって、団体旅行の責任人員を業者が果たせなかったときに、職員の割引証を利用したことがあるが、何人分利用したかはっきりわからない、こう言っておるわけですね。この記事そのものに間違いがないとすれば、いまあなたが言われたような形とは違うわけです。あるいは最初から三十五名なら三十五名分、家族が乗らないのに乗る形にしたのか、あるいは最初は乗る予定だったけれども、いろいろ都合で乗れなかったのかは別としまして、とにかく最終的には、責任人員を果たすために割引証を利用するということは、家族が実際に乗ってその穴埋めをするならば、割引証を利用するということばは出ないはずです。そうじゃなくて、実際家族も乗らないし、あるいはそのかわりの普通の旅客も家族に化けて乗るということもしない。全然穴があいている。穴があいているけれども、割引証で乗ったことにするわけです。もちろん、その家族というのは無賃で乗せるわけじゃなくて、これは何割引きですか、家族の割引というのは普通の旅客よりも多いけれども、無料じゃないわけです。ないから、業者としては納めなければならん責任人員の金というものが減額される。普通の旅客が乗らなくて、まるまるあいたのよりも減額されるわけです。割引証が利用されたというのは、そういう意味じゃないですか。
○説明員(長瀬恒雄君) 先ほど御説明いたしましたとおり、責任人員は三百六名でございますので、したがって参加人員の計画としては三百十七名。したがって十一名はそこでオーバーいたしております。しかし、もしかりに、そういうような作為を弄するといたしますと、これは三百六人に合わすべきだと思いますが、現実には十八人が参加した。結局十七人乗らなかったという計算になるわけであります。その分は、業者が当然負担するわけでありまして、乗ったことにするというわけではございませんで、計画の時点と現実の問題、それから先生御指摘のような、差額を、あるいは業者のほうの損を少なくするというような気持ちはあったかと思います——これはわかりませんが、現実に、かりにそういう計算をいたしましても、せいぜい二千円か三千円ぐらいの差しか出てこない。したがいまして、そういうような作為をもって団体募集をするということじゃなくて、当時はちょうど新潟の豪雪でございましたので、非常に募集が困難であった。したがって家族に呼びかけた。しかし現実には乗らなかった。こういうような私は感じがするわけでありまして、いま先生の御指摘のような点が、あるいは頭の中にあったかというふうには考えられますけれども、ほんとうに不正使用をする、こういう使い方はいけないわけでありますが、現実には不正使用する意図だと、こう断定することはできないのじゃないかというふうに考えます。
○松井誠君 いま三十五名の例ばかりを申されておりますけれども、私は、それをも含めて、そういうケースが非常に多かったという現地の人たちの、いわば証言に基づいてお尋ねをしているわけでありますけれども、職員というものはその家族の利用については無制限に使えるわけじゃなくて、回数に制限がある。ところが、上役なりあるいは募集係なりにいわれて、自分の家族用を使ったことにしてもらう。そうしますと、今度、自分の家族が現実に使いたいときにはそれが使えないような、そういうやり方がだんだんひどくなって、しまいには事後承諾、おまえの家族用を使ったからひとつということで、事後承諾を求められるようになってきた。そういうことで、だんだん職場の不満が高じて、具体的にこれがわかったのは、どうも乗客の予定されている人員と、実際に乗った数とがあまりに違うじゃないかという、出札の人がおかしいということになって、そこから表面化してきたというように私は聞いている。ですから、たまたま三十五名の問題は——この三十五名というのは長岡駅だけで三十五名をカモフラージュできるわけではないのであります。長岡の管轄というのは水上からどこまでか、とにかく相当広い範囲にわたっている。そうしますと、三十五名くらいの穴は、埋めようと思えば埋めることができるような駅の数はあるわけです。そういうことで家族用というのを使って、あっせん業者が納めるべき金を事実上軽減をしてやる、そういう意味で業者とのなれ合いで、ひとつは業者の負担を軽減するとともに、国鉄駅としては割り当ての達成目標というものを達成したという成績をあけるということにもなる。そういうように——きちっと、いつからいつまでということはわかりませんけれども、使われておった。これが現場の駅員の実際の見方なんです。そういうことは皆さん方にはそういう情報は入っておりませんか。
○説明員(長瀬恒雄君) いま先生の御指摘のような疑惑と申しますか、疑義を持たれるというおそれを私どもとして感ずるわけでありまして、現実には駅長が募集をいたします団体につきましては、これは相当好評でございまして、むしろ職員のほうの家族はなかなか入れてもらえないというような状態がございますので、したがいましてこうしたケースが出てまいりまして、たまたまこれは募集人員が少なかった、あるいは達しなかったという事態に対して、いま先生御指摘のような疑いと申しますか、不正らしいようにとられますので、私どもといたしましては、今後団体の旅行につきましては、こういう家族乗車証を使わないようにしてもらいたいということで現在は指導しております。無理をしたケースがないとは申し上げられません。非常に無理をしたケースがあったのではないか。しかし、国鉄には現実に損を与えておりませんし、業者といたしましてもその差額は納めるのでございますので、それほど形式上の形を整えるというためにやったというふうに考えられるわけでございます。
○松井誠君 そういうやり方がひどくなったのは、何か駅の職員、国鉄のいわゆるOBですね、OBがいわゆるあっせん業者の会社に就職する、いわば役人の天下りをする、そういうことでその業者と国鉄あるいは駅との癒着がひどくなって、そうしていま言ったような方式が大っぴらといってはあれですけれども、ほとんど大っぴらといっていいにひとしい形で広まるようになったのは、そういう業者への天下りというものがあるようになってからだ。具体的にこの場合にも近畿のツーリストビューロー、それにその当時、長岡駅にいたこういう関係の責任者のかつての上司がこの近畿のツーリストビューローにおった、そういうことも言ってみれば一つの疑惑を生む原因になっている、その辺の実態、言ってみれば業者への天下りの実態、国鉄ときわめて密接な関係を持っておる、そういうあっせん業者への天下りの実態、そういうものはつかんでいらっしゃいますか。
○説明員(長瀬恒雄君) 天下りということばが、どういう意味かよくわかりませんが、国鉄の職員も五十五歳で退職いたしております。それぞれ専門の仕事をしてなれているわけであります。したがいまして、旅客関係、あるいはそうした輸送関係にあった人がそういうところへむしろ来てくれということで、そこへ就職するということはございますが、天下りということばは無理に押しつけているという意味では私はないと思います。しかし、確かに先生御指摘のように過去の、かつては上司であったというような関係から、そこに若干そうした疑いといいますか、そういうものが介在する可能性がある、これは確かにないとは申し上げられませんが、しかし国鉄職員は非常にまじめだと私は信じているわけでございまして、そのために不正をする、あるいは業者にもうけさせるということは私はないというふうに信じております。
○松井誠君 信じられるのはけっこうですけれども、それが災いになって、現実に長岡の場合、こういう形で出てきておる。これは、高級官僚の天下りとは違いますから、したがってそういう意味で同じように私も考えるつもりはありませんけれども、しかし、それだけに非常に人の目につかないところで癒着が起こるという可能性があるだけに、私はやはりそういう点について配慮をしてもらいたいと思うのですが、こういう問題は長岡駅だけに限らず、全国的な一種のやり方としてあったんじゃないですか。何か水戸なりどこかでそういうことが問題になったというようなことを聞いたことがありますけれども、そういうことはありませんか。
○説明員(長瀬恒雄君) 詳細は私存じておりませんが、こういうようなケースが表に出ますと、そういうような可能性があるということで、私どもとして、今後につきましては団体旅行等には家族割引証を使わないようにしてくれというふうに指導しております。現実にはもう起こっていないというふうに考えております。
○松井誠君 いま、ことばの裏から察せられるように、これは必ずしも長岡駅あるいは新潟支社管内だけの問題ではなくて、全国的に採用された方法であった。で、しかもそれは不正でない、不正でないと言われますけれども、われわれの調べでは、これはもう明らかに不正に使われた。つまりだれも、乗ってないのに乗ったという形で使われた。あるいは家族が乗った形にして実は普通の旅客が乗ったということにも使われる。先ほど責任人員九割という話がありましたけれども、しまいには九割をこえる分——九割までは責任人員という形で業者が責任を負わなければならぬ、そういうことで九割までは使われるということ、それがしまいには、さらにその九割をこえる分までこの家族乗車証を使われるようになった。それが現地の現実を見ている人の見方なんです。で、このこと自体も、私は国鉄がそれこそ火の車の財政状態でひとつとれる手段は何でもとろう、そういうことでやった気持ちはわからぬじゃありませんけれども、しかしそれが全国的にこういう形で広がってきたということは、非常に遺憾な状態であったと思うのです。で、私が実は聞きたいのは、このこと自体もよくないことに違いありませんけれども、これをいわば国鉄の労働行政というか、労務対策というか、そういうものに利用をされたのではないかということが実はあるわけです。もう御承知のように、新潟支社管内、特に新潟県は労働組合が二つあって、あとでできた労働組合というものが非常に肥え太ってきた。そして第一と第二との間の差別待遇というものがしょっちゅう問題になっておるわけです。で、第一組合というのはこの制度ができるときに、先ほどもあなたも言われましたけれども、そういう旅客の募集は駅が主となってやる。駅が主となってやるということは職員が主となってやるということになる。職員が主となってやるということになれば、職員は自分の仕事以外のいわばよけいな仕事をしょわなければならぬ。で、いわば二十四時間勤務になる。うちに帰ってから隣り近所の旅客を誘う。そういうことをよけいやるだけに第一組合のほうでは、そういうようなことに反対をした。そうしますと、国鉄の増収対策に協力をしないという大義名分で、第一と第二の組合員の間で昇給なり、そういうものについての差別待遇に利用されてきた、こういうことが不満の実は最大のものなんです。で、こういうことをあなたに聞いても、大体はね返ってくる答えは想像できますけれども、しかし、そういうものに使われてきたという現場の不満というものを、耳にしたことはございませんか。
○説明員(長瀬恒雄君) 先生の御見解につきましては、私どもこれについては全面的に承服しかねるわけでありますが、まあ労働組合が国鉄に現在三つございます。それにつきまして差別待遇をするということは毛頭ございませんし、それから昇給につきましても当然これはルールに従ってやっておるわけであります。そうした差別待遇が起こり得るという可能性は私はないと思っております。したがって、労働問題としての介入はないというふうに考えられます。そうした不当な扱いをすること自体はおかしいわけでありますので、決して差別待遇はしていないというふうに私は考えます。
○松井誠君 まあ、そういうお答えが出るであろうということは初めから予想をされるわけですが、実は私も、数年前になりますけれども、衆議院におるときに、金沢鉄道局管内の不当労働行為というものを幾つかの駅にわたって調査したことがある。そのときには、そうすると——われわれにとっては明らかに不当労働行為、それこそ差別待遇ということはわかっておりますけれども、一人一人を取り上げてみれば、それはどういう理由で昇給をさせない、これはこういう理由で試験を受けさせませんでしたというような、もっともらしい理由が全部出てくるわけです。しかしこれを大量的に観察をして、第一と第二の組合員に差別待遇をしてるということは、大量的に観察をすれば歴然たる事実。一人一人を追跡していくと、いろんな事情でいろんな合理化をする理由というものは見つかる。だから水かけ論になってしまったわけですが、今度の場合はあのときほど数が多くないだけに、私はなおさら水かけ論になるだろうと思う。しかし現実にはそのときのいわば責任者、駅長なり助役なりですね、そういう者がその後どういう待遇を受けているのか、これはお調べになったと思いますけれども、私らの考え方によればむしろ栄転をしておるのじゃないか、そういうように思うんですけれども、その点はいかがですか。
○説明員(長瀬恒雄君) 先ほどの御指摘の助役につきましては、現在は直江津の助役をやっております。これは、職階の関係は同じランク、級職群でございまして、むしろ長岡の旅客駅から貨物の駅へ回ったということになりますと、むしろこれは私どもとしては左遷ではないかというふうに考えるわけでございまして、まあこれは見解がいろいろございましょうが、助役から助役に移ったということでございましたので、決して栄転ではない、むしろ横すべり。それから同時に、先ほどのような御指摘がございましたので、厳重なる注意の処分をいたしております。したがって、決してそうしたことについて栄転をさせたというふうには考えられないと思います。
○松井誠君 二つお尋ねをしたいんですが、一つは、厳重なる注意の処分をした。まあ注意というのはどの程度の処分かわかりませんけれども、とにかく処分をされた。そうしますと、先ほど必ずしもはっきり不正使用ということを認められなかったようでありますけれども、それはまあ言外に私は承認したと考えてもいいんじゃないか。ですから、少なくともそういう形で不正に使用をした、少なくともそういう疑いがある、そういうことで注意処分をした、そういう人たちが、たとえば一人は、駅長さんか何かは支社の課長か何かになってるんじゃないですか。そういうことはございませんか。
○説明員(長瀬恒雄君) 先ほどの不正であるかどうかという点については、確かにそうした疑いがあるという点で私どもは厳重注意をしたというふうに申し上げたわけであります。明らかにこれは違法であるという面も明確ではございませんので、きわめてまああいまいな御答弁になっておりますが、しかし客観的にあるいは社会的にそうした非難を受けたということは事実でございますので、厳重な注意をしたわけであります。 それから御指摘の、駅長が支社に行ってるじゃないか、こういう御指摘でございますが、これも実は、支社の課長と申しましても、駅長のほうがむしろえらいわけであります。これは、駅長といいますと東京駅長は一番、私どもとしてなれないくらいでございまして、現実に支社の課長からはどんどん現場の駅長に出ております。これが栄転かあるいは左遷か、これは非常に見解の問題もございますが、私どもとしては栄転とは考えておりません。横すべり。しかしたまたま、その人間がそういう仕事に向いてるということで、そこへ配置をしたというふうに考えていただいていいんじゃないか、こう考えております。
○松井誠君 まあ水かけ論ですから、だんだん終わりますけれども、いまになってこれを取り上げたという理由は、去年の春新聞で大きく報道されたときに、一体その責任者の人たちはどういうような処分をされるのだろうか。私の見たあれでは、職員家族の旅客運賃料金割引基準規程、こういうのがあって、少なくともそういう不正使用をすれば家族証の取り上げとか、いろいろな処分をしなければならない。そういうことがあるからということで、どういうようにその処分をされるのかということを見守っておった。ところが案に相違して、みんなが処分どころか、むしろ彼らの目から見れば栄転という形になっている。それでやはり国鉄の姿勢というものを正さなければならぬではないか、ああいうやり方そのものを大っぴらに認めたということになるとたいへんだ、そういうことで姿勢を正そうということになったわけでありますが、そういうことになった時期には、例の国鉄の運賃問題がたいへん忙しくて、私も石田総裁の話ではありませんけれども、武士の情けみたいなもので、いままで運賃の問題が終わるのを実は待っておった。そういうことで、たいへん時期がずれた形になりましたけれども、根は私は深いということを申し上げたい。これがあの当時だけで、その後の方針の変更によってこれは割引証の不正使用というものはなくなった、なくなったとしても、少なくともそういうものを利用をして陰に陽に第一と第二との差別待遇をやるというのは、これは新潟の支社の管内では決して珍しいことではない。しかも今度の場合には増収対策というものに協力するとか、しないとかいう、いわば大義名分があるだけに大っぴらに使ってきたわけです。しかもその増収対策をやった連中というものは、逆に増収対策に協力をしたという意味で栄転したということになりますと、この割引証の不正使用ということは、まさに天下ごめんでまかり通ったことになってしまう。こういうことを考えますと、何か労働行政のために、この適正な国鉄の運営そのものまでが曲げられるということになってはたいへんだ、そう思いまして、いまおくればせながら取り上げてみたわけでありますが、この肝心の、不正があるというわれわれの主張に対して、不正の疑いがあるということだけにとどまっておりますから、あとの議論は水かけ論、並行論になってしまうのはやむを得ませんけれども、しかし少なくともそういうものをいろんな差別待遇に使う、そういう傾向があるということは事実。ですから、こういうことにしょっちゅうひとつ気をつけておいていただかないと、いろんな意味でそういう不満というものが出てきておるわけでありますから、これはひとつ、これからあとも第一と第二とのそういう意味での差別待遇、明らかな不当労働行為、そういうふうに思われないようなひとつ厳正な指導、そういうものをお願いをしたいと思うのです。
○説明員(長瀬恒雄君) 先生の御指摘のように、そうした疑いを持たれるということはまことに遺憾でございまして、私どもとしましては副総裁の命令によりまして通達を出して、現実には職員に対して、家族割引証の使用については厳正なる使用方をやれ、先ほど申しましたとおり、修学旅行あるいは団体旅行に使用は控えるということにいたしております。さらに発行者、これは庶務でやっておりますが、その発行の段階におきまして、そういう監査について十分にやれということで、そうした疑いを持たれることにつきましては、今後は発生しないというように考えております。 それからいま御指摘の差別待遇の問題でありますが、国鉄の職員といたしましては、当然全職員が収入の確保と申しますか、収入の上昇に努力するということは、これは当然な仕事だと思うわけです。したがいまして、協力云々の問題でございますが、職員としては総力をあげてこの国鉄の業務が正常になっていく、あるいは財政的にも危機でございますので、そういうものを立て直していくという意欲に燃えるのは私は当然だと思うのであります。しかしいま御指摘のように、非協力であった者に対しては差別待遇をするというような点につきましては、私どもはないと信じておりますが、今後十分検討いたしたいと思っております。
○委員長(木村禧八郎君) 本日はこの程度とし、散会いたします。 午後一時九分散会