予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 487 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/02/24
会議録
○足立主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査をつとめることになりましたので、よろしく御協力をお願いいたします。 本分科会は、会計検査院、防衛庁、外務省及び大蔵省所管につきまして審査を行なうことになっております。 審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。 それでは、昭和四十四年度一般会計予算中外務省所管を議題とし、説明を求めます。愛知外務大臣。
○愛知国務大臣 外務省所管の昭和四十四年度予算について大要を御説明いたします。 予算総額は三百九十三億六千二百一万九千円で、これを主要経費別に区分いたしますと、科学技術振興費一億六千百十九万六千円、貿易振興及び経済協力費百三億八千八百五十九万円、その他の事務経費二百八十八億一千二百二十三万三千円であります。また組織別に大別いたしますと、外務本省二百二十億三千八百十八万円、在外公館百七十三億二千三百八十三万九千円であります。 その内容について御説明いたします。 第一、外務本省一般行政に必要な経費三十六億八千四十三万九千円は、外務省設置法に定める本省内部部局及び付属機関である外務省研修所、外務省大阪連絡事務所において所掌する一般事務を処理するため必要な職員一千四百八十三名の人件費及び事務費等であります。 第二、外交運営の充実に必要な経費七億二千三百十万円は、諸外国との外交交渉により幾多の懸案の解決をはかり、また、各種の条約協定を締結する必要がありますが、これらの交渉をわが国に有利に展開させるため本省において必要な工作費であります。 第三、アジア諸国に関する外交政策の樹立及び賠償実施業務の処理等に必要な経費三千百五十九万七千円は、アジア諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整並びに賠償実施の円滑、かつ統一的な処理をはかるため必要な経費であります。 第四、米州諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費五千三百二十二万六千円は、米州諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人ラテン・アメリカ協会補助金三千四百四十一万八千円、日秘文化会館設備増設補助金九百万九千円であります。 第五、欧州、大洋州諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費二千四百八十六万三千円は、欧州、大洋州諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人北方領土復帰期成同盟補助金六百六十五万円であります。 第六、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費一千二百七十九万三千円は、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人アフリカ協会補助金四百八十三万六千円及び財団法人中東調査会補助金二百二十三万二千円であります。 第七、条約締結及び条約集の編集等に必要な経費二千五百四十八万一千円は、国際条約の締結及び加入に関する事務処理並びに条約集の編集及び先例法規等の調査研究に必要な事務費であります。 第八、国際協力に必要な経費五億七千八十二万円は、国際連合等各国際機関との連絡、その活動の調査研究等に必要な経費及び各種の国際会議にわが国の代表を派遣し、また、本邦で国際会議を開催するため必要な経費と財団法人日本国際連合協会補助金一億六千二百三十三万二千円、社団法人日本エカフエ協会補助金一千二十八万三千円及び財団法人日本ユニセフ協会補助金四百三十八万七千円であります。 第九、情報啓発事業及び国際文化事業実施に必要な経費十五億五千八百四十一万六千円は、国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の啓発及び文化交流事業等を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な経費並びに財団法人国際学友会補助金八千四百十八万四千円、財団法人国際文化振興会補助金二億三千八百三十万五千円、財団法人国際教育情報センター補助金一千五百七十五万円、社団法人日本新聞協会国際関係事業補助金一千四百六十八万一千円及び啓発宣伝事業委託費四億一千八百二十九万九千円であります。 第十、海外渡航関係事務処理に必要な経費二億三千六百二十三万一千円は、旅券法に基づき、旅券の発給等海外渡航事務を処理するため必要な経費及び同法に基づき事務の一部を都道府県に委託するための経費一億三十二万二千円であります。 第十一、国際経済情勢の調査及び通商交渉の準備等に必要な経費四千五百三十六万二千円は、国際経済に関する基礎的資料を広範かつ組織的に収集し、これに基づいて国際経済を的確に把握するための調査及び通商交渉を行なう際の準備等に必要な経費であります。 第十二、万国博覧会開催準備及び接遇に必要な経費四千四百四十八万五千円は、万国博覧会開催準備のための事務処理並びに万国博覧会参加国の来日元首等政府賓客の接遇に必要な経費であります。 第十三、経済技術協力に必要な経費六十五億九千九百二十六万一千円は、海外との経済技術協力に関する企画立案及びその実施の総合調整を行なうため必要な経費と、コロンボ計画等に基づく技術者の受け入れ、派遣、日本青年海外協力隊の派遣、各種技術訓練センターの設置並びに医療、農業及び一次産品開発のための技術協力実施に必要な委託費五十六億八千五百四十一万九千円、経済開発計画実施設計委託費一億円と、海外技術協力事業団交付金七億七千六百三十九万二千円等であります。前年度に比し八億二千五百九十八万五千円の増加は、主として海外技術協力実施委託費及び海外技術協力事業団交付金の増加によるものであります。 第十四、経済開発特別援助に必要な経費五億四千六百万円は、南ベトナム難民住宅建設、ビエンチャン空港拡張整備及びラオス−タイ間電気通信施設を改善するために行なう援助に必要な経費であります。 第十五、海外技術協力事業団出資に必要な経費三億五千二百万円は、海外技術協力事業団の事務所及び名古屋研修センター建設等に要する資金として同事業団に対し出資するため必要な経費であります。 第十六、国際原子力機関分担金等の支払いに必要な経費一億六千百十九万六千円は、わが国が加盟している国際原子力機関に支払うため必要な分担金及び拠出金であります。 第十七、貿易振興及び経済協力にかかる国際分担金等の支払いに必要な経費二十四億二千八百六十三万八千円は、わが国が加盟している貿易振興及び経済協力にかかる各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。 第十八、国際分担金等の支払いに必要な経費三十億六千六百三十三万四千円は、わが国が加盟している国際連合その他各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。 第十九、移住振興に必要な経費十八億七千七百九十三万八千円は、移住政策の企画立案及び中南米諸国等に移住する者一千名を送出するため必要な事務費並びに移住者渡航費等交付金一億五千百八十九万一千円及び海外移住事業団交付金十六億一千百四十三万五千円等であります。 在外公館について申し上げます。 第一、在外公館事務運営等に必要な経費百三十八億百五十万三千円は、既設公館百二十九館、三代表部、一千二百二十五名と四十四年度中に新設予定の在ザンビア大使館、アンカレッジ領事館設置のため新たに必要となった職員七名並びに既設公館の職員の増加十八名、計一千二百五十名の人件費及び事務費等であります。 第二、外交運営の充実に必要な経費十四億九千十万円は、諸外国との外交交渉をわが国に有利な展開を期するため在外公館において必要な工作費であります。 第三、輸入制限対策等に必要な経費三億七千二百八十四万四千円は、諸外国におけるわが国商品の輸入制限運動等に対処して啓蒙宣伝運動を実施する等のため必要な経費であります。 第四、対外宣伝及び国際文化事業実施に必要な経費四億三千七百五十六万二千円は、わが国と諸外国との親善に寄与するため、わが国の政治、経済及び文化等の実情を組織的に諸外国に紹介するとともに、国際文化交流を行なうため必要な経費であります。 第五、在外公館営繕に必要な経費十二億二千百八十三万円は、在大韓民国大使館事務所ほか三カ所の継続工事及び在フィリピン大使公邸ほか五カ所の公邸事務所用土地の購入費並びに四カ所の公務員宿舎建設費その他関連経費等であります。 以上がただいま上程されております外務省所管昭和四十四年度予算の大要であります。何とぞ慎重御審議のほどお願い申し上げます。
○足立主査 以上をもちまして、外務省所管の予算の説明を終わりました。 —————————————
○足立主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられた方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力願いたいと存じます。 なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に、要領よく、簡潔に行なうよう特に御注意申し上げます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。倉成正君。
○倉成分科員 私は、わが国の経済、外交に非常に密接な関係がございますニクソン新政権下における通商政策あるいは国際通貨政策、またベトナム和平後のわが国の経済協力のあり方ほか二、三の点について、若干外務大臣の所見をただしたいと存じます。 まず、ニクソン政権下における米国の対外通商政策については、一般に保護主義的なものになるではないかという心配がされております。もっとも大統領選挙においては、ニクソンとハンフリーとの間には、通商政策についてはあまり突っ込んだ議論が戦われなかったというのが現実の姿でございますけれども、現在のニクソン政権の動きを見てみますと、繊維に対する輸入制限ということがわが国にとって非常に大きな問題となっております。元来ニクソンは自由貿易主義者であり、また米国の世界経済における地位を考えてまいりますと、軽々に保護主義の方向に走るということは考えられないと思いますし、また、わが国最大の貿易の相手方である米国で万一輸入制限的な措置がとられるとなりますと、わが国の経済に対する影響は非常に大きいということが考えられるのであります。したがって、今後の対外通商政策はどういうふうになるだろうかということについて、政府の見解をお伺いしたいと思うのであります。 特に、昨日からニクソン大統領はヨーロッパ訪問の旅にのぼっておりますが、最初の大きな外交ステップとしてニクソンの訪欧は、対外通商政策の前途を占う意味において非常に重要な役割りを果たすと思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 ニクソン大統領、ニクソン政権がどういうふうな国際経済政策をとっていくかということにつきましては、非常な関心を持って現在見守っておるところでございますが、一番最近のところでは、御承知のように、今月の六日にニクソン大統領が記者会見をいたしておりますが、それによりますと、保護貿易主義よりも貿易自由化の方向をとることが米国及び世界の利益にかなうものである、こういうことを非常に明白に言っております。この点は、在野時代のニクソン氏の主張ともつながるところがあるのではなかろうかと見ておるわけでございまして、自由化の方向に政策を持っていって、世界的な拡大経済の発展を望むということであるならば、基本的にはわれわれと考え方が一致すると思います。 ところが、その記者会見におきましても、特にいま御指摘もありましたが、繊維の問題等につきましては、輸入制限というようなことについての考え方のあることをほのめかしておる。これはわがほうとしては非常に重大な問題でございます。外務省として、在外公館その他をしていろいろと調べておりますが、それによりますと、まだ、たとえば繊維で申しますと、具体的に政府に立案を命じているというようなところまではいっていないようでございますけれども、重大な関心を持たざるを得ない。そこで、今月の十八日であったと記憶いたしますけれども、駐米大使をして、とりあえず国務省に対しましても、本件については日本として重大な関心を持たざるを得ない。また日本の繊維、これは綿に限りませんが、毛にいたしましても、あるいは化繊にしても、あるいはまたその他のものにいたしましても、アメリカに与えている影響その他から見て、問題にされるようなものはないはずでもあります。また、根本の趣旨から申しましてもこういうことは困る。そういう点をわがほうの態度として明確にしておくことをとりあえず措置をいたした次第でございますが、今後の成り行きを注視すると同時に、こういうことが具体化されないように、未然に防止するようにも今後とも努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 それから、その次の、国際通貨制度等についてニクソン大統領が現にヨーロッパ訪問中であって、どういうふうな話し合いがなされるであろうかという点については、おそらく具体的にまとまった一つのことが話し合いの結果として出てくるということはないのではなかろうかとも思いますけれども、しかし、国際的な通貨が安定していなければならぬということは、日本としてもたいへん必要なことでもございますので、そういう会談の成り行き等につきましては、大きな関心を持って見守ってまいりたい、かように考えているわけでございます。
○倉成分科員 私も大臣と同じく、ニクソン大統領は、元来自由貿易主義者であると思っております。しかし、アメリカが、大統領のそういう気持ちにかかわらず、やはり好むと好まざるとにかかわらず、保護貿易の方向に向かうのではないかと思われる心配の根拠の一つは、やはりアメリカの国際収支の問題にあるのではないかと思います。昨年のアメリカの国際収支は、全体で約二億ドルの黒字でありましたけれども、これは一九五七年以降初めてのことでありまして、ドル防衛計画が一応の成功を示しておると考えられます。しかし、その内容は、貿易収支が逆に昨年、前年比にいたしまして三十億ドル以上の悪化を示しておる。そういう意味から、アメリカの国際収支の改善が、はたして健全なものであるかどうかという疑問があるわけであります。ニクソン政権は、今後直接投資の規制であるとかあるいは銀行融資の規制等ドル防衛をやはり強めていくのではないかという感じがするわけであります。この点についての大臣の見解をもう一度お伺いしたい。 それからもう一つは、やはりアメリカは民主主義の国家でありますから、どうしても国内の産業の発言力というのが強い。特に大統領としては、応援をもらった各業界の意見を無視するわけにいかない。そういう意味から、やはり日本の貿易についてかなり輸入制限をする可能性が出てくるし、同時に日本に対して強い自由化の要望を出してくるのではないかと考えられているわけであります。 私は、一つ具体的な事例をあげてみたいと思うのでありますが、たとえばグレープフルーツあるいはオレンジの自由化というものを非常に強くアメリカは日本に対して要求してまいりまして、今回の自由化については、日本はこれを拒否いたしました。しかし、アメリカのほうは非常に不満の意を表しておるようであります。この点については、私は、日本の外務大臣として、ちょうどアメリカの大統領が、国内産業についてかなり強い要求を外国にするように、ちょうど先ほど大臣の御説明の中に、輸入制限対策等に必要な経費として三億七千二百八十四万四千円あげられておるわけでありますけれども、今日の日本のミカンの状況というのを見ますと、大体非常にでき過ぎまして、価格が昨年の六割ぐらいに下がっておる。今後米作が転換されてきますと、やはり果樹産業というのは非常に重要な役割りを果たすわけでありまして、アメリカがグレープフルーツなりオレンジの自由化を要求しておる気持ちはわかりますけれども、日本の農業の重要性また今後の発展の方向ということを考えると、軽々にこれは自由化に踏み切るわけにいかない。この間の事情をやはり十分アメリカに説得していく。日本の国内経済の状況、ただいま一例をあげましたミカン等について申し上げましたように、十分熱意を持って説得していく努力ということが、やはり今後アメリカとの交渉において非常に大切なことになってくるのじゃなかろうか。もちろん努力をされてないとは申しませんけれども、まだまだその余地があると私は思うのでありますが、この点についての大臣の考えをお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいま仰せになりましたように、昨年のアメリカの国際収支が全体で二億ドル近くの黒字になったということは、いわゆるドル防衛計画というものが成果をあげつつあるのだということは一般的にいわれているようでありますけれども、お話しのように、貿易収支を見てみれば、目標は五億ドル改善ということであった。ところが逆に一昨年に比べて三十億ドル以上の悪化を示している、こういうふうな状況でございますから、ニクソン政権といたしましてはこういう点に着目をして、ニクソン選挙中からその政策が掲げられておりましたように、輸出の振興によって基本的に貿易収支を改善しなければいけないという政策を強く打ち出していくのではなかろうか、そういうふうな想像がされるわけでございます。 そういう点に関連して、いま第二段のお尋ねの点は、非常にアメリカとしては大きな一つの問題として取り上げてくるのではないだろうか。これは私思いますのに、ニクソン政権でなくとも、場合によればハンフリー政権でもそうであったのではないかと思いますけれども、先ほどのお話とは逆になりますけれども、他国、ことに日本に対しましては輸入制限の緩和あるいは撤廃ということを、自由貿易主義の大姉のもとに引き続き主張してきたことは間違いないのではなかろうかと思います。また、これはアメリカの経済政策の問題は別といたしまして、アメリカに対するだけではなくて他の国々に対しましても、日本は同じような立場に立っておるかと思いますけれども、いわゆる残存輸入制限についてどういうふうに扱っていくかということでございます。 昨年の暮れ、昨年の秋のジュネーブでの会談等に引き続いて東京で、日米間に残存輸入制限についての会談が持たれましたことは、御承知のとおりでございますが、そのときわが方としてのやはり一番大きな関心事は農産物、いま具体的にグレープフルーツあるいはオレンジをおあげになりましたが、その他にも日本の農産物でアメリカの関心品目となっておるものは相当ございます。これらにつきましては、日本のことにいま農業政策の転換のときでもあり、日本の農業のたとえば米からの作付転換、それからこういったミカン類はもちろんでございますが、その他畜産物等に及びましても、日本としては主体的の立場から守っていかなければならないものがあるということで、当方はかなり強い主張をいたしまして、そして全体として、その結果話は煮詰まらずに、さらに今年に持ち越されておるような状況でございますが、こういった問題に対しましては、ただいま仰せになりましたような趣旨を十分政府としてはわきまえて、そして農村に対して心配を与えないような措置を講じていきたい、こういうふうに考えております。 これは農村に対するだけではなくて、ほかにも中小企業対策の問題もございますが、十分国益を守っていきたい、こういうふうに考えておりますが、ただ申すまでもなく、残存輸入で例をとりますと、百二十品目以上の輸入制限をしておるということは、少し日本としては他の主要国に比べますと、率直にいって多過ぎるわけでございます。何とかしてこの品目数をある程度減らしていくということが、結局先ほどのお話にも関連いたしますが、アメリカに対してまた繊維の問題等について制限的措置をとらないでもらうということとも、大所高所から申しますと相関連する面もございますので、日本側といたしましても、ある程度の妥協ということは将来におきましても考えなければならぬ面もある、こういうことだけはお含みおきいただきたいと思いますが、基本的に御趣旨の点については十分わきまえてやってまいるつもりでございます。
○倉成分科員 外交というものはギブ・アンド・テークでありますから、大臣のお話のとおりだと思います。しかし、国益を守るという点については堂々と遠慮することなく、やはり日本の国内の事情を知らせるという努力を今後とも強くお進めいただきたいと思います。 国際通貨改正の問題については、大臣から、現在のところまださだかでない、特に今後の方向を見守りたいというお考えでございましたが、ニクソンのブレーンといわれるアーサー・バーンズあるいはフリードマン、そういう人たちの話を、あるいは書いたものをずっと見ますと、やはり、たとえばバーンズはいろいろなことを言っておりますが、バーンズ博士が一九六八年五月の「タックス・レビュー」の中の「インフレの危機」という論文の中でこういうことをいっております。ドルレートをフロートさせることも、金価格を引き上げることも、ドルの切り下げをすることを意味し、ともに米国の威信に打撃を与えるので、二者いずれも好ましくないといっておりますが、二者のいずれかをやむを得ず選ぶとすれば、ドルレートをフロートさせると国際商取引は非常に不安定になり国際商取引はぐんと減じてしまうから望ましくない、しかし、他方、金の価格の引き上げのほうは実質的には現在の通貨体制をそのまま残すもので、国際商取引は減ずることなくいままでどおりやっていける利点があるということを指摘いたしておりまして、金価格の引き上げのほうを選ぶという考え方をかなりはっきり打ち出しておるのであります。もちろんニクソンの政策がバーンズ博士だけの意見で左右されるものでもないと思いますけれども、有力なブレーンでありますアーサー・バーンズあるいはフリードマン教授、こういう人たちがかなり示唆に富む発言をしておるということを考えてみますと、またヨーロッパにおける現在の通貨が、現在小康を得ているようでありますけれども、やはりポンドあるいはフラン、そういうものに内在するいろいろな問題を考えますと、国際通貨体制の問題は非常に重要な問題でありますので、外務省としても的確なこの情報をキャッチして、これに十分対応する姿勢をお示しいただきたいということを特に御要望を申し上げておきたいと思います。 次に、拡大パリ会談の現状とベトナム和平の見通しについてお尋ねいたしたいと思います。 これは、日本にとってのみならず全世界の人々がこの拡大パリ会談について非常に深い関心を持っておるわけでございますけれども、最近これが足踏みをしておる。これはいろいろな背景があるかと思いますけれども、現状についてどういうふうに外務大臣としてお考えになっているか、お伺いをいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 まず最初の国際通貨制度の問題でございますが、今度ニクソン大統領が、現にヨーロッパ訪問をしておるわけでございますが、それに先立っていろいろの情報もございますけれども、一番大事な点は、国際通貨の問題はオープン・マインドで研究すべき問題であって、一つの決定的な案をアメリカ自身としても打ち出すというような性格のものではないということと、それから友好諸国との間に、したがって十分の意見の交換をすることがまず第一であるという趣旨が、このニクソン大統領に一行として同行しておる、たとえば、財務省の関係官あるいは専門家等もそういうふうなかまえ方でいっておるようでございますから、もちろんわが国としてもそういう動向を十分フォローアップして、安定した世界経済の維持発展に協力をするというかっこうでいきたいと考えております。なお、ケネディ財務長官は御承知のように金価格の引き上げについてはこれを否定するという態度をかねがね明らかにしておりますことも、御案内のとおりだと思います。 それからパリ会談でございますが、これは現に日本は当事者として中に入っているわけでもございませんので、その会談の成果が一日もすみやかにあがって、平和的な体制ができることをこれ期待しているというわけでございます。しかし一般的な情報等によりましても、すでに直接当事者が全部フルメンバーでテーブルについた。そして双方ともに、もはや軍事的な手段をもってしては解決はあり得ないということをはっきり認識しているように思われますから、再びこれがこわれて戦争というようなことに逆戻りするということは万々あるまい、こういうふうに考えております。ただ何ぶんにもこういうふうな状態でございますから、会談進行中にも、軍事的には小康は得ておるけれども、何かまたときどき、交渉を有利にするというような意味もあって、その小康状態は、局部的あるいは部分的に軍事行動もその間においてはないでもなかろうかと予想されておったのでございますが、現にいわゆるテト明け、旧正月明け、またNFLが南越全土にわたって、主要な都市や基地に対して攻撃を行なったという事実もございますので、憂慮しておるわけでございますが、こういったようなことにかんがみましても、一日もすみやかに何とかこの政治的解決と申しますか、そういうことで平和への道が出てくることをこれ望んでいるというような状況でございます。
○倉成分科員 ただいま大臣仰せのとおり、拡大パリ会談がかりに破れるということになって戦争がエスカレートしますと、今度はこれはもう取り返しのつかないような大きな問題になるわけでありますから、この点はまずなかろうと私ども考えるわけでありますけれども、ただいま御指摘のようにテト攻勢その他南越の政治、軍事情勢、必ずしも安定した状況ではないということでありますので、今後の情勢を見守る必要があろうかと思いますが、日本政府としては一体ベトナム和平の実現に至る過程でどういう役割りを果たすおつもりであるかということをお伺いしたいと思うのでございます。
○愛知国務大臣 まず常識的に考えますれば、停戦といいますか、戦争行動を停止するということが当面一番期待されているところだと思いますが、そうするとたとえば和平のための国際会議というものが持たれるかもしれない。あるいはまた何らかの休戦監視機構というものが持たれることになるのではなかろうか。そういったような場合に関係国から求められますならば、喜んでこれに参加をするという態度でいきたいと思っております。ただ、そういったような会議あるいは機構、体制といったようなものがどういうふうなかっこうになるのか。これはまだこれからの問題で見当がつきませんけれども、一番大事なことは、わがほうとしてはわが国の法制と申しましょうか、法律、制度等の許される限度ということが、一つそこに限界があるのではないか。その範囲内におきましてできるだけの協力を惜しまない。こういう考え方を基本的な態度として持ってまいりたい、こういうふうに考えております。これは拡大パリ会談の成果がどうあがるか、あがることを前提にしてさしあたり考えておかなければならない問題だ。 それから次は、いわゆるポスト・ベトナム、その後における再建策についていかなる協力をするか。これについては三木前外務大臣の当時にも、日本の一つの提案というものが復興基金というようなものであげられておりますけれども、そういう構想を踏襲いたしまして、そういう時期になりますれば、各国に呼びかけてこういう復興基金の制度というものが、設定され、かつこれが再建のために成果をあげるように、そういうふうな気持ちでやってまいりたい。 それからもう一つは、ちょうどその中間とでも申しましょうか、あるいはまた現在でもやらねばならぬことと思いますが、難民に対する救済措置というようなことにつきましては、さしあたり四十四年度の予算の御審議をお願いいたしておるように、難民住宅の建設ということについてはまずできることから着実にやっていきたいということで、四十四年度でも二億四千万でございましたかの予算を計上いたしておるようなわけでございます。
○倉成分科員 ベトナム和平がパリ会談の結果明るくなってきた場合に、ただいま大臣が言われたように、国際休戦機構というか国連の休戦監視機構が設けられるとかりになりました場合に、わが国としては法制上許された範囲内ということを仰せになりましたけれども、これに派遣するのは外務省からももちろんでしょうが、自衛隊からもあるいは行くというようなことになろうかと思いますが、憲法その他法制上どういう制限があるかということを一点お伺いしたいと思います。 それから後段のところで申されました復興援助について、おそらくベトナム復興資金約二億ドル、そのうち日本が三分の一を負担する方向で検討を行なっておるということを伺っておりますが、これがどの程度具体化しているか。またこの際北ベトナムに対する経済援助ということが考えられるかどうか。北ベトナムのグエン・ドイ・チン外相も受け入れの用意はある。ただし政治的条件がつかないものでなければだめだというような発言をしておるように聞いておりますけれども、これらの点についてはどういうふうにお考えになっておるか、ひとつお伺いをしたいと思います。
○愛知国務大臣 この平和維持機構というふうに一般的にいわれておりますけれども、その中にはいわゆる休戦監視団、停戦監視団というようなことが常識的に考えられるかと思いますが、これはパリ会議の動向いかんによりまして、たとえば国連のもとにおける休戦監視団というかっこうになるのか、あるいはそのほかの国際的な約束によるところの機構になるのか、その辺のところも含めてまだ未定のことでございますけれども、日本として参加し得るのは、人についていえばいわゆるシビリアン、文民の参加ということではないかと思います。それから機材の供与でございますとかあるいは相当額の分担金の供与でございますとか、こういうことは現行の法制上も私は問題なくできると思うのでございまして、自衛隊というお話がございましたが、自衛隊が隊としての組織をもってそこに参加するということはいかがであろうか、法制上も問題ではなかろうか、こういうふうに考えておりますが、何しろ基本のところがまだわかりませんものですから、的確なお答えをいたすまでには至っておりません。 それから復興基金の使い方等について、北ベトナムとの関係、これは現在はっきりいえることは、難民救済というような人道的なものであれば、これは問題なく積極的に考えていくべきだと思います。 それから将来の復興に対する考え方といたしましては、これもやはりパリ会談の結末がどういうふうになるかということになろうと思いますが、抽象的に現在考えれば、やはりインドシナ半島全体が平和になり、そしてインドシナ半島全体と申しますか、これが民生が安定するということが望ましいことではないかと思います。そういう気持ちで対処していけばよろしいのではないだろうか、こういうふうに考えますけれども、これは今後の政治的な取りきめとかあるいは体制がどういうふうにこれから醸成されていくか、それに対してわがほうがどういうふうに考えていくかということにも関連いたしますので、まだその辺のところは今後の状況をよく見守ってまいりたい、こういうふうに思っております。 それから復興基金の構想はその後具体的にどういうふうに進んでいるかということでございますが、検討は続けておりますし、また各国の反応なども見守っておる状態でございまして、その後この構想の具体的な、何と申しますか、各論的なものがその後進んでいるという状態ではございません。
○倉成分科員 次の問題に入ります。 ベトナム和平後の大きな政治問題としては、やはりわが国の防衛の問題、また中国政策その他いろいろな問題が大きな課題として登場してくると思いますが、その一つの大きな柱として、アジアに対する経済協力のあり方ということがやはり大事な問題であろうかと思います。率直に申しまして、これまでの日本の対外協力のあり方は無原則ではなかったか。これは多少言い過ぎがあるかもしれませんけれども、一つのプリンシプルあるいは哲学というものが欠除しておったということは、私は少なくとも率直に認めなければならないと思います。これは賠償からずっとまいりまして、いろいろな個々の援助をして、いろいろ償還であるとかあるいはいろいろな条件をケース・バイ・ケースで検討してきた。総理大臣が外遊しますと、また若干のそういうおみやげを持って帰ってこられたということで、いかにも総合的な検討に欠けておったという感じがするわけであります。国民一般についてみますと、当然わが国としてやるべきことをやっておるにかかわらず、必ずしも国民の十分な納得と理解を得なかったという点があろうかと思うのでありますけれども、今後の経済協力は、非常に重要な役割りを果たすと同時に、わが国にとっても非常にたいへんな問題であろうかと思いますので、今後こういう経済協力についてはどういう姿勢で臨まれるか、外務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいまも御指摘がございましたように、これは率直に申しますれば、これまでの状況は賠償とか賠償にかわる戦後処理的な性格、そういう無償供与が大宗を占めておりまして、そういう関係から申しまして、純粋の経済協力ということからいいますと、経済協力の指針というものが十分に組み立てられていないでケース・バイ・ケースに処理をしてきたきらいがないではない。これは戦後これまでの状況からいって私は無理もなかったことかと思いますけれども、そういう点につきましては、賠償あるいはこれに準ずるような無償供与というようなことについてもだんだんと処理の具体化が進んでおりまして、これからはあらためて新しい発想で、経済協力を総体的に計画的に組み立てていかなければならないまさにその時期に入ってきたものと考えるわけでございます。そのためには、全体の構想を立てることも必要であり、またプロジェクトごとに日本として見た場合の経済効果というものも十分考えなければなりませんし、あるいはすでに若干の具体措置は始まっておりますけれども、事後調査、追跡調査ということも、今日までやりましたことについての調査ということも必要である。それらのいろいろの調査や考え方を取りまとめて新しい方針を打ち出すということにぜひしたいと思いまして、よりより事務的にも検討を始めさせているようなわけでございます。
○倉成分科員 大臣から非常に率直なお話がございましたので、私は従来の援助が必ずしも現地の人々に喜ばれていない、あるいはプロジェクトとしていろいろな計画がありましても現実に具体的にはあまり動いてない、こういう問題がたくさんあるかと思います。こういう点で国民一般に非常に不信感を抱かせるという点がありますので、この点は個々の問題については申し上げませんけれども、私は率直に、ただいまお話しありましたように追跡調査を十分やりまして、少しまずかったところはまずかったということをはっきり国民の前に明らかにする、その上に立って総合的なプリンシプルを打ち立てて、国民の理解を得ながら対外援助を堂々と胸を張ってやっていくということが私はこれから先の姿勢ではなかろうかと思うわけであります。大臣からまさにそういうお答えがございましたのでこの問題はこの程度にいたしますけれども、ぜひ国内の各省間の連絡を密にされながら、また国際間の協力をしながらただいまの方向でお進めいただきたいと思います。 次にお尋ねを申し上げたいのは在外邦人の子弟教育の問題であります。今後ますます在外邦人の数がふえていくということが考えられるわけでありますけれども、日本人の子供たちというのは非常に優秀である。外国人学校に行きましても、私どもが外国を旅行しまして、大体一番、二番というのはみんな日本人の子供たちということになっておるわけでありますけれども、どうしても祖国の教育をするということが必要になってくるかと思いますが、全日制学校が設けられている現状はどういうことになっておるかお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 細部にわたりましては政府委員からも御説明させたいと思いますけれども、大体申しますと、全日制の日本人学校は国内の小学校、中学校に準じた教育を実施する目的で、東南アジア、中南米地域を中心にして設立されておりますが、四十四年度にはジャカルタ、リマ、サンパウロ及びシドニーに新設いたしますことにしておりますので、全部で二十二校になる予定でございます。日本人学校の在学子弟は全体で約千六百名、教師の数は約百三十名となる予定でございます。
○倉成分科員 この問題は、日本がますます外国に出かけていく、そして世界を相手にしていろいろ仕事をしていく上について、子弟の教育ということが非常に大きな問題でありますので、なお一そう深い関心を持ってお進めいただきたいと思いますが、全日制学校が設けられてないところの邦人の子弟教育はどういうふうにされているか、あわせてお伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 倉成委員のお説は全くごもっともで、私どもといたしましても、在外邦人の子弟の教育ということについては、これまでも相当の努力はしたつもりでありますけれども、今後格段の努力を必要とする事項であろうかと思っております。全日制の日本人学校が現在設立されていない、たとえば北米それからヨーロッパというような地域では、その国の学校に就学するかたわら、帰国後に円滑に編入学ができますように、それぞれの地域における日本人会が御承知のように中心になって、たとえば週一回ないし二回、国語等を充実しました補習教育が行なわれております。補習学校は現在おもなものが十六校開設されております。そこに在学しております子弟が約千七百名、教師は約百名にのぼっておるわけでございます。政府は、この教師に対します待遇の問題ですが、教師の謝金を補助しております。四十四年度の予算では七校四十二名分で千三百万円を計上いたしておりますが、来年度以降におきましても、これをぜひ拡充してまいりたいと思っております。
○倉成分科員 それでは、その問題はひとつ今後ますます深い関心をお待ちになって充実していただくようにお願いいたしまして、最後に、時間がございませんので、コンピューターの利用の問題についてお伺いしてみたいと思います。 御承知のように、今日コンピューターが非常に発達してまいりまして、各企業においてはかなり積極的にこの問題を取り上げておるわけでありますけれども、外交という、いろいろなもろもろの情報をできるだけ的確に分析をして、そして一つの判断を下していくということについては、このコンピューターという武器をフルに活用することが私は必要じゃなかろうかと思っておるわけでありますけれども、外務省においてはこのコンピューターの利用をどの程度されておるか、かなり大きなコンピューターが外務省に入っておるということを聞いておりますけれども、大臣御就任になってからコンピューターをごらんになったことがあるかどうか、あわせてお伺いしてみたいと思います。
○愛知国務大臣 実はコンピューターにつきましては、私も就任する前から数年来個人的にも非常な興味を持っておりました。そしてこれは御承知のように、官庁の中では外務省が一番最初に採用したと私理解いたしております。このことはその方面の人たちにも相当の関心を持たれておるわけであります。具体的には昭和三十八年九月に御承知のように国産電子計算機HITACを導入いたしております。さらに四十二年九月には大型機に切りかえておるわけであります。 この利用につきましては、どうもお詳しい方にお答えするのもいささか恐縮なんでありますけれども、私は概観的に申しますと、外務省におきましても、たとえば旅券の発給事務であるとか、それから人事とか給与とか、そういうふうな面におきましては相当の効果を発揮しているように思われます。しかし、もう一つの大きな使命というものは情勢分析とか、政策を決定というといささか言い過ぎるかもしれませんけれども、そういうものの判断の資料をコンピューターによってどういうふうな利用ができるか、これは積極的に活用しなければならない、こういうふうな考え方で運営をしようとして、外務省の幹部の職員にも、特に関心を持ってこの使用方法等につきまして十分いま検討をしてもらっておるわけでございます。常識的に申しまして、われわれの立場からいえば、もっと活用できるはずではないかというような感じがするのですけれども、まだそこまでのメリットは発揮していないようでありますが、今後とも大いに活用してまいりたい、そういうことで、現場について私自身ももう少し勉強していきたい、かように考えております。
○倉成分科員 マクナマラがベトナム戦争の予想をいたしましたが、これについては残念ながら当たらなかった。もちろんこれは電子計算機の中に入れるデータの中に民族心理とか、そういう要素が必ずしも十分でなかったということが反省されておるようでありますけれども、外交という非常に不確定な要素をどう電子計算機の利用においてやっていくかというのは新しい分野であろうかと思います。私から率直に言わしていただきますと、各省かなりりっぱな電子計算機が入っておりますけれども、どうも幹部が不勉強なんです。不勉強というとことばが過ぎるかもしれませんけれども、少なくとも局長以上の人たちが電子計算機をある程度こなすにはやはり基礎的な、本格的な勉強をある期間やらないと、これはなかなかできないわけです。そういう意味から申しますと、外務省は大臣が非常に御関心をお持ちになってこの問題に取り組んでおられるようでありますから、コンピューターと外交の問題についてどの程度外務省の幹部諸公が勉強しておられるかということは、ひとつあらためて次の機会にとっくりお伺いすることにいたしまして、きょうはこの程度にとどめたいと思います。 終わります。
○足立主査 川崎寛治君。
○川崎(寛)分科員 まず第一には、この二月四日に沖繩でB52の撤去を求めて、「生命を守る県民共闘会議」の諸君がゼネストに入ろうといたしました。その前に、現地の代表も参りまして、政府のそれぞれの皆さんに会って帰ったわけです。外務大臣もその代表の諸君に会われたわけであります。一応回避されたわけでありますけれども、先般の二十一日の予算委員会の公聴会において、復帰協の喜屋武会長からも切々と訴えられました、これは一応の回避だと。屋良主席が、このゼネストの前に総理はじめ皆さん方とお会いになった結果についての感触を伝えて、回避を訴えたわけであります。その感触というのは、六、七月にはB52が移駐するであろう、こういうことであったわけであります。そこで、喜屋武復帰協の会長も、もしこれが裏切られることになると、沖繩の現地ではまた爆発するのだ、こういうことを訴えておるわけであります。 そこで、この点について、ジョンソン国務次官と下田大使との間で何らかの話があったというふうに情報として聞いておるわけであります。その点について、つまり、屋良主席がああいう事態の中で苦労をしたわけでありますけれども、それは皆さん方から受けた感触で、きわめて日本的なことばの感触ということばで処理をしておるわけです。処理というか、対処をしているわけですが、このことについて、責任のある外務大臣の答弁を願いたいと思います。
○愛知国務大臣 二月四日のゼネストの問題につきましては、この席で申し上げるのもいかがかと思いますが、川崎委員の非常な御激励や御協力をいただきまして、政府としても非常に感謝申し上げておるわけです。ゼネスト、生命を守る会というものがああいうふうに盛り上がりましたその直接の原因といいますか、問題は、B52の問題、それから原潜の放射能の調査に対する問題、それから労働布令の問題、そのほかにもいろいろございますけれども、大きくあげますと、この三つかと思います。これらを総合いたしまして、政府としても、外務省としても、沖繩の県民の方々の気持ちを気持ちとして、できるだけの努力をアメリカ側に対してもやってまいりました。まだまだ十分の御満足のあがるような結果にはなっておりませんので、引き続き努力を続けてまいりたいと思っております。 B52の問題につきましては、これはもう随時あらゆる接触の機会を利用いたしまして、早期撤退ということを希望しておることも御承知のとおりと思いますが、正確に申しますと、B52は決して恒久的に沖繩を基地化するものでない。それから、できるだけ早く撤退するという日本側の希望については、十分の理解を表明いたしておりますが、必要としなくなるような情勢をできるだけつくり上げるということにおいて努力をするということに、現在のところはとどまっておりまして、何月にどうというような確定的なアメリカ側の意向というものは、最近におけるジョンソン・下田会談におきましても、残念でございますが、そういう確定的な日取り等については話に出ておりませんのでございます。したがいまして、今後とも引き続き努力を続けてまいりたい、かように考えておるわけです。
○川崎(寛)分科員 そういたしますと、新聞等で報道されておる、六月、七月までには極東の情勢に変化がない限り撤去をされる、移駐されることは確実であるということは間違いだ、そういうことですか。そうしますと、それは現地ではたいへん裏切られたことになってくるわけですね。極東の情勢が変わらない限りという条件がつくにしろ、六、七月までには移駐するんだということが、政府側から受けた感触だったわけですね。その受け方が、屋良さん自体の受け取り方が問題だ、それは個人の関係だというふうに、私は責任を転嫁してはならないと思うのです。だから、そこの点ははっきり言えないということだろうと思いますけれども、しかし、そういうあいまいなことでは、これはもう一ぺんまた火がつきますよ。そして現に、総合労働布令その他の問題等からして、たいへん現地における米軍側の高い姿勢に対しては反発がまた高まっております。ですから、その点は明確に答えていただきたいと思います。いま以上出ませんか。
○愛知国務大臣 ですから、これは報道その他にあらわれておりますことに対しましての私の見解をいま申しましたわけでございまして、私も心から、すみやかにB52が沖繩から発進しないようにするということを取りつけたいということで、今後とも粘り強く努力を続けてまいりたい、こういうことを申し上げたわけでございまして、私どもとしては、屋良主席その他の方々の御期待は御期待として、私どももまたそういう事態がすみやかに来ることを望んで、今後とも努力を続けていきたい、こういうふうに言っておるのでございまして、何と申しますか、正式と申しますか、非公式も含めて、はっきり何月にどうするというところまでまだ取りつけるに至っておらないわけであります。
○川崎(寛)分科員 次に、政府は十三日に総合労働布令の改正について要請をした、こういうふうに予算委員会でも外務大臣から御答弁もあったわけです。ところが、琉球政府はこれに対して撤回を要求することを正式にきめた、こういうふうに報道されているわけですね。そこで、私は、ここでどういう点を改正するとか、こういう点が悪いのだというふうなことを外務大臣から御答弁いただきたいとは思いません、それは済んでいることですから。一時間という限られた時間でありますので、そういう検討はもうひとつ置いておいて、具体的なお尋ねをすることにひとつお答えを願いたいと思うのでありますが、この総合労働布令が日本国憲法、基本的人権を守る——戦前の帝国憲法とたいへん違った点、それは基本的人権擁護、平和主義、こういうことにありますね。そこで、日本国憲法にこれは中身が違反するものである。その点は御異論ありませんね。いかがでありますか。
○愛知国務大臣 いま、沖繩がもうすでに施政権が返還されておったということを前提にいたしますと、そういうことになるかと思います。
○川崎(寛)分科員 そのとおりですね。そうすると、次に、大統領行政命令の十二節は基本的自由の保障、このことを規定をいたしております。そうして関係諸国民が享受する。つまり、関係諸国民というのは日米両国民、こういうことになるわけでありますが、その大統領行政命令十二節に、これは同じ施政権下ですから、前提は置かなくてよろしいと思いますが、そうすると、大統領行政命令十二節に違反をする、こういうふうにお考えになりますか、いかがでありますか。
○愛知国務大臣 ちょっと政府委員から……。
○東郷政府委員 大統領行政命令にはお話のような規定もございますが、同時に、現在沖繩は米国の施政下にあります。その中には、したがって米国の基本的な法律、たとえば企業権のような問題に関しても、それが何らかの形で沖繩の施政の中に生きてきているわけでございますが、大統領行政命令と今回の労働布令が直接抵触しているということは、必ずしもそういうことにはならぬと思います。
○川崎(寛)分科員 それは高等弁務官の権限ですね。その他、大統領行政命令全体の構成、つまり、施政権というものからくる基本の問題にも触れるわけでもありますけれども、しかし、アメリカの憲法その他いろいろなものと比較をしてみても、これは問題があるわけであります。そこで、いまのような、今度政府側の基本的人権というものと、基地の機能維持のための施政権というものとの比較、いずれが上かという比較のしかたにもたいへん問題があると思う。基本的人権というものは、国家権力も憲法も制約することのできないものなんです。しかし、それが大統領行政命令では制約されて、いつでも踏みにじれるようになっているわけです。そして、その中でせめてかすかにある基本的自由の保障——もともと日本国憲法から離されておること自体がたいへんな問題なんです。せめてあるその基本的自由というものの保障についても、本土政府がいまのような解釈でいくということになると、沖繩県民の人権擁護ということについての本土政府の姿勢というもの、外交当局の姿勢というものが明らかになってくるわけですね。これは、琉球政府自体は、人権擁護の立場からは、大統領行政命令の十二節にも違反をするのだという判断を下したわけですね。そこで、この総合労働布令について、現地琉球政府は撤回を望むということを民政府に要求することをきめたといわれておるのでありますけれども、政府は依然として布令の改正という要望にとどまるのかどうか、このことが一つ。 それから、時間を節約する意味におきましてもう一つ。本来、布令、布告、書簡というふうな政治の形態というのは、なくしていくのが自治権の拡大だと思います。そのことは、第二回の佐藤・ジョンソン会談で、施政権の返還継続協議、そして摩擦をなくしていくというふうなことで、皆さん方が言っておる一体化政策というふうなものの筋から見ても、大体布令、布告なんという政治が継続をされておるということがおかしいのだし、そしてまた、施政権が返ったとしたならば、日本国憲法には明らかに違反をしておるというふうに外務大臣はお考えなんですね。そうすると、二つの問題があるわけですね。この点について御回答を願いたいと思います。
○愛知国務大臣 第一点につきましては、ゼネスト問題の起こります前にというか、過程におきまして、政府としては、布令の原案といいますか、これに対していろいろ問題がありますし、その出された経路、やり方等につきましてもいかがかと思いましたので、意見を申し入れたわけでございます。その結果が、とにかく施行を延期することになって、そして、その間において御意見のほどは建設的にお出しいただきたい。これは日本政府に対してもそうでございましたが、同時に、沖繩におきましても、政府筋だけではなくて、各団体あるいは個人をも含むのかと思いますけれども、建設的な意見は民政府に出すようにということで、今日の状況になっているわけでございます。そこで、日本政府といたしましては、その当時からの経過がございますから、この布令の妥当ならざる点、これを指摘して改定をしてもらうという、そういう態度をとってしかるべきではないだろうかと考えておりますけれども、ただ、前にも予算委員会の本委員会でもたしか御答弁したつもりでございましたけれども、沖繩の現地における状況というものも十分にらみ合わせながら、日本政府の態度というものもきめたいということを申しておりましたので、現に沖繩において行なわれておるような状況も十分にらみ合わせまして、最終的な処理をしていきたい。現在のところでは、やはり従来からの経緯がございましたから、不適当あるいは不当と認めるところをどういうふうに直すことがよろしい、こういう意見を要請として差し出すことにしておるわけでございます。これが現状でございます。
○川崎(寛)分科員 外務大臣は六月訪米をされるという日程がきまったと聞いております。そういたしますと、六月ということは、通常国会が五月二十五日まで、こういうことになりますと、直後ということになります。これまでそれぞれの委員会等でも明らかになっておりますように、施政権の返還、それから当然それに伴って基地の態様の大まかな線というものはきめて臨むのだ、こういうふうに聞いておるわけであります。そこで、私は、国会が五月二十五日まで開かれる、そうして六月の初めに、ロジャーズ国務長官との間で、この施政権返還の問題が基地の態様とともに論議をされる、それがやはり十一月の佐藤・ニクソン会談の出発点になると思いますね。おおよその基本線を引くことになると思うのです。五月の二十五日まで国会が開かれておるのでありますから、しかも、今後の安保条約そのものの中身にもたいへんかかわってくる問題を含んでくるわけであります。 そこで、国会が五月二十五日まで開かれておるのでありますから、行きます前には、当然そのおおよその線を何らかの形で国会に報告をして行かれますか、どうでありますか。報告をして行くべきだ、こういうふうに思いますが、いかがでありますか。
○愛知国務大臣 これはまず前提といたしまして、沖繩問題の本交渉というものは、これだけの沖繩問題でございますから、どうしても日米両国の最高首脳会談でこれはとっくり話し合いをし、結論を出すようにしなければならないと思っております。同時に、私が六月早々ロジャーズ長官と会談をいたしますのは、向こうも新政権ができて間もない、ようやく体制が固まりつつあるところでございますから、いま御指摘のように、ここから始まるという、そういう見方もございましょうけれども、私といたしましては、六月から今年内といえばまだ半年もあることでありますから、私が参ります前に、政府の考え方はこうだというところまではきめることが不適当だと、私は率直にいえば考えておるわけでございます。いままで何べんもお話が出ておりますけれども、その後、夏のころには日米貿易経済閣僚会議が東京で開催されることが予定されております。そのときに主要閣僚も向こうから参ります。ここでまた接触の機会がございます。それから、私自身といたしましては、その後国連総会に出席しなければなりますまいが、その機会にまた向こうの土地で接触の機会もある。そういうふうな機会を通して、実は、アメリカも本件については政府筋は少なくとも白紙でございますから、ここはやはり交渉事でございますから、私としては、日本の国民の方々がこれならと思われるようなところへ総理とニクソン会談で持っていくように、最善の方法論を含めまして真剣に考えてまいりたいと思いますので、ただいまのお尋ねあるいは御意見に対しては、今日ここではっきりこういうふうにいたしますということは、まだ申し上げるには時期が早いと思います。
○川崎(寛)分科員 下田駐米大使が帰られて、そうしてまた任地に帰るときに、今後の進め方について話し合われた。そのときに、東京とワシントンと両方の線で交渉を進めていく、こういうことになっておったわけであります。ところが、ワシントンのほうはある程度進んでおるようでありますけれども、東京は、アメリカの駐日大使がきまらないためにおくれておるようですね。ヨーロッパのほうにはもうすでにニクソン新大統領がきのう行っておるわけです。訪欧しておるわけです。ベトナム後というアジアの非常に激動しておる中で、日本の大使がきまらない。ヨーロッパの大使は大体大まかなところはきまってきたようですが、きまらないということは、これはアメリカ側からして見れば、日本に対する信頼感、つまり、あと回しにしたってだいじょうぶだという信頼感というか、それはまた裏返して見れば、下田大使等の発言からすれば、アメリカの意向に対して忠実であるというなめられ方というものを感ずるわけです。だから、継続協議ということがいわれておりますけれども、しかし、それが事実上進まない状態で空転をしておるわけです。ワシントンよりも東京側が第一だろう、こういわれておったのに、東京側は進まぬわけです。この点はなぜおくれておるのですか。アメリカ側の事情だといわれればそれまででしょうが、その点についての外務大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 アメリカの駐日大使がまだ発令されないということは、私も早くやってもらいたいという気持ちを持っておりますことは御想像いただきたいと思いますが、ただ、現状もオズボーン臨時代理大使という人もおりますし、たいへん有能な人でもありますので、随時オズボーン氏との間には十分な接触を保っております。そういうわけでありますから、必ずしもこちらが期待しているようなことに反するようなことをアメリカ側がとっているとは私は思いませんが、ただ、駐日大使は早くきめてもらいたいという気持ちを非常に強く持っているということは川崎君と同じでございます。
○川崎(寛)分科員 先般の予算委員会の総括の際に、私が総理並びに外務大臣にお尋ねした際に、施政権の返還の継続協議には基地は含まないはずだ、総理大臣は含んでおりませんと、これは明確に言っておるのです。総理は、「施政権返還についての話をする。基地の態様そのものについて具体的に話し合う、こういうものじゃない。」というふうに総理は言明しておるわけです。それから外務大臣は、「基地の態様ということは当然その中に入っている、こう私は理解いたします。」と言っておる。私も、ここのところ、総理のほうのだけで、含んでないというふうに総理が言っておったものですから、そのままちょっと見過ごした感じがあるわけですけれども、これはたいへん大きな問題だと思うのです。総理と外務大臣との答弁の中に、一方は、基地の態様を話し合うということは入っているのだと、当の責任者である外務大臣は言われる。ところが、佐藤・ジョンソン会談をやった当の御本人の総理は、基地の態様そのものについては具体的に話し合うあれはないのだ、こう言っている。これは今後施政権の返還の際に、基地の態様についての日本政府側の意向というものとアメリカとの衝突といいますか、そういう場合の一つの問題点が出てくるのです。これは安保条約との関係その他からしても出てくるわけです。この点はひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 私は決して食い違いはないと思っておりますが、佐藤・ジョンソン会談のたとえば共同コミュニケには、基地の態様というようなことは含んでおりませんですね。そのときの応答を私も調べてみますけれども、私の理解しておりますところでは、あの共同声明には基地の態様というものは入っていない、この点を重視しての話ではなかったかと思います。それから現に、やはり沖繩返還問題というものは、国内的に見ましても、基地の態様ということがこれだけ大きな問題になっておりますので、これがどういうふうなまとまり方になるかということは、基地の態様については白紙だ、総理も私もいまのところは白紙でございますから、どういう形に話し合いの結果が取りまとまるかということを想定し、仮定して申し上げることはいかがかと思いますけれども、それはいかようになるかもわかりませんけれども、やはり基地の態様ということについて話し合いをしなければ、返還の問題というものは片づかないということは、私は常識ではないか、そういう意味でやはり考え方は一緒に考えていかなければならぬ、私の申し上げましたのはそういう趣旨でございます。
○川崎(寛)分科員 そうすると、「基地の態様そのものについて具体的に話し合う、こういうものじゃない。」と、こういうふうに総理は言っておるのですよ。それは総理が誤りなんですか、総理が間違っておるのですか。私議事録をちゃんとゆうべ写してきたのです。これはどこかへ持っていって見ていただいてもいいですよ。総理は「こういうものじゃない。」と言っておる。いま外務大臣は常識的なことを言われたのです。それは当然基地の態様というものがきまらなければ、施政権の返還は話し合いはないのだ、こういうことを言っておられる。これはひとつ明らかにしていただきたいと思います。総理が間違っておるのですか、外務大臣が正しいのですか。
○愛知国務大臣 それは先ほど申しましたように、考え方に何にも相違はございません。ただ、その環境や前後の状況から、そういうふうな表現になっておるのではないかと思います。 それから、基地の態様がきまらなければということを必ずしも私は言っておるのではございませんで、基地の態様につきましても、双方の理解というものがなければ、返還の問題というものも真剣に討議はできないはずだ、これは私の考えでございます。これは決して総理の考え方と違っておることはない。私断言してもはばかりません。
○川崎(寛)分科員 基地の態様がきまらなければと断定されるものじゃないということは、十一月の日米首脳会談の際にも、基地の態様がきまらなくても、そのことはペンディングとして、施政権の返還のめどをつけることもあり得るという意味にとってもいいのですか、いまの点は。
○愛知国務大臣 そういう点は、先ほどもお断わりいたしましたように、これからのことで、まず基地の態様それ自体について、まだ私どもの考え方というものは白紙でございますから、それから先のことをいろいろ考えることは、私はちょっと申し上げることは早計だと思います。 要するに、私の申し上げたいのは、実は昨年暮れの臨時国会のときに、外務委員会でもその言い方についてお尋ねがあったことがございますが、私の考えは、少なくとも考え方、取り上げ方を、同時に話が合意しなければこの問題の決着はつかないという意味で、一緒に取り上げていくということを申したわけであります。そういう意味におきまして、私は、総理が言われておりますことと、私の申しておりますこととは、何ら違いはない、こう断言申し上げてはばからないと思います。
○川崎(寛)分科員 少し進めます。 いま事前協議をどうするかということがいずれにしても問題になっていろいろと議論されておりますね。そこで、これは仮定の議論だということになるかもしれませんが、事前協議事項をはずす、つまり、沖繩の基地の態様について、事前協議事項というものをはずす。施政権が返還になったときには、当然安保条約が及ぶ、適用されますね。その際、そのままであれば、事前協議事項というものはそのまま及んで、適用されていきますね。それをはずす。その事前協議事項というものをはずすはずし方にどういうタイプがあるか、どういう形があるか。幾つかあると思うのです。つまり、事前協議というもののそのはずし方に幾つかの形があると思うのです。ひとつこれを全部あげていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 私は必ずしもそう思いませんけれども、しかし、これは……(川崎(寛)分科員「いや、条約論として」と呼ぶ)条約論としてということでございましたら、政府委員からお答えいたします。
○佐藤(正二)政府委員 御質問の趣旨を必ずしも的確につかまえているかどうか疑問でございますが、法律的に申し上げましたら、事前協議の交換公文でいっておりますことは、御承知の三つのアイテムにつきまして、米国側から事前協議を提案してまいりまして、これに対して日本がイエスあるいはノーと言う。この日本の権能と申しますか、拒否権と申しますか、そういうふうなものがあるかないかという点が法律的に問題になるだろうと思います。したがって、政策的と申しますか、考え方としてはいろいろあると思いますけれども、法律的に申しますれば、あるかなしかという、その二つの形しかないだろうと思うのです。したがって、非常にたくさんのバラエティーがあるということじゃないと思うのです。
○川崎(寛)分科員 そこで、たくさんのバラエティーがあると、こういうふうに言われますので、では私のほうからお尋ねいたしましょう。 つまり、事前協議の事項をはずすはずし方に、これはもう前にも議論になったことがありますけれども、向こうから出てきたときに、持ち込み、それから配置の変更、それから直接作戦行動、この三つについて包括的にイエスという言い方がありますね。これが一つ。それから具体的に形にあらわすあらわし方として、返還協定の本文に入れるという形、それから六条の付属交換公文の特例として、また別個に事前協議条項についての特例の交換公文をかわすというやり方、幾つかあると思います。それで、奄美の返還協定の際のあの包括的なやり方、それは安保条約ができたんだから、もうあれは根拠はないんだということが、小笠原の返還の際の当時の三木外務大臣の答弁です。だから、これは私は、奄美の返還協定方式というものをはずしたいと思います。ある特定地域としていつでもまた要望に応ずるという奄美の場合の返還協定がありますけれども、あれは現行の安保条約の前の問題ですから、はずすということにすると、いま言った包括承認、その包括承認のしかたに、つまり、一切がっさいをもう最初からイエスとはずしちゃう、こういうふうな形があるんじゃないかというふうに思うのですが、その点、いかがですか。
○佐藤(正二)政府委員 包括的にはずすということのおっしゃる意味が、ある取りきめをつくりまして、事前協議が行なわれたときには必ずイエスと言うということをもし取りきめをつくるといたしましたらば、法律的な効果といたしますれば、事前協議をやらないということと同じことになってまいります。したがって、それはむしろ事前協議条項と申しますか、そういうものを沖繩に適用しないという形と同じことになりまして、これははずす形だろうと思います。したがって、そういう包括的にはずすということと、それから適用しないということは、法律的には同じことじゃないかと私は観念いたしております。したがって、それは同じカテゴリーに入りまして、それからもう一つは、日本のディスクレッションが依然として残っておる、日米のイエス、ノーという権能が依然として残っておるという形、その二つが残っているのじゃないか。全く法律的な議論としてお聞き取り願いたいと思うのですが、そういう形になる。 それから、先ほどお話がございました、沖繩の返還協定の中に入れるか、交換公文にするか、これは全く条約技術上の問題でございまして、それはどこに入れましても、日米間の国際的な取りきめになりますれば、効力的なものとしてはどちらでも同じことだと思います。 それからもう一つ、奄美協定のお話が出ましたが、奄美協定は、御承知のとおり、旧安保のころの協定でございます。あれの交換公文と申しますのは、先生もすでに御承知のことと思いますが、あの当時は、別に事前協議の交換公文も何もなかった時代でございますから、その事前協議をはずすとかなんとかいうことの意図を持ってつくられたものではございません。新しい基地をつくるかもしれないから、そのときにはよろしく頼む、こういう話のものでございまして、あれは、今回いまお取り上げになっている問題とはちょっと次元の違う問題じゃないかと思います。
○川崎(寛)分科員 そうしますと、いずれにしても、いまのそのカテゴリーがどあろうとも、これは本委員会で、当時の法制局長官だったですね、法制局長官が、国会に承認を求めますと言いましたね。この点はもうどういう形であろうとも、国会に承認を求めるということについては疑念はないですね。
○佐藤(正二)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、いまの事前協議の交換公文自体が国会の御承認を受けているものでございまして、これはまあいろんな形が想定されますのでございますけれども、安保条約が沖繩に適用されたという形、これは常識的にそうなるだろと思いますが、その場合に、その安保条約の一部を変更する——法律的に変更すると申しますほうが正しいと思います。そういう形になりましたときには、当然国会の御承認を受けることになると思います。
○川崎(寛)分科員 それから、いま新聞等でちらほら出てきておるのが、前尾派がどうの、何がどうのという、これはおたくの自民党さん内部の問題ですが、その中に、やはり一つぽこぽこと出てくる問題は、特別基地協定という考え方、そのタイプというのがやはりまたあっちこっちの議論の中に出てくるのですが、これは総理大臣も、私の質問に対しては否定をしておった。しない。つまり、これは全面返還でなくなるわけです。だから、その特別基地協定というのはやらないと言っておりましたが、この点は念を押すようでありますが、いかがでありますか、外務大臣。
○愛知国務大臣 それは総理の言われているとおりだと思います。ただ、念を押せば、やはり仮定の問題ではございますけれども、いわゆるグアンタナモ方式ですか、そういうものも一部には主張があるということは事実でございますね。
○川崎(寛)分科員 いや、わがほうにですか、向こう側にですか。
○愛知国務大臣 いやいや、この一部というのは、世論の中の一部に。そういうことを私はこの間予算委員会で申し上げましたが、しかし、総理のおっしゃることと同じでございます。
○川崎(寛)分科員 それじゃ、沖繩の基地の形、機能は現状のままということで、施政権が返還されて、安保条約が適用されることになると、事前協議の三事項も適用、こういうことになりますね。そうしますと、そういうときに、事前協議にかけなければならない沖繩の基地のいろいろの問題、当然基地の態様の中で検討されておる問題だと思うのです。どういう事項は事前協議にかけなければならないか、この点、これは条約局長でもアメリカ局長でもけっこうです、御答弁願いたいと思います。
○佐藤(正二)政府委員 御質問の趣旨はわかりませんですが、これはむしろ交渉の中できまる問題じゃないかと思うのでございますが……。
○川崎(寛)分科員 いや、ちょっと待ってください。これは態様の問題でしょう。そうじゃなくて、いまの沖繩の基地の現状が、施政権が全部返ってきた——沖繩の現在持っておる、つまりB52が飛んでいる、メースBがあります、核弾頭が貯蔵されておる、いろいろあります。そういうものがそのままということになったとき、事前協議にかけなければならないものは、どれとどれとどれですか。具体的にひとつ明示していただきたい。これは当然基地の態様をいろいろと検討される場合の一番の基本だと思います。これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○東郷政府委員 私もちょっと十分御理解申し上げてないかもしれませんが、とにかく現在の沖繩の基地の態様は、いまお話しのような問題のほかにも本土といろいろ違う点もございますが、いずれにしろ、安保条約第六条の付属交換公文で申しておる事前協議というのは、御承知の三点でございますから、その意味の事前協議というのは、沖繩の場合もその三つの問題になるわけでございます。
○川崎(寛)分科員 それじゃ具体的にお尋ねします。 メースBは、これは当然問題になりますね。だから、問題になるものをひとつあげてほしいというわけです。メースBはなりますね、いかがですか。それじゃちょっと時間があれしますから……。メースB、それから核弾頭、B52の発進攻撃——いまベトナムにやられておりますね、この発進攻撃、それから北爆が始まりましたときに、海兵隊がダナンにさっと移りましたね。それからアメリカ本国からどんどん部隊が来て、どんどんベトナムに出ていきました。まずいま言いました四つですね。この点はいかがですか。
○東郷政府委員 最初の二つでございますが、事前協議の交換公文によれば、中長距離ミサイルの発射基地、それから核弾頭ということでございますが、メースBが中距離ミサイルであるとすれば、その発射基地の問題は事前協議の問題になると思います。 また、核弾頭が現在あるかどうか、これはわかりませんが、もしあるとすれば、これは事前協議の問題になるかと思います。 B52が現在どこへ行っておるかということは、これは発表されておりませんが……。 それから海兵隊の動き、これはわれわれも動きの実態をつまびらかにいたしませんが、事前協議に申します、沖繩を基地とする戦闘作戦行動ということに該当するような態様であれば、これもひっかかるわけでございます。
○川崎(寛)分科員 これはあともう少し詰めたいことがありますので、これはいずれまたの機会に詰めさしてもらいたいと思います。 そこで、直接作戦行動というのは、やはり非常に問題になってくると思うのです。自衛権の行使の問題について、参議院の予算委員会でもいろいろ議論がありました。総理大臣あるいは法制局長官等の答弁からいたしますと、自衛権の行使については、個別的自衛権の行使ということで、これは明らかでありますし、違法性、それから必要性、均衡性という三つの要件というものは備えなければならない、こういうふうに法制局長官も答弁をしておるし、これはいままでの政府の解釈であるというふうに思います。 そこで、次にこれから問題になってくると思いますのは、いわゆる集団的自衛権の行使の問題が非常に問題になってくると思います。国連憲章の五十一条の集団的自衛権の行使のこの問題について、新聞の報道によりますと、二十一日のロサンゼルスにおけるプエブロ号事件に関しての下田大使の発言、これは政府の正式見解なのかどうか、この点を明らかにして問題にしたいと思うのです。と言いますことは、下田駐米大使はこういうふうに言っております。「北朝鮮によるプエブロ号捕獲のあと、米国は北朝鮮に対して報復的な手段をとらなかったが、これは東南アジアで重大な局面をもたらすことを回避した。」ここまではいい。「米国は、法的にみて報復措置をとることができたのだが、これをしなかったのは米当局者の政治的配慮によるものであり、」云々、こうあるのです。つまり「法的にみて報復措置をとることができたのだが、」という考え方、これは集団的自衛権の行使のあり方について非常に問題になる点だ、こういうふうに思います。つまり、このことは、日本政府の外務省の正式の見解なのかどうか、明らかにしてもらいたいと思います。
○佐藤(正二)政府委員 その下田大使の御意見について、それがわれわれのところから出て、統一的見解であるかどうかということは、私ちょっとここでお答えできませんのでございますが、いまの問題として、集団的自衛権の行使ということではないと私は法律的に考えております。と申しますのは、アメリカの軍艦があの場合に武力攻撃を受けたかどうかという問題は別にいたしまして、武力攻撃を受けたといたしまして、それに対して自衛権を行使するとすれば、アメリカの個別的自衛権の行使だと考えております。したがって、日本の問題とは全然別個の問題だろうと思います。 ただ、法的に考えますれば、その自衛権の行使と申しますのは、武力攻撃が起こりましたときに、これに対して、先生もおっしゃいましたとおり、急迫不正の侵害に対して最小限度の対応措置をとるということでございますから、そういった急迫不正の侵害があったかどうかという問題がまずございます。それに対して不正があったというふうに日本政府は判断した、そういうことは私まだ聞いておりません。
○川崎(寛)分科員 そうすると、これは下田大使のまた個人的な発言ですか。下田大使だけは、外務省の正式の見解、統一解釈というものなしに、どこででも自由に発言してもよろしいという総理大臣からのお墨つきでもあるのですか。これはトンキン湾事件あるいはアメリカのレバノン派兵、個別的自衛権ないし集団的自衛権の行使の基本の問題なんですね。そしてこのことは、安保条約の五条との問題も非常に微妙にからみ合ってまいります。だから、私はこれを非常に問題にするし、将来、沖繩の基地の自由使用というふうな問題が出ますときには、たいへん具体的な問題になってくるわけです。下田大使だけはかってに発言してもいい。いま条約局長が言われるように、プエブロ号の問題については、昨年のプエブロ事件のときにアメリカ側の申し出を了承した。ところが、それは日ならずしておかしいことになったわけですね、あのとき。だから、それをつまり、急迫不正の攻撃があったのだという立場というのは明確じゃないのですね。下田大使は、それを明確に急迫不正の攻撃があったのだという前提に立って、つまり、いまの必要三要件というものの点は全部具備をした形で言っておりますけれども、これはたいへんな問題であると思います。いかがですか。
○東郷政府委員 大臣への御質問でございますが、先ほどの条約局長のお話をちょっと補足させていただきます。 私の記憶するところでは、下田大使の御発言というのは、当時アメリカのほうでは、いずれにいたしましても自国の軍艦が、これは公海であったかどうかというのが問題の点ではございますが、いずれにしろ、当時アメリカのワシントンにおける情報によれば、公海外において自国の軍艦が拿捕される、これは普通の場合、歴史的、伝統的な考えでいけばたいへんな事態であった、そのときに、米国政府がいろいろ政治的に考えて、まず外交交渉で解決するという方針をとったのはたいへんよかった、私の、電報でございましたが見た記憶では、そういうお話でございまして、自衛権云々の法律的の問題としてではなく、政治的にそういう措置をアメリカがとったのはまことにけっこうであった、こういうお話だったと私は了解しておりますので、補足させていただきます。
○川崎(寛)分科員 その点は、前半はそう言っている。ところが、法的に見て報復措置をとることができたのだ、こういうふうに言っておるのです。だからプエブロのあの事件について、日本の外務省はそういう統一見解であったのかどうか、その点をひとつ外務大臣——これはたいへんな問題ですよ。だから下田大使は呼び返せと、こう言っていま問題になっているのですからね。また一つ、こういう累犯の上にまた累犯を重ねようとしているわけです。どうですか、外務大臣。
○愛知国務大臣 これは外務省といたしましては、いま条約局長なりアメリカ局長が申しておることが正しいと私は……。正しいのでございます。
○川崎(寛)分科員 いや、もう一ぺんそこを言ってください。
○愛知国務大臣 正しいのであります。
○川崎(寛)分科員 正しいのでありますというのは、急迫不正の侵害があって、必要やむを得ざる一つまり条件は全部そろえておった、だから報復措置はできたのだ、こういう立場に立つというわけですか。
○愛知国務大臣 もう一ぺん、それじゃ条約局長から……。
○佐藤(正二)政府委員 私が申しましたのは、そういう問題を日本が日本の考え方としてそういうことを申したということは、私は記憶はないということでございまして、それをアメリカはどう判断したかという問題は、これはまた別の問題でございます。
○川崎(寛)分科員 アメリカの判断を認めたのだから……。
○佐藤(正二)政府委員 したがって、それを日本の立場として公式に表明するとすれば、たとえば国連の安保理事会あたりでそういう問題が提起されまして、日本がこれに対して正しいというふうに応答するか、発表するか、そういうところで日本の立場というのが正式に表明されるものだと思います。たまたまあの場合には、そこまでいかないで話は済んでしまったわけでございます。したがって、日本の立場を表明する機会はあの場合になかったのだと私は考えておりますが……。
○川崎(寛)分科員 なかったやつをいまごろ、チャックがかかっていなくて、こういう国際段階でかってなことをこういうふうに報道されておるんですから、これは私は下田個人がまた個人的な見解を言ったとは言えないと思う。日本の特命全権大使が公式に日本外務省の立場を表明した、こういうことにならざるを得ないと思うんです。外務大臣、どうですか。
○愛知国務大臣 下田大使の発言についてはもう前々からおしかりをいただいておりますので、厳重注意をし、かつこういったような講演等については事前にその原稿も十分照合してございますから、私は下田君の言っていることが、これは別に報道をとやかく言うわけではございませんけれども、こちらの訓令内においての言動であると思います。 それから法的云々につきましては、ただいま事務当局から申し上げたような見解が外務省の見解でございます。
○川崎(寛)分科員 そうすると法的には報復措置ができたんだ——ここに書いてあるじゃないですか、訓令をはずれているんですかこれは。新聞に出てますよ。訓令なんていうのは国民はわからぬですよ。国民はやはり報道機関というもの公正な報道というものを一応信頼して判断しているわけですね。日本の外務省は、あのプエブロのときには報復措置をとることができたんだ、では報復措置をとることができたんだという解釈でもし行動に入っておれば日本は安保の五条というふうな問題に発展をする可能性もあったわけですね。だから、報復的な措置をとることは正しいんだ——米国の個別的自衛権の解釈を聞いているんじゃないんですよ。そうでなくて、米国の個別的自衛権の解釈なり、あるいは米国の集団的自衛権の解釈なりというのは非常にあぶないんですよ。トンキン湾の問題にしたってあるいはレバノンの派兵問題等にしたって、これは常に問題になってきている。だからこれはそれを認めたということになると、さっき言った参議院の予算委員会で三つの要件が必要だといったその前提もくずれてくるわけだし、だから国内向けには非常に厳密に個別的自衛権の行使というものについては解釈をしたかっこうにしながら、アメリカのそのあれについてはきわめてゆるく解釈をし、それを認めていくということにほかならないんじゃないですか。では、この報復的措置をとることができたということについて、これは日本の外務省の正式の見解なんですか、訓令を逸脱しているんですか、その点をまず明らかにしてもらいたいと思います。
○愛知国務大臣 日本の解釈としては、いまもお話がありますように自衛権というものはぎりぎりに厳粛に考えるべきものである、アメリカの考え方はどうであろうとも日本の考え方はそうであるということがまず第一点でございます。 それから先ほど申しましたようにその報道についてとやかく言うべきではいま私の立場はございませんけれども、何らかの意味で日本の解釈というものが曲げられるようなことが伝えられたとしたならば、それは外務省として外務省の見解はこうだということをさらに明確にここでいたしたわけですから、これで御了解していただけるのじゃないかと思います。
○川崎(寛)分科員 私はこれは簡単に了解できないんです。しかし、きょうの分科会はたいへん質問者が多くて主査も運営に苦慮しておられると思うのです。私の時間も過ぎているのでこれをここで詰めていくわけにはいきませんけれども、最後に一つ明らかにしてもらいたいのは、じゃ報復を抜きにいたしましょう。報復を抜きにして、プエブロのあのときはアメリカは報復措置をとることができたのであるかどうかという点をひとつ明らかにしてもらいたい。 それが一つと、それから主査にこれはお願いいたしたいのですが、お聞きのとおりにこれは非常に大きな問題だと思いますし、ちょうど下田大使の召喚の問題は予算の理事会でも懸案の問題になっております。でありますから、これは予算の理事会にひとつ主査のほうからこの問題を入れていただくということについてお取り計らいを願いたいと思います。
○佐藤(正二)政府委員 はっきりしておいたほうがよろしいと思いますので、もう一度同じことを申し上げるようになりますが、この問題はアメリカの個別的な自衛権の問題でございますので、第一義的と申しますか、アメリカが自衛権を行使し得るかどうかということはアメリカが判断すべき問題だと思います。したがって——したがってと申しますか、そのデータとしては、アメリカのあのプエブロ事件が起こりましたときの状態というものは、日本には必ずしも事実関係としてはっきりしたものがないわけでございます。で、アメリカとしては、そういうふうな事実関係に基づいてそういった個別的自衛権を行使すべきものだというふうに判断したかもしれません。これは私らそういうふうに感じたかどうか、これは国連総会あたりで論議されませんでしたからわかりませんでございます。ただ、その点について、日本側がアメリカの判断についてどういうふうに判断したか、この点も日本側としてはそういうふうなものを、日本側の見解を表明するべき場がございませんでしたから、一度もあの当時発表したことはございません。先ほど申し上げたとおりでございます。その点だけはっきりさせておいていただきます。
○川崎(寛)分科員 それならなおさら、日本政府が正式に発表する機会がなくて出たのでしょう。それを下田大使が、こういう国際関係団体の昼食会で演説をしたわけなんだから、これは日本政府の公式見解ですよ。そうじゃないですか。明らかに食い違っている。しかも訓令とは離れているような感じが私はいたします。なおさら下田大使は召還の資格は十分だ、こういうふうに思います。だから、この点はひとつ理事会でやってもらうことをお願いしておきます、時間がないのですから。 外務大臣、だから食い違っておるということは明らかですね。公式見解というものは、出してないのだから。それを出したのだから、これは外務大臣の責任において呼んでください。そうして明らかにしましょう。そうでないと、いや報道だとかいや何だとかいうことで食い違いが広がる一方です。はっきりしてください。
○愛知国務大臣 そのアメリカのとりたる措置について、日本の見解を発表、こういうふうにするというようなことを訓令したというようなことはございませんから、私どもの解釈は先ほど来申し上げているとおりでございます。 それから、何ぶんにも報道されていることが、それは前後の説明ぶりその他もございましょうから、その点は調べてみますが、そのいま出ているだけの記事については、私としては責任が持てないわけでございます。
○川崎(寛)分科員 委員長、ひとつこれは読んで調べてもらいます。そのことを要求いたします。それでないと、ここでやりとりしておっても時間がないから……。委員長、それでよろしいですね。
○足立主査 ただいまの川崎君の申し入れにつきましては、いま外務大臣が御答弁になりましたように、報道されたことでありますし、川崎君の主張が新聞の一部分でございますから、いま外務大臣がおっしゃったように、前後の関係がいろいろあると思う。ですから、ここでいま時間がありませんので、これは川崎君も御不満だと思うのです。ですから、外務省と川崎君でもう少し別途お話し合いを願えませんか。そこで、外務省からの報告によっては、私は理事会に移すべきものかどうか判断さしていただきます。 〔「外務大臣、調査すると言っておるから、その調査の結果は理事会にひとつ……」と呼ぶ者あり〕
○川崎(寛)分科員 理事会に入れてもらいますよ。
○足立主査 では、わかりました。外務省の調査の結果を理事会に報告していただくようにいたします。
○川崎(寛)分科員 以上で終わります。
○足立主査 大出俊君。
○大出分科員 たいへん時間が短いわけでございますので、二点ばかり承りたいのですが、まずその一つは、従来からの政府答弁の中で、核に関するものの考え方がたいへん混乱をしてきておる感じがするわけであります。 そこで一つ確かめておきたいのでありますが、まず昨年の一月の総理の施政方針演説では、われわれは核兵器の絶滅を念願し、みずからもこれを保有せず、そして持ち込みも許さない決意である、まずこれを施政方針で述べておられます。ところでこの発言は、非核三原則が佐藤内閣の基本政策であるという点の内外に対する宣明だと思うのですね。ところでこれは、大平さんの引き続く質問に対する答弁の中で、わが国の核四政策、こう言っておるわけですね。四政策の一つは非核三原則、三つ含めて非核三原則ですが、これが一つの政策だというのですね。それからもう一つは核軍縮への努力、これが四政策のもう一つ。それから三番目は安保による米の抑止力への依存、これが三番目。それから四番目が平和利用の推進、こういうわけですね。この四つをあげてこれを四政策という。そこで、野党の非核宣言、非核決議に対しまして、四政策のうちの一つだけを取り上げたのでは不十分だという言い方で拒否をされた、こういう経過が実はある。これはお認めになりますね。
○愛知国務大臣 あの当時はそういうことであったと思います。
○大出分科員 だいぶ変わりましたか。
○愛知国務大臣 いや、変わりません。要するに、この置き方、並べ方その他につきましては、私これから御説明することが多少違うかもしれませんけれども、基本的な考え方は、日米安保体制ということが一つ前提になっております。これが一つです。したがって、その中におけるところの非核三原則。あるいは並んであれでけっこうでございますけれども、非核三原則。それから核軍縮に対する努力の推進、そうして平和利用、この四つが基本的考え方をまとめたものでございます。その考え方は、私は今日も変わりはございませんと申し上げてよろしいと思います。したがって、私の理解しておるところでは、安保体制ということについて与野党間の考え方の違いということが非核三原則の決議、宣言というようなことについて話がまとまらなかったバックグラウンドじゃないか、私はその当時を回想してそういうふうに考えております。
○大出分科員 もう一つ明らかにしていただきたいのですが、今国会の答弁によりますと、楢崎委員の質問に対して、つくらず、持たずは憲法上の問題であるということをまず明らかにされましたね。これは総理の答弁であります。それから持ち込まずは、これは政策上の問題だ、こういう答弁をされたわけですね。これは予算委員会の冒頭であります。このときに、外務大臣、あなたは、ポラリスの緊急避難、この提起に対しまして、事前協議にも多少幅があって、オーケーと言う場合もあり得るということをおっしゃったですね。そうすると、持ち込まずに関しては政策の問題で、事前協議とのかかわり合いからすれば、オーケーということもあり得る。こういう答弁になる。ここまではいいですな。
○愛知国務大臣 これはもうちょっと御説明が要るところなんですが、事前協議ということにつきましては、これは昭和三十五年以来何べんも問答がございますが、たとえば、昨年にいたしましても、衆議院、参議院の予算委員会等で、日本の国益に応じてイエスということもあろう、ノーと言うことももちろんあろう、こういう答弁はずっと一貫して行なわれておるわけでございますね。それがまず一つです。それからその次に、ちょうど楢崎委員がおられますけれども、仮定の事実ということではございましたけれども、緊急避難ということがもしポラリスにあった場合にはどうするか、私はとっさの間ではございましたけれども、人道的なほんとうに狭い意味の緊急避難ということならば——しかし、それも観念的にはそのときも思ったのですが、ポラリスなどというものに狭い限定された意味の緊急避難というようなことはあり得ないことであろうとは思いましたけれども、仮定のことであるならば、そうして人道的なようなこともある場合におきましてはイエスと言うこともあり得るでございましょう、こう申し上げたわけでございます。だから、ポラリスというようなものを、しかも事前協議にかけますというところが重大なところです、緊急避難ということであっても、核であれば。
○大出分科員 だから聞いているのです、重大なことだから。そうそう変わられては困る。そこで、外務大臣がかつて科学技術庁長官で、これはこの間私が初顔合わせでいみじくも質問したところなんですが、かつて椎名さんと並んで、椎名外務大臣、愛知科学技術庁長官の時代、楢崎さんもここにおられますが、石橋さんが質問する、次に私が質問するということで続いていたわけですが、このスレッシャー型にしろ、攻撃型の潜水艦が入ってくる、こういうときに、私は当時並んでおられた椎名外務大臣のほうに、この攻撃型潜水艦が入ってきた場合に、サブロックを積んでいるかいないかという論争になって、おろしてくるとかなんとかいう話になりました。このときに、私が攻撃型潜水艦の緊急避難について質問をした。ところが、緊急避難についてはやむを得ぬだろう、いまおっしゃった人道上のこともあるからと、椎名さんがおっしゃった。そこで私は念を押して、ほんとうにそうか、そうなると、これは核持ち込みについての各種の約束を変更することになるがと詰めたところが、あわてて答弁を変えられた。こっちで攻撃型潜水艦というのは、原子力潜水艦はあくまでも潜水艦でございまして、私は実は日本近海は台風も来るのだから、そういうときにちょっと入れてくれと言ったら、入れるのかと言ったら、緊急避難なら認めると言った。詰めたら何と言うかというと、潜水艦でございますから、そういうときには緊急避難でなくて沈みます——沈みますと答えた。これは新聞記者の諸君から大笑いになった。しかし、そこまで実は時の政府は真剣に核持ち込みを警戒されていた。ところが、この間は、逆に今昔の感があるのですが、あなた立ち上がって何と言われるかというと、攻撃型よりなお精密であり、潜航時間も長い、足も早いというポラリスについて、沈みます、もぐりますではなくて、これは認めるとおっしゃった。詰めて言えば、いみじくもあなたのお気持ちが出たと私は思うのです、とっさの場合であるだけに。 そこで、私は次の点について伺いたいのでありますが、いまお話がございましたが、わが国と極東の安全保障に果たしている沖繩の役割り、これ、施政方針演説から始まりまして、この国会で強調されたわけです。また、この沖繩の基地がアメリカの抑止力として非核三原則に優先をする、こう受け取れる答弁をずっとしておられるわけですが、私も一般の方と同じように受け取りまして、非核三原則というものよりは、沖繩基地の抑止力、アメリカの核抑止力、これが優先をする、こう理解をしていいかどうかということをひとつはっきりさせておいていただきたいのであります。
○愛知国務大臣 考え方といたしましては、冒頭に申し上げましたように、日米安保体制の抑止力ということと並んで三原則ということを私はいまでも考えております。そういう角度から今後の問題も考えていっていいんじゃなかろうか、こういうように思います。
○大出分科員 明確になったようでありますが、私が、実は核のものの考え方について少し混乱をしているから少しただしたいということで、核四政策まで触れたところで外務大臣がお答えになりましたのは、順序が変わりますということを言われて、まず日米安保体制が前提です、そうしてその次に非核三原則です、しかしこれは並べてもよろしゅうございますという注釈をいまおつけになって、その次に核軍縮であり、平利利用である、こういうふうにお答えになった。そうすると、明らかにこれはいまの御答弁とあわせまして、沖繩、すなわち日米安保体制の中心である沖繩の核抑止力、これが核の扱いの中では非核三原則より優先をする、とにかくこれが前提だ——この理解については、いまはっきり御答弁をいただいたように優先をするんだという考えだというふうに断定をしてよろしゅうございましょうね。
○愛知国務大臣 これは先ほどもお話しいたしましたように、先ほどのお尋ねが、あの当時非核三原則を国会の決議にするというお話が出ましたから、そこで私のお話のしいいようにと思って、順序が狂うかもしれませんと申し上げたのでありまして、これはあくまで四政策でございます。 それから、要するにこれは従来の論議と、それから沖繩というものと、一応別にひとつお考えいただきたいと思いますが、従来言っております安保条約の解釈あるいは非核三原則というものが、従来の体制で政府は一貫しておると思います。それから沖繩の返還、そのときの基地の態様ということにこれはかかわるわけでございますが、基地の態様については白紙ということでございますから、いまの具体的なお尋ねの点については、それとの関連がございますから、白紙であると申し上げざるを得ないわけでございます。
○大出分科員 私はいま何も基地の態様を聞いたんじゃないですよ。あわててそこまで御答弁なさらぬでもいいので、私の質問は、もう一ぺん概要を繰り返して申し上げますが、核四政策ということを言われている。核四政策というのは何かというと、まず非核三原則——つくらず、持たず、持ち込まずという非核三原則、これが四政策の一つである。次に核軍縮、さらに安保による米の核抑止力、これに対する依存、四番目が平和利用の推進、こういうふうに総理が言っておられる、こう申し上げたわけです。あなたのほうでは順序が多少変わるということをお話しになって、何よりもまず日米安保体制が前提である、つまり安保に基づく核抑止力、これが前提である。そうして非核三原則の堅持、これを並行的に置いてもよろしいとおっしゃった。さて、核軍縮、平和利用、こういうふうにおっしゃるから、したがって、しからば結論を出しておきたいのは、アメリカの日米安保体制に基づく核抑止力というものが優先をする、こう考えていいかと言ったら、そうだという意味のお答えをいまなさった。ここまでです、私が聞いているのは。よろしゅうございますな。
○愛知国務大臣 これは正確に申し上げますが、日米安保体制ということでありまして、その中にはいろいろのことがございましょう。そこで沖繩の問題につきましては、沖繩の人たちに本土のわれわれと同じように安全が確保されるのにはどういう形がいいかということを、日米安保体制の中で考える。これはもう特別のとりきめがない限りは安保体制がそのまま沖繩に施行されるわけですから、その中でどうあったらいいかということについて考えているのであって、そこから先は……(大出分科員「ちょっと待ってください、外務大臣。そこまで聞いていないです」と呼ぶ)私は言わなければいけないのです。そこから先は白紙でございます、こう言っているわけです。
○大出分科員 どうも大臣、私が質問しないうちに一生懸命先の先をおっしゃるので、どうもそれはまことに時間上困るのです、時間のあるときならかまいませんが。いま私が申し上げたところまではそれでいいですな。そこまでしか聞いていないのですから。実は総理の、議事録をここで読み上げてもしかたがないのですけれども、総理の答弁をそのまま言っているのです。この大平質問に答えて、わが国の核四政策としてというふうに答えておられるのです。四政策としてという中の三番目に、安保による米の核抑止力の依存とはっきり言われている。そうでしょう。それを私は申し上げている。そうすると、あなたは核抑止力とおっしゃって、一生懸命安保体制と、こう言い直されるのだけれども、私の言っているのは総理の答弁なんだから、議事録にちゃんとあるのだから、これを否定されないでしょう。よろしゅうございますね。総理が言っているんだから。
○愛知国務大臣 それは私議事録を見てお答えしたいと思いますが、何しろそれは昨年のことですから、ちょっと私も記憶がぼやけておりますが、そこにそう言われていれば、そのとおりでよろしいと思います。
○大出分科員 つまり昨年の国会の答弁と今国会の答弁との間に非常に混乱があるので、明らかにしていただかなければいかぬということで、私は前提にそう申し上げて聞いているのです。いまのは昨年の国会の答弁なんですから、今国会の答弁がそうではない。いみじくもいま愛知さんがおっしゃっておられるように、日米安保体制が前提であるというのを第一にあげられて、順序が変わってきている、こういうわけです。この点はお認めになったのだからそのとおりでよろしゅうございます。 もう一つ承りたいのです。この事前協議の問題なのですが、事前協議の弾力的運用と外務大臣自身が楢崎質問にも答えておられる。総理もあとから各所でそう答えておられる。したがって、弾力的運用ということを政府が現在お考えになっておられる、こう認めざるを得ないのでございますが、よろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 私は弾力的運用とは申していないと思います。少なくとも従来から堅持している方針が、先ほどもちょっと申しましたように、沖繩返還問題ということが出てきておりますから、そこで従来から一貫し、また将来もそうであることは、ちょっとこの沖繩という問題は一応いま白紙でございますから、そこに触れないで言っておられるのならばそれでよろしいと思います。 それから弾力的運用ということばは私使っていませんよ。
○大出分科員 そうとれると申し上げているのです。 そこで詰めたいのです。そこから先を承りたいのです。 最近なかなかうまく整理して書いてある新聞がありまして、大きな書物を持ってくるよりこのほうが早いと思ってこれを持ってきましたが、事前協議と書いて中身をいろいろ説明しておられる。これは一九六〇年一月十九日の岸・アイク共同声明、ここで事前協議にかかる事項については米国政府は日本国政府の意思に反して行動する意図はないことを保障——これは当時ハーター国務長官の時代です。つまり岸・アイク共同声明なんですが、ここでは、日本政府の意思に反して行動する意図のないことを明らかにしたわけですね、岸・アイゼンハワー共同声明というものは。だから日本政府がノーといえばノーなんですね。ここでアメリカ上院の議事録を——これは国会図書館にありますが、秘密会に入る前までの議事録があります。もちろんアメリカの場合は上院しか条約の批准権がないわけですが、ハーター国務長官がマンスフィールドその他の方の質問に対して答えておられる。ここで何と答えておられるかというと、拒否権かと聞かれているのですね。つまり同意を得られない、合意に達しなかった場合には直接戦闘作戦行動もできないのか、あるいは核持ち込みもできないのか、こう聞かれている。そうだと答えているのですね。そうしたら、それじゃ困るんだという意見だ。そうしたらそれじゃ転移ということがありますとハーター国務長官は答えています。転移とは何だ。日本の基地からアメリカの飛行機が韓国へ飛んでいった、爆撃をした、帰ってくれば直接戦闘作戦行動でこれは事前協議にひっかかるけれども、落としてこれが沖繩に行ったとか洋上の空母に行ったとかいう場合は転移である、そういう方法もあるから御心配なくということを答えておる。そこから先は秘密会へ入っている。ふしぎに、あなた、秘密会の議事録というのは出てこない。そうなると、何かペンタゴンかどこかへ持っていってしまうのかもしれないけれども、ない。だからその前までのやりとりを見ると明らかにこれは日本の拒否権なんですね、合意に達しない場合にはできないとハーター国務長官が言い切っているのですから。そうすると、日本側の拒否権である。一ぺんも使ったことはないけれども、出てくれば明確に拒否権である。にもかかわらず、ポラリスの緊急避難をめぐってお答えになったのはずいぶん長い答弁ですよ、楢崎委員との質疑のやりとりは何べんもやりましたから。この中で何でもかんでも事前協議というのはノーであるということを言わなくてもいいということをあなたは言っている。オーケーという場合もあり得ると言っておられる。これはあなたお認めになるでしょう、あなたそう答えたんだから。それが弾力的運用ではないのかと私は聞いておる。違いますか。
○愛知国務大臣 弾力的運用ではないのです。なぜかと申しますと、いまアメリカの上院の記録もおあげになってお話しでございますが、これはもう従来から一貫した政府の答弁でございます。たとえば、一番最近では昨年の三月二日ですか、それから四月何日か、当時の三木外務大臣がイエス、ノーということをはっきり御答弁申し上げております。ですから、これはイエスということもあり得るし、ノーということもあり得る。ただし日本の欲せざることはやらない。それから交換公文の解釈として、御承知のように行動と配置と装備ということをあげられておりますね。こういうことはいままでやってきたこともなければ、いまの現内閣の政策といたしまして合意がなければ断わるということは非常にはっきりしておりますから、その意味ではきちっときまっております。ただ観念論あるいは法律論といたしましては、従来から政府がそういうふうに答弁しているとおりでありまして、私は弾力的運用ということばは使いません。またそういう気持ちでもございません。
○大出分科員 三十五年の安保改定のときの国会議事録を私ほとんど全部精力的に読んでみましたが、当時はまだ世の中がこんなふうになっておりませんから、岡田春夫さんがいみじくもこの事前協議を相当強く追及されておるのですね。ほかの方はあまりこれに触れておらない。海のことはあまり言っていないのです。空についてはだれも質問していない。海のことについてだけ岡田さんが質問をされている。陸のことは皆さんが質問しておりますけれども。そこで、事前協議条項があるから心配ないのだということ、一貫して拒否できるんだからということで答えておるわけです、当時の議事録を見ると。それを少しずつ皆さんがニュアンスを変えよう変えようとしてきている。私は新しい議員ですから、ずっと読んできておりますけれども随所に出てくる。それを少しずつ変えよう変えようとしておる。変えてものを言っては、けしからぬと言われて、また戻ってみたり統一見解を出してみたりやってきておる。あなたの場合も、とっさの場合だからとさっきおっしゃったが、いささか舌足らずである。舌足らずであるといってもしかし何がしか前に出たニュアンスが残るということですね。そうすると伺いますが、いまのところはイエスということもありノーということもあるならば、核持ち込みの問題等についてもイエスということはあり得るわけですか。
○愛知国務大臣 それは、ですから、いま申しましたように、政策の問題として非核三原則、これは従来からの態度でありますが、それはノー、われわれの態度としてははっきりいたしております。
○大出分科員 核持ち込みもノーですか。
○愛知国務大臣 ノーです。ただ先ほどからお答えいたしておりますように、これは本土についてのことであって、それから先のことになりますとどういうふうに考えたらいいかということは白紙でございます。これはどうしてもつけ加えておかなければならない。
○大出分科員 本土についてとおっしゃるのですが、沖繩が返ってまいりますとこれは本土でございますから。 そこで、承りたいのですが、けさの新聞を見ますと、これはこの間私いみじくも二十日の日に外務大臣に承ったのですが、取ってつけたような私の質問で恐縮だったわけですけれども、六月の二、三、四日においでになって向こうでお話し合いをされる。私の読んだ外電によれば、日本政府の態度というものははっきりすべきであるということをいっている。おまけに日本のオズボーン代理大使なんかも、佐藤総理の腹はさっぱりわからぬ、困ったことだと言っている。そうすると六月においでになる前に、いまは予算委員会その他を通じて、一言も結論を出していくなどとはおっしゃらないで、時間がたくさんあるのだから、十一月末までは結論を出すことはないのだからと私の質問のときにいみじくも言っておられたが、これは夕刊に書いておったと思いますけれども、「一定の段階までは結論を求めていきたいと思う。ただ非常にむずかしいし複雑な問題だから、詰まらない部分も出るかもしれないという予測を持っております。」とあなたはお答えになっておる。そうでしょう。そうすると、今度はこの新聞によりますと、ここのところがなおはっきりしてきている。予測を持っておりますとおっしゃっているのですけれども、アメリカの側はそんたくしかねておる。いまの政府は欧州問題で忙しいですから、ベトナム問題で忙しいですから、日本のことにかまっておられない。ですからこれを見ますと、まずあなたのほうはロジャーズ国務長官、キッシンジャー大統領特別補佐官、ここのところに一つポイントを置く。それから米上院軍事、歳出委員会の意向が強く反映するものと見ているから、ここに一つポイントを置く。そしてそのためには特別に特命全権大使みたいなものを送りたい。その候補者としては前官房長官、現副長官の木村さんがあがっている、こういうふうに書いているわけです。そうすると、いま外務省なり政府なりが考えているポイントは、ロジャーズ並びにキッシンジャー両氏、さらに上院、これは中心になりましょう、上院の軍事、歳出委員会の意向、ここをとにかく把握するという、それは私どもが見ても当然だと思うが、そういうお考えかどうかという点が一つ。 あわせてこの事前協議について、核の持ち込み、日本からの戦闘作戦行動、これを認めるかどうかというふうな点を中心にして、アメリカのスコット氏が日本に来て、共和党の上院の院内副総務ですから、アメリカに帰って言っていること——これは相当強いことを言っている。これは、もう戦闘作戦行動が直接できないような国だったらえらいことになる、韓国、台湾、この二つに対する責任が果たせないと言っている。事実、韓国から日本に議員を送ろうと言っている。台湾もこれに乗ろうと言っている。皆さんのほうは、なるべくそういうタカを引き出すことに触れないで進めたい、こういう気持ちがある。愛知さん六月に向こうに行っても、向こうはベトナム、欧州だからというので、あまりおいでになりたくないという。しかし行かざるを得ない状態である。招かれざる客であるけれども、下田さんが持ち込んだから。案を三つ四つつくる。案が書いてある。ここらのところ、せっかくここまで来ているんですから、やっぱりこれだけ書けば国民一般も相当な関心を持つのです。そうなりますと、外務大臣、そこのところをひとつポイントをおっしゃるように、国務長官なりキッシンジャー氏なり、そういうところに、上院の軍事、歳出委員会、ここに中心を置く、ここのあたりはそういうお考えでしょうな。
○愛知国務大臣 いまその記事を御引用になってお尋ねでございますが、その記事には私は何も関係ございませんが、これは私も今朝よく読みました。なるほどこういう見方もあるなというふうに私もよく読みましたのですが、この間内閣委員会で申し上げたとおりでございまして、これはただいまもお触れになりましたように何しろいろいろの点から非常に困難な問題である。そこで、六月に私が行って解決するというような、私はそういうふうには思っておりません。やはり何といってもこれは最高首脳同士の話に持っていかなければならないし、そのときに何とかして日本の国民の方々の御期待に沿うような結果をひとつ佐藤総理につくってもらいたい、これの実りが多くなるような路線を敷くのが、本件については私の役割りと思っておりますから、出発する前にわが方の案はこうだというようなものを持っていけるような程度の問題ではない、もっともっと真剣に複雑に考えていかなければならない、まあこういうふうな気持ちで現在おるわけでございます。
○大出分科員 内閣委員会で私の質問にお答えいただいたとおりだ、こういうお話ですが、あれはいま申されたとおりのお答えをなさったのですが、一応の案は、一定の段階までの案はお持ちになる、あの答弁でこう理解していたのですが、これは間違いないですな。
○愛知国務大臣 いろいろな考え方を頭の中にぎっしり詰めて参りたいと思います。
○大出分科員 そうすると、ここに四つばかり案がございますけれども、どうもこれ以上に考えようがないと思うんですね。確かにここには全部ある。一つは「沖繩基地の安定性維持の保証=復帰後の沖繩には、日米安保条約が適用されるが、同条約は一九七〇年六月二十三日以降、いつでも廃棄通告ができるようになる。これに伴い沖繩基地の安定性が失われ」これは自動延長というお考えなら当然そうなりますね。「これに伴い沖繩基地の安定性が失われ、米国が韓国や国府に対して負っている防衛義務が果たせなくなる」いま私が申し上げたとおりです。だから心配をしておるわけですね。この不安、これが「米国側から出されることもあり得る。」アメリカ側がそう言うかもしれない。もう言っていますよ、スコット氏や何かが。「これに対して沖繩の安定性を保証するには、法的には1安保条約の固定延長 2基地貸与協定の締結 3地位協定の特例設置 4駐留協定の新設——などが考えられる。(このうち1は、日米とも望んでおらず」それはそうでしょう、固定延長ですから改定ですからね。「2は沖繩の全面返還という政府の方針に反する)」駐留協定の形ができると、こういうことだと思うんですね。確かにこれだけあげますと、ほかにないですね。それから大筋でいえば、事前協議というような問題について、相手が現状維持をしたいというのに弾力性を持たせる、これは有事核使用になると思うのですが、これだけあげてあればもうほかにない。これらの案をいろいろとりそろえてとにかくお持ちになる。四つか幾つかおつくりになるといまおっしゃったけれども、そう理解せざるを得ないのですが、よろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 一番大事なことは、よく総理も言っておりますけれども、早期返還を実現したい、それから沖繩の安全を確保する、この二つをどういうふうにやれるかという、いまはその考え方の問題だと思います。やはり考え方自身が、関係両国の間にヒッチがあるようでは困りますから、そこをまず固めることではなかろうか、方法論はその上でというのが考えられる順序になりはしないだろうか、こういうふうに思いますので、その基本的考え方の相互理解ということが十分でき上がる前に、それこそ基地の態様その他事前協議等々のあり方などということについて、まだ論議をするのは私どもとしては早い、こういうふうに思っております。
○大出分科員 結論ですけれども、いまおっしゃた答弁でいいんですが、一つは早期返還である、これはもう至上命令だと思うんですね。もう一つは沖繩基地の安定性だ、この二つをいまおあげになりました。そこで私は尽きておると思うんですね。問題は、沖繩基地の安定性というものの中に、たとえば自動延長をお考えになっている政府与党の皆さんの立場からすれば、破棄通告という問題が将来出てくる、政変があれば不安定になるという問題が一つ残る、これをどうするかという点が一つある。それからもう一つは、将来安定性を欠くということになれば、その中にはたして韓国、台湾というようなものを含めて直接戦闘作戦行動であるとか、あるいは核の抑止力をどう維持するかという問題にまで不安定な要素が出てくる。ここらをどうするかという問題、二つあるということになるんですが、大ざっぱにそう受け取ってよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 いまおあげになりました中では、日米間においての日本側の姿勢ということからは逸脱する問題もございましょうね。そういうこともお含みの上でございましたら、大体そういうふうなことが問題点になると思います。
○大出分科員 時間がありませんので、そこまで承っておけばおおむねお考えはわかったような気がするのでありますが、そうなると心配は、あとはいかに安定性の実をあげるか。となりますと、事前協議の否定をされましたが、弾力的運用、有事核使用などの問題が出てくる可能性も出てくる。あるいは直接戦闘作戦行動に、沖繩返ってくれば本土ではありますけれども、特例を設けるというようなこともあり得るかもしれない。そういう心配が私どもには残りますけれども、かつまたそれが一つ間違うと、沖繩返還に伴うそれが条件になるとすれば、本土の沖繩化という問題に発展しかねないという心配が残ります。これはわがほうの問題でございますが、将来の論議の論点だろうと思います。 せっかく科学技術庁の原子力局長さんがお見えになりましたので、簡単に一つだけ承っておきたいと思います。きょう防衛庁の方が、私の手違いかもしれませんが、内閣委員会でお呼びしたと同じメンバーをお呼びしたんですが、お見えになっておらないようでありますが、一点だけ科学技術庁の立場で承っておきたいのですが、アメリカの原子力潜水艦ハドックが入ってきたときに、日本が雇っております駐留軍労務者が、潜水作業をやったり深度メーターその他の取りかえなどを船底にもぐってやったり、それからマスト周辺の修理をやったり電気系統の修理をやったりいたしておりますが、これは三十九年の全駐労なる組合が防衛庁に申し入れた回答の中で、原子力潜水艦に関する直接作業についてはこれをやらせない、こうなっている、調べてみましたが。原子力潜水艦についてのとなりますと、これは明確なんですね。原子力潜水艦についてはさわれない、艦外のたとえば被服の洗たくだとかあるいは機器の艦外における修理だとかいうことはできても、直接原子力潜水艦に関するものはできない。なぜできないかという理由の中に、当時明確になっていたものが原子力基本法との関係なんですね。日本政府が雇っておる駐留軍労務者であります。アメリカ軍には何の関係もない。あくまでも日本の法律、規定の中で働くのであります。責任も日本政府が負うのであります。そうすると、原子力基本法は日本人だけが適用を受ける。軍艦である潜水艦は安全審査その他は一切行なわれていない。そうなると、安保条約に基づく労務協定、しかも日本政府の責任、国内法の適用、こうなるとさわれないのは法律的に当然だと思う。ここのところを基本法を扱っておられる科学技術庁はどうお考えになりますか。
○梅澤政府委員 ただいまの問題につきましては、実はあそこの労務者はやはり基地としての問題でございまして、基地として、そのものがまたその中で原子力基本法のもとにおきます規定、法律がございますが、基地の中でその法律が通用するかどうかということが一つございます。その点については向こうの規定でやっておりまして、こちらのは通用いたしておりません。その関係から、私たちの法律問題から入ってみます範囲内の労務者に対しては当然こちらのほうの考え方でまいりますが、基地の中におきましてはアメリカの軍艦の向こうの運用規定でやっております。労務者については現在のところ考えていないのが——いま突然の御質問でございますが、大体そういう形じゃないか、そういうふうに考えます。
○大出分科員 それでは、これだけ言っておきます。当時三十九年の質問書に対する回答の中で、原子力潜水艦に関する直接作業は一切やらさせないということを防衛庁は認めた。というのは、いま私が申し上げた雇い主が日本であり、最後まで日本人ですから日本が責任を負うという立場で、原子力潜水艦というのは安全審査も何もやってない、だから直接作業はさせないということを認めたわけなんですが、その考え方は誤りであるということになりますか。大きな食い違いでございますので、あらためてひとつ私どもの委員会で明らかにさしていただきますが、御検討おきを願いたいと思います。 終わります。
○足立主査 佐野進君。
○佐野(進)分科員 私は社会党の海外移住対策特別委員会の事務局長をやっておりますので、海外移住問題について大臣並びに関係局長に御質問してみたいと思います。 移住振興について外務省は現在どのような考え方を——いわゆる積極的に取り組む姿勢なのか消極的なのか、この点についてひとつ大臣にまず最初にお聞きしておきたいと思います。 〔足立主査退席、楢崎主査代理着席〕
○愛知国務大臣 お答えいたします。 率直に申しますと、一般的な空気として移住政策というものについて多少何か消極的なムードがあるやにも観測されるものでございますから、たいへん私どもとしては心配いたしております。というのは、やはり海外移住政策というものは最近の国内のある状況だけを見て消極的に考えるべきものではなくて、やはり国家の一つの大きな政策として、あるいはまた若い青少年の人たちに海外でいろいろ協力をしてもらうということをも含めまして非常に大切な政策であると思いますから、世の中のムードがそうであるとすれば、それだけにむしろ積極的に推進をいたしたい、基本的にはこういう考え方を持っているわけでございます。
○佐野(進)分科員 それでは、積極的に考えておるということですが、これが外務省の経費の面において、予算の面において非常に伸びが少ない。いわゆる具体的にそうしたいという気持ちのわりに伸びが少ないというのはどういうわけなんですか。この辺承っておきたい。
○愛知国務大臣 伸びが少ないことはまことに私どもの微力を感じているわけでございますが、同時に、額はきわめて少ないのでございますけれども、いまほど申し上げましたような空気もございまして、たとえば国内の各都道府県等に対する補助金なども最後の最後まで予算の編成上も苦労いたしましたので、先ほど申しましたような考え方で、ぜひこういうものは少額であってもわれわれの基本的な考え方を象徴するものとして最後まで努力いたしまして、額はきわめて僅少ではございますけれども、ともかく基本体制を維持することには成果があがったのではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
○佐野(進)分科員 日本政府がいま海外に対する政策として非常に声を大にして主張しておるのは海外経済協力であるあるいは海外技術協力である。こういうような点については、国力にふさわしい海外援助ということで非常に多額な海外援助予算を編成しておる。これについてわれわれはむしろ海外経済協力の名のもとに海外における経済支配、特に東南アジアをはじめ低開発国に対する経済支配の意図すらあるのではないか、あるいはまたその他軍事的な背景があるのではないかということを非常に警戒をしておるわけであります。しかしその警戒をしておるにもかかわらず、非常に多額な増額を今年度も行ない、かつまた海外経済協力基金をはじめ、輸銀その他の方面においても積極的な取り組みをしておるわけです。この外務省の予算を見ましても、そういう点が非常に強く感ぜられる。それに比例して、そういう対策に相対して考えてみた場合に、いわゆる海外移住政策というものが非常に手薄な、消極的な——いかに大臣がことばの上で積極的な姿勢を示そうとも、実際の取り扱いの面としては、そういう面から見るならば非常におくれておる。これは一体どういうことなんですか。海外経済協力並びに海外技術協力とこの移住政策というものはどこで一体かみ合うような形をとろうとしておるのか、この点をひとつお聞かせ願いたい。
○愛知国務大臣 最近のこの移住問題を通観してみますと、従来は農業移住者が御承知のように圧倒的に多かったわけであります。ところがこれが急激に減少する。一方におきましては技術移住者というようなものが着実に増加をしておる。それから家族移住が減少しておりますけれども、単身の青年移住が増大しておる。こういうふうな点でやはり質的に相当の変貌を来たしておることは事実だと思います。それから、ただいま仰せになりましたような点を考えますと、すぐれた技術あるいは資金、それから経営、こういうものを総合して推進することが適当であると思いますので、技術移住とかそれから企業移住でございますね、こういう点を推進するということがこれからの移住政策の基本として考えていくべきである。いまもお示しがございましたが、実は海外の開発途上国からの経済的並びに技術的援助の希望というものはもうたいへんなものでございまして、先ほども御質問もございましたけれども、これをいかに効果的に総合的な観点から配分するかということは今後の大きな問題であると思います。 そこで、その問題の中の一環としましていま申しましたような技術移住とか企業移住ということを合わせて、わが国の経済協力、技術協力、その中にこれを組み込んでいくということがこれからの中心課題ではなかろうか。農業移住にいたしましてもやはり企業的な農業移住、こういう点から計画もし、推進もいたしたい、こういう考え方でございます。
○佐野(進)分科員 私は、考え方がそうだということが即実行にどのような形で移るのかというようなことについては、いまの政府の姿勢では非常に危惧を有するわけです。したがって、海外経済協力ないし技術協力を行なうという形の中で、多くの青年技術者ないし関係者が海外に進出しておるということは、きのうのテレビ放送等を見ても私どもはよくわかるわけですが、それをどのように、いわゆる技術という形の中において定着させるか、こういうことについては、もっと積極的な、いわゆる自発的な行動でなく、政府の政策という形の中で、政治的な経済協力という形だけでなく、経済的な面における、真の意味における、それらの政策を定着させる、こういうことが実に必要ではないか、こう考えるので、いま少しく熱意を持っていただきたい。 さらに、それに関連して、いま大臣のお話がありましたけれども、企業移住の問題です。企業移住の問題については、中小企業が今日置かれておる立場は、いわゆる過当競争あるいは大企業の圧迫、あるいは低開発国の追い上げ、特恵関税等、数えあげれば数限りない多くの課題をかかえて中小企業者は苦しんでおるのであります。しかし、海外におけるそれらの方々の進出ということは、実際上の問題として、口で企業進出ということを言いまするけれども、少なくとも一人で行くのではなく、少なくとも農業という未開拓地を開発するという形において与えられた条件の中へ移住するのではなく、経済という、流動し、しかも変化する、そういう環境の中へ、しかも全然条件のわからない場所の中へ行くわけですから、言うはやすくして、なかなか行なうことはむずかしいと思うのです。しかし、実際上、中南米をはじめとする低開発国の経済の現況を見たときに、日本の中小企業経営者がこれらの国へ進出し、それらの国の経済の発展の中に、企業としての規模を拡大しながら、安定した経営を営むことは決して不可能ではない。私も数回にわたって中南米をはじめ訪問しておりますが、特に現地における要請は非常に強いわけです。ところが、そういうような要請が強いということ、並びに、考え方として、企業移住を行なうんだとはいいながら、現実には、単に思いつきに資金を持った人が現地に行って企業をやっても、しかし、なかなか現地の実情はこれらに合わないということで、ついに失敗する、そして雇用労働者になるというような面も相当あるわけでございます。これらに対しては、声を大にして、そうやります、そうやりますと言うけれども、一体どういうように具体的にやるということが示されておるかというと、ことしの予算の中においても、相当の部面において、海外経済協力ないし技術協力、あるいは移住振興というような経費が上がっておりまするけれども、それら中小企業者対策としての企業移住に対して、具体的な対策は何ら出ていない。ただ観念的にそれがいいということだけだ。しかし、事実上においてはすでに相当多くの方々が行っておられる。こういう部面については、政府は、ことばの上だけであって、移住政策を重視します、企業移住というものは大切ですと言いながら、何らその裏づけがないということは、非常に現在の情勢とからみ合わせて怠慢ではないかと思うのですが、この際、具体的にどうするというお考えがあるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○愛知国務大臣 一々ごもっともで、傾聴いたすのでございますが、ことに、私も中小企業の移住ということは、国内のいろいろの情勢から見ましても、一番望ましいことではないかと思っております。具体的には相当の意欲を持って進出し、あるいはしつつある計画もございますから、政府委員からひとつ御説明さしていただきたいと思います。
○山下説明員 企業移住の点については、われわれも最重点にこの際考えております。これはただ、ごく最近入りましたので、神戸の県連で積極的に推進してきました自動車の整備工とか、マッチ工とか、すでに移住しまして、その後非常に成績がよくて、これをわれわれも全面的に取り上げて、ちょうど現在調査団を送りまして、通産省と外務省とともに入りまして、この春に行って十分に調査を行ないました。ただ、これは、先ほど先生も言われましたように、企業移住ともなれば、その準備が十分行なわれなければならない。また、どういう業種が一番いいかということを十分調査して、われわれとしても積極的にこれを推進していきたいと思って、予算の面では、その調査団が帰ったら、この次の四十五年度予算に十分に盛り込みたい、そう考えております。
○佐野(進)分科員 技術移住ないし企業移住が重要な政策だ、四十五年度からこれらのものについては積極的に予算化していきたいといういまの答弁ですから、それについてはこれ以上私は質問をいたしません。ただ、私が感ずることは、技術移住にしろ、あるいは企業移住にしろ、特に企業移住の場合には、いままでの農業移住というものの実績がどのように成果をあげているかどうかということに関連する問題が非常に多い。特に農業の場合は家族の問題だけで解決するわけですが、企業ということになれば、必然的に、相当程度の従業員もやはり現地にともに移住するという形にならざるを得ないと思うのです。そういう面からするならば、いま行なわれている農業移住というものがどの程度の成果をあげているかということがやはり大きな前提条件になってこなければならぬと思う。いままでの農業移住がいわゆる移住政策の根本であり、これが明治の初年以来今日まで連綿と続いている日本政府の海外移住政策の基本ですから、これらについていろいろな面で問題があることは当然だと私は思うのです。しかし、戦後、昭和二十七、八年から三十五、六年にかけて、移住というものが非常に盛り上がって、積極的な取り組みが全国民的な形の中に行なわれましたけれども、今日それがややダウンしつつある形勢は、結論的には、国内における経済情勢が移住政策にも反映していると思うのですが、いま一つは、現地におけるいわゆる移住した人たちに対する対策というものは、送ってしまえばそれっきりだという、そういうような一種の政策、あるいはまた移住政策の根本的な考え方が、国内から外国へ人を送り出せばいいのだというところに原因があったのではないか、そう考えられる点が多々あるわけです。 したがって、以下、私は二、三点にわたって、時間の許す限り御質問をしてみたいと思うわけでありますが、まず第一に、私どものところへ現地の移住者から陳情がきているわけであります。いわゆるリオボニート、レシフェ市の近くにある移住地から、移住政策の一つの欠陥と申しましょうか、そういうことが条件で、ここで約二万コントス程度の立ち直り資金をいただかなければ全部が破産してしまわなければならない、日本政府はこれらについてどのような対策をとるのだということで、再三にわたって陳情しておるけれども、具体的な取り扱いについての結論を出していただけない、われわれはいまやまさに解散寸前の状況にある、よろしく頼む、というようなことであります。これは何もこの地域だけの問題でなく、特に南米地域において、あるいは中米もそうでありますが、戦後悲惨なる移住者の失敗、それらについて、投身自殺をするとか、あるいはその他いろいろ悲惨な話題を国内に提供される、そのことが結論的には移住意欲を減退さしている。こういうことにも関連をいたしておりますので、これらについてどのような措置をしているか、簡単でけっこうですが、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○山下説明員 いま御質問のありましたりオボニートの移住地の件でありますが、われわれのほうでも陳情書を早くから受け取りまして、その対策に、在外公館とともに、事業団とも話し合いまして、鋭意努力しているわけでありますが、ブラジル連邦及び州政府の経営している移住地で、邦人が大体最初は十六戸、そのほかブラジル人などが五十戸入っておりまして、結局、ブラジル人なんかと平均したような、同じような方法が行なわれていたのでありますが、日本人の移住者の方が非常に優秀で、トマトとか近郊の蔬菜などを大いにつくって収益をあげまして、地場の銀行がこれをまた非常に積極的に応援して、地場の銀行から、拡大するための資金を導入した。ところがその後、交通が開けたり、近辺でブラジル人の人たちがトマトや野菜をつくり出して、そこでトマトの値段なんかが下がってきて困るようになる。それで結局地場の銀行から借りた融資の返済に苦しんでおるというのが現状のような次第でありまして、われわれとしても、日本政府の直接の移住地でありますれば、もう少し経営規模なんかも十分な指導ができたのでありますが、やはり、地場の銀行の資金を得て、賭博的な、投機的な経営をやりますと、そういうときにがたっとくるおそれがある。といいましても、われわれはこれをほっておくわけにいかないので、いま、地場の銀行と移住者の間の融資関係をしばらく待ってもらうとか、融資条件を改定するとか、いろいろ努力しておるわけで、非常にむずかしい問題でありますが、何とかこれを円満解決するようにやっております。
○佐野(進)分科員 移住政策のいわゆる失敗というか、一番悪いことは、夢と希望に基づいて移住をさした、それに対して国家においても最大の努力をしてこれを送り出す。送り出したけれども、その地域におけるところの事業が失敗して帰国する、帰国せざるを得ないということになれば、その地においてもついにどうにもならなくなって帰ってくるわけですから、日本の国に帰ってきた場合においては最も悲惨な生活を送らなければならない。いわゆる世の敗残者になる。でありますから、帰国をさせることには至らないような対策を十分とっていただきたい。それが農業移住の場合における最大の目的でなければならぬと思うのでございますから、それらの点については、全員帰国を申請いたしますというような陳情が外務大臣及びわれわれのところに来ておるということは、非常に遺憾なことでありますので、積極的に対処していただきたいと思うのです。外務大臣の所見をひとつ聞いておきたいと思います。
○愛知国務大臣 リオボニートの移住者の問題につきましては、いま山下部長から御説明もありましたが、非常に切々たる訴えが来ておりまして、私もほんとうに胸を痛めておるわけでございます。不幸中の幸いと申しますか、きわめて最近に至りましてから、債権者等もかなり態度が変わると申しますか、あたたかい態度で何とか——一番中心の問題が、いまも御説明ありましたように、融資の返済の問題が、私の見ておりますところでは一番急迫した問題のように思えますので、これらに対しまして、債権者、それからブラジル側、あるいは事業団の人たちのこの上ともに積極的な再建策を期待しながら、われわれといたしましても十分の力添えをして、全員解散とか帰国とかというようなことにならないように、気持ちを新たにして仕事に当たってもらえるような条件づくりを急速にいたしたい。私も非常に心配いたしておる問題でございます。誠意を尽くしてことに当たりたいと思います。
○佐野(進)分科員 次に私は、移住地の中で、最も悪い条件の中で努力して成功しつつある移住地の一つとして、アマゾン地域がやはり特筆すべき地域だと思うのであります。私もアマゾン地域には二回ほど参りまして、あの地における現状をつぶさに見てきた経験を有するのでありますが、いわゆる炎熱下において、河口より何千マイルも上流の僻地の中で農業開拓をしつつある人たちの困苦は全く、その開拓時代における話を聞けば涙を催すような場面も多々あるわけでございます。そして、内地においてはその現状がわからないので、行けばいいところだという、いいことずくめの話の中で、行ってみたら、話と実際がまことに違ったという、こういう形の中で離農をしてしまう、また、それが誇張されてわれわれの耳に入ってくる場合もございますが、離農してしまう、あるいは帰国するという話が相当あるわけです。そういうふうに、私どもは非常にアマゾン地域の入植者の定着あるいは自立ということについては深い関心を持って、これらについては各都道府県をはじめ、政府等に対してもそれぞれ強い要請をしつつあるわけであります。特にトメアス地域における成功等の例もございますが、現在政府としては、これらの地域に対してどのような対策を有するか、簡単でけっこうでございますから、ひとつお示しを願いたいと思います。
○山下説明員 いま御質問のありましたアマゾン地域でございますが、これはかなり広範な地域、先ほどのリオボニートと同じように、ブラジル政府の経営している移住地に向かって、相当数の日本人が入りましたが、これらの移住地がいずれも必ずしもうまくいっていない。奥地の移住地ではかなり苦労されている。そこで、われわれとしては、現在最もアマゾンで中心的なベレン市の近郊にあるトメアス、ここにおいてコショウの栽培ということを中心にして、移住地経営を行なってきて、かなり成績もよくなってきているので、ここにできるだけ吸収しようということにしております。同時に、このトメアスの移住の場合におきましても、最初入って山を切ったり、家屋を建設したりというたいへんな労働をされるので、かなり苦労をされるわけですが、それもできれば日本から移住する方々が、かなり最近は資金なんかも多くなっているので、移住事業団のほうであらかじめ山切りや家屋の建設なんかを、準備した移住地を、大体二十五ヘクタール百四十万円ぐらいの価格でもって入植してもらうというようなことを考えて、何とかあのアマゾン地域の日本人の移住者も成功するように、一生懸命努力しているところであります。
○佐野(進)分科員 私は、いまの話は、実は新聞を読みまして、「ブラジルに分壌地」「こしょう造園五戸」ということがある。しかも二十五ヘクタールで百四十万円ということですから、これを見たらだれでも非常に夢と希望を持つと思うのです。しかし、夢と希望というものが現実になるかどうかということはたいへんむずかしいと思うのですが、しかし、少なくとも事業団がこれを行なうのですから、いま事業団が行なうということを、新聞だけでなく、政府のほうからはっきり言われたわけですから、間違いないと思うのです。そうすると、これから行く人たちは非常に安定した状態の中で、しかも百四十万円を出すことによって、もうでき上がった状況の中で移住をすることができるわけです。たいへんいいことだと思うのです。ブラジルでは広大な土地が各国に買いあさられているというような新聞報道もある状態ですから、事業団が政府の資金をもって広大な土地を確保し、造成し、農民を受け入れるということになれば、たいへん条件がいいので、私は非常にいいことだと思うのですが、そうすると、この人たちに与えられた条件を——いままで困難してみずからの手で木を切り、山を燃やし、そうして植えつけをし、さらにその中で成功することができないであえいでいる人がいまなお多くいるわけです。トメアスの上流のマナウス地域においては、川をはさんだ二つの地域の中で、一つはよくいっているが、一つはうまくいかない、こういう地域があるわけです。こういう人たちに対してどうするのか、そういう対策は当然考えられなければならぬと思うのですが、これらに対する対策、こういうような地域の中に集結することも当然考えられなければならぬのじゃないかと思うが、その辺についてひとつ見解をお聞きしたいと思います。
○山下説明員 この点は、二年ぐらい前にもアマゾン地域全部に対して十分な調査を行ないまして、現在ほんとうに困っているような人はトメアスなりなんなりに転住するように徐々に進めてまいっております。
○佐野(進)分科員 それでは、時間がもうないようですから、最後に質問を申し上げて終わりたいと思うのですが、そういたしますと、私は、移住地全体が、いわゆる中南米をはじめ各移住地全体がそういい状況の中で、いわゆる新聞や雑誌や何かに報道されているように、一大成功者のみがいるというような状況でないと思う。特に戦後の移住者にはそういうところは少ないように感ぜられるわけです。しかし、政府が移住政策を前向きに取り扱うんだということで、非常に熱を入れられた一時期があります。いまも熱意がないことはないんだと大臣言っておられますが、いまの状態と比較すると、比較できないほど移住に熱を入れられた時代があるわけです。それについては、これからも積極的に取り組むというさっきの大臣の答弁ですから、私はそれでいいと思うのですが、そうすると、いままで積極的に行きなさい行きなさいといって送り出した人たち、その人たちが、子弟の教育をはじめ、いろいろその環境、衛生その他非常に悪い条件の中でやっておるのに対して、どういうようにしたらそれらの人たちが希望を持てるような環境にしてやるか、これは大切なことだと思います。私も行きまして、二十歳ぐらいの人から十七、八歳ぐらいの娘さんが日本語を知らない。日本人でありながら日本語を知らない。もう教育をすることができない。ただ開拓に専念する、あるいはほんとうにあばらやの中で雇われながら生活している人たちもたいへん多く見てきたわけです。これは衛生なんというものではない。そういう状況の中で暮らして、それで悪ければどこかに流れていく。流れていくということになると、サンパウロというような都市に流れていって、ついに若い者は不良化する。年をとった人たちは、日本人でありながら、日本人として行って見ても非常に気の毒だと思うような生活をしなければならぬ。いわゆる放浪者になってしまう。こういうような状況があるのでありますが、こういうことについて、どのような対策を立てるつもりか、いや立てておらなければならぬはずですが、それについて、ひとつ見解をお聞きしたいと思います。
○愛知国務大臣 私もしばらく前ですが、ブラジル等に行きまして多少は状況も心得ているつもりでございますが、問題はいま仰せのとおりだと思うのです。たとえばサンパウロだとか、ブエノスアイレスだとかいうようなところの近郊にいる方と、きわめて僻遠なところにいる方々と、状況や環境が全然違いますので、特にわれわれとしては僻遠のところにいる方々を主たる対象にしてやってまいりたい。それにはやはり具体的に言えば、教育それから医療あるいはできるなら文化方面の施設というようなことになるのではないかと思います。たとえば教育の面で申しますと、学校と教員の宿舎の問題がまず第一。それから給与の一部補助をやりたい。それからできるなら教育費の支給ということを中心にして、従来からもある程度やっておりますが、これからはさらに努力を新たにいたしたい。それから医療関係ではパラグアイ、ブラジル、ボリビア等の診療所の設置、それから本邦からの医師の派遣というようなこと、それから巡回診療を実施したい。それから散在移住地の移住者につきましては、現地のお医者さんとの間に契約による実費診療の実施というようなこと。それから一般的には、たとえば衛生知識を向上するためにスライドやパンフレットを配付するというようなこと。それから文化面につきましては、巡回車による映画、図書などの巡回などの施策を、これも現に行なってきておりますが、これからも行ないたい。さらに移住地の電化を進める。これらにつきましては、四十二年度からアルゼンチンのアンデス移住地の電化は完了しましたが、四十三年度にはブラジルのフンシャール移住地の電化、それから四十四年度にはグアタパラ移住地の電化というようなことを予定、一部は予算化もいたしております。こういうようなことでだんだんに、おしかりを受けるようなスピードであったかしれませんが、具体的にできるだけの措置を関係方面の御協力を得て推進したいと思っています。
○佐野(進)分科員 それでは、時間もきたようでありますから質問を終わりたいと思いますが、最後に大臣にお願いをしておきたいのですが、先ほど来申し上げたとおり移住政策は非常に重要な政策でありますので、いわゆる予算の面においても、海外経済協力ないし技術協力等に投ぜられる予算、これらも移住政策と関連して十分ひとつこれからの移住者に対する希望ある政策が行なわれるとともに、いままでに行っておる移住者に対して、日本人としてはずかしくないそれぞれの地域における生活ないし行動が行なえるような十分なる配慮ある政策なり予算的措置を今後ひとつとっていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○楢崎主査代理 午後二時より再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時二十六分休憩 ————◇————— 午後二時五分開議
○足立主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 外務省所管に関する質疑を続行いたします。岡田春夫君。
○岡田(春)分科員 外務大臣に若干お伺いをしたいと思いますが、まず最初は、核抑止力の概念について、こういう点でひとつ伺ってまいりたいと思います。 今度の国会で政府は、沖繩の核基地がアメリカの核抑止力の一部である、こういうことを再三にわたって言っておられます。特に速記録を調べますと、二月一日の内田委員の質問に答えて、有田防衛庁長官はこのようにはっきり言っておられます。「いまの極東に対する核抑止力は、おっしゃるとおり本土のICBM、それから太平洋のポラリス、それからグアムのB52、それから沖繩の核基地の四つの組み合わせによってこの抑止力ができておる」云々、これは速記録のそのとおりなんですが、こういう考え方をとっているのですが、この考え方はいつからおとりになっているのか、そしてこの考え方には間違いがないのか、こういう点をまず伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 これは防衛庁長官からお答えをしたほうが正確かと思いますけれども、防衛庁長官が公式にさような見解を明らかにいたしておりますから、政府といたしましては同様の考え方であります。 それから、いつからということは、これも防衛庁長官からお確かめいただきたいと思いますが、大体相当の期間にわたっての考え方ではなかろうかと思います。
○岡田(春)分科員 いや、これはいつからというのは、実はちょっと重要なんでいつからと伺ったのですが、今度の国会になってから初めて、沖繩の核基地を含めて四つの組み合わせ、こういうことを言っておる。それ以前にはそうでなかったはずなんです。いつからと、こういうことを伺っておるのですが、この点はいかがですか。
○愛知国務大臣 そういう点も、いつからということになりますと、私も的確にお答えできないかと思いますけれども、要するにアメリカの核抑止力体制というものを考えてみれば、ということなんではないかと思いますから、ここ相当の期間にわたっての見解ではなかろうかと考えます。
○岡田(春)分科員 それじゃ伺いますが、たとえばこれは外務省の発表した外交青書ですが、この第十一号を見ると、昭和四十一年四月十六日に、「日米安保条約の問題点について」という公式見解が出ている。この公式見解の中に、アメリカの核抑止力についてというのが、最初に相当詳細に実は出ているわけです。これを読んでみると、このようになっています。「安保条約の下において、米国の核戦力が、日本に対する核攻撃を未然に防止するための主たる抑止力をなしている。」ちょっと、二行あけて、「米国の核抑止力は、大陸間弾道弾(ICBM)、ポラリス潜水艦、核装備した戦略爆撃機によって構成されている。」こういうように、三つであるとはっきり言っている。しかもこの点は何も外務省の公文書ばかりじゃなくて、昨年のこの衆議院の予算委員会におきまして、山本幸一氏の質問に答えて、佐藤総理は、これまたはっきり言っているわけです。その部分を拾ってみますと、「いわゆる大陸間弾道弾、その次はポラリス潜水艦、同時に、B52、」「こういうことではっきりいたしておりますので、これがもう専門家の常識でございますから、それを信頼する以外にない、」ここまではっきり言い切っている。とすれば、沖繩の核基地というのが突然ここに入ってきたということは一体どういうことなのか。たいへんはでな言い方をすると、外務省のこの公式見解が間違いなのか、四つの組み合わせというのが間違いなのか、どちらかが間違いでなければならないということになるわけなんだが、こういう点は一体どうなのかということであります。
○愛知国務大臣 一番最近の機会に防衛庁長官が御説明いたしたのでありますから、その一番最近の防衛庁の見解というものを私どもとしては正しい、こう判断してよろしいのではないかと思います。
○岡田(春)分科員 そうおっしゃるのはちょっとまずいんじゃありませんか。だって昨年佐藤総理大臣は、これは専門家の常識なんだ、これ以外にはないぞ、ここまで言っているのですよね。とするならば、こっちのほうが正しいのではないかというように——それからこれはスリーB政策といって、アメリカその他において国際的に一般にいわれている常識としてはいまの三つなんです。沖繩の核基地は含めていないのです。それが間違いだと外務大臣はおっしゃると、これはたいへん問題になるんだが、そこら辺は一体どうなんですか。むしろこっちのほうが正しいのであって、四つといっているのは若干問題があるんだとお話しになるんなら私らのほうもまだわかるけれども、国際的な通念に反するような御答弁だということになると、このままでは済まされないことになりますので、重ねて御答弁を願っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 御注意はたいへんありがたいと思いますけれども、先ほど申しましたように、これはひとつ防衛庁長官からも御見解をお確かめいただきたいと思います。
○岡田(春)分科員 これは防衛庁長官ばかりじゃないのです。佐藤さんも言っているわけですよ、総理大臣も。あなたがおっしゃったかどうか私はまだ確認しておりませんが、やはり佐藤総理大臣並びに防衛庁長官が言っているとするならば、これは公式の見解であると見なければならぬだろうし、公式の見解であって、かつての見解と違うのであるとするならば、いつの日かにおいてこれが正式に閣議の決定あるいはその他の手続で決定されたものでなければならないはずだ。だから、最初から私は、いつからきまっておるのか、こういうことを再三伺っているわけなんです。ここら辺について、閣議の決定があったのか、有田防衛庁長官に聞けとおっしゃるのではなくて、佐藤総理も含めてこの見解をとっているのでございますから、外務省の外交青書との食い違い、この点についてもう一度念を押して伺いますが、お答えをいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 この件について閣議決定というようなものが、少なくとも昨年十一月以降にはございません。それは明白に申し上げられると思います。 それから、これは常識的に申し上げるわけでございますけれども、一つの情勢分析とでも申しましょうか、そういう種類の問題でございますから、あまり明確にきちんと閣議決定というようなことにするのは、なじむかどうかということも、私は若干問題があるのではなかろうかと思います。
○岡田(春)分科員 しかし、私たちから見るとたいへんこれは奇異に感ずることは、いままでの常識としては三つであるというのに、突然沖繩の核基地を含める。この間の予算委員会で、それでは核があるのですかと佐藤総理大臣に聞いたなら、それはあまりはっきりしないんだ、うわさにそうだからそう言うんだ、こういう話でしょう。そうすると確認をされないアメリカの核、沖繩の核基地、確認されない核基地をことさらに四つの組み合わせとして置かれて、そういうことをことさら置かれるということは、これが白紙ではなくて核持ち込みへの前提としての、そういう含みを持ってこういうように四つの組み合わせを出されているのではないかとわれわれ推測せざるを得ないわけです。そういう点で、この点はたいへんあとあと重要に尾を引くと思いますので、こういう点についてはいま御答弁ができなければあとで適当な方法で、この先ほど申し上げた関係を含めて御検討をいただいて、見解を出していただかなければ私は了解できないわけなんです。いまとっさの場合ちょっとわからないとおっしゃるならば、あとでどういう形でこの見解をお出しになるか、その扱いを含めて御答弁をいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 これは非常に大事なお尋ねだと思いますから、後刻何らかの方法でお答えを補足させていただきたいと思います。
○岡田(春)分科員 それでは、この分科会の終わるまでに何らかの形で御答弁なり見解を明確にしていただきたいということを希望いたします。それでよろしいでしょうか。
○愛知国務大臣 必ずしも私からでなくてもよろしいかと思いますが、御了承いただきたいと思います。
○岡田(春)分科員 それでは、時間がたいへん少ないですから次の問題に入りますが、防衛局長お見えでございますね。——伝えられるところによりますと、去る一月十三日に統幕会議の星野事務局長とそれから在日米軍の参謀長ウイルキンソン氏が出席、これらの人以外の人も出ておると聞いておりますが、初の日米軍事専門家研究会同と称されるものが行なわれたといいますが、この点は事実でございますか。
○宍戸政府委員 一月十三日に統幕会議事務局長の星野海将、それから在日米軍の参謀長のウイルキンソン少将が会いましたことは事実でございます。これは先生御承知と思いますけれども、昨年の暮れに日米安保協議委員会がございました。その際に、在日米軍の施設についていろいろ話し合いがあったわけでございますが、従来とかく、こちら側は御承知のように施設庁が窓口になっておりました。それで社会的な側面からいろいろ論ぜられておったわけでありますが、それだけではなかなか十分解決がなされないということで、軍事的サイドからも話し合いを基地問題についてしようじゃないかというような話がありまして、日米両方合意に達しました。そのことを頭に置きまして、十三日にそれを実行する意味で両者が会ったということであります。
○岡田(春)分科員 星野海将並びにウイルキンソン参謀長が出席したと言っておるのですが、それ以外にも出席した人があるはずでございますが、どういう方が出席されておりますか、その点をお伺いしたいと思います。
○宍戸政府委員 両者のほかには米軍のGI3の責任者であるローラという大佐が出ておりました。そのほかは通訳官でございます。
○岡田(春)分科員 日本からは。
○宍戸政府委員 日本からは、通訳のほかは星野海将だけであります。
○岡田(春)分科員 この会合がその後も数回行なわれていると伝えられておりますが、その後何回ぐらい行なわれておりますか。
○宍戸政府委員 十三日を一回目としまして、今月に入りましてたしか四日と私には報告がありました。四日にその次の会合を持っております。
○岡田(春)分科員 その後は一回だけですね。
○宍戸政府委員 その趣旨の会合は合計二回でございます。二月四日が最後でございます。
○岡田(春)分科員 この会合の正式の名称は何というのですか。これは防衛局長でけっこうですが、何というのですか。
○宍戸政府委員 正式の名称は別に付しておりません。趣旨は、先ほど申し上げましたように、在日米軍の施設を専門家といいますか、軍事といいますか、軍事的サイドから論ずるための研究会同でございまして、別に規約とかその他をつくったわけでもございませんし、正式な名称を付する必要も別に感じておりませんので、特別の名称を付しておりません。
○岡田(春)分科員 外務省にお伺いをしたいのですが、この点に関連して、十二月二十三日の第九回日米安保協議委員会の結果についてのステートメントが外務省の情文局長から出されておる。この情文局長のステートメントの第五に——この点は重要ですから読んでまいります。「五、委員会は日本の防衛並びに日本を含む極東の平和に関連ある事項について日米双方の外交及び防衛当局間において随時意見及び情報を交換し、所要の検討を行なわしめることが必要であることを認めた。委員会はまた施設、区域の機能面についての専門的検討が必要であると認め、自衛隊と在日米軍との間において随時研究会同を行なわしめることに合意した」こうなっております。そこでこのことに基づいて、随時いま申し上げたような軍事会同が行なわれるということになったのだと思うのだが、このことは条約的な点でどういう法的根拠にあるのか、こういう点をまず伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 これは条約的、法理的な点につきましては政府委員からお答えするほうが適当かと思いますけれども、いまお述べになりましたことはそのとおりでございまして、協議会におきまして、御承知の合同委員会というようなものが施設、区域の問題について協議をすることになっておるわけですけれども、先ほど防衛局長からも御説明いたしましたように、やはりわがほうとしては返還がたとえば多いほうがいい、あるいはそこに至らなくても共同使用になるほうがいい、こういうたてまえから申しますと、ただ単に社会的、経済的観点からだけではなくて、やはり機能と申しますか、そういうファンクションと申しますか、そういう点できっちり使用状況とか効果というようなことをもう少しテクニカルにも見てまいって、この施設、区域の問題を推進したいということから随時、専門といいますと結局制服の人になりますが、それらの事実上の研究会同というのですか、そういうものをつくったほうがよろしかろうということで合意をいたしたわけでございます。まあ下部機構の下部機構というか、目的を限定された事実上の会議体とでも申しましょうか、そういうことで運営していったらいいじゃないか、目的はきわめて限定されたものである、こういうふうに私は理解いたしております。
○岡田(春)分科員 法的根拠、これは担当の局長から御答弁願います。
○東郷政府委員 いまのこの発表のほうの問題でございますが、これは条約運営に関する協議とでも申しますか、したがってもし安保条約の条文と結びつけておっしゃるならば、四条の協議ということに、まあしいて言えばなるわけでございます。
○岡田(春)分科員 四条の随時協議になる。そうすると機関の構成上からいうと日米合同委員会の下部機関ということでございますか。どうなんですか。
○東郷政府委員 第四条の協議の場としては、交換公文に基づきます安全保障協議委員会がございます。それから合同委員会は、地位協定の実施に関します地位協定上の委員会でございます。広い意味におきまして条約運営上の問題はこの四条の協議ということになりますので、四条の協議に関しましては特にどういう機構でなければならないということはございませんので、日米双方の政府機関の担当の者が随時協議するということでございますから、いまの研究会同とか、あるいは事務レベルの協議というようなものも特に協議委員会の下部機構でなければならぬということではなかろうというふうに考えます。
○岡田(春)分科員 ちょっといまの御答弁、たいへんあいまいなんだけれども、四条の問題に基づいて随時協議をする。そうするならば日米安保協議委員会の下部組織ということにならなければならない。日米合同委員会の問題ならば第六条ですね。第六条に基づくところのあれとしてやらなければならない。だから組織的にはどうなるのかということを伺っておるので、いま東郷さんのお話しでは、第四条に基づくとおっしゃるならば、第四条に基づく日米安保協議委員会の下部機関、こういうことにいわざるを得ないわけですが、そういうことでよろしいわけですね。
○東郷政府委員 日米協議委員会に関しましては、当時の交換公文の説明のときにもたぶん政府から申しておると思いますが、これが一つの協議の場であるということで、四条に基づく協議というのはすべてその協議委員会を通さなければ、あるいは協議委員会の場でなくてはいかぬということではございませんので、したがいましていまのお話の件も、四条の協議委員会の下部機構ということである必要はないと考えております。
○岡田(春)分科員 それじゃどういうところにあるのですか。少なくとも、第六条の日米合同委員会の下部組織ではないのでしょう。その点はお認めになるわけですか。じゃその点から伺いましょう。
○東郷政府委員 この会同の趣旨は、施設、区域の機能面の話もしようということでございまして、特に合同委員会の下部機構ということの趣旨ではない。両政府間の、日米双方の担当の者が会同という場を使って協議する、こういう趣旨でございます。
○岡田(春)分科員 そうすると、日米協議委員会の下部機構ということは必ずしも言えないけれども、六条の合同委員会の下部機関ではないということになれば、独立したそういう機関が新たに生まれた、こういうことになるわけですか。
○東郷政府委員 機関とおっしゃいますとはなはだ話がむずかしくなるのでございますけれども、ここにおっしゃいました研究会同のほかにも、われわれこの五項の前段にも述べられておりますように、双方の外交、防衛関係の者も随時集まって協議することがあるわけでございます。特にこれもある委員会の下部機構とか新たなる機関という趣旨にわれわれは扱っておりませんので、したがって五項に申しておりますことは協議の場であるというふうに扱っております。
○岡田(春)分科員 どうもはっきりしませんね。ステートメントの中には、研究会同という、こういう名前のものをはっきりつくることになったのですよ。だから、これを組織でないとおっしゃるのは、どういう根拠で組織でないとおっしゃるのか、その点もあなたの御答弁では私にはわからない。これは大体常設機関なんですか、何なんですか。どういう目的でどういうようにつくられ——まあ目的はここに書いてあるとおっしゃるのだろうけれども、常設的に今後ずっとやっていくわけですか、どうなんですか。
○東郷政府委員 これは、必要に応じ随時協議する場所であるというふうに考えております。
○岡田(春)分科員 随時協議する場所という場所は、恒久的な場所なんですかどうなんですかということです。
○東郷政府委員 どう申し上げたらよろしいですか。随時ここに書いてありますような問題で話し合ったほうがいいということで、双方から担当の者が出てきて話をするということでございます。したがって、これを特に恒久的な機関とかいうふうなものとは、われわれは扱っておらないわけです。
○岡田(春)分科員 そうすると、ここでやるのは一体何なんですか。結局、先ほど防衛局長が御答弁をされた、いわゆるこのステートメントにもあるように、米軍基地の技術的専門的検討ですね。それと同時に、これは愛知外務大臣がテクニカルな云々とおっしゃったのですが、軍事関係でテクニカルというのは戦略的なという意味ですよ。その戦略的な問題も含めて検討をされるということになるのだと私は思います。なぜならば、日本にあるアメリカの墓地というのは日本の基地だけの問題じゃないのですから。アメリカ第五空軍を見ても、第五空軍の司令部は府中にある。その府中の指令管轄のもとにおいて、日本にもあると同時に、韓国にも沖繩にもあるというのが管轄区域ですから、当然日本の基地の問題を検討するということになると、沖繩の問題あるいは韓国の問題というような戦略上の、愛知外務大臣のおっしゃったテクニカルなこういう問題を検討せざるを得ないということですよ。こういう点にまで当然入らざるを得ないじゃありませんか。ですから、外務省のステートメントの中にあるように、極東全般にわたる、こういう点を含めていると考えざるを得ないわけですよ。もう一度読みますならば、「日本の防衛並びに日本を含む極東の平和に関連ある事項について」意見の交換、情報の交換、だからこれは第四条の随時協議ですよ。「所要の検討」——この所要の検討というのも、これはたぶんに共同作戦の問題に関連するものと考えざるを得ないのですよ。所要の検討というのですから。先ほど第四条に基づいて随時協議を行なっている、その話し合いの場であるとおっしゃるならば、そういうことを当然含むものだと理解せざるを得ないのですが、それでよろしゅうございますか、こういうことを伺いたいと思います。
○東郷政府委員 この五項は、先生御承知のように二つのことが書いてあるわけでございます。その前段は外交、防衛当局において安保条約実施上及び日本を含む極東の平和と安全に関係ある事項について協議するということでございます。それから後段の……(岡田(春)分科員「そこにも防衛担当者が出ると書いてあるでしょう」と呼ぶ)そうでございます。外交及び防衛担当者、これも先生御承知のように、いままで何回かいわゆるお集まりを随時やっております。この趣旨はそういうことでございまして、いま極東の共同作戦とかそういうことは、そもそもわれわれの政府の立場としておのずから限界のあることでございます。われわれ政府のものとして、権限以上のことをやることはないわけでございます。 なお研究会同のほうは、これはここに書いてございますように「自衛隊と在日米軍との間」ということでございまして、これもいまお話しのように、機能面ということになれば米軍の機能ということもおのずから入ってくるわけでございますが、さようなものも全く話をせずに基地の提供とか返還とかいうことは実質的でありませんから、そういう意味で、この会同においてはそういう話も出る、そういうふうにお考えいただきたいと思います。
○岡田(春)分科員 この点はまだまだ議論しなければならなくなってきましたが、時間がないので困るのですけれども、あなたは先ほど第四条に基づく随時協議である、こう御答弁になっている限り、基地の撤去問題というのは第二義的な問題になるわけですよ。基地の撤去問題なら、第六条に基づく合同委員会の下部機関としての問題でなければならぬ。随時協議という問題になりますと、戦略問題その他を含むということが主でありますから、そういうことでの軍事会同であるということならば、これはたいへん問題であるわけです。制服同士で戦略上の問題を検討するためにこのような軍事会同というものが行なわれる、これはまさにわれわれが懸念しておったとおりに、制服同士の間で共同作戦の検討を行なっているということになるじゃありませんか。これはまさにわれわれの懸念しておるとおり、シビリアンコントロールではなくて、制服間の作戦会議がこういう形で行なわれているということを外務省自身がお認めになったのだと思うのですが、この点はいかがですか。そしてそういうような重要な会議であるならば、何らかの条約的な基礎とそういう話し合い、協議の場というもの、性格を明確にするような両国間の合意というものが文書上明らかにされてなければならないはずだ、こういう点の文書上の合意があるのかどうなのか。単なる話し合いを適当にやる、それは制服にまかせます、そういうことでは済まないはずなんです。こういう点は、何か文書上の合意がなければならないはずだが、そういう点をお隠しになっているのかどうなのか、もしおやりになっておらないならば外務省は著しく手落ちだと思うのです。制服間でそういうような話し合いをすることに対して、文書上におけるところの両国間の合意がなくて、そのまま平気でやらせているなんというのは、これはもうほうっておくわけにはいきません。たとえば了解、覚え書きがあるとか、あるいは合意書があるとか、何かがなければならないはずなのですが、この点はいかがですか。
○愛知国務大臣 これは先ほど来御説明いたしておりますように、性格というものはきわめて限定されてはっきりしていると私は思います。これはもう基地の問題を扱う、つまり返還あるいは共同使用その他の問題について、機能的な面からの、たとえばきわめて常識的に申しますと、これはこっちへ返したっていいじゃないかというようなことが、ただ単に社会的、経済的だけの立場からではなくて、機能の点からいっても、こちらとしても十分の説明をし、理解を求めるということをもっと的確にやりたい、こういう趣旨から出たものであって、作戦とか行動とかいう面にこれは関与するものではないということは私はきわめて明白になっていると思います。したがって、研究会同というようなものについては、両国の文書による合意であるとかなんとかいうことは私は全然必要のないことだ。同時に、これは防衛庁のほうの関係だと思いますが、いわゆるシビリアンコントロールということで、先ほど防衛局長も答えられたように、いつどうやってどうしているかということは内局においても十分掌握し、またそこでのいろいろ出た話等も、機能的側面から見るいろいろの意見交換というものが、資料としてこれを参考にしていくということに運営されておるはずでございます。
○岡田(春)分科員 愛知さん、それは全然違うんですよ。たとえば日米合同委員会の中に、その下に下部機関として施設部会とかいろいろなものができるでしょう。こういう場合も、施設地域協定に基づく合同委員会で合意議事録ができる、それに基づいてそれぞれの部会をつくることになっているんですよ。そういうような取りきめなしに軍事会同だけは野放しにしておくというのは逆に危険じゃありませんか。その点が一点です。 それからもう一つは、あなたはさっきから、基地の問題だけにテクニカルにやるのだとおっしゃる。それならば第六条に基づくものでなければだめですよ。ところが東郷アメリカ局長は第四条だとはっきり言っているじゃありませんか。四条のものならば合同委員会の問題じゃありませんよ。この点ははっきり性格が違うんだということですよ。外務大臣の御答弁が正しいのならば四条は間違いである、四条の問題が東郷さんの言うとおりであるならば、愛知外務大臣の言い方が間違っている。どっちかですよ。これはどっちですか。はっきりしておいてください。これははっきりしておいてもらわないとたいへんな問題です。 しかも第二の点としては、最初に申し上げたように、合同委員会の場合には下の部会、下部機関全部両国間の合意に基づいてつくられている。制服の問題だけは野放しになっている、そういうものがないのだということは逆に危険じゃありませんかということです。なぜこれをおつくりにならないのですか。
○東郷政府委員 おことばではございますが、第四条の協議というのは条約の実施に関する協議ということもございまして、これは条約の実施と申せば、条約と一体をなす協定であります地位協定を含んで差しつかえない。つまり四条の協議という協議の範囲は、地位協定の範囲に及んでも差しつかえないと考えております。 それから、研究会同だけを野放しというお話でございますけれども、これはまさしく安全保障協議委員会においてそういう話をはっきりしたということをここに出しておりますということは、すなわちそれは野放しではないということでございまして、これ以外に、お話しのようなものは何らございません。
○岡田(春)分科員 時間がちょっと超過しているそうですから、まことに残念ながらこれははっきりさせられませんけれども、ステートメントで明らかになっているくらいならば、合意か何らかのものがなければならないわけですね。しかし、ないとすればこれは問題です。制服間の話し合いの場合には、これは野放しにしておいていいなんという話し合いはないはずです。こういう点を外務省が認めたなんということは、これはたいへんなことですよ。だからある新聞などでは、この軍事会同で統幕側からは沖繩の機能の問題についてもいろいろ討議が出て、統幕会議としては、沖繩が日本に返還される場合、沖繩の基地の機能が現在よりも低下するようなことがあれば、日本を含む極東の防衛体制に穴があき、それを独自の防衛力で補うということは不可能である、こういう見解をこの席上において日本の統幕側から発表をしたということまで出ているじゃありませんか。ワクがきまってなかったら何を討議したっていいことになるじゃありませんか。こういう点は外務大臣どうなんです。かえってワクをつけることが必要なんじゃありませんか。逆にこういう問題以外はやっちゃいけないということをはっきりさせる必要があるのじゃありませんか。なぜその点をおつけにならないのですか。
○愛知国務大臣 これはたびたび御説明がありましたように、その性格や目的はきわめて限定されたものであることを協議委員会ではっきりしてありますから、そういう点は御心配ございません。要するに、何といいますか、これも常識的なお答えですけれども、いわゆる軍事委員会というようなものでは全然——そんなことを予想しているものでもなければ、またそういう動きなどをさせるということは全然ございません。 それから、ちょっともう一つあれですけれども、これは防衛庁のほうからお答えすべきことでしょうけれども、このいわゆる研究会同というもので沖繩の問題というものが話されていることはない、私はかように考えております。
○岡田(春)分科員 あなた、協議委員会で意思統一ができたのだからいいというが、協議委員会で意思統一は、何によって意思統一を残しますか。何かの文書がなければ合意できないでしょう。さっき私が読んだのは新聞記者に対する発表のステートメントですよ。これによって両国間を拘束するわけにいきませんよ。協議委員会で何らかの合意があるとするならば、それは文章上の合意がなければならないはずでしょう。そこで意思統一ができたとおっしゃるなら、どういう形で合意されているのか。その点は文章で、たとえばそのときの速記録でも残しているのか、何か具体的なものがなければ——私の読んだのは、これは新聞記者会見に対する単なる声明ですよ。これは単なる会見記事ですよ。こんなことで拘束するわけにいきませんよ。どういう形でこれを合意されたと、その合意に基づいてこの協議委員会の性格はどういうものかということが、何らかの両国間における文章上のものがなければならないはずです。これはあるのでしょうとさつきから聞いたら、いやないのだ、ないのだと言っているのだが、ないのだったらたいへんじゃありませんか。協議をしておいて、そんなものはないのだといったら、外務省の役割りなんというものは要らないわけですよ。その点をもう一度だけ念を押しておきます。時間が参りましたから、これ以上私は詰めませんけれども、これは重大な問題ですから、はっきりしておいていただきたい。
○愛知国務大臣 たとえば先ほどお読み上げになりましたものも、これは協議委員会で合意をいたしておりまして、内外に発表をし、またその当時におきましても、日米両方の代表が共同記者会見をいたしております。そういうことでありますし、また、この研究会同というものが、いまるる御説明したようなものであるということはもうあまりにも明瞭な両方の合意でございますから、御懸念のおっしゃるお気持ちはわからないでもございませんけれども、本件についてそういうふうに御心配をいただくことは万々ございませんということを責任を持って御答弁申し上げます。
○岡田(春)分科員 それではこれで終わります。 ステートメントが法的な両国間の拘束力を持つことになりますね、それでは。そういうように解釈してもよろしいのですね。共同声明というのは法的拘束力がありますからね。そういう意味のステートメントである、そういう意味の拘束力を持つものであるというように理解してもよろしいですね。
○愛知国務大臣 法律論としての法的の拘束とかなんとかということになると、これはそういうことではないと思いますけれども、しかし、これだけ念を入れて両方の合意を取りつけて、かつ共同で会見をし発表もしておるし、それから一方、わがほうとしては、防衛庁において、いわゆるシビリアンコントロールということが確保されているわけでございますから、重ねて申し上げますが、御心配はございません。
○岡田(春)分科員 いや、ここではっきりしておきたいのは、法的な拘束力を持つような手続は何らしておらない、日米軍事会同に関しては。そういうことであるという事実だけは確認されますね。法的な拘束力を何ら持つようなものはやっておらない、それはそれなりにたいへん重大な問題なんです。そういうものであるということを確認してもよろしいわけですね。野放しである、しかも随時集まれるようになっている、こういうものである、しかし法的拘束力はないんだ、合意はあったけれども、それは単なるステートメントの合意にすぎないんだ、こういうものであるという確認だけは伺って、終わりにしましょう。
○愛知国務大臣 私が申し上げたいのは、この会同の性格や目的というものが、先ほど来るるお話しをしておりますように、何も方針を決定するとか——小さな問題につきましても、基地の問題につきましても、そこで決定をしたことにだれもが拘束されるわけでも何でもない。日米両方において、日本側としては防衛庁の内局を通じて、これが参考資料になることはありましょう。またそういうことは望ましいと思いますけれども、何らの決定権もないものでありますから、これをわざわざ両国の条約にするというようなものにはなじまない問題だ、私はこういうように考えております。
○岡田(春)分科員 私の質問にだけ答えてください。そういう裏づけはない……。
○愛知国務大臣 だから前提があるのです。内容ですね、使命というものが、協定などというものをすら必要のないものであるから、したがって、いわゆる法的の拘束力があるような取りきめを両国間でかわしてはおりません。その前段が、私からいえば大事なことであります。
○足立主査 楢崎弥之助君。
○楢崎分科員 今日までの予算委員会あるいは本会議を通じての沖繩の基地の問題は、これを集約してみますと、非核三原則が沖繩の基地にも適用されるかどうか、あるいは事前協議の条項が本土と同じように適用されるのかどうか、おおむねそういう点が中心であったと私は思うのです。そこで、これは言うなれば、基地のあり方というものを法律的な側面から大体においてとらえた論議をやってきたわけです。そして自民党のハト派といわれる方々、あるいは民社党なり公明党なりからも出ておるのですが、いわゆる本土並みという考え方は、いまの非核三原則を沖繩に適用するか、あるいは事前協議条項をそのままやるか、そういう点をもって本土並みかどうかということが論議されておったと私は思うのです。しかしそういう意味の本土並みだけであるならば、これは私はたいへん問題であろうと思うのです。それで、今日まで法律的な側面からの論議をやっておりましたが、私はここで基地のあり方を実態の面からいま少し見る必要があると思うのです。それこそ本土並みということの意味が明確になってこようと思うのです。 そこで、今日沖繩の基地は、これは一九六六年二月十八日、米下院の外交委員会が公表しておるものですけれども、ザブロッキー委員会、これによりますと、沖繩の基地は陸軍が六十五、空軍が二十四、海軍が十三、海兵隊が十五、計百十七、私は今日はまだふえておると思うのですが、この段階では百十七、そしてその基地が占めておる軍用地の面積は二百九平方キロ、そうすると沖繩全部が二千三百八十八平方キロといわれておりますから、大体本土の神奈川県くらいに匹敵する土地に——本土の場合は昨年の十二月二十三日の日米協議委員会で五十ほどの基地が少なくなりますから、九十くらいになるはずです。本土全体では九十くらいの基地しかないのに、沖繩の場合はたかだか神奈川県くらいの土地に百十七という、今日では百三十をこえておると思うのですけれども、このような基地があるという、その実態こそが私は問題であろうと思うのです。そして、それらの基地はほとんど沖繩本島の中部地区に集中しておる。で、その面から見るならば、これは全面積の三二・八%を占める。たいへんなこれは土地の収奪であります。言うならば、こういう実態からして、私どもが沖繩に基地があるのじゃなしに基地の中に沖繩があるのだと言うのは、こういう実態をわれわれはさして言っておる。しかも、ほんとうに沖繩の同胞と関係のある問題は、実はその基地の実態なんですね。つまりガス、水道、電気、あるいは港湾、道路、そういった基幹の施設はほとんど全部が米軍の管理下にあるというこの実態。したがって、これから質問に移るわけですが、こういういまのアメリカ軍の基地の沖繩の実態は、返還されてから後、現在の安保条約の六条からきておる地位協定がそのまま当てはまるとお思いでございますか。
○愛知国務大臣 これは楢崎委員としばしば問答いたしまして、まことに恐縮なんですけれども、沖繩の基地の態様をどういうふうにしたらいいかということは、ただいまも御指摘がございましたような現状、そして一方において早期返還ということで、この辺のところをどう考えたらいいかということで、ほんとうに真剣に私は検討いたしておるわけでございますから、やはりその態様をどうするかということについてお答えしないと、結局そこのお答えに私はならないと思うのですが、その基本が白紙でございますから、どうも割り切った御答弁がまだできないことを非常に遺憾といたします。しかし、私は沖繩の県民の方々の気持ち、あるいはものの考え方というものについては、仰せのことは、お気持ちとしてはよくわかるつもりでございます。
○楢崎分科員 私はそういう精神論をいまお伺いしておるのじゃないのです。いままでの大体の国会の論議は、非核三原則の適用なりあるいは六条の事前協議条項がそのまま適用されるかどうかが大体焦点として論議されておった。私はそうじゃなくて、たとえば非核三原則の事前協議がそのまま本土並みに適用したとしても、たとえ適用したとしても、現在の沖繩における米軍の基地の実態から見ると、地位協定をそのまま当てはめたああいう実態が維持できるかどうか、地位協定との関係を私は聞いておるのです。
○愛知国務大臣 私の答弁漏れがありまして失礼いたしましたが、かりに特別の約条でもしない限りは、返還になれば安保条約がそのまま適用になりますから、望ましい姿としては、そういう場合には地位協定も本土と同様にするということが、その前提を仮定してまいりますれば、それが自然の姿だと思います。ただ、仮定の問題でありましても、やはり現状がいま御指摘のとおりでありますから、いま一番現実的に考えました場合に、そういうふうな自然の姿がそのまま適用になるかどうか、その辺のところも非常に真剣に検討しなければならないところだと思います。
○楢崎分科員 これは現在の基地の実態ですね。使用の状態ではないのです。私の言っているのは基地の実態です。これは現実ですから、だからこれは白紙なんて言っておれないのですよ。白紙なんて言っておれない。非核三原則を適用するか事前協議を適用するかは、白紙とおっしゃっても、この基地の実態については白紙なんということは言えないのです。 そこで条約局長にお伺いしますが、使用状態とか、そういう事前協議条項、そういうものを抜きでいまの基地の実態を考えたときに、地位協定をそのまま当てはめてやっていけると思いますか。
○佐藤(正二)政府委員 これは実は今後沖繩返還の協定をやりますときに非常に詰めなければならない問題だと思います。したがって、私いまここでできるともできないともはっきりしたことを申し上げにくいのでございますが、本土と違いまして非常に大きな部面に基地があるということは事実でございましょうから、地位協定を適用するにあたっていろいろな難点があるかもしれないと思います。もう少し検討しなくちゃならないと思っております。
○楢崎分科員 これこそは早く検討しなければいけませんよ。もし地位協定を適用するということになれば、当然基地の地域を限定しなくてはなりません。いまの状態で限定し得るような状態になっているかどうか、これを私は聞いている。たいへんむずかしいと思いますとおっしゃればそれでいいのです。わからないじゃ困るのです、地位協定との関係を聞いているのですから。
○愛知国務大臣 それは先ほど申しましたように、いつも前提を置いて恐縮ですが、これは仮定の問題でございますが、かりに特別の何らかの協定をしない限りは、沖繩が返還されれば当然安保条約が適用される。その場合には地位協定も本土並みにするというのが自然の姿である、こう私も思います。しかし現状が、いまも御指摘のとおりたいへんなことですから、具体的にやってまいりますと、なかなかむずかしい問題がある。率直に言えば、わからないところもございます。わからないところも含めて、私は具体的には非常にむずかしい問題があろうかと、これは仮定ですが、想像しているわけでございます。
○楢崎分科員 私は、もし基地の実態をいまのまま受け継ぐとするならば、地位協定を適用するのはたいへん困難である、現在の地位協定で整理し直すのはたいへん困難である、特別の定めがない限りということは、やはり外務大臣の脳裏の中に、地位協定についても別途特別の地位協定を沖繩に限ってはつくらなければならないという問題が私は起こってこようと思うのです。もし現在の基地の実態をそのまま受け継ぐと、現在の安保条約六条からくる地位協定をそのまま当てはめることはほとんど私は不可能だと思う。再度この点についてお伺いしたい。
○愛知国務大臣 そこで、前提となる事実の中にわからないこともございますということを申しましたくらいで、やはりそこになりますと、基地の態様についての考え方をどうするかという基本のことと関連してまいりますから、白紙と申し上げざるを得ません。
○楢崎分科員 全然まだその点の検討には入られておりませんか。これは返還を考えるのに当然問題になってくるのを、まだ検討しておられぬのですか、全然。地位協定との関係は、これは白紙じゃ逃げられない。
○愛知国務大臣 しかし、条約やあるいは交換公文や、そういうことがまた基礎になるわけでございますから、したがって、その大もとについての考え方もまだまとめておりませんから、仮定の問題としてはいろいろの場合というものが研究の対象にはなっておりますけれども、その基本のところをまだ申し上げる段階に至りませんから、どうもそのお答えが……
○楢崎分科員 検討されておるかどうかを聞いておる。
○愛知国務大臣 法律問題としては、いろいろの研究の課題としてはあり得ると思います。
○楢崎分科員 あり得るということは、まだ全然検討に入っておられぬということですね。そういうことですね。
○愛知国務大臣 何と申しますか、事務的と申しましょうか、そういう立場で、こういう問題があるというような点は研究をいたしております。
○楢崎分科員 そうすると、いままでの外務大臣の答弁を総合しますと、やはり地位協定についてもあるいは別途の定めが必要になるやもしれないということが想定されるわけですね。
○愛知国務大臣 そこまでのお尋ねになると、遺憾ながら、白紙と申し上げざるを得ないのです。
○楢崎分科員 あなたがいかに白紙とおっしゃっても——最後は白紙とおっしゃるのですけれども、これは現実のいまの基地の実態、これをどうするかということは、非核三原則なり事前協議の問題より以上に沖繩同胞の方々の日常生活に密接な関係がある。だからこういう問題が解決されないで、単に非核三原則の事前協議が本土並みになったからといって、本土並みにはならないということを私は言いたいのです。このような基地の実態を解決せずして、本土並みということは言えないということを言いたいわけです。それで、これは白紙とおっしゃいますから、事務的な検討はされておるということですから、私は予言しておきます。この沖繩の返還の場合の基地の問題は、地位協定との関係が今後の問題の焦点になってくる、したがって、今後問題にしていきたい、このように思います。これは残しておきます。 次に、昨年私はポラリスの領海通過の問題をお伺いしたわけです。予算委員会で質問した後、ずっと外務委員会に引き継がれまして、最終的に統一見解みたいなものが出されたと私は記憶しております。それをひとつここでもう一ぺん明らかにしていただきたい。
○佐藤(正二)政府委員 先生のおっしゃるとおり、予算委員会から引き続きまして、昨年の通常国会で領海条約を審議いたしましたときに、委員会でいろいろ質問がございまして、統一見解を発表いたしました。それを読みましょうか。
○楢崎分科員 長いですか。
○佐藤(正二)政府委員 相当長うございます。
○楢崎分科員 ちょっと読んでください。
○佐藤(正二)政府委員 この統一見解は委員会において——委員会と申しますのは衆議院の外務委員会でございます。委員会において、その外務委員会を代表して小泉委員が質問をなさいまして、それへの三木外務大臣の答弁という形で表明したわけでございます。したがって、質問から申し上げないとわからないわけでございますが、質問は、「一、外国軍艦の領海の通航については、第十六条の四、」と申しますのは、これは領海条約でございます。「十六条の四にいうところの公海の一部分と、公海の他の部分または外国の領海との間における国際航行に使用される海峡の場合を除き、政府は事前通告制度を考慮すること。」「二、ポラリス潜水艦その他類似の常時核装備を有する外国軍艦のわが領海の通航は、第十四条四にいうところの沿岸国の平和秩序または安全を害しない無害通航とは認めない。したがって原則としてこれを許可しない権利を有する。」三といたしまして、「本条約は戦時には適用されない。」これだけの質問がございまして、三木大臣の御答弁は、第一点については、「事前通告制度を実施するよう考慮する。」第二点については、「ポラリス潜水艦その他核兵器を常備しておる軍艦の航行は、無害通航とは考えない。原則としてこれを許可しない権利を留保したい。」第三点については、「この条約は戦時には適用されない条約であると考える。」これだけのものが記録に残っております。
○楢崎分科員 そこで防衛局長にお伺いしますが、これは新聞報道ですから、この辺から明らかにしていただきたいのですけれども、四十二年九月十七日に対馬海峡をソ連の原潜E2型、これは中距離弾道弾のシャドックを搭載しておる潜水艦ですが、これが通過したという発表がなされておるわけです。その辺の事情をまず簡単に御説明願いたい。
○宍戸政府委員 一昨四十二年九月十七日のことでございますけれども、対馬海峡付近で、浮上しまして航行中のソ連の潜水艦を発見いたしまして、わが方の航空機がそれの写真をとりました。それは一昨年のことでございますが、最近各紙に出ておりますのは、これはジェーン年艦にも載っておりませんたいへん珍しい写真でございますけれども、こういうことを積極的に発表するのはいかがかということで、当時はオフレコ程度で話しておりました。最近に至りまして、ある新聞が特集記事にしたい——これだけではありません。安保問題、防衛問題で特集記事をつくりたいということから、当時のことを公表いたしたいという申し入れがございました。差しつかえなかろうと思いましたけれども、一部の新聞だけではいかがかということで、各新聞にその事実を公表したというのがいきさつでございます。
○楢崎分科員 四十二年九月十七日のことでございますが、そういう事実があったことを、外務省は連絡を受けられましたか。
○宍戸政府委員 いま外務省に伺っても、御存じないようでございました。確かめないとごく正確にはわかりませんが、当時私のほうで外務省のほうには御連絡はしなかったように思います。
○楢崎分科員 連絡されていないのですね。だから外務省は御存じない。 そこで、いままで発表をあたためられておった経過はわかりましたが、これは対馬海峡を通ったことになっておりますけれども、いわゆる領海との関係はどうなっておりますか。
○宍戸政府委員 領海外、公海を航行中だったわけでございます。
○楢崎分科員 どの辺です、発見されたのは。
○宍戸政府委員 緯度がちょっと写真には出ておりませんので正確にはわかりかねますが、私どもが聞いておりますところでは領海に入っておりません。
○楢崎分科員 いや、それは、そういうやつを正確につかんでおるのでしょう、防衛庁としては。いまお手元にないだけでしょう。正確にはわからないのですか。
○宍戸政府委員 現在手元に図がございますけれども、それに正確な緯度が入っていないというだけでございまして、もちろん調べれば当時の緯度はわかります。結果として公海中であったというふうに聞いております。
○楢崎分科員 地点を言わなくちゃ公海中であるかどうか私わからぬわけですよね。それで、それは資料として、どこで発見しどこまで追跡されたか、明確な説明をひとつ資料として出してください。 そこで、これはいわゆるポラリスあるいはポセイドンに匹敵するソ連の核原潜だ、このように思うわけですが、どうです。
○宍戸政府委員 これは原子力潜水艦のように思われます。それからミサイルを積んでおりますが、浮上して発射するという仕組みのもののようでございます。正確にはもちろんわかりかねますけれども、写真から判定いたしましてそういうふうに推測できる、こういうことでございます。
○楢崎分科員 そうすると核原潜であると推測される、こういうことですね。
○宍戸政府委員 シャドックというのは核、非核両用のものだというふうに、一般の資料ではいっております。
○楢崎分科員 そこで、これが核を積んでいないなんということは私どもは想定できないわけですけれども、核原潜と思われてけっこうだと思います。 そこで、先ほどの核原潜の領海通航の問題ですね。これは中国が核原潜を持っておるかどうかさだかではありませんけれども、アメリカに対してだけでなくて、ソ連にも中国にもこのような見解で臨まれるわけですか。
○愛知国務大臣 当然さように考えてしかるべきものと思います。
○楢崎分科員 そうすると、こういう同じような事態が起こったときには、外務省としてはどういう措置をとられるわけですか。
○佐藤(正二)政府委員 先ほど私が申し上げましたいわゆる三木大臣から申し上げた統一見解と申しますのは、いわゆる領海をかすめて通ると当時盛んに言っておりましたあの領海の通航の問題でございまして、公海の問題は全然触れておらないのでございます。したがっていまのお話が公海でございましたとすれば、これは関係ないものだと考えます。
○楢崎分科員 そこでこのF2型をどこでつかまえられたかが非常に問題になるのですがね。いまソ連は沖繩の沖で非常に演習をやっておる。そうすると対馬を通る前に、たとえば五島列島と平戸の間を通るようなことになれば、これは公海ではないわけですから、非常に問題になってくるのですよ。したがって、これは防衛庁からの先ほど申しました資料が出てこないと何とも言えませんが、私はこれは非常に問題があるところであろうと思うのです。それで、これはこれで一応打ち切っておきます。資料が出てきて、また問題を進めたいと思います。 次に、ライセンス生産を行なうアメリカの兵器ですが、いままでRアンドDを支払ったのはどれとどれですか。
○蒲谷政府委員 四十二年度に導入しましたナイキとホークだけでございます。
○楢崎分科員 ナイキとホークと、それから今度F4EのRアンドDが問題になっておりますね。そこで私は、これは決して解決済みとして見のがされないのですよ。この防衛目的のためにする特許権及び技術上の知識の交流を容易にするための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定、たいへん長いのですが、日米技術協力協定と普通いっておるのですね。これの五条によりますと、この種の技術開発費なんというRアンドDを負担するというようなことは、この五条からは出てこないのです。「費用を負担することなくその発明又は技術上の知識を使用することができる。」どうしてRアンドDを払われるのですか。根拠をひとつ示してください。——あなたじゃない。この技術協力協定は外務省の所管でしょう。
○東郷政府委員 この協定の詳しいことは防衛庁のほうでこまかい話をされましたので、詳しいところは装備局長からお話し願いたいと思いますが、問題のRアンドDは第五条にいうところの対象ではないということ、それからまた同種の協定を結んでおる外国の例に照らしましても払っておるということで、この現在の取りきめができたようなわけでございます。
○楢崎分科員 外国が払っておるかどうか関係ないじゃないですか。これは日米技術協力協定なんです。外国は関係ない。そうしてこのRアンドDがどうして五条と関係ないのですか、なぜ関係ないのですか。
○蒲谷政府委員 先生の御質問のような疑義はわれわれも持ちまして、ナイキ、ホークの場合に検討いたしました。この検討の結果は、現在の技術協力協定の五条は、確定された権利及びそれに基づく知識をいっておるのであって、要するに、端的に申しますと、特許権になったものの特許料は免除するということをいっておるのであって、それの前段に使われた開発費は含んでいないという向こうの解釈でございます。われわれもそういうことかということで調査しましたところが、いま外務省の答弁がありましたように、同じ技術協定を持っておりますNATO諸国あるいは豪州なりあるいはカナダなりが同じ規定でやはり払っているという事実がございます。そういうことで、われわれも疑問を持ちましたけれども、このナイキ、ホークのときの長い交渉経過の中で、これが含まれないという解釈に達したわけでございます。
○楢崎分科員 そういう簡単な問題じゃないでしょう。あなたの前任者の森田装備局長はこのために自殺したんでしょう。私が指摘しているのと同じ解釈に立っておられたんですね。アメリカがそんなことを言うからと、どうして抵抗なくそれを了承されたんですか。特許料以外は関係ないなんてどこへ書いてあるのですか。しかもアメリカの政府に払うのでしょう。そうすると、この条文からいえば、政府はその使用を許す権利を持っておるから、アメリカ政府に払うということになる。完全にこれに適合するではありませんか。それをアメリカがそんなことを言ったから、しようがないからということでは、われわれは納得できませんよ。あなた何のためにこういう協定を結んでいらっしゃるのですか。
○蒲谷政府委員 いま申しましたように、この技術協定の五条は、非常に文章は長いのですけれども、言っていることは、発明または技術の知識、こう言っております。発明または技術の知識というのは、確定された権利として、簡単に申しますれば、現在の国内法でも、あるいは国際法でもありますけれども、特許権として確定されたものについては特許料を取れるということでありまして、この技術協定の五条の意味は、確定された発明——発明ということは当然単なる浮かび上がったものではなくて、それが発明というかっこうにまとまったもの、技術として確定されたものについては、アメリカ政府が持っているもの、これについては取らないということで、さかのぼった、それの開発に要した費用は含んでおらないんだということでございます。
○楢崎分科員 そんな解釈は無理ですよ。確定された知識じゃありませんか。そのために取るんじゃありませんか。アメリカの立場に立ったような解釈をわざわざ日本政府がする必要はないでしょう。納得できません。
○蒲谷政府委員 現実にアメリカ政府が持っております特許権につきましては、現在変わっておりません。ほかのものでもございますけれども、アメリカ政府の所有する特許権、アメリカ政府が管理する特許権につきましては使用料は取らないということでこの五条でやっておりますが、そのもとのものにつきましてはこの協定は含んでないということでございます。
○楢崎分科員 どこからそういうことが出てきますか、この条文で。それはあなたがかってに解釈しているのです。東郷さん、外務省も大蔵省も防衛庁も、そういう私が言っているような解釈をやったんですよ。それで難航したんでしょう。そうして押し切られたんでしょう。いまさらあなたがそういう解釈を確定解釈のようにおっしゃるのは、私はたいへん国辱的だと思うのです。国益に反しますよ。そういう解釈をしちゃだめですよ。
○東郷政府委員 その点は問題になりまして、外務省ともいろいろ御相談いたし、研究の結果、結局これはただアメリカだけの解釈じゃなくて、同種の協定は国際的にそういう解釈、運用されておるということで、われわれ外務省を含めて承服したわけでございます。
○楢崎分科員 国際的な解釈の基礎になるものを出してください。それじゃカナダがそうですか。RアンドDとして確立して払っている、しかもこういう条文があって払っている例があったら、それを資料として出してください。いいですか。
○東郷政府委員 当時調べましたものがあるはずでございますから、調べた上その材料をお出しします。調べた上出します。
○楢崎分科員 これはF4Eの積算基礎と関係があるのです。したがって私は問題をあとに残しておきたいと思います。その資料が出てきて、これをもう一ぺん私は問題にしたい。 最後一問だけにします。時間がありません。同じく五条によりますと、「両政府は、その使用に先だち、使用する政府がその発明又は技術上の知識についてのいかなる確立された利益に関しても通報を受けることを確実にするように協力するものとする。」こうある。私は防衛庁に資料要求をいたしております。F4Eの安全性の問題について、シラバスの七項目なりあるいは四航空会社の検査の結果を出しなさいと。これは当然この五条からいってアメリカは協力する義務があるのです。堂々となぜもらえない。国会へ公表するかどうかはまた別個の問題としていいでしょう。少なくとも日本政府がこの種の資料を、F4Eを採用するのにこういう資料も、こう言ってはなんですけれども、野党の私どもでさえ問題にしておるような資料を、日本政府が、防衛庁が持たないなんというのはもってのほかだと思う。この五条との関係で、その資料の問題をどう考えられますか。
○蒲谷政府委員 現在F4Eを導入につきましての必要な資料、これは当然、条約に関係なしにわれわれとしてはほしいものでございますけれども、いまの五条の規定は——私のこれはいまの解釈でございます。もし間違っていれば外務省のほうからも御説明があると思うのですが、ここにありますのは、いま申しましたように技術上の発明もしくはそれに類する知識であるということで、F4Eが今後ともアメリカでも改善される、改善された場合にはその発明または技術の知識、その関連のものについては日本に教える、日本側でも当然運用上についていろいろの問題が起きる、それの問題について改善が行なわれれば日本に知らせましょうということの発明または技術の知識に関連する問題を規定されている。だからこの規定は先ほど申しましたようにわれわれの解釈、結果的にそうなったのでありますけれども、さかのぼったRアンドDは含んでいないという意味で、そう広いものではございません。ただ一般論といたしまして……
○楢崎分科員 ちょっと待ってください。私はRアンドDのことをいま言っているのじゃない。私はシラバスの七項目と四航空会社の検査結果のことを言っているんですよ。あなた答弁する資格あるのですか、この問題に。装備局長。第五条との関連を聞いておるのです。RアンドDならあなたでけっこうですけれども、防衛局長なり外務省から御答弁をいただきたいですね。
○宍戸政府委員 御指摘のシラバス、教育訓練の項目につきましては、その後向こうと交渉しまして調べました資料を委員会に提出いたしました。さらにその内容の詳細を理事会で御説明申し上げました。さらにもう一つ御指摘の資料につきましては、現在誠意をもって先方に督促中でございます。
○楢崎分科員 私はこの際はっきりしておきますが、理事会においていかにももう説明済みみたいなことを言ってはいけませんよ。それだったら理事会のやりとりを全部議事録にして出さなくてはいけぬようになります。あれをもって検討済みなんて、そういうごまかしをしてはいけませんよ。あなた知っているじゃありませんか。私が要求した資料の内容をなしていないということはあなたも確認されたでしょう。理事会でそれだったらもう一ぺんやりますよ。全然私が要求している資料の内容と合致していない。それを確認したでしょう。それと、私はもう一つ問題にしているのは、私にくれるかどうかは別問題にしても、少なくとも日本政府はアメリカ政府からこういう資料は当然取って検討の材料にすべきだということを私は言っているのです。それをやっていないということは実に怠慢である。そしてF4Eは採用している。こういうことをわれわれ予算委員会としては了承することができない。ですから、これも私は一つ問題として残しておきます。いいですか。この五条との関係で、資料は当然日本政府は堂々と要求すべきである。 これと関連をいたしまして、この五条の運用について、第六条で技術財産委員会ができるようになっておる。これはできておりますか。
○蒲谷政府委員 できております。
○楢崎分科員 何でそんなに時間がかかるのですか。それじゃメンバーを発表してください。
○蒲谷政府委員 現実に会合を開く例がございませんでしたが、日本側代表は防衛庁の装備局長になっておると思います。
○楢崎分科員 あなたですか。
○蒲谷政府委員 はい。
○楢崎分科員 それじゃ質問しやすいですが、この技術財産委員会でRアンドDのことを検討されたことはないわけですね、一ぺんも開いたことがないのですから。何で問題にしないのですか。何のためにこの技術財産委員会を設置するようになっておるのですか。いいですか、この委員会の任務は次のとおりです。そのうちの(a)項を読んでみましょうか。「この協定の内容に関する事項でいずれかの政府が委員会に付託することのあるものについて審議し、及び両政府に勧告すること。」ができる。だから、この技術委員会でRアンドDはけしからぬ話だといって問題を提起して、これはけしからぬということになれば、両政府に対してあなた、勧告できるのです。何でこういうものを生かさぬのですか。何のためにこの技術協力協定があるのですかと私は言いたいのです。こういうものを無視して事を運ぶのだったら、こんなものは要らないのです。これもF4Eを採用することについてたいへん疑義がある原因の一つに私は思っておるのです。こういうことをしてはだめですよ。だから、この問題もひとつそのまま理事会で再検討してもらいたいと思います。主査、いいですか。
○足立主査 楢崎君に申し上げますが、分科会から理事会にダイレクトに上げるというのはどういうことになるのか、私はよくわからないのです。それは私のほうから報告はいたしますが……。
○楢崎分科員 これは本来ならば本委員会でやるべきものを、技術的にただ分科会におろしているだけだから、こういうふうに答弁できないのだから、私は時間の関係上、理事会にこれを預けるということです。
○大原分科員 議事進行について。 いまの質疑応答を聞いていますと、質疑応答は時間を過ごせばいいわけじゃないわけですから、十分疑義を解明しなければなりません。そういうことから、前の岡田質問にもございましたが、この分科会の質問が終了するまでに、この疑義の解明をきちっとしてもらいたい。できない場合には、主査の報告があるわけですし、いままで前例としまして主査報告に対する質疑をやりましたから、そういう機会等を持つことについて、理事会において取り計らいをしてもらいたい。そういう議事進行上の希望ですから、要求ですから、主査のほうで発言を願いたいと思います。
○足立主査 ただいまの大原君の御発言、よくわかりました。楢崎君も御承知のとおり、防衛庁関係の審議の日程が十分とってございますので、さらにこの問題を詰めていただきまして、最終的に解明できなかったと認められる場合には、私は予算委員長にその旨報告いたします。
○楢崎分科員 それじゃ問題を保留して、これで一応終わります。
○足立主査 広沢賢一君。
○広沢(賢)分科員 先ほどの日米軍事会同、それからF4の問題でもずいぶん不明瞭な点がありましたが、私が聞きたいと思うココムの問題についてもきわめて不明瞭、全くわからぬ点がございますから、二、三質問いたします。 二月二十日に外務省の須磨経済局長事務代理から正式に北京・上海日本工業展覧会の理事長あてに回答が参りました。 〔主査退席、倉成主査代理着席〕 その回答を読みますと、なぜココムで禁止をするのだという問題でいま訴訟中ですが、それについて外務省の返事はこういう返事なんですね。わが国は、経済の健全な発展のために必要ありと考えて「自由主義諸国間の申合わせの趣旨を尊重しつつ、外国為替及び外国貿易管理法並びに輸出貿易管理令の規定に基づいて、共産圏に対する特定貨物の輸出規制を行なっている。」と書いてあるのです。お聞きしたいのですが、まず、自由主義諸国の申し合わせを尊重してという自由主義諸国の申し合わせは、いつどこでいかなる形式でなされたか。当時大使館から出られたと思うのですが、だれが責任者だったのか。国際法上、それから国内法上の法的拘束力はどうかという点について、外務大臣の御見解を示していただきたいと思います。
○愛知国務大臣 いまのお尋ねは実は非常に広範囲にわたる問題でございますが、まず第一に、ココムというのは、詳しくはいま経済局長から御説明をいたしたほうがよろしいかと思いますが、自由主義国家問におきまする事実上の話し合い機関ということになっておりますから、いわゆる条約上の国際機関、あるいはそこにおける取りきめが国際約定というような形にはなっておりません。そこでの話し合いを尊重いたしまして、それぞれの国が自己の政策として行なうということに相なっておるわけでございます。 それから、いまの具体的なお尋ねは日工展の問題と思いますけれども、まず第一に、日工展というものは、私どもとしてはその趣旨を非常に適当なことであると考えて、政府が補助金も出しておりますことは御案内のとおりでございます。私も就任以来、この日工展というものが円滑に開かれて、日中間の貿易の振興に役立つことをこれ期待しておるわけでございます。ところで、具体的なただいまの御指摘がございましたが、貿易管理令その他の問題になりますと、所管が通産省でございますから、通産省側と十分話し合いをし、過去の経緯あるいは自由主義国家群の動向等をにらみ合わせまして、出展の許可を、あるいは不許可を通産大臣が行なったわけでございます。この間におきましては、十分私どもとしては、いま申しました趣旨に合致しますように、できるだけの協力をいたしたい、こういうわけでございますが、先ほど申しましたように、なかなかこれはこまかく御説明しないと、何しろ品目も七千品目にわたる問題でございますから、詳細は政府委員からお答えいたさせます。
○広沢(賢)分科員 経済局長の説明はよろしゅうございます。詳細な点はいろいろ知っているのですけれども、なぜこういう質問をしたかというと、自由主義国家申し合わせというか、協定の趣旨というか、協定も口約束、しかもその持ってきたいろいろの根拠もきわめて薄い。それから通産省の貿易管理令の云々というのは、これはいま訴訟中ですが、何回も国会でやっているとおり、これは法的根拠にならないのです。国会で十分その品目も議論しない。それでいまおっしゃったとおり、たいへんな品目について自由かってにいろいろやっているのですが、自由主義諸国の中でも最近、いまでもずいぶん例が出ましたが、イギリスはバイカウントを輸出していますね。それぞれまちまちですから、この申し合わせの趣旨を尊重しつつ各国まちまちである。ほぼいろいろ相談するけれども、まちまちである。中には足の引っぱり合いをやる。こういうことについての実情は、外務大臣どう思われますか。
○愛知国務大臣 各国まちまちの例外的なものもございますけれども、実は現在もココムリストの各国の事実上の相談が現に行なわれているようなわけでございまして、各国間の足並みというものは、私の見ているところでは非常にしっかりしていると思います。 それからなお、各国それぞれの立場がございます点は御指摘のとおりであって、たとえば政治的な承認問題等においては進んでいるといいますか、具体的な行動を起こしている国も、経済問題になりますと、あるいは日本よりも強く禁輸というものを主張しているものもある。そういうような点も含めまして、ある程度ばらばらな点も、先ほど申しましたように、例外的なものございますが、大筋においては十分足並みがそろっている。私は政治的に大局観を申し上げるわけであります。そういう観点から、先ほど申しましたように、これは外務省の立場というもの、通産省の立場というもの、とっくり相談をして、そうして先ほど申しましたような、できるだけ前向きの姿勢で日工展が円滑に開かれるようにという気持ちで運営してまいったつもりでございます。 なお、この法律上の問題は、私どもとすれば、非常に残念なんでありますけれども、行政訴訟が提訴されてもおりますし、そういうふうな裁判の結果というものも見守ってまいりたいと思いますので、それらの点についての問題でございますと、訴訟進行中でもございますから、私どもの主張をあまり激しく申し上げることは控えたほうがよろしいかと思います。
○広沢(賢)分科員 改定も始終相談されている、しかも前向きにいろいろ考えておられるということですから、そうすると、具体的にもうちょっと聞きますが、改定の相談を最近はいつどこでやったのか。それから、これからの日程はどうなるかということが一つ。 それからもう一つは、前向きの姿勢ということになれば、日本側は当然よその国に先がけて、ソ連、中国が原水爆を持って運搬ロケットを持ち、それから電子計算機も持っているというこのときに、ココムの問題でこれほど大きな、いろいろ各国でごたごたを起こすということは、これは漫画みたいなものだ、時代おくれであるということを、そういうときに提案なさる、通産省から提案するのか、外務省が提案するのか、これも聞きたいのですが、だれが代表としてそういうことをやるのか、具体的にお聞きしたいと思います。そういう決意はあるのか。
○愛知国務大臣 御承知と存じますが、現在パリで、ココムリストの再検討といいますか、レビューが行なわれております。これは、実は昨年末から行なわれておるわけでございますが、一時休憩しておりまして、たしか今月の上旬、六日か七日から再開されておるはずでございます。日本側としては松井駐仏大使が首席代表とでも申しましょうか、そういうかっこうで参加いたしておりますが、通産省その他の専門家ももちろんそれに参加いたしております。 それから、政府としてとっておる態度というものにつきましては、各国のいろいろな意見もありますようでありますが、個々の品目の戦略的な重要性、これが問題でございますから、それについて十分各国の意見も聞きまして、意見を交換し、妥当な禁輸リストとするようにつとめております。特に最近戦略的重要性が薄れてきたと思われる品目につきましては、その禁輸が緩和されるような努力を払っておる次第でございます。
○広沢(賢)分科員 そこで、今度戦略の問題が出てきましたからお聞きしますが、古井さんと田川さんがいま中国へ行って、田中覚書貿易の交渉をしております。たいへんな役目を持っておる。これについては、佐藤総理と会っていろい激励を受けたと新聞に書いてありますが、佐藤総理はこの重要な意味を御承知で……。 それからもう一つは、政治三原則というのが中国にあるのは御承知だと思います。中国を敵視しない、二つの中国をつくる陰謀を進めない、日中関係の改善を妨げない、こういうことを承知の上で行かれたと思うのですが、それと、ココム戦略物質と言われましたが、戦略というのは相手を予想しておることですね。そうすると、やはり敵視政策をとっておるのじゃないか。だれが見てもそうです。それから通産省の意見書を見ますと、これは公共の福祉を守るというのですが、公共の福祉を守るというこの理由づけ、大義名文はどういう意味なのか、外務大臣おわかりになりますか。
○愛知国務大臣 日中の覚書貿易につきましては、ただいま仰せになりましたように、われわれといたしましても、幅が広くなり、また期間も長期になることが望ましいということで、総理もそうでありますし、私もそういう気持ちで、古井、田川両君が出かけますときにも十分懇談をしたわけでございます。なかなかこれはむずかしい問題であろうと思いますけれども、われわれとしてはそういう気持ちである。またわれわれとして、敵視政策というようなことを言われるようなこちらとしては気持ちは毛頭ないわけでございますが、そういう点も踏んまえて、十分ひとつ実のある交渉ができるようにということを期待しておるわけでございます。 それから戦略上ということをただいま申しましたが、これは具体的に中共とかなんとかいうよりは、ココムとして成立されましたのが十数年前と思いますが、その当時からのココムの申し合わせの中の、対共産圏貿易についてはこういう心持ちでココムリストをつくろうということがずっと続いておりますので、そういうことばが現に残っておる。要するに、禁輸品目をどういうものにするかということが具体的な問題ですが、その具体的な問題の取り上げ方に対してのわが政府としての態度は、先ほども申しましたように、かりにそういう考えが残っておるとしても、科学技術の進歩その他によりまして、そういう点から見ても重要性が薄れてきたと思われるようなものについては、これは緩和するのが当然ではないか。しかしこれにはやはり何といいますか、国際信義上あまり具体的に申し上げかねるところもございますが、各国各様にそれぞれの態度がございますものですから、その辺をにらみ合わせながら、わがほうの国益の立場を伸ばしていくということについては、なかなかまとまりが悪い点もございますが、先ほど申しましたように、最近におけるこのココムの関係につきましては、全体の足並みがそろっているし、また日本が仲間はずれになることは、これはもう日本が世界貿易全体を拡大していきたいという大きな国策を持っております以上は、貿易量も多い、あるいは資本の交流その他も非常に多いところの自由主義諸国家群との親善友好関係ということから申しましても、ひとりよがりに日本だけの主張を通すということはいかがであろうか。あくまで協調的に、しかも日本の考え方がその中で指導的になるようにということで、関係者が非常な努力をしておるというのが今日現在の実情でございます。
○広沢(賢)分科員 外務大臣はそうかもわからぬけれども、実際は違うのですよ。たとえば外務大臣の部下であるある外務省の高級の官僚は、佐藤総理が、中国の国防力を強化するものは厳重にチェックをせよと言ったということをいろいろと、日工展の主催者とずっと話している中に言った。その方はあとで、いやそれは覚えがないということを言っているのですが、ちらちら出るのは、非常に敵視的な態度が明らかに見えるのです。今度の日工展でも努力したというけれども、訴訟問題になるまでがまんにがまんを重ねておるわけです。 そこでもう一つお聞きしたいのですが、通産省がこれをいろいろと品物をやるのか、それとも外務省がいろいろとやるのかというと、外務省のほうの答弁は、国際会議に出るのは外務省の権限であるというのです。それで通産大臣と緊密な連絡を保っておるという。通産省でいろいろ品目別にやっていますが、全部通産省のほうから外務省のほうにくるわけですか。これはどうだ、これはどうだということでくるわけですか、お伺いしておきます。
○愛知国務大臣 これはココムというような国際的な相談に、窓口になりますのはあくまで外務省でありますから、先ほど申しましたように、パリ会談においては駐仏大使が取りまとめに当たっておりますが、通産省その他の意見も十分に取り入れるというよりは、むしろそういう相談に直接に当たっておるわけであります。それから国内的にはこれは通産省の所管でございます。先ほど御指摘の貿易為替その他に関する省令、法令等につきましては、これは主として通産省が当たるわけですが、ただいまの日工展の問題などにつきましても、十二分に大臣同士が思想統一をしております。そしてそれを事務当局に十分流すようにいたしております。 この点については、おことばを返すようでございますが、われわれとしても実に忍耐強く努力をいたしたわけでございまして、あるいは言い過ぎるかもしれませんけれども、これは相手国というよりは、むしろ日本側の中においての政府に対する不当な批判その他もあるやに私は見受けておるわけでございます。私どもの真意が十分に通じないうらみがあることを、私は常々残念に思っておる点でございます。たとえば昨年以前におきましても、こうした日工展の関係などについては、日本の政府と日本の業界との間に、あるいは業者と申したほうがいいかもしれませんが、約束ができて、そして約束は十分守ってくれるということで実行いたしましたことが、これが守られていない。これはむしろ国内問題なんでありますが、そういう点もありますことを御了解いただきたいと思うのでありまして、私どもとしても、これはむしろがまんにがまんを重ねて忍耐強くこの処理に当たっているということは明らかにしておきたいと思います。
○広沢(賢)分科員 それは、通産大臣にいろいろ聞こうと思うのですが、全く問題をすりかえて、たとえば外務大臣並びに日本の政府が、いまこれを破ったら国際的に孤立する、孤立するといっております。それから通産省の裁判所への意見書を見ますと、もうちりちりして、アメリカとの輸入制限、自主規制の問題にまで響くような、実に大げさな、人をおどかすようなことをぬけぬけと書いて持ってきているのです。で、いろいろと考えますけれども、どのようにして国際的に孤立するのか。日本とアメリカとカナダが一番きついのですよ、ココムリストの問題で。これはチンコムの復活だといわれているのです。それで、先ほど言われたとおり、これからずっとイタリア、英国、西ドイツ、スウェーデンが全部今度新しく——いままでココムリストの制約で日本だけが議定書の手前できていたのが、日本がこういう状況ならば全部展示会とか機械のいろいろな展覧会——デンマークは電子機器展までやっているのです。そうすると、日本の日工展の独走というのがくずれて、西ヨーロッパがどんどん進出する。これはブラント輸出の問題も同じです。あの幽霊みたいな吉田書簡がまだ彷徨しているということになると、日本は立ちおくれるし、いま外務大臣のおっしゃったことと全然反対の方向へ、食肉加工の問題も全部いっているわけです。裏目、裏目に出ているのです。 で、外務大臣は孤立するというのは、具体的にどういうふうに孤立するのか。いまだってアメリカはドル防衛のために輸入制限とか自主規制とかやっているわけです。これをどうやってアメリカと対抗するのか。特にEECは相当の強い反発をしておる。ところが日本がこのココムリストの問題一つでもって国際会議にばりばり提唱しないようでは、沖繩の問題から、それから経済的な交渉、輸入制限の問題も何もできないと思うのですよ。そこで、時間がないからあれですが、冒頭私がお聞きしました、パリでもって今月上旬にやる、その際に大使を通じてこういう発言をするのだ、こういうことを率先してやるのだということを言うくらいでなければ、あちらのほうの自主規制と輸入制限、鉄とか繊維の重大問題なんか一つも前進しないと思うのです。少しはやっぱりドゴールのようにぎゅっと強い態度を示さなければだめだと思うのですね。その点について、やはりこの問題については日本が率先してやるんだ、ゆるめていくんだ——隣ですよ、日本は。それから一番迷惑をかけたのは日本です。国交未回復国なのです。したがってそういう点について、外務大臣としてやはり率先してやるという決意のほどを見せていただきたいと思うのです。
○愛知国務大臣 これはただいまもいろいろ広範な問題について御意見をいただきましたけれども、たとえばアメリカに対する経済外交の点から申しましても、先日も予算委員会本委員会でも申しましたとおり、たとえば繊維の問題、これはもう化繊も毛も合成品も入っているわけですが、伝えられるようなやり方をアメリカがやるようなことがあっては日本の国益を害するということで、いち早く先手を打って、もうこちらとしては交渉といいますか、申し入れを開始しておるわけです。一方におきまして、残存輸入制限の問題なども、日本の農業、農村を守る、中小企業を守らなければならないということで、昨年暮れの日米の交渉もこれは妥結に至らなかった。いかに日本の主張が強いかということは、それによってもおわかりかと思うのです。孤立ということを私もし申したとすれば、せっかくたとえばココムにおきましても自由主義国家群と手をつないでいままでやってきた。それに対してひとりだけとっぴなことをすることはできないという意味で、そんなことをすれば孤立になるからおもしろくないんじゃないかという意味のことを申し上げたわけでございまして、松井大使に対する訓令も、先ほど申しましたように十分各国と意見を交換する、妥当な禁輸リストとするようにつとめなければならない、特に最近戦略的重要性が薄れてきたといわれるような品目については緩和するようにしなければならない、私はこれが日本の態度だと思います。これを訓令しているわけでございます。そういうわけでございますから、それから同時に対中共関係も、御案内のように最近の数字をごらんいただきましても、列国に比較して比べものにならないような実績があがっているということはもう事実の問題だと思いますから、これ以上御説明する必要はないと思いますが、私どもの基本的な態度は日本の国益を守って、そして世界驚異の的になっているようなこういう国際貿易の実績をあげているということにひとつ御着目いただいて、御理解を進めていただきたいと思います。
○広沢(賢)分科員 抽象的であれですが、具体的にひとつ聞きますよ。外務大臣としては、今日のソ連、中国に原水爆が持たれ、運搬手段、ロケットその他電子計策機もソ連、中国、東欧諸国もみな持っているときに、このようなココムの規定、申し合わせというのは、これはやはり時代おくれである、早くこれは世界貿易を発展させるためには撤廃させなければならない、これはいいですか。どうですか。
○愛知国務大臣 もし原爆、水爆というようなものが何べんも実験されるというような事実がなければ、もちろんでございます。
○広沢(賢)分科員 原爆、水爆ばかりじゃなくて、これはアメリカもやっているんですから、だから全般的に今日のソ連、中国の技術水準その他から見て、これはナンセンスであるという点をやはりはっきり打ち出す、ドゴールみたいに打ち出せば、やはり日本の外交の方向というものは開けてくると思うのですね。 時間が来ましたから最後に一つお伺いしますが、国連憲章というのがございます。大体国連憲章は日本の政府としてもきわめて尊重しなければならないし、これに違反するような立法が行なわれた場合には、外務省としては通産省を戦略物資でおどかすんじゃなくて、やはりきちっと立法した法務省その他に、これはいけないと言うべき義務があると思いますが、どうですか。
○愛知国務大臣 いまお尋ねの点はやはりココムの問題などに関連していると思いますけれども、これは先ほど申しましたように訴訟にもなっていることでもございますので、今後のそういう点の成り行きなども十分注視していきたいと思います。 それからもう一つは、国連憲章に違反するようなことということは、私は毛頭考えておりません。
○広沢(賢)分科員 それでは具体的に申し上げます。 この国連憲章では、すべての人は、と書いてありますが、すべての人は、人種、性、言語または宗教による差別のない、すべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び順守を非常に重要視して出しております。それからそれに基づく世界人権宣言では亡命権、これはあたりまえですね。亡命権それから追放、何人も正当な理由なくして追放されることはないという有名なことばがあります。それと、これは占領軍のときの産物ですが、出入国管理令なんというたわけた政令があるのですよ。その中で一つ例をとってみますと、政党その他の団体に所属する人はおっぽり出しちゃえというわけですが、その中に「工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又は妨げるような争議行為を勧奨する政党その他の団体」なんということが入っているのです。そういうことに抵触するとすれば、これはやはり出してしまう。そればかりじゃないのですよ。生活保護を受けていればこれはだめなんですね、貧困者は「生活上国又は地方公共団体の負担」になっている者として。いままで長いこと、戦前、帝国主義時代に連れてこられてずっと働かされてきた人たち、たとえば在日朝鮮人の人たちに対していろいろ管理令でやったわけです。今度新しく出入国管理法というのができますが、その法案の中で多くの人が危惧しているのは追放ですね。裁判上の手続がいままではちょっとあったのですが、その救済の手続をするひまもなくて追放される。それと、行ったところが、ちゃんと亡命権が認められないで、大村収容所から南朝鮮という形になると、あるいはその人が家族や何かでもって前のいろんな問題があるという人たちは、うっかりすると命の問題にもかかわる。こういう問題について法案ができているのですが、やはり世界人権宣言と国連憲章に違反する、明らかにそういうふうに認められた場合、立証された場合には、こういう法案は提出すべきではないと思うのですね、世界各国に対する信義上。これこそ孤立しないことです。信義上そういうことをすべきじゃないと考えますが、外務大臣の御意見はいかがですか。
○愛知国務大臣 出入国管理令とか管理法は、これは御承知のように法務省の所管でございますから、私から御答弁するのも適当でないかと思いますけれども、気持ちとしては、いまお述べになりましたような基本的な気持ちが大切なことである、私はかように考えております。 ただ、これはいま韓国あるいは北朝鮮のことなどにもお触れになったように思いますけれども、私どもとしては北鮮の問題等についてもしたがって人道的な立場ということで考えておるわけですけれども、同時にやはり外交関係から申しますと、関係する国々の動向や意見というものも相当にこれは取り入れていかなければならない。これがまた現実の姿でございます。現実の行政のやり方としては、その間に処してなかなか実際上はむずかしいところがあるということもよく御了察いただけると思うのでありますけれども、要するに人道的の立場、それから国交関係に基づく善隣外交というようなことが、時によると関係国の意見が違うこともございますので、その間に処してわれわれの考え方というものを十分理解させ、納得してもらうようにつとめる、これはむずかしいところでありますが、むずかしい中に処して適切な措置をとっていく、これがわが国の現在の立場ではなかろうか、こういう考えを私常日ごろ持っておりますことをあわせて申し上げておきたいと思います。
○広沢(賢)分科員 関係国と申しましたが、ほかの関係国というと具体的にはどこですか。私はおそらく韓国またはアメリカだと思うのですが、それに間違いございませんか。
○愛知国務大臣 必ずしもそれだけに限定せられないと思うのでございます。たとえば旧領土の樺太におる人たちの問題などもすぐ念頭に一つ出てくるわけです。ある程度これはある国というように限定しないで、考え方としては先ほど申しましたような考え方で善処していかなければならないと思っております。
○広沢(賢)分科員 ちょっとにおわされたからあれですが、もしかどこの国であろうとも、国連憲章で定めた、すべての人は自由にその国から立ち去ったりまたは入ったりすることができるということ、それにもし日本人が抵触を受けていたら、断固として抗議し、世界に訴えるべきだと思うのです。逆に今度は日本がよその国から要請されて、とほうもない世界人権宣言に違反しているような恥ずべきいろいろの法律をつくったり何かしなければならないとか、行為をしなければならないというときには、これもやはり断固としてはねつけなければならないと思うのです。そうしなければほんとうに世界から尊敬されるというか、孤立しないで日本がそういうふうに世界的に信用を受けることはできないと思うのです。いまおっしゃったことは、ココムの問題に返りますが、たとえば孤立しないだろうかとか、または経済的な報復を受けないだろうか、こういうことばかりの消極的な態度をとっている限りは、ほんとうに日本は尊敬されないと思うのです。たとえばココムの実際の姿が、関係諸国と相談するというけれども、実際はお互いにアメリカの顔色を見ながら、そのほかの国がお互いに足を引っぱり合っているのですよ。だからそういう点でまた出し抜くことがある。そういう激しい国際的な経済競争があるのです。したがって日本としては一、二回諸外国がびっくりするような、たとえばこの間西ドイツがいろいろやって、とうとうアメリカに説得されたいろいろの戦略物資の輸出の問題があるのですが、そういう事例がたくさんありますから、私どものほうでもいろいろ調べますけれども、政府が率先していろいろ啓蒙の役目を果たすということですね。パリで大使がやるときには、そういうように強い態度で臨むように要求して質問を終わります。
○倉成主査代理 中谷鉄也君。
○中谷分科員 次のようなことをお尋ねをいたしたいと思います。 国会の論議の中で、沖繩に関する返還の方式あるいは基地の態様等について、いろいろな角度から論議がされておりますが、国会のあらゆる答弁を通じまして、沖繩に置かれている核基地については、政府としては核基地があることを想像するというふうな答弁に相なっていると思うのです。そこで核つきであるのか核抜きであるのか、現在白紙であるということでありまするけれども、どうしても基地の態様についての腹がまえをされるためには、日米両政府間において、沖繩の核を含む基地について日本政府は確認をしなければならない。そうでなければ、核つき、核抜きについての前提がなければ判断は困難であろう、こういうふうに思います。この点について大臣いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 この点はごもっともであると思います。要するに現在は沖繩がアメリカの施政権下にあって、そしてまあ活動しておると申しましょうか、基地も自由に使用しているわけでございますが、その状況が、返還された場合に、日本及び日本を含む極東の安全ということにどういうような程度に寄与しているかということをわきまえなければ、返還後の基地の態様がどうあるかということについても意見が出てこないはずでございます。その辺のところも、実は率直に申しましてわれわれとしては資料とすべきものが十分にまだ備わっていない、こういうわけでございますので、自然また、煮詰めてどういう態様であったらいいかということを白紙以上に申し上げられないというのは、そういう点も関連しているわけでございます。
○中谷分科員 外務大臣は六月に訪米をされることを決定されました。したがいまして少なくとも訪米までには正規のルート、すなわちアメリカ政府を通じて日本政府が沖繩の核を含む基地の状態について報告を求める、そうしてそれについての確認の上に立って腹がまえをされて訪米をされるのでなければ、核があるのかないのか、あるだろうというふうなことを想像するということでは核抜き、核つきについての腹がまえは私はできないと思う。したがいまして外務大臣が御訪米になるまでには、日米のどの機関で核基地の内容、特にそれは核基地の存在場所、核兵器の威力ないしは機能、性能、これらの問題をも含めて、あるいは核弾頭の存在をも含めて確認をされるのか、されるべきだと思いますが、この点については当然のことであろうと思いまするけれども、お答えをいただきたい。
○愛知国務大臣 私が申し上げたいのは、沖繩を含んで日本全体が今後とも安全であり得る、そういう条件はどういうことであろうかということが一番必要な考え方であろうと思います。そういう考え方に立って、六月もさることながら、最終的には私の気持ちとしては、年末にさしかかるかと思いますが、総理が訪米されるときに最もよい結果を引き出し得る路線を敷いていきたい。したがって、いついっかまでにどういうことをやるということよりも、双方の基本的なものの考え方というようなものを相互に話し合っていくことがまず第一のスタートとして必要ではなかろうか、かように考えるわけでございまして、具体的に核基地がどうだ、核弾頭がどうだということをいまのところ意識してと申しますか、そういうことについて、まずおまえのほうの手のうちをさらけ出せというような行き方でいくのはいかがであろうか。そういう方法論も含めていま真剣に検討しているわけでございます。
○中谷分科員 詰めます。そうすると、要するに核抜きであるか核つきであるかという前提については、核基地が沖繩においてどのような状態にあるのかということの確認が前提であるというふうに私は何べんも申し上げました。そうすると大臣の御答弁は、結局その点については、核基地があるだろう、核弾頭がつけられているだろうということを想像する。たとえば上院における証言かくかくのごとしというふうなことで、正式なアメリカ政府の通報による確認ということを受けられない、受けるつもりがない、そういう状態の中で訪米をされる、きわめて遺憾ではありまするけれども、そういうふうにお伺いせざるを得ないのですが、いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 私は今年末のニクソン・佐藤会談と申しましょうか、そこで国民の御期待に沿うような結論が出ることが最も望ましいことであって、そのためにはどういう考え方で話し合いに入っていくのがよろしいかということをいま真剣に考えておるわけでございます。そのことは、返還後のあり方というものがどうあるべきかということが結局われわれの最も欲している姿でございますからして、そういうことを組み立てていく場合の方法論としてはいろいろあろうかと思いますが、要は返還後のありようの姿、国民の方々に最も理解されやすいような形を招来するように持っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中谷分科員 同じ質問です。沖繩に核基地があるということは公知の事実、公然の秘密、こういうことです。なお、政府もその点については、核基地があるということについては答弁をしている。ただし最後のほうでは、それは想像だと言っている。そうすると、核抜き、核つきということで国論が沸騰している、そういう状態であるにかかわらず、政府はアメリカから核基地の存在の態様について正式に報告を求める、そうして確認をする——公然の秘密になっていることが、アメリカからの正式な通報を求めるということについては明確にお答えがない。逆にいうと、そのことについては想像のままで大臣も訪米をされるということになるわけでございましょうか。
○愛知国務大臣 その点がちょっと、私のお答えが食い違っているかもしれませんので恐縮なんでありますが、私はその返還後の姿が望ましい姿に、また安心できる姿になるということについて合意を取りつけるということが一番大事な終局の目標でございますから、それに向かっての方法論等については、いろいろと方法論も含めてこれからも考えを固めてまいりたいと思っております。
○中谷分科員 次のようなことをお尋ねをいたします。 ABM体系の一環としての通信中継基地であると思われるようなものが沖繩にあるということが伝えられています。そこで大臣にお尋ねをいたしたいのは、ソビエトのアメリカに対する大陸間弾導弾に対する防御的なミサイルとしてのABM、これが沖繩にあるとするならば、私は沖繩が日本に返還をされた段階においては、核つきだとか核抜きだという論議はともかくとして、このようなABMの存在というのは安保条約の趣旨に反する、少なくともこれは撤去の対象になる、要するに日本の安全、極東条項、これらとそのようなABMは関係がないというふうに、法律的に私は理解をいたしますが、いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 情報としての、どういう戦略体制であるかということについてはいろいろの説はございますけれども、いま私の立場でこれをとかく申すべき段階ではないと思います。同時に、沖繩問題につきましては、何べんも申し上げますように、沖繩を含む日本、その日本とそれから日本を含む極東の安全というものが最高の国家の存立の条件とでも申しましょうか、それを充足して、政治的に絶対にこれでだいじょうぶだという考え方から割り出せばこうこうでいいのではなかろうかという考え方を基礎にして、これから事を運んでいけばいいのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございまして、それ以外にもどこの国とどこの国との関係がどういうふうに考えられているかということは、私としては考えないでいくべきではないかと思います。
○中谷分科員 そうじゃないのです。ABMが沖繩に設置されているという情報がある。そうすると、日本と、そうしていま一つは極東の安全。ABMはアメリカ本土を守るためのもの。だとするならば、ABMの存在というのは安保条約の目的とは無縁のものだ。だとするならば、沖繩が返還され、安保条約の適用を受けたときには、このABMについては、安保条約の目的に反するものとして、核つきだとか核抜きだとかの論議以前に、撤去さるべきものだ。法理論としてお尋ねしている。この点はいかがでしょうか。
○愛知国務大臣 これは法理論でもありましょうし、また政策論でもあろうと思いますけれども、私がいま申しましたように、安保条約、それに基つくところの日本の考え方というものは、日本及び日本を含む極東の安全というものが確保されるということであろうかと思うのです。そういう趣旨が貫徹されて、日本の絶対的な安全というものが保障されるような姿はどうしたならばいいだろうかということから割り出してわれわれの結論が出るべきものじゃなかろうか。私は、ABMがどうだとか、ABMがはたしてアメリカを守るためのソ連に対するかまえであるとかどうとかいうことは、いま私の頭の中にはございません。日本の国益としては、日本及び日本を含む極東の安全がいかにして安全を期し得るか、この一点で考えていくべきではないかと思います。
○中谷分科員 では法律論としてお尋ねします。日本及び極東の安全ということに全く関係のないもの、そのようなものとしてABMがある。とすならば、これは当然沖繩が返還をされて安保条約の適用を受けたという段階においては、ABMは撤去の対象になりますね。
○愛知国務大臣 そこはすれ違うわけなんですけれども、私は、ABMというものがどういうものであるか、あるいは沖繩にあるかないか、あるいはそれがアメリカを守るためのものであって、日本には関係ないものであるかどうかという、そういう論議は私としていまお答えはできません。私が申しますことは、日本及び沖繩をもちろん含みまして、これが従来と同じように安全が確保されておって、そして世界にも比類のないような自由を享受し得る、経済の繁栄ももたらし得る、こういう状態を最高の政治責任としてつくり上げていきたい、そういう観点から構想をまとめていきたい、こういうことになるわけでございますから、お尋ねの点とはすれ違いがあると思います。
○中谷分科員 すれ違いのないようにいたします。 そうすると、要するに日本及び極東の安全という安保条約の目的とは無縁な、そのよなものが沖繩に持ち込まれているとすれば、安保条約の適用下の沖繩に、返還された沖繩というものの中においては、そのような兵器は——ABMがそうであるかどうかは一応おきます。そのようなものは、撤去の対象になりますね。
○愛知国務大臣 私は、何べんも繰り返すようですけれども、沖繩と日本の安全が確保し得る体制をとりたい。それについてはまだ私も研究の足りないところもございますから、それから先は何とも申し上げられない、これがいわゆる白紙論でございます。
○中谷分科員 日本と極東の安全に関係のないものであるならば、そのことが外務大臣の頭の中で非常な思索をされ、研究をされ、苦慮しておられるということですから、日本と極東の安全に関係のない施設、そういうふうなものが存在するとすれば、これはすでに、もはや外務大臣としてはそのようなものについては考慮の外だ。そういうようなものだとするならば、それは将来撤去されるべきものだというふうに私は考えますが、お答えもそうだと思って、すれ違いないと思いますが、いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 そういうふうにお尋ねくだされば、前段はまさにそのとおりでございますが、方法論等につきましては、これはほんとうに重大な問題でございますから、具体的にどうこうとお答えはできません。観念論としては前段にお述べになったとおりで、私は御同感でございます。
○中谷分科員 そこで、ABMは、私が申し上げたのは、アメリカ本土を守るためのものだというふうに申し上げました。この点については外務大臣は、詳しく私は調査していないとおっしゃった。そういうことは私はないと思いますけれども、お答えはそうでした。アメリカ本土を守るためだけのABMというのは、安保条約のもとにおいて許されるのでしょうかどうか。ABMがどのような機能や作用を持っているということは別として、私がお尋ねしているようなABMであるならば、安保条約のもとにおいて存在は許されますか。
○愛知国務大臣 白紙ということを申し上げておりますのは、そういう具体的な施設とか装備とかいうものについて私はまだ意見を申し上げる段階でないという意味で白紙でございますから、お考えの筋は、つまり日本及び日本を含む極東の安全を確保するということが、私は安保条約の使命であり性格であると思いますから、そういうことで考えてまいりたい。ですから先ほど前段お尋ねの点は、考え方としては私は御同感でございます。
○中谷分科員 沖繩問題は、主として憲法の問題との関連においてかなり論議をされました。そこで私は非核三原則、それから土曜日には憲法十四条の問題として提起をされた同僚議員もおるようでありますが、憲法十三条、すなわち「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。という規定であります。そこでお尋ねをいたしたいのですが、かりに沖繩が、その態様はともかく、核つきということに相なりますならば、むしろ憲法十四条よりも憲法十二条の問題が生ずるのではないかというふうに私は考えます。すなわち、幸福という観念の反対はふしあわせ。B52墜落の恐怖、核が爆発するかもしれないというところの恐怖、さらに報復を受けるかもしれないというところの恐怖、まさにこのようなものは幸福追求の権利に対するところの重大な侵害であるというふうに考えます。十三条に違反しないのだ、単に非核三原則というかっこうで従来の国会論議はされているようでありまするけれども、憲法十三条との関係については、大臣いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 どういうふうなステータスになるかというふうなことについて考え中で、白紙でございますから、いまの設問に対しては、私お答えするのが適当じゃないと思う。なぜかと申しますと、今度の国会におきましても、憲法論あるいは法律論、条約論というものと、政策と申しますか、そういう問題とがともすると混淆して、そしていまだ白紙でありますところについても何らかの意図というものが誤り伝えられるおそれがある、かように私考えます。私は憲法学者でもございませんから、憲法についての憲法論議ということは、いま差し控えさせていただきたいと思います。
○中谷分科員 そうすると大臣は、十二条に違反をするかもしれないという可能性も含んでいるわけですね。違反をするのだとすれば、白紙などということはあり得ません。そうでございますね。白紙だとか白紙でないとか、核つきだとか、核抜きだとかいう問題は、政策の問題として総理や外務大臣の頭の中にはある。憲法問題というのはあらゆる場合を仮定してのそういう政策判断の前提となる問題なんですから、十三条については外務大臣は論議を避けるとおっしゃったけれども、十三条の違反になる場合だってあり得るのだということも含めて、にもかかわらず核つきの場合だってあるのだというようなことは非常におかしいと思う。法制局、いかがでしょう。
○愛知国務大臣 憲法十三条の解釈ということにつきましても、私はいろいろの解釈があり得るのじゃないかと思います。したがいまして、そういうことと結びつけて、いま問題になっておりますものは沖繩の基地の問題でございますから、私は私なりに憲法十三条の解釈論を持っておりますけれども、それをいま申し上げることは、ただいまお尋ねになりましたように、それならおまえはこうする気持ちを持っているかということに触れますから、たいへんかたくななようでございますけれども、あえて憲法論議は差し控えさしていただいて、こういう問題はひとつ政府としては法制局が憲法を担当いたしておりますから、そのほうから説明をさせていただきたいと思います。
○中谷分科員 質問には私はやはり率直にお答えをいただきたいと思うのです。非核三原則については、憲法上の問題として予算委員会以来論議をしましたですね。岸内閣以来これは論議をしていることになっているのです。いま九条の問題として問題がある。しかし十三条の問題というのも私は重大だと思う。九条の問題が論議されて、十三条の問題が論議されないというのはおかしいと思うのです。しかし一応法制局の御見解を承ります。
○真田政府委員 お答え申し上げます。 十三条のことについてお尋ねでございますが、日本国憲法は御承知のとおり基本的人権の保障を一つの大きな柱としてつくられております。第十三条は、結局その基本的人権の保障の理念的な裏打ちといいますか前提といたしまして、国政の上において公共の福祉に反しない限り基本的人権は大いに保障されなければならないということを規定しているわけでございまして、事は沖繩の基地の態様に限る問題ではございません。この条文にありますように、公共の福祉に反する場合には、基本的人権の尊重もある程度引っ込まなければいけないということになっておりますので、公共の福祉とのかね合いにおいて事は処理されなければならないものだと存じます。国の安全を保つということは公共の福祉の最たるものであろうかと存じますので、沖繩の基地の態様をどうするかということはもちろんでございますが、すべての国政において、早い話が、日米安全保障条約というようなものを締結することそれ自体についても、すでに公共の福祉とのかね合いにおいて国民の基本的人権の、つまり幸福追求、生命、自由を追求する権利の保障は考えなければいけない問題だろうと思います。
○中谷分科員 じゃ、質問をこういうふうに私のほうからいたしましょう。そうすると、要するにこういうことですね。基本的人権という最高の原理、国家の安全あるいは公共の福祉という、これまたきわめて重大な柱、この二つのかね合いの中において、法律論としては、場合によって、基地の態様によっては十三条違反の場合があり得る、ある場合には基本的人権の制約はあるけれども、十三条違反でない場合もあり得る。それは具体的にきまってこなければよくわからないけれども、しかし十三条問題というのは、法制局見解によれば、核つきの内容によっては憲法違反の場合が生じてくるというふうにお伺いしてよろしいのでしょうか、どうか。 それから、大臣に私は次のようなことをお尋ねいたします。十四条の関係において、沖繩が返還された中で、刑事特別法の改正だとか、あるいは軍労働者に対する特別な取り扱いなどというふうなことは、これは憲法十四条に反して、そういうことは絶対にあり得ませんね。また沖繩が返還されたということによって、刑事特別法を改正したり機密保護法を制定したりというふうなこともあり得ないとお伺いしてよろしいかどうか。
○愛知国務大臣 その全体の考え方としまして、私は憲法論議を避けさしていただきたいと申しましたけれども、沖繩が返還されれば、これは日本になるわけでございますから、これはそれこそ何らか特別のことでもやらない限りは憲法は施行されるということは当然でございますね。そしてそれから、そうしますると法制その他も、いわゆる本土並みになりますね。そういうふうにするのが望ましい、こういうふうに考えております。
○中谷分科員 この点はひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。望ましいという、願望ではないわけなんです。要するに返還された沖繩、それは軍労働者の取り扱いにしろ、それから刑事特別法の問題にしろ、あらゆる問題について本土と全く変わらない。 あともう一つの質問は、沖繩が返還されたことを理由とする刑事特別法の改正だとか、機密保護法の制定などというふうなことはありませんね。 二つお尋ねをしたわけです。
○愛知国務大臣 前提を申し上げますと、お気にさわるかと思いますけれども、やはり正確に申し上げておいたほうがいいと思いますが、特別の定めをしない限りは、沖繩返還になれば、憲法も安保条約もその他の法制も全部適用されることは、これは自然の成り行きでございます。具体的な例をおあげになりましたが、駐留軍労務者を規制する法制なども本土と同様になるのが自然の形でありますし、それからよけいなことを申すようでありますが、現在、問題のいわゆる総合労働布令なども、私はよく言っておりますけれども、ほんとうにこれは施政権返還さえできれば、こういう関係はいわゆる間接雇用関係になりますし、日本と同じ法制になるのだから、よほどこれは沖繩の方々も御安心になっていただけるのではないだろうか、その観点からも早期返還が望ましいということを私は公式にも言ったことがございますが、そういうことによって、私の考え方というものは御想像いただきたいと思います。 それから、そのほかの法律問題等につきましては、沖繩との関係において考えるべきものじゃなくて、それはあるいはそういう法律は、世の中の移り変わりによって世論が支持するような時期にもあるいはなるかもしれませんね、仮定の問題ですが。そういうことから取り上げるべきときがあったら取り上げるべきものであって、これと沖繩返還問題とは別に考えてしかるべきではないか、こういうふうに考えます。
○真田政府委員 憲法第十三条に関連する先ほどの御質問にお答え申し上げます。 仮定の問題といたしまして、かりに沖繩に核つきの基地が残されるようなことになった場合に憲法第十三条に違反するのではないかという御趣旨の御質問であったと存じますが、それは一がいには申し上げられない。先ほど申しましたように、公共の福祉との兼ね合いにおいて十三条違反であるかどうかということはきめられるわけでございますので、一がいには申し上げられない。先ほども申し上げましたように、十三条の適用関係は、事沖繩に関する基地の問題に限っているわけではございませんので、国政万般について常に問題となり得るということが言えるわけでございまして、早い話が、現在の国内の基地のあり方、刑事特別法なら刑事特別法の内容につきましても、それが公共の福祉を越えて国民の権利を制限するというような面がかりにあるとすれば、やはり憲法十三条が問題になってしかるべきであると考えます。
○中谷分科員 最後に一問だけ。じゃ一がいに申し上げられないという御答弁は、要するに憲法十三条をめぐっての憲法問題が生じ得るということがあり得る。逆にいうと、いろいろな態様の中において、憲法十三条の憲法問題が、ある場合には核つきという基地の態様のもとにおいてはあり得る。十四条においてもしかり。憲法問題としては単に非核三原則を中心とする九条問題だけではないのだというふうにお伺いしてよろしいのですね。一がいにということは、逆にいうと憲法問題になり得る。これはお互いに法律家ですからよくわかります。そういう趣旨に法制局としてはお答えいただいたわけですね。
○真田政府委員 憲法問題が全然関係がないというわけではないという意味において、おっしゃるとおりでございます。
○中谷分科員 終わります。
○倉成主査代理 西風勲君。
○西風分科員 B52が沖繩に常駐してから、もうどのくらいの期間たっておりますか。
○東郷政府委員 昨年の一月の終わりでございましたから、一年をようやくこえようとしているわけでございます。
○西風分科員 これだけ長い間にわたってB52が沖繩に駐在しているということは、これは常駐ではないということで、日米両国政府の間でたびたび何かそういう確認のようなことが行なわれておりますけれども、一年にわたって常駐し、しかもこれからさきも短い時間の間にこれが撤去されるということがない現状の中では、これはやはり依然として常駐している、常駐する方針であるというふうに見るのが適当ではないかと思うのですけれども、その点どうですか。
○愛知国務大臣 この点は、一年以上になりましたから、そういう御説が出てくるのもごもっともだと思いますし、それから沖繩の県民の人たちの気持ちになれば、どういう気持ちでこれを受けているか、これを考えますと、私もますます心痛の至りでございまして、この件につきましては、ほんとうに誠意をもって機会あるごとに苦衷を訴えているわけでございまして、すみやかにこの事態が終息されることを期待しつつ、さらに執拗に粘り強くやってまいりたいと思っております。
○西風分科員 伝えられるところによりますと、六月ないし七月にタイに新しい基地ができて、その基地にB52が移駐するというようなうわさがあるわけですけれども、これは政府の間で確認された情報かどうかお尋ねしたい。
○愛知国務大臣 実はこの点につきましては、午前中もお答えいたしましたですが、政府間の正式のルートでまだ確認はされておらないのでございます。この点はたいへん残念に思っております。私はそういうふうな報道や情報が流れておりますが、そのことが真実であることを望んでいる気持ちにおいては、もう何といっても望んでいる気持ちは万々でございますが、政府間で確認するところまで参っておりません。
○西風分科員 この間日本を訪問しました共和党の副院内総務であるスコットという議員がアメリカへ帰って報告している中で、B52の問題については、ベトナム戦争に関する明確な終結の状況が生まれてこない限り、沖繩におけるB52の移駐というようなことはあり得ない、こういうことを言っておるわけですね。アメリカの軍部もそうですし、いままでアメリカで発言されているさまざまな情報を総合しますと、なかなか短い時間の間にこれが撤去されるというように思えないわけですね。いままで政府は、沖繩県民の要求のみならず、日本国民の要求によってB52をすみやかに沖繩から撤去してもらいたいという交渉を続けてきたわけですね。続けてきたとしたらどういう期間で、どういう話し合いが行なわれたか、この際明らかにしていただきたい。
○愛知国務大臣 これらの中には日時も当事者もはっきりした報道もされておりますし、またそれ以外のものもございますけれども、私自身といたしましても、昨年十一月就任以来さっそくこの問題は取り上げています。これは当時の駐日米大使、いまの国務次官のジョンソン氏との間でございます。それから、そのほかいろいろございますが、先ほど申しましたように、おりあるごとにこの件については努力を新たにいたしております。それから一方アメリカにおきましても、駐米大使から米政府に対しましてもしばしば本件を議題に供しておる、これが事実でございます。
○西風分科員 政府としては、一定の目標を置いて、この時期までに撤去してもらいたいというような具体的な交渉はしていないわけですね。
○愛知国務大臣 そうおっしゃられるとたいへん情けなく思うのでございますけれども、なるべくすみやかに、できるだけすみやかにということがわれわれの要請の中にございます。
○西風分科員 この際、外務大臣並びに外務省当局の指導的な幹部の皆さんに申し上げたいのですけれども、屋良主席があれだけの重要な決意を込めて、しっかりした感覚でもなかったのに、この際日米関係の問題を解決していく上で政府の努力に期待するということで、身を挺してあのゼネストを回避するために努力したわけですね。まさに屋良主席は政治生命をかけてゼネストを回避したわけです。屋良さんがこれから沖繩でさまざまな行政をやっていく上で、困難も覚悟の上で、一人悪役を買って沖繩県民の未来のためにということでゼネスト回避に努力したわけであります。この屋良さんがやった誠意に対して、政府はやっぱり具体的な形でこれに報いなければたいへんな状況が起こると思うのです。したがって、いまからでもおそくないわけですから、一定の時期をきめて、いま伝えられているところによりますと、六、七月ですか、六、七月を具体的な目標にして会談を重ね、話し合いを重ねてこの問題を早急に解決する、これをめどにして解決するという約束をすることはできませんか。
○愛知国務大臣 私といたしましては、そういう決意で大いに努力を新たにいたしたいと思っております。
○西風分科員 そういう、決意を新たにするということを言ってほしいと言っておるわけじゃないです。六月ないし七月をめどにして、もっと正規な外交ルートにおける話し合いを強めることができないか、その具体的な日程を詰めてやっていただくことができないかどうかということをお尋ねしているわけですね。慎重に考えていただかなければいかぬと思うのです。この間のゼネストはああいう形で回避されましたけれども、B52が依然として長期にわたって撤去されないということになりますと、再び撤去を求める住民運動が起こります。また、事故が再び起こらぬという保証はどこにもないわけですから、事故が起こる可能性もあるわけです。さまざまなトラブルが起こる可能性があるわけです。そうなりますと、この間計画されたゼネストよりももっと大きなゼネストが計画される可能性もありますし、屋良政権を乗り越えて、収拾のつかない米軍との間の紛争、基地内のさまざまなトラブルということが十分に予想されるわけです。あなた方の言うルートに従って日米友好ということを考えるにしても、この際アメリカに強い姿勢でB52の撤去を要求することは、あなた方がとっておる外交路線の上からも当然のことではないかというふうに考えるわけです。したがって重ねてお伺いしますけれども、六月ないし七月をめどにして撤去を目ざす強力な交渉をする意思があるかどうかということをお尋ねしたいと思う。
○愛知国務大臣 あとう限り強力な要請をいたしたいということは先ほど来申し上げておるのでございますし、もうこれは先ほど申しましたように全力をあげて要請に現につとめつつあるわけでございます。なるべくすみやかにということが目標であります。
○西風分科員 あなたはだれに気がねをしてB52撤去のめどを明らかにすることができないのですか。当然じゃないですか。やはりあなたが一定のめどをつけて、そのめどに従って対米交渉をやらなければ、できたらのけてもらいたい、あなたのほうの都合がついたら何とかしてもらいたいというようなことでは、まだ一、二年解決しませんよ。解決しないだけではなくて、新しいトラブルが起こって、政府がさらに重要な立場に立たされることが予想されておるわけです。しつこいようですがもう一ぺんお尋ねしますが、六月ないし七月、時間を限定してこの問題について積極的な交渉をする意思があるかないかを、もう一度お尋ねしたいと思う。
○愛知国務大臣 いまお答え申しましたように、私は、その時期のめど云々でやるのも交渉の一つだと思いますけれども、これは前々から私どもとしても全力をあげてやっておりますので、ほんとうになるべくすみやかな時期にやってもらう、その成果があがることを期待して今後とも執拗に要請を続ける。それから仰せになることは全くごもっともでありまして、沖繩の現地の情勢から申しましてもこれはたいへんなことになる可能性がないではない。そのことは常に念頭に置いておりますから、だれにも気がねどころではございません。私は午前中に申しましたけれども、こうした種類の問題につきましては沖繩県の人たちの気持ちをわが気持ちとしていままでも行なってまいりましたが、なかなか成果があがらなかった。要するに気持ちを新たにしてというか、ますます努力を重ねていくほかにはないと思います。
○西風分科員 これ以上言ってもあなたは同じことを言うでしょうけれども、やはりこの際決意をきめてこの問題を処理していただきたいと思う。 そこで次の問題ですけれども、この間外務省にオズボーン駐日代理大使が来て、佐藤総理大臣や外務大臣が国会で沖繩問題について答弁しておることは、どういうことを答弁しておるのか私どもによくわかりませんということで外務省に事情聴取に訪れたということを新聞が報じております。さらに各国の外国の特派員が沖繩問題について国会における討論を聞いて、特に政府の答弁を聞いていて、一体沖繩問題について日本の政府はどうしようとしておるのかさっぱりわからないということを異口同音に言っておるというように伝えられておるわけですね。しかも国会の討論はいわば空中戦のような、空転した討論になっておる。同じ問題が何回も討論されておる状況になっておる。これは新聞によれば、不勉強だからそうなっているそうですけれども、そういう一面ももちろんあるかもしれないけれども、政府が返還の問題について論点を明らかにして、ナショナルコンセンサスを引き出すような、積極的なかまえをとらないから、こういう空中戦が、空虚な議論が行なわれるわけです。もう沖繩問題に関する政府の態度というのは、はっきり二つに一つですね。一つは現状のままでいく。もう一つは有事の際に核を自由に持ち込ませる。これは外務省でいま検討していると伝えられている事前協議、一応安保条約のワクの中に入れて、事前協議というワクは設けるけれども、しかし実際は現在のような極東の緊張状況が続く限り、アメリカが言ってくれば全部承認する。まあ事実上は安保条約という法のたてまえはとるかもしれぬけれども、有事自由使用というような内容になっているわけです。したがって、この二つのうちどちらかを、いま政府はとろうとしているというように私どもは見るわけですけれども、そうではないわけですか。
○愛知国務大臣 まず第一に、別に釈明する必要もございませんけれども、オズボーン臨時代理大使とはいろいろな問題について随時接触をし、私も話し合っておりますし、また外務省の当局者も話し合う機会を持っております。彼の申しましたことは、彼から言えば、こういうことを言ったと——新聞でいろいろ沖繩問題を見てみると、新聞の取り上げ方によってかなり違った意見があるように受け取られてわからない、こう川島副総裁に会いましたときに、たまたま雑談的にそういう話を申し上げたのであって、特に政府の説明がわからないということは言っておりませんでしたから、その点はひとつお含みおきいただきたいということを、特に申しておりましたから、念のため申し上げておきます。 それから、いま二つにお分けになって、そのいずれかと言われましたが、これはもうたいへんかたくなな御答弁でおしかりを受けることを予想しながら申し上げますが、総理大臣がはっきり申し上げておりますように、当初から二者択一というようなことを考えているわけではない。総理のことばをもってすれば、ほんとうにこれはいろいろな点からいろいろな問題を考えておるのであって、現在のところは白紙であるという、これがほんとうに総理の心境であり、また私もそうでございます。外務省といたしましても、それはいろいろなことを常日ごろ熱心に勉強しておりますけれども、私の方針として、まだ指示したことはございません。
○西風分科員 去年の夏から外務省では、先ほど私が一部申し上げましたように、事前協議の除外措置、内容的にですね。そういうことで、沖繩との間に交換公文をかわすための案をつくっている、佐藤総理大臣にたびたびその線に従がって進言している、作業も続けているというお話ですけれども、そういうことは事実かどうか。作業を続けているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいま私が申しましたように、私がこういう方向でという指示はまだいたしておりません。それから、私の承知しておる限り、しばしば外務省から総理に進言しているということの事実は、私は承知しておりませんが、何でございましたら、事務当局からも御答弁いたさせます。
○東郷政府委員 特定の案を持って総理大臣に進言を申し上げているということはございません。
○西風分科員 いま白紙といいましても、当初言われていた白紙からいいますと、相当狭まってきているわけですね。白紙の内容そのものが、白紙、白紙だと言いながら、いままで一定の世論操作をやって、かなり煮詰まってきているわけです。すでに、もはやこの段階で従来のような白紙論に固執して政府が態度を改めないということになりますと、まあことばが過ぎるかもわかりませんけれども、これは沖繩返還問題における一種の利敵行為だと思う。ニクソン大統領は、沖繩問題については、白紙だと言っております。しかし問題は、われわれが考えているような、これは社会党とか何党とかいう特定の党ではなくて、沖繩県民が考えている立場で沖繩問題を解決しようとする場合には、アメリカの世論がかなり変化させられる。特にアメリカのペンタゴンを中心とした、ベトナム戦争が終わったって朝鮮の危機があるということ、パキスタンで何か起これば、これは中国が何かしたと、さまざまな理由をつけて極東におけるごく部分的な小さな事件でも、これは緊張激化要因に使われる。したがって、そうしたアメリカのペンタゴンを中心とした軍事的な意見、そういう意見を押えるような積極的なアメリカに対する、ある場合には政府に働きかけ、ある場合には国会に働きかけ、ある場合にはアメリカの民間に働きかけるというような積極的な態度を持って、私たちは沖繩問題における対米交渉に当たらなければ、これはなかなか沖繩県民を犠牲にしない、差別をしない返還は困難なんです。そういう点で政府はこの際、沖繩問題について態度を明らかにして、むしろ日本の国論を統一するだけではなくて、アメリカの世論にさえ訴えることのできるような積極的な案といいますか、積極的なかまえと申しますか、アメリカのペンタゴンを黙らすことのできる、大きなアメリカの世論の圧力で沖繩県民の要求が通るような、そうした積極的な外交行動をやる意思があるかどうかですね。そういう考え方に立ってものごとを考える御意思があるかどうか、この際、お伺いしたいと思うのです。
○愛知国務大臣 たとえば今年になりましてからも、日米間のいろいろの接触の機会があり、またそうしたことがいろいろの意味で日本にとりましても有益なこともあり、また非常に困難性を予想されるものもございますが、こういったようないろいろの接触があるということは、私は今後外交折衝をいよいよ始めるようになります場合を想定いたしますと、いろいろの意味で、これはたいへん有益であると考えております。これも総理のことばを引用するわけではございませんが、国民の理解、支援なくしては、こういう大問題の処理はできません。それだけ大きな問題でありますだけに、今年の末ごろと予想される、まあ十一月以降を予想しておりますけれども、ひとつ最高首脳会談において実りのある成果をあげるような考え方で、まだある程度の日数もございますから、ただいま仰せになりましたようなことも十分私どもとしては胸に入れまして、この交渉というか、この問題の解決に当たりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○西風分科員 国民の支援が必要だといったって、政府が沖繩問題に対して基本的にどういう姿勢をとるのか、具体的にどう解決させようとしているのかわからないのに、国民が支援のしようがないわけですから、明らかにすることをこの際、要求しておきたいと思うのです。 そこで六月二日に外務大臣がアメリカを訪問しまして、それ以後日米経済貿易合同委員会ですか、などで閣僚間のさまざまの形の折衝を行なう。十一月に佐藤総理大臣が訪米して、沖繩問題について具体的な取りきめを結ぶ交渉ですか、そういうことになっているのですけれども、これらのプログラムを通じて年内に返還のめどが明らかになるというふうに考えていいわけですか。
○愛知国務大臣 先ほど来申しておりますように、十一月末と一応予定をされております会談でもって、本件の実りのある結末をつけたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○西風分科員 実りのある結末というのは、めどがつくということですね。
○愛知国務大臣 それはそういう方向で努力をするということではないかと思います。これは交渉事でございますから……。
○西風分科員 いままで、これも伝えられているところによれば、沖繩の返還は七二年に行なわれるというのが、これもまた何か常識のような形になって出ているわけです。時間がありませんから、詳しいことは言いませんけれども、七二年には、アメリカの全体の戦略体制というようなものから見ても、メースBを取り除くことができるし、沖繩を兵たん基地にしなくても、輸送もその他も七二年には完成して、アメリカが七二年にはおそくとも沖繩を返還することができるというように伝えられているわけですけれども、大体そういう見方をしていいわけですか。
○愛知国務大臣 そういう時期等につきまして、政府筋から申したことはまだございません。
○西風分科員 このときには、外務大臣は大臣になられてすぐの委員会で、外務委員会でしたか、予算委員会でしたか、ワンパッケージで基地の問題と返還の問題については、一つの問題として解決するというような公式な答弁があったわけですけれども、現在もそういう形で解決するというように理解していいわけですか。
○愛知国務大臣 話し合いの形がどうなるかということは別問題といたしまして、それは将来の問題であり、双方の態度にかかわるわけでございますけれども、やはり返還の問題ということで論ずる限りにおきましては、基地の態様その他のことについても考え方を整理し、合議をしていかなければならないのが、私は自然の姿であろうと思うわけでございます。そういう意味で申しましたことは、いまも変わりはございません。
○西風分科員 パリでベトナム戦争の和平会談が行なわれているわけですけれども、この和平会談が成功したら、沖繩問題は非常に有利な状況の中で早い時期に解決されるというように見ていいわけですか。
○愛知国務大臣 かねがね申しておりますように、国際情勢、世論あるいは科学技術の進歩というような、大別すれば三つの条件が今後どういうふうに変わるであろうかということはかねがね政府が言っておりますことですが、私は、その国際情勢の中の大きな一つの要素ではあろうと思っております。
○西風分科員 先ほど申したスコット議員は、ベトナム戦争が終わっても、中国の問題が解決しない限り、極東の問題について安心した状態とはいえないということを言っております。一部の日本人は、中国は日本を侵略することがないだろうというように考えておるけれども、これはとんでもない間違いであるということも言っているわけです。そうなりますと、ベトナム戦争が終結しようが、しまいが、再び中国の新しい緊張状態というようなものが持ち出されて、沖繩の返還がおくれるという、われわれの望ましくない方向が出てくることが予想されるわけですけれども、そういうことはないわけですね。
○愛知国務大臣 これは、今後の国際情勢の転換でございます。そういう点につきましても、われわれの十分な情勢分析が必要でございます。またいろいろの接触の機会に、アメリカ側のものの見方というものも、私どもとしては聞いていなければならない。理解できるものもあるでしょうし、理解できないものもあろうかと思います。
○西風分科員 結局、何べん聞いても、何にも明らかにならないわけです。これでは国会が国民の前に事実を明らかにして、世論を結集するといったって、ナショナルコンセンサスをつくり出すといったって、つくり出す方法がないわけです。B52はいつ撤去するのか、わかりませんが、努力しますと言う。現に一年有半常駐して、まだ依然としていつ撤去できるのかわからない、あるいは基地の態様について、あるいはアメリカとの折衝について年内にめどがあるのかといっても、そういうふうに努力しますけれども、やってみなければわからぬと言う。アジアの情勢というものはどういうように見るのか、ベトナム戦争が終わったらいいのか、中国の問題がまた出されてくるのではないか、国際問題というものについては、起こってくる情勢について、部分的な反応をするだけではなしに、三年間なら三年間の関際情勢について、冷徹な見通しを立てるのが外務省の仕事です。これからのアメリカ、ソ連あるいは中国あるいはヨーロッパ、アジアというものを見渡して、国際情勢を動かす原理は何か、その原理を中心にして国際情勢がどう動くのかということを科学的に洞察するのが外務省の仕事です。聞かれたときに、それは情勢が出たときにお答えします、情勢が出たときに考えますというのなら、外務省なんか必要ないわけです。そういう点で、もっと外務省が——持っているのでしょうけれども、言わぬだけでしょうけれども、もっと否定的な材料、肯定的な材料、さまざまな材料を出して、国会の中でほんとうに討論させるということを通して、沖繩問題なんかについては、野与党の間にイデオロギー的な差があろうとも、沖繩返還という一点において全部が集約できる、沖繩の県民と一緒になって対米交渉ができるというような状況をつくり出すために、あなた方は、もっと積極的な手段を講じてもらわなければいかぬと思うのです。 最後に、そういう点に関する外務大臣の決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○愛知国務大臣 ほかのことは、ともかくといたしまして、沖繩問題につきましては、先ほどちょっと申しましたように、いずれだんだんと煮詰めまして、そして国民の支持を得るようにつとめていきたい。要するに、まだ時間的に一方的に早計にきめるのには——やはりものごとにはタイミングというものもあろうと思います。私は、責任を感ずるがゆえに、これはもう真剣にやっていかなければならないと思いますので、ただいまのところ、あるいは御満足のいかないような答弁で、申しわけございませんけれども、いずれいま少し時間をかしていただきまして、十分真剣に検討していきたいと思います。
○西風分科員 終わります。
○倉成主査代理 田原春次君。
○田原分科員 外交論議については、若手の人がやっておりますので、私は、予算と人事に関するじみな問題について質問したいと思います。 外務大臣の愛知揆一君、外務政務次官の田中六助君、官房長の齊藤鎮男君とは、私は、それぞれ友人であり、またそのポストについて活躍されることを期待する者の一人として申し上げます。 第一点は、語学別駐在の制度、これをキャリアのある外交官にやらせたらどうかということであります。いまのチェコスロバキアの東京大使のフリドリチカは、日本語が非常にうまいのでありますが、彼は一度書記官のときに日本に来て、日本語をやって、それから本国に帰って、今度は参事官で日本にまたやって来て、それから本国に帰って、今度は大使で日本に来ております。それからソビエトの公使で、この間やめたロギノフ、彼は書記官で日本に来て、数年やり、また参事官で来て、次は公使で来て、いまはソビエトの外務省の日本課長をやっている。それからタス通信あるいはユーゴスラビアのボルバ東京支局長などに聞きましても、日本に赴任するとなると、その前の三年間日本語を専門に勉強してくるそうです。こういうふうに特定の国、アジアの小さな国だけを目標に、ほんとうに文字どおりキャリア外交で、書記官となり、参事官となり、大使となっている。しかるに、日本は間に合わせ人事だと私は言いたい。これから先、あなた方はそうやるかどうかわからぬけれども、たとえば私の友人で、戦争前にシベリアで総領事をやっておった。それでロシヤ語が非常にうまくて、チェコにおったときには、チトーからほめられたというくらいだった。それが南米のベネズエラの大使で行った。これはスペイン語ですよ。それでもんもんとして約二カ年間で大使を退任しました。それからいま一人、名前を言うと差しさわりがあるかと思いますから言いませんが、モスクワの大使で、私が行ったときに英語で話をしているんですね。モスクワが英語を好むわけはありませんよ。だから、ロシヤ語をやった者を、それぞれ訓練して大使にしたらよろしい。そこの参事官も、モスクワで私がある事故を起こしたから、電話をかけて聞いたら、私はドイツ語ですから、ロシヤ語はできませんと言ってござる。それでもけっこうつとまるということは、何もせぬということです。外交官という者は、相手がエチオピアであろうと、あるいはナインエリアであろうと——これはエチオピアとかナイジェリアはフランス語ですから、フランス語ができれば一応間に合いますから、たとえばポーランド、たとえばルーマニア、たとえばユーゴスラビアあるいはスエーデン、こういうところに行く者は語学別じゃないのです。東大を出て外交官試験を通っていまおまえは公使だからこの次は大使だというふうに、順繰り人事なんだ。これではほんとうの外交はできぬと私は思う。また事実明治、大正、昭和を通じて、そういっては失礼かもしれないけれども、秀才はたくさん出ておりますが、どういう大きな外交をやったか、事務的な処理をしておりますけれども、二年もおればまた本国へ帰るからというので、可もなく不可もなく帰任をするという例が多い。そしてどこかの大使になると今度は定年で退職だ。たまたまあなたは、官僚ではあるけれども外務省はしろうとだからまた大いに期待しておりますが、あなたの在職中に語学別駐在制度というか適当なことばはありませんが、たとえばノルウェーならばノルウェーの官補から帰ってきてノルウェー担当課をやって、その次にまたノルウェーの書記官をやって、その次に参事官、大使をやるようにしてもらいたい。こういう任命方法については別に法律、規則があるわけではなくて外務省の慣行でやっておるのだから、これに対して大臣はどう考えを持っておるか、また田中政務次官はどう考えるか、それから齋藤官房長は実際人事を扱うのだから、これからどういうふうに処理しようとするか、私はそれぞれ意見を聞きたい。その上でまた質問をいたします。
○愛知国務大臣 まず第一に私からお答えをいたします。 私も、ただいまおことばをいただきましたように外務省の仕事を受け持つのは初めてでございます。実はただいま話がございましたが、特に戦後、最近になってからではないかと思いますが、たとえば東京に駐在しておる各国公館の連中は実に日本語がうまい。またその数が非常にふえました。これは私も大いに他山の石として学ばなければならぬ。ただいま御意見をいただきましたようなこと、一朝一夕にできないかもしれませんが、せめて私が在任中に、その基礎になるような軌道だけでもつくりたいものだ、こういうふうに考えておるわけでございます。たいへん貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。ぜひそういう線を推進してまいりたいと思います。
○田中(六)政府委員 田原先生の御説、ごもっともな説でございまして、私も外務政務次官はもちろん初めてでございますが、将来外務大臣になったらこうしょうという案をいま非常に勉強しておりまして、鋭意勉強中でございますが、語学練習生の語学別の人事配置というものは行なわれていないと思います。ただ、いまのノルウェーかどこかの大使になっておる島内さんが非常に英語がうまくて、ノンキャリアでそういうところに行った。これは一つのいい例で、そういうふうに語学がうまくてキャリアでなければ出世しないというような体制はぜひとも、将来私、特に外務大臣になったら打破してやろうというような気持ちを持っておるわけでございます。そういうように待遇をよくすれば結局張り合いがあるし、非常にいい循環で将来人事配置ができるのじゃないかというふうに思っております。ぜひともそういう面を実現したいというふうに思います。
○齋藤(鎭)政府委員 御指摘でございますので、事務的な責任者として申し上げますが、現在特殊語学を専攻している者が省員の約一割ございます。そのうちで大使をやっております者が三名ございます。この特殊語学と申しますときには、英語、ドイツ語、フランス語を除きましてそのほかの語学のものを称しております。それから総領事九名、領事六名、計十八名でございます。 私たちとしてはできるだけ先生のような御趣旨のことをいたしたいと思っておりますが、そういう方針を戦後立てまして、たとえばアラビア語のごとき、従来キャリアにもっていかないものをキャリアでとりまして養成をしております。その実を結ぶのが、まだその日を見ないということで、ややおくれておりますが、そういう方向にぜひ進めたいと思っております。
○田原分科員 三人とも大体誠意あるようでありますが、実行力があるか熱意があるかということが問題なんであります。私は外務委員を長年やっておりますが、いつでも臨時にやりますが、どうか——大体この内閣は一年半で野たれ死にするのではないかといわれております。途中で倒れるかもしれませんが、そうしますと、愛知さんがあんなに約束しても実行されずに終わるということになるから、いいことは直ちに検討を命ずる。そうしていい前例は残すとしても、すべて前例にとらわれず、いま言うたような語学の才能のある者を生かすというようにやってもらいたいと思います。 第二点、これは現地雇用員の待遇改善の問題であります。私は過去四十五年間に世界を三十三回回っております。行かぬところは北極だけで、北極には着陸するところがないから行かないのであります。南極には行っております。中近東、アフリカ、あるいはニューギニアあたり一年半もおったのであります。ニューギニアには日本の外交機関がないからいいのでありますけれども、各地の外交機関で出先の人を使います。これはことばの関係が主としてある。ところが実に待遇が悪い。不安定であります。中近東もそうですし、ソ連圏もそうです。中南米もそうです。東南アジアもそうです。それで悪いことにはキャリア外交官といった二等書記官、官補くらいがいばるのですね。これは秀才を鼻にかけて現地雇用員をまるで人間扱いしない。けんかをするわけにいかぬ。けんかをすればおまえやめろということになる。そういうもんもんのうちに過ごしておるのがたくさんあります。名前はきょうはあげません。全部といっても間違いない。したがって、ほんとうにいい外交をやるとすれば——英独仏語のできるのはおりますね。ロシア語のできるのもおります。またいま齊藤官房長の言うように、中南米、ボリビア——ボリビアでは英語、スペイン語のできる者を特任大使としている前例もあります。アジア、アフリカ等では二年もおると、もう内地恋しやで外交どころの騒ぎではない。冷房の部屋におって日本に帰る日を待っておる。そういうことではだめなのです。やはり野口英世博士が現地でなくなったくらいに、任地がアフリカとなったらアフリカで一生やるというくらいな腹でなくちゃいかぬ。それには、現地雇用員は語学が達者です。二世もおりますが、主としてその国の人です。身分の低い雇用員だからといって、おいくつをみがけというようなかっこうではやはりいかぬと思う。中南米もたくさん例がありますが、方々から、私も現実に知っているし、陳情も受けておりますが、きょうはやめておきます。 一般論として申し上げますが、今度外務委員会で在外職員の待遇改善の問題が出てそれによって上がるから、ある程度の金額については認めていいと思うのだけれども、それには昔からの現地嘱託から、雇用員みたいな現地人の自動車の運転手から、電話の交換手から、受付なんかの者をもっと親切に扱わなければいかぬと思う。そうして日本を尊敬するようにさせなければいかぬと思う。それでなければ外交がどこかでやはり行き詰まると思う。それに対する約束を、これも愛知外務大臣、田中外務政務次官、齊藤官房長、それぞれ明確にしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 これもまことにごもっともな御提言でございまして、私は何とかひとつ努力して軌道を敷きたいと思います。今回お願いしております給与改善においても若干は現地採用の人たちにも配意をいたしたところもあると思いますけれども、いまのお話のようでは、そういうことではとても足りない、あるいはそのほかにもいろいろくふうがあろうかと思います。これもいまお話しのように、一年半とか何とか短い期間であれば、その考え方の軌道を敷くことにひとつ私は努力をいたしたいと思います。
○田中(六)政府委員 わが国の国際的な地位の向上、それからそれに伴ってどうしても在外公館の館員あるいは人員の整備あるいは館員の待遇も、当然これを優遇して、いい外交、いい国威の発揚ということをしなければなりません。したがって給与の面でも十分考えなくちゃいかぬと思います。在外公館の館員の給与アップについては、現在提出しております四十四年度予算におきましても大体六・一%くらい在外公館における現地補助員の増加の人員についてのアップを予定しておりますし、その点もよろしくお願いいたします。
○齋藤(鎭)政府委員 ただいま大臣、政務次官よりお話がありましたことは、すでにわれわれといたしましても数年来同じように考えておりまして、この点はここにもおられますけれども、大蔵当局も非常に同情がございます。特に最近、本定員の増加が非常にむずかしいために、現地要員に依存する度合いが非常に多くなりました。ただいま政務次官から、人数が三十六名、それから全体として費用が六・一%アップの御説明がございましたけれども、これを前年度に比較しますと、四十三年度においては二十五名、今年度は三十六名をお認め願っておりますけれども、二十五名でございます。またアップの率も先般は五%でございましたが、今度は六・一%ということになっております。なお、この現地要員の性格上、そういうものに重点を置いておりますけれども、現地の状況に従いまして、社会保障費をある程度負担するとか、オーバータイムの問題とかいろいろの優遇措置を講ずることも多くなっておりますし、今後も同様に考えていきたいと思っております。
○田原分科員 わずかのスズメの涙ほどの待遇改善は問題にならぬと思います。あまり待遇の改善をちゅうちょするようならば、私は社会党であって、ストライキの専門家でありますから、各地を回って扇動いたしまして、ほんとうにストライキをやらせますよ。そうなって外交ができますか。だから、われわれが質問しているのだから、真剣にそれを取り上げて、たまたま愛知外務大臣は大蔵省出身だから、まだ隠し財源があるだろうから、現地採用の者にもう少しアップしてやって、あなたになってから一たん六%ちょっとになったものが、九%になったというくらいにやってみせたらいい、私はこれを要望して、この問題を打ち切っておきます。 次は、海外日系人の問題であります。これはいずれ外務委員会で一日、海外日系人問題を四月か五月になってやるから、そのとき集中してやるが、特に予算に関連のある問題を申し上げておきます。 それは、南米のパラグアイに約八千人の日本人が行って、今後もどんどん行くのでありますが、首府のアスンシオンに日系文化会館を建てることに一応内定しておりますし、たしか予算も千万円ぐらいは出るだろうということで、現地の連中から非常な感謝と期待を持って私に手紙がきておった。ところがいつのまにか消えてしまったのです。これは非常な失望をしております。反面、ペルーの日系文化会館の増築費は九百六十万円ふえておりますが、それと取りかえたのじゃないかという疑いを持っておるわけです。そんなことではだめなんで、各地に、サンパウロの文化会館もできましたし、ブエノスアイレスの日本人会館もあるし、ペルーでもりっぱなものができております。カナダのトロントにもりっぱなものができておるし、次々にりっぱなものができることはいいことで、これはひとり在外の一世日本人のためばかりでなく、二世、三世に日本の文化を伝え、それから商売からいっても、日本の品物をいろいろ買うのです。こういういわばお得意なんです。五、六年前に必要があって調べましたが、ブラジルから日本に送金した金が八百万ドルです。そのくらいに海外の人は日本に対して外貨もかせいでくれておるのでありますから、これはアメリカ局長の管轄じゃないかと思うが、中南米に対し主要な各地に急速に日系文化会館を建てて、日本語教室、日本の図書あるいは映画の普及あるいは各種の集会の便宜を与えなければならぬと思うのですが、そういう機会が特にパラグアイで一年延ばされたのはどういうわけであるか、なぜ一体馬力をかけなかったか、そういうことをあわせて局長からも聞きたいし、また必要あれば大臣からも答弁をお聞きしたい。
○愛知国務大臣 パラグアイの文化会館の問題は、ほんとうに私、率直に言って残念であったと思います。これは四十四年度から二カ年計画で六千二百万円余りの計画をいたしたわけであります。そしてその第一年度分としては二千八百八十万円を予算として要求したわけでございますが、実はこの現地におきます募金がなかなか所期の目標額に達しませんでしたので、もうしばらく現地側の協力を求めて、一年延期をしてやろうということにいたしたわけでございます。その間、南米のそのほかの国に対していろいろ補助したい事柄もございましたものですから、とりあえず四十四年度としてはそのほうに金を向けまして、そしてこれから一年間の現地の募金にももう少し精を出していただいて、四十五年度にはぜひ着手することにしたい、こういうことになりました。一年おくれましたことを非常に私、遺憾に思っておる次第でございます。
○齋藤(鎭)政府委員 ただいま大臣からお話がございましたように、実は四十四年度の予算に組んでおったのでございますが、現地の募金状況を勘案いたしまして、ことしはそのほかに、その募金状況から見てより確実なプロジェクトがございましたので、そちらに回した次第でございます。しかし、このパラグアイにおける文化会館というものが、現地の人たちが比較的新しい人が多いということ、また教育問題あるいは日本、パラグアイ両者間の友好関係の増進という点から非常に必要であることは十分承知しておりますので、来年度は、これも財政問題でございますのでここでお約束するわけにはまいりませんが、外務省といたしましてはことしと同じように重点事項に入れてこれの実現をはかりたいというふうに考えております。
○田原分科員 ともかくそれはお手並みを拝見することにいたします。 最後に、カナダのバンクーバーに日系文化会館をつくってはどうかということを、私は数年前から主張しております。カナダ在住約三万人のうち、一万人はトロントにおりまして、トロント周辺にはすでに大きい文化会館ができております。それからバンクーバー付近が八千人でございまして、ここにはありません。しかるに、日本から船も内外合わせて月六回ぐらい行きますし、それから飛行機もカナディアン・パシフィック等、そのほか日本航空も行くようになりました。在留商社も三十六社ぐらい行っておるのであります。そういうわけですから、その社交機関として、あるいは文化機関、宣伝、実習等の機関として当然必要だと思うのでありまするが、いまなおその声がない。そこで、いまある国の大使になっておる、そのころバンクーバーの総領事をやっていた人に私は言った。外務省がやらぬならば、通産省に言うて貿易センターをつくらせると言ったら、ほかの省に言わぬでください、私のほうでやりますからと言った。そのうち彼は転任して、何のことはない。去年も行って私は恥をかいた。田原さん、ほらばかり吹いてだめじゃないか。よし、それでは今度は愛知君に談判してつくらしてやろう。金額もわずかの金で済むと思います。カナダ貿易は御承知のように輸入超過でありまして、ゴムとか、パルプとか、地下資源とか買い過ぎちゃって、日本から少し売らなければいかぬ。したがって、貿易センターなり日系文化会館ができれば、サンプルルームをつくったり、あるいはときどき展覧会をやって、購買意欲を盛り上げることができる。輸出の奨励になると思うのであります。そういう意味におきましても、パラグアイと同列に、明年はバンクーバーに日系文化会館をつくるという決意がほしい。それで現地の人は相当の金額の寄付ができると思うから、これに補助を出してりっぱな会館をつくり、それを通じて貿易の振興、日本とカナダの友好親善を進めたらどうかと思います。こういう点についていかがですか。
○愛知国務大臣 本件につきましては、昨年末、また一月になりましてから、田原先生はじめ海外移住促進議員連盟からもお話がございました。ひとつ来年度にはぜひ実現ができるように、この上とも与野党の国会の方々からも大いに御推進をお願いしたいと思いますし、同時に、ただいまもちょっとお触れになりましたけれども、たいへんみみっちいことを申すようでございますが、カナダ側からも相当の御協力が得られれば非常にありがたいことになろうかと考えますので、ぜひひとつ御推進、御協力をお願いいたしたいと思います。
○田原分科員 以上をもって分科会における質問を終わっておきまするが、なおこれらの問題の具体的な点については他日外務委員会で聞くことにして、これで終わります。
○倉成主査代理 岡田利春君。
○岡田(利)分科員 私は、日ソ漁業交渉並びに関連する問題についてお尋ねいたしたいと思います。 第十三回の日ソ漁業交渉が当初三月一日が大体四日ごろから開催されると伝えられておるわけでありますが、この日ソ漁業交渉のここ数年の経過にかんがみて、この十三回交渉に臨む政府としては、すでに基本的な方針をきめられておると思うわけです。この際、この日ソ漁業交渉に臨むわが国の基本的な考え方について、お聞かせ願いたいと思います。
○愛知国務大臣 日ソ間の一つの大きな懸案でございますので、私といたしましても重大な関心を持っておりますが、交渉の基本的な方針としては、従来の実績の確保ということが一番の主眼になるのではなかろうか、わがほうといたしましては、科学的な根拠によっていろいろの合理的な根拠を示しまして十分国益を守るようにしたい、これを一番の基本的な考え方にしておるわけでございます。
○岡田(利)分科員 私はわが国の国際漁業交渉というのは、どうも外交主導型ではないのではないか、特に日ソ間の漁業関係の問題でも、どうも外務省と農林省の意見が対立をする、いわばこういう状態というものが長い間続いておるように私は思うわけです。しかし、ヨーロッパあたりの北海における漁業交渉等を見ましても、いずれもいわゆる外交主導型において国際漁業交渉が行なわれている。特に、今日わが国の国際漁業の環境から考えれば、ますます外交主導型の積極的な国際漁業交渉を展開をしなければならない時期に来ていると私は思うわけです。いま外務大臣が言われましたけれども、もちろん実績の確保もあるでしょう。しかし、今日の北洋漁業の実情は、実績確保という側面だけで基本的な方針とされることには、いささか問題点があるのではなかろうか、このように私は考えるわけです。したがって、いま愛知大臣は、まず従来の実績を確保する、言いかえれば過去三年間の実績というものを確保する、十一万五千トン程度の実績を確保するというところにあると言われるのでありますが、そういう総合的な意味においてはどういう態度を持たれておるのか、お聞きいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 日ソ間の関係は、御案内のように、領土問題というわがほうの一番大事な要請が未解決でございますけれども、これは今後ともうんと堅持して、主張を続けていくつもりでございますが、そのことを別にいたしますと、かなり、最近両国関係は、私は、常識的にいって、よくなってきておるように思います。 〔倉成主査代理退席、川崎(寛)主査代理着席〕 過般の日ソ航空協定でも、それがあらわれておると思いますので、こうした日ソ親善的な環境を背景にいたしまして、ただいまお話がございましたような外交主導型といいますか、そういうかっこうでやってまいりたいと思います。 水産庁長官が見えましたから、ひとつ内容的な問題につきましては、水産庁長官からもお聞き取りを願いたいと思います。
○森本政府委員 日ソ漁業交渉は、主として四十四年度のサケ、マスの漁獲量というものが中心になると思います。本年は、御承知のように、豊漁年ということになります。したがいまして、私どもとしても、そういった実態を踏まえますとともに、科学的な——もちろん資源の状態というものも客観的に考慮をいたさなければなりませんし、また関係の業界でも要望が出されております。まあそういうものを十分私どもとしては頭に置きまして、わが国の漁業の安定を確保するという観点から折衝に当たりたいと思います。
○岡田(利)分科員 時間がありませんから、私のほうから言いますけれども、いわばソ連の従来の主張の均等配分には反対をして、過去三年間の豊漁年の十一万五千トンの実績を確保する。さらにつけ加えて、河川環境の整備、産卵床の保護、あるいは禁止区域の漁獲についての規制、操業禁止時期等の繰り上げ等の再検討、B区域の取り締まり等は、ソ連側の監督官がこれに乗るという問題については従来どおりこれは認めない。こういう個々の問題点は、いずれわが国の漁業交渉に臨む態度となりますか。
○森本政府委員 私どもとしては、相手がございますことでありますし、また差し迫った交渉の問題でありますので、いまこの席上であまり詳細にこちらの折衝態度というのを申し上げることを差し控えたいというふうに思いますが、お話がございましたようなことを十分頭に置きまして前向きな態度で折衝してまいりたいと思います。
○岡田(利)分科員 現在すでに付属協定書のカニ漁業については、モスクワにおいて交渉を開始されておると思うのです。しかしこれは昨年に引き続きたいへん交渉が難航して、いわばソビエトの大陸だな宣言に関連して非常に交渉が難航しておる。こういう情勢がすでに伝えられておるわけです。これは東京交渉の前に解決するめどがありますか。解決できない場合は、これは四日から開始されるという第十三回の日ソ漁業交渉の中に引き続き交渉が進められていくものか。この点の見解はいかがでありますか。
○森本政府委員 私どもとしましては、一応日ソの漁業委員会が五日ということがいわれてきております。まあできればそれまでにカニの交渉もまとまることを期待いたしております。ただ現在の段階では、いかなる内容で、またどういう形で交渉が妥結するかということは、いまだ十分予断を許さないという状況でございます。
○岡田(利)分科員 この際私は特に希望いたしておきますけれども、昨年は西カムのカニ漁業交渉が問題になり、最終的に東樺太沖の出漁隻数を減らしたという問題が起きたわけです。今回も同様、東樺太沖並びに南千島海域のカニ漁についてもソビエト側から問題として提起をされておるわけです。ともすれば西カムの問題に重点が置かれて、基地漁業である東樺太沖並びに南千島海域のカニ漁業の問題について出漁隻数を減らすとか自主規制というようなことで解決されるきらいがあるわけです。この点については、特に基地漁業でありますから、地域に与える影響はきわめて重大であると思うのです。この点について十分配慮して、これからの最終的な交渉に臨むべきであると考えるのでありますが、この点についてはいかがですか。
○森本政府委員 実情なりお気持ちは十分よくわかっております。ただ現在の交渉のポジションは、御承知のように、ソ連側は大陸だな資源ということでカニを考えまして交渉に臨んでおるという状況でございます。そういうことになりますと、原則論としては、おそらく西カムの地帯のみではないというふうに考えられるわけであります。まあそういったこともございまするので、ソ連側の態度もあり、こちら側の考え方というものもありますので、いずれにせよこれからわがほうとしては、実情に即した実際的な解決をしたいということを目標としてやってまいりたいと思います。
○岡田(利)分科員 この問題は、過般、昨年締結された日米漁業条約並びに一月に締結された米ソ漁業条約改定問題、いずれもカニ資源の問題が出ているわけです。これらの傾向というものは無視するわけにいかぬだろう、こう私は見ております。いずれにしても、そういう点において、特に基地漁業について少なくともこれが軽んじられる、こういう点については十分ひとつ——いま答弁もありましたけれども、これらを踏んまえて交渉に当たっていただきたいということを希望いたしておきます。 そこで、外務大臣にお尋ねをしますが、今回の第十三回の交渉は、いわば自動延長下の三回目の日ソ漁業交渉であるわけです。三回目になるわけです。日ソ間の漁業条約はきわめて不安定な状態にあるわけです。しかも、三木外務大臣は一昨年の四十二年の七月にソビエトに参りまして、ソビエト側と、とにかく漁業条約の改定についてはやろうではないか、こういう一応の了解に達しておるわけです。その後、この漁業条約の改定交渉をやろうとするけれども、どうも外務省と農林省の意見が合わない。したがって、そういう経過があるにもかかわらず、今日まで漁業条約の改定についてはどうするか、改定交渉をするのかどうかという点については、明確にきまっていないように私は受けとめているわけです。しかし、北洋漁業の長期安定対策を考える時期でありますし、こういう形はいわば不自然でありますから、そういう意味で、北洋漁業の長期安定の立場に立って日ソ漁業条約の改定に踏み切るべき時期じゃないか。もちろん、当面、今年の交渉事項もございますけれども、引き続きこれは交渉を展開すべきではないか、こういう見解を私は持っておるわけです。外務大臣としてはいかがですか。
○愛知国務大臣 この問題は、ただいまもお話しのとおり、一九六六年の十二月に、十年間の期限が経過いたしまして、その後、お話しのように、宙ぶらりんと申しましょうかの状態で今日に至っておりますから、何とか、この期間を延長にするか、改定にするか、あるいは運用面の改善を行なうか、この問題についてソ連側と話し合いをして、いずれかの方法で話し合いを進めようということについては、合意が一応できたわけでございますが、その後その話し合いが実現していないわけであります。現在の政府の立場といたしましては、漁業資源の持続的生産性の維持をはかりながら、わが国が長年にわたって開発してきた北西太平洋の公海におけるわが国漁業の利益が保護されるという観点に立って、日ソ双方が安定した漁業を営み得るような方向でこの条約が改定されることが望ましい、こういう考え方でございます。一方、条約が改定されて、その結果わが国の公海漁業が不当に制限されるような結果をもたらすことは絶対に避けなければならない、これが本件に対する基本的な態度でございますが、わがほうとして最も望ましい具体策はどういうことであったらいいかということについて、政府間におきましても十分研究をいたしまして、この話し合い再開に備えておるわけでございます。
○岡田(利)分科員 外務大臣は、先般中川駐ソ大使が帰国をされて、いろいろ日ソ間の懸案事項の解決について打ち合わせをされたわけです。その中で、北方水域の安全操業の問題を特に提起をし、これが解決に当たるべきである、こういう指示をされたと私は思うわけです。こういうわが国の方針と日ソ漁業条約の改定問題は、すでにソビエト側はこれに応ずる意思を示しておるわけですから、無縁とは思えないわけです。しかし、漁業条約と安全操業は別であるという、こういう機械的なものの言い方をする面もあるわけですが、どうも私は、この点については、先ほどから指摘しておるように、わが国の国際漁業における外交と、いま現実に水産行政をあずかっておる立場とでは、大きなズレがある、こういうことではどうも相手の国に不信を与える結果になるのではないか、こういう感じがするわけです。そこで、いろいろ伝えられておりますけれども、この安全操業の問題については、外務省としては、どういう方針で安全操業の問題を解決せよと指示をされておるか。従来、経過的には赤城私案もございますし、また伝うるところによれば、歯舞、色丹島以外に国後、択捉、いずれも三海里まで含めて入漁料を支払い、安全操業の体制を確立したい、そういう方向で交渉に当たるべきであるという指示を与えられたようにも伝えられております。この面を明確にしてもらいたいと思います。
○愛知国務大臣 この安全操業の問題につきましては、いまさら申し上げるまでもございませんが、領海侵犯だとか不法漁労だとかいうような理由で、わがほうの漁民が抑留されている数がいまだに相当な数に達しているという、非常に憂慮すべき状態になっておるわけであります。こうした状態は、先ほどちょっと申しましたが、日ソのせっかくいいムードが出てきている、こうした両国間の関係を阻害するものだということで遺憾に存じますので、これは私からも前に駐日ソ連大使にも注意を喚起し、申し入れたこともございますが、中川大使が一時帰任いたしましたときにも十分協議をいたしました。まあソ連側としては、いわゆる中間交渉の一環として取り上げるというような空気も出ておりますから、その線でひとつ解決を促進いたしたいと考えておるわけでございます。ただいまもちょっとお話がございましたが、それについては、従来もいろいろ経緯があったりいろいろの案があったりいたしましたが、ひとつ日本側として、水産庁との間にも、十分まずわれわれの中で合意をして、そして日本側の案というものをりっぱなものにいたしまして、そしてソ連との交渉に当たることがわがほうとして一番必要なことである、私は率直に言ってさように考えております。中川君には、その後、ソ連側における受け入れ方等についてもいろいろ打診をしてもらっておりますけれども、やはりこれについてはもう少し具体的にわがほうの対案というものを確立することが必要ではなかろうか、これは非常に率直な考えでございますが、こういうことで鋭意ただいまわれわれの間で相談をいたしておるわけでございます。これはあらゆる関係の業界筋等からも積極的な支持のある案でないと、対ソ交渉のことでございますから、わがほうの考えを十二分に固めることがまずどうしても必要であろう、こういうふうな感じでございます。
○岡田(利)分科員 いま北方海域は危険推定ラインというものがあるわけです。危険推定ラインのいわゆる歯舞、色丹、国後、択捉寄りに漁業権は設定されていますか。
○森本政府委員 ああいう地帯でございますから、漁業権というのは設定されておりません。
○岡田(利)分科員 漁業権が設定されないのに、危険推定ラインを越えて漁業した場合にはどうなるんですか。
○森本政府委員 漁業権はございませんけれども、漁業の許可をいたしております。北方水域に許可を受けて出漁する漁業者がおるわけでございますが、別段、御質問がございましたようなケースにつきましては、漁業法上、法律的な問題はないというふうに御理解いただきたいと思います。
○岡田(利)分科員 そうすると、北方水域の漁業権を許可している船が、危険水域ライン、その中に入ってはならないと指導している中に入っても問題はないというのですか。自由に入ってよろしいということですか。入ってもよろしいというのであれば、歯舞、色丹、国後、択捉は何海里まで入っていいのですか。
○森本政府委員 法律上の問題はただいまお答えを申し上げたとおりでありますが、私どもとしましては、安全に操業されるということが望ましいわけでありますから、安全操業について十分注意をして操業するように指導はいたしております。
○岡田(利)分科員 そうすると、つかまらなければ何海里までも、とにかく三海里までも、三海里内でも入ってよろしいという考えですか、指導方針としては。
○森本政府委員 漁業法上の取り扱いはただいま申し上げたとおりでありますが、ここは実はなかなか微妙なところでございまして、わが国としては、領海については、国際的に三海里というのが一般的に通用されておる原則であるということになっております。ただ、現実問題としては、ある一定の海域に入りますれば、拿捕が行なわれるという現実が一方ございます。そこで、私どもとしては、きわめて抽象的でございますけれども、そういった現実を踏まえて操業が安全に行なわれるように漁業者もよく注意をして出漁するように指導をいたしておるというのが現在の実態でございます。
○岡田(利)分科員 だから、安全ということは、拿捕されなければいいのですね。拿捕されなければ、固有の領土であるから三海里も十二海里も関係はない、もういわゆる岸辺まで行ってもいいのだ、そこで魚をとっても自由だ、ただし、漁業権は設定してない、北洋海域に出漁しておる許可されておる船は自由なんだ、つかまらないようにやれば、こういうことでしょう、あなたの言われておるのは。 〔川崎(寛)主査代理退席、倉成主査代理着席〕
○森本政府委員 法律上の問題と、それからわが国のとっておる領海、そういうものに対する態度と、それから現実に起こる事態、この三つのかみ合わせが実は出てくるわけでありますが、漁業法に違反するかしないかということについては、先ほど申し上げたようなとおりになっております。実際上の指導は、ある一定のところに至りますと拿捕があるということでございますから、さようなことはよく留意をして漁業者が出漁するように指導をいたしておるということでございます。
○岡田(利)分科員 そうすると、カニ漁業や帆立てでも、これは出漁を許可しているのだから、それはもう自由に入っていいのだ、十二海里内でも三海里内でも、あなたのいま答弁を聞けば。ただしかし、危険だから入らないようにしなさい、こういうことなんですか。そこに入っては危険だから、絶対に入ってはならないというふうに指導しているのですか。その点は不明確じゃないですか。
○森本政府委員 法律上の禁止区域とか、そういうふうなことにはなっていない。また許可の条件といったようなことにもなっておりませんということは、法律上です。しかし、事実上の話としては、一定のところに出漁いたしますと、拿捕ということもあり得るわけでありますから、さようなことをよく留意をして操業するようにという事実上の指導をいたしておるということを申し上げておるわけであります。
○岡田(利)分科員 しかし、国内の漁業法上からいえば、漁業権を設定するものと、共同漁業権なら共同漁業権を設定するものと、それから水産庁の許可によってその海域に出漁できるものとがあるわけです。北方海域は微妙でしょう。従来わが国の領土であった場合は、すべて共同漁業権が設定された業種であっても、それは、その漁業権の設定されたところに、出漁許可なるものは、向こうの十二海里を越える、あるいは三海里を越えても、これは別に政府としては問題にしないのだ。要するに、安全にやればいいのだということになると、共同漁業権と普通の一般の出漁許可と漁業法との関係で問題があるのじゃないですか。もしそうであるならば、むしろ旧漁業協同組合にその地域の共同漁業権の設定を認めるという積極的な立場に立たなければおかしいじゃないですか。いかがです。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、漁業権の問題ばございません。そこで、問題になりますのは、指定漁業ということで、沖合い等の漁業者が農林大臣の許可を受けて出漁をするというケースでございますので、ちょっと言われておることがわかりかねるわけであります。
○岡田(利)分科員 時間がありませんから、私やめますけれども、この点は、これから日ソ懸案事項解決のときにたいへん大きな問題になってくるわけですよ。安全操業については、いわゆる三海里まで安全操業の入漁料を払ってやるように農林省は指示しておる。ですから、国内の問題と日ソ懸案事項の安全の問題とがやはり意思統一がされていない、整理がされていないということを私は指摘したいわけです。この点は必ずこれから問題になってくるわけですし、こちらのほうがき然としたものを持たないで向こうと交渉できるわけがないのです。だから、外務省と農林省の間の問題点というものが常にあるのだということを私は指摘しておるわけです。 特に、時間がありませんから、お尋ねしておきますけれども、外務大臣は、先般、わが国の領海と専管水域の問題で予算委員会で答弁された。検討する。その後記者会見であなたは打ち消されておるわけです。この真意が実は非常にわからないわけです。そこで、いま領海三海里説はもうすでに二十七カ国、六海里は十二カ国十二海里は三十三カ国、専管水域は十二海里が三十二カ国で、二百海里が四カ国、保存水域が四カ国、群島理論が二カ国。国際的な常識というのは、少なくとも領海を十二海里にするか、専管水域を十二海里と設定するかは別として、ともかく専管水域については少なくとも常識になっておるわけです。しかもわが国では、すでにアメリカ、メキシコ、ニュージーランド、オーストラリア、インドネシア、これは内水面の問題でありますけれども、いずれもこれは二国間の問題として、専管水域内に入って漁業をすることについて協定に達しておる。近くは、スペイン及びモーリタニアにおいては、その専管水域に入って漁業する交渉をしようとしておるわけです。私は、こういう国際環境から見れば、少なくとも専管水域の設定は、早急に検討して解決をしなければならぬ問題だと思うわけです。この点についても、どうも外務大臣が答弁をすると、その後業界その他水産関係から問題が出て、外務大臣の言ったことがふらふらしてしまう。これが今回の端的な一つのあらわれである。これは私が先ほどから指摘しておるように、国際漁業における外交主導型でなくして、常に水産関係者に振り回されておる、こういう証拠だと思うのです。この点はいかがですか、外務大臣。
○愛知国務大臣 この問題につきまして、私の真意というものがいろいろに伝えられまして、たいへん私も御迷惑をかけたと思いますけれども、私は世界の大勢等から見まして、われわれとしても十分勉強しなければならない問題であると思っております。しかし、いまさら申し上げるまでもございませんけれども、これはひとりわが国だけがたとえば十二海里説をとってみたところで、国際的にはいま全部が合意しているものとしては、三海里というのについてはみんなが合意しているわけでございますし、それから国によってはそれぞれ主張もしております。そういう点も十分考え合わしていかなければならない。 同時に、あの当時、予算委員会本委員会でも申しましたのですが、こちらも、日本の水産業も相当外へ活発に働いておるというような関係もございますから、なかなかそう簡単に一方的に意見を出すということはできそうもない、そういう趣旨をあわせて御答弁いたしたのでありますけれども、一体、それではやるのかやらぬのかというようなことになりますと、研究に値する問題であるというところまでは言えますけれども、それから先わがほうとして将来どういう態度をとるかということについては、まだ結論をはっきり出す段階ではないのではなかろうか、これが私の真意でございます。そういうふうに御了解いただいて、いろいろと研究をいたしてみたいと思っております。
○岡田(利)分科員 これは大臣、そういう点について、専管水域の問題についても、外務省はどうも腰が定まらない。しかし、やはり総合的に判断をしなければなりませんし、現実に、ソビエト船が、もうわが国の領海三海里あるいは七海里あたりに船団を組んで操業をいたしておるわけですね。これは襟裳から室蘭にかけて、あるいはまた三陸沖、さらにまた房総から最近は伊豆の神津島、そういうところまで出てきて問題になって、この点を外務省としてもソビエトと話し合いをする、こういう態度をきめられておるわけです。 こういう現状から考えますと、少なくとも沿岸漁業の立場からいえば、専管水域は当然設定してもらいたい。領海の問題は結論出なくとも、設定すべきである。また国際的に見てもそうである。こういう声が国内的にもすでにあがってきておるわけです。自治団体でも決議をしてどんどんあげてきておるわけですね。ですから、これらの解決については、私は、そういう意味において、少なくとも国際漁業の外交主導型という立場に立つ場合に、この点の決断をすべきではないのか、こう言っているわけです。韓国船等も最近は見え始めておる。これがさらに大がかりになってくれば、当然のことなんです。こういう点についてやはり明確にしないと、国民は納得できないのではなかろうか。こういう点を非常に私は強く心配をいたしておりますので、この点は早急にひとつ検討して、いつやるとは、検討の結果出るでしょうけれども、少なくとも検討しなければならぬということだけは確かである、こう思うのですが、そういう理解でよろしいですか。
○愛知国務大臣 いま私申しましたのは、大体そういうことでございます。
○岡田(利)分科員 次に、大陸だな条約の問題で、まだわが国は批准をしていない。日ソ漁業関係でも問題になっておりますし、先般の日米の場合でも問題になったわけです。日米の場合は、現実に一応解決をしました。そこで、漁業上大陸だな条約を批准できない理由ですね。まあカニ資源については、これは大陸だな資源か生物資源であるかという論争があります。わが国でも学説は二つあるわけですね。それ以外に、大陸だな条約に加盟したら漁業上困ることがありますか。
○森本政府委員 もちろん、大陸だな条約で、定着性の種族に属する生物、これが沿岸国の主権のもとに属するということになりますから、その生物が何であるかということが国際的に出てきませんとはっきりしたことは申し上げられませんが、さしあたり現実的な問題になっておるのはカニでございます。
○岡田(利)分科員 問題は、カニの問題が解決できれば、漁業上大陸だな条約を批准できないという国内的な理由はないと思うわけです。まして、水産庁がもう一つの理由として取り上げている、これはあくまでも大陸だなに生息する生物ではないという学説、主張に立つならば、これは別に問題がないのではないか。しかし、いまそういう交渉中でありますから、慎重を期するということはわかりますよ。それ以外にないとするならば、この問題が解決できれば、当然海洋開発の面からいっても、大陸だな条約はわが国としては批准をすべきではないか、こう思うのですが、それ以外の理由で批准できない理由がありますか、外務大臣、いかがですか。
○愛知国務大臣 私も、その漁業関係がおもな問題かと思いますけれども、大陸だなというのが一体どういうものであるかというようなことにつきましては、それ以外の資源関係その他もいろいろあるのではなかろうかと思いますので、この点につきましても研究課題としては研究をしてまいりたいと思いますけれども、いますぐに批准するというところまではまだ考えておりません。
○岡田(利)分科員 いま国際漁業上、漁業の対象になっていない生物を問題にするということはおかしいのですよ。問題になっているカニだけを問題にするならわかるわけですけれども、まだ未開発の面まで想定して問題にするということはおかしいのです。むしろそれよりも、地下資源開発を考えれば、やはりすでに鉱区の設定が始まっているわけです。私は、ここで、日ソ漁業交渉でカニの問題がいまソビエトで言い出して問題になっているから、その問題については一応追い詰めませんけれども、いま国際漁業上開発している資源の問題が解決されるならば、こういう点が明確になるならば、わが国としては別に大陸だな条約批准を渋る理由はないのではないか。むしろ今日の政府の施策からいっても、海洋開発の問題が大きくクローズアップされ、大陸だなにおける鉱区の設定等の現状から考えれば、これはむしろ踏み切るべきではないか、こう思うわけです。それを、大臣が全然開発していない生物資源までいま問題にして、そういうことがあるかないかということを言っていること自体が、国際環境、国際常識からはずれていると私は思うのです。そうじゃないですか。いかがですか。
○愛知国務大臣 これはやはり微妙な問題がございまして、現実のところは、水産庁の長官から説明のありましたような問題がございますので、現実の交渉案件にも触れておりますので、ただいまのところは、直ちに批准するということは考えておりません、こう申し上げたわけでございます。その辺のところを、何といいますか、私としては検討に値する問題である、ただいまのところはそこにとどめおかせていただきたいと思います。
○岡田(利)分科員 そういたしますと、水産庁長官の答弁は、いま国際漁業上、生物資源としては漁業の対象になっているのはカニ資源よりない、こう言われているわけですから、この問題が、大陸だなの生物資源と関係なく、国際的にあるいは問題が解決できるならば、わが国としては、大陸だな条約を批准する場合そう大きな問題はないんだという理解に私はやはりなると思うのです。そういう理解でよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 私は、そういう理解をしていただいてけっこうだと思います。
○岡田(利)分科員 時間が過ぎておりますから……。 ソビエトとの漁業関係の外交交渉でありますけれども、たとえば公海上の今回の伊豆のサバまき網漁業については、これは産卵場所であり、資源保護の面から、わが国としてソビエトに対して、公海上ではあるけれども、資源保護という立場で善処方を要請する、こういう態度を政府はきめられ、そういう点をソビエト側にも伝えられておると思うわけです。さらに、私は先ほどから議論いたしておりますように——時間がありませんから残念でありますけれども、問題は、日ソ漁業条約についても、いま愛知大臣が前大臣から引き継いで懸案事項解決の一歩としてやろうとしている安全操業について、あるいは高碕さんがやった民間のコンブ協定、これは入漁料方式であるならば政府間協定でもよろしいわけです、ことしが改定期でありますから。それから、いまの、こういうソ連が近海で漁業する問題について、含めて専管水域と関連し、これらをやはり総合的に問題を扱い、意思統一をしなければ、私は、言うだけであって、対ソ交渉は、これらの解決にわが国として迫力を持って交渉することにならぬと思うわけです。新聞報道が、外務省と水産庁、農林省の意見が違うというぐあいにいうでしょうけれども、公式的に質問すれば、そういう大差はありませんと必ず答弁するでしょうが、私の質問の中でも、この点がやはり一番大きな問題になっていくと思うのです。まして、専管水域設定に対しては、すべて実績をある程度ある期間認めるか、入漁料を払うか、技術援助をするか、経済援助をするか、そういう友好関係において解決する以外に国際漁業の解決というものはないと思うのですね。それをやはり外務省が主導権をもってやらなければならぬと思うのです。そういう国際漁業の転換期に対処して、外務省としてもこの問題を真剣にひとつ扱わなければならないし、明確な方針をきめるべきだ、こう思うのでありますけれども、この点の大臣の見解を承って、質問を終わりたいと思います。
○愛知国務大臣 貴重な御意見を伺いまして、たいへんありがたく思うのであります。 先ほど私も率直に申し上げて、これはわれわれの側で、いまおあげになりましたような問題を総合的にがっちり合意をすることが何より大事である。それについて、いま一生懸命努力をいたしております。それなくしては、外国との交渉というようなことは、ただいまの御指摘のとおり、強さというか、根拠が弱くなりますから、この種の問題については、わがほう自身の意向を総合的にかっちり固める、こういうことでいきたいと思いまして、いま鋭意努力中でございます。
○岡田(利)分科員 どうぞひとつ、私がこの外務関係の分科会でこの問題を取り上げたということは、どうも農林関係だけではこの問題というのはなかなかピントが合わないわけです。それで、外務大臣を前にして、水産庁長官においでを願って問題にしたという理由がそこにあるわけですから、この点特に強く希望して、質問を終わりたいと思います。
○倉成主査代理 石野久男君。
○石野分科員 私は二つほどお聞きしたいんですが、一つは日中貿易についてです。 大臣にお尋ねしますが、日中の関係は、いままだ平和条約ができていない事情ですから、非常にむずかしいものがありますけれども、貿易関係では、もう長いこと民間貿易もあるし、それから特に高碕事務所の貿易もあったりして、ことし三月、五月に日工展を北京と上海でやることになっている。この問題では、すでにもう政府に対する行政訴訟まで起きているという事情がありますけれども、この問題について、問題の一番大きなネックが、どうも通産省でなくて、外務省にあるというふうに考えられる節があるので、外務大臣に、当面している北京、上海の工業展覧会に十九品目の不許可、十九品目の持ち帰りというようなものを出したその一番大きい問題はどこにあるのか、政府の問題にしているのはどういうところにあるのかということをまず聞かしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 日工展の問題につきましては、午前中にも御答弁の機会があったのでございますが、私は、一番基本的には日工展というものを円滑に開きたい。政府は補助金を出していることでもありますし、また、私自身の考え方から申しましても、この日中間の貿易はできるだけ幅広く、またできるなら長期にMT貿易なども契約はしてもらいたいものだというような考え方を持っておりますから、日工展につきましては、就任後直ちに私自身としても大きな関心を持っておったわけでございます、円滑にこれができるようにと。ただ、直接の所轄官庁は通産省でありますので、通産大臣ともよく話し合いまして、そういう方向で処理していきましょうということで、両方の事務当局もそういう方向でもって仕事を進めてくれたと私は信じております。 そこで、どういう点が具体的問題かといえば、やはりこれはココムの関係でありますことは御承知のとおりでございますが、ココムの関係、それから従来のこの種の案件についての経過と、二つの点から、通産省としては十分われわれの意を体してできるだけ前向きに取り扱ってくれたと思いますが、その結果、二つの種類の十九品目ということで、貿易管理令でございますか、これによるところの行政措置が決定した。しかし、不幸にして——われわれから言えば不幸にしてなんでありますが、訴訟にもなっておりますから、これらの法的の関係その他については、裁判の関係を注視していきたいと思っております。 ただ、私どもの真意としておりますことは、できるだけ円滑に、そしてできるだけ各国間との協調を保ちながら処理をしたい、こういう気持ちでおりましたことは御理解いただきたいと思います。
○石野分科員 大臣がいま、今度の問題は明らかにココム関係だ、こういうふうに言われた。ところが、実は、あの十九品目を不許可にした最大の理由は貿管令の第一条にかかっている、こういうように通産省は文書でちゃんと返事をくれているわけです。その貿管令第一条とココムとは全然違うものなんです。それからいま一つ問題になるのは、一昨年ですが、商工委員会で、われわれが、いまの菅野企画庁長官が通産大臣をやっているときでしたが、その時点でココム問題についての話がありました。そこでは、ココムというものは、わが国の貿易について、それを制約する権利権限というようなものは全然持っていないものである、憲法上からいってもそういうものはないのだ、そういうことで、やはり中国に対するココム適用ということについて、それを制約する理由は全然ないということを答弁しておるわけです。その間の、政府の間における意見の食い違いはどういうふうに調整されておりますか。
○愛知国務大臣 私はもう率直に申し上げておるわけなんでございますが、国内的な措置といたしましては、貿管令ですか、これによった行政措置である、こういうふうに私は理解いたしております。 一方、事実上の問題、ただいま御指摘のように、法律的な拘束とか条約的なものというわけではございませんけれども、先ほども申しましたが、何といいましょうか、そういう事実上の話し合いというものも一面尊重していきたい。これを国内的にいま申しましたような措置をとります場合の、何といいますか、頭の中に入れての措置、こういうふうに御理解をいただければいいのではないかと思います。
○石野分科員 法律的にも国際的にも制約する何もないけれども、事実上の問題としてそういうようにやるのだということは、ココムは、御承知のように、NATOを中心としていわゆる共産圏に対する軍需物資を入れないということをきめているものだといわれておるわけですね。ココム規定の内容というものは、実際に明らかにされていない。中国に対してそういう考え方を政府がいま明らかにするということになりますと、やはりこれは問題が大きく、私はいろんな影響が出てくるだろうと思うのです。そういうことを十分政府としては、外務省としては予想する中で、外務大臣はそれをおっしゃられるわけですね。
○愛知国務大臣 同時に、ココムという事実上の話し合いの場というものが、相当広い自由主義国が入っておって、そしてこれらとの間にもわが国といたしましては相当広い貿易関係を持っております。その他いろいろの経済関係も密接でもございますから、そういうところの話し合いに参加しておる以上、これは一九五二年以来のおつき合いでもございますから、そういう点を事実上尊重していくことがいいのではないか、こういう気持ちでまいっているわけでございます。
○石野分科員 ココム規定というのは、対共産圏についての十三カ国ですかによる話し合いになっておると聞いておるわけなんです。共産圏ということになれば、私は、共産圏というのはどういうところをいっているのかわかりませんけれども、ソ連も共産圏ですか。
○愛知国務大臣 ソ連、それからいわゆる共産圏と広くいわれるところ、そういうところが大体カバーされていると考えております。
○石野分科員 そうすると、結局ソ連が共産圏だ。中国も共産圏ですね。その中国とソ連との扱いは同じにするのですか、別にするのですか。
○愛知国務大臣 これは午前中のときにも御答弁いたしたのでありますが、現在もパリで会議が持たれておりますが、その会議に際しましても、たとえば戦略物資というようなものもカテゴリーとして従来からもあげられておりましたけれども、こういったようなものについては、もうできるだけ禁輸といいますか制限を緩和するという方向で、話に乗ったほうがよろしかろうというような態度でやっておるわけでございます。
○石野分科員 戦略物資というようなものでも緩和する方向にという意図はどういう意図か、私はわかりませんけれども、しかし、同じものでソ連に対しては輸出が許可になり、それから今度の日工展では許可にならないというようなものがあるとすれば、それは間違いですね。
○愛知国務大臣 私は原則的に差別をすることはないと考えておりますけれども、こまかい品目等につきまして、あるいは問題になるといいますか、扱いが違うというものもあろうかもしれませんが、私は、原則的にはこれは同じ扱いでよろしいのじゃないかと思います。
○石野分科員 原則的に同じ扱いをするということならば、たとえばソ連に輸出ができているもので今度の日工展で輸出不許可になっているものがあるとした場合、それがあれば、これはやはり輸出不許可というやつは取り消さなければいけませんね。
○愛知国務大臣 私は、原則的なあれでございまして、率直に申しまして、こまかい点はよく知らない点もございます。それから、これは先ほど申しましたように、いま行政訴訟になっているのは、そういう点が裁判にかかっているのではなかろうかと思いますので、そういう点につきましては、その裁判の結果がどういうふうになるかということについては、静かに見守っておるというのが私の態度でございます。
○石野分科員 そうしますと、政府の態度は、今度は十九品目の不許可、それから持ち帰り十九品目については、裁判の結果が出るまではもう一歩も動かせない、その事態を見守るだけだという態度でこれは対処していく、こういう意味ですか。
○愛知国務大臣 これは先ほど申しましたように、直接には通産省との間の関係でございますけれども、通産省と話し合いできめた政府の態度でございますから、これは訴訟になりましても、その結果を静観するのでありまして、一たんきめたことでございますから、これを変更するということはただいま考えておりません。
○石野分科員 ココムを適用するということは、極端なことをいえば、そのココム適用国を敵視するという形になるわけです、結局普通の通商関係を開設しないわけでございますから。しかもその中で、片方には、ソ連関係は同じものでも行っているけれども、中国に対しては不許可になっているということになると、この取り扱いもまた一そう極端なものになってくる。これはおそらく中国に対してはいい感じを与えないだろうということは明らかであります。いま日工展をやろうとしている日本の商社筋は、なるべくこれを成功させたい、そういう念願で必死の努力をしているわけです。政府はよく、今度の品目は七千点のうちで十九品目なんだからずいぶん努力したじゃないか。あなたも、大平通産大臣はずいぶん努力したということを言っておられる。しかし、この十九品目、それからあとの十九品目の持ち帰りの品、こういうようなものは額にしますると、展示するものの約一割近くになる。一億数千万円になります。したがって、七千点という点数の数え方がどういうものであるかも、第一わからないのです。これは業者の間からいうと、非常に不信を持っておるわけです。十九品目、わずかだというけれども、実際には額にしては一割近いものである。しかも、その品物は、日工展のエキスといわれるような一番中心的なものになり、また、日本の産業の実力を示すという意味でも非常に重要なものだ。こういうような意味で、実はこれを早急に政府のとった態度を改めてもらおうという努力をしておるわけですね。ところが、政府がいまそういうような腹を、外務大臣がそういうことをはっきりするということになれば、これは、中国との間の話し合いというものは非常に硬直化するだろうし、むずかしい問題が出てくると思うのです。そういう点は外務大臣としては全然配慮いたしておりませんか。
○愛知国務大臣 これは、私は先ほどからるる申し上げておりますように、敵視するとかなんとかいうような気持ちは毛頭持たずに、これが円滑に実施できて、日工展というものが成果をあげるということを私もひたすら望んでいるわけでございます。ですから、そういう態度で、そしてこまかい各品目、七千点といわれておるようなもの個々に私は当たるだけの余裕もございませんでしたから、そういう大筋の腹がまえでもって、信頼する通産、外務両当局がほんとうに時間をかけてチェックしてくれたその結果であれば、これを尊重していかなければなるまい、こういうふうに考えております。
○石野分科員 いま北京に古井、田川の両氏が行っておられる。そして、そこでMTの交渉をしておるわけです。この交渉をするにあたっての前段の話し合いというのは、やはり貿易の内容ということよりも、わが国が中国に対してどういうような政治姿勢をとるかということが、一番中心になると私は思うのです。昨年、私がLT問題で周総理の一応の意見も聞いて、そのことを中心として、とまっておったLT問題の話し合いを広げるという段階へいきましたが、今度古井さんや田川さんたちは向こうに行ってMTの問題を広げようとするけれども、政府の態度がそういう形であれば、古井、田川両氏の仕事というものは非常にしにくいだろうと私は思います。そういう観点が政府においては全然感じられてないのかどうかを私はむしろふしぎに思うのですが、この日工展の問題が古井、田川両氏の交渉に影響するとお考えになりますか、しないとお考えになりますか。その点をひとつ聞いておきたい。
○愛知国務大臣 MT貿易についての考え方は先ほど申し上げましたとおりでありますし、こういうふうなことにだんだんなってまいりましたことについて、石野委員の御努力ということに対しては、われわれも非常に敬意を表しておるわけであります。したがって、古井、田川両君が行かれるときにも、いろいろな問題についても隔意なく、腹蔵なく話し合いをしましたし、いろいろの希望もお願いをいたしたわけであります。日工展についての私のとってまいりました態度はこうこうなんで、この辺のところもよくひとつ腹に入れて、私が何とかうまくやれるようにしていきたいという気持ちで誠意をもってやってきたんだということについては、私も相当こまかく話もいたしました。要するに、そういう経過については、御両君も理解してくれるだろうと私は考えております。 で、今度はこの問題を離れまして、これからの覚書貿易の伸展については、ほんとうにこれは向こうさんのお考えや態度もありましょうから、なかなかむずかしいことだとは思いますけれども、しかし、われわれとしては、この覚書貿易の伸展ということについては、誠意をもって進めたいという気持ちでありますことは十分ひとつ伝えてもらいたいということは、繰り返し申し述べておいたところであります。
○石野分科員 誠意をもってやろうという考え方と、ココムという規定の適用を中国に対してするということとの関係は、非常に微妙だと思います。そういう問題について、政府はどういうようなお考えを——考え方をはっきりときめておるのかどうか、そこの観点だけひとつ聞かしていただきたい。
○愛知国務大臣 これは、先ほどもお話もございましたが、共産圏という国々をあげているわけで、その中には、わが国としても国交を正常に持って親善関係にある国々もございますことは御承知のとおりでございまして、中共を特に取り上げて敵視するというような考え方は持っているわけではございません。
○石野分科員 中国を特に敵視する考え方は持っていないと言っても、事実上は同じ品物がソ連に行って許可になり、中国へ行く場合には許可にならないということになりますと、これはココムの適用よりも、昔よくいわれたチンコムの適用をすると同じことになるわけです。チンコム適用という形になれば、特にそこを抜き出した形で、共産圏の中の特に中国を目標にした禁輸条項になってくるわけですから。こういう具体的事実というものが出てくると、これは幾ら外務大臣がそんなことを言ったって、中国はそうは見ませんよ。ことに、外務大臣の言い分では、法律的、国際的には国際条約上はたいした問題はないけれども、事実の関係でこうするんだ、こう言っておられるわけです。政府が事実の関係でこうすると言えば、相手国の中国もまた事実の関係で日本の誠意や態度を見るわけです。その事実の関係が、いまやココムどころか、チンコムの状態にまでなってきている。こういう具体的な扱いが出てきているわけですからね。そういう問題について、政府は全然感じていないのですか、どうですか。むしろそういう意図を持っているのかどうか。それから、もしそうでないとするならば、たとえばソ連に出ているものが中国ではだめだというようなことが現実に行なわれるとしたら、それを改めますか、どうですか。
○愛知国務大臣 私は、先ほど来申しておりますように、そういうものがあるかどうかということもいまつまびらかでございませんが、扱い方の姿勢といたしましては、いま申したとおり。そうして、共産圏の国々の中には、国交がりっぱにあって正常に運営されている国々もあることでありますから、それ以上に中共を敵視するということは私は考えない、こういう姿勢でおるわけでございます。
○石野分科員 時間の関係がありますから、日工展の問題については、もう一つだけ確かめておきたいのですけれども、訴訟事件が起きている。だからもう訴訟に一切まかせておいて——現実には、三月の段階でもうすぐ日工展の品物並べをしなければいけない。現実に品物が行っておりますから。あと残った品物について、いま私が申したような内容のものがあったり、疑義が持たれるものがたくさんあるという事実があっても、訴訟が起きているから、そういう問題が解明されなければ、これ以上、政府はきまった態度以外にはもう進まないのだという態度で行くのかどうかということだけを、ここではっきりしておいていただきたい。
○愛知国務大臣 これは先ほど申しましたように、実に私どもの一方的な言い分とお聞きになるかもしれませんが、通産省との間でもほんとうにこれは事務当局も一生懸命やってくれたことでもありますし、そういう関係から申しまして、いま私ここでそれをどういうふうに改変するというようなことは申し上げられない、私の態度といたしましては。 それから、これは申し上げると、また問題が大きくなるかもいれませんが、通産省等から聞いておりますところでは、国内的な問題も若干あったんではなかろうかと思います。これはココムというような問題を離れまして、たとえば前にも日工展あり、あるいはその出品についてのいろいろの約束というようなものもあったようにも聞いておりますけれども、そういうことの誠実な通産省との間の話し合いというようなものが守られていなかったというようなことも、これは国内問題でございましょうけれども、そういう問題もあるやに聞いております。
○石野分科員 大臣がそういうことを言い出すと、問題出てきますよ、その約束ごとが守られなかったということになると。それは通産省のほうでちゃんとそれに対する裏づけを与えているものなんですよ。私はここで時間があまりないわけだから、時間を与えてくださるならばそれは話しますけれども、そういうような業務上の問題で責任が出てくるような場合もある。あるけれども、従来やっぱり国の貿易を開発するという意味でみんなそういうことをやっている。いままでやってきたものがあります。それから、いまパリでココムの事務折衝をしているんだと思いますが、事務折衝の中で——私は一昨年ココムの事務当局へ行ってまいりました。その中で、わが国の態度が一番やはり弱いんです。したがって、他のイギリスだとかフランスとか、その他の諸国が当然大手を振って出しておるものでも、日本の場合は全部ココムだとかなんとかで制限をつけられて、押えられているという事例がたくさんあります。こういう問題は外務省の折衝の不足なんですよ、実をいうと。そのことのために日本の業者が泣いているわけです。中国へ行けば、同じ品物がよその国から入っているのに、日本から入っていけないという事態があっても、それを解明できないという、こういろ日本の外交姿勢の中で、どうして国益が守れるのですか。外務大臣は、いま国際条約上の問題も何もない、あるいはまた法規上の問題もないんだ、けれども、慣例に従ってといいますか、事実関係からだということの意味は、結局、アメリカに対して御遠慮申し上げるということだけなんですよ。十数カ国の中で、同じ品物が、しかもそれを総合したものが、イギリスからもフランスからも中国へ入っているんですよ。そういう事実を御存じないのですか。そういうことがわからないままに、いたずらに対米関係だけを考えているようなことでは、日本の対中国貿易開発というものはできないだろうし、また、そういう考え方を外務大臣が明確にすれば、中国の側だって、これは簡単には、敵視しないとかなんとか言ったって、そんなことは受け取れないということになってくるだろう。そのことは、また古井、田川君たちの交渉にも非常に支障を来たすことになるんではなかろうか。昨年、政治三原則とかあるいは政経不可分、こういうような問題を前提としてMTの交渉が妥結した。その後、政府がそれらの申し合わせの問題について全然関心を示さないままにきたことが、今日やはりMTの交渉を非常に困難にしているんだと思うんですよ。もう少しこれは外務大臣考え直さないと、中国問題、今日もうカナダを初めとして各国が中国を承認する、イタリアもそういう形をしている、こういう状態の中で、対中国貿易、中国との外交関係での日本のあやまちを佐藤内閣が行なうことになるんじゃないか、こう思うんです。私は、そういう点で、外務大臣の考え方は改めてもらわなければいかぬと思います。この点は、あとで私のいま一つの質問のときに答えていただきたいと思います。 時間の関係がありますから、基地問題について外務大臣にお尋ねしますが、いま日本全国の基地は百四十八カ所ある。この基地について、一般の地域住民から返還の要求が強く出ているわけなんです。この地域住民の要望について、昨年の八月以降返還の決定が行なわれたということも聞いておりますし、どれだけのものが返還されるようになったのか、また政府は、そういうことについて、どういうふうに地域住民の声にこたえようとしているのか、その所信もあわせてひとつ……。
○愛知国務大臣 昨年の十二月の日米協議委員会で、約五十の基地というものが返還、それから共同使用ですか、それから移転ということで、合意といいますか、かねがねの日本側の希望に応じて、アメリカ側が三つの態様でこの五十の基地を処理をするという方針を明らかにして、合意が成立したわけでございます。その中で、返還の問題は、これはきわめて取り扱いが容易でございますが、移転ということは、いろいろとむずかしい問題もございますので、これは現在防衛施設庁におきまして、いろいろと今後の処理について検討いたしておるわけです。これは外務省が直接やっておりませんが、大体の運びとしては、その中で予算措置を要するもの等の一番大きく出てくるのが四十五年度のようでございますから、そういう点からいえば、四十五年度じゅうにできるだけこのせっかくの五十ばかりの基地の処理ということの仕事を進める。そうすると、さらに進んで、その後また返還等が考えられるところも話が進んでくることになるんじゃなかろうか。したがいまして、これから今年度、来年度じゅうに、この五十の処理ということに努力を集中していこう、こういうことに相なっておる状況でございます。
○石野分科員 政府の考え方としては、基地はできるだけ減らすという考え方で進むというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 これはかねがね政府側も明らかにしておりますように、基地の使用ということに関連して、いろいろの意味の公害というものをなくすようにしたい、そうして、ほんとうに日本側も快く協力ができるような体制をつくり上げていかなければならない、こういうのが基本的な心持ちでありますから、すでに原則的には約束もできておるわけでありますけれども、不用と認められるものはもちろんでありますが、そういうものはできるだけ返還その他の措置をとってもらう、これが基本的な考え方であります。
○石野分科員 政府の考えておる基地返還という考え方の大体の条件があるだろうと思いますが、どういうようなことでその基地を返還させようとしているのか、その基本的な考え方をひとつ明らかにしていただきたい。
○愛知国務大臣 これも本日この分科会でも問題になりましたけれども、社会的、経済的あるいは機能的に見まして、日米間でできるだけこまかく相談をし合って、そうして心持ちからいえば、数はできるだけ少なく、あるいはまた騒音その他の公害等につきましては、これは日本側で措置しなければならぬことも相当ございましょうが、要するに一口で言えば、安保体制下におけるこの基地の使命、役割りというものが十分発揮できなければいけませんが、十分発揮できるということは、とりもなおさず、その周辺なり関係する日本の国民ができるだけ快く協力し得るような体制をつくる、こういう角度でやっていくというのが基本方針であります。
○石野分科員 時間がありませんから、私は、現実にいま問題になっておる水戸対地射爆場の返還の問題についてですが、これはさきに松野・プレストン会談の中で共同声明が出ているわけです。こういう共同声明というのは、どれだけの具体的な効果を持つものなのかどうなのか、政府はどういうように考えているのか、ひとつ……。
○愛知国務大臣 これは、そういうふうな覚え書きに書かれてあります以上は、関係当事者双方ともその実現に誠意をもって努力を尽くすという、この行政的な決意の表明であると思います。
○石野分科員 決意表明ということになりますと、ことに水戸射爆場の場合は移転ですから、どこかへ置きかえるという形になる。置きかえるということになると、相手方が受け取らなければ、とてもこれは実行できるものではない。現在の見通しとして、防衛庁おいでになっているのですが、これは、見通しはどういうことになりましょうか。可能性があるのですか、どうですか。
○鶴崎政府委員 ただいま御質問の新島への移転の可能性といいますか、見通しの問題でございますが、四十一年の六月に松野・プレストン共同声明が発表されまして、それから米側でいろいろ技術的な検討をしまして、昨年の四月に具体的な提案があったわけであります。そこで防衛庁としましては、さっそく基地関係の閣僚協議会の幹事会を開催しまして、各省に協力をお願いすると同時に、関係の都県、それから地元の新島等に対して、具体的な計画の内容を示しまして、協力を要請したわけでございます。 自来、いろいろな形でこの問題の解決のために努力をしておるわけでございますが、遺憾ながら、新島の地元におきましては絶対反対という意向が支配的でございます。また漁業関係につきましても、関係の県からは反対の意向が強く、現在のところは非常に困難な状況でございます。しかしながら、いろいろ検討した結果、新島しか候補地がないということでございます。政府としてもその方針を決定しておりますので、今後とも一そう努力しまして、何とか実現をしたい、このように考えております。
○石野分科員 私は、この新島移転の問題それ自体にもいろいろ問題があると思うのですが、現地でそういうふうに反対しておれば、これはとても移ることができないだろうと思います。ところが、水戸は、御承知のようにすぐそばに原子力の施設がある。しかも事故は頻発しておる。現地では、知事をはじめとして、一昨日も実は県民集会が行なわれたというような実情。で、いま現地の要望としては、ああいう危険なところで演習をするということはやめてほしい。だからこの際、返還は——私は、移転ではなくて、返還ですけれども、返還実現までは——そしてまた、現地の人々ももう移転ということには望みを託していない。だから返還までは演習を中止してほしい。それでなければ、いつどういうような危害があるかもしれないということにもうほとんど意見が一致しているわけです。おそらく二、三日のうちに、現地からそういう要望を持って防衛庁のほうへいろいろな意見の具申があると思うのです。また米軍のほうにもあると思うんだが、この演習中止という問題についてどのように受けとめられるか、それからまた、外務省としては、米軍に対して交渉する用意があるかどうか、この点をひとつ聞かしてもらいたい。
○愛知国務大臣 これは実は長い問題で、ほんとうは私どもも憂慮しておるわけでありますけれども、外務省といたしましても、防衛庁からの御連絡をいつもいただいておるわけです。そして、演習の中止ということにつきましても、とにかく申し入れをし、協力をアメリカ側にも求めていままできておるわけでありますが、長い期間にわたっての演習を中止するということについての話し合いというのは、率直に申しまして、なかなかむずかしい問題のように考えております。
○石野分科員 むずかしい問題かもしれませんけれども、現在あそこで演習をやっているのはファントム4Cがやっておるわけですね。この演習が三種類の演習をやっているようです。この三種類の演習を通じて、マッハ二・四という非常に早い速度でくるわけですから、演習は、演習場の、いわゆる射爆場の上では行なわれていないわけなんですね。もうすでにそこから、演習場から二キロないし三キロくらい離れたところで降下が行なわれて、したがってまた、そこでばかり事故が起きているわけです。こういうような実情があって、演習場以外のところで演習をやっているという、こういう実情を政府がはっきりわかっておれば、これは、こういう演習場以外でやっておるものについては、もうやるべきでない。地域住民が不安に思っているのは、これは当然のことなのですからね。それを承知の上でやるということになると、政府の考え方は、あまりにもアメリカの言い分ばっかり聞いておって、約束とは違うということになってくるわけですから、これはやはりむずかしいのだということじゃなしに、早急にそういう交渉をしてもらわなければいけない。それでなければ、いつもっと大きな事故が起きるかもしれない。ことに、金沢で今度自衛隊の事故がありましたね。あの事故などを聞いておりまするというと、飛行機がUターンする形で事故を起こしているわけです。進行方向からああいうような形で事故が起きるとすると、原子力施設の中へ事故は必ずきちゃうのですよ。こういうような問題をわれわれが考えると、これはほうっておけないと思う。だから、やはりこの問題については、困った問題だということじゃなしに、政府が現地の要望にこたえて、米軍と折衝するという腹がまえを明確にしてもらわなければ、おそらく現地の人たちは今度どういう反対運動をするかわからない。そういう意味で、いま一度やはり外務大臣の所見を聞いておきたい。
○愛知国務大臣 ちょっと私のことばが不適当であったと思いますけれども、これは、私自身も前に科学技術庁長官をいたしておりました当時からの問題でございまして、ほんとうにこれは何とかしなければならぬ。そういう体験上、今度はまた交渉の衝に当たっているわけでございますから、住民の方々の御心配というものは、非常に私はよくわかります。十分ひとつきょうのお話も胸に体しまして、努力はしたいと思います。
○石野分科員 そういう答弁は、外務大臣、防衛庁へ行くといつも聞いているのだ。ただ、問題になるのは、もうこういう事故が起きるという状態にあるのだから、演習をとにかく中止してほしい、その交渉をしてほしいということなんですよ。その交渉を政府がやる腹があるのかどうかを私は聞いているわけなんです。そこをはっきりしてください。
○愛知国務大臣 私としても、できるだけのことをやりたいと思っております。現にやっているつもりなんですが、さらに努力を新たにします。
○石野分科員 できるだけのことをと言うが、私が聞いているのは、いままでできるだけのことを皆さんやっておったわけなんだ。だけれども、現実には事故が次から次へと起きているのでありますから、演習中止という問題について、県民はいままでは非常に穏やかな陳情闘争だけやっておったのだけれども、いまではそんなことじゃだめだ、もし政府にその腹がないならば、結局すわり込みだということになってきているのですよ。そういう実情があっても、なお地域住民が言っておる演習中止の要請を政府はアメリカとの間で話をする気持ちがないというのか、どうだろうか。演習中止の交渉をするというのかどうなのかということを私は聞いているのです。
○愛知国務大臣 先ほどから申しておりますことは、いまお話しになっているようなことについて、できるだけの努力をいたしたい、こういう意味です。
○石野分科員 それじゃ、演習中止の問題で、政府は、アメリカ軍との間に折衝をしてくれるというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 これはいろいろの方法によって、いろいろの角度からさらに努力を新たにいたしたいと思います。
○石野分科員 もう一つだけ最後に。大臣、いろいろの角度からいろいろな方法でということは、実を言うと、もう私ども十数年来にわたって——これは、現地の何は耳にたこができている。おそらく二十六日には米軍のほうへも行くと思う。そういう段階で私どものやらにゃならぬことは、やはり演習中止の問題について米軍との折衝をする。その結果はどうなるかわかりませんよ。だけれども、政府はその腹は全然ないというのかどうか、これを聞いておきたいのですよ。政府にはそういう意図はありませんというのならば、それでもいいですよ。だから、この演習中止の問題について、私の要望について、いま外務大臣がそのことを言えないということは、演習中止の問題はもう話はできないというふうに受け取ってよろしいわけですか。
○愛知国務大臣 先ほど来のあれで、私の気持ちも御理解がいただけておると思いますけれども、まあこれは交渉ごとでもございますから、できるだけのことをやるということで、ひとつ本日の答弁とさせていただきたいと思います。
○石野分科員 それはだめだ。交渉をするという腹があるかどうかだけ聞かせてくださいよ。それを聞かなければ、何ぼやったって同じことじゃないですか。
○愛知国務大臣 いままでもやっておるのでございます。
○石野分科員 その腹はありますか。
○愛知国務大臣 それはあります。
○石野分科員 ありがとうございました。
○倉成主査代理 本日の質疑はこの程度にとどめ、明二十五日午前十時より開会し、防衛庁所管について審査を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時七分散会