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61回国会衆議院1969/02/28

予算委員会第四分科会 第5号

発言数
443
登壇者
36
会派数
4
開催日
1969/02/28

会議録

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和四十四年度一般会計予算中、経済企画庁所管を議題といたします。  まず、経済企画庁所管について説明を求めます。菅野経済企画庁長官。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 昭和四十四年度経済企画庁の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち、当庁関係の予算の総額は三百七十九億五千二百七十六万円でありまして、前年度予算額三百三十五億百八十三万円に比較いたしますと、四十四億五千九十三万円の増額となっております。  これを予算の主要経費別に区分いたしますと、公共事業関係費以外の経済企画庁一般の経費では三十四億三千四百六十七万円でございまして、前年度予算額二十九億七千四百七十二万円に比較いたしますと、四億五千九百九十五万円の増額となっております。  これに対しまして、公共事業関係費では三百四十五億一千八百九万円でございまして、前年度予算額三百五億二千七百十一万円に比較いたしますと、三十九億九千九十八万円の増額となっております。  まず、経済企画庁一般の経費の内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、経済企画庁一般行政及び審議会等に必要な経費として十二億二千七百八万円を計上しております。  これは、一般事務を処理する経費のほか、経済運営の基本方針の策定、長期経済計画関係業務、国民生活の向上対策、物価安定対策、水質保全及び内外の経済動向の調査分析に必要な経費等であります。  第二に、国土総合開発に必要な経費として一億二千八百七十二万円を計上しております。これは、国土の均衡ある開発発展をはかるため、新たに策定する全国総合開発計画の実施の推進、地域開発体制の整備、離島山村振興対策及び水資源開発に必要な調査費等であります。  第三に、国土調査に必要な経費として十五億七千二百七万円を計上しております。これは、国土調査事業を行なう経費で、主として地籍調査の事業費であります。  第四に、豪雪地帯対策特別事業に必要な経費として一億二千五百万円を計上しております。これは、豪雪地帯において、地方公共団体が雪上車を購入する場合に、その経費の一部を補助するものであります。  第五に、振興山村開発総合特別事業に必要な経費として九千万円を計上しております。これは、地方公共団体が、豪雪地帯にある振興山村に豪雪山村開発総合センターを建設する場合及び振興山村において集落再編モデル事業を実施する場合に、その経費の一部を補助するものであります。  第六に、地域開発計画に必要な経費として五千三百万円を計上しております。これは、各省各庁の所管する地域開発計画に関連する調査の総合効果の確保をはかるためのものであります。  第七に、経済研究所に必要な経費として、二億三千八百八十万円を計上しております。これは、経済構想及び経済循環の基礎的な研究調査並びに国民経済計算の調査及び分析等に必要な経費であります。  次に、公共事業関係費について、御説明申し上げます。  第一に、国土総合開発事業調整費では六十九億円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、七億円の増額となっております。  第二に、離島振興関係事業費では百六十六億七千九百二十六万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、二十億七千六百五十九万円の増額となっており、離島と本土との格差を是正するため、離島における交通体系、産業基盤及び生活環境施設等の整備並びに国土保全の関係事業の推進をはかることとしております。  第三に、水資源開発事業費では百九億三千八百八十三万円を計上しております。この内容は、水資源開発公団が、利根川水系、淀川水系、筑後川水系、木曽川水系及び吉野川水系における既着工継続事業等を既定計画どおり実施するほか、新たに利根川及び吉野川の二水系における実施計画調査及び建設事業を同公団が施行するため必要な経費等であります。  最後に、当庁関係の財政投融資計画について、御説明申し上げます。  まず、海外経済協力基金につきましては、最近における対外経済協力拡充の要請にこたえるため、資金運用規模を前年度の四百四十億円に対しまして、四十四年度は、百三十億円増の五百七十億円を予定しております。  次に、東北開発株式会社につきましては、前年度に引き続き会社の再建をはかるとともに、東北開発の促進のために実効ある公共的投融資事業を実施することにいたしております。このため、産業投資特別会計からの出資金十億円を計上しております。  次に、水資源開発公団につきましては、総事業費は、前年度の二百九十二億円に対しまして、四十四年度は三百十四億円を予定いたしております。このため、資金運用部資金から百四億円の融資を受けるとともに、公募債三十九億円のほか、前に申し上げました水資源開発事業費を含めた自己資金等百七十一億円を充てることにいたしております。  また、北海道東北開発公庫につきましては、資金運用規模を前年度の四百十億円に対しまして、四十四年度は、四十億円増の四百五十億円を予定しております。  これに要する資金源は、産業投資特別会計からの出資金五億円、資金運用部資金等政府資金と公募債で三百十五億円のほか、自己資金等百三十億円を充てることにいたしております。  以上をもちまして、経済企画庁の一般会計及び財政投融資計画の御説明を終わります。  何とぞよろしくお願い申し上げます。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 以上をもちまして経済企画庁所管の説明は終わりました。     —————————————

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これより質疑に入ります。  この際、念のため申し上げます。質疑の持ち時間につきましては、先例により、原則として本務員は一時間、兼務員もしくは交代で分科員になられた方は三十分にとどめたいと存じます。  なお、本日は多数質疑の申し出もあり、かつ本会議もございますので、恐縮ながら質疑される方は質疑時間を厳守していただき、答弁される方も簡潔にしていただきますよう、各位の御協力をお願いいたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 経済企画庁の関係の本分科会における質問は、一日で終わるわけでございます。本分科会の農林、通産は、いずれも二日あるいは二日をオーバーするという状態で熱心に審議しておるわけですが、通例の本会議の所信表明を見ますと、総理以下大蔵大臣、外務大臣、経済企画庁長官と非常に偉いのでありますけれども、しかし、権限は相当持っておりましても、ややもいたしますと実行官庁にやはり中心がいくと思います。経済企画庁というのは、権限からいっても相当大きなものを持っておるというので、読み直さなければならぬと思って、目的設置、任務等、経済企画庁設置法を見てまいりましたら、第三条任務のところに、「長期経済計画の策定及び推進」「経済全般の運営の基本方針及び毎年度の経済計画大綱の策定」以下六まで任務が書いてあります。権限にしても相当広範囲なものを持っておるわけですが、私は、分科員でありますので、きょうは一時間の持ち時間はございますけれども、同じく予算委員の阪上委員のほうから総合開発を中心に一時間近くもらいたいということでありますので、そちらのほうに相当時間を譲りまして、全体の時間としては協力をしていくということにしたいと思っております。  そこで、まず大臣にお伺いしたいのでありますが、きょうは全国総合開発関係の問題それから物価関係の問題、公害関係の問題、それに国際的な問題を簡潔にお伺いしていきたいと思いますが、まず新全国総合開発計画から入ってまいりたいと思います。  いま経済企画庁としては、第一次案に始まりまして、第二次、第三次というふうに、昭和三十七年策定の全国総合開発計画を新たに書き直すということで、四十年を基準年次にいたしまして、六十年を目標年次にした全国の新しい総合開発計画をつくろうということで御検討になっておられるようであります。これはもちろん国土総合開発審議会もございますが、三月一ぱいには閣議決定までいけるという段取りでございましょうか、あるいはそれよりも若干ずれるということでございましょうか、まず策定の最終的な決定のめどはどうですか。大臣でなければ、局長でも適宜けっこうですから……。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 新全国総合開発計画につきましては、三月末という一応の目標は立てておりますけれども、はたしてそれが実現するかしないかということは、まだ確言を申し上げることはできないと思います。もうすでに第四次の試案ができ上がっておるのであります。しかし、この第四次の試案についてもまた検討を願って、その上でより完全なものにしたいという考え方で進めております。  なお、いまもお話がありましたとおり、昭和三十七年に策定された総合開発計画は、その後における日本の経済発展その他社会情勢等によって、根本的に検討し直す必要があるので、根本的に検討し直すという考え方と、それから二十年後のことですからして、この二十年間における経済社会の変遷というものは、われわれの予想以上のものが出てくるのではないかということもあわせて考えなければならぬので、そういうこともよく研究して計画を立てたい、こういうことで慎重にいま調査研究をいたし、各方面の英知を集めて策定をやっておる最中であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 この点は総合開発局長の宮崎さんのほうでけっこうなんですけれども、三十七年につくりました全国総合開発計画というのを顧みまして、新しく六十年を展望した新全国総合開発計画というものをつくっていく新しい行き方、特徴的なものといいますか、三十年代以降の高度成長というものが、相当なスピードで進んでおる。全国的にも過密過疎の問題もあれば、あるいは地域格差の問題もあれば、あるいはまた都市問題を中心にした諸問題、あるいは一次産業、二次産業、三次産業、全体的な問題、いろいろなものがあるわけですけれども、これからの総合開発の手法、あるいは各地域のそれぞれの特性に基づいた開発プラン等、全体を通してこの前の計画と違った行き方、特色というものについて、簡潔に御説明願いたい。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 御承知のとおり、三十七年につくりました全国総合開発計画のおもな目標は、人口の地方分散あるいは産業の地方分散、同時に格差の是正、この二つの問題を解決しようということであの計画がつくられたと、大体一言にして言えば言えると思います。このための手法として、拠点開発構想というものをとったわけでございます。その後の経緯は御承知のとおりでありまして、わが国の経済成長が計画の想定よりも非常に上回って成長したということもあります。地域間の流動も非常に激しいということから、過密過疎視察というようなものが、ますます深刻化してまいっておるわけであります。格差の点もあまり是正はされておらない、こういった事態に対しまして、これから後のわが国の経済社会発展の方向、その大きさということを考えました場合に、われわれの担当いたします国土の利用という回から考えれば、この際抜本的に手法のやり方を装えなければならない。つまり大都市あるいは太平洋岸ベルト地帯というところに非常に集中してよいったいままでの趨勢というものを、思い切って変える時期が来たのではないか。この点はくだくだしくは申し上げませんが、そういう観点から、全国土をもっと有効に利用するそのための新しい方式をつくっていこうということで、この第四次試案では開発方式ということで書いてございますが、この中にありますように、全国土をおおうところの新しい交通、通信のネットワークの整備、このネットワークに関連させましたいろいろの産業開発プロジェクトの展開、さらに広域生活圏といったようなかなりの区域を包含しました生活圏域というものの整備をいたしまして、そして生活水準の一定の規模というものを起こしたい。こういうような考え方で今度の計画の大筋をつくってみようとしておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 そこで、この新全国総合開発計画が最終的に決定をする段階では、いままでに首都圏、中部圏近畿圏をはじめ、北海道、東北、北陸あるいは中国、四国九州、こういうそれぞれの地域立法もございます。これは相当年次の前のときに整備計画が閣議決定をされて、実施をされてきておる。新しく全国総合開発計画を決定するということになれば、閣議決定になった従前のものについて読み直してみる、そして改定すべきものについては新しい計画に即応して改定をする、これは当然やられると思うし、そういう御方針だと思いますが、大臣、いかがですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お説のとおり、いままでの地域開発の計画は再検討しまして、新しい総合国土開発の中にこれを含めて、包含して、そして立てたい、こう考えておる次第であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 そこで、新全国総合開発の中で、私、三次案の資料をもらいまして、新しい資料までは最終的にもらっておりませんが、そう大きく変わらぬと思いますので……。一番あとの第三部のところで、いわゆる地域開発関係法令の整備というようなことで、国土総合開発法の改正問題あるいは各地域開発促進法その他特定の地域の開発に関する法律の再検討問題というふうなことも出ております。当然これは成立の過程がいろいろ違っておりますし、この機会に単に整備計画を読み直してみるというだけでなしに、国土総合開発を最も有効的にやるのにはどうすべきかという立場から、国土総合開発法の改正問題あるいは各地域開発促進法その他特定の地域の開発に関する法律の再検討、それをどういうふうに処理するかということもやられなければならぬと思うのですけれども、その点はどういうふうにいまの時点でお考えになっておりますか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 この点につきましては、第三部のところにある程度の方向は書いてございますが、御承知のとおり、現在地域開発関係の法令といいますと五十幾つもございまして、ときには矛盾しておったり、現在の実情に合わないものもございます。こういった観点から、すでに政府部内には地域開発の関係の制度調査会というものをつくっておりまして、いま基礎的検討をいたしておりますが、今回の計画が固まりました後におきまして、この計画の線と合わせてそういった法令の再編成ということも考えてみたい、こういうことでやっておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 おそらくこれはそう近年中というのではなしに、まあ今年一ぱいを検討の期間に充てて、所要のものについては明年度の通常国会以降に、総合計画推進の立場から出していくということだと判断をいたします。これは経済企画庁の立場というよりも、政府自身の全体的な立場から見ても、積極的な御検討とよりよき結論を得られることは、必要なことだと私は思います。  そこで、この新しい全国総合開発計画の今日までのプランを見ますと、当然道路について具体的な各地域の名称が出てくる、あるいは鉄道についても具体的な名称が出てくる、港湾であれ、漁港であれ、空港であれ、あるいは農業サイド問題あるいは教育、文化、そういう問題についても、具体的な問題がそれぞれ例示をされております。問題は、全国総合開発計画の中で骨格になるべきものを例示するとするならば、道路でいえば、道路の長期展望に立った五カ年計画をそれぞれ年次別にやっていく。あるいは土地改良でいえば、土地改良長期十カ年計画の中でやっていく。あるいは住宅建設もそうでありましょうし、港湾、漁港、治山治水、上水道、下水道、原子力、いろいろなものが、これもスタートの年次はそれぞれ違った形でやられておる。単に諸法令の問題だけではなしに、いわゆるこういう各省の長期計画でやられておる点も、全体的にやはりアジャストしていく必要が当然あるのだろうと思う。  これは宮崎さんのほうにお伺いしたいのですが、道路、鉄道、港湾、漁港をはじめ、具体的な例示がずっと出てきておるのですね。これはいずれ最終的にまとまった段階にでも骨格は出さなければなりませんから、私は相当部分のものは残るだろうと思うのです。このアジャストは、やはり各省のそれぞれ持っておるプランとも当然マッチしてやられていくという方針だろうと思うのですが、どうですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおりでございまして、この全国総合開発計画の策定作業は、私ども事務当局が一応中心になっておりますけれども、昨年の段階でそれぞれ関係各省の十分な御協力をいただいて、現在まで進んでいるわけでございます。最終的には閣議決定ということになるわけでございますから、この計画に従っていろいろな施策が進められるということになるわけでございまして、それぞれの省でお持ちの長期計画等が改定される機会等がございますれば、こういった計画に合わせて内容をつくっていただくということは当然考えなければならぬし、また毎年度の事業の実施等につきましても、私どもがこの計画に基づきましていろいろ調整をするということが、法律上も権限としてできるようになっております。そういった観点から努力をしてまいりたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 それから建設省の関係からお伺いしたいのでありますが、いま建設省の関係でも、第二部の各地域の構想を見てまいりまして照らし合わせてみますと、たとえば北海道、東北方面では、青函トンネル、あるいは本州と四国の問題では本州−四国の連絡橋の問題、あるいは首都圏のほうでは東京湾の横断道路の問題、あるいは中国と九州の関係では関門自動車道路の問題、あるいは私どもの地元の関係でいえば伊勢湾の連絡橋の問題であるとかいうふうなことが出ておりますね。しかもこれはいずれ最終的にはどういう文章になるのか知りませんけれども、非常に政治的に注目されております本州−四国の連絡橋というのは、神戸−鳴門、児島−坂出、尾道−今治と、いま注文の出ておるものを全部並べてあるのですけれども、いずれ二十年間に三つともやるということで、最終的に残るのかどうかよくわかりませんが、こういう問題もやはり閣議決定で最終的にきめる。それと各省の連携の中で、いわゆる骨格になる総合開発の重要な動脈問題はやってもらうという点から見ると、またアジャストしてくるのだろうと思いますけれども、建設省の関係のいま高速自動車道をはじめずっと出ておるものは、建設省としてはおおむねその点は緊密な連携をとって間違いなくそういう方向でやっていくということであるのかどうか、

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 建設省の政府委員がいまお見えになりませんから、私のほうからお答え申し上げておきますが、いま第四次試案に書いあります道路関係等の建設省関係の事業につきましては、先ほど申し上げましたように、十分打ち合わせをしてやっておりますが、ただいま御指摘の点などにつきまして、まだ幾つかの点で若干意見の相違もございます。こういった問題は、計画が確定するまでに意見の一致を見て、そしてきめていく、こういうふうにしたいと思います。そうなりますれば、それに従って建設省のほうの実施も進められるというふうに考えております。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 先ほど四国の橋のお話がありましたが、ちょっとそれについて申し上げます。  これは建設省ばかりではなく、運輸省も関係しております。そこで、これのまとめ役はやはり経済企画庁がやらなければならない。で、この三つの橋をかけるということは、私はむしろ今後の日本の経済の発展から見れば、当然三つの橋は設けなければならぬという考えをいたしておりますが、問題はどこから先にやるかということが問題なので、その点については、経済効果あるいは技術の面その他のことを勘案して順次をきめるということにしたいと思っておりますが、さしあたり三つの橋が必要だ、建設することが必要だということは、一応私どものほうでも考えております。それで、一応つくるということだけはこの総合国土開発の中できめたい、こう考えておる次第であります

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 菅野さんは大阪でございますが、大阪、和歌山方面から四国というのは、これはやはり二十年間では考えられないわけですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 私どもの第二部の構想には、そういったものも一応入れております。ただ、これは御承知のように、まだ調査その他が進んでおらないものでありますから、はたしてこれから後の調査、検討においてどういうことになってまいりますか、これは相当慎重な検討が必要であろうと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 私はこういうことを若干聞きますのは、やはり相当お互いも重要な計画だということで認識をしておる立場からいきますと、これから二十年間の新全国総合開発計画を閣議で決定をするということであるとするならば、やはり鉄道、道路、港湾、漁港、あるいは治山治水、上水道、下水道、あるいは総合エネルギー、あるいは市場整備、工場立地問題、公害対策問題等々含めたいわゆる日本の四つの島のこれから二十年間の骨格的なものは、そういうことを柱にしていくのだということが明確にされ、また、そういうことに基づいて、やはり有効適切に行政も、財政も、金融も、あらゆるものが動いていかなければならぬ。これが本来の筋だと思いますね。手法の中でも、財政、金融の優先配分の問題であるとか、あるいはこういう全国総合開発を推進するためのいわゆる中央・地方を通じての行政機構をはじめ運営上の問題であるとかということも、いわれておるわけでございます。国土総合開発法の改正問題あるいは地域立法の再検討問題という立法上の問題ばかりでなしに、いま言ったような問題も含めてあの三十七年に全国総合開発計画はできたけれども、何となくそれよりも各地域立法のほうが各地域からは非常に関心を持たれるというのではなしに、やっぱりこれが一番上にあるプランであるという権威づけが必要だと思うし、また経済企画庁というのはいまの機構でいいのかどうか、そういう推進の立場から見て、これは十分検討しなければいけませんけれども、たとえば行政管理庁であれば行政監理委員会というものが、お目付役ではありませんけれども、そういうものが現に存在している。おそらく経済企画庁が、総合開発あるいは物価、消費者行政、さらには各省で主務官庁として引き受けにくい分、たとえば離島であるとか山村振興であるとかというのをはじめいろいろ落ち穂拾い、といっては、地域の重要性から見て問題の表現でありますけれども、そういうものを引き受けておるわけです。しかし、物価、総合開発というのは非常に重要な問題でありまして、今後の検討問題としては、経済企画委員会とも称すべきものをつくって、各省庁の総合開発あるいは物価について、独自の立場というわけではありませんが、そういう立場からいろいろな建築をする、またそういうものが行政に有効に働くというような点についても、検討してみる必要があるだろうというふうにも考えるわけでありますが、いかがでございましょう。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 経済企画庁の行き方の基本の問題についてお尋ねがあったのでありますが、いまお話のとおり、やはりここが経済政策その他の問題については基本にならなければならぬものであるということで、日本の経済政策の根本方針を定める役所でなければならぬ、こう考えておるのでありまして、そういう意味で、あるいは経済審議会というのを設けたり、あるいは物価安定推進会議というのを設けたり、あるいは国土総合開発審議会というのを設けたりして、それぞれ各方面の英知を集めていろいろ審議をいたしておるのであります。その審議に基づいて、経済企画庁はそれによって方針を立てて閣議決定するという方針でやっておりますので、各省がやはりその方針によって動くということで、問題は、この経済企画庁が立てたいろいろの計画が権威のあるものでなければならぬということが基本だと思うのです。でありますからして、この点においては、幸い経済企画庁には優秀な人材が集まっておりますからして、そういう経済企画庁の職員並びにまた各界の英知の人々によってひとつ権威あるものをつくって、そうして各省はこの経済企画庁の定めた方針によって政策を立てるということでいきたいと、この間の総合開発審議会のときにも私はそういう発言をいたしたのでありまして、単なる作文をつくるようなものではもうこんな会議は要らぬ、ここでできたものは各省、政府がみなこれを実施する、実行するというものでなければならぬ。その意味においてひとつ皆さん方の御協力をお願いしたいということを申し上げたのであります。そういう方針でやりたい、こう考えておりますから、その点についてはひとつまた御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 本年の一月二十七日、経済企画庁の資料に出ておりますが、「昭和四十四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」というのを閣議で御決定になったわけであります。これは昭和四十三年度の経済情勢を振り返ってみて、昭和四十四年度の経済運営の基本的態度というものを明らかにされておるわけでございます。時間の関係もありますから、こういう詳細について触れようと思いませんけれども、同時にきのう通産大臣との間に、世界経済の動向あるいは世界貿易の動向、その中において新年度日本経済並びに貿易関係を含めて、どういうふうに推移すると判断すべきかという点について、若干お尋ねをいたしてまいりました。菅野さんは、これから必要があればしばしば国際会議にも出られなければならぬ。過般も行ってまいられたわけですが、来年度、新年度の国際経済の動向あるいは貿易の問題、特に最近アメリカのニクソン大統領の登場によるアメリカの対外政策、特に経済問題あるいは景気見通しというのはどうなるか。きょうの新聞では、御承知のイギリスで公定歩合を八%に上げるということに決定したことが報道されておりまして、それに相呼応してスウェーデンも従来の五%から六%に上げるというふうなことも、報道を通じて承知しておるわけであります。私も昨年ヨーロッパを回ってまいりましたが、いわゆるイギリスのポンド危機、フランスのフラン危機の問題があるかと思えば、ドイツマルクあるいはスイスフランというのは非常に堅調であるというふうな実態等に触れてまいりましたけれども、いずれにしても、ことしからのいわゆる経済全体運営の指導的立場にある経済企画庁として、世界経済並びに世界貿易の動向が、どういう推移をすると御判断をしておるか。特にイギリスの公定歩合八%に引き上げというふうな問題等ともからめて、簡潔にお答えを願いたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 先般私が出席しましたOECDにおきましては、そういうような問題を討議したのでございます。そこで、今後は国際的にすべて解決しなければならぬということで、各国の経済事情あるいは今後の経済というようなことを各国の代表がみな説明をしたのであります。そのときに、英国の大蔵大臣は比較的楽観的な演説をしたので、大蔵大臣えらい楽観的だなという感じを私は受けたのです。しかし、今度突如として金利の引き上げをいたしたのであります。問題はやはり国際通貨の問題あるいは世界的な金融の問題、これについては国際的にもお互いに協力してやろうじゃないかというのが、この間の会議の大体みんなの意向なのであって、でありますからして、すべてが今後国際的に解決すべき問題だと思います。まあ、英国も金融情勢からして、あるいは諸経費の節約とか、対外的な資金の動きとかいうようなことを考えて、あるいは先行きの騰貴抑制とかいうようなことを考えて、この金利の引き上げをやったと思うのでありまして、英国の経済状態から見るとあるいはやむを得なかったことではないかと思うのであります。おそらくこの間あのように楽観的な演説をしておったので、突如として英国自身の考え方でやったのではないかと私は想像いたしておるのでありますが、こういう問題については、やはり国際的に協調を保って、そして授助のできること、協力のできることを各国が協力してやっていく、そして金利は全体的に世界的に高いのでありますが、やはり金利を低くすることが産業発展の基本でありますからして、そういう点においては、各国ともに協調してやるべきではないかという考えをいたしております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 来年度の経済見通しという閣議決定の中で、来年度の消費者物価、これは五%程度の上昇にとどめるようにつとめる。卸売り物価については一%程度の上昇であろうというふうに、物価問題については見通され、また、国際収支の関係では、輸出は前年度よりかなり鈍化するであろうという立場に立って、一二・五%増の百四十九億ドル程度を想定する。輸入については前年度より伸びが高まるであろう、一五・六%の増になるのではないかということで百二十二億ドルの輸入を想定しておる。貿易収支の黒字は前年度並みの二十七億ドル程度、経常収支で九億五千万ドルの黒字、長期資本の収支で八億五千万ドルの赤字、全体的な昭和四十四年度の総合収支は約一億ドル程度の黒字になるであろう、こういう全体的な御判断を願っておるわけでありますが、時間の関係もありますので、このうちでしばしば議論されてまいりました物価の問題について、若干私はお尋ねをいたしたいと思います。  この点は、予算委員会の一般質問でわが党の村山君との問でいろいろ議論がなされておりました。繰り返してそのことをトレースいたしませんが、そこでやはり出てまいりましたのは、いわゆる昨年度からのげたばき、そしてこれが本年度の場合には三月にきちっとするわけでありますけれども、一丁七程度であろう。昨年は三・二であったわけであります。そうすると、五%ということであれば、あと二・三しか残っていない。そのうちで、国鉄の一五%の値上げを既定方針どおりやるとすれば、一応〇・二程度を見ておかなければならぬだろう。そうすると、あとに残るのは二・一である。その範囲内にとどめるという政策をどうするのか。長官は構造政策というようなことで逃げられたりいろいろされたわけであります。そこで、この国鉄運賃に便乗する値上げはやらない、公共料金については極力抑制をするということを言っておりますが、たちまち国鉄と関連をして、交通機関の関係で私鉄、バスの問題が出てくる。現に申請も出ておる。やはり経済企画庁は、物価のコントロールの一番中心的な、国民に期待をされておる官庁だということになると思うのです。これは、やむを得ざるものについては認めるという姿勢なのか、あるいはやむを得ざるものを認めるという場合も、実施時期については、たとえば十月以前では物価全体の問題からして認められない、あるいは十月以降について真に経営の内容その他事情を勘案して、どうしても認めざるを得ないというものについて最小限度認めるというふうなことであるのか、あるいは国鉄の値上げのときにばたばたと私鉄、バスも時期的に相前後してやろうということなのか、こういう国鉄と関連をする私鉄、バス問題の取り扱いについて、まず経済企画庁の立場からはどう考えておられるのか、ひとつ御方針は明確にお答えを願いたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 その点につきましては、本会議、予算委員会でたびたび申し上げたことでありますが、鉄道料金の値上げを認める条件としましては、鉄道料金に便乗した交通関係の公共料金は極力押えるということをきめたのであります。そこで一切とはいわない。たとえば地方の軽便鉄道などで、兼業もやっていない、料金収入だけでやっている、ところが、もう多年の赤字で経営がやっていけない、もう鉄道をやめるかどうかというような問題がある。そういうときには、鉄道をもしやめてしまえば、その地方の交通関係に非常な打撃を与える、そういうような場合には、特別に考慮するということを考えておる。それは現在すでにやっております。私が経済企画庁長官になってからもやっておりますけれども、これは一般物価には影響を及ぼさない。その地方の経済発展の立場から見て、鉄道料金を上げたほうがいいのじゃないかという立場でやっておるのであります。そういうものは認めるが、しかし、一般の私鉄大手とか、あるいは都会のタクシーとか、バスとかの料金は、上げないという方針をかたく堅持していくつもりでおります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 次は、いわゆる米の関係の問題。生産者米価、消費者米価は、本年は据え置きの方針である。私はこの際、生産者米価問題は、時間もかかりますから多く議論をしようとは思いません。消費者米価の問題です。これは、物統令廃止ということを考えておるということが一つございます。同時に自主流通米を百七十万トン、これは酒米、もち米に七十万トン、それからウルチの一般消費向けが百万トン。この自主流通米が今後どうなるかという行くえはさだかでありませんけれども、少なくとも今日までの議論の中で、自主流通米は政府が最後までめんどうを見ないわけですから、中間経費というものをやはりそれだけプラスアルファされる。これはまあ大部分は消費者に転嫁されるという可能性を持っておる。したがって、この点については食糧庁長官も、十キロ当たりについて二百七十円程度プラスアルファされるだろう。そうすると、大消費地の十キロ当たりが千五百二十円ということに相なりますと、自主流通米は大体千八百円程度に計算上なってくる。今日やみの相場が千八百円から二千円台、自主流通米構想が出てからちょっと強含みでありますが、そうしますと、これはもう自主流通米を政府が断念しない限り、経済の常識からいっても、いわゆる消費者転嫁の経費はプラスアルファされる。それがやはり消費者物価にある程度影響してくるということは、当然のことなんです。経済企画庁は、やはり物価問題について中心的な官庁でありますから、こういう点については明確な科学分析をいろいろされたりして、食糧庁がこれから新しい問題に取り組む場合のサゼスチョンというものを積極的に提示していくことも、やはり必要なことではないか。これは国民生活局長に、事務的といいますか、技術的な問題でひとつ見解をお伺いしたいのですが、自主流通米により当然政府管理米より上がってくる、それが消費者物価にはね返ってくる、これは認めざるを得ない。それは予定どおりであるとするならば、どの程度波及してくるか。これはモチ米、酒米の場合は自主流通に回るわけですけれども、これはコスト価格的な性格でいままでやっておりますが、それにしても私この前地元のほうでモチの関係の人たちが、米の専門家だからといってお話をしてくれといったら、やはり従来と——新しいこういうものができた場合に、大手に集中していく。この間も酒米でこういう議論をいたしましたね。大手に集中していくんだというふうな議論もありましたが、モチ米でも、自主流通という新しい行き方については、価格面ではどうなるのだろう、所要量がくるのだろうか、そういう問題があります。かりにそういう点で価格が従来よりもプラスされてくるということになれば、酒、モチあるいは菓子というものにまで当然波及してくる。そういう点を経済企画庁としてどう見ておられるのか、あるいは今後検討されようというのか、それをお伺いしたい。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 お話になりましたように、私どもの立場は、もちろん生産者米価につきましても十分な関心を持っておりますが、やはり消費者米価、あるいはそれに関連いたします消費者物価ということを最も神経質に考える立場にある役所でございまして、いろいろ自主流通米についても食糧庁等と意見を交換をいたしております。  御承知のように、現在の段階、食糧管理制度の状況を考えますと、やはり消費者がある程度うまい米を選択するという要望が強うございますから、それに対応していくということが、いわば食糧管理制度のむしろ根幹の維持になるのではないかという考え方も持っておるわけであります。その意味におきまして、自主流通制度はこれは賛成をいたす。  それからただいまお話になりました価格に対する影響でございますが、モチ米のほうはあとにいたしまして、まず根幹と申しますか、基本になります配給、いわゆる従来の配給米、政府管理米、これはやはり六百万トン程度予定をいたしておりまして、そしてこれはちゃんとした米を配給するわけでございます。その意味におきまして、消費者に迷惑を従来の制度に比べてかけるということはまずない。逆にいいますと、その点で自主流通米制度は何がしか迷惑をかけるようであれば、これはむしろ考えるべきではないのでありますが、その意味におきまして、政府管理米はきちっと価格を据え置くという方針のもとで配給するわけでございますから、消費者に対して迷惑をかけるということはないというふうに考えております。  それから自主流通米の価格水準がどういうふうになるかということにつきましては、もちろんこれからの制度でございますから、食糧庁等も言っておりますように、的確にはなかなか言えませんけれども、やはりわれわれもコストその他から計算しまして、食糧庁長官の申し上げたような数字になるだろうと思います。しかし、その影響は、確かに自主流通米が配給米よりもかりに非常にウエートが高くなりますならば、一応影響なしとは言いませんけれども、ただいま申し上げましたように、根幹にいわゆる政府管理米があり、それのウエートが非常に大きい。それから一方、いわば私どもの食べます米というものは、おのずから一定であろうと思います。その限りにおきましては、私の感じでは、いわゆる従来の非配給というのがある程度減るだろうということ等を考えまして、もちろん全然影響皆無とは申しませんけれども、消費者米価の水準に影響を与えるようなことは、まずないだろうというふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 これは国民生活局ともあろうものが、いまのようなことを甘く言っておったのでは問題だと思うのです。あらゆる可能性というものを想定をしてみて、そしてやはり消費者物価を押えるという今日の政治的課題を経済企画庁のサイドから果たしていくということは、必要なんですね。私、きのう有力紙をちょっと見ましたら、登録の関係でいわゆる商業資本といいますか、そういう関係が、東北とか北陸とかいろいろなところで温泉招待とかやり始めたというようなことで乗り出しておるというような報道もございましたが、そういう商業資本というものは、短期的には損をしましても、やはり米の市場を占有するという立場から乗り出してくるということは、十分考えられるわけであります。だから、単に消費者物価全体の中で米のウエートはこれだけである、あるいはエンゲル係数から見てこうであるというふうな数字だけで律することはできないわけですね。そういう点は、新しいこういう構想が出た場合に、都市の消費者はやはり非常な不安を持っておる。また事実、ある程度検討すればするほどその危険性もあるということでありますが、これは経済企画庁長官として米の新しい行き方をとろうとしておる問題と物価問題、それの波及というものについての指導をどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 物価問題につきましては、これは政府の政策、並びに同時に国民の協力も問題になってくると思います。そこで、いままでの物価は、政府がこれを指導しておったという空気が強いです。したがって、物価が高くなれば賃金が高くなる、賃金が高くなれば物価が上がるというような循環性などもありまして、どこかでこれを断ち切る必要がある。それには政府が物価上昇を指導しておったというこの事実をひとつ示さなければならないということで、公共料金は極力押える。ただ、鉄道料金だけは国鉄の破綻という問題であるのでやむを得ず認めましたけれども、ほかは一切認めないという方針でやってきておるのでありまして、これがもう少し浸透すれば、私は一般物価にやはり影響してくると思うのです。これはいつかもお話し申し上げたと思いますが、たとえば大阪において年末にあれくらい豊作であるミカンが非常に高い。おかしいじゃないか。いや、政府が豊作で米の値段を上げているから、ミカンを豊作でも上げるのはあたりまえです。こういうことを言うのは、政府がやはり物価を指導しておるという気分が国民にあるわけですから、したがって、もう政府はあくまで公共料金を押えて物価は上げぬようにするのだという、このムードが国民に広がれば、私は消費者物価を押えていくことができるのではないかということで、問題は消費者物価の上昇のムードを押えるということ、それが先決問題である。それには公共料金を押えるという方針でいまやっています。もちろん、これには国民の皆さん方の御協力も得なければならぬ、こう考えている次第であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋分科員 時間が少し食い込みましたのでやめますが、経済企画庁の長官を二度やられ、通産大臣もやられ、しかも経済学博士という博士号まで持っておるのがムード論をやられるというのは、ちょっと困りますね。高度成長以来、物価問題が非常に深刻な問題になっているときに——そのことも全然ないとは言わぬけれども、やはり経済学博士ともなり、数回の閣僚経験を得られれば、もっと科学性も持ち、実行力を持った立場から、閣内においても指導的役割りを果たされる必要があるし、また国会を通じてでも、そういう立場においてやはり御見解を述べていただきたいと思うのです。  私は、水質二法は経済企画庁の関係もございますので、公害問題に触れようと思いましたが、時間がありません。いずれ救済あるいは紛争の立法等も出てまいりますれば、別の機会にまた議論することができますから、これでやめます。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次に、阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 私は、きょうはいよいよ迫ってまいりました万国博覧会、これについて、最近いろいろな説が流布されております、いろいろな反論が出てきておるわけであります。この期に及んでこういう反論が出るということはたいへんなことだ、こういうように考えておるわけであります。そこできょうは、はたして万博に対して国民的な合意というものが得られておるのかどうか、こういったテーマでひとつただしていきたい、こう思うわけであります。  すでに皆さんも御案内だと思うのでありますけれども、迫ってまいりましたこの万博に対して、一部に、この万博は一九七〇年の万博である。この七〇年という年は、外交、防衛について非常に問題になる年だ。万博は、大体第一種一般博覧会というものは十年に一回開かれるものであるが、モントリオールに続いて、繰り上げてこれが日本で開かれるのは、七〇年の安保闘争を万博によってはぐらかすのだ、こういうようなイデオロギーから出る説まで実は出ておるわけです。もしこんなことでもって、この一九七〇年という問題の多い年に国民的な合意を万博が得ていないということになれば、私はたいへんなことになると思う。今日の学生騒動などにつきましても、いろいろ原因を追及していくと、いろいろなことが考えられる。しかし、まだあの段階にとどまっておるわけでありますけれども、万国博が何らかのそういうような考え方によって反対されてくる、そういう反対運動が展開されるというようなことになりますると、たいへんなことだと思うわけであります。その場合、警察権力その他によって押えていこうなんという考え方を持っておったら、これはとんでもないことです。ほんとうに万博を成功させようと思えば、いまこそ完全に国民の合意を得ておかなければいけないんじゃないか、こういうふうに私は考えるわけであります。また、万博公害というようなことばが飛び出てくるわけでありますが、これは非常に広範なものをさしておると私は思うのであります。地方公共団体の負担の問題から、あるいは中小河川等におけるところの万博に関連して発生する河川の被害であるとか、災害であるとか、あるいは労務者のいろいろな考えられる災害であるとか、治安維持の問題だとか、いろいろなものが重なってきておるわけであります。これとても、やはり何らかの処理をしておきませんと、国民的な合意は得られないのじゃないか、こう私は思うわけであります。そういう考えから、私はいろいろ万博当局、特に協会等からの報告を受けておりますが、問題になっておった万博会場の建設の進捗状況、これは非常にうまくいっている。初めは多少渋滞した部分もあったけれども、大体見通しがついた、こういうようなことを言っております。また、問題になっておった参加国についても、特に東南アジア等からの参加が非常に多くなってきたということで、どちらかというと、そういう事業面から見た楽観説が出ておるわけでありますけれども、しかし、この一九七〇年に対処するという考え方については、何か反省といいますか、認識というものが欠けておるのじゃないか。これでは私は国民的な合意を得ることはできない。また、昨年あたりから導入されたフィスカルポリシーであります総合予算主義とか、あるいは財政硬直だというようなことによりまして、一般公共事業というものが、四十二年度か三年度あたりにおきまして繰り述べされております。万博事業は繰り述べされていない。しかも、万博関連事業と称して、公共事業というものがなかなか思うとおりにいかないのに、万博関連事業だけはどんどん進められておるのだというような、全国都道府県の万博に密接な関係を持っておる以外のところから、かなりこれに対するところのねたみが出ておるように私は思う。こういったことを考えていくと、繰り返すようでありますけれども、国民的な合意を求めるという積極的な態度が万博当局になくちゃいけないのじゃないか。どうもその点で欠けておると私は思う。昨年も、三月の十四日でありますか、この第四分科会でもってその点が問題になったのでありますが、一つは全国的なPRをもっとやれ。ことに万博の意義とか概念とかいうようなものについてはちっとも説明されておらぬじゃないか。また、モントリオールの経験に徴しても、コマーシャリズムにおちいることのないように十分考えていかなければ、合意が得られぬぞというようなこともあったわけであります。  そこで、端的に伺っておきますが、担当大臣の菅野さん、これがほんとうに国民的な合意が得られておるとお考えになっておりますか。ひとつ伺いたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いろいろお尋ねがありましたが、まずその大筋の点だけ私からお答えしたいと思います。  七〇年に日本で万博を開催するに至った理由につきましては、これはもうすでに明治時代から日本で万博を開きたいという念願を、当時政府のうちでも持っておったのでありますが、当時は世界の人が日本を相手にしてない時代ですから、もちろん万博は開けない。紀元二千六百年、昭和十五年に開くことについては、大体国際万博の本部で承認を得まして、それで準備をして入場券の前売りなどもやっておったのでありますが、御承知のとおりな国際関係でこれは開催することができなかったのであります。そこで、幸い東京のオリンピックが成功したので、この勢いでひとつ万博もやったらどうかという気分がわいてきたと私は思うのです。ところが、それに対してモントリオールで万博が一昨年開かれることに決定しておったのでありますが、その次の万博は実は豪州のメルボルンで開きたいという希望を持っておりまして、私もメルボルンへ参りましたら、これが万博の敷地だという説明を聞いたのです。それが一九七二年なんです。そこで七二年であれば向こうが大体やるということになっておりますから、こちらはオリンピックで勢いを得たので、メルボルンにとられちゃいかぬということで、七〇年ということをこっちが言い出して、そこで、メルボルンでは七〇年にはできないということで、結局日本に譲ったといういきさつがあるのであります。でありますから、七〇年は安保の年でありますが、そんなことは当時の人は全然考えていなかったし、われわれも考えていなかった。とにかく日本で開きたい、またオリンピックを東京でやったのだから、経済の中心である大阪でやりたいというようなことで熱望した結果、七〇年に開かれるというのでありますからして、安保という問題とは全然関係ないことでありますし、また今日でもわれわれ安保というようなことと万博というようなことは考えておりません。  そこで問題は、お尋ねの国民の合意を得ることが必要なことであって、それについては、この万博というものが日本で初めてであり、アジアで初めてであるというところに、この万博の重要性に対する国民の理解というものが、薄いと私は思うのです。ヨーロッパやアメリカでありますと、たびたび開いておりますから、万博というものがどういうものであるかということ自体も知っておりますけれども、日本では初めてであり、アジアでは初めてである関係上、国民一般に万博というものの知識がない。認識がない、それがやはり国民の合意を得ることが非常に困難だということ、この点はわれわれも考えなければならぬことだと思いますから、ヨーロッパや欧州で開かれる際のPR以上に日本ではPRしなければならぬということを考えておるのでありまして、そこで万博というものはどういう意義があるかということをまず国民に十分納得させていただきたいと私は考えておりますので、お話しの御注意の点もありましたが、まず、国民には小学校の生徒から万博というものの知識を得るようにしたいということで、来年の四月から万博に関するテキストをつくりまして、先生方から万博のいろいろの説明をしてもらうというようなこと、そして各府県には万博の協賛団体を設けましてそれぞれやってもらうというようなこと、あるいは近くは三月十五日には万博デーとして、全国的に各テレビで万博デーとしていろいろ催しをしてもらうというようなことで、国民にひとつ認識をしてもらいたい、こう思っております。  しかし、そこで問題は、一億の国民にわれらの博覧会であるという気持ちを持たせることが必要である。その点について、私は、範をとらなければならぬのは、カナダの万博が成功したのがそれだと思うのでございますが、このカナダも初めは万博の盛り上がりが少なかったのでありましたが、あそこは御承知のとおり、ことにモントリオールはフランス系であるし、そして南のほうは大体イギリス系の国民のことでありますからして、したがって、その点において国内的な摩擦も多少あったのでありましたが、しかし、万博を開催する一、二年前から、これは二千万のカナダ人の万博だ、しかもカナダという国ができた百年の記念だということで国民に教育をした。そこで二千万の国民がわれらの博覧会という考えを持ちましたから、したがって、各ステートが競争的に万博を協力してやるという空気が起こったのであります。そういう意味で、ひとつ日本もこの際、全国民がわれらの博覧会という気持ちを持ってもらうようにこれからPRするし、そしてまた、ことにその点においては各府県知事、市町村長などが率先してやってもらって、これは大阪だから大阪の博覧会だなどという考えを持たずに、これは国家的な大事業であるし、私がたびたび申し上げましたとおり、おそらく今後百年間には日本ではもう万博というものは開かれないという予想をいたしておりますから、とにかく百年に一度の事業でありますからして、これは国際的事業としてこの際ひとつ日本一億国民ができるだけ協力してもらいたいということで、これから大いにその点に重点を置いていきたいと考えておりますが、問題はやはり国会議員の皆さん方も、その点について十分御理解をしていただいて、まず国会議員の皆さん方が万博はわれわれ日本の国家的の大事業だというお考えを持っていただいて、なおまたひとつ先頭に立ってPRしてもらうことを心から念願してやまない次第であります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 大体そういうことだと思うのでありますが、いまからでもおそくない、やりたい、こういうことであります。いつまでこれをやっておってもだめなんであります。大体これが国民的な合意を十分得られぬ原因というものは、政府のこれに取り組むところの態度なり責任なりというものが、非常に欠けておったのではないか。振り返ってみましても、やれ政府代表をだれにするとかだれにしないとか、外務省と通産省の間でけんかしてみたり、そういうことを繰り返している。それから事務局等を考えてみましても、担当大臣は菅野さんだけれども、事務局は通産省だ、こういう形で運営されておる。推進本部が総理府の中にある。それから菅野大臣の万博に対する権限を調べてみたところが、法的にはあなたはほとんどたいした権限は持っていない。せいぜい万博関係閣僚会議の開催、会議に出席するというようなところが一つ、それから関連省庁との間の連絡調整をはかる程度にとまってしまって、予算の編成権から請求その他いろいろなものにつきましても、これは経企長官の全然権限外になってしまっておる。こういうような形で運営されてきたところに問題がある、こういうように思うわけでありますが、いまさら言ってみたってしかたがない。とにかく成功させなければならぬ。  そこで、いまいろいろ言われておるような問題を、これからでもおそくないですから、やはりそういう誤解をどんどん解いていくということが必要だと思うのです。それを何か万博のPRというと、お祭り騒ぎをやって、レセプションをやってみたり、立柱式なんかやって、そこで折り詰め弁当を食ってみたり、そういう形ではいけないと思うのです。やはり万博関係のマスコミ対策はどうなっておるか。マスコミは協力するということを出発点から声明しております。ところが、ある週刊雑誌なんか見ると、きわめて間抜けたことを書いておるわけなんです。たとえば地方公共団体の負担が非常に大きいのだ、——私はたいして大きくないと思うのだけれども、大きいのだ。その数字の根拠を調べていってみると、その説によると、万博関連公共事業に全部をその中に含めてしまっておる。大体ことばも悪いですよ。万博関連公共事業なんてやっておること自体が、間違いなんです。そういう点についても、明確に全国民に知らせてやらなければいけない。これは近畿圏整備法の整備計画の中における十年計画、これはたとえば首都圏整備計画の中にもあるし、その他いろいろな計画はみな持っておる。ただ、たまたま万博が開かれるので、したがってできればそれに間に合わすのだ、その仕事の中で間に合わしたらよかろうというのが、万博関連事業なんです。それをいかにも特定の万博関連事業というものをここへ持ってきて、そうして公共事業の全国的なワクをさいてこれに充当したのだというような考え方になってしまっておる、こういう点もやはりじみちに説明していかなければなりません。それが行なわれていないのです。たとえば、先ほどありましたような、ごく一部でありますけれども、イデオロギーから来るところでありましょうけれども、一九七〇年安保闘争をそらすためにこれを持ってきたというようなことを言っておる、こういったものにつきましても、大臣からいまお話があったような説明が加えられておって、これが国民の間に浸透しておれば、そういう誤解も出てこない。それもやっていない。やっておるものは何かというと、銀座か何かで万博のPRの会を持つとか持たないとか、そんな間抜けたことをやっておるのがいけないと思うのです。今日のマスコミは、そういうものについては応援してくれませんよ。もっとしっかりしたものを出していかないと、協力を得られないのではないかと私は思うのです。そういう点で今後一段の努力をしてもらいたい。これにつきましても、万博協会あたりばこのマスコミ対策というものを一体どう考えておるのか、何をやっておるのか、これをひとつあなたのほうでわかっておるならば——予算なんかを見てみましても、運営費の中に若干あるのでありまして、銭金の問題ではないと私は思うのです。大体マスコミ対策といいますか、マスコミに協力を求めていく、そういう姿勢がくずれておるのではないかと私は思うのです。ただ催しものだけで万博を全国的に合意を得ていくのだ、そういう甘っちょろい考え方を持っておるから、今日といえどもなおこの期に及んで協力が得られないのではないか、こういうふうに思います。こういう点について、ひとつさらに一段の御配慮を願いたい、私はこう思うわけであります。  次に、いろいろな問題点がありますのでひとつ取り上げておきたいと思いますが、その前に、国会議員の協力がもっとほしいとおっしゃいましたが、そうだと思うのです。予算委員会におきましても、本委員会等で私は取り上げてみたいと思うのですが、時間がないからやれない。万博の専任大臣をもういまさら求める必要もありませんが、せめてもっと万博論議というものが国会の中で大きく取り上げて論議されていかないと、やはり国民の間にこれがPRできない。オリンピックのときに、オリンピックに対する特別委員会でございますか、これができておるのですが、これとても、ただ単にその委員会が政府に圧力をかけて、そして予算を取るとか取らないとかの問題じゃなくて、そういった国会としての大きな役割りを果たすためには、やはり特別委員会というものはつくられなければいけないんだ。ところが、これは菅野大臣に言うわけじゃありませんけれども、自民党の大幹部として——私ども社会党あたりでもやかましく特別委員会をつくれということを言っているのですけれども、一向にあなたのほうでは、自民党さんのほうでは、そういうことについて熱意がないじゃありませんか。これはきょうの本論でありませんけれども、ちょっと頭のかたい連中にそう言っておいてください。きょうここに来ておられる方々が、もっと積極的にやられるぐらいの気持ちを持ってもらいたい。あまりうしろ向いてやるとおこるかもしれない。この点につきましては、ちょっとげたを預けておきたいと私は思うのです。なおいまからでもおそくはありませんよ。もう予算がついてしまったし、ワクもきまっておるのですから、予算のぶん取りとかそんなことはやる必要はなと思うので、ただここでもってもっと問題点がどんどんどんどん論議されていく、そのこと自体が、やはりそういう形をとってくれるならば、おそらくマスコミにおいても書いてくれるでしょうし、国民に誤解を与える点は、やはりマスコミを通じて明らかにされていくのではないかと私は思うのです。そういう役割りを果たすためにも私は必要じゃないかと思うので、もっと積極的に自民党さんのほうでも取り組んでもらいたい。このことをひとつお願いしておきます。  いままた依然として入場料が問題になっているのですが、まだ高いといっているのですが、どうですか。この点につきまして、大体八百円ということは妥当な線でありましょうか。どうでしょうか。もう一ぺんどなたでもいいですから、御答弁願いたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いろいろの問題点について、説明者にお答えいたさせますが、万博について、私は担当大臣ですので、まとめ役をいたしておるわけであります。万博の閣僚会議がありましても、その閣僚会議は、私がまとめ役をいたしておるのでございます。したがいまして、万国博委員会の仕事自体は、これは通産省でやり、関連公共事業は運輸省あるいは建設省が所管しますが、それらの各省の予算計画などはみな提出してもらって、それをまとめていく役が私であります。対外的な責任も、私が負うておるわけであります。その点をひとつお含みおき願いたいと思います。  それから、要するに阪上委員も万博を成功させたいという熱意からいろいろお気づきの点がおありだと思うので、そういう点についても、いろいろわれわれも教えていただいたことは非常に感謝しております。お話しのとおり、万博の問題については特別委員会を設けるということは、私などはもうすでに最初から主張していた一人であります。しかし、当時の自民党あるいは社会党の方もそうであったかしれませんが、万博の特別委員会を設ける必要はないというようなことで、設けないんだというように私は聞いておるのでありまして、私自身は、もう最初から特別委員会を、オリンピックでさえ特別委員会があるんじゃないかということで、申したような次第であります。万博については、こういう委員会でできるだけ御討議してもらうことは、私ども望ましいことであるし、同時にこれがPRにもなるし、また報道関係にもまたそれによって報道されるということになると思いますから、できるだけ万博については御意見のある点は容赦なく意見を述べてもらって、それでわれわれもまた皆さん方の御意見に従って善処したい、こう考えておる次第であります。そういう意味で、この万博のPRの問題その他、万博を成功させるにはどういうことをしたらいいかというようなことについて、われわれでは気づかない点が多々あると思いますから、その点は、先ほど申し上げましたとおり、これは国民的な事業でありますから、皆さん方からもまた有益な御意見をどんどん発表していただき、教えてもらうことが必要だと思いますから、どうぞその点はよろしくお願い申し上げたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 入場料につきまして御答弁願いたいのですけれども、答弁が長くなってしまうとあと時間がなくなるから、私のほうから多少解釈しますから、それでお答え願いたいと思います。  これは前売り券を出してしまっているんですから、いまさら前売り券の入場料の額を変えていくなんということは、私はできないと思うのです。たとえば一般の場合、おとなが八百円でありますが、子供は六百円、そこらはさわれないと私は思う。外国人に対しては、おとなが二ドル、子供が半額ですから一ドルですか、ということになっておりますね。外国人よりも日本のほうが幾らか安いのです。しかし、その辺は変えられないと思うから、一つ私が質問しておきたいのは、団体等に対してもっと割引率その他について考える必要があるのではないか、こういうように思うのです。身体障害者その他、そういったものに対してはただで見せてやるというような配慮というようなものを、もっと大きく拡大する必要があるのではないか、この点が一点。いま一つは、前売り券ですが、売れ行きはあまりよくありませんね。あなた方のほうから出ているのを見ましても、あまりよくない。その代理店としては、旅行の代理店であるとか、鉄道弘済会だとか、あるいはプレイガイド、たばこ屋さんとかいうようなところを指定してやっておる。こういうことなんです。それから一部下請がまた出てきておる。おそらく旅行協会だと思うのです。そこで、この旅行協会あたりだろうと私は思うのでありますけれども、盛んに学校なんかに行って無理やりに強制している、そんなやり方をやっておったんじゃ、ますます国民的合意は得られませんよ。もう少し方法を考えてみたらどうか。この二点について、時間がありませんから、端的にお答えをいただきたい。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 入場料金の問題でございますが、団体につきましては二十五人以上は割引にしたり、あるいは学校行事につきましても、引率者がある場合に二十五人以上の場合割引制度があり、入場料において相当広範な割引をいたしております。それから身体障害者につきましては、付添人を一人つけまして、相当の割引をするようにいたしております。夜間につきましては、おとな、青年、子供について、それぞれ半額の割引というようなことになっております。というようなことで、大体入場料金につきましては、収入もいろいろございますし、御承知のように、割引につきましては、この前の料金引き下げ措置のときには、財政的な措置もいろいろいたしておりまして、いまのところ、料金制度につきましては一応結論が出まして、これでいま進んでおる段階でございますので、いまこの制度を変えるということは、相当無理ではないかというふうに考えます。  それから前売りの状況でございますが、実は前売り券を何枚にするかということは非常に問題でございますが、通常の場合四〇%程度が前売りで、始まってからは六〇%程度でございます。というのが慣例のようでございますけれども、万博の場合には、特に意欲的に前売りを多くしたいということで、五〇%程度の前売りにしたいということでございまして、三千万人の入場者の中で約千五百万枚を前売りにいたしたいと考えておるのでございます。その時期を三つに分けておりますが、分けております時期についての売り上げ枚数の予想が、実はトップヘビーになっておりまして、第一期が六百八十万、第二期が三百二十万、第三期五百二十万でありまして、当初は相当PRいたしまして大幅に販売いたしたいということで、な底べみたいな販売計画になっておったものですから、どうも率直にいいまして、実績はやや低いという感じでございました。二月の十九日付の実績で申しますと、二百五十四万枚ということで、少ないのでございますが、万博協会のほうから出しております、つまり現金は入っておりませんけれども、札として出しております数字は、六百二十七万枚ということでございます。それで、所によりましては、特に団体で買うようなところは、きょうまでが一五%引きでございまして、最後の日に払えばいいというようなことをいっておるところもございますので、二月末で締めれば、いまの二百五十四万枚というのは相当伸びてくるのではないかというふうに思っておりますが、当初の消化見込みがややトップヘビーであったという感がいたしております。そういうことでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 入場券の前売り券ですが、さっき言いましたように、学校あたりに行って、明治百年を振り回して何か前時代的な感覚でやっている、あんな間抜けたことはもう少し監督しなさいよ。  それから、もう時間がありませんから、ぼくのほうで言いたいことを言っておきます。前売り券でも、金のない、力のないところへ指定したって、最終的に売れなければ金を納めないというような連中が、いまだにおるのですよ。それは収入減になっておるのです。そういうようなものにつきましても、そういうところからいろいろな問題を起こしていく可能性がありますから、この点はよほど注意しておいてください。  それから次にお伺いいたしますが、出展参加の状況でございますが、私、状況はよく知っております。そしてあなた方もたいへんな努力もいたしましたし、一時いざこざがありましたけれども、よく努力されて、四十四年二月一日現在で五十九カ国ですか、香港政庁を含めて五十九カ国の参加が決定している、こういうことを聞いております。それから三国際機構、四州一市、それから二つの私企業ですね、これはアメリカでしょう、こういうものがきまっておりますけれども、なお七十一カ国ぐらいまでもっていきたいという腹らしいのですが、それはそれでいいとして、これが東南アジア等を含めて、アジアで開かれるところの万博だという、一つのサブテーマではないですけれども、一つのコンセプトを持っているのですから、どうしてもやはり東南アジアの多くの参加、中近東の参加、中南米等の参加をわれわれ必要だと思うのです。それでなければ値打ちがない。ところが、肝心かなめの中国が入っていない。条約によりますと、外交ルートを通じて招請する、こういうことになっておるのですから、いろいろ言い分はあるかもしれないけれども、これは博覧会のことですから、中国あたりもしよっちゅう見本市とか中国展とかを日本で開催しているのだから、下心はないとは私は言えないと思うのですが、これに対して何か努力されたかどうか、これは菅野大臣からお伺いしたいと思います。私、非常に残念に思っております。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 中共が入っていないことは、私自身も非常にさびしく思っておるのでありまして、初めから中共を入れたいという希望を持っておったのでありますが、最近の日中の関係上、おそらく中共のほうから参加しないだろうということが考えられるし、またそういうようなことも公式ではありませんが、非公式にも聞いておるのでありまして、私としては非常に残念だと考えております。しかし、もし情勢が変わって、あるいは中共が参加するというようなことになれば、これは無理しても中共には参加してもらいたいという私は希望を持っております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 この外交ルートでありますけれども、一つは直接に外務省を通じて参加勧奨をやるのですね。いま一つは、政府の閣僚、それから政府代表はいま奥村さんですかがやっておられる、それから万博担当大臣、あなたですよ、こういう特使が現地に行って、そして勧奨するという道が開かれているわけですね。はっきり言いまして、そうなっているのですよ。そっちのほうはおやりになったのですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 公式には、中共へはそういう参加をしてくれということは言うておりません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 これからやる余地がありますか。もう開催期限その他から考えてどうかと私は思うのですが、どうでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 今日の情勢では不可能ではないか、こう考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 非常に残念なことをしてしまったと私は思うのであります。これにつきましてはいま論議してもどうにもしかたがないと思いますけれども、余地があればなお今後もひとつ努力していただきたい、こういうふうに思います。  それから、広い意味の万博公害といわれている中に、地方財政の負担の問題があるわけですね。そこで、地方公共団体の補助金百二十六億円というのがありますね。団体から協会のほうへ補助するもの、負担金といってもいいでしょうが、この内訳はどうなっているか、ちょっと知らしてください。

山本成美自治省財政局地方債課長

○山本説明員 万博の負担金として、昭和四十四年度で三十五億七千四百万でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 国庫補助が二百五十億三百万円の三分の二、こういうことになっていますね。地方公共団体——関係地方公共団体の負担と言ってもいいと思うのですが、百二十六億、それで四十四年度はいま言った数字だ、こういうことだと思うのですが、全体に対してこの百二十六億円というのは、大阪府が何ぼ持ち、大阪市が何ぼ持つ、こういうことになっておるわけですね。ですから、結局七十億を大阪府が持ち、四十億か何かを大阪市が持つというようなかっこうになっている。その他の部分についてはきわめてわずかでありますけれどもその他の関連地方公共団体が持つということでありまして、大阪府市の負担は非常に大きいと思う。しかし、その他の関係公共団体についての負担なんというものは、微々たるものであって問題にならぬ程度のものだ、私はこう見ておるわけです。ただ一つここで問題になってくるのは、大阪府市の負担であります。そのほかに、大阪府は二百五十億元利償還しなければならないところの用地費を持っておるわけなんです。これはあとで菅野大臣の重大な決意を聞きたいと私は思っているのですが、それはそれとしまして、もう一つ問題になりますのは、関連公共事業の地方負担がどうなっておるか、額で言ってもらいたいのですが、建設省ひとつお答え願いたい。

長尾満建設大臣官房技術参事官

○長尾説明員 ちょっと額はいま調べがございません。事業費は千六百十三億でございます。県の分担分はまだはじいてございません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 関連公共事業としては、事業費全体としては六千億をちょっとオーバーしておったのでしょう。

長尾満建設大臣官房技術参事官

○長尾説明員 全体の事業費は約五千億でございますが、そのうち四十四年度の事業費として、約千六百億でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 そこで、これが誤解を受けておるのです、地方団体の負担だと。その五千億に、国庫負担と、それからあれがありますから、それが非常に何か万博関連をやったために大きな金を地方自治体がしわ寄せをされておる、こういう見方を世間ではしておるのです。この間週刊誌あたりのなまはんかなあれが書いているのは、それなんです。そのために一般公共事業までしわ寄せされて、住民の直接必要とするところの公共事業が削減されているのだ、こういう言い方になっておる。ここらのところ、大臣、もう時間がありませんからあれしますが、非常なPRをしてくださいよ。こういう点は、それをやっておきませんと、何か万博のための事業に食われてしまって、全国的には地方自治体が損をしておる、こういう印象を与えておる。  一方、万博の直接の事業につきましては、百二十六億程度の負担であって、それは大阪府市がほとんどかぶっている、こういうことになっておるわけです。自治省に伺いますが、これはかなり大きな額です。いまの地方公共団体としては、地方自治体が黒字に好転したとかいうような間抜けた論もありますけれども、これにつきましては、私、やはりほかにもいろいろ疑義が出てくると思う。もしこれが大きな歳入欠陥になったり赤字の大きな原因になっていくという場合には、交付税やなんか、その他の点において何か自治省は配慮しますか。これは国の事業ですよ。

山本成美自治省財政局地方債課長

○山本説明員 ただいまのところ、これによって大きな赤字が出るかどうかはっきりいたしませんが、私のいまの考え方といたしましては、先ほど仰せになったような万博の負担金、それから関連公共事業についての地元負担については、これは交付税措置——特別交付税措置でありますが、それから起債の措置等によって、できる限り赤字の出ないような仕組みをつくっていきたい、かように考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 それでは、その質問はこれで終わります。  引き続きましてお伺いしたのは、あと地利用計画の問題これは私は前々から言っているのですが、これは国の仕事なんだから、大阪府市に、あるいは関係の市町村、近接している市町村にあと地利用なんということをやらしてはいけない。すべて国がやらなければいけない。仕事は委任してやらしてもいいと私は思います。いろんな計画等についても、参画さしてもいいと思う。けれども、あと地利用する主体は、やはり国である。ところが、二百五十億円元利償還に相当する土地百万坪でありますが、これは大阪府が立てかえて買い上げておる。これは国で買い上げてやらなければいけないのじゃないですか。土地は向こうに金を持たしておいて、計画だけこっちでやって推し進めていくという間抜けた政治はないだろうと思う。いま言ったように、いろいろと負担があって、特別交付税その他場合によっては考えてやらなければならぬという段階にきておるときに、私はこういう大きな負担をかぶせておいていいとはいえないと思う。私は別に、あなたは大阪におられるから大阪の肩を持ったといわれる必要はないと思う。当然国が計画を立てて、全国的なあと地利用ということに入っていかなければならない、こういうことだと思います。  そこで伺いたいのは、二百五十億の元利償還を含めたものを国が持ってやる、買い取ってやるということが一つ。それからその場合、関連して、残存価値を六十億かなんか見ておりますね。どういう観点から六十億というものを見ておるかというようなことについて、二点だけお答え願いたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 万博の敷地はいま大阪府で立てかえて買収してもらっておりますが、買収の都合や何かで大阪府がやってもらったほうが都合がいいというような意味もありますし、やってもらっておりますが、そのあとで、これはそのあと地の利用と関連することでありますが、とにかく政府がその買収資金にプラスそれに相当する利息をつけて買い戻す——買い戻すというと語弊がありますが、買い取るということで、実は一応話がついておるわけであります。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 五十億の残存価値の点でございますが、万博協会がやっております事業は、さっき仰せがございましたような国の金、それから地方の金を入れまして、大体五百二十四億の工事をやっております。それを主要施設別に見まして、大体の残存価値が約一割——ちょっと一割切れるわけでございますが、五十億程度ということで、一応残存価値として五十億を考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 これは大臣、お聞き願いたいのは、やはりそれをやってやらぬと——残存価値の見込みが少ないと思うのですけれども、もっと見込んでやっていいと思うのですが、そうすれば助かるだろうと私は思うのです。いずれにしてもあのままでほっておきますと、財政が苦しいものだから、各方面からいろいろと、やれ住宅を建てろの、いろんな都市問題を解決しろのと、そういう要求がありますから、そのさなかにああいうことをやるのですから、したがって、やはりあれに対しては損をしないようにという考え方にどうしても立つだろうと思います。そうすると、完全に地方公共団体にまかしておきますと、切り売りしてしまいますよ。そしてあと使いものにならぬようなものが残ってくる。国家として、国民全体のために利用するような施設として残っていかないというおそれがある。たとえば学園都市をあそこにつくるのだ。そんなものはまわりにつくればいいんであって、あれはあのままそっくり残してもらいたいということがあると思うのです。せっかくあそこにあれだけ確保したのだから、緑地なりなんなりで残していく必要がある。しかし、財政上の都合から、これを切り売りしてしまうというおそれがあります。住宅を無理やりに立ちのかして、またそこに住宅を建てるというおそれなきにしもあらずです。こういうことをお考えいただいて、ぜひひとついまの点について、国が買い上げて、そして国の大乗的な見地から、あと地を計画を立ててこれを残していくのだ、こういう方向へ持っていっていただきたいと私は思うのです。  それからまだほかに聞きたいことがあるのです。たとえば労務管理等もやはり公害対策の一つだといわれておりますが、あれだけの事業量をこなすためには、いままでの統計からいうと、六百人死ぬというようなことをどこかのあれに書いてある。聞きますと、いま一名とうとい人命を失ったそうであります。一名といえども非常に大事でありますけれども、いま被害が非常に少ない。しかし、どうしても六百名、それを主張する人は、あと五百九十九名殺すつもりでおるのかどうか、私にはよくわからないけれども、そういうことを言っている。ですから、ひとつ労務管理につきましても、一そう安全対策について十分な措置を講じてもらいたい。  その他いろいろございますけれども、結論としては、こういった私が申し上げましたようなことを逐一解消していくことによって、国民的な合意というものが万博に対して得られるのではないか。そのことが、一九七〇年に開催される、こういった時期に開催される万博を、ほんとうにスムーズに達成することができるのじゃないか。それをただ準備ができたから安心だというようなことでは、いけないと思うのです。そういう点でひとつ御配慮を願うということ、それだけ申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次は、北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 時間の制限もございますので、私は二、三の問題について、むしろ事実の確認というか、そういう問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。  第一の問題は、佐藤内閣になりましてから、経済が超高度成長ということで、三年続き一七%以上の高度成長であります。世は昭和元禄といい、イザナギ景気ともいって、確かに法人企業は七期連続増益ということで、景気はいいわけなんですけれども、ところが世論調査を見ますと、国民の生活はそれで楽になったというのではなくて、むしろ苦しくなったという人のほうが率が多いわけなんですね。そこに大きなギャップがある。これは感じとしてもそう思うのですが、そこで私は、企画庁その他から出ておりますいろいろな統計を見てまいりました。確かに法人企業はこの七期連続の増益でありまして、特に利益の中で、いわゆる社内留保に回す分は、蓄積の分というのが、昭和四十年の二〇・二%から四十二年の三六・八%というように非常にふえている。それを裏づける一つの原因をなしておるのは、佐藤内閣になってから法人税が非常に軽くなった。いわゆる法人税率が三八%から三五%に下がり、あるいは特別償却制度、租税特別措置等によって法人税は軽減をされましたから、それも統計上、昭和四十年には利益の中で税金に回す分は四四・二%でございましたのが、四十二年には三八・三%というように、法人の税負担が大幅に軽減されておる。それがこの社内留保をふやす一つの原因になっておると思うのです。それからもちろん生産性が上がって、賃金が伸びるよりも生産性が上がって、付加価値の中での労働者に対するいわゆる分配率というものも下がってきておる。これは昭和四十年の五五%から四十二年下期には四九・九%というように、労働者に対する分けまえがどんどん下がってきている。ですから、もうかるわけなんですね。ところが、一方で国民所得の分配を見てまいりますと、これは企画庁の統計資料を見ますと、労働者の数は、この四年ばかりの間に三百七十万くらい絶対数はふえたわけです。したがって、雇用者の数は、就業人口に対して六二%をこえておるだろうと思います。ですから、絶対数がふえたから雇用者の所得の割合というものは大きくならなければならぬのに、逆に下がりておるわけです。四十年には、雇用者所得の国民所得に対する割合というものが五七・一%でありましたものが、四十二年には五五%に下がってきておる。人数はふえたが所得の割合は減った、取り分が減ったということになっている。そうしてそれやこれやの結果として、特に国民総支出の中の個人消費支出というものが大幅に下がっておるわけです。それは四十年の五四・三%から四十二年の五〇・九%に下がってきておる。五〇%を割ろうとしておる。池田内閣が、たしか昭和三十六年ごろ五〇を割ったことがございます。ですから、国民経済の活動は盛んになり、生産は上がった、自由世界第二番目の工業国になったといいながら、その成果が国民生活に対してはさっぱりプラスになったという徴候は、こういう統計資料によっては認められない。むしろ国民大衆の生活を押えることによって法人企業がぼろもうけをしておるというのが、この企画庁なりあるいは大蔵省の統計資料ではっきりわかるわけなんですね。その事実について、私のこういう見解に誤りがあるかどうか、誤りがあれば指摘を願いたいと思うのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 数字的の説明は政府委員からお答えいたさせますが、まず社内留保の金がふえたということは、私は、一面からいうと、会社経営の健全性を意味していると思うのでございます。御承知のとおり、日本は終戦後資本のない国でありましたから、いわゆるどの会社も借金政策でやってきたわけでございますが、やはり自己資本をより多く持つことが会社経営の健全性を意味しているということで、利益があればできるだけこれを社内留保して、自己資本を増すというやり方をとるべきだと思う。そういう意味で政府も奨励するし、会社経営者もそういう意味でやってきたと思うのであります。でありますから、社内留保がふえたこと自体は、これは非難ができない。問題は、その点においてどういうふうにふえてきたかというところに問題がある。それは北山先生もそういうことをお考えになっておられることと存ずるのであります。  そこで、社内留保をふやすという意味において、特別に租税負担を軽くするとかいうような方法も政府はとりましたし、法人税を軽くして、そしてできるだけ社内留保に回すようにするというようなことで、自己資本をふやすというところに今日まで会社経営者が苦労してきたし、政府もそれをある意味においては奨励してきた、こう考えておるのであります。いままで会社の利益がどのように分配されておるかということについては、数字をおあげになりましたが、その点についての説明は政府委員からさせたいと思います。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 ただいま御指摘になりました数字は、そのとおりでございます。ただ、ただいま御指摘の点は、国民所得における雇用者所得の構成比、それから全体のGNPに占める個人消費の構成比という観点から御質問があったと思います。それで、この構成比の問題につきましては、一つ私ども考えなければならぬと思いまするのは、景気変動との関係でございます。景気変動に従いまして、たとえば個人所得で申しますと、GNPに占める個人消費のウエートというものは、やはりほかのアイテムが大きくなれば相対的に小さくなる。いずれも構成比でございますから、ほかのアイテムとの相対比の問題だと思います。したがいまして、たとえば第一点として御指摘になりました雇用者所得でございますが、この点等につきましても、景気のいいときにはむしろ法人の所得が上がりまして、そうして相対的に雇用者所得のほうが低くなる。また一つの例を申し上げますと、四十二年度におきましては、非常な大豊作でございましたので、いわゆる個人業種所得、これは農家がそうでございますが、個人業種所得のウエートがある程度上がっております。こういったような豊作の関係あるいは景気の好況、不況といったようなことにつれて、絶えずアイテムとの構成比が上下するという点があることは、御理解いただけるのではないか、かように思います。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 いまお話しのような点を十分理解した上で、私は相対的に申し上げているわけです。要するに、経済成長の結果、確かに法人は比較的恵まれている、あるいは資産所得者は恵まれている。しかし、その恩典が、労働者を中心とする国民大衆にはあまりありがたみが及んでおらないということを、私は傾向として申し上げているつもりであります。  ただ、いまの大臣のお話の中で、法人税を軽減して内部留保をふやさして、そうして法人の経営内容というものを健全化するのだというお話ですが、そういう政策はずっととってきたわけですよ。とってきたけれども、私の知る限りにおいては、法人の自己資本の比率というものはむしろ下がっているのじゃないですか。上がらない。法人に対してどんどん法人税を下げて、そうして法人の経営内容をよくしよう、資本構成をよくしようとしておっても、法人のほうはむしろその余裕をもってどんどん設備拡大にそれを回して、借金をじゃんじゃんやっておる、そういうことですから、大臣のいまのお答えは、気持ちはそういう気持ちだったかもしれないが、しかし、結果としては逆の方向に動いている。逆の効果をあらわしているのだということを私は指摘しておきます。  それで、とにかくこういう数字をお認めになったのですが、何としても個人消費支出が実質的に比率として下がっている。ということは、これはやはり経済全体としても大きな問題じゃないかと思うのであります。諸外国では、先進国ではたしか六五%くらい、そういうものが個人消費支出に回っている。それが衣食住生活のために、生産活動、経済活動の成果というものが各家庭の衣食住を豊かにするほうに使われている割合が高いわけなんです。日本の場合は、経済が発展すればするほど、各家庭に回るありがたみというものはだんだん減ってくるという、こういうやり方ですね。これは池田内閣時代の成長のパターンなんですよ。たしか四十年からは、安定成長と称して、そうしてこれからは経済の成長が国民の生活を豊かにするほうに、しかも経済的にいえば、国内の需要というものをてこにして経済の安定成長をはかるということにたしか変質をするということであったはずですが、相変わらず池田内閣時代を上回る超高度成長、同じようなパターンでやっておる。ここに問題があるし、したがってこのように個人消費支出というものの割合が減ってくるということは、一方においてはどんどん設備は拡大される、生産力はふえるということで、同じように供給過剰、過剰供給の壁にぶち当たるのではないか。国際収支の壁は一応いいとしましても、やはり国内需要というものは、こういうふうに個人所得というものが、労働者をはじめとして、一般国民の所得が比較的、相対的にふえない、そういうところから、やはりそういう需要が伸びていかない。どんどん生産はするけれども、その品物は、商品はストックになるという事態が来るのではないか、私はこういうふうに思うのですが、この点について、簡単にひとつ所見を伺いたいのであります。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話しのように、個人消費支出はなるほど全体の率からいえば減っておりますが、しかし、たいした減り方ではないように思います。そこで問題は、やはり民間設備投資がふえてきておるというところに問題があると思うのです。民間設備投資がふえてきたということは、これは申すまでもなく、日本の経済が発展してきたというところに原因があるのでありますから、そこで、民間設備投資がふえれば、供給がオーバーになるのじゃないか、オーバー・プロダクションになるのじゃないかという御心配を持っておられますが、私はいまの見通しでは、幸い対外的な貿易の関係、あるいは一般の国内的な需要というようなことを考えてみると、まだまだオーバー・プロダクションにはいまのところではなってないと思いますが、しかし、その点はわれわれ非常に注意しなければならぬのであって、過当競争でオーバー・プロダクションにならぬように、政府としてはこれを監視し、また、できればそれを指導していきたいというように考えているのであって、お説のとおりの御心配は、私たちもやはり持っておる次第であります。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 その傾向は、すでに徴候はあらわれておるように思うのであります。ですが、この問題については、これ以上立ち入りません。  次に、私は、農業所得、農家の所得について、ちょっと確かめておきたいのでありますが、政府の農業白書によりますと、四十二年度の農家の所得というのは、農業所得が五十一万、農外所得が五十二万、合わせて百三万ということであります。ところが、四十三年度の経済白書によりますと、農業所得のほうは大体同じですが、農外所得において六十七万というように出ておりまして、相当開きがあるわけです。十五万ぐらい違う。それはよく見ると、いわゆる被贈与分あるいは扶助を受けた、それが十万円ほど農業白書のほうには計上されておらぬのです。十万円修正しましてもまだ五万円違う。これは時期的に若干差がありますから、そういう点もあるかと思うのですが、一体農業白書のほうが正しいのか、あるいは経済白書のほうが正しいのか、五万という食い違いはどこから出るのか。これは農業所得ではないのです。農業所得は大体同じなんです。五十一万ばかりですね。経済白書のほうは、これは白書の一四五ページに書いておりますが、五十万七千百九円となっておる。ところが、五万円違うわけです。これはどちらのほうが正しいのか。五万円の食い違いというのは、一体どこから出てきておるのか。いまわからなければあとでもいいのですけれども。

矢野智雄経済企画庁調査局長

○矢野政府委員 いまちょっと正確な対比をした数字を手元に持ち合わせませんので、後ほど資料をお届けいたします。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 そこで若干お尋ねしますことは、農家の所得の中には、相当土地の売り払い代金が入っておるのじゃないかと想像されるわけです。これは四十二年度ですかの農地転用許可面積を見ると、たしか二万八千ヘクタールでしたか、相当あるわけです。それがまるまる全部売却されたものではないとしても、相当数はやはり売却されたのじゃないかと思うのですよ。数千億円の土地代金というものが農家の手に入っておる。農林中金の調査を見ますと、農家の貯蓄の中で、貯蓄をしたそのもとになる財源を全国的に調査したものがありますが、全国的に見ますと、これは四十二年度ですが、米代金は二七・三%で、土地代金が一五・五%ですから、案外土地代金が非常に高いのですね。これを都市的農村という地域に見ますと、農業外収入、土地代金が二六・八%、ことに南関東のような場合には三五・四%。ですから、農家の所得といっても、これは貯蓄の分でありますから所得全部ではないと思うのですが、ここに土地代金というものが農家の所得と称せられて入っているんじゃないか、こう思うのでありますが、そういう点について、企画庁の調査はございますか。

矢野智雄経済企画庁調査局長

○矢野政府委員 企画庁で、直接その点につきまして調査をしておりませんが、関係の資料によりまして確かめてみまして、後ほどお答えいたします。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 私の言いたいことは、農家は非常に豊かになったんだ、農村は労働者、勤労者よりも生活程度が上がったんだなんということを言っておりますけれども、その所得の源泉を見ると、農業自体の所得は少ない。そして半分以上は農外所得であることは間違いないのですが、その農外所得でも、土地を売った売り払い代という、売り食いをしているようなものも含まれておるということですね。これは私は相当数あると思いますし、そういう点にまで突っ込んだ検討、分析をしなければ、農家の実態あるいは農村の実態というものはわからぬじゃないかという点を、私は指摘をしておきます。なお、資料についてはあとでいただきたいと思います。  それで、それに関連をして、一体四十四年度における農業所得というものをどういうふうに見込んでおるのか。これは、四十三年度は五・九%くらいの増だったと思います。四十二年度に比べまして五・九くらいの生産所得の増だと思うのでありますが、今度の経済見通しによりますと、生産指数からいうとほとんどふえないですね。農業は〇・一%のプラスになります。ほとんど横ばいであります。そして耕種部門においては九七・四でありますから、逆にマイナス二・六ですか、生産指数では減るということになっておる。若干畜産のほうで九・九%ふえることになる生産指数が出ておりますが、米価は横ばいだ、据え置きだということでございますから、四十三年度に比較して四十四年度における農業所得というものは、どうなのか、これは一つ見通しがあると思うのです。それは全体の総生産あるいは国民所得の計算がありますから、その中における農業所得はどういうふうに見ておられるか、これを明らかにしていただきたい。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 ただいま農業所得というふうにおっしゃいましたが、私ども一応農林水産業所得計算の中で申しますと、国民所得の中の個人業主所得の中のいわゆる農林水産業の所得、こういうことで計算をいたしております。この点につきましては、個人業主所得の過去の平均の伸び率を基礎といたしまして、これから四十四年度におきます特殊な要因、たとえば米の生産量が一応先ほど御指摘ありましたように千三百六十三万トンくらいで、前年度比九四・三%になる。それから生産者価格は一定である、不変である、こういった特殊要因を除外いたしまして、そして推定をいたしまして、一応農林水産業の所得三・六%というものを出しておるのでございます。この内訳として、さらに農業、漁業あるいは林業というものもこまかくは一応分析はしておりますが、推計の場合には、一応農林水産業一本で一応推計し、あとから個別の生産その他との突き合わせをして検討する、こういう手順で検討をいたしております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 いまお話があった農業部門は、どの程度なんですか。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 いまの所得計算の中で、先ほど申し上げましたように、農業部門あるいは水産部門それぞれ区分したものは、推計の初期の段階ではつくっておりません。農林水産業一本でやっております。したがいまして、あとからさらにマクロ的にチェックするというやり方でございますので、ここで正確な指数を申し上げることはできません。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 いずれにしても、農林水産業全体で三・六%ですから、しかも米の生産量も二・何%マイナスになるということですから、おそらく農業所得というのは、へたをするとマイナスになってくるのではないかと思うのですが、どうですか。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 農業所得がマイナスになるということは、私はないと思います。と申しますのは、確かに米の問題は農業所得の大宗でございますけれども、そのほかに畜産その他の所得がございますから、所得として農林水産業全部が三・六を私は想定いたしておるのですが、この中で農家だけの所得がマイナスになるということにはならないと考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 畜産といいますけれども、畜産のほうも、実は相当な乳製品のストックをかかえておるし、果樹のほうも過剰生産ということで、決していいものは米以外にないのですね。しかも、その米自体にも、柱となる米がいまお話しのようなぐあいで、価格は横ばいである、見通しとしては若干減るということでありますから、これは来年度は、国民の経済成長は一四・四%だけれども、農業は完全に立ちおくれになる、こう考えていいですね。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 鉱工業のほうと比べれば、確かにいまの所得の伸びと申しますか、そういった面からは開きが出ると思っております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 時間がきておりますので、あと一点だけお伺いします。  物価の問題ですが、これは企画庁の所管だと思いますが、物価の中で地代、家賃の値上がりというのは、一番ひどいのではないかと思うのです。これは東京の調査だと思うのですが、昭和三十九年に一坪四十円であった地代は、四十一年で百三十五円四十銭。ですから、そこまででも三・四倍になるのですね。それから家賃のほうは、これも坪当たり千五十六円、それが千六百五十四円と一五・七倍になっておる。その後もどんどん上がっておるに違いないと思う。この地代、家賃の上昇というのは、普通の消費者物価よりもずっと上回っている。地価が上がるに従って地代、家賃がものすごく上がっているわけです。おまけに固定資産税も上がっていますから、それがまた織り込まれて上がっていると思うのであります。これについて、企画庁はどういう御方針を持って——この地代、家賃を規制する気があるのかないのか、何をしてきたのか、ひとつお尋ねをしたいのであります。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 地代家賃につきましては、確かに上がっております。ただ、いま先生のお話しになりました統計については私、ちょっとはっきり承知いたしておりませんが、確かに上がっております。ただ、消費者物価指数の中で、いわゆる住居費というもの、これは地代、家賃を含み、なおかつ内部のいわゆる耐久消費財を含むわけでありますが、その数字は必ずしもいわゆる生鮮食料品等のような値上がりは示してはおりません。ただ、地域別に見ますと、やはり地代、家賃等については、東京都を最高にしまして、比較的地方では少ないという傾向が出ております。地代、家賃の統制等につきましては、いろいろ法律があるわけでありますが、根本的には需要と供給の関係、したがいまして、それの改善ということになりますと、いわば単純に物価面から、あるいは物価の指標からどうこうということではなくて、少し話が広がりますけれども、大きな都市開発の体制というところから攻めていかなければ、なかなか効果がないのではないかというふうに考えておるのでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 そういうところは攻めていくと言いますが、何か攻めていますか。何も攻めていないじゃないですか。ただ調査だけはしているのですね。主婦連が、これは経済企画庁委託調査として、昭和四十二年度に主婦の苦情調査報告書というものを出しておる。民間アパートのそれを見ると、家賃については、家賃が高い。家賃が毎年上がるので困るというのが出ておるのです。こういう調査だけは、あなた方のほうはやっておるのですね。やっておりながら、そういう遠巻きに攻め込んで、しかも何ら攻めておらないというのは、一体どういうことなんです。私は地代、家賃は、これは公共料金ではないかもしれない。しかし、いま家計の中で非常に圧迫要因になっている。無理をして高い家賃、地代を払っている。しかも地主から言われれば、しかたがないからどんどん地代は上がっている、家賃も上がっていく。おまけに権利金やら、礼金やら、それに加わって、普通の家賃、地代だけではなくて、プラスアルファのものを払っている。その実態を見のがしにはできないと思うのですよ。物価の所管をしている企画庁というものは、私はそのような遠巻きに、地価対策からやらなければならぬ——地価対策はまだ何も持っておらぬ、そんなことでいいのですか。大臣、どうです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話しのとおり、地代、家賃が値上がりしておることが、生活に非常に影響を及ぼすことは事実です。それがどこまで影響を及ぼすか、私はいまのところ存じませんが、お話しのようであれば、この地代、家賃についても、どうしてそれが上がってきたかということについての根本的な調査をして、そうしてもしそれらに対する対策が考えられるのであれば考えていきたい、こう存じております。

北山愛郎日本社会党

○北山分科員 全くたよりないですね。いまから調査をしてなんという——金をかけて企画庁で主婦連に委託調査をしてもらって、苦情も聞いているのでしょう。これはそんなに調べなくても、実態はすぐわかるはずですよ。問題は、家賃、地代は、過去においては統制令があって、いまはもう古いものにしか適用されておらないということで、部分的にしか生きておらないのですが、やはり今日の段階では、家賃、地代というものは規制するという気持ちでやらなければ、たいへんなことですよ。その前に、私も地価をやってもらいたいと思うのです。しかし、きょうは時間がありませんから、地価問題まで言いませんけれども、こういうことを真剣にやるのが、私は企画庁の役目だと思うのであります。この点を特に要望して、私の質問を終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次は、竹本孫一君。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 私は、主として大型合併と消費者保護の問題で質問をいたしたいと思います。  最初に経企庁長官にお尋ねをいたしたいのでありますが、今回新聞で騒がれておる八幡・富士の合併について、経企庁長官としてはどういう受けとめ方をしておられるか、どんな感じでおられるかという所感を、まず伺いたいと思う。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 たびたび本会議や予算委員会でも申し上げたことでありますが、もうあまり繰り返して申し上げるまでもなく竹本先生のほうがよく御存じであると思いますが、根本的には、第一、国際競争という立場、鉄鋼が国際商品であるということからして、国際競争力を増すということができれば合併というものは許していいのじゃないかというたてまえをとっております。しかし、合併することによって寡占企業になるからして、したがって寡占価格を構成しやしないかという心配、消費者に不利を来たさぬかということ、その点は、われわれのほうでもそういう観点では消費者に不利を来たさない、依然としてほかの大きな製鉄業者がありますので、国内競争力も相当強いから、したがって寡占価格は構成しないということからして、私はこの合併については同意を表している次第でございます。ただし、公取から問題点が指摘されましたから、やはりあれを解決する必要がある。この点においては独占価格という問題がありますからして、この点について両社がどう善処するかということによって最後的な結論を出したい、こう考えておる次第です。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 私も、大体同じような感じを持っておるのですけれども、国際競争力を強化しなければならぬということでございますが、一つは、合併しなくても国際競争力はあるではないかということについての長官の御意見はどうか。  それから、時間がありませんから要約して申し上げますが、寡占価格を構成して消費者に非常な迷惑をかけるのではないかというけれども、これは問題点が指摘された点についてはもちろん適用しなければならぬことは当然でありますが、ほかにライバルもあるし、おっしゃいませんでしたけれども、外国の競争もあることだから心配はなかろうということだけでありますかどうか。あるいは若干の心配はあるから、経済企画庁並びに政府としてはこういう手を打とうと考えておる点があるのかないのか、その辺あわせて伺いたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いま申し上げたのは、合併によるメリットを私は申し上げたのであって、合併によって不利益を来たすようなことはありはしないかということは、これは需要供給の関係によってそういうことも将来においては考えられないこともありません。がしかし、現状においてはそういう心配はないということを考えておるのであって、需要供給の関係によって、需要が非常にふえて供給が足りなかったというような場合には、逆に供給が非常にふえて需要が増大しないという場合には、いろいろ独占的な協定によって価格を協定するというようなことも考えられることでありますから、そういう場合には、公取の運営並びに所管省である通産省などが指導して、価格を特別に上げないように指導する必要がある、こう考えるのでございます。  私の例を申し上げますと、私が通産大臣時代には、鉄の小棒の値段が急に上がりまして、建築業者から非常な不平が出ましたから、私はメーカーを集めまして、この際値段を上げないようにしてくれということをお願いしたら、各メーカーとも了承して、値段を上げないことにいたしまして、それでおさまったことがあるのでありますからして、所管の大臣がそういうことについて気づいた場合には、ひとつ所管の大臣の御活躍を願いたいと思うし、また、われわれのほうでもそういうことを気づけば、また所管大臣のほうにお願いするということでやっていきたい、こう考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 それでは一つずつあれしますが、需給のバランスのほうはあとにしまして、国際競争力はすでにあるではないか。それになおより強いほうがベターだということだけでやるのかどうか、その点についての大臣の感じを……。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 国際競争力は現在あります。それは日本の鉄鋼は安いし、製品もいいです。これはやはり外国競争ということを目当てでこれだけまでなったのです。それだから、日本の鉄鋼は売れているわけです。だからして、やはり国際競争という立場から日本の鉄鋼、製鉄業というものが発展してきたのであります。しかし、これに対してアメリカも——あとで具体的なことは政府委員から申しますが、アメリカもヨーロッパにおいても、それぞれ設備の拡張あるいは合併というようなことを向こうも対応策を講じておりますからして、したがってそれに応じてやはりこちらも対応策を講じなければならぬ、そういう意味において、私は、合併してコストをより少なくしていい製品をつくるようにの意味で、合併ということを賛成しておる。合併しても生産費が下がらずに製品もよくならぬだったら、もちろん私は合併には反対です。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 ただいまの点は了承しました。  次へいきます。  需給のバランスの関係でいろいろまた問題が出はしないかと言うが、問題が出てきたときには、経済企画庁なり通産省なりが行政指導でいく努力をされると思うのです。しかし、それでいけないものがありはしないか。行政指導というものは万能ではありませんから、また行政あるいは官僚が権力的な態度で高圧的に出るということにも限界があるし、またなければならぬと思うのです。そこでお伺いしたいのは、行政指導だけでいけるという見通しであるかどうかという点についてはどうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 これはやはり需要供給の関係によって、私は、それほど独占価格というものは製品の性質上成立しやすいものではないと思うのです。というのは、鋼鉄を使用しておる国鉄なり、あるいは造船なり、あるいは自動車なり、大きな需要者がありますからして、そういう需要者が競争してより安く買いたいという競争があります。したがって、私はそれほど独占価格みたいに高い価格を形成することはまずない、こう一応考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 まずないという点においては私も同感でありますけれども、万一あった場合はどうなるかということが、問題になろうと思うのです。またあり得るということは、見通しも経済的にも成り立つわけですから……。  そこで、独禁法は現在のままで大臣は大体だいじょうぶだというふうなお考えであるか、あるいはよくいわれるように、アフターケアなんかほとんどできないようになっておる。第十五条でやれることは、これは合併するほうがいいか悪いかということについての判断はできますけれども、それ以後については、いわゆる行政指導ということ以外には何もない。その点について独禁法の無力論もいまいろいろ出ておりますが——私は特に限界点を言いたいのだけれども、非常に限界がある。しかし、これから起こってくるいろいろな複雑な事態に対して、独禁法をいまのままで十分対処できるとお考えになるかどうか、その点を伺います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、公取のいまのままでけっこうじゃないか、こう考えております。私は、相当公取としての効力をあげておる、こう存じておりますからして、したがって、公取自体についてこれを改正するとかどうするとかいう考えは持っておりません。問題はやはり運営の問題であって、これは公取が今後いまの組織のもとにおいて、運営の上においていわゆるかげんすることができるのではないか、そういう点にわれわれは期待をいたした次第であります。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 大臣、運営ばかりをおっしゃいますけれども、たとえばビールの値上げ一つとってみても、あんなあわみたいなビールの値上げだって押え得なかったじゃないですか。経済企画庁押えましたか。宮澤長官が四社を呼んでお頼みをしたというか、勧告をしたというのか知りませんけれども、御努力なさった事実はあります。しかし、結果においては何にもならない。ビール会社でさえも、しかもあの四社でさえも押えることができない。そういうような体制が、いまの体制なんです。独禁法だけではなく、政府の体制だ、あるいは政府の姿勢だ。そういう中で運用の妙を発揮するといったって、どういう運用の妙が発揮できますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 ビールのときは私事情は存じませんからして、それについては私もわかりませんが、問題はやはりこういうような問題になりますと、世論ということが大きな問題になります。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 ビールのときも世論があったのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 だから、私は、世論もあるし、それから行政官庁の指導のやり方ということもあると思うのです。そういうことによって解決すべきだ、こう考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 時間がありませんから深い議論はいたしませんけれども、私が言いたいことは、独禁法をもう少し前向きに強力に改正する必要はありと大臣はお考えになっておるか。あるいはその必要はない、世論が盛り上がるだろう、行政当局も姿勢を強くするであろう、それで問題は解決する。要するに、独禁法の改正は必要なしという御意見であるか、その点をはっきり聞きたいのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、日本のいまの公取の組織からいうと、相当威力を持っておると考えておりますから、したがって、私は現在のままでよい、こう考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 時間がありませんから論争はやめますが、ただ私は事実だけ指摘すれば、いま申しましたように、大臣も内心そう思っておられるのかもしれぬと思うが、とにかくビール一つ押え得ないようなものが、これから鉄鋼その他を押え得るはずがないわけです。これは常識ですよ。だから、これは独禁法の問題だけではない。ほかの問題もいまから提起いたしますけれども、とにかく独禁法もアフターケアができるように、あるいは国民の世論を見てもう少し強い指導ができるような法的基礎づけをしなければ——大体法律を知らぬ人に限って何でも法律でできるように思いますけれども、あるいはまた法律がなくてもやれるように思ったりしますけれども、そういうものじゃない。もちろん民主社会の秩序というものは、ゲバ棒によって否定されるわけじゃない。役人のあり方もいろいろ反省しなければならぬ。法的な基礎がないのに行政運用だけでどんどん引っぱっていったら、これは何のために法律つくるかわからなくなる。そういう意味で、あれこれ総合判断をすれば、私は独禁法がいまや前向きの改正——私は弱くするほうじやない、強くするほうの前向きの改正を検討すべき時期にきておると思いますから、その点だけ私の意見を申し上げておきます。いずれ大臣とはあらためてゆっくりやります。  そこでもう一つ、企業が合併して大きくなれば国際競争力が強くなるような御説明でございますけれども、この点も私非常に問題があると思うのです。私は、大型合併には原則として賛成しているのです。しかし、非常に条件つけている。特に心配なのは、日本の企業の経営能力というものについて、よく最近いわれますように、いまヨーロッパの経済では、大臣御承知のようにミサイル・ギャップなんていうけれども、大事な問題でありますけれども、一番大きなギャップはマネージメント・ギャップなんです。アメリカその他の調査が指摘しているのも、その点なんです。結局われわれは日本の企業のマネージメントのあり方ということについて、非常な心配と不安を持っておる。大きくなったために、矛盾が大きくなるだけじゃどうにもならない。その点について、大臣どういうふうに見ておられますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 大きくなるに従って日本のマネージメントはうまくいかないのじゃないかという御心配だと思います。しかし、終戦後今日まで日本の産業が発展してきたのは、やはりマネージメントがよかったからだと思うのです。しかし、それからもっと大きくなることにおいて、日本人にそれだけの能力があるかどうかということ、これは私自身もその点で多少危惧なきにしもあらず、こう考えます。日本人はいままでそれほど大きな企業をやった体験がない国民でありますからして、その点において全然心配要らぬとはいえないと思うのでありますが、しかし、今日までの日本の経営者の経営ぶりから見て、より多く規模が大きくなってもやり得るのではないか、未経験者ではあるけれどもやれるのじゃないか、こう私は考えておる次第であります。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 特に私は指摘しておきたいのは、社長とか総裁とかいうのは、大きな政治判断だけすればいいのですから、そうこまかいことをやる必要はないと思います。だから私は、それは総理大臣が日本国家の大きな全体の責任者であることから考えても、不可能じゃないと思います。問題は管理組織なんですね。日本の企業の管理組織くらい弱体といっていいか、あるいは非能率といっていいか、問題があると思うのですね。だから、トップの問題はまあまあ私はそれほど心配はしませんが、日本の企業として国際競争をやる、その組織力、創造力等、全体としての運営の面、そういう意味の管理組織には、日本は非常に欠陥がある。日本の官僚組織も、組織としては非常に非能率だとか、非常に批判がありますが、大体日本人はそういう市民的訓練とか、団体的訓線とか、組織的な訓練がなさ過ぎる。そういう意味も含めて、管理組織には非常な心配を持っておりますが、その点はどうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話の点は、私も心配しておる。日本の管理職が肝心と考えております。外国の企業に比べてはたしてすぐれておるか劣っておるかどうかということについては、これは私もすぐれておるということは断言をようしません。しかし、今日までの日本の経済の発展してきたということにおいては、やはり管理というものがよかったということは、一応考えていいと思うのであって、その意味においては管理がうまくやっておると判定してもいいのではないか、こう考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 その点は同感でございますから、大いにひとつ指導をやってもらいたいと思います。  次に参りますが、この大きな組織ができますね。私は、先ほどの大臣のおことばでいえば、世論の監督がなかなかきびしいから、簡単に値上げなんかできないと思うのです。外国の競争もありますから。しかし、値下げができるような条件ができた場合に値下げをするかどうかということになると、全く自信がない。大臣は自信ありますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 自信といわれると私も困るのですが、しかし、私の所信表明の中にも、余剰価値が生まれた場合にはこれを消費者に分けるようにすべきだということを私の所信表明の中にいっておるのでございますからして、それはそれだけの余剰価値を労使でばかり分けずに、やはり売り値を安くして一般消費者にも均てんさすように指導をしなければならぬということを申し上げておる次第でございます。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 確かに大臣の所信表明にはありましたし、たびたび大臣はそのことを言っておられますが、言っておるということと実行ができることはちょっと距離がございますから、問題は政治家としての責任からいうならば、言っておられること、考えておられることが現実の姿に出てくるような制度的な裏づけがなければいかぬと思うのですね。その点について、私は全くまだ自信がないと思うのでございますが、この問題はこれ以上、時間がありませんから……。  そこで、私はひとつ簡単にもう一つ伺いたい。八幡製鉄、富士製鉄というものは、今日あれは個人企業と見るべきか、社会的な公共性を持ったものと見るべきかという点で、現在すでにこれは一つの大きな国家の企業である、社会の企業である、日本の製鉄業だというふうに見なければならぬ。それが合併し、一兆円も売り上げるということになればますますそうなりますが、要するに鉄鋼会社は、八幡、富士、すでに社会的に大きな存在であるし、これが合併すればますます社会的な大きな存在になるということについては、いかがですか、事実認識について。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 公共性ということについての問題があると思います。私は、小売り商人にも公共性があると思います。人にサービスするのですから、サービスするという点においては、公共性が小売り商人にもあると思いますが、しかし、八幡製鉄のような大企業であれば、その意味においてはより多くの公共性があるということについては、私もそのとおりと考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 より大きな公共性があるということで、より大きな法的監督を受けておりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 御承知のとおり、日本は自由競争を許しておる国でありますからして、したがいまして、これはやはり経営者が自由競争の精神によって経営をしておるのでありますから——またそれで日本の経済は伸びてきたと私は考えております。これは自由競争が盛んであるということによって、またそれによって弊害も起こっております、過当競争によって。だからして、弊害もあるが利益もあるのでありますが、私は、その意味においてみながお互いに競争をやって、そして社会に奉仕するということの精神は、各経営者も持っておる、こう一応断定いたしております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 資本主義の原則をここで議論をしようと思わないのでありますから、そういうことはけっこうですが、社会的な大きな存在になっている八幡製鉄、あるいは今度できる新日本製鉄は、社会的責任があるということは事実ですね。その社会的責任を確保するためには、自由主義経済の原則の中でもそれなりの対応のしかたがあると思うけれども、経企庁長官は、今日は自由企業の原則だというだけで、いかなる対応をも講じられないという意味でありますか、そこら辺を伺いたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それは私は、やはり自由競争の時代ですからして、彼らが責任感を持つということは事実です。それは私は否定できないと思います。だからして、したがって、彼らが公正な競争意識に燃えて、そして国家的にサービスする、社会的にサービスするという考え方を持っておる、私はこう存じておるのでありまして、これはやはり制度的にしてやれやれ言うよりも、むしろ彼ら自身の自発的な精神、これが私は日本人が今日日本経済を伸ばした原因だと思うのでありますからして、彼らの自発的な発意によって活用するというように仕向けたほうが、むしろ賢明なやり方ではないか、こう考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 この辺になりますと、少し世界観や考え方の基本の違いが出てくるわけであります。しかし、自発的意思でやるということだけれども、その自発的意思がうまく導き出せるように仕向ける仕向け方があるわけですね。そういう点から考えてみますと、時間がないので結論を急ぎますが、これほど大きな企業になったものを、極端にいうと独占禁止法一本やりで押えていこうというところに非常に無理がある。だから、八幡なり富士なりがここまで大きくなっている、それでさらに一緒になろうということであれば、それだけの大きな経済の流れ——私は資本主義の経済というものは、高度化すればこういう形になると思うのです。その大きな必然の流れをただセンチメンタリズムで反対してみてもこれはだめだ。それよりも、前向きにこれに取り組んで、流れは流れとして受けとめるけれども、受けとめるに必要な制度その他の法的な対応のしかたがあると思うのです。そういう意味から、やはりこれだけ大きな事業は、鉄にしてもあるいは電力にしても、今後単なる自由企業の原則だけでなくて、その社会的責任を強化するという意味で、あるいは保障するという意味の法的な体制が要る。簡単に申しますれば、重要産業基本法とかなんとかいったものをつくって、こういう重要産業、基幹産業については、そのあり方に公共性確保のための法的な制度的な裏づけを確立する必要があろうと思うのです。その点、長官のほうからもう一ぺん伺っておきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 そういう公共性のある事業に対しては、認可制という制度があるのであります。たとえば八幡・富士の合併にいたしましても、やはり公取の認可がなければできないのであります。そういう点においては、はたして今後公共性に反する活動をするかしないかという見通しをつけて認可するのですから、それで私はいいと思う。電力の問題についても許可制ですからして、彼らはかってに自由に商売はできないのですから、そういう許可制、認可制という制度によって彼らをコントロールすることができる、私はこう考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 確かに認可制、許可制も、行政のそういう一つの制度的なものです。しかし、これは幼稚園的段階ですね。最もプライマリーな、初歩的な段階でしょう。段階としてそれがあることは事実だと思うのです。しかし、一番幼稚な段階だ。だから、最も高度な大型合併ということに対して、一番幼稚な、認可をしますからそれでいいでしょうというような、認可だけが万能というふうなお考え方だけでは、問題にならぬ。これはわれわれもあらためて論議を深めてまいりたいと思いますが、重要産業の基本的なあり方を制度的に社会公共のために保障するような、重要産業基本法とかなんとかということは別にして、これは絶対に必要であるということ、これはわれわれの考えでありますから申し上げます。もし、しかし一歩を譲って、大臣がいまそういうふうにおっしゃるということになると、私はちょっと矛盾があると思うのです。それは、特定産業振興法、特振法というものが出たことがあります。もちろんこの考え方は、私がいま言っている重要産業基本法と必ずしも一致しておりませんが、その発想の根本には、私と共通なサムシングがあると思うのですが、どうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 特振法の問題については、私は内容を詳しく知りませんが、お話のとおり、竹本先生の御意見と内容的に一致したサムシングはあると私も考えております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 そこで長官、特定産業振興法は私と共通のサムシングを持って、政府の責任において一ぺん提案したのでしょう。ということになれは、政府ですらもすでに——菅野長官は、普通はもう少し進歩的であり、大いに期待しているのだけれども、きょうの答弁は少しあとずさりになっておる。政府といえども、極端にいえば低調な政府といえども、すでに六年前に特振法をつくって、これからの国際競争に備え、またこれからの大きくなった社会的影響のある重要基幹産業については、政府がやはり監督指導をするだけの何かを制度的に、一つのとりでをつくっておかなければならぬと考えて、閣議でまとめて国会に提出したのじゃないですか。いまの大臣の答弁の、認可しますからよかろうとか、許可しますからよかろうということとは、だいぶ次元が違うと思うのですが、どうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、通産大臣時代から官民一体ということを言っておるのです。これは民間のいいところは伸ばす。しかし、また民間人の悪いところもあります。だから、民間人のいいところは伸ばしてあげるようにして、あまり政府がコントロールしないほうがいい。しかし、民間人でやるところにおいて、彼らは自分の営業とか金もうけということばかり考えて、国家的な視野を持たない場合がある。そういう場合には政府が指導する必要があるのであるから、官民一体でやるべきだということであるし、今日民間人は政府のいろいろな指導を得なければ実際事業ができないような世の中になってきておるのでありますから、したがって、民間人に全然まかすという意味ではない。いいところは活用して、彼らの欠点とするところは官で補ってやろう、そして官民一体で事業をやることが一番発展するものである、私はこういう考え方をしております。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 われわれも混合経済を言っておりますから、官民一体もけっこうだけれども、またすべてのものを国営化しろなどと言っておりません。そうすると、あの法律に財界から批判が出たのは、官僚統制だなんて言ったけれども、ほんとうは大臣御承知のように、そうじゃないのですよ。そういう民間のかってにやりたいことに対する規制が加わることに反対をして、それをみんなが受け入れやすいように、官僚統制だといえば日本人はそれこそ官僚アレルギーがありますから、東大が警察アレルギーを持っておるように……、そういうことで、官民一体の美名のもとに、あるいは官僚統制を排撃するという美名のもとに、極端にいえばあの案を財界がつぶしたのでしょう。それをいまの大臣のようなことを言っておると、あの案はまるで官民一体の精神に反して、財界が言ったように官僚統制になるような響きを持っておりますから、大臣も、閣僚だったらあの案にはやはり反対をされるということですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、通産大臣時代には、合併賛成という発言をしたことがあります。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 特振法に反対ですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 特振法じゃなく、いま合併の問題を言っておる。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 特振法のときに、あなたが大臣ならば、あなたは反対ですね。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 特振法の内容を見なければ、私はそれがいいか悪いか返事はできない。

竹本孫一民主社会党

○竹本分科員 菅野博士、不勉強です。いまごろ特振法の内容も知らないなんというのは、どうかしていますよ。八幡・富士が合併してこれだけの大きな企業になってくるときに、政府としてそれをどう受けとめていくかということは大問題でしょう。そのときすぐ出てくるのは、特振法はどうかしらん——われわれだってすぐにぴんと出てきますよ。菅野博士、もう少し勉強していただきたい。私は冗談は別にしまして、こんな重大な問題について、政府が受けとめる体制をぜひ真剣に考えていただきたいという希望を申し述べて、時間でございますから終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十九分休憩      ————◇—————    午後二時四十九分開議

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十四年度一般会計予算中、経済企画庁所管について質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 私は、いわゆる今日の過疎問題と申しますか、経済の高度成長の急速な展開以後、一方において都市化現象が急速な勢いで進む、その反面においては、この過疎現象が非常に深刻な問題になってきた、いわゆる農山漁村というようなところからどんどん人口が流出をしておるわけであります。都市における労働力不足というようなことで、今日非常に問題化されておりますが、三十年から三十四年にかけて年々雇用の増加が七・五%、三十四年から三十八年が三・六%、あるいは三十八年から四十二年は四・六%、こういうように雇用の増加が幾ぶん四十二年度あたりになって下がってきたというのは、このことはやはり労働力不足の一番大きい今日の状況を形づくっているものだと思うわけであります。しかも、そういう増加というものがどこから供給されたかということは、言うまでもなく、増加の寄与率を見ましても、これは企画庁が発表した経済白書によっても四四・三%とか、あるいは三八・四%とかいうような、最近でもそういう数字が出ておるということになっておるわけです。そういうことで、今日過疎地帯には、生活の面において、あるいは教育の面において、あるいは消防、災害の面、あるいは社会福祉、生活基盤、いろいろな面でひずみが大きく出ているわけであります。そこで、一体過疎問題というのを経済企画庁としてはどういうぐあいにとらえておるのか。過疎問題の本質といいますか、そういうものはどういうところにあるのだというとらえ方をしているかという点について、まず大臣に質問をいたしたいと思うわけです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 過疎問題が起こってきた根本の理由といたしましては、いわゆる都市化という問題。都市化という問題は、経済の発展というところから起こってきた。でありますから、経済の発展に従って産業が都市に集中する。そこに都市化が起きる。すべて、産業以外の文化施設にしても、都市に集まるということから、一方においては農村人口、山村の人口が減ってきて、過疎という問題が起こってきたということが考えられると思うのです。  そこで、問題は、やはり基盤経済の発展ということが原因だと思うのでありますが、先般もOECDに行きましたら、やはり各国ともこの問題に悩んでおるのです。日本ばかりの問題じゃないということを私は知ったのですが、やはり都市化の問題に関連して、過疎、日本でいえば過疎ですが、そういう問題が起こってきておるということで、この間OECDでも、社会の諸問題の中で一つの題目として取り上げられたのであります。でありますからして、これは世界的な一つの傾向だと思うわけでありますが、特に日本においては過疎の問題が深刻化してきておりますから、これに対してやはり根本的の対策を考えなければならぬということで、従来とかく過密ということについては重点を置かれたと思いますが、しかし、過疎という点においては、その点において多少いままで軽く扱われておったと思いますが、私は、過密と同時に過疎という問題は、同じような重要さでこれはひとつ対策を講ずべきだ、こう考えておる次第であります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 過疎がどういう原因から起こったかという点については全く見解を一にいたしますし、また、大臣が最後のところで答弁された、過密には非常に熱心で、都市化対策等については熱心であったけれども、過疎についてやや気が抜けたきらいがあった、そういう問題については同様にひとつ考えたい、その見解に私も全く賛成でございます。そういうような見地から、今日過疎対策といいますか、そういうものが各省ごとにばらばらになっておるんじゃないかという感を強うするわけであります。  経済企画庁が国土の総合開発というような立場において、予算を見ましても五十一億程度、五十二億ぐらいになりますか、そういうものが計上されている。農林省が、いわゆる農免道路だとか、農免道路と同じような性格を持つ人道であるとか、そういうようなものなどを中心にして七十億ぐらい予算がつくられている。建設省はいろいろ問題はありますけれども、千二百億ぐらい、河川改修だとか砂防だとかというようなことで出ております。文部省でも僻地問題などで十四億ぐらい使っておる。厚生省でも、僻地診療などを中心に二十一億ぐらいある。労働省が職業安定対策、訓練対策など、あるいは留守家族対策というようなことで一億六千万。これは非常に少ないのであります。郵政省が八十万。運輸省が問題にならない。自治省が二十億ぐらい。そういうように、ばらばらに各省ごとにそれぞれの立場でやっているというようなことが目立つわけであります。  この過疎問題について、これは一体どこがこの専門の問題を立案したり、強力に実施の計画を各省に求めてやらしていくというような責任官庁なのかというようなことについて、まだきわめて不明確ではないかと思うのであります。そういう点について、ひとつ大臣のお考えを聞かしてもらいたい。   〔主査退席、湊主査代理着席〕

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話しのとおり、この問題については、各省各省でそれぞれの所管のことについてはいろいろ施策をしたと思いますが、しかし、それではばらばらな施策になりますので、そういう意味において、どこかでこれを調整するところが必要だと思うのでありまして、そういう点において、経済企画庁がその役目を持っておると思うのでありまして、いま経済企画庁のほうで策定中の総合国土開発の中に過疎という問題をとらえて、その計画の中に入れたい、こう考えまして、したがって、それによって各省もまたひとつ予算を組んでもらうというような方法を講じたい、こう考えておる次第であります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 そういう意欲があられることは非常にけっこうであります。この経済社会発展計画の中にも、過疎問題について、一方における経済発展と都市化、過密化の現象と同時に、人口流出の激しい地域において人口の希薄化、老齢化というようないわゆる過疎現象がかなり出ておるということを初めて指摘したわけであります。そういう点では、「地域社会の基礎的生活条件の維持についても十分な配慮を行なうとともに、地域発展の可能性を検討しつつ、これら地域における農地への植林、農地の採草・放牧地への転換、または観光開発など、適切な施策を講ずる。同時に、職業訓練、就業あっせん等によって、適正な就業の場の確保をはかる。」いままでのいわゆる過疎対策というものは、いまの経済の状態が発展してきている姿というものの中で過疎化現象が当然出てくる、それに対していわば臨床的にこの過疎化を押えていこう、この辺のところまでで、これ以上の人口の流出とか減少、それから地域の荒廃というものを防いでいこうというような立場というものがほとんどであったのではないかというように思うわけです。したがって、ここに述べられておりまするように、そういうものを臨床的に手当てをするということではなしに、やはり国土全体のバランスのとれた、都市地帯と農山漁村地帯と、こういうところがバランスがとれた発展ができる、そういうようなものに対する地域の、かえって逆に発展させる計画というようなものがやはり同時に行なわれなければならないと思うわけなんですが、そういう点についての大臣のお考えなり、また事務当局からは、そういう意味において今日それぞれの地域に地域開発というようなことが市町村段階で計画されたり——大体地域発展計画は都道府県が中心になっていると思いますが、そういう計画等が現在どのくらい——企画庁でつかんでおるそういう地域発展計画、地域開発計画、たとえば栃木県等における八溝開発計画、あそこの総合開発計画は国の直轄事業ということにもなっていますが、県独自で八溝開発という八溝山系の過疎地帯に対する対策が出ているわけでありますが、そういうものが一体どのくらいいま計画されているのか、ひとつ資料に基づいて概略の説明をしていただきたいと思います。前段を大臣の答弁で……。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 具体的な問題については政府委員からお答えいたしますが、お話しのとおり、国としてはやはり地域的な所得の格差、またことばをかえて言えば地域的な生活の格差、これはなくするというところに私は政治の目標があると思うのです。そういう意味で経済社会発展計画もそういうようなことをそこに書いてあるのでございますが、さてそれをどう実現するかということについて、これはやはり国と地方団体とが協力してやらなければならぬ問題だ、こう考えておりますので、そういう点において今日まで具体的にいろいろどういうようにやっておるかということは、ひとつ政府委員からお答えさすことにいたします。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 ただいま御指摘の最初の問題につきましては大臣のお答えのとおりでございますが、私どもがいま作業しております今度の全国総合開発計画の案におきましては、確かに御指摘のように、いまやっておる山村振興とか僻地振興というようないろいろな施策、それぞれの市町村の区域くらいで施策を展開するということではこれはなかなか問題の解決がむずかしという判断から、広域生活圏というもう少し広い中心となる都市とその周辺の圏域とかを含めた圏域を考えまして、こういう区域について都市的な施設の整備と産業の振興とあるいは交通体系の整備、そういったことを行ないまして、その圏域内のすべての地域におきましてもいろいろの都市的な便益が受けられるようにする、そういうことによって生活水準の格差をできるだけ少なくしていこう、こういう考え方を出しておりまして、この考え方につきましては自治省、建設省同じような考え方でございまして、四十四年度には調査費の予算等もついているわけでございます。そういうことで今後は進んでまいったらどうかということを提案しておるわけでございます。  後段のお尋ねでございました各地域の計画の状況でございますが、御承知のように現在ほとんど全部の府県が、それぞれ県の振興あるいは地域の開発というような観点から長期の計画をつくっております。計画の性格はそれぞれの県によってややまちまちでございますが、そういう形で大体県内全体をおおった計画というものはほとんど全部持っておるということでございます。特に過疎地域についての計画という二とでは、私全部を見て承知しているわけでございませんが、御指摘の栃木県の計画、あるいは高知県、島根県、その他それぞれ最近そういった観点からこういった山村の地域等を中心にしました地域についての振興計画をつくっておる、そういったものにつきましていろいろ私どものほうにも御相談等ありますので、できるだけそういう面にはおつき合いをしていいものができるように指導しておる、こういう状況でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 自治省行政局振興課で広域市町村圏構想というようなものが、これはまだ素案の段階かと思いますが、そういうものが手元にあるわけであります。この発想というのは、地方におけるいわゆる地方都市というようなものの範囲を広めていこうという、自治省ではどうしても広域行政区画というようなことで安上がりの行政というものがねらいになるような面があるわけでありますが、少なくともここから出ておるものがやはり過疎対策というような立場からつくられておるかどうかという点についてどういうお考えをお持ちになっておりますか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 先ほども御説明いたしましたように、広域市町村圏といいあるいは広域生活圏という構想は、もともとこれから後における地域の経済社会の活動範囲というものが広まるということを前提にしてつくったものでございますけれども、政策的にはそういうような動きを取り残される地域をどうして救っていくかというような観点から見ますと、やはりかなり大きな地域について問題を考える。そうして中心となる都市の整備あるいは各種施設の整備、同時に交通体系の整備等によって大体一時間以内くらいでいろいろな便益が受けられるようなものを考えなければなるまい、そういう観点からこういった広域生活圏あるいは市町村圏というようなものが考えられてきたわけでございまして、私どもは過疎対策というような面では、地域開発の面では特にこういう考え方を進めることが最も効果がある、こういうふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 そこで、いま交通体系というようなお話もございました、一時間くらいというようなお話もございました。それはそれでけっこうなのでありますが、いま全国的に非常に問題が大きく発展しつつある問題は、国鉄の経営が赤字だというようなことから、全国八十三線区にわたって二千六百キロからの国鉄の線路をはずして廃止をしていこうというものが、主として財政再建という見地から提唱されておる。これはまさに、国鉄の諮問委員会にせよあるいは運輸大臣の諮問機関であった財政再建推進会議あるいは財政制度審議会、これらはほとんど国鉄の財政の赤字をどうしていくかという立場からのみ出されている。私も実はこの二月から三月にかけて四つばかり赤字線といわれるものの実態を調査してまいりました。その沿線の市町村の役場の人たちやあるいは各界各層、農業団体、商工団体その他PTA団体だとか、そういう人たちの代表の人たちなんかにもいろいろと実情を聞いてきたわけであります。いずれもそれが過疎地帯であることには間違いないわけでありますが、そういう中でこの鉄道の今日まで果たしてきた役割り、あるいはこれから新しい地域開発計画も持っておる、そういうものがあるにもかかわらず、この赤字線が廃止されるというようなことになったらたいへんだ、もうまるっきり計画も何も御破算にして、やり直しをしなければどうにもならぬということまであったわけであります。こういういわば過疎現象に拍車をかける、あるいはまた、その地域の人たちが苦労をして何とかその地域の過疎現象化を食いとめながら発展への方向に持っていこうというような努力を非常にされておるものに対して、頭から水をかけるような、そういうものが進められようとしておる。  こういう問題について、経済企画庁として国土のバランスのとれた格差のない、所得面においても生活面においても、あるいは文化その他の面においても格差のないものをつくり上げたい、そういう立場からいって、一体この問題についてどういうようにお考えでしょうか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 私どもの全総計画の案でもこの問題について若干の検討をいたしておりますが、御承知のとおり、特に最近モータリゼーションの進歩というものが非常なものでございまして、これが特に地方ほどその速度が早いという状況でございます。私ども今度の作業で想定いたしてみましても、一人当たりの自動車保有台数は、現在は御承知のように大都市のほうが高うございますけれども、おそらく現在のスピードから考えまして、あと数年たつと地方のほうがむしろ高くなる、こういうような見通しを持っております。そういう観点から、やはりこういった輸送手段の新しい方向というものに即して鉄道の使命というものを考えなければならぬ。したがって、代替の施設が十分できて、そういうことによってまかなえるところは鉄道についてもこれを廃止するとか転換することを考えることが至当である、こういうような研究をいたしております。  しかしながら、いま御指摘になりました国鉄の構想そのものがどういう範囲で行なわれるかということになりますと、これはそれぞれの地域でのそういった代替施設の整備の状況なり、あるいは現在そういった設備に依存しておる地域住民の生活の程度なりということを十分考えてやるべきことであって、単にその線が赤字であるから廃止するというような観点は、私どもの立場からは賛成しがたい、こういうことを運輸省のほうにも申し上げております。結局、方向としてはそういう形で近代化されていくことは当然だと思いまするけれども、このやり方については十分慎重にやっていくべきものである、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 局長の御答弁は私は部分的に理解できるし、そうであろうと思う点もあるわけでありますが、ただそういう考えの底に、やはり非常に経済的観点といいますか、あるいは産業開発という、それだけのものであって、そういうものを中心にして考え方を整理されているように思うわけです。その地域の住民の人たちがたとえば教育の問題、モータリゼーションが発達をしていまの線路よりもより一そうほんとうに便宜が与えられるというような保証というものは、なかなかこれは、この間国鉄の総裁にもその点聞いたんですが、国鉄としてもまだそういう点は考えついておりませんというのが率直な姿ですね。そういう中で主として財政的な見地から、あるいはまた経済の要請というような立場から発想が行なわれて、地域開発、地域発展、過疎現象に対する対策というような面は非常に後退した形で、ほとんど考慮されない形でいま進められているのですよ。だから、いまおっしゃったような局長の答弁の中にも、やはりそれを受けたような考え方というものが非常に支配的だと思うんですよ。だからそういう面について、それじゃモータリゼーションの発達だということで、たとえばいわゆるペイしない、非採算的な事業というようなものは、当然そこに通勤輸送とかあるいは通学輸送というような問題について出てくるわけです。そういったものに対する配慮というものが、その地帯における経済、産業というようなものを離れて考えた場合にそういう面も、生活と文化、教育という面については非常に重要な問題ですよ。そういうものを踏みつぶしながら、大きな産業開発という点だけでいったのでは、これはやはり間違いをおかすのじゃないかと思うので、もう一ぺんその辺のところを企画庁としては、やはりそういう見地からだけやってはいかぬのだというような、国土の総合開発というような見地から、やはり国鉄にも、八十三線区を国土総合開発の見地に立って、一つ一つに対してこれはおかしいじゃないかというようなものの言い方というものはできないのですか。そこらのところが必要だと思うのですが。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 御承知のとおり、山村僻地等につきまして交通の確保ということでいろいろ施策も行なわれております。特に赤字経営のバス、あるいは私鉄というようなものに対して助成措置をとって、運営を確保していくということが、特にバスにつきましては四十四年度からこれは実施になっておりますが、そういうような観点は当然われわれとしてはとっておるわけでございます。あるいは学校の通学というようなものに対してはバスの補助をするというようなこともやっておりますが、全体の考え方とすると、ただいま御指摘のような観点はもちろん考えに入れていく、また一方では企業的採算ということで一応事業の経営のたてまえが行なわれておるわけでございますから、その点は無視はできないと思います。しかし、地域の問題として考えるときには、その地域の住民の生活の問題あるいは経済活動の問題ということとあわせて、こういった問題の判断を大局的に下すべきだ、こういう見地でございます。まだ具体的にどういうスケジュールでこれをやっていくかということについては、私ども聞いておりません。そういった問題はこれからの、いまつくっております計画の実際の実施にあたって広域生活圏の問題等やりますが、そういったこととあわせてひとつ具体的に考えてまいりたいと思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 大臣にお伺いしたいのですが、いま各省ごとにばらばらに予算の中ではこの対策がもう講ぜられておる。それに対してやはり一元的に、少なくとも過疎対策というような問題については予算に計上する場合でも、より一段高い次元でものを総合的にながめる、こういうところが重点的に予算に支出されていかなければならぬというようなことについて、先ほど各省の予算の数字もあげましたけれども、そういうものがはたして、これは過疎対策としてこういうような予算のあげ方というようなことによって、いわゆる過疎問題に完全にその正しい形でアプローチしていける姿になっているかどうかということについては、非常に疑問があると思うのです。これは一つ一つこまかく申し上げませんが、そういうものが一元的にといいますか、組織的に統一的にその問題についてのいわば責任官庁という立場は、どうしてもこれはいまの官制からいえば経済企画庁だと思うのですね。そういうものについて大臣として、これから統合的な立場で過疎問題に対処するのはわが企画庁、こういう意識で何らか一元的にこの過疎問題対策、それから地域開発というような問題を大きい国土総合開発の見地からこなしていく責任官庁というようなものは企画庁だ、そして企画庁はそれにふさわしい仕事をしていくだけの組織、再編成というか、あるいはまた審議会の設置というような、そういう構想についてお持ちでございましょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまの広瀬先生の御意見、全く賛成であって、ひとつわれわれも前向きにこの問題を検討してみたい、こう考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 この問題はばらばらでなく、一元的に過疎対策が進められて、格差の解消という本来の使命が達成されるように、ぜひひとつ企画庁長官大いに努力されることを要請をいたしておきたいと思います。  それで、文部省来ておりますね。この過疎の中で、いまへんぴなところを私回っていきますと、学校の近くのPTAというようなところに行きますと、過疎で一番困っておるのは学級編制の基準の問題ですということを訴えられるわけです。もう間もなく複式授業にされてしまうのではないかというようなことを言われるわけであります。無理をしてその学校の中に、働きに来ている労務者の子供を呼んできて、そこにあげてもらって何とかことしは間に合わした、しかし来年は単式でやるための最低の基準といいますか、そういうものを四名も五名も割ってしまう、そうしたら、五人も連れてくるということはとてもたいへんだということを訴えられているわけです。複式になったら非常に学力も落ちるという心配もしているわけですが、そういう点について現状と、それからこういう問題についてどういうようなお考えを持っておられるか、これをひとつ聞きたいと思います。

岩田俊一文部省初等中等教育局財務課長

○岩田説明員 お答えいたします。  小中学校の学級編制と教職員定数につきましては、三十九年度以降五カ年計画をもちまして大幅な改善を行なってきております。四十三年度でその五カ年計画が終わりますので、明年度以降どうするかということでいろいろ案を考えたわけでございまするが、いわば第三次五カ年計画というようなものを立てまして、これをやっていこうという方針をとっておるのでございます。  その第三次五カ年計画の内容の最大の重点の一つといたしまして、過疎地域に対する学級編制と教職員の配置の改善をとらえていこう、ただいま御質問のありましたことでございます。過疎地域におけるところの教育の最大の問題は、いまお尋ねにありましたように、やはり何と言っても、人口の流動によって子供の数が少なくなっていく。それに従って、現在の子供の数を基礎にして教職員の定数をはじく学級編制を行なっていくというたてまえになっております関係上、子供の数が減れば学級編制も複式に落ち込んでいく、あるいは数職員の配置も悪くなるという現状でございますので、この改善をはかりたいということで、その関係の内容をもちましたところの公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正法律案をこの国会に提案しておりまして、間もなく御審議を願うことになるかと思いまするが、そういう次第になっております。  その内容を御説明を申し上げますと、第一点は、単級——と申しますのは専門用語でちょっとおわかりにくいかもしれませんが、一クラスしかない学校では一年生から六年生まで収容している、山奥の学校などには非常に多いと思います、そういう学校、あるいは五学年ないし四学年を一クラスに収容して教育を行なう、そういう過度の複式と申しますか、複式の程度の非常に重いものにつきましては、これを定数算定上は解消する、それから三学年、二学年の複式はなお残るわけでございますけれども、従来小学校の場合で申し上げますと、三学年複式の場合も二学年複式の場合も、すべて一クラス二十五人まで生徒を入れる、これを十五人まで引き下げよう、そうすることによって僻地の恵まれない地域におけるところの教育の指導の厚みを増そうというのが考え方の第一点であります。  第二点は、教員配置の面でございますけれども、学級数によるところの教員の配置率を改善する。その場合において小規模学校ほど手厚くしていこう。具体的例を申し上げますと、一クラスしかない学校あるいは四クラスしかない学校——まず四クラスの例を申し上げますと、ほんとうは四人いればいいわけでございますけれども、なお学級担任外教員を二人加算するという内容になっております。  それから第三点は、養護教諭、それから事務職員の配置率を改善いたしたいと思いますが、その場合に僻地の学校に加算制度を設けるのが第三でございます。  それから第四といたしまして、以上のようなことをやりましても、なおかつ人口流動が激しいために児童生徒数が急激に減少する、いわゆる過疎県でございますが、そういうところにつきましては、前年度定数に対する最低保障制度を実施しよう、それによって大幅な減少を来たさないように保障していきたいというような内容になっております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 非常に詳細な説明をしていただきました。過疎問題について、もういわゆる最低基準を割ったからすぐ複式にどんどん切りかえて、血も涙もないようなやり方をやって一そう過疎現象に拍車をかけるようなことがないようにということがおおむねうかがい知れましたので、その問題についてはいまおっしゃったような方向で最大限に、過疎地帯のあれもそう安易に、基準を割ったからというのですぱすぱと複式にどんどんしてしまうというようなことのないように、ひとつ最大限に配慮していただくようにこの点要請いたしまして、時間も四、五分過ぎたようですから、これで失礼さしていただきます。  ありがとうございました。

湊徹郎自由民主党

○湊主査代理 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山分科員 ただいま過疎問題についてお話がございました。私は前の宮澤長官に対しましても三年前に過疎問題についてお伺いしたことがある。私はそのときに、あなたは一体過疎地帯というもの、また過疎地帯に住む人々を殺す気なのか生かす気なのかさっぱりわからぬじゃないかということをお伺いしたところが、宮澤長官は、現在の施策においては華山さんのおっしゃることはもっともだ、こうおっしゃった。それで今日に至ったわけでございますけれども、先ほど同僚委員から話がございましたとおり、いわゆる過疎地域のそういう人たちは、過密というけれども過疎のことはちっともやらぬじゃないかというのが現在の声でございます。その点はひとつ御了承おき願いたいと思う。  それで伺いますけれども、先ほど長官がおっしゃったとおり、現在の高度成長政策、その可否は別といたしまして、二人の子供を生んだ。一人は過密地域であって、これは肥満症に悩んでいる過疎地域、これはふたごの一人でございますけれども、栄養失調で悩んでいる。どっちもこれは不健康なんです。これはなおしていかなければいけないと思うのです。  ひとつ伺いますが、先ほどの同僚委員と同じようなことになるかもしれませんが、これからだんだんと現在いわれるところの絶対的過疎地域というものがふえる傾向にあるのか、あるいはそういう過疎地域といわれる地域がだんだんひどくなるような傾向にあるのか、経済学的に見てどうなんでありますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたとおり、この過疎問題の反面はいわゆる都市化の問題ですが、これが今日国際的な問題になっておるので、各国ともにこの問題に悩んでおるわけです。それでいま申し上げましたとおり経済の発展というところですが、その経済の発展は工業の発展ということからそういうものが起こっておる。したがって、この問題については各国ともに研究しょうということで、OECDでこの間話したのでありますが、そこで問題は、私は工業の発展ということは、もちろんこれは今後においても発展しますけれども、工業ばかりという考え方はもうやめなければいかぬと思います。そこで広い意味の産業ということを考えていくと、やはり山村の産業ということも同時に考えていかなければならぬということになってくると、いままでの都会都会という空気、これは都市化することによっていわゆる公害というものがもうお話しのとおり出てきておりまするから、したがって、この都市化都市化という空気、これを漸次なくして、そして農村地帯も同時に発展さすというような今後の国策をとるべきだということを、私はこの間会議に行っても痛切に感じてきた次第であります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 私のお聞きすることに率直にお答えがないわけでございますけれども、私は二つの考え方があると思うのですよ。過疎地帯というものはできるだけこれは広くしないように努力しようというものの考え方と、過疎地帯というものはこれは経済発展上どうしても出てくるんだ、ひどくなるのはやむを得ない、したがって、そういう地域に対しては、生活の上でひどい生活をしないように何とかしていこう、二つの方向があると私は思うのです。その二つの原則のどちらかにきめませんと、もうさまようばかりなんです。どちらの道にもつかないようなことが起きるんじゃないか。その点、私は心配して申し上げるので、いまお聞きするのはやめますけれども、経済企画庁は原則をきめていただきたい。そうしないと、私の言ったとおり、生かす気か殺す気かということになるわけだ。いかにも大臣がおっしゃったとおり山村には将来とも、奥地には将来とも栄光がくるのだというふうなことを与えますと、あの人たちはいつまでもそこにおって、そしてひどい生活をしなければいけない、こういうふうなことになるのは、かえって私はああいう地域の人たちには気の毒だと思うから、私はその原則を立てていただきたい、ものの考え方をきめていただきたい、こういうふうに思うわけなんです。  それで、いま農業とおっしゃいましたけれども、農業の発展し得る地域というものは、これは過疎地域じゃありません。大体いま過疎地域といわれているところのものは、山地、奥地、あるいは地域によって違うでしょうけれども、雪の深い土地なんです。稲の生産性というものは非常に低い。これは日照時間にも関係がありますし、温度にも関係がある。そのほかに土地改良というものが行なわれていない。広域行政の名のもとに、広域行政の方針のもとに、政府はまとまった土地でなければ土地改良もやらないわけです。ですから、あの地域というものは生産性が低い。今後米をなるべく安くして、そして減少さしていこうという方針であるならば、少ないかどうかわかりませんけれども、少なくとも値段を上げないでということになるならば、まず山村地帯の稲作というものがなくなれば少なくとも貧乏するわけです。そういうことでいいのか。また一面から申しますというと、たばこにいたしましても、専売公社にお聞きいたしましたらそういう方向ではないということもございましたけれども、山地でたばこを植えるよりは平野で植えたほうがいいということになるわけなんです。山地というもの、いわゆるいまの僻地というもの、山間僻地から産業は奪われつつある。私はそういうふうな現在の行き方で、いわゆる山間僻地の絶対的な過疎地域、そういうものがなくならない、むしろ拡大していくんじゃないか、そういう方向を私は考えているわけです。これは社会主義政策でもとれば別ですけれども、資本主義政策では、私はどうしても避けられないと思う。お聞きいたしませんけれども、華山はそう思っているということを考えておいていただきたい。そうしないと、この僻地対策というものは戸惑うばかりなんです。いろいろなことで都会的な生活もできるようにするというのだけれども、ものも食わないでテレビ見ていたってしょうがないでしょう。まず食わせることから始めなければいけない。その食わせることができておらぬということなんです。  われわれの地方が特にそうですけれども、いわゆる僻地も多いわけですけれども、冬はもう男の大半といってもいいものが出かせぎに行っているのです。そうして奥さん方が山村で子供を守っている。それが僻地の、また過疎地帯の実情なんです。これを救い出すなどということは、いまのやり方じゃ私はとてもできないんじゃないかと思うのです。そうして因ってくると、そこから出ていく。どこに行くかわからぬ。おそらくはあそこから出ていく人たちというものは、わからない社会の最も悪い社会に入っていくんじゃないか。それを救い出そうとする、そういう人を善導する施策さえもやらない。たいへん演説めきましたけれども、私はそう思うので、ひとつたいへん失礼でありますけれども、過疎地域ということについてよくひとつ考えていただきたいと思う。  それで、何か先ほど地方鉄道につきまして自動車ということをおっしゃいましたけれども、一体過疎地域の人が自動車なんか持てる境遇じゃありませんよ。大体現在過疎地域には、いままで行ったところの乗り合い自動車が行かなくなって困っているんじゃないですか。そうして鉄道をやめるという。私の知っている山形県の長井には大きな病院がある。そこは全部通院者は付近の農村から汽車で通っている。その鉄道もやめるというのですね。逆行することはなはだしい。文化的生活をやらせようということと逆なことをやっている。それで産業の合理化というのは特に僻地について強くあらわれてくる。鉄道をやめようという。鉄道というものは僻地にばかり行っておりませんけれども、僻地の人がとにかく通うのに便利なようになっているわけです。そういうことに、偶然でしょうけれども、なっているわけです。それをやめようという。そういうふうに合理化の余波というものは全部過疎地帯へ特に最も先にあらわれるのです。そういう点につきまして、大臣どうお考えになりますか。少し演説めきまして恐縮ですけれども、御感想を伺っておかないとしようがない。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 過疎の問題についていろいろ詳細なお話を承ったのでありますが、実は私も過疎地帯のほうに関係を持っておりますから、いまお話の件は私もよくわかるのです。だんだん人口が減ってきておりますし、農村の家が、もうあき家がだんだんふえてきておるということで、ことに私は少しひまになれば一ぺん私の関係する過疎地帯に視察に行って現状を見たいと考えておるのです。これを何とかして救う道を考えたいということで、雪の深いところ、豪雪地帯については最近対策費も出しましたし、あるいはこれも過疎というかどうか、たとえば島のほうには島に対する特別の対策もまた講じましたし、そういうことでいろいろ対策を講じておりますが、しかしいまのお話のとおり、このままでいけば私は過疎地帯というものはだんだんふえると思うのです。だからして、このままでいくのがいいのか悪いのかということが問題であって、それから、とにかくいままでやはり日本人はみな郷土愛というものを持っていますから、村を出るということはよくよくのことなんですから、できればそこの産業で生きていけるということをしてあげたら——決して喜んで村を出る者はないのです。だからして、そういう点について彼らが生きる道を考える、これは私は何も農業とは言いません。ほかのことでも、森林があれば山を開拓するとか、いろいろあると思いますが、そういうことで生きる道をひとつこの際考えて、同時に文化的な施設を考えてあげるということについて、いままでより以上にひとつ考慮すべきじゃないかということを最近私自身としても痛切に感じておる次第であります。

華山親義日本社会党

○華山委員 いま生きる道を考えなければいかぬということを申し上げたのですけれども、これは各地域各地域で条件が違っておりますから、相当県なり市町村なりが協力して、小さな土地であろうとも、この人たちはどうして生きられるかということを考えさせて、そうしてそれに対して手厚い補助等を与えていかなければいけないと思うのです。  私のことを言いますとたいへん恐縮ですが、私もそういう過疎地帯につきまして前に経験がございますけれども、山形県でございますから、あの土地の土地柄といたしまして、山地においてもこれは果樹はできません。なかなか牧畜といいましても、あの山深いところであるからできません。私が考えたのは養蚕なんです。養蚕を山地でやる。それで農林省にお願いしたけれども農林省でやってくれませんから、乏しい財政でしたけれども、平地におけるところの桑畑に対する施策というものは全部廃止して、金を全部やらないことにして、その金をまとめて、そして金を足して、山地に桑畑を植える人に回してやる。こういうふうな方法を、これは私なんかへっぽこなんですから、ようやく考えついたようなものなんですけれども、たくさんの人がいられるのですから、一つ一つのところについて考えてやらなければいけないと思う。経済企画庁に求めることは無理でしょうけれども、そういうふうなことでなければいけない。ただ補助金をやるとか、ただ交付税の傾斜配分を多くするとか、そういうふうなことではだめなんじゃないか。  それから、ひとつ私の経験から申し上げますと、たとえば国のやる土地改良、あるいはそういうものについては限度があるわけです。何ヘクタール以上でなければやらない、そういうことなんです。傾斜は何度以下でなければいけない。そういうことから、私は単独の事業といたしまして、それよりも以下の地域、それよりも傾斜度の高い地帯、そういうところにも補助をやったり、そういうふうなことをやっていただかないと、国でやっていただかなければだめなんじゃないか。山地には山地としてのやはり違った産業政策をとっていただきたい、こういうことをひとつ私お願いしておこうと思うのです。合理主義合理主義ということになると、どうしても大規模になる。そうすれば山地は捨てられる。こういうことについて、たいへん抽象的でございますけれども、ひとつお願いしておきたい。  それから、赤字の路線につきまして先ほどもお話がありましたけれども、私はたいへんに不満ですね、あれは。ということは、赤字の路線がなくなったあとでどういう交通機関が、どういう道をどう通るんだということをさっぱり示していない。相談をするなんといったって、相談のしょうがないじゃないか、あれでは。これは経済企画庁考えていただきたい。運輸省に注意していただきたいと思うのです。きちんと、どういうところにどういう道をつくって、どういう交通機関がやるんだということを示していただかなければあの問題は解決しません。それですから、各省各省が合理化合理化で、もうめちゃくちゃなことをやるものだから、地方がまいってしまうわけです。  一つの例を申しますと、これは過疎地帯じゃないかもしれませんが、山形市で今度貯金局というものを廃止しようとしているわけです。そういううわさがある。貯金局なんというものは何で山形市に置いたのか。だれも窓口に来るわけじゃない。全国その地方、その地方のある程度のところのものを集めて貯金の仕事の総括をするだけなんです。これを現在の過疎地域や、現在過疎地域になろうとするようなそういうところに移してみる。統合するなんて私はもってのほかだと思う。そういうふうな現在人口がふえないであろう、あるいは現在人口が減るであろうというようなところにこそ、関係のない国家機関というものを置くべきだと思う。思いつきですけれども、防衛庁のいろいろな被服があるでしょう。あのボタンつけぐらいは農村に出しなさいよ、僻地に。そうすれば僻地の奥さん方は、ある一定のところに集まってきて内職ぐらいはできるんじゃないですか。それは高くつくでしょうけれども、そのくらいなことは、どうして仕事を与えるかということを考えてもらわなければだめだと思うのですね。お考えを願いたいと思うのです。  それから、少し時間がなくなりましたから何ですが、いま開発局には東北開発室というのがありますけれども、ほかのほうにはそういう地域開発について、北海道には北海道開発庁というのがある。東北の各県知事は、そういう主管大臣として北海道開発庁のようなものを置いてもらいたいといっておりますが、東北開発室というものがある以上は、あれは東北地方というものは、開発について国でもって特別なものの考え方をする地域、そういうふうにお考えでございますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 ちょっと最後のところがわからなかったから……。

華山親義日本社会党

○華山分科員 経済企画庁には東北開発室というのがあるでしょう。ほかの地域にはないわけです。北海道以外にはない。そうすれば、東北というところは特別な地域として大臣はお考えになっているのか、こういうことなんです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 あの東北開発室ができたのは、北海道を除いて日本の国土で一番おくれておるのが東北だということでああいう特別室を設けたと思います。東北開発株式会社もそういう意味で設けたんだ、こう考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 大臣、それは違いますよ。そのときの自民党の人たちが、私が県庁にいたときに説明したことは、もう十年以上になりますけれども、このままの状態では東京は過密状態——その当時過密と言いませんでしたけれども、ばく大な金がかかる。その人口というものは新潟を含めた東北から来るのだ。それよりも東北に投資をして、東京に投資するよりも東北に投資をして、そしてその現地へ人口を集中してもらいたい、こういうふうにわれわれは説明されたわけです。ところが逆にいったですね。自民党のそういう人たちの言ったとおりにやはり過密状態が起きた。しかし東北には何もしないから、したってだめだったかもしれませんでしたけれども、さっぱり人口の吸収ということは東北には行なわれなかった。これが経過でして、大臣のおっしゃるようなものじゃないのです。あれはそんな東北地方独特の、東北地方の利己主義から出たものじゃないのですよ。おくれているからめんどう見てやろうなんというものじゃありません。ところがその目的というものはさっぱり達しなかった。  そんなこと理屈言ったってしょうがないから、お伺いいたしますが、東北をそういうふうな特別の地域としてお考えになっておることは間違いない。それなら、東北地方というものの開発についてはどういう点が最も重点だというふうにお考えになっていますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私の言ったことと華山先生の言ったことと同じ意味であって、東北がおくれておるから東北の産業を開発したいという意味でああいう東北開発株式会社というものができた、こう私は存じておるのです。そこで何か産業を興したいということで、民間人でやり得ない……。(華山分科員「東北開発株式会社のことを言っているのじゃないのです。東北開発を言っているのです。」と呼ぶ)開発は東北開発株式会社が所管しておりますから、それで申し上げておるのであって、したがって民間人でやれない産業を政府の力で興してあげようということが最初の設立の目的であった、こう私は存じておるのであります。それで成功したのは、たとえばセメントなどは私はそれで成功したと思います。また成功しなかった事業もあります。山形県でいえば、あそこの褐炭ですか、そうじゃなかったかと思うのですが、私も前の経済企画庁長官のときに東北六県の視察に参りましたが……(華山分科員「長官、時間がありませんので、東北開発株式会社のことはよく知っておりますから、簡単に。」と呼ぶ)そういう意味でやっておるのでありまして、政府が何とかして援助して、そして東北に産業を興したいというところからやっておることであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 ではお聞きいたしますけれども、東北開発の将来、特別な日本の地域というふうにお考えになっているのだから、東北開発については今後どういうように発展させるおつもりですか。——大臣から答えてもらえませんか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 いま作業いたしております計画に入っておる考え方をちょっと私から申し上げます。そのあと大臣からお答えがあると思います。  御承知のとおり、四十二年ころに東北各県知事の提言というものがございまして、東北開発の今後の方向として三つの問題を考えろということでございます。第一が、御指摘のような大都市地域からの分散する工業の受け入れ、それと新しい産業の開発によって工業の開発をはかるということ。第二が、日本の食糧基地としての農業の振興をはかりたいという問題。第三が、東北には非常にたくさんいい地域がありますので、観光開発を進めていきたい。大体今度の計画案におきましても、この三つの柱と申しますか、これを基本的な構想として進めたい、こういうつもりで考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 これは大臣に伺いますが、全国にわたる問題ですけれども、東北地方等に工場を置いた場合に、その地域についてどういう利益があるのか。現在の工場というものはなるべく人を使わないという方向でしょう。たくさん人を使うようなものはだめなんです。なるべく人を使わないという工場ですから、そこで使われる人は限られておると私は思うのです、八幡とかなんとか、北九州みたいなものがあそこにいくわけじゃないのですから。そういうふうなことでは、私は工場の来ることは望ましいとは思いますけれども、そんなに効果があるものじゃないのではないかという点です。  もう一点は、これは所得の構成を見てもわかるる。東北地方へ落ちる金は賃金なんですね。それは落ちないよりはいいでしょう。それから生産されたところの商業的利益というものは大都市にみな落ちるのです。所得の変遷から見てもわかる。したがって、人口というものは都市に集中するんですよ。ビジネスの面につきましても、これは、言うなら東北地方から東京に集中してくる。それに付随するところのいろいろな第三次産業というものが出てくる。ですから、工場を東北なら東北に移したからといって、東北の人口が都会に来るのを阻止するというわけにはいかないんじゃないかと私は思う。どうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 工場を移すということ自体も問題ですが、東北にある原料を用いて興す産業、たとえばセメントなどはそういう産業であったと思いますが、そこでセメント工場を興して、あのときは東北で使うセメントは、いまの岩手県でできるセメントを使うというようにしたと私は思うのです。だから、それで販売の区域がちゃんとできて、それによってセメント工場の経営がやっていけるというようになったと思うのでありますが、必ずしも東京から工場を移すということよりも、できればその地方における原材料を用いて興す産業ということを主としてやりたい、こういうように考えておるわけであります。

華山親義日本社会党

○華山分科員 セメント工場をおっしゃいましたけれども、セメント工場は、あのように決して大工場になったわけじゃない、東北地方のセメントの需要をあそこで満たしたわけじゃない。ほとんど十カ年間、見るべき工場というものができなかったと私は思うのであります。わりあいに関東地方に近いところの磐城地方あるいは郡山地方、そういうところにはできましたけれども、私はできなかったと思うのですよ。  農業につきましては先ほどおっしゃったとおりでございますが、これはしかし、三県知事の言ったころは、米が足りない時代に言った。米を中心とする農業基地ということを言ってきたわけですけれども、いまは米は一部じゃま者扱いにされてきた、それで現在私はこういうことを心配するのですよ。ただ私は言っているわけじゃない。私の現地の山形の人たちは非常に不安に思っている。工場は来ない、農業はこれからどうなるのだ、牧畜をやれといったって、そんなにもうかる牧畜でもない、不安だ。それで東北開発という構想が出たとき以来、いままでは、これじゃ何ともならなかったというふうな考え方であったものが、現在では、一体どうなるのだという不安の念に襲われている。そういう点を御考慮になって、東北開発というものをいかにすべきかということを私はほんとうに考えてもらいたい。  それで、根本的には、農業なら農業をやるということであるならば、農業というものの基本観念を強く固めて、農民に不安を持たせないような構想を固めたならば、これを重点的に東北あるいは新潟、北陸地方に持ってきて施策する、こういうことでなければ私はいけないと思う。  それから二、三日前に申しましたけれども、工場ならば工場ができるような何らかのことがなければ私はだめだと思うのです。何にも東北地方にとって有利な条件はないわけです。何か東北地方に対して有利な条件を出してもらいたい。融資につきまして、特別に低利や長期なものを出すとか、何とかしなければ私はだめだと思う。そういう点につきまして、さらに東北地方の工業の発展のためには資本の面でどうするのか、農業の面で発達させるためには、農業について、特に北海道と違いまして、内地において東北だけ補助金を上げろというようなことは私はなかなか望みがたいことだと思いますけれども、できればそういうこと。また、できなければ、東北地方に特に重点的に農業施策をするとか、そういう点をひとつ積極的にお考え願いたいと思うのですが、最後に大臣のお考えを聞いてやめます。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私がこの前経済企画庁長官になったときにも、東北が特別な地域であるということで、私はわざわざ視察に参って、そうして各知事さんとも御相談して、どういうふうなものを興したらいいかということで知事さんの意見もお聞きしたり、また市長さんの意見もお聞きしてなにしたのでありますが、たとえば山形県の酒田には日新電化とかいう工場などもありますが、あれなども私どもは何とか振興したい。(華山分科員「あんなのはだめですよ、インチキ会社でつぶれたんですよ。」と呼ぶ)当時においては盛んにやっておったのでありますが、とにかく政府が何かできるだけ援助をしてあげたいということでやってきたような次第でありまして、これはひとつ皆さん方からいろいろ意見をわれわれのほうにも言うていただいて、そうして善処すべきだと考えております。

華山親義日本社会党

○華山分科員 どうもたいへん御無礼なことを申し上げましたけれども、別に他意があるわけじゃなくて、ひとつ東北のためにやっていただきたいということですから、お願いいたします。

湊徹郎自由民主党

○湊主査代理 次に、広沢賢一君。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 物価の問題についてお聞きしたいと思うのです。  経企庁長官は、本会議の経済演説の中で、財政、金融、通貨面については、消費者物価上昇の原因だとかその他についてはほとんど触れられていないのです。そこでおかしく思った村山委員が質問しました。その質問の中で村山さんは、数字をあげて言っているわけです。たとえば一九六〇年を一〇〇としました六七年の指標は、経済成長率が一九七、まあ二倍、それから鉱工業生産は二三二、通貨供給高は三二二、卸売り物価は一〇六、消費者物価は一四七、賃金は一八一という指数です。これに次いで言いますと、地価は、工業地でもって計算しますと約五〇〇、五倍です。それについていろいろと大臣の答弁が少し変わってきました、と見ております。構造政策が基本であって、需給面も原因であるという答弁であったと思います。大蔵大臣とはちょっと違うと思いますが……。大体需給面という点で少しそれに触れられたと思うのです。大臣は、物価安定推進会議が行なった財政金融政策と物価との関係についての内容はよく御存じだと思うのです。もう一回読み上げますが、「最近の消費者物価の上昇要因には、必ずしも構造政策のみでは対処しえないものがあると認められるので、景気変動の平準化に努めるとともに、総需要の増加を抑制気味とし、いやしくも、需要圧力による物価上昇をきたさないよう誘導すること。」それから「通貨供給の経済活動に及ぼす影響にかんがみ、経済成長と通貨供給量との妥当な関係について検討すること。」となっております。検討されたことがあるのですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 通貨面と物価との関係は密接な関係がありますから、いまのところは格別私は通貨面と物価との間にそれだけの食い違いがあるとは考えておりませんが、しかしそれは常に考えておらなければならぬ問題だという意味で私は申し上げたわけであります。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 その態度が、これから申し上げますが、ずっと検討していくとわかりますが、私は基本的な誤りだと思います。大臣は、経済成長率は高ければ高いほどいい、大きいことはいいことだという単純なものの考え方ですね。それでいろいろ言われておりますが、これからお聞きしますが、経済成長率と資本形成の伸び率、それから消費者物価の相関関係についてお伺いします。  まず、第一番目に、成長率が一%上がると消費者物価が〇・五%、ほぼ見合って上がっているという相関関係については、大臣お認めになりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 成長率と消費者物価とが直接の因果関係があるとは考えておりませんが、しかし、いままでの傾向から見ると大体成長率の半分ということにっておるということを申し上げたつもりです。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 直接といっても、ことばの言い回しですが、関係あるのですよ。だから、非常に経済成長率が問題になるのです。それは、大きいことばかりがいいことだということでやって、のんびりしておると、消費者物価は上がるのです。卸売り物価はどうだというけれども、卸売り物価は、生産財が大きな能率をあげて、労働生産性が高いから下がる、それがあたりまえなんだけれども、下方硬直性でもってだんだん底上げをしていっているということをいわれておるのです。したがって、そういう点で関係があることをはっきり認めて、真剣に対処しなければ、物価問題は解決しないです。  大臣にお聞きしますが、そうなると、九%の成長率だったら、大体四%以下ですね。消費者物価は四%以下になって、利子以下になるというのです。利子以下というのがやや正常で、物価安定といえると思うのです。それ以上はたいへんですね。そうすると、いまの日本の経済成長率を九%にする。伸びを九%ぐらいにするという。そういうことについては大臣はお考えになったことはありますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 成長率を九%にするということは、いま経済社会発展計画では大体八・二%という計画をしておるわけです。したがって、消費者物価の問題も、最後の四十六年では三%にするというのがいままでの計画の案になっております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 それでは、ことしの経済成長率は、どのくらいですか。大臣おっしゃってください。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 ことしの経済成長率は、実質においては一二・六%と考えております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 そうすると、計画ではこうだけれども、実際、実質はこうなんだというのでしょう。実質はこうなんで、日銀もみな景気過熱を心配しているのですよ。かげりがあるのをずいぶんいろいろ分析しながら心配しているのです。あんなに心配しているという態度というのは、やはり物価の問題にも関連する。ところが経済企画庁長官は、計画はこうだけれども実際は一二%だとか言って、平気な顔して、大きければ大きいほどいいのだと言っておっては、お役目はつとまらぬと思うのです。  それから、もう一つは、大臣が言われておる中でこう言っておるのですね。総需要ですね。わが国の経済は、個人消費、民間設備投資等の根強い増勢といわれております。それにささえられておるいまの総需要の伸びの中で、資本形成と物価と関係ございますか。  それからもう一つは、個人消費、民間住宅建設とももちろん関係ある、こう言われるだろうと思うのであります。資本形成のときにはちょっと首かしげるけれども、大体この中で何が指導の要因になっていると思われますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 その数字については、政府委員から具体的に申し上げたほうがはっきりわかると思いますが、そこで、いまあなたの言われたおことばの中に、ちょっと私の合点のいかないのは、経済成長率が大きいほどいいということは決して言っておりません。しかし、いまの日本の経済状態のもとにおいては、一〇%くらいは経済は成長するだろう、外国に比べても大きい、これから日本はまだまだ伸びていく国だから、したがって成長が大きいのであるが、しかし、やがて数年後には安定してくるだろうということを言ったので、大きいほどいいとは決して言っておりません。また、日本の経済をもっと伸ばす、成長さすことが日本の経済全体を発展させるゆえんであるということで、経済成長率はやはり一〇%内外に成長さすべきだという意見を述べたのでありますからして、むやみやたらに大きいほどいいという意味ではありません。その点は誤解のないようにしてもらいたい。  総需要の点において、これはもちろん需要が大きければ、したがって物価が上がる。総需要という点については、金融の関係があり、財政の関係がありますから、そういう点から、総需要という問題を財政金融の面から考慮すべきだという考えを持っております。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 ただいまの成長と物価の関係でございますが、マクロのモデル等で非常に長期に判断をいたしましたときには、成長率一%に対して、御指摘のように物価が〇・五%程度の上昇という関係があるのではないか。これは過去の非常に長い間の平均でそういうことになります。しかし、各年見てまいりますと、そういう関係は必ずしもそのとおりいっているということではございません。  それから、経済をささえている成長の要因は何かという御質問でございまするが、これはいわゆる経済成長寄与率の問題だと思います。この点で申し上げますると、四十一年度の成長、これに対する寄与率は、個人消費が四二・一%、ただいまお示しの民間総資本形成が三九・二%、そのうちの企業設備が一六・一%であります。四十二年度におきましては、個人消費支出が四三・九%、民間総資本形成の寄与率は四六・四%であります。本年度の実績見込みから申しますると、個人消費率のほうの寄与率が高うございまして、四三・八%、民間総資本形成の寄与率は三二%ということになっております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 そこでお聞きしますけれども、寄与率はいつも大蔵委員会で議論しておりますけれども、それでは最近の各国の比較を見ます。この数字にほぼ間違いないかどうか確かめたいと思います。  日本は、国民総支出の中で、資本形成が三六・七%の場合に、消費者物価が四・一%上がる。アメリカは一七%の場合に一・二%値上がる。イギリスは一七%の場合に二%ですね。それから西ドイツは、二六・七%のときに二・二%、イタリアが二・二%のときに二・九%。資本形成と消費者物価だけ相関関係を見ますと、こういう傾向は、これは常識でしょうね。どうでしょうか。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 ただいま、暦年の何年の数字か、ちょっと手元にすぐございませんので的確に申し上げかねますが、GNEの構成比と物価との関係ということにつきましては、私ども、必ずしも的確な関係があるとは考えておりません。非常にむずかしい問題だと思います。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 総需要等、いろいろと言われておりますが、それじゃお聞きしますが、最近の個人消費支出が、全部の総支出の中で下がっている傾向にあるのか、上がっている傾向にあるのか。それから、民間の住宅建設を含めても、下がっている傾向にあるのか、上がっている傾向にあるのか。それをお答え願いたいと思います。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 最近数年間におきます個人消費支出のGNE構成比を見てまいりますと、漸次下がっている傾向にございます。それは、構成比自身は相対比の問題でございまするので、他の相手がふえておれば自然に下がる、こういうことになるのです。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 それだから、寄与率の問題は除いて言いますが、この資本形成の部分はどんどんふえている。その個人消費支出や何かはずっと下がっている。だから、絶対額からいえばいろいろ御意見が出ます。個人消費というものは人数が多いのだ。しかし、そういう形になっている。しかも物価の問題は解決しない。そこに相関関係があると思うでしょう。ないというのはおかしいのです。それを答えられなければおかしいですよ。ちゃんと、通貨供給量と資本形成と総需要との——物価問題というものは総需要とのいろいろの関係なんだから、したがって、資本形成が物価値上がりの一つの重大な真犯人なんだということを言いたくないために、あまりああだこうだといって逃げるということは、たいへん国民に対する学問的解明はしていないということですよ、経済企画庁は。

矢野智雄経済企画庁調査局長

○矢野政府委員 お答えいたします。  資本形成が国民総生産に占めます割合は、先ほど調整局長がお答えしましたように、相対的な関係であります。概して申しますと、景気が上昇しますときは資本形成の比重は上がってまいります。景気が下降しますときは下がってまいります。最近数年におきましても、ここ三、四年は景気上昇期でありますので上がっておりますが、その前の数年をとりますとむしろ下がっております。五、六年前と現在を比べますと、現在のほうが毎年資本形成の比率は低下しております。  物価との関係でありますが、物価は経済の成長率全体との間に、過去数年なりを基準にいたします限り若干の相関があります。しかし、それでは成長率が高ければ必ず物価は何%上がるという機械的な関係では、必ずしもないと思います。それは物価をささえるいろいろな仕組みとも関連してまいりますので、必ずしも一義的な連関はないと思います。ただ、資本形成が上がりますと経済のそのときにおける上昇スピードはやや強くなり、そこに景気循環が起こるわけでありますが、通常のペースに比べたらあまり早いテンポの上昇が長く続きますと若干物価にも影響するかと思いますが、一方では生産性が上がる、供給力がふえる、それによって物価が低下するような面もあります。諸外国の例を見ましても、一概に資本形成との間に直接の関連はないと思います。たとえば、現在アメリカは資本形成よりも個人消費でふえておりますが、物価は最近のところ、一年前に比べまして四・七%上がっております。日本よりも、むしろよけい上がっているような状況があります。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 アメリカのことは聞いてませんよ。アメリカは、あれは軍事支出ですよ。予算が赤字でもって、半分は軍事支出をしているのだから、そうでしょう。そういうことを言っているのではないのですよ。  とにかく私は時間がないから、いろいろむずかしい問題はその次にして、大臣に言いたいのは、大臣は本会議の議場でもって、高度成長率は上がったら上がったでいいんだと言って、みんな笑ったでしょう、私は覚えています。ですから、そういういろいろな余力がつけば——大臣もいろいろ配意しているのだということがわかれば、この問題、物価安定推進会議がきめたこういう問題について、非常に良心的にやらないと、これはいけないと思うのです。  その次に、大臣こういうふうにお答えになっているのです、北山さんの質問に対しまして。大きな銀行とかなんかからお金は貸し出される。企業の含み資産、物価上昇の原因は、地価にもある。企業の含み資産が地価の値上がりによってどんどんふえて、これに基づいて銀行の貸し出しは増加していると言われたときに、大臣は、地価の上昇が銀行の貸し出し能力をふやしている。それについては、事実なのでお認めになったのですな。それで政府としても地価安定のために努力している。それからこの問題については、是正したいという御発言をなさっていますね。そうすると具体的に、それではこれについてどういうような形で是正するか、具体的なことをお考えですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 この土地の値上がりの問題については、政府も非常に心配いたしまして、地価対策の閣僚会議も開いておりまして、それについて決議しておりますが、その決議をした条項を私はいま手元には持ておりませんが、そういうことで、たとえば今度の土地に関する法律案が出ましたが、あれなんかはその一つのあらわれだ、こういうふうに見ています。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 時間がないので惜しいのですが、全然違うのですよ。たとえば今度土地税制法という税法が出ましたが、あれは個人の土地をどんどん早く売れば税を安くするというのですが、大きな会社が不動産会社を五つも六つも持っている。そうして銀行や保険会社その他が手を回してどんどん全部買ってしまえばいいのです。いまと同じです。あれで土地の値段が安定しますかと私が聞いたときに、建設大臣は、あれだけでは解決しません、だめです、こうお答えになっているのです。大臣どう思われますか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 地価と銀行貸し出しの態度との関係の問題も最初にあったわけでございますが、確かに地価が上がりますことは、企業の融資能力と担保能力の点から拡大をいたしますけれども、どうもいままでの銀行の貸し出しの状況を見てまいりますと、特別に不動産等を担保にした貸し出し部分は、他の一般的な貸し出しよりもふえているという傾向はないようであります。やはり銀行は日本経済一般の成長を見まして、そして企業の将来性あるいは経営者の能力等を考えながら複雑な判断をして貸しておるようでありますから、一義的には、単に土地地価の値上がりがすぐ貸し出しの伸長を有力にささえておるというふうには、あまりはっきり言えないのではないかと思います。  なお、ただいまお話にございました、今回提案になっております土地税制の関係でありますが、いまお話しになりましたように、あるいはそういう個人が手放しました土地を比較的に大きい不動産会社等が取得するということはありますが、しかし不動産会社自体が、それをいつまで抱えておるということではなくて、やはり一般の住宅地なり何なりに供給するということになってくるわけでございますから、そういう意味で、しかも今度の土地税制はそういう点でやはり有効に働くというふうに考えます。もちろん、それだけで地価の対策が万全であるということではなかろうと思います。その他の諸般のいろいろな制度を今後とも従来に増して整えていくということは、これは必要であろうと思います。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 大蔵委員会の銀行局の答弁なら、まだそのくらいで銀行を擁護しますが、調べてあるのですよ。これはまたこの次に大蔵委員会でやりますけれども、そんな表向きのことではなくて、よく見てごらんなさいよ。いいですか、常識ですよ。ここに会社がある。その会社はいろいろ含み資産を持っておる。土地の含み資産を持っている。土地がどんどん高くなる。帳簿上の必要はない。それを担保にすれば銀行はどんどん貸しますよ。土地の購入代金をいろいろ計算した例があるのです、いろいろな人が。住宅一に対して土地は一・五、どんどん流れています。土地の代金を計算すると、全部で大体四兆六千億くらい流れているだろうというのです。だから、北山さんもあれだけ数字をあげて言ったから大臣もお認めになったのです。ですから、そういう点でこれはもっと究明して、お互いに真剣になって考えないと、この問題はやはりたいへんな問題だと思うのです。  次に、時間がもうないから、もう一つの問題をお聞きします。  去年製粉会社が値上げをしました。そこでいろいろ引っぱって読んでみたのです。これは皆で研究したのですが、物価問題について経済企画庁国民生活局が四十一年につくった第一次の案と、四十二年三月にまたつくった実施計画というのがあるのです。この二つを見ますと、食品加工は、これは大臣の好きなことばで、中小企業は生産性が低いです。低いから賃金が上がれば、ここでもって消費者物価の上昇が行なわれます。これが構造的な物価値上がりの原因です。これだけは言われていますね。ところが重要なことは、やはりここにそういう問題については、ああだこうだと一ぱい書いてあるのです。ところが、製粉会社がいろいろやっていることについては書いてないのですよ。たとえていいますと、昨年九月一日から輸入小麦が一・二%値上げになりましたね。これは大臣御承知ですね、値上げになったですね。それが今度は製粉会社を通していくときには二・五%上がっているのです。実際上はいろいろ、ずっと操作をして、これは詳しくはこの次の機会にしますが、三%ぐらい上がっている。そうしますと、業界での製粉会社の小麦粉——有名な日清製粉、いろいろな関係がある。それをはじめとし四社でもって八〇%独占しているのですよ。たとえば日清製粉を例にあげると、十億三千万円の税引き利益をあげて一割三分の配当をしている。明らかにこれはすれすれですよ。私の言う意味は、相当もうかっているのに値上げをしている。ビール会社がこの前問題になりました。大問題になりまして、宮澤さんもかんかんになっておこったけれども、とうとうビール会社に押し切られてしまった、情けないことに。一本当たり十円も値上げされた。こういうことでもって——書いてあるのは構造政策とかなんとか書いてあるけれども、そういう問題については一つも触れてない。触れてないでいて、製粉会社の値上げの問題とかこういう問題が出てくると、やはりだれが真犯人かわかってくるのです。おかしいじゃないですか。いままでの物価対策の立て方が大臣おかしいと思いませんか、どうですか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 ただいま御指摘になりました政府の玄麦売り払い代の値上げ、あるいはそれに伴いまして製粉会社が製粉した小麦粉を第二次加工業者に対し売り払うときの価格建て値の引き上げ等については、大体私どももそういうふうに承知をいたしております。ただ、製粉会社におきましても、別に製粉会社の弁護をいたすわけではございませんが、やはりコスト等を考えて一応建て値を引き上げたようであります。ところが、製粉会社は、いまお話しになりましたように、四社がかなり大きなシェアを持っております。そのうちにももちろん強弱がございます。さらに、きわめて雰細な製粉業者等もありまして、事実上の市価というのは必ずしも建て値どおりにはいっていないというふうにも考えております。しかし、いずれにしましても、第一次製品の段階で、あるいは雰細な第三次加工の段階でのみ合理化を要求するということはもちろん片手落ちでございまして、中間のそういう製粉会社に対する合理化というものは当然要求しなければなりませんし、その意味におきまして、私、突然の御質問でございますから詳細にはちょっとあれでございますが、やはり農林省方面におきましても、製粉企業に対する近代化施策ということをつとめておりまして、数字ははっきり覚えておりませんが、工場あるいは会社の減少というようなこともかなり聞いておるわけでございます。御指摘のような点は、これは一つの重要な考え方であると私は思います。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 大臣は大体こういうふうに演説されています。生産性が上昇している部門では、その成果の一部を価格引き下げに回すような環境をつくる、これは重要なことですね。今後その問題について一つ一つの品目について具体的にお聞きしたいと思うのです。  一番重要なことは私は大臣に御質問した。私が質問した一番大事な問題はやはり通貨面ですね。それから資本投資、設備拡張をものすごくやっているものを——それで経済学者も、日銀の政策委員の中でも、設備投資と物価、経済成長率の相関関係について、関係がないようなことを言う人はいないのですよ。そうすると、この問題についてちゃんと推進会議でもそういうふうに御注意があったのですから、ひとつ大臣、今度は通貨面、金融財政面とのからみ合いでの物価総合施策、これをやれば新しい方向が出てくると思うのです。  最後にたとえばさっき地価の値上がりの問題がありましたけれども、こういう提案もできると思いますよ。たとえば土地の再評価をやり直す。そうすると、相当の含み資産からたいへんな額が出てきます。相当な額ですよ。一挙にやれば大きな企業がぶっつぶれてしまいます。しかし、たとえば消費者物価安定のために、かつて富裕税をやったように、十年分割払い、二十年分割払いでもってそういうものを徴収していく、その徴収したお金は農業、中小企業の近代化協同化に使うという形で、大きく農業、中小企業の近代化にその金を抜本的に注ぎ込むということをやれば、大きな会社は土地を買い占めて持っていて、それを五分刻み十分刻みに高くつり上げて売ったり、住宅建設産業というのは成長産業だといってやるでしょう、そういう思惑がなくなって、ほんとうに地価安定に役に立って、同時に、そのほかで中小企業の体質改善の問題も、資金の捻出もできる、こういう問題があるでしょう。いろいろ考えると出てくると思います。そういうことを期待するのですが、いまの提案については、大臣最後にどうでしょう。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまの御提案については私のほうも検討してみます。私も土地の値上がりすること自体賛成してないのでありますから、あらゆる方法を講じて土地の値上がりを抑制したいと考えておりますからして、そういう点でいろいろ各方面からひとつ御教示を願いたい、こういうふうに思います。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査代理 次に、近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 菅野さんは万博担当大臣をなさっておられますので、私は万博のことについてお伺いしたいと思います。  菅野さんが通産大臣のころに私が万博のことで質問申し上げました。一兆円になんなんとするばく大な国家予算をもってこの事業が行なわれるわけであります。したがって、国民の関心というものは非常に高いわけです。重大な影響を持っている。そういうわけで、もしもこれが不成功、あるいはそれが住民福祉に非常に大きな影響を与える、そうなった場合、だれが責任を持つか。そのときに、私が責任を持ちます、このように言われました。今度は経企庁長官になられ、また、万博担当大臣に就任になったわけであります。  そこで、お伺いするのですが、この万博に関してあなたは担当大臣としてどういう責任を負っておられますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 どういう責任というと、まあ担当大臣ですからして、万博に対しての責任を全部私が負うております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 最終の責任はあなたがとられるのですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 直接の責任は私がとりますが、最終の責任は内閣です。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 直接の責任はとるけれども最終の責任はとらない……。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それはもう政府の事業ですからして、したがって政府が責任を負うわけですが、しかし、私が担当しておりますからして、したがって、直接私がその責任の当事者というと語弊があるかもしれませんが、責任は私が負うてやるわけです。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 それは何ごとも政府か知りませんが、少なくともあなたが担当なさる、そこでまあ、あなたが責任を持ってやっていく、このようにおっしゃているわけです。ところが、あなたの立場というものは非常にあいまいな立場でないかと思う。経企庁であなたが担当大臣を兼務なさっておる。実際は通産省の万博準備室でやっておる。各省庁に関連する。みんなまたがっておる。実際あなたが責任を持つと言われるけれども、私は法的にどれだけの裏づけがあるか調査してみました。そうしますと、通商産業大臣あてに内閣官房長官からこういう通達が出ています。「日本万国博覧会に係る事務の調整について 日本万国博覧会の円滑な準備に資するため行政各部の所管する事務の調整を、国務大臣菅野和太郎に担当させることに決定されましたから、通知します。」調整ですよ。事務の調整。あなたはどういう権限があるんですか、担当大臣としての。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 万博に関する関連事業の予算などをきめる場合、それを私がその間の調整をはかるわけです。また、万博協会との関係、その間の調整を私が当たるわけです。要するに、私が窓口なんですということをお考えいただいたら一番おわかりいいかと思います。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 窓口であって、締めくくりをやらない——やるわけですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 たとえば鉄道を敷く場合は、これは運輸大臣がやっぱり責任を負うわけです。道路を敷く場合は建設大臣が責任を負います。それはそれでちゃんと予算が建設省、運輸省に割り当ててあるのですから、したがって、やっぱりそれが予定どおりできるように、私どもは建設大臣に督促するなり何かするわけです。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 担当大臣についての法制局の見解、四十二年の七月十九日に出しております。   担当大臣は、法律上の根拠に基づき法律上の権限を与えられたものではない。閣議において各国務大臣は、それぞれの立場で、当該事項について関心を持っているが、その内閣の首長たる総理大臣が、特にその中の一国務大臣に対し、特別な関心を持って当該事項の検討をし、配慮されたいという事実上の依頼をしているものであり、内閣の運営に関する事実上の行為であるとみなすことができる。   1 国会答弁をする等、対外的な行為についても、内閣の代表権を総理大臣から委任されたものではなく、専門的な担当としての発言がなされるものとみられる。   2 閣議で、当該事項に関し、特に関心を持って発言するということは、事実上あり得ても、総理大臣の主宰者としての地位を当該事項について委任せられたものとは解せられない。   3 担当大臣が行政各部の所管する事務を調整するという行為にまで及ぶことはあり得るが、それは法律上の権限に基づいてなされるものとは解せられない。また、内閣法第六条による総理大臣の指揮監督権の委任を受けてなされるということではない。   以上のような事実上の行為の総理大臣からの依嘱によるものであるから、閣議決定という形で担当大臣の決定をする必要はなく、総理大臣からの報告でよい。  要するに、法律上のあなたの権限というのはないわけですよ。それであって、私が責任を持ちますということになっても、これは非常にわれわれとしては不安な気持ちなんです。その辺あなたはどう考えますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまのあなたがお述べになったことにちゃんと私の責任が書いてあります。総理大臣から万博の担当ということで、私が任命されておりますから、したがって、その点において私が責任を負うわけです。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 法制局の見解がこう出ております。これについてあなたとやりとりしていたら時間がありませんから……。  いずれにしても、あなたが担当大臣として責任を持ってやっていく、これはもう何回も私も確認しておるわけです。その立場で一、二お聞きしたいと思いますが、いよいよ来年の三月十五日、この開会まであとまる一年です。いよいよここで完ぺきな体制をもって突入しなければならぬ。少なくとも一兆円の予算をつぎ込んでおるわけです。そういう点において、中途半端ということはあり得ない、私もこう思います。したがって、やる以上は成功させなければならぬ。したがって、それだけの体制がなければならぬ、私はこう思うのです。ところがいろいろと聞いてみますと、協会などは発足してから退職者が百二十二名も出ておる。要するに、入れかわりというのはひどいものです。またモントリオールの視察に行ったデータも調べましたが、部長、次長で十七名見に行っておりますが、そのうち六名が退職しておる。課長は二十三名が行って三名退職しておる。そういうように、非常に異動というものは激しい。常に親元のほうへ、帰りたい。いまどういうような気持ちか、一人一人の心理はわかりませんが、しかし、本人の意向でなくても、親元から呼び帰される。それは関係各省庁でもいえるわけです。かってにポストはぼんぼんかえる。少なくとも、お互いの仕事に関連を持ってやっていこうと思えば半年ぐらいかかりますよ、のみ込むには。あと一年なのにこんなにぼんぼん人がかわる。だれだって落ちつきませんよ。そういう異動のやり方を見ておって、私は非常に不安を感じる。その点、あなたはどうお考えになっていますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまの御心配の点は、私も同じ心配をしておるのであります。でありますからして、万博へ派遣された人は万博を終わるまでその地位におってほしいということは、私どもも念願しております。しかし、これは各省がそれぞれの都合によって、そこに異動があるのでありますが、それは私としてはできるだけ避けてもらいたい、こういう念願を持っております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 あなたはその念願を持っておられて、これからいよいよ一年後のスタートにあたって、具体的に、たとえば閣議というところで各大臣にそのことを言われるのか、どういう形をとられるのか知りませんけれども、今後あなたの姿勢を具体的にどういうようになさっていかれますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 たとえば通産省では井上参事官が担当しておりますが、これが済むまではその地位におってもらいたいということを私からも言うております。企画庁からもそれぞれの担当の人が出ておりますが、これはやはり万博の済むまではその地位におってもらいたいということを私は念願しておるわけです。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 まあ、ことばのやりとりみたいになりますが、行っておられる中で、こういうような異動があるということ自体、私は、それじゃ担当大臣としての権限ということにやはり疑念を持つわけです。ですから今後は、大臣もそう言われた以上は、やはり体制は完ぺきな体制をもってこれから一年を突進していく、私はこのように受け取っておきます。あなたも先ほど一切の責任をもって今後進めていく、こういうふうに言われている。立場上一切を掌握しておられる、このように思います。  そこで、お聞きしますが、この万博のときに、いろいろな計算があるかと思いますが、私どもの聞いておる範囲では、三千万を上回るであろう、外国から百万近く来るのではないか、このように聞いておるわけです。数字の点はいろいろな見方があるでしょう、そういう点から私は一、二聞いてみたいと思いますが、羽田にしても、ピーク時になると1特に八時から九時と聞いておりますが、十一便くらい到着する。ひどいときには一時間半から二時間くらい待たされる。非常に国内のそういう税関のあり方というものが問題になってきておる。そういう点で私は、もしも外人が、別に飛行機だけでなくして、当然船で来る場合もあるでしょう、いろいろな点を総合して百万近くも来る、こういう点に関して、受け入れとしてどのようになっておるか、これをお聞きしたいのです。もし関係各省が来ておられたら……。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 私から総括的に御説明申し上げます。  百万人来るということでございますけれども、三千万人の入場者のうちに百万人外人の入場者があるということでございまして、実際に外国から来る人がどれだけかということは、野村経済研究所に依頼して調べましたが、一番大きな数字で五万九千人くらいじゃないかと思っております。団体も多少入りますし、国内にいる外人も何名か入ると思います。しかし、最も少ない場合の計算は、二万八千人くらいが万博のためにふえてくるのではなかろうかと思います。  そういうことでございまして、それにしましても相当の人数がふえてまいりますし、期間的に見ますと、一年間ではなくて半年間というようなこともございます。そういうことで、関係各省と連絡をいたしまして、出入国管理問題であるとか、関税の問題であるとか、検疫の体制整備の問題であるとかいうことでございますが、大体人員面では、根本的に現在の定員内で、ほかのところから応援を頼む、応援を頼んでそれをさばいていくというようなことで考えております。大体そういうふうなことで、詳細は各省から……。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 それでは数字があまり開き過ぎますよ。少なくとも昨年一年間で六十万人の外人が日本に来ておるのです。どこからそんな数字が出てきたのですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 いま申し上げましたのは、万博のために従来やってきます人のほかにふえていく、こういう数字であります。ですから、従来五十万人、六十万人来ておりますが、それに万博として、これはオリンピックの例などをとりまして、いろいろ国別に計算をいたして想定数字を出しておりますが、万博ということでふえる人というふうな数字でございます。ですから、これは全体ではございませんで、日本にやって来る人は当然別にあるということでございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 その辺の数字というのは、これは全然開き過ぎていますよ。これはもう話にならぬですよ。ですから、少なくとも万博の開催地ですから、これは予想の数字ですからそれはわからぬにしても、おそらく来た人は、たとえ一日でものぞいてからというのが人情です。少なくとも半年間開催するわけですからね。ですから、そういう数字自体にも問題があるます。私、この予算書で見ましたけれども、検疫関係として、出入国として税関にもいろいろあろうかと思いますが、それぞれ各省で考えておられましたら、簡単に、現在の定員何名担当の方がおられて今年度予算で何名ふやしておるか、それを言ってもらいたいと思う。

鈴木邦一大蔵省関税局監視課長

○鈴木説明員 税関のほうは各種の面で非常にふえておりますが、年々重点的に羽田税関については定員の増をはかっております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 総定員でいいですよ。何名お願いしてふやしておりますか。

鈴木邦一大蔵省関税局監視課長

○鈴木説明員 税関については、税関全体で三十五名が純増になっております。このうち、羽田、伊丹の空港税関について重点的に配置していきたいと考えております。以上でございます。

西澤憲一郎法務省入国管理局総務課長

○西澤説明員 次長がちょっとおられませんので……。総務課長の西澤と申します。  御説明申し上げます。  四十三年度の予算定員におきましては、地方の入管の職員の定員が千三百三十九名でございます。そのうち入国審査官四百十五名、入国警備官七百七名、その他事務官、その他の職員になっております。それで今年度増員を認められましたのは二十三名。そのうち二十名が入国審査官、三名が警備官であります。そして羽田には十二名、伊丹には四名を配置する予定になっております。よろしゅうございますか。

城戸謙次厚生大臣官房審議官

○城戸説明員 検疫の関係でございますが、現在、検疫所七十四カ所に、職員としましては七百六十二名ほど配置いたしております。来年度予算におきましては、万博の関係としては、特に大阪空港出張所を支所に昇格させる。それから職員につきましては三名増員で、現在の十一名を十四名とするということにいたしますとともに、特に他所からの応援のための予算を計上してございます。以上でございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 関係各省は対策としてそれで十分と思っていらっしゃるのですか。通産省の準備室のほうはそれについてどのくらい要求しましたか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 ただいま要求数字は持っておりませんが、大体要求よりもいろいろと切られておりますけれども、中でそれで計算いたしました結果、大体必要最小限度は取れておったということで予算要求を打ち切ったという経緯がございますので、最小限度の必要数は確保されておる、こういうふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 いまでも外人客にそれだけ大きな不平を買っているわけです。いまぐらいのメンバーでしたら、それじゃいまの時点でも焼け石に水ですよ。それを、これからどれだけの人が来るかわからない、そういう段階において、こうした点において、予算の上にもまだまだ力が入っていない。事実もう来年の三月十五日開会です。そうすると、これは今年度予算で決定するわけですよ。しかも、少なくとも、担当官に配置をしてすぐにその人がそれだけの仕事ができるか。どんな仕事だって、やっぱり訓練期間を経なければならぬ。よそから新しい人が移ってきてもすぐにできるわけでもないし——新しい対策もあるかもしれません。しかし、そうした点における連携もまだまだ非常に力が入っていない、私はこう思います。それに対してどう思いますか。各省、簡単こ……。

鈴木邦一大蔵省関税局監視課長

○鈴木説明員 税関といたしましては、第一に、現在一般に輸入物品につきましては、関税と、ものによっては内国消費税がかかるわけでございますが、旅客の携帯品につきましては、簡易税率制度というもので、関税と内国消費税を合わせました簡単な税率で処理しております。これを四十四年度においては、従来の十三税率を四税率に統合いたしまして、課税面でもいろいろと通関が迅速に処置できるような処置をとっております。  第二に、万博の関係につきましては、万博の事務局と密接な連絡をとりまして、具体的な人数の入国人員の状況を見ながら、必要に応じて税関の担当あるいはほかの税関から応援体制をしきまして、万博に関係する来日外人の通関が迅速にできるように処理する考えでございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 時間がありませんけれども、そういうもろもろの問題があるわけです。  たとえば外務省の元首の接遇等につきましても、これは全然予算ではなっていないわけです。外務省、何ぼ予算で見ておりますか。

山下和夫外務大臣官房儀典官

○山下説明員 万博の予算関係につきましては、関係各省それぞれ所管の予算を計上するわけでございまして、私どもといたしましては、万博にただいま事務系統がございます。特に賓客の接遇につきましては、ここにございますように、私どもの関係では三千三百万円程度がついております。その内訳は、賓客用の車一台、それが多額の金額になっております。もう一つは、万博の接遇のための準備体制の要員をふやすということで人を雇う。それから、常設の接待員をお願いするというようなことがございます。そのうち、明年度予算におきましては、まだ、来年三月十五日から三月終わりまでに何名の元首また賓客が見えますかということが確定しておりませんので、一番大事な接遇費につきましては、今年度予算に別途計上せずに、外務省の一般招待関係の予算から支出する。そして四十五年度から別途本格的な経費を計上したいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 そういう問題にしても非常に予算が足りない。全部協会に押しつけてきておる、そういうような報告も聞いております。その辺の調整も、時間がありませんから、協会ともよく話し合ってください。  それから、一つは万博だけはやればいいのだというそういう感じをわれわれは受けるわけです。というのは、万博の準備のために、周辺地域の住民は非常にいろいろな迷惑を受けておる。たとえば、あれだけの造成をしても、中小河川は全然整備されていない。鉄砲水で周辺は水びたしになる。そういう問題だって一体どうするのだ。あるいは交通対策にしても、ダンプカーだけでも、ニュータウン周辺には一日二千五百台、延べにすれば三万八千台走り回っておる。子供たちはあぶなくて歩けない、そういうような問題、あるいは労賃の値上がり、建設資材の暴騰、そういうことで、一般のそうした公共建築物にしても何にしても非常にアップしているわけです。そういう財政面の負担が非常に出てきておる。さらに物価の上昇、そういう点だって周辺は非常にきついわけです。そうした全般の対策を十分な配慮を加えつつやっていってもらわないと、これはあまりにも独善的だと思うのです。  それから、もう時間がありませんのでぼんぼんいきますが、特にお聞きしたいと思いますが、心配なのは、開催時には非常に多くの人が全国から集まって参ります。それに対して、運輸対策として、現在もほとんど大阪周辺は飽和状態になっておりますが、それに対する旅客輸送体制、たとえば片町線の複線電化をいつまでにするとか、あるいは内環状線、外環状線あるいは東海道線、あるいはまた、その他私鉄に対しましてもどういうような指導をしておるか、バス等の問題これについてひとつきょうは国鉄から来ておられますので、明確にきちっきちっと答えてもらいたいと思います。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 万博関連の輸送に関しまして一番大きな問題は、東海道新幹線の問題だろうと思います。東京から大阪までの客を運ぶために、このことに関しましては、直接万博関連事業としては出ておりませんけれども、編成長の増大とか、それからヘッドを縮めるというようなことで、いまよりももっと輸送力をつける、こういうふうに考えております。  それから、あの大阪付近の旅客の対策についてでございますが、いまいろいろな工事をやっておりますが、その中でも特に草津−京都間の線増をいたしまして、この辺から入ってくる客の便宜をはかる。それから、御質問の片町線の線増電化でございますが、これは鴫野までをこの春、四月には複線で開業したい、こういうふうに考えております。  それから内環状につきましては、いま鋭意工事をやっておりますけれども、これは現在六両運転で三分ヘッドになっております。これを二分四十秒ヘッドに縮めるようにいま工事をやっております。また、六両を八両にする工事、これは全部はちょっと間に合いませんが、これは特に通勤輸送としていま考えておる問題でございます。それよりもいま考えておりますのは、旅客が非常に蝟集いたします大阪駅、あるいは近鉄との乗りかえの鶴橋駅、あるいは京橋、こういう駅の設備の改良をいま鋭意進めております。  それから、東海道につきましては、電車を増備して、そうして輸送力の増強をはかりたい、こういうふうに考えておりまして、その電車の増備のための電車の製造と、それから電車をつくりました際のそれを置いておきます基地、これをそれぞれいま設備しております。あるいは片町線につきましては放出の電車の基地、これらを整備しております。  大まかな点、大体そういうことでございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 それから阪急豊津駅前の非常な交通難というのは、これはたいへんな問題になっている。特に万博の開催時には二分間隔になる。そうすると、完全に遮断されてしまうわけです。これは吹田市にとってはたいへんな問題だと思うのです。完全に分断されてしまう。ですからこの豊津駅前のここのところの対策についてどうするか。  それから十三−高槻線の完成のめどをいつごろつけるか、これは建設省に聞きたい。簡単に答えてください。

三宅正夫建設省都市局街路課長

○三宅説明員 お答えいたします。  豊津駅前につきましては、現在歩行者だけの地下道の計画が地元の吹田市、阪急、大阪府の間で行なわれておりまして、それは万博までに完成したい、こういうことでございます。  それからもう一つ、十三−高槻でございますけれども、これは現在事業をやっておりません。現在は万博の関連街路事業を主として整備しておりまして、本路線につきましては整備をやっておりません。しかし、本路線は重要路線でございますので、万博が終了してから早急に工事に着手いたしたいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 終了などと言ったっていまそれが、要するにここまで道路は広いけれども、のど首、こうなっておるわけですよ。あなた方はそんな考え方でおるからたいへんな混雑になる。交通事故だってものすごく激増しておりますよ。どうなんです、その点。

三宅正夫建設省都市局街路課長

○三宅説明員 お説のとおりでございます。しかし、いま私どもが考えておりますのは、とりあえず万博に直接関連の深いものを重点的にやっておりますので、どうしてもそれ以外のものは予算が回りかねるというのが実態でございます。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 ちょっと時間がありませんので……。  それから、このあと地の問題について、先ほど他の分科員が質問したわけでありますが、これに対して菅野長官は国で全部買い上げる、こういうような発言をなさっておるわけですよ。万博のあと地についてあなたは買い上げる計画だとおっしゃったのだから、それについて明確にもう一度お聞きしたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまの万博の敷地は大阪府が立てかえて購入しておるのでありますから、したがってその万博のあと地をどうするかという問題、あと地を全部国が利用するという場合は、これはもちろん国が大阪府から買い上げなければならぬということになります。あと地をどうするかということは、まだ各方面のアイデアを求めておるときでありますからして、あの全部を国が使うか、あるいは一部を大阪府が使うか、一部はまたほかのほうが使うか、その点はわかりませんが、私の希望としては、全部国があれを使うような計画をしたいというのが私の念願です。しかしこれは、もう各地の皆さん方の英知を集めて、最上のものをつくるようにひとつ努力したい、こう考えておりますから、もし国が全部使えばもちろん国であの土地を全部買い上げなければならぬということになっておるわけです。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 このあと地のことについて申し上げますと、大臣が通産大臣をなさっていたとき、あのときだって、あと地の構想について、私がたしか春だったと思いますが、あのとき六月か七月に決定しますとあなた答弁なさったけれども、全然そんな計画どころか、ああでもないこうでもないと、それは一、二吹田市とかその周辺のところは言っておりますけれども、それだって全然まとまっておらない。当然あれだけの国費を投入するのですから、あと地についてはどうすべきか、そういう根本的なプランをもって私は進めていくべきだ。ただ万博だけやればいいのだ、こんな当てずっぽうなことであってはならぬと私は思います。あなたは真剣にいま考えておられると思いますけれども、ひとつ有効にそのあと地が生きるように、また国民のそうした合意も得られるようなりっぱな計画をひとつ早急に出してやってもらいたいと思います。もう時間がありませんから、最後にそれに対して一言……。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、皆さんの知恵をできるだけ集めて、そしてひとつりっぱなものに利用したい、こう考えておりますからして、いまどうする、こうするという案はありません。そこで、私は私の在任中にこれを決定したい、こう考えております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 もうちょっとあるそうですから……。  また逆戻りするようなことになりますが、プロデューサーの村山さんが辞意を漏らしたとかなんとかいうようなうわさが出ておるわけです。これについて、万博のいろいろなことをこれから進めていかなければならない。そういう点できちっとそういう体制をとっていっておらない、そういう点を私は非常に心配するわけです。この間、どういういきさつでそうなったのか、また、それは真実であるかどうか、簡単にその点お聞きしたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 お答え申し上げます。  いま、クラシックの村山未知先生が辞意を漏らされたということは事実でございます。それで協会といたしましては極力いま慰留を申し上げておるところでございますけれども、その帰趨がどうなるか、いまのところちょっとわからぬわけであります。  そういうことになりました経緯を簡単に説明いたしますと、当初、協会と村山先生との間でいろいろ話をして、それでクラシックをやりたいという計画があったわけであります。その計画に必要な金が協会の予想を上回りまして、収支の計算から相当大幅な赤字が出てくるということがわかりまして、特に収入面の計算に問題があったようであります。そういうことで、協会といたしましてはクラシックに充てておる予算が大幅に赤字になるということで、当初予定いたしましたクラシックの数を削減したいという議論が出てまいりました。その削減をするということが常任理事会できまったというような問題がございまして、それにからんで村山先生が辞意を漏らされた、こういうふうに了解しております。

近江巳記夫公明党

○近江分科員 もうこれで最後、これで終わります。  相手はこう思ったけれども協会はこう思っておった、そんな食い違いのままで外国へ行って交渉さす、そういう点自体がずさんですよ。私はその点が言いたいからこういう問題を出した。きちっと交渉するなら交渉する、まかすならまかす、その辺のところを明確にしてやっていかないと、何もかも中途はんぱでがたがきますよ。その辺もう少し協会自身も、また監督の政府も、もっとしっかりしてもらいたい。この点は特に要望しておきます。  もう時間がありませんから、これで終わります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)分科員 議事進行。実はただいまの近江分科員の万博に関する質問のうちで、菅野企画庁長官の御答弁が、午前中阪上分科員の質問に対しての答弁と若干食い違った答弁がありました。そこで、その点を確かめるために、主査において阪上君に対して若干の質問をお許し願いたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊主査代理 ただいま田中武夫君からお申し出がございました件について、午前中の阪上分科員に対する政府答弁中、あと地処理の問題について、ただいまの近江分科員に対する政府答弁と食い違った部分に関して特に発言を認めます。阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 いま伺っておりますと、万博あと地利用について、特に元利償還ともに二百五十億、これだけの金がかかるわけでありますが、これを大阪府が立てかえてやっておる。きょう私は午前中に、これをひとつ国家的見地から全部買い上げてあと地利用計画を立てろ、こう質問したことに対し、菅野大臣から、私もそういう考え方を持っておる、ついてはいま寄り寄り協議中である、しかし、その方向に国としては持っていくんだ、そういうお話があったのでありますが、いま伺っておりますと、近江君の質問に対しましては、いやそれは、国が必要と認めてあと地利用をしようとする部分については買い上げる方針である、その場合は元利ともにこれはちゃんとつけて買い上げるんだ、要するに肩がわりするのだ、しかし大阪府なり大阪市があと地利用計画を持っている部分についてはこれは違うんだ、こういうような意味の御答弁がいまあったわけであります。しかもつけ加えて、私としてはということばで、しかしながら、私としては、できるだけというよりも全部国が買い上げて、そして国の手になる、国の考えによるあと地計画を立てていきたいのだ、こういうふうに御答弁なさっておるのでありますが、ちょっと私の質問に対する御答弁と違うんじゃないか。私はあそこで例をあげまして、そういう具体的なところまではお話ししておりませんでしたけれども、このままで放置しておくならば、大阪府ないし大阪市の手によってこれが切り売りされるおそれがある。しかも、いままで向こうで持っておるあと地利用計画の素案というものは、御案内のように、あそこに学園都市をつくるんだというような考え方がある。それから、大臣も御承知のように、あそこに流通センターをつくっていくんだという考え方もある。緑地化して公園として持っていく。このうち流通センターについては、すでに場所を他に求めておるようであります。したがって、あとやはり学園都市なり何なりにそれが充当されるおそれが十分ある。私が私の意思としてあなたに質問したのは、そういうこともあるので、だから国としてこれはやはり一括肩がわりし——ことばは違っておりましょう、ことばは違っておりますが、肩がわりして国が買い上げて、そうして国だけの、国の考え方によるあと地利用計画というものを立てるべきである。これに対して、私は明らかに、菅野大臣としては、菅野大臣個人の意思じゃなくて——意思ももちろんそうであるけれども、国としてその方向へ持っていきたいというふうに御答弁願った、こう理解しておるわけです。非常にそこに食い違いがあると思うのですが、どうなんですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 食い違いはありません。あなたの言われたとおり私は返答したつもりです。だからして、私個人としては、いわゆる国があれを全部使いたい、使うようにしたいというのが私の念願ですが、しかしあと地については、多くの人の知恵を借りて、アイデアを借りて、そうして最善のものをひとつ考え出したい、こういうことを申し上げておる次第であります。私の希望は、もう全部国が使用すべきである。これは何百年後にも、なるほど万博というものはこういうことであったということを、ひとつ示すような大じかけなものにしたいというのが私の念願であります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 そこで、先ほど近江君にお答えになりました前段の、国が必要ならば必要な部分だけ買い上げるんだ。それならそういうことを言わないで、全部必要なんだ、だからそういうふうにするんだ、こうお答えになっておけば問題はなかったのですよ。しかし、それをあなたは、そういうふうにお答えにならぬでしょう。そこに何かもやもやしたものがある。これをちょっと明らかにしてもらいたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それは、府は府として希望を持っておりますから、そこで私がいまこうすると言うことはきめるわけにいかない。だから、各方面のアイデアを聞いて、そしてベストの方法を考えるということを申し上げたので、国が全部使うのだったら国が買い上げるということを申し上げておる。だからして、何も府に譲るとかそんなことは言っておりません。しかし、府はそういう希望を持っておることは事実です。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 関連に近いようなかっこうになっておりますので、私は時間を守りたいと思いますが、そこであなたの考えをじっと聞いておりますと、やはり何か府が必要であって、しかもそれが府固有のあと地利用であり、大阪市固有のあと地利用であるならば、その分の土地についてはそちらのほうで持て、こういうふうな聞こえ方がするのですよ。しかし、私が午前中に質問申し上げたのは、もっと大乗的な見地に立って、府や市のそういう希望は入れてやっていい。しかし、やるについては国の仕事としてやるべきだ。もっと端的に言いますと、そういうことでぐずぐず言っておりますと、意見を聞いてそういうように持っていくということはいいのでありますけれども、もしそうだといたしますればどういう結果になるかということになりますと、当然財政上の措置としては、常識上考えられるものとして、あと地利用計画に伴うところの土地の部分について大阪府が利用し、大阪市が利用し、吹田市が利用するという場合の事業というものがあり得るということになってくる。私はその点をきょう午前中から言っておるのです。私も舌足らずで十分なことは言えなかったかもしれませんけれども、それじゃいけないということを言っておる。だから国でやりなさいということを言っておる。そういうように、大阪府固有の事務的なあと地利用である、大阪市固有のあと地利用であるということはいかぬじゃないか。国民全体のものとしてこれは残さなければいかぬ。したがって私は具体的に例をあげた。いまの百万坪という確保された土地は全部買い上げなさい、もし大阪府や大阪市のこの土地を利用しようとする計画があっても、それはそれに近接してやるべきだという考え方でもってやってもらわなければ困る。そこで菅野さんイエスと言ったと私は思っておるのですが、どうなんですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それは、私がそのあと地の利用をいかに考えるかということによってやるので、国が全部使用する場合には国が買い上げるということを申し上げておるので、何も府にやらすとか、市にやらすとか、そんなことは申し上げてはいないわけです。そういうような希望があるということだけは申し上げた次第であります。しかしこれは、皆さんの知恵を集めて——しからば国がどういうように使うかということをまだ具体的に私のほうに申し出られた人はないので、ただ国が使え、国が使えと言っておるだけで、何に使うかそれをひとつきめたいのです。そして、なるほどこれなら国が百万坪要るなということであれば、そこではっきりするわけです。だから、何に使うかということを皆さんからひとついろいろ知恵をお借りしたいと考えておるわけです。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 何に使うかということについて、関係地方公共団体の意見を聞くということはよろしいと、私も初めから言っておるわけです。しかし、それと、あと地利用をするところの土地が大阪府のああいうような委託を受けたような、買収されたような形にあることはまずいから、だから国が全部買い上げなさいと言ったら、あなたはイエスと言った。いや、ここであなたごまかしちゃいかぬ。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 そのときのあと地の問題のことを私は言っておるのでありまして、国が全部使う場合には買い上げるということを言っておるわけです。私もそれを希望しておるのです。あなたと同じ希望を持っております。しかしこれは、私がいま買い上げるということはまだ断言できない。これは皆さんのお知恵をお借りするし、また万博の閣僚会議にもはかるし、閣議ではかってきめることでありますので、私がいまあれを全部国が買い上げますとか、国が全部使いますということは、私としてはいま言える立場ではありません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 あなたは担当大臣ですから、そのくらいのことは言えると私は思うのです。  それで、いまのところでも、あと地をやはり全部肩がわりして国が買ってやるという前提は、国があと地の計画を全部やるのだ、国が必要なものとしてやるのだ——私は先ほどだから言っているでしょう。大阪府が必要だとか、大阪市が必要だというものは、あのあと地の中でやらすべきじゃないということを私は言っておるのですよ。その前提のもとに午前中ぼくは質問しておるのですから、その答弁として出てきた問題なんです。その点が食い違って、どうも私には納得できないのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は決して食い違ってはいないと思うのであって、あなたの御希望は十分わかっていますし、私も同じ意見でありますからして、それで私の意見を申し上げた次第であって、それだから何も食い違ってはおりません。ただ、こういういろいろな問題がありますということは申し上げておりますが、そこであと地を使うについては、いま買い上げるということはできませんから、これは何に使うのだということをしなければ、財政上国が買い上げるわけにいかない。だからこの百万坪を何に使うというアイデアを私はほしいんですよ。これは国がやるのだ、そこで財政的に国から金を支出してもらうという順序を踏まなければならぬから、それでひとつ皆さんから百万坪を何に使うか、百万坪をどういうふうに使うかという知恵をいまわれわれとしては求めておる次第であります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 ちょっと伺います。それではあと地利用にいっては国がやるべきだ、この点はいいんですね。それで、そのあと地利用をどういうふうにやっていくかということについては、各関連地方公共団体等の意見、その他学識経験者等の意見を徴してやるのだけれども、あと地利用については国がやるべきである、この辺まではいいのですね。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私としても国がやるべきだという考えを持っているのです。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 その場合において、菅野さんとしては、そうなれば当然国が二百五十億肩がわりしてやるべきだ、しかしこれは、いまのところ私一存ではなかなか言い切れない、こういういまの段階である、こういうふうに理解していいですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 問題は、何ぼ国がやるというても、百万坪要らぬあと地の利用であれば、そんな土地を国が買う必要はないのでありますからして、あの百万坪のあと地の利用を私は考えてほしいのです。そうすれば、大蔵省としてもそれだけの予算をつける。そうかといって、あそこに美術館だけ建てたらいいとか、それだったら五十万坪でいいとかいうようなことでは困るのです。だからして、百万坪を使うようなアイデアをひとつ教えてほしい。そうすれば私は大蔵省へも話をしやすい。ただ単に空地を政府が持っているというわけにはいかない、それを私言うとるわけです。

阪上安太郎日本社会党

○阪上分科員 たいへん時間を取りましてあれですが、たいして大きな食い違いじゃないけれども、考え方によれば、基本的に食い違っているということもぼくは言えると思う。大乗的に国が全部やるんだ——しかし菅野さんに言わせれば、やろうというてみたとしたって、あと地利用計画を実際に立てていく段階において、国が全部要らない場合も出てくるかもしれない。そういう考え方ではいかぬということを朝からやかましく言うとるのに、依然としてそこから一歩も離陸しない、こういうことなんです。  そこで、これをいつまでもやっているわけにいきませんので、どうかひとつこの点について、主査において、本分科会の主査の報告の中に入れていただいて、そして予算委員会等において明確に菅野さんの意思を表明してくださる、こういうことにしていただきたいと思います。  これで私終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査代理 さよう取り計らうことにいたします。  次に、和田耕作君。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 菅野大臣に御質問いたします。  予算委員会の質問を通じまして、菅野大臣あるいは大蔵大臣、総理大臣と、いろいろな人の答弁をずっと聞いておるのですけれども、八幡・富士の合併等を契機にして出ておる管理価格の問題についての政府の見解が非常にあいまいだという印象を受けるのであります。   〔湊主査代理退席、主査着席〕  きょうで分科会は終わりますから、その問題について大臣のお答えをいただきたいと思うのです。  八幡・富士の合併がいろいろうわさされておるし、どうやらできそうなんですけれども、政府は一貫して、八幡・富士が合併しても、管理価格あるいは独禁法違反というようなおそれはないのだという御答弁だったと思いますが、どうでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は寡占価格ということを申し上げたのです。管理価格ということになると、これはまた意味が広いので、その管理価格ということば自体にもいろいろ問題があると思いますが、私は寡占価格は起こり得ないということを申したのです。もしも寡占価格が形成されて一般消費者に悪影響を及ぼすようなおそれがあるとすれば、私は合併には反対です。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 日本では一応近代経済学の権威者と思われている人、そして政府の委員会、審議会にはいろいろと建設的な意見を述べている人の数十人が、そろって二回、三回にわたって、これは独禁法に違反するおそれが十分だ、あるいは寡占価格を形成する十分なあれがあるというような意見を述べておることは御承知ですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 承知いたしております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 このような日本の権威的な学者の人たちがそういうことを言うのはばかげた意見だと思いますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いやばかげたというようなことは考えておりません。みな相当りっぱな、権威ある御意見だと思っております。従来、大型合併によって寡占価格と申しますか、管理価格というものが実現した例はたくさんあります。そういうことについてはわれわれもよく事情を知っておりますから、したがってそういうようなことが起こり得る場合にはもちろん合併には反対です。これは一般の学者と同じ意見です。だけど、この場合に限ってはそれが起こり得ないという考えをしておりますから、それで私は合併には同意いたしておる次第でございます。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 それだから私は、いまの数十人の学者の意見に対して長官の感想をお聞きしておるのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 一般の学者が今度の合併に反対されておるその理由は私もよくわかっているのです。一般論としてはそういうことも考えられる、こう考えておるのです。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 一般論としてはそういうことが考えられるということは、つまり八幡・富士の合併という問題は一つの例ですね。これがその他の大型合併とかいろいろな企業集中を呼び込んでくる。つまり独禁法の十五条が空文になるということで、今度の場合に新聞なんかで騒がれるのは、八幡・富士ではなくて公取委そのものだという報道がございますけれども、その問題を学者諸君は問題にしているわけですよ。つまり自由な競争というものが日本の経済のバイタリティをもっていままで育ててきたのだ、これに対して重大な脅威があるということを、彼らは経済学的ないろいろな理論、あるいはいろいろな事実を詳細に具体的に述べて、それに対する意見があると、こう言っているわけです。これに対して、菅野長官は日本の物価問題の一番の元締めですから、にこにこと笑ってだけおれぬですよ、そういうような状態というものは。たいへんなインフレの危機を含んでおるという問題、これは物価安定推進会議の中山座長もそのことを強く認識しての提言になっているわけでしょう。したがって、学者諸君のあの意見に対して、菅野長官としては、そういう意見は一般論としてごもっともだけれども、どういう点どういう点でその意見に私は承知できないのだ、その点をお聞きしたいのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 問題になる点は公取のほうでちゃんと指摘しています。それに対する対応策を講ぜよ、その対応策ができない場合は合併を認めぬというのです。私も同じ意見です。ほかの問題で——あの問題は四つの商品がありますが、ほかの商品については、ほかの会社がみな相当な競争力を持っていますから、したがって寡占価格というものは起こり得ないということを考えております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 つまり、私が申し上げるのは、いまの学者諸君の意見というものは、それは学者ですからいろいろな観念的な議論を出すこともありましょう。だけど、これは約一年間にわたって、いろいろな提案、意見の発表に基づいて、いろいろな人たちの論争が起こり、いろいろな議論が行なわれた結果の問題であって、重大な、つまり寡占価格の形成、独禁法の違反という事実、それが日本経済の今後の発展を阻害をしゃしないかということを心配しての意見なんですよ。それに対して長官が、私はそういうおそれはないのだと、格別理由を示さないで、おそれはないのだと、こうおっしゃることは、何としても私は受けとりがたいのですよ。そのことをもう一言お願いします。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話しのとおり、日本の経済が今日まで発展してきたのは、自由競争の結果です。その自由競争を制限するような合併であれば、これは私も反対です。しかし、先ほども申し上げましたとおり、自由競争を制限するような問題点は四つ公取があげておりますが、その点については対応策を講じようということになっておりますので、その対応策を両者がどういうふうにとりますか、その対応策について公取が承認をようしなければ、合併は認められないのであります。でありますからして、その他の商品においては、公取もおそらく競争力があるということを考えております。この四つの点だけは独占価格、寡占価格と申しますか、それを形成する危険があるというように見ておるのであります。したがって、一般の自由競争を制限するということにはならぬ、私はこういう考えをいたしております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 それでは大臣は、今後の物価政策を運営していくという重大な時期にあたりまして、日本の産業の中で寡占価格というものが発生する危険はないし、それに対する対策は必要でないとお考えなんでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 寡占価格が成立することはないということは考えておりません。ほかの商品であれば寡占価格は成立することもあり得るというふうに考えております。だから、どれもこれを合併に賛成しているというわけじゃありません。寡占価格を形成しない場合は賛成ということを申し上げているにすぎません。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 この問題は非常に重大な——八幡・富士の合併によって寡占的な状況が出てくるということは確かにあると私は思いますけれども、といって、八幡・富士の合併をどうしても反対しなければならないとは考えてないのですよ。他の理由からいってですね。また、そうだからといって、寡占価格はないのだと強弁する政府もどうかと思うのですよ。寡占価格のおそれはないのだ、あるいは寡占的な状態によって日本の経済の競争が阻害されぬ、経済の発展がじゃまされない、こう保証するものは一つもないと私は思うのですよ。その問題はどう思われますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 抽象論から言えば、寡占価格は成立する場合はありますが、この価格の成立については、住友金属にしても、川崎製鉄にしても、みなそれ相当の競争力を持っている会社でありますから、したがって、あの四品目以外についてはりっぱに競争し得る会社ですし、また競争心の強い会社ですから、したがって私は、寡占価格は形成しないという考えをしておりますが、しかし、これによって、一つは国際競争を強くするという目的を持っていますから、そのほうの目的も達成するし、寡占価格も形成しないということであれば、これは初めて合併がメリットだったということが認められてくる、こう考えておるのであります。私としては、そういうことになるのだということを期待しておる次第であります。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 大体、少しはマイナスがあっても、メリットのほうが多いのだという判断で通産省はこの問題に対しておりますか。あるいは、片一方の、マイナスはないのだ、プラスだけだという判断を持っておられますか。どういうことですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまの四つの品目だけについて除けば、メリットは相当あると考えております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 学者諸君の意見は、四つの品目というふうに具体化した、特殊化した問題でこういう問題を判断すべきではないと言っているのです。総合的な判断が必要だ、経済現象としての理解が必要だ、単に法律的な理解ではいけないのだということを申しておりますね。こういう議論の立て方を長官はどう思われますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 その合併によって寡占価格が成立するという、一般論としてはそういうことは言い得ると思うわけですが、しかし、国際商品というものは、国際競争力を強めるということが先決問題であります。いま、なるほど日本の鋼鉄は世界的に見て安いし、また品質もいいし、それだからアメリカに売れるし、あるいは東南アジアへも売れるし、ヨーロッパへも売れるということになっておりますが、しかし、それに刺激されてアメリカも拡大生産をやろうとしている。設備拡張をやろうとしている。また、ヨーロッパもやろうとしておりますから、したがって、それに対応できるように日本のほうも準備しなければならぬ。八幡・富士の合併によって、そういうことに対応のできることになるということを私は期待しているのであります。そういう意味において、非常なメリットがある、私はこう考えておる次第であります。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 その点は私もわからないではないのです。つまり、国際競争力という形で国内市場が独占化されて、寡占化されるという問題を心配しているわけですよ。国際競争力という面で日本の鉄鋼が停滞するとかいうようなことをこの際は言っているわけではない。日本の鉄鋼業は国際競争力で伸びるでしょう。だけれども、日本国内市場の寡占化によって、その犠牲において、国際的に伸びていくということのおそれもあるのじゃないかということも一つの論点じゃないですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それはもちろんそれが論点です。しかし、先ほどから繰返し申しますとおり、寡占価格は形成しないという見通しをしておりますから、したがって、一般消費者に対しては不利益にはならないという見通しを私はいたしているわけであります。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 アメリカのように、不利益を起こした場合は裁判をして訴えるという制度があれば、そういうふうな御答弁でもいいと思いますよ。あなたは日本の経済指導に対して責任を持っておられる。特に物価の問題に対して責任を持っておられる。一般的に見れば寡占価格を形成するおそれなしとしないと、そういうふうにおっしゃっておられるが、そういうものに対して何ら対応策をとる必要はないのだというようにあくまでも言い張るおつもりですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 これは、公取が十カ月もかかっていろいろ審査をして、そうして、国内価格においては寡占価格は形成しないという見通しをつけたから、四つの品目以外は合併をしてもいいということを言うたわけです。でありますからして、私もそう思うわけです。でありますからして、もしもかりに寡占価格が起こるような場合には、これは公取としてもじっとしておれないと思います。また、今度認可する場合にも、公取としては、おそらくそういうようなことを厳重に言い渡すことになるのじゃないかということ、これは私の想像ですが、そういうことも考えられる。また、政府としても、そういう国内価格を上げるようなことはしないようにやはり行政指導をすべきだという考えをいたしております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 苦しい立場はわかりますけれども、しかし、長官、こういう場合は、いろいろな私とのいまの議論であなたが言い抜けられましても、日本の経済が今後進んでいく状態——全般的に、昭和三十六年ごろを境にして、あの高度成長にもかかわらず、産業の集中度はずっと上がってきているのですよ。しかも現在は、産業の高度成長というものは、政府もおっしゃるように、安定的なものに切りかえなければならない。そういうふうな空気も出てきている。こういう時期に、あのあらしのような高度成長のときでも、産業の集中度というものは、三十六年を契機にしてずっと忍び上がるように上がってきている。一般的な状態から見ても、われわれが、感じておる産業のいろいろな具体的なケースを見ても、今後日本の経済が、ヨーロッパ諸国と同じように、寡占的な状態に入っていくという見通しを持たないで、むずかしい経済の指導ができるかどうかということですね。あなたのおっしゃるように、こういうことがあっても寡占価格の形成は心配ないのだということを言い切ることができるかどうかということですね。どうでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、国際競争が盛んになればなるに従って、価格というものは上がらない。それは外国もみなコストを下げることを一生懸命にやるのですから、日本もやはり一生懸命コストを下げなければならない。したがって、それによって日本の国内価格が上がるというようには私は考えておらないわけです。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 この問題だけをやっておりましてもあれですから、最後に、昭和四十四年二月十八日に公正取引委員会の事務局が出しだ、「管理価格について」というメモがございます。この一項だけを読み上げて、菅野大臣の参考に供したいと思います。  第三ページに「一位の企業と二位の企業との間の集中度格差が大きい場合、すなわち、トップ企業が優越した地位にある場合には、管理価格が特に形成され易い。」こう書いてある。これと同じような一連の事実を公取委員会の事務局自体が書いているのです。そういう関連事項はまだ何ぼでもあります。この問題を判断をした公取自身が、具体的な形では言わないけれども、一般的な形で、一位と二位とが合併して、他と隔絶した場合に、まさしくそうじゃないですか、今度の場合が。そういう場合には管理価格が特に発生しやすいと、こう公取の最近の文書がいっているのです。これだけを申し上げて、これは私は福田大臣に申し上げたのですけれども、現在の日本の経済を指導する者は、あらしの海に船出していく船頭さんのような気持ちでやってもらわなければ困るのだ、羅針盤をしっかり見て、どこかに暗礁がありはしないか、どこかで事故がありはしないか、こう心配してもらわなくては困る、特にインフレについては。福田大蔵大臣も、菅野さんも、察するところ、どてら姿で、くわえたばこであらしの海に出かけていくような不安があってならないのです。そのことだけ一つ申し上げておきたいと思います。  次に、もう一点御質問したいのですけれども、五%というあの物価アップの見通し、これは率直に言って、長官はいまでも守れると思っておられますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 まず、いまお読みになった公取の意見は私も全く同感です。そういう場合には寡占価格が起こり得るということはある。いま、一、二位の会社が合併してシェアが多い場合は、これは寡占価格が……

和田耕作民主社会党

○和田分科員 八幡・富士はそうじゃないのですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 八幡と富士についてはそうではありません。シェアが特に多いというわけではありません。シェアが特に多い四品目に対しては対応策を講じる、こう言っておるのですから、そういう点は、公取が言ったことは私も同じ考えです。  それから、五%は、これはよほどわれわれの政治努力が要ります。ただこのままにしておったのでは、いまの情勢から言うと、五%以上になる危険はあります。しかしながら、これは政治努力が必要になるのでありまして、その点は私ばかりでやれる問題じゃありませんから、各大臣にもたびたび御協力願いたいということを申し上げておるのであって、これは普通の安易な考えで五%が実現するとは私は考えておりません。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 この五%という数字を政府がのっけから方針として出してくる強心臓と申しますか、物価の問題を軽く見ると申しますか、そういう態度があると思われてしかたがないのです。五%というのは、大臣、銀行の定期、日本人があまり預けない定期の半年の利子と同じですね。一年間の定期は五・五%だけれども、半年間の定期は五%ですね。しかも日本人は定期はあまり好きじゃないのですよ。大部分は普通預金をしている。普通預金は三%前後でしょう。これは大臣、重大に考えなければならぬじゃないですか。やはり高度経済成長を来たした一番大きな理由の一つは、国民の貯蓄という問題がある。あまりこれをなめて、まあ、上がったって、もらう金も上がるから大したことはないという判断がもしあるとするなれば、私は、そう大してあれなしに五%という数を出してくるところに、政府がこの問題を真剣に考えていない一つの例があると思えてならないのですけれども、どうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それはもう真剣に考えて五%ということを考えたのです。いまの情勢のままでいけばあるいは六%近くに上昇しはせぬかという心配を持っておるので、そうなれば、先ほどお話しのとおり、銀行の定期預金以上になりますから、もちろん定期預金はもともと日本人は好きじゃないかもしれませんが、定期預金をする人もないということになってきますと、預金は減ってまいります。そうなってくると日本の経済全体に非常に悪影響を及ぼしますから、したがって、あらゆる努力をして五%にとめたいということで、いまの情勢を判断すれば六%近くなるという情勢のもとにおいて、政府の努力目標を示しておるわけであります。決して軽々しく判断したわけじゃありません。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 去年はまだ四・八%という四%台のあれを出しておられたが、実際の結果は五・四%の実績になる見通しが強い。つまりこれは〇・六%だけ上がっているわけですね。去年も政府は一生懸命やられたでしょう。どうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 実は、米価が上らぬという計算のもとに四・三%とした。ところが、米価が上がりましたから、したがって六%近くになるという計算をしたわけです。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 今度は米価を上げないとほんとうに断言できますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 その点については、総理、大蔵大臣がしばしば言明しておるとおり、上げないという方針でやるということを言っていますから、私は上がらないと考えております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 それで、国鉄の料金一五%アップにならって関連した料金も上げないのですか。あるいは医療その他の料金も上げないで済みますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 国鉄料金以外の公共料金は極力上げない、極力抑制するということを総理もみな言明しております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 そうすれば、今年はいいとしても、来年はまた上がるという心配についてはどうお考えになりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、消費者米価さえ上げなければ、五%以内にいけるのじゃないか。やはり消費者米価が日本の消費者物価の基本です。そこで、この消費者米価を幸いに据え置くということになれば、私は消費者物価というものは大体五%以内におさまるのじゃないかということを考えておりますから、そこで問題は、やはり物価上昇のムードが盛んになるのは、これは政府が主導しているのだということをしきりに世間でも言うし、皆さんからも言われるわけであって、政府が主導しておるということは、政府が公共料金を上げるから政府が主導しておるということになっておるのでありますから、したがって、公共料金を上げない、国鉄料金以外の公共料金は抑制するという方針でやってきておるのでありますから、まあ御心配になるようなことは万々ないと私は考えておる次第であります。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 いままでこの議論を、私どもは公共料金はできるだけ上げないという意味でストップの政策を主張してきた。公共料金をストップするということは、これはよさそうに見えて、その一年だけはいいだろう。ところが、昭和三十九年の実績が示すように、翌年になると大幅に上がってしまったじゃないか。これが政府の答弁の態度でしたね。そうじゃなかったですか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 確かに三十九年に一斉ストップがございまして、そして実際問題としてその次の年にはそれぞれ上げたということで、六%程度の年度上昇率になったわけであります。ただ、ことし大臣が申しておられます公共料金は、国鉄以外は極力上げないとおっしゃっておるのは、やみくもに一斉ストップだということではなくて、やはりその期間内にもそれぞれの構造改善を進めてもらう。とかく公共企業体はほんとうの合理的な姿というものについてはまだ安易なところがあるというようなことで、決して前回のような機械的なものということでは私ども考えてないつもりでございます。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 つまり、この極力抑制すること、総理大臣のことばにすれば便乗値上げは認めない、米価は上げません、こう言っているのですね。これはストップと同じようなことですね。国鉄は上げるけれども、あとはストップだ、同じことばでしょう。ニュアンスは。これはストップだといったって、一銭も上げぬというそういうばかげた意見じゃむろんないですね。極力上げないということ、公共料金をストップしなさいということは、去年もそうでしたけれども、今年の政府の態度ですね。鉄道以外は上げないということですね。そうであれば、いまも局長が言っておられるように、その間にいろいろ構造改善とか経営合理化をやる。しかしこれは、おやりになっても一年間で効果のあがるものじゃないわけですね。とするならば、政府がいままでお答えになったように、一年間のストップの政策は、その年だけはよくても、翌年はまた輪をかけて上がってくるのだ、それだから問題なんだ、こうお答えになってきた。そうですね。しかし、いま長官のおっしゃることは、公共料金を今年はストップしたわけであります、そして、五%を維持します、こういうお答えですね。この矛盾に対してどうお答えになられるかということを質問しているのです。その矛盾、つまり今年公共料金をストップすれば、来年また上がるじゃないか。上がらないようにするためにはどうしたらいいかということを御質問している。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それは、先ほど申し上げましたとおり、その構造上の問題は、なるほどことしは効果が上がらないものもありますが、しかし、来年一年間の間に効果の上がるものもまた出てくると思います。そういう構造上の問題については極力努力したい、こう考えておりますし、それから、たとえば食料品などで上がった場合は、安い海外の品物を輸入するとかというようなことは、私はできることじゃないかと思います。そういうようなことで、食料品の価格を安くするとかいうようなことはやりたい。こう考えております。そういうようなことで、われわれとしての知恵をしぼって、ことしは上げなかったから来年はすぱっと全部上げるというようなことはしないようにみんなで努力したい、こう考えておる次第でございます。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 ここでいろいろ質問をして、どういう御答弁をなすっても、実態は変わりませんから、政府の苦しいこともわかりますよ。わかりますけれども、その問題はもっとあけすけな態度で国民に協力を求めるという形が必要じゃないですか。政府としては五%が目標だ、これはあらゆる努力を尽くして上げませんと言いながら、じりじり上がってしまう。そうではなくて、これはむずかしいことはだれの目にもわかっていますよ。非常にむずかしい問題を、これはむずかしいんだということがなぜ言えないのか。また、それに対する基本的な政策はこうだということがなぜ言えないのかと私は思うのですよ。あなたはさっきから、管理寡占価格は絶対に心配ないとか、あるいは五%上げないとか言いながら、あなたもおそらく本心はそうじゃないでしょう。あなたもりっぱな経済学者なんですから、おそらくそういうふうに思っておられないと思うのですがね。それは別にして、あと一つ質問をいたしたいと思います。  総理大臣も、菅野さんも、よく生産性の上がった利潤の上がる企業では、企業の所得は労使だけが分けるべきではない、一般の消費者にも還元すべきだということを総理大臣は施政方針演説でも二回ぐらいそのトップのほうで言われたと思いますけれども、やはり菅野さんもそういうふうにお考えですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私はその考えは通産大臣時代からその考えで主張しておるわけです。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 じゃ、その考えのもとに具体的にどういう施策をおやりになりましたか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 具体的にというとなんですが、たとえばカラーテレビを安くするとかというような問題もやはりその一つのあらわれだと思います。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 カラーテレビの問題は、これは特殊の問題ですね。国内価格と外国価格が三分の二も違うというような、こういう問題ではなくして、つまりそういうことを単にムードあるいは国民の気に入るようなことばではなくて、何らかの政策の裏づけがあって申しておられるのかどうかということを御質問しているのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 これはやはり消費者側からもそういう運動を起こしてもらいたいと思うのです。生産性が上がっておるにもかかわらず物の値段が高いじゃないかというようなこと、消費者の声というものも今後やはり大きくしたいというように私も考えておりますし、これは政府自身も、それに気づけばメーカーに対してもっと商品の価格を安くしたらどうかということを進めてもいいと思います。私自身が通産大臣のときはそういうことをやったことがあります。また現にメーカーも協力して値上がりを押えてくれたことがありますから、これは政府もそういうことを指導すべきじゃないか、こう考えております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 非常にりっぱな御意見だと思います。つまりこういう段階においては消費者運動というものがいろいろな矛盾を解決していく一つの確かなあれになると思うのですが、しかし、それはそうとして、去年消費者保護基本法というものができまして、そうしてこれを守る立場にあなたはおられる。その後消費者保護会議という閣僚会議を八月に開いたままで、まだ一ぺんもやっていませんね。そうでしょう。消費者運動を起こすとするならば、生活協同組合をつくるべしということを、政府も援助しますというあれをした。今回の法律には、厚生省の所管ですけれども、これは経済企画庁長官にも、基本法の責任者なんですから責任がありますよ。あれにははっきり書いてあるのですよ。生活協同組合というものを援助するという項目がありますよ。今度は厚生省はそういう法案が出ていませんよね。また、公正取引委員会の人数をもっと多くしなければならぬというのに、三十四人の要求に対して八人しか認めていない。この間大蔵大臣にも言ったんですけれども、言うこととやることが全く違うというところに——菅野さん、もっとしっかりしてくださいよ。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 確かに御指摘のように、消費者保護会議は昨年の八月にやっただけでございまして、ただ各大臣がお集まりになって、そのときにおきめになりましたことは、その後細部の結果について、いま和田先生からいろいろ御批判があったわけでございますが、各省各事務当局がそれぞれの線に沿って努力をいたしてまいっております。農林省等でも規格法の改正をもくろんでおります。厚生省におきましても、先ほどお話がありました生協法の改正ということについて、やはり私どものほうへも、こういうことでどうだというようなことで意見も聞いてきております。予算の規模等につきましても、御批判はございますが、しかし、まあいろいろな観点から見まして、ほかのところがついていないのについておるというようなことを考えまして、私どもやはり消費者保護会議で各大臣がおきめいただいたことは、それなりに効果を結んでおる。しかし、それにいたしましても、現在の消費者保護行政の段階はまだ小学生の段階であろうか、これはまだ努力をいたす必要があると考えております。

和田耕作民主社会党

○和田分科員 時間もまいりましたから、これで終わりますけれども、寡占価格に対しては、ひとつ長官の責任において、もし悪いマイナスの面が出てくれば、政府はこれに対して適切な監視機構を設けるとか、いろいろなことを考えていただきたいということと、そうして五%の問題はほんとうに真剣に——この線は全く生命線ですよ。物価の問題から言えば理論的にも実際的にも生命線です。この問題はもっと真剣に考えて国民の協力を求めていただきたい、これを要望いたしまして質問を終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次に、斎藤実君。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 最初に、昭和四十一年の七月だと思いましたけれども、流通業務市街地の整備に関する法律というのが公布されましたけれども、この法律の目的はどういうものですか。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 四十一年の七月一日に施行になりました流通業務市街地の整備に関する法律の目的でございますが、御存じのように都心の区域に流通業務施設が過度に集中しておりますために、実際問題として流通機能が低下をいたしましたり、あるいは自動車交通が非常に渋滞をする、こういったような大都市におきますところの流通業務市街地の整備に関して必要な事項を定めるというのがこの法律でございます。この結果、法律としてねらっておりますことは、流通機能の向上、それから道路交通の円滑化、こういうことによりまして都市の機能の維持、増進につとめたいということでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 そうしますと、一連の中小企業対策だというふうに考えるわけですけれども、これは一口で言いますと、流通センターをつくるということになろうかと思うのですが、この現実の状況については現在どうなっておりますか。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 先生御存じのように、まずこの法律によりまして、こういった流通業務施設の整備に関する基本方針を定める大都市というのがございます。これは法律できめられておりまするが東京、大阪のほかに、政令でもって札幌市、仙台市、名古屋市、広島市、福岡市、この七つの場所が指定になっておるのでございます。このうち基本方針が定められましたのは東京、大阪、札幌でございますが、これらの基本方針に基づきまして、現在東京都の南部、大阪市の東部、北部及び札幌市の東部、これだけの四カ所の流通センターというものがいまきめられたわけでございます。なお、このほかに東京の北部が間もなく決定される予定、こういうことになっております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 札幌を含めて仙台、名古屋、広島、福岡が指定されましたけれども、この五都市がこの計画に対して積極的にこれを推進しているかどうかですね。この点どうでしょう。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 私どもが承知をいたしておりますところでは、まずこの法律に基づきまして基本方針というのがきめられております。基本方針がきめられますと、それに基づいていま申し上げましたような流通業務団地といったような流通業務地区の指定が行なわれる、こういう段階でございます。  そこで、この基本方針につきましては、いま指定になりましたような市は、それぞれ熱心に検討いたしておりまして、いま申し上げました地点につきまして、近くまた基本方針の策定等について、まず県等を通しまして国のほうにも相談があるというふうに承知をいたしております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 これは中小企業の卸売り業者あるいは倉庫、運送業者等が協同組合をつくって、ぜひこういうものをつくりたいと市とタイアップして、それを今度は県や道で認定あるいは協力をするかっこうになると思うのですけれども、この事業主体はどこでしょう。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 県の場合でございますと公社といったようなものがございまして、そういったところがやる場合が多いと思います。たとえば東大阪のような場合その他、これはいずれも公社などが主体になってやる、こういうことでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 県や道の場合もありますか。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 私の承知いたしておりますところでは、県とかあるいは北海道が直接やっておる例はないように考えております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 そうしますと、この事業資金の助成についてはどこで行なうようになりますか。

赤澤璋一経済企画庁調整局長

○赤澤政府委員 こういったような流通団地をつくるために必要な資金でございまするが、主としてこの資金を供給いたしておりますといいますか、資金について助成をしておりますのは開発銀行が中心でございます。御承知のように、開発銀行の中に大都市再開発及び流通機構の近代化のための一つのワクと申しますか、そういうものがございまして、こういったワクから卸売りの総合センターでございますとか、あるいは自動車のターミナルでございますとか、こういった方面に対しまして所要の低利の融資をいたしておるというのが実情でございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 中小企業振興事業団からは融資は出ないわけですか。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 中小企業者が集まって組合をつくり、そして卸売り団地、商業団地のようなものをつくる場合は、中小企業振興事業団が地方自治体と一緒になって助成をしておるわけであります。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 昭和四十三年と四十四年のワクはどれくらいでしょうか。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 先生御指摘のようなものが入っておりますのは、中小企業振興事業団の中の一般案件と申すものでございます。これは昨年四十三年度の予算が百十六億三千四百万で、今回の四十四年度の予算要求といたしましては二百十七億六千百万という数字をお願いしております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 協同組合に助成、融資をする場合と、それから道が負担をする割合、国が助成する割合、それから県や道が負担をする割合についてお答え願いたい。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 一般案件につきましては、国と都道府県とが一緒になってやるわけでございますが、国と都道府県が大体同じ割合を出しまして、あと民間負担が残るわけでございまして、四十三年度におきましては、国が四〇%、都道府県が二五%、民間が残りの三五%ということでございます。今回四十四年度の予算といたしましては、国が四二%、都道府県が二三%、民間負担は同じでございますが、都道府県の負担割合を若干下げておるという事情にございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 実は県あるいは道、それから国の負担の分につきまして、各都市では非常に意見があるわけです。どういうことかというと、なるほど四十三年度では国は四〇%、四十四年度から二%多くなった。で、県や道のほうは二三%。ところが、この一つのターミナルあるいは団地をつくる場合に、一カ所で約百億前後になる。そうしますと、国が四二%——国の場合は、これは利子を取るわけですね。道や県の場合は、この二三%というものが持ち出しになる。利子もこれは無利子であるということで、余裕のある県は別として、やはり財政的にもたえられない。何とか県や道の負担を軽減をしてもらいたいという声が、非常に強いわけです。ですから、そういったことでなかなか道や県のほうでは踏み切れない。一方、第一線である地元の市のほうとしては、何としてもやらなければならないというギャップがあるわけです。そこで何とか国のワクをもっと広げてもらいたい、こういう声が非常に強いわけです。ですから、業者のほうも、やはり道や県のほうのそういう気持ちを察して、どうも県や道のほうがはっきりしないということで意見がまとまらないという例も、非常に出てきているわけです。これは、過密対策あるいは中小企業対策の一環としての流通センターというものが進まないのじゃないか。ですから、やはり県や道が幾分でも負担が軽くなるような処置がとれないか、これについてひとつお答えを願いたいと思います。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 昭和四十四年度の今回の中小企業振興事業団に対する工場団地、商業団地等一般案件の借り入れ規模は、中小企業者の高度化意欲の高まりを反映いたしまして、前年度の約四倍というふうな殺到ぶりでございました。私どもといたしましては、こういう中小企業者の前向きの意欲を幅広く現実のものにしたいということで、事業団の予算につきましては、政府の出資につきましても大幅の拡充をはかろうということでいろいろ努力をしてまいりましたが、他の案件につきましても、対前年比七八・八%増ということで、国としての負担額は大幅な増加をしたわけでございます。しかしながら、中小企業者の資金需要に応ずるための一般会計からの出資あるいはいま先生御指摘の都道府県の負担能力というふうなことにはおのずから限度があるということもございまして、その際に財政投融資資金、これは公募債でございますが、それを増加いたしまして、そして少しでも資金量を充足しながら、都道府県の負担能力等も考えて、若干の軽減を見たというふうなことであります。地方財政の実情という点もございますので、今後ともその地方財政の実情については十分こういう施策の性質上考えなければいかぬというふうには考えておりますが、今回はそういう意味では若干の前進をしたということでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 いま計画部長の答弁、一応私はわかります。国でもワクを広げたという熱意に対しては、私もこれに敬意を表する次第ですけれども、何といいましても、現地のたとえば札幌市等考えてみますと、百万都市になってほとんど中心にすべてのものが集中しているということで、このまま放置できない状態になっているわけです。ですから、市のほうとしても、昭和四十一年に土地を四十万坪買って、そして造成を始めておるわけです。そういった関係で、何とかこの法律に合わせて実現したいという気持ちが強いわけです。ところが、先ほど私が申し上げましたように、道のほうでは、国の四分一厘の利子を下げて、多少でも利子をとれるようにしてもらいたいという意向もあったわけです。こういったことも、これはやはり北海道だけではなくて、広島、福岡、名古屋、仙台も同じだろうと思うのです。ですから、県の財政事情というものは差別がある。それを一律にワクをはめるということも問題ではないか。今後この財政事情に応じて何らかの県や道の負担を軽減するという御意思があるのかどうか。この点について御答弁願いたいと思います。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 ただいま御指摘の問題は、私どもも今回の要求の際に、利率の引き上げの問題とからみまして、いろいろ考えた点でございます。今回二%という、わずかではございますが、先生御指摘の点については若干の前進をしたわけでございますが、この状況をよく見まして、各都道府県の状態がどういうふうな推移であったか、今後もよく勉強してまいりたいと思います。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 それから、この流通センターの効率的な機能というものが将来大きく発揮できるのではないかと思うのですけれども、これによって集中センターができてからのサブ的な——これは北海道の札幌一カ所と思いますけれども、これだけでは効果が薄いのではないか、やはりある程度サブ的なそういう施設というものが、何カ所か必要になってくるのではないかと思うのですが、この点はどうでしょう。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 ただいま札幌のお話が例にあがっておりますし、私も実はわりあい近い機会に現地を見たことがございます。あの広大な地区にいろいろの計画を持っておるわけでございまして、流通センターとして札幌市がいろいろな施設を考えておるようでございます。中小企業振興事業団の対象となるべき共同施設としての内容を備えているものであれば、この流通センターの発展のためにできるだけの助成が可能であるというように考えますし、結局中小企業者の協同組合が行なう、そういう補完的な施設というようなものについても、今後——まだ内容をつかんでいませんけれども、事業団の対象業務として当てはまるものがあれば、できるだけの助成の道は可能と思います。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 菅野長官にお尋ねしますが、この流通センターのトラックターミナルは運輸省の所管ですね。それから国鉄の貨物駅、これも運輸省、それから倉庫も運輸省だろうと思います。それから卸売り団地は通産省というように、各省にまたがっているわけですね。経済企画庁は、調整官庁ということになっておりますけれども、各省にまたがっている非常に複雑な、こういう窓口といいますか、監督官庁に対して、非常にうまくいかないのではないかという声を私は聞くわけですが、この点はどうですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 経済企画庁が調整する役目を持っておるから、各省にまたがっておる問題は、私どものほうで調整してやっていくということにいたしております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 そういう心配はないというわけですね。いかがですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私のいままでの聞いたところでは、そういう不平を聞いておりません。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 それから、話は変わりますけれども、中小企業の倒産問題、これについて、昭和四十年から四十三年までの件数及び負債額についてお知らせを願いたい。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 中小企業の倒産は、いま御指摘のように三十九年、四十年の不況期に急増しました後、四十一年、四十二年の好況期にも倒産が減りませんで、かなりの高水準でございました。その数字は件数で申しますと、四十一年が六千百八十七件、四十二年が八千二百六十九件、四十三年が一万七百七十六件というふうに承知しております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 非常に中小企業の倒産が発生している。したがって、親企業が倒産した場合に関連業者が非常に打撃を受けるわけです。これに対して、救済策というものはどういうふうになっておりますか。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 中小企業庁といたしましては、一定規模以上の倒産が発生いたしました場合に、派生的な影響が大きいので、関連中小企業に対する保証につきまして、中小企業信用保険法の特例措置を設けております。これによりまして、これらの関連企業に対する金融の円滑化を従来からはかっておる次第でございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 中小企業の倒産が、昭和四十年から昭和四十三年まで相当ふえておるということに対して、中小企業庁としてはこの解決策といいますか、これに対して何か施策がありますか。毎年毎年ふえていることに対して、どういうふうに処置されようとしていますか。

外山弘中小企業庁計画部長

○外山説明員 御指摘のような問題に答えますと、中小企業対策の大部分が、そういった意味で中小企業の振興をはかりまして、そういった倒産を防止するための基本的な態度でありまする中小企業の近代化、合理化という点の促進に重点を置いてやってまいりますので、中小企業対策はすべてそういう配慮をもってやってまいっているわけでございます。  しかしながら、特にそういう点で御指摘の点を申し上げますと、たとえば信用保証協会というものの信用保証業務に対して、毎年保険準備金の増加、あるいは融資金の増加ということで、手厚いできるだけの配慮を加えております。あるいは下請企業対策という面で下請企業の取引の円滑化あるいはあっせんというふうな点についても、協会をふやすとかあるいは実情の把握につとめるという点でできるだけの努力をしておりますし、また倒産がどうしても多い小規模事業に対しては、指導と助成という点で、たとえば指導員をふやすとかあるいは指導の内容をきめこまかくするとか、そういった点で小規模事業のためのできるだけの配慮をしておりますし、また基本的には、冒頭に申しましたように近代化、合理化ということが大事でございますし、現在の環境の変化に応ずるためには構造改善が必要であるというふうな角度から、中小企業の協業化、協同化を軸とした構造改善金融制度というようなことも進めてまいっておりますし、それからその基本には中小企業近代化促進法という法律がございますが、その指定業種によりまして、設備の近代化のためにもできるだけの金融上の配慮、あるいは税制上の配慮といった点につとめているわけでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)分科員 中小企業対策の中でも、雰細企業に対しては政府の施策というものは冷たい、融資にしても、税金対策にしても、非常に見るべきものがないというふうに判断しておるわけです。倒産件数は非常に多いということから、ひとつ積極的に中小企業対策を推進してもらいたいということを要望して、私の質問は終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次は、玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 私は、まず八幡・富士の合併につきまして若干の御質問を申し上げ、さらに物価、景気の動向等につきまして、時間の許す限り御質問申し上げたいと思います。  そこでまず第一点。当今、経済行政で一番大きな問題になっているのは、八幡・富士の両社の合併だと思いますが、何しろ日本の第一位と第二位が合併することでありますので、それが与える影響はやはりかなり大きいのではないだろうか。むしろ私は心理的な影響のほうが大きなように感じるわけでありますが、一つの自由開放体制下の今日、世界経済に伍してやっていくには自然の勢いだということも言い得ると思いますけれども、私たちもこの点につきましてはこの合併を前向きにとらえていきたいとは思いますけれども、先ほど申しましたような与える影響ということも考慮に入れますと、それにはかなりきびしい条件と前提がなければいけない、こう思うわけであります。長官は、ある意味では積極的に今日まで賛成意見の表明をされておりますけれども、それにはどういう条件とどういう前提が必要とお思いになるのか。ただ産業政策上賛成というだけでは、物価担当の経企庁長官としてどうかと思うわけでありますが、ひとつその理由をお聞かせいただきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 八幡・富士の合併が今日の経済問題として大きな問題であることは、御承知のとおりであります。また、それが大きい会社であるがゆえに、したがって、いろいろ心理的な影響も及ぼしていると思います。そこで、私は八幡・富士の合併については賛成を述べておるのでありますが、それには二つの事由があります。  一つは、鉄鋼というものは国際商品であるということで、国際競争にうちかつということにおいて合併がメリットがあるということをひとつ考えて、国際競争力を強くするということ。一つは、もしもそれによって国内の価格を高くして消費者に不利益を来たすという場合は、これは私も賛成いたしません。しかし、八幡・富士については、問題のある四つの商品については公取のほうでちゃんとこの問題はこうせよということを指摘しておりますから、それに対して対応策を両社が出すと思いますが、もしこの両社が対応策を講じなければ、もちろん合併は認可にならぬと思っております。この四つの商品以外の商品については、他の製鉄会社が相当競争力を持っておりますから、したがって、いわゆる寡占価格というものは形成しない、一般消費者には不利益を来たすようなことはないということの見通で、私は賛成しておる次第であります。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 したがいまして、通産省が自後強力な行政指導をやらなければいかぬし、あるいはまた監視機構というようなものも考えられるわけでありますが、これには何らかのくふうがございますか、あるいはお考えをお持ちになっていますか、お聞かせいただきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私の見通しは、いま申し上げましたとおり、一般消費者に不利益を来たさぬという見通しをしておりますからして、そこで、もしもかりに万が一寡占価格が形成されて不利益を来たすというような場合には、おそらく公正取引委員会もそれについては相当な発言をするだろうと思いまするし、また、この製鉄業者についてはこれは通産省が直接所管しておりますからして、通産省としてもまたそういうような事実を知れば、それ相当な行政指導をするのじゃないか、こう考えておる次第であります。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 私が申し上げておりますのは、先ほど申し上げましたように、何しろ世界的なマンモス企業でございますので、一部の学者等々からも相当な反対意見がございます。あるいはいろいろな危惧する面も可能性はあるわけでありますので、問題が起こってからではちょっとおそいのじゃないだろうかという感じもいたしますので、もしもかりに合併が許可されたとすれば、同時にそういう機構をやっていかなければ国民の納得が得にくいのじゃないか、こう思って質問を申し上げておるわけであります。  そこで、公取の調査の現在の進行状況を見ますと、もう一つは、国民に若干疑義の念を抱かせますのは、事前審査のやり方じゃないだろうか。これだけのことを直してくれば何とか通してやろうじゃないかというふうにも見えるような形になるのは、これは事前審査の方式に問題があると思うのです。幾多の合併もございましょうから、数多い小さい合併を一々むずかしい審査を真正面から取り組んでおりましたのでは、能率もあがらぬから、こういうことが許されておるのだろうと思いますけれども、今後この事前審査方式という手続に関しまして、ほんとうに大企業の合併には何か国民に疑点を抱かせないような方式も要るのじゃないかという感じもするわけであります。それで、これについて何らかのお考えがありますかどうか、お答えをいただきたいと思うのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 この事前審査は、大型合併のみならず、小さい合併におきましても、公取に相談に行けば事前審査をしてくれるのでありまして、普通であれば、まあせいぜい長くて三十日、あるいはまた場合によっては九十日ぐらいで審査をするのでありますが、これが大型の会社であるがゆえに、これだけで約十カ月もかかっておるということで、審査に相当時日を要しております。それだけ公取としては慎重に考えておることだ、こう考えておるので、私は事前審査自体は決してとがむべきことではない。もしこれで独占禁止法に抵触する、これはもうだめだと言われれば、おそらく両社はそのまま引き下がるものだろうと考えておりますが、事前審査した結果、四つの商品についてはこれに対して対応策を講じろ、それ以外の点においては独占禁止法に触れないということで、大体承認するという方針をきめたのではないか、こう考えておる次第であります。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 こう申しますのは、前にありました三製紙の合併問題、あれも結局、おそらくはノーという声が出るだろうということで引き下がったような感じがします。ああいう紙の場合と鉄の場合とが、どう違うかということは、私もわかりはしますけれども、国民一般からすれば、何か変なような感じがすることもなきにしもあら、ずだ、こう思うのです。だから、堂々と審査を受けて、いかぬやつはいかぬと一ぺん却下して、そして却下された理由によって、それに基づいて悪い個所を直してからまたあらためて審査するというようにしなければ、何か取引をどこかでやっているような感じすら抱くと思うのですが、このことはこのことにいたします。  次に長官にお伺いしたいのは、最近の景気動向についてであります。御承知のとおり、ことしはあるいはフランの危機がくるんじゃないだろうかという感じもいたします。もしもそういうことが起こりますとすれば、ポンドは直ちに影響を受けると思います。あるいはせっかく努力中のドルの安定も、ひいてはどうなるかもわからぬ、おそらくそういった通貨の不安というものは、ことしの景気予測を非常に困難にするということも言い得ると思います。こういう中で一つの景気観測を打ち立てようということはなかなかの問題でございますけれども、全くそういう意味では、先行きまっ暗けの中で一つの指針を立てるわけでございますが、最近そういうことも一つの問題になっておるのかもわかりませんけれども、関連があるのかもわかりませんけれども、景気にいわゆる若干のかげりがしてきたんじゃないかと思われるような節も、ないことはないわけであります。あるいは機械の受注が若干手控えになってきたようなこともいわれますし、一部の産業でございますが、在庫増も目に見えて一つの現象として起こってまいっております。そういうところから景気かげり論というようなことも巷間いわれておるわけでありますが、一体経企庁長官としては、現在の景気動向をどのようにとらえて、ことし一年の日本経済の向かうところを指導しておいきになろうと思っておいでになるか、このことを御説明いただきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私が申しましたあの所信表明の中にも、この四十四年度の景気の問題については申し上げておるのでありますが、大体下期になると多少貿易が減退する、鈍化するということは、これは世界的に言っておることばですが、そういう意味において、貿易の減少、あるいはまたアメリカが今後輸入制限をどうとるかというようなことを心配しておるのであります。したがって、来年度の国際収支も、一億ドルだという黒字に計算したわけであります。そこで、最近の問題としては、いまのお話のとおり、一部の商品の在庫増加がありまするし、機械の受注の増勢も落ちつきを見ておりますが、それが日本経済の鈍化ということになるかということ自体、いま私はにわかには即断できない、こう考えております。しかし、なるほど機械の受注などにつきましては、昨年の十二月などは多少減りましたが、一月はまた多少増加いたしておりますから、もう少し情勢を見て決断、判決すべきじゃないか、こう考えておりますから、まあ今日それがかげりやとかなんとかというような判定はしないほうがいいのじゃないか、こう考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 アメリカのニクソン大統領になりましてから保護貿易論が台頭するだろうということは、向こうの新聞を見ましても想像されるわけでありますが、あるいは先ほど申しました通貨の不安というような点から考えましても、貿易立国で生きております日本としては、先行きかなり警戒すべき点は多いと思うのです。そこで貿易の縮小というもの、世界各国である程度少なくとも鈍化されるということは言い得ると思うのですが、こういう点にかんがみまして、先般OECDの経済会議に出席されました長官としては、欧州各国並びに米国のそういった貿易の伸び率を鈍化さすような空気があったかどうか、どういうようにお考えになりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 各国とも貿易制限ということは極力避けたい、そしてやはり自由化ということでいきたい、ケネディラウンドの線でいきたいということは、みな各国とも述べておりました。アメリカが何か貿易制限の発言もあるかと思って私たちも心配して行ったのでありますが、具体的な発言はなかったのでありますが、しかし、世界的に見て、世界の貿易が下期になると鈍化するという一応の予想は、みないたしております。したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、来年度の国際収支も一億ドルということを算定したのでありまして、四十三年度のように十二億ドルというような数字は出ないという計算をいたしておるのであります。がしかし、日本としては、日本の経済は来年度においてもやはり成長するということを私は言明して帰ってきたんです。また成長率も大体実質一〇%近くだということを言明して帰ってきたのでありますが、外国のほうではそんなに高い成長率を述べた国はありません。そういう点で、私は日本の経済成長率が一〇%近くで来年度もいけるんじゃないかという見通しをいたしております。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 日本の景気の動向は、一つは世界の通貨の安定が必要でありますけれども、貿易の伸び縮みということ、一にかかってこれに左右されると思うのであります。そこで、従来の後進国の開発を見ましても、どうもその場当たりの空気が多かった。向こうから要請をさされば、ある程度——その八割ほどを与えていくというようなチャンスが多かったわけでありますが、これもやはり貿易ということを考えて、あらかじめ一つの基本方針をとって進んでいかなければならないのじゃないかと思いますが、先般外務省の一つの方針をきめる会議があったように新聞で承りまして、けっこうなこととは思っておるわけですが、と同時に、私たちが見ておりますと、新聞の面から見るだけでございますから、内容はいささか違っておるかもわかりませんけれども、各国から貿易の自由化を要請されて、その後に何とかそこで切り逃げ、売り逃げをしながらその問題の解決をはかっていくというようなやり方をしているように思うのですが、貿易立国でやらなければならない日本でありますから、私は当然やらなければならない問題はある程度国内で早く消化して、先々こちらも手を打ちながら相互にやろうじゃないかという体制も整えていいんじゃないだろうかということも懸念をいたしますので、こういう点、経企庁の長官としても、常に国務大臣としてひとつ注意を払っていただきたいと思います。  そこで、話はかわりますが、物価の問題で二、三お伺いをしたいと思うのです。国鉄運賃の値上げを何とか食いとめて、ことしこそ五%以内に物価の値上がりを押えようという執念のもとにおやりなすったように思うのですが、これは若干やむを得なかったといたしましても、次に私鉄あるいはバス、ハイヤー、タクシー等の料金の値上げが、続々と申請されております。そこで、一番大事な政治的な今日の問題である物価の、値上げのもとになるものをいかにして押えるかということが非常に重要でありますけれども、これらもまた私企業であることは事実でございまして、場合によりましては十年間、十五年間、料金がそのまま据え置かれておるというようなものもあり得るわけでありますが、こうした問題を押えるだけでは、これは行政の妙とも言いがたい。値上げをせずに済むような措置を各省をしてとらしめるような施策も、積極的に私は経企庁長官としては各省に働きかけるべきではないかというような感じもいたしますが、ただいま申しました私鉄、バス、ハイヤー、タクシー等の料金の値上げについては、どういうように対処しようとしておいでになるのか。第二点として、そういうものが値上げをしないで済むような行政的な措置を、各省に働きかけるような御意思があるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話しのとおり、私鉄やバスの料金の問題が、鉄道料金の値上げに便乗、というと語弊があるかもしれませんが、追随して値上げをしたいという希望を言うてきております。しかし、私は交通関係の公共料金は極力押えるということで、大体大手の私鉄やバス、タクシーなどの料金の値上げについては、はっきり反対の意見を述べておるのであります。それについていろいろ国鉄との料金の不均衡というようなことについて、るる説明を聞かされておりますが、私もその点において、大体国鉄——政府の経営のものが高くて民営のものが安いというのは逆であって、国営のものは安くて民営のものが高いのが大体常識でありますが、その点において不均衡であるということも重々知っておりますが、幸い、というと語弊があるかもしれませんが、私鉄大手は百貨店なり土地の造成をやっておりまして、みな配当をいたしておりますから、いまは日本の国策として物価を上げないという国策だから、この際はひとつあなた方の料金を上げないようにしてほしいということで説得をいたしておるのでありまして、会社自体が赤字であれば、これは大いに考慮もしなければならぬが、幸いそういうような兼業で黒字で配当いたしておりますから、しばらくしんぼうしてください、こう言っていま折衝いたしておる最中であります。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 かつて前の長官がビールの値上げのときに悲痛な声を叫ばれましたけれども、値上げは平然として行なわれたというようなあれがございます。企画庁長官は、今度の私鉄、バス、ハイヤー、タクシー料金等につきまして、本気でお臨みになるのか。いまのお話は、その他の営業収入でもって利益を計上しており、配当しておるというようなところに限っての話か、その点をひとつ御説明いただきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 一般物価に影響を及ぼすような交通機関は料金を上げぬという方針でありますからして、たとえばバス、タクシーなどでも、できるだけ経営で合理化をやりなさい、そして何とかひとつ切り抜けなさい、こう言うて私のほうでは説得しておるわけであります。そういう料金を値上げすることによって一般物価に影響を及ぼすからして、この際はしんぼうしてほしいというようにお願いをしておる次第であります。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 私企業の経営のとうていやっていけないということと、それから全然反対の一般物価に影響を及ぼす——及ぼさないものはほとんどないのじゃないかと思いますので、この調整はどういうようにお考えになりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 交通機関でも、料金の値上げを認めておるものがあります。たとえば地方のバスなんか、これは料金を値上げしなければもう廃業するというのです。また、それが廃業されれば、非常にその地方の交通の支障を来たしますので、そういう場合には値上げを認めております。現に、私が長官になってからも、数会社の値上げを認めておるのであります。そういう場合には値上げを認めておりまして、値上げをしなくともやっていけるという見通しをわれわれがつけた場合には値上げをしないという方針でいっておるわけです。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 近く物価安定推進会議を改組するというようなお話を承っておるのでありますが、どういう方針か、この際御説明でさましたら、御説明いただきたいと思います。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 御承知のように、物価安定推進会議は、物価問題懇談会、第二次物価問題懇談会を経まして、やや根本的、構造的な観点から物価に対してものを言うということで、各界の学識経験者にお集まりをいただいてやっておるわけでございますが、大体当初二年御猶予をいただきたいということになっておりますので、ほぼ今年度末をもってその二年のお約束の時期になるわけでございますが、予算的にはほぼ従来のような形で運営できるという措置はとっております。現在、従来物懇あるいは特に物価安定推進会議の間にいろいろ御提言がございましたが、それについてもう一回物価安定推進会議でレビューをやっておられます。そのレビューの結果、さらに政府にこういう形でものを言うべき問題が残っておる、こういう視点からものを言ったほうがいいだろうというようなことについて、あらかた見当が推進会議に現在参加しておられます先生方についてくると思います。そういう御意見を伺って、政府のほうでも、その時期にこの次の形をやや具体的に考えてまいろうというふうに心づもりをいたしております。したがいまして、時期からいいますと、本来ならばあるいはもう四月ごろからこういう形でということを申し上げるべき時期であるかと思いますが、現在そういうレビューの作業をいたしておりますので、まあいま申し上げた程度のことで御了承願いたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 時間がありませんので、最後に琵琶湖の水資源についてでありますが、大阪の工業用水もしくは飲料水等、あと十年間にいまの二倍の水を利用しなければやっていけないということになっております。なお、このごろやかましい水質汚濁の点から考えましても、この琵琶湖の水に負うところが非常に多いと思うのでありますが、これが計画されまして、検討を始められましてから約十年ほど経過いたしておりますので、一刻も早くこの問題が解決せなければ、下流の大阪、神戸、京都等の工業並びに増加していきます住民に対するサービスができないんじゃないかということを心配いたしますが、一体その進捗状況はどのようになっておるのか、どのような決意でもってこれを推進しようとお思いになるか、最後に御答弁をいただきまして、質問を終わりたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 琵琶湖の問題につきましては、これは滋賀県、京都府、大阪府、みな関連いたしております。この問題については各省がいろいろ関係しておりますので、したがって、なかなかその解決がむずかしかったのであります。そこで、このままほっておくわけにいかないので、今回経済企画庁のほうで乗り出して、そしてこの問題の解決に当たることにいたし、ました。先般も大阪府、京都府、滋賀県の府県庁の人が見えまして、どうぞひとつ経済企画庁でまとめてください、いままではそれぞれの各省にお願いしておったけれども、解決ができなかったから、ぜひお願いするということで頼みに来られましたから、それではひとつ経済企画庁で責任を持ってこの解決に当たろうということで、今後ひとつ経済企画庁でこの問題を早く解決したい、こう考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 質問を終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次は、神門至馬夫君。

神門至馬夫日本社会党

○神門分科員 私は、過疎問題と関連して、いま作成されつつあります新全国総合開発計画、これとまた中海新産都の関係、こういうような問題についてひとつ質問をいたします。  けさの新聞にも出ていたのでありますが、過疎地域を持っておる関係各県が組織をいたしております過疎地域対策推進本部、これが十五名の学識経験者に対してアンケートを出しております。それに対して七名の方から回答がなされておりますが、すべて過密過疎は今後さらに深刻の度が加わるであろう、こういうアンケートを出しておるのであります。ちょうど同じきょうの新聞に「秋田湾地区新産業都市」、これに大きな見出しで「大工場が撤退作戦」を開始する、「たたる立地条件の弱さ」というサブタイトルを出しまして「大消費地に遠く、地元の消費も少ない、という弱みもあるので、根本的な解決はむずかしいようだ。この秋田での事例は、全国十五地区、総花的にばらまかれた新産業都市の今後にも、大きくひびくことになりそうだ」。こういうことをいっております。私がこれから質問をしようとすることは、このように新産都問題が、特に日本海沿岸の新産都問題が、この秋田湾の新産都自体で問題を起こしておりますように、いろいろと類似の問題を起こしておるようであります。そういうときに、直接の担当課長をやっておいでになる下河辺課長がこういう発言をしておいでになる。それは四十二年の十一月六日に、鳥取県の米子市の商工会議所において、鳥取県経済同友会の会合の講演をしておいでになります。そのときに、新産都そのものは十三地区指定した。しかし、最後に、これが最後だといいながらあと二つ、秋田、中海を指定しました。その二つの指定というものは「工業化の開発には相当な困難があるということが十分わかりねがら、一つの方向として二つの新産都を追加指定しようではないかと、藤山長官がふみ切ったわけです」こういうことをおっしゃって、さらに、しかしながら「秋田、中海また富山、新潟という日本海に面した新産都は、いずれも工業開発の伸びが非常に悪いという結果になっている。また人口増加の目的があったにもかかわらず、ここ五年間の動きをみますと、最近さらに人口の流出が激しいといえる。さらに成功したように思われている岡山、大分等においても、将来はたしてこれが成功するかどうか」、こういうことをおっしゃっている。最後に、「恐らく、過密過疎のために、工業開発をしてきた三十年末の仕事は継続してまいりますけれども、中心的な課題にはならないと思います。……日本経済全体の国際化という資本自由化が進む過程での、新しい工業立地の在り方ということになると思います。」それでさらに続いて、「目途のつかない新産都というものは、政治的にも行政的にも、率直にいって困っています。果してそうした地域が将来日本の工業力の向上に照らして、どういう特色をもち得るであろうかということになりますと、もう一方違った角度からの勉強が必要ではなかろうかと思います」、こういうふうに担当者としては率直に、大胆におっしゃっておるわけなんです。こういうような、下河辺課長が米子で講演をなさった事実があるかどうか、課長にひとつお尋ねしたいと思うのです。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 私どものところの下河辺総合開発課長がそういう講演をしたかどうかは、実は私はつまびらかにいたしておりません。ただ、いま私どもが作業いたしております全国総合開発計画案におきます今後の工業開発の方向についての考え方は、いまの表現とは若干違いますけれども、これは昭和六十年度を目ざしての計画でございます。御承知のように、新産業都市建設の計画は、昭和五十年を目標にいたしております。特に御指摘のように中海、秋田湾等の基本計画におきましては、工業化の困難ということも十分考えながら基本計画ができておるはずでございます。そういった状況でありまするし、また全体といたしますると、新産都の整備状況、工業出荷の伸びの状況というようなことを見ますと、大体これは目標の線に沿って進んでおる。昭和五十年にはおそらく大体計画どおりの線にいけるであろう、こういうふうに判断をいたしておりますけれども、ただ地区別に見ますと、確かに御指摘のようにいろいろとでこぼこがございます。これは計画策定当時と現在までで条件の変化もあると思いますので、今度の計画におきましても、そういった地区間の違いということに対しては、やはり現実に即して考え直すべきところは考え直す必要もあるだろう、こういうふうに判断をいたしております。せっかく計画作業の過程でこの問題について広範に議論をいたしておりますので、いずれ計画が決定までに、そういったことにつきましても何らかのそうしたイメージを持ちたいと思っておる次第でございます。

神門至馬夫日本社会党

○神門分科員 四十二年の十月三十日に、この下河辺課長が演説をなさる一週間前に、経済審議会の地域部会で「高密度経済社会への地域課題」、こういうことを発表しておいでになります。これはちょうど一週間前に当たります。そのあとに下河辺課長がそういう演説をなさっておるのです。それでこの地域課題という中に問題になる点は、「今後の地域発展の動向と社会生活圏の著しい拡大を考えると、すでに人口、産業、文化等の集積が大きく、発展の可能性が強い大規模な地方都市に、各種社会資本の集中的な整備を図るべきである」、という考え方をその中で明確にしている。これは明らかに、いわゆる効率の悪い地方新産都から転進をしていこうということを、この中に明確にいっているのではないかと考えるが、いかがですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 地域部会の報告でもいろいろとこの問題についての御議論があったことは、私どもも十分承知いたしております。また、いま私どもがやっておる作業も、こういったいろいろの成果を踏まえて今日まで作業しておるわけでございます。そして工業の立地動向につきましては先ほど申しましたように、昭和五十年までということであれば、いま現に進んでおります新産都あるいは工業整備特別地域というようなところが新しい企業立地の中心になると思いますが、さらにもう少し先を考えれば、むしろもう少し遠隔の地にかなり大規模なものができるだろう。また、そういうことを考えながら都市の整備なりあるいは各般の施策を講じなければならぬ、こういうことが、いま作業をいたしております計画の大体の考え方でございます。現在やっておる新産都市なりあるいは工特地域の制度をむしろそこでやめてしまうというようなことは、考えておるわけではありません。

神門至馬夫日本社会党

○神門分科員 やめるということはないのですが、このまま続けていくであろうけれども、新産都法の第一条にいうように、格差の解消とか、あるいは拠点開発主義というような方向は、これまでのように中心的なものにはならないだろう。こういうふうにこの下河辺課長は多くの人間の前で講演をなさっておる。そういうふうに続けていくだろうけれども、その中心的新産都法設置の第一条の目的とは違った方向にいくのではないか。たとえば、新総合計画の第三次案までもらいました。第四次案というのはまだもらっていませんが、新聞によると、三次案までのと内容で大きく変わったのは、新産都問題と公害問題が入ったところに変わりがある、こういうことをおっしゃっておる。ところが、この三次案の中を見ますと、その前文の中に「地域格差の縮少を目的にしており、その後、その目的に沿って種種の対策が講ぜられたが事態の解決は容易ではない」。抜本的な再編成をはかる必要がある、これまでの方向とは大きく方向転換をしなければならぬ、こういうふうに第三次案までは書いてあるのです。ですから、いま検討しなければならないということについて最終的なものができ上だっていないのはわかるのですが、やはり効率の悪い新産都——十三番目までは第一にできて、四十年には秋田、そして四十二年にはこの中海が指定されたわけなんです。これらに対するこれまでの力の入れ方とは変わった、力点をむしろ太平洋ベルト地帯に置く、こういうふうな方向だと考えられるのですが、この点はいかがですか。

宮崎仁経済企画庁総合開発局長

○宮崎(仁)政府委員 お持ちの第三次案でごらん願うと、開発方式の最初のところに書いてございますが、私どもの今度の計画の全体の調子は「従来からとってきた拠点開発方式の成果をふまえつつ」、さらに一そうの発展を遂げていく、そのためにはいろいろの施策が必要だ、こういう考え方でございます。計画期間が六十年度でございますから、その後の問題がかなり書いてあります。したがいまして、六十年まで考えた際における日本の工業開発のいわば立地という面からいって、新産がどの程度のウエートを持つかということになれば、その後のさらに大規模な工業地域というものが、かなり大きなウエートを持つだろうということは考えられます。しかしながら、こういった形でかなり長い期間についての計画を実施するわけでございますから、その間逐次いろいろの施策を積み上げていく。具体的内容としても、いわゆるプロジェクトを具体的に積み上げてやっていこうということでございまして、決して現在進めておる新産都市に対する施策を弱めるとか、あるいはそれをやめてしまうというようなことは、もちろん考えておらない。むしろこの成果を発揮させながらさらに発展をさせていく、こういう考え方でおる次第でございます。

神門至馬夫日本社会党

○神門分科員 長官にお尋ねしますが、この十三の新産都が指定されて、第二次に秋田湾、そして三番目といいますか、十五番目ですね、三回目にこの中海の新産都を指定になったわけです。この秋田の場合も参議院選挙のさなかだったし、中海の場合も衆議院選挙のさなかだったのです。私たちがこの中海の場合にも話し合ったのですが、一体新産都に指定してその効果があがるだろうか、これはほんとうにやる気があるだろうかということを、ずいぶんあの当時議論したものです。ところが、いま結果的に見ますと、この下河辺という、これは開発課長で、担当の課長でしょう。きょう来てもらうように言ったのですが、来ておいでにならない。その課長が率直にそのことを言っておいでになる。こういう委員会ではそういう方向転換をする気持ちはないということを言わざるを得ないと思うのだが、私は、この担当課長がそれで正式にこの中海の位置づけをされたというふうに感ずるわけなんです。この点について、長官としては、この新産都問題がようやくいま大きな問題になりつつある、いわゆる格差解消もなさない、人口の流出をとめることも役に立たない、こういう結果が率直に数字に出ているんですね。こういう点から見て、この新産都問題に対する将来の力の入れ方はいかがですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 新産都市の問題につきましては、これは五十年が目標ですからして、まだその結果ははっきりわかっていないわけです。がしかし、新産業都市を設けた理由はみな相当あるのでありますからして、したがって、その理由はやはり考慮して、新しい全国総合開発には踏んまえてこれを入れなければならぬ、こう私自身は考えておる次第でございます。

神門至馬夫日本社会党

○神門分科員 その点に非常に新産都を持っておるところでは関心を持っておりますが、しかし、いま思っおるということなんですが、系統的に見ますと、四十二年の三月に発表されましたいわゆる中期経済計画、経済社会発展計画、四十年代への挑戦、こういう中にもはっきりこれまでなかった効率化ということを第一にうたって、そしてこれまでのような総花的な新産都方式、指定方式というものから転進するんだ、こういう内容をいっておいでになる。その次には、先ほど言ったような、この地域部会がさらに「高密度経済社会への地域課題」ということで、地方分散はやめて、そしていま人口、産業、文化等の集積の大きい地域を開発することこそ、国際競争力を最大使命とするいまの日本の課題であるといっている。そして課長がわざわざその新産都のその中へ出て、堂々と長時間にわたってその趣旨のことを——まあ時間がないからそれを全部読みませんが、議事録はあるのです。そのことをずっと説明してこういう言い方を——先ほど言いますように、問題があるのは、今日目途のつかない新産都というものが政治的にも行政的にも率直に言って困っていますということを担当課長が言っているのですが、こういう担当課長と経済企画庁長官との直接の意思疎通等は十分なされているのか、そういう気持ちをあなたはお聞きになったことがあるのかどうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 それは四十二年の発表ではないかと思いますが、私はまだ経済企画庁長官をしておりませんでしたし、また下河辺なる人がどういう人か、私はまだ会うたこともありません。まあその書物をあとでまた拝見しまして、そしてよく調べてみたい、こう考えております。

神門至馬夫日本社会党

○神門分科員 新産都そのものについては、私たちもいろいろ意見を持っております。しかし、意見は持っておりますが、私がいまここでそのようにしつこく言うのは、いわゆる過疎地帯というのは、そこの住民、一個人の気持ちやら、あるいは地域的な農村計画やら、あるいは自治体においてはどうにもならないいわゆる総合的な開発計画の中で、農林業をどうするのか、あるいは地域的任務は何なのか、こういう総合計画の中でないと、この過疎問題というのは解決されない、こういう立場にある。そういう中にあって、四十二年のあの選挙のさなかには、この新産都が農村の救い手であるように、過疎問題を一ぺんに解決してくれるように宣伝をされたわけです。与党の皆さんは、特にこれが最高の宣伝の問題としてなされた。そうして過疎がこれによって救われるだろうという期待をもって臨んで、二月の選挙が終わりましたね。そして十一月には、このいわゆる下河辺課長発言となる。選挙が済んでしまえば、冷酷にこの新産都問題は役に立たぬと言われている。まことに新産都そのものが、十三番目までは本気だったかしらぬが、あとのものは政治的になされたんじゃないかという感じを持つように、いまの総合開発計画というものは過疎地域というものを見捨てるんじゃないか、こういうことが非常に強いわけです。ですから、その意味で、この新産都問題というのを具体的な問題を出してお尋ねしておるわけですが、この過疎対策として過密、過疎——総理大臣もととし施政演説の中で初めて過疎ということを言ってくれました。ところが、過疎ということばは出たけれども、過密はどうするということはあったが、過疎はどうするということはないのです。下河辺さんが言っておいでになるように、実は過疎を解決する妙手がない。政府は何べん考えてもいい手がないということが一つ、内容にある。この点について、新しい長官は何かこの過疎と過密という、高度経済成長政策の最も大きな矛盾を考えておいでになると思いますが、どのようなお考えを持っておいでになりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 この過密という問題の裏は過疎であります。そこで過密、過疎という問題がどうして起こってきたかといえば、やはりこれは経済の発展です。その経済の発展のうちのおもなものは、工業産業というものが発展してきた。したがって、それは都市化という問題が起こっております。したがって、そこに過密という問題が起こってきたわけでありまして、この問題は、私もこの間OECDに行ってみて、やはり世界各国が問題にしておるのです、この都市化の問題は。で、やはり同時に過疎ということも含んでおるわけです。これはひとつ国際的にみんなが研究しようじゃないかということを、この間言い合って帰ってきたのであります。私は、こういう問題が世界的になっておるということは今度行って初めて知ったのでありまして、過疎という問題が決しておろそかにはできない問題だということを感じたのであって、都市化自体をどうするかということ、これもやはり考えて、同時にそれに対して過疎という問題をあわせて考えるという必要があると思います。その意味において、この新全国総合開発の問題におきましても、やはり過密という問題を考えますが、同時に過疎という問題は考えなければならぬということで、先ほど華山先生にもお答えをしたのであります。これはやはり過疎という問題とあわせて考えて、今後の総合開発計画を立てていくべきだ、こう考えております。

神門至馬夫日本社会党

○神門分科員 次の分科会の時間がちょうど重なりまして、時間がないようでありますが、過疎問題について、特に新産都そのものが切り捨てられるという疑いを私は非常に持っている。系統的に出ました発言なり、企画庁から出しました計画書によってそういう点がありますので、ひとつ積極的に総合計画の中に過疎問題というものを取り上げていただきたい、こういうことを特にお願いをして終わりたいと思いますが、最後にひとつお答えを願いたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまお述べになりました御趣旨については、私は全く同感でありますからして、今後その点について検討していきたいと思います。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 以上をもちまして、昭和四十四年度一般会計予算中、経済企画庁所管に関する質疑は終了いたしました。     —————————————

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 次に、昭和四十四年度一般会計予算及び同特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 時間が大体一二十分のようでございますので、できるだけ時間を切り詰めてやりますので、御答弁も簡単に明快にひとつお願いをしたい。  私のお伺いしたいのは、北海道長沼、千歳に設置をすると伝えられているミサイル、ナイキハーキュリーズの基地の問題であります。これが、実は農林大臣にお伺いをしなければならないということは、森林法の適用上の問題等が非常にいろいろ入り組みいっているからであります。  そこで、そういう問題に入ります前に、前提として若干このナイキハーキュリーズの予算上の面について先にお伺いをしてまいりたいと思いますが、政府の大蔵省から出しております予算などを見ますと、昭和四十三年度で誘導弾の予算が相当詳細に実は出ているわけでありますが、たとえばこの「国の予算」という予算書によりますと、昭和四十三年度においては歳出予算から五十億三千三百五十五万、国庫債務負担行為から三百十八億五千百十八万、こういう金額が実は出ているわけでありますけれども、この内訳をまず具体的に防衛庁から伺いたいと思うのです。というのは、東京周辺にある第一高射群、北九州にある第二高射群、並びに北海道に予定されております第三高射群等の内訳その他について、もう少し詳しくお話を伺いたい。その点から伺ってまいりたいと思います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 ただいまの御質問でございますが、ちょっと私の手持ちの資料としましては、第三高射群の予算だけしか持ち合わしておりませんが、これについて申し上げます。  大体、第三高射群の関係におきまして、人的経費並びにこの維持費を除きまして、第三高射群の建設に要する工事費あるいは装備品費、その合計は約百二十億三千二百万円ということに相なっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それは代替工事の問題を含めない、第三高射群それ自体の予算だと思うのですが、その点も一緒にお答えいただきたいと思いますけれども、それの百二十億というのは、千歳、長沼一切を含めた予算でございますか。そこら辺はどうなっておりますか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 ただいま申し上げました予算は、代替工事の経費を含んでおりません。で、この百二十億三千二百万の予算は、千歳に置かれます第三高射群本部並びに三つの高射隊、並びに当別に置かれます部隊、若干当別の部隊も増設しますが、そういう経費を全部含めましてのものでございまして、長沼だけを抽出いたしますと、大体三十二億円程度になろうかと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これは若干初耳の点もあるのですが、たとえば当別に部隊を置くというようなことなどが出てきたのですが、それは予算上は昭和四十三年度の予算編成の中にあったのか、新年度にあったのか。それからもう一つは、百二十億という第三高射群は、隊としては何隊になるのですか。そこら辺がちょっとはっきりしないので、いわゆる航空自衛隊の中における編成上の問題ですね、そういう点を含めて御答弁をいただきたいと思います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 第二高射群、第二高射群におきましては、四個中隊になっております。しかしながら、第三高射群におきましては、三個中隊という予定で進めております。  なお、当別に置きますのは、指揮所運用隊という小さな部隊を、この第三高射群の配置に関連しまして、現在あるレーダーサイトにそういう部隊を置く予定であります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それじゃいまあるレーダーサイトのあれはISSになっておりますか。——まあわからなければいいですがね。それの中に増置すると、こういうことだと思うのですが、それでもう一つ伺いたいのは、予算上四十三年度で見ると、ここに四十三年度では三次防の計画の中には新たに二隊を編成する、それから「さらに一隊の編成の準備をする」こういうことになっていますが、そうすると、いまのお話では第三高射群として千歳、長沼を含む隊と、それ以外もう二つできるわけですか。そこら辺の計画はどうなっていますか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 お答えいたします。  三次防におきまして二隊を置くと申しますのは、北海道、札幌を中心とした道央地区の警備のための第三高射群、それから阪神、中京地区の警備のために置かれる第四高射群、この二隊を申します。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それで二隊まではわかりましたが、さらにもう一隊置くと、この四十三年度の「国の予算」の中に書いてある。もう一隊はどこですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 先ほど申しました第三高射群、第四高射群という二隊が三次防でできるわけでございますが、さらに引き続きまして四次防で第五高射群というものを計画しようということでございまして、(岡田(春)分科員「第四ですか」と呼ぶ)具体的にその第五高射群をどこに設置するかということにつきましては、まだ結論が出ておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 いや、あなたさっき答弁したじゃないですか、第四は関西その他に予定だと。それからもう一つ、それ以外にさらにもう一隊とこれには書いてありますよ、それは準備していると。さらにもう一隊といったら、これは第五高射群になるわけでしょう。それは計画あるんですか、どうなんですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 三次防におきましては、第三高射群が千歳を中心にする。それから第四高射群が阪神を中心とする。第五高射群というものは四次防の計画にいたしまして、これから研究をし、その設置場所も検討をしようということで、第五高射群というものの設置場所等につきましては、まだ具体的な案としてはさまっておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そこら辺もいろいろ伺いたい点は多いのですが、実は農林省関係だから、ここはあまりやっているわけにいかないので締めますけれども、もう一点だけ伺いますが、予算の説明書によると、三次防の中で第三高射群と第四高射群が出てきますね。その中で、四十三年度に教導高射隊をつくる、こういうことになっていますが、そうすると、いま言われた関西、中京地区と、北海道地区のどっちが教導高射隊になるのですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 それは浜松に置かれる部隊のことであろうと考えます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そうすると、それ以外にまた浜松にできるわけですか。そうすると、ちょっともう一度伺いますが、第一、第二、第三、第四までは実戦部隊ですね。行動隊ですね。それから、この教導隊というのは、浜松に別につくられる、こういうことですか。つくられているのかということを含めてお答えいただきたい。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 四十三年度中に浜松に設置することになっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 四十三年度というと、もうあと一月しかないのですが、これはどうなんですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 ほぼ編成を終わっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そうすると、いままでのお話を要約いたしますと、実戦部隊としては第四高射群まで、それから浜松に高射教導隊、簡単にいうと教育部隊ですね、ここができる。そうすると、三次防の中で、中共、関西地区は大体いつの予定になっていますか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 編成の計画は四十六年度末でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 若干長沼、千歳から離れてまいりましたので、もとへ戻りますが、第三高射群の編成上、これはどういうことになりますか。航空自衛隊北部司令部の直轄部隊、こういうことになるのですか。そこらへんの編成上の点を伺いたいのと、それから千歳、長沼における高射群の正式名称、これはおそらく自衛隊法に基づいていくのだろうと思うのでありますが、そこら辺の点を少し明確にしていただきたいと思います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 長沼に置かれまする部隊は、北部航空方面隊の第三高射群の第十一高射隊ということになります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これはあとでいろいろ伺ってまいりますが、国有林であり、しかも保安林を解除してくれというのが長沼の問題なんでありますが、これに関連をして、代替施設を防衛庁が計画を立てている、そういう工事計画もつくっているわけですが、防衛施設局のほうで、この予算上の点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 第三高射群の設置に伴う代替工事の概要を申し上げますと、まず、障害防止対策費と上まして、全体計画の調査費として五百万円、それから用水対策としまして二億六千二百万円、それから治水砂防対策費として二億三千二百万円、それから飲料水対策として三千五百万円、合計障害防止対策で五億三千四百万円ということを全体計画として考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それじゃ、代替施設としての計画は、これですべて終わりですか。どうなんですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 ただいま申し上げましたのは、直接の障害を防止する工事でございまして、そのほかに、周辺対策といたしまして、道路改修、これが一億二千四百万円、それから農業用施設、これが四千七百万円、この周辺対策の合計が合わせて一億七千百万円です。この障害防止と周辺対策、両方合わせますと、全体で七億五百万円という事業費になっております。そうしてこのうち四十四年度で計画しておりますのが三億八千九百万円です。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そうすると、来年度で三億ですから、それ以外の残り合わせて全部で六億ですか。約七億ですね。それ以外はもうないわけですね。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 ただいま申し上げましたのはあくまでも予定でございまして、この程度やれば、七億の全体の工事をやれば、大体障害その他は防止できるのではないかと当面思っておりますが、なお、そのほかの面につきましても、今後検討していきまして、必要なものがあれば、これは逐次実施していきたいと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これは念を押して言うのは、長沼の町から出ているのは、三十一億という膨大もない金額のものが実は出ている。それに地元の農民はだまされて賛成した者もずいぶんおるので、そういう点で念のために七億というものを非常にはっきり伺っておきたいと思うのですが、今後出す考えはないことはないというのですか。最後は七億になるのですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 私どものいままでの検討の結果では、当面七億程度で障害その他は防止できるのではないかと思っております。しかしながら、これは実際に基地を建設してみなければ、障害の発生の態様その他は確定はいたしませんから、これで絶対的なものだということは申し上げかねるわけです。したがって、地元ともよく相談して、そのほかに必要な工事が出てまいりますれば、それは逐次やっていきたいと思っております。したがって、必ずしも計画どおりになるということは申し上げかねます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 何かたいへん色よいお話をしているのですが、それでは今後は予算上は倍くらいになる見込みでもあるのですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 いま申し上げましたように、これまでの検討の結果では七億程度で間に合うと思いますけれども、なお必要なものがあればやるということで、それが倍になるとか三倍になるとかいうようなことは、いま申し上げかねるわけです。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 実はこれをたいへんえさにして基地をつくろうということをわれわれはいろいろ話を聞いているので、七億円になるとたいへん失望して反対する人がふえると思いますから、ひとつ御注意願いたいと思います。  それはいいとして、この配置について、江藤参事官は、明けて先おととしになりますか、四十一年から現地調査をやっておった、こういう話を実は参議院で答弁をしておるのですが、大体いつごろから何日間ぐらい調査をされたのですか。そのときには、現地の自治体とも連絡をとっておやりになったのですか。そこら辺の点を少し詳しく伺ってみたいと思います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 実際に第三高射群の配置編成が完了いたしますのは、四十五年度末に予定しているのであります。したがいまして、そのための工事をするのに約一年程度かかる。そうしますと、四十三年の後半から工事を始めまして四十四年度中には工事を完了したいという計画で進めておりましたために、実際の調査は四十三年の一月ごろから調査をいたしております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そうじゃないですよ。私のほうがちょっと間違った。四十一年でなくて四十二いまは、ことしは四十四年だから、四十二年だ。あなたは、四十三年の一月から農林省と交渉に入ったのだから、その前に行っていなければならないわけでしょう。四十二年のいつごろからやっているのか、秋なのか、何月か、そこら辺はどうですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 間違いまして失礼いたしました。実際にどの地区に高射隊を配置すべきであるか、大体当初の目標は、この計画はあくまでも北海道の道央地区の防空のために配置するわけでございますので、大体札幌とか千歳とかいうところを中心とした周辺地区を調査いたしたのでありますが、これは四十二年の夏ごろからわがほうで研究調査をいたして回っております。その間には、特に地元と十分な協議をするというようなことはいたしておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 長沼の国有林が最適地であるという結論を下した、その根拠はどういうものなんですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 先ほど来申し上げますように、この部隊はあくまで北海道の道央地区の防空の任に当たるものでございますので、札幌とかあるいは飛行場のあります千歳を中心に考えて、その周辺の配置計画というものを考えるわけでございますが、同時にまた当別にレーダーサイトがありますので当別のレーダーサイト、それから千歳の第二航空団、それから札幌市というような関係で一つの円周を描きまして、その円周の範囲内で最もいい適地はどこであるか、同時にまたレーダーカバレージ等も関係いたしますので、相当小高い山が要るし、あまりうしろがレーダーの面から見まして不適でも困りますので、理想的にいいますと、小高い岡あるいはかなり高い山でもけっこうでございますが、丘陵地帯が一番望ましいのでございます。その意味におきましていろいろな検討をしました結果、この馬追山の山系が最も理想的であるということで決定いたしたのでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 もっと伺いたいのですが、どうもたいへん残念です。  時間がないからどんどん進みますけれども、たしかそういうような観点から長沼の馬追国有林と称するところを基地の適地としたわけですが、これは国有林の所管がえをしなければならないということで、昨年の一月から所管がえを交渉したはずです。昨年の一月から交渉を始めたときには、防衛庁としては、保安林の解除を希望した面積は、所管がえのときにどのくらいを希望したのですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 林野庁並びに現地の営林局と協議しましたのは、三十二ヘクタールでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 いや私の伺ったのは、防衛庁としては保安林の解除を希望した面積は、所管がえのときにどれだけほしいということを希望したのですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 いま数字を調査いたしておりますが、もちろん当初林野庁と協議を始めましたのはもっと広い面積でございますが、最終的には三十二ヘクタールの面積ということに相なったわけであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そこら辺はわかりました。  そこで、農林大臣もぜひお聞きいただかなければならないのは、実は所管がえをしたのは六十七ヘクタールなんですよ。ところが、実際に保安林の解除を申請したのは三十二なんです。それで残りの三十五は保安林の解除をしないんですよ。しかも所管がえだけはやっている。こうなると、何か将来保安林の解除の拡張をやるという計画の含みがあって防衛庁がこういう広いものを求めたのではないのか、そういう感じがいたしてしょうがないわけです。そうでないとおっしゃるなら、何のために六十七という倍以上のものを所管がえする必要があるのか。そのことはあとでもまた伺いますが、農林省から防衛庁に所管がえをしないところも、従来農林省の国有林になっているところも、この基地の建設については保安林の解除をしているわけです。それが約二・八ヘクタールですか、あるわけですよ。そういうようなところがあるにもかかわらず、倍以上のところを防衛庁に所管がえをしているというのは、どうもこれは不自然なんです。拡張する計画があるんならあるとここでお話しをいただきたいし、ないんだとおっしゃるなら、そういうよけいなところを所管がえすることは、保安林の経営上からも思わしくないと思う。林野庁の長官は林相関係からいってどうだこうだとおっしゃるけれども、林相関係の問題じゃないはずです。国有林のまわりに置いたところの道路だけ二・八ヘクタールのところを保安林の解除にするならば、その地帯の付近も全部ほんとうは所管がえしなければならぬはずです。そこら辺の関係がどうも私にはふに落ちないのですが、そこら辺の関係をひとつ明快にお答えをいただきたい。これは林野庁にも関係がありますし、それから防衛庁にも関係がありますので、両方からお答えをいただきたい。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 先生も御承知かと思いますが、高射隊を設置します場合に、高射隊というものはレーダーを置く場所、それから実際にランチャーを置く場所、弾薬格納の場所、それから隊舎をつくる場所が必要になりますが、その際にレーダーの機械を置く場所と実際にランチャーを置く場所というものは、一定の距離が要るわけであります。あまり接近してもまずい。少なくとも千メートル以上必要になるわけであります。したがいまして、その馬追山系の場合を見ますと、数条の谷がございます。そういう関係で、実際に保安林を解除する面積とわれわれが取得したい面積とはかなり変わってまいるわけでございまして、特にこの十一高射部隊の編成をさらに大きくしていこうというような考えは、全然ございません。少なくとも一個中隊を置くのにこの程度の面積が必要になる。若干むだの部分もありますけれども、そういう結果になるのでございまして、したがって、保安林は全体のうち約半分程度を解除すれば間に合うということに相なるのでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 半分だけでいいのですか。そのほか要らないのですね。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 保安林を解除する地区は、全体の面積の半分程度で間に合う。あとはそのままで……

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それは何に使うのですか。保安林を経営維持するのだったら、そういう点はむしろ農林省にやってもらったほうがいいわけでしょう、所管がえなんかしないで。三十五ヘクタール解除したんなら、その残りは農林省に返したらいいじゃないですか、使わないんなら。何でそんなによけいなものを持っているのですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤政府委員 実際にナイキのたまを格納する弾薬庫等を設置いたします。そうしますと、それによって一定の保安地域というものが必要になってまいります。それは保安林のままでもけっこうでございますけれども、一応わがほうの保安地域としての面積を確保する必要がある。そういう意味で六十七ヘクタールの面積が必要になるということでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 時間がないので残念ながら聞けないのですが、これは私は地形を知っているんですよ。だって、倉庫、弾薬庫をつくるとしても、あの保安林の下のほうだけにまるいランチャーのところをつくるわけでしょう。上のほうだけ保安林を置いたって、これは保安上という点の理由になりませんよ。だから、どうもここら辺はふに落ちないのですが、少し委員会の運営に協力しなければなりませんから……。  続いて伺いますけれども、この保安林解除について、予定告示が行なわれて、聴聞会が札幌で開かれた。その聴聞会は、大臣も御承知のとおり、大混乱の中で実は異議意見の陳述が、私あとで立証いたしますけれども、行なわれないで終わったのです。その後ずいぶん日にちがたっているのですが、その後の経過はどうなっておるのですか。そこらの点を大臣から伺いたいのです。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 先日も岡田君からいろいろお話を承って私も聞いてみまして、聴聞会は、異議意見書の提出者にさらによくその異議意見書の内容について具体的に説明をしてもらうために開催するものであるのだそうでございまして、議長においてそのような意味において再三にわたって異議意見の開陳を求めたのに対し、陳述人側は異議意見としての発言を拒むという姿勢であったのだが、内容的には異議意見と思われる発言もかなりあったということを伺っております。このような次第であったので、聴聞会が終了したかどうかについて目下慎重に検討をしております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 慎重はいいのですけれども、それじゃ大臣、伺いますが、あなたのほうからもらった聴聞会の速記録、ここに全部あります。これを私、たいへん時間がかかったのですけれども、四冊たんねんに読んでみました。これを読むと、ひとつはっきりしておかなければならないことは、ここにいま見えておられるからなおさらこれははっきり聞きますが、その当時議長をやっておられた方は、そこにおられる木村さん、その人も確認をされておりますし、議長代理として澤辺林政課長、この方も確認をしておりますが、そのとき議長が指名した発言者は一名だけ。この点は、実は三日目の午後八時ごろの、これは速記録にありますから、議長並びに議長代理の発言によっても、一名だけであったという事実は速記録で確認されています。それからその一名の発言者も、その日の議事の第二の議事である告示の内容についての質疑応答と見解の表明だけであったということは、これはちょっと時間がなくてあれですが、木村さん自身がはっきり実はこれをお認めになっていらっしゃいます。これは四十三年九月十八日の、時間としては午後四時ごろ、その文章は「それから二番目の議事次第によりまして、議事次第の今第二の発言であると、第三にはいっているんじゃないんだということを確認しろと言われますように議事次第の第三にはいっていないということで議事記録を提示いたしたいと思っております。」と、木村さんが議長としてはっきり答弁をされている。したがって、第二というのはいわゆる告示の内容の問題、第三が異議意見の陳述の問題、そうすると、第三に入っていない。どういうように主観的に判断されるのか知らないが、これは入ってはいないのはまさに事実である。とするならば、一人しか実は正式の発言者がなくて、しかもその正式の発言者は、議長並びに議長代理が認めているように、これは意見の陳述ではないということになってまいりますと、聴聞会というものはなるほど招集して行なわれたことになるのでしょうが、それによって保安林解除の必要要件を満たしている、そういう聴聞会であるとは私は思われない、こういうように理解せざるを得ないわけです。私も速記録をどんどん読んだのです。もうすぐ終わります。ちょっとその点、率直に事実はそういうように解釈せざるを得ないのですが、その事実を大臣はお認めになるのだと思いますけれども、いかがでございますか。まず第一点は、公式の発言者は一人であった。しかも発言については意見の陳述はなかったという、第二の議題にしか入っておらなかったという議長並びに議長代理の確認があった。その事実を速記録上お認めにならざるを得ないと思いますが、そうでしょう。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 過日岡田君からいろいろそういうお話がございましたので、十分私のほうもそれに対して検討を加えなければいかぬじゃないか、こういうことで、目下そういう点を入れまして慎重に検討を行なっているのでございます。ですから、結論はどうだと言われても、ただいま申し上げるわけにはいかないですが、いずれにしても十分検討を加える考えでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それでは困るので、この点は非常に重要な点なものですから、法務省からの見解をひとつ伺っておいたほうぶいいと思うのです、訟務部長お見えだと思いますので。この聴聞会というものは、森林法の中で非常に重要な義務規定になっております。しかも森林法の施行規則ですか、あの内容も実はきのう資料をもらってたんねんに調べてみたのですが、「聴聞会においては、議長は、まず聴聞に係る法第三十条の規定による告示の内容を説明した後、意見書提出者又はその代理人に異議の要旨及び理由を陳述させなければならない。」こういう義務規定ですね。だから、説明した後——説明というのは、一つの議題であるということ。その告示の内容の説明に対して、意見書提出者が意見を述べることは自由である。内容はいろいろどうやったかわからない場合もあり得るわけですから、そういうことは当然第二議題として質問をすることはでき得る。そうしてそれがあったあと意見の陳述をする。こういうふうに実は施行規則の二十一条の二の三項ですか、そこにはっきり出ておりますので、ここら辺の解釈などを含めて、ひとつ訟務部長の見解を伺いたいと思います。

川島一郎法務大臣官房訟務部長

○川島説明員 実は法務省といたしましては、この問題につきまして農林省から、非公式でございますが、成規の聴聞が行なわれたといえるかどうかという点についての御相談を受けているわけでございます。私のほうといたしましても、一応御説明を伺いましたし、また議事録も見せていただいたわけでございますが、いま先生御指摘のように、非常にこれはむずかしい問題だと思います。聴聞に出てまいりました意見提出者が百三十数名、聴聞が三日間にわたって行なわれました。しかも非常に会議が混乱したという実情でありましたので、時間的に見ましても十分意見を述べる機会を与えたということは、一応形式的には言えるわけでございますが、その内容の点が非常に入り乱れておりますので、聴聞の実質がどの程度行なわれたかということを判定することは非常にむずかしい。見方によりましては、一応聴聞が行なえたというふうに解釈する余地もあろうと思いますし、しかし、非常に厳密に考えますと、まだ多数の者の意見が陳述されずにいるのではないかというような見方もできないことはないわけでございますので、私どもといたしましては、これは断定的なお答えはできませんけれども、慎重にお取り扱いになるようにということでいまお話をやっているわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 私も先ほど申し上げなかったのですが、いま訟務部長がおっしゃったように、異議意見提出者は百三十四名ないしは百三十八名という説明が——百三十四名といたしてもよろしいのですが、百三十四名なんですよ。しかも一人だけが公式の発言者であり、その公式の発言者は、いまも言った森林法の施行規則に基づいても、明らかに議題第二にしか入っておらないと判断する。それ以外は、客観的にいろいろ林野庁としてはそういうように有利に引っぱり出そうとしておりますから、それでも解釈できるだろうという意見もありましようけれども、解釈にならないのですよ。少なくとも一人の公式発言者が、たとえばそういう意見が述べられたとしても、これ以外の発言者は名前は全然ないんですから……。○となっているのですよ。大臣もよくこれを見てください。あなたは議運でなかなかベテランだったからおわかりだと思うのだが、全部それ以外の発言者は氏名なんかないのですよ。全部○ですよ。だから、雑音というたぐいですよ。これによって判断するなんて、絶対できませんよ。その点はそうでしょう、正式の発言者でないのだから。百三十四人のうちの一人が、しかもそういう程度の発言であるから、きわめて疑義がある。きわめてということばを使うなら、疑義があるということは訟務部でもお認めになるのでしょう。

川島一郎法務大臣官房訟務部長

○川島説明員 この点の実は解釈のしょうが一つの問題になるところだと思いますが、告示の内容について最初に説明がありましたことははっきりいたしておりますが、それからかなり多数の者がいろいろ口々に意見を述べております。その中には異議の内容を述べておる者もございますし、それと関係のない私語を述べておる者もある。実際にだれが発言したかということは議事録の上からはわかりませんけれども、しかしその百三十四名の中の者が申したということは事実でございます。一般に聴聞を開きましても、聴聞に出てこなかったとか、あるいは聴聞に出てきても特に発言がなかったという場合に、それをもって聴聞ができなかったと見るか、あるいは成立したものと見るかということは、いろいろ事情にもよりますし、考え方があろうと思います。そういった点がその場合の一つの問題としてむずかしい問題であろう、かように考えます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 もうこれで終わりますが、あなた、先ほど百三十四人の人の発言と、こうおっしゃったけれども、そうではないのですよ。傍聴者も入っているのです。傍聴者もこの中にあるということは、はっきり認めております。○なら、傍聴者であるか何であるかもわからない。○さん△さんなんといったって、それは正式な発言というように判断するわけにいかないと思うのです。  そこで、私は大臣に伺っておきますが、少なくともこういう聴聞会では、保安林解除手続の必要要件を満たしておるとは思われない、特にこの聴聞会は、義務規定として森林法上明確になっているのですから。まず第一点は、必要要件を満たしていると大臣はお考えなのかどうか。今後の扱いはどうされるのか。これはたいへんな問題ですよ。たとえば強引にあなた方解除の公示をされた場合に、必ずこれは法廷闘争ですよ。法廷闘争では、あなた方勝てませんよ。速記録を見れば見るほど私はそう思います。そういう点を政治的に何か抜き打ち的におやりになるようなことでは、われわれ了解できないのです。こういう点を、さあ衆議院で予算は通ったから、ひまになったから抜き打ち的にやってやろうと林野庁で考えているならば、われわれ承知できませんが、そこら辺の点は一体どういうことになるのか。まず第一、聴聞会は解除手続上の必要要件を満たしておると思うのか。しかもそういう場合においては私たちは法廷闘争を当然やりますから、そういうような抜き打ちのことをおやりになるのかどうなのか。もっと私はいろいろ聞きたいことがあるのですが、たいへん残念なんで、これ以上聞けませんけれども、あなたの御答弁があいまいな答弁では、まだしつこく聞かなければならないことになりますので、率直簡明にひとつ御答弁をいただきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 過日あなたからの陳情というか、お話もありましたので、省内にわたりまして林野庁のほうからいろいろ御意見を聞きました。しかし、聴聞会を開いたというときについても、なかなかお話のような点で名前を言えといってもだれも言わない。(岡田(春)分科員「名前を言えと言ってない」と呼ぶ)名前を言えと何ぼ言っても言わない。いずれそういうことで、私がそこを見たわけじゃないけれども、そういうようなお話がありましたので、でありますから慎重に検討をしておる、こういうことなんですから、右か左かというと、検討は右も左もできはしない。   〔岡田(春)分科員「抜き打ち的にやるんです   か」と呼び、その他発言する者あり〕

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 私語を禁じます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 それまでは申し上げられません。検討中に抜き打ち的にやるといっても、右か左かと言われても、十分慎重——あなたの御意見を十分尊重しておるから、私がこの中に立ってずいぶんいろいろやっておるわけなんですから、十分慎重に検討しておりますから……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これで終わりますけれども、あなたは慎重検討だから言えないとおっしゃるけれども、あなた事前に私らのほうに連絡があるのじゃないですか。そういうことについては、林野庁長官も前の大臣も抜き打ちではやりませんということを言っておる。その点はいいでしょう。その点も約束しないとおっしゃるなら、その点はまたやりますよ。その点は約束しておるでしょう。事前に連絡があることになっておるのでしょう。違うのですか。そういう必要要件を、そういう問題についての扱いについては、事前に連絡することになっておるのじゃないんですか。抜き打ち的にやらないというお話だけははっきりしてもらわないと困りますよ。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 だから、あなたの御意見もあったから、ずいぶん慎重にやったのじゃないですか。だから一々答えなくても、十分御意見を尊重して検討を加えますからと言っているのだから、それよりいまやりようがない。何と言っても言いようがない、やるともやらぬとも。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そんなこと言っても、あなた四十三年度から防衛庁はやりたいと言っているんですよ。四十三年度もあと一月しかない。慎重というのは——私は慎重のほうがいいんですよ。あと十年か二十年慎重にやってもらいたい。もうこれでやめますが、このようなむちゃくちゃな聴聞会のやり方に、地元の住民としては、あの平和な長沼の町にミサイルの基地をつくられるのは困る、保安林の機能を果たすことができないという点では営農上においても困る、こういう点で強く反対しておりますし、私もそれは当然だと思いますので、第三高射群を長沼の国有林の中に設けることについては、あくまでもおやめをいただきたい、こういう点を強く希望いたしまして、私の発言を終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして経済企画庁所管、農林省所管及び通商産業省所管に関する質疑は全部終了いたしました。

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 この際おはかりいたします。  昭和四十四年度一般会計予算中、経済企画庁所管、農林省所管及び通商産業省所管、並びに昭和四十四年度特別会計予算中、農林省所管及び通商産業省所管に関する本分科会の討論採決につきましては、先例により予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木庚子郎自由民主党

○植木主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。分科員各位の格段なる御協力によりまして、本分科会の議事を無事に終了することができました。ここに深く感謝いたします。  これにて散会いたします。    午後七時五十九分散会

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