予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 494 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/02/24
会議録
○植木主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査をつとめることになりましたので、よろしくお願いいたします。 本分科会は、昭和四十四年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、並びに昭和四十四年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管について審査を行なうことになっております。 審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。 昭和四十四年度一般会計予算及び特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。 それでは、まず農林省所管について説明を求めます。長谷川農林大臣。
○長谷川国務大臣 昭和四十四年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算の裏付けとなっております農林水産業施策の基本方針について申し上げます。 最近の農業の動向を見ますと、国民経済の高度成長に伴う食糧需要の動向に対応した農業生産の選択的拡大、農業の機械化による生産性の向上、高度化、専門化された農業経営の形成等農業の近代化が順調に進んでいる面も見られますが、他方解決を要する幾つかの重要な問題が生じてきております。 その第一は、農産物需給の問題であります。 最近の農産物の需給は、国民所得の上昇に伴い、需要は高度化しつつ増大しておりますが、これに対して、生産はかなり伸びてはおりますものの、需要の顕著な変化、増大に対応できず、米の需給が大幅に緩和する反面、かなりの農産物について価格の上昇と輸入の増大が見られます。 国民に良質豊富な食糧を安定的に供給するためには、農業の生産性を高め、国際競争力を強化しつつ、農産物の需給の長期見通しに基づき、米ばかりでなく、畜産物、野菜、果実など総合食糧の安定的供給を確保し、食糧の自給率をできるだけ高い水準に維持することがきわめて重要であります。 第二は、農業の生産性の問題であります。 農業所得の増大、農家の生活水準の向上、農業従事者と他産業従事者との格差の是正は、農業従事者の基本的な要望であり、農政もこの要望にこたえなければなりません。そのため、これまで価格政策、特に米価政策に依存するところが大であったのでありますけれども、農産物の需給の動向、国民生活の充実、消費者家計の安定等の面から見て、これまでのように価格の引き上げに依存することは困難となってきております。したがって、農業所得の増大のためには、農業の生産性の向上をはかることを基本として各般の施策を充実させることが必要であります。 第三は、農産物の流通、加工、消費の問題であります。 近年、生鮮食料品の価格が高騰し、国民生活の充実、消費者家計の安定という面からゆるがせにできない問題となっており、その安定が強く要請されております。そのため、生産政策とあわせて、農家が生産した農産物が消費者に円滑に供給されるよう農産物、特に生鮮食料品の流通の合理化と加工、流通関係企業の近代化及び消費者保護対策の充実をはかることが必要であります。 第四は、農業構造の問題であります。 最近の農家労働力の急激かつ大量の流出を契機として、わが国農業の構造は変化しつつありますが、それが必ずしも経営規模の拡大に結びつかず、農業労働力構成の老齢化、女性化の傾向を強めております。また、農地価格の上昇、農地の資産的保有傾向の強まりなどの事情もありまして、農地の流動化を通じて経営規模の拡大が必ずしも順調に進んでいない状況にあります。 したがって、農業で自立し得る生産性の高い家族経営をできるだけ数多く育成するとともに、零細兼業農家を含めて協業を助長するなど、農業構造の改善をはかることが基本的に重要であります。 このような情勢のもとで、農政の当面する課題は、農業がその体質を改善して、生産性の高い農業を実現し得る構造を整えつつ、国民の必要とする食糧その他の農産物を安定的に供給し、同時にこのことを通じて、農業従事者の所得、生活水準の向上をはかるとともに、他面におきまして、農産物の流通改善をはかり、国民生活の充実、消費者家計の安定につとめることであります。この課題を達成するためには、農業基本法の定める方向に従い、農業を取り巻く諸情勢の推移を十分織り込みつつ、需要に即応して、米ばかりではなく、畜産物、野菜、果実など総合食糧の安定的供給をはかること、生産、構造、価格、流通等、各般の施策を均衡のとれた形で総合的に強く推進すること、農政を農業生産の場だけではなく、流通消費の場まで広げて施策を展開することが必要であり、このため総合農政の推進を強力にはかることが緊要であります。 このため、昭和四十四年度におきましては、農業基盤の整備及び開発、農産物の生産対策の強化、米穀管理の改善、生鮮食料品等の価格安定並びに流通加工の近代化及び消費者対策の充実、農業構造改善の推進、農山漁村対策の充実、農林漁業金融の拡充等に重点を置いて施策の推進をはかることといたしております。 また、林業及び水産業につきましても、それぞれ最近の需要及び資源の動向や従事者の所得の面から考えますと問題が多々存在しておりますので、これらにつきましても、生産基盤の整備、構造改善の促進、従事者に対する福祉対策の充実等諸施策を強化し、生産性の向上と従事者の所得の増大及び生活水準の向上をはかることとしております。 これら施策の推進を期するため、昭和四十四年度予算編成におきましては、農林水産関係予算の充実をはかることに一段と配慮した次第であります。 まず、昭和四十四年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計額は、七千百二億円で、これに総理府、文部省、労働省及び建設省の各省所管の農林関係予算を加えた農林関係予算の総額は、七千六百八十八億円となり、これを昭和四十三年度当初予算と比較しますと、一千百四十六億円の増加となっております。 以上であります。以下、この農林関係予算の重点事項につきまして御説明をいたすことになっておりますが、時間の都合もございますので、委員各位のお許しを得まして説明を省略し、その内容は速記録にとどめることにいたしたいと存じます。御了承いただきたいと思います。 ————————————— 第一に農林漁業生産基盤の整備に関する予算について申し上げます。 農業に関しましては、農業の生産性の向上、農業生産の選択的拡大及び農業構造の改善をはかるため、農業生産基盤の整備開発を積極的に行なうこととし、このため農政の新たな展開に即応して末端圃場条件の整備、その前提となる基幹かんがい排水施設の体系的整備、農道の整備、農用地の開発等各般の事業を計画的に推進することとしております。特に、水田に関する基盤整備事業については、米の需給事情、水田の壊廃の動向等を考慮して、新規開田を極力抑制する一方、適地における生産性の高い稲作経営の育成に資する方向で推進するとともに、畑作及び畜産等の振興に資するため、所要の基盤整備の積極的推進をはかることとし、総額一千六百二十三億二千三百万円を計上しております。 林業に関しましては、林道事業について百十九億四千七百万円、造林事業について七十七億三百万円を計上し、その推進をはかることとしております。 また、治山事業につきましては、四十三年度を始期とする新治山事業五カ年計画の第二年目として総額二百六十億四千五百万円を計上し、民有林及び重要流域の国有林の治山事業を推進することとしております。 漁業に関しましては、最近における漁業情勢の進展に即応して、新たに昭和四十四年度から五カ年にわたる第四次漁港整備計画を策定することとし、この新計画に基づいて漁港修築事業等を推進するとともに、大型魚礁設置事業、浅海漁場開発事業調査等の拡充をはかることとして、総額百九十一億二百万円を計上いたしております。 第二に、農林漁業生産対策に関する予算について申し上げます。 まず、米生産対策につきましては、米の主産地域を中心として、生産性の高い稲作経営の確立を期するとともに、米の品質改善に重点を置いて必要な施策を推進することとし、このため、高度集団栽培促進事業等を引き続き実施するほか、今後の米の生産対策について新たな展開をはかるため、米の主産地域において、広域的な米の生産流通の抜本的な合理化等その総合的改善方策の確立普及をはかるためのパイロット事業を行なうこととしております。 また、麦生産対策につきましては、表裏作を通ずる一貫した機械化作業の体系化と品質改善をはかること等により、生産性を向上しつつ主産地の育成を推進することとし、このため新たに麦作団地育成対策事業を実施する等、麦生産対策を拡充強化することとしております。 このほか、農作物種子対策、地力保全事業、植物防疫事業等を推進することとしており、以上を合わせ米麦生産対策に要する経費として二十二億七千三百万円を計上しております。 ところで米の生産対策の基本方向は、ただいま申し上げましたとおり、生産性の向上と品質の改善に重点を置いた施策の強化でありますが、最近における米の需給事情は周知のとおり大幅に緩和しておりますので、これに即応して米の生産調整をはかる必要が生じております。 そこで昭和四十四年度においては、新たに稲の作付を今後生産を伸ばすべき飼料作物、園芸作物等に転換することを誘導することとし、転換奨励金、転換に必要な機械施設の導入助成等のため三十億二千四百万円を計上しております。 次に、畜産生産振興対策について申し上げます。 まず、飼料自給度の向上をはかるため、草地改良事業を計画的かつ強力に推進することとし、その一環として既耕地とその周辺部の未利用地を一体として畜産的利用に供するため、新たに飼料基盤整備特別対策事業を実施するほか、既耕地に対する飼料作物の積極的導入のための飼料作物総合増産対策を引き続き推進することとしております。 さらに、乳牛及び肉牛の安定的供給等をはかるための生産性の高い大規模牧場の創設事業、酪農及び肉用牛経営の経営技術改善をはかるための指導的施設の設置事業等を新たに実施するほか、家畜導入事業の強化、乳用牛集団育成事業の拡充、里山利用肉用牛増殖育成事業の拡充、家畜改良増殖の推進、家畜衛生対策の強化等の諸施策を推進することとし、以上を合わせ畜産生産振興対策として百十四億四千七百万円を計上しております。 次に、蚕糸園芸生産振興対策について申し上げます。 まず、養蚕生産対策につきましては、新たに山地における養蚕合理化施設の導入を加え、繭生産改善推進施設設置事業を拡充強化することとしております。 野菜生産対策につきましては、指定野菜の拡大、指定消費地域の追加、野菜指定産地の増加、生産出荷近代化事業の拡充等野菜指定産地の計画的育成をはかることとし、果実につきましては、引き続き広域の主産地の形成につとめるとともに、新たに高度な省力栽培技術の改良普及をめざす果樹栽培省力化促進事業を実施することとし、特産農産物及び甘味資源作物につきましては、それぞれ引き続き地域特産農業推進対策及び甘味資源生産合理化推進地区の設置等、生産性の向上をはかるための施策を拡充することとし、さらに、これらに加え、畑地の生産力増強と近代的作付体系の確立等を目途に畑作経営の総合改善をはかる施策を新たに講ずる等、以上を合わせ蚕糸園芸生産振興対策として四十一億二千五百万円を計上しております。 林業生産対策につきましては、引き続き優良種苗確保事業、森林病害虫等防除事業等を実施することとし、これらに要する経費六億六千万円を計上するほか、最近における木材需給の動向にかんがみ、里山を中心とする低位利用の広葉樹林の合理的利用の促進と跡地の高度利用をはかるため、新たに簡易林道の開設、集団的な伐採、造林等を総合的に推進する里山再開発事業をパイロット的に実施することとし、所要の予算を計上しております。 漁業生産対策につきましては、動物たん白質の自給度の向上と国際漁場におけるわが国漁業の地位の確保に資するため、遠洋の未開発漁場について大規模な開発調査を拡充実施するとともに、新たに外国沿岸漁場におけるわが国漁船の操業の確保と円滑な進出をはかるに必要な調査を実施するほか、引き続き沿岸漁場等における水産資源の保護培養対策の強化、内水面における地域振興対策の拡充等をはかることとし、これらに要する経費十三億六千二百万円を計上しております。 第三に、生鮮食料品等の価格の安定並びに流通加工の近代化及び消費者保護対策の充実に関する予算について申し上げます。 まず、畜産物の価格安定及び流通改善対策につきましては、引き続き加工原料乳に対する不足払い制度に必要な交付金及び学校給食用牛乳供給に必要な交付金を畜産振興事業団に交付するとともに、同事業団の行なう価格安定業務の円滑な実施をはかるため追加出資を行なうこととし、さらに、生乳流通改善施設、食肉センターの設置等を推進するほか、食鶏処理加工合理化施設、鶏卵出荷合理化モデル施設設置につき新たに助成することとし、これらに要する経費百七十三億九千七百万円を計上しております。 次に、野菜の価格安定及び青果物の流通改善対策につきましては、青果物の出荷調整対策等を推進するとともに、野菜生産出荷安定資金協会が行なう野菜の価格補てん事業を拡充強化することとし、これらに要する経費二億二百万円を計上しております。 水産物の価格安定及び流通改善対策につきましては、引き続き産地流通加工施設建設事業等を推進するほか、新たな角度から冷凍魚の流通の改善を推進するための事業を実験的に行なうとともに、わが国漁業の生産構造の変化に即応し、拠点的な産地流通加工センターの形成についての調査検討を行なうこととし、これらに要する経費三億四千九百万円を計上しております。また、真珠養殖事業の不況に対処するため、真珠の調整保管等について助成措置を講ずることとし、二億一千三百万円を計上いたしております。 生鮮食料品等の流通及び加工の近代化につきましては、中央卸売り市場、拠点的な公設の地方卸売り市場の整備を促進するとともに、公設小売り市場、大型米穀搗精施設等の整備を推進するほか、小売り業者に対する指導、中小企業の近代化促進、食品工業に対する内外技術の提供等の事業を実施することとし、これらに要する経費二十三億八千六百万円を計上しております。 なお、以上の措置に加えて、農林漁業金融公庫に設けられた卸売り市場近代化資金及び国民金融公庫に設けられた生鮮食料品等小売り業近代化貸し付け制度の拡充をはかることといたしております。 次に、消費者保護対策につきましては、農林物資の規格等の設定普及、消費者向けの情報提供等の事業を拡大実施するとともに、新たに都道府県に設けられる生活センターの食品テスト施設の整備等の事業を実施することとし、これらに要する経費一億五百万円を計上いたしております。 第四に、農林漁業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。 まず、経営規模が大きく、生産性の高い自立経営と効率の高い集団的生産組織の育成助長を推進するため、農地の流動化が促進されるよう所要の措置を講ずることとし、八千二百万円を計上しております。 農業構造改善事業につきましては、現行事業について当初計画どおり四十五年度終了を目標として継続地域及び新規地域における事業を推進することとしておりますが、最近における農業をめぐる諸情勢の推移に対処して、地域の条件に応じ、規模の大きく生産性の高い農業経営が地域農業の中核的地位を占める農業構造の実現をはかることを目標として、第二次農業構造改善事業を全国二千二百五十地区につき四十四年度以降十年間に計画を樹立して実施することとし、四十四年度においては二百地区につき計画を樹立することとするほか、引き続き農業経済圏における広域の農業近代化施設等の整備を進めることとして、総額二百五十四億八千九百万円を計上しております。 また、土地の農業上の有効利用、農地保有の合理化、農業経営の近代化及び生産基盤の整備に関する措置を総合的、計画的に推進するため農業振興地域制度を発足させることとし、このため必要な経費一億五千八百万円を計上するとともに、引き続き集団的生産組織育成対策を推進することとしております。さらに農業者年金制度については、現在検討されております国民年金の改善との関連を考慮しつつ、四十五年度実施を目途に調査検討を行なうこととし、このため一千万円の調査費を計上しております。 以上のほか、農業経営の上向発展を志向する農業者の資金需要を包括的に充足するため、前年度から発足した総合資金制度を一層拡充することとしております。 林業構造改善事業につきましては、四十五億二千一百万円を計上し、事業の計画的推進をはかることとしております。 沿岸漁業構造改善事業につきましては、十五億六千四百万円を計上し、経営近代化促進事業、同補足整備事業及び漁場造成改良事業を引き続き実施するほか、新たに沿岸漁業対策の問題点と今後の施策のあり方を検討するための調査を行なうこととしております。 第五に、農山漁村対策を拡充するための予算について申し上げます。 まず、農林漁業の後継者対策につきましては、農業後継者育成資金の貸し付けワクの拡大をはかるとともに、引き続き将来の林業のにない手となる山村青年の育成をはかるため、実践活動の場として「青年の山」の造成を促進するほか、農業者大学校(仮称)をはじめ各種の教育研修施設の整備、農村青少年育成対策等を拡充実施することとし、これらに要する経費六億一千五百万円を計上しております。 また、最近の農業労働力をめぐる諸情勢に対処して農業就業の近代化を図るため、新たに農業就業近代化対策事業を実施することとして、一億二千二百万円を計上しております。 次に、農山漁村の環境整備につきましては、農林漁業用道路の整備を拡充実施するとともに、農家生活改善資金の貸し付けワクの拡大、生活改善特別事業の拡充、住宅金融公庫の農山漁村住宅資金の活用、僻地農山漁村電気導入事業等を引き続き行なうこととし、さきに述べましたものを含め、これらに要する経費として総額百四十五億一千三百万円を計上しております。 山村振興対策につきましては、振興山村における農道及び林道等の整備について特に配慮するとともに、二十億三千九百万円を計上して、引き続き振興山村農林漁業特別開発事業を計画的に実施することとしております。 第六に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林金融の拡充に関する予算について申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、農林漁業の経営構造の改善、基盤整備及び卸売り市場近代化等に必要な資金を拡充するため、新規貸し付けワクを二千二十億円に拡大し、この原資として財政投融資千四百五十六億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し、補給金百一億四千万円を交付することとしております。 次に、農業近代化資金融通制度につきましては、貸し付け資金ワクを三千億円に拡大することとし、所要の利子補給補助等を行なうとともに、同資金にかかる債務保証制度を拡充強化するため、農業信用基金協会に対する都道府県の出資について助成するに必要な経費六十七億三千万円を計上しております。 また、農業改良資金制度につきましては、技術導入資金について、前年度に引き続き、集団的生産組織の育成をはかるための集団的技術共同導入資金の貸し付けを行なうとともに、農業後継者育成資金及び農家生活改善資金を含めて貸し付けワクを百十七億円に拡大し、これに要する経費三十七億四千二百万円を計上しております。 また、林業信用基金の債務保証業務の円滑化をはかるため、同基金に対し、一億円の出資を行なうこととしております。 さらに、漁業者等の資本装備の高度化をはかり、その経営の近代化を促進するため、新たに漁協系統資金を活用した漁業近代化資金融通制度を創設して、漁船、漁具等の整備拡充に必要な資金の融通をはかることとし、四十四年度においては、貸し付け資金ワク百億円を予定するとともに、利子補給補助等に要する経費として二千四百万円を計上しております。 なお、遠洋漁業について国際的漁場における国際競争力の強化等をはかるため、その漁船の建造等に対し、新たに日本開発銀行からの特利、特ワクによる資金融通の道を開くこととしております。 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算について申し上げます。 まず、農林水産業の試験研究につきましては、試験研究費の増額、試験研究体制の整備、都道府県に対する助成の充実等により試験研究の拡充強化をはかるとともに、新たにたん白質の高度利用技術及び資源の開発に関する総合研究等を行なうほか、熱帯、特に東南アジア地域の農業協力の要請に対処し、かつ、わが国の農業研究の発展に資するため、農林省の付属機関として熱帯農業研究センター(仮称)を設置することとし、これらに要する経費百四十二億九千一百万円を計上しております。 次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、農業関係について新たに現地技術確定事業、畜産専門改良普及員の緊急養成研修を行なうほか、引き続き普及体制の整備、機動力の強化、職員設置費の補助単価の是正等を行なうこととし、農業改良普及事業に六十九億五千七百万円、生活改善普及事業に十五億二千三百万円、畜産経営技術指導事業に二億四千一百万円、蚕糸技術改良事業に十億三千一百万円、林業普及指導事業に十三億一百万円、水産業改良普及事業に二億三千三百万円をそれぞれ計上しております。 農業災害補償制度につきましては、掛け金国庫負担金を増額するほか、家畜共済損害防止事業の強化、果樹保険事業の試験実施の推進、農業共済団体職員給与の改善等を行なうこととし、これらに要する経費四百十五億二千六百万円を計上しております。 また、わが国の農林業の基本構造と動向及び農山村の生産、生活環境を明らかにし、農林業施策の推進に必要な基本資料を整備するとともに、農業の国際比較に必要な統計を作成するため、一九七〇年世界農林業センサスを行なうこととし、これに要する経費十七億五千三百万円を計上しております。 このほか、農業関係につきましては、開拓者の営農振興対策として二十四億六千六百万円、農産物の輸出振興対策として十二億七千四百万円、農業資材の価格流通対策として三十五億六千万円、農業団体の整備強化対策として三十六億七千二百万円をそれぞれ計上しております。 林業関係につきましては、さきに述べましたもののほか、森林計画制度及び保安林の整備について七億三千四百万円、入り会い林野等の整備促進対策を含む森林組合の育成対策として五千七百万円をそれぞれ計上しております。 水産業関係につきましては、すでに述べましたもののほか、漁船損害補償制度の実施費として十四億四千三百万円、漁業災害補償制度の実施費として十億七百万円、水産業協同組合の育成指導対策として四千七百万円をそれぞれ計上しております。 農林水産関係の災害対策公共事業につきましては、海岸事業及び農地、農業用施設、治山施設、林道、漁港等の災害復旧等の事業の推進をはかることとし、総額二百七十八億七千七百万円を計上しております。 次に、昭和四十四年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。 第一に、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧の管理について、予算補正を当初から予定しない考え方のもとに、政府を通さない米穀の流通を認めるなど、管理制度の適切な運営をはかることとしております。 このため所要の予算を計上するとともに、一般会計から調整勘定へ二千九百七十億円を繰り入れることとしております。 また、国内産イモでん粉及び輸入飼料の買い入れ等の実施のため、必要な予算を計上し、輸入飼料勘定へは一般会計から三十一億円を繰り入れることとしております。 第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、農業災害補償制度の運営のため、必要な予算を計上しており、一般会計から総額三百一億五千二百万円を繰り入れることとしております。 第三に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業勘定において、国有林野事業の一そう合理的な実施運営をはかるとともに、治山勘定において、民有林治山事業及び国有林野内臨時治山事業を実施することとし、必要な予算を計上しております。 第四に、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計につきましては、漁船再保険事業及び漁業共済保険事業の実施のため必要な予算を計上しており、一般会計から総額二十三億三千二百万円を繰り入れることとしております。 以上のほか、自作農創設特別措置、開拓者資金融通、特定土地改良工事、森林保険及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 なお、糸価安定特別会計につきましては、その業務を日本蚕糸事業団の業務に統合し、より合理的な繭糸価格の安定をはかることとして四十四年度からこれを廃止することとしております。 最後に、昭和四十四年度の農林関係財政投融資計画について御説明いたします。 財政投融資の計画額としましては、農林漁業金融公庫外三機関及び二特別会計を合わせて、総額一千六百七十一億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和四十四年度農林関係予算及び財政投融資計画の概要の説明を終わります。 ————————————— よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○植木主査 ただいまの長谷川農林大臣から申し出のありました農林省所管関係予算の重要事項につきましては、本日の会議録に参照掲載いたしますので、御了承を願いたいと思います。 以上をもちまして農林省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○植木主査 これより農林省所管について質疑に入ります。 質疑に先立ちまして、念のため申し上げます。 議事進行の円滑をはかるため、質疑を行なわれる方は、あらかじめ政府委員等を御要求の上、主査に御通告をお願いいたします。 質疑の持ち時間は、先例により、本務員は原則として一時間、兼務員もしくは交代で分科員となられる方は、原則として三十分にとどめたいと存じます。なるべく多数の方々に御質疑をしていただきたいと存じますので、各位の御協力をお願いいたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。北山愛郎君。
○北山分科員 私はまず、この前予算委員会でもって問題になりました食管特別会計の問題でありますが、今回は補正予算を出しておらない。これは政府としては予備費あるいは弾力条項の適用によって間に合っておるという御説明でございました。そこで、この食管特別会計の予備費、それから弾力条項の運営、経理の状況はどうなっているか、その実態を御説明を願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 国内米の勘定におきましては、買い入れ数量が増加し、買い入れに要する経費に不足を生ずるつど予備費使用及び予算総則第十一条第三項の弾力条項の発動によって歳出予算の増額を行なってきたのでありますが、国内米勘定のこれに要する財源は、調整勘定からの繰り入れ金でまかない、調整勘定は借り入れ金によりその財源をまかなっております。これら増額された歳入歳出予算の執行に伴い、食糧管理勘定全体として三百七十三億円の損失増加を生じて、調整勘定に追加繰り入れを要することになったので、今回一般会計から三百七十億円繰り入れのための予算補正をお願いすることになったのでございます。
○北山分科員 それはわかっておるのですが、問題はどのような——各項目の増額とかあるいは予備費の使用とか、そういうことをやっておると思うのです。その実態をお聞きしておるわけです。予備費は、国内米勘定において、米の勘定でもって千五百億ありますね。これはどのくらい使っておるのですか。
○桧垣政府委員 まず、御質問の点で、四十三会計年度におきまして国内米勘定の歳出権に関する措置でございますが、十一月の十九日の閣議の決定によりまして、予備費全体として千五百億円予備費があったのでございますが、価格のアップの関係で六百十三億円の予備費を使い、それから数量の増、その際は八百五十万トンまでの数量、つまりプラス五十万トンの分については、買い入れ費六百八十九億、それから集荷手数料九億円、合計六百九十八億一千六百万円の予備費の使用を決定をいたしたのでございます。 なお、同日弾力条項を発動いたしまして、さらに五十万トンの買い入れができるだけの歳出権を用意をいたしまして、買い入れ代金六百九十億円、それから集荷手数料九億円、合計六百九十九億円の歳出権を用意をいたしたのであります。合計九百万トンまでの買い入れの用意を十一月にいたしたのでございますが、なお不足が見込まれまして、十二月の六日に第二次の弾力条項の適用を発動をいたしまして、六十万トンさらにふやすということで、買い入れ費八百二十六億八千万円、集荷業務取り扱い費十億八千万円、合計八百三十七億六千万円の歳出権を用意をしたわけであります。さらに引き続きまして、なお買い入れはふえそうであるということで、十二月の二十七日に第三次の弾力条項を発動いたしまして、三十万トンの歳出権拡大がある。この買い入れ金額が四百十三億四千四百万円、集荷業務取り扱い費五億四千万円、合計四百十八億八千四百万円を用意をいたしたのであります。なお、ここまでで九百九十万トンの買い入れの歳出権を持ったわけでありますが、なお不足しそうであるということで、一月二十一日に第四次の最終の弾力条項を発動いたしまして、買い入れ数量十万トン、買い入れ費百三十七億八千百万円、集荷業務取り扱い費一億八千万円、合計百三十九億六千百万円の歳出権を拡大をいたしたのであります。合計いたしまして、買い入れ数量は当初予算に見込みましたものと合算いたしまして、四十三年産米の買い入れ量は一千万トン、買い入れ金額としては一兆三千八百五十四億八千二百万円、集荷業務取り扱い費が百八十四億一千七百万円、合計いたしまして一兆四千三十八億九千九百万円という歳出権を持つことになっておるのでございます。 なお、ついででございますので、御参考までに食管の今度の三百七十億の補正をするに至りました関係の各勘定における損益の発生の模様を……。
○北山分科員 それはいいです。そうでありますというと、買い入れの概念としては、当初が一兆四百八十三億でありましたものが、一兆四千三十八億ですか、そういうことになって、相当変わったわけですね。それから調整勘定の受け入れについては、四十二年度当初予算が一兆一千二百四十六億でありましたが、これは幾らになりましたか。米勘定に対して、調整勘定からの受け入れです。当初の予算が一兆一千二百四十六億ですね。それが増額になったわけですね。幾らになりましたか。
○桧垣政府委員 国内米勘定への追加繰り入れということで、調整勘定からの繰り入れ増は、千七百七十四億一千五百万円ということになっております。
○北山分科員 米を買い付けるための資金が足りないから、調整勘定から米の勘定に受け入れ額をふやすわけでしょう。そして予算が、言うならば内部的に増額されたかっこうになるから、当初の一兆一千二百四十六億という受け入れの予算が増額をされているわけですよね。幾らになりましたか。
○松下説明員 お答えいたします。 国内米管理勘定が調整勘定から受け入れをいたします歳入予算額でございますが、四十三年度当初におきましては、一兆一千二百四十六億七千百万円でございます。これに対しまして四十三年度見込み額といたしましては、二千四百二十四億七百万円の増加が見込まれまして、増加後の数字は一兆三千六百七十億七千八百万円に相なります。
○北山分科員 私はよくわからないのですが、要するに弾力条項を発動するという場合には、当該の予算が内部的に修正されるというような取り扱いをするんじゃないですか、ちょうど国会の議決を経て予算が修正されると同じように。内部的に必要なものを、たとえばいまのような国内米の勘定に調整勘定から受け入れる当初予算が、一兆一千幾らある。それが足りないからというので、受け入れの予算を増額しなければ——そういう措置を内部的にしなければならぬのじゃないですか。
○松下説明員 ただいまの米の買い入れ費の増大に伴いまして、調整勘定から国内米勘定への繰り入れが増加いたします。その増加につきましても、これは勘定で申しますと調整勘定からの歳出でございまして、この歳出の増額につきましては、予算総則に弾力条項の規定がございます。この弾力条項の発動によりまして歳出予定額を増額いたすわけでございます。
○北山分科員 ですから、そういう増額の措置を予算面でやる。したがって、いま申し上げたように調整勘定からの受け入れの当初予算の一兆一千二百四十六億が、増額をされて幾らになったか。
○松下説明員 ただいま御説明申し上げましたように、閣議の決定によりまして弾力条項を適用いたしました結果、国内米管理勘定の調整勘定からの受け入れ額は、先ほど申し述べました一兆三千六百七十一億に相なったのでございます。
○北山分科員 わかりました。 千五百億の予備費は、幾ら使って幾ら残っておりますか。
○桧垣政府委員 現段階では、千五百億のうち十億円を残しまして、あとは予備費は買い入れその他の経費の増になっておるわけであります。
○北山分科員 それから売り払いのほうですね、これは歳入ですから、売り払いのほうはあるいは予算そのものを修正する必要はないかもしれませんけれども、当初の見積もりでは九千三百六億ということですが、約四十万トンばかり売り払いが減るのですが、それによって売り払いの代金の歳入見積もりは幾らになりますか。
○桧垣政府委員 国内米の売り払い代金の歳入減は、当初予算に比べまして、結果として百四十一億四百七十三万二千円が減になります。
○北山分科員 それから本年の三月末の在庫といいますか、手持ちの国内米は、どのくらいの数量になりますか。
○桧垣政府委員 現段階で、四十三会計年度末における国内米の在庫量は、九百六十五万八千トンというふうに見込んでおります。
○北山分科員 これは、金額に評価すればどのくらいになりますか。
○松下説明員 一兆九百七十九億円と見ております。
○北山分科員 それはトン当たりどのくらいに評価するのですか。
○松下説明員 トン当たりは十一万三千六百七十五円と見込んでおります。
○北山分科員 それが今度の貸借対照表の四十三年度末の予定額の一兆九百七十八億ですね。そうすると、買い入れ原価で評価される、こういうことですね。
○桧垣政府委員 買い入れ原価は、四十三年産米は十三万六千九百十一円という計算をいたしておりますので、したがって、買い入れ原価から評価損を差し引いたもので計上いたしておるのであります。
○北山分科員 その評価損というのは何ですか。
○桧垣政府委員 御案内のように、政府の国内米の管理につきましては、生産者米価は生産者米価として定め、政府売り渡し価格は消費者価格を基準にして政府売り渡し価格をきめて、いわゆる逆ざやがあるわけでありますが、この売り渡し価格も期首から売り渡し時期までの諸経費を含んでコストになるものですから、その売り渡し時期までの諸経費を含むコストになるものですから、その売り渡すまでの諸経費を差っ引いて期末評価をするというやり方でやっておるわけでございます。
○北山分科員 この点は数字の問題ですから、ひとついまお話しになった計算をあとで出していただきたいと思うのです。四十三年度末の在庫が九百六十五万八千トン、これの評価がどういう計算で一兆九百七十八億になったか。この計算をあとで書類で出していただきたいと思います。 そこで、次に予算総則の八条ですか、例の借り入れ限度の問題ですが、この実態はどのようになっていますか。食糧証券や借り入れ金、国庫余裕金の振りかえ使用限度というものが四十三年度は一兆五千億になっていますが、現在の借り入れ額はどの程度になっていますか。
○桧垣政府委員 一兆五千億が借入限度でございますが、毎年十二月末がピークになるのでございまして、十二月末のピーク時の借入金の合計が一兆四千億をちょっと上回ったところでございまして、これは一律変動いたしておりますので、現在まで幾らということではございません。現段階では、一兆四千億というのからだんだん漸減をしてきておるという傾向の中にあるわけでございます。
○北山分科員 これは政府の今度の予算資料から見ますと、食管収支実績表を見ますと、九月末現在で残高が八千九百二十二億ということになっていますね。十月から十二月まで私、計算してみたのですが、対民間収支としては六千九百十億、こういうことになっていますから、これを足しますと一兆五千八百三十二億、こういうことに十二月末はなるのですが、これは間違いないですか。私の計算なんです。とにかく食管の収支実績表のほうは、九月末八千九百二十二億、これは間違いないと思うのですが、十月から十二月までのものは、対民間収支で払い出しが六千九百十億というものがふえておるというのは別な資料です。そうしますと、十二月末で一兆五千八百三十二億というので、一兆五千億をこしておるのじゃないかというような感じがするのですが、どうですか。
○桧垣政府委員 民間収支のバランスの関係はどういう数字で御計算になったのか、私もちょっと理解しかねるのでございますが、私どもの借入金につきましては、国債整理基金特別会計を通じて厳密に積算をされておりまして、一兆四千億ちょっとのところでピークを描きまして、一兆五千億に達したことは一回もございません。
○北山分科員 それでは、十月から十二月末までの収支実績表をまたお出しを願いたいと思うのです。私の資料というのは企画庁の「経済月報」の一月号に載っておりましたので……。食管の対民間収支として、十月から十二月まで六千九百十億、こういうことになる。ですから、一兆五千億をこしておるのじゃないか、こういうふうに思うのです。
○桧垣政府委員 私も想像にすぎませんが、対民間収支ということになりますと、国庫からの民間収支吸い上げというものと民間への支払いというものとの差だ、こういうふうに思うのですが、食管特別会計は、借入金と一がいに申し上げましたが、糧券の発行によって調達いたします資金と国庫余裕金の振りかえ使用とがございますので、国庫余裕金の振りかえ使用の関係では、対民間収支で吸い上げという形にならない、その差があるのではないだろうかと想像いたします。
○北山分科員 振りかえ使用があれば、なおさらふえるんじゃないですか。いままでの振りかえで借りている部分を返すなら、これは別ですよ。ですが、いまのような御説明では、国庫のほうから借りる分が民間の赤字にさらに加わるということになるのじゃないですか。
○桧垣政府委員 年末にだんだんと近づくに従いまして、食管特別会計から国庫へ返還する額がふえております。
○北山分科員 それでは、この問題も、一兆四千億ぐらいというお話ですが、正確な数字があるわけですから、それをお出しを願いたいと思います。 なお、国庫金の振りかえ使用、これもまたやっぱり借り入れの限度の中に入るのじゃないですか。
○桧垣政府委員 仰せのとおりでございます。
○北山分科員 それじゃ、その点は書類で出してください。 それで四十四年度の問題なんですが、四十四年度は、この借り入れ限度というのを一兆九千億ということで四千億ふくらましておるのですね。私は、これは常識的に見て納得がいかないわけなんですよ。昨年は一千万トンですから、当初の予算よりもずっと多くなって、それで一兆五千億で間に合ってきたわけですね。今度は予算では七百五十万トンしか買わない。昨年の実績よりずっと買い入れが下回っているのですね。それ以上買うならこれは別ですけれども、借り入れ限度のほうは一兆九千億というふうにふくらましておるというのは、どういうわけですか。
○桧垣政府委員 借入限度の計算は、これはなかなかむずかしい計算になるのでございますけれども、食管特別会計におきましては、経験的に最高ピーク時における金額がどの程度になるかという従来からの慣例的な計算方法があるわけでございます。それが大体そう狂わないということでございまして、本年、四十四年の特別会計の編成につきましても、同様の方法をとりました。本年買い入れ数量が減るにかかわらず借入限度がふえております一番大きな理由は、期首における持ち越し量が大きく急増しておる。つまり年間の政府の保管数量が多い。したがって、保管料は一方借入金でバランスするわけでございますので、その点で増額せざるを得ないわけであります。なお、そのほかにも若干保管料の引き上げでありますとかあるいは集荷手数料の引き上げ等も影響しておりますが、一番大きなものは、何といっても期首における持ち越し量の増大というものが響いておるのでございます。
○北山分科員 その期首における持ち越し量の増大は、どのくらいですか。
○桧垣政府委員 四十三会計年度の期首の持ち越し量が七百十七万八千トンでございまして、四十四会計年度の期首持ち越し量、これは四十三会計年度にきまっておりますから同じことでございまして、九百六十五万八千トンということで、約二百五十万トンの期首持ち越しの増があるわけでございます。
○北山分科員 そういたしますと、じゃ四十四年度の期末の残、持ち越しというものは、どの程度の見込みなのですか。
○桧垣政府委員 四十四年度につきましては、国内米の政府買い入れ量を七百五十万トンと見込み、政府の売り渡し数量を六百十三万トンという前提を置いて計算しましたものが、千百二万四千トンという数字になる予定でございます。
○北山分科員 そうすると、来年の三月の末には千百万トン持ち越しになる、こういうことですか。
○桧垣政府委員 千百万トンでございます。
○北山分科員 一兆九千億というのは、米で十三万幾らのあれでもって割ってみたら、どれくらいになるのですか。
○桧垣政府委員 この借入金は、国内米管理勘定だけの糧券その他の借入金ではございませんで、国内麦管理勘定、業務勘定、それから輸入食糧勘定、農産物安定勘定、それから輸入飼料勘定、そういうもののすべてのために資金を調達するための借入限度でございます。
○北山分科員 しかし、大部分はやはり米なんでしょう。いままでの、四十三年度の場合の一兆五千億というものの計算をした基礎になる数字というものが、説明されておりますね。それを見ましても、大体米なんです。それが今度は七百五十万トンに購入量が減るわけですからね。確かに今年の三月の持ち越しは二百五十万トン多いかもしれない。しかし、一兆九千億というのは、何としても、私計算してみましても、多過ぎるんじゃないか、こういうふうに思われます。それが一つ。 もう一つは、時間がないからもう一点お伺いしますが、この一兆九千億の限度というものが、例の予算総則第八条によりますと、国内米の買い入れがふえたときにはその分を増額するとありますね。あれはどういう意味なんだということです。
○桧垣政府委員 国内米の買い入れ数量がふえました場合に、借入金の限度についての弾力条項でございます。
○北山分科員 ここで確かめておきますが、本年度もありますけれども、予算総則第八条の借り入れ金の最高額一兆九千億とする。ただし国内米の買い入れ費や管理費あるいは麦の買い入れ費ないしは管理費が増額した場合においては、さらにその増額した金額の範囲内で最高額を増額することができるというのは、これは青天井という意味ですかね。これは一兆九千億以上にまたふやすことができるというわけですか。
○桧垣政府委員 この条件にございますように、国内米の買い入れ費あるいは国内米の管理費、あるいは国内麦の買い入れ費あるいは管理費を増額せざるを得ないというとき、それは結局予定買い入れ数量よりも数量が増になった場合でございますが、その場合に一兆九千億ということで借入金限度の範囲内でまかなえないという場合には、一兆九千億をこえて借入することができるという規定でございます。
○北山分科員 そうすると、この四十四年度におきましても、いま言った一兆九千億、さらにプラスアルファで、どだいこういうただし書きがついておるのは、私は、四十三年度もそうでありますけれども、わからないんですね。一兆九千億というのは、米の買い入れ増以外の分で、一時借り入れをする分で、米の分については別にこのただし書き条項でやるんだというなら、それはわかる。しかし、一兆九千億のワクの中でいままで処理をしてきているでしょう、一兆五千億の、ことしは。そうしてさらにただし書きの弾力条項をつけるということは、まるで青天井の借り入れ限度額を認めることと同じことじゃないですか。二兆円にも二兆五千億円にもなりますよ、やろうとすれば。これは変だと思うのですが、これはどうですか。こういう必要性が実際あるのですか。
○桧垣政府委員 この借入限度に弾力条項をつけましたのは、四十三会計年度からでございます。四十二年には、実は一つは買い入れ数量の増のほかに、借入金は歳入と歳出とのアンバランス分を埋めるものでございますから、したがって一時に米が集中的に出てくるというようなことがありますと、これはやはり借入金の増になるわけでございます。通常そう大きな変動はないと思われますけれども、四十二年に実は借入金の限度の壁にぶち当たりまして、政府として米買い入れ代金を支払うことができなかったのでございます。食糧管理法に基づく国内米の買い入れは、予約制度をとりつつ生産者の申し出に応じて無制限に買い入れをやるというたてまえをとっておりますから、買い入れという事実は進めなければいけないが、支払いのための財源に困るということがあっては、非常に困難を来たすわけでございます。で、四十二年は農林中金からの一時立てかえを願ったのでございますが、それも、民間の金融事情によっては、政府の金利では応じないということもあり得るわけでございます。また、政府としても、民間資金による立てかえをいたしますと、結局金利の面で国庫の負担の増になるというようなこともございますので、やはり万一に備えまして、借入限度についても弾力条項を、少なくとも数量の増が不可避であるという場合には備える必要があるというふうに考えておるのでございます。
○北山分科員 時間がまいりましたからやめますけれども、私はおかしいと思うんですね。四十二年度は、九千八百億の限度です。それを四十三年度で一兆五千億にふやして、そうして買い入れ量は一千万トンに伸びておるけれども、とにかくおさまっている。今度は、自主流通米というものをつくって、政府の買い入れの予定は七百五十万トンである、こういう政策、方針をとりながら、借り入れ限度のほうは四千億ふくらまして一兆九千億とする。その上にこの弾力条項は残しておく。これでは、ことし四十四年度もまた政府はじゃんじゃん米を買うんだ、こういう予算を組んでおるんですね。私は納得できないのです。もしも方針が七百五十万トンくらいでとどめようというか、そういうことであるならば、予算措置もそれに並行した、適合した措置をとるべきである。予算のほうは弾力条項をうんとふくらましておいて、何でもできるというふうにしておいて、そうして政策では買い入れ米を少なくしよう、こういう方針をとるというのは、予算と方針とが食い違っておる。私は納得できないのですが、時間が参りましたからこれでやめますけれども、先ほど来お願いしました資料は、数字でもってあとで出していただきたい。
○植木主査 次は、角屋堅次郎君。
○角屋分科員 北山先生に引き続きまして、農林水産関係の諸問題について、約一時間、簡潔に御質問を申し上げていきたいと思います。 最初は国際漁業関係の問題からお伺いをいたします。 御承知の、いまソ連との間におきまして、二月の六日からカニ漁業交渉が行なわれております。現在進行中でありますが、さらに最近の報道では、日ソの第十三回の漁業交渉が、三月五日から東京で開催予定である、こういうことが伝えられております。 まず、三月五日から開催予定の日ソ漁業交渉の問題から入りたいと思いますが、ことしはサケ・マスが豊漁年の関係もありまして、まあ交渉の推移はこれからでございますけれども、私どもの判断としては、昨年のような状態よりももっとスムーズに交渉が展開をされてまいるのではないか、こういうふうに一応判断をいたします。ただサケ・マスの場合には、一体割り当て量がどの程度になるか。御承知の豊漁年の昭和四十二年の交渉のあとを見ますと、十万八千トンで割り当てが妥結をしておる。さらに四十年の、二年前を見ますと、十一万五千トンで妥結をしておる。さらにその二年前の昭和三十八年を見ると、十二万トンで妥結をしておる。豊漁年につきましても、やはり少しずつ日本のとり分が漸減をしてきておるという傾向にございます。業界では、ちょうど昭和四十年の割り当てでありました十一万五千トンというところを目標にして政府としても交渉してもらいたい、こういう強い期待を持っておるようでありますが、政府は三月五日予定の日ソの漁業交渉にあたりまして、割り当て漁獲量の目標の問題も含めて、どういう方針で臨もうとしておられるか、まず農林大臣からお伺いをいたしたいと思います。
○長谷川国務大臣 御指摘のように、三月からサケ、マス、ニシン、これらに対しまして交渉を東京で行なうことになっております。しかし、本年はサケ・マスの豊漁年におっしゃるように当たるように伺っておりますけれども、ソ連の要求が年年きびしくなってきております現状から見て、そう楽観はできないだろう。したがいまして、関係漁業者の要望等も十分考慮に入れて、そしてわが国の漁業の利益を最大限に確保いたしたい、こういうような考え方でおりますけれども、その目標数量を明らかにいま折衝前に申し上げることは、ちょっと差し控えたいと考えております。
○角屋分科員 冒頭に申し上げましたように、日ソのカニの漁業交渉が二月の六日から現実にモスクワにおいて行なわれておる。カニの資源は、大陸だなの条約の関係から見て、これはソ連側のものであるという主張が行なわれておりまして、交渉も必ずしもスムーズにいっておるとは考えられないわけであります。そこで、日ソのカニ漁交渉の問題については、三月五日の予定までに一応話し合いが妥結をする、そういう判断がいまの時点でできるのか。あるいは場合によっては三月五日の予定の時点までに話し合いがまとまらないということで持ち越しになる。あるいは一定の段階まで日ソカニ漁業交渉の話し合いをまとめた後に東京における日ソの漁業交渉をやる。そういうふうなところは、ペンディングになっておると考えていいのかどうか。こういう現実に行なわれております日ソのカニ漁業交渉の見通し、それとの関連で、日ソの漁業交渉の開催の時期が三月五日予定といっているけれども、これがずれる可能性があるのか、その間の判断についてお伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 御指摘のように、非常にこの問題は交渉困難を続けておりましたけれども、最近に至りましては多少の歩み寄りができているようにも考えられますので、いまきわめて重要なときでございます。したがって、なるべく御指摘のような事態に入る前に解決をつけたいということで、せっかくの努力を進めておるところでございます。
○角屋分科員 少しく水産庁の長官にお伺いしたいのであります。従来カニの関係については、西カムチャツカの関係が規制の対象に一応なっておったわけでありますが、今度のカニ漁交渉を通じて、オリュトルスクあるいは東樺太、あるいは三角水域というところまで交渉の過程で規制が新たに及ぶというふうなことがあり得るのかどうか。もしそういうふうなことがあり得る場合には、従来どおり西カムチャツカの規制にとどめる、その他のところへ規制が新たに延びるということは、日本側としては困るということであくまでも主張されていくのか。あるいはそうでなくて、西カムチャツカの従来の規制に加えて、オリュトルスク、東樺太あるいは三角水域に若干規制が場合によっては及んでも話をまとめるという方向で臨もうとしているのか。その辺のところについては、どういうお考えでございましょう。
○森本政府委員 今回のカニの問題につきまして、ソ連側としては大陸だな資源であるというたてまえで臨んでおります。したがいまして、その問題は、単にオリュトルスクのみではなしに、他の地域にも原則としてはそういう問題が出てくるということであろうと思いますが、わが国としましては、できるだけそういった問題については規制を回避していきたいというふうな気持ちはございますけれども、原則論としてはいま申し上げたような形になっておりますので、今後の交渉の過程におきましては、いかようなことになるか、にわかには予断ができないというのが現実の事態でございます。 なお、現在やっておりますところの科学者間における資源問題の検討には、他の地域も含まれてやっておるというふうなことが向こうから伝えられてきております。
○角屋分科員 日ソのカニ漁業交渉の過程でも現実に出ております大陸だな条約に関する、農林省としての今後の態度の問題であります。大臣も御承知のように、この大陸だな条約については、一九六四年から現実に発効をいたしまして、現在米ソ等を含めて三十九カ国が加入しておるというふうに私ども承っておりますが、日本はこの条約にはもちろん批准も加入もしてないという段階で今日にきております。最近、たとえば自民党の海洋開発小委員会の関係などでは、この際大陸だな条約に加入すべきであるというふうな意見が出てまいったり、あるいはまた海洋開発の問題と関連をいたしまして、財界の一部にも、あるいは通産省内部にも、大陸だな条約の加入問題というのが押し出されようとする形勢のようにも私ども承っておるわけでありますが、しかし、日米とのタラバガニの従来の協定、あるいは現実に行なわれております日ソのカニの漁業交渉におけるソ連側の主張というものから見ても、日本の水産サイドの問題として、大陸だな条約に軽々に加入をするというふうなことについては、特にいま交渉中のソ連のモスクワの場合には、代表団ははさみ打ちの苦境になるというふうなこと等もあり得るわけでありまして、この際、農林大臣として大陸だな条約については今後どういう考え方でいこうとしておるのか、こういう点は水産サイドの立場から明確にひとつお伺いをいたしたい、こう思うわけでございます。
○長谷川国務大臣 水産業の面から考えましても、公海漁業に依存をしておるわが国の立場、こういう点から考えましても、これらは相いれられないということを考えておりまして、特にカニ漁業の操業継続を確保するということも非常な困難であるとは考えられますけれども、本条約に基本的に加入するという意向は持っておりません。この点を明らかに申し上げておきます。
○角屋分科員 農林大臣としては、大陸だな条約に加入するということには水産サイドの問題として基本的に反対である、こういうふうに承ってよろしいわけですか。
○長谷川国務大臣 この条約の中に入っているのは三十九カ国ですか、この中に加入する意思はございません。
○角屋分科員 この大陸だな条約の問題と同時に、予算委員会の中でもすでに議論をされてまいりました領海に関する問題がございます。この点について、外務大臣の愛知さんも予算委員会の中で答弁をしておる経緯がございますけれども、これは私ども判断をいたしましても、国際漁業における日本の向こうへ行っておる操業の問題、それから最近ソ連が日本沿岸に母船等も含めて操業に参って、民族的な感情あるいは沿岸漁業の操業の立場からも、非常に問題を提起しておるという関係の経緯があるわけですが、愛知外務大臣もそれらのことから予算委員会で答弁をいたしましたあと、その後の新聞記者会見等で少しくまた答弁を補強したりしておるわけですけれども、農林大臣としては、領海三海里という問題も含めて、これから日本に専管水域等の設定というふうなことを早晩検討しなければならぬというふうな御意思を持っておられるのか、あるいはここ当分の間は領海問題については従来どおりの方針でいこうとする考え方を持っておるのか、この機会にあらためてお伺いをいたしておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 領海の幅員につきましては、現在国際的に確立をされておる唯一の原則は三海里でございまして、したがいまして、この範囲を越えて一方的に認定された領海は国際法上有効でないとの立場をとっているわが国でございますので、幅員の件について軽々にこれを論ずることは、私の立場からは避けなければならぬ。というのは、御承知のように、わが国の漁業というものが、国際的な面について非常に繁栄をしておるといいましょうか、拡大をしておる、この現実の上に立って考慮しなければならない問題であろう、このように考えております。
○角屋分科員 去年のたしか暮れでありましたか、北洋漁業の安全操業の問題で、日本の駐ソ大使の中川さんがこちらに帰られた機会に、長谷川農林大臣も直接会われて、北洋漁業の安全操業問題ということについてソ連に帰国する場合に希望を伝えられたというふうにも報道されておるわけでありますが、最近の国別の拿捕漁船の一覧表というのを資料としていただきましたが、昭和三十四年から四十三年までの国別の拿捕漁船の一覧表を見ますと、韓国、ソ連、インドネシア、フィリピン、スペイン、モーリタニア、中共、北朝鮮等等をずっと見てまいりますと、ソ連以外のところは数字的にもほとんどゼロもしくは一けたの僅少の数字に推移をしておりますけれども、ソ連の場合は、昭和三十四年以降ずっと、拿捕漁船についてもあるいは拿捕の人員についても、大体拿捕漁船では四十隻台、あるいは拿捕の人数につきましては三百人から五百人台というふうな推移でございまして、昭和四十二年の場合でいえば四十七隻、三百十五人、昭和四十三年の場合でいえば四十隻、三百四十六人というふうに、ソ連の関係における拿捕漁船の隻数は多いわけでございます。そういう経緯もございまして、北洋の安全操業問題は、関係漁業者からすれば非常に切実な問題の一つであろうかとも判断をしておるわけですが、この北洋の安全操業問題については、中川さんがこちらへ来られたときどういう話し合いで、今後外交ルートを通じての交渉については、どういう考え方で臨もうとしておるのか。たとえば若干の入漁料的なものを出してというふうな話も一部に伝わっておりますけれども、これは日本の主張しておる固有領土の主張というふうな問題との関連もあって、具体的にどう取り扱うかというのについては苦慮しておるという判断をしておるわけでありますが、率直にこれらの安全操業問題についてどうこれから進めようとしておるのかをお伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 北洋の安全操業の問題につきましては、三十二年以来公式に、また非公式にソ連側と折衝を重ねてきておりますけれども、まだその解決を見るに至っておらないことは、まことに残念であると考えております。過日、中川在ソ大使の一時帰国を契機といたしまして、そのようなお話もございましたので、現実的な解決方法をというような点につきましては、ただいま事務的にいろいろ折衝をし、その検討を加えているようでございますけれども、まだそれの成案を得るという段階にまでは至っておらないのでございます。
○角屋分科員 成案を得るまでに至っていないということは、今後の安全操業問題の交渉については、大体しばらく静観というわけにはいきませんので、具体的にどう進めるのかという点については、もう少し御説明を願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 まだ具体案をどうのこうのということははっきりと申し上げるわけにはまいりませんけれども、この点については前向きで十分に検討を加えるべきであるという意見を、私のほうから事務のほうへお話を申し上げておるという段階でございます。
○角屋分科員 再び日ソ漁業交渉の、三月五日以降の交渉の問題について、簡潔にお伺いしたいと思うのですが、日本の場合は、日ソのカニ漁業交渉に藤田首席代表以下、それぞれメンバーが行っておりますけれども、従来の日ソ漁業交渉の経緯からいきますと、この代表団がおおむね骨格になって、日ソの漁業交渉に引き続き当たる、通常であればそういうふうにも判断をしておるわけですけれども、ただ、いま進んでおりますカニ漁業交渉というものが、三月五日の予定の時点までに話がまとまらない、これが持ち越さざるを得ぬということになりますと、一体三月五日開催予定の日ソ漁業交渉を延ばすのか、あるいはそれまでに、ソ連も三月五日からと一応言ってきておるのでおさまって、この代表団が引き続き日ソ漁業交渉に当たるということになるのか、その辺のところは、ちょっといま判断としてはさだかにできにくいところでありますけれども、日本側としては、三月五日の話が、双方ともに話ができておるので、この時点までに日ソのカニ漁業交渉の問題についてはおさめて、そしてソ連に行っておる日本の代表団が、おおむね引き続きそのメンバーで日ソ漁業交渉に当たる、こういうふうにもっていきたいというお考えだと思いますけれども、場合によっては代表団を別個につくって、日ソ漁業交渉の東京の交渉については、やることもあり得るというふうに見ておられますか、その辺のところはどうでございますか。
○森本政府委員 日ソの漁業委員会のほうは、一応現在のところ三月五日ということになっております。私どもとしましては、そういうことでございますから、できるだけその期日までにカニの交渉がうまくおさまるということを希望しておりますが、何ぶんにも対外的な交渉でございますから、いまだ予断を許さないという段階でございます。もう少しカニの交渉と日ソの漁業委員会の関係につきましては、あと数日様子を見まして、先ほど御質問がございました代表団の構成その他についても考えてみたいと思っておりますが、できれば従来なれた人にやっていただくというふうなこともございますので、先ほど言われたようなことで、従来の代表団が適当ではないかと思っておりますけれども、あと数日間の様子を見て、そこいらのところを考えていきたいと思います。
○角屋分科員 いま行なわれております日ソのカニ漁業交渉、あるいは来月早々に予定をされております日ソの東京における漁業交渉、あるいは従来から懸案になっております北洋の安全操業問題というふうなものについては、やはり日本の国益と申しましょうか、関係者の要望の基礎の上に立って、政府としても誠意をもって交渉を進めてもらいたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、これらの点について、農林大臣から結びの見解をお伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 漁業につきましては、わが国の重大問題でございます。これらに対しましては、その成果を得るべく誠心誠意つとめる考えでございます。
○角屋分科員 水産関係にも、なお沿岸、沖合い等も含めて考えてまいりますと、新しく漁業近代化資金の創設の問題であるとか、あるいは第四次漁港整備計画の策定の問題であるとか、あるいはまた真珠等の不況打開のための施策と所要の立法の提案の問題であるとか、幾つかの重要な問題が提起されておるわけでありますが、時間の関係もありますので、数年来の非常に困難な状況にございます真珠養殖関係の不況打開の政府の本年度の施策、あるいは今後の安定成長のための方針というものについて簡潔にお伺いをいたしたいと思います。 私は今日まで真珠の不況打開の問題については、関係の農林委員会等でもこの問題を取り上げまして、政府にも積極的な提言もやってまいりましたが、本年度の予算を見ますと、これらの問題に関連をして関係業界の要請の一つの項目でありました調整保管問題について予算的な措置をとる。そういうことで事業者負担が二分五厘という形になるように、七分二厘の想定の年利のあとの部分については国と県で折半するというふうな考え方のもとに、予算措置が二億千二百七十八万円、そのうちでいま申しました点に二億千五十七万九千円というものが措置されておるというふうに承知しておりますが、最近の海外市場の関係、あるいは国内における需給の関係というふうなものから見て、真珠の不況も底をつき、ここ二年になりますか、あるいはそれよりも若干延びるかわかりませんが、停滞の中から上向きにいくのではないかというふうな判断をする向きもございますけれども、いずれにしても関係の地域としては、まだまだ非常に深刻な事態等もございます。この際、真珠の不況打開に対する当面の政府の施策、今後の安定成長のための方針についてお聞かせを願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 真珠の不況に対しましては、角屋委員から委員会を通じまして再三のお小言といいましょうか、お話も伺っており、また陳情もあなたからいろいろと伺っております。したがいまして、農林省といたしましては、わが特産である真珠に対しましては、その意を十分体するべく努力はしたのでございまして、これらに対しましては、ちょっと長くなるかもしれませんけれども、お答えを申し上げたいと存じます。 真珠産業の安定のためには、まず第一に生産調整と品質の向上を効果的に実施することが必要でありまして、御承知のごとく事業者の自主調整制度の導入と密殖改善措置を内容とする法制的措置が必要であろう、こういうような考え方の上に立ちまして、近日中にこれを国会に提出する考えでございます。さらに生産規制が効果をあげるまでの間、需給の調整を行なう必要があるであろう、また余剰真珠の調整保管措置を進めることもまた必要であろう、したがって真珠部会の需給調整指導とあわせて利子助成等の財政援助もこれを行なうことにいたしております。したがって、また下級真珠の集荷措置につきまして指導を進めるとともに、今後必要な事業資金の確保とか、あるいは海外需要の喚起等の面につきましても引き続き努力をいたしていきたい考え方でありまして、一日も早く不況が克服されるようにつとめて、角屋委員の特別の熱情あふれる陳情に対してお答えを申し上げたいと存じます。
○角屋分科員 私は、調整保管等の問題について大臣も非常に御努力されて、新規に予算の裏づけをされたという点については敬意を表したいと存じますが、新しく漁業近代化資金の創設と関連いたしまして、真珠業界の関係者の中には、従来の農林漁業金融公庫の制度金融、新しく漁業近代化資金のいわゆる系統金融の活用に、政府があるいは県等も含めて利子補給をして、長期低利の資金を創設をする、これの関連の問題でいろいろ要請等が出てまいっておるわけでありますが、むしろこれは水産庁長官でもけっこうでありますけれども、この両者の真珠関係における運営の問題については、相並行してすべり出しの段階においてはここ当分やっていくというかまえだと考えておりますが、その運営についてはどういう方針でいかれるのでございましょうか。
○森本政府委員 漁業の近代化資金が創設される、そういうことになりますと、私どもの感じとしては、そういった漁業用の施設資金は原則として今回創設を予定されておりますところの近代化資金制度により融資をするのがたてまえであるというふうに思います。ただ、制度の発足当初でありますから、いろんな事情によりまして、近代化資金にはよりがたいといったような事情も出てくると思います。そういった場合には、農林漁業金融公庫で補完的にこれを貸し出しをするという道も同時に開いておきたいと思います。
○角屋分科員 いま水産庁長官もお話しのように、ことしは予定としては融資ワク百億、予算にいたしましても政府の予算として二千四百十五万円といったふうなところで発足の腹案でありますし、こういった融資ワクあるいはすでに予定されておるような融資条件のもとにおいて、漁船、漁具、養殖施設等の整備拡充に必要な長期資金の融通ということでまいりますと、これはスタートの段階から見て、両者の並行的な活用ということも十分実態に即して考えてまいらなければならぬと思いますので、いずれこれらの問題については、法案も審議される段階がございますし、同時に、先ほど真珠関係については、政府が真珠養殖事業法の一部改正の当初の考え方を切りかえて、真珠養殖等調整暫定措置法案というのを近く提案をされるというお話も出ておりましたので、これらの審議の過程で十分議論を尽くしたい、こういうふうに思いますので、本日の時点では、質問としてはこの程度にとどめます。 食管米価問題について、簡潔に数点お伺いをいたしたいと思います。 この点につきましては、予算の総括質問の段階では、国内、国際的な全体的な問題にも前段に触れてまいりましたので、食管米価問題について、十分な時間をとることができませんでした。本日もあと三十分程度でありますから、十分意を尽くすわけにいきませんけれども、若干ポイント的な点について、少しくお伺いをいたしたいと思います。 冒頭に少しお伺いしておきたいのでありますが、過般、私代表質問の中で、韓国への内地米の貸与問題について触れましたが、さらに最近沖繩の屋良主席が、正式に内地米の受け入れをいたしたいという要請を政府のほうに持ってきておるというふうに承知をしております。現実にいま沖繩の場合には、アメリカのカリフォルニア米が大体九万トン程度入っておるというふうに承知をしておりますが、今度、屋良主席のほうからの要請の問題は、沖繩と本土との一体化問題というものを早急に進める政府の立場から見ても、これについては前向きに対処していきたいという姿勢であろうかとも考えておるわけでございます。 ただ、最近の沖繩の財政事情というふうなものを判断をしてまいりますと、他国である韓国の場合と違って、沖繩の場合には、同じ日本の国民であり、同じ日本の領土の沖繩の食糧に対する要請の問題であるというふうな立場から、おそらくこれらの問題の具体的検討、そして沖繩に現実に内地米が行くというのは、早くて四月早々からということにあるいは技術的にはなるのかもしれませんけれども、速急にこの問題については取り組んで沖繩の要請にこたえるということであるのかどうか、この点大臣から御見解を承りたいと思います。
○長谷川国務大臣 お説のように、最近でございますけれども、屋良主席から私のところにそのような要求もございましたので、国内におけるところの米の需給の上に立ちましてもこれも考え、あわせまして御主張のような点について、なるべく早期にこれらの問題の解決をいたすべく、ただいませっかく検討を加えておるところでございます。
○角屋分科員 食糧庁長官から補足的に……。
○桧垣政府委員 沖繩の御要請は、日本の国内米を沖繩国民に供給をし、それについて売り上げの代金を農業開発基金として利用したいというような御希望のようでございます。でございますので、単なる輸出とは違う形をとっております。したがって、わが国から供与いたします米の価格の評価をどうするか、その評価と食管特別会計の売り渡し価格として予定されております金額との差、つまり食管の負担の問題をどうするか、したがってまた、その問題を沖繩援助の予算関係といかに関連をして考えるかというような問題がからんでおりますので、総理府、外務省、大蔵省、各省にわたる問題でございますので、総理府を中心に現在検討を進めておるところでございます。諸般の見通しがつきますれば、私どもとしても、いずれ国内米を消費してもらわなければならない沖繩県民といいますか、沖繩の人たちの食糧でございますので、前向きに進めてまいりたいというふうに思っております。
○角屋分科員 農林大臣は、生産者者米価、消費者米価の問題について、特に生産者米価の問題に関連をいたしまして、最近、これは二十一日の閣議後の記者会見におきまして、従来佐藤総理も長谷川農林大臣も、本年度の新年度予算の決定の過程、あるいは決定の後、あるいは国会の私の質問に対しても、ことしは生産者米価については植えつけ前、あるいはおそくとも植えつけの初期に生産者米価は米審の議を経て決定をいたしたい、こう答えておったわけですが、最近、二十一日の閣議後の記者会見を見ますと、四月の下旬というのは無理で五月になるというふうな報道が伝えられております。これは最近の解散、総選挙含みという政治的な判断、あるいは国会の会期中に米審の任命あるいは生産者米価の議論ということになると、なかなか政治的な議論を国会舞台でも呼ぶというふうな政治判断も加わって、当初の予定をずらせるということであるのか、そうでなくて、いろいろ米価算定の基礎数字というものをとりまとめていくという技術的な問題を検討した結果、四月の下旬というのは事実上無理で、五月の大体上旬の後期あるいは中旬の段階にならなければ、自信を持って米審で議論をしてもらうということに検討の結果なりにくい状況があるということで、五月の米審開催という御意向を大臣として述べられたのか。報道の伝えるところでは、むしろ大臣としては、かねてから言っておるところに基づいて、なるべく早く米審の任命を終わり、そして生産者米価の議論を米審段階でやってもらい、早い機会にことしは米価をきめたいというふうに事務当局にも強く指示されておられるというふうに承っておりますが、二十一日の閣議後の記者会見において述べられた御意思はどういうふうなところにあるのか。
○長谷川国務大臣 現在のような農政全体の面、またさらに米の余剰を来たしている今日、この現実の上に立って政治的な意図を持って云々などということはあり得るものではない。それこそ私はほんとうに真剣に、与党、野党を問わず、将来の農政という点に考えなければならない大きな問題であろうと考えております。でありまするから、これらに対しまして政治的意図なんというものは絶対にないということだけは前もってお話を申し上げておきます。 したがって、生産者米価をなるべく早期に審議を終わらせて、そして御発表願いたいということは、御承知のように政府は、生産者、消費者米価というものは据え置くという方針をはっきりと発表しております。しかし、政府が発表いたしましても、米価審議会の議を経ずしてこれを決定するわけにはまいりません。そういう点から考えるならば、米の作付が始まる前、つまり種まきが始まる前に、ことしの米価というものは幾らでございますと、こういうことをはっきり伝えることが政治の上に立った最も親切なやり方であろう、こういうような観点に立ちまして、従来とは異なりましてなるべく早期にこれらの発表をいたしたい、こういう考え方を持っておりまして、事務当局のほうへも早期にこれらをやってもらいたいということを申し上げたわけであります。そういたしますと、なかなか統計というものが出てこないというようなことでございますので、統計もなるべく早目に進めてもらいたい、こういうような考え方でございまして、大体四月末までには少なくとも審議会が終わるように、発表ができるような方法を進めてもらいたいと申し上げたのでございますけれども、これもかなりのスピードをもっていろいろ統計のほうを加えておるようでございますけれども、五月になるやもしれないというお話も承りましたので、過日、いかがするかというような新聞記者の方からも御質問がございましたので、お話のようなことを申し上げたわけでございます。しかし、何といってもなるべく早期に、一日も早くといいましょうか、早くこれらの議を経て発表をいたしたいという心境には変わりはございません。
○角屋分科員 そうしますと、米審の任命をして、生産者米価の審議をしてもらうのは六月以降にずれることはないというふうに考えてよろしゅうございますか。
○長谷川国務大臣 私は、ないと申し上げたいと思っております。
○角屋分科員 そこで、いまの米価、食管問題を含めて、最近の農政問題については、これは政府・与党ばかりでなしに、野党はもちろんでありますけれども、生産農民あるいは消費者等も含めて十分議論をしてもらい、また、その議論の方向を十分受けてこれからの農政を進めたいというお考えを先ほどふえんをして述べられたのだと思いますが、だとするならば、米審任命の問題は、昨年は農林大臣は国対委員長でもありましたし、野党三党の共同の申し入れ以降、私も直接この問題を予算委会員でも取り上げましたが、昨年の経緯から見て、近く任命が行なわれると思いまするけれども、ことしの米審の構成については、当然生産者、消費者の代表も含めて構成をしなければならぬというのが大臣のお考えであることは間違いないと思うのでありまして、私、予算委員会の過般の質問のときには、従来の経緯にもかんがみて、それらを尊重してきめたいという抽象的なことばで御答弁がありましたけれども、やはり生産者、消費者の代表を含めて米審は近く任命をする、こういう御方針を明確にされたらいいのじゃないですか。
○長谷川国務大臣 米価審議会の委員の任命につきましては、昨年の経緯もございます。したがいまして、今後の運営にあたりましても、それらの関連とあわせまして慎重に検討はしておりますが、私といたしましては、生産者、消費者、これらの方々は当然委嘱をいたしたい、このように考えております。
○角屋分科員 米価の具体的な問題をこまかくやる時間的ゆとりもございませんが、新しく政府がやろうとしている自主流通米に関連をして数点お伺いをしておきたいと思います。 先ほど北山先生から予算の細部の点まで触れていろいろ御質問がございましたが、私は自主流通米の基本的性格というもので数点お伺いしたいと思います。 政府は、ことしは政府の買い上げを七百五十万トン、自主流通米を、モチ米、酒米等を含めて百七十万トン、こういうふうに予定をしておるわけでございますが、しかも自主流通米のすべり出しを食糧管理法の政省令というものの一部改正でお茶を濁していこうというふうに考えておると判断をしております。問題は、財政制度審議会の従来の答申の中身をずっと見てまいりますと、財政制度審議会が数年中に間接統制というふうに明確に言っておるのでありまするけれども、その財政制度審議会の答申で言っておる内容の間接統制というところ以外の財政制度審議会が述べておること、たとえば財政制度審議会が、当面とるべき改善措置ということで、生産者米価の抑制あるいは生産の抑制、政府買い入れ数量の調整、米の消費拡大、配給制度の改善、食管制度の運用の合理化というふうな当面とるべき改善措置の数項目について述べる内容を検討してまいりますと、おおむね当面とるべき改善措置についてはこれらのものを含んでやろうとしておられる。結局財政制度審議会が強く今後の方向としておる間接統制への移行という点については、政府は極力これを否定をしておる。一体、自主流通米の性格という問題で、過般、これが過渡的なものであるのか、あるいは恒久的なものであるのかというふうな点についてもお伺いしましたが、明確な答弁を得られませんでした。また、食管法の第一条、第三条の第一項という関係から見て、立法上の問題が基本的にあるという問題提起もいたしましたが、法制局長官からも食糧庁長官からも必ずしも明確な答弁は得られなかった。私はこの際に、政府買い入れの七百五十万トン、自主流通米の百七十万トンということしのプランが、今後数量的にかりにこれがすべり出していったとして、逆転をして、政府のほうが買い入れ数量が少量であって、自主流通米が多くなるということが、現行法の法体系のままにおいて可能であるというふうに食糧庁としては考えておられるのか、それは食管法の第一条、第三条の第一項あるいは食糧管理法全体から見てそういうことはでき得ない、また、そういうことをやるつもりはないというふうに明確に考えておられるのか、その辺のところをお答え願いたいと思います。まず大臣から基本的な……。
○長谷川国務大臣 ただいまの結論は、やる考えは持っておりません。
○桧垣政府委員 自主流通米は、この前も申し上げましたとおり、現在の配給制度、政府の直接管理配給制度のもとにおいても、現在の需給事情から見て、消費者の階層の中には、自分の好む米の選択購入をいたしたいという傾向があることがはっきりいたしておるのであります。そういうことを、現在の食糧管理制度の根幹を維持しつつ充足させるような道を開こうということでございますので、私は、自主流通米、来米穀年度において一般消費者向けに百万トンを見込んでおる、この数字が急激に増大するようなことは、需要面から制約があって起こり得ない、事実上も起こり得ない、また、自主流通米が政府管理米をオーバーするということはとうてい考えられもいたしませんし、また、そういう状態を私どもは想定をいたしておりません。 なお、食糧管理法一条、三条の規定は、これは食管制度の根幹をなすものでございますから、したがって、政府が国民食糧の確保、国民経済安定のために、価格、需給の調整をやるということのために三条を発動するということ、それが色彩が希薄になるということになれば、私はもはや食管制度の根幹堅持ということにならないと思いますので、現在の自主流通米をもってさような事態を想定し、また、さような事態になるということを予定しておるのでは毛頭ございません。
○角屋分科員 政府は、ことしの事前売り渡し申し込み制度は、従来どおり採用する、そこで、ことしの場合に、政府の生産者米価、買い入れ価格の問題とも関連はあると思いますけれども、七百五十万トンと政府は言っておるけれども、農民が、政府に売りたいということで、ことしの取り秋の段階で、政府のほうに対して、七百五十万トンの予定を越えて売り渡しの希望がある。こういう事態については、政府は、これは七百五十万トンの当初予定であるから、それ以上は受け入れるわけにはいかないという買い入れ制限的な措置をとろうと考えておるのか。農民から売り渡しの希望があれば、これは従来どおり、希望のあるものについては無制限に買い入れていくという考え方であるのか、その点も明らかにしてもらいたいと思います。
○長谷川国務大臣 いつもお話に出る問題でございますけれども、政府は買い入れ制限はいたしません。無制限買い入れをいたします。
○角屋分科員 ことしは去年に引き続きまして古米の対策、先ほど沖繩問題でも触れましたが、韓国に対する問題もあり、あるいはケネディラウンドとの関係で、後進国への援助の一環として米を出せるかどうか。これは嗜好の問題もありましょうし、あるいは国際比価との関連も当面の問題としてはございましょうけれども、さらに国内問題としては、学校給食等、消費拡大というふうな具体的にこれからどうするかという問題もございましょう。承りますと、政府は配給改善の考え方の構想の中で、四月から従来の十キロ配給を十五キロ配給に進めたいという構想も持っておられるようでありますが、十キロ配給を十五キロ配給に四月から実施するということで、具体的な話し合いを進めておるのかどうか、この点はいかがでございましょうか。
○桧垣政府委員 現在は、配給基準量を十キロということにいたしておりますが、食糧庁の調査によりますと、特殊な業種の従事者等につきましては、十キロ以上の配給受配の希望があるということでもございます。また、一部十キロをこえる加配の制度をとっておりまして、現在の需給事情のもとでは、それらのことははなはだ煩瑣であるということで、これは一般消費者にとってはあまり関係がないかもしれませんが、この際政府配給米を必要量だけは受配できるという道を開くために、十キロの数量を十五キロに上げたいということをほぼ政府としては内定をいたしております。
○角屋分科員 数量は十五キロということに内定したわけですか。
○桧垣政府委員 数量は十五キロで内定をいたしております。
○角屋分科員 食糧庁長官に、ことしの古古米は、持ち越しとしては百万トンと、おおむねそれぐらいの数字になるのじゃないかというふうにいわれておりますが、最近の東京、大阪、名古屋等大都市のいわゆる新米の配給比率を高めてもらいたいというようなことで、三月から一部是正するというようなこともやられるようでございますが、そういうことも加わりまして、一体ことしの古古米の持ち越し量というものはどれくらいになるというふうに一応見ておられるか。しかも古米格差をつけるかどうかということは、かねてから関係委員会でも議論のあるところでございますが、かりに古古米が百万トン程度持ち越しということになれば、これらの価格の問題について、あるいは古古米の取り扱いの問題についてどういうふうにされようというお考えで検討を進めておられるのか。この点お答えを願いたいと思います。
○桧垣政府委員 古古米ということは、結局ことしの十月末、四十二年産米がどの程度明年度に繰り越されるかということだろうと思います。この問題は、今後の四十三年産米、四十二年産米の配合比率のとり方で変わってくるわけでございまして、お話しのように、私ども、まだ最終結論は出ておりませんけれども、一般消費者の要請等も念頭に置いて、混合比率については流動的に対処する必要があるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。でございますので、この段階で十月末の四十二年産米の繰り越し量を明確に計算をするということは困難なのでございますが、配給のしかたいかんによりましては六十万トン程度、また、その配給操作のやり方によりましては、御指摘のように、百万トン近くになるということもないとは言えないというふうに考えております。 なお、そういう前々年産米の処理の問題は、これは正直に申し上げまして、私どもも非常に頭の痛い問題でございます。でございますが、これについては、時期を見て、搗精の歩どまりについて配慮を加える等、あるいは時期によっては、政策面についての配慮を加える必要もありましょうが、その辺を食糧管理特別会計の運用ともにらみ合わせつつ措置をいたしたいというふうに思っておりますけれども、さらに進んでは、外米の輸入については、ウルチ米の輸入は一切しないという方針をとっておりますので、加工原料用米等に活用できる分をこれに充当するという措置をとってまいりたいというふうに思っております。
○角屋分科員 時間も少なく、あと一問かせいぜい二問ぐらいの時間になりましたので、私は本分科会の分科員でもありますし、そういうことで終わりたいと思います。 結局ことしの場合に、生産者の立場から政府のお考えを受けとめました場合に、米価は抑制する方針である。あるいは、従来米をつくっておった水田については、作付転換で他のものをつくってもらいたい、こういうこともいわれてきておる。あるいはこれから新規に開田をしようという要請についてはこれを押える、こういう考え方も出てきておる。まさにそういう点では米作農民については三通りのびんたをくらうという実感を持っておるんじゃないかという感じがいたします。米価の抑制の問題については、さらに米審の任命、あるいは米審の議論、あるいはそれを通じて政府がこれを最終的にきめていくという場合に、私は、いかに物価対策あるいは財政上の理由を言おうと、米価を前年どおりに一銭も上げないということは、政治的にも実際的にもこれは無理なことである。上げ幅をどうするかという問題はあろうけれども、それは無理なことだと私は思っております。 作付転換の問題は当初五万ヘクタールを農林省としては要請をされて、一万ヘクタールに予算的には削減された。奨励金等の問題についても、これは当初三年間ということで話を進めておったけれども、最近の情勢では一年間の試験実施である。明年度以降については、まだ必ずしもコミットしてないというふうにも伝えられておりますし、新規開田の問題については、最近事務次官通達でもって、「新規開田の抑制について」あるいは農地局長通達でもって「開田計画の取扱いについて」ということで、国営事業はじめ補助事業あるいは融資単独事業を含めて、あるいは自己開田の分まで、これをできるだけ押えようということで、強い姿勢を示されておるやに通達上から判断をしておるわけでありますが、特に作付転換に対しての本年並びに今後の運営をどう考えておるのか。それから、新規開田の問題については、これは強権的なかまえでいかれるのか。あるいはそれぞれの実態に即して弾力的な運営の幅があるのか。あくまでも、昭和五十二年までの農産物の長期見通しの中で見ますと、三十六万ヘクタールの水田の面積を減らしたいというふうなこととも関連をして、ここ数年は次官通達あるいは農地局長通達のこれをきびしくやりたいというかまえであるのか。その辺の作付転換の本年並びに今後の考え方、新規開田の抑制の具体的な運営の考え方というものについて、農林大臣の御方針を承りたいと思います。
○長谷川国務大臣 作付転換につきましては、現在の米の需給の問題を考慮しながら、でき得るならば、ぜひともこういう点について御協力を願いたい、一万ヘクタールはそういうような協力体制の上に立って行なってみていきたい、こういう考え方でございます。したがって、このような状況下にございますので、新規開田は本年はひとつ一時見送ってもらいたい、こういうことを私たちは要請をしているのでございます。
○角屋分科員 大臣は、次官通達、農地局長通達も具体的に見ておられると思うのですけれども、熱心な方ですから。ただ、新規開田は押えるといっても、たとえば、従来からのものについては三〇%削減であるとか、あるいは文書をずっと見てまいりましても、全然ゼロに押えるということには必ずしもやっていないのでありまして、その辺のところはむしろ官房長から……。
○大和田政府委員 新規開田の抑制の問題につきましては、四十四年度の予算の編成をいたしますときに大きな問題になりたわけでございますが、国営事業あるいは県営事業等として、現在すでに仕事をやっておるものもございますし、実施設計中あるいは調査中のものもございますので、米の需給事情というものから端的に考えますと、非常に乱暴な意見としては、もうこれからの開田は取りやめというようなことも成り立ち得るわけでございますが、実態としてはそうはなかなかまいらない。したがいまして、現在何らかの形で国なり県なりが手をつけておりますものは、ある程度まで、計画の変更等はやりますけれども、これは続ける。しかし、新規のものにつきましては、やはり今後の米の需給事情というのは、どうも私ども、余ればけっこうではないかといって済まし得るほどのものではないようでございますので、それは相当きつく締めるという方針でございます。もちろん私どもも、五十二年の長期見通しをいたしましたときに、十年間で水田が大体三十万ヘクタール程度壊廃するだろうという見通しでございますから、新規開田の抑制がどの程度動くか、あるいは作付の転換がどの程度進むか、また農地の転用ということがどうなるかということを見ませんと、そう初めからぎしぎし計画的に、何年度何町歩をどうするということもできませんので、その三つの条件を私どもにらみながら、作付転換あるい開田の抑制あるいは転用の問題の考慮、そういうことを今後弾力的な態度で考えていきたいと思います。ただ、どうも事態はなかなか深刻の模様だということをつけ加えさせていただきます。
○角屋分科員 時間が参りましたので、これでやめたいと思いますが、いずれまた大臣との議論の機会も別の機会にあろうと思いますけれども、農林大臣の就任以来の状況を見てまいりまして、私一つ、さすがに長谷川さんだと思うのは、やはりこれまでの経験からもそうだと思いますけれども、農政上の問題は、でき得る限り第一線の生産農民、あるいは山間の農林関係、あるいは漁村の地帯の漁民の立場というものに立って、こういうものを進める場合に、第一線の諸君はどう考えるかということを十分判断に入れながらやろうという、そこがここ数代の農林大臣と違った、私どもにある意味では期待というものを持たせる点だと思います。なかなかむずかしい多くの課題をかかえておるときでありますので、強権的に政府が第一線の農山漁民に対して押えていくというのではなしに、やはり基本は、第一線の方々が政府の施策に対してどう受けとめておるか、どういうふうにしていくことが総合的な立場からも必要であり、また第一線の協力をスムーズに得られるのかということも判断をして、これからの施策に当たっていただきたい、こういうふうに思うわけでありますけれども、大臣の御答弁を承っておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 先ほども申し上げましたように、わが国の農政というものがほんとうにここまできたといいましょうか、曲がりかどにきたということばもございますので、おことばのように、ただ農林省の考え方一本によって進めていくわけにはまいらない。実際に行なっておる現地の方々の御意見等を総合した上に立って施策を進めていかなければならないことは当然でございますし、さらにわれわれ政府が云々というような考え方ばかりではなくて、与野党の意見を十分伺いまして、それらを調整しつつ、これらの諸問題に対処していきたいと考えております。
○角屋分科員 以上で終わります。
○植木主査 次に、中村重光君。
○中村(重)分科員 大臣にまず農業政策に対する基本的な考え方を伺ってみたいと思います。 御承知のとおりに、食管問題というものは、いまや農政上の重大問題として国民の関心事になっております。政府も食管問題についてずいぶんPRをしてきているわけです。ところが、そういうPRの中から、食管制度そのものが何か悪いのだといったような印象を植えつけることに懸命になっておるような感じがするわけです。もちろん農林大臣は、食管制度はあくまで守っていくのだという姿勢を堅持しておられるようでありますけれども、全体の政府の姿勢としては、必ずしもそういう方向ではないというように私は感じるのです。食糧政策が行き詰まっておる。私は、この食糧政策の行き詰まりというものは、食管制度そのものにあるのではないのだ、三十六年以来の農基法の農政そのものの失敗にあるということを、この際農林省当局はそうした考え方の上に立って、その反省の上に立って農業政策を強力に推進をしていくということでなければならないのではないかというように思います。 また、具体的な問題としてお互いに考えてみるとわかりますように、農業構造改善事業ということによって選択的拡大ということが、農林省はばかにこれを強調して推進をしておられるわけであります。ところが、実際に選択的拡大によって米や麦にかわるところの農作物として畜産の奨励あるいは果樹園芸等の成長農作物というものを農民に対して強くPRしてこられた。ところが、その裏づけとなるところの農業政策というものを農林省はとってきたのかということになってくると、そうではないと思う。具体的な問題を一つ一つ取り上げてみますと明らかでありますけれども、時間の関係もございますから、それは省きます。 畜産振興一つをとって考えてみましても、畜産振興の重要な柱である飼料、これの八〇%を輸入飼料に依存するということで、畜産振興なんて私はナンセスだと思うのです。しかも政府の管理しているところの流通市場というものは、飼料全体の中のわずか一四%でしょう。そういうことでは需給と価格の安定ということはあり得ないと思うのです。したがって農民は、畜産に取り組むといたしましても、結局この飼料価格の問題が大きな圧迫となってきたということは、農林大臣自身もお認めになるところであろうと思うわけです。さらにまた、農民の生産と生活を保障するために、農安法並びに畜安法というものをつくった。ところが、この農産物価格安定法、畜産物価格安定法というこの制度で、ほんとうに農民が安心をして農業によって生活をすることが保障されたかということになってくると、そうではないでしょう。結局、この法律というものは、農民の生活を安定をさせる方向ではなくて、むしろこれが隠れみの的になって不安定な状態に追い込んできたということ、これもまた私は否定することができないところであろうと思うのです。したがって、ほんとうに日本の農業を安定をさせ、振興させるということになってくるならば、そうした考え方の上にお立ちになるならば、いままで進めてこられたところの農業政策というものをほんとうに真剣に反省をして、農業の振興に役立つ農政というものを確立をしていかなければならないのではないかというように私は思うわけです。 そこで農林大臣は、価格政策において、あるいはまた、私がいま取り上げましたような諸問題に対して、この後どういう態度で取り組もうとお考えになっておられるのか。この食管制度というものを、口では、これを確保していくのだとおっしゃいますけれども、事実上はこれを骨抜きにしてしまうということになってまいりますならば、私は日本農業というものをもう収拾つかないような深刻な状態に追い込んでいくのではないかというように思います。この際農林大臣の基本的、かつ、これらの問題に対して具体的に取り組む考え方をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 食糧管理法というものを骨抜きにしてなくしていくのだろうというようなお話、また反面、政府自体の中から、これらを、そういう考え方であり、そのような不評であるというようなお話を承りましたけれども、これは大いなる間違いであろう。われわれが現在とっておるのは、いかにして食糧管理法というものを今後残して、これによって生産の、また消費の安定をはかっていこうかという、こういう点にいかに努力しているかという逆な方向だと私は考えるのであります。ということは、御承知でもありましょうけれども、食管法を昭和十七年の二月につくり、その根本的な考え方というものは、いかにして消費者に安定した食糧というものを平均に分配をしていくかということが基本であったと考えるのでございまして、そういう上に立って、反面それにはまず生産を行なうところの農業者というものに、いかにこれに対する保護政策を加えてその目的を達するかということであって、こういう上に立って農民も大いに努力をし、したがって新しい近代化していった今日に初めてお米が余るといおうか、バランスを欠くようにまでなってきたということは、私は食管法というものがいかに有効に今日まで使われてきたかという点、また農業基本法という、いろいろな法律がたくさんございますけれども、この法律にのっとってよくやったという、その結果のあらわれであろうと考えるのでございまして、したがって農業基本法においても、また、ただいま御指摘の農安法においても、また畜産物安定法においても、いずれにしてもすべて政府がこれを無視して、そして生産者を苦しめようとかというような考え方でなくて、いかに生産者を奨励し、そして消費者に満足を与えるかということが、このすべての法律の中心でなければならない。したがって、これらに関しましては、この法律の精神にのっとって今日まで進んできたからこそ、果樹にしても、園芸にしても、畜産にいたしましても、ある程度の、まだ全体に満足を与えるわけにはいかないかもしれないけれども、ある程度の安定を見るに至ったのだというように私は解しております。したがって、今後これに対するところの飼料の問題でございますけれども、まさに御指摘のような点はそのとおりであろうと考えます。しかし反面、いまの外国から持ってくる飼料、この価格を、国内において生産をさせていくということになりますと、これにはなかなか容易でない面があることも御承知のとおりでございます。したがってこれらの面の解決方法につきましても十分われわれも考え、何とかしてその飼料も国内の飼料によってまかなうことができ得るよう考えております。したがって、今年に至りましては、草地というようなものに対しましても、畜産関係を何とかして粗飼料によってある程度これらをまかなうことができるように考えますし、またさらに、粘着性といいましょうか、これらのえさにいたしましても、これらをどういうふうに今後の方途を進めていくかという点については、大いなる研究課題ではありますけれども、これらに向かってはでき得る限り国内産でというような考え方は持っておりますけれども、なかなか現在の価格の上に立っての容易でない面のあることは私たちも認めております。したがって、今後はこれらの問題と十分取り組みまして、そして農安法あるいは畜安法にも全くマッチするような方法によって今後の政策を行なってまいりたい、こういうように考えておる次第でございます。
○中村(重)分科員 長谷川大臣の考え方としましては、大臣になられる前に農林水産委員として、あるいは通産関係の商工委員あるいは委員長等々の中で私も一緒にそうした問題に取り組んでまいりましたから、個人の考え方というものはわかるのです。どういう考え方をあなたが持っておるかということはわかりますけれども、現実にはあなたは大臣の席におすわりになっておられるからいまのような御答弁をなさるんだけれども、一国会議員という立場に立つならば、私がいま指摘しましたようなことについて同感であろうと思う。やはり批判的な考え方をお持ちになっていらっしゃると思うのです。いま、一つの成果として非常に強調なさいました果樹、園芸なんかの問題等をひとつ考えてみましても、あまりにも無計画であったということが反省をされなければならないんじゃないでしょうか。ミカンなんかも、構造改善事業の中で、さあつくれつくれといって盛んに奨励なさったでしょう。ところが、もう飽和状態になってしまって、つくることを抑制しろということを盛んに言っていらっしゃる。そして価格も三割も四割も下がってきておるということが現実ではございませんか。生産費を割るといったような深刻な問題でしょう。私は現地において具体的な問題を承知いたしておりますから、一つ一つあげて申し上げてみてもよろしいと思う。養豚の問題だけをお考えになりましても、矛盾がよくおわかりになるんじゃないでしょうか。あまりにも無計画な農政であるというところに今日の深刻な問題が生まれてきている。いわゆる農民不在の農政というものが農民の不信感を買っておる。そのことは農民だけの問題ではなくて、国民に対して非常な不幸な状態におちいらしておるというのが現状ではないでしょうか。 わずか三十分の時間でございますから、いろいろとお尋ねしたいこともございますが、こうした基本的な問題について多くの問題点を取り上げてあなたの御意見を伺う時間がございません。ともかくいまお答えになりましたようなことを歴代大臣がお答えになりましたが、現実には前進する方向ではないわけであります。したがって、苦労人といわれる長谷川大臣のもとに、ほんとうに日本の農政らしい農政を私は推進をしていただきたいということを強く要請いたしまして、具体的な問題について二、三お尋ねをしてみたいと思うのであります。まず第一に、カンショ、バレイショのでん粉の問題でございます。バレイショでん粉と比較をいたしまして、カンショでん粉のほうはコーンスターチの原料価格がいわゆる若干強含みであったということ、それからカンショの生産が予想のとおりになかった。いわゆる減産したというようなことで、ことしはそう深刻な問題にはおちいっておりません。しかし、来年もことしのような状態だということは私は言えないと思います。政府はカンショでん粉、馬でんの問題に対しまして抜本的な対策を講ずるのだということを強調してこられた。たしか園芸局長、昨年の暮れであったと思いますが、今月末くらいに抜本策について取り組んでまいりたいということをお答えになったと思うのでございますが、現在どういうことになっておるのか、まずそのことをひとつお答えを願いたいと思います。
○小暮政府委員 御承知のように、イモでん粉の問題につきましては、外国産のコーンからコーンスターチというでん粉に対する強敵がつくられるようになりましたために、農安法の適切な運営だけではイモ価格の安定をはかることができないというような状況になりましたので、関税率審議会にはかりまして、当面関税割り当て制度を行なうことによって、コーンスターチとの調整をはかりながら価格の安定をはかるということにいたしておるわけでございますが、一昨年の十二月にそのような仕組みを関税率審議会におはかりしましたときから、そういう措置はいつまでもすべて関税制度にしわ寄せしてやってまいるわけにはいかぬだろうということで、農林省としても、イモでん粉の問題について、衆知を集めて根本的な対策をやらなければならないということを申し上げたわけであります。その後学識経験者等の参加を得まして鋭意検討を続けておりますが、いかんせん非常に複雑な問題でございます。直接的なでん粉の競合というよりも、国内はイモからでん粉をつくる、外国から参りますものはトウモロコシからコーンスターチをつくるというような、しかもそのトウモロコシは自由化されておるといったような形でございますので、非常に議論は真剣に行なわれておりますが、錯綜いたしておるわけであります。そこで、やむを得ず昨年の十二月の関税率審議会に私どもからもう一ぺんお願いいたしまして、暫定的な関税割り当ての仕組みであるということは了承いたしますが、もう一年これを継続させていただきたい、なおイモでん粉の抜本策につきましては、鋭意検討を続けて年内にその結論を得たいというふうに思っております。 以上のような状況でございます。
○中村(重)分科員 特別関税措置とは四〇%の関税のことであろうと思いますが、これがもう一年、こうおっしゃると来年までということになるわけですね。ことしは、先ほど申し上げましたようにトウモロコシの価格というものが若干強気であった。したがってこの四〇%関税では馬でんとかあるいはカンでんとの太刀打ちができない、こういうことから、この特別関税に対するところの輸入というものはなかったというところから、馬カンでん等は深刻な状態におちいっていないわけです。ところが、一年ということになってまいりますと、この抜本策というものがいつごろまでに結論が出るのかということが実は問題になってこようと思うのです。だから、抜本策ということも検討の段階でございましょうから、具体的なことはまだ言えないかわかりませんけれども、そうたくさんあるわけじゃないわけですね。まあ、あげると、また割り当て制度というものをやるのか、あるいは二重価格制度をとるのか、あるいは不足払い制度をとるのか、そうした問題に限られてくるのではないかというように私は思うわけですね。だから、どの問題をとるにいたしましても、あっちこっちといろいろ突き当たってくると思うのです。しかし、やらなければならないですね。どうしてもやらなければならない。だからして、どういった考え方の上に立ってこの結論を出そうとお考えになっていらっしゃるのか、ひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 先ほど申し上げましたように、非常に複雑なからみがございますので、まことに申しわけございませんが、今日の段階でいずれの道を行きたいというふうに申し上げるわけにはまいらないのでございますが、御指摘のように、もう一ぺん外国産のものを押え込むのか、そうでなければ、やはり輸入のほうはある程度の関税その他の筋の通った障壁を設けておいて、数量としては自由であるということを大前提にして国内の保護防衛措置を講ずるか、あるいは、現に行なっております仕組みは、これは全く臨時応急のものということの御了解でやらしていただいておりますけれども、右の道をきわめても、左の道をきわめても、やはりどうしても障害があるということであれば、いまやっておりますようなこともあるいはやむを得ない措置かもしれない。そういった問題も含めまして、できるだけ早く結論に到達したいと思います。 ただ、農産物の問題でございますので、検討に時間を過ごします間にこの秋のイモの収穫に不安を生ずるということは避けるべきだと思います。その意味で、法律その他の仕組みまで立ち入るというようなことになりますれば、当然この秋のイモには間に合わぬわけですから、むしろ来年以降の問題としてできるだけ早く方針を確定する、検討の方向を定める。いずれにしても、この秋のイモの問題としてあまり御不安を生じないように、その点は検討経過をできるだけ早く申し上げるとともに、秋の不安のないような行政指導をいたしたいというように考えております。
○中村(重)分科員 不安がないという問題は、いわゆる抜本策というものが、結論がそれまでには出るということが一つある。もう一つは、農安法によって買い上げ価格がきまりますと、政府が責任をもってこれを買い上げるということですね。しかもその価格をきめたら、ずるずるいつまでも放置するのではない、早くこれを買い上げるということでなければ、結局いままで繰り返してまいりましたように、価格がおくれたということで、なまカンショにいたしましても、あるいはなま粉にいたしましても腐ります。長く保管ができない。そういうことから農民は売り急ぎをしなければならぬという状態におちいってきていることは御承知のとおりであります。したがって価格の早期決定、責任をもってこれを買い上げるということ、それだけは保証されなければならないと思います。同時に、私はこの抜本策と並行して進めていかなければならないことは、いわゆるでん粉質が非常に高い高でん粉、あるいは収穫にいたしましても反収が非常に多くなるような、そうしたことも並行して強力にお進めにならなければならない。そのためには予算を伴ってまいりますから、こういうための予算というものを十分つけていく、こういうことでなければならないと思いますが、その二点についてお答えを願いたいと思います。
○小暮政府委員 農安法の適切な運営をはかるべきことにつきましては、昨年も関税率の御審議の経過で国会から御決議もいただいておりますし、また四十三年産のイモの価格をきめますときに、当時の農林大臣から適切な運営をはかる趣旨の御発言もございました。その線に沿って農安法の運営の適切を期したいと考えております。現に北海道産のバレイショでん粉につきましては、現在三万トンの買い入れを実施中でございます。三月の十七日までに三万トンの買い上げを終わるようにいたすということで進んでおります。 それから、高でん粉質のイモの品種あるいは種バレイショの配布といった問題につきましては、蚕糸園芸局で所管いたしております馬鈴薯原原種農場の活用等を通じましてできるだけその線に沿った努力を、これまでも続けておりますが、なおその努力を継続いたしたいと思います。
○中村(重)分科員 切り干しカンショの問題、これがまた糖みつとの競合の中で非常に不安の中にある。だから、切り干しカンショ対策としてどのようにお考えになっておられるのか、糖みつとの競合の問題等に対して、この切りカンの見通しの問題につきましてひとつお聞かせ願いたい。
○小暮政府委員 でん粉になります前に、なまイモあるいはなま切り干しという形で蒸留酒の原料にできるだけ効率よくイモをさばくことが、イモの需給対策の一つの要諦であるというふうには考えております。その意味で、切り干しにつきましても、御承知のように基準価格を設定いたしまして、その価格の支持につとめておるわけでございます。したがって、今後イモでん粉についての基本的な対策を検討いたします場合にも、でん粉と言わずにイモでん粉と申し上げております趣旨は、切り干しのようなものにつきましても、その処置を忘れることのないように検討いたしたいという気持ちでございます。
○中村(重)分科員 次に、卵価安定の基金の問題についてお尋ねをいたします。 時間がございませんから私のほうから申し上げますが、御承知のとおり全販連を中心にしてやっておりますところの基金、この基金に専門農協であるところの日鶏連あるいは全鶏連傘下の卵の生産農民が入らない。こんな不都合な話はない。これは独禁法上からいっても問題であるとして私は取り上げてまいりました。最近、日鶏連と全鶏連、これと全販連を一緒にする基金というものはなかなかできにくい、基金の理事会においてこれを認めない、こういうことで、全鶏連と日鶏連を中心にする新たな基金をおつくりになるということが進められておるということを伺っておりましたが、最近新たな基金の発足を見たけれども、これは全鶏連だけで日鶏連は入っていない、こういうことのようであります。また、日鶏連は別に基金をつくるのだろうか。ともかく、同じ卵価安定のための基金をつくった。全販連関係については一つの基金がある。全鶏連も関係の基金がある。そしてこの基金に入らないものがあるといったような、こういう矛盾したことがあっていいのであろうか。この点に対して農林省はどのような行政指導を進めてこられたのか、さらにまた、はっきりした形でこの基金制度を運用していく上でどのような行政指導を進めていこうとお考えになっていらっしゃるのか、この際御方針をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○太田政府委員 先生おっしゃいますように、全鶏連の全国卵価安定基金への加入問題につきましては、農林省といたしましてその実現をはかるように努力をいたしてきたものでございますが、主として全鶏連の加入資格の問題につきまして基金側が難色を示しまして、今日までその加入の実現を見ていないことは御承知のとおりでございます。そこで、全鶏連といたしましては、新たに独自の基金をつくるということで、最近その準備をいたしておるのでございます。私のほうといたしましてもやむを得ない措置ということでこれを認める方針でございまして、畜産振興事業団からの出資もいたしたいと考えております。 そこで、お尋ねの日鶏連の関係でございますが、新しくできます卵価安定基金、いわゆる全鶏連を中心とした卵価安定基金につきましては現在設立準備中でございますが、日鶏連がもしこれに加入を希望する場合には当然受け入れますということを基金側も表明をいたしております。そこで、われわれといたしましても、この新しくできますところの安定基金の意向を日鶏連に伝えまして、日鶏連として加入を希望すればいつでも加入できるということを申しておるのでございまして、できる限りスムーズな形でこの加入が実現できるようにつとめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(重)分科員 農林大臣、あなた、お聞きになって、こんなことではだめだというようにお考えになるだろうと思う。基金というものをどうしてこんなに幾つもつくらなければならないのですか。国から三分一を出すのでしょう。それから関係の都道府県から三分の一を出すのですよ。生産者が三分一出すのですね。どうしてそんなにかってなことをそうした関係団体に言わせなければならないのでしょうか。全販連であろうとも、日鶏連であろうとも、全鶏連であろうとも、ともかく卵価安定のための基金をつくるのだから、国あるいは都道府県から三分の二のお金を出資させるのだから、そうわがままなことを言わせるのではなくて、すっきりした形でこの基金というものは運営されていかなければならないと私は思う。個々の農民はちっともそういうことについてわかっていらっしゃらないのだと私は思うのです。一人一人の農民の声を聞いた場合に、いや、あれは全鶏連傘下のあるいは日鶏連傘下の専門農協の生産農民だからこれへ入れちゃだめなんだというようなことは言わないと思う。もっと強力に農林省が指導をされるならば、この問題は解決し得るのではなかろうか。決して私は歴代の畜産局長がこれに無関心であったとは申しません。それなりの取り組みはしてこられたと思うのです。しかし、その指導性が弱い。基金ができ上がってしまって、理事会におけるところの発言力が弱い。こういうことだからどうにもならないということでは、農林省としての指導性はないではございませんか。この際、もたもたしないで、すっきりした形で、生産農民は言うまでもなく国民が納得する形でこの基金というものは運営をしていかなければならないと思います。この際、大臣の決意をひとつお聞かせ願いたい。
○長谷川国務大臣 私が就任いたしまして、その後このような全鶏連からの陳情がございまして、まことにごもっともであると私は考えまして、全販連との交渉を、十分に交渉に交渉を重ねさせました。したがって、これにはかなりの日時を費やして強硬な交渉をいたしましたけれども、これに対する難色を示しておりました。難色を示したから私のほうは、全鶏連には新たなる独自の基金の設立を認める、こういうように農林省としての決意を示したわけでございまして、お尋ねの日鶏連が御希望があるならば、ともに一体となってその事業の中に入っていただきたい、このような希望を持っておるのでございます。 申し上げたようにかなりの日時を費やしまして、全販連との交渉は十分に遂げたつもりでございましたけれども、ついにこのようになったということは残念ではございますけれども、また反面、この点から考えてみましても、現在の養鶏事業にはまた一つの新たなる光明を与えておるというようにも伺っておるのでございます。ただ単に全販連に一本にしなかったために影響のあるようなことはないように十分考慮するつもりでございます。
○中村(重)分科員 時間がありませんからこれでやめますが、私が申し上げるのは、結局、基金をたくさんつくればそれだけ国あるいは関係都道府県もこれに出資というものが伴ってこなければならないのですよ。いま全販連に対して二億の出資をしていらっしゃる。全鶏連ができた。新たに出資をするのか。あるいは全販連の出資を分けていくのか。そういうこともやらなければならぬ。私は、聞くところによりますと、全鶏連に対しては都道府県からの出資はしなくてもいいのだということを言っておるように聞くのであります。そういうことになってまいりますと、全鶏連の基金そのものが強力な運営ができないことになってくるではありませんか。だからそういうことではだめなんだというのです。ただ、幾つも基金をつくって、その基金の中で運営をしていくのだからいいではないかということで問題が片づくものではありません。だから、もっと強力に、単なる希望ではなくて、あるべき方向へこれを進めていくということ、そして結論を導き出すということでなければならないと思います。これで終わりますが、重ねて大臣のお答えを願います。
○長谷川国務大臣 発足と同時のことでございますので、おことばのような点もあるかと存じますけれども、その実績があがるに従いまして、おことばのような御期待に沿うように努力をいたしたいと考えております。
○植木主査 次は玉置一徳君。
○玉置分科員 まず冒頭、長谷川農林大臣の御健闘にひとつ敬意を表しまして、まず食管の問題に入りたいと思います。 政府はこのたび自主流通米を新しく創設されましたけれども、しかし食管の根幹は堅持する、こう言明しておいでになります。そこでお伺いいたしたいのは、ことし七百五十万トンの買い入れの予定を立てられまして、百七十万トンの自主流通米を描いておいでになります。その場合に、七百五十万トンと、自主流通米が超過いたしまして買い入れを農家が政府に要請した場合にはどうされるか。まずこの点をお伺いしたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 無制限買い入れをいたします。
○玉置分科員 これと同じ問題でありますが、食管の根幹は堅持する。したがって、米価の決定は法に基づいてやる。食管法第三条によりますと「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨」とする、こういうことであります。御存じのとおり、いまや経企庁の出しております五%に物価を押えるということは、これは異常な努力をしなければ五%の値上がりで押えることはできないというのが一般の常識であります。そういう点を考えますと、米価の生産費も上がるというのは必至でございます。それならば、予算米価というのは予算米価である、政府の買い入れの価格の決定は法に基づいてやる、それは食管法第三条である、その手続は米価審議会令によります、米価審議会の議を経てと、こうなっております。政府は近く正式に米審を構成し、お開きになるのはいつか、これが一点。 第二点は、先ほどの予算米価にとらわれないで法の命ずるとおりに米価を決定する意思があるかどうか、この二点をお伺いしたい。
○長谷川国務大臣 政府が生産者米価、消費者米価を据え置くというのは政府の方針でございます。しかし、おことばにあるように、本年度昭和四十四年度に至りましても賃金、物価、これらはある程度上昇するということは当然考えられることでございます。したがって、政府の方針ではございますけれども、御指摘のように、食管法に基づきまして審議会の議を経て、その上に米価の正式な決定をいたしたいと考えております。
○玉置分科員 次に、農業者年金、いわゆる農民年金に移りたいと思います。 六年前からこのことを主張してまいりまして、ようやく前の総選挙に、自民党が党議として、四十四年に実施することを公約されておりましたのが延びたことははなはだ遺憾であります。しかしながら、四十五年をめどにして実施するということを、この予算委員会におきましても総理が言明されております。しからばどういう手続で、中間答申とかそういうものが一体いつごろ行なわれなければ手順が間に合わぬ、いろいろな問題がございますが、どういう手順で、予想される大きな構想はどんなものか、政府当局の見解をただしたいと思います。
○長谷川国務大臣 昭和四十五年に農業者年金を実施をいたします。方法等につきましては局長から答弁をいたさせます。
○池田政府委員 実施の時期は、ただいま大臣からお答えを申されましたとおりでございますが、具体的な点を少し申し上げますと、現在国民年金審議会というところに農民年金の専門部会ができておりますが、そこでいわゆる農業者年金の内容についての検討をいたしておるわけでございます。これはもう前後十回近くやっております。それで私どもは、この国民年金審議会の結論が出ましたならば、大体それを中心にいたしまして制度の仕組みを考えたいというふうに考えておるわけでございますが、かなり議論も煮詰まってまいっておりますので、そう遠くないうちに大体の答申をいただけるのではないかと思います。もちろん、その答申によりまして、また制度の具体的内容を考えるわけでございますが、現在までに大体どういうような議論があるかということを御参考までに申し上げたいと思います。 大体大筋の考えといたしましては、現在ございます国民年金制度、これがやはり一般的に老後生活の安定という面で非常に大きな役割りを果たしておりますので、農業者につきましてもやはりその基礎は尊重すべきであろう。ただ国民年金では農業上のいろいろな要請を十分に満たし得ないという面もございますし、そういう点につきまして、いわゆる農業者年金ということでその足りないところを補う必要があるのではなかろうか、そういうような感じの議論が行なわれておるわけでございます。
○玉置分科員 構想というよりはこれは考え方だけなんですが、私の承知しております限りでは、一つは所得の比例を取り入れようという考え方、これは別に農業者だけではなくてだれにでもできることだと思います。この予算のところにすでに農業者年金の受け入れ体制を整えているというのが現状だと思いますが、これが一点。 二点は、早く経営権を移譲されます。経営移譲によりまして農業の規模拡大の便益になる方法でもって、これを六十五歳を六十歳にまで引き下げようというような空気があるように聞いております。私はこれだけではとても不足だと思いますけれども、いまはそういうことを議論する場合じゃございませんので、一応そういう大きな二つはまず行なわれるものと仮定いたしまして、その仮定に立って次の議論を続けていきたいと思うのです。 そこで、そういうことになりますと、経営権の移譲ということは非常にむずかしい。どこで移譲したかというこの問題がむずかしい問題になると思うのですが、これと年金制度の問題とは切り離しまして、いずれにいたしましても、後継者がなるべく早く経営権を掌握するということは、希望も出、あるいは農業の構造の改善にも役立つことは事実でありますから、こういう面も考えまして、経営者の生前贈与の制度を設けたわけでありますが、生前贈与の制度も、初めの間意味がわかりにくくて浸透しにくかったと思いますが、最近非常に活用されつつあると聞きますが、その状況をまず御説明願いたいと思います。
○池田政府委員 農地等のいわゆる一括生前贈与でございますが、確かにいま先生のおっしゃいましたように、最近かなり増加をいたしております。三十九年からでございますが、三十九年の発足当初は、件数にいたしましても三百数十件というぐらいに非常に少なかったわけでございますが、最近はかなりふえてまいりまして、四十二年の実績でございますが、件数にいたしますと五千二百件、金額にいたしますと約二十五億ほどの適用があるわけでございます。
○玉置分科員 そこで、この制度を活用いたしまして大いに経営の移譲を行なわしめることが望ましいと思うのですが、これに関連いたしまして、これは農地だけになっております。そこでミカン等の永年性の果樹等も含めなければ意味がなくなってくるのでありますが、これを含めるように、このことを実現するように努力する意思があるかどうか、この点を明白にしていただきたい。
○池田政府委員 現在の制度は、御存じのように農地、採草放牧地でございますが、確かに果樹等も、これは農業資産としてかなり大きなウエートを持っているわけでございます。それで、考え方といたしまして、いまの制度の対象に果樹を含めるということも確かに考えられるわけでございますが、ただ、実はこの問題につきましては、やや徴税技術と申しますか、あるいは税の考え方といいますか、そういう面から若干の問題があるわけでございます。それはどういうことかと申しますと、この制度は、御存じのように、贈与をいたしまして、それをしばらく贈与税を払わないで相続が行なわれるときまで猶予をして、そうして相続税に切りかえる、こういう制度でございますので、その間に若干の期間がたつわけでございます。そういたしますと、果樹の場合でございますと、これはその間に生長をする、あるいはある年限以上になりますと、今度はくだもののなる率が落ちてくるというようなことがございまして、いわばその資産の価値に変動を来たす、こういう問題があるわけでございます。そういうことでございますと、生前贈与をいたしました時期と相続の時期との間に価値の変動があるというものを、いまの課税の対象として考えられるかどうか、実はこういう税の一つの体系の問題といいますか、技術といいますか、そういう点からの問題があるわけであります。しかしながら、確かに農業資産としてはかなり大きなウエートを占めておりますので、私どもといたしましては、これは税務当局の問題でもございますが、なおよく連絡をいたしまして検討してみたいと思います。
○玉置分科員 農林大臣にお伺いしたいと思います。 ただいまの問題の田畑は農地そのものでいいと思いますけれども、果樹は立っておるミカンの木を対象にしなければ、これはほとんど意味をなさぬ。これはまた山林の樹木とちょっと違うと思います。生前贈与した場合と、おなくなりになりましたときの遺産相続のところに適用する場合との価値の変動はありますけれども、そういった意味の徴税技術上の困難はあると思いますけれども、遺産相続のときに、その価値で課税することは事実でありますから、そういう点を見れば何らかの解消方法があるんじゃないか。この点と、もう一点農林大臣に御苦労願いたいのは、農家の遺産相続でありますが、これは農家の場合は、お互いに月給取りとか、おやじが農家で子供が月給取りという場合と違いまして、後継者が農業を営んでおります場合は、何十年間という長い年月をおやじとともに働いてできた資産でありまして、それをおやじから自分の資産分は何にもないような意味でごそっと相続税をかけられるという点は、後継者が農家で一緒に共働きをしておった限り、私はこれは非常に不公平だと感じます。フランスにおきましてもこのことがございます。 それではどういうようにそれを区別するかという。徴税のほうの事務的にはむずかしい問題はあると思いますが、各国の例を見ますと、一年を十万円と見るとかいろんな評価にならざるを得ないとは思いますけれども、このことを長谷川農林大臣のときに解決していただいたら、なるほど苦労性の農林大臣だというので、どのくらいみんなが喜ぶかわからぬと思うのです。私は理屈も通ると思います。農林大臣、この実現のためにひとつ努力をお願いしたいと思いますが、どうでありますか。
○長谷川国務大臣 前段の果樹を加えるという点については、省内におきましてもかなり議論をかわしまして、その妥当性はわれわれは認めております。かくしなければならぬだろう、いかに永年性のものであっても、その方針をとるべきだという意見で大体折衝はいたしております。さらに、その折衝は打ち切ったという意味ではないので、さらに折衝は続けます。 後段の点はなかなかむずかしい問題だと思いますので、さらに十分検討を加えさしてみたいと思います。
○玉置分科員 後段のほうが理屈はやさしいのです。これは絶対通すということで、長谷川さんがおいでになるときでないとこういう問題は片がつかぬと私は思うから、ひとつこれから御努力をお願いしたい、こう思います。 それから、時間が若干ありますので、後継者対策についてお願いを申し上げたいのですが、私が五、六年前、まる二年間ほどこのことを要望し続けまして実現をしていただいたことはありがたいのでありますが、そのときから申しておりましたように、土地改良資金五十万円限度、無利子五年間、中小企業の制度をそのまま取り入れられたことはよくわかるわけでありますけれども、中小企業の五カ年ということと農業の五カ年ということにはおのずから私は問題があると思うのです。これだったら酪農あるいは養鶏程度のことしかできないのであって、果樹その他にとってもこれはつきませんし、あるいは山林を取得して開墾して田畑をつくるという問題にもなり得ないと思います。需要はかなりあるらしいように承りますが、私は前から申しでおるのです。果樹、農地等のごときは、十五年あるいは二十五年という制度が現に農林省にあるわけです。果樹振興法によりますと、五分五厘で二十五年償還、うち十年以内の据え置き、農地は二十五年償還の三年据え置き、三分五厘、こういうのがあるわけです。そういう意味におきましては、私はこの制度を、ひとつこれはこれで置いておいて、もっと違う制度を併用すべきではないかという感じがいたします。 私が主張しておるのは、いわゆる利子補給なんです。利子補給で、五十万円限度というようなことを一切やめまして、これから二十年間農業にいそしんでくれるような方には、いまの、おやじとともに一緒にやってきた経営を拡大するという方向に持っていかなければ、いまのような、きょうまでやっておったおやじと異種のものをやれ、なぜこんなばかなことを言うのですかというと、それは金利が違うから、大蔵省がそうしてもらわなければ困る、こう言うのですという話ですが、農業経営をそんな形でやろうということは私は無理だと思う。現在おやじとともに一生懸命にやってきた、この果樹なら果樹一町歩を二町歩にふやす、茶園一町歩を二町歩にふやすのだというようなものに長期資金を与えるべきである。経験の豊かなものにやらないで、違うものをやりなさいなんという、当てものをやるような、僥幸を頼むような制度になっているということは、はなはだ遺憾であるということを前から申し上げているわけです。したがって私は、この金利の補給を後継者対策に入れればどうだろう。たとえば五分五厘の果樹振興、二十五年償還、これはほんとうは五十年くらいにしてあげたいけれども、まあ二十五年は二十五年といたしましても、これに利子三分を補助してあげる。したがって二分五厘でやる、農地三分五厘に対しては一分五厘でやるというぐらいの思い切った制度をやらなければならぬ。しかもそれは利子補給ですから、十億円も盛ればかなりの伸びがある。五十億円も盛れば相当な部分に利子補給ができるということは事実なんです。こういう制度をすみやかに取り入れてもらいたい。しかも、異種のものでなければならないということは間違いであるということすら再三申し上げておったのですが、これに対する政府当局の見解をひとつ端的にお示しいただきたいと思います。
○池田政府委員 確かに先生のおっしゃるような御意見もあり得ると思います。ただ、この点は御理解いただきたいと思うのですが、現在の後継者育成資金というものは、後継者に技術なりあるいは経営なりを勉強していただく、そのために必要な資金である、こういうたてまえに一応なっておるわけでございます。そういうことでありますために、非常に特殊な、無利子というような制度をとっておるわけでございまして、確かに果樹農業というようなことになりますとかなり期間が要るのではないかというような感じもいたしますけれども、一応のめどとして五年程度、いわば勉強の期間ということで五年程度の期間、こういうことになっているわけでございます。 ただ、確かに内容に入ってみますと、多少窮屈ではないか。期間の点、あるいは経営主がやっている事業はだめである、こういうような点、若干窮屈ではないかという感じもないことはございませんので、この点につきましては、私どももいろいろ検討をいたしまして、方向としては極力そういう具体的な問題を解決するような方向で努力を従来もしておりますし、また今後もいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。 ただ、一つ、先ほどの先生の御意見でございますが、私どもは、そういうような考え方をとりました場合に、現在あります他の融資制度、たとえば近代化資金でございますとか、あるいは公庫資金でございますとか、あるいはさらに総合資金でございますとか、こういうものとの関係をどう調整するのか、いわば金融体系の一環としてどこにそれを位置づけるのか、非常にむずかしい問題があるわけでございます。そういうことでございますので、いまおっしゃいましたようなことでございますならば、運用のいかんによりましては、既存の資金を利用するというような方法もあり得るのではないか、うまく使えばかなりそういう目的まで行き得るのではないかというような気もいたしております。なお、御提案のようなことも検討いたしたいと考えておりますが、現状におきます考えはそのようなことでございます。
○玉置分科員 これは試験的にやらしておるんだ、だから五年間だ、だから試験的にやったものをほんとうに後継者対策としてちゃんとやる——ほんとうの制度は何もできておらないということと同じことなんです。私はあなたたちよりもずっと前からやっておる。もっともっと後継者と話をしておる。現行制度ではできませんよ。いままで農林省で皆さんがやってきたような、大蔵省に頭を下げるだけのことでは日本の農業の危機は救えばせぬですよ。だから、役人にまかしておいたらだめだ、国会の審議をよく聞いてやってもらわなければいかぬ。これは大臣も、その他の方も、ひとつ後継者対策は試験的にやっておるのだ、そんなおべんちゃらなことで農林省が済ましておるということになれば、ぼくらは承知できません。ひとつ十分に検討していただきたいと思います。 次に、後継者、いわゆる農業青年諸君の意思をもう少し吸収してあげられるような、意見を吸収してあげられるような方法を農林省は講じることが望ましいと思います。何やら研究会みたいなことを一年に一回やっておることは私も承知しております。あれはまたあれなりの意義はありますけれども、もう少し親身になってあの連中の意思を聞いてやることを、一年くらい一ぺんやっていただくと、こういう諸制度がぐんと私は伸びてくるのではないか。せっかく、先ほどの生前贈与の制度をこしらえても、そのことは、私たちが一緒に相談にあずかってこしらえたと思うことと、そうじゃないこととで伸び方が私は違うと思う。政府がパンフレットやいろいろなものを通じて普及するよりは、あの人たちが一緒に相談にあずかってやったんだというところで、私はこういうものの伸び方、構造改善がうんと進んでくる、こういう感じがしますので、ひとつ今後は、この諸君の意見をどこかで反映させるような機会をぜひとも講じてやっていただきたい。 第二点は、時間がございませんから、一緒にやっておきますが、これもずっと前に、農協青年部の大会が終わるたびに、代表者の諸君がやってまいりまして意見を戦わします。そのときに、先生、学生には汽車賃の割引がありますが、なぜ農業青年には割引がないのだという話がありましたから、学生諸君はよく遊びに行くから、企業政策上鉄道がやっているのであって、国の施策ではないのだという話をして逃げたことがあったのです。 そこで、いまありますユースホステルという施設も、主として学生もしくはサラリーマンの若い人々が使っております。私はこれは二回目の主張でありますが、農閑期に、かなり広大な面積を有する国立の試験農場というようなもの、指導農場というようなものを四国、中国、近畿という各ブロックごとに一カ所こしらえて、それには、大体温泉地にうまくちゃんと国有林その他があるわけです。そういうような意味で、二、三十億円の予算さえ組めば一カ所一つずつやっていけます。レクリエーションも兼ねて農業青年諸君のいろいろな教育の場にしてあげるような措置を、毎年一カ所ずつでもいいから講じていくような意思はないかどうか。これも長谷川さんでなければできぬことだと思うから、ぜひともひとつ検討をしていただきたいと思うのですが、先ほどの二点についてお答えをいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 簡単率直に申し上げます。 前段の後継者の意見を聞く、私はこの際、農政が曲りかどにきている、今後新しい農政を打ち立てて百年の計をここで立てなければならない重大なときであります。私の在任中にこれはやります。 後段の件は、これは財政的な面がからんでおりますので、簡単にお引き受けするわけにはいきませんが、十分検討を加えさせるようにいたしましょう。
○玉置分科員 終わります。
○植木主査 午後一時四十五分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時十五分休憩 ————◇————— 午後一時四十六分開議
○植木主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十四年度一般会計予算及び特別会計予算中、農林省所管について質疑を続行いたします。川崎寛治君。
○川崎(寛)分科員 午前中、中村委員のほうから御質問があったそうですが、重なる点もあるかもわかりませんが、まずイモでん粉の問題について少しお尋ねしたいと思います。 長期計画を立てようということは前々から議論になっておりましたし、私も党のイモでん粉の対策委員会の事務局長として、毎年のイモでん粉年度の際、本院の農林水産委員会等では議論をしてまいったわけでありますけれども、この長期計画を立てるために農林省内にイモでん粉の検討会をつくってやっておられるわけであります。三月までに結論を出すという予定であったが、結局三月には出ないんじゃないか、こういうふうに見られておりますが、この点いかがですか。いつごろまでに出すのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○小暮政府委員 いろいろと検討を急いでおりますが、問題は非常に複雑かつ困難な問題でございますので、いましばらく検討の時間をいただきたいということで、昨年十二月の関税率審議会にもお断わりいたしまして、もう一年関税割り当ての措置を続けていただくということを御了解を得ましたので、できるだけ早く結論を出すように努力いたしたいと考えておりますが、三月末というわけにまいらないと思います。
○川崎(寛)分科員 そうしますと、いま検討しておる事項はどういうことか、どういうことを検討しておるか、大体いつごろまでをめどにその検討の結果を出すのかということを、まずお尋ねしたいと思います。
○小暮政府委員 いきなりでん粉とコーンスターチとの競合問題に特に入りましても、御承知のようになかなか問題が解きほぐせませんので、検討の形といたしましては、地域農業としてのイモ作の将来をカンショ、バレイショそれぞれについてどのように考えるかということを、やはり基本的には検討したいと思っております。しかし、そのことと関連いたしまして、直接外国産のでん粉の輸入規制、これを今後継続するかどうか。御承知のように、でん粉そのものはまだ外割りにいたしておりますが、これを継続するか。それから、すでに自由化されておりますトウモロコシを原料として甘味資源をつくりますコーンスターチ産業、これの今後のあり方をどのように考えるかということを検討いたしております。これらのものをあわせまして、やはり最終的にはイモ作農家の生産の安定をはかるために、イモ作の基本的な姿勢を固めることと、やはり長年イモの価格の支持をいたすためにでん粉という形で政府はその支持をやってきたわけですから、そういう価格安定の仕組みと文字どおり表裏一体となって育ってきたでん粉関係の職業——中小企業、農協が大部分ですから、こういったものの企業対策を忘れるわけにはいかないだろうということで、それぞれの角度から検討を続行いたしておるわけでございます。
○川崎(寛)分科員 それは大体いつごろ結論は出るのですか。
○小暮政府委員 問題の性質上議論がなかなか複雑でございまして、何月までということはいまの段階で申し上げられませんが、午前中も他の委員の御指摘に関連して申し上げたのですが、この秋のイモ作には、率直にいって具体的な措置は間に合わないわけであります。もし何かいたします場合でも、ことしの秋までには要するに関税割当制度はやらしていただくということはきめてあるわけですから、この秋のイモ作については昨年と同じ形を続行する、むしろそのことをはっきり申し上げたほうが、イモ作農家もこの秋の問題については不安がないように思います。したがって、四十五年のイモ作以降に適用になる考え方ということで、年内できるだけ早い時期に方針を固めたいというふうに考えております。
○川崎(寛)分科員 そうしますと、結論的には、その検討の結果というものを具体的に制度として変えていくには四十五イモ年度から、そうすると、現行の農安法の中での、つまり関税によるそのやりくりでとにかく来年の九月まではそれでいく、こういうことですね。
○小暮政府委員 周囲からまことにきびしい議論がございますので、いまのようなテンポで関税率審議会が了承するかどうか、相手方の問題もございますけれども、私は、イモが年に一回の作付であるということから考えまして、ただいまのようなテンポにならざるを得ないだろう、しかし、方針はできるだけ早く議論してまいらなければならないと考えております。
○川崎(寛)分科員 長期計画のことについてある程度はっきり農林省側が答弁したのは——一昨年のたしか農水では、長期計画に入るということを答弁したというふうに私は記憶しているのです。そのときに審議に立ち合いましたからね。ところが、それが実際には、この三月までといっているやつがさらに延びるわけでしょう。そうすると、それは実際の制度として改めるというのは、もう来年でしょう。その間にどんどん安楽死をしてくれるだろうというふうな、つぶれていくのを、自然淘汰を待っているようなかっこうになっているわけです。これはやはり時間的なテンポというものはもっときちんとしなければいけないと思います。実は、先般アメリカの共和党のスコット氏やあるいは民主党の副大統領候補であったマスキー氏たちが来ましたときに、私も社会党側の一員としていろいろ話し合ったわけです。日米間の経済問題をやりましたときに、やはり地域の有権者からの非常に強い圧力というものを彼らは主張しております。特にトウモロコシとか、グレープフルーツの問題とか、小麦の問題とかというものをしきりに言っておりました。私、午前午後にかけて安全保障とか沖繩問題の処理とかいう非常にやかましい問題を議論しておりましたものですから、その討論の際の一こまとして向こう側から言いましたときに、私はこう言ったのです。それはおれの選挙区もそうなんだ。トウモロコシを買え買えというけれども、そのトウモロコシのために、昭和三十年八千トンだったコーンスターチがいまや五十万トンをこしている。しかも生産力は年々十万トン程度の拡張をしておるわけだ。そのために、南九州の農家というのは成り立たぬでどんどん出ていっているのだ、ということで選挙の体制もくずれるのだぞという話をして、お互い笑い話にもなったわけですけれども、しかし、農林省が出しております需要と生産の長期見通しとか、動向に関する年次報告とか、講じようとする施策とか、いろいろなものを見ますと、長期の見通しとしては、たいへん悲観的な見通しを出しておるわけです。それは五十二年というふうに限って、半減をする、こういう生産と需要の見通しも出しておるわけですね。口では、いまもおっしゃられましたようにイモ作の安定だ、こういうことを言われるけれども、事態のほうはもっとテンポが早いわけでしょう。だから、来年の十月からの制度改革ということでは、私はとうてい待ち切れない、こういうふうに思います。少なくとも近く出される検討会の結果については、それを十月から制度改正という方向に持っていくべきだと思うのです。そのテンポは不可能ですか。
○小暮政府委員 ただいま関税率審議会の議を経て、この国会に大蔵省のほうから提案することになっております関税定率法の暫定措置、その中で先ほど来申し上げましたような事情でトウモロコシの関税割り当ての仕組みを御提案申し上げ、これが御承認いただければ、四月一日から来年の三月末まではその形で現在行なっておりますと全く同じ形の関税割り当てが行なわれるわけでございます。これとわがほうの適切な運用ということで、現在行なっておりますと全く同じ形でのイモの価格の安定というものをやりたいというふうに思っておりまして、十月に別の仕組みに乗りかわるというわけにはまいらないと思います。しかし、そのことと検討を急ぐということとはおのずから別問題でございます。どのような制度を考えるにいたしましても、きわめて基本的な問題点が多々ございますので、検討はできるだけ急ぎたい。向こう一年間間税割り当ての仕組みを一応御了承いただけたらその間は待つということでなく、むしろその間に検討を終わりたい、こう思っておるわけでございます。
○川崎(寛)分科員 十二月に関税率審議会にかけるわけでしょう。そして実施が四月からだ。そうすると、来年の三月まで縛るという形で、つまりあとへあとへと押していくことを実に巧みにやっているわけですよ。それは要するに長期の計画をやる期間というものを、結論を出すことを延ばして、そのことと関税率審議会のほうの問題とうまいぐあいにかみ合わして、延ばす結果になっているわけですね。しかし、これはとにかく早く結論を出してやってもらいたいと思います。 その場合に、この中でも抱き合わせについてぶつかっているということには触れているわけですね。その抱き合わせ販売というのは、もう処理できなくなっておる。だから、不足払い制度ということが要望として出ておりますし、われわれとしても、党としても、そういう検討もしておるわけですけれども、この点は農林省として、現在の検討会の中で検討されておるのかどうか、そういう制度の改正という方向に持っていく意思があるのかどうか、あるいは大蔵省財政当局との詰め方というのは、検討会の結論が出てから詰めるのか、あるいは現在財政当局と話をしながら持っていこうとしておるのか、その辺いかがですか。
○小暮政府委員 イモでん粉問題の研究会は、なおいましばらく農林省としての検討ということで研究を続けたいと思っております。ただいま直ちに財政当局といろいろ実際上の意見の交換をするというような段取りにはいたしておりません。なお検討の方向は、まだ農林省として、たとえば不足払いのような方向を具現するように研究するといったような形で方向をきめておるわけではございません。午前中に申し上げましたように、非常に広い角度から問題を検討いたしております。これは決して望ましいことではございませんけれども、現在やっておりますような形での価格の安定ということも、いろいろ検討した結果やはりこれ以外はないというようなことも絶無ではないだろうと思いますけれども、しかし先ほど御指摘もございましたように、行政官がきわめて具体的な固有名詞の出ますような形で企業に原料を割り当てるということは、行政としては最も避けるべきことであるというふうに基本的には思っております。抱き合わせということをてこに価格の安定をはかるということは、きわめて困難な行政を繰り返すことになりますので、私どもとしては従来のような形を繰り返さないで済むような知恵が出てくることを期待して、鋭意検討を続けているわけであります。
○川崎(寛)分科員 輸入の外でんの問題も、これは圧迫してくるわけですね。現在の貿易の自由化、残存輸入制限の問題等も、非常な圧力がかかってきておる。現在ははずされておるわけですけれども、先般のアメリカの議員団の諸君たちとの話等から見て、また相当な圧力がかかってくると思うのです。それがきた場合に、さらに東南アジアの、でん粉そのものはいま入っていない、こういうことでありましたけれども、たとえばタピオカ、こういうものがもうあと目を光らしておると思うのです。一緒に上陸してくると思うのです。この点を排除していくつもりなのか。つまり国内産でん粉というものの需要がやはり伸びて微増しているという状態の中で、国内産でん粉というもののウエートをきちんと置きながらいくつもりなのか。一方南北問題とかそういうふうなことで、そういう直接のでん粉そのものを輸入するということについて検討があるのか。われわれはそれは今日の、先ほどの五十二年に半減していくという状態等を見ても、そこの転換等についても明らかにしたいと思いますけれども、そういう状態の中で、タピオカの上陸というのはまた問題になってくると思うのです。その辺いかがですか。
○小暮政府委員 御承知のように、タイ国とのきわめて友好的な貿易関係の拡大という問題が別途ございます。でん粉そのものは外割り制度によって原則として輸入をとめられておりますが、タイのタピオカについて若干国内で特殊の需要があると思われる数量に限りまして、一般の糖化用原料ということでなしに、いわばのりあるいは加工でん粉といいますか、加工用に使いますものとして、あるいはその他の加工食品の原料として、若干のものを入れております。しかし、これはどこまでも国内の糖化用のでん粉の原料としてこれを無制限に入れるという考え方は、持っておりません。なお、今後の検討の際に、トウモロコシとイモとの関連を整理いたしますだけでなしに、でん粉そのものについて、その輸入を今後も長きにわたって制限することが国際的に許されるのかどうかという点がいろいろと議論になろうと思いますが、ただ、今日までの検討の段階では、トウモロコシとイモとの関連を解きほぐすこと自身が、きわめて難解な、むずかしい問題だと思います。そこにでん粉そのものの自由化という要素をもう一本加えてまいりますと、事態は非常に困難な形になるように思います。したがって、やはり望ましき安定の仕組みが見出されない限り、でん粉を自由化するということは避けるべきであるという考え方であります。
○川崎(寛)分科員 そうすると、見出されない限りはでん粉の自由化はしないということですね。そうすると、この五十二年の長期見通しというものの計算の要件は何ですか。トウモロコシ、つまりコーンスターチは、いま程度の伸びというものをこの長期見通しの基礎に入れておるのかどうか。それから、その中にいま言った直接の外でんというものは入れない。入れないというんだから、それはこの長期見通しの計算の基礎には入っていないというふうに言っていいのですか。その点が一つと、トウモロコシでん粉をいま程度、つまり年間十万トン程度は伸びていくというふうな計算で、この五十二年の見通しというものを出したのかどうかですね。
○小暮政府委員 農業基本法に基づく長期見通しを行ないます際には、できるだけ農政上必要と思われるものについては網羅的に検討すべきだと思いますが、しかし、非常に見通し自身がさまざまな要素があって困難な問題もございます。たとえば砂糖類に関連したでん粉の問題がそうでございますが、でん粉という形での需要の長期見通しというものは、実は立てていないわけです。そこでカンショ、バレイショのそれぞれについて需要と生産の見通しを立てるということをいたしておりまして、その点は必ずしもかみ合っておらないわけであります。ただ全体の価格政策あるいは流通にかかわる政策の考え方が、一応一定というような前提で見通しの作業をいたしております。
○川崎(寛)分科員 そうすると、いま言った国際的にたいへんむずかしいという問題が出てきた場合に、その一角がくずれたということになると、この五十二年の見通しというものは、国内産のイモ作農家なりでん粉業者にとっては、もっときびしい情勢が生まれてくる可能性があるわけですね。
○小暮政府委員 ただいま申し上げましたように、価格政策あるいは流通政策と申しますか、そういった点についての考え方の筋が変わらないという前提で生産の見通しをやるわけでありますから——ということは、現在やっております価格安定の仕組み、イモについていえば、農安法なりあるいは輸入の調整なり、やはりそういうものの基本的な考え方が変わらないという前提で見通しておるということであります。
○川崎(寛)分科員 ところが、一方関税のあれはもうだめだという現実が出ているんですね。むずかしいんだ。だから検討会をやっているんでしょう。ところが、農安法によるやり方というものは変わらないんだといういまの御答弁のようですね。そうすると、五十二年のはじき方というのは、いいかげんじゃないですか。ただ適当に出した数字ですか。
○小暮政府委員 農安法による、たとえばでん粉の買い上げ、あるいは関税のいろいろな技術を駆使しての輸入の調整、そのほかに、直接的に貿易管理面による輸入の規制、あるいはそのほかにも先ほど先生から御指摘もございました不足払いあるいはまたさまざまな政策があり得ると思いますが、その施策のどのような技術を使うかということは別として、イモについてやはり一つの安定の措置を考えるというのが、先ほど申しました基本だと思います。その基本は変わらないという前提での見通しである。もしイモについての安定措置を講じない、国際経済の風の前にさらすということになりますれば、こういう数字にはならないと思います。ただ具体的に十年の見通しでございますから、安定のために具体的に使います仕組みは、やはりそのときに応じて適切な操作をしてきめていかなければならないことではなかろうかというふうに考えます。
○川崎(寛)分科員 それじゃ、これは政治的なファクターが入るわけですね。だから、これはひとつ大臣にお尋ねしますけれども、いまの農安法ではもうだめだというか、非常な壁にぶち当たった。しかし、それを何とか検討しよう。それが続いたにしてもこれになるのですね、大臣。ところが、いま言うように、国際的にはもっとそれをくずす要件も迫ってきているという中で、政策の変更によってはこれ以下に落ち込むということもあり得るということになります。だから、農政の責任者としてその点はどうされるつもりなのか、ひとつ明確にしておいていただきたい。非常に先行き不安を感じているわけですからね。
○長谷川国務大臣 イモ作は何といっても一年に一回しかとれないものでございますので、たとえば農安法を修正をするにいたしましても、どういう方法をとりましても、いずれにしてもその作付農家だけには絶対に心配がかからないようにいたします、これだけは私はっきり申し上げておきます。
○川崎(寛)分科員 それではあとの減っていくところ、つまり五十二年には半減するわけでしょう、この長期見通しでいくと。それは、どういうふうに転換させようとお考えなのですか。
○長谷川国務大臣 したがって、それでは他のどういう作物がそこに適地であるか適作であるかという点については、ここに総合農政という面も立てて今後進んでいこうという考え方なのでございます。そこで適産主義をどうして今後進めていくかというような考え方にあるわけでございます。したがって、その方法が進むに従って、おのずから有利なものは、適地適産主義をとっていくのですから、もちろんそれに転換できるであろう。そうなれば、そういうような状態にはなりはしないだろう。しかし、といってそれじゃいま何をするんだ、まだほんとうにそこまではいっておらないのです。実際にいま考えているのは、何といってもこのままの姿では、日本全体の農政が、よくことばでいうように、曲がり角へ到達している。であるから、ここでほんとうに適地適産主義というか、主産地主義といおうか、そういう方向に新しいものを打開しようじゃないか、そしてそれに向かって政府が思切った施策を加えていこうではないか、こういう考え方ですから、そうなった場合にはそのような数字になるであろうということが出ているのだと私は思うのでございますけれども、そういうように御了承願いたいと思います。
○川崎(寛)分科員 時間が限られておりますからあと一問。 当面イモ作農家の安定をはかる。今度畑作総合改善濃密指導地域をつくっていくということを打ち出しておりますけれども、これは具体的にはどういうふうに進めようというわけですか。
○小暮政府委員 これまでカンショ作の経営の安定のためには、地域特産農業推進事業と称しております予算の中で、たとえば四十三年度でいえばカンショに全国二十五地区、うち特にカンショ作に対する依存度のきわめて強い九州につきましては、半分以上の地区を割り当てるというようなことでやってまいっております。この仕事は四十四年度も引き続き実施いたしますが、そのほかに、四十四年度の新規の試みといたしまして、畑作経営総合改善濃密指導という考え方も打ち出しております。これは全国百地区でございまして、まだこれはカンショにどれくらい持っていこうかというようなところまで話を詰めてございませんが、カンショのような畑作の非常に重要な作物については当然この指導も適用になると思いますが、いずれもやはり可能な限り機械の力を導入しながら省力化をはかることが一つの眼目でございます。新年度から特に始めました総合改善濃密指導の場合には、前作、あと作、あるいは同じ時期に経営耕地の中の一部をイモにし、他をほかのものにするということもございましょうから、前作、あと作のほかに一緒にやる作も入りますけれども、一つの畑作経営としての作物の組み合わせ、その中での労力配分、あるいは機械を入れました場合に、いろいろな作目でそれをにないながら償却する。単一のイモのような比較的足弱なものに機械の償却を全部かぶせるということでなしに、作目の組み合わせ等も考える、こういった角度を加味しながら濃密指導を試みたい、こういう考え方でございます。
○川崎(寛)分科員 最後に、大臣に一つお尋ねしておきたいのですけれども、実はそういうことで、先ほど来の長期見通しというものは暗い。そうすると、私の郷里の鹿児島をとってみましても、二十年のビジョンを立てようとしても鹿児島の農家にとっては米以上に大きな問題なんですね。それが見通しが立たないのです。つまり政府自体がはっきりしてないわけなんだし、情勢に押されておる。だから、地域で立てようと思っても立たぬわけです。ですから、この点は一番大事なイモの点が不明確な見通しに立たざるを得ないという状態にある、これはひとつ早くきちんとしてもらいたい。 それから次には、その中で畜産との結びつきを検討しようというのが、学者なり農協なり県の農政関係の諸君等の検討会の中でも出ているわけです。ところが、畜産との結びつきを考える場合に、イモの飼料化ということを検討したい、こう言っておるわけです。ところが、残念ながら今日の中では脱水装置がまだ十分にいっていない。それらの点は、私は農業技術会議かどこかでひとつ予算を出して、こういうことの工業、飼料化ということについての農林省としての技術指導、その面の抜本的な措置、助成策というものをお願いしたい、その点いかがですか。
○長谷川国務大臣 いま考えている段階に入っているのですけれども、何しろ国会が始まったものですから、ほんとうにそういう余裕はないと言ったら申しわけないのですけれども、研究はさせておるのです。特に鹿児島、宮崎、この地方においては、その天恵というか、気候のあたたかいのをもっと高度利用することができないだろうか。それによって何か中央まで運んできて、もっと効率的なものは何かありはしないだろうか、こういうような点についていま一段と研究する必要があるだろう、こういうようなことは、私は率直に申し上げまして、現地でもそのような考え方でいろいろ研究を始めておるだろうとは思います。したがって、そういうような点、特にイモの脱水、これに畜産との結びつきを行なうというような点については、大いに研究させる必要があると考えられますので、十分この点については検討させます。
○川崎(寛)分科員 たいへん恐縮ですけれども、もう一問だけ……。 もう一つ、たとえば省力栽培その他これまでもいろいろやってもらっておりますけれども、それに今度濃密地域の云々というのが出てくるわけですね。この中でひとつ農林省に考えてほしいと思うのです。ということは、農業機械について、大型の農業機械はいろいろと研究しておられる。ところが、作業機械というのがだめなんです。私は、これは県でも県の農政部長に言ったのです。たとえば甘蔗の葉っぱを切るやつにしても、これは試験研究をやった会社は倒産をしておるところもあるのです。鹿児島のような非常に南九州というものに限られたところでそういう省力機械をつくっている工場もありますけれども、規模が小さい。ところが、そこまで自前で先行投資をやって研究している。これではほんとうのものは出ないのです。だから、私は県や農協の諸君にも、もう少しそういう省力の作業機械等につきましては先行投資してもいいじゃないか、試験費用を出したっていいじゃないか、こういうことを言っておる。だから、これは農林省にとってもやっかいな重荷ではあろうと思いますけれども、ひとつ畑作農家のそういう作業機械の開発についても、あわせて農林省において研究助成の措置をするということについて言明を願いたい。
○長谷川国務大臣 それはそうむずかしい研究でもございませんので、できるだけその方向に向かって何かさせようじゃありませんか。
○川崎(寛)分科員 終わります。
○植木主査 次は、久保三郎君。
○久保分科員 私は、主として水産というか、漁業の問題について若干お尋ねしたいのでありますが、限られた非常に短い時間でありますので、こちらからも簡潔に申し上げますから、お答えのほうも簡潔にお願いしたいとまず申し上げておきます。 冒頭、これは農林大臣あるいは水産庁長官、お二方にお尋ねしたほうがいいと思うのですが、毎日の新聞に、最近特に多いと思うのでありますが、漁船の遭難というのがたいへん多いのですね。これはつい最近では北洋における結氷が原因だろうというのでありますが、それで転覆していった。台湾沖でもあったしこの辺でもあったということで、原因にはいろいろな問題があると思うのでありますが、つい秋ごろは八戸で御承知のようにイカつり舟がまるっきりだめ、つい昨年末には御承知の、手前どもの選挙区になりますが、茨城県の波崎のいわゆる銚子の利根河口において、これまたたくさんな人間が死んでいった事故があります。これは一口にいいますならば、無理な操業というのが端的にあらわれていると思うのですね。漁船でありますから、魚を目一ぱいとるということが使命でありますからそれはいいと思うのでありますが、そのためには命を的にといっては語弊があるが、ややもすれば安全というものが度外視されて今日強行されている。その裏を返せば、たとえば大衆魚については魚価安定法という法律がありながらも、魚価の安定ができない。いずれにしても沿岸や沖合いの漁業に従事する中小企業というか、そういうものの漁業は、残念ながらいまの水産行政の中では安定した経営ができない。そのために命を的にやっていくということになってきて、まさに非近代的な操業をやっておる。だから問題は、命を的にしてやるような企業は企業でないという観点から、水産界をこの際強力に指導する必要がありはしませんか。いろいろな問題はあります。困難な問題がある。しかしながら、やはり命が一番大事であるという基本に立って、いまの水産行政のあり方、あるいは漁労のしかた、あるいは漁業権のあり方、すべてについて検討すべきだと思うのだが、これはいままで寡聞にして私はわかりませんが、水産行政の中で安全の問題を中心にしていまの政策を再検討したことは聞いておりませんが、最近したことがありますか。
○森本政府委員 これはお説のとおりでございまして、水産行政の観点からいきましても、乗り組み員の安全の確保、これは人命にかかわることでございますから、真剣に取り組まなければならぬというふうに考えます。もちろん御指摘のございましたように、私どものほうとしてもいまだあるいは十分でないというふうな御批判もあろうかと思いますが、従来やってまいりましたことでは、たとえば漁船につきまして過載、積み過ぎが漁船の遭難の一つの要因にもなっておりますから、あるいは船舶安全法の改正、あるいは先般の指定漁業の一斉更新といったような際にも、そういった観点から一定の基準を満たさせるというふうなこともやっております。具体的にはVマークをつけさせるというようなこともやってまいりました。また、あるいは小型の漁船がかなり危険だということもございます。そこで小型の漁船の機関の安全基準というのをつくりまして極力それの指導につとめておるといったようなこと、あるいは船賃の労働条件といったようなことも、そういったものに加えて大きな影響がございますので、従来から労働条件の改善といったようなことにも、要綱などをつくりまして指導につとめております。また、漁船の大型化といったようなことも安全対策の重要な一環であろうと考えまして、先般指定漁業の一斉更新の際にも、一定の基準に見合ったような漁船の大型化に対しては、ボーナストン数について配慮するというふうなこと等、できるだけ努力をしているつもりでございますが、何ぶんにもかようなきわめてシビアーな問題でありますから、今後ともそういった観点からの努力を続けてまいりたいというふうに考えます。 〔主査退席、湊主査代理着席〕
○久保分科員 おことばでありますが、いま一々おあげになりましたことはあんまりまじめにやっておらないのじゃなかろうかと思うのです。その一つの例は、一斉更新についてであります。この一斉更新は、いまあるがままを更新しただけであって、いろんな法規に違反したものでも、言うならば基準は四回までならいい。五回までといっても、四回以上はなかったのであります。そういう基準のきめ方で一斉更新をやったのでありまして、法律はあるけれども実際は行なっていないと同じであります。 そこで私は、長谷川農林大臣にお願いを入れて申し上げるのですが、冒頭申し上げたように、一ぺんこの水産行政というのを安全、いわゆる人間の命というものから政策をどう展開すべきかを検討してほしいと思うのですよ。一々の具体的なことはいまからも申し上げますが、しかし、その政策の展開は、人間の命という問題をまず中心にして、漁労のしかた、それから海区の置き方、指定漁業のあり方、あるいは国際協定のあり方、船のあり方、港のあり方、たくさんあると思うのです。これを全部一ぺん大々的といってはおかしいが、広範に、徹底して、しかも立体的に検討してもらえないでしょうか。どうですか。
○長谷川国務大臣 長い間私もいろいろ海上の点については関係がありまして見ておりますけれども、今日ほど海上においての漁船の事故の多いことは、おそらくなかったと私は記憶いたします。したがって、新聞を見るたびに、ラジオを聞くたびに、先日来は毎日この問題が出ておりまして、私といたしましても非常に憂慮をしていたところであります。御指摘のあった点については、なるほど船そのものの装備については一定の法的基礎を持った装備がなされておるだろうと思いますけれども、御指摘の幾多の点、操業の点等につきましては、これらの問題が原因であろうと考えますので、何とかここでひとつ検討をしなければならないときにまさに来たっておるというように考えております。何かこれらにつきまして御意見があれば十分伺いまして、その検討を加えさせる時期に到達しているということだけははっきり申し上げられると存じます。
○久保分科員 水産庁長官、いまの農林大臣のお話のように、たとえばおあげになりませんでしたが、古い時代の漁業を中心にきめられた重量制限一つとってみても、これはまさに安全操業の観点からいうならば、改正しなければいかぬ。何べんもこのところで論議がされました。しかし、いまだになかなかそういうものもできません。私は、これを一々ここでお聞きしようとは思っておりません。どうかいまのお話のとおり、一ぺん根本的な計画というか、政策というか、そういうものを検討してほしい、こういうように、私はこの点は冒頭要望しておきます。 そこで、やや具体的なものを二、三お伺いするというか、要望も加えてでありますが、漁港の整備でありますが、これは船のほうはやや、あるいは漁労も変わってきているのに、漁港そのものの整備はなかなか思うようにいっていないと、われわれは思っておるわけなんであります。特にさっき例をあげました利根河口における銚子港というか、波崎港というか、これはあそこの一の島灯台というところで数多くの人が死んでいるわけです。これは不名誉な話でありますが、そのみさきのとっさきに千人塚という塚が昔からあります。全部そこで遭難をして死んでいった者の供養の塚であります。その千人塚に毎年毎年新たな遭難者が加わっていくという、これはいままで銚子港というか、河口港についてのいわゆる導流堤をつくるとかなんだとかいうことで改修をやっているようでありますが、もはやこの河口港の現実を見た場合に、改良の余地なしとわれわれは考えています。だから、波崎港にいたしましても、でき得べくんば——鹿島港は商港として、御案内のとおり掘り込み式をいま完成しつつある。だから、この方式によるところの漁港は、ぜひ完成というか、検討してほしい、こういうふうに思うのです。と申し上げますのは、銚子と波崎を加えれば、たしかわが国で二番目の漁船の数かと思うのであります。そういうところでありますから、まず第一に、ここに対して掘り込み式の漁港を検討してほしいと思うんだが、これはどういうふうに考えられますか。
○森本政府委員 漁港に関しましては、従来整備計画をつくりまして、それぞれ必要な事業を行なってきております。四十四年度からは、第四次計画ということで新しい計画のもとに漁港の整備をやってまいりたいというふうに思っております。 お尋ねの波崎の漁港について、いかような計画を持ち、また今後どういうふうにその整備計画との関連において組み込まれておるかというのは、私ちょっといま資料がございませんので、後ほどよく調べましてお答えを申し上げたいと思います。
○久保分科員 それでは後ほどお答えをいただくことにしますが、いずれにしてもこれは一ぺん検討してもらいたい。明治以来の千人塚を築いておるのは、どんなに恥であるか、一ぺん水産行政の中でも反省してほしいと私は思うのです。 それからもう一つは、この漁港ばかりでありませんが、港は全部そうでありますが、漁港審議会というところでいろいろ御審議をいただくことになっておるわけでありますが、言うならば、いままでこの漁港審議会のメンバーというか、審議委員には、船乗りというか、そういうものが入っておらぬように考えております。最近のようになりますというと、やっぱり船乗り、操船する者の立場からの意見も反映させたほうが、より効果的だと思うのだが、メンバーに加える用意はあるのかどうか、どうでしょうか。
○森本政府委員 漁港審議会は、委員が九名であります。従来やってまいりましたのは、漁港の立地なりあるいは技術的な見地からくる整備の関係でございまして、したがって、大体そういった方面の専門家が中心になって構成されてきておるわけであります。そういう関係がございまして、あるいは乗り組み員の側の代表を入れるという点についても、抜かっておる点もあろうと思います。これはおそらくそういった特定の問題をやる際には、漁港審議会の規定によりまして、特にそういう人の意見を聞く道も開かれております。あるいはまた、乗り組み員側の代表が入っておりますところの沿岸漁業等の振興審議会とか、あるいは中審と俗に言っております審議会等に十分連絡をとるというふうなことも法律上明記されておりますので、そういうことの運用でまずまずいけるということでやっておるかと思います。将来の問題につきましては、先般の漁港審議会の今後の審議の内容なりあるいは運営の問題として検討さしていただきたいと思います。
○久保分科員 長官のおっしゃるような筋道はわかっておりますが、いまだかつてあまり利用していないので、メンバーに入れたらどうかというふうに私は申し上げておるのでありまして、時間があればもう少し申したいのですが、時間がありませんから、そのことだけを申し上げて、御考慮を願ったほうがいいだろうと思うのであります。 次に、時間がありませんから、安全の問題点について二、三かためてお尋ねをいたしますが、一つは北洋のみならず、太平洋でもそうでありますが、たくさんな遠洋漁業というか、そういうところでかたまって操業する場合が多い。一つの例をとりますれば、北洋の鮭鱒というものは、たくさんかたまるわけです。ところが、この漁船船員の健康に対する対策はあまりない。あまりないというより——普通の商船というか、汽船ならば、ある一定の基準のもとにおいては医者が乗っておりますから、そういう手配はできるが、漁労している場合には、非常にけが人も多く、長期に滞留して操業しておりますから、からだの調子の悪くなる者もたくさん出てくるわけですが、からだのぐあいの悪い船員を一ぺん帰せるかというと、帰せないのです。洋上に長く滞留をして操業しておりますからね。そうなりますと、みすみす健康を害させたままで操業させるということが、今日までたび重なっておるわけです。これについては、先年この席かと思うのでありますが、私からも申し上げたように、一つには、そういう者を救助するというか、医療の道を洋上において講ずるために、病院船にパトロールさせたらどうか。病院船といっても、医者と医療機械だけではなくて、長期に滞留する場合の食糧等の補給あるいは漁労の指導というものも兼ねたものでもいいと思うのでありますが、中心はやはりそれぞれの船に備えつけ得られないところのいわゆる医療関係を集中的に積んだ船を一隻配置したらどうかというふうに考えておる。これは、なかなか政府自体だけの努力ではできない面もあるかもしれません。これは当然水産業に携わる業界が、ある程度積極的に乗り出す必要があると思う。特に、最近のように労働力が貴重な時代になっては当然だと思うのですが、そういうものを考えておられるかどうかが、第一点です。 第二番目は、北転船の乾舷マークでありますが、御承知のように、北転船の乾舷マークは二層甲板型のものでありますが、水産庁はこの乾舷マークを認めておるわけです。これは安全というサイドからいいますならば、当然きちんとした乾舷マークを設定してこれを厳守させなければいかぬが、どうもこの北転船に対しては、あいまいだというよりは、はかり方がどうも中途はんぱでありまして、これは安全サイドではなくて、操業サイド、企業サイドでやっておる。これは改める必要があると思うのだが、これはいかがか、これが第二点です。 第三番目は、漁船の復原性の基準の作成でありますが、これについては、以西底びきについてすでに百トン型について復原性の基準をつくっておるわけであります。これは各船について、各業種、各船型について、この復原性の基準というものをつくるべきだとわれわれは考えておる。以西底びきの百トン型だけではこと足りないわけですが、これを担当する水産庁の漁船研究室には、予算がないそうです。どこかの業界から金をもらってやっておるそうですが、こんなものはどうかと思う。今度の予算書を全部めくってみると、どこにもないものはない、何でも全部ありますが、ただし、みな中途はんぱでものの用に立たないものが大半だ。農林大臣を前に置いてたいへん失礼でありますが、今度政府から出しておる予算というものは、そういうものである。言うならば、選挙対策予算だ、こういうわけです。答えはできるのですね。中身は中途はんぱということになる。それと同じように、いま申し上げた漁船の復原性の基準の作成についても、この研究室が予算がない、だからできぬというんです。これは当然予算を取ってやるべきだと思う。これはどうですか。これは安全の問題ですから、一かためで安全の問題だけ聞きましょう。
○森本政府委員 第一点の洋上診療についてでございます。 現在私どもがやっておりますのは、北洋の漁船について、北海道水産会に補助をしまして、こういった関係のことをやっておるわけでございます。それからカツオ・マグロについても同様の助成をやっております。特別に病院船を仕立ててそういうふうなことをさらに拡充してするかどうかという点は、船の人手の問題でありますとかあるいは乗りますところのお医者さんの確保といったような観点から、実現性の問題についてはなおかなり検討を要するというふうに私どもは伺っております。なお、お話がございましたので、そういう点についても十分研究をしたいと思いますが、とりあえず私どもがいまやっておりますのは、そういうことでございます。なお、船にはそれぞれの大きさに従いまして医療の担当者、管理者等も乗っております。そういう関係で、医療無線の活用といったような観点でもってさらにそういう方面の充実をはかっていくといったようなことも、とりあえずの対策としてはあるのではないかというふうなこともございます。いずれにせよ、洋上診療等の拡充整備ということについては、将来の問題ではございますが、できるだけ検討をさしていただきたいというふうに思います。 それから北転船にVマークをつけておる、またその取り締まりなり実行の問題でございますが、現在そういうふうな形でVマークをつけるように、それぞれ一斉更新のときの許可の条件、あるいは将来の問題としては船舶安全法の適用といったようなことで適用が出てくるわけでございますが、ただ、Vマークをつくりました当時は、実は北転船には一層甲板の船しかなかったというようなこともございまして、現在新しく出てまいりました二層甲板の船にそれを適用していくことが、最近適用したところでは多少実態的に無理があるんじゃないかということが、実は内部で判明してまいりました。そういうことがございますので、二層甲板向けのVマークについては、できるだけ技術的な検討を早めまして、訂正すべき点は訂正する。訂正した後においては厳重に守っていただく、そういうふうなことで十分指導をしてまいりたいというふうに思っております。 それから復原性の問題は、実は私いまちょっとわかりませんので、あるいは担当者から、よければお答えを申し上げます。
○小島説明員 ただいま、漁船の復原性の基準につきまして研究をしろ、こういう御発言だろうと思います。御承知であろうと思いますけれども、船舶安全法の規則の中に船舶復原性の規制というものがございます。これは最近改正になりまして、二十トン以上の漁船についてこの規制がかかるようになっております。それで、この基準そのものは技術的なことでございますので、いろんな考え方等が発展いたしますと、あるいは技術的な変化がございますが、これに対しましては、漁船研究室等の研究をまちまして改良してまいりたい、このように考えております。
○久保分科員 復原性の問題を研究すると同時に、以西底びきでやったように、標準設計というか、そういうものもつくったらどうかという提唱なんです。いずれにしても研究室には予算がないそうだから、あとで内部で相談をして、そういうものはほんとうに予算が少ないなら、もう少し出すようにくふうをしてほしいということをつけ加えておきましょう。 それから北転船については、水産庁長官おっしゃるように、一層甲板だったのが二層になったので、当然一層ではひっくり返ることになります。だから、これは早く改めていただくということです。 それから洋上診療については、御承知のように、もうすでに研究も相当いったと思うのであります。だから、これもひとつ来年度予算に——来年度というか、少なくとも四十五年くらいには何とか計画が出せるように、一ぺん検討してほしいということをつけ加えておきます。いろいろおっしゃいましたが、どこかに助成して云々というような、それから無線で医療という、そんな急なことはできない。魚つりをやっておるのですから、無線でどんなに連絡してといったって、わかりませんよ。魚をつることは専門ですが、包帯を巻くことは専門でないのですから、それはだめです。そんなことでなくて、もう少し研究してほしいということです。おわかりでしょう。 時間もありませんから、最後に、これはこの間も予算委員会でちょっと問題が出ましたが、いわゆる外国船の沿岸におけるというか、沖合い、いわゆる日本の周辺における操業、特に最近ではソ連船のサバ漁、こういう問題であります。これは二国間協定によって何とかきちんとけじめをつけてほしいとわれわれは思うのであります。もう一つは、韓国の船も北洋のほうに来ているという話も、われわれは聞いております。いずれにしても日本列島というか、この周辺の漁場に対してもう少しわれわれ自身の権益というものを守りながら、やはり魚族資源を保護する、保存する、そういう問題も含めてきちんとしなければいかぬのじゃないかと思うのです。この間みたいに産卵場の近くでみなとられてしまったのでは、こっちのほうでは一本づりしかできない。片方はトロールでやるので、これはどうにもなりません。これはやはり真剣に御検討いただきたいと同時に、相手側に対してもやはり対等の立場で堂々と交渉して、日本の漁民が安心して操業ができるようにしていくことが、やはり命を守る政策の一つにつながると私は思うんです。そういう意味でこの面を推進してほしい、こう思いますが、大臣はどうお考えでありますか。 それからもう一つつけ加えておきますが、八戸のイカつり漁業、これもやはり漁業調整の問題で、サバつり等の暫定的な調整もことしの一月で切れたそうであります。だから、あなたはこの前ぼくの質問に対して必要ないようなお話がちょっとありましたが、これはやはり漁業調整という観点から、まず一つはやるということ、それから調整以外にも、人間の命を守る場合にはあらゆる手段を講ずるべきだということをひとつ考えてほしいと思うのです。指定漁業というのは、何も魚族の保存とかあるいは漁業の調整とかいうことに限ったものではないでしょう。それ以外にやはり一番大事なものがあるというならば、その意味からも指定漁業に指定するということがあっていいと私は思うのです。 時間がきましたから、私の意見を入れて見解を簡単にお伺いして終わりといたします。
○長谷川国務大臣 北のほうから銚子沖までのサンマの漁の問題、また伊豆沖におけるところのサバ漁の問題、この点は資源保護という問題にも関しまして、外務省を通じましてソ連に向かいまして厳重に抗議をし、また協力を願うような方法をとっております。 一言久保さんに申し上げるのですけれども、ことしの水産の予算というものは、私は思い切って重点的に獲得したというふうに考えております。しかし、いま御指摘のあったような点については、これはこまかい点でございますが、なさなければならない非常に大きな問題だと考えておりますので、その点は今後さらに十分検討を加えたいと思います。
○森本政府委員 イカつりの問題でございますが、前からそういう御指摘があるようでございます。ただ、指定漁業ということになりますと、漁業法の規定にもございますように、資源の関係あるいは漁業調整の全国的な観点からの関係ということになっておりますので、端的に申し上げますれば、いますぐ指定漁業に取り上げるということはなかなかむずかしいかと思います。ただ、イカの漁船がかなり大型化してくる。したがって、大きいものと小さいものの調整問題が起こる。あるいは一定の海域にかなりふくそうして漁船が入ってくるというふうな場合には、指定漁業というのはむずかしいかもしれませんが、それ以外の方法で何らかの調整的な措置は考え得るかというふうにも思いますので、その点につきましては将来検討さしていただきたいと考えます。
○久保分科員 農林大臣からお話がありまして、なるほど水産のほうの予算はたっぷりお取りになったのだろうと思いますが、先ほどのことばは、全体的な観点からすればということでありますから、御了承いただくと同時に、どうもくどいようでありますが、いままで私どもは漁船船員の立場からものを全部見ているのです。実際いうと、魚をとるほうからは見ていないのです。だからものの見方に何か多少片寄った点があるかもしれませんけれども、一番大事なのは、冒頭言ったように、やっぱり人間の命をどうしたら守れるかという問題だろうと思うのです。その観点から言うと、どうも農林省というか水産庁は、いろいろそういうサイドからの提言に対して少しく冷淡でありはしないかという疑いを持っている。疑いだから心配しないでいいですよ。そうは思っていない、疑いを持っている。それはうしろに業界というか、そういうものの擁護だけ考えているように、われわれは偏見としてとる場合がある。だから、偏見としてとられないようにひとつ協力してほしいと思う。たとえば運輸省から出ている船員法の改正の問題にしても、あるいは船舶職員法の改正にしましても、いろいろな問題がありますね。それから、きょうも私が質問したような問題がありますよ。私のほうから言うことに対して、みなどうも歯切れが悪いですね。もう少しきちっとしてほしい。それは冒頭に言ったように、水産政策というか、魚価その他全体を含めての政策をもう一ぺん洗い直さなければ、歯切れのいい答えは出てこないだろうと私は思う。この次質問するときは歯切れのいい答えをお願いしたいと思う。 ついては漁港はどうですか。わかったのですか。わかったら答えてください。
○森本政府委員 先ほどの波崎の漁港でございますが、第四次整備計画に取り上げるというような方向で検討いたしておるようであります。内容としましては、導流堤あるいは防波堤の築造、新設、その他の事業があるようでございますが、そういうものを調整をいたしまして、できるだけ整備計画の中に入れまして、必要な整備がはかれるようつとめてまいりたいと思います。
○久保分科員 長官、いまの導流堤というのは川の中へやる話でしょう。きっとそうですよ。担当者おられるのでしょうから、大事な点だから……。私は川の中へつくっちゃいかぬというのですよ。
○瀬尾説明員 いまの導流堤兼防波堤と申しますのは、利根川の治水上関係が——害のない位置で、波崎の漁港が利用できる位置に築造する構造物でございます。
○久保分科員 ちょっと時間超過をして悪いのだけれども、よくわからない。利根川の治水上関係のないところというと、利根川に関係がないところですな。そういうふうにとっていいのですか。
○瀬尾説明員 利根川というのは波崎の付近は非常に幅が広いわけであります。したがいまして、波崎港の導流堤兼防波堤をつくっても治水上支障のないという位置があるわけでございます。その位置に現在防波堤をつくり、さらに第四次整備計画でそれを延長整備していこう、こういうことで考えておるわけであります。
○久保分科員 私は利根川の治水のことをいま言っているのではない。安全な港をつくっていくべきだろうというのです。それには河口港はもはやだめだと言うのです。その観点から掘り込み式の漁港をつくることについて検討してもらえないかということを要求しているわけなんです。この点だけ答えてくれればいいのです。いまの話ではだめです。
○瀬尾説明員 先ほど先生の御質問に川の関係の話がちょっと出たものですからそう申し上げたのですが、波崎の漁港を利用する漁船は現在利根川の河口を通っておるわけであります。そこには右岸には御承知のように千人塚というのがございます。非常に難所であります。また河口港の特異性としまして、非常に砂の埋没等もありまして、時期によっては水深がマイナス三メートル以下にもなるということで、非常に漁船が困難をしておるところでございます。したがいまして、銚子及び波崎の漁港を利用する漁船につきましては、大型船についてはもはや利根川の河口を利用することはとても困難である、航路の維持も困難でありますから、別に航路を設けまして、それを通って銚子港に入り、波崎へ行くということを、現在私ども考えて実施中でございます。したがいまして、大型船については利根川の現在の河口は通らない、こういう考えでございます。 それからもう一つ、掘り込み式について考えたらどうかということも問題になったわけでございますが、掘り込み式を利根川の中で考えるか、外で考えるかという問題が実はあるわけでございます。中で考えた場合には、やはり利根川の河口というものが問題になりまして、河口の処理が問題になるわけでございます。河口が問題になる以上、やはり先ほど申し上げましたように、利根川と別個の入口、航路を使いまして、波崎を利用するということ以外にはないわけでございます。したがいまして、現在そういう行き方でやっておるのですが、掘り込み式を検討いたしましたのは鹿島灘の南のほうでございます。先生も御承知かと思いますが、あすこは掘り込み式というのはなかなか問題であるわけでございます。非常にばく大な工費をかければ技術的には可能でございますけれども、なかなかむずかしい問題がございまして、目下のところ銚子につきまして利根川の河口を利用せずに大型船を入れようという計画がございますので、それができました場合には波崎の船もそこを通って波崎に行く、現在のところこれが一番いいのではないかということで、銚子の漁港と波崎の漁港を総合的に一貫的な機能を果たすものとして、いま計画を立て実施を進めておる次第でございます。
○湊主査代理 それでは久保君の質問は終わりました。 次に、芳賀貢君。
○芳賀分科員 私の質問の要旨については事前に申し上げてあるので、簡潔に的確な答弁をお願いしたいと思います。 第一の点は、農産物価格安定法に示されておる価格維持のための国内産でん粉の政府買い上げの問題でありますが、一月二十日に政府はバレイショでん粉について三万トンの買い上げを決定したことは承知しております。しかし、この三万トンの買い上げによって政府の期待する価格の回復がまだ不十分でありますので、そういう場合には政府が示したいわゆるでん粉の政府買い入れ価格水準に達せさせるための第二次の買い入れというものは当然必要であるわけでありますけれども、これに対して農林省としてはどういうような方針でおるか。また、これは食管特別会計に関係がありますので、当然農林省、大蔵省合議して買い入れの数量、時期等についてはきめることになっておりますので、この点はあわせて相沢主計局次長にも大蔵省としての見解を述べてもらいたいと思います。
○小暮政府委員 本年のでん粉の……
○芳賀分科員 大臣が答弁してわからぬ点は園芸局長に説明させるとかいうことでなければ、順序がおかしいじゃないか。
○長谷川国務大臣 でん粉の買い上げの件につきましては、芳賀さんからもその処置に対しての要求がございまして、ただいまお話のありましたように、政府としては三万トン買い上げをきめたわけでありまして、あと、それ以後の技術的な点と他の点については、局長から御説明を申し上げます。
○小暮政府委員 三万トンの買い上げの方針を明示いたしましたのは一月のことでございますが、具体的な買い入れは実は二月に入りましてから現在これを行なっておりまして、三月十七日までに買い入れ分を終わるということにいたしております。すでに買い入れを発表いたしました時点で、若干価格が上昇しましたけれども、御指摘のように、いまだ必ずしも基準価格そのもののカバーをしておらない。まだ若干差があるようでございます。しかし、御承知のように、一月、二月は不需要期でもございまして、かたがたカンでんのほうの需給は御承知のように非常に逼迫いたしております。現在、三月十七日を限度として三万トンの買い上げを続行中でございます。これらの措置の結果、並びにカンでんと馬でんとを総合しての需給の動き等を冷静に見詰めまして、なお必要があれば措置をしていくということでございます。
○相沢政府委員 でん粉の価格が下がっておりますので、三万トン程度買いささえのために予算の支出を認めてほしいというお話がございまして、私どもいろいろ検討いたしまして、御案内のとおり、二月の中ごろからその買い上げをやっているわけであります。 このでん粉の市況がどういうような事情でどういうふうになっているかについては、いろいろ見方があるようでございまして、おととしの関税適用の改定前における見越し輸入がいまだにたたっているというような考え方もございますから、いずれにいたしましても、三万トンの買い上げをやったあとの時点におきまして、なお買い入れする必要があるかどうか、そういった点につきまして、農林省から相談がございますれば十分検討するつもりでおります。
○芳賀分科員 農安法によると、イモでん粉年度は、毎年の十月から翌年九月までということになっておって、十月のでん粉の出回り時期から現在もう約半年たっておるわけです。出回り当初から今日まで、でん粉の価格は例年になく非常に低落をたどって、いまだに政府が決定、告示した、いわゆるバレイショでん粉の買い入れ基準価格に到達していないわけです。そうなると、ことしのイモ年度中、でん粉の政府の支持した価格が回復しないということで終わるようなことがあっては、これはたいへんな事態になると思うわけです。したがって、第一次買い上げは相当時期がおそかったわけですが、政府の熱意もある程度認められるので、それだけでやめておけば、結局買い入れした効果がないということになるわけです。効果がなければ、何も無理に国の予算を使って買い上げする必要はないということになるわけですから、期待効果をあげるということになれば、現在の市況等十分見きわめて、速急に第二弾を買い入れの形で打ち出して、そうして所期の成果をあげるということが当然だと思う。まだ四十三年度の食管特別会計の農産物安定勘定は、馬でんを買い上げる場合にも四万トン程度は買い入れる余地を残しておるわけだから、これは実施可能だと思うわけです。 そこで、きょうはっきりしてもらいたいのは、今後どのくらいの時間の経過を待って価格が回復しない場合にはどのような形で第二次買い上げを発動するか。それと、四十三年度の予算が十分残っておるわけですから、この四十三年度の食管の買い入れ予算との兼ね合いでこれは実行する必要があると思うわけです。この点について農林省及び大蔵省から明確にしていただきたい。
○小暮政府委員 予算は会計年度でございまして、イモのほうはイモ年度ということで考えておりますので、年度のかわり目というのが気になるということもございますが、しかし年度がかわりましても、当然次年度の予算で四十二年産のでん粉は買い上げができるという予算の仕組みになっております。その点は御心配のないようにお願いしたいと思います。 なお、ものの相場でございますので、動き出す時期がどの辺になるか、なかなか予測がつきませんが、先ほども申しましたように、具体的な買い上げは目下続行中でございます。三月十七日を期限に買い上げを完了するということでございます。 なお、年度内の予算があるというようなことは、予備費があるということだと思いますが、予備費のワクがございます。もし年度内に買い上げを必要とするような事態がございますれば、予備費を使って買い上げをする、年度を越えますれば新予算で買い上げをするということで、予算については支障ないように措置してございます。
○芳賀分科員 私の心配は、予算の心配じゃないのです。政府がちゅうちょしておれば値段が回復しないわけでしょう。特に、でん粉の政府買い入れをやる、買い入れの条件はまずその製造されたでん粉が、政府があらかじめきめた原料イモの基準価格以上でその原料を買い入れして製造されたでん粉に限って買い入れするということになっておるわけですね。だから、買い入れが必要だというでん粉については、原料についてはすでに政府がきめた告示価格以上に原料の買い入れをしておるわけです。それに基づいて製造されたでん粉ですから、当然製造コストから見れば、政府がきめたでん粉の買い入れ価格を上回る水準でなければ価格支持ができないということになるわけでしょう。そういうことは役人であるあなた方がよく知っておるわけでしょう。もう半年、原料イモは政府の言うとおりに買ったが、でん粉は支持価格より相当大幅に下回っておるという状態を放置しておいて、予算は心配ないから安心しろと言っても、一体それでは政府としては、指定生産者団体ですね、この規定からいうと全販連ですが、全販連を中心にして、政府の支持価格が回復するまでの間はもう完全に保管体制を強化して売り出しをしないで、売りどめの体制でいけというような行政的な指示ができるわけですか。そういう決意を持って、それ以下で売ってはならぬ、そうして年度末になってでも、大量なでん粉が残った場合には、その時点で全部無制限に買い入れするから心配するな、そういう強力な行政指導をやる自信があるのですか。あればあるとここではっきり言ってください。これは農林大臣から明確にしてもらいたい。
○長谷川国務大臣 こまかい点はなにでございますけれども、私のほうも全販とは十分連絡をとりまして、そうして買い上げについてはできるだけの買い上げを早急に行なおうじゃないかというような話も進めておりますし、もし価格維持がどうしてもでき得ないというような場合があるならば、もう時を待たずに、時をかすことなくその発動をいたしたい、こういうふうに考えております。
○芳賀分科員 それじゃ、問題を整理して、一つは第二次買い上げが行なわれるまでの間、価格が回復すれば買い入れの必要はないのですからね。買い入れの必要がない状態が一番好ましいわけですから、第二次買い入れが発動されるまでの間、依然として価格が低迷しておる場合は、これは調整保管団体としての全販連が政府の買い入れ価格以下で売らないというふうに、売りどめせいという、そういう行政指導をやるわけですね。それをやってもいつまでも価格が回復しないという場合には、即刻第二次買い上げを必要数量行なうということですね。
○小暮政府委員 調整団体である全販連に対しましても、生産者に対してはすでにイモ代は支払っておるわけですから、調整保管しておりますでん粉を、基準価格を割って売ることは避けるようにできるだけ努力してもらうということは現在も話し合っておるわけです。ただ、計画経済でございませんので、強制的に役所のあれで売りどめをするというわけにはまいりませんが、やはり一つは、かねて申し上げておりますように、ことしはカンでんの需給が逼迫しておって、馬でんの需給が余っておるという非常に異例の年でございます。やはり調整団体としても可能な限り数量は適期にさばくということについては努力をするという面もございます。 ただ、いずれにしても、どちらかというと調整外のいわゆるアウトサイダーが、これはもともと生産者にあるイモ価格水準を支持するという約束をしていないわけですから、生産者から安く買ったものからつくったでん粉を持って基準価格以下で市場に売るというようなことがどうも否定できないわけでございますから、調整団体は極力その線に乗らないようにということで努力いたしておるわけでございます。
○芳賀分科員 だから、はっきりいって、政府が買い上げ出動するまでの間は、調整保管分については全販連がみだりに安い値段で売らぬように行政指導をやる、これは全販連ができないかもしれぬということは、そのあとは政府が引き受けるということをはっきり言わないから、全販連だけの努力では価格維持ができないのですから、いま大臣が言われたようなことでやってくれるなら、これは大船に乗ったようなものですから、値段が回復するまでは全販連は売らない。しかし、一定の時期には、これは政府が買い上げしないと需要に対して国内産のでん粉の供給ができないということになるのですからね。その場合には当然政府の買い入れをやるということになるわけですね。その場合には売りどめをさせた期間の保管料であるとか金利とか倉敷、これは当然政府が背負うということになるわけだから、そういうことをここで明確にしてくれれば安心できるということになるわけだ。私がいま言ったようなことで間違いないですね。
○長谷川国務大臣 どうもお気に召さないかもしれないけれども、基準価格を守るようにやりますと言うよりお答えがむずかしいのです。御了承を願いたいと思います。
○芳賀分科員 その点に対しては大蔵省は相沢次長を通じて、必要な場合にはいつでも同意するということを言っているのだから、少し強力にやってください。 次にお尋ねしたい点は、砂糖価格安定法に基づいてことしの四月十日に四十四年産の原料てん菜の価格告示をするわけですね。これはまだ相当余裕があるが、一つ問題があるわけです。いままでの原料価格、いわゆる最低生産者価格、これを算定する場合に、生産者の圃場からもよりの集荷場所までの原料運賃というものが原料価格の中にも入っておらぬ、あるいはまた、製造業者から買い入れをする砂糖価格の中にもこれは算入されていないわけです。だから四十四年の最低生産者価格をきめる場合には、この点を農林省として明確にしますという約束になっておるわけですね。ですからこの際、この生産者の圃場からもより集荷場所までの原料の運賃については、ことしから原料価格の中にそれを算入するか、——あるいは集荷場所から工場までの運賃は、政府が買い入れるいわゆる砂糖の買い入れ価格の中にこれは原料運賃として算入されておるわけですね。だから、圃場から生産者が搬出する集荷場所までの分が生産者価格にも砂糖の価格にも算入されておらぬわけだから、これはいずれに入れても差しつかえはありませんが、ことしはどういう方式でやるか、この点をこの際明らかにしておいてもらいたい。
○長谷川国務大臣 その点については事務当局から答弁させます。
○小暮政府委員 てん菜の最低生産者価格の決定方式は、御承知のように前年の生産費調査を基礎にいたしまして、これにパリティその他を勘案して定めるわけですが、従来その生産費の計算の中には搬出費は入っていない。しかし、御承知のように、最終的に価格を決定いたします段階では、各種の勘案事項がございまして、ある水準でこれを定める。したがいまして、昨年の例で言えば、昨年定めました最低生産者価格は、逆に言えば生産費そのものではなく、生産費よりは若干高くなっております。したがって、決定したものには搬出費相当のものも入っておるということに理解いたしておるわけです。 ただ、その入り方が明らかでないという問題がございまして、昨年、次回の決定までに十分そこを研究するということを申しておるはずでございます。したがいまして、今回の価格決定までにその点は十分勉強して明らかにいたしたいと考えます。
○芳賀分科員 それは入っていないのじゃないですか。農林省の農産物の生産費調査はもちろん入っていないのですよ。米にしても、なま乳にしても、もろもろの農産物は搬出費は入れない調査をすることになっておるわけです。これは入っていないのがあたりまえなんですよ。それに加算しなければ入ったことにならぬわけですね。だから、どれだけ加算するかということがこれからの問題であって、すでに加算しているというのはインチキですよ。加算してあるのなら幾ら去年加算したのか、実績がわかるでしょう。
○小暮政府委員 ことばが足りませんでしたけれども、生産費に搬出費を加算して最低生産者価格を決定したのではなくて、決定されました最低生産者価格は生産費よりもかなり上の水準に相なっておるわけでございます。その決定価格は、論争のございました搬出費相当分を含むというふうに理解できるということで、ただそれは昨年もそれをめぐって非常に論争があったというふうに承知いたしております。本年の価格決定の際に、十分搬出費の問題を明確にいたしたいというふうに考えております。
○芳賀分科員 それは局長はまだ新しいから、あなたはわからないのはあたりまえですよ。最近なったばかりでしょう。だから間違って言っているというのは、これは前任者の局長の補佐役の砂糖類課長に言われて、まともに受け取って、去年このくらい入っておると思っておるんだが、それは大間違いですよ。いままでは入っておらぬので、その帰属を原料代に入れるか、あるいは砂糖価格に入れるかということについては、四十四年度の原料てん菜価格をきめる時点までに十分研究して明確にするという、これは宿題になっているからそう急ぐことはないのですよ。しかし、ぼちぼち指摘しておかぬと、そのころになってからあわてても、また一年おくれということになるので、あなたの、幾ら入っているかわからぬが、若干入っているのでというような答弁は、これはでたらめですから取り消してもらいたいと思います。
○小暮政府委員 昨年の場合に生産費が六千六百何円かで、決定が七千二百六十円であったということから、七千二百六十円の中には、搬出費という名目で加算したものではございませんけれども、生産費よりは数百円高くなっておりますので、その問題も同時に実質的に解消しておったのではなかろうかという見解を申し述べたのでございますが、御指摘のように、当時おりません者が、そこまで何か理解するというのはやや僭越のように存じますので、次回の決定の際まで十分勉強して明らかにするようにいたしたいと思います。
○芳賀分科員 次に、加工原料乳の補給金法に関係あるわけですが、これは畜産局長に伺いたい。 補給金をきめる場合、保証価格あるいは基準価格をきめる場合に、農林大臣が定める限度数量というのは、法律の中にあるわけであります。これはおそらく去年、四十三年度は、農林大臣が定める生産者補給交付金にかかわる加工原料乳の数量の最高限度、これは百七万一千トン、農林大臣が昨年の三月三十一日に告示されておるわけです。この限度数量は、毎年数量がふえておるわけでして、これは補給金法から見ると、あまり好ましい傾向じゃないのですね。補給金法ができた場合に、国内で生産されるなま乳は、主として飲用乳ですね、市乳化の方向にこれを政策的に持っていく。それまでの過渡的段階において、加工乳地帯のなま乳が、価格上非常に不利益な取り扱いを受けるので、この際、加工原料乳については、一定の補給金を交付して価格の安定をはかるということになっておるわけであります。 それで、年当初の百七万一千トンはよろしいですが、結局政府が期待したような市乳化が進まない関係もあって、なま乳生産量の伸びた分は、ほとんどこれは加工原料乳のほうに回っておるわけですね。そういうことで、もう四十三年の末になるわけでありますが、北海道等においても、限度数量が二月にオーバーするというような状態になっておるわけです。そこで、これは政府の行政的な判断の誤りということになるわけですからして、やはりこの際、農林大臣の定むべき適正な加工原料乳の限度数量というものを、年度内にすみやかに再検討して、検討をし直して、そうして適切な数量の改正をやる必要があると思うのですね。それをしないと、三月なら三月分については補給金が全然交付されないというような事態が起きるわけです。生産者の場合は、そういう不利益が起きるが、乳業メーカーの場合は、基準取引価格というのはそのまま生きておるわけですからして、メーカーは依然として安い原料乳を買い入れることができるが、生産者だけが一方的に補給金の渡らないまま乳を販売しなければならぬということになるわけですね。 法律によりますと、限度数量等を改定する場合においても、農林大臣は、畜産振興審議会の議を経なければならぬということになっておるわけですから、長谷川農林大臣は、すぐやりたいと思っても、まあきょうやるわけにもいかぬと思いますが、この点はどう考えておるのですか。その必要を認めておると思いますけれども、これは速急にやってもらわぬと、来月が年度末になるわけですから、その点を大臣から明らかにしておいてもらいたい。
○長谷川国務大臣 御指摘のように、百七万一千トンの限度数量でございますけれども、市乳化の促進について一そう指導はいたしますけれども、最終的には、府県にいろいろ割り当ててある県別の限度数量の調整を行なって、そして不足の発生した都道府県といいましょうか、不足している、限度までとてもいかぬだろうというようなところから回していく、そういうふうなことをしてなるべく調整をとっていけば、それで間に合わないだろうかというような考え方を一応は伺っておるのですけれども、こまかい点については局長から御説明申し上げます。
○太田政府委員 先生御指摘のとおり、四十三年度におきましては、生乳の生産が非常に伸びまして、暦年で統計がまだ全部そろっておりませんが、四十三暦年では、前年に対しまして一二・四%というような伸びを示したのでございます。一方、非常に残念であったわけでございますが、夏場における天候の関係もございまして、最も需要の旺盛な夏場に食用乳向けの数量が伸びが鈍化いたしまして、その結果、加工原料乳、そして乳製品の生産が非常にふえまして、在庫が増大した。そして市況が低迷したというような事態を招いたのでございますが、いま大臣のおっしゃいましたように、加工原料乳の限度数量につきましては、各県別に一応の数量の割り当てを行なっておりますので、われわれといたしましては、先生の御指摘のような地域によりましては、現在われわれが認めておる数量をこえておるところもあるようでございます。年度末にできる限り過不足を調整いたしまして、何とかしのぎたいと思っております。ただし、現実にそれが全部可能かどうかという点につきましては、現段階では多少不安があるような状況でございます。いずれにいたしましても、今後の推移を見まして調整をやってまいりたい、そのように考えている次第であります。
○芳賀分科員 大臣並びに局長の答弁でおおよそわかりましたが、そうすると、大体各県別の数量調整を行なえば、それでやや解決できるということですね。
○太田政府委員 今後の需給の推移を見ないとわからないわけでございますが、現段階で百七万一千トンの中に必ず全部おさまるということを申し上げる段階には実はないわけでございまして、多少こえることもあり得るのではないかというふうに考えております。
○芳賀分科員 じゃ、あり得る場合は先食いですね。そういう形でも出すことになるのですか。
○太田政府委員 たいへんむずかしい問題でございまして、昭和四十一年度以来加工原料乳の不足払い法を運用してまいりまして、今日までそういう事態は実はなかったのでございますが、今回、先ほど申し上げたような事情で限度数量をこえるような事態が出てきておるのでございます。そしてあの法案の審議の過程におきまして、先生も十分御承知のことかと思いますが、あの法律で限度数量を設けましたゆえんのものは、不足払い制度の国の財政負担を通じまして生乳生産の安定的な拡大を推進しようとするものでございまして、生産者に対しまして合理的な供給の指標を与える、そして同時に、その反面、需要をこえる生産につきましてはできる限り自主的な調整を行ってもらうという趣旨で、不足払いの対象となります数量につきまして、一応の目安となりますところの数量の限度というものを毎年度示すということで限度数量というものが設けられたのでございます。 現在、先ほどもちょっと申し上げましたように、牛乳、乳製品の需給状況がきわめて悪化しておるのでございまして、しかも一方におきまして、先般私のほうできめたのでございますが、事業団の乳製品の買い上げ措置というようなものまで講じまして、できる限り現在の低迷している市況を安定指標価格に近づけるということで買い出動を事業団がいたしておるというような状況でございますので、これらの事情も十分勘案いたしますと、ふえた場合にこれを直ちに不足払いの対象にするということはなかなか困難ではないかというふうに考えておるのでございます。
○芳賀分科員 もう時間が切れそうですが、もう一点だけ、通告してあるのでおわかりと思いますが、こっちで問題点だけ簡単に言いますから、用意した答弁だけお願いしたいと思います。 それは、ことしの国会における総理大臣、大蔵大臣、経済企画庁長官並びに農林大臣の発言を聞くと、四十四年度産の生産者米価、消費者米価については据え置くと言っておるわけですね。消費者米価を政策的にあるいは物価対策上据え置くのはまことにけっこうですが、生産者米価を最初から据え置くというような政治的意図を打ち出すことは、これは食管法上から見ても重大な問題だと思うのですよ。 そこで、たびたび農林大臣も据え置きたいと言っておるが、それではことしの生産者米価を決定する場合に、どういう算定方式あるいは方途を講じて四十四年度産米が去年と同じように落ちつくようにするのか、そういう巧妙なやり方がすでに用意されてあればこの点を明らかにしてもらいたいのです。こういうふうにして据え置きの答えが出るようにするという、それが一点です。 それから、自主流通米と政府が買い入れたいわゆる管理米の売り渡し価格について、これがその場主義で不統一なわけですね。まだやってみぬからわからぬようですが、たとえば自主流通米は政府の管理からはずすわけですが、消費者に渡るいわゆる小売り価格については、この分は物統令の第四条の規定の主務大臣の告示をはずすということ、これには間違いないと思うわけです。もう一つ、それと同じ時点から以降に政府の管理米の売り渡し価格ですね、食管法の四条については、これはいわゆる卸売り業者、販売業者に売り渡す米の値段については、政府が食管法に基づいてきめた値段で売り渡すということになっており、それから下の末端価格、いわゆる小売り価格については、物統令の第四条に基づいて毎年政府が売り渡す米の販売価格が変わるごとに小売り価格の改定を大臣告示でやっておるわけです。ですから、これとこの自主流通米の末端価格との関係ですね。最初のうちは、どっちも同じように物統令からはずして、今度は基準価格というようなことで行政的な価格指導をやると言っておりましたが、最近はこの扱いはまた以前と同じように管理米についてはするということも言っておるわけです。ですからこれをどう考えておるか。自主流通米だけのいわゆる流通価格をどうするかという点と、いまの食管法に基づいておるいわゆる管理米の販売価格、それから小売り価格等については当然現在どおりの方針であるということか。そうなれば管理米は物統令からはずさないで現行どおりやるということに当然なるわけですから、この関係が、毎日ネコの目の変わるようなことを言うので、国民は迷惑を受けておるわけですね。この際これを整理して明らかにしてもらいたいと思うわけです。 それからもう一つは、管理米について物統令四条から大臣告示価格をはずすということになれば、これは単に物統令だけの問題でないのですね。食管法に基づく政府の管理米については、これは財政法の第三条の規定、それを受けた財政法第三条の特例法というのがあるわけです。特例法と物統令というものは重大な関係があって、物統令を廃止した時点において財政法第三条の特例法は自然にこれは消滅するということに法律上なっておるわけです。こういうことは役人の皆さん十分承知の上で事を運んでおると思いますが、いま私が指摘した問題についてこの際明確にしてもらいたいのと、もう一つは、やはり食管特別会計をあずかっておる大蔵省の側においてもいろいろな見解があると思うので、これは両省から明確にしておいてもらいたいと思うわけです。
○長谷川国務大臣 最初の一点でございますが、四十四年産米価の算定にあたりましては、具体的にどのような算定方式をとるかはまだきめたわけではございません。いずれにせよ生産費及び所得補償の考え方に立って算定をするつもりでございますが、この場合、その算定にあたって、需給事情を反映させ、生産者米価を据え置くことは不可能ではないと考えておるのであります。 次の自主流通米の構想、これにつきましては桧垣長官が来ておりますから、桧垣長官からお答えいたします。
○桧垣政府委員 自主流通米の発足を構想いたしておるわけでございますが、自主流通米につきましては、御指摘のように、需要の動向に応じた価格の形成をされることが適当であるというふうに考えられますので、生産者価格、流通段階における価格、末端価格、いずれも価格規制はしないという考え方でございます。 政府管理米につきましては、政府の卸売り業者に対する販売価格は食管法第四条の規定で当然きめることになりますが、末端価格につきましても、家計の安定を旨とするという四条の趣旨からいたしまして、何らかの価格規制はいたしたいということは一貫して申し上げておるのでございます。その場合、価格の規制につきましては、一つは物価統制令による最高販売価格の規制という方法があり、いま一つは食管法第十条の規定による政府の命令権が与えられておりますので、それに基づく価格の規制ということも考えられる。もう一つは、一般的に米の流通段階における価格の統制ということではなしに、政府に登録されました販売業者の扱う政府管理米の価格だけでございますから、これは政府が食糧管理運営の上の行政上の指導価格として基準価格を設け、これを順守をさせるという考え出力とあり得るわけであります。 物価統制令による価格統制は、これはおよそ米一般についての価格統制というのが私は本来の姿であろうというふうに思いますので、自主流通米というものが発足いたしましたあと、物価統制令の最高販売価格の適用というのは法制的に適当でないのではないだろうか。と同時に、物価統制令による最高販売価格の規制については、ある方面ではもはや現在の段階では適当でないという御意見等もございますので、最終的に政府として価格規制の手段方法を決定をいたしておりません。おりませんが、食糧庁、農林省といたしましては、行政上の基準価格を設けて、その価格で消費者が必要な量の政府管理米の配給はいつでもどこでも十分に受けられるというようなことにすることが最も適切なのではないだろうかという考え方でございます。 それから、米の消費者価格について物価統制令をはずせば財政法第三条の特例に関する法律が廃止になるというような趣旨でもないかと思いますが、それに似た御質問でございます。物価統制令それ自身が廃止になりますれば、財政法第三条の特例に関する法律が廃止になることは同法の附則に明記されておりますから、御指摘のとおりでございますけれども、米に関する物価統制令の適用を廃止いたしましても、直ちに財政法第三条の特例に関する法律が廃止になるわけではございません。なお、かりに財政法第三条の特例に関する法律が物価統制令の廃止と同時に廃止されるということになりましても、元来といいますか従来から、政府としては米に関する価格は財政法第三条にいう専売価格ではないという見解をとっておるということをつけ加えてお答え申しておきたいと思います。 なお、財政法に関する見解の問題でございますので、財政当局からの詳しい御説明があれば、それに譲りたいと思います。
○相沢政府委員 財政法の第三条の解釈の問題にも関連いたしますので、私から大蔵省の見解を申し上げます。 財政法第三条の特例に関する法律は、物統令が廃止された場合には廃止されることになりますので、その場合に財政法第三条の規定が動きまして、国の独占事業における専売価格または事業料金については、すべて法律または国会の議決に基づいて定めなければならないという規定が発動することになることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、先ほど説明がございましたとおり、ただ米価が物統令からはずされたというだけではこの財政法第三条の特例は廃止されることにはなりませんので、その点はただいま食糧庁長官から答弁があったとおりでございます。かりに物統令が廃止された場合には、ただいまお答えいたしましたとおり、当然財政法第三条の特例に関する法律が失効いたします。その場合この財政法第三条が国の独占事業について適用になるわけでございますが、しかし米価はこの財政法第三条による専売価格には該当しないというのが従来からの政府の見解でございます。 それについて申し上げますと、米価のうち生産者米価は、これは政府が買い入れる価格でございますから、財政法第三条とは全く関係のない問題でございます。財政法第三条は専売価格もしくは事業料金についての規定でございます。また消費者米価の面におきましても、卸売り業者が小売りに渡す価格、また小売り業者が一般消費者等に販売する場合の価格、これはいわゆる卸売り米価及び消費者米価でございますが、これにつきましても、その米を売り渡す事業は国の事業ではございませんから、これは財政法第三条の適用はないということになります。 それでは政府が卸売り業者に売り渡すところの価格がどうなるかということが次に問題になるわけでございます。この点につきましては、現在政府が食糧管理特別会計において行なっておりますところの米の売り渡しが専売事業に該当するかどうかということが問題になるわけであります。しかしながら、専売事業というのは、この第三条で専売事業についての価格または料金について、このようにいわば租税法律主義の延長といたしまして法律または国会の議決に基づいてきめなければならないと定めておりますのは、国民に対して強制的な負担となる専売価格等については、何らかの形で国民の代表である国会の意思を反映させるべきであるというところにその趣旨があると存じております。しかしながら、現在食糧管理特別会計が行なっておりますところの米の売り渡しは、これは国民の食糧の確保と公平な配給ということを目的として現に多額の財政負担をして行なっている事業でございますので、いわゆる専売によって利益をあげるというような目的で行なわれているものではございません。また、現在の制度におきましては、農家に相当量の米の自家保有が認められておりますほか、明年度からは自主流通の制度も認められるのでございまして、通常の専売制度に当たるということには考えられません。したがいまして、政府が食糧管理特別会計におきまして現在卸売り業者に対して行なっているところの米の売り渡しは、財政法第三条にいうところの国の専売とは考えられないというのが政府の見解でございまして、これは第三条の特例法が国会において審議されました場合にもその旨は明らかに答弁申し上げている次第でございます。
○芳賀分科員 この問題については、食糧庁長官並びに主計局次長の答弁ではわれわれとしては絶対に了承いたしがたいわけです。しかし、これは重大な問題であるし、また立法上からも十分今後論議を要する問題ですから、別な機会に譲ることにして、本日はこれで終わります。
○湊主査代理 それでは次に佐々栄三郎君。 なお、政府委員に申し上げますが、答弁は簡潔に願います。
○佐々分科員 農地法の改正案が提案されております。昨年の国会で提案されましてこれが廃案になったわけでありますが、今度また提案されました。内容を見ますると、前回のとほとんど変わっておらないというよりは、むしろ四つばかり新しい問題が追加をせられたようでございます。私はこの内容を一応検討いたしたのでありますけれども、やはりわれわれとしては了承できない問題が多々あります。もちろん中には妥当な条文の改正もあります。ありますけれども、またどうしても了承のできない点も多々あるわけであります。こういうようなものではおそらく農林水産委員会の審議の場にのぼることもむずかしいのじゃないか、あるいは前回と同じように廃案の運命になるのじゃないかというように私どもは思われるわけでありますし、また、こういう内容ではそういうふうにいたしたいと私たちは考えておるわけです。おそらくまた、これはそういうわけで来年第三回の提案をするというようなことになるかもしれぬと思うのですが、そういうときの御参考までに、おそらく私は、先ほど言ったような事情で、農林水産委員会でこれについて意見を述べる機会が今後あるいはないかとも思いますので、次回の御提案の参考としてひとつ若干の問題について意見を申し述べたいと思うわけなんです。 われわれ納得できない問題がいろいろありますが、その中で、きょう取り上げて問題にしたいと思っておりますのは、主として農地解放時の残存小作地の問題でありますが、その前に一、二の問題について、この問題に関する一般的な問題につきまして農林大臣のお答えをいただきたいと思います。 この改正案の重点は、要するに経営規模の拡大という点にありますが、いままで政府が志向してまいりました所有権の移動による経営規模の拡大というものが非常に困難であるということに思い至りまして、賃借権を弱めて、また小作料を自由にして、土地を持っておる者が土地を貸しやすくする、取り返しやすくすれば貸すようになるだろうというようなことに重点を置きまして、との農地法の改正案が立案されたようであります。私が農林大臣にお伺いしたいのは、そういうような形で経営規模の拡大をはかられようとしながら、一方で、日本のいまの農業の上でどういう事態が進んでおるかということを考えてみますると、たとえば米や、あるいはまた経営規模はあまり大きくはありませんけれどもたばこなどに例を見られまするように、むしろ逆に経営規模を縮小しなければならない、そういう政策が一方で進められておるということでございます。また、こういうような政策転換の代替政策としていわゆる総合農政というものを政府は打ち出しておられますけれども、今日、畜産あるいは果樹というようなものを見ましても、貿易自由化によってだんだんそれが困難になってきており、特に果樹の中のミカンのごときは、今日生産過剰の状況に入ってきております。むしろこれは経営を縮小しなくてはならぬというような事態になっておるわけなんです。そういうようなことのほかに、一般的な、間接的な意味での経営規模縮小に影響する問題といたしましては、市街地地域の拡大であるとか、過疎地帯の拡大であるとかというようなマイナス要因ができてきております。 こういうような現在の農業上の諸問題を考えてみますると、政府は経営規模拡大を呼号する、それに非常に執着をしておられるが、一方、こういうような事態が起こってきておるということをどういうふうにお考えになっておられるか、この点についてまず農林大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○長谷川国務大臣 現在の日本の農政全般の上に立ちまして、御指摘のように対外的な自由化というものが推し進められてきており、これは見のがすことのできない事実でもあり、また経営者というものの後継者といいましょうか、こういう若い方々の都市へのあこがれというか、流出という点等も考えなければならぬ反面、また、国民全体が要求する、つまり食糧の構造改善の上に立っての要求物資というものをいかに供給するかという点については、現在のようなやり方であっては対抗することができ得ないであろう。したがって、今回の農地法にもあるように、農地を少しは拡大し、そして経営規模を拡大していくということが最も理想的な方法ではないだろうかというようなことに基づきまして、その上に立った総合農政を推し進めていきたいという観点に立っての草案でございます。 以下、こまかい点につきましては官房長から御説明を申し上げたいと思います。
○大和田政府委員 私どもが農業経営の規模拡大ということを申し上げておりますのは、一つは生産性を高めるということと、もう一つは、とにかく農業を職業として選んだ農家が、自分の職業によって食べれるような経営にまで発展させるということは、農業に携わる人として当然の要望であろうということでございます。したがいまして、個別農家が大きくなることもけっこうでございますし、そういう道がなかなかむずかしい場合は、共同の形で経営規模を大きくするということも当然考えられるわけであります。これはいかなるものをつくるかということとは別の問題として、経営規模を大きくするということがこれからの農業にとって非常に大切なことであろうと思います。 ただ、いまお説の中にございました経営規模の拡大ということを言いながら、一方で米の生産縮小を言うのはどうかというお話でございますが、農業生産というものは需要に即して行なうことが当然であって、需要がある程度まで縮減して生産が過剰になるということが長期的に見通される場合は、やはり生産の調整を行ない、需要の強いものにだんだん転換していくということが、これまた農業の生産にとって非常に大事な問題であろうと私どもは思います。したがいまして、経営規模の拡大ということを言い、また米の生産調整ということを言うことは、いまの時点において、日本の農業問題にとってそれぞれ大切な二面をあらわすものでございまして、両者が矛盾しているというふうには考えておりません。
○佐々分科員 ただいまのお答えに満足をしたわけではありませんが、肝心の問題に進まなければなりませんので、また後日論議をしたいと思います。 第二番目に、これも大臣にお伺いしたいのでありますが、賃借権を弱化して耕作権が不安定になりましたならば、農民はたとえ土地を借りてもその土地に投資することを手控えることになると思うのです。政府は現在構造改善政策を進めておりますが、これと矛盾するように私は思うのですが、その点を一体どいうふうに理解をしておられるかという点であります。
○中野政府委員 ただいま賃借権を弱化するというふうなお話でございますが、われわれのほうの今度の改正案におきましては、十年すれば更新するという規定を置いた点についての御指摘がありましたが、やはり一方では、新規に農地法の上にのせて正規の賃貸借を進めないと、拡大をはかる場合に、あまり耕作権が強過ぎるとなかなか貸さない。そうして現実は、やみ小作その他でほとんど耕作権のないようなしろものになってしまっておりますので、その辺のバランス等を考えましてやったわけでございます。 ただ、たとえば十年貸しますというようなことになりました場合に、小作人の投資したものはどうなるかということでございますが、これにつきましては、民法におきましても有益費というような規定がございまして、それによって対処できるかというふうに考えております。
○佐々分科員 次に、残存小作地の問題につきましてお伺いしたいのですが、残存小作地というのは農地解放の当時に全面解放にならなかった小作人、それから地主の土地保有状況によって解放にならなくて買うことができなかったというような、いわば非常に不運な小作人だと考えております。それから、その残存小作地の小作人自体を考えてみますと、これはもうおそらく七十年も八十年もの間地主に収穫高の半ばにも達する高率の小作料を支払って、その元本はもうすでに償却している土地だと私は考えるわけです。ところが、今度の農地法の改正案を見ますと、これに対する配慮がほとんどない。ほとんどないというのは、小作料について若干の配慮がありますが、十年という期間の間、現在の統制をこれには続けていく、こうなっておりますが、その他の問題については全くこれを同一に取り扱っておるというわけでございます。私は、これは非常に公平そうに見えて、実はこれほど不公平なことはないと思うのです。現在残存小作地は二十五万二千ヘクタール、大体全面積の五・八%。面積としては非常に少ない。賃借人百五十万人、これはその後の賃借人も入っておるのかもしれません。小作人の場合も、同じようにその後の人も入っておるかもしれませんが、これは百五十万人で、対全農家の二七・四%です。いま申し上げたように、これは現在の小作地関係の数字ですから、すべてがすべて残存小作地関係とはいえないと思いますが、おそらくその多くはこれに該当すると私は思うわけであります。ですから、この問題は全国の百五十万人に近い小作人が一番大きな関心を持っておる。今度の農地法の改正の中で一番重要な関心を抱いておる人はだれかというならば、これは農協でもなければあるいは町村でもありません。この土地を取られるか取られないかという岐路に立たされた残存小作人だといってよいと私は考えておるわけです。 ところが、残存小作地のいわゆる解約の問題を考えてみますと、先ほど言ったとおり、ほとんど一律に扱われております。残存小作地は農林省の指導によりまして五年の契約でありましたが、現在ではこれが裁判所の判例によって期間の定めのない契約になっておる。すなわち、地主が解約を申し入れて一年経過いたしましたならばこの土地を取り返すことができるというような、非常に不安定な状況に置かれておるわけであります。それを取り返されずに、小作人は自分のもののように、いつまででもこれは自分がつくれるのだという気持ちでやってまいりましたのは何かというと、二十条でございますか、知事が許可をしようとするときには、信義、誠実の原則に反した場合、あるいは正当の事由がある場合には許可をするが、その他では原則として——原則というよりはもう絶対的に許可をしない。しかもこの信義、誠実の原則にしても、あるいは正当の事由にしても、この条文の適用によって土地を取り上げられた農民というものはほとんどないというのが実情です。これは耕作権保護主義というか、現行農地法の自作農主義の効果だといってよいと思うのです。私は、いま農地法が改められて、耕作権保護主義から経営規模拡大主義に転換をいたしましたならば、知事もいままでのような厳重なやり方で、許可をしないということでなしに、地主の経営規模が大きくなるなら小作人にしんぼうしてもらおうというような意味で正当の事由とかあるいは信義則を解釈するようになると思います。これが私が心配しておる第一点であります。 それから第二点、これと同じような問題ですが、今度の改正案で、引き渡し前六カ月以内に合意された契約、あるいは十年以上の定めがある賃借権の場合、更新拒絶について知事の許可を要しない。これは一般の賃貸借の解約についての規定ですが、これが同じように旧小作人にも適用をされることになります。そういたしますと地主、小作の現在の農村の力関係、特に残存小作地の力関係というものを考えてみますると、こういうような契約に小作人が追い込まれる危険性が私は非常に多いように考えておるわけです。そういたしますると、いままではいつまでも耕作できるというような安定感の上にあった残存小作地の小作人は、もう十年を期限として土地を取られるという危険に迫られてくるわけなんですね。こういう点について、何ら旧小作人に対して賃貸借の解約については配慮が加えられておらぬということは、私は非常に遺憾に思うのですが、いかがでしょうか。簡単にひとつ御答弁いただきたいと思います。
○中野政府委員 第一点の知事の許可の方針が変わるのではないかという点でございますが、この点につきましては、われわれといたしましては二十条の二項にあります賃借人が信義違反の場合、あるいは賃借人の生計と賃貸人の経営能力を考慮して判定する場合、その他の運用方針は変えないつもりでございます。 それから第二点の更新、解約の場合でございますが、農地改革後、先ほどお話がありましたように、残存小作地についての経過等われわれ十分承知しておるわけでありますが、二十年たちまして大体現在の残存小作地は当初五年契約の指導をしたこともございますが、現在は期間の定めのない契約になっておりまして、それについては小作人が同意しない限りは解約できないということでございますので、小作人の力もついてきておりますので、契約一般が旧と新とであまり違うということではどうかということから、新しい契約も古い契約につきましても、小作人の合意の問題にかけたということでございます。
○佐々分科員 ただいまの局長の御答弁ですが、いまの御答弁は非常に小作人を保護するというようなお話でございます。保護するというのは私の聞き方が間違っておったのかもしれませんが、まあ心配するなというふうに私たちには聞こえる。しかし私たちは非常に心配なんです。というのは、現在まで耕作権保護の立場で小作地を保護してきたということについては、これは今日の農地法も関係がありますが、同時に政府、農林省のいわゆる通達というか、文書による通達とか指導とか、これがやはり現在の耕作者を保護するというたてまえでやってこられたからです。しかし私は、この法律ができて土地は取り返すことができるものだ。あなたはどう思うか知らぬが、だからこそ今度地主が土地を貸すようにする方法として賃借権の弱化をしておるのですから、そういう風潮が農村に起こってくることは間違いない。同時に、あなた方はすぐ通牒を出す。一片の通牒できのうの通牒を変更するのですから、そういうことからいうと、私はあなたの言うことを納得できないのです。了承できないのですが、これはこれだけにしておきます。 そのほかに農林省にお伺いしたいのは、小作料の統制撤廃は低米価政策と矛盾しないのかどうか。低米価と高額小作料にはさまれて借り入れ地による経営規模の拡大というものが魅力のないものになるのじゃないか。そういうような情勢のもとで農民は土地を借りてまで経営面積を広げるという意欲がはたして起こるかどうか。これをひとつ農林省にお答えをいただきたいと思うのです。官房長でもよろしゅうございます。
○大和田政府委員 私ども小作料の統制をはずすかどうかということを議論いたしますのは、現在のような小作料の統制を続けましても、その安い統制小作料では農家が土地を貸さない。したがいまして、たとえば五反程度の兼業農家で二反なり三反なりは耕したいけれども、あとはもうだれかに貸してもいいんだという場合でも、土地を賃貸借いたさないで、むしろ荒らしづくりをしたり、あるいは非常な法外な値でいわば請負耕作をやっていることが現実でございます。したがいまして、とにかくこれだけ農業あるいは農村の中が変わって、小さな農家でもある程度土地を手放してもいいという条件が出ておりますときに、小作料の統制を続けておる限り、実際問題として土地が賃貸借によってなかなか動かないということでございますから、そこのところの阻害条件をはずすという趣旨でございます。したがいまして、それが米価にどういう形で影響するかということは、確かに影響がないとは私は申し上げません。申し上げませんけれども、いまそれによって非常に大面積の農地が急に小作地になるということではございませんでしょうし、また、ただいまの生産費及び所得補償方式の内容を御承知のように、米価決定については、いろいろな形でゆとりも現に相当あるわけでございますから、ある程度の小作料の値が上がった場合に、それを米価にどういう形で反映させるか、あるいは米価算定方式に地代の要素あるいは土地資本利子をどういうふうに算入するかということは、またいろいろ論議のある問題でございまして、小作料の値が上がることによって、米価に直接非常に大きな影響があるというふうにも私ども考えておらないわけでございます。
○佐々分科員 非常に詳しいお話がありましたが、私が聞いておるのは、高い小作料を払って安い米価で、農民がこういうような情勢のもので、いわゆる賃借による経営規模の拡大ということを志向するかどうかということなんです。
○大和田政府委員 それならば、現に米どころばかりでございませんで、いろいろなところで相当高い請負耕作で、相当大きな農家が何反歩かの土地を請負耕作して経営を伸ばしているという事実もございますし、これは一律に小作料が何円までになれば土地が動くか動かないかという議論はできません。農家の形により、また反収によって違いますから、一律には言うことはできませんけれども、私どもは、小作料の統制をはずすことによって賃貸借は相当動くであろうというふうに考えておるわけでございます。
○佐々分科員 小作の標準額という観念を改正案に導入しておるわけなのですが、これをよく見ますというと、農業委員会がこれを定めることができるとあって、定めなくてはならぬということは書いてない。定めても定めなくてもよいというふうに解釈できるのです。それから農業委員会は「小作料を減額すべき旨を勧告することができる。」とこうなっておって、してもしなくてもよいように私は理解する。それから、この勧告には何ら法的な強制力がないように私は思うのです。また、標準額に違反した場合処罰されない。これは現在の最高基準額と異なる大きな点です。そうすると、これはもうほとんど有名無実で、一般にいわれているように小作料統制完全撤廃といっていいので、こういう文句を法案の中へうたい込んでいるのは、要するに私は飾り文句だと理解しているのです。これについては私はそう理解しておるが、違うならそういうお答えをいただくし、そのとおりならば要りません。 その次にお伺いしたいのは、現在の請負耕作、やみ小作の小作料は一体どのくらいかということです。どなたでもけっこうです。
○中野政府委員 第一点の小作料をはずした考え方は、先ほど官房長も申し上げましたけれども、今後賃貸借による流動化を進めていきます場合に、おそらく戦前のように、小作人のほうで外部に働く場所がなくてその土地にしがみつくというような事態はないのではないか。したがって、自分の労賃部分まで食い込んだような高い小作料を払うことは一般的にあるまいという判断からはずしたわけでございます。しかし、全くはずしっぱなしということについては、いろいろ問題もあるという考え方から、一つには地主と小作人との間での増減額請求権というのを設けました。と同時に、いま御指摘の、村での小作料標準額をつくってもらう。これも一つには、全国一律の統制というのは非常にむずかしくなっておりますのは、地域によって非常に生産力が違ってきております。村の中で標準額をつくっていただく。そうしますと、村の中での標準額というものを守らせる、村の中での社会的なエネルギーと申しましょうか、そういうものに相当期待をするわけであります。ただ強制がないということは御指摘のとおりです。 それから、やみ小作料の水準でございますが、これは全国一律での調査がございません。いろいろな地帯によって違いますけれども、一般的にはよく一俵半とか二俵ということがいわれておりますものですから、大体一万五千円なりあるいは二万円程度というのがどうも最近の水準のようでございます。
○佐々分科員 大体、現在の改正案は現在のやみ小作という現実を追認するものだ、こういうふうに一般に理解されているのです。農地法のワクから外に出ておるやみ小作というものを、今度農地法を改正することによってこの中に入れるのだ、こう言っておるが、そうしますと、いわゆる統制撤廃になれば、現在のやみ小作の水準にみな上がっていくのじゃないか。請負耕作の水準が上がっていくのじゃないかということをわれわれ心配するのですが、これについてはどのようにお考えですか。
○中野政府委員 残存小作地につきましては、御承知のように十年間の統制を続けておりますので、そこが急に上がるというふうには考えておりませんが、新規の契約につきましては、おそらくその地帯、地帯での生産量、それから生産費等から判断されまして、大体いま申されましたような水準になるところが多いかというふうに考えます。 〔湊主査代理退席、主査着席〕
○佐々分科員 私はただいま局長が残存小作地にはそう影響はないだろうと言われたように聞いたのですが、私はこれはあると思います。なぜあるかというと、今度の改正案では、十年間ですか、これは据え置くのだ、いまの統制でやるのだ、こういうふうに規定してありますけれども、その十年間の範囲内においても、大臣がきめる最高基準額というものも、一般の小作料が上がってくれば、やはりその周辺の小作料というものが考慮せられて、これとあまり開きがあったのではいけないというので、法規による最高基準額そのものも上がってくる、これが一つある。 それから第二点は、基準額そのものが守られなくなってくる。大臣がきめる基準額も何倍に上がるし、同時に、きめられた基準額も一般に小作人に守られない、こういうようになってきて、決してあなたが楽観するような事態ではないと私は考えるが、どうですか。
○中野政府委員 残存小作地につきましては、この法律の附則にもございますように、現在の統制額をそのまま十年間続けていくのではございませんで、農林大臣が毎年経済事情等を勘案して検討を加えまして、必要があれば基準を変えるということになっております。したがいまして、非常に米価が上がったとか、あるいは物価が上がった、あるいは下がったという場合には、基準を変えるつもりでございます。しかし、やみ小作料が上がったからすぐそれに追随してやるというふうには考えておりません。 それから第二番目の、基準が守られなくなるのではないかということであります。これはわれわれのほうといたしましては、指導といたしましてはできるだけ守らせるようにいたしたいというふうに考えますと同時に、やはり末端での小作人の方の自覚にもまちたいという気持ちもあるわけであります。
○佐々分科員 私は、大臣がきめる基準額そのものが、周辺の小作料が上がってこの間があまり開くということになりますと、やはりこれは上げるというようなことになると思うのです。私はそれを心配しておるのです。 もう一点申し上げたいのは、今日小作料が非常に高くなったとか、やみ小作料を起こしておるということがよくいわれる。事実そうなんですが、しかし残存小作地の小作料というものは、農村の実態を見ましても、やはり押えられております。そう一般の小作料のように上がっておらないというのが実態です。こういう改正が行なわれましたならば、現在の残存小作地の小作人も非常に大きな影響を受ける。十年間はというようなことを言われても、それは机上の空論にすぎないということを私は警告しておきたいと思う。同時に、たとえ十年過ぎても、初めに申し上げたような立場から申しまして、残存小作地については小作料統制を撤廃すべきではない、そういう考えであることを申し添えておきたいと思うわけです。 時間がだんだん迫ってきて非常に忙しいのですが、次に残存小作地に関連いたしましてお伺いをいたしたいのは、いわゆる残存小作人が小作地を取得できるという期待権を一方的に剥奪しようとしておるということです。一つは離農した地主及びその一般承継人の不在地主制を認めようとしておる。小作地で、村外へ離農して不在地主になりましたら、それは小作人に売らなければならぬ。それをよそに行っても、よそに行った地主とその承継人は小作地を持つことができる、こういうように改めていく、これは、従来の小作人の期待権を一方的に奪うものだと私は思うのです。 それからもう一つの問題は、現行法では、小作人は小作地を先に買い取る権利がある。地主が小作地を売ろうとすれば、その小作人に売らなければならぬ。ところが、今度は、小作人の同意があれば地主はその小作地を第三者に売ることができる。これは書面による同意というような条件がついておりますけれども、しかし、こういうような規定が実際にできますと、おまえが買わぬならほかの者に売るぞというように言われる。そして農地の価格を競争さされます。そしてその競争で買うことができなければ、よそへ売るというようなことに、たとえ書面による同意ということばはあるけれども、実際これが運用される段になると、やはりそこへ小作人は追い込まれると思うのです。こういう点、一方的にそういう権利を奪うということは、私は非常に不当だと思いますが、これも心配するなと言われるのですか。
○中野政府委員 最初の問題で、現在の農業をやっていない在村地主が不在地主になって外へ出ましても、それは国が買収するわけでございます。今度の改正は、現在農業をやっておる人が離農する場合でございます。それは主として自作地の問題でございます。したがいまして、いまの第一番目の問題については、離農者が同時に小作地の所有者である場合は御指摘のとおりですが、一般的にはそれほど問題はないというふうに思います。 それから第二番目の問題は、現在の法律では、小作地は小作人以外に売れないことになっておりますのを、今回、小作人の同意があればほかにも売れることにいたしましたのは、地主のほうで売って外へ行きたいということがありましても、小作人の耕作権が非常に強うございますので、なかなか買い取らない。そうしたら、地主のほうの換金の道が全然ないわけです。そこで今度は、小作人の同意というのを前面に押し出してありますが、同意が得られない以上はほかへ売れないのですから、それほど変えたわけではございませんけれども、その辺のことを考えた上でこういう改正をしたわけです。
○佐々分科員 もうあとたくさんありません。二、三だけですから、至急終わりたいと思います。 次に、農業委員会の問題なんです。農業委員会の実態を見ますと、御承知のように、農業委員会は推薦委員とそれから選挙による委員——選挙による場合でも、大体無競争にいまなっておりますので、ほとんどボス的なものになっておると私は考えるのです。それで、農業委員会の委員で不動産業を兼営したりしておる人も非常に多いということを聞いておるのですが、今日までに農業委員会の委員と職員、こういう人たちの農地に関係しての犯罪件数、これは一体どのくらいあるか。それから県農業会議の委員や事務局員、県農地課、地方農政局、農林省あるいは法務局出張所の職員、こういうような農地関係の職員が、いままでどういうような犯罪を、どういう件数を起こしておるかということを、簡単にひとつおっしゃっていただきたいと思います。
○中野政府委員 はなはだ申しわけないのですけれども、農地法違反についての件数は、われわれのほうで調べてあるのでございますが、農地法をめぐりましての、いまの御指摘のような面から、たとえば汚職その他のことではないかと思いますが、そういう面からの調査は、農林省としてはいたしておりません。そこで法務省に問い合わせましたところ、やはりそういう面からの——収賄なら収賄という分け方はありましても、それらの農地をめぐる問題というような分け方をしておりませんので、申しわけないのですけれども、そういう数字はございません。ただ、事例的にはわれわれもたまには耳にするようなことがございます。
○佐々分科員 今度の改正案によりますと、この農業委員会というものが非常に大きな権限を与えられておるようです。いままでなかった紛争和解の仲介という大きな権限を与えられておるし、それから具体的には法文の各個の条文で農地の権利移動や賃貸借の解約、あるいは小作料の標準額の決定の権限、こういうものを与えられておりますが、こういう権限を与えるならば、現在の農業委員会の構成、機構というものをやはりあわせて改革する必要があると思うのですが、その改革については、ほとんど権限をふやすだけであって、いまのような体質を改善するという規定がないのですが、これはどういうようにお考えになっておりますか。
○中野政府委員 農業委員会につきましての先ほどのお話もございましたように、現在、法律的には民主的な選挙制度になっておる。したがいまして、この選挙をされました委員が、しかも合議制で市町村の行政機関ということになっておりますから、制度そのものをすぐ直すということにつきましては、当面農林省としましては、所管は直接には農政局でございますけれども、いまのところ考えておらないわけであります。ただ、農業委員会の運営につきましては、先ほど先生もお話がございましたように、地区によりましてはかなり批判のあるような委員会があるかと思います。したがいまして、今回、改正案を出しますと同時に、農業委員会の予算につきましても、農地法の改正関係でかなりの予算を盛りまして、その間研修なり指導なりをうんとやっていきたいというふうに考えております。
○佐々分科員 結論的に二点だけお伺いをして終わりたいと思います。 第一は、私は、この農地法が改正案のように認められたら、有利な条件で土地を貸すために土地を取り上げるというような紛争がたくさん起こってくるのではないかと思うのです。それから小作料の紛争も起こってくると思うのです。地主はやはりこういう改正が行なわれると、非常に高い小作料を要求してくると思います。そういう紛争が非常に起こってくる。これに対して、一体どういうようなことをいま政府はお考えになっておられるかということが第一点。 第二点は、農地改革によりまして、不在地主がその不在土地を買い取られてしまった。それから在村地主も制限外の土地の売り渡しを強制される。その結果として、御承知のとおり、政府はたくさんの予算を計上して地主報償金を交付いたしました。今度農地法の改正が行なわれれば、在村地主がいままで土地を持っておったのが得をしたということになると思う。そうすると、いままで早く全面解放した地主なんかが、これはまたもう一ぺん不平を持つということが起こってくると思うのです。そういうようなところから、もう一度この補償問題が起こるのではないかということを感じるのですが、そういうことについては心配はないのですか。
○中野政府委員 農地法を今度の改正案に直しますと、紛争が起こるのをどうするかという点でございますが、一つには、現在でも農事調停が行なわれており、また農業委員会がかなりの紛争処理をしております。それを規定を整備するといいますか、今度農業委員会で紛争処理をやらせるには、合議制の委員会全員が出てやるということもなかなか困難なことでありますので、三人の委員を選んでやらせる。それに不服があれば、あるいは農業委員会で始末ができないということになると、知事が和解の仲介をいたしますということにしていきたいというふうに考えております。また、それの予算等も、来年度の予算でお願いをしておるわけでございます。 それから第二番目の不在地主、在村地主の農地を買収しましたあと地主報償をいたしましたけれども、今度の改正案で地主がまたというお話でありますが、これにつきましては、われわれの考え方は、先ほど先生のお話にありましたように、地主の報償制度をやりましたので、もはや小作人に売り渡しましたものは、完全な所有権がございます。それについて再びまたそういうことが起こるというふうには考えておりません。
○植木主査 佐々君に申し上げますが、だいぶ時間が超過しましたので、簡潔にお願いいたします。
○佐々分科員 一問だけ結論的に申し上げたいと思いますのは、先ほど一番初めに私が申し上げたように、いまの残存小作地というのは、とにかくもう何十年の間に元金は済ましておるのですね。これは完全に済ましておると思うのです。その上に小作料を取っておるのです。そういうことを考えますと、私はむしろこの小作地は、長期で安くいまの小作人に政府が地主から買い取って売り渡すのがほんとうじゃないか、私はこういうふうに思うのです。そのときに地主が値段が安いという問題も起こりましょうが、これはいままで農地報償をなすったこともあるのですから、地主に対してもある程度政府の財政支出をもってこれをカバーしてやるというようなことが考えられてよいのではないかと私は思うのですが、これはどうでしょうか。 それともう一つ言いたいのは、改正案は残存小作地についての配慮が非常に足りない。これを十ぱ一からげにしようとしておるところに、私は大きな問題があると思うのです。この小作関係というものが、今後起こってくる小作地についての規定であれば、これは考慮すべき余地はある程度なきにしもあらずだと私は思うのですが、昔の小作地まで十ぱ一からげにしてしまってやろうとするところに大きな問題があると思うのです。そういう点について、農林大臣なり担当局長なり官房長から、結論的に御意見をお聞きして、私の質問を終わりたいと思うのです。
○中野政府委員 残存小作地について、いまの先生のお話でございますと、別の法律を出して国が地主から買い上げるという御構想のようでございますが、その点につきましては、農地法の現状からいたしまして、急に別の法律を出しまして在村地主にいま持っておりますものを強制的に買い上げて云々ということは、私はなかなか困難ではないかというふうに思います。ただ、先ほどお話がございましたように、残存小作地につきましては、いろいろな過去の経緯がございますので、われわれの原案といたしましては、小作料につきまして特別の措置をしたわけでございますが、なおもしこの法律が通りました場合には、運用といたしまして、少なくとも合意がない限りは小作地は返さなくてよろしいという指導は、強くやりたいというふうに考えております。
○佐々分科員 大臣、いかがですか。
○長谷川国務大臣 今度の農地法を出すまでに至る経過からいきましても、かなり研究に研究を重ねて、残存小作人に対しても、いままでの小作に対する今後に対しましても、あまり過酷でない、妥当性を持つように、そして十分小作人の意見も聞き入れられる制度というものが進められていると考えられます。なお、審議の過程においていろいろなことがあるならば、またそれによって合議の上考え方は変わってくるだろうと思います。
○植木主査 樋上新一君。
○樋上分科員 私は、前回お尋ねいたしました中国食肉の問題につきまして、口蹄疫のためにまだ政府としては正式に輸入を認めないということでございますが、その後船上加工方式によってという話が出ております。いまこういういろいろな牛肉の問題を考えてみますと、この栄養価の高い牛肉がいかに不足しておるか——不足しておるという反面、また日本内地の牛の生産がおくれておる。いま中国肉以外から不足分を輸入されている肉は、どのくらいあるのでしょうか。
○太田政府委員 牛肉につきまして申し上げますと、昭和四十三年度で国内生産が十五万七千六百七トンでございまして、輸入は一万二千九百九十七トンということになっておりまして、輸入先は主として豪州、ニュージーランドでございます。
○樋上分科員 その豪州、ニュージーランドの肉が日本に参りまして、はたしてその輸入の肉が安く内地で販売されているかどうか、こういう点について一般国民はわからないのであります。 私は、はたして世界の人たちが一年間にどのくらいの牛肉を食べておるのかということを調べてみました。一人が一年間に食べておる量は、豪州におきましては百十キロ食しておる。また、アメリカにおきましては九十七キロ、ヨーロッパにおきましては五十キロ、さらにイタリア、ブラジルにおきましては三十キロ、日本は幾ら食べておるかといったら、わずかに九キロしか食べておらない。これはどういう意味かといいますと、高いから食べられない。いま市販されているロースの肉は、百グラムが二百円から二百五十円という高値を呼んでおる。ここで私たちが提唱いたしております中国の食肉を輸入すれば、優に百グラムが百円以内で販売されるのではなかろうか、こういう推算になっておるのですが、この点はどうでしょうか。
○太田政府委員 外国から入れました肉につきましては、実は現在国内のいわゆる去勢上なんかに比べますと非常に安うございまして、むしろ一般にわれわれが奨励を進めておりますところの乳用牡犢の肉の価格あるいは乳廃牛の価格の引き下げ等に大いに役立っておるというふうに理解をいたしております。
○樋上分科員 中国肉の輸入をすれば、非常に安く市販されるというように推定しているのですが、大体幾らくらいですか。
○太田政府委員 先生の御承知のとおり、牛肉というのは非常にいろいろの種類のものがございまして、極端に言いますと、個体ごとに全部違うというようなことも言えるわけでございまして、実はわれわれも中国が一体どういう規格のものをどういう値段で出すかということについては、現在承知いたしておらないわけでございます。たまたま日中友好商社が、去年政府の許可があれば二万トン輸入をしたいという話を中国側と取りきめた、その際の値段を見てまいりますと、現在豪州、ニュージーランドから入れておるものよりも、一応CIF価格で計算しますと、たしか約一割から二割ぐらい安いというふうに承知いたしております。ただ品質、規格を見比べてみませんと何とも言えない、こういう問題が残されていることは御承知いただきたいと思うのでございます。
○樋上分科員 大臣にお伺いします。大臣は口蹄疫という病気が心配である、もし一匹でもそういうものがあれば、蔓延しして、日本の牛に伝染する、それさえ徹底して押えられれば輸入はするのだとおっしゃいました。そういうことで危険な口蹄疫だ。だから、今度は輸入するときに船上加工方式をとればだいじょうぶだ。それならだいじょうぶといって、船上加工方式ならすぐにでも認められるのですか。その点はどうでしょう。
○長谷川国務大臣 なま肉の輸入については、私のほうでも何とかする方法はないだろうかというので、いろいろ検討を十分加えました。しかし、まだ何といっても中国にはそのビールスがないということの断定をするわけにはまいらないというような結論でございます。したがいまして、それでは、何としても輸入を皆さん方から希望されるのだから、する方法はないかということになりまして、洋上加工ということでやったらば、衛生上の見地から見ても、これならば国内にビールスを運び込むこともないだろう。なお、船舶もわが国の船上でもって行なうようにすれば、これらに対して十分な消毒方法もできるだろう。その結果、だんだん中共にそういうビールスというものがなくなった、こういうようなことがはっきりしてきたときには、初めてなま肉というものの引き続き輸入ということにも踏み切ることができるんじゃなかろうか、という段階を踏んだわけでございます。
○樋上分科員 船上加工方式にいたしますと、全部かん詰めなんですね。いまかん詰めの肉というものは、内地でもあまり要求しておらない。かん詰めだったら何どきでも買える。なま肉を要求しておるのである。すき焼き、庶民の食卓を潤すなま肉がほしい。船上加工方式にするんだったら、いまニュージーランドその他のほうから入ってきておる加工肉で十分間に合っておると私は思うのです。一人の国民が、かん詰めを一年に何個食べるか。牛肉のかん詰めを何個食べるか。戦争中ならばいざ知らず、いまかん詰めの牛肉をそうどんどん家庭において食べるものはなかろうと思うのです。それでニュージーランド、そういう方面からかん詰めの加工肉を輸入したら、ことに中共の肉の船上加工は——そこまで私は心配をして、衛生的心配をして、そういう船上加工をしなければならないのか。大臣、実はもう一歩前進されて、前向きの姿勢で、五項目ということなら、あなたのおっしゃる五項目さえ承認すればというんだったら、さらにそのことを推進されて、そういう船上加工方式で入ったんだから、それで一応お茶を濁してといってはなんですけれども、やかましいときだから、こういうときに一ぺん輸入してみたらどうかということじゃなかろうかと思うのですが、直接国民がはたして喜ぶか喜ばないかという問題ですね、どう考えられますか。
○長谷川国務大臣 樋上さんがおっしゃるより、もう一歩進んでいるのです。ということは、かん詰めという考え方ではないのです。ハム、ソーセージという、もう一歩進んだ考え方で船上加工をやったらどうかということに話を進めておるのであります。
○樋上分科員 そういたしますと、最近人造肉というのが市販されておる。これは私も知らなかったのですけれども、すでに人造肉というものが入って、みんなが食べておるということなんです。それが小売店、飲食店に販売されて、ソーセージ、ハンバーグ、シュウマイなどのひき肉の中にまぜていま売られておる。外見も味も本物の肉と変わらぬ。見分けがつかない。この人造肉は、一体どういうふうに製造され、その定義というのはどうなっておるのか。また、人造肉ということについて、大臣お上がりになったことがありますか。私は食べたことはないのですが、この点どうでしょう。
○長谷川国務大臣 私も新聞紙上で見るだけで、承るだけで、食べたことがないんですけれども、あるかもしれないですな。いまのおっしゃるようなことになりますと、あるかもしれませんけれども、大体大豆または小麦粉といいましょうか、こういうようなたん白を利用して新製品をつくられた、これがこのごろはなま因等と全然変わらないような味をもって市販をするというようなことになっておるというお話だけは承っておるのでありますけれども、まだ、おっしゃるように、これがそうでございますといって現物を見たわけではございません。
○樋上分科員 これは私も新聞紙上でございまして、私も食べることは食べさせられたかわかりませんけれども、非常にいいようにも書いてありますし、今後たん白質があり、衛生的の見地からいってだいじょうぶだったら、この人造肉を将来どの方向に進めていくか、これをどう育てていくかということについて、大臣はどういう御見解を持っていらっしゃいますか。
○長谷川国務大臣 これは今日、何といいましょうか、人間が宇宙を征服するだけの想像もできない時代にきておるんですから、人造肉ができてくるということも、今日の科学を推進している範囲からいくならば、これも又当然だろうというようにも考えられますが、しかし、何といっても試作して市販している段階で、どういうふうに使われ、どういう用途に使われているかというその真実がまだはっきりわかっておりませんので、これらに十分検討を加えまして、そして結論は出さなければならないと思いますが、ただ、いずれにしても、人造肉と銘打って販売している以上は、これを取り締まるということについては、なかなかむずかしい問題が残されておるだろうというように考えられます。
○樋上分科員 それでは農林省の担当の方にお伺いするのですが、この人造肉は一体いまどれだけ生産されているのですか、またどのように使用されているかということをお示し願いたい。
○大河原説明員 お話の人造肉につきましては、大豆のたん白あるいは小麦のたん白を加工いたしましてつくられるものでございまして、繊維状ないし粉末状の新しい加工食品でございまして、まあ新たん白食料というようなことを業界は申しております。ただ、いろいろ市販されておるとか、すでにあれされておるとかいうお話でございますが、全体といたしましては、まだテスト的な段階でございます。一部のハム、ソーセージの増量材並びに水産練り製品の増量材等に使われておるというようなことでございます。開発途上でございますので、企業側も非常に秘密と申しますか、そういうことでございまして、なかなか正確な数量は当方としても承知しておらない段階でございます。
○樋上分科員 この人造肉は、いま年間推定千トン製造されておる。そして日本食品加工協会の話によりますと、この人造肉はソーセージ、ハンバーグ、シュウマイに多くいま使われておる。ソーセージ、ハンバーグには毎月四十五トン使われており、年に五百四十トン使われておるんだ、あとの四百六十トンの行くえが判明してない、こういう状態でありまして、いま試作中だとおっしゃいますけれども、各メーカーによって製造方法や成分比率が異なっているようでありますが、政府はこういう点に対して——もはや二年前からこれをやって、一年前にはどんどん販売されておる。 また、どういう方法でやられておるかというと、いまお調べになっておるかどうか存じませんが、私が申し上げるのですから、間違っておるか間違ってないか知りませんけれども、成分は水分が七五%である。残り二五%の固形物の中には、九五%までがたん白質である。これを畜肉や魚肉に配合して使うのである。その配合の割合は、魚肉ソーセージに一〇%から二五%、畜肉プレスハム二%から五%、畜肉ソーセージ一〇%から二〇%、かまぼこが一〇%から三〇%、これはメーカーによって違いますけれども、調べましたところ、こういう配分でやっておる。 だから、この人造肉の製造法や設備に対する検査、監督については、これは政府に言わないといっても、これがはたして衛生的にどうだこうだ……。知らない間にこれが販売されている。ここに農林省としてはどういうぐあいに指導、監督されるか。いいものならば育てていかなければならないし、悪いものならばとめていかなければならぬ。一般の知らぬ国民は、その肉を知らずに食べちゃって、それを政府に尋ねても、まだ研究の段階であるとか、あぶなくて食べられない。 それから、私はこの前も言ったんですけれども、これもついでにいまお話ししますけれども、人体に及ぼす毒ということについて、もっともっと衛生的立場から検討してもらわなければならないことがたくさんある。これは話は横道にそれますけれども、前に私が農林水産委員会で質問したことは、毒魚、毒を持っている魚が堂々と東京の市場で販売されておる。それを食べたら人体に害を及ぼすような毒がある。それを検査機関はどうしているかといったら、ネコに食わして、ネコが死んだらこれは毒魚だということをやっているという非近代的な研究方法であると聞いて、私は驚いた。そんなばかなことをやっているのか。もっと科学的に毒魚というものを検討しなければならぬ。ネコに食わして、ネコが死んだらあれは毒の魚だ。それだったら、ネコが何ぼあっても足らぬ。私が質問したら、調査しますという。そのうち調査して報告してくれと言ったら、そのときはっきりしなかった。ネコに食わしてネコが死んだ、これは何だ、これは毒魚だ。 そうしたら、人造肉でもいよいよ心配になる。いまメーカーが研究中で試作中であるといってやっていることを知らぬで食べる者は——大臣も食べたことがない。私も食べたことない。だれも食べたことない。いま私が調べたこういう配合になっておる。あなた方のほうでこれは監督していくのが責任じゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○太田政府委員 ハム、ソーセージの製造の事業を所管している畜産局といたしまして、ハム、ソーセージ関係の原料にどれだけ使われているかということについてお答え申し上げますが、現在、御承知のとおり、農林物資規格法に基づくハム、ソーセージについてのJAS規格が定められておりまして、JAS規格のあるハム、ソーセージの原料につきましては、人造肉は使っていないのでございます。JAS規格以外のハム、ソーセージ製品につきましては、業界の自主規制で五%まで人造肉を使ってよろしいということになっておりまして、実は御承知のとおり日本食肉加工協会が農林物資規格法の登録格づけ機関になっておりまして、絶えず自己検査を行なっております。そして定性分析が簡単にできますので、これによって十分いま申し上げたようなJAS規格のあるものについての取り締まりはできることに相なっております。
○樋上分科員 その件について私はあとで聞こうと思ったところですが、その前に聞いておきたいのですが、聞くところによりますと、農林省内においてこの人造肉の所管が不明である。どこで掌握するのだ。畜産局食肉鶏卵課か、そうじゃない。加工食品課か、そうじゃない、私のほうの係じゃない。食品油脂課か、私のほうではない。畑作振興課か、これでもない。その管轄課をどこに置くのか。一体人造肉はどの課の管轄下に置くのか。これはみんな責任のがれをしておる。現実に年産一千トン以上のものが製造されているのに、さらに製造は大幅に増大すると見込まれている点から、これだったら、政府の怠慢といわなければならないと私は思う。この点はどうでしょうか。
○大河原説明員 ただいまお話のございました人造肉につきましては、高度の加工食品でございますので、できました当初につきましては、それぞれ所管等が分明ではなかった経緯があることは確かでございます。ただ、お話にもございましたように、今後の新しい食品の一つとして非常に伸びるというふうにわれわれは判断いたしまして、加工食品でございますので、農林経済局企業流通部の食品油脂課の所管として、現在は行政指導その他を行なうという責任体制を確立しておるわけでございます。
○樋上分科員 食品油脂課、どなたですか。——じゃお伺いするのですが、あなたの課において人造肉であるという表示をなぜしないのですか。つまり製造基準があるのですね。はた目に見て区別がつけられない人造肉の入ったものは、明確に表示すべきではないか。これは人造肉が入っているのだ、これは入っていないということを表示すべきである。この課において製造基準というものをしなければ、どれが人造肉が入っているかわからない。先ほどJASマークが入っておるものはということを言いましたけれども、これは農林規格ですけれども、それをマークをはずして売るような指導をしていると言われる。いまあなたおっしゃったように、人造肉の入っているものははずして売る。けれども消費者は不安でどうにもならぬ。ですから、これがいいものだったら、堂々と売れるように、政府がそんなJASマークをはずせとかこうせいとか、そんなことを言わないで、堂々とやったらどうですか。悪いのか、それとも将来伸ばしていくのかという点が、もう一つ不明瞭なんです。 また、聞くところによりますと、農林省の農林経済局消費経済課の方、どなたか見えておりますか。——見えておりませんか。そうしたら、この人はこういうことを言っておる。人造肉はもぐり商品です。いまのところ認めておりません。まだ試作段階です。小売り店や飲食店には出回ってないんじゃないですか。農林省としてはいまメーカーに対し、生産量、出荷先などを調査中です。この調査結果を待って対策を立てます、一月十七日にこういうことを言っておる。もう一年前から出ておるのに、何をいまごろそんなことを言っておるか。もぐり商品ならもぐり商品とはっきり言え。人造肉はもぐり商品だ。片一方では人造肉はいいんだ。あらゆる新聞紙上にも、もう「人工肉台所をねらう」——ある新聞は人工肉としております、台所をねらう、「業務用の好調に力、各社とも量産化を検討」、きょうの新聞には、植物からつくる人造肉、またハムにまじっているもの、表示なしに市販されている人造肉の見分け方、食べ方、マークがなければ混入しておるぞ。この新聞を読んでいて、食べさせられているのはいいのか、気をつけなければいかぬのか、先ほどの毒の魚のように不安になって、人造肉は食べられない。中共の因は、実は衛生的にまだ口蹄疫というものがあって、それがこわいから船上加工をして入れるのだ。そうして、肉が足らぬということは、ちょっと先ほども言いましたとおりです。そうしたら、今度足らぬ足らぬという肉のところに、人造肉というものを一年前からこしらえておる。それを知らぬ。この人造肉を育てるのか、育てないのか。そこのところに熱意を示してもらって、この物価の高いところに、安くて栄養価値のあるものなら、どんどん政府がマークをつけて、人造肉はもぐり商品ではない。そんなもぐり商品であるというようなことを言い出してきたら、どうしたらいいのですか、この点を……。
○長谷川国務大臣 JAS以外の加工品については、その表示を必ずしもしなければならないといういままでの規定がないわけでございまして、したがって、御指摘のような点もございますので、今年からは、今回法律の御審議を願うのでございますけれども、加工品にはその表示を明らかにしなければいけないということで、初めて法案が提案されることになっておるわけでございまして、近いうちに提案をいたしたいと考えております。
○樋上分科員 それからいまの農林省の言うた話、これはどうですか。この人造肉はもぐり商品ですと言うた、これは認めるのですか。
○長谷川国務大臣 それは、いまこちらからお話し申し上げましょうが……。 それからもう一つお話の中にありました毒の魚が市販されているというようなことがもしあるとするならば、これこそ重大な問題でございますので、十分この点については検討を加えさせます。その結果をまたあらためて御報告を申し上げたいと思います。
○大河原説明員 新しい加工食品でございまして、行政指導がおくれておるということがある点について、それがいろいろの関係者の話になりまして誤解を与えることについては、まことに遺憾だと思います。 人造肉につきましては、現在は他の食品の原料として、先生お話しのように原料として使われておるわけでございますが、栄養的に見ますとハム、ソーセージ等に比べても現在のものは相当高いというふうに判断されます。したがいまして、製法、規格等については、まだ各社こぞってテストの段階で、いろいろ製法もまちまちでございますので、これを規制することは考えておりませんが、表示等につきましては、これは行政指導等を通じまして、法律制度等が完備する以前におきましても、十二分にいたしまして、いわゆるもぐり商品というような意識を払拭するようにつとめたいと考えております。
○樋上分科員 それでは最後に質問してお別れしたいのですが、いまあなたは、高い商品であって、それは原料その他が高いというのか、それともそれは補助材料に使われておるということが一説にあるのですけれども、聞くところによりますと、安価で、市販の普通の肉の半値でいけるのです。半値以下で販売されておるし、現実にはハム、ソーセージ、ハンバーグ、シューマイなどに混入されていても、何らわからない。それが半値なんです。しかし、その半値である人造肉が、先ほど言いましたように知らずに販売されて消費者は食べておるのですけれども、安くも何にもなっておりません。消費者に安く供給されておらぬ。利益はどこにあるのか。原料の安いものを使って、利益はどこにあるのか。それは製造業者と中間業者に吸収されておるのです。そして消費者には、これは人造肉だから、シューマイにまじっておる、何にまじっておる、けれども味がわからないからといって、ちっとも安くわれわれの食ぜんには回ってこない。 そこで私は申し上げるのは、それほど安くできる、牛肉の半値で安くできる、それであったら、政府は監督指導して、一日も早くJASマークをつけて、安いものは安く販売していけばどうですか。私は中国肉の輸入のことについて再三質問したのは、中国の因をやれば、先ほども言いましたように市販百グラムが百円ぐらいでいけるのだと業者は言っておるのです。それと同じように、半値で入って初めてそういうものが推薦されるのにかかわらず、値段が高くて、中間マージンだとかそういうところでごまかされておって製造業でもうけられておったら、消費者は人造肉を食べるのも、普通の肉を食べるのも一緒だ。これでは何にもならぬと思うのですが、この価格については、政府のほうでまだ一ぺんも検討されたこともなければ、高いのだといまおっしゃいますけれども、製造工程が何ぼだ、市販が何ぼだということは、もう一年からも販売されておるのですから、検討してもらわなくちゃいかぬ。この点どうですか。
○大河原説明員 高いというのは、私ちょっとことばが足らなかったわけでございまして、栄養価が非常に高いわけでございます。価格自体は、御指摘のように、牛肉に比べてずっと安いわけです。ただ、各事業者が、新規の開発でございまして、設備投資なり技術開発等で非常にコストが高いわけでございますので、その点では、量産を今後されれば相当安くなるというふうに考えております。
○樋上分科員 ただいま大臣もお聞きになったように、私は、まだまだ農林省としては本格的にこの人造肉に取り組んでおられないような感がしますね。だから、いま最後に大臣がおっしゃったように、いいものなら推進して、また悪いものなら監督して、そして農林省のJASマークをつけて、安心してわれわれが食べられるように、また正当な価格が設定されるように、私は希望するものであります。 また、この前申し上げましたように、韓国ノリでも表示をしている。安い韓国ノリが輸入されているのに、内地のノリと識別がつかずに、韓国ノリといっても、どこに入ったかわからぬということになる。私は表示をしていただきたいと言って、ようやく表示ができてきた。ところが、きょうの新聞を見ましたら、それは加工ノリだけの表示だ。板ノリについては表示はしておらない。この板ノリにだって、袋に入れて輸入ノリという表示をされたならば、日本産のノリと韓国産の差があって、安くてうまいノリを買いたい、こういうことになるのです。それと同じことです。表示をさして安心させる。政府は表示をして、これは人工肉でありますよ、これは韓国の輸入ノリでありますよというのを、加工のノリだけにやらずに、板ノリに全部——五億枚入ってくる韓国ノリに対してそういうようにされたということは、一歩前進されておるのですけれども、板ノリのほうについても表示をしてもらったらどうですか。
○森本政府委員 たしか暮れの農林水産委員会で先生からいろいろ御指摘がございまして、私どものほうでもとりあえず一番表示についてなじみやすい加工のノリについて着手をいたしまして、板ノリについてはもう少し種々の観点から研究を要するというふうなことがございますので、のり協会等にも早急に検討して前向きに善処するように言ってありますから、そういう点も何らか将来善処されるというふうに考えております。
○樋上分科員 以上で終わります。
○植木主査 次は、岡本富夫君。
○岡本(富)分科員 最近の石油コンビナート、あるいはまた油を非常に使う経済発展が行なわれまして、そのために海水が非常に汚濁される。そういうことはすでにもう御承知だと思いますが、そうした海水の汚濁によりまして、水産物がどんどんと被害をこうむっておる。 一つ例をとりますと、ノリあるいはまた魚介類の油によるところの全国の総被害が、どれくらい行なわれておるか、四十三年度はまだ出てないかもわかりませんが、四十二年度においてはどれくらい行なわれておるか、これについてひとつお聞きしたいと思います。
○長谷川国務大臣 四十二年度の水質汚濁によった被害調査を各都道府県から報告されたものによりますと、工場、事業場等からの排水による被害は、約九十九億円、船舶等からの油による被害が、約十七億円と推定されます。このうちノリ養殖業の被害は、工場、事業場からの排水によるものが約三億四千万枚、船舶等からの油による被害は約一億枚、こういうように報告が来ております。
○岡本(富)分科員 私のほうで調べましたのは、これは大体近畿関係でありますけれども、神戸海上保安部の調査で、油の事故によって起こった件数、タンカーが衝突したとかあるいは油が漏れたとか、こういう件数でも、昭和四十一年には九件だった。それが昭和四十三年には三十五件。これは大阪港、それから神戸港、相生港、姫路・大阪湾、播磨灘、明石海峡、それから紀伊水道、鳴門海峡、こういうようなわずかなところを調べましても、約三倍半以上ですね。こういうように、四十一年から見まして、大きな被害が出ております。これに対して、農林省としてはどういう対策を講じておるのですか。この対策をひとつお聞きしたい。
○森本政府委員 主として船舶から油が流れてまいりまして漁業に対する被害が出てくるということがありますが、先般の国会におきまして船舶の油による海水の汚濁を防止する法律ができまして、それによって油の排出が規制されるというふうなことになりました。私どものほうでも、さような関係について関係方面と十分連絡をしながら取り締まりをする、なおまた、これに必要な排出防止装置につきまして金融上の措置をするというふうなことで、できるだけ防止につとめるというふうなことが一点でございます。 なお、被害を受けました後の救済につきましては、相手が確認がされましたものは、これに対しますところの損害賠償といったようなことで、民事的な措置その他によって補償措置ができるというふうな道が制度的にはあるわけですが、何ぶんにも多数の船が通航をしておりまして、相手がなかなか見分けにくいというふうなものもございます。そういうものについては、なかなか現在のところは制度的にそれを救済する道が必ずしも十分行なわれていない。私どもも、たとえば船主の責任賠償保険制度といったようなものをそういう方面にもう少し活用する方法がないかというふうなことで、しかるべきところに調査、検討を委託しておるというふうなところでございますが、いずれにいたしましても、さような面については将来とも十分研究を重ねていかなければならぬと思っておる次第であります。
○岡本(富)分科員 結局、海水汚濁防止法ができましたけれども、あれは大きな船であって、五百トン以下は全然取り締まりの対象でない。こういうこともすでに御承知だと思うのです。去年の七月から十二月までのわずかな期間を見ましても、これは姫路の御津におきましては、外国船の油の漏洩でありましたために、これはよくわかって、補償額を千三百万円もらっておる。その次の十月二十五日から二十六日に、これは家島のほうですが、船が逃げてしまってわからない。また十一月の二十二日から二十三日、淡路島の淡路町あるいは津名町、この付近でノリが二千五百万円ほど被害があったけれども、これも不明。また十一月二十六日、これもノリが千八百三十枚、九千五百円ほど被害があったけれども不明。また十二月一日、これも家島のほうでこういうことがあったけれども不明。こういうことで、いまあなたがおっしゃったのは、おそらくタンカーなんかのバラストを処理する装置をつくるというように聞いておりますけれども、ぼくら審議したんだからわかっておりますけれども、あとの分は全部野放しということになっております。やっぱり水産庁としてはもっと力を入れて今後検討するというふうな話ですけれども、これはもうずいぶんやかましくいわれているんですよ。はっきりわかっておるはずです。それできょうは提案をしたいんですが、この間、これは兵庫県におきまして全国で初めて放出された油の回収船をつくる予算をいま県会へ出しているわけですけれども——これは小さい船で、十トンぐらいですけれども、こうしたことがおそらく各地方自治体から要求がきていると思うのですよ。こういうことに対して、検討したことがあるかどうか。これはひとつ水産庁長官からお聞きしたい。
○森本政府委員 実は私どもも四十四年度の予算要綱を検討いたしました際に、さような問題についても部内で検討したことがございますが、現在稼働しておりますのは、日本においては一隻ということを聞いております。それから御指摘がございましたように、兵庫県で四十四年度予算に計上しておるということも、実はその当時はわからなかったが、現在はわかっております。当時検討いたしましたところでは、その船は港内の非常に静かなところにおいてはかなり効果的なようだし、それから外国においてもそういう例があるから、なおそういった船の効果等につきまして十分検討した後において予算要求をするなり何なりをすべきではないかということに部内ではなったそうであります。 それがいままでの経過でございますが、将来の問題といたしましては、御提案なり御指摘がございましたので、私どもとしては、こういうものが相当全国的に見て効果があるというふうなことが十分わかりますれば、前向きに予算措置等についても考えてみたいというふうに考えております。
○岡本(富)分科員 水産庁長官、全国的にそういうような効果があるかということをよその県でやって、それから国のほうで施策をするという、そんなことは考え違いですから、あなたのほうでこれに対してもっと本腰を入れて研究してもらいたい。考えてみると、いままで油によるところの水産物の被害対策について水産庁としては何もやってないから、いい提案が出てきたら、あなたのほうでもっと協力的にうんと力を入れて水産業者を守らなければならぬ。日本国民のたん白供給源としてのノリとか魚介類について、石油コンビナートあるいは工場ができていくたびに海水はどんどん汚濁していくわけですから、そっちのほうをうんとしっかりやらないと、日本の周辺近海は全然魚がとれなくなる、あるいはまたたん白源がなくなってしまう、こういうことでありますから、もっと強力にやってもらいたい。これをひとつ要求したいのですが、農林大臣どうですか。
○長谷川国務大臣 私は、どうも岡本さんのほうに賛成をいたします。したがって、今後の予算折衝等においては、おっしゃるような方向に向かって大いに努力すべきであり、また努力をさせるようにいたします。
○岡本(富)分科員 時間がありませんから次にいきます。 離島振興法というのがあります。それによって離島の漁港の安全のための防波堤をひとつつくってもらいたいということが全国からだいぶ出ておるはずです。そこで私は、兵庫県三原郡南淡町に沼島という小さな島がありますが、ここに調査に行ってまいりました。行ってみますと、この島には約三百人の組合員がいまして、大体百七十隻ぐらいの船が入っておりますが、現在この漁港は非常に狭くて、現在の防波堤の外で仕事をしておるという状態でありまして、台風時には、徳島航路の船なんかも急に台風が来たらここに避難すれば非常にぐあいがいいのですけれども、どうしてもここは入れないので徳島のほうに入らなければならぬというわけで、相当事故を起こしたという例もいままで聞いておる。したがって、この防波堤を大きくしてもらいたいということで、すでに水産庁のほうには申し出ておるはずですが、この状況についてお聞きしたいのですが、長官どうですか。
○森本政府委員 先ほども申し上げましたように、漁港整備につきましては、第三次の漁港整備計画を繰り上げまして、四十四年度から第四次の漁港整備計画を立ててやっております。全体的にはそういうふうなことになっております。 お尋ねの沼島の漁港につきましては、私どもとしては前々から現地の事情あるいは意向等はよく承知をいたしておりまして、第四次の整備計画の中にそれを入れようということで、きわめて前向きに検討をしております。
○岡本(富)分科員 それでは、時間がありませんから、どんどん進んでいきます。 最近、運輸省のほうで海上交通法、これをひとつつくらなければならぬということで、海上の衝突とかあるいはまたいろんなそういう遭難を防ぐために海上交通法をつくろう、こういうような意見が出ております。先国会でこれが出たわけでありますけれども、先国会でははっきりしてないので、これは廃案になったわけですが、これに対して農林省、特に水産庁は、漁民の立場に立って、どういう意見を入れ、また善処方を申し入れたか、あるいはまたそういうことはやってないのか。すなわち、先国会において海上交通法が出たときに、よくぼくが調査しますと、運輸省というのは、一方的に、大きな船がぱっと通ったら漁船は逃げろ。また航路にしましても、大体漁民は自分の漁区というものがあるわけですね、その漁区を考えずに、ただ一方的に航路をきめる、こういうような高圧的な立場だったので、私はこれは反対だ、この点はもっとよく漁民の皆さんの立場を見ないといけないというわけで、ずいぶん申し入れたわけでありますけれども、これについて、農林省、特に水産庁として運輸省に対してどういう働きかけをしたか、あるいはまたどういう面を考慮してもらいたいと申し入れたか、これをひとつお聞きしたい。
○森本政府委員 海上交通法案は、御指摘のような経過を昨年はたどりました。本年はたしか二月に入ってからだと思うのですが、海上保安庁のほうから私どものほうに説明がございました。私どものほうでも、実は目下十分関係方面の意見等も聞きまして、最終的にどういうふうにするか検討中の段階でございますが、いずれにいたしましても、御指摘のように、この法案はきわめて漁業の将来に対しまして大きな影響を持っていると思います。ただ、海上保安庁の案は前回の案を修正をされておりますので、その間の事情なりあるいは漁業に対する実際上の影響なりというのをそれぞれ私どもいま調査をいたしております。いずれにせよ、そういった関係漁民に対する影響に対して十分な解決策がなければ、私どもとしても賛成をすることができないというような基本的な態度で、今後は細部にわたって海上保安庁と打ち合わせをしてまいりたいという考えでございます。
○岡本(富)分科員 これはおそらく大臣、閣議決定、そういうことになってくると思いますので、特にこの点を留意していただきまして、そうして漁民のためにあたたかみのある法案にしていただきたい。特にこれは要望しておきたいと思いますが、どうでしょうか。
○長谷川国務大臣 ただいま長官からも申し上げたとおり、沿岸漁民に与える影響等々を十分考慮しなければ、農林省としては重大な問題が残されておりますので、軽々にこれを取り扱うわけにはまいりません。意のあることを体しまして、十分検討を加えながら協議には携わるつもりでございます。
○岡本(富)分科員 いま私が申し上げたことは、今後農林水産委員会のときにまた同僚議員から追及してもらい、また確かめてもらうつもりでおりますから、きょうは先に進んでまいります。 次に、食糧庁に、現在政府が食管によりまして米をどんどん買い上げる。その米を倉庫に入れて管理するわけであります。 その管理の責任は食糧庁の責任であると思うのですが、現在、率直に言うと、四十年から四十二年までの間に、保管中にどれくらいの米が腐ったか、これについてひとつはっきり示してもらいたい。
○桧垣政府委員 実は私ども四十三米穀年度というふうに伺ったように理解をいたしておりますものですから、四十三年度だけの調査でございます。四十三米穀年度において保管中に変質した数量は、概算で約一万トンでございます。その内訳を申し上げますと、食糧庁で政府指定倉庫あるいは政府倉庫で保管中に配給米として不適格であるということで不適格処理をいたしましたものが二百十八トン、欠減を生じたということで欠減処理をいたしましたものが九千三百十一トン。帳簿上の数字は九千三百十一トンで、その中から純欠減として処理したものが百二十トン。それから販売業者に売り渡しまして、販売業者の所有に帰してからよく見ると配給米としては不適格であるという認定をいたしましたものが、二千二百十五トンという数字になっております。四十二米穀年度までは、不適格処理あるいは欠減処理のようなものは、大体数字にたいした変わりはないと推定されますが、販売業者へ渡りまして配給不適格米という認定をしたものは、四十三米穀年度になりまして古米の保有量並びに配給量がふえましたので、前年度よりはその数字はふえておるというように推定をされます。
○岡本(富)分科員 いま説明されましたごとく、相当保管の管理というものがずさんである。私たちしさいにこの状態を淡路島の津名郡の尾崎の倉庫へ行って見てきましたけれども、そこで約八十俵腐っている。これはどこに責任があるかわからない。長官、実際に中へ入って検討しないと、食管会計で政府が買い入れるというのは全部国民のものです。それで食管会計が赤字だ赤字だ。大事なものを商品価値をなくしてしまう。こういうようなやり方をやっておっては、ほんとうに農林省として国民に対してまことに申しわけない、こうなると思うのです。きょうは深く追及できませんけれども、この次に問題を相当掘り下げなければいけないと思います。今後これに対して農林大臣はどうなさいますか。どういう態度で臨みますか。
○長谷川国務大臣 味の変わらないような保管制度というものをいろいろ検討しております。ただいま御指摘のあったような点についてはまことに遺憾の次第だと思いますが、その方法といたしましては、水中保管をやったらどうだとか、あるいはコーティング法でいこうとか、いろいろの新しい科学的な方法で保管方法をいろいろ研究をしているのでございまして、まだこれでいくという決定的なものは出ておりませんけれども、近くこれらにつきましてのはっきりした方向が示されるだろうと考えられます。
○岡本(富)分科員 非常に科学も進みまして、何か試験管の中で人間ができるという時代になった。そのときに、こんな米の保管ぐらいでちゃんとできなければ、これはもうほんとうに怠慢であると思いますから、今後この問題については、米の量産あるいはまた買い入れ、いろいろなところにも気をつけなければいけませんけれども、ひとつ保管には十分注意をしていただきたい。 次に、林野庁長官見えていますか。——国有林とそれから民有林、すなわち民有林というのは法務省の登記所へ行くとちゃんと登記になっている。それを今度は国有林がまた同じように交錯しているところが相当あるんじゃないか。いまこの問題で紛争しているのが相当あると思うのですが、全国で要するに裁判問題になっているのは何件くらいあるのですか。
○片山政府委員 国有林と民有林と境界の問題でいま訴訟になっておりますのは、二十二件ございます。
○岡本(富)分科員 大体登記所に登記されておりまして、そうして税金をずっと払っておるわけです。そこがいつの間にか国有林になっている、こういうわけで紛争しているわけでありますけれども、一般の山を持っているような方は、そんなに裁判の費用というものは続かない。したがって、どうしても国と争うと負けてしまう、こういう例はいままでたくさんあるわけであります。 それで私、きょうは事例を申し上げておったらおそくなりますから、提案ですけれども、高知県の一つの例を見ましても、登記所に登記さておるそこは私のものだと言うたやつが、いまそれは国有林になっている、場所が違うんじゃないか、こういうことも営林局へ言ったら、そこは違うんだ、こういうふうに言うらしいのです。それじゃどこですかと言ったら、それはわからない、こういうことでついに紛争になって裁判問題になった。せめて国有林の近所であれば、じゃあなたのほうの法務省に登記されているところはここなんですよという明示くらいはしてあばれば、こんな紛争が起きて裁判問題になるということにならないんじゃないか。もう少しあたたかい、国民の立場に立った考えがないかどうか、これをひとつお聞きしたいのですが、どうでしょうか。
○片山政府委員 話がだいぶ古くなり、戻りますけれども、御承知のように、明治初年に版籍奉還がございまして、それ以後明治、大正にかけまして、国有林、民有林の境界を確定してまいったわけでございます。その確定の際には、地元の人、所有者の立会のもとに、実は境界をきめてまいったのが実態でございます。そのような形で、おおむね国有林としましては現在の国有林の境界が定まったわけでございます。 ところで、先生のいま御指摘の登記所に備えてある公図と申しますか、それに確かにございます。その公図は、御承知のように、見取り図である場合が非常に多いわけでございます。国有林の場合は、立会のもとにきめてまいりましたのは大体実測でやっておりますので、その見取りと実測との若干の食い違い、あるいは場所の食い違いというのが往々にして出てまいっております。それがいま二十二件ということになっておるわけでございますが、われわれといたしましては、実測をいたしました際に、境界標というものをはっきり立てております。かつまた地元におきましては、監督主任をしてその境界については常に巡視をさせて、明快な管理をやるような形で指導あるいは民間の方、地元の方に分かれて連絡をしておるわけであります。 〔主査退席、湊主査代理着席〕 そのような形で今後もやはり指導してまいりたい、私はかように思っておるわけでございます。
○岡本(富)分科員 私は、それが国有林である、これが民有林である、こういうことをいまここで言うているのではなくして、法務省の登記簿にちゃんと出ている、それが売買されているわけですから、また税金も払っているその立場から考えますと、現在あなたのところはここなんだ、国有林のそばであれば、これは一緒に境界をはっきりしてあげたほうがすっきりして、民有林を持っている人が安心して、国のなんかでも得心してくれるのじゃないか。いまのあなたのは、どこかあっちのほうと違いますかと、こういうようなやりっぱなしのものじゃなくして、これは国のものだ——いまここまできて、いや当時はこうだと言っているのは、これは明治の初めですから、ずいぶんいろいろなことがあると思うのです。ですから、その点をやはりあなたのほうはここなんだということを明示してあげることが大事だ、こういうように思うのです。これはよけいな仕事のようになりますけれども、測量あるいはまたそういうことは本職なのですから、これをひとつやってもらったらどうか、こう思うのですが、どうでしょうか。
○片山政府委員 いだいま申しましたように、国有林につきましては、実測によって一応境界が確定されておるわけでございますが、またそれの立会した所有者は、それによって一応了解は、だいぶ前の話ですが、しているわけです。ただ、登記所におきます公図といいますか、そういうものが確かにございますが、それは手続的なことになりますけれども、民有林の所有者がそういうふうに変わったのだという届け出、いわゆる所有者の届け出によってこれが変わるというたてまえになっております。したがいまして、国有林がこうでございますという一方的なことでは、登記所の公図は変更できないことになっております。その所有者がこうでございますという届け出においてこれが成り立っているという仕組みになっております。そこで現在国におきましても、見取り図ということでなしに、いわゆる国土調査法というのが出ておりまして、それによって地籍図がつくられて、それによってそれを明確にしていくというふうになっておるわけでございます。
○岡本(富)分科員 時間が参りましたので、もう一度この問題はぴちっと例をあげ、また実測をしてもらうように……。ぼくがいま言うているのは、法務省の見解と林野庁の見解が違う——あるいは違わないかもわからない。違わなかったら、これは幸いだと思うのです。だから、あなたのほうはここなんだということをついでだからちょっとやってやればいいのじゃないか、こういうように思うのですが、今後これについて検討をしていただけるかどうか。農林大臣ひとつお願いします。
○長谷川国務大臣 岡本さん、非常なむずかしい問題で、私もそういう問題に出会ってみましたけれども、なかなかむずかしい問題でございまして、あなたの分は地番はそこにあるけれどもあなたのはここでございますというのが、なかなか出てこぬです。いずれにしても、親切にやれということにつきましては、なるべくそういう点については親切に納得のいくような方法で指導してやりなさい、これだけは申しつけておきましょう。
○岡本(富)分科員 では終わります。
○湊主査代理 次に、金丸徳重君。
○金丸(徳)分科員 たいへん制約された時間の中でありますから、きわめて端的にお伺いをいたすのでありますが、政府はさきに総合農政ということをいわれておりますが、総合農政というねらいは、あるいはその実態は、どんなことでありましょうか。ごくわかりやすく、お百姓さんにもなるほどといわれるような形で御説明をまず願いたいと思うのであります。
○長谷川国務大臣 総合農政ということばが新しいように受け取られておりますけれども、総合農政ということばは少しも新しいことばではないというように私は考えております。したがって、いままでのあらゆる農林省から出る法案、たとえば基本法にいたしましても、すべてが総合農政というものが表に出されまして行なわれてきておるものであります。けれども、その中に立ってひとつ、総合農政ではあるけれども、いま一番大事な問題はというような点、それは食糧問題である、米の問題である、こういうものが中で重点的に推進されておるという結果が、今日のような状態をかもしたと考えられます。したがって、総合農政とは、米ばかりではなくて、園芸もしかりであり、あるいはまた野菜も総合農政であり、生糸も総合農政であり、畜産も総合農政であり、すべてそういうようなもの、その中に全般のものが加わったものがすなわち総合農政である、こういうふうに解釈をいたします。
○金丸(徳)分科員 そうしますと、総合農政ということはいままでとちっとも変わらない、何にも新味がない、何も薪事態に処すべき政策でもないように受け取れるのでありますが、実は生産農家のほうはそうは受け取っておりませんので、たまたま米が余り出した、そこで何か他にかわるべきものをさがさなければならないというような事態に直面いたしたものですから、それに対する緊急施策等も加えまして将来の長期展望に立っての新しい事態に処する農政ではなかったか。だから、もっというならば、これはもう長谷川農政のかえことばのように受け取っておるのであります。したがって、いままでとちっとも変わっていないということでありますと、長谷川農政に対する期待をたいへん失うような、期待はずれのような感がいたすのでありますが、いかがでしょう。
○長谷川国務大臣 お話のように、米というものに重点が置かれ、ウエートが置かれた結果が、今日のような需給のアンバランスをもたらすようになりました。したがって、総合農政というものには欠陥があったということはいなめない事実だと思う。そこで今度は畜産だとかあるいは果樹だとか、こういうような面にも十分配慮をしながら、そして総合的な食糧というものの安定した供給をはかる。それには安定したところの生産を行なってもらうように持っていきたい、こういう考え方でございます。もっと具体的にというお話でございますならばなんでございますけれども、時間の都合もありましょうから、この程度に申し上げておきます。
○金丸(徳)分科員 実はその具体的な施策の実態をお伺いをしたいのであります。といいますのは、端的にいいまして、本年度の予算におきましては、米作から他に転換すべきための経費として相当の額を盛られておる。その経過を聞くところによりますと、終局的には二十万ヘクタールくらいの米作や米田を果樹、野菜、その他酪農方面に転換させたいというねらいの中において、五万ヘクタールだけをことし要求いたした、それに対して一万ヘクタール分の予算がついたということを承ったのでありますが、それは間違いありませんか。
○長谷川国務大臣 二十万ヘクタールというほどのこともございませんけれども、現在のような状態から見て、生産と消費のバランス、これを見ると、やはり何といっても一万ヘクタールの御協力を願っただけでは目的を達するわけにはいかないだろうということだけは言われると思います。
○金丸(徳)分科員 その目的を達するために転換させるのですけれども、お米のほうを減らすという意味においてはそれはよろしい、そうせざるを得ないでありましょうが、問題はそれをどう使うかということであろうかと思うのです。どう使うかということについての方針なり、具体策なり、指導、趣旨というようなものをお示し願わぬと、たいへん心配でありますが、いかがでありますか。
○長谷川国務大臣 何といっても、米がよければ米ばかり、北海道から九州の果てまで米にかわる、ミカンがいいといえばミカンに全部かわっていく、あるいはまた養豚がいいといえば全部養豚に一方づけられていくというような、こういうような農政であっては、いつまでたっても現在のような点は繰り返されなければならない。そこでもっとわれわれが考えなければならないのは、今後何十年間でも安定した農業ができ、そして現在海外から怒濤のごとく押し寄せてくるところの自由化にも対処でき得る、こういうような施策というものを講じなければならないであろう、こういうような点について、いろいろな予算を盛り込んで、今後の推進をしていくという考え方でございます。
○金丸(徳)分科員 そこで、私はもう時間を節約するものですから、急行列車のようなお尋ねになるのですけれども、きょうの朝日新聞、これは地方版の下のほうにある記事でありますから、あるいはまだ大臣ごらんになっておられないかもしれませんけれども、農業欄の中にあって、「ミカンづくりに危機、過度成長で安値」になってしまったというような記事の中において、いま大臣がおっしゃいましたように、内からは長谷川農政の結果として米作地帯からあるいは果樹地帯にかわるものがあるであろう、外からはいろいろの果実もしくはジュースというようなものの輸入によって、非常に内外から圧力を受けて、非常に不安感を持っている。不安どころか、もはやおびえているような状況であるということで、あるいは大会を開き、あるいは懇談会を開いて、これに対する対策を練り、農林大臣にもお願いしようというような強い動きがあるようでありますが、問題は何十年ということでなくて、すでにことしから始めなければならない。大臣は一万ヘクタール予算を取っておられるそうであります。しかし、米の状況からいいますれば、できれば五万ヘクタールくらいの動きはあるでありましょう。それがかりに果樹に向かい、養蚕に向かい、あるいは野菜に向かうとしますならば、こういう問題を至るところで起こすのではないかと思うのであります。それに対する心がまえは、どういうふうにおきめになっておりますか。
○長谷川国務大臣 ミカンにつきましては、現在の反別ならば、そう今年のような豊作貧乏といいましょうか、貧乏するというようなことはないのではないだろうか。というのは、本年の気候というもの、あるいは生産された品質にも非常にぴたり消費者に合わない点がありまして、そういう点も十分加味されているだろうと考えます。 さらに、おことばでございますが、もっと私たちは考えて、今後の農政を行なっていくという上に立っては、何といっても主産地主義というようなものをとらなければならないのじゃないだろうか。いま申し上げたように、北海道の果てからこれがいいといえば、九州の果てまでも同じようなものをつくっていくということであっては、いつまでたってもこれを繰り返さなければならないから、そこで適地適産というように、主産地主義というものをとって、そしてその主産地主義においては、ここからここまでは何をつくってもらう、この地区は何をつくってもらう、こういうような方向にして、それには政府がこれに対する思い切った援助を行なう。しかし、その地区の中においても、私はそれはいやだという方がもしあるとするならば、それは自力でやってもらう。現在の憲法下においてそれを抑制するだけのものを持っておりませんから、それは自力でおやりになるならやむを得ないだろう、こういうような大きな将来に対する一つの計画を持った農政を今後行なっていかないと、いつになっても本年と同じようなものを繰り返していくだろう。であるから、何とかそういうものを至急に確立をしていきたい。しかし、これは農林省だけの問題で考えるということは、でき得る問題ではない。でありまするから、まず生産地の各地区から出ておられるところの各位の御意見というものも、十分聞かなければならぬ。これこそ野党、与党を問わずの意見を十分聞き、尊重し、そしてそういうように方向づけていく、まず、将来の農業というものに安定を与えるゆえんは、ここにあるであろうと考えます。しかし、といいましても、これらを簡単に行なうというわけには、とうていまいらないと私は考えます。しかし、思想はそういう思想をもって今後の指導にあたるべきだというようなことを、私は申し上げておるわけでございます。
○金丸(徳)分科員 その主産地主義をとらなければならないという考えは、私にもよくわかるのです。私のお伺いしたいのは、大臣は、米作地帯から転換するというための予算は、お取りになっておられる。だから、それを受け入れるほうの体制をどういうふうにかまえておられるかということ、それを主産地主義でいくということでもよろしい。よろしいが、それならそれなりの用意を片一方ではしておるのですから、受けるほうにも何かがなければならないと思うのですが、どうですかということをお尋ねしておるのです。
○長谷川国務大臣 現在、今日すぐ主産地主義をとって指導に当たるということも非常に困難でございますので、まず、現在とっている方向は、草地だとか果樹、野菜というような点についての供給源を求めよう、こういうような点の指導に当たっておるところでございます。
○金丸(徳)分科員 果樹といいましても、すでに生産過剰になりそうな気配がある。それへもっていって主産地にさらに力を入れるとかいうようなことになったら、困るではないかと思うから、お尋ねしているのです。
○大和田政府委員 大臣が申し上げておりますことは、大筋として、農産物の生産を進めていく場合に、主産地形成をして、農業生産の地域的な分担をだんだん明らかにしていくべきではないか、そういうことを申し上げているわけで、私どももその御趣旨に沿うていまいろいろ研究をいたしておるわけでございます。ただ、四十四年度に予定しております一万ヘクタールの作付転換につきましては、あくまで農家の自主的な転換を国が誘導するというたてまえはくずしませんけれども、しかし、だからといっていきなり相当な地方で野菜ばかりが栽培されるということでも困りますし、いま御指摘のようにミカンの例をとりますれば、ミカンの新植というのは農林省として相当いま押えておるわけでございますけれども、そうした押えをはずして、一万ヘクタールの大半がミカンの苗木にかわる、そういうことでも困りますので、あくまで農民の自主的転換を誘導するというたてまえはくずしませんけれども、地方的、少なくとも地方農政局の段階におきまして、需要に即して一万ヘクタールの大体の配分をいたす。したがいまして、野菜だけにそれがうんといくとか、あるいはある樹種にうんといくということはないように、十分気をつけるつもりでございます。
○金丸(徳)分科員 そういう方針はよくわかる。また、そうでなければならないと思う。 それでは、一つ一つお聞きするのでありますが、これは果樹のほうでありますが、四十二年三月に、果樹農業振興審議会の答申によりまして、三十九年度を一〇〇と見て、五十一年ごろの目標は大体その二倍くらいの目標で果樹の増産をはかろうということであります。この方針は変えませんか。何かこの朝日の記事によりますと、これについても新しく審議会を開いて意見を聞こうというようなことであります。農民はそうしたことについて、すでにおととしの方針を変えなければならないような事態になっておるのじゃないかということを心配するわけです。その点はどうでありますか。
○小暮政府委員 一昨年公表いたしました基本方針につきましては、一部にやや誤解もあるようでございますので、この席をおかりして特に申し上げておきたいのですが、特にいま問題になっております温州ミカンに即して申し上げますと、あのときの基本方針は、温州ミカンの新植をいけないとはいってないわけです。長期的に見て、いま御指摘のように、温州ミカンについては十年後にはさらに三百六十万トン程度の需要が予想される。したがって、策定当時の生産力はまだ百六十万ないし百七十万程度でございますから、当然新植はやるということでございます。ただ、策定当時の新植の現況は、温州ミカンは年々一万ヘクタールぐらいふえておった。これは永年作物でありますから、これを年々やってまいりますと、将来問題が起こる。そこで、年々一万ヘクタールのものを年率六千ぐらいに減らしてはどうか。さらに六年目から先はそれを半分にして、年率三千ぐらいに減らしたらどうかということを実はうたっておるわけであります。それから樹種によりましてはなお足らないものがありますから、かなり伸び、伸びとふやしてもいいというようなものがございますけれども、中心になるミカンについてはそういうこと。リンゴ等についても、どちらかというと需要の強い品種に置きかえるということを中心に、そういう基本方針を出したのでございますけれども、そこで具体的にこの山はやっちゃいかぬとか、これはやっていいというふうに、官僚統制的にやってまいるわけになかなかまいりません。それぞれの地域でいろいろと御計画になったものを基準にして助成するという形でやってまいるために、なかなか押えがきかないというのが昨年までの姿でございます。 昨今の温州ミカンの市況等をめぐって、新植のテンポについても、いま非常に真剣な議論が生産者と指導機関との間に行なわれております。したがって、指導指針を直すというよりは、指針が必ずしも守られないという事実にこの際着目して、温州ミカンといえどもそう無計画に増植しては困るという事実をむしろこの際明らかにしていきたいと思います。
○金丸(徳)分科員 これをあまり変える必要もなさそうな御意見であります。しかし、事実はわれわれも心配いたしておりますから、いまミカンだけをあげたのですけれども、ミカンだけではない。リンゴでも、ブドウでも、ナシでも、あるいはクリでも、その他おたくのほうで二年前に樹種をあげてそれぞれの額をきめておられるものについては、各農家ともに心配をいたしておるわけであります。 〔湊主査代理退席、主査着席〕 といいますのは、まるで手探りのような形で植えておるのですね。まあこれならだいじょうぶだろう。しかし、そうでなくて、新しい時代に向かっておるのですから、すみやかにこれは植えてもよろしいとか、これはもう天井に来ておるということぐらいは出しておかぬというと、普通のときならよろしいのですけれども、いまや農業の上に作付転換という大きな地すべりが来ておる。それが順に果樹がまた地すべりして野菜に、野菜がまた地すべりして今度は酪農その他に行くというようなことがあってはならないので、私は望ましいことは、作付転換の方針を出すと同時に、受け入れるほうについても強力なる方針を示しておくべきではなかったか、こう思うから繰り返し尋ねるのです。 それで、次に野菜についてはどうでありましょうか。といいますのは、いま転換する農家のほうでわりあいにやさしくいけるのは、野菜じゃないかと思うのです、楽にかえられますから。現に私は、宮城県あたりで相当の米作地帯が野菜にかわろうということで研究を始めているということで、ついせんだってラジオですか、テレビで聞きました。そういうことは全国的にあらわれてきておると思います。 そこで、それはそれでよろしい。よろしいけれども、従来野菜をやっておったところは、その影響を受けてあるいは生産過剰になるのじゃないか。せっかく今日まで主産地としてやってきたそのお株を奪われるのじゃないか。すぐに奪われなくても、やがて奪われるのじゃないかという心配を持つのです。これは持つなというほうがいけないのであって、持つ。持ちますよ。その持つ心配に対して、農林省は、農林大臣は、心配するなという具体的対策をこの機会において示すべきではないかと思うのですが、野菜についてはどういう御方針ですか。
○小暮政府委員 野菜につきましても、農林省は、東京、大阪あるいは北九州といったような大消費地域を念頭に置きまして、主要な野菜の五年後の需要の見通しというのを作業いたしまして、四十二年、四十三年と逐次関係者に公表いたしております。関係の県は、こうした国の作業も参考にいたしまして、それぞれの県ごとに、京浜向け、あるいは中京向け、京阪神向けという出荷のことを念頭に置いた県としての指導の方針をつくっていただくように、おもな野菜県には事務費の補助等もいたしてやっておるわけです。そこで、これらを総括して一応指定産地事業といっておりますけれども、大消費地に対する指定産地という形で、おもな野菜について国並びに県でいろいろと予測を含んだいろいろな指導の事業をやっております。やはり水田から野菜に転換を試みる場合でも、いま申し上げましたような野菜行政の基本線、これにはひとつ即応していただきたい、こういう形で、今後地方農政局あるいは県を通じていろいろ御相談申し上げたいと思っております。具体的には、やはり都市近郊の野菜が長期的には次第に供給力を失いまして、交通、通信の発達を媒体として次第に中距離、遠距離に野菜産地は広がっておるというのが現状でございます。それらの趨勢にうまく乗ったような形で、適地において野菜の集団産地事業を設定する、こういう形でやってまいりますれば、新産地と旧産地の急激な衝突ということでなしに、在来の産地が次第に宅地化し、あるいは工場化するのに照応して、中距離、遠距離からの産地を育てるというふうに持ってまいるべきものと考えております。
○金丸(徳)分科員 それでは具体的にお伺いしますけれども、ことし一万ヘクタール予定された、あるいはそれ以上になると思うのです、そのうちのどれくらいが野菜に向くと見込んでおられるか、あるいは果樹に向くと見込んでおられるか、どうですか。
○小暮政府委員 地域行政の問題でございますので、地方農政局の段階で十分にそれぞれの地元市町村あるいは生産団体と相談してやろうということでいま議論いたしておりますので、私どものほうからいわば天下り式に野菜を何ヘクタール、何を何ヘクタールというふうには申し上げませんけれども、しかし、いろいろ議論の経過から申しますと、一万ヘクタールのうちのかなり大きな部分は、やはり野菜対策ということに志向しております。蚕糸園芸関係で初年度やりたいと考えておりました面積は、それほど巨大なものではございません。
○金丸(徳)分科員 たいへんばく然としたお答えでして、むずかしいかもしれません。しかし、私はその腹がまえがないというと、ほんとうに農民をして安心せしめるわけにはいかないものですから……。それでいま、これは農林省段階ではなくて、地方農政局段階だ、こう言う。どうも野菜の需要供給は、いまお話しになったように、通信、交通の関係から、だんだん供給源は広くなってくる。そうしますと、農政局だけでもって、そこだけで見ればよかったものが、全国的に集約すると、たいへんなアンバランスを来たしてしまう。あるいはいつか知らぬ間にたいへんな供給過剰のような事態にならぬとも限りません。だから、あなたの基本的な考え方というものは、まるでいまの非常事態に対するものではなくて、どうも平時における考え方のように思われるのですが、基本的にはどうなんですか。もっとほんとうにいま農家が抱いておるところの不安感をなくなすような態勢における基本施策あるいは基本的態度というものが必要だろうと思うのですが、これはどうなんです。
○小暮政府委員 予算の積算という形で申し上げますれば、野菜に対する連関ということでは、おおむね全国で三百ヘクタール程度のものを考えておった。それからなお先ほどの果樹、桑等の永年作物との関係でちょっと申し上げますと、たとえば桑はこれまででも年々約九千ヘクタールの見積もり桑園あるいは老朽桑園が淘汰されまして、新たに九千ヘクタール程度の新しい省力化された桑園がつくられておるわけです。そのほかに若干の改植がありますけれども、そういう形で年々面積はあまり動きませんけれども、次第に機械を導入したり、省力化された新しい桑園に変わっております。年に九千ヘクタール程度のそういう事業がこれまでもあった。そういったものを念頭に置きまして、桑園の面でも、やはり新しい事業として、稲作転換との関連でさらに二百五十ヘクタール程度のものを水田から桑畑に転換するというようなことが考え得るのではないかというふうに考えております。したがって、全体の数字を上乗せするということではなくて、現にこれまでもそういう改植のようなものが行なわれておりましたので、これまではたんぼは大事ですから、山のほうの古い桑園をつぶして、たんぼに桑園をつくるということはおよそ思いつかなかったわけですけれども、これからは米の需給状況との関連で、むしろ管理労力に便な屋敷まわりの水田を使うことも、計画の対象としては検討し得る、むしろそういうふうになったというふうに御理解いただきたいと思います。
○金丸(徳)分科員 私は、いま野菜の次に予算関係、桑園関係についてお尋ねしたかったのですが、ちょうど御返事がありました。もう時間がなくなりましたから、このことにつきましてはいずれ後日何かの機会にもう少し掘り下げてお伺いしたいと思うのでありますが、いまお答えの中にもあらわれておりますように、野菜については三百ヘクタールを増反を期待しているといいますか、予定しているということであります。一万ヘクタールの中で、多くのものが私はとりあえず野菜にでも変わろうかという情勢ではないかと思いますだけに、一万に対する三百ヘクタールというものは、あまりにも少ないと思います。それに対しては、何かやはり強力なる指導なりブレーキなりをかけなければならないと思いますが、現在ではそういう態勢がないようであります。基本的には異常な事態に際会いたしまして、先ほど申し上げましたようなミカンをとりましても、すでにこういう朝日だけではございません、毎日の各新聞も、あらゆる角度からこの農政に対する危惧の念を、あるいは農政に対する非常におびえている農民の実情を訴えております。ラジオ、テレビにおいてもしかり。一番大切なことは、受け入れの人たちに対する心配をなくなすための強力なる姿勢がなければ、ほんとうの総合農政にはならないはずです。従来の総合農政とちっとも変わらぬからいいじゃないかとおっしゃるかもしれないけれども、そうではなくて、いまこそ新しい事態に対する総合農政を打ち出してほしい。それが長谷川農政の基本的な態度でなければならないと思うから、お伺いをいたしておるのであります。私は、もう時間が過ぎましたから、いずれそれらのことについてはゆっくりした時間の中でお伺いをいたすというつもりであります。この際、農林大臣から、その基本姿勢について、農民諸君、安心してくれろ、政府のほうにおいては作付転換に対してもちゃんと用意をしておる、奨励金を出しているが、同時に、それの影響を受ける主産地あるいは既成蔬菜地なり果樹地帯に対しても、これだけの施策の用意をしておるんだということをお示しをしておいていただきたいと思う。ひとつ最後に大臣からその所信の表明をいただいて、私の質問を打ち切りたいと思います。
○長谷川国務大臣 ただいま御指摘になったようなその方針によって、おっしゃるような方針によって行政を進めさせようということで私はいませっかく努力をしているところでございます。
○金丸(徳)分科員 まことに不満ですけれども、時間が来ましたから、何かの機会にお伺いすることといたしましょう。
○植木主査 次は華山親義君。
○華山分科員 非常な農業の転換期にあたりまして、大きな基本的な問題、そういう問題につきましては皆さまからお聞きになったと思いますし、また、今後農林委員会も長いことでございますので、その間に究明されると思いますので、きょうは私はこまかな点についてひとつ伺いたい。 食管会計の業務勘定に、検査印紙収入が昨年の三億三千万円に対しまして、ことしは九億四千万円になっている。非常な大きな違いがここにありますが、これはどういうことでございますか。
○桧垣政府委員 四十三年度までは農家の販売いたします米につきましては、全量政府買い入れということでございましたから、したがって米についての検査手数料はなかったわけでございます。麦その他の農産物についての検査手数料を見込んでおりましたが、四十四年度からは百七十万トンの自主流通米を見込んでおりますので、これにつきましては政府買い入れのものではございませんので、検査手数料を徴求するということにいたしまして、それを見込んだのであります。
○華山分科員 そうすると、自主流通米につきましては手数料を一俵二十円、こういうことでございますね。そういたしますと、この検査の規定を見ますと、検査をしたときに印紙といいますか、検査印紙というものを張らなくてはいけないことになっておるわけでありますが、そうしますと、たとえば農協なら農協のほうで集荷するときに、検査場におきまして、これは自主流通米にするんだ、これは政府に売り渡しをするんだ、そこできめるわけですか。
○桧垣政府委員 四十四年産米については、生産時期以前に予約集荷を受け付けまして、これは農家の希望により全量政府が受け入れるつもりでございます。自主流通米に回す分は農林大臣、具体的には食糧事務所長の許可を得たものを予約の売り渡し義務から免除するというやり方をいたすつもりでございまして、おおむね受検をするころには、どういうような銘柄のものをどの程度自主流通米に回すかということが判明をしてまいるはずである。したがって、検査時期において政府へ売り渡しする数量と自主流通に回すものとがほぼ振り分けられるというふうに考えております。しかしながら、何かの事情で、検査を受けて自主流通に回すつもりのものが、結局そういうわけにまいりませんで政府売り渡しに回すという場合に、その検査手数料の取り扱いをどうするかという問題は、私どもとしては、なお最終の結論を得ておりませんが、農家の負担なりあるいは農協の負担になることのないように措置をすることを考えたいというふうに思っております。
○華山分科員 そういたしますと、あとでいろいろな食い違いがあったので直すという問題もありましょうけれども、検査場に農家が持っていく。そうすると、この米は政府に売り渡しますよ、この米は自主流通米にしますよ、したがって印紙を張る、こういうことになりますね。
○桧垣政府委員 大筋の扱いは仰せのとおりであります。
○華山分科員 そうすると、その点につきまして農家は、いやこれは政府に買ってもらいたいと言ってもだめなわけですね。
○桧垣政府委員 仰せの御趣旨が必ずしも分明ではないのでございますけれども、農家が自主流通に回すという気はない、政府に買ってもらうのだということであれば、その数量は政府は無制限に買い入れをいたします。また、検査料を払ってそして自主流通に回すつもりでいたものが、結局そういうことにならないということになって、最終的に政府に売り渡しを求めるということになれば、これも政府は無制限に買い入れをいたします。ただその際に、検査手数料の問題が残りますので、その誤差の整理の問題は今後研究して善処したいというふうに思います。
○華山分科員 二十円はだれが払うのですか。
○桧垣政府委員 これは形式的には生産者でございます。受検者である農家が支払うということに相なりますが、自主流通に回りますれば、それは販売代金のコストとして計算をされまして、農家との関係では販売代金の中から支払われるということに相なろうかと思います。
○華山分科員 そうしますと、私が農家として検査場へ持ってきますね。おまえの米は自主流通米なんだ、二十円払いなさい、こう言われるわけですね。
○桧垣政府委員 農協が今後その扱いをどうするかというような問題は私は残っておると思いますが、形式的には、農家から二十円の検査手数料を払うということに相なるわけでございます。
○華山分科員 実際問題としまして、農民が持っていったその際に、これは自主流通米になりますから二十円払ってください、印紙を買ってきてください、こうなるわけなんですか。
○桧垣政府委員 これは農協で受検をいたしますときに、農協がその際に、何といいますか、法律的には一種の概算金的な米代金を支払うことに相なります。したがって、経済的に申せば政府売り渡し価格の上に検査手数料を加えた以上の価格で売れるという見通しがなければこれは成り立たないわけでございます。したがって、手数料を差し引いた額が政府売り渡し米と同額になるような概算が行なわれるということで処理されると考えております。
○華山分科員 検査手数料について伺いますけれども、でん粉等につきましては、検査手数料は政府が買うときにはそのままになっておるのじゃないですか。返しますか。
○桧垣政府委員 米について手数料を無料にいたしておりますのは、法律の特例があってやっておることでございます。でん粉等にはさような特例がございませんから返還するようなことはいたしておりません。
○華山分科員 米についてだけなぜ政府が買うときに二十円のこれは一でん粉についてはどうして取るのですか。なぜ米とでん粉と区別するのです。政府が買うものだったならば、米だってでん粉だって同じじゃないですか。
○桧垣政府委員 私は、元来検査手数料というものは、生産者の生産しました農産物について、いわば規格や等級を明らかにしまして商品価値の保証をするということが役割りというふうに思われますので、元来は手数料は生産者が支払うのが原則であると思うのでございます。ただ米の場合には、御案内のように生産費を補償をするというやり方になっておりますから、検査手数料を徴収すれば、当然米価はそれだけ引き上げて買うということになりますので、その間はいわば経済的には意味があまりないということで、政府買い入れについては手数料の免除ということをやっておるものと考えております。
○華山分科員 私は、根本的な点からお聞きしたいものでございますから、その点も時間がございませんのでやめますけれども、七百五十万トンは政府で買う、それから百七十万トンは自由流通米、こういうことでございますね。それは間違いないのでしょう。
○桧垣政府委員 百七十万トンを自主流通米の数量として見込む、七百五十万トンを政府買い上げに見込んでおることは仰せのとおりでございます。
○華山分科員 自由流通米にしたいというのが百七十万トンをこえた場合には、これはもうそのまま野放図に自由流通米に回すんですか。
○桧垣政府委員 私どもは、自由流通米ということばはたいへんまぎらわしいものですから、自主流通米ということばを使っておりますが、自主流通米百七十万トンというのは、現実論で申せば、七十万トンというのは加工用原料米、一般家庭消費用として百万トンを見込んでおりますが、これは、見込みますについても、集荷関係あるいは配給関係の見解も徴しました上で見込みを立てたのでございます。私どもは、現段階でもこの数量は大きく動くことはないであろうというふうに考えております。 ただ、法律論としてといいますか、論理としての御質問になりますれば、私どもとしては、七百五十万トンをちょっとでも切れれば、政府が米の需給操作、価格操作というものが不可能になるというふうには思いませんけれども、自主流通米が無制限に増大をして政府の調整機能を害するというところまでいってもかまわないとは思っておりません。したがいまして、政府の調整上不安があるというような数量であれば農林大臣の許可ということにひっかけてありますので、その点は規制をするということになると思います。
○華山分科員 それから、いろいろお聞きいたしたいことがございますけれども、今後の大きな問題としてお聞きいたしたいのでございますけれども、とにかく米の生産というものはある程度押えなければいかぬ、こういうふうなことでございますが、そういった場合に、私の心配いたしますことは、生産性の低い地域、山地、山合い、いわゆる今日いわれるところの過疎地帯あるいは山間僻地といっていいかもしれない、こういうところは農業構造改善事業は行なわれておらない。土地改良も行なわれておらない。そういうところがあるのですね。私、統計的なこと、詳しいことは知りませんけれども、そういう地域で約二〇%の米ができているというふうに私は聞いておりますが、これはどうですか。私の聞いたところですけれども、そういうふうなところ、そしてまた、一面から言うと、とにかく今度の米価の生産費の基準は下げる、限界生産費を下げるというふうなことになりますれば、ますますそういう地域のほうは売る値段において非常な圧迫を受ける。そういうふうなことで、今度の米のやり方というのは、いまいろいろな問題で山間僻地の問題、あるいは過疎過密の問題ということがありますけれども、そういう地帯に重圧がかかってくるんじゃないか。来年はそうじゃないかもしれませんけれども、将来どういうふうにお見込みですか、大臣にお聞きしたい。
○大和田政府委員 私ども、米の作付転換というのは今後ある程度行なわれると思いますけれども、その際にどういう地帯が米作がかわるかという問題でございますが、米につきましてもやはり主産地形成という形でいくことがまず第一でございます。しかし米作として適当でない土地がどうかわるか。あるいは米からたとえば田畑輪換のような形で牧草にかわるか、あるいは野菜にかわるというところがまず先にかわるか、これはもうしばらく事情を見ませんと、そう軽率に判断ができないのではないか。私どもことし一万ヘクタールの規模で作付の転換をやるわけでございますが、よく農業団体との話も詰めまして、無理のない形でこれを行なうことに現在いろいろな努力をいたしておるわけですが、もう少し今回の一万ヘクタールの作付転換がどういう形で行なわれるかということを見まして、今後の問題の措置をきめたいというふうに考えております。
○華山分科員 大臣に私は将来の展望を聞いている。そういうところの田がつぶれるのではないかということなんです。山の中の田がつぶれるのじゃないか。生産性が低い、生産性を高めることができなかった、政府がやらなかった、山合いのそういうふうなところが、だんだん間に合わなくなってつぶれるのじゃないかということについて、将来の展望はどうなんでしょうか。
○長谷川国務大臣 米の買い入れを制限するのではございませんので、いままで過疎地帯であって米をつくっていた方がやりたいというのを、なおそれをつくってはならぬという意味ではないのでございまして、一万ヘクタールを何とか制限をしてそうして御協力を願いたいということであります。でありますから、決してその地帯にだけ重圧がかかるとは考えられませんし、お話のように、価格に対して別にその地区だけに圧迫を加えるというような考え方をもって行政を行なうのではないのでございますから、そういうことはないと私は考えます。
○華山分科員 私がお聞きしていることがあるいはおわかりにならないのかもしれないですけれども、そういう山の中は田をつくらなくなるのじゃないかということなんです。将来の展望としてですよ。そういうところは田をつくったってなかなかたいへんなんだ、田をつくらなくなってくるんじゃないか、そういうことを私はお聞きしている。どうでしょうね。私はそう思いますよ。将来だんだん——主産地というようなことを言われれば平地にきまっている。第一、農業といえば平地にきまっている。そういうところは生産性が上がる。生産性が上がれば米価だって下がってくる。その際に間に合わなくなるのは山の中じゃないか。そうすれば、山の中の田が減ってくるんじゃないか、こういうことについての大臣の将来の展望をお聞きしている。
○長谷川国務大臣 どうも私は華山さんとちょっと意見が違うかもしれませんけれども、本年はなぜ基盤整備、土地改良というものに思い切った助成を行なうかということは、そういう地帯があるであろう、米作地帯ばかりでなくて、今後の農業というものは、平坦部ばかり、都市周辺ではなくなってくる、したがって山間というか、そういう地帯を開発していかなければならない状態が当然出てくるだろうと考えられます。であるからこそ、本年度は全く思い切った五〇%、つまり、たとえば十アールに対して四万円を出しますというような思い切った施策を加えて、そういう地帯の開発を進めてもらいたい、そのほかに私のほうはさらにできるだけの指導はいたします、こういうような目標のもとに本年の予算は組まれてあるのでございます。でありますから、私はどうもそういう点がちょっと華山さんと意見が違うかもしれません。
○華山分科員 それは、大臣よく農業のことはわかっていらっしゃると思いますから言いますけれども、私の県は山形です。山形の山の中で一体何をやれというのです。何をやる。果樹は植えられませんよ。畜産といったって、とてもそんなにやれるものじゃない。何を一体農業構造で改善していくか、山地を改善していくのか、私は見当がつかないのです。そして主産地じゃないから米を植えるな。何ともならぬじゃないか。そういう心配をしているから私は申し上げる。あるいは人は、そういうところでは放牧をやったらいいだろう、こういうふうに言いますけれども、そういうふうな山深い、雪の深いところで採草というものがうまくいくか、非常に疑問ですね。そういう点、まことに山の中というものはひどいものになるのじゃないか。しかし、食っていかなければいかぬのですから米は植える。どうしたって米を植えなければ食っていけない。米は植えるでしょうけれども、米は安くなる。そういうふうなことから、ますます貧乏するんじゃないのか、こういうことを私は心配する。貧乏しませんか。山の中は今後何をやらすのです。
○大和田政府委員 私ども今後稲作の生産調整をするといたしましても、一定の条件のところでは米を植えてはいかぬという強制的な措置を講ずる気持ちはいまのところございません。ただ、いま山地帯で米をつくる以外ないではないかというお話ですけれども、各県の情勢を見ますと、米をつくっているところもありますし、畜産をやっておるところもありますし、複合的な経営でシイタケをつくっているところもございます。したがいまして、それは農家の知恵で、農林省としても、山村振興その他で非常にへんぴなところでの農業の援助あるいは農林業を通じての援助をいたすわけでございますし、それはだんだんにやはり農家の知恵でかわるべき有利な作物があればかわるし、どうしても米しかないということで米の生産を続けるということもございましょう。それは農家がどういうふうにこの問題に取り組むかということによって相当かわってくる問題で、ただもう山地帯は米だけしか絶対つくらないという、いわば固定的なことでは私はないというふうに思います。
○華山分科員 固定的じゃありませんよ。私は山形県におりましたときに、山地のことは農林省が何にもやらぬから、桑を植えて養蚕をすすめた。そして、平地から山に養蚕は入るといって、入って、いま繭が高いのでその点は潤っている。そういうこともやりましたし、いろんなこともやっているのです。決してほっておいたわけじゃありません。そういうふうなことを私は一つ一つの土地について、山間について、ここは何がいいとかということを真剣に考えて対処してもらいたい、そういうことをお願いしておる。 それから会計検査院の報告にもありますけれども、放牧採草地は荒廃に帰しているということを実地検査で言っている。なぜ荒廃に帰しているのか。初めは自分はここで牛なり豚なりを飼って、豚は草を食う豚もあるそうだから、もうけようと思ったのだけれども、見てたらさっぱりだめだ。だからほったらかしにしておく。せっかく金をかけたり補助金を出したものが荒廃している、こういうことなんです。 私は、それで申し上げたい。農林大臣に御一考を願いたいのでありますけれども、採草地はひとつ国営でやっていただきたい。国有林開放なんというそんな問題じゃない。山地等で適当なところがあったならば、むしろ国有地として買い上げて、それを国で採草地として経営してもらいたい。林野庁は何も材木ばかりやっている必要はないのでしょう。草もやったらいいじゃないですか。そうしなければ日本の状態では採草地は育ちません。こういうふうな不安定な状態では育ちませんよ。思い切って山のことをやってもらいたいと思う。どうですか、大臣。前の大臣は、たいへんいい御意見を聞いたので今後そういうことを検討しますと言われたのだけれども、大臣検討されましたか。
○長谷川国務大臣 草地改良という点については、政府といたしましてもいろいろの施策を加えておりますし、これには重点的な指導をしております。しかし、国有林を政府みずからがということに対してはなかなか簡単な問題ではないだろうと私は考えます。御意見として承っておきます。
○華山分科員 簡単な問題ではないと言って、簡単な問題だけ取り組んでいたのではとてもできないでしょう。いまの農業改革、方向転換などの複雑な問題、困難な問題に大臣がぶつかるだけの意気がなければできませんよ。簡単な問題じゃないといって、何の問題だって初めから簡単じゃないことはわかっている。たいへん憎まれ口を言いました。 それで、ちょっと時間がありませんので簡単にお聞きいたしますが、今度米が自主流通米になりますね。酒米はどうなるのか。これは五十万トンは自主流通米ということだけれども、ただ、われわれは平面的に考えれば、自主流通米になれば大きな酒屋は米が買える。中小酒屋さんは買ない。そこで中小酒屋さんというのは大酒屋さんの圧迫を受けるのではないか。一面から言うならば、それによっていろいろなことでいい酒をつくるようになる競争が起きる。いい酒を飲める人はそれでいいでしょうが、勢い酒の値段というものは上がるようになるんじゃないか。いままでは配給というものがあるから、大蔵省も酒の値段についていろいろな文句が言えた。今後はもう何も別にない。税金を取るだけだ。そういう段階になって、現在の酒の製造及び販売の秩序に大きい影響があるのではないか、その結果、先ほど言ったような影響がくるんじゃないかと思うのですが、これは大蔵省から御意見を伺いたい。
○玉置説明員 お答え申し上げます。 自主流通米はこの秋あたりから流通し始めるということでございますので、その値段がどの程度の水準にきまるかということは、現在の段階では予測の域を出ないわけでございますが、御質問のようにもしこの値段が高騰するようなことになりますと、その直接の影響は中小企業に大きくくるということは明らかでございます。大メーカー、中小メーカーそれぞれ問題をかかえておりますけれども、中小メーカーのほうがどうしても経営面には弱さがございますので、それにできるだけ影響を与えないように、自主流通米の価格も従来よりアップしないような方法できめるように私どもも努力をしてまいりたい。これは国税庁だけではまいりませんけれども、食糧庁ともよく協議をいたしまして、自主流通米価格ができるだけ上がらないように、中小企業への影響をできるだけ少なくするような措置をしてまいりたい、かように考えております。
○華山分科員 しかし、自主流通米というものは上がらなければうまみがないんですからね。これは上がるにきまっていると私は思うんですよ。上がらなければ自主流通米なんかにしないで——幾らでも政府は買うというのだから、政府に買ってもらいますよ。そうすれば酒米だって余りますよ。特に酒米の好適米というものは、これはさまった品種なんです。限られた品種なんですよ。それに殺到したならば上がるにきまっている。去年でも、ビールとか日本酒が上がるということで新聞等も大騒ぎをした。ことしも私は大騒ぎをすることがくるのではないかと思う。そういう面でどうなさるつもりか。私はそういう点を伺っておきたいのでございますけれども、何かいま具体的な案をお持ちでございますか。どうしたならばできるのか。
○桧垣政府委員 現在酒米は食糧庁から供給いたしておりますが、御案内のように、政府のコスト価格で払い下げておるわけでございます。なお、好適米については、酒米加算までして高く買ってもらっておるわけでございます。それはそれといたしまして、現在でも酒米と酒屋さんとの関係は、ある程度産地と定着をした形をとっております。価格関係から見まして、私は自主流通米が最も円滑にいくはずであるというふうに思っております。 ただ、大メーカーによる買い占め、圧迫等の問題は好ましくございませんので、私は国税庁ともよく協議をいたしまして、生産者団体とか酒造組合のようなところで酒米についての調整のための協議を行なわせ、また、それについては政府も指導を加えていく。なお、酒米全体として不当な価格になるというようなおそれがありますれば、あるいは酒米について量として不足があるということであれば、食糧庁として加工用の売り払いは考慮をしてまいりたい。そういうことを通じて酒米について異常な高騰を来たすようなことが避けられるというふうに思っております。
○華山分科員 アルコール添加というのは米のないときでしょう。米が足りないからアルコール添加ということを認めている。アメリカじゃ、アルコール添加というものは酒に認めていない。日本独自のものです。今後もアルコール添加をやるつもりですか。
○玉置説明員 このアルコール添加は、おっしゃるように米不足時代に、できるだけ原料米を節約しよう、そういう意図で始まったわけでございます。昭和十七年以来続けられておりまして、いわば消費者の嗜好がアルコールを添加した酒になれてしまっている、こういうこともございます。それから、メーカーの製造設備もアル添の酒をつくる製造設備ができております。したがっていま一挙にアルコール添加をなくして全部米ということになりますと、メーカー自身新しく設備投資をしなければならないという問題、さらにそれによって相当なコスト高になりまして、高い酒を売らなければならない。そうなりますと、たとえばウィスキーとかビールとの競争関係で不利になるということもございますので、一部のメーカーがよい品質の酒をつくって高く売る、これは主として大メーカーになると思いますが、そういうものが出るといたしましても、一般的に、いまアル添はだめだといってみましても、やはりメーカーとしてはアル添せざるを得ないという状況にあると思います。
○華山分科員 私はそれを心配するのです。自由米になりますと、いまのようなアルコール添加というものじゃない、私のうちの酒は純米でつくったものでございます、そういうふうなことで米を買い集めて、これはほんとうの意味のやみ米になるかもしれない。それにしましても、添加するかしないかというふうなことから、これは来年すぐ起きるとは思いませんけれども、大きなそういうふうな、いまでも銘柄で飲むのですから、そういうふうなことが一つの転機となって、醸造界に徐徐にいろいろな問題が起きてくるんじゃないか。そうして酒が上がる。大企業が中小企業を圧迫してくる。そういう事態が起きはしないかということを私心配しておる。いまお伺いしたところが、まだ名案はないようですから、これ以上お聞きいたしませんけれども、十分に気をつけていただきたい。もう来年からは配給もしないのだから、大蔵省が行政指導なんて言ったって、そううまくはいきませんよ。そういう点につきまして、私は何のためにこういうことをしたのか知りませんけれども、五十万トン前後というものは売るにきまっているのだ、なぜこれを自主流通米にしたのか、したって、しなくたって、同じことじゃなかったのか。かっこうだけは百七十万トンでかっこうはいいかもしれない。そうして、原価主義なのだから一般会計から繰り入れられているものでもない。そういうふうなことをなぜなすったのか。私は、ただ数字をつくるためにこういうふうなかっこうになったのじゃないか、たいへん残念です。しかし、そういう方針だそうでございますけれども、お直しになるならば、しばらくの間、酒の米は自主流通米にしないでもらいたい。何も関係ないのですからね。酒米は高く売って損をしないようにできているのですから。そういうふうにお願いをいたしまして私の質問を終わります。
○植木主査 次は森本靖君。
○森本分科員 まず、ただいまの華山委員のほうでの米の問題がだいぶ問題になりましたが、これは予算委員会の総括質問あるいは一般質問等においても相当行なわれているわけでありますが、前国会の予算委員会でもかなり問題になったわけであります。その当時から農林大臣は、米が余っておる、だから今後総合農政という形において農政を推進していきたい、こういうふうに言っておられるわけでありますが、現実の問題として総合農政ということになりますと、米をつくる、あるいはまた果樹、あるいはまた園芸、蔬菜、それから牧畜、こういう総合的な農政に変わっていかなければならぬ、こういうふうに前の大臣も言われておりましたが、長谷川農林大臣としては、今後の農政の形について具体的にどうお考えになっているか、ひとつお聞かせ願いたい、こう思うわけです。
○長谷川国務大臣 ただいま御指摘のように、総合農政をそのように進めてまいりたい、このように考えております。
○森本分科員 そこで私は、本年度の農林省の設置法の一部を改正する法律案がすでに国会に上程をせられておるわけでありますが、この中を見てみますと、新しく熱帯農業研究センターというものを設置をするということが出てきておるわけであります。そのかわりに牧場を一つ減らすというかっこうになっておるわけでありますが、この熱帯農業研究センターというのは、具体的にいってどういうことを行なうセンターですか。
○大和田政府委員 東南アジアその他の低開発国から、日本の農業界に対していろいろな形で技術援助の申し出がございます。現に試験場の技師を中心にして相当多数の者が東南アジア等々の試験研究機関に行って試験研究に従事しておるわけでございます。それで今回熱帯農業研究センターを置きますのは、研究センター自体の研究もございますし、それから、そこをセンターにして海外の低開発国熱帯諸国に研究員を派遣するということもございますし、また日本のいろいろな農業関係の試験場でやっております成果を熱帯農業の研究という面で総合するという仕事もございます。また熱帯農研の支所を沖繩に設けまして、沖繩は御承知のように亜熱帯でございますから、日本の温帯と熱帯とのいわば中継ぎの地点として亜熱帯の農業を推進するという、そういった問題を持っておる試験研究機関でございます。
○森本分科員 一応その規模はどの程度の定員で、年間予算はどの程度の予算になりますか。
○大和田政府委員 規模は、四十四年度におきまして定員四十名ほどでございます。それでこの本所は東京に置きまして、やがて筑波の学園都市に移る予定でございますので、ごく簡単な施設等々の金として、たしか六千万円ほどを四十四年度の予算に組んでございますが、なお研究員の派遣その他の費用としてたしか三億程度の予算を技術会議で持っておるわけでございます。
○森本分科員 その四十名というのは、これにありますところの沖繩支所も含めてすべてで四十名、こういうことですか。
○大和田政府委員 沖繩の支所の関係は、これはまだ初年度でございますから、敷地も現に設定されておりませんし、沖繩支所はいわば調査の段階でございますから、そこの人数ということはそれほど大きな問題はございません。
○森本分科員 そういたしますと、今回の第二十二条の五、一、二、三、四と四項目あるわけでありますが、この項目によるところの熱帯農業研究センターが完成をした暁においては、大体どの程度の人員と年間予算を見通しておられますか。
○大和田政府委員 この試験研究機関は、そこだけで熱帯農業の研究をすることでございませんで、海外に研究者を派遣して各地で試験研究の援助をする、それを本所で総合する。また農事試験場その他の研究を総括するわけでございますから、そこの費用といたしましては、圃場その他、それほど大きな予算を予定いたしてはおりません。
○森本分科員 だから私が聞いておるのは、簡単に言ってこの四項までの項目を完全に完成をした暁における熱帯農業研究センターというものの総定員と年間総予算というものはどの程度の規模を考えておるか、こういうことです。
○大和田政府委員 私どもこの研究所はだんだん充実をいたします計画でございますけれども、この研究所が筑波学園に移転しましてから、どの程度の人数あるいはどの程度の規模ということは、まだ確定的な数字を持っておりません。
○森本分科員 これは一応農林省設置法の改正案を出して、これは実際には内閣委員会で審議されるわけでありますけれども、審議される段階においては、私がいま言ったような将来の見通し、計画、展望というようなものについて明らかにしておくのが妥当だというふうに私は考えますが、本日はその問題を追及するのが目的でございません。 ただ、ここで、今回この熱帯農業研究センターというものを置くということについては、私は反対も賛成もいたしませんけれども、その次の改正項目によりまして、いわゆる第二十二条の五に関連して第三十三条第二項のいわゆる高知種畜牧場の項を削るということで、一つこれをのいておるわけであります。だから結局、熱帯農業研究センターをつくるかわりに高知の牧場を一つ減らす、こういうことを考えておるようでありますけれども、いま全国で種畜牧場は幾らありますか。
○太田政府委員 十五牧場三支場でございます。
○森本分科員 それを地域別に分けて大体どうなりますか。
○太田政府委員 本場で申し上げますと、北海道が三、東北が四、九州が二、中国が二、四国が一、関東が一、中部が一、近畿が一、こういう状況でございます。
○森本分科員 大臣、いまお聞きのように、十幾つ種畜牧場がある。ところが、その牧場は大体北海道から九州に下がってそれぞれ均衡のとれた形において設置されておる。たまたま四国に牧場が一つある。その牧場を今年熱帯農業研究センターをふやすかわりにのけてしまう、こういうことになりますと、四国地方においては牧場が一つもなくなる。こういうことになるわけでありますが、先ほど大臣もおっしゃられましたように、今後総合農政としてやっていかなければならぬ、さらにいま、農家におきましても、特に酪農という点からいきましても、そういう種畜牧場というものの必要性が非常に痛感をせられておるというときに、その地方に一つもないということについては、これは自分の選挙区であろうとなかろうと、実に私はけしからぬやり方である、こういうふうに考えるのですが、大臣どうですか。
○長谷川国務大臣 ごもっともなお説ではございますけれども、いろいろお話を承ってみますと、高知の種畜牧場は、大体用地といたしましても非常に狭いという関係もあるようでございます。したがって業務の拡充をさらにはかろうといたしましても、これはなかなか不可能のようでございます。現在の業務状態を見ますと、飼養頭数などをいろいろ調べてみますと、肉用牛が大体十五頭で、それからヤギが五十三頭というような実情にあるようでございましたので、これらのようなものから考えまして、決して私は四国が適当でないという意味ではなくて、こういう上から考えてみて、これを他に移して、そしてさらに一段高いところからその使命を果たしてもらいたいというようなことのように考えられますので、そういう点についての御了承を賜わりたいと存ずるのでございます。
○森本分科員 これは他に移すということよりも、なくなってしまうわけでありますから問題があるわけであります。それでは局長のほうにちょっとお聞きしますが、この酪農関係で乳牛が四国全体でどの程度おるということを調べておりますか。
○太田政府委員 家畜について全国の頭数と四国の頭数を申し上げまして、そのシェアを申し上げますと、乳用牛でございますが、これが昭和四十三年二月一日現在で統計が出ておるわけでございますが、全国の数字が百四十八万九千頭、これに対しまして四国が全体で六万四千七百四十頭、そのシェアが四・三%、それから肉用牛が全国で百六十六万六千頭でございまして、四国が九万三千九百九十頭で五・六%、それから山羊が全国で二十二万二千九百頭でございまして、四国が一万二千三百十頭、五・五%、それから豚が全国で五百五十三万五千頭、これに対しまして四国が二十六万五百頭、四・七%、鶏が全国で一億三千百八万四千羽、これに対しまして四国が一千八十一万九千羽で八・三%、こういう実情でございます。
○森本分科員 いま局長からその内容をお聞きのとおり、大臣、これは四国において種畜牧場が必要でないということにはならぬと思います。しかもこれはほかの地方にはどこにも二つないし一つはあるにもかかわらず、四国だけ全部なくしてしまうということはどう考えても、これは四国地方の今後のいわゆる畜産行政からいきましても私は非常に不可解に考えるわけです。そういう点で、この法律が出る前に、人情大臣といわれる長谷川農林大臣でありますから、事前に裏折衝でもしに行ったならば、あるいはこれはこういうことにならなかったかもわかりませんけれども、しかし、事ここに至って法案が国会に提案をされたこの段階において、この委員会で質問をいたしましても、おそらく大臣としては撤回するということはなかなか言いにくいかと思いますけれども、しかし、常識で考えて、このやり方はあまりにも酷である。本来ならば、農林省としては置きたいけれども、しがしながら、こういう熱帯農業研究センターというものをつくるということになりますと、これは大蔵省あたりもどっか一つ削ってこい。こういう取引を大体行なうのが行政機構改革の際にありがちのことであります。おそらく私はそういう考え方に立ってこの牧場が削られるということになったと思います。おそらく大臣が先ほど事務当局の書いたものを読んでおったように、確かにこれを大きく広げるというような問題についても困難がある、あるいはその他いろいろな困難があろうと思いまするけれども、しかしながら、いま言ったような全国の牧場の状況から見た場合に、それなら、悪いなら悪いでその悪いところを直しながらこれを置いていく、あるいはその場所を拡大をすることの余地がないとするならば、他にかりのかえ地を求める、こういうことでやはり置くほうに努力をすべきではなかったか、私はこう考えるわけでありますが、ひとつ大臣、常識的な政治家として、こういうやり方はあまりにも酷じゃないか。よく自民党の代議士諸君は黙っておる。四国選出の代議士は農村にあまり関係がないのではないかということすら私は疑わざるを得ない。ひとつこの点について、人情大臣としての長谷川農林大臣の常識ある——私はむずかしい理屈には及びません、常識ある回答をひとつ願いたい、こう思うのです。
○長谷川国務大臣 この問題を私承りまして、それではあとどういうふうにする考えだというようなことを一応いろいろお聞きいたしました。その結果、お話によりますと、高知県が、これは高知県の畜産センターにし、そしてこの活用度というものをさらに高めてまいる予定だ、したがって、これらを含めてまいりますと、これらを中心とした畜産の振興というものはさらに高度な点が考え得られるというようなお話でございましたので、県が責任を持って畜産センターとして活用することができるのならばやむを得ないだろう、こういうような判断を下したわけでございます。
○森本分科員 畜産センターとして高知県が考えておるということについては、あとから事務当局にお聞きしたいと思っておるわけでありますが、私はこれはあながち高知県の自分の選挙区だけをとって言っているわけではございません。四国には四県ありまして、先ほど局長が言われた数字は、これはすべて四国四県の数字のトータルでございます。そういうことからいくとするならば、あるいは徳島にしても、あるいはまた愛媛にしても、あるいは香川にいたしましても、酪農の農家というものについては、いまようやく盛んになりつつある、こういう現状でございます。だからいままでこの牧場が肉用牛とヤギだけで、四国の牧場でありながら実際には高知県だけしか役に立っていなかった。とするならば、これはやっぱり乳用牛も入れて、そして四国の牧場として、センターとしてこれを開発をしていく、こういう方向にやるべきではなかったか、こういうふうに私は考えるわけでありますが、これは事務当局の答弁を願いたいと思うわけです。
○太田政府委員 実は種畜牧場の整備につきましては、かねてから実施をいたしてまいったのでございますが、それは御承知のとおり、種畜牧場の主要な任務が家畜家禽の育種を効率的に行なう、そしてその能力を向上せしめるということにあるわけでございまして、近代遺伝学を応用した能力検定とか選抜淘汰を行なうことが必要であるわけでございますが、各牧場に多くの畜種の家畜を係養いたしまして、育種改良あるいは増殖育成の業務を行なうことは、理論的、技術的及び労力的に非能率的である、こういうことで、同一牧場において係養する家畜をできるだけ単一化して、牧場の機能を分化明確化するということを基本方針といたしまして、従来着々と牧場の整備をいたしてまいったのでございます。 そこで、高知の種畜牧場の問題でございますが、先ほど申し上げたような方針で、先ほども大臣がおっしゃったわけでございますが、国の種畜牧場につきましては、各家畜ごとにその改良育種事業の充実をはかる、そういった基本方針のもとに整備を計画的に進めてまいったのでございます。高知の種畜牧場におきましては、用地が狭いために今後の業務の拡充をはかることが実際上不可能である。現在行なっている業務につきましては、先ほど大臣からも申されましたように、飼養頭数が非常に少ない、その結果、効率的な育種を行なうことができない、こういった事情もございまして、地域的な種畜牧場の配置から見ましても、先生のおっしゃるとおり、四国内でこれにかわる適地を求めるべく努力もいたしたのでございますが、実際問題といたしまして、適地を求めることができなかったということもございました。そこで、この際やむを得ず全国的な見地から、整備計画の一環といたしましてこれを廃場いたしまして、その人員を他牧場の充実に必要な人員として確保する、そして種畜牧場の全体の効率的な運用をはかるということで、今回高知県の種畜牧場を廃場にするということにいたしたのでございます。
○森本分科員 いろいろ言われておりますけれども、これは大体が大臣、熱帯農業研究センターをつくる、それでいまのところ一番利用価値の少ないこの牧場を廃止をしようということになったことは大体間違いないわけです。ある程度農林省がそういうような、いま局長が言われたようなことで、努力をしたけれども、なかったということについても、それはある程度の努力ということについては私もうなづけますけれども、もう少し努力をすれば、そういう場所もないでもない。いずれにいたしましても、これは熱帯農業研究センターのために犠牲になったということははっきりしておると思います。 そこで私は、ここでいまさらそういう内容をとやかく言ってもどうにもなりませんが、この法律案が今度の国会において通るか通らぬかは、これは政治問題でありますから別になってきますが、しかし、かりに通ったあとはどういうかっこうになるかということについては一応ただしておきたい、こう思うわけであります。 そこで、この二十九名の職員は、もしこの法案が通った暁においてはどういうふうになるわけですか。要領よく簡潔にやってください。
○長谷川国務大臣 私は、その点は一番心配した点でございます。そこに従事してきた方々をどうするんだというようなお話を伺いましたが、その点についてはある程度納得のいける方法だろうというように私も考えましたので、それではやむを得ないだろう、こういうことで与えたわけでございますが、あとの人員の配置につきましては、局長のほうから申し上げます。
○太田政府委員 現在、先生のおっしゃるとおり定員は二十九名でございますが、現在の実人員は二十七名ということになっております。そこで先ほども申し上げましたように、他の種畜牧場の拡充をはかるという廃場の趣旨に沿いまして、その大部分を他の国の種畜牧場に配置転換するということにいたしております。ただし、中には高知県出身の方等もございまして、こういった方が牧場を移ることもできないということもございますので、実は県等とも話し合いをいたしまして、高知県の畜産センターができました暁におきましては、ぜひそこに採用していただくという方針で、廃場が円滑に進むようにつとめておるのでございます。 なお、現在係養しておりますところの赤毛の和種につきましては、熊本県の種畜牧場の阿蘇支場、ヤギにつきましては長野県の種畜牧場にそれぞれ移しまして、改良増殖業務を継承して支障を来たさないようにいたしたい、こういう計画にいたしておるのでございます。
○森本分科員 九州と長野県へ身売りをしなければならぬ牛とヤギはさぞつらかろうと思いますけれども、それはそれといたしまして、ここでかなりの職員がそういうことで配置転換をしていく。しかし、どうしても配置転換ができない高知県出身の者については、今後できる高知県の畜産センターに移行するということが言われておりますけれども、これはひとつ人情大臣として、最後までこの職員の問題については私はめんどうを見るということを大臣がはっきりとこの席でお約束をしておいていただきたい。私はこう思うわけであります。
○長谷川国務大臣 ほんとうに職員の方々に対して御心配をかけること相ならぬ、こういうような私の考え方でありまして、なま首を切るようなことは絶対いたしませんし、おっしゃるとおりにいたす考えでございます。
○森本分科員 それから、これは高知県に結局払い下げをするわけでありますか。これは事務当局でけっこうです。
○太田政府委員 まだ具体的に話は完全な意味で詰まっておりませんが、われわれとしては、普通財産にいたしまして大蔵省に移管いたしまして、大蔵省から払い下げるということになろうかというふうに考えております。
○森本分科員 それから、県が考えておりますところのいわゆる畜産センターというのは、大体どういうふうな構想と企図を持っておりますか。
○太田政府委員 肉用牛と乳用牛の繁殖育成をいたしまして、これをたしか農家に配布する牧場として利用するというふうに聞いております。
○森本分科員 この問題は、一つの牧場がなくなるという問題でありますので、私はいろいろ内容についてしさいに立ち至って質問をしたいと思いますけれども、現実にまだいま折衝の過程にある問題でありますから、これ以上詳しく質問をいたしましてもなかなかお答えがしにくいと考えますので、これでやめますけれども、大臣がいま言われましたように、この問題の解決につきましては、くれぐれも慎重な配慮をお願いしたいといことを、大臣以下事務当局にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○植木主査 次は佐野進君。
○佐野(進)分科員 私は食品関係の流通問題について、主として中小企業関係を御質問したいと思います。社会党のほうで中小企業の政策の事務局長をやっておりますので、そういう面から御質問をしたいと思います。 まず第一に、大臣に、食品関係の今日の流通政策の基本的なあり方についてどのように取り組まれておるか、原則的な面を御質問してみたいと思います。
○長谷川国務大臣 流通機構の近代化は、農業生産の安定あるいは農業所得の確保の観点からも、さらに消費者家計の安定という見地からもきわめて重要な問題であるので、特にこの点については留意をしてまいりたいと思っておるのでございます。 したがって、中央市場及び地方卸売り市場、または関係の地方の市場全体に通じても考えなければならない時期がきておるだろう。一面、東京の中央市場を見ましても、あの狭隘な市場においては、なかなか思うような機構の発揮をすることができ得ない、こういう点におきまして、東京の中央市場においては大井にも東京分場をつくりまして、その機構をますます発揮してまいりたい。さらに地方におきましても、このごろは全部の業者が機動力を持ってきておりますので、その機動力で市場そのものが一ぱいになって、選択することも困難な状態にございますので、これらに対しましても思い切った国の施策を考えてやらなければならぬ。そうして、それには地盤の広いところで、大体において全部の生産物が並べられる、そしてその取捨選択が自由にできる、こういうような点から考えましても、市場というものはおのずからここに改革しなければならないときにきておる。こういう考え方をもって、本年度からは思い切って流通機構を近代化していきたい。こういうような点について予算の面を見たわけでございます。
○佐野(進)分科員 そうすると、いわゆる中央市場をはじめとする各分場の施設を充実する、こういうことでありますが、ここ二、三日の新聞でいろいろそういう点について問題になっておることが出ておりますので持ってきたのですが、これらについてひとつ大臣の見解を、いろいろの質問をする前提としてお聞きしてみたいと思うのです。 二十三日付の新聞に、「あがる消費者物価」「安定した卸売物価」「なぜ差がつく」ということで、その条件として、合理化が物価の上昇を押えておるのは卸売りであり、消費者に対する食品サービスの高騰が消費者物価の高騰の原因だ、こういうことをある新聞は報じております。さらにまた、ある新聞は、「ダブつく野菜」「おかしな高値」ということで、「産地は豊作貧乏」「流通経費に泣く消費者」こういう形の中で、小売り段階におけるところの手数料、マージン、こういうものが消費者物価を押し上げておるのだという一般的な報道がなされておるわけです。これらについてはあとでまた詳しく御質問しますが、原則的な面で大臣はそのようにお考えになっておるか、お聞きしたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 最も国民生活として重要な問題でございまして、現在小売り業者といいましょうか、最末端の消費者の手に移るときには生産価格よりも予想外に高いものもある、こういうような点は私も認めております。したがいまして、今年に入りましてからもさることながら、昨年来、野菜が気候の関係で豊作であるにもかかわらず市場価格が下がっておらないじゃないかというようなお話も承りまして、したがって、それに対しまして市場のほうの調査もやってまいりました。市場に行って、こういうようなことであってはあなた方の将来をどうするのだというような点にまで触れて、いろいろお話し合いをいたしましたけれども、何としても労働力の問題等々が出てきております。それによって小売り価格が高くなるのだというようなお話をしておりましたけれども、それは納得できない。今日はもう昔とは違って、お互いさま機動力を持って、一つの車でたくさんみずからこれを運搬をすることができ、その力によってまた陳列することができる今日においては、それは通らないことだろう。したがって、もう少し小売り価格というものに市場自体が注意をするというか、指導をすることも考えなければならないだろう。われわれもこれについては今後大いに意を用いまして、生産から消費までの間に対しては、あらゆる面で指導をしてまいるから、そのように御協力を願いたいと、過日言ってまいってきたところでございます。
○佐野(進)分科員 ですから、これらの新聞記事が報じておるような事態を、大臣は事実としてお認めになるかどうかということを、私は次の質問の関係があるからお聞きしておるわけです。たとえば、野菜の値段が、産地では豊作貧乏だ、消費地では高値で消費者は泣く、そして卸売り物価は安定している、こういうことになってくると、小売り商の方々がさも大きな利益をあげているということが一般的に印象づけられるわけですが、そういう事実を、そのとおり農林当局としてはいわゆる食品関係の流通機構のあり方としてお認めになっておるかどうかということをまず聞いて、次の質問に入りたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 私はそのとおりだとは考えられません。私の調査した点についてはそのとおりだとは申し上げられないと思います。ただ、ある程度、ものによってはそういうようなものも考えられる。一つの品物を持ってきまして、こちらが六百五十円です、こちらが八百円です、こういうふうに言いますと、消費者は、それでは八百円のほうのをください、こういう点もあります。ですから、消費者自体にもそういう点についての見る目といいますか、選択するという点については、大いに今後は研究してもらう必要があると考えられます。
○佐野(進)分科員 私は、消費者物価が今日非常な高騰を続けておるという原因をどうやってなくするかということが今日の物価安定に対してたいへん大切なことだし、さらにまた、その原因を突き詰めることが今日の政治に課せられた一つの大きな使命だと思うのです。そういう観点から、今日消費者物価が上がるその原因を探求していくと、いわゆる食料品関係は、日常の生活に最も密接な関係のある点に焦点を当てられて高騰をする幅が非常に大きい。他の物価全体を合わせると五%であっても、実際上消費者物価の高騰は一〇%以上になっておるというのが現実に消費者物価を押し上げている条件だ、こういわれておる。それではそういうふうに押し上げている条件がどこにあるかということで突き詰めていくと、産地は安値だ、卸売り物価も安値だ、そうして消費者は高値のものを買う。そうすると、中間のマージンを取るところの小売り商がそれだけもうけておるということになるわけですから、小売り商の方々に現地に行って聞いて、あるいはその人たちの生活の状態を見てみると、そんなに豊かな生活をし、レジャーを楽しみ、短時間の働きによって生活を維持しておるような小売り商というものはほとんどない。朝早くから夜おそくまで一生懸命家族ぐるみ働いて、かろうじて一般的な生活を維持しておるのが大部分なんです。そういうのが現実であるとすると、一体そういう条件はどこにあるのか。これらの点を、いわゆる生鮮食料品の流通機構に関係する面を取り扱う農林当局としては当然考えなければならぬ。しかも、こういう記事が出ておったとすれば、それが事実かどうかを当然調査しなければならぬ。だから私はそれを聞いておる。事実であるならば事実であるということを、事実でないなら事実でないということをお聞かせ願わなければ次の質問になかなか進めない、こう思うわけです。
○亀長政府委員 産地あるいは卸売り市場の価格が下がるか、あるいは安定的な場合に、小売り価格が必ずしも下がっていないということはよく聞くのであります。しかし、小売り価格を一番左右いたしておりますものは、何といっても産地なり卸売り価格というものが一番大きく作用しております。これは統計でも、私どもの統計調査部で調査いたしております数字にもあらわれております。 いま手元にちょうどある資料で一例を申し上げますと、大根につきまして、たとえばここに一昨年の十一月の卸売り価格を一〇〇といたしますと、四十三年の同じ十一月の上旬には卸売り価格が七七・八%に下がっております。これに見合いまして、同じく四十二年の小売り価格を一〇〇といたしますと、四十三年の十一月の小売り価格は七〇・四%というふうに、この場合はむしろ小売り価格のほうが比例的に申しますと大きく下がっておる。もちろんこれは時期的な、特に生鮮食料品の場合には時期的な生産量の多いとか少ないとか、あるいは天候が悪いというようなフレがございますので、いろいろな例がございますけれども、同じように大根で十一月の下旬を見ますと、四十二年と四十三年で卸売り価格は一〇〇が六六・七、小売り価格は一昨年を一〇〇といたしますと四十三年は七八・九というふうに、若干の差異はございますけれども、やはり卸売り価格の上下というものが小売り価格の上下に非常に反映しておることは言えると思います。もちろん品物が下がりましても、輸送費であるとか、包装代であるとか、あるいは人件費であるとか、小売り価格を構成する非常に大きな他の要素がございますので、一がいには申せませんけれども、やはりこれは小売り価格に大きく産地なり卸売り価格が反映しておるということは統計的にも立証されておると思います。
○佐野(進)分科員 大臣、私のいまのお聞きしたい点はおおむねいまの答弁でわかったわけですけれども、いわゆる流通機構の近代化というか、対策というものが、消費者物価の値上げとの関連の中で非常に大きなウエートを持つということは、私どもいろいろ研究すればするほどわかるわけです。したがって、そういう点に対して、特に生鮮食料品が物価上昇の非常に大きなウエートを占めておるといわれておるときに、これらに対する流通近代化対策というのは、単に中央卸売市場あるいはそれに関連する分場の施設を充実する、これはもちろん大切なことですが、それだけでなくして、いま少しく全体的な見地から、いま言われた流通過程の中における中間的な段階、生産者から消費者にわたる中間的な段階の中における対策というものが当然重要なウエートを占めてくるものと考えられるわけですが、これらの点について、おもに零細小売り業者の立場に立って質問をしてみたいと思うわけです。 その一つは、今日いわゆる大資本の零細資本に対する利潤の追求の部面から進出をはかる傾向が、非常に大きくあらゆる分野にあらわれておるわけです。特にその中で食品関係、食品を提供するあるいはそれの流通をはかるという関係、非常に多くの業種が農林省関係にあるわけですが、こういう点については大資本が集約的にそれらの業務を取り扱う。いまスーパーその他でも現実にそのはしりが見えておりますが、これは特に大きなビッグスーパーあるいは大資本、特に大デパート等が、あるいはそういうふうな関連する企業が、いわゆるその資本の系列の中においてそれぞれの地域の中に具体的に進出をはかる、こういうような傾向が非常に顕著にあらわれつつある。特に資本の自由化等が進展する過程の中では、そういうことが当然予測されると思うのです。そうすると、そういう巨大な資本ないし企業の系列という形が既存の小売り業者を圧迫する、こういう点が当然出てくると思うのです。いまでも人手がない、あるいは資本の力が不足だということで、経営の維持に困難を来たしている零細経営者が、そういうような状態、いわゆる巨大な資本の圧迫の中にその企業の存立の基盤を失っていく。したがって、その中で必然的に流通機構の混乱を招いてくるということが予測されるのが現在の状態ではないかと思うのですが、これらの状態に対して、農林省はどのようにその対策を立てようとしているか、この際お聞きしておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 御指摘のように、このごろは大型のスーパーマーケット等が進出してきていることは見のがすことのできない事実でありまして、流通の近代化とかあるいは小売り業の経営合理化の上に評価できる面も認められます。しかし、零細な食料品小売り業者が、国民の消費生活と密接な関係を持つ重要な役割りを今日まで果たしてきているということを考えまして、農林省としては関係の小売り業者の自主的な近代化意欲の方向を一そう指導、助長していきたい、それには近代化合理化を促進するように、近代化資金とか、あるいはまたそれに対するところの融資の面を十分に本年度は考慮いたしまして、経営の近代化の指導に万全を尽くしていきたいというような考え方をもって本年の予算は盛られている面がかなりあるだろうと考えられます。特に近代化等におきましても、あるいはまた、国民金融公庫からの融資におきましても、この点については特にそのワクの増額をしておるのでございます。
○佐野(進)分科員 私は農林当局がそういう部面について努力しつつあるということは認めるものでありますが、しかし、たとえばいまお話のありました生鮮食料品の小売り業近代化資金の面につきましても、これは農林当局は積極的にこれらの面について対処してきたとは、私どもいままでの段階においては感ずることができないわけです。たとえば、これの制度そのものができた経過は、環衛業に対する公庫設立の際、国会の附帯決議の中で、これらに関係する業種に対しても融資の道を開くべきじゃないか、不平等をなくするべきではないか、こういう見解に基づく国会の意思決定が農林当局に対してなされ、それが五業種を対象にして昨年度百三十億の融資を行なわせるようになったのではないか、こういうぐあいに考えるわけです。これらについては、あとでまた御質問申し上げるとして、そういう制度をつくって、いわゆる国会等におけるところの決議に基づいてそういう制度をつくってはみたけれども、さてこれを実施してみようとすると、環衛業界十七業種ですか、これに対するようなあたたかい配慮のある政策というものが行なわれておらないがゆえに、これらに関連する業種、たとえば生鮮食料品等近代化対象業種というものが、最初は五業種になり今日では十何業種になるというような形の中で、いわゆるその固定したというか、対策として十分配慮ある形の中からこういう施策が出ていくということではなくして、どろなわ的にこれらの対策が行なわれつつあるという印象を私どもはどうしても深くせざるを得ないわけです。したがって、こういうようないわゆる今日流通近代化の中における最もおくれた部面、物価安定の見地からすると最も重要な部面と目される都市におけるところの消費者行政、あるいは生産地におけるところのそれぞれの値くずれ、その他のいろいろな対策、こういう重要な農林行政の一環をなすこれらの関連する業界に対する十分な指導というものをなしておらない。ただ個々に起きておる業種に対して個別的な指導、一体的な指導がなされておらないということについては、他に環衛業法に関係する業種がある現在、非常に農林当局の怠慢がこの中に浮き彫りされておるのではないか、こういうような印象を深くするのですが、これらに対する対策をどのように当局としていま考えつつあるか、この点明らかにしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 中小企業、小売り業者の近代化ということは、昔とは違いまして、いかにお客さまに足を運んでもらうかということが最も必要な近代化でございます。そういうふうにするのには、その店の信頼性、これが第一でなければならないということです。また、環境衛生的な完備というものも必要であろう。それには、一店舗を持っている小売り業者ではあるけれどもなかなか容易ではないだろう、こういう感懐に立ちまして、まず近代化を進めてもらいたい。それはいま申し上げたように安定して、安心してその店に買い物に来られるようにすることが小売り業者の一番の近代化であるのだ、だから、それに対してのいろいろな融資をいたしましょう、こういうようなことを行なったのでございますけれども、その融資の額及びそれらの経緯につきましては、いま局長から御説明を申し上げさせたいと思います。
○佐野(進)分科員 その額その他の問題の前に、業界全体に対する指導というものに対してどう考えておるかということを、いわゆるまとまりがないではないか、こういうことについて聞いておるのです。
○亀長政府委員 確かに、こういう小売り業に対する農林関係の施策というものが非常におくれておったということについては、われわれも重々責任を感じております。しかしながら、先生御承知のように、われわれも、近年と申しましてはあれですが、非常な努力を続けておるつもりでございまして、昨年最も端的なものは、国民金融公庫あるいは農林公庫にもまた近代化のための資金が設けられております。簡単に言えば、まだ緒についたというところでございますけれども、昨年国民金融公庫につきました百三十億の融資金の貸し付け状況を見ましても、すでに昨年末現在で八十三億の貸し付けが決定をいたしております。そういうふうに関係業界もわれわれも非常に熱意を持ってやっているつもりでございます。 さらに食料品流通業界が非常にまとまりがないという御指摘でございますが、確かに非常に業態の種類が多い。一がいに食料品の流通業界と申しましても、非常にバラエティーに富んでおります。それだけに業界としてまとまりが十分でないという面が確かにございました。私どもも、本年度から従来の公庫融資あるいは国民金融公庫融資ということの融資面のワクのほかに、新たに流通関係の業界をまとめた団体をつくり、これに対して、これを促進する意味で約一千万程度の補助金を交付いたしております。その段階を通じまして業界の指導的人材を育成する、あるいは経営近代化のための各種講習会を開催するとかというようなことも考えております。このような形で、業界としてもできるだけこれはまとまっていただくという方向を奨励してまいりたいと思います。 さらに、おもな大都市につきましては、これはまだ全部の大都市というところまでいかないのでありますけれども、主要十都市に対しましては、都市に対する業界の指導費の補助金も計上いたす、かような点を今度の予算で計上しておりまして、逐次こういう施策を拡充していきたいと考えております。
○佐野(進)分科員 大臣、先ほども御質問申し上げましたが、零細小売りの方々は、片や大資本の圧迫、さらにはまた、いわゆる貿易の自由化、さらにはまた特恵関税の供与、あるいはまた労働力の不足、さらにはまた近代的経営をするための諸設備の不備、こういうようないろいろな悪条件の中に小売零細企業は非常に苦しんでおると思うのです。特に、昔はその家に何年かつとめることによってのれん分けをすることによって独立するという希望等もあって、少年のころからその店舗につとめ上げることがむしろ誇りである、そういうような空気の中で比較的安定した経営ができた人たちも、いまやそういうようなことが現実の社会環境の中でできないというようなことで非常に苦慮しつつあるわけです。 こういう点については、国の大きな政策の面からする流通機構近代化と同時に、そういう小売り商自体の生活を安定させるという意味において、さらにまた、それが消費者の利益に結びつくということにおいて、農林行政の一環として、私は強くその政策を予算面においても、具体的な対策の中においても、ひとつ推し進めてもらいたいと思うわけです。そういう点については、先ほど来御質問を申し上げており、御答弁を聞いて、私も理解するところが多いわけであります。 最後にお聞きしておきたいことは、いまお話のありました生鮮食料品の流通近代化資金につきましても、融資金額のワクといたしましても、いまお話をお聞きしても、対象業種は環衛業種よりも多いわけですね。それにもかかわらず金額は三百三十億に対して百三十億で、それに対する消化はいまだ九十億程度ということだ。本年度は、片や六百億近い資金ワクに対してこちらは二百十億、しかもこれらの消化についても十分行なわれるかどうかわからないということ。それではこれらの業界が、環衛業の人たちに比してその資金を必要としない業態にあるのかというと、そうではない。これはあくまでも指導の不足、対策の不足がそういうような状態を導き出しておると思うわけであります。したがって、こういう点について今後どのような決意を持って臨まれるかということについてお聞きすることが一つ。 それから、資金の内容につきまして、昨年から本年について、私も資料を見せていただいて非常に前進した対策をお立てになっておることについては敬意を表するものであります。前進した対策をとろうとする姿勢はけっこうなんですが、しかし金利なり条件なりというものが、今日のいわゆる小売り商あるいは卸売り商、あるいはそれに通ずる全体的な業界の実情を勘案いたしまするとまだまだ不足する。まだまだ不足するどころか、十分あたたかい思いやりのある対策でなくて、ただ融資の道が開かれているのですよということを示す程度にしか行なわれてないような気がします。これは業界自身が、まだ団結しそういうような要求を出すまでの段階に至っていないからそうだと思うのでありますが、これらについて、金利なり条件なりについていま少しく——時間がありませんから具体的な内容は申し上げませんが、改善する必要があると思うのですが、そういうことをする意思があるかどうか、この際お聞きしておきたいと思う。
○長谷川国務大臣 おことばをまさに私はそのとおりに受けとります。したがって、これらが誕生したのもほんとうにまだ日が浅うございまして、また、この業界が全くまとまりの悪い業界である、こういう点は佐野さんも御承知のとおりだと思います。しかし、やっと今日までこの零細業界をまとめまして、そしていわゆる指導に取りかかったというのもここ二、三年のことでございますので、まさにおっしゃるとおりに出おくれた感もあり、その点については、融資の面につきましても、環衛のほうからの比較からいたしましても、全くそのとおりである。しかし、やっと今日まで長々やってきまして、ことしもずいぶんかなりの努力を傾けたつもりでございますけれども、何といっても先に先取権をとっているほうが強うございます。しかし、その率からいいますと、私のほうは主張が通ったというように申し上げても差しつかえないだろうと思うのでございますが、さらに他の諸機関の問題もございますので、これらに準ずるというよりも、これらに先がけて御指摘のような点については十分考慮に入れて、金融の面等においては万全を期すように今後努力を傾けてまいる考えでございます。
○佐野(進)分科員 先ほど来申し上げていることは、冒頭申し上げたように、いわゆるだぶつき野菜、おかしな高値とか、上がる消費者物価、安定した卸売り物価というような表現の中で、一般的にいま経営難に苦しむ零細小売り業者がその経営難に苦しむ実態を訴えるところがない状態の中で、消費者物価値上げの責めを全身に負わなければならないというような形の中で消費者行政ないし農林行政が行なわれるということは、全くわれわれとしては残念に思うわけでありますので、そういう点について、こういうような報道をされること自体、事実上物価は上がっていることは間違いないわけでありますから、農林行政として、消費者物価値上げの中における特に重要なウエートを占める食品関係の流通対策については、さらに一段と御努力をお願いして、質問を終わりたいと思います。
○植木主査 次は、山田太郎君。
○山田(太)分科員 きょうの分科会におけるしんがりを私が承るわけでございますが、ことにほかの分科会ももう終了しております。したがって、できるだけ短時間に、しかも簡潔な質問を申し上げますから、簡潔な答弁をお願いしたいと思います。 そこで、ことば足らずの点もあるかとも思いますが、その点はまず御容赦を願っておきまして、先日の予算委員会において同僚の中野委員の質問に答えて、自主流通米が農家の生活を脅やかさない、食管を堅持するという立場で進んでいく上において、その自主流通米は消費者米価をも上げることにはならない、そういう点において少々納得できない面もありますが、しかし、きょうはその点はさておいて、一応その面を、米の生産過剰の面を認めるといたしまして、農林省当局の言い分、これには問題があります。 そこで、最初にお尋ね申し上げたいことは、農林省所管の干拓事業——端的にお伺いしますから、この干拓事業計画に変更がなされるのかどうか、この基本方針をまず農林大臣からお伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 干拓事業は、農業経営の規模の拡大と農業所得の向上、背後地の災害防止等の面で重要な意義を持っておるということは、御承知のとおりであります。しかし、最近の米の需給事情等にかんがみまして、干拓事業も含めて新規開田をあまり無理のないような方法でこれを抑制していく、なお今後の干拓事業の新規採択については、農地の造成とか、壊廃の傾向とか、あるいはまた立地条件というのを勘案いたしまして、干拓事業があわせて農業以外の目的にも活用される方向を含めて、慎重にただいま検討を進めているところでございます。
○山田(太)分科員 いまの御答弁の中で、農業以外にも利用される方向を含めてという含蓄のあることばがあったと思います。しかし、きょうはこれを問わないといたしまして、いま現在すでに計画進行中のものは、もうすでに手をつけた——それは観点はいかようにもあるでしょうが、それについてはあくまでも干拓事業の遂行をやる、これは農民の方々に多くの不安を与えている面もありますので、農林大臣からその点をもう一たび明言しておいてもらいたいと思います。
○中野政府委員 いま大臣がお話し申し上げました干拓事業につきまして、現在着工中のものにつきましては、すでに地元でもただいまいろいろそういう計画もございますので、これは大体そのとおり遂行したいというふうに考えております。
○山田(太)分科員 その答弁を農家の方々も安心して受け取られることと思います。 そこで次にお伺いしたいことは、島根県と鳥取県のあの中海、宍道湖ですね、あそこの中海干拓事業については、ことに中海沿岸の産業、工業をも含めて、その発展のために非常に大切な事業でございます。これは開発のおくれた山陰地方にとっても重要な問題でございますが、この中海のことについて、完成年度、これはどういう計画になっておりますか。
○中野政府委員 中海干拓につきましては、御承知のように、四十三年に実質的に着工できたわけでございます。ただいまのところ、計画では大体五十一年を目標にして考えております。
○山田(太)分科員 では次に進みますが、五十一年ですね。——そこで、この中海、宍道湖を淡水湖化するための締め切り堤塘といいますか、この締め切り堤塘の閘門上の床板といいますか、あれはたしか五メートルだと思います。そこで、これは次の質問のために伺っておきたいのですが、当然これは境港あるいは松江の交通の要衝に当たるようになると思います。もっと北のほうの美保関のほうに有料道路ができるということも兼ね合わせてのことでございますが、これはどうしても山陰地方の発展のためには欠くべからざる道路になると予想されております。道路ということばは適当ではないかもしれませんが、通行の用に供せられるようになると思います。 そこで懸念いたしますのは、児島湖の締め切り堤塘、現在あれの通行が有料になっております。これは後ほども述べますが、まずこの種のものについては全国で一つしかありません。そこで地元の方も、この中海の締め切り堤塘がまた有料になるのではなかろうかというふうな危惧の念も持っておるやに聞いておりますので、この場所において、県民の方々の不安をひとつ局長から除いてあげるべく明言してあげる適当なときではないかと思います。再び児島湖締め切り堤塘のごとき紛争をここでまた繰り返すのかどうか、その点について明確な答弁を願います。
○中野政府委員 中海干拓のいま御指摘の中浦水門につきましては、現在御指摘のように閘門のところが五メートルあって、堤防自体が七メートルで、上は、有料道路にするにはもちろん狭い普通の堤防でございますので、現在そこを道路にして通行という計画は、われわれの計画としてはございません。しかし、いま御指摘のように、五十一年ごろまでかかるわけでございますので、その間いろいろな産業の発展等もあると存じます。そこで、われわれとしましては、あそこの水門自体が鳥取、島根両県にまたがりますし、国が管理したほうがいいのか、両県の共同管理がいいのかという問題を含めまして、今後管理のしかたについては、これができ上がるまでに十分詰めていきたいというふうに考えております。
○山田(太)分科員 私のお伺いいたしました論点をそらさないでいただきたいのですが、通行に金を取らぬ、有料にしない、その答弁をすべきが私の質問なんです。有料にはしない。児島湖締め切り堤塘のごとき、有料になるような、再びああいう失敗はしない——失敗ということばは語弊がありますから変えてもいいですが、その点についてどうですか。
○中野政府委員 いま申し上げましたように、まだ着工したばかりでございますので、そこの堤塘をどうするかということにつきまして、検討をしたい。ただ、先生のお話しのようなことは、十分頭に置きまして検討をしたいと思います。
○山田(太)分科員 農林大臣は御承知ないようなお顔に見えますので、これから申し上げるのは、児島湖にやはり締め切りの堤塘があります。この締め切り堤塘が、国有財産でありながら、これが通行料を取るようになっております。そうして多くの住民の大きな紛争の原因になっております。いまだに親戚でありながらもう口をきかないような間同士のような方々も、現実にたくさんおります。このことは再び中海においては繰り返してもらいたくないということを申し上げているわけですが、どうでしょうか。
○長谷川国務大臣 私も、まだその点については不勉強と申しましょうか、まだあまりよく聞いておりませんが、新たにできる、いま島根県のお話でございますが、それは今後五十一年の完成だそうでございまして、またいまの規模からいいましても、通行料を取るほどの道路ができるわけでもないようにもただいまの説明では伺えますので、なるべくそういうことのないような指導方針をしてまいりたいと考えております。
○山田(太)分科員 時間がもったいないので簡単に答えていただけたらと思ったのですが、五メートルでも片一方の道路はできます。現在児島湖締め切り堤塘でも、やはり片一方に大きな車が待っていて、そうしてそのあと片一方を通して、ただ重さだけの制限がついているのです。片側通行になっております。個所によってはこれだってそうできるわけですから、それは再び児島湖の締め切り堤塘のごとき紛争を——これは当然農地局長は知っていますね。その点をはっきり言ってほしいのです。
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、それから先そういう問題を含めまして検討するわけでございますけれども、たとえばそこの施設を両県で管理する、あるいは国で管理するということになった場合に、農民負担にも管理費がかかっていくわけでございます。そこの負担との関係も兼ね合いまして、農民負担の軽減のために有料にすることは、児島湾の例の場合には考えられますけれども、国が管理する場合に、有料道路としての管理費も、別途道路法の道路として認定しまして県が負担するというようなことになれば、当然無料になるわけでございます。その辺も含めまして検討したい、そういうふうに考えております。
○山田(太)分科員 では、農地局長は、無料通行にするということは明言できないとおっしゃるわけですか。
○中野政府委員 何度も繰り返すようで恐縮でございますけれども、いまのお話のようなことを含めまして、できるだけそういう方向に——いまも大臣の御答弁もございましたけれども、そういうような方向で考えていきたいということを申し上げておきます。
○山田(太)分科員 では無料通行の方向に考えていきたい、こう解釈してよろしいですね。 では次に移りたいと思いますが、先ほど申し上げたいまの児島湖を締め切った堤防——農林大臣聞いていてくださいよ、そっちから教えてもらってもいいのですが、大問題です。血の雨を降らせたようなこともあるのです。これをいま有料、しかも相当高い値段になっております。これは別にいま局長を責めて申し上げるわけではありませんから、その点は了承願っておくといたしまして、道路法による道路ではないということは、これはもう詭弁です。事実もう、十三トンの制限はありますけれども、トラックも通っておるし、乗用車も通っておるし、この車について全部通行料を取っておるわけです。これを御承知ください。これが現状のままだったならば、住民は永久に通行料を取られるわけです、いまの法規のままいくならば。これは欠点があるわけです。しかし、それはさておいて、国有財産でありながら——何も農家の方々を責めておるわけではありませんよ。その多目的使用の許可を与えておるのは、もちろん農林大臣です。そうすると、その多目的使用の許可を与えて、そうしてこれを交通会社といいますか、簡単に言えば利用提携です、これに土地改良区が貸し与えておる。そうして通行料を取っておる。この農民負担の軽減の目的だという至上の目的を掲げております。だから、私が申し上げるのは、土地改良区の農家の方々が損害を受けるようなことがあってはならぬということ、これは当然大前提でございます。しかし、いつまでもこれが通行料を取られていい性質のものではないということは、はっきりしております。これは国有財産です、地元負担は少々あったとはいえども。この点について、しかも多目的使用の、これは期間があるはずですね。これは当然法規で定められております。その前に、この使用期間はいつになっておりますか。
○中野政府委員 四十二年から三年間、現在はそういうことでやっております。
○山田(太)分科員 何年何月になりますか。
○中野政府委員 四十五年三月末で、ただいま農林大臣が承認いたしております。
○山田(太)分科員 農林大臣もよくいまのことを聞いておいていただきたい。使用期間は四十五年の三月ですね。そこでこれを無料開放——普通の有料道路でさえも、ある年限がたてばこれは無料開放します。当然この締め切り堤塘の有料も、永久に通行する人が金を取られるのは不合理なことだと思うのです。これについて、これを無料開放する方法は、どのような方法があるか、この点について、もう一度農地局長さんからお伺いしておきたいと思います。
○中野政府委員 先生御承知のように、現在は土地改良区にできました国の施設を管理さしておるわけでございます。その中で、多目的使用という面で農林大臣が承認をいたしまして、堤防を道路にして、有料道路に使わせているわけでございます。これはその目的等もいま先生からお話があったようなことでございますが、それを無料にするということを考えました場合には、これは原則論でございますけれども、いまは農業専用物にしまして、たまたま多目的に使えるからというので使っておるわけでございます。本来道路公団なり何なりでそれを道路に使うということになれば、建設費あるいは維持管理費をアロケートいたしまして、その分を県道にすれば県に、市道にすれば市にもっていただきまして、そうしてやるという方法はあるかというふうに思います。その場合には、維持管理費を県なり市なりが——共用工作物になりますから、農民分は農民が負担する、そうして道路のほうは県なり市なりが負担する、そういうふうに変えてくれば、そういうことは一般論としてはあり得るかと思います。
○山田(太)分科員 そのアロケーションの意味はわかりますが、それ一つしか方策はないと考えられますか。無料開放する方向で考えなければ、全国でここだけです。それは御承知ですね。国有財産ですよ。——知っておりますよ。もう一つ有料になっておるところも知っておりますよ。だけれども、性質が違う。こういう性質のところは、全国でここだけです。それについて無料開放したくないという気持ちですか、まず反論すれば。
○中野政府委員 私自身ここを無料開放したくないという気持ちで申し上げておるつもりではございません。ただ、過去にいろいろ経過がございますので、もしそういうふうに個々の具体的な場合としてやるとすれば、過去の経緯もございますので、やはり地元の県市、それから土地改良区も入りまして、その方針の変更等を十分関係者で協議をしなければならないのではないかというふうに考えております。
○山田(太)分科員 こういうふうな質問を申し上げるつもりではなかった。しかし、農地局長のもう少し誠意のある——農民の方は守らなければいかぬ。当然また大事です。同時に、一般住民の立場というものも考えなければならぬ。しかもこれは国有財産であり、国の税金でやっておるものであります。その点から無料開放の方向に向かっていかなければいけないということは、これは理の当然だと思いますね。そこで、一つの方法のアロケーション方式だけではない。いまその一つの方法だけしか言われなかったのですが、まだほかにも方法が二つ三つあるはずですよ。ここの問題について、ほんとうにこのまま永久に通行料を取るようなお考えがないならば、やはり多目的使用の期限が切れるこの大事な段階において、この点を方向変換して、しかも農家の方々にも損害なしで、納得の上でしなければならぬ。しかもその締め切り堤塘にすぐ引き続いて、十数メートルのりっぱな市道がついておるのです。向こう岸もそうです。ここだけで、しかも産業の発展にものすごい影響を与えています。この点を考えたときに、ただ責任論で言うんじゃないです。だから、無料開放にする目途のもとに、いつごろにその時点を置いて、そうしてどういう方法で考えていくか。農地局長は、まだ一つしか方法を言われなかったのですけれども、一つだけしかないわけじゃない。まだほかにも方法があるはずです。もっと研究して下さい。
○中野政府委員 私が先ほど原則論と申し上げましたのは、たとえばここの児島湾を埋めましたときに、先ほど申し上げました四十五年三月にそういう事態になったときにどうするかという問題でございます。その場合に、農業の専用工作物をそういうふうに道路にも使うということになりますれば、やはりそのアロケーションの必要があろう。あるいはいままで施設しましたものについての補償等の問題も起きるのではないでしょうかということを申し上げたわけでございます。いつかというときに、その期限切れは一つのあれになるということは、その場合に、地元の話し合いその他もそのころに一番強くといいましょうか、そういうことが出てくるのではないかというふうに思います。
○山田(太)分科員 ぼくは単なる説明を聞いておるのではないのです。それをどういうふうに持っていくか。無料通行にしなければいけません。ずっと永久にはそんなことは考えられないわけです。無料通行できるようにするのには、目標と、いつごろまでにそれをやらなければならぬということがなければならぬでしょう。ただ説明だけでは、日にちがたっていくばっかしです。そうでしょう。ぼくの言うのは理の当然だと思うのです。目標がなければいけない。そうして、それにはこうこうこういう方向、方策がある。いまの段階になってそれを発表したのでは、地元に対してぐあいが悪いからというようなことをもう顧慮するときじゃないです。その点について何も考えてなかったとしたら、これは大問題です。こういった性質のものは、ここだけです。その点をただ単に答弁してすましていればいいやというふうな、そんなつもりでぼくはやっておるのではないです。農地局長もそうだと思うのです。あなたも目標をきめて、無料通行にするのには、いつごろに目標を置いて、どういう方法でやる、そういう答弁がなければ、答えになりやせぬじゃないですか。
○中野政府委員 新しくできたところをそういうことであとからでもアロケートしてやるということになれば、それはすぐ私自身も無料開放にできるということは申し上げられると思うのです。ただ、ここの場合には過去の経緯等があるということを先ほども申し上げましたが、農林大臣が承認をして多目的使用ということで——(山田(太)分科員「もう期限が切れるじゃないですか」と呼ぶ)ということでやっておるわけです。そういう期限は、確かに最初は暫定協定で一年ごとにやりまして、それから二年、三年とやっておりますけれども、そういうことを期限が切れたらすぱっと割り切れるかということになりますと、やはり地元でのいろいろのいきさつがございますから、その辺の説得その他がそのときに必要ではないかということを申し上げておるわけです。
○山田(太)分科員 そのときに必要ではないかということは、一応無料開放するというその時点を目標にして、そうして地元の公共機関もあるでしょうよ、あるいは農家の方もあるでしょうよ、あるいは市民の方々もあるでしょうよ、そういう方々と協議して、一応多目的使用の期限が四十五年三月に切れるのだから、それを目途にして、農林省としても指導性をもってやってもらわなければならぬと思うのですが、農林大臣答えてください。
○長谷川国務大臣 なかなかお聞きしているとたいへんむずかしい問題のようでございます。したがいまして、時期が四十五年に契約が切れることになるそうでございますので、それまでには維持管理者、地元の方々、十分これらと話し合いまして、何んとかその面についての検討を加えてまいるようにいたしたいと思います。ただ、私の言うのは、(山田(太)分科員「目標にしなければ何にもならぬ」と呼ぶ)目標にして、これが無料にするということを私がまだここで申し上げる段階にはいきません。十分その点を目標にして検討を加えてまいることにいたしたいと考えております。
○山田(太)分科員 農林大臣が見るに見かねて、そうお詳しくないけれども立たれたことと思うのです。しかし、その時点を目標にして無料開放に向かって前進するという、それを言ってもらいたい。
○長谷川国務大臣 先ほど申し上げましたように、これほどむずかしい問題でございますので、私がここでもって無料にするということを申し上げる段階ではないと思っております。しかし、いろいろの事情を十分承りましたので、地元の方々とはこれらについて今後話し合いを十分にし、そうして検討を加えてまいることにいたしたいと思います。
○山田(太)分科員 前進するということばがなかったですね。検討を加えてまいるという中に含まれておるわけですね。——時間があと五分しかないそうですから、この点はその辺できょうは一応納得しておきます。 次に、これは全国的なことでございますが、過疎対策について、ことに山地に近いところ、これについて幹線林道をところによっては北から南へ、あるいはところによっては東から西へと通す計画があるのも聞いておりますが、この点についてどのくらいの予算を組んでおるのか。そうしてことにお聞きしたいことは、中国地方について聞きたい。中国山脈の北、山陰側です。これは非常に過疎地帯になっておりますし、収入も非常に少ないです。それから中国山脈の南にも東西にわたっての幹線林道をつくる、この計画は当局の非常にいい計画だと思うのです。この点敬意を表しておきます。これについて、中国山脈の北あるいは南に幹線林道をつくる計画をどのようにして実施するか、これを簡単に説明してください。だれでもいいです。
○片山政府委員 先生御承知のように、林道は、山間の奥地につくるのが大体林道でございます。したがいまして、その過疎地帯というものに大体該当するところが林道でございます。そこで、われわれも、その森林のまだ未開発が相当ございますから、森林の開発を進めることが即また地域の交通路にもなってくるということで、いわゆる過疎対策としての有効な機能を果たしているというふうに考えております。そこで、われわれは林道の開設を推進しているわけでございますが、森林計画というものをつくりまして、それに基づきまして林道の開設を要求いたしておるわけであります。先生のお話のように、来年度予算でございますが、約百十九億、これは前年に比較しますと一七・三%、公共事業と比較しますと相当有利であろう、こういう考えでおります。 そこで先生おっしゃるとおり、中国地方の一つといたしまして——いま各県と打ち合わせ中でございますのでこまかいことはその後でないとわかりませんけれども、方向としまして、一つの例といたしますと、たとえば岡山県の阿波村から奥津という五億六千万ばかりの工事がございます。これが大体三十一キロメートル、五カ年で完成いたしました。来年はさらに二期工事としまして、上斉原−中和村、これが大体二十二キロくらいあります。これをいま県と打ち合わせ中でございます。要するにその幹線をなるべく早く開設してまいりたい、こういう方向でございます。
○山田(太)分科員 やはり五年計画ですか。
○片山政府委員 大体五年計画でいま打ち合わせいたしております。
○山田(太)分科員 もう一点——まだあるのですが、もう一点だけお伺いしたいと思うのですが、この前のやはり総合農政の立場から、果樹、園芸、それから畜産、酪農振興に農林大臣は力を入れていくというお話もあったと思います。そこで時間がないから簡単に申し上げます。そしてそれに対して簡単に答えていただきたいと思いますが、地方公共団体で酪農事業に対してことに力を——どこの県も力を入れているのは間違いないですが、酪農大学のような名称で呼ばれているような県は幾つありますか、そういうものを設けて酪農の後継者養成に力を入れているもの。
○太田政府委員 現在酪農の関係で講習をいたしております施設といたしましては、福島県の財団法人日本酪農講習所と、岡山県で、これも財団法人組織で実施いたしておりますが、中国四国酪農大学校、この二つがございます。
○山田(太)分科員 その福島県の場合と岡山県の場合と両方、現在運営はどのようになっていますか。
○太田政府委員 大体福島の場合には、あの地方、要するに東北地方の酪農の勉強をしたいという子弟の教育に当っておりますし、中国四国酪農大学校におきましては、やはり中国四国地方の酪農家の子弟の教育に当っておるという現状でございます。
○山田(太)分科員 うまくいっているかどうか、どうですか。
○太田政府委員 実は、特に岡山の場合には、発足当初でもございまして、必ずしも当初計画したとおりの成績はあがっていないようでございまして、現在私のほうといたしましては、先生御承知のとおり、地方競馬全国協会という協会がございまして、この協会は各地方公共団体の競馬の主催者から一定の納付金を納めてもらいまして、そのうちの相当部分を畜産振興の助成費に充てることになっております。そこで現在運営につきまして、四十二年で地方競馬全国協会から酪農教育推進事業費の補助といたしまして四百三十万、四十三年度は五百二十三万一千円という運営費の助成をいたしておるのでございます。
○山田(太)分科員 これが最後でございますが、農林大臣にお伺いします。 福島県の場合をよく承知してないものですから、ひとつ申し上げますが、非常に赤字を出しております。約一千二百六十二万円、これが教育部門で出しております。経営部門では四百六十四万円、やはり赤字を出しております。この赤字云々だけであげつらうわけではありませんが、この酪農の後継者を養成するという意味から、こういう事業には農林省としてももっと力を入れて補助等も考えるつもりはないかどうか、この点について最後にお伺いして終わります。
○太田政府委員 実は福島の日本酪農講習所につきましては、かつて国が直接その講習所の場所を借りまして酪農講習会を開催いたしておったわけでありまして、その関係で、この酪農講習所に対しまして酪農講習会費といたしまして経費を助成いたしたことがございます。ところが最近、特に四十一年に国の研修施設が福島にできましたので、それ以後はこういった助成はいたしておりません。そこで、先ほども岡山の例で申し上げたと同じように、地方競馬全国協会の助成費の中から、やはり酪農教育推進事業費といたしまして、四十二年に四百万、四十三年に四百二十万八千円の助成をいたしておるのでございます。
○山田(太)分科員 それは説明だ。農林大臣から……。
○長谷川国務大臣 話がまとまりましたから、御報告申し上げましょう。 大体事情は承りまして、地方競馬会のほうから、なるべくつとめてその点の援助を行なうよに私のほうからもお話を申し上げたい、こういうふうに思います。
○山田(太)分科員 これで質問は終わります。 先ほどはえらい論点の行き違いからきついことばもあったかと存じますが、その点は、そういうわけですから御了承をお願いいたします。どうも御苦労さまでございました。以上でございます。
○植木主査 本日の質疑はこの程度にとどめます。 次回は、明二十五日午前十時より開会し、農林省所管についての質疑を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後八時十八分散会