予算委員会第三分科会 第4号
- 発言数
- 354 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/02/27
会議録
○赤澤主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 昭和四十四年度一般会計予算及び昭和四十四年度特別会計予算中、自治省所管を議題といたします。 この際、分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間は一人三十分程度におとどめ願うこととしておりまするので、御協力をお願いいたします。なお、政府当局におかれましても、答弁は簡単明瞭にお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。太田一夫君。
○太田分科員 私どもがいまのいろいろの政府提案の法律、予算等を見ております場合に、気になることがあるのです。それは、とかく金持ちが優遇されて、大衆には重い税金がかけられるという金持ち優遇、大衆重税の傾向というものを、非常にわれわれは気にしておるのであります。そこで、ことしの住民税の減税というのは、課税最低限をわずか九万円何がし引き上げ、所得税との格差がさらに開いていくという残念な結果に相なっております。したがって、われわれが金持ちと思うたとえば数千万円の株式を持って、配当所得が二百万も三百万もあるというような人たち、これはあまり税金がかからない。そして、百万未満のしがない勤労者に、重い税金がかけられるという点を非常に私どもは残念に思っておりますが、そういう傾向は助長されこそすれ、是正はされておりません。 そこで私は、この際ひとつ具体的な例によってお尋ねをしたいことがあるのですが、地方財政計画というのがまだ出ておりませんので、ことしどれくらいの気持ちでいらっしゃるかわかりませんが、これはどっちみち法律の定めるところによって、お出しになると思います。ことしの地方財政計画というのは、どうなんでございますか、編成しがたい事情でもあるのでございますか。それとも何かよんどころない事情によって提出がおくれておるのでございましょうか。最初それを大臣からお答えをいただいておきたいと思います。
○野田国務大臣 特別編成しがたい事情ではございませんで、事務的な意味でございますから、特別あげて申し上げるようなむずかしい事情はございません。
○太田分科員 大臣、そうおっしゃいましたけれども、これはなるべくすみやかに出していただきませんと、最近にない非常におくれを見せておりますから、そういう点についてはくれぐれも配慮していただきたい。 そこで、こういう例があるのですが、これは大臣どんなものでございましょう。ある市におきまして、その市は相当な工業都市でございまして、人口も十万近い市でございます。そこに下水道事業を計画いたしまして、事業費二十億円をもって数カ年計画でやろうということに相なりました。生活汚水や工場汚水等も非常に多くなってまいりまして、何とかしなければなりません。特に都市となれば、水洗便所の設置も必須条件でございますし、民生的、衛生的な立場からいいましても、下水道事業というのは大切なことです。そこで、約二十億円の事業費予算をもちまして計画を立てたところが、問題は、これを全部市費でやるということになると、他の事業への圧迫が大きいのでございますから、その二割、四億円を受益省負担に転嫁いたしまして、原則として土地所有者から一反すなわち十アール大体十万五千円程度取ろうということに相なったのであります。なぜ一反、十万五千円も取るのだということで、市民の中から非常に問題が起きて、その計画に対して抗議的な質問が市役所に寄せられてきた。そうすると、市役所の答弁は、建設省の方針として、受益者負担を取らないところには補助金は優先させるわけにはいかぬよ、こういうことで、補助金というものをちらつかせて、受益者負担を二〇%取れということになった。下水道のパイプが埋められる付近にあるたんぼ、土地、宅地等におきましては、一反当たり十万五千円の負担金を出さざるを得ないことになった。市はそれを取れば建設省のお覚えめでたく、補助金も優先さしてもらえるそうでございます。また同時に、それができれば、その付近の土地も値上がりするじゃありませんか、そんなことを言ってPRしておるようでございますけれども、こういうことに対して、自治省の所見はいかがでございますか。
○細郷政府委員 下水道の受益者負担につきましては、御承知の下水道委員会というのを関係者の間で実は前に持ったことがあるのですが、そこでいろいろ研究の結果、受益者負担を取るべきである、こういう結論が出ておりますので、その線でやっております。したがいまして、各団体において受益者負担を取るようにという指導を実はいたしております。
○太田分科員 とにかく、当然市としてやらなければならない仕事でございましょう。下水道事業をやるから二割の受益者負担を皆さん出しなさい、あるいは区画整理をするから二五%の減歩を承知しなさいというようなぐあいに、すべて最近そういう町づくりの費用の相当大きい部分が受益者負担によってまかなわれようとしておる。これは大問題だと思うのです。いまあなたは、下水道委員会とか何とかいうものができて、そこで受益者負担を取ることになったからと、それを憲法のように思われておるけれども、それはどうなのか。何といったって、自治省はなるべく住民の負担というものを、いままで非常に強い、大きな、多額の住民税等を負担しておるたてまえからいって、極力減らすように考えるべきがほんとうじゃないか。何か大蔵省と腹を合わせて、受益者負担を奨励しておるように見えますが、そういう節はございませんか。
○細郷政府委員 別に奨励しようとは思っておりませんが、何ぶんにもわが国の現状では、下水の普及状況が悪うございまして、下水が整備されるところとされないところでは非常な利益の違いがあるわけでございます。そういったようなことから、下水のできます地帯においては受益者の負担金を取るように、こういう考え方で指導をいたしております。
○太田分科員 受益者負担という場合においては、負う者の能力というものは関係ないんですか。
○細郷政府委員 能力の問題も考えなければいけませんけれども、現在下水の場合にやっておりますのは、土地の所有者に対してやっております。したがいまして、土地を持っていない者にはかからない、こういう仕組みでございます。
○太田分科員 土地を持っておるといっても、たまたまそこに一枚だけの、一区切りだけの土地を持っておるという人もあれば、そこには一区切りしかないけれども、背後に膨大なるところの土地を持っておる人もあるというところも見て、応益原則を片方でおっしゃるなら、片方で応能原則、いわゆる能力に応じて負担してもらおうという思想を、強くお打ち出しになってもいいと思うのですが、それは別としても、支払い能力に関係なく、負担能力に関係なくやろうとお考えになるのも、いささか悪平等に過ぎやしませんか。
○細郷政府委員 いろいろ御議論のあるところですが、しかし、やはり土地を持っておるということ自身に対してそれだけの負担力があるんだという考え方でございますから、土地の広さ、狭さによって差はついておりまするけれども、土地の面積等、そこの標準価格を参考にして受益者負担を求めていく、こういうことでございます。
○太田分科員 じゃ二点お尋ねします。 財政局長には、その二〇%の受益者負担という率は妥当であるのかどうか、その点。それからもう一つ、秋吉主計官にお尋ねしたいのは、建設省は、その受益者負担をとらなければ補助金なんか出さないと言った覚えがあるのかどうか、この二つをお尋ねいたしたい。
○細郷政府委員 二割と一律ではございませんで、大体六分の一から十分の一の間くらいでそれぞれ徴収するところはしておる、こういう行き方でございます。
○秋吉説明員 実はこの問題は、公共事業担当主計官が責任を持って答えるところでございますので、私はその辺の事情を実はつまびらかにいたしておりません。したがいまして、後日よく調べまして御報告いたしたいと思います。
○太田分科員 それではもう一つ、別の角度からお尋ねいたしますが、大体父兄が、いま教育費は小中学校はいわば無償の原則によって子供を就学させておる。その父兄にのしかかっておる教育費というのは、年間どれくらいあるだろうかという推算でありますが、これはいろいろありますけれども、おおむね小中学生とも一人三万円くらいの負担を父兄が負うておるということであります。それは、三万円の中におきましては、学科の学習費であるとか、学校の納付金というのが一番大きいんでありまして、そのほかには教科外の活動、保健衛生、通学費、寄付金等のものがありますけれども、一人三万円も年間父兄が負担しなきゃならないというのは、教育無償の原則からいってもおかしいと思う。だから、ことしの交付税等を算定するにおいて、非常に交付税の金額は、総体的にふえておるのでありますから、その単価、単位費用を大幅に引き上げて、教育費に対しては父兄の負担を取らない。PTA会費というものに依存もしなければ、別に父兄から徴収することもないという方向に一歩進めるべきだと思う。これは大臣どうですか。
○野田国務大臣 全くお説のとおりで、私もそう思います。
○太田分科員 消防庁の方、出ていらっしゃいますね。——そこで、さらにお尋ねしたいことは、消防の関係の予算、私は、昨年、四十三年度の予算を審議する当分科会におきましても、秋吉さんといささか水槽問題で問答した覚えがある。一向に秋吉さん、水槽というものは意に介さないで、そんなものは交付税か何かの対象でやってくれ、おれのほうの補助金はいやだよということをおっしゃった。この前、それでも、それではいかぬだろう、何か今度考えましょうということでありましたが、ことしは非常に消防予算というのは、佐久間長官、奮闘されたごとくに見えまして、たくさんとれたのでありますけれども、この防火水槽の問題、これは四十三年度一千カ所が予算化されておりましたが、ことし、四十四年度は八百カ所である。減ってしまった。秋吉さん、あなたは昨年当分科会において前向きに考えてみましょうと善処を約束されたのでありますが、どういうことだったのですか。これはやはり本性が出ちゃったのですか。減った理由を、ひとつこの際秋吉さんから先にお答えをしていただきたい。
○秋吉説明員 確かに昨年の委員会の際に、太田先生からいろいろおしかりを受けたわけでございますが、本来、消防の補助金は、これは私は奨励的な補助金の性格だと思います。したがいまして、そういう考え方のもとに、二十八年以来逐次増額をしてまいっておるわけでございますが、御指摘の防火水槽につきましては、本年は、たしか 一億二千百万円程度の予算を計上しております。昨年は一億二千五、六百万円だったと思いますが、確かにその意味では減っております。なぜ減ったかと申しますと、これは、御承知のように、政府といたしましては、なるべく零細な補助金、しかも非常に普遍的な、個所数が多いもの、そういったものについては、極力これを地方の一般財源で処理すべきであるという一つの考え方を打ち出したわけでございます。本防火水槽の一カ所当たりの単価は、御案内のように、十万円をちょっとこえた程度でございまして、やはり消防の強化については——決して私どもは防火水槽について、その価値判断を低く持っておるわけではさらさらございませんで、その実態を見ましても、地方公共団体の防火水槽については、単独のものが非常に最近ふえております。これは補助金が減ったからそうなったのじゃないかというおしかりをかえって受けるかもしれませんが、むしろ地方団体のほうでは、非常に単独化されておるという傾向が私ども見受けられておるわけでございます。しかしながら、やはり消防施設の補助金については、これは一カ所に金がかかるというようなものについて重点的に配分するほうが、財政資金の効率性という点からいって適当じゃないか。しかし総額においては、昨年は一億四千八百万円に対しまして、ことしは二億二千万円の増をはかっておるというようなことで、ひとつ御理解を願いたいと思います。
○太田分科員 昨年から私は二年がかりの議論をしておるわけだが、どうも議論が食い違ってくる。これは自治省自身、消防庁自身も、もうちょっとほんとうに本腰を入れてもらわなければならぬところだと思いますが、初期防火というのが、どうも運を天にまかせたといいますか、成り行きまかせと申しましょうか、そういうようなふうに思えてしょうがない。この間磐梯の磐光ホテル、それからその前は、何とかの池之坊というのですか、あれは有馬ですね。有馬温泉の大惨事等がありまして、いろいろ新聞紙上をにぎわせ、警察庁もそれによって科学的な施設の増強をお考えになったようでありますが、なんだそうですね、消防施設の特別査察を熱海でやってみたら、二四%はもう何ともならない、不備であったという話、いわば四軒に一軒はだめだという。それから鬼怒川温泉のほうで、これも昨年だか、正月に一度火災がありましたですね。それを教訓として、いろいろ将来の防火体制を考えていきます間に、四つほど隘路ができた。それは温泉街の片方が断崖絶壁でありまして、逃げ場が非常にないということ、それから鬼怒川温泉というから、確かに川がある、その川の水は豊富だけれども、これを活用する方法が不可能だ、それから道が坂道になって狭いということ、それから建物が昔の二階建て、三階建てではなくして高層化が進んでおるけれども、はしご車がないという点から、はしご車がなくして高層化だけが進んだという、そのアンバランスというものが指摘されて、この四点が、鬼怒川の温泉街にもし火事があったときに、何かしら一つの致命傷的なものになるおそれがあるといわれておる。私は、その中で、はしご車とか化学消防車、そういうことについては消防庁も相当力を入れておりますし、いまの秋吉主計官の大蔵省のほうにおいても、そういう機械化についてはある程度重点を置くという考え方のようでありますが、川水があるけれども活用が不能だといわれるがごとくに、水というものが、初期防火が大事であるのにかかわらず、それがほとんどいまは手近にないわけです。片方は断崖絶壁、そこのところに次から次へと押しかければ、鵯越のさか落とし。そういうようなときにどうするのですか。私は昔の江戸時代に戻れなんと言うわけじゃないが、とにかく最後のきめ手は機械化消防力でありますけれども、初期防火においては、身近な水でやるよりしかたがありません。ということになれば、どこにも水槽というものが——地下に埋没されておってけっこうでありますけれども、水槽というものが無数になくちゃならぬ。私はそういう観光地帯のことだけを言うわけじゃありませんよ。足元の東京都において、大地震に対するような備えはいつ完備するのか、関東大震災以上のものがあることを予想して、その備えはよいか、備えはよいかと言っておるのですが、なかなかこの備えが完備しないようでございますね。初期防火に必要な——まあ自主防火ということばが妥当か知りませんが、自主防火という、みずからの力で、その火元が自分で火を消すということは、大体において七割やれるというのですから、七割消えるなら、関東大震災のごとき地震があったとしても、八百カ所出火すると予想されておって七割消えれば、五百六十カ所の火はそれで燃え上がらぬで済むわけです。ですから、その初期防火、自主防火に大切なものは水です。水は、常にわれわれは水道にたよっておりますけれども、その水道は破裂すると見なければなりませんから、そうしたら水槽しかないじゃありませんか。この水槽の完備ということについて、消防庁はどうお考えになっていらっしゃるか、長官の御答弁をいただきたい。
○佐久間政府委員 防火水槽の重要性につきまして、ただいまるるお話をいただきましたが、私どもも全く同感でございます。実は予算折衝の過程におきましても、防火水槽の必要性を強調いたしまして、いろいろ折衝いたしておったわけでございますが、先ほど主計官のほうからお話もございましたように、全体の補助金政策の考え方もございまして、いろいろ折衝いたしました結果、先ほど御指摘いただきましたようなことで計上いたすことにいたしたわけでございますが、私どもといたしましては、防火水槽の重要性につきましてさらに実態をよく調査いたしまして、資料を整えて、また大蔵当局の御認識をもう一そう深めてもらって、ひとつ先生の御期待に沿うように私どももさらに努力をいたしたい、かように思っておるわけでございます。 東京の大地震対策としての防火水槽整備の問題でございますが、この点につきましても、東京消防庁ともいろいろ話し合いをいたしておるわけでございます。関東大震災級のものが起こりました場合には、現状におきましては、とても六割とか七割とかの自主防火というようなことは期待できない状態でございまするし、ただいま数字はちょっと手元に忘れましたが、東京都全体におきましてあの程度の地震が起こりました場合に、期待できる初期消火をいたしますためには、現在よりも相当多くの防火水槽を整備しなければならぬというような試算も一応いたしております。これらの点も、このつもりで今後準備をいたしてまいりたいと思っております。
○太田分科員 いまの長官のお話、大体わかります。防火水槽というのはそういう意味において、消防車がかけつけた、水がないときに、そこにホースを入れるという、これはまあ当然のことでございます。バケツを入れるのじゃなくて消防車のホースを入れるという点から、特に水槽は私は大事だと思うのです。最近の路上駐車の実態を見ますと、さてとなったときにいまの状態で、思うように消防車が火事現場にかけつけられない。路上駐車に泣く消防車なんていう、これは新聞記事にもなっておりますけれども、いざとなったときに現状におきましてはたいへんな隘路があるんです。かけつける困難さがある、かけつけても水がなかったらこれはお手あげです。一回あったじゃないですか、そういう火事が。だから防火水槽という基本的なものを、住民がみずからを守る自衛手段として、自分たちの金を出してつくりなさいということは、これは私はたいへんな考え違いだと思う。住民は、銭形平次の時代のことかもしれませんが、よう似たようなもので、バケツでも買っておいて、そのバケツの中に水を満たして、常に廊下なり調理場なりどこかに置いておくことだ。科学的な近代的消火器というのは案外役に立たぬことが多うございます。私はそう思う。だから防火水槽増設についてはもっともっと力を入れてもらいたい。 同時に、避難計画というものもよほど指導しておきませんと、さてとなったときに困りますが、この避難計画のほうは、東京都を一つ例にとりますと、関東大震災のごときものを想定して避難計画は完備しておりますか大臣、あなたどう思いますか、長官でもいいですが、一番大事なことだから……。
○佐久間政府委員 関東大震災級のものを想定いたしまして、東京都の消防庁におきましても、一応の計画を検討いたしております。東京都の消防庁で、現に東京都内で何カ所か避難地域を想定いたしまして、どこの住民はどこへ避難をするという計画を一応立てております。ただ、この問題は東京都だけの問題ではございませんので、政府といたしましても各省庁が総合的な対策を検討する必要があるという考え方で、昨年消防審議会に諮問をいたしまして、現在消防審議会でいろいろ検討をいたしておる状況でございます。
○太田分科員 早く確立してください。避難計画というのは、とにかく安全なところに行けばいいんだから、むずかしいことはないでしょう。この川は、隅田川の橋が落ちたならば、どうして向こうへ行くかなんて考えておらないで、何かすみやかに常識的に安全なところに行ける方法を考えるべきだと思う。 そこで、これは財政当局にお尋ねします。最近、脊梁山脈を境にして向こう側は——向こう側といってはなにですが、裏側の日本海側のほうというのは非常に人口が少なくなり、太平洋側というのは非常にふえておる。そこで中卒者、高校卒業者というのも、どうも県外就職というのがふえてまいりまして、どこの県でも、過疎県といわれるようなところは総体として五〇%以上県外に就職をしておる。中卒者に至っては、七割も八割もそうだというようなことが統計的にいわれております。こういう状態になりますと、教育費としてそれぞれの所在する県なり市町村に配分すべき交付税、基準財政需要額というものの算定については、そういう実態をとらまえて、実態に対処して、そこで教育しても、全部東海道沿線とか、山陽道沿線に来るということになるならば、基礎的な日本の国の経済発展に、当該市町村並びに県が直接——間接じゃない、直接やっておるんだ、貢献しておるんだということになったならば、何か特別の教育費のめんどうを見る必要があると思う。これは何かめんどうを見るというお気持ちがございますか。
○細郷政府委員 よく議論の出る問題でございまして、関係の地方団体の一つの悩みにもなっておるわけであります。そういう意味合いから、高校の教育費を、国が半額持つべきであるというような議論も実は出ておるのでございますが、何ぶんにもいろいろ沿革等もございますものですから、慎重に考えなければならない問題だと思っております。ただ、いまお尋ねの教育費について特別のということにつきましては、私どもやはり人口の減っておりますところについては、人口の急減補正、あるいは生徒数の急減補正、学校数の急減補正、こういった措置によって過疎と申しますか、人口の減る地帯についての教育費にウエートをかけております。
○太田分科員 それはひとつ強力にやっていただきたい。ただ形だけやっておるということではいけないと思う。 そこで、細郷さん、あなたは財政局長として何か見ておられると思いますが、最近交通共済をやっている市町村の中に赤字がふえてきておるが、交通共済に必要とするものは、いわば基準財政需要額の基礎になりますか、なりませんか。
○細郷政府委員 共済制度でございますので、入っておりません。
○太田分科員 しからば、市町村でそれをやったために赤字になって、一般会計に影響があるとするならば、それはあなたのほうの指導は、やめろということですか。大臣、どうですか。
○細郷政府委員 共済制度をやりますときには、どの程度の事故があるかというようなことを想定して、負担金と申しますか掛け金をきめていくというのがやはり共済制度だろうと思います。したがいまして、そういった方面での解決をはかるのが方向であろう、こう考えております。
○太田分科員 いま市町村共済から府県単位の共済に移ろうとしておるでしょう、自然発生的に。そんなものは共済だから、向こうでかってにやればいいということを言っておるとすれば無責任だと思う。あなたも指導責任がなければならない。 そこで、ついでに念のために聞いておきますが、時間ですからあれですが、一体、いま地方税の滞納はどれくらいあるのですか。租税特別措置による地方税の減収額、四千五百億円程度あるというのですから、地方税というものは実際上十分あるはずなんだ。あるはずだが、この特別措置によってわざと減らしておるわけです。あなたのほうは、今度過密地帯に対するいろいろな土地の先行取得等の財源として六百億交付税から考えていらっしゃるようでありますけれども、それも一つの方法でしょうけれども、租税特別措置なんというものは一ぺん考え直して、四千五百億円もまけてやらぬでもいいじゃないですか。それはそれとして、地方税の滞納はどのくらいありますか、総額。それは今後どうするつもりですか。 それからまた交通共済制度は市町村単位でやらせるつもりか、府県単位に移行せしめるつもりか、指導方法は何であるか。 以上お尋ねいたします。
○松島政府委員 昭和四十二年度の実績で申しますと、府県税分で四百四億三千八百万円の滞納でございます。市町村分はいま資料を持っておりませんが、大体同じくらいではなかろうかと考えます。
○細郷政府委員 共済については地域を広げるというようなことも一つの方法でございますので、よく検討してまいりたいと思います。
○赤澤主査 太田君、時間が過ぎておりますから、一問に願います。
○太田分科員 終わります。
○赤澤主査 華山親義君。
○華山分科員 地方交付税につきまして、各地区の事業につきましての負担、そういうものについて次第に増加しつつあるように思われます。根本的にはそういうふうな地方交付税の配分というものが適当なものなのかどうか、御答弁願います。
○細郷政府委員 交付税の配分につきましては、いろいろ問題があろうと思っておりますが、現在のところは、基本的な経費のほかに、地域的な過疎地帯であるとか、過密地帯であるとかといったような特殊な事情を勘案して、ある程度の傾斜配分をしていく、こういうやり方をとっております。なお、今後研究すべき問題は残っておる、こう思っております。
○華山分科員 時間が非常に短く限られておりますので、私のお聞きすることが十分でなかったかもしれませんけれども、少なくとも国がやります事業でございますね。土木事業等につきまして、そういう一時的な財政支出について、交付税というものの配分の基本になされる部分が多くなってきておるわけですね。こういうものは地方交付税の精神から見ていいものとお考えになるのかどうか。たとえば道路あるいは下水道その他いろいろなことにつきまして、一時的に地方で負担するものがありますね。そういうものにつきまして、交付税の配分というものについてお考えになっておるわけでしょう。それが次第に大きくなってきておる。こういうふうな方針は、やむを得ずやっていられるのか、しかたがないからやるというのか、根本的な考え方をお聞きしたい。
○細郷政府委員 交付税制度でございますから、あるべき需要額を選ぶのが本来であろうと思っております。ただ、現実におきましては、御承知のように一時的な負担のものがございますものですから、投資的経費についてのみそういった事業費補正のような方法をとっておる、こういうやり方でございます。あるレベルまで行政施設の水準が上がりますれば、本来あるべき姿に持っていくことができる、こう考えております。
○華山分科員 それにつきまして御方針を伺いたいのでございますが、私、考えるのでございますけれども、農業につきまして、たとえば一例をあげるならば、農業の土地改良、圃場整備等につきまして、農民は負担をし、県が負担をしておる。その点につきまして最も根幹になるところの排水あるいは給水、根幹になるそういうものにつきましては、やはり交付税の中に、いまのような御方針のもとに、一時的ではございましょうけれども入れてしかるべきものじゃないか。下水道については入れる、田畑の排水については入れない、こういうようなことは私はどうも解せないですね。今後、そういう農業の面につきましての、最も根幹的なかんがい排水の事業等につきましては、考慮さるべきものじゃないか、こう思いますけれども、御方針を伺っておきたいし、現在やっておられないとすればその理由を伺っておきたい。
○細郷政府委員 下水道と農業排水では多少性質が違うと思います。したがって、全く同じに扱うわけにはいかないのではないか、こう考えますが、だんだん農業構造改善というようなことが進められておりますので、そういった点についての負担については、私どもも交付税の関係行政経費、農業行政経費といったようなもので間接的にこれを見ていく必要があるのじゃないかというので、明年度は農業経費、あるいは林業経費等について、かなり大幅な増額をしたい、こう思っております。
○華山分科員 それから、いま問題になっておりますまあ簡単に飲食税と申しますが、もっと長い名前でございますけれども、この飲食税につきまして、一体これはちゃんと的確に徴税されておるとお考えでございますか。
○野田国務大臣 遺憾ながら正確に徴税できておると思えないわけでございますけれども……。
○華山分科員 これにつきまして、何かもっと正確に取る方法をお考えになっておりますか。これは事務当局からお伺いしたい。
○松島政府委員 料理飲食等消費税の課税の適正化の問題でございますが、これは私どももいろいろ努力をいたしておるのでございます。また府県の徴税当局も、非常な努力を重ねております。ただ、何ぶんにも先生の御承知のとおり、消費行為を行ないますお客さんと業者との間で行なわれた行為を、あとから税金の形でもって確認をしていくというような形になりますので、何と申しましてもお客さんと業者の方々の協力というものを十分に得られませんとむずかしい問題でございます。で、現実には、たとえば料理屋で、お客さんの数を把握しますために、くつの数を数えているなんというようなこともいわれておりますように、そういうような努力もいたしておるわけでございますけれども、いま申し上げましたように、何と申しましてもお客さんと業者の方の協力を得る体制を整えていきませんと、なかなか事態が改善されません。そういう方向に向かって、いろいろと私ども並びに府県税務当局は努力を重ねている、こういうことでございます。
○華山分科員 この地方税法の百二十九条、私の持っておるのは百二十九条になっておりますけれども、ときどき変わりますから違うかもしれませんが、いわゆる公給領収証の規定がございますね。法によりますというと、料理屋等におきまして、またいろいろなところにおきまして領収証は出さなければいけない。そしてその領収証の出し方及び保存する書類については法律で、あるいは命令で定めたところの形式によらなければいけない、原則としてですね。そういうふうに書いてあって、これに違反した者は「一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」と書かれてある。私は、皆さんごりっぱでもいらっしゃいましょうし、そういうところにはあまりお出にならないと思いますからよく御存じない。私は、実感が違うのですね。われわれの行くところは大体——いなかから人でも来ますと、おでん屋とか小料理屋程度、私はこういうような領収証をもらったためしはまずないのですね。ほんとうに、いろんなところで世の中に違法な行為が行なわれているけれども、こんなに普遍化していて、しかもこれについて犯罪的な意識というものが全くないといってもいいものはほかにはない。私は、これは非常に違法——違法地帯とかなんとかいうけれども、全くの違法地帯ですよ。これは無法地帯。それは、りっぱなレストラン、そういうところにおいでになるからそういうお感じはなさらないかもしれませんけれども、一体どういうふうな実感を持っていらっしゃいますか。まあ、私と皆さん方と違いますからね。りっぱなところにしかおいでにならぬから別かもしれませんが、私は実感として、とんでもないことだと思っている。われわれの地方に行きますとそうじゃない。ところが、私、東京みたいなところは知りませんけれども、大都市に参りますと、めちゃくちゃですね。これはどういうふうなお感じになりますか。お客さまと料理屋との間の協力を得なければなんていうことでは済まないのじゃないですか。お客さまだって、領収証がないほうが安くなると思っているからないほうがいいだろうし、ああいうところに行って公給領収証を下さいなんていうのは、やぼなことになるんですね、実際。いまおっしゃったようなことは、実行できないと私は思うのですよ。そういう点につきまして、私は根本的にこの飲食税というものそれ自体が間違っておると思っている。無理があるからそういうふうな違法なことが公然と行なわれる。これはどうなさるおつもりですか、こんな無法地帯の中にあって。これはもうお聞きしても通り一ぺんのことしかおっしゃらないでしょうけれども、伺っておきたい。
○赤澤主査 大蔵省の税制第一課長、国税庁の調査課長、見えておるようですから、御意見があったらあとで述べてください。
○松島政府委員 お話しのとおり、現実にはなかなか行なわれていないという面がありますことは、私どももよく承知をいたしております。それだけに、私どもとしましては、この制度が実行されるようにいろいろと苦心をいたしているわけでございますが、やはり制度そのものとしては、こういう飲食等を行ないました場合には、税金はかかるのだということを業者の方もお客さんも十分理解をしていただきまして、公給領収証が適正に行なわれるように、しんぼう強く私どもは努力をしていく以外にないのではないか。この制度が十分行なわれないから、それじゃこれをやめてしまったらなおいい状態が来るかということになりますと、私はむしろ事態は逆になるというふうに考えられる。もちろん公給領収証も、発行が十分行なわれておりませんために、先ほど申し上げました、課税のためにいろいろな間接的な推定をするようなことのために、税務当局としても苦労をいたしているわけでございますが、でき得るならば、そういう余分なことをせずにこの制度が行なわれれば、無用な、不必要なと思われるような調査までしなくて済むわけでございますが、やはりこの点につきましては、私どもとしてはしんぼう強く、お客さんにも業者の方にも、制度の趣旨を理解していただく努力を重ねていかなければならない、かように考えておる次第であります。
○華山分科員 まあ、そういうふうなお考えだろうというほかに御答弁のしかたがないと思う。それで、この罰則が適用されたという例は、一体いままでどのくらい、どこにあったのですか。
○松島政府委員 私、その資料をいま持ち合わせておりませんので、調査の上で答えさせていただきます。
○華山分科員 あることはあるのですね。
○松島政府委員 これは私どものほうといたしましては罰則の適用を幾らやったかということまで府県から統計をとっておりませんので、府県に照会をいたしませんと、いまお答えをいたしかねますので、御了承をいただきたいと思います。
○華山分科員 これは義務があるのですね。それで、国税庁もおいでですからお伺いいたしますけれども、国税庁のほうで、法人その他につきまして経費を差し引かれる場合に、飲食に関する経費が交際費の中にあるわけです。その際に、この領収証がなくとも、他の領収証等によってこれは経費として認定されるのでございますか、公給領収証でなくて認定されるのですか。
○工藤説明員 お答えいたします。 交際費あるいは接待費等の名目でもって、法人が得意先あるいは仕入れ先等を相手といたしまして、その業務に関連して支出した経費がございますと、その実態を調査いたしまして、先生もおっしゃいますように、公給領収証があればもちろんけっこうでございますが、かりにない場合でも、何らかの形で領収証があって、それを調査した結果、明らかに税法でいう交際費の範囲に属する目的のために支出されたものであるという心証が得られる場合、あるいはまたその料理屋、飲食店等に対しまして、実地にあたって調査した結果、現にそういう種類の経費が出ておるという心証が得られます場合、この場合には、法人税法の扱いといたしましては、法人の損金として認めます。ただし、調べましても、その支出した使途が明らかでない、あるいは会社業務に関係がないと認められるような場合には、これは損金として認めないことにいたしております。
○華山分科員 公給領収証がない場合、あるいはそういう心証を得たという場合には、そこに犯罪があるということはわかっておるはずじゃないですか。犯罪ということばはどうかと思いますが、法律違反があるということはあなたのほうでわかるわけでしょう。公務によって知り得た事項であるならば、これはそういうところの法令違反があった場合には、あなたのほうはこれをどこかに通報すべき義務があるのじゃないですか、どうなのですか。公務によって知り得たときは、通報する義務があるというふうにわれわれは——法令を持ってまいっておりませんけれども、そういうふうに承知しておりますが、間違っておりましたら訂正いたします。
○工藤説明員 ただいまお尋ねの件につきましては、本件に限って申しますと、昭和三十年の閣議決定によりまして、公給領収証のないことが発見されたような場合、あるいは公給領収証以外の領収証によって裏づけがされておるような場合、この場合には国税当局から都道府県知事に緊密に連絡をするという申し合わせができておりまして、この申し合わせに従って連絡をすることになっております。
○華山分科員 連絡された事例を、ひとつ統計的にでも、また事実としてでもお示しを願いたい。
○松島政府委員 私どもで最近調べましたところによりますと、一年間で——これは報告のあったものだけでございまして、全部の県からはまだ報告が来ておりませんが、二十団体で二百七十二件ばかり御連絡をいただいておるようでございます。ただ、この中にはこの連絡の様式によって料理飲食等消費税連絡票というような形で連絡をいただいているのもございます。またこの府県税の事務所と税務署とは、一カ月に一回ないし二回連絡会議をやっておりますので、その席上で、口頭で御連絡をいただいているのもございます。いま私の手元にありますのは、福井県では、そういう連絡票で連絡をいただいておりますのが十一件ばかり写しをいただいておりますけれども、そういうような形で国税当局にもそういう点については協力をいただいておる、こういうことでございます。
○華山分科員 自分のことを言うのはおかしいですけれども、私、連絡協議会に参加いたしておりました。そして酒の密造等の問題につきましては、府県は相当協力しているはずであります。私はそういう数ではないと思うのですよ。もっともっとあなた方のほうは地方に協力していただきたい。そうでなければ、あなたのほうでは、法人等について利益になるようなことをやっておって、そして片方においては、そういうふうな当然取り得べき税を地方では取れない、わからぬ、こういう実態がありますので、協議会というものもあるのでございますから、極力あなた方のほうでは末端——末端ということばは失礼でございますけれども、税務署等に命ぜられまして、この連絡を密接にしていただきたいと思うのです。どうですか、今後ともひとつその点につきまして、一歩踏み出していただけませんか。私は福田さんではありませんけれども、地方を愛するがゆえに申し上げておるのです。
○工藤説明員 御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
○華山分科員 それから私考えますのに、そういうふうな違法的なことが、あまり悪意を持たないでやっておられるというのが実態で、このやり方はそう悪意を持って領収証を出さないということではないようです。あの店に行くと領収証ばかりよこすから、もうあそこの店には行かない、よそへ行こうということにもなりましょうし、これは私は改めなければいけないと思うのです。今度六百円を八百円に上げられたそうですけれども、とにかく八百円以上ここで飲めば——ビールや酒にはもう初めから税金がついている、その上にまたそれ以上ここで飲めば税金を取られる。こういうふうな税金は——私はささやかな庶民の慰安といいますか、そういうものから税金を取ることについては考えなければいかぬと思うのです。地方税が減収になるならば、地方税の減収についてとるべき措置は幾らでもあるはずなんです。これは時間がありませんから申し上げませんけれども、とにかく庶民をいじめるようなこの税をやめたらいい。高級のものについては取ってもいいと思うのです。もっと取っていいと私は思うが、こういう税金を取るのはむちゃですよ。 話が長くなりますけれども、大体事実を申し上げますと、皆さん上品でいらっしゃるから御存じないと思って申し上げるのですけれども、汽車の食堂でビールを一ぱい飲んでちょっとしたものを食べたら、これはもう税金がかかりますからね。そういう税金の取り方というものが一体あるものでしょうか。それですから、ばかばかしいと思う人は、ちょっとビールを一ぱい飲んで、そこで払って、便所にでも行って、もう一ぺん食堂へ入るということがみんな行なわれておるのですよ。二度に払えば税金がかからぬですからね。それほどこういうものについては、庶民は知らず知らずのうちに反抗をしておるのです。私は、六百円を八百円にしたなどということで、これを庶民に恵んだような気持で総理大臣がいられるならば、大間違いだと思うのです。こういう税金をやめて、高級的なものにはもっとかけたらいいと私は思う。高級的なものにつきましては、今度何か一律一〇%にしようという話でありますが、これはどういう理由なんですか。
○松島政府委員 いま先生がおっしゃいましたように、免税点なり、税率の違いというものがございますと、いまお話しのように、税を合法的にのがれると申しますか、そのためにはたとえば免税点の場合でございますと、従来の場合ですと六百円こえそうだというと、一回払ってまたもう一度飲むということになればかからないのではないかというお話がございました。税率についても一人一回の飲食が三千円をこえる場合に一五%、その一五%はこえた部分についての一五%でなくて、もとからの一五%であるというようなことから、実際問題といたしまして、一人であるのか一回であるのかというような問題というものは非常にむずかしいことでございます。先ほど来御指摘がございましたが、領収書を出すほうはまだ良心的でございますけれども、その良心的なところでも、一人のお客さんを二人とお書きになれば、もはやかりに四千円であっても一人二千円になってしまう。あるいは領収書を二枚にしてお書きになれば、一人一回でなく二回書かれるわけでありまして、二千円になってしまうというような問題から、常に徴税当局との間にトラブルが絶えず、しかも良心的なところとそうでないところとの間に、税負担に相違が出るというようなことで、徴税の公平を期することが非常にむずかしいというようなことがございますので、この際税率の統一をして、そうして売り上げがおよそ出れば、その一〇%は必ず税だということが確認できるような体制にするほうが、より徴収の合理化になるのではないか、かような考え方でございます。
○華山分科員 日本の内閣総理大臣は、たいへん遊興飲食税に興味を持たれますね。私はふしぎな現象だと思う。私が、地方行政委員をやっていたときに、オリンピックがあるというので、外人の飲食については税をかけないということをやったでしょう。話を聞いてみるというと、お客さまに外人があったときでも税はかけないんだ。外人を呼ぶときばっかりかと思ったら、そうじゃない。そんな繁雑なことができますか。それではただ納税者を苦しめるということだけですよ。私は、特にその点を強調して、自民党の方々も同調なすって、そして社会党でこれを修正した。そういう経験を私は持っておるのでございますけれども、あのときにああいうふうな脱税みたいなことのできるような妙な法律をお出しになった自治省が、またあなたみたいな論理で純粋に返ってくる。私はおかしいと思うのです。なぜそうだったならばあのときにあんなものを出したのか、私は一五%がめんどうくさいというなら二〇%でもいいです。私はどうもその趣旨が一貫していないと思うのです。そういう意味で申し上げたいのでございますけれども、とにかく悪意を持たない違法、庶民の知恵でこれをまぬがれようとするささやかな脱法のような行為が出るということは、この法律自体に責任があると思う。大体御存じがないかと思いますけれども、こういうふうな遊興飲食税というものができたのは、戦争中にできたのですね。太平洋戦争中にできたものです。われわれ若いときだったものですから、あしたから遊興飲食税がかかるというので、その晩どんちゃん騒ぎをした経験がある。戦争中にできた法律なんですよ。それをいまでも持続して、そして庶民の気持ちに合わないこういう制度を持続することについては、私は再考していただきたいと思う。ぜいたくなものから金を取る。したがって、高級の飲食税を上げることには賛成だけれども、庶民に悪知恵を与えるような、ささやかなおでん屋に行っても税金のかかるようなものはやめてもらいたいと思う。いかがなものでしょうかね。これは悪い税じゃありませんか。
○野田国務大臣 お話しのように、この公給領収証の現在のあり方というものは、まことにどうも現在の状態から考えまして、なかなか徴税に困難な問題であり、それからこれを実行しない面がたくさんあるし、徴税方法もなかなかむずかしい。それからもう一つは、いまお話のありました、庶民の方々の飲食、これが六百円が八百円になったから、これは満足だというふうなことは私も考えておりません。この間、これは小さい料理をやっておる方、おでん屋ですが、その人から聞いたのですが、それでも二百円上げてもらうと、だいぶ私のほうもおでんを食って銚子一ぱい飲むという程度にはいけますから——決してこれが一番いいという考えではございませんが、多少影響はあると思いますが、いずれにしましても華山さんのおっしゃるとおり、こういう楽しんでちょっと疲れを休める、庶民の方々の労働のあとというところに税がかかっていくということは、これは私は好ましいものとは思っておりません。しかし、現行法をいまどうするということは、これは財政上のこともございますし、なかなかむずかしいことでございますが、やはりいま華山さんの御意見のように、庶民ということばは当たらないかもしれません。通俗的に使っておりますから申し上げますが、その方々の勤労のあとの慰安と申しますか、そういうことについては負担がないようにするというのは、私は政治の進め方じゃないかと思っております。それにつきましても、今後十分考えてまいりたいと思っております。
○華山分科員 大臣もそういう御方針であるならば、私、今後見守ってまいりますけれども、そういう一晩のうちに何千あるのか何万あるのか知れないようなものから税金を取ろうなどということは、これは無理な話です。やはり高級料理店なら高級料理店という、税金を納めるようなことの数の少ないものに重点を向けるべきだと思うのです。そしてそこからはあるいは高率に、あるいは徹底的に税金を取ってやる。こういうふうなことが税金の取り方としてもやさしいし、的確に取れる。私は税金の取り方自体の方法論として間違えておると思う。ほかの税金につきましては、とにかく国税と地方税というものは関連がある。事業税にしてみたところが、住民税にしてみたところが、所得税、法人税と関連を持ってやっておる。ところが、これは関連があるべきはずなのに打ち切られておる。一年に注意を与えたのが二百五十、そんなものじゃないでしょう。これに限っては国税と地方税というものは連絡があるべきなのに、打ち切られておる。打ち切られておるということについても私は理屈があると思うのです。
○赤澤主査 華山君、時間が過ぎておりますから、簡単に願います。
○華山分科員 あんまりたくさんの者から、たくさん金を取ろうとするからこうなっちゃう。このことにつきまして、地方行政委員会等もあるわけですけれども、この問題なんか一ぺんもかけたことはないのですね。委員会等もあることでございますから、ひとつ慎重に御検討を願いたいと思います。
○赤澤主査 兒玉末男君。
○兒玉分科員 大臣並びに財政局長にお伺いしたいのでありますが、今日、特に地方公営企業団体の中における交通事業の部面というのが相当の赤字ということで、再建のために非常に苦労しておるわけでございます。御承知のとおり、地方公営企業における交通部門というものは、庶民階級にとっては欠くことのできない非常に公共性の高い事業であるわけでございまして、当然、財政面の再建については、国の積極的な利子補給をはじめとした助成対策によって、あくまでも独立採算という形だけを強調しないで、やはり庶民の足としての交通事業の運営が円満にできるための積極的な施策をとるべきだと思うのでございますが、現在の状況並びにこれに対する対策をどういうふうにお考えになっておるのか、お伺いしたいわけです。
○細郷政府委員 大都市交通の一番の問題はやはり地下鉄の問題であろうと思います。したがいまして、地下鉄の持っております公共性に着目して、私どもも本年度実は予算を要求いたしましたが、本年度はうまくいきませんでした。しかし四十五年度には何らかの形で実現をはかるようにということで、ことし一ぱい研究をするということになっております。再建の問題につきましては、再建団体においてそれぞれ内部の合理化と外部条件の整備という両建てで、私どももいろいろ苦心をしておるのでございますが、なお十分現在の状況にマッチできない面もございますので、そういった面の整備に努力をしてまいりたい、かように考えております。
○兒玉分科員 特に一つの例でございますが、私の地元ではないわけですけれども、先般社会党の地方公営企業の実態調査で、実は鹿児島市の交通局の実情等も調査に行ったわけでございますが、特に、現在再建のために相当努力をしておるわけですけれども、やはり現実的には、財政再建のために利子補給という面をどうしても積極的にやっていただきたい、こういう非常に真剣な主張がなされておるわけですが、これは単に鹿児島だけではないわけでございまして、地方都市における交通事業、特に公営企業というものがおよそ共通の立場に立っておる、こういう点から、特に利子補給という点について、各地域の調査の結果、少なくとも全額もしくは三分五厘をこえる分については国がめんどうを見るべきだ、こういう意見が具体的に出されておるわけですが、これに対して今後どういうような対策をとっていかれる所存なのか、お伺いしたいと思います。
○細郷政府委員 再建団体につきましては、御承知のように国で利子補給をいたしております。しかし国の利子補給は全額ではございません。半分程度になっております。私のほうでも、いろいろ再建の状況等によりまして、その団体の一般会計との間の負担区分を合理化することによって、利子補給を一般の税金でまかなっていく、そういった場合に交付税措置でそれを補っていくということを検討したいと思っております。
○兒玉分科員 いま局長が答弁されましたが、半分程度補給ということでございますが、いま一般的に共通に主張されている三分五厘をこえる分の国庫負担というのは、財政的に何らか矛盾があるのかどうか、また現実的に不可能なのかどうか、この点再度お伺いしたいと思います。
○細郷政府委員 三分五厘超の部分について利子補給を段階的にいたしておりますが、これは他の例等から見まして一応の線であろう、こう考えております。ただ、それ以外に、赤字であります場合には、そこの関係団体においてもこれに多少の負担をすべきじゃなかろうかというようなことから、先ほど申し上げたような負担区分の前進をはかるべく、ただいま検討いたしております。
○兒玉分科員 次に、特に地方における交通事業の状態等を見ておりますと、現実的にたとえば鹿児島交通の場合、車両効果といいますか、私も専門的なことをよく知りませんが、バスの場合、昭和三十五年に十二・六キロ、昭和四十二年で十一・五キロ、自主的に一車両当たりの走行キロというのが一・一キロ減らされております。また電車の場合はわずかに〇・一キロでございますが、少なくともこの車両効果のいわゆる走行量というものを平均一キロふやすことによって、三千万程度の増収がはっきり出せる、こういうこともいわれております。また、たとえば東京の場合における一両の交通効果というものを、現行の十一・五キロを十二・六キロ、さらにバスの場合総体的に一キロの交通効果を上げることにするならば、少なくとも東京の場合においてバス、電車両方で三百九万円程度の増収が期待できる、こういうことを私は資料としていただいておるわけです。そういうふうな積極的な面における財政的な確保なり再建の方法というものを考えていくべきだと思うのですが、これらの点についてはどういうふうな指導なり措置をとられようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○細郷政府委員 バスのスピードが落ちましたのでお客が逃げるという問題は、私は、やはり自動車がどんどんふえてまいりますので当分続くのじゃなかろうか、こういうふうに思っております。それに対する措置としては、道路を整備するというような問題もございます。あるいはバス路線を変えるといった問題もございます。ある時間だけはトラック等をある路線に通さないで、大量輸送のバスの走行を早めるといったような問題もございます。そういったような問題がございますので、これらにつきまして、東京とか大阪、名古屋等におきましては、すでに関係者の協議会を持ちまして、そこで一つ一つの路線について実は検討しておるという状況でございます。昨年交通関係閣僚協議会がございまして、そういった関係者の協議会を持つように指導しようじゃないかということで、関係省、警察その他とも打ち合わせまして、それぞれの都市にそういう協議会を設け、検討するようにということで、現にやっております。東京等におきましても、甲州街道等で現在朝の時間にトラック等を通すのをいま試験的にとめておる、こういったようなことを現在やっておるわけでございます。
○兒玉分科員 これはちょっと大臣にお伺いしたいのですが、ただいま局長からも御答弁がありましたが、現実的に鹿児島の場合におきましては、市電の軌道内における他の一般車両の通行を禁止しておるわけで、それによって電車の効率をあげる、こういう思い切った措置がとられておるわけですが、全国的に最近非常に自家用車等が激増している段階等においても、そのような規制措置というものはやはり考えていくべきじゃないかと思うのですが、この点、大臣としてどういうふうな御所見をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○野田国務大臣 いま兒玉さんのお話しのとおり、実際地方公営企業は非常に経営が困難である。私ども一番頭を痛めて、いろいろな措置をしたいと思っております。ただいまの交通規制の問題、これも一つの案でございまして、そういう案もひとつ考えて規制をしたらいいんじゃないかということをいま考えております。
○兒玉分科員 さらに、先ほど、これは局長の御答弁でしたが、おそらく路面電車なりバスにいたしましても、現実的に駐車禁止という区域が相当数設定されておるわけですけれども、この対策というのが手ぬるいために、せっかくのバス運行が非常に阻害をされておるという点がどの地域においても指摘をされて、非常に一般市民が迷惑をこうむっておる。こういう点も、やはり先ほど申し上げましたバス等のいわゆる交通効果というものが相当これによって減退されている。こういうようないわゆるバス交通の路線面における駐車制限等も、もう少し私は積極的に行なうべきじゃないかと思うのですが、この辺はどういうふうにお考えになっておりますか。
○細郷政府委員 おっしゃるとおり、駐車場等をどういうふうに規制して整備していくかといったようなことも実は関連いたします。非常に幅広く深い問題を持っているわけでございます。またバスというものが交通機関の上でどういう位置を占めていくべきなのか、これは都市によってもいろいろ違うと思います。駅までの距離だけをバスでやっていく、そうしてあとは電車や鉄道に乗るんだといったような行き方のとれる都市もあろうと思います。したがいまして、それぞれの都市の実態に応じた考え方をとっていかなければならないというようなことで、先ほど申し上げましたような交通関係者の協議会というものをつくってもらって、幅広く検討すると同時に、応急策も考えてもらおう、こういう実は指導をいたしておるのであります。
○兒玉分科員 次に、これは地方公営企業体に働いている職員の給与の問題でございますが、現在第八次、第九次の賃金改定等がいまだに実施されない、その準備段階、こういうふうな状態に置かれている地域があるやに聞いているわけですが、この公営企業体職員の給与状況というものはどうなっているか、お伺いしたい。
○細郷政府委員 公営企業職員の給与につきましては、公営企業法に考え方が定められておりますから、それによって給与を支給すべきである、こう思っております。現実には、八賃はもう全部終わりました。一、二の都市で議会その他の関係でまだ残っておりますが、一応私どものほうの再建の変更というものについては成案ができております。
○兒玉分科員 事業の現実的な状態というものを見た場合、やはり公営企業の職員の賃金については、職務の内容等から判断しましても、一般公務員並みに実施をすべきだ、こういうふうに私は考えるわけでございます。しかも現実的には、鹿児島交通の場合においても、給与の実質的な手取りというものが以前よりも相当減給されている実情にあるわけでございます。そういう点から考えましても、全体的にこれは一般公務員並みに実施すべきだという主張は正しいと思うのですが、これに対してはどういうふうな取り組みをされておるのかお伺いしたい。さらに、第九次の賃金改定は大体いつごろに実施するめどが立っているのか、あわせてお伺いしたい。
○細郷政府委員 一般地方公務員の給与が適正妥当なものでありますれば、それに合わせていくのが本来の姿だろうと思っております。ただ再建企業でございますので、何ぶんにも一種の病人状態ということでございますので、公営企業の再建のためには合理的な範囲で御協力をいただく面も出てまいっておるのでございます。そういった点で、従来ございましたいろいろな種類の諸手当を整理するといったようなことも、実は再建期間中にやっておるのでございます。 それからもう一つは九賃の問題ですが、これにつきましては個々の事業体によって事情が違っております。経営の内容も違います。したがいまして、私どもはケース・バイ・ケースで指導をしてまいりたい、こう思っておりますので、一律にいつの時期と申し上げることは困難でございます。
○兒玉分科員 それで実施の時期は大体どうなんですか。
○細郷政府委員 そういうことでございますので、早くできるところもございましょうし、経営状態でなかなかできないところもあろうと思いますので、実施の時期を全国一律的にきめることはむずかしいと思っております。
○兒玉分科員 最後に、現在の公営企業金融公庫の出資状況ですね、今年度の出資予定額はどういうふうになっておりますか、お伺いいたします。
○細郷政府委員 四十四年度は出資二億の増、こういうことでございます。合計して三十五億になります。
○兒玉分科員 昨年三十三億であったわけですが、それでこれの金利面はどういうふうになっておるか、お伺いしたいと思います。
○細郷政府委員 公庫の貸し出し金利は、一般が七分三厘でございます。上下水道につきましてだけは特利で七分ということになっております。
○兒玉分科員 私は、企業の内容から考えた場合、水道部門においても、交通事業部門においても、やはり市民が受ける利益というものは共通点が多いと思うのでございますが、その点金利の差があるのはいかなる理由によるものか。当然上下水道並みにすべきだと思うのですが、その点はいかがでありますか。
○細郷政府委員 公庫の貸し出し金利は、前は七分六厘、七分八厘といった高いものでありましたが、その後だんだん出資をふやすというようなことによりまして、現在の七分三厘まで実は引き下げてまいったわけであります。そのうち、特に上水道、下水道につきましては、その事業の性質から見まして七分ということにいたしております。ほかのものにつきましても、私どもは、もう少し金利を引き下げることができるならば、こう考えておりまして、その方策等についていろいろ検討をいたしております。 〔主査退席、竹内主査代理着席〕
○兒玉分科員 最後に自治大臣にお願いしたいわけでございますけれども、いままで局長にいろいろとお伺いしましたが、この金利の面においてやはり上下水道並みに下げるべきだ。さらにまた利子補給の面においても、特に財政再建のために非常に苦闘しておるこの交通関係の企業体に対しましても、積極的な利子補給等をやっていただきたい。私はこういうように強く主張し、同時に企業体の職員の賃金改定の点についても、その赤字の原因というものは、そこに働いておる労働者だけの責任ではないのでありまして、やはりこれは国全体の施策の中において解消すべき問題であって、そこに従事しておる従業員の犠牲においてその経営がなされるべきじゃない、こういうふうに私は考えるわけですが、今後の対策について最後に大臣の御所見を承りたいと思います。
○野田国務大臣 私は、地方公営企業全体について、兒玉さんのお考えはまことにごもっともだと思っております。 現行の金利につきましても、上下水道と一般とは三厘違っておりますが、これも私は、七分でもまだ高い、もう少し金利を下げたいというので、いまいろいろ下げるほうに向かって具体的に案を練っているところでございます。 再建団体についての利子補給でございますが、これは先ほど財政局長が申し上げましたとおり、いろいろの財政事情のこともありますし、負担区分の点もございますし、これをいまどういたしますというはっきりしたお答えをして私が間違っておると困りますから、ただその御意見は非常にごもっともだということを感じまして、さらにひとつこちらで検討してみたいと思っております。 給与の問題でございますが、私もこの事実を知っております。一般の地方公務員と公営企業の仕事を担当している人との間に差がある、これは好ましい状態ではない。しかし給与体制がだいぶ内容が違うようでございまして、たとえば手当がどうとかいろんなものがあるようでございます。しかし全体の水準はやはり公営企業に従事している方々が低い、これもわかっています。これをどういうふうに改善していきますか。御承知のとおり、公営企業は大体の基本的な原則は独立採算性、これはもうことばではそう申しましても、実態はとてもそういうことは実現するものではございませんから、あらゆる点においてこれを考えなくてはいかぬと思っております。これらにつきましても、先ほど事務当局から申しましたいろいろな理由もございます。しかしそのままではいけない。何とかこれは地方公共団体、特に各企業別において内容は違いますから、これらをひとつ再検討を加えて善処せねばならぬ。私も全く同感に思うのでございます。
○竹内主査代理 次に、玉置一徳君。
○玉置分科員 私は、市町村合併、都道府県合併、ことに今回出る予定をされております都道府県の合併法案に関連いたしまして、広域行政に対する大臣並びに当局の所見をお伺いし、時間がございましたら、過疎対策につきまして若干触れてみたい、こう思っております。 そこで、明治の四年の市町村制がしかれましてから、約七万のものが一万五千くらいの市町村に縮小されまして、二十八年に九千幾らございましたものが約三千三百になりまして、その後自然な合併が行なわれまして若干の減少を来たしておるのじゃないかと思いますが、こういうように市町村の行政がだんだんと広域になってまいりますし、しかもそれの内容もまた、昔は、小学校と高等小学校、それから戸籍、兵役、消防というような程度に限られておりましたのが、第二段階には、保育所、老朽校舎あるいは役場等の建設、それから相当充実しつつある消防、それから隔離病舎、簡易水道、若干の福祉事務というような程度にまで市町村の行政が広まってきたのでありますけれども、いまや時代の趨勢とともに、産業行政並びに地域開発、福祉行政にいたしましても、じんあい焼却あるいはし尿処理等の相当広範な複雑な行政をなさねばならないような情勢に来ておるわけであります。こういうような意味で、現在までの市町村合併は、二十八年でありますか、あのときに計画的な市町村合併を行なったのであります。現在広域行政のやり方につきましていろいろな手を打たれつつありますけれども、市町村合併というものを、現状に照らしましてもう少し大きな単位にまで高めるような考え方があるかどうか、当局の御所見を承りたいと思います。
○野田国務大臣 お話のとおり、最近の地方団体の行政面は非常に広範になってまいっております。この市町村合併は、いわゆる広域行政の基本として考えた案でございます。これはいまお示しになりましたとおり、範囲がだんだん広くなり仕事が複雑になってくる。そこで、いわゆる広域的な行政のほうが行政水準を高めるためにいいんだ、これはもうそういう構想でございます。 そこで、いまもう少し広い範囲で考えてはどうかというお話でございます。私はやはり一つのそういう考え方もあり得ると思いますが、第二次的にそういう施策をやりますと、第一次といいますか、市町村合併が、まだ幾分残っておりますが、いまやっと一応の体制を固めてまいりましたのが、さらにその内容が充実しないうちに第二次的な広範な広域行政に進むというのは、現時点では相当まだ混雑があるようであります。やはりこれは、中央からいろいろなことを指導するということもさることながら、いまの時点では、自主的に行政の実際に当たった結果、もっとこれは広域にやったほうがいいという自主的な考えがあるとすれば、これはもう私は賛成していいと思うが、ことさらに中央からの指導をいたしまして、第二次的な広範な広域行政の計画を立てるのは、いまの時点ではどうか、こう考えております。
○玉置分科員 自然に自治体にそういう要請が強まってきたときに、おのずからできていくような手を打っていくのが行政の妙味であって、いま直ちに混雑を招くようなことはかえってしばらくの間はやらないほうがいい、こういう御意見は私もよくわかるのです。そういう広域行政の諸般の手を打ちながら、そういうものが熟してきたときにはまた推進をするような手を打たなければならない時期がやがて来るものだ、私も同じような考え方でおります。 そこで問題は、その上に乗ります府県の合併であります。府県の合併につきましては、前の国会で廃案になりましたものを、必要だというので今度再びお出しになるお考えであります。 そこで、廃藩置県がございましたが、三百幾つのものが明治四年に七十五になり、二十一年に四十六になったという経過から見ましても、きのうも考えておったのですが、あの時分の通信、交通から考えますと、たしか汽車はなかっただろう。汽車がなかったら、大阪と東京の間を、一日三十二キロ歩くものとすれば、十三日ないし十五日かかるのだなということを考えたら、いま三時間二十分で行くのだから、ずいぶんこれは変わったものであります。府県は、御案内のとおり、その行政は、広域にわたるもの、それから統一的な処理を要するもの、連絡調整を要するもの、補完行政、この四つがその主体でございますが、この四つは、いまの通信、交通の発達から見れば、中には、かえって狭小な府県の範囲というものがなわ張り争いになるような、阻害要因になっておることも、だんだんとこれは身近にみんな感じつつあるのも現状だと思います。そういう意味で、府県合併の要請の多いところは、それなりに希望をかなえるような法案をお出しになることもけっこうでありますが、まず、それまでに、大臣、いまお考えなさっておいでになる府県合併の法案の対象と申しますか、おそらくそこに希望が多いと思われるところはどこでございますか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
○野田国務大臣 いま玉置さんの言われたように、府県合併にだいぶ異論がある方もおるようでありますが、私は、実は素直に考えておるのです。どうも、これを政治的に取り扱われますと——実は私は、今度自治大臣になって初めてこの問題を取り扱うのですが、しかしこの問題は自治大臣になる前から、広域行政と申しますか、いまちょうどお話しのとおり、府県というものがこのままの姿でいいかどうか。それから、いいところは間違いなく——別にこれを強制的に合併するというのではない。つまりこの府県合併ということも自主的にということでございます。あくまでもそうしなければいかぬ。別にこれを政治的にどうするというのではなく、私自身は、この法案を見まして、できるところは、また希望するところはやっていいじゃないかと思う。これは理由は申しません。あなたの持ち時間がなくなっていけませんからね。それはもうわかっているのですよ。私が一つ、自分が数年前から身近に考えたことは、これはよく知っておりますが、水を取るのに、隣の県のあそこの水がほしいというので、やったらいいじゃないかと言うと、いや、それは将来の十年、二十年を考えて、やらないと言う。ところが、隣の県は現実に工場が来ているわけですね。もう一つは、これはこの間もちょっと一級河川のことを申しましたが、建設省に各府県から、国の金でやってもらうのだから一級河川にしてくれと言う。これは一番楽ですからね。ところが、そういう場所は一級河川にしてもらっちゃ困るというのです。それではほかをやってくれ。たいへんいろいろな矛盾があるのです。一々私は指摘しません、これは自主的ですから。いま問題になっている東海とか近畿、いろいろあります。これも何も自治省がやれというのではなく、地元でもってほんとうにやりたい——全体的にやはりそういうところは、地元住民の考え方が基本だと私は思います。 また、大きな意味において、市町村の合併の広域行政と同じように、もう日本全体を考えて、こういう国際競争をいま産業がやっているときに、おれの県のこと、どこの県のことなどと言わずに、もう少し行政をやる人は頭を切りかえてはどうか。私は決して自治省をいうのではありません。日本全本の政府も、府県の執行部あたりも、もう少し切りかえてやりませんと、社会経済の方針、進み方に同調してほんとうに地域住民のしあわせをどう考えるかという基本から考えますと、この案をただ政治的に御批判なさる方もおりますが、私は素直に考えております。こういうことでございます。
○玉置分科員 そこで、大体考えられているのは、いままで熱望のありますのは、名古屋を中心とする地帯、大阪を中心とする地帯でありますが、現在、東京都も大阪もこのくらいの人口を持っておるじゃないか、したがって、それは、自然に御要望のあるところは、それだけに行政がうまくいくのだからいいじゃないかということになりますけれども、この府県合併法案を審議しますにつきましては、しからば島根県と鳥取県はどうなるのだ、鹿児島と宮崎というのはいつまでたっても貧乏同士で、一緒になっても貧乏じゃないか、九州というのは一体どうするのだというビジョン、そういうところは、交付税その他の政策でもって、国から思い切ったてこを入れていくのだとかいうような大体のビジョンというものを、ほぼお互いに論議をしなければ的確にこれがつかめないということが第一点。したがって、希望のあるところは、東京都のように、生活圏がちょうど一緒になることが望しいということはよくわかりますけれども、その他の地域格差がかなり大きくなるものをどういうふうにやっていくのだという一つのビジョンもお教えいただきたい。 もう一つは、府県合併というときに、前の地方制度調査会のときにもあったわけですが、あのときは、俗に言う道州制、地方制という制度のほうが多数意見で、府県の合併というものが小数意見で付議されてきたわけであります。こういう場合に将来憲法の問題が起こってくるわけでありますが、憲法は一番末端行政である市町村の自治というものを主にしておるのだというお考えで、憲法上疑義がないかどうか。 この二点につきまして、将来の問題として考えなければいかぬので、この機会にお伺いをしておきたい。大臣からお答えいただいたものを、局長から補足をしていただいたらけっこうじゃないか、こう思うのです。
○野田国務大臣 憲法上からもそうだし、また民主政治と申しますか、この基本から見ても、やはり地方自治、これは行政的に申しますと市町村ですが、これが国の政治といいますか、国の成り立ちといいますか、基本的にはそこがもとでありますから、やはりそれを中心として、ことに自治省はそれを中心としてすべての施策をやる。 そこで私は、いま地方制度調査会の御意見を伺ったのですが、道州制というものは昔からあった考え方でございます。道州制というものは、ただ行政面における一つの目標として従来言われたのですね。私が特に考えておることは、この府県合併は、ただ行政区域を広げての行政の簡素化とか合理化はありましょうが、それだけでは府県合併の意味はなさぬと私は思う。だから私は心ずしも道州制にはそう賛成しまん。それでなくて、実際実態的にいまお示しの鹿児島と宮崎をどうするかという場合、その場合には、鹿児島湾をどう利用するか。今度宮崎の新産都市の関係もやっております。そういうように、地域的に非常に合理性があって、そこに産業、文化、教育というものがどうしたら円滑にいくかというような時点で考えなければ、ただ行政上の道州制をやって、そこに何か別の制度をつくっていこうというような考え方は、私としては少しぴんとこない。だから、実態をくんでいく。たとえば東京でもそうです。お話しになりましたが、首都圏というものは十年前からできているのです。私もそれをちょっやったことがありますが、私がほんとうに思いますのは、この首都圏の考え方というものは——いまやっている東京都が悪いというのではありませんよ。これは政府の指導です。私はむしろ政府の指導だというのです。これは首都圏の構想とは違ったことをやっているのですよ。沿うていないのですよ。だから東京都だけ非常に気の毒ですね。にっちもさっちもいかない状態に入っている。私は首都圏開発については時間の関係で言いませんけれども、その意味において、やはり実態的に産業、文化、教育それから行政、こういうものが一つの目標となって、それでそうやればその地域住民の生活が上がる。それにはどういう県をどうしていけばいいか。つまり産業計画がどの県をどう使うか、こちらは食糧を中心にやろうとか、こちらは工業地帯、その港をどうするかというようなことが出てまいりませんと、私は府県合併の意義はない、こう思っております。しかし具体的にどれどれということは非常にむずかしい問題です。また影響もあることでございますから、私は申し上げません。
○玉置分科員 要するに、地方の市町村か、末端の一番大事な行政単位というようなことを抜きにしまして、やはりそこをなるべく広域行政がやりやすいようにし、権限を思い切ってそこへ委譲していって、財政も同じでありますが、自主的に行政ができるように持っていってあげるというのが一番大事であって、ほんとうは市町村合併が大事とかあるいは府県合併が大事という問題じゃないと思うのです。そこで、そういうような意味で、地方に委譲するのには、また向こうがそれだけの受け入れ体制の機構を備えていくような、実を備えてくるようにならなければいかぬ。両々相まっていくのでしょうけれども、府県合併もさることながら、前に施行されました地方行政連絡会議、こういうものが十分に生かされていって、やがて自然に府県というものを越えた大きな行政が、大きな問題だけは運営していくということになれば非常にけっこうだと思うのですが、四十年に施行されました地方行政連絡会議、これは一体いままでどのように成果をあげておるか、当局からひとつお答えをいただきたいと思います。
○宮澤(弘)政府委員 地方行政連絡会議は、御承知のように、全国各ブロックごとに、地方の団体、それから国の出先機関合わせて広域的な行政について連絡協議をする、こういうことで設けられておるわけであります。運用といたしましては、各ブロックともに年に数回総会を開きます。同時に各分科会を置いておりまして、たとえば水資源の問題でございますとか、あるいは交通の問題でありますとか、各分科会を設けております。分科会が随時協議をいたしまして、それをまた本会議に反映させるという運営をいたしております。したがいまして、各ブロックによりまして、そのブロックの特殊事情によって議題について審議をいたしております。また、ブロックから意見書をまとめまして、これを政府のほうに提出をいたすということもしばしばございます。大体そういうことです。
○玉置分科員 最近の広域行政の実例は、し尿処理、あるいはじんかい焼却場、あるいは地方開発というようなところに多いと思うのですが、それぞれ手を打っておいでになりますけれども、今度は土地基金を創設される。大都市周辺の市町村にもその基金を設定することを認めるような構想がありますが、私はまことに時宜に適したものだ、こう思っておるものです。そのときに人口十万というような制限があるように聞いておりますが、大都市周辺の市町村であって、人口十万に満たなくても、ある程度の組合の形をとってやるときにはこれを認めるような例外を設定されておるようにお伺いしておりますが、こういう運営につきましての構想をお聞かせいただきたいと思います。
○細郷政府委員 都道府県、指定市、それにおおむね人口十万以上、それに大都市周辺の市町村、こういうことで、それらに対しましては、私のほうで財源措置を交付税によってしてまいりたい。これができますれば、その基金に積み立てられましたお金によって将来公共的に必要であろうという土地を買っておく、それを実際の事業に使うときに一般会計等に買いかえて運用していく、こういうふうな考え方でやってまいりたいと思っております。
○玉置分科員 次に、過疎対策の問題についてお伺いしたいのでありますが、過疎現象、こういう傾向は今後ますます進んでいくものと見なければいかぬわけでありますが、自治省の過疎対策の対象の選び方はいまどうなっておって、それは今後何か改正をしなければならない点があるかどうか、検討を要すべき点があるかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
○細郷政府委員 過疎地帯をどうとらえるか、なかなかむずかしい問題でございますが、現在交付税でとっておりますのは、人口の減っておる団体、これに対していろいろの需要のかさ上げをしていく、こういうことであります。
○玉置分科員 減っておるというのをどういうふうにとらえておるか。
○細郷政府委員 国勢調査の人口、三十五対四十年をとりまして、それの減っております団体につきまして、その減りが一ぺんに出ないようにというやり方、たとえば百万人減っておっても、本来ならば交付税は百万人減った人口で計算すべきものを、一挙に百万人減らないで、八、六、四、二というふうに五年間に減っていくという想定をして計算をいたしております。反面、過疎地帯につきましては、たとえば学校が統合されたといったときにも、すぐ学校が減ったと計算しないで、いまの人口と同じような考え方で漸減をしていく。あるいは農業の就業者数が減った、減ってもすぐわからないようにする、こういったようなやり方をするわけであります。
○玉置分科員 過疎対策につきましては、自治省でとっていただいております地方債——僻地債ですか、そういう考え方もございますけれども、学校や分校、消防団、無医村、いろいろな面にこれは出てくるのではないかと思います。それから、いままでの農道、道路その他につきましても同じ援助をしなければならないけれども、受益者はそれだけのなには減ってまいります。こういう問題で、自治省だけでこれをとらえるということは非常に困難だと思いますけれども、当面、対策として一生懸命やっていただいておるのはわかりますが、これは自治省を中心にされまして、各省が協議されて、根本的な対策を各省それぞれの所管において打っていただく、それを自治省でまとめていくというようなこともおやりいただいておるかどうか。
○細郷政府委員 現在過疎対策についてはそれぞれ各省がやっておるわけでございます。私も将来の方向としては、いまお示しのような、政府全体が一丸となってやる方向がいいのではないか、そうした場合に、自治省がその中心になるということも十分考えなければいけないことだろう、こういうふうに思っております。
○玉置分科員 地方連絡会議がありますように、あるいは市町村の広域行政があるように、やはりこういう問題は、本省の中におきましても、ことに文部省、農林省、建設省等々とは密接に御連絡をしていただいて、有効適切な手を打っていただきたいということをお願いいたしまして、時間がまいりましたので、終わります。
○竹内主査代理 次に、柴田健治君。
○柴田分科員 二、三点についてお尋ねをしたいと思います。時間が制約されておりますから、簡潔に質問申し上げますので、御答弁願う側のほうもひとつ簡潔にお願いしたいと思います。 まず、今日の火災保険会社の運営のあり方というか、これは民間企業でありますからとやかくは言えないのでありますが、まず、大蔵省の保険部長においで願っておると思いますからお尋ねをしたいのです。今日、それぞれの火災保険会社、大体、私が記憶いたしておるところでは、十九社くらいあるのではないかと思いますが、この十九社は、一年間にどれくらい掛け金を集めておるのか、それを数字的にお願いしたいのが一点。そうして、その支払いの関係ですが、災害等があって、支払いが年間どの程度支払われておるのか。銀行局のほうでおそらく御承知されておるだろうと思いますから、お答えを願いたいと思うのです。
○新保説明員 火災保険の保険料、一年間の収入でございますが、四十二年度の実績で申し上げますと、全体で、これは正味の保険料でございますが、千百八十九億円でございます。それに対する正味の保険金は三百六十七億円、正味の事業費は五百五十八億円、こういう数字になっております。
○柴田分科員 年間一千百八十九億円、約一千二百億の料金を集めて、支払いが三百七十億円程度、プラスマイナスをしてみると、利益が相当あるということはわかるわけです。これは常識から考えても、しろうとが考えて、べらぼうにもうかる会社だなということがわかります。これだけもうかるという理由は何があるか。結局、保険料率が高いということです。今日の保険会社の加入の方法、また、その保険料率のきめ方、たとえば住宅物件なり工場物件、一般物件、倉庫物件、そういう各物件ごとにおける料率、こういうものの押えておる時期というものはいつか、保険部長、ひとつお答えを願いたい。
○新保説明員 保険料の算出の基礎でございますけれども、これは数年置きに改定をいたしております。その改定をいたす時点においては、どういうことを考慮に入れてやっているかということでございますが、保険料は、御承知のように、危険率に見合う危険保険料、それから事業費をまかなう付加保険料と申しておりますが、二つの要素から構成されておるわけでございます。損害保険の損害率、あるいは保険料の支払いの実績、あるいは事業費の実態、そういうものを勘案いたしまして、その実績に合わせるという方向で改定をいたしておるわけで、これはまあ絶えずこの見直しをやっておるわけでありまして、戦後においても何回か改定をいたしております。これも御承知のように、昭和二十四年の保険の料率の水準を一〇〇といたしますと、普通物件で申しますと現在は二四で、工場物件で申しますと現在は二五、倉庫物件につきましては現在四〇、そういう水準で、これは引き続きそういう実績を見まして、引き下げる方向で指導してまいるつもりでおります。
○柴田分科員 いま私たちがふしぎに思いますことは、地域の等級のきめ方は、どこに基準を置いておるのか。たとえば、東京が八等級に分かれておる。大阪が七等級に分かれておる。各都道府県の一等から三等ということで、その地域の等級をきめて料率を変えていく。いろいろ危険度の高い、また防災的な施設の不備な地域、または都市計画、防災地域等の指定の区域内、いろいろあるでありましょう。都市計画法に基づいていろいろありましょうが、そのきめ方、基準というものは、保険会社が一方的にきめるのか。大蔵省がこれに対してどう参酌をして指導をやっておるのか。この級のきめ方に、われわれ非常に疑問を持つ点があるのであります。その点をひとつお答えを願いたい。 それから期日の押え方が数年ごとなんですね。現行の料率は結局三十九年一月一日ということなんです。三十九年というのはもうまる五年たっておる。五年前の物価指数その他を考えて、いまの料率でいけば、保険会社はほうっておいても自動的にもうかることになっておる。結局、われわれ受益者負担という原則から考えて、いま保険会社が一番利益を受けておる。だれのおかげで利益を受けているかということを考えれば、国民全体と、消防職員、団員全部で百三十万の諸君が、日夜分かたず、この火災予防について、または一朝有事の場合の初動動作において、未然に被害を最小限度に食いとめておるという活動を忘れてはならない。そういう一方では、保険会社はぬれ手でアワをつかむようなもうけ方をしており、百三十万の消防団員が、どれだけ犠牲を払って地域社会で生命財産を守るために努力しておるか、これらを考えたときに非常に矛盾を感じるのです。 自治大臣にお尋ねしたいのですが、昭和三十九年を基準として考えて、ことし四十四年を迎えておるわけです。もう五年たっておる。五年間に毎年、自治省が地方公共団体——国も含めてですよ、財政需要額の中で消防費として認めておられる数字というものは、年一千億円と見ても、五千億円投じておられると思うのです。五千億円という金を投じて、その地域地域における消防施設というものは相当充実されてきておる。そういう一方では、国なり県なり国民、地方公共団体の住民が、あげて消防活動に、消防体制に、消防施設を充実することによって社会の災害を防いでおる。一方ではこういうことをやっておるわけです。五カ年で五千億円というものです。ところが保険会社のほうは、昭和三十九年一月一日ということを基準にして、その五年間の消防施設に対する整備状況というものは一つも勘案せずに、古い時点の等級で、古い時点の料率で保険料を徴収して、ぬれ手でアワ、いま申し上げたように、一年間に千二百億円。払いは四百億円にも足らぬ。三分の一以下の払いですね。残った金を大蔵省はどういう融資のワクをきめて——民間融資または地方の損保債としてワクをきめておるのか知りませんが、あまりにも矛盾をわれわれは考えざるを得ない。この点について、自治大臣、五年間の消防に対して国、地方が投資した額からどれだけ消防が充実したかということをどう理解されておるか、見解を承りたいと思うのです。
○佐久間政府委員 お話のように、約五年間に五千億、市町村の交付税で基準財政需要額に計上しておるものもございますし、国から補助金で出したものもございますが、そのとおりでございます。その結果どれだけ消防力が充実したか、またその効果があらわれてきているか。一例を申し上げますと、建物火災一件当たりの焼損面積は五年間に約二割減少しております。これはやはり消防力がそれだけ整備された結果の一つの証左だろうというふうに思います。
○柴田分科員 保険部長、先ほど言ったことにお答え願うことと、それからいま火災保険会社が、民間と、損保債として地方公共団体に融資、そういう金がたくさんあるわけですから、その使い方はどういう使い方をしているのか、金利はどういう金利で融資をしているのか、その二点、お答え願いたいと思います。
○新保説明員 料率の引き下げの年度でございますが、三十九年度に普通物件につきまして一般的な改定を行なっておりますが、その後四十年、四十一年、四十二年、これは部分的な改定でございますけれども、やっております。なお、本年度におきましても全面的な改定、これは引き下げの方向での改定でございますけれども、それをいま作業中でございます。 なお、地区別にいろいろ等級の差があるということでございますが、これは全体といたしましては、日本全国の火災——私が先ほど申しましたのは地震なども含めました広い意味における火災保険のカテゴリーに入るものを申し上げておるわけでありまして、地震による火災というものも含めての統計数字でございます。したがいまして、地震のように何十年に一回というようなものは、その部分は責任準備金として留保されなければならない、そういう点もあるわけでございますが、いずれにしましても、役所といたしましては、絶えず火災保険に関しましては料率を引き下げる方向で指導してまいってきておりますし、今後もいたしたいと考えております。 それから地区別のものは、やはり火災の統計によりまして、その年の防火施設の状況とか気象条件とか、いろんな火災の、燃えるほうの要件と、それからそれを消すほうの要件と、ほかにもそれぞれ幾つかの要素があるわけでございますが、そういうものを総合的に見て、かつ個々の火災の実績等を勘案して等級別の区分をいたしておるわけでございます。 次に、消防施設に対するいろいろ融資等の実績でございますが、ちょっと私いま手元に持っておりますのは二十七年以後四十三年度までの実績でございますが、消防債という形では、これは年度別の単純に合計した数字でございますが、百六十一億五千七百万という数字になっております。なおこれ以外に、消防車とか無線電話機、火災報知器、防火貯水槽、そういった品物でも寄付を申し上げておるわけでございますが、消防車につきましては、累計にしまして十二億三千万、無線電話機では三千八百万、火災報知器が一億三千五百万、防火貯水槽では七千八百万、そういう数字でございます。
○柴田分科員 民間の融資も言ってください。金利も両方言ってください。保険会社は何ぼの金利で貸しているのか。
○新保説明員 これは貸し付け先によって差があると思うのでございますが、これは一般の銀行等で貸しております。これは貸し付けの期間にもよります。銀行協会で一応その自主的な申し合わせの金利がございますが、それに従ってやっておるわけでございます。大体八分から九分のあたり、これは必ずしも一律ではございません。ばらついておるわけでございますが、そういう状況でございます。
○柴田分科員 大蔵省は身内のような感覚で、どうも保険会社の味方ばかりしていて、一般の国民のことを忘れておると私は思うのですよ。保険会社は膨大な資金を集めて、もうだぶつくほど資金を持っておる。もうかってしようがない。笑いがとまらないというのはこのことだ。保険部長は、今年保険料率を下げるという意思表示をされたのだから、下げるということはわかりますが、どの程度下げるのか、その点を今後話し合いでいつごろ下げるのか、これもはっきりひとつお答えを願いたいということと、それからもっと損保債、消防施設に対する融資のワクをふやしてもらうように、もう少し大蔵省は自治省と話し合いをして努力してもらいたいと思うのです。それから金利の引き下げ、これは消防庁のほうも自治省に骨を折っていただいて、ようよういま七分になっておるようですが、一般の政府融資のように六分五厘にする必要があると思うのです。肩を並べる必要がある。何のために政府が権限をもってそういう融資の割り当てをするのか。権力で割り当てをする限りは、金利も同じであってほしい。普通起債と同じ六分五厘であってほしい。いままでの努力はわれわれも認めておりますけれども、大蔵省の銀行局と話をしてぜひそれを努力してもらいたい。そのワクをふやすこと、金利を引き下げること、同時にまた大蔵省のほうは火災保険会社の料金引き下げ、掛け金の国民大衆の負担の軽減という立場で——受益者負担という原則からいうと、保険会社が一番利益を受けているのです。一番苦労したのが消防で、一番利益を受けておるのが保険会社です。その保険会社の掛け金を減らさないことには、われわれは国民に向かって申し開きができない。われわれは一生懸命活動して、そしてもうけるのは保険会社がもうけて、保険会社は知らぬ顔の半兵衛です。六年間もほったらかしで、古い時点で料率をきめられて、地域の等級をきめて、町村合併をしたって古い等級そのままでやられる。町村合併をしたら、行政区域にちゃんと変更すべきじゃないか。それらを保険会社は何もしない。そういうような無責任なやり方で、大蔵省はどっちを向いておるか、保険会社のひもつきか、こう言わざるを得ないのです。これははっきり回答してもらわないと、私は百三十万の消防団員に訴えることができない。その点を明確にしてもらいたい。
○新保説明員 保険会社全体のどの程度もうけておるかという問題でございますけれども、これはいろいろな保険種目をやっておるわけでございます。火災保険につきましてお尋ねがございましたので、数字を申し上げたわけでございますが、その残りの差額が全部もうけということではなくて、これは御承知のように保険の責任期間は一年間。大体短期保険でございますから一年間。しかし、その保険料が入ってくるのと、それに基づいて事故があった場合に保険金を支払う時間のずれがあるわけでございます。したがって、保険期間が完了するまでは、それに見合う支払い備金なりあるいは責任準備金というものは、別途留保しなければならないわけでございます。これは御承知のとおりでございます。しこうして、この保険料収入がだんだん上り坂にある段階においては、その留保すべき金額というのはふえるわけでございまして、そういうものがこの先ほど申し上げた数字のほかにあるわけであります。火災保険以外のいろいろな種目があるわけでございますが、たとえば自動車損害賠償責任保険などがありますけれども、これも私どもがいま内容を検討中でございますけれども、一応計算いたしますと、四十三年度契約年度終了の時点において千七百億の赤字が出る見込みでございます。いろいろ全体を総合いたしますと、事業収支の面ではとんとんという状態でございます。あと資産収入がございます。この資産収入がプラス黒字になっておる、そういう状況でございます。しかし私どもといたしましては、国民全体の利益のために、下げられる保険料は下げなければならない、そういう方針でずっとやっておりまして、今後もそれをやるつもりでございます。今度、今年度中に火災につきましては料率の引き下げをやりますが、その料率引き下げの幅とか時点につきましては、まだ検討中で結論は出ておりませんが、しかし御要望の趣旨に沿うように、私どもも国民のために行政をしなければならないという点は十分承知いたしておりますので、その方向でよく指導してまいりたいと考えております。
○佐久間政府委員 損保債のワクの拡大と利率の引き下げの点でございますが、私どもも、ただいまおっしゃいましたような気持ちは、同じく消防を担当する者といたしまして、同じ気持ちで努力をいたしておるわけでございます。 ワクのほうは、四十二年度におきまして、従来十七億五千万でありましたのを二十一億、それからさらに四十三年度で二十三億に拡大をすることにいたしました。利率の引き下げにつきましては、四十二年度から、従来七分二厘でありましたのを七分に引き下げたのでありますが、私どもとしてはさらに政保債の六分五厘まで引き下げてほしいということで強く関係当局と折衝をいたしております。今後さらに折衝を続けるというつもりでおります。
○柴田分科員 時間がございませんから、まだお尋ねしたいこともございますけれども、次に進めさせていただいて、ただいま当局のほうは、火災保険の料率を今年度中に引き下げる、こういうことですから、大きく期待しております。これが実現できなかったら、また何回となく御質問申し上げますから、そのつもりでおっていただきたいと思います。 次に、消防の育英会に対する政府の援助を願いたいという立場でお尋ねしたいのですが、全国百三十万の消防団員関係が金を出し合って、一般の民間の人々にも御協力願って、長い懸案でございましたのが、四十二年度発足ということで努力をしてまいる。関係者も、世話をしていただく幹部の皆さんも、たいへんなお世話を願っておる。育英会の責任者は川島正治郎さんで、いろいろお骨折りをいただいておるわけであります。けれども、考えてみますと、この消防の育英会に対して、財団法人組織でございますから、かってにその基金を処分したり使うわけにはいかない。やはり目的がはっきりしておりますから、これらの育英会に対する出資を政府がしてもいいじゃないか、これは強い要望であります。これは消防団員が出動手当の中から、自分の賃金というか、報酬の中から金を出してまでやってやる。そういう実態でございますから、警察と同様に——警察もこれから出してやったらいいと私は思うのですが、結局政府が出資しておるほかの財団法人もあるわけですから、もっと自治大臣はあたたかい思いやりで、あなたは硬骨漢で義理と人情に非常に厚い人だから、ひとつその義理と人情を出していただいて一億か二億出していただく。この基金は育英会の幹部が飲んで食うてしまうわけではないのです。定款を読んでもらえばわかるように、文部大臣と自治大臣の承認を得なければ何一つできないのです。あなたの権限なんですから、どちらかといえば、あなたが結局責任を持ってめんどうをみなければならぬという立場でもございますので、あなたの硬骨漢というか、骨のあるところを見せていただいて、この育英会にぜひ二億ぐらい——いまの大学、高校、中学、小学各級に最高五千円からずっと——これは奨学金といっても、返してもらわずただやろう。地域社会に貢献して犠牲になった遺家族の子弟であるから、それだけは国なり地域が責任持って、できるだけのことを、あたたかい援助をしようという気持ちでやっておる事業でありますから、この点について大臣はもう自信を持って、責任を持って、政府出資金を出資する、こういうお答えを願えれば、もうこれ以上いろいろ質問申し上げる必要はないのであって、どうですか。大臣、ひとつお考えを……。
○野田国務大臣 全国百三十万の消防団員の日夜の御苦労、私どもはほんとうに感謝いたしております。ことに責任省でございますから、実態もよく存じております。これら犠牲になられた方の遺族の方々、これに何かできるだけの気持ちにおいて御援助するということは、これはもう当然でございます。あたりまえのことがいままでなかなかできなかったので、関係者、柴田さんが非常に御努力願いまして、この育英会ができましたことは、ほんとうにありがたいことだと思っております。 そこで、この運営につきまして、私、内容を聞きました。しかし、大体いまは財団法人でやっておられますし、一応のめどはついているようでございますが、やはり国家がこの犠牲者に対する感謝の意思を表する、こういう事柄は、私は金ばかりではないと思うのです。それには、その意思をあらわすにはどうするか。いろいろな行事もいいでしょうけれども、それよりも実質的に、こういうりっぱな育英会ができておりますから、われわれの要求する額が出るか出ないか別といたしまして、私はやはり国庫が補助を出すべきだ、こう考えております。これはちょうど柴田さんなんかのような有力な方、川島氏も御関係のようでございますが、これらについて、私だけでなくて、責任はとりますけれども、ひとつお互い協力をしましてその実現をはかる。私も非常に希望いたしております。
○柴田分科員 大臣、思いやりのあるお答えをいただいて、非常に心強い。われわれもできる限り、陰ながら協力をしなければならぬし、当然の任務だと思っておりますから、相談をし合って大蔵省とも一そうの話をしていただいて努力をしてもらいたい。 もう時間もございませんが、今度は消防庁の長官にお尋ねしておきたいのですが、建設省が建築基準法の改正案を出している。その場合におそらく問題になってまいりますのが新建材の問題である。要するにこの問題が大きく論議をされるとわれわれは思っておるわけですが、この場合に、建設省が内々御相談なりいろいろ連絡はとっておられると思いますけれども、やはり消防の立場でいまの火災の現状等を見て、家屋ばかりでなしに人命まで焼失しているということを考え、これらで特にこの新建材の規制をする場合、また検定方式、そういう点については、手ぬかりのないように建設省とよく連絡をとってもらいたい、こう思うわけですが、見解を聞いておきたいと思います。
○佐久間政府委員 おっしゃいますところ、私どもも全くさように考えております。特に最近の火災において相当の死者を出した事例を検討してみますと、いわゆる新建材を使ってそれが被害を大きくしておるというものが多いわけでございますので、この新建材の規制ということは、この際きびしくやっていく必要があるということで、私どものほうからも建設省によく連絡をいたしました。建設省もその点については全く同感でございまして、先般この建基準法の施行令の一部を改正いたしまして、たとえば旅館、ホテルの階段とか廊下などにおきましては、いわゆる新建材を使うことを禁ずるというような趣旨の改正もいたしたわけでございます。なお、建築基準法の改正もただいま準備されているようでございますが、これらは、その祭におきましてもその趣旨をさらに明確にしてもらうということで、現在話し合っておる状況でございます。
○柴田分科員 ひとつ十分連絡をとっていただいて、現場で活動する者がある程度自信を持ってやれるような、そういう法の改正には万全を期してもらいたい。強く要望しておきます。 次に、有馬温泉の池之坊ホテル、福島の磐光ホテル等の火災を見まして、その事前にもっと消防活動と、消防関係職員が査察をする。これは消防職員には当然の任務として法的に義務づけられている。当然の査察をしなければならぬという、査察をすることだけが義務づけられて、それがいまの法的な面からいうと、一つも権威がない義務づけなんですね。何回も査察をして、あなたはこう改善しなさいと、指摘事項として文書なりその他でこういう通告をし、現場で口頭をもって注意をしても、権威がない義務づけというのはおかしいと私は思う。その点について、いまの法の盲点というか、欠点があるのではないか。どこの家でも自分の与えられた区域内には、査察に入れるように身分証明を持っておりますが、あなたのところのかまどはどうですかとか、プロパンガスの置き場はどうですかとか、こういう査察をして、改善しなさいと言っても改善しない。私の経験からいうと、ホテルだ、旅館だという人の出入りの多いところにおいては、三回以上の査察をしてなお言うことを聞かない場合には、自動的に告発ができるように権限を持たせたらどうか。池之坊のごときは、十六回も査察をして一回も言うことを聞いていない。こんなばかな業者に営業を許す都道府県の知事の怠慢もあるでしょう。けれども、十六回も査察をして言うことを聞かずに三十名の死傷者を出した。磐光ホテルだって、聞いてみると、たとえば劇場としてああいう舞台装置をするときには、どういう防火施設をしなければならぬということは、ちゃんと標準がきめられている。浴場にはこういう施設をしなさいという基準がある。あそこは総合的な観光ホテルで、劇場的なところもあるし、浴場もあればパチンコ場などの遊技場もある。それを分類をして、そういう基準の消防施設を全然していないという欠陥がある。ただホテルならホテルだけ、全体のワクの中で施設だけを勧告している。それではいけないので、やはり分類をしてけじめをつけていくというやり方。それで、現地の消防職員、団員が査察をしても、三回以上言うことを聞かない場合には手きびしく告発をする、営業を停止させる、このくらいの権限がないと、消防職員は子供の使いになってしまうんですよ。消防職員は、もうばからしい、何回行って査察をしても、指摘しても、注意しても直してくれない、消防を無視しておる、こういう意見が末端の第一線にもある。今度消防法の改正等がある場合にもっときびしくやってもらいたい。どうですか、その点についての見解を。
○佐久間政府委員 この点につきましては、現行法におきましても、消防法によって使用停止処分ができる、あるいはまた、消防法上に定められた義務違反があります場合に、改善の措置命令をして、それでもなお聞かない場合には罰則がかかる、したがって、また、告発もできる、こういうことになっておるわけでございますが、従来、お話しのように、消防機関がその法的な措置を断固としてとるということにつきまして、それをちゅうちょしておったといいますか、そういうきらいがあったと思います。そこで、有馬温泉の事故がございましてから、その点私どもも深く反省をいたしまして、私の名前で、さような場合につきましては使用停止処分なり、あるいは告発なりをちゅうちょすることなく行なえ、き然たる態度でもって予防措置に臨めということを指導いたしておるわけでございます。今後もそういう方針でさらにやっていきたいと思います。 なお、現行法上、たとえば磐光ホテルの場合など裸火を使っておりますが、裸火を禁止する規定が条例にありますけれども、これは条例に罰則がありませんので、したがって、言うことを聞かなくても告発まで持っていくということはできないような例もございますから、それらの点でもう少し罰則を整備すると申しますか、告発までいけるように規定を整備するというような事項もあろうかと思います。そういうことで、現行法でできることは現行法を活用して実効をあげるようにするし、また現行法で不備な点は法律改正の際に検討する、こういうことでまいりたいと思います。
○柴田分科員 ありがとうございました。終わります。
○竹内主査代理 この際、本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 ————◇————— 午後三時十三分開議
○赤澤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。安井君。
○安井分科員 時間が短いから簡単に一、二点だけ伺って終わりたいと思います。 まず超過負担解消の問題でありますが、自治大臣に伺いたいのですが、十二月の二十五日に、横浜市長外十三市から地方財政法第二十条の二に基づく意見書が内閣並びに国会に対して提出されたはずでありますが、それはどう処理されたか、その点ひとつ伺いたいと思います。
○野田国務大臣 内閣に意見書が出まして、これについて閣議でも報告がありまして、そしてこれに対する適当な方法によって回答を出すことに決定しておりますが、その後受け取っておられるかどうかわかりませんけれども、そういう手続はとっております。
○安井分科員 それは、出した市に対して回答された、こういう意味ですか。
○野田国務大臣 そうそう、出したほうに出して……。その形式はよく存じませんが、それは内閣で扱っておるものですから、内容は閣議で話がありまして、あれは総理大臣あてですから、総理大臣から出したと思います。
○安井分科員 何か財政局長、別段御答弁ありますか。
○細郷政府委員 出ましたものを閣議で報告をいたしまして、その処置を閣議できめた上でお答えすることになっておりますが、いま閣議できめる手続中でございます。
○安井分科員 自治省は、自治大臣としての意見は付されたわけですね。
○野田国務大臣 超過負担の問題は、意見書が出る前に、もうこれは大きな問題ですから、自治省としても相当検討いたしまして、御承知のとおり、四十三年度からできるだけ解消しようという手を打っておりまして、著しい解消はできておりませんが、漸次年度別に見ますと解消の方向にいっておることは事実でございます。
○安井分科員 その中身の問題はあとで伺いたいと思います。 もう一つ、その手続ですが、これは閣僚としての自治大臣に伺うことになると思うのですが、国会に対する意見書も出されているはずです。それは、あの条文によりまして内閣を経由して国会に提出をする、こういう手はずになっておるのですが、これのほうは御存じでしょうか。あるいはまたどう処理されたか。
○野田国務大臣 この横浜市長等からの意見書の提出があった。それは正式に閣議にはかりましたので、そこで内閣官房で何かこれを手続するということで、おそらく国会のほうも同様な手続が行なわれつつあると思っております。
○安井分科員 この第二十条の二の規定では、同じ地方財政法第十三条の第三項が準用されていて、「意見を添えて、遅滞なく、」こういう規定があるわけですが、もう十二月の二十五日ですから相当時間もたっておりますので、大体処理されたことだ、こういうふうに思って、その手続的な問題をまず伺ったわけであります。内閣に提出した分については、いま大臣がおっしゃったようなことで御処理願うわけでありますが、国会に提出した分についての処理はここで議論してもしょうがありませんので、議院運営委員会の段階等であらためて議論をしていきたいと思います。 そこで、この四十三年度の予算編成に際して、大蔵、自治両大臣の間で、そのときの大臣もここにおられますけれども、三カ年間で解消をするという覚え書きが取りかわされたわけであります。したがって、四十三年度分を除けば、残った超過負担額の半分が少なくとも四十四年度に処理されるという形でなければ、覚え書きどおりいったことにならないわけであります。その点、そしてまた具体的にどういうふうな形で、あるいはどんな額で処理されたか、それをひとつ伺います。
○野田国務大臣 大体ここにおっしゃっておる前例がありますが、そのように取り計らっておりますが、その内容につきましては政府委員から申し上げます。
○細郷政府委員 四十二年度に調査をいたしました例の六費目につきましては、それぞれことしも引き続いて解消をいたしております。残りの半分をやっておるわけでございます。それから、四十三年度に新たに五つの補助金の種類について調査をいたしました。昨年度と同じような要領で、単独分をどけた分について、要措置分につきまして四十四年度予算で措置をいたしております。そういうものを合わせまして四十四年度は三百十二億解消措置をした、こういうことでございます。
○安井分科員 その三百十二億円は、つまり残った二カ年度分の半分に当たるわけですか。それよりも多いのですか、少ないのですか。
○細郷政府委員 調査をいたしておりますものは全費目でございませんで、御承知のとおり、おもな費目についていたしております。それで、四十三年度にはその結果によって三百三十一億、今回その分を含めまして三百十二億いたしておるわけでございます。おおむね似たような額があとに残るかと思っております。
○安井分科員 ことしの政府予算でも五・五%の物価値上がりが予測されておるわけでありますが、単価が低くて超過負担を生じているという問題については、また新たな超過負担の種が物価騰貴によって生じるわけであります。そういう点の配慮はどうなさるのか。
○細郷政府委員 給与の改定、物価の上昇は、それぞれその当年度において織り込んでやっております。
○安井分科員 主計官に伺いたいわけでありますが、大蔵省として積極的にこの超過負担の解消の問題にお取り組みになった、その具体的な経過、御努力のあと、それをひとつ伺います。
○秋吉説明員 超過負担の解消につきましては、地方公共団体はじめ、特に自治省から強いお話がございまして、四十一年度においては三百三十一億円、四十二年度においては二百六十六億円の解消をはかったわけでございますが、問題は、やはり実態を見まして——率直に申しますと、各省か地方団体の需要が多いあまりに、どうしても薄まきがある、あるいはつけ増し単独、あるいは予算単価が実情に合わない、そういったいろいろな要素があるものでありますから、四十二年度に特に思い切って超過負担が多いと思われる六項目の補助金につきまして、農業改良補助金であるとか、保健所運営費補助金であるとか、あるいは公営住宅、公立小中学校等の補助金につきまして、関係各省の共同実態調査をいたしたわけでございます。そのほかを合わせまして、四十三年度においては三百二十一億円の超過負担の解消措置を講じたわけでございますが、この調査いたしました六項目につきましては、先生ただいま御指摘のように、三カ年計画で解消をはかるということになっておりまして、ただいま御指摘のございましたように、四十四年度においては、いわば残りの半分の措置を、先ほど財政局長も言われました三百二十一億の中で、百七十六億円の措置をいたしております。すなわち、四十二年度実態調査によります、つまり四十三年度以降三カ年計画の四十四年度分といたしまして、給与の上昇、物価の値上がりを含めまして、事業費ベースで百七十六億円の解消措置を講じております。 そのほか、まだ問題がございました五項目の補助金につきまして、新たに実態調査をいたしております。それは、農業委員会であるとか、職業訓練、保育所、警察の施設とか、あるいは統計委託費、そういった五項目の補助金につきましても、四十三年度において新たに調査項目に選びまして、関係各省の共同実態調査をし、これにつきましても所要の措置といたしまして、四十四年度は六十四億八千万円の解消を行なっております。そのほかにつきましても、いろいろな実情を勘案いたしまして超過負担を改善いたしまして、合計三百十二億分の解消措置を講じたわけでございます。 それから、この問題につきましてはいろいろ御議論があろうかと思いますが、一番超過負担が多かったのは、公営住宅の用地費の補助金でございます。これにつきましては、一つの個所においても、その用地の選定次第で非常に単価のアンバラがございます。したがいまして、補助に適しないという問題もございまして、これを融資制度、地方債への切りかえの措置を講ずることに伴ない、超過負担については一年間で解消するということで、事業費ベースといたしましては百五億円でしたか、地方債では約九十億円の地方債措置を講じておる次第でございます。今後とも超過負担の解消につきましては、物価の上昇、給与の上昇等、実情に即するよう措置してまいりたい、かように考えております。
○安井分科員 保育所等についての調査はいつごろ進めますか。これは御承知のように保育所の超過負担が多いのですね。
○秋吉説明員 その点につきましては、四十三年度におきまして、自治省、厚生省、それから大蔵省共同で実態調査をいたしまして、四十三年度の実態調査の超過負担の解消では、この保育所の措置費の解消が一番大きな金額になりました。
○安井分科員 時間が十分ありませんから、具体的な問題にはとても余裕がありませんので、その超過負担の解消措置、それからまた、いままで調査されました結果等に関する資料の御提出をお願いしておきたいと思います。 いずれにいたしましても、都道府県にいたしましても、市町村にしても、国と地方との間の負担割合を法律がはっきりきめておるにもかかわらず、その当然の負担割合についての負担を国がしない。そのことが地方財政を圧迫していますし、ひいてそれが住民の税外負担にころがされているわけであります。その足りない分だけは、予算がないから住民の皆さん負担してください、こういう形で処理されているという実態があるわけであります。したがって、都道府県においても、市町村においても、たとえば知事会や市長会、町村長会等も、この問題に非常に大きな関心を持っているのは御承知のとおりであります。しかも佐藤内閣は物価の値上げをなかなかおやめにならないものですから、超過負担がなくなったというふうに言われるかもしれませんけれども、また、いまおきめになった単価、これは秋になったらもう間に合わなくなって、新たな超過負担になっています。浜の真砂は尽きるとも超過負担の種は尽きまじという、これはやはりインフレ政策の結果だと思いますから、それからまず直していただかなければならぬわけであります。いずれにいたしましても、やはり直接その窓口になっております自治省がしっかり対応していただかなくてはならぬと思います。重ねて自治大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○野田国務大臣 私は全く安井さんと同感でございます。いま政府委員が説明しておりますし、また大蔵省主計官も言っておりましたけれども、これはいいかげんにごまかせない、すぐ数字があらわれくることですから、検討いたしますなんということばは通用しないのです。実はいま三カ年解消計画も進めております。さらに今後の物価、給与その他織り込んで処置する、私は、安井さんの御意見どおりいくべきだ、こう思っております。
○安井分科員 さらにお出しいただきました資料に基づいて、地方行政委員会やその他の委員会でお尋ねをすることにして、もう一つ地方交付税の問題で伺っておきたいと思います。これも問題があまり多くあり過ぎるものですから、ただ四十三年度補正予算で組まれた分の処理だけに限定してお尋ねをしてみたいと思うのです。 四十三年度補正予算では、地方交付税七百三十六億円あまりの増加計上で、そのうち、たしか五十一億円程度を年度内に配分をされたというふうに伺っていますが、その五十一億円ですか、これは私は正確な理解でないかもしれませんけれども、その数字的な根拠はどこにあるのか、それをひとつ伺います。
○細郷政府委員 八月に普通交付税の決定をいたします際に、調整を若干いたしております。その調整の額が五十一億七千万になります。その分を今回補正予算の中からいわゆる調整戻しとして交付をいたしました。
○安井分科員 そうすると、その残りの処理については近く法律措置もあると思うのですが、どういうおつもりですか。
○細郷政府委員 残りの部分につきましては、明年度に繰り越しをしたいと考えております。いずれ法律をもって御審議をわずらわしたいと思います。
○安井分科員 そういたしますと、いまのおつもりは、翌年度繰り越し額は大体どの程度になるお見込みか、それをひとつ伺います。
○細郷政府委員 六百八十四億でございます。
○安井分科員 これは法律が出てみなければ議論にならないわけでありますが、その法律の書き方によってだいぶ問題が違ってくると思うのです。 では、問題をしぼって交付税交付金特別会計の処理だけにしたいと思いますが、四十三年度で歳入が増加する、そういうわけですね。七百三十六億円ですか、そういう形で歳入は当然増加いたしますし、現に歳出が五十一億円というような形で行なわれるということになりますと、四十三年度において特別会計の補正予算の必要がないのかどうか。私はあるのではないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。 それからもう一つは、四十四年度においても、いまここで予算審議をやっておるわけですが、今度法律措置によって、ほんとうなら四十五年度に交付税がいくものを四十四年度に落とすとすれば、四十四年度の交付金特別会計の歳入もふくれなくてはなりませんし、そしてまた、それが交付金という形で歳出されるということになりますと、いずれにしても、いまの国会にかけられておりますところの交付税交付金特別会計は、一つの大きな変化が出てくるわけです。ですから、そういうことになりますと、四十四年度においても特別会計の補正が新たに必要になりはしないかということです。どうでしょう。
○秋吉説明員 まず第一点の、八月の当初算定の際に調整減額した五十一億について調整戻しをする必要があるから、したがって、補正予算を組まなくてはならなかったじゃないか、こういう御質問と私理解いたしまして答弁いたしますが、これはそういうことには私ども理解しないのであって、従来補正で追加した場合には、当初算定で調整減額があった場合には調整復活をいたしております。補正がなかったといたしますならば、調整復活の措置を講じておりません。今回補正予算で地方交付税交付金の補正を御審議願いましたのは、これは大蔵大臣が予算委員会で御説明申し上げておりますように、米の買い入れ数量が予想以上にふえたということに伴いまして、食管会計の赤字の処理を予備費あるいは振りかえ予算をもってしてはどうしてもカバーできなかったという事情がございまして、その財源を充てるため、またその財源を充てることになりますと、片や国債減額に見合っての財源を明らかにする必要があるということからいたしまして、国税三税の収入二千二百九十九億を計上いたしたわけでございます。したがいまして、国税三税の収入二千二百九十九億をもって一般会計の歳入予算に計上いたしますと、自動的に交付税法の趣旨によりまして、事務的に交付税交付金を計上せざるを得ないということで、補正予算で御審議願ったようなわけでございます。 それから第二点の御質問については、四十四年度に六百八十四億円が繰り越しになるから、したがって、四十四年度の交付税及び譲与税特別会計の補正と申しますか、修正を要するじゃないか、こういう御質問に私受け取ったわけでございますが、これにつきましては、従来におきましても、過去五回繰り越しの措置の御審議を願ったことがございまして、その際においても、翌年度の交付税特別会計は何ら修正をしていないわけでございます。と申しますのは、前年度において特別会計で補正を組みまして、もうすでにそこで御審議を願って、歳出権が付与されておるわけでございます。したがって、その歳出権が当然翌年度に繰り越しになるわけでございます。これは交付税特別会計法の第十五条に支出残高の繰り越しの法的根拠がございます。したがって、歳出権が同時に繰り越されることになっております。したがいまして、交付税特別会計の歳出権に繰り越し分の歳出権をさらに付加して特に御審議を願うという必要はないわけでございまして、したがいまして、翌年度の交付税特別会計は修正をしなくてもよいということで参っておりますし、今回もこのような措置を講じておるわけであります。 なお、地方財政計画におきましては、繰り越し分に相応する六百八十四億は、地方交付税の歳入として計上しておるわけでございます。念のためにつけ加えさせていただきます。
○安井分科員 私はこの問題で、予算制度の基本の問題というふうな形でいまちょっと申し上げてみたわけなんですが、この間北山委員が提起した問題にもこれは関連があるわけでありますけれども、予算議会主義という原則、これはやはりいまの憲法のたてまえからいっても、非常に大事な問題ではないかと思います。そういう意味では、現在までずっとやってきた、その仕組みというふうなことからもっと出てあるべき国会と予算との関係、そういう点から考えてみますと、予算というものは政府のいろいろな施策を数字的に整理したものではないか。だから、予算をずっと通観いたしますと、そういう中からいろんな法律やその他いろいろな施策が数字という形で配列されて出てくる、そういうものが予算だというふうなとらえ方はどうなんだろうか。そうなりますと、歳出を伴わない予算は別に補正が要らないのだという議論や、それからまた、いまいろいろ言われましたけれども、そういうようなものも予算という形に一度きっちりと整理して、再度国会で議決という手続を踏む必要が、若干ダブるような気配もありますよね、法律措置と。そういうような気配もありますけれども、やはりそうすることが、国民の目から予算を見れば施策の全貌がわかるのだという、そういう仕組みが確立できるのではないか、そういうふうな感じを受けるわけです。その点どうでしょう。総務課長おいでですから……。
○嶋崎説明員 お答えいたします。 おくれてきたので、あるいは見当違いの答弁になるかと思いますけれども、御承知のとおり、予算は、その年度におけるあらゆる政府の行政行為の予算的裏づけにつきまして、これを数字的に表現したものであるという点につきましては、御指摘のとおりであろうと思います。ただ御承知のとおり、長い議会主義の発達の過程において、政府に予算を提出する権限が与えられておる、編成権は行政府にあるという形になっておるわけであります。そういう意味で、その内閣のあらゆる施策がそれに反映されてくることは当然でありますけれども、議会主義の発達の過程で、要するに歳出権につきましては、政府はみだりにこれを行なってはいかぬ、これを規制するという考え方で現在の制度は存在してきておるのだろうと思います。そういう意味合いから、先般からいろいろ議論になりましたけれども補正予算を組む場合、具体的に御審議いただく機会を、お米の場合、三百七十億なら三百七十億を一般会計から歳出する、その歳出権限を与えるだけで十分御審議を願えるという形になる。ただ、その補正をなぜ食糧管理特別会計に組まなかったかという点につきましては、あの当時にもいろいろな御議論があったかと思いますけれども、結局食管特別会計の歳出権につきましては、すでに当初予算で相当大幅な予備費というものも認められておりますし、かつまた特別会計の予算総則におきまして、弾力条項の規定というものも設けられまして、実際非常に世の中の関心の的になっておるお米の買い入れその他につきましては、すでに予備費なり弾力条項なりによって裏づけをなされておる。具体的に歳出権を御承認をいただく実態が、二月の段階においてはもうなくなっておる。さすれば問題は、歳入だけの問題だ。歳入の点につきましても、すでに一般会計から歳出で出すということは、逆に特別会計で歳入として受けることでありますが、これは実態的には食糧証券の発行というものと数字的に置きかわるだけの話でございまして、食管の経理自体は、実は歳出、歳入よりも損益計算の赤字を埋めるという形で、それらの関係の資料につきましては、十分御説明できるように政府としても資料を提出して御審議をいただく、こういう姿勢であったわけであります。したがって、予算につきましては、もうすでに皆さん方御承知のとおり、予算書はもちろんのことでございますが、財政法の二十八条に規定されておるところの諸資料であるとか、あるいは審議のつど求められるところの諸資料によって、十分御批判をいただけるような形でわれわれも努力をするということできておるというふうに考えております。
○安井分科員 私の問題提起は、国民が予算書というのを見ればいまの政府の施策の全貌がわかるというふうな仕組みにするのが、議会主義に立った予算制度の本質ではないか、かように考えるわけです。だから、いまのこの仕組みから見ると、一般会計のほうではなるほど補正されておる。しかし特別会計は相変わらず昔のままでちっとも変わらない。今度のあれもそうでしょう。一般会計から特別会計へ入れたのだけれども、全然受けておらぬわけですよ、それを。それは法律を見ればわかりますよ。しかし国民は単純に、国の施策が全部数字になって、一般会計の予算書、特別会計の予算書を見れば、現段階は予算はこれなんだといえば、なるほどずっと一覧できるわけです。いまはそれじゃなしに、法律をやった、あるいは資料を出したのだから、それでいいのじゃないかという最低ぎりぎりの線で、もう低空飛行で国会を乗り切ってしまえば、あとはこっちのものだというような仕組みで予算が使われておるような気がするのです。だから私は、もう少しきちっと数字的な整理を、一般会計で繰り出したなら、特別会計はそれをきちっと受けて、それをはっきり国民の前にも、議会の前にも示す。別にそれはたいした手続じゃないですよ。そんなものはすでに処理できているんだと言うけれども、そうではなしに、そういうふうにきちっとした形でいつもすることのほうが正しいやり方ではないか。いまはそういうことではやってないし、慣例もそうじゃないと言われるが、そういう悪い慣例なら、議会制民主主義を確立する上から、特に議会主義というたてまえを貫く上からはやめてもいいじゃないか。そういう再検討をひとつ要求しておきたいわけです。 そこで、この間の処理も理事会の話し合いということで終わっておりますけれども、私はいまの交付税、特別会計の補正が必要ではないかということをいま申し上げたわけですが、総務課長は、さっきの食管会計の問題にもお触れになりましたけれども、そういう場合に補正予算が必要でないということをもう少し法的な根拠を明確にした文書を資料として御提出をお願いをして、私の質問を終わります。
○赤澤主査 神門君。
○神門分科員 私は、主として農村に起きております過疎問題を中心としてひとつ大臣にお尋ねをしたいと思いますが、たいへん制約をされた時間でありますから、目的どおりの範囲まで行かないかもしれませんが、時間のある範囲内でひとつ質問してみたいと思います。 まず第一に、けさの朝日新聞を見ますと、青森県におきまして、県内の市町村立病院に勤務している医師に特殊の退職金を支払う優遇策を考え出した、これに対して自治省は待ったをかけた、こういう記事が相当大きく出ておるのであります。これについて、このような苦肉の策を打ち出さなくてはならなかったほど、いま辺地、奥地あるいは過疎地帯といわれるところの医療確保というものは重大な段階に来ておるのです。まずこの問題でずばり聞きたいのですが、この事実はありましたか。新聞に出ているような事実はありましたか。
○野田国務大臣 大体新聞の記事、このとおりではないかもしれませんが、この事実はあったようです。
○神門分科員 事実ですか。
○野田国務大臣 事実です。
○神門分科員 事実だといたしますと、実は私の県におきましても、島根県でありますが、四十九の国民健康保険診療所がある。そのうち三十四はもう用をなしてないのです。 〔主査退席、竹内主査代理着席〕 そして県下の無医地区が、第一種、第二種あるいは地区内人口が五百人以内の辺地出張診療所を必要とするところ、こういうものを合わせて五十六もあって、そこには診療所を設置してない。非常な深刻な問題になっておるのです。このように待ったをかけられる、そのことは、自治省として自治法上の見解でよろしかろうとあるいは思う。しかしここで問題になるのは、昨日も行政管理庁に質問したのでありますが、この過疎対策として最初に行政ベースで出されたものは、四十一年の二月に行政管理庁から出された農村福祉対策に関する行政監察結果に基づく勧告というものであったと私は考えておるのです。このものを非常に高く評価し、その勧告がいかに実施され、推進されるかということを期待していた。この勧告の中にいっております内容でありますが、第一の「農村福祉対策に関する行政の推進について」という中で「関係省庁は、相協力して農村の社会・生活環境の整備を強力に推進すること。」こういう主文があるのであります。これが説明の中でどういうことを言っておりますかというと、「県、市町村の悩みは、国の各種行政が十分な関連性をもたずに補助金行政として流れてくること、さらに重要なことに、これら独自の対策について指導、助力を仰ぐ国の統一された受入窓口がないことである。」こういうふうに非常に重要なことを言っておるのであります。いま自治省として、青森県が問い合わせましたこの医師退職金制度そのものは、非常に彼らも疑問を持ちながら、こういうことをもってしなくては医師を確保できないということで、非常にせっぱ詰まった気持ちで問い合わせただろうと思うのであります。そうしますと、自治省は厚生省とこの勧告の趣旨に基づいて十分相談をして、このような深刻な状態になっておるときに、地元が農村計画として、農村の福祉環境整備としてこういうやり方を申請してきたということについて、ただ法律見解でずばりと冷酷に縦割り的ななわ張りで返すのではなしに、厚生省と何らかの協議をなされたと思うのですが、その事実はありますか。
○野田国務大臣 いまのお話を承って、私も同感であります。ただ一片の法律上の規制だけで片づく問題ではない。しかし自治省としては、一応聞いてまいりますと、これは地方自治法のたてまえもありますから、やはり法律的根拠に基づいて、別にここはちょっと——私もこういう新聞を見ました。そこで、それだけでは済まないのです。これはいまの過疎地帯における医療あるいは教育とか、そういう問題を考えますと、ただ一面の地方自治法とか国の法律とかいうことで割り切れない。そこで取り急ぎ——従来もやっておりますが、これはもう従来から過疎地帯の医療、診療計画というものは非常に進めておりますが、非常に困難です。なかなかお医者さんが行ってくれない。そこで、そういってはおれませんから、これはあらゆる手段を講じなければならないというので、前からもやっておりますが、この問題がさらに現実に出てまいりましたし、一面厚生省あるいはその他文部省等関係省庁と打ち合わせまして、何かの対策を講ぜねばいかぬという方針で、いま折衝いたしております。
○神門分科員 昨日、行政管理庁の長官あるいは局長、農林省の参事官、これが出て、私が尋ねた。この画期的な四十一年二月勧告、これの実施状態について、ほんとうに行政の縦割りが、農村のこういう過疎化現象、分解状態を救うために統一的な政府の窓口ができたかといったら、行政管理庁はその実効はあがっていないと思う、こう最終的に答弁したのです。農林省のほうでもやはり、命令権がない、なかなかこれはできないと思う、こう言っておる。いま大臣はそういうふうにおっしゃっておるけれども、事実は、私がここで質問したから、いまから相談すると言っておいでになる。このようなことは、昨年の三月十五日に、農村の医療問題というものは実は重大な問題になっておるとしていまはかわられたのですが、赤澤自治大臣のときに、この問題について私は深刻に追及しました。そうすると細郷政府委員は、「医師の確保につきましては、僻地の診療所等で不足しますものについて特別交付税の配慮をいたしております。何ぶんにもこの問題は財政措置だけでは片づかない問題を持っておる」——これはわかり切ったことなんです。わかり切って、一年たって私はこの問題についてはいかなる実績があがるかお尋ねします、こういうふうに約束をしておったのです。いま私が質問して、けさ新聞を見て私も知ったんだと大臣はおっしゃっておる。このような事実は、去年、おととし、ずっと前から出ておる。これは厚生省と一回も打ち合わせをされていないというようなことは、この行管の勧告に対しては、ペーパー上の報告では、このようにしました、あのようにしました、ちゃんと報告した——実は何もなされてないということを言っているのじゃないか。ただ、その申告されたものについては、一片の返事をもって、法律上うまくないというて冷酷に返されている事実以外にはないのじゃないか。ほんとうに自治省として、地方自治法第二条にいうところの住民の福祉、幸福を守るというような考え方、任務が果たされていないのじゃないか。私はこのけさの新聞を見て非常に憤りを覚えたのですが、この点いかがですか。
○野田国務大臣 私は、この新聞を見た結果で驚いて初めて厚生省と折衝したと申すのじゃありません。これは御指摘のとおり、もう多年の、辺地、過疎地帯の医療問題というのは問題になっておる。これは一種の政治問題になっております。したがって、自治省といたしましては、特にお医者さんのことですから、厚生省と打ち合わせていかなくちゃならぬ。いままで奨学金とか、それからお医者さんが来れば家をつくって差しあげようとか、いろいろな手を打っておったことも事実でございます。これは私はほかの話をするとおかしいのですが、私の体験を申しますが、私は実は四、五年前総理府をやっておったときに、沖繩にやはりお医者さんの問題がありまして、向こうに行ってもらうためにずいぶん厚生省と打ち合わせましたけれども、なかなかこれは一人の独立したりっぱなお医者さんを——もちろん総理府とか自治省は何もそれは指導権はないのですが、厚生省は指導権はないけれどもまあ懇意だから、何とかお医者さんにお頼みしてやってもらうのですが、なかなかまとまらない。 〔竹内主査代理退席、主査着席〕 そこで、いま初めてこの青森県の問題が出たからやるのじゃなくて、従来いろいろな手を使っておりましたが、私の言うのは、さらにこういう事態が次々に起こることが予想されますので、これは何とかもう少しお互いにひとつ知恵を出し合う、それから事態を究明して対策を講じなければ——これは口だけで言っておってもしようがないけれども、私は最近自治省に入ったのですが、いままでおそらくあらゆる手をやっておるだろうと確信します。現に私が総理府におるときもずいぶんてこずった。やったのですから、決してなおざりにしておったと私は思っておりません。しかし、いまこういう事態が起こることについては、全く申しわけないことでございますから、積極的にこの問題の対策を考えたい、こう思っております。
○神門分科員 積極的に考えるということはいつでも政府のほうからお答えになる。しかし、やっておいでになるかということになると、何にもやってない。なぜやってないかということになると、十分考える、これを堂々めぐりしているのじゃないですか。これはちょうど赤澤主査がおいでになったけれども、去年のときもこの話が出たのです。同じような答弁がなされている。何も実効があがってないということが実は問題じゃないかということなんです。ですから、この自治省が待てという中に、私はこの新聞はよく見ておると思うのですが、「違法・不公平の恐れ」というふうに二つに分けている。確かに地方自治法二百四条の三項で法に触れるおそれがある。この辺については、政府としては、法律上これは触れないようにどうしろ、こう言うことがやはり正しいのじゃないか。もう一つは不公平という問題だが、やはり市場経済主義的な考え方のみでは言えぬとしても、そのお医者が確保できないというのは、研究ができない、不便である、非常に山の奥であるというような環境的な条件もあるけれども、これに来てもらおうとするならば、どうしてもそれ相当の報酬を出さなくちゃいけない。何らかのやり方をやらなければいけない。それを不公平だからいけないというような自治省の回答というものが、大臣がお考えになっているような非常に積極的意思が反映された回答であるというようには、私には納得できないわけなんです。この点についていかがですか。
○野田国務大臣 御存じのとおり、過疎地帯のお医者さんは、台湾からお願いしたりいろいろな手も打っております。これはあなたの質問時間を減らしてはいかぬと思って非常に簡単にやっておりますが、そういうことは御存じと思う。そこで私の言うのは、法を無視してやってはいけない。それは、法に照らしてちょっと待てというのは、別に、退職金問題なんかが全体にいけない、対策がいけないのじゃなくて、一応自治省のたてまえからすれば、聞いてこられれば、これはいけないというのが法律を守る意味です。それから不公平ということを言っておりますが、この不公平は、ほかの給与体系とのことでしょう。不公平ということばは、私の聞いた限り自治省からの回答にないはずです。 そこで、次に私が申し上げますのは、しかし、これは何としても法律だけの問題で、ここまでまいりますと、法律上の問題は別として、現実問題をとらえてやるほかはないのです。これは、あなたがおしかりになるのは、自治省、私はじめ聞いておって、むしろありがたいと思うのです。私はそのくらい熱意を持っておる。数年前に、繰り返すけれども、沖繩のとき私は非常に苦心した経験がありまして、これは根本的に医療制度なんというものは、これはことばを使わぬでもいいことですが、全く生活の最高の問題です。それは私もよく知っております。だから、先ほどこの問題についての打ち合わせをやりましたときに、どうしておるかといういままでの経過を話しておりましたが、さらに進んで、時間をかけないでひとつ急いでこういう問題に対することを関係各省と打ち合わせる、こういう指示をしています。また私の事務当局もその熱意を持っております。
○神門分科員 四十一年の二月勧告を見ますと、非常に大きなスペースをさきまして、この本文、説明というのは三ページにわたって述べておるわけですね。農村においては、農夫病が起こる、老人化する、過重労働になる、三ちゃん農業のもたらすこの健康状態というものはたいへんだ、こういうふうに言っておるわけなんです。そういうところに医者がだんだん少なくなるということについて警告をしておる。特にこの対象には厚生省が入っておるのですがね。厚生省がその担当所管になっておる。こういうところに、私は自治省として冷たい回答になったのじゃないかというふうに憶測する。憶測というよりかそれは事実だろうと思うのです。いま大臣は国務大臣ですから、全体の立場でものを言わなければならないけれども、しかし自治省全体の役人としては、やはりそういうことで、法律に合っておるかどうか、あるいは人勧が行なうところの給与体系から大きくはみ出すことによってこの体系が乱れる、こういうことのみにおいてなされておることは、新聞記事がもし間違いだとするならば、これは朝日新聞という日本で一番権威のある新聞だろうと思うのですが、それがうそを書いたということになる。私はうそを書いてないと思うのですよ。間違いなしにこの内容を具体的に言っておるのだ。その点についてもうちょっと、自治省としてもそういう責任があるのですから、ちゃんと住民の安全と健康を守る。そのための番人としてはやはり自治省なんですから、そういう立場でものを考えてもらいたいと思う。 それから、いま厚生省と具体的に何とかするということが政府答弁であった。これは典型的な政府答弁なんです。しかし、それからがないので、ここで具体的に、いかにどういうふうにやるかという点をもう一つ確かめておきたいと思う。具体的に答弁をお願いしたいと思うのです。
○鎌田説明員 朝日新聞の記事でございますが、私公務員部長でございます。公務員部の所管の給与課に、課長あてに青森県の地方課のほうから電話で照会がございました。文書で回答したというものではございませんで、口頭の回答でありますが、この趣旨は、御案内のとおり、市町村ではございませんで、市町村が診療所なり病院なりの医師一人について二万円ずつ月々国保連合会の特別会計に拠出をする。国保連合会はその金を積み立てておきまして、五年以上つとめられた医師の方に対しては最低百万から二千万というものをお出しになるということが地方自治法の二百四条の二に触れるのではないか、こういう趣旨の質問があったわけであります。したがいまして、それに対しまして、私のほうから、二百四条の二の規定に違反する疑いがある、こういうことを申しました。それが実情でございます。したがいまして、私どもがこの問題について冷たいとかなんとかということではございませんで、そういう照会に対してそういう回答をいたしたものである。 ただ、そのもう一つ奥にございますところの、市町村自身が、しかも辺地の市町村でございますから、財政力の乏しいところで、台湾からお医者さんを引っぱってくる、あるいは外国旅行もさしてやる、そういう非常に苦肉の策を講じてまで苦慮して医師を確保しておられるということにつきましては、私ども、やはり地方自治体を守るという立場から申しまして放置できない問題であるということから、厚生省に対しまして、従来とも、辺地の医療の問題について、医師の確保について具体的な策を講じてもらいたい。私どものほうといたしましても、これは財政局にもかかわる問題でございますけれども、地方財政の立場から、市町村に対する財源措置というのはいままでやってきております。辺地医療につきまして、私は言い過ぎかもしれませんけれども、正面から取り組んでやってきておるのは、ただ財源措置の問題だけではないかという感じすら持っておるものでございます。そういった意味合いにおきまして、もっとやはり医師の確保ということにつきまして、厚生省のほうで具体的に取り組んでいただきたいという申し入れをいたしておるのでございます。
○神門分科員 長いことお話しになったのだが、結論的に言うならば、これは地方自治法二百四条の二に違法である、こういうふうにおっしゃったのでしょう。だから長いこと先は要らない。そう言ったかどうかということで、言ったということなんでしょう、返事は。それからもう一つは、他の公務員の待遇との均衡上好ましくない、こういうこともおっしゃっているのでしょう。違いますか。
○鎌田説明員 照会がございましたのは、二百四条の二の規定に違反するかどうかという照会でございました。他の公務員との関係のアンバランスということになりますと、御案内のとおり、現在すでに医師の給与が、私どものほうの市町村の四十二年三月一日の調査によりましても、平均給与十万円でございます。高い給与になっております。でありますから、確保困難なものについて特別な配慮が許されるということにつきましては、これはある程度は私どもは容認をする、そういう意味でのアンバランスということを強く申したということはないと私聞いております。
○神門分科員 そういうことで大体この記事は間違いないようですね。記事の趣旨というものは大筋において間違いない。ですから、そういうようなことを説明をする。これは政府の、どう言いますか、冷たい答弁でいいと思う。だけど、あたたかい面がもう一つなくちゃならない。こういう面が、いまのように、厚生省となにしたとかああしたとか、こういうことを言ってこられたところで、実際にできていないのだから。これについてどういうふうに今後やるのか。いま言ったように、厚生省と相談するというのじゃなしに、自治大臣は経験があるというのだから、これから厚生省と具体的に話すということですから、具体的にどういうふうにやっていくかということについて、ここでもう一つ伺っておきたい。昨年と同じような答弁にならないように。
○野田国務大臣 ごもっともなお尋ねと思います。この給与体制の問題、これを前提として考えなければなりません。これはただ単に精神上、辺地の住民が気の毒だから行ってくれというだけでは、もうこの段階だけではいきません。多少給与が高いからというだけでも、なかなか実現しません。御案内のとおり、いろいろな手を打っておりますけれども、しかし一面これはやはり財政上のことも何かのひとつ知恵を出して——法に触れるか、触れぬかということがございますから、どういう方法で待遇問題なんかを考えていいかわかりませんが、そういう点も自治省としては考えなくちゃいかぬ。人を選んでいただくほうは厚生省にお願いしなくちゃなりませんが、自治省としては、やはりそういう点まで考えてまいりませんと、ただ厚生省にお願いしますというだけでは、私はだめだと思う。 そこでその点は、どうしてもこの段階になってまいりますと、いまの積み立て金のほうがいいのか、またほかに何かひとつ、これは案が出ないはずはないと思っておりますから、やはり財政上の何かの措置を考えなくちゃいかぬのじゃないかと、私はひそかにそう思っております。
○神門分科員 この問題につきましても、違反であるというよりか、条例化すれば問題がないのでしょう。市町村の条例を制定すれば問題がないのだから、違反であるということでなしに、それはそのように逼迫してどうしても緊急性があるとすれば、各市町村によき環境をつくって、その自治体において条例化しなさい。こういうようにやれば何ら問題がないことだと思う。それを、ただ不公平になるというような気持ちが自治省の中にあるから、これは違反だとけらなくちゃいかぬようになる。 〔主査退席、竹内主査代理着席〕 そういう答弁は、人に対して答弁をする必要のないような内容だと思うから、私は非常に思いやりのない答弁だと言ったわけなんです。だから、そういうふうにしてもらえばいいんじゃないかと思うのですが、どうですか。
○野田国務大臣 これは事務当局が、問い合わせかあった場合に、給与——つまり自治法に照らして、それは自治法違反になる疑いがあるという答弁は、私は間違ってないと思う。しかし、それはさっき言った法制上の問題でございまして、いま御指摘になった何かの知恵というものは、そういうところにあると思います。だから、いまここで何でやるかということは、打ち合わせいたしませんと簡単にお答えできない、私はそれを言うのです。何かの知恵を出したいというのは、そういうところにあると思いますから、いまここであなたに明言はできませんが、具体的に自治省内部でも打ち合わせまして対策を考えたい、こう思っております。
○神門分科員 そうしますと、その答弁が消えないように、最近のうちにこれに対する関係の——いま青森から出ておるのですから、青森のほうに違反であるということでなしに、具体的に前向きに指導をして、結果を示してもらいたい。このことは約束できますか。
○野田国務大臣 早急にひとつわれわれの中で検討してみたいと思います。
○神門分科員 検討するということは、そういうことを約束できますか。
○野田国務大臣 前向きにひとつ検討したい。だから、案はどの案をやるということを、あなたのおっしゃったようなもの……。
○神門分科員 何かの方法でもってやりますね。
○野田国務大臣 何かの方法を考えて、青森県と打ち合わせてやります。
○神門分科員 時間がないようでありますが、たくさんの問題を持っておるのです。 一つここで自治省のほうにお尋ねしておきたいことは、いま御承知のように、企画庁で新総合開発計画ができておる。この三次案まで見ますと、いままでの拠点開発主義——三十七年の新産都方式という、新産都ができたときの基本的なものが変わって、それが裏切られようとしている。ただ四次案の中には、新産都をもう一ぺん地域開発拠点にしようというような内容に変わってきた、こういうふうに言っておるのですが、その辺の経過は、地方部会の問題ですから、おそらく地域開発のことについては自治大臣にも経企庁ほうから相談があったと思うので、国務大臣として、その辺のいきさつはいかがですか。
○野田国務大臣 私もいまの御意見のとおり、新たに出てくる新全国総合開発計画ですから、この中に新産都の問題が消えるようなことは、これは同意できない。そこで事務的にやっております。
○神門分科員 そうすると、いまの医療問題は、けさほど起きた問題ですから、これに費やしてしまったのですが、いまの自治大臣としては、過密、過疎といわれるいまの人口流動を中心とする現象、それが質的な問題、重大な問題として都市問題と農山村問題が起きておる。この両面に平等な力を入れて、これを将来とも開発していく、あるいは住民の福祉なり生命なり健康を守っていく、こういう方向で、この総合計画というものについて強力な発言をしタッチしていく、こういうことだけは約束できますか。
○野田国務大臣 これはそのとおりです。これは当然やるべきことですから。
○神門分科員 それはあとから結果を見て、何かの機会に議事録から質問をしてみたいと思います。 さらに、簡単にお答え願いたいと思うのですが、いま国鉄の財政の再建ということが問題になっておる。そして納付金を打ち切るということが国鉄なり運輸省のほうから出ている。自治大臣としては、もちろん地方自治体の財政逼迫等から反対だと当然考えられると思うが、いかがですか。
○野田国務大臣 この国鉄の納付金は、御承知のとおり、これは固定資産税という観念からの税でございます。そこで、これを打ち切るという要望がだいぶ強かったのでございますが、これは私は同意ができなかった。第二段においていろいろな折衝が行なわれたのですが、御承知のとおり、国鉄の再建という問題、それから国鉄の任務と申しますか、何といっても地域住民の交通の一つの大きな機関でございます。もし国鉄そのものが再建ができないということになりますと、結果論から言いまして、やはり地域住民に非常に大きな影響をもたらすというような観点からいたしまして、まず大体いまの国鉄の財政計画なんか見まして、そういう関連において、ある程度この再建に協力するのがいいんじゃないかというので、最小限度、納付金のうちからさきまして、これに同意したわけです。
○神門分科員 いま具体的な問題でもう一つ。京都府が過疎対策として、離農して荒廃した土地を府が買い上げて、そして府の立場でこれを開発していく。これは全国でもまれな過疎対策として具体的な措置だといわれる。このようなことの事実は御存じですか。またそのようなことを積極的に進めていくつもりがあるか。あるいは農地法との関係において困難な面があるが。これを市町村段階にまで拡大して、この遊休荒廃農地、山林を有効に国家のために開発していく、こういうことについて、前向きにこの京都の例を参考にやっていくつもりはないか。
○野田国務大臣 京都の過疎地帯の開発の計画というものを、まだ正式に実は受けておらぬようでございます。私も実は聞いておりません。
○神門分科員 これはまだ知っておいでにならぬのですか。これはもう画期的なものとして地方行政関係の雑誌に全部載っておるのですよ。
○野田国務大臣 正式にまだ自治省に来ていないようです。
○神門分科員 それはまことに勉強不足で、そういうことでは、過疎対策に対して積極的に取り組む姿勢がないことになるでしょう。まことに私は残念だと思う。
○野田国務大臣 つまり、そういう意味じゃなくて、これは京都の事例はどうかということですから……。それが今後市町村にも影響して、市町村が開発する。過疎地帯の開発でございますから、内容さえよければ——われわれは過疎地帯の問題の解決に精進しようと思うときですから、内容がよかったら、これは前向きに考えていい。少し内容を検討して見ませんと——これはいわゆる財政措置がありますから、私はこの内容によっては前向きに考えたい、こう思っております。
○神門分科員 それじゃ終わりますが、三点の問題しか質問する余裕がなかったのですが、いわゆる過疎問題について積極的に具体的に——観念的には考えておいでになるけれども、何も措置されていない、去年から進んでいない、こういうことなんですから、いまの医僚問題については、青森県に対する回答をもって具体的に示していただき、そしていまの京都に対するものは何らか文書か何かで私にもらえませんか。
○野田国務大臣 正式に来ていないから……。
○神門分科員 あとから自治省の見解として私のほうにもらいたいと思いますが、いかがですか。
○野田国務大臣 ちょっと待ってください。いいかげんに返事をしても、うそつきということになりますから、やはり一応調べます。そしてその結果あなたのほうに回答いたします。
○神門分科員 それでは回答を要望して質問を終わります。
○竹内主査代理 次に、小川新一郎君。
○小川(新)分科員 大臣にお尋ねいたしますが、児童手当のことで一点、二点お尋ねいたします。 最近、児童手当の実施がおくれておるので、地方がやっておるところが数あることは御承知であると思うのですが、御承知であるということを前提にいたしましてお尋ねするのですけれども、これらの地方財政の逼迫している市町村に対して、児童手当を行なっている府県に対して、何らかの援助を与えるお考えがあるでしょうか。
○野田国務大臣 いまのところ具体的にどうするという計画は持っておりません。
○小川(新)分科員 これらの市町村が児童手当を実施していることは好ましいことであると思いますか。
○野田国務大臣 それは、国で児童手当をやるべしという意見が非常に強いし、また厚生省もそれと取り組んでおりますが、これはやはり実情を見ませんと、ただ地方公共団体がどんどんやるから自治省でどうしようということでなくて、やはりこれはできれば国が全国的に公平にやったがいいと、こう思いますから、いまのところ自治省で特別の計画をもって……。
○小川(新)分科員 好ましいと思うか、好ましくないと思うか。
○野田国務大臣 児童手当そのものは好ましいと思いますけれども、そのやり方が、地方団体でやるか、国でやるかということであります。児童手当の必要性は私は認めております。
○小川(新)分科員 これはまことに好ましいということがわかっておって、幾らやれと言っても、国が実施しないのですよ。だからその市村町の行政の長として、住民を守るためにやむを得ずやると思うのですね。だけれども、好んでやっている人はないと思うのですが、いささか薄情な御答弁で、私もかつんと来たのです。好きこのんでやっている者はないのですよ。地方行政はほかにやることが一ぱいあるのです。だけれども、やらざるを得ないところに政治の貧困があることは御承知だと思う。それがただどんどんエスカレートして、自治大臣としては、このことは好ましいと思うけれども、国がやらないのですから、地方団体がやるのもやむを得ない。われわれ野党はやれやれと言っているのですが、それをやってくれないのです。総理大臣がなかなか許可してくれないのです。だから地方団体としてはやむを得ずやっている。だからどうかという質問で、それに対して財政的に援助を考えるかどうか。おまえたちかってにやっているのだから、かってにやれというのでは話にならぬと思いますが、どうですか。
○野田国務大臣 私は児童手当の必要は痛感しております。私も今度の予算委員会でずっと聞いておりますが、国がすでにもう調査費を出して、やろうという姿勢になっているこの段階が来ているのです。だから、国が全然これに見向きもしない、将来いつやるかわからぬ、こうなれば、確かに小川さんがおっしゃったように、やむを得ず公共団体がやっているということになるが、国がすでに調査して四十五年度からやろうという——よその役所のことですからわかりませんよ。私がかってなことを言ってとおこられるかもしれませんが、いま厚生省が調査して、次にはやりたいという姿勢を示している段階でございますから、私は、現在市町村公共団体でおやりになっていることは、決して悪いことではない、それはいいことに違いないと思いますけれども、国が全体公平にやったほうがいいから、それが一年おくれて次にできるとすれば、まあがまんしていただいて、地方公共団体も財政事情のこともございますから、という考え方なんです。
○小川(新)分科員 もう大臣は御年配だし、私のおとうさんのような方ですから、子供のことを忘れちゃっているのじゃないかと思うのですけれども、私たち若いおやじは、一番たいへんな子供をかかえている。大臣の御年配になると、もうお子さんも大きくなって、今度はお孫さんが心配になる。そういう点を考えて、まさか自治省が圧力をかけている、そんなことはないと思うんですが、おまえたちかってなことをしている、国がやるんだ、貧困な地方財政でそんなよけいな心配はせぬでもいいという声がちらちら上がっていると思うのですが、これは何も自治省に限りませんが、そういう声があるということを確認しておりますか。
○野田国務大臣 私は、それはたぶん誤解であって、国がやるからもう少し待たないか、いまみんなお互い貧乏し合って、やることが多いんだから、国の費用でやるということになっているから、なるべく待ったらどうだというようなことではないかと思います。これはだれが考えたって、これがいけないなんて考えられませんから、そういうことでそこに誤解がある、こう思っております。
○小川(新)分科員 これはひがみだと私も了解したいのです。現実にはそういう声があるのですよ。これは自治大臣としても厳重に注意してもらいたいと思う。それはそれで時間がないから打ち切ります。 次に、最近の学生運動、これによるところの被害、デモ等の被害、これによって一般住民の方が損害を受けられる。羽田の事件もしかり。神田の事件もしかり。こういう問題は当然国が補償すべきだと思いますが、大臣はいかが思いますか。
○野田国務大臣 市街地にああいう被害が出ておりまして、これも非常にしばしば国会でも問題になっておりますが、だれがこれの損害賠償するか、これもいろいろ突き詰めて法律上いきますと、裁判にでもなりますと、これはとてもたいへんなことでございます。基本的にはやはり国が相当これに対処していかなければならぬ、これは同感です。
○小川(新)分科員 東京都で美濃部都知事が、これは新聞に出ておることでございますが、デモ被害に見舞い金をやる条例をいま考えておる。これに対して大臣は御確認なさっておりますか。
○長野政府委員 東京都あるいは区のほうでも多少はあるようでございますが、デモの被害に対しまして、お話しになりましたように、見舞い金ということで被害を受けられたところに出しておるということを聞いております。
○小川(新)分科員 このように地方自治体、東京都の例でありますが、これは国がやるべきことなんです。ただいま大臣が申されたように、国がやるべきことを国がやってくれない。もうすべて、児童手当もしかり、国がやるべきことを肩がわりしなければいかぬ。ところが、実際の住民、神田でもどこでも被害をこうむっておる。羽田の喫茶店の方なんて、三百二十万円を支払えなんということで、九年間も係争中ですね。こういう問題で、今度これは社会公害だ、社会公害として扱うんだという考え方のもとに、事務当局で大体三月末までに作業が終わるように知事が指示した、これは間違いないことで確認いたしました。でありますと、これは地方行政の中から、地方財政上、または法律的に見て、こういう問題を、一部の被害者に地方住民の当然受けなければならない税金をやることに対しては、自治大臣はいかがお考えですか。
○野田国務大臣 これは地方自治団体が、ああいうデモその他によって災害を受けた、これの補償となりますと、法律上の問題になってくるのですが、一応見舞い金として出そうという、そういうことにつきましては、地方公共団体の執行部として住民のことを思ってやられることには、私は反対ということではございません。しかしこれは、国がすぐ取り上げて全面的にこれをどうするかということは、ひとり自治省だけの問題ではございませんで、ここではっきりお答えできませんが、見舞い金を出そうという気持ちは十分わかっておりますから、別にこれに対して自治省が、見舞い金の問題についてあれこれ今日言おうと思っておりません。これは人情としてよくわかりますから。しかし補償の問題になりますと、これは法律上の問題になってまいりますから。ただ、これは国がやるかどこがやるか、しかも加害者はだれだ、こういうことになってむずかしい問題になってまいりますから、おそらく見舞い金を出そうということだろうと思っております。
○小川(新)分科員 これは確かに賠償、補償の一歩手前の見舞い金ということであると思うのです。私もそう了解しておりますが、これが法律的の性格は一体どうなるのでしょうか。この点ちょっともう少し専門的に聞かしてください。
○長野政府委員 見舞い金ということでございますので、これはいま予算上の用語で言います補助金というようなものとも性質が違うと思います。したがって、ある面で交際費的な性質の、一応の社会慣習的な見舞い金、そういうものとして扱っていくということで説明をするんじゃないだろうか。これはまだ私どももよくその性質を検討しておりませんが、そういうふうなものとして取り扱われるんじゃないかと思います。
○小川(新)分科員 それは法的には違法でないですね。
○長野政府委員 法律的には直ちに違法というようなことではないと思います。
○小川(新)分科員 そうしますと、この東京都の例に対して、いまお話がございましたが、とやかく言わないということは、こういうことはいいんだ、だからほかの都道府県、他府県が実行しても、これは国がやるべき責任の肩がわりであって、都道府県本来のやることではないけれども、好ましいことではないけれども、自治大臣としてはやむを得ない、こう理解してよろしいですか。
○野田国務大臣 これはああいうデモだけでありませんで、いろいろな場合に公共団体が見舞い金を出しておる慣習はあると思っております。いまお話しのとおり、これをチェックするなんということは考えておりません。
○小川(新)分科員 こういうふうに、国と地方公共団体の相互的責任の連係というもの、これをどこに持っていくかということは、非常にむずかしい問題だと思います。問題とは思いますけれども、国がすべてやらねばならぬことを都道府県が肩がわりするような行政というものは、先ほど私が質問した児童手当の問題についても、ただいま申し上げましたデモ等の規制に関して損害を受けた見舞い金の問題についても、これは早急に国がやらねばならぬということを、大臣、総理大臣にひとつ進言していただきたいと思いますが、いかがですか。
○野田国務大臣 わかりました。進言しておきましょう。ただし断わっておきますが、児童手当の問題でなくて、私はひとつ見舞い金の話をするつもりでおります、非常に感銘しましたから。児童手当はいま国がやろうということで、その線でやっておりますから、進言というつまらぬ、むだなことはやらぬつもりでおります。見舞い金のことをひとつ進言してみましょう。
○小川(新)分科員 感銘したということは、都道府県が気の毒だ、これは国がどうしてもやらなければならぬことだ、こう理解してよろしいですね。 では、第二番目は専門家の政府委員の方でけっこうですが、低所得者に家賃の補助をするということを、神奈川県大和市で条例化をしようとした動きがある。これはいろいろないきさつでもってやめました。でありますけれども、最近の家賃というものは非常にアンバランスで、建設関係のサイドからいつも私質問しておるのですが、地方自治体の立場から、たとえばここに新聞の記事があるのですが、読みますと、市営住宅を建てられない条件を持っておる市町村がある。土地がないとかいろいろな条件で、いま市営住宅を建てられない。当然公営住宅を建てて、市民の皆さんにそれを提供しなければならぬ義務を持っておりながら、その公共団体のお家の事情で建てられない場合に、市が一定の木賃アパートであるとかそういうところに住んでいらっしゃる方に対して補助をする。これは低所得者です。大和市に三年以上住む低所得者から選考して、一年目に月三千円、二年目には二千円、三年目には千円を補助する。範囲は、初年度は百世帯、二年目には二百世帯、三年目には三百世帯というように、三年間ぐらいに区切って補助をするというまことに画期的な案が出たのです。でありますけれども、いろいろの都合によってこれを条例化にまではいきませんが、この新聞によりますと、全国でも初のケースだと自治省でも注目して見ている。こういう住宅問題というものは当然起きてくるのですが、これは自治大臣、このような考えはどうなんでしょうか。
○長野政府委員 低所得者の住宅難の緩和のために家賃の一部を補助をするという考え方でありますが、これは補助でございますから、地方自治法の上でいいますと、公益上必要があるという解釈をしながらそういう補助制度を開くということで、当初はお考えになったのじゃなかろうかと思います。ただ、この問題につきましては、いろいろな観点から問題を考える必要があるのじゃないだろうかという気がいたします。と申しますのは、特定の個人に対して個人的に補助をするということは、公的ないろいろな補助なり扶助なりというものとの競合関係が避けられるか、避けられないか、ここにまた一つ問題がある。同時に、いまお話がございましたように、そういうものは市の財政ではできないとか、いろいろな事情があるかもしれませんが、国、県、市町村お互いに努力をいたしまして、やはり公営住宅といいますか、そういうものの建設を促進していくということが筋ではないかという問題もあると思います。 また、さきの話に帰りますけれども、公費を個人に交付して負担を軽減するという考え方があるわけでありますが、そういうことが全体として適当かどうかということになりますと、必ずしも適当とは考えられないというふうに思います。そういうことでございまして、特定の個人に対して補助をするということは、いろいろな関係を見きわめて考えなければならぬ。気持ちは非常によくわかりますけれども、地方団体の運営のしかたといたしましてはやはり問題があるのではないか、こう考えております。
○小川(新)分科員 それでは、地方公共団体は公営住宅を建てねばならぬ、建てる必要がある。ところがあらゆる事情で建てられない、そういう場合はどうするのですか。
○長野政府委員 そのあらゆる事情という場合に、財政問題とか土地の確保の問題とか、いろいろな条件があるのだろうと思いますけれども、私どもはそういう場合に、やはり本筋としては、公営住宅の建設を促進をするというために、障害になっておる条件というものを解決をせられまして、そして本筋の公営住宅の建設をやっていくということに努力をしなければならぬものだと思います。
○小川(新)分科員 そうすると、あくまでもおまえさんの力で公営住宅を建てなさい、それまではどうしようもないのだというふうにものをとられてしまうのですけれども、公営住宅というものを公益上と見るかどうか、この辺の地方公共団体のものの考え方が——地方自治法にもあるのですね。「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。」とあるのですから、その点の考え方ですね。この点で私ちょっと疑問があると思うのですが、現時点においては好ましいことではない、こう理解していいのですか。
○長野政府委員 おっしゃるとおりだと思います。
○小川(新)分科員 それでは次の質問に移りますけれども、これは自治大臣にお尋ねいたしますが、都市計画法が六月から施行になりますと、市街化区域と市街化調整区域と分かれますね。市街化区域は公共事業体があらゆる公共施設を十カ年をめどにやらなければならぬ、そういう法律が今度できるわけですが、新しい都市計画法ができる。ところが最近、住宅開発に対して、都道府県が行なわねばならない、また国が行なわねばならない学校とか道路、下水道、排水、こういう公共団体でやるべき仕事を開発事業体、不動産業者や何かにやらしている。こういうことで横浜市で宅地開発要綱というものを今度つくった。これはどういう制度かと申しますと、そこを開発する不動産業者とか施行団体が、あなたの宅地をおつくりになると同時に、学校とかそういった公共施設も一緒にあわせておつくりなさい、こういう制度なんです。これに対しては建設省はまっ向から反対して、好ましくないといい、自治省はいいという。特に名前がここに出ております。亀谷財政局指導課長は好ましいことであるとおっしゃっておるが、この席におるかどうか知りませんが、そういうことをおっしゃっておりますけれども、地方公共団体がやるべき仕事をいろいろな財政の都合上、そういった開発すべき民間の業者にやらせる、そのことによって家賃にはね返ってくる、こういうことを建設省のほうではおそれているのですが、このことはどうですか。
○細郷政府委員 私も横浜市のこと、ずばりは知りませんが、そういう動きがあっちこっちの団体であるということは承知をいたしております。御承知のように、団地ができれば公共施設が要る、まだ団地のないところには公共施設が整っていないといったような市町村内の具体的な実情から、一つのバランスをとる意味でやった苦肉の策だろうと思います。そういう意味合いにおきまして、私どもも、そういったやり方についてはやむを得ざる措置であろう、こう思っております。
○小川(新)分科員 そうすると、各市がこういうことを条例等にきめて、それでなければもう開発させない、あなたのほうでお入りになる限りは、こういう私どもの条例に従って開発の一部を負担をしなさい、こういうことが妥当だ、こういうことなんでしょうか。
○細郷政府委員 都市の事情でそう直線的になかなかきめることはできないと思いますけれども、むしろそうすることが住民感情に合っているというような場合があるだろうと思うのです。したがいまして、私のほうは、先ほど申し上げましたように、それもまたやむを得ざる措置であろう。ただし、これは条例ではないと思います。
○小川(新)分科員 条例ではないけれども、横浜市の場合には要綱というものを制定しているのですけれども、これはあなたのほうへ入ったのは条例でないとなっているのですか。
○細郷政府委員 先ほど申し上げましたように、横浜市の例を私は直接知りませんが、あっちこっちで起こっておりますのは、要綱というような形で話し合いの考え方をまとめておる、こういうことに理解をしております。
○小川(新)分科員 その点は非常に建設省は意見が分かれておる。でありますけれども、確かに私どもも、住民感情としては、そういう開発をしてもらわなければそこに住む人がたいへんだということで、あなたの意見と同意見なんです。でありますけれども、建設関係ではそういう点で非常に反対の意見をとっておる、こういうことを大臣はひとつ御理解願いたい。都道府県がやるべき仕事であるということだけはひとつ認めていただきたいと思うのですね。 その次に、もう一点、時間がありませんから、さっと聞きますが、今度のギャンブルのことで、十年存続をめどに、この公営競技開催団体は、売り上げの一%程度を都道府県に団体が納付をするというようなこと、納付する期間は四十四年度以降おおむね十カ年とする、公営企業金融公庫云々と、こう出ておりますが、これは開催権を返上したような東京には、一体そのお金が返ってくるのですか、一%も。
○細郷政府委員 いまそういう案を検討いたしておりますので、まだ結論は得ておりません。
○小川(新)分科員 結論が出ないということは、もしもそれが出た場合には、開催権を返上した東京都のようなものにはやらないと理解していいのですか。
○細郷政府委員 施行しておる団体が納める金でございますから、施行してないところは納めることはございません。 それから、東京都に返すかということが、ちょっとどういう意味か、私、理解をいたしませんが、返すということはございません。
○小川(新)分科員 それはまだ決定していないから、また私ども後日調べてまいります。 最後に、住宅五カ年計画の今度の施行に対して、埼玉県の場合は、昭和四十三年度では公営住宅が三三・五%だと思うんですが、できておりません。そうして市町村の格差はもっと悪いんですが、こういった県及び市町村の住宅五カ年計画のおくれている理由というものは、一体何なんでしょうか。
○細郷政府委員 建設省の所管でございますので、実施機関は地方団体でございますが、私どもが責任ある御答弁をする限りでないと思います。
○小川(新)分科員 それはそうですけれども、要するに地方財政が貧困でできないのを——それは確かに実施するのは建設省だけれども、やっているのは地方自治体ですね。だから、それに対して私どもは、財政上どうか、こういう質問なんですよ。
○細郷政府委員 住宅五カ年計画の中では、民間の自力建設もございますが、国の補助金によるもの、あるいは公団の資金によるもの、公庫の資金によるもの、そういうものがございます。それぞれ毎年きまりましたものにつきましての実行はできるように、地方財政上保障いたしております。
○小川(新)分科員 だからそこに問題があるんですよ。できないですよ、埼玉県では。実際は二九%、三〇%しかできていない。だから、これは地方財政が非常に超過負担で困っておるわけですよ。これはまた割り当ての点もわれわれ考えるんですけれども、こういう吸い上げの場合、自治省として一体建設省と、そういった過密地域の埼玉県のような、人口が一番急激にふえて住宅を必要とするようなところに、どれくらい割り当ての調整をしているのか、この点が私ども聞きたいのです。
○細郷政府委員 公営住宅の建物、上ものの建設費につきましては、超過負担がございましたので、昨年調査をいたしまして単価の是正をはかっております。現に二年目として、ことしも解消措置を講じております。土地につきましては、これは超過負担はございましたけれども、明年度からは補助制度をやめて融資制度にいたしまして、したがって、融資制度でございますから、地方債を認めたいと思っておりますが、その場合には、いままでの補助基準単価によらずに、もっと実際に行なわれるであろうという標準単価によって地方債の許可をしたいと思っております。 それから、補助金の団体別の割り当てにつきましては、これは建設省がやっておることでございますから、私どもはそれによってやっております。ただ、建設省も、御承知のように最近は、住宅についてはできるだけ木造でなく鉄筋の堅牢建物にしたい、いま一つは、やはり大都市周辺の人口急増地常に重点的に配分をしたい、こういう方針でやっておるように聞いております。
○小川(新)分科員 ちょうど時間になりましたから、私の質問はこれで終わらしていただきますけれども、こういった自治体の関係によって、非常に住宅五カ年計画がおくれているということをひとつ御認識していただきたい。これはいろいろな関係からいかなければならぬと思うのですけれども、そういう点を私ども注意しておりますので、大臣においてもどうかひとつ御配慮のほどをお願いしたいと思います。 以上です。
○竹内主査代理 次に、畑和君。
○畑分科員 私は、たまたま過般、美濃部都知事が一石を投じまして大きな波紋を呼んだ、地方自治体による公営ギャンブルの廃止の問題につきまして、自治大臣その他の方々に質問をいたしたいと思います。 いま日本で行なわれているこうした公営ギャンブルは、御承知のように、農林省関係では競馬、通産省関係では自転車の競技、それとオートレース、それから運輸省の関係ではボートの競走、こうしたふうに分類されるわけでありますけれども、これがいままで地方自治体の財政に相当な貢献をしておったことは事実であります。しかしギャンブルであることは間違いない。そのギャンブルがときどき大きな八百長騒ぎ等を起こして、治安の問題等を引き起こすようなできごともある。またさらに、こうしたギャンブルに行ったあげく、いろいろな犯罪を犯す。その犯罪の根源になる。またその近隣の人たちは、そうした人々によってときどき引き起こされる窃盗その他の事件、あるいはまた馬の暴走、さらには最近ひどいのはオートレースのあの爆音の被害。こういったいろいろな方面における害毒を流しておることもまた事実である。そこで、地方の財政に寄与しておるという半面と、そうした公害のいずれをとるかという問題で大きな波紋を投げたのだと思う。しかし、いずれにいたしましても、地方自治体が胴元になって、そうしたかけごとのテラ銭を取るということにおいては、まさにそのとおりなんでありまして、決して本来歓迎すべきものではないはずであります。ところで、だんだん地方自治体の財政も、場所によっては緩和されてまいって、財政事情もよくなったところ等もありますが、そうした関係もありまして、美濃部都知事がこのたび公営ギャンブル廃止の方向に踏み切ったということだと思う。 この点についてお伺いいたすのでありますけれども、こうした公営ギャンブルに、日本国民のうちのどれくらいが一体そうしたところへ行って、券を買ってかけておるのか。この点は大体調査されたことがございますか。要するに最近の延べ人員ですね。ちょっと新聞か何かに出ていましたが、日本の人口ぐらいに相当する約一億近くの人人が、延べでは一年間にこうした公営ギャンブルに通っておる、こういうことを書いたのを見たことがございますけれども、その数字が大体わかっておりましたら、最近の傾向をひとつ数字的に示してもらいたい。
○細郷政府委員 地方の競馬、競輪、モーターボート、オートレース、それに中央競馬もございますが、そういうものを通じまして、昭和四十二年度で七千九百万人の人が入場をいたしております。全部が全部切符を買うかどうか、これは別としまして、入場者としてはそれくらい出ております。なお四十一年度は六千八百万人、四十年度は六千万人、こういうような傾向でございます。
○畑分科員 いま自治省のほうから示されたとおりの数字の人たちが、少なくとも入場券を買って、延べでは入っておる。新聞にいわれるように、大体日本の総人口に近い数字が出ておるわけでございます。たまに行く人もありましょうし、同じ人が何回も行く、そういったことで、総計算の延べがこういうことになるわけでございますけれども、これだけの人たちが入場して競技にかけるということになるわけでありますので、したがって、先ほど申したそれによってのいろいろな犯罪その他の影響も多いと思う。もっとも、反面これは非常な娯楽だと言う人も相当ある。この間ある新聞の報ずるところによりますと、競馬などでは、特に、高給の、相当のいいところにつとめておるサラリーマンが、二人に一人は月に一度ずつ競馬へ行っておる、何かこういうようなデータが載っておりましたが、とにかくそれほど娯楽として、こういったところに入場がなされておるということもまた言えるわけです。しかし、本来これは、先ほど申し上げましたような、非常な害悪も流すわけでございます。反面、先ほど言ったように、また地方財政にとって非常な収入源になっておるということ、こういった点でなかなか問題が——あちらこちらで賛否両論という形になっておるのだと思うのでありますけれども……。 ところで、その収入の面のほうについて聞きたいのであります。やはりこれまたこの二、三年間の傾向を示してもらいたい。胴元になる各自治体の財政収入を、ひとつ数字的に明らかにしてもらいたい。
○細郷政府委員 正確な数字を持っておりませんが、四十二年度で、地方関係で約八百五十億ほど収益になっております。——四十二年度で八百六十九億、四十一年度で六百三十八億、四十年度で四百七十二億、こういう状況でございます。
○畑分科員 八百六十九億ということになりますと、ほとんど一億に近いような数字を記録しているわけでございまして、したがって、これだけの金額が地方財政をうるおしていることにもなるわけであります。そういう点で、地方自治体といたしましては、これをやめるということは、なかなかもって踏み切れないという点があろうと思うのです。しかし、いつかこれに断を下して。そういった方向に持っていかなければならぬ。そういう点では私は、美濃部さんはなかなか勇断をもってやったと思いまして、その点ある意味で敬意を表しているのですが、その点、自治大臣といたしましてはどういうふうにお考えになっておられるか。地方財政の問題とのにらみ合わせ、本来はこうあるべきではないという、あり方というような点から、美濃部さんの今度のギャンブル発言についてどういうふうにお考えになっておられるか、自治大臣から承りたいと思います。
○野田国務大臣 いま畑さんからお話がありましたとおり、終戦直後、地方公営のギャンブルは非常に盛んになったのですが、その収益というものが、当時はいまよりもっとウエートが高くて、地方公共団体では、この財源によって非常に公共施設をやったことはお認めになるとおりでございます。また今日でも、四十二年が八百六十九億といたしますと、四十三年、四十四年、しかも入場人員が、いま聞いておりますと年々ふえておりまして、相当収益も上がってくると思っております。そこで地方団体としましては、これはなるほど有力なる財源と認めざるを得ないと思うのであります。しかし根本的に、このギャンブルを、ことにいまお話しのとおり、都道府県公共団体が胴元となってやっていいか悪いかというと、私は端的に言うと、必ずしも好ましいとは思っておりません。しかし、まあこれはやっているほうからいいますと、地方公営競技ですかの法律でやっておる。しかも、非常な財源だ、こういうようなことでありますから、これを自治省としてどういうふうに指導するかというと、結論におきましては、おやめになるところは財源問題をお考えになっておやめになるだろうし、おのおのウエートも、各地域でその内容が違うものですから、一律にこれはどうするという指導がなかなかむずかしい。そこで、結論はやはり自主的にやっていただく以外にない。自主的におやりになることに対しては、私どもは異存を言おうということは考えておりません。そのほか、いまの自治体におきましては基本的な、どうしてやるかということよりも、むしろおのおのの地方公共団体が今日までに有効にお使いになった財源である、しかし、だんだん、だんだん、財政上の計画性をもって、やめてもいいというふうにお考えになるところは、自主的におやめになったらいい、こういう考えを持っております。
○畑分科員 かつて文人市長であった平塚市長の戸川貞雄さんが、競輪悪妻論というのを発表しておりまして、十年前のことでありましたが、あそこも御承知のように戦災でえらい目にあって、市街地の八、九〇%が戦災でやられたところであります。したがって、ここで競輪をやって、その結果相当市の復興に寄与できたということで、ほんとうは決してこうしたギャンブルは良妻賢母とはいえぬけれども、これはやむを得ない、悪妻だ、腐れ縁だ、本来はいいことじゃないけれども、ひとつできるだけかせがせて、そうしてできるだけ早くこれを打ち切りたいんだけれども、いまのところはとてもそうもいかないというようなことをいわれたことで有名であります。その平塚市でも、その後も続いてやっておられるわけであります。今度美濃部さんの投じた一石で、横浜の市長も、ひとつそういう方向で研究したいというような前向きの談を出しております。美濃部さんといえども、急にやめるわけにもいかないので、これをどう逐次やめていくか、確かに財政的には約九十一億かの財源になっておるそうであります。約一兆円の東京都の財政のうちでは一%足らずでございますけれども、ほかの市によっては、確かに非常に大きいウエートを占めておるところがある。私の現に住んでおります埼玉県の戸田なんというところは、あれはボートレースで相当な収入をあげている。何か二十二億の財政のうち八億くらいを占めて、四割くらいをボートレースの収入であげているというようなことで、廃止ということについては、こういうところはきわめて承知ができないところでありましょう。しかし、いずれにいたしましても、そういった方向でいかなければならぬということを私は考える。自治大臣といたしましては、財政の何とかゆとりのできるところがやるんだから、やるとすればそれはけっこうだ、別に反対はしない、またこれはしかし賛成もしないという意味ですか。方向としては自治省としても本来そうすべきだと思う、財政のゆとりのできるところはそうすることが望ましい、したがって、美濃部さんの今度廃止に踏み切ったことも、歓迎をするとまでは言いませんか、ひとつ自治大臣のお考えをもう一度聞きたい。
○野田国務大臣 これは私としましては、先ほど申しましたとおり、公営ギャンブルというもの自体は歓迎すべきことではないです。しかし、これは一面、畑さんのおっしゃるとおり、相当地域住民のために財政的に寄与している。これは両面があるわけです。そこで、美濃部さんの今度おやりになりましたのを見て、これはやっぱり東京都が財政的に相当、まあ予算の一%をなくしてもやっていけるというお考えがあったのだろうと思います。ただ私としまして、これを全国にどうせい、こうせいということを言えないのは、やはりいま戸田のお話がありましたが、有力な財源になっているところがありますから、それが一ぺんになくなれば、地方財政というものがたいへんなことになる。何しろここに八百億も九百億もいま収益があがっている時代でございますから。まあそういうことで、おのおの自主的にお考えになって、やれる、思い切ってやろうという方には、私は決して異存はない。これを慫慂、歓迎して、みんなそうやらぬかということを踏み切れないのは、財政のことがありますから、私としてはちょっとそういうことはここで言えません。自主的にお考えになって、将来の財政計画も立つんだ、大体いけるということで自主的におやめになること、これは何も私は異存はない。かれこれ言うことはございませんが、積極的な、やめなさい、やりなさいという指導は、やはり財政ということを考えますと、なかなか私の立場としてはむずかしいところでございます。
○畑分科員 自治大臣の立場はわかります。地方自治体の関係の担当をしておられるのですから、なかなか、美濃部さんが一石を投じた、けっこうだから、ほかのものもひとつ見習えとまでは言えないと思う。しかし、基本的な姿勢としては、私としては美濃部さんの姿勢は正しいと、かように思います。私のこれは意見です。いろいろ、このくらいの娯楽は許せといったような面が、相当またあると思います。まあしかし、奥さん方は大体これはけっこうですと、もろ手をあげて賛成すると思うのです。まず票の半分、女の人はこれは賛成だと思うのであります。しかし、サラリーマンの人たちが、先ほど新聞も御紹介しましたけれども、あれほどの数字とも思わぬけれども、相当の人が娯楽的にやっておられる、その点も無視できないのでありますけれども、とにかく姿勢としてはやはりこうしたことはだんだんと縮小していくべきだと私は思う。 ついては警察の方も呼んでおりますのでひとつ……。こうした公営ギャンブルについて、いろいろ八百長騒ぎが次々と起こっております。しかも、最近非常に騒ぎが大きくなって、機動隊が出動したり、放火をしたり、投石をしたり、けが人が出たり、ひどいのに至っては、浦和の競馬みたいに千八百万円も金を取られて、それが、犯人はだれがどうだかわからないといって、いまだにこれが不明、しかも三時間くらいにわたって暴動状態が続いた、こういうような状態もあるのでありまして、警察がこのためにさかれる手間というのは、相当なものだというふうに聞いておるのです。つきましては、警察のほうに承りたい。最近のこの四、五年間というか、その年間における警察の八百長騒ぎに対する出動回数をひとつ示してもらいたい。
○井口説明員 出動回数という御質問でございましたけれども、いわゆる紛争が起こりましたとき以外に、平素から何名か出ておるわけであります。これは年間一万回くらい。昨年紛争が現実に起こりましたのは、年間三十八件、その前年度は十七件というような数字になっております。
○畑分科員 警察とすると、相当これで人員をとられるらしいのだ。あなたは外勤課長だから、特にその辺がひしひしと感ぜられると思うんだけれども、新聞紙上等でも、警察もひとつギャンブルはなくしてもらいたい、こういった希望のように承っておりますが、どうですか。あなたはちょうど外勤課長だが、警察の意向としては廃止ないしは縮小、賛成ですか不賛成ですか。
○井口説明員 公営競技自体の存廃ということになりますと、多角的な立場からの判断があろうかと思います。ただ私どもといたしまして、仰せのとおり相当な手間をかけておるわけでございます。その意味でありがたい存在ではないということだけは申し上げられると思います。
○畑分科員 ちょっと聞き落としたけれども、出動警官の数ですね。四十二年ですね、何か新聞に十八万二千九百人と出ておるのがありましたが、そのくらい出ておりますか。
○井口説明員 四十二年度に平素の配置と応援に参りました警察官と合わせまして十八万二千九百四十四人、四十三年度が十八万五千百四十一人ということになっております。
○畑分科員 だいぶ時間も迫ってきましたから……。 そこで、東京都が廃止に踏み切る、急に一度に廃止するあれじゃないんですけれども、四十五年度から廃止したいということのようであります。ところで、そうなりますと、たとえば後楽園なら後楽園をやめるとか、どこか一カ所くらいずつだんだんやめていくんだろうと思う。そうした場合に、東京都なら東京都が廃止をする、競輪なら競輪、オートならオートというところがありますけれども、そうすると、そこがあきますね。あいたときに、ほかの県あるいは市町村、こういう自治団体で、その穴埋めにわしのほうでやってもうけたい、こういうような希望があると思う。これはどこでこういった認可なんかするんですか。自治省かあるいはどこか私わかりませんけれども、そういった場合に、せっかく穴があいたんだからやりたいというのでやらせるようでは、私はうまくないと思う。さっき自治大臣も、積極的にどうも賛成だというわけにもいかぬ、地方財政のことがあるんだから。したがって、東京都が財政事情が何とか許せば、そういうふうにすることはむしろいいじゃろうということでありますから、そうした場合に、それじゃ東京都のどこどこ競輪がやめるということになる。そうすると、そのかわり、あく。年に何回ということになっておるから、したがって、そこはあく。そうすると、ほかの市町村が割り込むというようなときに、自治省としては、それを許す権限があるかどうか私はわかりませんが、許す意向であるのか。私は許してはこれは何にもならぬと思う。その点はどうでしょうか。
○野田国務大臣 これは私は事務的機関に聞かなければ実はわかりませが、競馬は農林省だし、それから自転車は通産省ですか、それから運輸省がボート。だから、これはやはり私のほうで許可する、許可しないという権限は、自治省は何か相談はあるかないか知りませんけれども、やはり監督の役所ではないかと思っております。
○畑分科員 それはそのとおりですか。——それじゃ私はきょうはほかの関係の各省を呼んでもらうように出しておったつもりだけれども、来てない。その点が急所だったんだけれども、その人たちがおらぬのでは、自治省としては別に権限がないということでは、ちょっとその辺がしり切れトンボという形になりますが、急にこれから呼ぶわけにもまいらぬので、その質問は留保いたします。 そういうことでやめたかわりにほかの市町村が入るようでは、せっかく東京都がやめる先べんを切ったのが何にもならぬ、総体としては同じだということになると思うのです。その点はあとでほかの関係する各省のほうに、私、別にあらためて質問する機会を持ちたいと思いますけれども、そういうことではならぬと私は思う。 以上で私の持ち時間が切れるようでありますから、質問を終了いたします。ありがとうございました。
○竹内主査代理 次に、村山喜一君。
○村山(喜)分科員 昨年の十二月二十五日で、奄美大島が祖国に復帰いたしましてちょうど十五周年の記念日を迎えました。私も八年間行政分離をされておりました奄美大島に、祖国復帰の喜びにわき立つ昭和二十八年十二月二十五日にそこの地を初めて訪れました。自来、十五年の歳月が流れてきたわけでございます。ことしの予算書を見てまいりますると、奄美群島振興費として十八億余りが予算に計上されておる。私はこの問題について、本日政府の所信をただしてまいりたいと思っておるのでございます。それは、今後いずれ近いうちに沖繩が祖国に帰ってくる日がございますので、それとの関連性において、債権債務の問題を中心にお尋ねをし、政府の見解をただしておきたいと考えているわけでございます。 そこで、まず自治大臣、ずいぶん遠い島でございますので、どの程度御認識をいただいておるかわかりませんが、一体今度の振興計画、五カ年間延長されたわけでございますが、これは何をねらっておやりになるということでこの予算をおつけいただいたのでございましょうか。
○長野政府委員 大臣にかわって、私のほうからお答えいたしたいと思います。 奄美群島が、行政分離の間に非常に疲弊をいたしました。そういう意味で、その復興を当初やったわけです。その次に、振興計画を立てまして、振興事業によって、結局は群島民の所得を、本土の県民所得に大体近づけるようにということを目標にしてやっておるわけであります。
○村山(喜)分科員 本土の県民所得というのは、鹿児島県の県民所得、こういうことですか。
○長野政府委員 そのとおりでございます。
○村山(喜)分科員 現在幾らございますか、所得率は。
○長野政府委員 現在鹿児島県、本土の県民所得と比較をいたしますと、大体八三%くらいになっております。
○村山(喜)分科員 大体八二、三%ですね。鹿児島県の県民所得は、国民所得に比べて幾らでしょう。
○長野政府委員 国民所得に比べますと、鹿児島県は六〇%から七〇%の間というふうに記憶しております。
○村山(喜)分科員 行政局長は認識が少し甘い。五八・一%。これは、四十一年度の統計をここに私持ってきておりますが、四十年度よりも一%低くなっている。そういうふうな状態で、日本一の低所得県でございます。それに対して奄美大島は、なおそれの八二・三%にすぎない。これが現状ですね。今度五カ年計画で経済的な格差を縮小される計画やに承るのですが、五カ年後には鹿児島県の県民所得と同じになるという自信がございますか。これは大臣からお答えいただかないといかぬと思うのです。
○野田国務大臣 今度の五カ年計画の立案の基礎は、大体本土並み——本土並みと申しましても非常に高低がございますので、やはり鹿児島県並み、そこまで五カ年間にどうしてもつくり上げたいという基本的な計画で立案しているわけであります。
○村山(喜)分科員 奄美大島は、選挙区が特別区でございまして、一名区でございます。社会党が出たことはございません。いつも自民党の方が当選をなさる地域です。ですから、それだけ政府にたよっている、自民党が政府をつくっているのですから。そして十五年たったけれども、どうも追っつかないですね。鹿児島県の県民所得に追っつかない。ほかの島よりも達成率は悪いんですよ。これは一体どういうわけでこうなったのでしょう。そしてまた、鹿児島県の本土並みにするのだとおっしゃるが、五カ年間にどれだけの金を投入して追いつくような措置をお考えになっているのですか。
○長野政府委員 お話がございますように、なかなか群島計画の樹立体制というところまで、現在いっていないことは御指摘のとおりでございます。鹿児島県のほかにも、離島がたくさんございます。奄美群島の中にも、この離島との関係では大体似ているようなところもございますし、またほかの島のほうがかえって低いところもある。そういうようなことでございまして、究極の目標は、奄美群島につきましては、先ほど申し上げましたとおり、本土並みのところへ持っていきたいということでございます。今回五カ年計画を、さらに五カ年延長をしていただきたいということを考えておりますが、その場合に、国費におきましては、大体の見通しとしましては、五カ年間に百三億奄美群島に投資いたしまして、事業費の総額のベースにいたしますと約二百四十八億程度の振興事業を行ないたいということで考えております。
○村山(喜)分科員 私は、この程度ではますます格差が開いてくると思います。これは残念ながら一次産業、二次産業の生産力の差というものが、まだこれから大きく拡大をしていくだろうと思う。そういうような中において、人口は過疎状態になり、しかも、老齢化していきます。そして文化的に取り残されている地帯ですから、この程度の国の財政資金をもってしては、とてもじゃないが追いつかない状態だろうということは予測ができます。この前沖繩に参りましたときに、沖繩の自民党の諸君が新聞をつくっているんです。そのチラシに、沖繩の祖国即時完全復帰は奄美の二の舞いになる、奄美の二の舞いをしてはならぬというチラシが、新聞の号外がたくさんつくられておりました。そして、それが沖繩自由民主党の名前で沖繩の人たちに配られている。そこに保岡代議士も行かれて、それを見て憤慨をされたのです。しかし、憤慨をしてみても、奄美は沖繩より一足先に本土に帰ったけれども、どうも相変わらず鹿児島県の県民所得の八二%程度ではないか、一人当たりの県民所得では、沖繩のほうが上だ、だから復帰したら奄美大島の二の舞いになる、こういうことなんです。これはわれわれがやっているのじゃありませんよ。与党である自民党の諸君が、一体化政策を進めるのが正しいのだというその理由づけにそれを使っているのですよ。このことは野田国務大臣はお聞きになりませんでしたか。
○野田国務大臣 その事実は知りません。
○村山(喜)分科員 その関係者から、盛んに憤慨しておりましたから、耳をなにして聞き取っていただきたい。そして、その立場で問題の処理に今後当たっていただきたい。 そこで、私きょうお尋ねするのは、もう時間がそうたくさんありませんので、この十五年の間の生まれてまいりました問題点について、法制局の荒井部長も見えておりますから、その処理をしていかなければならないものが、今日なお未処理のままになっていることを指摘をしながら、解決の促進を政府に要求をするものでございます。それはガリオア、エロア、それに復興金融貸付金の処理の問題でございます。これはいろいろ調べてまいりますると、昭和二十八年十一月十六日、まだ本土に復帰になっておりません。法律第二百六十七号で、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律というのが制定をされました。これは、奄美大島からはまだ自分たちの代表である国会議員を国会に送っていないときの問題であります。だから、奄美大島の人たちは、国政に参加してないときのできごとでございます。その法律を受けまして、そして昭和二十八年十二月二十四日、まだこれも復帰をしておりませんよ、復帰をしたのは二十五日ですから。二十四日、政令第四百八号で奄美群島の復帰に伴う通貨及び債権等の措置に関する政令というのが出ております。これは当時奄美大島でB円といいますか、B号軍票——B号円表示軍票という名前が正しいのだそうですが、B円を使っておったわけです。そのB円は、これは本土の日本円の三円と同じであるという交換比率を政令によってきめました。この実勢レートは、当時インフレが相当高進をしておりますから、奄美のB円では日本円の一・八円くらいの力しかなかった。それをB円が一円に対して日本円三円ということで交換レートを政令できめたのです。それは復帰の前です。そして二十五日の日に復帰を迎えました。 そこでお尋ねをいたしたいのですが、これは憲法九十五条から見まして、はたして適正な行為であるのかどうかということなんです。憲法九十五条は、御承知のように、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」大臣、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律というものの制定を復帰前にしました。これは住民参加はしておりません。そしてまだ復帰をしない二十八年十二月二十四日に政令を出して、あなた方が使っている軍票は日本円の三円に該当するものですといってきめた。その結果、どういうようなことが生れたのかということです。その結果は、こういうような事実が生まれてきたのです。それはガリオア、それから復金のほうから奄美の人たちが金を借りておる。その金、いわゆる債権は、日本政府がそれを継承をいたしました。債務者はその奄美大島の人たちであります。だから、その人たちはいままでアメリカのほうから、復興基金のほうから、家をつくるために金を借りたりしております。それが今度は、日本政府のほうから、その一円のものが三円になって金を借りたということになったわけです。そうすると、利子は五分から七分ですが、結局いままでの三倍の借金を背負ってしまったのです。そうして、延滞利子は二倍ですから、今日になりますと、元利分を返して、その延滞利子は前の金の三倍分に相当いたします。だから、二十万円の借金、元利合計を返してしまってやれやれと思ったら、あなたはまだ延滞利子分の支払が済んでおりませんから支払いなさい、二十七万円なりという請求書を受け取ってびっくりぎょうてんをしておるという事実が出てきたのであります。ですから、一体そういうようないわゆる承継債権というのは、国際私法の部類に属するのではないかと私たちは考えております。これを国際公法に属するものとしていまの処置をとったというのがそもそも間違いではないか。法例の十二条に「債権譲渡ノ第三者ニ対スル効力ハ債務者ノ住所地法ニ依ル」ということが明示されております。ですから、米軍とその債務者である日本の奄美大島の人との間には、政府と被統治者であります個人、それは明らかに個人対個人の一つのいわゆる貸借関係になるわけです。それが債権者が日本政府に振りかわりましても、それは国と国との間の債権債務の関係ではないはずであります。やはり日本政府という債権者と、奄美大島の国民との間の債権債務の関係にすぎない。とするならば、これは契約条項による問題ではなかろうかという解釈であります。そういうふうに解釈をしてまいりますると、いままでとられてきたこれらの債権債務の関係は、はたして正しい処置をとっておったと皆さん方はお考えになっているかどうか。このことについて、自治省並びに法制局の見解をお聞かせいただきたい。
○荒井政府委員 ただいま村山委員から二点につきまして御質問があったわけでございますが、そのうちの第一点の憲法九十五条との関係につきましては、そこでいっておりますところの「一の地方公共団体のみに適用される特別法」というのはその現定の地方公共団体の組織に関する事項でありますとか、その地方公共団体の運営に関する事項というようなものについて、他の地方公共団体に適用される法令等、別段の定めがなされるという場合に、その住民投票に付すべきだということでございまして、お尋ねのような債権債務に関する問題というのは、特定の地方公共団体の組織に関する事項であるとか、その運営に関する事項というような意味で、憲法九十五条の適用を受けるものではないというふうに考えております。なお、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律が制定されましたときには、奄美群島内の地方団体に相当するものというのは、わが国の憲法上の地方公共団体ではなかったという点もそのほかには考えられます。 ただ、御質問の第二点としまして、その奄美群島の住民と琉球政府との間の債権債務というような関係、あるいはその債権譲渡というようなことにつきまして、国際私法の原則が働くべきではないのか。その例として法例十二条の規定というようなものをいまあげられましたが、その債権譲渡につきましての民法の規定、これは国内の場合、あるいは国際的な分野にわたる法律行為に対する国際私法の原則を規定とした法令の規定というものは、任意規定であるというふうに解されておるわけでございます。任意規定というのは、他の契約の定めであるとか、あるいは他の強行法規の規定がある場合には、それによって優先適用されて、それに乗りかわられるというものであります。そういう定めがない場合には、その任意規定がはじめて生きてくるというのが、債権に関するわが国の法制が一般的にとっているところでございます。その点につきまして、奄美群島の復帰を定めましたところの条約の第三条の第六項でございますとか、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の第十条第一号の規定に基づく、その委任による奄美群島の復帰に伴う通貨及び債権等の措置に関する政令というようなもので定まったというものは、その任意規定に対して別段の定めになるということは明らかでございまして、法制的にいうならば、それに従うということになろうかと思います。 それから、交換レートの点を言われておられましたが、復帰当時の為替レートは、B号円が一ドルということで交換レートが定められている。一方わが国の日本円というものの交換レートというものは、当時一ドル三百六十円ということで交換レートが定められており、日本の国会で制定されておりますところの外国為替及び外国貿易管理法の第七条の基準外国為替相場、あるいは裁定外国為替相場というものを規定する法に従いますと、その基準外国為替相場というようなものを基礎にして、裁定相場、すなわち基準相場が設定されていない他の通貨との交換レートをきめるという原則がございますので、その原則によると同時に、一対三という比率自体は、復帰に伴う協定の第三条の第一項の中で、一B号円につき三円の割合で日本政府は引きかえを開始しなければならないということで、条約の定められているところに従っているということになろうかと思います。
○村山(喜)分科員 荒井第三部長の話では私は納得できないです。それは民法四百六十七条の指名債権の譲渡関係に当たるんだと思うのです。というのは、米軍と奄美大島の住民との間に、そういうような貸借関係の契約条項があった。それが本土復帰と同時に、政令によって交換レートがきまり、そして行政協定によって債権の譲渡が両国政府間に行なわれた。そのときには、その譲渡者であるところの米軍が、その債務者に対して通告をしなければならない。そうでなければ、あなたの債権は、債務はこういうように処置することになったからということにしなければならないのに、それが何ら行なわれていない。そしていろいろ調べてみますと、債権債務の貸借関係の証書については、これは個々人には持っていないのです。借りた人は持っていないのです。どこが持っておるかというと、復興基金のほうが持っておるにすぎないのです。そこを調べてみなければわからない。あなたの借金はどうなっておるか、基金のほうにいきまして調べてみないとわからない、そういう関係になっておる。だから延滞利子が何ぼつくやら、そういうような契約条項がきちっとしたものがございませんし、個人が持っていないということが明らかになってきておる。だからそういうような場合に、これがはたして合法的に処理がなされてきたかどうかということについて、私は疑義を狭んでおるわけです。 時間がもうなくなってきましたので、これ以上法律論をやり合っておる時間はございません。そこで一つだけ具体的な例としてただしておきますが、ガリオア物資代が、初めのうちは住民は、それは米軍の占領政策でもらえるものだ、こういうふうに受け取っておった。ところがそれがあとで、六、七年たってから、いや、それはやったんじゃなくて、貸したんだから返しなさい、こういうふうに言われて、そしてもらった物資がアメリカサイズでつくられたものですから、あの奄美大島の産業に役立たないようなものがどっさり送られてきたり、あるいは小麦粉なんかで腐ったやつが来たり、あるいは油のついたのが来たり、占領直後ですから、そういうような事例がありました。そういうようなのは、私たちは貸借関係の中ではどうも受け取るわけにはいかぬというので、クレームを申し出ておるはずであります。このクレームの問題、未確認債権としてどれくらい残っておりますか、自治省はわかっておりますか。
○長野政府委員 お話しの承継債権のうちの、ガリオアの物資代にかかる債権につきましては、債権確認時にクレームが申し立てられております。その内容は、物資の輸送でありますとか、倉入れ、保管等における減損額でありますとか、そういうようなものが多くありまして、承継額が一億八千六百万円余りでありますが、クレーム申し立て額は八千七百万円ばかりであります。
○村山(喜)分科員 八千七百万円のクレーム申し出て額は、未確認債権として処理はまだたなざらしですね。それに対して一体どういうような処理をするのか、あなた方はどういうようなことで債権を確認をしようとしておられるのですか。何か通知をされたことはありますか。全然ないんじゃないですか、その後にありますか。
○長野政府委員 未確認債権につきましては、当時の事情でなかなか確認のできないという事情もございますが、その当時においても調査をいたしました。しかし、まだ明確でない点もございますので、これらのものにつきましては、結局承継債権全体の処理方針との関係におきまして、関係機関と協議をして、処理方針を決定いたしたいと思っております。
○村山(喜)分科員 いまの信用基金が生まれるまで五百七十日間ぐらい、政令が出ましてから期間があるわけです。二年余りエアポケットになっておる。一体債権債務がどこに吹っ飛んでいったのやら、何でB円になったのやら、だれがどういうふうにしたのやらというようなことで、さっぱりわけがわからなかった期間が五百七十日あるんです。そして復興基金のほうから金を借りておったのが、いまでは信用基金のほうに借用証書は入っておる、自分たちは持っていない、こういうような状態、しかも、いまおっしゃったように、一方ガリオア物資については八千七百万円というのは、これも取り立てるべき債権としてまだ権利を保留したままなんです。こういうものは——債務者である団体の中の奄美の農協の連合会なんというのは、もう解散をして、ないんでございます。そういうような状態の中に、今日まで放置して十五年間。それでその間にもう何というんですか、元利はきれいに支払いました。ところが、延滞利息のほうが元利よりも高いものですから——八十をこえた、前に学校の校長をなさった人が、終戦前に家をつくられて、台風でそれがつぶされました。もうほとんど家もないものですから、自分で小屋をつくられて、そこで退職金、恩給をもとにして生活をしている人がおる。その人のところに、あなたはまだ延滞利息を支払っていないから支払いなさいという通知が舞い込んだ。もう八十四歳くらいです。どうしてこれを返すことができるだろうかということで、返すのにもうほんとうに涙ながらの生活をしている。返さなきゃいかぬという、それは教育者ですから、何とかしなくちゃいかぬという、まあ老いの一徹で、自分の生活を切り詰めながらやろうとしておるが、どうにもこうにも返せない、こういうような実例が出ておる、こういうようなことをひとつ、私はここでその奄美の状況を訴えるわけですが、これは私の選挙区じゃございません。 そこで、野田長官に最後にお答えをいただきたいのは、こういうような実情になって放置されておるんです。まだ三千名くらいのそういうような関係者がおります。その基金の運営の事項の中には、債務を弁済をすることができない者については、特別の減免規定というのがあるんですよ。あるけれども、それを発動した事例がない。そういうような非常にかたくなな、実情に沿い得ない行政の姿というものがありますから、これについて、ひとつ前向きの処置をこの際していただきたい。そうしなければ、やがて沖繩が返ってまいりますそのときに、米軍のほうから、現在復興資金として貸しているものが、また日本のほうの債権として、これが継承をされたときに、同じようなトラブルの問題が出てくる可能性がありますから、これらの問題の処理を自治大臣のほうでお進めをいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○野田国務大臣 ただいま詳細に承って、私も、内容が非常に複雑というか、まだ今日その問題が解決していなければ、関係者が非常に苦しんでおられると思っております。 それからいまちょうど村山さんのお話の中に、実は詳細を存じませんでしたが、基金というものが事情によっては減免ができるということでございまして、非常にいいことをお聞きしたと思っております。すでにお聞きしておる間に、どういう解決があるだろうと思っておりましたが、そういう条項もあるようでございます。これはやはり大蔵大臣との関係があるだろうと、よくわかりませんが、私の常識から見てそう思いました。しかしこれは、こっちに返してもらって十五年間、しかも終戦以後二十何年、まだガリオアの問題が解決しないなんということは、これは少しだれが怠慢——そんなことはありますまい。理屈は別として、いまのお話を承りましたから、必ず前向きというよりもすぐ検討してみて、大蔵大臣とも話をしてみます。内容を私は自分で聞きまして、ごもっともだと思っております。そのつもりでおりますから……。
○村山(喜)分科員 終わります。
○竹内主査代理 次に、細谷治嘉君。
○細谷分科員 私は、大体二点について、大臣からお伺いをしたいと思います。 一つは、せんだって高級国家公務員の天下りの問題が人事院から報告されましたね。これはだいぶ昨年からふえておる、こういうことでいろいろ新聞が批判をしておりました。きょうは、この問題を大臣に聞くわけじゃありませんで、最初にお聞きしたい点は、昨年の二月に行政改革あるいは行政簡素化、こういうことで閣議の決定がなされまして、それに基づいて、大体昨年の六月ぐらいには各省がそれぞれの案を行政管理庁に出して、そして九月には、その結論を閣議としてまとめたい、こういうことであったわけですけれども、その後一向進んでおらないのであります。一体これがどうなったのか。これをひとつ自治大臣と行管の方、いらっしゃると思いますから、簡潔に御答弁をいただきたいと思うのです。
○野田国務大臣 昨年、行政改革の構想が出たことも承知しております。それから関係各省で覚え書きの交換があったことも承知しております。そこで自治省といたしましては、今日、行政の簡素化、事務の合理化、その他におきまして、趣旨には全く賛成でございます。実は行政管理庁の案に賛成して、もちろんこれは当時の大臣もそういう考え方でやっておりました。先般も、実は内容を打ち明けて申しますと、閣議の席上でその話が出ました。それで総理からも、これはもう昨年、そういうことになったのであるから、すみやかにひとつ実現してもらいたいという希望も出ておりました。私も、つまり自治省の関係では、御承知のとおり、労働省や運輸省、厚生省の関係がございますから、やはり自治省は趣旨を賛成いたしておりますからその実現を、むしろ早くやってもらいたいという希望を持っておるのですが、事務的には、いろいろやはり折衝しておる段階でございます。私自身として、つまり自治省といたしましては、相当積極的にその実現を期待しておる次第でございます。
○河合政府委員 御質問の行政改革につきまして、簡単にお答え申し上げます。 ただいまお話のございましたように、昨年二月二日の閣議決定におきまして、政府は、行政改革を行なう、その際には、各省庁の自発的な改革案を中心にこれを行なうという趣旨の閣議決定をいたしまして、その結果、六月末に各省庁より、各省庁の行政改革計画を聞いております。これに基づきまして、行政改革本部においてこれを調整いたしまして、その結果、行政改革第一次計画といたしまして、昨年十月八日に閣議決定をいたしております。その中心は、許認可、報告等の事務整理を中心といたしたものでございまして、その他会計事務、人事事務の合理化等を含めております。さらに方針といたしまして、幾つかの方針を掲げております。 方針といたしましては、補助金の整理、地方事務官制度、共管競合その他類似行政の整理、電子計算機の利用、定員の再配分等でございまして、この方針のおもな点について申し上げますと、地方事務官制度については廃止の方向で検討する。共管競合その他類似行政につきましては、観光行政及び営繕行政につきまして基本的な考え方を述べております。それから電子計算機の利用につきましては、四十三年八月三十日の閣議決定によります方針によりまして、これを促進するという方針になっております。なおこれらの方針は、さらに中央地方の行政機構改革という点を中心といたしまして、第二次計画を現在検討中でございます。また、ただいま申しました地方事務官問題につきまして、運輸省の地方事務官問題につきましては、運輸、自治、行管の三大臣の覚え書きで、労働省の地方事務官につきましては、労働、自治、行管三大臣の覚え書きで検討いたしております。その趣旨に従って現在関係省庁間で検討中でございます。 簡単ですが、御説明申し上げました。
○細谷分科員 私も、この問題について昨年の予算委員会でも御質問をいたしたわけです。それで検討する、検討する、こういうことになってきたわけですし、九月というのができなくなって、そうしていまお答えのように、行政改革第一次案というものについてはどうやらまとまりましたけれども、肝心かなめの第二次案というものについては、大体私が委員会等で十一月ごろ当時の自治大臣にお尋ねいたしましたところ、年内にはつくります、こう言っておりましたよ。これもできておらぬですね。ですから、もはや検討するということばをどう聞こうと、私ども信用できないですね。大臣、いかがですか。やる自信があるんですか。
○野田国務大臣 いまお話しのありましたとおり、地方事務官制度につきましては、一応労働関係、それから陸運関係、これはもう基本的な大筋においては了解いたしております。それで、それを実施する場合には、細目の事項別のいろいろの事務的な折衝が必要であるというので、大体、そこはまとまってきつつあるようでございます。 第二次の改革案につきましては、これは細谷さんに全くそう言われるとおりで、前の大臣のお答えは、私よく存じませんが、その当時から第二次改革、これはやはり行政改革本部でやっていることでございますから、この問題について先般閣議でも問題になったわけでございまして、これはひとり自治省だけでなく、どうしても関係各省のことでございますし、行政管理庁も一生懸命やっておるようでございますが、いつごろまでに仕上げができるかというそこのぎりぎりの段階までまだいっていないことは非常に遺憾に存じます。
○細谷分科員 大臣も御承知のように、いまお話しのありました地方事務官制度というのは、二十二年の五月三日から施行された法律なんですね。自治法附則八条、これに基づいて「当分の間、なお、これを官吏とする。」こういう文章で、いまだに当分の間が続いておるわけですね。でありますから、三十九年の臨時行政調査会でばく大な金を使って政府にかなり膨大な答申が行なわれた。ところで、その答申を尊重するということでありますけれども、昨年の十一月の二十六日に行管長官、労働大臣、自治大臣の三人で覚え書きを結んでおりますね。その覚え書きの内容というのは、臨時行政調査会の答申を尊重しておる線じゃないですね。現に今月の十九日ですか、行政監理委員会が開かれまして、この覚え書きの線については反対という意思表示がなされておるじゃないですか。大臣、こういう問題をどうお思いになりますか。尊重すると言いながら、覚え書きというものができた、それを尊重はしておらぬ、こういうかっこうですね。現に行政監理委員自体もこの覚え書きについてはたいへんな異議を申し立てておるわけですね。そうじゃないですか。大臣、どうお思いですか。
○野田国務大臣 ただいまの行政監理委員会からの批判、しかし、もともとは尊重してやるということで出発したのです。これはお話しのとおり。特に地方事務官制度は、御指摘のとおり長い間のいわゆる懸案と申しますか、そこで、いま行政管理庁で一応の本部をつくってやっております中に、第一弾として、これはいわゆる大きな意味の行政大改革の一環のことであって、決してこれは行政監理委員会の皆さんが言われるような、非常に基本的な行政改革といえるかどうかということは疑問で、当然この問題は多年の懸案を解決するということですから、多少批判があるのは私はわかる。しかし、地方事務官制度でも、一応去年の関係大臣の覚え書きによってやったことでありますから、私は、多少の、一つの改革の前進になるのじゃないか、こう考えております。
○細谷分科員 当時の自治大臣、調印者はここにいらっしゃるのですけれども、この内容を見ますと、言ってみますと、何も結論が出ておらぬ、こういうことでありますけれども、長たらしく覚え書きを結んでおることは、尊重すると言いながら尊重をしておらぬ、検討すると言いながら、いつまでたっても結論が出ない、これはたいへんな問題であろうと私は思うのです。 そこで、私はこの点について特に要望しておきたいのでありますけれども、地方事務官制度なんて、もう戦後二十数年たって依然として当分の間というのが続くのはよろしくないと思うのですよ。きちんとこの際すべきだ、そのきちんとするのは、やはり十分に検討した臨時行政調査会の答申の線に沿うてやるべきである、こう私は思うので、ひとつ大臣、前大臣もたいへん努力したのでありますけれども、与党の長老の大臣でありますから、これはやはりそれなりに進めていただかなければ私はならぬと思うのです。 そこで、もう一つこの問題についてお聞きしたいのでありますが、昨年自治省は、百二項目かをあげて、各自治体関係者からアンケートをとりましたね。そのアンケートの結論がまとめられた。これをやりますとたいへん効果が出るのだ。私はそのうちの幾つかくらいは何らか実現するのじゃないかと思いましたけれども、相当の期間をかけて地方団体にまで迷惑をかけたけれども、一向に実がない。しかもこの問題については、最近の新聞によりますと、行管自体が逃げ腰、冷淡である、こういうふうに書いております。そこで自治大臣には、この問題は一体どうなっているのか。行管は冷淡だと新聞が書いておりますが、逃げ腰だ、縦割り行政から圧力がかかって、行管はにっちもさっちもいかぬ、現に現在の長官は、おれは本来は国家公安委員会のほうであって、行管のほうは従だと、こういうふうに新聞でいっているくらいでありますから、行管がそういうのは無理ないと思うのですが、これはもう行管というものは存在の必要がないんじゃないか、行政改革を叫んでおる主務官庁である行管みずからが、これは解体したほうがいいんじゃないか、こういうような議論にもなろうと思うのです。この点について伺っておきたいと思うのです。
○野田国務大臣 いまの、行管庁が非常に冷淡だという御指摘は、私はそうは思っておりません。というのは、先ほど申しました閣議で発言しておりますのは行管長官でございまして、どうしてもひとつ行政改革を遂行したいという熱意を持っておりますから、別に同僚をかばうわけではございませんが、事実そうでございますから、必ずしも冷淡という事実はございません。 それから、アンケートの取り扱いにつきましては、事務当局から内容を報告したほうが正確と思いますので、事務当局から説明いたさせます。
○長野政府委員 お話しくださいましたアンケートにつきましては、九十六項目を選びまして行政改革本部に提出をいたしました。行政改革本部としては、それを一つの土台として各省庁に照会をされました。その当時、自治省としても、各省庁とも話し合いをいたしましたし、それから閣議でも、大臣も発言をしていただきまして、改革の促進につとめるように要望をいたしております。それにつきまして、最近漏れ承るところによりますと、各省庁の反応というものは芳しくないというような、第一次的な意見が出てきておるように聞いております。私どものほうといたしましては、さらに実態をはっきり究明をいたしまして、再度、ある意味では粘り強く、根気強く、ひとつ改革のほうに向けてやっていただくように、行革本部を通じて努力をいたしたいと思っております。
○河合政府委員 ただいま御指摘の自治省アンケートの処理につきましては、行政管理庁といたしましては、これは行政改革本部に重要な資料として提出されておりますので、行政改革本部において調整をはかる、ただ、その事務局といたしまして、行政管理庁において一生懸命現在取り組んでおります。各省庁の意見も聴取いたしまして、その間の調整を行革本部としてはかっていただくように準備をしておる次第でございます。 なお、行政管理庁におきます行政改革の問題につきましては、これは長官をはじめ職員一同、非常に一生懸命努力いたしております。何せ行政改革の事業はたいへんむずかしいと思いますが、全身全力を尽くしてやっておりますので、御了承いだきたいと思います。
○細谷分科員 最近、ある新聞に書いてあるところによりますと、行政管理庁が十九日の監理委員会で明らかにしたところでは、これまでの折衝の結果、各省庁が地方自治体の改革意見に賛成したのは、九十一項目のうちわずかに八項目だけ、ほかに八項目態度保留をしたものの、残りの七十五項目についてはいずれも強く反対していることがわかった、こういうふうにはっきりしておりますよ。あなたはまだ何も出てないと言われますが、新聞には行政管理庁の態度というのは、圧倒的な部分について地方団体の要望といいますか、自治省のアンケート、改革意見、そういうものについては反対だということです。 そこで私はお尋ねしたいのですが、この自治省の九十一項目のアンケートに基づく改革要望というのは、臨時行政調査会の答申に沿うたものなんですか。あるいは七十五項目も行管が反対しているというのは、一体どういうことに基づいて反対しているのですか。それをはっきりしていただきたいと思う。
○長野政府委員 自治省が出しましたアンケートは百二項目ございますが、その中のほとんどの意見は、いま御指摘のございましたように臨時行政調査会の改革意見のものも相当の部分取り入れております。また地方制度調査会の行政事務再配分に関する意見も取り入れております。その後新しく情勢が変わりました結果におきまして、地方からの反響のありましたものの改革意見も取り入れております。おおむねそういう意味で取りまとめるためにアンケートを出したわけであります。そのアンケートにつきまして、私の聞いておりますところでは、各省が第一次的な行革本部からの御照会に答えられた内容として、各省の意見というのがあまり芳しくないというようなことで、行革本部としては、これから、それについての各省庁の間の調整をはかりたい、こういうことだと思って、私どもはそういう協議に対する準備をただいま進めておる最中でございます。
○細谷分科員 行管、どう思うんだ。
○河合政府委員 ただいま自治省行政局長の言われたとおりでございまして、新聞紙上に報ぜられておりますのは、各省庁の、第一次的に自治省アンケートに対する意見として私どもが聴取いたしましたもの、その各省庁の意見でございまして、これは行管としての意見ではございません。今後行政改革本部において各省庁間の調整がはかられるものというように考えております。
○細谷分科員 大臣、私は、臨時行政調査会の答申のすべてが妥当だということじゃありません。しかし、示された答申の内容というものは尊重するに足るものだ、こう私は思っておるわけですから、ひとつ、一年過ぎても検討する、二年過ぎても検討する、三年過ぎても検討する、こういうことにならないように、せっかく二億数千万円の金を使って行管の臨時行政調査会の答申も出たのですし、毎年毎年のようにやっておる地方制度調査会の答申もいれてきておるわけでありますから、これはひとつ行管なり各省責任をもって必要なものはどしどし実現をしていただきたいということを特に要望しておきたい。 そこで、あまり時間がありませんが、いま始まったわけではありませんけれども、国家公務員の高級職の人の天下りということがたいへんな問題になっておるわけです。地方団体にも最近強引に人を売りつけておる。どういう意図か知りませんけれども、売りつけております。そこでお尋ねしたいことは、地方団体の部長なり課長、いわゆる役職ですね、一体中央のほうからどのくらい行っているのか、これをひとつ示していただきたい。
○野田国務大臣 ちょっとその前に。どのくらい行っているか、数字その他は事務当局から申し上げますが、私の気持ちだけ申し上げておきます。 実は、この間人事院から天下り人事の話が出ておりましたが、地方団体に行っているものを、細谷さんは大体知っておられると思いますが、ずいぶん地方団体のほうから希望してくるのが多いのでありますから、そいつもちょっと頭に置いていただきませんと、こっちから押しつけたというだけでお話しいただきますと、非常に話がこじれてくると思います。これは実態でございますが、この点は全部かというと、一人一人言います場合は何ですが、大体そういう大勢があるということもひとつ頭に置いていただきたいことを特に私から申し上げます。
○細谷分科員 大臣そうおっしゃいますけれども、あなたのほうの本省の課長か何かしておりまして、さあっとどっかの都道府県の特別職である副知事ぐらいに行くでしょう。副知事の任期は四年ですよ。二年ぐらいしたら帰ってきているじゃないですか、あなた方の都合で。これは何と言おうと中央の都合ですよ。そうして行った人がどういうことを言っているかというと、おれは何もこの県の土に埋もれる意思はないんだ、数年したら帰るんだ、こういうふうに、のうのうと言っておるのがおりますよ。こんなことで地方の重要な行政ができますか、あなたが何と言おうと。私は具体的に例をあげませんけれども、相当押しつけていますよ。それは、ぜひほしいというところもありましょう。あるいは、おれのところの人をとらなければ補助金を減らすぞとか、あるいは変なことで、報復措置を講じている例は多々ありますよ。ことばの上で簡単に片づくものじゃありませんよ。
○野田国務大臣 私もあなたの質問時間を侵してはいかんから……。それは、内容ですが、大勢を私は言ったので、一人一人を分析するわけじゃありませんけれども、少なくとも自治省から地方に行っている者につきまして、私はだれがどうだと言いませんけれども、中には相当要望してくる人事がある。だから、一般的にいわれる、人事院がいう天下りとは多少違うのだということを、あなたに御理解いただきたいと思ってそう発言したのです。
○宮澤(弘)政府委員 数字のお話でございますが、ごく簡単に初めにお断わりを申し上げておきたいと思いますことは、天下りとおっしゃるわけでございますが、おそらく、戦前でいえば高等文官試験を通って内務省に行く、戦後は国家公務員試験を通り、自治省あるいは各省に入ります。これが地方にどのくらい行っているかという御質問だと思いますが、その中には、役所に入りましてから自分の郷里に帰りまして、もう二十年も課長、部長になっておる者もございますので、どこまで天下りかということは、個々にチェックいたしませんと非常に正確な数字は申し上げかねると思います。したがいまして、傾向としてお聞き取りをいただきたいと思うのです。 御質問は、地方団体、府県の課長以上の職について、自治省を含めた各省からいわゆる天下りというような人がどのくらいいるか、こういう御質問でございます。昨年、私どものほうで調べましたところによりますと、府県の課長職以上のポストは六千数百ございます。そのうちで、自治省を含めまして各省から行っております人間が、大体七百人くらいおります。
○細谷分科員 一割以上ですね。例を引きますと、ある県あたりへいきますと、部長、課長と名のつく者ですね、中央官僚というのが三割とか四割占めているところもある。そういうところも数県ありますよ。二割とか二割五分なんというのはざらにある。平均はとにかく一割強、こういうことですが、これはただ単に、地方団体のほうからどうぞ何とかしてくださいという例もあることは認めます。しかし、そういうことによって、何らかの、ことばは適切じゃありませんけれども、甘い地位にあずかろうとか、あるいはそういう圧力を受けてとらざるを得ない、こういう実態になっておる。このことが、やはり地方の行政責任が薄らいでいくことでありますし、地方自治そのものというものを損傷しているのだ、こういうふうに申さなければならぬと思う。 そこで、私は調べてみますと、中央から行った人というのは、これは国家公務員の上級職のほうを通っているのでしょう。昔の高文というのでしょう。ところが、その府県に行きますと、同じようにその府県で厳重な人事委員会の試験をして入った人、数年前に学校を出て、そうして上級職の試験に通って入った人、その上にちゃんとすわっていますよ。こういう人事行政でよろしいと思うのですか。これは知事がやったことだから、あるいは首長がやったことだから知らぬ、こうおっしゃるかもしれませんが、大臣どうお思いですか。
○野田国務大臣 そういう例もあると思います。しかし、知事がやったからどうでもいいとかというわけにいきませんが、そういうものは実際人事管理上、また行政能率上、必ずしも好ましいことじゃありませんから、これはおのおの御承知のとおり、あなたもよく知っておられるとおり、三千幾つの地方公共団体がありますので、一番多いのは大体都道府県ですが、知事の好み、執行部側の関係、そういうことがあります。私は一般論として、原則論として、そういう人事はあまり好ましくないという感じは同感でございます。
○細谷分科員 大臣、好ましくないということを認めたわけですが、いろいろな弊害が出ております。労働大臣とか、いろいろな覚え書きの中にも、中央と地方との人事交流については制度として確立すると書いてありますけれども、それもいいでしょう。しかし、いまのような姿、これは何といっても天下り人事だ。これが地方自治を侵害している、こう申さなければなりません。これはあえて自治省に限りませんで、各省競争でやっているわけですよ、自分の領域を守ろうと。こういう弊害をひとつ改めていただきたいということを強く要望いたしまして終わります。
○竹内主査代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○竹内主査代理 速記をおこしてください。 次に、石田幸四郎君。
○石田(幸)分科員 大臣には、長時間たいへん御苦労さまでございます。 私は、先ほど社会党の村山さんが御発言になったらしいのでございますが、奄美大島のガリオア並びに復金の問題について、いろいろな問題点をお伺いしたいと思います。 昭和三十年の五月、日本とアメリカとの間におきまして、協定第三条六項に基づいて、ガリオア物資代、復興金融機関貸付金等の債権が五億一千六百二十七万千四百三十円、このように決定されて、占領下におけるこういった問題の債権が、日本政府に無償でその債務が引き継がれておるわけでございます。同じく三十年の九月には、奄美群島の信用基金の設立に際しまして、この金額が資本金として国から引き継がれておるわけでございます。ところがこういった昭和三十年の決定に基づいて、今日まで考えますと約十三年あるわけでございますが、この十三年間に債権の取り立てが行なわれて、物資代また貸し付け金の徴収が行なわれましたが、この合計額が二億九千七百五十三万円余となっております。現在その残高が二億一千八百七十三万円余となっているのでございますが、私はこの問題について非常に多くの疑問があるし、また地域住民にとっても非常に過酷な取り立てが現在なされていることについて、非常に大きな不満を持っておるわけでございます。 まず私は、ガリオア物資代の問題についてお伺いをいたしたいのでございますが、このガリオア物資につきましては、大臣も御存じのとおり、あの敗戦時における日本住民の食糧飢饉をカバーするために、主としてアメリカ軍から支給をされたものでございます。あるいはその他奄美の地域住民に対しまして、農業の振興であるとか、そういう問題で、機械等も貸与されておったようでございます。あの当時の状況をいろいろ考えてみますと、米軍の払い下げの食料品にいたしましても、中には薬品等が付着して食べられなかったり、いろいろな問題がございました。また米軍から港渡しで引き受けておっても、その間にいわゆる荷抜けがありましたり、いろいろ問題があります。しかし、債権がアメリカ軍から日本政府に引き継がれておるわけでございますけれども、その中身というのは非常に問題があります。したがって、現地といたしましても、日本政府に債権が引き継がれた段階におきまして、あわててこれらの問題についてのいろいろなクレームを申し立てておるわけでございます。現在の残高に対しまして八千七百万円くらいのクレームの申し立てがございますね。この点については御存じでございますか。
○長野政府委員 具体的な問題でございますので、私からお答え申し上げます。 お話しのように、ガリオア物資代につきましては、その債権残高のうちで、クレームが申し立てられておりますものが八千七百万円ばかりございます。
○石田(幸)分科員 そこで、大臣にお伺いをするわけでございますけれども、このクレーム申し立てについての理由というものは、先ほど私がちょっと述べたわけでございますけれども、向こうのクレームの申告については、当然政府は承認をしていいんじゃないか、こういうふうに私は考えられるわけです。なぜかならば、あの終戦のどさくさの問題を、いまから二十数年にわたってそれをさかのぼって調査をするということは事実上不可能でしょう。また、あの当時のことをいろいろ想定して考えてみるに、このクレームの申し立てについて、関係官庁として打ち切っても何ら問題はないんじゃないか。なぜ十三年も、こういうクレームの申告があるにもかかわらず放置されてきたのか、ここら辺の事情と、さらにまた、これは大臣の政治的な判断によりまして、このクレーム額については打ち切る、こういう御決定をくだされてしかるべきではないか、こう思うのでございますが、いかがでございますか。
○野田国務大臣 私も石田さんのお話承りまして非常に事情がわかりますし、それからガリオアの問題は、奄美の復興計画をやりますときも私聞いております。詳しく存じませんが、一般論と申しますか、また実情をよく御存じの石田さんの御意見、私非常に傾聴しましたが、これは日本に返って十五年にもなるし、終戦後二十数年たって、まだこういうアメリカ関係の債権債務というものが地域住民に直接つながっているということ、これは私は政治的に考えましても何とか解決すべきものであると思っております。ただ、ここに信用基金ができまして、いまガリオアの問題なんかは、事情によっては減免ができるような内容を持った規約と申しますか、そういうものがあるということを聞いておりますから、これは私はいまのお話にできるだけ沿うような線で関係庁とも打ち合わせまして、ひとつ内容をさっそく検討してみます。これは間違いありません。というのは、私はこの事情をそう詳しく知らなかったのです。ここまできて、しかも延滞利子なんというものも出てきているようですから、これは私は非常に実は気になっているのです。だから、これは事務当局ばかりから聞くのでなく、関係省にも聞き合わせまして、どういう処置があるか、これがここに残っている。金が足りなければ奄美の復興ができないというわけではございませんが、ここは基金のうちに入っているものですから、そこの点が一つありますのと、しかしそうかといって、この処理につきまして、もうしかたがない、権利義務になっているからといってほうっておくものでないし、また信用基金の内容をひとつ見てみまして、これはただ通り一ぺんの検討ではなくて、私はこれは非常に大きな問題だということを痛感しておりますので、私としては、これはひとつ早急に内容を聞きまして、どうすればこれが善処できるか、善処をするような方向に向かって——すべてオール・オア・ナッシング、これはここでお約束できません、私は内容がわかりませんから。しかしこの点については、前向きで解決する方法を考えてみたいと思っております。
○石田(幸)分科員 物資の問題についてもう一ぺん話を蒸し返すようでございますけれども、これは債権を引き継いだ団体が、五団体ですか、現在残っているわけですね。しかしその二団体まではもう団体が解消されてなくなっておるという話でございます。いま大臣のおことばではございますけれども、この問題は長い間にわたってその不満が発見されなかったと申しますか、行政官庁の手落ちによってこの問題が放置されてきたわけです。 実は去年の九月におきまして、この問題がある新聞に取り上げられております。そして自治省の関係課長さんのお答えも、その新聞の中には出ておるわけです。そうすると、私考えますのに、この物資の債務の問題につきましても、九月の末日の新聞に出ておるわけでございますから、十月、十一月、十二月、一月、二月、約五カ月になんなんとしておるわけですね。そういった問題が五カ月も放置されておる。ただ善処するからというだけのお話では、まことに大臣におことばを返して失礼でございますけれども、これはやはりもう少し明快な御答弁をできたらお願いできないか。 さらに、実際には、大臣がその二十数年前のクレームの申告について調査をすることは可能であるかどうか、この問題を考えていただきたい。たとえば、これは大蔵省とも御相談をなさらなければならぬ問題でございましょう。大蔵省から、そのクレームを打ち切るについて所要の書類が必要である、こう言われてみても、一体だれがこれを調べられますか。これは裁判所ではないのですから、この問題を克明に調査することは事実上不可能ですよ。そうお思いになりませんか。大臣はいかがですか。
○野田国務大臣 いや、わかります。そこで、私がここでなぜはっきりこうしたいと思うことを言えないか。これはお話しの大蔵省の関係がございまして、大蔵大臣とも話しませんと、私だけであなたにお答えすることはちょっと無責任だと思ったから、私はそういうことばを使ったのです。
○石田(幸)分科員 これは特に大蔵大臣とも十分お話し合いをされまして、そうして高度の政治的な判断によってこの問題をまず解決していただきたい、これを御要望申し上げておく次第でございます。 続いてこの問題について申し上げたいのでございますが、現在債権を引き継いで債務の回収に当たっている大島食糧会社というのがございますが、この大島食糧会社につきましても、これは株式会社でございますけれども、現在経営状態が非常に悪くなっておるわけでございます。四十三年度においては借金を二十万円して、そうして百五十万円の債務を大島食糧株式会社が払っておるわけです。この支払いには、経営はきわめて悪化しておりますので、あと十五年もかかるといわれておるわけでございますけれども、この債権というものは、アメリカ軍から無償で日本政府が引き継いだという、そういう条件を加味してこの問題についても善処を私は要望申し上げたいと思うのでございますが、いかがでございましょう。
○野田国務大臣 大島食糧会社のことを私よく存じません。端的に申しますと、そういうこともやはり総体的に検討しなければならぬと思っておりますし、この会社自体の問題は、私内容をあまり知りませんからわかりませんが、しかし、ガリオアの債権債務のいわゆる債務の問題は、全体的な考え方でもってひとつ折衝してみたいと思っております。
○石田(幸)分科員 この問題は、これ以上発展させるのはむずかしいと思いますので、次に移りますが、特に問題点とすべきは、復興金融機関に引き継がれた債務でございます。 最近の現地の状況をいろいろ聴取してみますと、相当に過酷な取り立てが行なわれているようでございます。たとえば米軍の占領下にあった当時、B券で十四万六千円借りておりまして、その三倍の元利を返済しておる。これは交換レートによって一対三というふうにきめられたわけですが、その元利ともに返済しているにもかかわらず、さらに延滞利息が何と驚くなかれ七十二万七千三百九十五円というような請求を受けている人もいるわけですよ。あるいはさらに例をあげますと、B券十万円を借りて、その三倍の三十八万円の元利を支払っているにもかかわらず、さらにまた二十九万円の延滞利息を請求されておる。こういうような事例があまりにも多過ぎる。そのために、主人が借りておって、その主人がなくなった、奥さんが家屋敷を売り払って、その返済にきゅうきゅうとしておる、そういうような方もございます。先ほど社会党の方も幾つか例をあげられたそうでございますけれども、こういうような事例が非常に多いわけです。その問題点となるのは、いわゆる政令によって当時交換レートが一対三というふうに定められたわけです。その政令を読んでみますと、政令第四百八号でございますけれども、その第六条に「政府、日本電信電話公社又は地方公共団体が奄美群島に関する日本国とアメリカ合衆国との協定に基き承継するB号円債権又はB号円債務及び奄美群島にある者の間又は奄美群島にある者と奄美群島以外の本邦にある者の間に存する本邦で決済されるべきB号円債権又はB号円債務は、他の法令に特別の定のあるもの及び特約のあるものを除き、法の施行の際、B号円一円につき日本円三円の比率で、日本円表示の債権又は債務に切り替えられるものとする。」このようにあるわけでございます。ところが、現地の方方のいろいろな苦情を聞いてみますと、当時のやみルートによる交換レートというのは、大体一対一・八ないし九、甘く見ても一対二だというわけです。それが、この政令を定めたことによりまして、本来ならばB号円の二倍程度支払うべきものが、三倍程度で支払わなければならないということがこの政令できめられてしまったわけです。 私は、これは法制局の方が来ておればお伺いしたいのでございますけれども、こういうふうに政令によって定められたのではありますけれども、これは憲法に定められている財産権の問題や何かに非常に関連があるわけです。憲法の二十九条には、「財産権は、これを侵してはならない。」このように定めてございますけれども、結果としては、この政令によって財産権が侵害されている、こういう状況になっているわけです。そういう問題から、はたしてそこで定められた政令は憲法よりも優位に立つべきものかどうか。憲法を侵害した場合に、どういうふうに今後この問題の処理に当たらなければならないのか。質問がダブったかもしれませんけれども、法制局長の見解並びに大臣の見解をお伺いしたいと思うのです。
○荒井政府委員 その点、先ほど村山委員の御質問に対してもお答え申し上げましたけれども、この奄美群島の復帰に伴う通貨及び債権等の措置に関する政令が制定されるときにおきまするところのその為替レートというものは、一ドルに対してB号円につきましては百二十B号円、それから日本円につきましては一ドルについて三百六十円というふうに相場がきめられておりまして、この事実に基づきまして、奄美群島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の第三条第一項では、日本国政府はB号円を回収し、一B号円につき三円の割合で引きかえを開始しなければならないということで、その現実にあるところの通貨の引きかえ義務と、その場合における交換レートというものを条約で定めて国会の御承認を願ったということでございます。 その場合に、その債権債務の措置に関する政令がいかにして出たかと申しますと、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の第十条第一号というところで「通貨の交換及び債権債務の単位の切替に関する事項」というものについて政令で定めることを授権するという規定があって、そしてその背景としては、先ほど申し上げましたような為替レートがあり、それからそういう一種の通貨間の交換レートというものをきめるについての一つの基準は外国為替及び外国貿易管理法の第七条でございます。その七条では基準外国為替相場というものがきめられ、その基準外国為替相場がきめられていない為替については、基準外国為替を基礎にして裁定外国為替相場をきめるんだということが書いてあります。その外国為替及び外国貿易管理法第七条の精神にのっとり、協定第三条で現実の通貨が一対三という割合で引きかえられなければならないという規定、その両者の上に乗り暫定措置法の規定に基づいて制定されたということでございまして、それ自体適正な手続できめられたものだというふうに考えております。
○石田(幸)分科員 時間がありませんので、どんどん先へ進みたいと思いますけれども、しかし軍票というものは、その値段よりも下回っているのが普通いままでの事例ではなかったかと私は思うのです。その問題をここでとやかくしましても、非常にむずかしい問題でございますので、一応たな上げとしまして、大臣にもこの点の御考慮をお願いしたいわけです。現実は一対二であるべきものが一対三になった。したがってその返済金というものは、三分の一は多く支払われているという現実を、私たちは問題点として直視しなければならないと思うのです。 さらに先へ進んでまいりますけれども、ここでもう一つ大きな問題があるわけです。実を言いますと、復興基金、信用基金が発足をするまでの間、日本政府は債権を譲渡されながら、その債権を取り立てるべき機関を設定しなかった。約一年八カ月にわたってそういうような機関は全然奄美には存在しなかったわけです。したがって、住民に返還の意思ありとしても、現実には返すことができなかった。その間の金利がなぜ請求されなければならないのか。こういった問題については、私は当然現段階においても、情状酌量してその金利をまけるとか、そういうような処置をとらなければならないと思う。しかも延滞加算金については、私はおそらく米軍当時からの期間が加算されていると思うのです。その問題についても、一年八カ月分だけはいままで取った人でさえも返却されてしかるべき問題である、こう思うのでございますけれども、この一年八カ月にわたって政府が返済させるべき機関を設けなかったことに対する責任は、一体その住民にあるのか、国にあるのか、この点をひとつ明確に御答弁を願いたいと思うのですが、いかがですか。
○長野政府委員 お話しのとおり、基金が設置されるまでの間に相当な空白期間と申しますか、そういう期間があったわけであります。日米両国政府の間で債権を引き継ぎ確認いたしますまでの間、つまりその間はお話しのように債権者の確認が困難であった期間ということになります。したがいまして、そういう期間につきましては、履行時期が来ておりましても延滞利息を課さないことにいたしております。履行時期に来てないものについては、それは通常の利子がつくということに当然なると思いますが、履行時期が来ておりますものについては延滞利息を付さないことといたしておりまして、延滞利息を付さないものとした期間は、奄美群島復帰のとき、つまり二十八年十二月二十五日から債権の確認日三十年の五月二十五日までの間ということにいたしておりまして、この点は大蔵省の国有財産局長からそういう通達を出しております。
○石田(幸)分科員 この問題の事情を聴取しましたときに、当時、延滞利息については徴収しないという取りきめを地元ですべきであったという御意見がございました。私も確かにそうであろうかと思いますが、しかし現実にはもうすでに延滞利息をその空白期間をも含めて取られているのであります。特に奄美の住民の現状から考えましても、また一般の市民感情から考えましても、これはアメリカ軍から無償で引き継がれたものである、そういう特殊事情にあるものでございますから、こういった延滞利息については、当然全部打ち切られてしかるべきではないか、私はこのように思うわけなんです。 この問題についてはもう少しあとにしまして、さらにアメリカ軍から日本政府に債権が譲渡されたとき、また日本政府からこの基金に債権が譲渡されたとき、住民は、為替レートの一対三の設定されたとき、現時点においては自分の債務がどのくらいになったものか、正確な数字を承知しておらぬわけです。と申しますのは、当時の基金は一対三の為替レートが設定されて基金が債権を譲渡されたときは、住民には全然知らしてないわけですね。こういうような不手ぎわがあるわけです。民法の上からいってもおかしな問題でございまして、事、個人の財産の問題についてそういった貸借関係を結ぶわけでございますから、当然債権を引き継いだほうは、借りた人に対して、あなたに対する債権はかくかくしかじかである、あなたの債務はかくかくしかじかであるという公示をしなければならない、通達をしなければならない、こういうような規定があるわけです。こういう事情もひとつ大臣よくお考えいただきたいと思う。私はできれば次の機会に、この信用基金の最高責任者、理事長であるかどうかわかりませんが、そういう人を国会に呼び出して、この間の事情をもう少し明確にしなければならない問題じゃないかと思っておるわけです。現在はこの延滞利息の請求につきましても本人は全く承知しておらぬわけです。元利合計を返せば、その後さらに計算をされて、一週間後くらいに返した分くらいの延滞利息が来ておるという状況でございますね。どう考えてみてもこれは基金側の業務の失態ではなかろうかと思うわけです。この点もひとつ大臣十分お考えいただいて、特に現在残っている人たちについても行政指導をして、個人個人の債務者に対して、あなたの債務はこうなっているというようなことを明示する必要があるのじゃないか。また、どうしても取り立てなければならないというのであれば、新たにここに契約書をかわさなければならぬ、こういうふうに考えておるのでございますけれども、この点はいかがですか。
○長野政府委員 復興基金に債権が譲渡されましたときに債務者に通知しておるか、してないかという問題でございますが、政府はその確認時に債務者に通告をいたしております。同時に、基金は、その承継時にも債務者への通知は行なっております。ただ、この問題は、法律上だけの問題からいいますと、法律上債権が当然移転しておるという考え方であるわけでありますけれども、事実問題といたしまして、三十年の五月、三十一年の四月、それぞれ債務者に通知はいたしております。
○石田(幸)分科員 通知をいたしておると言いますけれども、いま債務者のほうにそういう証拠書類は何も残っておりませんが、その点はいかがですか。
○長野政府委員 通知はいたしておりますが、もとの債権額の元本につきましては、こちら側と申しますか、基金側に元本の書類を保管をいたしております。
○石田(幸)分科員 元本と言いますけれども、それではお伺いしますが、アメリカ軍から譲渡された債権についての元本は、全部信用基金にあるわけですね。
○長野政府委員 そのとおりでございます。
○石田(幸)分科員 そうであるとするならば、民法の第四百六十七条には指名債権譲渡の対抗要件というのがございます。これは債務者保護の立場から規定されたものでございましょう。「指名債権ノ譲渡ハ譲渡人カ之ヲ債務者ニ通知シ又ハ債務者カ之ヲ承諾スルニ非サレハ之ヲ以テ」云々というふうにございます。これは債務者保護の立場からこれを読むべきであって、したがって、債務者がこの通達を受けて、三倍なら三倍の為替レートが設定されてやむを得ない、そのとおりである、こう承諾をしなければならないものだと私は理解するのでございますが、この点いかがですか。
○荒井政府委員 ただいまお述べになりました民法の四百六十七条につきましては、民法の債権に関する規定は任意規定として、それに対する特別の定めを契約することも妨げないと同時に、他の競合規定があればそれによって乗り越えられるというのが任意規定の一般的性質でございます。その点に着目いたしまして、現在の協定なり協定に基づきます法令の適用の暫定措置、あるいは奄美群島振興特別措置法というようなものでそれぞれの規定がされておるという状況のもとにおきまして、昭和四十年の一月に大阪地裁でこの問題をまさに扱った判決が出ておりますけれども、そういう法律で特段の定めがされておる債権というものについてはこの民法の規定の適用はない、その債権譲渡の通知がないということで対抗できないというものではないという判決が出ておりますけれども、この判決の解釈は法律論としては正しいと思います。
○石田(幸)分科員 私もその点については承知をしております。しかし法律論の上からいけば、これは何ら問題はなさそうでございますけれども、しかし一対三のレートが設定された場合に、地元の住民、いわゆる債務者のほうがそういった契約書ないしはそういった通知なりも持っていないというのは、私ははなはだ問題だと思う。いわゆる金融の全般的なやり方から見て非常に問題だと思うのです。大蔵省からいらっしゃらないわけですから、そういう問題をここで云々することはできませんけれども、いずれにしても、奄美群島の信用金庫というのは金融機関としては非常にめちゃくちゃな業務を行なっておるということで、この一点から見ても非常に私は道義的に大きな問題があるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。こういった点についても、ひとつ大臣のほうで十分この問題を審議する状況を考慮していただきたい、こういうふうに要望を申し上げておく次第でございます。 さらに申し上げたいことは、私は結論を申し上げれば、結局、こういった無償で譲渡を受けた債権について地域住民が苦しんでおるわけでございますから、当然救済をされてしかるべきである、こういう観点からいろいろな問題をいま提起しておるわけでございます。そういう問題を踏まえて、今後一体どういうふうにこの人たちを救済をするのか。いわゆる現在残っておる債務者たちの実情を考えますと、借りた時点の問題を考えればとにかく二十数年前です。そのときに家を建てるために基金から金を借りたとしましても、二十数年たっておるために、その後いろいろ台風や何かあって、あるいは火災が発生したり何かして、ほとんどその形骸もとどめておらないというような実情もたくさんあるわけです。そういう問題について今後どのような実情調査をなさるおつもりですか、あるいはまたどのように救済をなさるおつもりですか、伺っておきたいと思います。
○野田国務大臣 この債権債務に日本が無償でというような、その債権者は信用基金ですか、この間の事情はよく政府にわかっておるのでございます。ただ、こうして石田さんのほうからもお話があるということは、おそらく地域住民が非常に困っておられるのだろうと思うのです。いまそういうことが問題になったということは、したがって、このままほうっておけないような気が私、いまいたしております。先ほど申し上げましたとおり、これは自治省だけの問題ではなくて、大蔵省と連絡するわけですが、貸し付け条件の変更をする場合は、自治、大蔵両大臣の認可が必要ということも聞いております。現在この対策は何らの処置、方法がないかというと、私はあり得ると思います。先ほども申しましたように、全部これを消滅する、一切の債権債務がなくなるということまでいけるか、その間の事情をやはり聞きませんと、地域住民の方々のお気持ちはわかりますが、この調査ということもほとんどできておりますから、そう時間がかかるものじゃないと思っております。やはり、非常に困っておられる、特に低所得者の方々なんか、ことに延滞利子の話を聞きまして実は驚いておるわけですから、こういう面につきましては、これはどうしても救済しなければいかぬ。救済するかどうか検討するというのでなくて、一歩進んで、救済しなければいかぬ、こう感じております。だから繰り返して申しますが、大蔵大臣とも私まず話します。それから役所の事務当局にも検討さして、やはり少なくともほんとうに困っておる低所得者の方が早くひとつ——これは何か方法はないかというようなことを非常に感じておりますから、そういう意味において、私、検討したいということは、そうしたいということに検討します。それだけ申し上げておきます。
○石田(幸)分科員 さらに私は大臣にお聞きしておきたいのは、現在信用基金の取り立てというものは、いま申し上げたように非常に過酷な状態にあるわけですよ。最近聞いた話によりますと、親族が交通事故でなくなって、その交通事故に対する保険金が出る。その保険金を差し押えておるというのですね。これはちょっとひど過ぎると思うのですよ。基本的な人権を無視しておると思うのですね。そういうような状況を考えますと、基金の業務に対する姿勢というもの、私はそこに非常に問題があるのじゃないかと思うのです。こういった点についても、大蔵省と御相談の上、厳重に指導をなさるお考えはございますか。
○野田国務大臣 ただいま申し上げたような気持ちでおります。一々非常に参考になりますから……。
○石田(幸)分科員 さらに申し上げますが、私は、この問題を考えてみまするに、三十年に米軍からそういった債権を引き継いですでに十三年もたっているこの問題は、知らなかったでは済まされない問題でございまして、早くいえばこれだけの広範囲な行政問題でございますから、当然目の届かなかったこともおありでしょう。それはわかります。しかしながら、これは失政というよりは、結果的には悪政である、こういう結果になっているということを私たちは率直に認め合わなければ、この問題の解決にならないと思うのです。こういった問題を踏まえてお考えをいただきたいと思うのです。さらにまた、自治省のほうでもいろいろ御検討なされているようでございまして、生活保護基準の一・五倍程度まではひとつ免除してもいいのじゃないか、そういうようなお考えもあるようでございますが、実情をいろいろ考えてみますと、現在残されているそういった人たちについては、全部とにかく延滞利子についてはカットする、また借りた元金についても、その状況に応じて、全面切り捨てにするか、あるいはある程度残すか、その幅をずっと低いところに基礎を置いて考えていかなければならないのじゃないか、こういうふうに私は思うわけですよ。 もう一点お伺いいたしたいのは、実はいままで数字を見ておりますと、かなり返ってきておるわけなんですね。信用基金には二億四千四百六十万くらい返ってきております。回収率七七・五%とされておりますね。この人たちは、いま申し上げたように、為替レートの設定において三分の一は払い過ぎ、さらにまたこの一年八カ月の問題についても、延滞利息にしても、あるいはまた元金に対する利息にしても払い過ぎなわけです。これをとやかくしろというのは非常にむずかしいかもしれませんが、しかし何らかの形でその苦労をされてきた方々に対する慰撫をすべきではないか。あるいは陳謝と申しますか、何らかの意思表示をしてしかるべきではないかと思うのです。私は政治というものは決して法律によってのみ運行さるべき問題ではないと思う。やはりその人たちの新しい将来の生活設計のためにも、私は政治の恩恵というものがあって、その恩恵に感謝しつつ立ち上がっていくのでなければ、新しい民族の興隆はあり得ない、そういった点から申し上げているのでございますが、いかがでございましょう。
○野田国務大臣 いまの石田さんのお話、それはそのとおりです。やはり政治というものはそこに思いやりというものがなければりっぱなものができません。これはそのとおりです。ただ、いまこのケースを取り上げる場合に、いままで払われたことのほかに払い戻すということまで出てまいりますと、実は非常に困難になってくる。私は常識論を言うのです。いいとか悪いとかいうのじゃありませんで、何か複雑になってまいりまして、なかなか解決がまた手間どるようなおそれがありますものですから、その点はひとつ御了承願えると思いますが、その意味でよくわかっておりますから、どうぞその点は了承願います。
○石田(幸)分科員 最後でございますが、奄美群島に対しても、いろいろ辺地対策としての援助も考えられているようでございます。しかしその援助と申しますのは、主として地元の産業を開発し、地元の個々の人々にはとうていその援助の手というものは直接的には及んでいかないわけでございます。しかし考えてみるに、長い間占領下にあり、さらにまた行政的な欠陥によりまして、十三年も苦しめられてきたそういった人たちの心情を思うときに、やはり間接的な援助だけではなくて、直接的の援助についても、関係省庁としまして十分な御配慮をしていただきたい。これだけ要望いたしまして、私の質問を終わることにします。
○竹内主査代理 これにて昭和四十四年度一般会計及び昭和四十四年度特別会計予算中、自治省所管に対する質疑は一応終了いたしました。 次回は明二十八日金曜日、午前十時から開会し、厚生省所管について審査を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時二十四分散会