予算委員会第一分科会 第1号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/02/24
会議録
○橋本(龍)主査代理 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 臼井主査は、本日都合によりおくれますので、私が指名により主査の職務を行ないます。 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、内閣、防衛庁及び経済企画庁を除く総理府、法務省及び文部省所管並びに他の分科会の所管以外の事項について審査を行なうことになっております。 本分科会の審査日程は、一応分科員各位のお手元にお配りいたしてあるとおりでございます。 それでは、昭和四十四年度一般会計予算中、皇室費、国会、裁判所、内閣、防衛庁及び経済企画庁を除く総理府、法務省及び文部省所管、昭和四十四年度特別会計予算中文部省所管を議題といたします。 順次関係当局より説明を求めます。 まず、皇室費の説明を求めます。瓜生宮内庁次長。
○瓜生政府委員 昭和四十四年度における皇室費の歳出予算について、その概要を説明いたします。 皇室費の昭和四十四年度における歳出予算要求額は、十七億六千百六十八万一千円でありまして、これを前年度歳出予算額四十二億一千四百十六万五千円に比較いたしますと、二十四億五千二百四十八万四千円の減少となっております。 皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。 以下予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費八千四百万円、宮廷に必要な経費十六億三千二百三十二万一千円、皇族に必要な経費四千五百三十六万円であります。 次に、その概要を説明いたしますと、内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上したもので、前年度と同額となっております。 宮廷に必要な経費は、内廷諸費以外の、宮廷に必要な経費を計上いたしたものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費二億四百万五千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費十四億二千八百三十一万六千円でありまして、前年度に比較して二十四億五千二百四十八万四千円の減少となっておりますが、これは、新宮殿の造営及び皇居東御苑の造園が前年度で終了した等のためであります。 なお、皇室用財産維持管理等に必要な経費には、新御用邸建設に必要な経費二億八百十六五二千円、皇族殿邸建設に必要な経費一億二千三百十一万円が計上されております。 皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上したもので、前年度と同額となっております。 以上をもちまして、昭和四十四年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。よろしく御審議くださいまするようお願いいたします。 —————————————
○橋本(龍)主査代理 次に、衆議院の予算の説明を求めます。知野衆議院事務総長。
○知野事務総長 昭和四十四年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 昭和四十四年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は、百億三千七百二十四万円でありまして、これを前年度予算額九十二億九千三百二十七万二千円に比較いたしますと、七億四千三百九十六万八千円の増加となっております。 要求額を事項別に概略御説明申し上げますと、その第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、八十八億八千九百二万五千円を計上いたしております。この経費は議員、議員秘書及び職員の給与に関する経費、旅費、庁費、議案類印刷費、通信費等の事務費及び庁舎等の維持管理に必要な経費でありまして、前年度に比し七億三千九百六十九万九千円の増加となっております。 そのうちおもなものについて申し上げますと、給与に関する経費につきましては、給与改定の平年度化に要する経費のほか、あらかじめ若干の給与改善費を計上いたしております。 次に、海外派遣に必要な外国旅費として八千五百八十六万七千円を計上いたしております。 次に、委員会庁舎竣工等に伴う事務局職員の新規増員三十九人及びその他の必要経費を計上いたしております。 第二は、衆議院の施設整備に必要な経費といたしまして、十一億四千百二十一万五千円を計上いたしておりますが、このうちおもなものは、議員宿舎の増築費二億五百万円、本館門囲障等改設費四億六千九百六十三万七千円、本館等空気調和施設整備費二億二千七百八十九万三千円、本館自家発電設備新設費四千六百万円、電話交換機増設費六千四百五十九万八千円、国会前庭及び第一議員会館構内整備費五玉二百四十八万一千円でございます。 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。 以上、簡単でございますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願いいたします。 —————————————
○橋本(龍)主査代理 次に、参議院関係の予算の説明を求めます。宮坂参議院事務総長。
○宮坂参議院事務総長 昭和四十四年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 昭和四十四年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は、六十七億九千三百三十七万九千円でありまして、これを前年度予算額五十四億六千八百十六万八千円に比較いたしますと、十三億二千五百二十一万一千円の増加と相なっております。 要求額を事項別に御説明申し上げますと、その第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、五十三億四千六百五万二千円を計上いたしております。この経費は議員、議員秘書及び職員の給与に関する経費、旅費、庁費、議案類印刷費、通信費等の事務費及び庁舎等の維持管理に必要な経費でありまして、前年度に比し、五億一千三百四万五千円の増加と相なっております。 そのうちおもなるものについて申し上げますと、給与に関する経費につきましては、給与改定の平年度化に要する経費のほか、あらかじめ若干の給与改善費を計上いたしております。 次に、海外派遣に必要な外国旅費といたしまして、五千三百九十一万二千円を計上いたしております。 次に、委員会庁舎竣工等に伴う事務局職員の新規増員三十九人及びその他これに必要な経費を計上いたしております。 第二は、参議院の施設整備に必要な経費といたしまして十四億四千二百三十二万七千円を計上いたしておりますが、このうちおもなるものは、委員会庁舎新営費七億九百二万六千円、議員宿舎改築費二億三千七百九十八万三千円、本館門囲障等改設費二億三百七十八万五千円、本館等空気調和施設整備費二億二千七百八十九万三千円等でございます。 第三に、国会予備金に必要な経費として、前年度同額の五百万円を計上いたしております。 以上、簡単でございますが、参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。よろしく御審議をお願いいたします。 —————————————
○橋本(龍)主査代理 次に、国立国会図書館の予算の説明を求めます。河野国立国会図書館長。
○河野国立国会図書館長 昭和四十四年度国会所管国立国会図書館の歳出予算要求について御説明申し上げます。 まず、昭和四十四年度歳出予算要求の総額は十五億三千四十万円でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと七億七千七百四十五万五千円の減額となっております。これは、国立国会図書館庁舎の第二期工事完成により、国立国会図書館施設費九億六千七百五十六万八千円及び第二期工事完成に伴う諸経費三千九百三十二万八千円が減額したためでございます。 次に、要求のおもな事項について御説明申し上げます。 第一に、国立国会図書館の維持管理に必要な経費といたしまして十二億二千五百五十一万六千円を計上いたしております。これは、人件費及び一般事務処理等に要する経費でございます。 第二に、国立国会図書館の業務運営に必要な経費といたしまして二億九千七百三十九万九千円を計上いたしております。これは、図書館資料の購入に要する経費一億七千九百五十九万八千円をはじめ、立法調査業務、図書館資料の収集・整理・利用、目録・書誌の作成、製本業務、写真複製業務、印刷カードの作成・頒布業務、図書館間協力業務、科学技術関係資料の整備等に要する経費でございます。 第三に、国立国会図書館の施設整備に必要な経費といたしまして七百四十八万五千円を計上いたしております。これは在来書庫の照明を増加するために要する経費でございます。 以上、はなはだ簡単な説明ではございますが、よろしく御審議のほどお願いいたします。 —————————————
○橋本(龍)主査代理 次に、裁判官訴追委員会の予算の説明を求めます。大迫裁判官訴追委員会事務局長。
○大迫裁判官訴追委員会参事 昭和四十四年度裁判官訴追委員会関係歳出予算要求について御説明申し上げます。 昭和四十四年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は、二千百二十六万三千円でありまして、これを前年度予算額二千六十七万五千円に比較いたしますと、五十八万八千円の増加となっております。 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費でありまして、前年度に比し増加したものは、職員給与関係経費であります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。 —————————————
○橋本(龍)主査代理 次に、裁判官弾劾裁判所の予算の説明を求めます。内田裁判官弾劾裁判所事務局長。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕
○内田裁判官弾劾裁判所参事 昭和四十四年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明を申し上げます。 昭和四十四年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は、二千二百六十九万四千円でありまして、これを前年度予算額二千百八十万二千円に比較いたしますと、八十九万二千円の増加となっております。 この要求額は、当裁判所の裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費、庁費でありまして、前年度に比し増加したものは、職員給与関係経費であります。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。 —————————————
○臼井主査 次に、裁判所所管の説明を求めます。岸最高裁判所事務総長。
○岸最高裁判所長官代理者 昭和四十四年度裁判所所管予定経費要求額について説明申し上げます。 昭和四十四年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、四百二十三億八千五百八十六万八千円でありまして、これを前年度予算額三百七十七億八千百九十五万四千円に比較いたしますと、差し引き四十六億三百九十一万四千円の増加になっております。 これは、人件費において四十五億八千七百五十九万九千円、裁判費において二億三千四百二十四万一千円、その他司法行政事務を行なうために必要な旅費、庁費等において一億八千二十万二千円が増加したのに対し、営繕費において三億九千八百十二万八千円が減少した結果であります。 次に、昭和四十四年度予定経費要求額のうち、おもな事項について説明申し上げます。 まず、人的機構の充実でありますが、裁判官等の増員といたしまして、高等裁判所の事件の迅速な処理をはかるため、判事十五人、裁判所書記官十五人、裁判所事務官十人の増員に要する人件費として四千六百十二万八千円、簡易裁判所の交通事件、すなわち略式事件の適正迅速な処理をはかるため、簡易裁判所判事二十八人、裁判所書記官二十八人、裁判所事務官五十六人の増員に要する人件費として六千八百十八万五千円、少年事件における少年についての資質検査を強化するため、家庭裁判所調査官三十人の増員に要する人件費として二千百三十五万二千円、執行官法所定の金銭の保管及び予納事務を取り扱うため、裁判所事務官、すなわち歳入歳出外現金出納官吏補助職員三十人の増員に要する人件費として一千五万九千円、合計一億四千五百七十二万四千円が計上され、家庭裁判所専任所長の増設といたしまして、家庭裁判所を充実、強化するため、専任の家庭裁判所長の増設二庁に要する経費として百八十九万八千円が計上されました。 次に、裁判運営及び庁舎維持管理の近代化、能率化でありますが、裁判官の執務体制の近代化をはかるため、下級裁判所裁判官研究庁費一億七千三百二十八万四千円、資料室図書、図書館図書の充実をはかる等のため、裁判資料の整備に要する経費一億二千百五十五万六千円、裁判事務の能率化をはかるため、検証用器具等の整備に要する経費一億一千八百二十六万円、電子計算機による事務機械化の調査研究のため、研究開発に要する経費九十三万円、庁舎の維持管理の近代化をはかるため、庁舎維持に要する経費五千二百三十二万六千円、合計四億六千六百三十五万六千円が計上されました。 次は、営繕に必要な経費であります。 まず、最高裁判所庁舎新営に要する経費として、設計委嘱に要する経費を含む営繕事務費五千六百九万三千円、敷地買収のための不動産購入費二千万円、さらに、下級裁判所庁舎新営、増築等に要する経費として、裁判所庁舎の継続工事十庁舎、新規工事二十庁舎の新営工事費及び営繕事務費等二十八億二千百万円、執務体制確立に伴う施設の整備等に要する経費六億一千二百二十二万円、合計三十五億九百三十一万三千円が計上されました。 最後に、裁判費でありますが、国選弁護人の報酬、証人、調停委員等の日当、その他裁判に直接必要な旅費、庁費等として二十五億二千八百十三万七千円が計上されました。 なお、この経費には、国選弁護人の報酬を約一〇%増額するに必要な経費三千三百七十九万九千円、調停委員等の日当の現行の単価千円を千百円に、鑑定委員の日当の現行の単価千二百円を千三百円にそれぞれ増額するに必要な経費三千六百二万六千円、裁判官等の機動的な配置をするためのてん補に必要な経費一千七百一万二千円、合計八千六百八十三万七千円が含まれております。 以上が昭和四十四年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。よろしく御審議のほどお願いいたします。 —————————————
○臼井主査 次に、内閣及び総理府所管予算の説明を求めます。床次総務長官。
○床次国務大臣 昭和四十四年度における内閣及び総理府所管の歳出予算案について、その概要を御説明いたします。 内閣所管の昭和四十四年度における歳出予算要求額は二十七億八千三百六十一万九千円でありまして、これを前年度歳出予算額二十五億六千二百六十二万一千円に比較いたしますと、二億二千九十九万八千円の増額となっております。 内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房、内閣法制局、人事院及び国防会議の事務の執行に必要な経費であります。 次に、総理府所管の昭和四十四年度における歳出予算要求額は一兆三百三十九億三千三百三十万二千円でありまして、これを前年度歳出予算額九千百四十三億四千二百三万八千円に比較いたしますと、一千百九十五億九千百二十六万四千円の増額となっております。 総理府所管の歳出予算に計上いたしましたものは、総理本府内部部局、付属機関及び青少年対策本部、日本学術会議、近畿圏整備本部、中部圏開発整備本部の機関のほかに、公正取引委員会、国家公安委員会、土地調整委員会、首都圏整備委員会、宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁の外局に関するものでありますが、このうち、防衛庁に関する歳出予算計上額四千八百三十七億七千二百四十七万二千円、経済企画庁に関する歳出予算計上額三百七十九億五千二百七十五万七千円につきましては、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外のおもなる経費について、以下予定経費要求書の順に従って事項別に申し上げますと、総理本府に必要な経費二千六百八十四億八千八百六十二万五千円、青少年対策本部に必要な経費七億四千九百五十五万五千円、警察行政に必要な経費三百九十一億四千八百九十九万九千円、行政管理庁に必要な経費四十六億一千八百九万九千円、北海道の開発事業に必要な経費一千五百二十二億六百十一万九千円、科学技術庁に必要な経費四百四十三億三千八百十一万五千円等であります。 なお、総理本府に必要な経費は、総理本府一般行政等に必要な経費七十六億八千五百六十六万三千円、恩給支給に必要な経費二千四百五十一億一千九百三十八万七千円、沖縄援助等に必要な経費百五十六億八千三百五十七万五千円であります。 次に、その概要を御説明いたします。 総理本府一般行政等に必要な経費は、行政施策に関する広報活動の積極的推進、栄典の授与、交通安全調査、公害の紛争処理、新生活運動の助成及び各種統計調査等のための経費でありまして、前年度に比較して六億八千二百四十三万円の増額となっております。 恩給の支給に必要な経費は、恩給法等に基づいて退職した文官、旧軍人及びその遺族等に対して年金または恩給を支給するための経費でありまして、昭和四十四年度におきましては、新規裁定、失権等に伴う増減がありますほか、新たに恩給改善措置のための経費を計上しておりますために、前年度に比較して百二十億八千六百六十三万九千円の増額となっております。 沖縄援助等に必要な経費は、沖縄における義務教育職員給与費に対する半額負担、学校施設整備等の教育関係、社会福祉及び医療関係、産業開発関係、技術関係の援助並びに南方同胞援護会及び北方領土問題対策協会(仮称)に対する補助等のた めの経費でありまして、前年度に比較して四十億 一千六百七十六万二千円の増額となっておりま す。 青少年対策本部に必要な経費は、青少年対策本 部の一般事務、青少年健全育成及び非行防止対策並びに国民健康体力増強等のための経費でありまして、前年度に比較して四千八百二十八万円の増額となっております。 警察行政に必要な経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関の経費及び都道府県警察補助のための経費でありまして、前年度に比較して四十八億八千百八十九万八千円の増額となっております。 行政管理庁に必要な経費は、行政管理庁及びその付属機関並びに地方機関の経費、都道府県に配置されている統計専任職員費及び国連アジア統計研修の実施協力のための経費でありまして、前年度に比較して四億六千四百五十八万三千円の増額となっております。 北海道の開発事業に必要な経費は、北海道における土地改良、農用地開発、漁港、住宅、林道及び造林事業等の経費と、治山、治水、道路整備及び港湾整備事業等の経費に充てるための財源の各特別会計への繰り入れ金等の経費でありまして、前年度に比較して百八十五億五千四百三十万三千円の増額となっております。 科学技術庁に必要な経費は、原子力平和利用の促進、宇宙開発の推進、海洋開発技術の推進、科学技術の重要総合研究の推進、試験研究機関の整備充実等のための経費でありまして、前年度に比較して百二十五億八十一万六千円の増額となっております。 また、以上のほかに、国庫債務負担行為として、総理本府におきまして、外国人恩給について百十七万三千円、警察庁におきまして、警察施設整備について十六億一千四百七十六万七千円、北海道開発庁におきまして、国営かんがい排水事業について十一億六千七百万円、科学技術庁におきまして、宇宙開発事業団出資、日本原子力研究所出資、日本原子力船開発事業団出資及び動力炉・核燃料開発事業団出資等について三百九億四千六百八十五万一千円を計上いたしております。 以上をもちまして、昭和四十四年度内閣及び総理府所管の歳出予算計上額の概要の説明を終わります。よろしく御審議くださるようお願いいたします。 —————————————
○臼井主査 次に、科学技術庁予算の説明を求めます。木内科学技術庁長官。
○木内国務大臣 昭和四十四年度における科学技術庁の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十四年度総理府所管一般会計予算のうち、科学技術庁の予算要求額は、歳出予算額四百四十三億三千八百十一万五千円、国庫債務負担行為額三百九億四千六百八十五万一千円でありまして、これを前年度歳出予算額三百十八億三千七百二十九万九千円、国庫債務負担行為額百二十八億七千三百五十九万九千円に比較いたしますと、歳出予算額百二十五億八十一万六千円、国庫債務負担行為額百八十億七千三百二十五万二千円のそれぞれ増額となっております。 次に、予算要求額のうち、おもな経費についてその大略を御説明申し上げます。 第一に、科学技術振興基盤の強化といたしまして、歳出予算額十二億一千二百三十二万一千円を計上いたしました。これはわが国における科学技術を長期的な観点に立って、計画的かつ総合的に推進するための国の基本計画を策定するため必要な調査を行ないますとともに、科学技術情報流通の促進、科学技術の普及啓発活動の強化並びに国立試験研究機関の研究公務員の人材養成をはかるための内外への留学研究及び研究学園都市建設のための共同利用施設の調査及び無機材質研究所実験棟の建設に必要な経費などであります。 第二に、原子力開発利用の推進といたしまして、歳出予算額二百九十四億八千百二十九万七千円、国庫債務負担行為額二百五十四億五千百二十八万七千円を計上いたしました。これは、将来の電力供給の本命と目される高速増殖炉及び新型転換炉の研究開発について、高速増殖炉の実験炉の着工など動力炉・核燃料開発事業団が中核となり強力に推進いたしますため必要な経費と、昭和四十六年度に原子力第一船の完成を目標に、船体の進水、塔載原子炉の詳細設計等を行ないますため必要な経費、また、日本原子力研究所におきまして大洗研究所の整備拡充をはかるとともだ、核融合及び食品照射の研究等を行ないますため必要な経費のほか、放射線医学総合研究所等の国立試験研究機関及び民間企業等が行ないます原子力関係の試験研究に必要な研究費及び助成費、原子力軍艦寄港時の監視体制の強化等、放射能測定研究に必要な経費等であります。 第三に、宇宙開発の推進につきましては、昭和四十八年度に静止通信実験衛星を打ち上げることを目標に、ロケット及び人工衛星の総合的かつ計画的な開発を行なうため必要な経費として、歳出予算額五十七億九十八万円、国庫債務負担行為額五十億四千六百六万四千円を計上いたしました。これは、まず宇宙開発の実施面における一元化を進めることとし、新たに特殊法人宇宙開発事業団を設立し、ロケット及び人工衛星の開発、打ち上げ及び追跡を総合的に行ないますとともに、従来、郵政省電波研究所で進められてまいりました電離層観測衛星の開発研究及び航空宇宙技術研究所のロケット関連研究の一部をも一同事業団が受け継ぐこととし、これらに必要な経費を計上いたしました。 なお、同事業団は、本年十月一日の発足を予定いたしておりますので、それまでの開発研究は、宇宙開発推進本部が従来どおり実施することといたしております。 このほか、航空宇宙技術研究所におけるロケットの基礎的、先行的研究を行なうため必要な経費、種子島周辺漁業対策事業費及び宇宙開発委員会等に必要な経費であります。 第四に、海洋開発技術の推進といたしまして、わが国の沿岸海域及び大陸だな周辺の調査研究を行なうための潜水調査船の活用をはかりますほか、新たに海洋開発の基礎となります海中作業基地の建造に着手いたしますため必要な経費等として、歳出予算額二億五千六百五十三万六千円、国庫債務負担行為額一億四千四百万円を計上いたしました。 なお、このほか、特別研究促進調整費より海洋開発充当分として、歳出予算額約九千万円を予定いたしております。 第五に、特別研究促進調整費といたしまして、歳出予算額六億七千万円を計上いたしましたが、これは防災科学技術、電子技術、海洋開発及び宇宙開発研究等の総合的研究及び不測の事態に備えて緊急に行なうべき研究の円滑な実施をはかることといたしております。 第六に、新技術の開発の促進及び資源の総合的利用の推進などといたしまして、歳出予算額八億八千百六十九万九千円を計上いたしましたが、これは、まず、特に民間の自主技術開発力の強化を目途といたしまして、新技術開発事業団の開発委託契約限度額の拡大等に要する経費等七億九百九十八万円、資源の総合約利用の推進といたしまして、資源調査会を中心とした資源の総合利用方策の確立に必要な各種調査を実施いたします経費一億一千二百七十九万一千円、また、国際交流の促進といたしまして、欧州原子力機関の共同研究事業への参加、経済協力開発機構の活動に対する協力及び外国の技術者を招聘して技術交流をはかるための経費など五千八百九十二万八千円であります。 第七に、試験研究機関等の整備強化につきましては、航空宇宙技術研究所の航空機関係の研究、金属材料技術研究所の疲労試験施設の整備、国立防災科学技術センターの新庄支所の新設及び大型耐震実験装置の整備、無機材質研究所の研究グループの増設及び研究用機器の整備など、科学技術庁の付属試験研究機関の整備、運営等に必要な経費のほか、特殊法人理化学研究所の農薬研究施設の新設及び埼玉県大和町への移転建設事業等に必要な政府出資金など合計して、歳出予算額五十三億三千二百三十六万円、国庫債務負担行為額三億五百五十万円を計上いたしました。 以上簡単でありますが、昭和四十四年度予算要求額のうち、重要項目についてその大略を御説明申し上げました次第であります。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○臼井主査 次に、法務省所管予算の説明を求めます。西郷法務大臣。
○西郷国務大臣 昭和四十四年度法務省所管予定経費要求の内容につきまして、大要を御説明申し上げます。 昭和四十四年度の予定経費要求額は八百二十二億五千八百八十万六千円であります。このほかに、官庁営繕費として建設省所管分に八千十六万二千円、刑務所等施設取得のための特定施設整備費として大蔵省所管特定国有財産整備特別会計予定額に十五億五百二十七万九千円が計上されております。前年度予算額七百三十四億二千二百三十一万六千円と比較いたしますと、一法務省所管分は八十八億三千六百四十九万円の増額となっております。 増減の詳細は途別の資料により御承知願いたいのでありますが、その内訳を大別して御説明いたしますと、第一に、人件費関係の八十二億十八万八千円であります。これは、公務員給与ベースの改定等に伴う増額分、昇給等の原資としての職員基本給及び退職手当等の増額分がおもなものでありますが、そのほかに、検事、副検事、法務事務官等四百五十四人の増員に伴う所要人件費が含まれております。 ここで増員の内容について申し上げますと、一、公安労働事件、交通事件等の増加に対処するため、検事三十五人、うち五人は訟務事件担当、副検事十人、検察事務官四十三人、二、登記事件及び国の利害に関係のある争訟事件の増加に対処するため、法務事務官百九十人、三、刑務所における勤務体制を改善するため、看守九十一人、四、非行青少年対策を充実するため、少年院教官十九人、少年鑑別所教官十一人、保護観察官十二人、五、出入国審査及び在留外国人管理業務の増加に対処するため、入国審査官二十人、入国警備官三人、六、暴力主義的破壊活動に対する調査機能を充実するため、公安調査官二十人となっております。他方、昨年八月の閣議決定に基づく定員削減計画による昭和四十四年度削減分として四百十九人が減員されることとなりますので、これを差し引きますと、三十五人の定員増加となるのであります。 第二に、一般事務費の十一億八千十七万九千円であります。これは、事務量の増加に伴って増額されたもののほか、積算単価の是正、職員の執務環境の整備改善及び矯正関係等収容者の処遇の改善に伴う増額分等であります。 第三に、営繕施設費でありますが、五億四千三百八十七万七千円の減額となっております。これは、法務合同庁舎等施設の新営費等は一億八千二万円の増額となっておりますが、昭和四十三年度に計上されました旭川刑務所等施設取得費七億二千六百五十九万七千円が減額となったことによるものであります。 次に、おもな事項の経費について概略を御説明いたしますと、第一に、法務局、地方法務局において登記、台帳、供託、戸籍等の事務を処理するために要する経費として、十四億六百七十四万一千円。第二に、検察庁において、刑事事件を処理するための直接検察活動に要する経費として八億七千三百十五万四千円。第三に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院の昭和四十四年度一日平均収容予定人員合計七万五千九百二十人の衣食、医療及び作業等に要する経費として七十五億四千七百九十六万二千円。第四に、保護観察に付された少年、いわゆる刑余者及び執行猶予者等を補導監督し、これを更生させるための補導援護に要する経費として十二億三千八百六十八万八千円。第五に、出入国の審査、在日外国人の在留資格審査並びに不法入国者等の護送、収容及び送還を行なうのに要する経費として一億四十七万二千円。なお、外国人登録法に基づき、在日外国人の登録及び指紋採取の事務を処理するために要する経費として一億九千四十八万七千円。第六に、公安調査庁において処理する破壊活動防止のための調査活動等に要する経費として十億八千六百七十万七千円。第七に、法務局、検察庁等の庁舎及び刑務所、少年院等の収容施設の新営整備に要する経費として三十九億四千百五十一万八千円が計上されております。 以上が法務省所管歳出予算予定経費要求の大要でありますが、このほか、昭和四十一年度一般会計における東京拘置所等施設取得のための国庫債務負担行為のうち、多摩刑務所(仮称)の取得にかかるものについて、同施設にかえて下野刑務所(仮称)施設を取得するための二十二億八千五百八十六万二千円の国庫債務負担行為、並びに松山刑務所その他の施設を処分して新たに松山刑務所、佐世保刑務所及び長崎拘置支所(仮称)の各施設を取得する契約にかかる二十億三千七百五十三万八千円の国庫負担行為を大蔵省等所管特定国有財産整備特別会計において要求いたしております。 最後に、当省主管歳入予算について一言御説明申し上げます。 昭和四十四年度法務省主管歳入予算額は二百六十一億五千五百九十八万六千円でありまして、前年度予算額二百八十八億七千十四万二千円と比較いたしますと、二十七億一千四百十五万六千円の減額となっております。これは、刑務作業収入等において六億三百二十三万四千円の増額となっておりますが、他方、交通反則通告制度の実施に伴い、検察庁で取り扱う罰金及び科料が三十三億一千七百三十九万円減額となることによるものであります。 以上、法務省関係昭和四十四年度予算について、その概要を御説明申し上げました。よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。 —————————————
○臼井主査 次に、文部省所管予算の説明を求めます。坂田文部大臣。
○坂田国務大臣 昭和四十四年度文部省所管の予算案につきましてその概要を御説明申し上げます。 まず、文部省所管の一般会計予算額は七千四百二十二億二千八百十万一千円、国立学校特別会計の予算額は二千七百六十三億七千二百二十五万三千円でありまして、その純計は七千八百八十八億六千七百四十三万一千円となっております。この純計額を前年度予算と比較いたしますと、およそ九百五億円の増額となり、その増加率は二二%となっております。 以下、昭和四十四年度の予算案におきまして特に重点として取り上げました施策について御説明申し上げます。 まず第一は、初等中等教育の充実であります。 このことにつきましては、かねてから努力を重ねてまいったところでありますが、前年度に引き続き、まず、父兄負担の軽減に留意し、教材整備の推進、教科書無償の実施、就学援助の強化、遠距離通学費補助の拡充、学校給食の普及充実等につとめることといたしました。 そのうち、教材整備の促進につきましては、教材整備十カ年計画の第三年次の整備充足を行なうこととし、また、教科書無償につきましては、引き続き国、公、私立の義務教育諸学校の全児童生徒に対して教科書の無償給与を行なうととも一に、新たに不就学の学齢児童生徒に対しても教科書の無償給与の措置を講ずることとして、総額百四十一億円余を計上いたしました。 次に、就学援助の強化につきましては、要保護、準要保護児童生徒の就学奨励として、校外活動費を新たに支給対象費目に加え、遠距離通学費補助につきましては、対象人員を一万人増加いたしましてその拡充につとめました。 次に、初等中等教育の充実のうち、まず、後期中等教育の拡充整備につきましては、定時制または通信制の高等学校の施設設備に要する経費の補助を行なうほか、生徒の就学援助を拡充する等、引き続き定時制教育及び通信教育の振興をはかるとともに、理数科及び職業科関係において高等学教育の多様化に対処するための施設設備等に必要な経費を計上しております。 また、理科教育設備及び産業教育の施設、設備につきましては、引き続き新基準による計画的な改善充実を行なうことといたしました。 次に、幼児教育の重要性にかんがみ、既定の幼稚園振興計画に基づき、引き続き幼稚園の普及整備のために必要な施設、設備に関する助成を強化いたしますととも一に、私立の大学及び短期大学の教員養成課程に対する設備費の補助を拡充して、幼稚園教員養成の充実をはかることといたしました。 次に、特殊教育の振興につきましては、養護学校及び特殊学級の計画的な普及と就学奨励費の内容の改善のため必要な経費を増額し、また、教職員定数の充実をはかるとともに、新たに特殊教育総合研究所の設置準備経費及び私立特殊教育学校教育費補助に必要な経費を計上しております。 次に、僻地教育の振興につきましては、僻地の教育環境の改善等のため、引き続き教員宿舎、スクールバス・ボート、給水施設等各種の施設、設備の充実をはかるとともに、複式の学級編制の改善及び教職員定数の充実を行ない、寄宿舎居住費補助等従来の施策を拡充するなど、総合的に施策を推進することといたしております。 また、学校給食の普及充実につきましては、その振興の基本方策について現在検討しているところであります。来年度予算では、引き続き給食施設、設備の充実をはかるほか、栄養職員の増員等施策を拡充し、さらに小麦粉及び脱脂粉乳につきましては、従来どおり所要の補助金を計上いたしましたが、脱脂粉乳につきましては、牛乳の使用量の増加に伴い、所要の量に調整を加えております。 次に、公立文教施設整備費につきましては、三百六十四億円を計上し、引き続き単価の引き上げ、構造比率の改善、公害対策等に留意するとともに、特に過密地域の教育対策として、人口の社会増地域における小学校校舎の不足整備に特段の配慮をいたすこととし、また、新たに新設の小・中学校の校地整地費を国庫負担の対象に加えることといたしました。 次に、義務教育諸学校の教職員定数の充実につきましては、従来までの義務教育諸学校に関する定数標準法の実施の成果を基礎として、なお一そうの教育水準の向上をはかるため、昭和四十四年度を初年度とする五カ年計画により、学級編制の一部について改善を加えるとともに、教職員定数の充実についても細部にわたる改善措置を講ずることとし、義務教育費国庫負担金総額三千七百八十一億円余を計上いたしました。なお、教員給与の改善に関する基本的検討を行なうため、引き続き調査研究費を計上しております。 以上のほか、教育課程の改善、道徳教育及び生徒指導の充実、教職員の研修及び研究活動の推進、学校安全の充実等各般にわたる施策の拡充に必要な諸経費を計上いたしました。 第二は、過密過疎地域教育対策であります。 来年度予算におきましては、過密過疎地域対策を新たに重点として取り上げることとし、これらの地域における児童生徒の急増、急減の現象に対処することといたしました。 まず、過密地域対策につきましては、さきにも述べましたように、人口の社会増地域における小学校校舎の不足整備に最重点を置くこととし、また、新たに新設小・中学校の校地整地費を国庫負担の対象としたほか、校舎の前向き整備等も引き続き実施することといたしました。 次に、過疎地域対策としましては、従来僻地教育振興施策として実施してまいりました教育環境の整備、教職員関係及び児童生徒関係のそれぞれの施策について、さきに述べましたとおり一そう拡充をはかることといたしております。 第三は、高等教育の整備充実と厚生補導の充実等であります。 国立学校特別会計予算につきましては、前年度予算額と比較して二百五十九億円の増額を行ない、約二百七百六十三億円を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの繰り入れ二千二百九十七億円、借入金十七億円、付属病院収入三百二十四億円、授業料及び検定料六十億円、学校財産処分収入三十億円、その他雑収入三十五億円であります。 歳出予定額の内訳は、国立学校運営費二千二百四十五億円、施設整備費五百十八億円などであります。 まず、国立大学の充実整備につきましては、その質的充実をはかる見地から、一学部の創設、二学部の創設準備、十二学科の新設及び六学科の拡充改組を行ない、短期大学についても二学科を新設することにいたしました。 次に、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費等各大学共通の基準的経費につきましても、引き続きその増額をはかっております。 また、新制大学における大学院修士課程の拡充、付属病院、付置研究所の整備につきましても配慮をいたしておりますが、特に付属病院につきましては、看護要員の増員について措置するとともに、病院教官の増員、臨床研修医等の謝金の増額をはかり、臨床研修制度の充実等に必要な措置を講じております。 次に、専門技術者育成のため、昭和三十九年度に設置をみた工業高等専門学校十一校に各一学科を増設するとともに、商船高等専門学校五校の学級の増加をはかり二百人の増募を行なうことにいたしました。 次に、国立学校施設の整備につきましては、五百十八億円を計上し、その整備の促進をはかることといたしておりますが、なお施設整備の円滑な実施をはかるため、後年度分について百七十億円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。 次に、大学問題の現状にかんがみ、特に学生の厚生補導関係については多角的かつ総合的な施策を推進することとし、合宿研修の拡大等学生指導費の増額、課外活動施設、設備の整備、学生厚生福祉施設の充実等に必要な経費を大幅に増額しました。 また、育英奨学事業の拡充につきましては、大学院奨学生及び高等学校特別奨学生の採用数の増をはかるととも一に、高等専門学校の高学年在籍者については、貸与月額を大学なみに改訂するなど引き続き事業を拡充し、総額で百五十一億円余を計上いたしております。 以上、高等救育の整備充実について配慮いたしておりますが、現在、一部の大学におきまして、諸種の理由から学内において紛争を生じておりますが、教育と研究の正常化につとめ、学問と教育の府にふさわしい教育環境を確立するよう努力いたす所存であります。 第四は、私学の振興であります。 わが国の学校教育において果たしている私立学校の重要な役割りとその経営状態の実情にかんがみ、来年度においても、引き続き私立学校に対する助成措置の拡充改善を行なうことといたしました。 まず、私立学校振興会の貸し付け資金につきましては、政府出資金及び財政投融資資金からの融資並びに自己資金を合わせて総額三百四十億円を確保することといたしましたが、明年度は、貸し付け条件の改善をはかり、特に低利の経営費の貸し付けワクを大幅に拡大する等の措置を講じることといたしました。 また、引き続き私立大学の教育研究の充実向上をはかるとともに、経営の健全化に寄与するため、経常的教育研究費の助成の範囲を拡大することとして三十三億円を計上し、また、理科等教育設備費助成及び研究設備費助成につきましても、合わせて四十八億円を計上しましたほか、幼稚園に対する施設費の補助の拡充等の施策を講じております。 第五は、学術の振興であります。 近年、学術研究の分野においては、研究活動の増大、専門分野の細分化、大型研究施設の需要等急速な進展を見るに至り、したがって、学術振興に関する施策も今後多角的に講じることが必要と考えられます。 来年度予算につきましては、まず、科学研究費補助金を大幅に増額し、総額六十億円を計上いたしましたが、この補助金については、引き続き配分審査等の改善に留意しつつ適切公正な執行をいたす所存であります。また、研究所の整備につきまして配慮するとともに、科学衛星一ロケット観測、南極地域観測経費及び加速器に関する基礎研究に要する経費等についても引き続き所要経費を計上することといたしました。 第六は、青少年の健全育成と社会教育の振興であります。 最近における都市化の進行、技術革新の進展などにより、社会構造の急速な変化を見ておりますが、来年度予算では、このような現状を踏まえて、社会教育指導者の養成確保に意を用いるとともに、社会教育施設の拡充につきましても、公民館、図書館、博物館等の施設、設備の整備を一そう推進することとし、また、大学開放講座の拡充など国民の学習意欲の高まりに対応する施策を進めることといたしております。 また、青少年の教育問題において社会教育の分野でになう役割りは非常に大きいものとなっておりますので、学校外における少年の健全指導事業の拡充等を行なうとともに、新たに青少年の団体宿泊訓練を通じてその健全な育成をはかる機関としての国立第七、第八青年の家を設置することとし、さらに、都市青年の家等公立青少年教育施設、青少年団体等の助成を拡充する措置を講じております。 このほか、青少年に対する映画、テレビ等の影響力の大きいことにかんがみ、積極的に優良な映画、テレビ番組の制作の奨励及び普及を促進するとともに、視聴覚教材の利用の推進についても十分配慮することといたしました。 なお、家庭教育学級の増設等、家庭教育、婦人教育の振興についても留意し、経費の拡充をはかっております。 第七は、芸術文化の振興と文化財保護の推進であります。 昨年新たに文化庁を発足させて、文化行政の総合的かつ効果的な推進をはかる体制を整備し、その後芸術文化の振興と文化財保護の拡充に努力してまいりましたが、来年度予算におきましては、それぞれの分野でさらに施策の充実をはかることといたしました。 まず、芸術文化の振興につきましては、芸術祭の刷新充実をはかるため国の主催公演及び地方公演の充実等に要する経費を計上することとしたほか、特に、地方芸術文化の振興に重点を置いて関係経費の増額をはかることといたしました。 また、芸術関係団体に対する助成措置の拡充を行なうとともに、国立の美術館、博物館等の整備費及び公立文化施設整備費の補助についてもそれぞれの実情に合わせて充実をはかることといたしております。 次に、文化財保存事業につきましては、文化財の修理、防災施設の整備等を一そう充実することといたしておりますが、特に、最近国土開発の急速な進展に伴ってその必要性を痛感されております史跡等の買い上げ及び環境整備に対する補助並びに埋蔵文化財の保護につきましては、特別の配慮を加えております。 また、平城宮跡の買い上げ、整備を引き続き行なうとともに、新たに飛鳥、藤原宮跡の発堀調査を開始することとして所要経費を計上いたしました。 なお、無形文化財の保存活用等につきましても、引き続き必要な経費を計上いたしております。 第八は、体育・スポーツの振興であります。 わが国の体育・スポーツの現状から見ましても、青少年をはじめ広く国民が体育・スポーツを実践し、健康の増進、体力の向上をはかり得るよう強力な施策を推進する必要があります。このため、来年度予算では体育・スポーツの普及奨励に力点を置き、水泳プール、体育館、運動場、柔剣道場及び野外活動施設等の整備を促進するとともに、スポーツテストの普及、スポーツ教室等の実施、スポーツ団体・行事の助成、指導者養成等について引き続き必要な経費を計上することといたしました。 また、体育・スポーツに関する国際的行事としましては、札幌オリンピック冬季大会の実施準備経費を大幅に増額計上するとともに、ユニバーシアード選手団派遣等に必要な経費を補助するなど、国際的交歓事業の実施を拡充することといたしております。 第九は、国際交流の推進と教育援助の拡大であります。 わが国と諸外国との間に文化の国際交流をはかり、開発途上国の社会経済的発展に寄与する施策として、まず、外国人留学生教育につきましては、国費外国人留学生の人員を増加いたしますとともに、その受け入れ体制の強化をはかることといたしました。 次に、国際学術文化の交流を促進するため、引き続き教授、研究者の交流を推進するとともに、新たに日本古美術の海外展を実施する等、文化交流についても配慮いたしております。 また、最近、特にアジア・アフリカ諸国に対する教育協力の要請が高まってまいりましたおりから、教育指導者の招致、理科設備等の供与及び指導者の派遣を実施するほか、アジア諸国への留学生の派遣等に必要な経費を計上いたしております。 さらに、ユネスコ国際協力につきましては、国内ユネスコ活動の推進をはかるとともに、アジア諸国の出版専門家の養成、ユネスコ本部との共同事業による各種ワークショップの開催等一段とその事業の拡充をはかることといたしました。 以上のほか、沖縄の教育に対する協力援助費につきましてはこれを増額し、別途総理府所管として計上いたしております。 以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。よろしく慎重御審議のほどお願い申し上げます。
○臼井主査 以上をもちまして本分科会所管の予算の説明は全部終了いたしました。 午後は一時より再開し、皇室費及び国会所管に対する質疑を行ないます。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時十八分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○臼井主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより昭和四十四年度一般会計予算中、本分科会所管のうち、皇室費及び国会所管の質疑に入ります。 まず、国会所管の質疑を行ないます。川崎寛治君。
○川崎(寛)分科員 限られた時間でございますので、私が最近国会関係の付属しておる調査機関の問題についてあれこれ考えておりますこと、また、こうすべきじゃないかと思っておること等を、それぞれの関係の皆さんにお尋ねをしてみたいのであります。 実は、私がこの国会付属の調査機関についていろいろと関心を持ち始めましたのは、沖縄の問題が大きな国の政治問題として上がってまいりました。国会でも論議がずっと続けられ、また、総理もいろいろと外交折衝をやろうとしておるわけですが、この問題を検討いたしてまいりますについて、私は、立法府というものが国の最高の議決機関だ、その国の最高の議決機関としての機能を果たしていくためには、それぞれその中におりますわれわれ、つまり、議員それ自体の問題もまずあろうかと思います。それから、それぞれの機構としての機関のそれぞれのあり方にも問題があるのじゃないか、こういうふうに思います。国会が行政府の事後承諾の機関になってはならない、これは貫かなければならない一番の問題だろう、こういうふうに思うわけです。ところが、沖縄問題という民族的な課題、しかも、歴史的な背景があり、また、今後の、将来にも大きな影響がある問題に取り組んでみて、国会付属の調査機関がいかに貧弱かということを私は痛感させられておる。このことは、事務総長も、私が数年前からいろいろと問題を提起し、御相談もしてまいっておりますので、十分御承知だろう、こういうふうに思います。だから、立法府としての権威を高めるためには、調査機関の拡充ということが至上命題だ、まず私はこういうふうに思います。アメリカにおいても、アメリカは議員立法が主体になっております。ところが、戦争中のいろいろな議員立法というものの落とし穴、そういうものから、やはりボス政治というものが非常に横行してきて、戦後これを改めていこうということが、今日のアメリカの議会図書館の再編成の基本になったのだろうと思うのです。 これは後ほど具体的に立法考査局の局長さん等からも、その辺の比較は伺いたいと思いますが、まず、そういう全般的な感じです。そこで、公正な、中正な調査機関の確立ということはどうしても急がなければならぬ。はたして、いまある国会の調査機関というのが、そういう意味では十分か、たとえば沖縄問題を一つとってみても、沖縄問題が起きる、そうしますと、行政府は総理府という一つの特定の全体を統括する機関があるし、さらには各省が、農林省も自治省も文部省も、それぞれ問題をかかえておりますと、現地に人を派遣して実態調査をやる。そして資料を集めていろいろと施策をとっておる。ところが、私たちが国会付属の調査機関でそういうことを求めようといたしますと、残念ながら、国会の付属の調査機関からは、立法考査局からもまた常任調査室からも、法制局からも、現地の調査にだれも行っていないのです。そういうことで、はたして最高の議決機関の調査機関としての機能を果たしておるかということを私は痛感をしているわけです。 そこで、まず前置きはそれくらいにしまして、国会の調査機関というのは国会図書館、それから衆参の常任調査室、それから法制局、こういう五つの機関が国会の調査機関だ、こういうふうに思いますが、その点はそれでよろしいのですか。
○知野事務総長 ただいま川崎先生からお話がありました調査機構の整備充実の問題でございますが、一般的に申しまして、新しい国会が常任委員会中心主義と申しますか、現在の委員会制度をとりますときに、この委員会に専門員及び調査員の制度を置きまして、その整備充実をはかることによりまして国会の機能が果たされるということを期待しましたことは、おっしゃられるとおりでございます。その後、調査員の諸君がいろいろと勉強その他をされておりますけれども、なかなか十分にその成果を発揮できないという批判は、各常任委員会の先生方のほうからもそういう御意向がございました。まあ拡充をするという前に、いろいろ現在の内部でも改善しなければならぬ問題がたくさんあろうかと思いまして、現在、議長のもとにございます議会制度協議会でございますとか、議運のほうでも、そういう問題の検討をすべきでないかという意見が出ておりまして、それらの具体的な方法につきましては、また先生方の御意向も承りまして、これから具体的に考えていかなければならぬかと思っております。 それから、いま第二番目にお話がございました沖縄関係の特別委員会の調査事務につきましては、前々から川崎先生のほうからお話がございまして、それで、ほかの委員会の調査室に頼んでも、ほかの委員会はやはり自分の固有の調査事務を持っておりますし、何かそういう方法がないかということで、現実問題として、既定の予算といいますか、ワクの中でもそういう措置をしたのでありますけれども、今度もまたそういうことで、若干調査員を入れるということをいたしております。
○川崎(寛)分科員 まづ一つは、非常に事務的ですが、国会の調査機関というものは、常任調査室、法制局、それから国会図書館。だから、常任調査室と法制局は衆参ですね、四つ、それに国会図書館という五つの機関が国会付属の調査機関であるということを、まずひとつ確認しておきたいと思うのです。
○知野事務総長 そのとおりだと思いますが、ただ法制局につきましては、国会法上、議員の立法に資するためということになりまして、これが即調査機関といえるかどうかにつきましては、ちょっと問題があろうかと思います。
○川崎(寛)分科員 それでは具体的にお尋ねいたしますけれども、沖縄問題は、常任調査室にしても、沖縄の現地を調査したいということは、私切実だと思うのです。非常に少ない人員で非常に努力しておられる。その点には私は感謝いたしております。いろいろと協力してもらっておりますので感謝をいたしておりますが、ただ残念ながら、現地を知っていない。これだけ二十数年引き離されておる特殊の地域ですから、そういう現地を知らないということは、調査の上では致命的な問題なんですね。ところが、常任調査室から沖縄への調査旅費を要求した、また、立法考査局も沖縄の調査旅費を要求したと思うのです。しかし、それは予算書を見ますと、どうもはっきりしませんが、ゼロだった、こういうふうに伺っております。そうすると、先ほど言いましたように、各省はどんどん現地に出しておる。行政府は、各省が調査機関を持っておるし、そういう現地に出して調査したも一のを資料として出してくる、われわれはそれでいいのか。国会にせっかく常任調査室なり立法考査局なりというものがありながら、わずかのそういう現地を見るという旅費まで削る。これは後ほど大蔵省にも聞きますけれども、そういうあり方でいいのかということがまず問題ですね。ひとつ事務総長として、これは一昨年から私は現地に出してくれ——園田さんか副議長のときに、総理がアメリカに行かれます前に、第二回佐藤・ジョンソン会談をやります前に、私は常任調査室から現地に出して、現地を十分に知っておいてもらってくれ、われわれがいろいろ調査依頼をするについてはそれが絶対必要だ、努力しましょうということだった。それは一昨年から要求しております。そういうことが去年もまた四十四年度の予算案でも削られておる。ということは、私は国会の調査機関として、これはたいへん問題だと思うのです。その点ひとつ、事務総長はどうお考えか、はっきりしていただきたい。
○知野事務総長 ただいまの点は、川崎先生のおっしゃるとおりだと思います。前にも先生からそういうお話がありましたときに、ちょうど私のほうで沖縄特別委員会関係の調査員をぜひ採りたいということを申しておりまして、それと関連して実現したいと思いますから、ということで申し上げたと思いますが、今度そういうことで調査員も特に認められることになりましたし、現在の外国旅費の実行面からもわれわれは可能だと思っておりますので、沖縄特別委員会の先生方の御意向を承りながら、それらを早急に実現したいと私は考えております。
○川崎(寛)分科員 大蔵省にお尋ねしますが、なぜこれをいままで認めなかったのか。そういうことは必要がないという判断をしたのだと思うのですね。その判断——私、きょうは主計局長を要求しておりましたが、主計局長は都合が悪かったのだろうと思いますから、担当の主計官として、そういう国政の最高の問題になっておる、そういうことについての調査旅費を削るということについては、それ相当の理由があったと思います。だから、その相当の理由を明確にしていただきたい、こう思います。
○金光説明員 従来の経緯につきましては、やりくりでやっていただくという考え方でございました。四十四年度審議をお願いいたしております中身は、総長からもお話がございましたように、調査員の若干の増員、それから特別委員会のほうの経費も、従来見ておりませんでしたけれども、若干新規に計上するという措置を、御相談の上とっておるわけでございます。
○川崎(寛)分科員 私の質問に答えていないのですよ。これは十六名調査員を要求してゼロでしょう。ただ、特別委員会のほうが四名要求して二名ということですよ。それはそれで一つ問題です。ただ、いまの調査旅費、現地を知るということは、私は調査としては基本だと思うのですよ。調査なくして発言なし。われわれだって調査がなければいろいろ発言できぬわけですよ。だから、国会の調査機関から現地を見るということが、財政当局としてなぜ必要ないというふうに判断したのか。つまり、国会の調査というものについての、国会の立法調査というものの基本についての、そういうものが必要ないという判断をした基本は何かということですよ。これは私は、ただこれまでのやりくりだとか、あるいはこれまでの延長だというふうなものとは言えない。佐藤総理だって、命をかけると言って沖縄返還問題をやっているわけでしょう。その中で、財政当局が、国会が独自の調査機関を持ちながら、その調査機関で一生懸命苦労しておる人が現地を知らない、現地を知る必要はないのだという、その旅費の判定のしかた、ぼくはこれは財政当局としては許せない姿勢だと思うのですよ。その理由をはっきりしてください。あとの、調査員がどうの何がどうの、そんな付属はいいですから、基本をまず……。
○金光説明員 必要がないとは考えておりません。従来の既定経費の中でやりくりをやっていただくという考え方でございます。
○川崎(寛)分科員 それでは、沖縄への調査旅費は要求を削ったのではないということですか。ではその点、事務総長に明らかにしてもらいたいと思います。
○知野事務総長 これは、私のほうで職員が沖縄に行って調査をする旅費を要求したのに対して大蔵省が削った、ということではございません。従来、沖縄に参ります関係の外国旅費は、沖縄特別委員会の派遣旅費並びにこれに随行する旅費として予算にも入っております。それから、職員を単独に調査のために外国に派遣するという旅費は、特定のものについては認められておりますけれども、沖縄の問題については、実は特にそういう要求はしておりません。それで、この前先生からお話がありましたときには、職員の関係の外国旅費も若干ございますが、そういう実行の中で行けるようにしたい、こういうように申し上げてまいったわけでございます。
○川崎(寛)分科員 それでは、いままで沖縄に出したことはありますか。
○知野事務総長 単独には、まだ出してはございません。
○川崎(寛)分科員 議員の随行というのは、委員部の皆さん御苦労なさっておるわけですが、これは日程に追われまして、調査にならないのです。いろいろと事務処理に追われるわけですから、これは調査ということとは全く別のことと考えなければならぬと思います。その点はその点でよろしいですね。
○知野事務総長 調査室職員それから事務局職員を含めまして、単独に外国に行ったほうがいいと思われるものがいろいろあると思います。ただ、これはなかなか、衆議院の外国旅費全体の中から見ますと、単独として実現するということは容易ではございません。ただ私は、いま先生がおっしゃられますように、沖縄の問題というのは、これはほかのものとは区別してでもやらなければならない非常に重要な、しかも現在的な意味のあるものだと思います。そういうふうな意味で、われわれが現在持っております外国旅費のワクの中で、国会議員の外国旅費を削るという意味ではありませんけれども、沖縄の問題については特別の措置をするつもりでおります。
○川崎(寛)分科員 立法考査局は、沖縄に派遣するという計画があったのですか。そしてその旅費の点は、事務総長のほうと同じ経過でしょうか。それとも、要求をして削られたのですか。その点をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○河野国立国会図書館長 先ほどから御質疑になっておるお考え方、まことにごもっともと存じます。それで、われわれ国立国会図書館、特にその調査局においてこういう問題の経緯がどうなっておるかということにつきましては、私どもが現実の姿で要求をして、それで大蔵省がこれを査定の結果認めなかったということはございません。それで、そういうことに付言して、国立国会図書館、別して調査局と旅費との問題について少しく申し上げたいと思います。 調査局は国立国会図書館の一部局でございまして、国立国会図書館に付置された調査機能を持った局でございます。そういう意味におきまして何よりも有力な調査の材料と申しますか、これは図書館に入ってきます膨大な図書、雑誌その他の資料でございます。したがいまして、ずっと当初から、そういう文献調査、文献に依拠して調査の十全をはかるということでやってまいったのでございまして、そういう点もございまして、現実に外国あるいは国内を実地に調査して云々ということは幾分弱かったと思います。そういうことから、昨年以来、現実に現地に人を派しまして、しかも総合的にいろいろな問題を調査していかなければ、図書館の調査局といえども、実地を知らないことにおいて欠点ができてくるということで、総合調査という名をもちまして、相当人数のものを、各班のものを出しまして、現地に総合的に見なければならない問題、現実にはいま人口の過疎過密の問題をやっておりますが、そういう問題をやりたいということで、これはすでに四十三年度から予算化され、御審議を願っています四十四年度においても、引き続きこれをやっております。 それからまた、沖縄等も現実には入らざるを得ないのでありますが、外国旅費の点につきましては、私ども、外国の実地もよく見なければならないということを痛切に感ずるのでございますが、いまの現実の予算のつけられ方が、会議に出席するとか、しかるべき客観的な問題がないと、単に現地を調査する、あるいは現地の文献、図書その他の収集に大いにつとめるために人を外国に出すということが実現しにくいのでございまして、その点が私ども非常に残念に思っております。今後もぜひそれはつとめなければならぬ問題だと思います。そういう実情でございますので、沖縄の問題につきまして、先ほど来お尋ねのように、こちらが大蔵省に要求して云々というところまでいっていないことを残念に思います。
○川崎(寛)分科員 大蔵省の主計官に伺いたいのですが、いまお話しのように、とにかく、いままでの中でやりくりせいといったって、できぬ実情ですね。ところが、政治課題としての日程は、どんどん進んでいるわけですね。そうとすると、その問題について国会がそういう機能を果たしていこうということについて、財政当局がそういう縛り方をしていくということは、この大きな課題を進めていく上において、私は妥当でないと思うのです。この点ひとつ、今後——私がなぜこれを取り上げたかというと、国会の調査機関の機能のあり方という問題を検討するにちょうどいい、最もふさわしいテーマだ、こう思ったから、私はあえてこの問題でずっと検討してみているわけです。大蔵省としても、今後ひとつ、特に沖縄のこの調査の問題等については、国会の調査機関が機能を発揮し得るような抜本的な検討をしてもらいたい、こういうふうに思います。その点、明らかにしてもらいたいと思います。
○金光説明員 御趣旨に沿いまして、十分検討さしていただきたいと思います。 なお、要求に基づきまして、事務当局のほうとも御相談の上、いろいろ研究さしていただきたいと思います。
○川崎(寛)分科員 国会図書館長さんにちょっと伺いたいのですが、アメリカはどこへでも調査に飛んで行ける。世界のどこへでも飛んで行けるというふうな体制というか、予算のつけ方になっているというふうに私は聞いているのです。それから人員の点でも、日本の国会図書館の職員の数とアメリカと、規模が段違いに違うのではないか、こういうふうに思います。この点はひとつ、いま大蔵省も、沖縄問題はそういうふうに調査するというし、調査機関のあり方についても、私はもう少し国会としても強い意思で——これは、議運の同僚の諸君にも私は話をしていきたいと思いますけれども、そういうあり方について検討してもらいたい、こういうふうに思います。 時間があと限られておりますので、少し……。そういう先ほどの事務総長のお話からいたしますならば、常任調査室の機構を、つまり、常任調査室というのは常任委員会の関係だ、こういうことで、特別委員会との関係は非常に複雑な問題があろうかと思います。ところが私、常任調査室の今日の機能というものを見てみましても、期待しておるようなものには、現在の予算措置、人員の配置、そういうものではとうてい及ばないのではないか、こういうふうに思うのです。ということは、衆議院常任委員会調査室規程というのがありますが、この第五条に、それぞれの事務の内容が書かれております。第一号から第五号までは、非常に限られた人員で一生懸命やっておられる、こういうふうに私は思います。ところが、どうしても人員の関係で、たとえば農林水産委員会をとってみれば、食糧庁に対抗する食管制度をたった一人でやっていく。大蔵省いいですか、こういう実態なんですよ。食糧庁全体の問題を検討するのに一人でやるのですよ。これで十分に機能を果たせるかという点を指摘しておきたいのです。この六号、七号には「所管事項に関する基礎的調査」とか、「前各号に掲げる資料の収集整備」とかいうのがあります。しかし、どうしても一号から五号の当面の問題に追われていくわけです。それは常任委員会というものに直属をしている関係から、そうならざるを得ないと思うのです。しかし、われわれが国政調査を進めていくという場合に、ただそれだけではもの足りないわけですね。やはり六号、七号の「基礎的調査」だとか、あるいは「資料の収集整備」だとかいう点にまで——これは立法考査とも関連をする面もあるでしょうが、しかし、常任調査室としてはお願いしたいわけですね。そうすると、それにはいまの人員とか予算の中ではとうていできないことなんです。先ほど言いました外国への調査旅費だということで、沖縄の現地もわからぬ、こういうことになるわけです。だから、これらの点をさらに拡充していくことが必要だ、こういうふうに思いますが、事務総長の見解を伺いたいと思います。
○知野事務総長 ただいまのお話は、一つの委員会をとってみますと、確かにもうそのとおりだと思うのでございます。ただ現在の調査室の制度は、各常任委員長がそれぞれ常任委員会のもとに何名かの調査機構というものを持っているという状況でございまして、お互いに調査室全体が一つの問題に応援体制をとれるような状況にはなっておりません。たとえば、いま例にあげられましたように、食管の問題が非常に大きくなっているというふうなときに、農林委員会の一人だけではなかなか容易ではないと思いますが、いまの調査室機構の中でも、特定の大きい問題のときには応援体制がとれますとか、あるいはお互いに人事の交流ができるとかというふうなことができますれば、ずいぶん違うと思うのでございますけれども、そういう問題が、現在の法制のもとでは、なかなかとれないようになっておりまして、いまそういう問題もあわせて検討すべきだという声が出ておりまして、それらの問題も一含めて、現在検討しておるということでございます。
○川崎(寛)分科員 それから予算書を見ますと、沖縄関係で今度調査員が二名つくようですけれども、これは先ほど私が最初に伺いましたように、国会の調査機関というのは常任調査室、それから法制局は立法という面がありますけれども、あえて入れれば一つ、それから国会図書館、こういうことになりますね。だから私は、追加されます調査員は、これは当然常任調査室のほうに配属をされて、そして常任調査室のお互いの連携による——つまり、特別委員会のほうに対応し得る調査体制というものをつくってもらうことを期待して、いままで人員の要求もしておったわけです。ということは、委員部のほうに調査課というのがあります。どうも知らぬうちに前の一人は何か調査課のほうに行っておって、ぼくの考えておるのと全然違ったなあというふうに思った。それから規程を読んでみると、なるほどそんな規程があったかということになって、初めて知ったわけですけれども、しかし、これはわれわれが調査を依頼する、資料を要求するという場合に、委員部にある調査課というのは、これはほとんどわれわれの調査を依頼できるような機関ではないと思うのです。 もう時間が——あそこで委員長もにらんておりますから、このことは早く終わりますけれども、ひとつ先ほど言ったような、国会の調査機関というものを拡充するという方向で、今回の増員についてもきちんとした扱いというものを、これは後ほどまた御相談もしたいと思いますけれども、やってもらいたい。そうして、特別委員会ができるのは、これは日本の経済の高度化、あるいは日本がいろいろ発展する中で、たとえば沖縄問題等についても出てきておる問題なんですから、総合的に、つまり、社会労働とか、農林水産とか、地方行政とか、そういうあらゆるところのものを総合しなければ、特に沖縄問題なんというのは扱えないわけなんですから、ひとつ、そういう形で特別委員会に対応し得る調査体制というもののつくり方も検討し、拡充してもらいたい。この点についていかがですか。
○知野事務総長 ただいまの沖縄特別委員会の調査の問題でございますが、現在すでに一名既定の予算の中で調査員がございます。それから、今度新しく二名できました。沖縄問題の重要な性格等から見まして、私は、沖縄特別委員会の調査室と申しますか、それらの調査員でもって構成して、それでなお足りないものは、常任委員会の調査員に応援を求めるという体制がいいのではないかと思っております。これは、常任委員会の調査員の任免につきましては、任免の形態が法律的に若干違っておりますものですから、大体そういうふうに考えておるわけでございますが、なお、実際の運用につきましては、また御相談の上で取りきめたいと考えております。
○川崎(寛)分科員 いまのことを聞きますと、私はちょっと納得できないのですよ。というのは、一名配置されているか知らぬけれども、ぼくは、数年来沖縄問題を担当して、党の責任者としてやってきておりますけれども、一ぺんも委員部の調査課に調査を依頼したことはございません。それはないんですよ。できないんですよ。農林だとか、水産だとか、地方行政だとか、あるいは労働関係だとか、あるいは国政参加の問題だとか、そういうことをずっとしてきたら、委員部に置かれた調査課ではできないんですよ。それをあえてそういうところに置こうということは、これはもう絶対に承服できません。これは私、最初から要求してきた立場にありますので、この点は、つまり役人の機構というものは、ほったらかしてまかしておけばとんでもない方向に行くものだということを私は身をもって今度体験しました。それはいけないと思います。やはりほんとうに各般にわたっての調査がお願いできるような、つまり、先ほど言われたように、国会の調査機関は常任調査室、国会図書館の立法考査局、そういうふうにはっきりしているのですから、そういう中でこの問題を考えてもらう。法制上の特別委員会のいろいろのあり方等については、ひとつ常任調査室の皆さん方とも話し合ってきちんとしてもらうということでお願いをしたい。でないと、われわれ実際にしょっちゅういろんな調査を必要とし、資料を必要とする、そういう際に、現在の委員部にある調査課では、そういう機構ではわれわれの要求に応じ得ない。これはもう私の数年来の経験ですから、そのことをはっきりしておきたいと思います。それで、これはいずれ議運の皆さん等とも御相談をしたいと思います。 以上でございます。
○臼井主査 広沢賢一君。
○広沢(賢)分科員 国会職員の問題についてお聞きしたいと思います。 この前、私がお聞きしましたときには、国会は国権の最高機関として特別の地位にある。したがって、予算宝貝削減の政府の方針には拘束されない、これが一つ。たとえば、行(二)職の撤廃の問題についても、これもあるいは国会が発意していろいろ考えればこれはできるという、この二つを答弁いただきました。 そこで、まず、定員から始めます。国会関係の第一の問題としては、来年度予算の概算要求で衆議院の職員の定員増は何名ぐらい出しておるのでしょうか。
○知野事務総長 概算要求のときには、百名ぐらい出したかと思います。
○広沢(賢)分科員 百名ぐらい……。で、職種別に、その概算の段階の要求数と、最終的に大蔵省と話し合いがついた数は御存じですか、わかりませんか。
○知野事務総長 最終的に予算として入りましたものは三十九名でございます。
○広沢(賢)分科員 国会図書館の館長さん来ていますてすね。——四十三年度の予算書を見ますと、要求したあれと純増の前に、定員五名減と書いてありますね。あれはどういう理由で定員が五名城になって、それで今度純増になったというそのいきさつは、どういういきさつなんでしょうか。
○河野国立国会図書館長 ただいま御指摘の資料がどういうのをさしておられるか存じませんが、私どもの関知しているものでは、純粋に増加する数だけについて扱ってございます。四十四年度予算で申しますれば、十四名増ということでございまして、そういう差し引きの関係はございません。
○広沢(賢)分科員 これは四十三年度の「国の予算」のあれですが、その説明では、国立国会図書館は増員二十八名、定員削減五名、差し引き純増二十三名と書いてあるのですよ。それでこれはやはり大蔵省が予算削減をしろしろといってきたことに対して、いろいろと応じたのかどうかですね。そうすると、やはりこの前の答弁と違うからお聞きしたいと思います。
○河野国立国会図書館長 ただいまの印刷物は大蔵省関係で出されたものかと存じまするが、私どもの関知するものではございません。それで、私どもは、いまおっしゃいました四十三年度の予算につきましては、純増二十三名と考えております。 ついでに申しますれば、一般的な労働力の不足という社会情勢、あるいは、別して、国の財政事情の窮迫、そういうことは、国の機関の責任者として私どもよく承知をしており、これを重要に考えなければならないということから、私どもの予算の要求のしかた自体を十分自己抑制はいたしております。しかし、国のために図書館業務としてやらなければならないことは、どうしてもやらなければならないわけでございますし、先ほどおっしゃいましたように、行政府の閣議決定が国会の諸機関を拘束するわけではございませんので、私どもは私どもの必要とするところに従って大蔵省と折衝し、純増の形で認められておると考えておる次第でございます。
○広沢(賢)分科員 国の財政事情は窮迫してはいないんで、大型予算なんですから、どんどん要求すべきことは要求し、それから、独自にちゃんと国会の権限があるんだし、ちゃんとそのとおり主計局のほうも答弁しているんだから、うんと要求すべきだと思うのですが、委員会庁舎の要員としての——今度は委員会庁舎が新しく建ちますが、そうすると、そこでの用務員は何名予定していますか、事務総長。
○知野事務総長 委員会庁舎が運営されることに伴いましてふえます人員は、三十七名でございます。それのうちで、これは去年も申しましたが、議事堂と同じ扱いと申しますか、委員室でございますので、これに要しまする警備要員として衛視三十名、それから、委員会庁舎のために保守的な仕事をします機械、電気等の保守的な職員が七名でございます。特にこのために用務員の増加はいたしておりません。
○広沢(賢)分科員 用務員は仕事がふえるわけでしょう。いま、いろいろ聞いてみますと、たとえば一部外注制にずっと切りかえていくということをやっていますね。国会というのは非常に重要な書類があるし、それから、いろいろと政治的にも一々きびしく検問しておるわけですから、そういう点で、あまり外注制をばりばりやれば、これはよ予てと違って——用務員の人員を削減するというか、節約する、大蔵省がなかなかうんと認めないということで。そうなると非常に不都合が生まれるし、それから現在員の人たちも、これから委員会庁舎が増設されるということになれば、これは相当労働強化になると思うのですが、そういう点はいかがですか。
○知野事務総長 ただいまの点でございますが、確かに議事堂の中には外注に適さないものがあると思います。そういうふうに、委員室でございますとか本会議場でございますとか、そういうものはやはり職員である用務員がすべきであろうと思います。委員会庁舎につきましても、職員である用務員にそういうところはやってもらうつもりでございますが、ただ一般的な仕事といいますか、廊下でございますとか、差しつかえない限りのところはやはり外注に出したい。それから、現在用務員が担当しておりました別館等の清掃につきましても、できるだけ外注にできるものは外注にする。それから、ここの受付もロッカーを備えまして、若干用務員にも余裕ができそうなところもありますので、そういうふうな人たちにやむを得ない委員室等の清掃をやってもらうことにしまして、やりくりでやっていけるというつもりで用務員はふやしておらないわけでございます。
○広沢(賢)分科員 大蔵省に対して私が要求するのは、これほど重要なところなんだから、あまりやりくりをして、それで重大な不祥事を起こしたり何かしないように、もっと大蔵省にそういうことは十分わかってもらうという立場をとらなければ、事務総長としての職責が果たせないと思うのです。そういう意味なんです。 それで、もっと具体的に聞きますと、電気、営繕関係の人員配置については、委員会庁舎をふやすと、その配置についてはどう考えておりますか。
○知野事務総長 これは電気、営繕関係の保守要員として七名の新しい定数が入ったわけでございますが、現在、本館その他会館等の保守と非常に関係がございます。したがいまして、新しく入った職員だけで委員会庁舎がやれるというふうなものではございませんで、新しく入ります七名と従来の電気、営繕関係の職員をあわせまして、一緒に運営をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○広沢(賢)分科員 四十四年度三十九名の定員増の予定ですが、いまおっしゃった、その中で三十名は議警職じゃないですか。そうすると、もう非常にわずかな増員ですね。議警職を除けば九名ですね。それで足りると思っているのですか。やりくりがつきますか。
○知野事務総長 まあ多ければ多いほど、これにこしたことはないのでございますが、やはり議会は、先生のおっしゃるとおり独立性というものを持っておりますし、それから組織につきましても自主性を持っております。そういう点を大蔵省も十分やはり考慮をいたしまして、現在、定員の非常にやかましいときに、これだけの定数を純増でもって入れたのだと思います。私のほうもできるだけ事務の能率化でございますとか、そういう配分のよろしきを得まして、やはりやれるものはできるだけやっていくという考えでおりますので、何とかこれでやっていけるめどをつけております。
○広沢(賢)分科員 もう一つ具体的に聞きますが、委員会庁舎が開設して、それで当然委員会を同時に開催する数がふえると思うのですが、会議時間も一大幅に増加する。これは非常に国民のためになるのです。非常に国民のためになるし、わずかな金額にはかえられない。で、現在の速記者の人員で何本の委員会数が持てると思いますか。
○知野事務総長 同時に何本というのは、正確にいまちょっと申し上げかねますが、実は、委員会庁舎といいますか、今度委員会室の増加に伴いまして、すでに昨年の十月に速記者養成所を卒業する者につきまして、四名ばかり定数増を昨年のうちにはかっております。これからどの程度委員会が実際上行なわれるかということを勘案しまして、なお必要であれば速記者の増員を要求しなければならないと思っております。
○広沢(賢)分科員 大体、いろいろ聞いてみると、現在十三本可能だという、ところが今度あれしますと、十八本にふえるのじゃないかというふうにいわれておるのですが、これはあとで計算してください。だから、速記者というのは非常に足りなくなると思うのです。そこで、養成所の生徒の手当の予算が若干ふえたと思うのですが、生徒寮の新設等、一応努力していますが、参議院は、これはやっていませんね。速記者の増員を急ぐ。それから参議院事務総長は、養成所の生徒寮新設をする予定かどうか、それをお聞きしたいと思います。
○宮坂参議院事務総長 国会運営の一番基礎になっておる速記の点につきましては、いろいろ御配慮をいただいて、どうもまことにありがたいしあわせでございますが、最近になりましても、地方の進学状況その他勘案をしまして、速記者養成所の志願者はそうめったにふえるというわけではございません。また特に、御承知のとおり、練習が非常にきびしいものでございますから、卒業生を残す数は、速記者の幹部の意見を全部私たちが承認しておるわけではございませんですが、かなりきびしいものがありまして、一年間に二、三名、三、四名——五名になれば非常に——そんな程度でございますが、そういう点につきましても、われわれは将来大いに勘案しなければならぬと思います。 それで、地方から受験してまいります諸君も、この寄宿舎の点については非常に関心を持っておりますので、瀬田に養成所をつくりましたとき、はなはだここで申し上げにくいのでありますけれども、いろいろな設備をそこへ付属させて、いま便法を講じておりますが、りっぱな寄宿舎でもできればなお幸いだと思っております。
○広沢(賢)分科員 速記者はお説のとおり、貴重な文化財のような——非常にきびしい訓練を要するのです。したがって、いまからやはり、やりくりじゃなくて、きちっと対策を講ずるということが大切だと思うのです。これは大蔵省に特に言いたいことなんです。 その次に、今後、永年の議員に専属の車がつきますが、非常に多くなるのですね。そのために自動車の台数が非常に多くなる。どのくらい来年度ふえるか。それから、それに伴って運転手はどういうことになるのか。これは非常に悩みの種だと思いますが、この点についてお聞きしたいと思います。
○知野事務総長 ただいま御心配をいただきました自動車の運転員の問題でございますが、従来、たとえば永年在職の表彰を受けられます議員に自動車をつけることにしております。大体、いままででございますと、一年にせいぜい二人か、多くて三名ぐらいでございます。ところが御承知のように、戦後、昭和二十一年に選挙をされました方々が十一名現在おられます。この方々がやがて二十五年の永年在職表彰を受けられます。それからその次の、翌年に当選された方が連続して十四、五名現在おられます。そういう方々が一斉に二十五年の表彰を受けられまして、車を配属するということになりますと、従来は一、二台の車は大蔵省も車は認めるが運転員については何とかやりくりでやってほしいということでまいりましたが、この次の、一ぺんに十名ないし十五名の方々が表彰を受けられるときには、自動車だけをもらって運転員がつけられないという状況ではとうていやっていけない。これは大蔵省に十分に理解してもらって定数をもらいたいと考えております。
○広沢(賢)分科員 その点について大蔵省の考え方はどうですか。
○金光説明員 具体的に御要求をお聞きいたしまして、事務局とも御相談いたして検討いたしたいと考えます。
○広沢(賢)分科員 検討というのは、やはり前向きのことだと思います。 そこで、国会はやはり業務量が非常に増大している。しかし、政府の方針の定員削減について、やはりこれはちょっと遠慮した気分が先ほどの答弁からも出てくるのですが、もう一回確認しますが、定員削減の政府の方針に対しては、それとは全然関係なく、国会として必要なものは、大事な仕事ですから——国会の運転手さんにしても同じなんですよ、一回事故があったら取り返しがつきませんから。そういう点で十分大蔵省に要求し、それから、そのことは変わらないということを確認できますか。
○知野事務総長 定員削減に関する閣議決定が国会を拘束しないことは、おっしゃるとおりでございます。 それから、ことしも委員会庁舎に伴いまして必要な人員を要求して、これがいれられましたことは、大蔵省もそういうことについては特別の配慮をしてくれていると思います。今後も必要なものは要求したいと思いますが、なお、私どものほうも、自分のほうで自主的にやはり能率をあげたり、機械器具を導入することによりまして、やりくりのつくものは率先してやるべきであろうと考えております。
○広沢(賢)分科員 それからもう一つ、行(二)の撤廃の問題が懸案の問題になっておりますが、国会職員の中から行口表適用者をなくす努力が続けられて、かなり成果があがったのですが、その基本方針は変化ありませんか。
○知野事務総長 基本の方針には変化はございません。
○広沢(賢)分科員 四十四年度は移行者の数が昨年よりも減っているけれども、将来についてはどういう見通しを持っておりますか。
○知野事務総長 これは広沢先生も御承知のとおり、現実問題としまして、行(二)職の初任給が非常に改善されましたり、あるいは給与全体が改善されたということに伴いまして、また一方では行(二)職の人の採用難と申しますか、そういう点から考えまして、初めは行(二)職でスタートして、そしてある時期で行(一)に移していくということが妥当であろうかと考えておりまして、今後もそういう方針で進めたいと思っております。
○広沢(賢)分科員 行(一)を使いながら、技能者は昇格基準を特別につくって、それ相当に上げていく、格づけをするということについてはどう思いますか。
○知野事務総長 行(二)の職員を全部行(一)に移しまして、そして、あるところに初任給の格づけをするということになりますると、実は行(一)職員との均衡と申しますか、なかなかむずかしい問題がございます。そういうところで、全体の制度といいますか、そういうものがすべてきちんとするような時期でもあれば別でございますが、なかなかむずかしい問題があるというために、現実問題として、先ほどのような処理をしたいと考えておる次第でございます。
○広沢(賢)分科員 その問題については、あと人事院と御相談したいと思うのですが、今度は行(一)表に移行したあと、高い号俸給への移行のために昇給額が低くなったり、頭打ちを来たす事態が出ておると思うのです。これは国会ばかりではないと思いますが、移行者の昇格についてどう考えますか。
○知野事務総長 いま広沢先生が御指摘されましたのは、たぶん五等級に移行した者の四等級への昇格の問題であろうと思います。この問題は、職制上の問題も実はございまして、四等級に上がると申しますのは、一般の事務職員と申しますか、行(二)から移った人でない者の間でも、だれでもが当然に四等級に行くという問題ではございません。これはやはりその中から課長補佐と申しますか、何名かの人間を統括するようなポストの人がなるわけでございますので、事務系統におります五等級の職員が順次全部四等級に上がるというふうになっておりませんものですから、そういう音一味で、技能職として五等級に格づけされた人が四等級に行くという問題はなかなかむずかしい問題がございます。ただ、せっかく行(二)から行(一)へ移りまして明るい気持ちでやろうとしておるときに、そこに頭打ちの問題が起こるという問題は十分検討しなければならぬ問題でございまして、非常にむずかしいとは思いますけれども、いろいろなことを考えて努力をしてまいりたいと考えております。
○広沢(賢)分科員 参議院では特に五等級が頭打ちで困っておる。これは国家公務員全体について重大な問題になっていると思うのです。これは国家行政組織、職制と、それから給料のずっと上がっていく問題とは別に考えなければならぬ。そういう問題については人事院に後ほどあらためてお伺いします。 今度は速記職、これは特別の仕事で、先ほど言ったとおりですが、表自体が行き詰まっていて、運用によって速記者の処遇を考えられているけれども、ごたごたになっている。それでもどうしようも一ないところに来ているのではないか。特に勤続四十年に及ぶ者が、毎年の昇給が額にしてわずか千円程度という処遇を受けておる。これらについて、総長として抜本的に検討してその構想を考えなければいかぬと思うのですが、この打開の構想はございますか。先ほどの話と関連します。
○知野事務総長 この点につきましては、昨年も先生からいろいろと御心配をしていただいた点でございますが、速記者というのは、先ほどもお話がありましたように、議会にとりましては非常に重要な職種でございます。ただ、この速記者の給料表というのが、ほかの公務員にはない職種として現在制定されておるわけでございますが、給料表だけの問題では、もう片がつかないというところまで速記者の待遇問題というのは来ておるのではないかと私は考えております。したがいまして、速記者の諸君ともよく話し合っておるのでございますけれども、給料表の問題も含めまして、それからそれ以外のことも含めまして速記者の問題を考えないと、給料表だけでは片がつかない。現在速記者の給料表をかりに一番上を上げましても一、すでに速記監督のうちの十名以上の者が行(一)職の課長の俸給表を使わなければ処理できないというところにあります。そういうふうな点で、やはり統一的にいろいろなことを考えていこうということを言っているわけでございます。
○広沢(賢)分科員 先ほどもかわいそうだという声が出ましたが、やはりそのとおりでして、大切な、特別の仕事ですから、やはり何とかここで打開の道を考えなければいかぬと思うのです。 それから、もう一つの議警職の表についてですが、昨年特一の等級が設けられましたが、これによって、いままでの行(一)移行の慣例より不利になることはありませんか。
○知野事務総長 これは私のほうもその点の運用を十分気をつけまして、不利になることはないと思います。
○広沢(賢)分科員 たとえば衛視さんの問題では、三十六年ごろ、十二年でもって係長になったのですが、いまは、二十年ですよ、二十年になっても係長になれない。これも先ほど私が人事院に聞こうと思った問題ですが、やはり長年努力している方々が、給料も号俸給でもって行き詰まりになると、そのまま行き詰まってしまう。これの不満ですね。これについてやはり根本的に考えなければならないし、国会独自でいろいろとくふうされてしかるべきではないかと思うのです。それについてはどうでしょう。
○知野事務総長 その問題も、昨年もたしか御心配いただいたのでございますが、衛視というのは、やはり議院警察を行なうものでございますから、上に衛視長がおりまして、それから衛視副長がおりまして、衛視班長がおって衛視がおるというふうに、大体指揮系統に従ってピラミッド型になっていくのが普通の組織でございます。ただ、議会の場合は、御承知のように事務局が接しておりますのは、国会議員四百八十六名というふうに、上のほうに接することが多うございます。したがいまして、やはりピラミッド型ということばかり言っておれませんで、だんだん、衛視副長でございますとか衛視班長でございますとかいうふうなところをふやしていく必要も、ここの特殊な組織からしてやむを得ないのじゃないかということで、普通の組織から見ますと、ちょっと中ぶくれみたいになっておりますけれども、そういうふうなことがあってもやむを得ないのじゃないかと思っております。
○広沢(賢)分科員 急ぎまして……。結局、それですから、現在の職階制度のもとでは昇格しないと昇給は頭打ちになる。これは先ほど申しました、昇格するには級別定数のワクがきまっていて、これが狭いものになっているわけですね。たとえばさっき言った行(一)の五等級から四等級への昇格を見ると、毎年の昇給額がダウンする号級にいる者が一月現在で六十五名をこえている。それに対して、来年度五等級から四等級へ昇格できるワクはたったの十三名で、現状のままでは五名に一名しか昇格できない。これの昇格のいろんなやり方によっては非常に不公平というような気持ちが生まれてくる。これは各官庁を通じてですが、総長はこれについて、たとえば定数のワクを取り払ったり、それから通し号俸的に運用する考えはありますか、各等級を通じて。
○知野事務総長 号級の幅を取っぱずして全部通し号俸的にやるということは、現在の俸給の上ではちょっと不可能であろうと思います。ただ、総定員というものはあまりふえておりませんけれども、級別定数というものは、上のほうを少しずつでもふやしていくということで処理をしておるわけでございます。
○広沢(賢)分科員 昨年人事院規則の改正で、特別昇給のワクが一五%となっていますが、衆議院においてはいろいろ、ここで組織されている組合の要求と——面はこの要求にこたえていると思うのですが、それから、それとは違って、特別の昇給が行なわれているとも聞いていますが、この問題について、給料表に均等配分、中だるみの是正などを公平にやるという意味で、組合側と協議して実施すべきだと思うのです、先ほどの不公平に対するそういう声があると困りますから。特に日の当たる職場と日の当たらない職場で、いろいろ日の当たらない職場の方々についての声なき声を十分聞くようなやり方が、不平がなく、みんなをちゃんときちっと掌握できるということですが、それについていかがですか。
○知野事務総長 ただいま御指摘のとおり、人事の公平適正ということは一番基本的な大事な問題であろうと私は思います。そういう意味で、いつも七月ごろにはそういう人事をやるわけでございますが、その前には組合の諸君も私のところに参りまして、よくそういう話を私も聞いております。 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕 具体的な事柄につきましては、人事のことでございますから私どもがいたしますけれども、それにつきましては、職員の望むところというものを的確に把握しまして、必ず公正な人事を行なっていきたいと考えております。
○橋本(龍)主査代理 時間ですから……。
○広沢(賢)分科員 先ほど五分おくれて始まったんだから……。
○橋本(龍)主査代理 いまちょうど定刻でございますから……。
○広沢(賢)分科員 もう二問。 国会手当については、四十四年度〇・〇五カ月分増額になっておりますが、委員会庁舎の新設に伴っての超過勤務手当、賄雑費については増額が見られていない。昨今の国会情勢から見ても、当然これは増額すべきだと思うのですが、そういう国会の特殊性について大蔵省はいかに認識されているか、大蔵省当局にお伺いしたいと思います。
○金光説明員 国会職員の特殊性につきましては、それを認めて措置している状況でございます。
○橋本(龍)主査代理 広沢君、もう時間が参っておりますから、締めくくりを願います。
○広沢(賢)分科員 最後に図書館長にお伺いします。 国会手当というのが出ておりますが、図書館は衆議院、参議院の半分以下、その半分以下の手当の中で、さらに差別して支給されている。国会のほうにつとめている人と向こうでやっている人とが全然額が違う。これは非常に不公平でして、大体いつも八時まで向こうの図書館で、いろいろ必要な図書の貸し出しや何かして国民にサービスしている。国会内でもって、向こうにいる人は全然仕事が軽いとか、能率が悪いとかいうことはないでしょう。そうすると、これはどうしてこういうことが二重に三重にも行なわれているか、図書館長のお考えを聞きたいと思います。
○河野国立国会図書館長 いまお尋ねのお気持ちの中にあるものは、実は、国立国会図書館長としての私の考え方に通じるものがきわめて多いように存じます。現実にどうしてこういうことになっておるかと申しますと、一つは、国会職員給与規程の中で、国会特別手当を支給する根拠規定の中に、国会の繁閑に応ずる、あるいは国会の仕事に直接奉仕する、そういう事柄に関連さして規定してございますので、どうしても国会活動との関連において支給に若干の差異が出てもしようがないというふうに考えられてまいり、特に沿革的に申しますならば、当初からずっとその考え方できておったわけでございまして、したがいまして、三年くらい前までは、国立国会図書館の職員全員に国会特別手当が支給されるというふうなことはなくて、その一部に対してだけ支給されておったのでございます。私は、いま御質問になった背後にあるいろいろなお考え方に通じる考え方を持って、国立国会図書館の全職員に対してぜひこれを支給するようにいたすべきものだと考え、鋭意その折衝を行なってまいりました。それが累年少しずつ改善をされまして、現在御審議を願っておるところに至っておりますけれども、それが私としてはいまだ不本意なものがあることは御了察いただいておるとおりであろうと存じます。いろいろ規程の表現の問題、沿革の問題等ございますが、私としては、さらにいろいろ努力を重ねてまいりたいと存じております。
○広沢(賢)分科員 あとの問題について、高級官僚というか、特権官僚とそれから一般の公務員の昇給、昇格の問題で、ずいぶんいろいろとエリートコースの問題とかその他の問題がありますが、それは次に人事院総裁といろいろと話し合うことにして、質問を終わります。
○橋本(龍)主査代理 山本政弘君。
○山本(政)分科員 時間があまりないようでございますので、私は、まず国会図書館のことについて第一番目にお伺いをし、そのあと衆、参、国会図書館にわたる一般的な問題を御質問したいと思います。 国会図書館長にお伺いしますが、ひとつ、できるだけ答弁を簡単にしていただいて、図書館のいまの蔵書数ですね、それと未整理の本、それから未整理の資料の数、これをお示しいただきたいと思うのです。
○河野国立国会図書館長 国立国会図書館の蔵書の数は、四十三年の秋のときの状況で申しますれば二百三十六、七万冊となっております。これは図書でございまして、その他にマイクロフィルムであるとかマイクロフィッシュであるとか、地図であるとか音楽のレコードであるとか、いろいろな特殊な形態の資料がございますが、図書についてはそういうことでございます。 それから未整理の図書でございますが、未整理の図書は、四十一年以来五カ年計画をもって整理をいたしておりまして、現在確たる数字がまだ固まらないのもございますが、大体は当初二十五万冊の未整理の図書がございまして、五カ年計画の予定どおりに、あるいは場合によって、さらに一年延長することが必要かもしれませんが、大体において整理を完了するようになっております。
○山本(政)分科員 そうするとお伺いいたしますけれども、四十四年度の概算要求で図書館からお出しになった要製本数といいますか、これが二十四万二千六百九十六冊、あなたがおっしゃる整理を必要とするものは五カ年計画、一年延びるかもわからぬとおっしゃるけれども、いまから数年前の四十一年のときに二十五万冊、そしていま二十四万二千六百九十六冊、これは未製本の本ですからね、とにかく製本を要するものが二十四万冊、こうなっておるわけです。そうすると三、四年の間に、わずか一万冊くらいしか実は製本ができておらぬということになるんじゃないかと思うのですけれども、その点はどうなんです。
○橋本(龍)主査代理 答弁はなるべく簡単に願います。
○河野国立国会図書館長 先ほどのお尋ねは、整理の問題をおっしゃいましたから、図書館に入ってまいりまして、これを分類いたします、そういう意味の整理ができてないものがどのくらいあって、それがどうなったかということを申し上げました。いまは製本の問題をおっしゃいましたが、製本の問題は、新聞とか雑誌とか、一年分たまりますと、それを一つに合冊製本いたします。それと、今度は図書がいたんでまいりますので、そういう補修の製本をいたします。そういう製本の問題は、先ほど申しました整理の問題とは別でございまして、その製本につきましては、これは見方で、いろいろ程度によって違いますけれども、製本を要するものがどれだけの数字あるというようなことで予算折衝を行なったわけでございます。
○山本(政)分科員 館長は第五十五回国会で——これは四十二年の四月二十五日に第一分科会の広沢さんの質問にお答えになっておるのです。そのときに図書館長の答弁は、四十一年度、広義の出納不能というようなことをおっしゃって——未整理だと思うのですがね、これは。その中で、一つ、貸し出し、すでに貸し出したものがある、これは広義の意味では出納不能になっておるんだ、それからもう一つは、他の個所に排架されておるもの、それから先客があって一般閲覧室で閲覧中のものがある、最後に、製本に出してあると、こうおっしゃっておるのですよ。製本に出しておる。そしてその数を二十五万冊とあなたはおっしゃっておるのですよ。そうすると、製本に出しておるのが二十五万冊というのだが、いま要製本数が二十四万何千冊とあるのだったら、これはむしろ製本を要する本数というものはふえてきているということになる。同時に、いま私が申し上げた貸し出し、排架、それから先客があって閲覧をしておる。整理というものからいえば、未整理数はあなたがおっしゃっておるよりはるかに多くなっておるということが論理的に成立するでしょう。その点はどうなんです。
○河野国立国会図書館長 私の前の答弁を引用されてのお話でございましたが、図書の閲覧者が図書の貸し出しを求めて、それに対して実際図書を出納できないという場合に出納不能というものがございまして、その場合に出納不能の率がどのくらいになるかということを答弁したときのお話かと存じます。そういう際に、いまおっしゃいましたいろいろな項目の内訳を述べまして答弁をいたしましたが、それはすべてパーセンテージで言っておりまして、二十五万冊が出納不能の云々というふうに申し上げたことはございませんと思います。それで、それは出納不能のパーセントでお答えする筋の話となると思います。それで、別に、ある年間に製本をいたさなければならない、その製本を要する図書その他の資料が当館においてどのくらいあるかということに関しまして、あるいは十五万あるいは二十万あるいは二十数万、これは見方によっていろいろ違いますが、そういう数は出てくるかと存じます。
○山本(政)分科員 それじゃ、速記録にあるあなたの広義の出納不能九・六%というのは、明らかに一、二、三、四の私が申し上げたところの製本に出してあるところのものが入っておるわけでしょう。入っておって二十五万冊ですね。そうなるでしょう。
○河野国立国会図書館長 出納不能率の問題につきましては、どういう理由のものが何%、どういう理由のものが何%、合計がおそらくあの年度では八%か九%であったと思いますが、そういうことを御説明申し上げたと思います。その中で、絶対数が何冊というようなことは、事の性質上出てまいってないと存じております。
○山本(政)分科員 そのときに、大体蔵書数が二百三十万冊くらいだろうというあなたのお話が出ております。そうしていま二百三十六万冊。どうしてもふに落ちないのは、整理ができてない本が二十四万何千冊、そうして本がふえたのは六万から七万冊ですね。その段階でそんなに数字が違ってないという。むしろ私の申し上げたいのは、貸し出し、それからミス排架されておるもの、それから一部の閲覧、それから製本というものを入れれば、二十四万よりかはるかに数量としては多くなっておるのじゃないだろうか。つまり、閲覧する人たちはそれだけ不便をこうむっておるわけですよ。あなたはそうお思いになりませんか。
○河野国立国会図書館長 出納不能の問題は、閲覧者に対して迷惑をかけている問題で、ぜひその出納不能率というものを下げるように私どもつとめなければならぬと思っております。そしてその場合に、出納不能はそれじゃどういう理由で起きているかという中に、外部の図書館に貸し出しているもの、それから外部もしくは内部の閲覧者がすでに閲覧をしているもの、それから製本中のもの、いろいろありますが、そういうものは、そういう条件でなされておるからやむを得ない観点がありますが、そのほかに排架が乱れておる、あるべきところに置いてないために出納ができない、これはまさに私どもの手落ちでありますから、そういう率を改善しなければならないということをいろいろ分けて申し上げたと思います。その中に、現在製本中のために閲覧者が利用できない状態にあるものが何%ということを申し上げたと思います。そういうものにつきましては、できるだけ製本期間を短縮する、その他副本を置く、いろいろなことで出納率全体の改善をいたさねばならない、かように存じておるわけでございます。
○山本(政)分科員 そうすると、端的にお伺いしますが、要整理の本が二十四万何千冊、未整理の本というのは、つまり資料も含めて未整理のものはいま幾らあるですか。
○河野国立国会図書館長 整理されてない、つまり分類をされてないものは、現在まで十四万八千冊でございましたが、その内訳は閲覧……。
○山本(政)分科員 いや、内訳はいいです。 そうすると、私が申し上げたように、あなたにお伺いしたいことは、広義の未整理の中に、十四万八千冊のほかに二十四万数千冊の要整理本というのがあるわけでしょう。そうすると、整理をする、できるでしょうと言いながら、あなた方のことばをそのまま受け取れば、約三十万近くの本が未整理のまま放置されているということなんですよ。数としては、五カ年計画によって減らそうと言いながら、逆にふえているということですよ、未整理の本が五万冊くらい。
○河野国立国会図書館長 いま二十四万冊云々とおっしゃいましたのは製本を要するという意味の本でございまして、整理、未整理という問題と若干違うと思います。整理されていないというのは分類をされていないという、簡単にいえばそういうことでございます。製本を要するといいますのは、分類をされて書架に配置されてございまするけれども、装丁がいたんだり、それから雑誌や新聞が一年間たまりますと合冊製本しなければならない、そういう製本を要するものが二十何万冊、こういう意味でございます。
○山本(政)分科員 たいへんくどいですけれども、四十二年四月二十五日の質問に対してあなたのお答えになっているのは、貸し出しをされている、それから他に排架されている、それから閲覧中である、そして製本に出してあるということで、未整理としてあなたはおっしゃっているのですよ、四十一年度九・六%ということを。そうしますと、製本に出してあるものについては、少なくとも未整理としてあなた方は取り扱っているわけでしょう。そうでしょう。あなたのおことばをそのまま受け取ればそうなりますよ。どうしてならないのか。それじゃあなたは、この前の四十二年の四月二十五日の御答弁ときょうの答弁とが違っていることになるのですよ、少なくとも。そうなりませんか。
○河野国立国会図書館長 四十二年の速記録は私もあとでよく見たいと存じております。そのときに申し上げましたのは、全体として九・何%の出納不能のものの内訳の理由を言ってみるとこうこうだ、そのうち、製本に出しているものが何%だということでございまして、その製本を要するものも何も、すべて整理分類されまして書架に出されているものでございますから、冒頭に申し上げました整理されていない未整理の本と、それから製本を要するというものとは別の問題であろうかと存じます。
○山本(政)分科員 それじゃ時間がないようですからあれしますが、一国の国立図書館の規模というのは、図書の購入費プラス製本費と一応考えていい。建物は別ですよ。中身としてですね。そうすると、私が申し上げたいのは、四十三年度は図書の購入費が大体一億三千五百万円ですね。そして製本費が千八百万円。西ドイツも同じように図書の購入費が一億三千万円なんです。そして西ドイツは製本費が五千四百万円なんですよ。これは三倍ですよ。ことしの予算は幾らですか。
○河野国立国会図書館長 当館の本年度御審議を願っております製本関係の予算は二千百余万円でございます。
○山本(政)分科員 そうすると西ドイツの半分ですね。半分ですよ。西ドイツはそれで製本をやっておるわけだ。つまり、やっとこさその半分でもってあなた方は製本をおやりになるということだけれども、五カ年計画でそれができるのかどうか。と申し上げますのは、私はせんだって、「雄弁」という本を拝借したいといったら、あるのは六冊しかないわけです。「中外商業新報」に至っては全部使えないのですよ。こんなばかなことはないと私は思うのです。国立国会図書館というのは、国民一般に対して閲覧の便に供し、研究の資に供するはずなんですよ。それが、私だけではありませんよ、これはおそらく。つまり、明治から昭和の初期にかけての文献というものは何年間かほとんど未整理のままになっておるじゃありませんか。しかも、一つの新聞が全く使えないというばかなことはないと私は思います、整理ができてない、製本ができてないという理由によって。そういうことは社会的に見ても私はおかしいと思うのですよ。その点のお考えはどうなんです。
○河野国立国会図書館長 ただいま御指摘のありましたドイツの国立図書館、あるいはフランスの国立図書館等もそうでございますが、図書購入費に比例しまして製本費の額が当館の場合よりもすこぶる高いものになっておるということは、御指摘のとおりでございます。それで私どもも、製本費の増額ということにはぜひ今後さらにつとめてまいりたいと思います。さらに、いまおっしゃいました新聞その他につきましては、新聞の製本をきちんとする、あるいは新聞をマイクロフィルム化する、そして閲覧に御不自由のないようにするということにも大いにつとめておりまするが、製本に対する努力ということは、いまおっしゃいましたように、私どもとしては、さらに一生懸命やらなければならぬと考えております。
○山本(政)分科員 一つだけ私は指摘しておきたいと思うのですよ。当初業務関係のほうから、予算としてあなたのお手元に届いたときには、四千三百万の製本費の概算要求が出ておるはずですが、それがあなたの手で自分から三千三百万円に削減されておる。そして大蔵省で決定したのが二千百万円ですよ。業務関係がきちっとやっておることに対して、あなたが何で、製本がそれだけおくれておるのをお認めになるのだったら、削減なすったか、私は理由がわからないのです。その点をひとつただしたいと思うのです。
○河野国立国会図書館長 御承知のとおり、予算要求に対しまするワクというものが非常にきびしいものがあり、全体としていろいろ要求しなければならない点がございますので、原局から出た数字そのままを要求してはおりませんけれども、現在の製本の予算額よりも一はるかに高い三千八百万余の予算を要求したことは、いまおっしゃったとおりでございます。それで、製本費がこの数年間ほとんど増額を見なかったのでありますが、昨年度予算につきましては二百八十余万円、本年度が三百余万円上がっておりまして、これをさらに今後拡大をしていくようにつとめたい、かように存じております。
○山本(政)分科員 財政法十九条には「内閣は、国会、裁判所及び会計検査院の歳出見積を減額した場合においては、国会、裁判所又は会計検査院の送付に係る歳出見積について、その詳細を歳入歳出予算に附記するとともに、国会が、国会、裁判所又は会計検査院に係る歳出額を修正する場合における必要な財源についても一明記しなければならない。」とある。あなた方は、三権分立という中で立法府におられるのですよ。もっと大胆に、なぜ大蔵省にそれだけのものを、みずから削減されないで要求をされないのですか。国民は現実には不便をこうむっておるのですよ。私は、そういう国立国会図書館としての使命というものはやはり考えるべきだと思うのですよ。それが一つ。 それから、あなた方がこれを出しておるのですよ。「国立国会図書館月報」を出して、西ドイツはこれこれでありますと書いておって、自分の手でなぜ削減するのか、私にはそれがわからないのですよ。そういうばかなことは私はないと思う。時間がないから進みますが、だから、そういう意味では、あなた方は必要な人手というものはやっぱり採用しなければならぬだろうし、製本に必要な機械というものも要求したって一向差しつかえないと私は思うのです。そういう意味から館長にお聞きしたいのですが、図書館業務の機械化というようなことをお考えになっておるかどうか、その点……。簡単にしてください。
○河野国立国会図書館長 非常に大規模な図書館である国立国会図書館におきましても、業務の機械化を推進しなければならないということは、そういうふうに考えております。それで、その中核として電子計算機を導入するというようなことについても、本年度予算には入っておりませんが、さらに後年度においてはぜひそれを行なわなければならないと考えております。
○山本(政)分科員 それで館長にお伺いしたいのですけれども、コンピューターを入れるということでデータをお出しになっておるのですよ。データをお出しになっておる中で一これは予算要求のときにお出しになったやつですよ。あなたのほうで、「当館における業務機械化の従来の研究実験」といって、昭和四十年、四十一年、四十二年、四十三年に研究されているというんです。しかし、これは現実には、図書館において研究されていないで外注に出しているのです。そうでしょう。外注によるもので、図書館において実際に電算機を用いて作成したものではないのです、あなたがここに出しているデータは。「当館所蔵の外国逐次刊行物一覧を電算機を用いて作成した。」、これは作成させたのです。これはよそに外注に出して、よその電算機を使って熟練者を使ってできたデータであなたはここに請求しているわけです。あなた方のお手元でつくられたものじゃありませんよ。なぜ私はそんなことを申し上げるかというと、ここにちやんとある。厚生省で使いこなせぬ米国製のコンピューターというので一億四千万ものむだづかいがあるわけです。少なくとも私が見たところでは、あなた方のこの四十年、四十一年、四十二年、四十三年にわたる電子計算機を使ったと言われるデータというものは、あなた方がみずから実験をして、そうして、その結果かくかくしかじかであるといってやったものじゃありませんよ、これは。そういうずさんなもので、もしあなた方がおっしゃるように一億何千万円ものコンピューターを明年度予算に要求するとするならば、私は、これは国費のむだづかいになりはせぬかとおそれるわけです。大蔵省の方おられたら、その点、一体どうお考えになるかお聞きしたいのですが、おられますか。おられなければ、私は話を進めたいと思います。
○橋本(龍)主査代理 金光主計官が参っております。
○山本(政)分科員 それじゃ聞かせてください。
○金光説明員 先生おっしゃるように、図書の整理を機械化したいということは、私は同感なんでございますが、それが従来やっております整理が、受け入れ、登録の整理、このほかに情報索引というようなことも一ぺんに機械に乗ればさらに効果があがるじゃないかというようなことで、いま先生がおっしゃった目録の分類等は外注でいろいろ研究いたしておりますが、後半の情報索引関係について図書館のほうでプログラムの計画とか、あるいはプログラマーの養成というようなことを念には念を入れてやっていただきませんと、一ぺん機械をセットいたしますと、あとモデルを変えるのはたいへんな状況でございます。そういうようなことで、さらに慎重に検討していただいて、図書館自身のものにして機械に乗せていくようにという御相談になっている状況でございます。
○山本(政)分科員 私が申し上げたいのは、製本費をみずから削減をされるというようなことでなしに、一億数千万円のものを一カ月一千万円ずつ、準備不足でもしもコンピューターをお使いになったときに、厚生省の電算機と同じような二の舞いをやったときにはむだになるわけですよ。逆に一千万円を毎月製本に使ってごらんなさい。あなた方のおっしゃるものは全部解消するというのです。そうして国民が利用するのに不便もなくなるということを私は申し上げたいのです。 それで、館長にもう一つお伺いしたいのですが、製本関係に欠員がおりますね。その欠員は昨年の三月から一人、八月から一人おるはずですよ。何で補充なさらないのです、それだけのものを。
○河野国立国会図書館長 現におる製本定員に欠員ができていることは御指摘のとおりであります。製本の重要性からいいましても、ぜひ補充をしなければならないこと、またおっしゃるとおりであります。私どもは極力製本技術員の補充に努力をいたしておるのでございますが、現在製本技術者の絶対的な数が十分ございませんし、それから給与その他において民間の製本のほうが割りがいいとかいろいろなことがございまして、努力をいたしておりますが、現実にこれを充当するところまでなかなかいっておりません。職業安定所や図書館、いろいろな出版所その他類縁のいろいろなところに連絡をとってつとめておりますので、近く充当し得るのではないかと思いますが、努力をいたしておるところでございます。
○山本(政)分科員 職員の俸給の八百十二万七千円もが流用されているのですよ。そうして、それについては欠員があったからというような理由であなた方はやっているわけです。そうして不用額としてあげられたものは、十万九千七百二十五円が不用額になっているわけですよ。その気になれば私は雇えないことはないと思う。率直に申し上げますが、最近になって職安のほうにあなた方はお話をして、人員を埋めようとされた努力のあとがあるのです。それは最近です。そのことだけを申し上げて、あとの質問に入りたいと思います。 それで職場環境について、広沢さんのあとの質問になりますけれども、私は国会というのは特殊な職場だと思うのです。そういう意味で、これは衆議院の事務総長にお伺いいたしたいのですけれども、来年度予算で赤坂の宿舎に第三棟が建築されるという話を聞いております。そこでこの機会に、これは私も一、二度行って見ましたが、事務所が分散をされている。そういう分散をされたものをこの際統合されるお気持ちはないのかどうか。あるいは具体的にどうなっているのか、これをひとつお伺いいたしたいと思います。
○知野事務総長 赤坂はだんだんに棟を建てていったものですから、いま御指摘のような状況があると思います。新しくつくります宿舎は、これから検討するわけでございますけれども、できるだけ議員室の適正とマッチしながら職員のそういう事務的なものも統合してまいりたいと考えております。
○山本(政)分科員 それから、ここに私は組合の機関紙を見たのですけれども、機関紙によりますと、高輪の宿舎、それから赤坂も同じですけれども、夏分には蚊が多い、こういう話も聞いております。それから高輪の宿舎は毎年ヘビ退治をやっているそうですね。それで、私は高輪の宿舎にヘビが出るなんということも知らなかったわけですけれども、そのほかに雨漏りの補修とか草刈りの作業とか、業務外の作業というものも、話を聞きますとかなりあるようでございます。そうして青山の宿舎あたりは、深夜族といいますか、一晩じゅうあそこを大きな音で、オートバイですか、自動車が通るものですから、宿直の人が休まれない、こういう話があります。そういうことについての対策をお考えになっているのかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
○知野事務総長 宿舎に勤務する職員の環境の問題についていろいろ御配慮をいただきましてありがとうございます。高輪の宿舎は、いまお話しのとおり非常に古い、明治の建物でございまして、これはもう修繕をしましても、幾ら手をかけてもなかなか環境をよくするということができないような状況でございます。やがて赤坂に新しい宿舎ができ、また九段等の宿舎に改善を加えますれば、高輪の宿舎は将来廃止の方向に持っていきたい。その他につきましても、できるだけいまのお話しのとおり善処してまいりたいと考えております。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕
○山本(政)分科員 それから、すみませんがあと五分ほど、たいへん申しわけありませんけれども……。 この前の国会のときにも分科会でお話があったと田ふうのですけれども、これはたしか児玉さんではなかったかと思うのです。赤坂離宮で使わしてもらっていたグランド、これが返還になる。それで使えなくなるということで、事務総長のほうからの御答弁では、用賀のほうの速記者養成所ですか、あそこを使うようにしたい、それについてはいろいろ配慮もしたいということで、バスの出るようなこともお話しになっておりましたけれども、これはどっちにしても遠いです。交通混雑のときに特に遠いと思うのですけれども、そういうことを考えますと、そこの参議院の近くに、ならせばできる。これはアネックスをつくるとかいうお話もお伺いしておりますが、当分の間でもああいうところを使うようなことができないもあか。そうして将来はやはり近くにどこか適当な場所がないものか。この辺をどうお考えになっておるのか、お伺いしたいと思います。
○知野事務総長 閉会中等は、先ほどもお話しのように、バス等も使って用賀にあります速記者養成所の運動場をフルに活用したいと思っております。なお、開会中はそう遠くへも一参れませんので、ただいまお話がありました図書館の横の土地を、ことしは予算も環境整備ということで入れておりまして、当分の間ここに若干のコート、そういったものもつくれればつくっていきたい。それからなおもう一つ、特高変電所というものが衆議院にもとございましたが、そのあとにもバレーコートを一面つくりまして、近いところに職員のそういう運動施設をつくりたいと思っております。なお、赤坂のグランドに匹敵するような大きいグランドをいま国会周辺に持つことは、ちょっとこれはむずかしいかと思っております。
○山本(政)分科員 時間を五分間いただきましたので、簡単に最後にお願いをしたいのですけれども、印刷工場の問題であります。 これはもう昨年の分科会で総長もお認めになっておると思うのです。それからそのほかに、この衆議院の構内で、地下に各種機械室があるし、変電所もあるだろうし、それから建築の工作室といいますか、現業的な職場があるように聞いております。それから警務部の宿直室もある。これはもう確かに環境が悪いと思うのですね。この環境の悪い職場というものを一体どうなさるおつもりか。これは大蔵省の印刷工場もあるし、これはよそのほうに移転をすべきだという意見も聞いておりますけれども、この点を一体どう解決をしようとなさっておるのか、これをひとつお伺いしたいと思います。 それからもう一つは、そこにも冷房の工事がされております。聞くところによりますと、逐年順次やっていきたい、こういうようなお考えのようですけれども、一挙にできないものかどうか。これは条件としては働く人たちは同じでございますから、そういう点、同じやるんならひとつ全般的に、全部やれないものなのだろうかどうだろうか、こういうことが一つ。 もう一つは、深夜の国会、これは私どもにも責任がありますけれども、深夜国会のときに、職員も非常に苦労していると思うのですが、そのときに、一つだけ申し上げますと、前は金券をお出しになっておられたような話を聞いております。金券というのですか、百円の……。最近は現物で支給されておるけれども、インスタントラーメンが出たり、かんばんが出たりすることがある。私が聞いたのは、かんぱんの中に虫が入っているということを聞いたのですよ。これは私は非常におかしいと思うのですよ。そういうことがかりにあったとするなら、これはむしろ何で金券をおやりにならないのか。それならこれは使うのに融通がききますよ。インスタントラーメンは別にしても、かんぱんあたり、虫の食ったやつを食べさせるということは、これは私はやはりおかしいと思うのです。その点について、ひとつきちんと抜本的に職員組合あたりと相談をして、何とかいい方法がないかということをお考えになっておるかどうか。 同時に、私がいままで申し上げたことについて、やはり組合とも十分に、これは私の要望でございます、きちんと話をしていただきたいと思うのです。これはあなた方がお使いになっておるんだし、あなた方のために仕事をされている人だと思うのです。その点について、ひとつ最後に御答弁をいただきたいと思います。
○知野事務総長 ただいまの職場の環境の問題でございますが、昨年の分科会で御答弁申しましたように、地下室の冷房、別館の冷房、本館一階の冷房は、大体でき上がりまして、ことしの夏から冷房が通ることになりました。 それから、衆議院の印刷工場というのがございます。それから自動車の運転手さんの詰め所、そういうふうなところが若干ございますが、これらも、ことしの夏から順次応急的に冷房が大体できるであろうと考えております。 なお、そのほかに地下にありますのは、応急的には冷房を入れまして何とかやっていけるようになりますけれども、大蔵省の印刷工場でございますとか、あるいは大工さんがやられる仕事場でございますとか、地下というのはどう申しましても職場としてはよろしくありませんので、それらの抜本的な解決としましては、昨年申し上げましたように、将来事務局庁舎の完成を待って処理したいと考えております。 なお、もう一つの、おそくなりました場合の食券と現物の食料の問題でございますが、お話しのように、最初は食券で出しておりました。ところが食券で出しますと、食堂が夜おそくやってくれないことがございますと、食券だけ翌日になって使うということで、その場の間に合いませんものですから、どうしても夜おそくやるときにはビスケットでございますとか、ラーメンでございますとか、応急に何とかしょうということでやったのでございます。これは組合の要求もよく聞いてやりたいと思いますが、そういう併用をしなければならぬ事情もあったということです。 かんぱんに虫があったのは、昔一ぺんあったのでございますけれども、これはたいへん申しわけないことでございまして、現在はさようなことは決してございません。今後もそういうことのないようにいたしたいと思います。
○山本(政)分科員 いろいろと御質問を館長、総長に申し上げましたけれども、ぜひ私どもの要望——図書館についてはこれは国民的な要望でございます。総長に対しては、これは私は衆参両院にわたることだと思います。ぜひその点について、職員の要望もひとつ聞いていただくし、国民の要望もひとつ聞いていただくようにして、善処していただきたいと思います。 私の質問を終わります。 —————————————
○臼井主査 次に、皇室費関係の質疑を行ないます。大原亨君。
○大原分科員 皇室関係の質問者が一人もなかったもので、私、これは予算審議だからと思いまして……。ところが、あとから質問者が出てまいりましたので、簡単にひとつ……。 第一は、新宮殿が御承知のように百三十一億円ででき上がったわけです。りっぱな新宮殿ですが、私どもは、新宮殿を含む宮城内の管理運営につきまして日ごろから感ずるのですが、たとえばデンマークのコペンハーゲンなどに参りますと、宮殿の中に市民が自由に出入りしている、全く開放状況であります。あまり国民と隔絶をいたしまして神秘のベールに包まれるということは、新憲法の精神でないと私は思います。人間天皇ですから、そういう点で、新宮殿を含む宮城の管理運営については、こまかな配慮をされて民主的に運営をしてもらいたい、こういうことは国民の願いだろうと思いますが、これに対しまして現状とお考えをひとつ最初にお話しをいただきたいと思います。
○瓜生政府委員 皇居と一般の国民の方との関係でありまするが、皇居のうちで東側地区の東御苑は、御承知のように、昨年の十月から、午前九時から午後四時の間は、一般の方が自由にお入りになれるように公開をされたわけです。ただし行事のある場合と、そのほか特別に一週間のうち月曜と金曜日は休み。これは整備をする都合上そういう休みを設けておりますが、東側のほうはそういうふうにいたしております。その他の皇居の点でありまするが、皇居のうちで特に新宮殿との関連のある部分につきましては、皇居の新宮殿ができました当初のころは、ちょうど三日間二重橋から自由に皆さん入っていただきまして、皇居の外側でありまするが、前をずっと通って外から見ていただくというようなことが行なわれました。なおその後は、一日に午前十時から千人、午後一時半から千人という数を限りまして、あらかじめ許可を受けていただいた団体がおもでありまするが、その団体の方、それに個人の方も一部ありまするが、そういう方を御案内いたしまして、桔梗門から入っていただいて、新宮殿の前庭からずっと、ちょうど二重橋のちょっと手前のところですけれども中門というのがございます。その門からまた引っ返して、新宮殿の外側からでありまするが見ていただいておる。その他の地域もそれからあと御案内をする。しかしこれは外だけでありまして、中ではございませんが、そういうふうにいたしております。宮殿の中のほうの参観ということは現在認めてはおりません。きれいにできておりまするので、これはそう自由に入っていただくようなことは無理かと思っております。
○大原分科員 いまお話を聞いて思ったのですが、たとえば最初に三日間ほどかなり自由に開放された、そういうふうなことを一年間に何回かおやりになることもひとつ考えていただいたほうがいいのではないか。いま時間を切ってそういうお話がございました。 それから新宮殿はどういうふうにお使いになるかということは、それぞれ聞いたわけであります。いままで私どもある程度承知をいたしておるわけですが、いままでのことと違った運用、利用の方法といいますか、活用される方法があるのですかどうですか、新しい宮殿につきまして。
○瓜生政府委員 新宮殿の御利用の内容は、いままでの仮宮殿の御利用になった内容と基本においては変わりませんのですが、新しい宮殿において行なわれるということでありまするが、新しい宮殿はいままでの仮宮殿よりは部屋などが広うございます。したがって、いろいろな行事の際に招かれます人の数も従来よりはふやす。一例を申しまするとこの四月二十九日、天皇誕生日でございまするが、その天皇誕生日の場合に宮中祝宴というのがございます。これはいつも午さん会の祝宴でありまするが、いままでですと北の間で行なわれておりまして、北の間はそう広くございませんので二百人くらいに限っておりましたが、このたびできました豊明殿、これは大食堂ですけれども、豊明殿は北の間よりもずっと広いものでありますから、招かれる範囲も五百人以上に考えるというふうに数をふやす。そういうような点が新しい宮殿においてはいままでよりも変わると思います。その他の行事につきましても、そういうように多数の方を招かれるというふうに変わっていくかと思います。
○大原分科員 質問がちょっと前後しますが、大部分の質問は、新しい御用邸をおつくりになる計画がある、こういうことを聞いておるわけですが、場所はどこで、どのくらいな規模でおつくりになりますか。いつごろまでを目標におつくりになるのですか。
○瓜生政府委員 新しい御用邸は静岡県下田町の須崎地区に設けられる予定であります。ちょうど下田の町の中心からいいますと、東のほうに自動車で行きますと十数分行ったような距離のところであります。そこに広さとしましては、坪でいいますと十一万数千坪くらいになるかと思います。まだ未買収の点がございまするから、ちょっと確定してない点もございます。そこへ御用邸をつくられるわけでありまするが、その建設の計画は、四十四年度ではまず土地の造成、それから道路なんかの整備などをやりまして、なおできれば新しい御用邸の建物の基礎になるくい打ちの工事までをやる。それから四十五年度、四十六年度にかけまして、その後の建物の完成をしようというような計画でありまして、そのでき上がりますのは四十六年の秋、四十六年度一ぱいというよりも、四十六年の秋を大体目途といたしております。その御用邸の建物の広さは、この本邸から、それから事務室から合宿所とか、そのほか付属のいろんな車庫等の施設を合わせまして、延べで四千五百平方メートルのものを考えるというふうに計画をいたしております。
○大原分科員 いままでの御用邸についてはこれからどういうふうに処理をされるのか。私は、率直な意見といたしましては、廃止後の御用邸については、皇室だけでなしに、皇室に直接関係のあることでとかくのうわさがあるということはいかがかと思うのですが、そういう国民のだれが見ても納得できるような処理のしかた、利用方法をぜひともとってもらいたい、こういう気持ちがあるわけです。その点につきましてひとつお答えをいただきたいと思います。
○瓜生政府委員 お尋ねはたぶん、沼津の御用邸をこの際廃止されますので、そのことかと思いますが、沼津の御用邸はいま大蔵省のほうと打ち合わせをして、皇室用財産解除の手続を進めております。解除いたしますと、国有財産ではありますが、普通財産になりまして、それを大蔵省の理財局のほうで適当に処置をされるわけでありまするが、以前御用邸であったところがあまり変なことに利用されてもどうかという点がございます。そういう点は大蔵省のほうで権限をもっておやりになりますが、われわれのほうとも内々御相談があることと思っております。いま、その沼津の御用邸のあとをどうするかという問題で大蔵省なりわれわれのほうへ申し出のありますのは、沼津市として、一般の国民のための公園にしたいというようなことを申し出ておられまするが、しかしこれはそうなりますかどうか、いまそういうような話が一つ出てきております。
○大原分科員 沼津の御用邸のあとの処理につきましては、ひとつくれぐれも重ねてその点は十分留意をしてもらいたい。 それからこの機会にお聞きするのですが、皇室の全体の財産は大体幾らぐらいですか。どのくらいございますか。
○瓜生政府委員 いまのお尋ねは、国有財産としての皇室財産ということでなくして、皇室の御私有の財産という意味かと思いますが、皇室の御私有の財産というのはあまりありません。これは新しい憲法ができました際、憲法第八十八条で、皇室財産はすべて国有とする、今後皇室で必要な経費は議会の議決を経た予算で処理をする、というような条文がございまして、それによりまして、その当時皇室でお持ちであった財産は国有に変わったわけであります。したがって、このいまの皇居にいたしましても、御用邸にいたしましても、全部これは皇室の私有財産ではなくて国有財産になっておるわけであります。その際に、占領下でありましたが、当時の連合軍の司令部で、いろんな財産全部を国有にしても何か不時の場合にお困りのこともあろうから、その当時千五百万だけは残しましょう、不時の場合の資金として千五百万だけが残ったわけであります。これが基礎でありますが、その後は内廷費によって日常の経費をまかなっておられまするが、内廷費がときに余裕ができた場合には貯金のような形でたくわえられ、また年によっては内廷費が足らないような場合もございます。そういう場合には、たくわえておられたそのほうから引き出して使っておられるというようなことで、この皇室私有の財産というのは、そういうようなお金の点で、そう多いものではございませんが、これは皇室経済法でも、お手元金は宮内庁の経理する公金ではないとはっきり書いてありまして、どのくらいということは、プライベートなことになっておりますので、公表は差し控えさしていただきたいと思います。 そのほかのものといたしますと、お身の回りにありまする品物でございますが、これはわれわれの場合と同じであります。お身回り品は、国有ではなくて御私有でありますけれども、それもそう多いものではございません。なお特にお身の回りのもので非常に大事なものといえば、皇位とともに伝わる由緒あるもの、これは三種の神器その他由緒あるものというものがございますけれども、これも経済的に幾らと算定するような性質のものではないと思っております。
○大原分科員 最後に、東京都にしましてもそうですが、日本の都市全体は公園とか緑地が非常に少ないわけです。したがって、空気も非常に悪いわけですが、たとえば宮城のような緑地帯があの位置にあるということは、いろんな交通上の不便はありますが、私はいいことだと思います。これは都市計画の上からも残さなければならぬと思っております。しかし、たとえば国会でも政府でも、あるいは皇室でもそうですが、大体東京のこういうどまん中にあるということについての意見があることも事実であります。これは国会を含めてそうですが、どこか富士山なんかに行ったほうがいい、こういう意見があるわけです。私、ちょっと念のためにお聞きしたいのですが、宮城の前の松が枯れていますけれども、あれは亜硫酸ガスその他空気が悪いのですが、宮城の中の空気は大体どの程度なんですか。お調べになっておれば、ひとつお答えいただきたい。
○瓜生政府委員 皇居の中の空気の汚染の関係でありますが、だいぶ前に、国会で宮殿の造営と関連して御質問があった際に、昭和三十二年から三十三年にかけて調査したときに、降下ばいじん、つまりちりの落ちる量の関係では、皇居のうち特に陛下のお住まいの吹上御所のごときは、都内の石神井あたりと同じというようなことを申し上げたことがあります。それはそれでありますが、それから十年たって、昭和四十一年の七月からずっとまた降下ばいじん、ちりの落ちてくるだけでなくて、最近特に問題になっておりまする亜硫酸ガスの関係の調査を、宮内庁の中の衛生官という環境衛生を担当しておる人が中心で調べておりますが、その結果が出ておりますけれども、降下ばいじん、つまりちりの落ちる関係では、ちょうど四十二年度を見ますと、一月平均の量というのが、十年前に比較しますと六割方ふえております。したがって、現在だと石神井よりも悪くなっておると思います。なお亜硫酸ガスの関係、これは特に松を枯らしたりなんかすることでございますが、四十二年の一年間のずっと亜硫酸ガスの調査をいたしまして、その平均の値が出ておりまするが、皇居内の平均としますと〇・〇五PPM、〇.〇五PPMというのは、先日何か新聞で拝見しますと、政府がきめられた許される限度というのが〇・〇五PPM、ちょうど許される限度の悪さであります。しかしそれでも幾らかいいのは、吹上のあたりですと〇・〇三、四PPM、ずっと木立ちの中を中に入りまして、吹上御所の陛下のお住まいがありますが、そのあたりですと〇・〇三四PPMというので、平均よりはよくなっております。この〇・〇三四PPMというような亜硫酸ガスの量というのは、何か東京都の悪いところも。ずっと郊外のいいところも平均した平均値と同じようであります。しかし特に皇居から近い東京都庁の屋上あたりですと、これが〇・〇七PPM、近いところでも、やはり町の中ですと悪いようであります。千代田区の中でも、皇居の中は比較的いい、吹上御所のほうばその中でも比較的いいという点がございますが、しかしきわめてよろしいということではないわけであります。しかしそれに対応しまして、陛下のお住まいのほうの吹上御所は、実は空気浄化施設をしております。外から入ってきます空気は一ぺん浄化施設を通して室内に入れております。したがって亜硫酸ガスの関係なんか九割くらいは吸収するといっております。それから今度できました新宮殿、これも空気浄化施設をいたしております。ですから宮殿の中はそう悪くはないのでありますが、しかし外に出ますと、いま言ったようなことでございます。 その空気の汚染の関係から言えば、都心でなくて、いまちょっとお話が出ましたように、富士山ろくでもどうか、そのほうがずっと空気の関係はきれいだと思いますが、ただ皇居だけがあそこにかわってもいけないのでありまして、やはりいろいろ行事を行なわれる、外国の大公使館とか政府機関というようなほうとの関係が非常に多いですから、皇居だけがずっと遠くに行かれますと、そういう方々が非常に不便をされますから、結局首都の全体の問題としてかわれば別ですが、皇居だけが移るということは非常に不便があって感心しないということに思われるので、かつて昭和三十四年に皇居造営審議会で、いろいろ国会の方それからその他の方、二十五名の委員の方が討議された際も、同じようなことが意見の結論として出ておったわけでございます。
○大原分科員 終わります。
○臼井主査 玉置一徳君。
○玉置分科員 戦後二十数年を経まして、新宮殿ができ上がったことでありますが、そうして今度は、ことしから皇族殿邸の三笠官邸が予定されておりますが、建築にかかるという手はずにされておるわけです。なお、今年度は下総の御料牧場が成田空港の関係で高根沢のほうへ御移転になるという話も出ておるわけでありますが、そこで、こういうことにつきまして、総括的にお伺いを申し上げておきます。 まずその一点は、皇居、御用邸あるいは京都にございます御所、桂離宮、修学院離宮あるいは正倉院、御料牧場、カモ猟場あるいは皇族殿邸等の今後の管理、整備、そういった関係はどのようなお考え方をお持ちになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。
○瓜生政府委員 皇室用財産全体の管理のことでございますが、これはものによりまして管理のやり方がいろいろ違いますが、基本は常にその目的を果たされるのによろしいように、荒れないように、きれいに整備をしていくことでございますが、なおその中で、一般の国民にも鑑賞していただくなり、見ていただいたほうがいいというものにつきましては、許される範囲において見ていただくようにするということでありまして、現在そういうような中で、許可制で見ていただくようにしておりますのが、先ほどもちょっと申しましたが、新宮殿の前を含んだ皇居の部分、それから京都のほうの桂離宮、修学院離宮、京都御所、それから最近仙洞御所も公開いたしておりますが、そういうようなものがございます。なお、特に許可制によらないものとして、昨年の十月からは、皇居の東側の一部を、東御苑として一般に公開しておることも、先ほど申したようなことでございまして、そういうような関係の、一般の方にも見ていただくようなところについては、それに相当するようないろいろの整備費がかかりますが、そういう点は、大蔵省のほうでも好意的に認めていただいて、去年よりはことしのほうが単価を上げていただくとか、きれいにしておこうというので、経費の単価を上げていただいたりして、整備につとめております。
○玉置分科員 私の質問がちょっとまずかったのですが、要するに、今後改築、新築をせなければいかぬようなものは、どのような展望があるのか。これに関連いたしまして、たとえば今度予定されております三笠官邸の皇族殿邸の改築でありますが、ことしが初めてであります、皇族殿邸におかかりになりましたのは。一般財政を支出しましてやるのはことし初めて——今後各宮邸のもの を順次おやりになる計画があるのかどうか。あるいは三笠官邸だけが著しく老朽しておるから、これだけをお取り上げになったのか、そういう点について、具体的に……。なお、第一点の問題であります、宮城内でなお新築整備せなければいけない問題があるのかどうか、こういう点について、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○瓜生政府委員 皇族殿邸の問題でございますが、現在、宮家で国有財産である皇室用財産に入っておられますのは、常陸宮さんと秩父宮さんである。三笠宮さんと高松宮さんは、御自分の私有のところに入っておられるわけであります。ところがそのうちで一例として三笠宮さんのお宅を言いますと、上大崎のほうにございますが、戦後買われたところでありますけれども、土地が借地で、そこへ建っている建物を買われたのですが、だんだん古くなってきて、相当雨漏りもあり、相当改修しなければいけない。しかも外国の大使あたりがごあいさつにこられても、非常に貧弱なものですから、そこでお会いになるのはどうか、気がひける、われわれもそう思います。そこで最近は、宮内庁の分室というのが千代田区の三番町にありますが、そこまでお出向きになって、そこの二階で会ったりしておられる。非常に不便をしておられるわけであります。それじゃ御自分で恥ずかしくないものをお建てなさいと申しましても、皇族費がそう多いものじゃございません。毎年要るような経費がいっておりますけれども、それによって新しいものをつくられるというわけにもいかない。そうなりますと、皇族としての品位を保持されて、まあ皇族の立場で国家的にいろいろ活動されるための、やはりふさわしい建物を国のほうで建ててあげて、そこへ入ってもらうのがほんとうじゃないか。いわゆる公邸とか官邸とかいうような性質のものとも考えられるので、そういうものをつくってあげるのがほんとうじゃないかということ、そのことが意見として出てまいりまして、そのことを昨年の暮れ——皇居で、宮中で、皇室経済に関する懇談会というのが開かれました。これは皇室経済会議というのがございますが、その皇室経済会議ではなくて、皇室経済会議のメンバーの人に、総務長官が加わられた懇談会、座長は総理大臣でありますが、総理大臣に両院の議長、副議長、それに大蔵大臣、会計検査院長、総務長官、それから宮内庁長官、これだけの方の懇談会で、こういう問題も相談されて、これはやはり皇族として公的にいろいろ活動されるための品位保持にふさわしいものを国でつくってあげるという方針にすべきだということを、そこで皆さんが意見が一致されました。それに基づいて、まず一番困っておられる三笠宮さんの邸宅をつくってあげようということになって、四十四年度、四十五年度両年度にわたってつくりましょう、その場所は、戦前には赤坂御料地の一部、ちょうど青山通りの右側のところに三笠宮の殿邸があったところが、戦争で焼けてなくなったわけですが、そこの場所につくってあげようということになったわけであります。なお、高松宮さんの問題があります。高松宮さんは、現在お住みになっているのは、光輪閣の裏のほうの四十四坪の狭いところであります。普通の庶民住宅などのあるところであります。外国人などにお会いのときには、光輪閣のほうに出て、あるいは光輪クラブに貸しておられますけれども、そういうときはそこで会ったりもしておられますが、しかし、おたくまで人が見える場合もありますと、非常にこれも何とかしてあげなければいけないという問題もございます。これはまた高松宮さんのいろいろ御事情もあるので、よく御相談をして、三笠宮さんのこの問題をまず最初にし、高松宮さんの問題についても引き続き考えたいと思います。なお、秩父宮さんでありますが、皇室用財産たる国有財産にお住みではごさいますか、これは戦後に——以前は秩父宮殿邸というのがあった。それが戦争中に表のほうの本館のほうが焼けた。そのあとへ戦後に国費で建ててあげたものでありまして、これは非常に簡素なものであります。したがって、普通、宮さんのお宅のようにちょっと見えない簡素なものであります。場所は、青山御料地の中にありますから、環境はいいのであります。それで、かつてある大使の方があいさつに来られて、玄関まで来てまた引き返して帰られて、また入ってこられた。玄関まで来たら、これはどうも宮邸ではないのではないかと思われたらしいので、そういうようなこともありまして、やはり国家的な体面もありますので、高松宮さんに続いては、秩父宮さんのほうのところも、現在国有財産になっておりますが、これを改築しないといけないと思っております。それから、常陸宮さんはもとの東宮御所におられるわけで、まず比較的よろしいのでございますけれども、この建物も非常に古くなっております。元の伏見宮邸であったところで、非常に古くなっておりまして、亀裂が入ったり、コンクリート等もいたんだりしておりますが、これはまあ秩父宮さんが済みましたら、常陸宮さんのところも何とか考えなければいかぬと思っております。 それから、皇居の中の建物となりますと、お住まいの関係、それから、宮殿の関係は整備いたしました。なお、こまかい点で言いますと、倉庫なんかの整備しなければいかないものも残ったりしておりますけれども、しかし、大体のところは、まず整備ができたと思っております。なお、いろいろやらなければいかぬ点はありますが、大きなところはできたと思っております。 それから、地方のほうの関係で、御用邸の関係がいま問題になっておりますが、これは先ほど来申し上げたとおりでございまするが、下田のほうに新しく御用邸をつくります。それで、状況が悪くなっております沼津の御用邸は廃止をする。なお、葉山の御用邸も、これも現在はまだよろしいのでございますけれども、これも長い目で見ると、お使いになれるかどうか、ちょっと疑問の点があるのは、あそこは非常に東京に近い関係もあり、環境がだいぶ悪くなっております。しかし、まあ、陛下が葉山においでになるのはおもに冬場が多いので、夏は那須御用邸のほうにおいでになりますから、その点で、いいのですが、夏の時期ですと、葉山の御用邸というのは環境が非常に悪くて、お使いにくい点がございます。しかし、現在のところ、おもに冬にお使いでありますから、そういうことで、御用邸としてまだ引き続きお使いになってよろしいと思いまするが、ずっと先になりますと、あるいは考えなくてはいかぬ時期が来るのではないだろうか、そういうふうに思っております。
○玉置分科員 次に、下総御料牧場でありますが、栃木県の高根沢にお移りになる。そこで、現在の四百四十ヘクタールの下総の御料牧場を二百五十ヘクタールの土地にお移りになるのに、国庫債務負担行為もまぜまして二十二億円を、四一二年度から四十三年度に予算化されたわけであります。これは三十九年の法律百三十号、国有財産法 改正、予算措置さえできれば、国有財産 交換等のあれは国会承認が要らないというものでおやりになるのか。いわゆる十三条二項には、「 財産とする目的で寄附若しくは交換により財産を取得し、又は皇室用財産以外の国有財産を皇室用財産としようとするときは、国会の議決を」要する、これについての見解を承りたいと思います。
○瓜生政府委員 新しい御料牧場の取得のことにつきましては、これば四十三年度に国庫債務負担行為について国会の議決を経ているのでありまして、その際、国会での御審議も得ておるということで、したがって、経過措置としまして、国有財産法第十三条を適用しなくてもよろしいというふうに考えるわけであります。 なお、この四十四年度の宮廷費のほうの予算には、この二十二億の金が載っておらないのでありまするけれども、最近、大蔵省のほうの方針が変わりまして、こういう土地交換によって取得するような関係のは、何か国有財産特別措置の特別会計を設けて、その予算の上にはこれが載っております。そういうこともありますから、やはり国会の議決が他のほうにおいても一得られるということで、したがって、国有財産法のその承認は要らないという、ふうに解釈いたしております。
○玉置分科員 ついでに、御料牧場ですが、御料牧場で生産される乗輓馬あるいは牛肉、バター、チーズというようなものは、将来もう、衛生の非常に発達した今日、一般民間用のものを納入さしていい時期に来ているんじゃないだろうかという点、あるいは、輓馬にいたしましても乗馬にいたしましても、かえってそれのほうが優秀なものを獲得できるというチャンスも必ずしもないというわけには、私は言い切れないという感じもするわけですが、皇室でお使いになっておるこういう食用のものを民間から購入するというようなことの御検討をなさるおつもりがあるかどうか。こういう御料牧場というようなものを将来ともずっと維持していくのかどうか、こういう点についてひとつお考えを承っておきたいと思います。
○瓜生政府委員 この御料牧場の関係の乗馬、輓馬の生産という点は、非常に意義があると思うのでございます。というのは、最近一般に乗馬、輓馬の需要があまり国内にないわけであります。したがって、いい馬を興おうと思いましても、なかなか国内にはいいのがないのであります。そういうような関係上、やはり皇室のいろいろ行事に使われる場合にふさわしい品格のある乗馬、輓馬というものは、やはりそれに合うように自己生産的に皇室用財産である牧場でつくらないと、どうもいいものが得られないというようなことになっておりまして、皇室で馬を将来お使いにならなくなれば、これはあるいは場合によってはそういう必要はないかと思いますが、馬をお使いになることがあります以上は、やはりそういう特殊の牧場で生産しないと、どうも間に合わないという点がございます。 それからなお、いまおっしゃいましたバターとかチーズだとか、牛乳からくる製品については、これは市中の製品で相当いいものもございます。したがって、市中のものでいかぬかと言われますと、市中のも一のでもいいものがありますから、場合によっては、そういうものでも間に合うかと思いますが、しかし、いろいろお客をいたします際に、御料牧場でできたものだということでもてなしますと、その場合、お客のほうも、やはり外国人あたりの方でも、喜ばれる場合が多い。まあバター、チーズの関係はそれほどではございませんが、相当いいものをつくっております。純度の高い、いいもの、市中の最高品に負けないようなものができておりまするが、ただ、よくジンギスカンなんかをやる場合の羊の肉、こういうのは市中でいいのを買っても、なかなかいいものがないわけで、よく春秋二回園遊会が開かれて、あの際に、ジンギスカンとか焼き鳥とかなんかいろいろやっておりますが、ああいうときに使われます肉は、やはり御料牧場でつくったもののほうが味がよくて、お客さんも、御料牧場のだからいいなとおっしゃるのですが、ところが、最近は、春秋二回に園遊会がなりましたものですから、御料牧場の分では足らないので、市中のものも相当まぜております。われわれがちょっと食べてみますと、どうも市中から買ったものは幾らか味が落ちておりまして、わかるということで、そういうようなこともありまして、いろいろそういうような行事で接伴なんかされる場合に、それにふさわしい上等のいい味のものをということで、ああした牧場を持っておられることに意義が深いと思います。 なお、牧場の存続の理由の中の大きな一つに、毎年春外国の使臣、在日の外交官ですが、各国の大公使館の大公使とか参事官とか、そういうような人を御料牧場に招きまして接伴があります。馬に乗れる人は馬に乗って牧場の中をかけ回り、そうでない方は馬車で中を回る。そのあと牧場の生産品で、午さん会でありますれば午さん会を開いて帰られる。それが国際親善に非常に寄与している点がございまして、目に見えない国際親善に寄与されている、そういう面があります。そういうこともあるものでございまするから、新しい牧場を東京からあまり離れないところということで、栃木県の高根沢にきめられたというようなことでもございます。
○玉置分科員 御料牧場のお話が出ましたので、ついでで恐縮ですが、カモ猟につきまして。 かつて英国のアレキサンドラ内親王ですか、おいでになりましたときに、あのような捕獲の方法で現地でこれを食べるということは非常にちゅうちょされたというように、当時報道機関で承っておるわけであります。私も愛鳥というような点からいいますと、行かしてもらいましてからこんなことを申し上げるのは恐縮ですが、ほんとうにかわいそうなような気もいたします。宮中の御接待の方法としてはやはり一考を要するのじゃないかという感じがするのですが、そういう声はございませんか。
○瓜生政府委員 いま先生がおっしゃいますよりな声は、他からも聞いております。宮中のほうの行事としてカモ猟をやられるのは、生物をあわれむということからどうも反するからやめたらどうかというような声を聞いたことはございます。その際にも、いろいろ皆が集まって相談もしたりしたのでございますが、しかし、引き続きやっておるわけであります。カモの猟のしかたは、普通の猟のように鉄砲で撃って血が出て死ぬというようなのでなくて、大きな網の中へいけどりにするというようなとり方で、血が流れるわけではなくて、そこで死ぬわけじゃないのです。一応はがい締めのようにちょっとしまして、立てないようにして持ってまいりますけれども、はがい締めをはずせばすっとすぐもとの形で飛び立てるわけであります。やり方はそう残酷ではないということ。 それから、あそこでごちそうとしてお出ししますカモは、お客さんがおいでになっておとりになったそれを出しているわけではなくて、前もって専門家が、あそこの職員がとったものでごちそうをしておるわけであります。自分がとって殺して食べるというようなことでは、まずないのでございます。 それから、特に、そういういまおっしゃったような声もあり、以前から、とったカモのうちで、はがい締めをはずしまして、十羽とか二十羽足に標識の輪をつけまして、放します。これは渡り鳥の生態の調査、研究に非常に役立つものですからいたしておりましたが、最近では放鳥、つまり鳥を放す数をぐっとふやしまして、五、六十羽もおとりになったところを放しております。ときによりますと、おとりになった分が全部放されておるという場合もございます。非常に多い場合ですと、輪をつけるのに時間がかかりますから、全部は放鳥していないのもありますが、お客さんの分については、それをとって殺して食べるんだというのでなくて、そういう一種のスポーツ的に楽しんでいただく。それが国際親善なりいろいろな人の慰労の役に立てば——なお、外交団あたりに案内を出す場合も、お好みの方はということで、それを好かない方はおいでにならなくていいようなふうにはなっているわけで、そういう意味でおいでにならない方もありますけれども、これはごく少数であります。この問題についてはなお今後もいろいろ研究していく必要があろうと思いますけれども、山階鳥類研究所あたりからの進言もいろいろあったり、それも研究したりいたしておりますが、山階鳥類研究所のほうのお考えだと、とったのを全部足輪をつけて放してもらえばいい。というのは、あそこで渡り鳥の生態調査をやっておられるわけですけれども、日本国内でいけどって放鳥する数が非常に少ないんだそうです。研究材料が少ないんだ。しろうとで何ですが、この間聞きますと、日本だといろいろなので合わせても二万になるかならぬかだが、アメリカだと何十万から放しているとか、ソ連は三十万から放しているとか、とって放してもらうことは研究上非常にいいわけだから、そういう意味で協力してもらうならよろしいというようなことも言われたりしておりまして、やり方についてはいろいろ研究していきたいと思います。
○玉置分科員 大体あれはおとりを使ってだまして引っぱり込んでおいてやるやつですから、われわれ昔子供のときに、寝ておる魚をとりますと警察でしかられた当時があったように思いますが、とるとり方にすらああいう制限があるところから考えても、あそこで食べさせるのだったら、あっさり羊のバーベキューを食べさせるとか、何か違ったものをやればそういう感じはしないのですが、私も先おとりになっておるやつだということは聞いておりましたが、ひとつ御検討いただきたいと思います。 最後に、時間が参りましたので、前の予算委員会の分科会で私のほうの池田禎治さんが質問されました祝田橋、半蔵門の自動車のふくそうですが、あのときのお答えは、専門家から権威ある御意見があれば検討するのにやぶさかじゃございません、絶対に反対するという意味じゃございませんという御返答だったと思います。当時からまたますます交通が不便になっていることは事実であります。私は、皇居の中を縦横無尽にどうというよりは、とりあえず二重橋の前庭のあそこのふくそうだけは相当なものだということはいい得ると思うのです。ああいうところを積極的に地下を通されてよろしいよ、御検討されてよろしいよというまで思い切ってあなたのほうからおっしゃらない限り、御遠慮申し上げて、ちょっとみんな計画もしにくいのではないかという感じもするのですが、一年たちました今日の所見をひとりお聞かせいただきたいと思います。
○瓜生政府委員 皇居周辺の交通のふくそうに関連することで、皇居の下を地下道でも通したらどうかという問題は、皇居造営審議会が十年前にあったときもその問題がやはり一応検討されました。そのことにつきましては昨年池田先生にお答えしたのでありますが、宮内庁としては、皇居の下は一切そういうものを通しては困るという、そういうかたくなな考えではないのであります。その場所によっては困ります。ちょうど新宮殿の下あたり、あれは地下の部屋までありますから、そういうところは無理ですけれども、そうでない、差しつかえないところもあるわけであります。その計画によっては、そういう点では御協力するということは、かねてからそういう腹ではありますが、その後も、あるいは東京都の建設局とかあるいは建設省のほうでいろいろ道路問題を研究しておられますが、あの下を通したらいいというような御意見は出ていないようであります。交通難の緩和のためにはあそこの周辺の高速道路の整備というのは一応できたわけですけれども、祝田橋のあの混雑を防ぐのはそういうものをつくってもだめなんだというふうに私たちは聞いております。こちらは何もいけませんと言っていないんだが、専門家の立場で、そういうものをつくっても別にあそこは緩和にならない。地下道というのは相当の経費がかかるのです。それをかけたわりに効果がそれほどあがらない。それよりもほかの方法があるのだというようなふうに聞いております。専門でございませんから私もわかりませんが、ほんとうの専門の方がこうしたらどうだという御意見があれば、これについて御協力するのにはやぶさかではございません。
○玉置分科員 時間が参りましたから終わります。
○臼井主査 これにて皇室費及び国会所管予算の質疑は終了いたしました。 明二十五日は、午前十時より開会し、法務省所管の質疑を行なうことといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十一分散会