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61回国会衆議院1969/03/03

予算委員会 第17号

発言数
497
登壇者
33
会派数
4
開催日
1969/03/03

会議録

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和四十四年度一般会計予算、昭和四十四年度特別会計予算、昭和四十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、外務大臣及び内閣総理大臣より発言を求められておりますので、順次これを許します。外務大臣愛知揆一君。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 いわゆる新聞紙上に報道せられた下田発言は、アメリカ世論の動向の情勢分析の  一つの見解として述べたものであり、政府としてはその見解に同意を与えているものではない。  新聞紙上においては、下田大使の情勢分析が、あたかも大使の政治的主張のごとく報道せられたことはきわめて遺憾である。  本人の行き過ぎの点も認められるので、私からあらためてこの意を伝達し、本人より今後慎重を期する旨の意を表させます。  なお、三月一日夜、本人にこの意を伝達したところ、本人よりも、今後十分注意する意を表しました。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 佐藤内閣総理大臣。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいまの外務大臣の発言につきましては、私も同感であります。今後この種の発言につきましては、十分注意いたさせます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより質疑を続行いたします。  中村重光君の質疑に入る順序でありますが、先般の一般質疑の際における村山喜一君の質疑に対し、答弁を保留された政府の物価対策費の問題について、福田大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣福田赳夫君。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 先般の当委員会におきまして、村山委員から、昭和四十四年の物価対策費の資料が大蔵省と企画庁両方より提出されたが、それが数字が食い違うという御指摘があったわけであります。御指摘もありましたので、両省並びに関係各省ととくと相談をいたしまして統一資料を提出いたした次第でございます。どうかごらん願います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ただいまの問題について、理事間の協議に基づき、村山喜一君の質疑を許可いたします。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 先般、大蔵省は物価関連予算表として一兆三千七十九億の数字を出しました。それに対して経済企画庁は四千二百億あまりの物価安定対策費を出してまいったのでありますが、いま大蔵大臣が説明をされたように、七千四百四億あまりの修正関連予算表が提出をされました。この中身について検討をいたしてみますと、この内容は、予算書の項に属するもの、あるいは目に属するもの、あるいは予算書の中には全然ないもの、いろいろな寄せ集めにすぎないことが明らかでございます。  そこで、具体的にお尋ねいたしますが、畜産振興費というのが予算書にございます。これによりますと、百九十八億畜産振興費が予算書に計上されておりますが、そのうちの二十五億が物価関連予算である、こういうような説明でございます。そして、予算書のどこをさがしてもわからないのに、「牧場及農場」というのがございます。これは二十九億関係があると出されております。しかし、どういう関係があるのか、私にはわかりません。なお、公正取引委員会の経費は四億七千万余でございますが、これは人件費はもちろんのこと、交際費まで全部物価関連予算であると出されております。一体、八幡と富士の合併を認めるような公取委員会の経費がすべて物価関係の予算であるというふうに説明をされる数字を出されましても、私たちは了解を与えるわけにはまいりません。一体この物価対策関連予算表はどういう角度でつくられたものなのか、この点を説明を願います。

鳩山威一郎大蔵省主計局長

○鳩山政府委員 大蔵省のほうから御提出してあります物価関連の予算表というものは、いろいろな意味で物価に関連を持つというものを集計したものにすぎません。したがいまして、経済企画庁のほうのものは物価関係施策として、いろいろ物価関係の各省の担当官からこういう施策をしているというものを集計して、その内容の説明をはかったものであります。したがいまして、このつくりました目的が違っておるために、いろいろ大きな数字の変化があったわけでありまして、私どもは国の予算が物価に関係を持つというものを拾い集めたということでございまして、その点は御了承いただきたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 いま率直に鳩山主計局長から拾い集めた、まさにそのたぐいであります。だから、どの程度関連があるのかということを一つ一つ突き詰めてまいりますと、答弁ができない事項がたくさごんざいます。  そこで、私はお尋ねいたしますが、財政法二十三条によりまして、物価安定の目的を持った各省ごとにつくられております予算項目、これが予算書の中にどこにございますか。私の見るところでは、経済企画庁費という費目しかないと思います。そこで、この立場から考えてまいりますと、経済企画庁はその設置法におきまして、物価に関する基本的な政策及び計画を企画立案をする権能が与えられております。行政組織機構の上においてあなた方が中心になってこの問題を提示願わなければならないのに、大蔵省が出されましたこれがそのとおりでございますということを、責任を持って経済企画庁長官は七千四百億が物価関係の関連予算であることを御承認なさいますか、いかがでございますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 先般村山先生の御注意もありましたので、その後大蔵省、関係各省と相談して、そしてその調整したものが、いまお手元に差し上げた表であります。でありますからして、私どももちろんその今度のでき上がったものに対しては賛意を表した次第であります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 時間がありませんのでお尋ねいたしますが、財政法二十三条に示す物価安定という目的を持った予算項目はどれですかと私がお尋ねしているのですが、お答えになりません。どれですか。

鳩山威一郎大蔵省主計局長

○鳩山政府委員 物価関係の経費というものは、これは物価はあらゆる経済活動に関係をいたしますのは当然でございます。したがいまして、それぞれの現在のあるいは農業対策、あるいは中小企業対策というような面でいろいろ施策が講ぜられておりまして、したがいまして従来の行政の目的別の分類からいたしますと、そういった個々の事業費のために経費を支出する形をとっております。したがって、物価だけのための経費というものは、従来からそういった分類方式をとっておりません。そこで、私どもは物価に関係あります経費を、これは予算委員会のほうの御要求もありまして、別個に資料として調製をいたしまして、従来から御提出をいたしてありました。そういった資料で御審議をいただくということでやってきたわけであります。なお、今後はこの物価だけのものをどういつで抽出するかというのは、なかなかこの性質を純粋に物価だけの対策費を抜き出すということはきわめてむずかしいために、関連のあるというところでやるしか現在のところやり方がないわけであります。御了承いただきます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 主計局長にお尋ねいたしますが、あなた方が今度の予算書の中で、新しいコード番号のいわゆる電子計算機を導入をいたしました財政の目的別の分類をやられました。これは二十四年に、現在の財政の仕組みにかえるまではそういうような事項別の目的別の予算の分類がなされておった。これが今度参考資料という形でここに出されております。それの〇六五の整理番号によりますと、物資及び物価調整費という費目で計上をしてあります。これは総金額幾らになりますか。

鳩山威一郎大蔵省主計局長

○鳩山政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお尋ねの金額は、合計いたしますと三千二百五億九千一百万円ということになっております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 目的別に分類をいたしまして、物価に関係のある財政法の項で示されるようなものが予算書の中には見当たらないとするならば、せめてこの目的別分類のところで私は、物価調整に当たるような経費がどれくらいあるのかというのが示されているものだと思うのであります。そこで、そういうようなのを数字を捨ってみますと、いま説明がありましたように、三千二百五億しかない。ところが、物価関連予算表として示されましたものは七千四百億あるのです。私はそういうような数字の出し方に問題があると思うのです。  大蔵大臣、この立場から見まして、政府の施政方針演説、大蔵大臣の財政演説を聞いておりますと、物価上昇を抑制をするその目的で政治がなされます。ところが、その目的を達成をするためには予算というものがなければならない。その予算は数字の上にあらわれるというのが、これが常識であります。予算書を行政組織別に縦割りの方式で配分を技術的にして、そして国民にはわからないような予算書ができ上がっておる。だからいま私が機能別に、そして効率面からこの問題を取り上げてまいりますと、その専門技術官である官僚の諸君も、これを十分に分析をしたものが国会に提示できないというような状態になっていることが、私の質疑の問題を通じて明らかになってまいりました。  そこで、国民は政治に物価安定というものを求めます。それは財政をやはり機能的に効率的にとらえていかなければ、目的の達成を効果的に把握することが私、できないと思います。そういうような面において、政治と行政の接点の問題がいま取り上げました問題の中にございます。とするならば、この問題を、財政を機能面からまた効率面から分析をしようとする政策態度を今後政府としてはとっていくべきである、こういうふうに考えますが、いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 財政は、これを要するにわれわれ国民の共同の家計とも申すべきものでございます。そういう観点から、共同の出資者である国民一人一人になるべくよくわかるようにこれが編成されなければならない、かように存じますが、とにかく膨大な六兆七千億に及ぶ金の配分、その財源の振り分け、こういうことでありますので、一つの角度からそれを見て全体が把握できるような状態にはなかなかむずかしい。むずかしいが、しかしわかるように努力しなければならぬというので、いま御指摘のように電子計算機の導入を考慮するとか、あるいはアメリカでもっとにやっておりますが、PPBSの方式をわが国にも導入する努力をいたしましょうとか、いろいろの努力をしておるのです。  物価につきましても、私どもは政府として最大の努力を傾けておるということを申し上げておる、そのとおりにやっておるのです。あるいは麦の値上げをやめる、あるいは電電公社の料金の引き上げをやめる、塩の値上げをやめる。しかしこれが数字の上でどういうふうに説明されるか、こういうことになると、これは非常にむずかしい問題であるということが御理解できるのではないかと思いますが、そういうふうに一つ一つ努力をしておる。看板に偽りはないのだというふうに私どもは確信をしておりますが、予算を国民にわかるように、国民の財政にするためには今後ともさらに努力をいたしたい、かように考えます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 これで終わりますが、PPBSの、各省で科学的な手法の検討がなされている、私もそれは聞いております。しかしながら、いま申し上げましたように、政府が物価安定をやるのだという政策目的を持っているにもかかわらず、それを財政法の上で予算項目で見たら、国会の論議の対象になる目的のところに項として物価安定費というものもない、そういうような予算書になっている。各省庁にまたがっている。何が何やらさっぱりわからないという今日の財政の問題がはっきりしてまいりました。これについては、いま私が、政府が出しました参考資料の中にもそのような食い違いが幾つもあるということを指摘をしまして、これでは統一的な見解として承るわけにはまいりませんけれども、時間がまいりましたので、これで終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 次に、中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は、八幡・富士の合併の問題について公取を中心にしてお尋ねしてまいりたいと思いますが、その前に、愛知外務大臣、その他大蔵大臣、通産大臣に三、四点お尋ねしてみたいと思います。  昨日の午前零時ごろだったと思うのですが、日米ソの三元討論会「アジアの安定と繁栄を求めて」、こういうことで、愛知外務大臣も御出席になっておられて、アメリカ側の考え方あるいはソ連側の考え方、当のインドネシアであるとかあるいはその他関係国のアジアの援助に対する要請というのか、そうしたいろいろな意見が出ておったようであります。そうしたアジア諸国の日米ソに対するところの援助のあり方ということに対して、貿易を中心にするひものつかない援助ということを強く望んでおったようであります。日本政府の東南アジアあるいは東アジアを中心とする援助に対しましても、最近非常に伸びてまいっておる国民総生産の〇・七五というような数字になっておるようでありますが、ところが、この援助のあり方というのが必ずしも一貫したものがないのではないか。端的に申し上げますならば、非常に場当たり的で、受動的だ。さらにはこの技術援助との関連性もない。その他いろいろと指摘してまいりますと、問題点があるように感じられるのでありますが、外務大臣として、援助のあり方ということに対して関係各省との連携というものが密になっていない、私がいま申し上げた技術援助との関連性がないといったようなことについて、問題点をお感じになっていらっしゃらないのかどうか。それらの点について、ひとつお答えを願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいまも仰せがございましたように、実は、私も一つの新しい時期に際会しているような認識に立ちまして、日本としての経済協力あるいは技術援助というようなことにつきまして、一つのまとまった考え方を固める必要があるのではなかろうか、かように考えております。と申しますのは、大ざっぱな話で恐縮でございますけれども、従来は対外協力ということが、たとえば賠償、あるいはこれに準ずる無償協力、そのほかいろいろございますけれども、大体賠償を中心にして考えられてきた。ところが、だんだんこういうことが具体的に進行いたしまして、一つの新しい時期に入ってきたんではなかろうか。こういう際に、ちょうどただいま三元放送の点にもお触れになりましたけれども、あそこでもお聞き取りのように、関係国の間にも、また援助を受ける側の国々にも、いろいろの意見が出ておりますけれども、経済協力や技術援助につきましては、できるだけ合理的、計画的に、また一つの長期的展望を持って考えていくべきではないか。たまたまああいうふうな意見もそれぞれの立場から出てきておりますから、こういう点も十分くみ取りまして、そしてわれわれといたしましては平和的な、いわば平和への戦いというような考え方で、東南アジアを中心とする経済的安定ということに、私は、ことばは練れないかもしれませんが、日本としても相当の負担を覚悟してやらなければならないのじゃなかろうか、こう考えておりますが、しかし、そうであるとするならば、その援助というものは、経済的にも効果のあるようなことにしなければならない。あるいはまた、技術協力というものをその経済援助の中に十分総合的に組み込んでいかなければならない。こういうふうなことも当然の考え方に出てくると思います。  私としては、まず外務省におきまして、そういった点についてひとつ新しい考え方をつくることに意欲を持っていこうではないかということを省内でも提案いたしておりますが、研究が進むにつれて、各省庁の援助協力も得て、何か一つの構想をまとめてみたい、かように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 御承知のとおりに、海外経済協力に海外経済協力基金、四十四年度のいま審議いたしております予算の中でも五百七十億、それから輸出入銀行の貸し出しワクというのは三千七百四十億、相当な伸びを示しておる。特に海外経済協力基金におきましては、出資が四十三年度の六十億に対しまして、四十四年度は四倍に近い二百二十四億という数字になっておるのであります。ところが、この大幅に伸びました経済協力というものの対象国はどこかということを見ますと、必ずしもはっきりいたしたものがございません。これを明らかにしていただきたいと思います。  それから、輸出入銀行によるところの経済協力、さらには海外経済協力基金によるところの経済協力、これのはっきりした根拠というか、基準というものがないようであります。この点は大蔵大臣からお答えを願いたいと私は思うのでありますけれども、海外経済協力基金というのは、本来政府ベースのものであることは明らかでありますけれども、輸出入銀行の場合コマーシャルベースを対象とするのか、あるいは政府ベースのものまで含めるのかということになってまいりますと、今日まで進めてまいっておりますものは政府ベースのものとコマーシャルベースのものとがある。ところが輸出入銀行の場合におきましては、利率五・五%、海外経済協力基金の場合におきましては三%以上、こういう形になっておるようでありますけれども、具体的には韓国であるとか、あるいは台湾であるとかインドネシア、こうした国々に対して海外経済協力基金からの融資をいたしておる。したがいまして、これらの関係の国につきましては、非常に利率が安い、償還期限も据え置きの七カ年を含めまして二十年間で償還をする、こういう形になっておりますけれども、ところが輸出入銀行の場合におきましては利率が高いということと、償還期限も非常に短い、こういうことになってまいりますと、援助を受けますところの諸国はやはり条件のいい経済協力基金を望んでくるということは当然であろうと思うのであります。その場合に政府の頭の中で考えておられるのは、この国には海外経済協力基金でもって協力をしようではないか、この国に対しては輸出入銀行の融資をもって協力をしようじゃないか、こういう形になってまいりますと、やはり日本の援助のあり方に対しまして一つの不信感というものが起こってくるのではないか。せっかく援助をしながら相手国から喜ばれないような援助であってはならないと私は思うのであります。したがいまして、援助の場合におきましては、特定の国に対して経済協力基金でもって経済協力をするのだという考え方ではなくて、その対象となるところの施設と申しますか、そういうものが収益性があるかどうか、その国の支払い能力はどうか、経済事情はどうかといったような点を勘案をして、この対象施設に対しては海外経済協力基金からもって協力をしていこう、こういうようにはっきりした基準というものを私は政府のほうできめておくのでなければ、いま申し上げましたように非常に場当たり的では問題があるのではないか、このように考えるのであります。それらの点に対して、ひとつ大蔵大臣のお考え方をお聞かせ願いたいと思うのであります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 海外経済協力基金は政府が主となっておる金融であります。これはどういう場合に発動するかと申しますと、民間の金融が乗りがたい、こういう際に発動するわけであります。それから、輸銀のほうはどういうことかというと、これは一般のコマーシャルの貿易を補完をする、こういう使命を持っておるわけでございまして、その輸銀融資が対象とする取引は、これは商業的なものであります。それをどういうふうに使い分けるかという問題につきましては、中村さんのおっしゃるとおりの考え方でございます。特定の国、国によって、この国は海外経済協力基金を使う国だ、あるいは輸銀を使う国だ、そういう仕分けはしないのでありまして、同じ国にありましても、この事業は、これはコマーシャルベースに乗り得る事業であるから輸銀でいく、あるいは輸銀も使わない一般の金融でいくという場合もあります。これは同じ国でありましても、どうもコマーシャルベースには乗りがたい、しかしこれは政治的角度から考えて、どうしても融資する必要があるという場合に、海外経済協力基金を使うようなことになっておるのでありまして、結果から見ると、たとえばインドネシアはいま輸銀は使われておらぬで、海外経済協力基金ばかりが使われておるというようなことで、ちょっとおかしいなというようなお気持ちが起こるかもしれませんが、実際はそうではないのです。結果がそうなっているというだけの話でありまして、基本方針として、ただいま中村さんのおっしゃるとおりの考え方でやっておる。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大蔵大臣はそういうお答えをされますけれども、実際はそうじゃありません。実際は経済協力基金というのは、かつてタイ国に協力をしたことがあると私は思うのでありますけれども、この韓国に対する有償、無償の場合、それから台湾、これは輸銀と基金というものを込みでやっているという感じがあります。インドネシアに対しては、もう現在は基金一本でやる、こういう形になっておるのであります。それから商品援助にいたしましても、これはインドネシアだけである。こういうようにその国によって差別をしておる。いま大蔵大臣がお答えになったようでございますならば、インドのように食糧危機におちいっている、さらには経済事情が非常に悪い、支払い能力も劣っておる、したがって輸銀によるところの協力であっては、非常に利率も高いということから負担が大きくなってまいりますから、こういう国に対してこそ、私は経済協力基金によるところの協力体制がなければならないと思います。しかし台湾のように非常に経済力も強い、支払い能力もある、こういう国に対しては基金を使っておるけれども、いま申し上げたように、インドその他の非常に能力の低いような国に対してはこれを使っていないということは、いま大蔵大臣がお答えになったような方向ではございません。私をしてもっと端的に申し上げさしていただきますならば、反共国家群に対しては基金を使う、こういうような意識的な扱いがされているような感じが私はいたします。したがいまして、この際、いま大蔵大臣がお答えになったようなことを実際に進めていとうとされるならば、輸銀がコマーシャルベースの補完機関としての存在であるということをお認めになるならば、むしろ輸銀はコマーシャルベースである、基金は政府ベースである、こういうように区別をされる。さらに基金の場合におきましては、一律に三%であるとか、あるいは償還期限にいたしましても、二十年なら二十年ということにするもの、そういうわけにはまいらないと思いますから、そこは弾力的にやっていく。すなわち対象設備が収益性があるかどうか、それらの点を勘案して、これには三%、あるいはこれは三・五%、あるいはこれは四%、こういうように、その基金の中にこれを区別していくということが基準として確立されておらなければならないのではないか、私はさように思います。その点はいかがでしょう。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいま私から輸出入銀行と海外経済協力基金は、その業務にさい然と区分があるということを申し上げたわけなんです。またそうしているということを申し上げたんですが、実際の運営を見ておりますと、二、三年前までは海外経済協力基金の活動範囲が非常に制約をされておりまして、海外経済協力基金にこれはまかすべきものであるというのが輸銀の手によって行なわれた傾向が非常に多いのであります。これはもっとはっきり整理したほうがよかろう、中村さんもお考えのような方向、考え方ですが、多分に輸銀から、輸銀がコマーシャルの取引を補完するという性格から見て、輸銀の範囲に入れておくのは適当でないというのを引っ張り出しまして、これを海外経済協力基金に移すというような措置をいたしまして、これは四十二年からでしたか、いたしまして、だいぶ整理ができてきておるわけであります。輸銀は共産国家だ、あるいはは中立国家だ、強度の自由国家は海外経済協力基金だというような考え方、それは全然いたしておりませんで、考え方といたしましては、先ほど申し上げたとおりであります。  また、その条件につきましては、輸銀は通常のコマーシャルなトレードの補完的任務を持っておる。そういう性格にふさわしい少し高目なことになっておりますけれども、海外経済協力基金のほうはどうしても低目な利率になるわけで、これは自然の勢いであります。しかし、これを画一的にあらかじめきめておくというのはむずかしい。その相手国等の状況等もあります。それから多くのわが国からの融資が、他の先進諸国からの融資と競合をするわけであります。それとのバランスを考えなければならぬ、こういうこともありまして、利率、また償還の年限あるいは据え置きの期間というものを、場合によりますと各国と調子を合わしてやるというようなことが行なわれるわけであります。それから相手国の置かれておる経済事情というものも考えなければならぬ。そういうようなことで、あらかじめタイプをきめておくというわけにはまいりません。これはケース・バイ・ケースできめていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いま大臣がお答えになったようなことは、むしろ私が申し上げるような形の中にこそ、すっきりしたことで行なわれると私は言うのであります。各国との協調融資、たとえばインドネシアに現に行なわれておる方法があります。これは基金であるからして、各国との協調融資ができるのだ、ところが輸銀の場合におきましては、コマーシャルベースによるところの補完的な業務を行なう、こういうことである。したがいまして、各国との協調というような形の中ではむしろ扱いにくい、こういう私は性格のものであろうと思うのであります。大臣のいまのお答えは、どうも画一的にきめてはいけない、こうおっしゃる。申し上げましたように、償還年限というものを一律に二十年なら二十年にしなさい、あるいは利率は三%なら三%、三・五%なら三・五%と一律にきめておくということは私も適当ではないと思う。しかしそういう点は、収益性のあるものはどうだ、ないものはどうだ、その国の経済事情はどうか、支払い能力はどうか、先ほど私が申し上げましたように……。そういう場合の基準をあらかじめきめておくということでありますならば、これは何も問題は起こってまいりません。いまのように場当たり的なことをやっておりましては混乱が起こってくるし、私が外務大臣に申し上げましたように、むしろ相手国から不信感を受けるというような形が現に起こっておると思うのであります。  そこで外務大臣にお尋ねをいたしますが、いま大蔵大臣からもお答えがございましたように、またその目的からいたしまして、輸銀はコマーシャルベースの補完機関である。ところが現実には円借款にいたしましても、いわゆる政府ベースの協力というものが行なわれておる。したがって中国に対するところの延べ払い輸出の問題にいたしましても、これがコマーシルベースであるという形において、その補完業務であるというような、そういう性格づけの上に立って業務が行なわれておりますならば、何も問題は起こってこない。ところが輸銀が政府ベースによるところの経済協力であるというところに、台湾は中国に対するところの延べ払い輸出に対して横やりを入れてきた。このことは私ははっきりいたしておると思います。したがいまして、輸銀あるいは基金の扱い、いままでのような無原則的なやり方というものはこの際改めていく必要があるのではないか。現に窓口として各国に対する経済協力をやっておる外務省としてはどのようにお考えになるのか、お答えを願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 海外経済協力基金と輸銀の使命ということにつきましては、いま大蔵大臣からも詳しく御説明がございましたところでありますが、海外経済協力基金のほうは発展途上国の産業の開発とか、あるいは輸銀というようなものの融資の対象としては経済的に適当でない、たとえば資源調査的なような開発事業というようなものもございましょうから、そういう点が基金の性格でありますから、やはりそれぞれの国の計画やあるいはそのプロジェクトによって考えていかなければならない、これは当然だと思います。  一方、輸銀のほうは貿易中心ということになりましょうか、それのファイナンスということでございますから、これもケース・バイ・ケースで、基金のほうは発展途上国の産業開発ということがおもになりますから、対象国の範囲というものもそういう目的からいって、おのずから限定されるというと語弊があるかもしれませんが、そういう角度から見ますし、輸銀のほうは、いま申しましたように貿易というようなことに関連するファイナンスということでありますから、これはやはりケース・バイ・ケースに処理していくということで考えていくべきものである。先ほども私申し上げましたように、そういう点につきましても従来のやり方等については経験上のいろいろの問題もございましょうから、そういう点につきましても新たにいろいろの関係を勘考いたしまして、できるならば一つのこれからの行き方というものを新しく展開してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 福田さんのお答えと愛知さんのお答えは、いまニュアンスが違うと思うのですね。私は時間の関係がございますから、この問題についてはあらためて質問いたしますけれども、この通産省から出しております「経済協力の現状と問題点」という、これを見ましても、大蔵大臣がお答えになっているような方向ではないのですよ。これは、いま政府は自分がやっておることをやはりそういう考え方で押していこうというような、そういうことは適当でないと思う。謙虚に、いままでやっておるやり方というものが適当なのかどうか、いま外務大臣もお答えになりましたように、経験の上に立って十分これを検討していくという方向でなければならないのじゃないか。経済協力基金の担当相である菅野長官はどのようにお考えになりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 海外経済協力基金の運営の問題につきましては外務大臣、大蔵大臣からすでに詳細なお答えがありましたが、問題は、今後日本といたしましては東南アジアの開発ということに重点を置かなければならぬというように考えますので、その意味において海外経済協力基金の運営というものが一そう重要性を帯びてくる。それで、したがいまして、いままでの考え方と違った新しい観点でこの基金の運営をはかるべきであると、こう私は考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから外務大臣にお尋ねをいたしますが、インドネシアに対するところの援助が、四十三年度の予算の中でプロジェクト援助が一千万ドル、それからノンプロジェクト援助が六千五百万ドルですね。七千五百万ドルの援助に対して、ケアの食糧援助が五百万ドルというような形になっている。私どもがこの海外経済協力基金法の一部改正の中で審議をいたします際に、六千万ドル程度の援助であろうというお答えであったのであります。ところが八千万ドルの経済協力をやる、こういう形になりました。国会が終わりますとさらにまた三千万ドルのプロジェクト援助を追加をする、一億一千万ドルという形になってまいりました。七千五百万ドルの経済協力に対しましては交換公文でもってその援助を約束している。ところがあとの三千万ドルのノンプロジェクトの協力に対しましては、いわゆる交換公文の付属交換公文ということになっておるのであります。この交換公文に対しましては、憲法八十七条にいうところの承認事項である、国会に承認を受くべしというようなことを強く主張してまいりました。ところが輸銀にいたしましてもあるいは基金にいたしましても、その法律に基づいておるということ、それから予算の承認を受けておることであるから、別に交換公文に対して国会の承認を受ける必要はない、これは行政事項であると、こういうことで政府は終始してまいっております。韓国のごとく日韓条約であるとかあるいはその他の協定によって包括的な協定が行なわれておるという国でありますならば、別にその交換公文に対しまして国会の承認をあるいは受ける必要がないかもしれません。しかしながら、インドネシアにいたしましてもその他の国にいたしましても、輸銀あるいは基金の中に特定の国をあげていない。ただその目的、業務というものがどういうものであるかということを書いておるのにすぎません。さらに予算の面におきましても、予算審議の際は特定の国に対しての予算というものがまだきまってない。政府の頭の中にはあるのでございましょうけれども、説明の中には出ていない。質問をいたしましても、はっきりしたお答えというものは出ないのである。したがってこの交換公文は国会の承認を受けるべきであるという考え方を私どもは今日も変えておりません。  ましてインドネシアの場合において、国会が終わりました直後に、国会においては六千万ドル程度であるということで終始してまいっておる。それを上積みして八千万ドルの協力宅て、それに基づく交換公文を行ないながら、さらに三千万ドルを追加して付属交換公文という形において供与を行なったということに対しましては、私は問題があるように思います。したがいまして、どうして三千万ドルという追加をしたのか、さらにまた予算を上回るところのこの供与に対して付属交換公文を締結いたしておるのでありますけれども、これも国会の承認を受ける必要がないとお考えになっておられるのか、お答えを願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいまお尋ねの点、まずインドネシア関係につきましてはちょっと事務的に御説明を聞いていただきたいと思います。

上田常光外務省経済協力局長

○上田(常)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの先生のお話の中で、一千万ドルのプロジェクト援助を与えて、終わってすぐ追加の三千万ドルの援助を与えたという点について御説明をさせていただきます。  この点につきましては、あとからやったというのではございませんで、この問題は同時に話をしたのでございまして、まず合計の四千万ドルのプロジェクトでございますけれども、そのとき発表いたしましたサイドレターでおわかりになりますように、このプロジェクトを完成いたしますためには大体四千万ドルくらいの金がかかるだろう。その四千万ドルくらい金のかかるプロジェクトのうち、今年は一千万ドルだけを限度として出すのだという一つの協定と、もう一つは、あとの残りは、これはこのプロジェクトが完成するように融資をするのに、政府は融資が得られるように容易にするというつまりファシリティーという字を使いまして政府のいわば意図を表明したのでございまして、三千万ドルをそこでやるという約束をしたわけではございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 かなりこれは問題があります。三千万ドルの追加の援助を同時に行なったということになってまいりますならば、国会において、インドネシアに対するところのプロジェクト、ノンプロジェクトの援助は幾らかということに対しては、私が先ほど申し上げますように六千万ドル程度である、若干これを上回るかもしれないというお答えである。にもかかわらず、これを二千万ドル上回って八千万ドルの援助をした。ところがあとで三千万ドルを追加した。同時にこの交換公文を締結をしなければならぬというようなことであるならば、当然前から話は進めてきておったはずである。それならばなぜに正直にお答えにならなかったのか。全然国会においてはそのようなことをおくびにも出さないでおいて、国会が終わりますと同時に、インドネシアのほうから要請があったといたしましても、将来に使わなければならない債務負担行為にも準ずるような協定をなぜにお結びになったかということが私は問題になると思う。

上田常光外務省経済協力局長

○上田(常)政府委員 ただいま申し上げましたように、四千万ドルは、決して四千万ドルを与えるということを政府が約束したのではございません。先生御承知のとおりに、プロジェクトを完成いたしますためには、ものによりますけれども、大体一年間では完成いたしません。数年間にわたる場合が多いのでございます。そしてまたそれを合計いたしますと相当な金額になりますが、その一千万ドルと申しますのは、今年度は一千万ドルを限度として与えることにするということでございまして、ただ将来にわたりますけれども、そういうプロジェクトを完成するために、政府としてはなるたけ金融が得られるように、それを容易にするように努力しようというだけの、これは政治的な政策意図の表明にすぎないものだと御承知願いたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 プロジェクトの場合に、その四十三年度なら四十三年度だけに終わらない、これは当然なんであります。どうしてそれがインドネシアだけにそういう特殊な扱いをされたのか。ほかの国だってプロジェクトの援助の場合におきましては、その年度だけで終わらない場合は、これは継続で援助をするのであります。現にこれはやってきておる。インドの場合におきましても、第一次、第二次、第三次、第四次、こういう形で行なわれておる。ところがインドネシアの場合におきましては、それは確かに対象となりますところの三Kダムにいたしましても、あるいはその他の開発援助にいたしましても、これは継続して行なわれなければならぬことは、何も四十三年度に始まったことではございません。ところが四十三年度にこの法律案の改正の際に私どもが執拗に質問をいたしましても口を緘して、六千万ドル以上のものはない、こういうお答えをしておる。若干これを上回る程度だというお答えだった。いま赤澤調整局長もおられるのだから、その際宮澤長官がどのようなお答えをしたかということはよく聞いておられる。議事録を見てもわかるのです。ところが国会では口を緘してその内容を、そうした援助をしなければならぬということを全然お答えにならないで、あとでこうした追加をする。ただ、いまあなたは単に口約束みたいなことをおっしゃるのだけれども、インドネシアに対する円借款の供与に関する交換公文の付属交換公文、こういうことを協定をしておられる。そしてこれが将来のことであるとするならば、そういうような期待を話し合いの中で持たせておいて、四十四年度の予算の際に、そのインドネシアに対するところの援助は四十四年度は幾らしなければならぬというようなことで大体の話をしておかれる、こういうことであってよろしいのではないか。何も交換公文というようなことを——あなたは口約束とおっしゃるのだけれども、これは交換公文に対する付属交換公文、これは写しを私は持って質問をしておるのでありますから、これはいまのお答えのようなことではございません。これは私どもから見ますと債務負担行為である。もっと端的に申し上げますならば、債権国会議におけるところの四十三年度の援助総額は三億二千五百万ドルである。この三分の一は一億一千万ドル程度になる。佐藤総理がインドネシアに行って当時スハルト大統領代行に対して一億一千万ドルの援助をいたしましょうという約束をしておる。そして帰ってきた。国会においていろいろとこの問題に対しましても議論がある。そういうことで、少しおかしくなったというので、またインドネシアのスハルト当時の大統領代行がこっちにやってきた。また佐藤総理との間に話し合いがなされた。その後この法律案の改正案が国会で議論される。ところが佐藤総理の出席を求めて質問いたしましても、いま申し上げるように六千万ドル程度ということで終始されたのであります。ところが国会が終わりますと、いま私が申し上げましたような内容になったという、この事実であります。そうした政治的な関係というものがあるということを、私は否定できないと思う。この際、これは事務的なお答えは必要はございません。外務大臣、このようなことをしなければならぬという積極的な理由は何もないではないか、四十四年度の予算が通って直ちにこの交換公文というものを援助額に基づいておやりになってよろしいのではないか、このように考えるのでございますが、この点いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 従来の政府当局からの考え方はただいまお聞きいただいたとおりでございます。それでこの種の案件につきましては、政府として国会に対しまして、あるいは予算制度その他これに関連する制度的な問題として、政府が公式に約束をするというようなことになれば、将来の年度にわたりましても何らかの措置をいたさなければならぬこともございましょうが、要するにその問題のプロジェクトについては将来このくらいの金がかかるであろう、そういうことを前提にして、そういう点についてはできるだけ便宜をはかってあげましょう、こういうことを政治的に約束をするということは、その限りにおきましては、直接財政的なあるいは将来にわたる債務負担行然というものを国際的に約束したわけではないと私は思いますので、そういうふうに御了解をいただきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間の関係もございますから、あらためてこれは商工委員会において議論をしてまいりたい。菅野企画庁長官並びに大平通産大臣、大蔵大臣、すべて関連がございますから、その際にひとつ外務大臣もまた出てきていただきまして——事務当局だけの出席では困ります。その点をひとつ外務大臣に確認をしていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私でお役に立つことは何でも御協力いたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 外務大臣にお尋ねいたしますが、訪欧中のニクソン大統領が、合繊とか毛製品の輸入を大幅に減らすために五年間の国際協定を結ぶ交渉を開始する、こういうことが伝えられておるのでありますが、この点、公電が入っているのかどうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはニクソン大統領が訪欧いたしまして、ヨーロッパの各国との間にいろいろの話をされたとは思いますけれども、非常に慎重で、公式には情報はとれておりませんし、外部に発表されましたところを見ましても、まださだかに情勢を分折するに至っておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 就任直後のニクソン大統領の発言に、自由貿易を守ることが米国の利益にも世界の利益にも合致する、したがって輸入クォータ措置には賛成できない、しかしながら輸出の自主規制をベースにした話し合いを主要国と始めたし、また行なうつもりである、こういう発言をしておられるのであります。さらにミルズ下院歳入委員長の演説の骨子も同じようなことを言っておるのであります。  そこで、このニクソン大統領にいたしましても、あるいはアメリカの議会その他業界、それらのものの考え方というものは、自主規制というものは、これはいわゆる自由貿易を阻害するものではないという考え方の上に立っておるのかどうか。御承知のとおり、いまは繊維の国際協定というものが結ばれて、しかもこれはアメリカから押しつけられた。さらにこれは期限が参りますと、これを延長するという形で、非常に長期の協定が結ばれておるのであります。このことが日本の貿易に及ぼしておる影響というものは非常に大きいと私は思う。ましてや中小企業等の場合におきましては、開発途上国からの追い上げという形でいま非常に困っておる、こういうことでございますが、この自主規制というものに対する考え方に対して、いままで折衝を続けてこられたと思うのでありますが、その点いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 アメリカのニクソン大統領はそもそもがいわゆる自由貿易主義を主義とされておる人である、私はかように見ておるわけでございます。たとえば一番最近のところでは二月六日であったと思いますが、記者会見におきましてもそのことは言っておられるわけです。ところが、同時に、繊維等の問題につきましては、方法論は必ずしも自主規制と具体的に言っておられないようですが、何かやはり保護主義的な考え方を明らかにされているような節がございますから、特に日本の場合におきましては、繊維については非常に重大な関心を持っている——重大な関心どころではない、その方法が方法論はどうであろうとも、対米輸出について制限措置がされるようなことは、そもそもの自由貿易主義をたてまえとする方にとって、しかも日本の立場から言っては、合理的、経済的な根拠がないようなことについて保護主義政策をとられるということは、私どもとしては解せないわけです。これは日本側としては、政府はもちんでございますが、業界においても非常に大きな関心のあるところであります。もしそういうことになれば反対をせざるを得ない。ただいま御指摘もございましたが、繊維関係は、中小業者もあるし、あるいは労働界の問題でもございますし、わがほうとしては、関係の者がみんなひとつ思想統一のもとにこういう問題については対処しなければならないと思っております。  そこで、前にもこの委員会でも御答弁申し上げたと思いますが、二月六日の記者会見が報道されましたので、それから直後におきまして、とりあえず駐米大使をしてアメリカ政府に申し入れをいたしました。そのとき以降具体的な措置についての進展は、幸いにしていまのところないようでございますけれども、安心できませんので、十分の措置をとるよう引き続き善処をいたしたい、かように考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 自主規制の問題に対して、自由貿易主義の立場から、どうもアメリカの考え方は解せないというような、私は、そうした消極的というのか、そういうことであってはならぬと思いますね。日本側にとっては、貿易制限であろうとも自主規制であろうとも、これは同じだ。むしろ扱いといたしましては、この自主規制のほうが非常に扱いにくい、輸出の面におきましては。してがって、先ほど申し上げましたように、綿製品の場合、自主規制から国際協定、しかもその期間はさらに延長する、七〇年まで延長するということになっているのでしょう。解せないといまあなたがお答えになるならば、こういうことはいけないのだということをいままでの間にアメリカとの間に十分話をして、就任したニクソン大統領がいわゆる自主規制をさらに強調していくというような形が出てこないように、ケネディラウンドの精神に乗り、ガットの精神にのっとって、きちっとこのけじめをつけておくということが必要ではなかったのか。そこらのけじめをつけないところに、選挙のときの公約とかなんとかといういろんなことから、一方的にアメリカが日本に対して強引にこの自主規制を押しつけてくるというような形が出てくるのであろうと思うのであります。その点どうなんです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 いまちょっと御答弁が足りなかったと思いますが、その自主規制ということも制限措置であるし、それから、たとえば綿についての自主規制というものは、あの当時は日本側も合意をして、業界も納得してやったのですが、その後の経過を見ますると、いま御指摘のような点が多々ございます。したがいまして、先ほど申しましたように、具体的なアメリカ側の出方というものは、たとえばアメリカ政府側としてはまだ考えておらぬようではございますが、まあ先手を打つといっては語弊があるかもしれませんが、十分事態を注視すると同時に、打つべき手はずでに打ち出しておるというふうに御説明したつもりでございまして、事実そのとおりでございます。ひとつこういう面におきましても、私は、十分関係各方面の日本側の一致協力の体制も望ましいことである、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 ニクソン大統領が欧州で国際協定を結ぶそうした提案をするということについては、はっきりしたものがない。もし具体的にそのような提案が出てまいりました場合の日本政府としての考え方はどうなのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほどもお答えいたしたつもりでございますが、出た場合は、もちろん反対でございます。しかし、できるならば、それはただいまもお話しがございましたように、国際貿易自由化あるいはケネディ精神ということがアメリカにとっても大旆であるはずでございますし、それが世界のためにもなることだと、私はさように考えますから、そういう提案などが、できればなされないような環境をつくりたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 菅野経済企画庁長官は先般OECDの国際会議に御出席になった。大平通産大臣が予算分科会で田中委員の質問に対してお答えになったように、貿易制限関係の法律案というのが、私の調査では五十件程度出ておるようであります。したがって、アメリカにおけるところのそうした自由貿易を制限するようないろいろな考え方というものが出てきている、あるいは国会においてこれが成立する可能性もなきにしもあらず、そうしたことでございますが、OECDの会議においてはあなたはどのような発言をし、また関係国との間にお話をされたのか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 OECDにおきましては、私は貿易を制限すべきでないという発言をいたしました。それからアメリカから、そういうようなこと、貿易を制限するような何か発言があるかということを内心心配しながら聞いておったのでありますが、そういうことについては具体的な話は出なかったのであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまの長官のお答えというものは、私は、非常に不満というか、そうした具体的な問題については承知してない、これは、欧州におけるニクソンさんの発言というものはまだその段階ではおわかりにならなかった。これは当然でありますけれども、アメリカにおけるところのそうした貿易制限の動きというものはこれは前からわかっておったはずであります。だから、そうした国際会議に御出席になる際に、もっと具体的な取り組みというようなものをされる必要がある。これはいま外務大臣がお答えになりましたように、そうした提案がなされないようにいろいろと措置していきたいということは、ヨーロッパの諸国であるとか、あるいはその他の関係国との間の協調といったようなこと等も、私は、頭の中に描いてのお答えであったのだろうと思うのであります。それならば、そうした国際会議に出席をいたしました際に、ただあなたが演壇で反対であるという演説をされたのかどうか。その程度にしかいまのお答えの中からは受け取れないのでありますけれども、具体的にこうしたアメリカの動きをやめさせる、こういう取り組みを当然なされる必要があった、こう私は思います。しかしお答えは要りません。  大平通産大臣は、田中委員の質問に対しまして、アメリカには貿易制限の関係法律案が百件程度出ている、これは油断ができない、こういうお答えをしておられるのであります。そのとおりだと思うのでありますが、この油断ができないということは、成立の可能性がある、こういうことなのか、あるいはそこまでではなくて、まあ百件近い法律案が出ているんだから、これは油断をしてはならないのだ、こういうようなことであったのか、ひとつお答えを願います。   〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 あなたが言われたように、後者のほうです。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたの言うとおりだと言うが、私は問題を二つあげたのです。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 後者のほうで、まあ百件以上、とりわけそのうちで繊維が二十数件出ておることは承知いたしておりますが、そういうものが法律案として成立に結晶していくという状況にあるというように直ちに見ておるかというと、そうではなくて、たくさんそういう法案が出ておるという状況を一般的に憂慮しておる、そういう趣旨のものでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 アメリカのそのような動きを封ずるために、具体的にはどのような取り組みをしておられるのです。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 これはまあ外務省のほうのお仕事でございましょうが、アメリカ自体にも、この問題については賛否のいろいろな世論がありますことは、中村さん御承知のとおりでございます。  それで、日本国内におきましては、政府、各省一致で、あなたの言われる貿易制限的な動きに対して、一致して強い態度で当たろうじゃないかという点に意見の一致を見ております。  それから繊維業界でございますが、繊維業界は、メーカーもエクスポーター、商社筋も、みんな足並みが全部そろっておりまして、一致した姿勢で強い態度で押し返していこうじゃないかという機運になっておりますが、ただ、アメリカのほうからまだ何という公式のアクションがとられておりませんので、いま私どもはそういう憂慮を込めて、みんな事あれば一生懸命にやろうじゃないかというような機運になっておるということを御報告申し上げておきます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは、八幡・富士の合併の問題に対しまして、それぞれお尋ねをしてみたいと思います。  私どもは、この八幡・富士の合併というのは、超大型企業となりますところの新日本製鉄ができ上がりますと、この市場の支配力を非常に強めてくる。さらには、この新会社をプライスリーダーとする価格の硬直性ということが起こってくる。そうした硬直的な寡占体制ということになってまいりますと、日本の鉄鋼業の発展にも大きなマイナスとなるだけではなくて、日本経済にとっても発展の阻害要因になる、こういう考え方から、この八幡・富士の合併は認めるべきではない、そうした考え方に立って、いままで公取の委員長に対しましても、あるいは通産大臣その他の関係大臣に対しましても、意見を申し述べてまいったのであります。しかし、現実には合併を前提とするような方向に大きく動いておるということは否定できないと思います。したがいまして、それぞれこの関係大臣の産業経済の立場から、お尋ねをしてみたいと思いますけれども、時間の関係もございますから、一応具体的な問題に対しましてお尋ねをしてみたいと思います。  公取は、事前審査をいまやられて、そうして内示をされた。そこで、両社側の対応策を待っておる、こういうことであろうと思うのであります。形式的には、正式の申請があるかどうか、まあこれはわからないということであろうと思うのでありますけれども、そうした形式論をここで展開する必要はない。ですから、この事前審査というものが法律的には私は根拠がないと思うのであります。どうしてこの事前審査という道を特にお選びになったのか、端的にお答えを願いたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 事前審査の性格は、先般来申し上げておりますように、一種の行政相談、こういう形でもって取り扱っておるわけでございます。現に、私どもの役所の官房には、独占禁止法相談所という看板を掲げてございまして、一般国民からの相談に応じておるわけでございます。  それが一面でございまして、さらに独占禁止法第四十条では、委員会が違反の疑いがある事実を探知いたしました場合には、これを強制調査することができる規定がございます。これを踏まえまして、その予備調査、この意味合い、この点でいたしてまいった次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 おっしゃるとおり、強制調査という道がある、予備としてやっているということでございますが、この事前調査というものは、私は、商工委員会でもあなたにもちょっと申し上げたのでありますけれども、たくさんの中小企業等の合併の場合、数が非常に多い、こういうことから、事前審査という道が選ばれてくるということは、これは考えられるのであります。また、中小企業等の場合におきましては、いわゆる市場支配的な形というものは、これはまあほとんどない。ところが、この大型企業が二つ合併をするというような場合、この事前審査の道を選びますと、現実にいまあなたが直面をいたしておりますように、いろいろな要素というものが入ってくる。したがって、この法律相談的な事前審査ではなく、正式な申請というものがなされた形の中でこの審査を行なうということが私は正しいと思う。特にこの事前審査をこの大型企業の合併に取り入れた考え方についてのお答えをひとつ願いたい。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 いずれにいたしましても、もしもかりに先方から届け出がございますれば正規の手続に従って審議をいたすわけでございますから、事前に内相談にあずかりましたと申しますのは、事柄が重大でございますだけに、なるべく十分に調査をいたしたい、先ほど来申し上げました予備調査を十分にいたしたい、かようなつもりでいたしたわけでございます

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 事柄が非常に重大である、これは、私が申し上げましたように、大型企業の合併である、それが基幹産業である鉄鋼業の合併である、こういうことであろうと思うのであります。だから、私は、事前審査というような道に求めますと、いろんな要素が入ってきて、これはゆがめられていく危険性なしとしないのであります。したがって、正式審査をおやりになったらどうだったのか。いまあなたは時間的な関係があるとおっしゃった。なるほど一カ月以上三カ月以内という形にこれはなるのであります。ところが、独禁法の四十九条によるところの審判開始、こういう形の道をおとりになりますならば、何も期間の制限というものはないのであります。十分期間をかけてこれはやることが可能なのであります。御承知のとおり、ヨーロッパ諸国の合併の場合は、こうした重要産業の合併、大型企業の合併という場合には、そういうせっかちにやるのではない。これがその国の経済全体に及ぼす影響というものを勘案して、二年も三年もかけて慎重に取り組んでおるということはあなたが御承知のとおりであります。四十九条に基づいて、正式申請が出ました上で審判開始をやって、慎重に、真剣にこの審査をするという道をどうしてお選びにならなかったのか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 事前審査をいたしましたからと申しまして、これがゆがめられたというようなことは絶対にないことを確信いたしております。  それから、外国の場合の例をおあげになりましたが、各国それぞれ法令が違っておりまして、わが国の法律では、四十九条によりまして、前条第一項、すなわち、第十五条に違反すると委員会が認めた場合においてしかも、公益に合すると認めた場合においては、審判を開始することができると、かような規定に相なっておりまして、その法律どおりに運用をいたしてまいりたい、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまあなたは、法律に違反する場合云々と、こうおっしゃった。四十九条は、「前条第一項の場合において、」云々ということはあるのでありますけれども、「公共の利益に適合すると認めるときは、」とこういう形になっておるのであります。だから、二つの会社が合併をいたします場合におきましては、確かにこれは違反になるということは、あなたが御指摘になったところで明らかなのであります。したがいまして、四十九条をここに適用していわゆる審判ができないということはないはずなのであります。現に石川中央青果あるいは石川魚市の場合におきましても、この四十九条を適用いたしまして審判開始をやっておるという事実もあるわけでありますから、これは四十九条を適用すべきであったと私は思うのでありますが、その点いかがですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 第四十九条は、ただいま御指摘のように、どこまでも前条第一項に違反する場合というのが大前提になっておりまして、正式の手続をとりまして、さような場合に該当するときは、法律の定めるところに従って手続をとりたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 だから、合併をいたします場合には、レールにいたしましても、あるいはブリキにいたしましても、あるいは鋳物銑鉄にいたしましても、これは黒である、こういうことで問題点を指摘しておられるわけであります。これは合併をいたしますと、いわゆる違法であるということははっきりしておる。ところが、現在においてこれは違法ではない。まだ合併をしていないのだから、これは違法ではないのだ、合併をしたならば、これは違法になるのだというお考えの上にお立ちになったのではないかと思うのであります。しかしながら、合併した暁においてこれが違法であるということが明らかであります以上は、四十九条を適用して公正な審判を開始していく、こういうことがとるべき態度としては適当ではなかったのかと思いますが……。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 正式の届け出がございますか、ございませんか、まだ私どもも関知しないところでございますが、正式の届け出の内容を見まして、御指摘のような場合には、法律の定めるところに従って処理をいたしてまいりたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 法律の定むるところに従ってということになってまいりますと、これは公聴会という四十六条の適用もあるわけなんです。ところが、私が指摘をいたしましたように、四十条ないし四十九条関係の法律手続というものがあるわけであります。いま問題にいたしておりますのは、四十九条の審判をやるのかどうか、この点を私はお尋ねをいたしておるのでありますから、お答えを正確にひとつしていただきたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 かりに届け出書が正式に出ました場合においてば、その内容を審査いたしまして、四十九条に該当する場合には、四十九条に従いたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 正式な届け出があって、それを見て、四十九条に該当するならば、その場合はやると、こうおっしゃった。ところが、内示の段階で、三つは黒、鋼矢板に対しては灰色、九品目のうちのほかの五品目については白というお答えを出しておられる。だから、三つば黒ということをはっきり出していらっしゃるのだから事前審査の段階においてそれは明らかになったわけだから、そこで正式申請が出てまいりましたならば、四十九条を適用して当然審判開始をするということが筋ではございませんか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 現在の時点において、内相談に対して回答を与えましたわけでございます。問題点を指摘いたしましたわけでございますから、それと全く同じ内容の届け出がございました場合には、法律の定めるところに従いまして、四十八条の勧告、あるいは御指摘のございました公聴会、あるいは場合によって四十九条、法律に従って処理をいたしたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 内相談をやったのだ、そこで今度は正式申請がある、その場合において、内相談の中で問題点として指摘したそれが落ちておれば、四十九条を適用しない、こういう形にいまのあなたのお答えからはなるわけであります。そうなってまいりますと、条件つき認可という形になるではありませんか。あなたは条件つき認可はしないということを委員会においてもはっきり発言をしておられる。新聞記者の諸君との記者会見の中におきましても、あなたはそのことをはっきり表明をしておられるのであります。内相談の段階において問題を指摘した、それが落ちてきた、だから四十九条を適用する必要がないということになってまいりますと、私は、それは条件つき認可になると思う。その点いかがですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 仰せのようた条件つき認可ということは、法律のたてまえ上あり得ないところでございます。十五条に抵触するかしないか、このいずれかであるわけでございます。したがいまして、かりに正式の届け出がございました場合には、何らの予断を持たずこれを法律に従って厳正に判断をいたしてまいりたい、かように思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 だから、内相談の段階においては、三つを黒だということをはっきりあなたはお答えをお出しになったのだ。それが落ちておったならば四十九条を発動しない、前のままの形において出てきたならば違反であるということをあなたはお出しになったのだから、それならば四十九条を発動して審判開始をするという。それならば条件つき認可ということになるでしょう、それが落ちてきたならばやらぬということになれば。いかがです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 もしもかりに正式の届け出がございますれば、新しく委員会において法律に従って審査をいたします。したがって、条件つきということでは決してないと私は考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 条件つき認可はやらない、法律にもそういう定めがないとおっしゃるのであるならば、内相談の段階において、三つが黒であるということをはっきりお認めになっておられるのだから、それならば、当然申請が出てまいりましたならば、どのような内容であろうとも、事前審査の段階においてそうした黒であるということをはっきり確認しておられるのだから、あなたのほうでは審判をされる必要があるのであります。私が申し上げますのは、法律的な関係からばかりではございません。紙の上に書いて、これにこういたしますといって、問題点を指摘したところに一応つくろった形をとりましても、実際にそれが行なわれるかどうかということはわからないのであります。その申請に基づいて認可をした。ところが、形の上においては問題点はなかったけれども、だから認可はしたけれども、実際にやってみたところが、そのとおりにいかなかったという場合に、この法律の中におきましては分割命令ということができない。そうですね。したがって、認可の際に、それらの問題点に対しては、法律的な立場から、あるいは総合的な経済支配、あらゆる観点に立って、これを慎重に審査をしていくということでなければならないはずであります。したがいまして、条件つき認可というものがあり得ないとあなたがおっしゃるならば、正式に届け出がなされたならば、この四十九条を適用し、その他の法律力を適用して厳正に審判をするということを、あなたはここで言明すべきではありませんか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 かりに正式の届け出がございました場合においては、法律の定めるところに従いまして、委員会において厳正に判断をいたして、法律の定める処理をいたしたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 法律の定めるところということでははっきりしない、だから四十九条は審判という条項があるわけであります。だから公聴会も法律の定めるところなんだ。あなたが商工委員会では処分ということをお答えになったのだけれども、処分は四十六条、四十九条はあなたのお答えになった処分のうちには入らない。ならば、審判というものは、これは公開が原則なんだから、いろいろと、今回のあなたが内示をされたということに対しましても、近代経済学者だけではなく、あらゆる面からとかくの批判があるのであります。ならば、あなたが厳正公平におやりになるというならば、かつて石川中央青果の場合にしろ、魚市の場合におきましても四十九条を適用して審判開始をなさったのだから、このような超大型企業合併の場合においてこそ四十九条を適用していくということが正しいではありませんか。いかがですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 正式届け出の内容も見ませんうちに審判を開始するとかしないとか予断をもって事に臨むのは適当ではないのではないか、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 正式届け出がない、だからそれについて予断をもっていろいろ言われぬとおっしゃるならば、正式申請も出ぬ前に、あなたは十カ月も期間をかけて、たとえば再販の問題にいたしましても、あるいは不当表示の問題にいたしましても、その他いろいろな問題を犠牲にしてこれに取り組まれたのであります。それほどあなたがこの合併の問題について真剣に取り組んでいこうという姿勢をお示しになったのだから、それならば国民の前に堂々と、この内容についていささかも疑念を持たせないようにしてやろうとするならば、当然四十九条を適用するという審判というものがあってしかるべきではありませんか。正式申請もないのに予断をもってやることができないとあなたがおっしゃるならば、すでに法律相談、事前審査という形において十カ月も時間をおかけになったということが問題になってくるのであります。いかがですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 事前審査は私どもの役所の一部の人間が担当いたしておるのでございまして、御指摘のように再販の問題とかあるいは不当表示の問題を犠牲にしたということは絶対にないことを確信いたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 だから、そのことだけをお答えになってはだめなんです。肝心の点を、お答えにならなければ私の質問に答えたことにならぬ。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 どこまでも国民の疑惑を招かないように十分な調査をいたしたい、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまあなたが四十九条をここで適用するということをはっきり言われないのは、いわゆるあなただけの意思ではできないのだ、五人の委員がいるんだから、その五人の委員と相談をしなければできないということで法律の定めるところによるという抽象的なお答えをしていらっしゃるわけですか。あなた個人も考え方はやはり四十九条を適用して、堂々と国民の前に公明正大にこれを審査しなければならぬというお気持ちを持っておられることは、どうなんですか、間違いありませんか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 先ほど来申し上げておりますごとく、正式届け出の内容を見ませんうちに予断をもってどうこうということば適当でないと存じますのが第一点。第二点といたしましては、これは委員会が審議の上決定いたすこと、この二つの点があるわけでございます。個人的の考えというものは、これは各委員は独立してその職務を行ないますので、申し上げることは適切ではない、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまこの問題であなたと議論してまいりますと並行線で、これだけで時間を食ってしまうわけです。正式申請が出る前に予断をもって答えることができないというような、そういうことでありますと、十カ月間いままで時間をとったということに問題が出てくるのであります。それはしかし法律的な点ではないのだから、こうおっしゃると、これは別でありますから、あらためてその点は商工委員会において取り上げてまいることにいたしますが、法十五条の統一解釈、この点は非常に狭くあなたは解釈をしていらっしゃるのでありますが、その点についてひとつお答えを願います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 法第十五条の解釈につきましては、過去の判例をもしんしゃくいたしまして、委員会において解釈を決定いたしたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 法十五条に基づいて横田公取り元委員長、それから東京高裁の判決というものがあるのであります。この点は内容について私がいまさら申し上げる必要がありません。それぞれの解釈に対してあなたはこれを肯定なさるのか、あるいはこれを否定なさるのか、いかがです。   〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 横田元委員長の考えという御指摘でございましたが、それはおそらくは横田元委員長の時代にこの合併に対する審決というものはなかったと記憶いたしております。おそらく国会において横田元委員長が三〇%程度を一応の警戒ラインとしてとお答え申し上げた、そのことではないかと想像いたすのでございます。それはどこまでも一応の警戒ライン、私どもその点において少しも考え方は変わっておらないわけでございます。  それから高裁の判例、これは前の判例では三〇%だけではいけない、こういう判例でございまして、その精神は十分取り入れてまいりたい、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 横田元委員長の解釈というものは、おそれがある場合、これを削除した、ところがこれを削除したけれども、競争の実質的な制限という形の中で、これはおそれがある場合ということが読めるのだ、こういうお答えになっておるのであります。そうなってまいりますと、この両者の合併というそのことだけに問題を狭めて解釈をやってはいけない、こういうことになってくるのでありますから、いまあなたがお答えになった点とは違うのであります。これは東京高裁の判決にいたしましても同じようなことがいえると思うのであります。しかし問題点、まだいろいろお尋ねしなければならぬ点がありますから、その点に入りますが、この三つを黒にして、鋼矢板を灰色にした、それからその他の五品目を白にしたということについての考え方をひとつお聞かせ願いたい。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 内審査の段階におきまして、すなわち、二月二十四日の段階におきまして、一応三品目は違反の疑いがある、一品目は必ずしも違反しないとはいえないという指摘をいたしたのでございまして、その個々の内容につきましては、たびたび申し上げておりますごとく、単なるシェアということでなしに、当該商品の特質、あるいは競争同業者、競争同業者の牽制力、それからユーザーの立場、あるいは代替品、輸入品あるいは新規参入の可能性等を総合的に勘案をいたしまして、そういう判定をいたしましたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 鋼矢板の場合、シェアは九六%、それから珪素鋼板の場合におきましては六四・六%、これが白になった、九六%の鋼矢板がこれが灰色になった、この二つについてもっと明確にひとつお答えを願います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 これはくどく申し上げるようでございますが、シェアも尊重いたしますが、そのほかに、先ほど申し上げましたごとき諸要素、これを総合的に勘案いたしまして、そういうことを指摘いたしたわけでございます。詳細の内容につきましては、これは関連業界、ユーザー等の各方面から広く営業上の秘密に属する情報をも好意的に提供を求めた上で判断をいたしておりますので、その詳細は申し上げることを控えさしていただきたい、かように存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまあなたが新規参入ということを灰色にし、あるいは白にしたということの理由の一つにおあげになった。新規参入ということになってくると、将来を予見したということになってまいる。将来を予見してこの合併の認否をきめるということになってまいりますと、十五条を適用して合併を否認するということは、合併をして一社になるというとき以外にはないのではないか、私はこのように考える。将来を予見して合併の認否をきめるということについての相当のウエートをあなたは持っていらっしゃるようでございますが、その点、いかがです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 これは、ただ新規参入の可能性というだけではいけないと存じます。経済合理的に判断をいたしまして、相当の蓋然性のある場合、これは考慮に入れることと相なるかと存じます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大平通産大臣にお尋ねをいたしますが、いま当該合併会社は対応策を出す、こういう動きを示しておるときに、政府はいろいろと対応策を考えているということを新聞等で発表いたしておるようでありますが、どのような動きをしていらっしゃいますか。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○大平国務大臣 先日、公正取引委員会から当該合併問題についての事前審査の結果について一つの判断が示されたのでございます。これに対しましては、まず第一に当事者側が、すなわち会社側が対応策なるものを研究されて、その指摘された問題点の解消におつとめになることと思うのでございます。ただ、私ども政府側で産業行政等にかかわる部面がありますれば、私どもでも配慮せにゃならぬと思いまして、いま事務当局に命じてどういう点を配慮すべきか、配慮することがあるのかないのか、また通産省だけでなくて政府部内でどういう省庁と御協議申し上げにゃいかぬのか、そういった点の検討を命じてあるところがございます。世上政府部内には意見が一致したとかというような先ばしった観測があるようでございますが、ただいまはまだそういう段階ではございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたはこの合併の問題については慎重な態度をとらなければならぬ、またおとりになったのだと私は思うのであります。ところが一番大切な対応策というものが会社から出る段階において、これをバックアップするような動きをされるということが新聞に報道されておるとおりであるとするならば、このことが及ぼす影響というものは非常に大きいと思うのであります。したがって、慎重な態度を堅持するということでなければならないと思います。具体的には、運輸次官と通産次官の中で話し合いをしたとか、あるいは運輸大臣とあなたがいろいろと対応策について検討して、閣議において発言をしたとか、いろんなことが伝えられておるのであります。  そこで、いま三つの品目、あるいは鋼矢板その他の問題に対して公取委員長からお答えがあったわけでありますが、国鉄の総裁お見えでございませんね。——お尋ねをいたしますが、国鉄はレールを両社から購入をしておられるわけでありますが、十年間ほとんど価格は動いていない、こういうことでございますが、これはどういう購入方法をしておられたのか。また、このような価格が硬直しておるということについてですが、生産は上がっておるのに少しも価格は動いてないということについてふしぎにお考えにならなかったのか。それらの点についてひとつ端的にお答えを願います。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 レールの価格でございますが、現在公にされておりますいわゆる販売価格というものは、これは先生のおっしゃったとおり変わっておりませんです。しかしながら、私のほうで買います数量その他、これは多少年度別に変遷がございますし、たとえば東海道新幹線の開業等のとき、あるいはそうでないとき、非常にそのレールの中の品質と申しますか、材質別あるいは重さ別の品質等、非常に差異がございます。したがいまして、総購入量と総購入価格を割りました価格の変遷につきましては多少ずつは下がっております。また、具体的に私のほうで買いました実績につきましては、技術の進歩たとえば転炉を入れたときなどには相当下がっております。ただ、製鉄会社が発表いたしております販売価格は下がっておりませんが、私のほうの購入価格は下がっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 二社からレールを購入されておられるのであります。ところがこの購入の方式は入札ではなくて随意契約でやっていらっしゃるのでしょう。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 随意契約に基づきます製作請負契約でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 だから、その購入方法というか、製作請負ということをあなたはおっしゃったのでありますけれども、二つの会社ですから、購入をするにいたしましても当然この入札方式というものをおとりになる必要があったのではないか。いわゆる随意契約をしておって、価格が十年間ほとんど硬直いたしておりましても、これを問題にしておられない。この購入方式というものは入札方式に改めていかなければならぬと思いますが、その点はいかがですか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 レールの輸入をやめましてからすでに数十年たっておりますが、その後、御承知のとおり日本製鉄一社並びに戦後二社になったわけでございますが、私のほうといたしましては実際、価格の決定にあたりまして、単にメーカー側の販売価格によって購入するのではなくて、これは長年にわたる技術的な信頼の上に立っての価格でございまして、両社の製作工程その他を十分検討いたしました上の価格でございます。先ほど申しましたとおり、価格も現に下がっております。そういうような実績から申しまして、現在の製作請負契約というものはこのままで十分価格をコントロールできるという自信を持っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 価格は現に下がってきておる。これは相対的に見なければなりません。生産が非常に上昇をしておる。それに対する価格の動きはどうか、こういうことでなければならない。特にあなたは価格は下がっておると言われるが、私はこのグラフをもってお尋ねをいたしておるのでありますけれども、動いたという形にはならない。ましてや現在の購入方式、いわゆる入札ではなくて随意契約でもってこの後も続けていこう、そういう考え方は私は改めなければならぬと思うのであります。そういう考え方では国鉄運賃の値上げであるとか、そういうことをやろうといたしましても世論の支持というものがあり得るはずはないのであります。現にあなたのほうでは、レールとその他の資材とを比較してみます場合においては、ほかの資材は相当購入価格は下がっておる。けれどもレールは特に下がったと声を大にしてお答えになるような下がり方ではない、ここに私は問題があると思うのであります。同じようなことは鋼矢板の場合におきましては、これは灰色ということになったのでありますけれども、建設省の関係においても言えると思います。埋め立て工事であるとか、あるいは土木工事であるとか、その他建設資材、こういうものは、この大型形鋼の場合におきましては若干の動きはありますけれども、鋼矢板の場合においては、ほとんどこれは動いていない。これらの点に対しては、今回の二つの会社が合併をするということに対しては、公式な発言ではございませんが、建設省筋の意見といたしましては、生産はどんどんふえておるのに価格は下がっていないじゃないか、それにこれは合併をするということになってくると、こういう傾向はさらに強められていくではないか、こういうような声すらあるのでありますが、建設大臣は、この点はどのようにお考えになっておられるのか。

坪川信三自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○坪川国務大臣 お答えいたします。  先ほど委員長申されましたごとく、鋼矢板につきましては、御承知のとおりに、建設の資材といたしまして非常に、ほとんど使っておるというような状況でありますとともに、両社の生産が九六%を占めておるというようなことを考えますときに、他の資材につきましての新たなる資材の問題、あるいは御承知のとおりに他の生産メーカーの門戸開放というようなことを慎重に考えまして、そしてこれらの点につきまして、競争制限のおそれのないように、事前に防いでまいりたい、こう考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 最後に、山田公取委員長にお尋ねをいたしますが、あなたの委員会におけるところの答弁は二転、三転をしておるのであります。武藤委員の質問に対しましては、正式な申請があっても前の内容と同じであるならば、あらためてこれを審査する必要はありません、こういうお答えをされたのであります。ところが今度は、堀委員その他の質問に対しましては、正式申請がございますならば、法律の定めるところに従ってあらためて審査をいたします、こういう答弁をしておられるのであります。だから、二転、三転をしておる。そういうことであってはならないと思うのであります。  それから、私は商工委員会でも申し上げたことでございますけれども、事前審査の十カ月の間に、この真相というものが二つの会社の中に漏れてきておる。そこで対応策——鋼矢板の場合におきましても、これはほかの製品と一緒に生産をするのだから、これは分離することは非常にむずかしい、したがってこの対応策について苦慮しておった。しかし警告程度にとどまったから、これでほっとしたということを会社側が言っておる。こういうことからいたしましても、この対応策というものが、会社に都合の悪いものは、これをいわゆる灰色にするとか、白にするとか、会社が対応策を十分講じやすいものだけを黒にしておるというような批判というものが出てくる要素はそういったところにあると思うのであります。さらにまた……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 中村君に申し上げますが、時間が過ぎておりますから……。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 厳正におやりになる、こういうことでございますけれども、現実に、あなたのほうの委員が、会社側——合併会社の専務と絶えず話し合いをして、今日まで進めてきたという事実もこれは公然の秘密となっておるということであります。したがいまして、正式審査が出てまいりますならば、四十九条を発動する、その他国民の前に公正にこの審判を行なう、こういうような姿勢でもって臨まれなければならぬと思うのであります。最後にあなたの決意を伺いたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 簡潔な答弁を願います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 対応策のでき得るようなものだけを指摘したというおことばでございましたが、さようなことは絶対にございません。今後とも法律に従って、厳正に判断をいたしてまいる、こういう決意でございます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて中村君の質疑は終了いたしました。  この際暫時休憩いたします。  再開は一時であります。    午後零時三十五分休憩      ————◇—————    午後一時十一分開議

櫻内義雄自由民主党

○櫻内委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。  昭和四十四年度総予算に対する一般質疑を続行いたします。神田大作君。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 まず最初に、自治大臣に御質問を申し上げますが、現在全国にわたって学園紛争等が激しく行なわれておりますが、これらの原因は、政治に対する不信が大きな原因になっておると思うのです。そのうちでも、政治資金に対する国民の疑惑というものが非常に大きいのでありますが、政府といたしましては、再々提出いたしましては審議未了になっておるところの政治資金規正法の改正案につきまして、選挙制度審議会の答申に基づいたところの改正案を今国会に提出する用意があるかどうかをお尋ね申し上げます。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 お答えいたします。  政治資金規正法は、前に提案いたしまして廃案になったことは御承知のとおりでございます。私といたしましても、現在の政治資金規正法よりも一歩前進したものをひとつ作成したい、したがって、答申の意に沿うようにいたしますが、内容につきましては、いま繰り返して申し上げておりますとおり、現行よりも一歩前進したものをひとつつくり上げて、そして国会に提出して御審議を仰ぎたい、こういう考えを持っております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 今国会に提出することについては間違いがないわけでありますね。それについて明確な答弁を願うと同時に、これは前の藤枝自治大臣のとき、また赤澤自治大臣のときと、二度これを提出しておりますが、いずれも選挙制度審議会の答申した案よりも非常に後退をいたし、総理はこの答申を尊重すると言いながらも、また、本会議において、小骨一本をも抜かぬというようなことを豪語しながらも、非常に答申と相違した案を出しておるようでありましたが、われわれとしては、国民の疑惑をなくし、政治に対する信頼を戻すためには、答申案が最低だと考える。そういう意味合いにおいて、自治大臣はこのことについてどのように考えられるか、重ねてお尋ね申し上げます。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま神田さんのお述べになったとおり、できるだけ審議会の答申を尊重するというたてまえを政府は従来からとっております。内容につきましては、やはり現実的にこれをどう考えるかということですが、先ほど申しましたとおり、現行よりも前進したものでなければ答申の趣旨を体するということはできませんから、その意味におきまして、これも先ほど繰り返しましたが、今国会に提出したいという意向のもとに検討を重ねております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 現行よりも前進すると申しますが、一体現行の政治資金規正法なんというものは、自治大臣御承知のとおり、これは何もありません。ただ、無制限に政治資金を受け入れて、これを届け出ればよい。届け出て、しかもこれに対する監察制度もない。いままで政治資金規正法によりましてこれを摘発したのはたった一件でありまして、しかもこれは届け出たほうから、これが何らかの理由で告発されておるというようなことで、いまだかつて現行の政治資金規正法によりましてそのような措置がとられておらない。これよりも少しましなものをということに対しまして、これは国民がどうしても納得するわけはないのでありますからして、やはり答申に沿う政治資金規正法の改正案を出すべきであると私は考える。自治大臣はそのくらいの気概を持たなければ、また現政府は、日本におけるこのような政治不信を一掃する意味合いにおきましても、き然たる態度をもってこの問題に対処しなければ、日本の政治はますます混乱すると私は思うのでありますが、重ねて自治相の決意を伺います。  もしこれを出すとするならば何月ごろ提出するつもりであるか、お伺いいたします。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいま御指摘になりました、つまり金の使い方、その結果はいままで非常に不明瞭だった。金の入るほうもさることながら、少なくとも金の使い方というものを明確にする必要がある、そういう考え方を持っております。そうでなければ政治資金というものが明瞭になりません。そういう意味におきまして、この案の内容につきまして、できるだけ政治資金がいわゆるガラス張りでいけるというほうに持っていく必要がある、こう考えております。  それから、この提出はいつごろかということでありますが、いま検討いたしておりますから、なるべく早く出したいと思っておりますが、いまのようなことでなかなか技術的に——せっかく出す以上は、いま申しましたとおり、政治資金というものがだれが見ても明らかになるように、これが明瞭になるようにというたてまえでございます。そういう点においていませっかく検討いたしております。いつごろということは明確に申し上げられませんが、できるだけ早く作成をしたいといっていま急いでおります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 この問題については、政府の良識ある判断をわれわれは期待して、提出されました時点において検討したいと思いますので、先に進みたいと思います。  農林大臣にお尋ねしますが、政府は首相をはじめ大蔵大臣も、生産者米価並びに消費者米価を据え置くということを申されておりますが、その方針に変わりはありませんか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 政府としてはその方針で進んでおります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 物価が相当動いておる段階において、去年と同じ価格で据え置くというような方針は、生産者といたしましては納得のいかないことです。いわば生産者米価というものは、いままで米価審議会に諮問いたしまして、そして生産費所得補償方式によりまして綿密な計算の上にこれを決定したわけでありますからして、このような大ざっぱな、去年と同じ価格であるということは、われわれとしては納得できないのでありますが、この点についてどのような考えでもって据え置くのか、その基礎を明らかにしてもらいたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 お説のとおり、物価、賃金、これらは来年度幾ぶんかの上昇というものは避けられないと考えられます。しかし、今回の米価の算定というような点については、政府はいろいろな需給の実態、そういうような点、または物価の安定、こういうような点も考えまして、一応政府としては両米価を据え置くという方針でございますが、何といってもこれは、御承知のように食糧管理法というものがありまして、それによって諮問をした上で初めて決定されるべきものでございますので、その点は十分結論は尊重してまいるつもりでありますけれども、政府の方針といたしましては両米価は据え置く、こういう方針でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 農林大臣は過般の農林水産委員会におきまして、米価算定の中における計算の基礎になるところの反収を、平均反収はとらないということを言っております。いままでどおり限界反収でもってやっていくということを言われましたが、そのようなことは事実であるかどうかお尋ね申し上げます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 平均反収はもちろんでございますけれども、限界反収、これはもちろんその中に織り込んで、そしてその方式でとっていくつもりでございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 大蔵大臣に尋ねますが、大蔵大臣は本予算委員会において、いわゆる限界反収というようないままでのそういうやり方ではなしに、平均反収でもってやるべきだというようなことを言われましたが、そのとおりですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 平均反収をとるという考え方は固めておるわけではないのです。ありませんが、据え置きとなればどうしても計算方法、これは考えなければならぬ。計算方法を考える場合におきまして、いま四十三年度に採用されておるほとんどの農家をカバーするような限界農家方式ですね、この方式を考えないとしてみれば、据え置きの理論もあるいは相立とうかな、こう考えておるのだということを申し上げたわけです。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 私は農林大臣の話と大蔵大臣の話は微妙な食い違いをしておると思うのです。農林大臣は従来どおりの限界反収をとっていきたいというような考えである。大蔵大臣は平均反収でやるべきであるというような考えが強いようでありますが、一体、大蔵大臣と農林大臣はこの問題について緊密な話し合いをしておるのかどうかお尋ねいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 これは緊密に話し合っております。いまきまっておりますことは、生産者米価も消費者米価もこれを据え置く方針をとる、こういうことであります。手続としてはもちろん米価審議会にこれをはかる、こういうことになりますが、米価審議会に対してはこの方針で臨み、米価審議会の御納得を得るように努力をしたい、これが両相の打ち合わせた結果であります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 緊密に話しておると言いますが、農林委員会における農林大臣の答弁、予算委員会における大蔵大臣の答弁は、相当の相違を来たしておるのじゃないか。そのことは、首相がさきに施政方針で言われたように、米価は据え置くというようなことを言明しておりますが、このような両相が食い違っておる考え方をしまして、大蔵省の考え並びに農林省の考えがぴったりといかない限り、私はこの据え置きの価格というものは出てこないと思うのですが、農林大臣、どう考えますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 農林委員会のお話は、大蔵大臣が平均反収だけでいくと言うが、それでいくのかと言うから、それは違います、限界反収もその中へ入れるのです、だから米価は所得補償方式を基礎としてこれでいくのですという話をしたのであって、食い違いはないと思うのです。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 この問題は食い違いがないと申されますが、われわれ側で聞きますと、大蔵省と農林省の考えはまだまとまっておらないと考えるのです。さきに自民党のいわゆる米価関係の議員が集まりまして、解散が間近であるというようなこともあったせいでありましょう、自民党の田中幹事長がいわゆる米価据え置きは弾力性を持っておるというようなことを言われましたが、こういうことが与党の中から出てくるということは、大蔵大臣がいかに弁明いたしましても、米価審議会にもまだかけないうちに、初めから米価は据え置きであるというようなことは、私は行き過ぎであると思うのですね。その点をどう考えますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 米価審議会の意見を聞く、これはもとよりのことでございます。謙虚に聞かなければならぬ、かように考えます。しかし、米価審議会に臨む政府の態度は、これはまたきめておかなければ、政府は何と考えるのだという際に答えようがない。そんなことで政府はつとまるものでございません。ですから、政府はことしの米価についてはこういう見解を持っておるのだということを考え、また、これを公にする、これはもう当然のことだ、かように考えます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 そういうかたい決意を持っておるならば、この大方針を打ち出して、もしこの据え置きができなかった場合においては、大蔵大臣は責任をとりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 政府が考えておること、これは必ず米価審議会は納得をしてくれる、かように確信して疑いませんです。政府が考えておることというのはどういうことかといいますると、私どものサイド、大蔵大臣として申し上げますと、大蔵大臣としても、農家が戦中、戦後、食糧の窮屈なときに日本の国民のために、国家のために尽くされた功績、これについてはもう高く評価をいたしておるわけであります。その農家がいま何を一番心配しておるかというと、食管制度が一体なくなるかなくならぬか、崩壊するか、この一点じゃないかと思う。このことは私どもとしてはほんとうに考えなければならぬと思うのです。さあ子供がおなかをこわした、このおなかをこわした子供にお菓子をあげるという考え方じゃいかぬと思うのです。やはり子供の体質をなおすという考え方に立たなければならぬ、こう思います。そういう考え方からすると、どうしても米価問題は考え直す時期に来ておる、需給状態というものがそうさせておる、こういうふうに考えるのでありまして、この考え方をよくお話し申し上げれば必ず御納得を得る、さように確信をしております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 それは大蔵大臣のてまえみそと私は思う。というのは、今日給与所得も相当アップをされなければならぬ、物価もどんどん上がっておる、農民の米価だけを据え置くというようなそういう計算は出てもこないし、また、そういう長い間食糧需給の苦労をかけた農民にそのようなことを押しつけることは、私は不当であると思う。また、大臣の言うように、平均反収をとるということになりますと、いわゆる農民のうちの約四割程度の農民は、赤字を出しながら米をつくっていかなければならぬということになる、損をしながら米をつくっておる。いわば農民の生活を崩壊する一つの方法を大臣が推し進めるということでありますから、農民といたしましても、われわれといたしましても、これは納得できない話であると思います。それに対してどう考えますか。時間がありませんから簡単に願います、いろいろあるのですから……。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私は、当面農家の喜びそうなことだけをやってやる、それがほんとうに農村に親切なゆえんであるかということを真剣に考えます。私は食管制度を維持し、安定して米作ができて続くようにしてあげること、これがほんとうに農村のことを親身に考えるゆえんである、かように考えるのであります。その一環として米価の問題も需給の問題からどうしても考えざるを得ないところにきておる、かように申し上げているのです。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 時間がありませんからあとにしまして、農林大臣にお尋ねしますが、米価審議会はどのような構成で、いつごろ開催されますか、お尋ねします。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 米価審議会の構成は、昨年のいろいろな経緯もございますので、それらの経緯を十分検討をいたしまして、そうしてそれを基礎に置きましてなるべく早期に開催していきたいと、このような考え方でございます。というのは、なるべく早くというのは、いま農民は、もう早いところでは苗しろをつくらなければならぬという騒ぎもしておりますけれども、なるべく田植えの前にことしの米の価格というものは幾らでございますということをはっきり示すことが、すなわち農民の生産の上にも大いなるかてになるであろう、これが親切なやり方だと、こういうような考え方を持っておりまするから、なるべく早目に米価審議会を開いていただいてはかるつもりでございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 その米価審議会には生産者代表並びに消費者代表を入れる考えがあるかどうか、また、どのような生産者代表、消費者代表を入れるのか、お伺いします。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 昨年の皆さん方のお話もいろいろ承っておりますから、その経緯を十分に尊重をしながらその構成に当たりたいと、このように考えております。ただいまだれを入れるのだということは、この場で申し上げる段階まで至っておりません。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは大臣、そういうふうな抽象的なことではなしに、私の問いにはっきりと答えてもらいたい。生産者代表を入れるとか、消費者代表を入れるということを、はっきり言ってもらいたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 それは、それほど熱心に、つまり農民のためにおやりになった方々でございますから、昨年の経緯は十分お心得の上だと考えます。したがって私は、昨年私は国会対策委員長をしていたときの体験もありますし、皆さん方のいろいろな御意見も昨年出ておりますから、その経緯をたどり、そのおことばを尊重しながらいくというのですから、皆さん方が昨年唱えたことを振り返ってみていただけば一番よくわかると思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 どうもはっきりしないな。  それでは私のほうから具体的にお聞きしますが、いままで米価審議会の委員の中に入れておりました農民代表として、日本農民組合とかあるいは全国農民同盟とかというような農民代表を入れる考えがあるのかどうか、お尋ねします。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 ただいま、どのお方、どの組合の方、どの構成されてあるメンバーをと言うわけにはまいりません。まだそこまで入っておりませんので、いずれその面に対しての考え方を明らかにしてまいりたいと存じます。きょうこの席において申し上げるわけにはまいりません。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 ほかの生産物は生産したほうの側でもって価格をきめるわけです。米だけは生産した者、また消費する者を入れないで価格をきめるというようなことは、これはないわけです。ほかの商品は、おれの品物は幾らだといってつくった人が相場をきめて、そして売るのです。農民だけは、学識経験者とか政府というようなものでかってに価格をきめていく。しかも、この米価審議会にもそれら生産者代表や消費者代表を入れないでやっておるというような、そういう非民主的なやり方は私はないと思う。少なくとも食管制度のもとにあるから、米価審議会くらいにはちゃんとした農民代表、ほんとうに米をつくっておる農民代表を入れるべきだと思う。農林大臣の考えておるのは、聞くところによると、全国農業協同組合中央会とか、あるいはまた全販連の方とか、生産者代表というのはそういうように考えているようでありますけれども、私はそういう間接的なものではなしに、みずから耕作をしておる代表をここに入れて、そして米価審議会というものを公平なものにすべきだと思うのであります。この点を誤ると、この米審の問題はまた非常な紛糾を来たすと思いますが、大蔵大臣並びに農林大臣の考えを重ねてお尋ね申し上げます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 神田先生のお話は十分承っておくことにいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 農林大臣と一心同体であります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 その点について十分なる御考慮を願いたいということを申し上げまして、先に進みたいと思います。  政府は自主流通米を打ち出しました。食管制度の根幹はくずさないということをたびたび言われておりますが、私は自主流通米をやることによって食管制度の根底はくずれていくと考えておりますが、農林大臣はどう考えますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 米穀の一部流通の考え方は、米の全く自由な流通を認めようとするものではないのでございまして、米穀の需給事情に即応して直接管理の長所を生かし、反面、また米穀の品質の向上、これらの問題にも前進をはからなければいけないんだ、こういうような考え方、これらの長所もあわせて生かしていくべきであろう、こういうふうに考えます。また、食糧管理制度の根幹を維持する考え方は何ら変わってはおりません。また、自主流通米の構想は、現行食糧管理法に基づいて、米の需給の緩和の事態に即応して、食糧管理の立場からする行政的な規則に基づいて、政府を通さない米の流通の道を開くという、こういうことでございますから、私は食管制度の根幹というものも完全に維持している、このように考えておる次第でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 農林大臣はそのように言われますが、一体市場に、これは自主流通米の米である、これは政府の配給米であるというような、そういう区別ができますか。過般の農林水産委員会でもって農林大臣は、何か一カ所に精米の設備をして、自主流通米というものはそこでもって精米し、袋詰めをして標識をつけて出すと言いますが、一々そういう一カ所の——一カ所か数カ所か知りませんが、そういうところへわざわざ持っていってそういう袋詰めにするような、業者がそういう手間のかかるようなことをやれますか。また、その取り締まりができますか。それで私は、自主流通米の米と政府の配給米とがごっちゃになって、これは配給末端において大混乱を起こす。また集荷におきましても、これはいま業者あるいは農協方面において、これら自主流通米の集荷についていろいろと苦心をしておるようでありますが、この集荷につきましても、現在の食管制度下における一本の政府売り渡しと違いまして、大きな混乱を起こしていく。そして、やがて食管制度はなしくずしにくずれていくと私は考えておりますが、農林大臣はどう考えます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 神田さんのお考えとちょっと違うんですけれども、神田さんはそういう大混乱が起こるだろう。私も、そのままでは混乱が起こると思うのです。ですから、混乱が起こるからこそ、その標識をしようじゃないか。たとえばこのお米は何県の何郡の何というところでつくられた米だということを、はっきりと銘打っていく。そういうふうにしたならば、これは混乱を防ぐことができる。自主流通米だか配給米だかわからない、それで、配給したものまでが、これはおいしそうだからこっちへ持っていこう、こういうようなことのないように、その混乱を防ぐためにそのような措置をとったほうがいいんではないだろうか、こういうことでございますから、神田さんの考え方とちょっと、申しわけありませんけれども、逆でございますので、あらかじめ御了承願います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 それは大臣、手間をかけてそういうことができるわけはない。いままでのやみ米の取り締まりも、全然できないでしょう。また、全国に相当の卸小売り業者がある中において、そういうことが一々正しく行なわれると思っておるのですか。行なわれるはずがないでしょう。私は、そういう意味において、農林大臣の考えと全く違っております。そういうことについては、これはもう自主流通米をすることによって食管制度がなしくずしになるということは、火を見るよりも明らかでありますので、この点を論争すると時間がたってあとの質問ができませんから、私は、大臣の考え方とたいへんに違う、これはやがて食糧管理制度に大きな狂いがくるということを申し上げまして、次に進みたいと思います。  そのようにして、政府は、もし七百五十万トン政府買い入れにすると、百七十万トン程度自主流通米にすると言いますが、もし政府に七百五十万トン以上の売り渡しの希望が出れば、これは無制限に買い上げますか。これは大蔵大臣と農林大臣にお尋ねします。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 この点は大蔵省のほうとも打ち合わせ済みでありますから、大蔵大臣より私が御答弁申し上げますが、無制限買い入れをいたします。はっきり申し上げておきます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 この場合に、大蔵大臣にお尋ねしますが、補正予算を組んでこれを処理する考えがあるかどうか、お尋ねします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 買い入れ自体は、これは食管会計の予備費、それで足らない場合は食管会計の弾力条項、こういうことでいく考えでございます。これが、しかし七百五十万トン以上が二百万トンもまた見込みがはずれるというような事態になりますると、あるいは補正を必要とするというようなことになるかもしれませんが、ただいまのところは、そういう事態は予想しておりませんです。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 政府は、今度米が過剰になったというようなことをだいぶ気に病んでおるようでありますが、この過剰になるというようなことは、何も去年やことしになってわかったわけじゃないんですね。これは昭和四十一年にもうすでに日本の食糧の自給は千二百万トン程度であるということはわかっておるわけでありますが、それにもかかわらず、米の一割増産を叫んで増産を奨励しましたが、私は、政府の農政が場当たり的、いわゆる見通しのない農政をやってきたところに、このような問題が起きていると思うのです。それで政府は、今回総合農政をやるというようなことを申しておりますけれども、一体、総合農政というものはどのような方向で進んでいくのか。前にも河野農林大臣のときに適地適産を進めると言いながら、これはさっぱりその成果が上がっておらないようでありますが、農林大臣としてはどのような考えを持っておるか、お尋ねを申し上げます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 総合農政、いままでいろいろ施策を講じてきたことも、すべてが総合農政ではございますけれども、どうしても結論としては、今日の米穀は見るような状態にもなってきております、したがって、需給の安定というものをはからなけりゃならぬ。それにはどうしても高いところと低いところがある。こういうところにまず目をつけて、そして総合的にこれらの生産を高めてまいりたい、こういうわけでございまして、したがって、畜産とか果樹園芸もさることながら、草地の改良等々も行ない、また反面、それに伴うようなすべてのものに対しての生産が立ちおくれているという、しかし立ちおくれていても、これが将来国内の生産というものもあわせ考えながら、総合的に農作物の今後の生産を高めていきたい、こういう考え方でございます。   〔櫻内委員長代理退席、田中(龍)委員長代理   着席〕

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 農林大臣はそういうことを申されますが、米作を減らして、そして総合農政で果樹、畜産とかそういう方向へ持っていくということであろうと思いますが、現在酪農が非常に沈滞しておる。頭数においてはやや伸びておりますけれども、飼育戸数においては減っておる。しかもいま生乳が余っておるというようなことをいって、乳の生産者価格を押えておるようでありますが、このことはどう考えます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 生乳を押えているというような考え方は持っておりませんけれども、経緯に対しまして畜産局長から御答弁申し上げさせます。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 お答え申し上げます。  昭和四十一年に加工原料乳の不足払い制度を設けまして、実は大いに生産が上がると考えたわけでございますが、四十一年が対前年の生産の伸びが一〇五・八、四十二年が一〇四・六ということで、一度は下がってまいったような状況でございます。しかしながら、四十三年に入りましてから非常に生産が伸びまして、四十三暦年では一一二・五%ということで、久しぶりに一〇%をこえるような生産の伸びを見たのでございます。  価格につきましては、毎年、加工原料乳につきましては、御承知のとおり基準取引価格と保証価格との差額を不足払いいたしておりますし、飲用乳につきましても、政府が指導いたしまして、年々上がっておるというような実情でございまして、決して飲用乳価を押えておるというような事実はございません。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 ニュージーランドをはじめ外国からたくさんの脱脂粉乳を輸入しておるのですね。それに、たびたび問題になるように、バターを入れて、そして還元乳が市場に横行している。そのために生乳の売れ行きを押えておるわけでありますが、今日そのような輸入の額が年々ふえておる。実は三百五十億から八十億程度のそのような乳製品の輸入を行ない、そして日本における酪農の産地を圧迫しておるわけでありますが、このようなことをしておったのでは、総合農政を展開するといっても、外国からこのような畜産物をはじめとしてたくさんの農産物を輸入しておったのでは、総合農政の行き場がありませんと私は思うのでありますが、大臣はどう考えます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 いろいろ私もその点について調べてみたのですけれども、還元乳というのは、神田さんがいまおっしゃるほどの数量ではないようでございます。しかし、取り上げていまここで争うと言っているわけではありません。その経緯について、こまかい点については、やはり局長から説明させます。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 実は先ほども御説明申し上げましたように、四十一、四十二年度は国内の生産が非常に伸びが鈍化いたしまして、需要が旺盛であったために、需給が不均衡でございました。御承知のとおり、現在の不足払い制度におきましては、乳製品の安定指標価格というものが基準になっておりまして、政府はぜひこれを守らなければならない。したがって、国内の需給の不均衡に基づく乳製品の値上がりの場合には、不足分は外国から輸入するというたてまえをとっております。主要な乳製品につきましては、全部畜産振興事業団の一元輸入になっておることも、御承知のとおりだろうと思います。四十三年度に入りましてからは、先ほど申し上げましたような生産の状況でございますので、事業団といたしましては、主要な乳製品につきましては全然輸入をいたしておらないのでございます。そこで先生の御指摘の、おそらく乳糖、カゼインの問題かと思いますが、乳糖、カゼインにつきましては、御承知のとおり、それぞれの本来の固有用途がございまして、一部が確かに最近の食品加工業の技術の進歩に伴いまして、代用脱粉として使われておるという事実があるようでございます。しかし、この数量とても、たいした数量ではないというふうに考えております。現実に、先ほど大臣が答弁なさいましたように、全体の生乳の中で還元乳の数量は、われわれの推定では七ないし八%というふうに見ております。ただ、これは御承知のとおり、夏場の非常に需要が旺盛で生産が追いつかないというような場合には、やはり需給上必要なものということで、ある程度やむを得ない事情も御理解をいただきたいと思うのでございます。要は、やはり国内の生産を伸ばしまして、十分供給できる体制をつくることが先決問題であろうと考えております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 この代用還元乳に使うものは、自由に入ってきているわけですね。この数量、これがやはり日本の酪農を圧迫しておるのでありますから、乳というものは必ず牛の乳からしぼるものであるというようなことを法律等においてこれを定めて、それらいろいろまぜたものが牛乳と同じように市場にはんらんすることを防がない限りにおいて、私は酪農の振興はできないと思いますが、いわゆるそういう法律は、各国において、国連食糧農業機構、FAOというようなことでもって二十九国以上がそのような法律をつくってこれを規制しておるようでありますが、大臣はこのようなことをいたしまして酪農の振興に踏み切る考えがあるかどうか、お尋ねします。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、カゼイン、乳糖につきましては、先生御指摘のとおり、現在AA物資でございます。ただし、乳糖につきましては、四十三年八月一日から自動数量割り当て制にいたしまして、用途の確認を行っておるような次第でございまして、今後は、こういった措置によりまして、輸入数量は漸次減ってまいるというふうにわれわれは考えております。そこで、御指摘のように、いわゆる普通牛乳についてできる限りフレッシュミルクを使うということで規制をしたらどうかというお話もございます。われわれもその点につきましては、今後検討しなければならぬかと思いますが、なお現在のところにおきましては、食品衛生法で普通牛乳あるいは加工乳——加工乳というのは、普通牛乳にミネラル、ビタミン等を添加したものでございますが、それぞれ省令で成分容量等もきめておりまして規制をいたしておりますが、なお生乳だけをいわゆるフレッシュミルクとして規制するという点につきましては、還元乳の問題もなおあるわけでございますので、将来の問題として検討さしていただきたいと思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 厚生大臣に、いま畜産局長が言われたように、牛乳に対しまする食品衛生法に基づく検査といいますか、あるいはまたその成分等についても、厳重な検査をしておるのかどうか、その点をお尋ね申し上げます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 加工乳につきましては、一般の牛乳、生乳と同様に厳重な検査をいたしております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは私の知るところでは、厚生省はただ食品衛生の立場に立ってこれを検査しておると思うのです。これが内容等については、これを監督する権限もいま持っておらないと私は思いますが、間違いですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 おっしゃいますように食品衛生の見地からやっておるのでありますが、しかし、牛乳も、加工乳も、その成分規格等におきましては、牛乳と同じ成分規格を持たなければならぬことをきめておりまして、そしてその成分を必ず確保しているかどうかということを検査をして、あやまちなきを期しているわけでございます。いまおっしゃいますように、原料関係がどうだ、輸出入関係はどうだという点につきましては、厚生省は関係いたしておりません。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは畜産局長が言われたのと厚生大臣の言われたのとでは多少違いがあるようでありますが、業者はいわゆる営業的に考えて、もうかるものをたくさん売るというようなことで、加工牛乳かあるいは還元牛乳に対しまして非常な力を注いで、なま乳はこれを第二に考えるというような立場に立っておりますからして、このなま乳の消費というものは伸びていない。外国からの輸入金額からいいましても、約三分の一が乳製品は輸入に仰いでおるというような、このような現状で、私は農林大臣にお聞きしたいのは、畜産の振興がどうしてはかれるかということ、外国から三分の一の乳製品を輸入して、そうして総合農政でもって畜産の振興をはかるといっておりますが、これでは日本の畜産振興はできないと思うのでありますが、この外国から入ってくるそういう乳製品に対しまして、これを抑制して、そうして米が余ったものに対しまして畜産振興に振り向ける抜本的な対策を立てなければ、総合農政というようなものは、これはただことばで言うことだけに終わってしまうと思いますが、その点どう考えます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 輸入にまたないように、国内の自給がこれを満たすことができるような、こういう考え方によって畜産の振興をやっておるのでございまして、したがって、輸入量もだんだん毎年少なくなっていっておるし、また国内生産というものは、特に畜産につきまして、またただいまの酪農関係におきましても、各国に見ることのできないほどの振興ぶりを示しておるだろうと私は考えるのでございます。ですから、お説のように、なるべく外国から持ってくることだけは避けなければならない、国内の需給を国内の生産においてまかなわなければならぬ、こういうような考え方の上に立って現在指導し、そして振興をはかっておるのでございまして、しかし何といってもまだ不足している分がある、こういう点のみによって、たとえAAであっても、いろいろな用途というものをはっきりさせて、それによってのみ許可をする、こういうような最小限にとどめた輸入方法をやっておるのでございます。そういう点もぜひ御理解願いたいと思うのですが、お説のとおり、今後の畜産振興につきましては、でき得る限りの努力を傾けまして畜産の振興に当たっていく考え方でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは農林大臣の言われるのと実際の面ではたいへんに違うようでありますが、大臣がそういうことで今後努力をするということであれば、われわれはそれを信頼して、あとの機会に御質問したいと思います。  次に、やはり輸入の問題ですが、中共から肉牛を輸入するというようなことをいわれております。肉牛並びに肉豚の輸入を考えている。われわれは中共との貿易は、これは促進しなければならぬと思いますが、今日、日本の農業の危機に際しまして、このような口蹄疫のおそれのある肉牛をわざわざ中共から入れなくても、ほかに中共から入れるものはあるんじゃないか。アメリカから大豆あるいは飼料等をだいぶたくさん輸入しておりますけれども、このようなものを振りかえて中共との貿易を促進し、日本が今後畜産の振興をはかる上において大きな影響を来たす肉牛、肉、豚等の輸入は押えるべきであると考えますが、大臣はどう考えます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 肉牛、肉豚を入れるのではなくて、中共からのいろいろのお話は、生肉を入れてくれないかというお話でございました。しかし、何といいましても、わが国は口蹄疫、このビールスについては処女地でございます。これがもし菌があったとすると、これは一昨年の英国の例のように、六十万頭も焼却しなければならぬ、こういうような問題も起こりますので、この問題については、わが国はきわめて慎重なる態度をとり続けてきております。したがって、今回におきましても同様でございます。しかし、中共では、現在ではもうビールスもそういうビールスは絶対ないのだと言っておりますけれども、なかなかこれもわが方においてそれを認めましたという段階まではいっておりませんので、そこで生肉を買いまして、それを海の船の上で処理しよう。こういうことは、このビールスは非常に熱に弱いそうでございまして、それならば完全に消毒することができる。これによって中共でいわれるところの生肉も買うことができ、したがって、洋上加工をして、国内にハムとかあるいはソーセージとか、こういうようなものに加工したものを入れてこよう。さらに日本の船でございますから、その後の完全消毒もできる、こういうような上に立っての今回の、まだ交渉中でございますが、お話し合いをしたわけでございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 私は、今日この畜産の振興をはかっていく上において、生産者に大きな不安と影響を与えるような農政は、これは避けるべきである。そういう観点に立って、他の物資に転換をいたしまして、このような日本の畜産振興を阻害するような貿易は、これをやめるべきである、そういう観点に立っております。  最後に、私は、農政問題につきまして農林大臣にお尋ねしますが、今日政府が米が余っておると言いながら、学校給食を依然として脱脂粉乳のいわゆる還元牛乳とパンでもってやっておりますが、これを思い切って米にかえる考えはないか。そうすることによって、日本の食生活というものは大きく転換すると思うのです。戦後、政府は、アメリカの意を受け入れたのか何だかわかりませんが、パンと牛乳にすれば体格がよくなるとか、栄養が満点であるとか、いろいろの美辞麗句を並べてパン食を奨励しておりましたが、今日輸入の大宗をなす小麦、あるいは先ほど申し上げました乳製品等によって日本の農業が圧迫されておるのでありますからして、ここで本来の米を中心とした食生活に転換する大方針を私は打ち立てるべきだと思いますが、これについてお答え願います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 パン、粉食の奨励は、ただ単に思いつきでやったことではないと思うのです。実際あれだけ窮屈なときに、何とかして粉食をしてもらって、そうして需給のバランスをとりたい、こういうことが根本の目的だったと考えるのでございます。ここ一、二年、今日になりますと、初めて米が国内でも需給のバランスを欠くほど生産が高まってまいりましたので、そこでただいまのお話のように、今度は学校給食の点につきましても、何とかこのほうへ転回する方法はないか、していきたいというので、いろいろいま研究もし、そうしていろいろな施設の点についても考えておるところでございます。  さらに、輸入の乳製品等におきましても、先ほど申し上げたとおりでございまして、もう今日は米中心食糧と、ただいま神田先生からおっしゃったように、なるべくその方向に、御趣旨に沿った方向にいきたい、こういうような考え方で進んでおります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 それでは次に、国鉄総裁だいぶ忙しいところ、老齢にもかかわらずおいででございますから、先に御質問申し上げます。  総裁にお尋ね申し上げますが、過般東京鉄道管理局の三分割案の実施にあたって、それに伴う労使の紛争によって、いわゆる順法闘争によって乗客に対しまして多大な迷惑をかけたが、このような内部の問題であのような紛争をいたすことは、これはまことに国鉄当局として不手ぎわだとわれわれは考えるのでありますが、総裁はどう考えます。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄のこの労使の問題が円滑にまいりませんので、そのために多数の乗客に御迷惑をかけたということは、何ともこれはもう申しわけないと思います。要するに問題は、組合というものが法律で禁止されておるストライキというものを遠慮会釈なくやる、そうして大ぜいの人に迷惑かけて、それによって自己の欲望を達しようということなんでありまして、これは実は私は遺憾千万だ。で、何とかして、そういうようなことはいかぬということで、彼らの良識に訴えるのでありまするが、何と言っても言うこと聞かぬということで、これは私の不徳のいたすところかもしれませんが、いかんともすることはできぬ。ただもうお客さんにおわびをするの一事あるのみであります。しかし、今後とも何とかこの関係をひとつよくしたいということについては努力はいたしますが、いまのところ何らの確信がないのであります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 総裁、ただ手がない、手がないでは、私は大国鉄をしょっておる総裁としてどうも情けないと考えるのですね。こういうことは、もうとうの昔国鉄当局としては考えておったことでありますから、組合側と十分な話し合いをして、ああいう闘争に持っていかないような方策というものは私はあったと思うのです。そういう点、私は国鉄当局としても努力が足らなかったのじゃないか、納得のさせ方がいろいろ問題がからんでおってむずかしかったと思いますが、私はそういう点において、内部のことであるから、乗客に迷惑かけないような解決の方法は私はあったと思うのですが、その点どうなんです。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄の総裁といたしましては、とにかく彼らの良識に訴えまして、国鉄の責務にかんがみて、何とか乗客に迷惑をかけないように条理を尽くして説得しておるのでありまするが、どうもやはり相手のあることでありまして、いかに説得するといえども、だんだんだんだん悪くなりこそすれ、よくならぬというような今日の状態でありまして、これはまことに申しわけないのでありまするが、いまのところ、正直を申しまして私は何らのその点について確信がないのであります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 総裁、全くこれは弱ったことだと私も思うのですね。こういうことでは、今後こういうことが再々起こることによって、私は国鉄に対する国民の不信というものが出てくると思うのです。また、国鉄は二兆円からの借金をしょって、十年間でもってこの解消をする国鉄再建計画というようなものを立てておりますが、その柱は運賃の値上げ、四年ごとに一回ずつ運賃を値上げするというようなとによってこれを解消するということでありますが、これは今日日本の物価の上昇のもとになることでございますので、われわれとしてはこのような国鉄財政の再建のあり方ではなしに、少なくともここインフレの危機の非常に重大な二、三年は、政府の財政の支出によってこれを補うべきだと私は考える。その根拠として、国鉄が今日貨物運賃の割引、あるいは学生とかあるいは通勤着の割引等をやって、このために国鉄が損をしていると思われる額は約八百億円である。これは当然国の経営にのっとっておるのでございますから、大蔵大臣がこの金を見てやるべきなんだ。ところが、大蔵大臣は見て見ぬふりをして国鉄に重荷を負わして、おまえら早く独立採算制でやれ、貨物運賃や学生の割引はこれはぜひやらなくちゃならぬというようなことを言って、国鉄の苦心、苦労を見て見ぬふりをしているような現在の政府のやり方は、私は国鉄をますます追い込んでしまうことになると思うのです。しかも赤字路線はこれを廃止するというようなことですね。私が毎日乗っておるところの真岡線等もあなたたちは廃止すると言うて、地元からたくさんの人が陳情に来ているでしょう。しかもこれは話し合いで解決すると言いながらも、実はせっかくいままであった急行なんかもとめてしまう。あるいは今度石橋という駅に、東北線に貨物の駅をつくって、この駅からの貨物輸送を多くするというようにして真岡線を廃止しなければならぬように追い込んでおるのだが、このことについて、国鉄総裁並びに大蔵大臣はどう考えますか。特に大蔵大臣は財政を負担するという考えを持つべきであると思いますが、この点についてお尋ね申し上げます。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄の今日の窮状は、これはかっては御承知のとおり国鉄というものは独占の上にあぐらをかいて余裕しゃくしゃくだったのでありますが、終戦後における情勢というものは、道路は発達する、自動車は発達する、マイカーはますますふえるというようなことでもって、国鉄はいまや四面敵だ。それでもうその結果は、収入はふえるが、ふえ方というものはきわめて貧弱、しかも人件費というものの上がり方はえらい勢いだ。たとえば四十三年に比べて四十四年度あたりを見ますと、収入の増なんというものはまずせいぜい一〇%くらいなんです。しかも支出は一二%もふえている。そのほかに利息の負担というものがある。この収入と支出のアンバランスということのほかに、いま申し上げた、一番痛いのは利息のふえ方である。たとえば四十四年度あたりについては千五百億くらいの利息を払わねばならぬ。一体どうしてこういうことになったかというのです。これは過去において、あなた方と申しては相すまぬが、政府なり国会が国鉄の運賃というものをめちゃくちゃに押えつけたんだ。全く何のために押えつけたか。物価問題だ。とにかく国鉄というものはインフレーションのために経費が非常にふえていく。それで何とかして独立採算制の立場からいって、このアンバランスをひとつ直さねばいかぬということで、たよるところは運賃の値上げだ。運賃の値上げを持っていくと、国会なり政府なりというものは、何を言うんだ、いま政府なり国会というものは物価問題で大いに悪戦苦闘しているときだ、そういうときに公共料金を上げるのはけしからぬ、こういうことで、再三再四、申請というものは却下される、受け入れられても安くたたかれるということで、自己資金というものの流入を非常に狭められてきたのだ。その結果、やるべき工事もやることができなかった。ところが、もう四十年ごろになってくると、にっちもさっちもこれいかぬということで、大きな工事をやる。やるについては自己資金がないから借金でやる。借金でやる結果は非常な利息がついてくる、こういうようなことで、結局掘り下げてみればやはり物価と公共料金という問題で、いまも同じことを繰り返しているのだ。そういうことで国鉄というものはいじめられてきたのですよ。  そのほかに、公共料金というようなもので政府のお荷物をしょったということはありますが、これはまあ私が過去五年の間、何とかこれをしてくれねば困る、こういうことだったんですが、ようやく政府は非常なれんびんの情を今度はたれくださいまして、国鉄を非常に助けてくださった。それについては、私は今後大蔵大臣はますます助けてくださると思うのですが、いままでの問題につて、こういうようなことにならなかったということは、国鉄が弱かった、国鉄がいくじがなかったのですよ。そういうことで私が過去五年の間悪戦苦闘して、ようやく願いがいれられてこうなったということで、これからは国鉄というものは希望を持ってこの再建というものに努力することができるようになった。全くこれは大蔵大臣のれんびんのいたすところで、感謝にたえない次第であります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいま総裁からお話があったとおりでございまして、国鉄もこれから希望を持って再建にいそしむことができる、こういうのでございます。ぜひともひとつ運賃問題には御協力のほどをお願い申し上げます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 総裁に答弁してもらうと長くなって困るから、総裁の気持ちはわかりますが、そればかりじゃないんだね。いわゆる国鉄の、われわれしろうとから見ましてもむちゃくちゃですよ。二兆円もあなた借金してどうしてやっていけます。利息だけでも一年に一千億からの利息を払っているのでしょう。こんな企業はありませんよ。それをへいちゃらであなたは借りていたんでしょう。そして運賃を今度は値上げする。この運賃値上げは、われわれ国民経済に大きな影響を来たすのですから、われわれはこれは承認できません。それよりもさっき言ったように、政府が当然めんどう見るべき財政負担をすべきなんだ、これは。それを要求すべきなんだ。だいぶ大蔵大臣が理解あるようなことを総裁は言っておりますが、理解は一つもないのですよ。全然見てないじゃないですか。利息を幾らかまけたくらいのところでしょう。そんな話は国民に聞かせたって、話にならない。総裁、そういう点において、運賃値上げに対しましてはやはり大きな責任があなたあるのですよ。これは日本の物価体系を大きく変動させることになるし、これをあおることになるのですから、安易に運賃というようなものを上げるべきじゃないと思うのです。もっとやるべきことをやって、そうして私はこれに踏み切るべきだと思うのです。現段階において、非常に物価問題のむずかしいとき、安易にこの運賃値上げによって国鉄財政を改善しようということに対しましては、私は承服できない。その点について簡単にひとつお答え願います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 ただいま国鉄が二兆にものぼる借金をしょっているということなんでありますが、この二兆の借金によって国鉄の輸送力の増強が近ごろ目ざましくできたんだ。この果実というものはこれからできてくるんだ。特に私が申し上げたいことは通勤輸送の問題。通勤輸送に対して、この通勤の交通地獄解消のために国鉄というものは四十年から八千億もかけておる。これはとても引き合ったものじゃないんだ。そういうようなことで思い切って輸送力の増強をやり、通勤輸送の交通地獄を解消するということなんで、私は、何も二兆借金したからといってちっとも驚くことはない。必ずこの果実というものは今後はっきり出てくると思う。  さらに赤字線の問題でありまするが、赤字線の問題というものは、とにかくいまの地方の交通事情に対して鉄道というものはあまりに大きいんだ。だからいまの輸送需要に対して適合した輸送力をもってしよう。鉄道をひっぱずしてしまって、それでしまいというわけじゃない。鉄道にかうるのに現在の輸送力、輸送需要に適合したハンディな、ほんとうに便利なものをもってしよう、こういうことなんで、私は、かえてみれば、ははあこんなものだったか、このほうがはるかにいいじゃないか、こういうようなことはたくさん出てくるだろうと思う。ということで、赤字線の問題なんというのはどうも政治家諸君は非常に神経を悩まされているようですが、やってみればたいしたことはありませんし、そしてもう一つ申し上げたいことは、われわれ国鉄は、やろうといろいろの調査をいたしましてやりますが、最後においては地方へ行って、地方の人たちとひざを交えて懇談して、ほんとうに御納得を得た上で初めてやる、こういうことなんで、決してそういう非人道的なことは国鉄としてはいたしませんので、その点はどうぞひとつ御安心願いたいと思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 国鉄にはもっと申し上げたいことはたくさんありますけれども、これじゃ時間がなくなりますから、あとの機会に申し上げます。  運輸大臣にタクシー行政について少し申し上げますが、タクシー業の認可許可ですね。これが非常に長い。二年ないし三年というように、申請をしてから非常に長くかかっておるようでありますが、この問題をもっと迅速に行なうべきである。それから、われわれ乗車拒否に再々あっておりますけれども、このような乗車拒否をするのは、タクシー営業における労働管理関係が私は非常にまずいのじゃないか、こういうように考えますので、この点についてどう大臣は考えるか、簡単にお答え願います。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 タクシー免許の処理でございますが、一般的には申請後おおむね一年から一年半程度の期間で処理されておりますが、東京都区内関係については個人タクシー免許申請事案の処理促進等のため、他の免許申請事案の処理がおくれておる状況にございます。今後ともできる限り処理の迅速化について努力いたしたいと思います。それから、タクシー乗車拒否対策でございますが、おことばのようにこれは何とかしてこの乗車拒否というものをなくしなければならぬと考えまして、関係各方面の御協力を求めて対策を講じてきたところでございます。  まず第一番には、東京等の輸送力の不足の著しい地区においては、増車により輸送力の増強をはかっていくことと、増車配分にあたっては信賞必罰の趣旨を織り込んでいくこと。それから自動車運送事業等運輸規則による諸規則の徹底方に鋭意努力するということ。それから三番目には、警察機関の協力を得て違反行為に対する取り締まりを強化するとともに、違反者に対しては厳重な処分を行なうということ。四番目には、運転者の勤務体系及び給与体系の改善が促進されるよう労働省関係機関と密接な連絡と協力を行なう。四番目のことがいま神田先生お尋ねの項目でございますが、一そう努力をいたしたいと存じます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 大蔵大臣に、いま非常に問題になっておりまする給与所得者に対する減税の問題でお尋ねいたします。これは千五百億円の減税をすると言っておりますが、自然増収が一兆二千億からあるのに、千五百億円というような減税は非常に過小である。前にはもっと大きなラッパを吹いておったと私は思うのですが、今日このような少ない減税をするということは公約等にも反するではないか。それから特に給与所得者の場合はこの費用ですね、経費の免除がない。ただ定額控除といいますか、これで十万円、それから定率控除を〇・五%ばかり、ちょっと手直ししたようでありますが、これではサラリーマンの給与が上がったと思っても税金に取られるというようなことで、これはもう不満が出るのは当然です。特に私はこれを改善されない限り、国民の皆さんは、この所得税の減税を改善されない限り、生活の程度は上がっても全部税金に取られるというようなことで、非常な生活不安がつのってくると思うのです。  さしあたって私は、定額控除の十万円というようなものを思い切って上げるべきだと思いますか、給与が上がる割合と——定額控除を年々幾らかずつ上げておるようでありますが、去年九万五千円だったのをことし、四十四年度十万円にしましたね。四十三年度九万五千円、これを十万円にしたようですが、たった五千円しか上げない。給与というものは平均一〇%ぐらい上がっておる。そこに私は問題があると思うのでございますが、大臣はどう考えますか。この給与所得税だけについてお尋ね申し上げます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 給与所得に対する課税につきましてはいろいろ御意見がありますが、私は、これは一つはいまの所得税法の税率の累進体制に問題があると思うのです。さあ給与が上がりました、楽になるかと思うと、上がったために次の高い累進税率がかけられておる、ここに問題がある、こういうふうに思います。それからもう一つは、いまの御指摘の給与所得者に対する控除。申告所得者には必要経費控除が大幅に認められておるではないか、おれたちには一定のきわめてわずかな控除だけじゃないか、この問題。それからもう一つは徴収の方法が源泉方式だ、申告納税に対して不利益だ。この三点にあるように思うのであります。で、大蔵省としては税制調査会に対しまして、所得税のあるべき姿を答申したわけでありますが、この調査会から長期答申というものに接したわけであります。その長期答申も踏んまえまして、大体所得税につきましては、まあ半分道中といいますか、その長期答申の半分近くのものを昭和四十四年度においてこれを実行するということで、ただいま税法改正案の御審議をわずらわしているわけなんですが、あとまだいま御指摘のサラリーマンの問題なんか、サラリーマンだけとって申し上げますと、六割方問題が残っておるのです。四十五年度には何とか財源の余裕をつくりまして、これらの問題を解決したい、かように考えています。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 この給与所得税に対しましては、給与支払い者に源泉徴収する義務を与えておるようですが、これは義務だけ徴収者に与えて、それに対する報酬というようなもの、これはそういうことをやれば相当の手間がかかるわけですね、そういうことに対して何ら考慮をしておらないが、これは不公平でないかと思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいま源泉徴収義務者に対しましては、まあ扱い料というか、さようなものは差し出しておらないわけであります。これを出したらいいじゃないかというような意見もないではございませんけれども、まあひとつ国家に御協力をくださる、こういう御趣旨でただいまサービスをお願いをしている、こういうところでございますが、これからの問題としてよく考えておかなければならぬ問題だ、かように考えています。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは地方の場合は、納税貯蓄組合等をつくれば、これに対しまして相当の交付金をやっているのですね。給与所得者は自分の給与から差し引かれておっても、これは何らの還元もないということも、たくさんある給与所得者の税の不公平等に対する一つのやはり問題点だと私は思うのです。また、ほかの納税者に比べまして、申告制度でないために、全部洗いざらい一〇〇%も徴収されるというような点についても、これは非常に不公平である。特に私は先ほどの、徴収義務者に対しまして国家のためだからよろしく頼むというようなことだけでは済まされない点があると思いますので、この点はひとつ考慮すべきであると考えますので、重ねてお答え願います。簡単でけっこうです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 今後の問題としてよく検討いたします。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 だいぶ時間が切迫してまいりましたので、専売公社の総裁が見えてございますから……。  最近専売公社は耕作反別の減反を通告しておるようでありますが、これは今日農業者が非常な苦心をいたしまして耕作技術を覚えて、今度は減反であるというようなことに対しまして非常な不信を抱いておりますが、この点についてお尋ね申し上げます。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 お答えいたします。  昨年度の審議会におきまして、四十四年度の耕作反別は検査面積に対して五%前後の減反をすることにいたしました。この点につきましては、ただいま御質問のとおり耕作者の方々に対してはまことに御迷惑なことだと思っておりますけれども、現在専売公社の在庫量からいたしますと、標準在庫の二十四カ月に対しまして三十カ月以上の在庫を実は持っているわけでございます。これらの点を考えまして、原料の調整と申しますか、こういうことに対してやむを得ない措置でございますので、この点は御了承願いたいと考えております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 外国から五カ年計画でもって、最終年度においては五百億円近い葉たばこの輸入を計画しているようでありますが、日本におけるこういう換金作物というものはやはり奨励をして増産をさせる、いいものをつくらせる、で、外国からのこういう輸入は押えるべきであると思いますが、総裁、どう考えますか。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 ただいまのお尋ねはごもっともな点でございまして、われわれが従来とっておりましたのは国産葉たばこを中心に考えてきておりますが、国産でないものは輸入をする、こういうことになっておりまして、将来の問題といたしましてはこの国産種を改良いたしまして、現実に改良種が出ておりますが、そういうものができますれば輸入を押えていくというような考えでおりますが、現在の段階ではまだ輸入量を全部押えてしまうという段階には立っておりません。その点も御了承願いたいと思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは時間がありませんから簡単にお答え願いますが、公社はこのたばこの価格を大体二・六%ぐらいの諮問をして、いま審議会において五・六%ぐらいにきまったようでありますが、これは低い下級等級が非常に値上がりが少なくて、上級等級の値上げをうんとしているようであります。これは耕作者に非常に不利である。同時に、米の価格等に比較しまして賃金というものが大部分を占めておるこの葉たばこの価格というものが私は不当に安いと思うのでありますが、総裁、どう考えますか。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 これは種類によりまして違いますけれども、今度四十四年度の価格の決定にあたりましては、平均すると四・七%でございますけれども、在来種、バーレー種等におきましては一〇%以上の値上がりをしているものもございます。上位等級と下位等級の格差につきましては、これは当然いいものを奨励する、そういうものが実はほしいのだということで、いままでは比較的に上位等級のほうの値上がりを多くしておるようなことでございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 時間がありませんから後の機会にいたしたいと思います。   〔田中(龍)委員長代理退席、委員長着席〕  自治大臣に御質問しますが、今度料理飲食税と申しますか、これをいままでの三千円以上一五%のものを一〇%に引き下げた。その申しわけといいますか、そういうつもりでいま六百円まで課税されなかったものを八百円までに上げたということでありますが、これはそういうことでなしくずしになるべき問題ではないですね。私は、料飲税というものはもっと徴収すべきである。しかも、その徴収の手段が非常に拙劣であるためにたくさんの脱税がされていると思うのでありますけれども、この点について、私は国民に及ぼす影響は大きいと思う。高級料理店を優遇し、一般大衆料理店を虐待するというようなことになると思いますが、その点どう考えます。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 料飲税の問題ですが、これもしばしばお答えいたしておりますが、いま御指摘のとおりこれは非常に徴収が困難なんです。だから、これはなかなかこれを的確に徴税するというのが、もう多年いろいろ研究いたしておりますけれども、むずかしくて、この際ひとつ徴税方法を簡素化する、そうしてできるだけこれを正直に申告してもらうようにしょう、結論からざっくばらんに申しますと、正直にしていただければ大体徴税額も目標どおりできます。そこで同時に、やはり決して一般の料飲関係を無視したのではなくて、いまお示しのとおり、わずかでも六百円を八百円にし、またことに宿泊料、これは非常に物価が上がった関係で、いままで千二百円でございましたけれども、これを千六百円まで引き上げて免税する、いろいろな方法をとったのでございまして、結論は、きわめて簡素化して合理化して、できるだけ徴収の能率をあげたい、こういうことが目標でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 時間がございませんから、自治大臣への質問は、いま一つ住民税についてちょっとお尋ねしますが、地方財政もだいぶ好転をしまして、政府が六百九十億円も地方から借りるというような、筋の合わぬようなことまでやっておるようでありますが、市町村においては超過税率をだいぶかけておるのですね。所得税も高いが、所得税に比較して住民税はもっと高く、地方住民を圧迫しておるわけでありますが、この超過税率を廃止する考えはないか。これは即刻廃止すべきであると思いますが、いかがでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 超過課税は、できるだけこれを少なくしょうという努力をして、年々減っておりますが、これはお話しのとおりできるだけ早くなくなるようにしたい、したがって、その財源としては交付税その他でも相当見ようという考え方で進めております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 では、私の質問は一応終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて神田大作君の質疑は終了いたしました。  次に、正木良明君。

正木良明公明党

○正木委員 本日の私の質問に対しまして、佐藤総理大臣の御出席をお願い申し上げておきましたが、この点いかがでございましょうか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 一般質疑に対しましては総理大臣の出席はないのが通例でございます。理事会でひとつあなたの質問中に御相談をいただきたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 おそらく、良識ある予算委員会の理事の皆さん方でありますから、呼んでいただける、御出席いただける結論をお出しいただけるものであるという確信のもとに質問をしていきたいと思います。したがいまして、どうしても総理大臣に御出席いただきませんと御答弁をいただけないようなたぐいの質問が出てまいりますので、そのときには総理大臣の御出席がなければ質問が続けられないというようなことが起こるやもしれませんので、あらかじめ御了解を願っておきたいと思います。  そこで、総理の御出席がございませんので、まず外務大臣にお尋ねをいたします。  きわめて常識的なことからお尋ねをいたしますが、現在まで進められてまいりました現予算委員会の総括的なものの一つ一つの確認という意味も含まれておりますので、きわめて稚拙なたぐいの質問になるかもわかりませんが、これはひとつ簡明に外務大臣にお答えをいただきたいと思うわけであります。あらかじめお願いを申し上げておきます。  まず第一に、一九七〇年六月以降、安保をそのままにしておく、いわゆる自動延長になるわけでありますが、一九七〇年の六月二十三日を含めて、それ以降安保の廃棄通告をすれば——これはいまの政府がするとかしないとかは別の問題としてですよ。安保の廃棄通告をすれば、一年後に日米安全保障条約は解消される、これは間違いございませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 その点は、現行の日米安保条約の条文どおりに理解すべきものと思いますから、常識的に言えば、さようなことになると思います。

正木良明公明党

○正木委員 そうすると、そのときの国民の意思またはそのときの政権担当者、これが安保を廃棄すると決意すれば、廃棄通告がなされて一年後に安保は解消される、このように考えてよいと思いますので、次に進みます。  そうすると、現在の政府はやるおつもりはおそらくないであろうと思いますが、そのときの政権担当者の考えによっては廃棄通告がなされる。したがいまして、そのときの政権の考え方によってこの問題が左右されるというふうに考えてよろしいでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 条約上の問題は先ほど申しましたとおりですし、それからいまの御質問は仮定の御質問でございますが、もしそのときの政府が廃棄通告をするということにきめれば、条約上からはそういうことになる、こういうふうに思います。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、もしかりにそういう政権ができたとすれば、安保は廃棄される。これは安保が廃棄されると、とれに伴って、日米安保条約によって設置されておるところの本土の米軍基地百四十八カ所はどのようになりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは申すまでもないことですが、私どもとしては、さような廃棄ということは考えておりませんので、その仮定の場合、仮定のような行動が行なわれた場合には、そのときはそのときのそういう考えの人たちの手によって処理されることになると思います。

正木良明公明党

○正木委員 これは当然、日米安保条約によって設置されたところの在日米軍基地が、その根拠とするところの条約がなくなった場合には廃棄される、なくなってしまうということは、当然考えていいのではないかと思うのですが、その点は明確にお答えになることはできませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはあくまで仮定の問題でありますが、条約上は根拠がなくなる、かように条約論としては考えられると思います。しかし、実際問題を考えました場合には、またいろいろのことが考えられると思いますが、私としては、さような事態を予想いたしませんし、また予想しないことが国益のためである、かように考えております。

正木良明公明党

○正木委員 現在の政治的な配慮を加えずに、条約上の問題としてどうなるかということを私はお聞きしているのですから、その政治的な配慮をそこへ加えないでお答えを願いたいと思うのです。そうでないと話が進みませんので……。  そうすると、もしかりにそういう場合があっても、それでは暫定的な措置を講ずる余地があるというふうに外務大臣はお考えになるわけですか。もちろん、あなたは政権担当者の中にお入りになっていないかもわかりませんけれども、しかし、いまあなたの考えられる可能な範囲において、日米安保条約が廃棄されて、在日米軍基地がなくなる、これはもうイコールであろうと思うのでありますが、それ以外に何か道が考えられるというお考えがございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 そのときに何らかの両国間の合意ができれば格別、しからざる限りは条約上は根拠がなくなる、かように考えるのが自然であると思います。

正木良明公明党

○正木委員 したがいまして、結局日米安保条約が廃棄されるということになると、米軍基地は本土においてなくなると考えてよいということは間違いございませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 もしそのときの政権担当者がそういう決意をして、そういう措置をしました場合には、条約上はそういうことになるということは、きわめて自然なことじゃないかと思います。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、これは私は一九七〇年六月二十三日以降と申し上げておりますので、その点はよく御念頭に置いていただきたいと思います。二十三日時点ではございませんが、そこで、そのときすでに沖繩が返還されているとして、沖繩の基地も全部なくなると考えてよろしいでしょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 そのときに沖繩が返還されておれば、これもまた返還のときのいろいろの約束にもかかわりましょう。しかし、さらりと考えれば、根本となる安保条約が沖繩に適用されている、そしてその条約がいまお述べになりましたような仮定の事実が起こるならば、これは、その基地の根拠というものも、条約上仮定の理論としては、なくなることになるというように考えます。

正木良明公明党

○正木委員 ここで重要な問題が出てくるわけでありますが、いまあなたのお話では、特別な取りきめというか、特別な返還に際しての約束がなければという条件が入る。ここで私がお聞きしたいことは、もしこの特別な取りきめ、特別な約束というものがなければ、日米安保条約がなくなった場合には、沖繩におけるところのアメリカ軍の軍事基地はなくなると考えてよいかということが一つ。  もう一つは、沖繩の返還に際して、あなたは特別な取りきめが加えられるという可能性があるとお考えになって、その発言をなさったのかどうかを確かめて、この二点について確かめておきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 特別の取りきめがない場合には、先ほど申し上げたとおりになると思います。  それから、特別の取りきめができるのかできないのか、あるいはできるとしてどういう形になるかということは、基地に関連するお尋ねでございますから、これは前々から申しておりますように、現在のところはまだ検討中で、いわゆる白紙でございますから、それ以上はまだ考えがまとまっておりません。

正木良明公明党

○正木委員 したがって、問題を整理して私はお尋ね申し上げているのであって、そこで、そういうふうに言われると、また話がぼけてくる。よろしいでしょうか。日米安保条約が廃棄された状態のもとにおいて、本土の米軍基地は撤去されるのは当然のことだ。沖繩にある米軍基地についても、日米安保条約がなくなれば当然なくなると考えていいと私は思うのです。  ところが、その返還に際して何らかの約束がアメリカとの間に行なわれた場合には、そういうふうにイコールでくくるわけにはいかぬといういまのお考えです。  それでは、そういう特別な取りきめをする考えがあるかというと、返還時における基地の態様については、まだ検討をしておる段階であって、結論が出ておらないから答えられない、こういうお話でありますから、結局のところ、この考え方を整理すると、どうしても国民の側からいうならば、沖繩の返還に関して、この沖繩の基地の態様については、その返還に際して何らかの特別な取りきめが行なわれるであろうということが予想される。したがいまして、この特別な取りきめをするような可能性が含まれたままでの白紙であるのかどうか、もう一度お答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは前々から総理もこの席でも言っておりますように、沖繩の基地の態様ということにつきましては、返還と並んで、日本及び沖繩、あるいは日本を含んでの極東の安全に寄与するためにいかすようにするのが日本の国益に最も大切であるかという基本的な考え方からこれを割り出し、そうしてその考え方に基づいてアメリカとも折衝をしなければならない問題でございますから、基地の態様がいかにあるべきかということについては、現に真剣に検討中であって、ただいま早計にこうあろうかということを申し上げる段階ではない。これが基地の態様についての私たちの考え方でございます。  それから、先ほど来お尋ねの点でございますが、安保条約というものが先ほど来言っておりますようなものでありますから、純粋の条約論といいますか、そういうことから考えれば、安保条約がなくなれば基地はなくなる、これは仮定の純粋の法律論からいえばそういうことになる、こういうふうに申し上げておるわけであります。

正木良明公明党

○正木委員 いままで申し上げたことで、賢明な外務大臣はほぼもうお察しになっていらっしゃるだろうと思いますけれども、私は沖繩の返還に関して、日米安全保障条約がなくなっても、沖繩の米軍基地が確保されていくような状態というものがきわめて危惧される。それは何のためであるかというと、日米安保条約に、別に返還協定のときに特別な交換公文をするとか、特別な条約をまた結ぶとか、沖繩に関しては別な沖繩安保と称せられるようなもの——ここまでとうなるかわかりませんけれども、そういう一切のものを含めて、日米安保条約の効力が及ばないというような状態のもとに沖繩の基地が置かれるということが予想せられる、心配である、したがって、そういうものがあるのかないのか、こういうことをお聞きしておるわけであります。ところが、そのことはお答えにならないのでありますが、しかし、これは国民の前にやはり明らかにしていただかなければいかぬのであって、白米安保条約それ自体については、賛成もあれば反対もあります。そこで、その日米安保条約が沖繩の軍事基地に適用されるかどうか、何の添加条件もなしに適用されるのであるかどうか、これくらいは明らかにしてもらってもよいと思うが、それが明らかにできないというならば、何らか特別な取りきめをきめる可能性、余地をいま残しておる、こういうふうに解釈せざるを得ないのですけれども、その点のお答えをいただきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 問題はこうだと思うのであります。安保条約というものは、先ほど来申しておりますように、前提になる条約でございますから、安保条約がなくなっても、そういうものが全然なくとも、仮定の事実でありますけれども、沖繩だけは何か特別な法的、条約的なものに規定されるということは、まず考えられないことではなかろうか。もともとこの安保条約というものを前提にいたしておりますから、そういう考え方をしていいのではないかと思います。

正木良明公明党

○正木委員 外務大臣でいらっしゃいますからよく御存じだと思いますが、キューバのグアンタナモ、この米軍基地はいわゆる無期限使用ということになっておる。したがいまして、米軍がキューバのグアンタナモを使用するにあたって結んだ条約というものは、現在の政権ではありません。その後、キューバにおいては革命が起こって政権がかわってしまいましたけれども、政権交代がなされてアメリカとは完全な敵対状態に入っておるけれども、前政権が結んだところのキューバのグアンタナモ軍事基地の無期限使用という義務は残されたために、いまキューバにおいてはグアンタナモはやはり米軍基地として残されておる。したがって、沖繩において、こういうような状態がたとえ無期限でなくても、何年か期限を限られたとしても、政権がかわって安保条約が破棄された後においても、沖繩の軍事基地についてはこのような形でアメリカ軍の使用にゆだねられるというような状態が残ることがないかどうか。その心配がないというならその心配がないというふうに、先ほどのようにおっしゃっていただきたいと思う。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この施政権の返還ということを一般論として取り上げる場合には、グアンタナモ方式というようなものも、学問上あるいは意見の一つとしてそういうものが存在しておるということは、私も御同様に認めております。基地の態様ということは、先ほど来申し上げましたように、いろいろの角度からこれを現に真剣に検討中でございますから、そのどれがそうか、そのどれでないのがそうかと、具体的に詰めてお問いになりましても、私は、この点についてはまだ白紙であると申し上げざるを得ないわけであります。

正木良明公明党

○正木委員 さようなお答えになりますと、そうすると、キューバのグアンタナモのような、キューバとアメリカの間に結ばれた無期限使用というような基地の状態、これも含まれて白紙だというふうに解釈してよろしいですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 白紙と申しますことは、どういう考え方をとらないとか、どういう考え方がいけないとか、どういう考え方がいいとかいうようなことをまだ申し上げる段階でないということを申し上げているわけでございます。

正木良明公明党

○正木委員 したがって、あらゆる可能性、世界じゅうにあるこの基地の問題についてのあらゆる前例、そういうものが全部考慮、検討の対象になると考えていいと私は思うのです。したがいまして、この問題につきましては、こういう考え方も可能性としては残されておるというふうに解釈してよろしいですね。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 考えられるあらゆる方法を考えなければならないと思いますが、要は、一方におきまして国民世論というものを踏んまえて、そして日本としてどういう形が最善であるかというこの基本的な姿勢において、十分真剣に検討してまいりたい、かように考えております。

正木良明公明党

○正木委員 いまのお答えは後ほどの質問に関係がありますので、よく覚えておきます。  したがいまして、もう一度確認をいたします。この沖繩の返還にあたっての基地の態様はどうあるべきかということを日本側の意見としてきめる場合には、絶対国民世論を無視しないということを約束できますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほども申しましたように、国民世論というものは十分に踏んまえていかなければならない、これはもう当然のことでございますが、基本的な考え方としては、日本及び日本を含む極東の安全に寄与し得るということのために沖繩がどうあっていいかということについて、われわれも真剣に検討をして、そしてこれが国民世論の上に十分に理解されるというようにしてまいらなければならぬと思います。同時に、前々からくどいように申し上げておりますけれども、国際情勢の変化とか科学技術の進歩とかいうことも、十分取り入れていかなければならない大きな要素であると私は考えます。

正木良明公明党

○正木委員 その辺にすりかえがあるのですよ。時間があまりないので、私はこんなことで寄り道しているとほんとうは困るのですが、そういう話が出てきたので、念のために、この際、はっきり私の考えを申し上げておきましょう。  科学技術の進歩、国際情勢の変化、国民世論の動向という、この三つの条件を総理も何べんもおっしゃる。しかし、この三つの中で、どれだけ日本が指導的な役割りを果たせますか。国際情勢の変化のために、あなたは外務大臣として、どのようにアジアの緊張を緩和するための外交政策をとろうとしていますか。日中国交回復すらあなたはきわめて微温的な態度ではありませんか。ましてや、中国の国連加盟を促進するということについてはきわめて冷淡ではありませんか。そうすると、国際情勢の変化というのは、日本が指導的に、少なくともアジアにおける緊張の緩和すら、指的導にやれないという状態にあるのです。  科学技術の進歩にしたって、それではみずから核開発をやったり、いまの先端的な科学技術の進歩に合わせるようなことは、日本が指導的にできるような立場ですか。あなたの科学技術の進歩というのは、科学技術の、新しいそれを基本にしたところの兵器の発達ということてはありませんか。兵器もしくは運搬手段の発達ということではありませんか。これだって、日本が指導的にできることではないでしょう。  そうすると、あとできることは何かといえば、国民世論の動向をきわめて平和的にあなた方が誘導していくというか、それを啓発していくという方向しか私はないと思う。三つの条件のうちで、二つはもうすでに日本政府はやろうとしてもやれない。全部受動的な形で変化を待たなければならないということです。一つ指導的にやれることは、国民世論の動向ということでありますが、この国民世論の動向を正しく導いていく、啓発していくということについては、いつまでも白紙論、白紙論、白紙論、白紙論で繰り返しておって、どうして啓発できる。むしろ私は、この国民世論の動向ということにあなた方が重要なポイントを置いているのは、核アレルギー解消論とか、国防教育の復活だとか、いろいろな右傾化した状態において、沖繩における核基地つきの返還は当然であるという世論を導き出そうとする考え方としか考えられないから、これは一言申し上げておきますが、先ほど申し上げたように、あなたは国民世論の動向というものについてほんとうに真剣に対処していく、それを取り上げていく、それを配慮していくということをもう一度答えてください。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 なるほど三つのことをあげまして、そのうちには日本だけでできることもあるし、できないこともございます。そういうむずかしい環境の中でありますだけに、私どもとしては、国民が絶対に、過去にそうであったように自由であり、繁栄する日本の国家の安全ということを守り、かつそれに確信を得るということは、これはお互いに政治の最高の責任であり、何と申しますか、国家の存立の基本要件であると私は思います。そういう点に立脚して、国民世論を踏まえて処理をいたしたい、こう考えれば、これは非常に真剣な情勢分析も必要になってくるのではないかと思います。

正木良明公明党

○正木委員 問題をはっきりさせるために、私も余分なことを言わないで、もう一度確認いたします。  沖繩の返還にあたって、その基地の態様の日本側の態度を決定するために、国民世論は無視いたしません、十分、十二分に尊重いたしますというお考えがあるかどうか、それだけについてもう一度お答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 世論というものは十分に尊重してまいりたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 ここでいよいよ総理大臣に出てもらわぬと話が進まぬととになってくるのです。したがいまして、一応おいでいただくのをお待ちするということになるわけなんですが、何を言うのかわからぬということで御心配があるかもわかりませんので、大体ほぼ輪郭を申し上げましょう。  そこで、いま皆さま方もお聞きになったように、あくまでもこの時点においてもまだ白紙論を繰り返しておられる外務大臣の考え方、これは総理はどうお考えになっておるかよくわかりませんが、きょうあたりから決心をお変えになったかもわからぬ。わからぬが、しかし、外務大臣がそうおっしゃるのだから、おそらく白紙論を繰り返されるだろうと思う。  そこで、これの問題には官房長官も御関係がございますので、ひとつしっかりとお聞きを願いたいのでありますが、昨年十二月、臨時国会の前に、佐藤総理は各野党の党首と個別に会談を行なわれましたね。わが党の竹入委員長とは十二月の六日会談を行ない、その席上、佐藤総理は、みずからですよ、みずからの発意において、どうやと聞かれたのじゃなしに、自分から、私がこれまで言っていた白紙論から一歩前進する時期がきたと思うと言った。また、従来の白紙論から一歩出るつもりだが、本格的には通常国会になると思うともおっしゃっている。これはいわば野党党首との公約であります。しかし、一向にこの本会議の代表質問並びに施政方針演説、またこの予算委員会の経過をたどってみましても、一向に白紙に筆をおろすことなく、いたずらに白紙論を繰り返すのみであるのはどういうわけですか。野党の協力ないしは理解を求めようとして党首会談を行なったのであるならば、当然野党党首に約束した沖繩返還構想の具体策を、少なくとも一歩前進した具体的構想を国民の前に明らかにするのが国民に対しての責務であると同時に、国民の半数以上の支持を得ておる野党、その代表である野党党首への責務ではないかと私は思うです。  繰り返して申し上げます。佐藤総理はみずからの発意によって、自分から進んで行なわれたこの会談においてみずから進んでこの公約をなさったのでありますから、この公約が実行できないということであるならば、もはや総理の政治的信念、それ以前の人間的な信頼関係、これはもうまさに地に落ちたというべきでありますが、この点についてひとつ総理大臣に御出席願って、この点十分に心していまこそ沖繩の返還構想について明らかにすべきである、こう私は思うのです。したがって、委員長、総理大臣に御出席を願ってこの点の御答弁をいただきたいことを私はお願いを申し上げます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 正木良明君に申し上げます。  ただいま理事で御相談をなすっておるようでございますから……。そこで、理事間の協議の結果はよく聞いておりませんが、いまの新しいことばで言えば、前向きで御相談が進んでおるように思いますので、総理が来るまでに次の質問をしていていただきたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 きわめて好意的な委員長のお取り計らいでありますので、この問題については保留をいたしまして次へ進みます。  そこで再び愛知外務大臣にお願いしたいのでありますが、これは一部新聞に報道されましたのでもうすでに御存じだろうと思いますが、一応これは確かめておく必要がありますので確かめておきます。  例の一九六七年十一月十四日、十五日にわたって行なわれた佐藤・ジョンソン会談ですね。いわゆる日米首脳会談と称せられるものであります。この共同コミュニケ、共同声明、この中に、英文と訳文である日本文との間にいささか違いのあることが発見されたわけでありますが、この点について外務大臣のお答えをいただきたいと思うわけであります。私は英語の達者なほうじゃございませんし、英語のほうはあまり造詣が深いとはいえませんので、あなたと文法上の問題で論議しようとか何とか思いませんが、非常に重要な問題でありますのでひとつお答えを願いたい。  番号は七というところでありますが、「総理大臣と大統領は、これら諸島にある米国の軍事施設が極東における日本その他の自由諸国の安全を保障するため重要な役割りを果していることを認めた。」これはいわゆる外務省が訳された日本文にあることばであります。この中で英語でコンティニュー・ツーということばが訳文として抜けておる。この問題について、これが翻訳されて文脈の中に加わってまいりますと、私はある英語のたんのうな人にいろいろ意見を聞いてみると、こうなると言うのです。米国の軍事施設が極東における日本その他の自由諸国の安全を保障するため不可欠な役割りを——ここが大事です。——果たし続けることを認めた、ということになるというのですね。いわゆる日本文で外務省の訳文によると「重要な役割りを果していることを認めた。」ということになっておるが、コンティニュー・ツーというのが訳文の中に入っていないために、引き続き果たし続けることを認めたというふうに当然なるべきであるのにそうなっていないのは、これは訳文としてはきわめて不完全ではないか、こういうふうに感じるわけですが、ひとつ外務大臣の御見解を承っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは当時十分に翻訳にも——翻訳と申しますか、日本文、英文に留意をしてつくられたものと思いますから、結論といたしまして「果していることを認めた。」ということで正しいと私は考えております。「果している」ということは現に果たしているという意味であって、未来をコミットした英語の使い方ではない、かような解釈のようでございます。

正木良明公明党

○正木委員 ここであなたと英語の論争をしようと思っていませんが、コンティニュー・ツーというのは日本語でいえばどういうことなんですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは事務当局に御説明をいたさせたほうがよろしいかと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 このコミュニケの起案は、最初に英語ができてそれをまた翻訳したということでもございませんし、両方からいろいろ苦心して突き合わしてできたものでございます。そこで、いまのこの字でございますが、「役割りを果している」ということはもとよりある種の継続性を持った問題でございます。それは過去においてか現在においてかあるいは将来においてかということになりますが、このコミュニケでいっておりますのは、現在に重点を置いて、われわれの専門的知識をもってしまして日本語と英語の間に食い違いはないと考えるわけでございます。もし、先生のおっしゃるような意味を英語にするならば、いまのコンティニューという字を未来形に使わなければそういう意味は出てこないと思いますので、したがって、この英語と日本語の間に食い違いはわれわれとしてはないと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 それでは、コンティニュー・ツーということばがなければこの英文としては成り立ちませんか。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 コンティニュー・ツーという字がなくても、おそらく日本語は同じになったかもしれません。

正木良明公明党

○正木委員 それなら、何で入っているのでしょうか。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 それは最初に申しましたように、役割りというものはある種の継続性があるものでございます。ある日にあって突然翌日なくなるということではないわけでございますので、したがって、英語のほうにはそういう字はございますが、これを日本語に直す場合に一番正確なのはどういう字か。いまお話しのように、将来にわたって継続し続けるということを出そうとすれば、英語としては——コミュニケの英語ではそういう意味にならないと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 なくても現在の日本の訳文というものは成り立つ。しかしこれはわざわざ入っておる。しかしこれは継続という意味である。この継続というのは過去から現在、現在から未来という意味も含まれてくる。こういうことになってまいりますと、これはきわめて重要な問題になってくるのですよ。なぜかならば、沖繩の返還交渉は、またことしの秋行かれて、佐藤総理大臣は今度はニクソンさんとおやりになる。そのときに、アメリカの了解は、沖繩が軍事的なきわめて、いわゆるバイタルロール、死活的に重要な役割りを果たし続けている、未来も包括したコメントであるという主張がなされたときにはどうなさるおつもりですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、問題はいま政府委員から御答弁したとおりであると思います。そうしてその上に立ってでございますが、これからどうするかということに、これからの私どもとしてはそこに重点を置いて検討していかなければならぬ、かように考えております。

正木良明公明党

○正木委員 この共同コミュニケが発表されたのは一九六七年です。一九六七年から一九六八年、ことしは一九六九年です。その間に二年の時間が経過して、いわゆる沖繩の軍事基地が果たしておるところの死活的な重要な役割りというのはこのまま続けてきていますが、現にもう二年間そのまま続けて、未来にわたってきておる。これから先も続くとお思いになっているでしょう。そこで、そういう背景のもとにあって、これは単に現状だけの問題を示唆したのではなくて、読み方によれば将来も拘束するのであるという、これは英語の学者がそう言う。それは現状だけのものだという考え方もありましょう。しかし、将来もと言われたら将来も拘束するという考え方もあり得るのですという、こういう解釈をする人たちがもうほとんどでありますが、おそらくせぬのは外務省だけだと思う。ということになると、アメリカ側は佐藤総理が一九六七年においてジョンソン大統領と沖繩の軍事基地というものは将来にわたって死活的に重要な役割りを果たし続けていくのであるということをコメントしたのであるというふうにとって、そのように主張してきたときに、あなたはどうするかということを聞いているのだから、その答えをしてほしい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、現に果たしているというのは非常に正確な訳語ではないかと思いますし、それからこの事態について実に適切に当たっていると思います。私は先ほど申しましたように、これからの交渉でございますよ、これは一般的に。これからの交渉に際しての私の心得べきことは、向こうさんがどう言うかということは別としまして、わがほうとしては、さっきもいろいろ御注意をまぜての御質疑でございましたけれども、そういうふうな御意見を十分胸に入れまして、わがほうがいかにあるべきかということで私はあとう限りの努力をしていきたい、こういう姿勢でおりますので、この読み方につきましても、今後こういうふうにこれは読むべきものであるという信念を持って事に当たりたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 沖繩の軍事基地が死活的な重要な役割りを果たしておるのは、果たし続けていると、将来にわたって拘束されていないという日本政府の考え方であると、このように了解してよろしいですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 そうおとりになると私は困るのでありまして、これも仮定の事実でございますが、将来ともかくかくの限度において重要性があるということを、わがほうの立場においても認めるということも考えなければならないのではないか。これは私は仮定の事実ですけれども、大事なことは、わが国がいかにして安全であるかという、これはもう日本の国益に一番大事なところだと思います。ですから、アメリカが考えたり、やりたいといっていることに対しまして、それはいかに主張があろうとも、わがほうとしてはこうしたほうが国益に合うということがあり得る、私はこの立場でいきたいということを申し上げているわけです。

正木良明公明党

○正木委員 外務大臣、ちょっと気をつけてものを言ってもらわぬと、あなたの話を聞いていると、あなた方が考えていることは日本の国の安全のことを一生懸命考えているが、われわれは一つもそれを考えておらぬというような言い方になる。われわれとても日本の国の安全ということは、また十分以上に考えておる。しかし、そのやり方が違うだけの話なんですからね。これだけをひとつはっきりしておいてもらわぬといかぬ。それと、あなたはいま何を警戒しているのかわからぬが、私はこの問題について現状肯定だけであって、将来を拘束しないという日本政府の考え方に間違いないかと言ったら、何をまたごちゃごちゃ、ごちゃごちゃとわからぬことを言うのか、その点は一つもわからぬ。もっとはっきり言ってくださいよ。——時間がないのやから、ああいうしようもない話をぎょうさん入れんと、肝心なところだけを答えてもらいたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 しっかりした答弁を願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほども申し上げましたように、まず文面、共同コミュニケの文字の問題からいえば、先ほど政府委員が申し上げたとおりでございます。これが私の答えでございます。

正木良明公明党

○正木委員 愛知さん、私は別にはめ手で、わなをしかけてこのことを言うているのと違います。将来のために、総理が対米交渉をなさるのに、コンティニュー・ツーという問題はあってもなくてもいい、あってもなくても日本のあの訳文ができ上がるのだ。それにわざわざコンティニュー・ツーというのをつけたのは、将来を拘束するためだぞというふうな態度でアメリカが出てきたときに、いやそうじゃないのだというふうにはっきり言う考え方があなた方はあるのかどうかということを聞いているのですよ。将来のためにはっきりしておいてもらいたいから……。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 そういうお尋ねがあれば、こちらは将来を拘束するものではないというのが、先ほどから御説明しているこちらの解釈でございますし、見方でございます。これは決して将来を拘束しているものではございません。

正木良明公明党

○正木委員 まだ総理がお見えにならないようでありますから、また次の問題へ……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 いや、参るようですから、続けておいてください。来ますから……。

正木良明公明党

○正木委員 外務大臣ばかりでえらい気の毒なんですが、しようがない。  あなたが、この前の再開国会の冒頭に外交演説をなさいましたね。このときにASPACのことについておっしゃっていらっしゃるわけです。ずっと早口で読んでまいりますと、「また、本年六月、わが国においてASPAC、すなわちアジア太平洋協議会の閣僚会議が開かれますが、ASPACはいかなる国、いかなる国家群との対立をも意図するものではなく、参加国の共通の諸問題についての自由な意見交換と協同事業のための協力を通じてアジア太平洋諸国間の協調を緊密化し、もってこの地域全体の平和と安定に貢献することを目的とする機構であります。」こういうようにおっしゃっている。したがって、これは実に非軍事的な機構であろうと思うのでありますが、この点については前任の三木外務大臣も、ASPACを軍事同盟化しない、このように再三再四にわたって言明をしておりますが、あなたもこの外交方針演説を通じて、三木外相が言われたように、ASPACを軍事同盟化しない、非軍事的組織であるというふうに確信をお持ちになっているのかどうか、ひとつお答えを願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私が常日ごろ言っておりますことは、たとえば、昨年の夏キャンベラで開催されました第三回のASPAC会議の共同声明、これは一番最近の共同の合意でございますから、この文言を引いております。いかなる国家ないし国家グループに対しても対決する組織として意図されたものではなく、その活動は域内の諸国間における協議の促進と協力の強化に向けられるべきものである、これが全会一致、すなわち関係国一致で承認されておる考え方でございます。このとおり守り抜いてまいるべきがこのASPACの性格である、こういう私の考え方を申し述べているわけであります。

正木良明公明党

○正木委員 よくわかりました。よくわかりましたが、しかしASPACは元来東北アジアに反共的な軍事組織をつくろうとする韓国や台湾の根強い反共思想を土台にして生まれたものであります。これはもう通説です。そうした両国の考え方は最近ますます強あられてきているように見えるわけであります。このたびの沖繩の本土復帰に関連して、沖繩基地の軍事的価値をそこなわないように沖繩の返還がなされなければならぬ。いわゆる沖繩は核基地つきでなければならぬというような、またそれを希望するような意向が私たちの耳の中へ伝えられてくるのでありますが、それと同時に、またニクソン・アメリカ新大統領がASPACを軍事同盟化しようというのは選挙中に言っている。こういうことを示唆しておるということから考え合わせて、ASPACが軍事機構化するということについて、私はきわめてこれについて憂慮をいたしておるわけであります。その点についていま愛知外相がそのようにおっしゃいましたので、ASPACの性格が、関係地域の平和と繁栄を求める組織で、軍事組織ではない、この基本的な性格には従来からいささかの変更もない、こういうふうに考えてよいかどうか、もう一度、簡単でけっこうですからお答え願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 簡単に申し上げれば、軍事同盟化するというようなことは、私はもう絶対にありませんということを申し上げたいと思います。  それからさらに、時間をとると恐縮ですけれども、最近におきましても、たとえばタイの外相とか、あるいは豪州とか、あるいは昨年七月の韓国の外務部長官とか、こういうような人たちが、同じような意見を持って、公式にも発言いたしておるような状況でございます。

正木良明公明党

○正木委員 そこであなたはこの二月二十六日の予算委員会の第二分科会で、わが党の小川議員の質問に答えて、沖繩の返還は核つき返還を希望する韓国、国府などの動きについて、沖繩の返還問題は日米間の交渉案件だが、これにからんで近隣の友邦諸国が関心を持つことは当然だ。友好国の日米交渉への期待、心配、関心にこたえつつ交渉を進めていかねばならぬ。また必要に応じ友好諸国に理解を求めねばならないけれども、政府レベルでは四月の第四回東南アジア開発閣僚会議、六月九日から三日間日本で開かれる第四回ASPAC、この場があるからここで十分意見を交換すれば足りると思うので、いまのところ説得のため特使を韓国や国府に派遣する考えはない、こういうふうにおっしゃっていますな。  だが、沖繩返還に伴う基地の存廃というのはあくまでも軍事的な問題ですが、この軍事的な問題をASPACで論議するということはこのASPACの非軍事的性格にもとるのではないか。また四月に開かれるところの東南アジア開発閣僚会議とても非軍事的な性格を持ったものだと思われますので、またそうでなければならぬと私は思うのでありますが、そういうところで沖繩基地の軍事的問題について意見交換をなさる、こういうことについてどのようなお考えでいらっしゃるのか。私はこういう場でやることのほうがよほど危険ではないかというふうに感じるのでありますが、その点のお答えをいただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 いま御引用になりましたこの応答は、たとえば韓国とかあるいは国民政府に、本件について事前に特使を派遣する用意があるのか、こういうお尋ねが主体でございましたので、結論的にそういうことを現在考えておりません。この沖繩返還問題は日米間の交渉の重要案件でございます。ただ、しいて重ねてお尋ねがございますから、いろいろ各国それぞれに、たとえばわがほうにいたしましても外国と外国との話し合い等については関心を持つことも多いわけでございますが、そういう点についていろいろの関心に基づいた聞き合わせ、その他があるということであるならば、たまたま四月に開かれます東南アジア開発閣僚会議あるいはASPACというようなところにおきましても、まあ私は就任後日が浅うございますからそう大きなことは申せませんけれども、各国の外務大臣あるいはその他の閣僚等とも個別的にいろいろ自由な意見の交換という場もございますと、そういうことに触れて申し上げただけでございまして、いわんや議題にするとかあるいは追加議題にするとか、そういうふうな性格のものでは絶対にございません。その点は十分私も心得てやってまいるつもりでございます。

正木良明公明党

○正木委員 まことにけっこうなお考えであると思います。しかし、どうしてもこの話が、たとえ個別的であろうと、話の内容というのはきわめて軍事的な話にならざるを得ないということになろうと私は思うのです。その点についての危険を私は十分考えるのですが、その意見交換の善悪は別として、そこであなたはいま個別的に何とか意見を交換し考えを開陳したいというふうにおっしゃいましたが、じゃその話をするときに、韓国の方や国民政府の方と沖繩の基地の問題について話をするのに、あなたはどんな話をするのですか。たとえば、沖繩返還にあたって核基地は撤去の上返還を申し入れる態度であるから了解してもらいたいと、そういう基本的な態度で話をするのか、沖繩の核基地は撤去などは思いもよらぬことだから、そんなことはないから安心願いたいというようなことを言うのか、どのようにあなたは説得されようとするのか、それをひとつ明らかにしてもらいたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 いま私申し上げましたことを少しお取り違えになっている面もあろうかと思いますが、私はそこを利用してこちらからどうこうというようなことを申すつもりはございません。しかし、自由な意見の交換という場でございますから、いろいろのことを言う人もあろうかもしれない、常識的に言えばこういうことを申し上げているわけでございます。私の考え方というものは、御承知のようにそういう点については白紙なんでありますから、それ以上に言えることはないことは御了承いただけると思います。

正木良明公明党

○正木委員 総理が来ていただいておりますが、もうちょっと愛知さんと話がありますので、ちょっとお待ち願いたいと思います。  そこで外務大臣、何もないところにもしそんな話が出たらそのときに話をしましょうというような話じゃなくて、向こうはもうコメントしておるのですよ。沖繩の軍事的な価値は近隣諸国にとってもきわめて重要な問題であるから、日本政府はよほど考えてもらわぬといけませんぞと向こうは言うておる。それに対してあなたがお答えになるのに、そうすると向こうでも、いまのところ白紙ですと、そない言やはるつもりですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 日本の世論を踏んまえるということは、先ほど来申しておりますとおりです。それから国会におきましても白紙と申し上げておるわけです。こういう状態で私は真剣に問題の処理に当たりたいと思っておりますから、さようなことは私は考えられないことだと思います。

正木良明公明党

○正木委員 塚原先輩からも御注意がございましたので、これはまだ途中ですがあとに残します。  では、先ほど総理がおいで願うまでに御質問をいたしましたが、とてもほかの人では答えられぬ問題でございましたので、総理のおいでをお待ち申し上げておりました。それは何かというと、結局白紙白紙というふうに現在まで繰り返してこられた。きょうも、いささか変化があるだろうかというので、当該の所管大臣である愛知外務大臣にお聞きしましたが、相変わらずの白紙白紙で一つも進んでおりません。  そこで、御記憶に新しいと思いますが、去年の十二月、臨時国会前にあなたは各野党の党首と会談をお持ちになっておる。わが党の竹入委員長とは十二月の六日に会談をお持ちになって、みずからの発意として、今度は筆をおろすのだ、一歩前進させるのだ、従来の白紙論から一歩出るつもりだが、本格的にはこれは通常国会になるだろうということを仰せになった。にもかかわらず、所信表明演説においても、いわゆる施政方針演説においても、またそれに対する代表質問の答えにおいても、また、もはやきょうはもう最後の一般質問というような状態にまで予算委員会が進んでまいりましたが、この状態の中でも一向に、われわれの目、国民の目から見て一歩前進の姿なんというものはごうも見られないわけであります。  そこで、野党の協力ないしは理解を求めようとしておそらく党首会談をおやりになったのだろうと思うのでありますが、それならばやはりその公約というか、その約束をお守りになってこの沖繩返還に対する、あなたが筆をおろされるという、いわゆる白紙から一歩前進した姿というものを国民の前にまた同時に国民の半数以上の支持を得た野党の代表である委員長に約束したことでありますから、それをこの通常国会で明らかにされるのが当然のことであるし、もしそうでなければもはや、こう申し上げると失礼でありますけれども、佐藤総理の政治的信条というものはどんなものであるのか。それ以前に人間的な信頼というものについて私は地に落ちたと考えざるを得ない。これは国民とともにきわめて悲しむべきことであろうと思うので、どうかその点を心してひとつ明快に、この場を通じて各野党の委員長にお答えになるつもりでお答えを願いたい、このように思っておるわけでありますので、よろしくお願いいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 一般質問に入って私が呼び出されて、何ごとかと思ったのです。さぞ重大なことが起きているだろう。事柄はたいへん重大な事柄であります。  私は、しばしば総括質問におきましてもお答えしたように、沖繩の問題は簡単な問題じゃない。たいへん複雑な重要な問題だ。したがって、これと取り組む総理の姿勢、これは慎重な上にも慎重でなきやならない、かように実は私は審議が進むに従って考えておる次第であります。したがいまして、ただいまも外務大臣にいろいろお尋ねになっておる。外務大臣もいま白紙の状態だ、こういうことでその話は進まない。また、ただいま言われますように、各党と相談をして筆をおろすと言ったじゃないか、どうしておろさないのだ、こういうお話でありますが、私まだ出かける前には相当の時間がございます。この問題は簡単な問題じゃないことは、もう審議を通じて正木君も百も御承知だと思う。そうして私は、これが誤れば日本の外交史上に汚点を残すだけじゃない、わが国がたいへんな困ったことにもならないでもないだろうと思う。そのことを考えると、私の慎重な態度というものは、これは国民は理解してくださると私は思います。  私はいつも言っておりますように、国民の世論を無視して自分は行動しないと言っているし、そういうことを前提にしてお考えになれば、私が何を苦労しているか、これはおわかりがいただけるんじゃないだろうか。(「わからないね」と呼ぶ者あり)いまわからないとおっしゃるが、おそらくそれは総理でないとわからないだろうと思います。そういう点はもう少し御理解をいただきたい。責めるばかりが能じゃないだろうと思うのですよ。やっぱりそういう点について国を誤らさない、国民に迷惑をかけない、どうしたら最も賢明な方法か、その道を選ぶ、それだけの余裕を与えてやる、これが野党の方にも私はお願いしたいところであります。したがいまして、非常に早く結論が出るように御期待であったかと思うが、そうではない。なかなかむずかしい問題で、そう簡単にはできません。  しかしなお、いまの愛知君との質疑を私横で聞いておりまして、私はっきり申し上げますが、われわれは日本の国の政府なんだ。私は日本の総理でございます。また愛知君も日本の政府の外務大臣であります。だから日本の国益に反するようなことは考えない、これだけははっきり申し上げておきますから、どうかそういう意味で、もう少し結論についてはあまり急がないで、なおまた佐藤はこういう点で間違いをおかしておらぬか、かような御心配があればそういう点ではひとつ佐藤に注意してやる、間違うな、こういう方向へ行け、こういうようなお話を聞かしていただきたいと思うのであります。私はしばしばそのことをいままでも申してまいりました。野党の諸君からもそういう意味で、安全保障条約自身を否定しておる社会党からも、私は意見があればひとつ聞かしてくださいとまで申しておる。皆さん方と私どもとの間にはよほど意見は一致しやすいような点があるように思いますので、そういうような意味で、こういう点が心配だ、こういうことは十分考えてくれ、こういうような御注意なら私喜んでまた謙虚に伺うつもりでございます。どうぞよろしくお願いします。

正木良明公明党

○正木委員 佐藤総理は佐藤総理なりに熱意を込め真心を込めて御答弁いただいたのだろうと思いますが、私はそれはそれとしてよくわかる。よくわかるが、しかしあの野党党首との会談において、総理はみずからの発意において今度はもうそうそう白紙ばかりは繰り返しておられぬだろう、そろそろほぼ明らかにしなければ国民も不安がるだろうという意味においておっしゃったのだろうと思うのです。したがって、これはいわゆるきわめて何というか、不安定な状態で、抑圧された状態で、強要されてそう言わされたというのじゃないですからね。それはやっぱり約束は約束としての守り方をしなければならぬだろうと私は思うのです。したがって、私は全般を明らかにできなければ全般を明らかにできないで、そのできない理由をはっきりしてもらって、しかしこういう考えだという、あなたがおっしゃった一歩前進というところまではやっぱり明らかにしてもらわなければいかぬだろうと思うのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 白紙論というところから一歩も二歩も前進はしておるつもりでございますが、前進していないとおっしゃるのですか。私は白紙だといって皆さま方とも質問を打ち切ったことはございません。最後の結論はどうかと言われるから、それについては白紙だということを申しております。しかし、ものの考え方については、いままでを通じてそれぞれの立場からものの考え方は順次狭まってきておる、私はかように思っております。いままでの質疑応答を通じて、詳細にお読みになったらよほど進んできている、かように御了承じゃないかと思います。

正木良明公明党

○正木委員 これはきわめて重要な御発言であると私は思うのです。確かにかくかくしかじかの結論で対米交渉に臨むのであるというふうな結論的なものはおっしゃっていらっしゃいません。いわゆる終着点はおっしゃっておりませんが、あなたがそうおっしゃるように、白紙とは言っておるけれども、その白紙の中のニュアンスというものについてはやや明らかになってきたではないかということになると、終着点はどんなものであるかということははっきりはいたしておりませんが、少なくとも方向というものについては明らかになったと私はとらざるを得ないと思う。そのように了解してよろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 そのとおりです。

正木良明公明党

○正木委員 そうすると、その方向は明らかに、本土並みないしは沖繩における軍事基地の撤去ということは、だれが考えても考えられないことであります。きわめて危険な方向、私たちが危険な方向とあえて申し上げますが危険な方向、いわゆる核つきないしは有事自由使用という方向に進みつつあるととらざるを得ないのでありますが、この点どうでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これは私はまだ申し上げておりませんから、そういうことはそこまでの結論は出ておらない。しかし私が方向だと言っているのは、私自身がこの十一月にでも出かけていこうと言っている、またその前に外務大臣も出かけられる、日米交渉はすでに始まっておる、かようにお考えいただけばいい。  しからば、これに結論を与えるのに、少なくとも早期返還、そういうことはわれわれ考えておる、ただ基地の態様はまだ出していないんだ、これがいままでの質疑応答だと思う。だからその点で、非常にいろいろ御心配だろうから、よくそういう意味のお話を聞かしてください、こう言っているのです。私どもはいままで早期返還、これも白紙じゃない。早期返還の実現をはかろうといっていまいろいろ努力をしている。これは私がジョンソン大統領と交換した共同コミュニケではっきりしている。二、三年のうちに沖繩返還の方向でとにかくその見通しをつけよう、こういっておる。その方向で私ども動いておる。

正木良明公明党

○正木委員 こうなってくると勢いやめようと思っても話が進んでまいりますので、これははっきりしていただきたいのです。よろしいですか。こういうことがあるのです。沖繩が返還されたときに日米安全保障条約は沖繩に適用されるかという質問がございました。これに対して総理がお答えになったのは、その前提に特別な取りきめがなければという前提が入っている。したがって、特別な取りきめがなければというこの特別な取りきめは何かといえば、白紙だとおっしゃった。そうすると、特別な取りきめというものは、これは日米安保条約にかわるべきもの、ないしは日米安保条約を補強すべきものであると解釈せざるを得ない。これは方向づけです。沖繩の核基地の軍事的価値ということについても、これは再三再四、四方八方から、あなたが白紙だとおっしゃるものだから、野党のほうもしようがないから、ああだろうか、こうだろうかというように、いろいろな点で問題を設定して御質問申し上げたら、それに対して、きわめて、白紙と言いながら、ほぼその方向は核基地つき自由使用というような方向に向かいつつある。こうすると、先ほど総理がおっしゃったように、私は結論は出しておりませんが方向は示したつもりだから野党党首とお会いしたときのお約束というものはほぼ果たしたつもりである、というような御答弁であると、私どもはどうしてもその方向というものは、沖繩の基地の態様それ自体がいわゆる本土並み以下の問題であるというふうに考えざるを得ない。どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、特別な約束か取りきめがない限りということは確かに申しました。しかし、仮定のことを言われて仮定のことを答えただけじゃないですか。それで結論が出ているようにお考えになるほうがどうかしているのです。

正木良明公明党

○正木委員 そんなにすぐおこらんといてほしいのです。もう話してしまうから。おこると話にならぬようになるのですね。あなたは方向とおっしゃったから、私たちとしてはその方向は示されたものと考えざるを得ないじゃないですか。そうすると、そういう意味での方向、そういう意味での一歩前進も何もないとおっしゃるのですか。一歩前進も何もないというのならば野党党首との約束はどうなったか、こういうことにならざるを得ないのですね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 基地のあり方は白紙だという、これは白紙でございますよ。これは別におこっているわけじゃない。ただ同じことを聞かれるから、どうして同じことをいつまでも言われるのだろうかと思う。いま返還の方向で私どもはもうすでに一応のスケジュールを組んでいる。これは野党の諸君も了承してもらいたい。その方向へ行っているのだ。(「同じことばかり言っている。」と呼ぶ者あり)同じことを言うのはあたりまえなんで、別なことを言ったらこれはどうかしている。答弁をする者が別なことを言ったらそれはたいへんですよ。同じことを言うのはあたりまえなことだ。これは違うわけはない。

正木良明公明党

○正木委員 それじゃ、私が申し上げても、そういうぼかされた返事しか返ってこないから、あなたがおっしゃった方向づけというのは、何を方向づけと先ほどの答弁でおっしゃったのですか。何なのですか、その方向づけというのは。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 その方向づけは早期返還。

正木良明公明党

○正木委員 総理、私は単なる一年生議員だからばかにしてそうおっしゃるのかもわかりませんが、私が聞いておるのは、国民の考え方を代表してあなたに質問しているのですから、そういういいかげんな答弁をしないでください。早期返還ということは、一九六七年の共同コミュニケにも、あなたが何んべも繰り返して両三年のうちに返還のめどをつけるとおっしゃっているじゃないですか、それを野党党首のときに筆をおろすとおっしゃったのですか、それでは。そういういいかげんなことはおっしゃらないでくださいよ。何を言っているのですか、あなたは。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 あなたがおこるから、おこらないように聞いてくださいよ。(正木委員「おこらないような答えをしてくださいよ。」と呼ぶ)私の答えをそのままとってください。幾ら共同コミュニケがあったからといって、何にもしなかったら早期返還実現しないのですから、それこそ書いたものだけです。しかし、私は現にいま向こうへ出かけていって話をしようという、それは早期返還を方向づけている、これは明らかじゃないですか。ただ書いてあるじゃないか、一昨年やったじゃないか、そう言われるけれども、それから何もやらなかったら、書いたものだけじゃ何になるのですか。私どもは行動にかかってこそ初めてその方向がつけられる、そのことを私申し上げているのです。おこらないでください。   〔発言する者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 御静粛に願います。

正木良明公明党

○正木委員 これは児戯に類するということばがありますが、そうですよ。私はあなたとままごとしているのじゃないのだから、はっきりしてもらいたいと思う。あなたは早期返還をしようということをジョンソン大統領とお取りきめになっていらっしゃったのでしょう。違うのですか。両三年をめどとして返還の時期を早期にきめようということを。あなたはそのあと努力してきたということは、これは方向ではありませんよ。あなたはジョンソン大統領と共同コミュニケのときに、その方向はできたのです。その約束したことをあなたは国民を前にして、総理大臣としてそれを努力なさってきたのであって、これは方向づけではありません。方向づけは、共同コミュニケにおいてつくられたと見ていいです。そのあと新しい方向づけとは何ですか。それを私はお聞きしているのです。それをあなたはおっしゃらないで、そういう共同コミュニケにすでに方向づけされたことで努力をしたことを方向づけとおっしゃるのじゃ、これは方向づけと言えません。これはだれが考えてもそうだと私は思う。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これはあなたと私と違うところなんですが、私どもはやはり共同コミュニケ、その線に沿ってそれを実現化する、それを具現化するために努力してきた、その具現化することが方向づけだ、かように考えておる。その場合に、一つのそれは努力だと言われるが、しかしそれは方向づけに違いない。そうしてその上に基地は一体どうなのか、これはまだ白紙だ、まだきめておりません。しかし出かける前にはそれは話がもっと煮詰まらなければ、これは交渉できるものじゃありませんと言っている。だからこれも全然白紙で、何も知らないわけじゃない。そのためにはよく皆さん方の御意見も聞きましょう、各野党の意見も聞いて、それから自分たちの基地のあり方をきめていこう、こう言っているわけなんです。また先ほども、自分たちは、よその総理大臣じゃないのだから全然国益に反するようなことは考えておりません。これも私の行動自身がしゃんとはっきりして狭まってくるのじゃないですか。だからそういう点も、いま基地なら基地がどこにどうなるのかと言われる、それはまだですとこう言っているのですから、これはちっとも矛盾じゃない。この辺でお許しをひとつ得たいし、もう一つは、やはり外交交渉する場合に、ある程度のフリーハンドは持たなければこれは困ったことになりますからね。それを、そういうことをやはり正木君もよく御承知だと思う。外交にフリーハンドのない外交はない。だけれども、そういうものをこの問題について私自身がいろいろ申し上げているが、そこらのところをやはりある程度——あなたが別に一年生だからどうこうというわけじゃない。私はまじめに答えているのです。まじめにやはりやりとりはしなければいかぬ。(正木委員「了解しました」と呼ぶ)それは了解していただけば、(正木委員「ばかにしていないということだけ了解したんだ」と呼ぶ)その点で私は、それはばかにしておりません、それだけははっきり申し上げておきます。

正木良明公明党

○正木委員 それから最後に一問。もうお帰りになるでしょうから。そこで、この問題は横へ置いておきましょう。しようがない。これは話が進まぬから……。  そこであなたは、訪米する前に煮詰めて持っていきたいというふうにおっしゃった。そうして、先ほどあなたはいらっしゃいませんでしたけれども、愛知外務大臣は、国民世論の動向というものを最重視するということをおっしゃった。したがいまして、あなたが今秋アメリカへ行かれるまでに、国民世論の動向をはっきりと見きわめた上で結論をお出しになる、そうしてその結論を持って、結論というか、少なくとも日本政府としての態度を持ってアメリカへ行かれる、そうしてニクソンさんとお会いになる、このように了解してよろしいですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 少し話が飛び過ぎるかわかりませんが、国民の世論の動向を見てという、これはしかし必ずしも解散ということを意味するわけじゃありません。これは先走ったことかもしれないが。  私はあなた方に一つ言いたいのは、よく沖繩は本土並み、本土並みという話をされるのですが、その本土並みということばでも、これは各党で一致しておりますか。基地の態様は本土並みだ、ところがこれだって私は参議院で答えたのですが、まず社会党の諸君と私どもとは違う。安全保障条約を承認している私どもと、安保条約を否定しておる社会党の諸君、これは本土並みというのは私は違うであろうと思う。また皆さんのところにしてもやはり安全保障条約についての考えがありますから、また民社とも違うわけだ。それほどみんな違うのですよ。一番最初の入り口の問題、沖繩の基地は本土並みにしろという、こういうことが新聞に毎日出ているけれども、その本土並みの扱い方が各党で違っておる。こういう状態のもとでいまやったって、それは意味をなさない。そういう意味で、これはもう少しよく話し合うことが必要なんですね。だからそこらに、基地がなぜいつまでも白紙か、もうそろそろ行くころじゃないか。まだしかし行くまでには私、半年以上もあると思いますよ。だからまだまだもう少し研究していいことなんです。しかし、いま申し上げるように、ずいぶんこの問題については各党でいろいろのかってな解釈をしていますから、そこに違いがある。この辺はひとつ正木君も御理解をいただきたいと考えます。

正木良明公明党

○正木委員 それじゃこの閉会後、訪米前に国民の世論を聞く、少なくとも国民の代表であるところの国会の意見を聞くということで臨時国会を召集するというお考えはございませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いままだそこまで考えておりません。

正木良明公明党

○正木委員 そうすると、先ほど愛知外務大臣がおっしゃったが、国民世論の動向というのはどうしてお知りになってアメリカへ行こうとなさるんですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いろいろの方法がありますから。それはいま私ども、書いたもので一応握っております。各社のそれぞれの世論調査もいろいろ私つかまえております。そういうことでいろいろのものを見ております。だから、必要があればいまのような臨時国会だってそれは考えなきゃならないかわかりません。しかしいま考えてないというだけなんで、いま臨時国会を開くという約束をさせようといってもそれは無理かもわらかない。しかしそういうことも、少なくとも出かける前には、もっと各党の党首が話し合うくらいのことは必要かと思う、最小限度。その程度は私は考える。けれど、それより以上はちょっとどうかと思う。

正木良明公明党

○正木委員 どうも御苦労さんでした。  流星光底長蛇を逸した感じでありますが、それはあとの問題といたしまして、愛知外務大臣、もう少しがんばっていただきたいと思います。  そこで、二月二十六日の毎日新聞の報道によりますと、内閣広報室が中央世論調査社に委託して実施した「時事問題に対する世論調査(新内閣に対する要望)」と書いてありますが、これは去年の十二月十日から六日間行なった結果が掲載されております。  そこで、こういう調査を行なった事実があるのかどうか、ひとつ官房長官お答え願いたいのですが。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 いま御指摘の新聞にそういうものを私も見ましたから聞いてみますと、総理府の広報室でそういうことをやったということはあるようでございます。私はその報告は受けておりません。

正木良明公明党

○正木委員 時間がありませんので、聞きたいことぎょうさんおますが飛ばしてしもうて、それじゃその調査した事実があるらしいというので、まあ新聞で発表されたのでありますが、この調査の内容をひとつ委員会に資料としていただきたいのですが、いかがでしょう。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 これは私が所管している事項でございませんから、私から答弁はちょっといたしかねます。

正木良明公明党

○正木委員 それじゃこれは私の手抜かりであったので申わけないと思いますが、委員長にひとつお願いしたい。これはすでに新聞に発表されたものでもありますし、これは新聞がそのまま伝えているのかどうかもわかりませんし、おそらくだいじょうぶだと思いますが、いずれにしても非常に国民全体が関心を持っている沖繩問題について、政府機関が調査をしてその結果が出たということでありますので、その資料はひとつ委員長からこの委員会に出していただくように要請をしていただけないでしょうか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 正木君に申し上げます。  どういう処置になるか、理事会に報告しておきます。

正木良明公明党

○正木委員 それじゃよろしくお願いいたします。  さて、外務大臣にお願いしたいのですが、総理大臣は施政方針演説でベトナムの平和について、「政府は、今後ともわが国の役割りを果たしてまいりたいと考えます。」こうおっしゃった。また外務大臣はその外交演説で、ベトナム平和に関して、「政府といたしましては、和平実現に至る過程においても、難民住宅の建設等の人道的援助を行なうとともに、「従来から明らかにしているとおり、「今後の和平交渉の進展に応じ、平和維持機構への参加、民生安定と戦後の復興のための協力など、この地域に永続的平和を確保するため、可能な限りの協力を行なう考えであります。」というふうにお述べになっている。  さて、そこで、ここでおっしゃっている「難民住宅の建設等の人道的援助」、これはどういう具体的な内容を持っておるのですか、ひとつお答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 簡潔に申し上げますが、昭和四十四年度のただいま御審議をいただいております予算におきましては、難民用住宅二百十六戸、二億六千万円、こういう援助をいたしたいと思っております。これは難民住宅につきまして各国もある程度の援助をいたしておりますが、わが国も当然のことと考えまして、現在の時点でたとえば土地その他の状況を考えまして、すぐ着手できるものをとりあえず四十四年度の予算に計上していただいたわけであります。

正木良明公明党

○正木委員 それではその次におっしゃっておる「民生安定、戦後の復興のための協力」、これらの点はいかがでございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この点については、三木大臣の当時から、たとえばベトナム復興基金というものの構想を持っておるわけでございます。こういう構想が、和平実現のときにはベトナム及び周辺諸国に対して、諸外国と協力して民生の安定及び戦災復興のための援助を行なう必要がある、とこういうことで構想は持っておりますけれども、まだ和平会談それ自体の決着がつかないので、実現の緒につくわけには参っておりません。

正木良明公明党

○正木委員 それではその次の「平和維持機構への参加」、これの具体的な方策というのはどのようになっておりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これもしばしば申し上げておりますが、われわれとしては、拡大パリ会談の成果が一日も早く出てくることを望んでおるわけでありますが、そうなりますと、たとえば休戦監視というようなものが当然、あるいは国連というかっこうになりますか、あるいはその他の国際会議というかっこうになりますか、そういうものが組織されるでもありましょう。その際におきましては、日本の憲法の法制等によってできることはやらなければなりますまい、禁じられているようなことはできませんけれども。たとえば、これも仮定の問題で、国際的な話し合いがどういうふうになるかということはまだ未確定でございますが、かりに休戦維持機構というようなものができました場合に、求められれば資材の供給でありますとか、分担金の供出でありますとか、あるいはシビリアンの協力でありますとか、こういったような面についてはできるだけのことをするのが日本の責務ではなかろうか、こういうふうな考え方でおりますが、具体的の内容は、まだその機構自身ができるものやらできぬものやら、どういう形のものやらわかりませんので、一応の考え方だけを持っているわけであります。

正木良明公明党

○正木委員 まあほぼ平和維持機構というものの考え方というのは明らかになったように思うのでありますが、いまお話の中にシビリアンの派遣というお話がございましたが、私は伝え聞くところによると、すでにこういう計画が内閣官房のほうで進んでおって、すでに防衛庁のほうにこの平和維持機構への参加についての具体的な立案を委託しておるというか、命じておるというようなことを聞いておるのでありますが、自衛隊のほうで平和維持機構、いわゆるベトナムの休戦平和維持機構への参加というようなことについて、計画をお進めになっておるということはございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 引き続きですから私から簡単にお答えいたしますが、先ほど申しましたように、その前提条件がまだできておりませんから、構想といいますか、この考え方でございますね、要するにいま申しましたように、憲法その他に抵触しないような形で、資金の問題とかあるいは機材の問題とか、あるいはお手伝いという場合はシビリアンを原則としなければいかないと思いますけれども、そういうことでできるだけの協力はいたさなければなるまい、こういう考え方でおるわけでございます。まだ自衛隊等におきまして具体的にそういうことを検討されているということは、私は承知しておりません。

正木良明公明党

○正木委員 そうすると、この平和維持機構、いままあ平和監察何とかというふうにおっしゃいましたが、こういうものができたとするならば、可能な限り参加したいというお考えのようであります。もしかりに平和監視委員会というものが武官で構成されるというようなことであり、まあ言い直せば、日本がこの機構に参加するためには武官を派遣しなければならないというような事態のときには、この平和監視機構というようなものについては、こちらから拒絶をなさるということになるわけですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 正木さん御承知のとおりに、いまの自衛隊の任務といたしまして、そういう任務ば課されてない。もし平和機構のそういうものがあるとなれば、それはやっぱり任務を変えたいわゆるシビリアンの人として行かなくちゃならぬ。こう身分を変えなくちゃならぬ。それはしかし仮定ですから、こうしますというわけではありませんけれども、法律のたてまえはそういうことになっております。

正木良明公明党

○正木委員 各大使・公使館にまあ昔でいう駐在武官というものが配置されているのですが、これは悪いことばで言うといわゆる二足のわらじで、武官であると同時に在外駐在のための文官という肩書きを持っておるということを聞いておるわけなんですが、こういうことはあるのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういう事実はありますけれども、それは外務省の人間として行っておると、こういうことでございます。

正木良明公明党

○正木委員 そうすると、自衛隊の武官としての身分そのままで外務省の文官として派遣されておるということになる、このように了解していいですか。もしかりに外務省の文官として派遣されているというならば、自衛隊としての武官の資格というものがなくなるのが当然であろうと思うのですが、この点はどうなんですか。

麻生茂防衛庁人事教育局長

○麻生政府委員 現在在外公館におきまして、防衛駐在官という職名で働いておる者があるわけでございますが、これは防衛庁から外務省に出向いたしまして、外務省の身分を持って行動している者であります。防衛駐在官は要するに防衛に関する事務を行なうということでございます。  ただ、向こうへ、外務省へ出向いたしまして在外で勤務いたしまする場合、防衛に関する事務を行なうにあたりましては、やはり自衛官の身分を持っておることがその職務をやる上において能率的であるわけでございます。したがいまして、そういう潜在的に防衛に関する事務は、自衛官であるという一つの観念に基づきまして、それぞれ自衛官の一等陸佐とかあるいは二等陸佐というような兼任の発令をいたしておるわけでございます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 正木君、時間がきておりますから、いま一問……。

正木良明公明党

○正木委員 外務大臣、そうすると、そういうふうな形での平和機構への武官の参加——実際は、表面は文官であるけれども、内容は武官の参加ということは考えられるというふうに解釈してよろしゅうございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この問題はずいぶん古くにも一時問題になったことがあると思いますけれども、現在拡大パリ会談の終末がどういう形で、どういう機構になるかということが——実はこれは日本できめるわけでございませんから、ほんとうにそれこそ仮定の仮定の問題でございますが、先ほど申しましたように、私は、現行の日本の法制に疑義を生ずるようなことはやるべきでない、かように考えております。その範囲内でやれることについてはできるだけの協力をしたい、かように考えております。

正木良明公明党

○正木委員 では、どうもいろいろありがとうございました。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて正木君の質疑は終了いたしました。  次に、永末英一君。

永末英一民主社会党

○永末委員 私は、わが党の基本的政策である沖繩の本土並み返還、並びに安保改定に伴う地位協定改定の問題、さらにわが党の主張する自主防衛、すなわち専守防御の観点に立って、政府の防衛構想をただしたいと存じます。  政府はひとつ簡単に明瞭にお答え願いたい。違うことをお答えになりますと、ひとつ委員長、あれは時間超過ですから削ってください。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 はい。

永末英一民主社会党

○永末委員 防衛庁長官に伺います。沖繩におきますアメリカ軍の基地の性格を伺います。  第一、第四九八戦術ミサイルグループ基地、これはメースB基地でございますが、これは攻撃基地であるかどうか、伺いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 兵器の問題は、使用の目的とか方法いろいろ考えられます。したがいまして一がいにこうだということを断定は下されませんけれども、いわゆる軍事的用語としては、メースBは攻撃用兵器だといわれております。

永末英一民主社会党

○永末委員 第二、現在B52隊が沖繩の嘉手納基地に駐留をいたしております。ベトナム爆撃中であることば周知の事実であります。したがって、現在嘉手納基地は攻撃基地として使用されておると私は思いますが、防衛庁長官はどうお考えか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これも先ほどメースBで申したと同じような意味合いにおいて、いわゆる軍事的の常識論としては、これはB52は攻撃的の非常に大きな作用をなしておる、こういうように解釈しております。

永末英一民主社会党

○永末委員 同じく嘉手納基地に第四二五二戦略航空隊、これはKC135、主としてこのB52に給油をする部隊であります。   〔委員長退席、田中(龍)委員長代理着席〕  つまり戦略航空隊SAC所属であって、このSACは主として攻撃を任務とする部隊、それに対する給油の任務を帯びた部隊でありますが、これがおる基地は攻撃基地ですね。——大臣答えなさい。大臣。判断の問題じゃないか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 給油機は本来攻撃的なものではございませんけれども、先生お示しの戦略部隊に入っておりますので、B52等を支援する、攻撃的な能力を持っておりますものを支援するという意味で、広い意味では攻撃的機能も持っておる、こういうことが言えるのではないかと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 B52の使用は、給油とワンセットで攻撃を果たすのです。これはいま答弁のあったとおり、攻撃基地。  次の問題、第一八戦術戦闘機隊、これはF105でありますけれども、これは攻撃用の航空機として米軍が沖繩に設置をいたしておる。これもまた、これのおる基地は攻撃基地であると私は思いますが、防衛庁長官はどう考えるか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど来申し上げます意味合いにおいて、攻撃的なものと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 次、沖繩の東海岸には第三海兵師団がおります。この第三海兵師団は、第七艦隊の第七九機動隊に属するものである。すなわち上陸作戦を主たる任務としてその地におるのである。命令一下直ちにこれは相手方の土地に上陸を行なう、そういう部隊である。すなわち、この部隊がおる基地は攻撃基地である、このように私は思いますが、防衛庁長官はどう思うか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 お示しの部隊は、両用部隊といっております。いわば沖繩がそれの待機基地的な機能を果たしておる。その部隊は有事の際に上陸作戦等に従事し得るものと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 上陸作戦に使用する、すなわち戦闘用意を整えたる部隊のおる基地は攻撃基地です。  次、沖繩には第七心理作戦部隊がおる。これの現在果たしておる主たる任務は、航空機に宣伝ビラ等を載せて、北朝鮮に向けて宣伝パンフレット、ビラを風に乗せて送っておる。すなわち、これは一種の心理作戦における攻撃部隊である。この部隊のおる基地は攻撃基地であると私は思うが防衛庁長官はどう思うか、伺いたい。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 お示しの部隊は、まさに心理作戦に従事するものと思います。心理作戦は、いままでお示しのような積極的な攻撃力を持つものではないと思いますが、ごく広い意味で相手方の心理を撹乱するというふうな任務に従事するものと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 外務大臣、いま私は沖繩の基地の主たるものについて、攻撃基地である性格を問いただしましたところ、政府はこれを攻撃的な基地であるということを認めました。  さてそこで、この同様な機能を持つアメリカ部隊が日本基地にやってくるということになりますと、現行の安保条約第六条にかかわる事前協議事項に該当すると私は思いますが、あなたはどう思いますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 大体、私は的確にいまの状況を掌握しておりませんが、常識的に考えて、さようなものが現在本土の場合に置かれました場合には、これは事前協議の対象になる、こう理解してよろしいのではないかと思います。——ちょっと待ってください。ただいまの答弁をやり直しますから、ちょっと……。  御承知のような、事前協議の条項にかかった場合は事前協議の対象になるわけです。つまり配置、装備、行動等について両国の了解のある事項がございますね、そういうものについては事前協議にかかる。

永末英一民主社会党

○永末委員 あまり足踏みをしたくないのですが、この場合配置ですね。沖繩におる部隊は攻撃用の任務を帯びた部隊であるということは、防衛庁は認められた。その部隊がわが本土の軍事基地にやってくるという場合には、配備の変更でしょう。それなら事前協議の対象になると私は思いますが、どう思いますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 事前協議の対象にかかる事項になれば、それは事前協議の対象になる。

永末英一民主社会党

○永末委員 それが来るということ自体が、配置の変更になるはずだと私は思う。あなたはそれが来るといっても、それからもう一ぺん配置の変更になるかどうか、こう言うのだけれども、そうではないでしょう。配置の変更になるでしょう。こういう任務を帯びた部隊が日本の本土の基地に入りたい、こういうことを言ってくれば、当然じゃありませんか。お答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 配置、装備、行動については、それぞれこうこういう事項が事前協議の対象になる、こういうことになっておりますから、そのとおりお答えをしたわけです。

永末英一民主社会党

○永末委員 いままでの配置の変更というのは、陸については一個師団以上であるとか、海については何とか機動部隊以上であるとかいうような言い方である。そうではない、現実の作戦に使われておる、沖繩の基地にいまアメリカ軍が展開をいたしておる、そのものが入る場合には、逆に言いますと、沖繩の返還があった場合には、この基地はその任務でアメリカが使おうとするんだ。だから、私はあなたにいま事前協議の対象になるかと聞いておる。この問題としてお答え願いたい。従来までの解釈は別。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 将来の問題は別といたしまして、現在の状態におきましては、日米安保条約第六条による交換公文並びにその運営につきましては、いまお答えしたとおりですから、その事前協議の対象になる事項であるならば事前協議になる。これは前提が、内地の場合はいかがであるかというお尋ねでしたから、そういうお答えをしたわけです。

永末英一民主社会党

○永末委員 外務大臣、事前協議の対象になる事項であるならばとあなたはおっしゃる。いまの時点で、判断として、これは事前協議の対象になるとお考えになりますか、なりませんか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 それはかたくななこととおとりになるかもしれませんが、本土の場合におきまして、そうして安保条約の運用上の問題をいま申しましたので、それ以上にはお答えできない。事前協議にかかわる事項ならば事前協議に当然かかってくる、現在の解釈、運用は、当然そういうことであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 いま同じ政府の防衛庁が、この基地は攻撃用の基地だ、そうしてその任務を認めた。そのものが、もし本土にアメリカ側がそれの配置を求めてきた場合に、もう一度それが事前協議の対象になるかどうかを考えるというのでは、おかしいじゃないですか。いまわれわれが一生懸命考えているのは、いまの沖繩の基地を一体政府はどう考えているかということを知りたい。その意味でお伺いしておるのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私のお答えは、したがって沖繩の問題は別として、本邦における安保条約の適用についてどういうふうにやるのかというお尋ねですから、そうお答えしたのであって、沖繩における基地の態様等についての考え方というものは、まだきまってない、これは私は別の問題だと思うのであります。ですから、そういうお答えをせざるを得ないわけです。

永末英一民主社会党

○永末委員 まことにお答えは不十分だけれども、ひとつそれはそのままおいておきまして、次に進みます。  佐藤総理は、この予算委員会で、沖繩の基地の性格について防衛的な基地である、攻撃基地ではございませんということを二回にわたって申しました。防衛庁長官は攻撃基地であることをお認めになった。同じ政府で総理大臣の言うことと防衛庁長官の言うことと違いますね。防衛庁長官、総理の判断は間違ってますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 御承知のとおり、沖繩の基地はわが国及び極東の平和と安全のためのいわゆる戦争抑止力を形成しておると、私たちは考えております。この間総理がこの席で、沖繩の基地を防御的な基地と言われましたのは、大局的、政治的な判断として、アメリカは、すなわち米国は侵略的意図を持っておるのではないことと、日本及び極東の平和と安全を確保するために米軍がこの沖繩におることによって外国の侵略の意図を未然に防ぐ、こういう沖繩の基地の重要性、すなわち戦争抑止力としての機能の重要性をとらえられて防御的基地、こういうように言われたものと私は解しております。

永末英一民主社会党

○永末委員 あなた、抑止力の概念と防御の概念とをわざと混同しておっしゃるようでは、問題がこんがらがりますよ。抑止というのは——もし抑止ということばと防御とが同一だなんと言うのなら、あなたにはアメリカ大陸にあるミニットマンの基地は、あれは防御基地ですか。西太平洋に配置されておるポラリス潜水艦、それは防御用のものですか。お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 あのときの総理のお答えは、私が先ほど申したように、大局的、政治的の判断として戦争を未然に防ぐための抑止力だ、そこにみずからが攻撃をやるという意図はないということを強調されて言われたもので、私が先ほど御答弁申したのは、いわゆる軍事常識としての攻撃的の基地かどうかということでありましたから、軍事的用語としてはそういうことがいわれると言うたのでありまして、総理の意味は、いわゆる戦争を未然に防ぐ抑止力である、こういうことをあのときも強調して言われておった、そのことも私は聞いております。

永末英一民主社会党

○永末委員 防衛庁長官が総理の意思をそんたくしても、一ぺん総理に来てもらわぬとわかりませんね。防御基地といえば防御基地、攻撃基地といえば攻撃基地だ。抑止力というのは、その本体が攻撃基地なんです。攻撃用の兵器を持っておるということが、核戦略時代においては抑止力として通ずるであろう。全然話が違うわけです。これは防衛庁長官がそんたくしてもわかりませんから、委員長、適当な機会に総理の答弁を私はこの件について求めます。委員長はどう処置されますか。

田中龍夫自由民主党

○田中(龍)委員長代理 永末委員に申し上げますが、本件は、これから後の総括質問において総理が当然出席されましたときに答弁の機会があります。その機会におきましてこの問題を明確にしたらよろしい、かように存じますが、どうですか。

永末英一民主社会党

○永末委員 委員長、いまあなたのおっしゃったことは、私に発言を許すということですね。

田中龍夫自由民主党

○田中(龍)委員長代理 永末委員に発言をお許しいたすか、その点につきましては、後ほどの理事会で詳細検討いたします。

永末英一民主社会党

○永末委員 許すか許さぬかわからぬなら、引き下がるわけにはまいらぬ。総理を呼んでください。明らかに同じ内閣で防衛庁と意見が違うじゃありませんか。沖繩の基地の性格は重大な問題だ。総理を呼んでください。

田中龍夫自由民主党

○田中(龍)委員長代理 じゃ、あらためて申し上げます。持ち時間の中におきまして、永末委員の関連質問を明日許可いたします。

永末英一民主社会党

○永末委員 それでは、この問題についてはわざわざ総理の御出席をわずらわすことは、私も差し控えておきます。委員長のおっしゃったとおり執行してください。  さて、現在明らかになりましたように、沖繩の基地は、その主たる任務を攻撃的にアメリカ側は使用しようと考えている。わが本土におきます基地は、アメリカの判断によりますと、その主たる任務は補給ないしは訓練であるといわれておる。そうしますと、沖繩の基地とわが本土にあります米軍基地とは、その主たる任務において性格は異なると私は判断をいたしますが、政府はどう判断されるか、外務大臣。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 こうした点におきましては、ちょっとお答えをはずれるかもしれませんけれども、今後の日米間の話し合い等におきましては、現に沖繩の地位に対してアメリカ側がどういうふうな考え方でこの基地を活用しているかというようなことにつきましても、私どもとしてはまず十分の理解をすることが必要ではないか。要するに、わがほうからすれば、日本及び日本を含む極東の安全に寄与する体制が、本土になりました場合の基地に対して期待する役割りではなかろうかと私は思いますから、そういう辺のところを十分理解し、私としても心証を得るまでは、軽々に私の意見をまだ申すべきではないと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 外務大臣の御答弁は、非常に慎重なんだ。ところが、あなたのほうの外務省の内部では、沖繩の基地というのは朝鮮半島や台湾地域に対してきわめて大きな攻撃用の支援基地としてアメリカは考えておるということを前提にして、基地返還時における沖繩の基地の態様については、少なくとも朝鮮半島や台湾地区に対して自由な行動ができるような形でまとめたい、何かそういうことを総理大臣も国府の大使に申し述べたがごときことが伝えられております。それではあなたの言っていることとあなたの中でやっていることと違うじゃありませんか。いまの沖繩のこういう基地を、そのまま何らかの形であなたは沖繩返還時のアメリカの沖繩の基地について認めようなんていうような魂胆があるのですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これがまさにいわゆる基地の態様の問題であって、これについては十分真剣に、まだまだ私としても検討いたしたいと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 あなたは慎重というけれども、ぼろぼろ何べんも出ていますよね。外務省の有力筋によればとか、あるいはまた外務省のあるところでは——そういう世論操作は、下田さんの問題も同様の問題なんです。下田大使という一個人の見解ではないが、外務省筋といえば、あなたの所轄下においてそういうような企てがあると国民は承知せざるを得ない。そういう悪質な世論指導はやめてもらいたい。外務大臣、答弁。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 午前中も私申しましたように、言動等については今後十分に注意をいたすことにいたしております。

永末英一民主社会党

○永末委員 沖繩の基地が、沖繩の施政権返還が行なわれた場合、もしわが国がアメリカとの間の安保条約下にあった場合、いまわが国がアメリカと結んでいる地位協定は沖繩の基地に対して適用されますか、伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは先ほど来の問題でも関連をいたしますけれども、別段の取りきめをしないという限りにおきましては、沖繩もわが国の一部として完全な状態になるわけですから、安保条約及び地位協定がそのまま適用される、かように考えるのが自然であると思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 ひっかかるわけじゃありませんが、また特別の取りきめをしない限においては、それを言われますと、これを聞いている国民は、特別の取りきめをする魂胆だというふうにとりますよ。そうとっていいですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは何といいますか、仮定の問題でございますから、想像される問題として、いま永末委員がおっしゃるように、普通ならばというような意味で常識的におとりいただいてもけっこうです。要するに、別段の定めがなければ安保条約、地位協定はそのまま適用される、これは自然の形だと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 その普通の場合でなければという前提をいつもつけておるところが、政府の本心だ。われわれはそう思いますよ。いけません、それは。  ところで、本土並みということについて、もう少しこれは詰めなくてはならぬ問題がある。現在の沖繩におきます米軍の基地、これは沖繩における国有地、県有地、私有地、いろいろ所有権の形態は違いますが、アメリカがこれを使っておる。その使う使い方について、たとえば琉球政府との間に、あるいはまた個人との間に、どういう契約関係になっておるか。一番のポイントは、わが国の本土の場合には、防衛施設庁が窓口になって契約を取りかわしておる。沖繩はそうではないわけだ。本土並みというならば本土におけるごとく、少なくともこれから一体化をはかるというのなら、本土政府はアメリカ政府と交渉して、沖繩のアメリカが使っている暗事基地の契約形態について、本土と同様な形態に整理をすべきであると私は思う。この点についてお答えを願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは二つに分けてお答えしたいと思いますけれども、法律的にいえば、先ほどの仮定という前提は別にいたしまして、そういうことがなければ地位協定も適用されるのが自然である、私はそれで一つのお答えだと思います。  それからもう一つは、しからば現在は本土と異なった契約関係、雇用関係あるいはその地あげればたくさんの例があると思いますが、これは現に本土とは違っておりますが、それを返還の時期に地位協定をそのまますっぽりやった場合に、事実上のフリクションとか調整を要する事項があるかどうかということにつきましては、十分円滑に処理ができるような方法を考えなければならない場合もあり得ようかと思います。しかし私は、地位協定というものがまあ別段の定めのない限り、すなおに本土と同様に適用されるようにするのが適当ではないかと思っております。  それからもう一つは、いま返還協定が、返還の交渉がこれから進もうとしておるときでございますから、まだそこまで具体的にいまから手をつけてどうこうというところまでは必ずしも考えられ、またテークアップされていない、これが現状でございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 あなたの政府は本土と沖繩の一体化ということを打ち出しておる。一体化という問題は、社会福祉や教育の施設や、それも重要でしょうが、一番重要なことは、基地によって沖繩県民が受けている人権侵害の事実だ。したがって、われわれは、基地というものをもっと制限して、アメリカの占領下といえどもそれをやることは日本政府の任務だと思う。しかるに、アメリカが占領ということを理由にして沖繩の基地を使用しておる状態について、琉球政府も知らなければ日本政府も知らない、こういう状態が続いたのでは、一体化ということは言えないと思う。この点について努力をすることは当然だと私は思います。外務大臣と総理府長官、答弁。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 御指摘になっているお考えは、私は御同感でございますが、しかし先ほども申しましたように、具体的な問題については本土一体化三年計画ということで進められております。これは総理府の所管でございますから、床次長官から御答弁願ったほうが妥当と思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 今日いわれておりまするところの一体化というものは、佐藤・ジョンソン会談の結果考えられて実施しておるものでありまするが、沖繩の施政権が返還されました場合におきまして、本土との摩擦を避け円滑に復帰ができますようにいたしたいという立場から、住民の生活、社会生活、経済等の態様につきまして、本土とのその制度におきまして、また水準等におきまして、これを同じように引き上げてまいりたいという趣旨においてできておるのでありまして、お尋ねの骨子と思いまするが、軍事基地というようなものに対しましては、これは施政権の復帰とともに考慮すべきものと考えておる次第であります。

永末英一民主社会党

○永末委員 外務大臣は、私の言うことに趣旨は同感だと言っている。総理府長官は、同じ政府の一部局でありながら、この問題は所管外であって全然考えない、こういうことですね。おかしい話だ。まあこれもまた総理大臣に聞かぬとわかりませんがね。  しかしながら外務大臣、問題点は、たとえば国有地、県有地の問題、水面使用の問題、さらにまた道路の問題これが本土の米軍基地とは全然違った態様で沖繩があるんだ、そのあることがきわめて沖繩県民に対して日常生活に不便を与えている、この事実は外務大臣お認めになりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まず、私床次長官と考えが違うわけではございませんことをお断わりいたしておきます。つまり、私が申しましたのは、永末委員のお考えになるその発想、そのことを申し上げて御同感だと言ったわけでございます、ただいま床次長官からも御答弁ございましたように、まず本土一体化という計画をいま一生懸命具体的に進められておるわけで、そのときにはいま御指摘になったもう一つの面はまだ取り上げられていない。さらに私が申しましたのは、返還ということがきまりました場合も、その別段の定めとかなんとかいうことを離れまして、地位協定が適用されるというのが自然の姿になる場合におきましても、具体的には、いまおあげになりましたような、いろいろその他にも公共企業体といいますか、パブリックユーティリティーの使用の方法その他においては、私は、技術的に相当返還に伴い地位協定を日本本土と同様にやっていくためには、いろいろの複雑で、多少時間のかかる問題もあろうかというような私の想像をも加えて申し上げたわけでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 非常に時間がかかるのです。したがって、私が申し上げておるのは、ともかく現政府が沖繩の返還を主たる目標にしながらその施策を進めるについては、施政権返還前といえども、いまのような整理をアメリカ側と交渉すべきだ、その交渉する意図があるかどうか、これを伺っておるのです。お答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは私は、ただいま床次長官から御答弁がありましたように、まずいま一体化としてきめ得るようなこと、またきめたことでも具体的になかなか進まない点もございますから、それを片づけていくということが着実な行き方であると思います。しかしお考えになっているような趣旨は私には理解できますということを申し上げて、御答弁といたします。

永末英一民主社会党

○永末委員 外務大臣、やらなければいけませんよ。あなた、いまの答弁は、やらぬということですよ。やらぬということは、あなた方いかに沖繩施政権返還に熱心であるかのようなふりをされても、実体的にはやってないということになりますよ。一番重要な問題はこの問題ではありませんか。その他の問題は、いろいろ問題はございましょうが、予算でもって措置し得るような問題は、あした返還があってもすぱっとやれるわけだ。この問題はアメリカとの交渉問題だから、だからいまから準備をしなければ時間のかかる問題。いまから準備をしないということは、返還時において、沖繩の基地についてわが国の国益にマイナスの効果を与えるようなことをあなた方考えていると私は見ますよ。もう一ぺん御答弁。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 こういう問題は、他の委員会でも御論議があるところでありますけれども、現状以上に沖繩の人たちの利益を害するというようなことは考えていないことは当然過ぎるぐらい当然でございます。私は、先ほどから申しておりますように、あなたのおっしゃるその基本の考え方というものにつきましては御同感でございますと、ただいまはそれを申し上げておくにとどめたいと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 幾ら伺っても、やるという意思がないのですから、先ほど私が解釈したとおり、あなた方の誠意をどうも一〇〇%信用するわけにまいらぬ、このように私は思います。  さて、沖繩返還の時期はことしの秋にきめたい、こういうことでありますが、その返還の時期をきめるときには、いまのような問題をはらんでいる基地の態様についても同時に決定をされる御趣旨か、伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 返還の問題につきましては、基地の態様ということについて少なくとも大筋の考え方、これを返還交渉に当たるときには私どもとしても十分考えていかなければならないと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 十分考えるのだけれども、私の伺っておるのは、これだけの国民が心配しておる問題だ、したがって、時期はきめるが基地の態様はそれからだというのであっては、沖繩の問題の解決にならない。そこで時期の決定と基地の態様に対する日本政府の要求の決定ということは同時でなくてはならない。そこまでやはり詰めなければ沖繩問題は解決しない。したがって、同町に決定される覚悟で交渉をお進めになるかどうか、このことを伺っておるのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 考え方といたしましては同時に考え方を煮詰めていくという姿勢が私は必要であると思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 考え方に同意をされましたら、少なくも愛知さんですからその御意思をお持ちだ、私はこれは推測でどうもぐあいが悪いですが、何べん言ってもそういうお答えですから、そのつもりであなた方のやることを見ておりますから、さよう心得られたい。  沖繩返還後の沖繩防衛について、防衛庁長官は案を策定しつつありますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 沖繩返還後は、言うまでもなく、施政権が返還されれば日本の国土となりますから、わが自衛隊が、陸におきましても、海におきましても、空におきましても、まずわれわれが防衛の責任に当たらなくちゃならぬと思っております。そこで、もちろん安保条約を必要とするのでございますが、沖繩返還の態様がまだはっきりしておらぬから、われわれは寄り寄りそういうことを考えて研究はしつつありますけれども、どういうようなことになるという具体的なことは、現段階においてはまだはっきり申し上げるわけにはまいらない。

永末英一民主社会党

○永末委員 私どもは、沖繩の防衛について政府が案をつくって、そしてアメリカにぶつかる、こういう姿勢でなければ、アメリカ側の出方を見て考えるというようでは、アメリカはなかなか交渉に応じない、ここがぼくはポイントだと思う。さて、そういう構想がまとまったら、この件は国防会議にかけますね。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 もちろん、そういう構想がまとまれば国防会議の議を経たい、かように考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 将来沖繩の返還があった場合に、安保条約があれば地位協定と沖繩の基地の問題が発生いたします。  さて、私はここで、現在の本土のアメリカ軍基地について、いま百四十八カ所ございますが、このアメリカ軍の基地に対して日本側は、こういう目的でこの基地を使いますというぐあいに使用目的をアメリカが明示をしてこの基地を使わしておる、こういう形になっておるか、どう承知しておられるか、お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いま日本の本土にありますいわゆる米軍の施設及びその区域につきましては、たとえば演習場とかあるいは射爆場とか、そういったようなものについては、はっきりといろいろな使用条件が定まっております。けれども、普通のそういうあまり被害のおそれのありそうでないようなもの、現実的にいえば、たとえばいま王子病院、前は地図局でありましたか、そういうものは陸上施設として提供する、こういうことになっております。

永末英一民主社会党

○永末委員 そこに問題がある。陸上施設なんていうことで貸しておると、アメリカ側はかってに使用目的を変更する。大体使用目的がないのですからね。そこで王子のごとき問題が起こったわけだ。したがって、あなた方はアメリカと対等だと思うのなら、少なくともいま貸しておる軍事基地についても、目的をはっきりと限定しなければならぬと私は思う。その用意はありますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど言いましたように、射爆場とか演習場とか、そういったようなものは着々と使用条件を変えております。日米合同委員会におきましても、そういうようなものをいま整理しつつ検討する、こういうことでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 合同委員会の名前が出ましたが、これはこの委員会でわが党の麻生委員から、ちゃんと合同委員会の内容の議事録を出せという要求が出ておって、まだ出てない。合同委員会で決定されておる日米合意の中で、それぞれの基地について目的が明示をされていなければ困る。ところが、その目的は明示されておるかどうかは、われわれは外からはわからない。目的は明示されておりますか。お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど言いましたように、明示されておるものが相当ありますけれども、占領以来ずっときておるもので、明示されてないものがあるわけなんですね。それは普通の陸上施設というようなものでありまして、射爆場とかなんとか、非常に危険のあるようなものは、使用条件がだんだんと明示されてきております。

永末英一民主社会党

○永末委員 われわれは現在の安保状態を占領の継続だと見ておる、そこなんです。防衛庁長官、いまあなたがお答えになったが、それをひとつ本委員会に提出していただきたい。われわれは軍事基地の実態を知りたい。アメリカとの関係でどういうことになっておるか。それは目的を明示しておるかどうかということは重要な問題です。提示を願いたい。お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういう問題はひとつ検討していきたいと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 防衛庁長官は検討すると言いましたから、委員長、どう運びますか。出すつもりですよね。

田中龍夫自由民主党

○田中(龍)委員長代理 ただいまの永末委員の資料御要望に対しましては、理事会にはかりまして、お答えをいたします。

永末英一民主社会党

○永末委員 先ほど防衛庁長官は、占領中からの継続の基地についてはこの目的がはっきりしておらぬものがあるというような答弁をされました。現在、合同委員会で合意が成立する、最終末端で、それぞれの具体的な基地についての約束が成立をする、その約束が成立をするときの文書は一体どういう表題になっておるか。財産受け渡し書ということになっておる。アメリカ語で書いてあるそのアメリカ語は、トランスファー・オブ・プロパティということになっておる。トランスファーというのは、ある利益やある一つの物体が、ある人間から完全に離れて、そうして他の人間に移りますということが、このトランスファーということのアメリカ人が解釈していることばの意味なんです。ところが、安保条約なり地位協定では貸与するという感覚になっておる。貸与ではない。引き渡してしまっておるわけだ。ここに観念のわがほうとアメリカ側との違いがある。財産を引き渡してしまう、受け渡してしまう、こういう感覚だから、彼らは占領の継続だと考え、目的がぼんやりしておれば、なおさらかってにこれを使用してよろしいという感覚になるわけだ。こういう契約書であなたはやるつもりですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 少し誤解があるかもしれませんけれども、私、占領政策以来ということを言いましたが、それは普通の陸上施設で、あまり被害といいますか、危険のありそうでないものがそのままになっておるということを言ったのでありまして、だんだんと、そういう射爆場とか、そういう危険のありそうなものにつきましては、使用条件をはっきりきめておるわけなんですね。そこをひとつ誤解のないように。  それから、さっきの詳細な問題については、政府委員から答弁させます。

永末英一民主社会党

○永末委員 あなた、使用目的と使用条件と混同したらいけませんよ。射爆場とかなんとかとごたごたやっておるのは、それは条件の問題だ。飛行場だってそうでしょう、進入路をどうするか、こうするか。私は目的のことを言っている。  その目的というものがなぜあいまいになっておるかは、占領中からやっておるこの軍事基地の取り扱い、一番末端のところにおいて受け渡しという観念、引き渡しという観念でわが国土をアメリカに渡しておる、ここに問題がある。この根本的な観念を変えない限り、占領は続いておるとみなされてもしようがない、このことを私は申し上げておる。こういう観念でまだやるのかどうか、これを伺っておるのです。あなたの御答弁を願いたい。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎政府委員 先ほど問題になりました米軍基地の貸与の目的でございますが、これは……(永末委員「それはいいんだよ。いまのところだけ答えてくれ、さっき資料を出すと言ったでしょう」と呼ぶ)資料は、これまでに米軍に提供しておる基地について、目的が陸上施設というような一般的な目的で提供しているものと、使用条件を明細にきめて提供しております演習場、射爆場、こういった分類による資料は御提出できるかと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 防衛庁長官、資料のことはわかりました。  そこで、いまのように貸すというのなら、日米両政府が対等の立場で貸すというのなら、英語ならリースということばが使われるのが英米法の通常のことばです。リース、貸すということです。これは自分のほうにちゃんと権利があって、一時、テンポラリーにそれを相手方に使用を許す、こういうことが貸すという観念、リースですよ。ところが、わが国はこれをトランスファーといわれて、受け渡し、引き渡しという概念でこれを実行しておる。ここに安保条約の問題が私はあると思う。したがって、こういうことばをなお続けて使っていくのかどうか、この答弁をあなたにお願いしておる。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 私も合同委員会の関係をしておりますので、長官のかわりにお答え申し上げますが、いまの用語でございます。トランスファーという字でございますが、これは所有権移転の場合にも所有権のトランスファーということで使いますが、これは所有権の移転を必ずしも意味するものではございませんので、提供した施設の物理的の管理を移す、こういう意味でその字が使われておるという経過でございます。現在の安保条約、地位協定のもとにおいて、かりそめにもわが国の領土なり何なりを向こうに所有権を渡すというようなことは、条約自身からも出てこないので、いまの字の使用それ自体は、あるいはいまのままで差しつかえないのではないかと考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 二年前にわがほうの春日委員が、佐藤・ジョンソン声明について、沖繩の基地の英文の評価については、コンティニュー・ツー・プレーということは未来にかかわることではないかとただした。先ほども正木委員から同じ質問があった。東郷さんは一生懸命答弁しますけれども、問題は、わがほうがどう解釈しようと、アメリカ側がどう解釈するかというところに日米安保関係については問題があるのです。そこでわれわれはこれを問題にしている。コンティニュー・ツー・プレーという、コンティニューということばは、どんな英文の辞書を引いても現在から未来にわたる概念であることははっきりしているじゃありませんか。ある状態がそのまま続いていくのだということがコンティニューなんだ。いまのトランスファーというのは所有権の移転もあると言われた。これが本体なんだ。それは占領中にわがほうの基地を彼らが押えた、その観念が続いておるから、彼らはトランスファーと思っておるわけだ。しかし、われわれはそれを日本語で貸与といっている。それならば外務大臣は、いまトランスファーとしてやっているこの仕事をリースということばに変えるというつもりはないのですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 どうもリースとトランスファーということにつきましては、私も突然のことでお答えをできませんが、私はいまの政府委員の回答が正しいと思っております。

永末英一民主社会党

○永末委員 外務省がそんなかってに英語の解釈をやられて、外務省が英語辞典つくるなら知りませんけれども、普通の英語で、国民がこのことばで解釈していることを、われわれがそのまま受け取って——だからわがほうも貸与と書けないでしょう。受け渡し書と書き、あるいはまた引き渡し財産の云々ということばを、日本語でこの紙に書いておるじゃありませんか。そうではないじゃないですか。貸与なんだから、なぜ貸与という観念をわがほうでしっかりとアメリカに伝えないか、私はこれを申し上げておるのです。外務大臣、貸与ということだとわが国会に説明をし、国民に説明をするのなら、そのようにぴちっとやはりアメリカに対しても態度をはっきりすべきではございませんか、御答弁願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は慎重に取り上げたいと思いますから、よくリースなりトランスファーなりということばの使い方などを研究いたしますけれども、しかし、いままで政府委員が答弁いたしておりましたことは、それが政府の見解である、私はこうはっきり申し上げます。

永末英一民主社会党

○永末委員 政府委員の見解がそうあっても、だからこそこの軍事基地の問題がこじれておるのです。この軍事基地の問題を解決するためには、日本政府側が、これは貸与基地だと国民に説明しておるのなら、アメリカ側にもはっきりわかるように、行政行為の末端に至るまで統一すべきだ、このことを要求いたしておきます。  さて、この地位協定の問題として重要な問題は、わがほうはいまあるアメリカ軍の軍事基地についてこれを返還させたい、こういう意図をもちましても、現在の地位協定上ではアメリカ側に要請をし、再検討をしてもらって合意をする以外に方法はない。アメリカ側が合意をしなければ、いかにわがほうがそれを希望しても、要請をしても、実行できない。現在の地位協定上、わがほうはアメリカに軍事基地の返還を求め、あるいは縮小を求める権利がありますか、伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは若干法律的な問題になりますから、これも事務当局から的確にお答えすることが適当かと思いますけれども、私はこういうふうに理解いたしております。米軍は、日米安保条約に基づいて、施設、区域を日本の安全及び極東の平和と安全の維持に寄与することを目的として使用することを許されておるわけです。地位協定は、日米両国政府がこの目的のため必要な施設、区域に関する協定を締結すべき旨を規定しております一方、両国政府はいずれか一方の要請によってこれを再検討し、また施設、区域の返還につき合意することができること及び、右の目的のために必要でなくなったものはいつでもこれを日本側に返還するため、米国は施設、区域の必要性を絶えず検討すべきことを規定しております。これは御案内のように地位協定第二条第二項及び第三項。したがって、日米両国は従来から在日米軍施設、区域について常に検討を行なっております。政府は米国政府とともに今後とも絶えずこのような検討を行なっていく所存でございます。この地位協定によりまして私は従来、事が円滑に運んでおったと思いますし、最近も御承知のようにわがほうの希望がいれられて、五十カ所の返還その他がきまったということも御案内のとおりでございますから、私は支障は感じておりません。

永末英一民主社会党

○永末委員 承知して質問しているのですから、あまり御説明はせんといてください。  いまあなた、五十カ所の返還がきまったなんて、きまっておりませんよ。いま交渉中じゃありませんか。そうですね。交渉中でしょう。しかも、いまあなたがおっしゃったことを全部聞きましても、アメリカ側がうんと言わない限り成立しないということですよ。私が質問したのは、現在の地位協定上わがほうの判断によってアメリカの基地を返還せしめる権利があるかどうか、これを聞いているのだから、そのことだけお答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 両国は常に協議をして不必要なものは何どきでも米国は返すということを約束は取りつけてある、これが地位協定の現状であります。

永末英一民主社会党

○永末委員 その不必要な判断はアメリカ側がするというのが地位協定の精神ではありませんか。対等であるのなら、対等の貸借関係なら、わがほうは不必要と判断した場合に、わがほうの要求し得る権利というものがこの協定に盛られていなければならぬと私は考える。どこにありますか、お答え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほども読み上げましたように、御案内のとおり目的がきまっておって、米軍がその目的のために使用することを日本側から許されておるわけです。そして、その状況については常に両方が協議をするわけです。そして不必要なものはアメリカがいつどきでも返す、こういう約定になっておるのが地位協定でありますから、実質的には私は永末さんの御意見のとおりに運営されていると思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 愛知さん、あなたまたいま不必要と言われた。問題は、わが日本側が不必要だと判断をしても、アメリカ側が不必要と判断しない限り軍事基地の返還は地位協定によって求められないという姿になっておる。このことをわれわれはけしからぬと考えておるわけだ。そうなっているでしょう。わがほうが不必要と思っても、アメリカに対しては要請をし、再検討し、相談するだけじゃありませんか。何かの方法でぴしゃっとこれを、わがほうの権利を実現する手段というものは地位協定にありますか。あればお教え願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 くどいようですが、両国政府はいずれか一方の要請によりこれを再検討するのです。そして合意するわけです。協議をするわけです。そして、必要性を絶えず検討をする。そして不必要なものは返す。こういうわけでありますから、両国の何といいますか、関係というものはきわめて円満で、相互理解の上に立っておる。これが基本でございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 法制局長官、あなた法律の専門家だ。外務大臣みたいに、幾ら私が法律上の権利としてわがほうかアメリカに——わがほうが不必要と認めた場合に、アメリカの基地を返還する権利を実現する手続がこの地位協定にないとわれわれは判断する。幾ら言っても円満に円満に。円満にものごとがいくなら苦労しませんよ。法制局長官としてこの地位協定に、わがほうのそういう判断に基づく権利の実現がちゃんと保障せられる筋道がつけてあるかどうか、どうお考えか、お答え願いたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 お答え申し上げますが、ただいま外務大臣がおっしゃったことは、何といいますか、法律論そのものよりも運営論も入れてのお話で、むろんそれはそれなりでけっこうだと思いますが、要するに再検討を要請する、要請するということは一種の利益、わが方の利益のためにする行為であるということは言えますね。  それから、その上でさらに必要であるかどうか、必要がなければだめだというのは、両方が要らなくするということも実は同じでありますが、必要性の有無について、仰せの点は一体どちらの必要性の認定が一方的にきめ得るかということになれば、それは一方的にはきまらない。双方が合意をして、その点をきめることになるということを申し上げるのが筋道だと思います。むろんよけいなことでありますが、外務大臣は、その辺は相協力してやるんだということを強調されたわけだと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 法律的な見解を一点だけお答え願いたい。あなたの答弁でも、双方が不必要ということにならなければ、わがほうだけが不必要と判断しても実現しない。したがって、普通の貸借関係にあるような解除条件というものが、はっきり貸している側には担保されていません。これが地位協定だと私は思う。あなたはどう思いますか。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 ともかくも日本側の意見だけで、もうこれを述べればすぐにこちらに返ってくるというしろものでないことは明らかでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 NATO条約におきまして、フランスとアメリカは数個の地位協定を締結しております。この数個の地位協定の中で、通信網協定におきましては、一九五八年にすでにフランスとアメリカ合衆国とは、フランス側が通告をいたして一年でこの協定が破棄せられる、そういう条項を盛り上げております。一九六六以来、ドゴール政権の方針によって、アメリカ軍並びにアメリカ軍の施設がフランス領土内から撤去せらるべし、こういう交渉が行なわれた結果、現在これは完了いたしておりますが、一九六七年にはパイプライン協定もまた、この通信網協定にあるように、フランス国側の通告後一年にして協定が破棄せられる、このような新しい協定を結びました。これが対等の立場だとわれわれは思う。外務大臣はこういう協定の形にする意思ありやなしや、伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、私は地位協定の改定ということは考えていないのであります。  それから、ただいまのお尋ねは、外国の事実の問題ですから、これまた政府委員からこまかく御説明したほうがいいかと思いますが、私の承知しておりますところは、一九六六年三月に、フランスが米国に対して、翌年の四月一日までに米軍司令部及び米軍施設の仏領外への移転を要求した際に、米仏間に締結されていた従来の基地関係の諸協定が、いずれも一方の当事者の要求によって、ただいまお話のあったように自動的に廃棄し得る形とはなっておりません。この点は事実の問題でありますから明らかにしておきます。  それから、ただいま御指摘のパイプライン協定ができましたことは、これまた事実でございます。これはいろいろ米仏間にあります諸協定のうちで、仏領内におけるパイプラインの布設に関する協定のみは、六七年四月に新しい協定によって取ってかわられました。その新しい協定は、御承知のように、一年の予告によっていずれの当事国も廃棄し得ることを定めております。ところが、この協定は既存のパイプラインの維持管理をフランスの民間会社に委託することを定めたものでありまして、特殊なものでございます。したがって、これは米軍の駐留とは関係がない、こういうのが事実関係であると承知いたしております。

永末英一民主社会党

○永末委員 事実関係の中で、あなた一つ間違いがある。通信網協定は一九五八年十二月八日に締結をせられて、そうして、フランス、アメリカ両国が協定の修正等について協議を行なって一年以内に合意を達成できない場合には、さらにその一年後の経過後に終了するということがこの通信網協定の第九条に明記をされている。あなたはそれもないようなことをおっしゃった。御訂正願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この通信網協定というのは一九五八年でございますか、いま私申しましたのは、シャトロ補給処協定、空軍基地協定、米軍司令部協定並びにパイプライン協定のことを申し上げたのでございまして、通信網協定につきましては、私は言及いたしておりません。

永末英一民主社会党

○永末委員 愛知さん、私は数個の地位協定と申したのであって、全部を含んで申し上げた。ところが、あなたは私の言っておることが間違いかのごとく言われるから、それはいけませんね。ちゃんとそれがあるんですから。  そこで、あなたは、地位協定の改定の意思がないと言われた。法制局長官は、わがほうの権利がいまの現行地位協定では完全に一〇〇%担保せられる形になっていない。これは愛知さんが言われるように、相手方の合意というものが前提になってこれを運用しているわけでしょう。それでもあなた、わが国の国益を主張すると先ほど佐藤さんだいぶ大きな声を出しておられたが、国益を主張するなら、この地位協定をせめてフランスが行なっているような形に対等の立場にするという意思はないのですか、佐藤内閣には。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 フランスの例もお引きになりましての御意見でございますが、フランスにおきましても、いま私が読み上げましたような地位協定の本体といいますか、日本のちょうど同じような種類の問題につきましては、同じような協定が結ばれている、これは事実でございます。私はあなたのおっしゃったことを間違いと申したことはございませんので、先ほどの通信網協定については私は触れなかったわけでございますが、他のものについては先ほど御説明申し上げたとおり、これで先ほど申しましたように地位協定は改定しなくとも十分目的は達し得る。たとえば、私が例を上げたら、それはまだきまっておらぬぞというお話がございましたが、五十ばかりのいわゆる施設区域の返還、共同使用、移転につきましては、両方当事者で合意はいたしておるのであります。ただ、具体的にこれは現在のいわゆる基地からいえば、面積にすれば半分になるわけです。数からいっても三分の一以上でございますから、実際この具体的な処理には相当のお金もかかりましょう。あるいは移転の場合には、先般来問題になっておりますような問題もございましょう。いろいろの点からいいまして、なかなか具体的に進んでおらぬ面もございますから、そういう意味で未解決だとおっしゃると、私もそのとおりと申し上げざるを得ない。しかし、基本は合意いたしておりますことを念のために申し上げておきます。

永末英一民主社会党

○永末委員 先ほどあなたの御答弁の文脈では、返還が合意したかのごとく言われたから、内容は返還だけでなく、移転もあれば縮小もあるし、共同使用もあるわけであるから、継続中だという私の判断を申し上げた。地位協定の改定について御賛成いただかないのは、民社党として、はなはだ遺憾に存じます。御研究を願いたい。  さて、愛知さんは、ことしの施政方針の演説の中で、わが国の防衛と安保の関係について、このように述べられました。「わが国が必要かつ可能な自衛力を保持するとともに、その足らざるところを補い」「日米安全保障体制を堅持する」こういう表現をとられた。佐藤総理は、この予算委員会でも、自衛力を持ち、それを補完する意味で日米安全保障条約を結んでいる。何かわれわれの防衛がまずあって、補完する役割りが安保条約であるという見解が現在の佐藤内閣の公的見解のようにことしから言われ出しました。  ところで、四十一年の十一月二十九日に決定せられておる、これは佐藤内閣が決定した第三次防においては、日米安全保障体制を基調として有効な防衛力を持つ、こういう形になっておる。違うでしょう。この二つが私は違うと思う。あなたはどう思いますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まあ、これは御批判は御批判といたしまして、私は、基本的な考え方は違わないと思います。まさに私が申しましたように、必要かつ可能な自衛力を保持する、これは私は当然な国家の基本政策ではないかと思いますが、それだけでは不十分でありますし、それから申すまでもございませんが、わが国のユニークな平和憲法、こういう点も考えてみまして、一番基本の、戦争というようなものがほんとうに起こらないように未然に防止するという角度から申しますれば、日米安保体制というものが必要である、こういう考え方を申し述べたのでありまして、これは佐藤総理も全く同様の考え方である、こういうふうに考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 私は変えてきたのだと思うのです、あなた方の考え方を。わが党が昨年以来、自主防衛を主軸として、安保条約はこれを補う、こういう主張をいたしましたので、あなた方は、これはぼちぼち民社党の考え方を少し入れなければあぶない、こう思ったかどうかは知りませんが、ことしからそういう言い方に変えてきた。しかも、これを一緒だと言う。一緒じゃありませんよ。全然違いますよ。全然違うところをこれからひとつ論証しましょう。違うのですよ。  それでは防衛庁長官、一体あなたは、外務大臣の言うことをそのまま信用しても、日米安保条約で補うんだと、こう言うのですが、アメリカに対して一体どういう支援を期待しているのですか。これを国民の前に明らかにしていただきたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私どもは、国防の基本方針にのっとって、日米安保体制を基調としながら、防衛に……(永末委員「基調としておるでしょう、あなたは」と呼ぶ)そういうことになっておりますが、しかし、これをもう少し端的に言いますと、通常兵器による局地戦以下の侵略に対しましてはわが防衛力をもってこれに当たって、そして足らざるところはアメリカに救援を頼む。しかし、日本は御承知のとおり制約がございます。核は持たない方針、また海外派兵はできない、こういうことになっておりますから、日本を守るために相手の基地でも襲わなくちゃならぬというようなときは日本の防衛力としてはいけない。そういうところをアメリカ側にになってもらう。これはどちらかというと、日本はアメリカに依存せざるを得ないという立場ですね。そういうところにおいて、アメリカの力というものをわれわれとしては期待しなくちゃならぬ、かように思うのですね。

永末英一民主社会党

○永末委員 核の問題は本日はひとつ割愛をして、別のところでしっかり論ずることにいたします。核を別にしたことで、ひとつ国民に具体的に明らかにしていただきたい。  そんな、通常兵力による局地紛争という十年一日のごときことばだけで、国民がこの五千億にのぼる予算を見る場合には理解できないですよ。了解できない。中身についてお答え願いたい。あなた方が期待している根拠というのは何ですか。どういうことを根拠にしてその期待をしているのですか、伺いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これはどういう根拠とおっしゃるが、意味がわかりにくいのですけれども、われわれは、日本の平和と安全を守るために、アメリカと安保条約を結んでその抑止力としていきたい。こういうことですね。

永末英一民主社会党

○永末委員 あなたは——先ほど抑止力と攻撃、防御の概念が違うということを私は申し上げたでしょう。根拠というのは、それは日米安全保障条約や前の前の佐藤・ジョンソン共同声明みたいなものを引っぱられることもありましょう。そんなことを聞いているのじゃない。通常兵器によるわが国への侵攻について、わがほうがアメリカの支援を期待するとするならば、空についてはどうか、海についてはどうか、陸についてはどうかということを、防衛庁長官としては国民に明らかにする必要がある。お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そのときの通常兵器における局地戦といいましても、そのときの態様によりまして、あるいは空に力を大きくかさなくちゃならぬ場合もあろうし、あるいは海に力を多くかさなくちゃならぬ場合もあろう、さように思いますから、そのときの態様によって変わると思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 そのときの態様によってなんというような——防衛庁長官、あなたは防衛の責任者だ。わがほうが持っておる海上の力というのは、ちゃんとはっきりしておるじゃありませんか。年々の予算でつくってきたものが力だ。空にしたって、ファントムを買おうというでしょう。それが力だよ。空があんな激しくなったら対応しよう——対応できっこありませんよ。いまある力で対応するしか方法がないんだ。陸だって同じじゃありませんか。妙なことを言いなさんな。いまあるわれわれの空の力、F86Fはダウンしていく。104もダウンをしていく。しかも二十億円でファントムを買う。これが対応する力だ。それはもう限定されたものだ。それに対して一体アメリカはどういう支援をしてくれると、あなたは期待するのなら何を根拠にしておるのか聞きたい。海の場合でも同じだ。そこを聞いておるのですから、お答えを願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど来言いましたように、通常兵器によっていくものは、われわれの力によって一応やっていかなくちゃならぬ。しかし、そのときの相手の出方といいますか、力というものは、いろいろ変わってきますから、そういう大きな力のときはアメリカに依存せざるを得ない、こういうことですね。

永末英一民主社会党

○永末委員 わが国におけるアメリカの陸上兵力は、作戦部隊としてはほとんど皆無に近い。航空兵力もごく数個の戦闘機団しかないわけです。それが現実だ。そういたしますと、わが国にもし有事の場合にはアメリカが支援するとしても、時間がかかるわけだ。その時間を一体どのぐらいに算定しておられるのか。それをがんばらなくちゃならぬというのなら、一体それをがんばるだけの弾薬を持っておるのか。車両や飛行機や、あるいはまた艦艇に使用される油の保有量はどうなっておるのか。弾薬と油の保有量が何日もつか、言ってごらんなさい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 弾薬や油は、いまはそういう差し迫ったときとは思っておりませんので、いざというときには十分これを整えるだけの用意はあります。

永末英一民主社会党

○永末委員 イスラエル、アラブ戦争の戦訓を見ても、早いのですよ。チェコに対するソ連軍の侵入を見ても早いのだ。いざという場合に油をどうやってつくりますかね。アラジンのランプで魔法の神さんでも呼んできてつくりますか。油をつくる打ち出の小づちや、あるいは弾薬をつくる打ち出の小づちをお持ちであるわけではないわけだ。だからこそ、国民にこれだけのものを持たねばならぬとあなた方が示されるのなら、それは国会でみなが審議をして、どの程度持たねばならぬかという判定ができる。ところが、いまみたいに、いまは平和だから何も来ないだろう。来るときには準備できるはずだ、こんな答弁では、一体、この予算をオーケーとわれわれが承認したいと思いましても、基準がないでしょう。油と弾薬を幾ら持っているのですか。現在の状態で直接の侵攻があった場合に、何日一体これに対して抵抗できるのか、お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これは幾ら持っておるということは、政府委員をして答弁せしめますけれども、われわれは、そういう有事のときにはしっかりとやるという、これはもうそんなに御心配はかけないようにします。

永末英一民主社会党

○永末委員 その程度しかあなたはお答えになれないのだということだけで、こんなことでは、国民はこの予算を見るについてきわめて不満足だ。これを聞いた人はみな不満足に思いますよ。何も相手方があることだから、三日半しかもちませんなんというようなことは言う必要はありませんよ。私は不十分だと思うから言っておる。その点は、あなた方の防衛努力が足らぬよ。防衛努力が足らぬということは、国民に対して実態を明らかにする努力が足らぬということですよ。この点ははっきり銘記をしていただきたい。  さて、一体、この自主防衛を考える場合の重要な問題として、経企庁長官、一体有事の場合に、わが国は海洋国家ですから、いろいろな物資を輸入しなければわが国の経済はささえられない。経企庁としては、有事の場合に一体どれくらいの量をわが国が輸入しなければならぬと考えておられるか、このことをひとつ明らかにしていただきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 有事の場合というのは、それはいろいろ外国が攻めてくる場合、日本が防衛する場合、日本が攻撃する場合とか、いろいろ意味があると思いますが……(永末委員「いや攻撃しないですよ」と呼ぶ)そこで、有事ということばの中にはそういう意味があると思うのですが、しかし、私のほうでは、有事ということは考えておりません。私どもは、あくまで平和の原則というたてまえから、経済上のいろいろの政策を立てておるわけであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 経企庁長官、あなたは重大なことを言われたから、お取り消しになったほうがいいです。日本が攻撃する場合、お取り消しになりますね。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、有事ということばの中にはそういう意味があるということを申し上げたので、何も日本が攻撃するということを言うた意味ではありませんから、さよう御承知を願いたい。

永末英一民主社会党

○永末委員 それは速記録に残ったままだ。そこで、経企庁長官は、その有事なんという場合は、経企庁としては全然考えてないということですね。もう一ぺん確認しますからお答え願いたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 有事の場合は経企庁としては考えておりません。あくまでコマーシャルベースでいろいろ計画のことも考えておるわけです。

永末英一民主社会党

○永末委員 現代政治の、経企庁長官、あなたは経済を取り扱っておられる。いまの政治に対して国民、特に若い層が一番不信の念を持っておるのはそこなんだ。すべての政治がコマーシャルベースで行なわれるということであっては、やはり日本民族のこれから未来に対する進み方、どうあるべきかと考えている国民、特に若い層にはピンときませんよ。あなたは経済の専門家だが、ただし、経済の専門家でも、こういう問題は経企庁が考えるべき問題だと私は思う。  運輸大臣、あなたは船のことが専門ですね。船はあなたの所管だ。いま経企庁は考えてないというのだけれども、あなたのほうはいま一日八十万トンくらい入っているけれども、それを一体どれくらいないとあぶないなとお考えか、これを今度はひとつあなたから伺いたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 昭和四十三年十二月現在で、わが国の外航船舶量は一千百三十七隻、約一千七百一万トンに達しております。運輸省といたしましては、その就航航路等を十分危険のないように海上保安庁にやらしておる、こういうことでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 船舶の保有はわかりましたけれども、危険がないように海上保安庁というと、自衛隊は要らぬみたいですね。危険があるかないか、これはたいへんな問題だ。これはあともう一ぺん聞きますから……。  さて、いまの経済企画庁長官は国防会議の議員なんですね。国防会議は、防衛庁設置法で、防衛計画の大綱の計画に関連する産業間の調整計画の大綱、これがちゃんと国防会議でやらなくちゃならぬ仕事として明記せられておる。ところが、いまの経企庁のように、これは経企庁の歴史かもしれませんが、そんなことは考えたことがないという。法律に書いてあるにかかわらず、これは考えたことがない、こういうことになります。  そこで、これの庶務的な責任者である官房長官、一体、国防会議というものは、防衛庁設置法六十二条の二号の三にございますこのことを一ぺんでもやったことがございますか、お答え願いたい。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 産業等の調整計画の大綱のことをおさしであろうかと思いますが、そのことに関しましては、まだ国防会議の議題として取り上げられていることはないように承知をいたしております。国防会議の事務局においては基礎的な研究をいたしておるように承知をいたしております。

永末英一民主社会党

○永末委員 やったことはないのですよ、官房長官。だから、あなた方の政府は国防に怠慢なんです。怠慢だから、国防予算、防衛予算というものは国民にわからない。  さて、運輸大臣、あなたはさっき、船団の安全について海上保安庁がと言いましたから、海上自衛隊には期待をしておられないのですか、お答え願いたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 就航航路等は防衛庁に随次連絡しておりますが、特に船団護衛等について要請すべき具体的な計画はございません。しかし、永末さん御存じのとおり、われわれは海上における治安を守り、財産を守り、海難を救助するために、北は小樽から南は鹿児島まで、十管区の本部におきまして、海上保安庁の職員はできるだけがんばっておるということは御存じのとおりだと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 経企庁はこれを考えず、運輸省もそんなことを考えたことはない、こう言うのですが、しかし、海上自衛隊の主たる任務として外航護衛ということが明記せられ、その名目によって護衛艦をつくるということで、年々国会には予算を請求しておられるわけだ。おかしな話だと私は思います。一体、外航護衛ということを防衛庁は真剣に考えておるのですか、防衛庁長官、お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 御承知のとおり、わが国は鉄鋼石にしましても原油にしましても、海外に依存しておるわけでございますから、有事の際、いわゆる国際的の混乱が起こったときは、海上護衛、いわゆる船団護衛といいますか、それは当然海上自衛隊の任務の一つでありますから、やらなくちゃならぬと考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 先ほど運輸大臣は、四十三年度末のわが邦船の三千総トン以上の船舶の保有量を言われました。昭和三十七年度は一〇〇として、昨年末はまさに二八一、三倍近くになっておる。ところが、防衛庁が、いまおっしゃった船団護衛とか、外航護衛のために保有しておる護衛艦の船腹は、三十七年六万九千三百トンであって、それからほとんど動かずに、山谷はございますけれども、ほとんどそれをそのままずっとやってきて、三次防が終わるときにも六万六千百トンである。そうしますと、これだけの材料から見ますと、護衛をされるべき船腹は大いにふえておる、護衛するほうの船は、質は変わっておりますよ、それは承知しておりますが、ひとつも船はふえてない。これじゃ一体あなたのほうが真剣になって外航護衛を考えておるとわれわれには思えない。お答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 もちろん日本のいまの護衛艦は十分とは申しませんが、実はいままでの多くのものはアメリカからもらったり何か、そういう古いものがたくさんあったわけですね。それがだんだんと改善されて、いま新しい護衛艦をつくりつつあるわけでございますから、トン数におきましてはあまりふえておりませんけれども、内容におきましては相当力が出つつある、こういうことでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 実態問題として、外航護衛は、きわめてあいまいだと思います。  さて、法制局長官、このあいまいな問題の原因の一つに、法制上、外航護衛ということが一体どうなっておるのかということがあいまいだ、これも一つの原因だと思うのです。そこで、あなたにこの際この辺の関係をはっきりと伺っておきたいと思いますが、その前に、防衛庁長官に、外航護衛をせよということを海上自衛隊に命ぜられる場合、これは一体どういうときですか。作戦命令を与えられるのですか、伺いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 そういう事態、外航なり船団の運航が非常に危険だというようなときにはやらなくちゃならぬと思いますが、私は、まだお聞きになってないのか、お聞きになろうとされておるのかもしれませんが……。

永末英一民主社会党

○永末委員 聞いたことだけ答えてください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 それじゃいま申したようなことでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 私が聞いておりますのは、自衛隊法の八十二条による海上警備行動というのが外航護衛に当たるのか、それとも七十六条による防衛出動の内容として外航護衛を作戦行動として命じられるのか、ここを一ぺんお答え願いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いまの警備活動ですね。これが延びていくと、かように思っています。

永末英一民主社会党

○永末委員 あいまいでありますが、海上警備行動が、これが外航護衛だ、こういう防衛庁長官の御答弁、それでいいですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 具体的になれば、そういう非常な危険にさらされるようなときは、両方の場合があると思いますね。いまの警備活動でいく場合もありましょうし、また出動というとちょっと誤解ができるかもしれませんが、そういういわゆるコンボイのために特別に行く、こういう指令を出さなければならぬ場合が出てくると思います。   〔田中(龍)委員長代理退席、委員長着席〕

永末英一民主社会党

○永末委員 私の聞いておるのは、法文上はあなたは両方だとおっしゃったが、それは戦闘を予定して——コンボイするのですから、戦闘を予定してなくては外航護衛を命ずるわけにまいらぬはずだ。したがって、それを予定をしながら送り出すのかどうか、その決意を持って送り出すのかどうか、これをあなたに聞いておる。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 御承知のとおり、日本は海外派兵はできませんね。いわゆる海外派兵というものは武力行使ですね。武力をもって相手の領土あるいは領海に侵入していくという、いわゆる武力行使なれば、これはわれわれはできない。しかし船団護衛というものは、これを護衛していくものであって、別に武力行使を目的としていないというのだから、私はいいと思いますが、こういう法律のことは、ひとつ法制局長官にも御答弁を願いたいと思うのです。

永末英一民主社会党

○永末委員 いま外航護衛船団、護衛については護衛艦がわが方の船団を護衛していくことはよろしい、こういうお話があった。これまで公海における護衛艦の活動の態様については、この問題はなかなかはっきりいたしておりません。そこで法制局長官、公海において、いまのように防衛庁長官が命令して外航護衛ということで動いていく、これは一体、従来国会で問題になった海外派兵に当たるのか当たらぬのか伺いたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 お答え申し上げますが、海外派兵という用語、必ずしも明確だとは言えないと思います。しかしいままで、海外派兵というのはこういうことであろうということは、しばしばいわれております。ただいまも防衛庁長官がおっしゃいましたが、たとえば、武力行使を目的として外国の領土、外国の領海に入るというのが海外派兵ということばである、あるいは武力行使を目的として外国に侵入することだというようなことを言ってまいりましたが、そういう意味の場合に、常に公海というものは問題になっておらない。私は、前にも永末さんが御議論になったそうでありますが、公海においては海外派兵という問題は特段の問題として出てくることはないというふうに考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 船団護衛、外航護衛中に正体不明の潜水艦を探知する能力を護衛艦は持っております。その場合に、時間がたってもなお接触をしておる、このままでは撃たれるかもしれない。その場合に、その条件は外航護衛をしているのですから、外航護衛をしなくてはならぬ、そういう状態に日本国がなっている場合、あっちは正体不明である。これを撃沈することができますか、お答え願いたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 私がお答えするのが適当かどうかわかりませんが、とにかく船団護衛をしている、そこに正体不明のどこかの——これは軍艦でございましょうね。

永末英一民主社会党

○永末委員 潜水艦です。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 潜水艦、それが追尾をしておる、あるいは周辺をうろついておる、それだけで軍艦を撃ち沈めてよろしいかということになると、どうもすぐ直ちによろしいというわけにもいかぬのではないか、やはりそれがその船団に対して武力行使を加えてくるという——これは着手がどこかという問題がありましょうけれども、そういう武力攻撃をということなしにその潜水艦を沈めることができるということは、私は言えないと思っております。

永末英一民主社会党

○永末委員 あっち側が撃ってきて、現実に被害が起きなければこっちは撃っていけない、撃つことはできない、これが法制局長官の解釈ですか、伺いたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 ともかくも先ほどの御質疑が、追尾をしているとか、周辺をうろついているということでございましたので、それではどうも、だからといってすぐ撃ち沈めることができるというふうには考えませんけれども、自衛権の発動の要件として武力攻撃が加えられるということがあれば、——要するに武力攻撃に着手しているわけですね、先方が。そういうことは、実際の認定はなかなかむずかしいものだと思いますけれども、そういうことがないのに、こちらから武力攻撃を加えて撃沈をするということは問題であろうと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 わが方の潜水艦探知能力も非常に発達してきております。そこで船団護衛をしているような状況下において、正体不明の潜水艦が追尾をする。そうしてその進行速度等ははっきりとわが方の護衛艦にわかる。それがあちらから攻撃し得るある射点に達し得る、あるいはこちらの通信機能が発達をして、すでにわが方を目標にして発射用意をしておる、このことが知れても、現実に撃たれない限り、わが方としてはこの潜水艦に対して攻撃を加えることができないというのが、あなたの解釈ですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 おそらくそうなりますと、もう少し場合を分かって考えていかなければいかぬと思います。たとえば、わが国に対する武力攻撃があった、そうして防衛出動が命じられた。そういう状況下で船団護衛をしている、そういう場合に、その船団に対してもう必然的な攻撃を加えられることは客観情勢から明かであるという場合には、これは武力攻撃がなくたって、そういうことである限りはむろんこれに対して攻撃を加えてもかまわないと思います。ただし、わが国に対する武力攻撃がないのに、つまり防衛出動が行なわれていないのに船団護衛をしているというようなことも、これは実際にあるかどうか私はよくわかりませんが、そういう場合に周辺に何か敵艦らしきものがいるということでやっつけるわけにいかないと申し上げたのが、実は先ほどのお話でございまして、現にわが国が武力攻撃を受けた、防衛出動が行なわれた、そういう場合はむろん話は別でございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 私が質問したのは、あなたの前段の場合です。要するにわが国がそういう望まざる、ある一つの紛争状態の中に巻き込まれておる。したがって防衛庁長官としては、わがほうの海上自衛隊護衛艦に外航護衛を命じたその場合に、いまのような状態が起こったときに、あなたの答弁では攻撃し得るということになる。これは一体自衛権の発動としての自衛行為ですか。あなたが使った妙なことばでいえば、限定せられた交戦権ですか、お答え願いたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 まず終わりのほうで御指摘になりました限定された交戦権、これは実は速記録をごらんいただけばわかるわけでございますが、交戦権と自衛行動権というのは、私は実は厳密に区別しております。これは同じものとは言えない。ただ、たまたま質疑の中でそういうことばがありましたために、もしもその区別の本質がわかって、わきまえておっしゃるのならそういう言い方もあるでしょうということを申し上げたのが、ある新聞によるとあたかも私の本心であるかのごとくに報道せられたということがございますが、私は自衛行動権と交戦権とは明確に区別しております。つまり自衛行動権はあっても交戦権は許されないというのが私の本来の考えでございます。  それからもとに戻りますが、わが国が武力攻撃を加えられて、実は防衛出動があるというような場合の話は先ほど申し上げましたが、そうでない場合、たとえば甲国と乙国との間に戦闘がある。そこでわが国に対しても被害が及ぶことをおそれて船団を護衛するということはあり得ると思います。そういう場合に、たまたま接触をしているからといってこれに武力攻撃を加えるということはいかがなものであろうかと、私はいまでも思っております。しかし、この点はかなり微妙な問題でございまして、もう少しほんとうは防衛庁あたりのお考えも聞いて、じっくり勉強したいところでございますから、なお必要があれば防衛庁の所見も御聴取願いたいと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 法制局長官に伺いたいのは、いままでの自衛権行使の条件の第一は、現実に急迫不正の侵害であったときというのが条件だった。いま私が提起した問題は、外航護衛というのは、防衛庁が海上自衛隊に与えている主たる任務の一つであって、それをやらなくてはならぬような状態になったときに、しかも目に見える現実の侵害はないわけだ。いまにも起ころうとする場合、それをやりましたら、あなたの答弁ではこれを攻撃をし得ると言われた。そこで一体、これはあなたがいままで使われた自衛権の発動に該当するものかどうかということを伺ったのです。この点だけをひとつお答え願いたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 自衛権の行使については、大ざっぱに言って三つの要件があるということを重ね重ね申し上げてまいりました。ただそれは個々の戦闘における問題ではなくて、外国から武力攻撃があるとそれに対して防衛をするという場合に、外国の現実の武力攻撃がないのにこちらから武力攻撃を加えるということは、少なくもわが憲法のもとでは、これはよろしいというわけにはいきませんということを申しておりますが、しかし一たびそういう状況が現出して、外航防衛をやっておるという場合に、個々の戦闘状況の場合になりますけれども、そういう場合には実は向こうの武力攻撃を待ってこちらが初めて武力行使をしなければいけないということを申している趣旨ではございません。要するに、自衛の三要件というのは、一国と一国が武力衝突の状態になる場合の話について申し上げてまいったつもりでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 そこで法制局長官、大体外航護衛というのは洋上でどこかとチェンジするわけにまいらぬ。わがほうの外航護衛能力は、距離にして千五百キロというぐあいに限定せられておる。これはいままでの防衛庁長官が申しました。さてそこで、その場合に、他国の港にこの船団を護衛艦が連れていって、そうしてそこで交代をするという場合には海外派兵になりますか、なりませんか、簡単にお答え願いたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 外国の領海においてということでございましたと思いますが、簡単に答えろということなので、最も簡単に申し上げて、海外派兵にはならないと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 これで結論に入りたいのですが、海がだいぶ長くなりましたが、空のことをひとつ伺っておきたいと思います。  これで結論でございますが、今回のF4E購入にあたっては、つなぎ用のTXのために用意をしておったと伝えられる二百十億円を充当した、こういう説明がございました。  さてそこで、国防会議の昭和四十二年三月十三日の三次防の主要項目についての決定がございます。その中で、「超音速の高等練習機について、国内開発を行なうとともに、当面の操縦士教育のために、別途検討の上、必要な措置を講ずる。」と書いてある。この「別途検討の上、必要な措置を講ずる。」という項目に従って、この二百十億を最初用意されたと私は思いますが、防衛庁長官はどう考えるか、伺いたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 三次防をつくるときに、そういう議があったことは聞いておりますが、御承知のとおり日本はいわゆるTXといいますか、高等練習機をいまいろいろな基本設計もきまりまして、それが非常にいい成績のように、だんだん進みつつあるように見受けられるのです。そこで、今度いうところのF4Eは、座席が二つあるために、複座でありますので、それを一時暫定的に練習機として使いたい、かように考えておるのですが、それはしかし練習機に使ってそれ専用に使うわけじゃありませんので、しばらくの間——四年の間は使いますけれども、それが過ぎれば部隊へ入っていくわけでございます。そういうようなことで、一時の間に合わせをやっておく、こういうことでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 防衛庁長官は質問に答えてない。私の聞いておるのは、二百十億というのはこの国防会議の決定があったから一応そういう見積もりをした、三次防の総合予算の中で、それを流用したのですね。だから、この二百十億というのは、この国防会議の項目決定があったから、防衛庁としては用意した金ですね、ということを聞いておる。そこだけ答えてください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 その間の事情は政府委員をして答弁させます。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 三次防の決定は、先生が先ほどお読みになりましたとおりでございます。経費の積算につきましては、防衛庁で積算しました際に、つなぎのTXのことは頭に置きまして、お示しの数字を積算したことはございます。「別途検討の上、」——先ほど大臣からお答えのようにファントムにきまりました、それが別途検討でございます。別途検討しました結果、ファントムになりましたけれども、それも一時的に練習用に使う、こういうように決定された、こういうことでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 私の聞いておるのは、二百十億というのは最初つなぎのための金であった、しかし検討の結果ファントムに回した、こういうことでしょうということです。そこだけ答えてください。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 さようでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 そうしますと、防衛庁長官、最初検討して二百十億を考えたときには国防会議の決定があったわけだ。ところが、この二百十億をいよいよファントムに使う場合には、あなたのほうは大蔵省に行って約束を取りつけられた。これは本委員会で言明がございました、そうしますと、両省間の約束に、私は文書があると思う。その文書と国防会議の決定と並べた場合に、文書のほうが優先して国防会議の決定のほうが優先しない、こういう形になっておる、一体最終的にファントムに対して、機数だけは国防会議におかけになったけれども、これに対する予算等を勘案しつつかけたならいざ知らず、機数だけをさっとかける、そうして少なくとも項目決定について、内容を含んで決定せられておる事項を、違う用途で違う方法でやっていくということについては、この件について国防会議にかけなくてはならぬ事項だと私は思う。あなたはそう思いませんか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 国防会議でいまの練習機の問題は検討するということになっておるのです。決定じゃないのですね。検討するということになっておりまして、その検討の結果F4Eをして暫定的に間に合わす、こういうことになったわけであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 怪しげな文章ですから、幾らでも言い抜けばできましょう。大蔵大臣、これは重要な問題だと私は思うのです。あなた、防衛庁から取った一札を見せてくれますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 そのことを私存じません。

永末英一民主社会党

○永末委員 大蔵大臣、あなたのところの主計局長は、この予算委員会で次のように言明をいたしました。これは矢野君が質問いたしましたときに、いわゆるつなぎの意味の練習機は買わないことに防衛庁と約束をしております、こういうことですね。約束というのは、いままでの官庁の慣習からいいますと、やはり一札を取るということになっておると思うのです。そこで、最高責任者の大蔵大臣ですから、口約束だけでこれをお認めになったのではない。このファントムの問題、練習機の問題は、それぞれ防衛庁、大蔵省間で長い経緯のあった問題ですから、けじめをつけるためにそうされたと思います。あなたは御存じないというと困るのです。  そうしますと、われわれ聞きたいのは、このつなぎの練習機がなければ、そのうちにファントムができましてもこれは油づけになるおそれがある。パイロット養成ができない。それから第一に、先ほど防衛庁長官が申しましたように、四年間にわたって一隊以上ファントム隊を練習機に使うということは、わが国の防衛構想上きわめて重大な欠陥になると私は思う。パイロットの養成、さらにまたいまのような防空構想上の欠陥、この二点について、大蔵省が取られた一札があるなら、これは一体どこまで年限をはっきりしておるのかということをわれわれは知りたい。その意味でお伺いしておるのです。大蔵大臣、ちょっとその点についての御答弁を願いたい。

鳩山威一郎大蔵省主計局長

○鳩山政府委員 このつなぎの練習機の問題につきましては、これはファントムにきめます際に、防衛庁のほうから、こういうつなぎの練習機はファントムで間に合うからあれは要らないという申し出がありましたので、防衛庁の考え方をメモ書きにしてもらったのがあるわけであります。これは事務当局間の、われわれ同士でいえば、約束というか、このファントムをきめる前提の考え方を説明したメモ、こういうふうに了解をいたしておるわけであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 このメモには年限が区切ってありますか。つまり、そのつなぎ練習機は未来永劫買わないと防衛庁は約束したのか、三次防中は買わないと約束したのか、その点をひとつ明らかにしていただきたい。

鳩山威一郎大蔵省主計局長

○鳩山政府委員 これは五十一年と申しますと、四次防まての期間においてつなぎという意味ではやらない、こういうふうに考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 これで終わりますが、大蔵大臣、大体わが国の防衛構想というものは、先ほど私が質問を通じて明らかにしたごとく、あいまいな点がたくさんあるわけだ。しかし、現実に予算は出ていくわけです。そこでやはりわが国の防衛構想ははっきりと国民に国防白書等をもって出さねばならぬ。これは総理大臣の責任ですが、大蔵大臣としては、この多くの国民の税金を防衛に使うためには、その防衛の効果と、あなたがお出しになる費用というものを勘案する、これは単に防衛に関する問題だけじゃなくて、国政全般に税金を使われることと勘案されることだと思う。  いまの問題は事務局間のものでございますから、私は深くは追及はいたしませんが、それによって、当初国防会議決定事項として大臣が集まって、国防会議というわが国の防衛の最高機関できめたものが、変わってきつつあるということであって、しかもその内容たるや、私が触れましたように、パイロットの養成がファントムを四年間にわたって練習機に使っても十分いけるのかどうか、きわめてむずかしい状況がある。次期高等練習機の開発というものは、これまたスムーズにいかない条件ができつつあると私は思う。第三には、ファントム隊というものが急速に整備をされなければならないにかかわらず——これはあとの飛行機がダウンしますから、わが国の防空構想上穴があく。  これら諸点というものをはらみつつ、いまの高等練習機とファントム隊との問題がからんできておる。しかも、ファントム隊の問題につきましては、この予算委員会に再三再四その安全性等について資料の提出要求が出ましたけれども、これは行なわれていない。大蔵大臣としても、この国民の税金を使うにあたって、防衛庁の予算、これはある必要だけは出てきて、全般的な構想が立てられないままに予算をつける傾向がいままであったと思う。これはやはり防衛構想全体、その効果を見つつ予算をつけることは私は必要だと思う。この心がまえで今後処理をされたいと私は思うが、最後にこのことを大蔵大臣に御質問いたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 国政全般にわたっての問題と思いますが、お話しのような心がまえで財政の処理に当たらなければならぬ、かように考えます。特に防衛庁の四十四年度は、ファントム機を新たに採用するという問題をきめる予算でもありますので、非常に重大な年に当たる、かように考えておるのであります。ファントム機、また練習機の決定にあたって、大蔵省がT38を抑制をしたというようなことはないのです。これはもっぱら防衛庁の考え方を中心にこの予算の決定をするということをいたしたわけでありますが、ともかく大事なことであり、金のかかることでありまするから、注意には注意をしてやっていきたい、かように存じます。

永末英一民主社会党

○永末委員 終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて永末英一君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、一般質疑は全部終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。    午後六時五分休憩      ————◇—————    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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