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61回国会衆議院1969/02/12

予算委員会 第9号

発言数
322
登壇者
18
会派数
2
開催日
1969/02/12

会議録

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和四十四年度一般会計予算、昭和四十四年度特別会計予算、昭和四十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより一般質疑に入ります。川崎秀二君。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 質問を開始するにあたりまして、この機会を与えていただきました委員長並びに与野党理事の皆さま方に厚く御礼を申し上げる次第であります。  本質論に入ります前に、ウォーミングアップではありませんが、少々、二、三外務大臣に尋ねてみたいことがあります。  その第一は、ニクソン新米大統領の訪日を将来期待するかということであります。もちろんこれは、少なくとも来年六月の安保改定期までは国内の事情によりまして不可能であると私は思っておりますが、しかし安保が自動延長あるいは継続された後に、われわれは近い将来にニクソン大統領の訪日の実現を期待するものであります。何ゆえとなれば、民主党政権は非常に長かった。政府の官辺はジョンソン大統領、ハンフリー副大統領に非常に接触の機会があったし、私などもマンスフィールド氏ほか有力なる民主党の首脳とは個人的な関係もあるわけであります。しかるにニクソン大統領は、在野中、極東旅行を何回かされています。しかし接触の範囲は、率直に言って保守党の一部の方、それも、やや右寄りの方々ばかりであって、広く国民に接触しておるものとは言えないのであります。ヨーロッパ各国を近く訪問されるニクソン大統領の真意は、フランスをはじめ各国との接触がジョンソン時代に薄れた、この傾向を変えなければならぬという意図はわかります。ヨーロッパにはいろいろな問題がある。しかし私は、この二十年間に、少なくとも占領が解放されて以来十数年になるのに、貿易量と産業関係において日本とアメリカほど大きな比重を持っておる国は太平洋諸国にないわけです。これがなかったということは、まあ極端な表現ではありましょうが、太平洋の七ふしぎの一つである。アメリカ大統領が日本へ来ないということはない。歴代の総理大臣はしばしばアメリカへ行っております。その意味で、ニクソン大統領の訪日を二、三年の後には必ず実現したいとわれわれも思うのですが、愛知外務大臣のお答えをいただきたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 現在、具体的な問題としてはまだ取り上げるところにいっておりませんけれども、考え方といたしましては、アメリカ大統領が日本を訪問される、これが国民的な歓迎の中に行なわれる時期が来ることを私も望ましいことであると考えます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 近来、国連の内部におきまして、日本を安保理事会の一員に迎えたいという少数の国々の意向もあるようであります。また、日本は非常にこのことを希望しておると言われております。もし、安保理事会の常任理事国に日本がなるならば、これは、武装を持たない日本が入るということは世界平和にも非常な寄与をし、世界の経済の発展、文化の発展のためにも大きく役立つと私は思うので、その意味で外務省ではどういうようなお考えを持っておられますか、お伺いいたします。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 国連につきましては、いろいろ私どもも期待を持っておるわけでございますが、御案内のように、まだ国連の内部において日本人が十分に働く機会を与えられる、その機会が乏しいように思いますので、国連の内部において日本人職員が活躍できるようにということにつきましては、相当具体的に進んだ折衝といいますか、要請もいたしておるわけでございます。  それから、安保理事会の問題は、これはまあ非常に大きな問題であると思いますけれども、かねがね私は個人的にも、ここまで日本の国運が盛んになりまして、また国連におきましての日本の発言権というものもそれに相応して高くすること、それから同時に、いまお述べになりましたようなユニークな憲法を持っている日本国の立場というものがやはり安保理事会というようなところに常に反映することが望ましいことじゃないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、これはいろいろの手続や、関係国が非常に多い関係もありますから、急速に実現ということはなかなか困難かとは思いますけれども、常にそういう態度で今後国連外交を展開してまいりたい、こういうふうな気持ちでおります。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 いまの御答弁は政府の率直なる意見を表明されて、はなはだけっこうであります。われわれもそういうことになりたいと願っております。  今度の国会は沖繩、安保、大学紛争というものに論議が集中されまして、ベトナム問題は忘れられております。これは、のど元過ぎれば熱さを忘れるというけれども、あれほど世界じゅうを震憾させ、また日本の大問題になったベトナム問題に論議がないということは非常に私は残念だと思っております。駐日大使であったジョンソン国務次官が先日アメリカ上院の外交委員会で、日本では社会党が七〇年安保闘争のテーマからベトナムをはずした関係もあるのだろう、こう言って指摘しておりますが、そのゆえもあるでしょう。しかし、ジョンソン国務次官は、日本の民衆の大部分はアメリカのベトナム政策を終始支持してきた、こう言っておるのです。これは私はどうかと思うのであります。支持されてきたのは北爆停止に踏み切った直後のことであると思うのであります。それ以前のアメリカのベトナム政策を日本の国民の大多数が支持したことはないです。いまパリ会議が開かれておりますが、アメリカと北ベトナムの主張は全く平行線であって、前途は暗中模索の状態である。現在、このことについて多少でも発言しているのは、やはり先見の明あるフランスのドゴール大統領ですね。これはインドシナ三国の中立がなければベトナムの平和会議は終わりを告げないということを予言しておるのです。そこで、このパリ会議の最初のキーポイントをどう開くか。パリ会議を軌道に乗せるまでは北爆の停止ということがかぎだということで、ついにこれが開かれたのでありますが、今後このベトナムの和平会議というものを開くのには、軌道に乗せるためにはどういう考え方がいいものであろうか。これは第三者たる日本からもやはり発言があってしかるべきだ。ドゴール大統領は発言をしておるし、スウェーデンあたりでも発言をしておるわけである。やはり世界の世論というものが興起して、それがパリ和平会議の鏡に反射をして、そこから新しいスタートが切られるだろうと思うので、愛知外務大臣は、何か具体的なお話がありましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ベトナム問題の解決は、本来は外部からの干渉がなくて、たとえば国民がみずから南越の将来をきめる、そういった自決権に基づいてなさるべきものである、こういうふうに考えるわけでございますが、そういった見地からも、北越とそれから米軍の相互撤退が望ましいことはもちろんであろうかと思います。やがてはパリ会談におきましても、相互撤退について話し合いが行なわれるでありましょうけれども、それがいかなる形で、またいかなる保障を伴って行なわれるかについては、予測することがまだ困難であると見ておりますが、まあいずれにしても、この相互撤退ということがベトナム問題の解決には不可欠な要素である。したがって、その早期実現を心から期待するという態度を私はとっておるつもりでございます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 相互撤退ということがパリ会議で平和的に妥結されるでありましょうか。私は、やっぱりこれはサンアントニオ方式と同じであって、ついに妥結されないと見ておるのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 御意見や見通しの問題がいろいろあろうかと思いますし、また、現在きわめて複雑な状況を示しておりますので、私どもからあまり率直な私見などを述べるのもいかがかと思いますので、ただいま相互撤退ということが望ましい結論であるというふうに申し上げたのにとどめたいと思います。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 質問を五つばかりしまして、逐次お話を聞いたわけですが、ベトナム問題に対してはたいして具体的な意見もないし、また差し控えたいというようなお話であった。  しからば、私は、いままでの経過と、それから具体的な私の考え方を述べてみます。これには少々時間がかかります。  ベトナム和平会議、パリ会議でただ一つ言い得ることは、これは唯一の救いでもあるけれども、平和会議が解放戦線とサイゴン政府を入れた。この二つが抜け出さない限り——私は再び戦争が起こるとは思わない。戦争が拡大するとは思わない。その保障がついたことだけでも非常なしあわせである。しかし、昨年のちょうどいまごろであります。いわゆる南ベトナムの、ベトコンのテト攻勢があって、ベトナム情勢が重大な局面にあったとき、私は自民党の総務会でしばしば、いまこそ日本政府はアメリカの首脳に向かって北爆の停止を要請すべきである、チン外務大臣の言明には相当な裏づけがあるということをおすすめしたのでありますが、当時はいれられなかった。当時の外務大臣三木武夫氏は、北爆の停止は世界の世論であるけれども、アメリカが北爆を停止するならば北ベトナムもこの対応措置を持たなければならぬと言って、一昨年の九月、テキサス州のサンアントニオというところでジョンソン大統領が言った方式を総務会でも繰り返しただけであります。三木外相はしばしば、ハンフリー副大統領、ラスク国務長官と北爆問題で話し合っているとも私には言っておったのです。けれども、北爆停止を要請した形跡がない。話し合ったというだけだ。これが佐藤首相の命令によるか、あるいは佐藤、三木両氏の合意によるかは、私はその機微の関係は知りません。しかしこの微妙な関連、ベトナム戦争の最中に、アメリカの足を引っぱるようなことはいけないのではないかという、まことに友人としてのうるわしい美徳というか、私は、これがしばしばアメリカのベトナム政策を日本が誤らした原因だと思っておるのであります。そうして野党からは向米一辺倒という非難が上がる。野党の言うことはかまわぬけれども、国民全般の心ある者の中に、率直に日本国民の感情を訴えてもらいたいというものが大部分であることは、これまた間違いないと私は思うのであります。  昨年、予算委員会に発言の機会を失って、私は政府に質問主意書を出しましたが、そのいわれはこういうことであります。  もしこの北爆停止の時期を失して、アメリカ軍部が焦燥のあまり、たとえ十七度線を突破しなくても——十七度線の突破ということはジュネーブ協定の違反になり、アメリカが加わっておらなくても国際的な制肘がある。そういうことをするアメリカではありません。けれども、ハノイ、ハイフォンに対する無差別爆撃というものはやる可能性がある。もし、じゅうたん爆撃無差別爆撃がハノイ、ハイフォンに集中されるならば、ホー・チ・ミン大統領は非常に自主、独往の人であるけれども、背に腹はかえられず、中共に大軍の応援を求めるというようなことになったならばたいへんだとわれわれは思った。もし内陸深く米中衝突の危機が始まれば、台湾海峡、東シナ海が封鎖されて、大戦勃発の可能性がないとは限らぬというのが昨年の一、二月の景況でございました。今日はそんなことはない。しかし海運によって今日の繁栄をなしておる日本の基盤というものは、米中衝突あるいは大戦の勃発ということになれば、その瞬間から、繁栄は土崩瓦解するわけである。そのときにやはり国会議員として発言しなければならぬと私は考えたわけであったのであります。  しかし、時は移って、ジョンソン大統領は、三月三十一日英断をもって北爆の一部を除く停止を断行したわけであります。私は、日本とアメリカと民主主義がいずれが健在であるかといえば、戦争をやっておっても、アメリカの民主主義はなお健在であるという証拠を、あの瞬間に深く感じたわけであります。  そこで、これから先はどうするかというのがわれわれの当面しておる問題である。この相互撤退というのは、愛知さんはいま言われましたが、撤退しようという約束をするという。それはちょうど北爆停止前のサンアントニオ方式と同じだということを私は指摘したい。なぜならば、アメリカがそう主張しておるのです。北ベトナムのほうは、最初はおれのほうの正規軍は南ベトナムへ入っておらぬのだ、そう言って突っぱってきた。このごろ少し変わっておるのは、南ベトナム出身の兵隊が十七度線から南に帰郷しているのだ。これはなかなか微妙です。その発言を、われわれはやっぱりニュアンスをとらえて、現下の解決の突破口にしなければならぬ。それはお互いにかってに自主的に相互撤退することであり、そのきっかけは米軍から始めなければならぬ。でかいほうから始めなければいかぬ。大きいものから始めなければならぬというのがわれわれの説である。しかし、最初の撤退を開始したときに、アメリカは世界に宣言をする必要がある。話し合いをしてもまとまらぬから、まず自分のほうから撤退するから、おまえのほうも撤退しろというならば、これは暗黙のうちに自主相互撤退というものが認められるということであります。こういう考え方について、愛知外務大臣はどう思われますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まず最初に、パリ会談というのが、ただいまもお話がございましたが、直接当事者が全部フルメンバーでとにかくテーブルについたということは、これはまあ非常に歓迎すべきことであると思います。  それから、この会議に対して何を望むか。とにかく早く決着をつけてもらいたいと考えるのは、これはもう世界じゅうの人たちの考え方ではないかと思いますが、そこで、どういうふうになるだろうか。ただいままでのところはいまお話しのあったとおりだと思います。一方は相互撤退ということでサンアントニオ方式の線に沿うた主張が行なわれておるし、一方では南越の中に北越の軍隊というものは入っておらぬのだと、入っておる事実も否認しているというようなところがこれまでの両方の主張であったと思いますが、これが今後、また現に四当事者の間で話し合いが始まるわけでございますから、いま私どもも希望を持っておるけれども、その方法論に立ち入りまして、仮想に日本の立場としてはこういうことが望ましいと方法論も、そこまで立ち入って、私公式に見解を申し上げるということはいささかはばからなければならぬのではないだろうか、その辺のところを御了承いただきたいと思います。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 政府にこれ以上ベトナム問題で申し上げても、ベトナム政策に関する限りは、まあ発言権がないと言ってもいいほどの従来のことでございましたから、私はまあ個人的にこういう考え方を持っておる者が日本の国会におるということを明らかにして、そしてこういう方法であるならば必ずベトナムは収拾されるだろうということを考えてみたわけであります。  相互に自主撤退するといっても、米軍が第一に本土に即刻引き揚げるということは、これはもうないわけであります。私の考え方によれば、まずサイゴン付近に集結をして、農村及び地方都市を南政府の能力にまかすべきである。この南政府がその治安に責任を持たなければ、これはついにはかいらい政権ということの実態になるわけですから、そのくらいのことはしなければならぬと思うのであります。その後北ベトナムの出方を監視しつつ米軍の南ベトナム撤退のタイムテーブルを示したら、これは非常に会議が進捗すると思う。そのことによって侵略者としての非難というものは一掃されると思う。米軍は大体入ったときには大義名分がなかったとは言えない。だんだん深入りをし、エスカレーションしていったときに問題が起こったわけであります。  第二は、米軍の撤退は沖繩の返還とも関係があり、南ベトナムの治安とも関係があるが、一九七〇年六月のいわゆる上半期の終わりまでには撤退を完了する、そして連合政府の樹立によって民族自決の基本原則に返るべきであると思う。  第三は、連合政権のあり方。これはやはり当初ベトコンを入れて連合政権をつくるにしても、近い将来公正なる総選挙を再実施しなければいかぬ。その総選挙の再実施のときにアメリカや中国やソ連のような大国が入ったならば、これは必ず干渉だといわれる。しかし、何も入らないでベトナムだけにまかすということならば、これはまた非常な治安上の危険というものも伴ってくるのであって、自決の方針はいいが、過渡的段階として、国連委員会による管理というものを断行しなければならぬ。そして自主政権を確立すべきであるというのが私の意見であります。  それから、これは、この最後のくだりは質問にも関連します。最終段階はどうなるか。ベトナム収拾の最終段階においては、私は中国の発言というものは非常に重大な要素を持ってくると思うし、歓迎しなければならぬ。ジュネーブ会議はソビエト、イギリス、フランスを中心として中国も入ったのですが、日本もやはり今後は入らなければならぬと思う。そういう国際会議を招集して、四者の停戦協定ができたならば、それをその幅の広い国際会議で承認をして、ベトナム治安というものを定着させる、その努力が必要だと思うのです。これと並行して、国連の内部に南ベトナム復興基金というものを設けて、アメリカが毎年使った三分の一も国連へ出せば、南ベトナムはりっぱに私は復興すると思うのです。そういう広い意味での対策を立てなければならぬと考えていますが、ここで外務大臣に伺いたいのは、外務大臣は、最終の段階にはそういうようなことになりはしないか、そうしなければいけないではないか、そしてその中における中国の比重はどうなるかということが私の質問であります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ベトナム問題がこれからどういうふうな過程を経て収拾されるかということにつきましては、ただいまいろいろ貴重な御意見を承りましたが、要するに、まだいまのところでは予測が困難であると申し上げざるを得ないかと思うのであります。  そこで、それはそれとして、ベトナムの和平についての国際会議が持たれるということになった場合に、中共がどうするであろうか、中共がこれに参加するかどうかは、その時点における中共の外交姿勢いかんにかかっておるのではなかろうかと私は存ずるわけでございますが、ベトナム戦争の帰趨というものは、いずれにしてもアジア全体の将来を左右すると申してもいいと思われる大きな問題でありますだけに、ベトナム問題の解決については直接当事者だけでなく、日本ももちろんでありますが、アジアの平和と安定に関係を有するできるだけ多くの国が関与することが望ましい、これはもう当然のことではなかろうかと思いますが、この観点からいたしまして、ベトナム問題の収拾に和平達成のための建設的な態度で中共が参加することは、この地域の恒久的平和の達成の見地から望ましいことであるということは申し上げ得ることと思います。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 中国の参加が望ましいという明快な御答弁がありました。  次に私は、ポストベトナムの最大問題である中国問題について、外相の見解を聞きたいと思うのです。  福田大蔵大臣、あなたにも、今度の国会はまるで沖繩、大学で、大蔵大臣はなまあくびしなければならぬような状態、たいへんあなたにとってはけっこうかもしれぬけれども、こんな予算委員会見たことないと言う人もあるわけであります。あとで少しは聞いてみたいと思うのですけれども、福田大蔵大臣は、ポストベトナムとポスト佐藤がちょうど同じ線で走っておる。ちょうどポストベトナムはポスト佐藤です。時間的に併行していると見ると、次期総裁の有力な候補者として、中国問題に対してやはり常識的な答えは聞いておく必要があるですから、あとで聞きます。しばらく問答を聞いていてもらいたい。  近来、イタリアの中国承認、あるいは昨日に至ってカナダの承認は非常に具体的な形になってあらわれておる。ベルギーの承認気配というものもあるのです。文化大革命終息後の中国には、やや外交の新しい展開を志す傾向がある、こういうときになってまいりまして、国連総会における重要事項指定方式が維持できるかということは非常に疑問な状態になってきたし、そうでなくても、日本として中国政策を立てる上において再検討の段階に私は入ったと思うのです。政府は、これはもう間違いなく施政方針演説に中国を国際社会に復帰させる、中国の国際社会参加を歓迎すると言っておるのですが、その方針と重要事項指定方式には矛盾はないのですか。そして将来重要事項指定方式をいつまで維持しようというのですか、これを伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 中共問題につきましては、総理の施政方針にかなり明らかにされておるところではなかろうかと思いますが、それはそれといたしまして、重要事項指定方式についてどうするかというお尋ねでございますが、これから中共側の姿勢がどういうふうに変わってまいりますか、これは柔軟に国際社会に歓迎されて入れるような姿勢をだんだんに示してくれれば、たいへんよいことだと私は思っておりますが、重要事項指定方式については、何ぶん今年のまだ秋の国連の総会のことでもございまするし、いまここでこれについてどうするということを申し上げないで、これにつきましては、情勢の変換等も十分洞察し掌握しながら、適宜適切な態度で向かっていきたい、私はこういうふうに考えております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 私は重要事項指定方式について最近驚くべきニュースを聞いたのです。そして、それは新聞紙上に出ておるニュースだけではなしに、当事者にも伺ったことです。それは、去る一月二十五日カリフォルニアのサンタバーバラで行なわれた中国問題日米議員会議に出席したアメリカの前国連大使ゴールドバーグ氏が、その演説の中で、中国の国際復帰、加盟の必要を説いた後、一九六六年十月、イタリアが国連総会を前にして、国連内に中国問題委員会の設置を提案したときに、われわれは自由主義諸国と相談した。そのときにまっ先にこれに反対したのは日本である。アメリカは自由国と友邦の討議によっては重要事項指定方式を改めてもよいと考えていた。——本人が言うのですから間違いはない。——考えていたところが、日本の強硬な主張とこれに同調した数カ国その他の友邦の考え方で重要事項指定方式を再び採用したのであって、アメリカは中国の国連加盟というものを最後まで拒否しようという理由はないのだという、これは驚くべき話です。日本が一番先に反対して重要事項指定方式でなければならぬ。この間まで国連大使をしていた、これは著名なアメリカの国際政治家の話ですから間違いないだろうと私は思う。これには藤山さんもびっくりしたそうです。そのときの首相は佐藤首相で、外務大臣は三木さんだったと思う。そのときの国連大使はだれなんです。国連大使は、一体イタリア案が出たときに日本に回訓を要請していますか。それから、これは要請しないで下田大使あたり一どうですかな、あたりと相談したのではなかろうかと思うが、実に奇怪しごくな話だと思う。外務大臣、この問題については、外務省に数日前に詳細聞いておいてほしいということを言ってありますから、どうですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 このゴールドバーグ氏の発言につきましては、この国会が始まりましてから参議院の本会議でも実は御質問がございましたが、私も調べてみました。何か伝えられておる事実と多少食い違いがあるのではないかという印象を私も受けたわけですが、あの当時いわゆる委員会方式ですか、というものを含んだ一つのイタリアの提案があったことは事実でございます。ところが、それを最初に聴取しました日本の国連大使が、イタリアのこの意図というものが、何と申しますか、手続的なものなのか、それともイタリアの政策の真意がどこにあるんだろうかということにつきまして判断をしかねるものですから、その手続的な委員会方式というものに必ずしも賛成でないという意向を表明したのが事実だそうです。ところが、それからいろいろの、あの国連の場でございますから私ども想像がつくわけでございますが、いろいろの過程を経て、だんだんイタリアの気持ちといいますか、政策というものがよくわかって、その以降においては、日本とイタリアあるいはその他アメリカも含みましょうが、歩調が一つになって、その後におきましては完全に協力的な話し合いができたのだ、こういうふうに、私は調べた結果そういう印象を受けたわけでございます。ですから、ある一つの最初の時点だけを取り上げてみれば、ゴールドバーグさんの言われていることが正しいと思いますが、全体の一連の経過を見てみますと、日本が何かゴリ押しをしたとか、あるいは、何と申しましょうか、いまちょっとお触れになりましたけれども、一部の者だけの意見でもってどうこうしたという事実はなかろうと思っております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 いま長々とお話があったわけですけれども、私はこれはこういうことだと思うのです。イタリアの提案というものが、委員会を設けて審議する、ただそこが非常に今日のイタリアより不明確であった。当時イタリアはやはり連立政権でありましたが、今日のような、ネンニ外務大臣がなったという事情とは違うでしょう。考え方も違う。その考え方の違いは、やはり一つの中国というものを必ずしも前提にしなかった。その意味では、ある意味で日本の外務省の考え方——われわれの考え方じゃないのだが——に近いような考え方が出た。非常にあいまいだというような反対ならば私らは、わかるわけです。ところが、とにかくこれは一歩前進だということで、アメリカは取り上げようとしておったのに、日本が反対をする、これは私はどうもわからぬのです。それは国連本部へ行ってみると、ソ連グループとアメリカのグループと離れておって、いろいろな議題があると、一方にはアルバニアのようにソ連のお茶坊主みたいなものもあれば、また日本は実際これは全くアメリカのお茶坊主みたいなことをやっておるという批評もかなりあるわけです。全くこの点が、今度私が聞かんとしたところの重要な点です。これは私は、あとで私の同僚が帰ってきましたからしさいに調べてみると、ゴールドバーグが演説をした直後に共和党のクーパーという国会議員が、君、あれは事実だろうけれども、一つは君のかけ引きもあったのじゃないか、つまり日本に反対させて、それからイタリアにこういう案を出させたのはあんたじゃないかという意味を言ったら、いや、そんなことはない、イタリアの案というのは突然出てきたのだ、日本が反対したのもいきなりやったのだという話をして、まっかになっておこったというのですから、こういういきさつを見ると、私は日本の外交陣営の考え方の基調というものを疑わざるを得ない。非常に残念です。  大体、元来ならば日本は中国をまず承認をして、そして国連加盟、これが順序です。しかし、日本は残念ながら戦争状態を中国との間に終結しておらない。あるいはやっかいな賠償などの問題などもあって、すぐ中国承認ということに踏み切れないだけであって、だから常識として中国の国連加盟に全力をあげるというのが日本の将来の国策になってこなければならぬのです。そういう点で私は、重要事項指定方式にいつまでもかじりついておって、中国を拒否する最終の国家群に日本がなるということは、日本と中国との将来の何十年の関係、何百年の関係、あるいは何千年の関係に汚点を残していくものだと思う。戦争は一時です。平和は永久である。してみれば、中国側から見れば、自分らが国際社会に入るときに一番反対したのは日本だということになれば、われわれは、中共政府は、まだ現在の首脳はかまいませんよ。しかし、その背後にある中共の七億八千万の民衆に対して、われわれは贖罪ができるだろうかという反省に立って、今後の中国問題というものは進めていかなければならぬ。サンタバーバラのいきさつは私の、そこにいる同僚から詳しく聞いたことですから間違いない。そこにいるのです。名前はささない。どうかその意味で、この国連の重要事項指定方式というものを考え直してみる必要はないか。  それから、それならば具体案があるか。藤山愛一郎氏なんかが言っておる、まず国連加盟歓迎決議案というものを出して、一つの大きな雰囲気をつくるというのも考え方の一つでしょう。愛知外務大臣はどう思いますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は、先ほど申しましたように、長期的にまた基本的に考えました場合に、中国大陸との関係を改善していきたいということは、もう基本的にもちろん考えておる基本的姿勢でございます。  そこで、これからどうするかということでございますが、これは他のヨーロッパの諸国などと違いまして、日本としてはいろいろの意味で非常に大きな、また大切な問題でありますだけに、慎重に真剣に対処してまいらなければならない。  それから、もう一つは重要事項指定方式の問題でございますが、これについては、先ほどもお話しいたしましたように、この秋のことでもありますし、いまここで早計に結論的な一方的な態度を表明することはいかがかと存じます。  なお、これはお尋ねの点とちょっと焦点がぼけるかもしれませんが、私はこの重要事項指定方式というものは、別な意味で非常に大事な点があると思います。国連が総会で単純多数決方式でもって大切な問題をきめるというのは、国連の運営としても大いに問題があるのではなかろうか。最近の経過を見ましても、こうした問題とは比べものにならないような小さな、客観的に見て小さな案件と思われるものが重要事項指定方式になっておりますことは再々ございます。そういう点も、私は重要事項指定方式というものについてはいろいろの面から考えてみなければならない、こういうふうに考えておりますことをあわせて申し上げておきます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 歓迎決議案はどうです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は現在そこまでは考えておりません。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 もうこの中国が国際社会から締め出されておることの悲劇ということは、皆さん御存じのとおりであります。私はもはやそれは議論をもって申し上げようとは思わない。現実には、しかし一番重大なことは、私はイタリアが承認したというのは——イタリアという国は、まあこの席上ではそう批評はいたしませんけれども、そう大きなものじゃない。けれどもこれがベルギーに及び、カナダに及び、最後には反共国家としての路線が日本よりかたい西ドイツも、私は最後には踏み切るんじゃなかろうかと思うのです。西ドイツは昨年、一昨年の貿易量は中国に対して西欧第一位です。ゆうべ発表になった。彼らはやはり正統政府は北京だということを、自身の身につけて思っておるのです。西独と東独なら正統は西独だ、中国と台湾なら北京だという考え方は、ドイツは身にしみて知っているわけです。分裂国家のこれは一つの大きな経験であります。すると、もしベルギー、ルクセンブルグ、西ドイツまで踏み切ると、これはEEC各国が全部踏み切ったことになる。EEC各国というのは、これはもう何といったって世界の良識ですよ。これは西欧諸国の良識である。そういう大勢になってきたときに日本がどうするかということは、私は非常に重大な局面に立つと思う。われわれが中国問題のことを言うと水ぶっかけるように、あれはバスに乗りおくれるなということを言っているのだというようなことを言う人がある。いやなことばですな、これは。しかし、バスに乗りおくれるなということばを言い出したのは、大東亜戦争中に日独伊軍事同盟をつくった連中なんです。新官僚群ですよ。いま生きている連中がいるのです。それが、当時ちゅうちょしておった議会人に向けて、バスに乗りおくれるなと、永井柳太郎氏だとか前田米蔵氏に言って、引っぱってきたものです。とんでもない話だと私は思う。戦時中には軍部、戦後にはアメリカ一辺倒、これではいかぬ。どうしても私は中国問題を打開したいと思うのです。  しかし中国問題は、残念ながら石橋短期内閣退陣後は、全く中国政策というものはないのです。中国政策不在、これを中国語でチオンクオチェンツァープーチンザイと言うのです。不在だというのです。兵隊語で言うと、石橋以来トントンデホワイラだ、トントンデメーユー、(笑声)委員長知ってますか。これは非常に問題で、近ごろ参議院あたりではやたらに英語を振り回す議員がいるというから、この際均衡をとるためにきょうはチオンクオチェンツァープーチンザイと言うのです。  この際聞いておきたい。愛知外務大臣に伺いたいのは、将来どういうことがあっても、やはり米中が和解をするときがいつかはくるですな。その前に橋渡しをするのはどの国ですか。それを期待しているアメリカの首脳は多いのですよ。それは日本だろうと私は思うのです。その考え方について、愛知外務大臣にも伺いたいし、これだけは大蔵大臣にも党の首脳として伺いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど来申し上げておりますような基本的な姿勢でございますが、私はこう思うのです。いままで政経分離ということが言われておりましたが、これは私は一つの賢明な選択であったと思うのです。ということは、たとえばわれわれお互いの自由民主党の有力な議員も中国に往来しております。新聞記者の交換も行なわれております。そうして日中の覚書貿易等につきましても相当な成績をあげている。これはただ単なるいわゆる大使会談というような、ただ一本のパイプで結ばれようとしているものとは全然違って、私は非常に幅の広い接触であると思います。こういう点にお互いに着目しながら、現実に即する方針あるいは政策をとっていって、十分この情勢を掌握していくということが、私は今日において最も妥当なやり方である、こういうふうに私は考えております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 戦前の日本の議会において決議案が百数十出ています。その中で対支外交決議というものは六十七出ているのですね。であるから、いかに戦前もわれわれは中国問題に悩み、先輩も苦労したかということがわかるだろうと思うのであります。私は、中国問題に始まった日本の外交は、ついに中国問題に返ってきたとこの前言ったけれども、この実感はますますポストベトナムには必ず登場する問題だと思う。福田大蔵大臣、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 ただいま愛知外務大臣から詳細にお答えがありましたが、私もそのとおり考えます。  中国の問題は、いまわが国としては国民政府との間に正式な条約を結んでおる。これが正式の相手国である、こういうふうに理解しなければならぬ立場にありますが、同時に大陸には七億の民を持った一つの事実上の政権が存在しておる。この事実も私どもははっきりと見ておかなければならぬ、こういうふうに思うのです。私は、長い目から見ますれば、世界は一つの方向へ動いておる。現に世界には自由主義と共産主義の対決、争はありまするけれども、それを乗り越えて国際連合にソビエトロシアも入っておる、こういうのですから、そういう長い歴史の動きから見ますると、中国が国際連合に入っておらぬということは不幸な事態であり、また、これはかたわな状態である、こういうふうに思います。  しかし、これを妨げておる問題が私は幾つかあると思うのです。特にわが日本から見まして二つの問題がある。一つは中国の国際社会人としてのマナーです。この問題が一つあると思う。私、うちへ帰る途中で自動車の中でラジオをひねってみる。そうすると、ちょうどその時刻が中共から流してくる短波の時刻になる。これはもう日本のことを悪口を言わない日はない。また日本ばかりじゃないです。世界じゅうの自由主義諸国のことを悪口を言っておる。こういうようなことですね。一体、わが日本がああいう形で中共を批判しておるかというと、そういうことはない。にかかわらずそういうことが行なわれておる。  あるいは、わが日本と中共との経済関係はどうだ、こういえば、これはわが日本は政経分離で事を運ぼうとしておる。それでしかも、昔でいえばLT貿易、いまは覚書貿易というのでいこうじゃないかといっておる。それなのに向こうでは、これは恩恵貿易だというようなことで、また事をそらそうとしておるような行き方。あるいは報道人が北京に行って蒸発して、どうも行くえ不明である、こういうような状態。そういうようなことは、ひとりわが日本ばかりじゃないのです。各国にそういう関係があるわけであります。  私は、隣邦日本といたしまして、中共を国際社会へ復帰させたい、そして世界を平和にしたいということを考える一人でございまするけれども、その前提としては、わが日本は中共に近ければ近いほど、中共に率直にものを言っていいと思う。その率直にものを言う一つの重要な一点は、中共をして国際社会人としてのマナーをまず身につけろ、このことが私は欠けているのじゃないかと思うのだ。中共へ行って、毛沢東語録を首にぶら下げてこびを売って歩くとか、そういう行き方が一体はたしていいのかどうか。これは私、日本人としてよほど考えなければならぬ問題だと思います。  それから、もう一つの問題は、やっぱりわが日本が国民政府と特殊な関係にあるという問題ですね。これはわが日本ばかりではございませんけれども、特に近隣し、終戦前後を通じて特別の関係を持っておるわが日本とすると、重大な問題だろうと思う、このわが日本の特別の立場、これも十分考えておく必要があろうと思うのです。そういう特別な立場を考えながら、長い歴史の動きというものを見詰めながら善処していく、これが私ども日本人のとるべき態度ではあるまいか、さように私は考ておる次第でございます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 前段のたてまえはよかったけれども、後段にはいろんな問題があります。  保利官房長官は十時五十分には退席されるわけですから、きょうは総理大臣代理として総理大臣に伝えてもらいたい。  この間うちからの沖繩基地のあり方について、総括質問を聞いておると、首相の答弁は、ときどきは、核の持ち込みもやむを得ない、こういう雰囲気ですね。ところが、新聞に論評されると、あくる日は、まだ時期が早いと見たか、全く白紙だ。そうかと思うと、核を持たず、つくらずは憲法上の問題で、持ち込みは政策上の問題である。さらに、次第に、憲法解釈の問題については、国民の生命及び財産に危険のある場合は沖繩に核基地を置くこともやむを得ないとするかのごとき憲法解釈を法制局長官にとらしておる。そこでアメリカの代理大使たるオズボーン氏は、国会の論議を見ておって、何のことやらわからぬ、こういう批評を下しておることであります。これは一般国民の印象でもあります。  そこで、私は保利官房長官にこの問もお尋ねをいたしましたし、あなたのはっきりした平和姿勢というものを見てとっておりますから、あらためてお尋ねをしたいのは、日本は終戦以来再軍備をしない。平和路線を厳守して憲法の範囲内で自衛手段の採用を限度として今日に至った。その方針は不脅威、不侵略あるいは不攻撃である。これは吉田内閣以来のわが国の方針である、こういうふうに言われたと思うのです。私は、沖繩が一日も早く帰りたい、そしてわれわれは一日も早く迎えてやりたいという願望は強い。けれども、やはり日本本土のものとしては、沖繩をなるべく平和な姿として、基地はあっても、それは通常基地であって、原爆、水爆をかかえて日本全体を不安におとしいれるような形で返してやってはいかぬという考え方が、今日は大体の国民のコンセンサスのあらわれだろうと思うのです。こういうことに対して保利官房長官はどう思われますか。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 川崎さんの御趣意は総理にお伝えをいたしておきますが、私はこの間からの本会議、予算委員会の論議を通じまして、総理が心配しておりますのは、沖繩の施政権が日本に返ってきたときに、日本の安全をどう全うしていくかということに非常に苦慮しておられる、それが第一点だと思います。同時にまた、今日の日本の国際的信用というものは日本の平和主義が、総理がよく言われるように、平和に徹するという外交を展開していく、この平和主義がかなり浸透してきたところに日本の国際信用というものの基調があるわけでございます。そういうところを踏まえて、ただ総理としては施政権が返還されるのがどの時点であるか。その時点において日本の安全をどうはかっていくかということに焦点をしぼられて心配をされておると思うわけでございます。したがって、核基地として沖繩の基地を利用するかどうかというようなことを、すでにきめられておるかのごとく言われる向きもありますけれども、さようなことは、総理の頭には全然ないと私は考えております。しかし、あなたのお話の点は総理によくお伝え申し上げておきます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 私は野党ではありませんから、したがって一つずつ追い詰めてお話をするよりは政治論でいきたいと思うのです。  二、三日前の日米議員会議で前尾さん、三木さん、藤山さん、中曽根君の議論は、沖繩基地について全部本土並み返還ということで一致した線を主張しております。この中で注目される点をえぐってみると、前尾氏の議論は、沖繩が日本に返還される以上、基地が本土並みでなければならぬことは論理上の帰結であると言っておる。安保問題は日米間にさしたる争点はないが、沖繩問題の処置を誤ると、日本国内で安保が沖繩にすりかえられる危険性があり、混乱が起こる、こう指摘をしておる。三木さんは、交渉にあたって日本は自主性のある返還の回答を出さざるを得ない。日本の態度が、まずあくまで本土並みであることは当然であると強調しておるし、藤山さんの所論は、もうしばしば出ておるし、私の考え方と変りないから御紹介するまでもない。中曽根君は基調演説で、硫黄島の例を持ち出して、アメリカの措置に感謝するとともに、もしも沖繩の返還にあたって、中途はんぱな措置が行なわれた場合、日本人の失望、プライドの傷つきから来るマイナスは、将来沖繩や日本の対米姿勢、対米協力の上に大きな影響を投げるであろうし、この問題は、沖繩と日本は同じステータスの上に立って処理すべきことは自明の理であるということを言うておるのです。私は、これはなかなか——自民党の今日、将来を背負う有力な領袖並びに幹部がこういうことを言っておるし、船田先生の御意見は違ったようでございましたけれども、またすでに川島副総裁は、個人的にではあるけれども、やはり交渉にあたっては本土並みが筋だということを言うておられるところを見ると、党内の合意というものはこの線でなるべく取りつけるようにしなければならぬと私は思っております。そしてそれは野党の中にも、そういう意見が非常に高いわけです。基地をいま直ちに撤去しろという一部の者は別だけれども。してみると、これをもとにして対米交渉の第一姿勢にするということだけは合意していただけないでしょうかね。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 私も、この間新聞でわが党の領袖の御発言を拝見いたしております。いま御指摘の前尾さんの発言のごときを私が批評すべきことではないと思いますけれども、これはもうあなた、施政権が返ってくれば当然本土になるわけでございますから、論理上本土と同じことにならなきゃならぬ。特別の措置をしない限りは、もうそのとおりで、これは前尾さんの言われるとおりだと私も思っております。  しかし、ただいまだんだんお話しの点は、総理もこの国会を通じてあらゆる御意見を拝聴して自分の考えを煮詰めていきたいということで、いろいろの御意見を歓迎するということを言っておられますから、ただいまのようなことは、もちろん重要な自分の意見を定める上において参考にされておるということを、またお伝えもいたしておきます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 保利官房長官に対する質問は、もう一問で終わります。私は大胆に申し上げるならば、日本人の心ある者は、沖繩返還のあり方というものとアメリカの態度、これと北方領土に対するソ連の態度の双方を見詰めておると思うのですね。もし沖繩が日本国民の念願であるように本土並みの返還ということが実現すれば、国民の要請はせきを切ったように北方領土の返還要請に走るだろうと見ておるのです。このときに、国民の感情と国民の要請というものは、なかなか押えることはできない。そういう意味で、いまは非常に重大な岐路に日本は立っておるということを申し上げておきたいと思うのです。  そこで最後に、保利官房長官に佐藤首相に言うてもらいたい。憲政の大先輩の犬養木堂が書いた書に、宋の時代の名句があるのです。これがちょうどいま沖繩交渉に当たる佐藤総理大臣に呈するには最もいいし、あなたに呈してもいいです。こういう五言ですな。「位無くして事を立つるは難く、時に逢うて功を建てるは易し。全きを求めて自ら有るは殴る。大を挙げんとすれば須く略は細たるべし。」こう書いてある。大をあげんとすれば、略はすべからく細たるべしというのは、保利官房長官のような知謀あふるる人——今日の佐藤天下を招来した人であるから、間違いない。佐藤総理大臣もそのたぐいである。けれども、この位なくして事を立つるはかたい。あなたたちは、位は、人臣をきわめておるのです。ましてや時に逢うておるのですな。そのときに全きを求めて自らあるはこわるとある。全きを求めなければいかぬ。みずからを犠牲にして沖繩の本土並み帰還ということに全力をあげるということが、今日宰相としてのつとめである。みずからあることを所期してはならぬということを、この五言は雄弁に物語っておる。その意味で、ぜひそういう気持ちで当たっていただきたいということをお願いして、これは答弁は要りません。どうぞ御退席を願いたい。  原田運輸大臣に伺いたいです。具体的な問題です。  太平洋空のなぐり込みという、いわゆるアメリカ民間航空の非常な攻勢、これは十二月十九日のジョンソン大統領の決定が一たび下って、従来のパンアメリカン、ノースウエスト、これに加えてフライングタイガー、トランスワールド、コンチネンタル、こういうものの出願を許可したですな。ところが、ニクソンになって、いかなることであるか、これは破棄された。すでに質問なども出ておりますが、これに対して日本の立場はどういうことになりますか。ただ見詰めておるだけですか。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 お答えいたします。  いまお話しのありましたように、昨年の十二月十九日、ジョンソン大統領が新しい太平洋の路線、いまお話しのあった最後のTWAというのはこれは沖繩ですけれども、先の三つは日本へ入ってくる、こういう処置をした。これでも相当な問題がこれから生ずると考えて対処方法を考えておりましたところが、本年へ入りまして、十九日に、ニクソン大統領はこのジョンソンが決定をした措置に対して差しとめを行なった、こういう事態が生じたわけでございます。このことがいかなる事態になるのかということについては、詳細にまだ判明をいたしておらないのであります。と申しますのは、全く異例な措置でありまして、大統領がきめたことを次の大統領が差しとめるという行為がいかなることになってくるのかということにつきまして、詳細にわかっておりません。したがって、私どもは、黙って見守っておるのではございませんで、外務省を通じまして、この二月の十七日、これが期日になってくるわけでございますから、はたしてこの場合どうなるのかということを公式に問い合わせをし、申し入れをすると同時に、今後これは決して日本に対してはよくなってこないだろうという判断に立って、今後の太平洋の航空対策として腹をきめてかからなければならぬという所存で対処いたしております。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 文部大臣にはいろいろな質問があるわけですけれども、全部割愛しまして、二点だけ伺っておきたい。  この大学紛争は、もはや世界的な傾向でもあるわけです。しかし、日本の場合には、政治闘争というものが加わったり、あるいは日大のように全く異質なものがある。あれはやはり日大のような場合には、あなたはもう少し警告を発しなければいかぬと思うのです。経理の乱脈、それがために——日大というのは、思想傾向からいえば、ああいう傾向の学校じゃなかった。ところが、まるで収拾のつかない状態が昨年繰り返されたのは、もとはといえば大学経理の乱脈である。まず、これについてどう考えます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 川崎さんにお答えをいたしたいと思います。  今日、私立大学、また国立大学を問わず、相当の大学におきまして紛争が生じておりますことは、まことに遺憾なことだと考えておるわけでございますが、それにはいろいろ根の深い問題がありますし、いま川崎さんが御指摘になりましたように、国際的な学生問題、つまりスチューデントパワーの問題、これは人間疎外の問題とも相通ずるかと思いますが、しさいに検討いたしますると、フランスはフランス、イギリスはイギリス、ドイツはドイツ、またアメリカ等におきましては、たとえばベトナム問題あるいはそれが徴兵につながる問題、あるいはもっと根の深い黒人の問題等が、いわば政治問題として出てきております。またフランスの場合においては、むしろ高等教育機関に学びたいとすることが非常に強くなっておるにかかわらず、フランスの大学制度そのものが受け入れることができないような状況になっておるという、まさに大学制度そのものに問題があるというふうに思います。   〔委員長退席、中野(四)委員長代理着席〕 また日本の場合におきましても、学生の意識の変化の問題、それから大学当局がこれにこたえておらないというような問題、量的、質的変化に応じた大学当局の措置がないということがあるわけでございます。  しかし、そういうような問題を含めましていろいろありますけれども、日大の問題はむしろそういう政治的な問題はあとから加わったものであって、そこに政治的な問題を事といたしておりまする一部集団がそれを利用したということになっておりまするが、御指摘のいわば私立大学における経理の問題等につきましては、いわばいままでございました私立大学における学園紛争そのもの、当局に対する何と申しますか、自分が権力の事実上の主導権を握ろうというようなものもありますし、そのきっかけとなって経理の問題があらわになったんじゃなかろうかというふうに思います。こういうことはきわめて大学教育上よろしくないことでございますから、十分われわれといたしましても法律の範囲内におきまして指導助言を続けておるところでございます。まことに遺憾なことだと考えておる次第でございます。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)委員 だいぶ話が……。人の言うたことに直接答えてないんですけれども、しかたがない。全く話にならぬな。もういい。しかし、私は、今度の騒動があって、櫻内文教制度調査会長以下非常な御努力で、いま党で案を練っておられる。私の同志も非常に多いわけですから……。このことについては、町では「東大のざまは何だ、あれは」ということが、これは何といっても定評ですよ。今度のことで、その東大というものの本質の問題と、それから態様の問題は別として、非常に驚いたのは、東大の卒業生というものは一体、愛校心がないんですか。そういうふうに仕立てた大学かもしれぬけれども、どうですか、先輩たちが、これだけの大騒動が起こって、大紛争が起こっているのに、昨年の八月から母校にかけつけて、そして学生を説得した者はないじゃないですか。政界には、衆参両議院で百二十名の東大の出身者がいる。学閥をつくれというんじゃないですが、どうです、あなた、佐藤総理大臣、福田大蔵大臣、愛知外務大臣、クリーンアップトリオ——そして本人の坂田文部大臣、大平通産大臣、みんな東大出——(「大平は一橋」と呼ぶ者あり)大平は違う。斎藤君もそうです。これだけそろっておって、そうしてこんなことになったら何とかしなければならぬじゃないかと寄り合いをやったことありますか。われわれは少し飛び上がりのほうだけれども、早稲田大学の騒動のときには超党派で国会稲門会は動いたですよ。そうして学生と学校側双方を十数日にわたって説得をした。もう少しだった。ところが革マルに手ごわいのがいて、どうしても承知しない。大浜早大総長はまた、あっちが承知しなければだめだと言う。ところが、最後に——やはり佐藤觀次郎君や多賀谷真稔君、社会党の諸君もずいぶん協力をしてくれた。それでとうとうしまいにはそれが一つの導火線になって、老リベラリスト阿部賢一先生の登場となり、おさまった。大ぜいいて、どうですか、まるで出世欲の権化みたいな者ばっかり。これを世間では何と言うか、東大もと暗し。(笑声)当代随一の不祥事だという。しゃれじゃない、とってもばかばかしくて——。これだけはひとつ拳々服膺してください。しかし、東大に大学再建の意欲と策を授けなければいかぬということを、この際特に申し上げたいと思う。  私は質問の最終段階では、自分の考え方を述べまして、愛知外務大臣の御答弁があれば伺いたいし、時間の関係で都合が悪ければ、答弁をはしょっていただいてもいいと思うのです。  一九七〇年代というのはいかなる時代かというと、第一は、戦争を絶滅するために人類が英知を傾ける時代だ。この時代に大戦争がなければ、ついに人類は未曽有の繁栄の時代を迎えて、戦争はなくなるであろうと予言する者があった。世界の学者たちです。  第二は、近来大国の権威というものは失墜してきた。いかなる大国であっても、小国を暴力をもって圧殺することはできない。チェコスロバキアに対するソ連の侵入ということが世界にごうごうたる非難を巻き起こして、今日チェコは相当な不自由な環境にありましょうけれども、ついにまだ圧殺されるに至っておらぬ。ベトナム問題に対するアメリカの出兵は、最初に多少の筋道はあったけれども、エスカレーション以来世界の支持を失って、あれだけの長大なる補給戦争をしていながら、ついに勝利をおさめることができないという時代に入った。民族自決の時代であります。  しかし第三は、民族自決ではあるけれども、世界連帯の考え方というものが生まれていかなければならぬという時代に入ったと思うのです。もうアポロ9号がこの末には再び発射されようとする。11号はついに人類未踏の月軟着陸というものを完成するだろうといわれておる。そういう時代に住んでおるのですから、日本のビジョンというものも、もっと大きなものに変わらなければならぬと思う。  私は、日本の国がどういうことにならなければならぬか、この感覚について、外交の当事者のお話を伺いたいと思う。時間が許せば答弁だけしていただきたい。それは、私の考え方を言えば、やはり第一にユニークな平和国家というものを完成することです。その平和国家というものは、スイスのような観光中立国ではない。スウェーデンの社会福祉国家だけでもない。もっと幅の広い産業国家、工業国家の旺盛なタイプです。第二には、やはり富裕国家でなければならぬ。ハーマン・カーンは、二十一世紀は日本はアメリカと肩を並べると言ったが、そういうことを目標にしていかなければならぬと思うのです。しかし第三には、われわれは、じゃもっと切実な問題として、世界的軍縮というものと取り組む必要がある。これは日本の置かれた非常ないい立場であって、日本国憲法というものの立場をフルに利用して、国連の内部でも奮闘してもらいたいと思うのであります。   〔中野(四)委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、そうかといって、日本はやらずぶったくりでは困る。自分らだけが繁栄して、そして経済が充実しただけではいけないので、やはり余剰蓄積を後進国家の開発に向けるということが、第四の国是にならなければいかぬ。第五は、やはり世界の未開発国に対して、日本は人的資源、科学技術というものをつぎ込むとともに、ニューギニアをはじめ、あらゆる国々に対して開放を要求する、国連にこれを持ち出す、こういう新しい構想が生まれてこなければならぬと思うのです。  太平洋のかなたにもわれわれの先覚的な同志がいる。これが、私は沖繩の将来のことについて非常に明快な示唆をしておると思うのです。フルブライト上院外交委員長がサンタバーバラの会議から帰って上院で演説をしておるところは、これは非常に深い感銘をわれわれに与えておる。何と言っておるかと言うと、米国は日本をして世界軍縮の先頭に立て、むしろ助言者の立場でこれを実現さすべきである。日本は今日までほとんど非武装に近い姿であったが、沖繩の返還は、日本をしてかつての軍国の時代に逆戻りをさせるか、さもなくば平和国家に徹せしめるかという岐路に立っておる重大な瞬間である。われわれは日本の平和国家としての立場を貫くことを期待したい、沖繩はアメリカが返す以上、日本人の大多数の意思できめるべきであり、その余剰は、やはりわれわれの所論と同じように、日本はアジアの開発、アフリカの開発に協力すべきだということを言うておるのです。こういう人があるわけです。最後に外務大臣のお話を伺って、私の質問を終わります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 川崎委員の御質疑、私も非常に敬服して拝聴いたしました。  私は、一言私からも言わせていただきたいと思いますが、先般本会議の演説でも申し上げましたように、私は一番の基本は、日本国憲法の精神によってあくまでも外交としては平和への戦いということでやってまいりたい。しかし、それにしてはまずみずからが安全で、繁栄して、力を持っていなければならない。これが国益を伸ばすゆえんであると思います。そのかね合いと申しますか、こういう気持ちでひとつ具体的な政策の遂行に当たりたいと考えておりますことを一言だけ申し上げまして、御答弁といたします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて川崎君の質疑は終了いたしました。  次に、楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は、沖繩返還と核禁三原則の関係についての四日及び八日の私の質問を、いま一度詰めてみたいと思うわけであります。  そこで総理は、まず四日に、私の質問に対して、三原則中持たず、つくらずは二原則、持ち込まずは一政策、三原則をばらして二原則一政策、こういうことになったわけであります。そこで私は、八日のわが党の畑委員の質問に関連をいたしまして、持たず、つくらずの二原則は、政策であるところの持ち込まずとは違って、憲法及び原子力基本法上の問題がある以上、少なくともこの持たず、つくらずという二原則だけは、沖繩基地の態様いかんにかかわらず貫くべきではないか、こういう質問を総理にいたしたのであります。ところが総理は、持たず、つくらずは憲法上の問題だが、この原則も返還後の沖繩に適用するということば明確には言えないと思われる答弁をなさったわけであります。  そこで私は、きょうは総理がいらっしゃいませんから、総理の後継者である方に——いや後継者じゃないですね、総理を代行される方に質問をいたしたいと思うわけであります。それで総理の答弁よりすれば、憲法及び原子力基本法に問題ある二原則の沖繩への適用ももっと考えねばならぬと言われたわけです。だからそういう意味では、原子力基本法あるいは憲法の適用除外も含むがごとき——はっきり言われないんたから、適用するとはっきり言われないということは、そういうこともあり得るということが含まれないとおかしいわけでしょう。だから私どもとしては、そういう沖繩返還の際に、沖繩に憲法あるいは原子力基本法の適用除外もあるいはあるのではないかという印象を受けるのですが、その点はどうでありましょうか。——いや、法制局長官ではちょっとこの点はぐあい悪い。あとで聞きますから、これはやはり官房長官にひとつ……。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 私が承っておりましたところでは、そういうふうな印象を持たなかったのですけれども、総理ももうしばしば申しておられるように、施政権が返還されれば沖繩は本土それ自体になるわけであるから、したがって、本土に行なわれておる憲法以下の諸制度はそのまま沖繩に通ずる。したがって、核の原則問題についても当然本土と同じように考えるということであったと思うのですけれども、これはもし違いがあれば、またこれはほかにただされる機会がございましょうから、私はそういうふうに理解をいたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は速記をここに持ってきておるのですね。そしてこれでいきますと、二原則の沖繩適用についてもいろいろと問題があるということを言われておるのです、この中に。そして、沖繩が全然きれいな基地であれば二原則を適用するとはっきり言えるけれども、現にメースBもある、したがって、沖繩については二原則も適用するということをいま言えない、だから私は白紙である、こう言っておられるのですね。それから原子力基本法も、それが沖繩に関する点になると、私はやはり白紙であるためにもつと考えなければならない、こう答弁されておるのですね、私が言ったとおり。保利さんの御理解とは違うわけですね。総理の答弁はそうなっておるのです。もしそうでなかったら、総理にもう一ぺん来てもらわなければいけません。そう答弁されておる。そのとおりの議事録を私はここに持ってきておる。それで、この点は私が質問していく間により明確になろうと思いますから、総理に来てもらう必要が出てくると思います。  そこで、いまの点をもう少し中身を詰めてみたいと思うのですが、現にある米軍の核基地が返還後も、たとえばメースBのごとき、返還後もそのまま継続使用されるということになった場合に、それはいわゆる三原則にいう持たずの、持つということになるのか、あるいは持ち込みのほうになるのか、どっちでしょう。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 どうも私は法律論はよくわからぬのですけれども、大体はしかし、沖繩に米軍の軍事基地を認めるということになりますれば、その軍事基地の中の態様でございましょうから、したがって、それは日本のいう持つというほうには入らぬのじゃございませんのですか。持ち込みということになるのじゃございませんでしょうか。これは仮定のことでございましょうけれども、私はそういうふうに常識的に理解します。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、メースBを例にとりますと、いまあるわけですから、それをそのまま話し合いのもとに継続的に置くということになった場合には、それは持つということではなしに持ち込みになるんだ、そういうことでよろしゅうございますね。法制局長官、よろしゅうございますね。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 持ち込みあるいは持つ、持ち込ませずということは別に法律上の用語ではございませんので、私がわざわざ出て申し上げることもないと思いますが、結論的に申して官房長官がおっしゃった点で間違いないと私は思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、継続的に核基地を置く場合には、それは持つ概念ではなしに持ち込みになるのだという見解ですね。  そこで総理は、二原則の中のつくらずはおきまして、二原則のもう一つのほうの持たずですね。持たずという点も、これも白紙だとおっしゃいました、私に。二原則を適用するかと言ったら、いやそれも白紙だとおっしゃいました。二原則を分けると、つくると持たずになります。つくらずのほうはさておいて、持たずのほう——持たずのほうも白紙だとおっしゃいましたが、一体持たずというものが白紙ということは、沖繩基地の場合には具体的にどういうことが想定されますか。外務大臣、どういうことが想定されますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私にはいま想定するだけの材料がございませんので、何ともお答えできません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたには一言私は言っておきたいと思っておったのですが、仮定の問題には答弁されないということを私の四日の質問のときにおっしゃいましたですね。国の安全保障の問題を論議するときに仮定でない問題がありますか。ありますか、仮定でない問題が。例のわが党の岡田委員が出しました三矢計画のときに、どう政府は答弁しましたか。国の安全保障はいろいろな場合を想定をして、それに対して備えることは当然のことだとおっしゃったではありませんか。安全保障というものはすべて仮定の問題に対して対処するんですよ。それについて答えられないということであれば、安全保障の問題は論議されぬではないですか。どうですか。そしていま材料がない、あなた外務大臣でしょう。五月にはアメリカに行かれるんですよ。それに、そういう材料もなしにアメリカに行くのですか。あなたは、返還の時期は基地の態様とも関係する、そういうことを答弁しておるではないか。それにあなた、基地の態様についてもそういう私が言ったような材料を持ち合わせないとは一体どういうことなんです。何を持って五月にあなたはアメリカに行くのです。そういう答弁でここを過ごせると思ったら大間違いです。だめですよ。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 まあそうかどばらずに、私の考えもお聞きいただきたいと思います。  仮定の場合もお答えできるものもありましょうし、仮定ですからお答えをするのには責任をもってのお答えのできないものもございましょう。そういう意味で、私がどういうふうにそのときに申しましたか、記憶をはっきりいたしませんけれども、そういういま申しましたような意味でお答えをいたしたわけです。  それからいま一つは、おまえは何も持たないで出かけるのかという話でございますが、まだ現在は二月でございまして、五月の末なり六月の初めなりはまだ相当の期間もございますし、総理もよく言われておりますように、基地の態様というようなことについては、ほんとうにこれは大切なことでございますから、私はまだ一方的にこういう——一方的といいますか、一つの決定した考えをまだ持つに至らない、国会の御論議等を通じまして真剣に検討をいたしておる段階でございますから、どうか御了解願いたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは防衛大臣にお伺いをします。  もし、沖繩基地の問題に関連して、現在沖繩にはいろいろな核兵器がありますが、そのうち核のハーキュリーズを自衛隊に移管をしようという話が出た際には、自衛隊としてはどういう対処をされますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 わが自衛隊は、核は持たない、こういういま立場におります。したがいまして、ナイキハーキュリーズは、あれは両用でございますが、核つきになれば、私のほうはそれは引き継ぎません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、自衛隊は持たないということはいまもおっしゃっているんですから、持たずということが白紙ということはどういうことなんですか。あと残るのは何ですか。つまり持たずというものも白紙ということは、自衛隊はもう持たないということをはっきりおっしゃっているんだから、あと残りとしては米国が持つ、こういうことでしょう。それについて白紙とおっしゃっているんでしょう、総理は。どうですか、外務大臣。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 だんだん仮説のお問いで来ておるわけですから、そういうあれからいきますと、白紙ということも、そこをも含めて白紙と申し上げた、こういうふうに私は理解いたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 白紙がそこを含めて、とは何ですか。防衛庁長官は、自衛隊が核を引き継ぐことは絶対ないとおっしゃっているんですね。つまり持つことは絶対ないとおっしゃっている。じゃあ、あと持たずということは白紙だということは、どういうことが残るのですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 防衛庁長官がお答えいたしましたことは、それを前提として、そしてあなたが言われたことを含んで白紙と、こういうつもりで私申し上げたわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 おかしいではないですか。持たずというのは、じゃ何があるのかと聞いておるんですよ。自衛隊は持たない、はっきりしました。そうすると、わが国は持たないということですよ。わが国の軍隊は持たない。そうすると、あと持たずの残るものは、米国が持つか持たないか、これをおっしゃっているんではないかと私は聞いておるのです、白紙ということは。もしそれがなかったら白紙ということはあり得ぬのです。持たずという原則は貫くと総理がおっしゃってしかるべきなんです。そうでしょう。私が言っているのは間違いでしょうか。防衛庁長官、どうでしょう。そのとおりでしょう。何が残るのですか、白紙、白紙とおっしゃっているのは。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 どうもこの間の楢崎さんの、畑さんのときの関連質問のときのお答えがひっかかっておるようですけれども、一貫して総理が申しておられるのは、沖繩は施政権返還後は本土になる、つくらず、持たずという原則は本土においてはこれはもう原則として、ただ持ち込みの問題が白紙であると、こういうふうに答弁された。どうも、あそこのところで、あのときにあなたへのお答えの速記録がそうなっておるとすれば、どうもそこのところはちょっと違うような感じがしますですね。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 内閣の官房長官ですら、あの総理答弁はわからぬとおっしゃっている。全く、われわれがわからぬのは当然ですよ。そうすると総理にここへ来てもらわねばならぬということになりますね、長官、責任持てないとおっしゃっているんだから。  それで私、それじゃもう少し進めてみましょう。科学技術庁長官にお伺いをいたしますが、持ち込まずということは原子力基本法の第二条に抵触するかしないか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 原子力基本法の第二条によりましては、わが国におけるところの原子力の研究、開発及び利用は、平和目的に限られる、こういうことになっておるのでありまして、これはわが国土に適用されるのでありますが、日米安保条約によりましてわが国に入ってくる米国の軍隊あるいは軍艦に対しては、私はこれは適用ないものと思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 官房長官はどう思われますか。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 ちょっと条文に即して申し上げます。  原子力基本法の第二条は、御承知のとおりに、原子力の利用は、平和の目的に限り、民主的な運営のもとに自主的にこれを行なうものとするというふうに書いてありますことからおわかり願えると思いますが、この第二条は原子力利用の基本方針をうたっておりますけれども、これはわが国が自主的にこれを行なうということからもわかりますように、わが国権の支配のもとに属するものがこれを自主的に行なう、しこうしてそれを行なう場合には、利用は平和の目的に限るということになるのが当然であると思います。したがいまして、わが国権の支配のもとに立たない、たとえば外国軍隊そのもの、そういうようなものにつきましては、原子力基本法のこの基本方針がそのままかぶるというふうには考えておらないわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この原子力基本法は、昭和三十年の、衆議院においては十二月十三日、参議院においては十六日に、当時の自民党と社会党が全員四百二十一名をもって議員立法として出したわけであります。したがって自民党もこの解釈、運用については責任があるし、社会党も一方の提案者としてこの解釈、運用には責任があるのです。  そこで参議院審議の際に、いまの有田防衛庁長官はこの原子力基本法の提案理由説明者として、参議院にあなたは出張なさいましたですね。あなたはいまの解釈をどう思いますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 法制局長官の言ったとおりだと考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 有田長官、あなたに当時の提案説明者の一人として私はいまからお伺いしますが、持たずというものが原子力基本法第二条に抵触しないときめたのは一体だれで、いつきめたんですか、政府として。——訂正します。持ち込まずが原子力基本法第二条に抵触しないときめたのはだれで、いつきめたんです。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 そのようなことを政府でといえば閣議決定か何かになると思いますが、そういうことをしたことはございません。私が申し上げたのは、先ほども条文を引用して申し上げましたように、原子力基本法の第二条の解釈としてそうなるであろうということを申し上げたわけで、もしあやまちがあれば、私といえどもこれを変更するにやぶさかではございません。私が解釈としてそうなるであろうということを申し上げたわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたは法制局長官として解釈を示されただけ。内閣の責任において、この持ち込ませないが原子力基本法第二条に抵触しないときめたのはだれで、いつか。これは内閣の責任者として官房長官にお伺いします。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 これは常識的にお考えいただいて、法律の解釈はそうなるということで、そういうことを、こうやればこうなるときめてと、解釈上そういうふうになるということを総理はおっしゃっておると思うのでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大体本委員会、予算委員会を通じまして、非核三原則と沖繩返還の問題に関連して、あまりにも佐藤総理は法規を無視した見解を示され過ぎます。私は本問題について徹底的にここで明らかにする必要がある。それは社会党もこの原子力基本法の提案者であるからであります。  では一体、この原子力基本法の審議の経過、提案に至るもろもろの問題こういうものを有田長官は御存じですか。あなたは提案責任者ですから。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 このときは自民党も社会党も一緒になって共同研究して、そうして御承知のとおりのような議員立法としていったのでありますから、よくその事情はわかっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしたら有田長官、そうすると内閣が一方的に独断で、持ち込むというのは基本法の第二条に抵触しないということを内閣がきめることができますか、一方的に。あなたは審議経過を御存じだというから。できるようになっていますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 法制局長官の言いましたように、日本はあくまで平和利用をやる。したがいまして、つくったりあるいはみずからが所有するということはあくまで平和でいこう、こういうように、(楢崎委員「私の質問に答弁してください。」と呼ぶ)いや、それがさっきの法制局長官の答弁のとおりですから、私はそういうふうに……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私が聞いているのはそうじゃないです。内閣が一方的にそういう解釈をすることができますか、審議経過からいって。できるならできる、できないならできないとおっしゃればいいのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 われわれは議員立法で出しましたけれども、その趣旨は内閣もよく御存じでございますから、その解釈運用は、これは法制局長官の解釈は私は間違いない、かように思っておるのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ところがそれが間違いなんです。間違いです。あなたは立法経過なり審議経過を御存じだというが、審議経過は一体どうなっておりますか。わが党は、この原子力基本法は非常に重要な問題である。憲法九条を受ける立法だから——おとといも公明党の伏木委員に総理は答弁されておりますね。この原子力基本法は憲法の精神に基づいてつくられたものであるから、したがってこの原子力基本法の解釈というものは非常に憲法に関連する重要な問題でありますと。重要な問題であります。そこでわが党は三十年の段階で、この第二条と関連をして、外国の核を日本に持ち込む、つまり外国の核基地を日本の国土に自主的に置く、そういう場合はこの第二条と非常な問題が起こってくる。これを非常に厳格にわれわれは考える。そうしてその問題を提言したのであります。そうして、(「仮定の問題だ」と呼ぶ者あり)そのときに、自民党のほうの提案責任者である中曽根さんは委員会において何と答弁されましたか。そのわが党の疑問に対しまして中曽根さんは、責任者としてこう答弁しておるのですよ。まず一つは、自主的に軍事利用するということは絶対ありません。それが一つ。二番目に、いま私が言ったその問題ですね。外国の核基地を置くという、あるいは核兵器を持ち込むというそういう問題については、現在のところ政府はそれについて態度をきめていない。したがって、その問題が起こったときには国会でこれをきめる、それが第二番目です。第三番目に、同様にこの問題が起こったときには提案者である自民党と社会党が調整をする。それが衆議院段階の答弁です。そうして参議院段階ではどういうことが問題になったかというと、先ほど申し上げましたとおり、この問題は憲法九条とも関連するから、原子力基本法の取り扱いは憲法と同じように、改廃については三分の二以上の賛成を要するごときこれは重要法案である。しかし超党派で行なうという、解釈運用を超党派で行なうという歯どめがあれば、自民党が一方的に数で押し切るというような解釈方法はとらないであろうから、二分の一でもいいでしょう。したがって参議院段階では附帯決議を付して全会一致になっている。附帯決議は何かというと、この解釈運用については、いま申しました持ち込みの問題を含めて、超党派でこれを行なうという附帯決議が付されておるのであります。  とするならば、この立法経過あるいは審議経過からいって、内閣が、あるいは自民党の総裁が、第二条に抵触しないなんということをきめるという権限はないのです。いま自衛隊は憲法九条に反して、もう世界で自由諸国では五指に屈する軍隊になっている。いま憲法九条が、わずかに九条としての歯どめをしておるのは何と思いますか。その一つは、海外派兵の問題であります。これは自衛隊法三条の問題と関連する。いま一つはこの核禁三原則であります。これが原子力基本法の二条であります。もしこの原子力基本法を二分の一の単純採決でこれを改廃する、あるいはそういうことをしないまでも、解釈を一方的にそういう解釈をしてしまうならば、これは憲法九条を根本から否定する問題になります。したがってこれは内閣の一判断ではそういう解釈はできないことになっている。——いまそこで不規則発言があった。仮定の問題だと言う。何が仮定の問題ですか。五月には愛知さんはアメリカに行くのです。そうして沖繩の核基地の問題は持ち込み、これが具体的な日程にのぼるのですよ。仮定の問題じゃないのです。したがって、そういう五月段階、あるいは十一月には佐藤総理が訪米をして、この問題をきめる。いまこの問題について結論を出すとすれば当委員会しかないのです。社会党は立法の精神からいって、また提案の責任者として、そのような政府の一方的な解釈を許すわけにはまいらぬ。自民党も社会党も——自民党の皆さんもそうでしょう。私は本問題について取り扱いをここで自民党と社会党でいま検討してもらいたい。そのような見解を許して先に進めるわけにまいらぬ。重大問題です、これは。具体的な問題である。具体的に日程にのぼってきておるのです。そしてこれは原子力基本法があるから、安保条約の第五条によって、憲法あるいはそれに基づく手続、法規、国内法規に従って、いわゆる協議対処するということになっておるから、この持ち込みは原子力基本法の第二条に触れるという解釈をここにきちんとすれば、私は、アメリカに対しても、沖繩返還について日本の国内法はこういう問題がある以上、持ち込みはできないということを言えるはずです。何でアメリカに合致するような解釈をする必要があるのですか。これは国の安全に関する問題であり、具体的な日程の問題でありますから、私はこの段階で明確にこの取り扱いをしてもらいたい。委員長の取り計らいをお願いします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  ただいま楢崎君は政府に対して御質問のようでございます。したがいまして委員会の取り扱いは、この次の理事会でこれを取り上げて検討いたします。しかしあなたの質問は、質問者として政府におやりでございますから、政府にあくまでもひとつ御質問を願います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これはいまも説明しましたように、この問題は国会できめるようになっておる。われわれがこの段階できめる必要があるのです。したがって……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 だから、理事会で協議をいたしますということをはっきり委員長は申し上げております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いや、それはいつの理事会か知りませんが、いまこれをどう取り扱うか、いまちょっとやってください。そうしないと質問を続けられませんよ。重大問題です。だめです。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 そうはいきません。それは理事会で討議をするのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だめです。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 だめなことはありません。じゃ質問をやめてください。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 国会の運営に関する問題です。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 運営です。運営は理事会できめる。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 運営を委員長が独断して……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。(発言する者あり)静粛に願います。楢崎君に申し上げます。次の理事会でこの取り扱いを検討するということなんです。それがどこが委員長のやり方が悪いですか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 では委員長に質問します。  私がいま原子力基本法の立法経過なり審議経過を説明しました。いいですか。したがって、私のこの解釈が合っておるかどうか、自民党と社会党と両提案者がここで確認をしてもらいたいと思う。これは重要、いま問題になっておる。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 そういう取り扱いは前例がありませんから……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いや、確認してください。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 それは前例がありません。あなたは政府に対して御質問があるのですから、あくまでも質問を続行してください。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そういう簡単な問題じゃないんですよ。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 簡単な問題じゃないから……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 憲法の根幹に触れる問題です。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。簡単な問題でないから、次の理事会で検討するというはっきりしたことを私は申し上げておる。それ違いますか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは——いや、委員長に質問しておるのです。それでは、いま自民党と社会党の代表で、私が出しておる問題が、そういう立法経過が、審議経過がそのとおりであるかだけ、ここでひとつ判断をお示し願いたい。そうしないと私は先に進めることができません。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 それは理事会で検討いたしますという答弁をしておりまして、私の申し上げていることは違っておりません。したがって、次の理事会でこれを検討いたします。どうぞ質問は継続してください。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この問題は重要なんです。だから、私はこの問題がはっきりしないと先に進めないのです。私の言っていることが間違いであるならば間違いでいいです。しかし、私は、立法経過なり審議経過からそういうことになっておるのです。したがって、私のこの取り上げ方がどうしておかしいのですか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 いや、おかしいと言いませんよ。耳をさらって聞きなさい……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いま両提案者が合っているかどうか、確認してもらいたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君、私が発言中ですから、あなたおかけなさい。こういうことです。次の理事会であなたのおっしゃることを検討いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、私がただいま申し上げた立法経過なり審議経過を、提案責任者でありました有田長官はどう思われますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 ちょっと、もう一ぺん言ってください。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何言っておるのですか、あなた。何で私がもう一ぺん言わなければいかぬのですか。——じゃもう一度言います。長官聞いておってください。私が申し上げたこの原子力基本法の立法経過なり審議経過は、あなたは提案者の一人として列席されておりましたから、私の言っていることが正しいかどうか、それを判断を示してください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 たいへん失礼しました。先ほどこちらでちょっと話しておったものですから……。  私も提案者の一人として、あのときは衆議院の科学技術委員長だったですが、大体のことはわかっておりますけれども、参議院でどういう附帯決議があったとか、そういうこまかいところまでは、ことにだいぶ日がたっておりますので、はっきりした記憶はないのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 長官、どうしてこれがこまかいことなんです。そういう認識だからいけないというのです。あなたはこの参議院のことはわからぬとおっしゃるが、参議院のこの決議をしたときに、あなたは列席されておったんだ。こういう附帯決議を全会一致でやっておるのに、それがこまかいこととは何ごとですか。だめです。こういう問題が起こったときに、当時の科学技術庁長官の正力さんは、私が申し上げたことを、これは当時の立法経過、審議経過、これを受けて、この第二条の解釈、運用については厳格にやります、そういう答弁をしておるのです。そうすると、いまの政府の見解と当時の原子力基本法を審議したときの内閣の態度は違うことになります。違うことになる。こういう重要な問題について、一方的に変革する権限はない、この立法経過なり審議経過からいって。当時の正力長官の答弁と違うのです。明確にしてください。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 お答え申し上げます。  この原子力基本法の第二条の解釈を私先ほど申し上げましたが、これはその法律の成立過程にはいろいろなことがございましょうが、法律となりましたときには、それぞれの法律に関連のあるものがその解釈をすることは、これはもういかなる法律についても同じように考えられることであります。したがって、政府が解釈をすることはいけないということは、まず言えないであろうと思います。  ところで、先生が御指摘の点は、この審議経過に徴してのお話でございますので、私必ずしもその審議経過の全部を知っているわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、この法律ができましてから、その法律の生成過程にもしも在日米軍の装備をこの原子力基本法で規制することができるのだという明確なる解釈がありますれば、それを私は実は十分に考えてみたいと思いますけれども、私の知る限り、いままでもこれはたった一つの例でございますが、ほかにもあるかもしれませんが、私がいまとりあえず思い出しますのは、昭和三十四年の三月に、在日米軍の装備、これは沖繩が返りましたときにはそういう形になり得る型の一つでありますが、原子力基本法との関係は全然ないということを、三十四年の三月二十五日に衆議院の科学技術振興対策特別委員会で政府委員から答弁したことがございます。で、その解釈と実は先ほど申し上げた私の解釈は、その限り一貫しておるわけでございますので、この点も申し添えさしていただきます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの御答弁は、私が言っていることと関係ないのです。さっきの内閣の解釈が変わった点についてどう思われますか。当時の正力長官と現在の科学技術庁長官の答弁は違います。そしていまや、三十年の古い、十四年前の法案ですが、これがいま沖繩の返還の問題と関連して現実の日程にのぼっているのです。現実の問題です。今日の問題です。この不一致をどうしますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 第二条の解釈につきましては、私は先ほど申し上げたとおりだと思います。研究、開発及び利用は平和目的に限る、こういうことになっております。しかし、これが他の条約等の関係につきましては、これは法制局長官からお答えを願いたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたはそういう答弁だけれども、当時の正力長官はそうは答弁しなかった。それを言っておるのです。解釈が違うのです。取り扱いも違うのです。こういう重要な問題について、いま沖繩の問題が具体的になってきてからそういう解釈してもらっては困る。だめです。これは内閣の不一致ですよ。——だめです。大臣答弁が当時の答弁と違うということを言っておるのです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 お答えしますが、同じことでありまして、私は、あくまでわれわれの研究、開発及び利用は平和目的に限る、こういうことを申し上げておるのです。もしそのほかに条約等があれば、これはまた別の問題でありますから、それは……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうじゃない。あなたはさっき、この持ち込まずは第二条とは抵触しないと答弁されておるじゃないですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いや、私はそういう答弁はしません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでははっきりしてください。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 私は、安保条約に基づいて日本に入ってくるところの外国の軍隊及び軍艦には、それは適用ないものである、かように答えたわけであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だから、いいですか、持ち込まずということは、二条とは関係ないということでしょう、あなたの答弁は。持ち込んでも基本法の二条に抵触しないということでしょう。そういうことでしょう、外国の核だったら。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 私は、法律の解釈としては私の申し上げたとおりであるべきだと思うのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だから、あなたの答弁は正力長官の答弁と違うと私は言っているのです。これは内閣の責任者として総理の御答弁をいただきたいところですが、おられませんから、官房長官のお考えを聞きたい、これは内閣の答弁の問題ですから。(「解釈の問題だ」と呼ぶ者あり)いや、解釈の問題じゃない、答弁が違うのですから。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 内閣法制局長官……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だめですよ。委員長、ちょっと待ってください。解釈はわかっているのです。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 解釈だけ聞いて、あとにしましょう。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 もう何回も解釈は聞いておるのです。解釈はわかっているのです。   〔発言する者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 御静粛に願います。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 解釈が違っておるというお話でございますが、私もいま仰せの資料を手元に持ち合わせておりませんので、至急取り寄せておりますが、しかし、仰せのようなこの解釈のしかたというのが、政府側として非常に首尾一貫しないというふうなことは絶対にないということを、一つの資料を指摘して申し上げたいと思います。  昭和三十四年の三月二十五日、これは、先ほど申し上げました衆議院の科学技術振興対策特別委員会の中で、岡委員と政府委員あるいは有沢説明員との間に、まきにこの問題が非常に論点とされて議論されております。そこで政府側としては、原子力基本法の二条と米軍の配備というものは無関係である、おそらくこの理屈は私が先ほど申し上げたとおりだと思いますが、結論はそういうことを言っております。  それから有沢さん、これは説明員の資格で出ていらっしゃいますが、「米軍が持つことについて、果して私たちの方がそれを強く規制することができるであろうかどうかということは問題だと思います。しかし、日本の政府、あるいは日本の国が、原子力というものは、平和利用に限る、こういうふうになっておりますから、その趣旨、精神から言うと、日米の間においてもそういうふうな趣旨が条約の中に盛り込まれる」ようなことがあれば、それは別だが、法律としてはそこまでいけまいという明確なる答弁がございます。これはいわば政府そのままの説明員とは別のあれでございますが、そういう説明もなされておりますことを、あわせて申し上げさせていただきたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたはそういう説明をした人もあると言うが、別の説明をした人もあるのです。だから、あなたの御答弁は、私の問題にしているところと関係ないのです。正力長官は、そういう私が言った立法経過なり審議経過を確実に踏まえて——ということは、持ち込むということが第二条と抵触しないなんていう結論になっていないのだから、そういう点を含めて厳格に運用しますという答弁をなさっておる。ところが、いまの科学技術庁長官は、抵触しない、こう言っているのです。明らかにそこに違いがあるわけです。(「速記録を読め」と呼ぶ者あり)それでは言いますよ。これは正力長官の答弁です。「ただいま中曽根委員からもお話がありました通り、この基本法を厳重に国会が監視していき、なお政府もその覚悟でやっておりますから、この基本法通りいけば決して心配ないと思っております。」これはさっきの私が言った審議経過を踏まえての答弁です。いいですか。(「その前を読んでくれ」と呼ぶ者あり)その前は、私が説明したじゃないか。何言ってるんだ。  それから、衆議院段階で、この科学技術振興対策特別委員会の最後の採決の際に附帯決議も付されて、「原子力、平和利用の徹底、附帯決議事項等につきましては、大いに尊重いたしまして、法の運用を全からしめたい」これが最後の決意表明です。  それから、参議院のほうの附帯決議を読んでみます。これは三十年の十二月十六日、参議院では当時科学技術振興対策特別委員会がございませんでしたから、商工委員会であります。ここでこういう附帯決議ができておるのであります。   本法の改廃及附属法、関係法の制定、運用に当っては、本法の趣旨並に提案の経過に鑑み、あくまで超党派性を堅持し、国民的協力態勢を確立すべきである。   右決議する。政府が一方的にできるようにはなっていない。十分超党派でこの問題を話し合う、そういうことになっておるのです。そしてそれを正力大臣は受けて、運用について厳格を期するという答弁をなさっていらっしゃる。それをいまの科学技術庁長官が抵触しないなんというような態度を持することはできないのです。明らかにこれは食い違いであります。だから、その点を重要視しておるのであります。官房長官、どうでしょうか。食い違いがあると言っておるのです。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 原子力を日本で開発、研究をしていく必要に迫られて、どういう態度でこの開発、利用をやっていくかということについて、核兵器というものは地球上から絶滅したいというわれわれ日本国民の悲願というものを前提として、それだけに兵器としての核というものは一切開発をしない。しかし、原子力の開発におくれをとるようなことがあってはいかぬ。したがって、まあ開発、研究にあたっては、かなりそういう点には厳格な態度をもって臨まなきゃいかぬじゃないかということが、私は超党派的なその意思だと思うのでございます。そういうことで、どうもいまお読みになりましたようなもの、大体この内閣のとっておりまする態度と矛盾はないように感じておりますけれども……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何回も言って恐縮ですが、この問題が具体的に起こったときには——いま起こっているんですから、この持ち込みの問題が起こっておるんですから、起こったときには、これは政府にはまかせないで、国会がこれを決断を下す、そうなっておるんです。(発言する者あり)いや、そうなっておるんです。なっておるんです。そして自民党と社会党でその問題は調整する、この問題が起こったときには、具体的にそうなっておる。だから内閣として、審議経過なり立法経過を踏まえて、もう一度その問題については十分考えるという御答弁があれば、それでいいんですよ。それでいいんです。そういう解釈ができないことになっておるんです、この問題については。   〔「国会が法律の運用をするんじゃないですよ」「日本の意思が必要なんだ」と呼び、その他発言する者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 御静粛に願います。——どうぞ御静粛に。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 法制局長官から、法解釈についてはもう要らぬといわれるくらい御説明になっております。  ただ、楢崎さんおっしゃいますのは、いま当面の問題になっておるじゃないかということになりますけれども、総理はしばしば申しておられるように、沖繩の提供すべき基地はどういうふうにするかということについて、(「白紙だ」と呼ぶ者あり)白紙というか、いろいろ皆さん方の御意見も十分聞かれて、どうするか、そして、しかし国民の支持を受け得ないようなことはできないということをおっしゃっておられますことで、私どもはそういうことで御了解いただけるんじゃないかと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、私が申し上げたその立法経過なり審議経過も十分おわかりだと思います。あとで研究していただけばわかることですから、政府が一方的に解釈することはできない仕組みになっておる。それを言ったのはたれあろう、与党の中曽根さんなんです。もし異議あるなら、中曽根さんをひとつここに呼んでもらわなければいかぬ。そういう答弁によって本立法は成立したのでありますから、したがって、佐藤総理が二条に抵触しないなんという解釈を一方的に下すわけにはいかない。したがって、自民党と社会党が、提案者としての責任上、これは両党の話し合いに持っていってもらわなくちゃ困る。佐藤総理が自民党総裁ですから、そういう見解を示されるなら、わが党も責任上、成田委員長の見解をここに明らかにして、両者の会談ということも起こり得るかもしれません。そういう問題も含めて、私は、一番早い理事会で、本問題についての取り扱いに関して結論を出していただきたい、このように要望し、そして私は、その態度が出てきたときに、もう一ぺんこれは質問したいと思います。この問題は保留をしたいと思います。当然のことでしょう。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  理事会でこの取り扱いは協議いたします。  なおまた、いろいろ御意見等がございましたが、その御意見で両党が話し合うか話し合わないかというようなことも理事会でよく相談をし、そしてなるべく早い機会に結論を出すということにいたします。  なおまた、この問題であなたが質問をされて、これを許すか許さないかというような問題等につきましても、理事会で御協議を願い、その決定にまつことにいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 本問題についての質問は、私としては留保し、結論が出てきた段階で再質問の要望を重ねていたしておきます。  それでは次の問題に移ります。  四日の日に私はF4Eに対する質問をいたしました。そこで、特に八日の日のF104の墜落事故等とも関連をし、わが党の岡田利春委員に対して、総理は、いろいろな検討をするが、飛行機自体の構造についても総点検をする必要があるような御答弁をされたわけであります。安全性というものはきわめて重大な問題でありますから、私は、今後の質問の段階で、F4Eの機体の性能、構造あるいは搭載兵器の細部にわたって質問をせざるを得ないと思います。  そこで、念のために、私のF4Eに対する質問とも関連をいたしますので、先にお伺いしておきたい問題があります。それは、私が昨年二月二十九日に三次防のいわゆる技術研究開発計画の問題を取り上げました。この質問が終わった二、三日後であったと思いますが、「航空情報」の四十一年の十月号に、青木日出雄元航空三佐がF104Jの火器管制装置、ナサールのことを書きました。ところが質問した一両日後に、防衛庁は、このナサールのことを「航空情報」に書いたことがMSA秘密保護法に触れるとして、告訴をなさいましたですね。そしてその判決はまだあっていないと聞いております。そこで、もし青木さんが「航空情報」にああいうものを書かずに、私が当委員会で同じような内容を明らかにして審議を進めるとするならば、防衛庁はMSA秘密保護法に触れる、告訴の対象になると思いますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 あのときの問題は、自衛隊法、自衛隊員に対して縛ったことだろうと思っています。したがいまして、ここは国会の場でございますから、楢崎さんがいろいろなことを言われて、これが自衛隊法違反だというような、そういうわけにはいかない、かように私は思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あの告訴は自衛隊法の告訴ですか。MSA秘密保護法の問題として告訴されたんじゃないんですか。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 ただいまの御質問でございますが、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法、これは昭和二十九年に制定されておりますけれども、その中で、防衛秘密、つまり、米軍から提供せられました各種の事項あるいは文書、図画、物件あるいは情報等で、これを探知し、あるいは不当な方法で防衛秘密を探知しあるいは収集した場合、あるいはその防衛秘密を他に漏らした場合、こういう場合につきましては同法律の第三条に罰則の規定がございます。したがいまして、明らかにこの防衛秘密保護法に違反をするというふうな事態がありますれば、この秘密保護法の適用が及ぶということになろうかと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、いまの官房長のお話でいくと、私がこの委員会でその種の内容を明らかにした際には、その問題いかんによっては秘密保護法に触れることもあり得るという御答弁ですか。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 これは法律の解釈の問題でございますが、第三条の罰則によりますれば「わが国の安全を害すべき用途に供する目的をもって、又は不当な方法で、防衛秘密を探知し、又は収集した者」あるいは「わが国の安全を害する目的をもって、防衛秘密を他人に漏らした者」こういう場合につきまして罰則がございますので、これは個々の具体的なケースにつきましてどういうふうな取り扱いをするかということはここで申し上げるわけにはまいりませんけれども、法律の条文からはそういうことに相なろうかというふうに考えるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは国会の審議権の問題と関係して重要でありますから、法制局長官の御見解をお示しいただきたい。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 お答え申し上げますが、まことに申しわけない次第ですが、この件について何も実は承知しておりませんために不正確な答弁になってはどうかと思いますので、ただいま私のほうから答弁いたすことは差し控えさしていただきたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは憲法あるいは国会法によって保障されたわれわれの審議権とも関係する。いまこのF4Eの性能あるいは機体の構造なり搭載兵器の内容について審議をするわけですが、それが事と次第によってはMSA秘密保護法の対象になる、そういう答弁ですが、国会の審議の観点から委員長はどう思われますか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  先ほど島田官房長の答弁はそういう意味ではなかったように私は聞いております。   〔「そういう意味じゃないか」と呼ぶ者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 いや、そうは聞いておりません。   〔「どういうふうに聞いたか」と呼ぶ者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 不規則発言を禁じます。  島田官房長、もう一ぺん答弁してください。はっきりしておかないとだめだ。   〔「委員長もわからないのか」と呼ぶ者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 わかっております。   〔「委員長、見識ないぞ」と呼ぶ者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 あります。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 私は、ただいま日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法に規定しておりますところの罰則につきまして御説明を申し上げたわけでございまして、具体的なケースにつきましてここで私からどうこうという判断を申し上げるわけにはまいらないのでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは私の質問の内容いかんによってはMSA秘密保護法に触れるというわけですか。おかしいじゃありませんか。そういう解釈で、しかも防衛庁は告訴しているんですよ、青木さんを。MSA秘密保護法に触れるとして告訴しておるのですから、聞いておるのです。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 ただいまの御指摘の事件につきましては、これは秘密保護法に、抵触をするおそれがあるということで防衛庁といたしましては告発をし、警視庁において捜査せられたのでございます。しかしながら、これはそういう具体的な事案に即して慎重に検討した結果のものでございまして、いま御質問のような場合につきまして、私がこの場で直ちにこの法律を適用するとか何とかということは申し上げる立場にないわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの御答弁のとおりですよ。そうすると、私どものこの国会における審議権が非常に制約されることになる。委員長はどのように判断されますか。これは審議の問題でございますから、責任ある御見解をお示しいただきたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  ただいまの官房長の答弁はあなたのおっしゃるような答弁でなかったように思います。そういうふうに私は解釈しております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 よく聞いてください。具体的に問題が起こらないとわからないという御見解です。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 そうです。具体的問題をさしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、私の質問の内容によって触れるという場合も出てくるということですか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  あなたのおっしゃることは、具体的であるかないかということはこれからの問題であって、これからの問題に対しては私には判断ができません。したがって、具体的なことが出てくれば私の判断もつきますが、それまでは判断はできない。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、私がこれから触れてまいるF4Eの内容について、その内容いかんによっては触れるとか触れないとかあなたは判断を下されるのですか。そのときに。前もって。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  この判断については法制局長官から答弁せしめます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ちょっと待ってください。法制局長官はさっき答えられないと言った。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 いや、もう一ぺん答えさせます。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 先ほどちょっと誤解があったようでございますので……。  ただいまの御質疑が議員としての責任問題についての御質疑であったとすれば、私は正確なる答弁を先ほどはいたしておりません。したがっていま申し上げますが、憲法五十一条の規定によって「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」というようなことから、自然おわかりいただけると思いますが、いわゆる議員の発言、表決の無責任という規定がかぶることは当然であろうと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは青木さんが公表されましたあの種の問題を当委員会で私が明らかにしても、MSA秘密保護法に触れる問題は起こらない、そういう理解でよろしゅうございますか。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 いまのは法律論でございますから、むろんそれと別に、この院外で責任を問われないという意味は、院内で責任を問われることはむろんあり得るわけでございます。これは法律の、憲法の解釈としては当然で、院外で責任を問われないということと院内での責任の問責は別である。  もう一つは、いまのは法律論でありまして、ほかに道義上の問題等があることは申し上げるまでもないと思いますが、当然でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はMSA秘密保護法に触れる問題が起こるかということを聞いておるのであって、国会における懲罰の問題、責任問題をついているのではないのです。MSA秘密保護法との関連を聞いているのですから、どうですか。

高辻正己内閣法制局長官

○高辻政府委員 重ねて同じことを申し上げますが、先ほど申し上げたと同じことでございまして、院外で責任は問われない。院内での責任は別である。こういうことです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、MSA秘密保護法に触れるかもしれないという問題ですね。政府の責任ある御答弁をいただきたい。保利官房長官。

保利茂自由民主党内閣官房長官

○保利国務大臣 どうも法律解釈の問題のようでございますから、これは法制局長官の御答弁をもって政府の見解と御承知をいただきたい。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、秘密保護法に触れるかもしれないということです。これはあなた、審議権の制約です。制約になります。この問題は触れるのではなかろうかというようなことを絶えず考えながら私は質問しなくちゃいけません。これは審議権と関係します。したがって、この問題は、同じように理事会で明確にしてもらいたい。審議権に関係をいたします。委員長の責任においてこれは明確にしてもらいたい。よろしゅうございますか。兵器の質問ができないようになります、これからわれわれは。言うならば、これから四次防、五次防にかけてライセンス生産の兵器がどんどん出てくるのです。そうすると、それは国会に、予算委員会にかかる。ライセンス生産の兵器についてわれわれはどこまで質問することができるのか。これは重要問題になってきます。これからずっと起こるのです。この際明確にしてもらいたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  仮定の問題でありまして、委員長は法制局長官とは違いますから、したがいまして、仮定の問題については委員長としては答える責任はございません。ただし、あなたの御質問、まことに重大な意味をはらんでおると思いますので、理事会で協議をいたすことにやぶさかでございません。そういう見解を表明いたし、次の理事会にこれを提案いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、私はその見解が出てきて以降しか質問ができないことになりますね、F4Eの内容の問題について。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。   〔発言する者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 御静粛に願います。  楢崎君に申し上げます。  次の質問を続けてください。しかし、この触れるか触れないかという問題については、あなたの議員としての良識があると思いますので、良識の判断にまつところが多いと思います。どうぞひとつ続けて御質問を願います。与えられた時間だけ確保してください。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの御答弁では私は納得することができないのです。いいですか。良識とかなんとかいう問題はだれが判断するのですか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 あなたが判断するのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 しかしMSA秘密保護法というものがあるから、兵器の内容について触れる際にどうなるんだということを私は聞いているのです。そしてあなたは、その問題は重要であるから理事会において話し合いたい、そうしますと、私はF4Eの内容についての質問は、その理事会の結論が出ないとできないということになるでしょう。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 それじゃ楢崎君に申し上げます。  あなたの持ち時間はあと十四分でございます。したがいまして、その十四分間御質問を願い、御質問がなければ質問なしと認めまして次に続行いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、そのF4Eのこまかい内容についてはいまの見解が出てこないと私は質問できませんから、その結論が出てきて後、質問します。しかし、その問題に関係のない質問も私はありますから、その問題のほうに入ってもよろしゅうございますが、いまの問題は保留になりますよ。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  ただいまの問題は理事会で検討いたしますが、あなたの質問がほかにあるとおっしゃいますから、続けてください。その問題は、理事会で結論を出してから、あなたに再質問を許しますから、そういうことで進行してください。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 重ねて私は申し上げておきます。  いまの問題は、これは国会の審議権に関係する。具体的な内容は、何回も言うように、これからライセンス生産兵器がずっと出てきます、四次防から五次防にかけて。兵器の予算の内容をわれわれは審議することができないようになる、具体的に。だからはっきりしてもらいたい。私はその結論が出て後にこの問題は質問したいと思います。したがって、いまの問題と関係のない問題を先に進めます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 どうぞ。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 外務省にお伺いしますが、私が要求した資料のうち、いわゆるジュッセルドルフのレストラン日本館の問題について、資本金なりあるいは役員構成、株主等に対する資料は出てまいりました。しかし、この資料を見てみますと、外務省は、この六に書いてありますね。外務省は、何等格別の取扱いはしていない。ところが私の調査したところによると、格別のお世話をしておるわけですね。その文書も出してくださいということを要求しておったのですが、それはどうなっていますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先般お尋ねの件につきましては、外務省として調べました資料は、ただいまお述べになりましたように差し上げてございますが、一般的に、海外に事業を営む場合には、それが外国においての法制上の取り扱いがどうなっているかとか、そのほかいろいろの照会等がございます場合に、これに対して一般的に外務省で世話をいたしておりますが、この件について、特別にどうこうということがあるのかというお尋ねでございましたから、それはございませんということをあの資料にもつけ加えておいたわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、三十八年の九月十六日に、外務省の文書は九月十七日だったと思いますが、外務省の参事官から西ドイツの参事官にこの問題についての協力方要請の文書がありますから、それを出してください。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは従来からの取り扱いで半公信という扱いになっておりますので、そのものをお配りするのはいかがか、差し控えたいと思いますが、私からその内容を申し上げたいと思います。その半公信という書簡は、レストラン日本館の設立を計画していた人から、外務省に対し、同レストラン設立の意向を述べ、このため、現地の事情について調査を依頼してまいりましたので、外務省から在独大使館に対し、右調査依頼を伝達しました。その調査は二点でありまして、このような事業がはたしてドイツの法律上許可されるものかどうか。第二点は、ある第三国人がやはりジュッセルドルフで日本料理店を開く準備をしているといううわさもあるが、かりにそのほうがドイツ側から許可を受けた場合に、それが日本館に対するドイツ側の許可に支障とならないであろうかという内容でございます。以上のように、右の書簡は、民間からの依頼に基づいて邦人の海外における利益保護の見地から外務省として行なった調査依頼でありまして、外務省としての通常の事務に属するものと考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 その前に、どういう人が集まって、どういう話をしてそうなったかという経過がそれに書いてあるのです。そこが重要なんです。したがって資料として出してください。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、半公信の全文を差し上げるということは差し控えたいと思いますが、書簡の内容はいま申し上げましたとおりでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あとのほうは、大体の意味はそのとおりです。前のほうがちっともあなたは説明してないのです。どういう人たちが集まって、どういう経過でそうなっておるか、それがいまの説明では明確になりません。資料を要求します。この前からこれは要求しておるところです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私どもとしては誠意を尽くして資料も差し上げておりますし、それから私がいま読み上げましたものが書簡の内容の重点なんでありますから、それで御了承願いたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたはそこを重点と考えておるが、質問するほうはそこを重点として考えてないのです。あなたが出していないところを重点と私は考えておる。したがって、その資料を出してくださいと言っておるのです。委員長から要求してください。私の議事録をお読みになったらわかりますが、いまのやつも要求しました。それから外務省がこれにお世話をしておる、その文書がある。それもお出し願いたい。私ちゃんと言っておるのです。私が重要として指摘したいところが説明になっていないのです。だからその文書を出してくださいと、こう言っておるのです。委員長、お取り計らいを願います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 外務大臣に申し上げます。  資料要求ということのようでございますが、資料要求よりも、あなたの知り得ることを、外務大臣としてまた外務省として知り得ることを御報告を願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 委員長のただいまの御発言は了承いたしましたが、ただいま私が申し上げたのが私の持っております資料でございますから、それを読み上げたわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは全文をここで読んでください。そうしたら私は納得します。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は先ほど申しましたように、誠意をもってお答えをしているわけです。(「全文を読みなさい」と呼ぶ者あり)いえ、ですから内容はただいま読み上げたような内容ですから御了承いただきたいと……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは何回やっても同じことです。私が一審明らかにしてもらいたい点は説明されてないのですから、どうぞひとつ資料を出してください。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  この問題は、外務省にそれ以上の資料がないという……。(「あるある」と呼ぶ者あり)あるかないかは……

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は外務省の欧亜局の西欧第一課に行って、その文書を見てきているのです。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 私は先ほど来申し上げておるとおりなんでありまして、私の持っている資料をいま読み上げたわけですが、しかしそれにまだ足らさるところが——私は実は知りません。これで十分と私は理解しておりましたが、十分でないというものが何かありそうだということでありますならば、私はあらためて善処いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、いま外務大臣は善処するということですから、この問題も資料が出てこないと何とも言えません。だからこれも保留をいたしておきます。  では次に……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。  外務大臣に申し上げますが、善処するということは、資料を出すことか出さないことか。  楢崎君に申し上げますが、外務省としては、善処しますという意味は、よく調べて、資料があれば出すということだそうでございます。(「あるんだ」と呼ぶ者あり)あるかないかは私が知っているわけでございませんから。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あることは明確でありますから、いまの委員長のお答えであれば、当然出さるべきことになると思います。そこで本問題は資料が出てきたら質問をその点は続けたいと思います。これは保留をいたしておきます。  次に、F4Eの安全性の問題について私は二つ資料要求をいたしました。一つはシラバスの七項目、これをお出し願いたいということ。それからいま一つは、昨年四航空会社にF4の検査をペンタゴンは命じてやらしておりまして、その報告書が出ておるわけであります。その二つの資料をお出し願いたいと私は要求をいたしました。なぜそういう資料要求をしましたかというと、これはF4Eの安全性の問題、事故率も関係しますが、安全性の問題について非常に重要な関係があります。先ほども申し上げましたとおり、F104Jの墜落事故に関しても、飛行機の性能をもう一ぺん総点検するという問題が起こっておる段階ですから、われわれとしてはこのF4Eの安全性については綿密にひとつ検討したい。そして、もしこれが出てくるならば、この内容いかんによってはF4Eは支援任務、つまり爆撃の任務は持たせないということを言っておるのですから、これも問題がありますけれども、支援任務は持たせない。そうすると残るは迎撃任務だけであります。いま私が要求した資料が出てまいれば、この迎撃任務にこのF4Eがほんとうにたえ得るかどうか、これが明確になってまいります。もし迎撃任務についても制約があるということになれば、一体F4Eは何のために二千億もかけて買うのだ、こういう問題に発展してくるわけです。したがって、私はこの資料要求をこの前したわけでありますが、この点はいかがなっておりましょうか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 御請求の資料につきましては関係の筋にいま督促しておるところでありまして、そういう状態でありますので、わがほうだけでかくかくでございますと言うわけにはいかない問題であります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、これまた審議できないということになります。ではどういうことになるのですか。見通しはどうなんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 向こうにいま話しているところでありますから、支障のないものは出てくるかという見通しを持っておりますけれども、そういうことで支障のあるものはこれは出さない。これは相手のあることですからして。いまそういう段階で、何とかいま近く持ってくるように話しておる最中でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いつ出てくるか、見通しをお伺いしておるのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 何ぶんこれはアメリカ空軍の問題でありますから、私のほうとしては御要望の次第もありますので懸命に督促しておるのですけれども、向こうの判断がどうなるかということがいまはっきりしないわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 日本の空幕は私が要求した資料を持っておりますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 持ってないと思いますけれども、政府委員をして答弁せしめます。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 この件につきましては、せんだってもお答えいたしました程度のことはわかっております。この前私がお答えしましたことまでの返事はきておりますが、その後の資料要求につきましては、いま長官から申しましたように、たびたび督促いたしておりますが、まだ返事がございません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 シラバスのその七項目はあるのかと言っているんですよ、空幕に。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 空幕にはございませんで、アメリカに照会をしているところでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それからもう一つ、ペンタゴンはF4の事故があまりに大きいから、生産会社に、メーカーであるマクダネルダグラスを抜けた四航空会社にそれぞれF4を一機ずつ与えて調査をさしている、これを私は指摘しました。ところが、あなたの御答弁は、ペンタゴンがファントムの安全性調査のためにそういう航空機のメーカーに質問したという事実はないという答弁をなさいました。これはもう一ぺん確かめられましたか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 この前お答えいたしましたとおり、昨年の十一月に先生からそういう御指摘を受けましたので、われわれはアメリカに照会をいたしました。そうしましたら、先ほどお読みになりましたように、また、私がお答えいたしましたように、その部分につきましては、ペンタゴンは、ファントムの安全性について会社に照会したことはないという返事をくれました。そのことを先日お答えを申し上げました。そうしましたら、先生から、さらに具体的な日付を御指摘になりまして、何月何日のどういう報告書を持っているかということの御指摘がございましたので、向こうの返事にはそういう具体的なところまでは書いてありませんで、私の申したような返事しかございませんので、その新しい御指摘につきましてはさらに照会中でございます。その返事はまだございません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それはもしいまの御答弁であるとするならば、米国はうそを言っておることになります。それで、私は念のために一部を披露しておきますから、これまた確かめられて、先ほど申しましたように資料としてお出しをいただきたい。ペンタゴンは四航空会社にF4の調査を依頼しておるわけであります。そうして調査結果の報告がまたペンタゴンに行なわれております。そこで四航空会社に分けて申し上げます。  第一番にリパブリックですね。これは契約書号AF三三六五七−八八−C−〇二四八−九〇〇一、これが契約書号であります。使用機は、使用機というのはペンタゴンからリパブリックが検査用にもらった飛行機でありますね。その使用機はF4C型シリアル六三−七四七九、調査報告書のナンバーはFHR三五四四、約百十ページからなっております。そして、これは一九六八年一月二十九日付でペンタゴンに報告がなされております。  二番目に、ゼネラルダイナミックス、契約書号AF三三(六五七)−六八−C−〇七四七、使用機はF4C型シリアル六四−〇六九〇、それから調査報告書のナンバーはFZM五〇二〇、これは約二百七十八ページからなっております。提出期日は一九六八年二月二日であります。  三番目に、ロッキード、これの契約書号はF−三三六五七−六八C−〇七四六、使用機はF4Dシリアルの六五−〇六〇九、調査報告書のナンバーはLR二一二四一、これは一九六八年一月二十六日に提出されております。  四番目に、ノースアメリカンロックウェル、これは契約書号はF−三三六五七−六八−C−〇七四五、使用機はF4D型シリアル六五−〇六四四、これはジョージ空軍基地の所属であります。これは一九六八年二月二日に提出をされております。  したがって、私はこの報告書の内容をぜひお示しをいただきたい。これが出てこないことには、さっきのシラバスの七項目と一緒にこれが出てこないことには、ほんとうに安全性というものは確認できない。したがって、これが出てこないことには私は質問を続けられない。委員長のお取り計らいをいただきたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 ちょっと楢崎君に申し上げますが、私はしろうとでわかりませんが、これはアメリカの秘密事項になっておるんじゃないですか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だから私は、一番最初にMSF秘密保護法のことを聞いたんですよ。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 だから、楢崎君に申し上げます。向こうのアメリカのほうで出さなければどうしようもないじゃありませんか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、あなたに聞いてもしようがないが、F4Eの安全性というものは確認できないことになります。F4Eの予算は通せないことになる。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 だから、楢崎君に申し上げます。できるだけの資料は誠意をもって防衛庁はこれを出すということであって、それよりも先のアメリカがどうしても出さないというものを、出せ、出さなければ審議ができないというなら、ちょっと理屈に合わないと思いますが……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 委員長、あなた、かってにそういう解釈をしてはいけませんよ。アメリカは全然出さないとは言っていないのです。まだ返事がこないと言っておるんですよ。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げますが、アメリカが出すというなら、出せるだけ出してもらいましょう。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いまもたくさんの問題を提起されましたが、私のほうとしては、できるだけそういうものを出してまいるように誠意をもって当たる、そういう考えで交渉を進めます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、私はこれが出てこないと質問できないことになるし、また、この問題の、審議をしなければ、四十四年度にかかっておりますF4Eの予算に関しては少なくともこれをそのままのむわけにいかない。したがって、私は、この問題は、F104Jの事故の問題とも関連しておるんですから、もしこのF4Eを購入して、どんどん事故が起こったらどういう責任を持ちますか。どういう責任を持つんですか。現実にF104Jでも事故が起こっておるじゃないですか。どういう責任を持つんですか。(発言する者あり)そういうひやかし半分のやじをやったら許しませんよ。そういう不見識なやじは。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。だれに質問しておるんですか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だから私は、あなたに、資料が出てこないとこれは質問できませんから、お取り計らい願いたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 だから、アメリカが資料を出すといえば出せるだけ出してもらうことがいいと思っておりますから、そういう答弁を私がいたしたわけでございます。それでおわかりでございましょう。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、私はこの問題についても質問ができないことになります。これまた保留しなければならない。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 だから、資料はでき得る限り出してもらうことにいたしましょう。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何も出さないのだから、全然質問ができないじゃないか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。  ただいま資料がないというのですから、可及的すみやかに資料を取り寄せてもらう、こういう以外にはどうもやりようがないじゃありませんか。何かもっとうまい方法があったらお教え願います。誠意をもって御答弁願います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 おそらくいろいろと向こうの機密の部分もあると思いますけれども、私のほうとしては、できるだけ早く出すように誠意をもって交渉して、そのうちで許されるものがあればすみやかに提出したい、かように考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの御答弁は、いつ出してくるかの、私先ほどから聞いておる見通しについて全然おっしゃらないわけです。もう少し明確な御答弁を、いつ出すのか、見通しについてお答えをいただきたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 これは相手があることですから、いつということははっきりいたしませんけれども、私のほうとしては、極力急いで、誠意をもって当たりたい、かように思っております。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 防衛庁長官に申し上げますが、可及的すみやかに資料を出してもらうような御善処をお願いをいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 今度の四十四年度の予算にはF4Eの予算が約七百億現実に出ております。これは国防会議の決定によると、百四機、二千億をこす国民の税金を使うことになるわけです。国民一人に換算すれば、これは一人が、赤ちゃんも老人も、二千円以上負担することになるのです。しかもF104Jの事故に見られるとおり、このF4Eの安全性というものについては、われわれはこれを徹底的に究明する責任を私は負わされておると思うのです。予算委員会といたしましては。事人命に関することでもありますし、また事膨大な予算にも関係することである。したがって、この問題について、いま申し上げました資料が出てくるまでは、私は質問を保留せざるを得ない。委員長のお取り計らいをお願いします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げます。可及的すみやかに資料を出すということでございまして、それ以上どうも答弁の方法がございません。したがいまして、なるべく早く防衛庁に善処をさせる、こういうこと以外はありません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、何回も申し上げますとおり、この資料が出てこないことには、この安全性については全然審議できませんから、これは質問を留保しておきたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 楢崎君に申し上げますが、社会党の方の御質問もまだかなりありますから、関連して御質問願うことはけっこうだろうと思います。ただし、あなたの御質問の時間は超過しておりますので、そういう点もひとつよくお考えの上御発言を願います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はいまの委員長の御見解は承服することはできません。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 できなければどうするんですか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 こういう重大な問題がそのまま保留されておって、資料も出さないで、時間が来たからやめろとは何事ですか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 資料は出すように善処を願っておるのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そんなことで審議ができますか。こういう重要問題、幾ら時間であっても、こういうような重要な問題は保留して——進むことができません、これなら。   〔発言する者多し〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 不規則発言を整理いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 承服できません、私は。   〔発言する者多し〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 静粛に願います。——御静粛に願います。  防衛庁はすみやかに資料を出すような最善の努力をお願いいたします。  楢崎君、ほかに質問ございませんか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは委員長、重ねて何回も申し上げて恐縮ですが、一応保留をしておきます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 理事会にかける問題等もありますから、理事会は誠意をもってこれらの質問に善処するように努力をいたします。  以上をもちまして楢崎君の質疑は終了いたしました。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 防衛庁長官に承りたいのですが、FX、非常にいろんな問題が方々に伝えられておりますので、少し突っ込んだ御質問をしていきたいと思っておりますが、つきましては冒頭に御確認いただきたいのですが、時間は大体どのくらいまでございますか。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 二時二十分まで。

大出俊日本社会党

○大出委員 本会議のほうも私の質問ですから、はっきり聞いておきます。  いま楢崎質問でもいろいろ出てまいりましたが、昭和三十八年六月の段階で、いま問題になっております事故を起こしましたF104Jが墜落破壊をいたしまして、当時西三空佐という方がなくなりました。自宅にあててある御本人の書簡なり、この問題を契機にいたしまして、この飛行隊の飛行隊長をやっておりました小川朗さんという二〇一飛行隊長、当時二佐でございますが、この方がF104に関しまするたくさんの欠陥、また、本人が乗って飛行いたしました実感に基づく記録をまとめまして、当時文勢春秋に、長文でございますが、掲載をいたしました。   〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 結局、戒告を受けたこの小川元航空二佐は退職を余儀なくされたわけであります。当時たいへんな事件でありました。当時の新聞記事、ここに全部ありますが、大きな反響を呼びました。  ところで、ここで言っておりますのは、幾つか要点がありますが、「政治とパイロットの犬死」という表題でものを書いておる。機種決定にあたって非常に大きな政治力が介在をした。だから第一線の飛行に当たっておる方々の意思にかかわらず決定されてしまう。しかも国内生産をやることになった。だから、新しい飛行機であったはずなんだけれども、乗っかってみたら古い飛行機と同じように、そこらじゅうぐあいが悪い、そのことを言えないということになる。こういうふうに追い込まれて、飛行隊長としては、部下をいつ殺すのか、いつ殺すのかという心配にたえなかったというのですね。だから、西さんという三空佐が自宅に、たいへんな飛行機に乗っちゃった、逃げ出したいんだということを書いて送っておるのですね。書簡を出しておるのです、死ぬ前に自分で。このことを全部ここに記録して文勢春秋に書いた。それが悪いといって戒告になった。しかも、前段のほうで何を言っているかといいますと、まず、産業というものが104を生産する国内生産機構になかった。ところが、軍需産業を育てなければならぬということで、どうしてもというので導入し、ライセンス生産をさせた。だから、乗ってみたら、えらいものに乗ってしまったということに、専門家から見たらなったということですね。さあ部品は不足、どれをとらえても満足なものはない。だから訓練を受けているほう、させているほうが、毎日テストを扱っておるようなことになる。それがずっと続いておるということです。  まあ過ぎたことですから、大きな問題云々じゃありませんけれども、ここまで考えますと、インタラビアなるスイスの航空雑誌なんかにもありますけれども、F104Jに関するたくさんの欠陥が指摘をされております。そういうふうなところをちょっと川崎一佐なる方がものを言った。これが「航空情報」へ載ったとたんに、五十九条違反であるというので逮捕されるなんてことになる。私は、こういう点を非常に真剣に考えて今回決定をしないと、さっきも楢崎委員が言っておりましたが、将来これはたいへんなことになる。しかも契約は一ぺんでするのじゃないのです。五十二年度になりますと三回にするのですよ。そのつどいまから慎重に考えてやっていきませんと、政治不信ということばがありますけれども、国民の皆さんが見たら、二千億からの金を出してF4Eファントムができあがった。国内生産ができた。ところがばたばた落っこちたなんということでは、国民はおさまりがつかぬ。だから私は、今日的に書かれているたくさんの疑惑について、松野さんの時代から歴代の防衛庁長官を経て今日有田さんに至っておりますけれども、私も全部タッチしてまいりました一員でございます。その私が、そのつどずいぶん良心的にものを申し上げたつもりではおりますけれども、どうしても私自身が調べてきて納得できない。いま振り返ってみても、何と言われても納得できない。こんなばかなことはないという気が私はいまだにする。だから私は、そういう意味で疑問を、これは私自身が持っているのでありますから、国民の皆さんが、ものを書いてあるのを読んで、私より以上に大きな疑問を持つのはあたりまえであります。そういう意味で、ぜひひとつ突っ込んだ御質問を少しいたしたいのでありますけれども、そのようなお答えを長官からいただきたいのであります。また、長官はたいへん正直な方でおられるようでありまして、ものの本にそう書いてあります。いろいろなことがあったあとの長官にはうってつけの名人事であるとまで書いてあるのでありますから、どうかひとつそういう生地でお答えを賜わりたいのであります。  まず第一点は、今回の契約はF4Eファントムということでこれからするのでありましょうが、機種決定まで行なわれたわけでございますが、一体相手のマクダネルダグラスなり、あるいはそのまん中に入る日商なり、つまりメーカーと仲介商社等は、今回のF4Eファントムのライセンス生産を通じまして一体幾らもうかることになるのでありますか。利益は一体幾らぐらいになるのでありますか。長官、一その辺どうお思いになりますか。それを聞きたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私のほうとしましては、このF4Eにつきましては、あくまでも技術的、防衛的、事務的の見地に立ちまして、実際動かす航空自衛隊の人もみずから行って、慎重に調査したのであります。その間において、いろいろなうわさをされるようなことは私はないと思っておるわけなんです。  そこで、この契約によってどのくらいの利益があるということは、いろいろな関係がございますが、予算のほうの単価のことはともかくあるわけでございますけれども、具体的に幾らにするということは、相手といまから話し合わなくちゃならぬわけです。あの予算の単価以下でやるつもりでおりますが、それを内訳で、おまえのほうに利益幾らということをここで言うこともいささかどうかと思いますが、その辺のところは政府委員がいろいろ原価計算をやっておりますから、政府委員をして答弁させます。

大出俊日本社会党

○大出委員 マクダネルダグラス、つまりメーカー、それから生産者は三菱でございますが、日商が一つかんでおるわけです。ここがどのくらいもうかるのかというようなことは、大臣はいろいろな関係があって、ちょっと申しにくいというふうに聞える答弁であります。だから正直に言ってくれと申し上げたのでありまして、もう少し言いやすいように申しましょう。  契約のしかたについて申し上げます。また、どういうところに金が幾らということになるかという点を申し上げますけれども、まずイニシアルペイメントということばがございます。つまり頭金でございます。これが一つあります。それからロイアルティーというのがございます。つまり権利金でございます。それから技術料というのがあります。頭金、権利、技術料、こう三つに分かれているわけでありまして、この辺のところは一体どのくらいのことをいっておられますか。相手のメーカーから日商を通じて日本でつくる三菱、こう入っておるわけですが、この間で三菱がマクダネルダグラスと話をしているのだとすれば、日商が仲介をしておりますね。日商は一体手数料はどのくらいになって、そしてメーカーのほうにはイニシアルペイメントは幾らになって、ロイアルティーは幾らであって、技術料は幾らである、こうなってまいりますと、さて、予算上いまおっしゃる発注単価があるわけでありますから、三菱にはそれで出ていき、川崎航空機が六、四なり七、三の割合でつくるわけです。あとは富士のすそ野のごとく四百何社あるわけですから、わかってしまう。この辺分けてお答えいただきたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 その関係はひとつ政府委員をして答弁させます。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 予算単価の積算にあたりましては、われわれは現在の契約相手方としております三菱重工なり、あるいは、その三菱重工との契約の中の積算はもちろん詰めておりますが、ただいま長官が申しましたように、われわれは予算単価を組んでおりまして、これから予算が通りますと、日米間の政府間交渉をしまして、それに基づきまして三菱重工とマクダネルとの技術導入契約が結ばれまして、これに基づきまして今度は実行予算になりまして、私のほうの調達実施本部がこまかい契約をいたします。先生御存じのように、政府のこういう注文につきましては、予定価格以下なのか、どういうような価格を組んでいるのかというようなことが非常に問題になることでありますので、われわれとしましては、契約の前の段階では申し上げにくい問題でございます。  ただ、先生の御指摘のように、審議の関係がございますので、過去の例を参考に申し上げます。それで、それが現在のF4Eの契約にそのまま持ってはまいっておりませんが、御参考に申しますと、104では三菱重工が五%の利益を得ております。関係の商社は三菱商事、丸紅飯田がございましたが、大体取り扱い量の一%でございます。もちろん、これは長い期間にわたりますので、われわれは、現実の手数料を払う場合には、大きな額で個数が小さいもの、あるいは小さな額で個数の多いもの、それぞれ必要な口銭をはじきますので、結果的に申しまして104でそういう商社の取り扱い量を約四百億に対しまして、一%の利益となっております。これは御参考でございまして、われわれは現在のF4Eの積算の基礎につきましては、そういうことで御容赦願いたいと思います。  それから今回の新しいF4Eの契約につきまして、商社はどうかということにつきましては、現在マクダネルダグラスの代理店として日商があるということはわかっておりますが、現実の契約は、われわれ防衛庁は三菱重工としまして、三菱重工が相手方のマクダネルといたします。その間の貿易というか輸送、そういう代行としまして、関係商社が入ってまいりますが、これは現在の段階ではわれわれ契約しておりませんので、どういう商社が入るかはわかっておりません。もちろん契約しましても、われわれとしましては正式には商社とは関係ございませんで、防衛庁とは三菱重工、三菱重工はマクダネルダグラスという関係で正式の契約を結んでまいります。

大出俊日本社会党

○大出委員 長官、いま装備局長が明らかにいたしたわけでありますが、契約のしかたが二つになっているわけですね。防衛庁は三菱重工と契約をする、三菱のほうはマクダネルと契約をする、こういうことになるのですね。そうなりますと、問題の焦点は、マクダネルと三菱の商談が行なわれることになる、そうなりますね。その上で三菱と防衛庁が契約をする、こうなる。順番はそういうことになる。そうなると、三菱とマクダネルの間というのは、一体イニシアルペイメントが幾らになって、ロイアルティーが幾らになって、技術料が幾らになっているかなどということは、相対なんですからね、これは。三菱とマクダネル両社だけなんです。これはチェックのしようはどこにもない。一体そこで幾ら何が話し合われてもうかっているのかといりようなことは、表に出てこない、こういうことになってしまう。そういうふうに理解していいのですか、いまのところは。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 三菱と相手のアメリカの関係はいま申したようでございますが、とにかく一般のアメリカになり、その他、他の国に売っておる価格というものが、おのずからどのくらいかということはあるわけでございますね。そういうところで、私たちも一つのよい参考になって、押えるべきものは押える、こういう仕組みになっていくと思うのですが、詳細なことは政府委員が答弁いたします。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 ただいまの三菱重工とマクダネルの契約でございますけれども、一般的に申しまして、いまの三菱重工とマクダネルダグラスの契約は、外資委員会の審議にかかります。その間にほかとの、いまの大体の技術契約の例もございますので、関係省、大蔵省、通産省の審査を受けまして、妥当な線でなければ認可はしないというかっこうのチェックが一つございます。  もう一つは実際論としまして、われわれとしましては今度の予算単価を組む段階で、三菱重工と川崎航空を、われわれの契約担当としまして指定しまして、機種決定の前に関係会社、つまりマクダネルなりあるいはロッキードなりあるいはダッソー社とその点の交渉はさしております。大体の見通しを得てはおりますが、何と申しましても、今後現実のこまかい契約になってまいりますので、内容につきましてはいまの段階ではかえって契約の妨げをするということがございますし、また外賞委員会の審査もございますので、申しわけありませんが、できるだけの、われわれはチェックをする手段を持っておるということでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 外資委員会というのは大蔵省の所管ですから、当然大蔵省でもおわかりだと思うのでありますが、大蔵大臣、承りたいのでありますけれども、いまの話からいきますと、防衛庁の装備局長のほうでは、頭金が幾らだ、権利金が幾らだ、技術料が幾らだということは、おおむね見当がついている。ただ、言いたくない。大蔵省のほうでも同じようにちゃんとわかっておりますか。いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 予算単価を検討するための資料は、十分聞いておると、かように存じます。

大出俊日本社会党

○大出委員 それならば承りますが、この前のロッキード、グラマンのときの話が先ほど出てまいりました。時間を倹約して私のほうから言いますが、当時の中身を調べてまいりますというと、いまお話がありましたように、日本の商社が五%、これは間違いありません。ロッキードがライセンス料としてとっておりますのは、おおむね一〇%であります。それからロッキードの極東販売会社というのがございます。ライとか何とかとありましたが、ここが一四%、こうなっております。そうなりますと、おおむね二九%が、いうならば口銭に近い。いや保険料が、輸送料が一そんなものは幾らもかかっていない。そうなると、これはライセンス生産ということになると、たいへんに高いものについている勘定になる。  この例を、今回こちらのほうに振り向けて考えてみますと、二千億の取引をする。二千億の取引のうちで三割というものは口銭なり利益なりで抜けていくということになると、これはえらいことになる。たとえば、これは機数が多いからというので、額が多いからというので三割、これはよしんば輸送料だ、保険料だというので二割削ってみたところで、四百億という利益が生ずるわけであります。現にその利益を受ける商社が存在するのであります。だとすると、今回の機種決定争いのさなかに、ある商社の相当なる人物が、一億や二億の金は捨て金だということを記者の諸君に言った、私は記者の取材メモを見ておりますから……。確かに一億や二億の金は捨て金だということにならざるを得ぬのであります。四百億の利益を得ようという仕事なんですから、人が死ぬことだってあるでしょう。幾らきれいごとを並べてみても、この点を明らかにしない限りは、いかに政治的にきれいに世間体よくまとめ切れるかどうかということだけであって、つまり巧妙にやるか、へたにやってしっぽが出るかだけのこと、こういう結果にどうしてもなってしまう。そのくらいの利益が出るというふうにあなたもお考えになるでしょう、いかがでしょうか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 おっしゃるような利益が出るかどうかということは、私はわかりませんが、われわれとしましては、国民の出した大事な金でございますから、あくまでも国民のためを考えながら、そういう不当な利益が出ないような考え方で進んでおるのです。その内容については、政府委員から答弁せしめます。

大出俊日本社会党

○大出委員 長官、簡単に不当な利益とおっしゃるが、不当だというふうにほんとうにお思いになりますか一それなら、何が不当なんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 不当な利益とは言いませんが、(大出委員「いま言ったじゃないですか」と呼ぶ)不当な利益がありせば申しわけないから、ということを言っておるのです。

大出俊日本社会党

○大出委員 あわせて承りたいのですが、もしライセンス生産をしないで輸入をするというふうになりますと、幾らになりますか。輸入価格をひとつ述べていただきたい。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 百四機を現在の計画時点で入れるということで関係方面の資料をとりまして計算しましたところが、結論的に申しますと、一機裸で、予備部品を持ちませんで、約十五億と試算しております。もちろん端数はございますが、その内訳を申し上げますと、マクダネルダグラス社が自分の倉庫で渡す価格が、約十二億でございます。三百三十四万何千ドルでございます。それに対しまして、当然今度はそれを分解しまして、梱包しまして持ってまいりますが、その持ってまいりましたものは、当然国内に着いてまたそれをつくりまして、試飛行しまして、飛んだものを自衛隊へ送っております。それまでの費用が、約二億かかります。それで十四億でございます。それに対しまして、われわれは、当然こういう高性能の防衛用の機器でございますので、修理もできません、故障もわかりませんということでは困りますので、最小限度の修理能力を持たなければ運用できません。もちろんこまかい部品等はその場合につかなければできないということで、最小限度の修理能力を持ちまして運用するという関係の費用を組みますと、これは当然治工具なりあるいは技術料がありますので、その試算をしますと約一億、合計約十五億という試算をいたしております。

大出俊日本社会党

○大出委員 今日の機数決定に至るまでの間、国防会議で機数はきめたわけでありますが、その前には当然幹事会等がある。このやりとりの中で、きょうお見えになっていると思いますけれども、大蔵省の主計局次長の海堀さんなりあるいは国防会議側の方々なりのいろいろな話が出ております。新聞も取り上げておりましたが、だいぶこれは時間がかかっているのであります。  そこで、大蔵省の側に承りたいのでありますが、大蔵省側からは相当強くライセンス生産をするよりは輸入をすべきであるという見解が表に出ていた、こう考えますが、そこらの事情について、大蔵省は一体ライセンス生産に反対だという立場であったのかどうか、この点を簡単にお答えいただきたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 途中ではいろいろないきさつが——いきさつというか、議論は当然あったわけですが、最終の私の判断といたしましては、これはなるべく安いほうがいい、それはもう当然でございます。しかし、同時に、部品を国内で持っているという必要もありましょうし、将来のそういう運営上の関係もありまするし、また同時に、科学技術の発達に資するというような面も考慮する必要があるというので、最終的には、国産を主とするも、そういう角度から輸入するものも若干これを認める、こういう判断にしたのです。いろいろの議論があったことは、そのとおりであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 二、三点まず前段として聞いておきたいことがあるのでありますけれども、この機種決定に至るまでの長い経過の中で、三つばかり候補機があったわけであります。つまり、F4Eファントムがきまる。もう一つCL1010があった。さらに松野防衛庁長官時代には、もう一つ相当有力に売り込まれておりましたF5なんというのがありました。この間に、もう一つT38という練習機問題が表に出ていたわけであります。  ここらが問題で、二、三承りたいのですが、きょうは国防会議の事務局長さんとしても承りたい点がございますが、あわせて当時の関係者でもございますので、承っておきたいのであります。T38なる練習機、この問題をめぐりまして、当時官房長をやっておられた時代に、海原現国防会議事務局長さんが、しきりに、私も直接承ったこともありますが、T38の必要性を説いておられたわけであります。ところが、いつの間にかこれは消えてなくなったことになるのであります。しかも、先ほど私が冒頭例にあげました西三佐の事故死等をめぐりまして、練習機の不足ということが非常に強くここで訴えられているわけであります。にもかかわらず、今日T38が消えているのでありますけれども、まず承りたいのは、海原国防会議事務局長に、T38を非常に強く推しておられた理由、これをひとつさかのぼって承っておきたいのであります。

海原治国防会議事務局長

○海原(治)政府委員 お答えいたします。  当時T38を私が特に強く推しておった、こういう御質問でございますが、私が特に強く推しておったということはございません。当予算委員会におきまして初めてT38を御説明いたしましたのは、当時の空幕がF104というマッハ2で飛びます高速の要撃戦闘機を訓練するためには、高速の目標機が要る、この候補機としてT38を要求されたわけです。予算的にもこれが大蔵省まで要求されましたが、大蔵省は御採用にならない、こういう経過でございまして、それ以来T38という飛行機が、私の防衛庁におります間、航空自衛隊におきまして、目標機あるいは高等練習機としてその保持の必要がおりおり主張されたのは事実でございます。私は一昨年の七月に防衛庁を去りましたので、その後の経緯につきましては存じませんが、私のおりますまでの間は、いま申しましたようなことでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 T38という飛行機は、F5と非常に関係が深い、そういう性格の飛行機ですね。これはあなたに聞いたほうが早いと思うのだが、T38とF5、これは非常に関係の深い機種でございますけれども、そこらはどうお考えになっておりますか。当時はF5という問題も表にぼつぼつ出ていた時代でありますが……。

海原治国防会議事務局長

○海原(治)政府委員 御指名でございますので、私からお答えいたします。  T38とF5の関連性でございますが、F5というのは、T38の飛行機を基礎としましたこれの戦闘機型でございます。ノースロップ社がこれを開発しましたときには、大体一つの機体のモデルの前半三分の一程度を入れかえますと、それが練習機にもなる、要撃機にもなる、あるいは戦爆機にもなる、こういうようなことで開発しておりましたので、いろいろな型がございます。したがいまして、F5と申しましても、現在時点におきましてはどういうものを使っておるか私知りませんが、私のおりましたときには、T38は練習機、これの戦闘機型がF5、このような定義であったかと記憶しております。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう一つ承っておきたいのですが、いまのお話では、T38が基礎になりまして戦闘機型としてF5という形に発展をしてきた機種、これは明らかな事実でございます。私もそう理解をいたしております。そこで、これは海原さんでなくて、どうもたいへんしばらくぶりで御足労かけましたが、もう一つ、防衛庁官房の広報課長の伊藤さんがある記者にものを言っておられる中身についてでありますが、四十二年の三月の段階におきまして、事務的にはほとんどF4Eファントムにきまっていたことは事実である、こういうふうにものを言っておられるわけでありますけれども、実はこれは御本人にとやかくというのではなくて、あとから、私も資料を持っておりまして、御説明をして明らかにしていただきたいのであり・ますが、私も実はそう思っているわけであります。確信をもってそう思っているわけであります。私が持っている資料といみじくもほぼ同じことを言っておられるわけであります。したがって、その点について御本人がおいでになってお答えをいただいたほうがいいと思って、実はおいでをいただいたのでありますが、その間の事情をちょっと述べておいていただきたいと思います。

伊藤圭一防衛庁長官官房広報課長

○伊藤説明員 ただいまの御質問に御説明申し上げます。  先生が御指摘になられましたのは、「新評」という雑誌に載っております私の発言だと思います。その発言の内容は、約二、三十分にわたりまして落合という人が来まして取材してまいりました。したがいまして、その中には、私が話したことじゃなくて、向こうが言ったことを肯定したようなことが私の発言というふうになっていたり、あるいは説明が足りなかったので多少ニュアンスが違っているという点もございます。ただ一点だけいま先生が御指摘になりました点だけは、私の説明と全く逆の意味が出ておりますので、その点だけは違っていると私は考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 ただ一点だけ違っているということになりますと、特に念を押されてそうおっしゃるので、そうすると、ほかのほうは合っている、こういうことになる。えらい強調されてそうおっしゃるのですが、これを読んでみますと、お話が出ましたから読み上げるのですけれども、「こんどの場合、防衛庁としてよかったことは、増田長官のおっしゃる通り純技術的、事務的にことがいってくれたこと。」こういうところからですね。「F104Jのときは意見がわかれたが、こんどは内務官僚も空幕もファントムに一致して、そのまま答申になって了承をえた。」というので、これは非常にいいことだ、こういうふうにお述べになっている。「政治家や商社の介入はなく、作業の段階で昨年三月ごろ決まりつつあったことは事実。」この点だけは違うとあなたはおっしゃる。そして「参議院決算委員会で社会党の大森創造氏はFXの機種決定について国防会議の審議を経ないのは、その事務局長に海原さんが座っているからではないかといっておられるが、それはちがう。増田長官のいわれる通り、一事務官僚の口をはさむことではない。世間では私も海原グループとかカゲ口されているが、」 さっきの一点だけになりますと、これもそういうことになるのですけれども……。「そんな背景はない。海原氏は仕事に対して真面目な、激しい人。少なくとも怪文書にあるようなことのない人。能力の点では実に立派で、こんどもファントムに反対したわけじゃない。」だいぶほめておられるわけでありますが、まあ陰口をされておる人でありますから、おほめになるのも無理はないと思うのですが……。「氏は日本の防空上必要なものをもっと研究すべしといっていただけ。」「いっていただけ。」ここに問題があるのです。私は海原さんとも長いつきあいがあります。たいへんに有能な方で、たいへんりっぱな方だと思っているのでありますが、実はT38、F5という点については、相当自信をもって強調されていた時代が現にある。これは私は非公式な話は避けますけれども、現にある。それをとらえて、おそらくあなたはもっと研究しろと言っていたのだというふうにおとりになって言っておられるのだろうと思いますけれども、さらにそのあとのほうに、「少なくとも機種決定には絶対的なものをもっていないと、議論にならぬ。現実として、ファントムは事故率は少ない。」ほんとうかどうか知りませんが……。「しかし高価だから他のを欲しかったことは事実だが、残念ながら、これに優るものがなかった。」それでファントムにしたというのです。そこで最後に、「いまここに政治的な介入があったとすれば、これを選んだ制服は不満で、クーデターを起こすというより去っていくだろう。」こう結んでいるのです。これは、あなたは「新評」というふうに御自分でおっしゃって、自分でお読みになっておられるわけでありますから、その中でいろいろあるけれども、この一点だけは違うのだ、こういうふうにおっしゃられると、そのほかのほうは、どうも多少のニュアンスの相違はあったにしても——これは私も引っぱり出されまして、あとのほうへ私の言ったことも二カ所にわたって長々と載っておりますが、まさに私が言ったとおり書いております、間違いなく。そうすると、これはやはりあなたが言った一つだけ間違っていたのだということになる。時間がございませんから、それはそれでけっこうなんですが、これは非常に重大な問題を、おっしゃっていることの中には含んでいるのであります。あとから逐次申し上げてまいります。  そこでまず、三月の段階できまりかかっていたという点、三月ごろにきまりつつあったことは事実だ、こういうふうに明らかにここには書いてある。この第一点だけは違うとあなたはおっしゃっている。そこで、私はここに速達で防衛庁内郵便局からお出しをいただいた、皆さんの仲間の方の実は詳細な書簡を持っているのであります。これは鉛筆書きがずっとしてありまして、非常にこまかく御自分で書いておられます。しまいのほうに、どなたであるかわかるようにちゃんと書いてあります。そこにペン書きで多少のものが入っておりますが、これは三月という段階できまっていた事実、これを実は相当詳しくここに述べておられる。しかも選定に至るまでに幾つかの不合理がある。世間一般から非常に見せかけであると思われている点、ここらも明らかになっている。私はこのことに、この書簡には触れずに、今日まで前座質問のつもりで二、三回防衛庁事務当局の皆さんに質問してきているのであります。しかし、なかなかどうもものごとが明らかになりませんし、私に納得できないから、ここで持ち出した。どうしてもお認めにならぬ点が出てくれば、名前まで申し上げてもいいのでありますが、たいへんなことになる。また五十九条違反だなんていう騒ぎになりそうでありますが、そこで、もう前に一ぺんさらっと質問しておりますから、簡単に一つずつ答えていっていただきたい。  まず第一点は、F86Fの後継機という点——今回のF4Eファントムというのはさまったのですから、F4Eファントムでありますが、F86Fの後継機であるという点、この点をまず明らかにしておいていただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 これは前にもお答え申し上げた記憶がございますけれども、数の点でいいますと、御存じのように86Fが次期防に入りますと急激にダウンいたしますので、それを補う意味がございます。  それから質の面でいきますと、104Jが現在主力戦闘機でございまして、それをさらに上回るものを次のFXに期待してファントムになったわけでございまして、質の点では104を、主力戦闘機を継ぐというふうにわれわれは考えておりまして、86Fの後継機というふうに断ずるわけにもいかない。新しい戦闘機を、そういう主力戦闘機を今度きめた、こういうことでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは増田長官も答えておるのであります。86Fの後継機で、86Fは七隊ございますが、そのうちの三隊が空戦中心につくられております。四隊は地上戦闘、これは陸海でございますけれども、支援が主任務であります。したがって、当然爆撃任務を持たなければならぬ、これが四隊あるわけであります。この点は、先般お認めになっておりますから、あえて追及をいたしませんが、爆撃任務を持つということになりますと、これは爆装をしないということをしきりにおっしゃっておりますが、爆装をしなければならぬことになるのであります。この点は、あとから申し上げます。その点は、ここに取り上げられて、一つすでに確認済みであります。  それからもう一つ、次にファントム決定は、三次防決定の時点からであったというふうに書いてあるのであります。調査団などは全くのごまかしであるという説明、注釈がついております。この三次防末の防空能力について検討をしたOR、オペレーションリサーチでありますが、OR作業、これは、いわゆる三十九L、三十九年のロング、三十九年の長期、こういう意味でありますが、この三十九しの段階で、すでに結果はファントムという表現がインプットされていた。ファントムという形でこのORが行なわれている。それが中心で行なわれているという中身であります。それからファントムを採用すれば、現在の滑走路の耐荷重舗装等の問題がこのあとに出てまいります。  そこで、OR作業についての予算内容でありますが、四十二M作業、こういうのがここにもう一つ、三十九Lに続いてございます。これは四十二年度の中期の計画でございます。この四十二年度の中期計画、この点をもう一ぺんひとつ明らかにしておいていただきたいのでありますが、「最近の各種戦闘機に関する研究」という名目で四十二MというORが行なわれているという事実、これはいいですね、答えてください。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 四十二年度に行ないましたOR作業では、それを四十二M作業といっておりますけれども、三機種の比較をいたしました。

大出俊日本社会党

○大出委員 「最近の各種戦闘機に関する研究」という名目でおやりになりましたね。それも間違いないですな。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 そのとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 三十九Lがあって、これは三十九年のロングといわれる計画、それから、いま申し上げましたように、四十二M、名称が「最近の各種戦闘機に関する研究」、二つこうお認めになったようであります。  そこで、この予算内容でありますけれども、経費がおおむねここで四千万円計上されましてOR作業が行なわれました。したがって、四十三年度に入りましてからは一千万円の整理をしたという程度であって、OR予算はゼロである、ない、こういう実情にあったわけであります。この点については御確認いただけますか。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木(達)政府委員 お答え申し上げます。OR作業といたしまして四十二年度四千万円、四十三年度約二千万円程度使っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 したがいまして、この計画からいまのやつは先に使ってしまって、あとから整理をすると、最後に二千万円で、一千万だけ埋めたかっこうになる。ここに書いてある。それも間違いない。そうなると、OR作業をずっとやってまいりまして、すでに先ほどいみじくも、伊藤広報課長が言っておりますように、作業の面からいきますと、すでに四十二年三月という段階にはほとんどF4Eファントムであるという結論が出てしまっている。この予算内容が一番確かでありますが、四十二、四十三年度の支出負担行為計画なんというものがありますから、もし予算の動きがそうでないとおっしゃるなら出していただきたいのですが、この点について先ほど伊藤さんは否定をされましたが、実際具体的に進行している作業内容からいけば、あなたのおっしゃるとおりになるのであります。あなたはそれを御存じでおっしゃったのじゃないのですか。

伊藤圭一防衛庁長官官房広報課長

○伊藤説明員 御説明申し上げます。  あのとき参りましたときには、三月という時点を言ってはおりませんでしたが、前からファントムはきまっていたのではないかという質問を受けました。私は二、三そういう質問を受けましたのに対しまして、御承知のように三つの候補機種がきまりましたのは五月二十九日でございます。第一次の資料収集班が九機種について資料を収集に行ってまいって、帰ってまいりましたのが前年の十二月十六日でございます。したがいまして、私も防衛局におりました経験からいたしまして、その資料調査に行きましたあと、それぞれの会社に対してまた追加の要求なんかもしてきているのは当然だと思いましたので、そういう資料がそろってから具体的に九機種の中から候補機種を選ぶ作業というものは、二月ないし三月から開始されたであろうということを話したわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 四十二、四十三年度の支出負担行為の計画の示達書というのがございますね。それからもう一つORの、さっき四千万と私申し上げましたが、契約書があるわけですね。これはございますね。

佐々木達夫防衛庁経理局長

○佐々木(達)政府委員 お答え申し上げます。  私の記憶がちょっとはっきりございませんけれども、四十二年度の示達は、第三・四半期に予算の示達を行なっているはずでございます。したがいまして、おそらく第三・四半期に契約を結んでおると思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そういたしますと、この予算の動き等からいきますというとORは確かに、ここで伊藤広報課長が言っておりますように、三月ごろにはすでに終わっていなければならぬ筋合いになる。この辺のところは大臣どうお考えになりますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 四十二MのOR作業は四十二年度にスタートいたしまして、四十三年度まで続いております。二月、三月ごろ盛んにやりました。さらにそれを継続いたしまして調査団が行きましたのはその年の夏でございますが、新しい資料に基づいてさらに補正をしたというふうに、四十二年から三年にかけまして詳しくやったわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう一つ、途中ですが聞いておきたいのでありますが、松野長官が長官におなりになったのは、官房長いつでございますか。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 明確に記憶をいたしておりませんが、四十年の夏ごろでなかったかと思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 私はこの経過をずっと追ってみて、先ほど私冒頭に申し上げましたが、納得できない点がある、こう申しましたが、私のほうで調べたので、私のほうから申し上げますと、松野さんが四十年六月に防衛庁長官におなりになった。とたんにここで機材納入等に関する契約単価の点について、五%引き下げなんという問題が世の中に出てまいりました。これは私が直接質問した時点でございますが、さてそのあとで、四十一年に入りましてから三幕の長の方々が次々にかわってまいりまして、四十一年の四月三十日に浦空幕長がおやめになりました。そうしてそのあとに牟田さんが空幕長におなりになった。こういう推移をいたしております。さらに四十一年の四月三十日から四十二年の十一月十五日、ここまでおつとめになって牟田さんは統幕議長におなりになったという経緯であります。この間に増田さんが長官になったのは四十一年の十二月五日であります。四十三年の十二月一日までおやりになっていた。この間に四十二年七月の二十八日に海原国防会議事務局長は官房長から、栄転か左遷か知りませんけれども、おかわりになった、こういう経過でございます。  この経過をずっとたどってまいりますというと、当時F4Eファントムでないところのほうを推しておられた方々が、次々に、経過を正直にながめてみますと、一人ずついなくなっていった。いなくなってまいりまして、最後にT38、F5などという点を強調されておった海原さんが四十二年の七月二十八日にいなくなった、国防会議においでになった。ここまでまいりますと、どうやらこれは、三つあった機種なんでありますけれども、F4Eファントムのほうの側に立つと見られる方々だけが結果的に残ってきたことになる。こうなりますと、途中で、いろいろ方々にありますけれども、妙な政治家がどうのこうのというのじゃなくて、てっぺんのところで次々にかえていったということになる、経過を見ると。空幕から統幕議長になったというのもこれは初めて。これは増田さんが勲一等をおもらいになったのも初めてでしょう。総理をやらぬでおもらいになったのだから……。総理をやらぬで勲一等をもらった人はいますかと言ったら、アイ・アム・ソーリと言ったというのですね。私は総理にならぬでもらった、こういうことを言っている人がある。こういうかっこうで、てっぺんでかえていったということにならざるを得ない。海原さんの当時の状況というのは、私も記者諸君その他から逐一承りましたが、増田さんが非常に有能な人であってというので、次官にいきそうだということ、その日の朝までそうだった。ところがどうも朝になってみて、まだ知らない。増田さんに呼ばれてみたら、どうも次官じゃなくて国防会議の事務局長のほうだった。途中で一ぺん帰って、たいへん慷慨をされて、島流しをしばらくがまんするのだというので、事務局長におなりになった、こういう経過が実は逐一出てきているのであります。そうしますと、これは増田さんがおかわりになってしまって、非常に正直な後任者がお見えになっておりますから、私はまことにこれはしにくい質問でありますけれども一おいでになれば一々そのつどのいきさつがございますから、はっきりさせられるわけでありますけれども、おられない。万やむを得ないのでありますから、私はここで一つだけはっきり申し上げておきたいことがあるのであります。それは何かというと、非常に有能な方であってもなくても、ともかく一つの機種決定というものを中心にして人が動いていく、こういうふうに受け取らざるを得ない流れ方をするというと、冒頭に申し上げましたように、防衛庁内における人の和という点において必ずリアクションが起こる、こう私は心配をするわけであります。その点をどうお考えになりますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 人事の異動と何かうまく結びつけているなどと言われておるようでございますが、私は、前長官もそういうことを無視して、そんなことは全然関係なく人事の異動をやられたものと信じております。ことに前長官からの引き継ぎでは、このファントムの決定についてはきわめて慎重に、かつ事務的に、かつ防衛的、技術的に、政治的の介入を省いてきわめて厳正にやった、こういうことで引き継ぎました。私、引き継いで見ましても、もしそういうようなことがあるならば、私は関係なかったんだから、もっともっといろんな中傷が入りそうなものですけれども、あまりそういうものも入らず、前長官のおっしゃるとおりの行き方で行かれておる。ことに私は就任時から、庁内の和ということは非常に大事だと思いました。和の精神で一致団結しながらこの大事な日本の国の守りをいたしたい、かように考えております。   〔櫻内委員長代理退席、塚原委員長代理着席〕

大出俊日本社会党

○大出委員 大体問題を一応並べておきましたから、一つずつ決着をつけていただきたいと存じます。  一つは、先ほど私申し上げました契約にあたっての頭金、権利金、技術料、この点について、先ほどのお話によりますというと、わかっているとおっしゃっている。このことをどうして明らかにできないのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 私たちとしましては、計画を立て、予算積算をする段階でできるだけの資料を集めてまいっております。しかし、現実にこの予算が認められますと日米間の、国際間の協定もしなければいけませんし、また現実に三菱重工とマクダネルダグラスの契約も起こるわけです。この契約に対しては、法律に基づきまして外資審議会が審査をするという段階でございます。われわれの当然の試算の段階の資料はありますけれども、それは今後のそれぞれの各機関でそれを現実に詰めるということでございますので、いまわれわれが申し上げる段階でないということでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 先般のロッキード、グラマンの争いのときの経過からいたしますというと、どこからどう調べてみましても、今回の契約が終わったという時点に立って考えれば、二千億からの契約金の中で、金の動きの中で、先ほど日本の商社の点だけ、前回の五%という点を答弁をいただきましたが、それからいきましても、メーカーにしてもあるいは外国の商社にしても、それ以下であることはないわけであります。そういたしますと、どこからいっても二割前後の利潤が出てくるわけであります。この点を外資審議会でチェックをする、こう言っておられるのですが、外資審議会のメンバーというのはだれとだれですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 会長は小林中さんでございますが、一々のメンバーにつきましてはただいまわかっておりませんが、すぐまた必要があれば申し上げます。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 先ほど五%ということを政府委員が説明しておったようでございますが、何かの間違いであったようでございますから、蒲谷政府委員からそれを修正させていただきます。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 私は間違えずに話したんでございますけれども、先生のほうが商社のほうの手数料五%とおっしゃっておりますので、その点は誤解を受けますので、もう一回申します。  104の実際の結果——これは結果の、確定契約のときに見ましたものでございますけれども、三菱重工のメーカーの利益が五%でございます。   〔塚原委員長代理退席、委員長着席〕  それから商社の手数料は一%ということでございます。それからいま先生が、総計しますと手数料が二〇%になるというのでございますけれども、私のほうの考えでは、そういう積算にはならぬと思います。それも、たとえばその利益の問題でも、メーカーの場合には総原価に対する利益率が五%でございます。商社の場合には取り扱い量に対します結果的な口銭というか、手数料が一%というので、ベースも違います。そういうような試算をいたしますのは、われわれは現在の日銀統計から出しました全産業の平均利益率なりあるいは各航空機産業その他の産業の平均利益率なり見まして、その会社の資産構成を見まして出しておりますので、いまの契約方式なり、あるいは大蔵の審査方式なり、あるいは会計検査院の検査方式なりで、そういう不当なものは入り得ないというふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そこまであなたがおっしゃるなら、なぜ、原価は幾らで——つまりFXをF4Eファントムにきめて、まあ裸で幾ら、それからエンジン、部品その他を含めてこうこうなるという数字を私は持っておりますけれども、なぜこれは積算を詳細にお話しをいただけませんか、この席で。そこまでおっしゃるなら。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 何度も申しておりますように、契約の段階では現実にこまかい商談が行なわれます。私のほうはいま結果的に利益を言っておりますので、われわれが幾ら組んでおるかということは、企業としてはたいへんな関心でございます。先生御承知のように、先ほど申しましたように、官庁の発注、それが随意契約でありましてもあるいは競争入札でありましても、予定価格ということは非常に関心事でございます。われわれは国会の関係でございますので総トータルを申しておりますけれども、こまかいところにどういう試算をしたかということは相手方との契約に非常に差しつかえますので、そういう意味で予算の積算としての資料を持っておる、しかしそれは今後現実の契約が進んでまいりますので、契約の自主性と申しますか、国益を少しでも守りたいという考えから申し上げたわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 問題点がたくさんありますが、私はどうせ時間がない、本会議の時間がありますので。きょうは決定的なところでなくて、問題点を出しておこうと思って申し上げておるのですが、いまそういう答弁をされると、つい中に入らざるを得ないのでありますけれども、まず今回の積算、単価の内訳ですね。アメリカ側が、軍がマクダネルから買っている価格は三百十万ドルですよ。三百十万ドルだということになりますと、日本の円に換算して十一億一千六百万円、間違いない。そうなると、さっきの御説明によると、輸入をした場合に裸で十五億だという。じゃあ一体何でアメリカの軍がマクダネルから十一億一千六百万円、三百十万ドルで買っているかという問題が残る。外国の雑誌に明確に出ている。アメリカ軍がこれで買えるものを——RアンドDとありますが、この間RアンドDはあなたお答えになった。何で十五億になるのですか、裸で。その理由を説明してください。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 米空軍がF4Eを買っております価格がはっきりはわかりませんが、先生の御指摘のような大体三百十万ドル程度ではないかというふうにわれわれも試算しておりますが、ただ現実は、これは……(大出委員「隠すことはないじゃないですか」と呼ぶ)隠しません。これはアメリカの空軍が手に入れる帳簿価格でございまして、現実はアメリカの空軍省なりあるいはアメリカの国防省なり、それがほかの名目で相当な金を組んでおりまして支出しております。そういうものが現実に日本で買う場合には変わってくるということでございまして、先ほど申しましたように、マクダネルのフライトテストしたかっこうで日本に渡す価格としましては百四機を、いまのような取得計画であれば、一機三百三十四万何千ドルで渡す、こういうことになっておりますが、それが日本に入りますまでには当然その間に輸送あるいはいろいろな手数がかかりまして、また日本に参りますれば日本として必要な機材を積みますので、そういう試算になるわけであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 アメリカ軍が三百十万ドルで買っている。これは研究開発費その他を出しているから、いろいろあるでしょう、それは。しかし裸で十五億円というこの積算の基礎は何にもない、向こうがそう言うというだけであります。そうなると、ますますメーカーが一体どのくらいもうけるのかということをあなた方のほうでチェックできなくなる。つまりわれわれが常識で考えても、三百十万ドルで軍に納入している十一億一千六百万のものが、あなたのほうで入手している限りでは、裸で十五億になるというのでしょう。もし三百十万ドルが原価だとするならば、そこに、それだけでもうすでにメーカーの利益というものは、四億何がしの利益がある、こういう結果になるでしょう。そこのところをあなたはっきりしなければ、どのくらい一体利潤があって——前回のロッキード、グラマンの争いだってそうですよ。アメリカのメーカーがどういうふうに動いているか、たくさんの人が来て、行けばたいへんな金を出して、外国の銀行まで使っている。ここのところが私どもとしては納得ができないわけですよ。そうだとすれば、あなたがもう少しこれは突っ込んで、ごまかさぬでものを言っていただかぬと、三百十万ドルという金だって、私どもはそう思いますとしぶしぶおっしゃるけれども、それじゃあなた、審議にならぬじゃないですか。あらためて言ってくださいこれは。——待ってくださいよ、いいですか、四十六年に二機、四十七年に八機、四十八年に二十四機、こうつくっていくわけでしょう、四十九年が二十四、五十年が二十四、五十一年が十二、五十二年が十機、こうつくるわけですね、そうでしょう。そこで、あなたのほうの積算の単価は、機体そのものは幾らであって、エンジンが幾らで、搭載部品が幾らで、予備部品が幾らか、詳細に説明してください。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 初めに国産する場合の積算を申し上げます。  現在裸の単価で十六億九千万円と試算しておりますが、その機体が十億七千万でございます。それにエンジンが二基で二億四千五百万、そのほかに搭載機器が三億七千八百万ということで、合計十六億九千三百万という試算をしております。  それに対しましていまの輸入した場合の価格でございますけれども、マクダネルがフライトテストを行なった段階で渡す価格が約十二億、端数はございますが、それを今度は分解し、梱包し、船積みしてこっちへ持ってまいりまして、日本の組み立て企業に渡す価格、それまでが一機当たり約九千一百万かかります、保険料あるいは輸送料というものを含みまして。それを今度は組み立てまして、当然フライトテストする、その関係の費用が一機当たり約四千二百万かかります。そのほかに今度のF4につきましては、これは国産する場合でも同じでございますけれども、いまF4Eが持っていないものを積みます特別仕様と言っておりますが、その特別仕様の関係が約七千三百万ございます。大きなものとしましては、データリンクを積みますし、あるいはレーダーの警戒装置、空中で現在の戦闘機は相当な遠いところからミサイル攻撃を受けますので、敵のレーダーがこちらの飛行機をとらえて攻撃態勢に移ったというときには、それを機体の中でレーダーで感知して操縦士が対応するというような関係の品物を積みますので、その関係で七千三百万、合計いたしますと約十四億でございます。これを持ってまいりまして実際の運用をいたします場合に、先ほど申しましたように相当な精度の高い戦闘機でございまして、しかも訓練に使う、その関係で、全然修理機能を持たないでは運用はできない。当然オーバーホールなり毎日の通常の修理に出さなければいかぬ、その関係の修理機能は最小限持たなければいかぬ。その関係の修理機能を持ちますと約一億かかります。これは先ほど申しましたように、関係の治工具なり、修理をするとなりますとやはり相手のメーカーの技術の援助が要りますので、その契約をせねばいかぬ、その関係の費用を含みますと、いま申しましたように約一億かかる、それで十五億でございます。  以上でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうしますと、ここでもう一つ聞いておきたいのですが、契約は三回ということになると思うのでありますが、そうであるかどうかという点と、いつといつといつにやることになりますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 国防会議で百四機がきまりまして、今度の予算の段階で、閣議で第一次契約が三十四機ときまりました。残ります七十機につきましては、現在防衛庁としましては当然の計画構想を持っておりますが、現在関係方面との最終結論を得ておりませんので、政府としての、いつ、何機というこまかいのは出ておりません。大体三十四機と七十機、現在の私たちの計画が、四十四年度の予算をお願いしまして、五十二年度までに百四機をと考えております。いまの財政法上、国庫債務負担行為が五年をこえてできませんので、いまのわれわれの装備計画にかんがみますと、三回に契約を分けざるを得ないというように考えておりますけれども、その詳細につきましては現在防衛庁の単なる構想段階にすぎませんです。

大出俊日本社会党

○大出委員 いずれこれは私の内閣委員会でこまかく詰めてまいりたいと思いますので、こまかい点に触れてもいたし方ありませんけれども、この、先ほど申し上げました基本になる原価が幾らで、何がどうなってというところをあなたのほうでどうしても表にお出しにならぬということになりますと、いまいろいろ世の中でうわさされている、一体一機二十億もかかるのだけれども、それが妥当なものであるかどうか、今回予算に組まれているわけでありますから、この点がどうしても明確にならないわけであります。したがって、いまの説明の中でも、現時点における一機平均は幾らになり、百四機をつくったら一体幾らになるかという点、さらにRアンドDの問題がもう一つ残っておりますけれども、これは一体具体的にいって幾らなのかという点、これはもうきまっているはずなんですが、なぜこれが明らかにできないのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 RアンドD問題につきましては、もしアメリカがそれを要求するのであれば、今度の機種決定に際しましても、あるいは予算を要求する段階につきましても、私たち当然それを検討しなければならないことでございますので、十月にアメリカ政府と交渉いたしました。一応の合意に達しております。ただ結果的に申しますと、正式には外務省を通じます日米間の正式な取りきめがございますまでは正式な決定ではございませんし、もう一つは、アメリカ側が、ほかの国との関係で、RアンドDの額——RアンドDと申しますのは、先生は御存じでありますけれども、アメリカ政府が今度のF4Eの開発に払いました開発研究費を、その飛行機を買う各国に割り当てるということでございますけれども、ほかの政府との関係があって、発表はしてほしくないといっております。現在、内閣委員会でも先生からも強く御要請がございましたので、アメリカ側に、発表はできないかということの照会をしておりますけれども、返事は参っておりません。(「予算審議できないじゃないか」と呼ぶ者あり)額につきましては、これは申し上げませんが、ただ、いまの御指摘のように予算の審議ができないというようなお話がございますので、申し上げますと、大体が今度の一機の単価に比べまして一%に及ばない額で、いま一応の合意に達しておるということでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう基礎になる頭金も権利金も技術料も、これは言えない。それからRアンドDなるもの、技術研究開発費等についての一機当たりの単価も言えない。それから輸入価格についての基礎になる十五億円というのは、この中身は一体どうなっているんだということもわからない。これはみんな金に関することですから、そうなると、これは手のつけようがないことになる。わかっていることぐらいはあなたのほうで提起をしなければ、審議にならぬのはあたりまえじゃないか。そうなれば、これはやみでも何でも、あなた方が秘密にしているのをどこかから引っぱり出して、ここで暴露演説をやるより手がない。そういうかっこうでは公正な審議にならぬ。そこに一々国民的な疑惑がわく。だから、児玉さんの公開質問状なんというものが出てくるわけですよ。長官、あなたは児玉質問に対する回答を出しましたか。公開質問ですが、お出しになっていますか。これも人にいろいろ問題があっても、これだけ世の中に明らかに出されると、どうも私、審議に参画している一人として納得できない。あなたはこれに回答しましたか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 児玉さんからの質問書に対しては回答はいたしておりませんけれども、私のほうで「広報アンテナ」という防衛庁から出しておるものがあるのです。そにれよって児玉さんの質問の大体の答えが出ておりますから——手紙が来て、それに対して一々回答するということは煩にたえませんので、また児玉さんがみずから来ておっしゃったなら別で、私の見解を申しますけれども、そういう手紙に対して一々申すこともどうかと思って、「広報アンテナ」によってその回答が出ておりますから、それを見ていただけばはっきりします。

大出俊日本社会党

○大出委員 妙なことをおっしゃいましたが、児玉さんがみずから来て質問をされるとでもいうなら直接お答えいたします、あなたのほうはこういうわけですな。そうすると、回答はしない、「広報アンテナ」に書いてある、こういうわけですな。ずいぶんあなたもそっけないことをおっしゃるものだと思うのですが、そういう言い方というのは、どうも私はますますもってこれは疑心暗鬼にとらわれるばかりでありまして、一つも疑問はなくならない。予算委員会ですからね、これは。疑問については解明してもらわなければいけない。  その中で、あなたにもう少し聞きましょう。十一月一日という時点で、向こうは訓練を中止しておりますね。これはあなた御存じのとおり。そこで、こちら側のほうは、機種決定は十一月の一日に行政権でおやりになっている、同じときに。あなた方は知っておったのですか。アメリカのほうでは例の訓練シラバスの問題、あれだけの問題があって、マクダネルを抜いてほかに調査を依頼している。十一月一日中止になっている。こともあろうに、こっちの日本のほうでは逆に機種を決定している。これは承知の上でやったのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 アメリカにおける訓練の中止は、ひとりF4Eばかりでなくて、訓練方法が変わったために、それを一時中止したのですが、そのあとはもうすでに使っておるわけですね。それから十一月一日に、政府といいますか、防衛庁長官においてあれを決定をいたしましたのは、御承知のとおり、第三次防におきまして要撃力の強いものをつくるということでありまして、それを受けまして、増田前長官が用兵の自分の責任の立場でそれを考えて、関係閣僚と相談しながら、総理の了解まで得て決定いたしたものでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 ますますおかしなことになる。最後にあなたに承りたいのでありますが、爆装はしないということになっておりますね。爆装と申しますと何と何と何ですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 われわれが爆撃専用装置といっておりますのは、まず空対地のレーダー、それから爆撃のコンピューター、計算機、核ある場合には核の計算機があります。それからコントロールボックス、こういうものを爆撃専用装置といっております。

大出俊日本社会党

○大出委員 照準器も一つあるわけでありますから、そうすると、照準器と申しますものは、空対空の場合に相手の飛行機を見る、あるいは地上の目標をとらえる、これは使い方が違うだけでございますから、ここは変わりませんな。それはいいですね。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 目視照準器のことでございましたら、それは機関砲を撃つ場合に使います。さらに爆弾を投下する場合にも使います。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、爆弾の懸吊装置なるものはパイロンタンクと一緒でございますから、兼用でございますな。それは取りはずせない。いいですな。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 懸吊装置は取りはずしません。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、爆弾が積めるということになりますな。それもいいですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 物理的には爆弾は積めます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうなりますと、懸吊装置はある、爆弾は積める、照準器はあるわけでありますから、ないのはレーダー、計算機、このあたりが、コントロールボックスを含めてあなたのほうは取りはずすとおっしゃるわけですか。これは私の調べたところによりますと、そうたいへんなものではない。あなたはF4E乗ったことはありますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 F4Eに乗ったことはございませんが、資料によって調べております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、レーダー、計算機、コントロールボックス、これをくっつければ、爆弾は積めるようになっているし、照準器はあるのですから、いつでもこれは使えることになる。しかも、目標というか目的、つまり、FXというものは何の後継機かという点で、F86Fの後継機である。F86Fの七師団のうちで四つは地上戦闘の支援です。その後継機である限りは、現在F86Fは爆弾投下の訓練をやっておるわけでありますから、104はやっていない、そうだとすると、当然これはその目的も兼ねなければならない飛行機だということになる。そうなるでしょう。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 爆撃専用装置のお尋ねがございましたから、三つほど申し上げました。念のために申し上げますけれども、それはB52とかF111とかいう爆撃機あるいは戦闘爆撃機についているものとして申し上げました。ファントムについて申し上げますと、専用の爆撃機でもございませんので、空対地のレーダーはもともとついておりません。ただ、三つのうちのコントロールボックスと爆撃のコンピューターはついております。それをはずすということを申し上げておるわけでございます。  それでは爆弾を落とせるではないかという点も、先ほどお答えいたしましたとおりに、そのとおりでございます。われわれは前にも申し上げましたけれども、要撃任務のために今度の新戦闘機を選びました。要撃能力の一番すぐれたものが今度のファントムであることが、いろいろな資料からわかりましたので、そうきめていただいたわけでございますが、同時に対地支援——万一の場合に相手が上陸をするというふうなことを全然否定するわけにまいりませんので、そういう場合には主として陸上部隊が迎え撃ちますけれども、そういう場合に、このファントムも万一の場合にはそういう対地支援をする能力は持たしておきたいという面も一面ございます。全然否定するわけではございません。ただ、それは従たる任務でございます。  それから、86F部隊の後継機とおっしゃいましたけれども、私は先ほど86Fの量が下がるときにそれを補う意味も持っておると申し上げましたが、現実に、先ほど御指摘になりました、主として対地支援訓練をやっております86F部隊の後継だというふうには、今度の主力戦闘機は考えておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 前防衛庁長官の答弁と、そこが食い違っているわけでありまして、前防衛庁長官は86Fの後継機であるということを認めておられる。あなたもおられた。ちゃんと承知の上で——重ねて申し上げませんが……。  そこで、もう一つ長官に承りますが、そうすると、爆撃能力はある。コンピューターとコントロールボックスをはずす。こういうわけであります。爆撃能力のあるものを持っていて、爆撃に使わない。一フライング当たりの飛行単価をあなたは御存じですか。どのくらいかかるのですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 飛行単価はあとで政府委員から答弁いたしますが、F4Eは、爆弾を積みますと、二百五十海里あるいは四百海里だということになっております。私のほうとしましても、とにかく憲法によって海外派兵というものはやらぬということになっておりますから、それで、そういうところには行かないという前提に立って考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうそう幾らしろうとでも見当違いの答弁は困りますよ。長官、あなたしろうとだからと思って、あなたに聞かぬように気をつけているのだけれども、しようがないから私のほうから申し上げますが、ワン・フライング当たりと申しましたのは、燃料タンク一個分がなくなる時間を指すのですよ。つまり、これは飛行機の燃料消費その他の計算に使っている基準です。燃料タンク一個分を消費する時間内の飛行、これをワン・フライングといっているわけです。このワン・フライング当たりのコスト、これは非常に大きな問題なんです。F86Fが十三万円です。燃料タンク一個使って帰ってくるまでの飛行時間。T38、これはあなた方は使わぬというのだから必要ないけれども、これが十万円です。なぜこれを言うかというと、F5を採用したときのワン・フライング当たりの飛行単価だからです。F86Fは十三万円。もしF5を選定しているとすれば十万円です。ところがF104J、これは五十二万円。タンク一つからにして帰ってくるワン・フライング当たりの飛行単価です。もう一つF4ファントム——Eはいまありませんから、Dの場合、Dで言ってこれは百万円です。いいですか。いまあなた、F86Fは十三万しかかかっていない。毎日訓練やっているのでしょう。一フライング、燃料タンク一個分を消費して帰ってくる、それでF86Fでも十三万かかっているのです、国民の税金を。そうでしょう。F104Jの場合、今度墜落いたしましたが、ワン・フライング当たり五十二万円かかっているのですよ。F4ファントムを使うとなると、どうしてもこれは百万かかる。なぜかといったら、爆撃装置から何からみんなできるようにできている飛行機だからですよ。この飛行機は、最高トン数でいって二十七トンもある。通常二十トンですよ。そうでしょう。だから、あなたのほうは、三次防予算の中でF4ファントムを初めから想定をして、どんどんどんどん耐荷重舗装を各飛行場はやっているでしょう。私に言わせれば、こういうむだなことをなぜあなた方はやるかと言う問題なんです。逆な行き方をしているんだから、これはおかしいじゃないですか。こんな高いものを買って、単なる——機当たり単価はあなた方は言わないけれども、これから毎日訓練していくんでしょう、でき上がれば。百四機も、そうでしょう。そうなると、これは飛ぶたびに、F5を買ったら十万円で済むものを百万かかる。こういうことをするから、さっきの兒玉さんのような質問が出てくるのです。だから、政治家にはないとおっしゃるけれども、てっぺんで全部今日まで人をかえてしまって、F4Eファントムになるようにおぜん立てをして持ってきたんだから、きまるのはあたりまえですよ。そうでしょう。きれいなのがあたりまえですよ。てっぺんでみんな反対だという。それは、政治家というものは、だれかを通じなければ防衛庁に介入できやしませんよ。自分で行って、関係ないのが四の五の言うわけに行かない。中に相通ずる人がいるからでしょう。そうでしょう。そういうのをみなかえてしまった。これじゃ防衛庁内、うまくいきませんよ。人の能力にかかわらず、F4ファントムをきめようという人事体制をしいてきた。松野さんのときから始まった。増田さんのところで一番最後のところをかえた。すでに政治的にはそこでF4Eファントムはきまっておるわけだ。  しかも、私はわずかな時間だからこまかく言わなかったけれども、私がちゃんともらっているこれはおたくの庁内から出ているのです。この中で、OR予算も明確になっている。あなた方がこれは示達書を、契約書を出してもらえば、一ぺんでわかる。OR予算を先に使っちゃっているんだから。そうなると、事務的にもさっきいみじくも伊藤さんあんなことを言っておったけれども、三月の段階できまっている。私は三月の段階でちゃんと質問している。そこへもってきて、なおかつ山口空将補さんの死をめぐりまして、昨年の三月の五日、あの方が死んだときに、小幡次官一体何と記者会見で言ったか、記者クラブで。聞かれもせぬのに、FXに関係ありませんと、いきなりそう言った。いきなりそうですよ。あとで私は御本人をひやかした。翌日、六日の日に、これまた増田長官は、百鬼夜行じゃなくて昼行だ、伏魔殿だ——自分の庁内をとんでもないです。怪しい空将補が一人いた——その怪しい空将補山口さんのつながっている先が一体どこなのかということは、皆さんご存じなんでしょう。どなただって全部これは知っていることだ。あの事件が「インタラビア」などスイスの航空機の雑誌に書いてある。そのことを取り上げたことについて、川崎さん、川崎一佐という人を五十九条のやり玉にあげる。責任を負わせて山口さんがああいうことになる。全部人事的に整理をしてしまって、そうしておいて、いま私が申し上げたF5、これもF5を扱っていたのは伊藤忠ですから消えていく。めくらのCL1010、これを取り上げたことを突いたわけですから、そうなると、ロッキードのほうも、あれは丸紅飯田ですから消えていく。当時、私は、そういう状況で、超党派的に言いたいのだが、これじゃ困るじゃないかということを総理以下に申し上げた。答弁はない。ややあって、どっちになるにしても、そういうことはこんりんざいないようにいたしますということだった。そうでしょう。しかし、こういうことをやれば、これは契約を一面もやるのですから、あとからあとから出てきますよ。だれかがものを言う。いまあなた、きれいで、ないとおっしゃったけれども、とんでもない。陰であなたの部下に聞いてごらんなさい。それはあなた、親分がいなくなれば、下のほうの人たちは自分の身の安全を考えるから、適当なことを言う。言うけれども、聞いてごらんなさい、あなたが。私の言いたいのは、その人の能力いかんにかかわらず、F4Eファントムにきめたいということで、松野さんの時代から始まって、次々に人をかえていくというふうにどうしても受け取れる今日的事情というものを考えたときに、それではいけないと申し上げたい。いまワン・フライング当たりの時間単価を申し上げましたが、これなんかだってそういうことです。耐荷重舗装をしなくてもいいところを、ちゃんとF4ということを目標にきめてきている。こういうことですよ。私は、こまかい点はあらためて委員会でやりますけれども、その点だけは明らかに申し上げておきたい。  そうして最後に、いまのワン・フライングあたりの単価は間違いないでしょう。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いま先生がおっしゃいましたのは、これから実際の計画を進めますけれども、一応全維持費、F4Eにかかりますすべての費用を一時間当たりで割ってみますと、大体百万弱になるという計算でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 百万になることをお認めのようでありますから、時間がまいりましたので終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて大出君の質疑は終了いたしました。  明十三日は、午前九時四十分より委員会を開会し、石田宥全君、和田耕作君、只松祐治君、岡本隆一君の一般質疑を行ないます。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時二十九分散会

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