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61回国会衆議院1969/06/06

法務委員会 第19号

発言数
110
登壇者
22
会派数
4
開催日
1969/06/06

会議録

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 これより会議を開きます。  法務行政に関する件、検察行政に関する件及び人権擁護に関する件について、調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。しかし、慣例による理事会の申し合わせで、各質問者の持ち時間は三十分ですから、御了承ください。  それでは畑和君。

畑和日本社会党

○畑委員 私は、本日は質問通告に出してありますとおり、高崎経済大学の学長の三潴さんという方が、高崎の暴力団松葉会の幹部と、たまたま少なくともことしの正月の新年会の席に招待されてその新年会に出席をしたということが、新聞に報道されております。これは、私にとりましてもまことに驚きだったのであります。いやしくも大学の学長ともあろう人が、いま非常に批判の焦点であります暴力団、しかもその松葉会の幹部が催した新年会に出席をすること自体がはなはだ不謹慎であるということで、まさか大学の学長がこうした会合に出るとは夢にも思ってなかった。新聞の報道でまさに知ったわけでありますけれども、われわれとしても、また一般の国民としても、非常に驚いたことだったろうと思う。そこで、若干その問題につきまして、その端緒となりました関係で、警察当局、それからさらにこの大学を指導、助言等をいたしております、また設置基準に従ってこれを許しております文部省関係のほうにお聞きをいたしたいと思う。  新聞の報ずるところによりますと、この事件が明るみに出たのは、松葉会の幹部を検挙して調べてみたところが、その取り調べの中で、はしなくも、新年会の宴席に三潴学長が出席をしたということが、少なくとも明らかになった。それで一般に知られるようになったわけでありますけれども、まず最初に、警察のほうで松葉会の幹部を調べた結果、そういうことになったと報ぜられている点が事実かどうか、その点をひとつ警察庁の刑事局長ですか、お聞きいたしたい、かように思います。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 お答えを申し上げます。実は三潴学長と高橋一郎という人との関係につきましては、特段の犯罪関係等があるわけではございませんで、警察のほうも、特にその二人がどういう関係にあるかということについて特別に調べたというふうなことはございませんが、御質問でございますので、一応この高橋一郎という、これは松友会、これはもと松葉会といっておりましたけれども、これの群馬県の支部長で、一応不動産業ということになっておりますが、この男を強制執行の免脱及び詐欺ということで、本年の三月群馬県の高崎警察署で逮捕して取り調べておるわけですが、その間、いまも御質問のございましたように、高橋一郎が、三潴学長との関係といいますか、知り合ったことについて若干しゃべっておるのですが、それによりますと、四十一年の春ごろに、彼が支部長をしております松友会の本部で三潴先生のことを聞いて、非常な理論家であると聞いたので、ぜひお会いしたいということで学校に会いに行った。特に先生に会いたいと思ったのは、自分の下におるやくざな人間たちを更生させるためにどういうふうな教育方法をとったらいいかというふうなことを聞きたいと思ったのだということ、それから先生の家に伺ったことはない、大学のほうへは何べんか伺ったというふうなことを言っております。そうして新年宴会には、そういうふうなことでいろいろ教えていただいたので、そういうことについての感謝の気持ちからお招きしたのだ、こういうふうなことを言っております。私ども、実はお二人、三潴学長と高橋一郎なる人物との関係というものは、その程度承知しておるわけでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 いまの警察庁当局の御答弁によると、自分の子分の人たちの更生のために、どういうふうにして更生させるかというようなことで御高見を拝聴に行ったというような供述になっているようでありますが、暴力団の親分が、実際はいま警察庁の側で言われたような罪名で検挙をされ、起訴された、その御本人が、幾ら子分たちの更生のためといっても、ちょっとどうもロジックが合わないわけであります。これは別に警察庁を責めるわけではないけれども、新聞の報ずるところによると、新年会で、安保のときはよろしく頼む、こういうことをあいさつで言ったというのだけれども、こういうことまでは、警察庁の詐欺事件のお調べの際には調書に出ておらないかどうか。その点をひとつ聞きたい。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 お答え申し上げます。私ども調書をよくは調べておりませんけれども、特に安保の問題にことさら触れていろいろ話があったというふうなことは、出てないようでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 警察関係は忙しいようだから、ぼくに関する限りはこれでよろしい。  そこで、あとはひとつ文部省当局にお聞きしたいのです。新聞のいろいろ報ずるところによると、またさらに私が新聞外でも二、三の人から聞いたところによりますと、高崎経済大学は、もちろん高崎市の市立の大学だ。市立の大学はそうあまりないようでありますけれども、なかなかいい成績をあげているところもあるが、この高崎経済大学は、いままで問題が多かったように聞いております。かつて新聞に二、三年前にも出ましたけれども、市立大学というような関係から、市長はじめ市のいろいろな有力者等からいろいろ頼まれて、裏口入学等の問題がたくさん出た。そして大学の設置基準にも非常に違反をしておる。定員は一学年二百人、四学年で八百人ぐらいが設置基準だそうでありますが、それが三倍にも四倍にもふくれて、たくさん入学を許しておる。いわゆる裏口入学というものが非常に多かったので、学生の純真な正義感を呼び起こして、これが当初の高崎経済大学の紛争のもとになったということは御承知のことと思うのでありますけれども、その当時の紛争は、結局学生の大量処分、あるいは刑事問題としての起訴、裁判というようなことで、退学になりあるいはそのほかの処分を受けた人が相当おったようであります。しかもまた、大学の教授会でもいろいろ問題になり、結局教授の人たちも、そのうち八人くらいはとうとう大学を去る、こういう結果になって、教育の府、研究の府としての大学に最もふさわしくないあり方をしてきた大学だという印象を私は持っておったのでありますが、それがそういう形で一応終息をした。いわゆる大学紛争としてはおそらくいまの大学紛争のはしりであり、しかもいまの一般的な大学紛争とちょっと変わった、市長をはじめ学長等の方針でむしろ逆にゆがめられたような学校経営であったというようなことから紛争が巻き起こって、それが弾圧をされて、それで一応解決したという形になったものだそうでありますが、今回の新聞の報道にも明らかなように、学生たちがまたこの問題を非常に重視して、第二の新しい大学紛争の目になりつつある。こういうふうに聞いておるわけであります。三潴学長は、かって私たちも東大で教わりました三潴さんという教授がおりましたけれども、おそらくその御子息さんではなかろうかと思うのでありますが、非常に右翼的な考えの持ち主である。西暦という年号を使わずに、あえて紀元という年号を使う。あるいは日本帝国憲法はいまだに生きておるのだ、こういうようなことを学生たちに話をするといったような式の、まことにどうもおそれ入った学長であるようでありますが、これが結局市当局の意向を受けて、いろいろそうした方向での教育をしておるようであります。それが高じて、はしなくも新聞ですっぱ抜かれるようなことがあって、世間の注目を引いたということになっておるようであります。  ところで、文部省当局といたしましては、かつて紛争があったわけでありますけれども、その当時どういうことで指導、助言し、一応問題が解決するようになったか、この設置基準はどういうふうになっておるのか、こういう点について、まず最初にお聞きいたしたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 高崎経済大学は、御指摘のように高崎市の設立にかかるいわゆる公立大学でございます。設置認可は昭和三十二年でございまして、その後三十九年に学科を増設いたしまして、現在経済学部経済学科、経営学科の二学科を有する入学定員二百名の大学でございます。御指摘の先年の紛争と申しますのは、一つは縁故者の入学をさせたという問題、二つには著しく入学定員をこえて入学を許可して、教育が十分行なわれないという不満、その二点を中心として起こったわけでありますが、種々話し合いの結果、いずれも自粛をする、学生はとにかく勉学にいそしむということで、一応の解決を見たわけでございます。  現在の状況は、入学定員二百名に対しまして、かなり上回って入学許可をいたしております。現在入学定員二百名でございますので、四年間の定員は八百名になりますが、それに対する学生の現在員は二千五百六名、約三倍の在籍となっております。それから教員数は、教授十四名、助教授十三名、講師四名、計三十一名でございます。大学設置基準の適用関係は入学定員で行ないますので、入学定員二百名に対する設置基準といたしましては、教官三十二名ということになりますので、一名不足、こういう状況でございます。  今回の問題もございまして、高崎経済大学に実情を問い合わしておりますが、ほぼ新聞に出たような事実があったようでございます。

畑和日本社会党

○畑委員 いまのお答えによっても明らかでありますけれども、そうした事件があって、文部省からの指導もあって、それでようやくにしていま言った設置基準を、しかも八百人のところが二千六百人もいまでもいる、こういう形で設置基準に非常に反している。定員二百名で計算した場合に、専任教師が合計で三十二名おるべきところが三十一名、こういうことで、その定員から計算した教師でも大体一ぱい一ぱいというところで、現在はその三倍も生徒がいるということだから、教師も三分の一しかいないということになると思うのです。こういう環境では、十分な教育も研究もできないと思うのです。設置基準というものがあるのでありますから、一番最初よりもだいぶ緩和——五倍も六倍もあったものがようやく三倍ぐらいになってきたということで、徐々に定員に比べての実際の入学許可の人数も一時よりは減ってはきているけれども、まだまだ三倍も採っている、こういうことになるわけです。こういうことでは、とうてい十分な教育はできないと思うのでありますが、しかもいろいろ新聞の報ずるところによりますると、むしろ私立大学よりも学費が高い、かかりが高い、こういうような話でございます。公立の学校としての本来のあるべき姿とえらい差があると思うのでありまして、これは市当局の方針等からも出ておると思うのです。話によりますと、市長も四選の市長であって、なかなかがんこおやじで、独裁者的な人だそうであります。二瀦学長やあるいは暴力団等もほめておるような、そんな市長だそうでありますけれども、これは非常に問題が多いと思うのです。このままで見過ごしたら、学生がかわいそうだと思うのです。そういう点で、文部省としては、今度の事件も起きたし、そこでいろいろ聞いてみると、大体新聞に報ずるとおりだというふうな御答弁がございましたが、先ほど警察側に聞いた結果は、結局はわからなかったが、新年会に出席をした学長に対して、安保のときはよろしくと言ったというようなことが、言ったか言わないかという点で、新聞でも食い違いが——本人は否定しておるようでありますが、どうもこういう学長では、そういうことでお互いに話をしないとは保証ができない。そういう点で、文部省のほうとして、今後この問題をどうするつもりでおるか、方針などを承りたい。著しく指導、助言をしても聞き入れないという場合には、当然それに対する処置があってしかるべきだと思うのでありますが、その点をひとつ文部省当局では今後どう処置するつもりかという点についてお尋ねをいたしたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 文部省といたしましては、公立大学に相対します関係は、所轄庁といたしまして、基準に適合した教育が行なわれるかどうかにつきまして、必要な指導、助言を行なうわけでございます。その意味におきまして、高崎経済大学の場合には、学生数につきましても一ころよりは減っておるとはいえ、現在でもなお入学定員よりふえておるのが実情でございます。そこで基準を比べますと、教員数につきましては定員一ぱい一ぱいでありますけれども、施設面から見ますると、あの学校は先年新築をいたしまして、基準に対しまして二倍以上の校舎面積を持っております。そこで、将来の問題としては、学生数とそれから学生の定員と校舎と教員数とバランスをとればよろしいわけでございまして、その方角で指導、助言をしてまいりたい、かように思います。  それから学長の言動等につきましては、これは先ほど照会したところほぼ新聞に出ておったような事実と申し上げましたのは、おっしゃったことの中身まで確認したわけではございませんので、いわば正月にプライベートに会合に出たところ、暴力団関係の者もおった、そこに出ておったことは事実のようだ、こういうことを確かめ得たわけでございます。言動その他を含めまして学長の服務関係は、これは設置者でありますところの高崎市において処置すべき問題でございますので、学長としての逸脱があれば、市当局において善処せられることを期待しておるわけであります。

畑和日本社会党

○畑委員 いま大学も増築を急いでおって、それが完成すると、それだけ建物が倍にもなる。そこで今度は教師をふやすというようなことでやれば、大体設置基準に合うようになるであろう、そういうふうに指導しておる、こういうことであります。しかし、それをやはり急いでやらせなければならぬと思う。そのほかにやはり問題があるのは、教師等について思想選別等を非常にやっておるようであります。学長自身がそういった思想の持ち主であるし、また市長自身がそういった性格の人でもありまするので、やはりそのお気に入りの人でなければだめだというようなことで、いろいろ思想選別等もする。したがって、いい教師が、骨のある教師がだんだん去ってしまう、こういうような傾向だということで、私一部の人にも聞いたのでありますが、将来が非常に心配される、こういうようなことであります。教授会の自治そのものが、一般の大学ではいまいろいろ問題になっております。ところが、この大学では、教授会の自治そのものがあまりないようだ。と同時に、学生たちの自治活動というものが非常に圧殺をされておる。そして何かちょっとあると、すぐ処分の対象になる。一々すべてのことが届け出制でなくて、許可制だ。いろいろ事前検閲の規定があるようでありまして、大学そのものが非常に古い。いまどきちょっとないような形の大学のようでありまして、この点がひとつ大いに心配をされるところであります。そういう点につきましても、直接文部省としてはそういう点までは——いろいろ指導、助言ということになると、また支配介入阻止ということも出てくるでありましょうけれども、そういった問題も、こういう学長のもとにおいてはどうしてもそういうふうになりがちであります。そうすると、結局ゲバ棒にも発展しかねない、無理解な学長あるいは幹部だと、そういったことになるおそれがあるわけでありまして、この点、ひとつどういうふうに指導、助言をするのか、できるのか、その辺を最後にお聞きしたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学の教育内容面、あるいは教育内容に関する指導方針等に関しましても、これはまさに大学が自主的に判断して行なうべき中核的な事項であります。もっとも、外面的なワクといたしましては、やはり大学設置基準で大学で最小限度授業すべき科目、単位、それから卒業要件としてどれだけのものを履修すべきかという諸要領、こういうものは定めております。したがいまして、そういう外面的条件を満たすかどうかにつきましては、文部省といたしまして、もし違反しておれば是正すべく指導、助言をいたします。しかし、そのワク内における教育の指導方針等につきましては、大学が自主的に行なうたてまえでございまして、文部省としては明らかに外面的な基準に反しない限りは、これの是正を求めるような意味合いの指導、助言はむずかしゅうございます。ただ、学生の自治活動にいたしましても、あるいは教育の運営面につきましても、いろいろな会議あるいは研究集会、そういう機会もございますので、そういう一般的な機会を通じまして、国が逸脱のないように指導してまいりたい、かように思います。

畑和日本社会党

○畑委員 支配介入にならない範囲でひとつ指導、助言を強めていただきたいと思います。この学長は、実はいまの新年会での料亭での問題がありましたが、そのほかにも、どうも私の調査によりますると、高橋一郎という暴力団松葉会の支部長が自分の女に経営させておる「田舎」という料亭があるそうでありますが、その「田舎」という料亭も学長が私的の会合にときどき使っておる事実がある、こういうような話も聞いております。事実でなければよろしいのでありますけれども、そういうことを私どものほうで聞いておりますので、そうなると、どうもこの一回の新年会の出席だけではなさそうだ。相当腐れ縁がありそうだ。しかも大学の学長がそういうことでは、私はけしからぬことと思う。いま暴力団狩りを一生懸命法務当局あるいは警察当局等でやっておるさなかでありますが、私、この点非常にショックであったのであります。  そこで、最後に法務大臣にお尋ねいたします。そういった暴力団関係等についての一般司法行政、司法関係をつかさどっておられる法務大臣は、この問題についてどういう感懐を持っておられるか、最後にお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 まことに遺憾しごくに存じます。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 加藤万吉君。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 きょうはレギュラーではございませんが、法務委員会で、在韓米軍の家族が日本人に対して重過失致死を行なった事件について、多少その責任の所在と問題の追及を行なってみたいというふうに思います。  加害者はトーマス・エドワード・スミスと言います。被害者は神谷紋一郎という著名な刀剣鑑定師でありますから、この席にいらっしゃる先生方の中でも、神谷先生に刀剣の鑑定を依頼された方があるかもしれません。この人が、昭和四十二年の七月十九日に路上で、いま申し上げましたトーマスという少年に自転車でひき殺されてしまいました。事件としては非常に単純な事件でありますけれども、しかし、この事件を追及してまいりますと、幾つか重要な問題点にぶちあたったのであります。その第一は、在韓米軍の家族ということが特徴的なことであります。御案内でしょうけれども、わが国は、在日米軍の家族は、日米地位協定によってそれぞれ補償ないしはその責任の追及を行なうことができます。ところが、在韓米軍でありますから、わが国の日米地位協定によって問題の解決をはかることはできない。第二には、少年ということであります。当時は十五歳でありました。しかも自転車による死亡事件でありますから、自賠法の適用がありません。これが第二の特徴であります。第三に、この事件が起きて一月もたたない間に、この家族は、私どもの聞くところでは、立川の米軍基地を利用してアメリカに逃亡してしまったわけであります。したがって、第四に問題になってくるのは、この事件の補償が日本の国内では争うことが事実上できない、そういう内容を実は持っておるのであります。したがって、この神谷さんの死亡事件を通して、いま申し上げました四つの特徴的な問題を、わが国の政治の上で、わが国の主権上の立場から、この問題の追及あるいは責任の所在を明らかにすることはできないものだろうか、実はこのように考えるわけであります。  そこで、最初にお聞きをいたしますが、わが国に外国の軍隊、特にアメリカの軍隊の軍人、軍属でもけっこうですが、この家族が日本にはどのくらいいるものでしょうか。たとえば沖繩、ベトナム、韓国それぞれに米軍が行っておりますが、それの家族がわが国にどのくらいいるものでしょうか。同時に、この人々の日本における法的な地位は、何によって確保されているものでしょうか。たとえば日米地位協定ではおそらくないと私は思います。一般外国人として日本に居住しているものなのかどうか、この二点を入管局長から明らかにしてもらいたいと思います。

中川進法務省入国管理局長

○中川(進)政府委員 お答えいたします。米軍の家族の数は、私どものほうにはわからないのでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私は、在日米軍の家族の数を言っているんじゃないですよ。

中川進法務省入国管理局長

○中川(進)政府委員 お答えいたします。一般の入管令の適用を受けます外国人の在留者の数でございますが、アメリカ人の日本に在留している数は、昭和四十三年十二月三十一日現在で一万七千三百八十六名、かようになっております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 いま一つ私質問を申し上げましたが、これらの在日米人家族、特に軍人、軍属の家族は、特別な何か入管規定があるのでしょうか。それとも日米地位協定によって今日日本に在住しているのでしょうか。

中川進法務省入国管理局長

○中川(進)政府委員 別に区別はございません。一般のアメリカ人ということで取り扱っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 この事件は、四十二年の七月十九日に起きた事件ですが、最近外国人が日本に非常に多いわけです。特に最近では、イタリア人が被服の詐欺事件を起こしました。前にはアメリカの軍人家族の車が暴走いたしまして自衛隊員を死亡させたという事件がありました。外国人が日本でそういう犯罪を起こした場合に、どういう処置をとられるのでしょうか。たとえば私の聞いたところでは、横須賀において自衛隊に突っ込んだ米軍人の夫人、これは米軍にいま留置をされて取り調べを受けているというように聞いております。たとえばイタリア人の詐欺事件が先般問題になりましたが、これらの犯人は、どういう形でいま留置ないしは処置をされているのでしょうか。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 一般の日本人と全く同じように、日本の警察が身柄を留置して取り調べ中でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 本件は、警察関係の調べ、地検に送検をされた段階では、重過失致死の事件であります。そして私が調べた範囲では、家庭裁判所で不開始決定をした。年齢は十六・二カ月、すなわち少年法第二十条ただし書きによる十六歳未満ではなくて、以上の年齢になっています。ところが、この事件が起きまして、調べが終わって地検に送検されたのが八月八日、家裁に送られたのが八月十六日、そして帰国をしたのが八月二十三日であります。約一週間足らずの間に本人はアメリカに帰ってしまったわけです。いま日本の事件と同じようだとおっしゃいました。本件はどうなんでしょうか。七月十九日に事件を起こして、八月二十三日に帰国をするというような条件、これは日本における取り扱いと同じ条件なのでしょうか。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 先ほどから御指摘がありましたように、少年でありまして、警察から在宅のままで事件の送致が横浜地方検察庁にありました。横浜地方検察庁は記録を点検いたしましたところ、十六歳未満の少年でありましたので、少年法の規定によりまして、この少年については刑事処分ができないことになっておりますので、そのまま記録に基づいて横浜家庭裁判所に事件を送致したわけでございます。横浜家庭裁判所におきまして、その事件を少年法の規定に基づきまして審査をいたしました結果、先ほど御指摘のように四十三年になりましてから審判不開始の決定をして、事件としての終末をつけた、こういうことがこの経過に相なっておるわけでございます。  そこで、検察庁の調べでございますが、俗にトンネルと称しておりますけれども、検事の手元は通過いたしますけれども、しょせん再び検事のところへ戻ってくる事件ではございませんで、あげて家庭裁判所の処置に事件の運命をゆだねる、こういうことになっておりますので、検事といたしましては、ただ記録を点検いたしまして家庭裁判所に事件を送るということが、この種の事件についての実態に相なっておるわけでございまして、先ほどおあげになりましたイタリア人の洋服生地の事件というようなものにつきましては、これは成人の事件でございますので、すべて検察庁のほうに責任がございますので、警察で調べて事件を送ってまいりますれば、検事がそれをよく調べまして、引き続き身柄を勾留の上で起訴を提起する、こういうことになろうかと思いますので、年齢の点におきまして、おあげになりました事件との間に基本的な相違があるわけでございます。その相違に基づきまして、おのずから検察庁のほうの調べも変わってくる、こういうことでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私は、当初本件の特徴を四点あげたのですよ。その中にも、少年であるということが実は特徴的な条件であるということを言ってあるわけです。そこで問題は、家裁の処置がここで問題になってくると思うのです。一般的に、わが国で少年が犯罪を犯した場合には、あるいは小さな交通事故程度でしたら、いま御答弁のあった程度だろうと思うのですが、重過失致死という条件の中で、しかも家裁に送られたのが十六日。おそらく私は家裁でも何らかの取り調べ、調査、検証が行なわれたのだろうと思うのです。しかし、私どもが考えまして、その結論を得るのに、十六日に送致されまして二十三日に帰国するということは、どうしても考えられないことなんです。一般常識的にいえば、少なくとも十日や二十日の調べ、あるいは家裁がそれ自身を不開始処分にいたすにいたしましても、調査をする時期は本人の所在がなければいけないというふうに常識的に考えられるわけですが、これはひとつ刑事局長からお聞きをいたしましょうか。二十三日に帰国をすることを、なぜこの時期に差しとめ命令ができなかったのでしょうか。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 少年の事件の取り扱いでございますので、身柄の処置並びにその事件について、どういう処分をするかというようなことにつきましては、あげて家庭裁判所のほうの権限と責務になりますので、私ども法務当局あるいはそれをあれしております検察庁の関係といたしましては、家庭裁判所の審判があるまで在宅になってこの身柄を法律の手続に基づいてとめておくとか、その他適当な措置をするとかいうふうなことは、実は法律上の権限としては、現行法上そういう権限が与えられていないわけでございます。結果におきまして、家裁の審判がないままに、さらにまたこのような重大な、人の死亡というような事故が起きたにもかかわらず、裁判権の及ばないところへいってしまったという結果におきましては、あらゆる面ではなはだ残念しごくのことだと、こういうふうに思いますけれども、当時の状況といたしましては、私の立場からは、検察庁は十六歳で家裁の処分であるということで家裁のほうへ事件を移したということでございますので、あとから考えましてたいへん残念でございますが、結果といたしましては検察あるいは警察当局といたしましては法律上は実は何ともいたし方なかった事件ではないか、こういうふうに思っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 家庭裁判所で事件を扱った結論ないしは経過については、本委員会でなかなか追及ができないと思うのです。そこで、これは入管局長にお聞きをしますが、この本人並びに家族は、どこからわが国から脱出をしたのでしょうか。

中川進法務省入国管理局長

○中川(進)政府委員 先ほど先生お述べになりましたごとく、昭和四十二年八月二十三日に横田基地から出国しております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 横田基地から帰国したわけですね。どうでしょうか。米軍人、軍属、これが在日米軍であろうと在韓米軍であろうと——たとえば、この父親である米軍人は、在韓米軍でしょう。私どもの知るところでは、一週間に一ぺんないしは一月に二回ぐらいは日本に来て、妻がいるわけですから、そこで家庭の営みを行なっておったそうであります。横田基地から出入りをする在韓ないしは極東アジアにおける軍人、軍属でもいいし家族でもいいのですが、帰国する際の処置、チェックといいましょうか、これはノーチェックですか。

中川進法務省入国管理局長

○中川(進)政府委員 お答えいたします。日米地位協定の適用を受ける者、すなわち在日米軍及びその家族あるいは軍属というものに対しましては、入国管理行政が及ばないわけでございますから、チェックはないのでございますが、本件はそうじゃございませんので、夫は韓国にいる米軍人であったということでございまして、この夫人とそれからそのむすことは、地位協定の適用を受けない者でございますから、入管のチェックを受けるべきものでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 韓国にいる米軍人が日本に出入りするときには、休養という形での出入りでしょう。ですから、いわゆる入管規定に基づくいろいろなパスポート云々という問題ではないんじゃないですか。事実上は韓国にある者、あるいは台湾にある者、沖繩にある者を含めて、米軍人が日本に家族を置いた場合の出入国は、事実上は休養という形でのノーチェックじゃないですか。どうですか。

中川進法務省入国管理局長

○中川(進)政府委員 私先ほど申しましたのは、その家族と子供でございまして、軍人自体は、これは地位協定の適用を受けるものかと了解しております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 これは大事な発言ですよ。在日米軍に対する軍人、軍属ですよ、日米地位協定は。在韓米軍に対するないしはベトナムに派遣されておる軍人の出入国が、地位協定によってノーチェックでわが国に出入国できるのですか。これは地位協定とも違反じゃございませんか。

中川進法務省入国管理局長

○中川(進)政府委員 その点は、私どもは、その地位協定の適用を受けるというふうに承知しております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 これは、一ぺん法務委員会のレギュラーの人に問題の焦点を明らかにしていただきたいというふうに思います。  そこで、この家族は、事実上アメリカに帰ってしまったわけです。先ほど申しましたように、地裁では不開始処分になりましたので、この神谷という人は、事実上ひき殺されてそのままであります。補償措置が実はとれないのであります。一体こういう事件、こういうように、もしこれでこのエトワード・スミスという子供——今日ではもう十六歳以上、十八歳くらいになっておりますが、これが犯罪を日本で構成した場合に、その身柄の引き渡しをわが国は請求をすることができるでしょうか。——これはどこでしょうか。法務省刊事局長ですか、お聞きします。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 日米の間には、御承知のとおり、逃亡犯罪人引き渡し条約が締結されておりますので、原則といたしまして、日本で犯罪を犯した者がアメリカに逃亡ないしは帰国をしてしまったというような際に、その逃亡犯罪人についてアメリカに向かって引き渡しを求めるということができることになっておりますけれども、御承知のとおり、条約の二条だったと思いますが、罪名を特定してあるわけでございます。したがいまして、比較的重要な、といいますか、重大な犯罪については引き渡しを求めることができる、こういうことになっておりまして、先ほど来問題になっておりますような交通事故を起こしたというようなものは、この中に掲げておりませんので、そのような場合には、引き渡しを求めることができないということになろうかと思います。さらに、重大な犯罪でございましても、自国民は引き渡しをしないというのがこの種の条約についての確立された考え方でございますので、アメリカ人が日本で犯罪を犯してアメリカへ逃亡しておったというふうな場合には、かりに重大な犯罪でございましても、向こう側が任意に引き渡せば別でございまして、条約上の義務としては引き渡しを求めることができない、こういうふうな結果になろうかと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 在日米軍の軍人、軍属、家族、これは日米地位協定によって、たとえば日米合同委員会でその問題の処理ができます。ところが、先ほどお話がありましたように、在韓米軍の家族あるいは米軍に関係する家族ですが、この場合には軍用機を使って、ないしは横田基地、立川基地あるいはいろいろな基地がありましょうが、そこを使って日本から脱出することができます。それらがもし犯罪的容疑があった場合に、その犯人の引き渡しが、いまの刑事局長の答弁では、事実上できません。重要犯罪人であれば別ですが、一般的なこの程度の事件——この程度と言っては失礼ですけれども、いわゆる重過失致死程度の事件では、その犯人の引き渡しができません。さらに自国民不引き渡しの条件というのがあるそうでありますので、事実上その人を日本に呼び戻すこともできません。一体、こういう事件の被害者は、どういう救済と補償の方法があるでしょう。日本を出るときにはチェックができない。外国に行ってしまったら、その犯人を引き渡すことができない。裁判の訴訟ができない。神谷という人は、刀剣鑑定士、非常に名人かたぎの人ですが、死んでしまったので、家族は非常に困っております。奥さんは日雇い的な、あるいは町工場に働くというようなところまで生活が困っているのです。経過は申し上げませんけれども、この間の見舞い金はたったの二万円であります。しかも検察や警察が、明らかにこの事件はエドワード・スミスという少年の過失行為ということを認めています。一体、わが国の国民がこういう条件になった場合に、その補償と救済には、どういう方法があるのでしょう。私は、弁護士や法律家じゃありませんからわかりません。しかし、袋小路に追い込まれているような日本国民の条件ではないでしょうか。一体、大臣、こういう事件の処理、あるいはこの事件を一つの焦点にして、犯人の引き渡しであるとか、あるいは民事訴訟であるとかいう問題について、どのようにお考えになるでしょうか、御見解を承りたいと思います。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 ただいまのような外国人が帰国してしまった場合には、先ほどから御説明いたしましたように非常にやっかいなことになりますが、しかし、わが国の刑事裁判権は、主権の及ぶ範囲内でやるわけでありますから、一応その外国人に対しまして、日本の裁判所に訴訟を提起し、またはそれが勝訴いたしました場合は、その者の日本の財産は差し押えることができるわけであります。しかし、本国に帰ってしまったならば、これは米国人でありますから、米国における財産の差し押え等ができるかということになりますと、各州の法律が向こうでは違っておりますので、一がいにはできるというふうには言えないのではないかと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 これからは万博が行なわれます。外国人がたいへん日本に入ってくるわけであります。そしてその犯罪が行なわれたことが、いまの大臣の答弁でも明らかですけれども、もし釈放されてそのまま帰国する。しかも外交官。パスポートと同じような処置を講ぜられる。軍事基地あるいは軍用機を使用して帰国する。そういうことになりますと、その犯罪の被害者は、外国に裁判を提起し、そこに行って、たとえば今回の事件ならばアメリカに行って、弁護士を依頼し、本人は十八歳ですから財産もございませんでしょうけれども、財産を調べて、それに対する補償の救済を受ける、あるいは裁判の訴訟に勝って、何らかの方法で救済を受けるということになるわけです。しかし、事実上こんなことはできませんね。先ほども言いましたように、家族の人はいま述べたような状況です。アメリカに行って裁判を起こすなんということは、これはとてもじゃないけれども、財政的にも事実上できない。私は、この事件を通して、一体、国民の主権というものが事実上守られているのだろうか、どうだろうかということを非常に強く感じました。たとえばいま言ったこの事件の経過の中で、犯罪があった場合に、犯人を日本で留置する、ないしは、法律用語はわかりませんけれども、身柄の拘束、ないしは少年でありますから、家庭に対してあるいは保護者に対して完全な保護責任を負わせる、そういうことがあったならば、この事件はある程度は補償を含めて解決する条件があったと思うのです。第二の問題は、日米間の地位協定、ないしはそれが拡大をされて、外国にある米軍人の家族にまで事実上わが国の法益が及ばないという、この処置を何らかの方法でくさびをかうべきではないかというのが、第二の問題であります。  第三の問題は、もしそれでもなおわが国の主権が及ばないとするならば、国が何らかの方法で——たとえば、この場合は自転車ですから自賠法の適用が事実上ないわけですが、そういう方法で、国が何らかの方法でその補償を行なうことができなかったものだろうか。この三つの点が、私はこの事件を通しましてわが国が考えていかなければならない問題だというふうに実は考えております。どうでしょう。——刑事局長にお聞きしますが、いまの大臣の答弁でも明らかなように、事実上この人の補償ないしは死に至らしめた責任というものは、現時点では追及ができないわけです。この種事件がこれからも起こると私は思うのです。特に万博を控えて、たくさんそういう人たちが入ってくるでありましょうから、またそういう事件が起こる可能性があるわけです。一体こういう事件はどこで歯どめをかったらよろしいとお思いになりますか、御見解をお聞かせを願いたいと思うのです。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 ただいまおことばの中にも御指摘がございましたように、犯罪を犯しますれば、外国人の場合においてはいつ帰国してしまうかわからないといったようなおそれがございます。法律的に申しますというと、犯罪を犯した、日本で処罰を受けるかもしれない、早く帰ってしまえば裁判権が及ばないということで、逃亡のおそれがある場合が濃く認められるわけでございます。したがいまして、わが国で犯罪を犯した外国人の多くのものにつきましては、ごく軽微なものは別問題といたしまして、多くのものは身柄を拘束して調べるか、あるいは適当な、責任ある大使館なりまた出先のものについてある程度身柄の引き受けというようなことがあって釈放して調べるというふうな措置をとっておりますので、いままでもたくさん事件があったわけでございますが、本件のようにこそこそと逃げるように帰国をしてしまったというふうな事例は、そう多くはないわけであります。多くは、刑事処分につきましても、それから民事的な賠償につきましても、ほぼ目的を達しているというふうに見ております。ただ、本件は、ただいま詳しく御説明がございましたように、十五歳八カ月の少年、十六歳未満の少年で、自転車による事故であるというふうなことで、まさかそういうふうなものが間もなく家族とともに帰国をしてしまうというようなことは、おそらく家庭裁判所においても事件を調べて予想もしなかったことではなかろうか、というようなことで、まことに不幸なできごとであった、こう思うわけでございます。今後万博を控えて、さまざまな国からさまざまな外国人がたくさん来ると思いますので、私どもも警察当局と連絡を密にいたしまして、それらのものについての日本国民へのいろいろな主権の侵害なり圧迫なり犯罪なりというようなことが起きた場合におけるいろいろな措置については、運用の面で十分検討いたしております。運用の面におきまして相当検討いたしまして、そうして逃亡するというようなことのないように、身柄の確保につとめるということで、十分目的を達することができるんではないか、かように考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 最後に申し上げますが、刑事局長は大事な点を落としているのですよ。少年であり、自転車の事故であり、米軍人の家族ということが問題なんです。米軍人の家族ですから、横田基地から出られるのです。そうしてその身柄の拘束ができないという、この問題なんですよ。私は一般論として、刑事局長が言われたことで、まあいままでの事件としては解決できた問題が多かったと思うのです。自衛隊に突っ込んだあの酔っぱらいのアメリカ婦人ですね、あれを今日でもアメリカはそのまま留置をしております。私ども聞いているところでは、外国人というのは日本人と食うものが違うから、留置をしても留置場の食事とかなんかなかなかめんどうくさいということがあるようです。しかし、それはさておいても、米軍側に頼めば、現在ではそれができているわけです。この場合でも、アメリカの軍隊であることは間違いないわけですから、そういう意味では、その家族も重過失致死を起こした事件ですから、アメリカの、たとえば地位協定には乗らないにしても、何らかの方法で大使館にあるいは在日米軍に対してそういう保護措置といいましょうか、ないしは身柄の引き受けといいましょうか、そういう措置を講じなかったところに、手抜かりがあったと思うのです。したがって、私は、これから起きる一般的な事件はいまの刑事局長の答弁でけっこうですけれども、同時に米軍人家族の、特に極東関係、アジア関係に非常にたくさんおられて、おそらく日本にも家族を持っていらっしゃる方がおると思うのです。したがって、その辺のところを十分検討を加えて対処してもらいたい、このように思うのです。  それから大臣にひとつ、これはたいへん御無理なお願いになるかもしれませんが、いま言ったような経過で、たいへんこの事件は補償も救済もないということで行き詰まついるわけです。しかもお話のように、もし訴訟を起こすとすれば、アメリカで起こさなければならないというわけです。もちろんそういう費用があるはずがありませんし、また事実上そんなことはできないわけです。したがって、何らかの方法、たとえば外交ルートを通してもけっこうです、あるいは司法権の及ぶ範囲でもけっこうですが、何らかの形でこの人を救済をする、そういう責任の追及と同時に、救済をする方法を御検討願いたいと思うのです。もちろん検討した結果イエスかノーかわかりませんけれども、しかし、こういう事件があったことは事実ですから、しかもそれがわが国の法に照らして大体相手方に責任のあることも明らかですから、そういうことも含めて検討を加えていただけるかどうか、ひとつ御返答をお願いしたいと思うのです。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 先ほど来非常に加藤先生御心配いただいておりまして、私ども考えましてまことに不備な点があるわけでありまして、やはりわが国で外国人から受けた犯罪についての賠償は、日本の裁判所でやはり本人を出してやることが一番大事であります。でありますから、今度の場合でも出国を差しとめることができればよかったわけでありますけれども、今度は特に基地から帰っている。はたして基地から立つやつをとめることができるかどうか非常に疑問に思いますけれども、やはり公正な裁判を受けさすということが、その外国人にとっても最終的にはいいことではないか。なおかつ、これに関連して申し上げたいのは、先ほど来御論議がございましたとおりに、万博を控えて、非常に多数の外国人を迎えるわけであります。今日までも多数の外国人の中にはつまらぬ者もあったわけでございますが、現在の入国管理令ではそういう点が非常に不備なんでございます。私どもは、万博も控えておりますので、何とかそういう際に厳重にやりたいと思いまして、出入国管法案を出したわけであります。あれが通りますと、そういう点におきまして出国その他を現在よりは非常に厳重にできるのでございますから、そういう点もひとつあわせお含み願いたいと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 終わります。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 私は、きょう二つの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。一つは自衛隊法にいう治安出動の問題、いま一つは、かねてからきわめて憂慮すべきものとして私たちが問題を指摘しておりました全軍労ストに対する米軍のきわめて遺憾な弾圧、この二つについてお尋ねをいたしたい。私がこの二つの問題について共通の関心を持っているのは、次の点です。すなわち、抑止行為というものについての限界、その限界というものが当然あるべきはずである。特に沖繩の全軍労の諸君に対するところの弾圧行為などというのは、文字どおり狂気のさたであって、とうてい許さるべきものではないと考えます。  そこで、まず最初に、治安出動の問題についてお尋ねをいたしたいと思いますが、確認的に警察庁に御答弁をいただきたい。武器と装備に関する警察官のいわゆる法理的根拠については、小型武器の所持については警察法六十七条、武器の使用については警職法七条、装備品の貸与等については警察法六十八条及び警察法施行令八条、九条、その他条例というところに法的根拠が求められると思いますが、そのほかに、武器についての法的根拠はあるでしょうか。まずお答えいただきたい。

後藤信義警察庁警備局参事官

○後藤(信)説明員 ただいま先生お述べになりましたような規定が、そのほとんどであると承知いたします。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 次に、しからば防衛庁の政府委員の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、治安出動時の権限に関する自衛隊法八十九条の二項に規定されている武器というのは、警察法六十七条の武器と同一の武器であるかどうか、この点はいかがでしょうか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 ただいまのお尋ねにお答えいたしますが、自衛隊法の第八十九条の第二項で規定しております自衛官が武器を使用する場合の武器は、警察法で規定してあります武器とは範囲が違うと考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 警察法六十七条の規定は、「警察官はその職務の遂行のため小型武器を所持することができる。」とありますね。そうでございますね。といたしますと、小型武器とは何かという点が問題になります。法の一般的な、きわめて常識的な解釈からいたしますると、本条の主語が警察官であり、職務遂行のため所持することができる武器が小型武器であり、しかも、所持と相なっているわけでありまするから、文字どおり警察官が所持するところの武器というのは小型武器に限定されなければならない。ここで小型武器とは、たとえば拳銃等をわれわれは予想する。そうすると、八十九条二項の武器というのは、小型武器以外を含む。そうすると、たとえば治安出動の場合、六十七条以外の自衛隊が所持をする、あるいは使用する武器というのは、どのようなものがあり得るわけなんですか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 自衛隊法八十九条の武器には、警察法でいう小型武器を含むことは当然だと思っておりますが、それ以外に、たとえば小銃とか、機関銃とか、あるいはそれ以上の装甲車とか、航空機だとかいうものも法律上含まれる。理由としましては、警察官の場合には、先生御指摘のように、小型武器というふうに、武器の大きさについて限定されております。これは警察の任務からきておるものと解されます。一方、自衛隊のほうは、武器の保有につきまして、そういう小型というふうな限定はございません。また、治安出動に関しまして、七十八条にございますように、「間接侵略その他の緊急事態」というふうにいたしまして、間接侵略等の様相は、もちろん幸いにしてまだわが国にはございませんが、かりにあり得る場合を予想いたしますと、相手が拳銃であれば、こちらも拳銃でよろしかろうと思いますが、拳銃に限らない、ライフル銃なり、場合によっては機関銃というふうなものも使う場合もあるいはあるかもしれません。それに対して、治安を回復する任務でございますので、武器もそれ相当の武器を使用するということが、法律上あり得る、こういうことかと思っております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 治安出動の問題については、七〇年問題と言われている問題を控えて、かなり詰めて質問はしなければならないと私は考えておりましたが、きょうの御答弁、まさにそのようなものでございますね。これは言うまでもなしに、警職法七条を受けての規定でございますね。そうして、治安出動については、先ほど御指摘になりましたとおり、七十八条の治安出動、それから八十一条による治安出動、要するに、世間で言われている七〇年対策としての治安出動についても、武器の使用については、警察官職務執行法によって自衛官が職務の執行をするのだという規定に相なっているのに、その武器というものは、小型武器の範囲を越える。警察官職務執行法というものによって執行する武器というのが、航空機であるとか、特車だとか、装甲車だとか、機関銃だとか、そういうふうなものが、七〇年対策には法律的には用いられることが可能であるということに相なるわけでございますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 七〇年対策云々につきましては、特別御指摘の七〇年対策ということで先ほどお答えしたわけではございません。法律上のお尋ねでございましたので、法律上のお答えをいたしたつもりでございますけれども、さらにまた法律上のお尋ねについて申し上げますと、治安出動の権限としまして、御指摘のように、八十九条では、警察官職務執行法を準用いたしております。つまり武器を使用する場合に、こういう場合に使用する危害条件はこうであるというようなことが、警職法七条に書いてあります。それを治安出動時については準用するというわけでございます。ただ、武器の種類については、警職法第七条は触れておりません。武器の小型か大型かということは、警職法でなしに、警察法で規定しております。われわれのほうは、先ほど申し上げましたように、自衛隊法で規定しておる武器の大きさについては、それぞれの任務に応じて法律で別の定めをしている。ただ、それを治安出動時にどういうふうに使うか、あるいはそれ以外にも武器の使用の規定がございます。御承知と思いますけれども、たとえば自衛隊法九十条で武器使用の規定もございます。九十五条にも武器使用の規定がございます。この武器と八十九条の武器とは、法律上の範囲は特段の差はない。つまり合理的な限度で使うわけでございますけれども、相手方の使う武器に対応して、それを鎮圧するために必要な武器をこちらも使い得る、法律上そういうことが規定してある、こういうふうに解釈しております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 言うまでもなしに警職法七条は、「警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため心要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。」とありますね。そうすると、八十九条二項の規定は、その警察官職務執行法の七条の規定を受けている。そういうようなことであるにかかわらず、八十一条の(要請による治安出動)等においても、警職法七条の「合理的に必要と判断される限度において」というその限度の中において、その武器が——警察法六十七条には特に(小型武器の所持)というふうに明定がしてある。そうすると、(要請による治安出動)の場合であっても、その武器が航空機であったり、装甲車であったり、特車であったり、機関銃であったりすることが、警職法七条の「合理的に必要と判断される限度」、そういう限度という中に入り得る。たいへんなことだと思うのですよ。警職法七条は、とにかくかくかくの場合について、しかも合理的に必要と判断される限度において武器を使用しなさいと書いてある。そうすると、七〇年問題といわれている中の問題の一つは、いわゆる大衆運動の激化でございますね。そういう大衆に対して、自衛隊は、そういうふうな場合においても航空機や機関銃やあるいは特車や戦車というようなものが使用できるのだというふうな解釈は、私はとりません。何となれば、警職法七条によって、これは限定されるべきである。警職法七条というのは、かくかくの場合において武器が使用されるとある。いまの御答弁というのは、法解釈を誤っているものじゃございませんか。いかがでしょうか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 再度のお尋ねでございますが、警職法七条は、御指摘のように「その事態に応じ合理的に必要と判断される限度」と書いてあります。このことは八十九条で準用してありますので、自衛隊が出動を命ぜられた場合にも、当然働く規定と存じております。そこで、先ほど武器の種類のことでお尋ねがございましたので、法律上、種類は自衛隊の場合は警察官の場合と違うということを申し上げたわけですが、実際にどういう事態でどういう武器が使えるかということになりますと、御指摘の七条の「事態に応じ合理的に必要と判断される限度」というのは当然働きますので、たとえて申し上げますと、相手が単に石を投げるという場合に、直ちに機関銃が使えるということを申し上げているわけではございません。石であれは、機関銃はもう限度を越える武器使用になろうかと思います。要するに、事態に応じて合理的な限度、相手が機関銃を使えばこちらも機関銃を使えるということになるのであって、相手がかりに機関銃を使っても、警察官の場合にはもともと機関銃が持てない、自衛隊の場合は持てる、そういう差はございますが、自衛隊の場合には機関銃は持てますけれども、相手が機関銃を使えるのに機関銃を使えないとお読みになるのはいかがであろうか。私の申し上げているのは、相手が機関銃を使うというような事態であれば、こちらが機関銃を使うのは「合理的に必要と判断される限度」の中であろう、法律上そういうことが言えるであろう、こういうことを申し上げておるわけであります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 人事教育局長にお尋ねしますが、そうすると、まず近く成案ができるといわれている指揮官心得及び自衛隊における治安出動におけるところの訓練、そのようなものは、いま防衛局長のほうから答弁があった、たとえば航空機だとか、機関銃だとか、特車だとか、そういうふうなものも使用する、そのような場合もあり得るんだという前提のもとに教育訓練が行なわれているわけなんですか。七〇年問題といわれている、そういう大衆運動が激化することは、当然予想される。そういうふうな状態において、七〇年問題と関連して、いわゆる要請による治安出動ということが論議されている。そのような中で、自衛隊の教育訓練というものが、いま言ったような合理的な限度という範囲内において、たとえば大衆運動に対して航空機を使用する場合もあるんだ、あるいは機関銃をぶっ放す場合もあるんだということで教育訓練がなされているとお伺いしてよろしいのでしょうか。

麻生茂防衛庁人事教育局長

○麻生政府委員 お答えいたします。自衛隊が治安出動をいたしました場合に武器を使用いたします根拠は、先生が先ほど来質問の中で言及されておりますように、八十九条によります権限と、それから第九十条による権限と両方あるわけでございます。第九十条の場合は、これは警職法にない規定でございますが、一つには「職務上警護する人、施設又は物件が暴行又は侵害を受け、又は受けようとする明白な危険があり、武器を使用するほか、他にこれを排除する適当な手段がない場合」、第二として、「多衆集合して暴行若しくは脅迫をし、又は暴行若しくは脅迫をしようとする明白な危険があり、武器を使用するほか、他にこれを鎮圧し、又は防止する適当な手段がない場合」等に「該当すると認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。」こうなっておるわけでございます。したがいまして、われわれが治安出動の訓練等をなす場合、あるいは治安出動をなしました場合の武器の使用の問題といたしましては、八十九条以外に九十条というものも念頭において規定せざるを得ないわけでございます。その点は、最初にひとつつけ加えさせていただきたいと思います。  それから先ほど航空機のことがございましたが、航空機が出るということは、直接航空機から爆弾を投下するというような御理解をあるいはされたのではないかと思うわけでございますが、われわれが現在考えております航空機の使用というのは、人員の輸送というようなもの、あるいは偵察というようなことでございまして、いわゆる航空機から爆弾を落とすというようなことを頭に描いておるわけではないわけでございます。なお航空機の中にも、いわゆるジェット機からヘリコプターまであるわけでございまして、とりあえずわれわれが治安出動の場合等に利用できるものとして考えられますのは、ヘリコプターというものが考えられるわけでございます。先般の東大事件におきましても、警視庁がヘリコプターを使って催涙ガスを投下したというような事例もあるわけでございまして、その点、非常におそろしいことをやるというような印象を抱かれるということでありまするならば、われわれはそこまで考えておらないということをつけ加えさしておいていただきたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 これはもっと詰めてやらなければいけないと思います。ではお尋ねいたしますが、私がお尋ねをしたのは、次のようなことなんです。要するに、八十九条あるいは九十条に武器についての規定がございますね。そういたしますと、少なくとも現在要請による治安出動等、すなわち七〇年問題の中に発生してくるであろうところの大衆運動等についての教育訓練の中において、機関銃をぶっ放すとかあるいはまた特車、戦車というふうなものを出動させるとかいうことも、教育訓練の中に入っているのですか。たいへんなことですよ。あなたのほうは、武器が使用できるのだ、そういう意味の合理的な範囲内の場合には使用できるのだとおっしゃるのですね。そういうようなことも、教育訓練の中に入っているのですか。逆に言いますと、七〇年における大衆闘争というものをそのようなものとして理解して、機関銃を大衆に対してぶっ放すというようなことも、あなた方の教育訓練の中には入っているのですか。もう端的にお聞きいたしましょう。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 七〇年対処というおことばでございますけれども、私が先ほどからお答え申し上げておりますのは、特に七〇年とか七一年とか七五年ということで先ほどお答えしたようなことを考えているというわけではございません。一般的な法律に基づく治安出動の任務についてのお答えをしたつもりでございます。  そこで、お尋ねの教育訓練でございますけれども、自衛隊は直接侵略から間接侵略、治安出動、非常に幅の広い任務を持っておりまして、その境目は実際にはなかなかむずかしゅうございます。   〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 相手が戦車をもって直接侵略する場合には、当然戦車や大きな大砲をもってこれを迎え撃つという訓練も任務でございますから、そういう訓練もいたします。間接侵略と直接侵略の境目なんというものはきわめて困難だと思いますが、相手が直接ではなくて、間接にいろいろ扇動したり武器を密輸したりするというようなことで、相当大型の武器をもって国内でいろいろな治安の撹乱、内乱的な事態を起こす場合には、それ相当の鎮圧に当たらなければいけませんので、そういう訓練もいたすのも当然かと思っております。しかし、実際に先生が頭で描いておられるかもしれない、お尋ねの中から私が推測いたしまして、デモが非常に大きくなったというふうな場合、そういう場合には、まずデモとかいうふうなことであれば、その九分九厘現在の警察力で、あるいは将来の警察力で治安を回復することが十分できるというふうにわれわれは考えておりますが、万一それが非常に大きな規模になる、あるいは長期化するということで、警察の力が若干不足するという場合がかりにあるといたしますと、自衛隊法上自衛隊に治安出動が命ぜられるということもあり得るわけでございます。これが自衛隊が出る場合のいわば下限かもしれません。下限のような場合に、直ちに航空機を使うとか装甲車を使うとかいうふうなことを絶えず考えておるというわけではございません。先ほど先生から御指摘がありかつ私が申しましたように、合理的な限度ということがいつも働いておりますから、規模が大きい、または時間が長いということで警察力が不足する場合であって、武器は火炎びんであり石であるというふうなことでありましたら、自衛隊が出ましても、それに相当する程度の武器しか使うべきでないということを前提にして訓練をしている、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 治安出動の問題というのは、ではひとつ国政調査ごとにこの問題についてはお尋ねすることにいたしましょう。いまの御答弁は、私非常に重大な内容を含んでいると思います。  そこで、鯨岡副長官、たいへんお忙しいのに御出席いただきまして……。沖繩の問題というのは、きわめて遺憾ですね。安里さんが、新聞の報道によりますと、銃剣で突き刺されている。かすり傷だという説もありますけれども、説得のためのピケについて銃剣をもって対応してくるなんというようなことは、私はもう許しがたいことだ。治安出動の問題について私がきょう最初簡単に触れたのも、こんなことが行なわれるようなことについてきわめて憂慮するからなのです。この問題については、だから副長官に御答弁をいただきたいのですけれども、どのような措置をおとりいただけますか。また、政府としてはとるべきだとお考えでしょうか。まさにこのような問題は、私は日米琉諮問委員会の議題にすべきだ。また同時に、総理府としては、このような問題を民政府等に対して政府として直接抗議すべきだ、こういうふうに私は考えます。  なお、この機会に、私はもう時間がございませんので、法務大臣から御答弁をいただきたい。こういうふうな切実な軍労働者諸君のストについて、銃剣をもってピケを張るなんということは許しがたい。私は、これは異常な行為であるし、人間の尊厳を破る行為だと思う。こういうようなものについて、政府としてどのようにお考えになるか。内閣、外務等の各委員会においても一斉にこの問題について質疑がなされておるということを聞いておりますが、やはり私は法務行政の責任者であるところの法務大臣の御答弁をいただきたい。  私のきょうの質問はそれだけですので、御出席の副長官と大臣のほうから御答弁をいただきたいと思います。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○西郷国務大臣 安里委員長外数名の方が軽傷を負われたということにつきましては、私自体もまことに遺憾しごくに存じます。ああいう場合に銃剣等を突きつけておるような新聞の写真を見まして、まことに遺憾に思いますが、伺いますると、米本国において、外相に対して国務長官も遺憾の意を表されたというふうに聞いておりますが、現在まだ詳細がつかめておりませんので、詳細な資料が来次第、これを検討いたして、外交ルートを通じて厳重に抗議すべきである、かように考えております。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 お答えいたします。政府がこの事件についてとるべき態度というのは、いま法務大臣からお話があったとおりでありまして、とりあえずは、アメリカに行っておられる外務大臣から先方に対してお話がありまして、先方から遺憾の意の表明があったことは、先生御承知のとおりだと思います。それから日本におきましては、外務事務次官がすぐ米国大使館に参りまして、代理大使に会って、このことについてお話しをいたしまして、これまた遺憾の意の表明があったことであります。さらにこの上どういうことをするかというお尋ねであるとすれば、われわれとしては、これからなお事態をもっと究明をいたしまして、そうして適切の処置をとりたい、こう考えておるわけであります。それから私のほうとしては、沖繩が一日も早く施政権が返還になってほしい、そのことの外交交渉は外務省を通じてやっておるわけでありますから、私のほうの役所は、それが近年のうちに実施されるという見通しの上に立って一体化の政策を実施しておることは、御承知のとおりであります。その限りにおきましては、日米琉諮問委員会が大きに活躍をしていてくださるのですが、いま先生のお話の中には、この日米琉諮問委員会の議題として適当ではないかという御意見があったわけですが、これはこの日米琉諮問委員会の目的等から見て必ずしも適当ではないだろう、こんなふうにいまのところは考えているわけであります。事態の究明につきましては、鋭意いろいろ先方に問い合わせております。説がいろいろに分かれておりまして、いまだその点について究明されておらないことを申し添えて、御答弁にいたしたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 終わります。

進藤一馬自由民主党

○進藤委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕   〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 速記を始めてください。  岡沢完治君。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 それではいま五十五分でございますから、二十五分まで三十分間質問を許していただきたいと思います。  最初に、大学紛争による学生検挙の実態について——きょうは対策等は時間の関係で後日に譲りまして、事実を明らかにしたいと思いますので、実態についてお尋ねいたします。本日現在までの学生騒動による学生の逮捕、勾留、起訴その他の処分、これは少年に対する保護処分等を含めまして、されたものの実態についてお尋ねいたします。その延べ人員、現に逮捕、勾留あるいは公判を受けておるもの等の数、それからその学生の国立、私立、公立等の学校別、ことにその中に高校生が含まれる場合は、その高校生の数、年齢別、性別等を最初にお尋ねいたします。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 一昨年秋の羽田事件以来、本年六月二日までのいわゆる学生事件で受理いたしたものは、合計一万八十五名でございます。その中で、勾留請求いたしましたのが六千七百八名、勾留状が出ましたのが三千九百十五名であります。今日までに起訴いたしましたのは、合計で千六百四十七名が起訴になっております。それから少年ということで家庭裁判所に送致いたしましたのが千六百二十一名、それから不起訴処分にいたしましたのが三千百四十五名、今日なお処分留保その他取り調べ中が三千五百五十五名というのが、このいわゆる学生暴力事件についての処理状況の概要でございます。  それから学校別というお話がございましたけれども、全部についての学校別の集計が、突然のことで整理してありませんが、たとえば第一次、第二次の羽田事件、それから昨年十一月の新宿駅の事件など、主要な暴力事件の中で起訴されました合計千百三名について調査した結果が手元にあるわけでございますが、部分的でございますが、それを申し上げますと、起訴いたしました千百三名の中で、大学に行っておりますのが九百七十四名でございまして、その内訳は、国立が四百二十四名、公立が二十三名、私立が五百二十七名というような状況に相なっております。全部の事件はまた追って別な機会に正確な集計をした上でお答え申し上げたいと思いますが、おそらく大体同じような傾向ではないか、こういうふうに思っております。  それから高校生でございますが、高校生につきましても全部の集計はいたしておりませんけれども、昭和四十二年の十月一日から四十三年、昨年の十一月三十日までの間に家庭裁判所に送致いたしました少年は合計千六十二名でございますが、この千六十二名の者について調べた結果によりますと、高校生は五十九名でございます。  それからこの集計の後になりますが、過日の四月二十八日の沖繩闘争デーの事件で検挙されました者が九百六十三名ございますが、その中で高校生は四十七名という数字が出ております。たいへん断片的でございますけれども、一応高校生はそういうことになっております。  それから性別の関係でございますが、これも四月二十八日の沖繩闘争デーで検挙された者九百六十三名中、女性は百三十九名一四・四%ということになっておりまするし、過日の外務大臣訪米阻止闘争で検挙されました三百五十五名について調べた結果では、女性が六十八名、一九・一%ということに相なっております。  ごく概略でございますが、ただいま御指摘になりましたものにつきましての、一応取りまとめた数字の概要でございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 ただいまのお答えのほかで、たとえば現に身柄を拘束された者の数。それからできましたら府県別、これは大要でけっこうですが、特にたくさんの検挙者を出しておる府県別。それから先ほど私は年齢別ということを申し上げたわけですが、少年と成年についての御答弁ございましたが、できますれば、やはり今後の学生対策等の一つの関係資料になると私は思いますので、年齢的に、あるいは大別して、いわゆる教養学部の学生あるいは専門学部の学生ということに分けていただいてもけっこうでございますが、そういう大要。それからもう一点、東京大学の山本義隆被疑者について見られますような、逮捕状が現に出ておって逮捕されておらない学生の数。これは警察庁から御答弁いただいてもけっこうですが、そういう点についての補足の説明をいただきたいと思います。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 これは少し時間をいただきますと、全体につきまして正確な数字がすぐ出るのでありますけれども、いま持ってまいっておる資料の中で取り急ぎ集計いたしましたので、たいへん不完全でございますが、身柄の拘束の関係は、被告人として拘束中の者が、五百八十名くらいに及んでおります。そのほかに、先般の先ほど申し上げましたような最近の事件で勾留状の出ておる者は、三百名近くあるわけでございます。  それから年齢の点でございますが、この全事件についての年齢のあれは、もちろんいま持ってまいっておりませんけれども、たとえば一昨年の第一次、第二次の羽田事件についてはある程度こまかい集計ができておりますが、合計四百六名を検挙いたしまして、その年齢別の関係は、十八歳が十名、十九歳が三十名、二十歳が六十三名、二十一歳が四十一名、二十二歳が二十七名、二十三歳が二十一名、二十四歳が十五名、二十五歳が十五名、二十六歳が六名、二十七歳以上が六名、年齢が必ずしも確定できない者が百数十名おるということに相なっております。  それから年齢の点でございますが、先ほど申し上げました四十二年十月一日から四十三年十一月末日までに家庭裁判所に送致いたしました少年千六十二名の中のさらにこまかい年齢別を見ますと、十七歳未満が二十五名、十七歳が六十名、十八歳が二百四十名、十九歳が七百三十五名、年齢が不詳の者は二名ということに相なっております、

後藤信義警察庁警備局参事官

○後藤(信)説明員 ただいま逮捕状が出ておってまだ逮捕に至っていない者は、正確な数字はただいま持ち合わせておりませんが、全国的に大体四十名弱と承知いたしております。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 もう一つ。一審判決を終わった者の数、それからその判決の内容、特に実刑を受けた者、あるいは執行猶予を受けた者、もしくは無罪を受けた者、もしあればそういう数字。それから確定した学生の被告人の数、もしきょうわかっておりましたらお答えをいただきたい。もしおわかりでなければ、私のほうの質問も突然でございましたから御無理もないと思いますが、やはり学生紛争対策の一つの大きな資料として、事実を明らかにするということはきわめて必要かと思いますので、当法務委員会に、ぜひ先ほど申し上げました人員あるいは現在数、国公私立別の学校別、性別、年齢別、特に少年の数、高校生の数等をできるだけ早い機会に資料として御提出いただくことをお願いいたします。  あわせまして、ただいまここに勝尾矯正局長お見えでございますので、特に少年事件の場合は、御承知のとおり鑑別所に入れられまして、かなり詳しい調査をする機会をほかの被告人と違いまして持つわけでございますが、その鑑別所での調査結果等に基づきまして、紛争学生あるいは暴力学生と申しますか、その実態等について特徴的な調査結果等がもしございましたら、あるいはまたそれに基づいて今後とるべき措置等についての御意見等ございましたら、お答えいただきたいと思います。

勝尾鐐三法務省矯正局長

○勝尾政府委員 お答え申し上げます。先ほど刑事局長からお話がございましたように、少年約千名以上が一応逮捕されたのでございますが、鑑別所に送られましても、従前は多くいわゆる三泊四日で出所してまいりましたので、その十分な資質鑑別ができなかったのでございますが、本年一月の十八、十九日の東大事件関係学生につきましては、十日ないし四週間一応鑑別所に収容いたしましたので、その間に鑑別所が鑑別をした結果について、概略を御報告申し上げたいと存じます。  実数は、八十名でございます。鑑別所といたしましては、すでに御承知のように、収容少年の資質、精神、身体状況を人間科学的な立場から検査をする科学技術官庁でございます。したがいまして、これら学生の調査に当たりました者は、心理学または精神医学の専門家でございます。そういう立場から、資質鑑別のために収集した調査の結果から、一般の非行少年と異なっている点として目につきました点を若干申し上げたいと思います。  一つは、この八十名のうち四名、高校生がおりましたのでございます。なお婦人が二名おりましたのでございます。したがいまして、ほとんどが大学の一年生というように申し上げてよかろうと思います。それからいわゆるIQが、普通の非行少年は限界指数でやると八〇以下というのが大半でございますが、これらの学生について、大半が一〇〇以上という知能指数でございます。それからプライドと申しますか、これが高い、いわゆる一般非行少年に比較してプライドが高いという点がうかがわれたのでございます。それから鑑別所における日常の行動でございますが、居室の中ではおとなしく規律に従う。ときには理屈っぽいことを言う場合もありますが、鑑別所の職員の指示には従順である。なお、一般非行少年に比較いたしまして、読書に飢えているといいますか、鑑別所に備えつけてあります岩波文庫と、さらに家庭からの差し入れ本をむさぼり読んでいるという表現が当たるのではなかろうか。さらに、差し入れ本の種類でございますが、理科系の学生は、専門の工学関係の本を差し入れてほしいという希望が多いようでございます。漫画本を読んでいる学生はほとんどございません。なお鑑別所の鑑別に対する態度でございますが、おおむねすなおに応じている。八十名のうち、テストを全く拒否したというのは一名あっただけで、あとはテストにはすなおに応じた。中には心理の学部に入っている学生もいまして、もっとやってほしいとか、教えてもらいたいといったような希望を申し述べた者もあった。これが大体の行動面における特徴でございます。  一方、いわゆる性格面の特徴でございますが、幾つかの特徴がございますが、おおむねまとめてみますと、集団としてまとまると非常に激しい行動に出るということがうかがわれるのでございますが、一人一人をつかまえてみますと、むしろ無気力である。少なくとも熾烈で純粋な目的意識に裏づけられた、持続的なエネルギーを持っていると考えられない者が多い。したがいまして、反応はきわめて敏感でございますが、これを持続的にものごとを考えていくといった面の能力がきわめて劣っている。これが一つでございます。次に、現実についての客観的な認知判断の能力に乏しい。将来への現実的な見通しだとか、計画性が欠けているように思える。第三点としましては、個性に乏しく画一性、雷同性が目立つ。第四点としては、人格の未成熟もしくは成熟のへんぱが目立つ。意外に依存的で、他律的で、小児的な潔癖さを持っている者がある。一般の非行性、いわゆる窃盗だとか強盗だとか恐喝といった、そういう一般の非行は希薄である。そういった一つの性格的な特徴がうかがえるようでございます。  こういった性格の特徴から、いろいろなタイプの分け方といいますか、分類が試みられるわけでございますが、いわゆる考え方等の行動へのかかわり方といった面から、かりにこういう分け方もできるのではないかという一つの分け方として承知いたしておりますのが、いわゆる非行者グループ、行なった行為はいわゆる学生紛争に際しての行動ではあるが、やはり本質的に資質に欠陥がある、いわゆる思想的な裏づけとか、そういうものはない、こういうものがいわゆる非行者グループというようにいわれるのじゃないか。さらに考え方等の行動へのかかわり方について、スローガン非行者グループという分け方、それからスローガンめいていグループ、あるいはスローガン共感グループ、それから信念の流動しているグループ、確信少年グループ、あるいは革命職業グループ、こういった分け方も一つの分け方としていわれているわけでございます。  こういった面から考えますと、将来の問題として鑑別所が資質鑑別をするにあたって、どういつだ点で一般の非行少年に比較して考えるべき問題があるかということになりますと、一つは、これらの学生の成育途上において何か欠けていたものがあるのではないか。それは何であろうか。第二点は、彼らがいま何をどう拒否し、何をどう求めているかといった点について、鑑別資質の観点から解明する余地があるのではないか。さらに資質の鑑別の立場から、彼らが将来どう変わっていくかについての予見が可能ではなかろうか。こういった点が、今後のこの種学生少年に対する鑑別資質の重点の一つになるのではなかろうかと考えております。  それから最後にお尋ねの、どういう処遇をしたらいいかという問題でございますが、ただいま申し上げましたような特徴からまずいえることは、公正な現実認知能力の涵養と申しますか、洞察力の体得、自発的思考力の伸長、論理性と計画性と持続性を開発していく。それから連帯感や集団帰属感あるいは共感性の養成を目途としていかなければならないのではないか。第二点としては、これらの少年を処遇してみまして、一番重要なのは情操教育ではなかろうかと考えられるのであります。したがいまして、社会性の付与と個性の開発を目ざし、知育、体育、勤労の価値を体得させるための教育、これがあわせて必要なのではなかろうか。こういったことが、現在まで鑑別所が経験した中から一応考えられる線でございます。  最近の四・二八事件で現在二十一名鑑別所におりますが、これは目下鑑別中でございまして、まだ結論を申し上げる段階になっておりません。いままでが、東京鑑別所を中心としまして取り扱ってみました少年の特徴でございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 ただいまの勝尾局長の御説明いただきました資料というのは、私はきわめて価値あるものだと思いますし、今後大学紛争の解決の一つの資料としてぜひ活用されるべきものではないかと思います。時間があと五分しかございませんので、この問題に多く触れるわけにまいりませんけれども、きょうは文部省もお見えでございますが、こういう資料はぜひ文部省にも御提供いただき、あるいはまた、政府全体としても御検討いただき、さらにまた、数からいいますと、もちろんこれはすべての大学紛争学生の正しい、客観的な実態を示しているとはいいにくいかもしれませんけれども、今後ともこういう貴重な資料の収集、研究等につきまして、御努力を重ねていただきたい。またある意味では、いま与党から出されております大学運営に関する臨時措置法よりも、大学対策としては効果的な効力を発揮する資料ともいえるかと私は思います。そういう意味で、ぜひ御活用を希望いたしますとともに、文部省その他のほうとも十分な御連携を今後保っていただきたい、これを活用していただきたいと思います。  次に、大学紛争から派生をいたしました損害ということを考えました場合に、有形、無形のあらゆる角度からきわめて多岐にわたって考えられるわけでございますけれども、本日は、このうちの有形的と申しますか、物理的損害と申しますか、計算できる損害についてお尋ねをいたしたいと思います。時間の関係で御答弁できない部分につきましては、資料等を通じましてできるだけ早い機会に御提出いただければ、それでけっこうだと思います。  最初は文部省等につきまして、国立大学の受けた物理的被害等、それから資料関係も含めて、建造物、あるいは教職員の給与の増等も含めまして、お尋ねをいたします。  運輸省、国鉄関係につきまして、四・二八事件等でも国鉄の被害が相当大きいことが報ぜられておりますけれども、運賃収入の減、あるいは器物、建物等の被害、あるいは時間外勤務による手当、休日出動等による給与の増等をお尋ねいたします。それから運輸省の所管の中で私鉄関係にも、たとえば京成電鉄等につきましては被害が報ぜられておりますが、この額等についても、把握しておられたらその実態を明らかにしていただきたいと思います。  あわせまして法務省の民事局にも、御担当でないかもしれません、大蔵省からお答えいただいてもけっこうですが、学生紛争にからみまして、都道府県、市町村等の地方公共団体あるいは一般市民等が受けました被害等について、どのように実態を把握しておられるか、また把握する努力をしておられるか、あるいはこれに対する対策等につきましては、きょうはお尋ねいたしませんが、今後当然問題になると思いますけれども、これについて、方向だけでもお示しをいただきたい。  それから警察庁に対しまして、この学生紛争によって警察官の受けた人員の死傷、あるいは物的損害、車両総数その他の損害額、あるいはまた、この学生紛争のために休日出動あるいは時間外出勤あるいは給与の増等、こういう経理関係の負担増等につきましても、お尋ねいたします。  時間の許す範囲、私の持ち時間が二十五分でございますから、その範囲内でお答えできない関係につきましては、先ほど申しました資料でお答えいただくことで、質問を終わりたいと思います。

安養寺重夫文部大臣官房会計課長

○安養寺政府委員 お答えいたします。現在判明しております復旧見積もり額は、三十大学で約五億強というような実態でございます。これは当該各大学から原状回復に要する経費として報告のあったものでございます。  なお、これとは別途に、一定の方式を示しまして、現在全大学に損害額、これの調査をいたしておりますが、その最終結果はもう少し時間がかかるものと考えております。

大久保一男運輸省鉄道監督局国有鉄道部業務課長

○大久保説明員 お答えいたします。最初に、昨年の十月二十一日新宿駅を中心に起きました件でございますが、被害総額四億五千万円でございます。内訳といたしましては、物的損害四千万円、それから復旧費あるいはこれに伴います人件費が二千万円、それから旅客につきましては、旅客列車の遅延、運休等によります減収額が八千万円、それから貨物関係につきましては三億一千万円、合計いたしまして四億五千万円でございます。  それから次に、ことしの四月二十八日、新橋駅を中心に起こりました件でございますが、物的損害額とそれから復旧費を合わせまして一億一千万円でございます。それから旅客関係で減収額が一千九百万円、それから貨物関係につきまして九千二百万円、合計二億二千百万円の損害ということになっております。

横田不二夫運輸省鉄道監督局民営鉄道部監理課長

○横田説明員 お答えいたします。ただいまのお尋ねの京成電鉄の被害でございます。これは四十三年三月の東京国際空港の設置反対に関するデモに伴います京成電鉄の成田駅の被害でございます。被害額といたしましては総額で二百二十七万でございまして、そのうち駅施設関係の被害が約五十九万、それから営業損害、これはごくわずかでございますが、三万三千円、その他の防護費用、これは線路敷に金網を張るとかその他の費用でございます。これが百六十五万円でございます。合わせまして、先ほど申し上げました二百二十七万円でございます。  その他の全国の事例につきましては、ただいま手元に統一的な調査資料がございませんので、今後調査したいと思っております。

後藤信義警察庁警備局参事官

○後藤(信)説明員 警察の被害について申し上げます。一昨年の十月八日以来今年の四月末現在の数字でございますが、警察官の負傷いたしました者は一万六十名でございます。そのうち入院者は三百八十一名、さらに二名の殉職者がございます。  それから物件の被害でございますが、これは四十二年の同時期、つまり十月の初めからでございますが——全部まとめて申し上げます。いま負傷者の数字を申し上げましたが、それと同時期における警察の装備品等に関する被害でございます。合計いたしまして、車両では百九十九台、金額にいたしまして五千三百万円余りでございます。それからその他の装備品、これは九千六百八十四点でございまして、被害額は千八百七十万余りでございます。  それから警察の施設でございますが、これは三十二カ所の件数がございまして、金額にいたしまして四百三十万円ほどでございます。  それから通信の機材、これにつきましては四百九十七点、千八百万円、合計いたしますと約九千五百万円ばかりの損害ということになるわけでございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 先ほど申しましたように、資料の不足等につきましては、後日補足していただきたいと思います。質問を終わります。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 山田太郎君。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 きょうは村八分とスモン病ということについて、実は他の委員会で質問する予定でございましたが、病気あるいはその家族の方々からたいへんな申し入れがあります。どういうことかと申しますと、まずこの病気が非常に悲惨な病気であるということは、法務大臣も人権擁護局長も御存じのことと思いますが、ある日突然腹痛それから下痢を伴って、それが終わると同時に足の先からしびれてきて、腹部の上までしびれてきます。そうして失明に至る人も多いわけでございますが、死亡率は五%ばかりだとは思いますが、生けるしかばねになった人が非常に多いわけでございます。そうしてその家族あるいはその発生地域の人々のところへは、他の知人あるいは友人さえもたずねて来なくなったり、あるいは結婚の取りやめがあったり、あるいは家族全員がこのスモン病に罹病して自殺する例まで出てきております。そして食料品までも売ってくれない、あるいは売りに来てくれないということから、生活権を脅かされるような、謀議があって村八分ということではないけれども、村八分的な、生活権を脅かされるような状況になっておりますと訴えてくる人々が、少ない数ではありません。純粋な村八分としての法的な成立はないとしても、生活権を脅かされるその声を聞くに及んで、これは法務委員会において質疑をしようと思い立つに至ったわけでございますが、この点について、まず法務当局の、ことに人権擁護局長あるいは法務大臣に、こういう方々に対してどのような措置を講じ、どのような調査措置を講じたらいいかという点について、まず法務当局から御答弁を願いたいと思います。

上田明信法務省人権擁護局長

○上田(明)政府委員 お答えいたします。このスモン病の実態につきましては、いま先生がお話しになりましたように、非常に悲惨な状態であるということのようでございます。これはいまおっしゃいましたように、純粋の意味の村八分じゃないらしく見えるのでございます。御承知のように、村八分と申しますのは、謀議があるとか、あるいはそれに準ずるような状態がある。ただ病人だから私はあの人とつき合わないというのは、やむを得ない状態になるわけではございますけれども、しかし、スモン病をわずらっている方はもちろんのこと、その家族なんかがどういう関係にあるかということにつきましては、私のほうはまだ実情が実はわからないのでありますので、関係機関、特に厚生省を督促いたしまして、その伝染性といいますか、そういうものを確かめて、同時に実際に村八分的な態度をみんなから受けて、私たちが言ういわゆる法律的な意味の村八分ではないけれども、村八分と同様な状態になって、そして生活が脅かされているというような実情がどの程度の実情であるかということについて、至急調査したいと思っております。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 そこで、次には厚生当局にお伺いいたしますが、まず、きょうの答弁者は後藤防疫課長さんですが、村中局長の出席を希望しておったのですが、その点はどうでしょうか。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 ただいまのお話でございますけれども、局長は何かほかの委員会に出ていると思うのですが、私ははっきり覚えておりません。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 では、後藤防疫課長にお伺いいたしますが、このスモン病の対策として厚生省は三百万の予算を組んでいらっしゃいます。ところが、過去の事例を見てみますと、昭和二十九年あるいは三十二年から非常に各地域において多発しながら、一定の期間を経たときには終息状況にななってはおりますけれども、点々としてこれが全国に広がっていく状況が見られます。いま現在は岡山県において五百七、八十名の患者が出ております。その中で二十六、七名の死亡者がありますが、そのように岡山県において——あるいは数年たったら終息するような状況になるかもしれませんが、しかし、これがまた他の県においても発生するというのは、過去の事例を見てもこれはよくわかることであります。その点について厚生省の調査の範囲を聞いてみましたら、十分な調査がしてない。現在の状況把握でさえも、昭和三十九年の調査に北海道あるいは岡山県の患者を加えただけだ。このように非常に悲惨な病気でありながら、また生活保護世帯に転落する世帯も非常に多くなってきております、この実態を踏んまえながらも、いままで何をやってきたのかとさえ言いたくなるような現状でございます。ちなみに過去の事例、何年には何県においてどのように発生してきたのか、それは現在は終息して、どの地域に移ってきているか、そういう点も十分調査されていることと思うのですが、その点について御答弁願いたいと思います。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 ただいま先生が述べられましたように、昭和三十二年ごろからこの患者が全国のあちこちで出た傾向がありまして、それで三十九年に日本内科学会でこれを全国的な視野で調べたのが、最初の報告だろうと思います。その後、厚生省では三十九年、四十年、四十一年とこれに対して研究助成費で研究したわけでございますけれども、スモン病そのものが非常にむずかしい疾病でございまして、御承知のように伝染説、中毒説あるいは栄養障害説とか、そういう問題がございます。それでこの三カ年の研究では、どこに問題があるのかという点が、必ずしも明確でないのでございます。それで本年は四十四年度予算として三百万ほど予算を計上しておりますけれども、先生の御指摘のように、全国的な統計自体がなかなか明確なものがない。もちろんこの疾病の診断基準にもよりますけれども、そういう疾病でございますので、この際診断の基準というものをはっきりして、スモンという病像が明確に浮かぶ形において全国調査をしたい。それで、実は五月の十六日にこのスモン委員会の第一回の会合があったわけでございますが、スモンに造詣の深い先生方約二十名をもって構成されております。これによって明確なものが出るのではなかろうかと思っております。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 そこで、この研究班が結成されて、五月十六日に発足したことも承知しておりますが、この中に生化学者が含まれていないということも一つの不満ではございますが、その点は検討願うとして、時間の関係上聞きません。これは検討してください。  そこで、三百万円でこのスモン病に対する対策を——まだまだ全国にどこに波及するかもわかりません。生活程度の非常に高い大学教授やあるいは医者、あるいは大学教授の家庭、国会議員にはまだ発病者はいませんが、これはどこへ、いつ、どのようにして発生するかわからない現状でございます。それでありながらも、どういう積算基準をもって三百万円の予算でこのスモン病対策を厚生省は考えようとするのか、まずその積算の基準と、それからそれに対して、このスモン病対策において、厚生省の対策がその三百万円で十分であるのかどうか。研究班をつくりさえすれば、それでいいというものじゃないと思います。このメンバーも見ましたけれども、全国の学者を集めてはおりますが、それは、ただ集って情報交換したりする程度に終わるのじゃないかという、そういうおそれがあります。昭和四十年のときに発足した研究班と同じように、またも再び世間に騒がれて研究班をつくったけれども、世間に騒がれなくなったときには、それがまた夢のごとく消えてしまうというおそれもあります。したがって、その積算基準と、そしてこの予算においてその対策が十分なし遂げられるか、あるいはその研究班だけでその対策がいいとしておられるのか、その点について答弁していただきたいと思います。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 先ほども申し上げましたように、スモンの病像が必ずしも明確でないというところに、実は私たちも研究の方向というものがなかなかつかめない段階でございますけれども、その第一回の会合におきましては、すでにいままで得られた知識の交換、こういうことがまず行なわれました。そのあとで、ただいま御質問の三百万では少ないのではないか、一体何をやるのであるかという問題になりまして、これはやはり全国的な発生状況がわからない、従来われわれの持っている数字というのは、その地域、地域ごとのスモン病でございまして、必ずしも明確な基準ではなかったと思うのでございます。そういうことで、その基準をはっきりして、しかも、その病像がある程度把握できるという、疫学調査といいますけれども、それの打ち合わせをしたわけでございます。この三百万円はそれにほとんど消費されるのではなかろうか。御指摘のように、三百万ではそれ以上のことはなかなかむずかしいという段階だと思います。それで、その点につきましてもいろいろ検討していただきまして、できるだけ省内でもいろいろ調整をしようではないかというようなこと、それから前回政務次官がお答えしておりますけれども、そういう方向でいろいろ検討して、もっと増額して前向きに検討しよう。  将来、こういうのが、その問題があった時点だけで消えるのではないかという御質問でございますけれども、この全国的な発生状況がわかり、しかも、それによってスモン病の病因というものもある程度少しずつ明確になるだろう。たとえば、一つの仮説でございますけれども、中毒によるものではないかとか、あるいは水ではなかろうかというような、いろいろな説がございますけれども、そういうものが少しずつ明確になってくるであろう、当然その方向に向かって研究をますます拡大されていくであろう、こういうふうに考えております。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 明快でない答弁で非常に残念ですが、この次に答弁するときには、ただ方向を検討しているというのでなしに、増額するならばどのような方向で増額したいと思うか、あるいはどのような検討事項がその後なされたのか。もう二月以上もたっている、三月に入っている。それでまた同じような、ただ増額するということばがあっただけで、それに対する検討事項は、具体的には何もなされていない。ただ学者を集めて研究班をつくった、会合を持ったというだけではありませんか。それで国民の生活と健康を守る厚生省の態度とは、スモン病に関する限りは、言いがたいと私は断ぜざるを得ないのです。そういう点に対しての反論があれば、反論もしてください。  これは岡山大学の十一教室によって研究がなされた研究中間報告でございますが、第一点を見ますと、「実態調査からは、本症患者男女比は一対二で、年齢別の検討によると年次の推移により年齢構成が次第に若年層に移動していることが認められ、同一家族内発生例、同一集団よりの多発例も明らかで、本症が伝染性疾患であることを示唆する如くに考えられる。」このように中間報告ではありますが、岡山大医学部の十一教室の研究班においては、その結果が一応報告されております。それに対しても、厚生省の手の打ち方があまりにものろいし、あまりにも緩慢で、そして真剣味がないということを、私は指摘せざるを得ないのです。したがって、いまのような、ただ増額するという答弁だけでは、きょうこの場所においては承知するわけにはいかない。もっと具体的な研究がなされてないのならなされてない、いつまでにそれをするかということを明確に答弁してもらいたいと思います。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 たいへんむずかしい問題と思いますけれども、たとえば現在まである程度わかったのは——わかったといいますか、感染者を一つ取り上げてみましても、ビールス説、それから細菌感染説がございますが、細菌感染説の中でも、細菌による毒素によるものなのか、あるいは腸内細菌層のバランスがくずれるのか、その辺が、現在小さなスケールではございますが、少しずつやっておりますけれども、それでもなかなかポイントがつかめない状態でございます。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 ぼくはそれを聞いているのじゃない。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 具体的に予算の構想があるかということです。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 今度は六月の中旬過ぎだと思いますが、具体的にもう少し研究項目を詰めようということで、もう一度集まることになっております。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 ぼくの聞いたことに答弁してください。現段階では、そこまでしかいってないのですか。委員長、言ってください。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 大体その程度しかいってないのか、はっきり言ってください。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 私の答弁が明確でないということは、やはり研究方法がなかなか明確でないというところもございます。それで、その辺について今月中旬ごろもう一度集まってお話ししよう、こういうことになっておるわけであります。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 どうも私の聞いたことの答弁がないようです。それは、研究方法を私は聞いたのじゃない。後藤課長、こちらを向いてください。現在は、厚生省においてはそこまでしか熱意がないということにとれるのですが、具体的な答弁はできない。この厚生省の怠慢を課長は暴露した。別に厚生省の後藤課長さんをいじめようと思って言っているのじゃない。しかし、もっと熱意のある具体的な方策を、金の面においても、ただ増額するというのでなく、このようにしてやっていきたいというものを、いま答弁できなければ、検討しておいてください。  そこで、それは次の機会に譲るといたしまして、このスモン病患者の家庭が非常に生活困難になっております。一カ月に国民保険あるいは健康保険の家族のような場合、七万円から八万円かかるのです。したがって、それが回復するのならいいけれども、回復しないで、必ず予後に症状が残っております。全快者一人もなしといってもいいくらいです。働く気にならなくなって、そうして生活保護世帯に転落しております。そのスモン病によって生活保護世帯に転落した数字が、つかめておりますか。局長のこの前の答弁では、現在の法規を駆使してそのようなことのないようにしたいという答弁をなさっておりますが、現実においては、何の指示、何の伝達もなされていない。ただ委員会において答弁しただけで終わっております。県に聞いてもあるいは現地に聞いても、何の措置もしていない、何の通達もない、何の連絡もしていない。このような方法を講じろ、このようなほんとうに厚生省らしい思いやりのある伝達をしてもらいたいと思いますが、どうですか。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 確かに、言われますように、私たちとしてもスモンという疾患を起こす原因が明確でない。そういう時点におきましては、やはり通例の疾病保険、いろいろな各種健康保険制度がございますけれども、こういうもので治療を進める以外にちょっとむずかしいだろうと思います。しかし、それ以外にいろいろな社会福祉制度等もございますので、そちらのほうも実は県のほうに聞いたのでございますけれども、約三十四名の生活保護患者がスモン病という疾病を受けた家族である、そういう状態であるという報告を受けております。これは県のことであります。それから身体障害者福祉手帳というのがございますけれども、あれも大体三十数名の方がいただいている、こういう報告を得ております。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 その報告は、間違っております。私の調査した範囲では、非常に生活保護世帯に転落している例が多いのです。恥をかかしたくないから言いませんけれども、調べてあります。  そこで、その生活保護世帯に転落するのを防ぐ方法がなきか。いまの答弁ではもう野放しで、もう一級のサラリーマンでさえも、当人の場合ならいいけれども、家族が罹病した場合には、全部生活保護世帯に近い状態ですよ。ただそれを申請するかしないかだけです。したがって、これに対して現在あらゆる方法を駆使してという答弁であったけれども、それが何らなされていない。したがって、それに対するこの後の措置と、もう一つ時間の関係上こちらのほうから聞きたいのは、原因不明によって起こる伝染病らしき病気について、伝染病の原因の不明な以上は指定はできないとしても、それに準ずる措置を考えたほうがいいのじゃないか。言うならば準伝染病的な措置、伝染病ということばを使うのはこれは考えものですが、しかし、準伝染病的措置を考えて、そうして生活保護世帯に転落する国民を守るのが当然じゃないか。このスモン病は自己の防衛能力の範囲を越えております。どこでどのような発病をするかわからない。予防する措置がない。自己の防衛能力を越えている。このような伝染病らしき、原因不明だから、そういうことについては、準伝染病的措置を講ずることを検討したほうがいいのじゃないかと思いますが、その二つの点について答弁してください。簡単でけっこうです。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 医療費の問題でございますけれども、先ほどお答えしたいろいろな医療保険制度、そういうもので治療面は見ていくということ……(山田(太)委員「通達を出してください」と呼ぶ)これはもう一般疾病と同じでございますので、スモンについて特別の通達は私は必要ないと思いますけれども、一般的にこれは健康保険あるいは国民健康保険、そういうもので治療されていると思います。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 それでは生活保護世帯に転落する人がどんどんふえてきているのだよ。しかもこれは自己の防衛能力を越えている。しかもお答えの調査によると伝染病らしいと……。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 私たちとしましては、やはりこの研究によって原因が解明するまで、どうも明確な線が出てこないと思います。  それから準伝染病的方法は扱えないかということでございますけれども、これは現行法ではちょっとできない問題でございます。ただしこの調査につきましては、伝染病予防法一条四項に、調査をして大臣に報告するという事項がございますけれども、これは発動できると思います。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 検討する余地がないとおっしゃるわけですか。その点一つ。  それからもう一つは、いまの伝染病予防法一条四項の指定、これは岡山県においても指定するその意思がありますか。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 前段は、やはり原因の解明がなされるまでということ。それからその一条四項の問題でございますけれども、これは都道府県知事がいろいろな疾病がある、これについて報告するための条項でございますので、こちらが指定するとかそういうことではございません。ですから、岡山県からそういうものが出てくれば、私たちもいろいろ相談に乗って前向きで進めたいと思います。(山田(太)委員「もう一つ、答弁漏れがある。検討の事項は……」と呼ぶ)  検討する余地はないかということでございますか。——これは私たち事務的な、防疫課としてはなかなかむずかしい問題でございますので、ほかの課、局とも話し合いをしなければいかぬかと思いますので、その点ちょっと私から——私たちのいまの段階では、原因が解明されるまではむずかしいということだけお答えしておきます。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 では、後藤課長さんは、いわゆる役人仕事しかできないということを言うているのと一緒です。したがって、そのようなお役人さんでは、国民はたまったものじゃない。そこで、厚生大臣にも相談して、そうしてひとつ書類でけっこうです。私のほうへその回答をよこしてほしいと思います。

後藤伍郎厚生省公衆衛生局防疫課長

○後藤(伍)説明員 はい、承知しました。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 そこで文部省にお伺いしますが、このスモン病についての研究助成費、これを相当各大学に出していらっしゃいます。時間がないので、それを読み上げるのは遠慮いたしますが、大学の名前とそれから教授の名前とそれから金額、その点簡単に答えてください。もう時間がありませんから。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 スモン病関係の科学研究費の助成金の採択状況でありますが、四十三年度におきまして三件、金額といたしまして四百五十万円採択しております。研究者は、一件は東大脳研究施設の白木教授でありまして、題名は、「ウイルス感染とその疑いのある脳障害の基礎的研究」ということで、三百六十万円出しております。それから二番目は、同じく東大医学部脳研究施設の豊倉教授でありまして「スモンの病因並びに発生病理に関する研究」という題名で、五十万円支出いたしております。それから三番目は、熊本大学医学部徳臣教授で、題名は「非特異性脊髄炎症(スモン)の発現機構に関する研究」という題名で、四十万円支出いたしております。  それから四十四年度につきましては、現在申請を受けて審査中でありますが、スモン病に関係のあるものといたしましては、四件申請がございます。うち二件は採択が内定しております。一件は、東大の白木教授の継続でございまして、三百九十九万円の予定になっております。それから二件目は、新潟大学の小宅教授の「原因不明脳疾患のウイルス学的基礎的研究」という題名で、三百万円、これも交付内定いたしております。あと二件は、目下審査中でございます。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 この一点で終わります。いま申請中のは、名古屋大学の医学部六百万円、それから東大の豊倉教授のこれまた別の分ですが、千二百万円だと思います。  そこで私の申し上げたいのは、岡山大学においてやはり十一教室、これは総合研究しております。そうして県においても百三十八万円等の金も出しております。ところが、岡山大学においては、御承知の大学紛争があったために、この申請を出すいとまがなくておくれたというております。この場合、緊急課題として受け付ける、そういうことに——いま岡山県が全国で一番多発しております。ことしにおいても、ある病院は五〇%入院患者がふえております。四十四名だったのが、いま六十七名になっております。このようにどんどんふえてきております。したがって、一番研究のしやすい場所は岡山大学ではないかと思う。これは来年においては、どこの県に発生するかもわかりません。したがってもし緊急課題として申請するような場合、文部省として検討する余地があってしかるべきだと思いますが、どうでしょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 科学研究費の申請並びに採択は、原則といたしまして、前年度の三月三十一日限り受け付けまして、その分を四月、五月、六月にわたりまして、審査をして交付決定をするわけでございます。しかし、年間緊急事態によりまして追加申請が絶無ではございませんし、若干の余地を残しております。そこで採択できるかどうかは、やはり申請の内容、これは学術審議会において審査の上で決定するわけでありますから、私として現段階でできるということを確約はできませんけれども、申請があって審査をして認められる可能性はあると申し上げてよろしいかと思います。  それから紛争との関連でございますが、紛争がありまして研究ができないような状態であれば、これはいたし方がありませんが、若干の紛争がございましても、当該教室が研究が可能な状態であれば、そういうことは含みまして審査がなされると思います。

山田太郎公明党

○山田(太)委員 これで質問は終わりますが、厚生省のやり方の怠慢、それから国民の生活を守るという意思の不足、これについては、もっと具体的に時間を与えていただいて、厚生省にもう一度質問することを保留しておきます。  以上で質問を終わります。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 次回は、来たる十日午前十時から理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五分散会

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