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61回国会衆議院1969/10/15

文教委員会 第37号

発言数
148
登壇者
15
会派数
3
開催日
1969/10/15

会議録

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。小川三男君。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 これは大学局長から答えられてもどなたからでもいいのですが、四月二十七日に千葉大学の第二内科で採血事故があって、杉井陽太郎という人がなくなっているわけです。これは四月二十七日に採血事故があって、六月七日になくなられた。これについて病院当局、大学当局は一体どんな責任を負うのか。時間の関係がありますから、この発生の経過とその後の措置について、簡略に答えてもらいたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 千葉大学医学部の附属病院におきまして、採血のミスによりまして供血者が死亡した事故がございました。事故発生の日時は昭和四十四年四月二十七日でございます。事故の原因といたしましては、採血に当たりました医師及び看護婦が器具の操作を誤って、空気を供血者の静脈内に流入させたために意識を失い、その後の看護、治療のかいもなく、六月七日に死亡したという事件でございます。  この事故に対しましては、医師、看護婦側の過失であるということでございますので、これに対しましては、当事者をはじめ監督責任のあります内科の主任教授及び病院長、それぞれ責任をとっております。  責任の態様といたしましては、当事者であります医師は副手でございましたが、身分を解任いたしました。それから同じく当事者でありました看護婦につきましては、一カ月減給十分の一の処分をいたしております。それから監督責任といたしまして、千葉大学の学長、それから医学部長並びに看護婦長に対しましては、訓告処分がされております。それから附属病院長につきましては、戒告処分がなされております。それから当該診療科の責任者であります第二内科の教授につきましては、病院長と同じく、戒告処分がなされ、これと別途に、本人は八月十一日付で退職をいたしております。この退職は、責任をとって退職したものと考えられております。  他方、この事故に対する物的な賠償といたしましては、大学病院並びに文部省におきまして、公務所における死亡事故の例にならいまして、財産的な損害並びに慰謝料につきまして、一応の積算をいたしまして遺族側に提示いたしましたが、遺族側の了承されるところになりませんで、現在、遺族側におかれましては財産的な損害並びに慰謝料につきまして訴訟をもって争うということになっておりまして、訴訟が提起されております。  これが、ごく簡単に申し上げまして、千葉大学医学部附属病院における採血時のミスによる供血者の死亡事故事件の概要でございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 これに当たった笠貫医師は副手で、診療に当たっているお医者さんはほとんど無給医なんですね。全部といってもいいほど無給医なんですね。この無給医の大学病院における、あるいは文部省としての職制上の身分は、どういうことになっておるのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 大学病院におきまして、医師の資格を取得した後、臨床医学あるいは医術の研修につとめるために、本人の希望によりまして給与を給しないで嘱託的な形で勤務するということは、大学附属病院においては多年行なわれておることでありまして、形式的に申しますと、非常勤の国家公務員ということに相なるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 いま、あなたから言われた本人の希望によりということは、本人の希望によって無給医なんですか。給料は要らぬという希望が本人から出ているのですか。そうじゃないでしょう。すると、無給医というのは、無給医として働きたいという本人の希望によって、病院内において身分は国家的には何ら保障されておらないですね。これはどうですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 公務所において職員を採用する場合においては、当然でございますが、定員の範囲内におきまして採用するわけでございます。ただ、大学の附属病院におきましては、定員の範囲をこえて医学、医術の研修をやりたいという希望者が非常に多いわけで、そういう希望に基づいて、給与は給することができないけれども、病院で勤務するということを認める、何といいますか、一種の慣行、制度がございます。これがいわゆる無給医局員という形で多年行なわれておるわけでありまして、この制度、慣行につきましていろいろな問題、批判はございますが、現在のところいろいろ改善の意見はまた一方において出されておりますが、そういう形で多年無給医局員というものが存在する。それをどういうぐあいに把握するかということになりますと、やはり公務所である国立大学の附属病院で勤務する以上は、国家公務員であり、給与を給する常勤の国家公務員でないわけでありますので、非常勤の国家公務員という形になるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 そこで、ここに二つの問題がある。一つは国立大学病院における無給医の身分保障ということです。無給医が医師として社会的に重大な診療に従事している。それに対して、経済上ももちろんそうですが、身分上に国家としてどんな保障をしているのか。無給医に対して経済上あるいは身分の上でどんな保障をしているのか。しかも千葉大の第二内科を見ても、八十から九十のベッドをほとんど無給医がやっているのですよ。教授は一週間に一ぺんしか出てこない。全体が無給医がやっているのですよ。そういう無給医がやっていること、重要な診療も行なっている、それに対する国家としての身分上の保障、あるいはそれによってこういう事故が起こった場合に、その身分の保障について、政府は一体どんな責任を持とうとするのか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 いわゆる無給医局員は、文字どおり長年無給で勤務しておったわけでありますが、こういうことではよくないという議論が起こりまして、昨年来、無給医局員に対しまして大学病院で診療に従事させる場合には、これに一種の報酬を謝金という形で支払うことといたしております。謝金の単価といたしましては、たしか月額三万五千円程度を支払うようになっております。しかし、それにいたしましても、これは給与ではなく謝金という形でございますので、公務員としては無給の非常勤の公務員でございます。しかし、公務員であります以上は、こういうものが診療したものについての責任は、大学病院、ひいては国に帰着するわけでありますので、この者の行為によって生じた責任というのは、終局的には国に帰着するという筋になっておりまして、その線でこの問題についても処理に当たっておるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 無給医が診療に従事しているでしょう。これは絶えず重大な生命を扱って、治療室の中で重大な医療行為をやっているのですよ。そういう場合に、医療行為に対して国家はどういう責任を負うのかということを聞いているのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 医療行為に対する責任は、一つは本人の責任でございます。医師は、医師免許状を持って医療に従事をする場合においては、本人の責任において診療に従事をするという本人の責任の問題がございます。他方、病院に勤務する医師につきましては、病院としての雇用者責任、監督責任がございます。そういう問題につきましては、かりに無給医でありましても、国立大学の病院でありますれば、最終的には国において雇用者責任、監督責任を負うということに相なります。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 この当時採血に当たった看護婦さんの多田さんは――あなたのほうにもあるでしょうが、三カ月にわたってほとんど休暇というものをとっていないのですよ。そういうような過酷な労働をしいているのですよ。それから無給医もそうです。無給医に対しても、ほとんど休暇もとれないような状態で診療に従事させている。ですから、これ以上患者の収容は困るんだということを再三申し出ているのにもかかわらず、患者はどんどん収容する。そうして無給医の人たちがこれに当たっているわけです。ほとんど休暇をとっていない。あなたのほうで調べてごらんなさい。ここに資料がありますが、多田さんという看護婦さんは、ほとんど休暇をとっていないでしょう。そういうような過酷な労働条件を押しつけておいたその責任は、だれが負うのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 国の機関における雇用者の勤務につきましては、それぞれの区分によりまして、病院でありますれば、それぞれの職制の長、それから病院長、それから大学、それから最終的には国という形で責任があるわけでありますが、看護婦の勤務態様につきましては、現在国立大学においては看護婦の数は医療法に定める基準は一応満たしてございますが、ただ診療業務が複雑になってまいっておりまして、御指摘のように、休暇を十分とって過労にわたらない範囲で勤務するためには、現在の定数では足らないのではないかという問題はございます。これについては、別途看護婦の増員をはかっております。そういうことでございますので、看護婦の勤務状況につきましても、直接的にはそれぞれの大学病院でやるわけでありますが、大学病院だけで処理できない問題につきましては、国においても善後措置を講ずるという形に相なっております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 そうすると、この無給医の診療行為、医療行為に対しては、国家が最終的に全面的な責任を負うと理解していいですか。もちろん医師の自分の責任はあるとして、最終的には国家が全面的に責任を負うというぐあいに理解していいですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 責任問題といたしましては、刑事上の問題あるいは民事上の問題もございます。刑事上の問題については、主として当該本人が負うことに相なろうかと思います。民事上の問題につきましては、過失その他責任の度合いに応じまして、本人、監督者、それから最終的には設置者である国というぐあいに、それぞれの立場で責任の所在によって負うことになっております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 そうすると、具体的には、今度被害者に対して国は賠償責任がありますね。被害者に対する賠償の責任は、国家が負うわけでしょう。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 この場合、国の設置する病院の勤務医並びに看護婦の過失によって生じた事故でございますので、本人並びに国が責任があると考えております。国の責任の分につきましては、被害者の財産的な損害並びに慰謝料につきまして負うべきものと考えまして、遺族との話し合いをいたしたわけでありますが、遺族の御納得が得られなかったために、現在では裁判上の問題になっております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 あなたのほうで、いまの財産上の問題あるいは慰謝料として提示した額、それからその基礎を説明してもらいたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 死亡事故の場合の損害補償につきましては、現在交通災害が非常に頻発しておりまして、いわゆるホフマン方式を基礎とした算定の根拠がございます。これに準拠いたしまして、本件の場合、財産的な損害が約二千二百万、それから慰謝料といたしまして約二百五十万、合わせまして約二千五百万程度の補償、これを一応文部省で試算をいたしまして遺族側に提示したわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 こういう重大な事故によって、杉井さんに対しては非常な害を与えているわけですよ。それを交通事故並みに扱うというあなたのほうの考え方の基礎は、どこにあるのですか。こういう事故と交通事故とは、全然関係のないものです。なぜ交通事故並みにこれを扱おうとするのか、その点……。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 本件の性格を別に交通事故並みに考えておるわけではありませんが、死亡事故に対する損害算定の根拠といたしましては、自動車災害の場合が多いものですから、それによる計算方式を一応使いまして文部省の試算をいたしたわけであります。もちろん最終的には、文部省のみならず、法務省、大蔵省等とも協議いたしまして決定するわけでありますが、とりあえず文部省の試算をお示ししたところが、納得を得られなかったという結果になっております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 あなたのほうで遺族のところへこの計算方式を持っていったのは、どなたが行っているのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 千葉大学附属病院の事務部長が伺っておると聞いております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 あなたのほうでこれを持っていったのは、一度でしょう。そして交通事故にならってこういう計算上の方式が出ました、こう言って持っていっただけですよ。以来、あなたのほうでは杉井さんのうちへ全然行ってないでしょう。話を進めてないでしょう。ですから、杉井さんは、自分のむすこさんのこういう死亡という取り返しのつかない大きな不幸の上に、さらに訴訟までしてやりたいという感情は、全然持ってないですよ。杉井さんをしてそういう方法をとらざるを得ないようにしむけてしまったのは、あなたのほうなんですよ。第一あなたのほうじゃ行ってないでしょう。交通事故と同じような計算方式で出ましたから、これ以上は出ませんと言って、あなたのほうで資料を持っていっているのでしょう。そんなことでこういう重大な問題の解決はできませんよ。問題はそこなんです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 賠償の問題を含めまして、千葉大学病院側においては、杉井さんのお宅へ十回近く伺っております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 十回行こうが百回行こうが、行く者の態度と、出されたこの方式が、交通事故の方式をあなたのほうで適用したのではだめですよ。それを言うのです。一体これは交通事故じゃないでしょう。あなたは、さっきの答弁でもあるように、国家が全面的に責任を負わなければならないということを言っているのですよ。したがって、あなたのほうは責任を負うべきなんですから、まずどういう形でこの問題について解決すべきかをあなたのほうが相談に行くべきですよ。いきなりこんな数字を持っていって示したって、そんなことで通るとあなたのほうは考えますか。そんな不誠意な、こんな非人情なことをやったってだめですよ。杉井さんは、訴訟なんかに持ち込もうとは決して考えてはいないのです。いまでも考えておりません。なぜ杉井さんをしてそういう形に追い込んでしまったのかというところに、あなたのほうの問題があるのですよ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 千葉大学から出されております経過報告によりますと、賠償の問題につきましても突然金額を示したわけではなくて、事前に何回か話し合いをし、それから金額の内示をし、さらに引き続いて話し合うという経過をとっておるようでございます。それから金額につきましても、弁護士の方が間に入っておられますが、賠償の問題は、財産的な損害と慰謝料と二つの要素からなっておるわけでありますが、弁護士の方が、財産的損害の賠償額につきましては、まあまあこういう計算方式だろうというようなことでありましたが、慰謝料につきまして、見解が非常に離れておって、そこで納得が得られなかった、こういう経過になっておるようでありまして、決して不誠意に、一方的に金額を突きつけたというようなことではないと考えております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 そういうことはないですよ。千葉大の院長は、杉井さんのおとうさんに、あなたは子供を持ってますかとまで言われているのですよ。非常に高圧的に、計数的に、全く事務的にこの数字を持っていっているのです。そしてこれがなし得る最終のものですと言って出しているのです。あなたのほうへどんな報告があるか知らないけれども、経過はそうですよ。そうでなかったら、裁判なんかに持っていくような事態じゃないですよ。もともと裁判などやろうという意思は、杉井さんのほうには全然なかったのです。あなたのほうがそういう情勢に追い込んでしまっているのですよ。この問題は大臣から答えてもらいたい。血液を採るために処理を誤って空気を入れてしまって、四十二日間というもの全く意識不明のままで死亡してしまっているのです。子供さんが一人あって、三十二歳の青年ですよ。そういう場合に遺族の受けている打撃というのは、それはホフマン式の計算で出てくるものじゃないですよ。それをホフマン式の計数で、これですと言って押しつけているようなことで、そんなものは行政じゃありません。ですから、これは全然考え直してやるべきだと思うのです。大臣、どうですか、その点。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 こちら側の病院の医師並びに看護婦のあやまちによりまして、とうとい生命をなくされた御遺族に対しまして、まことに申しわけなく思いますと同時に、命にはかえられないわけでございますけれども、御遺族側に対しまして誠心誠意のわれわれとしての責任を果たさなければならぬ問題だと私も心得ておるわけでございまして、また、そういうようないま御指摘になりましたような心持ちをもって遺族の方々と折衝をすべきものであると思うわけでございますけれども、やはりいま御遺族側の立場に立たれれば、一人の子供をなくしたという非常に強いショックもありましょうし、私たちのほうでも誠心誠意やっているつもりではありましょうけれども、なかなか十分にその意思が伝わらないということもあるかと思うわけでございます。できてしまいましたこのことに対しましては、それぞれの段階において責任をとるべきものはとる。そしてまた財産的な賠償の問題に対しましても、慰謝料の問題につきましても、双方である程度話し合いによってきめなければならないものだと思います。御指摘のこともございますので、万遺憾のないように、今後とも十分注意をいたしまして、このお話し合いに応じたい、かように考えておる次第でございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 これはあなたのほうで出先の、たとえば大学病院の事務部長でも、予算で締めてあるのでしょう、これ以上の金を出せないと言っているのでしょう。これ以上の金を出せないと言って、あなた交渉しなさいと言ったって、交渉のしょうがないですよ。どうなんです。事務部長にこういう数字をあなたのほうで与えておいて一これはあなたのほうで出した数字ですよ。こういう数字を出しておいて、そうして交渉しようと言ったって交渉しようがないです。こういう問題は、交渉の問題じゃないですよ。全面的にあなたのほうが負わなければならない、国家が全面的に負わなければならない責任ですよ。その担当した医師や看護婦の問題は、事故としてこれは別の問題としても、少なくとも杉井さんの遺族に対しては国家が全責任を負うべきです。ですから、この問題は出直して、あなたのほうで直接やられたらどうですか。大学の事務部長にまかしておかないで、あなたのほうで出て直接交渉する意思はないか、それを伺っておきます。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 国家賠償の問題になりますと、各省ともそういう予算を十分に持っておるわけでありませんで、結局大蔵省、政府の問題になる、そういうわけでありますので、文部省も所管省として間に立って十分誠意をもって善処するつもりでありますが、やはり国家機関のたてまえからいきますと、問題の省と部局において直接的には処理をして、文部省あるいは政府全体、それぞれの立場においてその処理に当たるということでございますので、本件につきましても文部省で直接処理をするということは、これは不可能ではないと思いますけれども、たてまえとして、千葉大学においても十分責任を自覚して処理に当たっておるわけでありますから、これを適切に指導、助言をして処理に当たりたい、かように思っております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 では最後に、適切に指導するといっても、もうここまでくれば、金額の問題で解決する以外にないですよ。あなたのほうで誠意あります誠意ありますと言ったって、単にことばの上で誠意を空転していたって、どうにも事態の解決にはならないのです。事態は、お互いに裁判に持ち込んで、法廷で争うというような性質のものでない。ですから、それについては、あなたのほうで率先して――予算の問題だ、予算の問題だと言っても、人命は予算にかえられる問題ではないですよ。そこに根底を置いてこの問題を解決するように、あなたのほうで努力してください。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 関連して、井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 実は私も大学の事故についてお伺いしたいのです。先般、東京大学の高圧酸素ガスボンベの爆発によりまして、お医者さん二人と患者二人がやはりおなくなりになった、その後患者側からも訴訟が起こされた、こういう事態があります。その当時私も質問いたしたのでありますが、この問題は、あの酸素ボンベ爆発の事故の際に、医者の責任にするんじゃないか、明石、林医師の過失によって事故が起こったんだという結論をつけられる可能性が十分にある、これは当時あそこの医局員の諸君が言っておったことです。案の定、いまだに刑事責任の所在というものがはっきりしないようであります。これがどこに責任があったのか、はっきりしていただきたいのがまず第一点です。  それから、林医師というのは、当時無給医局員のはずです。といいますのは、大学院の学生に、なくなったあくる日発命しておるはずです。でありますから、当然これは無給医局員のはずです。この林医師に対して、どういう処置をとられたのか。  それから第三番目にお聞きしたいのは、なくなられた二名の患者さんに対して、一体どういう処置をとられておるのか。  第四に、いまの千葉大学の場合は、病院長をはじめ教授あるいはまたその責任者の方々はおやめになっておる。東京大学の場合は、全然責任をとった人もないように聞いております。これは一体どうなっておりますか。主任教授はその眼底のデータを持ってアメリカへ学会発表に行っておるということが、週刊誌に伝えられておる。これは、無責任時代の最たる東大病院でございますけれども、一体どうなっておるのか、この点ひとつ明らかにしていただきたい、こう思うのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 東京大学の高圧酸素タンクの爆発事故につきましては、その後警察並びに大学で原因の究明につとめておりますが、たいへん遺憾でありますけれども、いまだに原因をつかむに至っておりません。したがって、責任の所在ということも明らかにされないままに遺族側からは訴訟が提起されたのも事実でございまして、たいへん遺憾でございます。文部省としても、東大に対してできるだけ処理の促進をするようにいっておりますが、事柄が千葉大学の場合と違いまして、行為者のほうも死亡するという事故でございますので、責任の所在等につきましての解明がおくれておりまして、何とも明確な御説明ができかねておるのが実情でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私の聞いておることにお答えになってくださいよ。四つあげたんだから……。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 たいへん遺憾でありますけれども、筋道立った御説明ができないわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私は、この爆発事故が起こった際にお伺いしたのです。そしてすみやかにこれの責任の所在というものをはっきりさせろと言ったはずです。そして極力やりますと申されております。責任の所在がわからぬけれども、おそらくこの林と明石というお医者さんに責任をかぶされるのではないかと当時思ったから、私は質問したのです。主任教授がなぜ責任をとらないのです。高圧酸素ガスという、ああいう施設がなければ、これは起こりはせぬはずです。しかもこれで何カ月たちますか。五カ月、六カ月たった今日において、まだその原因の究明ができないというのは、一体どこにありますか。刑事当局よりも、むしろ大学側がこれは積極的に取り組む問題だと思うのですが、そこらもはっきりしていない。林医師、明石医師あるいはまた患者さんに対しては、一体どういう補償をとられようとしておるのか、この点をひとつお伺いしたいのです。さっきもお伺いしたのですが、御答弁がないのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 やはり事故の善後処理でございますので、事故の原因なり責任の所在がある程度明らかになりませんと、それに対応する賠償なりそれから責任の追及の措置もできかねるわけでございまして、東大に極力急ぐようにいっておりますが、東大においても、それからまた警察においても、新しい進展が今日までないようでございます。決して死んだ者に対して責任をかぶせてしまうというようなことを考えておるわけでは毛頭ありませんけれども、さればといって、原因の探求がすみやかに進んでいないというのも事実であります。まことに遺憾であるとおわび申し上げる以外にないわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私は、事故が起こって一週間後に、おそらくこの二人のお医者さんに責任をかぶせるのではないかということを東大内部において無給医局員の人たちあるいは助手の人たちが語っておるのを大臣に申したことがある。これは御記憶だろうと思います。その後何カ月たっていますか。しかもああいう新しい施設でありますから、警察当局に対して全面的に大学が協力しなければ、事故発生の原因を突きとめることはできないと思うのです。その態勢すらないらしいじゃないですか。それで患者さんに対しても、あるいはその二人のお医者さんに対しても、原因がわからぬから全然補償の対象にならない、責任の対象にならないというのは、まことにもって死んだ者は死に損ということになりかねない。大臣、こういう体制、こういう態度について、あなたは文教行政の最高責任者としてどう思われますか。あの当時は大臣も早くやりますとおっしゃられたが、まだやられていない。しかも患者側がいま民事訴訟を起こしておる。責任者はアメリカへ飛んでいって、日本にいない。だれも責任とらない。これについてあなたはどう思いますか。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 このことにつきましては、ただいま局長から御答弁を申し上げましたとおりでございまして、まことに遺憾なことであります。しかしながら、やはりその原因の究明ということが前提に立ちませんと、いろいろの処置ができかねておるわけでございます。われわれといたしましても、東大当局から一日も早くその究明というものの報告があるものと期待をいたしておりますし、また、われわれのほうでも督促をいたしておるわけでございますが、現在までその報告がないのでございまして、私といたしましても、いまここではっきりこうする、あるいは責任者に対してこうするということを申し上げられないわけでございますけれども、しかし、東大当局におきましても、そのことはよく考えて、この原因究明に当たっておられるものであるというふうに信じておるわけでございまして、一日も早くこの原因の究明がされるということを期待をいたしておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 文部大臣、あなたは私らに、早く原因を究明すべく督促するとおっしゃった。その後、大学に対して何をやったのです。しかも、あれからまだないんでしょうが。しかも主任教授は外遊しているのでしょうが。これで原因の究明できますか。自分の教室の中で起こった事件を真剣に原因究明するなら、外国に出ていくというようなことは、私はあり得ないと思うのです。自分の部下の二名を殺し、患者さんの二名を殺しておるのです。その主任の教授が、アメリカへ飛んでいって学会で発表しておるのですよ。まだ帰ってないでしょう。これで真剣に原因究明をやっておられる、こう言われますか。したがって、大学当局に対して、あなたはどういう処置を今後とられようとするのか、ひとつ明確に御見解をお願いしたいと思うのです。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 いまおっしゃっておられる先生が、主任教授であるかどうか存じません。また、その人がアメリカへ行っておるということは、きょう初めて聞いたようなわけでございまして、十分その点も調べまして、そうして今後一日も早く原因究明がなされるように、さらに指導、助言をいたしたいと思っております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 あなたは先週の週刊朝日を読んでごらんなさい。ちゃんと出ていますよ。そういうのは。いかに無責任時代の最たる東大とはいいながら、もう少しあなたのほうも、国会においてああいう発言をされておるんだから、これの督促を厳重にしていただきたい。責任の所在、事故の発生の原因というものを明確にして、そうしてなくなられた方々に対しましてはもちろんのこと、将来の医療のあり方に対しても、私らもっと明確な大学病院のあり方というものについてやらなければならぬと思うのです。あの事件を見まして、私は医者として考えるのですが、医学のための医学であって、人間のための医学をやっていない、ここに問題の大きいところがあると思うのです。そういうようなことも、ひとつあなたはお考えになって、全国の大学当局、これらに対する厳重な注意を喚起していただくことを、最後に申し上げる次第です。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 長谷川正三君。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 本日はせっかく閉会中審査のために委員会が開かれましたので、山積している文教問題について実は十分御質問申し上げたいのですけれども、御承知のような状況で成立がどこまでもつかわからないし、あとの質問者もございますので、残念ですが、ごく項目的にごく緊急の問題二、三について質問申し上げたいと思います。  第一は、去る八月十五日に人事院が公務員の給与につきまして、給与、諸手当を含め平均一〇・二%の引き上げるするように勧告を出されておるわけであります。これについて、政府は当然誠意をもって検討を進めておられると思いますし、特にその影響を直接、間接にまともにかぶる全国の教職員の問題を扱う文部大臣としても、この問題については真剣にお考えだと思います。本日は、人事院の総裁から勧告の経緯とこれに対する決意といいますか、政府に対する決意をお聞きしたがったのですが、おかぜをひいておいでにならないそうで、給与局長にそういうことを伺うのもいかがかと思いますから、給与局長にはあとで若干技術的な問題を伺うことにしまして、大臣にこの勧告について伺いたい。私どもはその内容はまだたいへん不十分な面があると考えますけれども、少なくとも人事院制度がありまして、公務員の生活を保障する責任を持っております。この勧告の完全実施については、毎年値切られてまいりました。しかし、最近は年々一歩ずつでも前進を見ておりますし、今回はおそらく諸般の情勢を考えまして、こういう問題でいざこざの起こることの絶対ないよう、完全実施についてかたい決意を持っていると思いますが、それについて閣議ではどのような検討をされているのか、大臣としてはどのような決意を持たれているのか、この点をお伺いいたします。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 人事院の勧告が出ましてから給与担当の閣僚会議を二回にわたりましてやりまして、私もそれぞれの回におきまして発言をいたしまして、ぜひとも完全実施の実効があがるようにということを述べておるわけでございます。しかしながら、まだまだその最終的な結論に至ってないわけでございますけれども、私が前々から考えておりましたことは、この人事院勧告があった以上は、これを最大限に尊重すべきだ。そしてこれは相当以前の問題でございますけれども、一年ごとに確実に一月ずつでも完全実施の方向へ進むという計画で進むならば、われわれが人事院の勧告を尊重するということがみんなにわかるからということで、まだ大臣になりませんときからそういうような考え方を持って、私としてはできるだけのあらゆる努力をしてきたつもりでございます。その考え方というものはいまも私は変わっておりませんし、閣僚がございますし、一番影響の大きい所管省の大臣でございますので、今後とも最大限の努力を払って完全実施をしたいというふうに考えておる次第でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 坂田文部大臣の熱意のある御答弁をいただきまして、ぜひひとつこれを貫いていただくように要望いたします。  次に、この機会に、最近学校の先生、特に義務教育諸学校の先生のなり手が少ない。女子は多いのですが、男子がだんだん少なくなってくるという傾向がある。過般、ついに全国的に見ましても男女の比率が逆転をしまして、女子教職員が五〇%を越えるというようなことも報道されておるわけでありますが、これにはいろいろの原因があろうと思います。教職そのものに生きがいを感ずるような状態がだんだん閉ざされているのではないかという、これは行政上非常に責任のある問題もありますが、一つの大事なことは、やはり待遇の面におきまして、教職員の給与が、民間と比べても、一般の公務員と比べても、相対的には漸次下がっておる。戦後の教育を復興させた当時は、二号俸上から出発するということで、それがかなりの時限まで維持されるというような状態で、確かに教育を尊重しているという姿があらわれた時点もありますが、その後の経緯によりまして、逐次これもなしくずしにくずされておる。特に問題は、いま冒頭申し上げたとおり、相対的に教職員の給与表というものはたいへん一般公務員に比べても低いものになってきておる。特に中年以上の経験者の給与というものは、最近は、戦後間もなくの時代と比べますと、非常に下がっていると思うのです。きょう具体的な数字をあげてここで申し上げる時間がありませんが、私はこのことを人事院もお認めだろうと思いますが、文部大臣もお認めだろうと思います。このままでいいのか、またそういう事実はないとお考えなのか、そのとおりだとお考えなのか、それをまずお伺いいたしたい。どちらかでも順次……。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 お答えいたします。教職員関係の給与につきまして、行政職との関係の比較でお話があったと思うのでございますけれども、行政職の場合には、それぞれの職務段階がございまして、係長なり課長補佐なりということで、だんだん何等級か上がっていくということがございます。したがいまして、その上がっていくのが何年後くらいから上がっていくかという点がございまして、教職員の場合と比較がきわめて困難でございます。私どものような技術的なことをやっている者でも、ある仮定をおいて比較をするといったようなことでやっておるわけでございますけれども、そういうことの上での話でございますけれども、おっしゃいましたように戦後約二号俸の調整号俸がございまして、そういう関係を引き継いできまして、現在の俸給表になっておるわけでございます。現在、当時のいわば水準差という関係と現在の水準差という関係を比較をしてみますと、若いほうの号俸におきましては、従前よりかなり高くなっておるという関係がございます。後のほうといいますか、高年齢者のほうの関係ですと、やや従前よりも低くなっておるという関係がございまして、そういう点は確かに御指摘のようなことが若干ございます。しかし、総体的に見ますれば、従前に比べまして水準差というものが落ちたというふうには私どもは考えておりませんし、計算上も決して落ちていることはないのじゃないかという形で考えております。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地説明員 教員の職務特殊性ということ、仕事の重要性、またさらに先生の御指摘になられましたような優秀な教員を確保する、こういったような点から、私ども教員の給与が決して今日私どもが希望するような給与になっていないというような観点から、文部省といたしましては、これはほとんど毎年のことでございますが、給与勧告が人事院から出されます前に、歴代大臣が文部省のそういう点についての教員の給与の飛躍的引き上げを要望してまいったところでございます。これは御承知のとおりと思います。  ところで、いま直接お尋ねの点でございますが、人事院のほうでお答えになられましたが、私のほうも、いま申しましたように決して現在で満足すべきものではないという前提は置きますものの、初任給の比較にしましても、数字的に一応調べてみましたが、ここ十年間の例をとりましても、毎年一般の国家公務員全体の改定率よりも、小中学校の教員の初任給の改定率のほうが高うございます。ここ十年を平均してみまして、初任給のアップは、国家公務員全体の改定が毎年ありますので、その十年を積み上げますと六七・四%でございますが、小中学校のほうは七六・九%、一応数字的にはそういうふうに出ております。ただ、御指摘のように、経験年数のある程度来ました教師、これと一般公務員――一般公務員の場合、私ども役人でございますと、課長とか局長とかいったようなところで等級が別になりますが、教員には、校長にならない限り教諭でございますから、そういった渡りがないということから、上がり方が、一般の役人と比べますと、そういう点は確かに教師のほうはない。しかし、これも数字的にここ十年ばかり見てみますと、結局初任給は高うございますが、いまから十年ばかり前、大体七年くらいで一般公務員と同じになっておった。ということは、教員の給与の昇給間差額、これが一般職員と比べて少ない。したがって、問題は、教師の場合も、いまのままであれば間差額をもっと高くしていく、昇給金額をふやすということですが、そういうふうにすることによって一般公務員と、当初はいいけれども中間から悪くなるということはだんだん是正されるであろう、そういう考え方で人事院にもお願いいたしておりまして、十年ばかり前は七年くらいで一緒になるものが、今日で見ますと、初任給あたりから、国家公務員の上級職の乙の方と比べると、十年目に同じになってくる。それまでは高いわけで、そういうことで、今後とも初任給を飛躍的に上げればそれから後の間差額はいまのような比率でよいかもしれませんが、初任給が飛躍的に上がらなければ、やはり昇給間差額をもっと高くするように、こういうような努力が要るのではなかろうかというふうに考えております。また、そういうふうに人事院にもお願いいたしておるわけであります。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 いま局長のお話は、そのとおりだと思いますが、ただ、教育の特殊性からいいまして、確かに一般の公務員の場合に係長、課長、部長、局長、いろいろありまして、そうしてそれによって給料がだんだん高くなる。ところが、教員の場合は校長だけである、校長と教諭である。そういう関係で間差が少ない。ただ、教職の性質からいいますと、学校の先生がみんな教頭か校長になることを全部望んで、それを目標に教育をするというようなことになったら、これはたいへんなことなんです。そうではなくて、教職の場合は、校長に合うような資質の方は大いに校長になっていただくのはいいけれども、しかし、一つの担任教師として生涯を送っても、これは最高の教師としての誇りと質の高い教育をやっているという自覚を持って安心してやれるような待遇にしなくてはいけないはずです。ですから、そういうところから見ますと、この中年以降の一番大事なときにいって、つまり校長と教諭しかないからという理由で非常に間差が少ない。聞くところによると、半分くらいしか昇給間差がないというようなところさえあるというふうに指摘されております。ですから、これを一体このままでいいと考えているのかどうか、これは文部省も人事院もひとつ根本的に考え直さなければいけないんじゃないかということが一つ。それと、なぜ教職員のそういうような給与の上向線が途中から鈍化していくのかというと、それは人事院が民間の給与との比較ということでいつもやる。一般職の場合はそれでいいと思いますが、教職員の場合に、教職員の民間というけれども、義務教育諸学校の大部分の教職員というものは、ほとんど公立の職員であって、民間というのはごくわずかです。しかも、民間は、現在率直にいって本俸よりもいろんな手当をして主として待遇をしておるというのが実情である。その民間を標準にして義務教育諸学校の教育を担当している大宗であるところの公務員の教職員のほうの給与を考えていくということは、これまた非常にそこに無理があるんではないか、考え直さなければならない面があるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点について、やはり文部省と人事院の御見解をはっきりと伺っておきたい。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 ただいま給与の官民比較のお話がございましたけれども、確かに人事院といたしましては、民間の給与を調べまして、それとの格差を出して追いつかしていただくということでやっているわけでございます。その場合に、それぞれの職種別になっているわけでございます。ただいまお話しの義務教育諸学校につきましては、民間における対象がほとんどございませんので、これは比較をいたしておりません。したがって、比較し得る職種だけ比較をしまして、それによって格差を出して追いつかせていただくというたてまえにしておるわけでございます。したがって、義務教育諸学校におきます教官の俸給表の作成につきましては、一般の行政職員の引き上げ額、引き上げ率、こういうものとの従前の関係を考慮しましてきめるということで現在やっているわけでございます。  それから、現在の俸給表面についてこれでいいのかというお話がございましたけれども、先ほど申し上げましたように、従前のいわゆる水準差という関係から申しますと、現在は水準差を高年層の分を若年層のほうにやや寄せているという感じがございます。そういう点につきましてこれでいいかどうかという点は、私どもとして現在いろいろ検討はしているところでございます。  それからもう一つは、やはり義務教育諸学校の教官の教員養成関係が、従前に比べまして、やはり大学卒というのがだんだん原則ということでいま充実しつつございます。そういう関係がこの十年くらいになってまいっておりますので、そういう大学卒を主力とする教官に対する給与の関係を今後どういうふうに見ていくかという点がやはり一つの問題点ということで、今後――現在もそういうつもりで、若いほうにつきましては検討、かつ、そういうつもりでやっておりますけれども、その点を今後どういう方向に持っていくかという点が、今後の問題点ということでございます。

宮地茂文部省初等中等教育局長

○宮地説明員 教員の給与の改善につきましては、趣旨におきましては、先生のおっしゃいます趣旨と私どもあまり違ったように思っておりません。具体的には、初任給の大幅引き上げ、それと昇給間差額の引き上げ、こういうことになろうかと思います。また、官と民の給与比較と申しましても、教員の民間に当たるのは何であろうか。これは私立学校をとりましてもおかしいものでございますし、官民比較する場合、教員の職種の民に当たるものがずばりこれだというものがなかろうかと思います。したがいまして、いろいろなものと比較する必要がございましょうが、従来、文部省といたしましては、たとえば、これは主として大学のほうですが、民間の研究職の方などが、適当ではないけれども、一つの比較すべき材料でなかろうかといったようなことで、人事院にもお願いしてまいりました。要は、少なくとも今日の状況では満足できないので、もっと適正な待遇改善をしてほしいという気持ちを持っております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 そうしますと、小中学校については民間との比較はしていない、そうですね。それじゃ高等学校と大学はどうですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 高等学校と大学につきましては、民間に私立学校がございますので、それは対象にいたしておるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 その民間の場合に、私立の大学にしても高等学校にしても、本俸よりも手当的なもので非常にカバーしているという点がありますが、これも全部算定に入れていますか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 いわゆる給与体系というのは、公もそうでございますけれども、民間の各会社によりましていろいろでございます。したがいまして、各手当ごとに比較をするというのではいろいろ問題が生じますので、やはりたてまえといたしましては、それぞれの月に支給されるいわゆる月給全体で比較をするということで比較をいたしているわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 いまお答えの点にやはり現実にマッチしない面があるのではないかというふうに思いますので、これはさらに検討していただきたいと思います。もっといろいろ伺いたいのですが、この点はその程度にしておきます。  最後に、これは教職員だけではございませんが、特にいま都市生活者について、公務員全体が住宅の問題では非常に悩んでおって、人事院も住宅手当についてはもうすでに多年研究されてきていると思うのですが、具体的な提案になってきていない。これについての実情、そして将来の見通し、これをこの際伺っておきたい。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 住宅手当につきましては、職員団体からも非常に要望がございます。これはやはり都会等住宅が払底いたしておりますところでは、住宅の費用がかなりかかっているというところによっているものと考えています。一方におきまして、民間におきます住宅手当の普及状況というものを、そういう意味で注目しつつこれは毎年調査をいたしておるわけでございますけれども、昨年の場合には、それが普及率としまして四三%でございましたが、ことしは四六%ということで、毎年これは拡大する方向にございます。したがいまして、この関係はやはりどういう方向に、どういう支給内容になっているかといったようなことをさらにいろいろ調べまして、今後この問題に対処をしてまいりたいという気持ちでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 それでは、人事院関係については以上で終わります。  私の与えられた時間はもうありませんので、大急ぎで、前国会で非常に紛糾の中で強行成立させられた大学運営に関する臨時措置法が施行されまして以降今日までの推移をじっと見ておりますと、授業再開ということに、紛争のある学校では、非常にあの法律の圧迫といいますか、閉鎖というようなことを心配してと思いますけれども、ここに最重点を置かれて、大学に機動隊が入るのが常習化してきておる。そしてなるほど、一応紛争校ということから授業が再開されたというかっこうだけはとられてきているというところも、確かにあろうと思います。しかし、どうも大学紛争のよって来たる根本的な問題の解決に向かっての努力というものが、かえって本格的に取り組まれないような状況、機動隊とのいざこざというようなことだけに追いまくられているようなままここ数カ月が推移してきているというように見受けられてならない。そうしてしかもこれはだんだん内攻しまして、いまや高等学校から中学にすら及ぼうとしているというふうにいわれております。現に、東京のまん中でも都立高等学校の中に紛争が起こり、機動隊が入るというような騒ぎまで起こっておるのでありまして、非常に私どももこれは憂慮にたえないところでございます。この際、これが一部の過激分子かどこからかの扇動によって一時的に起こり、機動隊がそれを排除することによってきわめて平静な状態に直ちに戻っていくのかというと、私の調べたところでは、意外に学校教育全体に対するいろいろな要求、不満というものが、根強く広範な生徒の間にありまして、なかなかそう一挙に解決はできないというような状況も見受けられるわけであります。でありますから、この際、やはり私どもはほんとうに真剣に、かつまた謙虚に今日までの教育行政全般について、もちろん制度上の問題もございましょうけれども、行政の運用上の問題としても、義務教育から高校、大学へのこの行政の過程を大きく反省しなければならないところがたくさんあるのではないか。特にこういう一連の事件をずっと見まして、一番指摘され、われわれも痛感するところは、教師と生徒、学生との間の断絶ということが、きわめて深刻になってきている。そこにほんとうの人間としての愛情とそして真理の探求という理想へ向かっての、導く者と導かれる者との師弟関係というようなものが、非常に失われてきている、こういうことを痛切に感じているわけです。最近、義務教育の学校などへ行ってみましても、小学校に行っても、確かにあの先生方が、これは教育行政からくるむちと言っても私は過言ではないと思うのですが、非常に多忙の中に追いまくられていて、じっくりと子供一人一人の性格や個性を考えるというような余裕がない。そうして定員は増しても、ほんとうに学校の行き届いた教育をするための、授業を直接受け持つような定員ではなくて、充当指導主事であるとか、何か管理職めいた者ばかりがふえていって、これがまたいろいろな指示、指令を出し、書類の提出を求めるから、ますます繁雑になっていく。これはどこを見ましても、やはりよほど真剣に考えなければならないということを、私は最近静かにあの大学法施行後の教育界全体の動きを見詰めながら、非常に考えさせられておるわけであります。そういうような問題についてきょうは一々一つ一つを究明する時間はとうていございませんので、大学紛争のその後の経緯、あるいは方向、あるいは中学校にまで及んでいると聞き及んでおりますが、その全国的状況をどう把握されているか、そうしてこれについてどういう指導を文部省としてはしてきているのか、また、しようとしているのか、教育行政全般に対して、特にこの教育界からの人間性の喪失、師弟間の関係の破壊、断絶、こういうものに対してどういう反省を持たれているのか、なかなか一言にしては言い尽くせない問題であろうと思いますけれども、大臣、局長からそれぞれの部門について率直な御報告とお考えの開陳をお願いしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 詳しいことにつきましては大学局長と初中局長からそれぞれお答え申し上げますが、全般につきましては、私からお答え申し上げたいと思います。  大学運営の臨時措置法施行以来、国立にしましても私立にいたしましても、大学側が、施行以前よりもかなり意欲をもって何とかして収拾解決に当たらなければならない、この段階においては、もはやわれわれだけの力によっては学問の自由と大学の自治は守れないし、多くの学ぼうとする学生、その自由が、むしろ暴力学生によって奪われておる、ほんとうに静かに研究をしようと考えておられるところの教官の研究の自由というものが奪われておる、こういう認識に立ちまして、その暴力学生を排除するということにつきましての、警察を導入してでもやらなければ秩序回復はできない、また同時に教育の正常化もはかれない、授業再開もできない、来年の入学試験だってどうなるかわからない、こういうような、私たちが考えておりましたような事柄につきまして、認識は漸次改まってきたように私は思います。その結果として、いま先生御指摘のとおりに、重症校といわれた各大学におきましては、みずから警察を導入して、そしてまた一部授業再開をし、あるいはまた全面的に授業再開をしておるという大学がふえてまいったことは、事実でございます。私といたしましては、今後楽観はいたしません。しかしながら悲観もしておりません。そういう状況でございます。  それからまた、学生たちのこのような激しい暴力的な行動というものが漸次高等学校の段階までも入ってきた。ことに一時三派系学生あるいは民青系学生や生徒というものが一万二千人程度であったのが、一万七千程度にふえてきておるということも事実のようでございますし、そのふえ方は、どうも暴力学生に呼応したような形において、三派系のいわゆる高等学校生の活動家たちの増加というものが著しいように見受けられるわけでございます。これにつきましては、高等学校の段階までも及んでは、これはほんとうに国民の皆さま方に対して申しわけありませんし、父兄の方方の御心配もさぞかしと思われまするので、十分な指導体制を確立しなければいけないのだ、かように考えておるわけでございまして、それにはやはり教職員とそれから教育委員会等が一体となって、これらの学生の指導に当たらなければならない。特にまた子供を持っておりまする父親、母親にも呼びかけまして、PTAも一緒になって、そしてこのような過激な行動に走らないような、そういう措置をとるべく、各ブロックごとに協議会等も設けまして、現在各地におきまして、その指導講習会と申しますか、そういうものも開いておるような実情でございます。でございまして、今日やはり子供たちの敏感な反応というものを考えましたときに、学生たちのあのような暴力行動というものが、直ちに高等学校あるいは中学校にも及んでいくということも考えられることでございますし、同時にまた、これをあおっておるような活動家の影響というものも、見のがすわけにはいかぬのでございます。ことに、教職員一人一人が、やはり自分の一挙手一投足あるいは言動というものが、若い、敏感な、白紙のような子供たちに対して与える影響というものが大きいということを自覚されまして、そうしてやはり先生が御指摘のような、心の通うような教育というものをやっていただかなければならぬと私は思うのでございます。その意味合いにおきまして、制度のことも大切でございますけれども、同時に、現在の制度において、なおかつ教職員の方お一人お一人が、やはりそういうような一つの専門職にあるんだということ、あるいは義務教育の教育に当たっておるんだという深い自覚と反省の上に立ってやっていただかなければならないと思うのです。どうも過激学生あるいは過激な高等学校生が出ておりますところには、かなりやはり一部教官の影響というものも見のがすわけにはいかないような気がいたしておるわけでございまして、これは全般の良識ある教職員及び一般の大学教官の良識ある管理体制あるいは指導というものが相まって、初めてそのような高等学校あるいは中学校にも及ぶというような過激な事柄は、漸次なくなるものと確信をいたしておるわけでございます。非常に重大な問題でございますが、根気強く、ねばり強く、時間をかげながらやはり話し合いのもとにそういうようなことを進めていくべき性質のものであるというふうに、私は心得ておる次第でございます。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 大学運営臨時措置法が八月十七日に施行されて今日までの時点における大学紛争の推移でございますが、八月十七日の時点において授業放棄あるいは施設の封鎖、占拠が行なわれておりました大学の数が六十四でございましたのに対しまして、昨日現在では六十五校になっております。総数においてはほとんど差がございませんが、中身につきましてはかなり大幅な出入りがございます。たとえば、この二カ月間で封鎖を解除した大学、これは警察力を要請しましたものが十九大学ございます。広島大学その他でございます。それから要請しなかったが、捜査令状で警官が学内に出動して、そのために封鎖が解除されてしまったという大学が、二つございます。それから教職員、学生の手によって占拠、封鎖を解除した大学が、十三ございます。熊本大学などでございます。もっとも封鎖が解除された後、再封鎖されるというようなことも一方においてございます。授業がこの間において開始された大学が、二十二大学ございます。東京水産大学等でございます。それから、逆にこの間に新たに施設の封鎖、占拠、授業放棄というものが行なわれたものが相当数ございますが、今日の時点まで継続しておるものが、北海道大学ほか九大学ございます。そういう出入りがございまして、今日なお六十五校が不正常な状態にあるわけでありまして、内訳としては、国立大学が三十五校、公立大学が七校、私立大学が二十三校というかっこうになっております。こういう紛争の結果、正常な授業が受けられないという大学が四十七校ございまして、これらの大学あるいは学部に在学する学生の数は、二十二万人余になっております。  なお、新入生の授業という角度でとらえますと、これはいろいろ努力がされました結果、新入生が四月以来まだ全然授業も受けられていないという大学は非常に少なくなりまして、現在国立、公立、私立大学各州大学、国立大学では横浜の工学部を除く学部、それから公立では大阪市立大学の医学部、それから私立では多摩美術大学といったようなことになっております。ほかの大学は、新入生に対しましては何らかの形で授業を始めておるということが言えようかと思います。  授業開始に再重点が置かれて、大学の改革問題というものが少し等閑に付せられておるのはなぜかという御指摘でございますが、授業開始ということは、いろいろな議論にかかわらず、まずもってやるべき課題だと思いますが、一方において、大学改革の問題も各大学それぞれ努力されておりまして、最近においては、東京大学においては、改革準備調査会のいままでの中間的な報告をまとめました報告書が出されておりまして、これから準備整っていよいよ改革委員会を発足させたいという動きになっておりますし、その他大阪大学あるいは九州大学、工業大学等々においても、大学の改革案が、これは一部の素案でありますけれどもまとめられて、それを土台に大学人の討議が行なわれるような形勢になっておりますし、それから文部省におきましても、先ほど大臣が御説明になりましたような、全般的な大学の改善のための緊急調査が進められておるわけであります。簡単に御説明いたしました。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 時間がありませんが、最後に一つ大学問題に対して大臣にお伺いしたいのは、先般成立した臨時措置法の中に臨時大学問題審議会の設置の件がございますが、これを審議した際、大臣は、これは非常に公正な、国民が真に信頼し得る審議会をつくると、これは大臣の任命で、大臣の御用機関ではないか、隠れみのではないかという指摘に対して、大臣はそうお答えになったと思います。これについて人選が終わっているのか、いつ設置されるのか、そして、私どもだれが見ても各方面の意見が反映できる公正な機関だなと思うような具体的な構成、たとえば教職員の団体である日教組なら日教組からも入れるとか、そういうようなことをお考えかどうか、その見通しについてお伺いしておきたい。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 臨時大学問題審議会の委員の人選は、私がここでもしばしばお答えを申し上げましたとおりでございまして、大学人はもとより、国民一般の方々から見られてなるほどこの方たちならばというような人選を行ないたいということで、極力人選を進めておるわけでございます。近く発表するつもりでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私、いま具体的に聞いたことについてはどうですか。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 具体的な問題については、ここでしばらくお答えをちゅうちょするわけでございます。御了承願います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣のお立場もありましょうから、それはこれ以上聞かないことにいたします。  最後に、いませっかく四十五年度の予算について文部省としてはおそらく御方針をきめて、大蔵省と漸次事前の折衝等も行なわれておるのではないかと思います。実は来年度の重点項目等について伺おうかと思っておりましたけれども、まだ熟していないときにお尋ねするのもいかがかと思いますので、それは差し控えたいと思います。  いま異常な状態の中での文教予算というものの編成については、思い切った措置が必要だと思いますけれども、特に私、一点だけ強く要望しておきたいのは、特にこの過密、過疎問題はいま重要な問題で、これは政治全般の問題としても当然考えられますが、特に私は東京に住んでおりますので、人口急増地帯の義務教育諸施設のための地方財政の圧迫というものが、非常なものになっている。これについては、私ども社会党としては、前国会には一応参議院を通して、国会にこれのための措置法を提案をいたしておるところでありますけれども、文部省もせっかく昨年度あたりから強く方針を立てて御要求をしておるようであります。これについて四十五年度には、ぜひひとつもう一歩飛躍的な前進を行なって、義務教育の諸学校の施設設備をするために、これが地方財政に過度の圧迫となり、あるいは超過負担となるようなことのないような措置をぜひとっていただきたいと考えますが、これについて差しつかえなければ、大臣の概括的な御意見、御答弁をいただいて、私の質問を終わります。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 来年度の予算につきましては、ただいま概算要求をまとめておるわけであります。いま長谷川先生御指摘の過密、過疎の問題は、やはりわれわれも大きな柱だと考えております。十分御意見を尊重いたしまして努力をいたしていくつもりであります。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 この際、午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時二十二分休憩     ―――――――――――――     午後二時二十五分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について、質疑を続行いたします。  この際申し上げます。本日、山梨学院大学の問題について、参考人として私立学校振興会理事長岡田孝平君、日本育英会理事妹尾茂喜君の両君が出席いたしておられます。  この際、委員会を代表して参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、お忙しいところ御出席をいただき、たいへんありがとう存じます。なお、参考人の御意見は、委員からの質疑に対するお答えでお述べいただきたいと存じますので、さよう御了承を願います。  質疑の通告がありますので、これを許します。小林信一君

小林信一日本社会党

○小林委員 きょう政府並びに参考人の皆さんに出ていただきまして、山梨学院大学の問題について私がお尋ねをすることは、山梨学院大学の内部のいろいろなこまかいことをこの際さらけ出すということでなくて、山梨学院大学の問題が一つの危機に来ておりますので、この際、政府並びにきょう参考人に来ていただいた皆さんにもそれぞれ責任がある、私はこう考えまして、この際、皆さんの総力をあげてこの問題解決に善処していただきたい、そういうことが念願でこれから御質問を申し上げるのですが、その実情を申し上げれば、私は前からいろいろと話をしておったわけですが、学生諸君は、最近の各大学における紛争と同じようなものに扱われない前にこの問題というものを処理したいというところから、だれの力もかりずに、ただ信頼するのは世論とそして文部省、こういう考えでいままで学生諸君の考えをそれなりにそれぞれのところにお願いをしてきたようであります。だから、学生としては、いつまでもこういう状態を続けるのではなくて、一日も早く授業再開をしてもらいたい。もちろんいろいろ要望は学生諸君にもありますけれども、最小限度の要望が実現をすればいいというところまで学生諸君もいま考えております。それから大学側ですが、そういうように私どもは学生の立場を考えておるのですが、大学側は、あくまでもこれは一般全学連と同じような傾向を持ったものである、だから、こういう学生の意向というものを聞くことはいけないというような態度でいるようです。それから山梨県全体というものを申し上げれば、先日県会が開かれまして、その県会の中でも議員のほうから、知事も権限はないかもしれないけれども、県民の要望であるから、それを代表してこの問題解決に当たるべきであるということを言われ、知事もこれに対して一応県民の意向を代表してやります、こう言って答弁をしております。しかも、この大学には、山梨県の有識者というものは全部関係をしておるのです。参議院議員に出ております廣瀬久忠、あるいは甲府地方裁判所長、甲府地方検察庁検事正というような方は、諮問機関として学校のこういうパンフレットの中に堂々と載っておるわけです。そのほか、山梨県の財界あるいは学識経験者というふうな人たちも関係しておることになっておるわけです。私も、文部省の意向というふうなものをかすかにいただきまして、そしてこの人たちに何とかあなた方は立ち上がってくれぬか、私のような立場の者が出ますと、学長のメンツというようなことがあって、なかなか応じないと思いまして、私はそういう点はいままで控え、そうして文部省の意向等も尊重しながら、こういう人たちとも接してきたわけであります。ところが、この人たちに言わせれば、私は判こを押しただけなんだ、何にも知らないんだというふうなことで逃げておられるのです。判こを押した押さぬでなくても、県民が山梨県内に数少ない大学の問題をこのまま放置しておくということは忍びないじゃないか、何とか出てもらいたいというふうにお願いをしたのですが、今日まで残念ながらそういうことが実現できなかった。いま、学生諸君のあせりもあります。それから、おそらく大学自体におきましても、何とか一日も早く解決したいという希望があると思います、どういうふうに考えておりましても。そういう点から考えれば、文部省には権限ないと言いますけれども、私はいろいろこの中に起きてきております問題を考えれば、文部省もしなければならない仕事を適切にしておらなかった、あるいは私学振興会においても、その適正な処置がとられておらなかった、育英会においても、ずさんとは申しませんけれども、手落ちがあった、そういう虚に乗じて今日の全国の私立学校の財政的な貧困というような、窮乏というふうな中では、私はこの大学のような問題がたくさん起きるのではないか、あるいは起きておるのじゃないか、というような問題から出てきておるとも考えられるわけで、皆さんにも一応の責任を感じていただいて、そうしてできるならば何らかの方法でこの際問題解決に当たってもらいたい、これが私のきょうの念願で、お願いをしておるわけです。  一つは、大学問題大学問題といままでこの国会でも論議をしてきましたけれども、こういうふうにそれぞれが責任がないとか、あるいはおれたちは気持ちは持っているんだけれども、そこへ手を出す、口を出す資格がないんだというふうなことでもって世間が手控えしておる。そういう中で両者の間にはますますみぞが出てき、そういう中から大学問題が起きるという、私は全国的な大学問題の生ずる一つのモデル的なものとも考える。これが問題にならないうちにそれぞれがそれぞれの責任を感じて対処したら、何とかなったではないかとも、この大学法を見るにつけ、私は思うわけであります。  そういう意味で、これからおもな問題を素材にして皆さんの御意見を承りたいと思うのですが、まず最初に大学局長にお尋ねいたします。山梨学院大学は、紛争校としての報告があるのですか、まだそういうものはありませんか、あるいはこれに該当しないのか、それからお尋ねをしてまいりたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 大学運営臨時措置法に基づく紛争校としての報告は、山梨学院大学からは来ておりません。

小林信一日本社会党

○小林委員 来ていないけれども、文部省としてはこれをどう見ておりますか。いまの実態からどういうふうに判断をしておりますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 山梨学院大学におきましては、現在封鎖、占拠という事実は確認されておりません。それから授業がやや不正常のようでありますが、これは前期の正課の認定をレポートによってやるという説明でございます。そういうことで、本日の時点で授業が行なわれていないようでありますが、そういう方法も正課認定の方法としてございますので、大学運営臨時措置法に照らして紛争校という判断は、私どものほうではいたしておりません。

小林信一日本社会党

○小林委員 文部省はかってに解釈をするというふうなことも言いたいのですが、しかし、山梨県の県民感情から申し上げれば、もうこれはりっぱな紛争校である、こういうふうに考えられるわけですよ。しかし、そういう場合に私が心配するのは、紛争校として報告されてきたような場合に、文部省があの学校にこの臨時措置法を適用して学長に権限集中をする。以下あの法律にのっとっていろいろなことが行なわれた場合にはどうなるか。山梨学院大学の実態もお考えになっておいでになりますから御判断できると思うのですが、もし紛争校として報告をされてきたらどうする。この法律を適用するかどうか。仮定の問題には答えられないとするならば、それでいいですが、どうですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 大学運営臨時措置法の紛争校の判断というのは、施設の封鎖、占拠あるいは学生による意思表示を持った授業放棄ということでございますので、それに照らして判断をいたします。そういう基準からすると、現時点での山梨学院大学は、紛争校に入らないのではないか、将来においてそういう事態が起こってまいりますれば、また別でございまして、その時点の状況によりまして判断いたします。

小林信一日本社会党

○小林委員 これは山中委員がこの臨時措置法の審議の中で質問をしたことがあるのですがね。その例として日本大学とそしてこの山梨学院大学を取り上げたのですが、紛争校としてまだ届け出がない、あるいはそういう判断を文部省当局もしておらぬというならば、それでおくよりしかたがないわけですが、しかし、授業というものは正常ではないわけなんですよ。短大は授業を行なっておるようでございますが、いわゆる大学は授業は行なわれておらぬ、こういうふうに私は見ております。  それから第二条の紛争校の規定の中に、ただ局長がいま言われただけの問題でなくて、「その他」とかいろいろあらゆるものを包括するようなことばがあるのですが、しかし、いまはそういうものは適用しないというなら、それでいいです。そこで、一体紛争校として見ておらぬと言いますが、どの程度に山梨学院大学の問題点をとらえておられるか、この際お尋ねいたします。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 山梨学院大学は、大学臨時措置法にいうところの紛争校、つまり学生による施設の封鎖、占拠それから授業放棄、しかもその学生によるというのが、学生が特定の政治的な目的、あるいは大学の改革の問題にいたしましても、大学当事者がとうていのめないような要求を掲げて、それがいれられない場合にストライキ、封鎖、占拠をやる、こういう現象をとらえまして大学紛争というぐあいに判断するわけでございます。そういう意味合いで山梨学院大学はとらえがたい、かように考えておりますが、一方山梨学院大学の問題として世間に報道され、それから私どもも調査したところによりますと、これはそういう大学運営臨時措置法の観点とは別に、本来の学校教育法なり教育諸法規に照らして山梨学院大学の運営を見ます場合に、きわめて問題が多いというぐあいに考えております。たとえて申しますならば、大学の教育というものは、大学の設置基準に照らしまして授業を行ない、その授業の実体を正当に評価して単位を与え、一定の条件を満たして卒業させる、これはもう当然のことでありますが、その当然のことが必ずしも山梨学院大学には行なわれておらない。授業の裏づけのない単位の修得が証明されておるというような、大学としてはきわめてまれなことが事実として行なわれておりますし、それから、たとえば夜間において授業を行なう学部というものを設置する場合においては、所定の手続によって認可を受けたる後やるのが当然でございますが、この大学においては、数年前から事実上夜間において授業が行なわれておる。それが成規の手続がなされておらない、こういう問題がございますし、それからこれは大学の運営とは多少離れますけれども、退学した学生の育英資金をその指導教官が退学の事実を隠して大学の厚生係を通じて育英会に請求をして受領しておったというような、大学として教育法規に照らした場合にはもちろん、常識としてもちょっと考えにくいような実態が起こっております。こういう問題につきましては、文部省としましても、当事者にしばしば来省を求め、説明を求め、大学側が事実を認めたものにつきましてはすみやかに是正を要望し、それからなお大学側と事実の判断に関しまして食い違いがある点につきましては、調査を続けておりまして、全体的に山梨学院大学の運営が法令に照らし、また良識にのっとって正当に行なわれるように強く要望いたしております。

小林信一日本社会党

○小林委員 私は、なるべくこの際、文部省が山梨学院大学に対して把握しているものをみんな聞きたいのですよ。と同時に、学生側の行動なり、あるいは学生側の思想というふうなものはこれは別ですが、そういうものに対しては、どういう見解を持っておるか、これも聞きたいわけです。できるならお願いします。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 詳細にということでございますと、以上申し上げましたようなことをさらに事こまかく申し上げることになるかと思いますが、その点につきましては、なおまだ現在調査不十分な点もございます。一応現時点までに明らかになりました夜間の学部の問題、あるいは実体の伴わない単位認定の問題、それによって起こっておる教育職員免許法違反の問題につきましては、文書をもって大学側に注意を喚起いたしております。その間において、大学当局のほかに、これは文部省で呼んだわけではございませんので、自発的に来られたわけでありますが、学生の方も何回か文部省に来られて事情の御説明があり、その学生側の主張も頭に入れて、大学側と対処いたしております。学生側に対する態度といたしましては、そういう大学の学生でありますから、実情を述べたいという者に対して、別に先入観その他なしに応対いたしております。私どもとしては、大学側にいたしましても、学生側にいたしましても、思想とか動機とかいう問題にはあまり立ち入らず、もっぱらそれによって引き起こされた客観的事態が、法令なりそれから大学運営の良識に照らして適当であるかどうかという角度から、ものごとをながめております。文部省に来られました限りにおいては、学生諸君の態度なりそれから事情の開陳は、平静で、別に不審を起こすような点はございませんでした。

小林信一日本社会党

○小林委員 大学側の問題点、これは私が別にこの際取り上げるということではないのですが、もっといろんなものがマスコミ等を通して、山梨県内ではあげられているのですよ。やはりそういうものを全部文部省がしっかりつかんだときに、学校側に対する判断も出てきたり、あるいは学生に対する判断も出てきて、何とかしなければならぬじゃないかという責任感というものが出てくると思うのですが、その一つを取り上げれば、文部省から出ておるのですが、補助金というふうなものははたして適正に支給され、あるいはそれが適正に使われておるかどうかというような問題も出ておりますが、そんな点では文部省はお気づきになっておらないかどうか。あるいは学部を設置するような場合に、文部省からも実地調査なんかに行かれまして、いろいろと関係をしておりますが、そういう場合なんかの大学の態度とか、大学の誠実さとかというふうなものについて、何か気づかれておることはありませんか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 後段の大学あるいは短大の設置の際の態度につきまして御説明申し上げますと、山梨学院大学はたしか昭和二十六年に短期大学として設置され、その後、学科の増設あるいは四年制大学の設置、学部の増設というようなことで、そのつど認可の申請があったわけであります。大学からそのような認可の申請がございますと、御承知だと思いますけれども、文部省におきましては、教育計画が基準に合うかどうかにつきましては大学設置審議会、それから学校法人の寄付行為の変更にかかる認可とそれから財政条件につきましては私立大学審議会に諮問いたしまして、この両審議会の答申を基礎にいたしまして認可するわけであります。この場合、山梨学院大学だけじゃなしに、一般に私学はなかなか財政的条件が苦しい関係もありまして、学部、学科等の設置の認可をする場合、必要にして十分なる要件を満たして問題なく認可されるというのは、どちらかといえばむしろ少なくて、なかなか当初の申請書では不備な点、不十分な点があって、実地調査その他の際の指導、助言によって改善を加えながら、基準に到達したものは審議会から可という答申を得て認可されるというのが例でございまして、山梨学院大学の場合には、どちらかといえば、そういう諸条件の充足につきまして難航したことが多いような記憶がございます。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間説明員 お尋ねの補助金の関係でございますけれども、三十九年度から四十三年度までに、合計いたしまして八百四十六万七千円の補助金が出ております。本年度は、まだ大学のこういう問題がございますので、補助金は出しておりません。その関係の監査でございますけれども、四十三年の六月に会計検査院の実地調査もいたしましたが、特別な指摘は受けておりません。また、私どもも、随時調査をいたしておりますけれども、いまのところ特別な問題は生じておりません。  山梨学院の法人の資産の関係を見てみますと、四十三年度の三月三十一日現在で、総資産額が二十億、それから負債総額が三億三千八百万。これは大学といたしましては普通の状態でございます。また、これは収支の状況でございますけれども、四十二年度の会計年度で、全体の規模が四億一千三百万。収入の内訳が、学生納付金二億四千万を含めまして一般収入が二億六千万、借り入れ金が一億四千万。支出では、消費的支出が一億一千七百万、資本的な支出が二億。そのほか債務償還費が四千万、翌年度への繰り越しが五千万というふうな状態でございまして、学校経営の面におきましては、格別不備な点はない、むしろ健全な経営がなされておるわけでございますけれども、そういう面から見ますと、教育、研究の関係につきましては、経営面の関係もございましょうが、なお積極的に努力してもいいというふうな面もあるのではないかと推察される程度のものであろうと思います。

小林信一日本社会党

○小林委員 いろいろこういう実態というものを、多少なり私側からだけでなくて、文部省側からお話しをしてもらって、だから事実ということになるわけですが、こういう大学に対して学生諸君――先ほど局長のほうからほんとうに一部でございますが、学生にはあまり問題ないじゃないか、学生の言うことは至当じゃないかというようなところまでの御意見があったように承りますが、そこで今度は大臣に承ります。  大臣が先日山梨県へ参りまして、大学法をめぐってだいぶ熱弁をふるわれて、山梨県内に相当な影響を与えたと思うのですが、しかし、私は静かに新聞とか、あるいはあなたはテレビで放送もされましたが、その中で、やはり大学法の問題よりも――何となくあなた自身も感じたのではないかと思うのですが、山梨県民は大学法ということよりも、山梨学院大学は一体どうしてくれるんだというふうな声が聞えたのではないかと思うのです。新聞等の取り扱いも、それに対するあなたの意見というものが大きく出ておりました。あなたも大学問題については、先ほども御質問があって、それに答えて、非常に熱心に取り組まれておるというように説明はされましたが、山梨県民の感情を申し上げれば、あそこへ来て、ああいう演説をされるなら、一足伸ばして――あそこへ大学学長も行ったはずです、会場に。あるいは学生もあなたに何かお願いしようとして行ったわけですよ。やはりあそこへ足を伸ばして――何か大学問題をいまの段階でもって解決しようというふうな、そういう為政者のいま要望があるのではないかと思うのですが、何か私はあの実態を見て、大臣せっかく来るならば、これほど県民が問題にしており、父兄も問題にしておるのですから、あなたがあそこでひとつ調査なりあるいは意見を聞くなりしてほしかったと思うのですよ。そういう点で、どうも文部省の熱意というふうなものが実際においては足りないというところから、大学問題というのはいつになってもらちがあかない。やがては警官導入というふうな措置の中で解決をしなければならぬ。だが、それを、この法律が出たからだというふうなことで大臣が喜んでおったら、私は非常に筋違いだと思うのですよ。そういう気持ちを込めて大臣に、いまのような局長お二人が説明した中からも、文部省としては、一体この山梨学院大学の問題をどうしなければならぬか、御意見を承りたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 この山梨学院大学の問題は、ただいま局長からお答え申し上げましたとおり、また私どもも全然無関心でおるわけではございません。非常な関心を持ってできるだけ早い機会に山梨学院大学が正常化をして、そうして正すべきところは正し、改めるべきところは改めて、一日も早く大学側と学生側とが信頼関係に基づくような形において正常な授業が行なわれるというようなことを望んでおるわけでございます。     〔委員長退席、河野(洋)委員長代理着席〕 でございますから、ただいま局長からも申し上げましたように、ごく最近ではございますけれども、大学側に対しまして、指導と助言とを与えておるようなわけでございます。もちろん小林さんもしょっちゅう私どもに御注意がございますように、単に権力的な形だけで紛争というものが解決するものでないことは、もちろんでございます。しかしながら、ものを言わなければならぬときにははっきりものを言わなければならぬし、指導、助言すべきときには指導、助言すべきであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。しかし、それにいたしましても、やはりわれわれのほうで十分に事情を把握し、実態をつかんで、それからやらなければいけないということが大事であります。同時にまた、その設置されておりまするところの住民の方々、あるいはいろいろ御心配を願っておる方々の御協力のもとに問題の解決が収拾に向かうということが大切だと思うのでございまして、私どもといたしまして、いませっかく努力をいたしておるところでございます。また、小林委員も仰せになりましたように、自分はどちらかというと表面に立たないけれども、裏では非常によく理解し、また何とかしなければならぬというように意欲を燃やしておられることも私ども承知いたしておるわけでございまして、関係者一同が一体となりまして、この問題の解決に向かいたい、このように考えておる次第でございます。     〔河野(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

小林信一日本社会党

○小林委員 大臣、それは気持ちであって、もう二カ月前にこの委員会で、私はそのごく一端に触れて文部省の善処をお願いした。もちろん文部省にも、これは権限の制約というものがありますから、そういうことだけではできない。やはり一坂田個人というプライベートな立場ででも、私は何かこの問題の解決の方向を見出すことをやってくれないかというような気持ちでいたのですが、二カ月たった今日、同じような御意見を承ることは、非常に私残念だと思うのですよ。私はもちろんあの学長の――御承知のように、ほんとうに自分の独力で、何もない、私財もない、資金もない学長が、自分の力一つでもって、局長の先ほどお話しにありましたように、二十何億という財産になる大学の基礎をつくってその経営に当たっておる、その信念的な、また努力的なものに対しては、私は非常に尊敬しておるわけですよ。これは山梨県民全体が認めているわけなんです。だが、その経営――あなたも新聞を通して聞けば、経営がずさんだ、あるいは簡単に文部大臣があれはなっていないんだというふうなことも新聞には率直に出されまして、全部ひっくるめてなっていないと言うことは、これは非常に遺憾だと思ったのです。やはりああいう場合には慎重に、学校をつくることについては敬意を表するものがあるけれども、一方経営面では云々というふうなことばでも出してもらわなければ、あれでは一切葬ってしまうような形で、学長もおそらく大臣が学長を救ってくれるのではないかというふうな期待もあったと思うのですが、あの一言がかなり学長には響いておるのではないかと思う。しかし、そういうふうに葬ってはいけない。学生諸君も、私はこんなところで言っていいかどうかわかりませんけれども、私どもはやはり、あの学長を、理事長もやっておりますが、全部学校から追放してしまうなどということは考えない。自分たちのいまの気持ちは、あの学校を出た者は、週刊誌でもって紹介されて、世間が史上最低の大学だというような印象を持っておるので、私は山梨学院大学の卒業生でございますといって出られない、あるいはこれから新たに大学に入ってくる者が来ないだろう、そういう学生の将来とか学校の将来とかというようなものを考えて、学生諸君は何とかもう少し信頼される大学にしたい、これが学生諸君の気持ちです。だから、突き詰めて私は聞いたんです。あなた方はどこまで要求するのか。やはりいまのところは学長に退陣をしてもらうということが最も望ましいことである。しかし、理事長にとどまるということについては、私どもは決してこだわらないというところまで学生諸君は考えておるわけなんですね。だから、学長の一面、そういう面もわれわれは尊重しながら、この際――いま世間の、第三者の見る大学はここじゃないか。ほんとうに学生諸君も楽しんで勉強できる、卒業した者も世間からりっぱに卒業生として認められるという方向で、何とか解決すべきだというふうに、だれかがあの学長に説得をする者があったら、私はこの際問題が解決できるんじゃないかと思う。学生諸君は、一日も早く授業を再開してほしい、こういうことを私には切に訴えているわけなんです。私が一番最初、危機だと、こう申したんですが、もしこの状態がさらに膠着して解決できなければ、どんな状態になるか、私は非常に不安を感じておるんです、いろんな動きを見ておりまして。だから、調査をしてとか、経緯を見てとかというふうなことでなく、この際は文部省に、もし力とか責任とかというものを感ぜられるなら、この際私は具体的な方法をとって出てもらいたいと、こう思うのです。私のほうから大学がどうだということを申し上げたのでなく、局長が調査したいま二、三の問題を見ても、全くこれでは問題だと思うのです。またいずれあとで大臣にそういう点で新たにひとつ考えてもらいたい、こう思うのです。  そこで、先ほど管理局長がそういう財政面では問題ないと言っておられたんですが、これがいまやはり大学不信の――これは学生じゃないんです。周囲の大学不信の大きな問題になっているんですが、一つ取り上げてみますと、昭和四十一年九月二十五日、二十六号台風がありましたが、これに対して学校側から被害状況が報告をされ、これを調査して、これに対して文部省を通して国の金が行っているように聞いておりますが、これは事実かどうか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間説明員 御指摘のように、昭和四十一年度、私立学校建物その他災害復旧費補助金というものが大学に支出されておりますけれども、そのうち建物の補修費が七十一万八千円、工作物が五十三万八千五百円、設備が十一万六千五百円、設置者の事務費が一万三千六百円、合計で百三十八万六千円が支出されております。  なお、災害復旧に関しますいろいろな査定につきましては、文部省側と、それから大蔵省の出先でございます財務局側とで立会調査をすることになっております。そこで立会調査をいたしまして査定をするわけでございますから、私どもは、この補助金につきまして、具体的な決定につきましては大学側はむしろ除外されて、文部省と大蔵省との間で実質的に査定がされ、それに基づいて補助金が出されているというふうに考えている次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 局長は、その当時は局長じゃなかったわけでしょう。だから、一応形式的にお答えになっていると思うのですが、このときに実地に調査された人がだれだか御存じですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間説明員 実地調査に参ったのがだれかは、私は存じません。ただ、実地調査に参ったという報告は受けております。

小林信一日本社会党

○小林委員 これは私が、その学校で職員をしておりました人から聞かされたのです。私のほうで尋ねたわけではない。経理面でもこういう問題がありますよ、私はいつかそういうことは当局に知っていただきたいと思っておったというふうなことで話されたのですが、その人の話とあなたの答弁とを比べれば、これは全然問題にならない。まことにあなたのほうの答弁では正当であって、一方実際立ち合っている人の話を聞きますと、これまた全く話にならないのですよ。だから、いま局長をつかまえてその問題をどうこうするということは問題だと思うのですが、簡単に聞いていただくなら、いま百三十八万六千円と言われておりますが、二百七十万円が交付をされた。それが二分の一が現金で、二分の一が貸し付け金であるというふうに出ております。これは私学振興会のほうとも関係があるかもしれませんが、一応金額はそういうふうに出ておりまして、百三十八万六千円とは違うのですが、この点、おわかりだったらお聞かせ願いたいと思うのです。  そしてこの立ち会っております職員の方の説明では、十郎川という例の河川をかってに学校側の独断で改修をして、これまた警察問題になって、まだそのことは未解決だと思うのですが、これもやはり今度の問題にからんで論議をされていることなんですが、その川がはんらんをして校舎が六、七十センチ水につかったそうです。したがって、被害というものは柔剣道室の畳が九畳ぬれただけである。だが、それをいろいろな方法でもってこういう被害があるというふうにこしらえて申請をした。それからいまお話がありましたように、文部省の事務官、それに大蔵省の関東財務局、こういうほかの官庁からも立ち会って現地を調査に来た。そのときに台帳を見せろと言ったら、学校には台帳がない。いわゆる大学には台帳がない。そこで、当時家政学科を設置しようとして申請を用意しておった、そのほうの予定される帳簿を持ってきて見せた。こんなことまで話に出ているわけですよ。それからその実地調査に、これは宮地調査団と、こう書いてありますが、まさかいまの宮地初中局長じゃないでしょうね。そういう時代があったかな、四十一年。大学局長だった時代があるね。(「管理局長」と呼ぶ者あり)管理局長か。そうして、これに加えて、そのお三人が、その晩はどこへ泊まって、そうしてあしたはまっすぐ東京に帰ると思ったら、ほかのほうへ帰ったというようなことまで詳しく報告されているのです。これは責任をもって私はお答えしますという人のことばなんですが、そういうようなものが、やはり大学問題にはからんで起きてきているわけです。やはりそういうものが一般社会に流布されれば、ますます大学の信頼というものが失ってくるわけで、非常にそういうことは残念だと思うのですが、しかし、そういうことが起きてくるものは、大学側だけの責任じゃないと私は思います。そういう場合に、最もその監査あるいは実地調査というふうなものを厳重に行なっていかなければならない官庁のほうの私は責任があると思うのです。そういう点について、いまの局長でございますから詳細にお聞きすることはできないのは残念でありますが、これは一つの台風災害で出てきた問題でありますが、いまの金額なんかは、できるならば、私学振興会等も関係があったら、お答え願いたいと思うのです。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間説明員 補助金の金額につきましては、先まど申し上げましたように、百三十八万六千六百円でございますけれども、そのほかに、四十一年度に、災害復旧費として私学振興会から貸し付けました金額は、二口ございまして、一口が百八十万円、一口が百三十万円、合計いたしますと三百十万円というふうな金額になっております。

小林信一日本社会党

○小林委員 それは何で貸したのですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間説明員 私学振興会の災害復旧のための貸し付け金でございます。  それから、再度申し上げて恐縮でございますけれども、災害復旧につきましては、これは実態調査をいたしますので、最も認定の確実な補助金であろうと私ども考えております。先ほど宮地という名前が出ておりましたが、おそらく助成課長をいたしておりました宮地貫一のことであろうと思いますけれども、公立学校を含めまして災害の調査に参ったというふうなことであろうと思いますが、もちろん宮地は大学に関係ございませんので、その関係の調査はいたしておらないという実態でございます。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○岡田参考人 ただいま振興会のことに関係いたしておりますので、この際お答え申し上げます。四十一年六月四号台風がございまして、その際に、大学並びに短大に被害があったということで、損害額は四百万円という報告が来ております。そうして振興会といたしましては、百八十万円の貸し付け金をいたした次第であります。  それから、さらに同じく四十一年九月に二十六号台風がございまして、その際にも被害がございまして、そのほうは、特別災害でございますので、国庫補助金がございます。先ほどの局長の御答弁のとおり、国庫補助金は百三十七万三千円であります。この際の被害額は、二百七十四万になっておった次第でございます。それで、振興会からは百三十万円の貸し付け金をいたしたわけであります。これは、法律の規定によりまして、国庫補助と同額以内の貸し付けをするというふうになっております。なお、振興会といたしましては、県の文書学事課のほうの詳しい調査に基づきまして、その進達がございまして、その際にいろいろ詳しい書類もつけて、写真等もつけてございまして、それによりまして確かに災害があったと  いうことを認定いたしまして、そうしてただいま申し上げたような貸し付け金をいたしたわけであります。

小林信一日本社会党

○小林委員 管理局長のほうにお尋ねいたしますが、何か引き継いだ書類に、完了報告ですか、実際その始末をしたという報告書というものは出てくるんだろうと思いますが、そういうものは提出されておりますか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間説明員 手元に資料がございませんが、当然これにつきましては報告書が出てまいっているはずでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 局長、すみませんが、それはひとつ、写しでけっこうですから、こちらへ出していただきたいと思うのです。そういうものをまた、私は、学校側がそういうふうに誹謗されることも、これまたかわいそうですから、そういう誤解をしておる人たちに立証できるようにしてやろうと思うのですが、しかし、いまの私立学校の事情からすれば、必ずしもあなた方の考えるように甘いものではないと思うのですよ。それから、私学振興会のほうにいたしましても、実地調査をして貸し付けをする。実際その金が適切に使われておるかどうか、こういう点を私は厳重にやらなければいけないと思うのです。そういう中で、政府から出される金あるいはそういう大学が申請をする金というものをめぐっては不正はないというふうにしなければ、学生がいつになってもいまのように大学不信というものがあとを絶たないと思うのです。私は、そういう点で山梨学院大学の問題を取り上げましたけれども、私学振興会並びに文部省当局というものがもっとその点は厳正にし、清潔にしなければいけないと思うのです。たまたまさっきお話しをしましたように、その晩はどこへ泊まって、そうして学長をはじめその接待に出た。あした東京へ帰ると思ったらほかのほうへ行ったというふうなものが尾ひれをつけて出れば、政治というものはそういうものだろうというふうなものはありますけれども、事大学の問題に限って、そういうものを今後なくなしていかなければいけない。これが大学当局も、また、これに関係する官庁その他も、心しなければならぬ点だと思うのです。私は、昔、この大学に対して私学振興会が金を出して、そうして世間におもしろい話題をつくったのを覚えておりますけれども、そういう事例もある点から、世間が必ずしも正しくやっても正しく見ないというふうなところがあるわけですから、私は、その点は御留意願いたいと思います。  次に、免許の問題について先ほど局長がお話しになりましたが、これも私は調べてみたら、こんなことをいつまでもほうっておくのか、免許法なんていうものは一体何の役をするんだ、それでも文部省はいいのかというふうな憤りまで感じたわけですが、まず第一番に、この学院大学を卒業した四十三年度の卒業生ですが、四十九名の学生の保育科を卒業した者に、これは何の免許ですかね、免許状を与えておりますが、これを中をこまかく調べておったら、結局、これはもう山梨県のいわゆる県がずさんな仕事をしておったということに結びついたわけですが、二年制の短期大学が生まれて一年しかたたないのに、その卒業生に二年を卒業したという資格でもって免許が下付されておる。その下付するのは、いまは教育委員会ですが、去年の九月まではこれは県当局がやったわけですね。自分の県の大学で、設置されてまだ一年しかたっておらない、にもかかわらず二年を卒業したという資格でもって免許が与えられておる。これはやはり知らないでやるのでなく、免許というものは大学とあるいはそれを下付する者との間のお互い了解する中でもってでたらめに処理されておる、こういうふうに判断してもいいと私は思うのですが、どうですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 ただいまお尋ねの件は、山梨学院の短期大学のほうの問題だと思います。四十三年三月に、この短期大学の保育科を卒業した者四十九人に対して、幼稚園教諭二級普通免許状が出されております。免許状の授与は、御指摘のように、大学の単位修得証明書によりまして、授与権者が、当時は都道府県知事でありますが、授与するわけでありますが、この学校は四十三年には卒業する者はあり得ないわけで、要するに短大設置以前の保母の養成施設の在学年限を通算して証明書を出したわけであります。これは教育職員免許法に照らしますと、明らかに事実であれば違法でございます。事実調査の結果、大学もその事実を認めておるので、この免許法に伴う免許状授与処置は無効ということになります。そこで山梨県で、現在は授与権者は教育委員会になっておりますので、事態を確認し、近く無効処分をする予定になっております。

小林信一日本社会党

○小林委員 私は、その経緯を聞いているんじゃないのです。そういうことが行なわれる、これは文部省として黙っていることはできないでしょう。文部省では今後そういうことについてどういうふうに対処して、そういうものがないようにするか、これがいまの課題だと思うのですよ。そういうでたらめのことをやっているということがわかって、その学校にいま在学している人たちが黙っていられるかどうか。その罪をつくったのは県側とそうして学校側ですが、そういうものが横行することを文部省が黙って見ておる。――黙って見ておったわけじゃないが、それを見のがさなければならぬような事情にあるとするなら、ここがどういうふうに是正されなければならぬか。いまの問題は、本年度教育庁にその仕事が移った後、四十四年度の卒業生の扱いの中にも、十一名そういう該当者があります。これは私が調べたのですが、全くもう教育庁のほうの目の届かない状態で行なわれるわけで、たんねんに調べればそういうものが出てくるわけですが、全くもういかんともしがたいということで、教育庁では非常に残念がっておりました。が、それ以前の四十三年度に行なわれたものは、これはもう明らかに県とそうして学校側とがぐるになってこういうことをやっておるといっても差しつかえないと思うのですよ。それが監督官庁である文部省としては、ただいま無効を官報へ載せて云々ということで処置をされるというのですが、それだけじゃ何か私どもはもの足りない気がいたします。もちろん山梨県としましては、教育庁のほうで大学側と折衝して、いまかりにこういうことが許されるならば、臨時免許状のようなものを出して、そうして無効にしてもなお現職にとどまれるようにして、そうして足りない単位を何らかの方法でとらせる、しかもその費用等は一切大学側が持つというようなことで解決をされたようでありますが、こういうものが許されておったという点は、やはり私は両者だけでなくて、監督官庁の文部省にも責任があったのではないか。そういう反省の中から、ただいまの免許状の問題を解決するのでなくて、学校全体の問題をこの際一日も早くもとに復するように大学側も文部省側もつとめなければならぬのじゃないかというように考えるわけでございますが、大臣、その実態というものをひとつ御考慮願いたいと思うのですよ。これは単に四十三、四十四年度にあっただけでなく、法学部を卒業した者が中学校、高等学校の免許状をもらっております、これは数は少ないのですが。しかし、あの学校では、みな社会科の免許状をもらっておるのですが、地理学の単位がとれないはずなんです。それをとらなくても免許証が下付されるのかどうか。その経緯等も私は詳しく聞いてきたのですが、やはりこれは県庁の中のある人間と大学の学長がぐるになってそういうものを認可してしまうことが、いままで行なわれておったわけです。こういう法学部のほうの免許状の問題で、聞いてはおりませんか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 山梨大学の四年制の大学の法学部のほうにつきましても、御指摘のように実態の伴わない単位修得証明書によって中学校並びに高等学校の社会科の免許状を取得して、教員になっておるという事実がございます。これにつきましても、実体が伴わないわけでありますから、免許状としては無効になるということでございまして、短期大学の場合と同じような措置がとられることと思います。なお、これによって実際にその免許状を得た者、特に就職しておる者につきましては、身分上の問題が起こります。それにつきましては、先ほど御指摘になったように、大学としても大学の費用と責任においてあとで単位の補充をする。それからさしあたり雇用者のほうにはお願いをして、これは免許状の関係でたとえば助教諭になるというようなことはやむを得ないにしても、それ以上著しい不利をこうむることのないようにしていただくというような話をした上で、免許状につきましては法律に照らした処分をするということにいたしておるわけであります。これに対して、文部省としては現行制度上は関係者に対して厳重注意をするという以上のことばなしがたいわけでございますが、その点につきましては、最近、大学の運営全般につきまして注意をした際に、この免許状の問題につきましては特に強く注意をいたしております。

小林信一日本社会党

○小林委員 もう一言お聞きしたいのですが、一体こういう不正の行なわれておったのを発見したのは、だれなんです。指摘したのはだれなんです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 どこからこういうことがわかったかということは必ずしも明らかでないのでありますが、動機としては、新聞にこういう事実があるのではないかというのが報道されて、関係者が調べた結果、以上のような事実が判明したという経過のようでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 そこで、大臣、考えてもらいたいのは、学生も自分は卒業さえすればいいというような気持ちでおる間は無難ですが、こういう不正が行なわれていれば、黙っていることができない。だから、それを是正せよ、そういうものが根絶やしされるような措置をとってもらいたいという声を出すのは、私は当然だと思うのですよ。だから、必ずしもいまの大学問題というのは、学生が悪い、学生が悪いと言ってはいけないと思うのですね。こういうものをほおかむりをして、県もあるいは大学という当事者もあるいはその監督官庁である文部省も、知らなんでいる。そういうのがまかり通っておるいわゆる既成社会に対して不満を持つ、そういう点をやはり私は理解をしなければいけないと思うのですが、特にこの大学等は、そういうことを自重して、何とか改善、改革をしてほしいというのが、大学の学生諸君の気持ちであるわけです。  そこで、同じようなことが国学院大学にもあったということを、私はこの前指摘したはずです。こまかく申し上げれば、神道研修部というのがありますが、この神道研修部というのは、決して短期大学の中にも入っておらない。何か一つの独立したもので、認可を受けておらないものですが、そこを出た人たちが四十二年に二十七人、四十三年に十七人、四十四年に八人、この人たちは資格はもらったけれども教職員にはなっていないが、国語の中学校の免許証をもらっている。これは法的に許されないものですが、やはりこういうものがほかの大学にもあるのですね。こういう点を考えれば、必ずしも山梨学院大学だけでなくて、所所にあるということをこの際知っていただきたいと思うのです。まだもっと認識を改めていただきたいものがありますが、略します。  そこで、そういう経緯を警察庁の方、どなたですか、聞いていただいたと思うのですが、先日この大学に機動隊が、機動隊のかっこうはしなかったけれども、刺激をしてはいけないというので普通警官の服装で入ったそうですが、その入られた理由を私はこの際明白にしてもらいたいと思うのです。その前に、大体この大学の実態というものが、ほんの一端でありますが、いまの質疑応答の中でおわかりになったと思うのです。学生に対する判断も文部省なりのものが出ましたが、警察のほうでは、大学をどう見ておるか、学生をどう見ておるか、やはり一応そういう根拠があって警官の導入というものがなされたと思うのですが、どういうふうに判断をされておりますか、お聞きいたします。

三井脩警察庁警備局参事官

○三井説明員 ただいま御質問の点でございますが、種々御指摘のように、この山梨学院大学当局に非違の点がございます。警察といたしましてはその背景等も考慮いたしますけれども、具体的に起こってきた事案、これが刑罰法令に触れるというような場合に措置をするわけでございますが、ただいま大学当局側の法違反の点につきましては、それぞれ捜査をいたしまして、すでに完結し、検察庁に送致したものもございますし、また目下捜査をしておるというものもあるわけでございます。  機動隊出動の点についてのお尋ねの点は、九月十二日に起こった事案で、この際に機動隊が出動いたしまして、団体交渉を要求して学長室前にすわり込んでおる学生数十名を排除したという事案でございますが、その前にも、この大学では深夜突然大学に侵入をいたしまして守衛を縛り上げていろいろ乱暴を働くというような事案もあり、この点につきましては、それぞれ捜査を遂げて、これも検察庁に送致いたしておるわけでございます。九月十二日の点につきましては、当日団体交渉を要求して数十名の学生が学長室前にすわり込んだ。これにつきましてこの大学学長から警察に対する出動要請が何回かあったわけでございます。ここの大学では、学長がその他の場合でも、それ以前におきましても、しばしば警察側に対して一一〇番で出動を要請する。よく調べてみると、これは実は何にもなかったので、大学側の電話の交換機が接続しなかったために大学に対して夜連絡がつかなかった、それがだれかに襲われておるので出動してもらいたいというような、いわば誤認に基づく出動要請というようなこともあったりして、そういう点で、警察としても事が大学紛争であります点も考慮いたしましたけれども、事実関係をよく確認した上で慎重に措置をするという態度で、当日午前十一時ごろからそういう事案があったわけでございますが、まず幹部を派遣をして実情を確かめさせる。大学の学長側に対しても自主的、平和的な解決に努力をしなさいということを言い、またすわり込んでいる数十名の学生に対しましても、平和裏に話し合いをするように、また学長を最終的に退去させないということになりますと、これは監禁の容疑も出てまいりますので、そういうような点について配慮をするように申し伝えたわけでございます。その結果、どうしても本日は学長と団交を要求して、いかなることがあっても自主的には退去をしないという学生側の言い分でありましたので、初めは私服員十一名によりまして説得等の措置をとり、最終的にはただいま御指摘のように機動隊を中心とした三十五名の制服警察官を出しまして、学生の一部を排除して通路をあける、それによって学長が監禁状態にならずに退去することができた、こういう事案でございます。  ただいま御指摘がございましたように、この大学につきましては、いわゆる過激派の学生が学外あるいは学園内で全国あちこちで過激な行動をやっておるわけでございますけれども、この大学はいわゆる過激派のたとえば中核といったような勢力も若干ありますけれども、これは全学闘争委員会、全闘委を結成して行動しておる一部でございます。ただいま御指摘の大学学長との団交を要求してすわり込んだというのは、自治会が主体でございまして、御指摘のような過激派の学生との関連は特にはない、いわゆる自治会の学生一般であるというように考えておるわけであります。警察といたしましては、学園内の紛争がどのように発展していくかという点につきましては十分の関心を持っておりますが、具体的に警察的措置をいたしますには、やはり具体的な刑罰法令違反の状態が発生しそうであるとか、あるいは発生したとかというような具体的事案をとらえて措置をしてまいるわけでございます。この学院大学の状況が御指摘のようにいろいろ複雑なものを持っておりますので、この点につきましては特に慎重な配慮をして措置をしようということで、甲府署長以下、学長側の要請等につきましても、事実を十分確認した上で、できるだけ私服員だけで措置をするとか、説得によって措置をするとか、最終的にはやむを得ない場合に機動隊を出すということで、わずか少数の制服部隊でありますけれども、これを出して措置をしたということでございます。そういう点につきまして、今後ともこの種問題につきましては慎重に措置をしてまいりたいというように考えている次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 お伺いしてわかったことは、重大な事態になってはいけないから、そういう判断で警察官を導入した、こういうふうに承ったわけでありますが、それでいいかどうか。いまの事態からいえば、私は学長は学生をいわゆる暴力学生に仕立てたくてかなわぬのだと思うのです。だから、警察導入ということを再三にわたって要請しておったということは、私も聞きました。しかし、警察当局も、いまお話がありましたように、その事実を確認すると、たいしたことじゃない。そこで出動はしなかったが、とうとう出動したわけです。結局、世間へ与えた印象というのは、やはり山梨学院大学の学生も、いよいよ機動隊が入るようであるから、これは暴力学生だろうというような、学校側が計画しておるようなものに受け取ったと思うのです。したがって、私に言わせれば、警察がまんまと学長側に利用された、こう言ってもいいと思うのですよ。なぜなら、私が県警本部長に伺いましたところ、学長はお葬式か何かあって、どうでもそこへ行かなければならぬが、いま学生が廊下にたむろしておって出られないから、出してくれ、こういうことで行きましたと、こう言うのですよ。その中には、あなたもおっしゃるように、多少重大な事態が起きるかもしれないというふうなものもあったかもしれませんが、そんなことで軽々に警官というものが動いたら、私はたいへんだと思うのです。幸いにして私はそのときすぐ参りまして、学生諸君の気持ちを聞いたのですが、もう激怒というのか、何で警察官がわれわれを一人一人ゴボウ抜きにして、そして階段から突き落として――大体私の見たけころでは五十人くらいは、小さいかすり傷まで加えて傷を受けておりますよ。そして、警察官が自分たちをほんとうに一般暴力学生と同じにするのか、これまで隠忍自重してよい学校にしようという気持ちを持っておるのに理解をしてくれない、そういう憤りを持って、そのときに集会か何か開いておりました。しかし私は、だからといって、君らがここでもってそれに乗ぜられて、ゲバ棒を持ったり鉄かぶとをかぶったりするようになったら、君らの希望というものは実現しないぞ、世論は離れていくぞ、警察はどうであろうとも、まだ隠忍自重しなさいというふうに、私は学生諸君に言った。それを聞いてくれたかどうか知らぬけれども、以来まだそういうものに対するあのときのような気持ちを出してはいないのですよ。県警本部長の話を聞いても、ここで言っていいかどうか知りませんが、全く困ったものだ。しかし、再三にわたって要請され、現にそういうようなものも、確かにあなたのおっしゃるように、私服の警官が行って、何とか円満解決できないか努力したけれども解決できないという報告を受けたから出たとは申しますけれども、必ずしもあなたがおっしゃるような気持ちでもって警官が出ておらぬです。行きたくない、行かなくてもいいんだというくらいの気持ちでもって出ておるのですよ。あなたがそういうふうに理由づけをしてしまうと、学生諸君はまたそのときのような気持ちになるんじゃないかと思うのですけれども、とにかく警察官の行動というものは、その大学の実態あるいは学生の実態、こういうものをしっかりつかんで善処しなければいけないと思うのです。けがをさした者はないなんていいますが、かなりひどいけがをされたほど、やはり扱われるのですよ、ああいうときには。山梨県の機動隊は、そういうことになれておらぬから、やはりそこへ派遣をされれば、同じような仕打ちをしてしまう。私はあとで言いましたが、もしどうでも学長が面会をしない、学生諸君と話をしない、そしてどうでも外へ出なければならぬというなら、警察官が三十五人行ったのですが、その中の五人か六人が学長を取り巻いていけば、私は通してくれたんじゃないかと思う。多少そのときに抵抗があっても、そんな問題は起きないんじゃなかったかと思うのです。私はそこは見ませんが、テレビでもって映されておるものを見れば、学生が廊下の両わきにずっと並んですわり込んでおったわけで、それほど危険性というものはなかったと思うのですが、そういう点の処理に私はもう少し反省をする必要があるのじゃないか、こう思っておりますが、もう一ぺんその点でお伺いしたいと思うのです。

三井脩警察庁警備局参事官

○三井説明員 当日数十名の学生が団体交渉を要求いたしまして、学長室前の廊下等にすわり込んで学長の退出を妨害するという事態であったわけでございます。その点につきまして、先ほど申しましたように、できるだけ学長が学生と話し合って、本日会うことができぬなら日を改めて会うなり、学生と話をしなさいということをよく言いました。その点につきましては、学長は学長室の窓をあけて学生の代表と二、三話をしておったようでございますけれども、話がまとまらないという状況でございました。警察といたしましては、幹部の警備課長を現地に派遣をいたしまして、学長側のそういう態度、並びに学生側に対しましても、どうしても学長が出るという以上は通路をあけてやるようにという点を申し述べたわけでありますけれども、先ほど申しましたように、本日は一切動かない、団体交渉をやるまではのかない、こういうようなはっきりした態度でありましたので、これではやむを得ないということで、通路にすわり込んでおる学生を引き抜き、排除をするというようなことになったわけでございます。この点、警察といたしましてもできるだけ事態を円満に処理するとともに、万やむを得ずいわば実力規制をやります場合につきましても、最小限度の範囲で事態に応じた規制というように心がけておるわけでございます。当日の状況といたしましては、そういうような点につきまして、午前十一時から始まりました学生の団交要求に対しまして、ただいま申しましたようないろいろの手を打ちながら、警察官が実際に実力規制を始めましたのは午後五時ごろでございまして、その間警察としてもできるだけの努力をいたしたというような状況でございます。なおまた、それ以上学生が退出をしたいという学長を実力で最終的に阻止をするということになりますと、これはまた不法監禁ということにもなりますので、こういうような事案の発生を防止するというような角度から、必要最小限度の警察措置をとったというように考えておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 そうすると、学生を排除する場合、これはあなたの説明を聞けば、やはり学生側も悪いんだ、こういうきめつけ方になるわけですね。何か家宅侵入とかというふうな理由でもつけなければ、学生を撤去できないと思うのです。ただ将来不法監禁とかいうようなことになりはしないかという予測だけでは、私は警察権の乱用だと思うのですよ。あるいは警察がそこに行ったからそういう事態になったので、警察が全然行かなかったならば不法監禁にならなくて、いままでのあすこの学生の性格からすれば、学生がそのままきょうはしかたがないわといって学生自体の発意で退去する場合も、私はあると思うのです。これは絶対にこの学生諸君は動かない、やがて監禁になるというふうなことを想定することは、少し行き過ぎじゃないかと思うのですね。それまでの学生の行動なりあるいは学校側の態度なりというものが、先ほど来ここでもって話し合いをしておるような状態でありますからね。そういう点では遺憾だったとは思いませんか。これは至当だと考えておいでになるのですか。

三井脩警察庁警備局参事官

○三井説明員 ただいま申し述べました事案につきましては、警察官職務執行法五条に、制止の規定があるわけでございます。つまり人の身体の自由等をはばむということになりますと、これは犯罪であり、こういうような事案を警察官が制止をすることができる、こういうことになるわけでございます。団体交渉を要求するに至る経緯等につきましては、御指摘のようないろいろな事情があるという点につきましては、私たちも承知をいたしておりますけれども、具体的な場合に学長であれだれであれ、身体の自由を拘束される、つまり室を出たいという人が物理的に出られないような状態になりますと、身体の自由を拘束するということになりますので、そういう事態の制止につきましては、警察官職務執行法によってわれわれとしては措置をするということになるわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 そういう場合に、そのことが将来どういうふうに学生に影響するか、あるいは両者の間にどういうみぞをつくるかということは、警察は考えなくてもいいというわけですね。そのときだけの判断でいいというわけですね。私は、そこを大学問題については考えていかなければいかぬじゃないかということを先ほどから中心にお話をしてきたのですが、そういうふうに簡単に解決されれば、しかたがないわけです。しかし、承知はしてくださいよ。あなた方がそういう気持ちを持っておれば、学生というものはよけいな刺激を受けるのじゃないか。あとでもってテレビで出ました学生は、決して私はほかに見るようなそういう暴力的行為じゃないと思うのです、これじゃほんとうに学長をいい者にしてしまって、おれたちを悪い者にしてしまうじゃないか、それが警察かというふうな気持ちだと思うのですが、パトカーの前へ出て、パトカーが行こうとするのを一人の学生がとめているのです。私はそれは単なる暴力をふるうということでなくて、警察に対する一つの何か反撃というふうなものだと思うのです。そういうものがもし不用意に集団的なものになれば何が起きるかということも私は考えなければならぬのが、いまの学生を扱う態度じゃないかと思うのです。どっちかというと、山梨県の県警のほうがもっとそういう点については深い考えを持っていますよ。あなたのほうが、きわめて一般的に問題を解決しようというふうな傾向だ。実にこの点では山梨県の警察は慎重を期しておったのですが、あなたのような方が中央におられて指令を出すと、問題を処理するのでなくて、かえって紛糾をよけいに激化させるようなことになるとも、私はいまのことばの端からは感ぜられるのです。  参考人の方がおいでになっておってまことに申しわけないのですが、私は先ほど申しましたように一つ一つの問題を究明するのでなくて、お互いにこれに関係しなければならない方たちは、いまのような問題を責任を感じていただいて、そして善処していただきたいということなんです。したがって、私学振興会のほうには先ほどの御質問で私は終わらしていただきますが、ひとつ育英会のほうにお尋ねいたしますが、山梨学院大学にあったような、その中の教授が学生に渡るべきものを自分のふところへ入れてしまってごまかしておくというようなことは、これは間々あることですか、そういうことは常に行なわれておるわけなんですか。

妹尾茂喜日本育英会理事

○妹尾参考人 私、育英会につとめまして三年余りになりますが、今度が初めてでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 この一つを向こうの警察庁の方も聞いていただきたいと思うのですよ。そういう、いま育英会のほうから前古未曽有なことだ、そういうものが学校に行なわれておる。それでもあなた方は、結果的には学校側に味方をしなければならぬかどうかということをお聞きしたいのです。どうですか。

三井脩警察庁警備局参事官

○三井説明員 最近、いわゆる過激派の学生が学園内であるいは学園の外、街頭においてゲバ棒を持つ過激な行動をやっておるわけでございますが、これが暴力であることはだれの目にも明らかでございます。しかしながら、これが長い間続いておりますために、あれだけが暴力であって、あそこまで至らないものは暴力のないというような傾向が生じてまいりますと、これは法律上においてゆゆしい問題だと思うわけでございます。私たちは、暴力というのは不法な実力、つまり法を乱す行為、行動、これが暴力であるというように考えるわけでございます。ただいまの山梨学院大学の点につきましては、御指摘のように事情が事情であるという点については、私たちもよく承知いたしております。しかしながら、具体的な場合について見ますと、これが学長であれだれであれ、その人の身体の自由を拘束するというようなことは許されないわけでございますから、なるほど暴力をふるった、なぐったというようなことはないにいたしましても、身体の自由を不法に拘束するというような事態は違法でございますので、この点につきましては警察法並びに警職法に基づいて措置をしなければならない。ただ事情が事情であるだけに、この点をいきなり警察力による排除ということでない方法で、できるだけ説得あるいは当事者の話し合い等によってそのような事態を解消するようにつとめていただきたいということをしばしば申し上げ、当日の場合も、先ほど申しましたように数時間そういう努力をした結果、なおそういう事態の解消に至らないということでやむを得ずとった措置でございまして、この点については、この事態の背景等につきまして十分考慮に入れながら措置をいたしておるというように考える次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 端的にお伺いいたしますが、学長には傷はつけていけない、だが学生には傷はつけてもいいということは言えますか。

三井脩警察庁警備局参事官

○三井説明員 学生に傷をつけたとおっしゃるのは、おそらく実力による規制を行ないまして排除したときにあるいはかすり傷がついたかというようなことであろうかと思うわけでございますが、たとえばすわり込んでおる人を、肩をたたいて出ていきなさい、ところが出ないというときに、警察官がこれを引き抜き規制をする、いわゆる実力による排除をするということでございまして、御指摘の点はあるいはその過程でのことであろうと思うわけでございます。警察官が学生だからといって故意に傷をつけるというようなことは、たとえ違法行為をやっておる者でありましても、さようなことはいたさないということでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 ゲバ棒を持って行動しておるときだけが暴力ではない、確かにそのとおりであります。しかし、そこまで至らぬようにお互い関係する者は気をつけて、これを制圧しなければいけないわけなんですよ。だが、それを制圧することがよけいに刺激をしてゲバ棒を持つようにするというごとも、また考えなければならぬことだと思うのです。私は少し暴言を吐いたようでありますが、これくらいのことを言わなければ、先ほど来お話があります大学の実態というものに対して――あの学生はかなりつつましい気持ちでもって学校の改善を考えていると私は思うのですよ。しかし、その中では、この警察官の扱いというものはあなたはもうそれより以外に方法はないとおっしゃった。が、そういう場合には、なお慎重な配慮をする、考慮をして、最もいい方法というものを探らなければいけないのがあの場合の措置ではなかったかと思うのですよ。それよりほかにないのだといえばそれまでなんですが、まだまだつとめることは私はあるじゃないかと思うのです。まあそういう慎重な配慮というものを、先ほど来のお話の中から私は聞いていただきたいと思うのです。  そこで、育英会のお話も、かつてなかったというお話でございますが、これはどういうふうに処理をされましたか。

妹尾茂喜日本育英会理事

○妹尾参考人 まだ警察当局の取り調べもあるようでございまして、育英会といたしましては、学校に対して文書で責任を追及するとか、そういうようなことはやっておりません。ただ、先日学長がお見えになりましたので、その際育英会としてもたいへん遺憾なことであるということを申し上げ、今後こういうことのないように注意を促したわけでございます。いずれ警察当局の取り調べが終わりました段階におきまして、この犯罪が明らかになりますれば、あるいは文書で学校当局に対して将来の保障を求めるような措置をいたしたらどうかと思っております。

小林信一日本社会党

○小林委員 そのほかにはなかったことは、確認されておりますか。

妹尾茂喜日本育英会理事

○妹尾参考人 こういう事件が育英会にわかりましたものでございますから、この短大にほかにも奨学者がございますので、あるいはこういうことがほかにもあるのではないかと思いまして、十分調べました。ほかにはないようでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 あとで質問をされる方が出てまいりましたので、もっと深く掘り下げてお聞きしようと思うのですが……。いまのような問題と同じように、これはどなたでもけっこうですが、文部当局、鉄道の割引証、学割りを発行するのに手数料を取ってもいいんですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 学割りは国鉄から文部省を経由しまして各大学に渡し、各大学で必要とする学生に渡すことになっておりまして、その間に手数料というような問題はございません。

小林信一日本社会党

○小林委員 学校で取ってもいいかどうかを聞いているのですが……。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山説明員 取っていいことになっておらないわけでありますから、そういうものを取ることは不当だと思います。

小林信一日本社会党

○小林委員 これは小さい問題ですが、そういうものをあげていくと数限りなくあるんです、わかりやすく申し上げたんですが。そこで大臣も、あとから質問をされる方がありますので、いまの、あまり真剣に調査したんじゃないのですが、私のところにいろいろ話をしてくる人たちのものを総合して、そしてしかも皆さんがすでにおつかみになっている問題を素材にして、一つの大学の問題をこうやって発展をさしてきたんですが、もう少し時間をかければもっと皆さんが真剣になっていただけると思うのですが、こういう事態から見ても、私はこの際、この問題をまだ調査というふうなことでほうっておいていいかどうか、大臣にひとつこれに対する考え方を最後にお聞きしてやめたいと思うのです。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 先ほどから小林さんの真剣な御質問を聞いておりまして、まことにこれは遺憾な事件であるというふうに思います。従来、国立大学に対しても、また数多くの私立大学に対しましても、私たちに指導、助言というような権限が与えられておるにかかわらず、なかなかこういうことについてしっかりしたことをやってこなかったことに対しまして、やはり私は反省すべきである、こういうようなことがあちこちに起こるようなことでは国民に対して申しわけないと思うのでございます。小林さんからおっしゃいまするとおりに、こういう不正なやり方あるいは不当なやり方というものが二度と起こらないような指導をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 今後しないようにでなくて、私のお願いするところは、私が一時間半こうやってしゃべったことは、せめてそういうものの中から、一体この大学をどうするのだということをあなたに考えてもらいたくて申し上げたんですよ。そういうことがないようにするという、これから留意するということでなくて、あなたに、どっちかというと一つの職責を強く感じていただきたいと思って。山梨に行ったら、演説することも私はいいと思うけれども、せっかく行ったのだから、学院大学のこういう実態というものを調査し、あるいは学長と会って、君何とかならぬかと、あるいは学生と会って、君らどういう気持ちだというような行動というものが伴うことが、この際問題を解決することであって、法案を出して、その法案が成果をあげておるかということを天下に宣伝をして歩くというようなことは、どっちでもいいことだと思うのです。それもあなたなりに必要かもしらぬ、宣伝することも必要かもしらぬけれども、現にあなたが演説するところに学長が行っているのです。そのあしたの新聞には、学長のそのときの事こまかく態度まで書いてありますよ。あなたのために万歳やったそうだ。そうしたら、学長が立って万歳やったということまで克明に報道するくらいに、あのあなたが来たということは、山梨学院大学はどう解決されるだろうという期待が出ておるわけです。学生諸君もあなたの秘書に何か手渡したほど、あなたに聞いていただきたい切実なものを持って行っているわけだ。そういう場合に、あなたがやはり責任を感じて何か対処してもらいたいということを、私は強く感じているわけなのです。ここまできてこのままほうっておいたのでは、私はたいへんだと思うんですよ。私どもも、もちろん山梨県のあらゆる人たちを動員して努力いたしますが、何かやはりいま一番たよっておるのは文部省なんだから、文部省はどうするということを私は聞きただしたいのです。あなたの親友である田辺知事も、県会でもって答弁を要求された。そうしたら、田辺知事は、最もよい時期に最も適切な方法で云々というようなことでやはり気強い答弁はしてくれたのですが、やはり私には権限がないというようなことでとまっているんですね。したがって、もっと責任のあるあなたから私は強く聞きたいわけですが、もう一言御答弁願いたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 小林さんのお話はよくわかるわけなので、やはりこの大学の問題というのは非常に複雑な問題を含んでおりますから、直接私がその場に行って大学に飛び込んでいってすぐさま解決する、そういうような問題ではないと私は思う。(小林委員「あなたがやればいいんだ」と呼ぶ)いや、ただ行動だけがすべてを解決するというような単純な問題では、私はないと思うのです。でございますから、そういうような気持ちを持って当たれというお話でございましたならば、それは私はそうだと思うのです。私が出ていかないでも、私の部下たちをしてそういうことをさせる、あるいは改めさせる、具体的なことを考えていただくということをやることが、私の国民に対する責任であるし、またこの山梨の地元の問題につきましても解決をすることだと思うのでございます。私、あそこへ参りまして、いろいろそれらの事情を聞きたかった気持ちもございます。小林君だって国会議員の方でございますから、あそこで来てもしそういうようなことをおっしゃっていただけば……(小林委員「知らなかった」と呼ぶ)ですから、私としては、一体熱意があるのかないのかというようなふうに思うので、それだけのことをここでおっしゃるのだったら、なぜあのときに、知らない仲じゃなし、お話しいただければと、実はほんとうに思うのでございます。  それはとにかくといたしまして、私自身も小林さんに劣らないように、教育の問題はほんとうに一生懸命考えてきたものでございます。したがいまして、何とかしてうまく解決をし、学生たちも喜んで勉強にいそしむことができるように考えておるわけでございますから、今後とも大いに二人が連絡を密にいたしまして、具体的な案を一緒になって考える。それから、田辺知事も私の友だちでありますと同時に、小林さんとも非常に仲のいい知事さんであるわけでありますから、ひとつ、知事さん、あなた、私、文部省、一体になりましてやろうじゃございませんか。これ以上、私にどうこう具体的にとおっしゃられても、あるいはただいまからすぐ山梨に行って学長に会えどかおっしゃいましても、そう直ちに参るわけにもいかぬと考えておるわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 実際、私は有名な坂田大臣が来ることを知らなかったのです。それがわかれば、お伺いして、どうだ、一緒に行ってくれぬかというような気持ちにもなったと思うのですが、残念ながら知らなかった。あとで新聞を見て、その晩のテレビを見て初めて知ったような状態、まことに申しわけございません。しかし、私は本日、まかしておけ、だいじょうぶだというふうなものをお聞きしたくて質問をいままでやったわけですが、結局、私にもそういう責任を課せられました。もちろん私はそういう点では努力をいたしますが、しかし、ほんとうに一生懸命やってくださいよ。そして何らか短期間に早急にそれを見つけないというと――私は一つ問題を持っているのです。というのは、支援したい団体がたくさんあるのです。それらにやはり支援してもらわなければならぬ状態に学生諸君が追い込まれたら、これは絶対あなた方には手がつきませんよ。やっぱり警察をお願いする以外になくなってくると思うのです。そういう危機感を持っていただいて、私の質問を終わらしていただきます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 小林君に申し上げますが、岡田私学振興会理事長が答弁漏れが一つあったようで、補足したいということでありますので、発言を許します。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○岡田参考人 先ほど小林先生の御質問の中に、融資にあたりまして事前に調査する気はなかったのかというお話がございました。まことにそのとおりでございまして、事前に一々調査すべきでございますが、なかなかその余裕がございませんので、事後に調査いたしております。必ずその翌年に、前年度の融資対象になりました事業につきましては、係員が現場に参りまして調査いたしております。昭和三十八年度以降、毎年山梨学院に行って調査いたしておりますが、ただいまのところ、融資につきましての事業につきましては、何ら不正も不当もなかったようでございます。ただ、昨年度の事業につきましては、実はいま行っておりますので、これは帰ってまいりましたならば、その結果によりまして、もし不当なことがありましたならば適正な措置をとりたい、かように考えております。  なお、将来につきましては、融資にあたりまして十分に注意いたしまして、いやしくも不正、不当のないようにいたしたい、かように考えております。

小林信一日本社会党

○小林委員 せっかく御答弁いただいたのでつけ加えますが、やっぱり日本じゅうの私立学校が全部同じじゃないと思うのですよ。嫌疑をかけるということは悪いことかもしれませんが、そういうことを見通しながら厳重に現地調査をし、しかも完了報告を受けて、そして経緯等を明確にしなければ、ただ金銭の問題だけでなくて、その学校に一つの不信的なものが出てきて、学校紛争が起きる原因になると思うのです。そういう点で、今後特に御留意願いたいと思います。それを未然に防ぐことが、私は大事だと思うのです。私は特に大臣に申し上げたいのですが、大学と文部省との関係の中で、ある仕事がなされた。その中に、時の文部次官が入っているのですよ。実はその問題を克明にしながら、いかに文部省にも責任があるかということを私は申し上げたかった。そして逐一、文部次官のほうから、それはだめになった、これはよかったというような報告を受けておることまで克明に調査されたものを、私はいま持っているわけです。しかも、いま自民党の文教関係では重責をになっておられる方も入っておるわけです。そういう点からいたしましても、ひとつ御善処を願いたいということをつけ加えて終わらせていただきます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 参考人の方々には、長時間にわたり貴重なる御意見をお述べいただきまして、ありがとうございました。ここに厚く御礼を申し上げます。  質疑を続けます。石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私は、ごく簡単に質問を申し上げたいのですが、去る六月二十五日、私、高校問題に少し触れまして、愛知県の弥富高校の教育内容が非常にずさんである旨を指摘したのでございますが、その後、その高校の教育行政については改善をされているかどうか、その御報告をまずお願いをしたいと思います。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間説明員 去る六月二十五日に石田先生から御質問がございまして、その際に、弥富高校の件につきましてはいろいろ詳細なお話を承ったわけでございます。それに基づきまして私どものほうでは県の当局のほうにいろいろ問い合わせをし、またいろいろ注意をいたしました。その当時も申し上げたわけでございますけれども、弥富高校は昭和三十九年に設立されまして、その後まだ基礎が固まらないうちに短期大学の設立を申請するというようなことで、非常に財政状態が悪くなっておりまして、それが原因であったわけでございますけれども、最近の報告によりますと、短期大学の設立をあきらめまして、その関係の土地、建物等を売却して、資産状態その他はかなりよくなってきたように思われます。その際、先生から御指摘ございましたのは、特に看護科につきまして教育の内容が非常に劣悪であるというふうな御指摘があったわけでございます。この点につきましては、まだ大きな改善の実が上がっておらないようでございます。しかしながら、まず弥富高校といたしましては財政的な基盤を健全化することが先決であったというふうにも思われますので、県のほうでも数次にわたりまして学校当局に対しまして内容の改善については警告をし、また指導しているようでございますけれども、なお改善の実があがっていないということは、たいへん遺憾でございますが、今後財政状態の改善と相まちまして、この問題につきましてもさらに指導を強化してまいりたいというふうに考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いまの御答弁で私は大体この問題はけっこうなのでございますが、なお、いまお話がありました看護科の問題で、この間も私は生徒から陳情を受けました。私たち実際に資格をとれるかどうか、資格をとった上で卒業できるかどうか、この問題について非常に嘆いている状況を私聞きました。私、そこで確約は当然できませんので、文部省当局から注意をしてもらうように話をしておいたのでございますが、この問題について父兄の方もたいへん心配をしております。私、なぜこの問題を話題に供しますかといいますと、最近高校のいろいろな政治活動が活発になっておりまして、そういった高校の政治活動がエスカレートして、ゲバルトみたいなことになってしまってはたいへんに困ります。そういう観点で申し上げているのでございまして、この問題は地元で相当新聞に話題になった事件でございますので、どうか生徒並びに父兄の心配を一日も早く除去していただきたい。これを御要望申し上げておきます。この問題についてはこれだけにとどめておきます。  大臣にお伺いをいたしたいのでございますが、高校生の政治活動が最近非常に激化しております。特に本年度におきましては、高校の卒業期におきましていろいろ問題がございました。その後一九七〇年六月の安保をめぐるそういった議論が非常に沸騰してきましたので、それについても高校生の政治活動というものがかなり激しくなってきたように思うわけであります。また、フランスのあの五月革命等におきましても、かなり高校生があの政治活動の中に加わってしまった、そういうようなことも聞いております。これについて、結局現在の高校の教育内容というものにかなり高校生の不満が集中しているように思うわけですが、この問題について、どのように改善されるか、この点伺っておきたいと思うわけです。  さらに、いますぐ改善をというのは無理かもしれませんけれども、結局、現在の高校は大学入試の予備校、それから中学は高校入試の予備校というような、そういう傾向が非常に顕著にあらわれておりますので、この受験教育からの解放という問題が、やはり一つの問題点になるのではないか。高校教育においては、高校生たちが、いわゆるいろいろな学問の修得は強制的にやらせられるけれども、自分たちの望んでいる人間形成へのいろいろな勉強というものが自由に選択できないというような点も、非常に問題になっておりますので、この点も含めて、まず二点について伺っておきたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 お答えをいたしたいと思います。先ほど長谷川さんの御質問に対してもお答えをいたしたわけでございますが、最近高校生にもゲバの風潮が見られることは、まことに遺憾だと考えておるわけでございます。半年ばかり前の調査によりますと、高校生の過激な者の数が約一万二千人ぐらいだったのが、最近では非常に増加をしてきておる。民青同系、代々木系といわれるのが約一万一千五百名、反代々木系というのが約五千五百名、数は代々木系のほうが多うございますけれども、この半年ばかりの増加率はむしろ反代代木系のほうが多かったというわけでございまして、この点につきましては、非常に私たちも注意一をいたしまして、各県の教育委員長会議あるいは教育長会議の際におきましても、強くこれに対する対策、具体策というものを各県教育委員会においてもとっていただきたい、こういうことも要望いたしておりますし、最近は、ブロック別に、私どものほうから局長、課長が参りまして、そしてブロック別の指導主事の協議会というものを持って、未然にこういうような高校生の過激活動がエスカレートしないように措置をとるべきじゃなかろうか。そのためには、やはり当該の学校長、教諭そしてまたPTAの方々とともに懇談会を持つというようなことでもって未然に防ぐという対策を一つ考えておるわけでございます。  それにつきましても、どういう原因でこういうふうになってきたか。一面には、やはり学生たちのゲバの影響があるかと思います。また一面には、教職員の中におきましても、何かそういうような影響力を持つようなあれもないわけじゃない、絶無じゃないということも聞いておるわけでございまして、この辺につきましては、やはり教育者それ自体の自覚を促したいというふうに思っております。  それからもう一つは、いわゆる高校生が、ともすると社会に対して、あるいはまた学校のやり方等について、あるいは入学試験のやり方等について不満を持っておる、あるいは毎日の日常の教育そのものについて不満を持っておるということも、私は事実かと思うのでございますが、それにつきましても、この現在行なわれております指導要領に基づく学習内容が少し窮屈なんではないかということで、このたび教育課程審議会も、その改定につきまして、選択科目をふやすというような柔軟性を持ったやり方に改めようといたしておるわけでございます。これは、これから指導要領をつくります場合においては、少し時間もかかると思いますけれども、十分そういうことを考えて、もう一ぺん高校生の教育それ自体を考え直してみる必要があるのじゃないかということでございます。  それからもう一つは、いま何と申しましても入学試験が、短時間のうちに何十万というものを選抜をしなければならない、そういうことで、結局入学試験の態様というものがマル・バツ式の形において行なわれる。したがって、この入学試験制度の大学側の受けとめ方といたしまして、もう少し高校教育三年間の内申書重視というようなことをも考慮した形においてやられるとか、あるいはものを考えるとか、思索をするとかいうようなことがおのずとわかるような選抜方法をやられるということも、高等学校教育それ自体を受験生のための教育ではなくて、全人格的な養成、知、情、意のそういうものを兼ね備えた全人的教育というものをやる真の姿に返すべき一つの手段でもあるというふうに、私は考えるわけでございます。いま考えてみますと、どうもその三分の一くらいの入学をする人たちのために、三分の二の、勤労青少年として高校を卒業して、実際の生活をし、あるいは親を養い兄弟を養うという、そういうふうにいっている人たちが犠牲にされておるというようなことも、やはり漸次改めらるべきものではないか。この三分の二を含む全人的高等教育、正しい高等教育というものが行なわれるような状態に向けかえなければならないのじゃないかというようなことを考えておるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 あと二点だけ大臣にお伺いいたしますが、いまお話が出ました教育課程審議会の答申がこの九月末出ておるわけでございますが、九月から来年の三月というと約六カ月ございますが、その期間に十分検討されまして、四十五年度の四月からのそういった教育に、この答申の成果について織り込まれるお考えなのかどうか、それが一点。  それからいまの入試の問題につきまして、高校生三年間の内申書重視の問題については、何らかの形でこれは大学のほうに大臣のほうから要請をされるのか、この二点についてお答えいただきたい。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 こまかいことについてはあるいは担当局長からお答えを申し上げたいと思いますが、この入学試験の問題については、去年の入学試験が非常に困難であったということからいたしまして、多少改善され、いま御指摘のような方向で大学側も協力をしておるという面がずっと出てまいっております。これは、おそらく私たちのところで指導した結果だと考えております。  それからもう一点は……。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 教育課程審議会の……。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 もちろんそれをくみ取っていきたい、かように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 四十五年度から……。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 そういうことです。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 以上で終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 帆足計君。

帆足計日本社会党

○帆足委員 時間も移りましたので、厳格に時間を守ります。私は在職二十年になりますが、ただいま立候補の問題をめぐりまして新聞で皆さまに御心配をおかけいたしまして、恐縮に存じております。実は私はこうして文教委員として生きておりますし、また生きて国民大衆の切実な要望のために着実な努力を続けておりますことも立証しておきたいと思いまして、ごくわずかな時間でございます、ほんの数分でございますからと申しましたところが、敬愛する理事各位並びに大坪委員長から瞬時のお時間をお許しくださいまして、感謝にたえない次第でございます。五分以内で申し上げたいのでございますが、先日議長松田竹千代先生並びに坂田文部大臣の御好意もありまして、私が子供のガンを救いたいということにつきまして、特別に閣僚会議に上程してくださいまして、御懇篤な答弁書をいただきまして、感謝いたしております。そこで、あとの措置といたしまして、文部省、厚生省、建設省等が御連絡くださいまして、これの具体的な実施、予算の裏づけ、学校当局それから校医、PTA等関係方面に御協議が済んだならば、やはり通牒を出していただきたいし、その通牒の写しを私にいただきたいということをお願いしておきます。  いま、子供の死亡の第一が事故死でございまして、事故死は幼児のときは窒息死、ものを嚥下してのどに詰める、それが案外に多いのでございます。ですから、耳鼻咽喉科のお医者さんと平素連絡しておくとか、窒息死についての準備をしておく。それから第二は、夏は溺死でございまして、砂利トラの穴や浅瀬の激流など。次に、通学にあたっては、特に学期初めは交通禍が最高の死亡率でございます。これらをよく分析くださいまして、ひとつ注意方をもっと促していただけば、私は半数ぐらいに減り得るものと考えております。  それから第二には、小児ガンにつきましては御懇篤な回答をいただきました。しかし、これにつきましては、やはり施設並びに予算の裏づけが要ります。したがいまして、ガンといえばだれしも年寄りがなるものとのみ思っておりまして、十人のうち九人というか、十人が十人ともガンは年寄りがなるものと、子供にガンがあるのかとみんなびっくりするのでございます。ところが、今日死亡の最高はガンでございます。数年来こういうことになります。そこで、わが子も、わが孫もなり得る、ガンとは年寄りの病気でないということ、それを知らして、主事医も早く気がつき、学校も気をつけて、その症状があったときは早く手当てをすると、子供のガンは非常になおりやすいのでございます。したがいまして、中央のがんセンターその他の連絡、講習会その他も御答弁いただいたとおりでありますから、あのとおり施設を予算で生かしてくださること、そのために関係省との御協議が必要ですから、ぜひ閣議の決定を生かしていただきたい。子供のガンを守る会というものが、父兄の間でできているような状況でございます。そういうふうにして、早く気がついたならばすぐがんセンターに情報が集まる。そしてすぐ手当てができる。小児ガンで死ぬ子供たちは年々千五百人です。ですから、手当て方法指導が電報なり速達なりでも多少は間に合うわけですから、よろしくお願いいたします。  以上のことを大臣のお耳に入れまして、あなたのお指図によって関係当局が具体的措置をして、そして関係方面に通牒を発して、そして早く気がつけばよかったのにというのが、杉本要吉氏が子供をガンでなくした「パパぼくの病気はガンなの」という書物の肝心なところでございまして、知らなかったために手おくれになった、六カ月前に知っておれば助かったのに、こういうことでございますから、重ねて具体的通牒も出すところまでこぎつけて、通牒は私に写しをいただくし、予算、施設の裏づけもしていただく、このようにお願いする次第でございます。大臣から一言だけ……。

坂田道太自由民主党文部大臣・科学技術庁長官事務代理

○坂田国務大臣 小児ガンの問題、それから小児の死亡の問題について種々の有意義なお話を承りまして、この質問書に対しまして私どもはお答えいたしましたことにつきまして、その具体策について十分配慮し、また努力いたしたい、かように考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 以上、感謝にたえません。それから子供のガンにつきまして、黄色いたくあんの粉が直接的に害になります。これにつきまして、私物価委員長をしておりまして、政府の御好意によって六月に禁止になりました。ですから、これは解決を見たわけです。あとはダニのことにつきましては、大体八十度に熱すればダニは死にます。これを早く父兄に知らしていただきたい。これらが子供のガンの大きな原因になっております。以上、ありがとうございました。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 本日は、この程度にとどめ、散会いたします。     午後四時三十六分散会

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