P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
61回国会衆議院1969/07/23

文教委員会 第34号

発言数
582
登壇者
10
会派数
3
開催日
1969/07/23

会議録

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 これより会議を開きます。  大学の運営に関する臨時措置法案を議題とし審査を進めます。  この際御報告いたします。     —————————————  去る十一日、本案に対し、久保田円次君ほか六名提出の修正案が委員長の手元に提出されましたので、御報告いたしておきます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 この際おはかりいたします。  去る十一日、委員打合会において、本案について委員会で参考人として意見を聴取することになっておりました東京大学教授、医学部長中井準之助君その他に対し質疑がなされたのでありますが、この際、速記を付しておりますので、これを本日の会議録に参照として掲載することにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 御異議なしと認め、さようとりはからうことといたします。     —————————————

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 本案について質疑の通告がありますので、これを許します。石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 前回の委員会におきまして、大学の運営に関する臨時措置法案に関して外的なさまざまな問題点を質疑をいたしたわけでございますが、きょうは、この法案の逐条審議に入りたい、このように思うわけでございます。  まず、文部大臣に第一条の問題でお伺いをするわけでございますが、第一条には「この法律は、大学の使命及び社会的責務並びに最近における大学問題の状況にかんがみ、」云々、このように書かれておるわけでございますが、私はここで特に「社会的責務」と、このようにうたった問題点についてお伺いをいたしたいと思うわけでございます。と申しますのは、通常大学の使命というそのことばの中には、当然社会的な責務もしくは責任という意味が含まれていると解釈すべきである、私はこのように思うわけでございます。「大学の使命」ということばの意味は、国家もしくは社会、あるいは国際的、歴史的視野に立った人間社会に対して大学の果たすべき役割り、このように通常解釈すべきものと思っているわけでございます。しかしながら、この法案を見ますれば、「社会的責務」と「大学の使命」と特別に別個に取り上げておることに対して、「大学の使命」ということばの意味の中には、いま私が申し上げたような意味が含まれてなかったのではないか、こう認識せざるを得ないような状態ではないかと思うわけでございます。大学の使命は新たなる学問の研究、またその社会の最高の教育を民族の後継者である子弟に施すこと、これが社会的責務の第一であると私は思うわけでございます。それ以外に取り立てて特筆すべき問題があるのか。もちろん、国有財産の管理等の責任もあるのは当然でございますけれども、特に大学が社会に負わねばならない責務というものは、いま申し上げました学問の研究、教育というものが社会的責務の内容でなければならない、こう私は考えておるので、その意味で伺うわけでございます。ここでいう「社会的責務」と「大学の使命」の意義について、この違いを明確に御答弁をお願いしたい。さらにまた、ことさらに「社会的責務」とここにうたった理由はどういう理由なのか。この二つを明確に分けて御答弁をお願いしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 「大学の使命及び社会的責務」とございますのは、「使命」と「社会的責務」と区別して読まるべきものではなくて、「使命及び社会的責務」とまとめて読まるべきものであると私はしたのでございます。それは単に「大学の使命」としましても、また単に大学の「社会的責務」としましても、その意味、内容には変わりがないものでございます。まあ使命といいますと、本来的に申しますと、天とかあるいは神とかいうようなものによって課せられた任務ないし役割りということを意味します。これを現行法制に即して見ますと、大学の使命とは、国民によって大学に課せられた任務ないしは役割りということでございましょう。大学の使命は研究と教育を通じて社会に奉仕する、言いかえますならば、真理等を探求し、その成果を社会に還元すること及び国民の子弟に高等教育を施し、社会に有為の人材を育成することでございます。この大学の使命を自覚し、これを遂行することは、とりもなおさず大学の「社会的責務」を果たすことになるわけと考えておる次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大学法案への東大見解が出ておるわけでございますが、その問題点メモが指摘しているところによりますと、この「社会的責務」ということばの中には、その他の条文を参照するならば、国有財産の管理の面あるいは一般治安維持の面にも、この法案の第一条はそういった機能を期待しているのではないか、こういうようなことを提起しておるわけでございますが、これに対して文部大臣はいかがお考えになりましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 東大見解の中におきまして述べておりまする、「その他の条文を参照すると、国有財産管理の側面、及び一般治安維持の側面に関しても、本法が機能することを目的としているとみることができよう。」というふうにいっておりますけれども、これはちょっと牽強付会の議論だというふうに考えておるわけでございまして、私どもはそういう考えを持っておりません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 この法案が本会議に上程をされて以来、すでに委員会においても審議をされ続けてきたのでございますけれども、文部大臣は、しばしば暴力によって学問の自由、大学の自治が破壊されておる、こういうふうにおっしゃっております。そういう意味において、私もその文部大臣の意見を否定するわけではございませんけれども、一方において、暴力は現行法で排除するというようなことが総理大臣の答弁の中にもあらわれてきておるわけでございます。暴力が排除された状態が確立されれば、あとは大学の自治にまかしてもいいのじゃないかというような議論も成り立ってくると思うのでございますけれども、その点に対して大臣はどうお考えでございましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 暴力というものが今日の大学紛争の一番の敵である、この暴力を排除することによって相当部分の問題の解決ができると私は確信はいたしておりまするが、それだけではまた解決はしない。そういう複雑な原因あるいは内容を持っておる。今日大学それ自体も、学生からも問われておりますし、国民からも問われておりますし、同時に、大学自身が社会に対応する大学に生まれ変わらなければならない、かように考えておるわけでございます。今日の大学当局のものの考え方、あるいはまた大学管理運営あるいは教育、研究組織等につきまして改むべきことが多々あるということが指摘されるのでございまして、これは単に暴力の排除だけではできない。しかし、暴力排除をまず前提とすることによって大学みずからも考えるでございましょうし、同時に、われわれの指導、助言によって国民の期待するような新しい、開かれた大学というものが生まれてくる、かように考える次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 前回の委員会におきまして、私は北海道大学の学長が拉致された事件について警察庁に御質問をいたしましたけれども、あの段階におきましては、現行法で排除するという総理大臣の御答弁とは全くちぐはぐな状態になっておりまして、十分な排除ができない。そうしてみると、現行法でもなお十分に暴力が排除されない状態がここにあるわけでございますので、文部大臣は現行法による暴力の排除というのは一体どの程度期待し得るとお考えになっていらっしゃるのか、その点についてもう少し御説明を願いたい。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 暴力排除の問題、ことに大学において暴力を排除するという場合は、第一次の責任者であります大学当局みずからがその決意というものを持たなければ、幾ら警察を要請いたしましても、これに協力しないという形においては暴力排除はできない、こういうことでございます。  われわれ国民の側から見ますと、まことにおかしい話でございますけれども、現実は今日まで警察アレルギーというものを大学当局が持ち続けてまいっておるわけであります。また、そういうような大学教官のもとに育ちましたところの教育を受けております学生の多くの者が、そういうような偏見を持ってきておるというところに、今日大学問題がなかなか解決をしないという一つの原因があると私は思うのでございます。  ところが、昨年とことしとを比較いたしますると、非常にその考え方が違ってきつつある。特に東大におきましても一月の十八日、十九日に機動隊を導入して以来、先ごろの公聴会におきましても東大の加藤学長も申しておりますように、その後七回か八回入れて、不法状況があれば、あるいは生命危険というような緊急事態になるならば、あるいはまた研究の資料等に対する危害あるいは損壊というおそれがある、つまり学問の自由をおかすというおそれがあるときには、直ちにこれを要請して排除しておる。こういうような空気が東京の各大学においても、たとえば教育大学においても、また外語大学においてもあるいは東京工大におきましても、漸次力なき大学当局が当然の要請といたしまして警察力を要請してこれを排除しておる。また、関西の方面におきましても、京都大学あるいはその他の大学におきましても、ようやくそういうようなき然たる態度が見えつつあるわけでございまして、私は漸次大学側の協力というようなことを前提とするならば暴力排除というものは現行法でやれるというふうに思っておるわけでございます。  また、御指摘の北海道大学の学長が拉致をされたという問題につきましても、学長みずからが軟禁されておりながら、それを軟禁されておるとはっきり言わない。むしろ、これは話し合いを続けておるのだというようなこと、そういう大学人のものの考え方ということを改めない限り、暴力排除というものはなかなかできにくいということは御了承賜わりたいと思います。  しかし、漸次そういうようなものの考え方というものがいかに誤まりであるかということが、世論の動向やあるいは国民の側における大学の教官に対する不信というようなことからだんだん変わりつつあるということは、これは認めていいことではないかというふうに考えるわけでございまして、もう少し時間をかけてわれわれが努力をしていきますならば、現行法において私はこういうような暴力の排除というものはできるというふうに確信をいたしておる次第であります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 この暴力に対処する大学の姿勢が大切であることは大臣がおっしゃるとおりだと私も思いますが、この前公聴会のときに加藤学長が本委員会におきまして見解をお述べになった点は、この暴力に対処するいわゆる機動隊あるいは警察官の導入問題についても、やはり大学の執行部の要請を尊重してもらいたい、こういうようなことがおっしゃられたと思うのでございますが、それから東京経済大学の問題もございます。これは警察側にも大きな手違いがあったわけでございますけれども、こういうような事案を見ますれば、やはり大学の執行部の要請という問題は尊重しなければならないのじゃないかと私どもは思うわけでございます。これは大学当局とまた警察当局とのいろいろな話し合いにもよるのでございましょうけれども、その間調整機能を果たすべき文部大臣としまして、加藤学長がこの前主張された点をお認めになるのかどうか、そこら辺の御見解を承りたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 加藤学長がこの公聴会におきまして述べました意味は、大学といえども治外法権ではない。しかし、大学はやはり学閥の自由、大学の自治ということをもって本務とするところであるから、十分警察当局と理解の上で両方の合意の上においてやるということが問題解決においてスムーズである。こういうことを申されたのでございまして、こういう基本的な考え方ということは私もそのように考えるわけでございます。しかしながら、治外法権の場ではございませんから、不法状況が起こった場合に大学の要請がなくとも警察力が行使されるということは私は当然だと思います。経済大学のような問題も起こりかねないわけでございますから、その点は十分注意をするということに考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは第二条の問題に移るわけでございますが、ここには大学紛争の定義が取り上げられておるわけでございます。この条文を見た限りにおきましては、大学紛争の認定は一体だれが行なうのか、これがあまり明確でないように思うわけでございます。第四条の第一項におきましては大学紛争の報告がうたわれております。この四条の一項に規定されている報告が行なわれれば自動的に紛争大学と認定されるのか、あるいは報告に基づいて文部省がこれを認定をするのか、ここら辺の問題についてお伺いをいたします。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 紛争の定義は、二条にありますように客観的な事実でございますので、別段認定を要しません。しかし、第一次的には当事者である大学が当然認識すべきでありますし、その認識に基づきまして文部省に報告を願い、文部省もこれに同意をする、こういうことに相なります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いま大学局長がことさらに認定を要する問題ではないという御答弁をなすったわけでございますけれども、それは私は意味が違うと思うのでございます。と申しますのは、全学的な紛争もあり得ましょうし、またごく一部分的な、局部的な紛争もあり得るわけであります。そういう問題に対して、一体ごく小さな局部的な問題まで紛争大学というふうに認定をするのかどうか、これは私は非常に問題が出てくるのではないかと思うのですが、その限界点は一体それではどういうふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学紛争の認識は、大学を組織しておりますところの主要な組織、つまり学部、研究所、教養部等の組織ごとにいたします。それが全体が紛争となっておれば、大学全体が紛争ということに相なります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そんな抽象的なことではだめなんですね。この紛争大学の認定をするかしないかという問題は、あとの項目でいろいろ質疑をするわけでございますけれども、これは七条、八条、九条と関係があるわけです。あるいはまた七条には特に「教育等の休止及び停止」がうたわれておりますけれども、この中には、「大学紛争が生じている学部、教養部、大学院研究科その他の部局又は組織における教育及び研究に関する機能の全部又は一部」の休止というふうに、ごく局部的な限定をしておるわけでございます。そういうものとも当然関係が出てくるわけでございましょう。もっと具体的な例をあげますれば、たとえばいま名古屋大学におきましては紛争らしいものはあまり見当たりませんけれども、名古屋大学の本部の事務局だけが全共闘によって占拠されておるわけでございます。こういうような場合、一体どのように認定をされるおつもりですか。授業は行なわれておるわけでございますし、その他の建物は占拠されておりません。こういうような問題について、大学の教授の方々、執行部の方々が非常に心配をしておられるわけであります。特にこれは文学部だとか、あるいは工学部だとか、そういうものではありません。本部の事務局でありますから全学に関係があるわけです。全学に関係はあるけれども、なお授業等は行なわれておる、わけですね。こういう場合、やはり大学紛争というものが全学に行なわれているとみなすべきであるか、あるいは局部的なものであるとみなすべきであるか。一体大学紛争と認定をしていろいろな勧告もし、または最後に出てくる処分やなんかの問題、あるいは教職員の休職の問題、こういうような問題にまで発展するかどうか、そういう面の関連性は非常に明確ではないわけですよ。そういう意味で私は伺っておるわけです。御答弁をお願いします。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 名古屋大学の場合は、御指摘のように本部封鎖によって本部の機能がとまっておる、そういう事態の大学紛争というぐあいに考えます。これによって全学的に教育、研究機能がとまっておるとは考えておりません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 ですから大学紛争の認定は、そういうような状態を一体だれが明確に全学的に紛争が起こっておるというふうに認定をするのか、これがやはり問題ではないでしょうか、いかがですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、本部封鎖というのはやはり客観的に外部から認識し得る事態でございます。名古屋大学からその旨御報告がございます。文部省も、本部封鎖という大学紛争の状態にある、かように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、いまの大学局長の御答弁によりますれば、ごく局部的な紛争においても大学それ自体は紛争大学と認定をされるわけですね。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 そのとおりでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういう局部的な問題まで大学紛争というふうに認定いたしますれば、いま私が申し上げましたような七条、八条、九条の規定が、もしこの法律が施行されれば働いてくるわけでございますけれども、それに間違いありませんか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 七条以下の条文の発動は、紛争の態様に応じまして、収拾できないというような事態に発動されるわけでありますから、紛争と申しましても、学部封鎖あるいはそれが全学に及ぶといったようなきわめてむずかしい状態でない場合には、おそらく七条以下が発動されるというようなことはないと存じます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは、いま名古屋大学の例をあげましたけれども、この本部の建物だけが半永久的に占拠されていくというような場合、一体この七条以下の規定というものは適用されるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 本部封鎖というような事態の解決につきましては、学部の教育、研究をとめて対処するというような方法によらないで対処ができるものと考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それはあなたの解釈でありまして、そういった問題は文部大臣や大学局長がかわられた場合に、また解釈が変わるかもしれないわけです。そういう意味で大学紛争という認定をする場合に、私は、局部的なものは、たとえばある大学なら大学の文学部における紛争である、あるいは事務機構における紛争である、そういうふうにやはり一つ一つ、そうこまかくは規定できないにしても、ある程度の限定した規定がなければならないのじゃないかと思うのです。と申しますのは、たとえばいま名古屋大学の例をあげましても、ごく局部的なことです。しかしながら、その局部的なことが、学生の就職やなんかの問題になりますれば、やはり大学全体が紛争大学というふうに認定されるのであれば、君の卒業しようとしている学校は紛争大学じゃないかというようなことで、いろいろの面で非常に色めがねで見られる、そうして社会的な待遇等においても差別を受けるようなことも起こりかねないわけです。そういうようなところまで波及することを考えた上でいわゆる大学紛争というものは考えなければならぬ、その認定を考えるべきだと私は思うわけです。そういう面を全然配慮に入れないで、ただ紛争が起こっているから大学全体が紛争大学なんだ、そういうような発想というのはよくないと思うのです。これはひとつ文部大臣にそこら辺の御見解を承りたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この二条の紛争校というものの定義はきわめて客観的な定義だということは、私たちだけではなくて、先生が先ほど御指摘になりました東大等の見解の中でも一応そういうふうに認めておるわけでございまして、そういう主観的な要素をあまり介入させないというように解釈されるということを一応認めておるわけで、しかし、その反面また心配も述べてはおりますけれども、そういうことでございまして、これは七条になりましたときは、もうにっちもさっちもいかない、全く自治能力を失ったというような状況で、教育、研究が明らかに阻害をされておるという状況、そんな場合に七条が発動されるということは当然なことでございまして、六条以下において自主的に大学みずからが解決される、するということをわれわれは期待しておるわけでございます。また、紛争の態様というものはいろいろ違うわけでございまして、その点について各大学がやはり自主的に解決をする、その努力に対してわれわれは手助けをする、こういう仕組みになっておるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そこら辺のお話はこの前も御説明をいただきましたので理解をしておるわけでございますけれども、この第二条におきましては、そういう意味で不明確な要素が多いと思うのです。大学紛争というのは、施設の占拠、封鎖、授業放棄その他の学生による正常でない行為によって大学における研究、教育が阻害をされておる、そういう状態を言っておるわけですけれども、これは自然発生的なそういう紛争に対して自然発生的に法律が認定するなんということは、私はあり得ないことじゃないかと思うのです。たとえば大学等におきまして、これは小さな問題であるから大学紛争というふうには大学それ自体は考えない、だけれども、この法律が施行された場合に、やはり学長の責務として小さな問題まで報告を求められる、報告を求められれば、そこで紛争大学の認定が行なわれる、そういうような形になってくるのじゃないか、そこで私は申し上げておるわけです。  それじゃさらにもう一点申し上げますと、いまここで読み上げましたところの「授業放棄その他の学生による正常でない行為」、これが大学側において非常に問題になっております。一体「正常でない行為」というのは何を想定して考えていらっしゃるのか。大学紛争の原因あるいはまた起こってくるいろいろな態様というものは非常に広範囲で、ここにあげられた施設の占拠、封鎖、授業放棄、この三つの問題だけでは十分適応できないような問題が私は非常に多過ぎると思うのです。一体その「正常でない行為」というのは何をさしているのか、この辺が非常に疑問を抱いている点でございますので、もう少し明確な内容をお示しいただきたい。文部省として「正常でない行為」というのは何を想定してそのようにおっしゃっているのか、お答えをいただきたい思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 これは結果において明白に教育、研究が阻害される行為でございますから、たとえば人的な妨害、教職員、学生の入校阻止、これはしばしば授業放棄に伴うものでありますが、授業放棄を伴わないで教職員等関係者の入校阻止をするというようなことになれば、教育、研究が行なえません。それからまた凶器あるいは暴力をふるうこと、これはこのようなことが行なわれれば、教育、研究の場としての大学と全く相反する状態になりますし、結果において教育、研究ができないことになります。結果において教育、研究ができなくなるような正常でない行為、乱暴な行為といってよろしかろうと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 乱暴でない行為というのも、乱暴な行為というのも正常でない行為と同じ解釈でございまして、これでいくと、どこまでも解釈のしようによっては広がってくるわけでございますけれども、これに対する歯どめは全くないわけですか。大学側は非常にそれを心配していらっしゃるわけです。何らかの歯どめをつくっておかなければ、たとえば文部省令において正常でない行為というのはこれこれこうである、こういうふうに規定することをお考えになっていらっしゃるのか、あるいはこのまま野放しでこの条文どおりにいこうと思っていらっしゃるのか、そこら辺のところをあわせてお伺いをいたします。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 歯どめとしては、そのような行為によって結果的には教育、研究が阻害されるかどうかで客観的に判断できるわけでありますので、特に文部省令で限定列挙するというようなことはいまのところ考えておりません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうすると、これは全く私は、いまの御答弁ではこの正常でない行為の解釈というのは歯どめがない、こう思わざるを得ないわけであります。教育、研究が阻害されている状態といいますけれども、それ自体も私は非常に多くの問題があると思うのですね。たとえばストライキがあった、そこにある教授が参加した、それによって研究が行なわれないというようなことも想定し得るわけですよ。  その問題はあとでまたお伺いをいたしますので、この前お話があったのは授業放棄、いわゆるストライキも授業放棄である。こういうような解釈でございまして、これは紛争大学の認定の要件の一部である。こういうようなお話があったわけでございますが、立法化反対のストライキ、これも紛争大学の認定の要素となるのかどうか、この点についてお考えを承りたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 二条に掲げております授業放棄は、原因とか意図のいかんを問わず、客観的に把握すべきものと考えております。したがって、立法反対というのが動機、理由でありましても、それによって結果的に授業放棄が行なわれ、教育、研究ができない状態になれば、この条文にいうところの授業放棄というぐあいに考えます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それではもう一歩お伺いいたしますが、たとえば学外で立法化反対の集会があった、このように仮定をいたします。現にそういうことが起こっております。そして大多数の学生がそっちに参加をして、事実上授業が行なわれていない。そういう場合に、これももちろん紛争大学認定になるのかもしれませんけれども、これは修正案が提出されてくれば、こういうような問題はたちまち処分の対象になってくるわけでございます。そうすると、学外におけるストライキもこれは紛争大学の認定になり、そして自主的解決のいろいろな措置、あるいはまた七条以下の規定、こういうものが働いてくると考えてよろしいわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 学内において授業放棄を決議するようなことがなくて、各自が学外の集会に参加するということは、ここにいう授業放棄に考えておりません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 では、文部大臣にお伺いしたいのでございますけれども、この立法化反対のストライキ、これに参加した者は、もし学生処分の修正案が提出されて可決された場合に、こういうのが全部処分の対象となるのかどうか、どのようにお考えになっておるのか、お答えをいただきたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 原案には学生に対する処分ということはございません。第一次的には、何を申しましても大学みずからが決定すべき課題であると思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、立法化反対のストライキ等においては処分をするかしないかは大学の自主的な判断によるもの、このように解釈してよろしいわけですか。念のためにもう一度お伺いしておきます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 大学当局が、暴力その他刑事事犯等に明らかに抵触するというようなことについては断固たる、き然たる態度をもって臨んでもらいたいというふうに私は希望いたします。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは次の問題に移りますが、先ほど、紛争というものは客観的な情勢を判断する以外にない、自然成立みたいなお話があったわけでございますが、紛争が長期にわたるときに、これは第七条以下の規定が働くのでございますが、紛争が断続的に起こる、いわゆる断続というのは逆にしばしば紛争が一時的になくなる場合もあり得ようと思うわけでございます。紛争が一時的になくなった場合、紛争大学の認定というものは、これも自然消滅するのか、あるいは学長報告によって平常になりましたということになれば直ちに紛争大学の認定というものは取り消されるのか、そこら辺の問題についてはこの法案では明らかでございません。いかがお考えでございましょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 紛争発生の時点でこれは客観的に認識をして報告をしていただくことになっております。したがって、そのような状態が解消すれば、また大学から御報告があって、文部省もそれが客観的な事実であれば了承する、こういうことになります。したがって、認定するとか取り消すとかいうことではございません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、紛争が一時的になくなったという報告がなされた場合に、文部省としては当然これは紛争大学ではなくなってくる、こういうふうに解釈をされるものと私はいまの答弁で思うわけでございますが、これが一年のうちに、たとえば十日ばかり紛争があったけれどもまた二十日ばかり平常に戻った、また一カ月たったら十日ばかり紛争が起こった、そういうものが断続的に継続された場合に、一体大学というものは紛争大学になったり取り消されたり、そういうような状態が繰り返されるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 事実関係が紛争大学になったり、あるいは紛争大学である状態が解消したりという状態が断続することになるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは第三条に参りたいと思いますが、第三条には「学長等の責務」ということがうたってあるわけでございますが、「当該大学に大学紛争が生じたときは、全員が協力してすみやかにその妥当な収拾を図るように努めなければならない。」、こういうように協力義務をうたっておるわけでございますけれども、この「全員が協力して」というのは大学の運営に関する非常に基本的な問題であるわけでございまして、一体文部省としてはどういう形で全員の協力体制が行なわるべきであると想定をしていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思うわけであります。  第二項にも、「学長は、」「指導性を発揮して全学的に職員の意思の統合を図り、」云々、こういうふうにあるわけでございますけれども、一体全学の職員の意思の統合をどのような形ではかるのか、全学の意見聴取というものは一体どのような形で行なわれることを期待していらっしゃるのか、明確に教えていただきたいと思うわけであります。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学の教職員特に教員は学問に従事しておりますので、学問というのはきわめて多元的なもので意見が分かれるものでございます。そういう職責に従事しておりますと、紛争というような事態になりましても、平素の職業意識といいますか、なかなか意見が一致しないのが大学の実態であろうかと思います。しかし、大学紛争の収拾というような、学問とは直接関係のない事柄につきましては、ひとつ多少の方法論上の差異がありましても、よく議論して、全学の意向の向かうところを一元化して対処することがきわめて必要だ、かように考えるわけでございまして、そういういわば常識的なことをこの第三条は言いあらわしておるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 常識的な線をここでうたっているといいますけれども、いま大学紛争の中においては特に全学的な教職員等の意思を反映して民主的な運営が行なわれなければならない、そういうこと自体が問題になっているわけですよ。ですから、ばく然とこういうような状態で法文の中にうたっているとしても、大学それ自体としては現実の状況の中においてはどうしようもないわけです。まだそのルールがきまってないところが多いのですからね。そうすると、あくまでも大学の自主的なそういうような運営にまかせるということでございますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 そのとおりでございます。そういう意味において、この大学法案というものは、非常に強い、権力的にこうせいああせいと一々こまかいことまできめた法律ではない。自主的解決の努力を助けるという意味はまさにそこにある。そこで、いかなる態様というものを大学はおとりになってもいいわけでございまして、たとえば石田さんのところの公明党さんにおいて、民主協議会でございますか、そういうような意思反映を踏まえるようなやり方というような問題、あるいは間接的な諮問委員会みたいな形においてやるというようなこと、そういうようなものがいろいろくふうされてしかるべき問題であるというふうに考えております。しかし、ただその意思の反映というものをくみ上げて紛争解決に当たらなければ、今日の事態は解決しませんぞ、もちろんおわかりであると思いますけれども、念のために申し添えておきますと、こういうような気持ちでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これは、自主的機関におきましては、そういうようなことが私は大臣の御答弁のとおりだと思うのでございますけれども、この前社会党の唐橋委員の質疑のときに、第八条の一般教職員の休職規定の意義というのは、大学が少数精鋭主義でこれに当たるんだ、したがって一般職員の大部分は休職にするんだ、こういう御答弁があったわけでございますけれども、この第三条と第八条とは、そういう意味において私は非常に矛盾をしているんではないかと思うのでございますけれども、そこら辺はどうお考えになりますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この間の公聴会におきまして、加藤学長が参りまして御説明を申し上げましたように、やはり全体の教官あるいは大部分の教官あるいは一般学生等の支持があって初めてこの紛争解決というものが容易になる、そういう実態を自分は経験をしたということを申されたわけでございますが、形式的には自分に権限を集中したけれども、その背後にはやはりそういう全教官に近いような大多数の教官が、あなたにまかせます、こういう態度があったればこそ、東大の紛争が一歩前進をしたんだということを申し述べておるわけでございまして、私どももそういうような気持ちで、もう教育、研究が事実上できない、そういう事態において第八条というものを発動されるわけでございますから、その際においては、むしろその学部長とか学長とかそういうような管理的立場ある者のみにおまかせをします、そうして当たっていただきます、多少私に意見はあるけれども、そういうことでないとこの事態は解決しません。こういう全学的な背景があって初めて管理者たるという者が迅速果敢な、適切な運営というものができるということだと私たちは解釈をするわけでございまして、三条というものを踏まえた八条、七条ということ、あるいは六条というようなふうに——権限集中の部分については六条について、私はそういうふうに考えるわけでございます。八条につきまして、一般の教官というものは一応休職ということは当然かと考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 加藤学長のお話の例を引かれましてのお話でございますが、同時に、加藤学長がそのときにおっしゃったのは、八条の休職規定は、こういうことをやられたのでは全学的な意思の統合はとうていできない、むしろ給料カット等によって生活権まで脅かされているので、とてもこれでは全学的な意思の反映どころではないというような意味もしばしばおっしゃっておるわけでございますけれども、私は、そういう意味におきまして、この八条の規定は全く紛争の収拾には効果がない、こういうふうに思うわけであります。そうしますと、もしその八条の規定によって全学の意思がむしろ執行部と対立した場合、この第三条は全くその機能を発揮することができないのではないか、こういう点を心配をいたしておるわけでございますが、この点、いかがでございますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 加藤学長が申しましたことは、七条をやらなくとも、あるいは法律をやらなくともわれわれ東大はやってのけたんだ、つまり六条以下においてわれわれはやったんだ、こういうことを申しておるわけでございます。しかし、私たちのほうから申しましても、東大がやったからといってほかの大学がやれるという——私たちは学生を信じることができない、そういう事態である、こういうふうな見解を私どもは持っておるわけでございます。そういう意味合いにおきましてこれは矛盾しないというふうに考えます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 八条の問題はあとでまた詳しく触れるわけでありますけれども、たとえば五万円、四万円、三万円給料をもらっている人が三〇%以上の給料をカットされたら、五万円の方は三万五千円になるわけでございましょう。おそらく五万円給料をもらっているような教職員の方というのは、家族の人は四人ないし五人だと私は思うのです。そういう人がもし紛争が長期にわたって給料カットされるようになって、はたしてそれで生活ができ得ると考えていらっしゃるのか。そういう面からの強い反発がむしろ執行部のほうにあらわれてくるんじゃないかと思うのでございますけれども、その点はいかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 私は、事実上教育、研究というものができない、そうしてまた自分も研究もできないし、あるいはまた教授もできない、そういうような状況になってまるまるもらうということ、それはもらったほうがいいにはさまっておりますけれども、その場合において休職措置をとられるということは耐えがたいことであるかもしれないけれども、しかし、国民の側から見た場合におきましては当然なことではないかというふうにも考えるわけでございます。私立大学の場合においては、もう入学試験ができなかったということ自体において自分の身分そのもの、生活そのものの根底をゆるがされておる。そういうものに比べて国立大学の先生方は二十年間あまりにも身分保障が手厚くされてきたんじゃないか、そこに今日教官、大学当局というものが、世界の動きあるいは社会の変化ということに対応できなくなって、学生からも問題を提起されておる、あるいは問われておるという事態が起きておるのじゃないだろうか。こういうことに対してやはり自由社会において生きるということ、あるいは社会的責任を果たしながらやるということはいかにきびしいものであるかということはわきまえてもらわなければならないというふうに私どもは考えるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 文部大臣は私は御認識が少し違うのじゃないかと思うのです。現在の私たちの一般の社会の生活を営んでいくための給料というものは、そういった技能とかあるいはその人のいろいろなそういった技術によって支払われている場合もありますけれども、多分に生活給のにおいが強いわけです。たとえば、いま一般社会ではこういうようなことが行なわれております。給料が三万円である、しかしながら都会等においては三万円の給料、四万円の給料ではとうてい一万円、二万円のアパートに入り得ないから、会社としては現物給与みたいな形でそのアパートの家賃を会社自体が持っておる。そういうふうにして生活を保護しているのがいまの給料形態の、私は全部だとは申しませんけれども、大半はそういう実情じゃないかと思うわけです。実際に給料をそれだけカットされて、五万円の人は三万五千円になって、家族をいま四人なら四人と想定しても、都会で三万五千円で四人家族を養っていくことができるわけですか。そういうような状態を考えて、なおかつどうしても給料をカットしなければならないということが私にはどうしても理解がしがたいわけであります。  もう一度そこら辺の御答弁を願います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 これは単に休職という場合におきましては、過員になった場合、あるいはまた自分の仕事がないというような場合、あるいはまた病気になったような場合等々につきましては、他の例もあるわけでございまして、私はこういうこともあってしかるべきだというふうに思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 その問題は、なお八条のところで十分に論議をしたいと思いますけれども、そういうような強圧的な姿勢で大学紛争が解決すると思っていらっしゃるということは、私は大問題だと思うのです。この三条が、一項の規定にしても二項の規定にしても、現にこの間来られた公述人の方方が、八条のああいうような規定がある限りにおいては、この三条の一項、二項の状態はつくり得ない、そういうふうに明確にこれはお話があったわけでございます。そういった点を文部当局としても十分にくんであげなければ、この法律をつくった目的それ自体が達成されないじゃないか、こういうふうに私は言いたいわけであります。文部大臣は一体、その八条の規定があっても三条の一項、二項の規定が明確に発動されるとお考えになっていらっしゃるわけですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 私は、石田さんとその点については見解を異にするわけでございまして、この効果はあるというふうに思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 じゃ、これはあとでまた論議をしたいと思いますが、三条の中には全学の意思の統一ということあるいは統合ということがうたわれておるのでございますけれども、現在の大学紛争の中、あるいは教育大学の例を考えてみますれば、学内において意見の対立が非常に激しい、こういうような場合もあるわけでございます。そういう場合に、この第三条の規定では全く実効が期待できないわけでございますけれども、その点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 教育大学で、大学の移転という方針について意見の相違があるのは事実でございます。しかし、この法律が成立した場合には、そのような学内の意見の相違を克服して全学一致で紛争処理に当たれという国民の意思がいわば示されることになりますので、教育大学におかれても考え直される機会が生まれてくるものと考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 生まれてくるものと期待しておるとおっしゃいますけれども、もうすでに一年も経過しておるわけですよ。私は、生まれてこないと思うわけです。  それでは、もう一点お伺いしますが、そのように学内において意見の対立が激しい場合、意見の一致が見られなくても、第六条の一項の問題、いわゆる補佐機関あるいは審議機関あるいは執行機関、こういうものが学長の意思によってのみ発動することができるのかどうか。この点についてはいかがでございますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 発議は学長でございますけれども、評議会にはかりまして全学的な意向を結集した上で措置することになるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは、意見の対立が激しい場合には第六条の項目は全然発動不可能でございますけれども、それでもやむを得ない、そういうふうにお考えなのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 意見の対立が激しい場合には、形式的には第六条の措置の発動はきわめて困難でございます。その場合にどうするかということにつきましては、法文上は明確な措置が定めてございません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうすると、そういう場合はこの法律の効果が全く期待できなくてもやむを得ない、そういう意味ですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この法律は、自主的に紛争を収拾しようという意欲を助長するものでございますから、自主性が全然ない場合には発動困難でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは東大メモの批判に対してどういうふうにお考えになるか。これは文部大臣にお伺いいたしたいのでございますが、こうあります。第三条「ただこのような形でとくに学長等の職務が明文化されることから、非協力職員の懲戒処分、財産保全のための警察力導入等の問題の根拠として、これが積極的に用いられる可能性が生じないとはいえないであろう。さらに、大学紛争における非協力職員とは一体どのようなものであるかは、」「十分な考慮を払っているとはいえない。」、こういうような第三条の批判になっておるわけでございますけれども、特に全学の意思が統合できない場合は非協力職員というようならく印を押されて、学長側にくみしない人たちが一方的に大学から追いやられてしまう、そういう方向にいかないとはいえないと思うのですけれども、それらの点についてお答えいただきたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この東大見解の第三条の意味は、「非協力職員の懲戒処分、」云々とありますけれども、こういうことはこの法案には書いてないわけなんで、どうも化けものを自分たちで想定して、それにおびえているというような気がしてならないのでございまして、こういうようなことはむしろ大学自身がおやりになることなんです、六条以下のことを。しかも第七条におきまして、たとえば文部大臣が第三者機関にはかって教育、研究を停止するというぎりぎりの事態ということも起こり得ますけれども、その前に大学みずからが休校措置にすることもできるわけなんで、自主性があるならば休校措置をやって事態の解決をはかるという道も開かれておる。そういうふうに、実にこの法案というものは大学当局みずからの自主解決というものを主眼として、それをわれわれが助けるというふうに貫かれておるというふうにお考えをいただきたいと思うのでございまして、東大見解は私もだいぶ読んでみましたけれども、ずいぶん何といいますか、あまり心配し過ぎているという点があるように思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣、そうおっしゃいますけれども、この法律には不明確の要素が非常に多いわけですよ。そういった点で、そういうような心配まで波及してくるのではないかと私は思います。たとえば第三条の二項においては、施設、設備、財産の管理保全のための「適切な措置」、こういうふうにうたわれておるわけでございますが、一体その「適切な措置」というのは何をさすのか。こういうようなこともこの法文を読んだ限りにおいては明確でないわけです。たとえば大学紛争が起こっている、そこに一つの暴力行為が行なわれようという気配、そういうような状態のもとでは、財産の管理保全のためにはそれじゃ警官導入をするのだというような意味をさすのか、あるいはまた逆に大学の自主性を尊重するあまり、大学でもやはり自衛機能を働かせるための学内警察、そういうような体制も考えていかなければならないのか、そういうような問題については方向性が全く定まっておらない。そういうような疑問点がこの法案には多過ぎると思うのです。その議論はともかくとしまして、それじゃ、ここでいうところの設備、財産の管理保全のための「適切な措置」というのは、どういうようなものをお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思うわけであります。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学の施設、設備は、当然教育、研究のために使われるべきでありまして、そのほかその目的を妨げるような用途に供してはならないわけでございます。したがいまして、たとえば施設を封鎖する、机、腰かけをバリケードに使うとかあるいは破壊するといったようなことのないように、平素から管理を厳重にし、不幸にしてそういう事態が起こった場合には適切な排除行為を行なう。自力でできない場合は、公共的な権力である警察力を発動してでも管理の保全をするということをいっておるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そこら辺はまたこまかい問題になるかもしれませんけれども、たとえば机を十や十五ぐらいかつぎ出してバリケードを築いた。そうするともう大学の中では、そういうような何十人に対処するだけの実力がないから、それじゃ警察官を導入するか、そういうような問題になると思うのですね。ですからやはり「適切な措置」というのも、もう少し明確な規定がなければ、大学それ自体としてはやりにくいのではないか、こう私は思うのです。その点についてどうですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 逆に、事こまかに規定いたしますと画一的に過ぎまして、また大学としてやりにくい面も出てまいります。この法案では御指摘のようにかなり幅のある弾力的な表現になっております。そこで大学が自主的に事柄の当否、いかにすれば紛争の収拾にプラスになるかという判断をして行動する余地が残されておるのでありまして、そこら辺は一利一害ということがいえようかと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは、先ほど大臣の御答弁もありましたように、警察官の導入はやはり学長と執行部の意見も十分尊重すべきである、そういうようなお答えもございましたので、これはそのように解釈をしてまいりたい、こう思います。  文部大臣に一つお伺いしたいのでありますけれども、イタリアにおきましては学内警察みたいな組織を持っておる大学もございますけれども、こういうような方向は適切であるとお考えになるか、あるいは適切でないとお考えになっているか、そこら辺の御見解を承りたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 これは一つの考え方ではあると思います。またアメリカにおいてもそういうようなことがございます。しかし、やはり一応諸外国は諸外国なりの慣行もございますし、日本の現在の状況を考えてみた場合においては、むしろこれはなじまないのじゃないかという気がいたします。むしろこれは、暴力がこのような形において行なわれる場合には警察力をお願いするというほうがいいというふうに私たちは考えます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは三条の三項の問題についてお伺いいたしますけれども、ここでは学生参加の問題が取り上げられているように私は思うわけでございます。「当該大学紛争に係る問題に関し、ふさわしい領域内において提起される当該大学の学生の希望、意見等を適切な方法によってきくように努め、」云々と、こういうふうにあるわけでございます。これは学生参加の要因であると思うのでございますけれども、これもまた「ふさわしい領域」というふうにばく然とおっしゃっておる。また「学生の希望、意見等を適切な方法によってきく」、こういうふうにきわめて抽象的に書かれておるわけでございますけれども、学生参加の問題は今日の大学紛争を解決するための基本的な大きな問題であるわけです。そういうものをただこういうような形で表現をされたということは、私は非常に物議をかもし出すと思うのでございますけれども、一体どのような範囲を考えていらっしゃるのか。「ふさわしい領域」なんというのはどういう問題があるのか、あるいは学生参加の態様というものはどういう状態であるのか、特に六条の四項に規定されている問題に限るのかどうか、こういった点をひとつお伺いいたしたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 現在の大学紛争が起こる一つの原因として、学生の意見がくみ上げられることがあまりにも少なかったという反省がございます。そこで学生の意見はできるだけ大学の運営に反映させることも必要であるという認識が、中教審の答申などにも出てまいっております。ただ、おのずから修学中の学生という態様に着目いたしまして、ふさわしい領域があるだろう。その「ふさわしい領域」というのは、学生の課外活動的な領域あるいは厚生施設等の問題あるいは一部のカリキュラム編成のような事柄、そういうことについては学生の希望、意見を従来より以上にくみ上げる配慮が必要であろう。また、紛争収拾につきましても、一部大学を破壊しようとする暴力学生は別といたしまして、多くの学生は教育を受けたい、研究をしたいという希望があるわけでありますから、そういう希望を穏やかな方法で、大衆団交とかあるいはつるし上げとか、そういう穏やかならざる方法でない「適切な方法」で聞くようにして、一般の学生の盛り上がりを背景として大学紛争の収拾に当たることも必要であるという意味を、この第三項はあらわしておるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういうような抽象的なお答えでは私はこの三項の答えにならぬと思うのでありますけれども、特に「ふさわしい領域」というふうに限定をしたというのは、ある程度文部省としてはここからここまでの範囲というふうに想定していらっしゃると思うのですね。いま大学における学生参加の内容点についてはいろいろあるわけです。たとえば大学の運営に関する規則を定める、そういうものにも参加させてもらいたい。あるいはまた学生寮の問題についても全面的に管理を主張しております。私は必ずしもそれに賛成ではないわけでございますけれども、そういう問題もありましょう。それから日大紛争なんかの場合を考えてみましても、これは経理の公開、こういうようなことも要求しております。場合によっては監査まで要求するようなところも出てくるかもしれない。あるいはまた学長選挙についても、これはすでに全学の選挙によるべしというような、人事権にまで現実には介入しておるわけですよ。ですから単なる「ふさわしい領域内において」というようなことばで片づける問題とは違うわけですから、もう少し文部省が考えていらっしゃるその領域という範囲を明確に項目別にお示しいただかなければ、私は適切な措置ではなかろう、こういうふうに思うわけで、これをお伺いするわけであります。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この点についてはむしろ公明党さんのほうにおきましても、ふさわしい領域、人事とか、あるいは財政とかいうようなところまではいかがかというような御見解だ、誤りでなければそういうふうに私は受け取っておるわけであります。それからもう一つは、東大の八十島委員会におきましても、中教審とそう変わらないので、人事あるいは財政というところまで入るべきじゃない、意思決定まで参加させるべきではない、こういうふうにいっております。むしろ諮問方式というようなことが妥当ではなかろうかということで、例といたしましてはメンバーシップ方式、諮問方式、それから交渉方式、拒否権方式、この四つをあげて、そしてどれがいいとはいってませんけれども、あれをよく読みますと、諮問方式のほうがいいというふうに受け取れるように書いてあります。ところが、中教審のほうもその点については「ふさわしい領域」としては、課外活動とか、福利厚生とか、環境整備とか、あるいは教育計画とか、あるいはカリキュラムの内容、方法等につきましても何らかの意思を反映させる、間接的には意思を反映させるという道を開いたらどうかということでございまして、大まかにはそう幅広いのじゃなくてある程度限定的なもの、そしてまた領域的にふさわしい領域というものがおのずと大体定着しつつあるんじゃないかというふうに私は思うのでございまして、そういうようなことを考えながらこれを、この法案におきましても、まず第一には大学当局がそういう中教審やあるいは東大あたりで出しておられるような方向でもって定着させていただければけっこうだというふうに考えておるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大体文部大臣のお話で、中教審の方向あるいは八十島委員会の方向が是認されたような形でございますので、その問題はそれまでにしておきたいと思います。  さらに私は、ここでお伺いしなければならぬことは、現在学長選挙、いわゆる人事の問題でも大学においては最高の人事になるわけですが、こういったものが芝浦大学等におきましても全学の意思によって学長を選挙するのだというような形があらわれております。これは私立の場合でございますから文部省が云々すべき問題ではないかと思うのでございますが、たとえば国立大学等におきましてもそういうような形がもしとられたならば、文部省としては一体これにどう対処されるのか、否定をされるのか、あるいは全学の意思を尊重してそれをお認めになるのか、そういった点についてお伺いをいたしたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御指摘のように、私立大学の学長につきましては、現行法制上別段の制約がございませんので、当該学校法人並びにその設置する大学におきまして適宜学長にふさわしい人を選ぶ方式でおやりになればよろしいかと思います。国立大学につきましては、現在教育公務員特例法で所定の基準、手続がございます。それによりますと、教育公務員である者の特質に着目して大学管理機関が選考するということになっております。こういうことからいたしますと、学生が最終意思決定に参画することは適当でない、かように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、もし全学の選挙によって学長が選ばれた場台、文部省は否定をされるわけですね。そういう人は認めない、こういうふうに法律違反であるから認めないのだ、こういう態度でいく、大学は認めるべきである、こういうふうに主張すると思うのでございます。現にそういうような国立大学もぽつぽつあらわれておるように思うのですけれども、そこら辺はどういうふうに対処していらっしゃるのですか。現実の問題として考えていただきたい。法律の規定はどうとかこうとかという問題だけでなくて、現実にそういうような問題が起こった場合に、一体文部省はどう対処されるのかということを伺っておるわけですから。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 現行法上、学長の選考は評議会において行なうことになっております。評議会の自由な意思決定が学生によって拘束されるような方式であれば適当でないし、そのような方式の選考は認められないと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 認められないということでございますが、そういたしますと、具体的には、学長もそういうふうな全学の意思を尊重して学長に就任したい、文部省は認めない、そういう場合に一体どういうふうになさるわけですか。ただ認めない、認めないだけでは、今度はたとえばある大学の全学対文部省の関係になってきて、ますます紛争は激化されるように私は思うのでございますが、どういうふうに対処されるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 文部大臣といたしましては、法律に基づいて職務をやるわけでありますから、現在教育公務員特例法の趣旨に反する手続は認めるわけにはまいらないわけであります。その結果につきましてはいろいろな問題が起こりますが、その時点で対処するほかはないと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 その問題は、仮定の話ではなかなか話が片づかないと思いますので、さらに先へ進みますが、先ほど文部大臣も、学生参加の態様について幾つか東大があげられた原則をあげられました。メンバーシップ方式であるとか、諮問方式、あるいは交渉方式、拒否権方式と、いろいろな方式があると思うのでございますが、現実に行なわれている形は、東大においては全学集会が行なわれておりますし、あるいはその他の大学等におきましては大衆団交、そういうような姿がございます。特に大衆団交に対する学生の要望は非常に強い、というのは、間接的な選挙によって代表が選ばれるよりは、より多くの意見を反映させなければならないのだ、そういうような気持ちが強いようであります。そういうようなところから、大衆団交という形でしばしば学長等がこれに拉致されて、きわめて非人間的な状態に拘束されるような場合も出てきておるわけでございます。一体文部省としまして、大臣としまして、この大衆団交についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 私は、大学の場合、やはり良識と理性の府でございまして、権力、力によって、労使間の団体交渉みたいな形によってものごとが決せられるべきものではない、筋合いではないというふうに考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういうような御意見は当然であろうかとも思いますけれども、しかしながら、実際問題として大衆団交がどんどん行なわれておるわけですね。それは大学が自主的に、大衆団交じゃなくて、代表方式なら代表方式、全学の選挙なら選挙によるさまざまな問題提起、そういうような形でどんどんやっていけばいいのでしょうけれども、現実問題として大衆団交を排除できないような状態になっておりますけれども、これに対して何らかの指導、助言をなさるおつもりなのかどうか、この辺の問題についてはどうでしょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 その点が第三条第三項にございますように、学生の意思をどうやって反映させる方法があるかということを大学みずからもお考えをいただきたい。ふだんに、紛争が起こらない前にそういうことがあってしかるべきであった。そういうふうなことを放置したというところに今日の問題があるのではないかというふうに思うわけでございます。そういう意味合いにおいて、各大学が真剣にこれらの学生たちと懇談をするとか、あるいは公聴会を開くとか、あるいは広報委員会というものを学長直属に設けて、それで常に大学の意思というもの、あるいは大学のあるべき姿ということに対する意欲的なプランというようなものを提示する、あるいは学生が疑問に思っていることについては正々堂々とこれに答える、こういうようなことはあってしかるべきだと思うのでございますけれども、一つの何か権利を獲得するための手段として、労使間の団体交渉のような形において行なわれるということは、大学としてはあるべきことではない。現にあるからといって、それを認めるわけにはいかない。そういうものをなくするような努力を大学もやってもらわなければならぬし、われわれもそのような指導、助言をやらなければならない。そのためにぜひいまのようなくふうが何かあってしかるべきではないかという問題を投げかけておる。こういうことでございますし、公明党さんのほうでも、その点に着目をされて、民主協議会というようなこともお考えになったんだろうというふうに私は考えるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣のお考えもっともだと思いますが、しかし、そういった大臣のお考えを現実の大学に反映させる方法というのはいろいろな措置が講じられていかなければならない、こう私は思うわけでございます。そこで私たちは、公明党としましては、そういった大衆団交にまで至らない時点におきまして学生諸君のいろいろな意思を反映する方法を考えなければならない、こういうことをかねがね主張しておるわけであります。  そういう意味におきまして、大学当局でおやりになることはもちろんでございますけれども、国自体としましても、今日の学生がどんな意識を持っているか、そういう問題についてやはり十分調査をされなければならなかった、こう思うわけでございます。過去のことは云々してもいたしかたないわけでございますけれども、これからの問題としましても、絶えず学生諸君の意思が那辺にあるかという問題を取り上げていかなければならない。そういう意味におきまして、私たちは大学問題研究所、国立教育研究所の中でもかまいませんが、そういうような機関を設けて、大学当局に対する文部省の支援がなければいかぬのじゃないか、こういうようなことをかねがね主張しておるわけでございますが、そこら辺の学生諸君の意思反映のための措置として、大学当局だけでなく、いわゆる政治を担当していらっしゃる文部大臣として、どういうふうにこれから対処されるつもりなのかお伺いをしたいわけであります。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 学生たちがああいうセクトに分かれておりまして、昔のような、単に右翼であるとか左翼であるとかいうような形だけで学生問題をとらえられない時代になってきているというふうに私は思うのでございまして、その点については、学生の意識の変化というようなことを学問的にも十分追求する必要があるのじゃないかというふうに私は考えます。したがいまして、国立教育研究所におきましても、そういうような方向で検討をなさるというように聞いておりますし、私もそういうことをやっていただきたいということはかねがね申し上げておるわけでございます。また、私といたしましても、単にうわさだけではいけないのであって、学生みずから、三派なら三派の人に対しましても、私は、なるたけこの耳で、この目で、はだで感ずるようにつとめておるわけでございます。そういうような努力を通じて、彼らが何を望んでおるのか、何を反対しておるのかということを意識まで入ってきわめようという意欲を持っておるということだけは、石田さんにお答えを申し上げておきたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私大紛争の場合、授業料の問題がしばしば問題になっているわけでございます。これは大学の高等教育として経費がかかるという点は十分考えられるわけでありますが、この前から私もしばしば申し上げておりますように、このままの状態でいきますと、入学金やなんか非常にエスカレートして、どんどん増額される。そういうところから不正入学等の問題も出てくる。この寄付金によって大学が運営される、こういうことは暗黙のうちに了解されている状態になっているわけです。私大で裏口入学をしていないところは、非常に数が少ないのではないかと私は思うのです。そういう問題についても学生諸君は非常に大きな不満を持っておるわけですね。一生懸命勉強しても入学できない者もいるのに、多額の寄付金を投ずれば裏口から入学できる。そういうような学生がしばしば学内で、おれは試験には受からなかったんだけれども、つてがあって入学をしたんだというようなことを広言をしていることも私は耳にしたこともあります。こういうような私学の問題について、確かに大臣もあるいは総理も、私学への援助を強力になさると言いますけれども、こういった裏口入学、高額の入学金を取るような状態を緩和するような状態まで、一挙に私学の援助をふやすことはできなかろうと私は思うわけでございます。こういった問題について、私大等に対して今後文部省としてどういうような指導をしていかれるのか、こういった点も伺っておきたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 石田さんの御指摘はそのとおりなんでございまして、やはり、あまりにも国と私立に対する助成の道というものが差があるということは、かねがね私申し上げておることでございまして、百五十万の学生のうちに国立三十万、私立は百十万、しかし、その私立の百十万の貢献度というものは、国立に劣らないだけの社会的貢献度を持っておる。そういうのに片方の国立に対しては、国は学生一人当たり七十六万円も払っておる。私立百十万の一学生当たりに対しては、国は財政投融資を含めまして三万円ということでは、これは問題が解決しないのじゃなかろうか。しかも授業料にいたしましても、片方は一万二千円、片方は十万円近く、さらにそれ以上にいろいろ取られるというのが現実でございます。こういうようなものを解消するには、やはり今後国公、私立を通じた大学政策というものがなければならないというふうに私は考えるわけでございまして、その意味合いにおきまして、大幅に私学援助をやらなければならないということだけは、はっきりいえるのではないだろうか、そういうような私学援助をどういう形でやるか、具体的な方法ということにつきまして、来年度予算からでも取りかかりたいというふうに、意欲を燃やしておるところでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 さらにまた問題を波及させたいと思いますけれども、時間の制約もございましょうから、先へ進みます。  それでは第四条の問題についてお伺いをいたしますが、この第四条の第一項には、大学紛争が生じた場合には、当該大学は、「直ちに文部大臣にその旨及び当該大字紛争の状況を報告しなければならない。」、こういうふうに規定をされておるわけであります。この問題について、また東大メモを持ち出しておこられるかもしれませんけれども、日本学術会議等におきましても、いわゆる職員の言動調査まで報告を求められるのじゃないか、そういうことをたいへん心配をしておるのでございますが、それに対して文部大臣はどうお考えでございましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この点、先ほどもお答え申し上げましたとおりに、東大の人たちはどうしてこういう考えになるのか。思い過ごしもはなはだしいというように私は思うわけでございまして、こういうような報告ということは、大学として、当然責任者でありまする文部大臣にやるべきことであるというふうに思います。進んでやるべきことであるというふうに考えるわけでございます。従来やらなかったとするならば、それこそ国民から問われなければならない問題だと思うわけでございますが、そういうことに対する報告を求めることは私の責務である。それを怠ったならば、私は責務を怠ったことになりまして、国民から問われてもしかたのないことだというふうに考えております。もちろん、そのことによって大学の教官に対しまする思想、あるいはその人の信条、あるいは政治的な主張、あるいは学問的な学説ということに対して、憲法が保障しておりまする学問の自由というものに介入をしようとは、いささかも考えておらないということをはっきり申し上げておきます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 第二項の問題でお伺いいたしますけれども、「当該大学紛争の収拾及び当該大学の運営の改善のため講じた措置及び講じようとする措置について、必要に応じ、報告を求めることができる。」、こういうふうにしておるわけでございますが、第四条の性格からいきまして、自主的な解決期間であっても、政府はこういうような報告を求められるように、私はこの条文から考えるわけでございますが、これに間違いはございませんか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 間違いございません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、自主的な期間においても——これは第五条との関連にもなってくると思うのですが、第五条においては「臨時大学問題審議会にはかり、必要な勧告をすることができる。」ようにしておりますが、自主的な期間においても、どしどし大臣はこういうような勧告をなさるのか、そういった点についてはどうでしょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 自主的な期間におきましては、指導、助言というふうな形で、たとえば客観的にほかの大学の例でありますとか、それから文部省ではいろいろな事例を当該大学よりは広く承知しておりますので、紛争収拾に資するような指導、助言をするわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういたしますと、第四条の二項の規定では、すでに講じてしまった措置ですね、そういう問題についても、五条の規定とからみ合わせて、たとえば臨時大学問題審議会において、すでに当該大学が講じた措置はどうも方向を誤っておるというふうに認定をされれば、その改善を求める、方向転換を求めるんだ、こういうふうに解釈してよろしいわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 五条の勧告は、将来の措置につきまして勧告をすることが法案の趣旨でございまして、事後の是正というようなことは考えておりません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そこが非常に大きな問題であるわけです。たとえば将来の問題としましても、これから講じようとする措置を大学で決定した。それを報告を求めて、大学審議会等にはかってやるということになりますと、時間的にも、その講じようとする措置は制約を受けるし、また、大学が自主的に解決しようと思ってやっていることに対して、文部大臣が、その方向はどうも違うではないかというようなことになりますれば、これはどうも大学自治への権力の介入というような形に非常に近いのではないか、もっと極論すれば、明らかな権力介入ではないか、こういうふうにも考えられるわけです。そういった問題について、どういうふうにお考えでありましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 それはそうではなくて、むしろ大学が自主的に解決をなさるということを助けるわけでございますから、なるたけ大学側に自主解決を求めるわけでございます。しかし、やはり人間でございますから、考え方が違う場合はあるわけでございます。その場合に、われわれはこういうふうに考えるがどうかというようなことを申すという場合も、いかにも大学側としては権力の介入という形に受け取られるような雰囲気にあることもわからぬわけではございません。しかし、その場合にも、いかにも権力の介入というようなことであってはいけないし、やはりそこには第三者機関の客観的な意見というものをもととして、文部大臣はものを申すのでございますよ、こういうことでございまして、むしろ、文部大臣の直接介入というものを避ける意味において第三者機関というものを設けたわけでございまして、これによって大学の自治を侵すとかなんとかというようなことにはならないというふうに思うわけでございます。大学の紛争というものを解決する上におきまして、今日では大学それ自体でなかなか解決ができない。むしろ、大学と文部省というものが対立関係にあるのじゃなくて、敵対関係にあるのじゃなくて、大学側が自主的におやりになる、それと一緒に文部省も手助けをして、そうしてやりましょうという、こういう前提があるわけでございます。このところは、ひとつ石田さんもよく御了承を賜りたいというふうに思うわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私は了承するわけでございますけれども、現実にどうも、この間の公聴会の方々のお話を聞きますと、特に和光大学の生越助教授ですか、のお話を聞きますと、非常に文部省に対する不信感がある。あるいは杉村教授にしてもそういうお考えがあるわけですね。私は、この条項におきまして心配になるのは、文部大臣がその審議会におはかりになって、これから勧告しようとする措置について一つの評価を与える、その評価と、大学側があくまでも、いやそういうような考えは困るんだというふうに、意見が対立した場合にこれは困るんじゃないか。そういう意味で、意見が対立したけれども、しかし、それは第三者機関にはかったんだから、ぜひとも実施をすべきであるというふうに強力な発言を文部省がなさるとすれば、これはそこにまた一つの紛争も起こってくるんじゃないかと思いますので、こういう意味でお伺いいたしておるわけですが、一体、そういうような意見の対立があった場合にはどう対処されますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 当事者だからすべてがわかるというものじゃなくて、当事者だからむしろわからないことだってあるわけなんです。われわれお互い政治家でございますが、渦の中に巻き込まれておるとわからない。その渦の外において、自分を一ぺん出してものを見ると、ほんとうにわかるという場合だってあり得るわけでございますから、大学の先生といえども、オールマイティじゃないということを考えていただきたい、こう思うわけでございまして、その際、やはり文部大臣が、そういう慎重な第三者機関の意見を聞いて、そうして勧告をするという場合においては、そのことについて十分お考えをいただきたいというふうに思いますし、その意味においては、ある程度指導、助言というものの中におきましては、少し強い指導、助言という形になるかと思います。しかしながら、どうしてもいかぬという場合は、これはやむを得ないわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういうような勧告を拒否した場合、これは予算措置などで、まあ、ことばは悪いかもしれませんけれども、報復処置というようなことも考えられる。これは、ことしの予算の中におきまして、紛争大学については、新しい課題については予算はつけないんだというようなことで、その要求が削られておるわけですね。そういうようなことをこれからもなさるのかどうかお伺いしたいと思うのです。  さらにまた、ここでうたわれた審議会を通しての勧告、そういう勧告にどうしても大学が従えない、そういうような場合には、明らかな義務違反と、そういうような形になってくると思うのです。そういう場合に、何らか法的な措置をとるのかどうか、そこら辺の問題をお伺いしたいと思うのです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 勧告を聞かなかったから、それによってすぐ報復処置として予算を切るとかなんとかということは毛頭実は考えておらないのでございまして、この法案というのは、先生方、つまり大学の学長をはじめとする教官方と一緒になって文部省も、大学の当面しておられる問題を解決しよう、そういう意欲であることをひとつ御了承を賜りたいと思うわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私は、八条の問題でお伺いしたがったわけなんでございますけれども、今回、このような大学が紛争を続けておるところから、日本育英会においては、そういった奨学資金を一万五千人ですか、カットしたということが新聞に報ぜられております。そういうような姿勢があったんでは、報復処置はとらないんだ、こう言っても、私は、なかなかそういった大学やあるいは学生等を納得させることはできないんじゃないかと思うのです。  話はちょっと飛んだかもしれませんけれども、こういった日本育英会の今日の大学紛争に対処するやり方というものはほんとうに正しいかどうか、それに対してどういう評価を文部大臣はなすっていらっしゃるのかお伺いしたい。  それから、これは念のためお伺いするわけでございますが、文部省として、そういう面を日本育英会に指導、助言したというふうには考えないのでございますけれども、そこら辺は、そういうことはなかったんでございましょうね。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 第八条の場合においては、事実上教育、研究というものが停止されるわけでございます。したがいまして、学生というものは教育を行なわない、つまり単位もとれないという事態が起こるわけです。そうすると、この育英会の規則によりますと、やはりその必然的な発生といたしまして、成績というものを前提といたしておるわけでございますから、成績が不良だというようなことになるということになれば、当然この奨学金がもらえないということはあたりまえだと私は思っております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それはおかしいと思うのですね。じゃ、八条の問題をちょっと取り上げてみますれば、もうすでに法律が発効する前に、日本育英会はそういった学資の貸与を中止しておるわけでございますけれども、特に私立大学の場合は——国立大学の場合は授業料を取らない。教育、研究が中止をされておるそういう状態であるから授業料は取らぬのだ。だから奨学資金はカットするんだ、こういうようなお話でございますけれども、私立大学においては、授業料は授業料で取るんだというんですね。そうして育英資金のほうはカットするんだというのでは、これは私は学生諸君を納得させる力はないと思いますけれども、そこら辺は、どういうようなわけでそういうようなお考えを持ち、この条項に盛られたのか、お伺いをいたしたいと思うのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 育英会の問題は、これは現在は、紛争のあるなしにかかわらず、学業成績とそれから経済的条件をチェックして奨学金を交付し、それから毎年度それをチェックしておるわけでありまして、紛争大学につきましては、たまたま学業成績の報告が出ないという時点で奨学金が停止になったわけであります。  それから、今回の立法におきましては、その関係をさらに明確にいたしまして、教育、研究の停止状態になった場合にはこれをとめるわけであります。  私学につきましては、これは私学の授業料というものは国の関与するところでございませんので、適用しなかったわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それはおかしいじゃないですか。国立大学は授業料を納めないから、教育、研究が行なわれないから育英資金をカットするわけでしょう。私立大学はその一つの条件が欠けておる。それでもどうしてもその育英資金をカットするということは、私は、学生諸君を納得させる力はないと思うのですよ。そのことによって大学紛争がさらに激化するおそれもあるんじゃないですか。この考えを改める考えはないわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この法案を改めるという考えはございません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それではお伺いいたしますけれども、そういうような一方的な権力的な方向で今日の大学紛争が解決するとあなたはお考えでございますか。(発言する者あり)まあいろいろ不規則発言もございますけれども、その点はそれは私も考えますけれども、しかしながら、そういうような権力的な姿勢で今日の大学紛争が解決すると思っていらっしゃるのか。いま大学紛争の中から問われている問題は、学生に対するそういった無理解あるいは一般社会に対する権力的な方向、こういうようなものが非常に大学紛争の底流をなしておるわけです。そういうような底流があるにもかかわらず、こういった一方的な、私立と国立の間に差をつけるなんていうことになりますれば、私立の学生諸君もますますこの立法化反対のデモに参加してくるような状態になり得ると私は思うのです。そういうようなことになりますれば、今日の大学紛争が激化するとすれば、これは明らかに大学それ自体の責任じゃなくて、文部省それ自体の責任である。大学紛争が激化した場合にこれは文部大臣の責任である。そういう意味で私は注意を喚起しておるわけですけれども、どうしても法案をお変えになる考えがないとするなら、それもけっこうです。さらに日本育英会においては、いま、学業成績が出ないから育英資金をストップするのだとおっしゃいますけれども、これはどちらに責任があるわけですか。大学に責任があるわけでしょう。学生諸君、いわゆる一般学生には何ら責任がないわけです。そういうような状態にありながら、一方的に育英会のそういった規定に違反をするから、適用できないから、育英資金を出さないのだというような態度というのは、私はとるべきでないと思うのです。じゃ大学が休校の場合に学問、研究というのは全く行なわれておらないのか、そういうようなことではないと思います。現に図書館に行って勉強している学生もおりますし、そういうような問題を全然度外視して、なおかつこの法案を、この条項を適用しなければならない、こうお考えになっていらっしゃるのか。これはひとつ文部大臣にそのお考えをお聞きしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 これはやはり育英会の諸規定というものがございますので、その諸規定に当たるならば、やはりその条件を満たさなければ、それによって支払わないということは当然なことだというふうに思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 じゃ、その問題はあとでまたやることにいたしましょう。  それでは第六条の問題についてお伺いをしてまいりますが、この第一項のイ、ロ、ハの補佐機関、審議機関、また執行機関については、そのそれぞれの機関を設けるというようなことになっておりまして、これもまた内容が全く明確でないわけでございますけれども、一体この補佐機関、審議機関、執行機関というのはどの程度の規模のものとお考えになっているのか、あるいはまた省令で定めようとしていらっしゃるのか、あるいはまたその設置について、いわゆるメンバーの人選等についても、これは文部大臣の承認を要するものかどうか。任命は、学長の申し出に基づいて文部大臣が行なう、こういうふうにあるわけでございますけれども、これはいわゆる文部大臣は拒否権を持っているのかどうか、こういった点についてお伺いをいたしたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 現在大学では、学長のほかに、合議制の諸機関といたしまして評議会、教授会があるわけでございます。この第六条の新たに設ける機関は、評議会や教授会だけでは紛争収拾のための意思決定あるいは執行に不十分である、新しく設けたほうが適当であるという考え方でございますので、評議会や教授会よりは小規模のものを考えております。その構成等につきましては、大学が自主的に考えまして、審議機関を除きますと、具体的には文部省に御協議を願って、両者合議の上で、いかなる構成、いかなる権限のものにするかということをきめます。その構成員の任命につきましては、大学の申し出に基づきまして文部大臣が任命することといたしております。これは現在評議員などの任命と同じ考えでございます。したがいまして、拒否権というお尋ねでございますが、教育公務員特例法第十条の適用関係につきましては、現行法と同じ解釈でございます。申し上げますと、客観的に明白に不適当な場合にはそのまま肯定するとは限らない、こういうことでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いま教育公務員特例法のお話が出ましたけれども、これはあくまでも自主的な人事を決定するための特例法だ、こう私は思うわけでございますが、この法律とこの大学立法の第六条との関係は、どちらが優先するわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この法律は、大学紛争の問題に関しまして運営の特例でございます。したがいまして教育公務員特例法にさらに特例を設けるような場合には、この法律の規定のほうが優先するわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いまの問題は、これは重大な発言だと思うのです。教育公務員特例法第十条の規定、いわゆる「大学の学長、教員及び部局長の任用、免職、休職、復職、退職及び懲戒処分は、大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。」、こういうふうにうたわれております。そしてここにいうところの「大学管理機関」とは学長、従来の慣習によれば評議会の議を経なければならないものでございますが、もし今回の審議機関あるいは補佐機関あるいは執行機関等の人事が、この慣習を必要としないということであれば、先ほど文部大臣は、拒否権は普通発動しないとおっしゃっておりますけれども、あくまでも任命は文部大臣ということになります。そうしますれば、いわゆる協議をしてきめるにしましても、文部大臣がこの人間はまずいのじゃないかというふうに判断をした場合、特定大学の首脳陣は文部大臣の力によって全部入れかえすること自体も可能になってしまうわけです。そうであれば、この教育公務員特例法十条の規定というものは、大学紛争が起こった、小さな大学紛争が起こっても、さっきの名古屋大学の例を見ましても、局部的な問題であっても紛争大学というものが必然的に発生するというお話でございますので、そういうような問題から明らかにこれは人事権への大きな権力介入という形になり得るわけです。そういうような問題について私は心配をしておるわけですが、この紛争大学に限っては、この十条の規定というものはなくなってしまう。むしろなくなるというよりは、この特例法、いわゆる大学の紛争に関する臨時措置法案のほうがはるかに優先するから、人事の入れかえ等も可能である、こういうふうに考えてよろしいわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 紛争大学につきまして、教育公務員特例法が全面廃止になるわけでは決してございません。この六条にありますように、こういう特設の機関を設けた場合、並びに従来の学長、評議会等の権限関係を第六条一項二号にありますような限定の範囲内で特例を開くわけであります。それからこの特設の機関につきましては、第三項にありますように「構成員の任命は、学長の申出に基づき、文部大臣が行なう」、これは教育公務員特例法十条の規定の趣旨と同様でございますので、その運用につきましても同様に行なうわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これは非常に大事な問題でございますので、いま大学においては、この大学の運営に関する臨時措置法案のほうが優先をするというようなことになると、いわゆる大学の人事まで紛争中に全部文部大臣の手に握られてしまうということを非常に懸念していらっしゃるわけです。そういう意味で私がいま伺っておるわけなんでございますけれども、文部大臣のもう一度これに対する御答弁を明確にお願いしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 ただいま村山局長もお答えを申し上げたとおりでございまして、教育公務員特例法にありますような大学機関の申し出に基づいて私が任命をいたすわけでございますから、大学自治に介入するというようなことは毛頭ございません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、紛争中においても、人事等の面について、全面的に首脳陣が文部大臣の力によって入れかえられるようなことはない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 そのとおりでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうなれば、この第六条三項の規定は明らかに強過ぎるのではないか。その文言について、もう少し再検討を要するのじゃないかと思いますので、一つの問題提起をしておきます。  それからこの補佐機関あるいは執行機関についても、将来の大学運営のための非常に重要な基本的な問題になっていくわけでございます。  そこで一つお伺いいたしますが、ここに掲げられた副学長制、その副学長制の機能というものは一体どういうことを想定して副学長制というものをお考えになっていらっしゃるのか。ここは一人制かあるいは複数制か、そういうようなものも明確でございませんが、もし複数制になればそういった副学長の権限はどのようになってくるのか、そういった点について詳細にひとりお答えをいただきたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 副学長制につきましては、最近大学問題に関連しましていろいろ議論の出てきておるところでありまして、まだ一義的に固まっておりません。この法案につきましても、現在提案されているような副学長制の中で、当該大学がどういう形をとろうかというイニシアチブに基づきまして、文部省で協議をいたしましてきめたいと思っております。したがって、一人の場合もありましょうし、それから複数の場合もあろうかと思います。一人の場合には学長の機能を補佐するわけでありますが、複数の場合にはそれを分担して補佐する。教育面、研究面、管理面あるいは教務、学生補導、いろいろな面がございますが、紛争収拾というような仕事にどういうポイントに重点を置いて対処したらいいかという当該大学の事情に応じまして、副学長の数なりあるいはその機能なりを協議してきめることになろうと考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 もし一人の場合、ただ学長を補佐するというだけでは不明確だと思うのですが、いわゆる学長を補佐する機関というのは数名の場合もあり得るわけでございましょう。特に副学長制を設けたという意味はどういうことでございますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 現在大学の機能は非常に複雑になっておって、学長一人では、かりに管理運営に経験があっても容易でない。まして学長は、しばしば著名な学者であって研究室で研究に没頭しておった者が選挙によって選ばれるというのが実態でございます。一人ではなかなか大学の全体をつかんで運営することができない。そこでこれを補佐する機関が必要だということが、中教審の答申にいたしましても、またいろいろな大学論議でも出てまいっております。そういう論議を受けておるわけでありまして、その中身が現在一義的にかくあるべしときまっておるわけではございません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 固まってもいない副学長制というのをこの条項にうたうことは私はおかしいと思うのです。じゃ、こういう場合を想定してお伺いします。この法案は臨時措置法案でございましょう。いわゆる異常なときにおける状態を考えて、そしてこういった補佐機関を設けておるわけでございますけれども、通常の場合も必要とお考えになっていらっしゃるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 通常の場合にも大規模大学については必要であろうという議論が漸次高まっております。大学制度の改革にはこれから本格的に取り組むわけでありますが、その場合の問題点の一つに当然なると思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 こういった補佐機関あるいは審議機関あるいは執行機関について、各方面の意見を十分に聴取して、そして各大学が自主的にやらなければならない問題だ、こう私たちは考えておるわけでございますが、これ以外にもし各大学で何かそういう機関を設けた場合に、文部当局としては、それはそのままお認めになるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学には、現在でも法律、省令以下の段階で、大学自体の規則、内規等で諸種の委員会等の機関を設けております。大学の教育、研究の目的に反しない限りにおいて、有効なものであれば、そういう組織の細目的なものは将来とも認めていく方針でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 第一項一号のロの問題でございますが、審議機関の中には「当該大学の職員のほか、当該大学の職員以外の者で学識経験を有するものを加える」、そういうことがうたわれておりますけれども、これはどういうねらいでしょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 先ほど大臣の答弁にもありましたように、大学が紛争というような事態になりますと、当事者だけではなかなか問題の所在がつかめなかったり、かりにつかめたといたしましても、いろいろな行きがかりとか感情問題等で打開しにくい面もある。そこで学識経験のある第三者を加えてものごとを審議することも必要であろう、こういうことも大学論議においていわれております。そういうものを導入しようというのがねらいでございます。たとえば卒業生の有識者であるとか、そういうものが一応考えられておるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 卒業生も加えられるというようなお話でございますが、父兄代表等もこれに加えるべきだ、こう思っていらっしゃるのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 べきであるかどうかは別といたしまして、差しつかえはないと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 さらにこの四項には、この審議機関に、また「ふさわしい領域内の問題について当該大学の学生を代表する者を参加させることができる」というふうにうたっておりますけれども、今度は明確に、先ほどの条項と違いまして「代表する者を参加させることができる」、こういうふうに規定されておりますけれども、もう一ぺん蒸し返しになるかもしれませんが、一体代表者はどういうふうに選抜された者が代表者にふさわしいか、そういった点については文部省はどのようにお考えになっておりますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 六条四項の学生が参加するものは一項一号の口の審議機関ではなくて、二項の会議でございます。会議には学生の代表を入れて学内の総意の盛り上げということも必要であろうという考えでございます。代表の選び方といたしましては、要するに代表でございますから、学生の大多数を代表する適当な方法で選ばれた者というぐあいに考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 適当に選ばれた者というのがくせ者でございまして、いま大学では代表を選定することが非常にむずかしい状態であるわけです。自治会方式をとれば、いわゆる一部の学生運動家もしくは思想的にも一方的に片寄った思想の持ち主があらわれてくる場合があるというので、大衆団交制がとられておるわけでございましょう。そういう状態の中にあって、代表者の選定をふさわしい適当な方法とおっしゃいますけれども、大学においては、この条項を守るためには代表を選抜しなければならないのですから、どういうような選抜方式がよろしいでしょうかというふうに文部省に問い合わせに来たら、一体どういうようにお答えになるわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 いろいろな方式があろうかと思います。たとえば学生全員によって投票して過半数を得た者、それからあるいは大学を構成するところの各クラスあるいは学部、学科といったような単位ごとにだんだんと選んでいって代表を選び出す方法、いろいろあろうかと思いますが、要は学生の大多数の総意を代表する者と考えております。人数も必ずしもこれは一人でなくとも、数人でもよかろうかとも思いますけれども、合理的な範囲の数で学生の総意を代表するような方法で選ばれた者。その方法につきましては、その大学が自主的に考えることになろうかと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それではいよいよ第七条に入りますが、これは、この前も公述人がお見えになりましたときに、「教育等の休止及び停止」の問題が非常に大きな問題になったわけでございます。一体大学紛争が起きた場合に、教育と研究が一体になっている、こういうふうに考えて、そして「教育等の休止及び停止」というふうに考えていらっしゃるのか、あるいは場合によっては教育と研究というものが分離してもやむを得ない、そういうふうに考えていらっしゃるのか、そこら辺の御見解を承りたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 教育と研究というのは観念的には分離し得るものでありましょうし、また活動の実態といたしましても、ある程度別個に行なわれることもあろうかと思いますが、教育、研究が行なわれる場を想定いたしますと、これは学部でありますとか、あるいは研究所でありますとか、大学院でありますとか、場所は一つでございますので、教育、研究を停止するといったような時点になりますと、これを分けて考えることは、実際問題として困難であろうと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 ここにおきましては「大学紛争が生じている学部、教養部、大学院研究科その他の部局又は組織」と、こういうふうにいわれておるわけでございます。そういたしますと、紛争大学全体に対する休止ではないのだ、停止ではないのだ、こう考えてよろしゅうございますか。学部なら学部に限定する、あるいはその紛争が起こっている学内の一組織、そういう問題を想定してこの休止及び停止というものが考えられておるのか、そこら辺の問題についてお伺いをいたします。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御指摘のように、各部局ごとに考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 各部局ごととおっしゃいますけれども、たとえば東大の付置研究所なんかの場合は各学部にこれが所属をしているわけでございますから、自分の所属する学部が紛争を起こした場合、これは停止をされる、休止をされるということになりますか。と申しますのは、この付置研究所なんかの場合は、当該学部と遠く離れて、いわばある程度その学部と分離して、そしてその研究がなされておるわけです。そういうような場合も、なお当該学部が紛争を起こしているから、その研究所も研究の停止を命ずるのだというようになるのかならないのか、そこら辺のところはどうでしょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 研究所は、付置研究所という形で学部とは独立しておりますので、これは別個に取り扱います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 次の問題は大臣がお見えにならないと論議がしにくいので、大臣がお帰りになるまでちょっと待っていただきたいと思います。  その前に、委員長にお願いがあるのでございますが、私は、御存じかもしれませんが、衆議院におきまして科学技術特別委員長を仰せつかっているわけですが、韓国からの議員団が日本に参りまして、科技特の委員の方々と懇談をしたいとの問題がございますので、どうしても一時から三十分ないし三十五分くらい、この打ち合わせだけはいたしてこなければならないわけなんです。その時間はひとつ休憩にしていただくか何かして十分時間をお認めいただきたい、こういうふうに委員長にお願いをするわけでございますが、いかがでございますか。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 あとまだどのくらいかかる予定ですか。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いま七条でございますから、あと八条、九条−十条、十一条あたりは非常に簡単でございますが、なおまだ十二、三項目ございます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 速記を始めてください。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 文部大臣お見えになりましたので、さっそくお伺いいたしますが、これはこの間の公聴会でも私非常に問題にしたわけでございますが、「教育等の休止及び停止」、こういうふうにうたわれておりますけれども、教育の休止、停止も望ましい問題ではございません。しかしながら、特に研究の休止というような問題についてはきわめて重大な問題だと私は思うわけでございます。当該学部にそういうようないろいろな問題が起こった場合、研究が休止あるいは停止になる、こういうふうに条文にはなっておるわけでございます。ところが、医学関係なんかの研究をいろいろ見ますと、いますぐ結論が出ないにしましても、ガンの研究等におきましては、一日も早くその解決が望まれている社会的に非常に大きなこれは問題なのでございます。そういうような問題までも研究が休止あるいは停止されるということになりますれば非常に人道的にも問題があるのではないか、社会にも議論が非常に沸騰してくる問題じゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。したがって、そういうような研究の休止は人道上許されるべき問題ではない。そういう観点に立って、そういうものはこの条文から除外すべきじゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。この点についてまず一点お伺いをいたしたい。  さらにまた、研究の緊急性等の問題については、当該学者、当該研究者でなければ容易に判断はできがたい問題ではなかろうか、こう私は思うわけでございます。学長の権限において研究を休止せよ、あるいはまた、文部大臣の権限において研究を停止せよというふうに言われても、その当該の研究者は非常に社会的な責任を感じて迷惑をする場合も出てくるんじゃないか、こういうふうに思います。もしそういう状態にあっても、なおかつ研究停止を命ずるというようなことになりますれば、これは学問研究への権力の介入というような姿にもなり得るかと思うのでございます。そこら辺はどういうふうにお考えでございましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 その御心配はこういうことだと思うのです。六条までで、あらゆる努力をやってなおかつできない。そしてまた事実上、お話しのように社会的な影響を及ぼす病院等の診療等のところも封鎖をされるというような、そういうぎりぎりの事態になって、事実上研究もできない、もちろん教育もできない。そういう事態が事実あるということをむしろそのまま認めるというだけでございまして、その七条の第一項にいたしましても、最終的に私のほうで停止をいたしますが、その前に、もう一ぺん自主的解決と申しますか、学長みずからが、あるいは大学当局が、休校するという道を開いているわけでございまするので、そういう積み上げがあって、私の気持ちからいうならば、七条というものはいよいよのときに、これは発動せずに六条までで一切、全国の大学の紛争を解決していただきたいということを念願しておるわけでございますが、それでもなおかつできなくて、事実上研究、教育というものが停止をされておる場合においてのみ、この項が生きてくる、こういうふうに御理解をいただきたいと思うわけでございまして、そういう意味からは、むしろこのことによって死んでおるものを生き返らす、こういうふうに思うわけでございます。たとえば上智大学におきましては、これによって生き返ったわけでございますから、こういうような措置というものも、こういう段階においては、むしろ学問の自由を守るためにこそあるのである、大学の自治を回復するためにあるものである、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私もそういうふうに解釈をしたい。ですけれども、坂田さんが文部大臣のときは、そういうふうに言明していらっしゃるのだから、それであるいは通るのかもしれませんけれども、この法律それ自体というものは、解釈のしようによっては、要するにそういった社会の要請している研究を停止することもでき得るようになっておるわけですね。もしあなたが文部大臣をやめられて、次の文部大臣が、私はそういう解釈をしないんだというようなときに、歯どめは何にもないわけですよ、これは。そういうような問題についてはどうお考えでございますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 私が文部大臣であろうと、どなたが大臣になろうと、大臣がとります行為というものは、やはりこの法律において制約を受けるわけでございまして、しかも第三者機関であります臨時大学問題審議会というものの議を経て行なうわけでございますから、慎重の上にも慎重を期しておるということを御了解いただきたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 文部大臣は第六条までが——第七条以下の場合は万々が一だ、そういうふうにおっしゃっておりますけれども、さっきの育英会の問題等を見ましても、明らかにこれはそういうような形で効力が発効しておるわけでありますね。そういう意味で私は心配をいたしておるわけでございます。特にこの間、公聴会でこの問題を取り上げた場合も、これは学問研究への権力の侵害のおそれがあって、私たちとしては認めがたい。そういうような現場の御意見もあったわけでございますが、そういうような御意見から見るならば、むしろ大学の臨時措置法案というものは六条以下にとどめておいて、なおかつ、それができないのであれば、七条以下の問題はあらためて考えていいのではないか、そういうような感じさえ、私たちはいまの大臣の答弁からはするわけでございます。そういう意味におきまして、そういうような現場の学者諸君の意見というものは、非常にこれに対する強い反発を持っているわけでございますけれども、その点について、そういうような意見を大臣は取り入れられるようなお気持ちはないわけですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 大学の先生たちがそういうような御心配になるという気持ちは、わからぬわけではないわけでございますけれども、いまや大学自体が、紛争がこう一年も長引いていって、いつどこまでエスカレートするかわからないという状況、これを国民が非常に心配しておるわけでございます。そういうわけでございまして、大学の先生方は、この点については重病人なんです。重病人の方が、この薬は苦いからいやだ、あるいはこの手術はやめてくれという段階では、ここはないのではないか、この七条を行使する場合においてはですよ。だからその場合は、やはり名医を連れてきまして、お医者さんの意見も聞く。一人のお医者さんだけではだめでございますけれども、第三者の臨時大学問題審議会というような数人のお医者さんも交えまして協議をいたしまして、この苦い薬が適当である、あるいはこの手術が必要であるということでもって教育、研究の停止をするわけでございます。石田さんの御心配はわからぬわけではないわけです。ただしかし、その場合の大学の先生方の考え方というものは、文部省あるいは文部大臣というものは、初めから悪党である、悪いことをするというような、そういう前提に立っておられるというところに問題があるのであって、今日文部省は悪党ではない。むしろ名医になろうとしておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思うのであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 その辺の議論をもう少ししばらくしなければならないと思うのでございますけれども、いま申し上げましたようなわけで、どうしても理事会だけでもまとめていかなければなりませんので、ひとつ休憩し、その後の時間にあとの質問は留保したい、こういうふうに思うのでございますが、許可をお願いいたしたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 午後正二時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時五十八分休憩      ————◇—————     午後二時九分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  大学の運営に関する臨時措置法案について質疑を続行いたします。石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣にお伺いしますが、この七条の規定、「教育等の休止及び停止」の問題でございますけれども、いままでの事例におきましては、この教育等の休止は、上智大学等の例を見ましても、別に法律に定めなくても事実上そういうような措置がとられておるわけであります。ことさらに法律上で休止及び停止をきめなければならないその理由について、文部大臣はどうお考えの上、こういった条項を定められたのか、お伺いしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 国立に関しましては、設置者でございます国の責任というものを考えました場合に、もう一年もあるいはそれ以上も事実上教育、研究というものが行なわれておらないという事態に対して、単に大学側だけにまかせておくわけにはいかない。それでは文部大臣といたしまして国民に対する責任を果たすことにはならないのじゃないかというようなことからいたしまして、最小必要限度の立法措置ということになりまして、この法案の中に七条の教育、研究停止ということを設けたわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それではこの七条、八条の規定の問題から考えてみますと、大学において自主的に六カ月間の休止期間、さらに三カ月の延長期間、それを過ぎた場合は文部大臣の権限にまかされておるわけでございますけれども、文部大臣のほうとしましては、文部省側としては、その一年を経過した時点において大学の廃校、改組、こういった問題が出てくるわけでございますが、大学が自主的に解決し得ないような、そういう九カ月間もかかって解決し得ないような状態にありながら、次の三カ月で文部省としてもこれらの大学紛争を解決する自信があるのかないのか、そこら辺についてはどうでございましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 教育、研究を中止いたしまして、大学側とともに政府も力をかしながら最後の努力をやるわけでございますが、あくまでも一方的に私どもがやる、収拾をするということではなくて、やはりその際におきましても、大学側の自主解決の努力、あるいはまた協力ということがなければなかなか解決しないものというふうに考えるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、当然一年を経過してもなお紛争収拾のために文部当局としても努力される、そういうようなケースもあり得るのだ、こう思います。  そこで、この休止問題について一言お伺いをしたいのでございますけれども、七条の第一項の規定と第六条の一項の規定との関係性をお伺いしたいと思います。いろいろな措置を講ずる場合にいろいろな機関を設けることになっておりますけれども、六カ月以内の期間を休止することができる、こういうふうに定めたのでございますけれども、これは学長に単独でこういうような権限を持たせるのか、あるいは従来の評議会等に相談をしてきめるということであるのか、あるいはそのほかに六条の一項に規定されているような補佐機関等においてそういうことをはかってきめていくのか、ここら辺の問題はどうでございましょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 七条一項の休止の措置でございますが、この休止の措置が、六条によっていろいろな機関が設けられた後に起こる場合と、それから六条の機関を設けない時点で起こる場合とございます。設けない時点で休止の措置をとる場合には、学長は従来の大学の運営の方式に沿って意思決定をすることになろうと思います。それから六条の諸機関が設けられた後においてそのような措置をとる場合には、その設けた機関の所定の権限事項等の関連におきまして、学長が諸機関にはかった上で休止の措置をとることになろうと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういうような六条の機関が設けられない時点においては、従来の慣行というふうにおっしゃったのでございますが、そうしますと、評議会等においてはかった上でということでございますか。この条文だけでは、学長が単独に休止をすることができるように受け取られるわけですが、そういうケースもあり得るわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 評議会に何を付議すべきかということは、現在は文部省令できまっておりますし、また大学でそれに付加的に慣行的にきめておる場合がございます。第六条の機関を設けない時点で休止の措置をとる場合には、現在の規定並びに慣行に従って学長は意思決定をすることになるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 慣行、慣行とおっしゃいますけれども、私のいま質問しました第二の点についてはどうですか。学長が単独で休止をすることもあり得るのかという点については、いかがですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 観念的にはあり得ると思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういうふうにいたしますと、これは全学の職員の協力によってその収拾をはかるようにつとめなければならないという三条の規定と、この七条一項の規定というものは、必ずしも合致しない。むしろお互いに相矛盾していると思いますけれども、その点についてどうでしょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 三条で、大学の全員の意思の統合が行なわれている場合には、学長がその意思に沿って行なうわけでありますから、意思が背馳するということはないと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そこら辺幾ら議論しても答弁が出てこないでございましょうから、第八条に移ります。  その八条一項のイには、「教育等の停止に伴う効果」、いわゆる効果を期待しないでそういうような適用外の問題が書かれているわけでございますけれども、「特別の事情により直ちに停止することが困難な業務であって、文部省令で定めるものに従事する者」、こういうふうに書かれておりますが、この具体的な事例をあげて詳しくひとつ説明をしていただきたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 まず大学の管理機関、これは最後の時点まで意思決定をし、執行をするわけでありますから、管理機関の職務に従事する者につきましては除外例でございます。具体的に申しますと、学長、学部長それから図書館長あるいは分校主事というものでございます。それから日常の管理業務を行なうわけでございますから、庶務、人事、経理等の事務に従事する者は、これは除外例に相なります。それから保安保守的な仕事といたしまして、施設設備の保守管理その他技術に関する職務に従事する者、それから病院などはこれは患者がございますので、病院の診療業務、管理業務に従事する者は、これは除外例に相なります。それから特殊なものといたしましては、国立学校で船を持っております。船舶などは、これは動かない場合でも保安要員が要りますので、船舶職員、それから核燃料といったようなものを取り扱う者、それから国際的な関係がございますので、国際協力による科学研究あるいは観測等の業務に従事する者、それから外国政府の招聘によって海外業務に従事しておる者、それから文部省令で例示して尽くさない点も個々の大学についてはあろうかと思いますので、学長の申し出によりましてそういうものにつきましては文部大臣が指定いたしたい、かように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いま文部省令の内容を承ったわけでございますが、そのほかは学長が指定をして、そしてそれを文部省で定める、そういうふうに承ったわけでございますが、これはいままでこの大学立法に対しての各大学の執行部の方々のいろいろな意見を聞いてみますと、休職者といなとの区別を認定をすることが非常に困難である、こういうふうに言うておるわけでございます。先ほども申し上げましたように、たとえば京都大学の工学部長の意見等を聞きましても、自分たち教授が減俸になるのはしかたがないけれども、大学紛争に対する責任があるんだからしかたがないけれども、給料の低い人たちまでが減俸処分になる、いわゆる休職規定を受けるんだということについては全く気の毒であると言う以外に言いようがない、むしろこれを不満として紛争が激化してくる、こういうようなことをたいへんにおそれている。そういうようなことで、何とかこういうような休職規定だけはやめてもらえぬだろうか、こういうような意見が強いわけであります。そういうような意見に対して一体文部大臣のほうはどうお考えになるのか、もう一ぺんこれはお伺いをいたしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 やはりこれは大学が生きるか死ぬかというせとぎわでございます。そのせとぎわの場合において、実際その衝に当たる管理職の人の少数の人にお願いをするという態度であってこそ、初めて大学の収拾というものが行なわれるというふうに私は思いますので、やはりこれは学問の自由を守るため、大学自治を守るためにはやむを得ないことであるというふうに思っておる次第であります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 各大学の教授の方々の意見を聞きますと、むしろこういうような措置をとられることによって大学に対する希望を失って、そして教職員がどんどん大学から去ってしまう、そういうような危険性も増大するんだ、それによって、むしろ大学がこういうような八条の規定を受けることによって大学が解体をしてしまうんじゃないか、こういうようなおそれをたいへんに抱いていらっしゃるわけですが、文部大臣はそういうようなおそれは全くないものと、こういうふうにお考えでございましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 むしろ、何にもわれわれがいたさない、手助けもしない、そしていま大学の先生がおっしゃっておられるように大学の自主解決ということにまかせる、そういうようなことをとったならば、そういうりっぱな先生たちがどんどん大学から離れていくというふうに思います。私は、むしろこの立法が出ることによって、たくましい大学再建の意欲というものが出てくるということを期待するのでございます。そういうような力強い自主性と申しますか、温室育ちのような自主というようなことではこの大学問題というものは解決しない。もっときびしいものであるというふうに私は判断するのでございまして、そんなことぐらいでもう大学を去るというような、そういうものごとを考えておる先生方がたくさんおるというところにやはり問題があるんじゃないかというふうに思うのでございます。その意味合いにおきまして、力をつけてあげるこの法案こそ救いの神だというふうにひとつ考えてもらいたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣はそうおっしゃいますけれども、実際に大臣はある会合の席上において、職員がそういうような形になってこういう規定を受けて大学を去ってしまうような人も出てくる、そういうおそれもあるのではないか、こういう点も考えてはおります、そういうようなことをおっしゃっておるわけなんですよ。いまお話を聞きますれば、そういうふうにはまいらぬ、こうおっしゃる。しかしながら、実際の生活権の問題を考えてみますと、先ほども申し上げましたように、たとえばこれがこういうような適用を受けて半年ももしそういう状態が続くならば、これは生活権がおびやかされてくるわけでございますから、大学へ残りたいけれども、実際問題、妻子のそういうような生活費という問題を考えればとても大学に残っていられない、どこかへ転出して、そうしてその生活費を得る以外に方法はないんだ、そういうような効果も私はあらわれてきてしまうと思うのですね。そういう点は全然心配ないとお考えでございますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 事実上、これは全然ないというふうには申し上げないわけでございます。しかしながら、私はまだまだ大部分の大学の先生、教授というものを信じておるわけでございまして、こういうような立法でつまりみずからを助くるというような気慨を起こさせるというような手だてがあるとするならば、その手だてというものが目の前に見せられるとするならば、私はその時点からふるい立たれる先生もたくさん出てこられるというふうに信じております。そういうことによってしか大学問題というものは解決できないのであって、その意味において私は、あまり法案の中において一々こうしろ、ああしろというような画一的なことは申さずに、むしろ大学側の自主性を尊重し、あるいは自由裁量の道を設けて、場合によれば副学長の制度をとる、あるいは特別補佐官の制度をとる、あるいは学生の意思を取り上げるようなそういう会議や審議会も設ける、部外者も入れるというような、いろいろの多様な解決の方法の機関というものも自主的におきめになることができるというようなことが第六条に書かれているわけでございまして、その選択は一にかかって大学当局みずからがお選びになる。私たちがこうしろ、それでなければ解決しない、ということではないのであるということをひとつ御了解を賜わりたいというわけでございまして、この大学立法というものの道具立てと申しますか意義というものがよくおわかりになりますと、私は相当効果のある法律であるというふうに確信をいたしておる次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 しかし、大臣そうおっしゃいますけれども、いま大臣が強調されたのは第一条から第六条までのいわゆる自主的な解決、こういう問題で大臣は強調されたのでございましょう。しかしながら、少なくともこの第八条は、そういった自主的な解決努力というものを助ける法案にはなっておらぬということを私は申し上げておるわけでございます。それは見解の相違と言ってしまえばそうであるかもしれませんけれども、実際の生活問題たとえばわれわれ国会議員であったとしましても、そこに全然生活の成り立たないような収入しかなければ、これは議員としての活躍なんかできないと思うのです。しかし大学には、実際問題として五万円程度の給料をもらっている人はむしろいいほうだというのは、いろいろの報告を受けて私もそういう状況を聞いております。特に中堅の職員におきましては五万円以下の給料の人が多いわけですけれども、そういう人たちがもしこの法律が適用されるような段階になってどんどん給料をカットされて、それでもなおかつ半年も一年も大学にがんばっていろといったって、生活ができなければ大学の中にがんばりようがないじゃないですか。私はそうだと思う。そういう意味において、そういうことがかえって反感を呼んで、むしろ今度は休職者の指定の場合に、自分の生活権に響いてくるものだから大学の執行部に対して強力な突き上げが出てくる、こういうふうに私はその点を心配しておるわけです。実際どの大学の教授に聞いても、この問題だけは、教授のわれわれはいたし方がないけれども、何とかひとつ職員のほうの給料カットだけはやめてもらえぬか、こういうような声が各大学の教授全部といっても間違いございませんですよ。そういうような大学の執行部あるいは教授一般の意見を無視して、なおかつこれが適用されなければならないと文部大臣がお考えになるのであれば、これはどんどん大学紛争が激化してもやむを得ない、こう私たちは思うわけです。そうなってしまってはならないと私は思う。そういう意味において、この適用ということについてはほんとうに慎重にしなければならない。ただ慎重にするだけではなく、やはり大学紛争を片づけるためにも、生活の条件というものはある程度満たしてあげなければそういう人たちは生活できないと私は思うのですが、その意見に対して大臣はどうお考えになるか、もう一ぺんひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 いま石田さんのおっしゃるように実はなっておるわけであって、教官は、いま申しますように少数の管理職にあるような人たちだけがその衝に当たる。しかもほかの大部分の人たちは休職ということになる。しかし、事務職員のほうはほとんど大部分がそのまま残るということになるわけでございますから、いま御指摘になりました教官方の心配というものにつきましては十分配慮をしておるということで御了解を賜わりたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 いますぐこの法律を消せと言うたって、それは無理な話かもしれませんけれども、いずれにしてもこれはそういうような心配が非常にあって、むしろ今回の大学立法に対する反対の一つの大きな理由になっているということを文部大臣もひとつ十分お考えをいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  さらにこの八条における規定、先ほども問題にしたわけでございますけれども、今日大学紛争が起きておりますけれども、一般の学生は、むしろ一部の暴力学生によって自分の勉強の意欲を阻害されているのでございまして、いわばその被害者であると思うのです。その被害者に対して育英資金をカットしなければならない、こういうようなことも大学立法反対の非常に大きな一つの理由になっているわけです。先ほどもちょっとお話がありまして、育英会の規定がそうなっているからどうしようもないのだ、こういうようなお話でございますけれども、そういう問題をなお緩和することはできないのか。私に言わしむれば、こういうような規定というものは、大学紛争を激化させるためには役に立つけれども、紛争収拾には全然役に立たないと、こう申し上げざるを得ないわけです。特に私立の場合、さっきも問題にしましたけれども、授業料の免除は除外でございましょう。九号の規定ですね。授業料は取る、学資の貸与はやらない、削ってしまう。こういうようなことでほんとうに大学紛争が片づくと思っていらっしゃるのでしょうか。そこら辺の御見解を少し承りたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 奨学資金の問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、事実上成績あるいは単位というものが取れないということでございまするならば、やはり育英会の諸規定に従わざるを得ないというふうに思います。そしてまた、同時に勉強ができない、教育ができないわけでございます。ところが、御承知のように育英資金というのは四年間という形においてやれるということになっております。ですから勉強ができないときにもらわないで、勉強ができるときにもらうというようなこともできるわけでございまして、その面だけを考えるならばむしろ利益だということも理論上は言えないことはないと私は思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 ですけれども、この大学紛争の底流に流れているものは、学生特に青年に対する政府の、為政者のそういった理解が足りない、理解をしてもらえない、そういうことに対する不満が非常に多いわけですよ。そういうような不満を持っていて大学紛争が起こってきているのに対して、さらにこういった強圧的な方法をやったら逆効果になると私は思うのです。少なくとも政府は現在の学生に対して大きな愛情を抱き、理解をして、そして育てて上げようというような態度であると彼らは受け取るでしょうか。こういう措置について、そのように学生が受け取るとお思いになっていらっしゃいますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 授業が実際できない。したがって、自分の成績というもの、単位も取れないわけでございますから、育英会の諸規定もそういうふうになっておるということで、当然それが打ち切られるということを予想もしておりますし、覚悟もしておるというふうに私は思うのでございます。そういうことがいわば市民社会におけるきびしさなのでございまして、学生だからといってあまり甘やかしておるということはいかがかというふうに思うのでございます。市民社会において刑事的な事件を起こしたならば当然市民的制約を受ける、こういうようなきびしさというものをまともに受ける。大学生なるがゆえに大学の中においてはいかなることをやってもよろしい、そういうことは今日許されないのだ。こういうことは私は非常に必要だというふうに思うのでございまして、今日大学の中において暴力が横行し、大学を拠点として、大学自治の美名のもとに社会変革というものを、暴力によって自分たちの政治主張を貫こうとするようなことは断じて許すべきではない。少なくとも国民はそういうことを許さないのだ。学生なるがゆえにそういうことを許すということは断じてしない。こういうような国民の上に立ってわれわれはものごとを考えていかなければならない、かように考えておる次第であります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それは大臣、おかしいじゃないですか。暴力をふるって大学紛争を起こす、そういう意味の加害者である学生ならば、それは確かに大臣のおっしゃるとおりでありましょう。一般の学生は被害者じゃないですか。もしそういうような学生が授業を行ないたい、また育英資金もほしいというふうに考えたならば、何としても現在の大学紛争を解決しなければならぬ。しかるに片っ方は暴力をふるっている。それでは、その暴力学生に対して、一般学生は暴力をふるってでもこういった紛争を排除するように努力すべきだというような議論まで発展しかねないと思うのですよ。だから大臣のおっしゃるのは、確かに加害者としてのそういう暴力学生であれば、その論理は成り立つでありましょう。一般被害者には、たとえば紛争が行なわれていて授業が行なわれていなくても、勉強したいといって勉強している連中もいるわけですよ。そういう人たちには、紛争が起きているときにはしようがないのだ、そういうような意味でございますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 大学の中において、それはセクトがどこであれ、暴力に対して暴力をもって事に当たるというようなことは断じて許すべきことではない、これはかねがね私が申し上げておるとおりであります。しかしながら、一般学生といえども、そういう少数の暴力によって大学で自分たちのせっかくの勉強ができない、あるいは研究ができない、学問の自由が侵されておる、そういうときであったならば、どうして一般学生は意思表示をしないか。そういう少数の暴力によってわれわれは奨学資金も打ち切られる、そういう事態に立ち至るということに対して意思表示をするというような気概が出てくる、そういうふうに私は期待をいたしておるわけでございます。  自治会にいたしましても、今日の自治会のやり方というものは、結局一部の暴力学生あるいは一部の活動家によって全体の学生の意思が無視されておるというところにあるのであって、大学問題の真の解決というものは、一般学生の立ち上がり、あるいはそういう暴力は許すまじ、われわれの研究の自由、教育を受ける権利あるいは自由が侵されておる、大学当局は何をしておるのだ、暴力学生はけしからぬ、こういうことが各大学においてはい然として起こって、そうしてその排除がわれわれの力ではできないから、われわれこそむしろ決議をして、警官を導入すべし、教授たちは何をしておるのだ、こういうような態度になってこそ初めて私は大学問題は解決するというふうに思うのでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私も大綱的な考え方については、何ら文部大臣とその点については変わりありません。しかし、そういうふうにして意思表示をしても、これは短期間にはなかなか解決しませんね。勉強もしたいのだ、暴力学生も排除したいのだ、こういうふうな声も起こってくるでしょう。そういうふうに努力している人間も、この規定によっては育英資金がカットされることになっている、現にカットされている。そういう状態のとき、努力しつつもなおかつ育英資金はカットされるのですから、それでは一般学生は踏んだりけったりじゃないかと思うのですね。努力をしたって、実際は育英資金はカットされるじゃないかというような方向に話は発展してくるわけですよ。実際それは学生に当たって私話を聞いていますけれども、そういうようなことを言っております。大学紛争のためにわれわれが立ち上がってどうこう言ったって、政府はその機会にどんどん育英資金をカットしてしまうじゃないか、ばかばかしくてやる気になれない、そういうような声も実際起こっておるわけですよ。こういうような法案は、そういう意味において単なるおどかし法案——おどかし法案というとおかしいかもしれませんが、まさにおどかしである。しかも実際に育英資金がカットされるような状態も出てきているわけですから、これではとてもとても大学紛争の収拾の援助措置にはならないと私は思うのですよ。それでもなおかつ大臣はこれが非常に大きな歯どめになって、学生諸君が立ち上がってくる、育英資金をカットするということは、学生諸君が立ち上がってくる一つの助援になるんだ、こういうふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか、どうもよくわかりません。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 石田さんもいまおっしゃいましたように、何も、この法律が成立しようがしまいが、現在の、紛争を長期的にやっておりまする大学において学んでおる学生が、育英会の規定に基づきましてそれを受けられないというような状態も起こっておるわけなんで、この紛争がずっとエスカレートしまして、そしてまた、この法律が通りまして、そして事実上教育と研究というものが停止をされておる状況において受けられないということはあたりまえではないかということを私は申し上げておるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 この問題は議論の問題でございますから、そのくらいにしたいと思いますけれども、いずれにしましても、学生諸君はこれでは納得しないと思うのですよ。この点だけは、ひとつ問題提起として申し上げておきたいと思うのです。  今回育英会がとった措置なんかは、一般学生に言わしむれば、当然文部行政の一環としての、そういうような教育が行なわれていないのだから育英資金をカットするのだというような方向は誤りなんだ、改正をしてもらいたいのだ、そういうような気持ちのほうが強かろうと思うのです。現に各国の大学の育英事業等の実態を見てみますれば、生活資金までも貸与しておるような状況もあちこちに見受けられます。そこまで社会というものが、学生諸君に対して、民族の後継者を育成する意味において大きな愛情と理解を示しているわけなんですね。そういうことに対して、日本の行政はそうなっておらないという点に不満があるということを大臣としてもひとつ御承知おきいただきたい、こういうふうに思うわけであります。  第九条に移りますが、まず第九条の問題点は、大学が廃校になった場合、教職員等はともかくとして、それらの人たちは他に就職を求めていくことができますけれども、廃校になった場合に、そこに在学する学生諸君はその後一体どういうふうになっていくのか、そういった点については、この法案では明確になっておりません。強制的に中途退学になるのか、あるいは廃校になったのだから、あとは諸君は学生でないんだというだけで放置をしておくのか、そんな無慈悲な状態もこの法案の中からは出てくる可能性が強いわけでありますけれども、この点についてはどういうお考えでございましょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 第九条の措置は、廃校だけではなしにいろいろな措置が含まれております。廃校というような事態はあくまで最後の最後まで避くべきであると思います。したがいまして、大学紛争につきましても、大学全体がことごとく紛争状態におちいって、一人も健全な分子がないというようなことはあり得ないわけでありまして、紛争収拾に努力しつつも、なおかつ最後的な事態に至るというのが普通でございます。そこで、最後的な措置は、これまた法案で国会の御審議を願うわけでありますので、たとえば学部の改組をはかる、それから新しい大学を設立して、その大学に参加する者につきましては、これに新しく移行するというような措置も考えられます。また、実際上の問題といたしましては、たとえば転学のあっせんなどもございます。要は、この第九条の事態に至る時点における当該大学の事情におきまして、法律的あるいは実際の行政上の諸措置がとられることになるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 なお明確でないわけであります。これは最悪の事態であるというふうにおっしゃいますけれども、最悪の事態に、さらに最悪の学生が中途退学をしなければならないという事態も、これは当然考慮しなければならない問題でしょう。しかし、いまのお話によれば、各大学にあっせんをする、そういうようなこともやるんだとおっしゃっておりますけれども、この前の東大の入試の問題にしましても、各国立大学に入学者を割り振りをしたわけでございますけれども、何校かの大学がそういうものを拒否した、そういうような実例もあります。学校の施設等に応じて、幾ら文部省があっせんしても、私のほうはお断わりしますというふうな場合だって考えられるわけですよ。そういう場合、廃校になったところの学生は一体どこへ行けばよいのか、もう少し明確に御答弁願いたい。  新しい大学をつくってなんてことをおっしゃいますけれども、大学というのは、大学という名称をつくっただけでできるわけではないのでありまして、建物をつくるのだって、少なくとも一年半くらいは十分かかる。そういうふうなことも考えなければなりません。新しい学校に吸収するのだといったって、それは口の上のことであって、実際はそういうことがすぐ行なわれるはずはない。行なわれるはずは絶対ないです。そういう問題を含めて、廃校になった場合の学生は一体どこへ行くのか、どういう対処をするのか、もっと明快な答弁をいただかなければ私は納得できません。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 最後の廃校に至るというような時点を想定いたしますと、大学の関係者が、紛争の収拾を、全体的にはそのほうに意向が統一できなくて、むしろ大学をつぶす、あるいは解体するというような意向が多数を占めた結果廃校に至るわけであります。そういう時点になりますと、その時点の学生というのは、一体大学教育を継続することを希望するかどうかというような問題も、その時点にならないとわかりません。大学教育を続ける希望がある者におきましては、文部省としては、その希望が存続できるような最善の努力をするつもりでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 必ずどこかの大学に入れるというわけですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御案内のように、文部省は学生をある大学に入れることを命令する権限は現行法上ございません。何か特段の措置をいたすといたしましても、そのような措置をとることは困難だろうと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは最善の努力といったって、学生はどこへ行くかわからぬじゃないですか。どこへ行けばいいのですか。外国の大学へでも行けというのですか。最悪の事態であることは私も承知しておりますよ。最悪の事態になって、学生諸君はどこへも行き場がないというのでは——大学紛争の収拾に努力する学生も中にはいるかもしれない。そういう学生も自分の希望がかなえられない、大学で正常な教育が行なわれない、そういうような事態になるわけでしょう。暴力学生も中にはいるのだから、最悪の事態を考えれば、幾ら紛争収拾に努力したといっても、なおかつ廃校にならざるを得ないケースだってあり得るわけだ。そういう場合には学生はどこへ行けばいいか、全然明確じゃないじゃありませんか。もう一度御答弁願いたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大臣もるる御説明しましたように、紛争を収拾するという気持ちが教職員、学生に多数あれば、一部少数の暴力学生がおりましても、紛争が解決せずに廃校に至るというようなことはあり得ないことでございます。万一廃校に至るということを想定いたしましても、紛争の収拾を望まず、むしろ大学を破壊したいという者が多数であるか、あるいはそれに大多数の者が同調したかという時点でございます。そういう場合に、大学を破壊しようという者を救済することは必要でないと思います。しかし、教育、研究を続けたいという者が少数でもおれば、その者については措置をいたしたいと思います。そうしまして、廃校になった時点におきましても、大学の施設、設備、これは相当荒廃するかもしれませんけれども、国有財産として残るわけであります。これを基礎といたしまして、教育、研究を再興したいという者を糾合すれば、新しい大学をつくることは決して不可能ではないと考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうすると、その場所でまた新しく大学の名前を変えて大学教育をやるのだ、こういうふうなことでございますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 まあ、ほとんどあり得ない事態でありますが、想定いたしますと、そのようなことになろうかと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 きわめていいかげんな答弁ですけれども、しかし、この問題は大事な問題でございます。さらに各委員の間にもこういう話題が出るかと思いますので、十二分にひとつ文部省としては検討願いたい、こういうふうに思います。こういうような問題が明快にならざる限り、現在の大学紛争に同調している学生、そういった人たちの憤激の気持ちを押えることはできないでしょう。これだけを申し上げておきます。現在の暴力学生が大学を破壊しているという論理はわかります。しかし、それに追随している一般の学生も非常に多いということを、文部省はもう少し考えていかなければならないと思います。  さらにお伺いするわけでございます。この九条の第一項の問題を見ますれば、国立学校設置法の一部改正の措置が講じられなければならない、こういうふうにいわれておるわけであります。それは衆参両院の議を経なければならないのでございますが、一体この特例法と国立学校設置法との関係、どちらが一体優先をするのか、これについてひとつお答えをいただきたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この臨時措置法は、題名にもありますように運営の臨時措置法であります。つまり大学の動かし方に関する法律であります。国立学校設置法は、名のごとく大学の設置について規定しておる法律でありまして、機能を異にしております。設置に関しましては、当然国立学校設置法が優先いたしますし、動かし方に関しましては、この臨時措置法が優先すると考えて差しつかえないと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと、われわれ議員にも、こういう場合は廃校、改組をやるべきである、こういうふうに強要している、意地悪く解釈すればそういうことになりますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 法案の提案権は、政府と議員と両方にございますので、この問題につきましても、同じであろうと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それから学校教育法十三条との関係が、この前の答弁ではまだ明らかにされていない、こういうふうに思うわけでございます。この前の答弁では、私立大学等の場合において、学生がいなくなった場合に、この学校教育法十三条が適用されるのだ、こういうふうにおっしゃったのでございますけれども、この法律の前後をずっと見てきたわけでございますが、私立学校の場合のみ適用されるというふうにはどうしても思えないわけであります。たとえば私立学校法第五十条には解散の規定が別に設けてありますし、この学校教育法の前後を見ましても、私立学校の問題については私立学校と、特に条文の中に明確にうたわれております。そうしてみますと、この学校教育法第十三条は、必ずしも私立学校だけではなくて、国立学校にも、六カ月以上授業が行なわれない場合は廃校にするんだ、解散せしめるんだというような効力が発効するように私は思うわけでござますけれども、この関係についてひとつお答えをいただきたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 十三条の文面だけ見ますと、国立学校に適用がないというようなことは当然書いてございません。しかし、国立学校にかりに適用することを考えてみますと、閉鎖ということは、これは廃校につながることでございます。国立学校の設置、廃止は、これはまた先ほど御説明しましたように、国立学校設置法で別途法律で定めております。法律で定めておるものを、学校教育法十三条の規定があるからといって、行政命令である閉鎖命令を優先させることはできないわけでございます。そこで、実際問題としては国立学校には適用がない。国立学校で閉鎖、廃校をするような場合には、国立学校設置法の改正が何よりも優先的にされなければならない、かように解しておるわけであります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 しかし、これは設置法ですから、いまも申されたように、学校を設置する場合の基本の法律でございます。学校教育法の場合は、これはいま申し上げましたように、六カ月以上授業が行なわれない場合には閉鎖をすることができるんだというようなことが書かれておりまして、必ずしも学校設置法が優先するぞということではないと私は思う。だからこの大学の運営に関する臨時措置法案に、特別に廃校、改組とうたわなくてもできるのじゃないか、十三条の規定があれば十分じゃないか、こういうふうに私には思われてならないのですが、その辺の関係をひとつ十分に御説明を願いたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 国立学校の設置、廃止ということを端的につかまえますと、この臨時措置法の規定がなくても、別途単独に国立学校設置法の改正で、ある学校を廃校する旨の内容のものを提案すればできるわけでございます。学校教育法十三条の規定を援用するまでもなく、国立学校設置法の改正案という形で廃校を提案することは可能でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 もしそうであれば、何もこの臨時措置法案に廃校、改組をうたわなくてもいいじゃないですか、どうなんですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この臨時措置法案は、一連の紛争収拾措置を書いてまいりまして、最後的な時点では、文部大臣による教育、研究の停止措置というのが行なわれるわけであります。この停止措置によって回復すればよろしいわけでありますが、回復しない場合に、教育、研究も行なわない、しかし設置はされておる、そういう何というか中途はんぱな状態が長く続くことは、法律関係を明確ならしめるゆえんではない。最後的な締めくくりといたしましては、国立学校設置法の改廃の提案をして、最終的な判断は国会にお願いする、こういう一連の措置を定めたわけでありまして、これは立法政策の問題であろうかと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは前へ進みますが、この十条の「学部等の間の紛争に係るあっせん」、このあっせんの問題で東大メモは次のように指摘をしておるわけですが、これに対するお答えをいただきたいと思います。「学内で解決しえないほどになった意見の対立が、第三者のあっせんで解決しうるとは、簡単には考えられないであろうし、審議会のあっせんが、その背景に事実上文部大臣の圧力を控えているとすれば、かえっていたずらにしこりを大きくすることにもなりかねない。」、こう言っております。特に私が問題にしたいのは、学内においてすら意見の対立があるのに、第三者があっせんをしようとしたって、容易に解決しがたいのではないか、こういうふうに東大メモは指摘をしておるのでございますが、これに対して大臣はどういうふうにお考えでございましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この点を何だか大学の人たちが、自分たちだけで解決もできないのに、第三者が入るといこことが、また何か悪いことをするというふうに思っておられる、そういうようなものの考え方が、やはり今日問題にされなければならないのではないかというふうに私は思うのでございまして、むしろ学部間同士、当時者間同士では、感情の対立というようなところまでいっておる大学において、やはり第三者の機関のあっせんによって解決するということもあり得ると私は思われます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは臨時大学問題審議会の問題とからませてお尋ねをするわけでございますけれども、この臨時大学問題審議会のメンバーについては、これは文部大臣がいろいろと定めることになっておるわけでございますが、私たちは、もしこういうようなものをつくるとするならば、あくまでも第三者機能というものを明確にしなくてはいけないのではないか、こういうふうに考えているわけです。しかしながら、実際問題としては、文部大臣の任命によって決定をされるわけでございますから、第三者機関としての機能が不十分だ、こういうような疑問を投げかける人が非常に多い。と申しまするのは、現在の各審議会の状態が、どうも政府寄りの審議会になってしまう、そういうような疑問が世間にも多く残っているわけです。そういうような点から、もう少し審議会というものは、第三者機関というものの性格を明確にするような措置が必要ではないか、こういうふうに思うのでございますが、いかがでしょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この立法を考えました場合に、むしろこういう大学紛争というものに対しまして、迅速果敢に大学当局にもやってもらわなければならぬというような意味合いから、言うならばその時間というのが非常に大切だということから考えて、あるいはまたもう一つは、責任をはっきりさせるという点から考えて、むしろこういう第三者機関——またときどき皆さん方の委員さんの御指摘にもありますように、何か文部省や文部大臣というものは隠れみのにして、その隠れみのにおいて責任を回避するのじゃないか、こういうような議論があるわけでございます。だからむしろそういう隠れみのを一切捨ててしまって、そしてそのかわり責任は直接文部大臣が持つ、間違ったらやめるというような形においてやったほうがいいのじゃないかという議論もありましたことは事実でございます。しかしながら、やはり文部大臣といえども万能ではございません。オールマイティではないわけでございます。やはりここに第三者機関というもののチェックといいますか、というものの要素というもの、あるいはそういう第三者の学識経験者というものの意見を聞いて、そして文部大臣の権限を行使するということのほうがやはりよろしいという結論になったわけでございまして、その意味におきまして、この第三者の臨時大学問題審議会というものを設けたわけでございます。また、その委員の任命につきましては、やはり私自身が最終的には何と申しましても国民に対して責任を持つものでございますから、責任を回避しない意味におきましても私が文部大臣として責任ある人を選ぶ、そして決定をするということが当然かと考えまして、私の任命ということにいたしたような次第であります。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 この審議会は十五人以内の委員で組織するわけですが、「大学の学長又は教員及び私立大学を設置する学校法人の役員」こういうふうに内容がきめられておるわけでございますけれども、いままでいろいろお話を伺っておりますと、大学の執行部もしくは一般の教授の方々に対する不信感というものが私は非常に深く存在すると思うわけであります。しかしながら、実際問題としては、この審議会をつくるときには、そういうような人たちを引っぱってきて構成するのだというようにおっしゃっておるわけです。しかもこの間の日本学術会議に対する大臣のお考えを聞きますれば、はなはだ無責任な人たちが多いのだというようなこともおっしゃっておりますが、もしそういうような無責任な人であれば、そういうような無責任な大学人を審議会に加えるということは自語相違で、大臣の御見解と非常にこの法案というのは矛盾しているのじゃないか、私はこういうように思うのでございますが、いかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 大学の先生の中には、やはりほんとうの意味における学識経験、広い意味の常識というものを備えた方もたくさんおられるわけでございまして、そういう方をピックアップするということはやはり可能なことでありますし、また、そういうような方々の意見を聞くということは必要なことかと私は考える次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 まあ、それもいろいろ議論の問題でありましょうから、十一条の問題についてお伺いいたしますが、新入学者に対する教育の実施または学生の卒業、こういうものが行なわれることがむずかしい、こういうふうに認めたときは、大学の学長は、入学者の選抜にしても学生の卒業にしても文部大臣に協議をしなければならない、こういうような規定になっているわけでございますが、これは最終決定権は文部大臣が持つもの、このように解釈をしてよろしゅうございましょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 学生とそれから大学との関係は、学生と国との関係でございますので、最終的には文部大臣と考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私立の場合にはどうなります。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 私立の場合は学生と学校法人、つまり設置者との関係だと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それは当然そうでございましょうけれども、私立は入学試験をやらなければ私大それ自体が財政的なピンチに立つ、そういうことから少々無理してもやるだろうと思います。しかしながら、逆に客観的に見て入学試験ができそうもないような場合もあります。そういう場合、私大は財政的なことを理由にして入学試験なら入学試験を強行しよう、そういうようなことも出てくると思うのですが、それに対して文部大臣は何らかの歯どめをなさるのかどうか、これについて伺いたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 歯どめということばの意味を十分了解しかねるわけでありますが、私立大学に対しましては通常の指導、助言によって対処するつもりでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうすると最終的にはあれでございますか、中止をしたほうがいい、客観条件がそういうふうになっている場合でも、文部大臣は中止は命令をしない、こういうことでしょうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 命令はいたしません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そうしますと入試ができなくて混乱を起こした場合、あるいは入試をして混乱を起こした場合、これはあくまでも私大の責任であってわれわれは関知しない、そういうことでございますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 私大の問題も当然教育行政の問題でありますから、関知しないというつもりはございませんが、実際問題として関与し得る度合いは国立に比べてはるかに少ないということでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは各項目の審議は一応質疑をいたしましたので、特に文部大臣にお伺いをいたしますが、今回の大学の運営に関する臨時措置法におきまして、大学の自主的な収拾を助ける、そういうことが目的であるはずでございますので、この各条項の中で特に大臣が力点を置いて考えていらっしゃる規則というものは何条と何条であるか、御指摘をいただきたいと思います。     〔委員長退席、高見委員長代理着席〕

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 非常にむずかしい御質問でございまして、どの条、どの条というふうにはまいらぬので、実は各条が一体となりまして作用するということの意味におきまして、各条ともウエートがあるというふうに私は考えるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私たちは、指摘をしますれば、この法案は、大学紛争に対する収拾の手助けにならない点がたくさん目立つわけです。また、この前公聴会へお見えになった公述人の方々も、非常に内容において懐疑的な面が強いというようなことも指摘をしておられたわけでございますが、いまここで大臣と議論をいたしましても、大臣は効果があるというふうに主張なさるでございましょうし、これは討論の場に譲るといたしまして、しかしながら、そういうようなさまざまな意見というものを、もしこの法案が通った段階におきましては十分に配慮をしていただかなければ、たいへんな事態を招くおそれがあるわけでございますので、その点に対する文部大臣のお考えをもう一度承っておきたい、こう思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 その点につきましては石田さんの仰せのとおりでございまして、多くは大学自身の自主性にまかせ、自由裁量の道を幅広く認めておるわけでございますから、要はこの法律を運用するその人いかんにかかわってくるというふうに思うわけでございまして、運用いたします私どもまた大学当局も十分その点を考慮してまいらなければならないとかたく私自身も戒めておる次第でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 以上で質問を終わります。

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 前回に、大学の紛争の原因と法案の関係について若干御質問申し上げたのでありますが、その間ずいぶん時間の隔たりがございましたので、新規まき直しのつもりで御質問したいと思います。  その前に高見委員長にお聞きしてもいいですか。

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 どうぞ。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 けさほど委員長のほうから、与党修正の案が届いておるというお話がございましたが、これについて委員長に私の疑問をまずお聞きしておきたいと思うのですが、政府提案に対する与党修正は、議院内閣のもとにおいては、政党政治の上から考えますと、みずからの法案をみずから修正するという矛盾があるのではないかという感じが一つあります。ことにわが国における自民党の政権においては、政府提案即自民党提案という実体を持っておる。法案の作成の過程を仄聞すれば、当該の文教部会で承認をして、さらに当該調査会の承認、さらに政調会の議を経て、総務会の承認を経て、しかもその政党の領袖が全部閣僚を占めておる閣議で決定をして、そして提案をされてくる。そういたしますと、実質的には与党提案即政府提案であると思うのであります。したがって、そういうことを考えますと、政府提案がもし議会審議の中で修正されるとすれば、これはその法案に対する野党の疑問が幾多提起をされて、野党の意見というものを、いわゆる少数意見を尊重するという立場で、与党が修正する場合については、野党の意見をくみとった緩和された修正案の場合だけが考えられる修正案ではないのか。もし逆に与党から相反する修正案が出るとすれば、これは政府の提案権とみずからの修正権、あらゆるものを活用するほんとうの独裁政治である。行政権と立法権が一つになってしまっておると思うのですが、これは法案審議の一つの考え方の問題ですから、質問の前に、こういう修正案の出し方、高見、久保田両氏の名前で、その内容について私は封筒に入れてもらっておりますので、中身を承知して、どうもこの点はおかしいと考えるので、この審議のあり方の一つの参考に、聡明なる高見委員長の御意見をお聞きしておきたいと思うのです。

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 お答えいたします。  修正案が出ておるということは、委員長が先ほど報告したとおりであります。議院内閣制度で政府が提案した法律案を与党が修正するということはあり得ることであります。このことが議院内閣制度の本質に触れておる問題だとは思いません。したがって、党の正式機関を経たものでありましても、審議の途中において与党側の意見がまとまります場合には修正案を出すという場合はあり得ると思うのであります。こういう例は、修正の事例は過去においてもあったことは承知いたしております。さよう御了承願いたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 修正案があり得ないということを私は強調はいたしていないのです。もし修正をされる場合には、その内容が、日本の自民党政権のもとに、政府提案をする場合の過程において与党と政府がもうほとんど一体的な出し方をしておるのが実態だから、それを修正する場合には、この委員会の審議の過程において反対の立場からいろいろの批判も出ておるときに、少数政党、少数の意見を尊重するという意味合いをもった修正案の場合は、議会のあり方として大いにあるべきであり正しいと思うのであるが、この間の私文書ですか、私文書だと思いますが、あの内容を見ますと、この法案に対する反対、あらゆる反対をしておる野党の反対に、さらにまっ向から相反するような、これは提案を撤回して新しく書き直して持ってくるようなものを出しているのではないか。それはあまりにも少数政党を無視し、審議を無視し、多数決のもとにおける少数意見尊重の議会の原則に相反するような内容であるからおかしくないかとお聞きしている。

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 私が、私の名前、久保田君の名前で差し上げました修正案は、これはあくまで私文書であります。私ども、事前に皆さんに一応御理解を願っておきたいと思って差し上げたものである。私どもも世論の動向を踏まえて修正案を提案したわけであります。この点御意見の違うところがあるかもしれませんけれども、私どもは私どもなりに世論の動向というものを考えまして、学生処分の道も講ずべきであるという観点から、この修正案を提案したわけであります。ただしかし、まだ議題になっておりませんから、どうか本論に入っての質問を続けていただきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 したがって、私は中身について質問は一つもしていないのです。審議のあり方について、法案の提案のしかた、修正のしかたそのものについて御質問しているのです、私が質問する前に必要であるから。  世論の動向をお考えになって政府提案されたのでしょう。正式の委員長のほうがいいんだが……。世論の動向をお考えになって、与党はこれだと思って提案をされて、いま審議しているんじゃないですか。その審議の過程において修正案を出される場合については、その法案に即して、原案を主張するか、一部修正するかということが出てくるのであるから、したがって、ここに三つの野党がおる。野党がこぞってこれについて批判をしておる中で、はしにも棒にもかからぬ、この審議の過程から修正するのではなくて、ここに関係のないどこからかの動議で修正するなんというのは議会無視でしょう、この内容を比較してみると。十一日の読売の夕刊の記事の中にちょうどうまく批評しておりますよ。「与党が修正に動くケースはある。国会審議の段階で野党の反対が強く、実際内容的に行き過ぎもあった、というような場合は、与党が野党と直接話し合うか、あるいは野党の意見をとり入れて修正し、円満成立をはかる——これは前向きの与党修正だ。今回の場合はどうか。大学立法では学生処分、健保法案では保険料率引き上げの恒久化などが修正内容。ともに自民党内に強かった意見で、野党の反発を一層強めそうなものばかりだ。自民党首脳としては、法案の強行突破をはかるにはまず足もと固めが必要と、上目党内の「意見尊重」に踏み切ったのだろうが、あまりに恥も外聞もなさすぎる。第一党が法案修正するなら、もっと野党各派、さらには国民の意向もくみ入れた幅広い態度が必要である。」という鋭い正当なる批判をしている。これはこの法案一つ一つの問題でなくて、やはりこの国会審議のあり方としてお互いに正道を歩むべきだと思うのですね。もう一度高見委員長の御意見を聞いておきたいと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 私は審議の過程におきまして、よりよい法律をつくるために修正案を出す、これは皆さんと見解を異にする場合がありましても、大学の運営に関する臨時措置法案をより充実したものにしたいという与党の意見もありまして修正案を出すことは別に差しつかえないことである、かように考えております。

小林信一日本社会党

○小林委員 関連。ちょうど高見委員長代行であるから、この際この修正案の問題について委員長としてひとつ考えていただきたいことがあるんです。というのは、二十日の日曜日の国会討論会、NHKの放送です。あの中でやはりこの問題に触れて話し合いがされたんですが、特に自民党の幹事長田中さんの発言の中に、何かいままでの各委員会の審議の中で強行採決をされる場合に、その提案というものがまことに明白でないままに終わっておって、これが非常に問題になっているわけです。自民党の諸君はこれを何とも意に介しておらぬかもしれぬけれども、少なくとも国会の審議という面からすれば、ただわあっと言っただけで、提案もされた、内容の審議もされたというようなまことに国民に理解のいかない措置がされておる。これはいま単に国会だけでなく、国民全体が問題にされておるわけなんです。ことに健保の問題等では、その点からあの紛糾が起きているわけなんです。そういう点についての話し合いの中で、今回のこの大学問題に対しての修正案が、私どもは手落ちなく万全を期して措置いたしました。各委員——議員と言ったか、委員と言ったか、大方の人たちという意味でしょうが、何か正式な通達をした。したがって、それが提案になっておる。文部省には書留でもって通達をしたとか、非常にその措置に手抜かりがないとか、それが正しい措置であるというふうな話をされたんですが、先ほど山中委員の発言の中にもありましたように、私たちの会館事務室へ渡されたものは、広告とかあるいは陳情書とかいうふうな、まことに私文書的なものが簡単にほうり込まれただけなんです。それをまことしやかに国民全体に対して、何か正しい措置をして、それが成規の手続であるかのようなことを言っておるのであるが、これは単にその措置の問題でなく、委員長のこの委員会における責任というものは、これは超党派的な立場で、しかも国会の一つの規律を確立する立場で判断をしなければならないと思うのです。私ども委員としては、国民全体にまことしやかに田中幹事長が話をされたのとは、およそ筋の違った、判断の違ったものを私どもは持っているわけなんですが、一党の幹事長ともあろう者がかかる放言をして、それで委員長は委員会の運営の中で何ら問題を感じないかどうか、私はその点を明確にして——今後のこういう修正案の取り扱いについての何か前例を、一党の独裁的な立場でなされるような感が私はするわけですから、この取り扱いについては、二十日の日の国会討論会の中で田中幹事長が言われたことをあなたはもし御存じならば、それが適当であるのか不適当であるのか、どういうふうに判断をされておるのか、この際明白にして、委員会としての今後の問題もあるし、当面したこの大学法の修正というものでどういうふうに取り扱うか、この際ひとつ御見解を述べていただきたいと思うのです。

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 お答えいたします。  私は二十日の討論会の内容をつまびらかにいたしておりません。しかし、私と久保田円次君の名前で差し上げましたものは、あくまで私は好意的な私文書を差し上げたつもりでおります。卒然として提案をしたのでは失礼だという意味で、あくまで私文書で差し上げたものであって、党がそういうことをやったというようなことは、私は存じておりません。また、そういうことをやる必要は実はないのであります。

小林信一日本社会党

○小林委員 あなたの扱われた私文書を私は聞いておるのではないのです。それを天下に、何か正しい措置をしたかのような判断をして言われておることは、委員長の委員会運営の責任として、これをどういうふうに判断をするかと私は聞いているわけなんです。

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 お答えしますが、この委員会としては、成規の手続を経て提案されたものに対して趣旨説明があって、初めて議題に供されるのであります。したがって、事前にお知らせする必要もなかったのであります。いわんや幹事長がそういう発言をされたということについては、当委員会が関知する問題では私はないと思います。私はさように考えております。

小林信一日本社会党

○小林委員 私は、あなたが自民党の一党員として、また提案者の一人として、あなたの意見を聞いているわけじゃないのです。委員長という、委員会を運営する超党派的な立場に立つ責任者として、ああいうことを言って、実際私どものところに来たのは何も切手も張ってなければ速達というしるしもないのです。ところが、速達で各委員に配付をした、したがってこれはもう提案ということは、そしてその内容等は、各委員に明細にこれは知らせておるはずだ。したがってそれは……(「この委員会と関係ないじゃないか」と呼ぶ者あり)関係ないということはないじゃないか。そういうことをされて、自分たちの幹事長がやったことは何でもかまわぬ、そういうことじゃこの委員会の権威というものがなくなるし、委員長というのはますますこれは自民党の委員長だという形になるのです。したがって、各委員会に見られるような紛糾というものが行なわれるわけです。私は、この大学法を扱う委員会としては、そういう点は委員会の権威をしっかり守り、正しい規律の中で行なっていかなければならぬ。私はあなたのとった私文書的なものの問題を言っているわけじゃないのです。あの私文書を速達として配付したとか、あるいは書留でもって配付したとか、それが成規な手続であるというような見解をもって国民大衆を欺瞞をするような行為をしたことは、委員会を侮辱するものであるし、委員会の権威を失墜するものであるという点で、私はその判断をお願いしておるわけなんです。もしあなたが委員長という責任が負えなかったならば、委員長と交代してください、もう来ているんだから。(発言する者あり)

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 お静かに願います。  お答えいたしますが、テレビにおける国会討論会と当委員会との間に関係はないのであります。委員長としては、幹事長の真意がどこにあったかということは確かめてみたいと思います。  どうぞ山中君質問を続けてください。山中君。——小林君。

小林信一日本社会党

○小林委員 関係ないといってほうっていいというのは、あなた方与党の立場からはそうかもしれぬけれども、冷静に、委員長という立場に立って考えてごらんなさいよ。まず、速達でないものを速達だと言ったという点でも、私はこれが委員長という責任の立場に立つならば、それは間違っている。そんなことはない。しかもそんなことは、修正案の提案をしたとか、修正案の提案の意味がどうであるとかという判断にはならないんだ。そういう軽率なことを言ってはいけないというくらいのことを、たとえ他党の幹事長であっても、私は委員長というものは言うべきだと思うのです。かりにも、ああやってもう国民大衆になじまれておるあの国会討論会の放送というものは、私はやはり重大な意味を持っていると思うのだ。そこでもって間違ったことを言い、委員会の権威を失墜するようなことを言っておれば、やはり委員長としては、それは軽率でありますとか、そういうことを言っては困りますとかという注意をしなければ、ほんとうに委員長が委員に対して申しわけないと私は思うのです。善処すべきだと思うのです。     〔発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長代理 お静かに願います。     〔高見委員長代理退席、委員長着席〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 小林君。

小林信一日本社会党

○小林委員 大坪名委員長が大任を帯びてその職責を全うするという委員長の権威を保つために、いま高見さんがかわって委員長をされておったのですが、そういう真心を込めて、委員長に対する私の誠意を込めていま質問しておったのですが、どうも結論が出ないので、本委員長にかわって、私の意見も申し上げるのですが、これは衆議院規則の中の第四十六条に、「委員会は、審査又は調査中の案件に関して、委員でない議員に対し必要と認めたとき、又は委員でない議員の発言の申出があったときは、その出席を求めて意見を聴くことができる。」という条項があります。  実は去る二十日のNHKの放送討論会、これは……     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。小林君の発言中です。

小林信一日本社会党

○小林委員 簡単に申しますが……

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 簡単に願います。

小林信一日本社会党

○小林委員 国会討論会と称する番組がありますね。去る二十日のその題目は、いかにして国会を正常化するかという非常に重大な題目で、ふだん行なわれます各党の代表だけを集めるのではなくて、当日は政治評論家も幾人か集めた、一時間普通行なわれるのを一時間四十五分行なった非常に国民が注目した討論会があったのです。私もその当事者でございますので熱心に聞いておりました。やがて大学問題に触れてきたのですが、その中でこの修正案の問題が出てきた。この修正案の問題は、委員長も御承知のとおり最近強行採決という問題がたくさん行なわれて、わあっという瞬間に、二、三十秒の間に修正案が通ったということは、その審議もなされたということは、これは自民党の諸君がいかに強調いたしましても、これは国民全体が了承しないところなんです。それに対して触れてまいりますと、田中幹事長が、この大学法案にも修正案を私ども自民党は提案いたします。しかし、今回はそういうようなことは絶対にしません。私は、しませんということは、これは委員会が委員会の責任において行なうことで、一幹事長がそういうことをまず言うことがすでに出過ぎたことだと思うのです。その中で、その理由はというと、各議員に修正案をすでに速達でもって届けてあると言ったのです。そして文部省と言ったと私は思うのですが、書留でもって送達をしたと言っておる。私が記憶するところでは、私の文書箱にも私信と同じように裏のほうに、それもきわめて雑書きの、そう言っては失礼ですが、久保田さんと高見さんのマジックで書いた名前がまことに乱雑に書かれておる。そして表面に私の名前が書かれておるだけで、速達なんということは何もしるしがない。これはただ普通の広告と同じことです。私はそういうふうに受け取ったのですが、幹事長はそれを権威があるかのごとく、そしてそれが成規の手続であるかのごとく、修正案をすでにそういう形で提案をした、こういうふうに説明しておるのです。しかし、それは委員長がこの運営にあたって、委員長の責任でもってそれがはたして了承されることであるかどうか。委員長なんというものは単なる一自民党の派遣をした人間にすぎない、幹事長が一切この委員会の運営にもう権威を持って君臨しておるかのような印象を私は受けて、せっかくの大坪委員長の権威というものを失墜させるきわめて行き過ぎた言動である、私はそういうふうに受け取ったわけです。したがって、私はそういう点では、これからこの重大な法案をまさに最終的な段階で審議をしていく過程において、こういう言をただ聞き流しておるわけにいかない。したがって、委員長はそれは間違いである、田中幹事長に厳重に抗議をするとか、あるいは委員の諸君の了解がいかなければ本人を呼んで、ここで、そういうことをしてはならない、今後あってはならないということを言うとか、私はそういうことを高見委員長代行にお願いしておったのですが、高見委員長代行もどうも責任が明らかにならなかったから、本物の委員長に私はその点をお伺いするわけです。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 小林君にお答えをいたします。  去る二十日の各党国会討論会は、実は私は初めから見なくて、最後の数分間をテレビで見たのです。したがって、その私が見た時間では、田中幹事長のそういう発言は全然ございませんでした。しかし、あなたは確かにお聞きになったことでしょうから、これは幹事長によく確かめてみますわ。確かめてみます。しかし、それとこの委員会の審議とは直接関係はございませんから、(「ある、ある」と呼ぶ者あり)そして私の手元に……(発言する者あり)静粛に願います。私の手元に久保田円次君外六名から修正案が出てきておることは、皆さんにけさ御報告申し上げたことである。しかし、それはまだ趣旨の説明もあっておりませんし、議題にはのぼっておりませんから、修正案のことについては脳裏に置かないで、政府原案について御審議を願いたいと思います。田中幹事長のことについては、私は幹事長に確かめてみることにいたします。(発言する者あり)静粛に願います。

小林信一日本社会党

○小林委員 それでは私は了解いたしました。  残念ながら委員長はあとのほうの分しか聞かない。しかし私は聞いた。したがって、委員長はそれを確かめるとさっきおっしゃいました。だから確かめて、事実であったかどうかを田中幹事長から聞いていただきたい。そしてその扱い方は、あなたは関係ないという判断であるけれども、あるいは委員長だけの判断ではいけないから、理事会等でひとつその扱い方を(「委員会できめろ」と呼ぶ者あり)委員会できめていただくならなおいい。それは委員会の権威です。最近は、議長よりも委員長のほうが国会の審議の中では権威があるということまで最近の混乱国会の中からいわれていますよ。というぐらいに委員長には権威があるわけです。その権威を、一党の一幹事長からそういうふうな暴言を——あなたはいま提案をされておるのかおらぬのかということはまだ疑問のようなことまでおっしゃっておるのですが……。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 提案をされておるから報告をいたしましたといま申し上げたのです。

小林信一日本社会党

○小林委員 そうですが、それならいい。提案をされておるなら手続はとられておるのかね。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 手続きはとってあります。もう一ぺん言いましょうか。小林君、きょうぼくが言ったのをあなたは聞かなかったの。この委員会の本日の午前の劈頭に、去る十一日に私の手元に久保田円次君外六名から修正案が出ておることを御報告いたしますということを申し上げたのです。その趣旨の説明はまだやっておりません。したがって、修正案は議題にのっておりません。でありますから修正案のことは頭から払拭して、原案について御審議を願いたい。  田中幹事長がテレビの国会討論会で言ったということの真相は私は知りませんから、あなたのお話で初めて聞いたことであるから、それは幹事長に確めてみます、こういう返事をしております。それで御了承を願いたい。

小林信一日本社会党

○小林委員 さらにその扱いについては、私は理事会等で検討しなければいかぬ。私の判断では、そういうことを放置すれば、非常に国民に委員会の権威というものを失わせることにもなるんだから、ひとつ理事会等で扱いをして、たいしたことはないんだ、やはり田中幹事長は偉いんだという判断であるならばそのままでいいですよ。しかし、かりにもそういうことがあってはならないという判断が出た以上、ひとつまた委員会で御報告を願いたい。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 小林君の発言の趣旨は了承いたしましたから、繰り返して申しますが、私から幹事長にその事実を確かめてみることにいたします。それで御了承願います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 委員長が席を離れたときに私、審議のあり方について御質問したので混乱をしたわけでありますが、私はあらためて大坪委員長に御見解を聞いておきたいと思うのです。  私、意見を申し上げたのは、現在の日本は議院内閣制であるから、したがいまして与党の領袖が行政を組織して内閣をつくっておる。文部大臣もしかり。そういうことと政党との関係が一つになって、議会においては多数党を、そして外に出ては三権分立の行政権の全組織を持っておる。これが議院内閣制度であります。したがいまして、政府提案の法律は、その法案を構成する過程において政党の中の各機関の承認を得て、最後に閣議の決定に基づいて提案をされてくるから、実体的には、政府提案の法律は同時に自民党提案の法律と一体的な関係にある。もっと具体的にいえば、文教関係の法案は、与党の文教部会、文教制度調査会、政調会、総務会、その全部の関門を通って、そうして閣議の決定で出てきておるのだ。したがいまして、与党が国会の中で修正する場合を私が推定すれば、この文教委員会において論議を重ねて、そうして野党である具体的には社会党、民社、公明、ここに共産党はいませんから、この三党がいろいろ論議をしておる中で、多数の原理に従って少数の意見を尊重するという議会政治の原則の上に立って、与党のほうが一度提案をした原案ではあるけれども、野党の反対意見が非常に多いし、反対意見も正当なところがたくさんある。そして少数意見を尊重するたてまえを考えますと、その審議の過程で、与党の原案に対して野党の世論が反映する修正案を出すときだけが議院内閣制度における与党の修正案の出方ではないか。これが最もすなおな、偏見を持たない議会政治の立法府のあり方であると私は確信をするのです。  そういう立場に立ってみたときに、この間私文書でいただいたあの内容を見ますと、学生の処分義務を学長に負わすような、これはいままでのわれわれ野党の意見からいうと、全く離れた、はしにも棒にもかからないような内容を含んでおる。そうしますと、これは一度出しておるところの与党提案、政府提案が、今度はこの審議に無関係にどっからかそんなものが飛び出してきておる。そして議会尊重というふうな美名のもとに議会を無視し、そういうことが出てくるのはおかしい。これが野党から出すならわかる。与党から出る場合には緩和された修正案ではないかと私は思う。  そういうことを考えてみたときに、委員長は私に、この提案をしたあとはわれわれに質問の機会を与えることを約束されておるので、私はそのつもりでおりますのでこの内容については触れませんが、提案をするというあの内容からいいましたなら、まことに不当な、議会無視の提案のしかたであると思うが委員長はどうお考えになるのか、これをお聞きしたのです。あらためて私は大坪委員長の御意見をお聞きしておきたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 山中君にお答えいたします。  政府提案に対する与党の修正案に対してのお考えは、原則として私はそういうものであろうと思います。でありますけれども、それはあくまでも原則であって、そうでなければならぬということではないと思います。それは与党と政府との間でありますから、十分あなたがいまお話しになったような審議の経過を経て、政府と与党との間の了解点に達したものが原則として政府案として出るということは事実でございます。でございますけれども、ものによっては一つの過誤があったとか、ミスがあったとかというようなことまでも全部ないということはあり得ないと思います。そういう場合にやはり与党が修正案を出すということはちっとも差しつかえないことである。例外的——例外ということばが適当であるかどうかわからぬが、そういうことはもちろんあり得るというように私は了解いたします。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 一般論として委員長の言われることは正論であると思います。例外のない原則はない。私はそこまでは認めます。しかし、原則に対して例外の場合には、よほどの特別の理由のあるときでありますから、この法案を提案された中身から、どうもいろいろあれだけ審議をしたけれども、憲法と比較してみてどうも疑いの出る部面がある、あるいはどう考えてもこれは他の法律の関係においてはなはだしく不適当だという場合は、原則に対する例外で、そういう内容の修正案ならわかる。提案をされた政府と一体の与党の修正案ならわかる。ところが、内容を見るとそんなところは少しもない。まっこうからああいう案を出すということは、これは中身からいいますと、委員長の言うようにいわゆる原則に対する例外に当たらない内容ですよ。それでははなはだしく不当だ。そういうものを審議の過程と無関係にお出しになることは不適当で、委員長としてはそういう出し方は阻止すべきではないか、そう私は思うのです。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 山中君に申し上げますが、修正案は私の手元には来ております。そのことはけさ御報告を申し上げました。内容については、趣旨の説明もございませんし、皆さんも御承知ないのがほんとうだと思います。でありますから、現在は修正案は審議の議題にのっておらないということで、政府原案に対して御質問をお願いいたします。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 委員長が一応手元に受け取っておるだけで、これを審議にのせるかどうか、まだ御決心になっておらないようでありますから、良識のある委員長の今後の取り扱いについて期待をして私の質問に入りたいと思います。  まず最初に、去る十四日に公聴会が開かれましたが、非常に参考になる御意見が多かった。いままで幾たびかの公聴会に私も出席をいたしましたけれども、今回の大学法案に関する公聴会の公述人の御意見は、傾聴すべきものが非常に多かった思うのであります。この機会に委員長にお聞きしておきたいのですが、この法案を審議する重要な参考資料として公聴会が開かれるのでありますから、この公述人の御意見を公聴会を開いたあとの審議において審議の重要な参考にすべきものと思いますが、御意見いかがでしょう。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 速記ができればすみやかに皆さんのほうに配付されるように、そうして審議の参考にしていただくべきものだと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この間の公述人の御意見を聞いておりました。これは法律的には公募でありますので、一人一人の自由な意思で公述人を志願をされておいでになったのでありますが、実態は、政党政治でありますので、各党の意向を代表した、各党に関係はなくてもそういう意向を反映する公述人がおられたのでありますが、大体の公述人の御意見を聞いたときに、この法案そのものを私は完全に賛成しておる者はほとんど印象に残っていないのであります。  一番最初に立たれた鈴木弥七氏は、これは自民党推薦とジャーナリズムが書いてありますが、公述人でありますから違いますが、この人は青少年問題の立場から、大学の紛争は心配であるので早くおさめてほしいというので、この法案の内容については十分に関係ない、十分にお知りのないままにおさめてほしい、そのおさめるために有効な法案をつくってほしいという意味でありまして、私は直接この法案の内容について参考になることを鈴木さんから聞いておりません。  次に立たれた加藤東大総長は、まず第一に、この法案は紛争の真の解決を妨げるばかりでなくて、わが国の将来を誤るということを明確に言われておる。第二に、この法案の構想そのものが大学の基本的なあり方に対する誤った認識がある。第三に、この法案は大学への不信から出発をしておる。そういう立場において画一的に規定されたこの法案、そして現在予算面において常に行政から圧迫を受けておる立場に立ったときに、この法案が出たために、学長は行政と学内の関係の板ばさみになってどうにもならなくなるという述懐を漏らしておられ、紛争の中で非常に苦心をしておる東大加藤総長の意見は切実なものがあると私は思いました。  さらに次に長洲横浜国立大学の教授は、第一に、この法案は根本的に間違った発想に基づいておる、原因は深く社会構造の中にも根ざしておるのであって、学生は現在の秩序に対してレジスタンスを示しておるということを含んで考えないと解決はないと言っております。また第二に、この法案は大学の理念と方向性において非常な問題があるという意見を述べております。第三に、この法案は憲法と歴史に挑戦をしておるのではないかということも言っておる。第四に、この法案は紛争対策としては逆効果をもたらすのみであると言っております。これも私はお互いにまじめにこのこの御意見は聞くべきものがあると思います。  次に、自民党推薦の高橋武彦氏は、新しい大学制をつくらぬ限り解決はないということをまず明確に言っておる。大学制度の改革なくして大学紛争問題の解決はないと言っておる。次に、この法案は新しい大学制度のできるまでの一つの臨時措置としては考えられるが、内容については疑問があるということも明確に意見を述べた。これは自民党推薦の公述人であります。ことに五カ年の時限という五カ年というものに大きな疑問のあることも発表されております。最後に、大学運営の臨時措置法、運営に対する臨時措置法という名称そのものに異議がある、なぜ紛争に結びつけて正常化とか紛争解決の法案としないかということに疑問を投げかけておる。これは内容が違っておるからであります。  さらに公明党推薦の杉村先生は、第一に、紛争の停止権については反対だ、第一条に書いておる自主解決と完全に矛盾をしておるということを言っておる。第二に、休職措置については反対である。せっかく全構成員が民主的に解決をはかろうとしておるときに、最も矛盾のあるこの法規定であるということを言っております。最後に、この大学法案はかえって紛争を激化せしめるであろうということを、これは見通しをつけて意見を述べております。  次に民社の推薦の石川先生は、第一に、大学はもっと苦しんだほうがいいのだ、この法案は中途はんぱで、中途はんぱな解決になって何も残らない、こうした中途はんぱの法案を出すことはむしろ何もそこに残さないので、もっと苦しめて、苦しんだあとに新しい大学が生まれ、新しいものが生まれるのではないか、その意味においてまずこの法案の立法措置は反対であるということを、他の公述人と違って別途の角度から、私は傾聴に値する一つの意見を述べられたと思います。第二に、大学のあり方全体を考えて立法すべきである、そういう考えがないということ。第三に、学長に権限を集中するよりも、全教員、全教授全体に協力体制をつくる措置においてのみ解決するのではないかということも言っておる。  次に、社会党の推薦とジャーナリズムが書いておる生越忠氏は、この法案は新しい大学をつくるのにかえって阻害をする。第二に、この法案は今日の大学紛争の原因にマッチしていない。原因に無関係な収拾法案であるから、これは成功しない。第三に、この法案はかえって紛争を激化する。権限を末端に分散すること以外に大学教育社会においては解決の道はない。官庁その他と違うがゆえに権力を集中して解決するという、そういう性格を持ったものではないという見解を述べておる。  次に自民党推薦の赤木先生は、御自分の体験から、大学紛争をほんとうに解決するために、一般学生と大学当局の話し合いを妨害している暴力は排除しなければ解決しない。この人の切実な体験から述べております。したがって、この人の意見の中に、この法案によって直ちに学園紛争が終結するとは思われない。そうして終結するのには、一般学生と学長の間に話し合いをするという機会をつくって解決するしかないのだ。それをはばむ暴力学生の排除しかないのだ。しかし、それ以外のこの法案の規定しておるものについては賛成は一つもしていない。この暴力学生そのものだけをはずして、一般学生と学長が民主的話し合いをする以外にないのだということを体験の中から訴えておる。このことは、この法案の一条から、いろいろ休止、停止そのものを書いておるものについて解決するという意見を述べていない。  そういう全体の公述人の見解を、公正に私は私の党の立場を越えてお聞きしたときに、この法案に対して各立場から来られた数名の公述人の御意見を総合いたしますと、この法案そのものが成立することは決して望んでいないということを私は受け取ったのでありまして、この審議の重要な参考にして、この法案の取り扱いを慎重にわれわれは考え直すべきであると思います。  したがいまして、少なくともこういう法案を与党が多数の力をかりて強行採決するに値する法案ではないと私は思うのですが、今後の審議の過程において、この法案の取り扱い方について、もう  一度委員長の御意見を承っておきたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 お答えいたします。  これは私はたびたび委員の諸君にも申し上げておると思いますが、問題がきわめて重要な問題であるし、国民全体の深い関心の的になっている問題であるから、なるべく慎重審議をいたしたい。極力質問要求をされている方々にはみな御発言を願いたい、そういうように考えております。どうかそのおつもりで……。  しかしながら、発言者もまだ相当残っておられますから、山中君はじめ、今後御発言なさる諸君も、時間を自分だけで独占するということでなしに、適当にひとつ制限をして、譲り合って発言御希望の方の皆さんの御発言ができるように、私からお願いを申し上げます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 形式的に時間を気になさることは、これは間違いであろうと思う。私は引き延ばしのために御質疑はいたしませんし、法案を離れて質問はいたしません。私は、この法案に対して疑問のあるものを、議員の良心で疑問のないとこまで質問する義務も権利もあると思っておるので、最初から他の議員の何があるから、それのことを考えてというような、子供のようなこういう規制をされることは、私は認めるわけにいかないのです。内容的に委員長が、それは法案に関係ない、あるいはダブっておるということを注意されるのはけっこうである。しかし、その内容を評価をしないで、最初から議員の固有の権利を制限するようなことはよろしくないんじゃないですか。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 お答えしますが、私は委員諸君の良識に訴えているのです。それだけです。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは委員長の良識に信頼をして質疑をいたしたいと思います。  前回に坂田文部大臣に、今度の大学紛争法案については、紛争の原因があるので、その原因というものを探究しなければ大学紛争が解決しないという立場で、紛争について若干お聞きいたしました。それは今後の審議の過程の中でまたお聞きすることがあると思いますが、次に、この法案に密着しながら内容的にお聞きしてみたいと思います。  まず第一に、この法律の基本的な精神といいますか、そういうものに触れてお聞きしたいと思います。法文に即してお聞きすれば、第一条の文章の中に、「この法律は、大学の使命及び社会的責務」云々にかんがみと書いておりますので、この法案の生きるも死ぬも、あるいはこの法案の運営のしかたにも大きい影響を与えると思いますので、ここで法律の用語として「大学の使命」といっておる、これはどういう意味で文部大臣がこの目的の一番眼目にお考えになっておるか。「大学の使命」についてお聞きいたしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほどお答えしたとおりなんで、教育、研究ということを中心としまして、その知識を獲得する、これが研究かと思います。獲得しました研究を伝達する、これが教育かと思います。そしてまた、その成果というものを応用するということは、社会に対して還元する、こういうことかと思います。そういうようなことが「大学の使命」であるというふうに思うわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 「大学の使命」といういかめしい表現があるので、もっと中身のあることをお考えになっておると思ってお聞きしたのですが、それではあたりまえのことなんで、それでは別な角度でお聞きしますが、「大学の使命」ということばを使っておる場合には、大学の目的とか、大学の役割りであるとか、あるいは大学の機能というふうなものを含んで、そこに「大学の使命」ということばが出てきておるのではないか。特にその場合に、大学の目的、大学の機能、大学の役目ということばを使わないで、「使命」と使ったのであるから、国と大学との関係とか、そういう意味を含んで「使命」ということばを使ったのではないかというふうに私は推察したのです。その点はいかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほどお答えしたのを聞いていただけなかったのをはなはだ残念に思うのですけれども、「使命」というのは、天ないしあるいは神によってそのものに課された任務ないしは役割りというものを意味する。これを現行法制に即して考えてみますると、「大学の使命」というのは、国民によって大学に課せられた任務ないし役割りということであろうかと思います。端的に申しまして、大学の使命は、先ほど申し上げますように、研究と教育を通じて社会に奉仕すること、言いかえますならば、真理を探究し、その成果を社会に還元すること及び国民の子弟に高等教育を施し、社会に有為の人材を育成することと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは大学の使命として私ぴったり入らないのでお聞きしなければならぬのですが、大学制度というのは、人類、民族の進歩の窓として、権力体制に無関係に、国境を越えて普遍的な真理を探求することによって、人類、民族の進歩のもとの役割りを果たすのが大学の使命ではないのか。したがって、その他の教育機関、その他のいろいろの施設と違った独特の大学の使命があるのではないか、そういう意味においては人類が考えた最大の知恵が大学制度というものに出て、いかなる権力からも自由で、学問を研究し、真理を探究していける、したがって進歩の窓になるのだ、こういうことが基本にあって、しかも、だからこそ、そこに大学の自治というものを大学の使命というものの中で表裏一体として守っていかなければならないのだという考え方が出るのではないかと思うのですが、それはいかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 一般的に申しまして山中委員の御指摘のとおりだと思うのでございます。ところが、日本の大学はその使命というものを達成できないようになっておる。それは大学の先生たちがよく言うような、戦後におきましては、権力の介入によって学問の自由や大学の自治が侵されているのではなくて、足元の大学の構成員たる学生の暴力あるいは一部の政治的主張を貫くために、大学というものを拠点として大学の解体ということを考えておるような人たちによって、多くの学ぼうとする学生の自由が侵され、あるいはまた研究をしようとする教官の自由というものが侵され、つまり学問の自由と大学の自治が侵されておる。こういうことかと思うのでございまして、これを回復するためにこそこの法案を提出いたして御審議をわずらわしておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いや、侵されておる、侵されていないじゃなくて、大学の使命は何ぞということを明確にしたいのでお聞きしておるのです。国家に対して、現体制を越えて、学問の精神によって、既存の思想を解釈するだけでなくて、現体制を理解するだけでなくて、新しい視点から新しい事態をとらえて既存の思想とか体制を批判して、あすの国家をささえていくような新たな道を提示していく、そういうのが大学の使命ではないか、それを明確に文部大臣も把握して論議をしないと、大学の使命をいま果たしていないじゃないかどうかということを評価する場合に非常に違ったものになる。そこで私は、この法案の一番大事な基本である大学の使命を、いま文部大臣と明確に論争しなければいかぬと思って言っているのですよ。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 その点は、冒頭に申し上げましたように、あなたと同じだと私は申し上げておるわけです。もう答えておるのです。ところが、現実はそうじゃなくて、理念ばかりを大学の先生はおっしゃいますけれども、その実態はどうかというと、それはそうじゃないじゃございませんか。そしてあなた方は大学の自治を侵すものは外部勢力である、国家権力であると言っておられるけれども、そうじゃなくて、現実は足元の大学の構成員たる学生の暴力によって学問の自由が侵されておる。その辺をよくお考えいただかなければならないのだ、そこに問題があるのですぞと、こういうことを申し上げたわけでありまして、理念はわかっておる、山中さんと私は同じだ。しかしながら、現実の認識において多少あるいは山中さんと違うのじゃなかろうかということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大体わかりました。坂田文部大臣も私も、大学というところは時の権力とかそういうふうなものを離れて、それにいかに違った反対の意見を持っても、学問という立場で批判をし、現社会か人間疎外の社会であり、これを克服していくことが学問の研究の結論から正しいという場合には、大学が学問研究を通じて新しい思想、新しい考えを生み出していくということが大学の使命である、これについてはそのとおりだ、これは間違いないですね。そのことを明確に前提としておかないと、政府が現在の体制に都合が悪いから大学は閉鎖してしまえとか、そういうふうな素朴な間違いが往々にしてある。これは現実にあるものですから、その辺を明確にしておきたいと思うのであります。私はそういうことも含めて、そのあとに大学が治外法権だとは思っていないのです。国と大学の関係は明確に制度的に定着すべきだと私は思っております。そこで、そういう使命を前提として、国と大学のあり方、国家と大学はどうあるべきだとお考えになっておりますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 大学の使命というものはそういうものだと思いますけれども、第二次大戦後、しかも国民に主権があるという現憲法下におきましては、むしろ国と大学というものが一体になってそういうような学問の自由というものを守っていく、また、大学におきましてはその使命を達成してもらわなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 現実にわれわれ国家生活をしておるのでありますから、国家というものは普遍的な原理、正義とか真理とか、そういうものを基本方針にして初めて世界にその国の存在理由を主張することができるのであると、私は国家に対してそう考えておる。普遍的な真理、普遍的な正義というものを基本方針にしておる国家だけが、世界に対して存在理由を主張することのできる国なんです。そういう国を前提としたときに、大学が普遍的原理を研究する。その大学と国との間に、いわゆる最近のことばを用いれば断絶はないのだ。そういうことを前提として、日本の大学はどうあるかというときに、国自身が普遍的原理の上に立っておるならば、現代の憲法の前文に明確にそれはうたっておる。そういう普遍的原理を、日本の歴史によって続けられた日本の土壌の中で実現をしておるところに、日本の国家の世界に主張する存在価値があるのだ。世界に通用しないような原理をもって国家が成り立つ場合は、世界に対して訴える価値のない国家である。そういう立場に立って現在の憲法を私は高く評価をしている。こういうことも考えながら、大学に対して、大学の自治というものを憲法の学問の自由というあの精神の延長線に制度的に定着をせしめていくということが、こういう大学紛争に直面をしても捨ててはならない絶対的な条件であると思いますが、この点はいかがでしょう。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 山中さんのおっしゃる普遍的原理というものをどういうふうに見るか。ことばどおり、文字どおりに承るとするならば、私はそうだと思うのです。しかし、その原理というものは、私は自由社会においてのみ成立する原理であるというふうに思うのでございまして、たとえば社会主義国というようなところにおきましては、われわれが考えておるようなそういう自由、学問の自由あるいは教育の自由というものはないのじゃないか。国家に対して反対制的なことは許されない、そういう自由は認められないと私は思うのでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私が普遍的原理を言うと、社会主義を連想されておる。社会主義だとか何主義じゃなくて、人類普遍の原理。社会主義が普遍的原理ならば栄えるのです。そうでなければ栄えないと思う。したがって、私がいま言ったのは、正義とか、平和とか、真理とかいう、ある国にだけ通用して他の国に通用しない、そういうものでなくて、全人類が共通の原理として考えるという、そういうことを私は申し上げたのです。一つの地域を持っておるところの、歴史を持った国が、そういう基本方針をその国を通じて実現をするところに国家の価値があると私は言っている。そういう意味において、学問の研究をする大学と国の存在理由というものが一致するような、そういう国であるべきだということを考えてみながら、私は一つの現代の大学の使命というものと国との関係を明確にしておきたいと思って申し上げたのでありますが、その点は、論議する時間はここには与えられていないと思いますのでこの辺にとどめますけれども、大学は国境を越えて、そして権力体制を越えて、大学というものは権力と親しまないものである、そういう立場であすの国に貢献をする、今日の国じゃなくてあすの国に貢献をするという立場の中に大学の使命があり機能がある。そういうことから、どういうことがあっても学問の自由を制度的に保障していくという立場は、いかなる政権を持っておっても、これは絶対的な条件としてあらゆる問題を解決すべきではないか。結論的にこれを坂田文部大臣にいまお聞きしたわけなんです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほど申し上げますように、それは自由諸国においてのみ認められる原理であるというふうに思うのでございまして、もし社会主義国においてもそれが認められておるとするならば、いささか私は見解を異にするので、そういうような普遍的原理ということばの問題をお聞きした意味はそこにあるわけでございまして、私は、今日存在いたしておりまするところの、強力な国家統制をし、そして政府のやることに対して批判も許さないというようなところにおける大学制度、そこにはたして学問の自由、われわれ自由諸国におけるところの普遍的原理である学問の自由というものははたして現実の問題として許されておるかどうかということについての現実認識は、いささか違うということを私は申し上げておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 変なところを力説されて御答弁されるので質問がちょっとおかしくなるので、それならそれでいいでしょう。これは、あなたの言う自由国家だからここは普遍的原理はあるのだということだけは間違いないようですから、普遍的な原理の中で、原理というものが生きる日本の体制ということをあなたがおっしゃっているなら、それでけっこう。大学というものはそういう普遍的原理を通じて、人類に、民族に、国に貢献するんだ、外から注入されるのでなくて、みずからそういう自由な立場において研究し、そこから新しいものを生み出して、大学というものが社会的機能を果たし、それが社会的使命である、こういうことを確認されたようでありますから、いかなる紛争の大学の場合においてもそれは確認するか、大学の自由を守るかということを中心に私はいま聞いておったわけなんです。それはいいですね。  それで、この目的の中に自主的収拾ということばを使っておる。「大学によるその自主的な収拾のための努力をたすけることを主眼とし」で、解決ということばを使っておられない。私は解決のない収拾はないと思うのですが、その点はどういうふうにお考えになっておられるのですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 これはそうことばに違いはないというふうに私は思うのでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そうすると、収拾と書いてあるけれども解決というふうにお考えになっておるわけですね。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 まあ、いろいろことばのことを申しますと、解決というものはもつれた事柄を解いて決定する、それから収拾というものは拾いおさめるということ、取りまとめるということ、こういうふうに考えられるわけでございます。本法案の第十条におきまして、紛争大学の学部間で意見対立があって、これが大学紛争の収拾にとって障害となっている場合、当事者間の紛争の解決をはかるためのあっせんを行なうという趣旨の規定がございますが、このことから解決と収拾とを区別して用いていることが明らかでございますし、政治的意図を持って解決にかえて収拾ということばを充てたものではないわけでございます。右の用例から判断いたしますと、解決は対立する当時者間の行為ないし意識の側面に用いられているものに対し、収拾は第三者ないしは当事者を越えた客観的な状態に着目している、こういうふうに見ることができると、しいて御答弁を申し上げればそういうことでございますが、あまりそう変わりはない、こういうふうに思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 まあ国語的解釈はわかりましたが、私は解決というものは、原因があれば原因を除去しなければ解決はないんだ、収拾という場合は警察権力で一時押えたって収拾はできる。しかし、その収拾はまた繰り返すだけであって、解決のない収拾は一時的に押えてもまた出てくるんだ。だからこの法律の目的は、とにかく一時的に何でもかんでも押えるということが目的のように思われたので、解決と収拾はどう違うのかということをお聞きしたのです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 いや、今日の提出を申し上げております法案ですべての問題が解決するなどと考えたら、大学問題の複雑な要因あるいは学生の意識の変化等々を甘く見過ぎておると私は思うのでございます。この点はおそらく山中委員も御同感だろうと思うのでございまして、その意味合いにおきまして、やはりこの法案というものは解決への糸口になると思っておるわけでございまして、これが万能薬である、これが通ったらすべて解決する、こういうふうに解釈をされたらそれは間違いであると私は思うのでございます。この法案と同時にあらゆる努力を大学もしていただきたい。また、新しいビジョンを出していただきたい。われわれもあらゆる指導、助言をし、行政措置をやるということによってのみ真の解決というものが訪れるというふうに考えるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 だから解決は残しておられるようでございますね。私はやはり解決は、予算の措置、大学制度の改正、六・三制全体のいわゆる制度のビジョンというものを出さない限りは解決しない。与党の委員の再三の質問の中にも、ビジョンなくして解決があるかということを盛んに質問しておった。したがって、この法案では解決はできないんだ、一時収拾だけはするんだということをどこか考えておられて解決というものを書いていないのであろうと、善意に実は解釈をしておるわけなんであります。とにかくこれだけでは解決はないということを文部大臣も思っておられるようでありますから、それはまたいろいろの問題の中で深めていきたいと思います。  ここで私は、文字どおりこの法案をすなおに生きる法案として考えるときに、自主的な収拾のための努力をたすけることを主眼とする、決して干渉しない。大学の使命、大学の機能というものは、やはり外の権力によって押えることからは大学の機能は死んでしまうんだという、そういう基本的考え方があってこの法案が出ておるとすれば、いまの私とあなたの論議の中で、少なくとも最小限収拾するのには学長の自主的な収拾の方法として、この七条の休止までは、多いか少ないかは別にして自主的解決を助長するという法案と中身は一応合うのではないか、批判は別にして……。しかし、文部大臣が指揮権を発動して停止ということまで入れば、第一条と合わない法案になる。これは看板と中身が全く違ったものになってくると思うのです。もし第一条を真正面に書いてこの法案を作成されるならば、私は、学長自身の休止、学内におけるいろいろの組織について収拾する場合についてのある程度の措置は要るかもしれないが、学長自身の発動による休止、これは学長の一つの、何というのですか、権力集中の表明になると思いますけれども、それの評価は別にして、そこまでが第一条に合うものではないのか。少なくとも文部大臣の指揮権発動に相当する停止というふうな一種の閉鎖というふうなところまでいくところに、この法案の根本的欠陥とうそがある。そういうことが、最初の大学の使命、大学の機能をそういうことによって窒息をせしめて、収拾したけれども、あとに大学は死んでしまう、角をためて牛を殺す法案に私はなっておると思うのであります。それはいかがでしょう。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 第七条なら第七条だけを取り上げてお考えになるならば、そういうような御批判も当たるかと思うのでございますが、そうでなくて、この全体の法案を考えていただきまするならば、仰せのようにはならない、一条と七条というものは矛盾をしない、かように考えておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは説明にならないのです。説明にはなりません。二条、三条から入っていってそれを説明して、なお自主的収拾を手助けするのではなくて、権力的介入をするという全貌が明らかになるだけです。それを触れないで、一番端的な、収拾の名において大学の自治というものを根こそぎとってしまう一番典型的な一条を持ってきたのですよ。文部大臣の指揮権発動による停止、そこからあらゆる矛盾が出てきておる。休職の問題から何からあらゆる問題が出てきておる。これがある限りにおいては、この法案は第一条の目的に合わないし、この法案は日本の大学のために、日本の将来のために絶対つくってはならない法案になっていると私は思うのです。そうでないことを、もう少し中身を入れて説明してください。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 たとえば第七条第一項におきまして自主休校をやるということでもなお片づかないという場合におきまして、われわれが第三者機関の議に基づいて学長の意見を聞いてという意味は、大学とわれわれとが一致してという意味でございます。そうして教育と研究の中止をやるということによって事態が解決をしたということになりまするならば、むしろ学問の自由を守る、大学の自治を守るということにつながっていくわけでございます。それはやはり運営の問題であるというふうに思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 学長自身が、上智大学の例にならって何カ月か休止をする、そこまでは——私自身はこの法案全体の構造について反対なのでありますが、一応それは別にして、この目的という線からまっ正直に考えて、大学が自主的に解決をする手助けをするというものは、学長が上智大学にならってこの休止ということを発動する場合の手助けというまでは私はうそではないとは思うし、そこまでやっても大学は滅びない。学問の自由、権力から別な立場に立って発展していくという生命はなくならない。しかし、文部大臣の発動によるこれをすれば、これは大学というものを完全に殺すのであって、そういうことをしなければならぬ大学は自然に死んでいいのではないか。そういう大学は大学に値しない。なぜそれを救うというふうなことを考えながら、権力でおきめようとするのか。そのときは解決、収拾しても、大学は死んでおると思うのです。私は、学長自身の休止というところまでにとどめて、そしてなおできぬのは、その大学はもう死んでしまうのだ。本来の大学の使命の上に立って真剣に未来を考えるならば、そこまで政治家が考えて、それ以上は考えるはずはないと思う。文部大臣の回答はどうもわからない。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 山中委員のお話も私はわからないのでありまして、何もしないで、そしてつぶれるものはつぶれろ、それでもよろしいじゃないか。そのつぶれた場合においてもなお手をこまねいておって、大学に対して国家権力が介入していかぬ、こういうようなお考えでは、私は、国民に対する文部大臣としての責任も果たしたことにならないのじゃないか。むしろ、そういう瀕死のような状況を助けるということにおけるところのこのような形における手助けというものは、あなたがおっしゃるような、いわゆる国家権力の介入によって大学自治を侵すとか、あるいは学問の自由を侵すということにならないのじゃないか、こう思うのでございまして、それを有効に、もし大学も了承をして、ともどもに大学の秩序を回復し、そしてまた教育の正常をはかるということに相つとめるならば、あなたの、何もしない場合につぶれていくような大学が生き返らぬとも限らぬ、われわれはむしろ生き返ってくる、そういうことはむしろ積極的になすべきである、なさないことのほうが国民に対する責任を果たしたことにならない。たとえば今日、入学はしたけれども、まだ一万数千の者が自宅で待機を余儀なくされておる。十数万の者がまだ授業できないようになっておる。その父母のことを考えるならばどうなんだ、あるいはその学生たちのことを考えるならばどうなんだと私は思うのでございます。やはりこの程度のことを考えることは、むしろ大学の自治を守ることであり、学問の自由を守ることである、かように考える次第であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大学は、みずからの力で自主的に解決できるのだというまず信頼感が前提になければならない。何もしないのじゃなくて、第六条の一項の休止というものを、一応もし自主的解決を助けるという第一条の目的の法案をおつくりになるならば、そこまでの手助けを一生懸命法律はしているのじゃないか。そこまでの手助けというもので大学は立ち上がることができるのだ、そのときに権力で介入することによって大学を殺していくだけだということ、この間の公述人の大体の考え方というものは、みずから苦しんでおる学長諸君の意見が一致しておる。そういう文部大臣の介入を、自民党推薦の赤木さんもそんなことを一つも歓迎してなかったのですよ。そういうことをだれが大学人が望んでおりますか。自主的解決ということについても、学生の地位についていろいろ干渉したり何かするところに、むしろ殺していくところがあるのであって、国立あり、私立あり、建学の伝統があり、歴史があって、その中で、あの紛糾の中でいろいろ知恵をしぼって出てくる場合に、学生に対するあり方について、いろいろ各大学ごとにモデルが出ているじゃないですか。それを手助けをしていくという基本的な、大学の自主性を守るという基本精神があれば、それは立ち上がりますよ。坂田文部大臣は、この第七条二項ですか、指揮権発動をすることによって立ち上がることができるんだという強弁をされておられるようでありますが、それならばこの条項のところにいって、どれだけの矛盾が出るかということを質疑を深めていきたいので、そのときにこれを残しておきましょう。  そこで私は、この収拾というものが、同時に解決ではないのであって、この法案のみでは解決しないということを盛んに言われておると同時に、一方に各新聞その他に文部大臣は新しい大学制度のビジョンを出されておる。その中の一つの坂田文部大臣の新しい大学制度のシンボルとして、開かれた大学ということばを盛んに使われておる。開かれた大学というものを具体的に制度化をしていけばどういう具体的な大学制度になるのでしょう。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 開かれた大学というものは国民のための大学ということでございます。端的に申し上げますと、戦後新しい大学ができた。そのときに新制大学の仕組みとして国民のための大学、大衆のための大学あるいは万民のための大学ということでございますから、当然、特に国立大学におきましては、納税者たる国民の意思を反映した大学自治というものが行なわれるような仕組みが考えられるべきであった。また、現実に昭和二十六年において我妻委員会におきまして、ボード・オブ・トラスティーズの考え方、つまり商議会というものを設けるという案もあったわけであります。しかし、当時の政治的事情によって、あるいは大学側の反対等もありまして、その法案、我妻大学法案というものは日の目を見ることができなかったわけでございます。これは私は、やはり今日の大学が社会の進展に対して対応できなくなった一つの大きな原因であったかというふうに思うわけでございます。その意味合いにおきまして、やはり国民の意思を踏まえた大学自治、つまりこの前の公聴会におきまして東大の加藤学長が申しておりましたような、閉ざされた大学自治から開かれた大学自治へと、つまり学部自治の弊害を改めて全学的意思決定というものがすみやかに行なわれるような状態、これは管理運営についてそういうこと。それからまた、教官というものも閉鎖的に自分のところだけで身分保障に安住するということでなくて、再審査機関を設けるとか、あるいは教授としての任用期間というものは五年か十年というふうに限定をするとか、あるいは私立大学あるいはその他の一般の企業の研究職員と人事の交流のできる道を開くとかいうようなことも、開かれた大学に通ずるかと思います。  それからもう一つは、閉ざされた大学においては、とにかく教育と研究というものが大学の構成員だけでやっておればよろしい、そういう時代はすでに過ぎた。そのやりました研究の成果というものをやはり社会に還元するという働き、機能というものが新しい大学に求められてきておる。あるいは今後労働時間が四十八時間からだんだん少なくなっていく。そういう時代において、時間的にも経済的にも余裕ができた人たち、国民がさらに生涯教育、そういう意味において再教育を受けたいという気持ちは私は当然出てくると思う。それにこたえてのソーシャルインスティチュートとしての大学の機能ということに対してもこたえなければならない。そのはしりといたしましては、たとえば大阪大学等において行なわれておりまする市民講座のごときもその一つかと思うのでございます。あるいはオープンユニバーシティーというようなそういうマスメディア、つまりテレビだとか通信教育というものを通じて生涯教育あるいはその他の高等教育を受けたいということに対して、マスメディアを通じて行なうというようなことも、開かれた大学の一態様かとも考えるわけであります。いろいろありますけれども、あまり時間がかかるのでこの程度にいたします。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大体開かれる方向のほうは説明があったのでわかりますが、一つ学生に開かれていない大学があなたのおことばの中に残っておるように思う。私は、学外から人を入れて、臨時審議機関ですか、そういうものを構成する、それは私は反対しません。国民の、大学外の方からも入れるというふうなことは、これはあり得ることだと思うのです。理事会のようなものは、それは私学においてはしているのです。しかし、日本の場合には弊害が多いから、これは政策論としてはまた別に論議しなければならないのですが、その学生に対して、どう見ても現在の政府の考え方においては、学生に閉ざして、学生に開かれた大学というイメージが一つも出ていない。それが私の一つの一番大きい批判なんです。その点について、法案の構成の中でも、この第二条に、大学紛争の定義に、「施設の占拠又は封鎖、授業放棄その他の学生による正常でない行為」、全部学生に限定してしまっている。これは学生以外の者の正常でない行為で起こった場合には、この法案には何にも適用がない。学生を敵視している法案みたいな感じがする。この法案は、私は二つの構造があると思うのでありますが、権力は学長に、学長から文部大臣に、ずっと上に吸い上げていくだけでなくて、責任は全部学生におろしてしまっている。そういう感じがある。学生の地位に対しても非常に消極的ある。行ないについては、学生による正常の行為まで含んで大学紛争の定義を抽象的に拡大解釈できるようにしておき、教授による正常ならざる行為、私学においての理事者間の正常ならざる行為は紛争大学にならない。これは学生を敵視しておる。私は、そういう意味において、坂田文部大臣の開かれた大学は学生に開いていない、そこに大きい、非常に古いものの考え方があるのではないか、この法案の発想にも。そう思うのであります。  一例をあげますと、これは七月十九日の新聞でありますけれども、山梨学院大において学生が紛争を起こしてきた。その原因は、この大学の設置者であるところの理事、理事会、設置者のほうで法律違反を起こしてまで、四年制の大学の卒業証書を、無認可の二年制の授業で乱発をしておったという、この理事者の、設置者の姿勢に憤慨して、一つの正義あるいは法律違反に対して紛糾して、学生諸君がストを始めた、こういうことがこの新聞の記事に載っております。その中身をちょっと読んでみますと、「学生自治会が、新たに「無認可の二年制授業で四年制大学の卒業証書を乱発していた」と同大学の不正を摘発した。同大学が学生不足をカバーするため文部省の許可なく開設した「東京教室」で文部省も「事実なら大問題だ。すぐ調べる」と驚いている。」こういうことが原因のように書いております。文部省においてもこれは黙認しておったのではないかということも、一方に書いてある。違法の理事者のこういう行為に対して、正義の学生のストというものは大学紛争の定義の中に入れて、この理事者のやっておることから問題が紛糾したということについて、何らこの法案について適用する何ものもない、ここに大きい間違いがあるのではないか。開かれた大学の欠陥がその辺にあるように思うのですが、これは大体のこの事件の内容について、村山局長、ちょっと説明をしてみてください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 山梨学院大学は、昭和三十七年に法学部、それから四十年に商学部が設置認可になっておるわけでありますが、それ以前に短期大学がございまして、その短期大学の学生募集があまりはかばかしくいかなかった関係で、その間に正常ならざる事態があったようでございます。現在責任者であるところの学長は病気ということでございますので、直接まだ文部省に説明のために来ておりませんので、詳細なところがわかりかねておるわけでございますが、報道されておるようなことが事実であれば、これは決して認めることのできない不適当な事案でございますので、事情をよく調べまして適切な指導、助言をやりたいと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これが原因で学生が授業放棄をしたときに第二条を適用するのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 しばしば御説明しておりますように、第二条の場合は、原因のいかんを問わず学生により封鎖、占拠等の物理的状態が起これば適用があるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 文部大臣、これでいいのですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 目的がいかによかろうとも、その手段がいけない場合はやはりいけないのであって、それはあたりまえの話で、たとえばそういう暴力というようなことはやはり許さるべきことではありません。しかし同時に、それだからといっていまの山梨学院大学のお話が事実とするならば、その当局というものも糾弾さるべき問題であると私は思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この法案の適用というのが正当であるかどうかということを私は論議しておるので、ほかのことを論議していない。坂田文部大臣が文教委員であったときを思い出してください、私も思い出しますから。ずいぶん苦労して名城大学の紛争を文教委員会で論議に論議を重ねて、そうして権力が入ることは大学の本来のあり方から極力回避すべきだというので、数年の後に学校法人紛争の調停等に関する法律をたしかつくったはずである。それは何だ、それは理事同士の紛争ですよ。あそこの理事の利権の争いの中でお互いにかってに財産を売り飛ばして封鎖——学生の封鎖じゃないんだ。そうして授業などもやらさないであちらこちらに売り飛ばして、そうして数年紛争が続いた。学生諸君がそれに対して奮起をして、むしろ一部の教授とその大学を管理して教育を継続する。そしてお互い授業料を出して、そして教授に貸与するような形であれを数年運営してきて、そしてわれわれが名城大学だけに適用するというふうに限定をしながら紛争解決措置法が出たはずである。あのときもこの法案があれば、あの学生諸君のストあるいは教室をみずからかってに使ったということで適用されてくる、一体それでいいのですか。だから私、これは学生敵視法案だと言う。なぜ学生に限定しなければならないか。正常ならざる行為であれば、理事であろうが教授であろうが学生であろうが同じじゃないですか。     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 御静粛に願います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 なぜ学生というものに特に限定したか説明してください。こういう法を私は認めるわけにいかぬ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御案内のように、現在約七十校程度の大学が、この法案で予定しておりますような定義に従いますと、封鎖、占拠あるいはストライキというような状態になっております。この原因は、教官側の不手ぎわというものも若干はありますが、大部分は学生によって起こされておるものでございます。そこで学生によるこのような教育、研究の阻害行為というものを主として頭に置いたわけであります。教官その他を対象としなかったのは、教官につきましては、国立大学であれば公務員法という規制措置がございます。それから私立であれば労働関係ということに相なります。これらと紛淆を来たさないために教官側の行為というものは一切排除いたしまして、学生側の行為というものを当面の大学紛争の収拾のための対象として取り上げたわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 現在の紛争大学が、学生がやっているというなら東京大学紛争に関する臨時措置法、固有名詞をつけたそういう法律をつくりなさい。これはそうでなくて、あらゆる場面を想定してつくっておる法律なんだから、将来ある私大の理事と理事の紛争で、そうしてその財産を売り飛ばす、それで売り飛ばした人から差し押えをされる、封鎖をされる、そういうことだってある。現に名城大学はそうだった。そして国家がずいぶん苦心をして、それに対する紛争処理法案をつくったはずなんだ。学生というものに限定しておいてこの法律をつくるということ自体に本来非常な間違いがある。日大というものが一つの例として、これは学生側の正義の戦いとして出ておるような場合も適用されることになる。それは次の議論にしても、現実に名城大学の例が出てきておった。学生がやれば紛争大学で、理事がやれば紛争大学にならぬというのはどういうわけだ。どうして学生だけを敵視する法案をつくるのか。青年、学生は民族の希望であり、非常時の場合はやはり学生は民族の良心だと思う。動機はどうであろうが、手段が悪いからけしからぬ、そんな文部大臣の学生観、青年観があってどうして日本の未来に向かった文教行政ができますか。何ですか、それは。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 未来ある大学の学生であるからひとつしっかりやってもらいたい、また、そういう方々の大部分の学問の自由あるいは学ぶ自由というものを守らなければならないということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 答弁にはならないのです。しからば、この第二条の大学紛争の定義において学生の行為だけに限定したのはどういうわけですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 今日の大学紛争というものの実態をごらんいただけばわかるわけでございまして、ほとんど全部といっていいくらいそれは大学の学生によって起こされておるということでございます。その実態に即しましてこの法案ができておるということであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 現実にそうだからというなら、その特定の固有の大学に適用を限定する法律をつくりなさいと言うのです、東大に関する紛争処理法案とか。これはそうではなくて、大学紛争という一般的定義を下しておる。そのときに大学を構成しておるものは教授があり、教職員があり、学生がある。そして私学の場合は設置者の集団があるのです。そしてこれと同じようなことができる。正常ならざる行為は幾らでもできますよ。それを学生だけに限定するということは何としても私は納得しない。一般的に適用する法律として定義を下しておるのですからね。こういう法律は認めるわけにいかぬことがまだわからぬですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 私も山中委員と同じようにやはり名城大学のときに参画した一人でございます。あのことによってあっせんがなされて、そして解決をして、いまではあれはみごとに、たしか非常にいい学校になっておるということを聞いておるわけでございまして、そういう意味合いにおいて、あそこまで紛争がいった場合において、やはり法律でもってあっせんをやるというようなことも特定をいたしましてできたわけです。しかし、そのときといまとでは学生問題が非常に違ってきておると私は思うのです。世界的なスチューデントパワー、先ほどおっしゃるように非常に普遍的な問題として体制に対する反体制運動ができた。これは五年前、十年前名城大学が起きた当時はとうてい予想できなかった。山中委員といえども予想しておられなかったろうと思う。私も予想していなかった。そういうような今日の事態というものはやはり異常な事態でございます。そしてその大部分はやはり学生というものが主体であります。学生のそういう一つの政治的主張を貫くために暴力を手段としておるというところに問題がある。また、大学というものをいわば治外法権下であるかのごとくこれを利用しておる、利用されておるところに問題がある。かように思うわけでございまして、そのことを排除することこそ学問の自由を守ることだ、大学の自治を守ることだ、そして開かれた大学をつくることである、かように考えるわけであります。そのことが大多数の学生、大多数の教官の学問の自由と教育を受ける権利を守ることであるというふうに私たちは考えるわけでございまして、一部の学生の暴力行為ということによって、多数の人たちの学問の自由が奪われておるということをわれわれは見過ごすわけにはいかない、かように思うわけでございます。私は、一部学生の、そういうようになってきました学生の意識と申しますか、あるいはそういうふうになってしまったもろもろの原因等について、おとなといたしましてその責任の一端を感ずるものでございます。しかしながら、その行為そのものは許されないと私は思うのでございます。しかし、敵視はいたしません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それは幾ら言われても、この法案の欠陥に対する弁解にならないのです。この法案は、十二条において私立大学に読みかえるという構想になっておって、そして国立の場合には学長に権限が集中するのを、学長というのを私立大学の設置者に読みかえておるから、設置者に全部権力が集中するようになっておる。そういう構成を前提として、現実にいま名城大学を例に出しましたが、戦後において一つの実例がある。理事者同士の勢力争いのためにかってに判こを押して校舎を売り飛ばして、それで授業ができなくなった。それで学生諸君はストを起こした。授業ができないために封鎖をしたのだ。この法律ができたために、そういう例ができたときには、学生は目的は正しいけれども、そんなものは認めないのだ。行為が悪いのだ。この第二条の定義によって、坂田文部大臣の答弁によれば、手段が悪いとあらゆるものがいけないのだということで、そうしてその学生を目のかたきにして休止、停止という処理がずっといく構想になっておると私は言うのです。  現実に日大の場合についても一つの問題は出てくると思う。それについてこの法案は、結局理事者同士の争いの中で事実上法律行為によって売り飛ばすか何かによって、封鎖と同じそういう結果が出てくるような場合には、その大学は紛争大学という判こを押さないで、学生がそれに奮起をして自分の学問を受ける権利を主張し、あるいは学問をしたいという立場で、やむにやまれない行為において、その大学の校舎を授業するために封鎖した場合これは適用になる、そういう法律だというのです。こういう不公平な、そしていわゆる一般の正義その他の常識、社会的通念からいって非常識な定義になっておる。このことについて私に納得するような説明は、いまの文部大臣の答弁では何の説明もない。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この大学紛争の第二条の要件が満たされておる場合は当然に及ぶということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 名城大学のごとく理事同士が紛争を起こして、ある理事が教室などを売り飛ばして、そして大学以外の者に所有権が移る。それで第三者の手によって封鎖されるということが現実にあったのです。そういう場合には文部省においては黙って、それは正常なる大学であるとしてそのまま見ておくわけですか。そしてそのときに学生が騒いだときには紛争大学として、今度はこういう処罰的な行動に出るわけですか。この法律ができたらそうなりますよ。いいですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 前にも御説明しましたように、理事者間の争いは、この法律では大学紛争とは考えていないわけでございます。これは常識的な意味における紛争ではありましょうとも、この法律の定義にいう大学紛争ではございません。この法律では、理由のいかんを問わず、学生によって封鎖、占拠、授業放棄が行なわれた場合に大学紛争と見るわけでございます。大学の運営上是正を要すべき点がありましても、それは適切な方法で申し述べられるべきでありまして、そういうことがあるからといって施設を占拠、封鎖、授業放棄をするということは認め得ないところでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そんなばかなことはないでしょう。大学の教育、研究を継続せしめるという一つの大きい至上命令があるために、みんな苦心をして大学が教育、研究が継続するように何としたらいいかということで、そういうことがこういう法案に発展してきているのでしょう。学生によってできなくなったときにはやっつけろ、理事者ならいい、そんなばかな法律がどこにあるのですか。そんな不公平な法律をつくって、一体あとで責任を持つのですか。もう少し、もっとお互いに審議をして、こういう欠点があるのならすなおに直す態度をとったらどうですか。審議に無関係に与党修正案を出してみたり、一体何のために審議しているのか。何のためにわれわれはここでこの法案を真剣に——あとで禍恨を残さないように、不公平にならないように、ほんとうに大学を育てようと真剣に考えるなら、なぜ、これはどうもまだ手抜かりであったとか、そこまで考えが及ばなかったから考えるとか、答えられないのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 理事者間の争いはよいと是認しておるわけでは決してございません。理事者間の争いにつきましては別途文部行政としてそれが改められるように指導、助言することは当然でございますが、この法案の対象にはならないということだけを申し上げておるわけであります。  それからまた、学生が大学の運営を改善しようという純真な動機で、かりにこの法案に定義するような大学紛争を起こしたような場合、これは一応この法案にいう大学紛争校になりますが、そういう問題に対する報告を求め、これに指導、助言し、場合によっては勧告するという態様につきましては、おのずから大学を破壊しようというような動機からの紛争に対する対処とは異なるものがあることは当然でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 破壊する態度とは何ですか、説明してください。大学を破壊するという——理事の場合は破壊にならないけれども、学生の場合は破壊になるのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 現在、現実の大学紛争を見ますと、学生側の主張にしばしば現実に、われわれの目的は単に大学の改善ではなくて破壊が目的であるというようなことをうたっておることを現実の問題として御説明申し上げたわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは一歩私の質問を進めてお聞きしますが、この法案は適用ないというが、適用はあるのですよ。私学の場合理事者の権限を拡大する、これを読みかえて適用があるのですよ。国立大学の学長に、この紛争を解決するために教授会その他の権力を薄めて集中している。そして設置者を学長と読みかえているために、私立大学の理事者にこの権限が集中している。適用しているのですよ。そしてその理事者が自分の判こでかってに校舎を売り飛ばしても、あるいは自分の都合によって封鎖をして停止をしても、むしろ文部大臣は協力をするという法律ですよ、これは。それでいいのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この法案は私学にも準用があることは、これはるる御説明したとおりでございます。ただ、理事者の内輪もめには適用がないということを申し上げたわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 どこへそんな内輪もめの場合を除くと書いてあるか。法律論ですよ、どこへ書いてありますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 適用がある場合が書いてあるわけでありまして、それは第二条の定義、そういう定義に相当するような紛争がある場合に適用があるわけでございまして、これが私学にも準用になっておるわけであります。理事者の内輪もめでそれが物理的な状態にあらわれないような場合には、二条の定義に該当してまいりませんので、適用がないわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 理事者のほうで、内輪もめからそういう教育、研究を阻害するような行動に出てきた、そのあとで学生諸君が自分でその大学を守るという——名城大学でもほんとうの母校愛だ。そうして学生諸君が血みどろになって守ってきた。そういう中であの経験をしておるのだが、そのときに今度は理事者がこの法の適用を受けて、文部大臣のおかげで権力を拡大してもらって、そうしてその学生をやっつけるということになる法律だとぼくは言っている。現実にそういう例がある、その意味においてたいへんな適用があるじゃないか。それは学生による不正常なる行為と、「学生」と限定しておるからである。不正常なる行為という抽象的な定義はもちろんいけないが、学生による封鎖、学生によるストという、学生を目のかたきにしてこの法律ができておる。そしてこれは現に起こっておる紛争大学と第一条には書いておるけれども、三条、四条はそうでない。将来紛争が起こってくる大学全部適用という法律ですよ、これは。何月何日から何月までに紛争が始まった大学に適用すると書いていない。この五カ年の間に起こってくるあらゆる大学の紛争、これから起こる紛争に全部適用する、例外なく適用するように書いておるのですよ。この「学生」なんというのは取りなさい。それをわかるように説明してください。こんな変な法律をつくって、国会の名誉にかかわるじゃないですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 再々御説明しておるとおりに、この法律では、学生によって封鎖、占拠、授業放棄というような事態になりますと適用があるわけでございます。かりに学生が純真な大学を改革しようというような動機で何かするような場合、この法律でいうような封鎖とか占拠とか授業放棄とかいうような暴力的な手段に訴えなくても、やれる方法があると思います。そういう方法で大学の改革運動は進めるべきであって、純真な動機であっても、この法律に定義するような暴力行為に訴えることは適当でないと思いますし、そういう行為に訴えた場合に適用があることはやむを得ないと思います。ただ、そういう動機がかりに純真である場合の対処のしかたとしては、文部省としては十分留意してやってまいりたい、かように考えておるわけであります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 関連して小林君。

小林信一日本社会党

○小林委員 いま山中さんから質問をされた中で、この法のいろいろな矛盾の点をあげるために山梨学院大学の問題が出たのですが、私は山梨県でありますので、この問題については多少その事実を知っているものですが、いまの大学局長の発言、それから大臣の発言、これは実にひど過ぎると思うのですよ。私は法案そのものよりも、山梨学院大学の問題について指導、助言の責任を持っておる文部省当局の答弁とは思えない。そういうものを感じて、私はもう少し詳細に、この問題についてどういうふうに文部省は把握しておるか、そういう把握のされ方から、やはり文部省が責任である指導、助言というものを怠っておるところにこういう問題が出、そのためにいまこの矛盾きわまる法律を提出しなければならぬ原因がある。だから要は、私に言わしめれば、文部省の指導、助言というのは一体何だ。それはどういうふうに適用されておるのか、運用されておるのか、そういう問題を考えなければこの法案というものは全く審議することが疑問であるというふうにまで、一つの憤激を感じていま立ったものですが、大臣は学生を処罰するのは当然である。もちろん経営者、理事者側に問題があれば、これに対しては文部省が適切な指導、助言をする。こう言われたのですが、私はその前に、常時そういう問題が起きないように文部省には指導、助言をする責任があったのではないか、それはどういうふうに考えるか、それをまず私はお聞きしたいと思うのです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 一般的に申しまして、それはそのとおりだと思います。

小林信一日本社会党

○小林委員 そのとおりだといってそれですましておって、いま山中委員に答弁をしたようなそういうことばを発すれば、いま大学が、ともすれば単に大学だけでなく、時の政治経済の方向、こういうものに一つの疑惑を感じて問題を提起しておるわけですよ。私はそれに答えることばじゃないと思う。  私は二、三日前、文部次官に山梨学院大学の学生の責任者を会わせました。山梨学院大学の学生がそれ以前に文部省にじかに行って、そして局長かあるいはそれにかわるべき人に会おうとした。なぜ私たちのところに来ないかというと、いまの大学の問題というのは、学生が動けば、それはすべて文部省や自民党が見ておるような見方をされて、せっかく自分たちの学校に対する正しい意欲を曲げて見られる。だから人にたよらずに、文部省にじかに行って、そして当局に指導を仰ごうとした。ところが、文部省では、一般学生と同じように、皆さんはまず会うことを拒否した。そこでやむなく私のところに来て、何とかして文部省に聞いてもらいたい。自分たちの行動よりも、あるいは世間にこの問題を提起するよりも、何とかして自分たちの考えというものを文部省に取り上げてもらって善処してもらいたい。全くそれこそ学生の姿勢というものは純真なものだったわけですよ。きょうそこに次官がおられぬからわかりませんが、簡単にいえば、私たちの大学はこういうふうに——これは週刊誌それから各新聞が、全国的な新聞が取り上げると同時に、県内の地方版、地方新聞なんというものは全く全面埋めてこの問題を取り扱っておる。さもなくても私立大学だということで、そこに勉強した者は何か世間から指弾を受けることを学生諸君が忍びないものがある。大学の面目を一新するために、いまの経営者側、理事者側にはその誠意が見られなかった。われわれ学生の力でもって何とか改革をしよう。そういうまじめな気持ちでじかに訴えられた。だから私どもはいま一般の世間の大学の紛争と同じに見られてはたいへんであるから、そういうつもりであなたに考えを聞いてもらいたいんだ。  そしてもう一つ、この学生たちが全く感心することは、サンケイの週刊誌に出ておりますように、無資格でもって大学卒を乱造した。この事実は、単に文部省の認可を受けておらない夜間部というものを卒業して、いまいろいろな職についておる人たちがたくさんにある。山梨県の中では、県庁とか、あるいは教職員とか、あるいは市役所とか、そういうところにつとめておる人たちがたくさんにある。教育委員会でもあるいは県庁でもそう言っております。私どもは大学卒業だという資格でもって任用した、したがってもしこれが、どういうふうに処置されるかわからぬが、認可取り消しというようなことになって、この人たちのいままでの資格を取り消すということになったら、これはたいへんだ。また、その当事者はどんなに心配しておるかわからないわけです。それは単に大学というものを卒業した人たちだけではありません。栄養士の資格を取った人もこの中に千人くらいあるわけです。それから幼稚園の教諭の資格を取った人たちもある。しかも、それらはみんな乱造である、無資格の者を認定するというような形になっておる。あるいは東京に出張所を設けて——これは私はいま聞かなければいけないけれども、東京に学校の出張所があって、そこでもって資格を取らした事実もある。しかし、その人たちがもし、私たちの問題の取り上げようによって、その資格を失うようなことになってはたいへんである。そんなことまで学生諸君が心配して、自分たちの学校の名誉挽回のために立ち上がっておるわけです。  もちろん、それはどういう行動をとって、それが学則その他に触れて、いま山中委員が指摘をしたように、停学、退学というような処分を受けるかもしれぬ。しかし、それは覚悟しております。覚悟はしておっても、そういう事実を聞きますときに、いまの文部大臣やあるいは局長の説明のように、当然のことである、こういう発言をするということは、これはもう山梨学院大学においては、学生は、まさにたよろうとしておる文部省から見放され、これからどういう行動に出なければならぬかということは、私はおのずからわかるような気がする。一体そういう事実を大臣は知っておいでになるのか。知っておいでになってそういうことをおっしゃるのか。さっきの発言の中には、事実とすれば、こういうようにおっしゃっておる。まことに私は文部大臣として無責任なことばだと思う。これほど新聞にも出、また次官を通して私は文部省当局にこの問題を訴えたはずなんです。だが、いまのようなことばを使って、そうして学生を処罰することは当然である、こういうふうな態度に出られるということは、やっぱり大学に対する指導、助言をもう誤っておるのだ。そういう中からいまのような問題が出てきたとも言っていいと思う。したがって私は、指導、助言というものが、常に指導、助言という範囲の中で私どもは仕事をするんだから十分なことはできないということを言っておりますが、しかし、やっぱりそれが一つの隠れみので、十分責任を果たしておらなかったというところから問題が出ておると思うのです。ともあれ、いまのような、私は事実の一部を申し上げた。それでも当然だ、いまのような意味でもってさらにおっしゃられるかどうか、大臣にお聞きいたします。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほど申しましたのは、事実とすればというふうにして申し上げたとおりでございまして、ここに参りまして実は遺憾ながら知ったわけでございます。でございますから、事実を知りませんものですからなんでございますが、しかし答弁といたしましては、その第二条に書かれておりまする要件というものを具備した場合は、一般的にいって適用を受けるということが当然だ、こういうことを申し上げたわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 まあ、まことにそのことばも、おそらく学生にはただ反撃を感じさせる以外の何ものでもないと思うのです。それでも大臣が、それで大臣の任務を遂行しておると考えるならばいいのですが。  そこで、次官にも私は数日前にその問題を話してあるし、おそらくその後学生は次官の紹介でもって大学局に行っているはずなんですよ。     〔委員長退席、河野(洋)委員長代理着席〕 それが大臣にも通じておらない。私は、その問題は委員会で取り上げるよりも、文部省自体でもって何とか処理をしてほしいということを言っておりまして、その問題を取り上げることは控えておったんですが、そういう内容で話をしたんですから、大臣のところに通じないというのは、それは大学局の人たちが非常に無責任だと思う。これほど世間を騒がしておる問題を黙っておるということは、私は不届きだと思う。その点局長どうです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 おそらく局といたしましては、誠意をもってそれにどうやって対処するかということを考えて、ある措置のことを考えた上で私に報告をするつもりであったんだろう、かように思います。でございますけれども、ただいまのような問題につきましてはわれわれに責任があるわけでございますから、十分調査をいたし、また、それに対して対処をいたしたいと考えておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 そんな文部省の組織のあり方、そんなからくりをしているから、りっぱな文教行政が出ないんですよ。管理運営、助言、指導ということばですね。私は先日の公聴会の中から、あらためてもう一ぺんこの指導、助言というものも考えていかなければいかぬということをつくづく感じたのですが、あの公聴会の人たちが共通して言ったことばは、いかに学長に権限集中されても、この法律でもって生まれてくる権限集中、そんなものでもって大学の新しい出発はできないんだ、学長は教授とほんとうに意思相通ずる人間関係というものが出てこなければだめだ。     〔河野(洋)委員長代理退席、委員長着席〕 それから今度は教授も教官も学生との関係において、もっと人間的な交流というものが密にならなければだめなんだ、たとえこの法律が通りましても、この法律が適用されても、それがそれ以前になされなければ意味がないんだということを、あなたもお聞きになったと思うんですが、それはやはり教師と教育を受ける者との関係、これはもう昔からいわれていることなんです。心が通うかどうかということが問題なんです。それと同じように、大臣あるいは文部省のお役人というものが、それは個々はどうか知らぬけれども、心の通うようなものがなければ、私はいかに指導、助言ということばがあっても意思は通じないと思う。だからある人は言っていますよ。文部省の役人というものは、ほかの省もそういうことはいえると思うが、少なくとも文部省の役人というのは、お医者さんのインターンではないけれども、一応大学等でもって大学の仕事というものをやってきて、そして文部省に入る。そうすれば学校の実情というものがよくわかる。事務的に処理している中から思想とか学問とかいうものを扱う教育行政というものは出てこないんだ。こういうふうにいま指導、助言の問題も、非常に一般の人たちが関心を持ってくるようになっているわけですよ。いまの山梨学院大学の問題も、大臣のおっしゃったような形でもって取り扱われるとするならば、もうこれは大学の問題というものは紛糾する以外にないわけです。  そこで私はさらに申し上げますが、その学生諸君がこうやって資料をたくさん持ってきている。この中には、単にそういう卒業生を乱造したという問題じゃない。先日は、学校に隣接しておる川がある。その川がときどきはんらんするから自分のほうの校庭の部分に石がきをつくった。その石がきももとどおりの石がきならばいいけれども、ずっとはみ出した石がきをつくって、それが今度ははんらんした分がその近接する民家にずっとはんらんをして、その地域の人たちが大学に抗議を申し込んだというように、周囲からも批判を受けておる。これはよけいなことかもしれませんが、学生にほんとうに師表と仰がれるような行為でなく、かえって指弾を受けるような行為がたくさん出てきている。個人的な問題になりますから、私はこれは避けます。  そういうような学校運営をされておる中で、しかも学生諸君が面会を求めても、今度は病気だといって会わない。そういう中で退学処分が出たというのは、その学生諸君が私を訪ねて、そして次官のところへ行った、そして次官に会って大学局へ行った、その晩退学処分がなされたわけです。私は、おそらく文部省のことだからすぐに学校に、きょうはこういう人間を通しこういう学生が来たというようなことを言ったのじゃないかと思うのです。それがおそらく端緒になって退学処分が即日なされたと思うのです。私はすぐ次官のところに参りまして、ひどいじゃないかと言ったわけです。そういうように、文部省の現在のあり方というものは、学校の正常な運営をはかるのではなくて、ただ学生を処分すればいいという方向にのみ動いておるような気がしてならないのです。そのときの経緯をもし局長が御存じならばお伺いしたいと思うし、それから局長はどういうふうにこの学院大学の問題を把握されておるか、大臣は知らぬにしても、局長ぐらいは知っておると思うので、ここでひとつ述べてもらいたいと思うのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 山梨学院大学の問題につきましては、御指摘のように一つは無認可の夜間部の問題、もう一つは東京連絡所ということで、授業の一部を正規ならざる場所でも行なっておったという問題がございます。この点につきましては、関係者に大学局に来てもらって事情を聴取しておるわけでありますが、かなり形式的には法律の条文などには触れないようなやり方をしております。たとえば夜間授業の問題にいたしましても、昼間部と全く同じ形式で募集をして入学試験をやって、授業を昼受けるか午後受けるかという希望を聴取して、午後の授業をやるというようみ形をしております。それから授業料とか、卒業の所要の単位などは午前と午後で区別がない、卒業もさせておるということで、形式的に三百代言的に言いますと、法律、省令等にひっかからない。しかし、実質的には何といってもこれは無認可の夜間部と認めざるを得ない。そこでこの問題の処理として、現実にこういうことで授業を受けて卒業をして職についておる者もおるわけでありますから、大学の責任と、そのような授業を受けて卒業した者の処置という二つに分けて現実的には処理をしなければならぬかと思います。大学側の責任は追及いたしまして、是正を求めると同時に、そのような正常ならざる状況で卒業した者の扱いにつきましては、できる限り本人の不利にならないような扱いをいたしたいと思います。  これに関連をいたしまして、そういう問題を文部省に陳述に来た学生が処分されたということにつきましては、私は学生が処分されたということは新聞で見ましたけれども、文部省に来たこととの関係につきましては初めて承ったわけでありまして、もちろん文部省でそのようなことを大学側に通報して処分をさせたというような事実はございません。むしろ、そのような理由で処分をしたということであれば、適当な処分ではないのではなかろうかと思いますので、そのような問題につきましても、あわせて大学に対しまして適切な指導、助言をいたしたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 山中吾郎君。(小林委員「委員長」と呼ぶ)まだありますか、関連でしょう。——それでは簡潔に願います。小林君。

小林信一日本社会党

○小林委員 大臣や局長が、最初山中委員の質問のときに、罰するのが当然だと答弁をされた。しかし、ことばよりも表現のしかた、まことに突っ放した、当然じゃないかというような言い分、これが私は、あの日に学生が来まして、そして夜十一時ごろ私のところへ電話をかけてきて、先生、私たちは処分をされました、悲壮な電話をよこしたんですよ。それといまの発言とをあわせ考えてみると、文部省は、ことさら処罰をしろと干渉はしないかもしらぬけれども、すぐ連絡を受けた学校側が、いままでの大学と文部省との関連で、これ幸いというふうな気持ちでもって処分したのではないか、こんなふうにも推測されるわけなんですよ。それはいいといたしまして、いまあなたは二部の問題と、それから東京の出張所の問題と、二つだけしか取り上げておりませんが、山梨県では県教委が、幼稚園教諭の免許の問題で非常に困っておる、これは文部省では掌握しておらぬのか。それから栄養士の免許状を乱発しておりますが、これは厚生省の関係かもしらぬけれども、こういう点については調査してないのか、お伺いいたします。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御指摘の点は、大学卒業あるいは所定の単位の履修ということを条件とするところの職業の資格との関連の問題だと思います。これはいわゆる山梨大学の無認可夜間部というものが、かりに認められない方向だというようなことになりますと、関連して直接に卒業生個人の不利益の問題として起こってくる問題でございます。そういう不利益な問題はできれば何とか避けたい、それをどういうぐあいに法律関係として説明できるかということを現在検討いたしておるわけであります。  それから先ほどのおことばでございますが、私は、この紛争を起こした学生、大学改善の問題であろうとも、紛争を起こせば処罰するのが当然だというようなことを申した覚えはございません。大学改善運動でありましても、封鎖、占拠などというような暴力的な行為に訴えることがなく改善運動を進めるべきで、暴力的な行為に訴えたからには、それは少なくとも大学紛争という範疇に入るということについてはやむを得ない、こういう御説明を申し上げたわけであります。

小林信一日本社会党

○小林委員 あなた、そんなごまかしちゃいけませんよ。山梨学院大学の学生が処罰をされた、そのことは当然であるとあなたはちゃんとおっしゃったわけだ。そんな一般的なことばでもって答弁したんじゃない。だから私は関連質問をしたわけですよ。そんなごまかしをしちゃいけない。  そこで、もぐりが行なわれておるのは山梨学院大学だけですか、そのほかにはないという自信がありますか。私はここに持っておりますが、そういう指導、助言の欠陥というものがたくさんありますということをあなたは認めるかどうか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学教育の実態につきまして、これは普通には大学が自主的に行なっておるわけでありまして、文部省では若干の問題につきまして報告を受ける、あるいは視学委員というような制度がございまして、こういうものを通じまして実地調査をやって、それに基づいて指導、助言をするというようなことをやっておりますが、遺憾ながら各大学について常時網羅的に把握しておるという状況でございませんので、率直に申し上げまして、たとえば設置基準どおり授業が行なわれていないとか、あるいは御指摘のような脱法行為がほかにも行なわれているかもしれないというような点につきましては、遺憾ながら絶無であるということは申し上げられないわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 要するに自信がないということですね。管理、指導、助言というものが十分に発揮されておらない、十全でないということになると私は思うのですが、一応聞きますが、国学院大学の神道研究部というものはどういうふうに文部省ではこれを認めあるいは認可しているか。ここの卒業生が中学の二級の免許状をもらっております。これははたして認可されておるものか。あるいは山梨学院大学と同じようにもぐりに類するものであるか。これも非常に問題になっておりまして、ここにたくさん資料が来ておりますから、私はもし必要であれば御説明申し上げます。これにも社会的な非常な批判が加えられておる。そういうような当然あなた方の責任である問題が責任が果たされておらない。山梨学院大学の学生の場合は、世間の学生と同じように見られてはならないと考える。何とかこういう世間から糾弾されておる大学を自分たち自体でもって解決をしよう、そこに多少行き過ぎがあったかもしれませんが、それをいまのような形でもって罪人扱いにされる法の適用を、それもこの法案が山中委員が質問をしたと同じように今後やっていくとするならば、この法律というものは全く学生のそういう良心的なものをつんで、そして悪徳の学校経営者というものをますます伸ばしていくような気がしてならないわけなんですよ。国学院の問題について私はいま質問をしようとしておるのでありますが、委員長からも関連であるから時間を短くせよ、こういうお話ですが、一言だけお答え願いたいと思います。そういう事実を知っているか知っていないか。そしていまの学生の問題は、いまの文部省当局の各大学に対する指導、助言が手ぬるい、あるいは私に言わせればそういう悪徳の私立学校の経営者と文部省というものはぐるになっているのじゃないか。そういう中から学生が不満を起こしてきたとするならば、私は文部省自体も糾弾されるべきである。この法案というものは、学生よりもかえって文部省の指導、助言という大きな責任を果たしておらないところに適用されなければならない。そこまで私は言いたいわけなんです。国学院大学の問題をお答え願いたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 国学院大学で神道研修科とたしか言いましたか、二年の課程を設けておったのは事実でございます。これは正規の認可を受けておりませんので、これは関係者を呼んで注意した結果、将来にわたってそのような教育はやめることになったはずでございます。  なお、教員の資格の関係は、これも現在の教員免許法の盲点を突いたといいますか、教員免許法上では大学に二年以上在学し所定の単位をとった場合には免許状が授与できることになっておりまして、形式的にこれに触れないことになっております。この点について免許資格を失うというような措置は必ずしも必ずとらなければならないとも考えられません。この点についてはなお検討中でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 もう一つ。やはり知っているわけですね。ここに突然国学院大学……     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。

小林信一日本社会党

○小林委員 あなた方が何とか答弁されるということは、あなた方やっぱり知っているんだ。知っているけれども、これに対して当然しなければならない責任が遂行されておらないと私は判断をいたしますよ。私は具体的な通告も何にもしていないのですから、突然の質問ですからね。しかし、あなたのおっしゃるとおり、してみればやっぱりこういう問題がたくさんにあるので、なお指摘をしてまいりたいわけですが、時間がありませんからそこだけお聞きいたしますが、いまやはり問題はその学生の処分の問題と——これは私は文部省が善処すべきだと思う。そうしてもう一つは、そこから出された免許状ですね、卒業証書、資格ですね。これは国学院大学の問題を含めて、その人たちは実際学校側の甘言に乗せられたわけなんです。だから夜間があるという広告がちゃんと出ているのですから、その夜間へ行って、そうして昼間は働いて資格を取ったわけだ。この経営者の不正であるというところから、これがどういうふうに処置されるかを非常に心配しているわけなんです。これについては私はその人たちの気持ちを考えるならば、巻き添えにしたくないと思うのですが、大臣にひとつこの点の御見解を願いたいと思うのです。学生の問題と、そしていまの卒業した、いわゆるもぐりと称せられる中から卒業した人たち、この人たちもかなりの金と時間をさいてまじめに勉強して資格を取って、いま一応資格を持ったのですよ。こういう人たちが非常に心配している。だが、問題が出ましても、何ら文部省からこれに対するところの見解というものが出てこない。二、三日前ですか、テレビ放送の中で、文部省は山梨学院大学のそういう人たちは助けたいというようなテレビ放送がありましたが、私はこの委員会の中で大臣からそれに対する見解を願いたいと思う。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 われわれの指導、助言があまねく行き渡らない結果としていろいろの問題を惹起しておるということにつきましては、深くおわびをいたす次第でございます。今後注意をしてまいりたいと思います。また同様に、いま山梨学院の問題等につきましては、ここで真相が地元の小林委員から指摘をされたわけでございまして、私といたしましてもその全貌が大体つかめたわけでございます。そういうようなことにつきましては、私も十分真相を私自身としましてもきわめまして、そうしてこれに対して公正なやり方をひとつ検討をしたいというふうに思う次第でございます。学生の純真な大学改革への熱意あるいはまた糾弾すべき大学当局の事柄自体がはっきりいたしまするならば、指導、助言によってそれを改めさせるという強い指導をいたしたい、かように考えております。(小林委員「卒業生はどうする」と呼ぶ)もちろん卒業生につきましても、せっかくそういうような形において卒業されたわけでございまするから、不利益にならないような万全の措置を講じたい、かように考えておる次第であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この点は明確にしておかなければいけないので、なお確かめたいと思います。  山梨学院大学の中身で新聞の記事に載っておるのは、「しかも授業料は、同大学が年間五万三千円なのに、同教室は三倍に近い十四万円。授業内容は四年制大学で三十六単位必要な一般教養科目が、同教室ではゼロという状態。それでも二年間籍を置けば法学部卒業の証書がもらえ、同大卒業名簿にも記載された。」こういう内容ですよ。理事者の談としてこの新聞に載っておるのは、「大学の認可を受けたさい、受験生が集まらず、東京在住の教授と相談して、大学の名声を高めるために東京教室を開いた。また短大の卒業生から学士の称号がほしいと責められ、人情として大学側も決断した。文部省も東京教室の存在は当時知っていたはずだ。」と書いてある。こういう理事者側の違法です。単なる不当なる処置ではなくて法律違反です。大学の最低の教育というものも守らないそういう違法行為に対して、学生が奮起をしてストライキをやった。そのときに第二条が適用になるのだ、それではおかしいではないかと質問したのに対して、坂田文部大臣は、いかなる動機であろうが、どんなに正しい動機であろうが、ストをやった者は——ストは暴力かどうか、私はストは暴力とは思わない。そういうものは当然この罰として紛争大学のなににするのだと答弁されておる。私は、はなはだしい無責任というのだが、未来に責任を持たない文部大臣の答弁だと思うのです。私はそれを明確にしておきたいと思います。これは私学に多く出てくる事件だと思うのであります。この法案は私立大学まで適用を及ぼしておる法案だから私が言うのです。国立大学に限定をしたら、まだ現実あまりないかもしれぬ。この場合、たとえば日大の場合においても、古田会頭が数十億の脱税ということが明らかになって、学校を私物化するというふうな違法状況が出たときに、それがきっかけで学生諸君が封鎖あるいはストをやったときに、この法律の適用によって、古田会頭の権限が拡大をされる法律なんだ。汚職をしておる理事長が、この法律によって保護されて、権力が集中されて、自分の立場で、ストをやるものは大学を休止することができる。一体これはどこにそういう正義を見出す法律——法律の原理は正義なんだ。不正なるものを定めるのは法律じゃない。そうして、それに対して奮起をして、学生諸君がこの二条に相当する行動に出たときに、動機いかんにかかわらず処罰をする、動機いかんにかかわらずけしからぬという文部大臣の答弁はどこにある。しかも政策的にいって、不正なるものを守る法律ができて、それでその者が自分の保身術のために大学を一時封鎖をするようなことをしたときに、学生諸君はさらに奮起しますよ。これは紛争を激化するだけなんです。そういう実体を持った法案である。この二条の定義そのものの中から、これだけにいわゆる不正なる法律だ。このまま、いま御答弁のようなことでこの法案を適用する精神をお述べになったままでは、このあとの質問に私は移る気にならぬ。もう少し、大学というものをほんとうに守っていくという立場で、この法案について私の質問にお答え願わなければいかぬと思うのです。  理事者側のそういう不正、違法なる——山梨学院大学は完全なる違法なんです。これこそもう閉鎖に値するような問題なんです、その理事者に対して。教育、研究を継続する立場において善処すべき問題であると思うのです。そういうことを考えてみたときに、学生によるという限定しておる定義の中に一番大きい禍根があり偏見がある。この二条の定義は、これはもうあらゆる人々が批判をしておる客観的な定義であって、現在の大学紛争のように複雑な原因によって生じた場合には不適当だ。いろいろの原因があり、六・三制の欠陥から、大学に入って魅力のない講義の中で欲求不満の極限に達しておる学生、これは六・三制、ひとり文部省の文教行政の責任なんだ。そして、一方に古い講義をしておる教授というものに対する不満がある。こうなれば、原因はやはり学生だけに持っていくわけにいかぬ。それで、社会の変革というものも含んでいろいろの原因があるときに、原因にかかわりなく一片の客観的な定義で画一的にこの二条に規定して、そしてあらゆる大学に適用しておるところに不平不満をつのるむしろ原因があるということは、たいていの者がこの法律を読んだときに言っておる評価なんです。少なくとも私が一つ例に出したような極端な理事同士におけるところの争い、そうして彼らによって、肉眼で見える封鎖はしなくても、その財産を売り飛ばして、現実に教育をやることができないような行動、これは肉眼によって見えるストよりさらに大きな暴力だと思う。そういうときに学生諸君が、いわゆるここに規定しているような不正なる行為——私は正しい行為だと思うのですが、その教室を守るためにそこに籠城して、教育を守っていこうとする学生諸君、そして所有権が他に移った場合についても、みずからの力で、お互いに教授と学生が授業を継続していこうとしてその教室に籠城する行為もあるでしょう。そういうときに適用しないとお答えになるべきであると思うのです。適用するというふうなおことばがあるならば、この法案というものは認めるわけにいかぬです。与党だって同じでしょう。御答弁を願います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 何回も申し上げますように、この法案、そしてまた、この法案の第二条におきまする要件というものが整っておる場合においては、当然紛争校といわれるわけでございます。しかしながら、実際問題といたしましては、先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、大学紛争の報告というものがあるわけでございます。その際に、われわれがいろいろ指導、助言をするという機能はあるわけでございまして、そういう形において、いま山中さんが御指摘になりましたような事柄も十分把握することができると思うのでございます。そういうようなことは、実際問題の運用において山中さんの御心配の点を除去するならばいいのではないかというふうに考える次第であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 運用の問題でなくて、第二条における法律上の大学紛争の定義の問題、その定義の問題の規定のしかたについて私は法律論をしておるのであります。したがって、ここに「学生による」という、学生に限定しておるということですね、この法文の表明が。そこに根本的な欠陥があるんだ。大学の外から来たってありますよ。大学の教室の封鎖だってあり得ると思うのです。その中に、しかも学生だけに「正常でない行為」という抽象論、これは私は反対で、これは論議すればさらにあるから除いて、「学生による」という、これをおとりになるべきであると私は言っている。それについて、私は、私の正義感からして断然許すわけにいかぬ。これは運用ではできない。「学生による」と書いているから、学生だけによると限定しておるから、運用ではどうにもならぬでしょう。それは運用で何とかなりますか、その矛盾を。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 今日の学生問題あるいは大学紛争の起きる原因は、まさに学生の暴力によって行なわれておるわけでございまして、むしろそれに即しまして、現実に即しまして、こういうような規定のしかたをしたわけでございます。こういうような法案をうまく運営をいたしますならば、おそらく大学紛争の解決への糸口を見出すことができると私は確信をいたしておる次第であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 御本人で確信だけ言われたところで、客観的にその確信というものをみんなが認めなければ、その確信は困る。  それなら別の角度で言いましょう。現在こういう現象は国立大学だと思うのです。私学はそうはいかない。私学の紛争の原因は、理事者の不正に対する原因が非常に多い。私学準用のところはおとりになりますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 準用はいたしたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私の言うことは、現実に即しながら、まじめにこの法案を審議して、こういう中で法案をお互いに論議をして修正するとか何かをしなければ国会など要らぬじゃないですか。何のために審議をさすんです。もし一片の良心があるならば、いますぐとは言いませんから、委員長、こういう審議の過程において不公平、法律の原理である正義というものにまっ向から矛盾するような法案の規定、定義の規定のしかたについて、理事においてお話し願う機会をお持ちになるかどうか、委員長にお聞きします。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 お答えいたします。  ただいまの問答を委員長として承っておりますが、見解の相違というところが基礎になっているのではないかと思われます。  なお、理事で相談するかどうか、もう少し考えさしていただきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは見解の相違じゃないですよ。見解の相違でなくて、客観的事実を分析して、学生に限る紛争だけをあらゆる大学に適用しようとしておるこの法律の不公平というものを私は取り上げておる。見解の相違じゃないのです。理事による不正行為についても同じように適用しなければ、学生を敵視していくところの法案になる。それはもう事実なので、それを申し上げておる。見解の相違ではない。しかし、いま委員長が、理事会にはかるかどうかを考えますということを言っているから、お考えになるということと受け取って、それでは次に移りましょう。  この問題について村山局長、学生だけに限定しておる思想の中に、文部省の学生観というのか、大学観に何か間違いがあるのではないか。文部省のいままでの大学観に対する権威的な行政指導の解釈は、大学は営造物であるという考え方が大体皆さんのお考えのようになっておるようである。営造物というのは物的施設、人的内容を含んだもので、その人的要素の中には教授は含むが学生は含まない。だから営造物観からいって、大学構成の中に学生は入らないのだ、あれはお客さんなんだ、金を出して利用する利用者なんだから、彼らがあばれれば大学はやっつけるので、そのほかのものは別だという考え、そういうところからこれはきているのではないか。これはどうです。そうではないならないと理論的に説明をしてください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学の本質、法的性格につきましてはいろいろな議論がございますが、従来文部省が通説的に扱っておりますのは、御指摘のような営造物概念を基礎にして考えております。これが問題が提起されて、考え直しが提案されていることは御承知のとおりでありますが、この法案の基礎としては、やはり営造物的な大学ということを考えております。しかし、学生が教育の客体であるからこういう形にしたということではなしに、大学紛争の実態を見ます場合に、そのほとんどが学生によって引き起こされている。しかもそれが暴力的様相を伴っているというところに着目いたしまして、これを収拾する最小限度の措置といたしまして学生による行為を対象としておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 営造物という古い旧憲法時代の、戦前の行政法概念でお考えになっているからこういうことが出てくるというのは大体わかった。  そこで、この法律は、根本の構成の原典ですから、これは論議しなければならないのですよ。ところが、いまの御答弁の中で、学生の行為に基づいてなっておるというならば、この法の適用を現在大学紛争が生じておる大学に適用するだけならいい。未来に生じてくるあらゆる大学に適用している法律なんですよ、これは。そうでしょう。現在起こっておる大学にだけ適用する法律ですか、それをもう一度局長にお聞きします。あなたの答弁と矛盾があるから。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 これは現在の大学を対象といたしておりまして、主として紛争が生じている大学についての諸手だてをきめております。しかし、これから紛争が起こる大学につきましても適用になることは、この条文上当然でございます。ただ、御案内のように限時法になっておりますので、大学制度の基本に関する改革がもし進めば、それによってこの法律も考え直される時期がくると考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 将来改正されるかもしれない、それは法律なんというものは一部改正でいつも進歩していくので、そんなことはあたりまえじゃないか。現在出しておる法律は、現在生じておる大学でなくて、将来生ずる大学すべてに適用する。それならば大学紛争の定義を、現在生じておるのは大学の学生によっているからということで学生に限定する、そこに間違いがあるのだと私は言うのです。そこで、これだけの欠点をおわかりになって少しも反省しないのでは、国会なんぞ要らぬ。  それともう一つ、営造物という概念をちょっと言われた。営造物概念というのは、文部省はいま権威的な一つの解釈を下して、やはり地方に対して行政指導をされておるのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 大学の本質が営造物であるというようなことを具体的に打ち出して地方を指導しておるという事実は、私は記憶がございません。おりに触れてそういうことは申しておるようでありますが、こういうことを有権解釈として打ち出したという事実はないと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 文部省の行政を担当している局長、課長その他は営造物と書いていますね。文部省から出しておる教育関係法規の解説書にはみな書いてある。中教審の思想はどうですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 まあ中教審は、この前の大学に関する答申にもありますように、営造物的概念が現在修正されつつあるというぐあいに把握しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そうすると、大学は営造物観で割り切らないで、大学はやはり共同社会観に移ってきておるというのですか。それなら坂田文部大臣の大学観、大学の法的性格、古い営造物観でなくて、いわゆる共同社会、あるいは東大は目的社会といっておるようですが、大学はそんな営造物じゃないのだ、大学というのは教育と研究というものによって結合しておる一つの共同社会だ、こういうお考えに大体なっておるのですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 中教審の考え方は、いわゆる営造物、その利用者ということだけでも割り切れない、それからまた目的社会みたいな形において、純然たる固有の権利を持った、まあ対等と申しますか、そういうような共同社会というようにも割り切れない、両方の中間である。こういうような規定のしかたを考えておるようでございますが、私もやはりそういうような立場をとるものでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 中間はないでしょう。営造物的側面もあるが、共同社会である、多角的な社会だというふうに書いてあるのじゃないですか。  そこで学生は、そういう大学社会観という近代的な——これはヨーロッパから全部そうです。ほとんど例外なくそういう思想がもう常識化しておるわけですが、そうすると、大学の構成員として学生を考えておることは間違いないですね。学生は大学共同社会の構成員である、お客さんではない、それはよろしいですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 構成員でありますけれども、教官と学生とはやはり同質、同等の権利というものを持っておるものではないというふうに考えるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 学生は学生という位置の上に構成員としての位置を持ち、教授は教授として教授する立場の位置を持つということでしょう。そこで、大学の外にお客さんとして学生をほうり出しておくというまだ潜在的な考えがどこかあるので、こういう定義が出ているのじゃないかと私は思うのですが、なぜ学生に限定しなければならぬか。大学を構成する者がだれの行為によってもそうなるならば、同じように考えるという思想でなければ貫徹しないじゃないですか。だから、学生というものに対してそういう無権利の状態に置いておいて、そうして無権利な状態は絶望的になるのはあたりまえなんです。発言権を与えて、大学社会において相当なる位置を持つことによって、その人の意向を反映するのを権利として認める中に、初めて新しい大学が生まれると私は思うのです。権利をとっておいて、そして学生の行為だけによって紛争大学という定義を下して、そうして外からその大学を抑圧していくような動機をつくっていくという構想は、これはもう発想において非常な間違いがある。そこで、文部省において昔のままの営造物観というものにかじりついていないで、坂田文部大臣が言ったように、新しい社会観として学生を見ておるならば、こういう定義のしかたをおとりになったらいいじゃないですか。おとりになるべきじゃないですか。もうすでに教育された人間が構成しておる社会、その共同目標というのは、自分が参加して初めて責任が持てるのに、かってにだれかがきめたことに責任だけ持たせるような社会は成り立たぬですよ。だから、大学についてのいろいろの問題について参加をし、そして参加するから責任がある。参加をする地位というものに対して非常に消極的であって、営造物観念というものにとらわれて、紛争大学のときは学生だけ持っていく。二重にも三重にも学生敵視の政策。大学というものは学生が生きることによって生きるはずなんです。この点について、ただ答弁でごまかして、時間さえたっていけば採決だ、そんな無責任な審議のしかたはわれわれの国会の中から取り除きたいと思うのです。これは委員長が理事会で、こういう解釈、運営について考えるということですから、委員長にそういうことをされることを切望して、私は次に移っていきたいと思います。  その前に、時間があまりないようですから、審議の過程における欠陥をまず先に問いただしておかなければいけないので、お聞きしておきたいと思いますが、七月二日の文教委員会において、藤波委員の質疑に対する答弁の中で、二つほど明確にしておいてもらいたいことがあります。一つは藤波委員の質問の中の、大学の学長の権限のところで、評議会、教授会が学長の議決機関か諮問機関かという質問に対して、坂田文相は、一応これは諮問機関でございまして、最終的には学長がすべてきめるものでありますと答弁をされておる。これは現在の教特法のたてまえからいって、教授会、評議会は大学管理機関であり、議決機関であることが明文になっておると思う。これを単なる諮問機関と答弁されたことについては、これはそのまま聞き過ごすわけにいかない問題であると思う。その辺明確にもう一度ここでお答え願っておきたいと思います。文部大臣が答弁されたのですから、文部大臣からいま一度お聞きします。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 そのとおりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 村山局長がそれの補足説明をそのときにしておるようでありますが、坂田文部大臣、これは教授会は諮問機関でいいのですか。現行法の法律的根拠を説明してください。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 今度の場合は諮問機関ということであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 現行法の教授会、評議会の法的性格は、大学の諮問機関であるとおっしゃったから、その法律の根拠を説明してくださいというのです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 一般的に申し上げますと、諮問機関であるということを私は申し上げているわけであります。教特法におきまして、決定機関である場合もあるということであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 一般的には議決機関であって、事項によって学長の諮問に応ずる諮問機関の性格もあるというならわかる。一般的に諮問機関てどこにあるのです。根拠を言ってくれなければ答弁にならない。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 評議会は、旧制の国立総合大学令等には規定がございましたが、新制の学校教育法には根拠規定がございません。そこで文部省では、昭和二十八年に国立大学の評議会に関する暫定措置を定める規則というのを制定いたしまして、その六条に、「評議会は、学長の諮問に応じて左の各号に掲げる事項を審議する。」としておりまして、一号から八号まで列挙をいたしております。ここで諮問機関というとらえ方をしております。同じく六条二項で、「評議会は、前項に掲げる事項の外、教育公務員特例法の規定によりその権限に属せしめられた事項を取り扱う。」としておりまして、教特法関係で決定権を与えられているものは、それによって決定機関として機能するわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それは中教審の「当面する大学教育の課題に対応するための方策について」、これは中教審の答申の文章の一つでありますが、そこ一の「大学管理機関の機能的な役割分担の徹底」という表題で、その中の2に、「評議会、教授会などの合議制の審議機関は、もっぱら基本方針を定めて執行機関に方向づけを与える役割を担当し、執行上の細目の判断には関与すべきでない。」、諮問機関という定義はどこにもない。さらに文部省一の当時の大臣官房企画室長の犬丸君が——これは文部省から出ておるのですよ。変なものを出してきていない。文部時報ですよ。これにはこの答申の教授会について説明を加えて、「とくに学長、学部長などの執行機関には個別的事案の処理につ  いて大幅な自由裁量と専決が認められるべきであり、一方評議会、教授会などの合議制の審議機開一は、もっぱら基本方針を定めて執行機関に方向づけを与える」、学長は執行機関で、教授会、評議会は議決機関であるということを前提として、全部説明しているじゃないですか。そうしてその根拠は、学校教育法において教授会は必置にして、教特法においてはこの教授会、評議会の議を経て、大学学長が人事についてやる、完全にこれは議決機関でしょう。諮問機関てどこにある。一般的に諮問機関ということを——この現行法の中で、そうして皆さんの答申の中でも全部そういう立場でいっているんですよ。この答弁取り消さなければ私は下がるわけにいきませんよ。あまりごまかしてはいかぬですよ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 先ほど御説明いたしました省令は、制定の根拠といたしましては国立学校設置法で、国立学校の組織及び運営の細目は文部省令で定めるという法律の授権に基づいてきめた規則でございまして、そこで諮問に応じて左の各号の事項を審議するということが規定されておりますので、諮問機関というぐあいに御説明申し上げたわけであります。いろいろな議論として審議機関ということを言っておりますが、審議機関といっただけでは諮問機関であるのか、議決機関であるのかその性格の細部まではきまらないと思います。諮問に応じて審議する場合もございますし、審議して決定して、それが執行機関を拘束する場合もございます。それぞれの規定の態様によって機関の性格がきまっていく、かように考える次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 一歩譲って聞いても、諮問機関といえないじゃないか。それなら、諮問機関だか何だかわからぬといっている。無責任な答弁しなさんな。学校教育法五十九条に、「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。」、諮問機関として文部大臣のもとに、あるいは学長のもとに置くというようなことは書いてない。重要な事項を審議するために教授会を置かなければならない。これは明確に必置機関になっておるじゃありませんか。そうして、それによって、これは事務次官の天城さんの著書の中で説明しておるのだから。それなら参考に読みますが、「教授会は、各学部単位に置かれるべきものである。教授会は、大学に関する重要事項を審議する審議機関であり、執行機関ではない。」、執行機関ではないが審議機関であるということは、議決機関なんだ。諮問機関じゃないのだ。「いかなる事項が重要事項であるかは一概に規定できないが、通常、教授会の審議事項とされているものは、(イ)学科課程に関すること、(ロ)学生の入学、試験および卒業に関すること、(ハ)学位、称号に関すること、(ニ)教員の任免その他人事に関すること、(ホ)学部内の規制に関すること、(ヘ)その他学長が諮問した事項」と書いてある。これはその他なんだ。だから一方に、諮問をされたときにも答える機関ではあるが、これは一般的に諮問機関じゃない。一般的に審議機関であるが、同時に諮問機関の部面もあるという規定なんだ。(「それは見解の相違だ」と呼ぶ者あり)見解の相違じゃない。人事については、教授会の議を経て——教授会というものは絶対的な表現で規定している部面もあるんですからね。「教授会の議に基き学長」と、二十五条で読みかえしておるじゃないか。だから、諮問機関ということで、拘束力を持たないようなかっこうで解釈をしておいて、この法案で学長に権限を集中して、教授会、評議会というものを空洞化するというふうな、そういう一つの有機的な解釈をすることを私は認められない。現行法では少なくともこの審議機関というのはいわゆる議決機関であり、各大学は大体そういう慣行にだんだんとなっておるでしょう。この国会の公の席上で、一般的に諮問機関でございますという答弁は、この法律的根拠から私はどこからも出てこないと思う。教特法の関係の教授会の位置はそれなら何です。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 たいへん失礼いたしました。私は、評議会はどういう位置づけであるかという御質問と了解いたしまして、評議会の設置の根拠を御説明申し上げたわけであります。教授会ということになりますと、これは現在学校教育法に根拠があるのみでございまして、学校教育法では、御指摘の大学の中には教授会を置かなければならぬということで、必置の機関になっております。教授会の動かし方は、各大学で教授会が規程を設けまして運用しておりまして、しばしば決定機関的に運用されているのが現状でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 へんなところでごまかしなさんな。教授会または評議会についてこれは諮問機関かどうかという藤波委員の質問に対して、坂田文部大臣は諮問機関と答え、藤波委員は評議会なり教授会は、大学運営その他についての諮問機関かどうかという、教授会、評議会を含んでの質問に対して、これは諮問機関でございますと答えたので、間違いではないかということを、最初から教授会、評議会と言っておる。坂田文部大臣は教授会も含んで諮問機関であると答えた。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 私は評議会ということと考えましてそういう御答弁を申したわけでございまして、もし教授会を含めますならば、ただいま局長が申し上げましたとおりでございます。訂正いたします。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そうすると、教授会は諮問機関でない。村山局長もう一回答弁しなさい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 教授会の性格については、現行法上解釈が必ずしも明確でございませんで、現実には各大学の教授会規程を見て判断するわけでありまして、一般の場合決定機関的になっておりまして、一部諮問的な機能を加えておるというのが実情でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 何かはっきりしないね。教育公務員特例法の二十五条に、「この法律中「大学管理機関」とあるのは、当分の間、次の各号の区別に従って読み替える」ということで、「教授会の議に基き学長」、さらに「評議会の議に基き学長」という読みかえをしておるのですね。そうすると評議会も含んで、評議会の議に基づくということは議決機関です。そうすると評議会も議決機関じゃないですか。そうでしょう。あなたの答弁おかしいじゃないですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 教育公務員特例法上は、特例法の規定で評議会の議に基づくとかあるいは教授会の議に基づくとかという表現がなされている場合の評議会、教授会は決定機関というぐあいに解されております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 だから、たとえば国会は法律を審議する意味において立法機関である。予算というものは法律でないから、予算を審議する立場においては、立法機関であると同時に国会も審議機関ですよね。しかし、だからといって立法機関を否定するという定義はどこにもないでしょう。一番重要な事項に対しては、教授会や評議会の議によって学長がそういう仕事を持つということは、学長が執行機関的立場で、評議会を含んで議決機関だということがこれはもうこういうところに出ておる。それで私は言っているんです。諮問機関ということは、結局、大学は評議会、教授会に拘束されないのだということを強調するために、そういう法律解釈を厳密に見ないで答弁をしておるから、それはおかしいと私は言っている。評議会の議に基づく学長という読みかえをしておるじゃないですか。それは一つの諮問という部面があっても、国会というものは一方に予算を審議するが、だからといって審議機関であって立法機関でないとはいえない。法律について立法機関という明確な性格を持っているから立法機関といっているんでしょう。だから教授会、評議会は議決機関でもあるし、また一面諮問機関であるというならわかる。そういう答弁を少しも出さないじゃないですか。そうして一般的に諮問機関だと答えて、そうしてその拘束力を持たない、意見さえ聞けばあとはどうでもいいんだというふうなムードを盛んに出しておるから、そういうことをおやめなさいと言っているんですよ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 よくわかりました。会、教授会とも審議機関でもあり、議決機関でもあるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは前のは間違いですね。間違いだろう。はっきりしなさい。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 間違いともいえないですが、あるいははっきりしなかったということはいえるかと思います。審議機関でもございますし、議決機関でもあるということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それではもう一つ、これも聞き捨てならないので、これも審議の過程においてたださなければならぬ問題ですから、お聞きしたいと思いますが、同じく藤波委員だったと思いますが、十一条の問題のときに、十一条に触れて大学の入学決定権は文部大臣にあるかどうかという質問に対して、文部大臣にあるとお答えになっておる。これは間違いないですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 間違いないと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 その根拠を。根拠がなければ答弁にならぬですよ。——その根拠、自分で言わなければだめだ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御案内のように入学試験に関する規定は法律上はございませんので、これは事柄の条理といたしまして、設置者と学生との関係を設定することでございますので、最終的には設置者である文部大臣。ただ、学校教育法施行規則では入学者選抜方法とか入学許可などは学長がやることになっております。しかし、最終的には文部大臣の権限と解しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 予算委員会において東大の入試問題が爼上にのって質疑をしたときに、民社の春日委員から、入試をやるかどうかということについては明確に大学に決定権がある、そこで文部省においては東大に対してどうして中止をやらしたかという質疑に対して、文部大臣は、だから協議をしてやったのだ。そのことは大学に決定権があるということじゃないですか。速記録をまた読みますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 ただいま大学局長から申し上げましたように、明文はないわけです。明文がない場合は慣行、慣行なき場合は条理ですか、というようなこともございまして、一応慣行としてそういうものは認められておった。しかしながら、こういうような異常な事態というものは初めてでございます。そういうようなわけでございまして、われわれは協議という形をとったわけでございまして、事実上中止ということに決定をいたしたわけでございます。しかし、最終的には文部大臣にある、設置者たる私にある、かように考えておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 どうも自分の所見を根拠なしに述べるのでこうなると思うのですが、学校教育法の施行規則の六十七条に、「学生の入学、退学」云々は「教授会の議を経て、学長が、これを定める。」とあるので、これを根拠に論戦をしたはずですよ。そこで入試の方法については、慣行としても文部省と大学においていままで協議をする慣行があるのだ。入学そのものは大学にあるのだ。入試の方法について、どういう学科を東大において試験科目にするとか、何月何日にするとか、そういうことについては協議をしてきめるということがいままで慣行としてあった。ところが、東大の場合については、ああいう状況であるから、そこで入学方法というのではなくて、入学をどうするかということになってきたから、十二月の二十五日ですか、それまでに回答してくれ、そのときにあなたは、これは年末までにきまらなければやめざるを得ないじゃないかというので、権限を持った学長に協議をすることにして、協議をすることを約束さした。そしてそれを根拠にしてやめたと説明されておる。入学というものについては明らかに学長に権限がある。権限があるからこそ、この非常のときに協議事項にして、確認をさして、協議という根拠であなたはこの入学をやめさすように努力をしたはずなんです。最初から権限があればそういうことも要らない。そしてその根拠は、ここに書いてあるように、いま読んだように、大学に関しては——高等学校はそんなもの書いてないですよ。高等学校以下は、地方教育組織法を見なさい、教育委員会が入学を定めると書いてある。大学は大学が定めると書いてある。高等学校と大学と規定が違うのですよ。そこの入試の方法については、これは常に入学選抜実施要項その他含んで文部省においては定めるということが、施行規則その他に入っておる。法律的根拠からいったら文部大臣が胸を張ってわれわれに権限がありますと言うのはおかしいじゃないですか。現行法の解釈としてでたらめを言われたら困る。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 私は先ほどから申し上げますように、明文がないということをはっきり申し上げておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 学校教育法施行規則六十七条、「学生の入学、退学、転学、休学、進学の課程の修了及び卒業は、教授会の議を経て、」教授会ですよ、議決機関ですよ。「教授会の議を経て、学長が、これを定める。」だから学長自身も教授会の議決を経なければこれをやめることができない。したがって、この解釈の通説としては、大学にある。試験の要領その他については文部省の助言、指導の領域にあるのだ。そういう法律根拠というものによって私は言っている。答弁間違いだから、それは間違ったら改めなさいと言っている。それはこの法律の十一条に関係してくるからですよ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 学校教育法施行規則第六十七条に御指摘のような条文がございます。これは入学者選抜に関する諸条件が整って、だれを入学せしめるかという選抜行為は教授会の議を経て学長が行なうわけでありまして、文部大臣がだれを入れろというようなことはできないことは、これは当然でございます。ただ、入学者選抜を行なう前提といたしましては、まずもって学校が設置され、入学定員が用意され、諸般の予算措置が定められ、それから期日、選抜方法に関する合意が成立し、その上で具体的な入学者選抜行為が行なわれるわけでありますから、その前提の段階におきましてはやはり設置者の権限と解しております。そのような前提が成り立って、学生を募集して、だれを入れるかという選抜行為は、これは教授会の議を経て学長が行なう、こういう行為であると解しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは天城さんの著作で、文部省の権威解釈となって出ておるのに、入学者の選抜については、「入学資格に関連して、入学者の選抜についてふれておく。施行規則第六七条によれば「学生の入学……は、教授会の議を経て、学長が、これを定める。」とされているが、入学者の決定方法について文部省は毎年度、行政上の指導を行っている。」、こう書いてあるのですよ。何です、あなたは、全然違うじゃないですか。反対です。こんなものは間違ったら間違ったと言ったらいいでしょう。独断でここで答弁をして、教授会は諮問機関であります、入学については文部大臣の権限でありますというようなことを言えば——現在の憲法の学問の自由から大学の自治という、この半世紀の間に確立されてきた大学の自治、そしてそれが法制化されて教特法の大学の管理機関というものが規定され、また政府の怠慢で当分の間その管理機関を置かないために、評議会の議決を経た学長というふうなものに、教授会の議を経た学長というものに読みかえをして、ずっと暫定的な措置できた。そういう法体系と、この具体的な規定からいえば、高等学校以下はその地域の教育委員会が入学については決定すると書いてある。これは学校教育法を見なさい。大学のほうでは、大学が決定すると書いてある。法体系全体の解釈で、当然入学決定については学長にあって、それで今度は非常なんだから協議するという取りつけを坂田文部大臣と加藤代行とが、人格と人格の間できめて、この法律の運営のしかたを、非常に応じての運営の姿において、協議の事項にしてやってきたということは当然じゃないか。だから、学長に入学の権限が、いわゆる大学自治の関係で人事、こういう基本的な運営については、学長に委任しておる法律が現行法のたてまえでしょう。そうして私は、この法律根拠で言っているのですよ。入試の方法については文部省の指導、助言の領域なんです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 学校教育法施行規則六十七条は、先ほど御説明しましたように、入試をやるという前提が成り立った場合に、だれを入学させるか、いわば入学許可は、学長が教授会の議を経て定めるというぐあいに解するわけでありまして、その前提としては、御指摘のように、入試の方法論、これは文部省で選抜要項という指導通達の形で大学に指導、助言をしておりますし、さらにその前提としては、入学者選抜をやるやらないかという問題がございます。これは通常の場合にはもう議論の余地なく、当然学校が設置される限りにおいてはやるわけでありますが、授業が行なえるかどうかわからないというような事態におきましては、もとにさかのぼりまして、やるやらないかの判断をするわけでありまして、その判断の最終的な権限は設置者にある、かように解しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう解釈は、私はどこでも聞いたことはないんです。どこの学者が、どこの学説にあるんですか。どの本を見てもそういうことは書いてない。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 入試がやれないというような事態は、従来は想像もつかなかった事態でありますので、学説等も取り上げたものはないようでございます。まあ、昨年度そういう事態が起こりましたので、私どもいろいろ検討いたしまして、そういう解釈で運用しておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それはかってな私見で、いやしくも国会の公の審議の中でそういうことをおっしゃるなんというのは、私見としてはわかるんですが、責任のある政府の答弁としてはおかしい。現行法においては、非常の場合でも何の場合においても、明文で、大学が、しかも学長が定める、教授会の議を経てですよ。明確に、現在の大学の自治の体制の中で、人事、こういう基本的な運営については大学、学長に完全に委任をしておる体制ができておるんです。それをかってにそんな解釈できぬでしょう。そんな答弁、私はそうですがといって次に進めるわけにいかぬじゃないですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 ただいま村山大学局長から申し上げましたとおり、選抜するという行為は大学ということなんです。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 選抜をするといういろいろなことについては、これは文部省の助言を、どういうしかたで——だから、内申書を重視しなさいとか、あるいは学科を重視してやりなさいとか、これは助言、指導の範囲内で、入学そのものの権限は大学にあるんだという私は法律根拠で、そうしていま天城さんの書いているこの文章の中から言っているのですけれども、あなたが言ったのは逆なんだ。そうしていまだかつてそんな権威的な答弁はないんですよ。そんな答弁初めてですよ。予算委員会でもあなたはそういう答弁をしていない。だから協議をして、向こうに了解をさせてやりましたと答弁しているじゃないですか。いまの答弁では、そんなものは要らない。春日委員の質問のときには、これは現在の法律根拠では大学にあるんだ、しかるに、あなたはなぜやめさしたかというので、それに対する答弁は、いや、そうではないんだ、したがって、協議をしてやったんですと答弁しているのですよ。これはこの予算委員会との食い違いがあるじゃないですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 最終的には私にあるということは承知をいたしまして、そういう権限を振り回さないで、そうして事実上予算等のこともあるし、これは協議事項と決定をし、また、向こうの同意を得て協議することになって、最終的に事実上中止ということを決定いたした次第であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 最終的に文部大臣にないのですよ、入学に関しては。それじゃ、その最終的にある根拠を説明してください。国立大学設立についても、これは文部大臣の行政措置でできるんじゃなくて、法律でつくるようになっているのですよ。あなたにないのですよ。それでできて、いわゆる国立学校設置法、その法律のもとにできた国立大学の運営その他については、大学自治の憲法的要請に基づいて、入学その他については教授会の議を経て——だから、この思想というものは、学長が執行機関で、教授会というものは議決機関の形で、そうしてこの規定ができておる。完全にあなたのほうから権限が移っているんだ。あなたは、文部大臣だから何でもあるんだと思っている。法体系はそうなっていないんじゃないですか。どうもそれでは納得できません。     〔「委員長、休憩して、研究して明確な疑義     のない答弁を願いたい」と呼ぶ者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 ちょっと待ってください。——午後正八時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後六時四十九分休憩      ————◇—————     午後八時七分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  大学の運営に関する臨時措置法案について質疑を続行いたします。山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 休憩前に私御答弁を要求しておきましたから、お答え願います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほどの山中委員の御質問にお答えを申し上げます。  大学の入学者について、いかなる方法でだれを入学させるかは大学が定めることとされております。しかし、入試ないし入学者選抜をやるかやらないかの決定をする権限を、大学が持っているわけではございません。すなわち、国立大学の場合にありましては、単に大学のみでそれを実施するかどうかは決定し得るものではなく、設置者たる国の意思にかかわるものと解されるわけでございます。この場合、大学と十分協議をすべきことは申すまでもないことでございます。  ただ、平常の場合においては、国立大学が設置されてありまする以上、入試ないし入学者選抜を行なって新入生を入学せしめることは、当然なことであるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 文部大臣は、文部省設置法において——これは設置法だか、学校教育法だか、あとで調べますが、おそらく文部省設置法であったと思いますが、国立大学については監督でなくて管轄するんだ、そういう規定になっておる。したがって、設置に始まって廃止に終わる、その設置と廃止については、文部大臣はその法案を提案をし、国会の承認を得て、それで国立大学に対する主管庁の責任を果たすが、その設置から始まっていわゆる廃止の間の大学の運営、管理については、これは現在の大学自治の原則に基づいて、全権を大学に一任をしておる、こういう法律のたてまえであると私は解釈をしておる。したがって、大学管理機関の設置を法律で規定をし、そして大学の自治を認める立場をとっておるのでありますから、私は、入学その他については大学にその権限が委任されてあるのだ、そして学長及び教授は教育を継続する義務があるのであって、むしろ中止をするときにこそ、文部大臣は、それに対する一つの権限を行動に移されるかもしれないが、設置をされたあと、毎年入学をさして教育、研究を継続していくということ、それ自体が大学の使命であり、責任であり、学長の任務なんですから、入学を向こうでやめるということについては、これはあるいは文部大臣が権限を行使する場面が出てくるかもしらぬが、毎年続けていくということに対して、続けるか続けないかを文部大臣が最後の責任者としてそれに干渉する政策的理由も、またないと私は見ている。それでいま申されたように、毎年新しく入学させるかどうかということは文部大臣の権限にあって、そしてただ方法だけは大学にあるという解釈は、現行法のどこから出てくるのか。前と同じような答弁では私は承服できないのです。法律的にもう少し説明してもらいたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほどから言っておられるような大学にあるという根拠として、退学とか転学とかいうようなことについて、だれを入学させるか、あるいはだれを退学させるかというようなことは、これは大学にあるということは御指摘のとおりだと思いますけれども、法規からいって、この入試ないし入学者選抜が大学にあるというふうには読めないのでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 本来大学というのは、教育、研究を継続しなければならない義務を負った施設なんです。したがって、大学の学長が中止をするという場合には助言、指導をしなければならぬが、毎年継続していくことに対して、一々文部大臣の許可を得なければいかぬのですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 そこで、先ほどもお答えを申し上げましたとおりに、継続する普通の場合、ただ平常の場合においては、国立大学が設置されておりまする以上、入試ないし入学者選抜を行なって新入生を入学させることは、当然なことだというふうに申し上げたわけでございます。しかしながら、昨年のような場合等におきましては、当然私にあるというふうに法意を認めるのが至当だと考えておる次第であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 東大の加藤代行から本年度の教育はやめたいんだ、入学を停止したいんだというときには、教育を継続する義務のある大学でありますから、これはある意味においては大学設置そのものに関係し、閉鎖に関係することですから、これは文部大臣に権限がある、意見を聞くということはあっても、毎年継続する——向こうで継続したいといってきたんでしょう。そいつはまずいとあなたがおっしゃっている。だから、中止をする場合については、これは学校そのものの——教育を継続することが学校の本体ですから、その点については設置者であるところの国が、一つの権限を発動することはあり得ると思うのですが、毎年継続していく、本来の本質的教育を継続することが大学の本体ですから、そこで入学、退学その他について、ことに大学自治という立場で、出発点の設置と終着駅の廃止という中間のものは、大学にみな一任をした法体系をとっておりますから、毎年度の入学を継続することについては大学学長の権限ではないか。現在の法体系からいって当然そうではないか。あなたはそうじゃなくて、それは文部大臣にあるので、ほんとうは一々毎年許可をしてやらなければならぬのだが、それは慣行としてやらしておるんだ、だから具体的にああいうことになってくれば、加藤代行が継続しようとしているときには、文部大臣に権限があるので許可を得なければならぬようなお答えをいましておる。それは逆じゃないですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 その点は、先ほどから繰り返し申し上げておるとおりでございまして、入試及び入学者選抜ということについては私にあるというのが至当だ、かように考えるわけでございます。だからというて、ただ平常の場合におきましては、慣行として大学がやられるというのが当然だというふうに思うわけでございます。去年のような異常な場合におきましては、当然協議をして、あの際におきましてはそういう権限を振り回して云々ということを避けまして、あくまでも向こうを信頼し、向こうは私を信頼するという関係において、事実上中止ということをいたしたわけでございますが、突き詰めてまいりますと、先ほど申しますように、設置者たる国の意思にかかわるものと私は考えまして、最終的には私にあると考えるのが至当であるというふうに思うのであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私の言うのは、国立大学設置法によって設置をしたあとは、毎年の入学その他については、もう大学に運営の問題として全部委任してしまってあるんだ、また、それが教育機関としての当然の本質なんだ、毎年の入学をさすかさせないか、教育を継続するかという権限は、あなたにあるのでなくて、国立大学の設置を認めたときは、そのあとの教育の継続については大学に権限が移っておるんだ、廃止とか閉鎖ということになったら、そういう特別法をつくらなければいかぬということです。ずっと継続する学校を認めたんじゃないですか。そうして毎年入学者を入れて教育していくという、そのために学校を設置したんでしょう。だから、入学というのは固有の学長の権限である。それをどうして否定されるのか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 それは何回も申し上げておるように、私は、最終的には私にあるというふうに思うわけでございます。そして慣行といたしましては、一応平常の場合においては大学がやるということは当然なことだと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 国立大学の場合には国が設置者である。一つのそういう施設に対して、設置者であり、監督者であり、管理者であるというふうな立場を分析してみますと、大学に関しては国は設置者である。しかし、その管理全体は大学の自治にまかしたというのが日本の大学の法的体系でしょう。したがって、文部大臣は大学を監督するということはどこにもない。文部省設置法に、国立大学はどこが所管するか、設置者は国であるので、行政庁でどこが所管するかはきめなければならない、国有財産の保管があるから。そこで所管庁は文部大臣と、ここに法律で明定してあるだけなんだ。したがって、年々の教育継続を示すところの入学そのものは大学にあるんでしょう。あなたが言っておる根拠がわからない。最後の責任は、責任は、と言うのは、文部大臣であるから、国に責任があるからという抽象論でおっしゃっておるのでしょう。それは私に対する答えにはならぬですよ。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほど山中さんにお答えをいたしましたとおりに、山中さんの持ってこられました規定というものは、だれだれを入学させる、だれだれを退学させる、あるいはだれだれを転学させるということについての法的根拠でございまして、入試あるいは入学の選抜ということについての法的根拠にはなっておらぬということを申し上げておるわけでございます。それでは明文があるかといったら明文はない。しかし、いま申しまするような意味から申しまするならば、国が設置者でございまして、やはり国にかかわりのあるものとして、その法意といたしまして、私にあると見るのが至当であるという解釈をとっておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私のあげた条文は、個々の入学者の規定だということを一応一歩譲って、私は、それはあるいはそうかもしれないといってよろしい。設置者であって監督者ではないでしょう。文部大臣は。大学に対しては、大学の自治のたてまえで、日本の法制度においては、これは助言、指導ということだけが文部省設置法に明定しておるとおりに、大学の運営管理については大学に一任しておるでしょう。大学に一任しておるはずだ。高等学校以下と違いますよ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 学校教育法の基本的なたてまえといたしまして、第五条に「学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定のある場合を除いては、その学校の経費を負担する。」とございます。国は国立学校の設置者であることは、国立学校設置法の定めるところでありますし、その第一条第二項に「国立学校は、文部大臣の所轄に属する。」とあります。そこで、法律に明文がないような場合には、設置者として、また管理者として責任を果たすべき方途を講ずることは当然であると考えます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう当然答弁は、法的答弁にはならないと言っておるので、いま言われた国立学校設置法の第一条に、「この法律により、国立学校を設置する。」「国立学校は、文部大臣の所轄に属する。」それはそのとおりです。国有財産をやはり所管しなければならぬ。ところが文部省設置法の第五条によって助言、指導ということだけを文部大臣の権限にしておる。それから一方に憲法の学問の自由、その延長線に、また世界及び日本の長い歴史の中で、慣行的に確立されてきた大学の自治というものを前提として、大学の人事権を含んで自治というものが教特法その他によって確定をされてき、その他の個々の条文全体を見ましても、設置をされた国立大学の日常の教育、研究を継続するあらゆる管理運営については大学学長に一任をしておるので、文部大臣は所轄庁である、しかし監督庁ではない。管理については大学に一任をして、そのために大学管理機関を設定するということを教特法に明確に書いておる。そういう全体の法体系からいって、年女の入学その他については、これは学長に一任しておるんだ。したがって、国立大学におけるところの設置者は国であることは当然です。だから国立なんだ。そして、管轄庁は文部大臣である。だから当然に、入学については文部大臣に権限があるというのは当然解釈。当然だから当然だと言っておるだけなんです。法律解釈にならぬじゃないですか、それは。国立でなくて、たとえば学校法人に大学を認めた場合について、同じ教育基本法のコントロールの中にある私立大学において、毎年の入学その他を決定するのはそこの設置者、理事会でしょう。しかし、国の大学の教育ということについては、最後における責任は文部大臣にあります。それは言ってもいいですよ。それは私立にしても国立にしても、日本の教育基本法に基づいた大学なんです。だから、その点はけっこうである。しかし、私立の場合においては、設置者がそういう学校の管理運営をやる、国立の場合には大学に一任をしたのだ、それが大学自治だ、法体系がそうなっている。だからいまのように、当然に設置者が、設置者であるから監督権を持っておるというふうな解釈は、この大学の場合には法体系になっていない。だから大学自治というようなものを柱にして、現行法は大学の管理運営、人事について自治権を与えているんじゃないですか。自然当然のようにおっしゃっておるから、それは間違いだ、私はそういう意見を先ほどから述べておる。また、そういう見解だからこそ、文部大臣は、学長が年女教育を継続する、すなわち新入生を入れるということについては向こうの権限だけれども、こういう状態だから、何とかやめてもらうためには協議をせなければならぬと苦心をして、昨年の末から東大の加藤代行と何回か会い、やめる、やめないについては年末までにという二人の協議の問題としてあそこへ持っていったはずである。ところが、本来権限があるならそういうことをする必要もないし、いまのような御答弁なら、いままでの委員会の答弁のしかたはする必要はなかったのである。そのことが、現在の大学自治というたてまえで、ずっと構築されておる日本の法体系、法構造の中で、大学の学長が年女の入学についての権限はないのであって、文部大臣にあるということを言わなければならぬ一体どこに法律的な根拠があるか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 このことが、何も大学の自治を阻害をしているとかいうようなことにはつながらない問題だと思うわけでございます。  それから、東大との協議過程におきましては、私は権限を振り回してそういうことをやるべきではないという形で——協議事項として話を進めていったというだけでございます。また、ことさらに当然そうだというようなことを振り回して私が言っているわけではないので、山中さんの御質問がありましたから、最終的には私にある、そういうふうに法意を解釈すべきである、それが至当である、こういうふうに申し上げておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この法律の十一条に「紛争大学においてその新入学者に対する教育の実施又は学生の卒業が正規に行なわれるという見とおしをすることが困難であると認められるときは、当該大学の学長は、入学者の選抜又は学生の卒業に関し、文部大臣に協議しなければならない。」と、特にこういう時限法において十一条に規定をされてきた。これがないと、大学の学長の権限があるので、特にこの時限法でも十一条に入れて、こういう非常の状態を前提として当該大学学長は、文部大臣に協議をしなければならぬ、本来学長に権限があるのだけれども、このケースの場合には文部大臣に協議する義務を新しくここへ書いてきている。それでなければ論理が合わない。あなたがそういう答弁をしておるのなら十一条は要らないのです。十一条は要らないでしょう。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほどから繰り返し繰り返し申し上げておるわけでございまして、山中さんの言っているのとは私見解を異にするわけでございます。しかし、ここで十一条に述べましたことは、それをはっきりしたほうがいい、こういうふうな、山中さんと議論をしなければならないような状況でありますから、むしろ十一条においてはっきりさせようということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私も、これははっきりしておかなければならないと思うのは、こういう法案の発想及び運営について、大学の自治というものを確立して論議をしていくべきであると思うから、重要な問題として、この法案に直接関係のあること、そして先般藤波委員への答弁に、当然のごとく入学決定権は文部大臣にあるとお答えになっているから、それは現在の法体系からいって解釈が間違いであると私は思うので、いまあなたに質問をしているわけなんです。国立だから文部大臣に何でもかんでも権限があるんだという発想はおかしいのであって、国立のいろいろの施設であっても、管理者はだれに委任してもかまわぬ。だから、現在の文部省設置法その他の関係からいって、大学に対しては特に助言、指導権を置き、文部省そのものは、五条にあるように単なる権限行使そのものについても「文部省は、その権限の行使に当って、法律に別段の定がある場合を除いては、行政上及び運営上の監督を行なわないものとする。」というふうに、監督権を持った行政庁のイメージを取って、管轄はするけれども監督はしない、そういう文部省の戦後の憲法のもとにおける一つの官庁のあり方を明示しながら、大学の自治の立場に立って諸種の特別な法律が出てきておる。教育を中断せしめるというときに、法律を定めて文部大臣の立場を発動する対象にしている。日常教育を継続する行為の一つである毎年度入学せしめるということは、大学の本来の責任であり、義務であり、継続義務であるのです。当然その権限は大学に移っておるというのが現在の法解釈として正しいのじゃないですか。なぜ奪って、いまのような無理な解釈をしなければならぬのか。その御答弁では、この十一条の、いままでの予算委員会の文部大臣の答弁、そしてこの法案の十一条の発想からいってどうもおかしいので、そうしたら、あなたの御答弁ならば、十一条は逆に当該大学の学長が文部大臣に協議しなければならぬというよりも、文部大臣が学長に対して入学の中止その他について意見を聞くとか、あるいはその他の法のつくられ方になるのではないのですか。あなたの答弁といままでの日本の大学運営及びその周辺を取り巻くところの日本の法の各規定総合しますと、逆だと思う。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 これはもう先ほどから繰り返し繰り返し申し上げておるとおりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私も繰り返し繰り返し聞いておる。それじゃもう少し研究しましょう。  教育基本法第十条に「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」という基本的条文がございます。したがって、国立であろうが、公立であろうが、私立であろうが、教育については直接国民全体に責任を負うというたてまえで、教育という事業の特殊性に基づいて権力の支配を排除するために十条の規定がある。したがいまして、教育機関に関する限りは、設置者はだれであろうが、教育を担当する機関が、直接国民に責任を持つという一つの原則がここに入っている。したがって、国立大学というものが、直接国民に責任を持って教育、研究をしていくのだというたてまえ、だからこそ文部大臣の監督的立場を否定して、文部省建設置法自身に設置者として管轄をするけれども、そういう日常管理その他についてはこれは大学教育機関にまかすというたてまえが、教育基本法十条からも当然論理的に解釈できるものだ。何でもかんでも私の最終責任でございまということは、教育に関する限りについては、他省の国務大臣と違って、私はここの規定からいっても、それからそこで大学の自治という要請をあわせて考えたときにも、あなたのおっしゃるようなことは当然であるというような考え方は間違いなんだ。教育は国民全体に直接責任を持つ、こういう思想が、自民党によってこれは改正されたけれども、戦後公選制教育委員会を設置したのですよ。私は、文部大臣が当然のごとく、私が最終責任者でありますからというお答えは、現行法体系からいっては決して論理的であるとは思わない。(「そう思わないのはかってだ」と呼ぶ者あり)かってに言えるならば、私はこんな法律解釈を出さない。十一条で「大学の学長は、」というふうに主語は学長にしているじゃないですか。筋が通るようにしてくれないと私は困る。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 先ほど山中さんも、最終的に文部大臣にあるといってもよろしいとおっしゃったわけでございまして、それを認められたわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これはやはり文部大臣と私は平行線というかっこうですから、あと法制局にこの辺の解釈をお聞きすることにして次に移ります。  次に、この法案において私は重要な解釈というものを確定しておく必要があると思いますのは、これも同じ文部大臣の大学学長に対する形式的任命権、これについて拒否権があるかないかということであります。何となればこの法案は、四条以下、大学学長の報告義務、それに裏づけをするために文部大臣の報告要求権、あるいは勧告権、さらに進んで大学に対して指揮権を発動して、一時閉鎖に相当するところの停止権というものもこの法案においてきめ、さらに臨時大学問題審議会を設定をし、全体の構想の中に、文部大臣は決して大学の自主性を奪うものではございませんと何回も言っておるけれども、同時に文部大臣が、大学学長に対する任命権に拒否権があるともしお考えならば、この法案全体の構成の中で、憲法の要請であるところの大学の自治は、完全に私はもう奪い取られる姿になると思う。  そこで文部大臣に、学長に対する大学の人事に対して文部大臣が拒否権があるかをお聞きいたしたいと思うのです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 任命の問題につきましては、大学の学長を任命いたしまするときと同様に考えておるわけでございまして、大学の学長を任命いたしまする場合は、大学管理機関の議を経て文部大臣が任命をする、こういうたてまえになっております。その際といえども、はなはだしく不適当であることが客観的に認められるような場合には拒否することもあり得る、任命しないこともあり得る、こういうことがこの十年来一貫したわれわれの法解釈でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 最も簡明にいいますと、拒否権があるということですね。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 はなはだしく、著しく不適当であるということが客観的に明らかに認められる場合においては拒否権はあり得る、こう解釈すべきであると思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは重大なる御答弁だと思うのです。はなはだしくとか言ったって、文部大臣自身が認定をされるのでしょう。ほかに認定する人は何もない。あなたがはなはだしく不適当と思えばそれまでなんだ。こういう法案を出しておって、一方に形式的な任命権を、そういう実質的な任命権として拡張解釈をされて、それを前提としてこの法案をおつくりになっておるならば、いままで大学の自治を奪わない、大学の自主的解決、そして勧告権その他についても、そういう大学の人事権を侵すような性格は少しもないと言い続けてきたことは、完全にうそだと思う。完全にうそになる。  そこであらためて、これはいつも問題になるのですが、教育公務員特例法の十条の「大学の学長、教員及び部局長の任用、免職、休職、復職、退職及び懲戒処分は、大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。」、こういう明文に対して、もう一度これに即して御答弁を願いたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 仰せの大学の学長等の任用行為を任命権者、つまり国立大学につきましては文部大臣でありますが、文部大臣が行なう場合には、特例法所定の大学管理機関の申し出に基づかないですることはできないというのが第一点でございます。  次に、申し出が出た場合に、あらゆる場合に拘束されるかということが問題の要点であろうと思いますが、それにつきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、申し出たものについて、まず形式的な手続上の審査をすることは当然でございますが、実質的に申し出られた者が、大学の目的に照らしまして、明らかに客観的に不適当な場合にはこれを任用しないこともあり得る。これは、公務員の任命は国民固有の権利ということからいたします現在の議院内閣制の文部大臣の職責上、これも最終的にはそのような権限があると解するのが至当であるというのが現行法の解釈でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは明確なる何かがあるという中身を言ってください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 これは御案内のようにまだ発動した事例がございません。したがいまして、客観的に明白に不適当な場合ということは、観念的に申し上げておりますが、具体的にそれがどういう場合であるかということは、具体的な事案が生じませんと御説明することは困難でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう御答弁ではどうもわけのわからぬことなので、たとえば客観的に、公務員の資格について前科があるとか、あるいは何だという、客観的に失格条項がありますね。そういうものに当たれば、これはあたりまえのことなんです。そうでなくて、いま文部大臣が言ったように、はなはだしく不適当、不適当だからそういう場合は拒否権があるというのでは、これはもう初めから実質的任命権という解釈になっているから、どこから見ても十条からそういうなには出ない、どうしても出ない。いまあなたが特別な何かと言う、その中身をそれならおっしゃっていただかないと、実質的任命権という解釈にあなた方の解釈が変わっておるとすれば、これはこの法案全体の構想が変わってくるのですから、あなたはいま具体的に出ないと答えられないというふうなことでは、満足ができません。どういうときにいわゆる拒否するのか、それを説明してください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 学長につきましては、一般の教員の場合と違いまして、教育公務員特例法に選考の基準につきまして一応法律上例示がございます。「学長については、人格が高潔で、学識がすぐれ、且つ、教育行政に関し識見を有する者について、大学管理機関の定める基準により、」ということになっております。したがいまして、こういう条文に照らし、それからまた大学の目的に照らしまして、明らかに客観的に不適当な場合ということになるわけでありますが、具体的にどういうものであるか。これが乱用されるようなことがありますれば、教育公務員特例法の定めました趣旨にこれまた反するわけでございます。乱用は絶対に戒めて、きわめて客観的に、極端な場合ということになりますと、抽象的に例をあげろということになれば、精神が異常の場合とか、あるいは病弱にして起居も困難であるというような場合とかいう程度のことしか例としては申し上げかねるわけでありますが、それらに相当するような客観的に不適当な場合ということに相なろうかと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いま言われたのは、大学の管理機関が学長を選考するときの訓示的規定であって、文部大臣がそれについて実質的に審議をする基準としてその法律が規定しておるのではないでしょう。いわゆる文部大臣に申し出る、実質的に選考した学長を選ぶその以前の過程における注意規定でしょう。文部大臣の拒否権の根拠にならぬ。もしそれが文部大臣の拒否権の標準とすればたいへんなことです。それは実質的任命権です。読み方が間違っていないですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 教特法十条によって申し出られた者を受け入れがたい場合の例示といたしまして、きわめて極端な場合の一例といたしまして、精神異常の者とか、あるいは病弱にして起居も困難な者というようなものを申し上げたわけでございます。そういうことを言う判断の基準といたしましては、やはり教特法四条の学長の選考基準と、それから大学の目的というようなことから、きわめて極端なものをあげれば以上のようなものがあるということを御説明申し上げたわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういうたとえば心神耗弱者であるとか、あるいは刑事処分を受けた者とかいうふうな者は、これは公務員その他についての不適格として失格条項にあるのですから、それはもう初めから、いかなる場合もそのとおりだ。しかし、そういう法的条件がある中で、そういう選考過程においていま言ったようなことを基準として候補者を決定し、選考した者を、大学学長として文部大臣にそれを形式的任命をすることを申し出た場合については、文部大臣はそれは形式的に任命するだけだということは、文部省の各機関その他の人々の発表しておる著書その他においては、異口同音にいままでいってきておるはずだ。  たとえばまた同じ天城さんあたりの共著で出しておる十条の解釈で見ましても、第十条の解釈について「したがって本条の立法趣旨は、列記事項に関する任命権者の権限を「大学管理機関の申出に基いて」行わしめることによって、これを形式化し、もって人事行政に関する大学自治を保障しようとするところにある。」、文部大臣の任命権を形式化する、形式的に任命するだけだということの解釈を明確に下しており、さらにまた、「「申出に基いて」とは、大学管理機関の申出により任命権者は法的に拘束せられ、」と書いてある。この「任命権者」は文部大臣ですが、文部大臣は「拒否権をもたないことを意味するのである。」と明示してある。いま一度読みますよ。「「申出に基いて」とは、大学管理機関の申出により任命権者は法的に拘束せられ、拒否権をもたないことを意味するのである。」これは天城文部次官の本ですよ。「同様の用例は、第四条第二項「当該学部の教授会の議に基き」、第二五条第一項第二号「協議会の議に基き学長」等において見られる」、これもずっと書いてある。あなたはいつそういう解釈を変えてきたのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 教特法十条の解釈といたしましては、御指摘にもなりましたように、文部大臣の実質的な審査というものの内容は、きわめて幅の狭いものであることは申すまでもないことであります。これが学説等によりますと、形式的というような言い方がされております。実質的に形式的な審査に近いものであろうかと思います。しかし、実質的な審査権がゼロと解することは、先ほど来申し上げておりますように、公務員の選定、罷免が国民の固有の権利であるという憲法の規定との関連におきまして、これが大学という機関で断絶してしまうということは、これまた法体系として三権分立の精神からいって不適当である。したがって、文部大臣に最終的な審査は保留されておると解するのが至当でございまして、この趣旨の解釈は、今国会におきまして、予算委員会等におきましても、法制局長官からもお述べになったところでありまして、特に今日、事新しく申し立てておるわけではございません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私は、文部大臣に実質的任命権を付与するならば、別に法律をつくらなければならぬと思う。国民がいわゆる公務員を選任するという憲法の原典に基づいて、国会の承認に基づいて、国民の代表の決議によって、大学の自治という一方の憲法の要請もあるから、そこでこの法律に基づいて大学の学長その他の人事権については、文部大臣の形式的任命権は残す。そしてこの申し出に基づいて、実質的に大学の管理機関において定めるということを、だからこそ法律できめてある。これがどうも立法的に論議があるのは、なぜ別の法律を出して国会にはからないのか。現行法の解釈として、そういういまあなたが言ったような国民の公務員を選任する立場、原典はそこにある。一方に憲法のいろいろの要請がある。だから、国会において、大学の特殊性に基づいて、大学の人事権については文部大臣の任命権は形式化をする、それで実質的に大学の自治を守るという立法をここにつくった。だから私は、現行法の解釈を言っているのです。これはやはりどうもつくってみたけれども、実質的に一定の基準をつくって、文部大臣が権限を持つようにしなければならないというなら法改正をすべきじゃないですか。これは現行法の論議をしているのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 再々御説明申し上げますように、教特法十条の申し出があった場合の文部大臣の判断、審査というものは、きわめて幅の狭いものでございます。これは、この種の規定を設けました以上当然でございます。しかし、その幅がゼロと考えることは適当でないということをるる御説明申し上げておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それは私は余地がないと思うのですよ。教育公務員特例法の四条、「学長及び部局長の採用並びに教員の採用及び昇任は、選考によるものとし、その選考は、大学管理機関が行う。」五条、「学長、教員及び部局長は、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、その意に反して転任されることはない。」六条、「学長、教員及び部局長は、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、その意に反して免職されることはない。」そうして七条の「休職の期間」まで大学管理機関が定める。そうして最後に九条には、「学長、教員及び部局長は、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、懲戒処分を受けることはない。」ずうっと人事権は大学管理機関の専属権限であるという規定をして、総括してあとを受けて十条に、学長については「大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。」ということにして、形式的任命権だけを残すことによって設置者の立場をここにとどめた。したがって拒否権はないという解釈は、どこから見たってこれはもう無条件に解釈をすべきである。したがって、終戦後におけるところの文部省関係の責任的地位にある局長、課長その他の責任において出しておるこの行政指導に必要な解釈は、大体私が知っておる限りについてはみんな拒否権はないと書いてきている。いまごろこれを現行法に基づいて変えるのは一体どこに根拠があるか。非常に政治的なものであって、自然な法解釈からいったら私は認めるわけにいかない。ことにこの法案が出てきたことによって拒否権があるという解釈ならば、これは完全に大学の自治を侵すものであるから、私は絶対に認めるわけにいかない。その解釈を変更しなければ、私はこの法案そのものが、全体として大学の自治を完全に奪うものになるので、重大なるこの法案審議における政府のあり方だと思うのであります。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 これは、もう何回も繰り返し私予算総会でもどこでも、ずっと言い続けてまいっておることでありまして、別段いま急に思いついて言っているわけではございません。やはり先ほど局長が答弁をいたしましたように、非常に幅が狭い、狭いけれどもゼロではない。このことだけははっきりいたしておるわけでございます。法制局の見解も同じでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ゼロでないという根拠を説明してください。私は第十条に基づいて、それから文部省の各部局の人々のこの解釈を下している著書を通じ、根拠を説明した。どこから見たって……(発言する者あり)その根拠を答えてください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 先ほど来御説明申し上げましたように、教特法十条の解釈につきまして、政府として責任を持って答弁されたのは、今次国会の予算委員会におきまして法制局長官がなされたのが最初でございまして、以後その答弁を踏襲しておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは四十四年三月二十五日の読売の夕刊の記事ですが、閣議におけるいろいろのやりとりをここに書いておるのですが、「佐藤首相は二十五日の閣議で「警察は敵」と発言した井上正治九大法学部長の学長代行就任上申に関連して「文相がどんな場合に拒否できるかを法律的に十分検討するよう」高辻内閣法制局長官に指示した。高辻長官は一両日中にも文部省から事情を詳細に聴取、国家公務員法、教育公務員特例法、人事院規則との関連を整理して、早急に結論を出す方針である。この日の閣議で、荒木国家公安委員長が国立大学二期校の入試阻止妨害と警察官警備状況を報告したあと、斎藤厚相が「九州大学で井上法学部長が学長代行に選ばれたというが、そんな発言(警察は敵、墜落したジェット機の所有権はアメリカ側にあるのだからほしければ取りにこい)をしたものがどうして選ばれるのか」と質問、坂田文相は「学長代行は順番で選ばれる仕組みになっている」と説明した。」これは拒否権に関係ないという説明でしょう。「また、学長任命権者である文相の拒否権について「思想問題で拒否するようなことはしたくない。ただ、言動が国家公務員としてはなはだしく不適格なら拒否できるだろう。しかし、こんど(井上法学部長の場合)は不適格かどうかわからない。」」これは思想いかんによって拒否権があるというように書いておる。「これについて荒木国家公安委員長は「文相はどんな場合に拒否できるかの基準をはっきりさせるべきだ」と発言、佐藤首相は「法律的に十分研究してほしい」と高辻長官に指示した。」非常に政治的である。「これをめぐって原田運輸、野田自治、大平通産の各相などから意見が出、井上法学部長の発言については慎重な配慮をすべきだ——などの見解が表明されたが、荒木国家公安委員長は「国立大学の学長は(職務の内容から見て)学者というよりも行政長官だ。学問の自由を享受する学者としての立場と行政長官としての立場をはっきりさせるべきだ」と強調した。これに関連して床次総務長官も「総理府人事局で国家公務員全般を管理しているので、教育公務員についても十分検討したい」と述べた。内閣法制局としては「教育公務員特例法第十条は、学長を文相の職権で任命することは否定しているが、大学から申し出があったものについて任命を拒否できることを否定していない」との原則的な工場に立ちながらも「憲法で学問の自由は保障されていることから、文相の拒否権は大学の自治にもかかわり乱用すべきではない」としている。しかし、教育公務員特例法の解釈問題と同時に、学長の職務の実質的内容に着目すれば、国家公務員法でいう一般の行政職としての職務が期待されているという面があることから、将来政府が中教審の答申を待ってきめる大学問題の具体策の中心になるので大学内部の実情、諸外国の例などを十分考慮しながら立法論としても検討する構えである。」現行法におきましては、閣議でこういうさまざまな論議が出ておるのが新聞記事に出ておる。立法論として考慮せねばならぬ。これは現行法としてはやはり形式的、純形式的任命権であって、実質的に任命権があるという解釈は下しがたいものだから、政治的、政策的にあらゆる拡張解釈をしながら、ここに一つの悩みが出ておる。それでいままでの二十数年間、戦後の文部省の権威解釈は拒否権なしと明確に言ってきたはずである。それをそういう政治的便宜によって途中から変更し、そしてこういう席上でいつの間にか権限がないと考えてきたのがだんだんとここにあるように、思想的な問題を含んで拒否ができるような——思想問題で拒否することだけはしたくないと言っているが、やろうと思えばやれるのだ、こういうところまできておるのである。私は、こういう意味の政府答弁を是認しながらこの法案を審議すればたいへんなことになる。これは新聞の記事です。この真相をひとつ説明してください。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 閣議の問題におきまして、拒否権の問題についての議論があったことは承知をいたしております。しかし、私が繰り返し繰り返し衆参両議院及び予算委員会で申し述べましたことは、思想あるいは信条あるいは学説、そういうようなことを理由として、それでもって拒否権を発動するというようなことはあり得ないということを明確に申しておるわけでございます。しかしながら、学長であり、あるいは事務取り扱いであり、学部長であるというような任命については、めくら判を押すわけにはまいらぬ。最終的責任というものはやはり私にある。そういうことから考えて、やはりはなはだしく不適当であるということが客観的に認められるような場合は任命しないことはあり得る、こういうことははっきり申してきておるわけでございまして、このことは一貫しておるわけでございます。法制局長官もとうにそのように見解をいたしておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 拒否権があるという法的根拠をわかるように説明してください。——だから、あるとおっしゃるならば、法的根拠を説明してもらいたい。法制局長官がこう言ったというのではなくて、これは行政解釈ですから、法制局長官もそういった行政解釈なんです。だから、なぜ、どういう根拠でやはり文部大臣は実質的任命権があるかということを法的根拠を示して、説明してください。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 詳しくは村山局長からお答えを申し上げると思いますけれども、やはり主権在民の今日の憲法下におきまして、最終的に国民がその権利を保有しておる、固有の権利を持っておるということからいたしまするならば、私は最終的に、非常に幅の狭いものではあっても、それはゼロではない、特にはなはだしく不適当であるということが客観的に認められた場合は、拒否することがあり得るということのほうが、現憲法下において法体系としても正しい解釈である、かように存じておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういうために、だから法律で定めなければならぬのだ。国民の代表である国会で定めなければならぬ。国会で定めた法律解釈を私はいましている。形式的任命権しかないという、十条で。そこで、それがまたぐあいが悪いなら法改正を出しなさいというのだ。国民に対する責任は国会にある。文部大臣は議院内閣の一人の閣僚にすぎない。あなたは行政庁の長官ですよ。あなたは国民に対して直接責任を持つ責任を持つと言っておるけれども、単なる行政庁の長官にすぎない。だから、そういうたてまえのもとに、文部大臣が大学に対してやはり指揮監督権を持つのが正しいのだというならば、この国会の承認を得た法律に基づいて、文部大臣は大学の学長及びその他の人事について、管理機関の申し出にかかわらず、これこれの場合については拒否できるという法律がない限りはあなたの説明は法的根拠がない。私は現行の教特法十条という、この国民の公務員選考のいわゆる憲法的な立場を代表して国会がきめた法律の解釈をしているのですよ。この法律を無視してあなたがかってに、文部大臣は国民に責任を持つべきであるから——あなたは行政庁長官にすぎないじゃないですか。論拠にならないのですよ、私から言わせれば。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 山中君に申し上げますが、決してあなたの言論を制限するという意味ではございませんが、いまの大学の学長とか学部長というような責任ある執行部の任命について、文部大臣に拒否権があるかどうかという問題は、承っておりますと、文部大臣とあなたの間に、申せば水かけ論のような感じがいたします。文部大臣の先刻の答弁の中には、政府の公式の公権的解釈としての法制局長官の答弁があるそうですから、必要であれば法制局長官に出てきてもらってその点を説明してもらうか、あるいは公権的説明をしたということでありますから、これはどこかの、予算委員会か分科会での記録にあると思いますから、その記録を取り寄せて論議をするということにされて、この問題は一時ここに保留をする、次の段階に進まれることはいかがであろうかと思いますが、いかがでありますか。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 委員長の御趣旨もありますので、法制局長官を呼んで、法制局長官と私は論議をいたしたいと思いますので、法制局長官と論議をする機会を委員長につくっていただいて、ここの点は保留をいたします。  次に進みます。  この法案の一番問題になる点だと思いますが、第八条の、文部大臣の指揮権を発動いたしまして、大学の教育、研究の停止をしたことによって一定の措置、大学の教職員を休職にするということが規定をされております。この休職に関しては、私はやはりこれもあらゆる角度から検討しておかなければ、重大な問題がひそんでおるように思うのであります。  政府にお聞きいたしますが、この第八条の休職の性格は、根拠はどこにあるのか。休職の法的性格といいますか、この条文に基づいた休職の性格を、現在の公務員に関する分限その他の法律的規定の中の、どれに該当する休職であるかを御説明願いたいと思うのであります。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この休職の規定は、この法案によって根拠が創設されるわけでありますが、考え方といたしましては、国家公務員法における、たとえば過員を生じた場合の休職のような考え方で組み立てられております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そうすると、現行法に、どこの条文に——当たるものはないのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 これは、現在の国家公務員法の休職のいずれかにぴたりと該当するものではございません。この臨時措置法によりまして創設したわけでございますが、身分を保有させながら職務に従事しないという点におきましては、過員の休職の場合にやや似ておると考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 どうもそれではわけのわからぬ答弁なんですが、そうすると、ここにある休職処分は、個人の責任、個人の欠点に基づいた休職でないようでありますので、不利益処分による休職だと思うのですが、この点についてこの法文の中で「国家公務員法第七十九条の規定による休職とみなす。」ということも書いておりますし、その辺を明確にあなたが説明してくれないと、私はこの休職の法律的な合理的な根拠を見出すことができないので、もう少し明確にお答えください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 国家公務員は、国家公務員法によりまして、その七十五条でありますが、「職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。」こういうことになっております。したがって、法律をもって特に定めれば休職をすることが可能である。したがいまして、休職という規定を創設いたしまして、その効果といたしましては、国家公務員法の休職の、やや類似の場合との権衡を考慮いたしまして、給与、身分、扱い等の規定を設けたものでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 個人の責任による休職ではないのですね。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 たとえば病気でありますとか、そういうような意味合いにおける個人的事由による休職ではございません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 個人の責任による休職でない場合については、その官庁が廃止になったとか、それ以外には、国家公務員法の保護規定その他からいっても、私は休職はやらすことはできないと考えるのですが、そのできる根拠を説明してください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 先ほど御説明したわけでありますが、国家公務員法で、法律または人事院規則に定める事由による場合でなければ、休職されることはないということでありますから、逆に、法律が規定すれば休職をし得るというぐあいに解しております。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 関連して、唐橋東君。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 人事院来ておりますか。——国公法上の休職というのは、職務との関係における個人の分限措置である、こう解釈しますが、いかがです。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 現在の国家公務員法のもとにおきましては、休職事由は、国家公務員法自身と、それの委任に基づいて人事院規則で定めております。  で、その法律、国家公務員法並びに人事院規則でその事由を書いておりますものは、個人の責任ということでなしに、むしろ個人に原因を発して、それが休職原因になっている、こういうふうな現在の仕組みになっております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 明確にわかりました。  この第八条を見てみますと、国公法の七十九条と教特法の十条の適用を排して、任命権者は、学校の機能が停止したという理由によって、以下の項目の者を除いて休職処分とする、こういうような休職でございますので、自動的な休職になる。当然の休職ということばが出てくると思うのですが、そういう解釈を私はするのですが、大臣、どうですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 そのとおりでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 だとすれば、いまお答えいただいたように、従来の休職という個人的な分限措置を、学校がいま停止になったという、いわば機能停止というその理由だけで休職になる。こう考えますと、国公法上の身分保障の休職の、いまお答えをいただいたワクから出た、個人的な原因というワクから出た、新しい学校停止という機能上発生した——その中には全然紛争に関係のない人がおるのですから、原因を持たない人がおるのですから、機能上発生した新しい措置がここに法律的に加わったと解釈するのですが、どうですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 おそらくそのとおりだと思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そうしますと、いままでの国公法上の休職と、いま御答弁いただいたように、今度新しい理由による休職ですから、いわゆる国公法上でいえば、休職の部分に関して、この分限に関して新しい解釈が加わる、そういうように解釈していいですね。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この休職は、この法律によりまして創設するわけでありますから、国家公務員法でこのものと全く同じ例はないわけであります。そういう意味で新しい例になるわけであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 明確。そうしますと、このような個人の分限、身分保障に関して、これによって新しく国公法上の解釈がつく、条項がつくのですから、私は、公務員制度審議会にかけるべきだと思うのですが、大臣はどうですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この問題は大学の紛争処理に関する臨時措置でありまして、公務員制度の基本に関する事項とは考えておりませんので、審議会に付議する必要はないと考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 局長、あなたはこの前私の質問で、大臣もそうでしたが、紛争校で停止になった場合は、休職者は原則として全員なんです、そして、その中からこの条項に当てはまる人をいわゆる休職から除外するのですと、こうお答えになっていますね。間違いありませんね。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 この前お答えをいたしましたのは、大体気持ちといたしましては、管理の責任にある人は大体残る、その他はみんな休職ということ、というふうに申し上げたつもりであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 局長、あなたは、臨時措置だから公務員制度審議会にかける必要がないといまお答えになりましたが、いわば紛争校というこの学校に対して、いま大臣の答弁がありましたように、機能的に原則として全員を対象として休職にする制度、新しく入るのですよ。国公法上でいえば、新しい休職制度なんですよ。たとえそれが臨時措置だといいながら、このような重大な国公法上に加える条項を、どうして公務員制度審議会にかけないのです。その必要を——単に臨時だからということでかけないのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 公務員制度審議会は、国家公務員、地方公務員及び公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項について調査審議するとございまして、この基本に関する事項とは、団結権とかその他本質的、基本的な事柄であって、このような臨時的なものは含まれておらないと私どもは考えておるわけであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 公務員制度審議会の審議事項の中に不当労働行為について審議するということで、公務員の不利益処分についてとなって、この不利益処分ということについては公務員制度審議会で審議するということになっているのです。局長、いいですか。これで公務員制度審議会は、公務員の不利益処分のことについて審議することになっているのですよ。そうすれば、今度は全員が不利益処分なんですよ。これが人事委員会の答弁を読んでみますか。「この法案による休職処分も、職員の意思にかかわりなく一方的に行なう処分として規定されているので、不利益処分として把握すべきものである。したがって、処分説明書の交付は必要であり、不服の申立てもできることになる。」、不利益処分として全員がなるのですよ、これは。機能的にですよ、個人理由でなしに。このようないわゆる国家公務員に対する、たとえ臨時だといいながら基本的なものを侵す制度、これをなぜ公務員制度審議会にかける必要がないのです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 公務員制度審議会は、従来とも制度の基本に関するということで、たとえば憲法二十八条にいいますように、労働団結権のような基本的な問題を付議する例だそうでございます。したがいまして、今回は個々の職員の勤務条件というような問題でございますので付議しなかったわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 個々の職員の勤務でないと言ったのでしょう、あなた。停止校の全職員を対象としたものなんですよ。それでは、処分説明書の交付の理由は何と書くのです。個々でないのですよ、理由は。処分説明書の交付は必要であるという場合に、処分の説明はどう書くのです。個々の原因でないのですよ。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 これは教育、研究の停止という事態に伴う休職でございますが、休職の発動につきましては、任命権者におきまして休職辞令を交付いたしますし、説明といたしましては、教育、研究が停止になったというのが事由になりまして休職発令をするということに相なります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それなら、個人の原因じゃないでしょう。さっきの答弁と食い違っておる。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 唐橋君に申し上げますが、委員長の許可を得てから発言をしてください。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 個人の理由によってとさっき答弁をしておきながら、今度は理由書は何かというと、個人の理由でありませんというのはどういうわけです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 先ほど公務員制度審議会の付議の問題でございましたので、これは制度の基本に関するものを付議するたてまえであって、今回の臨時措置は、制度の基本とは考えませんので付議しないという御説明をしたわけでございます。基本的な問題ということになりますと、個々の職員の勤務条件などをきめるまたその根本的な仕組みというような問題になりますと、やはり公務員制度審議会の問題になろうかと思いますけれども、今回のような、紛争収拾というような緊急例外的時点における措置につきましては、これは公務員制度審議会の付議事項として考えなかった次第でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 たとえ臨時的措置であろうとも、国家公務員法上、新しい休職制度が入るんですよ。この法律によって、いままでの休職処分という分限措置を変えて、今度は新しい休職というような姿で入ってくるんですよ。それがなぜいわゆる身分保障の根本でないんですか。根本でないという理由をはっきりさせてください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 しばしば説明申し上げましたが、公務員制度審議会の付議事項は、憲法二十八条に定めるような基本的事項というように、限定的に運用されておるようでありまして、今回の措置はそのような基本的事項には含まれないと考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 これを見てくださいよ。公務員制度審議会の「ILO関係法律中国会修正により施行を延期された規定について(答申)」、その中に——これは私がさっき聞いたように不当労働行為でしょう。そうじゃないのですか。不当労働行為の中には、公務員の不利益処分という一項があるんですよ。今度十ぱ一からげに停職を全員に適用するというんですよ。この不利益処分は、労働法からいったら不当労働行為でないという根拠を明らかにしてください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 不当かいなかということは、やはり一つは適法か不法かということになろうかと思います。この法案が成立いたしますれば、この法案による休職というのは適法な行為でございますので、不当労働行為とは考えておりません。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それでは大臣、局長は、あくまでも臨時のものだ、あるいは全般的でなく個々のものだと言うのですが、それだったら国公法の附則十三条をひとつ見てください。国公法の附則十三条で、特例をつくる場合には「この法律第一条の精神に反するものであってはならない。」と明確に規定してあるのですよ。そしてその第一条の精神とは何だということになれば、いわゆる適用すべき各般の根本基準を確立しました、それは職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含んだものの根本基準です。こういう根本基準を示して、しかも附則十三条に、もし特例をつくる場合には、その第一条の精神に反する特例はつくってはならぬということが書かれております。大臣、この解釈はどうなんですか。     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御指摘のような規定がございまして、国家公務員法第一条の目的は、「国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準を確立し、職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を発揮しうるように、民主的な方法で、選択され、且つ、指導さるべきことを定め、以て国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障することを目的とする。」となっております。     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 したがいまして、これは一方において公務員のたてまえをきめると同時に、国民に対して公務が民主的かつ能率的に運営をされることをうたっているわけであります。ところで、国立大学の紛争の実態ということを考えてみますと、紛争の初期においてこのような措置をするということは行き過ぎの多いことがあり得るかと思いますが、るる御説明いたしましたように、紛争勃発後九カ月以上も経過し、大学の自治がほとんど機能しない時期において、そのような大学についてなお従来どおりの運営をするということは、公務の能率的な運営を保障するということにはたして合致するかどうか。そのような場合には、やはり職員につきましても、一方において国民に対する責任上、遂行すべき職務がとまっている時点において休職とするということはやむを得ないことと考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 大臣、私は関連だから早く終わりたいんですよ。いま局長は第一条をずっと読んで、民主的な立場に立てば、特殊な事例だから特別立法をするんです、臨時措置法をつくるんです、こういう説明でした。そうでしょう。附則十三条には、そういう臨時措置法をつくる場合は第一条の精神に反してはなりませんぞといっておるんです。第一条の精神というのは、そういう目的を達するために、ここにいわゆる各般の根本基準をきめたのです。その根本基準の中に——先ほど人事院が説明されましたように、休職というのは個人の分限措置なんです。いわゆる機能的な当然の休職というものはこの中にありません。新しく加わりましたと局長も答弁したんですね。この新しく加わる臨時措置は、いま申しましたように、第一条の精神に反してはならぬと書かれている。いま局長の答弁は、紛争をしてきたから臨時措置だというのですが、この点どうなんですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 いま村山局長が答弁いたしました意味もお聞きいただいたと思うわけでございますが、国家公務員につきましては、そういうようなことも国民から期待をされているわけであります。そういうわけでございまして、いきなり休職というようなことでございますと、そういうようなこともあるかと思いますけれども、いろいろ収拾をはかりました最後の段階におきまして、事実上教育と研究というものが行なわれない、つまり教官というものは教授をするという職務を失った、教育、研究をすることも失われた状況である、そういうことにかんがみまして、休職にするということはやむを得ないことである、こういうふうに私は思います。  また、前段の御指摘の、国家公務員につきましての審議会にかけるかどうかという問題につきましては、先ほど来御答弁を申し上げておりまするように、その基本の趣旨にこたえるならばかけなければならないのでありますけれども、そうではないということでございまして、そのように私どもは考えておる次第でございます。     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 私の質問は関連でございますから簡単にお答え願いたいのです。委員の方もだいぶ時間を気にしているようですから。私は、いままでの休職概念を新しくしたものだ——それはいままで出てきましたね。だから公務員制度審議会にかけるべき事項だろう、こういうことに対して局長も大臣も、臨時的なものだから、こういうような理由なんですが、身分については、たとえ臨時的なものであっても基本に触れるのですよ。そういう基本に触れるものをなぜ公務員制度審議会におかけにならないのですか。臨時だから、こんなような答弁でほんとうに理解できますか。一つの例になるのですよ。さらに私はくどいようですが、そういう特例を設ける場合には第一条の精神に反してならないという附則十三条がわざわざあるのです。そうすれば、これは附則十三条の精神に違反している。違反している休職、条項なんです。違反していないという理由を言っていただきたい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 るる御説明申し上げておりますように、公務員制度審議会の付議事項は公務員制度の基本事項でございまして、本件は私どもとしては基本事項とは考えていないわけでございます。  それからまた、国家公務員法の附則十三条、それから第一条との関係でございますが、国家公務員法は、一面において公務員の身分、立場を保障すると同時に、国民に対しまして公務が能率的に運営されることを要求しているわけであります。大学紛争のかかる時点における休職というようなものは、公務の能率的な運営という意味におきまして、法の精神に反していないと考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 法に違反していないように申しますから、なお私はこれはあとでお聞きしますが……。  人事院のほうにお伺いいたしますが、先ほど答弁あったように、この条文によって全員が原則として不利益処分になる、理由は紛争のための停止校だ、こういうことになれば、この条文ができることによって、もう全員を原則として不服審査機関にかけなければならない事項になると思う。これはそのとおりですね。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 この八条の一号によりますと、ここにイロハと書いてあります職員以外の職員は、すべて休職になるわけでございます。原則も何もございません。すべてでございます。したがいまして、前回私がお答え申し上げて、先ほどその御引用がありましたが、それについて異議のある者は不服の申し立てをすることができるというわけで、全員が当然に不服審査機関に、具体的にいえば、人事院の審査に当然に係属するということにはならないわけでございます。異議の申し立てをするという手続を要するわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 手続上は確かにそうでございますが、いままでの休職処分というものは個人個人の理由によります。今度は個人個人の理由によらないで当然の休職として出てくる、全員が団体で。新しい制度ですね。これは新しいケースですね。どうですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 この法律案におきます休職は、先ほど私申し上げましたように、国家公務員法上あるいはそれに基づく人事院規則に定められたようなものと違いますという意味におきましては、従来になかった新しい休職制度を創設したということになるわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 いまのように、新しい休職制度を設けたと解される。これをなぜ公務員制度審議会にかけないのですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 公務員制度審議会の付議事項の基本という中に含まれるかどうかという点だと思いますけれども、この休職というものにつきましては、それに含まれないというふうにわれわれは考えるわけであります。     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 大臣、いいですか。現在までの国家公務員法上の休職の制度に対して、ここに新しい制度が加わるのです。それを文部大臣一人の見解で、これは公務員制度審議会にかけなくてもいいのですというような答弁では、われわれは了承できません。  もう一つ了承できないのは、先ほどから申しますように、このような新しい制度が国家公務員法に出てくるのに対して、附則十三条の「第一条の精神」に反するものでない、この答弁は了承できないのです。現在の国家公務員のいわゆる分限、身分保障に新しいものを加えるのですから、入ってくるのですからね。そのときに私は、いわゆる根本基準に対しておかしいのだ、こういうことを申し上げました。今度はそれを上回ったのですよ。現在までの国公法の中にある基準に対して新しいものを追加したのですよ。追加するのに、私は附則十三条に違反する……。     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 事務当局の判断ではございますが、この問題につきましては、文部省だけではなくて、人事院あるいは人事局等とも相談いたしまして、特別法でやる場合においてはやむを得ないということで提案申し上げた次第でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 関係官庁の統一見解があるまでは私は質問を保留しますよ。答弁できないのですから。     〔他発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 速記を始めて。  荒井法制局第三部長。

荒井勇内閣法制局第三部長

○荒井政府委員 国家公務員法の改正の際に、総理府設置法の一部が改正されまして、十四条の三というところで公務員制度審議会の規定が入りました。その条文は先ほど大学学術局長が読み上げたとおりでございまして、それは国家公務員、地方公務員及び公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項について調査審議するのだということでございます。  この条文の解釈につきましては、今国会でもしばしばやりとりはされておりまして、政府の見解というものは何べんか明らかにしたわけでございますが、それは憲法二十八条にいっておりますような、公務員の、あるいは広義の公務員の団結権あるいは団体交渉権その他団体行動をする権利、たとえば公務員のスト権奪還といいますか、スト権を回復せよというような問題、すなわち個別的な勤労条件というものをきめる基本的なしかけ、仕組みというものを、どのようにして今後の制度を持っていくかという問題をやっているのでございまして、こういう個々の公務員の勤労条件、たとえばこの国家公務員法の改正が成立しました後におきましても、地方公務員災害補償法というものが出まして、地方公務員の災害補償について、どういう条件によって災害補償するかというようなことを基本的にきめた法律でございます。あるいは公務員について、その年金制度をどのようにするかということで、年金を改定するとか、あるいは給与を改定するとか、公務員の個々の勤労条件の改定というものはいろいろあったわけでございます。あるいはそういう制度を新設するというようなこともあったわけでございますが、これらはいずれも公務員制度審議会のいっているところの「労働関係の基本に関する事項」というものではないということで、公務員制度審議会には諮問をされておりません。  今回の大学の運営に関する臨時措置法案の中で書いておりますところは、その従来からある休職という制度につきまして、その事由を追加したということになりまして、その効果といいますか、その制度自体、休職という制度が全くないというところに新しくつくったというようなものではないことが、制度論ということに関連して考えられますけれども、それよりも第一に、労働関係の基本ということはどういうことであるかということについて、しばしば今国会でも御答弁申し上げましたように解されておりますので、本件はその公務員制度審議会に関する総理府設置法十四条の三にいう問題ではないというのが、従来から政府として国会に御答弁申し上げました線に即したものでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 ただいまの答弁いただいたのですが、いまさら私は時間がありませんので繰り返しませんけれども、スト権が剥奪されて以来、人事院が公務員の地位の保障をしている。それが不十分であるということについては、ドライヤーの報告などでしばしば指摘された事項だと思うわけです。そしてこのスト権剥奪のまま、いま申し上げましたように、これまでの休職制度を全く無視するような、私のことばを使えば、必然的な休職とでも言いましょうか、当然休職のような制度が新たにここに加わってくる。こう考えますと、公務員の身分保障の根本的変革であると言っても決して間違いないと思うのですよ。そうすれば、公務員の権利の剥奪をこの制度において強めたということ、たとえそれが五年間という臨時措置であっても、このことは決して許すことはできない。しかも、それはしばしば申し上げましたように、紛争の停止という理由によって全員を原則として休職させるという、このような制度が公務員制度という基本に触れてくるということは、私は当然だと思うのです。  ただ、いま御説明ありましたように、現在までの公務員制度審議会の審議事項は、いまおっしゃったとおりだと私も思います。しかし、新しい制度が、新しい権利の剥奪が、これによって出てきたんですよ。そうすれば、私はやはり、新しいものとして公務員制度審議会にかけるべきだ、こういうように主張するのです。従来の経過はおっしゃったとおりです。だとすれば、私はやはり、公務員制度審議会の委員の意見を聞かなければこの審議は不十分である。あるいは時間的に公務員制度審議会の審議事項として間に合わないかもしれません。間に合わないとすれば、少なくともこの委員会においては、公務員制度審議会の委員の代表的な人たち、労働者側、経営者側という、その代表的な人たちの意見を聞かないうちは、私はこの新しい休職制度というものを認めるわけにはいかない、このような主張をするわけなんです。どうですか。

荒井勇内閣法制局第三部長

○荒井政府委員 総理府設置法の一部改正につきまして、公務員制度審議会の調査審議の対象とする事項を拡充するという法律が成立した後におきましてそのような措置をとるべきだということならわかりますが、先ほどの総理府設置法十四条の三の解釈につきましては、先生も同様に考えるということを言われたわけでございますし、また今国会でも、そのような線の答弁は何回か繰り返されております。今回の臨時措置法の内容が妥当であるか、立法としてどうかということは、まさにその唯一の立法機関としての国会がおきめになるもので、いま御審議をいただいているというふうに考えますので、いまさら公務員制度審議会の所掌事項を拡充するための総理府設置法の一部改正法案を検討したらどうかというようなことにはなり得ないのではないかと思います。     〔発言する者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。——静粛に願います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 私は、公務員制度審議会の審議対象にするべき事項ではないのかということを一つお伺いしたこと。そして、かけていなかったという事実がわかりました。  もう一つは、もしそうだとすれば、新しい休職制度の創設なんですから、時間的余裕がないとするならば、公務員制度審議会の各界の代表一人くらいずつは、やはりいま御答弁ありましたように、国会の審議の段階で私たちは意見を聞くべきなんだ、こういうように申し上げたわけなんです。国会で十分審議していただけばけっこうですというから、私たちは、十分審議するためにそのような意見を申し上げ、これはあとで参考人として当然この審議会の委員をお呼びして審議しなければ、いまの御答弁でもわかるように、十分なる審議ができない、こういうように理解をしているわけなんです。あとはもう御答弁要りませんよ。  それから、もう一つ人事院のほうにお伺いするのですが、先ほども出ましたように、このような新しい制度ができて、当然の不利益処分——個々人が原因にならない。ですから、いままでの不利益処分に対するそういう人事院の審議機関では、このようなケースはございません。いままでは一人一人なんです。だから、一人一人の申し立てが出てくれば私たちは審議するのです、このような御答弁がありましたが、今度この法律が通れば、一人一人のものでなくて、いままで申し上げましたように、全員を一括して不利益処分が出てくるのです。これはいま御答弁いただいたように、新しい休職制度なんです。だとすれば、当然、このような条項がよいのか悪いのか、許されるのかどうか、それをやはり審議機関のほうから、いわば公務員の身分を守っている人事院の総裁、あるいは担当局の方々からお伺いしなければならない、このように考えているのです。ですから、この審議機関が、このような条項を適当と見るかどうか、このような条項をほんとうに入れていいだろうかどうか。公務員の身分を——先ほど申し上げましたように、スト権の剥奪によって設置されておる人事院は、このような条項が入るのが適当なのかどうか、これは明確にひとつお伺いしたい。担当局来ていないと思いますので、あなたたちはできないかもしれません。しかし、これは総裁からもはっきりと御意見を聞かないうちは、この条項は私は審議できません。もしお答えできればお答え願います。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 お尋ねの前段は不服申し立てをした場合のことでございました。これは従来ですと、個々人からいわゆる審査の請求が出て、これについて審理をするということをやっております。かりにこの法案が成立しまして、この休職処分が発令されるということになりまして、全員皆さんが不服申し立てをなされば、それが受理するに必要な要件を備えておる限り受理いたしまして、これを審理いたします。これを個々人について審理するか、一括して審理するかは、これは審理技術上の問題で、審理のために設置される公平委員会で考えることでございます。これが第一のお答えでございます。  第二のお尋ねは、こういう重大な問題について人事院はどう考えるのだ、一言に言えばこういうお尋ねだったかと思いますが、これにつきましては、私、先ほど申し上げましたように、休職制度として新しいものを創設するということでございまして、それにつきましては、職員の身分保障制度に関しまする重大な問題ではございますが、当面緊急の暫定措置として行なわれるものである限り、一応やむを得ないものであると考えるというふうにお答え申し上げております。  なお、この休職制度の趣旨にかんがみまして、休職処分を実施するにつきましては、休職から除外される者の範囲をあらかじめ明確に定める等、運用の公正、したがいまして、身分保障の公正というものを期することについて十分御配慮願いたいということを申し上げておるわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 人事院にこういうことをお聞きするのはあるいは失礼かもしれませんが、先ほどもちょっと触れましたが、人事院というものの存在は、スト権剥奪のときに御承知のような結果でできて、公務員の地位の保障をしてくれる機関なんでしょう。どうですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 人事院のあずかる仕事につきましては、公務員法の第三条に明定してあるとおりでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そのような任務を持っておる人事院が、従来に見ない新しい休職制度ができて、それで公務員の身分保障がくずされる、こういう制度をこの条文によって入れるわけなんですよ。新しく入り込むわけなんです。だから私は、人事院の総裁に対して、このような新しい身分剥奪の制度を入れていいかどうか、人事院の総裁としてはどう考えるのだということをお聞きするわけなんですが、きょうは総裁がいないからこれはあとでお聞きします。  そして、いま御答弁いただいた不服審査機関は、御答弁いただいたとおり、確かにいままでは個々のものを審査してきました。なぜならば、そのようなたてまえにできていたからです。今度新しいたてまえで一括入るのですから、いまの人事院の任務から見ても、あるいは不服審査機関そのものから見ても、そういうようなことが許されないのだという意見を、当然人事院としては出すべきじゃないのか。そうでなかったならば、公務員の身分保障を代償するといいますか、その人事院の存在はなくなるのではないか。私は人事院総裁にお伺いしたいのです。そういう基本的な問題にあなたから事務的に御答弁いただいてもしかたがないのですから、人事院総裁は来れないですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 この問題に関します人事院の見解は、先ほど概略申し上げましたが、具体的に申し上げますと、五月二十三日付をもちまして文部大臣から人事院総裁あてに、人事院の見解を聞きたいということで照会がございましたのに対しまして、回答いたしております。(唐橋委員「総裁のかわりの答弁は要らぬよ」と呼ぶ)先ほど申し上げたことは、文部大臣あてに出してあります文書の内容を申し上げたわけでございますが、一応ここでその文書を念のためお読みしておきます。「貴省の提案中職員の休職に関する部分は、新たな休職制度を創設するものであり、職員の身分保障制度にかかる重要な問題であるが、当面緊急の暫定措置として行なわれるものである限り、一応やむを得ないものと考える。なお、この体職制度の趣旨にかんがみ、その実施に当たっては、休職から除外される者の範囲を予め明確に定める等運用の公正を期するとともに、休職給については、その支給割合を百分の七十とすることを建前として取り計らわれることが適当と考える。」以上でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 関連でありますから、そのほか二、三質問しなければならないところもありますが、省略します。  委員長、先ほどの議論でわかりますように、人事院総裁、次回の委員会で出席しなければ私は了承できないということは、この状態でおわかりだろうと思います。それからもう一つは、新しい休職制度の創設ですから、公務員制度審議会の委員の代表の方々をおよびいただきたい。これを委員長のほうで取り計らっていただきたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 いまのあなたの御要求については、いずれ理事の懇談会等で御相談いたしましょう。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 ここではっきりしていただきたいのです。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 理事会で相談をいたします。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 私はこの審議をできるだけ早く進めたいという立場で委員長にお願いしているのですよ。ですから、公務員制度審議会の委員を呼んで、そして審議を促進させるというのは委員長の任務だと思うのです。委員長、明確に答弁できませんか。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 先ほど申し上げますように、いずれ理事会を開いて相談をいたします。  ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 速記を始めて。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 質問でないのですが、法制局の第三部長の先ほどの答弁で、私は非常に不満があるのです。ですから、ひとつ私の意見を申し上げて質問を終りたいと思うのですが、あなたはさっき私の質問に、法律は国会で審議するんだから、いわば何でもどんなものでも出して、あなたたちの責任でございますというような御答弁をされたのですが、しかし、法制局としてはあまりにも不見識だと思いますよ。やはり法制局は自信のあるものを持って、いかなるものを出しても堂々と受けて立たれるくらいのものでなければならない。何か国会で審議しさえすればいいんだというような姿勢については、さっき簡単な御答弁でしたが、非常に不満です。それをつけ加えておきます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いま唐橋委員から、この不利益処分の休職について関連質問をされましたが、これは非常に重大な権利剥奪の処理でありますので、この点についてはさらに審議を深めなければならぬと思うのでありますが、文部大臣のこれは一方的な措置なんですから、大学自身でなくて文部大臣のほうから指揮権を発動して停止措置をした場合の当然休職である。したがって、国公法の七十九条は、本人の意に反する休職の場合として、「職員が、左の各号の一に該当する場合又は人事院規則で定めるその他の場合においては、その意に反して、これを休職することができる。」その意に反しての休職は制限列挙的に厳格に七十九条に規定しておるのです。「心身の故障のため、長期の休養を要する場合」、「刑事事件に関し起訴された場合」、この二つの条件がある場合以外は意に反して休職してはならぬ。七十九条に個人的責任に基づいた休職以外にこれしかできないということを明確にしておる。この停止措置による当然休職は、この国家公務員法の七十九条以下の法制的な原則を全面的に破壊しているんだ。この点については、国家公務員法の、先ほど唐橋委員が言いましたように、附則の十三条によって、特例を定める場合については第一条の精神に反することはできないという意味においても、たいへん第一条の精神に反するものであって、特例法では定めることができないと解釈するが、いかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 まず大学局長から答弁させます。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この臨時措置法に基づく休職の措置は、何回も御説明申し上げましたように、休職の事由といたしましては、現在の国家公務員法に規定しておるような各休職の場合に該当しない新しい事由を設定したわけでございますが、その運用につきましては、公務員法の関係の類似の場合に応じて給与あるいは身分取り扱いをきめております。そういう意味合いにおきまして、国家公務員法と全く異なるものを新たに創設したとは考えておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いま私が説明したのをよく聞いて答弁してくださいよ。七十九条において、本人の意に反する休職の場合については、「心身の故障のため、長期の休養を要する場合」、「刑事事件に関し起訴された場合」、これだけきびしい制限列挙事項で本人の意に反する休職の場合を規定しておるのであって、こういう場合以外は個人責任によらない休職はできないという大原則があるのです。それで、そういうことを受けてこの附則の十三条に、先ほど唐橋委員が言ったように、「その特例は、この法律第一条の精神に反するものであってはならない。」ということをここに念のために規定をし、そうして一条には、国家公務員職員に適用すべき根本基準として、「職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。」、そうして、この第一条、七十九条、附則の十三条、全体の法体系からいえば、本人の意によらないで、しかも文部大臣の一方的停止処分による一括休職、これは根本的な新しい制度であって、これはこういう臨時時限法などで規定さるべきものではない。この法律は時限法であるけれども、休職というものは発令すればそれで完結するのですよ。時限法で、五年後に休職がもとに戻るのではないのですよ。法律は暫定措置であっても休職の処分は永久。もう効果が確定する処分ですよ。あなた何を言っておる。人事院の答弁を求める。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 この八条に基づきます休職が従来の休職と多少異なるということは、先ほど来申し上げたとおりでございます。で、この法案は暫定法の形をとっておりますが、いまお話しのように、これで休職処分を発令しますれば、当然その人のいわゆる履歴に残るといいますか、この法律がなくなったら出した決定を戻すということになるものではないということは、お話のとおりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いま人事院が答弁されたように、休職制度の根拠は臨時法である。時限法である。しかし、この法律によって定めた休職制度は永久的に効力が残るのであって、この法律の時限が来て廃案になったときに、休職の効力がさかのぼってなくなるものではない。したがって、この休職制度はそんな暫定的な制度ではない。一定の紛争とかいろいろな条件を加えておるだけの話だ。これは文部大臣の一方的措置によって停止をした効果にすぎない。そういう法律をつくれますか。法律的に説明してください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 これも毎回同じようなお答えで恐縮でございますが、この法律によりましてこういう休職事由を創設しておるわけでありますので、この法律が成立すれば適法に実施できるものと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この法律が成立すれば——そんな循環論をおっしゃっては困る。この法律は非常に不当な法構成だということをいま論議をしておるのだ。こういう一片の文部大臣の一方的措置で、本人の責任によらないことで意に反する休職制度は——現在の国家公務員法、これは憲法二十七条の精神の延長線にできた法律なんだ。それを公務員制度審議会にもかけないで、そうしてこの不利益処分について、いろいろな手続その他もわれわれに説明しないでこういう法案を提案することはきわめて不当である。納得するように国会議員に説明しなければ、この法案をわれわれは認めるわけにいかぬということを盛んに主張しておる。納得するように説明しなさい。この法律ができたらそれでいいのです——つくるかつくらぬかを論議しておるのではないか。この法律はきわめて不当だということを論議しておるのです。不当でないということ説明しなさい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この法律は、大学紛争という異常事態、しかもそれが数カ月も続いて収拾できないという事態におきまして、まず自主的な収拾措置を種々定め、それによって文部大臣が停止措置などしない段階においての収拾をまずもって期待しておるわけでございます。そういう意味で決して不当ではないと考えるわけでありますが、不幸にして九カ月以上も自主的な収拾努力が功を奏しないで、大学紛争がどろ沼状態におちいる、そういう時点におきましては大学の自治も機能しなくなってくる。そういう時点になりますと、特に国が設置しております大学、これは国費をもちまして民意を反映して運営がなされなければならぬわけでありますから、そういうところにおきましては非常手段によって収拾をはからなければならない。それは一面において文部大臣の責任でもございます。それから国家公務員法におきましても、公務員は公務の能率的な遂行ということをうたっておるわけでありますから、そのような意味合いにおきまして、紛争収拾に必要な人間を残しましてほかの者を休職にするということは不当でないと考えておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私は、いまの局長のかってな見解に対しては絶対承服できない。きわめて不当である。  さらに人事院にお聞きしたいと思いますが、個人責任の原則を全く否定して、大学の停止措置に基づいて出てくる自然休職でありますから、どうも——個人責任に基づいた場合には不服審査請求ができる。ところが、坂田文部大臣の答弁のように、一括休職だということですから、不服審査請求もできない休職のようになってしまう。本人の個人の責任によって休職を発令しないのだから、いわゆる文部大臣の一方的停止措置において休職にするのですから、不服審査請求のやり方がないと思うのですが、それはいかがですか。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 この法律に基づく休職につきましては、先ほど来申し上げておりますが、この休職処分につきましても、当然不服審査の申し立てができるわけでございます。したがいまして、それが適法な申し立てである限り、人事院としては、実態について審査して判定を下す、こういうことになるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 人事院の局長、あなたはそうおっしゃいますが、もしかりに不服審査ができるとすれば、審査機関においては、文部大臣の停止措置は不当であるという審査しかできないでしょう。文部大臣の停止措置によって当然休職になった者、そしてあなたの言うように、不服審査請求ができるとすれば、一括文部大臣の措置が不当だという審査、そこでこの休職は無効だということしかできない。だから人事院、やりますか。坂田文部大臣の一方的措置は不当である、その措置に基づいてきた休職ですからね。いかがですか、やるというなら私もまた別に考えがある。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 審査請求がなされた場合、この実態について審議することになるわけでございますが、もはやその段階に至りますれば、個々の処分の実態の問題でございますので、いまここでそれについてとやかく申し上げることはむずかしいと思います。     〔発言する者多し〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 静粛に願います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは答弁にならない。この休職は——もう一度よく聞いてくださいよ。この休職は、本法の第七条に基づいて文部大臣が指揮権を発動して、ある特定の紛争大学と認定したものに対して研究及び教育の停止を命じた。その結果、この法律に基づいていえば、第八条において、「紛争大学の学部等について前条第二項の停止の措置がとられたときは、その措置が解除されるまでの間は、次に定めるところによる。」、そうしてこれこれの者は一括休職にする。文部大臣も、そのとおりであります、個々の理由その他にかかわらず、停止措置に対する直接効果として休職になると答えている。これは先ほど言った七十九条以下の、本人の個人責任の原則を完全に否定した休職である。ところが、これは不利益処分であって、人事院のたてまえからいったならば、先ほど言ったように、不服審査請求はできると答えなければならぬあなたの立場。また、しなければならぬ。しかし、その理由はたった一つ、もしそれが不当だという判定を下すには、文部大臣の停止措置が不当だという以外に審査のしかたがない。それが具体的に出ないと答えられないというのでは答弁じゃない。これでは私は質問を続けるわけにはいきません。

岡田勝二人事院事務総局任用局長

○岡田政府委員 考えられます一つの場合といたしましては、この八条の一号のあとにイロハとして休職の適用を受けない者が出てくるわけでございますが、たとえば、そういうものに該当すべきであるにかかわらず、イロハのどれにも該当しないとして休職処分にされたような場合、これなんかは当然、その当、不当が実態審理の中で問題にされるだろうと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それほどわけのわからぬ答弁をされるほど、この休職は矛盾があるということを証明しているので、それは人事院総裁から明確な御答弁をいただかないと、この休職は、その意味において、こういう特例に基づいてきめられない休職であると私は思うのです。  さらに国立大学教員については、先ほども教授会、評議会の性格について論争した例の教特法の十条によって——いま一度繰り返して言わなければならないと思いますが、「大学の学長、教員及び部局長の任用、免職、休職、復職、退職及び懲戒処分は、大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。」と書いてあるので、大学管理機関の申し出、議決機関としての申し出に服さなければならぬという規定に基づいて、大学の人事というもの、教員の休職処分について、大学の管理機関、これは具体的には教授会か評議会でしょう、その教授会の休職処分の権限を完全に奪ってしまう。これにおいてこの休職は二重に矛盾がある。それはどう解釈しますか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この臨時措置法による休職措置が発動される時点というのは、何度も御説明いたしましたように、大学の自治がほとんど機能しなくなった時点でございます。しかもこの休職事由というのは、かなり客観的に明白でございます。したがいまして、特例法十条の申し出の規定を適用しなくても別に判断が区々にわたることはないということで、適用を排除しておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 文部大臣がかってに大学の機能が停止したと自分で御認定になって、そうして一方的に停止処分にして、大学の自治の最も根本的な人事権、しかも休職については管理機関の申し出に基づき任命権者の任命によると、形式任命権を書いておるこの教特法の十条も完全に無視することになる。先ほど言った国家公務員の意に反する休職、七十九条以下の法体系も完全に破壊をする。そしてこれについては、特例によって国家公務員法の第一条に違反してはならぬという注意規定まで完全に欠いている。これは憲法二十七条の労働条件の基本的な憲法条項に基づいて、手続規定でなくて内容そのものも、憲法直下において、憲法の規定する人権を保障することを前提とした憲法上の要請が三重にもある。私は、この休職規定というものは憲法の体制に違反をおかしておると思うのです。これは憲法体制のもとにおいて、当然の休職制度で、しかも法律は時限法であるけれども、これは永久処分です。休職になった者に月給をもとに返してやるわけじゃない。そういうことはきわめて不当であって、いまの局長の御意見は、人事院の答弁とあわせながら見ておると、あなたの答弁は少しもわれわれを説得する答弁にならない。これは考え直すべき措置であると思うのであります。政策的にいっても、大学に共同責任を持っておる教授の諸君は、いままで思うとおりにならなくても、最大の努力を払って大学の正常化に努力をした教授諸君である。それをとにかく、いろいろな人があっても一括休職処分にする。これはきわめて不当であり、同時に、これは休職処分にすることによって百分の七十以下です。百分の七十と書いてない。百分の七十以下の給料だから、百分の一だっていい、この法律の構成は。(「ゼロでもいい」と呼ぶ者あり)ゼロではちょっとぐあいが悪いと思う。百分の一、百分の〇・〇一でもいい。そういう背景を持っておるこの休職処分はきわめて不当であるということを、どうしてこの法案を作成する方はお考えにならないのか。どうしてこういう矛盾だらけの、われわれを悩ますようなものを出してくるのか。いまの答弁では私は承服できない。もっと法律的にわかるように説明してください。私は盛んに法律根拠を出している。私の出した法律根拠を全部否定しながら答弁してください。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この休職措置は、その前段に教育、研究の停止措置というのが先行するわけでございます。この教育、研究の停止措置というのは、文部大臣が独断で一方的、かってに発動するのではなくて、学長の意見も聞き、それから臨時大学問題審議会の議にも基づいてやるわけでございます。しかも、大学の自治が機能を停止してどろ沼状態におちいった場合に発動するわけでございますので、御指摘のように、紛争収拾のために努力しておられる教職員がまだ多数おるというような時点でありますれば、かりに紛争発生後九カ月以上を経過した場合においても、発動しない場合もあり得るわけでございます。そういう意味合いにおきまして、文部大臣が一方的に教職員の努力を無視して不利益な処分を押しつけるという御批判は当たらないのではなかろうかと思います。そういう努力が存在しなくて、このままでは全く大学教育の目的を達成することができないという場合の非常措置でございますので、この休職措置というものは、そういう起死回生の復職を認めるための手段というぐあいに御了解いただけば、決して不当な処分ではないというぐあいにお考えいただけるものと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それでは納得しないのです。いま、大学学長の意見を聞きと言ったが、意見を聞きというのは、そのとおり聞かなくていいとあなたは前々から説明しているのだ。その議に基づきとか、そういうのでなくて、意見を聞きというのは、聞くだけで、大学学長の意見を一応聞いて、意見が合わぬときは文部大臣で処理できるという説明をしているのですよ。いまあなたは、大学の意見を聞きとか言っている。意見を聞きに法的拘束力はあるのですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 意見を聞きという場合の法的な拘束力の問題につきましては、これも御説明したかと思いますけれども、ぎりぎりの法律論をすれば、拘束力はないというぐあいに解せられるわけでありますが、しからば、意見を聞くだけで全く無視してよろしいかということになりますれば、決してそういうものではないわけでありまして、意見を聞く聞かないというのは、その意見の合理性によると思います。御指摘のように、多数の教職員がなお紛争収拾に努力をしておるというような状況を具体的な証拠をもって御説明があるという場合には、当然文部大臣は、その御意見を聞いて教育、研究の停止措置を発動しない。そういう判断を客観的、合理的ならしめるために、第三者機関であるところの臨時大学問題審議会の議にもかからしめておるわけでありまして、決して文部大臣が主観的判断によって一方的に押しつけるという心配は法律上ないように仕組まれておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 法的拘束力がない。そうしていま私に答えておるのに、法律的には心配ない。法律的には意見を聞かなくていいので、事実上そういう心配はございませんと言うのかと思ったら、法律的に心配はない——何ですか、それは。意見を聞くということは、一応聞いて、そうしてその意見を聞かなくても、法律上違反でなくして合法的処理だという法律論をやっている。なお、大学学長に完全に任命権を——文部大臣が形式的任命権を委任をした大学内の職員がありますよ。完全に文部大臣の形式的任命権を離れた職員の任命権者として学長がある。それも巻き添えを食って、これは休職にされることになっているのですよ。あなたは当然だ当然だと言うが、何ですか。人間の人権に関係するものであって、紛争大学のぎりぎりのところだからと言うが、だからといってこの不利益処分を、一人一人の憲法で人権を保障されておるところの大学の教職員は甘んじて受けなければならぬという論理は成り立たない。分限規定に基づいた問題である。いかなる場合でも、その本人の責任その他によってこの国家公務員法の分限規定があるのです。大学関係はこうだから、そこにつとめておる、いままで一生懸命やった教職員も含んでおる。そして、もう完全に形式的任命権も離れて、学長に委任をしておる職員まで巻き添えを食わして休職にする制度ですよ。そんな適当なことを答弁をしてごまかしちゃ困る。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 文部大臣が一方的に権限を行使しない法律的な仕組みと申し上げましたのは、停止措置を発動する場合に、学長の意見は法律の文言上は「きいたうえ」でございますが、臨時大学問題審議会に対しましては、付議して、その議に基づくわけでございます。この三者を組み合わせますと、学長の意見は、法律的にはそのものずばり拘束しなくても、第三者機関の判定もございますので、それが合理的なものである限りは、あわせまして文部大臣は、臨時大学問題審議会で学長の意見を採択してそれを組み入れる限りにおいては、拘束されることになるわけでありまして、そういう意味合いで、三者を総合いたしますと拘束されるような仕組みになっております。  それからなお、休職措置の発動につきましては、御指摘のように任命権者が発動するわけでございますので、大学には任命権を学長に委任した職員がおります。その者につきましては、学長がこの法律の規定によりまして休職措置の発動をすることになるわけでございます。これは巻き添えというよりは、大学を構成する教職員につきまして平等の取り扱いをしておるわけでありまして、ただ任命権は、直接文部大臣が持っておる場合と委任した場合において違うというだけのことでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 三つの機関の手続を言えば納得されるでしょうという答弁、私はさらに納得できない。この第七条においては、「臨時大学問題審議会の議に基づき、」であるから、意見を絶対受けなければならぬ。議決機関なんです。学長のほうは「意見をきいたうえ」だ。これは拘束力がない。そしていまあなたが言った、学長に委任したものは学長が休職を発令するんだ。学長が反対ですと言っておるのに、この法律によって文部大臣は停止措置をし、そして必然的に休職になる。そうして第三者機関の臨時大学問題審議会には「議に基づき、」とし、発令の責任者である学長には意見を聞きと軽くあしらっておいて、そういう三重構造でこの休職はさらに矛盾じゃないですか。あなたの説明はますます矛盾だ。  そして臨時大学問題審議会の構成は、文部大臣の任命によって、しかもこれを見ますと、文部大臣の意図に大体適当な人を選ぶという機構になっております。さらにこれを見ますと、十何人ですか、これは大学以外の人をここに入れて構成することになっておる。学長については法的拘束力がない。適当に意見を聞いて、文部大臣がみずから選んで構成する臨時大学問題審議会の議を経る。そういうことを含んで見ましたときに、この休職はますます不当になってくる。あなたの説明を聞けば聞くほど、不当であることが明らかになってくる。そうして一方、不服審査の場合には、個人的責任はないから論理的にはできないが、人事院はできるという。できるときは文部大臣の措置を不当と判断するしかないのです。あなたの答弁ではどうしても納得しない。説明を加えれば加えるほどおかしくなっているのじゃないか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 臨時大学問題審議会というのが文部大臣の一方的任命で信頼できないというような御指摘でございますが、臨時大学問題審議会の委員といたしましては、一つは大学の学長、教員あるいは私学の設置者である法人の役員ということになっておりまして、これらの方々は、いわば大学の立場を理解し、その立場に立って判断をされると考えますので、この臨時大学問題審議会において客観的に大学の立場を理解した判断がなされる、そういう意味合いで大学の立場が一方的に無視されるようなことはない仕組みになっておる、こういうぐあいに申し上げたわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 なお、この審議会は内閣の承認を要することになっている。閣僚一人反対してもそれが左右できるような仕組みなんです。重要だからそうなっておるという御説明だと思いますが、一人一人の教職員の人権に関する問題なんです。だから実質的任命権と、中には完全に形式的——委任をされた任命権を持つ学長には「意見をきいたうえ、」、しかも学長の意見というものを絶対的なものとして処理するならば、まだ一つの救いがある。救いですよ。学長の意見は一応聞いて、どうでもいいという基本的な出発点をもって、第三者がこれに、文部大臣の任命、内閣の承認を得て出てくるそういう顔ぶれというのは、いままでので大体私はわかる。そうして、この個人的事由によらない、意に反する一括休職というのは、私はどうしてもあなたの説明ではうなずくわけにはいかない。そのことが同時に給与に関係してくる。このままでは、いまの御答弁では、私は審議の責任を果たせないと思うのです。人事院の総裁が来た機会にこれはまた明確にしていかなければならぬと思う。その点について審議をさらに深めていきたいと思います。  さらに疑問なことには、文部大臣の一方的措置によって大学の研究、教育を停止せしめる。教育は、学生諸君がそれにがえんじない、封鎖をする、ストをやるというのだから、これは教育はどうにもならぬかもしれぬ。研究は教授自身の問題である。そうして教育公務員特例法の二十条に「教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。」という規定があり、十九条には「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」という規定がある。だから大学の教授というものは夏休みにおいても研究する義務がある。これは教育と独立して大学の教授に対する義務としての研究がこの法律で規定されておるのである。これは研究及び教育を同時に停止をして——教育というものは学生がいなければできないのだから、これはわかる。これは研究まで一方的に剥奪する処分です。これはどういうわけなんです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 この点につきましては、午前中も御説明申し上げましたように、教育と研究というのは機能上分かち得るものでありますし、また実際問題として重複する面もございます。しかし現実の場を考えますと、学部あるいは研究所といったように場所で、実際問題としては密接不可分に行なわれております。教育だけをとめて研究は動かすというようなことは実際問題としてできないことでございます。  それからまた、この教育、研究の停止措置は、あたかも現に行なわれているものを文部大臣が一方的にとめるような感じで質疑されておるように私は感ずるわけでございますが、これもるる御説明申し上げましたように、教育、研究がとまって九カ月以上も経過した時点において、教育、研究が行なわれていないのを法的にあらためて文部大臣が確認するようなことでございますので、教育、研究が行なわれておるならば、文部大臣が停止措置を行なうようなこともまたないわけでございます。そういう点で、現に行なわれているものをとめるようにいまお解しになれば、これは不当という感じもあるいは出てまいろうかと思いますけれども、とまっているものを法的にはっきりさせるという意味に御理解願いたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それはおかしいのじゃないのですか。いわゆる学長の休止という先行手続があって、それを前提として文部大臣が停止処分ができると書いておるのじゃないのですよ。関係ないのですよ。第二条の大学紛争の定義に合致するものについて、九カ月以上に達すれば、文部大臣は、その前に学長が休止をしようがしまいが停止できるように書いているじゃないですか。あなたの答弁はおかしい。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御指摘のように、七条一項の学長の休止と、それから二項の文部大臣の停止措置は、休止が先行して、休止のあったものについて停止を行なうわけではございませんので、休止をした場合、あるいはしない場合につきましても、第二項の文部大臣の停止措置は発動し得るわけでございます。しかし、いずれの場合にいたしましても、客観的に教育、研究活動がとまっている、それが九カ月以上も続いて回復が困難であるという時点において停止措置が発動されるわけでありますから、現に活動しておるものをとめるというわけではないわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それはまた詭弁じゃないですか。第二条の定義には、これこれの「正常でない行為により、大学における教育、研究その他の運営が阻害されている状態」、その他でも入るのです。大学紛争の定義は、教育と研究が完全に停止している状態になっていない「その他」でも入るのです。これはおかしいんじゃないですか。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 御指摘の「その他」というのは管理機能などをさすわけでございますが、教育、研究の停止措置は、七条にありますように、学部、研究所等の組織ごとに判断して行なうわけでございます。したがって、本部の管理機能がとまっておっても、学部の教育、研究を停止するということはあり得ないわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 まず、第二条の「その他の運営」をとって、これは削りますと言って私に答弁されるなら、これはうなずける。拡張解釈の余地をたくさんつくっておいて、そして私の質問に対して、あとへあとへ詭弁的な答弁をされておる。まことに遺憾である。先ほど私が申し上げたのは、大学の教授は、教育と独立に研究という任務を与えられておるのですよ。だから学生がいなくても、大学においては、研究というものは独立の任務があって、教育と研究を兼ねて初めてこれは教授の正常な姿でありますけれども、もし正常な状態でなくても研究を続けていくのが、大学教授の最低の任務であり、義務づけられている。それをわざわざ停止をするということの結果に、私はこの停止処分はなると思う。そういうことが直結をして、個人的事由によらない休職、そして減俸——減俸でも、家族まで巻き添えを受けて、扶養手当までとってしまっておるじゃないですか。まことに非人道的である。だから軽率にこういう規定をおきめになったということに——しかも、これは差別待遇をして政策的効果はないのです。全教員が一丸となって初めて大学というのは正常に復するのであって、これは一応全体として休職にするのですから、政策的にもマイナスである。法律的にいってもはなはだしく不当である。あなたの説明は、ただこう感ずるということだけで、あとへあとへつけ加えた答弁というのは、私はますますこの休職制度はおかしいと思う答弁にしかなっていない。  唐橋委員の関連質問も含んで、この休職問題について、いままでの審議の過程の中で非常に多くの疑問がある。公務員制度審議会にかけるべき事項であるのにかけていない。あるいは国家公務員法の原則的な分限規定というものを完全に無視をしておる。それから教特法の十条の大学学長の任命権も剥奪しておる。そして一方この方向性の中に、第三者機関の臨時大学問題審議会の議に付して、肝心の任命権を持っておる学長に対しては、意見を聞き、法的拘束力を持たないようにしておる。四重、五重の矛盾があると思うのであって、私は、先ほど委員長の言われたように、この問題について、関係各当局、人事院、文部省並びに労働関係の統一見解を得なければ、この法案の審議は進めるわけにいかないので、委員長、その答弁を、あなたの責任においてまとめてここに答弁されるまで、私はこの質問を保留したいと思いますので、委員長の善処を望みます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 お答えいたしますが、先刻大学局長の答弁の中に、関係官庁の事務当局と打ち合わせをして立法措置を講じたのであるということがあったので、関係当局との話し合いは済んだことではありませんかということを申し上げたのであります。私の手で関係当局の意見をまとめるということは、これはいかがなものであろうかと思いますが、もう一度あなたの真意をひとつお話しください。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 唐橋委員が、委員長において、この質問に関係した疑義については、ここは人事院関係では局長だけでありますし、総裁の責任のある意見も聞かなければならぬ。そして委員長は、それは考慮しましょう、考えますからということですから、なお私は、この問題についていろいろの角度から、どうも憲法二十七条の精神からいえば、はなはだしく憲法の精神を逸脱した特例による——国家公務員法の付則の十三条の規定からいえば、この特例法によって、しかも時限法では規定できないものを規定しておるのではないか。国家公務員法の執行の責任の行政庁、これは内閣になるのですか、あるいは人事院関係、そういう関係の権威のある回答を得なければ、これは審議を進めるわけにいかない、そういうことを申し上げておるので、これはお聞きになったとおりでありますので、私の審議の過程をお聞きになればわかるはずでありますから、この文部省の局長の意見を幾ら聞いたって私は説得力のある答弁にはなっていない。そして三、四回立って答弁をされる、一つ一つ補足される中身が、全部ますます疑義を深めるだけの答弁でありますから、関係の責任のある行政庁が出席することを私は要求して、そして出たときにこの問題の解明を私はしたいと思うので、そういうように委員長のお取り計らいを願いたいと思うのです。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 お答えいたしますが、先ほど唐橋委員から人事院総裁の出席と公務員制度審議会の委員の方の出席を求めたい、こういう御要望がありました。その点は委員長一人できめかねますから理事諸君に御相談をしていたします、こういうお答えをいたしておきました。いずれこれから理事会を開いて相談をいたします。  そこで、山中委員にお尋ねいたしますが、人事院総裁あるいは公務員制度審議会の委員かなんかが来て、それにあなたが質問ができるという状態まで質問を保留する、こういう趣旨ですね。——わかりました。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そこで参考に、お聞きするためにまず質問しておきたいと思いますが、休職になった教職員の給与は七割以内、七〇%以下と規定しておることについて、どこを基準にしてこういう給与の減額をしておるか。これもきわめて不当であると私が非常に疑いを持っておるので、これも解決しておきたいと思いますから、まず文部当局にお聞きしておきたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 現行休職制度におきまして、休職事由とその給与がそれぞれきめられております。たとえば刑事起訴の場合、七十九条二号でございますが、これは百分の六十以内ということになっております。それから人事院規則一一−四におきまして、学術調査、研究、外国招聘、それから公共機関の設置、過員の場合等の給与措置がきまっておりますが、この場合の給与措置としては百分の七十以内ということになっております。この臨時措置法による休職措置と現行公務員制度の中の休職措置との態様を比較いたしまして、人事院規則一一−四できめておる場合の、特にこの過員の場合に類似性を見出しまして、この場合の給与支給率であるところの百分の七十以内という例をとったわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 民間企業の場合の失業手当を考えると、あのときは六割にしておるのですが、七十というならわかるのですが、本人の責任によらない休職なんだが、七十以内で下限を限定しないということはどういうわけなんです。

村山松雄文部省大学学術局長

○村山(松)政府委員 これは、ただいま申し上げました他の立法例にならったわけでございますが、この問題を人事院と協議した際に、人事として、表現上はこれでいいが運用上百分の七十として運用するようにという御回答がございますので、成立の暁にはそのように運用するつもりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 法律で百分の七十とすべきで、以内としておいて運用でというのは、何でも運用運用というのは、人権に関係するものに、そんなあやふやなことでわれわれはこの法案を認めるわけにいかない。何ですか、いまの答弁は。法律に「七十以内」と書いてあるじゃないか。だれがこの法執行責任者になるかわからない。いまの当局者がいつ交代するかわからない。絶えずそういう答弁でごまかされてわれわれが法案を審議していくなんという、そういうわけにはいかないのです。委員長、こういう給与の関係についても非常に疑問があるので、先ほど申し上げましたように、関係者がここに出席するまで私はこの問題について質疑を保留いたしたいので、善処をお願いいたしたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 次回は明二十四日木曜日午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後十一時十八分散会      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗