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61回国会衆議院1969/06/18

文教委員会 第24号

発言数
113
登壇者
9
会派数
4
開催日
1969/06/18

会議録

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 これより会議を開きます。  昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 私学共済のこの法案は、二月二十六日に提案の理由が説明されたと思います。それから五月九日に広川委員、それから谷川委員、唐橋委員の質問があったまま、一カ月以上中断した形になっておったのでございますが、きょう法案の審議が再開されるわけで、ちょっと何か気が抜けたような傾向でありますけれども、この際、私から数点お尋ねをしておきたいと思います。  大臣がおられませんから、大臣にはあとからお聞きすることにいたしますが、政務次官がおられますから、大臣にお尋ねしたいとも思っておりますけれども、政務次官から一言、初めにお考えを聞かせておいていただきたい。  私学共済の問題点として幾つか指摘できるものがあるかと思いますが、現行の私学共済制度を見る場合、長期給付においてどういう問題点が考えられるか、短期給付においてどういう問題点が考えられるか、皆さん方のお考えにあるものをちょっと指摘をしながらお聞かせをいただきたいと思います。

久保田藤麿自由民主党文部政務次官

○久保田政府委員 お尋ねの国庫補助の百分の二十、この比率の問題、これと、短期の関係では五億ほどの赤字がございますから、この赤字をどう始末つけるか、この二点がおもな問題であろうかと考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 じゃ、あとでさらにお聞きをいたします。  それでは大臣おられませんから、局長にいまから数点お尋ねをしてまいります。  まず第一は、初めに確かめるという意味で法案の解釈と申しますか内容について、まあ言うならば事務的な問題としてひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。  今度の法律改正によりまして引き上げられる年金の額は、大体倍率でいいですけれども、どれぐらいになるのですか、それが第一点。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 今度の引き上げによりまするものといたしましては、旧法期間の最終俸給をとっておる公立学校の教職員と、それから私立学校関係の教職員では過去三年間の平均をとっている、その差がございまして、その引き上げ、率にいたしますとおおよそ一・一七倍ぐらいになるのではないかと思いますが、その改正。それから既裁定年金の引き上げ、これは各年度によりまして倍率が違っておるわけでございますけれども、その引き上げと、二重の引き上げを行ないまして、従来格差のございました公立学校の教職員との差を埋めるというふうな措置をとるわけでございます。したがいまして、そのおやめになりました時点の相違によりましてそれぞれ各人の倍率が違うわけでございますけれども、まあ非常に倍率の高い方でございますと二倍以上になる。それから倍率の少ない方でございますと、旧法期間が大体かかってまいりますので約二割程度の増加になるというふうなことが、傾向としてはいえるのじゃないかというふうに考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 既裁定年金の引き上げの部分がありますね。別表第一による率の改定で適用をして計算をし直す。それから旧私学恩給財団の年金額を引き上げる。三二%アップですか、そういう一つの柱がある。それから既裁定年金の中でも、旧法期間にかかわる部分のものが一つある。これも大体計算方法としては一・三二倍ぐらいになっているのですか、その辺のところ。それから、最低保障額の引き上げ、標準給与の引き上げ等がありますが、最低保障額の引き上げ等がある。  そこで、いまのところをもうしばらくおきまして、法律の一条、二条の中に附則の改定を読み込むわけですが、この附則第二項をちょっと説明してください。  皆さん方は専門だから、これすっとお読みになってよくわかると思うのだけれども、どうもわれわれのような者が読んでなかなか読みにくい。もう少し法律というものは読みやすい法律つくれぬかな、読んでみて第一に感ずるんですね。  「附則第八項第一号中「平均標準給与の年額の六十分の一」」これは読みかえるとその次の「平均標準給与の年額に、過去一定年間における」云々とずっと書いて「政令で定める率を乗じて得た金額」と、こういろいろカッコで囲んであるやつがたくさんある。「過去一定年間における各月ごとの総組合員の標準給与の平均額を基礎とし、」云々として、「との適正な調整を図ることを旨として、」というのは、これは結局この政令の率をつくるための修飾語ですか。何かいろいろな断わり書きしているような、ねらいを高く掲げたような文章になっておるのですが、まあひとつそういうことをあわせながら解釈して、すらっとすなおに読めるようにやってください。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 共済組合関係の法規は、これは過去のいろいろな実績の積み上げでございまして、非常に読みにくいわけで、その点は恐縮でございますけれども、この附則の二項は、ただいま先生御指摘いただきましたように、これは結局「政令で定める率を乗じて得た金額」というのの修飾と申しますか、それを説明するためのいろいろな表現がとられているわけでございます。これは先ほども申し上げましたように、公立学校の教職員につきましては、旧法期間につきましては過去の最終の俸給表というふうな計算のしかたをとっておりますけれども、私立学校につきましては給与がまちまちでございますので、過去三カ年間の平均をとる。最近は公立学校、国家公務員等も、過去三カ年の平均をとるというふうに改まっておりますけれども、以前はそういう関係でございまして、結局、最終の俸給をとります場合には、過去三カ年の平均をとるよりも有利になっているわけでございます。その格差を是正するために、過去三カ年間の平均の給与とそれから最終の給与というものを合理的に調整をしようというのが、この附則二項の趣旨でございまして、そこに書いてございます「過去一定年間における各月ごとの」私立学校の「総組合員の標準給与の平均額を基礎と」する、大体五カ年間ぐらいの平均の額をとりまして、「総組合員の給与に関するその他の諸事情を考慮し、」これは教員構成などがその年度によりまして変わってまいりますと、その率が変わってくることが予想されるわけでございまして、そのためにそういうふうな教員構成等を考慮いたしまして、結局、最終的に政令でもってその倍率をきめていこうということでございます。いま考えておりますのは、私どもの計算で、たとえば昭和三十七年、八年、三十九年、四十年、四十一年をとりまして、それから四十三年、四十四年を推計し、四十五年を推計いたしまして、最終の四十五年の俸給と過去三カ年の平均の額とを比較いたしますと、大体倍率が一・二八七六というぐらいの数字が出てまいります。そこでいまのところ大体政令で定める率と申しますのは一・一七ぐらいを予想しております。そういうふうなことでございまして、表現がたいへん読みにくくて私どもちょっと一回読んだだけではよくわからないわけでございますが、まあ、そういうふうな趣旨でございますことを御了解いただきたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 いきなり法案についてお尋ねをして恐縮ですが、いま局長のお話のあった点を確めておきたいのです。政令で定める率は一・一七を想定する。それは固定して考えていくのですか、あるいは毎年それを変えようと考えておるのですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 理論的には先生御指摘のように毎年変わり得るものだと思いますけれども、実際上はそう教員構成その他に大きな変化がなければ率としては非常に小さなものになってくるだろうと思います。そういう点で、今度の法律が通りまして政令を定めまして、これを毎年変えていくというふうなことはちょっと予想できないわけでございますが、しかし、もちろん変わり得る余地があるわけでございまして、その点はこれから計算をいたしまして、大きな変化があった場合にはこれは当然変えていかなければならない、そういう性質のものだと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうしますと、ことし恩給法の改正があって、関係の共済組合の年金額改定が全部国会に提出をされておる。今度、本年人事院勧告が相当大幅なものが出るのではないかといわれておる。人事院勧告があって公務員のベース改定が行なわれるならば、来年度四十五年度もまた恩給法の改正ということが予想される。当然それにまた右へならえをして四十五年度の共済の年金改定をやらねばならぬではないか、こう思われるのですが、そうなった場合に、いまの率等はどうお考えであるか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 ただいま御指摘になりましたように、毎年恩給法等の改正がございまして率の引き上げ、金額の引き上げが行なわれております。いままで私学の共済関係につきましては、そういうふうな改定に伴ってこちらのほうを改定するという措置をとっておりませんでしたが、今度は一挙にそれをやめまして公立学校の教職員並みに引き上げていこうというふうな措置をとったわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のございましたように、毎年恩給法あるいは国家公務員の共済法等が改正されるということが予想されるわけでございます。これは今後そういうふうな改定が行なわれました場合には、当然私立学校の教職員につきましても同じふうな改定を行なっていかなければならないということでございます。ただ、いまの問題になっております一・一七倍というふうな改定は、これは旧法期間における最終俸給と過去三カ年間の平均の俸給をとるというふうなものの是正でございまして、一応ただいま御指摘のございました点とは関係がないわけでございます。  なおこの点、いま御指摘のございました恩給法の改善等につきましては、そのほかに、これを毎年改定するならばスライド制というものを考えたらどうかというふうな意見も別に出ているわけでございまして、これはただいま総理府のほうでも特定の機関を設けまして検討いたしていることでございます。  そこで、御指摘のございましたように、毎年恩給等の額を改定する、それに伴って私立学校の教職員の年金につきましても改定を行なっていくというふうな傾向は御指摘のとおりでございますが、その一・一七倍とはちょっと問題が別だということを申し上げる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうですかね。ちょっとそこの点ぼくは理解できないのだ。局長、今度改定するのに、私学共済組合法が適用されている者の旧法期間部分の算定基礎となる平均標準給与、それに政令で定める率を掛けていかなければほかのあれと是正ができないというのでしょう。できないというならば、やはり四十五年度改正する場合に、率というものが一・一七にいくのか、一・二になるのかあるいは一・〇八になるのかわからぬけれども、そういう率というものは当然考えていかなければ均衡がとれないという結果になりはしませんか。関係ないと一がいに言い切っていいのでありますか。スライド制ということばをお使いになったけれども、これは全般に通ずることで、ほんとうはやはりこういう毎年法律で共済年金等を改定するというような繁雑な方法でなくて、経済の変動と申しますか、物価の変動と申しますか、そういうものに見合ったスライド制がきちっと確立されるならば一番いい方法ではないかと基本的には思いますね。しかし、でない以上はやはりこういう方法をとらざるを得ない。得ないとなると、私学共済だけをよそものにするわけにいかない。やはりほかとの均衡をとらせなければいかぬ。となると、ことしは何年かぶりの大きな手当てですけれども、来年はやらぬというわけにいかぬ。そうなると、いまのそういう政令で定めるその率がやはり考えられなければ均衡を失するという結果になるでしょう、そうなりませんか。関係がないとおっしゃったのだが、ちょっと気になるのだな。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 私はちょっと誤解しておりまして、全然関係がないというわけではございません。最終の俸給とそれから過去三カ年の俸給の比率をとるわけでございますから、これはベースアップ等がありました場合は影響を受けるということは仰せのとおりでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、いままでのところの推算では、そう毎年変えていくというふうなことにはならないのじゃないかということを申し上げたわけでございまして、関係があることはおっしゃるとおりであります。

川村継義日本社会党

○川村委員 お尋ねすることがちょっと前後しますけれども、局長、あなたのこの前の谷川委員への答弁でちょっと誤解を生むのじゃないか、こう思われる答弁があるのです。これはひとつ明らかにしておかれませんとまずいのじゃないかと思いますから、先ほどの答弁の中に関係しますから指摘してみたい。  谷川委員がこう言っておられる。「いま局長が最後に触れられました方策などは、非常に努力したあとが顕著であって、私学関係者もそういうようなものの考え方をとられたことに対して賛意を表しておると私は思います。」失礼いたしました。いまのはその前のところに続きますから、私が読み違えたところですから読み直します。  谷川委員の質問で、「すなわち、国公立学校の教職員の場合には、最終俸給額を基準として、いろいろな退職金制度その他計算がなされておりますが、私学の場合には、いままでどうして最終三年間の平均給与を標準にしておったのか、その点どうしてもいままでわからなかったのですが、その点について御説明いただき、」云々、そこであなたの答弁で、「御指摘のように、私学共済におきましては、最終三カ年間の平均給与というものをとりまして、それを基礎にして年金等をはじいていることにいたしておりますが、国家公務員あるいは公立学校の教職員につきましては、これは最終の俸給をとっているわけでございます。その理由でございますけれども、それは別に私学を疑ってというわけではございませんが、国立学校、公立学校につきましては、はっきりした給与の基準ないし昇給の基準というものがあるわけでございますけれども、私立学校の給与というものはなかなかっかまえにくいわけでございます。たとえば、やめる一年前に急に多額の俸給を出すということなどもあり得るわけでございます。」こういうことで答えているわけでございます。  そこで、私が誤解を生むのじゃないかと言ったのは、新法期間の給付の基礎となる給与、新法期間の場合と旧法期間の場合、一緒にごっちゃにして答弁してはまずいのじゃないか。新法期間の給付の基礎となる給与は、地方公務員であろうと私立学校共済であろうと最終三カ年間の平均給与をとっておる。これは国家公務員も地方公務員も私立学校も同じなんですよ。ただ旧法期間、これは昭和三十六年以前ですか、旧法期間のものについては、地方公務員は最終給与、最終の給料でやる。しかし、私立学校共済はこれまた三年間というのがまだ生きて計算されておる。この違いですね。そうでしょう。そうなると、旧法期間というのは昭和三十六年以前のことである。以前のことであるのに、「私立学校の給与というものはなかなかっかまえにくいわけでございます。たとえば、やめる一年前に急に多額の俸給を出すということなどもあり得るわけでございます。」これは一体どうするのですか。また、その旧法期間をするときにほんと何年かさかのぼって俸給を上げるのですかね。局長、誤解を生むのじゃないかと私は心配しているのですよ。答弁してください。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 いまの点は御指摘のとおりでございまして、私も読み直してみまして、先生と同じような誤解を生むのじゃないかということをちょっと心配しておったわけでございます。  ただいま御指摘ございましたように、旧法期間につきまして、先ほど御説明申し上げましたようなことがございますが、新法期間につきましては全く同じでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 どうもこういう答弁をなさると、いまでもこれは公立学校であろうとどこであろうと三カ年、国家公務員であろうと三カ年となっておるのに、ほかのものは最終俸給だが、私学はなぜ三年間か、いや、かってにやめるときに俸給を上げるから、こういうような間違った考え方、印象を与えるということはたいへんなことだと思いますから、これはおそらく答弁の舌足らずというか、少し認識が間違っておったかということではないかと思いますので、ひとつ私、気づきましたから注意をしておきたい。  そこで、少し枝葉になりましたけれども、さっきの附則第二項に戻るわけですが、ここに「過去一定年間における各月ごとの総組合員の標準給与の平均額を基礎と」する、この「過去一定年間」というのは三年間とるわけですか、あるいは五年間とるわけですか。昭和三十六年法律第百四十号の附則八項の改正です。「過去一定年間における」というこの内容。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 比較をいたします場合に、比較的安定した長い目で問題を見ていくというふうな観点から申しますると、五年くらいの期間を見たらどうかというふうに考えておるわけでございますが、三年という考え方がもちろんあると思います。しかし、いまのところは一応五年というふうに私どもは考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 これはあとの文章にも関係するわけですが、これは実際計算される私学組合の事務担当の人はなかなかたいへんじゃないでしょうか。あまりにも均衡をとらせる、つまり政令の一・一七という率を見つけるためにあれやこれや苦労をし過ぎておる。もう少し単純に率を見出してやるという、均衡をとらせるという方法があったのではないか。これは専門でないからその辺の計数のところはよくわからぬけれども、それはどうもそういう指摘ができるようであります。  そこで先に返りますが、先に行ったりあとに行ったりしますけれども、第一条の「(旧法の規定による年金の額の改定)」、これだけ、第一条関係だけでいいでしょう。  そこで、これは私が質問を終わるまで、事務担当のほうでひとり計算をしてみてくれませんか。ほんとうは資料でもあればいいわけでありますが、昭和三十六年の三月、四万五千円という過去三年の平均標準給与としましよう。四万五千円という給与が出た場合に、今度の改定適用をやってくるならば。それから次に第二条の新法部分の適用は昭和三十八年にしましよう。昭和三十八年の三月、このときに五万五千円という平均標準給与であった。ひとつそういう計算実例を第一条、第二条によってはじき出してもらいたい。こんなのをきょう突然質問して恐縮です。いま、たまたまお尋ねしておりながら思い出したようなことで恐縮ですが、きょうわからないような場合には、そのような計算実例を表にしていただきたい。実はいつでもなんですが、皆さん方からいただいた今度の審議のための資料というのはこれ一つでしょう。文部省はどうもこういう資料がほしい、こういう資料がほしいとこちらからお願いせぬとなかなか関係資料を下さらぬ、勉強しにくい。いまのような、今度の年金改定によって一条、二条等を適用した場合の、もちろんその中には附則二項が入ってくる。そういうものの計算実例、これはきょうできなくてもよろしい、またいずれお聞きしますからそういう資料をいただきたい。  それからついでに資料のことを言ったから、あとでお聞きするのだけれども、どうも私よくわからぬのは、それは何かというと私学共済における長期経理の資産運用状況、同じく私学共済の長期経理の資産構成の割合、これは私学共済からいただいた青いこれに少しは載っておりますけれども……。  それからもう一つは、長期経理の責任準備金の運用状況、こういうような資料がぜひほしいのですよ。でないと、あとでお聞きをする財源率の問題等々で、どうもわからぬところがある。これはわかっただけあとでお答えいただきたいと思うのですが、いまの計算実例はあとでわかったら答えていただくし、きょうここで無理であれば、ちゃんと計算をした一覧表みたいなのにつくって出していただきたい。そうするとこの一条、二条等々の法文解釈もよほどはっきりしてくる。ただこれを、法律を読んでくださいでは、さっき言ったようになかなか読みにくい。特にしろうとについては。附則なんというものは全く、先ほど申し上げたとおり、これをさっと読んでさっとわかるような人は、まあ局長か担当の人だけではないかと思うのですよ。失礼ですけれども、議員さんの中にも、これはこうだとすっきりおわかりいただく方はそうたくさんいないと思う。これはひとつお願いです。  そこで、いまいろいろの内容を含んだ法改正によりまして、一体既裁定年金の改定による必要な金額、あるいは旧法期間の給付額の、特に恩給財団等の引き上げによる必要とする金額、大体あれですか、今度国庫補助をしたあれくらいの金額でまかなえるという見通しですか。その辺のことをちょっと聞かせてください。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 先ほど来資料の要求をされたわけでございますが、私どものほうではじきました実例で、先生のおっしゃいましたものに近いものを一応計算したものがございますので、簡単に申し述べたいと思いますが、昭和十一年の一月一日に、もとの私学恩給財団に加入をいたしまして、二十九年の一月一日から私学共済の組合員になりまして、三十六年の九月三十日に退職した者、先ほどは三十六年の三月というお話でございますが、九月三十日に退職した者は組合員であった期間が二十五年九カ月ございまして、この人の標準給与が最終三カ年がそれぞれ四万五千円、それから四万八千円、五万二千円、これも先生のおっしゃった金額とやや近いものでございますが、そういうものであるといたしました場合には、法の別表の計算をいたしまして、改定前の年金額は年額二十二万五千円でございましたけれども、改定後は四十六万五千円となりまして、二二倍になるというふうな数字になるわけでございます。これが一つの例でございますが、先ほどの分は、御指摘に従いまして計算をしたいと思います。  それから今度の改正によります給付の増加でございますけれども、本年度につきましては約四千二百万円、平年度化いたしますと一億四千六百万円、この程度だということは、前にも委員会で申し上げたわけでございますが、既裁定年金の引き上げにつきましては、金額が四十四年度で千百五十万程度、それから恩給財団の期間の引上げによりますものが六百五十万程度、それから旧法期間の給付の改善によりますものが一番大きいわけでございますが、五千五百五、六十万、それから最低保障の引き上げによりますものが三百五十万、その程度に見込まれるわけでございます。それからこのたびの国庫補助は六百六十四万五千円になっているわけでございますが、これは全体の百分の十六という計算ではじいておりますのでその程度になるわけでございまして、これで一応四十四年度は足りるのではないかというように考えておる次第であります。

川村継義日本社会党

○川村委員 私学恩給財団の適用を受けている人は何人くらいおりますか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 私学恩給財団のこのたびの年金の引き上げの該当者は千六百二十二人ということでございましてその他を申し上げますと、既裁定年金の引き上げが五百九十一人、合計いたしまして二千二百十三人、それから旧法期間の給付の改善の対象となる者は五千六十人、それから最低保障の引き上げの対象となる者が千五百七人というふうな計算になります。

川村継義日本社会党

○川村委員 それではその次の問題として、いまのにちょっと関係するかもしれませんが、いま国庫補助関係の数字をちょっと説明いただきましたが、再度確認をしてお尋ねをしたいと思います。  長期給付の国庫補助、つまり百分の十六、これは本年度三億五千百五十六万四千円という数字でしたかね。それから財源調整費として五千万円出ていますか。それから制度改正費として五百七十八万円出ておりますか。そこで、これは私の手元にある資料ですが、先ほど国庫補助として六百六十四万五千円とおっしゃったのは、どれを意味するか、国庫補助のその内訳計数をちょっと説明してください。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 補助金の額でございますが、給付の関係の百分の十六の関係でございますが、これはちょっと数字が違いますが、三億五千六十九万九千円でございます。それから財源調整費は御指摘のございましたように五千万円でございます。それから法律改正分としましては六百六十四万五千円でございまして、先生の御指摘のございました五百何十万でございましたか、それは折衝の過程ではそういう数字がございましたけれども、最終的にきまりましたのが六百六十四万五千円となったのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 いま申し上げました財源調整費というのは、よくいわれる整理資源費とかいうものを意味しているのですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 整理資源費とは別でございまして、百分の十六の補助を、私どもとしましても百分の二十に引き上げてもらいたいということを要望しておったわけでございますけれども、その百分の十六を引き上げるということにつきましては、承認されませんでしたが、そのかわりと申しますか、長期給付の内容を充実させる、そういう意味で初年度二千万、それから次年度三千万、本年度は五千万ということで、合計一億の財源調整費というものが予算に計上されているのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうすると、俗なことばでいえば、つかみで少しやっておこう、こういうことですね。そうすると、先ほど六百六十四万五千円とおっしゃった制度改正費というのは、これはおそらく今度の年金改定に必要な内容を含んでいると思うのですが、これはどういう内容を持っておりますか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 ただいまの六百六十四万五千円は、これは国が今度の制度改正によりまして当然補助すべき経費でございます。先ほどの財源調整費は、これは百分の十六を除きました部分につきまして、まだ内容が充実してない部分もございますので、長期給付全体の内容を充実させる、そういう意味で予算化されたものでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうすると、私学共済には都道府県からの補助というのがあるのですが、都道府県が補助する金額は、それは財源調整費とか、あるいは制度改正費に充当すべきものなのか、してはいけないものなのか。それから私学振興会から、これはいままで出ていますね。私学振興会からことしも出してくださると思うのだが、私学振興会から出ていくその費用というものは、一体何に充てられるのか、財源調整費に充てていいのか、制度改正費に充てていいのか、いやそうではないんだ、それはいうところの整理資源の費用にせよ、こういうのか、その辺のところ明確にしてくれませんか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 都道府県は現在千分の八程度、金額にいたしまして、四十三年度で七億二千五百万程度の補助をしております。これは学校並びに組合に対する掛け金率の引き下げに役に立っているものでございまして、学校法人及び組合に対する補助というふうに考えてもよろしいんじゃないかと思います。  それから私学振興会の補助は、これは旧恩給財団の関係の給付が増してまいりますと、それに応じて補助をふやしていくというふうな関係でございまして、旧恩給財団に属しておりました人たちの給付を私学振興会のほうでめんどうを見るというふうに一応お考えいただいてけっこうじゃないかと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 恩給財団の部分についての補助、それが私学振興会ということになると、いうところの積み立て金の財源となるのか、整理資源の財源となるのか、そう考えてもいいわけですね。全然別個ですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 いま申し上げましたように、恩給財団関係につきまして、私学振興会から補助を受けているわけでございますけれども、これは考えようによりましては、先生のおっしゃいましたように、長期給付の内容の改善でございますから、ただいま申しましたようなふうにとってもよろしいんじゃないかという考えでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そこで、それでは次に、長期給付の財源率はどうなっているか、これを説明してください。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 現在長期給付の財源率は、千分の七十六ということになっておりますが、先ほど御指摘がございましたように、都道府県からの補助が千分の八ございます。したがいまして、それぞれ学校法人あるいは教職員が負担いたします部分は、千分の三十四ずつというふうな計算でございます。そのほか私学振興会からの補助、それから国の補助というものがあるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 今度は所要財源率ははじき直しましたが、所要財源率はそのままにして、いまの負担区分というものを設定をしてあるのですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 このたびの改定によります所要財源率は、千分の三・〇一というふうに一応私どものほうは計算をいたしておりますが、それに対しまして、現在過分が千分の一・〇二ございます。そこで今度の所要財源は、実際には千分の一・九九ということになるわけでございますが、そのほかに長期給付の現在持っております資産運用の利差益、それから先ほど御指摘のございました、財源調整のための金額、そういうものもございますので、そういうものを計算いたしまして、四十五年には一応掛け金率の再調査を進めるというふうな予定になっておりますから、その際にもう一度そういうものを総体的に検討いたしまして、新しい財源率というものをはじき出していきたいというふうに考えておる次第であります。

川村継義日本社会党

○川村委員 この前の委員会で、広川委員か谷川委員のお尋ねにも、同様な答弁があったようでありますが、私がいま所要財源率であるとか、負担区分であるとか、確認をする意味でいろいろお尋ねしたのも、今度の年金改定があると、やはりそれだけ財源がなければならぬ。そうなると、いずれは掛け金に手をつけなければならぬときがくるのではないか。ことしはそれでいい、こうあなたのほうでおっしゃっておる。しかし、いずれくるのではないか。その場合に、むやみやたらに掛け金を引き上げるということは、好ましい方法ではないと私は思うが、組合員に負担をかけるという、そちらのほうにいくいまのものの考え方で、最近はいろいろな健康保険なんかの動きを見ておると、どうも受益者負担的な考え方が濃厚になってきておると思うのですが、私学共済等は、幼稚園等の非常に俸給の低い人もおられるのですから、私学共済等で掛け金を引き上げて財源が見つかるというような方法、所要財源率をはじく場合に、掛け金の引き上げによって埋めていくというような方向だけはぜひ避けていただきたい。これは来年おやりになるときでも十分配慮願いたい。そういう気持ちでいまお尋ねをしておるわけです。そこへ行きつくところのわれわれの考え、あるいは要求、皆さん方に努力してもらわなければならぬと思うことは、どうしても国庫負担の千分の十六を、毎年要求されるように千分の二十にする。これがないと、いま私が申し上げたような結果になると思うのです。この辺について、大臣お見えになったようですが、ひとつ決意をこの際お聞かせいただけませんか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 川村委員からいろいろ問題点を詳しく御指摘いただいて、私たちも、そのことにつきましては先生と同様に考えまして、長い間二十に伺かって実はやってきたわけでございます。遺憾ながらそれが実現を見ていないわけですが、それにつきましては、われわれも同様の考え方を持っておるわけでありますから、今後とも最大の努力を払いたい、かように考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 大臣にはあと最後に、また御所見、御意見を承りたいと思います。  いまの問題にちょっと関係するんですが、局長、私学共済の整理資源については、これは公立学校共済とはやり方が少し違ったように思うのです。いま整理資源の状況と申しますか、あるいは私学共済の整理資源についての方法、すなわち整理資源にはいろいろ方法があるといわれるのですが、その辺のところを少し説明をしてください。私学共済はどういう方式でやっているのか。私学共済と農林共済が、大体整理資源の方法、取り方は同じと思う。国公や地公は違うと思うのですが、この辺のところをひとつ学問的に説明をしていただきたい。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 整理資源の考え方でございますけれども、これは私もまだわからない点でございますが、一般的に申しますと、長期給付の財源計算を、短期給付の場合のような賦課方式にするわけにいかない場合でございますが、制度の発足当初は給付額が少ないので、低い掛け金で済むわけでございますが、二十年、三十年とたつと給付額が多くなりまして、そのころの組合員は非常に高い掛け金を払わなければならない。短期給付と同じような考え方をいたしますとそういうふうな計算になるわけでございますが、しかし、そういうことをいたしますと、当然これは不公平だということになりますから、個々の組合員がいずれ将来受けるであろうと思われます給付額を年齢集団ごとに計算いたしまして、これを平均化して、みんなが毎月同じ率で保険料を払い込むようにしておりまして、いわゆる平準保険料方式というのが用いられているわけであります。これは考え方としましては、私学共済の場合でも、あるいは国立、公立の場合でも同じような計算じゃないかと思います。しかし、こういうふうなやり方をいたしましても、実際上は毎年ベースアップ等がございまして、それでもってその内容が変わってくるわけでございます。そういうふうな場合、あるいは今度の法案のように制度の改正が行なわれまして、新たな財源が必要になるという場合があるわけでございまして、そういうふうなものをどういうふうな負担関係で処理していくかということでございますが、その不足責任準備金を処理するための財源、これがいわゆる整理資源ということでございまして、将来の給付がすべて支払われるようにするためには、数理的な保険料とは別に、この整理資源分が調達される必要があるわけでございます。これを掛け金で調達する場合の掛け金率を整理資源率と言っておりまして、現行の率は千分の十三・一九というふうな率でございます。先ほど申し上げました数理的な保険料率が千分の八十・八三というふうになっておりまして、この千分の八十・八三と千分の十三・一九を合わせました千分の九十四・〇二が長期給付の財源率でございます。このうちの二八%、百分の十六は、これは国が補助しておりまして、それから整理資源のうちの千分の六を私学振興会が補助しまして、残りを掛け金で組合と学校が折半負担をしておるというのが現状でございます。  国立学校、公立学校等と私学との相違と申しますと、この私学振興会の補助という点、それから国立、公立の場合には国からの補助という点、そういうふうな仕組みが若干違っておるだけでありまして、考え方は両方とも根本においては差がないというところではないかと考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 いま局長から御説明いただきましたことばの中で、ものの考え方としてはそういう方法を講ずる。つまり保険の上では、よく過去の勤務債務であるとか、あるいは不足責任準備金とか、財務上そういうような呼び方をしておるようでありますが、私学共済や農林年金では、いまの過去の勤務債務を永久債務として、その利息相当分を償却する方式をとっておる。つまりそれが整理資源と、こう言われておるようであります。ところが、国公や地公は、その過去の勤務債務の現実の発生と見合わせて補てんしていく方式をとって補てんしていく。ところが、こちらのほうは、さっき言ったように利息相当分を却償しておるという、一つのお金があってそういう方式をとっておりますから、給与条件の変更であるとか、給与水準の改定であるとか、新規加入者が出てくるとか、いろんなもので必要とする財源があるときに、どっちかというと、こちらのほうが食いつぶされる、これを食っていくあれがある。いま財団、振興会から補助があるというようなことで手当てをするという一つの方法を述べられましたけれども、ところが、一つの問題としては、現在の組合員が千分の十三二九というような整理資源のための資源率を負担しておる。さきの問題とも関係するわけですが、こういう点をあわせ考えると、やはり国庫負担というものが、特に先ほど申しましたように重要になってくる。でないと、今度は掛け金改定のような場合に、さあ、資源率にもまた手を加えなければならない。でなければどうも整理資源が乏しいぞ、心細いぞ、危険だというようなことにもなる。こういうような面から考えても、いま局長、大筋をお話しいただきましたが、この私学の長期給付の財政運営については、いろいろな問題点がやはり存在をしておると思うのです。そういう意味で、実は先ほど私資料をちょっとお願いしましたが、そういうものが実際財政の運用がどうなっておるのか。そこのところがよくわかりませんから、私としてもはっきりしないのですが、長期経理の資産の構成であるとか、資産の運用であるとか、責任準備金の運用状況であるとか、そういうものを考えながら、いまの整理資源というものがどうあるのか、それが整理資源率に大きな影響を与えていくのではないか、やがては掛け金の大幅な引き上げということに通ずるおそれはないのかどうかということ等々を考えていかねばならぬと思うのです。そこで、そういう問題と、先ほどの所要財源率の負担区分、掛け金にどう影響するか、こういう点等を十分検討していただいて、くどいようでありますけれども、現在の組合員に大きな負担をかけて運用されないように、国庫負担の大幅な導入、いま要求されたように、二〇%がよく出てくるのですけれども、そういうものを実現するようにいかねばならぬのじゃないか、このように考えるわけです。この点は、先ほど大臣の答弁もありましたけれども、十分お考えをいただきますように、とくとお願いをいたしたいと思います。これはいろいろとお答えをいただかなくても、私のたっての要求だとお受け取りいただきたいと思うわけであります。  時間がだいぶたったようでありますが、いま一点として、私学共済の現状と申しますか、今後の対策、いま申し上げてきたようなのが幾つかの対策になると思いますけれども、私学共済組合から「私学共済の現況と対策」という資料を私はいただいております。これをずっと見てまいりましたら、いろいろな問題がやはり存在しているようです。たとえば加入していない学校がたくさんあるということ。これは短期給付もあわせて考えてそういうようなこと。それからこの前の質疑にもあったようでありますけれども、短期給付が、先ほど次官の答弁にもありましたように、短期給付の経営状況と申しますか、運営状況と申しますか、財政的に非常に大きな問題になっておるということ、実はいろいろな問題点がこの資料の中に指摘できます。それを一々ここでお尋ねする予定でございましたけれども、時間がまいりましたから、いずれ機会がありましたら「私学共済の現況と対策」、それに文部省当局としてどう取り組んでおられるかをお聞きすることにいたします。きょうは法案の解釈といいますか、中身と申しますか、それと長期給付運営上の財源的な問題についてお尋ねしておきたいと思います。私はいろいろと理屈つぽいことを申し上げないで、言うならば事務的な点を申し上げてまいりましたが、ひとつ格段の御努力をお願いいたしたいと思います。  そこで最後に大臣に一言お尋ねいたしておきますが、私がいろいろ申し上げるまでもなく、私立学校教育の振興ということは、だれでもが全力を尽くさなければならぬと考えておる。私学教育の果たしてきた、また果たしつつある役割りというのは高く高く評価せなければならぬと思うのです。特に戦後非常に進学する子供が多くなりまして、私学が後期中等教育、大学教育に果たしておる役割りというのは国公立学校以上のものがあるかもしれない、そう評価しても間違いはないと思う。そこで私学教育の振興を考えるには、いつも皆さん方が御指摘になっておるように、私学教育の健全な発展ということは申し上げるまでもないですけれども、国がどれだけ私学振興のために財政的な援助をするかとか、あるいは私学を経営しておる理事者側がいかにこの私学教育というものに取り組んでいくか、まあ日大などのああいうとんでもない事件を起こすようなものは別にして、これは理事者側の努力も必要でございましょうが、特に教職員の生活あるいは身分の安定というのも決してないがしろにできない一つの大きな柱であると私は考えます。ただ学校を鉄筋コンクリートでつくって、どんどん生徒を収容するというだけが私学の役目じゃなくて、やはり教職員の生活、身分の安定というのが一つの大きな柱にならなきやならぬ。そういう意味からすると、大臣もこの法案の提案理由にお述べになっておるように、その御趣旨にも書いてあるように、この私学共済の改正というのは、そういう意味でも重要な問題である、こう言わねばなりません。そこで、こんなおこがましいというか、理屈っぽい意見はたいていにいたしまして、ひとつ大臣から私学共済のあり方、あるいは私学共済の長期給付、短期給付を含めてどういう問題がある、その問題について自分としてはこう対処をしていきたいというようなことなど、ひとつぜひこの際所見を披瀝しておいていただきたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 川村先生から御指摘がございましたように、私立学校教職員が果たしております功績と申しますか、これは非常に大きいと思うのでございます。特に高等学校教育あるいはまた大学教育におきましては、特に大学でございますと、百五十万の学生のうち百万が私立大学であるわけで、そのために実は当該年齢人口の二〇%以上が高等教育機関に学ぶという形になっておる。また、そのことが日本の経済成長をささえておるとさえいわれておるわけでございます。そういうことから考えました場合に、今日むしろ国公私立の設立者がどうであるとか、あるいはそのお金がどうだとかいうことでなくて、教育の国に対する、あるいは社会に対する貢献度というものは非常に大きいと見なければならないと思います。その意味合いにおきまして、やはり私立大学教職員の、あるいは私立高等学校以下の教職員の身分あるいはいろいろな年金、共済制度等の充実ということが相まって、初めて生活の安定を得られるわけでございます。生活の安定がなければ、またその自分の教職に身を入れることもできないわけでございますから、その意味合いにおきまして、私は、やはり国公立の共済組合とあまりにもアンバランスなことがあってはならないということで、今日までその努力を続けてきたわけでございます。  したがいまして、先ほどもお答え申し上げましたように、長期給付の問題につきましては、やはりある程度先生方が支払われる分が非常に多くなるというようなことがあってはならないわけでございまして、そのためにはやはり国庫補助率を上げていくという努力は続けていかなければならないのじゃないかというふうに思います。また、短期給付の問題につきましても、相当の赤字があると思いますが、その点についてどうやって財源的にカバーをしていくかということは、やはりわれわれが考えていかなければならないことだと思うわけです。  川村先生の御要望の点は、われわれも実は同感だと考えておるわけでございまして、今後とも皆さま方の御指導、御鞭撻、御協力を得まして、私立学校の教職員がその職務に専念できるように最善の努力を払いたい、かように考えておる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 すみません、ちょっと局長。最低保障の問題でさっきちょっとお尋ねをするのを忘れたので、お聞きをしておきますが、いま国会に出ております厚生年金法の改正が成立するということになると、最低保障のいわゆる九万六千円とか四万八千円とか、この最低保障が今度の年金改定できめられておりますが、これは考えなければならぬ問題が出てくるでしょう。これは関係ありませんか。私は関係あると見ておるのですが。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 厚生年金法の改正が行なわれますと、国家公務員共済組合法に影響がございまして、またその準用を受けております私学共済のほうも関係があるわけでございます。御指摘のとおりでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そこで、この九万六千円とか四万八千円というのが、厚生年金法の改正があると、最低保障の問題、それから厚生年金改正による遺族年金あるいは廃疾年金等々が相当増額になる。ということになると、大ざっぱに見てこの最低保障の適用は、まあ影響するのは十月一カ月、こうなってくるわけですが、そこで、これはまた先ほどの年金額あるいは財源等とも関係してくると思いますから、これはひとつ軽んじないで十分御検討いただきたいですね。  大臣、いまいろいろと御所見いただきましたが、実は短期給付についても、これは私学共済に限らず農林共済でもそうですが、どこでも赤字なんですね。私学共済はことしは五億近くの赤字をかかえ込むのではないかといわれておる。そこで、この短期給付というのが長期給付と同時に問題になってくるのは、経理面で大きな問題があるのは申し上げるまでもありません。これもやはり何とかひとつ考えてもらわぬと、これは破産をする。国が何とかめんどうを見てくれるかとは思いますけれども、これはすべての共済組合でそうだ。健康保険等のああいう医療費の引き上げ等々ですべての医療制度に大きな影響を与えておるのは、これはもう大臣もよく御承知のとおりであります。  そこで、私たちのほうは国家公務員共済、公共企業体共済、地方公務員共済、この三つの共済制度について幾つかの改正案を実は国会に出しております。その中で一つの大きな柱は、長期給付についても二〇%国から負担をしなさい、これは私学共済についても同様であります。短期給付についても、短期給付には国庫負担がないが、国庫負担を二〇%ぐらいはすべきである。そしてやはり働く公務員の医療制度の立場からして、社会保障制度というものの考え方を前進させるという意味からいっても、短期給付においても国庫負担を導入すべきである、こういうことを実は要求しております。そこで、こういう点もあわせお考えいただきまして、特に私学共済が立ちおくれないように、ぜひひとつ皆さん方のほうにおいても政府側全部の力で前向きでひとつ検討をお願いすることを、さきの大臣の御所見にあわして再度お願いしておきたい。  それから局長にお願いいたしました資料なんですけれども、私が年金改定の算定実例をと申しましたのは、結局第一条、第二条、これらの読みやすいという資料ともなるわけですから、これはひとつぜひお願いをしておきます。それから先ほど長期経理の問題についての運用状況等についても二、三資料をお願いしましたが、これもぜひこういう機会にはお見せいただきたい。こういうものは実は私たちのほうからこんなのを見せてくれと言わぬでも、審議に入るときには、さきにも言ったのですが、ちゃんと長期経理はこうなっておる、責任準備金はこういう用途に運用されておる、そういう資料を皆さんに見せて、そしてお互いに勉強をするという親切だけはひとつ忘れないようにしていただきたい。大臣、文部省はいつでも何かこんな資料をくれと言わぬとなかなかくれませんし、よその委員会と少し違っていますから、少し御注意いただきたいと思うのです。  最後に、委員長にちょっとお尋ねしてよろしゅうございますか。――実は先ほど申し上げました私学共済の審議が間ずっと中断されまして、きょうから再開ということになるのですが、いっか理事懇談会等で、私学共済は農林共済との関係があるからしばらく待てというようなお話があったのですが、そのときに委員長は、おれが農林委員長と何か話をしてみるというようなお話でありましたが、農林共済と考えながらどういう御相談をくださったか、委員長からひとつお漏らしいただけばありがたいと思います。そしていま一つは、私学共済と農林共済はどこに一緒に考えなければいかぬというような問題があるのか、これも委員長からひとつお聞かせいただけば幸いと思います。そうすると、この後の私学共済の審議促進という点にも参考になるかと思いますから、委員長に一言最後にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 お答えいたします。  ただいま川村委員からお話しの農林共済との関連については、当時理事会で御相談申し上げましたごとく、農林委員長と相談をいたしました。その際、農林委員長の話では、農林委員会における各政府提案の法律案の審査が相当おくれて、農林共済関係の法律はずっとあとになるおそれがある。しかし、これは従来から大体歩調を合わせていくという国会における審議の状況でもあるから、待てるものであればもう少し待ってくれぬか、こういう御要望がございました。その御要望を受けて、理事会におはかりをして、理事会の諸君の御了承を得て今日に至っております。しかし、いつまでも当委員会としてもこの私学共済の法律案の審査を延ばしておくというわけにもまいりませんから、一昨日あらためて農林委員長に相談をいたしまして、農林委員長の了解を得まして、本日審査を重ねる、こういう段取りになったわけでございます。その際の農林委員長と私の話では、私学共済のほうは審査が進めば、きょうにでも採決していただいてけっこうである、こういうことでございます。そのことは理事会できょう報告もし、またおはかりをしておきました。さように御了承いただきます。

川村継義日本社会党

○川村委員 どうもありがとうございました。ところが、どうもすっきりしない。関係があるというのは一体どういう点なんだ、でないと、やはり延ばしてきたあれが明らかでございません。いろいろございましょうが、私は、おそらく委員長の胸のうちには国庫負担を二〇%にする、向こうもそれを要求しているのですから、そういうお気持ちがあったと推測いたします。そうなると、こちらのほうのやはり私学共済を進める場合に、必ずしも私は何も農林共済のあれを待つ必要はないではないかという考え方を持っておったのですが、こちらのほうがやはり関係があるというので先行するということになると、少なくとも国庫負担の二〇%を実現するために、当委員会としては何らかの方法を講じていただきたい。修正にするのか、あるいは必ず間違いない附帯決議等の決議にするのかどうか、ひとつ賢明なる委員長のほうでお取り計らいいただきますようにお願いをして終わりたいと思います。(拍手)

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ――――◇―――――    午後一時三十三分開議

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案について、本日私立学校教職員共済組合総務部長清水辛君を参考人として、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ―――――――――――――

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 参考人には御多用のところ御出席をいただきましてたいへんありがとうございます。  なお、参考人の御意見は委員からの質疑に対するお答えでお述べいただくよういたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  質疑を続行いたします。小林信一君。

小林信一日本社会党

○小林委員 私立学校教職員共済組合の総務部長の清水さんに来ていただいたわけでありますが、私は、この法律がつくられるときに、当時の理事長さんと一緒に清水さんが非常に御苦労なさって今日までおいでになっておることを知っておりますので、この法律がつくられる機会に、いろいろな御苦心をお聞きしたり、あるいは今後の留意しなければならぬところを、実際御苦労なさっておる立場からわれわれにお聞かせを願いたい、こういう考えで委員長にお願いをしたわけであります。したがって、できるならば詳細に実際問題をお聞きしたいと思うのですが、その時間もございませんので、私が重大だと考えておる点を二、三お伺いいたしますが、お気づきの点がありましたら、私どもに知らない点をお話し願いたいと思います。  いままで私学共済の問題が委員会で審議をされるときに必ず附帯決議がついているわけでありますが、しかもその附帯決議がたくさん出ておりますが、大体同じような内容でつくられております。しかし、なかなかこれが実現をしないというところで、その障害になる点やあるいは文部省のほうで怠っておると申しては失礼でございますが、十分その意向に沿えない原因等をまずお聞きしてまいりたいと思います。  昭和四十一年の五月二十七日、衆議院の文教委員会で附帯決議がなされておりますが、その第一は、適用除外をされておる学校がまだたくさんあるが、これはすみやかにこの法律を適用されるように必要な措置を講ぜよ、こういうことが決議をされております。これはやはり私学共済にとって重大な問題だと思いますので、この点についてお伺いをしたり、それからそのほかはおおよそ国公立の共済組合に準ずるように短期給付も長期給付も早く近づけなければならないという点が通してあると思うのです。そういう重大な要点を基礎にして考えますときに、一体いまの私立学校のあり方はどうかということが私は心配になるわけで、この点は最初文部大臣、文部省のほうからお聞きし、なお私立学校のそういう事情に通じておいでになる清水さんからもお伺いしたいのです。と申しますのは、やはりこの四十一年の附帯決議の中にありますが、「私立学校教職員の給与が国・公立学校教職員のそれより著しく低位にある実情にかんがみ、その給与の改善、給与体系の整備等を図るため適切な指導助言を行なうこと。」、こういうふうにきめられております。この問題が根本的に解決をされなければ、いま申し上げたような点が改善をされないと思うのです。しかし、私立学校というのは四十一年あたりを大体頂点にして、最近は多少変化しておるかもしれませんが、私立学校の急増ということが高等学校、大学をはじめなされたと思うのです。それにじ応まして、入学金は相当高く取られる、授業料も値上げをされる、そういうこともこの急増の中で認められたと思うのです。あるいは補欠入学をするために特別な金を取るとか、とにかく私立学校の金の取り方というものは、生徒数の急増ということもありまして、世間が一応はがまんをしておりますけれども、非常に問題になったわけであります。そういうふうに金を取りながらも、もちろん生徒数が増加しますから、施設も整備しなければならぬ、あるいは教員数もふやさなければならなかったでしょう。こういうような過程から見れば、教職員の待遇というものが、これに表明されるように国公立の教職員と比べて低位にあるということは、何かその経営者、理事者側のなまけておる、あるいは理解しない、そういう点からも生まれてきておるように感じますが、そういう点についてどういうふうに文部省は掌握しておられるか、お伺いしたいと思うのです。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 私学共済もことしでようやく十五年を迎えたわけでございますが、私学共済のいままでの問題といたしましては、これは国立学校あるいは公立学校の教職員と同じような給付が受けられるようにということで、それを目当てにして進んでまいったわけでございます。最近は徐々にそういう点につきまして改善が行なわれておるわけでありますし、今度の法改正もそういうことをねらいにしているわけでございますけれども、まだ不十分な点は、これは御指摘のとおりでございまして、その理由といたしましては、まだ日が浅いという点もございますが、全体として、組合員が十八万人という、比較的人数も少ない、そういう小さな組合であるという点にも問題があろうかと思います。  そこで、ただいま御指摘のございました給与の問題でございますけれども、まあ低いのは、幼稚園などが非常に低いわけでございます。平均給与にいたしましても、四十三年度で、女子の場合には二万一千五百円程度でございまして、しかしながら、これを過去五カ年と比べてみますと、つまり昭和三十九年の給与と比べてみますと、五〇%を若干こえておるような状況でございます。そういう意味から申しますと、国公立と比べまして、必ずしもその改善がおくれているということはいえないかと思いますけれども、それにいたしましても、ただいま申し上げましたように平均給与が非常に低いという点が問題でございます。  それから大学につきましては、最近国家公務員との給与の差がかなり縮まっているように考えられます。特に四十歳以下の教員につきましては、大学の場合には、むしろ国立学校よりも高いというふうな現象が出ております。しかし、四十歳以上の高年齢層になりますと、国立のほうがむしろ高いというふうな状態でございます。大体平均しまして、大学につきましては国立並みということもいえるかと思います。しかし、ただいま御指摘ございましたように、高等学校以下につきましては、なお努力を要する点が少なくないわけでございまして、この点につきましては、今後とも努力してまいりたいというように考えております。

小林信一日本社会党

○小林委員 その間、ただ急増するから経営面が楽になって、教員の給与が高くなるというだけでなくて、この決議事項からいたしましても、文部省の指導助言というものがあってそういうふうにならなければいけないというわけで、そういう点についてどういうふうな考慮をしたか、そういう点を私は実はお伺いしたかったわけでありますが、いいです。そういうような状況がわかればいいのです。  しかし、それに今度はつけ加えて、最近では大学には相当な紛争校が出ております。それから高等学校では人員の激減があるわけですね。そういう中で今度は教職員がどういうふうな待遇の状況にあるか、ここら辺が文部省からも、それから清水さんのほうからもお伺いしたいところであります。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 大学につきましては先ほど申し上げたとおりでありまして、高等学校につきましても、急減による給与に対する影響というのは、まあ、人員の面では出ておりますが、給与の面では、私どもそう大きな影響はまだ出てないんじゃないかというような気がいたします。  先ほど御指摘いただきましたように、文部省としてどのような指導をやったか、あるいはどういう措置を講じたかという問題でございますけれども、大学につきましては、振興会の融資、それから各種の補助金の増額、そういう面におきまして大学の内容をよくしていくという方面で努力を払っておるわけでございますが、 これにつきましては、さらに最近、授業料の値上げができない。ことしあたり二%ちょっとの授業料の値上げしか全般的には行なわれておりません。ほとんどの大学が据え置きになっているというふうな面から、特に人件費につきまして国の助成を望む声が出ておりまして、ただいまこの点につきましては検討いたしている次第でありますけれども、高等学校以下につきましては、地方交付税で財源措置をするということでございまして、たとえば標準県あたり昨年は四千五百万円でございますが、ことしはそれが五千万円をこえる額を財源措置をいたしておりますけれども、そういうふうな財源措置によりまして、高等学校以下の私立の学校につきましては待遇の改善をはかる、その他内容をよくしていくというふうな面で努力を重ねているという次第であります。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 共済組合員の面から申し上げますと、男子の四十二年度の平均給与は大体四万七千百七十六円というのが平均になっております。特に大学の男子の面では五万八千七百二十一円、ただいま局長のおことばのとおりでございますが、私学共済の加入人員は、女子が大体五一%で男子が四九%である。したがって、十八万人の組合員のうち、女子のほうが数が多くて、その女子が大体幼稚園あるいは各種学校あるいは高等学校等に集中しておって、若いサラリーマンの女性の方が非常に多い。これらの方が、年も若いけれども給与も非常に低いということで、全国の全体の私学の平均になりますと、四十二年度末の統計では、男子が四万七千百七十六円の平均給与に対して、女子が二万六千四百六十一円ということで非常に低い。したがって、この女子が五一%あるということで、共済組合員の全国の男女の平均は三万六千六百七十九円ということで、これを国公立の学校の先生方の平均給与に比べると、およそ一万円ぐらい低いというようなことになっております。  それから、最近の傾向といたしましては、やはり退職者が、高等学校は急減の影響で相当ふえるのではないか。それから、大学のほうが、年々増大しているにもかかわらず、やはり退職者が相当ふえております。これはやはり学校騒動等が原因になって、新聞に伝えられているようなえらい方々ではなくて、学生と直接接するようないわゆる窓口の教職員が転職するような傾向が出てきたのではないかと思われております。ただ、ただいま局長のおことばのとおり、昨年くらいまではその傾向があまり顕著でございませんでしたが、最近そういうことが非常に顕著に出てきたようなぐあいに考えられる。それで、現在までは定時決定をいたしておりますので、あと一、二カ月たちますと、本年の年度末の統計が出てまいりますが、その詳しい統計を、いま報告をいただいて集めておるところでございます。そんなようなことになっております。  以上でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 そこで清水さんにお伺いするのですが、私どもが見ますところ、私立の学校の設備というのはかなりよくなってきておるように思います。しかし、いま多少よくなっているというお話があったのですが、私学共済の方たちのいろいろ御意見を承る中では、何といっても理事者側の教職員に対する待遇の面では依然として従来の様子を変えておらないという意見があるのですが、この法律をつくる場合にも、私学共済としては、理事者側との折半の拠出でもって運営がなされるわけなんで、そういう理事者側の理解というものが一番大事だ、これがなければ加盟者をふやすこともできないというのが最初の出発だったわけですが、いまは一部を除いて大部分の方たちが加入をされてはきております。加入はされてきておりますが、施設のほうには金をかけるけれども、教職員のほうにはあまり心を置いておらぬ。一応その給料は上がったとは申しますけれども、いい先生を積極的に集めるというようなことよりも、いかにして安い先生を集めるかというようなことで依然として私立学校は努力をするような傾向があるんですが、私はそう見ますが、ひとつ私立学校のほうの事情を知っておられます清水さんからその様子をお話し願いたいと思うのです。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 ちょっと、私の担当しております仕事以外のことでございますので、常識的なお答えしかできませんけれども、大体私の存じ上げております――私は以前、私立中学校高等学校連合会の事務局長をいたしておりましたので、その方面に知り合いが多いのですが、私の存じ上げている範囲におきましては、私立の小学校、中学、高等学校以上のところは、国公立の教員の給与になるべく追いつけ、こういうようなことを経営者の方々も大体目標にして努力しております。したがって、大きな都市では待遇の点ではだんだん近ずきつつあるのではないかと思います。ただし、私立学校のことでございますので、経営の実態がきわめて十分でないような学校を例にとりますと、もちろん格差がございますけれども、大体普通の私立学校というのはそういうところへ向かって努力いたしておるように存じ上げております。  ただ、私どものほうに入っておる学校数が全部で九千でございますが、そのうちの六千近くは幼稚園でございまして、その幼稚園のうちの三千校くらいは個人立の幼稚園でございます。それから各種学校のほうも、学校法人だけの各種学校が入っておりますけれども、これが一千七百校くらい入っておるわけでございますが、そういったところでは、やはり給与のほうは、他の学校法人の小学校以上の学校に比べれば相当格差があるのではないか。  それから、ただいま小林先生のおことばでございますが、何と申しますか、国公立と違います点は、私立学校はやはりある程度設備をよくしたり目立つような校舎なり何なりをいたしませんと生徒が集まらないという傾向があるので、この点はいろいろ御意見はあると思いますけれども、私学の立場からいえば、やはりりっぱな校舎をつくり、いい設備をして、それを看板にして生徒を集めなければ経営ができない。それが結局振興会等からも多額の貸し付け金、あるいはものによっては施設その他は国の補助、地方の補助もいただいておりますけれども、二年間なら二年間据え置きで、それから何年間かの年賦で払う。ちょうど高校の急減期に向かうころ払わなければならない。借金の山を迎えておるというような現状ではないかと思われますので、今後の見通しといたしましては、大学につきましては学校騒動等があって、なかなか国公立の授業料との格差があまりに著しいので、現在以上に授業料を著しく上げるというようなことは大学においては非常に困難、高等学校においては、そうでなくても生徒が減少の傾向にあるときだから、これまた授業料を著しく上げるということは非常に困難だ。それが結局教員の待遇に今後影響するのではないかということを心配いたしておる。そういうような実情でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 これは附帯決議の中でもいっておりますが、いま私立学校教育の重要性というものは、従来国立学校と何ら変わらないのだということはいわれてきておりますが、この決議事項の中にもその点が強調されております。したがって、文部省としてもそういう方向に指導助言をしながらも、適切な国の対策というものをしなければならないわけなんですが、一応急増期を迎えたために、私立学校自体の中でそういう待遇の改善もなされるだろう、こんなふうに思われて、多少この意思どおりに動かなかったかもしれませんが、いまお話がありましたように、一応施設は整備して、学生に魅力を持たせるようにはしたけれど  もしかしその内容は、これからいかにしてその借金を払うかというようなことで私学は苦労しなければならぬ。ましてそれに紛争の問題が出てきておる。高等学校は入学者の激減から閉鎖をする学校まであるということは私ども聞いておるわけで、これからの私立学校の運営というのは非常に問題だと思うのです。したがって、私どもの決議しましたこの問題は、もっと積極的に国の対策というものをされなければならぬと思うわけでありますが、清水さんのほうからは、一部そういうような心配もあるけれども、順次よくなっていくというふうに説明はされましたが、一応そういう危機にある。したがって、共済組合の仕事でございます福祉の面も、それを考えてよけいに国の対策というものがなされるようにしていかなければならぬと思うのです。  それにつけ加えましてもう一つ申し上げたいのは、施設をよくして、そして学生に魅力を持たして入学する生徒を多くする。これは一応当面の考え方なんですが、いまの私立学校の行き方というのは、そういう設備を充実する中で、いまの情勢からすればますます学校本来の目的を持たずに事業経営のような形になる。そういうところから、使用者側と被使用者側との間というものは、一般公務員のような関係でなく非常に独裁的なものが強くて、教職員の皆さんは自分たちの一つの意向があっても、それを十分に理事者側に述べることができない。述べれば、そこで首を切られるとか何らかの報復的な措置をとられる、そういう学校が全国的に相当見られると思います。今回のいろいろな大学問題等が出る中で、ややそういう人たちの発言が出てきておるようでありますが、そういう民主的な学校運営というものが、実際はまだまだなされておりません。そういう点では、文部省の適切な指導助言というものは今後ますます必要になってくるのではないか。そういう根本の問題を考えていかなければ、私立学校の先生方の問題というのはなかなか解決されない。共済組合の内容を充実をするにしても、この問題をもっと真剣に考えてもらわなければいけないと私は思うわけであります。  以上、簡単にその基本的な問題についてお伺いをしたわけでありますが、私の結論としては、まだまだそこに問題をしっかり持っていかなければよくならない、こういうように申し上げておきたいと思います。  そこで第一番にお伺いしたいのは、先ほどちょっと申し上げたんですが、未加入校の加入というものが依然として残っておりますが、これの障害となるものをこの際清水さんから、お考えになっておる点でけっこうでございますので、お述べ願いたいと思います。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 昭和二十八年に私学共済が法律を制定されまして、二十九年に発足しましてからちょうど十六年になりますが、この未加入校加盟の問題は立法の当時から非常に希望をしておったことでございました。御存じのとおり国公立の学校の教職員はいずれも同じような共済組合に全部加入をいたしております。また、他の共済組合もそれぞれ職域別と申しますか、その共済組合で統一されておりまして、私学共済のように、私学共済といいながら一部の学校の教職員が適用からはずされているという制度はないのでございますが、実は共済組合をつくりますときに特に大学側の御要望としては、どうせつくるのならば非常にりっぱなものをつくりたい。非常にりっぱなものをつくるためには二年や三年の時間をかけて十分検討をした上で立法を考えるべきではないかというような主張であり、高等学校以下の先生方の中には、当時私学恩給財団というのができておりまして、もし全国的なそういう制度がないならば国の助成が打ち切られるというようなときに際会しておりましたので、どうしてもこの時期につくらなければならない。こういうようなことがございまして、共済制度をつくることについての異論があったわけではなくて、そのつくる内容について、高等学校以下としてはぜひこの機会につくらなければならぬ。大学のほうは時間をかけてもいいからいいものをゆっくりつくったらどうだというような点で、結局、当時健康保険や厚生年金に入っておった学校種別の教職員の過半数がそれぞれ個々に賛成をすれば適用除外の扱いを受けて、なお厚生年金や健康保険に残ることができるというようなことで、一部の私学が入らなくなったわけでございますけれども、その後もたびたび私学の間でもぜひこれは一本化すべきであるというような動きがあったわけであります。そうこういたしておりますうちに、政府並びに先生方の非常な御尽力で共済組合法の内容が漸次改善をいたしてまいりまして、たとえば国の助成にいたしましても、創立当初は百分の十でございましたのが十五になり十六になる。あるいは都道府県の補助金はもらえるかどうかと思って心配をいたしておりましたが、四十六都道府県から全部いただけることができた。あるいは振興会からも補助金の計上が許されたというようなこと、並びに給付内容等の改善が漸次行なわれてまいりましたので、そこで昭和三十五年であったかと思いますが、未加入校全部加入するような運動が私学内部で起こりまして、相当具体的に進んだのでありまして、当時灘尾文部大臣その他政府の方々並びに国会関係の先生方もたいへん御尽力をいただいたのでありますが、実は私ども内部の意見が究極的に完全な一致を見なかったために現在まで一部の未加入校ができているような事情でございます。大体現在百十七校、約二万四千人が未加入になっております。百十七校というとたいへん校数は多いようですが、学校法人で申しますと五十数法人でございます。六十法人まで達しておらぬと思います。あとは個人立の幼稚園。この五十数法人の中には大学、短大、高等学校等を併設している学校がございますので、学校種類で申しますと百十七校になるわけでございます。  これらの学校が入るためにはどういうことが必要であろうかという点をいろいろ私たちといたしましても検討をいたしておるわけでございます。と申しますのは、学校法人別に未加入になっているわけではなくて、学校法人を設置している学校種別で加入か未加入かを創設当時きめられた、そういう法律の内容でございましたために、たとえば同志社大学は入っておりませんが高等学校以下は全部私どもに入っておる。天理大学は入っておらないけれども短大以下は全部私のほうに入っておる。東京で申しますと、共立女子大学は入っておらないが高等学校以下は全部入っておるというようなぐあいに、同一学校法人の中で入ったり入らない学校があるわけです。こういう学校では人事の異動をする際に、一々健康保険から共済組合に加入し、共済組合からまた健康保険にいくというようなことをするということになると、そこに加入している組合員にとっては非常に不利になりますので、やむを得ず便法として高等学校に籍を置いて大学に出向を命ずるとか、大学に籍を置いて高等学校に出向を命ずるというようないろんな苦労をしなければならぬ。また、これに対する学校法人の負担の率、金額も違っておるし、本人の掛け金も違っている。こういう学校にあっては当然私学共済に一本化してもらいたい、こういう要望があるわけでございます。ところが、学校法人で、付属の学校も含めて全然入っておらない学校もまた五十数法人の中の幾つかにあるわけです。一例を申し上げますと、早稲田大学の系統がそれに入ります。慶応大学の系統もそれに入ります。  そういうようなぐあいに非常に複雑でございますが、どういうぐあいにしてその入るのに隘路があるかという点につきまして私どもなりに考えてみますと、まず第一に短期給付の問題については、これらの百十七校のうち個人立と申しますのは全部幼稚園でございますから、主として百校前後の、学校法人のうち五十数の学校法人だけの問題でございますが、短期給付の面では、これらの学校の大部分が健康保険の単一組合をつくっておる。そしてそういう大きな大学が多いのでございますので、平均標準給与が比較的高い。したがって付加給付が行なわれておる。また掛け金について、私学共済は学校法人と組合員の折半負担でございますけれども、単一組合は、経営者と申しますか学校法人の負担割合が比較的厚くなっておる。したがって組合員の掛け金は安い。こういうような点に隘路がありまして、これらの点をやはり解決しなければ簡単に短期給付に入るということにはならないのではないかと思われます。ただ長期給付の面につきましては、厚生年金と私学共済と比べますと、掛け金は私学共済のほうが若干高いのでございますけれども、給付の点については比較にならないほど私学共済のほうが有利でございます。そこで厚生年金だけでは未適用校は満足することができないので、それぞれの大学で学内年金と申しますか企業年金と申しますか、別途の制度をつくって、そして私学共済と同じような給付を、厚生年金の給付と学内年金の給付と合わせれば大体同じようになる、こういうような手入れをいたしておるのでございますが、この学内年金にはもちろん国の補助はございません。都道府県の補助もありません。振興会の補助もありません。したがいまして、学校法人が持つにいたしましても組合が持つにいたしましても、これは給付に比べて掛け金が非常に不利である。こういうことで、現在のところ長期給付だけは入れてもらえないか、短期給付については選択期間を置いてもらえないかというような声もあるわけでございます。  なお、こまかい点につきましては、まだまだ十分にそれぞれの大学の関係の方々ともこまかい打ち合わせをしなければならないでしょうし、また監督官庁である文部省といたしましては、他の社会保障を担当していらっしゃる厚生省と大蔵省とか、そういうところとも御相談があると思うのであります。ただ、私どもこの仕事を担当いたしておる者といたしましては、やはり私立学校教職員共済組合という名前である以上、全部の私学が入って、そして教職員の共済制度が全部の私学を打って一丸とするようなぐあいに成長発展していただきたい。これは創設以来私ども役職員の一つの悲願でもあり目標でもある、こういうことで現在も今後もその努力を皆さま方のお助けをいただいて進めてまいりたい、さように考えております。

小林信一日本社会党

○小林委員 私は、清水さんをせっかく呼んだということは、この際言いたいことを率直に言ってもらって、あまり文部省に遠慮をされておられると、いつになっても根本的な改善がなされぬから、ほんとに共済組合の組合員の気持ちをさらけ出してもらいたいからお願いをしたわけで、文部省のあとのたたりがおそろしいだなんて考えてあんまり遠慮されておったのでは、せっかくの私の目的が達しないので、遠慮なく言っていただきたいと思うのです。  いまお話を聞いても、大学と幼稚園につとめておいでになる先生方の給与というものは非常に差がある。それを平均した中で金が使われるわけで、だから大学なんかにつとめておる人たちは、なるべくならばこの共済組合に入らぬほうがいい。だから短期給付のほうでは厚生年金の取り扱いを受けながら、長期給付のほうでは共済組合に入りたいというようなぜいたくを言っているんですが、ここら辺の問題も、これはひとつ条件をよくすることが米加入校の加入を促進をさせるもとだと思うのです。したがって、短期給付の助成とか、あるいは長期給付と両方を一緒にすれば大体同じだというふうなお話がいまあったのですが、やはり長期給付の補助率というようなものを高めていけば、これはますます加入しなければ損だということになるし、いま清水さんのおっしゃったように、私学振興会から私学の制度の中ではほかのものはみんな利用しておるのです。しかし、東京でも早稲田とか慶応だとかいう表面に立つ大学がこれに加入しておらぬということは、体制からいって非常に残念な点だと思うのですよ。したがって、そういう点を指摘する中で、少なくとも厚生年金の助成と同じような補助率を高めていく。そういう点は当然、先ほど申しましたように、私立学校と公立学校とどこが違うか、いまのところはそういうふうに一般からも認識されておるのですから、そういう点ももっと力強くこの場でもって言わないと意味がないと思うのですよ。  私は「教育学術新聞」を見まして驚いたわけです。というのは、今回この法案が通れば、すでに年金をもらっておる人は九万六千円が保障される。従来一万二千円から出発したわけで、一万二千円の年金をもらった人がいま九万六千円をもらうということは、実に八倍の増額になるのだといってうれしがっておられる。「現在これらの給付の適用をうけている人は相当の高令者であり、我々私学関係者の大先輩の方々が多く含まれ、凡そ千百余人が年金給付をうけて今回の改定を待望している。」こう書いてあるのです。九万六千円でこんなに喜ぶ。公立学校の先生たちの年金と比べたら私はまだ非常に差があると思うのですよ。その差のあることも承知しながら、最初の一万二千円からすればすでに八倍にもなる。こういうふうに喜ばれておるのですが、非常につつましい喜び方なんですね。私たちは決してそれに満足しちゃならぬと思うのです。国公立の給付と同じように引き上げていかなければならぬわけでありまして、最初この法案がつくられるときに、理事者側が、学校側が、法人が半分持たなければならぬという点で加入する人が非常に心配をされたことは、清水さんたちと私ども一緒に心配したはずですよ。それがいま、計算上から入っては損だというようなところへきておるわけなんで、法人側はいまの時世ではそんなことはちゅうちょすることはないと思うのです。要はどっちのほうが得かということで、先ほどのお話のように私立学校も国に対して責任を負う点では国公立と何ら変わりないんだという点を強く主張して、そしてその水準まで上げるように要求をしていかなければならぬと思うんです。そういう御意思をもっと強く出していただきたいと私は思うのですが、これについて大臣せっかくおいででございますので――未加入校という一つの問題を取り上げてもその問題が解決されない。積極的にこの際大臣は、きょうの法案だけに満足することなく、来年度はかくかくいたしますというような決意をすべきではないかと私は思うのですが、大臣のお考えをお願いしたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 小林さんのお話もよくわかるわけでございますけれども、実際問題としますと、あるいはあとで清水さんからもお話があると思いますけれども、学校側のほうはかなり積極的に気持ちは動いておると思います。しかしながら、実際それを受けます人たちがその気にならないというところに、学校側としてもそれを強制するというところまでなっていないんじゃないかというふうに思われます。しかし、その裏には、おっしゃいまするようにほかの厚生年金その他と比べまして給付率が低いというようなことも関連があるわけでございまして、この点につきましては、よほどわれわれといたしましても、ほかの制度との均衡を十分考慮いたしまして検討をしてまいらなければならない課題であるというふうに思っておるわけであります。

小林信一日本社会党

○小林委員 学校側は受け入れる気持ちがあるが先生にそういう気持ちがないというのは、先ほど清水さんが言われたように、勘定してみれば、厚生年金の扱いを受ければそちらのほうは百分の二十である、共済組合のほうは百分の十六であるというような計算から出ているところが多いから、国が英断をもって厚生年金と同じような取り扱いのところまで引き上げる、そういうところに問題点があるんじゃないかと私は申し上げたわけですよ。そういう点で踏み切る気持ちはないか。農林共済のほうの様子を待ってなんてことじゃなくて、文部省が文教行政から決断をしたらどうか、こう私は言っているわけなんです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 その点につきましては、先ほど川村先生の御質問に対しましてお答えを申し上げましたとおりに、百分の二十ということはわれわれの念願でございます。これに近づけるべく努力をしてまいりたいと考えておるわけでございますけれども、ただそれだけの問題ではないんじゃないかというふうに私たちは考えております。この点についてもう少し清水さんあたりからお話をしていただかなければと思っております。

小林信一日本社会党

○小林委員 このことは私よりも文部大臣のほうが深く関係をして、これを育ててきた第一人者だと私は思うのですよ。それが、ほかのこともなんということをおっしゃらずに、まずできることをどんどん積極的にやっていただくことが、私はせめて坂田文部大臣が出た唯一の機会じゃないか、こう思っておるわけでありまして、いろんな諸情勢にとらわれることなく、新聞にも出ておりますように、こういうわずかなことでもって私学の先生たちは喜ぶような状態で、全くこれでは国の行政があるかないかということも批判をされなければならぬ問題だと私は思うのです。ひとつあなたの在任中に少なくともこの問題だけは私は解決していただきたいと思うのですよ。  そこで清水さんのほうにお伺いしますが、短期給付の累積赤字の問題は、いまの物価高の時代でございますので、こういうものが出てくるのは当然だと思うのですが、この際、どうしてそういうものが出てくるのか、その原因を明白にしていただきたいと思うのです。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 短期給付の問題につきましては、他の一般の社会保障制度の健康保険その他の短期給付と同様に、一番大きな原因は医療費が上がったということと薬価基準の改正という一般的な事情、これが一番大きな原因になっておりますけれども、私立学校の場合は特殊事情がございまして、先ほども申し上げましたようなぐあいに、大学から幼稚園、各種学校までが包含されておりまして、約九千校といいましても六千校近くは幼稚園並びに各種学校である。こういうようなことで幼稚園、各種学校の先生方は比較的若くて給与の安い方が相当多くいる。したがって、掛け金に比べて相当高い給付を支払わなければならない。そのために生じる赤字があるわけでございます。  それから、先ほど小林先生のおことばにもございましたように、国公立に均衡を保つようにということを考えておりますが、短期給付につきましては遺憾ながら付加給付が実現を見ておりません。付加給付が実現を見ておらないというのは、主として財源がないから付加給付をしたいけれどもできないというのが実情でございます。共済組合は、短期給付の対策委員会を内部に持ちまして短期給付の赤字の問題並びに待遇改善の問題を今後どうしていくかということを真剣に考えて、それを実行に移したいということで、委員会を近く発足させる予定になっておりますが、従来から私どもは他人にたよるわけにいかないからということで、昭和四十年に、従来六十であった掛け金率を千分の七十に引き上げました。それからまた当時八千円と七万五千円でありました標準給与を一万二千円から十一万円に引き上げたのでございます。そこで各都道府県ごとに職員が出張して会合等を持ち、組合員並びに学校法人の事務担当者と相談をいたしまして、短期給付の健全化をはかるような方法をとってまいりました。今回もまた標準給与の引き上げを最低一万八千円、最高十五万円にいたしましたのも、短期給付の面だけから申しますと、そういった財政効果をある程度考えたわけでございます。しかし、最近の現象を見てみますと、たしか読売新聞の四月十六日の記事に出ておったと思いますが、幼稚園に就学する数が漸次ふえてきておって、全国の小学校に上がる児童の七〇%から八〇%は幼稚園に行ってそれから小学校に上がる、こういうぐあいになっておるということで、全国的に幼稚園の数はどんどんふえていくというようなこともいわれておるわけであります。したがいまして、掛け金率はひとしくても、俸給が安ければ納められるであろう掛け金の額は少ないことは当然でございますが、そのしわ寄せを全部大学、短大に持ってくる、あるいは高等学校に持ってくるというのでは、なかなか皆さんの納得をいただくことができない。それが一つは未加入校の加盟が短期についてちゅうちょされる一つの原因でもある。こういう点から考えてみますと、今日他の、たとえば国民健康保険あるいは健康保険組合の中で赤字の相当出ているところ、そういうところには国の補助金が計上されておるわけです。特に国民健康保険のごときは給付費の百分の四十が国庫から負担をされております。国民健康保険と申しますのは、健康保険に入れない常時五人以下の事業所に働いておる方々を対象とし、また働いておらない方々も対象になっておるようでございますが、私学の中には常時五人以下の事業所を持っておる、こういう幼稚園なり学校が相当あるわけです。常時五人以下の職員しか持っておらないというところですから、もちろん経営はきわめて苦しい、生徒や児童は非常に少ない、こういう傾向でございますので、その常時五人以下の学校法人等に採用されておる、いま言ったとおりきわめて経営の困難な、しかも俸給がきわめて安い教職員の医療保障に要する費用を、国民健康保険並みに助成をしていただけないかということを実はこの二、三年来お願いをいたしておりますが、現在まだその実現を見ておらないところであります。  実は余談になってたいへん申しわけございませんが、私、共済組合連合会の理事もさせていただいておるのですが、各共済組合連合会におきましても、国の社会保障でありながら短期給付には何も国がめんどうを見てくれないのはおかしいじゃないかということをよく話が出ておるわけですが、私たちは、そういった共通の問題のほかに、切実な問題といたしまして、何とかしてせめて国公立学校に準ずるだけの付加給付を行ないたいというぐあいに考えて、私たち自身も対策委員会を持ちましていろいろな点について検討をして改善することを努力いたしますけれども、できればこういった点についてもぜひ御心配いただきたいということをお願いをしておるわけでございます。  それから、ただいま小林先生のおことばもございましたが、長期給付の問題につきましては各先生方からの力強いおことばもあり、大臣からもお答えがありましたが、私たちは百分の二十もらうのは当然であるというのは固く信じておるわけで、いただけないほうがおかしい。どうしておかしいかというと、創立のときには厚生年金と全く同じ百分の十の補助率をもらっておったのです。そして昭和二十九年に厚生年金が国の補助率が百分の十五に引き上げられた。翌三十年私学共済は百分の十五に引き上げた。それから全く十年間同じ補助率をもらっておった。それが三十九年に厚生年金が百分の二十に引き上げられたのに、四十年になってなお十六にとどまって、四年も五年も足踏みをしておるのです。これは私たちは本質的にどうしても納得のできない問題でありますから、何としてもこの悲願は達成したいということで、毎年毎年二十はどうしても通してもらいたいというお願いを続けておるわけでございます。  それからもう一つは、私学共済と国公共済とは、給付の面は国公共済に準じたように国公共済の給付の率と同じにしたいということで努力しておりますが、財源の問題は国公立の問題とは本質的に違っておる。どういう点が違っておるかと申しますと、これは言うまでもないことですが、国家公務員とか地方公務員、国立学校の先生や公立学校の先生に準用されておるのですが、そういう公務員の方々は本人の負担以外は全部公費が持っていらっしゃる。ところが、私学共済とか農林共済というものは本人と事業主が折半負担である。厚年、健保と全く同じです。厚年、健保も本人と事業主が折半負担である。あるいは農林共済も本人と事業主が折半負担である。こういうぐあいに財源のもとが全く違っている。それから整理資源という不足財源については国が補償をしておる。その補償が私学共済や農林共済にはないという点。それからさらに事務費その他につきましても、国から一部の補助はちょうだいしますけれども、われわれは掛け金率の中から事務費を出しておる。国家公務員の掛け金率の中にはこの財源は、事務費はたしかないと思います。こういう点では厚年、健保と同じなんです。ですから給付の面が国公共済に準じているから、だから補助も国公共済に準じろというのはちょっとおかしいと思うので、われわれとしてはやはり健保、厚年の特例法である以上、厚年が二十出したならばわれわれもやはり二十いただくのが当然であろう。  それからその次の理由は、先ほどの小林先生のおことばと全く同じでございまして、適用除外を受けておって抜けておる学校は国は百分の二十の補助をしておる。私学共済へ入った学校や教職員に対しては十六しか補助してくれない。これもおかしいと思うのです。将来やはり補助率は全部ひとしくした上で私学の共済組合に育てる。そのためにはこの問題もやはり片づけて同じ補助率にしていただいて入れるということをすることが必要ではないか、そういうぐあいに考えておるわけでございます。もちろん、これは今後の問題でございますけれども、共済組合の仕事を担当いたしております私たちといたしましては、ぜひ長期に対する国の補助率は、ほんとうになるべく早い機会に百分の二十を達成していただきたいということを念願をいたしております。  以上でございます。

小林信一日本社会党

○小林委員 もう私のそばに係が参りまして、時間がないからやめろというお話がございます。したがって、大臣や局長にこれ以上申しません。いまの清水さんの言われることがげにもっともであるというならば黙っていてよろしいが、いや多少問題があるというならば、大臣、局長から異議ありというところで御意見を承りたいですが、なければないでいいです。(坂田国務大臣「異議なし」と呼ぶ)  そこで、いま清水さんは、この累積赤字の大きな問題として薬価とか医療費、これが大きな赤字のもとであるというふうにおっしゃられましたが、組合で出しております「組合の概要」というのがありますね。これはおそらく組合員を引きつけるためのものですから、相当内容をうまく書いてあると思うのです。ところが、これを拝見いたしましても、ほんとうに病院のあり方あるいは病院に行って見てもらう人というようなところを拝見いたしましても、そんなに国公の方たちのように全く十分な施設があるわけではなし、したがって、自分たちの共済組合の力でもって医療保護を受けるというふうなことは十分なされておらぬと私は思うのですよ。そういう状態にもかかわらず赤字が出てくる。こういう点からすれば、いま清水さんのほうからお話があったように標準給与の上限、下限の引き上げをやったというお話があるのですが、全く私学共済組合の人たちは何かかわいそうなような気がするのです。  いま幼稚園の問題も出されましたが、私のところにも幼稚園の方たちから陳情に来ております。一万八千円に上げることは幼稚園の実情を知らないものである、せめて一万六千円程度にしてくれぬかという強い要望がある。その話を聞けば全く無理もない事情があるのですが、そういう給与の低い人たちにも大きな犠牲を与えながらやっている。これは大臣や局長よく聞いてもらって、異議がないようでありますので、今後十分考慮してもらいたいと思うのです。  清水さんのお話になかったのですが、すでにもう二人に一人が幼稚園を出ておる。しかもその二人に一人行く幼稚園の六五%が私立である。しかしその私立の経営というものは、私が申し上げるまでもない、なるべく大ぜいの先生を雇いたいけれどもなかなかそういかぬから、安い先生をなるべく少なくしてというふうな方法をとっても、なおかつ一万六千円というものがようやっとのところである。今回のような一万八千円に値上げされることは、幼稚園というものの経営に大きな支障を来たす。これはやはり一般父兄にも影響することでありまして、この点は考慮していただかなければならぬ点だと思います。  そこで御異議がないようでございますので、この「組合の概要」の内容を少しいまのような問題を取り上げてお聞きしてまいりたいと思うのです。  第一番にお聞きするのは、組合立の病院というのは下谷病院だけのように私は思いますが、これはできるならば全国を幾つかに分けて、各府県にということは無理かもしれませんけれども、そういうような施設をされることは、私はお考えになっておるところだと思うのですが、何かそういう点についての構想があったらこの際述べていただきたいと思うのです。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 病院につきましては、ただいまおことばのとおり東京に下谷病院、総合の病院でございますが、一カ所でございますけれども、これは健康保険の被保険者あるいは他の共済組合の組合員と同様に、全国の健康保険医は全部同じ立場で入院なり通院なり治療をしていただけるわけでございますので、そのことが著しく私立学校の教職員が国公立に比べて不利だということにはならないと思っております。  なお、近くもっとたくさん各県につくる予定があるかということでございますが、病院の創設ということはいろいろな問題がございますので、まだそういう具体的な計画を現在のところは持っておりません。  なお、医療の問題は、病気をしたときになおすという面と病気をしないようにあらかじめ早く注意するという面がございますので、各都道府県のそれぞれの診療機関と特殊契約を結びまして、胃の集団検診を毎年一回ずつ各府県ごとに五十人以上の希望者があるところへは、それぞれの県の車に出向いてもらって検診していただく。その費用はもちろん共済組合が負担する。それから短期人間ドック、一万二千円ほどかけますと三日間くらい入院して、非常に短い期間でございますが、健康診断を精密にやる短期人間ドックという制度がございますが、それは各自短期人間ドックの設備のある病院と契約いたしまして、そこで健康診断というか短期人間ドックの診断を受けた場合には、一人につき八千円の補助金を共済組合から出す、そういうような方法をとる。あるいはまた、最初の子供が生まれるときには、そのおかあさんに対して、生まれる前六カ月間は育児雑誌をお送りする、また保健剤等を無料で配付する。こういうような点についてもある程度努力をいたしまして、組合員の健康保持にはできる限りお役に立ちたいと考えております。  以上でございます。   〔委員長退席、西岡委員長代理着席〕

小林信一日本社会党

○小林委員 やはり宣伝的なところがたくさんあるように私は思います。これを見れば、短期人間ドックという項目がありますが、四十二年度わずか百二十人しかこれは使用されておらぬ。あるいは胃の集団検診一万一千百四十八人、こういうふうに書かれてありますけれども、はたしてこれが全国の各地域平均に出されておるかどうか、こういうことも私は詳しくお尋ねして、共済組合のこの福祉事業というものがまんべんなくあらゆる人たちに利用されるような状況でもってなされておるかどうか、そういう点はまだまだ問題があると思うのです。  次にお聞きしたいのは、貸し付けの問題ですが、これを見ますと、一般貸し付けは相当あるようですが、入学貸し付けとかあるいは結婚貸し付けとかいうところは四十二年度はわずかございますが、四十年、四十一年、こういう点は全然利用されておらぬという点は、こういう福祉事業に対する組合員の理解がまだ少ないのか、あるいはそういうところにまで手が回らないという事情かとも判断をされるわけですが、最近一般公務員の皆さんなんかに魅力がありますのは住宅貸し付けですね。昭和四十二年度は一千百七十二件ございます。しかし、その条件を見ますというと、必ずしも十分な条件ではない。こういうものは土地が現在のような状況で、なかなか給料生活者には買えない。まして住宅が建てられないというふうなことで困っておりますので、もっとこういう面で仕事をしようとすれば、先ほどお話がありましたように、その財源の問題を国が心配をしてくれるようにしなければいけない、こう思うわけでありますが、何かそういうことで御意見があったら承りたいと思います。  さらに先ほど事務費の問題を、国のほうからももらっておるが、それだけでは足りないというお話があったのですが、その事務の扱いですが、各府県の事務というものはどういうふうになさっておられるのですか。その点をひとつお願いしたいと思います。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 最初の問題でございますが、御指摘の入学貸し付けと結婚貸し付けというのは、実は制度を改正いたしまして四十二年度から実施いたしましたものですから、したがって、四十二年度はわりあいに少なかったわけですが、四十三年度は四十二年度に比べると倍程度にふえております。現在まだ決算前でございますので、お手元に資料を提出いたしてございません。それから住宅貸し付けは、昭和四十二年度はそこに報告してありますとおり千百七十二件、四十三年度千三百八十八件で、開始いたしましたのが三十六年からでございますが、累計いたしまして五千九百五十八件現在取り扱っております。金額にして約十七億二千万ほどの貸し付けをいたしております。これもこの前の法律改正のときに御指摘等ございまして、創設当初はわずかに五十万でございましたが、それを百万円に増額いたしましたが、本年度からばさらに二百万円まで増額をいたしました。それから私学助成の特別の貸し付け制度といたしまして、特殊住宅貸し付け、学校法人が学校の先生のために住宅を建てる場合には長期低利の相当の金額までお貸し申し上げ、個人としては建てないけれども、学校法人が教員住宅を建てる場合には相当多額な貸し付けを長期低利に融資申し上げる。その方法での貸し付け法人が延べで九十件ほど現在実施いたしております。金額にして約十一億程度の金を出しておるわけでございます。これらを合計いたしまして、貸し付け金の取り扱い件数は、延べでございますが累計一万五千三百件で、金額にして約三十三億程度を現在利用していただいております。  次は事務費でありますが、これは共済組合が発足をいたしましてから長いこと共済組合の事務は東京本部一カ所でいたしておりましたが、何かと不便がございますので、創設四、五年目と思いますが、各都道府県に一応事務の委託をいたしたけれども、これは決してこまかい事務の委託をしたのではなくて、大きなものについてお世話を願ったという程度でございまして、繁忙期と申しますと何ですが、共済組合の仕事の中で一番忙しい時期は三月、四月に教員がやめて、新しくおつとめになります。そこで資格の喪失、取得あるいは年金、そういう計算事務が非常に多忙で、これを繁忙期といっておりますが、この繁忙期のときだけは北海道、それから愛知、関西の大阪、兵庫、京都、あるいは広島、福岡というような主要都市には職員がグループをつくりまして現地に出張いたしまして、臨時出張所という名前のもとに、そこでそういう繁忙期だけは事務をとらしていただくという方法をして、その不備を補うような努力をいたしております。それから一昨年から大阪に大阪出張所を設けまして、そして大阪を中心として近畿二府四県については常時出張員を置きましてさような努力をいたしております。  なお、北海道は遠隔の地でございますので、札幌に会館がございますので、会館で実際の事務はとっておりますが、やはり本部の職員が相当行っておりますので、いろいろな相談と申しますか、事務指導と申しますか、そういう便宜をはかるようにいたしておるようなわけでございます。たとえば一年に三回程度巡回指導と申しまして各都道府県に職員が参りますが、いろいろ御相談申し上げたり、折衝をしておる。こんなふうなことで全国に一カ所で行なっている欠点をできる限り補うようなくふうをいたしております。  以上でございます。   〔西岡委員長代理退席、委員長着席〕

小林信一日本社会党

○小林委員 ある時期にはやむを得ないかもしれませんが、もうすでに十年たっておるわけでございまして、各府県に事務所を設けられるというふうな事務取り扱いがなされなければ、この組合の利用とかあるいは目的とかいうふうなものが一般組合員に徹底しないわけでございます。ただ徹底しないだけでなく、これからこの人事の問題についてもお聞きしたいのですが、どうしても中央独善的なものになって、地方の一般組合員の理解、協力というようなものがなされない弊害が生まれてくるのではないかと思うわけです。とにかくこの組合の活動、これを利用する、そういうふうな面からしましても、各府県に事務を取り扱うところが独自で持たれるような努力をこの際すべきだと思うのです。先ほどそういう意味で事務費の問題を清水さんがお述べになられたのですが、そこに一番問題があるのではないか、こう思ったのです。  それから中央に偏するとか、あるいは中央の人たちの独善的な運営になる、これは非常に問題だと思うのですが、そういうことがあるかないか私は知りませんが、いままでのこの附帯決議の中にも、役員の中にこの組合を構成する各層から代表を出すべきである、特に教職員の立場を述べるような機会が与えられるべきであるというふうなことがいつか出されておりますが、そういう点が十分に考慮されておるかどうかお伺いをいたします。  私の印象では、役員と称するような人たちはずいぶん昔からの人たちが多い。昔からの人たちが必ずしも悪いというわけではないのですが、新しい人たちがどんどん抜てきされるようにすべきじゃないか。それから運営審議会等に組合員の代表というふうなものが入っていなければならないのだが、入っているかどうか、その点をお聞きいたします。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 たいへんおそれ入りますが、役員と運営審議会委員の任命委嘱のほうは文部大臣のほうでおやりになっていただいておりますので、私ではなくて文部省のほうへお尋ねいただければよろしいかと思いますが。

小林信一日本社会党

○小林委員 そういう者が入っているかどうかをあなたから聞きたいのです。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 それでは私の存じ上げている範囲におきまして申し上げますと、役員の中には地方の方で役員になっている方、あるいは現在の役員で申しますと、近畿地方からは武庫川学院の公江喜市郎先生、それから愛知県からは愛知県の希望幼稚園の大河内四郎先生、それから神奈川県から京浜女子大学の松本生太先生、あとは大体在京の方でございますが、役員の構成はそういった学校の代表という意味ではなくて、広い意味の学識経験だと思います。しかし、非常勤の役員の方は私立学校関係の方がほとんどでございまして、それ以外の方といたしましては理事の磯田先生、この方は中小企業金融公庫の副総裁で、金融方面についてのベテランでいろいろ御指導をちょうだいいたしております。それから監事の須賀先生は、これは教員の方でありまして、平教員でありまして、教員の代表が監事に御就任になっております。  それから運営審議会委員は全部で二十一名でございますが、これは学校法人を代表する方が七名、それから教職員を代表する方が七名、それから学識経験を代表する方が七名ということになっております。  ただいま小林先生のおことばの、非常に長い任期の人があるのではないかというのは、多分武見太郎先生のことではないかと思いますが、武見太郎先生は日本医師会の会長でありまして、実は医療制度やその他のことについて、医師会の会長さんが運営審議会委員に学識経験者としてお入りいただくことは、共済組合のためにはいろいろ便利というとおこられるかもしれませんが、便利であるというようなことで御就任いただきまして、その後ずっと武見先生が医師会の会長を歴任していらっしゃるものですから、そのまま御留任になっておられる。そのほかの役員の方々並びに運営審議会委員の方々は三期前後でそれぞれ交代をされるようなことになっておるように伺っております。  以上です。

小林信一日本社会党

○小林委員 終わります。  最初申しましたように、総務部長さんに来ていただいたということは、いままで非常にこのことで御苦労なさっておられて、堅実な運営の中で今日を築き上げたその御苦労を知っておりますので、もっともっと率直な御意見が願えて、大いに文部大臣を啓蒙していただけると思ってお願いをしたわけですが、まあ多少啓蒙されたような顔つきを大臣もしておるから、私は満足ですが、しかし清水さんに私は申し上げます。いま新聞を私読み上げたのですが、こういうものをただ中央だけでもって仕事をなさっておられるのではなくて、各府県には事務を取り扱うところがないのですけれども、あなたが率先をして全国を行脚されて、そうしてこの組合の理解、啓蒙に御努力をなさった、それが今日大きな成果をあげております。とかく怠慢な文部省でございますが、それに引きずられて何とかかんとかしておるような、私はそれが実態だと思うのです。したがって、清水さんがいる間、私は安心をするものがあるのですが、しかし、やはり土台をもっとしっかりするために、いまのような基本的な国の対策を強く要求すると同時に、各府県に散在をします組合員がもっと理解をし、これを利用するというふうな問題からいたしましても、役員等の選出は名県に、各地域にわたるよう、各層にわたるよう、そうして各府県に少なくとも、どんなに小さくても事務所を設置する、そうして事務の取り扱いを的確にするよう私は希望してやまないものでございます。  たいへんありがとうございました、(拍手)

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 岡沢完治君。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 ただいまの専門家的な小林委員の御質問と清水総務部長の問答を聞いておりますと、きょうまでのこの私学共済関係の査閲の総仕上げになったようで、特に問題点と思われる未加入校の問題とか、長期給付についての国庫の補助率を百分の十六から二十に上げる問題等、大きな問題にすでにお触れになりました。まあ落穂拾いの気持ちで若干民社党の立場から質問さしていただきたいと思います。すべて清水部長という意味じゃなしに、政府のほうにも聞かしていただきます。  最初に、私学共済に対する昭和四十四年度の予算措置はどういうようになっておりますか、政府のほうから答弁を願います。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 四十四年度の予算でございますが、合計いたしまして四億六千七百三十二万三千円の予算を計上いたしております。その内訳といたしましては、長期給付事業に対しまして四億七百三十四万四千円でございまして、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、給付費の補助が三億五千万円、それから財源調整として五千万円、そのほかにこのたびの法律の改正の分で政府が補助する百分の十六に見合う分が六百六十四万五千円というふうになっております。さらに事務費の補助といたしまして、これは全体の約二〇%程度でございますけれども、五千九百九十七万九千円、約六千万の補助をいたしております。  以上が四十四年度の予算におきます私学共済に対する補助でございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 次に、けさの川村委員の御質問にもあったわけでございますけれども、長期経理の資産資料によりますと、四十二年度の積み立て金の総額は三百億をこえております。また四十二年度の長期経理の収支も六十一億以上の利益を出しておるようでありますが、この長期経理資産の運用状況についてわかっておる範囲の説明を願いたいと思います。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 長期経理の資金は、言うまでもなくおやめになったあとの組合員の方々の老後の生活を保障するというお金でございますので、相当長い期間を見積もりまして、先ほど川村先生との話のときにも出てまいりましたが、責任準備金制度をとっております。その責任準備金は、組合の経理規程によりまして運用の内容が決定されております。具体的に申しますと、どんな場合でも組合員から請求のあったときに、いや、それを定期に入っておりますからということでなしに、必ず給付に必要な金額の何倍かは現金で――現金といっても普通の銀行ですが、そういう預貯金で持っていなければならない。その金額が二割の範囲である。残りの八割についてはこういうぐあいに運用をしろというこまかい経理規程がございまして、内容は一々申しませんが、確実な間違いのない運用方法が指示されております。そうしました責任準備金の運用は、大体先ほど申しました短期の運用というのが普通預金、定期預金と普通の貯金でございます。それから、ともかくそういった長い期間お預かり申し上げて将来を保障する問題でございますから、一方において効率運用と申しますか、できるだけ確実な中で利益をあげなければならない、こういう運用が必要になってまいります。これは大体金銭信託、有価証券信託、投資信託、貸付信託、地方債、社債というようなこういった方面で非常に確実なものであるというものを行なっております。  それから、次は不動産でございますが、不動産も一定の割合がございまして、無制限なことはやっておりません。ただ、私どもの役員会の意向といたしましては、しろうとの商法で不動産など売買やってみたところで、うまくいけばいいが、いかないときにはたいへんなことになる。だからできるだけ不動産は将来福祉施設でもつくるとかいうような必要がある場合に、それを中心に求めるようにして、売買のための不動産投資は気をつけたほうがいいだろうというようなことで、不動産投資はそれほど活発にいたしておりませんが、ある程度不動産投資をいたしております。  次は、自分たちの行なう仕事に対する運用をいたしております。たとえば短期給付がいっとき足りないときに、利息を払いますけれども、ともかく一時借りて短期給付の金を支払う。あるいは先ほど申しました病院をつくるとか宿泊所、会館をつくる場合に、一時お金を借りてそれを長期にわたって返済をする、こういうような組合の行なう事業に対する貸し付けに運用をされております。  次は、私学教育振興上必要と認める貸し付けで、特に文部大臣の御承認を得た場合には、そういう貸し付けに充ててもいいということになっておりますが、これは具体的に申し上げますと、私立学校振興会に対する融資でございます。私どものほうでお預かりしておる金の、具体的に申しますと増加資産の三割程度は、文部大臣の御承認をいただきまして振興会に貸し付けて、これが振興会からさらに各私立学校に再貸し付けされる、こういうようなことでございます。  これらを含めまして大体全保有資産、先ほどおことばにございましたように昨年度末で約二百八十億、本年度末では三百数十億になるわけでございますが、その全保有資産の利回りが四十二年度は六分八厘程度でございます。それから、私たちが純然として運用できるものの平均利回りは七分六厘程度に回っております。ことしは、まだいま決算が近く行なわれますが、確実な報告がまいっておりませんが、ごくわずかでございますが去年よりもやや有利な利回りになったのではないかというようなぐあいに考えております。  以上のような運用をいたしております。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 私の聞いた範囲では、非常に堅実にしかも有効に御活用されておるようでけっこうでございますけれども、これは当然省令による制限もあるわけでございまして、その範囲内で最も効率的な運用を期待いたしたいと思います。  次に、いま小林委員との問答でだいぶ明らかにはなりましたけれども、私学共済が行なっておられます組合員に対する福利厚生の中味ですね。十五年の経験を経られて、質の面でも横の幅の面でもかなり充実したものをやっておられるようでありますけれども、小林委員との問答に触れられなかった点で特に特徴的なもの等がございましたら、御協力の成果を披露していただくという意味で明らかにしていただきたいと思うのです。

清水辛私立学校教職員共済組合総務部長

○清水参考人 特に特色のあるものは別にございませんけれども、短期人間ドックと申しますのは、先ほど小林先生の御質問にもございましたが、御本人が病院へ行って希望して受けた場合の事後補助金なものですから、どうも人数、金額がそれほどあがっておりませんが、胃の集団検診は、大体四十二年度はそこにございますように一万一千人程度、それから四十三年度も一万三千人程度がこれを行なっております。これはわりあいに人数が少ないのは、胃の集団検診というのは、胃ガンじゃないかという心配があるものですから大体四十歳以上の高齢の方が多いものですから、若い方があまり受けないのでそれほどの人数ではございませんが、各都道府県ごとにこれをいたしております。  それから貸し付けといたしましては、他の共済組合と同様な一般貸し付け、それからお子さんやごきょうだいの方が入学するときに必要があればという入学貸し付け、それから本人が結婚する場合あるいは子供が結婚するときの結婚貸し付け、それから先ほど小林先生の御指摘のありました住宅貸し付け、それから災害の場合の災害貸し付け、私学共済の特色のあるのはその次に、現在まだそうたくさんの数ではございませんが、特殊住宅貸し付けと申しまして、学校法人が先生方のために教員住宅をつくる場合、そういう場合にはこういうようなものを、ときには大体ほとんどの費用をお貸しするというような方法をとっております。  それからあとは保健施設でございますが、これは他の共済組合と同様に山の家あるいは海の家あるいは指定旅館へ泊った場合の補助金、それから病院としては下谷病院。それから宿泊所は北海道、それから東北地方では松島、関東では湯河原あるいは箱根、京都、別府、兵庫の有馬、四国の道後、それから北陸の加賀市というような、全国十五カ所程度の保健施設を持って組合員の利用に供しております。東京には湯島会館という会館を持っております。  以上でございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 政府にお尋ねいたします。  この国会には、この法案と同じ性質の農林共済の法案が出されておるわけでございますが、農林共済と中味がどこか違うところがあるのかどうか、お尋ねいたします。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 先ほど来お話が出ておりますように、私学共済といま一番密接な関係のあるものは農林共済でございまして、このたび農林共済におきましても既裁定年金の引き上げ、旧法期間にかかる給付の改善、それから最低保障額の引き上げ、模準給与の引き上げ、いずれもこのたび私どもの法案の中に盛られておりますようなことの改正を試みております。それから先ほど来お話がございますように、国庫の補助率の百分の十六を二十に引き上げるというふうな点につきましても、いつも農林共済と一緒になりまして問題に供されておるような次第でございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 厚生年金保険法の改正に伴う最低保障額の引き上げの措置、この点についてお尋ねいたします。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 このたびの国会に厚生年金保険法の改正が行なわれておりますが、それが国公共済のほうに反映をいたしまして、それがまた私立学校共済のほうに反映されるというふうな形になっております。最低保障の引き上げ等法律が制定されますと、それにならうわけでございます。具体的に申し上げますと、退職年金につきましては一応今度の法律で九万六千円というふうな最低保障をお願いしておるわけでございますけれども、それが十三万五千六百円に引き上げられるわけでございます。それから廃疾年金につきましては、一級が十六万五千六百円、二級が十三万五千六百円、三級が九万六千円。さらに遺族年金につきましては、最低が十万五千六百円に引き上げられるというふうな改正が行なわれました場合には、当然私学共済におきましても同じような改正が行なわれるわけでございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 最後にこれは文部大臣にお尋ねいたします。  この法案に関連した最初の質問で、各委員から御質問になった点ではありますけれども、この際私学振興について文部大臣としての抱負経綸を、大学紛争とも結びつけながら伺いたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 非常に大きい問題でございますけれども、しかし今日、教育関係におきまして私立学校の占めております数量並びにその影響、あるいは効果、功績というものは非常に大きいわけでございます。これに対しまして、特に大学に関しましてはあまりにも国の支出というものが私学に及んでいないということについては、根本的にこの辺で考え直してみなければいけないのじゃないかというふうに思っております。また同時に、単に大学ばかりではございません。高等学校の段階におきましても、あるいは中学校の段階におきましても、あるいは幼稚園等におきましても、私学の占める位置というものは大きいわけでございまして、この点につきまして、私は、やはり国公私立を通じた一つの教育をどうするかというとらえ方をしなければいかぬのじゃないか。特に大学に関してその感を深くするわけでございまして、この点についてやはり私学に対する助成の道を大幅に進めてまいらなければならないという決心をいたしておるところでございます。  ただ、それをどういうぐあいにしてやるかというその方法等につきましては、いま中教審でも検討いたしておるところでございますし、また、われわれといたしましても検討をいたしておるところでございまして、また十分皆さま方の御意見等もお聞きし、あるいはまた私学側の御要望の点等も踏まえまして考えていかなければならない。しかしながら、とにかくこの辺で私学振興というものについて、幼稚園から大学までについて抜本的な改善をはからなければならないということだけは申し上げられることだと考えておるわけでございます。

岡沢完治民主社会党

○岡沢委員 清水参考人、ありがとうございました。  質問を終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 参考人には、御多用中のところ御出席いただきまして、ありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 私は、大体簡単に三つぐらいの点をお尋ねすることにとどめたいと思いますが、最初に、社会保障制度審議会の報告でございますけれども、この報告について、文部省側としてはどのようにこれを受けていらっしゃるのか、その御感想を伺いたいと思います。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 本年の二月十二日付けで、この法案に対しまして社会保障制度審議会の意見を求めておりますが、それに対しまして、二月十四日付で御意見がございました。  第一点は、旧法期間にかかる給付額の改善につきましては、最終三年の平均標準給与の額に新法の給付率を乗ずるほうが簡明ではないかというふうな御意見がございました。これは年金の計算上の問題でございますが、旧法期間につきましては、三年の平均給与に、一年につきまして六十分の一を掛けるというふうな方法をとっておりますが、新法期間につきましては、三年平均に百分の二をかける、つまり五十分の一を掛けるということでございます。ところが、先ほど来御説明申し上げておりますように、旧法期間につきましては、最終の俸給をとらないで三年間の平均をとるという不利を是正いたしますために、先ほど申し上げましたように一・一七倍いたすわけでございます。つまり約一・二倍するわけでございます。したがいまして、三年の平均を一・二倍しまして六十分の一を掛けても、三年の平均に五十分の一を掛けても、結果としては同じではないかというふうな計算上の問題でございますので、これがもし政令で定める率が一・二でございましたらまさにそのとおりでございますけれども、ただいまのところ一・一七というふうな数字をとっておりまして、そういうふうに計算の方法を簡便にするということは問題がございますために、この点は採用をいたしておらないわけでございます。  それから二番目は、最終俸給額と平均標準給与の額の格差を是正するために、倍率を政令にゆだねることにしたことには問題があるのじゃないかということでございます。これは先ほど来川村先生へのお答えの中にも申し上げたわけでございますが、理論的に申しますと、毎年これが変わる可能性があるわけでございます。毎年政令でもってこれを変えていくのがいいかどうか、この問題は別でございますけれども、理論的に申しますと、政令で毎年変わる可能性があるということで、これは特に法律で一定の率を規定しないで、政令でもって弾力的に定めたほうがよろしいのではないかという意味から、これは政令にゆだねたわけでございます。  最後は、整理資源の負担関係について明確な制度を確立すべきではないか。その意味は、このたびの改正等によりまして新しい財源が必要になるわけでございますが、その財源はできるだけ国のほうで負担すべきじゃないかというふうな御趣旨にとれるわけでございますけれども、この問題は予算の問題、それからほかの共済組合とのいろいろな関係もございまして、今後の課題といたしましてさらに検討する必要があるというふうに考えております。  以上の三点につきまして御意見をいただいたわけでございますけれども、いま申し上げましたような状態で、法案としては一応現在の内容のような法案を提出するようになった次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 いま三つの点をあげられましたけれども、最初に、「今日とりあげることは時期的に適当とはいい難い。」そういうような一項目がございますね。この点についてはどういうふうに思っていらっしゃいますか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 ほかの共済制度につきましては、国家公務員との関係等におきまして、毎年少しずつ改定をするというふうな方法をとっておりましたが、私学共済のほうは、このたび一挙に改正をいたしまして、そうして給付内容を国立あるいは公立の教職員と同じようなところまで引き上げるというふうな措置をとったわけでございます。いままでそういうふうにこまかく是正の措置をとらないで、この際一挙にやるというのは、過去において怠慢であったのじゃないかというふうな御指摘じゃないかと思います。それはそのとおりでございますけれども、このたび是正がされるわけでございまして、その点の問題は一応解消するのじゃないかというふうに考える次第であります。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、時期的には適当ではないと言われるけれども、適当である、そういうふうに言われるわけですね。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 いままでこまかい改正をやらなかったのは不適当であるという点は認めざるを得ないところでございますが、このたびの改正につきましては、別段不適当なところはないというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 これは大ざっぱな言い方ですけれども、もう少し簡明にできないものかどうかということです。そういった提案がされているわけでございますけれども、それについては、いま事務的な話は伺いましたけれども、そういう方向に努力していったほうがいいのじゃないかと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 その点は私どもも、いきなりこういうふうな制度に取り組みますと、全くどうしてもっと簡単にならないのだろうかというふうな気がいたすわけでございますけれども、恩給とかこういう共済制度とか申しますのは、過去からのいろいろな積み上げがございまして、いろいろな経歴を持った方々のいろいろな時点での新しい制度ができるというふうなことで、そういう権利の積み上げ――家で申しますと、あっちこっちいろいろ建て増しをしていったような制度でございまして、その上に新しい制度をつくります場合にも、全然根っこから新しいものにしていくということがなかなかむずかしいような実情がございます。先ほども御指摘がございまして、これは法案をつくる者の頭がおかしいのじゃないかというふうなことも言われましたが、その点は私どもも簡単になれば一番ありがたいわけでございますが、どうもそういうふうにまいらないで、いままでこういうふうに過ごしておるわけでございますが、さらに総理府等におきましても、年金のスライド制その他根本的なことを考えておるようでございます。そういう際に、こういう問題につきましてもできるだけ簡素化するという方向で取り組んでいくべきじゃないかというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 文部大臣に伺いますけれども、共済制度だけを取り出してやってみると、これはそういうふうになってしまいますが、総合的にこうした年金制度、健保の問題、こうしたも甘のをもっと合理化するというようなことを、閣僚の一人としてお考えにならないかどうか、伺いたい。

坂田道太自由民主党文部大臣

○坂田国務大臣 こういう年金、共済あるいはまた政府でやっております問題についてもう少し合理的に、そしてまた国民の方々が見てもすぐわかるということは、やはりだんだん世の中が進んでまいりまするならば大いに考えていかなければならぬ課題だと実は思っておるわけでございます。たとえば予算制度にいたしましても実はなかなかわかりにくい――わかりにくいようにつくってあると極端に言うならばいわれるような向きもあるわけでございまして、この点につきましては、政府としましてもPPBSといういわゆるコンピューターで予算というものを処理できないだろうかということを去年ぐらいから考え出しまして、大体大蔵省が中心となりまして各省にそういう働きかけをしておるわけであります。また、おそらく今年度もアメリカあたりにも各省から若干の人たちを選び出しまして研究をいたさせておるような状況でございまして、今後はやはりそういったものの導入ということが現実の問題として出てきておるということでございます。でございますけれども、御審議をわずらわしておりまするこの共済組合の問題につきましては、ただいま局長から御答弁申し上げましたように、過去のいろいろの経歴あるいは事情等を背負った人たちの権利をどうやって守っていくかということでございまするので、やはりその積み上げというようなことを考えますると、急には簡単に割り切れないのじゃないかというふうに思います。しかし、そういうようなことも合理的な方向へ行かなければならない、またわれわれもそれに関心を持ち、理解を持ち、またその方向への積み上げもやっていかなければならぬということは当然なことだと考えて、有島委員の御指摘の点については傾聴すべきことであるというふうに十分心得まして、今後とも調査、検討をいたしたいと思っている次第であります。

有島重武公明党

○有島委員 健保も抜本改正ということでずいぶん問題になっているわけでございますし、ちょっと話が飛躍しますけれども、大学紛争というのも、一つの見方ですけれども、時代の流れに即応しかねた大学の姿というかたさがあると思います。ですから、こういうものを見るにつけても、もっと柔軟に現代というものに対応できる体制というものをどんどん先に考えていくということですが、これはしようがない、それほどよくはないかもしれないけれども、しかたがないんだ、そういった点もあるでしょうけれども、それと並行してと申しますか、それと先行した施策をどこかで考えていかなければならない、そういうふうに思うわけです。  これはたびたび問題に出ましたけれども、もう一ぺん確認しておきたいのですけれども、早稲田、慶応、そのほか三十六大学が私学共済に入っておらない。どうして入っていないのかということです。その理由といいますか、それをもう一ぺん確認しておきたい。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 これは一応私学共済が発足いたしましたとき、組合の設立の趣旨にかんがみまして全私学の強制加入ということを原則にした次第であります。しかしながら、法律制定以前にすでに健康保険あるいは厚生年金保険に加入していた私立学校につきましては、その学校の教職員の既得権とか期待権を尊重するという立場から、法制定当時において当該教職員の半数以上の同意を得た学校法人が文部大臣に申請した場合には私立学校共済組合法の適用を除外する、そういう特例が認められたわけでありまして、先ほど来申し上げておりますように、百十九校二万五千人の教員がこれからはずれておるというような状態でございます。  この問題につきましては、もちろん私学共済の立場といたしましてはぜひ加入をしてもらいたいということでございますけれども、現実の問題といたしましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、これは直接の組合員の利害にかかわる問題でございまして、こういう制度のほうが組合員にとって有利であるという場合には、これは利害問題でございますから、筋だけでどうするという問題にはならないわけでございます。そこで、これは加入をするというふうな場合にはそれ相応のきっかけというものが必要ではないかということでございまして、たとえば先ほど大臣から申されましたように、私学について大幅な助成の検討その他根本的な対策が必要とされておりますときに、そういうものと関連いたしましてこういう問題を改善するという方向をとらない限り、なかなかむずかしい問題ではないかというような気もいたしておるわけでございます。しかしながら、別に国の補助の増額あるいは給付内容の改善というふうな、現在の体制でもなし得るような努力もあるわけでございまして、それらにつきましては一そう努力を払いたいということを申し上げておきたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 どうも、これも少し乱暴な言い方かもしれませんけれども、どうして入らないのかというのが利害にからまる問題であるということは、私学共済のほうが損だ、いままでどおりなのが得なのだ、そういうことになると思うのであります。一体どの点が一番損になるのか、どういうふうに認識されておるのか、その点をお答えいただきたいと思います。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 ただいま御指摘をいただきました早稲田とか慶応の場合には、早稲田だけあるいは慶応だけで見ますと、教職員の給与がかなりいいわけでございます。これは比較の問題でございますが、幼稚園、高等学校等と比べましてそちらのほうが給与がいいわけでございます。それからまた早稲田、慶応あたりですと、退職時の、つまり停年でございますか、退職する年齢というのがかなり高いわけでございます。そういう関係から見ますと、長期給付につきましては比較的年齢の高い方でないとそういうふうな給付の対象にならない。あるいは短期給付につきましては、病気になる率というものは大体だれでも一応同じだというふうに考えますと、給与が高ければ高いほど、掛け金が少なくて必要な給付に応じられるわけでございます。そういう意味から申しますと、具体的に短期給付のほうは掛け金が安くて済む。長期給付につきましても、退職時の年齢が高いわけでございますから同様な事情があるわけでございまして、そういう点から申しまして総合的に組合員は現在のほうが有利であるということではないかと思います。

有島重武公明党

○有島委員 先ほどこれも話に出ておりますけれども、掛け金の率でございますけれども、これを法律でもってきめないで、弾力を持たせた政令でもってやるのだということでございます。法律でやっても何%から何%までという一つの上限、下限でもってきめておるのだと思うのでありますが、そこに弾力性を持たせてやっておると思うのでありますが、さっきの弾力性を持たせるためにこれを政令でやっておるというのはちょっと承服しかねる。それはかえって場合に応じては野方図にこれを上のほうを伸ばしていくことができるという可能性を残して不安を与えるということにならないでしょうか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 現在掛け金の率は、これは定款で定めることになっておりまして、法律上の制限その他はないわけでございます、しかし、実際に掛け金を上げるとかいう問題になりますと、これは組合員の方々あるいは学校法人の方々に非常に影響があるわけでございまして、これはもちろん、内部的に申しますと、運営審議会とかあるいは理事会でもって十分慎重に検討してからこれをきめるというふうな方法をとるわけでございます。先ほど申し上げました政令の問題は、これはいまの掛け金の問題とはちょっと別でございまして、これは旧法期間で、最終俸給をとらないで過去三カ年の平均給与をとる場合に、最終俸給をとった場合との格差があるわけでございます。これを是正するためにその率を政令で定める。これは毎年理論的には変わるものでございますから、法律で定めないで政令で定めるというようなことを申し上げたつもりでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それにしても、厚生年金の場合には、これは率はきまっているわけですね。私学共済の場合にはそれをきめていない。法律できめないほうがどうしてもいいのだという確たる理由があるのですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 厚生年金の場合には、御指摘のように法律できめているようでございます。厚生年金の場合と、それから私学共済その他の共済制度との関係では、若干違った点がございまして、特に厚生年金のほうは社会保障的な色彩が非常に強いわけでございます。一方、共済制度の一般につきましては、これは相互扶助的な面がかなりあるわけでございます。そういう意味で、ほかの共済制度におきましても、掛け金は定款で定めるというふうな方式をとっておりますので、それにならっておるわけでございますが、その点、御注意いただきますと、そういう問題もあるかということでございます。この点は、ほかの共済制度との関連もございますので、こちらだけというわけにはもちろんまいらないわけでございますが、その点については、今後検討すると申しますか、研究してまいりたいという考えでございます。

有島重武公明党

○有島委員 その点は、ぜひもう一ぺん検討していただきたいと思います。  それから、短期給付のほうでもってかなり赤字があるのだ、それでその赤字を埋めるために掛け金をたくさん取ったほうがいいということは、これはだれでも考えるわけでございまして、それと関連して、その最低限を一躍一万八千円ですかに上げたのじゃないか、そういうふうに考えたくなりますが、その点ばどうですか。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 標準給与の引き上げが、特に短期給付につきまして影響があるということは、これは否定できないわけでございますが、私どもが考えました場合には、両方関連づけて考えたわけではもちろんございません。特に標準給与の額を引き上げる場合に、上限を引き上げた場合と下限を引き上げた場合がございますが、下限を引き上げた場合の財源と上限を引き上げた場合の財源を比べますと、大体下限を引き上げた場合の財源は、上限を引き上げた場合の三分の一程度でございます。金額としてはわずかなものでございます。それよりは、むしろ標準給与を引き上げましたのは、これはある意味では低い給与を引き上げるというようなことにも役に立つ。それから、先ほど申し上げましたように、短期給付につきましては相互扶助的な考え方がかなりございまして、実際に掛け金を払いますのは、低いものでございますと、一万八千円といたしまして年額七千五百円程度である。それに対しまして、受けます給付が三万円近くというようなことでございます。その差額の分は、これは給与の高い人が払っているというふうな関係になるわけであります。そういう意味から申しまして、相互扶助的な要素がかなりございますので、給与の低い者と高い者とのバランスというものをある程度考えていかなければならないのではないかということでございます。いままで何回か標準給与の引き上げをやっておりますけれども、先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、たとえば幼稚園の平均給与は、三十九年と四十三年を比較いたしますと、五割以上上がっております。そういう点も考えまして、また現在高等学校卒業でも三万円近くの給与が払われているというようなことがいわれておりますように、そういうものとの関連を考えまして、一万二千円を一万八千円に引き上げるということは、多少問題はございましても、妥当ではないかというふうに考えたわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 こまかい数字の点はここでは避けますが、国鉄運賃の場合なんかでも、非常な赤字がある。それを低所得者のほうに押しつけて解消していくというようなものの考え方といいますか、そういうことがもし万一あれば、これはゆゆしい問題だと思いますので、そういったことが絶対にないようにお取り計らいをしてもらいたい、そういった点をもう一ぺん御検討いただきたいと思います。

岩間英太郎文部省管理局長

○岩間政府委員 ただいま御指摘になりましたところは、私どもが一番心配して、法律案を作成いたします場合に一番気をつけて、いろいろ検討した点でございまして、そういうことのないようにできるだけやったつもりでございます。  ちょっと話が横道にそれて恐縮でございますが、二万円以下の給与をもらっているという人は、比較的特殊な人が多いのではないかというような感じもするわけでございます。つまり、おそらく独身の方で、小さな幼稚園でございますと、家族の方がやっておられるという場合、それから実際の生活は困らないけれども、何か有益な仕事をやりたいという点で、給与は安いけれども、幼稚園の仕事をするというような場合などもあろうかと思います。現在、一万八千円以上の対象人員が、四十三年度で一万三千三百人程度ございますが、これは毎年五千人くらいずつ減っていくというような点もございまして、実際にそれだけ給与は引き上がるわけでございます。そういう点を考えて、実際に四十四年度にやります場合には、かなり人数も減ってくるのではないかという点も考えたわけでございます。いろいろ事情を考えまして、一番気をつけて考えたつもりでございます。  なお、所得が低いから貧乏であるかどうかというのは、これはまたちょっと議論の分かれる点でございまして、実際には三万五千円あるいは四万円くらい取っておって、家族が何人かおられるというところが一番苦しいのではないか。むしろ、独身で一万八千円なり二万円を自分で自由に使えるというところは、かえって貧乏という点からいうと、貧乏でないのではないかというふうなことも考えておりますが、これはちょっと蛇足でございますので、お聞き流しを願いたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 以上で終わります。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長 他に御質疑はありませんか。――なければ本案についての質疑はこれにて終了いたしました。  次回は、明後二十日金曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十九分散会

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