文教委員会 第14号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/04/25
会議録
○大坪委員長 これより会議を開きます。 著作権法案及び著作権法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。 ————————————— 著作権法案 著作権法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○大坪委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。坂田文部大臣。
○坂田国務大臣 今回政府から提出いたしました著作権法案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 この法案は、明治三十二年に制定された著作権法の全部を改正するものであります。現行法は、制定以来数回の改正を経て現在に至っておりますが、その基本的な体系は制定当時のままであり、今日の複写、録音等の複製手段並びに出版、放送等の伝達手段の目ざましい発達普及に照らし、著作者の権利の保護に欠け、あるいは著作権の制限規定が実情に適しないなど不備な点が種々指摘されるに至っております。 一方、著作権の国際的保護条約であるベルヌ条約は、第二次大戦後一九四八年にブラッセルで、また一昨年七月ストックホルムで改正されており、また、一九六一年には、実演家、レコード製作者及び放送事業者の国際的保護を目的としたいわゆる隣接権条約が成立いたしました。このような国際的事情を背景に、欧州諸国においては戦後次々に国内法の全面改正を行ない、近代的な著作権制度が整備されるに至っております。しかるに、わが国の現行制度は、一九二八年にローマで改正されたベルヌ条約の基準にとどまり、国際的にも立ちおくれたものといわざるを得ないのであります。 このような事情にかんがみ、政府は、現行制度を抜本的に改善する方針のもとに、昭和三十七年文部省に著作権制度審議会を設け、制度改正についての諮問をいたしましたが、同審議会は、四年間にわたる慎重審議の結果、昭和四十一年四月に答申を行なったのであります。政府は、この答申に基づきこのたびの成案を得たのでありますが、この間試案を公表して権利者、使用者その他関係者の意見の聴取を行なう等慎重を期してまいりました。 なお、昭和三十七年以降の改正作業中に保護期間の経過により、その権利が消滅する著作権者を救済するため、三回にわたり保護期間の暫定延長の措置が講ぜられましたことは、御承知のとおりであります。 以上の経過によって明らかでありますように、この法案の趣旨とするところは、最近における著作権保護の国際的水準にのっとり、著作権等の権利の保護を厚くするとともに、著作物等の公正な利用に留意して著作権等についての妥当な制限規定を整備し、もって文化の発展に寄与することであります。 すなわち、著作者の権利の保護を厚くするため、その権利を著作者人格権と著作権に大別してそれぞれの内容を明定いたしました。特に従来からの懸案であったレコードを用いた音楽等の放送、有線放送及び演奏について著作権を認めることといたしましたが、レコードによる演奏については、わが国におけるレコード使用の実情にかんがみ、当分の間、政令で定める営利事業において行なわれるものに限って、権利を認めるよう経過措置を講じております。また、著作権の原則的保護期間について、現行の著作者の死後三十七年までを国際的水準である死後五十年までに延長することといたしました。 次に、著作権の制限規定につきましては、今日の複写、録音等の複製手段の発達普及を考慮して、私的使用、図書館等における複製、教育目的のための使用、その他特に必要と認められる場合について著作権を制限し、著作物の公正な利用が確保されるよう措置いたしました反面、利用の要件を厳密にし、また、教科用図書に利用する場合等には公正な補償金を支払うべきものとするなど、著作者の権利を害しないように配意をいたしました。 さらに、俳優、歌手等の実演家、レコード製作者及び放送事業者を保護するため、著作隣接権制度を創設することといたしました。すなわち、これらの者には、著作物の伝達を行なうものとして、著作権に準じた権利を認めることが必要かつ適切と考えられますので、一九六一年の隣接権条約の定めるところを参考としつつ、わが国の実情に適した保護を行なうこととするものであります。 その他、裁定による著作物利用の制度、著作物の登録制度、著作権に関する紛争処理のためのあっせんの制度等について定め、また著作権等の侵害に対する罰則を整備する等、現行制度の全面的改善をはかっているのであります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いいたします。 次に、今回政府から提出いたしました著作権法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 政府は、別途、現行著作権法の全部を改正するため著作権法案を提出いたしておりますが、この法案は、新著作権法の施行に伴い必要となる関係法律の整理等を行なおうとするものであります。 まず第一に、新著作権法において新たに実演家、レコード製作者及び放送事業者の権利として著作隣接権を定めることに伴い、文部省設置法、破産法、関税定率法、相続税法及び放送法中の著作権に関する規定に著作隣接権に関することを加えてこれを整備するとともに、新著作権法において著作隣接権に関する登録の制度を設けることに伴い、登録免許税法において著作隣接権の登録にかかわる税率を定めることといたしました。 第二に、日本国との平和条約第十五条(c)の規定に基づき、保護期間に関し現行著作権法の特例を定めている連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律、及び万国著作権条約の実施に伴い、保護期間の相互主義、翻訳権に関する特例等を定めている万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律について、これらの特例を新著作権法の特例として規定する必要がありますので、所要の改正を行なうことといたしました。 その他、著作権に関する仲介業務に関する法律、学校教育法、教科書の発行に関する臨時措置法、文部省著作教科書の出版権等に関する法律及び登録免許税法の規定について、新著作権法の規定に照らし、用語の変更等所要の整備を行なうことといたしました。 以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○大坪委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○大坪委員長 次に、札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。河野洋平君。
○河野(洋)委員 私は、ただいま議題となりました札幌オリンピックに関連をいたしまして、関係当局に一、二の質問をいたしたいと思います。 第一は、本日の朝刊を見ますと、ブランデージIOC会長の発言として、アルペンスキーのいろいろな問題にからんで、冬季オリンピックについてはもう一度考え直さなければならぬのじゃないかというようなことがあちこちで報道されておるのでございます。私どもは一九七二年の札幌オリンピックに期待をし、その施設を着々とつくりつつございますし、この法案でも、その選手村あるいはプレスクラブの建設についての法案でございますが、まず第一に、冬季オリンピックというものの開催が、けさの新聞が伝えるように非常に不安定なものなのであるかどうかという点について確認をいたしたいと思いますが、情報を持っておられるどなたでもけっこうでございますから、御答弁をいただきたい。
○木田政府委員 新聞に載っておりました御指摘の案件は、現地からの直接の取材のようでございまして、まだ私どもの関係者にその詳細は入ってておらないのでございますが、冬季オリンピックのあり方につきましては、さきのグルノーブルの大会の際、冬季競技の内容全般のあり方について再検討するという委員会がつくられました。そしてメキシコのオリンピック総会の際に、その再検討委員会の話題が議題になって、次回のワルシャワIOC総会で重ねて討議されるということにきまっておるわけでございます。その意味では、冬季競技のあり方につきまして再検討が行なわれるということになってはおりますが、しかしながら、それは札幌オリンピックが済んだ後のオリンピックのことでございまして、札幌オリンピックのあり方につきましては、メキシコのIOC総会におきましても従来どおりの方式で実施することが確認されております。新聞に報じられておりますところは、さきのグルノーブルの冬季オリンピックで入賞いたしました関係者がアマチュア規定に反するのではないかということから、金メダルの返還要求がブランデージ会長から出された。これは女子の選手でありましたグリーン、それからキリー、これは男子の三冠王をとったスキーの名手でございますけれども、これらのことにつきましては、私ども直接の関係者でございません者は、どういう事実関係があったかということについてわかり得ませんので、あまり心配することはなかろうと思っております。
○河野(洋)委員 いずれにせよ、七二年の札幌オリンピックが行なわれるということにもう間違いはないということが確認されることが一番大事なんでございますので、それが確認されればけっこうだと思います。 そこでもう一点だけお伺いをいたしますが、今度の法案では、そうした施設を住宅公団の手によっていろいろやっていきたい、こういうことでございます。そこでお伺いをしたいのは、私どもはかつて東京オリンピックの際にもそうした手段を講じて施設をつくったことがあるわけでございますが、その経験にかんがみて今度もまたいろいろやっていかれるのだろうと思うのでございます。そこで東京オリンピックの際のそうした経験が、現在うまくいっているのかどうなのか、さらにまた、それがただ単に住宅公団の施設だけではなくて、オリンピックのために巨費を投じてつくられた施設そのものが、オリンピックが終わったあと、国民の心身の鍛練その他に非常に効果的に使われているということならたいへん喜ばしいわけでございますが、一部には若干そうでないのではないかというような風評も、これはただ単なる風評として私の耳に入っておりますが、そうしたうわさもないわけではございません。関係者とされまして、いや、あれは非常に効果的に、それはそれなりに使っているんだ、うまくいっておるということならば、そういうふうに私ども確認をいたしたいと思いますが、その点はいかがでございますか。
○中島説明員 この札幌大会の競技施設につきましては、あと利用ということを十分考えまして設計をしているつもりでございます。本大会のために整備されます競技施設につきましては、いま申しましたようにわが国のスポーツ振興という立場から、冬の競技施設ではございますけれども、夏場の利用をも十分顧慮して、たとえばシャンツェだとか、アルペンに使いますコース等においては、夏場はキャンプとか、ハイキングコースとか、あるいは恵庭の滑降コース等は登山の訓練とか、それからまた閉会式場になりますアイスアリーナ等につきましては、秋、春、夏はもっぱら体育館として使用するように考えております。それで、先ほどお話がございましたが、たとえばいまの宿舎につきましても、東京オリンピックの、青年館の裏にありましたプレスマンハウス等がりっぱにいま住宅公団のものとして利用されておりますので、そういう点を十分配慮に入れてやっておるつもりでございます。
○河野(洋)委員 どうかひとつ、そうしたオリンピックがりっぱにできることを望むと同時に、オリンピックが終了したあとも、この施設が死なないであとあとまで効果的に利用されていくように、どうかひとつ体育局長はじめ関係御当局が、管理監督を十分に住宅公団その他と連絡をとってしていただくように特にお願いして質問を終わります。
○大坪委員長 斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 まず大臣にお伺いいたしますけれども、去る東京オリンピックに引き続いて、第十一回冬季大会を札幌に迎えるわけでありますけれども、近々十年足らずのうちに、オリンピックと冬季オリンピックを続けて開催をするという壮挙といいますか快挙といいますか、あまり例のないことだと思うのでありますけれども、大臣の見解として、こうした東京オリンピックに続く冬季オリンピックの招致といったことが、わが国の政治、経済あるいはスポーツ界の現状といったような観点から見て、どういうように位置づけられておるでありましょうか。私は、去る東京大会自体が非常な負担であった、ともすればオリンピックに浮かれて国民の生活を忘れたというような弊害も全然なかったとはいえないと思う。特に今回は北海道札幌という地に会場を求めて開催をする冬季大会でございますけれども、こうしたことが国民生活あるいは国民経済といったものに与える影響、さらに専門的な立場からいいますれば日本のスポーツ界、特に冬季スポーツに対する影響等々との関連からどのように位置づけられておりますか、大臣の総合的な見解をまず最初に伺いたい。
○坂田国務大臣 東京オリンピック大会の開催というようなものについていろいろお話があったわけでございますが、私は全体的に総合的に考えました場合には、アジアにおける最大の初めてのオリンピック大会で、しかもその果たしました役割りというものは非常に大きいというふうに思うのでございます。そういう意味から、まあ続けて今度は冬季オリンピックということでございますけれども、日本の経済状態を考えましても、決してこれを迎えるのに困難をするというような状況にはないと私は確信をいたしておるわけでございます。なかんずくアジアにおきまして冬季のオリンピック大会をやるというのも初めてのことでございます。従来ヨーロッパを中心に開催されてまいりましたこの冬季オリンピックが、アジアの、しかもわが日本において行なわれるということは、むしろ私は喜ばしいことだと思っております。また、日本の国は御承知のように北と南とに分かれておりますが、この冬季オリンピックを通じまして、この機会に冬期間のスポーツというものを国民の間に普及させるという意味におきましても意味があるのではないだろうか、そういうふうに思いますし、また、こういうオリンピック大会を通じまして、各国の人々が日本にやってくる、選手の人たち、また役員の人たちあるいはまたプレスマンたちが多数やってきて、日本というものをよく知ってもらうということは、これまた私は意義の深いことじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。 国民の社会的、文化的総力を結集して、人種、宗教、政治の差別のない世界的なスポーツの祭典を開催することによって、広く世界の人々にわが国の実情を理解していただくとともに、相互の友情を高め親善に役立てようとする意義は私はまことに大きいというふうに思います。ただ、こういうようなことが単にお祭り騒ぎに終わるというようなことがあってはならないと思います。たとえば質素な中においてもその意義は深いというわけでございまして、その運営等については十分先生御指摘のような点も考慮に入れながらやらなければいけないと考えておるわけでございます。問題はこれから先のわれわれの取り組み方だというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 手元へいただいております資料によりますれば、競技施設、選手村等の整備計画なるものが出ておるわけでございますけれども、「札幌オリンピック冬季大会競技施設事業費および工期」という一覧がございます。これを拝見をいたしますと、なるほど大倉山ジャンプ競技場以下四件は国が施工主体になっておりますけれども、あと宮の森ジャンプ競技場以下六件は地元札幌市が施工主体になり、手稲山ボブスレー競技場以下四件は組織委員会が施工主体になっております。私は、冬季札幌オリンピックに国をあげて取り組むという姿勢についてはわかるわけでありますけれども、その多くを地元北海道、あるいは主として札幌になるかと思いますけれども、札幌に負担をかけるというようなことは、ただでさえ北海道という地域であるし、札幌という自治体に与える影響といったようなものが非常に大きいというように思うわけであります。もちろん、国の助成の措置も講ぜられておるようでございますから、その辺は十分お考えをいただいているというように思うわけでありますが、地元が用意しなければならない六施設、あるいは組織委員会が自分で用意しなければならない四施設等々についてどのような配慮が行なわれているか、細部についてはよろしゅうございますけれども、概括的なことについてお尋ねをいたしたい。
○木田政府委員 ただいま御指摘の施設でございますが、国で工事を担当いたしますもの、四施設を含めまして約四十四億でございます。これは国が処理をしていくということは申すまでもございません。札幌市の担当いたします施設が六施設ございます。大体その総額は三十億という見積もりにいたしておるわけでございますが、その中で本格的な施設として考えられますものにつきましては国が三分の二の負担をいたしまして、地元で三分の一を持っていただくという考え方をとっておりまして、このうち約十九億は国の負担とされております。地元で十億、組織委員会で約九千三百万という負担区分になっております。これはそれぞれ仮設の工事その他付帯的な工事の関連でこういう割合になります、なお、事後の処理のことを考えまして、組織委員会の担当いたします施設が四施設ございます。これにつきましても国が——これも工事の中身によりますけれども、五分の四負担するとかあるいは三分の一負担するというふうに、工事の種類によりまして計画を立てておりまして、総額十七億の工事費のうち八億六千万ほどは国が持つ。この競技施設の全体十四施設合わせまして、工事費の総額九十一億を予定いたしておりまして、実質的に国の負担分は約七十億でございます。
○斉藤(正)委員 資料にも出ておりますけれども、いま詳細に伺ったわけでございますが、特に地元札幌市が負担する十億、これは決して札幌市財政にとって少ない金額ではないというように思うわけでございまして、自主財源はもちろんのこと、起債その他の点についても十分な配慮が行なわれるべきだというように考えておるわけでありますけれども、札幌市の財政の現状にかんがみ、この施設に市が十億を持つということについてはたいへんな負担だというように考えるわけでございますけれども、その起債その他の配慮について、一体文部省はどのようにお考えになっておられるのか。
○中島説明員 いま私どもの局長から地元負担が約十億とお答え申し上げましたが、その地元は北海道が半分、そして市が半分でございますから、十億と積算した場合は五億、五億の負担に相なるわけでございまして、国が七十億でありました場合に、札幌市は五億弱、それから北海道が五億弱ということになるので、まあ東京オリンピックの場合は、東京都が財政的に豊かでございましたけれども、私の記憶によりますと、東京都の負担いたしました競技施設費は百五十億から百六十億でございまして、実質的には二百億になったのでございますが、東京の場合には国庫補助は一切出しておりませんので、国の七十億と道、市の五億弱という金額は、私どもとしてはまあ適切な額ではないか、こういうふうに存じております。
○斉藤(正)委員 それならこの資料がきわめて不親切だと思うのです。「地元札幌市」と書いてある。これは北海道並びに札幌市というようにしないと、だれが見たって、「地元札幌市」といえば地元札幌が持つのだということになると思うのです。町村知事はこんなこと考えていないと思うし、札幌市長も。これはいや、半分半分だというていねいな説明があっていいと思うのですが、国会へ提出する資料として「地元札幌市」と書いてあれば、十億全部を札幌市が持つのだとだれでも思うと思うのです。いま説明を聞いて初めてわかった。以後注意してほしい、こういうように思うわけですが、了解いたしました。 そこで伺うわけでございますけれども、前回のグルノーブル冬季オリンピックですね、日本選手は入賞していなかったように私は記憶するのでありますけれども、先ほどどなたかから発言がありまして、オリンピックは勝つことよりも参加することに意義があるということも言われておるわけでありますけれども、今回招致した冬季オリンピックで、もちろん勝つことが目的ではないことは私も承知をいたしておりますが、日本選手は一体どのような活躍をするであろうかということは、主催国として当然一億国民が関心を持つところだと思うわけであります。さればといって、これが無理な選手強化につながるというようなことについては、もちろん私は賛成するものではありませんけれども、前回の冬季オリンピックと、招致する今回のオリンピックについて、日本選手の活躍は一体どのように予測されておられるのか。非常にむずかしい問題で、やってみなければわかりませんけれども、ひとつお答えを願いたい。
○中島説明員 わが国の選手はさきのグルノーブル大会で、選手団の諸君には申しわけないのですが、私の目では惨敗であったと思うのでありますが、これはいろいろ原因もあったろうかと思います。スポーツマンとして言いわけは不要だと思いますが、まあしいていえば、わが国は冬季のシーズンが非常に短い、それから新しい種目が半分くらいあったというようなこと、あるいは競技団体が歴史的に浅いというようなこともございますが、五カ年計画で選手強化をやっておりまして、すでに四十二年から基本的な準備計画でやってきておりますが、最近になりまして、スキーのジャンプあるいはスピードスケートの短距離、それからバイアスロン等においては世界的水準に近い記録が出されて、それでこれらの新人も見出されておりますので、グルノーブルオリンピック大会直後から見ますと、ある程度希望が持てるようになってきた、こういうふうに思うのでございます。たとえば鈴木恵一君が、五百メートルにおいて五カ年連続世界選手権大会で優勝した。これはグルノーブル大会では十八位でございましたが、時の優勝者をもう三回破っておるということもございますので、ある程度期待は持てるのじゃないか、こういうふうに考えております。競技団体の諸君と選手諸君の活躍、それからそれを取り巻く国あるいは競技団体の財的な援助等と相まって、国民の皆さまの期待に沿えるような活躍ができるようにと念願しておるところでございます。
○斉藤(正)委員 勝敗はもちろん別でありますので、それにこだわるものではありませんけれども、主催国として、たとえば負けてもフェアであったとか、あるいは——フェアであったということの一語で通ずると思いますけれども、そうした形のものを残すべきだというように思うわけでございまして、このためにあえて無理な選手強化なり選手養成ということはやはり私は邪道だ、当然常日ごろの力をまともに正常に発揮するのがオリンピックだというように考えておるわけでありますけれども、最近二、三の新聞記事あるいは雑誌の論文等々を見ますと、スポーツというのはそういうものではないんだ、やる以上断固として勝たなければならぬ。したがって、世界選手権をねらうものだとか、あるいはオリンピックに必要なものだとかというのは、やはり勝たなければだめなんだ。そこにアマ、プロの区別はない、オリンピックの選手のごときは実質的にはプロなんだというような主張もないわけではないのでございます。しかし、種目等々からいきまして、特殊な種目は別として、プロとして銭を取るというようなスポーツは比較的オリンピック種目には少ない。そういう観点からいきますと、私はやはり徹底したアマチュアでなければならぬというように考えておって、一部の新聞報道や雑誌の記事等々には実は強く反発を感じているわけでございますけれども、局長、この見解につきましてはいかがお考えでございましょうか。
○木田政府委員 オリンピックがアマチュアスポーツの国際的な祭典であるという原則はあくまでも守らるべきものだと思っております。また、国内のスポーツあるいは体育の振興にいたしましても、結局、このオリンピック憲章にありますアマチュアスポーツの精神の高揚ということを基本にいたしまして、日本のスポーツ界も、あるいはスポーツの振興も、関係者が力を合わせておるところでございますから、これが商業主義の具に供せられるということは厳に戒められなければなるまいというふうに思います。一部の競技種目におきまして、いま斉藤委員御指摘のようにいろいろの論議も起こっておりますし、さきに河野委員から御指摘のありましたような問題も現に問題として起こっております。こういうことはやはりスポーツ界が純粋のアマチュアのスポーツとして、しかも最高のわざを競うという意義深い方向へ関係者が力を合わせていく努力の一つの過程だと思っております。国内のスポーツ界のあり方につきましても間々似た問題が起こり得るとは思うのでございますが、体協自体におきましても、スポーツ関係者はあげてこれからのアマチュアスポーツのあり方ということを現在の時代に即して考えていこうという努力をしておる最中でございます。私どもも御指摘の趣旨を十分に考えながら、日本のスポーツ界の健全化のために尽力をしてまいりたいと思います。
○斉藤(正)委員 具体的に二、三お伺いをいたしたいと思うわけでありますけれども、選手村は札幌市真駒内緑町四丁目、道警察学校のあと地と聞いておりますけれども、これは道有地であって十五・二ヘクタールを使う。それからプレス村は真駒内柏ケ丘、これは民有地であって四ヘクタール前後だということを聞いているわけであります。緑町の道有地については当然北海道当局と話がついていると思うのでございますけれども、プレス村の民有地四ヘクタールについては、賃貸あるいは売買契約については直接文部省の仕事ではないかとも思いますけれども、どのようになっておられるのか伺いたい。
○木田政府委員 プレスマンハウスの民有地につきましては、札幌市当局がその土地の使用につきまして買収する仕事をいま進めておる最中でございます。市当局の協力の上に住宅公団の住宅を建てる、こういう方針でいま進めておるところでございます。
○斉藤(正)委員 この資料を拝見をいたしますと、賃貸するような内容になっておりまして、期間は、オリンピック村のほうが四十二日、プレスハウスのほうが三十日ということになっておりますけれども、この家賃は一体どこがどこへ払って、その財源はどこから出るのか、伺いたい。
○木田政府委員 このオリンピックの開催につきましては、札幌オリンピック冬季大会の組織委員会が運営の責任を持つことになっております。この選手村の設営も準備もこの札幌オリンピック組織委員会において準備をするというたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、住宅公団につくっていただきますこの住宅を前後四カ月間にわたりまして組織委員会で借り受けまして、外国から参ります選手等が宿泊できるように内部をその間外人用に改装をいたします。そして終わりましたあと、またもとの状態に戻して住宅公団に返す、こういうことになっておるわけでございまして、その間の事務の処理並びに経費の負担は組織委員会自体の担当、当然のことでございますけれども、そのように進められることになります。組織委員会といたしましては、このように冬季の札幌オリンピック大会の競技全体の運営に責任を持ちます関係上、組織委員会自体といたしまして約八十億近い金が要るわけでございます。この中には国庫からの補助も、ものによってございますけれども、しかし募金にたよる、こういう経費もございます。責任は、選手村の運営そのものは組織委員会が処理をするというたてまえになっております。組織委員会から住宅公団にこの四カ月問の借り賃を払いますと同時に、改装その他の設備は組織委員会で進めるということになるわけでございます。
○斉藤(正)委員 組織委員会のメンバーを見ますと、大臣が委員の一人として入っているわけでございますが、ほかに衆参議員の方々のメンバーも散見いたしますけれども、この組織委員会の事務局と文部省の関係はどうなっておられるのか。全く組織委員会なるものが独立機関であって、大臣が組織委員の一人であって、事務局は全く別個なものであるのか、それとも文部省体育局がこの事務局にどういうパイプを持ち、つながりを持っているというのか、その辺ひとつ伺いたい。
○木田政府委員 札幌オリンピック組織委員会は財団法人でございまして、組織委員のもとに事務総長佐藤朝生氏を責任者といたします大きな事務局を別に持っておるわけでございます。文部省とこの組織委員会との関係は、文部省所管の財団法人であるというたてまえでございますが、なお、事柄の性質上、組織委員会のやる事業のかなりの部分につきまして、必要な補助金を出しておるところでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、文部省に所属をする財団法人の委員会だ、したがって、監督権というとなんですけれども、最終の責任は文部省が持つ、こういうように解釈してよろしいか。
○木田政府委員 このオリンピック冬季大会組織委員会そのものは、実はオリンピックを招致いたします関係者がオリンピック憲章にのっとってつくっておるものでございまして、財団法人という性格を持っております関係上、他の財団と同じく文部大臣が主務大臣としての監督は持つわけでございますけれども、あくまでも自主独立の団体でございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、この住宅公団が建てますいわゆる住宅、これを四カ月間組織委員会が借りて、その四カ月の——どれだけかかるか知りませんけれども、前半かなりの日数を費やして、金もかけて、外国人が宿泊できるような施設にする、そして実際使うのはオリンピック村が四十二日で、プレス村が三十日、使ったあとまた後半何日かを費やして、もとどおり改装をして住宅公団にお返しをする、その賃貸契約は組織委員会と住宅公団との間で取りかわす、こういうことに手続上なるというように把握してよろしいか。
○木田政府委員 御指摘のとおりでございます。
○斉藤(正)委員 大体わかりましたけれども、私、きょう実はこのような事態になると思っていませんでしたので、住宅公団の関係者を——いらっしゃいますか、それでは伺いたいと思うわけでありますけれども、この住宅公団法によりますと、まことに特殊なケースであって、どこを見てもオリンピックに関係した仕事をやるということは何もないわけです。全然ない。私も、住宅公団というのは一体どういう法律の根拠に基づいてやっているのかということで調べてみたのですが、オリンピックのことは全然ないわけなんですよ。突如としてここに住宅公団が飛び出てきて、こうした特別な立法まで行なって、札幌冬季オリンピックのために便宜を供与する、こういうことになったわけでございますが、もともと札幌オリンピックがあるなしにかかわらず、住宅公団としては、公団本来の仕事から札幌市内にこのような住宅建設の用意があったのかどうなのか、たまたまオリンピックがあるということで、それに便乗——どっちが便乗しているのかわかりませんけれども、これ幸いと住宅建設に踏み切ったのか、その辺の経緯は住宅公団側としてはいかがお考えでございましょうか。
○木田政府委員 建設省の担当官から、住宅公団につきましての御説明が後刻あるはずでございますが、実は住宅公団が全国各地にわたりまして住宅をつくっておられます。札幌地区につきましては、やはり数百戸程度の規模で住宅の建設が行なわれておるのでございますが、実はオリンピックの選手を収容いたしますために千二百五十戸ほど私どものほうは貸していただきたい、これは通常の住宅公団の予定する戸数に比べましてかなり大きな数になるわけでございます。そこでオリンピックのこの特例法の中に一条加えていただきまして、特別に大きな数の住宅を選手村のためにつくっていただく、こういうお願いをこちら側から申し上げておるところでございます。
○野崎説明員 住宅公団といたしましては、毎年札幌地区に約六百戸程度の賃貸住宅並びに分譲住宅を建設いたしておりまして、住宅公団が発足いたしましてからすでに約六千戸の住宅を札幌地区に建設いたしております。御承知のように住宅公団は、住宅不足の著しい大都市地域において住宅を供給する使命を持っておるわけでございます。御承知のように札幌も相当の住宅不足を来たしておりまして、住宅公団といたしましても、当然建てるべきところに建てるのであるというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 ばかにつじつまの合ったお話で、けっこうなことだと思うわけでございますけれども、本来の仕事でないことは事実であって、たまたま札幌地区の住宅計画があり、オリンピックも来るので便宜を供与する、持ちつ持たれつということで、この点に関しましては建設省と文部省の息はぴったりだというように思うわけでございますけれども、この建設着工年度等々の予定を見てみますと、主たる工事は四十五年度であって、一部について四十四年度より着工ということになっておるようであります。この一部についてとは、一体選手村なのかプレス村なのか、そしてまた、その規模はどの程度を四十四年度に要請をされ、札幌という特殊な気象条件の地域でもございますので、もし四十四年度の設計がしかじかかようだというならば、その着工なり内容についてはどのようになっておるのか、四十四年度分について伺いたい。
○野崎説明員 いま先生がおっしゃいましたように、主たる建築物はほとんどが四十五年度から着工すれば、北海道の気象条件等を勘案いたしましても、十分オリンピック大会に間に合うものというふうに考えております。ただ、選手村の一部につきまして、いろいろレイアウト等の関係上、一部に高層住宅を織り込みたい、かように考えておりまして、御承知のように高層住宅につきましては、設計の時間も、また施工の期間もよけいかかりますので、本年度から設計を開始いたしまして着工いたしたい、かように考えておる次第でございます。 詳細につきましては目下組織委員会といろいろ打ち合わせをいたしておる最中でございまして、設計その他細部については決定をいたしておりませんが、戸数にいたしまして約百戸程度の高層住宅を考えておる次第でございます。
○斉藤(正)委員 大体わかりましたので、質問を終わるわけでありますけれども、やはり私が一番心配するのは、先ほどの説明でやや了解できたわけでありますけれども、北海道並びに札幌市にこれ以上の負担をかけるということはやはり非常に問題だというように思うわけでございますし、なお、東京オリンピックに比べて国民の関心も残念ながら冬季オリンピックの理解度は低い。いろいろ宣伝はされておるようでありますけれども、来年の万博があり、そして冬季オリンピックだということで、メジロ押しに国際的な会合や大きな集会が持たれるということからいたしまして、よほど宣伝等も十分やっていただかなければ、われわれが意図する成果はあがらないというように思うわけでございまして、こうした点につきましても文部当局の勉強を特に要望し、重ねて地元に、たとえば国体をやってペンペン草がはえたという事例もないわけではないのでありまして、特に道路の建設等々国体をやった県が非常におくれておったということも統計的に出ているわけでございます。北海道並びに札幌市が冬季オリンピックを招致したことによって他の民生度が下がったというようなことになっては、私は事志と違うというように思いますので、この辺の配慮につき最後に大臣の見解を伺って質問を終わりたいと思います。
○坂田国務大臣 斉藤委員の御指摘のとおりだと私は考えているわけでございまして、何と申しましても、冬季の競技の種目につきましてもまだ日本におきましてはあまり習熟をしておらない面もあります。それからまた、所が日本列島の北札幌というところでございまして、全国民のものとして周知し理解をさせるには相当の努力が必要かと私は思います。PRも必要かと考えております。やはりこの点につきましては、十分ひとつ私たちも心得まして、そうしてりっぱな冬期オリンピック大会ができるようにいたさなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○斉藤(正)委員 終わります。
○大坪委員長 岡沢完治君。
○岡沢委員 最初に、いま斉藤委員からも質問がありましたけれども、今回の措置による住宅並びに施設の建設は、日本住宅公団としては業務の特例に当たるのだろうと思うのですが、これは予算上は別ワクでなさるのか、それとも住宅公団の本来の予算内でなさるのかということをお聞きしたい。そのために本来の住宅建設が阻害されるといいますか、圧迫される心配はないのかという点をお尋ねいたします。
○野崎説明員 先ほど斉藤委員の御質問にもお答え申し上げましたように、札幌地区におきましては住宅の困窮度は相当著しいものがございまして、公団といたしましても、相当数の住宅を建設しなければならないことは事実でございます。一方、公団法に規定いたしておりまするように、住宅公団といたしましては、オリンピック大会のために宿舎を提供するということは業務外の仕事に相なりますので、現在の規定上ではできないことになっておりますので、これは、今日法律を改正をしていただきまして、一時組織委員会に賃貸することができるようにさしていただいております。しかし、その期間も四カ月程度で、それが終わりましたら直ちに賃貸住宅なり分譲住宅にいたす予定にいたしております。札幌市民の方々には、四カ月ほど供給がおくれることに相なりますけれども、これはオリンピック大会の意義も考えていただきまして、協力をいただきたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、住宅公団といたしましては、現在行なっております住宅建設五カ年計画の一環の中の住宅建設として施行するというふうに考えておる次第でございます。四カ月程度供給がおくれることに相なりますけれども、それによって著しい支障は来たさないもの、かように考えております。 それから、今日建設いたします総戸数は、選手村、プレスマンハウスを入れまして千二百五十戸でございますが、昭和四十四年度におきまして住宅公団が建設することになっております住宅は七万八千戸でございます。その中に占める割合は非常に少のうございます。しかも例の、先ほども申し上げましたように、札幌地区におきましても六百戸程度の住宅を建設いたしておるわけでございます。もちろん六百戸を上回る数字ではございますが、さほど著しい数字ではなかろう、かように考えておるわけでございますので、札幌オリンピック大会のために住宅を建設することによって、他の地域に圧迫を加えることにはならないものと考えております。
○岡沢委員 私は札幌の地理に詳しくないので、愚問かもしれませんが、いま予定しておられまする建設地は、札幌の住民にとって住宅地として適地なのか、やはりオリンピックとの関係で、本来ならばお選びになるべきところでないところを無理をして選んでおられるのか、その点をひとつお聞きしておきたいと思います。
○野崎説明員 今度建設いたします予定地は、むしろしいて言いますならば、札幌地区におきましては住宅地として最もいいところであるというふうにいえるところかと思います。現に住宅公団におきましても、そのすぐ付近にあけぼの団地という団地を持っておりまして、住宅公団としてもぜひ建てたい地域であるということがいえると思います。
○岡沢委員 先ほど河野委員の質問で、お答えがちょっとピントをはずれていたと思うのでありますけれども、東京オリンピックの場合にもこういう住宅公団方式による建設を一部なさって、その成果といいますか、功罪についてお尋ねになりました。お答えのほうは、主として冬季スポーツの振興と結びつけてのお答えだったと思いますが、東京オリンピックの例に照らして、この方式による建設というもののメリット、デメリットについてお尋ねいたします。
○木田政府委員 東京オリンピックのときのプレスマンハウスは、先ほど十分にお答えできなかったかと思いますが、やはり、いま住宅としていい場所で使われておるわけでございます。今度の真駒内地区も、札幌市の最適の住宅地区にできるものでございまして、膨張していきます札幌市にとりましては、あとあといい住宅として十分な需要もあり、それにこたえ得るものだというように考えるわけでございます。ここに外国から来ます選手たちに日本の住宅団地のできるだけりっぱなものを見ていただきまして、それを市民に供するという意義のある仕事をしていきたい、このように考えます。
○岡沢委員 選手村とか、役員、プレスマンの住宅についてはこれでわかるわけですけれども、そのほかの一般の外国から来るお客さんの宿舎等について、特に札幌はああいう僻地だけにいささか心配なわけでございますけれども、その方面の手当は、あるいは用意は、どういうふうにいたしておりますか。
○木田政府委員 この冬季オリンピックの、特に開会式のときにたくさんの観客も集まるものと思います。いまのところ十七万人ほどの見物者の予定をいたしております。その中で宿泊を要します者は大体最大三万五、六千人という見積りをいたしております。現在の段階で、現有の施設数では二万七千人ほどでございまして、それだけをとりましても、現在の段階ではかなり不足ではございますが、しかし、これから二カ年の間に一般の宿舎の増というものを五、六千は期待できるというふうに考えておりますので、こういう観客のものにつきましてはあまり心配をいたしておりません。ただ、組織委員会自体、あるいはIOCの役員その他、この選手とプレスマン以外に、札幌オリンピックの運営をやっていかなければならない関係者の数もかなりございます。組織委員会自体の関係で二千人分ぐらいの宿舎をこのほかに考えなければなるまいというふうに思っておるわけでございますが、これは同市の普通の住宅の建設計画とあわせまして、地元の関係で進めてくだすっておる。日本人のプレスマンの宿舎につきましても別途に考えるわけでございますが、それらにつきましては、住宅公団ではなくて、同市の関係の住宅とのタイアップをこういう同じ方式で考えていくことによりまして処置をとりたい、このように考えているところでございます。
○岡沢委員 先ほど河野委員の質問に答えられて、このオリンピック施設のあと地といいますか、あと施設の利用について報告がございました。この冬季オリンピックは、わが国の冬季スポーツが非常におくれているということとも結びつけて、そういう面での活用といいますか、効果も当然ねらった大会だと私は思うわけであります。そういう意味からいたしますと、ひとり札幌だけの行事として、あるいは北海道地区だけの施設として利用されるという観点よりも、今後北海道全体を含めて、日本における冬季スポーツのセンターというような役割をも果たさせる大きな構想があってしかるべきだと思います。そういう意味からも、先ほど斉藤委員の質問にもございましたが、地元負担をできるだけ少なくしてあげる、北海道の特殊事情を考えましてもこれは必要じゃないか。そういう意味から、せっかく施設その他についていろいろ御配慮いただいておりますが、それがただでさえ逼迫しております地方財政を圧迫するというようなことがないように、国家的な行事として、ぜひ関係者一致してそういう面での御配慮を十分していただき、一方で、その施設が、先ほど申しましたような意味で広く長く今後国民全体の冬季スポーツの振興に利用できるような配慮を、建設の段階から念頭に置いた計画を立てていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○大坪委員長 有島重武君。
○有島委員 初めに予算について伺いますけれども、この前の東京の場合には、先ほどのお話では二百億かかっておる。それで当初予算とそれから実際にかかったものとの差がどのくらいになっておったのか、その点を伺いたいと思います。
○木田政府委員 東京オリンピック大会のときの総経費は、それも取り方によるわけでございますが、直接関連の経費が三百二十九億というふうにいま私の手元の資料にあるわけでございます。大会の準備運営に九十八億、施設関係に百五十七億等々の数字が出ております。当初の計画とどのくらい違っておったかという点につきましては、当初の計画をいま私ちょっとデータを持っておりませんので、どのくらい違っておったのか、御説明ができかねるわけでございますが、一、二記憶に残っておりますのは、国の担当いたしました、たとえば水泳競技場のありましたあの国立競技場の建設をいたしますにつきましても、実際の工事をやってみまして、多少当初の目算よりもふえたというようなことはございました。しかし、この直接の関連事業につきましては、かなり計画を立てて進めていくことができるわけでございますから、札幌オリンピックの場合に、十四施設、九十一億という予定を立てておりますけれども、格別物価の変動とかなんとか激しいことが起こらない限り、私どもそう大きな差は起こってこないものというふうに考えておる次第でございます。
○有島委員 これは専門家がやられることでございますから、心配があるかないかわかりませんけれども、東京の場合にはいろいろな条件でもって、建設、設備、道路、そういったことは非常に有利であったに違いない。このたびの札幌は、特に季節的にも影響を受けるし、東京なんかとはまるっきり条件の違ったところでもってやるわけでございますから、そういった誤算がかなり見込まれるのじゃないかと思います。その場合の誤算を——いまからそんなことを言うのはおかしいみたいでございますけれども、それを道のほうに、あるいは市のほうに押しつけるような結果になるということ非常にまずいのじゃないか。それで、そのための一つのお約束をいまいただいておきたい。こういう誤算が出た場合に、これは国がめんどうを見る、そういうことをお約束いただきたいと思うのですが……。
○木田政府委員 競技施設そのものにつきましては、政府といたしましても施設の負担区分をきめて取りかかっておるわけでございます。国の分担いたしますものにつきましては当然国が十割を負担いたしますが、市の負担のものにつきましては国が三分の二負担をし、組織委員会の負担のものについては、基本施設につきまして五分の四を国が負担するという負担区分を一応きめてかかっておる工事でございますから、工費の若干の増減は起こり得ましても、その御心配の点はなかろうかというふうに思っております。
○有島委員 東京なんかの場合には、国でもって予算をつけてくれる、つけてくれるのはありがたいけれども、地方財源が圧迫されてしまって、ありがた迷惑みたいなことが起こっています。今度の場合は相当一ぱい一ぱいでおそらく札幌市もやっていくのではないかと思います。その割合は割合でありますけれども、その割合どおりにいくと、やはり相当の押しつけを感じるようなことになるのではないか、これは杞憂でございますが、そうした場合に、やはり特別措置を考えられるようなことが起こるのではないか、そう思って質問しているわけなんです。その点いかがですか、原則をどうしても押しつけるということになりますか。
○木田政府委員 競技施設につきましては、すでに昨年度からの経費で見積もりを立てまして進んでおりますので、この段階でかなり見通しは固いものというふうに思っておるわけでございます。なお、御指摘の点等十分含みまして、できるだけの努力をしていきたいと思います。
○有島委員 そういったハンディキャップを考えまして安全率を高くとって進んでいっていただきたいと思います。 それから、先ほど住宅公団のあとをどうするかというような問題がございました。これは準備委員会のほうでもって全部お金を出して、そしてその受けた分と渡す分との間に差額なしにして渡していく、そういうことになるのですか。
○木田政府委員 ちょっとお尋ねの趣旨がよくのみ込めませんでしたのですが、借りた状態にして返すということを考えておるわけでございます。 なお、選手村をつくるにつきましては、将来仲宅として使います住宅団地のほかに、選手のための食堂の施設でありますとか、あるいは選手村の管理者が入る別の仮設の住宅等の建設のこともございます。それらも組織委員会の手によって準備いたしまして、あともとどおりにしてお返しをする、こういうことを考えておるわけでございます。
○有島委員 もとどおりということでございますけれども、これは現実にはむずかしいことであると思うのですよ。かえって、いま施設を建てたものをこわすには、こわす費用がかかるわけですね。あるいはベッドを入れた、そのベッドは一体どうなるのか、非常にこまかい話でございますけれども、そういうようなこまかいところの取りきめといいますか、これもきちんとできておるのかどうか、ずさんなことはないのかどうか。
○中島説明員 それらの備品什器その他についてのこまかい計画はまだ立てておりません。これから立てますが、東京オリンピックの例にならうと思いますけれども、什器備品等は、青少年が利用します青年の家とかあるいは青少年のための宿泊施設等に、東京オリンピックの場合でしたら一五%から三〇%、その価格で払い下げをいたしております。
○有島委員 白い雪の上でもってフェアなスポーツを若い選手がやるという祭典でございますから、そういった点も、あと一つも納得のいかない点や変な暗い影が起こらないように、こまかい点までよく検討して進んでいっていただきたい。 それからもう一点は、先ほど三万五千人ほど集まるであろう、そういう話でございました。これは観客も選手も報道陣も相当にいると思いますけれども、これが千歳空港を利用すると思います。羽田空港に来たものが一々またここに飛んでくるのか。これをこの際国際空港として開放し、改修していくというお考えがないかどうか。
○木田政府委員 いま御指摘のような問題は、政府部内の関係者の連絡会でも相談をいたしておるところでございますが、現在運輸省で担当をいたしまして千歳飛行場の整備をいたしております。それは現在の主滑走路二千七百メートルを三千メートルに延長するという計画を進めておるところでございます。これはいま御指摘がありましたようなオリンピック期間直接ここで受け入れるかどうかというような含みがあるわけでございまして、実際の処理はこれから先にきめることでございますけれども、施設の整備といたしましては、飛行場の拡充、関連道路の整備を現在進めております。
○有島委員 そういたしますと、国際空港並みの整備はできるということになりますね。そういたしますと、これは住宅公団とは違って、終わったらまた短くして返すということでなくて、せっかくあるのだから、その以後も国際空港の扱いをしていかれるように、そういうことをお考えになったほうがいいのじゃないか、そう思うわけでございますけれども、これは文部大臣いかがでしょうか。
○坂田国務大臣 大体そういうような計画で進んでおります。
○有島委員 文部大臣に伺いますけれども、この前のオリンピックのときには、担当大臣というのがおられて推進していったと思うのですけれども、今度の場合には担当大臣というはっきりした格づけというのは、これはどうなっておりましょうか。
○坂田国務大臣 十二月十日付で実は担当大臣になっておるわけでございます。
○有島委員 それでは、強力にかつ綿密にこの大会を進められ、成功されるように期待いたしまして、質問を終わります。
○大坪委員長 他に御質疑はありませんか。——ないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○大坪委員長 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 これより採決いたします。 札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大坪委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大坪委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○大坪委員長 次回は、来たる五月七日水曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十四分散会 ————◇—————