文教委員会 第11号
- 発言数
- 369 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/11
会議録
○大坪委員長 これより会議を開きます。 唐橋東君外八名提出の学校給食法の一部を改正する法律案及び盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○大坪委員長 順次提出者より提案理由の説明を聴取いたします。唐橋東君。
○唐橋議員 ただいま議題となりました学校給食法の一部を改正する法律案について、提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。 学校給食は戦後再発足してからすでに二十二年を経過し、この間、政府をはじめとする関係者の努力によりその普及率は次第に高まり、児童、生徒の体位向上と国民の食生活の改善に大きな役割りを果たしてまいりました。しかしながら、国民的要望ともいえる義務教育諸学校の完全給食全面実施を実現するためには、現行制度において、学校教育における学校給食の位置づけ、学校給食実施上の責任体制、学校給食関係職員の設置基準、学校給食に要する経費の負担区分、給食用物資の供給体制等多くの改善すべき問題が残されております。 昭和四十三年度文部省調査による義務教育諸学校の完全給食の普及率は、小学校で全国児童数の八八・七%(八百三十二万人)、中学校で全国生徒数の三六・五%(百八十四万人)となっており、小学校に比べて著しく中学校が低くなっております。また地域別に見た場合、栄養改善の必要性が高い農山漁村及び産炭地域での普及率が低いことは考えなければならないことです。この点については政府も昭和四十一年後半から僻地学校等に対する学校給食の特別措置を講ずる等、普及率の地域格差是正に努力しておりますが、現行制度の中では限度があります。戦後学校給食が再発足して二十二年を経た今日において、義務教育諸学校の児童生徒百三十一万人がいまだに学校給食の恩恵に浴していないということは、学校給食の実施が義務制となっていない現行法に問題があるからであります。この際、学校教育における学校給食の位置づけをより明確にするとともに、学校給食の実施を義務教育諸学校の設置者に義務づける必要があります。 次に、学校給食の給食内容について見ますと、現在の学校給食の形態は、ミルク、補食(ミルク・おかず等)及び完全(パン・ミルク・おかず)給食の三本立てとなっておりますが、その効果において完全給食がすぐれていることは言うまでもありません。学校給食の形態を完全給食一本に統一し、その給食内容の改善充実をはかる必要があります。 また、現在学校給食用のミルクは、価格と供給量の関係で国庫補助による輸入脱脂粉乳がいまだに使用されております。昭和四十四年度の使用量は約一万四千トン(購入費国庫補助額六億四千八百万円)が予定されており、これは昭和四十四年度の学校給食で使用されるミルク給食所要量の約二一%に当たる量であります。残りの七九%は牛乳(約三百十万石)が使用されることとなっておりますが、これについても一合当たり五円の国庫補助金(総額百五億円)が農林省予算に計上されております。この学校給食用牛乳に対する国の助成措置は昭和三十二年度から実施されており、年々その供給量は増大しております。この際、脱脂粉乳に比較して栄養価と児童、生徒の嗜好の点においてまさっている牛乳を学校給食用として使用するよう義務づける必要があります。 次に、現在の学校給食費は、貧困家庭等の児童、生徒を除き父母負担となっております。その負担額は、国の学校給食用物資に対する助成措置にもかかわらず、昨今の相次ぐ消費者物価の上昇に伴って増加を余儀なくされ、昭和四十年度文部省調査によれば、小学校児童一人当たりの平均年額は五千六百五円となっております。この額は、父兄が支出した学校教育費の三六%に当たるものであります。この際、学校給食を通じて児童生徒の心身の健全な発達と義務教育の内容の充実をはかり、あわせて教育費父母負担の軽減に資するため、給食費を全額公費負担とする必要があります。 次に、学校給食関係職員の設置状況についてであります。 昭和四十三年度文部省調査によれば、学校栄養士の設置率は、義務教育における完全給食実施校(約二万五千校)の一割弱となっております。このため本来栄養士が行なうべき栄養管理業務をはじめその他の学校給食に関する事務も教員が行なっております。私どもの調査によれば、学級担任教員で週当たり五時間前後、特に給食係教員の場合週当たり十五時間以上の超過労働になっております。 また、給食作業員の設置については、小規模校をはじめとして一般の学校においても不十分な実情にあるため、校長やときには父母が学校給食の調理作業に動員されるという事態も起きております。このような状態では学校給食の円滑な運営は期待できません。 この際、栄養士、給食事務職員及び給食作業員の設置を義務教育諸学校の設置者に義務づける必要があります。 最後に、学校給食の施設設備等に対する国の助成措置について見ますと、現行の学校給食の施設設備整備費補助は、開設の場合に限られております。既開設校における施設設備の改善充実が必要とされる現在、これらの学校の施設設備の拡充、更新等の場合にも国庫補助の道を開く必要があります。 また、学校給食の実施を義務制とすることによって増大する義務教育諸学校の設置者の負担を軽減するため、現行の貧困家庭等の児童生徒を対象とする学校給食費補助または栄養士に限られている給食関係職員の設置費補助を拡充する必要があります。 以上が本法律案を提案したおもな理由であります。 なお、牛乳の学校給食の円滑な実施をはかるため、学校給食の用に供する牛乳の買い入れ及び給付等について特別の措置を講ずる必要がありますので別途学校給食の用に供する牛乳の供給等に関する特別措置法案を国会に提案し、その審議をお願いしております。 次に本法律案の概要について申し上げます。 第一は、本法の目的を、学校給食を通じて児童及び生徒の心身の健全な発達と義務教育の内容の充実をはかるとともに、国民の食生活の改善に寄与するため、学校給食の実施に関し必要な事項を定めることにしております。 第二は、義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食を実施しなければならないものとし、学校給食の給食内容は、パン、牛乳及びおかずとすることにしております。 第三は、国立及び公立の義務教育諸学校の設置者は、政令で定める事由がある場合を除き、当該義務教育諸学校に栄養士、給食事務職員及び給食作業員を置かなければならないこととし、私立の義務教育諸学校の設置者は、栄養士、給食事務職員及び給食作業員を置くようにつとめなければならないことにしております。 第四は、学校給食に要する経費(他の法律の規定により国または都道府県が負担するものを除く。)は、義務教育諸学校の設置者の負担とすることとし、国は、公立及び私立の義務教育諸学校の設置者が負担する学校給食に要する経費(栄養士等の設置にかかる経費を除く。)の二分の一を補助することができることにしております。 第五は、この法律は、昭和四十五年四月一日から施行することとし、学校給食に要する経費の負担等について必要な経過措置を講ずるほか、関係法律について所要の規定の整備を行なうことにしております。 以上が本法律案を提案いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。 盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。 ただいま議題となりました盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律の一部を改正する法律案について、提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。 義務教育諸学校における学校給食につきましては、さきに述べました学校給食法の一部を改正する法律案により、抜本的な改善をはかることとしております。そこでこの際、特殊教育の重要性にかんがみ、義務教育以外の特殊教育諸学校における学校給食につきましても、その運営をより円滑にするため、これらの学校における給食関係職員を義務教育諸学校と同様に充実する必要があります。 以上が本法律案を提案したおもな理由であります。 次に、本法律案の概要について申し上げます。 第一は、国立または公立の盲学校、ろう学校または養護学校の設置者は、当該学校(小学部または中学部を置くものを除く。)において学校給食が実施される場合(政令で定める事由がある場合を除く。)には、当該学校に栄養士、給食事務職員及び給食作業員を置かなければならないこととし、私立の盲学校、ろう学校または養護学校の設置者は、国立または公立の盲学校、ろう学校または養護学校の例により、栄養士、給食事務職員及び給食作業員を置くようにつとめなければならないことにしております。 第二は、この法律は、昭和四十五年四月一日から施行することといたしております。 以上が本法律案を提案いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。(拍手)
○大坪委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○大坪委員長 次に、札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○大坪委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。坂田文部大臣。
○坂田国務大臣 今回政府から提出いたしました札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 昭和四十七年二月三日から十三日までの十一日間にわたって、札幌市を中心に開催されます第十一回オリンピック冬季大会は、御承知のようにアジアで初めて開催されるものでありますが、本大会においても、世界各国に深い感銘を与え、多大の成功をおさめたオリンピック東京大会と同様な成果をあげるため、競技施設、関連施設の整備等、各般の準備について万全を期する必要があると思います。 この準備対策の一環として、国際親善のためきわめて重要な役割を果たすオリンピック選手村を整備するとともに、報道関係者に十分な便宜を提供するためのプレスハウスを用意することは、本大会の成果にきわめて重要な関連を有するものであります。 本大会には、前回のグルノーブル冬季大会を上回る数の各国の選手及び役員等の参加が期待されておりますが、このような多数の選手、役員及び報道関係者などを収容する宿舎を民間に求めることは著しく困難な事情にありますので、この際、日本住宅公団が会場近辺に建設する住宅を財団法人札幌オリンピック冬季大会組織委員会が一時借り受け、これを提供することが最も時宜にかなった方法であると考える次第であります。 そのため、この法律案においては、日本住宅公団法に規定する同公団の業務のほかに本来の業務の遂行に支障がない範囲内で同公団が建設する住宅を財団法人札幌オリンピック冬季大会組織委員会に賃貸できるよう所要の規定を設けることといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○大坪委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○大坪委員長 国立学校設置法の一部を改正する等の法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 私は、最初に先般東大の高圧酸素治療センターにおきまして、タンク爆発により四名の方々がおなくなりになった事件について、文部大臣にお伺いしたいのでありますが、実は私もこの月曜日にあの外科病棟に参りまして、生々しい実態を見てまいったものであります。 ところが、そこで問題になりますのは、あそこの助手あるいはまた研究者の諸君が非常に心配しておる一つは何かといいますと、一体あのタンクの購入資金というのはどこの講座から、あるいはまた中央手術室の費用として出たのであろうか、疑心暗鬼にならざるを得ないのが一つで、もう一つは、これは遺憾なことではありますけれども、明石助手並びに林という無給医局員のようでございますが、これは後ほどお伺いしますが、こういう方々のテクニック・エラーとして片づけられるのではないか、おそらくあの機械の操作にあたって、そういうようなことがあったらたいへんだ、助手に全部責任を引っかぶせて、上の教授がのほほんとしておるような無責任時代の横行しておる医学部でございますので、明石助手に責任を転嫁されるのではなかろうかといって若い研究者諸君が実はおびえておるというのが実態であります。 それで、先日本会議の質問で、斎藤厚生大臣が明らかにしたところによりますと、高圧治療室は、厚生省が指定して機械屋につくらせておるものではなく、医学部のほうで研究用としてつくったものである、そしてまた修繕もしたものであるというからには、どこの教室が一体あれを最終的に——たとえば脳神経外科のものなのか、あるいはまた中央手術室のものなのか、ここら辺をはっきりさせていただきたいと思います。
○村山(松)政府委員 東京大学医学部附属病院の高圧酸素タンクにつきましては、これは機械は内室と外室と二つからなっておりまして、内室のほうは、東京大学の校費で昭和三十九年三月に購入したものでございます。それから外室のほうは、東京大学工学部の教授が、昭和四十年度に厚生省の補助金を受けまして、これに工学部の経費も若干付加したようでありますが、これを合わせまして製作したものでありまして、大学病院に寄付の形で収納されたものでございます。 それから、その使用関係の監督につきましては、大学病院の中央手術室に属しておりまして、これを利用するところの、たとえば脳神経外科等の職員によって運営、操作されているということになっております。
○井上(普)委員 ただいまお話を承りますと、校費がその中に入っているという話ですが、校費というのは一体どういう性格のものですか。
○村山(松)政府委員 大学の校費はいろいろございますが、その大宗をなしますものは、学生当たりで積算されますものと教官当たりで積算されますものを合わせまして物件費に充てるものが、大学の校費といわれるものでございます。
○井上(普)委員 きようの新聞によりますと、東大並びに教育大学、外語大学に対しましては校費を——東京大学では一学年分減らしている。この校費というものは、これは生徒一人当たりの考え方であるはずです。教官一人当たりというのは、あくまでも教育を中心にしたものであるはずであります。それが治療の方向に使われているというのは、大臣どうお考えになりますか。
○村山(松)政府委員 校費は、積算の基礎が、たとえば学生一人当たりで幾ら、それに人数をかけて計算する、それから教官一人当たり幾ら、あるいは場合によっては一構座当たり幾らという単価に数をかけて積算するということでございますが、使用にあたりましては、備品、機械、消耗円、光熱水料等あらゆる物件費的な緯費は、大学の教育、研究所の実情に応じて計画に基づいて使用されて差しつかえないものであります。そういう意味で、校費で機械を購入するということも、現在の会計経理のたてまえ上差しつかえないことになっております。
○井上(普)委員 そういうことになりますと、この酸素治療タンクというのは、いまの大学の医学部の教育実態からして、これは純然たる教育的なものではない。むしろ研究的要素が非常に加わっている。であるから、あの脳神経外科におきましては、専門家は明石助手一人でこういうような治療をやってきた。校費というものは、あなたのおっしゃるように学生一人当たり、そういうようなものから割っていくならば、あくまでも教育的な目的に使われなければならない。ところが片一方において、都合のいいときには、今度東大の校費を四分の一削減する、また東京外語大学も四分の一削減する、東京教育大学も削減するというのは筋が合わぬじゃないですか、どうでございます、大臣。
○村山(松)政府委員 四十四年度の校費の配分につきましては目下検討中でございますので、いま御指摘のように、東京大学あるいは東京教育大学のように入学試験を中止し、第一年次の学生が全然入らないところにつきまして、一般的に校費を学生一人当たりの単価に四学年分の人数をかけて配分するのが適当であるか、若干学生数が少ないということを考慮して、配分にあたっても考慮するほうが適当であるかということについては、現在検討中の段階でございます。
○井上(普)委員 であるならば、きょうの新聞はそれじゃ誤報だといって差しつかえないのですね。
○村山(松)政府委員 新聞に報道されたような考え方もございまして検討中でございますので、きまったという形におとりになればそこまではいっておりませんが、そういうことを全然考えておらないかということでございますならば、そういうことも含めまして検討しておるのが現段階の実情でございます。
○井上(普)委員 どうも筋を通すことがお好きな文部省で、研究施設に、こういうような高圧治療タンクというようなものに校費を使っておる。片一方では学生数が減ったのだからというのでぴしゃっと削ろうというお考え方、矛盾がありませんか。私らはどうも納得できかねるのですが、それでは今後どういう考え方で——ああいう考え方もある、こういう考え方もある、検討中だというお話でございますが、筋とすれば校費というのは教育費であるはずなんです。であるから、当然この高圧酸素タンクに校費を使うのはちょっとおかしいと思うのです。あるいはまた、いままでの実態が予算の使用面において矛盾がありはしないか、これはどうでございますか。
○村山(松)政府委員 こまかく理屈を申し上げますと、学生当たりで積算いたしました校費は、大学にいきまして学部段階にいくわけでございます。病院の経費といたしましては、病院に教官がおりますので、教官当たり積算の校費は病院にまいりますが、学生当たり積算の校費は、観念的には病院にはいかないと考えてよろしいわけであります。その他校費の中には、たとえば設備費という形で積算したものもございます。したがいまして、現実に使用された校費がどこで積算されたものと直結するかにつきましては、これは会計経理上明確でございません。観念的には病院で使いました校費は、学生当たりで計算したものとは結びつきがないと考えてもよろしいわけでございます。
○井上(普)委員 そうすると、ますますおかしくなるのですね。病院で片一方は校費を使っているのですよ。使った金額は幾らですか。
○村山(松)政府委員 酸素室の内室の部分に使いました金額としては六十五万円ということになっております。
○井上(普)委員 この修繕もしたというのでございますが、ともかくそこいらあたりを明確に、校費の使用方法は今後も教育的な方向に使うということを明確にしていただきたいと思うのです。 さらに、この責任の所在は一体中央手術部にあるのか、脳神経外科にあるのか、どっちにあるのですか。
○村山(松)政府委員 校費の用途といたしましては教育研究用ということになっておりまして、これは教育だけである、これは研究だけであるというぐあいに、必ずしもせつ然と区分できない性質のものでございます。 それからこの事故の責任につきましては、現在東京大学においても委員会を設けまして検討中でございますので、まだ明確にどこに責任があるということは断定されませんが、関係するところといたしましては、中央手術部、それから実際に治療を行ないました脳神経外科、それから担当しました医師本人等々の間でどういう責任関係に相なるか、現在検討中でございます。
○井上(普)委員 校費の点につきましては、慎重にこれからやっていただきたいと思うのです。 同時に、責任の所在、これははっきりさしていただかなければいかぬ。と申しますのは、この中に、なくなられた二人の患者さんに対しては国家賠償法の適用があると私は思います。この点はどうでございますか、大臣。
○村山(松)政府委員 死亡された方は患者二人、それから職員が一人、大学院学生が一人ということでございまして、患者につきましては、国の側に過失等があれば国家賠償法の適用があるものと考えております。
○井上(普)委員 患者さんに対しては国家賠償法の適用がある。ところが、無給医局員である林昭義という台湾の方、この方は大学院をことしの三月に卒業するはずで、そうして現在延期願いが出ていたが、関東逓信病院につとめておるために延期願いが保留になっておるという話を聞いております。これはどうなんでございますか。
○村山(松)政府委員 御指摘のように、林医師につきましては大学院四年の修業期間は過ぎましたので、本来なら修了するところでありましたが、さらに研究を続けたいということで延期願いを出し、それが了承されたやに聞いております。
○井上(普)委員 これは死亡後なったのじゃございませんか。
○村山(松)政府委員 そこら辺の正確な時点については、まだはっきりさしておりません。
○井上(普)委員 ここらあたりはっきりさしていただかなければならぬと思うのです。電話があるのですから、ちょっと聞いてみてください。 大臣、実は私の一年先輩で、敬愛する人でしたが、この人がインターンをやっておる最中に——精神科でやっておった。それが、だいぶ古い話でございますが、ヒロポン中毒患者に刺されまして、そして廊下で刺し殺されたという事件がある。そして国はそれに対して何らの措置もなかった。今度の場合も無給医局員です。こういう不明確な身分の人たちが、医者の仕事というのは非常に危険な仕事なんですが、これに携わっておるのです。いまのお話を聞きますと、まだ文部省は身分につきましても的確につかんでいない。それではこれが大学院生の場合については文部省としてはどう考えるのか、無給医局員の場合はどう考えるのか、この二つの場合を想定して、この林医師に対する措置についてお伺いしたいのです。
○村山(松)政府委員 まず前段のお尋ねでありますが、林医師の大学院の延長願いでありますが、延長願いが出されましたのは年度内、つまり事故以前でありますが、正式に決裁になったのは事故後のようであります。 それから後段のお尋ねでありますが、医師二人のうちで助手につきましては、これは国家公務員でありますから、国家公務員の災害補償の規定が、事柄をよく調べた上でありますが、適用されることになろうかと思います。それから大学院の学生につきましては、これはそのような補償の制度が現在はございませんので、どういう形でできるだけ補償をはかるか。これまた現在東京大学でも検討中でありまして、その検討結果を聞きまして、文部省でもできるだけのことをいたしたい。それから一方、先ほども御指摘がありましたが、林医師のほうは本年一月以来逓信病院のほうに職員として勤務しておるようであります。この関係と災害補償の関係がどうなるかにつきましては、勤務個所と事故の個所が違います関係もございますので、現在のところ、どういうぐあいに結びつくか、申し上げようがございません。
○井上(普)委員 その明石君は私の知っておる方です。林医師につきましては、死亡前にともかく延期願いが出ているのです。それをそのまま受けておるのであれば、私は何も言いません。しかし、いまのお話によると、死亡後に東京大学は大学院の学生の身分にしているのです。そうすると、学生の事故だからというので、責任をのがれようとする意図がありありと見えるのです。また、計算のしかたも何か違ってくるでしょう。ともかくこの点は一体どうなんですか。二つの場合の一つの考え方で、補償あるいはまたどういうように処置するか、あなた方のお考え方を示してもらいたい。
○坂田国務大臣 これはまことに不幸なことでございますが、局長からるる申し上げましたように、ただいまこの原因につきましても、東大当局におきまして委員会を設けまして調査をいたしておるわけでございます。 それから、お尋ねの点につきまして、いろいろ不備な点もあるかと思うわけでございますが、そういう方々の補償等につきましても、われわれといたしまして十分検討して対処いたさなければならない、こう思っておる次第でございます。
○井上(普)委員 ただいま調査中という話に実は問題があるのです。というのは、若手の研究者グループは、教授は逃げるのじゃないか、明石医師に責任をひっかぶせて、テクニックエラーとして、技術上のミスとしてやられる可能性があるんじゃないか。東大の医学部の教授というのは無責任の最たるものであります。御承知のように、あれだけの大騒動を起こしておきながら、一人もやめやせぬ。しかも、もう一つの問題としては、無給医局員の形であの教室の中にこういう医者がたくさんおるというところにいまの弊害があるのです。これは大学の基本問題にも触れますが、また日をあらためてこの点につきましてはお尋ねいたしたいと思うのでございますが、ともあれ、この事件について、無給医局員の問題が大きく浮かび上がってきている。身分がない、あるいは死に損だという結果になりはしないか。私も、その先輩の山本さんがヒロポン中毒患者に刺されましたときに、大学病院でありながら、国が全然世話をしなかった。しかもその方は一人っ子だった。御両親の嘆きというものは非常なものでございました。今度の林さんの場合も、奥さんと子供もあるようです。これは何といいましても、東大医学部、病院に責任があることははっきりしているのです。でございますから、それに対する処置をどうするかというぐらいのことは明確に打ち出さなければなりません。原因がどこにあるかは調査中だから言えないということじゃ困ると思うのです。ともかくすみやかに処置することが必要だと思うのですが、大臣どうでございますか。
○坂田国務大臣 これからこういうような不幸なことが起こってはならないわけでございますけれども、しかし、もし万一そういうようなことが起こった場合に十分これに対処するためには、これの起こりました原因、そして責任の度合いがどこにあるかということは、やはり究明した上でこちらがきめるということのほうがいいのではないかというふうに私は考えるわけでございます。
○井上(普)委員 調査中というのはだれだれが調査をやっておるのか知りませんけれども、警察に聞きますと、これまた究明中というお話でございます。病院に働いておる若手研究者は、教授に対して、教授が責任をとらぬのではないか、おそらくとるまい、そして技術上のミスとして明石君におっかぶせるのではないか、こういう非常な心配をしておる。それほど教授と医局員との間に断絶がある。教授と学生との間に御承知のように断絶がある。こういう事態に対して文部大臣はどういうお考えでおられますか、ひとつ御所見を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 今日の大学紛争の一番発端になりました問題特に東大の紛争の直接の問題になりましたものは医学部から出発いたしておりますし、無給医局員の問題あるいは臨床研修医の問題、そしてまた、それを含めまして大学側が、医局全体のあり方が今日の社会の進展あるいは要請にこたえておるかどうかというようなことに対する若手医局員たちの教授に対する不信感あるいは学生たちの不信感、そういうものがああいう形になってあらわれてきたということは私も考えられることであるというふうに思うわけでございまして、それゆえにこそ、医学部の問題あるいは医局のあり方等について、やはり根本的な総点検を行なう必要があるのではないか。単に医学部だけではなくて、ほかの学部におきましても、今日大学として社会の要請にこたえられるような仕組みになっておるかどうか。従来あまりにも学部自治あるいは教授中心のエゴイズムというものが、若い、春秋に富み、かつ非常に研究熱心な人たちの研究意欲を阻害し、あるいはまた、そのことが日本全体の研究の停滞を来たしておるのではないだろうかというようなことについて、私はやはり問題はあるというふうに思います。したがいまして、加藤学長が新たに学長に任命されまして、新しい大学をどういう仕組みにするかということについて、いま精力的に取り組んでおるというわけでございます。 また、私たちといたしましても指導、助言者の立場といたしまして、そういういろいろの具体的な問題を通して、やはりわれわれ国としての直接の責任があるのではないか。たとえば臨床研修医に対しましては、従来謝金一万五千円ということで処理をしてきておった。これがはたしていいかどうかということを考えまして、本年度の予算におきましては二万七千五百円の謝金というふうに、これを引き上げたわけであります。あるいは無給医局員につきましても、従来一万五千円であったものを三万五千円というふうに引き上げてまいりまして、国としてやはり尽くすべきところは尽くさなければならない。しかしまた、無給医局員の身分あるいは研修医の制度上の問題等についても、やはりこれからはっきりした位置づけというものを考えていかなければならないのじゃないか。それは第一次的にはやはり東大当局でもお考えになりましょうけれども、われわれとしてもともに考えなければならない問題である、かように思っておる次第でございます。
○唐橋委員 関連。ただいまの問題に関連して、ひとつ資料を出していただきいと思います。 その一つは、この問題に関係して、日本学術会議の科学者の待遇問題委員会が、これらの災害補償制度が適用になっていない方に対する意見が出されてある、こういうことを聞いておるのでございますが、これは直接関係ありますので、その資料を速急に出していただきたい。 それからもう一つの資料は、このように災害補償制度の適用されていない職員、まあ研究生と助手が多いと思うのでございますが、これらは国立大学の中でどのような人数か、各学校ごとの人数、総体。これはいますぐというわけにいきませんでありましょうが、これはできるだけ早く、前のほうは、これはもう皆さん方が受け取っておると思いますので、直ちに手配して出してください。 以上です。
○井上(普)委員 大臣も問題の所在をおぼろげながらつかまれておられるように考えられるのでありますが、しかし、この東大病院の診療科再編成案というものを実は白木、臺時代につくっておるのですね。東大医学部というのはこれは無責任集団の集まりだと私ら思います。あれだけ、去年の八月以来五回も執行部がかわっているんですね。責任は一体どこにあるのか。教授の中で一人として、あれだけの大騒動を起こしておきながらやめるやつはありやしない。上田英雄さんはどうも佐藤さんの主治医のようだし、それから豊川行平さんは厚生省の元お役人で、厚生省と密着しておる。これらがともかくやかましく申しまして、私はやめはせぬということを文芸春秋に発表するというような無責任時代が横行しております。ここでつくられておるこの診療科再編成案なんか見ましても、やはりこれを見ますと、講座制、医局制というものを残そうという考え方です。機能別に、臓器別に再分割しようというだけの話なんです。いまの体制はそのまま残そうという考え方でおられるようであります。しかし、もう講座制につきまして、あるいはまた医局制の矛盾につきましては、これはまた後日に譲るといたしましても、ともかくこういうような無給医局員に対する待遇というものを、もう少し身分を明確にささなければ診療に当たらせないというくらいのはっきりした身分関係を打ち立てる必要があると思いますが、大臣どうでございます。
○坂田国務大臣 その点はよく検討してみたい課題だと思っております。
○井上(普)委員 酸素の爆発事故の問題はそれくらいにしておきまして、国立学校設置法を提出されておりますが、このたび三重に工学部をつくられるようでございます。昭和三十九年の文部省から出ておりますのを拝見いたしますと、実は工学部の設置基準に——大学設置基準というのがあるはずですが、それに工学部全部合わせまして三十九年当時に五万五千坪建坪が足らないということを申されておるのであります。 三重大学に工学部を置くということは、これは教育学部を工学部に分けるようでございますけれども、これは一体どういう学科をお考えになっておられるのか。そしてまた、昭和四十四年現在、文部省の大学設置基準、工学部の設置基準で坪数がどれくらい不足なのか、お示し願いたいと思います。
○村山(松)政府委員 工学部の学科編成は多岐にわたっておりますが、一番基幹的な学科は機械工学科、電気工学科、それから工業化学科といったようなものでありまして、それを中心として漸次その関連学科を持つのが普通の形であります。そこで、三重大学の場合は、初年度といたしましては一番基幹学科であるところの機械工学科と電気工学科の二学科によって発足いたす予定でございます。 現在、設置基準の関係といたしましては、たとえば三重大学は設置基準に照らしますと、教育学部、農学部も含めまして約十四万平方メートルが必要になるわけでありますが、現有の校地が約三十六万平方メートルあります。それから校舎につきましては、基準で約六千平方メートルが必要でありますが、これは工学部関係だけで六千平方メートル必要でありますが、これにつきまして約七千五百平方メートルの校舎を考えておりますので、校地、校舎につきましては基準を上回った計画になっております。それから教員につきましては、初年度といたしましては設置基準どおりの人員を計上いたしまして、これによって発足することといたしております。今後は情勢に応じて拡充いたしていきたい、かように考えております。
○井上(普)委員 私が聞いておるのは、全国の工学部で建坪不足が五万五千坪あると、あなたのほうの「わが国の高等教育」という本に書いてあります、昭和三十九年に。現在どうなっているのですと聞いているのです。
○村山(松)政府委員 いま手元に資料がございませんが、概略して申し上げますと、現在工学部といわず国立大学の施設全体を合わせまして、やはり望ましい基準に対して充足率が七割見当でありますので、まだ施設については拡充の努力が必要でございます。工学部についてもほぼ同様な事情にあると思います。
○井上(普)委員 あなたのほうは、昭和三十九年に「わが国の高等教育」という本をつくられておる。そして現在工学部については建坪で五万五千坪不足なんだということをあなた方はおっしゃっているのですよ。いま手元にないからといったって、それくらいのこと、あなたはそれで局長になられているのでしょう。われわれはしろうとですよ。それくらいのことは、どういうように変動しておるかというくらいは、いつもだれか専門の部下がおられてながめておられるのじゃないですか。どうなんですか、五万五千坪よりはるかに多くなっておると思うのですが、どうです。
○村山(松)政府委員 すべての数字をそらんじておるべきかもしれませんけれども、現在正確な数字を持ち合わせておりませんので、調べまして御報告申し上げます。
○井上(普)委員 文部大臣、聞いておってください。 東京工業大学におきまして、実は人員が多くなり過ぎて、教室も、一クラス全員が講義を聞くときには、全員が出たならば三分の一は立っていて講義を聞かなければならぬような実態だそうです。有名なあのぜいたくに校舎を使っておる東京工業大学においてそのような実態があるのです。 それからいまあなたは、私も次にここを聞こうと思っていたのですが、電気工学科と機械工学科を三重につくられるとおっしゃったけれども、教官数の不足は全国の工学部においていまどれくらいあるのでございますか。
○村山(松)政府委員 教官の不足ということはいろいろなとらえ方があろうかと思いますが、定員に対する充足状況という形で申し上げますと、大体国立学校を通じまして四、五%の欠員がございます。その中で工学部は平均よりも高い欠員率を示しておりますので、そういう程度の不足状況ということになろうかと思います。さらに内容的に入りますと、俗に申しましてなかなかいい先生が得られないというのが工学部関係の悩みになっております。具体的な数字につきましては、調べまして御報告申し上げます。
○井上(普)委員 実は工学部で最も有名な静岡大学の工学部、これは昔の浜松工専で歴史のある学校ですね。この静岡大学の工学部で教官が不足なのです。あそこは電気工学が非常に優秀だそうですが、浜松では実は優秀な教員ができないので、教官、助手があそこですら足らないと嘆いておる。そういう論文を発表しておるのです。そういうような実態の中で全国の——私、おたくの昭和四十年度の「大学院実態調査報告書」というものを見まして、工学部関係を見ますと、実を言いますと大学院の担当教員数というのは工学部で二千八百七十一、そのうちで教授が千五百十三、助教授が千百十四名というようなことで、助手の数になりますと教授の数よりも減って千百八十八名しかいないのです。これが国立大学の大学院の教官の数なんですよ。文部省はどうしているのです。そしてまた、こういうように工学部の教育者がどんどん減っておるにもかかわらず、いままでどんどんつくってきた原因は一体どこにあるのです。それをお伺いしたい。
○村山(松)政府委員 現在の学部が必ずしも充実していないというのは、これは残念ながら事実でございます。そこでこれの充実をはかることが必要であることは言うまでもないわけでありますが、しからば現在のものが充実できるまで新設をしないかということになりますと、これも非常な問題がございます。現在の充実と、それから不足であるけれども新しい分野あるいは新しい場所、地域の必要性等々をにらみ合わせまして、不足という事態を解決しながら新しいものをつくっていくということも必要でございます。新しいものができて卒業生ができてくれば、そこからまた新しい教官の供給というのも出てまいるわけでございますので、理想と現実とをにらみ合わせながら現存のものの充実と、それから新設を並行してやっておるわけでありますが、率直に申し上げますと、現在は高等学校の卒業生も減っておりますし、それから理工系の技術者の需要につきましても、何回かの拡充計画で以前のような逼迫の状況は一応脱しておりますので、どちらかといえば新設はきわめて重点的にしぼって、既設のものの充実に重点を移すという考えで運営しておるわけでありますが、三重大学の場合は、三重県という立地条件といい、それから県下に工学部がまだ一つもないというようなこと、あるいは県下高等学校卒業生の進学希望状況等々を勘案いたしまして、この際、なかなかむずかしいことではあるけれども、設置することに踏み切った次第でございます。
○井上(普)委員 私は三重に工学部をつくることに反対、賛成を言っているのじゃないのです。それはおわかりだと思うのです。私は全国の工学部で教官数が、先ほど申しましたように教授よりも助手の数が少ない、あるいはまた助教授、講師の数が少ないというようにどんどん離れていっている実態について、文部省はどういう措置を工学部に対してとろうとせられるのか、それをお伺いしたいのです。
○坂田国務大臣 これは新制大学が発足をいたしまして、言うならアメリカで発達をいたしました学部の上に大学院を置く、いわば学問研究の中心という制度、そういうものが入ってきたわけでございますが、とにかくこの二十年の間、むしろ学部中心にまずやってきたということは率直に申し上げられるわけでございます。もちろん、文部省として何をしておるんだというおしかりを受けるのも当然かと私は思います。国民のための大学という意味において各界各層からある程度の能力を持った人は大学に行く、このことはまた一面において非常に大学の意味もあるかと思いますが、同時に、御指摘の真の意味における学問研究、世界の学問水準を維持しあるいは発展さしていくためにほんとうに研究をしようという意欲を持ち、またそれをやれる基礎研究者というものが一定の度合いを保つということは、これから日本として非常に必要なことであると思うのでございますが、残念ながら今日その体制にないということ、これから私たちが考えるべきことは、学部の充実と同時に、そういう学問中心の研究体制というものの確立に向かわなければいけないんだということは、御指摘のとおりだと私たちは考えております。そしてその点について、残念ながらわれわれ文部当局としても力及ばなかったということは深く反省しなければならないのじゃないか。しかし、学問研究中心の大学をいかように現在の大学の中において位置づけていくか、あるいはその運営をどうやっていくかということは、やはり現在各大学が悩んでおります大学の改革の問題等にも関連する問題でございますし、われわれ文部当局といたしましても中教審を中心として諮問をいたしておる、こういうわけでございます。 また、工学部系統は、特にこの二十年間、自然科学の発達によりまして急激に膨脹をし、拡大をし、そしてまた複雑多岐になってきた。こうなりますと、そういうふうに工学部の中において非常に学科目がたくさんになるということは、これは学問の発展にとって一つの必然的なことでございましょうが、真の意味における学問研究を深めていく、あるいは創造的な研究の成果を生み出すために、こういうような形でなくて、今度はこれを総合する一つの学部編成というものも、新たに考えられなければならない時代を迎えたのではないだろうかというような気もいたすわけでございまして、この辺については、いま少しやはり基本的に根本的に考え直してみる必要があるというふうに思います。 現在、大学院の施設設備につきましても、あるいは教官等につきましても、不足を訴えられておるということは、現状、私たちもそう考えておるわけでございます。ただ、考えなければならないことは、これは単に日本だけの問題でなくて、ヨーロッパ諸国においても同様の悩みを持っておるようでございます。たとえばパリ大学でございましても、一教官当たり五十人というような、頭割りでございましょうけれども、数も出ております。戦前の日本の旧帝国大学においては、一教官当たり、助手を含めますと一対八人というような、頭割りでいきますと、これはおそらく研究所も含めてではございましょうけれども、今日でも、助手を含めますと一対八だ。ただ、私立にまいりますと、一対三十あるいは一対四十というように、いわばマスプロダクションなんだ、こういうふうなことでございまして、この二十年間の量的な高等教育に学ぶ数の拡大というものに対応できないということは、やはり率直に認めなければならない。しかし、これはやはり十年くらいかけなければ充実はできないんじゃないかというような気もいたすわけでございます。しかし、必ずそういうような体制を整えなければ、世界的な学問水準を維持し、またそれを発展し、あるいは創造的研究成果を出すことはできないというわけでございまして、大学院中心の大学というようなことが叫ばれておるゆえんも、このあたりにあるかというふうに考えておる次第でございます。
○井上(普)委員 文部大臣は、工学部がふえた、いままでの既設の学部においてずんずんふえてきた、こういうお話、そのとおりだと思う。ただ、ここで問題になりますのは、いつもそういうように工学部の数をふやし、学生をふやす要請をしたのは一体どこだ、それは経済界でしょう。財界でしょう。一例をあげますと、日経連がそういうことを言うと、直ちにこれに文部省が反応し、しかも中教審がこれに反応して、そして大学を大きくする。大学というところは、私らの理解するところでは、研究し創造することができる能力を養うところだと思うのです。これは文部大臣も御同感であろうと思う。ところが、いまこういうように大きくしていって、中級の技術者をつくろうという養成機関にいまの工学部が成り下がっていないか、この点、どうお考えになりますか。
○坂田国務大臣 産業界の一般的な要請ということはあるかと思いますけれども、しかし、何と申しましても、学部をふやすという問題は、むしろその大学自身から起こってきておるわけでございまして、それに対してわれわれが、大学として、均衡のとれたユニバーシティとしてのあり方というようなことについて積極的に指導、助言というものがむしろなされなかったのではないかということが、むしろ私は反省すべきことだと思うのでございます。また、大学みずからも、大学自治というからには、その辺のことをお考えいただいて、工学部の中の学科の問題、あるいは工学部、そういう自然科学系統と人文科学あるいは社会科学というもののバランスというようなものもお考えいただかなければならなかった問題ではなかろうかというふうに思うのです。たとえば東京大学におきましても、自然科学系統の学部と学科というものはきわめて大きく発展をしてきております。これは一般的な社会的要請もございましょうけれども、しかし、大学自身として、そのように拡大することがいいかどうかということは考えなければならなかった問題ではないか。それに対して、人文、社会の部面については一体どうなんだという位置づけというものを大学全体として、全学的な意思決定機関として御検討になったということを、私はいまだかつて聞いておらないわけでございます。この辺にも、やはり責任のなすり合いじゃなくて、これから先、大学とわれわれ文部省とは相ともにこういうような基本的な問題と取り組んでいかなければならないし、予算、財政面については、文部省の責任あるわれわれがそれにこたえていかなければならない。あるいは教官の待遇というような問題についても、われわれは考えていかなければならない。しかし同時に、大学の先生方にも、こういう社会が進展していく、ビッグサイエンス時代になっていく、そこに送り込むところの創造的な研究の成果というものを流し込まなければならないという大学の新しい使命というものがあるわけです。ところが、それに対して産学協同はもう絶対いかぬのだというような考え方では、もはや大学の存立の意味をなくしてしまうんじゃないかという気さえするわけなんです。一方において、社会や企業というものが大学のアカデミック・フリーダムというものを認めつつ、また、その大学自身も、一企業の利益に奉仕するために大学が存立するのではなくて、一般的な企業や社会の進展に対する成果というものを大学が常に若い泉のごとく社会の中に流し込んでいかなければいけないんじゃないか。 それからまた、基礎研究というものとその応用研究、開発研究というものとの区別の問題大学はどの点までを基礎研究として考えるが、むしろこれから先は企業にまかしたほうがいいんじゃないかというような点も、もう少し大学がすなおに社会の声に耳を傾ける、われわれはその中にあって、それを調整する役目を果たすべきじゃなかろうか、こういうような一般的な考え方を実は持っておるわけでございます。
○井上(普)委員 あなたのいまの発言の中に、私は反論したいことがたくさんある。坂田さんは、大学が要望したから学科をふやしたのだ、こういうお話なんですが、しかし、これに私は大きい疑問があるのです。ふやすならば、当然これに伴う研究費であるとか、あるいはまた教官の給与というものを十分に与えなければならない。それをあなた方はやってないでしょう。いままで文部大臣といったら、どうも伴食大臣で、坂田さんは、今度は国会随一の、週刊誌によりますと、大学をよく知っておる文部大臣だといわれるので、いままでの考え方を改めなければいかぬと思うのですけれども、いままでの文部省のやり方が実は非常にまずかった。大学はつくったけれども、金は出さないということをあなた方はやっているのでしょう。事実、こういうのがあります。北海道大学の方で「大学の助手制度全廃論」という論文を出しております。そういうのを見ておりますと、実は私どもびっくりしたのですが、頭脳流出の問題と一緒に論じておるのでございますが、北大の場合、文部省が大学院の手当支給をしておるのは、わずかに六百五十名の助手のうちの百十五名にしか与えてないですね。教職員特例法の別ワクとしてしか与えてないです。こういうようなことをやるから、若い研究者はどんどん大学におらなくなってしまう。特に企業側は、アメリカも同じですけれども、日本の頭脳を非常に高く評価している。アメリカへ頭脳流出をやる。しかし、向こうで何をやっておるかといいますと、これは医者の場合、まさに技術屋として、下請機関としてしかほとんど使われていない。しかも人種差別のある国で、日本人はアメリカへ行って、プエルトリコ程度にしか扱われておらないようです。その人たちを国からどんどん勧誘し、そしてまた日本から行くのはどこに原因があるのかといえば、待遇がいいからです。向こうへ行ったら、小使い同様に、実験助手のごとき仕事をやらせて、それをアメリカの学者が吸い上げて発表しておるというのが実態じゃないですか。工学関係におきましても、たくさんそういうような頭脳流出が行なわれておる。そこで、この助手、教官、あるいは研究費、こういうものを文部省がいままでおろそかにしてきた一例をあげますと、ここにございますが、あなた方文部省の出しております研究費の伸びというものは、消費者物価上昇に達していないのですね。昭和四十三年と四十四年の研究費の伸び率は一体幾らになっておりますか。そして消費者物価と比べてどうお考えになりますか。
○村山(松)政府委員 昭和十年を起点といたしまして、昭和四十三年で比較いたしますと、消費者物価指数は四九八になっております。教官当たり積算校費、これは実験、非実験等々で違いますが、比較的伸び率の高いものは講座制実験の分でありまして、これが四四八、やや消費者物価指数を下回っております。その他、非実験系統になりますと、これよりさらに下回っておりますので、教官当たり積算校費の伸びは、いろいろ努力はいたしておりますが、まだ消費者物価指数にやや及ばないという実情でございます。
○坂田国務大臣 この点につきまして、私ごとを申し上げて恐縮でございますが、実は昭和三十二年に、昭和九年、十年に比較いたしまして、当時の教官研究費というものがあまりにも落ち込んでおる、これでは日本の科学技術というものはいけないと私考えまして、衆議院にあります文教調査室の専門員の石井という方と、私、東大の各研究室を三日間にわたりまして視察をいたしました。その中で、理学部に関しましての詳しいデータをとりまして、そして分析をいたしました結果、実際、一講座当たり三分の一程度しか来ていない。これではいけないということで、当時の矢内原先生から始まりまして、茅先生。初年にはとれませんでした。そして、そのときに茅先生は落胆されて、大蔵省の壁が厚くて、もうとてもだめだと言われたわけですが、そんなことではだめでございます。もう一年がんばっていただきたいということで一緒にやりまして、その翌年初めてたしか二〇%ふえまして、それ以来ずっと大体二〇%前後のあれをやりつつ、今日に至ったというふうに私は考えておるわけでございます。ただ、これにつきましても、東京大学とかあるいは京都大学とかいうような、講座制のあるところと、地方の講座制のないところではだいぶ違うということは承知いたしておるわけでございます。その当時の記憶からいたしますと、教授たちは、待遇ということよりも、こういう研究費のほうをまずやってくれという強い御要望がございました。これにこたえなければならぬということでやったことを申し添えておきたいと思います。
○井上(普)委員 坂田さんが御努力になったことは私認めますけれども、現在では、昭和三十九年以降消費者物価上昇率にも及ばぬ伸び率しか示しておらないのですよ。あなたはいま二〇%ぐらい伸びたとおっしゃいますが、大学問題の最高の、坂田私案までつくられる方がそんな認識では困りまずね。どうです、大学学術局長、何%伸びたのです。
○坂田国務大臣 私の申し上げますのは、不十分だとは申しておるわけなんです。ですけれども、政府としてもいろいろ努力をしてきた、全然何もしなかったということじゃない一つのことを申し上げたにすぎないわけでございます。
○村山(松)政府委員 教官当たり積算校費の本年度の予算伸び率は約八%でございます。なお、国立大学だけではなしに、国公私立大学あるいは研究機関の研究者に対する科学研究費のほうは、本年度は大幅に伸ばしていただきまして、二〇%増、五十億を六十億に予定しております。
○井上(普)委員 ともかく研究費が足らない、しかも学者諸君はものに取りつかれたように研究に没頭することによって、初めて創造的なものが出てくるのです。ところが、研究費が少ないがために、先ほども問題になりました高圧酸素タンクにいたしましても、あっちからの費用、こっちからの費用を持ち寄ってつくるというようなことをやっておるわけなんです。八%の伸びといいますけれども、国民総生産に対する比というものが非常に大きいウエートを占めてきておる。アメリカ、ソ連はわれわれはもう問題にせぬといたしましても、ドイツあるいはイギリスよりもはるかに——はるかにといいますか、イタリア並みにしか、第三流国の研究費に国全体の研究費というものが落ち込んでおる。しかも全体の研究費のうちの七割までは民間企業が持っておる実情ではありませんか。文部省は三割しか見ていない。こういうようなことを考えるとうそ寒い思いがするのです。われわれは民族の発展を願い、そして日本の頭脳の優秀さを日本という民族が見ていかなければならないのです。ところが、いまの時点において研究費が少ないがために、将来においては格差がずんずん広がっていくと思うのです。一年のおくれというものは、将来の十年、二十年にかかわると思うのです。こういうことを考えると、研究費が少ないがために、おそらく研究者の諸君は涙をのんで委託研究なんかを受けておるのじゃなかろうか。文部省がもう少ししっかりすればこういうような問題はないのじゃないか、こうも思われるのです。 それはさておきまして、委託研究費の問題でちょっとお伺いしたいのですが、先日文部省のほうにも御通知申し上げましたけれども、東京大学の都市工学科委託研究の実情が、「自然」という本の四月号に出ております。この委託研究費は全部予算、決算で出しておりますか。
○安養寺政府委員 お話の四十三件の委託研究費のうち、委託研究といたしまして、正規に歳入に繰り入れておりますのが二件でございます。なお文部省の科学研究費の補助金として受けておりますものが一件ございます。国以外の委員会等が受託をいたしまして、それに当該学科の教官その他の者が関係者として参加したというようなものを除きまして、本来正規の受け入れをなすべきものというのが十六件、かように考えております。
○井上(普)委員 いまの結果を聞かれて、文部大臣、御所見を承りたい。
○坂田国務大臣 この点、もう少し委託研究という問題について、大学当局とわれわれと話し合わなければいけない課題だと思います。そうでなければ、いま産学協同とか、あるいは学産協力とかいっても、なかなかこれはうまくまいらないというような気がいたすのでございます。
○井上(普)委員 ただいまの都市工学科における委託技術四十六件ですか、そのうちで文部省の予算に載っておるのはわずかに三件というのですね。都市工学科の諸君が訴えておる文書を見ますと、大学院に入ったら一年間は勉強さしてくれるが、二年間はこの委託研究の下請けをやらされる。これをそのまま論文として教授が発表して、委託研究の行くえが不明だということで、やかましくいわれておるのは御存じのとおりです。しかもこの委託研究は、これは公の機関から出ているものがほとんどなんですね。会計課長そうでしょう。それすら予算に載せてないですね。決算上載せていない。いつの間にか教授が、徒弟制度の親方的な感覚におちいっておるのではなかろうか、こう思うのですが、大臣どうでございますか。
○坂田国務大臣 やはりこの辺のところは、教授たちが大学自治を叫ばれるからには、はっきりした考え方を持って臨んでいただかなければいけないんじゃないかというふうに思います。私は率直に申し上げて、病根はこの辺にあるんじゃないかというふうな気がするのです。それに対して私たちの指導、助言ということが足りなかったということも考えなければならない。私は、やはり近くそういうような具体的な問題で大学当局と御相談を申し上げてみたいと考えます。
○井上(普)委員 東大の教授会は、教授会自治であって、しかも教授会の自治の能力のないやつばっかりです。医学部の連中は……。それはそれとして、文部省は東大当局、東大当局とおっしゃっておるでしょう。いつも東大当局、学生と対して東大当局と言っておるのは、あまり教授会というものを中心に考えておるから、それを都合のいいときはこっちをとって、都合の悪いときは教授会に反省してもらいたいということでは困ると思うのです。もちろん私は、こういう学生諸君は、特に都市工学科あたりは激しい運動を展開しておる。激しい運動を展開する理由はどこかといったら、やはり委託研究を中心に考えられておるようです。これが東大闘争の最先端に立ったことも御存じでしょう。予決令にこの受託研究はどういうような扱いにしなければならぬのですか。会計課長どうなのです。
○安養寺政府委員 これは前からそうでございますが、昭和四十二年の八月、九月、事務次官あるいは学術局長、会計課長連名の文書をもちまして、慎重な取り扱いをするように注意を促しております。本来受託研究というような双務契約が行なわれました場合、それに必要な経費はすべて国費に納めて、私的な経理をしないように、かように申しておるわけであります。
○井上(普)委員 そうなりますと、これは予決令に違反したやり方だと言って差しつかえございませんね。どうでございますか。
○安養寺政府委員 本来国費に入れまして、その歳出という形で費消すべき経費でございますが、国費に入ってまいりませんものですから、その扱いがたいへん適当ではないとは思いますけれども、予決令の問題と多少違うと思います。
○井上(普)委員 予決令に違反しておる。こういうような具体的な問題がぱしっと出てきておるのですよ。たとえば京都市役所が委託した例なり、群馬県が、あるいはまた静岡県、清水市役所が委託ておるのですね。それらが載っていないのです。一体どうしたのです。ほうっておいていいのですか。ほとんど都市工学科です。委託研究費というものは出されていますが、これを見ますというと、ほとんどが公の団体じゃないですか。住宅公団とかあるいはまた道路公団、東京都の下水道局とか、こんなところばかりじゃないですか。それを国の少なくとも予算に載せろとは私は申しませんけれども、決算上あらわれてくるようにしなければならぬ。国の機関でやっておるのだから。それはどうなんです、会計課長。
○安養寺政府委員 本来国費をもって経理すべきものでございますから、入っていなくてはいけないのでございますが、入ってございませんので、まことによくはございませんけれども、法規的な問題という形式的なものではございません。
○井上(普)委員 四十六件のうちで入っておるのはわずか三件ですよ。こういうもの具体的に文部省はどうするのです。
○村山(松)政府委員 御案内のように、国立学校の会計が特別会計制度になりましたのは、昭和三十八年以来でございます。それ以前一般会計でございました時代におきましては、この種の受託研究のようなものを扱います場合に、資金を受け入れましても、これを予算化することが、これは全然収支が別でありまして非常に不便でありましたので、大学はつい正規の経理を通じないで、いわゆる別途経理で始末をつけるという悪い慣習がございました。こういうことは望ましくないというので、特別会計になりました機会に、受託研究費という正規の費目を設けまして、大学の教育研究上支障のないような研究について、部外から委託を受ける場合には、その内容を明らかにして、費用も正規に受け入れて、受け入れた資金を見返りとして正規に支出金をつける、こういう道を開いたわけでありまして、受託研究はもっぱらこのルートでやっていただくように大学に指導しておるわけであります。それが従来の惰性で励行されていない傾向がありましたので、先ほど会計課長から御説明いたしましたように、四十二年にはさらに事務次官名、あるいは会計課長、大学学術局長名で注意を喚起いたしましたが、なお励行されていない点がありますのは、まことに遺憾でございますので、よく調べまして、できるだけ励行されるようにいたしていきたいと思います。
○井上(普)委員 これは予決令に違反しておるのですよ。そして学生さんが、大学院生が、わしはこんな研究をやっておるんだ、わしはこんな研究をやったんだといって持ち寄ってあらわれたのが都市工学科のこれなんです。しかもまた言っておるのです。どうも教授個人が受けたんで、まだわしらにはわからぬところがたくさんあるというのです。これには丹下さんのところとか、あるいはまた本城さん、高山研究所、日笠さん、井上研究所、衛生研究所、あるいは石橋研究所、徳平、杉本、こういうような各講座が全部やっておるのです。しかも公の市役所とか、それから建設省まで載っていないのです。建設省は載っていますか。建設省の委託研究は載っていますか。
○安養寺政府委員 載ってございません。
○井上(普)委員 公団から出したものまで載っていないのですよ。あるいは首都圏整備委員会もありますね。これが出ていないのですね。少なくともこれだけは解明してほしいんですが、どうなんです。
○安養寺政府委員 先ほど大臣からもお話がございましたように、本来そういうことは国費をもって経理すべき問題であるという督励をいたしておるわけでございますが、現実に大学各部学科における教官が実際の問題の処理に当たるわけでございまして、いわば大学の教官各自がこういうことについての良識ある判断で処理をしていただくということを期待するわけでございます。なお一そう督励をいたすつもりではございますけれども、事情はそういうような実態に原因しておるだろうと思います。
○井上(普)委員 それでは会計課長、これは予決令に違反しているのでしょう。どうなんです、その点は。
○安養寺政府委員 予決令には、歳入歳出というものが一括詮議されるという原則があるわけでございますが、それは、先ほどのことを繰り返すようではございますけれども、入るべきものが入らないままで私的に消費されておるというような状態なものでございますから、形式的にはこの法規のどの章条に合わしてということはないと思います。
○井上(普)委員 それじゃ法規上これは合法なんですか。財政法上合法なんですか、どうなんです。
○安養寺政府委員 そういう経費をいわばプライベートに使っておるということでございますから、国の経理の処理の問題とは多少はずれる問題かと思います。
○井上(普)委員 多少はずれておると言いますが、これは多少どころの騒ぎじゃないでしょう。法律というのは道徳の最低の基準をきめておるものと私は思う。それすら守られないということに対しては一体文部省はどうするのです。研究者の良心にまかすという問題でありましたら、良心的な人でありましたならば、これは少なくとも決算上は出すでしょう。それが出ていないというのですから、事なんですね。こういう問題が至るところにあるのです。こういうところに大学紛争の根本原因の一つが私はあると思う。だから、文部省はどういう態度で臨むかということを——いままでのような手ぬるいことで済まされない。ひとつこの際、方策を立てていただかぬと、私らも質問上質問を続けていくわけにまいりません。
○坂田国務大臣 この問題については私初めてわかったわけでございますが、いままではそういうふうな安易な慣行もあったように思いますけれども、しかし、事柄はきわめて重大な問題で、これから先、先ほど私が井上先生にお答えしましたように、大学と企業との関係というものを考えていかなければならないこの時期におきまして、この問題についての皆さん方の御納得のいく方策をひとつ打ち出したいと私は考えております。まず実態等につきましては、各大学の直接の、工学部なら工学部の方々に来ていただいて、そしてまず事実を聞いてみたい。それから、それではどういうふうにこれを処置するかということについては、文部省と大学側が一体となって対処したい、かように考える次第であります。
○井上(普)委員 いま現に法規上違反しておるのですね、これについて処分はどうするのだと聞いている。慣行上認めておくということではもうおさまらない問題国会で一応言った以上、これは済まされない問題ですから、私らとしては。どうなんですか。
○安養寺政府委員 まことに繰り返しで恐縮でございますが、本来御指摘のようにプライベートに経理すべきものではない。国庫に入れ、その歳出手続をとって処理すべきであるというものではございますけれども、現にわれわれ知らないというような状態で、たいへん残念でございますが、私的に経理をされておるということが明らかになっておるわけでございます。この事態を今後はいけないということに大いに当該関係者を督励するということになるわけでございます。法規のお話でございますけれども、国費にしてございませんそれを出すということについての法規上の問題はないと思います。
○井上(普)委員 しかしあなた方は、文部省当局は、大学紛争については、国の財産をあれだけいためられたと盛んにおっしゃる、文部大臣もおっしゃる。しかしこれは国の財産、そこで国の費用で研究しているのですよ。いいですか、少なくとも院生が国有財産の中で研究されているのですよ、あなた方のいう国有財産の中で研究されておる。そしてこの大学院生がただ働きさせられている、論文をつくらされる。こういう委託研究を、論文を自分が出すと、それが教授の名前になって出される。金額の点においても不明である。あるいはまた、受託研究ということで、そのメーカー側の立場に立ってものを考えなければいけないから、真の研究者としての研究ができない。つまり一定のワクがあるから、その中でしか研究ができないという悩みから、都市工学科の連中は立ち上がっておるのです。現にこれが問題になっているのだから、どうするのだというのです。文部省の目にかかった以上は、あなた方いままでお知りにならなければそれでいいですよ。現にどこの教室もこういうことをやっているのだという。これは一例として都市工学科だけの問題ですけれども、この問題をどうするのだという処理の方法をひとつ現実の問題としてやっていただかないことには話にならない。いまの問題です。
○安養寺政府委員 先生の御指摘のような状態がいいなどと申しておるわけではございません。わが方ではいろいろそのことのないように督励をいたしておるわけでございますが、残念ながら知らないものがあらわれて、いま御指摘のようなことを御指摘を受けておるわけでございますが、国費をもって費消すべきであるけれども、国費になっていない。受託者からしかるべき金子を受け取って、その金を使っておるということでございますので、御指摘のような予決令の話ではないと申しておるわけでございます。
○井上(普)委員 私は、現実の問題をどう処理するかということ、目にかかった以上はどうするかということを聞いておる。それに予決令に違反していない、国に金が入っていないからかまわないという考え方で処理せられるといういまの御答弁は納得できない。われわれの納得のいくような御答弁をしていただきたい。それまでともかく質問をしません。 〔「理事会で相談」「休憩」と呼ぶ者あり〕
○大坪委員長 速記中止。 〔速記中止〕
○大坪委員長 速記を始めて。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後零時五十八分開議
○大坪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。井上君。
○井上(普)委員 ただいまの委託研究につきましては質問を保留さしていただいて、後ほど当局から明快なる御答弁をいただきたい、このように思う次第でございます。いずれにいたしましても、この委託研究という形でうやむやに過ごされてきたことに対する憤りが、実は都市工学科の大学院学生、助手、これらが中心になって、あの東大紛争の根本原因をなしておるということをひとつ御認識になっていただきたいと思うのです。こういうようなことをやっておるから学者が、すなわち国、文部省の研究費が少ないがために委託研究にいく。そして委託研究にいくうちに学者的な良心の麻痺が起こって、あるいは産学協同に走り、あるいはまたアメリカ軍の研究に協力するというような事態が起きておるのです。ここにアメリカ軍の日本の大学研究費の補助金を実は持っておるのですが、見てみますと、これはもう医学関係におきましては明らかにベトナム戦争と結びつくような点が非常に多い。 一例をあげましょうか。都市工学科なんかですと、これはどういうのですか、アメリカ陸軍極東研究開発局から研究資金を出しておる。そして東大の工学部では、手動制御に関するUSC・NASA会議というものにも補助金が出ております。これはどうも私は門外漢でどういうことをやっておるかわからぬけれども、米軍からも軍事力のために金が出ておる。こういうようにして研究者の良心がだんだん、だんだん麻痺していっておる実情、これが日本の科学研究の将来に及ぼす影響というものは、私は非常に大きいと思うのです。学者的良心の潔癖さの欠除、これは文部省が出す研究費の少な過ぎるがためにこちら側に走っていっている。意識すると意識しないとにかかわらず走っていっておる実情、これは日本の学問の進歩あるいは研究の進歩のためには非常におそるべきものがあると思うのですが、文部大臣いかがでございますか、御所見を承りたい。
○坂田国務大臣 先ほども申し上げましたように、確かに日本の学問、研究の基本的な体制が確立しておらないということは認めざるを得ないと思うのであります。しかし、このままでまいりますると、世界の水準を維持することすらできない。いわんや、創造的な研究というものは行なわれなくなるということにおきまして、この際、大学の改革と同時に、その中心課題としましても、この基礎研究が活発に行なわれるような体制をつくり出していかなければいかぬのじゃないかというふうに考えるわけでございます。たとえばOECDの発表によりますると、主要十カ国における研究者の人数というものは、これは文部省関係の研究者だけではございませんけれども、第三位にあるわけでございます。しかしながら、その一人当たりの研究費になりますると、主要十カ国で最下位であるというような報告も行なわれておるわけでございます。この点につきましては、私たちも抜本的な研究体制の確立ということを目標にいたしまして今後施策を進めていかなければならない、かように考えておる次第であります。
○井上(普)委員 私は、今日まで大学らしからぬ大学をつくり上げた責任というものがあると思うのです。文部省が、認可申請が大学から来る、あるいは新制大学をつくるというときに、特に私立の大学で一体大学の名に値するかというところを、裁縫学校に毛のはえたところを、どんなことかいつの間にか短期大学にし、それがまた四年制の大学に昇格していっておる実例を私はたくさん知っていますよ。私もまだ議員になる前でしたが、文部省は一体大学というものをどう考えておるのか、実に素朴に考えたことがあります。ほんとうに裁縫学校に毛のはえたものが基礎になって大学をつくれるのですからね。これはうわさで確証はないのですが、文部省の係官を現地に派遣したときにはどんちゃん騒ぎさせるというようなことすら耳に入る。大学をつくる際の文部省の態度というものが非常に甘かったところにも一つの原因があると思いますが、大臣どうでございますか。
○坂田国務大臣 国立大学は、御承知のように各県大体一校という形で新制大学は発足いたしたわけでございます。また、私立大学につきましても、設置基準に基づきましてやってきた。しかし、これはいまから考えますると、もう少し地域的な考慮、日本列島の中においてどういうふうに考えなければならぬかというようなことの長期教育計画というものがやはり背景になければならなかったのじゃないかというような気はいたします。したがいまして、その結果として、今日七つの都市に大体百五十万の六〇%もの学生が蝟集しておる、こういう結果におちいっておるわけであります。しかしまた、私立大学のほうからいうならば、非常に僻遠の地におきましては経営上それが成り立たないという面もあって、結局都市集中という形になったのではないか。そういうことについて文部省としても、大学を設置していく場合においての長期計画等も持ち合わせるべきであったのではないかという気はいたします。その点についての反省は率直に認めなければならないというふうに考えるわけであります。 それからもう一つは、新制大学の理念というものがはっきりしなかった。したがって、大学を設置します場合において、旧帝国大学の東京であるとか京都であるとかいうようなものを基準にしまして、それが大学であるという形で大学がたくさんできてきた。しかしまた、先ほど御指摘の短期大学につきましては、これはまた別な意味を持つので、新制大学になりましてから、万民のための大学というか、国民のための大学と申しますか、高等教育機関と申したほうが適当かと思いますが、その中における短期大学の位置づけというものは、私はそれなりに意味を持っておると思うのであって、われわれの観念する研究中心の大学、昔の旧帝国大学という考え方からするならば、短期大学というものは大学に値するのかというような議論も出てきますけれども、そうでない高等教育機関の一つの重要な部門として短期大学が現在果たしております役割りというものにつきましては、私はかなり高い評価を持っておるものでございます。ことに新憲法のもとに男女平等という形において、女子の教育の面において果たしておる役割りというものは非常に大きいのではないかというふうに考えるわけであります。したがいまして、その新制大学というものの理念について、もう少し目的と性格をはっきりさせて、そしてその目的と性格に応じた大学のあり方というものが求められるべきであった。たとえば学問中心の大学、あるいはまた一般の職業人養成の大学、あるいは小中高の先生方を養成するいわゆる教員養成の大学というものでは、大学であると申しましても、その目的、性格というものはおのずから違うわけでございまして、その違った目的、性格に応じて国としての力の入れ方というものを考えていくべきであった。そういうような点をあわせまして、実は前大臣のときから中央教育審議会に諮問をいたし、また審議を願っておるというわけでございまして、この辺で戦後二十年のこの転換期にあたりまして、大学のあり方について根本的に、基本的に考え直してみる必要があるというふうに私は考えておるわけであります。
○井上(普)委員 いままでの文部省の行き方というものが、どういう大学を目ざしておったのか、これが明確になっておりませんが、学校教育法による大学ということになりますと、これは何を申しましても教育と研究が行なわれる大学でなければならぬはずです。大学でなぜ研究が必要かというならば、その時代の最先端の学問水準あるいは教養というものを身につけさすためにも学問の研究ということが必要になってくる。しかし、それがすぐに役に立つようなものではないと思います。しかし、工学部について申しますと、このように非常にたくさんの学部が膨張した。その原因はいわゆる高度成長政策によるところの経済界の要望、あるいはまたそういうような経団連とかいうようなところが一々要求を出しておる。それをまたすなおに中教審なるものが聞いておるのですね。でございますから大学院という存在、研究者を養成しなければならないところが、修士課程においてはもうすでに高級技術者としての養成機関になり下がっておる。昭和三十八年の一月には、中教審はこういうことをいっておる。「博士課程においては、研究者の養成を主とし、修士課程においては、研究能力の高い職業人の養成を主とするものとすべきである。」というような方向にねじ曲げられてきておる。事実、この大学院の院生が、就職がどういうようになっておるかといいますと、もうすでに御存じでございましょうが、奨学資金一つ見ましても、実に九〇何%までは大企業からの奨学資金を受けているのが実態じゃございませんか。その数字を申し上げますと、京都の京大の院生協の調査によりますと、大学院生ですが、日本育英会以外の、主として企業からの奨学生は、工学系では全体の七三%を占めておる。それがほとんど修士課程に集中しておるのです。こういう実態。あるいは東京工大の大学院の自治会の昨年の調査によりますと、奨学金は、博士課程の者の九二%が、修士課程の者の五五%が受けておる。その種類は、博士号の八五%、修士の六三%が日本育英会の奨学資金であり、次いで、博士の一〇%、修士の二六%が会社から奨学金をもらっている。こういうように大学院までも企業によって左右せられるように、修士課程はもはや高等技術者の養成機関となり下がっておる。いまの制度のもとではなり下がっておると思うのでありますが、大臣どうでありますか、これが正しい姿とお考えになりますか。どうでございますか。
○坂田国務大臣 私のほうでまだその資料をつまびらかにいたしませんけれども、やはりそういう傾向があると思われます。そして、その傾向というものは、むしろわれわれ文部省のほうで考えていくべき問題であって、日本育英会の奨学金の貸与額、あるいはその人数等についても、今後とも努力をしていくべきものであるというふうに考えます。
○井上(普)委員 この修士課程の人たちまでもどんどんと大企業から奨学資金を出している。しかも、おもしろい調査が出ております。大会社から奨学金をもらうけれども、実際そこに就職したいと思っているのは半分しかいないのです。ここらはいまの学生さんの気風をあらわしているとは思うのでございますけれども、しかし、この実態を見ましたときに、真理の追求をすべき大学院生までもが企業支配にさらされておるというこの実態はおそるべきものがあると思う。そして、先ほど申しましたように、当然教員になる実力のある人が教員になっていないがために、工学部関係においては教員の不足は大体四割近くあるのじゃございませんか。ここに日本の科学技術の振興の大きい危機があると思うのです。しかし、それもどこにあるかといえば、やはり東大の諸君が——私、これをお見せするのを忘れましたけれども、実は都市工学のパンフレットにさっきのことは書いてあるのです。そして講座制についての批判、科目制についての批判というものがどんどんと、ともかく鋭い問題提起を学生側から出されておる。ところが、それに対応する教授会というものが、私に言わせると脳動脈硬化症を呈し、さらに脳細胞硬化症まで呈しているために今日の事態になっておるのが実態じゃないかと思うのです。しかし、こういうことは、これはまたあらためて申し上げるといたしまして、工学部のあり方です。工学部のあり方は、先ほどの大学学術局長の電気工学、機械工学を中心に置くという考え方はもうすでにおそいのじゃありませんか。といいますのは、大臣、これは聞いておいていただきたいのですが、技術だけ教えるというのではなくて、工学部の教育は理論と技術とが一体になったものでなければならない。でありますから、いま、イギリスにおきましても、西ドイツにおきましても、工学部の教育課程をいかに編成するかということを悩んでいるはずです。いままで百年の歴史を誇るところのマサチューセッツ工科大学も、これも課程を変えたはずです。日本においては、大阪大学におけるところの基礎工学部という考え方が出てきた。これは理論と応用というもの、技術と理論というもの、これを理論側から見るのじゃなしに、応用側から見るのじゃなく見る理論というものもあってしかるべしということで、理論と応用と合体した考え方がいわゆるエンジニアリングサイエンスとして浮かび上がってきていると思うのです。ところが、そういうように新しく、マサチューセッツにしても、もうカリキュラムを変えよう、あるいはカリフォルニア大学も変えようという時代になって、依然として同じように機械工学を中心とし、電気工学を中心とするような、こういうような大学の設置のあり方で、はたして新しい大学ができるのか、新しい工学研究ができるのかと私は申したい。三重の工学部をつくることはけっこうです。しかし、これは国立大学として新しくつくるのであれば、新しい科学的視野に立った大学というもの、工学部というものを建設していくべきじゃありませんか。マサチューセッツの教科課程が変わりますというと、一年足らずしてソビエトの工学部のカリキュラムは全部変わったという話を私は聞いております。いまやアメリカのカリキュラムも、こういうような分け方はもう古くなって、新しい模索をやりつつある。大阪大学の基礎工学部は、あのカリフォルニア大学をまねてつくろうとしたのでしょう。それすらも時代おくれになるというので、いま新しい工学部の教育計画をいかにするかということを全世界が模索している最中じゃありませんか。それにかかわらず、依然として古い機械工学とか、電気工学とか、工業化学とかいうふうなものを中心にして、はたして新しい工学部ができるかということを私は考えるのですが、大臣、どうでございましょう。
○坂田国務大臣 私は、基本的には、御意見非常に卓見だと思うし、そういう時代を迎えつつある。それに対して現在の大学というものが対応していない。しかし、文部省の設置基準その他につきましても、新しい社会の要請にこたえる学部編制というようなところまでももう一ぺん考え直してみるという必要はあると思います。というふうに考えるわけでございまして、その意味において中教審等においても、諮問をいたし、基本的な問題を考えていただいているところでございます。確かにマサチューセッツでもカリキュラムのやり方を変えておるように承っておりますし、イギリスでは、古い大学は古い大学としてその価値を認めつつ、しかし新しい社会の要請にこたえては、全く新しい構想で、いまおっしゃるような学部編制も全然新しい形で、たとえばエセックスであるとかサセックスであるとか、新しい大学が認められておる。こういう時代でありますから、わが国としましても、その辺まで掘り下げて考えていかなければ、せっかく大学をつくっても意味がないのではないかというふうに思います。 〔委員長退席、久保田(円)委員長代理着席〕 三重大学の場合におきましては、その運用等につきまして十分大学当局においてもお考えをいただきたいし、われわれからも指導、助言をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○井上(普)委員 いま大学設置基準があるけれども、すでに大阪大学に基礎工学部というのができているじゃないですか。こういうようなところをつくっていくべきなんですね。許された範囲内においてどんどんと、新しい大学をつくるときには、時代の最先端に立つような研究ができ、また教育もできるような体制をつくっていくべきなのです。ところが依然として古い考え方で進められている。ロビンス報告を読みましても、イギリスがなぜああいうような斜陽になったかということで、鋭い反省のもとに高等教育の計画を二年間にわたってつくられているのでしょう。しかし、日本も考えなければならぬのだけれども、文部省が、いままでの文学官僚が、あるいは文部省を取り巻く連中が古い頭の方ばかりであったために、制度改革あるいは教育カリキュラムの改革というのがいままでできてない。もうすでに世界の大勢から、研究体制にしても、学問体系からもはるかにおくれておるということがいえると私は思う。医学におきまして非常に世界の水準にいっておるといっておりますけれども、いってはいませんよ。やはり日本の学問というのは、アメリカあるいは諸外国の追随くらいしか研究ができてないのです。オリジナリティのある研究というのが一体幾つあるのです。ソニーが半導体の研究をやった。しかしこれも、あそこのやったのは一体だれがやったのだというと、理学部の連中がやったのですね。応用理論の科学を卒業した理学部の連中があの半導体をやったのですよ。もうすでにそういうような時代になっておるのですから、せめて国でつくる新しい工学部は、これはひとつ時代の最先端をともかく進むような研究体制ができ、また教育体制ができるようなものにしなければならぬ。私どもがあえてこういうことを申しますのは、三重大学工学部が将来発展する、あそこは神宮もございますし、いいところにあって、ひとついい大学になっていただきたい。こう思うがゆえに、国立であるがために、私はあえて自由にできると思うのですね。これをひとつやっていただきたいと思うのですが、大臣のお考え方をひとつ承りたいと思います。
○坂田国務大臣 先ほどからお答えいたしておりますように、井上さんのお考え方と実は私の考え方は非常に近いわけでございます。ただ、その運びをどういうふうにしてやるかということでございますが、やはり第一義的には大学当局自身がそういう新しい考え方を持っていただきたいということが大切でございますし、われわれもその気持ちに対しまして援助をしていく。しかし、こういうように世の中は変わってきておりますよ、あるいはアメリカのマサチューセッツ大学ではこういうカリキュラム編成をしておりますし、あるいは大阪大学ではこうですよというような指導、助言は積み重ねてまいらなければならない、かように考えておる次第であります。
○井上(普)委員 私は、大阪の外国語大学に大学院がつくられますので、ひとつそのことにつきましても御質問を申し上げたいと思っておったのですが、時間がまいりましたので、あとの質問を一応保留いたしまして、私の質問を終わります。
○久保田(円)委員長代理 午後三時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時二十六分休憩 ————◇————— 午後四時十九分開議
○大坪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 国立学校設置法の一部を改正する等の法律案について質疑を続行いたします。井上普方君。
○井上(普)委員 大臣も、会計検査院からも来られておるようでございまして、最初私は委託研究の、特に東大の都市工学科の四十七にのぼる委託研究が大学院生の手によってともかく明らかにせられた事実、それに対して文部省はわずか三件しか知らなかったということですね。これについては、何と申しますか、私どもは会計上にこれはあらわすべきである、こう思うのでありますが、大臣並びに会計検査院の御所見を承りたい。同時に、文部省がお知りになっておるその三つのテーマと金額をひとつお示し願いたいのです。
○坂田国務大臣 国立学校におきまして、外部から研究の委託を受ける場合には、その費用を委託研究費として歳入に受け入れ、当該研究に要する経費につきましては別途歳出予算の執行として支出をするということがたてまえであると考えておるわけでございます。
○石川会計検査院説明員 委託研究につきましては、会計検査院といたしましても、従来から大学の検査の際に特に関心を払って検査をしてまいったわけでございます。ことにこれが特別会計になりましてからは、予算上も多少弾力的になったという点もございまして、検査の結果につきまして気づきました個別の問題につきまして、正規に計上すべきものと認られるものは、これは直ちに文書によって照会を発しまして是正措置を講じてもらっておるわけでございます。ただ、この委託研究の検査と申しましても、表向きやっていないものにつきましては、何らか検査の手がかり、たとえばそれらの受け入れました費用につきまして、購入いたしました物品が簿外のものになっておるというような、何か検査の手がかりになるような事実がございませんと、なかなか発見することは困難でございますが、判明いたしましたものにつきましては、そのつど指摘をいたしてまいってきているわけでございます。
○安養寺政府委員 文部省で承知いたしております二件ございますが、山形市から四十三年度九十二万円、これが一件、他の一件は仙台総合都市交通計画委員会から四十一年度に二百三十万円、この二件でございます。
○井上(普)委員 大臣ははっきりさせたいとおっしゃっておられるし、たちまちの問題として、会計検査院、こういうものが四十七テーマ出ているわけですね。あなた方は形の上にあらわれるとおっしゃいますけれども、これの受託をさした主体というものはお持ちじゃありませんか、ほとんどこれは公共事業体でしょう。いまおっしゃられた仙台と山形が出てきましたけれども、国土計画協会も出ておるし、東京都の水道局も出ておる、千葉県も出ておる、それから建設省からも杉本研究所に出ております。荒川水系の汚濁予測とかいうものが出ておるのです。あるいは首都圏整備委員会から首都圏についてというテーマで出しておるのです。そうすると、あなた方は、これはもう四十一年、四十二年にやられたものですから、こう学生の諸君は言っておるし、そうしてまたこれはテーマとして各自治体の都市計画に発表されたもののはずです。そうすると、会計検査院がこの中でつかんでおられたのは幾つですか。
○石川会計検査院説明員 ただいまお示しの資料を私拝見いたしましたが、御指摘のように、この中にわれわれが検査の結果発見したものはございません。ただ、昨年の東京大学の検査におきましては、これとは事項は違いますけれども、件数にいたしまして八十七件、約四千万という金額につきまして、事実を発見いたしまして、是正措置をとるように、こういう照会を発しております。
○井上(普)委員 会計検査院としても、ともかくいままで怠慢だったと言わざるを得ないと思うのです。たとえば、こちらの建設省とか首都圏整備委員会が委託しているのですよ。しかも、決算を拝見いたしますと、委託研究費といって決算の中に載っておるのがありますね。東大の医学部でございますと六千万円ある。これは私は経理の上ではっきりすればいいと思うのです。うやむやに済ませておるから、会計法上に疑義があるのではないか。もちろんいま、会計検査院のお立場にすれば、なかなか調べがつきにくいということもありましょうけれども、しかし、こういうような公の機関が出したものは、少なくとも会計検査院というのはわからなければならぬでしょう。まあ個人が出したのも、企業が出した委託研究にいたしましても、これも十分つかんで、そして私は予算にまで組めとは申しませんけれども、決算の上で、どういうように金が入っていって流れたかという姿だけは国民の前に明らかにすることが、これが学問あるいは大学の学問に対する潔癖さのあらわれでないかと思うのです。そういう立場と同時に、国の機関においてやられる研究です。当然これは経理ははっきりさすべきだと思うのですが、御所見はどうでございますか。
○石川会計検査院説明員 御指摘の点はまことにごもっともでございます。われわれがこの委託研究の検査に当たります態度としては、まさに先生おっしゃるような心がまえで臨んでいるわけでございます。ただ、この資料を集めます場合に、われわれも、国の機関あるいは地方公共団体等から出ておりますものにつきましては、できるだけ資料を収集しているわけでございますが、ただいまお話しの個別の事項につきましては、われわれも資料を十分把握していなかったという点につきましては遺憾に存じております。しかしながら、繰り返すようでございますが、われわれも先生のおっしゃるような気持ちで検査はいたしていくわけでございます。
○井上(普)委員 最後に、文部大臣、たまたまあなたに言ったこの四十七のテーマについて、文部省として報告を求め、そして明らかにしていただきたいと思うのです。と同時に、私ももう少し勉強さしていただいて、この委託研究の関係につきましては、後日もう一度質問したいと思いますが、文部大臣の、私がいま要求いたしましたことについて御答弁をお願いしたいと思います。
○坂田国務大臣 私もきょう初めてこの件を知ったわけでございます。知りました以上は、当該の大学に対しまして報告を求め、事実を明らかにし、そして先ほど申し上げましたような意味合いにおいてこの会計をきちんとしてもらうという指導、助言をいたしたい、かように思っている次第でございます。
○小林委員 関連。いまの大臣のおっしゃったことは、かつてすでにそういうことがあったということで通達を出しておることを先ほどもお伺いしたわけです。それが多少内容は深まったにしても、さらに通達をして云々というようなことで終わったのでは、やはりこの問題は解決しないと思う。そこで、問題をもう少し深めて——この問題はこの委員会としても責任ですからね。だから、会計検査のほうでそういうものを、いまのお話しによれば、摘出することがなかなか困難だ、しかし、そういう疑惑、疑問というものはたくさんに上がっておるという場合、会計検査として、あなた方のその職責として、それをどういうふうに処理するかということをもう少し明白にしてもらいたいと思います。やっぱりそれは大学自体に追及していくのか、文部省、大臣へ問題を持っていくのか、そこが私は問題だと思います。もう少しその点も解明していただきたいと思います。
○石川会計検査院説明員 先ほども申し上げましたように、従来からこの問題について関心を持って検査してまいったわけでありますが、昨年特にこのような研究が予想されます大学を選びまして、相当広範囲に調査をいたしたわけでございます。その結果、たとえば東大につきましては八十七件というような件数を一応検査したわけでございまして、それらの個々の大学に対しましては、それぞれ学長あてに照会を発しまして、是正措置をとっていただくというようなことともに、さらにこれらを総合いたしまして、文部省にあてまして、これらの取り扱い基準と申しますか、取り扱い規定の整備と申しますか、そのようなものにつきましてすみやかに適切な措置をとるよう、かような要請を文書で出しておるわけでございます。
○小林委員 先ほどお話を聞いておれば、一つの問題にしても何十万円とか何百万円とかという額にのぼっていますね。それが表面に出ておるものはわずかである。これは東大だけでも何十件とある。これを全国の大学というものを考えたら、想像すれば、一つ一つの案件が相当大きな額で、しかもそれが数多くの問題にのぼるとすれば、これは非常に重大な問題だと思うのですよ。大学の教授の良識も疑わなければならぬけれども、行政面で私は大きな問題だと思うのです。そこで会計検査のほうから文部省にそういうことを連絡をした、こういうお話がいまあったのですが、文部当局はいつそれをお聞きになりました。
○安養寺政府委員 文部省には十月の初旬に検査の結果の御連絡をいただきまして、文部省としましても、先ほど検査院からお話もございましたように、何をおいても取り扱い基準というようなものの検討が必要であろうということで、さっそく検討に入っているわけでございますが、その他、当該大学に委託研究受け入れの承認が厳正に行なわれるようにというような注意はいたしております。
○小林委員 いま大臣がおっしゃったところでは、私もきょう初めて聞くのだというようなお話なんです。しかし、会計検査のほうからは厳重な対策が要望されておるわけですね。さっきからのお話を聞いておりますというと、そういう厳重な通達は受けておるけれども、いま何かしておるというふうにはおっしゃったけれども、私たちの印象からすれば何にもしてない。したがって、井上委員が指摘するような問題というのは、大学の運営、大学の管理というものにきわめて影響し、そこからよってくる大学に対するところの信頼感というようなものにまで及んできておる問題ですが、事務的には処理がまことに軽率に行なわれておるというような気がするのです。大臣は、いま初めてそういうことをお聞きになったと言うけれども、私は、そこに会計検査院の問題もあるけれども、文部省当局の責任というものがあるような気がするのです。何かその通達を出して云々というようなことでは私は済まないというのを感じたのはそこなんです。したがって、こういう問題が出ておる、やっぱり責められれば文部当局の行政上の責任であると同時に、各大学の教授の個々の問題、それは刑事問題になるかもしれぬ、そういうものを一片のいまの文部大臣のあいさつでもって、説明で、くさいものにふたをするというような形では私はいけないと思うのですよ。もう少し文部省自体も責任を感じなければならぬし、こういう問題が出た以上、やはりこの委員会というものはどういうように処理しなければならぬかということを研究討議しなければいかぬと思うのですが、まず大臣、そういう経緯からもう少し所見を私はこの際承りたいと思います。
○坂田国務大臣 小林さん御指摘のとおり私も同様に考えております。一片の通達だけで、向こうから報告がなければもうしようがないのだ、こういうことでは済まされない問題であって、ところが、いままではいろいろのそういうような事態があるということはうわさには聞いておりましても、具体的にきょうお示しになりましたような問題はわれわれのほうの手に入らなかったわけであります。何回もそういうことを言っても入ってこなかっただろうと思うのであります。しかし、いまこうやって公刊されておるものまでに発表されておるからには、これについてあなたのところはどうでございますということは報告を求めることはできるだろうと思いますし、さらに向こうからこれに対する報告がくるだろうと思います。同時に、それに対してはああいう通達を出しておるのですけれども、一体どういうような措置をおとりになっておるのですか、また向こうの立場としての言い分もあるかと思いますから、それも聞こうと思います。しかし、いま御指摘になりましたような問題については、これは非常に大事な問題でございまして、どうしてもこれは経理を明らかにし、やはり国の歳入歳出予算を通じて経理が行なわれなければならぬことは申すまでもないことでございますけれども、この点について具体的な問題をとらえて、あの東大当局の自覚と、それから今後の処置を強く指導いたしたいと思います。同時に、このような案件が各大学にあろうかと思いまするから、ただいま会計課長が申しますように細部の取り扱い基準というものをむしろ設けまして、そうしてこれを各大学に示して、その基準に従ってこういう経理をはっきりさせるという徹底した措置をとりたいというふうに考える次第でございます。
○小林委員 大臣のそのお考え方は私は賛成をいたします。そこで事務担当として局長、そういうものをやはりあなたは手にしたと思うのですが、そこから考えてくることは、先ほど井上委員も言われましたが、それがアメリカの軍隊のほうから委託研究がされた。これはたいへん問題になったわけですが、これはそういうことにも及んできて、大学の信頼というふうなものが非常に疑われてくるようになる。そういう関連した問題をさらに一歩深めれば、一体大学の教授というものはこういうことをしなければ食えないのではないかという大学の教授の待遇の問題にまで及んでくるわけなんですが、そういうような方面から局長の見解を承り、そしていままでルーズな、会計検査のほうからそういう通達を受け、基準を設けろということに、私はその事実を探索して、そうして助言と指導という文部省の大学に対する権限というものはそういうところにこまかく及んで、そういう中から大学と文部省との密接な連携というものはあるものですね。一番衝に当たっておられる局長の御意見を私はこの際ぜひ承りたいと思います。
○村山(松)政府委員 事柄はいろいろな見方ができるかと思います。委託研究というのが制度としてありますからには、その制度にのっとって行なわれなければならないのを、どういうわけか、手続がめんどうなのか、あるいは教官がそういうことに不案内なためか、そういう手続を省略して実際上おやりになってしまうというところに問題があるわけであります。こういうことを根絶するために文部省はどうするかでありますが、文部省と大学というものの性質上、大学の各局部で行なわれていることを文部省として事前には、その間に問題が起こらない限りなかなか知り得ないという性質上の歯がゆさがございます。そこで、こういう実態があらわれてから問題になって御注意を承る、こういう結果になるわけでございますので、これはひとつこういう事例を、災いを転じて幸いとなすというか、いままでも適正な経理をやるように再々注意を発しておったわけでございますが、この際、こういう事例を中心に具体的によく調査いたしまして、どこに問題点があるかにつきましてもさらに具体的に把握をいたしまして、指導、助言の形で各大学に注意をして、こういう事例の根絶をはかっていきたい、かように思います。 それから、個々の問題を離れて、こういう問題が起こるのは、待遇とかあるいは研究費の問題というところにも原因があるのではなかろうかという御指摘でありますが、そういうことにつきましては、私どもとして否定する根拠もございませんけれども、それを直結して考えることも実はどうであろうかと思います。教官の待遇改善は、もちろんこれはいたさなければなりませんし、研究費の充実もしなければなりません。しかし、そういうものが十分いかないからこういう事実上の委託研究に手を出す、これを直結して考えることはどうであろうかと思うわけであります。私どもとしては、根本的に待遇の改善なりあるいは研究費の充実、研究環境の改善には努力いたします。そういうことによって、いろいろ申さなくても大学の運営が適正に行なわれるような状態が理想でありますので、そういう理想に近づくように努力をいたしますとともに、繰り返しになりますが、具体的な事例については、現時点における法令に従いまして、適法、適正に行なわれるように指導、助言をしてまいりたい、かように思っております。
○小林委員 いま局長が、問題が起きなければ文部省としては手がつからぬとか、調査ができないとかいうふうなお話があったんですが、これは言いのがれだと思うのですね。 私は実はあとで井上さんの質問に関連をしてお伺いしようと思った問題があるんですが、それは例の高圧酸素治療タンクですか、名前を私よく覚えておりませんが、この爆発の問題も、確かに問題があってから通達をしたわけですね。やはりあれだけの人が死ぬのですから、これは文部省の責任としてそういうことがないようにしなければならぬわけで、問題が起きてからでなければ手がつかぬなんて、そんな無責任な考え方はごうもしてはならぬと思うのです。そこで、私はこの問題をもう少し掘り下げて聞きたいのですが、ああいう機械を使うとかあるいは薬を使うとかいうことは、これは厚生省で認可をしなければならぬわけでしょう。あの高圧タンクは認可されているのですか、されていないのですか、局長にお伺いいたします。
○村山(松)政府委員 大学における諸設備あるいは機械の設備等々につきまして、それがそれぞれの取り締まり法規のあり方につきましては、取り締まりの権限のあるところで検査をすることになっております。文部省でそのような検査をいたす場合はまずあまりないのではなかろうかと思います。具体的に承知しておりませんが、たとえば火災予防の点につきましては消防庁でありますし、医療機器につきましては厚生省あるいはその委任を受けた都道府県知事でございます。 お尋ねの高圧酸素装置に関しましては、先ほども御説明申し上げましたが、内室と外室と二つの部分に分かれております。内室の部分につきましては、これは別途購入したものでありまして、全体のタンクにつきましては川崎重工で製作いたしております。これは開発研究でございますので、従来きまった経費をやや変更しておる関係で、最終的に現に使用しているものについて検査を受けたということはないようでございます。なお、高圧酸素治療装置に関しましては、現在のところこの規格あるいは使用について直接規制する方法はないようでありまして、目下厚生省において検討中のようでございます。
○小林委員 そうすると、印象からすれば、東大の治療タンクというのは一つの開発研究として、あれは試験台で、治療を受ける人も試験台にされる、それを治療するお医者さんも試験台になる、こういうところだと考えてもいいわけですか、そういうふうに文部省は考えているわけですか。
○村山(松)政府委員 これはもちろん患者を治療するものでありますから、試験台であり全くその安定した、安全性の確保されない装置ということはないと思いますが、大学で行なっております治療につきましては、若干研究的な要素も加味される点がございます。それにつきましては、関係者の細心の注意のもとに安全を確保しながらやっておるわけでございますが、それにもかかわらず、せんだってのようなああいうような事故が起こりましたことは、これはまことに遺憾でありまして、その原因等につきましては目下慎重に検討しております。これが将来にわたって事故を再発することのないように十分注意し、戒心をしてやっていくことと思います。
○小林委員 私は文部省というのは、さっきの会計問題では会計検査院、だけれども直接責任というのは文部省にあると思うのです。大学の学長だとかあるいはその当事者だとかということも文部省にあると思うのですね。いまの問題は、多少研究的なところがあるというのは、治療の面ですよ。研究、それは病気をなおすということについての研究は、これは文部省が是認していいと私は思う。奨励していいと思う。しかし、その機械というものは絶対にもう間違いないのだという、そういう前提がなければそういう機械を使わせるということは、文部省は相当考慮しなければならぬと思うのですね。多少研究的というのは死んでもかまわない研究的ですか。それともただ病気をなおすという点の研究ですか、もう一ぺん局長答えてください。
○村山(松)政府委員 医学の進歩に対応いたしまして、より新しい治療を行なうにつきましては、治療の方法にいたしましても、また薬剤にいたしましても、あるいは治療に使う機械装置等につきましても、やはりくふう改良が必要なわけであります。そういうことに当たりますのはやはり大学病院でございますので、若干の研究をやっておるのが実態でございます。ただ、それが研究のためのものであれば、安全を無視してやってもいいというようなことは決してないわけでありまして、十分安全のことを考えながらやっておるものとは思っておりますが、それにもかかわらず事故が起きた。事故が起きた時点でさらに慎重にその原因等を解明いたしまして、その再発の絶無を期するというのが現在の実情でございます。
○小林委員 私はきょう実はそこのところを問題にしようと思ったのです。私はしろうとです。ここには本職がおりますから、あとで究明してもらいますが、大学で使う機械あるいは薬品は——薬品なんかにも多少試験的なところがあるなんていったら、私は、文部大臣はこれは腹切らなければならぬと思うのです。あの死んだ四人の人に、そういう機械を試験的な考えが多少でもあって使ったなんていうことになったら、あの四人の人の一切の責任は大臣が負うべきだと思う。少なくとも大学病院で使う機械あるいは薬品なんてものは、これは厚生省が責任をもって、よろしい——さっきあなたは、まだ試験的なもので、まだそれを認定する基準がないとか云々と言いましたが、そんなものを使っておったら、文部省が、それを使っちゃ相ならぬと言う責任が私はあると思うのです。この点は私は専門的でないから、専門家に聞いてもらいますが、ことによっては、私はきょうのこの問題というのは、単なる文部省の、文教委員会の問題でなくて、国会の問題にしなければならぬと思うのですよ。 そこで、さっき井上さんが質問をした中で、大学のこの爆発の問題について、責任を大学が究明しております、調査しております、こういうふうにあなたはおっしゃっていますね。その原因を究明することで調査しているならいいですが、責任なんてものは、大学自体で考えるべきものじゃないと思うのです。一体その機械というのは厚生省の認可が出ているのか。試験的なものであるなんていったら、これはもう私は文部省の大きな問題だと思うのですよ。あなたの説明からすれば、責任はいま大学自体で究明しておる。責任じゃない、そういうものが起きた原因はどこあにるかということを究明するならいいですよ。責任は大学自体にあるというふうな考えを文部省が持っておるとするなら、私は大問題だと思う。厚生省にあるか、文部省にあるかというところまでいかなければならぬ問題だと私は思うのです。どうお考えになっていますか。
○村山(松)政府委員 事故の原因なり責任なり、これはいろいろな面から追及する必要があろうかと思います。まずこれは死亡事故でありますので、その間の刑事責任等につきましては、警察あるいは検察庁といったようなところで究明が行なわれると思います。それから、これは機械を使って医師が操作しておる間の事故でありますから、一体その原因が機械の故障、異常にあるのか、あるいは操作の誤りにあるのか、そういうことが直ちに考えられるわけでありますが、そういうことになりますときわめて専門的なことになりますので、そこら辺のところは大学が委員会を設けて検討いたしております。最終的な責任がどこにあるかということになりますれば、これは国の機関において起こった事故でありますので、国にある。その国と申しましても、国立大学の病院でありますから、それを所管しておる文部省にある。こういうことになろうかと思います。
○小林委員 そんなしぼりにしぼって、最後にくるのは文部省かもしれぬというふうな考えでこの問題を見ていいかどうか。一体その機械というのは文部省が許可して使わしたものであるかどうか、この点を取り上げて考えれば、そういうふうに順に積み重ねてきて、そして最後に文部省になるかもしれぬというような考えでなくて、文部省がこの問題をまず先に取り上げなければいかぬと私は思うのですが、その点は取り上げていないのですか。
○村山(松)政府委員 高圧酸素タンクの設置につきましては、文部省は許可も、また不許可もいたしておりません。
○小林委員 おらないのですか。許可もしておらぬし、また、これをしてはいけないということも言っていない。そうしたらどこにどういう責任があるのですか。やはりそういう仕事をさせておく文部省というものには私は責任があると思いますね。許可も受けない、そういう状態でもってそれを使用したとすれば、大学側もいけないけれども、そういうことをさしておく、黙って見ておった文部省というものも責任があると思う。 私はまとめて結論を申しますが、いまの会計の問題にしても、そしていまのタンクの爆発の問題にしても、何となく文部省というものは文部省というからにこもっておって、ほんとうに生きた教育行政をやっておらないということをいわれてもしかたがないと思うのです。私は関連ですから、いよいよこれから本職に質問をしてもらいます。
○大坪委員長 関連して唐橋君。
○唐橋委員 私は、あとで時間をいただいて質問する予定になっておりますので、関連して、いろいろ議論は申しませんが、資料を要求する形で一つだけ御質問を申し上げて、その資料を出していただけるかどうか。 一つは、研究費の問題については、御承知のように剱木文部大臣のときにアメリカの軍事費が問題になりまして、文部省もわからなかったということで、わからない経緯はどういうような形であったからわからないのかということが議論されました。議論されましたときに、いまの委託費の問題は当然出まして、今後このようなことのないようにということがあのときの委員会ではっきりされているわけです。このことはどんなふうに考えられるのですか。まずこれは質問です。はっきりしていたでしょう、大学の研究費を使う場合は今後どうしようということははっきりしていたでしょう。
○村山(松)政府委員 外国から、あるいは外国の軍隊も含めまして、外部からの資金導入が安易に正規の会計経理のルートをとらないで行なわれておるという御指摘がございましたので、これを是正するために、あるいは受託研究でありますとか、それから奨学のための寄付金受け入れでありますとか、そういう制度と申しますか、仕組みを考え、必要な予算措置を講じ、また外部、必ずしも適当でない受け入れ先にたよらないで済むように、科学研究費その他の研究費の財源を拡充するといった方策を進めてまいっておるわけであります。それ以後だんだん是正されつつあると思いますが、委託研究につきまして、先ほど御指摘のような事例があらわれていることはまことに遺憾でございますので、さらに留意いたしたいと思います。また、科学研究費の拡充につきましてはいろいろ努力をいたしております。全般的に財政硬直等のこともありまして、文部省で努力しておるにもかかわらず、思うにまかせない点がございますが、これも先ほど御説明いたしましたように、四十四年度予算におきましては、ほかの費目がせいぜい一〇%内外の伸びの中で、科学研究費につきましては二〇%の増額を見ております。一挙に明快にというわけになかなかまいらぬのが残念でありますが、だんだん是正して改善につとめておることを御了承願いたいと思います。
○唐橋委員 したがって、私はあのアメリカの軍事費の使用ということで、あのときいろいろ議論された結果、文部省は具体的にどのような指導をされたのか。といいますのは、このような指示をいたしました、あるいはこのような通達を出しました、こういうようなそれ以来のいろいろの指示された事項、そういうものについて、私はこれはあとで触れますので、具体的に資料として出していただきたい。いま井上委員から出されましたのはそれ以後のもので、ずいぶんありますから、去年と一昨年の事項があがっておりますから。そうしますと、私はその指示なりあるいは指令なりが徹底してないという疑惑が出ましたので、文部省からいただいた資料で検討したいと思います。 さらに、そのことは会計検査院も受けて、そのような考えで、あれだけ国会で大きな問題になったんですから、当然その後の会計検査の場合にも、いまのような考え方の上に立って具体的にやはりその前後、いわゆるアメリカの軍事費が問題になった以降、こういう点についてはこう改めた、こういう具体的な事項がありましたら、これもあとで資料として出していただきたい。そうでないとするならば、私は非常に疑惑を持つのです。ここで答弁さえ終われば、いま国立学校のほうをきょうは質疑しているわけですね。答弁さえ終われば、努力しますの一片で、今度そのあとは何ら改善されていないとするならば、私はたいへんな問題で、いわば国会の議論、権威にも関係すると思いますので、この辺は政府一体の一つの考え方の中で、会計検査院があの議論を受けてあと、どのような考え方で会計検査に当たったか、そうしてこういう点についてこういたしましたという一つの資料がありましたら、提出していただきたい。
○坂田国務大臣 ただいま唐橋先生おっしゃいました資料は、整えまして御報告を申し上げたいと思います。
○石川会計検査院説明員 資料として提出いたします。
○井上(普)委員 私は、ただいま関連質問を承っておりまして、局長の御発言に実は重大なる誤りがあると思うのです。大学病院の中において研究のために治療をすることもあり得るというお話があった。これはゆゆしき事柄なんです。と申しますのは、医者が治療をする場合、診療に当たる場合は、まず人間の、人体の尊厳ということに目ざめて、人間の尊重、生命尊重ということが中心になってものごとは、あらゆる治療は行なわれなければならないのです。そうしてその上に立って、自分自身の最高の医学知識というものを治療に及ぼさなければならぬ。その間に性別により、あるいは思想により、あるいは人種等々の差別があってはならないのです。経済的な理由によっても差別すべきじゃないのです。これが医者のモラルなのであります。ところが、いまのお話によると、大学病院の中においては、そういう研究のためであれば、人命に対する尊厳を、あるいは尊重ということも研究爼上にのせていいという考え方があるとするならば、これはゆゆしき事柄であると思うのです。あくまでも生命というものの尊厳を考えながら医者というのはやっていかなければならぬのです。この点、人体を研究の具にするということは絶対に避けなければならない、これが医学の常識なんです。これが医者のモラルというものです。倫理というものです。それをあなた方のお話によると、研究することが……(発言する者あり)そういうようなお考え方があるから、千葉のチフス事件のようなことが起こるのです。われわれはあくまでも生命の尊厳ということを中心にしてものごとを考えなければならぬ、治療をやらなければいけないのです。学術局長のような考え方がもし指導、助言する機関の文部省にあるとするならば、大学の病院、大学における治療というのは大きくゆがめられると思うのですが、御所見を伺いたいと思います。
○坂田国務大臣 人命の尊重ということをやはり考えて、細心の注意を払って医者は治療に当たるべきであるということは、井上さんのお説のとおりだと思います。したがいまして、あれに携わりました医者といたしましても、この高圧酸素というものを絶対に信頼をしてこれに当たったものだと私は確信をいたしておるわけでございます。しかし、それが確信しておったにもかかわらず、ああいうような事故があったということについて、これはやはりその原因を究明しなければならない。その責任はやはりわれわれも負わなければならないんだ。今後こういうようなことが絶対にないようにという意味で、全国医にもこの通達を申し上げたわけでございます。 もちろん、ああいうような高圧酸素を使いますということ自体、それ自体も実を申しますと、普通の治療ではどうしてもこの人の生命を維持することができないという強い意欲から、こういうような高圧酸素を使っておるのだろうと思いますし、御承知のように一酸化炭素等によりましてまさに死亡せんとする人が、少し様式は違いましょうけれども、このような装置を厚生省あたりでも使っておるわけでありますが、それによって普通ならばもう死んでしまうような方々が死なないで済む、あるいはまた治療もうまくいく、スムーズにいくということで、あちこちの大学におきましても、あるいは病院等においても、これが使われておると思うのであります。しかし、いやしくも人命を預かる医者といたしましては、最大限の注意を払って行なうべきものだというふうに考えるわけでございます。
○井上(普)委員 私が申しますのは、大学病院内においては患者を研究の対象にしてはいかぬということです。これは絶対にあり得ないことなんです。医のモラルからいいますと、これはあってはならない事柄です。局長のお話によれば、それはやってもかまわぬがごとき指導、助言をする、大学学術局長が言うから、これは重大な問題になる。あくまでも、先ほども申しましたように、医の倫理からいって人間を相手にしての、人間の生命というものを対象にするのが医学でございます。あくまでも生命の尊厳ということを中心に置いて、そして診療に当たらなければならない。これが研究の具に供せられるということになったら、たまったもんじゃありません。局長の言は、ひとつその点……。
○坂田国務大臣 研究というものの概念がやはり非常に問題かと思うのです。 〔「冗談じゃない」と呼び、その他発言する者 あり〕
○大坪委員長 静粛に願います。
○坂田国務大臣 たとえば北大で心臓移植の問題がありました。これだって、できるならば心臓移植することによって生命をどれだけか長くもたせよう、あるいはまたそれ以上に、そういう手術をすることによって普通の健康体に返そうという烈々たる医者の願い、しかも生命を尊重するというそういうモラルのもとに、そして家族、本人等の了解を得てこれを慎重にやられたということをもって、単に治療だけだともいえないんじゃないか。世界におきましてこの心臓移植というものが今日話題になっておるわけでございますが、やはり世界の医者たちが競ってそれをやっておりますのは、それ自体がやはり研究ということになるんじゃなかろうかと私は思うのでございます。これはしろうと論かもしれませんけれども、そういうような気がしてならないのでございます。
○井上(普)委員 大臣、研究というのは新しい独創的なものがなければいかぬと思うのです。あなたは心臓手術を例にとられましたから、私も心臓手術で申しましょう。南アフリカで初めて心臓の移植が行なわれた際に、新しい独創的なものは何かといいましたならば、死の判定を脳波でするというだけの判断です。あとのことは全部解決済みのことなんです、専門的になると。そこで問題になるのは、一体脳波によって死の判定ができるかできないかというところにいま論議があるわけです。ここの点については、もう臓器移植のほうで学者、先生方が一生懸命勉強されておりますから言いませんけれども、実例としては、脳波は一時停止はしてもまだ生き返ることがあるんだというデータも出ているんです。心臓移植などというのは、いまの医療技術をもってすれば日本の大学病院であればどこでもできますよ。それくらいのものなんです。だから研究として新しいオリジナルなものは脳波によって死の判定をするというところだけなんです。それで、あの手術に対しましては私は私なりの見解を持っておりますが、とにかく私はあれは研究じゃないと思うのです、そういうような観点からいたしますと。そこで大学における治療は国民に及ぼす影響が大きいですから、あくまでも医者が人命の尊厳ということに目ざめた上で診療をやるべきだということを強調いたしたいと思います。でなければ、患者を研究の具にしてはならない。この点はひとつはっきりさせていただきたいです。
○村山(松)政府委員 私は、大学病院で研究を行なう場合にも、人命の尊重、人体の尊厳ということを第一義としてやるべきであるという意味で申し上げたつもりでありまして、研究のために人体を実験に供してよろしいというようなことを申したつもりはございません。
○井上(普)委員 これは私、一般の大学のことでやろうとは思っておりましたけれども、たまたま研究のために、大学が多少研究の意味合いを持った治療をやってよろしいがごとき局長の御発言があったように私は承る。その点はひとつ取り消していただきたいと思います。
○大坪委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○大坪委員長 速記を始めてください。
○井上(普)委員 ちょっと横道にそれましたが、ただいま明らかになったところによりますと、会計検査院にもお聞きいただきたいと思うのですが、受託研究ということを私が出したのは、たまたま東大のあの膨大な機構の中のしかも工学部の中の一学科にしかすぎない都市工学科という一つのところで起こったのがすでに四十七件ある。大臣、あなたは大学問題では国会議員中一番よく勉強しておられる方だということで週刊誌にも書かれておったのですが、あなたは東大のパンフをお読みになりましたか、どうでございます。去年の四月九日にこのパンフレットを出して、おるのですよ。会計検査院も去年の十月にやられたといいますが、去年の四月の九日に出したパンフです。こういうパンフレットは文部省なり会計検査院は読んでおらなければならぬじゃないですか。私は昨年の一月からこの紛争をずっと見てきました。大体パンフレットは目を通しました。大臣は国会議員で一番よく大学紛争を勉強しておると週刊誌に出ておりますが、それでは東大のパンフはぜひとも読んでいただきたい。問題の所在がはっきりするのです。それは講座制とか、こういうような問題がある。それの爆発にすぎないのです。そこらあたりはひとつお願いしたい。それと同時に、大きい山の中の一つのところなんです。会計検査院は四十七件全然お気づきになっていない。また文部省は二つしか知っていない。文部省はゲバ棒ばかり見て内部のことをお考えになっていないのじゃないか。問題の所在を取り違えているのじゃないかと私は思うのでございますが、どうでございますか。
○坂田国務大臣 御指摘のパンフレットは私は読んではおらないわけでございますけれども、しかし、その問題の所在はここにあるというようなことくらいはわかっておるつもりでございます。しかも都市工学というのが御承知のように最近非常に目ざましい速度で発達した学問でございます。そこに集中的に件数があらわれてきたということも、社会の変化がそこにあらわれてきておるというふうにいえると私は思います。しかし同時に、大学のこういうようなものに対する受けとめ方ということに対して、私はもう少し社会の要請や社会の動きなり、あるいはまた大学としての社会的責任や文部省に対する連絡、あるいは文部省と一緒にこういう問題を考えようというような姿勢というものが従来欠けておった。学部自治の名のもとに、学部のことであるならば、何でも自分たちがかってにやってよろしい、批判は許さない。批判をいたしますと、それは大学自治に対する干渉である、こういうようなものの考え方がやはり改められなければならない。もちろん、学問の研究と、それに伴うそれを遂行するための手段としての大学自治は、われわれが尊重しなければならないことは申すまでもないことでございますけれども、いまの大学はむしろ学部自治におちいっておって、全学的意思の決定ができない。そしてまた、その学部自治の弊害がまことに学部エゴイズムあるいは自分の教授のいすを守るためにきゅうきゅうとしておるというような面もないわけではない。こういうようなことに対して、やはり大学の先生方というものも国民の声に耳を傾け、すなおに謙虚に反省すべきところは反省していただかなければならないのじゃないだろうか。そうしなければこういうような問題が起きてくるというふうに私は思うのです。したがいまして、私たちが指導、助言をいたします場合においても、やはりこのような点についてはどしどしやって、改めるべきものは改めさせるということでないと、これはほんとうに困ったことになってしまうというふうに思います。しかも、その原因が御指摘のとおりにやはり大学紛争の一つの問題点であるということも私はいえると思うのでございまして、この点については、先ほど来申し上げておりまするように、この際一片の通達ということで満足するのでなくて、その具体的な基準をどういうふうにきめたらいいかというようなことをお互いに話し合ってみようというような強い気持ちでおるわけでございますから、御了承を賜わりたいというふうに思います。
○井上(普)委員 大臣のお考え方、私はある程度わかります。しかしあなたは、大学の自治は学部自治におちいっておる、これもそのとおりです。しかし学部自治、これも身動きならないのは講座自治なんです。しかも講座の主任が天皇制をしいておる、びしっと縦の階級制の線をしいておるところに、今度の紛争の大きい原因があるのです。あなたもそこまでは——学部自治まではあなたは批判されるが、その下のところを掘り下げることを怠っておると思うのです。むしろ私は下のほうが、講座制度あるいは学科制度の中における矛盾というものをあなたはお気づきになってもっとお調べになっていただく、むしろここが戦いの原点でございます。これは大学一般でまた次の機会に質問してみたいと思っていたところでございますが、たまたまそういうような問題になりましたので申し上げたのでございますが、会計検査院の局長さんも——ひとつこの点委託研究、これが非常に学者の良心というか潔癖さというものを失なわせる一つの原因でもあります。そしてまた、先ほども申したのですけれども、受託研究というのがこの都市工学の場合なんかは博士課程の二年生、この連中が全部つくっているのです、この資料、パンフレットによりますと。それが実は流されて、どういう金が入ってくるか教室員は全然知らないというようなところに不満もある。これが一つです。 もう一つは、研究という名のみで、相手は金を出すものですから、その研究の範囲というものがしわ寄せられる、ほんとうの研究ができない、ワクの中にはめられておるということ、それから教授がこれをやれといったらこれをはねつけることができないシステム、こういうところに受託研究の問題と経理の問題、こういうのがうっせきいたしておるのが大学の姿だと私は思うのです。そういうような点は、会計検査院は会計検査院としての独自な考え方で、ひとつせいぜい紛争のあったところのパンフレットはお読みになって、受託研究ということについては目を光らしていただく、そして少なくとも経理面は明らかにしていくことが、私は日本の学問の振興のためでもあろうと思う。また、学者の良心を呼び起こすゆえんでもある。こう思いますので、この点ひとつお願いいたしたいと思います。 続いては、大阪の外国語大学に大学院をつくられるようでございますが、これは何と何とつくられるのでございますか。
○村山(松)政府委員 大阪外国語大学の大学院は、外国語研究科という一つの研究科からなっております。研究科の中に各語学が専攻として分かれておりまして、中国語、南アジア語、西アジア語、英語、ドイツ語、フランス語、イスパニア語、イタリア語、ロシア語が専攻でありまして、入学定員としては合わせて七十人予定しております。
○井上(普)委員 それは修士課程ですか、博士課程ですか。
○村山(松)政府委員 修士課程のみでございます。
○井上(普)委員 大学院の設置基準というのを拝見しますと、非常におもしろいんですね。私も自然科学に少し頭を突っ込んだ者でございますけれども、これを見てみますと、「大学院の目的」は「大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥を究めて文化の進展に寄与することを目的とする。」文化の深奥をどうやって教授するのですか。大臣、どうです。そして、教える人がいま一体日本におるか。研究することはできるけれども、これは教えることができますか、どうです。
○坂田国務大臣 この「その深奥を究めて」という「その」は、やはり学術だと思いますが、その真理追求というものについてそれをきわめ、深めていくということは研究活動として当然のことではないかというふうに私は思うのでございます。また同時に、そのきわめました事柄について教授をするということ。そしてまた学生との間において、特に大学院の課程においては、研究をいたしますと同時に、教授をしておる教授自身が大学院生から教えられるというようなことも幾多あるかと思うのでございます。そういう意味かと思うのです。そういうことが研究だと思うのです。
○井上(普)委員 それはそれにしましても、「大学院の構成」の三番目の項ですが、「博士課程は、独創的研究によって、従来の学術水準に新しい知見を加え、」る。新しい独創的研究が五年やそこらでできるかということです。実際問題としてオリジナリティのあるものが——私は人に言うのだけれども、ノミにはきんたまがあるというのはこれは新しい研究知見かもしれませんが、独創的な研究を教授し、しかも単位を五十単位とった上で「独創的研究に基づく学位論文」、これはまさにナンセンスに近いようなことを書いているじゃありませんか。
○坂田国務大臣 やはり一応努力目標と申しますか、そういうものを定めたわけでございまして、さらに私は、若い人で自然科学の分野においてノーベル賞をもらうような人は、四十、五十ではなくて、むしろ三十代の間においてできる、そういう創造的な分野というものはやはりあり得るのじゃないかというふうに思っております。
○井上(普)委員 大臣、これはずっとお読みになりましたか。大学院設置基準というのは、これは頭の老化現象を来たした人が書いたような基準ですよ。大学設置審議会というのはどんなメンバーがなっているのですか。
○村山(松)政府委員 大学設置審議会は、大学基準協会という、これは民間団体でございますが、大体大学の学長、教授の集まりと考えてよろしいわけでありますが、これから約半数、その他国公私立の大学の代表、それに学識経験者を加えまして、定数四十五名からなっております文部大臣の諮問機関でございます。
○井上(普)委員 私はこれを見まして、この大学院設置基準というのを拝見いたしまして、昔の明治の生まれの方々が書いたような文章だなという感を深くしたのです。これは民間の大学基準協会というのがあって、それから半数と、学識経験者が半数でございますか。 実は文部大臣、こういうことがあったのです。徳島大学は兒玉さんといいまして、これは世界的な生化学者が学長をやっておりました。それで栄養学科というのをつくりまして、その教授に実は三十二、三の若い優秀な方と思いますが、国際基督教大学を出てカリフォルニア大学を出て、そしてフィリピンに学会から派遣せられるような方だった。そうしますというと、ここに大学院をつくろうというときにひっかかりました。というのは既成の栄養学科の人じゃない、新しい分野だ、そんなのはこれが栄養学の教授として大学院を指導することはできぬというようなことが実はあります。あまりも醜い。審議会四十五人というのは平均年齢幾つです。
○村山(松)政府委員 平均年齢はつまびらかにいたしておりませんが、大体大学の学長クラスが多うございますから、あまり若くはないと思います。 それから先ほどちょっと申し落としましたが、大学設置審議会というのは昭和四十年に関係の審議会を三つ統合いたしまして、現在では、この大学院の設置基準をつくりました当時の大学設置審議会に当たる部分は、四十年以後の新しい大学設置審議会の中の大学設置分科会という一つの分科会になっております。その委員の構成につきましては、基準協会ということは事実上踏襲しておりますが、政令の上では大学の職員三十五人、学識経験者五人、関係行政機関の職員五人、計四十五人という構成になっております。
○井上(普)委員 それはひとつ名簿を出していただきたいと思うのです。といいますのは、お話聞いてみますと、大学の学長クラスといいますと、これは文化財のような方々ですね。まあ中教審も文化財みたいな人ばかりがおりますけれども、江田さんじゃないですが、それよりまだこれは古そうですな。 それで先ほどもお話があったのですが、大阪大学で人間科学科というのをつくろうとしたときに、これはおかしいということで、この大学基準協会から、名前をかえられたそうですね。しかし人間工学ということはもう世界に一つの新しい学問分野の中に入っておりますから、そういうことが認められぬような古い頭の方々は御遠慮願ったほうがいいじゃないですか、大臣どうです。
○坂田国務大臣 やはりこれから新しい大学をつくっていきます場合に、やはりある程度の若い人たちを入れるということは考えなければならない課題じゃないかというふうに思います。大阪の人間科学、社会学部といいますけれども、実際は人間科学、私はやはりこれは新しい学部でぜひやらなければならない問題だと考えまして、今度もこれの創設準備費というものを予算に計上いたして準備を進めておるわけでございます。
○井上(普)委員 人間科学という学科が社会学部に直されたのでしょう。そうでしょう。そこらあたりまで、ともかく坂田さん、あなたならわかるのだけれども、専門家がわからないのですな。動脈硬化を起こし、脳細胞硬化症を起こしておる連中にこういうようなことをやらしておったのでは、日本の学術水準というのは落ちますよ。それで、片一方どうかといいますと、裁縫学校に毛のはえたようなものを短大に認め、また四年制大学に認めていっている。私立の場合、そういうようなのがたくさんあります。ここらはひとつもう少し新しい感覚をもってこれに対処していただきたいと思います。もう私はあまり質問いたすつもりありませんけれども、ともかく大臣も盛んにおっしゃられた世界進歩のスピードというものは非常に速いのですから、これに対応できるような頭の持ち主をひとつ審議会の委員になさるように極力お願いいたしたいと思います。私は、この点大臣の御所見を承りまして、質問を終わりたいと思います。
○坂田国務大臣 きょうずっと長く井上さんの御質問を聞いておりまして、私と相通ずるところが非常に多かったと思います。貴重な御意見だと思います。十分それを行政の中に生かしてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○大坪委員長 井上君に申し上げます。 厚生省の医務局の総務課長が見えましたから、先ほどの点を総務課長にお尋ねください。
○井上(普)委員 先ほど医の、医者としての倫理観が問題になったのです。特に大学病院において患者を研究の対象にしていいかどうかということが問題になりました。私は医のモラルからいって絶対やるべきじゃない、そういうものをやっておる病院があるとするならば、それは間違ったモラルのもとに行なわれておる。特に医学教育において医の倫理というのを教えるところがないのですね、大臣。私は医局の中において幸い恵まれた教授に頭からたたき込まれましたから、この点は利ら持っておりますけれども、教授におかしいのがおれば、ずっと下まで縦の系列にずぼっと入れば、網を張ったようになりますから、人命の尊厳ということに対する認識が非常に薄くなって、疾病というものを中心にものごとを見がちになるのです。それで、大学病院の中において、あなたは研究的治療があっていいと思いますか、悪いと思いますか、どうですか。
○上村説明員 なかなかむずかしい御質問でございますが、一定の限度であり得ると思います。一定の限度と申しますのは、動物実験等で安全性の確認をされて、大学病院でございますから、研究的な機能も持っておるわけでございますので、いま申し上げましたように、動物実験等で安全性が確認された上で、そうしてその治療にそれを応用されるということはあり得ることであるというふうに考えます。
○井上(普)委員 そこで問題になりますのは、あくまでもこの治療に当たっておる自己が持つ、医者が持つ最高の医学知識を患者の治療に施す。その間に差別があってはならないし、経済的な差別もあってはならないと私は思うのです。あなたのおっしゃるように、安全性が十分に確かめられたというならば、これはもはや何と申しますか、それは治療効果というものは十分出ておるのでございます。確認されたわけでございますから、研究という名に値しないと思うが、どうでございますか。
○上村説明員 研究ということばの使い方にかかってまいると思うわけでございますが、医療というのは人に対して施されるものでございますので、動物実験で安全性が確認された後等の場合において、人体に対して治療効果がどの程度あるかということを医療をしながら調べるということは、やはり一つの研究の分野に属しないものではないというふうに考えますが……。
○井上(普)委員 それはあなた昔のなにの時代から、種痘からずっとそういう歴史を繰り返しながら実はいままで医学というのは進歩してきているのです。そういう面を私は頭からネグレクトするわけじゃございませんけれども、少なくとも大学病院においての治療というものは、これは研究的要素、患者を研究の具に供してはならない。あくまでも医者というものは確信を持って、これは治療ができる、なおすことができるのだという確信がなければ治療を施してはならない、こう思うのです。それには自分の能力を最高度に発揮して、確実にできるという一〇〇%の自信がなければしたらいかぬと思うのですが、どうですか。大学病院でもそのとおりだと思うのですがどうです。
○上村説明員 治療をしようとする医師が、自分の持っておる知識なり経験なり技能というものを残りなく発揮して治療に当たるのが、これは医師の当然のつとめではないかと思います。一〇〇%安全であるということが確認されて初めてその治療を行なうべきであるかどうかという問題でございますが、これは本件に限って申し上げるつもりじゃございませんけれども、やはり一般論として、その患者の症状なり転帰の見込み、それから治療の危険性というのは、ある種の医療行為の場合には、医師の自分の持っておる知識なり経験なり技能の限度で判断しながら行なわれることも、これはまたあることじゃないか、このように思いますが、一〇〇%安全性が確保されてやるのが、いま申し上げましたように医師の当然の倫理でございますけれども、患者の症状、転帰とのからみでそうでない場合もあり得ると思います。
○井上(普)委員 その点については私は同感です。しかし、その場合にはあくまでも何と申しますか危急存亡のときですな。たとえば血液型の同一のA、BCという三人の患者があるとしますれば、アメリカ的近代主義からいえば、三人のうちの一人はもう死ぬのはわかり切っておる。しかし、この血液を、Cなる人の血液をA、Bに入れたならば二人は助かる。その場合にはCの血を抜いてA、Bに入れたらいいというのが、これは合理的な考え方になるかもしれません。しかし、それは医学的には絶対やってはいけないことなんです。そういうのが私らは医の倫理だと思うのです。それで研究ということについては、そういうように自分の能力を最高度に発揮することができるという確信のもとに治療を施さなければならぬと思うのです。どうでありますか。
○上村説明員 それはお話しのとおりだと思います。
○大坪委員長 関連して小林信一君。
○小林委員 いまここで問題になっているのは、たまたま東大の病院の中で使いました高圧酸素の治療タンク、あれが爆発した問題から起きているわけです。医者はもちろん何とかして治療しようという誠意と、そうして自分の持っておる知識を傾注した高度の治療であって、その点われわれは少しも責めることはないと思うのですよ。問題は、あの使った機械というものは、文部省に聞きますと、文部省はこれを許可もしてなければ反対もしてないのだ、こういう答弁だったわけです。いまの井上さんとのお話し合いからしても、使う機械、薬剤、こういうものは、私は一定の法則にのっとった、法律にのっとった形をとらなければいかぬと思うのですが、そういうところから問題が起きてきて、多少研究的なところがあってもいいじゃないか、したがって、許可してない医療器具を使ったりあるいは薬剤を使ってもいいじゃないかというような印象を文部省の答弁からは受けたわけです。しかし、それは非常に危険だ。いまあなたのおっしゃる点からも研究的なところがあってもいいじゃないかというのですが、私はそれは無制限に許さるべきものじゃない、それは何か必ず規制される、道徳的なものはもちろんのこと、法律的にも規制されるものがあると思うのです。文部省はもう少しよく勉強しておって、そして管理監督の責任を負わなければいけない、こういうところからあなたに来てもらったわけですが、あの機械というのは厚生省ではどう考えておるのですか。
○上村説明員 機械そのものにつきましては、私は医務局の総務課長でございまして、厚生省内では直接薬務局というところが担当しておるわけでございますが、私の知っておる限りの範囲で申し上げてよろしゅうございますか。(小林委員「けっこうです」と呼ぶ)一般的に、高圧酸素治療室と申しますのは、薬事法という法律がございまして、その上では医療用具と申しますか、それに該当する、これを業として製造するものは厚生大臣の承認が必要でございます。それで、医療機関における研究的な用途に充てられるために、医療機関側の指示によって製作をするような場合には、現行の薬事法では規制外になるわけでございます。 問題になりました東大の高圧酸素治療室でございますが、これはある会社が東大の依頼を受けて試作をいたしまして、二、三年たったあと、ある会社がさらにその改造をしたものでございますから、この装置について厚生大臣が承認をしたというふうなことはございません。つまり、現在の薬事法の上では、製造、販売を業とする場合に厚生大臣の許可が要るという仕組みになっておりますので、それに該当しないような場合には薬事法の規制の対象にはならないというふうな仕組みになっておるわけでございます。
○小林委員 いまの医学はそういうものが必要だということで、私どもはこれを使うことに反対はするものじゃないのですよ。そういう研究の中から最大に医療技術が向上し、また、その過程の中でも人間を救ってもらうことは私ども希望するわけなんです。しかし、いまのような問題が起きたときに一体だれが責任を負うのだ。大学のそれを扱った人たちだけの責任であるか、あるいはいまの制度、法律からいって、厚生省は責任はないのか、あるいは文部省は責任がないのか。文部省の意向を聞けば、その責任は大学当局にまかしてある、私はどうもその点がそういう過程の中から納得できないのですよ。したがって、それがいま井上さんのような質問になってあなたに答弁を願ったわけですが、そこら辺の経緯をもう少し、あなたの判断でけっこうですから。大体文部省も医療問題についてはきわめて幼稚なものを持っているのですよ、私に言わせれば。私はそれは非常に危険だと思うのですが、御意見を承りたい。
○上村説明員 いま申し上げましたように、高圧酸素タンクというものは、自家用に供するためにつくるような場合には薬事法上の許可の対象になっておらない。それで、病院の中で行なわれますものにつきましては、医療法の上では、これまた特に最近使われるようなものでございますので明確な基準をきめてございませんけれども、防火上、保安上安全なものでなければならないというふうな期待をしておるわけでございます。それで厚生省では、一昨年でございましたか、ある県のある民間の医療機関で患者さんがカイロを入れたまま高圧酸素室の中に入って焼けたというふうな事件が起きた経緯もございましたので、この方面の専門家にお願いをいたしまして、金額はそれほどではございませんけれども、若干の研究費を出して、早急に使用上の安全基準というものをきめてもらうように作業を進めておるような状況でございます。
○小林委員 もう少しいまの現実の東大のタンク爆発問題、四人も死んでいるわけですからね。それについて、それを監督する責任は厚生省にあると思うのですよ。どこに責任があるのか、厚生省の見解は。
○上村説明員 責任と申しましても、民事上の責任なり刑事上の責任なりいろいろあると思うわけでございますが、私ども、医療機関の中で起こりました事故につきましては、今回の事故はまだ原因が明確でございませんので、早急な判断は差し控えなければならないと思いますけれども、医療機関の中で起こりました事故につきましては、一般的には医療機関の管理者なり開設者の責任になるというふうに考えます。
○小林委員 私は、そこのところをはっきりして、とかく文部省としては、常識的に、大学であるから研究的な面があってもいいじゃないか、機械を厚生省が認可しない、許可しないものであっても、自信があれば、これからの技術を進歩させる点から許可しても、許可することがあってもいいじゃないかというようなものをもって、今後各大学の医学部というものを管理していくとすれば、私は非常に危険を感ずるわけで、今度の問題も、機械そのものに問題があったか、あるいはその操作に問題があったか、こういうところからおのずからその責任というものは分かれてくると思うのですが、しかし、残念ながら、その機械というものは厚生省でも認可してない、文部省は使う許可はしないし、反対もしていない。何か監督の責任のあるところが非常に無責任に処理されているような気がするのですよ。そして大学のこれを取り扱った先生たちに問題が及ぶとすれば、その人たちの身分の保障というような問題もあるのですが、先ほど来、その話の中でも無給医局員があった。こういう人たちにどういう方法でその補償をするかというような問題も問題になっております。こういう話が出ておるわけですが、そういう場合に、大学というところは研究的にやってもいいんだという意見がもし厚生省にあるとするならば、そういう許可をした厚生省がその責任を負わなければいけないと思うのです。そういう施設を、厚生省が認可もしないものを、それは一がいにそれは悪いとは言ってはいけないのですが、それを扱うことを黙認しておった文部省も責任がある。私はこういうふうにこの問題については考えているわけなんですが、それが今後研究するというものを阻害してはいけない。阻害してはいけないだけに、厚生省、文部省というものはもう少し何かこの点について、一般医療器具については厚生省の認可を得たものを使わなければならぬ、それ以外のものを使った場合にはおそらく罰則があるでしょう。しかし、そうでないものを使わしておったという責任は、事故があった以上やはり厚生省が責任を負わなければいかぬ。また、そういうものを黙認というか、全然監督的な責任を負っておらなかった文部省というものは、これまたやはり四人の人命を償うに値する責任があると思うんですね。そういう点はどうですか。厚生省は一切関係なし。したがって、あなたのような見解がきょうここでもって開陳されるとするならば、モルモット的な技術を各大学がもっとやってよろしいということにもなるわけですよ、極論すれば。おそらくそんな良識のない先生はいないとは思うのですが、しかし、そういうことが許されているんだということが確認をされたら、これはやはり大きな問題じゃないかと思うんですよ。どうですか。
○坂田国務大臣 この問題は、やはり私も、大学の中で四人の人がなくなられたわけでございますから、その処理といたしましては私は責任をもってやりたいというふうに考えます。もちろん、その前提といたしましては、今後こういうような高圧酸素タンクの取り扱い基準等についてよく厚生御当局とも相談をいたしまして、今後こういうようなことが起こらないようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○上村説明員 本件につきましては、原因の究明がまだ済んでおりませんので、どうこう言うことは差し控えさせていただきたいわけでございますが、さっきお話しになりました中に、薬事法の上で許可を受けてない医療機械を使うことは禁止されているんだ、禁止されたものを使っておるということは、そこに責任が追及さるべき筋合いのものがあるんではないかというような趣旨のお話があったと思うわけでございますが、冒頭申し上げましたように、薬事法の上では製造、販売のために業として行なうときに、売るほう、つくるほうが許可の対象になっておりまして、たとえばある病院なり、あるいはどこでもよろしゅうございますけれども、自分である機械をつくって使う場合につきましては規制の対象になっておらない。したがって罰則もかかっておらないということになるわけでございます。それで新しい医療を開発するために、ことに日本で一番先端的な医療機関であるのが大学の付属病院でございますが、そこで開発的な医療というものが行なわれる際に、当然研究者なりそのお医者さんの、何と申し上げたらよろしゅうございますか、安全性に対する十分な配慮が行なわれなければならないものだというふうに考えるわけでございます。
○小林委員 もう終わりますが、やはりもっと責任ある答弁をしていただきたいと思うんですよ。小さな薬を一つ許可してもらうだけにも汚職問題が起きるほど、厚生省というところはうるさいところでしょう。それはやはりその責任というふうなものがあるからだと思うんですよ。しかし、いまのようなお話では、それは筋違いだからかもしれませんけれども、これはなかなか了解できない。了解できないということは、やはり文部省のほうの監督も及んでおる。そして一般薬事関係として厚生省も責任を持つというふうな、しかも医学の先端をいく東大病院であるというふうな特別な立場に置かれているところの位置づけというものを、もっと法律的にも、こうあってよろしいというものがなければならぬと思うのです。ばく然と研究機関であるからというふうなことが許されるならば、局長はそうは言わなかったというのですが、いずれ速記録を私は見て、もっとその責任を追及したいと思うのですが、そういうふうに重大な問題だと思いますから、委員長、私はここでやはり保留して、いずれ大学問題等が行なわれるときに、もっと文部省が研究してください。それから厚生省のほうも、売る人間にどうのこうのとか、使うものはかってだとかいうふうなことで、東大問題を見のがしてはいけないと私は思うのですよ。だから厚生省も、あなたは筋違いだというのだから、今度は本職に来てもらって解明してもらいたいと思うのです。 以上で終わります。
○大坪委員長 田原春次君。 〔「委員長、定数が欠けていますから、質問に入る前にそろえて下さい」と呼ぶ者あり〕
○大坪委員長 わかりました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○大坪委員長 速記を始めて。 田原春次君。
○田原委員 国立学校設置法の一部改正の問題に関連いたしまして、私は簡単に二つだけ質問したいと思います。 第一は、海外移住学科設置問題であります。第二は、東洋医学科設置問題であります。 第一の海外移住の問題は、日本の人口の現状を考えますと、平和的に海外へ発展しなければならない。そこで、文部省にお尋ねしたいことは、国立大学の中で、海外移住学科、もしくは拓植学科、あるいは植民学科というものを持っておる大学が幾つあるか。これをまず教えてください。
○村山(松)政府委員 国立大学では、正面から海外移住を目的としておる学科はございません。
○田原委員 それは、側面からやっておるところはありますか、これに関して。
○村山(松)政府委員 農学部の農学科あるいは農業経済学科等では、関連して若干の講義を持っておるところはあるようでございますが、学科としてまとめてやっておるところはございません。戦前におきましては、宇都宮の農業専門学校等でやっておったようでございますが、現在ではございません。
○田原委員 戦前には宇都宮高等農林学校、盛岡高等農林学校、三重高等農林学校、岐阜高等農林学校、宮崎高等農林学校、鹿児島高等農林学校、六つの高等農林学校に拓植科というのがありまして、海外に移住して、移住先でもって技術を持ってやっていける教育をしたものであります。現に南米各地には多数のこれらの学校の卒業者が行っております。たとえばアルゼンチンの星清藏さんというのは、盛岡高等農林学校の出身でありますが、非常な信頼を得て成功しておるわけであります。これはブラジルにもメキシコにも行っております。しかるに、いつの間にかこれらの歴史のある高等農林学校の拓植科を廃止いたしました。その経過を見てみますと、占領軍が入ってきまして、何とかして日本民族を押えつけたい。これ以上海外に出さないようにしようというので、まず第一に拓植科の廃止を強要したのであります。それにいくじなくも文部省は屈従いたしまして、次々に歴史のある学校を廃止いたしました。しかしながら、二十数年の後に人口一億をこえたのでありますから、もう一ぺん新しい角度から海外移住を考えなければならない。それならば、中級技術者、高級技術者養成のための学部がなければならぬ。この設置法の第一条を見ますと、三重大学に工学部を置くと書いてありまするが、三重大学に農学部があるかどうか存じませんが、農学部がある場合に、そこで間接的な授業でもやっておるかどうか、これも伺いたいと思います。
○村山(松)政府委員 三重大学に農学部はありますが、海外移住に関する科目を授業しておるかどうかについては、つまびらかにいたしておりません。
○田原委員 文部省はそれほどいくじがないし、また不熱心でございます。ただ、教育だけをやっておりまして、全体の日本の人口問題や、平和的な海外進出の問題、あるいは海外に行っておる日本人の後続部隊をつくる等の問題について、まるっきり熱意を持っておりません。 文部大臣にお尋ねいたしますが、あなたは熊本県出身で、海外、特にブラジルあたりでは六十万おりまする海外一、二世の中で、熊本県は一番多く成功しております。また向こうで生まれた二世、三世等が、現に熊本県にも留学しておるし、東京にも留学しておりまするが、これらのつながりをするためにはどうしても中堅、若手の技術者を出さなければならぬ。ひとり農学部だけでなく、工学部あるいはその他の学部でもやらなければいかぬと思う。今後文部省としては、積極的に取り組む必要があると思うが、いかがでございましょう。
○坂田国務大臣 私の熊本県は、昔から海外雄飛の県でございまして、先覚者たちがブラジルその他の方面に大いに活躍をされておることは承知をいたしておるわけであります。しかしながら、今後移住問題あるいは人口問題の上からどう考えていくかということにつきまして、国としては、まだ私は的確に考えが定まってはおらないのではないかというふうに考えるわけでございます。と申しますのは、これからは、戦前におきましては人口が非常に多いということによって、むしろ経済的にも困ったというわけでございますが、今日の段階におきましては、むしろ人口がある段階へいったら、若年労働者にも不足をするというような事態になってきておる。しかもまた、日本自体が、経済的に見るならば相当繁栄をしておるということで、移住の意欲というものが、一般的になくなってきつつあるのではないかというふうに考えられるわけでございます。 それからもう一つ、ブラジルももちろん含めてでございますけれども、特に東南アジア方面における農業技術その他工業、あるいは水産等の技術ということにつきましては、別な形でいろいろ技術援助が行なわれてきておる。あるいはまた日本青年海外協力隊というような形において、その地域における国の農業の開発、あるいは水利の開発、あるいは水産の開発、あるいはまた水道、電気その他の面において、相当に活躍しておる、こういう形でむしろ行なわれておるというのが現在の段階かと考えるわけでございます。そういうわけで、もちろん、だからといって、海外移住を中止をするというようなことは、これもできることではございませんし、相当に、計画のもとに行なわれておる実情でございますけれども、一般的に申しますると、ただいま申し上げましたような傾向に変わってきておるということも、やはりその中には一つの必然性があるのではないかというふうに思うわけでございますが、私の乏しい知識、経験でございますので、むしろ先生方からいろいろ御指導を受けまして、もし私の考え方が間違っておるといたしますれば、これも改めてまいらなければならないというふうに思うわけでございます。
○田原委員 総理府で数年前にアンケート調査をしたのでありますが、海外に移住してもいいという潜在海外移住希望者が三百万あるのです。したがって、いまあなたのおっしゃるように、行き手がないというのではなくて、これは適当な指導がないというか、啓発機関が弱い。特に教育部門としての文部省が、不熱心であるからだと私は見るのであります。三百万からの青年が行きたいというならば、これを出してやったらいい。それはいまあなたの御答弁のように、海外技術協力事業団で、東南アジアに一、二年ないし数年行って指導をする、これとは意味が違うのです。また青年平和部隊も何年か行って指導して帰ってくるのであります。移住ではございません。私の言うのは海外に定着して、そして自己の運命をそこで開発していくという移住者ですね。最近は海外移住事業団というものがあってやっておりますが、年々移住が少ない。これは要するに教育、宣伝、啓蒙という点の力が足らぬからであります。海外移住事業団は外務省か農林省かの団体なんでありますが、文部省は全然われ関せずえんである。毎年私はこれを言うのでありますが、やはり知識がなければ知識を集めて、民間にはそれぞれの国の事情に詳しい者がおりますから、少なくとも戦前にありました六つの高等農林学校——いまはそれぞれ大学の農学部になっておりますが、そこに一回行かせて、そして夢多き青年が、海外に農業技術を持って出ていくのは奨励すべきじゃないかと思います。奨励の御方針を立てていただきたいと思いますが、どうですか。
○坂田国務大臣 その問題は、残念ながらその風潮というものは——もちろん三百万あるとおっしゃいますけれども、それの実態がどうなのか。それからそういうような計画が受け入れ側でどういうふうなのか、やはりもう少し調査研究の必要がある。それからまた、日本の人口政策の上から考えてどうかということを検討しないと、直ちに申し上げられないと思います。
○田原委員 日本の人口政策からいけば、やはり八千万前後が適当であって、いまは一億一千にもなっている。東京だけを見ましても、交通難、住宅難で困っておるわけです。したがって、人口政策を考えるならば、それは産児制限のような消極的なことではなくて、技術のある者を海外に出して、その相手の国の産業開発に協力させるという方針が私は正しい人口政策じゃないかと思うのです。これは私の持論であります。 一ころ憎さのあまり文部省に強要して、先ほど言った六つの高等農林の拓植科を廃止さしたアメリカも、皮肉にも数年前から日本の技術者がほしいということになって、去年から移民法も改正されておる。それからカナダも移民法を改正いたしまして、従来百五十人くらいしか行けなかった縁故移民が、技術者としては無限に行けることになって、現にことしでも二千人くらい行っておる。あるいは豪州、ニュージーランドも、ホワイト豪州であったのが、移民法を改正して新しく日本人を入れるというふうに、近隣各国には、中南米はもとよりとして、英語諸国の間においても、移住者の受け入れ体制ができておる。ひとりこれについていけないというのは、要するに教育の面において文部省に熱意が足らない、調査が足らない、決断が足らないからだと思います。文部省が先頭に立って、青年よ、海外へ行きたい者は行け、こういう教育の機会があるんだということになれば——三百万の潜在移住希望者の中で一割行っても三十万じゃないかと思うのです。そういう点については積極的に前向きでやるべきであると思いますが、そういうような御方針になれませんか、お尋ねしたい。
○坂田国務大臣 やはり日本の人口構造というものは、御承知のとおりに、これから先はお年寄りが非常に多くなっていく。これをささえるところの若い人たちというものがある段階においては非常に少なくなっていく、こういうことでございます。また日本の出生率というものも、戦前に比較しますと非常に低下をしてきておる。最近では多少上向いてきたようでございますけれども。そういうことを考えました場合に、日本の経済生活をある程度高度に維持していくためには、若い青壮年を日本にとどめおくということも一つの政策ではなかろうか。そうでなければ、そういう若い人たちを海外に出してしまってどうなるのだろうかという議論も、実はされておるわけでございます。おそらく東南アジアの方面においては、人口過剰で、飢餓を救うことも、あるいは生活水準を高めることもできかねておる。しかし、高度に発達いたしました社会においては、むしろ労働力と申しますか、人的質源というものがよりたくさん必要であるということで、まあ移民を歓迎するというような現象も出てきておるのじゃないか、かように考えるわけでございまして、それはすぐここで移住政策を大々的にやるというふうには、私はどうしてもまだ考えられないわけでございます。
○田原委員 大臣は、少し過大に答弁しておりますが、青年を全部やれと言っているのじゃないのです。三百万潜在移住希望者がある中から何割か出せ、そういうチャンスをつくれと言うのであります。それだからといって、人口問題に大きく支障を来たすとは思わぬ。最近は、あなたもおっしゃるとおり、一ころは百万ずつふえておったのが、多少伸びがとまっておることは事実です。それでも全体として一億あることは事実です。その中で、何千万も出せと言うのじゃない。行きたい者は出せと言っているのですが、行きたい者が行けるような教育機関がどこにもないのです。廃止しっぱなしになっているからいけないのです。したがって、少なくとも国立大学の地方の数校ぐらいに、海外移住研究施設ぐらいつくらして、それでいろいろな情報の交換あるいは語学の練習等をやらすことによって、機会をつくってやったらどうか。おまえは日本におれ、仕事があってもなくても日本におれというようなことではなくて、行きたい者は海外に行きなさい、そういう機会を教育的な面からつくるべきじゃないか。くどいようですが、もう一回御答弁をいただきたいと思います。
○坂田国務大臣 若干の人たちが、海外に雄飛をするということはやはり必要かと思います。そういう意味合いにおきまして、教育面においてこれを充実していく、そしてそういうような方々が雄飛できるような資格を十分備えていくということは当然かと思います。将来の研究課題として、よく検討いたしてまいりたいと思います。
○田原委員 将来の研究課題ではなくて、急ぐ問題でありますが、きょうは時間がありませんから、いずれ大学問題の機会にもう一回御質問を続けることにして、これでおきます。 第二点は、各大学の医学部に、東洋医学講座というものを併設しなさいという意見でございます。この点については、予算の分科会でもちょっと触れておきましたが、もう一度、その後坂田文部大臣は、この問題について前向きに進めておるかどうか、その経過を聞きたい。
○村山(松)政府委員 講座をつくるという問題は、これは予算に関連いたしますので、当時予算委員会でも申し上げましたように、ことしは間に合いませんので、来年度以降におきまして、大学でそういう希望もあり計画もあるものにつきましては、文部省としても前向きに受けとめて処理いたしたい、かように申し上げたわけであります。したがって、現時点でこの前の予算委員会より具体的に何か進んでおるかということでありますと、特にございませんが、相変わらず大学のほうにはそういう御意向を適当な機会にお伝えして、大学の希望と計画を、文部省としては前向きに受けとめていきたい、かように考えております。
○田原委員 各大学の医学部長会議でも、機会があるだろうと思いますから、そういうところで話をされて、希望を持っている学部からまず始めさしたらいいと思う。 この点について、厚生省にもお尋ねしておきたいのでございますが、厚生省では、私の調べたところでは、千葉国立病院生薬研究科に何かはんの四十万円ぐらいの補助金を出してやっているようであります。その成績等も私も見せてもらったのですが、まだわずかな補助金で、たいした成績もあがっておらぬようであります。ほかの大学でも、たとえば大阪大学、あるいは金沢大学、あるいは九州大学、あるいは東大も、今度院長になった物療内科の大島良雄先生あたりもやや似たような研究に関心を持っております。補助金を方々にばらまいて研究の機会をつくらしてやったらどうか。そうしないと、たとえば漢方医にしましても、もう明治維新のときに廃止になってしまったものだから、有名な漢方医は死んでしまって、いま全国でわずかに百五十人ぐらいしかいない。しかも、これはもうほとんど全部が、各大学の医学部を卒業した正式な医者であります。それで博士号をとってやっておる連中が、外科や眼科等をやりながら十年、二十年と西洋式医学をやってみて行き詰まって、やはり漢方でなくては人間の根本的な治療はできないということになっておる。その学術的な意味の分析や統計説明、解剖等はできないかもしれないけれども、経験からいって、なおっておることは事実なんです。したがって、せっかく千葉国立病院に一つの橋頭堡というか、研究の機関をつくられたからは、進んでことしは三カ所なり五カ所なり、また来年も十カ所なりつくりまして、いま漢方医の生きている間に研究の機会を与えてやる。そしてむずかしい漢学の本でなくて、日本語でつくる、あるいはローマ字でつくる、あるいは英語、ドイツ語、フランス語等でつくって海外に知らせるというような機会をつくるべきである。その前段の研究の問題は厚生省の仕事だと思うのです。後段のいろいろな漢方医学の翻訳、奨励、翻訳しこれを世界各国に読ませるというのは文部省の仕事だと思いますので、両方にお尋ねいたしますが、そういうふうに前向きにいく御意思はないかどうか。
○黒木説明員 ただいまの御指摘のように、千葉国立病院におきまして四十二年度、四十三年度、厚生科学研究費をもちまして研究をやらせたわけでございますが、本年度以降につきまして、さらに内部で十分先生の御趣旨を体しまして検討してまいりたいと思っております。
○村山(松)政府委員 文部省で出しております研究費につきましては、文部省のほうでこちらから 一方的に配るのではなくて、やはり研究者からの申請を待って、しかるべき審査機関で審査の上で配分するたてまえになっておりますので、東洋医学関係につきましても、申請があれば公平に審査をして、取り上げられるものにつきましては研究費が出されるものと思いますし、それからその成果の刊行等につきましても、同じような体制で補助、援助ができるようになっておりますので、同じように公平に取り扱ってまいりたいと思います。
○田原委員 あと大学問題についていろいろ聞きたいこともありますが、時間の関係で他の機会に譲りまして、一応これでやめておきます。
○大坪委員長 石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 私は、国立学校設置法の一部を改正する等の法律につきまして、まず国立工業教員養成所の問題からお伺いしたいと思います。 この養成所は今度廃止になるわけでございますが、趣旨説明を読みますと、二千名に及ぶ養成所の卒業者が工業教員として就職しておる、工業教育の拡充についてはかなり大幅な実績を示しておるし、また工業高校の増設計画も達成されておるので、最近新増設の大学の工学部の卒業者でその需要を十分まかなっていけるのではないか、こういうような趣旨説明であったと思うのです。これについてお伺いしたいのでございますが、今日の社会は、科学技術の著しい進歩発展から工業技術者の大幅な養成が望まれております。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕 まず最初に伺いたいことは、文部省はこういった問題についてどのような掌握をしているのか。社会全体が、特に国立工業教員養成所でございますので高校以下の人数についてだと思いますが、一体一般の産業社会においては高校卒のこういった生徒についてどの程度要望しておられるのか。そういった点、わかっておりましたら具体的に数字をあげて説明していただきたいと思います。
○村山(松)政府委員 現在の理工系の大学、高等専門学校あるいは工業高等学校の拡充計画は、昭和三十五、六年ごろ、当時のいわゆる所得倍増計画に伴って、あり得べき社会における理工系の技術者の需要を測定いたしまして、それに基づいて大学については約二万人、それから高等学校につきましては工業高校約八万人の増募の計画を立てて、これが実施されたわけであります。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕 工業教員養成所につきましては、その工業高等学校の拡充計画に対応して、その工業の専門教科を担当する教員が、当時大学の工学部も不足でありますし、また、かりに工学部において免許状を取りましても、産業界等に引っぱられて高等学校の教員になる者がきわめて少ないという事態をとらえまして、臨時応急の工業教員の養成のために九大学に工業教員養成所を設けて、御指摘のように約二千名の工業教員を養成したわけでありますが、その後、大学の拡充計画も順調に進み、したがいまして工業教員で免許状を取る者もふえております。一方、工業高等学校の拡充計画も一段落して、目下のところ新しい拡充計画もないという状況になっております。そこで現段階では、臨時応急に設置いたしました工業教員養成所はほぼ目的を達成したと考えまして、昭和四十二年度から学生の募集を停止し、本年三月をもって在学生も卒業いたしますので、これを廃止することといたした次第でございます。
○石田(幸)委員 そこら辺の事情は趣旨説明で十分わかっておるわけでございます。それではお伺いいたしますけれども、現在の大学の工学部、理工学部の関係におきまして十分な卒業者が見込める、その人たちがおそらく工業高校の教員になってくれるであろう、こういうような見通しでそういうお話をしていらっしゃると思うのですが、しかし、社会の要請を考えてみれば、そういった高校程度の学生であっても、さらに工業高校みたいなものをふやしたいというような社会的の要請もあると思うのです。そういった従来の見通しはどうなっておるわけですか。さらにまた、現在の大学の卒業生、特に理工学部の卒業生が工業高校等の教員になっているパーセント、充足率、そういったものについてはどうなっていますか。
○村山(松)政府委員 現在理工系の高等教育機関の入学定員は全部で約八万二千名になっております。そのうちで短期大学、高等専門学校を除きまして、大学だけに限りますと約六万三千八百名になっております。その中で教員の免許状取得者の数は、最近の三年間で申し上げますと、大学卒で昭和四十一年には五千五百名、それから四十二年には六千三百名、四十三年には同じく六千三百名程度が免許状を取得しております。 そこで、工業高等学校の教員の需給関係でありますが、現在工業高等学校の工業の専門の教員は四十三年度現在で約一万六千名おります。それに対する補充といたしましては、現在のところ新規需要というのはあまり見込めませんので、退職関係の補充ということに相なりますが、退職見込みが約三百八十名程度、したがいまして大学卒業者で免許状を取る者の数は教員の需要に十数倍しております。工業教員の採用の実績を申し上げますと、たとえば四十一年度大学卒で工業教員になった者が四百五十四名、それから工業教員の養成所を出まして教員になった者が四百四十四名、計九百名というものが教員になっております。四十二年度大学卒が二百九十六名、工業教員養成所卒が二百四十一名、合わせまして五百三十七名が教員に就職しております。四十三年は大学卒が百九十五名、工業教員養成所卒が百九十一名、計三百八十六名というものが工業教員になっておりまして、最近工業教員の就職者はかなり顕著に減っております。これは拡充計画が終わって新規需要がなくて、さしあたりは退職者の補充をすれば足りるというような関係になっておりますので、採用者が減っておるわけであります。そういう関係で、工業教員養成所を廃止いたしましても、大学卒をもってほとんどまかなえる状況になっておると判断しておるわけであります。
○石田(幸)委員 大体現在の状況はわかりました。ところで、私は、将来において産業社会それ自体がそういった工業高校等を卒業した人を多く募集する傾向も出てくるんじゃないか、こういうふうに思うわけです。そういった社会の要請について、文部省としてはどのような角度で臨まれているか。今後そういうような高校をたくさんつくって、そういうような需要者に、勉強したい人たちに応ずるのか。一体どういった計画で臨んでいらっしゃるのか、そこら辺の状況を少し聞きたいと思います。
○村山(松)政府委員 現在のところ、政府として、かつての所得倍増計画に匹敵するような人材養成計画が用意されておりませんので、具体的に数字をあげての御説明はできませんが、傾向といたしましては、産業社会はいよいよ高度化してまいりますので、技術者の需要というものはふえることはあっても減ることはなかろうと思います。したがって、従来のままの形で拡充が行なわれるかどうかは別として、むしろ新しい形がいろいろくふうされると思いますが、高等学校レベル、大学レベルの理工系の教育機関の拡充というのはあり得ると思います。それに対応する教員の確保対策といたしましては、やはり本来は大学で養成するのがたてまえであろうかと思います。 そこで、大学での教育だけでよろしいかどうかについて、もし足らない点があればそれを付加するということは研究しなければなりませんが、私どもとしては、将来の理工系の教育機関の拡充があります場合、原則としては、これに対応する教員の確保も大学教育の中でこのままで、あるいはくふうを加えて養成、供給をはかっていくという方向で対処すべきであろう、かように考えております。
○石田(幸)委員 それではほかの質問に移りまして、三重大学に工学部が設置されるわけでありますが、この設置基準等については、先ほど井上委員からいろいろお話がありましたので省きますが、新たに学部を新設するについて、教官の組織並びに人数は、教授何名、助教授何名というぐあいに、一体どのように充足することになっておりますか、お伺いします。
○村山(松)政府委員 三重大学の工学部は、さしあたり電気工学科、機械工学科の二学科で発足いたします。そういうことになりますと、一学科当たり教授四人、助教授四人、助手四人という形になります。二学科でありますから、その二倍になります。それに加えて一般教育がありますが、一般教育につきましては、現在三重大学では一般教育のための教養部というものは設けられておりませんので、教育学部を中心として、農学部、工学部の教官も必要に応じて協力するという形での一般教育がなされるわけでありますが、それに見合った、増設に伴う増加分として、教授二人、助教授二人が増加されることになっております。これは全体計画でありますので、四年間の年次計画、これを学年進行といっておりますが、これによって漸次充足されることになります。
○石田(幸)委員 この新設の各学科については、研究員は採用することになっておるわけですか。この点どうですか。
○村山(松)政府委員 学科ができますと、教官のほかに事務官、技官、その他行一、行二の所要の職員がつきます。これはそれぞれ査定されるわけでありますが、従来の例からいきますと、教官以外に二学科分として大体五十人くらいの事務官、技官、補助職員が配当されるのが例でございます。これの全体計画につきましては、さらに大蔵省と折衝の上できまってまいります。
○石田(幸)委員 私は事務官のことを伺っているのではなくて、実際の各講座につく研究員というのがございますね。いわゆる奨学金でその担当の教授のところについている研究員あるいはまた自費で研究をしたいといってその講座なら講座の先生について勉強をしたい、そういうような員数外の職員というのですか、身分がきまってないようですけれども、そういうような人が、採用といってはおかしいですけれども、そこへ集まってくるようになっているのかどうか、その点について伺っているわけです。
○村山(松)政府委員 職員以外のそういう研究員的なものは、計画としては考えておりません。学部なり学科ができた上で、余裕ができてきて指導する能力ができてくる、そういうところに来て研究をしたいという者があって、それが正規の受け入れ手続等によって受け入れ得る状態であれば受け入れるということになりまして、ケース・バイ・ケースの処理になります。計画としてはそういうものは考えておりません。
○石田(幸)委員 それでは助手の問題からお伺いしたいわけでございますが、これは三重大学だけではなくて、各大学にも共通だと思いますが、現在助手は教育公務員特例法にいうところの教員ということにはなっておりません。そういう意味において助手の待遇問題が強く叫ばれております。これは先ほどもちょっとお話が出ましたが、一体助手という立場は、教官であるのか、あるいは事務職員であるのか、そこら辺はどうなんですか。
○村山(松)政府委員 分類いたしますと、教官の一種でございますが、御指摘のように、教育公務員特例法上からいきますと、法律適用教員ではなくて、政令で準用する教育公務員という形になっております。
○石田(幸)委員 教官の一種であるというお話で、非常にむずかしい御見解のようでございますが、しかしながら、助手のやっている仕事というのは、実際いろいろ調べてみますと、教授あるいは助教授の代理として講義をする場合もある。そういうようなことも一般的にいままでずっと行なわれてきたわけです。あるいはまた、実習などの問題にいたしましても、その準備から実際の学生の指導に至るまで助手が受け持っている場合も非常に多い。あるいはまた、卒業論文等の指導にも当たっている。あるいはまた、大学院の院生の指導等にも当たっている。そういうようなことが従来どおりずっと行なわれてきたはずですけれども、こういうような事例を見ますと、助手というのは明らかに教官としての仕事をしているわけでございますから、教育公務員特例法にいうところの教員でなければならないと私は思うわけでございますけれども、その点についての見解はいかがですか。
○村山(松)政府委員 助手のあり方につきましては、いろいろな議論もありますし、また、実態としましても、御指摘にもありましたように、学部の種類により、あるいは学校の別により、さらにこまかくは学科、講座の別によって、かなり違っております。講師以上の教官に近いような仕事をされている方もありますし、非常に補助的な仕事しかされてない方もございます。 助手がいかにあるべきかというのは、現在の大学問題を考える場合の一つの研究課題でありますが、現在の形としては、先ほど御説明いたしましたように形式上は教官でございます。発令上は文部教官ということになっておりますし、それから給与の扱いは教育職の俸給表が適用になっておりまして、身分、給与上は教官でございます。ただ、教育公務員特例法の適用にあたりましては、準用教育公務員というかっこうになっておりまして、そこら辺は、さらに職務内容を分析して、将来必要があれば改革の余地があろうかと思いますが、現在どうすべきであるという明確な方向は、まだ打ち出されておりません。
○石田(幸)委員 こういうような問題を不明確にしておくから、今日の大学問題が紛争の一つの焦点となってくるのじゃないかと思うのです。 文部大臣は、この助手の問題について、こういった特例法からはずされていることについて、どうお考えでございますか。また、将来こういう特例法について、教育としての法的な身分まで明確にするおつもりであるかどうか、大臣の御見解を承りたい。
○坂田国務大臣 大学の助手の問題につきましては、ただいま大学局長から申し上げましたように、種々の実際上の形態がございます。やはり改善すべき点も幾多あるかと思うわけでございますが、やはりこれは大学全体の問題を含めまして考えなければならない問題だと思っております。
○石田(幸)委員 全体の問題として考えなければならないということでございますが、しかし、これはかなり長い間、こういった慣行のまま行なわれてきたものだと思うのです。一体、大学局長、この慣行というのは何年ぐらい続いておるのですか。
○村山(松)政府委員 教育公務員特例法は、たしか昭和二十四年一月に制定公布されておりまして、それ以後扱いは変わってないと思います。
○石田(幸)委員 よく聞こえませんでしたが。
○村山(松)政府委員 教育公務員特例法は、昭和二十四年一月に制定公布されております。それ以来、特例法職員の扱いは変わりがないと思います。 〔「委員長、休憩を宣して、至急定数をそろえてください」と呼ぶ者あり〕
○石田(幸)委員 それでは質問を継続いたしますが、いま大学局長の答弁によりますと、約二十年間この問題が放置されておるわけです。一体この助手の本来の仕事は何であるのか。最初二十四年当時、この特例法からはずされておるわけですから、そのときの助手の仕事はどのような内容と明記してあるのか、その点をまず伺っておきたいと思います。
○村山(松)政府委員 大学におきます教員の職務規定としては、国公私立大学を通じまして、学校教育法の第五十八条に規定があるわけであります。それによりますと、「助手は、教授及び助教授の職務を助ける。」、こういうことになっております。そこでなお、「講師は、教授又は助教授に準ずる職務に従事する。」ということになりまして、法律の規定上、その職務が教授または助教授に準ずるようになっております。助手は教授及び助教授の職務を助けるということになっておりまして、考え方として、教育研究に関して責任を持つのは教授、助教授であり、それを助ける地位にあるのが助手である、こういう考え方が前提にありまして、国立学校の助手を定めておりますところの教育公務員特例法につきましても、扱いが二様になっておるものと考えられます。
○石田(幸)委員 あまりこの問題に時間をかけておられませんので、私は大臣にお伺いしたいわけでございますが、まず、この助手の本来の仕事の上からいきまして、多分に教授の秘書的な役割りが非常に多かったんじゃないかと思うのです。そういった意味におきまして、そういった秘書的な仕事と、それからまた教官としての任務というのは私はおのずから違うと思うのです。そういう意味におきまして、教授の秘書を置くことを認めるか、あるいは研究室にそういった係官というものを特別に認めるか、そういう方向でそういった秘書的な問題を片づけて、やはり助手は助手としての、教官としての本来の使命につかしめる、そういうようなき然たる態度が必要ではないか。そのことによって助手自体の地位も向上するでありましょうし、また、その処置によって助手自体の自覚も私は変わってくるんじゃないかと思う。いま言われていることは、一般にそういった若手研究員に対する待遇問題にしても、あるいは社会的な地位にしても、非常に冷遇されているということが問題になっているわけでございますから、やはりある程度の年月を切って改善策を講ずるんだというはっきりした態度が必要じゃないか、こういうふうに思うのでございますが、大臣の御所見を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 いま大学局長から御答弁を申し上げましたように、学校教育法その他の法規によりまして、助手の地位というものは一応きまっておるわけでございます。しかし、今日のような激しい社会の変化に対応して、大学がどうあらなければならないか、しかも実際といたしまして、助手の役割りというものも教授を助けるといいながら、実際は相当な仕事を背負っておるというようなことも現実の問題でございますので、この点につきましては、やはり大学の今後の新しい改革の上において、真剣にその地位を考えなければならない課題であるというふうに私は考えております。
○石田(幸)委員 そうしますと、近い将来に、年月はいつとは言えないけれども、近い将来にこういった問題も大学の改革案等と含めて考えていくんだ、こういうようなお考えであると伺ってよろしゅうございますね。 それから次にお伺いしますのは、先ほどちょっと触れましたけれども、各大学には教員以外の研究員といいますか、大学院生とはいえませんけれども、研究員というのはかなりおるわけでございます。たとえば日本学術振興会の奨学制度の中に奨学研究員というのがございます。こういうのをいろいろ資料をとって研究してみますと、最近の一例をあげますと、四十三年度で、人文社会系に対して、七十一名研究員になりたいという方に対して二十四名採用になっておる。また数物系に対しては、百十六名に対して三十六名が研究員として採用になっておる。こういうようないろいろのデータが出ているわけでございます。これについて私は思うのでございますが、若手研究員を大いに育成する意味におきましても、やはりもう少し身分保障がはっきりしていないといけないんじゃないか、このように思うわけです。この間の東大の問題にいたしましても、あるいはまた、いろいろなそういう研究生自体の事故の問題を考えてみましても、工学関係、特に電気であるとか、あるいはいろいろな化学の実験を行なうに際して、そういう研究員の事故も皆無ではないと思う。ところが、そういった事故が発生しても、研究員のそういった補償制度がはっきりしてないために、そういうようないろいろなけがについては全部自分が負担をしなければならない。そういうような問題が起きてかなりそういった若手の研究員に不安が生じておるんではないか、こう思うわけであります。そういう意味におきまして、こういった大学が給与を支給しないところの研究員に対して、今後どのような考えで文部省は臨まれていくのか、この点についての御答弁をお願いしたいと思います。
○村山(松)政府委員 大学には、その性格上、職員と学生のほかに研究員と称する人がおるのは事実でございます。御指摘の日本学術振興の奨励金研究員といいますのは、大学院で博士課程まで終わって、なお職につかないで研究を継続したいという者に対して、日本学術振興会で奨学金を交付して研究を継続させる制度でございます。こういうものは学問の振興をはかる上で必要なものでございますが、御指摘のように何か事故が起こった場合の補償ということになりますと、職員であれば職員の態様に応じて、公務員であれば公務災害、それから共済組合であれば共済組合のほうの災害補償等がありますが、研究員につきましては、御指摘のようにそういう職員でない者についての災害補償制度が現在わが国ではどこにもございません関係もありまして、現行制度、法規のもとではいかんともしがたい。かりに国の機関で国に過失があったり、あるいは施設、設備等に瑕疵があった場合には国家賠償法が発動するわけでありますが、そういうことがありませんと、研究生の災害補償については、そのつどいろいろとくふうをして何とかやりくりをするというのが実情でございます。これについて何か抜本的な対策はないかということでございますが、一般に補償とか保険とかいうことになりますと、何と申しますか、その危険を分散する意味合いにおきまして、共通の危険に直面する者が掛け金等をかけてやるというような形が普通でございます。そこで、職員でない、つまり給与をもらってない者についての補償あるいは保険の制度を考えるということは、なかなかむずかしい点がございまして、何かしなければならぬという問題意識は持っておりますものの、まだ具体的な方向について何か打ち出しかねておるのが実情でございますが、なおよくこれは検討すべき課題と思っておりますので、さらに詰めてものごとを考えてみたいと思っております。
○石田(幸)委員 現行法ではいかんともしがたい、これから十分に検討したいというのでございますけれども、現にそういうような事故も起こっておりますし、北大の助手会でございますか、そういうような組織も結成されて、待遇改善が叫ばれている状態を見ましても、やはり私は研究生も同じだと思うのですね。これは文部省当局として、この研究生の扱いについてどうするかという問題は、やはり早急にきめなければだめだと思うのですよ。これも長い間の慣行でずるずる今日まで来ているわけでございますので、こういった面について私は大臣にも一考をお願いしたい、こういうふうに要望をするわけでございますが、大臣はいかがお考えになりますか。
○坂田国務大臣 御指摘の点はそのとおりだと思うのでございまして、やはり日本の研究体制というものに対する基本的なものが実は確立をされておらないところにあるというふうに、先ほどからも御質問等に応じまして私はお答えをいたしたわけでございます。したがいまして、大学院制度をどうするか、つまり学問中心の大学の機能をどうするかという問題、それからまた、それに伴いますところの大学院生あるいは御指摘の研究員というような者の処遇の問題あるいは災害補償の問題こういうものをひっくるめて考えなければならない。その前提といたしまして、いまの大学紛争というものを見なければいけないんではないか、あるいはそういうようなところにおける私たちの手の届かないところに原因が横たわっているんじゃないかというようなことも含めて、私は大学問題に対処をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 私は、大臣に要望申し上げるわけでございますが、こういうような若手研究員の海外への頭脳流出というような問題もいわれておりますので、そういった問題も踏まえて、全体的な視野でより真剣な施策を重ねられて、そういった下級教員と言っては申しわけありませんけれども、そういった人たちに対して優遇措置を何らかの形で発表していただきたいということを御希望を申し上げたいと思います。 次の問題が移りますが、今回三重大学に工学部が設置されるわけでございますが、私は大学審議会等のいろいろな経過については存じておりませんが、また来年度においてもそういった新学部の新設、そういうようなものだんだん大学の充実の面から考えますと出てくるのではないか、こう思うわけでございます。これは私どもが従来主張しておったことでございますが、国立大学に夜間制、二部制を設けてはどうかというふうに御提案を申し上げてきました。これはこの前も予算委員会でちょっと申し上げたわけでございますが、これは単なる高校生を受け入れるというだけではなくて、社会人の再教育をする上においても私は絶対必要なものではないか、こう思うわけでございます。そういう意味におきましていままで何度かこういう提案をしておりましたが、検討するというお答えはいただいておりますけれども、その後の進捗状況については何ら発表もされておりませんし、また承ってもおらないわけでございますが、こういった問題について、どうしてもできないものか、あるいは将来夜間大学をつくるという、国立大学あるいは私立大学等にそういう夜間制を設けるという方向で検討していくのか、そこら辺の問題についての大臣の御見解を承りたいと思います。
○村山(松)政府委員 まず実態について御説明申し上げますが、国立大学で夜間部がありますものは、四年制の大学といたしましては、九大学に十二の学部がございます。それから短期大学といたしましては、二十の夜間短期大学が大学に併設されております。これは地域的な要請もあり、当該大学と協議の上漸次拡充してまいったわけでありまして、なお地元関係からの御要望は強いわけでありますが、関係の大学において必ずしもどんどん夜間部設置に踏み切るという情勢にございませんので、文部省としては関係の大学と話し合いながらできるだけ増設の方向に持ってまいりたい、かように考えておる実情でございます。
○坂田国務大臣 やはり働きながら大学に通うということは今後どんどんふえてまいる、また要請も非常に強くなってまいるというふうに思うわけであります。再教育、生涯教育に大学の施設を利用する、あるいはそこのもとにおいて教育研究をするということはこれからも当然起こってくる問題だと思います。これに対しまして各大学も、一部におきましては、ただいま大学局長から申し上げましたように行なっておるところもございますけれども、これも文部省から強制いたしましても、受け入れますところの大学の理解と、それからまたそれに伴う意欲とがなければ実はこれからなかなか実現を見ないというのが実情でございまして、また、このことによって紛争の一つの種になっておるというような大学も実はあるわけでございます。しかしながら、全体の方向といたしましては石田さんが御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、できるだけこういうような働きながら学ぶ、あるいは再教育のための大学というその夜間学部の創設ということには力を入れてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 それでは次の問題に移りたいと思います。 本日の朝日新聞によりますと、東大また東京教育大学の学生経費を一学年分をカットするのが文部省の方針として発表されたように書いてあるわけでございますが、これはそのような決定を見たのであるかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○村山(松)政府委員 結論を申し上げますと、まだ決定はいたしておりませんので、検討しておる段階でございます。
○石田(幸)委員 これは一学年分をカットする方向で検討しているのか、その点もう少し詳しく明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○村山(松)政府委員 御案内のように、東京大学と東京教育大学は、四十四年度は入学試験を行なわず、したがって第一次の学生が入らなかったわけでございます。一方、第四年次の学生は、いまのところ何とか授業再開をして、若干おくれますが卒業させる体制にございます。そこで四十四年度の二大学の予算の配分につきまして、積算は、全大学を通じて学生当たり経費、教官当たり経費等が積算されておる。これをいかに配分するかという問題になりますが、二大学は授業がかなり行なわれなかったのも事実でありますし、それから新年度においては入学定員の三倍の定数ということになるわけでありますので、従来のように入学定員の四倍の学生経費を配分するのがいいのか、あるいはこれを三倍にするのがいいのか、もっと第三の方法があるのか、それらを含めまして検討中でございます。
○石田(幸)委員 四年生は卒業するからというような理由、これが一つの理由のようでありますが、現在東大並びに教育大の場合は、その四年生は何月に卒業する予定になっておりますか。
○村山(松)政府委員 東京大学につきましては、大学の予定としては、普通に勉強しておる者は六月末までに卒業させるということで現在授業を進めております。教育大学につきましては、体育学部を除きますと、そのような明確な時点はきまっておりません。
○石田(幸)委員 明確な時点がきまっていないそういうような教育大学に対して、この学生経費をカットするというのはちょっと筋が合わないのじゃないですか。おかしいじゃないですか、いかがですか。
○村山(松)政府委員 教育大学につきましては、一つの問題は新入生が入っていないということと、それから現にかなりの学部で実際に授業が行なわれていないという事実があるわけであります。それを予算の配分にどう反映させるかということを検討しておるわけであります。
○石田(幸)委員 新入生が入っていないけれども、まだ四年生は卒業していないわけでございますから、四学年分の学生経費は当然必要じゃないか。授業をやているやっていないというような問題だけをとらえてそういうような学生経費をカットするということは、よけいに学生を刺激するというふうにわれわれは考えるわけです。かえって学生紛争の種をまく結果になりはしないですか。
○村山(松)政府委員 いろいろな見方が成り立つと思いますが、会計経理は、そういう副作用も全然無視するわけにはまいりませんけれども、やはり会計経理のやり方として厳正にやる必要がございますので、そこら辺を検討しておるわけでございます。
○石田(幸)委員 非常に厳正な経理の計算が行なわれているようでございます。これは朝日新聞なんですが、これによりますと、文部省は東大、教育大の新入生の定員分を他の国立大学に振り分け、各大学が受け入れた分について学生経費をつけることにした、これがカットの理由になっているようでございますが、これは事実ですか。
○村山(松)政府委員 東大、教育大の定員をほかの大学に振り分けるというような単純な作業はいたしておりません。御案内のように、東大と教育大学が入学試験を中止しました関連もありまして、他の大学にできるだけ学生を受け入れるようにお願いしておるわけであります。他の大学で学生を受け入れた場合には、それに対応する予算措置もできるだけ講ずる、こういう考え方でおります。機械的な差し引き計算を考えているわけでは必ずしもございません。
○石田(幸)委員 ところが、この朝日新聞によりますと、明確に各大学が受け入れた分について学生経費をつけることにいたしたので、両大学に四学年分を出す財源のゆとりがない、こういうふうな理由によって文部省はカットした。このように報道されておるわけですが、この朝日新聞の記事は間違いですか。
○村山(松)政府委員 必ずしも正確ではございません。
○石田(幸)委員 では伺いますが、東大、教育大の新入生の定員分を他の国立大学に振り分けた分、これも私は予算委員会でその数を聞いたわけでございますが、紛争中でもあり、明確ではありませんでした。最終結果は、一体どういうふうになったわけですか。
○村山(松)政府委員 大学の入学者が最終的にはっきりいたしますのは——毎年五月ごろ集計いたしております。と申しますのは、二つ三つかけて志願している者もございますし、考え直して取り消す者もあります。そこで、大学の新入生の数の安定する時期として、指定統計では五月一日現在で押えております。
○石田(幸)委員 五月一日現在で押えるということになりますと、五月一日以降でなければ、この学生経費の配分は、各大学につけられないということになりますね。
○村山(松)政府委員 普通の場合でありますと、学生経費の配分のしかたは、入学定員分、つまり大学では、各年次の入学定員というのがありますので、それに一人当たりの金額を掛けたものを基礎にして配分いたします。したがって、学生の実数が正確にわからなければ配分できないという性格のものではございません。
○石田(幸)委員 あまり明確な御答弁ではないようでありますが、いずれにしても、こういうような東大、教育大の場合、特に学生経費については、授業を再開するという予定のもとに、私は進んでいるのじゃないかと思う。そういう意味におきましても、これは何カ月かは確かに授業は再開されてはおらぬかもしれぬけれども、当然私は、そういう面の学生諸君に対する締めつけというのは、感心した方針ではないと思うのですね。もし文部当局が、そういうような姿勢で臨むならば、ますます学生の反感を買うことは間違いありません。そういうような反感が、結局一九七〇年安保の問題なんかにエスカレートしてくるにきまっておる。そういう意味におきましても、私はしばしば申し上げておりますように、現在の大学問題、大学紛争を片づけるためには、いろいろな方策があるにしても、やはり教育環境というものを整備しなければならない。その教育環境の整備の問題を考えた場合、こういうような文部省の方針というのは、私は誤りじゃないかと思う。そういう点についていかがお考えになりますか。
○坂田国務大臣 ことし東大と、それから教育大学の入学を中止をしたわけでございます。したがいまして、それだけ学生というものは入ってきていないわけでございます。でございますから、その入ってきていない分をどういうふうに見るかということについては、やはり合理的な、説明のつくようなやり方をしなければいけないので、それをやらないままでずるずるべったりにやるということは、これは教育的でもございませんし、同時に、大学が今日国民から非常に批判をされておる。一年間も授業をしないでいる、何をしておるのだ。あるいはああいうような不法状態を長く続けておって、そうして四億四、五千万円の国民の税金を、損害を与えておる。それだけの損害をどうやって弁償するかもわからないという状況に対して、非常に国民の間には不満があるわけでございます。こういうような大学というものを、ほうっておいていいかどうかということは、国民の今日の声だと私は思うのであります。私といたしましては、やはり最終的に、そういうような国有財産の管理の面におきまして、責任を持つ者といたしまして、やはりある程度の合理的な考え方でもって経費を明らかにすべきではないだろうかというふうに思うわけでございまして、単に学生たちがこのことによって、また紛争がエスカレートするからというようなことだけでもって、やるべきことをやらないということは、間違っておるというふうに思うのでございます。ただ、その際は、あくまでも学生たちを納得できるような客観的な、合理性によった学生経費の配分を考えなければいけない、かように考える次第でございます。
○石田(幸)委員 それでは、少々問題を発展させて申しわけありませんけれども、実は昨日の参議院の決算委員会において、文部大臣は日大の裏口入学の世話をしているじゃないかというような総理に対する追及があったそうでございますが、これは新聞等を見ますと、そのときに時間がなくて、文部大臣の答弁がなされておらないようでございましたが、この点について、一体文部大臣はどのようにお考えなのか。いま合理性を非常に強調されたわけでございますけれども、一体こういった問題も、あわせて合理性があるとお考えなのかどうか、その点について見解を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 昨日の決算委員会におきましては、総理に対する御答弁の要求でございました。私に対しては何ら答弁を求められなかったわけでございます。しかも黒柳委員は、私のところに来られまして、この男を知っておるかということをおっしゃいました。私は、その人は知らないということを申し上げたわけであります。
○石田(幸)委員 きょうの朝日新聞によりますれば、文部大臣は委員会後の記者会見において、「好ましいことではないが、選挙区などの知人から子どもの進学指導について相談を受け、世話してきたことは事実だ。しかしそれによって金品をもらったりはしていないし、私だけに限らず、今のような選挙ではやめるわけにはいかないだろう。」こういうふうにおっしゃっているわけでございますが、しかし、今度の日大紛争の問題点は、こういった不正入学のお金が、経理が乱脈で、どこへ使われているかわからなかった、そういうような問題から私は日大問題が発展してきたように、新聞紙上では拝見をしておるわけでございます。そうしますと、政治家が、こういうような日大紛争の種の大半とは言いませんけれども、その一部をつくったんだ、このように私どもは考えなければならないと思うのです。しかし、いまの文部大臣のお話でございますれば、直接私にお話しがあったことではないからと、こういう意味の御発言があったわけでございますけれども、一体その裏口入学が、やむを得ないものと考えていらっしゃるのかどうか、そういった点について、もう一ぺん見解を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 裏口入学という意味が、どういう意味なのかが実はよく私もわからないわけでございますが、たとえば選挙区からわれわれのところに参ります場合には、子供たちの入学について、いろいろ相談を受けるわけでございます。そういう場合において、いろいろの、たとえば高等学校の段階において、あなたの成績はどうなんだ。そうするとどれくらいなんだ、そうしてどこを受けているんだ。それは少し無理ではないか、こういうような大学を受けられたほうがあなたの能力に応じているのではないかというようなことを、私も申し上げます。そうしますと、なかなか本人も実力があるということを主張するのでございます。しかし、あなたの能力では、とても無理じゃないかというようなこともございます。しかし、中にはおかあさんも一緒に参りまして、それならばそっちのほうを受けます。あるいは第一段の段階では、一流の大学を受けられるのもいいでしょう。しかし、その次の段階では、歯どめとして、こういうような大学を受けられたほうがいいのではないでしょうかというようなことを申し上げまして、そのために受かったというような事実はあるわけでございます。そういうような意味合いにおきまして、私が、入りました人たちに対して、保証人になるというようなことは、例があるわけでございます。
○石田(幸)委員 大臣は、そういうようなお話をしていらっしゃいますけれども、しかし、きのう黒柳委員が示された資料というのは、たとえば商学部なら商学部に対して、再度依頼があった、政治家から、再度依頼があったという面に対することで、これは補欠入学であるわけです。したがって、再度依頼ということは、第一次の試験に落ちておるということが、私は明確ではないかと思うのですね。そういうような問題に対して、多数の政治家が、裏口入学を奨励しているような結果というものは、私は歴然ではないかと思うのですね。そういう問題についてどうお思いになりますか。巷間うわさされているところによりますれば、私学あたりの裏口入学というのは、入学金は 二百万とか、二百五十万だ、このようにもいわれておるわけですね。こういった問題について、私どもは厳重にやはり政治姿勢というものを正していかなければならないと思うのです。特にこの日大問題の状況を、これは新聞に非常に広く報道されたのでございますけれども、第一次補欠入学者は十万円である、第二次補欠入学者は二十万円、こういうふうにだんだんはね上がっていくような仕組みになっているというふうにいわれておるわけです。しかも、そういった日大の中の使途不明金というのは二億六千万と指摘されましたけれども、この二億六千万というのはすべて裏口入学の臨時会計であった、こういうふうにいわれておるわけです。そうしてみますと、私は、政治家としまして、こういうような裏口入学というものは、あるいはそういう大学に、試験に落ちた人たちに対しても、再度また入学を依頼するというようなことは、当然これは避けていかなければならない問題じゃないかと思うのですが、この点いかがでございますか。
○坂田国務大臣 いま御指摘になりましたような問題でございましたら、これはいけないことじゃないかというふうに私は思うのでございます。慎むべきことであるというふうに思います。
○石田(幸)委員 この問題は、もうすでに新聞に報道されていることでございますので、これ以上の追及はいたしませんけれども、一体現在の私立大学というのは、裏口入学が制度化されておる、また裏口入学がなければ学校経営がやっていけないのだ、こういうようなことが巷間うわさされておるわけですが、そういう問題について、今後文部省として、どのような指導をなさるおつもりなのか、こういった点もあわせて御見解を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 御承知のように、国立大学の場合は、非常に入学金も安うございます。ところが、私立大学の場合におきましては、入学金自身が八倍も九倍もというような状況でございます。その他いろいろな納付金とか、あるいは建設資金とかというような形で、私立大学が要求をしておるということも事実でございます。これは公の形において受け入れておるというような面においても、そういうような事実があろうかと思うわけでございます。その根本的な原因というものをたどってみますると、やはりこの百五十万の学生の数の中で、国立は三十万、それから私立が百五、六万というような学生を擁しておるにかかわらず、片方の国立に対しましては、国の費用というものは平均いたしますと七十六万円も出ておる。しかしながら、私立大学の百五、六万の学生に対しては、補助金といたしましては一万円以下である。あるいは財政投融資を含めましても三万円程度である、こういうような状況であるわけでございまして、私は、やはりこの際、国公私立を通じて、ある程度の国の助成の道というものが講ぜられなければいけないのではないだろうか、あまりにも国立と私立との不均衡があるように思われてならないわけでございまして、やはりそういうような根本的な施策というものを、教育行政の中で進めてまいるというために、抜本的な私立大学あるいは私立学校に対する助成の道を開くということが考えられてしかるべきだ、かように考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 大臣の御見解からいきますと、やはり抜本的な解決策がなければどうにもならないのだというようなお話と承る。私たちもそう思います。そう思いますが、現実問題としまして、やはりこういった裏口入学が盛んに行なわれているということは、真剣に、そういうようなっても求めないで、自分の学力で勝負をしようという青年層に対する心理的な影響というものは、非常に強い。一体どの程度まで、現行法のこういうものを認めていかざるを得ないのか。また改正するとすれば、とりあえずどういった方途があるのか、こういう問題についても十分御検討が必要じゃないかと思います。 特に日大で指摘されておりますのは、これは昨年五月一日現在の調べによりますと、法学部で定員数一千四百名に対して在籍数が二千八百三十九名、約二倍でございます。一番ひどい学部になりますと二・六倍、こういうような在籍数になっておるわけですね。そうしてみますと、おそらく定員数をはるかに上回るような学生が、補欠入学とはいうものの、多分に裏口入学のきらいがあるわけです。確かにこれは、早急に解決できない問題だということはわかります。しかし、これはやはり何らかの文部省の指導方針なり何なりを発表しておきませんと、また来年、これは一つの大きな大学紛争の原因にもなるし、一般青年に与える心理的な影響も芳しくない、こういうような点から、もう少し御見解がございましたら承りたいと思うわけです。
○坂田国務大臣 この問題につきましては、私は、各私立大学当局が、非常に厳格な意味におきまして、自粛をしていただきたいというふうに思います。私たちも、その面につきまして指導、助言をいたしてまいりたいと思うわけでございますが、また同時に、入学試験の受けとめ方というものを、もう少し客観的になせるような方法、たとえば高等学校の段階における成績評価をも組み入れたようなやり方を、大学当局がとっていくということも、その一助になるかというふうに考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 最後に、現在政府のほうでは、大学管理法案という問題について、だんだんお考えが薄らいできたような新聞報道でございますけれども、こういう大学管理法案あるいは大学改革案というものを、文部省独自のものを出されるのか。特に佐藤総理が、やはり改革案というものを、文部省独自のものを、中教審の答申を待つことなく考えたらどうだと言ったというような意味合いの報道もなされておるわけでございますので、この点についてどうお考えになるか。
○坂田国務大臣 これは、私たびたびお答え申し上げておりますように、やはり中教審の答申を踏まえまして、その時点で、必要とあるならば、法律も考えなければいけないというふうに思います。また、各党におきましても、そのようなお考えもあちこちにあるかと思うわけでございまして、これはやはり法制化いたします場合は、皆さま方の御協賛を経なければ成立をしないのでございますから、十分そういうような皆さん方の御意見等も拝聴し、また世論の動向等も聞き、またあるいは国立大学あたりの感触等も踏まえながら、この問題をきめたい、かように考えておる次第でございます。
○石田(幸)委員 そうしますと、佐藤総理がおっしゃっているような方向と、ちょっと違うと思うのでございますけれども、そのように承ってよろしゅうございますか。
○坂田国務大臣 予算委員会あるいはまたその他のどの委員会におきましても、総理も私も、その点に関する限りは、一貫して、中教審の答申を待って、その時点で考えるというふうに答弁をいたしておる次第でございます。
○石田(幸)委員 そうすると、中教審の答申が出るまでは、文部省としては独自の改革案等は一切出さない、こういうお考えでございますね。
○坂田国務大臣 そのとおりでございます。
○石田(幸)委員 以上で終わります。
○大坪委員長 唐橋東君。
○唐橋委員 質問に入る前に、委員長に念を押しておきますが、途中で定数が欠けるような場合には、いつでも直ちに質問を中断しますので……。 ただいまの最後の質問で、中教審の問題が出ましたが、簡単に中教審のことに触れて質問したいのですが、現在どのような点まで審議が進んでおりますか。したがって、いま大学問題については、大臣は中教審の答申を得て、こう言いますが、一応その目途は、どのような時点で終わると予想されておりますか。
○村山(松)政府委員 便宜私から御説明申し上げますが、中央教育審議会では、御案内のように、さきに第二十四特別委員会から、学生の地位に関する中間報告草案というものを発表いたしまして、政府部内の御意見を聞き、それから関係の大学にもお配りいたしまして、その御意見を聞き、これを一つの前提として、それから現時点では、学生の地位に関連しまして、大学における意思決定の方法、それから学生紛争等で収拾困難になった場合の緊急の措置といったような問題を取り上げまして、現在審議いたしておるところであります。それとあわせまして、学生の地位、それから意思決定あるいは紛争、困難な事態の収拾方法といったような問題を内容とした答申を、でき得れば今月いっぱいにまとめるという目標で審議が進んでおります。
○唐橋委員 その際、非常に重要な問題でありますので、中教審に文部省はいろいろ資料を提出されていると思います。大学の各紛争の状況とかそういうものは、項目だけでもいいのですが、どのような資料を出して審議されているのですか。
○安嶋政府委員 中教審に文部省から出しておる資料でございますが、これは中教審から御要求のありましたもの、文部省が独自に判断をして出しましたもの、いろいろあるわけでございますが、例を申しますと、各政党の大学改革に関する試案、それから部内の大学関係者によりまする大学関係の試案、それから諸外国における大学改革の方向、学生運動の方向、その他各種の資料をそれぞれ提出しております。
○唐橋委員 国会で各党ともこれには重大な関心を持ち、また、いままでしばしば議論されておりますが、文部省から現在の紛争の状況やその他の資料は、要求されたものは出されたとしても、ほとんど現在まで、文教委員会には出されていないのが実情だと思います。そしてそういう反面、いま申しましたように、中教審には相当の資料が出ておる。そういうことがわれわれやはり予想されるとしますならば、その資料のうち、重要と思われるものを、私たちの文教委員会にも提出していただけますか、どうですか。
○安嶋政府委員 御要望に従って提出したいと思います。
○唐橋委員 その資料等は、あとで項目等もお聞きして、こういうものは出していただきたいということを、私のほうで要求いたしますので、先に進めさせていただきますが、要は、中教審の論議というものは、一番重要なのは論議の経過だと思います。現在の大学をどういうように考え、どういうようにしていくかという議論の経過こそが、非常に大切ではないか。そしてそのまとまったものが、一応答申となって出てくる。そうだとするならば、その議論の経過は公開ですか、非公開ですか。
○安嶋政府委員 議論の経過というお話でございますが、中教審につきましては、中教審の運営規則によりまして、議事は非公開ということになっております。ただし、その審議のごくあらましの議論につきましては、外部に向かって担当官から説明をいたしております。
○唐橋委員 私は、その運営規則を見ていないのですが、各種の法令を見てみますと、中教審の問題について、一応公開、非公開というような根拠は見当たらないのですが、その運営規則の基本になっております何か省令なり何なり——公開、非公開の部分について、いわゆる省令の根拠はございますか。
○安嶋政府委員 中教審につきましては、中央審議会令という政令がございまして、その政令の第九条におきまして、「審議会の議事の手続その他その運営に関し必要な事項は、審議会が定める。」ということになっております。そして、この政令の規定に基づきまして、審議会自身が中央教育審議会運営規則というものを定めておりまして、その第六条におきまして、「審議会の会議は非公開とする。」ということを定めております。
○唐橋委員 私は教科書問題のときにも、いろいろ疑問に思ったのですけれども、やはり先ほど申しましたように、これだけ重要な問題を論議するのに、原則が非公開、こういう考え方に対し非常に疑問を持つのです。なるほど中途において、委員のお互いの話し合いにおいて非公開にするということは、会議の性格上あると思います。しかし、論議の経過を初めから非公開にしていく、こういう運営規則があるということでありますと、この点に対して、私は非常に割り切れないものを持つのですが、大臣、やはり重要なるものは論議の経過だと思います。したがって、できる範囲において、やはり各種関係の——何もそれも全部を新聞で公表しろという考え方ではございません。やはりそういう中において、原則的に非公開ということに対する大臣の考え方、それに対して私は非常に疑問を持つ。もしそれがいいとするならば、第二として、重要な点はやはりあの答申の資料として出すべきじゃないか、この二点について、ひとつ大臣の所見をお伺いしたい。
○坂田国務大臣 ただいま官房長から申し上げましたように、原則として非公開ということになっております。これは、やはり守らなければならないと思います。 それからもう一つは、やはり中教審のメンバーの方々が学長であったり、あるいは大学の紛争校の先生であったりということでございますれば、それがもうずっと出ますことは、かえって自由な発言というものができないということでございまして、それでその経過をそのつど発表するということについては、私は多少疑問を持つものでございます。しかしながら、事が一般に非常に関心を持たれていることでございますし、むしろ社会的な反応というものも踏まえながら審議を進めていくということが望ましいと私は考えておりますので、就任以来、私といたしましては、主査の方が、ときどきはその経過をかいつまんで御発表になっていただくことが、かえって好ましいのではないか。それは、むしろ唐橋委員御指摘のような意味合いにおいて、そういうような運営のしかたをお願いしているわけでございます。また、事実それもやっておられるわけでございます。 また同時に、普通でございましたならば、中間的な報告というものは、四項目、四月の下旬なら下旬というときに、一括して発表になるわけでございますけれども、私はやはり一つ、学生の地位に関するものにつきましては、草案として発表して、それについての各政党の御意見も承り、また各大学の御意見も聞く、またこれが新聞等によって国民の間で議論される、そしてそれに対する批評が行なわれるということを通じまして、これに関連する管理運営の問題あるいは一般教育の問題、あるいは紛争処理の問題ということも考えていただくというような運営をやってまいっておるわけでございます。でございますから、唐橋先生のおっしゃるような形も、原則は原則でございますけれども、運営においては多少唐橋先生の御趣旨に沿った運営のやり方をやっておるというのが現状かと考えております。
○唐橋委員 大臣の気持ちはわかりましたが、私は公開をする方法についてもいろいろあり得ると思います。やはり委員の方々は、社会的地位の非常に高い方々であり、いろいろな立場の人ですから、名前を出さなくても、番号だって符号だっていい。そういう議論の経過は非常に重要なものであり、これこそ私は、今後大学改革のときに、いわば歴史的に見れば後世に残すべき重要なる記録でないか。むしろ、こういう値打ちのあるものだと受け取った上において、そういう記録をやはり残しておくこと、こういうことが非常に大切ではないか、私はこう思います。非公開の原則ということについては、ここで議論いたしません。しかし、あくまでも私が申し上げますのは、個人の立場あるいは人格、そういうものを尊重された上における公開ということはあり得る、こういう考え方でありますので、いまの大臣の考え方を強く進めて、論議の内容と議論の経過を含めた答申、そういうものを出して、出た場合に経過等も私たちにお示し願えるかどうか、この点について念を押しておきたいわけです。
○安嶋政府委員 審議会の審議の結論は、言うまでもなく答申という形でまとめられるわけでございます。そこにいわば審議の全経過が圧縮されておるというふうに考えます。ただいま唐橋先生お話しの、審議の概要、経過ということでございましたら、これは何らかの形でまとめることを検討してみたい、こういうふうに考えます。
○唐橋委員 まとめることを検討してみたいという御答弁ですが、当然これは文部省に、一つの資料として残しておくべきものだと考えます。その中における概要というものは、当然国会に報告していいだけの性質がある。なぜならば、御承知のように、これについては各党で、大学問題に対する態度、あるいはそれを中心とした政策を出しておるわけでございますから、いまの点を検討するでなくて、もう一応そういう資料を、先ほど議論しましたような形で、十分尊重した中において出していただくことをお約束願えましょうか。
○坂田国務大臣 その点については、中教審の方方とも御相談をしなければいけませんので、検討と申しましたのはそういう意味でございます。できるだけ御趣旨に沿いたい、かように考えております。
○唐橋委員 いま議論になりました東大のタンクの爆発について、非常に重要なことがありますので、これは先ほど資料も要求いたしましたが、その考え方等を簡単にお伺いしたいと思うのです。 この新聞記事を見てみましても、「大学院生、助手の約二割は、理工科系研究室に属し、さまざまな実験にたずさわっている。昨年六月にまとめたアンケートによると、東大工学研究科で五百七十七人中四十三人が、また、京大工学研究科では三百十七人中五十七人が、何らかのかたちで研究中の災害にあい、指を失うなどのケガをしている。しかし、国家公務員ではないため、国家補償は受けられず、労働災害補償法も適用されない。治療費は関係者がポケットマネーを出し合っている。」これはいまの法律上、しかも大学という最高の研究機関にある人たちが、こういうことで放置されていた。こういうことが、あの事件があって初めて報道されてきたわけなんですが、これらについて、所管をしておる文部省としては、このような人たち、いわゆる労働者災害補償法の適用されない人たちがいたということは、わかっていたのですか。
○村山(松)政府委員 労働者災害補償保険法は、御案内のように労働基準法による事業所に雇用される者の災害補償でございますから、職員でない者に適用されないことは明瞭でございます。
○唐橋委員 そうしますと、ここにもありますように、国家公務員としての国家補償は、国家公務員の身分がないのだからこれもだめだ。しかも実際は、国立大学の中でも仕事でしょう。身分的にそういう人たちが放置されておるわけです。この一つの谷間の者について、いままで何らかの施策をしてきたのですか。
○村山(松)政府委員 現在の災害補償の体系が、国家公務員にせよ、地方公務員にせよ、あるいは労働基準法の適用を受けるところの事業所の職員にせよ、すべて職員というのが対象になっております。したがいまして、職員以外の者についての補償については、いままで取り上げられたことがございません。
○唐橋委員 職員以外の者で、国家公務員でない、そしてそれらの人は、私は使用者が明確になっておると思っているのですが、そういう中で労働者災害補償法にも合わない、こういう人が全国立大学で何人いるのです。
○村山(松)政府委員 これは従事の態様そのものがよくわかりませんので、人数はわかりません。
○唐橋委員 わかりませんで、実際の管理の中で、そういう無責任な文部省のあり方でいいのですか。先ほどは研究部門からの質問がありましたが、私は、この身分の谷間にある研究生、助手というものの災害の場合についての補償というものをどんなふうに考えられているのか、先ほども議論いたしましたが、この点をどうしてもお聞きしたい。人数もわからない、対策もわからない。こんなことで責任がとれますか。
○村山(松)政府委員 いままで職員については、その職務に関連して災害補償の問題が、関係各省で、それぞれの立場で取り上げられて制度化されておりますが、職員以外の者につきましての災害補償ということは、いままでは検討もされてなかったのが実情でございます。したがって、その実態もまだ承知いたしておりません。
○唐橋委員 私は早くやめたいのですけれども、しかし、いまの答弁で私がやめる気持ちになれますか。実際その人員は——国立大学にいない大学はないのでしょう。いわゆる職員以外の今度なくなった二人のような身分の人は、各学校ともに、人員はわからないというだけで、相当おいでになるのでしょう。私のほうでもいま資料を集めて、もうすぐに出てきますけれども……。
○村山(松)政府委員 実態を調べたことございませんが、たとえば理工系の学生あるいは大学院の学生等でありますと、観念的には多少とも危険性のある実験に従事することはあろうかと思います。それから、かなりまとまって研究あるいは仕事に従事している者としては、御案内の附属病院におけるいわゆる無給の医局員の問題がございます。これにつきましては数の押え方がいろいろございますが、大学の診療計画の中に入ったような形で診療に従事しておる者は、約七千名というような数が出ております。
○唐橋委員 約七千名。私のほうの資料とだいぶ違うのですけれども、そういう資料の照合はあとでいたしますが、これは給与をくれているのでしょう。無給という問題もありますが、この人は給与をくれない。これも問題の焦点になりましたが、少なくともそこにいる人員を、国立大学だけでも文部省が把握できない人が、重要なる任務、しかも危険なる任務についていていいのですか。
○村山(松)政府委員 いま御説明申し上げました附属病院の無給医局員につきましては、これは研修あるいは研究というような形でありますが、具体的にやっております研究の中身は、臨床の研究でありますから、どうしても患者を診療する。形としては職員がやっていることと同じようなこと、言うなれば仕事をやっておるわけでございますので、そういう意味である程度数も調べておりますので、七千人という数を申し上げたわけであります。そのほかの大学院生、研究生というようなことになりますと、それは従事しておりますことの形は研究でありまして、仕事というのはどうであろうかと考えるわけであります。 そこで、研究という形で危険な可能性のあることをやっておる者はどれだけかということになりますと、それを具体的に把握する方法がないのでわからないと申し上げたわけで、観念的に申し上げますと、理工系の大学院生、研究生といったものは、すべてが多少なりともその危険にあう可能性がある、こう申し上げてよろしかろうかと思います。
○唐橋委員 そういう人が、いまの法体系の中で、災害補償が受けられないというような点については非常に問題だと思うのです。たとえば今度の労働災害の補償だって、普通の事業主は、労働災害の場合、全部義務加入しているのでしょう。これは身分的には確かに国家公務員になれない、その定数の中に入れない。こういうために——他方においては、労働災害補償では事業主に対しては義務加入をさせ、そして労働者を保護しておる、これがいまの法のたてまえでしょう。そうでないですか、大臣。
○村山(松)政府委員 労災法の適用に関しましては、雇用関係のない者が、職場において、何か職務に関連したような事故を起こしたような場合に、その救済措置として、職員とすることによって労災関係を適用するというような事例があるやに聞いておりますが、詳細には承知しておりません。
○唐橋委員 あるやでなくて、こんなのは局長ぐらいになれば常識でしょう。あなたも大学を出た優等生です。いまの労働災害補償法がどのような考え方でなっているか、そんなのは所管でなくても、イロハのイでしょう。そういう中において、しかも、これだけの大学を統括する文部省が、いまの働く立場の人たちの生命を保護する、けがの場合にそれを治療するものに、全く適用させていなかったというようなことについては、私は非常に問題だと思います。したがって大臣は、この点に対してはっきりと、今後どうするんだ。確かに国家公務員のワクからはずれた者は、これは俸給をもらっているのですから使用者はありますよ。使用者があれば当然これは労働災害補償法になりますよ。俸給を出す者が使用者なんですから。それをかまわないでおいたということは、やっぱり最大の手落ちではないのか。そうすればこれは簡単に労働災害に適用させ得る。俸給を払っている者がいるのですから。この点についてどうですか、大臣。
○坂田国務大臣 やっぱりこういうような問題は、非常な社会の変化に応じまして出てまいりましたことでございます。ことに公害が、非常な大きい問題となっておると同じような意味合いにおいて、技術や科学が進めば進むほど、あるいは文明が進めば進むほど、それによってまたいろいろの災害等も、ちょっとした不注意のためにも起こる、またそのためにけがをする、あるいは死に至るというようなことがあるわけでございます。その点について御指摘の点は、重々私もわかるわけでございますが、現在のところは、それをカバーする法制がないということであるとすれば、それを守らなければならないのはわれわれでございますから、やはりわれわれといたしましても十分これを検討しまして、もし立法措置が必要であるならば、そういうことも考えなければならない。まあ皆さん方もお考えいただきましてお知恵を拝借したい、かように考えている次第であります。
○唐橋委員 打ち切ろうと思ったのですけれども、大臣のいまの答弁で非常に打ち切ることができないのです。数字はここに持ってきておりませんので、ちょっと違うかもしれませんが、普通の場合ですと、二・五馬力以上の動力を使って人を使う場合、それに従事させる者は、従事させた者に対して、義務的に労災をかけなければならぬのですよ。動力だけでもモーターが二・五馬力以上の動力がある。その動力を使っているところに人を使う者は、強制的に労働災害補償をかけなければならないのです。いまのタンクなどは、電圧と動力の関係は私調べてもみないからわかりませんけれども、非常に危険なものですよ。そうすれば、そういう法規の中でいままでわからなかった。今後、法的に欠陥がありますとか、法的に検討するところがありますなんというから、私は質問せざるを得ないのです。どうなんです。これはほんとうに、私はこういう労働災害補償に入っているのかと思ったら、入ってないというところで私はつっかえたので、そこで、いまここで明日にして、簡単な問題ですから、もう即刻そういう方面についてやりましょうという答弁をいただけるものだと思ったんですが、何かぐずぐずしているので、もう一度……。
○村山(松)政府委員 労災法の適用関係につきましては、労働省と相談してみますけれども、私の理解する限りでは、労災法の適用が受けられるためには、労働基準法に定める事業所または事務所で、賃金を払って雇用するものでなければならないわけでありまして、研究生、大学院生等は、これに該当しないのではないかと思います。
○唐橋委員 いまの点、いわゆる適用事業所といわれるものです。適用事業所がどういう条件であるかという議論でないのです。私は、先ほどあげましたように、当然二・五馬力以上の動力を使用するものは強制的に適用事業所として認定される、こういう趣旨さえあるのですから、もう国立の病院等において、いわゆる危険なる作業、そういうものに従事する場合、当然適用事業所として受けておく手続、そういう中において国家公務員としての身分もない人たちも補償していくべきだ、こんなような考え方なんですが、それができないのですか。
○村山(松)政府委員 労働省とよく打ち合わせてみませんと的確なことは申し上げかねるわけでありますが、私の了解によりますれば、やはり労災法を適用するためには、前提として事業所がそれに該当するということと、それから適用される人が、基準法にいう賃金を得て事業所または事務所に使用される労働者であるということが必要条件のように思いますので、研究生や大学院生は、賃金を得て職業に従事する労働者という定義にははまらないのじゃないかと考えますので、したがって、労災法の適用はない、かように考えておるわけであります。
○唐橋委員 そのワクは、ずいぶんあると思うのですよ。あなたが言われたように、研究生や大学院生の中にもあるのでしょう。しかし、それ以外のはっきりした助手の仕事をしている人たちもあるのでしょう。
○村山(松)政府委員 助手は国家公務員でございますから、公務災害の適用があるわけであります。
○唐橋委員 国家公務員以外のそういう作業に従事している者もあるのでしょう。その人の問題なんですよ。何だか私の質問が悪いのかな。
○村山(松)政府委員 公務員以外で賃金を得て仕事に従事している者、これはいま正確に思い浮かべませんが、たとえばボイラーの従事員等で公務員以外の者がありますれば、賃金を得て仕事に従事しているとすれば、観念的には適用があるのではないかと思います。
○唐橋委員 だから、これでやめますが、やはり真剣に、いまのような問題になったならば労働省所管だなんという考え方でなしに、十分検討して速急にこれらの人たちの災害補償を立ててやる、こういうことについて大臣の簡単な答弁でいいですから……。
○坂田国務大臣 十分唐橋さんの御趣旨を体して検討をいたしたい、かように考えます。
○唐橋委員 法制局が来ておいでになるので伺いますが、あとこの法案の中で私わからないのは、この法律は「廃止する。」、これはありますね。廃止するが、附則二項の「第三条の規定にかかわらず、その者が当該養成所に在学しなくなる日までの間、存続する」、この関係が私は理解できないのです。ということは、募集しなくなっても、現在生徒がおりますが、あと二年後には自然に生徒がなくなるから確実に実施される。こういうことなんですが、そうすると、この中の今度二年になり、三年になる人の中には、病気で休学している人もあるわけだ、これだけの人員だから。あるいは何かの都合によって、ことし大学を出ない人もあるわけです。五人なり六人なりこの養成所の中で残っていたとしても、これは存続するのですか。そういうような意味の存続なんですか。明確にひとつ。
○真田政府委員 お答えを申し上げます。 本則の第三条で、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法、これは廃止いたします。これを廃止いたしますと、そこで、この設置等に関する臨時措置法に基づいて設立されております国立工業教員養成所というのは存立の基礎が失なわれることに相なります。 そこで、附則第二項が問題になるわけでございますが、本則の第三条で法律が廃止されて設立の根拠が失なわれると困りますので、現に在学者がある場合にはその在学者がいなくなるまでの問、学校は存続しようという観点でございまして、この法律の施行後は当該養成所の存続の根拠が附則第二項に求められる、こういう関係に相なっておるのでございます。
○唐橋委員 いまのように、学校が存続する、根拠法規は一応廃止だ。学校が存続するという場合に、たとえばこの第八項に基づいて、そのあとの移行措置が出てきますね。3、4というのがこの第八項に基づく移行措置ですね、そうでしょう。そうすると、当然九条あたりの文部省令、たとえば「養成所の組織、運営その他この法律の実施について必要な事項は、文部省令で定める。」こういう場合に、第九条があるわけですね。当然移行措置として第九条あたり、あるいは第七条あたりの所長の問題その他は、当然身分についても運営についても移行措置が出てこなければならないと思うのですが、移行措置は何かというと、いま申し上げましたように、授業料の免除等に対する経過措置、大学への編入に関する経過措置だけがあって、片一方法律がなくなった。学校はあるのです、しかしその根拠法規はなくなったといえば、いまのように文部省令やその他も一切何かなくなったと理解されて、学校だけがあるのです。こんな場合の法的見解を明白に聞きたいのです。
○真田政府委員 どうも御質問の真意を理解いたしませんで少し見当違いのお答えをしたかと思いますけれども、御質問の趣旨にお答えいたします。 先ほど申しましたように、法律は本則の第三条で廃止になります。そこで経過措置として、当該学校は今後附則第二項に基づいて、在学者がおる間学校としては存続するということに相なるわけでございます。それで、そのほかいろいろの学校の設置に伴ういろいろなこまかいことの経過措置はどうであるかという御質問であろうかと思いますけれども、その点につきましては解釈といたしまして附則第三項以下に書いてあること以外は、大体従前どおりに動くという解釈でございます。なお、必要な省令等は、省令等の経過措置として文部省にまかせるという解釈でございまして、従来もこういう関係は数回ございまして、国立学校設置法の改正の附則をごらんいただきますと前例が見つかるはずでございます。
○唐橋委員 そこで私は疑問に思うのですよ。たとえばこの規定が今後二年後に生徒がいなくなったときに初めて施行になる、こういうことならばはっきりしてくるのですが、しかし、この解釈のままでいくと、生徒がいなくなるまでということなんですから、生徒が五人でも六人でも残っておるということになれば、これは今後二年では足りないわけです。存続するもの、そういう意味合いに解釈される。こういうことがいいのかどうか。期限を切らないで生徒だけを対象にして存続するということでいいのか。それからもう一つは、これはいまのように従前の例によるということならば、やはりそういう点が移行措置として職員の身分もあるいは運営規程も、移行措置の二項が終わるまでは従前のとおりになるんだというような明確な規定がなければ、さっきあなたの答弁したように、その法的根拠がなくなってしまうので養成所がなくなったしまうのです。そうして現実には存在しているんです。こういうような考え方が出てくるので、こういう場合の取り扱いをお聞きしているわけなんです。
○村山(松)政府委員 事実関係をちょっと御説明申し上げます。 その工業教員養成所は現にあります。しかし、工業教員養成所はすでに二年前に募集停止をいたしております。したがいまして、本年の三月三十一日をもって順調に履修した者は全部卒業いたしまして、現に残ります者は横浜国立大学に付置したもの一名、京都大学に付置したもの二名、この三名が残っております。したがって、この附則二項の規定は、具体的にはこの三名の者のために設けられたようなことに相なります。しかも、養成所には除籍の規定がございますので、大体在学期間の四年をこえてさらに二年以上は在学できないというような定めもございますので、そう無制限にこの附則が動くことはないように実態がなっております。
○唐橋委員 私の理解が不十分だったんですが、この第三条の二項の九つの養成所は実質はなくなっていたんですね。
○村山(松)政府委員 実態的には四十四年三月をもってほぼ設置の目的を終了するわけでありますが、わずかに卒業できない者が残るという実態でございます。
○唐橋委員 そういう実態ならばこの附則は生きてきますね。 それからもう一つ今度は、私立学校に対する閉鎖命令はどういう場合に出てきますか。
○村山(松)政府委員 学校教育法の第十三条でございますが、閉鎖命令の規定がございます。その規定に該当します場合に、観念的には閉鎖命令を発動し得るわけであります。
○唐橋委員 その中で六カ月以上授業できないというのがありますね。
○村山(松)政府委員 条文の規定を正確に申しますと、第十三条第三号に「六箇月以上授業を行わなかったとき」とあります。
○唐橋委員 現在の大学紛争の中で六カ月以上授業をしなかった大学はありませんか。
○村山(松)政府委員 授業をしなかったという事実認定が必ずしも簡単でございませんので正確には申し上げられません。授業を行なわないように外見上見えておっても、内部では何らかの授業活動が行なわれているというような御説明をなさる大学もございます。たとえば現在は授業が始まっている部分もありますが、東京大学でありますとか、東京教育大学でありますとか、あるいは私学でありますと日本大学でありますとか、そういうところは必ずしも全学がそうだということはいえないかもしれませんが、六カ月以上授業を行なわなかったのではないかと思われる節がございます。
○唐橋委員 この大学全体の中に学部がありますと、一つの学部は六カ月以上授業を行なわなかったが、他の学部は授業を行なっていたという場合に、たった一つの学部だけでも授業が六カ月以上やっておれば、やはりその学校は存続し、その学部は存続すると考えていいのですか。学部の設置については一つずつ基準がある。その基準のある学部が六カ月以上授業が行なわれないという場合には、その学部はやはり認められない。このような状態は分けてできないのですか。
○村山(松)政府委員 閉鎖命令のできる第十三条は、学校教育法制定以来発動された例がございませんので、具体的にどのような場合にどのように発動されるか判然としない面がございますが、文面から見ますと「学校の閉鎖を命ずることができる。」とありますので、その文面だけを見ますと、必ずしも学部単位ではないのであります。なお、蛇足でございますが、大学の設置、廃止の場合には学部単位で処理いたしております。
○唐橋委員 大学の学部が設置、廃止の単位でしょう。それからいけば一つの学部が六カ月以上一年近くも授業を行なっていないという場合には、やはりその学部の一つの廃止条件にはなりますね。
○村山(松)政府委員 ただいま御説明いたしましたように、この学校教育法の閉鎖命令の発動の場合に、いかなる場合にどのように発動するかにつきましては、前例もございませんので判然としたことを申し上げかねるわけでございますが、先ほど設置、廃止の認可の場合には学部単位でやっておると申し上げましたけれども、閉鎖命令の場合は、文面だけから見ますと、学部単位ということは明らかには出ていないように見受けられます。
○唐橋委員 前例がないというのですが、大学の紛争というのは六〇年の中では最大の問題です。いままで多少のものはあったとしても、このような大きな紛争というのは歴史がないのはあたりまえなんですから、こういうようなあたりまえの状態でないときに、やはりそういうところに私は文部省のゆるみがあるような気がするのですよ。だから、これに対する基本方針をお聞きしているのですが……。
○村山(松)政府委員 私は十三条の文面と、それから設置、廃止の認可を規定しております第四条の文面との対比におきまして、第四条の場合には「大学」とそれから「学部」というぐあいに使い分けてございますし、十三条は「学校」と書いてあることからいたしまして、先ほども申し上げましたような御説明をしたわけであります。 なお、学校教育法第十三条の閉鎖命令の規定の行為でございますが、おそらく制定当初においては、経済的な事由等で自然消滅的にその授業が行なわれなくなって六カ月以上も放置されておるような場合には、公益上監督庁はこれをむしろ閉鎖して事実関係を明確にすることが適当であるというような考えであったのではなかろうかと思います。学校全体が紛争によって麻痺状態になるというようなことは、少なくとも制定当初においては予想されなかった事態なのではなかろうか、かように思います。
○唐橋委員 その趣旨はわかります。その趣旨はわかりますが、やはり私立大学についてはよほど今後改良しなければならない問題がある。そしていわゆる経営上の問題もあれば管理上の問題もある。もちろん、その大学の自主性というものはあくまでも尊重しなければならないのですけれども、そういう点に対する考えは今後非常に重要な問題として検討していただきたい、こういうことでこの問題は終わります。 その次に、大学の会計というものは、一般論として相当融通がつくものなんですか。それとも、国立大学を例にとった場合に、全部予算ができていて、そしてその項目の流用は相当に自由なものなんですか、あるいは予算がきちっとした中で、他の項目への流用は相当厳重なものなんですか。
○村山(松)政府委員 これは予算の科目によって一様ではないと思います。たとえば人件費のごときは法令によって経理されるもので、弾力性はないと思いますし、それから物件費の中でもたとえば旅費のごときは、これはまた規定によって流用禁止科目でもありますし、運用の弾力性はないと思います。物件費の校費等につきましては若干の弾力性がございますが、それとても、たとえば大型の機械を購入するというような場合には、幾らの価格、どういう規格のものを買うということで概算要求をして、そのものを買うということで予算がつきますので、そういう場合には弾力性なしに運用されなければならぬわけであります。こまかい経費につきましては、積算された物件費の範囲内で、大学の教育研究の目的上合理的な範囲内で運用の弾力性が認められておる、かような関係だと思います。
○唐橋委員 研究費のルーズさというものが非常に問題になったのですが、私がことさらこういうような予算の使い方についての質問をする趣旨は、紛争のために施設や建築物が非常にこわされた、こういう場合に文部省からそれが直ちに復旧にいかない場合のことを私は想定しているのです。そうしますと、苦しくなるから、現在までの予算を流用して、そしてそちらのほうに使う研究費というものが少なくなってくる、そういうのにしわ寄せをされたら非常にたいへんだと思うので、大学の会計のしかたに対する方針、そしていま私が申し上げましたようなことは、実際これはやり得ないのか、また実際行なわれようとしておるのか。
○安養寺政府委員 お答えいたします。 現在東京大学等にとられております措置を例に出して申し上げますが、当該大学から復旧の計画を提示していただきまして、さしあたり緊急度高くして必要のあるものについて修理をいたしております。施設の一部を直すのは、修繕費というような項目がございます。それからとびらがこわれているとか、机を買い直すとか、こういうものは一般的な校費でやりくりをするというような形で、経費の使途につきましては厳重なワクの中で適正な処理をいたしておるわけでございます。
○唐橋委員 資料として出していただきたいのは、各大学の名前をあげなくても、相当破壊されている、国立の学校の損害というものがあるわけですね。その調査は全部済んでいますか、新学年を迎えて。
○安養寺政府委員 東京大学をはじめ、東京教育大学、東京外国語大学、電気通信大学、これらの大学につきましては一応の調査が済んでございます。その他なお幾つかの大学が目下紛争しております。鋭意事務局を督励いたしまして、実態の把握に努力をいたしておるわけでございます。
○唐橋委員 最後に質問いたしますが、あと残ったその他の質問はまた次の機会にいたしまして、国立大学の予算は、やはり中途で編成がえできるのですか。そういう建築の補修とか、いまあなたが言ったのは、まだ未調査のものもある調査中のものもある、あるいは調査したものもある、こういうことなんですが、相当な金額であるということだけは予想されます。東大だけを見てみても何億というような、そういう場合に、いま調査をして、そしていまの予算は通ってしまっています。そして紛争が終わった。こういう場合には、その予算は国のほうから直ちに出るのですか、出ないのですかということを最後にお聞きして、そして先ほど申しましたように、推定でもいいから、各学校の損害高をあとで資料として出していただきたい。
○安養寺政府委員 資料の件につきましては、鋭意努力いたしまして、差し出すようにいたします。 お尋ねの点でございますが、本来通常の場合でございますと、年度当初におきまして、各学校別に予算を文部大臣から配付をいたすわけでございます。お尋ねの直接の問題になりますような物件費を使っての復旧でございますが、これは原則といたしまして、当該大学に配付いたしました経費の中で差し繰りをして、適正な復旧につとめるということにいたしております。費目につきましては、先ほど申し上げましたような各種修繕費あるいは校費、かようなものが充当される形になるわけでございます。
○唐橋委員 終わります。
○大坪委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後八時三十分休憩 ————◇————— 午後八時三十一分開議
○大坪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 他に御質疑はございませんか。ないようでありますので、本案についての質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○大坪委員長 ただいま委員長の手元に、藤波孝生君外三名より、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる本案に対する修正案が提出されております。
○大坪委員長 この際、提出者より修正案の趣旨の説明を聴取いたします。藤波孝生君。
○藤波委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表して、ただいま議題となっております国立学校設置法の一部を改正する等の法律案に対する修正案について御説明申し上げます。 案文につきましては、すでにお手元に配付されておりますので朗読を省略させていただきます。 修正案の趣旨は、本法律案の施行期日はすでに経過しておりますので、これを公布の日から施行し、昭和四十四年四月一日から適用することに改めようとするものであります。 何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
○大坪委員長 以上で、修正案の趣旨の説明は終わりました。 これより討論に入るのでありますが、本案並びに修正案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 これより国立学校設置法の一部を改正する等の法律案について採決いたします。 まず、藤波孝生君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大坪委員長 起立総員。よって、藤波孝生君外三名提出の修正案は可決されました。 次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大坪委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案のとおり決しました。 これにて国立学校設置法の一部を改正する等の法律案は修正案どおり修正議決いたしました。 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大坪委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○大坪委員長 この際、おはかりいたします。 理事高見三郎君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大坪委員長 御異議なしと認めます。よって、辞任を許可するに決しました。 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。 これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大坪委員長 御異議なしと認めます。よって、藤波孝生君を理事に指名いたします。 次回は、来たる十六日水曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後八時三十四分散会