文教委員会 第9号
- 発言数
- 392 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/02
会議録
○大坪委員長 これより会議を開きます。 斉藤正男君外八名提出の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、公立の特殊教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案、義務教育費国庫負担法の一部を改正する法律案、公立の特殊教育諸学校に係る教育費国庫負担法案、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案、学校警備員の設置に関する法律案を議題とし、順次提出者より提案理由の説明を聴取いたします。斉藤正男君。 —————————————
○斉藤(正)議員 提案に先立って、お手元に配付いたしておりますプリントにミスがございますので、御訂正をいただきたいと思います。 まず二ページの「第三」の二行目です。「国が負担することがあります。」が、「負担することであります。」同じページの終わりから二行目、下から七、八字目に「金銭の集約事務等」とございますけれども、これは「集金」の誤りであります。四ページへ参りまして、初めから七行目、「まず法律の題名を」云々といきまして、かぎカッコの中の下のほうに「義務教育国庫負担法」とありますが、「義務教育費」としてください。同じページの終わりから二行目でありますけれども、そこが少しややこしくなります。冒頭「また」と入れていただきまして、そして下から九字目の「学校警備員については」が先にくるわけであります。「学校警備員については「学校警備員の設置に関する法律案」に規定し、」そして戻って、「栄養士及び給食作業員については「学校給食法の一部を改正する法律案」を別に提出する予定になっております。」ですから、終わりから二行目を読みますと、「また、学校警備員については「学校警備員の設置に関する法律案」に規定し、栄養士及び給食作業員については「学校給食法の一部を改正する法律案」を別に提出する予定になっております。」となります。五ページの初めから六行目、下から七、八字目に「経費は本年度約」と書いてありますけれども「平年度」、「平」の誤りであります。続いて六ページの終わりから二行目、まん中ごろに「児童及び生徒の校給食以外」と書いてありますが、それは「児童及び生徒の学校給食以外の給食にかかわる」という、「の」という字と「学」という字を入れてください。「学」が抜けていると思います。七ページの初めから六行目、「さらに学校給食お」と書いてありますが、それは「を」の間違いであります。それから七ページの最後に「分校 一校とみなすことといたしました。」「を」が抜けております。しばらくありませんで、一〇ページの初めから五行目、「図工は全学年」そこで切りますので「、」を入れていただきます。同じページの終わりから三行目、「(国立学校設置法の一部を改正する法律案)」、「まるカッコ」になっておりますけれども、それは「かぎカッコ」であります。一四ページの初めから八行目の下のところに「学科の数は別科別は」となっておりますが「別科又は」でございます。一五ページの終わりから二行目、「定めるところにより算定した標準となる数に接次」となっておりますが、「漸次」の間違いであります。一六ページの初めから七行目、「の対象校は全国の小学校あわせて、」とございますけれども、「中」を入れていただいて、「小中学校あわせて、」と。たいへん多くのミスプリントで恐縮であります。 御説明を申し上げます。 ただいま議題となりました義務教育費国庫負担法の一部を改正する法律案、公立の特殊教育諸学校に係る教育費国庫負担法案、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、公立の特殊教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案及び学校警備員の設置に関する法律案につきまして、その提案の理由、及び内容の概略を一括して御説明申し上げます。 わが国は明治以来、不利な条件を克服して短期間に後進性を脱し、第二次世界大戦以後は奇跡的な復興をなし遂げました。そしてさらにここ数年のわが国の経済は、世界一の成長率を示し、世界の注目を浴びております。 この要因につきましては、国の内外の識者の間で論議を呼んでおりますが、第一の大きな要因として、わが国の教育の普及にありますことは、多くの一致した見解であります。もちろん、教育の普及につきましては、私たち国民の血の出るような努力を見のがすことはできません。 しかし、今後とも、真に文化水準生活水準ともにすぐれた国家社会を形成していくという観点から、わが国の将来の教育を見た場合、教育の普及という量から、教育内容の高い質へ転換しなければならないのであります。 質の高い教育を実現するためには何といっても教育の条件を改善することであります。 具体的には、 第一に、教職員の待遇を改善して、質の高い人材を教育界に迎えるとともに、教員の自主性及び社会的地位を尊重することにあります。 第二に、憲法、教育基本法にのっとり、学校の機能を十分に発揮するための、学校に必要な職種の要員を整えることであります。 第三に、教育の機会均等とその水準の維持向上をはかるため、前述の教員及び学校に必要な職員の給与費を国が負担することであります。 第四に、一学級当たりの児童生徒数を減らすことによって、子ども一人一人行き届いた教育を行なうことであります。 第五に、教員により深い研究、より周到な授業の準備が確保され、効果的な教育を実現するために、教職員をふやし、教職員の勤務時間の軽減をはかることであります。 第六に特殊教育諸学校における障害児の教育については、幼稚部、小学部、中学部及び高等部を一貫した教育条件の整備をはかることであります。 しかしながら、現在の教職員の待遇は低く、総体的な勤務時間は、先進諸国よりも多く、週担当授業時間も現行の教員の配置基準では小学校で週三十時間を、中学校で週二十八時間をこえる現況にあります。さらに学校に必要な職員が未配置のため、教員の本務以外のたとえば金銭の集金事務等雑務も加えて、全国的には週十時間程度の超過労働が行なわれ、昭和四十一年の文部省調査によっても小学校においては二時間三十分、中学校においては三時間五十七分の超過勤務が明らかになっており、これに対する手当ては何らされていません。 また、養護教諭や事務職員は学校教育法に必置がうたわれていながら、同法二十八条第一項のただし書き及び同法百三条によって、事務職員は特別の事情のあるとき、養護教諭は当分の間これを置かないことができるとあり、それを受けて現行の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律では学校単位に配置されない仕組みになっており、小規模校は未配置のままになっております。これでは児童生徒の健康管理及び学校事務に万全を期することができません。 一方、学校給食の普及は目ざましいものでありながら、それに必要な栄養士は国の昭和四十三年度予算ではわずか一千五百八十七人しか見られておらず、給食作業員も十分ではありません。学校給食にかかわる事務を担当する事務職員は一名も配置されていない現状です。 その他、学校に必要な職員、たとえば学校図書館に欠くことのできない司書、中学校の実習助手、寄宿舎の舎監及び寮母等いずれも未配置になっております。用務員の配置状況は全国的に一様でなく、市町村によっては小規模校はほとんど顧みられていません。日宿直廃止に伴う警備員についても国としては何ら保障していないのであります。 盲学校、ろう学校及び養護学校においては、幼稚部、小学部、中学部及び高等部を通じて同一学校において、それぞれ障害を受けている幼児、児童または生徒の教育を行なっているにもかかわらず、学級編制、教職員定数及び財政負担については、学部によって法律上区分され、一貫性を欠いております。このことが、これらの学校における教育を困難にしている一因ともなっております。 このような悪条件のもとでは決して質の高い教育は期待できないと言っても過言ではありません。したがって私たちは、教育の水準維持向上を目的として、教育条件の整備、教職員の勤務条件の改善、学校に必要な職種の定数化、国庫負担化をはかるため、所要の改正を提案した次第であります。 次に法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、義務教育費国庫負担法の一部を改正する法律案についてであります。 まず法律の題名を市町村立の小学校及び中学校に係る義務教育費国庫負担法と改めました。それは、公立の盲学校、ろう学校及び養護学校については別に公立の特殊教育諸学校に係る教育費国庫負担法案を定めたからであります。 この法案の最も大きな改正点は、小学校及び中学校の栄養士、給食作業員、学校警備員、炊事員、用務員の給料、扶養手当、初任給調整手当、通勤手当、特殊勤務手当、隔遠地手当、僻地手当、時間外勤務手当、宿日直手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当及び退職手当並びに旅費に要する経費の実支出額の二分の一を国が負担をすることにしたことです。加えて、国が負担する額、すなわち栄養士以下各職種の職員数を定数化したことであります。 また、学校警備員については、学校警備員の設置に関する法律案に規定し、栄養士及び給食作業員については、学校給食法の一部を改正する法律案を別に提出する予定になっております。炊事員については、学校の寄宿舎における給食作業に従事する職員をいい、その待遇の改善と定数化をはかり、用務員についても同様に扱っています。 この法律は昭和四十四年度から施行することといたしておりますが、五年間の年次計画により、順次本法を達成することができるよう必要な経過措置を、毎年度政令で定めることにいたしております。 本案を施行することによって、五カ年間で栄養士は約一万七千人の増、給食作業員は約十一万八千人の増、用務員は一万三千人の増、警備員七万二千人の増となり、これに要する経費は平年度約五百二十八億円であります。 第二は、公立の特殊教育諸学校に係る教育費国庫負担法案についてであります。 現行の義務教育費国庫負担法では、特殊教育諸学校の小学部及び中学部にかかわる教職員の給与費及び教材費等について、その二分の一の国庫負担を行なっているのでありますが、幼稚部及び高等部にかかわるこれらの経費については、国庫負担となっていないのであります。そこでこの法律は、教育の機会均等の趣旨にのっとり、かつ特殊教育諸学校における教育の特殊事情、すなわち同一学校において、幼稚部、小学部、中学部及び高等部を一貫した教育を行なっており、校長、養護教諭及び技術職員等については、各学部にわたって兼務している事情にかんがみ、国が必要な経費を負担することにより、特殊教育の普及及びその水準の維持向上をはかることを目的として提案したものであります。 したがいまして、教職員の給与費等、すなわち幼稚部、小学部、中学部及び高等部の教職員の給料その他の給与に要する経費、恩給法の恩給に要する経費、地方公務員共済組合法による長期給付に要する経費及び地方公務員災害補償法により地方公務員災害補償基金に対して補償に要する経費の実支出額の二分の一を国が負担することといたしました。 次に、技術職員等に関してその定数を定め、それらにかかわる給料、扶養手当、初任給調整手当、通勤手当、特殊勤務手当、隔遠地手当、僻地手当、時間外勤務手当、宿日直手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当及び退職手当並びに旅費に要する経費、地方公務員等共済組合法による長期給付に要する経費及び地方公務員災害補償法による補償に要する経費について、その実支出額の二分の一を国が負担することといたしました。 技術職員(学校教育法の一部を改正する法律案に定める技術職員をいう)は、高等部を置く特殊教育諸学校において技術に従事するものとして、一を乗じて得た数を配置することとし、さらに通学の用に供する自動車の運転手として、所有する台数に一を加えた数を合算した数を定数といたしました。 栄養士は、学校給食法及び盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律による栄養士または本案による寄宿舎における栄養士をいいますが、前二法及び本案によりそれぞれ別個に積算することをやめ、一人の栄養士が同一校においては兼ねることを原則として、定数といたしました。この際、給食施設設置校以外の学校給食を実施している特殊教育諸学校における栄養士については、政令で定めることとし、また給食施設設置校以外の特殊教育諸学校で寄宿舎を置くものについては、寄宿舎に寄宿する幼児、児童及び生徒の学校給食以外の給食にかかわる栄養士として、一を乗じて得た数を加えることといたしました。 看護婦は、特殊教育諸学校の寄宿舎における看護のため、病弱者である幼児、児童または生徒を教育する養護学校で寄宿舎を置く場合に限り、交代勤務を考慮し、二を乗じた数を定数といたしました。 給食作業員は、学校給食法または盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律により置かれる調理その他学校給食の作業に従事する職員をいい、給食施設設置校にあっては、同一校で給食を受ける幼児、児童及び生徒百人まで二人を、百人をこえる場合は六十人を増すごとに一人を加え、一未満の端数を一に切り上げることとし、さらに学校給食を実施する給食施設設置校以外の学校の数に政令で定めた数を乗じた数を合算した数を定数といたしました。 介助職員は、特殊教育諸学校において肢体不自由者である幼児、児童または生徒の介助をする職員をいい、学級総数に一を乗じて得た数を定数といたしました。 添乗員は、特殊教育諸学校において通学用自動車に乗務して、幼児、児童または生徒の乗降等を助ける職員をいい、通学用自動車の台数に一を乗じて得た数を定数といたしました。 学校警備員は、学校警備員の設置に関する法律で規定する学校警備員をいい、特殊教育諸学校ごとに二人を配置し、さらに寄宿舎を設置している学校については、障害を持った幼児、児童または生徒が起居している事情にかんがみ、寄宿舎ごとに二人を加えることといたしました。 炊事員は、特殊教育諸学校の寄宿舎における給食作業に従事するものとし、同一校の寄宿舎に寄宿する幼児、児童または生徒百人まで五人を配置し、百人をこえる場合は三十人またはその端数について一人を加えることといたしました。用務員は、清掃その他の雑役に従事することとし、障害を持つ幼児、児童及び生徒であることを考慮し、特殊教育諸学校において六学級またはその未満について一人を配置し、特殊教育諸学校の寄宿舎にあっては寄宿生三十人またはその未満について一人を配置することといたしました。 以上の定数を定めるにあたっては分校を一校とみなすことといたしました。 教材費について、従来、小学部、中学部にかかわる経費の二分の一を国が負担しているのでありますが、さらに加えて幼稚部、高等部にかかわる教材費についてもその経費の二分の一を国が負担することとし、その負担額については政令で定めることといたしました。 この法律は昭和四十四年四月一日から施行するものとし、経過措置として、昭和四十八年三月三十一日までの間は、本案第四条の規定により直ちに国庫負担を行なうこととせず、公立の特殊教育諸学校に置かれている技術職員等の総数等を考慮し、本案第四条によって算定した額に漸次近づけることを旨として、毎年度政令で定めることといたしました。関連法律として地方自治法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改めることを加えました。 この法律施行に伴う経費は、完成年度の定数から現員を控除したものの五分の二額として、初年度約三億四千万円であります。 第三は市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案についてであります。 科学技術の進歩に伴い中学校の実験、実習においては、教諭の職務を助ける実習助手は欠くことのできない職員であります。したがって実習助手を第一条に加えて、給料その他の給与を都道府県負担とし、もってすみやかにその充足を期すものであります。 なお、学校図書館の普及充実に伴う学校司書につきましては、学校図書館法の一部を改正する法律案及び学校教育法の一部を改正する法律案を別に定めましたとき、本法第一条に学校司書を加える考えでおります。次に超過勤務手当についてでございますが、教育公務員は実際に超過勤務をしているのにもかかわらず、支払われておりません。他の公務員につきましては法的根拠に基づいて支払われており、ひとり教育公務員のみは不当に扱われています。現実に教育公務員が超過勤務を行なっている以上、理由のいかんにかかわらず超過勤務手当を支払うべきであり、このことは労働基準法やその他の諸法令、次官通達、人事院事務総長の回答、千葉県人事委員会の判定、静岡地裁の判決、東京地裁の判決、本年二月の東京高裁の判決等から当然のことであり、この際所要の改正を行なうものであります。 第四は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案についてであります。 第一は、法律の題名を公立の小学校及び中学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律と改めました。それは公立の盲学校、ろう学校または養護学校の小学部及び中学部にかかわる学級編制及び教職員定数の標準については、別に幼稚部、小学部、中学部、及び高等部を一貫した公立の特殊教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案を定めたからであります。 第二は、学級編制の標準についての改善であります。 その一は、同学年で編制する児童または生徒の単式学級の学級編制の標準を四十人にいたしました。現行法の四十五人はいうに及ばず、四十人でも一学級の規模といたしましては大き過ぎるのでありますが、とりあえず四十人とし、一人一人に行き届いた教育が行なえるよう改善をしたのであります。また同学年の児童または生徒を一つの学級に編制する場合の四十九人学級は解消いたしました。 その二は、すべての学年の児童、生徒で編制する単級、及び三カ学年以上の複式学級を解消し、二個学年までの複式の学級編制の標準を改善して、僻地等の教育水準の向上をはかったことであります。すなわち、複式学級は引き続く二個学年に限定し、一学級当たりの児童、生徒数を十五人にいたしました。また、小学校の新一年生の学級編制については就学前教育の幼稚園及び保育園の貧困さと、初めての集団生活ということを考慮して、新一年生が七人以上である場合は複式学級とせず、独立の学級にするようにいたしました。 その三は、特殊学級についての学級編制の標準を十人とし、教育効果の一そうの徹底をはかりました。 第三は、教職員定数の改善についてであります。 その一は教員の定数を大幅に改善いたしました。教員の配置基準を授業時数によって算定し、学校規模別に定数を明示したことであります。小学校においては週担当授業時数を二十二時限とし、専科は音楽、図工は全学年、五学年以上は理科、家庭、体育を加えて五教科とし、週担当授業時数は二十時限としました。中学校においては週担当授業時数を二十時限とし、担当教科は二教科までといたしました。さらに研修、年次有給休暇、生理休暇等の権利確保のため、その要員は教職員総数の約一〇%とし、学校単位に加算をいたしました。 その二は、特殊学級には担任を複数配置をいたしました。 その三は、養護教員については六学級以上の小学校及び中学校に配置することとしました。本来ならば養護教諭は全校必置、大規模校は複数配置をするところでありますが、現時点でさえ、小、中学校の学校総数に対する配置率は三十数%という現状でありますので、養成計画等を考慮し、せめて配置率を倍に引き上げるところに力点を置いたわけであります。なお、養護助教諭の配置については、あくまでも養護教員の複数配置の場合に適用し、単独では配置しない方針であることをつけ加えておきます。養護教諭の養成については国立学校設置法の一部を改正する法律案等で別に定めることにしております。 その四は、三学級以上の中学校に実習助手を置くことを新しく加え、科学技術の進歩に見合う教育内容の充実をはかりました。 その五は、学校における学校図書館の重要性にかんがみ、六学級以上の小学校及び三学級以上の中学校に学校司書を新規に配置いたしました。学校司書設置にかかわる、学校図書館法の一部を改正する法律案及び学校教育法の一部を改正する法律案は、別に定めることとします。 その六は、寄宿舎を置く小学校及び中学校には新しく舎監及び寮母を配置いたしました。 その七は事務職員についてであります。事務職員は、小学校及び中学校に全校必置とし、十二学級以上の小学校、九学級以上の中学校には、事務量等を考慮してさらに一人を加え、複数配置といたしました。 なお、完全給食を実施している小、中学校には、給食事務に従事する事務職員を新しく配置することにし、給食活動の円滑を期するようはかります。 その八は、学校の有する地域の社会的条件が、教育上特別の配慮が必要である場合には、教員の加算を行なうことといたしました。なお、産炭地域の教職員定数の加算については、産炭地域における公立の小学校及び中学校の学級編制及び教職員配置に関する特別配置等に関する法律案を別に定めることとします。 第四は経過措置についてであります。 この法律案は昭和四十四年度から施行することといたしておりますが、五年間の年次計画により、順次新標準が達成できるよう必要な経過措置を毎年度政令で定めることにいたしております。本案を施行することによって五年間で教員は約二十二万八千人の増、養護教員は約一万五千人の増、事務職員は約七万四千人の増、学校司書約二万八千人の増、実習助手は約一万人の増となり、必要経費は平年度約一千二百三十六億七千万円の見込みであります。 第五は、公立の特殊教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案についてであります。 この法律は、特殊教育諸学校の教育水準の維持向上に資することを目的として、従来、小学部及び中学部に関しては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(以下現行標準定数法という。)で規定し、高等部に関しては公立高等学校の設置、適正配置、及び教職員定数の標準に関する法律(以下高校定数法という。)で規定し、幼稚部に関しては、定数を定めていないという実情を改め、公立の特殊教育諸学校に関し、学級編制の適正化及び教職員定数の確保をはかるため、幼稚部、小学部、中学部及び高等部を通じて一本化し、学級編制及び教職員定数の標準について必要な事項を定めようとするものであります。 この法律では教職員として、校長、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、講師、実習助手、寮母及び事務職員のほかに新たに学校司書を加えました。 特殊教育諸学校の学級編制については、同年齢の幼児または同学年の児童もしくは生徒で編制することを原則とし、例外として、幼児、児童または生徒の数が著しく少ないか、障害の程度など特別の事情ある場合においては、政令の定めるところによって、年齢を異にする幼児または引き続く二つの学年の児童もしくは生徒を一学級に編制することができるものとしました。 一学級に編制する数の基準については幼稚部五人、小学部または中学部八人、高等部十人(専門教育を主とする学科については八人)を標準とし、心身に二つ以上の政令で定める故障のある児童または生徒で編制する学級いわゆる特別学級にあっては五人を標準とすることにいたしました。 学級編制の決定及び認可にかかわる条項については、現行標準定数法に準じ定めることといたしました。 校長は、一校に一人とし、分校については校長の職務を代行するもの一人を置くことといたしました。 幼稚部及び小学部にかかわる教諭等の数については、障害の区分またはその程度に応じて集団指導及び個別指導が可能であることを考慮し、学級数に二を乗じた数といたしました。 中学部及び高等部にかかわる教諭等の数については、前述の特殊な事情に加えて、教科担当制であることを加味して、学級数に二・二七を乗じて得た数といたしました。二・二七とは生徒の一週授業時間数を三十四時間とし、教諭等の一週授業担当時間数十五時間で除したものであります。 肢体不自由者である幼児、児童または生徒を教育する養護学校においては、機能訓練を担当する教員の定数として、幼児、児童または生徒数に八分の一を乗じた数(端数切り上げる。)を合算した数を置くことといたしました。八分の一とは、幼児、児童、または生徒を個別に毎日機能訓練できる時間を三十分として、一人の機能訓練を担当する教員が一日における最大の能力を八人までと押えたものであります。 寄宿舎を置く学校に対しては、いわゆる舎監を兼任する教員として寄宿舎を置く学校の数に四を乗じて得た数を配置しました。これは、舎監を専任するものではなく、寄宿舎における教育上必要な場合に行なう宿直勤務を考慮し、少くとも八人の兼任舎監を得るためにその二分の一の四人を配置するものであります。 養護教諭及び養護助教諭の数は、本校及び分校におのおの一人を配置するものとし、肢体不自由者または病弱者である幼児、児童または生徒を教育する養護学校にあっては、特に養護の目的を達成するため、その業務の量及び質を考慮してそれぞれ一人を加えるものといたしました。 実習助手の数は、高等部における教育に必要な数として本校及び分校の数に一を乗じた数を配置し、さらに高等部の専門教育を主とする学科の数に二を乗じて得た数を合算した数を配置するものといたしました。この際、高等部に別科または専攻科を設置している場合の専門教育を主とする学科の数は別科または専攻科に設置されている学科の数を基礎数とし、また理療科については、あんま科、はり科、きゅう科に分かれて教育を行なっている実情を考慮し、学科の数に二を乗ずる際、二を六と読みかえることといたしました。 学校司書の数は、本校分校とも一校一人を配置することとしました。しかし盲学校にあっては点字印刷、点字書籍の整理、及びテープの処理等特別の事情を考慮し、さらに一人を加えることといたしました。 寮母の数を定めるにあたって、現行標準定数法及び現行高校定数法では、児童及び生徒の数に六分の一を乗じて得た数として定めておりますが、この数は明確な根拠を持たないものであります。したがって今回定数法改正にあたって、まず、寄宿舎における舎室定数を定め、舎室数に対して勤務条件等を考慮して寮母定数を定めることといたしました。すなわち、舎室定数については、幼児、児童及び中学部の生徒については一室五人を標準とし、高等部生徒については、三人を標準とすることといたしました。この際男女を同室に起居させる許容条件は、心身の発達の条件をおもんぱかり、幼稚部の幼児に限定をいたしました。また寮母の定数については、特殊教育諸学校の寄宿舎に寄宿する幼児、児童、及び生徒の発達段階と、労働基準法に基づく女子の深夜の勤務の許容条件を考慮し、幼稚部については舎室数に三を、小学部及び中学部については二を、高等部については一をそれぞれ乗じた数を合算した数といたしました。 事務職員の数については、学校事務の質及び量を考慮し、学校の数(分校も一校とみなす)に二を乗じた数に設置されている部の数に一を乗じて得た数を加えさらに寄宿舎を置く特殊教育諸学校の数(分校を一校とみなす。)に一を乗じて得た数とを合計した数といたしました。ただし、高等部のみを置く学校にあっては部の数に一を乗ずるかわりに二を乗ずるものとしました。 教職員定数の算定にあたって、長期研修、特別研究その他政令で定める特別の事情(障害の種類及び程度等により特別に考慮を必要とする場合等)のあるときは、政令で定める数を加えることができるものとしました。 教職員定数に含まない数については、現行標準定数法及び現行高校定数法の規定を準用しました。 施行期日は昭和四十四年四月一日からとし、経過措置として、昭和四十八年三月三十一日までの間は教職員定数の標準について、公立の特殊教育諸学校の幼児、児童または生徒の数及び教職員の総数等を考慮し、本案第六条に定めるところにより算定した標準となる数に漸次近づけることを旨として、毎年度政令で定めることといたしました。 さらにこの法律施行に伴う関係法律の一部を整備することといたしました。 この法律案施行に伴う経費は、完成年度の定数と昭和四十三年度の現在員との差の五分の一を初年度の定数とみなして積算し、約十九億五千万円の見込みであります。 第六は、学校警備員の設置に関する法律案についてであります。 長期にわたって行なわれてきました教職員の宿日直勤務が、ようやく昭和四十三年度から廃止の方向が打ち出され、それに伴って学校無人化の構想が出され、実施されつつありますが、現在時点では、その対象校は全国の小中学校合わせて、文部省の調査によってもわずか二千四百校にすぎず、これは全国の学校総数の七%にも満たないありさまです。これは学校無人化に移行するための国の補助が少ないことにもよりますが、それにもまして、設置者自体が無人化によるところの管理保全に不安を覚え、なかなか切りかえられないでいるのが実態です。 学校を無人化するよりも警備員を置くことにこしたことはありません。大部分の小中学校で宿日直勤務が行なわれています。したがって教員が教育に専念できるようにするとともに、学校における火災、盗難等の防止をはかるために、公立の小学校、中学校、高等学校、盲学校、ろう学校及び養護学校に学校警備員を二人以上置くように規定をいたしました。 本案は昭和四十四年度から施行し、五年間の年次計画により、順次本法を達成することができるよう経過措置を毎年度政令で定めることにしています。本案施行による必要人員は五年間で約七万二千人であり、必要経費は平年度約二百十七億六千万円の見込みであります。 以上が法案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。(拍手)
○大坪委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○大坪委員長 内閣提出の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。有島重武君。
○有島委員 私は、ただいま御提案になりました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、これにつきまして若干の質問をさしていただきます。 初めに文部大臣に、この改正のねらいは何であるか、このことを簡単に伺っておきたい。
○坂田国務大臣 御承知のとおりに、教育を非常に効果を高めます上におきまして、いろいろの施設、設備の問題もございますが、同時に学級の数というもの、たとえば数年前に非常にすし詰め教室がございまして、六十人とかあるいは五十人をこえるとかというような学級編制では、子供一人一人の能力、あるいはその傾向に応じた適切な教育というものがなかなかできにくいということであったわけでございますが、これでは真のりっぱな教育ができないわけでございまして、何とかしてこの定数を一定の適切な指導ができるような形にしなければならないというふうにかねがね考えておったわけでございます。 御承知のとおりに、諸外国等においては、すでに、四十人あるいは場合によっては三十五人というようなところもございますが、こういうような意味合いにおきまして、教育の効果を適正に行ない、かつ一人一人の生徒に対する適切な指導ができるようにするために、この標準法案を出したわけでございます。特に小規模学校であるとか、あるいはまた特殊教育の部面につきましては、普通の学級よりもなおさら一そうそういうことが求められておるわけでございまして、そういう意味合いにおいてもこの法案を御提出申し上げ、御審議を願っておるところでございます。
○有島委員 いまの大臣のお話、一人一人の能力を適正に開発していくといいますか、そういったことが一番のねらいであるというふうに考えました。 この問題は、教師の質ということと、それからもう一つは体制を改正していくということの二点に分かれると思うのですけれども、ここで扱われておりますのは、大体受け入れ体制と申しますか、そういう改正に限られておると思いますけれども、どんな体制をつくっていっても、そこで教育する教員が、大臣が話されました一人一人にきめこまかく配慮を加えていく、育てていく、そういう構えがない限り、これは形ばかりの改正に終わってしまうことになる。この点をどのように指導なさっていらっしゃるか、それについて伺っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 有島委員の御指摘の点は私も同感でございまして、こういう教育をしやすいような環境、条件というものを整えていくということも大切でございますけれども、しかし、それと同時に、その学級を担任されまする小中学校、あるいは特殊教育、あるいは僻地教育、そういうような特殊の部門について教育をなされます一人一人の先生方の指導ということがやはり一番の基本であるということについては、私も全く同感でございまして、この点につきまして適切な指導を加えてまいっておるわけでございますが、何にいたしましても、あまりにも一学級当たりの数が多い場合においては、幾らそれを指導いたしましても、なかなかそれが十分に果たされないということも、これは当然なことでございまして、その意味合いにおきまして、先生方の奮起を促しますと同時に、その適切な指導ができる環境を整備するという意味合いにおきまして、この法案の提出をいたしたような次第であります。
○有島委員 ただいま伺いましたのは、どのような指導をされていくか、その配慮ですね。環境整備と並行してですね。ただいまのお話では、いままでは指導しておったのだけれども、環境のほうがおくれておったから環境を整備していくのだ、そういうように受け取れましたけれども、環境を整備すると同時に、さらにその指導を強化していかなければこれは効果があがらないのではないか。現在でも、それほど環境において不備と思われないところにおいても問題が起こっているところがあるんじゃないか、そういうふうにわれわれは認識いたしているわけでありますけれども、その点を伺いたい。
○坂田国務大臣 初中局長から……。
○宮地政府委員 有島先生のお尋ねでございますが、小学校、中学校等の教育の目的を達成するために、施設、設備とか、あるいは学級編制の改善とか、そういったようないわゆる環境整備ということと並びまして、また、生徒にどのような教育をしていくか、こういったようなことにつきましては、学習指導要領、その他これに基づきましていろいろ指導書等も出しておりますし、また、文部省といたしましては、教員の現職研修等も国でもいたしますし、また、都道府県でも現職研修をいたしているところでございます。長期、短期いろいろございますし、また、やはり先生方に教育に熱意を持っていただく必要がございます。そういう点につきましては、教員の給与を十分改善していくといったようなこともございますし、その他先生方を元気づけることといったような措置もいろいろございます。ただ、それをいろいろやっておるけれども、まだ十分ではないではないかという御指摘、これは私どもももっともと存じまして、いままでやっておりましたものの条件整備としては、いまお出しいたしておりますような学級編制、これは大ぜいの子供に教えるよりも、人数をある程度しぼったほうがよろしゅうございますし、また、僻地等で単級、複式いろいろございますが、これはやはり先生の荷を軽くしてあげるということが教育効果をあげることにもつながりますので、そういったようなこれをこの法案には盛っておるわけでございます。
○有島委員 その点につきましては、さらに一そうの努力と、それからいままでどおりの行き方、さらにいま大きな時代の転換期に立っております教育そのものについてのより深い研究と申しますか、あるいはそれを具体化した対策と申しますか、そういうものを進められていくようにそのことを要望いたします。 こまかい議論はきょうは避けまして、法案の中身のほうに入らしていただきますが、今度は事務当局のほうに伺ってまいります。 この一部改正が、いま言ったこの法案の改正のねらいと逆効果になるような心配がどこかに見えないか、この点だけがこれから審議していく上で心配である、そういうように思うわけであります。 それで第一番に、これは国全体としての生徒教が小なくなっておるそれに対して教員数がこうである、そういうような大ざっぱな割り算の上でもって、われわれはこの法案を拝見している限りそう思うわけでございますけれども、実際には、これは都道府県別にこのようにされて、非常によろしいというところと、いきなりこういう改正をされては困るというようなところと出てくるのじゃないかと思うわけでございます。過密のところでは、これをこのまま忠実に実施しようとするためには新しい校舎を建てなければならないところも起こるのじゃないか。それから過疎地帯においては教員をふやさなければならない、また、これもやはり教室を建てなければならないようなところが起こるのじゃないか。これは五年計画でもって順次やるということになっておりますけれども、これをもしかりに直ちに実施しようというような想定にしてみると、そこにおそらく混乱が起こると思うのです。直ちにそういうふうにやってみたらという想定は、そういった考えのもとに一番問題点が明らかになるのじゃないかと思いますので、そういった想定のもとで伺うわけでありますが、都道府県別にどのように改善されるかというデータ、それからそれには経費がどのくらいかかる見込みである、そういった資料はもうできているのでしょうか。
○宮地政府委員 お尋ねの点でございますが、これは過密地域と過疎地域、確かに影響はございますが、せっかくいいと思うことをやっても逆のマイナス面が出ないかという点でのお尋ねでございますが、過密、過疎、いずれにも影響がございますが、たとえば過密地域でございますと、いままで一学級四十五人というふうに持ってまいりましたが、これを四十人に下げるというようなことがかりに行なわれるといたしますと、過密地域には非常な影響が来ると思います。御指摘のようにそれを一挙にやろうといたしますと相当な施設、設備が要る計算になりますが、今回の改正は、最初の大臣の提案理由なり私の補足説明で申し上げましたように、今回のねらいはすし詰め解消ということではなく、四十五人を四十人にするといったようなことではなくて、むしろ僻地の小規模学校、これが六学級まで、ある人数がおりますれば単級にしておる、これはいけないので、もう少し単級とか、四個学年、五個学年複式はやめて、幾つかの複式にするといったようなことで、焦点を過疎地域に合わせております。したがいまして、御指摘の点で、特に過密地域にはそう施設、設備で直ちに影響ということはないと思います。ただ、過疎地域に対しましては確かに影響がございますが、過去五カ年間におきまして三百万人ばかり児童生徒数がもう減少いたしております。そういうような関係で、ことばが悪いのですけれども、いわゆる小学校なり中学校の施設関係の設置基準とでも申しましょうか、そういうような点からいいますと、過去五年間で三百万人も減りましたために、過疎になっておる地域も相当ございまして、こういうところでは施設等にはゆとりがございます。たとえばそういうゆとりは現在特別教室にするとかといったようなことで、全然その施設を使ってないというわけではございませんが、そういう利用の方法をいたしております。したがいまして、直ちにこれをやりました場合に過疎地域には相当の影響が起こることになりますが、現状におきましては、特別教室にいたしておりましたものを一般教室に振りかえるとかいったようなことをいたしたいと思いますし、また、確かに一挙にいたしますと、それにしても問題がありますので、五年計画でいたしたいというようなことも考えております。その場合に、その施設の建設計画につきましては、このために特別のものをいたしておりませんが、従来から小学校、中学校の施設の設備についての国庫補助、こういった従来の計画の中で優先的に扱う、こういうふうにいたしておりますので、概括的に申しますと、あまり支障はございません。 ただ、県別というお尋ねでございますが、これを一挙にいたしますと相当影響が出てまいりますので、特に四十四年度、四十五年度は相当児童生徒の数が減ってまいります。したがいまして、たとえば一例を申し上げますと、一番多いのが東北とか山陰、九州、四国の各県でございますが、東北の秋田県ではほうっておきますと三・六%の教員が減ってくる、富山では四・六%、鳥取では四・六%、福島では五・四%、大きいところでは島根が五・一%、宮崎が五%、山口県などは六・四%、こういうふうにほうっておきますと非常に減少率が大きいわけであります。これを今度の法案では前年に比べまして一・五%だけ減る、それ以上減る場合には歯どめを一・五%にしております。と申しますのは、前年度の九八・五%以上に教員定数が減る関係のところは九八・五%で押えるといったようなことをいたしておりまして、いま先生から御指摘いただきました、各県別にどのように、よいことをしようと思ってもかえってマイナス面が生じないかとおっしゃる点は、以上申しましたように、そういう点も考慮いたしまして御指摘のようなことが起こらないような考え方でこの法案を考えておるわけでございます。
○有島委員 都道府県別の、いまおもなところをあげられましたけれども、これに対します経費、それについては資料ができておりましょうか。都道府県別のいろいろな影響と、それから理想的なところまで持っていくためには経費がどのくらいかかるのか、そういう資料をいただきたいと思うのですけれども……。
○宮地政府委員 結論を先に申し上げますと、都道府県別にはまだ詳細なものをいたしておりませんので、整いますれば資料として先生にお届けいたしたいと思います。こういうことでございますが、その全国的な数字で申しますと、今回の措置によりまして、五年間でございますが、九千三百人の定員増になります。その経費は百十二億でございます。そのうち国が持ちますのは五十六億でございます。しかしながら、一方におきまして、児童、生徒が減ってまいりますので、四十四年度は前年度よりも八千八百名ばかり減るのですが、そういうことから教員定数の減がございます。それを差し引きまして、今回の措置で国なり地方でどのくらい経費が増加するかと申しますと、約三十億でございます。そのうち半分の十五億が国の負担、こういうことになります。
○有島委員 文部大臣に伺いますが、こうした問題の場合に全国的な割り算でものを考えていく、それは大ざっぱにはいいと思うのですけれども、施設の段階になりますと、これは都道府県別にこまかくデータを出して、そして検討していくべきじゃないかと思うのですけれども、文教委員会としてそういう検討を加えたほうがいいと思うのですけれども、大臣、所見はいかがですか。
○坂田国務大臣 これはやはり有島委員おっしゃるようなことだと思うわけでございますが、従来からもおそらく各県別にいろいろ特殊な事情もあるわけで、現行法におきましても、そういうふうな配慮をしつつ年次計画を立ててやってまいっております。これからもやはりその年次計画のもとにアンバランスにならないような指導は続けていかなければならないというふうに考えます。資料が整いましたならば本委員会におきましても提出をいたさせたいと思っておる次第でございます。
○有島委員 諸般の事情があって審議がおくれたわけでありますけれども、提案されたのは非常に早かったわけであります。それでそうした資料も当然出ていてもいいのじゃないかと私は思うのでございますけれども、これは速急に出していただくようにひとつお願いしたい。これは委員長にお願いいたしますけれども、資料の提出をお願いしたいと思います。
○宮地政府委員 結論としては承知いたしました。いま大臣もお答えしたとおりでございますが、ただ、御承知のように教員の給与というものは実績負担でございます。それで非常に事務的で恐縮ですが、四十三年度で要した経費の精算は四十四年度にやっておるといったようなことも一面ございますし、また、五年計画で充当していくということでございますので、五年間の各県の相当自主的な判断を今回は加味いたしております。それと、定数はわかってまいりますが、それに要する月給とかそういった式のもの、これははじきましても標準的な数字になります。それから施設、設備等につきましては、これはあいた教室を使う場合もございますし、新たにつくるところもございまして、先ほど先生が、法案は早く出されたのだからもう当然いまごろはとおっしゃるお気持ちはわかりますが、実情はそういうことで、やはり各県でも五年間の計画というのはなかなか立てにくいということで、去年の実績を見て次の計画を立てるといったようなことも県では加味いたさなければならぬと思いました。したがいまして、お気持ち、御趣旨はわかりましたので、できる限り御趣旨に沿う資料はつくりたいと思いますが、先生のねらっておられる一〇〇%の資料はなかなかむずかしいと思いますので、その点はあらかじめ御了承を願いたいと思います。
○有島委員 それでは一番最初に私が申し上げましたこと、これは一時にやればどういうことになるかという想定、これはちょっと現実とは違いますけれども、一つの手がかりになると思いましたので、これは都道府県のそれぞれの状況に応じてそこの教育委員会に作業させて試算をさせることはそれほどむずかしいことではないと思います。それでいまあんまり困らないはずだとおっしゃた。そこがあぶないと思うのですよ。困る場合がこことここには起こるということが事前にわかっていなければまずいと思うのですね。それでなるべく早く資料を出していただきたいと思うのですけれども、いつごろまでにできるのですか。
○宮地政府委員 いま直ちに何月何日と申し上げることも、ちょっとこれは県に一部照会いたさなければなりませんので、できる限り早く、御趣旨にできる限り沿った資料を提出させていただくということで御承知いただきたいと考えます。
○有島委員 じゃ、そういうことで委員長、お願いいたします。 その問題が解決すればもう全部そこに含まれるのですけれども、特に養護教諭それから養護助教諭などの配置の現況、これは相当問題だろうと思います。これを育成するためにはどのようにしていくかということも、これについてすぐ考えなければならないのじゃないか、そのように思うわけでありますが、それは省略いたしまして、この改正案の中に何カ所か政令で定めるというところがあるのですね。たとえば第九条の四号でございますとか、「へき地学校の数を勘案して政令で定めるところにより算定した数」第十五条にもございますね。第十九条にもございます。この政令の中身は現在どうなっておりますか。
○岩田説明員 政令で定める内容が幾つかの個所にございまするが、その一つといたしまして、社会的教育的な客観条件を考慮いたしましたところの内容、この点でございますが、これにつきましては同和地区、産炭地区あるいは外国人が多数密集したような地域につきまして、教育の条件、教育の困難度を考慮いたしまして、一般の計算で算定いたしました教員数よりも一名の教員を加配をする、こういう内容を定める予定にいたしております。その内容はいま政令案を準備しつつございますが、十五条の一号の関係でございまするが、まあ同和地区等におきましては、そういうような地域に該当する児童、生徒が約全校生徒の二〇%程度以上おるとか、あるいは産炭地区につきましては低所得層つまり生活保護や貧困準要保護児童、生徒が全校生徒の中の三〇%を占めるとか、あるいは外国人の密集地域等につきましては——そういう外国人と申しましても、これは韓国、朝鮮の方だと思いますが、一〇%程度以上おる、こういったような地域について、学校について、教員の加配を行なうということを政令で定めたい、こういうふうに考えております。 それから養護教諭につきましても加算の制度を考えておりますが、従来一般の計算でいきますと、僻地の学校にこの定数算定上の影響がございまして、養護教諭の配置が少ないというような傾向にございましたので、これにも若干の加算を行なうというふうに考えております。 事務職員についても、ほぼ同様な、似たような考え方で政令で定めるというようなことがその内容になっております。
○有島委員 いま、ほぼ政令の中身を伺いましたけれども、この審査をするにあたって、それも一つの参考資料として、このような中身になるんだという、それも添えていただかないと、非常にやりにくいと思うのです。それで、先ほどの資料は少し時間がかかるそうでございますけれども、少なくともその政令の分だけは、これは早急に出していただきたい。 これは、まあ委員長にお願いしたいのですけれども、それが出た段階で先の質問をさせていただきたい。この私の質問、その先留保させていただいてよろしゅうございますか。
○大坪委員長 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○大坪委員長 それでは、どうぞ速記を始めて。 有島君。
○有島委員 それでは、きょう文部大臣来ていらっしゃいますので、ちょっとこの法案をはずれるみたいですけれども、関連がありますので、大学の問題をちょっと触れておきたいと思います。 先般、中央教育審議会のほうの中間報告が出ました。それからチャンスがなかったものですから、あまりお話し合いができなかったのでございますが、この前実は学生の地位についてございました。私どものほうの感じとしては、学生の地位というものについて考えるときにすぐそこに問題になってくるのは、教育者との関連性において学生の地位ということを考えていかなければならないものじゃないか。これは何人かの大学の先生とお話ししたときに、いまの学生の地位の問題よりも、むしろ教授のあり方といいますか、それから教授、助教授、講師、助手の、それらの関係性といいますか、そういうことについての解明ということが、これはもっともっと大切な問題じゃないんだろうか、その一つのまた関連性としての学生の地位というふうに見ていかないと、非常に何か学生だけにワクをはめていくような印象が強過ぎる、そういうような意見が学者側からも出ておりました。われわれも同感なんでございますけれども、文部大臣の所感を承りたいと思います。
○坂田国務大臣 その点、まさにそのとおりなんで、大学を構成しております者として、教官があり、そうしてそこに学生が連なっておるということでございますから、しかも学問の自由という憲法に保障されておりまする目的を達成するために、一つの手段としていま大学自治が構成されておる。その大学自治の構成のメンバーとして重要な位置を占めるのは、何と申しましても教官なんで、しかしながら、それに学ぶ学生というわけなんでございます。そういうわけで、やはり構成する者としましては、学生があり、教官があるわけでございますが、その地位というものは、大学の中において、あるいは大学自治の中において、どういう地位を占めるかということを考える場合、教官というものの地位を考えずしては学生の地位は考えられない。また、従来から公共物と申しますか、校舎があり設備がある。そうしてそこに教官がおる。しかし、それに対して学生は、普通の学部でございますと、四年間通学するだけなんだ、こういうような割り切り方はいかがか。やはり学生は大学を構成する大事な構成員だということは明らかにすべきなんであります。しかしながら、教官と同じような、同等、同質のそういう権利があるのかどうかという問題については、そうではないんじゃないか。やはり大事な構成要素ではあるけれども、学生と教官とではおのおのその地位と申しますか、あるいは責任と申しますか、その分野というものは違っている。その辺の限界あるいは領域というものをある程度考えようというのが、今回の中間報告の中の学生の地位に関する草案だと思うわけでございますが、これからはおそらく教官というものの問題に入っていくということになると思います。
○有島委員 これは諮問のしかたについて片寄りがあったんじゃないか。ああいう諮問のしかたをすれば、こういう答えが出てくるわけでございますけれども、教授側の問題教官側の問題についての諮問をなさる御用意があるかどうか、そのことを伺っておきたいと思います。
○村山(松)政府委員 大学制度の問題に関します中教審への諮問の状況につきましては、長期的な観点とそれから当面の課題と二つに分けてやっておるのでございます。 前者の長期的な観点につきましては、これは大学のみならず、幼稚園から大学まで、学校制度一般の歴史と現状を振り返り、片や、大げさに申せば世界的な教育発展の動向をにらみながら、あるべき姿を求めていくという形で、二年前から中教審に諮問申し上げまして、三つの特別委員会を設けて鋭意検討を願っておる段階でございまして、そこにおきましては、もちろん、学生の問題のみならず、教育課程、教員のあり方等々あらゆる問題が検討、解明されることになっております。 ところが、御案内のように、昨年以来学生問題を中心とする大学紛争が相次ぎました関係もありまして、昨年の十一月に、当面の問題につきまして追加諮問をいたしました。 その追加諮問の諮問事項が大体四点ございまして、大学の教育課程の効果的な実施のしかた、それから管理運営の問題特に大学の意思決定の仕組み、それから三番目が学生の地位、それから四番目が、当時激烈な紛争が続いて、現行法の運営ではなかなかその解決がつかないような情勢が見られましたので、そのような事態に対拠して、これを収拾する特別の措置いかん、こういう形で追加緊急諮問をいたしたわけでありまして、その追加緊急の諮問の分について、現在まず学生の地位に関する中間報告が出て、その学生の地位に関する中間報告を中教審が出される段階におかれましても、それは学生の地位ばかり問うても、それを受け入れるところの大学の管理運営の体制なりあるいは教員側の態度というものが検討され、それが学生を受け入れるにふさわしい形で整備されない限りにおいては、学生の地位のみを論じても片手落ちだということも指摘されております。そこで現在は、学生の地位に関する中間草案につきましては、一般に公表いたしましてその意見を聞きますと同時に、中教審におかれましても、学生の地位に対応するところの大学における意思決定のプロセス、あるいは緊急事態に対処する対処のしかたということをあわせまして現在検討中でありまして、今月中くらいにはそれをまとめて答申のほうに持っていくということになっておりまして、決して教員のあり方あるいは教育課程というような大学全体の問題を抜きにして学生の地位の問題だけを取り上げて論じておるわけではないことを御了解願いたいと思います。
○有島委員 そういたしますと、教員のあり方については今度の諮問の中に含まれておる、そういうように了解してよろしいわけですか。
○村山(松)政府委員 長期的な諮問にはもちろん含まれております。 〔委員長退席、高見委員長代理着席〕 それから短期的な当面の課題、それに対する検討の中でも、学生の地位ということに関連する部分につきましては少なくとも取り上げて、それに対する何らかの意思表示がなされるのではないかと思っております。
○有島委員 その点を、今度の報告を拝見しまして一番強く感じたわけであります。 もう一点は、学生を社会との関連性においてとらえていかなければならないと思うわけでありますが、一番きわ立っておりますのが、やはり政治問題であります。教育基本法の第八条は、政治に対する教養を与えるという積極性が一つ前段である。もう一つは、学校側が政治活動に介入してはならないというような、これは禁止的な条文であるように理解いたしますが、積極的に学生に向かって政治教養をつけさせる、そうした姿勢についてはどのような配慮をなさるか、これについて大臣の所見を聞かしていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 やはりこれは大学でございますから、むしろ自主的にやるという意味合いにおきまして、積極的な意味におきましては、むしろ学生が正しい政治的活動というものを行なう自由を認めるということが積極的な意味だというふうに考えるわけでございまして、それはもちろん許される。ただ、しかしながら学生の地位にかんがみて、あるいはまた、学校における教育の中立性という面からの制限というものが行なわれるということは当然なことであるというふうに思うわけでございます。その意味合いにおきまして、たとえば政治的活動の限界と申しますか、これは実際問題としては非常にむずかしいわけでございますけれども、しかしながら、理念的にははっきりしているのであって、政治的活動の、言うならば宣伝の場あるいは政治的な一つの自分の主張というものをするための手段として学校を利用するというような、そういうような拠点にするというようなことは許されない。あるいは教育と研究というものの自由というものは大学の本質でもございますから、その本質を妨害するというようなことも許されない。あるいはその教育と研究を行ないます施設と設備を利用する一般学生というものを、その政治的主張を持った者が妨害をするというようなことは許されない。そういうようなことはある程度制限されなければならないのじゃないかということが中教審におきましても問題にされておるように承知をいたしております。
○有島委員 ただいま私が申し上げているのは、政治教養を積極的に推し進めていく方向が望ましいのじゃないか。と申しますのは、学生暴力の中に政治運動が混入しておるような状態である。あるいはもうそれの認識のしかたが、これは政治運動まで高まったという見方が多いように思いますけれども、実際はあまりそしゃくされない、何といいますか、政治イデオロギーといいますか、そういうものが暴力の道具に使われておるというような風潮が強いのではないか。これは何でも武器にしてあばれようという場合には、道のコンクリートをはがしてぶつけると同じように、政治問題も何か都合のいいものは何でも持ってきてぶつける、そのような行き方も相当あるのじゃないか。ですから学生のいまの問題を政治問題であるというふうに結びつけることはかえって危険なんじゃないか。むしろ政治問題については、基本法の精神どおり、その政治教養というものを深く、広く与えていくということを指導なさったほうがいいんじゃないか、そのように思うわけでございます。大臣の御所見はいかがでしょうか。
○坂田国務大臣 その点は、われわれのほうでそれを何といいますか、指導するということはどうなのか、むしろそういう政治的活動の自由というものは元来与えられておるということであるし、また、その政治的活動、正しい政治的教養というものを身につけさせるという役割りというものは大学それ自体にある。だから管理者あるいは教育者として、その教育の場、研究の場あるいはいろいろの学内コミュニケーションの場において、それは活発になさるべきものではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。
○有島委員 ちょっと食い違いがあると思うのですけれども、政治的教養という場合に、やはり党派的ないろいろな右左の片寄り、そういったもののコミュニケーションということではなしに、政治そのものの一般性といいますか、本質といいますか、そういうことについて、これこそ大学が推し進めていかなければならない問題である。これは現代社会の共通な要求なんだ。そこに使命感を感じさしていくというような、これは大学がそれをやるのだから私たちはそこまで言わなかったとおっしゃるかもしれませんが、ほかのことをどんどん言っていて、そこだけが欠けているということは、これはかえって学生を縛っていくような方向、政治問題と政治運動に結びつけ、それを学生暴力に結びつけていくような、そういうような文脈といいますか、それは誤りではないか。むしろ一般的な政治というものに対しての教養を深めていくという指導は、いま一番欠けているところでありますから、それは大臣としてその指導をなされるべきではないか、そう思うわけであります。
○坂田国務大臣 その辺は非常にむずかしいわけで、現実はそういうように政治的な、あまりにも政治的な諸現象が起こっておるわけですが、元来そういうものを身につけるのは、むしろ大学に入る前にもう会得しておらなければならないのじゃないだろうかというふうに思うのであります。そうして大学に入りましたら、むしろ、大学側は積極的にそういうようなことを指導するということではなくて、学生自身がみずから政治的教養というものを身につけるというあり方が理想の姿であったと思うわけです。しかし、それがいろいろの原因からああいうふうな形になってきておる。それを是正しなければならないということは、今日大学側に課せられた課題でもありますし、われわれも心配しております課題でもあるわけでございますが、やはりその点が非常にむずかしい問題かと私は考えております。 政府委員のほうから何かつけ加えるようなことでも……。
○有島委員 あまりつけ加えることがあるかどうか知りませんけれども、大体わかりました。 で、大臣のおっしゃったのはこういうことですね。政治的教養というものは、基礎的なものは大学に入る以前に身につけるべきである、そういうことですね。それで大学生はむしろもうそこから発して政治運動的なことに入っていくのである。それが理想的にできておらぬ。そういうふうに受け取りましたけれども、それでよろしいですか。それについての議論は長くなりますから、もうここではやりませんけれども、また機会を見てそういうことにいたしたいと思います。大臣の御所見はそういうところにある、わかりました。
○坂田国務大臣 もう一ぺんそこのところを言っていただきたい、いまの最後のところを。
○有島委員 大臣の御所見によれば、政治教育に対しては教育基本法に述べられているところを実施するということは、これは大学以前の段階でもって一般的な政治教養というものは与えられるべきである。大学に入ったならば今度は、微妙な言い方ではあるが、これが政治運動の形が起こってもいいのだ、そういうようなお話しですか。
○坂田国務大臣 それならばちょっと違うわけなんで、政治活動の一つの拠点に大学がなされるということは、教育基本法の精神に照らしてよくないということなんです。だから一般的にいう正しい意味における政治教養を身につけるという意味において、学生たちがいろいろ集合したり、いろいろ意見を戦わしたりするということは許されることではないか、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○有島委員 許されるというのは、ちょっとことばじりをとらえるわけではございませんが、非常に消極的なおことばであると思うのです。
○坂田国務大臣 それなら自由を持つということです。
○有島委員 それは積極的に——こういうふうに混乱時代になってきたわけであります。政治教養というものは高校生のところでおしまいではなくて、われわれ国会議員もむしろ基本的な政治教養というものは深めなければならないようなときであると思うのですよ。これは特に大学で純粋な形でもって、別にどういうイデオロギーということではなしに、広く深い政治教養というものをこれは開発していかなければならないときじゃないか、そういう指摘をすべきじゃないか、そう申し上げたかったわけであります。
○坂田国務大臣 それは、やはり自分の研究課題を通じてやるべきことである。法学部に学ぶ者、あるいはまた経済学部に学ぶ者、あるいは文学部に学ぶ者、それぞれが身につけることだし、あるいはその人たちがグループをつくっていろいろ諸活動をやることによって身につけていくことである。研究の場でも、あるいは教育の場でも、あるいはその他の学生活動の中において身につけるべきものである、こういうふうに私は思います。そういう自由というものは許されるというか、自由を持つ。
○有島委員 私が申し上げましたのは、それは学生の問題だからほうっておけばいいんだというような態度でいらっしゃるか、あるいはここは抜けている点だから、だから何らかの形でもって指摘をすべきではないか、そういうふうに申し上げたわけであります。これはお考えおきを願いたいと思います。 それから先般、社会教育のほうでもってテレビ大学の構想を考えておるというような報道が出ておりました。これもこの前にちょっと触れましたけれども、これはなるべく早く実現なさったほうがいいのじゃないか。現在の大学紛争の諸問題がこのテレビを用いることによってずいぶん解決される部分が多いのではないか。そういうことをこの間も申し上げたわけでございます。 これに付加して、やはり授業形態が多様化していくということですね。ここで少しもとに戻ってきたのですけれども、きょう審議しておりますこの法律にいたしましても、一人一人に対し血の通った教育をやっていくということでございます。現在の大学は非常に混み合っておって、師弟の関係ということももうほとんど機械的になってしまった。その解決法として大部分を——大部分と申しますか、もうマス・メディアでもって消化できる部分はそこにやって、それでもって今度は小さい範囲の教室における、それこそ血の通った教育が可能になるのではないか、そういうふうにわれわれ考えているわけでございます。その授業形態の多様化ということをやはり考えていっていただきたい。通信教育あるいは社会教育、それから学校教育というふうに分かれておりますけれども、いまその壁をもう一ぺん考え直して有効に活用していくべきときがきているのではないか、そういうふうに思うわけであります。 もう一つは、テレビの大学が始まりますと、これは大学に入らない人もみんな聞けるわけであります。そうなりますと、資格の与え方の多様化をやはり考えていかなければならぬのじゃないか。そういうことをひとつ並列に御考慮していくべきではないか、そう思うわけであります。その点についての御所見を承りたい。
○坂田国務大臣 御承知のように三月二十九日に答弁が行なわれました。この提案は三点にしぼられると思います。 第一は、すぐれた教授の講義を多くの学生に効果的に伝える手段として放送大学における授業そのものに活用するということ。あるいは第二には、社会人の教育要求にこたえるため大学がその講義や研究成果などを放送によって広く一般に開放するということ。第三には、大学自身、教育において組織的に放送利用を取り入れるということ、この三つだと思うのでございますが、先ほどお話がございましたように、また、この前の委員会において有島さんがお示しいただきましたように、この放送あるいはテレビ通信を通じて教育をやる、特に高等教育、大学教育をやるということは、新しい正規の一つの教育の方法、有効な教育の方法だと私も考えておるわけであります。この前もお話がありましたように、来年の一月からはイギリスではオープン・ユニバーシティが開校するというようなことも聞いているわけでありますが、また私、この前NHKの高等学校のテレビや通信でもってやりました教育を受けた卒業式に行ってまいりました。あるいは十二チャンネルを通じましてやっておりまする卒業式にも行ってまいりましたけれども、その集まっておる人たちは、四年間とにかく非常な学ぶ意欲を持ち、そして言うならば自己克己と申しますか、なまけ心も起こるであろう青年たちが、とにかく四年間続けてそういう資格を得たという、その人たちの集まりでございます。行ってまいりまして、その顔を見まして、普通の学生よりもより以上のりっぱな学生だ、あなた方はむしろ大学生だ、いまの大学生よりも人間的にはすぐれているんだというような話をしてきたほどほんとうに感銘を受けたわけでございますが、こういうようなことを大学まで延ばすということは、必然的などうしてもやらなければならないことではないだろうかというぐらいに私は考えておりまして、事務当局にもそういう意味でこれを具体化するように実は指示をいたしておる次第でございます。
○有島委員 現在話題にされておりますことは、治安であるとか、学生参加であるとか、管理の問題であるとか、こういうことが一番浮かび上がっているわけでございますけれども、一歩前進して、そういった新しい教育形態、そういうことは進めていく過程においてずいぶん解決してしまう部分が出てくるんじゃないか。ですから古い形態を土台にしての、議論、そしてそこにまた別な、治安強化のような要素あるいは権力の介入ではないかといわれるようなそういった要素が介入するような空転する議論、これもしかたがない場合もあるでしょうけれども、そういうものにいつまでも低迷しなで、ぐんぐんと新しい教育形態を創造していくべきじゃないか、そのことを強く私は感じるわけであります。それで、これはイギリスではもう来年から始めるわけでありますけれども、日本でもそれこそすみやかに、来年からでも再来年からでも、やろうと思えばそれほどお金のかからない問題でありますから、ぜひ早くやっていただきたい、そう要望します。 以上でもってきょうは私の質問は終わります。
○高見委員長代理 斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 先ほど、不十分な提案でありましたけれども、私ども社会党が定数法に関連をして六つの法案を提出いたしたわけでございますが、その社会党提出の法案と文部省が提案をいたしておりますいわゆる政府案を対比しつつ、私は主として大臣に対し質問をいたしたいと思うわけでございます。 今回政府が提案をいたしております公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正案でありますが、条文の順序に従って、冒頭申し上げましたようにわが党案との対比の上で見解を承りたいと思うわけであります。 特に大臣は、去る二月十二日の本委員会におきまして、文教行政の基本施策についての所信の表明を行なわれたわけでありますけれども、その中で、わが国の敗戦後の復興は、国民の勤勉と努力とともに国民のすぐれた資質と、その教育の成果であるというように言われておりまして、教育の成果を非常に強調しておられました。それに引き続きまして、わが国の教育は世界的に高い水準にあるが、なお検討しなければならない課題があるとも述べておられるわけであります。私どもも、その点に関しましては先ほど申し上げたとおりでございまして、教育にまつところ非常に大きかった。しかし、大臣の言う今後改善を要するというその度合いと、私どもの改善への熱意、努力といったようなものがだいぶ違うわけでございまして、この点なお政府案のよりよき向上を目ざすものでありますけれども、そうした観点から、私は条文を引用しながらお尋ねをしていきたいというように思うわけでございます。 まず、私どもは第二条におきまして、たとえば実習の助手なるものを設けました。あるいは学校司書、寮母といったようなものも提案をいたしておるわけでありますが、こうした学校に必要な職種の定数化を法律によって規定をし、国庫負担法の対象に含めることによってそのワクの拡大も意図したのでありますけれども、私は政府案の特に第三条につき、以下数点を承ってまいりたいと思うわけであります。 まずお尋ねしたい第一点は、いわゆる単式学級であります。この単式学級の望ましい規模は一体何人なのか。それから政府案によりましても、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画というようなことで、順次上向きの改正がなされてきたことはこれを認めるわけであります。しかし、今回単式の学級編制を四十五人に据え置いておるわけでありますけれども、一体この四十五人に据え置かなければならなかった教育的根拠、そういうものはどこにあるのか、まず伺いたいと思うわけであります。
○坂田国務大臣 一学級当たりの学級定数というものは、四十人にするのがいいのか、あるいは三十五人にするのがいいのか、あるいは四十五人にするのがいいのか、この辺ははっきりしたデータというものは出ていないんじゃないかと私は思います。少なければ少ないほどいいというものでもないんじゃないか、やはり集団的な教育というものも、一面においては非常に必要なのではないか、そういう意味合いにおいて、四十人がいいのか四十五人がいいのか。しかし、少なくとも五十人以上というのはやっぱりよくない、四十九人もやはり多過ぎるということはちょっと言えると思うのですけれども、四十五人を最高限度としますれば、日本の現状からするならば、大多数は四十名以下になるんじゃないかということで、その辺は確たる教育的効果云々、あるいは教育的に四十人がいいのか、四十五人がいいのかということはよくわかりませんが、最高限度を四十五人にきめるということは、いままでの状況から考えるならば非常に教育効果が上がる基準だというふうに思います。確かにイギリスのバトラーが一九四四でございましたか、バトラー法をやりましたときには、単式の場合は四十名以下だったと思いますけれども、これは、この程度が現状に合うし、また相当教育効果が上がるというふうに私たちは考えておるわけでございます。
○斉藤(正)委員 教育的根拠に立って、一学年の児童で編制する学級の児童の数、生徒の数が四十五人が最高限度で、これは上限を示すものだ。しかし、これが十人になれば四倍の効果がある、二十人になれば倍の効果があるというものではない。しかし、四十五人というのは最高限を示すものであろうというように、大臣の答弁からは受け取れるわけであります。 なるほど、集団生活で一人の教師の能力というようなものにも限定がありますし、なお、共励切磋をしていく児童あるいは生徒の仲間というものが集団学習という中での一つの限界もあると思いますけれども、この四十五人という人数は絶対的なものであるのか。いま大臣のおことばから受ける印象としては、これが最高限であって、今後諸般の情勢を勘案し、減らしていくという考え方はあるやに受けとめるわけでありますけれども、その辺の考え方はどのようでありましょうか。
○坂田国務大臣 私は、しばらくこの四十五人でやってみたい。そして実際の効果等のデータをとりそろえて、なおかつやっぱりいけないというようなときには考えてもいいと思いますけれども、しばらくこれは相当長い時間やって、試みていい人数だというふうに私は考えておるわけでございます。でございますから、現時点では変えるということをちょっと申し上げられないというふうに御了解いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 四十四人で当分続けてみたい、文部省の見解は明らかになったわけでありますけれども、しかし、この点は、諸外国の例等とも対比をいたしまして、私どもが四十人という数を思い切って提案をいたした根拠も、四十五人という数はなお多いという考え方から出発いたしておりますので、御検討をいただきたいと思うわけであります。 次に伺いたい点は、単級、四、五個学年の複式を今度は解消されておるわけであります。複式が解消されております。この解消の根拠は一体どこから出ておるのか承りたい。
○宮地政府委員 これは、先ほどの一学級四十人がよいか、三十人がよいかといったのに似た理由でございまして、科学的にこうだというものは突き詰めて持ちませんが、一般的に教育効果をあげます場合に、六個学年を一クラスにして教育をするということは、科学的な調査をまつまでもなく、常識的に見てもこれは非常に教育効果があがりにくいといったようなことは明らかでございます。そういうようなことで、多少教育上の問題なり形式上の問題——たとえば年間授業日数を二百四十日で押えるとして、それの三分の一に相当する八十日ぐらいは教師にある学年を専心指導してもらうとかいったようなことでやれば、三個学年複式ぐらいにとどめるのがよいであろう、四個学年、五個学年も多いのは困るといったような、教育上、形式上の理由も一応ないわけではございませんが、あまり科学的な根拠ではございません。その他、これは第三回目の五カ年計画でもございますし、ステップ・バイ・ステップといった次善ということはやはり政治上、行政上考えなければならない問題でございますので、そういった諸般の事情を加味いたしまして案をつくった次第でございます。
○斉藤(正)委員 どうも文部省の見解というのが非科学的であり、非合理的だと思うのです。ただ何となくそうした、こういうような答弁にしかとれないのですけれども、児童心理学上、あるいは一人の教師の能力の限界、あるいはその幅、あるいは地域社会の要望等々、いろいろなものが累積してこうしたのだ、ただ何となくそのほうがいいというような感じでございますというような局長の答弁では、これはもう了解できない。前半の説明が、そういうふうに、ただ何となくというように多分に受けとめられるのですね、そうじゃないですか。
○宮地政府委員 実は先ほどの、一クラス四十人がよいか、三十五人がよいか、いや四十人はいけない、三十五人でなければいけないといったようなことは、科学的に一足す一が二であるといった式の説明はできにくいと思います。それと同じように、四個学年、五個学年の複式をやめて、三個学年ならばよいという理由は、ということは、いま申し上げましたような点から、あまり科学的には申し上げにくうございますという意味で申し上げまして、何となくいいでしょうという意味ではございませんので、誤解がございましたら、よろしく。
○斉藤(正)委員 もう少し児童心理なり、児童の発達段階なり、あるいは一人の教師の能力なりといったようなものの科学的算定の基礎に立って、やはり複式学級はかくあるべきだ——もともと複式学級が本来の姿ではないということはお認めだと思うわけなんです。されば複式学級で許される最高限はしかじかかようではないか、文部省としては、指導方針としてはこう考えている、現実問題でこうしたのだというような答弁はできないのでございましょうか。
○宮地政府委員 先ほど申しましたような気持ちでございますが、重ねての御質問でございましたので、一応私どもが今回の案をつくりました理由を申し上げたいと思います。 今回の改正にあたりまして、小学校の単級並びに四、五個学年複式学級並びに中学校の単級を解消することといたしましたのに関連いたしまして、二個または三個学年複式学級及び中学校の二個学年複式学級にかかる学級編制の均衡を考慮して改正することといたしました。この改正措置の考え方はおおむね次のとおりでございます。 小学校の三個学年複式学級ということにとどめましたのは、三個学年複式の場合では、年間授業日数二百四十日のうち一学年の児童が直接教師に面接して教科を受ける時間その三分の一に相当する八十日相当時間でございますし、残りの百六十日相当時間はいわゆる自習時間になるものとみなされます。そこで教師の個々の児童に対する指導の密度を普通の単式学級並みに確保するためには、単式学級の標準数四十五人の三分の一の十五人とすることが必要である、こういった考え方でございます。また二個学年複式学級につきましても、三個学年複式学級の考え方と同様に、単式学級の場合と同程度の指導密度を確保するために同学年で編制する単式学級の四十五人の二分の一の二十二・五人、端数を切り捨てまして二十二人に改善するというふうにいたしました。また、中学校の二個学年複式学級でございますが、これは単級をやめましたが、それは小学校の複式学級の改善の考え方をそのままとしますと、中学校の二個学年複式学級につきましては二十二人に改善すればよいのでありますが、中学校の授業が教科単位で行なわれ、その指導内容も小学校の場合よりも複雑かつ高度になることを考慮いたしまして、小学校の改善幅よりさらに一段階改善することとして、小学校の三個学年複式学級と同等の十五人まで引き下げる、こういうふうな考え方でございます。その他御指摘の児童心理とか全然考えないわけではございませんが、一応以上申しましたような点を主たる考え方の基礎にいたしております。
○斉藤(正)委員 ちゃんと書いてあるじゃないですか。そう言ってくれればわかるのです。了解したわけではありませんけれども、そういう言い方をぜひ親切にやってほしい。 次に、特殊学級について伺いたいわけでありますけれども、特殊学級に収容すべき児童生徒がどのような実態になっているのか。御承知のように特殊な児童というのは限られた児童生徒であります。その発生の原因あるいは実態等につきましては今日いろいろにいわれておるわけでありますけれども、少なくもその児童生徒の責任ではないことは事実であろうと思うわけであります。親の責任がどれほどあるか、これはまた別といたしましても、少なくもこの世に生をうけた子供の責任でないことは事実であろうと思うわけでありますが、文部省統計等によって、この特殊学級に収容すべき児童生徒は実態どのような割合になっており、どのような人数になっているのか、まず伺いたいと思います。
○宮地政府委員 特殊教育の実態でございますが、まず、今日特殊教育児童生徒を対象といたしております学校教育法上の施設といたしましては、盲学校、ろう学校、養護学校、それから中学校等にございます特殊学級、こういったようなものがございますが、その幼児、児童生徒の総数は十六万六千二百七十九人でございます。この十六万人の内訳といたしまして、盲学校、ろう学校、養護学校等に入っておりますのが五万人、それから残りの十一万人は特殊学級でございます。特殊学級の中でとりわけ多いものは精神薄弱児を対象とするものでございます。これらの児童生徒数は、全部のそういう特殊教育の対象になる児童生徒数と比べまして、全部の者が学校に行っておるということではございません。それからまた、本来そういった特殊学級等がつくられておりますれば特殊学級の対象になるべき者が、特殊学級がつくられないために普通学級で教育を受けておるといったような者も若干ございます。 大体概括して申し上げますと以上のようなことでございまして、これに対しまして文部省といたしましては、これは文部大臣就任以来特殊教育に力を入れておられますが、従来からもこの特殊教育の対象になる児童生徒に対しまして、盲学校、ろう学校等は一県それぞれみな設置されておりますが、養護学校はまだ十分でございません。精神薄弱、肢体不自由、病弱虚弱、こういった三種類の養護学校がございますが、少なくとも各県にその三種類の学校をぜひつくらせたいということで年次計画のもとに行なっておりますが、以上申しましたような三種類の養護学校を四十八年度までに各県に必ず設置させるということで、計画的な設置の推進をいたしております。 以上、概括的に申し上げました。
○斉藤(正)委員 そうしますと、特殊学級と特殊学校二つに分けられるわけでありまして、その障害の軽重に伴い、ある者は学級へ、ある者は学校へという分け方がされておるわけでありますけれども、しからば、その限界をどこへ置こうとしておるのか。どのような児童生徒が特殊学級に進み、どのような障害の児童生徒が養護学校に進むのか。限界については、医学的にあるいは教育学的にどこで一線を引かれておるのか伺いたい。
○宮地政府委員 これは学校教育法施行令に、盲者とかろう者、あるいは精神薄弱者、肢体不自由者、病弱者、そういったようなものにつきまして、この程度の者は盲者、ろう者であるといったような定義に似たものをいたしておりますが、たとえて申しますと、一例をあげますと、盲者でございますと「両眼の視力が〇・一未満のもの」といったようなこと、その他ございますが、それからろう者につきましては「両耳の聴力損失が九〇デシベル以上のもの」とかいったようなことが一応規定されておりまして、これに該当する者は盲学校、ろう学校へ編入をさせる。たとえば盲者ですと、〇・一未満ということではないけれども、それに近いような者は特殊学級、といったようなのが一応の限界であろうかと思います。
○斉藤(正)委員 その領域の分け方につきしては、一応わかるわけでありますけれども、しからば、いわゆる精薄児というのがありますけれども、主として特殊学級へ収容される生徒だと思いますけれども、この精薄者というのは、一体どういう対象児であるのか。たとえばIQ等の関係からはどの程度と文部省はお考えになっておられますか。
○宮地政府委員 先ほど申しました学校教育法施行令では、精神薄弱者と申しますのは、「精神発育の遅滞の程度が中度以上のもの」とか、あるいは「精神発育の遅滞の程度が軽度のもののうち、社会的適応性が特に乏しいもの」といったようなことがございますが、いま御指摘になられましたIQで申し上げますと、IQ二〇または二五程度以下の者を一応就学猶予なり、免除を考慮する。それから二〇または二五から五〇程度の者で、さほど重症でない、学校教育の対象になり得るというような者につきましては養護学校に入れる、といったような一応の基準で取り扱っております。
○斉藤(正)委員 IQ二〇ないし二五が教育免除、二〇ないし五〇の者が養護学校ということになりますと、これは精薄対象でありますけれども、同じ精薄で五〇から幾つまでが、しからば小中学校における特殊学級へ収容すべき対象になるのでありましょうか。
○宮地政府委員 大体の考えは、IQ五〇ないし七五程度の者が特殊学級の対象として教育するのが適当であろうというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 五〇ないし七五以下のIQの者を特殊学級に収容するのが、体系的に見て特殊児童に対する対策だと理解できるわけでありますけれども、しからば現状の全国の特殊学級は、いま局長から答弁がありました五〇ないし七五IQの対象児を収容するに足る規模と数になっておるのかどうか、伺いたい。
○宮地政府委員 現状は十分でございません。したがいまして、先ほど申し上げましたように、四十八年度までに以上申しましたようなものが、そういうところへ入り得ることを目途といたしまして、こういった学校、学級をつくるべく努力いたしておるところでございます。
○斉藤(正)委員 私の調査によりますれば、もちろんIQ二〇ないし五〇の対象児が進学をしなければならない養護学校についても、きわめて不十分でありますけれども、ことにIQ五〇以上七五以下のいわゆる特殊学級に当然収容されるべき児童生徒も、今日の状態では六〇%程度であります。大臣いらっしゃいますけれども、大臣は所信の表明にあたって、特にこうした対象児の教育については考えたい、なお過日の本委員会における鈴木委員の質問にも答えて、誠意のある答弁があったわけでありますけれども、ただいま局長の答弁によりますれば、今後行なう五カ年計画によって、私の数字がもし正しいとするならば、六〇%の収容率を一〇〇%にするためには、かなりの努力を必要とすると思うわけであります。しかもこれは世界的にも国内的にも非常に大きな問題であり、当然行なってしかるべき問題だと思いますが、局長の答弁にありましたように、今後五カ年計画で満度に収容するという決意の表明があったわけなんです。文部大臣の見解はいかがでございましょう。
○坂田国務大臣 私、就任以来、特殊教育につきましては力をいたしたいとしばしば申してまいっておるわけでございます。日本の教育行政の中の谷間の一つだと私は考えておるわけでございますけれども、これについて何とかして谷間でないように、あるいはあたたかい手を差し伸べなけばれならない課題であるというふうに考えておるわけでございます。ただいま、四十八年度を目途として最大の努力を払ってまいりたい。また教育の方法、あるいは心理学的、あるいは医学的、あるいは教育学的、あるいは社会学的、あらゆる学問的な研究をいたしまして、そして教育方法なり、あるいはまた早期教育をどうやったらいいかという問題、あるいはまたそういう方々に対して職業を身につけさせる場合は、どういうような職業を選んだらいいか、あるいはその職業を身につけさせる方法はどうか、というような各般の問題について、私はやはり総合的な研究と同時に、実際的なそういう教育方法等をも考える必要があるということで、特殊教育総合研究所というものの設置に踏み切った次第でございまして、それとあわせまして、ひとつ御指摘の点も十分考えに入れまして、その充実をはかってまいりたい、かように考えております。 〔高見委員長代理退席、委員長着席〕
○斉藤(正)委員 私どもは、この政府提案第三条に該当する内容として、複式学級は引き続く二個学年で編制をするというように限りまして、複式学級のあり方というようなものを前進さしたつもりでありますし、特に新入一年生が七人以上の場合には、一年二年の複式というものをやめて、幼児教育の不十分な今日の社会的な条件、あるいは新しい集団生活に入るという、新入生の精神的、肉体的条件等を考慮いたしまして、新入一年生が七人以上のときには、これを一学級として独立さしたわけでありますけれども、この複式二個学年制度、さらに新入一年生七人以上の一学級編制といったようなものに対し、大臣は理想案が実現できないというようにお考えでございましょうか。それは社会党の理論であって不可能だとおっしゃるのか、私どもの案に対する大臣の御批判をちょうだいいたしたい。
○坂田国務大臣 その前に、先ほどの特殊教育の問題でございますけれども、私が所信表明の中で、その年齢に応じ、能力に応じ、あるいはまた適性に応じた教育をやるという意味は、その特殊教育のことも頭に入れて述べておるということをまず御理解いただきたいと思います。 それから、いまのお尋ねの点は、ちょっと私理解ができないところがあったわけでございますが、普通の子供の一年生についてのことだと思うのでございます。(斉藤(正)委員「そうです。」と呼ぶ)この点については、私、一つの御提案かとも思っておるわけでございますが、ただ、一方におきまして、日本の就学年齢という問題がございまして、これを、むしろ、たしか社会党の御提案の中にも、五歳児からもう就学をさせるという案があったかと記憶をいたすのでございますが、あるいはまた、イギリスにおきましてはインファントスクールを五歳から始めるということも現にやっておるわけでございます。しかし私は、いまのこれは私の個人的な考え方でございますけれども、日本の風土においては、やはり六歳児からでいいのではないか。しかし、同時に、それにつながるいわゆる就学前教育というものをやはりもう少し徹底させるべきだというふうに思うわけでございます。したがいまして、むしろ就学前教育と、それからいわゆる学校教育の一年、二年との結びつきというものをもう少しスームズにするということは、子供の発展段階から考えて必要なことであり、それに対して行き届いた教育をやるために、学級の編制を普通の場合よりも少なくするということも一つの考えではあると思いますが、私は、同時に、むしろ今度は、就学前の教育の幼稚園の先生、そういうような方が一年、二年においては担当をされるというようなこともあわせて考えていくべき課題ではないだろうか、というふうに思うわけでございます。
○斉藤(正)委員 さすがに大臣になるために連続当選された坂田さんだけに、うんちくのあるところを承りましたけれども、私が伺いたいことは、新一年生の場合、七人以上あれば複式にしない。新一年生は七人以上ならばもう一学級でやっていく、複式学級にはしないという提案をしているわけでございます。また、同じ複式にしても、二個学年以上の複式は廃止をしようという提案をしたわけであります。それに対する大臣の見解はどうだろうか。たとえば過密、過疎の問題等が非常に出ておりますけれども、過疎地帯の地域で新一年生が七人あるという場合には、それを二年生との複式にしないで、一年生の学級編制をするというような提案をしたのです。その提案に対してどのようにお考えでありましょうか。
○坂田国務大臣 私が先ほどやはり質問をわかりかねておったわけなんで……(「よけいなことを言うからだよ。」と呼ぶ者あり)いや、そうじゃなくて、最初にお聞きしたわけです。そうしたら、普通の学級の話かと思ったものですから、そうじゃなくて小規模学級の話……。 私は、しかし、そこは違った考え方を持っておるので、むしろこの一年、二年あるいは三年まで一緒にしてやるという教育も一つの教育の方法じゃないかという気がするのです。たとえば家庭におきましても、ひとりむすこというものはなかなか教育ができい。二人あるいは三人子供がおってむしろ教育ができるという考え方も実はあるわけです。(「七人だよ。」と呼ぶ者あり)だから、その七人というものがどうやって出てきたかということが実は私にはわからないわけなんです。だから、その根拠をむしろ聞かせていただきたい、御教示を願いたいと思うわけなんですが、私は、一年と二年とを一緒にし、あるいは三年と四年とを一緒にする、あるいは五年と六年を一緒にするというこのやり方も、先生次第では、一つの効果ある教育ができるのじゃないかというふうに思うわけで、あまり窮屈にはその点は考えておらないのでございますが、あるいは間違っておるかと思いますので、むしろ先生方のほうは実地の御経験がございますので、御指導を賜わりたいと思うわけであります。
○斉藤(正)委員 そこまでになってくると、また大臣のうんちくも少し怪しいと私は思うわけでございますけれども、それはそれといたしまして、時間もかかることですから了といたしますが、たとえばこの間テレビで私は驚いたのでありますが、岡本太郎さんがひとりっ子だということは知っておりましたが、ソニーの社長がひとりっ子だということで、ひとりっ子でもずいぶん社会的な名声を博している人もあるわけです。ですから、きょうだいが何人あるのが理想か、学級編制は何人が理想かということは、これはいろいろあると思う。しかし、過大に多いよりも少ないほうが一般的にはいいといわれて、これは当然だと思うわけであります。特に新入一年生は全く新しい環境へ飛び込んでくるわけなんです。そこに一年の経験があったり、二年の経験があったりするいわゆる学校経験を積んだ先輩がいる中へ飛び込んできて、その二年生なり三年生から受ける教育的ないい影響よりも、新しく全く未知の学校生活に入った新一年生の肉体的、精神的な負担といったようなものは、これははかり知れないものがあるというように私は考えるわけでありまして、したがって、七人以上あればということを出したわけでありますけれども、それはそれとして了といたします。 そこで、話が前後して恐縮に存じますけれども、先ほどお尋ねいたしました単級、学年の複式を解消することは、このことがやがて学校統合促進への布石にならないであろうかという懸念があるわけであります。学校統合につきましては、これは一がいに反対すべきものではありませんけれども、今日、流行のように学校統合が行なわれているし、文部省もまた統合する場合にのみ補助金を出すというような政策をずっととっておられます。したがって、その複式学級編制の今回の措置と学校統合との関連がどのように考えられているのか、ひとつお尋ねいたしたいと思います。
○坂田国務大臣 今回の改正とその統合の問題は、直接には関係がないというふうに私は考えておるわけでございます。 それから、先ほどの問題なんですけれども、私は、たとえば知識というような面ということからいうと、お話しのように、一年生で入ってきた者は一年生だけでやれということが非常に必要だけれども、科学面においては、むしろ、そういう知識だけではなくて、全人的な、あるいは生活学習といいますか、そういうものが主体となってきているという意味において、おにいさんがおるという形のほうが、あるいはその二年生が一年生を引っぱっていく、学校へ連れてくる、それでおにいさんのほうが弟さんをめんどう見るというようなことも、やはり教育的にはいいのじゃないかということを、しろうと理論として実は持ったわけでございます。
○斉藤(正)委員 そういう答弁をされますと、それはまた問題があるんで、たとえば通学途上二年生であり三年生であるおにいさん、おねえさん株が、交通事故にあわないように、交通道徳を守ろうということで登下校する際、あるいは休み時間に、はなを出している、手を洗いなさいというようなことで、いわゆる学校生活の一環としての休み時間の、学年を越えた、学級を越えたつき合いといったようなものは、これはわかります。これは何も複式でなくたってできるわけでございますから。ただ、一つの教室で数個学年の生徒を入れて同時に教育することが、単学年の生徒を教育するよりもたいへん非能率であり、教育的でないということは、これはもう教育心理学上当然な原理なんです。もし大臣がそういうことをお考えであるなら、これはたいへんなことになると思うのですよ。複式でない全国の小中学校を、学年をパーにして一教室で授業をするほうが場合によっては効果があがるなんという新教育学説をお出しになるとするならば、これは非常なセンセーションを巻き起こすと思うのでありますけれども、まあ、そういうことをやっておりますと法案審議に少し足踏みになりますから、いいといたしまして、それは明らかに私は大臣の考えを否定をいたします。皆さんに聞いても、それは大臣どうかなと言う人が多いと思うのですよ。 次に、七条に入って質問を申し上げたいと思うわけであります。 まず第一に伺いたい点は、学校に必要な職種とは定数法で規定をしているものだけでいいのかどうか。学校にはいろいろな職種が私どもは必要だというように考えているわけであります。したがって、多くの提案をいたしておるわけでありますが、一体文部省としては、定数法で規定をしているものだけで足りるとお考えになっているのかどうか伺いたい。
○宮地政府委員 定数標準法で規定いたしておりますもので十分であるというふうには考えておりません。ただ最小限これはぜひ置いておかなければいけないといったように御理解いただいたほうがよろしいかと思います。
○斉藤(正)委員 そうしますと、教職員定数を算定する根拠ですね、この定数算定の基礎として授業時数を考えておられるのか、その辺はいかがでございますか。
○宮地政府委員 授業時数も考えております。
○斉藤(正)委員 授業時数も考えているというと、ほかにも何かお考えになっているはずでございます。ほかの条件は何でございますか。
○宮地政府委員 それはやはり教育効果とかあるいはその他教育環境、施設設備、その他いろいろなものがございます。 そこで、授業時数を考えておると申しましても、その時間はどのように考えておるかという点でございますが、小学校の新学習指導要領に示されております標準指導時間数は、教科、道徳につきまして、週当たり第一学年は二十四時間、二学年は二十五時間、三学年は二十七時間、四学年は二十九時間、第五、第六学年は三十一時間というふうになっております。これに正課として行ないます特別教育活動の一時間を加えますと、一年生から六年生まで合計百七十三時間となります。この指導時間は、現行法におきます教員定数算定率の基礎となっておりますし、一方、一教員の週当たり担任時間数は教科二十四時間、道徳及び特活で二時間、合計二十六時間と想定いたしまして、第二号の表に掲げる学級数に乗ずる数を求めておりますが、今回の改正においてもこういった考え方を基本に持っております。
○斉藤(正)委員 いまの答弁にありましたけれども、週二十六時間の授業時数、この時数は歴史的な変遷からいきますと、どういう経過をたどっておるのか、御存じでありましょうか。
○宮地政府委員 この点につきましては、いろいろ御議論があろうとは思いますが、文部省といたしましては、第一次五カ年計画以来その時間で踏襲いたしております。
○斉藤(正)委員 もしいま答弁にありましたような形で教員定数を算定していくということになりますと、四十一年度文部省が行ないましたいわゆる教職員の超過勤務時間は解消できるのでありましょうか、いかがでございますか。
○宮地政府委員 先生のお尋ねに直ちにお答えになりますかどうか、多少疑問なんですが、要するに今回四十三年度までの定数よりも四十四年度以降五カ年計画でやります定数は相当ふえます。したがいまして、その数だけはいままでの、四十三年度までの方の負担分は緩和される、そういう理屈になろうかと思います。
○斉藤(正)委員 それはそうですよ。私はそういうことを聞いておるのではなくて、今度の定数法で定数を算定した場合に文部省がおやりになりました四十一年度の教職員の、私先ほど提案理由の説明の中で申し上げましたけれども、超過勤務は解消できるのかどうか、こういうことを聞いたので、なるほど四十三年よりもふえた分だけは幾らか前進するというのはわかっている。そんなことは聞かなくてもわかっているのですけれども、解消できるかどうかということを聞いたので、解消できないと言ってくれればいいのです。
○宮地政府委員 解消できるかと言われますと、緻密な計算をいたしておりませんが、相当薄まるものと考えております。
○斉藤(正)委員 時間の関係で中断させていただきたいと思いますが、私ももう少し要領のいい質問をしますので、要領よく答弁のできるように昼休みのうちにひとつ勉強しておいてください。
○大坪委員長 午後二時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時十九分休憩 ————◇————— 午後二時五十七分開議
○大坪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出にかかる公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 先ほどの質問に引き続いて、簡潔に質問をいたすわけでありますけれども、先ほど私は、教職員定数を算定する根拠に授業時間数をどのように考えているかということに関連をし、教員の超過勤務等についても伺ったわけでございますが、御承知のようにILO・ユネスコが教員の地位に関する勧告を行なっております。これは大臣も局長も御承知のとおりでありますけれども、このILO・ユネスコの教員の地位に関する勧告の中で、その第八項において、教員の労働条件は、効果的な学習を最もよく促進し、その職業的任務に専念することができるものでなければならない、こういう勧告をしておるのであります。また、その八十五項には「効果的な教授及び学習の条件」という柱の中で、教員は貴重な専門家であるから、教員の仕事は教員の時間とエネルギーが浪費されないように組織され、援助されなければならない、こういうことが書かれているわけであります。私は前大臣、さらに前々大臣にもこのILO・ユネスコの教員の地位に関する勧告につきましては、その見解を問うたわけでありますが、全般的にはともかくといたしまして、あなたが大臣に就任されて、初て教員の地位に関する勧告について伺うわけでありますけれども、少なくもいま申し上げました第八項あるいは第八十五項、この二項についてILO・ユネスコが言っていることにつきましては、どのようにお考えでありましょうか、見解を承りたい。
○坂田国務大臣 私もおおむね同感でございます。
○斉藤(正)委員 おおむね同感、おおむねが気に食いませんけれども、私はほんとうはこの辺は全く同感だと思うのです。しかし、この教師の地位に関する勧告の中で、特に授業時間を決定するにあたっては教員の勤務負担に関係する次のようなすべての要因を考慮に入れなければならないということで、ここに五項目をあげております。局長、この五項目知っていますか。九十項の五項目知っていますか。授業時間を決定するにあたっては教員の勤務負担に関係する次のようなすべての要因を考慮に入れなければならないということで、五つあげているのですよ。その五項目ひとつ言ってください。
○宮地政府委員 お尋ねの件、常識的には承知しておるつもりですが、五項目と限定された字句につきましては、ちょっと御答弁申し上げるほどの記憶を持ち合わせませんので、御了承いただきたいと思ます。
○斉藤(正)委員 私は、そのことを逐一知らないことを責めるつもりはありません。ありませんけれども、少なくも定数を改める、あるいは定数を算定するといったような場合には、当然ILO・ユネスコの教師の地位に関する勧告等を私は御勉強をいただきたい。その上に立って国際的な視野でもわが国の教員定数について触れられるということが常識的なことではなかろうかというようにも思うわけです。その第一は、教員が一日当たり、一週間当たりに教えることを要求される生徒数、これが一つの柱になっておる。一日、一週間の生徒数。二番目か、授業の十分な立案と準備並びに評価のために要する時間、すなわち事前の予備研究、そして事後の整理。三番目が、毎日教えるように割り当てられる異なる科目の数、これも当然だと思います。さらに四番目に、関連教科活動、課外活動、監督任務及び生徒への助言などへの参加によって教員に課せられる時間。さらに五番目に、教員が生徒の進歩について父母に報告し、相談することのできる時間をとることの望ましさ。というようなことで、ここに最も適切な授業時間数決定にあたっての条件が示されていると私は思うわけでございます。こういうことから考えましたときにも、教員定数といったようなものは十分こうした国際的な指標に従っていく、これを一応基礎に考えていくというようなことは必要であろうと思うわけでございますが、たとえばいまの教員定数の実態あるいは児童生徒数の実態から、五番目にいっておりますような、教員が生徒の進歩について父母に報告し、相談することのできる時間を日常とれるような実態にあるかどうか、局長、現状をどのように把握をされているのでありましょうか。
○宮地政府委員 事務的な形式的な御答弁になるかもしれませんが、一応教員の勤務時間を四十四時間といたしまして、そのうち大体の考えといたしましては、午前中お答えいたしましたように、教員の担当時数を二十六時間程度と想定するといり計算をいたしますと、あと十七、八時間というものは計算上は出てこようかと思います。したがいまして、先ほど先生のおっしゃいました五項目のうち、いまの父母、家庭との連絡なりあるいは立案の準備時間なり、こういったようなものを、残った十八時間のうち五項目には何時間あるいは一項目には何時間というほどのきちんとした計算はできかねるといたしましても、ある程度のゆとりはあるのではなかろうかというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 私は、実際の場合四十人、四十五人の児童生徒を担当し、週二十数時間の授業を行なって、しかも授業一時間に一時間なり一時間半なりの準備時間、あるいは整理のために一時間の整理時間といったようなことをやっていくたてまえをとるならば、なかなか四十人、五十人の生徒の父兄と、その子供の学習状態につきあるいは学業進歩の状態につき懇談をするというような機会は現状ではとうてい不可能だ。なるほど数字の上ではそういう理論的な根拠に立ち得ると思いますけれども、現実はそういう時間はとられていない。これがまた青少年不良化への一つのきっかけにもなりかねないというように考えておりますけれども、答弁の冒頭お断わりにあったように、数字の上ではあるはずだということですが、現実にどのように学童の学習の状況につきあるいは行動の状況につき、家庭と担任教師が連絡がとれているかということにつき、どのように把握されておりますか。
○宮地政府委員 教師が家庭との連絡でいわゆる家庭訪問の時間とか、あるいはPTAの会合を開きまして教師と連絡をとるとか、実態はいろいろそれぞれの学校でくふうされておると思いますが、いまお尋ねの点につきまして、こまかいその数字を統計的に調査したものを持ち合わせておりません。
○斉藤(正)委員 家庭訪問等につきましては、たとえば学校の年間教育計画の中で何月何日から何日間家庭訪問の日とするということで、学校計画の一環として校長が職員と協議をし、いわゆる家庭訪問というものを計画的に年一回以上行なっているというのが実態であって、特殊な先生方につきましては、たとえば三日以上休んでいる子供があるとか、あるいは連日遅刻してくる子供があるとか、あるいは弁当の内容がどうだとか、着ているものがどうだとかいうようなことで、教育的配慮が特に目立った子供といいますか、特殊な現象に対する訪問や連絡はいたしますけれども、常時子供の発達段階に応じ、子供の学習態度等について家庭と連絡するなんというひまは、少なくもいまの規制されている勤務時間内ではできない。これは私は現場の経験もあるからよく知っているのです。そういうことを考えましたときに、やはり教員の勤務時間、あるいは授業時間といったようなものから定数を算定するという大きな根拠が土台としてゆらいでいるならば、私は非常に困った問題であるというように思うわけでございましたのでいまお尋ねをしたわけでありますけれども、もう一度局長からその辺の見解を承りたい。
○宮地政府委員 先ほど私にお尋ねのILOの問題で、五項目につきまして十分な御答弁ができませんでしたが、先ほど来先生がおっしゃいましたような点、教師の定数等をきめます場合も、受け持つ生徒の数なり、あるいはいまお尋ねの父母との連絡、立案準備の時間、あるいは生徒指導の時間、異なった科目数、いろんな点を、これはこのような見地でこれだけ見ましたという数字は持ち合わせませんが、この定数標準法をつくります場合に、先ほど来申し上げますように教師の担当授業時間数は一応二十六時間、こういうような観点から以上の先生のあげられました五項目等を頭に置きまして、計算はいたしておるつもりでございます。もちろん、先生が冒頭におっしゃられました社会党の御提案の一学級四十人の数、それに対して政府案は四十五人ということで、不十分ではございますが、いろいろ財政上の問題等もございますし、また第一、第二、第三と五カ年計画を漸次進めております過程におきましては、十分ではございませんが、おっしゃいますような点も念頭に置きましてやっておる所存でございます。
○斉藤(正)委員 それでは逐条的に具体的にお尋ねをいたしたいと思います。 第七条一号に「六学級以上の小学校の数に一を乗じて得た数」云々となっておりまして、現行法の「五学級以下の学校の数に政令で定める数を乗じて得た数」すなわち五学級以下の学校では二分の一をかけていたが、今度の改正案ではこの規定がなくなっているように思うわけです。その理由は一体どこから出てきたのか。五学級以下の校長もしくは五学級以下の分校の主任の取り扱いは一体どうなるのか。すなわち五学級以下の学校では校長と言わないのか、校長はないのか、あるいは分校の主任は一体どういう職責であり、どういう立場になるのか伺いたい。
○宮地政府委員 現行法と今度の改正案とではお尋ねのような点が一応形式的に出てまいりますが、実は今回改正をいたしましたのは、現行法が「五学級以下」ということになっておりますのを、第七条の表にございますように一学級、二学級から四学級、五学級、こういったようなことでその詳細について規定をいたしました。その結果、たとえて申し上げますと、従来一学級の学校でございますと一・七五の教員といったようなことで、これは県全体につきまして文部省としては教員定数をきめます関係上、一・七五という定員は人間の割りようがございません。したがいまして、県ではそれを、一・七五だけれども、ある学級は一人、他のほうは二人といったような措置を講じておったと思います。ところが今回の改正では、そういうふうに〇・七五といったようなものは一というふうに改正をいたしました。したがいまして、一学級の学校でも二人ということになります。五学級の学校でございますと、従来は六・七五であったのが七というふうに直ります。したがいまして、形式的に五学級以下の学校というのを現行法を直しましたけれども、実質的にはそれぞれコンマ以下の端数というものは切り上げられたような数字に改正されております。ただ五学級以下の学校では、今回の七条一号で「六学級以上の小学校の数に一を乗じて得た数と中学校の数に一を乗じて得た数との合計数」、これは何となく校長をさしているのであろうというふうにとれますので、それでは五学級以下は校長は計算しないかといったようなことになろうかと思いますが、そういう意味ではございませんで、定数はこのようにして配分いたします。ただ、校長とか教頭というのは人事行政上の問題でございます。したがいまして、五学級以下でもそれが独立の学校であれば当然校長は置くべきものでございますし、また置き得る定数を配置いたしております。 大体そういう考え方で改正いたしておりまして、形の上は多少御疑問も生じますが、実質的には従来よりは相当前進をした定数ということになっている次第でございます。 なお、分校には分校主任とか分校主事とか、ところによっていろいろあるようでございますが、特に学校には校長を置くといったような考えと全く同じ考えに立ちまして、分校がある以上は必ず分校主任なり主事を置くということは必ずしも考えておりません。と申しますのは、一学級の分校もございますし、二学級の分校もございますし、いろいろ本校との関係でその分校がどの程度の地位を占めるものか、分校の規模等によりまして、それは学校なり設置者なりにまかすべき問題であろう。しかしながら、定数上の問題といたしましては、くどうございますけれども、一学級の学校なら二を乗じているということで、極端にいえば一学級一クラスの場合は一人の担任に対してもう一人ということになりますから、その人に分校主任とか主事とかいう名称をつけたければつけ得るというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 しからば具体的に伺いますけれども、改正案によりますと、六学級から十八学級までの学校については一・一七〇、こうなっております。これはなるほど六学級から十学級までの従来の一・一四〇よりは飛躍であります。しかし、六学級と見て計算をいたしますと、たしか七・〇二人になる。七・〇二という場合の〇・〇二は端数と見て繰り上げるのか切り捨てるのか。先ほど、いままでの場合は、定数配当にあたって、場合によっては切り捨てた面もあるし、切り上げた面もあった、こう言われておったわけでありますけれども、改正案で具体的に六学級丁一七〇という計算をした場合に、七・〇二と出たなら、それは七人なのか八人なのか、いかがでございましょう。
○宮地政府委員 これは七条の二号の末尾のカッコでも書いてありますように「一未満の端数を生じたときは、一に切り上げる。」という措置を予定いたしております。
○斉藤(正)委員 それは旧法においても「一未満の端数を生じたときは、一に切り上げる。」ということでやってきたわけであります。ところが、先ほどの局長の説明によりますと、場所によれば一コンマ何がしだけれども一になった場合もある、三コンマ何がしだけれども三にした場合もあった。そのときは旧法でも同じカッコ書きであったわけです。これからはコンマ以下については全部切り上げるというふうに約束してよろしいか。
○宮地政府委員 これは一応文部省といたしましては、こういう数字で、静岡県なら静岡県ということで総数を計算いたします。その場合に端数があれば切り上げて静岡県なら静岡県に配当するということで、県といたしまして、それを具体的なAとかBとかいう小学校に割り当てます場合は、この標準法のトータルから各県によっておやりいただくということになるべきものだと考えております。
○斉藤(正)委員 そうすると、コンマ以下を切り下げた場合は法律違反だということに解釈をしてよろしいと思うのですけれども、もし各都道府県で、その都道府県の実態から切り下げるという場合があっても、文部省はこれを認めるというのか。どうもそこの辺が——そうなってくると、文部省の通達の効力についていろいろいわれておりましたけれども、文部省の法律自体にも疑問を持たざるを得ない。いやしくもここにカッコ書きが明記されておって、「一未満の端数を生じたときは、一に切り上げる。」ということになっている以上、各都道府県がかってに一未満の数を切り捨てて、自主的な運営をするということは法律違反であるということに断定できると思うのですけれども、いまの局長の答弁によると、その弾力性を認めているということになるけれども、そんなことでよろしいのか。
○宮地政府委員 これは現行法もそうでございますが、改正案の六条に、各都道府県ごとの、公立の小学校、中学校に置くべき教職員の総数は、七条から九条までに規定する数を合計した数を標準として定めるものとするというふうにうたってございます。そういう六条の前提を受けての七条であり八条でございます。しがたいまして、この規定に、都道府県としての総数が、いまの先生が御指摘になりましたような端数について問題があれば、これは法律違反——法律違反といいましても、標準でございますが、法律違反といったように御解釈いただいてもいいと思いますが、ただ先ほどから言っておりますように、静岡県でもあるいは東京都でも、県としてはこういうふうにして分けます。ただ、県内の小中学校につきましては、先ほど申しましたように、これはできる限り端数を省いたはずでございますが、それにしても掛け算をしておるうちに、ある学級のところではそういう端数が出ることがございます。その場合に丁二五とかいう、現実問題として人間が〇・二五とかいることはできませんから、それを一のところもあるし二のところもあるというふうにせざるを得ないと思います。しかし、県内の教員の配置の段階でそういう問題が起こるのは、これは法律違反とかなんとかいう問題でございません。くどうございますが、これは都道府県ごとの標準を定めておるからでございます。
○斉藤(正)委員 標準ということばの解釈が怪しくなってくるわけです。これは標準であるから、きちっとしたものさしではない。標準というのは、多少伸びようが多少縮もうが、それは各都道府県の自主的な判断でよろしいですよという意味のことですか。
○宮地政府委員 実は、この標準法は標準法としての意味を持ちますが、ただ小中学校につきましては、義務教育費国庫負担法の関係で、これが国にはね返ってくるという関係がございます。そういう関係で、ただ標準といいます場合に、標準ということばは、一人、二人が前後するということは、それをしも法律違反だとかいったような意味ではなかろうと私は思います。したがいまして、そのときの状況で、ある数が標準とされます場合、それの上とか下とか、近い数が多少異なておるということは、ほぼ標準といえると思いますが、ただ、これによりまして県は現実の問題として人事をいたします。国はその二分の一を実額負担いたします。そういう関係で、私どもといたしましては、この標準ということばはいろいろ解釈されましょうけれども、県としても、この標準ではじかれた数は国から当然二分の一国庫負担のあるものというふうに了解しますので、その限りにおきましては、この標準というのは普通のことばでいわれる標準ではなくて、その固定した数というくらいに都道府県は感じておると思います。文部省もそのように措置いたしておる次第でございます。
○斉藤(正)委員 これは私はよく存じないのでありますけれども、国庫負担法に基づ積算の合計は、精算は翌年度に回ってくるというように考えておりますが、その点はいかがですか。
○宮地政府委員 そのとおりでございます。
○斉藤(正)委員 そうしますと、たとえば六学級から十八学級まで、これは数は非常に多い規模です。ここが端数を全部切り捨てるか、端数を全部切り上げるかということによって、定数はうんと変わってくると思うのです。したがって、少なくとも六学級から十八学級までの学校においては、一・一七〇を掛けるということになりますれば、全部これは端数ですよ。ぴっちり何十人、何人と出るところは一つもない。この端数を全部切り捨てるか全部切り上げるかによってはたいへんな違いが出てくるのでありますけれども、たとえば行政指導で四捨五入しろとか、あるいは五捨六入だとかいうような指導をされているのか。各都道府県が自主的に法文どおりコンマ以下を切り上げてくるということに対しましては、文部省はずばりそのまま認めて国庫負担法の該当にするのかどうなのか。局長でなくても担当でけっこうですから、重要な問題ですからお答え願いたいと思います。
○岩田説明員 端数の計算上の問題でございますけれども、これは現行法もそうでございますけれども、一・二五だとか七・〇二だとかいうその出てくる端数は一学校ごとに切り捨て、切り上げを行なうものではございません。端数は全部積み上げが行なわれるわけでございます。県全体を積み上げましても、端数のことですから、なおかつ一未満の端数が出る。その場合において県全体として一人に切り上げるというだけのことでありますので、個々の学校の場合につきまして、それを切り捨てるとか切り上げるという問題は、この規定上起こらないわけでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、たとえば六学級が七・〇二になりますから、五十校あって一人という勘定になる。そういう計算をして県全体の端数のトータルを出して、その全部のトータルの端数についてはコンマ以下は一に切り上げる、こういう運営をされているのか。
○岩田説明員 仰せのとおりでございます。
○斉藤(正)委員 そうしますと、ここに書いてある「一未満の端数を生じたときは、一に切り上げる。」というのは、六条を受けて立っていることであって、七条単独の計算からいくいわゆる各規模の学校への配当基準ということは、一応の基準であるけれども、実際配当する人数については、端数は切り下げていっている場合もあるし、切り上げていっている場合もある、こういうように解釈してよろしいか。
○岩田説明員 御質問のとおりでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、その端数の切り上がった分の配当は、六学級のところにするのか、ここでいうならば十八学級のところにするのかということの指導は、文部省としてはどのようにおやりになっておりますか。
○岩田説明員 それはまさに定数全体の運用の問題でございまして、この法律は、先ほどから局長説明されておりますように、県の職種別の総数を定めるというのがたてまえになっておりまするので、県教育委員会の種々の行政上の御判断によりまして、たとえば僻地を多少厚くし、あるいは小規模学校のところを若干厚くするというように、種々県下の状況において御判断の余地があろうかと思います。その実情に応じまして配分するわけでございますので、そこまでのこまかいところの規制は文部省といたしましては、しておらないのでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、条文の解釈上では、たとえば七条の二項を読むと、一未満の数は切り上げということになっているので、具体的に言いますならば私の計算でやるならば、六学級のところは七・〇二、八人の配当ができるというように表向きはとれるけれども、実際の運営としては〇・〇二なんというのは全部切り下げてしまっちゃって、六学級では七人だ、こういう実態になっていると把握してよろしいか。
○岩田説明員 先ほどの御説明で、なおことばが足らなかったかと思いますが、定数は県全体の運用でございます。それで法律で定めておりますところの学級段階別の積算基礎も、一応積算基礎としてこれを明示しておるにとどまっておるわけでございますけれども、実際の状況を申し上げますと、法律にその積算の根拠が書いてあります関係上、これが事実上の指標になっておる。この指標よりはなはだしくかけ離れておる実態はございません。
○斉藤(正)委員 指標であって、はなはだしくかけ離れていることはない。なるほどそのとおりなんですよね。かけ離れたって一人だ。はなはだしくはない。しかし七人の学校が、八人になるのか七人でとまるのかということは、はなはだしくかけ離れておるのですよ。七分の一ですからね。これははなはだしくかけ離れているというように解釈せざるを得ないわけであります。たとえば六学級から十八学級の学校というのはかなり多い。特に農村地帯には多い。その学校が七人の配当でいくのか八人の配当でいくのかというのは、かけ離れているのですよね。指標であってたいした違いはないとおっしゃる答弁は、私はどうも承服できないのですけれども、その辺はどうですか。
○岩田説明員 はなはだしくということばが少しきつく響いたかもしれませんけれども、大体はこの算定基礎のとおり行なわれておる。かりに離れておりましても、それは端数の程度の問題だと考えております。
○斉藤(正)委員 見解の相違でありましょう。先に進みます。 次に、小学校の専科教員について伺いたいと思うわけでありますが、この間の本委員会で局長が答弁をしておられますように、小学校では全教科を教師が受け持つということがたてまえとなっておりますが、特別な、理科とか音楽とか体育とかいったものについては専科教員を充実していきたい。こういう答弁があったわけであります。この答弁の内容から察しますと、専科教員は理科、音楽、体育に認めるかのように思われます。そのとおりであるのか。ひとつもう一ぺん局長、御答弁を願いたい。
○宮地政府委員 小学校の専科教員につきましては、一応私どもがこの改正でも考えておりますのは、音楽、保健体育、図工、美術、家庭、こういうものでございます。このうち家庭科につきましては、女子教員が比較的に多い小学校では、家庭科の得意な教員が比較的に多いというふうに想定されますところから、家庭科につきましては、男子教員と女子教員の協力的な交換授業で十分効果的な授業が確保できる、こういうふうに考えまして、今回の改善では主として音楽、体育、図工を想定いたしました。なお、このほか理科につきましても、ある程度の規模以上の学校では理科の得意な先生を専任として確保するとか、家庭科を専任にするといった余地も若干あるのではないかというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 そうしますと音楽、体育、図工、家庭、さらに適当な教員があるならば理科というように理解してよろしいか。
○宮地政府委員 大体そのとおりでございます。多少具体的に申しますと、たとえば六学級の学校でございますと、体育、図工、音楽、そのうちの一教科専任というものが置けると思います。十二学級ですと、体育、図工、音楽のうち二教科が専任を置ける。十八学級になりますれば、体育、図工、音楽でありますれば三教科専任になりますが、そういう場合は体育、図工、音楽、理科ぐらいまで考えまして、そのうちの三教科。それから二十四学級ですと四教科のうち三教科専任で一教科兼任。それからたとえば非常に大きい学級になりますが、三十六学級ぐらいですと、五教科のうち四教科は専任、一教科兼任。四十二学級ですと、五教科専任ができる。これは一応の計算でございますが、そういった考え方を持っております。
○斉藤(正)委員 専任教員の配置につきましては、学校の規模別についてはわかりました。 そこでこの専科教員というのは、学年によってやはり違うと思うのです。たとえば一年生から音楽なら音楽を専任科教員にやらせるというようなことの是非については、教育上もいろいろ問題があると思うのですけれども、その辺の目標として専科教員を置く場合に、どの辺からそうした専科教員の担任になるのか。文部省の腹組みは那辺にございましょうか。
○宮地政府委員 これは先生なかなか御専門でございましょうから、私ごときが申し上げるのはおかしいと思いますが、現場の経験等でいろいろ考えもありましょうし、また教育学上もそういったことがあろうかと思いますが、一般的に申しますれば、やはり小学校ですと、少なくとも四年、五年、六年といった高学年が、やはり専科教員としてよいのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○斉藤(正)委員 専科教員が担任をする教科については、学年別にいうならばいわゆる低学年は無理であって、中・高学年において採用されるべきであるというように解釈してよろしいか。
○宮地政府委員 無理と申しましょうか、一年生ぐらいでございますれば得意ということでもないでしょうが、五年生、六年生ぐらいになりますれば、音楽なりあるいは理科等子供も相当発達してきておりますし、先生の中には音楽、理科がふえてな先生もおられましょうから、そういった意味で高学年のほうが専科教員の担当する分野が多くなるというふうな意味で申し上げた次第でございます。
○斉藤(正)委員 次に、中学校について伺ってみたいと思うのですけれども、御承知のように中学校においては教科免許制が実施されるべきであり、今日実施をされておるわけなんですが、無免許授業は当然排除していかなければならない問題だと思うわけです。今回の改正から見ますと、小規模校におきましては、必然的に無免許授業が行なわれざるを得ないというようにしか考えられません。また、現在無免許授業が行なわれている実態は文部省も御承知だと思うのでありますけれども、一体どのような形になって、免許のない教員が授業を担当されているか、実態をひとつお知らせ願いたい。
○宮地政府委員 ちょっといまのお尋ねの件、一応の調査はあるようでございますが、いま数字をこの場で持っておりませんので、後ほどまたお答えさせていただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 たとえば私もさっき雑談の中で申し上げましたけれども、正免は社会であって、副免は体育だと、国語も理科も実は定員の関係から教えなければならないという規模の学校が多々あるわけです。法律を守れ、法律を守れとよく文部省が言いますけれども、無免許の教員が大っぴらに授業を担当しなければ学校運営ができないという実態は、もう御承知だと思うのですけれども、これは法律違反ではありませんか。いかがでしょう。免許のない教員が白昼堂々と授業をやっていることについて法律違反ではないのかどうか。
○宮地政府委員 法律違反かどうかといった法律論議になりますと、多くの場合といいますか、全部そういう場合には仮免か臨時免は少なくとも持っておる、あるいは県の教育委員会でそういう授業担当をすることを認めるとか、法律的には違法なということはなされていないと思います。しかし、おっしゃいますように、仮免、臨時免あるいは教育委員会のそういう授業担任許可といったような措置でりっぱな教育が行なえるということではございませんので、事実上はいろいろ教育上考えなければならないことが多いと思いますが、少なくとも法律違反という状態ではやってないというふうに考えます。
○斉藤(正)委員 免許証にはいろいろの種類がありまして、いろいろおっしゃいましたように、仮免、臨時免等ありますけれども、そのつど本人なり学校長の申請に伴って教育委員会が試験も何もせずに、ただ学校運営上の必要から仮免なり臨時免を与えるという、いわゆる火事どろ式の運営は好ましいことではない。法律違反でないという根拠があるはずなんです。法律の根拠がない限りみんな法律違反。法律的根拠があるはずなんです。適用条項がそこに出ているはずですから、お答えください。
○宮地政府委員 教育職員免許法の附則の二項に「授与権者は、」これは県の教育委員会でございますが、「当分の間、中学校、高等学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の中学部若しくは高等部において、ある教科の教授を担任すべき教員を採用することができないと認めるときは、当該学校の校長及び教諭の申請により、一年以内の期間を限り、当該教科についての免許状を有しない教諭が当該教科の教授を担任することを許可することができる。」これが根拠条文ではないかと思います。
○斉藤(正)委員 そのとおり救済措置があって、手続をとれば差しつかえないということになっておるわけですが、現実にはほとんどその行為がなされていない。本人もしくは校長の申請によって教育委員会が認めるという措置がとられていないとするならば、いわゆる無免許の教員が授業を担当することは法律違反だということになります。現実に全部そういう手続がとられて、免許を持っていない教員が教育委員会から免許を受けてやっているとお考えでしょうか。それとも、いや、そういうことは行なわれていないかもしれませんというようにお考えでしょうか、率直に伺いたい。
○宮地政府委員 これは文部省としましてはっきり統計的に数字を調べておりませんので、確たることは申し上げられませんが、従来から文部省としては大体この線に沿ってなされておるものというふうに考えておるのでございます。
○斉藤(正)委員 そのようになっていればけっこうですけれども、もしそういうようになっていない場合に、文部省はどういう指導なり助言をいたしますか。
○宮地政府委員 こういう手続をとらないで、先生のおっしゃいますように法律違反といったような行為が行なわれておるとしますれば、これは適切でございませんので、そのような手続をとるように文部省も指導いたしたいと思います。また、都道府県が、当然そういう措置をとるように管下の高等学校以下に指示すべきものと考えております。
○斉藤(正)委員 あれこれやりとりをいたしましたけれども、要するに小規模学校におきましては、教員の絶対数と学級数それから教官数といったものから、やはり非合法であっても、いま言ったような非常措置をとらなければならないという実態にあるわけなんです。これが配当基準等で緩和をされていくことが一番望ましいわけでございまして、今度の改正案を見ましても、なるほど小規模校のみならず、大規模校といえども前進の方向にあることは私も否定はいたしませんけれども、やはり小規模校についての中学校の教員配当については十分配慮をいただかなければ、教育の機会均等などといいましても、きわめて不均衡なものになるというように考えるわけですが、大臣、こうした観点から、小規模校の教員配当の充実、あるいは配当する教員の資質の向上といったようなことに対する見解はいかがでありましょうか。
○坂田国務大臣 ただいままでいろいろ御質疑を承っておりまして、いろいろな点が指摘をされたわけでございますが、私は、やはり教育の機会均等という意味から申しましても、ともいたしますと、小規模校においてそれら教員の配置その他に、あるいは教員の資格等におきまして欠くるところがあるというようなことで、十分な教育が行なわれておらないというようなことも考えまして、今後指導をいたしまして、そういうことがないようにいたしたいと考えますが、同時にまた、私どもといたしましては、ただいま御審議をわずらわしておりまするこういうような法案を出しまして、わずかではございますけれども、前向きの姿勢をとりますことによってそれが補われていくというふうに思うわけでございます。
○斉藤(正)委員 第七条三号に触れていきたいと思うわけでありますけれども、「十八学級以上の中学校の数に一を乗じて得た数」を定め、十八学級以上の中学校には一名増ということになっております。この一名の加算が、本案提案理由の補足説明の中には、「教科指導の充実とあわせ生徒指導体制の整備」という個所から推察をいたしますと、生活指導専任制をとるのではないかと思われる節もないわけではございません。その点、どのようにお考えになっているのか。中学校の十八学級以上のプラス一のその内容と任務について伺いたいと思うわけです。
○宮地政府委員 一応これは生徒指導といったような意味で積算をいたしておりますが、さればといって、この一人の人が生徒指導の専任であるといったような考え方は持っておりません。たとえば舎監などを置きます場合などでも、専任の舎監で教育をやらないというのではなくて、これは社会党案にもあったように、先ほど先生の提案理由でお聞きいたしましたが、舎監といったようなことで定数上ははじいても、学校運営上はその一人つけられた人だけが舎監をやるということではなくて、大ぜいの舎監がそれによって多少その負担も軽くなるといったような意味でございますが、それにプラスいたしまして、生徒指導の問題特別教育活動その他いろいろ問題もございますので、やはり全部の教師が考えるにしましても、共通的な問題につきましては、その間整理をしたり、いろいろそういう用事もございますので、そういう意味でこれを置きました次第で、生徒指導の専任者を今後置いていくというほどの考え方ではございません。
○斉藤(正)委員 大学に副学長を二人置いて、一人は何々、一人は何々というような構想も一時聞いたことがありますけれども、この一名、すなわち十八学級以上ということになりますれば大規模学校ということになるのでありますけれども、複数教頭制をねらう意思は全くないと断言できますか。
○宮地政府委員 七条の三号は、教頭とかというものとは全然関連がございません。したがいまして、実態としまして、多い学校では四名も複数教頭を置いておる学校があるようでありますが、それとこれとは関係ございません。ただ、複数教頭を置かないで一人だけの教頭にせよという意味の御質問であるといたしますれば、私どものほうとしましては、そこまでは、文部省として単数でなければいけないというふうには考えておりません。
○斉藤(正)委員 教頭の数については、単数でなくてはいけないとまでは考えないけれども、ここにいう一名増というのを複数教頭に充てる意思はない、こういう答弁と理解してよろしいか。
○坂田国務大臣 さようでございます。
○斉藤(正)委員 わかりましたので、次に進みますけれども、その場合、その一名のプラスといったようなものが、先ほどの答弁から、生徒の生活指導だけに当たるわけでもない、生活指導をもちろん重視しなければならないので、そのために教員の配当が必要だという考え方はあるけれども、専任として生徒の生活指導に当たると限定したものでもない、こういうように答弁の中にあったと思うのですけれども、そういうように解釈してよろしいのか。
○宮地政府委員 大体そのとおりでございます。
○斉藤(正)委員 大体というと、おかしいですな。全くそのとおりか。
○宮地政府委員 私が申しましたことと先生がおっしゃいますことが全く一致しておりませんでしたので、おおむねと、大体というような意味で申しましたが、それではもう一度、この三号を書きました意味を申させていただきたいと思います。 一点は十八学級以上の学校、このくらいの規模の学校になりますと、これは僻地とかといったところではございませんで、都会地のような場所にそういった学校ができるであろう。そうしますと、生徒指導の職務も比較的他の小規模学校よりも大きくなるであろう、こういったような意味で一応生徒指導の専任という意味ではなくて計算したということと、十八学級以上の学校に掛け算をいたしておりますそこの表でおわかりと思いますが、十八学級より小さい規模の学校に比較いたしまして、十八学級以上の学校は若干低率になっておるわけであります。と申しますのは、今回のは過疎地域の小規模学校の従来見落とされておりましたものに重点を置きました。そういう関係で、形式的に掛け算いたしますと十八学級以上が低率になりますので、それをカバーするというような気持ちも若干ございます。
○斉藤(正)委員 次に進みます。 七条四号でございますが、「一年を通じて児童又は生徒を寄宿させる寄宿舎を置く小学校及び中学校の数の合計数に一を乗じて得た数」という項目がございまして、通年寄宿舎については小中学校の数に一名を認めているわけでありますが、季節寄宿舎を置く学校については触れられておりません。全国の小中学校における寄宿舎の設置状況、すなわち設置個数、それからその寄宿舎の規模、寮母の有無、炊事職員等はどうなっているのか、承りたいと思うわけでありますけれども、まず第一に、季節寄宿舎を置く学校については、この第四号は適用されないというように解釈しなければならぬと思うのですけれども、その辺はいかがでございますか。
○宮地政府委員 お尋ねのその冬季間とかいったいわゆる季節的に寄宿舎を設けます場合、舎監定数の措置がない、この点でございますが、実は冬季間等の季節制の寄宿舎の開設期間は大体三カ月程度でございます。理想的に申しますれば一年間ずっとやっております通年制寄宿舎と同様に、定数一人を加配することが望ましいのは言うまでもないと思います。しかし、今回の改正では、全般的に見ますれば、季節制寄宿舎を設置するような小規模学校にかかる改善措置が手厚くなっておりますし、たとえば四学級あるいは五学級の学校では二人の学級担任外の余裕の教員が確保できるようになっておりますし、三カ月程度の短期間のことでもありますから、こういった余裕の教員を充当することによって、舎監勤務、教員の授業担当軽減措置をくふうしてもらいたい、こういう気持ちもございまして、先生御指摘のように季節寄宿舎には特別の加配をとらなかった次第でございます。しかし、できますれば御指摘のように通年制と同じように将来の問題として考えたいという気持ちはもちろんございます。
○斉藤(正)委員 これもまた直ちに答弁はいただけないかと思いますけれども、全国の小中学校における寄宿舎の設置状況、すなわちその寄宿舎の数、それから規模、さらに寮母の有無、さらに宿寄舎の炊事職員の有無等について、各府県別にひとつ後ほど資料を御提出いただきたいと思いますが、できるでございましょうか。
○宮地政府委員 お尋ねの件のうち、恐縮でございますが、炊事婦関係の数字を除きましたものでございますれば、御趣旨の資料を用意いたしたいと思います。炊事婦につきましては、その他の寮母とかいったようなものほどきわめて的確な数字が把握できてございませんので、御了承いただきたいと存じます。
○斉藤(正)委員 文部省の資料によれば、炊事婦等の調査については的確な数字がつかめない——無理もないと思うのですけれども、一体寄宿舎の炊事はだれがやっているというように把握されておるでしょうか。炊事婦がなければ、寄宿舎は三度三度のめしは食えないわけでありますけれども、炊事婦がなくても寄宿舎のごはんは食べられるというふうにはお考えになっていないと思うのですけれども、実態はどのようになっているかご存じですか。係の方でけっこうです。
○宮地政府委員 御指摘のように、寄宿舎の炊事は、やはり実態は、炊事婦と称しておるかどうかは別として、舎監とかいうような教員ではない方がしておるのが実態だと思います。ただ、そういう十分な調査がなされていなかったというだけでございまして、先生のおっしゃいますように、炊事婦のような方が当然食事等は用意しておるものと心得ております。
○斉藤(正)委員 そういうことならば、いま資料はないにしても、近い将来における指定統計等々においては、その寄宿舎を設置している学校あるいは寄宿舎の炊事婦の配当がどのようになっているかというようなことは、今後の課題として、文部省もさあ見当がつきませんということでなくて、ひとつ調べられる範囲で今後調べていただかなければ、文部省の職務は怠慢だといわれてもやむを得ないと思いますので、要望をいたしておきます。 第八条関係について伺ってみたいと思うのでありますが、本改正案では、養護教諭、養護助教諭の数は、小学校では八百五十人につき一名、中学校では千五十人につき一名となっております。この規定によりますれば、学校単位に養護教諭を配置するものではなくて、標準規模以上の学校にしか配置できない。児童生徒の健康管理の点から重大な問題を持っているというように思うわけであります。一方、現行学校教育法第二十八条には、小学校には養護教諭を置かなければならないとする規定があり、四十条で、中学校に準用されているわけであります。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕したがって、小中学校には養護教諭を置かなければならない。しかし、この規定は、百三条、昭和三十六年の一部改正で空洞化されているわけであります。すなわち、当分の間養護教諭を置かないことができるという条項があるわけであります。この規定を根拠に未配置の学校があってもしかたがないとするものであれば、文教行政の責任者としての文部省、特に文部大臣、その責務を全うしたとはいえないと思うわけでありますが、そこで、当分の間とはどれほどの期間を意味するものなのか、ひとつ伺いたいと思うわけであります。 先ほどもちょっと触れましたけれども、昭和三十六年に一部改正がされて、こういう結果になっているわけなんです。当分の間、当分の間といいましても、これは普通の条文の解釈からいきますれば、何十年ということはないはずであります。一体、この当分の間とは具体的にいつまでをさすのか。心がまえとして当然持っていなければならぬし、持っておられると思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○宮地政府委員 教職員の定数等の考え方もそうでございますが、けさほど社会党の案を先生が御説明いただきましたが、一般に私どもも、できることでありますれば将来のビジョンと申しますか、養護教員もきょうにでも必置ができることに異存はございません。ただ、いろいろ学校の教職員の定数を考えます場合に、国なり都道府県の財政事情もございましょうし、いろんな観点から、御指摘のように養護教諭につきましてはまだ理想の形になっておりません。そのことを遺憾に思いますが、今日ただいま、いつの時点でそういった暫定的な取り扱いを除くかということでございますが、いろいろ教員定数も過去五カ年計画を二回やり、四十四年度から三回目にも入っておりますので、今後そういった全体の教職員の充実、改善の一環として、養護教員につきましても考えるべきであろう。したがいまして、養護教員だけを取り出して、何年からどうしますということがお答えできないのをまことに申しわけなく思いますが、そういうふうに考えます。 また一面、養護教員はどんな学校にも一人置くというようなことにつきましては、たとえば養護教員を配置いたします場合の考えとしては、一般の教員と多少違いまして、担当し得る児童生徒数を基礎にいたしますが、養護教員の配置にくふうを加えますれば、二校閲を兼務したりあるいは巡回したりというようなことでまかなえる場合もあるのではなかろうかといったような考えもございますので、それらをあわせて今後十分検討もし、養護教員の設置について十分努力したいというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 昭和三十三年に一部改正が行なわれて、この悪条項ができたわけなんです。当分の間ということばが使ってあるから、私は当分の間というのは数十年という意味ではない、普通の法文解釈上。もうすでに昭和三十六年から八年たっている。なるほど第一次五カ年計画、第二次五カ年計画と順次上昇してきて、四十四年度から第三次五カ年計画に入っておるわけなんですから、少なくも第三次五カ年計画の終結時点においては、この当分の間はなくなります、あるいはなくなせるつもりですというようなき然たる文部省の決意を伺いたいわけなんで、地方財政云々とか、国家財政云々とか言いますけれども、このことは必要だから置くのであって、必要でないものを置いてきたわけではないのだ。したがって、たとえば四十四年度から始まる計画を第三次五カ年計画とするならば、この第三次五カ年計画との関連において当分の間という条文の解釈を明確にすべきだというように私は思ったわけでございますので、その辺いかがなものでございましょうか。大臣、教育的な配慮、方針からひとつお答えを願いたい。
○坂田国務大臣 この点は、やはり教育の健康管理の面から考えまして、充実しなければならない課題だと考えます。したがいまして、推し進めていきたいわけでありますが、同時にまた、現状で申しますと、おそらく四〇%くらいかと思います。この法案が通りますと五〇%をこえるのではなかろうかと思うわけでありますが、そういう現状をも踏まえながら、そしてまた養護教諭の資格のある人、やはりこの養成計画とも相まちまして考えていかなければならない。しかしながら、そう遠い将来ということは私は考えておらないのでありまして、いま少し当分の間このままでまいりたい。しかしながら、決してそれはもうここでストップだという考え方じゃなくて、いま申しますようなことを考えながら推し進めてまいりたいと考えております。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕 いずれそのうちにそういう計画が発表できる日をひとつ楽しみにしておいていただきたいと思います。私といたしましても、できるだけの努力をいたしたいと考えております。
○斉藤(正)委員 児童生徒の健康管理面から養護教員の未配置校があってはならぬ。すべての学校に、規模いかんにかかわらず養護教員が必要なことは文部省でもお認めになっているところであります。この点は、児童生徒の健康管理といった面から考慮をいたしましても重要な問題だというように考えますがゆえに、最高の努力をいただきますように要望をするものであります。 次に、第八条二号について伺いたいわけでありますが、僻地校の場合、「政令で定めるところにより算定した数」を配置することができるということになっておるわけでありますけれども、僻地校加算の政令内容とは何であるか、ひとつお答えをいただきたい。
○宮地政府委員 これは午前中有島先生からの御質問で政令をというようなお話がございましたと同じ考えから、まだ政令そのものもこの法律案のような整備されたものを考えておりませんが、大体の点を申し上げますと、この養護教諭はお医者さんではございませんので医療には従事できませんけれども、やはり僻地等では医療機関が少ないから、それだけに養護教諭を必要とするのだというような要望もございます点を勘案いたしまして、無医村と申しましょうか、そういったようなところ、それから僻地学校の数、県の僻地学校の数の七分の一程度、こういったものを積算の根拠にいたしまして、この八条の二号にはこういう政令を予定いたしております。
○斉藤(正)委員 私が心配していた答弁が出てきたわけでありますけれども、僻地特に無医村地区に配当をする養護教諭の職務は、一般の養護教諭の職務内容と違ったものであるかのごとき印象を持ったのであります。私は、僻地であろうとどこであろうと、学校に配置される養護教諭の任務というものは同じであって、それが無医村であろうが都市であろうが、みだりに地域社会にまで出ていって、その地域社会の養護なり医療なりにくちばしをいれたり干渉すべきではない。また、そういうことをすることは間違いであって、養護教諭としての任務は法で定められたものだというように思うわけですが、特に無医村地帯ということばが出ました。無医村地帯の学童、学校は、特に健康管理の面から重要視しなければならないという観点から、そういうおことばが出たのであろうというように思うわけでありますけれども、その辺、もし私が心配していたような線から局長の答弁が出たということになりますれば、これは賛成するわけにはいかぬと思うのでありますけれども、もう一度ひとつ真意のほどを伺いたい。
○宮地政府委員 無医村地帯の養護教諭が医者のかわりに無医村地帯の住民の医療まで考えるという意味ではございません。無医村地帯では医者もおりませんので、勢い病気と申しますか、保健管理面で応急の措置もできない。こういうようなことを考えまして、小学生、中学生、そういう生徒児童の保健衛生管理指導の役割りを養護教諭が果たすという意味で申し上げた次第でございます。
○斉藤(正)委員 その場合も、たとえば数キロ、数十キロ離れたいわゆる僻地でない、無医村地帯でない学校から兼務で派遣されるというような養護教諭の場合があるわけなんですけれども、特に政令によっておこされて無医村地帯、僻地に配当される養護教諭については、兼務であっては、私は二兎を追う者一兎を得ずになるということを断言できると思うのでありますけれども、その辺の見解はいかがでございますか。
○宮地政府委員 政令で、いま僻地の数とかあるいは無医村というようなことを申しましたのは、実は積算の基礎が「小学校の児童総数に八百五十分の一を乗じて得た数」、したがいまして、児童数が八百五十人以上のところには一人の養護教員といったふうにとられますと、僻地等で百人未満とか八百五十人以下の学校には養護教員が行かないというふうにとられやすい。わけても僻地などですと、小規模学校を三つ、四つ足しましても八百にならない、こういうところではなかなか養護教諭の配当がないではないかといったような逆の疑問も出てまいりますので、そういう意味ではなく、八百五十という数字で一応押えますけれども、その結果僻地の小規模学校の多い県には養護教員の数が少なくなる。それをカバーするためには、僻地学校の数なり無医村というもので補正をしていこうという意味でございます。
○斉藤(正)委員 先ほど大臣の答弁にもありましたけれども、養護教諭の養成について非常に問題があると思うわけであります。養護教諭の養成は今日なお十分とはいえません。したがって、現実問題として、全校配置と規定したとしても、当然具体的に現実に配置できない場合が考えられるわけであります。そこで養護教諭の現在の養成状態は一体どうなっているのか。当然学校教職員として配置をし、必要な養護教諭でございますので、文部省としても特段の関心と熱意が養成の面で払われていなければ片手落ちだと思うのでありますけれども、現状の養成状態はどのようになっておりましょうか、伺いたい。
○宮地政府委員 養護教員養成は直接私の担当ではございませんが、養護教諭を所管しております関係上、それの養成ということでございますので、便宜私からお答えをさせていただきます。 この養護教員の問題につきましては、養護教員の必要な数、需要数と養成等の供給数との需給関係を一応考える必要がございますが、養護教員の需要数に対しまして供給数は、これは年々養護教諭免許状取得者を供給すると考えますると、需要に対しまして相当オーバーいたしております。しかし問題は、免許状を持ちました者が全部供給数とは実際問題として考えられない。具体的に免許状を取った者の中から何人養護教諭になってくれるかということが一つ問題でございます。また、地域的に非常にアンバランスになっておりまして、たとえば養護教員養成のために文部省としては過去に八つの国立大学、ほぼ各ブロックに一校というような計画を立てましたが、たとえばブロックごとと申しましても、弘前大学におきましても、そこの卒業生が山形には行ってくれないといったような問題がございまして、国の需給計画、一応のペーパープランは充足されるのでございますが、実際問題としては、やはり需要に対して供給というものが必ずしも十分でない。ましてや専心養護教諭をやろうという資質の高い養護教諭の供給という面についてはいろいろ心配な面がある、こういうのが実情でございます。したがいまして、今回の定数法、まあ十分ではございませんが、従来よりも前進した定数法の改正に伴いまして、従来ございます国立養護教諭養成所の拡充、生徒数の増募をいたしますと同時に、新たに千葉大学に国立養護教諭養成所を新設すべく国立学校設置法の一部改正案を出しておるような次第でございます。
○斉藤(正)委員 養成機関につきましては、実態の報告をいただきまして了といたします。 時間もございませんので、九条関係の事務職員に移りたいと思うのですが、学校が学校としての機能を効果的に十分発揮するためには、学校の条件整備が必要不可欠であることは当然であります。教師が本来の職務である教育に専念をつくり出すには、事務職員の増加が必要なことだと思います。これはどなたも異議のないところだと思うわけでありますが、いわゆる事務職員につきましてはいろいろ問題が多い。 そこで二、三点を伺ってみたいと思うわけでありますが、事務職員の任用資格条件についてであります。公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数に関する法律第二条、すなわち、その定義のところで、「事務職員(市町村立学校職員給与負担法第一条に規定する事務職員をいう。)をいう。」として、市町村立学校職員給与負担法第一条に、「事務職員(地方自治法第百七十二条第一項に規定する吏員に相当する者及びこれに準ずる者)として政令で定める者をいう。」まことにわかったようなわからぬようなことが書いてあるわけでございます。地方自治法に定める吏員のほかに、これに準ずる政令で定める準吏員が採用されているというのが現状であろうと思うわけであります。 そこで、政令で定める準吏員が採用されているというのは、法のたてまえから間違っている、私はこういうように思うわけでありまして、好ましい状態とはいえないと思うのであります。地方自治法に規定する吏員と、政令で規定する準吏員の数、その比率は一体現場でどうなっているか御存じでありましょうか。事務職員について、係でけっこうですからお答え願いたい。
○岩田説明員 お答えいたします。 まず小学校のほうで申し上げますと、吏員相当の者が四十二年度の、以下数字はみな同じ四十二年度の調査でございまするが、小学校が吏員相当が六千四十人、それから準吏員が千四百九十九人。それから次に中学校を申し上げます。吏員相当が五千百七十三人。準吏員が千百七十一人というぐあいに統計で出ております。
○斉藤(正)委員 いま御答弁がありましたように、それぞれ六千四十人、五千百七十三人、千四百九十九人、千百七十一人、こういうことになっているようであります。一歩譲って、政令で準吏員を採用、任用できるのであれば、事務職員の配置を、本案に規定している配置基準以上に配当もできる。すなわち、政令で定める準吏員が採用されているということになるとするならば、もう少し配置率が上がってきてもいいんじゃないか、こういうように思うわけでありますが、厳密な意味でいえば、やはりこの二種類の事務職員がいるということ自体がおかしいのであって、もしこういうことを許しておくということになるならば、もっと配置率は上がってもいいというように私は思いますけれども、文部省の見解はいかがでございましょうか。
○岩田説明員 この定数標準法上の事務職員は、ただいま御質疑の中にございましたところの吏員相当の者と、準吏員の者と、両方の者を定数のワクとしては含めて考えているわけでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、いずれも標準法でいう定数のワク内で、内容的に二つの採用の方法といいますか、格づけが行なわれているというように解釈してよろしいのか。
○岩田説明員 そのとおりでございます。ただ、準吏員を採用するにつきましては、任用上人を得がたいとかいうような問題はいろいろあろうかと思います。
○斉藤(正)委員 これもやはり養護教諭と同様に、学校単位に配置しないのはおかしい。全学校に必置しなければならぬというように考えております。これもやはり第一次五カ年計画あるいは第二次五カ年計画によって上向いていることは間違いないと思うのでありますけれども、今日なお十分とはいえない。学校単位に配置しないのはおかしいというように思うのでありますけれども、見解はいかがでございましょうか、局長に伺いたい。
○宮地政府委員 今回の改正にいたしましても、先生がおっしゃいますように、あらゆる学校に事務職員ということは、これは県としてもむずかしいと思います。したがいまして、これで十分とは私ども思っておりません。今後事務職員の数もふやし、できますれば全部の学校に必置をするといいましても、きわめて小規模のものもございますので、そういうところまでに事務職員を置くのがよいのか、あるいは教員のほうの充実が先か、いろいろございますが、御趣旨の点はあまり議論はございません。ただ、今回の問題としてそこまではいけなかったという点は御了承いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 学校図書館について若干触れてみたいと思うのでありますけれども、本案の提案理由の補足説明の中で、学校図書館の重要性とその事務量を考慮して、第九条二号を設け、規定の整備をはかった、こういうことが言われておるわけであります。学校図書館の重要性を認めたことは、それはそれとして評価をされるべきだというように思うわけでありますけれども、図書館の業務に携わる職員を事務職員であるとするのはどうであろうかというように思うわけであります。図書館の重要性を認めるのであれば、司書教諭あるいは図書館司書等を認めるべきではないのであろうか。政府のいうところの事務職員と司書教諭、図書館司書との関連はどうなっておるのか。要するに、学校図書館の重要性にかんがみ、事務職員をして学校図書館の事務も扱わせる、こういう考え方からのように承れるわけでありますけれども、司書教諭とか図書館司書等を認めるのが学校図書館重視の具体的なあらわれであるというように思うわけでありますけれども、その関連はどのようにお考えでありましょうか。
○宮地政府委員 今回のこの改正でございますが、大体三十学級以上の小学校、二十四学級以上の中学校にそれぞれ図書館事務を担当する職員ということで、それぞれ一人を配当するといったような考え方で改正案ができております。これは高等学校の場合、高等学校標準法におきましてほぼこれに似たような基準がございますので、全くそれと同じではございませんが、そういった点からいたしましても、大規模の小学校、中学校にはそういう図書館のいわゆる事務的なことが非常に多いであろうということを考慮いたしまして、御指摘のむしろ事務職員よりも司書教諭をというお話、これは実はそういう点についていろいろ問題はあろうかと思いますが、現在司書教諭は教諭をもって充てるということになっておりますので、教員の定数が伸びることによりまして司書教諭を発令をすることは学校としてもできますし、先刻来申しました生徒指導も、児童生徒の専任をなくすという意味ではなかったわけでございますが、そういういろんな観点からいろいろな意見が出ますが、結論を申しますと、司書教諭は教諭の中から発令できる。しかし、事務職員は定数を置いてやらないと、とかく図書館事務がおろそかになりがちであるという点に強く着目したというふうにお考えいただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 九条三項について伺いますが、就学困難校に加算する政令内容は何になっているのか。学校事務と民生事務との混同があれば、民生事務から分離をすべきでありましょう。学校が民生事務を取り扱うということはおかしいと思うのでありますけれども、この第三項に規定をされる就学困難に加算をする政令内容、これは何をさしているのか伺いたい。
○宮地政府委員 これは厚生省所管でございます民生事務というものを教員にやらそうという意味では毛頭ございません。これは趣旨は、いわゆる就学奨励について国の援助に関する法律に規定いたしておりますいわゆる要保護、準要保護というような児童、生徒がおります場合に、こういう経済的に家庭が困難であるというような学校の子供でございますと、一般の子供に比較しまして家庭での子供に対する教育の気持ちはあっても、そこまで父兄で余裕がない、時間的余裕を持たないといったようなことで、とりわけ要保護、準要保護の児童に対しては、学校での児童、生徒指導をきめこまかくしてやる必要があるであろう、こういう考えから要保護、準要保護児童、生徒の多い学校につきましては、生徒指導といったような意味から、そういう子供がたとえば百人以上の中学校である場合はこの規定に掲げましたような数で配当をする、こういう気持ちでございます。
○斉藤(正)委員 そうすると、就学困難な児童及び生徒に就学奨励について云々というその三項の内容というのは、いわゆる厚生省が所管である民生的な仕事を学校へ持ち込むのではない、準要保護あるいは要保護の子弟の教育について特に教育的な配慮を行なったものだというように解釈をしてよろしいわけですね。
○宮地政府委員 そのとおりでございます。
○斉藤(正)委員 それでは次に伺いますけれども、十五条の教職員定数に関する特例であります。第一号で、社会的条件が教育上特別の配慮を必要とする、その他政令で定める地域というようなことばが出ておるわけでありますけれども、社会的条件が教育上特別の配慮を必要とするというその指定の基準は何であるか。これが法律であり、施行されるにあたりましては基準がなければならないと思うのでありますけれども、文部省としては那辺を考えておられるのか。
○宮地政府委員 これにつきましては政令で詳細を定めたいと思っておりますが、ここで申しますものは一つは産炭地域でございます。産炭地域では、産炭地の経済的な事情で、そういう産炭地域の労務者の子弟が、要保護、準要保護児童というような形に扱われてくるであろうということで、具体的に申しますと、そういう場合に要保護、準要保護生徒が四十人以上、その学校の三〇%以上の数を占めておる場合といったようなことを一つの項目として予定しております。 それから次には、最近同和問題がいろいろ世の注目を浴びておりますし、同和対策の重要なことは説明するまでもございません。そういう関係で同和地域をその次の問題として考えております。 それから第三には、ことばは適当でないかもしれませんが、いわゆるスラム地域と申しますか、そういったような地域での生徒、児童ということで、きわめて重要だというふうに考えております。 それからさらに、これは外国人と申しましても朝鮮人——韓国人ですか、そういった子弟が多くおるところといったようなものを予定いたしております。
○斉藤(正)委員 そうすると、この第十五条第一号の、政令で定める教育上特別の慮配を必要とする対象地域というのは、産炭地域、同和地域、スラム街あるいは外国人のことに多く居住しておる地域というようなところをいっておるのだというように把握してよろしいわけだと了解をいたします。 次に第二号について、長期研修のことがうたわれておるわけでありますけれども、長期研修につきましては、これは教師の権利として研修を認めるべきであろうと思います。ILO・ユネスコの教師の地位に関する勧告におきましてもこのことは明らかにされておりますが、こういう観点から、長期研修の構想に一応は賛意を表するものでありますけれども、ただ研修のあり方が問題だと思うわけであります。ただ研修の制度としてあるだけでは意味をなさない。それが形式的な存在だけだということではいけないと思うのであります。制度そのものの運用、すなわちどうすべきかということが大切であり、問題だと思うわけでありますが、教師の研修は自主性を尊重すべきであって、他からの強制や圧力のかかった研修であっては間違いだと思うわけでありますが、教育は教師及び教師の集団が責任を持って行なわなければならないものだということを考えます。そういたしますと、第二号の政令の内容て、長期研修の構想、その研修の該当者をだれがどのような手続できめるか。こういうことにつきましては文部省の確固たる見解があってのことだと思うわけでありますけれども、どのようにお考えでありましようか。
○宮地政府委員 現在の考えでは、教育公務員特例法の二十条三項に教員の研修のことがうたわれておりますが、それに該当いたしまする研修で、長期にわたる研修を受けておるということ。また、当該学校がいろいろな教科科目につきまして研究をしていく。これは文部省や都道府県でも研究指定校といったようなものを具体的にはやっておりますが、必ずしもそれに限定するかどうかは別といたしまして、一例で申し上げますればそういう特殊な研究をやっておられる、こういったようなものを予定いたしております。
○斉藤(正)委員 その場合、やはり教師の、自主性、自発性といったようなものから長期研修を受けたいということで、自動的、能動的に研修をやろうとするかまえと、おまえは研修に行ってこいということで研修に出る場合と、それぞれその効果といいますか、反響というものが違うと思うのでありますけれども、一体だれがどのようにして研修者を選ぶのか、手続の問題等も含めて文部省の見解はどうでございましょうか。
○宮地政府委員 研修がだれかに強制されたり指示されたりしない、本来勉強したいという気持ちで研修すること、これは勉強したくない者にせよといってもしようがございませんし、本来勉強したという気持ちの者でなければ研修の意味はなかろうと思いますが、ただ、研修を長期にわたって受けるということは、職員といたしましては勤務地を離れて他の地で研修するというようなことにもなりますので、したがいまして、所轄校長の了解なり所轄機関の許可を得てそういう事務研修に従事しなければいけないであろうと思います。しかし、だからといって本人の研修を圧迫したりするというものではなかろうと思います。ただ、本人が研修して長期不在になるために、そのかわりの教職員が配置されるということでもございますれば、当然これは校長も了承し、こういうケースを扱います都道府県教育委員会も当然そのことを把握しなきゃいけません。そういう関係におきましては、これはやはりはっきり教育委員会において研修をしなさいという——それはしたいということに対してしなさいということでございますから、したくない者にせよという命令ではございません。そういう関係になろうかと思います。
○斉藤(正)委員 先ほど局長の答弁の中に研究指定校ということばもあったわけでございますが、この研究指定校制度につきましては教師の自主性が認められるのが当然だと思うわけであります。私よく調べたわけではありませんけれども、予算が本年度は昨年度の二倍で二千九百万円で研究指定校の経費として計上されているというように思うわけでありますけれども、この研究指定校の任務あるいはその内容、その利用のしかた等々について文部省はどのようにお考えになっているのか、お聞かせ願いたい。
○宮地政府委員 小学校、中学校等はたしか全教科科目であったと思いますが何も道徳だけといったようなことではございません。各教科科目につきまして、文部省といたしましても、教育課程の改正なり、学習指導要領の改定をしていくために参考にする必要もありますし、また、各学校で十分研究されたその成果がその他の学校に利用される必要もあります。こういったような趣旨から、文部省としては、小学校、中学校の教科科目につきまして研究指定校を指定いたしております。そこで、テーマに基づいて指定研究していただきまして、その結果をその年度内あるいは翌年に研究発表をしていただきます。その他、研究の実績につきまして種々資料を出していただいて、先ほど申しましたように、各学校の教育内容ひいては教育課程、学習指導要領の改定に役立てたい、そういう趣旨でございます。
○斉藤(正)委員 大体理解できたわけでございますが、なお、大臣が特に熱意を持っておられると言っております特殊教育の振興について、専門的なことは局長並びに課長さんでけっこうでありますが、総括的な問題については大臣からも特に親切な御答弁をいただきたいと思うわけであります。 大臣は、去る二月二十五日、参議院文教委員会における所信表明において、心身に障害を持つ子供のための特殊教育の振興について特に意を用いたい、また、二月二十八日の本委員会におきましても、鈴木委員の質問に答えて同様な趣旨を述べておりますが、障害を持たされている子供たちの教育を受ける権利を保障するために基本的にどのようにお考えになっているか、まず承りたいと思うのであります。私は、障害を持って生まれた、あるいは中途から障害を持たざるを得なくなった児童生徒は当然それなりに教育を受ける権利を持っているものだ、障害を持っているから特別な教育をしてやらなければならないという与えるものでなくて、やはり教育を受け権利を持っているものだというように考えるわけでありますけれども、日ごろ口をお開きになれば特殊教育の振興ということについて熱意を持っておるかのごとき発言をされる大臣に、ここで明確にひとつお答えを願いたい。
○坂田国務大臣 私は、この世に生まれてきた子供は、その能力に応じ、あるいはその適性に応じてやはり教育を受ける権利を持っていると思います。たとえばその歩みはおそくとも、国としてもこれに見合う教育制度というものがなければならないと思うのでございます。その意味合いにおいて私は特殊教育というものを重要視しているわけでございます。目が見えない人あるいは耳の聞こえない人が、むしろ内面生活においては目の見える人あるいは耳の聞こえる人よりもすぐれているという事例も非常に多いわけでございます。 たとえば、アメリカのあのヘレン・ケラーの出ましたパーキンスという盲学校を卒業しまして、さらに大学に学び、修士課程までも出たというミスター・スミスダスは、日本にやってまいりましたけれども、この人の書きましたもの、あるいは詩集等を読みますと、まことに心打たれるものがございます。むしろわれわれがこの三重苦スミスダスに人生とは何か、生きがいとは何かということを教えられるような気がいたしたわけでございます。こういう心身障害の子供でございましても、もし私たちができる限りの十分な施設、設備あるいは教育あるいは職業指導等をやりまするならば、こういうような人も出てきてこの世の中のためにもなると私は思うわけでございまして、その意味合いにおいて、すべての三重苦の人たちが全部教育ができるとは思いませんけれども、しかし、そういうような可能性のある者についてとにかくその才能を伸ばすということはわれわれに課された責任ではなかろうかというふうに思うわけでございますので、今後とも力を入れてまいりたいと思います。
○斉藤(正)委員 大臣から前向きな御答弁をいただいたわけでございますが、特殊教育の振興に尽くしたいということばは、速記録をたんねんに調べてみますと、歴代の文部大臣が一人残らずすべてこのことを言っておられます。それほど意を用い、重点施策・に取り上げたというわりあいには、今日のわが国における障害児教育はまだまだ立ちおくれを克服できたとはいえないと思うのであります。障害児の教育には意を用いないとか、あと回しにしますという大臣が一人もいないのに、常におくれていく、後手、後手と回ってきたことは残念ながら事実でございます。校舎の建築といい施設の設備といい、教職員の定数等々の配当といい、歴史的に検討してみますと、六・三・三制度の充実、後期中等教育の充実など大多数の子供たちの施策に隠れてあと回し、あと回しとされてきたと思うのであります。しかしながら、最近障害児の親たちあるいは関係者たちの要求運動も強められ、各党の積極的な努力もこれあり、文部省の施策も漸次前進してきていることは事実として認めますし、特に大臣の発言等からそのことを痛切に感じ前進を喜ぶものであります。 そこで質問の第一点として、やや専門的になりますけれども、特殊教育なのか、障害児教育なのか、この点についてお聞きをしてみたいと思うのであります。 私どもが提案いたしております定数法におきましても、特殊教育諸学校ということばを用いたのでありますが、これは学校教育法第六章の用語を改正をしていないので、あえてこの際は引用したものでありますけれども、私は特殊教育ではなく障害を持たされている子供たちに対する教育、すなわち障害児教育と言いならわす方向が正しいのではないかと思うのであります。障害について見ても、障害を現実に持っている子供たちでありますが、サリドマイト被害児、風しん被害児、胎児性水俣病の被害児など特異な事例をあげるまでもなく、みずから欲して障害を受けた子供は一人もいないのであります。すべて現代社会の中で何らかの条件によって障害を持たされたという悲劇の子供たちであると思うわけであります。憲法第二十五条の生存権及び第二十六条の教育権は、障害の有無によって差別されることのない厳粛な国民の権利であり、人間として生きていくための発達の保障を行なう教育にあっては、特殊な教育、スペシャル・エデュケーションでなくて、障害を受けている子供たちが当然受けるべき普通教育と理解をすべきだと私は思うのであります。もちろん、からだのいずれかに障害を受けていたり、知恵がおくれていたりの障害を受けている子供たちへの教育でありますから、教育の方法あるいは技術あるいはその施設、設備などに特別な配慮が必要なことは言うまでもないことであります。教育の目的、目標には特殊はなく、方法、施策において特別があると解さなければならないと思うのであります。特殊部落というようなことばがありますけれども、そうしたことばから受ける感じといたしましては、私は特殊教育という表現は適切な表現ではないというように思うわけでありますけれども、大臣、一体どのようにお考えでありましょうか。
○坂田国務大臣 これは、斉藤さんおっしゃっておる内容が私はそのものだと思っておるわけでございます。そういうようなことにつきましても、やはりことばというものは非常にいろいろ誤解を招いたり、あるいは適切でなかったりいたしますから、この点については十分今後検討いたしてまいりたい。 私たちが特殊教育総合研究所というものを設置いたしました意味もそこにあるわけでございまして、おそらくその御指摘になりました内容そのものをむしろそういう形で学問的にも検討する、また実際的にも研究をする。あるいはまた、そこで実際の子供たちを収容いたしまして、試みてみる。こういうことにいたしたいというわけであります。その研究所がいよいよ発足をいたしました過程において、そういうような点についても考え、改められるべきところがあれば改めていくというふうに考えておるわけでございます。 また、就任いたしましてから中央教育審議会のメンバーの中にこういった心身障害の関係の専門の方が全然いらっしゃいませんでしたから、私、特別に入っていただいて、そうしてこういう心身障害の児童に対しての、いわば普通教育をどうやるか普通の教育、普通の子供たちに指導するままではいけないので、そういう方々に対しての教育の方法等についても、あるいは教育の理念等についても御検討いただくという意味合いにおいて、そういうような任命もいたしたような次第であることを御了承賜わりたいと思います。
○斉藤(正)委員 せっかく各党の特別決議もあり、特に四十四年度予算では中央教育センターなどの設立も実現を見るわけでございます。ぜひひとつ障害児教育という観点において前向きの御検討をお願いいたしたいと思うわけであります。 第二に、障害を受けている子供たちの未就学についてであります。午前中も少し触れたわけでありますけれども、わが国における義務教育該当児童、生徒の就学率は九九・八%というように一般的にいわれておるのでありますが、障害を受けている子供たちの就学率は、従来文部省は、その出現率を六・一四%で積算をし、昭和四十二年度の統計資料でも就学率を一五・四%と発表しておりました。昭和四十三年度の統計資料では、出現率を三・六九%、就学率を二・八四%と発表しているのであります。このパーセンテージの相違は昭和四十二年度児童、生徒の心身障害に関する調査の結果であるとしています。この調査そのものについて、その方法等において多くの問題点もあり、わが国における障害を受けている子供たちの正確な数であるとは断定できないと思うのであります。しかし、私は、ただいまの質問を続けている問題点として、この数字の相違について云々することは差し控えておきたいと思うものであります、質問の本論に返って申し上げたいと思います。 かりに、四十三年度の障害を受けている児童、生徒の在学率二八・四%を引用してみますと、残りの七一・六%の子供たちは教育を全く受けていないか、または障害に適した教育の場以外の学校で劣ちゃん、お客さんあるいはお地蔵さんといった形容の存在に放置されているものと考えざるを得ないのであります。総じて見ますると、未就児童の大多数はいまや障害を受けている子供たちであるといっても言い過ぎではないと思うのであります。学校教育法第二十三条には就学義務の猶予、免除の規定しておるのでありますけれども、この規定を拡大解釈しているところに障害を受けている子供たちの未就学が多い原因があると思わざるを得ないのであります。 昔の憲法といまの憲法と比較してみて、教育権について考えてみますと、帝国憲法では国家への義務としての教育を規定していたものを、現行憲法では国民の権利としての教育を規定しております。憲法第二十六条の規定をめぐって第九十回帝国議会衆議院帝国憲法改正案委員会等で、憲法第二十六条第一項の国民の教育を受る権利の保障として、第二項の義務規定は親の義務を規定しているが、子供たちの教育権という権利保障の実質的な義務は国が負うものであると、当時の金森国務大臣及び田中文部大臣が答弁しているのでありますから、こういう歴史的な経過から考えましても、学校教育法第二十三条は削除さるべき性格を多分に持った法文であるということができると思うのであります。この法文を適用する際、子供たちの権利を侵害することを最小限度に食いとめるべきであるという考えが私どもには強いのであります。すなわち、教育の免除といったような規定は喜ぶべきものではない。どのような環境にあろうと、どのような児童生徒であろうと、教育を受ける権利というものはあるんだというように解釈をすべきである。特に障害児の教育については、障害児であるがゆえに教育を受ける権利を放棄するというようなことは、親や子供は考えていることではないのであります。教育を受ける場所がない、教育を受ける機会がないということで、やむなく泣き寝入りをしているというのが現状ではなかろうかというように思うわけでありますけれども、大臣、二十三条との対比において見解はいかがでありましょうか。
○宮地政府委員 先ほどの先生の御指摘になられました心身障害児童、生徒数に対しまして在学者の数、比率で申しますと二八・四%ということで、残りの七一・六%という数字があげられましたが、御指摘のように七一・六%は特殊学級なり特殊学校ではなく普通の学校、学級に行なっております。したがいまして、将来特殊教育をほんとうに理想的に行なうためには二八・四%が一〇〇%になるように特殊学校、特殊学級の推進に力を入れるべきである、そのように考えます。それにつきましては、先生の御指摘どおりに私どもも考えております。ただ、先ほど申し上げました学校教育法の二十三条は、そういった心身障害児が適切な教育機関がないので就学義務が猶予、免除される。これについて文部省はどう思うかということでございますが、その点につきましては大臣からお答えいただきます。
○坂田国務大臣 私は、やはり心身障害の子供たちというものは教育を受ける権利があるわけでございまして、われわれ行政をあずかる者といたしましては、できるだけそういう者を広くとらえていくという方向で進まなければならない、かように思うわけでございます。ただ、申し上げておきたいことは、日本の古い風習と申しますか、ともいたしますると、そういうような権利があるにかかわりませず、親御さんたちがそういう者を隠すといいますか、まだそういうようなことも見られるわけでございまして、たとえばそういう心身障害児の極度にひどい子弟等について調査をいたしまする場合に、なかなか困難をきわめるというようなことも現実としてはあるわけでございます。しかしながら、やはりその子供がこの世に生をうけた以上はそういう権利があるわけでございますから、そのすべてが全部教育できるかどうか、むしろその判定といいますか、あるいは学問的な意味における限界をどこで定めるかというような問題について、まだ日本においてはそういう客観的な尺度も一面においてはない、あるいは選ぶ方法も考究されておらない。こういうような点については、やはりアメリカその他の先進国のやり方等も十分に取り入れてやらなければならないのではなかろうかというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 局長並びに大臣の見解を承ったわけでありますけれども、従来障害を持った子供は、なるほど孤独であり閉鎖的であり気の毒でありました。しかし、最近御承知のようにこれが開放的になり連帯性を持ち、多くの団体や業界がこれらに深い関心を持っていることは御承知のとおりでございまして、私は学校教育法第二十三条による就学義務の免除といったようなものは、これはほんとうに極端な場合の者に限定をすべきであって、より多くの子供にやはり就学の機会は与えなければならぬ、そういう考え方からいきますならば、この学校教育法第二十三条は削除してもよろしい段階ではなかろうか、こういうように思って伺ったわけでございますが、先ほど局長の御答弁から七十%数の未就学児が——未就学というよりも学ぶところを得ないんだというような答弁もございました。私はやはり障害児教育の質と量の上昇しかこれの対策はないというように考えて伺ったわけでございますので、質問の趣旨は御了解いただきたいと思うわけであります。 そこで第三点として、法律と政令の関係について、やはりこの場合も伺わなければならぬと思うわけであります。私どもは、法律で政令に委任した事項については、法律成立後一カ年以内に政令が公布されるのが立法上の常識であると思うのでありますが、立法上の慣例として、法律制定後の政令なるものは一体どのくらいの期間につくられるものであるのか。技術的にも実際的にも法制上どうなっておるのか伺いたいと思います。
○宮地政府委員 一般論としての法律と政令の関係でございますが、私、一般論に対してお答えするほどの知識をあまり持ち合わせませんので、常識的な答弁でお許しいただきたいと思います。 これは法律と政令の関係でございますが、いろいろな政令がございまして、先ほどの本則では職員を置かなければいけない、ただその置く時期については政令で定めるといったような規定のものもございましょうし、そうではなくて大体の概要が法律に書かれ、その詳細は政令に委任しておるといったようなこともございますので、一がいに法律と政令との関係はどうだということは申し上げにくいかと思いますが、朝来御審議のこの法案で申しますと、斉藤先生御質問いただいたような点で政令の中身を申し上げました。ああいったこの法律にあります五つばかり予定しておる政令は、法律が公布されれば、同時に政令が出されなければせっかくの定数の配分ができないということになろうかと思います。したがいまして、この法律に基づきます政令は一日の猶予もなく、法律の公布と同時に政令が公布されるというふうにありたいというふうに考えます。しかしながら、その他の場合、先ほど来問題になっております、いま申し上げましたが、ある法律で職員のことを本則で規定し、附則でその施行は一定の間押えて政令でその施行の日をきめるといったようなことは、先ほどのこの法律に基づきます政令のような関係でございますれば、そんなよけいなことをいう必要はないので、法律が出れば政令が直ちに出るはずでございます。しかし、それができないのでわざわざ施行の日は政令で定めるといったようなことがなされるのであろうと思いますので、そういう限りにおきましては、まあそれが一年がよいか、二年がよいか、その事情、内容によりましていろいろあろうかと思います。不十分な答弁しかできませんが、一応そのように考えます。
○斉藤(正)委員 きわめて常識的な答弁があったわけでありますけれども、法律成立後、政令委任事項で、一年を経ても政令が公布されていない事について、大臣、文部省関係にそういうものがあるかどうか、御存じでございますか。
○坂田国務大臣 私はいまよくわかりません。
○斉藤(正)委員 事務当局いかがでございますか。
○宮地政府委員 文部省で、一年の間政令を出さなければならない義務を負ったもので出してないものは、ちょっと思い当たらないのでございますが、趣旨といたしまして、一年というよりも、できる限り早く出すべきであろうというふうにお考えのものを、三年も五年も出してないというものは——先ほど養護学校なり事務職員なり、いろいろ先生から御指摘ございましたが、そういった点で、できる限り早くというお気持ちが先生におありといたしますれば、現実の問題としては多少延びておるといったようなものはございます。
○斉藤(正)委員 事務職員とか養護学校とかというような、十ぱ一からげで言われては私は困るのであります。学校教育法附則第九十三条に基づいて、盲学校、ろう学校及び養護学校における就学義務並びに設置義務に関する部分の施行期日に関する政令、これがどうなっているか実は承りたかったわけでございまして、局長がたまたま事務職員とか養護学校とかと言った、養護学校のことをあなたは承知で答弁をされたとするならば、養護学校は事務職員等とともに同等に考えているというようにも考えられるし、当然政令で一刻も早く規定をしなければならない養護学校の設置について、今日まで放任をされているということを、私が聞かないうちに知っているとするならば、これは少したいへんなことになると思うのですけれども、その辺いかがでございますか。
○宮地政府委員 いま学校教育法九十三条の附則を御指摘になられました。私はそこまであまり十分存じ上げてそういう答え——承知の上でそういう返事をしたのではございませんが、たまたま先生から指摘されて、そうでもあろうかと思いましたようなことで申しわけないのでありますが、実はこの附則九十三条で「盲学校、聾学校及び養護学校における就学義務並びに第七十四条に規定するこれらの学校の設置義務に関する部分の施行期日は、政令で、これを定める。」、これは先生の午前中の御質問にもございましたが、たとえば養護学校につきましては、精薄、肢体不自由、病弱、こう三種類ございまして、私どもとしましては、各県に少なくともこの三種類の一つの学校が置かれれば、当然設置義務を課しても法律違反にならなくなる。こういうことで、事実問題としては、設置義務に関する部分の施行期日を政令で書く前に、見通しとして今後何年計画でこの設置ができるかという目安を立てまして、法律、政令は直しませんが、行政上の努力目標としては計画を立てて進んでおるわけでございます。ただ、これを法律政令にはっきりうたいますと、いろいろな諸般の事情があってできない場合には、またそれを延ばすというようなことにもなりかねませんので、気持ちとしては、一刻も早く政令で規定したいという気持ちは持ちつつ、実際問題として無理のないような行政措置をいま推進しておるところであるというふうに御了解いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 諸般の情勢がある、こういうことでありますけれども、特に養護学校につきましてはすでに複数の、しかも各種各様の養護学校を設置している県があるかと思えば、いまだに一校の設置もない県もある。一校もというのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、きわめて落差が大きいように聞いておりますが、もしおわかりになるならば、事務当局でけっこうでありますから、養護学校の設置状況についてこの際伺っておきたい。
○寒川説明員 養護学校の設置状況につきましてお答えを申し上げます。 現在都道府県立の養護学校は三種類ございますが、分校を含めまして全部で百九十校ございます。その内訳を申し上げますと、精神薄弱養護学校が六十四校でございます。それから肢体不自由養護学校が八十九校、病弱養護学校が三十七校となっております。以上のような状況でございますが、都道府県の中で養護学校を持っていない、いわゆる未設置県が、精神薄弱養護学校につきましては三十三府県ございます。それから病弱養護学校につきましては二十九県、こういう状況で、肢体不自由養護学校につきましては全府県設置の見通しがついております。以上のような状況でございます。
○斉藤(正)委員 そうしますと、三種類ある養護学校のうちで、肢体不自由児関係の養護学校は四十六都道府県全部必置になっておる。それから精薄並びに病弱についてはなお設置されていない府県もあるのだ、こういうように解釈してよろしいか——これもまたついでですからお願いをいたしておきますが、都道府県別にそして養護学校の種類別に、そして規模別に、ひとつぜひ近いうちに資料を御提出いただきたいと思います。 昭和二十三年政令第七十九号によって、盲学校及びろう学校の小学部について、就学並びに設置義務について規定がされております。さらに昭和二十八年政令第三百三十九号によって、盲学校及びろう学校の中学部について就学並びに設置義務についての規定が行なわれております。その際、養護学校については就学義務並びに設置義務の政令を公布していないのでありまして、このことが先ほどの質問になったわけであります。このことによって肢体不自由、病弱虚弱、知恵おくれ等の子供たちの教育を受ける権利の保障を、政府自体が怠慢で怠ってきている、こういうことになると思うわけでございます。先ほどの特殊教育課長の答弁によりましても、その姿はかなり具体的に出てきている。先ほど局長の答弁の中に、いろいろな事情があってと言いますけれども、いまや障害児教育の重要性については、もう喫緊の要務で、政令にうたう、うたわないは別として、ぜひひとつ行政指導といたしましても、当然各県が三者三様の養護学校をつくるべきだというように思うし、そのつくるつくらないは、文部省の姿勢いかんにかかっていると言っても、私は言い過ぎではないというように思うわけであります。行政指導、助言、指導といったような観点から、大臣、この三つの種類の学校の各都道府県必置について、見解をぜひ承りたいと思います。
○坂田国務大臣 私といたしましては、四十八年度をめどといたしまして、御趣旨に沿いたいと考えておる次第でございます。
○斉藤(正)委員 四十八年度という具体的な期限が出てまいりました。ぜひひとつ精力的にこの振興方策は確立をしていただきたいと思うわけであります。しかし、四十八年ということになりますと、まだまだかなり先のことでございまして、大臣がそれまで文部大臣をやられておるかどうか、きわめて疑問だと思いますけれども、もしこのことが実現しないとなれば、これが実現するまでは文部大臣やめられぬということで、ひとつがんばるだけの決意は持っていただきたいというように思うわけであります。 先ほどからるる申し上げてまいりましたように、障害を受けている子供たちにとりましては、権利が侵害されているということもいえるわけでありまして、一日も待つことのできない切実な願いであるし、その権利にこたえて行政を行なう当然の義務者である大臣は、この義務履行について、一日たりとも猶予、免除も許されないものだという厳粛な気持ちで対応をしていただきたいと思うのであります。 現在の養護学校の増設の端を開きましたのは、公立養護学校整備特別措置法が昭和三十一年六月に成立したものだということを聞いているわけでございます。この法律は、政府提案によるものではなくて、議員立法として成立したものだという歴史的な経過を考えますと、養護学校が各都道府県に必置されてから、義務設置の政令を出すというのでは、証文の出しおくれにもなりはせぬかという心配がございます。先ほど四十八年というようなお話があったわけでありますけれども、この点はさらに確認をしていきたいというふうに思うわけであります。 私は、ここで大臣にはきわめて耳の痛いことでありますけれども、事実は事実として申し上げなければならないことがございます。それは一昨年八月、これらの問題で文部省に陳情に行った関係父母たちの代表に向かって、文部省の当時責任ある担当官が、こういうことを言ったのであります。「二十年間ほうっていたのだから、あと五年や十年ほうっておいても、五十歩百歩だ。」、だれかといえば、申し上げてもけっこうでありますが、二十年間ほうっておいたのだからあと五年や十年ほうっておいても五十歩百歩だ。非常に重要な問題であります。陳情要請に行った皆さん方が熱意のあまりに、あるいはことばが走ったかもしれませんけれども、しかし、責任ある文部高官の言うことばとしては、きわめて不穏当であります。当人の名誉のためにもあえて名前は申し上げませんけれども、代表として行った人たちは、怒りにふるえながら、この事実を私どもに報告をしたこともあったわけであります。私はあえてこの発言を云云するわけではありませんけれども、文部省の中に、みずから義務を遂行することなく、のらりくらりとその場あたりの答弁をする人がいたならば、やがて時が移り、時代が変わり、自分は去っていくというような考え方がありとするならば、絶対に許されない言動であろうというように思います。大臣、ぜひひとつもう一度、先ほど四十八年という答弁がありましたけれども、間違いなくやる自信と確信がおありなのか、確認の意味でお答えください。
○坂田国務大臣 るる御激励をいただいたわけでございますが、私の責任といたしましても、また、私の特殊教育につきまして、これを何とかしたいという就任以来の念願でもございますので、四十八年度を目途といたしまして、ぜひその責任を果たしたい、かように考えておる次第でございます。
○斉藤(正)委員 大臣の見解はわかりました。ぜひ努力をいただきたいと思うわけであります。 次にお尋ねをいたしたいのは、障害を受けている子供たちの幼児期における教育について伺いたいと思います。本年度の文教予算の中で、いわゆる特殊教育の幼稚部設置について補助金を出し、特に従来ろう学校幼稚部に限定していた補助対象を、盲学校、養護学校にも拡大していることは、私どもももろ手をあげて賛成をするところであります。しかしながら、基本的な問題として伺っておかなければならぬ点がございます。 幼児の教育、保育については、一般的に見ても重要な課題でありますが、とりわけ障害を受けている子供たちについてみますと、障害の早期発見、早期治療と見合って、早期教育が大切であると思うのであります。単にろう児の言語習得のために幼児教育を考慮してきていた従来の文部省の方針を拡大をして、すべての障害児学校に幼稚部を増設しようとする方針には積極的に賛意を表するものであります。けれども、障害を持たない場合でも、幼児教育はぜいたく教育だという考え方が、古くから残念ながらありました。まして障害児など幼児教育を要求するのはぜいたくであるという考え方が、もし一般的社会風潮の中にありとするならば、これはきわめて遺憾であります。私はぜいたくな教育だとは考えておりません。障害を受けているからこそ、早期に教育を受けさせなければならないと思うのでありますけれども、本度年予算にあのような配慮をいただいた文部省として、私の考え方に当然賛成していただけると思うのでありますけれども、大臣の見解はいかがでありましよう。
○坂田国務大臣 その点については全く同感であります。
○斉藤(正)委員 同感はけっこうでありますけれども、ぜひひとつ拡充整備、しかも早急にやっていただくという点で御配慮をお願いいたしたいと思うわけであります。 次に、私はこの際、沖繩における障害児教育についても若干触れなければならぬと思うわけであります。沖繩におきます障害児教育は、本土に比べましてたいへんなおくれの現状であると承知いたしております。沖繩の現状につきましては、本と土の一体化ということで、特に総理をはじめ関係各位が、教育について本土と一体ということを常々主張してまいりましたし、また、沖繩の要求から、教科書は断固として日本の教科書を使うという態度で終始一貫してきたということも御承知のとおりであります。しかし、沖繩の特に障害児教育につきましては、本土と異なった条件に置かれておるのでありまして、戦前ありました盲・ろう学校も戦災を受け、終戦後も復興されず、一九五一年、社会局所管の盲・ろう児施設として発足しているのであります。沖繩の障害児は教育を受ける権利を長く剥奪されてきたと言っても過言ではありません。一九五四年ようやく文教局にこれが移管をされ、盲・ろう学校として設立され、一九五九年、盲・ろうを分離して、それぞれ学校の形態を整えてまいりました。知恵おくれ養護学校は一九六五年開校であり、肢体不自由養護学校もその後の設立でありますから、これらもまた本土の各県よりははるかにおくれているのであります。教育条件を見ましても、教員の特殊教育免許状所有の状況は本土の約三分の一であります。教員定数もまだまだ本上に比べて悪い条件に置かれておるのであります。特にハンセン氏病による障害児の発生率も本土よりきわめて高い率にあります。特に最近問題になっている風しんによる障害児については大きな社会問題となっております。昭和三十九年にアメリカ全土にわたって流行した風しんが、沖繩では三十九年末から四十年、四十一年にわたって流行しているのでありますが、風しんにかかった母親の胎内にいた子供が出生すると、いろいろな障害を受けて出てきているのであります。私は風しん被害は一種の基地公害であるともいえると思うのでありますけれども、私の手元にある資料によりますと、五百五十五名の受診児童のうち三百八十四名が障害を受けているといわれ、そのうち重度の聴力障害三百三十九名、心臓障害五十二名、白内障二十八名、三重の障害を受けている者二十一名といわれておるのでありまして、なお詳細に検査をしていくならば、相当数の障害者が増加することが予想されているのであります。いままでの対策は、沖繩においても民政局所管の事項として処理されてきているのでございますけれども、風しんの予防、医療に関しては政府所管で厚生省に所属することは言を待ちません。しかし、現状を解決していく方針については、文教局の所管、文部省の所管事項に属するものと考えるのであります。特に年度を限定して発生している事情や、沖繩という地理的、行政的条件の中における問題であるだけに、早急に基本的な対策を確立する必要があると思うのでありますけれども、風しん問題を中心とし、沖繩における障害児教育についての方針について、具体策を含めて大臣の見解を承れれば幸いだと思います。
○坂田国務大臣 あまりつまびらかにはいたしませんけれども、しかし、本年度の予算編成の際におきまして、政府としての窓口は一応総理府の所管でございます。しかし、お説のとおりに沖繩と日本本土との一体化は申すまでもないことでございまして、その中でも特に教育という部面につきましては、これを積極的に推進をいたしまして、教育の水準の向上のために努力をいたさなければならないと思っておるわけでございます。風しん児対策につきましては、厚生省、総理府等から調査団が参りまして現地を調査して、三百八十人の人々がおかされておるということを承っておるわけであります。盲、ろう、養護教育、そういう特殊教育の面については相当に日本内地よりは劣っておると思うのであります。現地の事情もございますし、現地の要請にこたえるべくわれわれも最大の努力を払ってまいる覚悟でございます。
○斉藤(正)委員 口を開けば本土と一体というような答弁がございますし、沖繩の問題はやはり私どもの問題として対処をしていかなければならぬというように考えていたやさき、大臣の答弁を伺ったわけでございまして、なおひとつ強力な推進方を強く要望するものであります。 そこで私はもう少し具体的にこまかい問題を承っていきたい、こういうように考えるわけでございますけれども、いわゆる障害を持った子供たちの学級編制、こういうものはどのようにすべきかという点を伺いたいと思うわけでありますが、一学級の学級編制を何人で指導していくか。学校教育法施行規則第七十三条の六第二項では「幼稚部において、教諭一人の保育する幼児数は、八人以下を標準とする。」、こうなっておりますが、この規定は一学級の学級編制という考え方をとっていなく、一人の教諭の保育する、という表現になっております。そうすると幼稚部に関しては八人に一人の教諭となり、改正文部省案の小学部も学級編制を八人としており、これに一学級の部の場合二・〇を乗ずるとありますから、小学部では八人に二人という計算になります。文部省は、障害を持った幼児の教育は小学部の児童の教育の二分の一の定数でやれると考えているのか。私のほうの調査では幼稚部では一学級一担任が多いということになっているので、この矛盾を解くために具体的にどのような指導を行なおうとされているのか。学級編制について法律がないので、かりに規則を用いるとして、教員定数の算出にあたって小学部の学級規模による定数算出の方法を幼稚部においても別に計算するものとして準用していっていいのか、どうなのか。かなり具体的なこまかい問題ですので係の方でもけっこうでございますからお答えをいただきたい。
○宮地政府委員 いまお尋ねの件でございますが、幼稚部につきましては、これは交付税の算定といたしましては、学級編制としましてはこの小学部と同じ計算で交付税の積算はいたしております。
○斉藤(正)委員 私の質問と答弁の内容、少し違っておりまして、かなりこまかいというと何ですけれども、計数的な問題でもございまして、局長でもあるいは課長さんでも、あるいはおわかりにならないんじゃないかと思うのですけれどもね。——おわかりですか。
○岩田説明員 幼稚園につきましては、幼稚園の設置基準というのがございまするが、それで、「幼稚園には、各学級ごとに少なくとも専任の教諭一人を置かなければならない。」となっておりまして、その幼稚園の規定をこの特殊小学校の幼稚部につきましても準用いたします。ただし、この幼稚部につきましては、義務教育ではございませんので、義務教育の定数標準法の規定の中には入っていないわけでございますが、財政措置としては、地方交付税の単位費用の算定の基礎において積算をいたしておるということでございまして、その積算基礎はいかが相なっておるかと申しますと、一学級八人、それで、その一学級に教員一人の配置になっておるというような仕組みになっておるわけでございます。
○斉藤(正)委員 そういう答弁をいただければわかるわけであります。 学級編制では、現行十を八に改正をされて、重複障害児の学級編制を五として新たに挿入したことは、私どもが従来独自な案を提案し、審議をわずらわせてきた事項と一致をするわけでございまして、この点は、十が八になったことは前進でございまして、賛意を表するところであります。 学級編制の改正によって昭和四十四年度、学級数がどれだけ増加をすると見ておられるか、当然増加の数はつかんでおられると思うのでありますけれども、具体的に伺いたい。
○岩田説明員 学級数についてのお尋ねでございまするが、この改正案によりますところの教員増を、六百人の教員がふえるというふうに算定いたしております。
○斉藤(正)委員 教員として六百人ふえる。私は、学級数がどれだけふえるか聞いたんです。教員がそれだけふえれば、学級数もわかるでしょう。わかりませんか。わかるでしょう。学級数が出たから教員数が出た……。
○岩田説明員 六百人の学級数の算定基礎を持っておるのですが、ただいまちょっと手元で資料が行き違っておりますので、後ほど申し上げます。
○斉藤(正)委員 それでは、追及するばかりが能ではありませんから、資料がくるまでとは申しません。これも後刻でけっこうですので、盲、ろう、養護に分けて、学級増はどうなるか、教員増はどうなるか、こういうことについて、ひとつ後ほど資料の御提出をお願いいたしたいと思うわけであります。 教員定数について改善しているというのでありますけれども、中学部では全然改善のあとがないのであります。小学部においても大改正にはならず、わずかに三、四、六、七、十二、十三、十四、十五、十八学級以上において一名増員になるというみみっちいものになっておると思うのでありますけれども、この改正による定数の増を何人と見込んでおられますか。これがいま御答弁になった六百人ということではないと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○岩田説明員 先ほど申し上げました六百人という数字は、これは学級編制の基準を十人から八人に下げる、それから重複障害の学級については五人に下げるということに基づくところの増加学級を基礎としましたところの増加人員であります。そのほかに、ただいまのお尋ねでは、この学級規模段階別の増加数が幾らになるかというようなお尋ねかと思いますが、学級編制別の改善は、これは従来から、現行も同様でございまするが、小、中学校の場合の学級編制の算定率をそのまま特殊教育小学校にも用いているわけであります。でございますから、小、中学校の改善に伴うその改善の幅が同様にかかってくるというような仕組みになっております。それで、この小学校に準ずるところの——ただいま小、中学校と申し上げましたけれども、学級段階別算定基準の改善のほうは小学校の改善であります。それに準ずる小学部におけるところのこの改善に要する人員増が、五十七人のほかに、後ほどの規定がございますところの能機訓練関係の教員数が、改善によりまして五百七十二人増加をするというような関係になっております。
○斉藤(正)委員 先ほどの質問にも関係があるわけでありますけれども、絶対数はそれほどばく大なものではないわけでございまして、しかし増加していることはまあ間違いない。こういうことだと思うわけでございますが、特に私が次にお尋ねいたしたいと思うことは、第十一条第三号に掲げる数についてお尋ねしてみたいと思うのでありますが、提案理由の説明では、「機能訓練の重要性にかんがみ、」「盲学校に一人、ろう学校に二人、精神薄弱者である児童または生徒を教育する養護学校に二人、肢体不自由者である児童または生徒を教育する護養学校に三人の教員」の配分を云々ということが書かれているわけでありますが、肢体不自由児養護学校にあっては、現行定数法第八条第一号に一名加算をしていたものでありまして、高校定数法第十七条第三号によって一名加算とし、主として機能訓練を担当する教員を積算していましたが、この機能訓練担当教員の算出をはかり、あわせてその他の障害児を教育する学校においても独自の教員を増置、増配したと考えていいのかどうなのか、この辺の解釈があいまいでございますので、明快にしていただきたいと思います。
○宮地政府委員 肢体不自由児の養護学校につきましては、機能訓練、現行法で一人、これは肢体機能訓練ということで考えております。ところで、今度の標準法の改正におきましては、肢体不自由児の養護学校の一人の機能訓練関係を、そのほかに職能訓練と言語訓練の二名を増加いたしまして計、機能訓練三名というふうにいたしたいと思っております。それから精神薄弱の養護学校につきましては、現行法では算定いたしておりませんが、新たに言語訓練と職業訓練の二名の機能訓練定数を配分したい。それから盲学校につきましては感覚訓練一人、ろう学校につきましては聴能訓練と言語訓練二名、このように措置いたしたい。いずれもこれはもちろん五カ年計画でこれだけのものを充実していくということでございます。
○斉藤(正)委員 盲学校に一を乗じた教員の主たる任務、ろう学校に二を乗じた数の教員の主たる任務、これはそれぞれ何でございましょうか。
○宮地政府委員 いま申しましたが、それぞれ盲学校は感覚訓練、ろう学校は聴能訓練と言語訓練と申し上げたとおりでございます。
○斉藤(正)委員 同様な考え方から、精神薄弱者の養護学校に二を乗じた教員といったのも、そういう特殊な任務を持った教員と解釈してよろしいか。
○宮地政府委員 先ほど申しました言語訓練と職業訓練が精薄の養護学校ということに御理解いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 そうしますと、盲、ろう、精薄養護学校にそれぞれの増員を認めているにかかわらず、病弱虚弱の養護学校にも同様の増員をしなかった理由は一体どこにあるのか、これは片手落ちであろうというように思う。むしろ機能訓練が必要なのは病弱虚弱の養護学校であろうというようにもいえると思うのですけれども、なぜここに増配をしなかったか。
○宮地政府委員 病弱虚弱児と申しますのは、特に感覚がどうであるとか、あるいは聞くほうの聴能がどうであるとか、ことばがもつれるといったようなことで、言語訓練といったいわゆる機能訓練ということよりも、からだが病弱であり、虚弱であるということで、特に特定の機能が劣るというそういう着目のしかたでなく、全体としてからだが弱い、虚弱であるというふうなとらまえ方のほうが適切ではなかろうかということで、特に先ほど来申しましたその他の養護学校のような機能訓練という教師は特配をする必要はなかろう、こう考えたわけでございます。
○斉藤(正)委員 病弱虚弱の養護学校の大部分の児童、生徒がどういう病気でそうなっているかということは御存じですか。ただ何となく弱いから養護学校に入っているということだと思っていますか。
○宮地政府委員 大体結核、心臓、じん臓といったような病気の者が主のようでございますが、ただ、ことばを返すようですが、ろう関係ですと、耳の聞く機能が特に弱いのでその訓練をするとか、あるいはことばが出にくいので言語の訓練といったような、特殊の機能ということは今回は考えなかったということでございます。
○斉藤(正)委員 病弱虚弱の養護学校は、いまおっしゃいましたように、小児結核あるいは心臓あるいはじん臓小児ぜんそくといったような対象児が多いのでありまして、これらの対象児には機能訓練は不必要だという認識は、現場の感覚とはだいぶ離れているというように思うわけなんです。それはそれなりに機能訓練としてやるべきことがあるというように私どもは考える。この点見解の相違と言われればそれでありますけれども、自信を持ってそういう答弁ができるかどうか、病弱虚弱の養護学校では機能訓練の必要はないということが自信を持って言えるのか、もう一ぺん局長から承りたい。
○宮地政府委員 実は私どもこの予算要求等をいたします場合、日ごろからこういう特殊教育の関係者にお集まりいただきまして、審議会とか委員会というものではございませんが、協議会方式でいろいろの識者の御意見を聞いております。先ほど来の、特殊教育の振興で総合的な研究所をつくったらといったような考え方も、実はそういう専門家の非常に専門的に研究された結果でございます。いま申しました機能訓練の定数増配につきましても、種々特殊教育の関係者から聞きましてこのような措置をとりました次第でございまして、病弱虚弱の子供たちにも、もちろん理想的にいえばいろいろ教職員が要るかもしれませんが、まず、さしあたって難聴の子供には聴能の機能訓練をするとか、言語障害の子供にはことばがうまく話せるようにといった、特にそういう面で機能訓練をする教員を特配する必要はいまの段階ではまずなかろうということで、識者の御意見を参考にいたしまして予算要求もいたした次第でございます。
○斉藤(正)委員 識者の意見を参考にしてというならば伺いたい。機能訓練はいまリハビリテーションの中でも重視されていることでありますけれども、医療行為と考えるか、それとも医療的内容を含めた教育活動と考えるか、この考え方いかんによってはまた違った事象が出てくるのでありますけれども、局長、専門家はどう言っておられましたか。
○宮地政府委員 この標準法で置きます職員は、あくまでも教育を行なう職員でございます。直接病気をなおす医学専門家というよりも、教育者という面で標準法では考えております。したがいまして、いま先生の御質問の専門的なことについて専門家がどのように申されたかということは、十分私、いまここで承知いたしておりませんが、ただ教育者でございますので、とりわけそれが医学的な面であれば、医師の指導に従ってそういう機能訓練を行なう教師は動くというのがたてまえであろうと思いますし、今後もそのようにいたしたいというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 大筋からいって間違っておりませんと思います。肢体不自由養護学校学習指導要領によりますれば、体育、機能訓練となっておるわけであります。そうしますと教育活動であり、学習評価の対象になる課題となって、いま局長のお考えになっていることと結びつくと思うわけであります。そういうことになるとするならば、三人の教員を配置すれば、小学部、中学部の全校生徒に十分な機能訓練ができるとお考えになっているのか、これで十分だとはまさか言わないと思いますけれども、三人でそういうような教育的効果が発揮できるとお考えでありましょうか、いかがでありましよう。
○宮地政府委員 この機能訓練につきましては、今回の改正で考えることにいたしました職員でございます。従来からも必要であったわけでございますが、置かれていなかった。しかし、今回は必要なんだから、三次計画でこういう職員を置くことにしたいという気持ちで置くことにいたしました。もちろん、これで十分であるとは思っておりませんが、第二次計画まで、必要ではあるがいろいろな事情で置かれなかったものを、置くことにしたという点では前進であったと思います。もうこれ以上はしないという意味ではございません。
○斉藤(正)委員 十分ではないという答弁でありますけれども、もし十分でないというならば、それでは一体だれがやるのかということが問題になると思うのであります。先刻もこのようなものの実態報告があったわけでありますけれども、それによりますと実習助手というのがあるが、現行法では実習助手は高校定数法によって算出されているもので、小中学部の児童、生従の教育に直接、間接に従事するわけにはいかないと思うのであります。実習助手は高等部の生徒のみの機能訓練を行なっているというようにしか解釈できないわけでありますけれども、実態はどうなっているのか、御承知でありましょうか。
○寒川説明員 御指摘の実習助手が機能訓練に携わっているということでございますが、高等部におきましては実習助手を定数として措置されておりますので、本来教諭等が機能訓練を担当すべきところを、適任者が得られないということの学校の実情等によりまして、助手として採用して、主として高等部でございますが、御指摘のとおり実習助手が機能訓練を担当しているのが実態として多いわけでございます。
○斉藤(正)委員 実態だと言い切らずに、多いわけでございますという答弁でありましたが、事実をよく御承知の上での答弁であろうと思うわけであります。というのは、たとえば東京都では実習助手という名称で小学部、中学部の子供たちに対しても機能訓練を行なっているわけであります。したがって、高校定数法に基づく高等部の実習助手という採用を行なっていて、しかもその方が小、中の機能訓練をやっている。こういう実態があるわけでありますが、しからば、先ほど午前中の私の提案理由の説明を詳細お聞きになっていれば、私どもの意図がおわかりいただけたと思うのでありますけれども、この機能訓練担当者は、一日に何人の機能訓練の個別指導を行なうのが適当だとお考えでありましょうか。
○寒川説明員 機能訓練の担当教員の担当時間数でございますが、それにつきまして私どもの一つの計算として考えた基礎になっておるものでございますが、計算上の学校規模を十八学級、児童、生徒数百四十四人と考えたわけでございますが、この場合における指導方法といたしまして、児童、生徒を二つのグループに分けまして、それぞれが前期、後期各入れかえ制によりまして、同一の時間におきまして肢体機能と職能の訓練を行なうということでございまして、その計算といたしましては、一週当たりの担当時間数として二十七時間ということに考えたわけでございます。それが計算の基礎でございます。
○斉藤(正)委員 一週二十七時間というと一日に何時間になるか、およそ見当がつくわけでありますけれども、私は一週何時間かなんて聞いていない。一日に何人の個別指導を行なうことが可能か、その可能な数字によって定員は出てくるのではないかという反論をしたかったために聞いたわけでありますけれども、私どもは、一日一児童に三十分行なうとして八人しかできない、これは二百四十分だ、二百四十分は四時間だ、こういうように解釈をして、実はしかじかかようの定数がほしいという質問をしたかったわけでありますけれども、まあけっこうです。後ほどまた具体的には伺っていきたいというように思います。 ここで、機能訓練が肢体不自由児にとって必須の教育条件であることはお互いに認めておるわけでありますが、これを担当する教員の養成がいかにも情けない状態にあるというように思うわけであります。残念ながら文部省関係にはこの機能訓練の養成機関はないわけでありまして、厚生省がやっておりますリハビリテーション学院の卒業生にまつしかないというのが実態であろうと思うわけでありますけれども、人のふんどしで相撲を取るのもけっこうでありますが、文部省自体にこの養成機関がないということは一体いかなる手落ちであろうか、残念でたまらないわけでありますけれども、どういうことですか。
○宮地政府委員 現在では東京学芸大学に言語障害の教員養成課程を設置しておるのみでございまして、御指摘のような特に専門的な特殊教育の教員養成課程を持っておりませんのは、私どももまことに不本意なところでございます。そういう状況であるのに、ただこの機能訓練の定数だけつけてもあまり意味がないじゃないかということにもなりますが、今日まで先生が御指摘のような方の協力も得ておりますが、また、現職者にそういう機能訓練の現職教育も施しております。将来の問題といたしましては、教員養成大学に特にそういう特殊の教員養成課程も置きたいと思いますが、一面、長年特殊教育をやっておる人から特に現職教育をして機能訓練を行なわせるということもまた、初めからそういう機能訓練の専門教育を大学で受けて教師になるのと並んで重要なことだと考えます。したがいまして、現在の状況は、不本意ではございますが、できる限り経験者に現職教育を施すといったようなことでやっていきたいと考えております。
○斉藤(正)委員 厚生省のリハビリテーション学院は、厚生省自体の別個の目的をもって設立された養成機関であって、文部省の所管である養護学校や障害児学校のための養成機関ではないのであります。このことは文部省としては片手落ちもはなはだしいというように私は思うわけであります。大臣、こうした関係教員なり、あるいは技術者の養成について文部大臣としては責任を感じなければならぬと思うのでありますけれども、その見解と将来の構想について承っておきたい。
○坂田国務大臣 ただいまずっと聞いておりまして、やはり御指摘のとおり、この点についてはわれわれも考えなければいけない問題で、特殊教育を進めていく上におきましては欠くことのできない問題ではないかと思います。これは十分検討いたしまして、前向きにこれを設立するような運びに持ってまいりたい、こういう気持ちを申し上げておきたいと思います。
○斉藤(正)委員 大臣の答弁を了とするものであります。至急に具体的な対策を確立していただきたいと思うわけであります。 大急ぎで第十一条の問題に入りますけれども、第四号について伺うわけでありますが、寄宿舎に一名の教員を配置するということが出ております。寄宿舎に一名の教員を配置するというのでありますが、一体どのような仕事を考えておられるのか、第十一条の四号の説明をいただきたい。
○宮地政府委員 これも舎監だけをやるということではございませんで、教師が舎監も兼ねてやるという意味でございます。そのためにこういう定数を一応積算すれば、それだけ全体として教育と寄宿舎における舎監の任務が全体の教員で従来以上に適切にやれるという考え方でございますが、寄宿舎を置きます特殊教育諸学校では、舎監に充てられました教員が、たとえば毎日交代で舎監の職務に従事しますと、その翌日の午前中の授業担当時間、大体四時間程度と考えられますが、それをほかの教員が振りかえて担当できるようにするために、一日四時間、一週延べ六人分の二十四時間の授業担当時間分に相当する教員定数といたしまして、寄宿舎を有する学校ごとに教員一人を加配するという計算をいたしたわけでございます。
○斉藤(正)委員 これは簡単にそう言いますけれども、必ずしも舎監だけの勤務ではないというお答えでありまして、教員であって寄宿舎に配置をすれば何かと学校全体の運営上ぐあいがいいからというような配慮のようでありますが、もし舎監ということばを今後も使うということになりますと、私はこの舎監ということばにたいへんなこだわりを感ずるわけであります。舎監ということばの監なんという字は、今日の法律用語では警視総監以外には見当たらないのであります。そんなばかなことはない、学監ということばがどこか新聞にあったぞと思って調べてみましたが、これは法律用語ではなくて、かってにつけたことばのようであります。法律用語であるのは舎監と警視総監の二つぐらいではないかと思うのであります。学校教育法施行規則第七十三条の四に舎監ということばが出てきておるわけでありますが、これを何とか改正する意思はありませんか。
○宮地政府委員 現在のところ特にそのような考えは持っておりませんが、おっしゃいますように、この舎監という、特に監の字が非常に教育的にも不都合であるということでございますれば、将来の問題として検討もしてみたいというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 舎監というのは、管理するのですか監督するのですか。どちらにウエートが置かれているのですか。
○宮地政府委員 管理、監督といいましても、抽象的な定義はできますが、実態といたしましては、どこまでが管理で、どこからが監督であるか、これはなかなかむずかしいと思います。法律的な用語の意味は別といたしまして、舎監はやはり寄宿舎に宿泊しまして、児童、生徒の生活を十分指導し、助言し、またよい意味での監督もするというのが舎監の任務であろうと思います。
○斉藤(正)委員 しからば、この舎監は夜間寄宿舎に宿泊することを強制されるものであるか。夜間も宿舎に泊っていなければ舎監としての任務は果たせないとお考えなのかどうなのか、宿直との関係についての見解を承りたい。
○宮地政府委員 特に義務づけはないかとも思いますが、それぞれ実態に即した適切な運用がなされてしかるべきと思いますが、しかし、おおむね舎監と申しますと、やはり夜子供が寝ましても、とりわけ特殊教育のような特殊な心身障害児等の寄宿舎でございますれば、宿直がかりにおりましても、舎監はやはりおって、教育上、健康上の管理もしてやるのが親切であろうかと思います。
○斉藤(正)委員 そうした自発的な、良心に基づく宿直ということならば許せるというようにお考えかもしれませんが、労働基準法によりますれば、一週一日以上の宿泊勤務は許可をされていないわけであります。そしてみると、もし泊まれ、泊まったほうがいいというようなことになってくれば、明らかにこれは労働基準法違反にもなってくるというように考えますけれども、宿直がいる以上、舎監は泊まらなくてもいいという行政指導はされてしかるべきだと思う。こまかい問題になりますけれども、労働基準法に抵触する問題でもございますので、いかが御見解を持っておられますか。
○宮地政府委員 寮母の場合は、労働基準法との関係もございまして、とりわけ特殊学校の寄宿舎等では寮母がいろいろ世話をする必要もあろうということで、七名は少なくとも置くといったような配慮をしたのは労働関係の法律との関係を十分に考慮に入れた次第でございます。舎監につきましても、宿泊を義務づけ、大いにそういうことでやるためには、寮母と同じような積算を将来していくべきであろうと存じますが、現在のところ、そういう労働基準法との関係で、いわば法律違反にもなるということも考慮いたしまして、その点は十分はっきりしておりませんし、また、都道府県各学校の運用にまかしておるのが実態であろうと思います。ただ、だからといって舎監は宿泊をしないようにとか、しないほうがよいのだということも実態に即さない面もございますので、御趣旨の点を頭に置きつつ、将来の検討課題と申しますか、改善の努力目標として努力したい、こういうふうに考えます。
○斉藤(正)委員 だいぶ遠回しな表現をされておるのでありますけれども、要約すれば、舎監は宿直は強制されない、こう解釈してよろしいか。
○宮地政府委員 法律的にどうという問題は、はっきり明文はございませんが、従来の慣例並びに舎監を置きます気持ちから申しますと、やはり子供と同じように寄宿舎にその晩は寝泊まりしていただくほうが教育的に効果が多かろうと思います。ただ、御指摘のように労働基準法との関係がどうだといったような点から——されはといってそれを一方的な面だけで、教育上意味があるから絶対どうだということは多少遠慮すべきことだと思いますが、そういう意味ではっきりした御答弁ができなくて恐縮ですが、趣旨は、やはり寝泊まりをしたほうが効果もあがりますし、実態は寝泊まりをさせておるのが実態であろうと思います。
○斉藤(正)委員 宿泊をさせることが原則だということになりますと、当然手当ということが問題になってくる。週一日以上の宿直については労基法に抵触をする。まして、泊まれと言っておいて手当を出さないということになれば、踏んだりけったり、こういうことになるのですが、実際上はいまおっしゃいましたようにきまりがなくて、たとえばその手当の問題についても、月額三千円を限定して支給しているところ、あるいは宿直手当に該当する金額を支給しているところ、あるいは宿直手当プラスアルファという形で手当を支給しているところ、まちまちだ。私は、文部省が舎監は宿泊をすべきだという指導をするなら、それなりの人数も確保しなければならぬし、また手当についても配慮をして、初めて宿泊の強制ができるし、舎監本来の任務が宿泊しなければならぬということならば、そうしたことが当然配慮されてしかるべきだというように思うわけでございますから、この点は質問というよりも今後十分御検討をいただいて、現場の実態を把握された上に適切な指導をお願いをいたしたいと思うわけであります。 寄宿舎は、夜間児童、生徒等の生命を預けているところでありますから、その警備につきましては当然慎重を期さなければなりません。その警備員の設置にあたって、寄宿舎も一校並みに考えるべきだというように考えます。学校があって寄宿舎がある。寄宿舎と学校で全部ひっくるめて一つだという考え方よりも、学校は学校としての施設、寄宿舎は寄宿舎としての施設というような考え方が妥当であって、もし警備員を置く場合には、学校警備員、寄宿舎警備員というような形のものが望ましいと思うのでありますけれども、局長、どのようにお考えでありましようか。
○宮地政府委員 まあ、教育的な観点から申しますと、寄宿舎も単なる宿泊所ではございませんで、教育的な意義があるということでやはり学校の寄宿舎はでき上がっているのだろうと思います。しかしながら、いま御指摘のように、そういうことではあっても警備とかなんとかいうような点からいえば、それぞれ別にやったほうがよいではないかという御趣旨のようでございますが、これは寄宿舎も校舎と同じ地域内にあるか、あるいは離れておるかといったようなことでまた状態も変わってこようかと思いますが、文部省といたしましては、先ほどの宿日直等を地方公共団体で命じておりますれば、その実績は文部省は見るということで、先ほど先生が三千円打ち切りというようなお話がございましたが、そうではなくて、五千円なり七千円なり実績として公共団体が持たれれば、文部省としてはそれを三千円に切るというような考えはございません。実績に応じて文部省はいたしたい、こういうふうに考えております。
○斉藤(正)委員 続いて第十二条関係の養護教諭について伺いたいと思うのでございますけれども、肢体不自由児及び病弱養護学校におきましては、他の学校種別に比べて養護教諭の必要性がより重視されています。定数法でなぜこの点を配慮しなかったのか、私は疑問でならないわけでありますけれども、その理由を伺いたい。
○宮地政府委員 いろいろ社会党案も聞かしていただきまして、私も、文部省としましても、ビジョンなり将来の遠き目標といたしましては何ら異議を差しはさむべきでないようなものもございますが、やはりこういう法律改正につきましては、特に五カ年計画とかいったように年次を切っての計画におきましては、何を優先すべきか、どれとどれのバランスをはかるべきかといったようなことは、当然財政上の問題その他諸般のことを考えてやっておる次第でございまして、先生の御趣旨に異を唱えるつもりはございませんが、いろいろバランス上の問題もございましてこのように規定いたした次第でございます。
○斉藤(正)委員 十三条に移りますが、寮母についてお尋ねをしたい。寮母という名称も私は好ましくない名称だというように考えておりますが、寮母というのは女性でなければいけないのですか。
○宮地政府委員 大体寮母というのは、その字が示しますように女の人が適任であろうという考え方でございますが、しかし男で十分寮母の仕事ができるというような人を、法律的にそれは寮母では絶対いけないというような制限はいたしておりません。しかし、大体女性がなるのがふさわしいことであろうというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 従来男性で寮母という職についていた人があるわけでありますけれども、やはり男性寮母というのは順次減少いたしていく、これは寮母という名前にコンプレックスを感じているというような現場の声もあるわけであります。さればといって寮父というわけにもいかぬ。(笑声)これはやはりもう少し名前についても検討する必要がある。ただ私どもは漫然と昔から舎監といってきた、寮母といってきた、子々孫々末代までその名前にこだわるということは、これは考えなければならぬと思うのです。たとえば寄宿舎教諭というようなことにすれば何ら抵抗もなくいけると思うのでありまして、この辺どのようにお考えでありましょうか、名称の点について見解を承りたい。
○宮地政府委員 寮母とか舎監とかいうことばが、いま、従来の沿革から今日的感覚では必ずしも適当なことばでないという点につきましては、一〇〇%そうではないと申し上げる理由もございませんので、将来の問題として考えたいとは存じますが、いま一例としてお引きになられました寄宿舎教諭ということも、やはり本務が教諭でございまして、それが舎監の職務も兼ねて行なうことでございますので、教諭が寄宿舎教諭となりますと、二つの職名ができたようでございます。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕 ただ、寄宿舎教諭ということも含めまして、将来の問題として適当なことばがございますれば、よいことばに改善するのにやぶさかではございません、十分検討さしていただきます。
○斉藤(正)委員 この寮母についてなお承っておきたいと思うのでありますけれども、改正案によりますと、現行法の六分の一を五分の一に、ただし、肢体不自由児養護学校では四分の一に改めようとするものでありますが、これで労働基準法による女子の勤務に見合う改善ができるとお考えになっているのかどうか。最低規制として七人としたことは、従来私どもが主張してまいりました小規模学校を考慮した定数に近ずいているわけでありますけれども、七という数では、同一曜日にのみ休日になり、たとえば火曜日が休日にあたる寮母は長い間パーマネントをかけに行けないのである。理容、美容は火曜日が休みだ。毎週火曜日に休みにぶつかる人は、大げさにいえば一生パーマをかけに行けない。こういうことにもなるのでありますが、私どもが主張しておりますように、ここをもう少しがんばって八にすれば、毎週違った曜日に休める、こういうことになるのでありますけれども、婦人労働者としての寮母に対し必要な身辺の問題まで配慮していくのが文部省の親心だというようにも私は思うし、また、それが実態に即した配慮だというように思うのでありますけれども、見解はいかがでございますか。
○宮地政府委員 御指摘のように、労働基準法の趣旨に沿いまして、宿直につきましては週一回を基準とするということで七名という数字に従来よりは改善したわけでございます。七名よりは八名がよいということには異をはさむつもりはございませんが、いろいろなこともございまして、とりあえず七名といたしました。ただ、一度火曜日のパーマネントの休みの日にでくわした者は一生という、これは比喩が多少オーバーであるかと思いますが、この点は、ある週に火曜日でやったものは次の週は水曜日にするとか、あるいは月曜日にするとか、いろいろ事情もございましょうが、運用のよろしきを得ることによってそういった個々のトラブルは解消できるのではないか、そのようにやっていただきたいものだというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 実際は現場の配慮でそういうことはやっているんですよ。現場の配慮に依存をして、文部省がそれでいいんだということでは、これはお粗末だ、こう思うのです。まあ、しかし前進の方向に行っているわけでございますから、近い将来七を八に、八を九にというような前進をぜひともお願いをいたしたい、こういうように考えておるわけです。 改正案も現行法も、児童、生徒数を割って寮母数を算出をしている積算基礎でありますけれども、六とか五とか四とかいう数は、どういう根拠をもって出てきているのか伺いたいと思います。係でけっこうです。
○岩田説明員 寮母の数の算定基礎に児童、生徒数を置いておりますが、この六とか五とか四とかいう数字は、教育論的に何人負担したらよろしいかというような精密な根拠はないのでありますが、できれば寮母一人当たりの手をかける児童、生徒数は少ないほうがいいということは一般的にいえると思いますが、要するに漸進的に従来よりもさらに改善していこう。特に肢体不自由児等の学校におきましては、よけいに手がかかるであろうというようなこと等を考慮いたしまして、分母となる数を従来より一つずつ少なくした、そういうようなわけでございます。
○斉藤(正)委員 寮母については養成機関の問題これにも非常に多くの問題があるわけでございますが、もっと重要な問題は、寮母の身分の確立の問題があると思うわけです。待遇改善についてはどのように考えているか、文部省の見解を伺いたいわけでありますけれども、現在は短大卒または新大卒の寮母が続々とふえてきているのであります。非常に困難な仕事であるにもかかわらず、一面使命感に燃えてこういう寄宿舎の寮母になってこられる皆さんのことを考えてみますと、寮母に関しましては一生三等級に格づけられていることは不当である。特に、先ほども触れましたけれども、短大、新大卒の皆さんが就職をされてくるということを考えますれば、これは明らかに矛盾だというように思うわけでありますけれども、待遇改善について具体的な措置をお持ちでありましようか。
○宮地政府委員 寮母の待遇は、給与面におきまして教育職俸給表(二)の適用を受けております。初任給につきましては、高校卒は三等級一号、短大卒は三等級四号、大学卒は三等級七号というふうになっておりますが、さらに教員と同一の八%の調整額が支給されております。もちろん、これで十分であるというふうには考えておりませんで、寮母を含めまして、文部省といたしましては教職員給与の適正なあり方、そのできる限りの待遇を向上さしたいという気持ちでいろんな調査もいたしておりますと同時に、毎年人事院勧告等の時期には、大臣も人事院総裁に直接この交渉に当たられる等、過去から今日まで、また将来にわたっても、あらゆる面で教員の待遇向上には努力したい、このように考えております。ただ、寮母だけ飛び抜けてその他の教員より一そうにといったような考え方は、いまのところ持ち合わせておりません。
○斉藤(正)委員 私も、寮母だけを取り上げて、他の教員よりもすぐれたというようなことを言っているわけではございません。ぜひひとつ前向きの方向で御検討をいただきたい、こういうように思うわけであります。 さらに私が伺いたい点は、第十四条の関係になるわけでありますけれども、特殊学校におきましては、就学奨励事務等に関する事務がきわめて複雑であり多岐であります。また量的にもかなり多くなっております。この点に見合った事務職員というものが特に配慮されてよろしいというように思う。また、寄宿舎の事務につきましても、質量とも複雑多大であって、現在寮母が分担しているという実情が多く、寮母の定数を食っているというような関係にあると思うわけでありますけれども、こうした寄宿舎の事務あるいは特殊学校における特殊な就学事務等々の観点から、事務職員の配置について、文部省は前向きの考えがないのかどうなのか、これを見解として承りたい。
○宮地政府委員 事務職員の数は十四条に書いてございますが、小学部と中学部の部の数の合計数に一を乗ずるということで、一般の小学校、中学校よりは、実際問題としても一人は必ずということにはなっておるのが趣旨でもございますし、実態でございます。しかし、これでは十分ではないだろうという先生のお気持ちからの御質問だと思いますが、あらゆる職員定数につきまして、私ども必ずしもこれで十分と考えたものはございませんで、中には最低限ここはとか、あるいは最低限のものは置いたから中ぐらいなところにしようとかいったようなことでこの標準法はできております。その点、御了承いただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 特殊学校におきましては、技術職員あるいは栄養士、看護婦、介助職員、添乗員、炊事員及び用務員など、特別に考慮しなければならない職員があると思うのであります。これらの職員を、単に地方財政計画の中にそれらの一部を見るということではなくて、文部省として定数化すべきであるというように私どもは思い、あのような法案を提案したわけでありますけれども、一体文部省としてはこうした問題をどのようにお考えになっておられましょうか。
○宮地政府委員 これは先ほど交付税の関係で吏員相当ということでお答えもいたしましたが、一応そういうことで地方財政としては見ておりますので、現状におきましてはその程度で御了承いただきたいし、また、私どもとしてもそういうことでやっていきたいというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 きわめて消極的な態度であって、私どもの法案から比較をいたしますれば残念な答弁でありますけれども、しかし、やはりすべてのこうしたこまかい配慮、前向きで考えるということによってのみ初めて、さすがに坂田文政は特殊教育を重視した、こういうことにもなるわけでございまして、局長といえども大臣の考えを身に体して今後御検討、御研さんをいただきたいというように思うわけであります。 次に学級編制の基準については経過年数を考えないと見ていいのかどうか。つまり四十四年度から八名一学級に編制してよろしいか。二番目に、教員定数の増加については、それぞれの県の増員数を五で除した数を切り上げ初年度から充足すると考えてよろしいか。地方によっては、五カ年計画であるから、四年間は計画に終始し、五年目に実現したらよいといっている県も事実あるのです。文部省としてはどのように具体的な指導をされるのか、具体的に三点についてお答えをいただきたい。
○宮地政府委員 これは五年計画でございますので、第二次五カ年計画のときは四十五人という定数の学級編制に持ってきますために、四十八人、次の年は七人、六人、五人というようなことをいたしました。しかしながら、今回のは、一般学校におきましては四十五人というのを動かしておりません。小規模学校等につきまして、従来ともすれば忘れられがちでありましたところにきめこまかく配慮をしていこうということが趣旨になっております。したがいまして、都道府県で、この五年間、五年後の姿というものはわかるはずでございます。五年後の姿を見て、都道府県がやはりある程度自主的に計画をお立てになるということがよいのではないか。従来の五十人を四十五人に下げるといったようなときとは大体趣旨が違いますので、相当大幅に県の自主性を尊重したい、こういうふうに考えております。したがいまして、先生のお尋ねの四年間ほっておいて五年目にやるか、それはもともとこの趣旨ではございません。かりにそのような不心得な考えを持つ県があるといたしますれば、そういうことの起こらないように——私ども起こらないと思いますが、この法律が通りますれば、直ちにでも県の教育長を集めまして、趣旨徹底会議も開き、御指摘のようなことのないようにより一そう努力したい、こういうふうに考えております。 それから大体五年計画だから五で割った数字が毎年の数になるかということでございますが、実は小、中学校の子供の数は、四十四年度と四十五年度が非常に減少してまいります。四十七年、四十八年は多少上向きになります。そういう関係もございますので、ただこれを五年目にだけやればよいかということもよくございませんが、平均で割った数字も、これは必ずしも実情に即さないと思います。そういうような点を県として十分勘案してやっていただきたい。ただ、これは法律にもございますように、四十四年、四十五年、生徒数が非常に減りますが、ほっておきましても前年度の九八・五%の教員定数は維持できる、それ以上の減はないという措置はいたしております。
○斉藤(正)委員 最後、ほんとうに最後であります。経過措置についての文部省の指導方針は明らかになったわけでありますけれども、高校定数法との関連でひとつ伺っておかなければならぬわけであります。今国会には高校定数法の改正案は出されていないわけでありますが、本法との関係において少し伺っておかなければなりません。高等学校には、本科のほかに別科、専攻科がある。特殊教育諸学校においても、別科、専攻科があって、高校定数法第十七条において「特殊教育諸学校の高等部」というのに別科、専攻科を含めると考えていいと思うのであります。おわかりですか。特殊教育諸学校の高等部というのに別科、専攻科を含めると考えてよろしいと私は思う。ここで高等部に置かれる専門教育を主とする学科の数を計算する場合も、別科、専攻科を計算すると考えてよろしいかどうか。同法案が提案された第五十五回通常国会の本委員会において、同僚唐橋委員の質問に答えて、当時の初等中等局長齋藤正氏は、高等部は高等部だけ計算して、別科、専攻科は計算しないという間違いをしているのではないか、別科、専攻科も、定数法では高校と同じ算出を行ない、交付税上の措置をするのであります。という意味の答えをしたのであります。ところが地方では、別科、専攻科を含めないで学科の数を計算しております。一例をあげてみますと、あるろう学校で、本科には専門教育学科として、一、理容科、二、被服科、三、木工科があり、専攻科に理容科、木工科があり、別科に竹工科があった場合、この学校の専門教育を主とする学科の数は六と考えてよろしいのかどうか、おわかりですか。専門教育学科として、理容科、被服科、木工科があり、専攻科に理容科、木工科があり、別科に竹工科があった場合、この学校の専門教育を主とする学科の数は六つと計算してよろしいかどうか。事務担当者でもけっこうですよ。
○岩田説明員 私から御説明申し上げます。このことにつきましては、一昨年高校定数標準法の御審議を願いました際にも御同様な質問がございました。そのとき御答弁申し上げたのでございまするが、高校定数標準法には、別科、専攻科についての算定の定めはしてございません。してございませんが、これも交付税の算定基礎におきまして、高校定数標準法の算定の方式と同じ方式をもちまして算定するようになっておる。したがって、いまいろいろ学科の名前をあげられましたけれども、それがその学校の学科組織として認められておる学科であるならば、同様に計算される、こういうことになります。 それから、なお最後だということでございますが、先ほど御質問がございまして、特殊教育諸学校の学級編制、学級数は幾らあるかということは、いま資料が来ておりますので、御説明申し上げますと、学級編制改正に伴なう学級増数、六百人の基礎になったものは四百四十六学級の増加でございます。 以上、お答え申し上げます。
○斉藤(正)委員 以上長々と私は質問をいたしました。不明瞭な点もありましたけれども、文部省から答弁をいただいたわけでございます。特に、けさほど提案理由の説明を、これまた長々と申し上げましたけれども、義務制小中学校あるいは義務制特殊学校の教育の振興をお願いしたいがゆえにの提案であり、質問であったわけであります。特に私どもの提案に対しまして、長い理由の説明であり、法文もまだ残念ながら御一読いただいていないと思うのでありますけれども、最後に大臣から、趣旨につきましては御理解をいただいたところだと思いますので、ひとつ総括的な御見解を承って、長い私の質問を終わらせていただきます。
○坂田国務大臣 日本社会党提案にかかります標準法改正案を拝見いたしますと、いろいろ含蓄のある示唆に富む点も少なくないように思います。政府提案の改正案に比べまして、しかしながら、相当大規模な教職員の増員を含むものとなっておりまして、財政状況等を勘案いたしますと、当面ただいまといたしましては、政府案が妥当なものと考える次第でございます。しかしながら、御提案に示されました諸点につきましては、今回の政府案の実施の成果を見た上で今後十分検討してまいりたいと考えております。
○斉藤(正)委員 以上で質問は終わったわけでありますが、この際、私は先ほど答弁の中から資料の御提出をお願いをいたしましたが、それに続いて以下申し上げる諸資料につき、なるべく早く本委員会に御提出をいただきたいと思うわけであります。 一つ、学級編制についての諸外国の状況。それは単式、複式、単級の場合等を含めて、文部省の資料の中で最も正確なものをおつくりいただければと思っております。 二つ目に、小学校の専科制について、やはり諸外国ではどのような制度になっておるのでありましようか。 三つ目は、諸外国における学校に配置されている教員の職種と人数について、もしおわかりならばその配置基準も含めてひとつ資料をつくっていただきたい。 四番目に、諸外国における小、中学校の教員の担当授業時数は、どのようになっているのか。 さらに五番目に、同じく諸外国において教職員の勤務時間はどのようになっているのか。 六番目に、過疎、過密地区における将来の児童、生徒数の増減傾向を文部省としてはどのように把握をされているのか。 七番目に、昭和三十三年以降の学校統廃合の実態を、県別、小中別、年度別に作成をして資料としてお分かちいただきたい。 以上、七点の資料要求をして私の質問を終わります。
○宮地政府委員 ただいま御要求のございました資料につきましては、さっそく私どものほうで調査をして、提出可能なものはあらゆる努力をして提出させていただきたいと思いますが、何ぶんにも諸外国の事情でございますし、また、こまかい、たとえば配置基準であるとかいったような点その他ございますので、もし努力いたしましても、相当日数を要するとか、あるいは問い合わせても、そういうものは資料としてできないというような事情もあろうかと思いますので、その点はお含みいただきたいと思います。それ以外可能な限りのものはできるだけすみやかに提出させていただきます。
○谷川委員長代理 川村継義君。
○川村委員 たいへんどうもおそくなりまして御苦労さまです。 実は、次の委員会の機会に時間をいたただいてゆっくり質問をしたい、お尋ねをしておきたいと思っておりましたが、どうもそういうぐあいにまいらぬそうでございまして、きょうおそくなりましたけれども、二、三お尋ねをいたしておきたいと思います。 いま斉藤委員から具体的にこの法案に直接関係する各種の問題を詳細にお尋ねになりましたので、なるたけ重複を避け、簡単にお尋ねいたしますので、明らかにしておいていただきたいと思います。 斉藤委員から最後にお尋ねがありましたが、斉藤委員が代表で社会党の法律案六本をきょう提案説明をいたしました。いま一度大臣の所見をお聞かせおきいただきたいと思います。いま斉藤委員にもお答えがあったようでありますけれども、でき得べくんば私たちが提案いたしました六本の法律案について、法律案別にお考えがございましたら、ひとつ所見を聞かしておいていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 午前中から御質疑を承り、なおかつ、その前に御提案がございましてので、大体は承知をいたしておるわけでございますが、六本そのものを一つづつというのには、あまりにもざっぱくなお答えを申し上げてもいかがかと思いますわけでございまして、われわれの気持ちといたしましては十分納得のいくような点もあるわけでございますけれども、ただ、何せ私たちといたしましては財政上の問題もございますし、従来続けてまいりました計画もございまして、ただいまのところその御趣旨に沿えないということで、方向といたしましては、私たちといたしましても賛成の部面も少なくないということを申し上げたわけでございます。
○川村委員 今日のわが国の財政事情あるいは文教行政の今日までの推移等々見ると、大臣がお話しのお気持ちよくわかりますけれども、先ほど斉藤委員が趣旨説明の初めのほうで申し上げましたように、「今後とも、真に文化水準、生活水準ともにすぐれた国家社会を形成していくという観点から、わが国の将来の教育を見た場合、教育の普及という量から、教育の内容の高い質へ転換しなければならないのであります。質の高い教育を実現するためには何といっても教育の条件を改善することであります。」このように述べておるわけでございまして、どうかひとつ社会党が提案いたしましたところの六本の法律案の内容は十分事務当局に命じて検討させていただいて、前向きに進めていただきたい、これは強い実は要望であります。 そこで、私はきょうは、第一に法律に関係したことを若干ごく簡単にお尋ねをいたします。第二に、この法律に関係するであろう財政上の措置についてちょっとお聞きをしたい。第三に、大臣から一般的な所見を簡単に承る、こういうことで私の質問を進めてまいりたいと思います。 そこで第一は、斉藤委員もいま相当の時間をさいて特殊教育の問題について触れておりましたが、この法律の第三条を見てみますと、そこに学級編成の標準が示してありますが、第二項には特に小学校、中学校の場合、学校教育法の七十五条に規定する特殊学級、それから第三項に規定する特殊教育諸学校の学級編制の標準でありますが、もちろんこれは学校教育法によります第七十五条あるいは第七十四条、それらに基因する学級編制の標準、一学級の児童または生徒の数を定めておられると思うのですけれども、斉藤委員もるる指摘いたしましたように、こういう気の毒な生徒、児童を対象にしてやるときには、やはりこの十三人というのは少し多過ぎるのではないか。もう少しやはりこれはこの際思い切って十人なり、いや、特殊教育諸学校と同程度にすることが、やはり大臣もたびたび言われておるように、真に特殊児童、生徒に対する教育を進める条件をつくるものではないか、こう思われてなりません。その辺のところをひとつ再度大臣からお考えを承っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 先ほど、日本の社会がこのように発展をし、経済水準も高まってきたのは、一に教育の力にまつところが多いという社会党提案の冒頭のくだりでございますが、それを受けまして、教育の普及という量から教育内容の高い質へ転換しなければならないということにつきましては、私も全く同様に考えておるわけでございます。そういうわけでございまして、いま申されましたような点につきましても、特殊教育につきましては十三人をやはり十人くらいにしなければならないということも、われわれとしても気持ちの中にはあるわけでございますが、いま提案をいたしましたものは、いろいろの事情から十三人ということにいたした次第でございます。ただ、特殊教育のこういう定数というものについては、科学的にもあるいは実際的にも、もう少しやはり今後とも検討していく課題だと考えております。ただ、常識的に申しますと、御指摘のとおり、十人くらいであってもいいなという気持ちはいたすわけでございますけれども、これを提出いたしました私といたしましては、一応十三人ということで御審議をわずらわしておるということで御了承いただきたいと思います。
○川村委員 そういう点をずっと考えてまいりますと、斉藤委員もいろいろと質問いたしましたけれども、全部いますぐというわけにはまいらない、これはよくわかりますが、いま私が指摘いたしました点だけでも、今度の国会をこの法案が通過するときに、いまの特殊学校の学級編制だけでも、ひとつ委員会の良識において修正ということはあり得ないかどうか、強くそういうことを考えておるわけでございまして、委員の皆さん方にもお考えを願いたい点であります。 それから、第八条関係は斉藤委員が申されましたからこれは省きますが、その次に第十六条についてちょっと聞いておきたいと思います。この十六条の新しいほうは、第九条の条文を一項と二項に分けた形で、第二項が新設をされております。これは局長、二項を新設されたそのねらい、趣旨、分校等についての適用というこの欄の第二項を新たにここに規定されたねらい、趣旨、それをひとつ、ちょっと説明してくれますか。
○宮地政府委員 この十六条は、従来の九条を大体趣旨としては一項に持っていき、二項を新設した。大体先生の御意見のとおりでございます。その二項をつくりました趣旨でございますが、従来は政令に掲げられておりましたものに、なお前向きの点を盛った点でございますが、現在政令では、学校統合を行なった場合の特例といたしまして、校舎の建築が完成するまでは、学級編制についてだけ統合前の学校ごとに行なうことができるように規定されておりますが、今回の改正にあたりましては、これを政令から法律に上げたということと並びまして、従来の学級編制だけではなくて、教職員定数の算定につきましても、統合前の学校ごとに行なえるように改善したというのがその趣旨でございます。
○川村委員 これを新設、法定なさるときに、これから少し財政的な問題をお聞きしてまいるのですけれども、自治省と何か十分御相談なさいましたか、局長。いま、いわゆる指定統計によって統合がきまった学校について、交付税の措置はどう措置されておるか、御存じでございましょうか。
○宮地政府委員 これはこの十六条関係だけではございませんで、地方公共団体の財政に直接影響する問題でございますので、この法律案全体につきまして、自治省と十分相談をし、合意に達したものでございます。
○川村委員 私が聞いているのは、いまの十六条二項の新設に伴って、従来からとられておった交付税の手当てについて、その措置について何か相談なされましたか、従来どおりでございますかと、こういう意味です。 ではどうも、横手課長、おそくまで済みません。従来指定統計で統合がきまった学校については、結局その村で四つの学校があっても、それが統合すると、四つの中学があっても一つの中学となれば、一つの中学として交付税は見ておられたわけです。その辺の従来のやり方をひとつ御説明いただきたい。
○横手説明員 交付税を算定いたします場合には、学校統合等ございました場合に、測定単位の数値といたしましては指定統計に基づく数値をとるというたてまえにいたしております。したがいまして、学校統合等がございますと、それに伴いまして関係市町村においては基準財政需要額の減少が見られるわけでございますが、これにつきましては別途、従来は特別交付税において措置するというようなことが行なわれておりましたが、昨年度から、学校数の減少につきましては普通交付税において激変緩和の措置を講ずることにいたしております。 なお、学校統合によりますと、学校数の減少と同時に学級数の減少も見られるわけでございますが、これは新年度から同じように激変緩和の措置を講ずるよう、目下新しい改正法案を提案いたしておる次第でございます。
○川村委員 従来は政令でそういう趣旨がきまっておった。そこで交付税の措置も、いま課長が御説明のような手だてがとられてきた。これは学校統合の一時期においては、市町村ではたいへんな大きな問題になった。そこで自治省のほうでいわゆる激変緩和の措置をとっておられた。そうなると、今度の十六条の第二項にちゃんとこういうような規定が出るということになるならば、この「統合前の学校は、それぞれ一の学校とみなす。」ということがありますから、当然自治省に相談をよくなさって、激変緩和という措置は統合した後に実施するようにして、統合されたあとにその手だてをしてもらうようにして、この条文がある以上は、ここまではちゃんと、ことしの五月指定統計で統合しても、この条文の第二項が生きておる問は、ことしは従来どおりの学校、学級数で交付税を見てもらう。そしていよいよ統合されたらば激変緩和の措置を、いま自治省がとっておられる措置をとる。こういう二段がまえといいますか、そういう手だてを講ずべきではないか、その辺のところに配慮が欠けておったではないか、こう考えるのですが、局長どうでしょう。
○宮地政府委員 実はこの問題につきましては、従来より二項は前進いたしておりまして、学校が統合されるまでの間は、たとえば現行法でまいりますれば、五学級の分校が三校集まって一校になったというような場合は、機械的に十五学級ということで計算をいたしました。したがいまして、一八・五人という定数になるわけでございますが、今回の改正によりますれば、それが一校当たりで七人、それの三校分で二十一人というふうになりますので、教職員定数につきましては改善措置ができます。そのあとの段階の問題につきましては、御趣旨のような点は自治省と相談もいたし、御協力も得たいと協議もいたしましたが、まだ自治省としては検討をしておられる段階で、最終的な案をお聞きいたしておりませんが、折衝はいたしました。
○川村委員 私が聞いておるのはこういうことです。ことしの五月一日に、四校なら四校が統合をするときまる。すると指定統計では、これは統合学校として出てくる。そうすると、自治省としては、先ほどお話しのように激変緩和のために特交で措置をしてもらったこともある。普通交付税で考えてもらってもおる。ところが、それは激変緩和ですから、やがてはこれは一つの学校として交付税の中に算定をする、そういう結果になる。その初めから一つの学校にしてしまうと、交付税の配分が非常に落ちるからそういう手段をとってある、私はこう思うのです。ところが、いままであなたのほうでは、政令でちょっとした規定を、学級編制の行政的な規定を置いておいた。今度新しくぴちっとしたこういう二項の法定をしたのだから、ことし五月一日の指定統計で統合と出てきても、こういう法律が規定された以上は、従来どおり五つなら五つの学校数、そのとき存在しておった学級数、これによって交付税を算定してもらう。そうすると、その学校統合が一年かかるか二年かかるかわからぬけれども、学校を統合したら、今度はいままで自治省でやってもらっておるような激変緩和の財政措置を交付税等の手当てをしてもらう。こういうように前進させなければ、この法律を制定された趣旨からいっても、また町村の財政の問題からいってもぴっちり合わぬではないか。その辺のところは、文部省は自治省に対して十分な意思疎通を欠いておるのではないか、手落ちではないか、こう考えるから聞いておるのですよ。どうです。
○横手説明員 新年度におきましても、地方交付税上の統合学校の扱いは、昨年度と同様な扱いで考えてまいりたいと思っております。したがいまして、先生のおっしゃいました趣旨はよくわかるわけでございますが、実は統合を必要とするような町村につきまして、いろいろ財政の実態を見ましたところ、小学校費、中学校費につきましては、現実の決算額よりも基準財政需要額の算入額のほうがかなり上回っておるような現状にございます。これらの町村で問題となりますのは、むしろ経常的な経費よりも投資的な経費、学校の建設費、これが問題になります。したがいまして、これらにつきましても昨年度から事業費補正というものを適用することにいたしまして、財源措置にできるだけ努力をいたしてまいっております。したがいまして、これによりましてこうした町村が極端に悪化するというようなおそれはまずないもの、かように考えておるわけでございます。
○川村委員 横手課長さん、いままでとっておられる統合した場合の激変緩和の財政措置は、いままで五つの学校があったとして、これを一つ一つ見ていくかわりに、統合で一つの学校として算定する、そうすると、そこにおっしゃるように激変緩和措置がとられてきた。その場合の初年度、二年度等の、機械的になるかもしれませんが交付税の配分は、ちゃんと五つの学校があったと同じようでなくて、何割か落ちていくでしょう。その率はどうでしょうか。
○横手説明員 現在とっております激変緩和の措置は、初年度九割、以下七割、五割、三割、一割、こういうふうにいたしております。ただ、先生御承知のような単位費用の引き上げも行なわれますので、統合されました以降数年間は、少なくとも二、三年間は大体統合前の需要額程度のものはおおむね確保できるというようなかっこうの緩和措置をとっております。
○川村委員 局長、実際問題は、いま横手課長おっしゃったように単位費用の引き上げがありますから、こちらの考えのようにやられても、おれの町はえらいことしは減ったぞ、こういうことにはならないと思うのです。しかし、これは大事なことですよ、文部省としては。そこでやはりこういう法律を規定する以上は、私が申し上げたようにお考え願って、十分自治省とその辺のところは相談をしておかれないと、機械的に申すと、法のたてまえからいうと、あなたのほうは学校は前のとおり考えるんだ、こういっても九割、七割、こういうようにやはり配分が落ちていくわけですよ。これはひとつ十分——もうことしは交付税もできておるからちょっと間に合わぬかもしれぬけれども、しかし、ひとつ至急に自治省に相談をなさって、そういうようなことで市町村の教育財政に影響が及ばないようにぜひ考えていただきたい。これはいろいろこまかな枝葉は抜きにして、そういう点をお願いをしておきます。要するに何もかもというわけじゃないですけれども、文部省はこういう法律を作成する、教育を進める上においては財政の裏づけとなるものがどうなるかということを十分検討して、より以上に自治省あたりと緊密に連絡されることが大事ではないか。私が申し上げるまでもなく、教育費は国庫の負担金あるいは補助金、それから自治体の支出金、父兄負担、こういうものがおもなる柱となって教育財政をささえているわけですが、そういう意味でひとつお考え願いたい。 そこでちょっとお聞きしておきますが、昨年度、四十三年度は一体全国でどれぐらいの学校統合が行なわれましたか。小学校何校ぐらい、中学校何校ぐらいでいいです。
○宮地政府委員 突然のお尋ねでございますので、いま直ちに数字を調査いたしますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。
○川村委員 ちょっと大臣から学校統合に対する基本的な考えを聞かしていただけますか。
○坂田国務大臣 川村さんの御質問の意味がどういう意味かよくわからないわけでございますけれども、私はやはり地方におきまして、ある程度小規模な学校の場合、必ずしも教育的に見て効果があがらないということもあるわけでございまして、一定規模の学校をつくる上から統合が行なわれるということは、教育的に見ていい場合が多いということで、今日各地でそれが行なわれてきておるというふうに思います。また、そのできました結果としても、教育的には適正規模の形においての統合である場合は、従来の分散した教育環境よりもはるかにいいのじゃないかというふうに思います。ただ、山間僻地等におきまして、あまりにも教育的配慮を欠いた学校統合ということも全然ないというわけではない。そのためにかえって非教育的な結果になるということも私はあり得ると思いますので、この点については十分当該府県教育委員会等においても、末端の市町村の行ないまする学校統合について十分の配慮をもって行なっていただきたい、かように思う次第でございます。
○川村委員 学校統合の問題について論議をしておりますと時間を食いますからあれですけれども、ただ大臣、最後のおことばで御配慮をいただいておるようですが、ただ統合がいいというようなものの考え方で割り切っていただくといろいろな問題が起こる。中学校の場合はどうなんだ、小学校の場合はどうなんだ、教育の効果あるいは生徒、児童の教育生活等々あわせてひとつ御配慮いただかなければならぬと思います。こういう問題については、またいずれ十分掘り下げてお聞きをせねばならぬと思いますから、時間の関係上これ以上お聞きいたしません。 そこで第二の財政上の問題として、文部省の「予算要求額事項別表」、このいただいた資料の一五ページをちょっと見ますと、「義務教育の教職員定数の充実」というような項目がございまして、そこに「義務教育費国庫負担金(給与費等)」という数字がございます。そして右側の備考欄に定数の増減があげてあります。今度の五カ年計画によるものが二万八千四百九十一人、その中で定数改善によるもの、それから特殊学級の増加等々で一万六百二十六人を増加させたい、こういうことですね。ところが、現行法の措置でいった場合には、児童、生徒の自然減に伴って八千七百八十九人先生が減るわけです。そこで差し引き増加が一千八百三十七人、こう書いてありますが、この一千八百三十七人は義務教育の先生方のいわゆる定数の純増、これだけことしは増加するんだ、こう見ていいわけですか、局長。
○宮地政府委員 千八百三十七人は、ふえますものと、生徒数が減ることに伴って定数が減るものと、差し引きいたしました純増分でございます。御質問のとおりでございます。
○川村委員 これは横手さん間違っておらぬですね。それじゃ横手さん財政計画を御存じですから、財政課長おいででないからお聞きしますけれども、自治省が立てられたことしの財政計画によると、「義務教育関係職員数は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」によって算定した数および特殊学級増設等に伴う増を見込み、その総数を五十九万四千三百十七人としており、前年度の教職員数に比し五千七百八十一人の増加である。」財政計画にはこうあがっております。 そこで、文部省は、ことしは一千八百三十七人の純増、財政計画では五千七百八十一人の増加、こう示しておられますが、その辺の違いをひとつ説明いただきたい。
○横手説明員 まず、結論のほうから先に申し上げますと、四十四年度の計画人員五十九万四千三百十七名、これは今年度義務教育職員の国庫負担金の積算基礎になっておる職員数でございます。文部省の数字によりますと、これが五十九万四千三百四十八人となっておろうかと思いますが、その間の開きの三十一名は、これは別途定員合理化の措置に基づく年度内の減員見込をあげておる次第でございます。 なお、この四十四年度の国庫負担金につきましては、こうした人員に基づいて見込まれておりまして、その国庫負担金は同じく地方財政計画のほうの国庫負担金にも同額計上になっておる次第でございます。 なお、昭和四十三年度計画人員との差が五千七百八十一名、こういうかっこうになっております。この四十三年度の計画人員も、昨年同じような見方に基づきまして見込みを立てた人員でございます。ただいま文部省のほうの積算基礎によりますと千数百人、こういうことでございましたが、おそらく文部省のほうの資料は、四十三年五月の指定統計を基礎にされている。その後もおそらく増減になっておろうかと存じます。そうした新しい指定統計に基づいて積算されておるかどうか、そういったところに地方財政計画と文部省の資料との間に差があるものと思います。
○川村委員 いま横手課長が説明いただいたように、財政計画上は五千七百八十一人の増加、小学校で六千七十五人の増加、中学校で一千二百七十九人の減、盲・ろう学校で七十六人の増、養護学校で九百九人の増、合わせて五千七百八十一人となる。いま横手課長から説明のあったように、先ほど言われました純増の一千八百三十七人とはずいぶん開きがある。そこを文部省のほうから、いま横手課長が疑問を投げておったが、その辺の数字を説明しておいていただきたい。
○岩田説明員 いま横手課長から、自治省のほうから御説明があったとおりでございまして、算定の基礎にとりましたところの数字の時期が違うということであろうかと思います。私どものほうといたしましては指定統計を基礎に置いております。
○川村委員 文部省のそんな何かわけのわからぬ答弁じゃ困るですよ。それならそれのように、こういう数字になっておるとはっきりしなければ困る。
○横手説明員 実は手元に詳細な資料を持ってまいっておりませんのですが、地方財政計画で人員の増減を見込みます際には、お手元の資料の昭和四十三年度計画人員五十八万八千五百三十六人というのがございますが、これと昭和四十三年の五月現在の指定統計に基づく人員増が実は見られるわけでございます。その差は指定統計に基づく是正というようなことで一度置き直しまして、その上で今度の標準法の改正に基づく増減要素を加味して計算してまいるわけでございますが、地方財政計画のお手元の資料では、そうした指定統計の置きかえと私ども呼んでおりますが、それを中間段階を省きまして、昨年度の計画人員と四十四年度の見込み人員、この増減をここへ書き上げておりますので、ただいまのような開きが出てまいっております。したがいまして、かれこれ四千人近く実は昨年度の計画人員と指定統計との間に差が見られたということになるわけでございます。
○川村委員 横手課長、あなたのほうの数字には、いわゆる政令県といわれる、そういう県の国庫負担の対象にならない部分がありますね。その数はどうなっていますか。−そうしたら、これは明らかに言っていただかぬと、やはり何か財政を考える場合に私たちもよくわからぬ。 そこで、きょうはこのままにしておきますから、この次に、採決の前にちょっと時間をもらって、その資料をきちっと整えて、去年の計画人員、これだけだった。文部省はこれだけとっておる。指定統計の場合にはこうなった。それらのことを詳細に明らかにして、地方財政計画の義務制の定員定数、今度は新しく出てくるこの定数総計というものがびしっと合うようにひとつやってもらいたい。
○宮地政府委員 まだ資料を整備するのには時間もかかりますので、いま御指摘のようにお許しいただければ、きちんと数字を整理いたしましたものを提出するなり説明なりさせていただきたいと存じます。
○谷川委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○谷川委員長代理 それでは速記を起こして。
○宮園説明員 義務教育費国庫負担金と養護学校の国庫負担金の予算上の積算人員でございますが、この方法は、まず最初に四十三年度の予算と四十三年五月一日現在の実員との違いを一度規模是正ということで正します。したがいまして、その四十三年五月一日現在の実員、つまり指定統計から来年の四十四年に幾らふえるかというような形で予算要求をいたします。で、四十三年五月一日現在と、すでにでき上がりました四十三年度予算人員との差は、一応規模是正ということで、これは定数上の実員の純増ではございません。四十三年五月一日から四十四年の定数法改正後の見込み数との差が純増になるわけでございますが、その数が義務教育で千八百三十七であり、養護学校で六百九十二であるわけで、合計二千五百二十九という数字で、先ほど先生に御説明いたしたとおりでございます。 ところが、財政計画のほうは、四十三年度の国庫負担金の予算人員と同じ人員が四十三年度の計画人員になっておりますので、そこで規模是正をしませんで、いきなり四十四年度の予算要求総ワクとの差を純増としてあげるということになります。したがいまして、そこに三千二百六十名程度の規模是正の人員が、先ほど申し上げました二千五百二十九人の上に積み上がって、五千何ぼというような純増の数になるわけでございます。したがいまして、文部省の予算要求人員の五十九万四千三百四十八というのは、三十一名を除きまして、財政計画上の計上人員の総ワクと一致いたしております。 以上でございます。
○川村委員 そうすると、五月一日規模是正をしたその数は、定数総数幾らですか。
○宮園説明員 一応、四十三年度予算人員は、義務教育のほうが五十八万四千三百七十一、養護学校のほうが四千百八十八で、総計五十八万八千五百五十九となります。四十三年度五月一日現在の実態に基づく人員は、義務教育が五十八万七千四百十四、差し引き三千四十三差がございます。養護学校のほうは実員が五月一日四千四百五名でございますので、差し引き二百十七の規模是正人員が出ております。
○川村委員 だからこれだけ説明ができるならば、ひとつ資料で出していただいたならば明らかになる。ところが、いまのお話を聞いておっても、初めの規模是正をやらない場合の五十八万幾らという数と規模是正をしたあとの数——これは文部省はしかも五十八万幾らとこう、規模是正はしないと言ったけれども、ことしの予算要求の計画人員は五十九万四千三百四十八人でしょう。そこでどうも数字が、聞いただけではぴったりしないから、ひとつきちっとそろえて出していただきたい、こういうことです。それじゃそれはその程度にしておきます。 その次、横手課長、財政計画のことをあなたに直接お聞きして失礼かと思いますけれども、ちょっと教えてください。 義務教育関係職員の給与費についてですね、義務教育費国庫負担金及び公立養護学校教育費国庫負担金の算定に基礎を置いてやられた結果、七千七百二十一億と、こう財政計画が出てきておる。それは前年度に比べて九百六十五億円の増加である、こうなっております。 これはまず文部省のほうにお聞きしたほうがいいと思いますが、文部省の予算書を見ると、義務教育関係の費用の国庫負担の増加は四百九十二億である。さっきの問題と関係するかもしれませんよ。そこで財政計画に九百六十五億の増加である、こう書いてある。その違いは一体どうなんですか。これは文部省から説明してください。 それからいま一つは、義務教育費国庫負担金、公立養護学校の教育費国庫負担金七千七百二十一億と地方財政計画のほうに出ておるけれども、あなたのほうのことし予算の上にあらわれてくる国庫負担金はそれだけない。これは国庫負担金のほうを少なく見ておいて、あとから精算でもするからというような考え方で少なく出しておるのですか、そこのところをちょっと説明してください。
○岩田説明員 先ほどの説明とも関連いたしまするが、私どもが明年度予算におきまして、義務教育費国庫負担金の給与費等において計上をお願いいたしておりますのは三千七百八十一億五千二百万円でありまして、前年度と比較いたしまして四百九十二億七千万円の増となっております。これは先ほど御説明いたしましたとおり、前年度を基礎に置きまして、教職員の増を以下のように見込んでおります。今回の定数法改正措置による増、これは九八・五%のかさ上げ措置を含んでおりますが、それに基づきますところの定数増は九千六十八人、それから特殊学級増設に伴う、これは千二百学級の増ですが、これが千五百五十八、それから現行法据え置きの場合の定数の自然減が八千七百八十九ございますから、先ほど御説明申し上げましたとおり千八百三十七人の純増分を義務教育費国庫負担金のほうで見込んでおるのでございます。その他年間昇給による増、暫定手当の本俸繰り入れの分、それから旅費単価の引き上げ、それから政令県の国庫負担限度額の引き上げ、それから共済組合の追加費用関係の増等の経費を見込みまして、ただいまの四百九十二億七千万円の増が予定に相なっておるのでございます。
○川村委員 わかりました。いまのお答えも、さっきの人数の資料とあわせてひとつお願いをしておきます。 それじゃ急ぎます。横手課長お待ちですからちょっと……。 私がこういうことをお聞きしておるのは、今日の地方財政を考えながら文部省が一生懸命やってもらっているのだけれども、教育費については私が申し上げるまでもなく、市町村の持ち出しというか、負担が相当大きい、父兄負担というものも相当大きい。そこでできるだけそういう余分な迷惑をかけちゃいかぬという趣旨から、実はそれらのことをお聞きしているわけです。 そこで、次の問題として、交付税の算定についてちょっとお聞きしますけれども、四十三年度は、県の場合ですが、交付税を算定する場合に、標準団体について本校が四百二十校、分校が九十校、つまり標準団体の測定単位の数値というものが学校数で五百十校とってある。ところが、昭和四十四年度の交付税の算定においては、これが四百八十校とられることになっておる。これは局長、御存じですね。
○宮地政府委員 そのとおりでございます。
○川村委員 このようなことはまだほかにもありますよ。もう一つ申し上げると、昨年までは標準団体においては校長、教頭は四百二十人という定数で、いろいろ教職員数の経費を見積もる場合の算定がされている。ところがことしは校長、教頭は四百人というようなことで算定されることになっておる。いまの学校の数、校長、教頭の数、これが昨年より落ちているのだが、文部省としては、これはこうこうした理由によって自治省に相談をしたのだという、その理由をひとつ聞かしてもらいたい。
○岩田説明員 標準団体の実態は、大体そのようになっておるということであると思います。
○川村委員 府県について、標準団体というのは一体どういうところを言うのですか。
○岩田説明員 四十三年度の単位費用の積算の基礎になりましたものによりますれば、人口百七十万を標準にしております。
○川村委員 それでは四百校なら四百校でいいでしょう、いま全国の都道府県で小学校四百校以上ある県、四百校に満たない県、四百校すれすれの県、人口で百七十万と言われたが、まず名前を聞きましょう。どこどこどういう県が標準団体の県になっておるかわかりますか。
○岩田説明員 愛媛県だとか、長崎県、それから栃木県あたりは、大体そのような段階の団体じゃないかと思います。
○川村委員 これは文部省からもらった四十三年度版で、おととしの調査ですが、これが一番新しい資料なんです。これによると、四百校すれすれの県は四つしかない。四百何十、五百幾つという県が二十四ある。それ以下の小さい県が十八ある。これをあなたは実態とか言ったのだが、それでいいですか。——横手課長、これは文部省からの話があって、あなたのほうはちゃんとそれで計算をなされたのだと思うが、それについてあなたのほうからちょっと説明してください。
○横手説明員 実はこれの積算基礎は、私どものほうでやっておりまして、その結果を文部省のほうに御相談申し上げるというようなことを行なっております。したがいまして、文部省さんのほうから積極的な申し出がありまして、それに基づて改定を行なったものではないわけでございます。 ところで、昨年に比べまして小学校の本校数を落としておりますのは、最近学校統合等によりまして全国の小学校の数がかなり減少傾向にあるというような状況、こうしたものを考えまして落としたわけでございます。ただ単位費用は、先生も御承知のように、その積算基礎についてはただいまお話のように変えておりますが、単位費用自体においてはそれほどの影響が出てまいるものではないわけでございます。要は、むしろそうしたことによって、各地方団体に影響が生ずるかどうかのほうが問題になろうかと存じます。その点につきましては四十三年度あるいは四十二年度、それ以前もそうでございましたが、教職員の給与問題経費につきましては、おおむね標準団体ベースにおきまして九五%程度算入するというような目途で作業を行なっております。しかし、これは御承知のような各種の補正によりまして、最終的な財政需要額の面におきましては、九七%ないし九八%近くまで算入されるという仕組みになっておるわけでございます。そうした面からしまして各府県に対しての影響はないわけでございます。ただ、先ほどからお話のように、標準団体においてどの程度に想定すべきかという問題でございますが、その点につきましては、先ほど申し上げましたような小学校の全国の学校数、分校数、こうしたものを考えながら、あるいは標準団体における学校数の状況、こうしたものを勘案した上で四十四年度においては積算基礎の改定を行なった次第でございます。
○川村委員 ことしは交付税がこんなに大きいから国に貸せ、地方財政は金持ちじゃないかというようなことで、大蔵省はだいぶ自治省をいじめたでしょう。これは与野党の力でどうにか食いとめたようなかっこうなんです。これはいろいろ問題があります。私はきょうこんなことを言おうとは思わない。ところが単位費用——実際はあなたのおっしゃるとおりになると思う。単位費用のとり方で一円、二円違うということはたいしたものですよ。私はそう思う。そこで、この学校の校長さんの俸給を、四百で計算するか、四百二十で計算するか、これは単位費用にはあるいは一円ぐらい影響するかもしれない。この一円というのは非常に大きいものになる。そうすると、当然交付税総額としては、これだけなければやっていけないじゃないかという自治体としての積算があると私は思うのです。これはひとつ考えていただきたい。 そこで、それはそれといたしまして、きょうはそういう論議は別として、やはり文部省とされましても、その辺のところは、再度言いますけれども、よく自治省に相談をされて、地方の教育費に大きなしわが寄らないようにしなければならない。局長、こうなんですよ。地方の市町村や、あるいは県でもいい、国から出てくる交付税は、教育費についてはこれだけだ、これだけだ、——それ以上持ち出している。いろいろ理屈をつけて、ほんとうに算定をつかんでおるかどうかは別にして、理屈をつけて教育費をよく押えるのです。しわ寄せをするのです。そういうようないろいろな問題もありますから考えてもらわなければならぬ。おととしでしたか、私が同様の趣旨で高等学校の定数を扱ったときに質問をした。何年という間高等学校の学校数を四十校とるのは、とって算定するというのはおかしいではないかと。自治省のほうは、やはりそれをよく考えてもらって、その翌年、去年からですか、文部省もそれを了とされて、両方で話をされて、いま高等学校のほうは五十校という学校数で交付税の算定がなされておるでしょう。四十校で計算する場合、五十校で計算する場合、これはやはり単位費用にはある程度の影響が出てくる。それが地方財政を確実にする第一歩なんです。私はそう思っている。 そこで、もちろん態容補正であるとか、いろいろな補正係数を使って配付をなされますけれども、根本的に単位費用というものは、そういう意味で重要視しなければならない。したがって、単位費用のもとになる積算基礎というものは、ほかにいろいろあるけれども、自治省にただまかせておくのではなくして、教育財政、教育予算ということを考えるならば、自治省と事前に十分連絡をとって、やはりこういう財政のほうにも意を用いて、さっき私が申し上げるように地方末端の地方自治体の教育財政が圧迫されないように、ひとつ十分御配慮を願わねばならぬ、こういうことです。 いろいろと論議していると時間がありませんから、実は短い時間でやめるつもりでしたけれども、もう一つちょっとお尋ねをしておきたいと存じます。 それは課長さんでも局長さんでもいいのですが、よく問題になることで、文部省の予算にも、「父兄負担の軽減」という項目があります。しかし、文部省の予算に出てくる「父兄負担の軽減」という項目と、われわれが心配しているのはちょっと違うところがある。 そこで、端的に聞きますけれども、PTAやそのほかから地方の教育費に出されるところの寄付金というものは、四十三年度はわからぬでしょうね。四十二年度で幾らありますか。
○岩田説明員 公費的使途分の中に、小中学校関係で出されておりますところの私費関係の分でございますが、四十二年度の例で申し上げますると百八十一億円あることになっております。
○川村委員 その中で、いわゆる寄付を受けて公費に組み入れられたものは幾らありますか。
○岩田説明員 ただいいま資料の持ち合わせがございません。
○川村委員 それじゃ、公費に組み入れられないもの、それもわかりませんね。それじゃ、これを新しい資料としてこの次に出してください。 もうこれ以上申し上げても何ですから申し上げませんが、これは皆さんのほうからいただいたものですよ。これによりますと、四十一年度のやつで公費に組み入れられたもの六十億五千八百万円、公費に組み入れられない寄付金が三百七十九億八千五百万円ですね。いまあなたが百何億と言ったことは、これは四十一年度よりも四十二年度のほうが増加しているという結果が出てきている。四十年度よりも四十一年度がよけい出ているのです。父兄負担の軽減と言うけれども、寄付金というものが年々増加しておる。これは問題ですわね。そういうことで、実は先ほど申し上げましたように、文部省としては、教育費に百億以上も父兄が寄付しなければならぬというような実態は、これは、教科書を無償にするとか、そんな問題じゃないですよ。そういうことをひとつ十分考えなければ、教育というもの、あるいは教育の秩序というもの、そういうものは、財政的に見ても行政的に見ても問題が非常に多い、こういうことが結論づけられるのではないか。私はそれを憂えているわけです。 そこで、こまかなことはもう申し上げませんが、時間がありませんから最後に、大臣にちょっと一言所見を聞いて終わりたいと思いますが、大臣、大学問題等に取り組んでいただいてほんとうに御苦労さんです。いま坂田大臣に国民が期待するものは非常に大きなものがあろうと思います。さらには、出身の郷土の皆さん方が、大臣に期待するものも非常に大きいと思います。私は大臣と同じ選挙区ですから、いろいろのお話を選挙民から聞くわけですけれども、ほんとうに大きな期待である。そこで、ひとつ一生懸命に文教行政の前進のためにがんばっていただきたいと祈ってやみませんが、大臣が就任されましてから今日まで、大学問題等々についていろいろと御発言なさっておることをずっと調べてみると、ちょっと気になることがあるが、これはきょうは申し上げません。いずれそういう点について大臣から十分御所見を聞けると思いますから申し上げませんが、要するに、いま大学問題と同時に義務制の職場をどうしてりっぱにするかという大きな問題がある。この職場をりっぱにするということは、校長、一般の先生方の間の信頼関係というものをりっぱにしなければならぬ。それを確立しなければならぬ。ところが、教職特別手当とか、超過勤務手当とか、ああいうものの支給をするかしないかというようなことも、そういう職場をりっぱにする、校長、一般教員の間の信頼を回復するとか、子供の教育をりっぱにするということに相当大きな関係があるわけでございます。実は、きょうはこのことについて少しお聞きしようかと思っておりましたら、きょうは超勤手当等についての質問はやめておけというあちらからの御命令でございますので、これはまたいずれ機会を見てお聞きすることにいたします。まあ、しかし、そういう問題もございましょう。 それから、あちこちで、教育委員会等を中心に、教育界に非常に汚職が出ておる。これは一体何だ、心痛い問題であります。大臣も心配しておらられる。こういうような問題もやはり文部省、大臣で十分お考えいただいて、取り組んでいただかなければならぬ問題だと思います。 さらには、最近市町村に行きますと、全部じゃありませんけれども、年度末の三月末から四月の初めにかけては、学校の先生方は、子供が卒業するとか、新学期の準備等があるが、言うならば先生方はちょっと一息入れる時期なんですね。いろいろあと始末があるでしょうし、新学期の準備もあるが、そういう場合に、この年度末や新学期に年次有給休暇をもらってはならぬと教育委員会が厳命する。そういう事態もある。何だかわけがわからない。こうなりますと、やはり行政上、問題が簡単じゃない。あるいは教職員団体が何か会合をしようとすると、講堂を貸してはならぬ、体育館を貸してはならぬ、こういうようにして、事ごとに締め出すような動きが非常に顕著であります。これもわれわれは十分考えなければならない。ただ教職員組合、先生方をたたいておけばいいということで教育というものが美しく正しくなるわけじゃなくて、結局校長、一般職員の対立を深めていったら、一番不幸を見るのは子供である、私はそう言わざるを得ないと思います。そういう点も御配慮いただいて、ひとつ坂田大臣の卓見と見識で文教行政に取り組んでいただきたい、このようにお願いをしてやみません。それについての御所見をいただきたいと思いますけれども、あわせて文部省の姿勢について一言聞いておきたい。 先週の水曜日であったか、木曜日でありましたか、聞くところによると朝鮮総連の諸君が何かの大会をやった。そして手分けをして各省に陳情に出向いた。ところが、厚生大臣はみずから会われた。法務大臣は、翌日直接会われた。内閣は、石岡副長官がお会いになった。文部省は玄関払いを食らわせた。会わぬ、まかりならぬ。これは一体大臣御存じですか。なぜそういう態度をとられたのですか。これもあわせてひとつお聞きしておきたい。
○坂田国務大臣 朝鮮総連の人が会いにきたことは、私実は承知をいたしておりません。 川村さんからいろいろ御激励をいただき、また御叱咤をいただいたことにつきまして、私も自分の責任の重いことを痛感いたしておる次第でございますが、とにかく教育というものは、やはり信頼関係の上に立たなければならないということは御指摘のとおりだと思います。大学におきまして、今日学生同士がいがみ合い、あるいは学生と教官との間に不信感があるということ、あるいは教官同士に不信感があるということ、そしてまた、この十数年振り返ってまいりますると、大学と文部省というものの間におきましても、どうも両方から信頼ができないような、状況があったことも事実だと思うのでございます。私はやはり大学問題に関しましても、文部省と各大学との間の信頼関係を取り返すことなくしては、究極的に大学の紛争、あるいは新しい大学像を取り戻すこともできないのじゃないか、つくり出すこともできないのではないかというふうに思います。 また同様に、小中高の段階におきましても、先生たちとわれわれとの間に、いろいろございましたことも承知をいたしております。私といたしましても、教育というものは非常に大事なことでございまして、先生方自身もまた自分の言動等について十分考えていただきたいと思います。なぜならば、白紙の子供たちに与える影響というものは非常に大きいと思いまするので、一挙手一投足についても御配慮をいただきたいと思います。また私といたしましても、文部省と先生方の間においていろいろ意思の疎通を欠くという部面については、十分これから心得まして、現場の指導に当たりたいというふうに考えておるわけでございます。 そういう薄氷を踏むような思いで、今日大学問題及び小中高の教育行政に当たっておるわけでございますが、今後とも御指導と御鞭撻とをお願いを申し上げる次第でございます。
○川村委員 初中局長、あなたは、先ほど私がお聞きした朝鮮総連の方に文部省が会わない、これは御存じですか。
○宮地政府委員 私、所管外でありますせいか、全然耳にいたしておりません。
○川村委員 大臣、局長、実は会わないといったのは省議の決定である、省議できめたから会わぬ、これが一点ですよ。しかも、厚生大臣も会われた、法務大臣はあした会える。官房副長官は会うてくれた。文部省は玄関払いを食わせた。それを、そう言わぬで、何の陳情かよく聞いてやりなさいといってあっせんをしたのは斉藤さんですよ。ところが、斉藤さんに対して、だれの御紹介がありましょうとも省議決定だから会いませんと言った。省議決定ということになると、局長も知らぬというが、これは大臣もおそらく御存じのはずなんです。大臣どうでしょう。
○坂田国務大臣 最近私、省議に出たことはございません。ですから、実はほんとうに承知してない状態であります。
○川村委員 そうすると、斉藤さんに返事をした局長が、省議決定と言ったのは間違いである、省議決定で会うなときめてあったわけではない、こう解釈していいですか、大臣。
○坂田国務大臣 そういうことを省議できめるとかなんとかいうことは、私はあり得ないと思っておるのでございます。
○川村委員 もちろん、私もそう思うのです。国民が陳情に行く、あるいは居住しておる外国の人たちが陳情に行っても、まさか省議で坂田大臣が、こんなものには一切会うなときめるなんという不見識なことはなさらぬと思う。ところが、じきじき斉藤委員に対して、省議決定だからだれが紹介なさっても会わない、代表が四人か五人行ったけれども、文部省だけ玄関払いを食わせた。これは一体どういうことなんですか。文部省は、一体そういう姿勢、ものの考え方でいいのかどうなのか、文部省の行政に対する姿勢に私たちはちょっと疑問を持っておるのです。きょうは局長の名前は言いませんよ。しかし、必要とあれば私は大臣に申し上げます。そういうことがあったという点は、ひとつ文部省としても、そういうことなどはなさらぬように、十分機会の許す限り、課長さんが会うのか、部長さんが会うのか、局長さんが会うのかわかりませんけれども、やはり会うて、国民のそういう声は聞いてやる。しかも三十人も五十人も行ったわけではない。四、五人の代表が行ったということですから、よほど注意をしてもらわなければならぬ。文部省のものの考え方、姿勢に私は疑問を持った。しかし大臣も、省議で決定したわけじゃない、そんなことは知らぬとおっしゃる。おそらくその返事をした局長の何か間違いか、あるいは勘違いか、いろいろあったと思いますが、十分ひとつ注意をしていただきたい、これをお願いいたしておきます。 それでは、私自身が予定した以上に時間をとってしまいましてたいへん恐縮でございましたが、実は先ほど申し上げましたように、いろいろ大事な法律改正に伴ってお聞きをしておかなければならぬ問題も多うございます。大部分は斉藤委員から質問もありましたし、大臣からも前向きの御答弁をいただいておりますが、一そうの御健闘をひとつお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○谷川委員長代理 小林信一君。
○小林委員 委員長、私は最初は一問だけという腹でおったのですが、だんだん審議を聞いておりますと、あれもこれも聞きたいという問題がたくさん出てきたわけなんですが、しかし、約束を守れというどこかから強い要望がございまして……。しかし、一つの法案が通るのですからなるべく審議を尽くしたいという気持ちでおりますが、もうすでに定足数もなく、まことに審議をするには私自身もの足りないものがあるわけなんです。委員長きょうは代理でございますが、かかる状態で審議をしない委員会の本質的なものを確立していただきたいと思うのですが、しかし、われわれは法案審議に誠意を持っておりますために、あえてきょうの状態をがまんをして審議を続けてきました。そういう点もほかの党の皆さんにもよく御了承願いたいと思うのです。しかし、それでも私は、あえて一問だけという約束でございますので、一問だけにいたします。 と申しますのは、岩田課長が先ほど斉藤さんの質問に対しまして二十五人が二十二人になった、十五人は十三人になった、いわゆる定数が改められたわけでありますが、その数字の根拠というものを聞きましたときに、決して根拠があるわけじゃない、分母を小さくすれば数がふえていくという一つの数字的な扱いからきておるんだ、こういうふうに言われました。したがって、この定数法というものはいまの教育の実態にほんとうに沿おうというものでなく、諸般の事情から数字を多少改めたにすぎない、ほんとうに文教行政を根本的に立て直そうという、そういう意欲があっての法律ではないと思うのです。しかし、文部大臣が、先ほどわが党の提案しております法案に対しての御感想を斉藤委員が聞きましたときには、政府提案がいいんだ、こういうふうにおっしゃったけれども、そういう根拠から考えれば、私は大臣もほんとうは社会党提案がいいんだ、しかし、そうも言い切れぬから、ことば巧みにああいう儀礼的なあいさつをされたと思うのです。 私がお聞きしたい点は、ことしの大学の教育学部の受験の率、例年に比較した率、これは聞かなくてもいいのです。聞くと幾問にもなりますから、一つにするために私のほうから申し上げますが、減っているはずです。おそらくそれは数が減るだけではなくて、質も減ってきておると思うのです。 それから、いま日本の労働力の事情というものは、私はだんだん教員になろうとするような者の数というものは少なくなってくるのではないかと思うのです。きのうあたりのテレビを見ておりますと、きのうは四月一日で、各商店、あるいは会社等は、新しい社員が入ってきております。こういう人たちを、ことに商店あたりが合同して歓迎会というふうなものをしております。そうして労働力というものを、それぞれ確保しなければならぬ事情だと思うのです。私は、そういう配慮も文部省というものは決して無にしてはならないと思うのです。いかにして教育界に人材を確保するかということ、いろいろな法律でもって先生たちを拘束していい教育をしようとする文部省の考えを、もっとそういう方面にも向けていかなければならぬと思うのです。 そういう点からすれば、この際定数法でもって最も重点を置かなければならぬことは、何が何でも当初、一学級五十人を四十五人に編制をしたときに、やがてはこれを四十人にし、あるいは世界各国の例にならって三十五人にするのだというような意気込みを、確かに文部省は見せたはずなんです。こうした事情から考えれば、この際定数法は思い切って——現在はそれほど踏み切らなくてもいいかもしれぬけれども、将来を考えるならば、やはりわが党が提案しております一学級四十人、ここまで思い切っていかなければ、今後よい先生をたくさん得ることは不可能になるのではないか。局長が説明されました、養護教員の問題について、なぜ法律どおりに確保することができないかという質問の答弁の中に、養護教員の養成機関はある、あるけれども、そういうところで養成しても、必ずしもそういう人が学校の先生になってくれない。これは理科系統の教員養成所にも、そういう例があります。せっかく文部省が工業教員養成所をつくって教員を養成しても、教員にならずに、会社や工場へ行ってしまう。そういう事情から考えても、教員確保ということは今後非常に至難になってくる。こういう問題を考えてみて、やはりこの際、四十人に踏み切るべきでなかったか。今後五カ年計画でもってやっていかれるそうですが、この四十五人という線が済まなければ考えられないことだということを考えますと、私は非常に残念に思うわけなんです。そういう点から考えて、大臣にわれわれの見解と、文部省が提案をしておる立場からの考え方に立って、ひとつお考えを述べていただきたいと思うのです。 まだあるのです。実はこの法案というのは、いままで斉藤委員が質問をしたり、あるいは川村委員が質問をいたしましたが、非常に大きなところで質問をされているわけなんですが、実はこの問題は、実態というものを考えて、詳細な検討をしてこの際この法案を通すと同時に、今後の教育行政というものを考えていく重大な使命があると思うのです。しかし、そういう細部にわたることができない事情というものを、われわれは非常に残念に思うわけなんです。けさの理事会できめたそうですが、きょう審議を打ち切って、そうして直ちに採決するというふうにきめられたそうですが、理事会も、この法案の性質、使命というものを十分検討せずに、ただ法案を通せばいいのだというようなところから考慮をされた点、私は非常に残念に思うわけです。 大臣は、先ほど斉藤委員の質問の中に、三重苦という問題について御心境を述べられました。こういう子供があってかわいそうだ。三重苦というものは、やはりこの法案からいえば、二つの心身障害を持っておる子供という中に入ると思うのです。目が見えなくて耳が聞こえない、口がきけないという三重苦ですが、二つの心身障害児だと思うのです。これは心身障害児の中でも、最もかわいそうな人たちだといわれているわけなんすが、この子供がもしここにあったとするならば、すぐにどこの県の子供でも収容できるような措置が、いまできておるかどうか。私の県で——山梨県人ではないのですよ。千葉県の子供だと思うのですが、その子供が、ようやく四月一日、山梨県の養護学校に入学することができた。新聞が大きく取り上げて、何々さんがようやく入学が許可された。山梨県の教育委員会では、はたしてこの子供を受け入れるかどうかでもって、ずいぶん悩んだわけでしょう。その親たちもかけつけて、何とかこれが入学できるようにということでもって、非常に苦慮したようです。いよいよ入学が可能になった。そうしたら、このことで権威のある先生がわざわざ来て、そして何か喜びを言うと同時に、いろいろなことを指導されたというくらいで、必ずしも大臣が言われるように、大臣の気持ちのようなものが教育行政の中では実際に行なわれておらないわけなんです。この法案を見れば、確かに十名だったものが八名になり、二つ以上の心身障害を持っておる者がある場合には、五人に一人という教員配置が出ておりますが、しかし、非常に形式的なものであって、そういう特殊なものを生かす内容がないわけなんで、そういう点、大臣がいまのような心境でおられるならば、どういうふうに配慮されるか。山梨県の養護学校に対して、そういうような子供を扱うとするならば、こういうような特別措置をしてやろうというような気持ちがあったかどうか。大体、この問題を文部省が知っておったかどうか。こういう小さい問題を、やはりこの法案というものは考える性質を持っている法案だと思うのですよ。それができないのは私は非常に残念だと思うのです。 この法案について、大臣は斉藤委員の質問に対しまして、こういう答弁をされました。一年生のような初めて学校生活をするものには、複式学級というものは無理だ、だから七人を限度にして、七人以上だったら普通の学級にしたらどうかという社会党案がありますので、それを大臣にお聞きしたところ、大臣は不用意にも、かえってその複式のほうがいいのじゃないかというような印象を与える答弁があったわけです。この法案は、すし詰め学級を解消するという第一次計画から、今度は過疎地帯の教育というものを心配しなければならぬという、そういう使命に立ってつくられているはずなんです。したがって、斉藤委員の言うような意向に、文部省がそのとおりであります、そうしなければならぬということを言うのが、私は、この法案を提案した人のお考えでなければならぬと思うのですね。かえって複式のほうがいい場合もあるというようなことをおっしゃっている。私は、小学校を一年二年、三年四年、五年六年と複式で教わってきました。複式の悲惨さというものを私は知っております。いまも覚えておりますが、小学校五年になったときに、地理や歴史を、複式でございますから、前の六年生が五年、六年と順調にやってきた、それにこっちが沿っておるために、中途から先を教わらなければならぬ。中途から地理を教わらなければならぬ。そのつらさというものを——昔の先生ですから、そんな特別な配慮はなかったわけですよ。しかし、子供ながらも、実にこんな教育をされることは不運だなという気持ちを私はいまも持っております。複式学級、必ずしも私はよくはないと思うのです。そういうものをなるべく解消するのが、この法案の、私は文部省提案の使命じゃなかったかと思うのです。 いわゆる僻地の教育の問題を取り上げておりますが、そういうものが僻地にはたくさんあるわけなんです。それをなるべく解消するようなことに努力をしなければならぬわけなんです。私の県あたりは、僻地の先生を配置するのに、いろいろな方法を講じて苦労しております。私は、そういう点にも、ただこの型どおりの画一的な法案だけでもって解決できない問題を幾つかあげて、文部省の法案以外の配慮を願いたいのが私の気持ちなんです。御承知だと思います。局長さんは局長になったばかりでもって、あるいは御存じないかもしれませんが、私の県では、何年かは必ず僻地に行かなければならぬ、そういうことを約束して、そうして奥さんも、御主人も、夫婦でもってやっている場合に、その仕事をやらなければしかたがないというふうな形になっておりまして、めいめいが生活に苦しめられると同時に、教育はほんとうに腰かけ的な教育になっていくわけなんです。だからといって、そういう人たちが特別優遇措置をされているわけでもない。そういうものを、この改められた数字を土台にして、文部省はもっともっと配慮しなければならぬ。できるならばわが党の提案をしたものを通していただきたい。そういう気持ちでもっているのですが、残念ながら、おそらくわが党の提案というものは否決をされるでしょうが、しかし、その提案したものを、もう少し真剣に文部省の皆さんが検討していただいて、これを通さぬまでも、それに対してもっと真剣な検討の中で、この法案に対するところの感想なり意見なりというものを、私は述べていただきたかった。できるならば他党の皆さん方からも質問をしていただいて、そうしてこの法案に対するところの父兄や先生方の希望というものを聞いていただきたかったわけです。しかし、時間が非常におそくなっておりますし、強い御要請もございますので、私は以上で私の質問を終わらしていただきますが、私の述べことについて御意見がありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○坂田国務大臣 社会党提案のこの問題については、先ほど私が申し上げましたように、いろいろ示唆に富む点があることは私もわかるわけでございます。したがいまして、この提案につきましては、後日十分に検討をいたさせていただきたいと思います。 それから先ほどの斉藤委員に対する答弁、七名の問題について、私が少し御質問の意味を実は取り違えておったわけでございます。しかしながら、私が言わんとしたことは、あるいは舌足らずであったかもしれませんが、七名という根拠はどういうことなのかということなんで、むしろ、いま申しますような十三名がいいのか、十名がいいのか、七名がいいのかということに対する疑問を私は申し上げたのであって、複式の解消を目的としておるのに、それを全然否定しておるというふうに御主張されますけれども、そういう気持ちは毛頭ございませんことを申し上げておきたい、こう思うのであります。しかしながら、複式をやっておるところの教育のやり方というものについて、ある程度の小人数である場合は、一年と二年とが一緒になってやることもまた教育的なやり方、あるいは先生のやり方次第では、むしろいい場合もあり得るということを、私は、しろうとながらということを前提にいたしまして申し上げたわけでございます。 それからもう一つ、山梨県の問題については、私はまだ報告を受けておりません。しかしながら、先ほど申しましたような、ヘレンケラーの出ましたパーキンスという盲学校、これは全世界の三重苦を取り扱っておる学校であり、百年以上の歴史を持った学校であります。その校長のドクター・ウォーターハウスという人は、三重苦の世界的権威の人であります。その人が数年前に日本に来て、そして最初に私がお供したのは山梨の盲学校であります。そこに三人の三重苦の子供たちがおりました。小林さん御存じだろうと思います。そういうことで、それを踏まえて、こういうかわいそうな人たちを収容するところがない、あるいは県としても、県だけの費用ではなかなかやっていけないとするならば、どういうことをやるべきかということを、私は私なりに真剣に考えたのです。そうして、その積み上げが、私がちょうど文部大臣になりまして今度の総合センターになったということを、一つ御了承をいただきたいと思うのです。こういうような問題は、そう簡単に、十一月に文部大臣になったからといって、二カ月や三カ月ですぐできるような問題ではないと思うのです。しかし、私の意思、私の意欲というものが将来実を結ぶならば、そのレールに乗せ得ることができたならば、私としては本望である、そしてまた次の大臣、その次の大臣が、それを実現していかれる。私はこういう三重苦のような問題を、そう簡単に、一カ月や二カ月、あるいは一年や二年でできるものとは考えておりません。そういうようなものの考え方では、私は解決できないというふうに思うわけでございます。そういう意味合いにおいて、私はこのダブルハンディキャップの人たちの問題について、真剣に取り組む。先ほど申しましたように、中央教育審議会にも、この方面の権威者であります三木さんをお願いしておる、こういうことでございます。そしてまた、あなたの県の志村さんが、ほんとうに自分の教師としての熱情から、これに打ち込んでこられたことに対して、私は非常な感激を覚え、そして、私は身銭を切って、あるいはほかの方々にも多少お金を出してもらって、わざわざこの人をパーキンスに、あれは二カ月でございましたか、やったわけでございます。でございますから、そういうような気持ちは持っておるということだけはひとつ御了承いただきたい。成果が出ておらぬということについて、文部大臣としては反省をいたしますけれども、しかしながら、こういう気持ちを一片も持たないじゃないかというようなことでありましたならば、気持ちにおいては小林さんに劣らない気持ちを持っておるということだけははっきり申し上げておきたいと思います。 それからもう一つは、定数法の四十五名の問題でございます。この問題については、私は必ずしも四十名でなければならないとは思っておりません。現在の段階ではむしろ四十五名でよろしい。最高限度ですから、実態はおそらくこれで三十三名程度になるだろうと思います。そういうわけでございまして、むしろこの方面に人を確保するよりも、先ほど来斉藤さんがるるお述べになりましたような、養護教諭であるとか、あるいは事務職員であるとか、そういうような方面にむしろいまの段階としては人員を獲得するということのほうがいいんじゃないかと思います。現在の法律に比べまして、今度のこの定数法というものは、確かにいまお示しになりました社会党案に比べると、もろもろの点においてあるいは劣っておるところもあるかもしれません。しかし私は、相当画期的な法案であると、意欲を持って——そうしてこれが御審議の後に通りました暁においては、ひとつ十分この法案を生かすべく努力をいたしたい、指導助言もいたしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○小林委員 もうそちらのほうではお話はありませんか、局長さん、課長さんその他。
○宮地政府委員 小林先生の御意見なり、あるいは御質問の点につきましては、ただいま大臣がお答えになりましたことに尽きると思いますし、特に私がつけ加えるものもございませんが、多少事務的に補足いたしますれば、先ほど申されましたうちの一点、三重苦の山梨の子供という問題につきましては、(小林委員「山梨の子供じゃないよ。」と呼ぶ)山梨の盲学校に入ることになった子供につきましては、これは実は先ほど大臣も言われましたが、この四十四年度から七千万円余りを投じまして、三年計画で久里浜に特殊教育関係の総合研究所をつくることにいたしております。それで、その付属機関として、特殊教育学校も設けたいということにいたしておりますが、そこではそういったダブルハンディキャップ児童の教育といったようなものを主にいたしたい。と申しますのは、二重苦、三重苦の子供を各県でといいましても、なかなかこれは研究も必要といたしますし、施設、設備もたいへんでございますし、また三重苦の子供は、聞きますと全国で百名までもない、きわめてわずかな数字である。二重苦の者は一万人程度であるというふうに承知いたしております。したがいまして、百名足らずの者を各県でやるよりも、そういった施設でやるのがよいのではないかといったような考えで、大臣の御指示もございますし、文部省としては、今後三年計画で、そういう子供に対しましては適切な教育対策を講じたい、このように考えております。 それから、四十五人、四十人という問題でございますが、斉藤先生にもお答えいたしましたが、四十人がよいか四十五人がよいか、あるいは三十五人という人もありますし、ともあれ五十人以上というのはよろしくないといったような学説なり、実験をした結果もいろいろ大学によって出ておるようでございます。文部省といたしましても、四十五人というものを年次計画で減らすことも十分考えてもみました。しかしながら、それよりも今回重点を置いております過疎、僻地の教育あるいは特殊教育その他専科教育、こういったようなものが従来おろそかになっておりますので、そのいずれに重点を置くべきか、しかも第三次五カ年計画として、将来長い期間にわたっては別として、一応五年間でどれを重点としてやるべきか、いろいろ検討いたしましたあげく、提案しておりますような改正案になった次第でございます。ただ、第三次五カ年計画が終わるのを待たないで、社会党の提案も、大臣も申しておりますように十分傾聴に値する、尊重すべき案とも考えられますので、その検討は並行していきたいし、将来の問題として、相当社会党案を参考にする必要もあるのではないかというふうに考えておりますが、ただ、現実の行政措置といたしましては、五年計画として政府案に出しておるのが私どもとしては妥当ではなかろうかということでございます。 大臣のおっしゃいました点を補足といいますか、同じようなことを申してあるいは失礼であったかもしれませんが、以上お答えいたします。
○小林委員 問題は一つでございますから、広げません。広げませんが、大臣の言われた、四十人よりも四十五人のほうがいいんだ。実際的に、いまは四十人にあえてする必要はない、こういうお話です。その内容としては、実質上においては三十五人くらいの学級がかなり多くなってくるんだ。そうだったらなぜこの機会に——先ほど申しました労働事情というふうなものを考えたときに、四十人に踏み切る必要があるんじゃないか、こういうふうに私は申したわけです。実態がそうであるなら、やはりいろいろな事情というものを考えて、よい教員を確保するという意味から、そこまで早く私はしなければいけないと思うのです。生徒数が減る、だから先生も減らす、その減らす先生を減らさないという程度でもって何とか学級定員数を、定数法というものをよいものにしていこうというような、消極的なものでなく、もっと積極的なものにしたらどうか。これが私たちの案だと思うのですよ。しかし、それをただ大臣のいま言ったような、そういう考えでもって主張されるということは、私は必ずしも賛成できない。 それから三重苦の問題ですが、決して大臣の気持ちなり、考えなりというものを、私は責めているわけじゃない。文部省である以上、文部省全体に当然あなたのような気持ちがなければならない。したがって、私は山梨県の一つの問題をどうしろということじゃないんです。おそらくそういうような問題というものが、全国には所々にあるだろうと思うのです。しかし、そういうものに対して実際においては配慮がないんじゃないか。配慮をするならば——確かに二つ以上の心身障害の子供が、五人だったら一人というふうに法案では画一的なものできめてありますよ。しかし私は、三重苦の子供五人に対して一人、こんなことは現実的じゃないと思う。そういうような点を私は考慮したときに、何かそういうものに対して配慮をするものがほしい。だから法案は法案で、しかし、そういうものに対しては何か考慮するものはないか。そういう気持ちは大臣は持っておられぬかということを聞いたわけです。実際、そういうものを何とかしてくれ、——山梨県には歴史がありますから、だから他府県からたよってくるわけなんですよ。したがって、文部省でどうしてくれなくても、何とか人情として要望に応じなければならぬ、そういう気持ちでもって山梨県ではやったわけなんですが、こういうことは、私は全国にあると思う。それを局長の言うように、だから中央センターをつくって、その中には養護学校の何々を置いて何とかするつもりだ、それまでは一体どうするつもりだ。私の聞きたいのはそこなんだ。何々をするからいいじゃないかという、そういう事務的な文部省であってはならない。そういうものがこの法案からうかがわれるわけなんで、そういうものでこの法案をきめてはならない。だから、もっとそういう点をこまかく一つ一つ取り上げて審議を尽くしたいのが私の気持ちである、こう申したわけなんです。どうですか。
○坂田国務大臣 先ほどの冒頭のお尋ねの中にもあったわけですが、確かに産業界が非常に景気がよくなりますと、いつの時代でも教職員になる人が少なくなって、そっちに流れていくという傾向はいなめない傾向だと思います。ことにこの十年間、急激に日本の経済が発展をいたしましたので、それにつけても考えますのは、定数のことも問題でございますけれども、むしろやはり教職員の待遇の問題を相当によくしないと、よき人材というものは集まらないのじゃないかというように思います。この点につきましても、去年から御承知のように、小中学校の先生方の待遇改善の調査も始めておるわけでございますから、そういうような意味を含めまして、やはりお考えをいただきたいし、われわれもこれと取り組んでまいりたいと思っております。しかしながら、定数の標準いま出しておりまする法案につきましては、私たちもこれで十分だとは思っておりませんけれども、しかし、現在の段階としては相当画期的なことをやったというふうに思っておるわけです。それにつきましても、こまかいところにつきましては、皆さん方の御意見、あるいは御提案の中にも、いろいろ傾聴すべきところがあるわけでございまして、十分それも検討し、また今後そういうようなものをどうやって具体化していくかということは慎重に考えてまいりたい、こう思うわけでございます。
○宮地政府委員 実は先ほど小林先生おっしゃいました八人というのは、重複障害児で三重苦というものではございません。重複障害児に対しましては、今回は十人が八人になるところを、重複障害児は五人というふうにいたしておるわけでございます。三重苦というのは、全国的にも人数が非常に少のうございますので、そのようにいたしておりませんが、ただ山梨の盲学校等は、いままでそういう三重苦の子供が一人いたということで、その一人の子供に一人の先生がつくといったような扱いが現実になされておるようでございます。その点につきましては、文部省の定数計算では、そのことを例外的に認めて措置いたしております。したがいまして、従来も特殊教育は十人で一学級を編制することにはなっておりましたが、それを五人とか四人で一学級を編制しております場合は、それをそのまま実績を認めまして、そういう定数の配置をしていたというのがいままでの実情でございます。しかし、それにしましても御指摘のような点ございますから、特殊教育につきましては、一応標準でございますので、今回のような改正案にいたしておりますが、なお、特殊の事情等がございまして、それ以下の学級を編制する場合がありますれば、十分御相談して、その実績は尊重していきたい、こういうふうに考えております。
○小林委員 あなたは三重苦というのはどうのこうのと理屈を言ったけれども、いま文部大臣と話をしたように、口がきけなくて耳が聞こえないのはろうでしょう。そうして目が見えないというのは、これは二つの身体障害児じゃなくて、これが普通は三重苦といわれているんだろうというふうに話をしたわけです。だから、そういうふうな場合に、一人の子供に一人の先生を特別につけたというのは、法律どおりに厳密にいえば、法律違反でしょう。局長どうですか。
○宮地政府委員 これは法律違反と申しましても、一応これは午前中斉藤先生の御質問のときにもありましたが、標準というのは大体の数字なのか、どんぴしゃその数字でやることなのかといったようなお尋ねもございましたが、これが乱に流れますと、何でもかんでもこれは例外的措置だ、相当の部分が例外措置になりますと、せっかくきめましたものが乱れてまいりますが、いま先生がおあげになっておられるようなものは、きわめて例外中の例外であります。したがいまして、そういうことに、実情に即するようにやることは、法をただ形式的に、標準がたとえば五人であるのを、一人にした、あまりにも標準からかけ離れるではないかといったようなしゃくし定木の考え方で法律違反云々ということではなくて、例外中の例外で、そのようにする必要が、何人もうなづけるというような場合には、そういう措置を見ることこそ、真にこの法律の趣旨に沿うゆえんにもなるであろうというように考えます。
○小林委員 文部省から、いまのような答弁を聞きたくてその問題を申し上げたわけです。だから、法律は法律であっても、そういう一つ一つの具体的な問題を取り上げて、こういう場合には御配慮願いたいということを私は最初から言ったはずなんです。そうしたら文部大臣は、私は十分そういう気持ちを持って、かくかくのことをしてきたと言っただけなんで、私はそれを聞きたかったわけです。実際においては、もうこれは文部省が法律はどうであっても、そういう実情に沿えばやらなければならないわけなんです。そういうような内容を持った法律であるかどうかということを私は聞きたくて言ったわけです。また、そうでなければならぬと思うのです。あなたは、幸いにもそういうふうな事例を部下官僚から聞いたから、今度はそういうことをやっておりますと言うが、しかし、厳密にいえば、法律に違うわけなんです。違っても、実態というものはそんなことで許されないから、そういう配慮をすべきであるということを私は最初話をして進めてきたわけなんですよ。だから、いまあなたがしゃべったということは、法律は法律であるけれども、特殊な場合には考慮いたしますということを、初めて文部省から全国に言明をされた、私はそういうふうに受け取って非常に幸いだと思うのです。あなたはそういう気持ちでなかったかもしらぬけれども、そういうものははっきり言明すべきだ。何だ、そういうことは。あなたはおかしいですか。法律は法律ですが、三重苦のような子供があった場合には、それが法律には二つ以上の身体障害の子供は五人で一人というふうに書いてありますよ、法律には。五人なけばれ一人でないのです。しかし、一人でも一人の先生をやっているわけなんです。だから、そういうことを公にしなさいということなんです。そういう配慮をすれば、この法律が生きてくる。それを私は要求したわけですよ。はからずもあなたは、何か答弁をして言いのがれようとしてしゃべったのですが……。不審のような顔をするけれども、それが事実じゃないですか。初めてでしょう。あなたがいましゃべったことは、法律は法律であるけれども、三重苦のような子供の場合には、この法律以外に文部省は特別配慮をしますということを言ったと同じことでしょう。私はそのことを聞かなければ、ただそういうことは暗々裏に行なわれるだけであって、生きてはこないわけです。 それから大臣に申し上げたいのですが、確かに画期的とあなたはおっしゃるかもしらぬ。しかし、そういう身体障害者の問題なんかは——私はこういうことを申し上げたいのです。これは私の声じゃない。現に、現場でもっていわゆる特殊学級というものを預っておる先生たちが、十三人を八人にしてほしいと言っている。十三人では多い、八人にしてくれ。そうしてもう一つ、こういうことを言っている。ほかの学級で、先生が事故があって休んだというふうな場合には、何らかの措置ができる。ところが特殊学級には、その受け持ちの先生が事故があった場合に、かわるべき先生がない。だから特殊学級については、社会党が提案しておりますように、常に学級数に二をかける。あるいは二学級あった場合に、先生を三人にするというふうに、常に補充の先生というものをほしがっているわけです。まだまだそういう点については、現場においては教育の成果をあげるためにはたくさんな希望を持っているわけなんです。決してあなたは画期的だというふうな満足感だけでなく、その現場の強い要求があるということを考えて、もっと法律の内容というものを充実するように努力をすることを強く要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 小林さんがいまおっしゃったことは、私もそのとおりに思うのです。ただ、確かに全体として私は画期的という意味のことを言ったので、斉藤さんがいろいろ御指摘になったような点、それからまた小林さんが御指摘になったような点については不十分だ、もう少し積極的に考えなければならぬというような気持ちで申し上げたわけでございます。 それからもう一つは、ちょっとこれはひとつ御了承をいただきたいと思うのですけれども、三重苦が、いま申し上げましたように百人なら百人を、これも実態はまだあまりはっきりはつかまえられておらないわけです。それから同時に、百人が百人とも教育するに値するかどうかということに一つ問題がある。これは斉藤さんに先ほど私はお答えをしたわけであります。 ところが、日本には、まだその選定の方法が確立をしておらないのでございます。したがいまして、むしろアメリカのヘレン・ケラーの出ましたような学校で、もう何十年間定着しておるやり方、セレクトする方法というものがあるわけなんです。そういうものを日本でどういうふうにしてやるかということが第一段階になければ、どれもこれも——私の考えからいきますと、目と耳と口は正常じゃないんだけれども、知能の指数は非常にいいという人、それならば教育が可能だ。ところが、知能が全然だめなのに目が見えない、耳が聞こえない、口が話せない、これはどうにもならない。簡単に申し上げますとそういうことなんで、そこを仕分けをするということが非常に大事なところなんでございます。 そういう意味合いで、三重苦だから全部それをどこかで教育しなければならないというわけにはいかないのであって、まずその前提として調べること、そしてこの人はある程度教育をするならばそれはできるということ、それからまた、パーキンスではああいうふうな方法でやって、英語でやらしておるけれども、しかし、日本では一体そういうことがやれるのかどうかというようなことも、三木先生あたりも検討はしておられますけれども、まだこれが確立されておりません。したがって、やはり総合の研究センターの結果を待つということのほうが、非常に大事じゃなかろうかということだと思います。しかし、小林先生のおっしゃるのは、何も三重苦ということだけにとらわれないで、二重苦だとか、あるいは一般の特殊教育に従事する人たちに対する定数というものを、もう少し考えろということについては、私も全く同感でございますから、その趣旨を体しまして、今後とも努力を続けたいと思います。一応こういう標準定数をはめますけれども、しかし、特別の場合につきましては、特別の処置ができるようなことを、われわれもひとつ考えてまいりたい。あるいは県の教育委員会等でも考えていただきたい、こういうことをすなおに私は考えておることを御了承願いたいと思います。
○谷川委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——ないようでございますから、本案についての質疑はこれにて終了いたしました。 ————◇—————
○谷川委員長代理 国立学校設置法の一部を改正する等の法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。藤波孝生君。
○藤波委員 朝来非常に熱心な御質疑がありまして、私ども後輩として、教育愛に燃えた御質疑に敬服をいたしたわけでございますが、国立学校設置法の一部を改正する等の法律案において質疑に入らしていただきますので、ごく簡単にお伺いをいたしますから、明快にお答えをいただいて、非常にお疲れであろうと思いますが、御協力をいただきたいと思います。 最初に、これからの大学の充実の方針でございますが、一応大学も急増期のピークを越えたということになっておるわけであります。去年、ことし、相当な入試地獄であったわけでありますけれども、数の上では一応ピークを越えた。これからの国立大学の整備並びに充実について、どういった方針でお臨みになるか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○坂田国務大臣 昭和四十一年度以来、入学志願者の急増に対処するために、大学の収容力の拡大という観点に重点を置きまして大学の整備充実をはかってまいりましたが、昭和四十四年度以降は、入学志願者が漸減するものと見込まれますので、大学における教育研究の質的水準の向上に重点を置くことといたしまして、昭和四十四年度は、このような観点から、大学院の新設、整備をはじめ、教官組織の充実、教官当積算校費、学生当積算校費等基準的経費の増額など、学部及び大学院における教育研究の質的充実に主眼を置いてまいりたいと考えております。 また、社会的要請を考慮いたしまして、大学院及び学部の整備を充実の観点からも、特に必要のあるものにつきましては、学部、学科の新設等を行なうこととし、さらに医学関係等人材需給計画上緊急を要するものにつきましては、入学定員の増加をはかってまいりたい、かように考えておる次第であります。
○藤波委員 今度の改正案の中に盛られております三重大学に工学部を設置をする理由、並びに秋山大学医学部と大阪大学の社会学部を設置する方針が打ち出されたわけでありますが、その規模、内容と、開設の年度についての見通しをお伺いをいたしたいと思います。
○坂田国務大臣 一応大学局長が答えます前に、私から一言申し上げておきたいと思いますが、今度の予算編成に際しまして私が大学の充実について考えましたことは、これからやはり地方の大学を充実していく方向をとりたい。それからまた東京、京都というようなところは、あまりにも学部かたくさんでございます。あるいは研究所が多うございます。で、複雑多岐である。そういう観点から、大学紛争の起こる可能性が非常に多い。大学の管理運営というものがうまくいかない。それから都市への集中という点から考えても、やはり地方の大学を充実していくという一つの方向を考えたわけであります。 それから大阪大学につきましては、これは新しい分野でございます。社会学部という新しい名前でございますが、むしろその意味は、人間科学と申しますか、最近の学生の心理、集団心理、行動心理というようなものを学問的に検討をするということも、当面の課題としても非常に価値のある問題ではなかろうかということで、ここにそういう学部を考えたということでございます。
○村山(松)政府委員 大臣のお答えで尽きておると思いますが、若干補足して申し上げますと、まず三重大学の工学部の問題でありますが、一般論として大学の整備充実は、量的拡大よりは、現にあるものの内容的整備充実に重点を置くわけでありますけれども、理工系統につきましては、なお量的にも需要が見込まれております。それからまた地域的に見ましても、大都市は別として、地方大学の育成ということは、大臣も申し上げましたように、なお課題として残っております。 そういう観点で三重県を見ますと、御案内のように四日市等を中心とする工業地帯でもありますし、また愛知、岐阜、三重と、中部圏の整備計画の一環として、特に工業方面の発展が見込まれる地帯で、工学部の需要というものは客観的にもございます。地元の要望も強く、また、地域の高等学校卒業生の進学状況を見ましても、理工系の志望者がきわめて高い実情でございます。 一方、三重県下の理工系の大学学部を見ますと、現在国公私立を通じまして、まだ工学部がございません。 それから三重大学の実情を見ますと、現在教育学部と農学部という二学部の構成になっております。大学の教育研究の充実、あるいは管理運営の円滑というような観点で見ますと、規模が大き過ぎる大学に問題がありますことは、最近の大学紛争でもあらわれておりますが、一方あまり小規模である——特に短期大学ですとそれなりにまとまりがございますが、二学部構成というようなことになりますと、こういうことがあってはならないことでありますが、二学部間で運営に関して意見の一致を見ないというようなことになりますと、管理運営が円滑にいかないというような実情もございます。そこで、もう一学部ふやして三学部にする。そうすると、管理運営上の話し合いも円滑に行なわれるというような過去の実例もございます。 そこで三重大学におきましては、三重県の立地条件、あるいは高校卒業生の進学希望の状況といったような社会的要請の面と、三重大学の整備充実の方向ということをにらみ合わせまして、工学部設置に踏み切ったわけでございます。これは本年度から発足いたします。 次に、秋田大学の医学部と、それから大阪大学の社会学部の創設の問題これも同じく、こういう分野につきましては、なお人材の需要がございますし、それから学問研究上、従来社会学部というようなものは私学にもございますし、それから国立では一橋大学等に例がございますが、まだまだそれほど多くはございません。 内容的に申しますと、社会学部は社会学、心理学、教育学といったような分野を包括した学科を持つところの学部でありますが、従来国立大学の例でいいますと、教育学につきましては教育学部がございますし、社会学や心理学は、概して文学部の中に入っておるわけであります。現在大阪大学では、このような分野は文学部の中にあるわけでありますが、これを独立させまして社会学部として立てる。これは前例がないこともございませんけれども、大臣が申し上げましたように、一つの人間関係の諸現象に中心を置いて教育研究を行なうという、若干実験的意味も含めました学部でございます。 秋田大学医学部と、大阪大学の社会学部につきましては、昭和四十五年度の発足を目途といたしまして、準備的な経費を考えまして本年度中に準備を進め、四十五年度からの発足を予定いたしております。 秋田大学の医学部につきましては——医学部の問題、いろいろ内容的な改善意見もございますが、現在のところは、現在の大学設置基準の、医学部の基準にのっとりまして学部編成、それから付属病院の設置を考えておりまして、本年度予算におきましては、学部長、付属病院長の予定者の人件費を含めました準備経費が計上されておりますので、これらの人々の人選をはじめといたしまして準備を進めて、四十五年度開設を目途といたしておる次第でございます。
○藤波委員 今回の法改正によりまして、大阪外国語大学に修士課程を置くということになったわけであります。特殊な学問分野を開拓していくという意味では非常にけっこうなことと思うわけでありますが、学術の向上をはかってまいりますためには、やはりこれからは大学院の充実ということが、日本の大学教育といいますか、高度の学問に対する考え方でなければならぬ、こう思うわけであります。そういう意味で、大学院の今後の増設についての文部省のお考え方がありましたら、お伺いをしておきたいと思います。
○坂田国務大臣 御指摘のとおりなんで、やはり日本の学問水準を世界の高さにおいて維持していく、あるいは発展させていくためには、どうしても大学院、特に博士課程の充実ということが求められるわけでございます。今日大学は、一面において、国民のための大学という意味において、たとえば高等職業教育機関としての大学という使命も持っておりますが、同時に、学問の基礎的な分野における高い水準の研究と教育というものが、活発に行なわれなければ、世界の中の日本として取り残されてしまうというふうに私は思うわけであります。その意味合いにおきまして、大学改革の一つの主眼もここにあるかと思うわけでありますが、ただいま中教審におきましても、十分この辺を踏まえまして、検討をいただいておる段階でございます。
○藤波委員 大学の役割り、それから大学院の役割りというものは、戦後の年月の積み上げの中で、いろいろな役割りが混在をされてしまっておる、整理されておらない向きが多いのではなかろうか。そういう意味で、中教審でもいろいろ御審議になっておられるところであろうと思いますけれども、文部大臣は、大学院大学というものに対して、どのようにお考えになっておられるか、御所見を承っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 これは、昭和三十八年の中教審の答申におきましては、大学院大学という構想が打ち出されておるわけでございます。その際の大学院大学というものは、具体的に私もよく知りませんけれども、やはり大学院を中心とした大学、つまりアメリカあたりでいいますところの、学部の上にやはり大学院というものがあって、そして研究を中心とした大学という意味における大学というものはどうしても必要であるというふうに思います。これをストレートに、いわゆる大学院大学だけのものにするのか、あるいはいま申しました学部を伴ったところの大学院大学にするのか、この辺についてはもう少し検討を要する課題かと考えておる次第でございます。
○藤波委員 時間の関係もありますから先に急ぎますが、今日の日本の教育制度の中で、高等学校と大学、その教育内容につきましては相当重複するような面も、特に大学の教養科目についてはあって、学問に対する興味とか、またきびしさといったものも失われておるのが実情ではなかろうかと思うわけであります。その改善策については、今後次々と打ち出されていかなければならぬと思うわけでありますが、そういう意味では、職業人を養成するという意味で高等専門学校の果たしておる役割りというものは、非常に大きなものがある。むしろうまく一般教養というものを整理をして、職業人としての力をつけるという意味では、大きな役割りを果たしておると私ども評価をいたしておるわけであります。そういう意味で高等専門学校に対する充実の方針並びに現在工業、商船ということでいまのところは進められておるわけですけれども、それ以外にもどんどんと新しい分野を開拓をして、職業人を養成する役割りを他の分野にも広げるべきであると私ども考えるわけですが、そういった点についての文部大臣の考え方を承っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 高専の制度というものが取り入れられましてから、これは各地で非常に好評を博しておるし、また同時に入学する人もどんどんふえておるというような実情は、御指摘のとおりでございます。昭和三十七年度にできましてから、現在国立四十四校、公立四校、私立七校、計五十五校という数字でございます。 また国立工業専門学校は、当初はほとんどの学校が、二学科三学級ないし三学科三学級の小規模で発足をいたしたのでありますが、産業界の需要、教育の効率等の見地から見まして、設置年度を追って逐次各校に一学科の増設をはかってまいりました。昭和四十四年度におきましても、引き続き昭和三十九年度設置の十一校に学科の増設を行なう計画となっております。残余の昭和四十年度以降設置の学校につきましても、逐次拡充を行なっていく計画でございます。 また商船高等専門学校は、昭和四十二年度に商船高校を母体として創設をいたしまして、現在の総入学定員は四百人、内訳は航海学科二百人、機関学科二百人でございますが、海運界からの要望もありますので、昭和四十四年度におきまして各校四十人ずつ計二百人、航海学科八十人、機関学科百二十人の増員を行なう予定でございます。 また、さらにこれに対しまして分野を広げたらどうか、たとえば電波であるとか、あるいはまた商業であるとか、あるいはまた農業であるとかいうようなものにつきましては、ただいま検討をいたしておるところでございます。
○藤波委員 ぜひひとつ検討を、前向きの姿勢でお取り組みをいただいて、ほかの分野にわたっても、高等専門学校をどの分野にも及ぼすような方針をぜひお進めをいただくように、お願いをしたいと思うわけでございます。 昭和四十四年度は研究所の新設は行なわない、こういうことになっておりますが、時代の要請にこたえて学術の進展をはかったり、学問を一般社会の進展に応用をしてまいりますためには、研究所の果たす役割りも非常に大きなものがある、こう思うわけであります。そういう意味で、今後の研究所に対する考え方、また長い間研究所という機構を維持をしてきて、時代の進展に合わないものも相当出てきておるのではなかろうか。したがいまして、四十四年度はそういった方針が打ち出されておりますけれども、四十四年度中に、相当思い切って研究所の改廃については、文部省としてお取り組みになることがいいのではなかろうか、こんなふうに考えるわけでありますが、その辺の方針について、局長のお考えを承っておきたいと思います。
○村山(松)政府委員 研究所につきましては、これは学術振興という観点から、日本学術会議のほうからいろいろ新設についての御要望があるわけであります。しかし、実際問題といたしましては、予算の準備あるいは必要な研究者の確保等々の問題がありまして、文部省といたしましては関係の大学等とも相談をして、具体的に案の煮詰まったものを取り上げるということで、実は四十四年度につきましても大阪大学の溶接工学研究所、それから名古屋大学の水圏科学研究所といったようなものの新設を要求したのでありますが、これは認められるに至りませんでした。ただ溶接工学研究所につきましては、大阪大学の工学部に、研究所よりやや小さい施設として、とりあえず発足を見る予定になっております。 今後将来の問題といたしましては、学術会議の勧告等々を受けまして、これをこなすために文部省に学術審議会という諮問機関がございますが、そこで学術振興の将来計画ともにらみ合わせて、長期的な観点から案をまとめて進めていきたい、かように考えております。たとえばいわゆる素粒子研究所の問題も、現在学術審議会で若干従来の案を縮小した具体案の方向を打ち出しておりますが、学術会議等では、なお、さらに若干違った角度からの検討が進められております。 なお、現在あるものについても再検討して、思い切った改廃を考えろということでございますが、なかなか思い切ったというところまでまいりませんけれども、従来とも、たとえば東京大学の伝染病研究所を、伝染病という狭い角度ではなしに、医科学研究所といったような形に改組いたしますとか、そういう形で、研究目的の達成、あるいは研究目標の変化、あるいは研究課題の学術科学の変化に対応する体制への即応ということから変えてまいるといったような試みは、徐々ながら努力いたしておるのが実情でございます。そういう線に沿いまして、新設あるいは一改組、拡充といったような問題につきましても、案のまとまりましたものから次々と取り上げていきたい、こう考えておる次第でございます。
○藤波委員 養護教員、工業科の教員のことについてお伺いをしたいと思いますが、四十四年度から四十八年度までの五カ年間に、公立小中学校の養護教員の配置率を高めるということになってきているわけです。今度国立養護教諭養成所を新設をする計画になっていますが、養護教員の需給計画はどういうことになっておるか。 それから、ここ十年来、工業でなければならぬようにして教員も養成をしてきたし、高校の工業科教育も進展をしてきたわけでありますが、現在工業教員の需給計画はどういうことになっておるか、具体的にお伺いいたしたいと思います。
○村山(松)政府委員 養護教員につきましては、従来の五カ年計画、それから、さらに今後の定数基準の改定による需要の増等に対応いたしまして、養成の体制といたしましては、大学による養成あるいは養成所による養成を併用して進めてまいっております。現在養成所といたしましては、八大学にできておりますが、今回さらに千葉大学に一カ所を増設いたしまして、新しい定数基準の改定に伴う需要の増に対応することとしております。 それから、高等学校の工業教員の確保につきましては、昭和三十六年度からの所得倍増計画に伴う工業高等学校の増設に必要な工業教員の確保のために、八大学に臨時教員養成所をつくりまして、約二千名の工業教員を養成し、それらはほとんど高等学校に就職して、工業高等学校の増設計画に伴う教員の需要に充てたわけでありますが、工業高等学校の増設計画も一段落し、一方所得倍増計画や、理工系の技術者養成計画によりまして、工学部の増設も飛躍的になされました結果、大学卒業者で高等学校の工業教員の免許状を取得する者も非常にふえ、臨時教員養成所によらなくても、今後は高等学校の工業科の教員の確保にさして支障がないという事態になりましたので、四十二年度から工業教員養成所は募集を停止してまいりましたが、今年度で全部卒業することになりましたので、今回これを廃止することにいたした次第でございます。これを廃止いたしましても、今後は工業高等学校の増設ということも、従来のように急速に行なわれるという事態は予測されませんので、工業教員の需要に対しては大学卒の有資格者によってまかない得る見通しで、廃止が工業教員の需要に対して供給不足を来たすということには相ならないと思っております。
○藤波委員 時間の関係もありますので大ざっぱにお伺いをしてきたわけでありますが、もう一、二点だけお伺いをしておきたいと思います。実は、斉藤先生や川村先生のお話の中にも出てきたのですが、将来の教員養成という仕事、これは非常に重要な仕事であることは、いままでも論じられ尽くしてきたと思うわけであります。特にこれからは大学のピークが過ぎたというようなことからも、あるいは今度の学級編制を見ても私どもは痛切に感ずるように、量から質の時代に入っている。そういう意味ではなおさらのこと、国立大学における教員養成の仕事というものは重要性を増してくる、こう考えていいと思うわけであります。そういう意味で教育学部のあり方について、特に教育内容の充実について、文部大臣としてお考えになるところがありましたら御所見を承っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 戦後の新制大学が発足いたしましてから、新制大学の中に教育学部という形で教員養成の大学の使命を果たしてきたわけでございますけれども、どうも普通のユニバーシティの中で、教員養成大学というものは、今日あまりなじまないのじゃないだろうかというような気持ちもいたしておるわけで、実は昭和三十八年の中央教育審議会の答申におきましても、目的、性格をもう少し整理をして、あるいは種類分けをしていくべきでないか、たとえば先ほどお話しの大学院を中心とした大学、それから一般の高等職業教育を中心とした大学、それから小中校の教員養成の大学というものを分けて考えるべきじゃないだろうか、こういうようなことでございまして、私もやはりそういうあり方のほうがいいのじゃないだろうかというふうに考えております。たとえば宮城県におきましてはそれを分離いたしまして、宮城教育大学という形でやっておるようでございます。その結果はいかにもよさそうに思えておるわけでございます。この点につきましても中教審等の答申を得まして考えてまいりたいというふうに思っております。
○藤波委員 最後に、これはお伺いというよりも、お願いをしたいと思うわけでございます。 大学の学部を新設をして、充実をしていこうという文部大臣のお気持ちを、十分われわれも承ったわけでありますが、お話をすれば長くなりますが、大学は今日のような状態であります。そこで、いろいろ中教審でも御論議があろうと思うし、これから答申が出てきましょうし、また各政党とも大学問題についてはいろいろな角度から取り組んでおるわけであります。しかし少なくとも、学の内外を問わず、暴力に対してはき然たる態度で臨んでいくという文部大臣の姿勢、これだけは常にひとつ貫いていっていただきたい。どんな論理であろうとも、暴力だけは絶対にいかぬということについては、ひとつき然たる姿勢で前進をしていただきたい。承るところによると、これから国立大学の学長会議であるとか、いろいろ教育行政担当官の会議等お催しになろうと思うのでありますが、そういった際にも、常にひとつ文部大臣の姿勢として、学の内外を問わず暴力は許さない、暴力を徹底的に排除する、そのためには大学関係者も警察権を導入することにやぶさかであってはならぬというような、ひとつき然たる姿勢をぜひお願いをしたいと思うのでありますが、その辺について御所見を承っておきたいと思います。
○坂田国務大臣 全く私も同感でございまして、今日大学当局がき然たる態度でもって、学内には暴力は許さぬというような非常な決意さえ持つならば、私はこの排除はできると思っておるわけでございます。ところが、従来いろいろ警察アレルギー等もございまして、あるいは学問の自由ということの、あるいはそれに伴うところの大学自治という名にかりまして、この第一次的な責任者でありますところの学長及び評議会あるいは教官等において、警察を要請するということは、何か悪いことでもするかのような風潮が見られたわけでございますが、昨年来、東大紛争を続けてまいりまして、この一月、あの安田講堂に立てこもりました三派学生を、機動隊を二日間にわたりまして入れました結果、排除をし、かつ、そのうち一部はまだ残っておりますけれども、一応平穏な状況に返ったということがそれを物語っておるわけでございます。その他、教育大学におきましても、あるいは電気大学におきましても、あるいはまた東京外語大学においても、警察の要請をいたしましてこれを排除しておる。世間もそれに対してあまり文句も言わない。また、大学当局も、自然にそういうような機運になってきたのではないだろうかというようなわけでございまして、要は、大学当局がしっかりした考え方をもって、意識をもって、むしろ学問の自由を守るために、大学自治を守るために、大部分の学ばんとする学生を平穏に学ばせ、あるいは教授たちが学生とともに、あるいは大学院生とともに研究を続けるということのために、場合によっては警察力を入れるということは、当然なことだと私は考えておるわけでございます。近く学長会議等も開かれますが、その際におきましても、十分その意思を徹底させて、国民の心配を解消させたい、かように考えております。そうして、一日も早く大学が暴力を排除し、教育を正常化する、そうして秩序維持ができまして、一般の教育、研究が十分に行なわれるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○藤波委員 以上で質問を終わりますが、今回の国立学校設置法改正は、まあ学部の新設でございまして、承るところによると、この学部新設の三重大学においては、全国から六千通にのぼる問い合わせが殺到して、しかも、それの応対というのは、現在国会で法案を審議中だという以外に受け答えのしようもないというようなことで、せっかく大学に学部を新設をして、充実をしていこうという考え方に基づくこの法律案が、むしろ大学においては、非常に困惑をして全国からのそういう問い合わせに応対をしておるというのが実情でございます。したがいまして、ひとつ委員長におかれましては、この時期的なことも考えあわせて、極力すみやかにひとつこの改正案が可決をせられるように善処されるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○谷川委員長代理 藤波君にお尋ねいたしますが、残余の質問を留保されて、本日の質問を終わられるのですか。
○藤波委員 以上で質問を終わります。
○谷川委員長代理 次回は明後四日金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後九時四十三分散会