文教委員会 第6号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1969/03/14
会議録
○大坪委員長 これより会議を開きます。 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。藤波孝生君。
○藤波委員 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案について、二、三の質問を試みたいと存じます。 今回の法改正の意味をまず明確にするためには、これまでこの諸学校の学級編制と定数がたどってきた道を振り返ってみることが一番今回の改正の意味合いを浮き上がらせるもとだと思うのですが、三十四年度以降二回にわたって五カ年計画を組まれて計画を進めてまいりました学級編制と教職員定数を改善をしてきた経過並びにそのおさめてきた成果について、一応振り返ってみたいと思うのですが、その点について文部省の御見解をお伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 お尋ねの点についてでございますが、御指摘のように、この標準法は数回の改定を重ねておりますが、まず、三十三年に標準法が制定されましたときは、一学級の最高の児童、生徒数は六十人程度でございました。そういうことでございましたので、三十四年度から三十八年度までの五カ年計画を立てまして、これを三十八年度に五十人にまで改善をいたしました。さらに三十八年に標準法の改正をいたしまして、三十九年度から四十三年度までの第二次五カ年計画をつくりまして、改善を逐年やってまいりました。その四十三年度に四十五人にまで引き下げることができるようになりました。したがいまして、三十四年度から四十三年度までの十年間におきまして、教職員の定数算定の基礎となります児童、生徒数が四百二十六万人減少いたしておりますが、以上のような措置をやりましたために、逆に三万五千人ばかりの教員の増加ということになっております。したがいまして、かりに標準法が実施されました直前三十三年度当時の学級編制あるいは教職員の配置の実態を、現在まで法律の改正をしないで維持しておった、このように仮定いたしますと、児童、生徒数は四百二十六万人減っておりますので、したがいまして、現在の教職員数よりも十四万人ばかりの教職員が減少しておることになります。逆に言いますれば、こういう措置をいたしましたために、その間十年間で教職員定数が十四万人程度ふえるような改善がなされた。こういったような経過になろうかと思います。その他、以上のような措置をとりましたために、小学校、中学校の一学級当たりの定数、実数の平均値、こういうものも非常に少なくなり、言いかえますれば、教育効果が形の上ではあがり得るようなことになっておる、大体そういうことでございます。
○藤波委員 過去二回の五カ年計画によって、いま御説明のあったような大幅な改善が進められてきたわけでありますが、今日、学級編制のたどってきた道を考え、いま立っておる立場を考えますと、国際的に見ても遜色のないものだとわれわれは評価をしておりますが、さらに今回改善をしようとするねらいはどこにあるのか、具体的にひとつお伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 諸外国との比較は当然なされるべきことでございますが、現在諸外国の一学級当たりの平均児童数がどのくらいか、国によってまちまちでございますが、あまり十分な調査ができておりません。現在わが国の一学級当たりの平均児童数は、四十三年度、小学校が三十三・四人、中学校が三十七・八人ということになっておりまして、欧米先進諸国も大体三十五名ないし四十名くらいであろうと思いますが、それと比べて遜色がないように感じております。また一方、教員の配置率の指標になります教員二人当たりの平均児童生徒教について見ましても——これは一応ある程度諸外国の様子もわかりますが、イギリスの場合は小学校三十人、中学校二十人、フランスの場合は小学校二十七人、中学校二十六人、こういったようなことになっておりますが、わが国の場合は小学校が二十七人、中学校が二十二人というようなことで、イギリスとかアメリカとかフランスとか、こういったような国と比べてあまり遜色がないように存じます。 それではなぜ、そのようになっておるのに、なおかつ今度の改定をするかということでございますが、私どもの今回の改定のねらいは、従来のように一学級の児童生徒数が減少していくということも大事でございますが、今回は、そういう面は一応考えることにはいたしますものの、特に重点といたしましては、現在僻地等で単級とか複式学級、こういうものが多うございますが、そういうものを大いに改善していきたい。あるいは小学校、中学校等の教員、とりわけ小学校では全教科を教師が受け持つというふうなことがたてまえになっておりますが、特別な理科とか音楽とか体育とか、こういったようなものにつきましては専科教員を充実していく、こういうようなこと。あるいは、これは国会でも与野党の方からかねてからいろいろ御要望のございました養護教員とか事務職員を充実していく、こういうようなことにも力を注ぐ必要がある。さらに特殊教育の充実のためには学級編成とか教職員定数の改善も一般の学級以上に改善していく必要がある。こういうような観点から今回の法改正を一応考えておる次第でございます。
○藤波委員 今後の方向といたしましては、学校運営の近代化をはかっていくということが目的でなければならぬと思うのです。そのためには、いままでの説明でもわかることなのですが、教員の数をこれ以上ただ増加をさせるというだけではなしに、むしろ、それよりも養護教員であるとか、事務職員であるとか、こういった面の充実を思い切ってはかって、どちらかというと雑務に追われがちだといわれておる先生を雑務から解放する、そうして本来の教育に専念をしてもらうといった措置が大切であろうと思うのであります。何かというと雑務雑務ということで、先生の話が、教育の内容よりもむしろPTAの会費を集めたり、あるいはまた子供の成長に基づくいろいろな過程での事務的な雑務といいますか、そういうものに追われておるということが、ともすると、教育の充実を叫ぶ父兄からいたしましても、あるいは文部当局からそういった呼びかけを教員にいたしましても、絶えずそういうことが言いわけのようなかっこうになってきておる。それは一面言いわけだけではなしに、現実的にもそういうたいへんな御苦労が先生方にはあろうと思うのでありますが、思い切ってそういった雑務から先生方を解放する。そのためにも養護教員や事務職員を充実をするということが大切であろうと思うわけであります。今回の改正について、その中でこういった面についてどういうふうに措置を講ぜられておるか、また将来にわたって教育の計画をどういうふうに考えておられるか、この際、御説明をいただきたいと思います。
○宮地政府委員 御指摘のような養護教員あるいは事務職員等の充実でございますが、現在養護教員を一応私どもが給与負担の面から積算いたしております基準を申し上げますと、小学校では、児童数千人に対して一人ということになっておりましたのを、今回は八百五十人に対して一人は置くというふうにいたしたいと思いますし、中学校ですと、千二百人に一名の養護教員という積算をいたしておりますものを千五十人に一人といったような形で養護教員を充実してまいりたい。また事務職員につきましても、学級の規模等によりまして従来以上の充実をはかってまいりたい。さらに一定規模の学校では図書館の事務を担当する職員の定数も四十四年度から見ていけるような措置を講ずる予定にいたしております。こういったようなことで、四十四年度から養護教員、事務職員いろいろ考えておりますが、それで終わるということではございませんで、一般教員と比べまして養護教員、事務職員の実際の配置というものは多少遜色があろうと思いますので、一そう今後前向きな配置を考えていきたい、こういうことです。
○藤波委員 一般教員については、これの教育についてもあるいは採用の際のいろいろな条件についても相当留意をせられてきておると思うのです。また、教員におなりになってからでも現職教育についてはいろいろ配慮せられてきておると思いますが、比較的事務職員の採用、また事務職員としてお進めになっていく上についてのいろいろ、これも現職教育といえるのかどうか、事務職員についての特殊な研修等についても、もっともっと留意をしていく必要があるように思うのですが、その辺について文部省としてどんな指導をしておられるか、お伺いをいたしたいと思います。大学から高校へ、それから中学へということにはならぬと思いますけれども、今日の学校管理、学校運営の問題がなかなかむずかしい状態に入ってきておりますときに、小中学校におきましても、単に事務をとっていくのだということではなしに、いわゆる指導をしていかなければならぬ面が多いのではなかろうか、あるいは相互に研修をしたり研究をし合ったりしていかなければならぬ面が多いのではなかろうかと思うのでありますが、文部省としてどんな方針を持っておられるか、お伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 率直に申し上げまして、学校におきます事務職員の重要性ということは言うまでもないわけでございますし、また、事務職員等が充実されることによって教員のいわゆる雑務も減っていくというようなことで、事務職員の数の確保、また同時に事務職員の質の充実ということはきわめて大切なことと思います。ただ、率直に申しますと、一般教員に対しましては、いろんな研修会等を文部省が主催したり都道府県等が主催したり、いろんな研修が行なわれておりますが、それと比べまして、事務職員につきましては、やや従来から遜色があったということは率直に認めざるを得ないと思います。したがいまして、全然やっていないわけではございませんで、文部省でも事務職員の研修とか、都道府県でもやっておりますが、比較的事務職員が教員ほど制度上もはっきりいたしていない。たとえば職制等でも、事務職員がおればその上に事務長がおるといったようなことが制度上もはっきりいたしておりません。こういったようなことも含めまして、今後十分前向きに事務職員の数の確保と同時に質の向上、また、職制の改善等について検討していきたい、こういうように考えております。
○藤波委員 ぜひひとつ事務職員の問題については、今後とも数の上でも充実していくと同時に、小中学校の校長のもとでどういう立場で事務職員は学校運営、学校管理に関係をしていくのか、教育委員会との関係は、どういうふうな形でその指示を受けて事務職員が学校の事務をとっていくのか等についても、もっといろいろ御研究も願って、さらに一そう充実をするように御努力をお願いいたしたいと思います。 一般教科の授業を担当する教員よりも、これからはむしろ生徒の指導体制を整備していくという見地からの教員増をはかっていくことが要求せられると思うのでありますが、この点についてのどのような配慮を今回の法改正でせられておるか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 生徒指導につきましては、これは小学校、中学校、高等学校とも、いずれもそれぞれの教師が自分の教科科目を通じて、あるいはその他特別教育活動を通じまして生徒指導をやっていくというのがたてまえでございますが、それにしましても、やはり規模の大きい学校等におきましては、生徒指導を主とするような教師がいるということは非常に必要なことかと考えます。したがいまして、今回の改正におきましては、新しく規定を設けまして、主として都会地に所在します十八学級以上の中学校に教員定数を増加配置して、一般教科の指導者の充実とあわせてより一そう生徒指導体制の整備充実がはかれるように、四十四年度から、十分ではございませんが、いま申しましたような観点で充実をしてまいりたいと考えております。
○藤波委員 冒頭の説明で、今回の法改正で特殊教育学校については相当思い切った改善措置を講じた、こういう御説明がございまして、日本の教育の中で非常におくれておる分野であると思うのですが、これはどこまでいってもこれでよしということにはなりませんけれども、やはり恵まれない子供たちであるだけに、とにかく思い切った指導措置を文部省として充実していくということが大切であろうと思います。幸いに今年度の予算には特殊教育の総合研究所も設置の方向が決定をして、いよいよ着手されようとしておる。これは全国的にも非常な朗報だと思うわけでありますが、今回の改善措置の中で特殊教育学級についてどのような措置を講じようとしておられるのか、御説明を願いたいと思います。
○宮地政府委員 お答えいたします。 いろいろな面で特殊教育関係につきましては配慮いたしておりますが、具体的に申しますと、学級編成が現在は一学級十名ということになっておりますが、その十人から今度は八人というふうに学級の生徒の標準定数を下げる、さらに重複障害の子供につきましては五人で一学級編成、こういうふうに編成を改めたいと思っております。また、教職員の配置率につきましては、小学校の教員配置率の改善に準ずる改善を行なおうとしておりますが、そのほかに特殊教育諸学校におきます機能訓練、これは非常に重要なことでございますので、特に機能訓練が行なわれる障害の態様別に盲学校、聾学校、養護学校等、それぞれ必要な機能訓練のための教員定数の加配を行なう。さらに寄宿舎を持っております特殊教育諸学校につきましては、舎監の職務を考慮いたしまして、舎監というものを特に置くという意味ではございませんが、舎監の仕事をし、また教育をつかさどる——それは自由でございますが、舎監という点に着目いたしまして、教員一人を加算する。さらに寄宿舎で児童、生徒のお世話をいたします寮母の定数も、現在児童、生徒数の六分の一ということになっておりますが、それを五分の一に改善しまして、とりわけ肢体不自由者につきましては、四分の一にさらに改善をはかる。こういったような具体的な考えを盛ったものを改正案としてお出ししておる次第でございます。
○藤波委員 特殊教育学級の教育については、非常に熱意を持ってお当たりをいただいておるということを伺ったわけでありますが、同時に、非常に恵まれないということばがいいのかどうかと思いますけれども、比較的おくれております、たとえば僻地に対する取り扱いであるとか、あるいはまた産炭地区、同和地区あるいはいわゆるスラム地区などに対する改善措置をどのように講じようとしておられるのか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 御指摘の僻地の学校あるいは産炭地、同和地域、その他生活困窮者等の密集しておりますところ、こういったようなものを普通の標準法の一般の考え方でいたしますと、これらの地域もその他の地域と同じような教職員の配置にしかなりませんので、そういう基準で配置しますほかに、特に以上申しますような地域には、それにプラスして教員の配置、加配と申しますか、増加配置を考えたいと思っております。これらにつきましては、法案では、一応政令の規定するところによって云々というようなことで、法律案そのものにはあまり詳細に出しておりませんが、たとえば政令等で加配をする場合につきましては、まだはっきりいたしておりませんが、一応の考えといたしましては、産炭地区等でございますと、父兄が失業すると勢い生活も困窮になるということで、子供が要保護ないし準要保護児童、生徒に該当するようになりますが、そういった子供が数十%、私ども三〇%程度と考えておりますが、そういったような学校には教員の加配をするとか、あるいは同和地区の学校それからスラム街等でございますと、スラム地区の学校に困窮する家庭の児童が何%おるかというような数を数えにくうございますので、いわゆるスラム地区の学校には学校単位として教師を増配する、こういったような措置を講じたいと思っております。ただ、いま申し上げましたように法律案にはあまり詳細書いておりませんので、一応関係各省庁とも連絡の必要がございまして、政令段階ではっきりいたしたい、こういう考えでございます。
○藤波委員 いま経済成長でどんどんと経済、社会が変動していく、都市化現象で人口は都市に集中をするというような大きな動きがあるわけでありますから、そういう中で全国各県をずっとながめ回してみて、少なくとも教員の需給ということだけを見ましても、教員の余ってくる県と、不足して、いい先生がいないかと思ってずいぶん鳴りもの入りでさがす県とあると思うわけであります。その辺で、たとえば神奈川県と新潟県が教員の交流をやろうとした場合に、神奈川から新潟の僻地へ帰りたいという先生があって、それはけっこうだから受け入れようと新潟がいうとする、新潟からは神奈川に出たいという先生があるとする。ところが、神奈川県の教育委員会の場合には非常にワクがあって、おれのところの試験を合格してなければ絶対にだめだ——普通なら県間で何名かの、同じ人数ならばお互いに譲り合うというようなことがあっても、県によっては相当そういう壁がある県があるような感じがいたします。これは各県の教育委員会に自主性があって、各県の教育について責任を持ってやっていただくのはけっこうなことでありますけれども、これだけ社会の動きが激しい、特に都市集中をめぐってたいへんな動きのあります最中であるだけに、教員の需給については、各県の教育委員会にまかしておくのでなしに、内容まで立り入るというのではなくても、少なくとも数の上で、文部省が相当思い切った指導をしてもいいのではなかろうかというふうに、私どもしろうとでありますけれども感ずるのであります。そういった問題について文部省はどのように調整をしようとしておるのか、また、具体的に指導をしておるか。幾ら法律の上で定数の問題で充実をしていこうと考えておりましても、具体的にそういった実りが出てこなければどうにもならぬことでありますから、その辺の文部省の方針についてお伺いをしておきたいと思います。
○宮地政府委員 御指摘のようなことが確かに現在ございます。これはたてまえといたしましては、やはり神奈川県の教師になるためには、神奈川県で採用試験をやり、採用試験名簿に載った者の中から具体的な人事をやるというのが、一応教育行政関係の法律の定めるところでございますが、それにいたしましても、いま御指摘のように、非常にそれではまずい点も現にございます。したがいまして、法の運用の妙を得ると申しますか、そういうような考え方から、私どもといたしましても広域の人事交流の促進をする必要がある、こういうふうに考えます。たとえばいま新潟と神奈川の例をお引きになられましたが、東京近辺で考えてみましても、千葉県とか山梨県とかいったところは、その県内だけですと、十分教員養成大学を卒業します生徒でまかなえるという計画になるのですが、しかし、大体が首都圏の近郊の教員養成大学の卒業生は東京に流れていく。そうすると、そこで非常に不足をしてくる。激しいところでは、鳥取県等では、ほとんどの卒業生が大阪辺に行くといったようなことで、いま先生が御指摘になられましたこと以外にもいろいろ問題が生じております。こういうようなことも含めまして、私ども、それぞれの教育長なりで関係府県間で十分話し合いをさせて、いまおっしゃいますようなことのないように十分やっていく必要があるんじゃないか、こう考えまして、予算はきわめてわずかですが、文部省にも百万円ばかりの事務費もそのために計上することになっておりますが、そういったようなことで、文部省も都道府県間の連絡調整を十分いたしまして、御指摘のような弊のないようにやっていきたい、こう考えております。
○藤波委員 これはぜひひとつ文部省としては、そういった問題は思い切って各県の連絡を密にして指導に当たっていただきたいと思うわけです。 過密過疎の問題は、いまの人事の交流の中にも具体的にあらわれてきておりますように、非常に深刻な問題があるわけであります。最近特に過疎現象に基づきまして、児童生徒数が減少して、それに伴って単式学級が複式学級にならなければならない。これは地域にとっても親にとっても非常に深刻な問題になってきているわけでありますが、そういった過疎現象に基づいて教育条件が劣悪化したり、教員定数が急激に減少するというような例がたくさん見られるわけであります。そういった事態に対処して、今回の法改正でどのようにひとつ改善をしようとしておるか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 お尋ねの過疎現象ということを頭に置きまして、過疎地域等に所在する学校の教育条件の改善、こういう点につきましては次のような点を考えております。 まず、その一つは学級編制の改善でございますが、たとえば単級あるいは四個学級あるいは五個学級の学年の複式学級等が現在ございますが、それを今度の改正では五カ年にわたって改正していく、それを廃止していく。したがいまして、五年後には日本じゅうでどんな過疎地、いわゆる僻地等におきましても、単級の学校はなくなる、あるいは四個学年、五個学年の複式学級はなくなる、少なくとも三個学年複式以上の学級はなくする、こういうことを一つには考えております。 それからまた、三個学年複式学級につきましても、現在児童の定数が二十五人ですが、それを三個学年複式学級では一学級十五人にしていくとか、あるいは二個学年複式学級ですと標準が二十五人を二十二人に、あるいは中学校でございますと、二個学年複式学級の標準の二十五人を十五人に、といったような学級編制の改善をしてまいりたいと思います。 次は教職員定数の改善でございますが、たとえば五学級以下の学校におきましても、学級担任外に一人ないし二人くらいの教員定数を確保できるように、教員の配置率を改善する。その他、寄宿舎を持っておる学校には、先ほども申しましたが、舎監という職務を念頭に置きました教員を増配していく。その他、養護教員、事務職員、こういったようなものは、当該府県の僻地学校の数に一定率を乗じました教員定数を加配する。こういったようなことも考えたいと思っております。 それからさらに、このように過疎になってまいりますと、現実の問題として教員の首切りということが起こりかねないわけでございますが、そのようになりましては人事行政上非常に問題が起こりますので、少なくとも前年度の定数の九八・五%の数を下がるようなことはしないように、歯どめは九八・五%というところでとめるような救済措置も講じたいと思っております。
○藤波委員 今回のこの法改正によって義務教育諸学校の教職員定数の増減は将来どういう形になっていくのか、都道府県別に、ざっとでもけっこうでありますが、お伺いをできればたいへんありがたいと思うわけであります。また、五カ年で改善をしていくということになっておるわけでありますが、具体的にはどういう方法で充足をしていこうとするのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
○宮地政府委員 四十四年度以降の公立の小学校、中学校の児童、生徒数の推移の状況を全国のトータルで見ますと、各年度の増減状況は一様でございません。四十四年度と四十五年度が非常に減ってまいります。四十三年度と比較いたしまして、四十八年度では約九万七千人の減少となるわけですが、これに伴いまして現行標準法のままで推移いたしますと、今後五年間におきまして約一万三千七百人程度教員が減っていくというふうに見込まれます。これに対しまして今回の改正法を実施いたしますと、五年後の四十八年度時点におきまして、現行法で算定した場合より二万八千五百人程度増加するものと私どもは見込んでおりますので、さきにあげました自然減定数と相殺いたしました場合、約一万四千八百人程度の純増になるわけであります。このほか、今回の法改正による五カ年計画のワク外といたしまして考えております特殊学級の増設が明年度少なくとも千二百学級程度行なわれる、こういうように見込まれますので、それによる定数増の約八千人程度がさらに純増として積み上げられることになります。 次に、都道府県別の状況でございますが、最近におきます人口の社会移動の結果に伴い、都道府県段階における児童、生徒数の増減状況は、これも各県一様でございません。このため現行法のままで推移した場合の今後五年間におきます教職員定数の増減状況を見ますと、関東の埼玉、千葉、東京、神奈川、この四都県、それから近畿では滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、この五府県と愛知県、合わせまして十都府県におきましては定数増を、これは社会増の関係で定数増を見ますが、その他の道府県におきましてはいずれも定数減となります。特に東北、山陰、四国、九州の各県におきましてはかなりの定数減となります。しかしながら、この改正案が実施されますと、いまの定数急激減の現象は著しく緩和されるというふうに私どもは考えております。
○藤波委員 国際的に見ても遜色のないものをさらにもう一歩前進をさせよう、これは非常な前進であると思うわけでありますが、そういった五カ年の将来を見越しておいおい充足をしていく、こういったことを考えますと、相当に思い切って——きょうは担当の局長お見えでありませんけれども、大学教育の中で教員養成というものの重要性をさらに認識をしていただいて、いい教員をどんどんつくり上げるということが、やはり日本の教育を前進させるためにどうしても大切なことであろうと思うわけであります。そういったことにつきまして、きょうは大臣もお見えでありませんけれども、文部省としてもひとつそういう点思いあわせて、われわれはわれわれの側でたとえば教員養成機関に学ぼうとする者には思い切って奨学資金を考えるとか、あるいは高等学校の進学指導の中で思い切ってひとつもっともっと教員養成機関に進むことの重要性というものを認識をさせるとか、いろいろそういった配慮が総合的に行なわれていって、初めて今回の世界的にもトップクラスをいく日本の教員定数のレベルというものをほんとうに確保していくことができるのではなかろうか、このように考えますので、そういった面につきましても今後思い切った御努力をぜひお願いをしたいと思うわけであります。 ここ数年小中学校と高等学校との教員の人事の交流があったと思います。これには急増期に際会をしたわけでありますから、当然小学校から中学校へ、高等学校へ、そのあとを追ってきて、今日それが大学に波及をしておるわけでありますが、したがって、その辺の急増期に小中学校と高等学校の教員人事が交流をした結果、高等学校の教育レベルが落ちたということはないか。その辺について文部省側はどのようにお考えになっておられるか、お伺いをいたしたいと思います。なければ幸いでありますが、そういったことを非常に心配をいたしております。お感じになるところでけっこうでありますから、お伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 前段の教員養成につきましては、私、所管が違いますから、あとで政務次官からお答えがあろうと思います。あとの点でありますが、高等学校の教師が小中学校から上がってきたり、あるいはいい教師が大学に行ったりということで、高等学校の教員の資質の低下といったような御質問であったと思いますが、一応小中学校間の交流というのは、これは各都道府県で相当やっておるようでございますが、高等学校の教員につきましては、もちろん中学校で高等学校教員の免状を持っておる人が新しい年度になって高等学校の教師になっていくという人もありますし、また、高等学校の教員がその学問研究の成果が認められて、大学とか短期大学の講師とか助教授とかいったようなことで行くのは、これはもちろん現実にございます。しかしながら、その数が、そのために高等学校教員が非常に大学に抜けて行ったり、あるいは下のほうから高等学校へ上がってきたために、高等学校教員の全体のレベルに響くほどの支障があるというふうには私ども聞いてもおりませんし、はっきりした数字を持っておりませんが、おそらくそういう意味での高等学校教員の質的低下ということは、懸念するほどの数字ではなかろうというふうに考えております。
○藤波委員 それがという因果関係を含めようとは思いませんけれども、ここ数日のうちの高等学校の実態を見ますると、有名校が中心でありますけれども、卒業式に思わぬハプニングが発生をして非常に混乱をいたしておるようであります。ちょっと新聞で見ました数字でも、ことしすでに二十一都道府県の五十六校でそういった高校の卒業式をめぐるトラブルが起こって、特に公立がそのうちの五十二校を占めておるわけでありますが、混乱の中には高校生が政治活動と目されるような活動を卒業式を通じて展開をするというような事態が各地で発生をしておるわけであります。まだまだ都内の有名校などはこれからだそうでありますから、どんなことになるのか、たいへん心配をいたしておるわけでありますが、文部省はどんな指導をしたか。特に卒業式だけについて、騒ぐからあわてて指示をするのもどうかとも思いますけれども、こういった面について、高校の卒業式が今日混乱状態におちいっているという事態を文部省はどう考えるか、一体どういう指導を今日いたしておるかということについてお伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 最近高等学校の卒業式におきまして、一部の高等学校でいろいろなトラブルが起こっておる。たとえば答辞を読みます中に、学校教育とかあるいは国の政策を批判したりするようなものがあるとか、あるいはあらかじめ読むべく用意された答辞が、その場になってすりかえられるとか、あるいは読むべき予定のものを読んだあとに、またいろいろ政治的なことを含めたことばをつけ加えるとか、その他、新聞等にございますように、一部の学校では卒業式を妨害するために、一部の大学生に似たようなかっこうをして式場を封鎖する、その他いろんな問題が起こっております。私どもまことに遺憾なことだと思いますが、各学校によってそれぞれ多少ずつの違いはございますが、総じてこれを見ますと、一つには三カ年の高等学校教育が大学の受験準備に追われて、予備校的な教育であったといったようなことを言っておる。いわゆる高等学校教育への批判というものが一つ特色としてあるようでございます。それからまた、安保反対とか、あるいは中には教科書の検定制度がよくないとか、その他沖繩問題とか、いわば政治的な面を含みました主張があるようでございます。 それから、たとえば答辞、送辞等をいわゆる総代として読みます者が、いま申しましたような中身のものを読みます場合も、本人が日ごろから信じておって、それを自分の主張としてぜひ述べたいということも中にはあるのかもしれませんが、多くの場合は、だれかに読まされた、あるいは本人も多少そういう気持ちもありますが、生徒のグループでそういうことを読んだほうがいいじゃないかといったようなことで読まされる、あるいは、これはまことに遺憾なことと思いますが、まだ詳細はわかりませんけれども、教師の方がそういったようなことを何か指導しておるような節も見られるというような点がございます。それからさらに、高等学校の卒業生で大学なんかに進んでおる者が、自分の高等学校へ戻ってきて、そういうことをそそのかす、あるいは隣近所の高等学校の卒業生、あるいは中途で退学させられた者、こういった者が入り込んでくるといったようなことで、私ども、この問題につきましては、大学とはおのずから違った面がございましょうけれども、まだ大学生よりも年齢の若い、成熟度もおそい高等学校の生徒がこういうことをするということは、たとえば高校教育のあり方といった点につきましては、私たち文部省なり、教育委員会なり、学校行政をつかさどる者としても十分考えなければならぬというふうに考えますが、その他の問題につきましては、これはただ行政上の問題ということよりも、日ごろからの教師の指導ということも相当影響があるのじゃないかといったようなことで、この問題は総合的に検討して、こういったようなことが、ただくさいものにふたをして、消してしまうということじゃなくて、もっと十分原因を究明し、また適切な対策を講ずる必要があろう。こういうふうに考えております。 以上申し上げましたような例につきましては、私のほうで報告を徴しておるのですが、まだ十分でもございませんし、幸い近く指導部課長会議を開く予定にいたしておりますので、そこで十分報告をしてもらい、また指導部課長会議でもこういうことについての原因を十分さぐり、また、正すべき方策はどういうことかといったような話し合いもしてみたいと思っております。
○藤波委員 今日の高等学校の卒業式の様子を見ておると、日本の学園はほんとうに荒廃したという感じがするわけで、この問題については、小中学校の教育の内容であるとか、あるいは大学の管理運営の問題であるとか、あるいは制度の問題であるとか、いろいろな角度から取り組んで、何とか治安問題というのでなしに、教育の問題として解決したいという気持ちをみんなが持っておるわけですが、やっておりますうちにあちこちでハプニングが起こってきたのでは、どうにもこれは教育の場として守り切れないような感じすらするのでありますが、考えておるだけではなしに、文部省としても積極的に各都道府県教育委員会等にも指導をして、正しいことと悪いこと、現在の法律の中で守られなければならないこと、やむを得ず警察官をわずらわすなら思い切って、そういう点にはちゅうちょ逡巡することのない、き然たる方針を打ち出してもらいたい、このように私ども考えるわけであります。ときあたかも高校教育の課程の改定について、審議会から中間のまとめが公表せられまして、各方面の意見をこれから聞いてこれをまとめ上げる、こういうことになってきておるわけであります。この中間まとめの内容について、文部省としての御所見をまずお伺いいたしたいと思います。どのようにこの中間まとめの内容を受けとめるかということについて、お伺いをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 この中間まとめは、御承知と思いますが、昨年の四月十二日に教育課程審議会に対しまして文部省が諮問いたしまして、それ以後審議会では非常に御熱心な審議が重ねられまして、三月十二日に中間まとめとして審議会の総会に報告されたものでございます。審議会としましては、この中間まとめを一応発表することによって、いろいろな人の御批判なり御意見も承って、最後の仕上げの参考にしたいという意図でお出しになられたものでございます。いろいろの点がございますが、骨子といたしましては、高等学校は今日八〇%近くの者が入ってまいります。いわば義務教育の学校といってもいいぐらいな形にもなっておる。したがいまして、入ってきます子供の質も能力も非常にバラエティーに富んできておる。それから一方、いままでの高等学校教育を反省いたしますと、いろいろな問題もある。こういったようなことから、実態を踏まえ、また将来のあるべき姿を考えられまして、教育課程はこのように改善したほうがよいであろうというまとめになっております。 骨子としましては、その一つは、高等学校の生徒の教育は、人間として調和のとれた発達を目ざした教育をしなければいけないというのが一つの問題でございます。二番目は、国家及び社会の有為な形成者として必要な資質の育成を目ざした教育を重視しなければいけないということであります。三番目は、今日科学や技術が発達しますし、また、経済、社会、文化の進展も目ざましゅうございますが、そういったようなものに即応するとともに、生徒の能力、適性、進路などが多様になっていることを配慮して、教育内容の質的改善と基本的事項の精選集約化をはかり、生徒の能力、適性などを伸長させる教育を行なう。大体これが三本柱になっております。 詳細につきましては、この教育課程の改善がなされますと、それを受けまして学習指導要領というものがつくられていくわけでございますが、そういうことで今回の中間まとめは大ワクでございまして、まだ完結したものでもございません。なおかつ、これは大綱を示すものでございますから詳細はわかりませんが、以上申しましたような観点からいたしますと、私どもといたしましては、これは教育行政官のみならず、高等学校の校長、教師の方々も同じようなお気持ちであろうというように感じますので、私ども、お出しになられましたまとめは、文部省としても十分日ごろから考えておりましたことでございますし、今後改正する指針としてはまことにけっこうなものだというふうに考えております。
○藤波委員 大学の紛争であるとか、高等学校の卒業式のハプニングであるとか、そういった一連の動き、これは決してそれにばかりこだわるわけではありませんが、この際、大学のあり方もあるいは高等学校の教育内容も関連をして、小中学校の基礎教育のあり方等も思い切ってやはり考えなければならぬ時期に来ておるのではなかろうか、こんな感じがするわけであります。高等学校だけとらえましても、中学校からの高校への進学が云々をせられておったころから比較をいたしますと、最近では高等学校へ進学するのが普通のことになって、八〇%は高校へ進学をする。この事象だけとらえましても、高校教育のあり方というものが相当思い切った改善がなされなければならないのではなかろうか。ただ、いままでのものを守っていさえすればいいのだというような考え方では、とうてい時代に追いついていけない教育界の実情ではなかろうか。このように考えるわけでありまして、今後この中間まとめを踏み台といいますか、一応のグラウンドにして、いろいろこれから意見が集約をせられていくと思うわけでありますが、どうかひとつ文部省としても思い切って現在の高校教育を改善をする。特に小中高を通じてでありますけれども、学校のあらゆる教育活動全体が一つの道徳教育である。道徳性を高めるための活動に結びつけて、国家や社会に有為な人材を育成をするということにねらいを置いた教育の充実という方向に向かってぜひひとつお取り組みをいただきたい、このように考えるわけであります。 第一期の国立大学の入学試験は、まあ警察官の護衛のうちに何とか最小限の妨害があった程度で終わりまして、第二期がどういう形になるかということをみな心配をいたしておるわけでありますが、そういった入学試験をめぐって、やはり春になりますと、いろいろな問題が起こってまいります。 その中の一つに、都立大学の自衛官の入学拒否の問題が、この春はわれわれも取り上げざるを得ないことになってしまっておるわけでありますが、伝えられる内容が、いろいろ学生の意見等も考え、学生の動き等も考えると、自衛官の入学は好ましくないというようなことで、これは決して自衛官というのでなしに、自衛官個人が入学をしようという、その人個人の意思で大学に志望をいたしたにもかかわらず、それを拒否をせられておるというようなことが、事実そのままであるとするならば、これはたいへんな問題で、明らかに憲法違反である。このようにわれわれは考えざるを得ないと思うのでありますが、その点について、文部省のほうはどういうふうに聞き取っておられるか、どういうふうに考えておられるか、政務次官からお伺いをいたしたいと思います。
○久保田政府委員 都立大学の自衛官入学問題は御指摘のとおりでありまして、私どもまことに遺憾だと思っております。私の聞きましたところでは、たまたまその入学の手続あるいはその事務処理といったようなことに学生が直接参加しておったような事情がございましたために、学校側が必要以上に心配をしたといったことが、この問題をこんなふうに向けていった大きな原因であったかのように伺っておりますが、学校自体も、御指摘のとおりに、たいへんよくなかったと考えておるようでありますし、そういった事態が今後起こりませんように——また、つけたりになりますが、都立大学でなくて、ほかの高等学校の夜間部あたりに大ぜい現に就学しておる人々もあるわけでありますから、事態がまことに間違ったことだというようなことについては十分私どもも承知いたしております。今後そういったようなことが起こりませんように善処いたしたいと思っております。 それから、先ほどお話しの教員養成の問題について、もう少し早くという意味合いに私は伺ったのでありありますが、かねがね配慮されておるようでありますけれども、私もなるべく早目にこの問題が実を結びますようにありたいものだと思って、これから努力いたしたいと思っております。
○藤波委員 もう一回念のためにお伺いをいたしたいと思うのですが、審議官もお見えでありますが、都立大学が入学を拒否した理由を、もう一度明確に教えていただきたい。
○清水説明員 私ども新聞で承知をいたしまして、即日電話で一応話は聞きましたが、事の次第をはっきりとさせておきたいということで、文書で照会をいたしました結果、それから判明いたしましたのは、公文によりますと、「本学の現状にかんがみ、出願中の自衛官の受験を認めないことにした。」こういう報告でございます。それに若干説明が文書でつけられておりまして、学生ホールの改築問題をめぐって若干紛争が続いているというさなかに自衛官の受験を認めますと、また受験妨害が起きてきて紛争がエスカレートするということと、受験妨害によって、三名の自衛官の入学のために大多数の受験生に迷惑をかけるということを顧慮した、こういう趣旨の回答であります。入試管理委員長の教授を本人ないしは防衛庁へ差し向けまして、事の次第を説明をして、受験を控えてくれということを頼んだというのが事の事実のようでございます。これは文書でさように来ております。考え方につきましては、先ほど政務次官からお答えのあったとおりでございます。
○藤波委員 これは明らかに憲法と教育基本法に違反をしたものとわれわれ考えるわけでありますが、すべて国民は、法の下に平等でなければならない。社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において差別されてはならない。教育基本法の第三条、教育の機会均等という項に、すべて国民はひとしくその能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない。自衛官というのは、たまたま都立大学を志望した者の職業が自衛官であったにすぎないというふうにわれわれは承っておる。職業によって教育を受ける機会を拒否されたということは、明らかに憲法に違反する行為であるとわれわれは考えるが、その点文部省はどのように考えるか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○久保田政府委員 御指摘のとおり私も理解いたしておりまして、まことにけしからぬことだと思っております。
○藤波委員 承るところによると、大学院の入学者の選抜においても、自衛官ということにおいて入学が事実上拒否されておるという疑いがあるように聞いておりますが、この点についてはどのようにお考えになっておられるか、お伺いをいたしたい。
○清水説明員 いま大学院に対する自衛官の受験の関係のお尋ねでございますが、私ども承知しております限りでは、昨年、一昨年、若干そういうことがございました。結果におきましては受験を認めまして、そうして昨年、一昨年は十数名程度入学をいたしております。四十四年度入学生につきまして、四十三年の九月に大学院入学試験が行なわれたわけでございますが、九大学に志願がございまして、二十一名の志願があったわけでございます。この二十一名につきまして九大学で受験はいたしました。拒否はいたしておりません。ところがその結果は、二十一名とも九大学で合格になってない、不合格であった。こういう結果が出ておりますが、これは学力判定の結果である、かように考えております。
○藤波委員 できなければしかたがありませんが、ただ自衛官であるということにおいて入学を拒否されたり、いろいろそれによって大学からの入学選抜についての思惑があるとするならば、これはそんなことで区別をし始めたら、これからたいへんなことになる。どこにも学問の自由もなければ研究の自由もないという、まさにこれは日本は暗黒時代に入らなければならぬとさえ、大げさにいえばそんな感じさえするのであります。しかも不当な力に押しつぶされて、学問を受けようとする者が一切じゅうりんをされるというようなことになったら、たいへんなことだと思うわけでございます。政務次官から、明らかにこれは憲法違反だという御答弁もございました。これはいずれ法の面で裁いていくことになろうと思いますが、特にこういったことについて、自衛官であるがゆえにこういった取り扱いが行なわれてはならぬということにつきましては、今後ともひとつ文部省としては十二分に御配慮を願って、特に文部大臣名で、今回の措置は非常に遺憾であるということについて、都立大学の学長に対して厳重な警告を発するお考えはないか、お伺いいたしておきたいと思います。
○久保田政府委員 正式にそういう手続をとるほうがいいかどうか、御存じのようにいま都議会のほうでもかなり問題を進めておられるようでありますから、その辺のことを見ながら、必ずこうしたことの起こらぬように、現に、申しましたように夜学あたり、高等学校ではありますが、たくさん行っておる子供さんたちがあるわけでありますから、それらをにらんで善処いたしたいと思っております。
○藤波委員 高等学校の卒業式といい、大学の紛争といい、入学試験をめぐるいろいろな問題といい、今日教育界が不当な力によってじゅうりんをされたり、混乱におとしいれられておる。学園の秩序や、それこそ自治そのものさえじゅうりんをされようとしておる動きに対して、ひとつ文部省としてはき然たる態度で、思い切って適切な処置を講じ、もっと積極的に指導、助言に当たられるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○大坪委員長 次回は、来たる十九日水曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会