物価問題等に関する特別委員会 第15号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/07/24
会議録
○帆足委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件につきましておばかりいたします。 先ほどの理事会の申し合わせによりまして、来たる三十一日木曜日、物価安定対策に関する問題につきまして、一橋大学名誉教授中山伊知郎君より、参考人としての意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○帆足委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。 ————◇————— 〔委員長退席、阿部(助)委員長代理着席〕
○阿部(助)委員長代理 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。武部文君。
○武部委員 きょう私がお尋ねをいたします点は二つございます。一つは、たいへんしつこいようですが、いままで三回、コーラ飲料についていろいろお尋ねをいたしました。御回答をいただいたわけですが、どうも納得できない点がたくさんございますから、再度この問題についてお伺いをいたしたい。第二の点は、先般その問題にからんで食品衛生法第十七条、立ち入り検査、収去、こうした問題について厚生省の見解をただしました。その回答について納得できない点がございますので、そのことと二点、お伺いをいたしたいのであります。 前回から何回か申し上げますように、私は専門家でも何でもございません。ただ国民の側でこのコーラ飲料というものについてのたいへん多くの問題点が出ておる、それもただ単にうわさとかあるいは商売がたきがこれを利用して騒ぎ立てるとか、そういうものではなく、これから逐次申し上げますが、それぞれ大学の教授、りっぱな肩書きを持ち要職についておられる方、あるいは食品問題について専門的に取り組んでおる方、そうした人が責任を持って、自分の名前をはっきりし、それを書物にあらわし、これを全国に発刊をしておられる、そういう内容、さらには私どもが知り得る範囲で外国の例をいろいろ調べてみると、だんだん納得できないことがたくさんございます。そういう点で、一体わが国においてこうした問題がどのように取り扱われておるのか、外国でこれだけ問題になった同じものがわが国においては何ら問題がない、こういうことはどういう理由であろうか、こうしたことが私のこの問題について質問をする根底でありまして、冒頭申し上げましたように、専門家でも何でもございませんから、そういう点では、国民の健康を守るという立場にある厚生省としてはっきりした態度をひとつお示しいただきたい。それで私どもが納得できれば何も申し上げることはないのでありまして、その厚生省としての態度がきわめてあいまいである、抽象的である、こういうことについて納得できないために、きょう四回目のこうした質疑をせざるを得ない。この点を冒頭申し上げて御了承いただきたいと思います。 そこで最初にお伺いいたしますが、このコーラ飲料というものが日本に入ってきた、それは相当前でありますし、すでに八十年も前から世界では各地でこのものが大量に消費されておる、そういう事実もよく知っております。また、この日本における清涼飲料の中に、ただ一つコーラ飲料だけに燐酸が添加物として認められた、それは昭和三十二年であったということも当委員会の質疑を通じて明らかになりました。こういうような経過をたどってきたわけでありますが、厚生省としてはこのコーラ飲料の内容分析を知っておられるのか。一体どういうものがこのコーラ飲料の中にどれくらい入っておるかということを、正式にここで御発表になることができるかどうか、これをひとつ最初にお伺いしておきたい。
○金光政府委員 コーラ飲料につきまして、その中にどういう成分を含んでおるかということにつきましては、いままでの御質問においてお答え申し上げたわけでございますが、国におきまして国立衛生試験所等で調査いたしました結果につきましては、これはやはり清涼飲料水の基準等に基づきまして、その中に毒性の物質を含んでおるかどうかということを調査いたしておるわけでございます。その点においては御心配はないということでございます。 なお、カフェインの含有量あるいは燐酸の含有量等につきましても、すでに申し上げたとおりでございます。その他のコカコーラの成分につきましては、これは厚生省自体としまして、窒素が何%とかカルシウムが何ミリグラムといったような調査は厚生省としてはいたしておりませんが、これも油糧研究所等におきまして検査いたしました結果につきまして、いままでに申し上げたとおりでございます。 そういうことでございまして、従来御指摘がございましたように、厚生省自体で成分的に、油糧研究所等で行なっておりますようなこまかい分析の結果を出していないのでございますが、こういった点につきましては、御指摘がございましたので、現在その他の清涼飲料水等ともあわせまして、検査を進める準備をいたしておるような実情でございます。
○武部委員 そういたしますと、厚生省自体としては具体的にこのコーラ飲料の中に、たとえば燐が幾らあるかということはわかりましたが、カルシウムが幾らあって窒素がどのくらいあってというような、全般的な分析についてはしていない、いまそういうことをやろうとしておる段階だ、こういうことでございますね。 そこで、話は前後いたしますが、時間もあることですから、私はこれから具体的に厚生省の見解を承りたいのであります。この問題を私が取り上げましてから、厚生省の方は外部の方にいろいろとお話しになっておる、そういうことがいろいろ記事になって出ておりますが、記事になって出ておる以上、大体それに似たようなことをおっしゃっておるのだろうと思うのです。そこで、これから申し上げることについて厚生省として、それはうそである、それは事実である、わからぬならわからぬということをひとつ、また調査をしていないということがあればそのように、端的にお答えいただきたいのであります。 順序は年号別に違いますが、これは田口憲一という人の書かれた本でありますが、ここにはフランス議会のことがございます。重複する点もございますが、大事なことですから申し上げます。 フランス議会で一九五一年に、このコーラ飲料について有害であるというのでこの取り締まりの法案は下院を通過した。「その際の提案理由の説明によれば、コーラ飲料にはカフェインの含有量が多いので、人体に有害である、ということであった。」さらに「フランス共産党は、コカコーラには有害な燐酸も含有している」と指摘しておる。この法案は結局、一九五一年にフランス下院を通ったけれども、翌年アメリカ政府の抗議もあって、五二年十月、フランスの国会はこれが発売を認めた、こういう指摘がございます。これがフランス。 それから次はイタリアであります。これは四十三年一月十日付の読売新聞、ローマ発タス通信。これはイタリアのジェノバ、これも前回申し上げましたが、ここで訴訟を起こしておる。「イタリアのジェノバ市衛生局は、このほど同市のコカコーラ製造会社を相手どって“コカコーラには人体に有害な物質が含まれている”と製造中止を求めた訴訟を起こした。同局が行なった化学分析では、コカコーラには、カフェイン、リン酸、次亜塩素酸、無水硫酸などの法律で禁じられている有害物資が含まれていたという。また、ロープをコカコーラの中に数日間つけておいたら、ばらばらになり、人間の歯を数時間つけておいたらすっかり柔らかくなったなどの実験例もあげている。」これはイタリアの例であります。 次はアメリカ。アメリカの点は前回もお認めになったようでありますが、少し厚生省の言い分が違うようでありますからはっきりしていただきたい。これは稻垣長典お茶の水女子大学教授、農学博士、この人が現実に、この本を読みますと、アメリカのマッケー博士に自分が直接会って、実際に腐触したネズミの歯を見せてもらった、このネズミの歯はぎざぎざになっておったというその実験例は、あなた方が新聞に発表しておられるような、ネズミの歯をつけておいた——会社もそう言っておるようですが、六カ月間つけておいたというようなことではないのです。これは飲み水として与えたということがここにはっきり書いてある。これはつけておいたのではない、飲料水として与えた、その歯がこうこうなったということを稻垣さんはアメリカの教授から実際に聞いた、こういうことがはっきりここに書いてある。これはアメリカの例であります。これについてどう思われるか。 もう一点はアメリカ。これは「フィラデルフィア総合病院心臓外科のサミエル・ペレット博士は、健康な男子一二人に、砂糖入りのコーラと、人工甘味料入りコーラ、それに炭酸水を毎日四五〇ccずつ飲ませ、その結果を発表している。それによると、コーラを飲むと、血液中のコレステロールが増え、動脈を硬化して心臓発作を招く事が高まり、さらに精力を減退させ、肝臓も悪くするということである。この事実は、昭和四三年一二月二一日、共同通信が全国の民放ラジオ局の電波にのせて報道している。」こういう事実があります。そのほかカリフォルニア大学でも例がございましたが、これはおいておきます。 こういうように外国でフランス、イタリア、さらにアメリカ、そうしてイギリスでは、この中に含まれておる燐酸が非常に有害なので、燐酸にかわってクエン酸を使わしておるということが、これは東京農業大学の学長校閲、野村鉄男という人の「ドリンクスの効用」という本にはっきり記載されております。こういう例について私はいままで断片的でありましたが申し上げたわけであります。こういうことが現実に外国で次から次へと起きて問題になっておる。 こういうことについていままでの厚生省の答弁を聞いておりますと、たいしたことはない、研究中である、知らぬ、こういう答弁でありますが、いま私が申し上げたことについて、これをあなた方は事実としてお認めになるか、それともお調べになって、これは間違いだという点があるならば、ひとつこの際、わかる程度でけっこうですからお伺いをしておきたいと思います。
○金光政府委員 ただいま御説明がございました第一のイタリアにおける問題でございますが、これは御説明がございましたように、業界におきましてその問題が取り上げられたわけでございますが、保健省が一九六七年に正式に発表いたしまして、国内で販売されることに関しましては全く問題はないとして現在に至っておるわけでございます。 それからフランスでございますが、これも御説明ございましたように、一九五二年十月に、検事局におきましていろいろ調査しました結果、フランス人がコカコーラを飲むのは差しつかえないという判決が出たということを承っております。 それから次にアメリカの問題でございますが、ネズミの歯の実験例と、それからフィラデルフィアにおきます実験で、一例におきましては歯との関係の実験、第二の問題としましては肝臓等との関係の問題でございますが、これにつきましては、詳しいことにつきまして私どもといたしましてまだ検討いたしていないということでございます。 なお、歯との関連の問題でございますが、これは従来この席でも御説明申し上げたようなわけでございまして、やはりコカコーラにおきましても、こういったコーラ類の清涼飲料水はやはりPHが低いわけでございます。いわゆる酸度が強いわけでございます。したがいまして、歯に対する若干の影響というものは当然考えられるわけでございます。しかしながら、従来も申し上げておりますように、一般食品という立場で考えてまいりました場合に、たとえば砂糖を使ったお菓子等によります残渣による障害等に比べますとかなり低いということでございまして、その他の一般飲料水とコーラ類と比較いたしまして、特にコカコーラが害が多いという問題ではない。したがいまして、一般的な食生活の中におきましては問題として特に取り上げるほどの問題ではない、かようにいままで説明いたしておるわけでございまして、歯に対して酸度が強いということで若干実験的な影響が出るということにつきましては事実である、かように考えておるわけでございます。
○武部委員 外国の例をいまお述べになりました。イタリアの例はちょっとわかりにくかったわけでありますが、フランスで一年たってこの問題が一応解決したということについて、この書物によると、相当の政治的な圧力があったということが記載されております。私はそういうことはこの席上では申し上げません。いずれにしてもそうしたことが実験例としてあがっておるわけですね。アメリカではネズミに六カ月間飲ましてみたとか、イタリアではその中に麻のロープをつけておいたとか、あるいはネズミの歯をそれに浸してみたとか、こういう実験がどんどん行なわれておるわけですね。ところが日本では全然そんなことは行なわれておりませんね。いままでの答弁を聞きますと、内容の分析すらわからぬわけですから、しておらなかった。会社のほうは、八十年間何のこともなかったということを、この問題が起こると外部に向かって宣伝しておる。安心して飲んでくれ。そういう点の立ちおくれがいまの厚生省にあるということだけは私は指摘をしておかなければならないと思うのです。 それならば、今度は具体的に私が問題にいたしましたカフェインと燐酸の問題について、もう一回あなた方の見解を問いたださなければならぬと思います。 カフェインについて、あなたは当委員会の答弁で、天然の物質であるということをおっしゃった。それならば、このコーラに入っておるカフェインは天然の、いわゆる抽出法によってできたカフェインが入っておるか、あるいは合成でつくられたカフェインが入っておるかということに対し、あなた方は何を根拠にして、それは天然だから食品衛生法上問題はない、こうずばり私の質問のときにお答えになったのか。コーラの中に入っているカフェインが天然であるか合成であるか、一体どうしておわかりになったのか、それをお聞きしたい。
○金光政府委員 先般、コカコーラの会社におきまして使用いたしておりますカフェインは天然の物質であって、いわゆる天然の植物から抽出したものであるということを申し上げたのでございますが、これは会社側から事情を聞いた結果でございます。その後再度事情も聴取いたしました。またその抽出物の購入先につきましても調査をいたしたわけでございますが、そういうような調査の事実から、これは抽出物を使っておるということを現在確認いたしたわけでございます。
○武部委員 ですから、あなたがお答えになったことは、会社からお聞きになったことをおっしゃったわけですね。最初は抽出か合成かということは調査もせずに、一応会社から聞いた、そうしたら抽出法でやったカフェインだ、こういうことを言われたのでそういうふうに御答弁になった。合成ならばこれは食品衛生法違反ですからね。抽出法だから違反じゃない、こういうことをおっしゃった。 その会社は、千葉県習志野の白鳥製薬会社ですか。
○金光政府委員 御説明のとおりでございます。
○武部委員 私どもも白鳥製薬の会社を調べました。この白鳥製薬の会社は抽出法によってカフェインをつくっておる、こういうことを言っております。もちろん会社の中に入って現実にそれがつくられておる過程を見たわけじゃない。向こうの言い分を聞いた。たまたまその点では一致をしておるわけです。ただ問題になるのは、それならば、天然のものならば特別の規定がないから許可も要らないし、違反ではない、そういう局長の答弁でありましたが、そうなると、薬局方にいうところの薬害制限量というものがあるわけですね。ここに詳しく書いてある。そういうものが無制限に、天然のものだから違反ではないということによって、こういう清涼飲料水の中に入ってもいい、そういうふうにお考えですか。
○金光政府委員 添加物としては、化学的合成品につきましては指定をして認めるということになっておりますが、天然のものにつきましては規格基準で必要なものは基準を設けるということにいたしております。そこで問題は、じゃ天然のものならば幾ら入っておってもそのままにしておくのかという問題でございますが、この点につきましては、もちろん天然の物質といえども人体に害があるということになりますと、食品衛生法の第四条を適用して、それは製造とか販売を禁止することができる、かような考え方でおるわけでございます。
○武部委員 それならばお伺いいたしますが、原料が天然であっても、たとえばお茶の葉ですね、天然であっても、抽出し、精製をする、そうして医薬品として通用する場合、その内容と、それから化学的合成品としてつくられたものとは、成分が私は同じと思うんですよ。抽出であろうとも合成であろうとも、できてきた医薬品として通用するものは同じものなんですよ。それがなぜ片一方は食品衛生法違反で、片一方は食品衛生法違反でないというふうに断言できるのか、その点はどうですか。
○金光政府委員 抽出したものも化学的合成したカフェインも、成分的には同じと考えますが、ただいま御質問のありました違反ということばでございます。私が申し上げましたのは、天然の物質で食品衛生法の添加物として指定してないもの、そういうものは無制限に使ってもいいという意味ではなくて、調査いたしまして、それが人体に害があるということになれば、食品衛生法第四条で製造、販売を禁止する、こういう考え方でございます。
○武部委員 そうしますと、もう一つお伺いしなければいけませんが、天然物、これは原料の茶から抽出して精製したカフェインですね。これは食品衛生法上自然に食品に含まれておるという条文には該当しないんじゃないですか、どうですか。この食品衛生法施行規則の第一条——これは「食品衛生法逐条解説」あなた方の厚生省の人がつくったものですよ。第一条によりますと、「自然に食品又は添加物に含まれ又は附着しているものであって、その程度又は処理により一般に人の健康を害う虞がないと認められる場合。」こういうふうになっているんですよ。そういう点では、カフェインが天然物だとおっしゃるけれども、自然に食品に含まれておるものとは違うということについては、あなた方はどういうお考えですか。自然に食品に含まれておるものとは違うでしょう。これは抽出してそれを添加しておるのですから、天然物だと言われても、それは違うんじゃないですか。
○金光政府委員 添加物につきましては法第六条でございまして、化学的合成品である添加物につきましては厚生大臣の指定がないと使用できない、こういう意味でございます。自然天然の物質から抽出したものは差しつかえないという考え方でございます。
○武部委員 このことはちょっとあとに回しますが、いずれにしてもあなたは、天然のものであって抽出法によった、食品衛生法上添加物として違反ではないというものであっても、この食品衛生法第四条の規定によってそれが多量に入っておれば取り締まることができる、こういう答弁でございますね。 それならば次の点はいかがでしょうか。食品衛生法第四条の第二号、ここには「有毒な、又は有害な物質が含まれ、又は附着しているもの。但し、人の健康を害う虞がない場合として厚生大臣が定める場合においては、この限りでない。」この例外は厚生省令規則第一条にちゃんと書いてある。それはフグとかバレイショとかというものですよ。ちゃんとあなた方の役所の人がお書きになっておる。フグは有毒だから料理の際に取り除く、バレイショは芽が有毒だからこれは取り除く、そういうことになっているのですよ。この第四条二号の「有毒な、又は有害な物質が含まれ、」こういう点について、このフグやバレイショとカフェインというものをあなた方としては一緒にお考えですか。
○金光政府委員 フグとそれからカフェインの問題でございますが、フグの毒素というものは特別なものという考え方で、かような規制になっておりますが、カフェインにつきましては、従来から申し上げておりますように、一般的にはお茶にも含まれておる、コーヒーにも紅茶にも含まれておるというものでございます。さようなことでございますので、やはり含有量が非常に多くて、人体に害があるということになれば第四条で取り締まる、かような考え方でございます。
○武部委員 そのあとにもう一つ、たとえば硫酸を食品の製造過程に使ったとか、いろいろなことがありますね。これは時間の関係でやめます。やめまして、先ほど申し上げように、カフェインを無制限に入れてもよいということはない。それならば第四条に抵触するところの安全の限界というものは一体どのくらいだと見るのですか。これは非常にむずかしいことだと思うのですよ。第四条にいう健康に危害を与えるおそれがあるというような場合、いわゆる第四条に抵触するところの安全の限界の量というのは、清涼飲料水の場合にカフェインという、はっきりいえば劇薬薬品、そうしたものがどれだけの量入っておれば安全で、どれだけの量が入っておれば安全でないというふうなことをあなた方はお考えになっているのですか。
○金光政府委員 カフェインの限界量ということにつきましては、はなはだむずかしいことでございまして、いまここで申し上げることはできないわけでございますが、従来いろいろ御説明がございますように、薬局方に基づきますカフェインの極量がおとなで〇・五グラムという考え方でございますが、そういうような数値と比較いたしましても、非常に量は少ないということでございます。なお、コーヒーとか紅茶等等と比較いたしましても、それよりは含有量は少ない、かようなことで、一般的はこれは健康に害があるものとして特に規制をするという必要はないもの、かように考えております。
○武部委員 それならばもう一ぺん繰り返し質問をしなければなりません。私が申し上げた数字にあなた方は反対をされまして、おまえの言った数字は違うということをおっしゃったので、もう一ぺん違うかどうか、ひとつお伺いしたいのでありますが、いまおっしゃるように、カフェインの常用量は一回について〇・二グラム、危険量、極量は〇・五グラム、こういうことがはっきり出ておりますね。国立衛生試験所のカフェインの含有量の調査によると、百ミリリットル当たりに十四・二ミリグラム、そうすると、小びん一本が約二百ミリリットル、百九十から二百ミリリットル入っておるのですから、〇・〇三グラム入っておることになるのです。約〇・〇三グラム。大びんには〇・〇六グラム入っておることになる。これはあくまでも成人の量として飲む場合の計算だというふうに、最初から私は申し上げておきますが、そういった場合に、一体コーヒーについて——あなたはコーヒーとか紅茶ということをおっしゃいますから申し上げますが、コーヒーには幾ら入っておるか。これは百ccあたり〇・〇三グラムから〇・〇五グラム入っておるのです。これは大体コーヒー百ccです。 私があなたに前回申し上げたのは、一本のコカコーラの小びん二百ミリリットル、これとコーヒー一ぱい、それとの比較において同じじゃないかと言ったのですよ。同じ量が入っていやしないか。そうするとあなたのほうは、コーヒーのほうがはるかに多いのだと言う。私は一本と一ぱいのことを言っておるのですよ。コーヒーを一本分飲んだということの話の比較をしているのじゃないですよ。コーヒー一ぱい分、ワンカップの中に入っているところのカフェインの量と、それから小びん一本の中に入っているコーラのカフェインの量が一緒じゃないか、こういうことを言ったところが、あなたのほうは、何か新聞にも発表をしておられましたが、それは違う、半分か三分の一ぐらいしか入っていないということをおっしゃるが、同じ量での比較をしているのではないのですよ。片方は一本で飲む、片方はワンカップで飲むのですが、その量は一緒じゃないかということを言ったのです。 その場合、成人ですから、子供に当てはめてみれば一番よくわかる。私は前から子供のことを言ったのです。たとえば三歳児の場合の量を計算すると、その常用量は、成人の量かける年齢プラス十二分の年齢という計算をいたしますと、三歳児では〇・〇四グラムで常用量になるのです。三歳児では〇・〇四グラムで常用量になる。それは大体コーラ一本の中に占める割合とほぼ同じ率になりやしないかということを言ったのです。極量の場合は、三歳児では〇・一グラム飲めばカフェインの極量に達するのですよ。そういう計算になっているのですよ、あなた方の計算方式によれば。大体そういうことになってくると、コーラの小びん二本半飲めばカフェインの極量に達するのですよ。そういう計算になるのじゃないですか。あなた方の計算が違うのですよ。そういう計算になるのです。むしろおとなよりも子供がたくさんコーラというものを飲むから、極量に達するような量になりはしないか。ファミリーサイズ一本に小びん一本加えたらもう極量ですよ。そういう計算になりはしないかということを私は言ったわけです。そういう場合に、清涼飲料水だからカフェインの量は、許容量についてはたいへんむずかしい問題だからわからないというようなことでは済まされませんよ。 そうして外国では、アメリカでは特に、子供には危険だからコーヒーを飲まさないと言ったところが、何か親が心配をして飲まさないような人もあるようだということをあなたは言っておったけれども、アメリカではコーヒーは子供に飲まさないじゃないか。飲まさない親もあるようだということでは通りません。そういう意味から言うと、子供の飲む量というものがたいへん危険があるのじゃないかということを言ったのだが、これについてひとつ確証のある御回答をいただきたい。私が言っていることが間違いならばけっこうであります。何べんもこういうことを言っているじゃありませんか。どうですか。その量の、私の言っていることは間違いですか。
○金光政府委員 ただいま御説明のございました数字と、私が先般申し上げました数字の根拠と若干相違があるのでございまして、大きな相違じゃないと思いますが、いわゆる成人、おとな一日の常用量を三歳児に換算いたしますと〇・一グラムになる。これは先生のおっしゃるとおりでございます。 なお、コーラとかコーヒーに当てはめてみますと、コーラでは私の計算では三・七本、コーヒーにいたしますとそれがワンカップ、こういう計算になっておるわけであります。先生のほうでは二・五本というお話でございまして、若干数字の誤差がございますが、大体同じような考えでございます。
○武部委員 若干数字が違うようですけれども、そう大きな開きはないですね。そうなってくると、さっき言ったように、清涼飲料水の中にカフェインというものがどのくらい入っておれば、子供にはどういう影響があるかというような実験ぐらいはやはりやるべきじゃないかというのですよ。私の言っているのはそうなんです。いま直ちに危険があるとかなんとか言っているのではない。コーラ一本飲んでとん死したというような例はないのだから。そういうものがずっといって、健康に、からだにどういう影響があるかということぐらいは少なくともお調べになることが必要じゃないかということを言っているのです。アメリカでもイギリスでもどこでもそういうことについて——あとで燐酸について申し上げますが、そういうことについていろいろ研究しているのですよ。それだから燐酸を使わずにクエン酸を使っているのです。そういうようなことがあなた方になくて、心配ない、たいしたことはない、おまえの言うことは数字が間違いだということでは納得できないのです。 次に、話が飛びますが、もう一つお伺いしなければならぬ。あなたは燐酸についていろいろお述べになりました。これは人体の栄養として必要なものであるということをお述べになったのです。これは議事録にちゃんとあなたがお言いになったことは載っておりますね。ところがそれならば、これは時間をとるので簡単に言いますが、ここにこういう本があります。この本の中に国立栄養研究所の岩尾裕之という人が「カルシウムの摂取」という、論文とまではいかぬのですが——これは調べてみますと応用食品部長という専門家です。この人が「カルシウムの摂取」ということをここに大体八項目についてお述べになっておる。私はこれをずっと読んでみて、あなたの言っておることと全く逆なことをこの人は言っておるということがわかったわけです。それでおかしいから再度お伺いいたしますが、あなたは燐酸塩ということばをお使いになりました。燐酸塩は人体の栄養として必要なものである、こうおっしゃった。日本薬局方によりますと、燐酸は種々の形の塩やテステルとして人間の生理に非常に重要な役割りを果たしているが、燐酸を栄養源として用いることはないとはっきり書いてあるのですよ。これはあなた、反論ができたら反論してください。私が、燐酸がコーラの中にはたくさんあると言った。そうしたところが、あなたは、たいしたことはない、ほかのものにもたくさん含まれておるというようなことをおっしゃったわけですよ。そうしてあなたと同じようなことをスポンサーのコカコーラの会社の方が言っておる。厚生省とスポンサーのコカコーラの方は全く同じことを言っておる。たとえばレモンジュースにもその他のオレンジジュースにも、燐酸はコーラよりもたくさん入っておりますよ、ということを言っておるのですよ。 それならば申し上げますが、私が申し上げたのは、燐酸とカルシウムとの比率が問題だということを言ったのですよ。確かにオレンジとかあるいはレモンとかというものの中に占めるところの燐酸の数値は、御指摘のとおり大きいのです。しかし、こういう例はどうですか。百cc中に、温州ミカンについては十二ミリグラムの燐酸が入っておるけれども、逆にカルシウムは十四ミリグラム入っておるのですよ。レモンは二十四ミリグラムの燐に対して四十ミリグラムのカルシウムが入っておるのですよ。そういう比較をせずに入っておる量がコーラよりも、二十四だから多い。コーラは十六・〇ですから、それに比べれば二十四だから多いですよ。それは認めるけれども、その逆に、カルシウムの含有比はレモンが二十四対四十でしょう。コーラは逆に十六の燐に対して四・六しかカルシウムが入ってないということを言ったのですよ。三・五分の一しかカルシウムがないのですよ。そういう片ちんばのような飲料を、日本のような燐を非常にたくさんとるようなそういう環境や体質の中に、こういう燐のたくさん入ったものを飲ませることが、からだにどういう影響を与えるかということをあなたに私は質問したはずなんですよ。あなたは相対的な燐の入っておる数字だけを言っている。レモンもミカンもよけい入っておるのだから問題はない。スポンサーのコーラ会社の人と同じようなことを言っておるのですよ。そういう点であなたのお考えは間違ってやしないかということを指摘したわけです。 そこで、国立栄養研究所の人が言ったことを、これは簡単ですからちょっと読み上げてみます。 国民栄養調査によると、日本人のカルシウムの摂取量は必要量の七〇%しかない。火山国の日本の土壌中のカルシウムが少ないため、カルシウムは不足がち。 カルシウム吸収率の高い牛乳や乳製品の摂取が少ないために、日本人のカルシウム不足は著しい。 子供が慢性的にカルシウム不足を起こすと、体格矮小のほか、正常な情緒を持った人間にならない。 このカルシウムの体内利用を左右している燐が、日本人は米、パンの多食により燐の過剰摂取で、体中でカルシウムの利用をじゃまする。 少ししかカルシウムをとらないのに、これをじゃまする燐を多くとることはまことに困ったことで、これの解決が栄養改善の第一の力点である。 ところが最近、燐の多い飲料が多量に飲まれるようになって、ますます体内でのカルシウム利用を悪くしている。これでは日本人をよくすることはできない。困ったことだと思う。 あなたのほうの厚生省の専門家がこういうことをちゃんと発表しておる。あなたのおっしゃっていることと全く逆なことを言っておりますが、これについてどうですか。
○金光政府委員 従来申し上げましたのは、大体燐酸として一ないし二グラムくらい、これは人間にとって必要であるということを申し上げたわけでございます。この燐酸といい、また燐酸塩という形も——燐酸塩という形で普通食べると思うのでありますが、問題は燐でございまして、燐は御承知のように骨の成分としても非常に必要なものでございますし、また糖類の新陳代謝におきましても必要なものでございます。そういう役割りを果たしております。 それから、先生の御指摘の燐とカルシウムの関係の問題でございますが、これは御説明がございましたように、このバランスをとる必要があるということは御指摘のとおりだと考えております。 それで、御指摘のように、コカコーラについて考えますと、燐のほうがカルシウムより比率からいいますと少し多い。若干一般的に考えられているものよりも多いということになりますが、日本人の燐とカルシウムの摂取量でございますが、国民栄養調査によりますと、燐といたしましては一人一日千三百ミリグラム摂取しておる。カルシウムにいたしますと約四百ミリグラム摂取しておるということでございまして、これからいいますと約三倍くらいの、燐が三、カルシウムが一という比率になっております。そういう意味でやや多いのじゃないかということをいわれる場合もあるのでございますが、これは食べものの中の計算でございまして、吸収等を考えますと、大体この量におきまして燐とカルシウムの比が二対一と考えていいというのが、一般的な栄養学上の考え方になっておるわけでございます。 そういうことでございまして、燐とカルシウムのバランスが必要であるということは御指摘のとおりと思うのでございます。ただ、全般の燐とカルシウムの摂取量と、コカコーラという一つのものの摂取量というものを考えました場合に、数字的にはそう大勢に影響を与えるというものでもない、かように判断しておるわけでございます。しかしながら、こういうことにつきましてさらに将来、きめのこまかい研究を食生活の上での問題として研究していくということは必要であろうと思うのでございますが、現在の段階で、コカコーラ等によりましてこの燐とカルシウムのバランスをくずして、人体に非常に害を生ずるというようには私どもとしては考えていないわけでございます。
○武部委員 それならば、さっきあなたがおっしゃった人体の栄養として燐酸は必要である、こういう点についてはどうですか。薬局方にもそういうことが書いてないですね。栄養なんというものはない。この点はどうですか。
○金光政府委員 栄養として必要というのは、やはり燐というのは骨の成分で、燐酸カルシウムは骨の成分になりますし、それからブドウ糖の分解過程におきましても必要なものでございますので、いわゆる栄養成分としてこれは必要なものである。ただ量的な問題としてはカルシウムとのバランスの問題があるということでございます。
○武部委員 私は、コーラの問題にからんで燐のことを質問しておったのですよ。一般的なことじゃなしに、さっきから何べんも言うように、カルシウムと燐とのバランスがくずれておる、こういうときに燐酸はどうだと言ったら、あなたは栄養だとおっしゃるから、何か逆にとればコーラを飲んで燐を栄養源だから補給しろということにとれるでしょう、このやりとりの中からとるならば。一般的なことをおっしゃるなら話は別ですよ。しかし少なくともコーラの中に占める割合がどうだこうだと言って、燐というものは害じゃないか、特に日本人は燐が過剰なんだというようなことをいろいろやっているときに、あなたが燐は栄養源だということをおっしゃれば、がぶがぶコーラを飲んで、もっと燐酸をとれ、栄養源だからとれというふうにとれるのじゃないですか。そういう点はどうですか。
○金光政府委員 お説のとおり、コーラ等を飲んで大いに燐の栄養をとらなければならぬ、こういう意味で申し上げたのではございません。
○武部委員 そういう誤解を生むようになるのですよ、そういう答弁をなさると。ですから私もイギリスの例を申し上げたでしょう。燐酸はいかぬというので、二分の一のクエン酸を使っているということを書いてある、どうですかということを言ったでしょう。日本だってサイダーやポッカレモンはクエン酸や酒石酸を使っていますよ。燐酸じゃないのですよ。燐酸がなぜ食品添加物として認められたかということも私は非常に疑問があるというふうに第一回目のときに言いましたね。燐酸を食品添加物として使っている清涼飲料があるとおっしゃるから、それは何だと言ったらコーラ飲料だとおっしゃったのです。コーラ飲料だけなんですよ、燐酸を使っているのは。ということは、昭和三十二年に突如として認めたのでしょう。昭和三十二年は何だといったらコーラが入ってきた年なんですよ。コーラが入ってきたときにわざわざ燐酸を食品添加物として認めるということ、こういうこと自体も何かおかしいと思うのです。それは、その中に入っておるから認めざるを得なかったということからお認めになったという政治的な配慮があったようにしか思えない。そこへ持ってきてほかのほうでは、燐酸はたいへんからだに影響があるということを、あなたのほうの専門家がたくさん例をあげておっしゃっているのでしょう。あなたの御説明と違うのですよ。日本人の体質からいって、食べものからいって、燐酸が非常に多くてカルシウムが不足しておるというような栄養的なことをおっしゃっているのに、その中で、カルシウムよりも三・五倍も入っておるような燐の飲料であるコーラをどんどん飲むということが子供に影響を与えやしないか。ここにも子供のことを岩尾さんはいっておりますね、将来のあり方について非常にこの人は心配しておる。そういうことがあるのに、あなたのほうは、このコーラについてはたいしたことはない、影響はないというような一点ばりの御答弁では、私はやはり納得できない、こういうことを申し上げておるのです。 このことについては、あなたのおっしゃったことが一般的なことだとおっしゃるなら、これ以上のことを申し上げませんが、ただ、いろいろこういうことが問題になって、あなたが部外の人に説明されるときに、燐の量は、コーラよりもほかのものはたくさん入っておるのだから問題じゃないというものの言い方や、あるいは燐酸の酸のことを言うと、すぐ梅干しやリンゴのほうがまだすっぱいという御答弁をあなたはなさるのですよ。リンゴや梅干しとコーラ飲料を比較して御答弁になるセンスは私はおかしいと思うのですよ。清涼飲料の中に占めるところのものと、固形物としてわれわれがリンゴや梅干しを食うのと、これは内容が違うのです。そういう御答弁は私は納得いたしません。一貫して流れておることは、このことについておまえみたいなしろうとが何を言っておるかという、そういう御答弁なんです。それだから私はしつこく、きょうで四回目ですが、やらざるを得ぬということですよ。 そこで、同僚委員の質問もございますけれども、まだ次にもう二つばかり質問をいたしますが、カフェインの製造——製造は、きょう申し上げてしまったのでお聞きする必要はございません。抽出法と合成法と両方ある、これはわかりました。 そこで薬務局のほうにお尋ねいたしますが、このカフェインを製造しておる工場は一体日本にどのくらいありますか。もし工場名がわかっておったら知らせてください。
○渡辺説明員 私どもの調べました医薬品としてのカフェインは、いまお話のございましたように千葉県の白鳥製薬株式会社と静岡県の静岡カフェイン工業所の二カ所でございます。
○武部委員 これは私が、たしか二回目でありましたが、申し上げたとおりです。やっぱり千葉県と静岡県ですね。これは間違いないですよ。この二つの工場でカフェインは製造されている。その製造されておるカフェインの量はどのくらいですか。
○渡辺説明員 私どもの調べました医薬品としての年間生産量は約百九十トンでございます。
○武部委員 それはどういう用途に使われておりますか。
○渡辺説明員 医薬品としての用途といいますか、医薬品の原料といたしましては、医薬品の中では強心利尿剤、解熱鎮痛剤、ドリンク剤等に各製薬会社のほうへ出ております。そのほか食品等にも使用されているというふうに聞いております。
○武部委員 そうすると、カフェインの精製されているものは、そういう清涼飲料水の会社、工場に自由に売っていいということになっておるのですか。
○渡辺説明員 医薬品として定まっておりますものは、薬事法に基づきます許可、承認が要るわけでございますが、先ほど問題になりましたような天然品の場合は差しつかえございません。合成品の場合には食品衛生法にひっかかります。
○武部委員 そういたしますと、白鳥製薬、静岡カフェインは、全部天然ですか、合成ですか、どっちでしょう。
○小島説明員 御説明申し上げます。 静岡カフェイン工業所では合成品を月産七、八トン製造しておりますが、これはすべて医薬品にいっております。ここでは茶から抽出をやっておりますが、お茶から抽出したものは精製せずに茶のエキスとして販売しております。この茶のエキスは食品用に使われております。 それから白鳥製薬株式会社のほうでは天然品を年間六十トン程度、くず茶から製造しております。これは食品用に清涼飲料水の会社へ販売いたしております。それから合成品をここでは年間約九十トン合成しております。これはすべて医薬品のほうに使用しております。
○武部委員 大体この二つの会社で天然のものをつくっておるのは、白鳥製薬六十トン、あと静岡のほうは何トンですか。
○小島説明員 静岡のほうは天然品はカフェインまで精製いたしませんで、お茶の抽出エキスというものにいたしまして、その形で販売いたしております。
○武部委員 そこで話はもとへ戻りますが、前回、コーラの原料は一体何だろうかということになったところが、日本産の植物でつくっておるということでございました。日本産の植物がコーラの原料である。それならばカフェインはお茶しかないが、お茶かと言ったところが、大体そうだ、それ以上のことはわからぬというお話でありました。いまお聞きいたしますと、白鳥製薬ではくず茶を原料にして六十トンのカフェインをつくっておるということですが、このくず茶はインドから輸入したものですか。その辺わかりませんか。
○小島説明員 くず茶の輸入先でございますが、茶の輸入について私ども調べたのでございますが、インドからはあまり茶は入っておりませんで、台湾及び中共がほとんどでございます。
○武部委員 その点はわかりました。 そこで、内容については会社の秘密として言わない、わからぬということでしたが、この間会社側は、日本の内地で調達し得る複数の物質を使ってコーラの原料にしておる、こういうことを言っておるようですが、厚生省としてその後の調査でこれ以上のことはわかりませんか。
○金光政府委員 前回の委員会後に会社側から事情を聴取し、またその他の調査もいたしたわけでございます。そういうことの結果、ただいま申し上げましたように、コーラの会社におきますカフェインでございますが、これは天然の植物から抽出したカフェインを使用しているという事実は前回申し上げたとおりでございますが、それに加えまして、どこから購入しておるかということと、それからどんなものを原料として抽出されておるかという事実が、調査の結果わかってきたわけでございます。
○武部委員 そういたしますと、この間ある雑誌がこのコーラ、ペプシとコカコーラのことを書いておった中に、外国から入ってくるものは香料ということでしたね。この間も香料が入ってくるとおっしゃった。香料も調べていますが、これが総体の〇・〇二だということを書いてございましたね。OLO二だというのですね。〇・〇二の原液が日本の内地で混合されて、ボトラーによって売られているのだ、こういうことです。〇・〇二というものは香料というふうに見てよろしいかどうか。この点はどうでしょう。
○金光政府委員 香料と考えていいと思います。
○武部委員 それ以上のことはわからぬわけですね。一体何が原料で、どうだということは……。香料といったって、ただにおいをつけるものだけだというふうに私どもは理解できないのですが、その点はどうですか。
○金光政府委員 香料の、どういうものからどうしたということにつきましてはまだわかっておりません。
○武部委員 いままでやりとりいたしました中で、私は次の点がまだ不明だと思います。それは理解できないわけです。あなた方のほうはわかっておるかもしれないが、私はわからない。いわゆる天然のカフェインであろうと合成のカフェインであろうと、そうしたものがつくられていった場合に結果的には同じものだ。抽出であろうと合成であろうと、つくられたものはカフェインとして食品の中に含まれたものじゃない。つくったものなんですから、天然だからといってお茶をそのままコーラの中に入れるわけじゃないのですから、抽出してくるのですから、それは精製しておるわけですから、精製をしてできたカフェインも合成でつくったカフェインも同じものだ。だとすればこれは同等に取り扱うのがほんとうではないか。天然の抽出法であればカフェインは食品衛生法上何ら問題がないということについては問題があるではないか。これは同等に取り扱うべきではないかという気持ちを持ちます。同じものだ、作用も同じものだというふうに思いますが、この点は食品衛生法をもっと抜本的に改正しなければならぬことだと思いますけれども、カフェインというものは、現実に天然のものとしてつくられたものであろうとも、それがコーラの中に入っておるという事実、そしてカフェインというものが薬局方によって厳重に制限量というものが、常用量、極量というものがきめられておる、こうしたものが子供の体内に入っていくということについて問題がありはしないか、これは法的に改正する必要があるのじゃないかという点が疑問の一つです。 いま一つは、清涼飲料水でありますから、そうしたカフェインはどの程度入れたがいいか悪いか、こういう制限量のことについては、これははっきりすべきではないか。そのカフェインが子供の体内に与える影響から見て、たとえば百ミリリットル当たりについてはどの程度以下でなければならぬとか、あるいはカフェインを使用してはならぬとか、そういうことについて保健衛生の立場からこれについての回答を与えるべきではないか、この点が第二の点であります。 この二つの点から、私は次の点について厚生省にお伺いをいたしたいのであります。 この食品衛生法の条文の中で、十七条で、厚生大臣や都道府県知事または保健所法に基づく政令で定める市の市長は、必要があると認めるときは云々と書いて、収去または検査、そういうことをしなければならぬ、こういう点で前回いろいろ質問をいたしましたところが、厚生省の答弁は私の納得できない答弁でありました。特にその際にお述べになった局長の答弁はこういう答弁であります。食品衛生法上非常に危険が予想されるという、そういう前提で収去、検査するという答弁でありました。非常に危険が予想されるという、そういうことをおっしゃったわけです。これは議事録にちゃんと載っておるのです。そういたしますと、この間東京都の衛生局が、乳糖、カゼインの入った牛乳が出回っておるというので立ち入り検査を行なっております。あるいはグリコ牛乳がカゼインを使っておったというので、これも臨検を受けておる。そういうことが現実に行なわれておる。あるいはまた年末年始には地方の保健所の係員が定期的に臨検をし、検査をしておるという事実があります。あなたのおっしゃっておることからいうと、危険が予想される、危険でなければそういう立ち入り検査ができぬということならば、これはきわめて大きな問題だと思うのです。これは危険がなければ収去できぬということになれば、あるいは検査できぬということになれば、これはたいへんなことなんです。いまやっていることはこれは間違いということになりますね。この点は、あなたのほうの見解としては私どもは著しい間違いだと思う。そういう点について、ひとつ厚生省の解釈をこの際はっきりしていただきたい。私は重ねて、それは厚生省の有権解釈かと言ったら、そのとおりだ、こういう答弁がありましたので、この際きちんとした厚生省の答弁をしていただきたい。そうでなければ——きょうも新聞に出ておりますが、カネミのあの問題でまた二人死んでおる。そんな、死んでしまったりかたわになったり、被害が出てしまってから、それ検査が手抜きだといったところでそんなことは問題にならぬ。この十七条の解釈、この厚生省の逐条解説、これを読んでみても、局長のおっしゃったことは全く誤りだと思うのですが、ひとつこの点は政務次官のほうからでもけっこうですから、厚生省の正式な回答をいただきたい。
○粟山政府委員 食品衛生法に基づく臨検、検査、それから収去、これは飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するために必要があると認める場合に限り実施することができるものである、そういうふうな解釈になっております。それとまた、臨検、検査、収去の実施は、営業者の営業権、信用その他の権利にかかわるものであるので、実施にあたっては最も合理的な方法により、必要な範囲に限り慎重に行なうべきものである、そういうふうに解釈いたしております。また、したがって単に食品の原材料、製法などが不明であるということのみを理由として、臨検、検査あるいは収去を実施することはできないものである、そういうふうに解釈いたしております。 こういうことでございますが、いろいろいままでの武部委員の御質疑、それに対する厚生省のお答えでございますが、御納得が十分に得られるような答弁——いろいろと申し上げておりますが、まだ十分な御納得が得られない点もあるように、聞いていて思います。厚生省といたしましては、人間の健康を守るためには十分なことをしなければなりませんので、今後についても十分に厚生省内で検討し、御期待に沿い得る方向に向かっていろいろと考えていきたい、そのように、この場でお伺いしながら思っております。
○武部委員 環境衛生局長は当面の責任者ですね。あなたはああいうことをおっしゃったわけで、私は聞いておって変なことをおっしゃるなと思ったけれども、何べん問いただしても同じことを言われるから、それであと議事録ができてからと思ったのですが、やはり議事録がはっきりした以上は、どうしてもこのことだけははっきりしたい。そしていまの点は間違いありませんね。
○小笠委員 関連して。いま政務次官の御答弁を聞いて、十七条で問題になるのは、「必要と認めるときは」という、必要と認めるというのはいかなる尺度から認めるかという問題である。それは法律第一条の目的を達成するために必要と認める、こう読まなければいかぬ。法律第一条は非常に広範な規定をいたしておるのであります。すなわち「この法律は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。」こう書いてある。したがって、いま政務次官の御答弁の中で、三つに分けて御答弁なさったが、後段の、たとえば原料の内容が不明である、そういう場合には発動できぬのだ、このようなことは法律解釈上あり得ないのです。これは少なくも法律を勉強した者からいえばそういうことはあり得ません。第一条との関係から。それからもう一つは、危害が非常に予想されるという前提を置かなければ必要と認め得ないのである、こういう法律解釈論もありません。特に第一条との関連においてこの問題は十分に考え直す必要があるのではないか。私はただいまの第十七条の続一解釈論に非常な疑問を持つ。特に最近のように、消費者をどうして守っていくか、こういう消費生活の向上安定をはかっていくという時代の中において、十七条の「必要と認めるとき」、つまり厚生大臣あるいは府県知事諸君の認めるという解釈に限定を置く法律解釈論はどこから出てくるか。全く旧態依然たるいわゆる法律解釈論というよりも、仕事を狭く考えておる解釈論としか見えない。私は再考を促したい。言いたくはありませんが、特にその点の検討を促したい。
○粟山政府委員 いまの御注意ありがたくお受けいたします。ただ私申し上げましたときに、「単に食品の原材料」という、「単に」ということと、「不明であるということのみを」というようなことをも申し上げたわけでございますけれども、おっしゃるとおりに、先ほど最後に申し上げましたとおりに、局長の答弁のしかたから見ましても、幾ぶん範囲を狭く解釈しての答弁を繰り返しているようにも思われますので、なお厚生省といたしましては、武部委員のいままでの御質問の内容、またきょうもまだ御納得のいかない面も多々あるように見受けられますので、それをもとにいたしまして、ほんとうに厚生省が国民の健康を守るという立場から、もっと広い立場でもって法の解釈もし、それに対する対策、それからいろいろな研究、検査、そういうことなどもできるように、またする努力をいたしたいと先ほど申し上げたわけでございます。
○武部委員 私まだそのことについて納得しないのすよ。たとえば客観的にどうだこうだ。この客観的というのは独断でやらぬということなんですね。独断で役人が何でもかんでもぱっぱっとやったらいかぬということが客観的ということなんですね。だから、人の健康をそこなうおそれがある物質が含有されているのではないかと思ったときに、そういうことを思ったらやはり立ち入りができるんだということでなければ、これは資料が全部整いましてからといううちに死んでしまいましたらどうしますか。そういうことをもっと広く解釈して、そしていつでもやる。さっき小笠先生がおっしゃったけれども、一条の目的はそういうことを書いてあるのですよ、健康の問題が。そういう点でこの議事録を読んでみると、非常に幅を狭く考えておる。何かそういうことが起きなければ、あるいは資料が全部整って、これでなければだめでございますというような、そんなことをしておったら間に合わぬですよ。そういう点の解釈をもっとはっきりしていただきたい。 それですから、私が特に言ったのは、別にコーラだけのことを言っているんじゃないですよ。たまたまコーラにしたってそういうことがあるんですね。合成か天然かといったって、会社がそう言っていました。会社が言っただけでは問題にならぬのですよ。もし会社が言ったことと違ったことなら食品衛生法違反になるんですよ、いまの法律からいうと。立ち入り検査をやって、合成じゃない、これは抽出でございますということについて、いまの法律に問題があるにしても、かりにいまの法律を肯定するとして、どの方法でつくられたものであるかという点についての調査をする必要があるのじゃないか。それくらいの権限を厚生省が持つ必要がある。そのことが国民に安心を与えることになるのじゃないかということをずっと申し上げてきたのです。ですからそういう点については、いまの統一解釈についても私はまだ納得できぬのですよ。逐条的にいえば、やはり「食品衛生法逐条解釈」というこの本が大体的を射たことを書いてあるのです。ところがこれを書いたのはあなたのほうの役人で、局長でも何でもない厚生事務官ですが、これは厚生省環境衛生局長御推薦の本ですよ。あなたの前の人のようだけれども、このほうがあなたの解釈よりもはっきりしておるのですよ。だから私はこれのほうがりっぱだなと思っていると、あなたが違ったようなことを言うから、これよりもいまいるあなたがそういう狭い解釈をされたのでは困る。どうもまだ納得できません。悪いのですがまたもう一ぺんやらしてもらいます。えらい悪いのですが、これはひとつ納得できるまでやらしてください。 コーラのこともまだ納得しませんよ。いまの燐酸のあなたのおっしゃることもいけませんね。カルシウムとのことについて、あなたはこの論文の反論をしてください。そうすればいまの問題は解決すると思います。これはおそらくあなたのほうも手に入ると思いますから、この八項目について回答していただければ、一体燐酸のことについては私のようなしろうとでも納得できるのです。 それからいまの十七条の問題と四条の解釈について、あらためてもう一回機会を見て質問させていただく、うういうことにして、時間がきましたから私は交代いたします。
○阿部(助)委員長代理 木原実君。
○木原(実)委員 先般のこの委員会で、広告の問題に関連いたしまして、実はたばこの害の問題と、それからそれに対する対応策といいますか、そういう問題について若干お伺いをいたしました。その際、厚生省の企画課長と、それから専売公社のほうからもお見えでございまして、いろいろお伺いしたわけでありますけれども、どうも問題の焦点について必ずしもはっきりしない、そういう点がありましたので、できることならばきょうは厚生大臣と、それから総裁にお出ましをいただいて、高いレベルの問題で、国民の保健上の問題として、健康を守るという立場から問題を煮詰めてみたい、こういうように考えていたわけですけれども、厚生大臣も国会の事情がありまして出られませんし、総裁もお見えではないので、どうも多少堂々めぐりになるかとは思いますが、ただ一つ最初にお伺いしたいことは、たばこの害の認識について何かはっきりしないわけですね。 学説をいろいろ私どもも、厚生省からもあなたのほうからも資料をいただきまして少し勉強してみましたけれども、なかなかむずかしい問題で、専門的なことはどうも私どもでは理解をこえるような問題もございます。そういうようなことでいろいろわからない面が多いわけですが、端的にいいまして、たばこの害についての専売公社としての認識といいますか、前回お伺いしたわけですけれども、確かに害があるという学説がある。たとえば肺ガンと関連をして統計学的に見れば影響がある、こういうふうに言っておる学者もあるし、しかしながらそれは必ずしも、たとえば病理学的に見てはっきりと喫煙と肺ガンの関係が関連をして成り立つ事情が明らかでない、こう言っている学者もある、こういうふうにいわれるわけなんで、おそらく実情はそうだろうと思うのです。しかしながらもっと一般的な問題としまして、喫煙が国民の健康上害があるということは、われわれは体験的にわかっているわけなんです。それが具体的に肺ガンのどの程度の成因になっているかとか、あるいは他の喉頭ガンのどの程度の成因になっているかというようなことについて立証するのは、医学界の議論が分かれているという段階ではなかなかむずかしいと思いますけれども、しかしそれでもなお、私自身がそうですけれども、喫煙の弊害というものは一般的にあるわけですね。そういうふうに私どもは考えるのですが、端的にいって、専売公社として、喫煙の健康上に及ぼす影響、害の認識についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、あらためてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○佐々木説明員 先生御指摘になりましたように、たいへん判定のむずかしい問題であると私ども思っておるわけでございます。すでに先生が御承知でありますように、統計的には関係がありそうなことになっておるということ、それはたばこ産業に従事しております者の中でも認めざるを得ないことかと思いますけれども、それを医学的に、たばこが原因になってこれこれの病気が発生するという、その証明のところはついていないのではないかとわれわれ思っておるわけでございます。しかしながら、これはアメリカの公衆衛生局長の表現を借りますというと、何か予防的な措置をとる必要があるということを十分に是認させるような重大な健康上の障害があるのではないかという表現をとっておるわけでございますが、害ははっきりとは証明できないけれども、予防的な措置は要るんではないかというのが公衆衛生局長の言われている意味ではないかしらんと私は考えているわけでございます。 国際的に見ました場合に、たばこ産業に従事いたしております私どもの同業者と申しますか、そういうものたちも、私どもも含めまして、たいへんに苦しい問題でございます。いろいろ専門のお医者さん方、医学研究をやっておられる方に各国とも委託研究のようなことをやっておりまして、原因の究明につとめ、その原因がつかまえられたらこれを除去するようなことを考えなければならぬという考えを持ちまして、相互に連携をとりながら進めておるという状況ではございます。 ただ一般的に、原因になっておるかどうかという問題は別にしまして、だんだんニコチンとかタールとかいうものの少ないたばこをつくっていかなければならぬという国際的な傾向もあらわれておるように思う次第でございます。私どもも、原因が究明されていないというところで居直るのではなくて、ニコチン、タール等、問題にされますような要素の少ないたばこをだんだんつくっていかなければならぬと考えておる次第でございまして、徐々にではございますけれども手を打ちつつある次第でございます。
○木原(実)委員 むずかしいことはいろいろ残ると思いますけれども、ただ少なくとも喫煙を奨励すべきものでないというぐらいの認識はどうでしょうかね。つまり、副総裁もおっしゃったように、いろいろな医学上の証明ということになるとむずかしい問題は残るけれども、一般的にはたとえばニコチンやタールの少ないたばこに切りかえていく、害になると思われるものを除去していく方向でやっていきたい、こういうことですね。それを裏返しますと、必ずしも喫煙を奨励するといいますか——専売公社は少なくとも民間の企業ではないわけですから、そういう意味では政府の手の届くところにある企業ということで考えるわけですけれども、喫煙防止法というふうなものもありますし、未成年者には吸わしてはいけないというふうなことも現にあるわけですから、少なくとも奨励をすべきものではない、こういうふうな考え方はどうでしょう。
○佐々木説明員 商品を売ります者の立場といたしましては、たいへんデリケートな問題でございます。先生御指摘になりましたように、未成年者に対してはこれを売ってはならないものだということは、私ども第一線の職員にも徹底さしておるつもりでございます。自動販売機等、そういう選択ができないような販売方法もとらざるを得ない状態のもとにおきましては、自動販売機にも青少年の方には売らないのですということをはっきり示すような措置をとっておる次第でございます。しかし、成年の人に対して奨励しないといいますことは、たばこを売る事業をやっておりますものとしてたいへんに苦しいわけでございます。私どもむしろ、害があるのではないかと思われておるものが煙の中に少なくなるようなものを製造いたしまして、それを吸っていただくようにしたいと考えておる次第でございます。
○木原(実)委員 まあ企業としての良心というところなんでしょうが、ただこれはたいへんむずかしい問題でございましてね。この委員会は別に法律がかかっているわけではございませんから、ひとつざっくばらんに腹を割って話をしてみたいと思うのですけれども、先ほども食品の問題について議論があったわけですけれども、国民の健康の維持ということが、一ころよりも制度の上でもいろいろな面でやかましく論議をされるような時代になっているわけですね。しかしどうも専売公社の使命が、何といいますか、売り上げを上げて国庫納付金なり何なりを大いにふやしていこうという、あなた方に対してはたいへんなノルマがきびしく課せられている。それから企業としても生産、販売の能率をあげて、できれば多量に売ることが成績が向上することだ、こういうふうに、ある意味ではきちんと割り切った形で進んでいるというふうに思うわけですね。 ただその場合に、しかしながらたばこは健康上必ずしも好ましい商品ではない、こういう二律背反の性格がやはりあると思うんです。これが民間の企業ですと、その規制等については非常にむずかしい問題が残るんじゃないかと私は思うのです。しかしながら幸か不幸か、日本の場合はたばこの製造販売は昔から専売公社ということで、専売制度のもとでいわば政府がいつでも手の届くところに置いていた。そういう性格を持っているんです。それならば、国民の健康の問題がいろいろの面で問われるという時代の流れに照らしても、あらためてそういう面にウエートを置いた公社の運営を考えていく必要があるのではないのか。そういう角度からアプローチをしていきませんと、いずれいろいろな角度で酒とかたばことかの問題については繰り返し問題が出てくると私は思うのです。 これは個人的な体験としても、一定の年齢になりますとたばこの害はもう身にしむわけなんです。それでもなおやめられない。こういうように、個人としてもそれぞれそういう問題をかかえながら、一つの嗜好品として慣習的に、しかもこれはなければならぬわけですね。嗜好品だといいましても、食べることは一食減らしてもたばこを吸いたいという、非常に強い嗜好性を持ったものであると思うのです。そういう意味では、製造はしなければならない、しかしながら奨励をすべき商品ではないのではないのか、こういう側面を絶えず持っていると私は思うのです。それならば、そういうものに対応して公社の姿勢というものがこれからまた問われる必要があるのではないのか、こういうふうに考えるわけです。 ですから、非常にむずかしいというのは、一方ではノルマがあり、一方では企業体としてきちんとした生産、販売の能率をあげていかなければならぬ、こういうことがあるのはよくわかるのですが、しかし同時に国民の健康管理ということになると、そういう面からも民間の企業よりはアプローチしやすい条件に私はあると思うのです。そういう面についての配慮といいますか、考え方はどうでございましょうか。
○佐々木説明員 専売公社といたしまして、それは先生御指摘のように財政目的というものを持たせられておることは明らかでございます。公社法に書いてありませんけれども、私どもまた国民の健康問題につきまして、政府機関としての一般的な責任があるという御指摘はそのとおりだと思う次第でございます。 先ほどの、奨励すべきものではないんではないかというお話に関連しまして、私ども特別に広告宣伝費を大いに使いまして売り込むということをやっておりませんことも先生御承知のとおりでございます。私どもの広告費は年間二億円余りという、販売高に比べますと非常に少ない。ある人に言わせますと、努力が足りないという御指摘も受けましたけれども、その比較的少ない広告費のうちでは、新しい製品を出しましたことをお知らせするのに主眼を置いてやっておる次第でございます。 先ほどから申しましたとおり、新しい種類のたばこを出します際には、私ども今後はニコチンやタールの含有量を下げて、しかも味によって吸っていただけるようなものにしたいと考えておる次第でございます。最近試験をしておりますのは、日本の耕作されております葉たばこの中で、黄色種といわれます種類が一番ニコチン、タールの問題があることは先生御承知のとおりでございます。しかし、これはたいへんたばこらしい味を出す葉っぱであるということで、味のあるという面から申しますというとたいへん重要な葉たばこでございまして、これが原料として主流を占めておるわけです。今後はだんだんこの量を少なくしまして、在来種、バーレー種、特にバーレー種というようなものの使用量をふやしていきますと、ニコチン、タールもかなり下がると思っております。ただ、ルナで非常に下げたものを出してみたわけでございますけれども、味の点で消費者の方の御賛成を得られなかったように思うのでございます。アメリカやドイツがやっております、バーレーに味つけ用のいろいろなソースを吸わせまして、そういうふうな方法によりまして特殊な加工をやって味をつけるという技術がございますが、過去一年ぐらい急速に研究者が勉強してくれまして、ようやく市販品にそれを取り入れることができるようになったのではないかと思っておる次第でございますが、そういうふうな努力をいたしまして、先生御指摘のたいへん二律背反的な問題を、私どもなりの解決につとめてみたいと思っておる次第でございます。
○木原(実)委員 私ども、その努力はたいへんりっぱなことだと思うのです。それから、広告費が売り上げ高に比較しまして非常に小さい額であるということも十分納得のいくことだと思うのです。これはやはり専売制度ということですから、もし民間の場合ですとどうしても競争販売ということになりますので、必然的に広告料も大きくならざるを得ないという、そういう点では確かに専売制度になっておるということの意味が生きていることで、それからまた害の少ない、いま御指摘になりましたような製品を開発して対応していきたい、こういうお気持ちもよくわかるのです。 ただ、それにもかかわらず、これはやはり二つの面があるので、ことばを返すようですけれども、その製品が出ましても、しかしそれでもなお、完全に害が除去できるたばこかということになりますと、やはり問題は残ると思うのです。刻みのようなものは比較的無害だというふうにわれわれは聞いておりますけれども、どうも刻みというものはこのごろはたいへん量が少なくなりました。ですから、いろいろとくふうをなさるということの意味は私ども大いに評価したいと思うのであります。しかし、それでもなおかつ完全にそれで害に対応できるかということになりますと、早い話がたばこは吸わないほうがいいということにも実はなるわけなんです。 そこで、問題を少し変えたいと思うのですけれども、以前ですと、専売益金といいますか、国庫納付金か予算の中で占める位置というものは、比重というものは非常に大きかったと思うのです。しかし、御承知のように年々総体的に下がってきていると私どもは思うのです。これはあなたに申し上げることではなくて、大蔵省の問題になるわけですけれども、あまり専売益金にたよって、国庫納付金にたよって、そうしてできるだけ能率をあげて売らしていく、こういうことだけで大蔵省がものごとを判断し、考え、そうして専売公社の営業方針をリードしていくということになると、当然これは厚生省筋から文句が出てもいいような形なんですね。ですから、おっしゃったように財政目的に貢献をするという立場があり、ワクがあり、それから一定のノルマがあるわけですけれども、それにもかかわらず、成績をあげればあげるほど広く国民の健康に影響を及ぼすのだという側面が絶えずつきまとっているのだという認識だけは——つまり、経済第一主義だけでは専売公社は立っていけないのですよということを私は申し上げたいのですが、その点についてはどうですか。 たとえば、それをカバーするために、端的にいえば、たいへん公社には酷なやり方なんですけれども、たばこについてはやはり害があるのだ、あるいはたばこについては吸わないほうが望ましいのだという広告、マイナス要因の広告をあわせてやるようなこと、ある意味では、これは信用を高めるゆえんではないかと、絶えずそう思うのですけれども、そういう方向にもっと積極的に踏み込んでいくという考え方は公社の中から出る余地はないのですか。
○佐々木説明員 先生御指摘になりましたようなことをアメリカがやっておりますことは先生御承知のとおりでございます。しかし、私ども商品を売る者としましては、自分の商品にそのようなものを書きますことはやはり恥ではないかと思っておる次第でございます。諸外国におきましても、ドイツのたばこ会社の社長が私に言ったことがあるのでございますけれども、アメリカのやっていることはエクセントリックといいますか、極端ではないか、それでなくてもわれわれは消費者大衆の健康を害しないように、商品の実質において手を加えることに専念すべきではないのかということを申しておった次第でございます。 私ども、たばこという商品は、広まりました過程において、たいへん不幸ないろいろなことを経てきた商品であると思います。それは、あるときは薬であると思われたときもあったようでございますけれども、多くの場合には、神を冒涜するものであるとか、また健康に悪いとか、日本におきましては米の生産のじゃまになるとか、たいへんいろいろなことを言われてまいりましたけれども、しかし結局なかなか押え切れなかった商品であるということ、先生のさっきおっしゃいました慣習的な商品であるということであろうかと思います。 私ども、吸われた方がやめられないものであるということにあぐらをかいておってはいけないと思う次第でございますけれども、中身をよくすることによりまして、いま提案されましたようなことはできるだけ避けたいと思う次第でございます。
○木原(実)委員 それはわかるので、そこは相談なんです。これはそうおっしゃいますけれども、たとえば同じ政府の中でも、きょうは厚生省を呼んでおりませんけれども、これは当然これからも問題が起こると思うのです。私ども専売関係の資料で拝見をしたわけですけれども、たとえばイタリアなどは、保健衛生大臣が喫煙の問題について非常に大きな警告を出している。たとえば公の席ではお医者さんであるとか学校の先生であるとか、その他そういった人たちは喫煙しないようにという、そういう警告を出したり、あるいはまた医者の方その他が進んでたばこには害があるのだという警告を恒常的にやるようにという、何かそういう方針を出したなんということも見ておりますけれども、同じようなことはおそかれ早かれ日本の場合にも起こってくると思います。その場合に、何といいますか、専売公社でありますから、そういう面もむしろ公社が先取りをしていくというほうが、公社に対する信頼度が強くなるんじゃないか、私の申し上げたいことはそういうことなんです。 ですから、あなたのおっしゃることはよくわかるわけですよ。自分が丹精込めてつくったものを売っていて、これには害がありますよというマイナス要因を付して売れということはたいへん酷なことだということはよくわかるのです。しかしながら、たばこというのは必要悪なんですね。そういう特殊な性格の商品なんです。しかもそれを扱っておる公社は、一方では財政的に貢献をせよという一つの目的を課せられておる。他方では売れば売るほど、大小の差はあれ国民の健康に一定の影響を与える、こういう、それぞれハムレットの集団みたいなものなんですよ。それだから、どうもいまの公社の姿勢を見ておりますと、ともかく能率をあげて販売高を上げて、大いに財政的に貢献をしよう、企業の体制もそれでいきましょう、こういうたいへんきびしい方針を貫いて、積極的にやっておるということは理解できるわけですけれども、それなりに心配なわけなんです。何が何でも売ればいいという商品ではございませんよというくらいのチェックを、国会におる者としてはこれはどうしても言っておきませんと、たての半面があるわけですから……。 ですから、ざっくばらんな話というのは、たてまえの話としてはよくわかりますけれども、しかしながら進んでマイナス要因も付してやっていくというほうが、少なくとも公共企業体としてはそういう面があってもいいんじゃないか、こういうことを私は強調したいわけなんですけれども、その点、御了解は得られませんでしょうか。
○佐々木説明員 およそ企業として商品を売っております立場からいうと、先生には申し上げなくともおわかりになると思いますけれども、率直に申し上げまして、私どもそれはたいへん受け入れがたいことだと思っておる次第でございます。 私どもは、先生が思っておいでになりますよりももっと、たばこが健康上害があるという意見については疑いを持っておるものでございます。アメリカの公衆衛生局の出しました報告にいたしましても、非常に私のわかりませんのは、初めの部分につきまして出てまいりますシガレットのいろいろな評価の関係、それは統計的にもいろいろ出てくる問題でございます。葉巻きになりますと非常に変わってくる。しかもパイプたばこになりますと、パイプたばこを非常に吸ったからといって健康にたいへん影響があるというふうな差はあらわれてこないと書いてあったと思われるのでございます。しろうと的に見まして、パイプたばこに使います葉たばこ原料は、私どもニコチンの多い葉っぱを使っておると考えております。先生御存じでございますように、一本のたばこの植物からとれます葉っぱのうちで、下のほうがニコチンが薄くて上のほうが多いということです。そのてっぺんのほうを使っておるのがあまり差が出てこないというようなことであると、しろうとであります私どもはたいへんにわかりにくい議論だと思っておる次第でございます。実際問題としてもそのようなたいへんに疑いがまだ残っている問題ではないか。私どもがこういうものを売っております立場で身びいきするかもしれませんけれども、私どもはそのような感じでおりますものですから、先生のお話しになりましたような問題につきましては、たいへんお受けしにくいという感じでおります。
○木原(実)委員 それはわかるのですがね。確かに私どもしろうとなりに少し話を聞いたり文献を読んだりしましても、とても判定は下せないと思うのです。しかし一方で統計学的に見て、長年たばこを吸っていた人のほうが肺ガンにかかりやすいということは、日本では平山さんですか、統計学的に立証して、この人なんかはたいへん自信を持って強調していらっしゃいますね。一方ではそういう説をなしている学者もいらっしゃいますが、これ自体が警告ですよ。しかしまた、必ずしも立証しがたいという説もあるわけです。これから先は専門家にまかす以外にないわけですね。 しかし、さっきの食品の話ではありませんが、いろいろなものがきちんとなった場合には、何といいますか、終わりの段階ではないかと思うのです。多少とも逆の面で疑わしいものがあれば、それに対する対応策ということでおそらく違った品種を開拓しようというような御努力をなさっていると思うので、それはわかるのですが、しかし体験的にやはり多くの人が、たばこはできることならやめたいという気持ちを持つくらいに害があると思う。その反面のことももちろんあるでしょうけれども、いまの段階では十分に立証ができなくとも、少なくとも奨励をしてまでたばこは吸わさない。たとえば、奨励をして販売額を上げるということに公社の方針を集中する、少なくともその努力の何分の一かはマイナス要因に対応していくような姿勢に切りかわらないものかどうか、こういうことなんです。 そこで、なかなか受け入れがたいというのですが、たとえばマイナス要因を消していくために、従来も病理関係の調査研究費をお出しになっておると聞きましたけれども、それならば益金の中から少しは、たとえば総合的な病院を拡大するとか、あるいは研究費をもう少し多量に回すとか、そういう意味での配慮ということはどうでしょうかね。
○佐々木説明員 前にも御説明申し上げたかと思いますので、先生御存じかと思いますが、肺ガン等の研究委託費は、各大学や研究所にいろいろお願いをいたしておりまして、四十三年度千九百万円であったかと記憶しております。四十四年度は二千二百万円ということになっております。御指摘のように、若干ではございますけれども増額の努力をやってまいりました。 さらに中期計画におきましてはこういうことを提案しておるわけでございますが、喫煙についての科学的な研究というものを、もう少し幅を広げてやってみたいと思っておる次第でございます。どうも予算措置等がいろいろからまりますので、計画をいたしましたのがそのままうまく実現するかどうか、たいへん問題でございますけれども、私ども、先生御指摘のような問題があるわけでございますから、研究をさらに進めるために経費は惜しまないでやりたいと思っておる次第でございます。
○木原(実)委員 前回もその話を聞きましたけれども、どうも二千万円というのは、少し少な過ぎるのではないかと思います。私どもから見れば、広告費の二億円も必ずしも多量というわけではありませんからいいのですけれども、しかしながら益金に比べましたら非常に少ない額だと思うのです。これは何といいますか、見ようによれば、この程度の金で調査をするということは、マイナス要因を消していく費用としてはあまりにも少な過ぎるのではないか。 ですから、私の申し上げたいのは、益金の国庫納付金についてのいろいろなノルマがあるでしょうけれども、これは大蔵省の方針とも関連をしてくるわけですけれども、公社の仕事の中で、やはりマイナス要因については公社自体が積極的にこれを消していく努力をしていくんだ、これはたばこの製品の面においても販売方法の面においても、同時に、被害があるというならば病理的な面においても、十分に対応していくんだというくらいのウエートでやっていかないと、これはもう少し世論に火がついてくれば、国民としては納得しがたい面が出てくるのじゃないかと思うのです。民間の場合ならこういう要求を出すことは非常にむずかしいわけですけれども、やはりわれわれとしては専売制度を活用していきたい、こういう観点からいいますと、いま御指摘になりました中期計画の中で示されておりますような方向をもっと拡大をしていくという姿勢を示していただきたい。これはむずかしいものでございましょうか。
○佐々木説明員 私どもそれはいろいろな問題がありますけれども、たばこはなかなかやめられないものだという感じを持っているわけでございます。したがいまして、危険だとかなんとかいうそういう説得のしかたも一つの問題でありましょうけれども、どうしても吸われる方に対しましての、そのお売りをする品物の性質から、問題となっておりますような中身をだんだん少なくしていくということもまた企業として一番先にやるべきことではないかと思う次第でございます。 先生すでに御存じでありましょうけれども、原料である葉たばこがまず第一の問題というふうに考えるわけでございますが、葉たばこの育種の問題は、御承知でありますように、過去を振り返ってみますと、非常に新しい種類のものを耕作できるように改良し終わりますまでにどうも十年くらいかかっているという、たいへんに長い期間のかかるものでございます。幸いにいまのところ七年くらいの経過を終えまして、若干品質の改良ができる種類のものではないかというものを見つけ出しまして、現地の各種試験耕作を進めておる段階でございます。御承知のように土地条件、気象条件等が日本は非常にひんぱんに変わりますので、病虫害に対する抵抗性等を試験しながら進めていかなければならぬわけですが、研究者の人たちは、まだ三年くらいは試験的耕作ということで研究をさしてくれということを言っておるわけでございます。 私ども、二千二百万円という金額が必ずしも多くないという御指摘はそのとおりだと思います。しかしそれだけではございませんでして、育種の改良の面から、またそれの処理の面から申しますと、さっき申し上げましたようにバーレー種ないしはバージニア種のようなもののバーレー種の変種のようなもの、そういう葉っぱの使用量を多くしてたばこをつくる方法、これは特殊加工のための若干の余分な設備が要るものでございます。 それからまた、害の発生には燃える温度が問題であるというようなことが——私、専門ではないのにこんなことを申し上げるのはたいへん恐縮でございますが、そういう観点を考慮いたしまして、温度が上がらないような巻き紙と申しますか、ライスペーパーと申しますか、高気孔度のライス巻き紙、穴がたくさんあるというものでありますが、それであまり温度が上がらないようにというくふうもいたす。必ずしも成功しているとは、まだいまの段階では申せないわけです。それからフィルターにつきましても、カーボンフィルターをつけまして、二重のフィルターでありますとか、アセテートでない吸着率の高いフィルターでありますとか、そういうものの検討をいたして、ある程度成果を見ておると思っておる次第であります。そのような製品をつくり上げますまでのいろいろな工程におきましてまた改善も加えまして、少しでも先生御指摘のような問題に、商品の実質においておこたえしてまいりたいと考える次第でございます。
○木原(実)委員 そうしますと、私は、せっかく中期計画その他を立てて合理化の問題を提起されておるということも承っているわけですけれども、いま副総裁おっしゃったような側面での対応策で、私はもう少し目に見えた——その面の御努力を否定するわけではありませんし、私どもしろうとですから、最善の道を選んで製品を通じて対応していきたいというお考え方はよくわかるわけなんですが、しかしあわせて、ことばは悪いですけれども、やはり罪滅ぼしに、相当社会的な面での施設なり、それからあるいは病理的な面での研究等についても、目に見えた形のもので対応をしていく、そういう余裕というものはございませんかね。これはいろいろな希望、抽象的なことで恐縮ですけれども、たとえば少し大きな病院を幾つか建てるとか、あるいはまた研究機関等についても、たとえば肺ガンなら肺ガン全般について研究施設を持つとか、考え方はいろいろ出てくると思うのですが、それについての資金的な配分を行なう、そういうゆとりは、少なくともいまの公社のこれからの中期の展望の中では出てくる余地はありませんか。
○佐々木説明員 病院のお話でございますが、公社は総合病院といたしまして東京と京都に病院を持っております。従来そこの先生方がこのような問題につきましても非常に興味を持って検討してまいっております。京都病院では特別またそういうもののための研究をすることになっておったと記憶いたしております。私ども、いまの病院がだんだん近代的病院におくれておるという問題を一つかかえておりますが、その問題とともに、私どもの病院施設におきまして御指摘のような喫煙と健康の問題とを組織的に詰めていくことにいたしたいと思う次第でございます。さっき申し上げたように、京都病院で従来やってまいっておりますのは、喫煙が循環器系に及ぼす影響というようなことについて特にやってまいっておる次第でございます。
○木原(実)委員 それはわかるのですが、中期計画のお話が出ましたからあれですが、中期計画はわれわれも資料で拝見をしておるわけです。私も合理化が必要でないと申し上げませんし、それぞれ企業が能率をあげるために御努力をなさっておる点はいいわけなんですが、冒頭申し上げたように、公社の姿勢それ自体がたいへん販売第一主義といいますか生産第一主義といいますか、そういう面できびしさがあっていいと思うのですよ。しかし同時に、一般にたばこの害といわれるものについての社会的な責任を果たしていく、そういう面についての社会的な責任を果たしていこう、そういうことについての配慮がほとんど見られないというのはたいへんさびしいことだと思うのです。たばこの害なんていいますと、専門的なことになりますと私どもしろうとですからわからない面がなかなかあると思うのです。しかし問題が提起をされておることは事実ですね。それから肺ガンというような昔は少なかった病気が非常にふえておることも事実で、これはたばことどの程度関連があるかということになりますと、むしろ空気の汚染の問題じゃないかということもあるし、なかなか立証しがたい面があります。しかし、たばこの弊害という問題は、やはり昔からしょっちゅうあった問題ですけれども、諸外国ではあらためて問題が提起をされておる。その影響は当然日本にも一定の影響を与えてきておる、こういう社会条件があるわけですね。 そういうことを踏まえて考えますと、中期計画の中で、たいへんきびしいノルマに向かって、新しい企業の段階に向かって前進をしていこう、こういう姿勢はいいわけですけれども、しかしその反面の、新しく社会的に提起されておるたばこの害についての対応策といいますか、公社として当然あってもいいであろうと思われる社会的責任を果たしていこう、こういう面についての計画なり考え方なりというものがあまり見当たらない。これは非常にさびしいことだし、公社自体についての何か不信感といいますか、信用を逆に落とさせることにもなるのではないのか、こんなふうにも考えるわけです。 ですから、繰り返すようですけれども、せっかくこれだけのことをやるのだから、たばこの害というものを認める深浅の度合いはともかくとして、やはりこれだけの社会的責任を果たしていくという、社会的な投資に向かっても資金配分を行なう等の配慮がもう少しあり得ないものかどうか、このことが私のきょうは実は一番聞きたかった問題なんですけれども、どうでしょう。
○佐々木説明員 喫煙と健康の問題は、たばこを売っておりますわれわれにとりましてたいへん苦しい問題でございます。また、たいへん科学的に解明されていないところの多い問題だと思っておるわけでございます。私どもの中期計画なり長期計画なりでその面に対応する態度の打ち出しがたいへん弱いように御指摘を受けまして、反省する次第でございますが、私ども、喫煙ということの科学的な解明ということがぜひ要ると考えておる次第でございます。その際には先生の御指摘になりましたような問題を含めまして、公害問題もやかましくなっておる社会情勢等も考慮に入れながら、われわれの計画を組んでまいりたいと思う次第でございます。
○木原(実)委員 これはぜひ御配慮いただきたいと思うのですよ。というのは、私はきょうはこの程度に質問いたしておきますけれども、私自身も、このデータがむずかしくて、問題の提起をためらう面があるわけですけれども、何といいますか、公社自体がどうしても生産をあげる、販売をあげる、こういう方面に突進をしていって、被害の面に対応する面がやはり弱いということになると、別の形で私どもが——これは国会としても、この委員会としても、やはり健康を守っていくという側面のウエートが高くなっている状況があるわけなんです。このことはよく認識をしていただきたいと思うのですね。厚生省のサイド、厚生省自体もそれほどはっきりしたデータを握っていないというのが現状ですね。 〔阿部(助)委員長代理退席、武部委員長代理着席〕 しかし、これではわれわれとしては納得ができないので、アルコールの害なり、あるいはたばこの害なりについては、もう少し徹底をした究明をしていきたいという希望を持っているわけなんです。 これから先はざっくばらんな話になるわけですけれども、もしそういう状況があって、そして国会のサイドの中でも、おそらくそういう形になればかなりきびしい、そういう健康を守るというサイドからの要求なり方針なりというものが打ち出されてきたときに、私は、公社としてはちょっと立場を失うのではないかと思うのです。それだから予備的にきょうはそういうことをお尋ねしたわけなんです。ですから、でき得ることならばデータの究明を、これは公社だけに押しつけるということは私は毛頭考えませんけれども、もっといろいろな角度で行なわれると思うのです。そしてそれから出てくる結論というのは、なかなか割り切ったものは出てこないと思います。しかしながら、事実の進行としては、肺ガンというような、以前には少なかった病気も毎年のようにたいへんふえていっているという事実がある。そして、その究明の中では、空気の汚染という問題ももちろんあるわけでありますけれども、たばこも何がしかの影響を与えているのじゃないかということも当然対象になるわけです。 そういうようなサイドからいろいろ攻めていきますと、やはりたばこの害の問題というのはこれからしょっちゅうつきまとって、国民の健康管理上の問題として、政治の上でも行政の上でも出てくる可能性を持っているわけです。ですから、現在の厚生省はまだそこまで踏み切っておりませんけれども、われわれの要求としては、厚生省がもう少し踏み込んだ形で事実を究明していく、そして、かりにもそういう条件があるとするならばそれに対応する措置をとるような、政治的ないしは行政的な方針を出すべき段階に来つつあると思うのですね。現在、残念ながらまだ来ていないと思う。しかしながらきわめて近い将来にそういう問題が起こることは必至だと思うのです。特に国会において、われわれとしてはどうしても国民の健康を守るサイドで声を大にして対処せざるを得ないのですね。そういう場合になったときに、いまの公社の姿勢ですと公社の立場はなくなるのではないか。私は公社のサイドで考えるわけですけれども、そういう状況があるということもひとつ御認識いただきたいと思うのです。長くなりますのでこれで終わりますけれども、最後に一つお伺いしておきたいのですが、いま進めております合理化の問題です。組合のほうはなかなかやかましいことに相なっておりますけれども、私どものほうから見れば、公社の本質的な問題といいますか、本来の姿勢の問題も出てくるわけです。この中で一つだけお伺いしておきたいのは、先ほど申し上げたように、大蔵省のほうから財政目的に貢献するという形でいろいろな方針なりあるいは指示なりが行なわれるわけですが、それに対して、先ほど私が申し上げたように、社会的な面についての公社の投資といいますか、病院の増設の問題であるとか、研究機関の強化の問題であるとか、あるいはたばこの害と一口に言いましたけれども、それに見合ったような形での諸施設、諸機関というようなものについて、何かワクを広げていくということはほとんど考えられないという状態ですか。それとも何か検討すればその方面に対してもなお資金を回していくゆとりがあるのか、その辺についての見通しはいかがでしょう。
○佐々木説明員 具体的な折衝をやりませんとわからないところがある問題でございます。たいへん増額は容易でないことは、いつも交渉がそうでありますように、むずかしいと思っております。しかし全然財政当局がわからぬという問題ではないと思う次第でございます。受け入れられるような計画を私どもが組みますならば、それは通るはずだと思っている次第でございます。
○木原(実)委員 それは当然財政当局の方針にかかってくるわけですか、それとも公社の側から——その前に一つお伺いしますけれども、中期計画とはかなり固まったものですか。変更の余地が比較的乏しいといいますか、計画として固まったものとして実施に移していく、こういう性質のものでしょうか。多少まだ検討の余地があるというものなのですか、どうでしょう。
○佐々木説明員 中期計画は先五年の間にこれだけのことをやろうではないかという提案でございますが、その中に具体的なところまで措置がきまっているものと、これからこの目的を達する手段としてどうなっていったらいいか、目標をここに置いて検討しようという提案をしておりますものとありまして、現実にとるべき手段が明らかにされているかという面から申しますと、たいへんいろいろなものがごっちゃになっているかっこうでございます。
○木原(実)委員 そうしますと、大きなワクがきまっていて、実施段階では多少のゆとりがある、その程度のことですね。 そういうものと理解をするわけですが、そうするとかなり重要な変更は公社の中から出すというわけにはまいりませんか。私どもは大蔵省にも、皆さんにものを言った以上、考えてもらいたいと思いますけれども、私どもの主張としては、専売公社の資金をそういうたばこの、しかも直接、間接に害を与えている面についての分野に配分をしていくのだ、こういう考え方を強調していきたいと思うのですけれども、その方面について公社の中から自発的にそれに対応するものは、中期計画に関する限りは生み出していくゆとりはない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○佐々木説明員 たいへん力を入れてまいりました経営の能率をあげるという面が強く打ち出されておりまして、先生の御指摘の面につきましてはそれほど力点を置いて構成されていないことは御指摘のとおりでございます。しかし、御指摘のような問題は、相当大きな企業になっておりますわれわれの責任の問題でありますから、いろいろ御指摘のような問題を実行します際に必要であります資金等につきましては、これは私ども、計画が固まれば自主的に要求すべきものだと考える次第でございます。中期計画はいろんな目的やとるべき手段というものを掲げたものでございますけれども、先生の御指摘のような問題は、これを追加していけないという種類のものではないのだと考える次第でございます。ただ、どういうふうにして御指摘の問題を詰めていきますか、その点につきましては、私どもなおよく検討さしていただきたいと思う次第でございます。
○木原(実)委員 これは私も具体案を持っているわけではないのですけれども、やはり近い将来を見通した場合に、そういう面が乏しいと、非難を受けるのは公社だ、こう思いますから、公社のサイドで考えて、この中期計画は少し片寄り過ぎているのじゃないか、こういう印象を受けるわけなんです。 この辺で質問を終わりますけれども、いずれにいたしましても、公社の姿勢があまり生産第一主義、能率第一主義、それはわかるのですけれども、それに片寄りますと、これは必ずしも販路が広がったから国民のためになったという商品でないだけに、絶えず問題がつきまといますので、その点はひとつ、私も皆さん方の立場はわかりますけれども、やはり繰り返し申し上げておかなくてはならぬ問題だと思います。 それから、この委員会ですから一つだけつけ加えておきたいと思いますけれども、二億円余の広告の問題ですね、これは先ほどの御説明ですと、新品種ができたときにお知らせ程度の広告をやるのだ、そういう程度の広告だ、こうおっしゃいましたし、私も絶対額がそんなに高い額だと思いませんけれども、二億円というのは少しよけいじゃないでしょうかね。余分じゃないでしょうかね。お知らせということもわかるわけですけれども、それからいまの公社のやっておる広告のやり方が、たとえば非常にどぎついとか過剰であるとか、そういうことは申し上げませんけれども、二億円の広告の中身というのは、たとえばテレビだとかいろんなあれがあるのですが、大まかなところはどういう方面に広告しておるわけですか。
○佐々木説明員 先生おわかりだと思いますけれども、新品種を紹介することを主にしてやっておると申し上げました。そのほかのものもございますことをごらんになることもあろうかと思います。新聞紙に出します広告は、四十四年度の予算では二千三百万円くらいを考えております。雑誌もほぼ二千二百万円、ラジオ、テレビは七千六百万円、これはかなりの金額を占めることになります。それからポスターとかステッカーとか、店頭のディスプレーのようなものに五千三百万円くらいを予定しております。そのほか各種の屋外広告でありますとか、小さい印刷物でございますとか、マッチのたぐいでありますとか、そういうもの、また地方でいろんな行事が行なわれました際に広告するというもの、こまごましたものを総計いたしますと四千四百万円強という数字の配分を考えておる次第でございます。
○木原(実)委員 その中で、たとえば喫煙防止法というのですか、未成年者はたばこを扱ってはいけない、そういう面についての、つまりマイナス要因に対応する広告の中身というものはあるわけですか。それはない……。
○佐々木説明員 遺憾ながら……。
○木原(実)委員 これは役所でいえば、直接所管するところじゃないわけですから、厚生省あたりが適当にやればいいでしょうが、しかしそれは、広告の中でやれというのはおかしいけれども、やはりその面についての協力をぜひしていただきたいと私も思うのです。いまスタンドに、未成年者は吸ってはいけません、あるいは買ってはいけない、そういう表示があるわけですが、アメリカのようにすぐいまたばこに表示をしろというのは、これはいまあなたに言っても受け入れがたいということですからこれ以上言いませんけれども、それならばせめてほかの立場で、喫煙の防止に協力するような面についても公社は必要な努力はしているのだという、国の制度としてあるわけですから、そういう面についての努力はぜひひとつしてもらいたいと思うのです。
○佐々木説明員 先生御指摘のとおり、そのような面につきましては小売り店にも徹底させるような措置をとってまいります。また場合によりましては、マッチや何かで広告いたします際に書くようにしておるそうでございます。いずれにいたしましても先生御指摘のような問題をはらんでおる商品でございますので、その問題をごまかしておったのでは、先生御指摘のように最後にはたいへんなことになるというお話はそのとおりかと思いますので、なるべく未然に私どものその問題に対する追求のしかたをもっと強めまして、先に先に問題の解決に少しでも役立つような手を打ってまいりたいと考える次第でございます。
○木原(実)委員 これで終わりますけれども、これはやはり厚生省などに私ども要求すべきことだと思いますけれども、青少年や婦人の喫煙もかなりふえているわけですね、事実問題としましては。ですからそういう面につきましてはやはり公社としても、当然しかるべき婦人団体とか青少年団体とかいろいろな面について、悪いものは悪いんだ、こういうぐらいな姿勢がほしいと思うのです。そういう面の接触はおそらくはとんどないのじゃないかと思いますけれども、広告費の問題で二億円も使うというならば、もう少しそういう、悪いことは悪いということをはっきり言えるような場を公社としても積極的に持っていく、そういうことのほうが専売公社らしいと思うのです。と申しますのは、繰り返すようですけれども、一方ではたいへん能率をあげるために合理化を思い切って進めるのだ、こういうあれがあるのですから、私どもの心配は、そうなれば喫煙の機会はずいぶん広がる一方で、能率があがり販売量がふえますと喫煙の量は広がるばかりで、そのマイナス要因については、公社自体はおれの関係したことじゃないのだ、そういうことになりますと、公社の性格自体、存立自体が別の意味で問われざるを得ないことになるだろう。公社のためにも、マイナス要因についてのそういう面での手をぜひ打っていただきたい、そういう要望を申し上げておきたいと思います。 終わります。
○武部委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後一時八分散会