物価問題等に関する特別委員会 第14号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/03
会議録
○帆足委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。武部文君。
○武部委員 きょうは食糧庁においでをいただきまして、先般、四十四年度産麦価に対する米価審議会の答申が出たわけでありますが、これに関連をして、ごく短時間でありますが、お伺いをいたしたいと思います。 国内産の買い入れ価格の値上げ、これと売り渡し価格の関係は、四十四年度産の麦価についてはどうなるのか、まず最初にそれをお伺いしたいと思います。
○馬場(二)政府委員 四十四年産の国内産麦の買い入れ価格及び売り渡し価格につきましては、いま御指摘のように米価審議会に諮問いたしまして、この答申を得ましたので、買い入れ価格は四十四年産麦から、売り渡し価格は七月一日から、価格を改定いたすわけでございます。買い入れ価格は、食糧管理法に定めてありますいわゆるパリティ価格で算定いたします。おおむね三・一%の値上げということになったわけでございます。それから売り渡しの場合は、国内産麦は、いろいろ算定いたしまして、これは売り渡し価格は据え置きということにいたしたわけでございます。ただし、売り渡しの場合は、国内産麦のほかに輸入の小麦が大量にございますので、これにつきましては年次計画で、食糧庁はちょうど本年三年目に当たるわけでございますけれども、いわゆる国際価格すなわち、輸入価格を反映いたしまして、格差の是正を年次計画でやっております。これは、本年もその方針を踏襲いたしまして、輸入少麦の売り渡し価格については、いわゆる主としてパンの原料になりますハード系、硬質小麦について若干の格差是正の結果、値上げを見た、そういうことになっております。
○武部委員 小麦、裸、大麦、三麦について、いま三・一%の買い入れ価格の値上げをきめた。それは金額にしてどのくらいになりますか。
○馬場(二)政府委員 金額というのは単価でございましょうか。
○武部委員 それによって食管会計の負担がどのくらいになるか。
○馬場(二)政府委員 これは一応、本年産麦の生産高に基づく政府の買い入れ数量によって若干違うと思いますが、現在食糧庁が考えております買い入れ数量では、約十五億程度の負担増になる、こういうことでございます。
○武部委員 国内産はわかりましたが、輸入の問題でありますが、四十三年度の輸入小麦は大体何トンくらい、大麦は何トンくらい、金額にしてどのくらいか、これをちょっとお伺いしたい。
○馬場(二)政府委員 四十三年度の輸入実績でございますか。
○武部委員 そうです。
○馬場(二)政府委員 まず、大、裸麦につきましては、これは主食としては、実は現在ちょうど国内の大、裸麦の生産量で国内の需要をまかなってバランスがとれておりまので、大、裸麦としては、主食の用途では輸入をいたしておりません。小麦のほうは、これはおおむね政府買い入れの国内小麦では需要量の二割程度しかまかなえませんので、おおむね八割見当を輸入いたしておるわけでありますが、その数量は、主食としてはここ数年間——いま具体的な数字を申し上げますが、おおむね三百万トン程度を、ここ数年輸入してきておるわけでございます。昭和四十三会計年度の輸入実績の数量は、食糧庁の主食の用途でございますが、買い付けベースで二百七十九万トンでございました。参考に、昭和四十二年度は三百一万三千トン、四十三年度二百七十九万トンでございます。
○武部委員 いまあなたのおっしゃった数字と、私がいただいた食糧庁の「麦価に関する資料」の五〇ページ、小麦の輸入量は四百七万トン、大麦六十三万トン、これとどうして違うのですか。
○馬場(二)政府委員 それは飼料用を含んだ数字がそれでありまして、飼料用をやはり百十二、三万トン入れておりますので、飼料用として買い付けた小麦を加えますと、あるいは飼料用として買いました大麦を加えますと、いま先生のおっしゃった数字になるわけでございます。
○武部委員 わかりました。 そこで、そうなりますと、いまあなたがおっしゃった輸入のハード系の小麦、これは大体どのくらい入って、どのくらいの金額ですか。この三九ページにありますね、ハードの小麦、四十二年が百七十二万トン、四十三年が百六十七万トン、これくらい入っておるのですね。
○馬場(二)政府委員 昭和四十三年度で、主食用としてハード系は百六十七万一千トンでございます。
○武部委員 そこで、昨年硬質小麦の輸入価格が値上がりになりましたが、そのパーセントは幾らだったでしょう。
○馬場(二)政府委員 昨年の七月一日に——ただいまハード系、ソフト系別のは調べておりますが、全体で約一%の値上げに相当したと思います。
○武部委員 去年当委員会で、硬質小麦の値上がりがパンにどういう影響を与えるかということについていろいろ論議をいたしましたときに、農林省の答弁は、硬質小麦は一・二%の値上がりだ、こういう答弁がございました。あなたはいま一%とおっしゃったのですが、一・二%です。そこで、それならば四十四年度の硬質小麦の輸入価格の値上げは幾らか、こういうことになるわけですが、先ほどあなたはパーセントを全然お示しになりませんでした。少しとか若干とかおっしゃったわけですが、どのくらい上がるのですか。
○馬場(二)政府委員 本年度の七月からの改定は、ハード系だけをとりますと一・四%になります。
○武部委員 そういたしますと、約百七十万トンのハード系の小麦は一・四%上がる、こういうことになるわけですね。 そこで、これから具体的な問題に入るわけですが、この硬質小麦、特にカナダ産が一番多いわけで、カナダ産は約百万トン入っておる。このものがパンやめん類にはね返るおそれがある、こういう点は昨年の当委員会でもいろいろ論議をしたところであります。話は前後いたしますが、当時これが一体パンやめん類にどの程度影響すると思うのかというような点で論議をいたしました際に、一斤四十円のパンにすると一・二%の値上がりは十二銭程度である。ただ、それだけの値上がりであるから、一斤四十円に比べるとたいした値上がりではない、こういう非常に楽観的な答弁がございました。当時われわれもそのように承知をし、特に製パン業界の利益は非常にばく大なものがある、第一屋製パンあたりは二割も配当しておる、そういう点についての便乗値上げを押えることができるか、こういうことをあなた方に言いましたところが、先ほど申し上げたようなことで、たいして影響はない、こういう答弁でありました。ところが現実はどうなったかといいますと、それが一斤にして五円なり、あるいは高いところでは十円もの値上げになったのであります。十二銭が五円なり十円になった、こういうことを私どもは昨年の質疑の中からよく承知しておるわけです。それならば、一体なぜ五円なり十円なりというようなことになったのかといっていろいろ調べてみると、一斤の分量をふやしたんだ、こういう答弁がございました。また調べてみると、そういうことを言っておるのです。 今度この小麦の値上げについて、パンとかめん類等の便乗値上げ抑制を非常に強く農林大臣が発言をしておる。まことにけっこうなことだ。そこでお聞きしたいのは、一斤というのは一体何グラムなんですか、どういうふうに見ておるのですか。
○馬場(二)政府委員 従来パン一斤の重さ、グラム数は区々まちまちであったわけですが、これでは消費者のためにも非常に好ましくないということで、昨年来農林省は、例のパンの表示制というのを採用してまいりました。その表示させる重さはただいま三百七十グラムに統一をいたして、指導いたしておるわけでございます。
○武部委員 私は一斤が何グラムかと思ったら、ここに書いてあるのですよ。衆議院手帳の一番うしろに、一斤は六百グラムと書いてある。六百グラムでしょう。これは間違いない、衆議院の手帳に書いてあるのですから。先ほどあなたは三百七十グラムとおっしゃった。このとおりの答弁があったのですよ。パンの一斤とこれとは違うのですよ。三百七十グラムなんですよ。それを去年は、五円上げる手段として、三百九十グラム入っているということにしたんですよ。二〇グラムふやしたから五円上げましたぞ、こういうことになったのです。それならばというので、私は今度こうなってからパンを一つ一つ当たってみた。全く大きさがまちまちなんですよ。何グラム入っているかということを買う者はわかりません。普通ならば一斤六百グラム、こうなるのですから。パンは三百七十グラムを三百九十グラムにして、五円なり十円上げた、こういうことになった。私は、非常にふしぎだからというので調べてみたけれども、どうもはっきりしない。 そこで、あなたはいま規格の問題についておっしゃった。たしか四、五年前も、パンとかとうふとかいうものの規格をきめるために、標準化のための予算をとられたはずですね。そこでいろいろ論議されたと思いますが、この標準化のための委員会を開いて、パンの規格というものを何グラム——いま三百七十グラムとおっしゃった。それはいつごろおきめになって、そしてそれをどういうような方法で周知をされておるか、それをちょっとお伺いしたい。
○馬場(二)政府委員 これは四十三年度から実施いたしまして、たとえば、標準としていろいろ表示すべき項目がございますが、量目につきましてはただいま申し上げましたように正味三百七十グラム、品質では水分等が一番問題になるかと思いますが、たとえば四〇%以下、こういうようなことをきめまして、いわゆる標準パンの制度を設けまして、これが実施普及をはかってまいったわけであります。これは主として都道府県なり食糧事務所等を通じて、昨年末末端に普及をいたしておる、こういう現状にありまして、主として東京、中京及び阪神地区を重点地域として、ただいま推進をはかっている現状であります。
○武部委員 この標準化のことについてはわかります。ただ現実に市販されておる食パンの大きさというのは、調べてみますと、たいへんまちまちなんですよ。包装されているけれども、一山何ぼで売っておる。お買いになってみればよくわかります。ですから、三百七十グラム入っておるなんということはちょっとわからないのです。私がさっき言ったように、一斤は六百グラムということになっている。それをパンに限って一斤とは三百七十グラムだということをおきめになって、それで金額が出ておるんだということは消費者にあまりわかりません。ですから、せっかく標準化のための委員会というものを持たれ、そして予算化もされておるのですから、これはきちんとした周知の方法をとっていただかなければ困る。これが一つ。 それから、輸入小麦の政府売り渡し価格ですね。一・四%程度上がるんだ、こういう話でございますが、そうするとトン当たりはどのくらいになるのですか。
○馬場(二)政府委員 トン当たりは、ハード系小麦だけとりますと、四百九十九円に相当いたします。
○武部委員 そうすると、新聞に出ておる一トン平均三百四十三円というのは込みで、ほかのものも入ってそういう金額になっておるのですか。
○馬場(二)政府委員 輸入小麦の外国産小麦全体でございます。
○武部委員 そういたしますと、三百四十三円と四百九十九円との間には百五十円ばかり差があります。特にハード系のトン当たり四百九十九円という小麦が、実はパンに大きな影響を持つわけですね。そういたしますと、今回のトン当たり四百九十九円の値上がりは、昨年と比べますと、食パン一斤当たりについて原料はどのくらい上がることになりましょう。去年は一斤当たり十二銭でしたね。ことしはどうですか。
○馬場(二)政府委員 食糧庁としては、パンも主食でございますから、これは物価対策上あるいは消費者保護上非常に大事なことでございますので、できるだけそういうパンなり二次加工品に影響のないようなことを配慮しながら、値上げをきめていただいたわけであります。一・四%上がりますと、食糧庁の一つの試算でございますけれども、パン三百七十グラムについて十七銭程度の値上げ要因になる、こういう試算でございます。
○武部委員 先ほど私は、去年十二銭の値上がりが五円になり十円になったということを申し上げたわけであります。 そこで今回は、この答申の中にも、「今回の諮問による政府売渡価格の決定実施に伴ってパン、めん類等二次加工品の値上り等の事態が生ずることはないものと考えるが、政府においてもそのようなことがないよう強力な指導を加えること。」、こういうふうになっておりますね。答申の中に特に加えられておる。そして去年の実績から見て、輸入のハード系の小麦がこれからの小売り値段に影響をするんじゃないか、便乗値上げがこれで起きるんじゃないかということを非常に私どもは心配しておったところ、便乗の強力な抑制をするんだ、そして食糧庁長官に厳重に指導してもらうということを、農林大臣がたいへん強く言っておられる。けっこうなことですが、それならば一体、パンあるいはめん類の便乗値上げをどのような形で、どういうような方法で、これから農林省としては、あるいは企画庁としては、抑制しょうとしておるのか、それをひとつお聞きしたい。
○馬場(二)政府委員 食糧庁の関係を申し上げます。 私、先ほど先生の御質問に対しまして、一・四%のハード系の小麦の値上げをすれば、計算上十七銭のパンの値上げになると申し上げましたけれども、これは原料の小麦をまず粉にしまして、粉からパンをつくるわけでございますが、当然粉が原麦の値上げに相応して上がるという前提の試算でございます。ただいま実は製粉業界の実態は、小麦粉の非常な過当競争的な販売をやっておりまして、私どもは市場環境からいえば必ずしも、原麦の価格が少々上がったから直ちに小麦粉の値上げにつながるとは考えていない点もございますので、計算上こうなるわけでありますが、直ちにこれがパンの実際の原価高にらるかどうか、必ずしも直接につながらない、こういう問題があるわけでございます。 それから、先ほど昨年の実例をお述べになったわけでございますけれども、なるほど昨年は十一月に、四十円の標準パンが四十五円になったわけであります。これは前回のパンの値上げが四十年の二月でございましたので、その間三年九カ月ほどたっておるわけでございます。四十年二月に四十円になったパンのその前の値上げは、三十五年の八月に三十五円に値上げしたわけでありまして、これから約四カ年半たっておるわけであります。この間は、非常にいわゆる労賃なり事務費人件費も高騰いたしまして、昨年のパンの値上げは、原料の影響よりは、前回の値上げとの間に三年九カ月ございますので、むしろそういった事務費、人件費等、あるいは労賃等の値上げも相当——このほうがむしろ大きく影響して値上げになったのではないか、実はこういうふうに考えておるわけでございます。昨年の値上げからまだ半年そこそこでございまして、今度の秋になって一年たつわけでございますが、かりに粉がこのまま値上げになっても、先ほど申し上げました十七銭程度の影響でございますし、まだ値上げして一年もたたないわけでございますから、答申にもありますように、まずパン、めん等の二次加工品は値上がりにはならないと思うが、なお強力な指導をやれ、こういうことでございまして、私どもも、たぶん値上げはせぬだろうと思いますけれども、しかし答申の趣旨にこたえまして、さっそく農林省といたしましては、つい数日前、都道府県知事に、パンなりめんの二次加工品の値上げがなされないような業界の指導依頼方の通達を出しますと同時に、中央の全国団体、いわゆるメーカー団体でございます、パンなりめん関係のメーカー団体にも、公文書でもって、製品の値上げを招来しないような強力な要請をいたしておる次第でございます。
○武部委員 前回の値上げは労賃の値上げとか、いろいろなことをおっしゃっているわけですが、さっき私も言いましたね、第一屋製パン、それから山崎製パンというような大きなパン屋の配当は非常に高いのです。ですからたいへんもうかっておるのです。一番困っておるのは中小だと思うのですよ。ところがその中小は、調べてみると大メーカーが上げたから上げているのです。ですから中央の大メーカーが上げることを防げば、ある程度防げるのじゃないかという気持ちも持っておるのです。これは去年の暮れの値上げの現実を調べてみるとそうなっておる。 そこで、あなたのほうで厳重な行政指導を、都道府県知事なりあるいは中央の団体におやりになる。ところが私どもから見ると、それが効果をあげるだろうかということに、いままでの実績から見ると、たいへん疑問を持つのですよ。たとえば便乗というのは、もとの値上げがあって便乗なんですから、もとのほうを上げておいて、便乗するなといってもなかなか通らぬ。たとえば公共料金を上げておいて、便乗はけしからぬといっても、なかなか通らぬ話です。たとえば去年のビールの値上げを見てもわかるように、三円は絶対上げませんと、宮澤さんも大みえを切っておった。佐藤さんまで大みえを切って、絶対にビールを上げぬ、こう言った。それが現実に三円上がってしまったんです。そういういままでの経過を見ると、行政指導というものがほとんど効果をあらわしていないのです。 そこで、このパン類というのは主食なんですから、こういう面から見ると、パンの需要というものはどんどんふえておる。めん類の需要もどんどんふえておるのです。ですからあなたのほうとしては、製粉業界に対して、そういう割り当てとかいろいろな権限を持っておるのですから、そういう面では中央の団体にひとつ強力に、国民の主食であるパンなりめん類なりというものは値上げが起こらないように、物価問題への協力をあなたのほうで依頼される、企画庁もそうされるというようなかっこうの中で、初めて便乗値上げがとどまると思うのです。そういう点をぜひひとつお願いをしたい。そうでないと、またぞろ去年と同じようなことが起きて、十七銭だったのが五円になったり七円になってみたり、こういうようなことが起きると思うので、これはぜひ企画庁も農林省も食糧庁も、大いにひとつ努力をしていただきたい。 いま一点は、さっき私はパンの大きさを言ったのですが、実はこれが問題なんです。値段が据え置きになっておると、その形がだんだん小さくなるのですよ。とうふだってそうですよ。皆さん地方のとうふをごらんになってみなさい。だんだん小さくなっている。パンだって大きさが小さくなっているのですよ。中のあんこがだんだん少なくなってくる、こういう結果になっているのです。そこで今度は標準化の大きさという規格ですね、これが問題なんですよ。三百七十グラムが、今度三百六十グラムになってみたり三百五十グラムになって、同じ値段だというような、そういう結果で、現実には値上がりというかっこうになる。ですから、さっきから申し上げるように、標準化の委員会はたいへん大事なんです。厳重にひとつそういう規格について監視をしていただく。この両面が並行していかないと、こういう便乗値上げを抑制することは私はできぬと思うのです。いま麦価に対する答申について、政府が即刻そういう態度をおとりになったのはけっこうだと思うのです。そういう指導を強力にするとおっしゃった以上は、やはり実行していただかなければならぬ。この点で、ひとつ企画庁長官の御見解をお聞きしておきたい。
○菅野国務大臣 麦の政府買い入れ価格並びに外国産の麦の売り渡し値段の値上げなどにつきまして、これがパンあるいはめん類の価格に影響をしないかということを私も心配し、お話しのとおり昨年の例もありますので、そこで実は私たちのほうでは、これを認めるについては、そういうパンやめん類の値上げは絶対いたさない方針で農林省が指導するかということを念を押しまして、農林大臣から、上げないようにしますという確約を得ましたので、私のほうでは賛成をしたわけでございます。でありますから、いまお話しのとおり、価格が据え置きになると量を減らすとか形が小さくなるとかいうような心配もありますので、そういう点は今後生活センターなどで十分ひとつ、ときどき検査をして、そうして厳重に取り締まってもらうというようにしたい、こう考えておる次第であります。
○武部委員 一つ最後にお聞きしておきますが、この審議会で、国内産の麦——これは非常に質がいい。この麦というのはパンやめん類に非常に活用される、それで麦が不足して外国からどんどん入れておる、そういうかっこうになっておりますね。そこで原料乳のようなああいう不足払い制度をとったらどうか、これも考えなければいかぬのではないか、そういう意見が審議会に出たということを聞いておるわけです。農林省としては、この麦について不足払い制度というものをいままで考えたことがありましょうか。今後こういうような審議会での意見、生産も広めていくというような立場から、原料乳のようなそういう不足払い制度をとるというようなお考えがあるか、またかりに不足払い制度をとった場合は予算が要るわけですが、どのくらいの予算が必要だろうか、こういうことをお考えになったことはございましょうか。
○馬場(二)政府委員 麦の、特に内麦の管理方式について、今度の米価審議会でも委員からの御意見がいろいろ出まして、その中の一つとして、ただいま先生の申されました、不足払い制度について検討したらどうかという意見も出たわけでございます。いま内麦を政府が無制限に買い入れるという方式をとっておりますが、実は非常な逆ざやでございますので、全部商品化される麦が政府に集まって、米以上に買い入れる率が高い、こういう現状でございます。その場合、政府の四十四年度の予算でも、そのための売買差損が約二百七、八十億ということでございますので、いろいろとこの意見が出るわけでございますが、目下のところ、食糧庁といたしましては、不足払いについては、かつて日本の畑作について大豆なたね交付金制度ができまして、一種の不足払いの先例があるわけでございます。あるいはイギリス、EECの例などを調査しまして研究はいたしておりますけれども、現在のところでは、麦作農家の戸数がきわめて多くて、経営の規模がきわめて零細で、いろいろ技術的な困難な面がございますので、ただいま慎重に検討をしている、こういう段階でございます。 不足払いをいたしました際の財政負担が一体どうなるか、その農家の手取り価格をどういう水準に保障するか、あるいは将来外麦の輸入がどういう国際価格水準で入るかということ等、いろいろ要素がございますので、不足払いに移行した場合にどれだけの財政負担が必要であるか、これはただいま的確に申し上げることができない現状でございますので、お許し願いたいと思います。
○武部委員 この問題につきましては、以上で私は終わります。 この際、委員長にお願いをいたしたいことが一つございます。 私は、前々回から三回続けて、実はコーラ飲料の問題について、当委員会で厚生省の意見をいろいろ求めたわけでありますが、残念ながら的確な答弁がないのであります。加えて、前回、食品衛生法第十七条の解釈について、これはとんでもない答弁が政府からなされております。危険な食品がこれだけ横行して国民が非常に不安に思っておる、そういうときに、食品衛生法に基づいて国なり都道府県は、立ち入り検査をして危害を未然に防止することが当然の責務だと私は思うのです。ところが、これに対して厚生省の答弁は、非常に危険が予想されるという前提のもとでなければ、収去、検査ができないという答弁をしたのであります。カネミの問題なりあるいは森永の粉ミルクの問題なり、こうしたことが、事前に立ち入り検査なりその他が行なわれていたならば、未然に防げたと思うのであります。そういうことを、事もあろうに、危険が予想されなければ立ち入り検査ができない、そういう食品行政は全く間違っておると思う。このことについて、厚生省にきょう出席を求めたわけでありますが、厚生省は、見解がまとまらないので出席できない、こういう答弁であります。特にコーラ飲料の中における隣酸なりカフェインなりというものの内容についての答弁も、ほとんどできない状況であります。もしそうだとするならば——つい先日東京都は牛乳の問題で立ち入り検査をいたしました。そうしてカゼインなりあるいは乳糖なりが含まれておるという、いわゆる悪質な牛乳を摘発した、こういう実績はどんどんあがっておるのです。もし厚生省が言うようなそういう答弁だとするならば、業者は立ち入り検査を拒否すると思うのです。こんなばかげたことはないのです。 そこでぜひお願いをしたいのは、来たる十日の次期当委員会に、厚生大臣、これは責任者ですから出席をしていただいて、はっきりとした厚生省の見解を私どもに示していただかなければ——重大な問題だと思うのです。一週間たっても出てこれぬ、そういう厚生省の態度であっては国民の前に済まぬと思うのですが、ぜひひとつ委員長から厚生大臣に対して、この食品衛生法十七条、この解釈、あるいは危険な食品等について、厚生省は国民衛生保持の立場から一体どういう行政をするのかという点について、委員長からとくと厚生省に進言をしていただいて、次期委員会には必ず責任者が出席をして明確な答弁をするということを取りつけていただきたい、このことを特に委員長にお願いをしておきたい。
○帆足委員長 菅野国務大臣、すでにお聞き及びでありましょうが、数回にわたりまして——八塚政府委員もお出になっておりますから、厚生省にもお伝え願いたいし、私からも直接厚生省に注意を促しますけれども、再度コカコーラその他危険な食品につきまして注意を促しましたけれども、答弁がきわめて不十分であります。また、国立衛生試験所も見学してまいりましたが、非常な時代おくれのバラックの中で所員が、財政上も設備上も非常に苦しんでおりますから、時勢の進展におくれておりますから、どういうような設備がほしいか、人員の点でどういう困難があるのか、また待遇、予算等についてもどういう必要があるのか等も、厚生省に提出し、また物価委員会にも提出するように申しておきました。私から、いずれ厚生省、厚生大臣並びに次官に対して申し入れをいたしますが、企画庁も、消費者保護の問題につきましては最も重要な関連、連絡の機関でございますから、お耳に入れておきますから、よろしくお願いいたします。 武部委員に申し上げますが、ただいまのとおりでございまして、厚生省にも取り次ぎますが、また理事会におきましてもしかるべく善処いたしまして、御希望に沿うように強力に取り扱いをいたします。 岡沢委員。
○岡沢委員 私は去る四月三日にも、タクシーの問題を取り上げさせてもらって、本委員会で質問の機会を与えてもらったわけでございますけれども、本日も重ねまして、この問題を中心に質疑をさせてもらいたいと思います。タクシーの利用につきましては、正確な数字ではありませんけれども、一日に全国では七百万人ないし八百万人がタクシーを利用する。東京だけでも一日約三百万人の利用が予想される機関であります。都市交通体系の中でタクシーの演ずる役割りというものはきわめて大きい、むしろ国民の足だということを率直に認めてよい段階に来ておるのであります。 ところが、このタクシーの実態につきまして、ことに利用する立場の私たちからいたしまして、いわゆる乗車拒否の問題、あるいはタクシーのサービスの悪さ等につきましては、おそらくここにお見えの菅野長官をはじめ列席の皆さん方、必ず苦い経験がおありだろうと思います。ある統計によりますと、東京で毎晩三万件以上の乗車拒否があるというふうに報ぜられておる。この原因等につきましては、もちろんいろいろ各面から考えられると思いますけれども、そしてまた、この問題につきましては、本委員会をはじめ、各種の機会にすでに論ぜられた問題ではありますが、しかし、七、八年来これが対策をみんなが問題にしながら、現実の姿はむしろ日を追ってこの乗車拒否の実態は悪さを増しておる。タクシーのサービスは限度に来ておるというのが事実ではないかと思います。かこれの対策について、運輸省の方がお見えでございましたらまず運輸省から、そして経企庁としてのお考え等ありましたら、お答えいただきたいと思います。
○見坊説明員 お答えいたします。 お話しのように、現実に大都市におきまして乗車拒否が行なわれておりまして、まことに残念なことでございますが、その原因はいろいろあると思います。私どもといたしましては、乗車拒否を含めまして、タクシーのサービスを改善するということのために総合的な対策を立てようということで、現在検討いたしております。それでどういう内容か、おもな点をここで簡単に申し上げたいと思いますが、これはまだ私どもの内部で検討し、関係省庁とも御相談いたさなければならぬ問題がたくさんあるわけでございます。 第一番の問題は、悪質な運転手を排除するために、東京、大阪におきましてタクシーの運転手を登録制にするという、そういう登録に関するセンターを設立するというようなこと。そのセンターにおきまして、運転手の養成あるいは福利厚生施設の整備を行なうというようなこと。あるいは深夜バスを運行する。これは大阪におきましては一日から、上六——難波で行なわれております。それを東京におきましても実施の方向で検討していきたい。さらに、運賃制度の問題でございますが、時間距離併用メーターの採用でございますとか、あるいは深夜早朝割り増し料金の設定というようなことも含めまして、運賃制度について検討してまいりたいということでございます。 そういう総合対策を現在検討いたしておりまして、いずれ近いうちに成案を得るのではないかというふうに考えております。
○岡沢委員 経企庁の御意見はあとで聞くとして……。 確かに一つ二つのアイデアをお示しになりました。ほんとうにいまおっしゃったようなこういう施策を実行した場合に乗車拒否がなくなるとお考えですか、あるいはなくなることについての自信をお持ちであるのか、いつごろになればなくなるか、サービスのいいタクシーの実現を大都市において期待できるか、国民の立場から見て納得できるような見通しについての御所見がありましたら、お話ししていただきたいことが一つと、ここまで参りますと、いまおっしゃった悪質な運転手という問題もありますけれども、運転手だけを責められない、あるいは業者だけを責められないというのが実態ではないかという感じがいたします。なぜ悪質な運転手がなくならないか、悪質な運転手を経営者が排除したなら、おそらくいい運転手を得られないということが大きな理由だろうと思います。そういう点も含めまして、これは先ほど申しましたように、もう十数年来繰り返された問題で、現実に毎日、タクシーを利用するのはぜいたくな、恵まれた人だけではないわけで、これはもう国民の足だということを考えた場合に、実際にタクシーに乗車拒否されて仕事の能率を下げるというような問題も起こるでしょうし、病人の手当てが間に合わないということも起こるでしょうし、特に精神面その他で国民のいらいらを増す。いろいろな意味で、経済的損失、精神的不愉快さ、国民の不安とか安全とかいう問題につきましても、非常に大きな影響を持つ、やはり大事な政策の一つではないかというふうに私は感ずるわけでございます。もちろんここで指摘するまでもなしに、事故防止等とも密接に結びつく課題でございますので、その辺の見通しについて、いまおっしゃったような時間、距離併用メーター制、あるいは深夜バス、深夜早朝料金割り増し制度、運賃の改定あるいはドライバーのセンターの設置、これは悪いとは申し上げませんが、ほんとうにきめ手になるという御確信がおありなのかどうか。その辺について、やはり抜本的な、実際にみなが納得をし、あるいは見通しについて自信が持てるような対策を要求されておると思いますが、その辺について、もう少し何か確信のある御答弁がほしい。私だけでなしに、国民もそう思うと思うのでございますが、再度御意見を承ります。
○見坊説明員 乗車拒否が行なわれるその原因は、先ほどもいろいろな要素があると申し上げましたが、もちろん労働条件の改善等一番重要な問題だろうと思います。ただ、現在の時点におきまして、単に運転手を責めるだけではなく、業者としての姿勢を正さなければいけないし、役所としても、その責任を十分負うべきである。そこで、先ほど申し上げたようなことを中心にいたしまして、とにかくサービス改善のための努力を、単に口で言うだけでなく、役所も業界も一緒に、とにかく形にあらわれたサービス改善策を具体的に実施していくということで、努力を重ねていこうという考え方でございます。これをやった結果、ほんとうに完全になくなるかということになりますと、ほんとうにそれでなくなると断言を申し上げるわけにもまいらないとは思いますが、しかし、少なくとも現在できる対策なりわれわれの考えられることは、関係者が集まって、誠意を持ってそういうサービス改善に努力をしていこうということで、せっかく努力中でございます。
○岡沢委員 経企庁、御意見がございましたら……。
○菅野国務大臣 このタクシーの問題は、私は第一は運転手の問題、第二は業者の問題、それに関連して料金の問題に対する政府の国策、それからもう一つは、タクシーを利用するお客さんということも考えてもらわなければならぬ。それから最後に都市交通という問題、これらのことをすべて考えて、このタクシーの問題は解決すべきだ、私はこう思うのです。 そこで、運転手の問題については資質の問題でありますが、これはいま運輸省のほうでいろいろお考えいただいておりますから、ひとつできるだけ乗車拒否をしないようなりっぱな人に運転してもらうということがわれわれ国民の熱望しておるところであって、乗車拒否などのような事実の起きないようにしてもらいたい。そこで、彼らが乗車拒否をするについては、待遇が悪いから、乗車拒否をやって、より高くメーター以上の料金を払うお客さんを乗せるということになるのではないかという心配、それも私は一つの原因だと思います。が、しかし、私からいうと、また一方では、そういうメーター以上の料金を払うお客さんがあるということが問題なのであって、人を押しのけて、おれがより多くの金を出してやるからおれを乗せてくれというようなお客さんがあるということ、そういうことで味をしめて、また乗車拒否をするということにもなるのであって、そういうように誘惑するお客さんもあるということが一つの原因でもある、こう思うのであります。国民がすべてメーター以外は金を払わぬということを厳重に守れば、私は乗車拒否という事実は起こらない、こう思うのであります。そこで問題は、やはり運転手さんの素質の問題であって、その点については、運輸省においても登録制にするとかあるいはそれらの教養をはかるとかなんとか、いろいろ考えていただいておることだと思うのであります。 それから、やはり経営者、業者にも問題があると思います。いままでは業者が比較的甘いもうけをしておったのではないか、運転手をむしろ酷使しておったのではないかということ。これは岡沢さんも御存じのとおり、大阪の業者もみなたいへん大きくなっております。そこらがやはり運転手さんを酷使しておったのではないかということも考えられるので、業者自身もひとつ反省してもらわなければならぬ。もっと合理的な賃金の支払い方法を何か考えてもらわなければならないのではないか、ということが考えられると思うのです。 それから私は、タクシー業者にはやはり適正な経営規模があると思うのです。一つの業者で五十台なら収支が償うとか百台になればいくとかという、そこらの調査を運輸省あたりにしてもらいたいのであって、それをいままでは十台で許すとか二十台で許すとか——いままでは業者も甘い金もうけができておったから、十台でも十分できておったと思いますけれども、こういうきびしい世の中になれば、何台でなければ経営が成り立っていかぬというような調査研究をしてもらって、弱小の業者は合併するとかということを進めるべきだと私は思うのです。そういうことをやって、適正な経営規模ということをこの際考えてもらわなければならぬということです。 それから、そこで料金という問題が起こってくると思いますが、料金はなるほどもう前に値上げして、数年間値上げしておりませんから、この際料金を値上げしてほしいという、業者から、会社から熱心な希望があります。ことに国鉄の運賃の値上げがありましたから、同時に値上げしてほしいという希望を申し出ておりますが、私は、いまの日本の料金制度が合理的であるかどうかということを再検討すべきではないか。なるほどいなかのほうのタクシー業者に対しては料金の値上げを認めておりますが、都会などは御承知のようにラッシュアワーになりますと走れませんから、ただキロ数だけでは時間がかかっていけない。そこで、時間制を加味したメーター制ということは考えられないか、この際それを考うべきではないかということを私は業者の人にも申し上げておるのであります。それからなお、外国では、御承知だと思いますが、三人以上乗れば料金を値上げするとかいうメーターになっております。日本あたりでも、タクシーに四、五人乗ったほうがバスに乗るより得になる、そういうことでありますからして、これはやはり不合理だと思うのです。だから、四人以上乗る場合にはメーターを上げるとか、あるいはまた外国では、大きい荷物を持っておる場合には料金を上げるとかいう制度をとっておりますから、そういうこともひとつこの際あわせて研究すべきじゃないかということを、私は業者の人には申し上げておるのであります。 そこで、この料金の問題ですが、みんな赤字だ赤字だということを申し出ておりますが、しかしそういうことをもう少し研究してほしいということを申し上げたのです。そういう料金の合理化だとかあるいは経営の合理化とかいうことをやってもなおかつ赤字であれば、それはわれわれとしても大いに考慮しなければならぬけれども、それをやらずに、鉄道料金が上がったからこの際値上げしてくれとか、赤字だ赤字だと言うてくるだけでは、どうもわれわれはタクシー料金の値上げは認めるわけにはいかない。 それから、いまお話しのとおり、タクシーというものは、今日は大都会においては大多数の国民が使用しておる交通機関でありますから、これを上げることによって消費者物価に影響を及ぼすということは、これはもう申すまでもないことであります。いま政府は物価安定という国策をとっておるのであって、そういう点から見て、この際料金を上げることが他の物価に影響を及ぼし、ひいては少々の賃金を増したところが、物価が値上がりになって、事実上の賃上げにならないという場合も考えられるのではないか。だからして、われわれはやはり運転手さんが実質の収入増になるように考えてあげたい、ということは、物価を上げないということが必要だ。そういう点から、この際タクシー料金を上げることがいいか悪いかということについては、そういう点において、物価を押えるというのがいま政府の方針でありますから、業者の方がお見えになっても、大都会はタクシーの値上げは当分するわけにはいかないということを申し上げたのです。 それから、大阪の連中はみな顔を見れば、困った因ったと言いますから、私の友人ばかりでありますから、君らは困った困ったと言うのだったら、人間というものは困ったときにいい知恵が出るのだから、君らもいい知恵を出してください。どうすれば多少もうかって、そうして運転手さんも喜ぶ、一般のお客さんも喜ぶ、そういういい知恵を困ったときに出しなさい。人間というものはいいときにはあまり考えない。私自身が体験があるが、困ったときにいい知恵が出るのだから、困っていい知恵を出してください、そうしたら相談に乗りますということを、私は業者の人には申し上げておるのであります。そんなことで、この大都会のタクシーの料金はもう少し検討しなければならぬ。ただ赤字だ赤字だという業者の声ばかり聞いておってはいかぬ。私自身がかつてタクシー会社に関係しておった体験がありますから、内輪のことはよくわかっております。これは赤字だ赤字だといわれて、ああそうですか、それでは上げてあげましょうというわけにはいかない、君らがひとつもう少し研究して、それでいま申し上げた、業者も喜ぶし運転手も喜ぶし、お客さんも喜ぶという名案をひとつつくってきておくれ、そのときはいつでも相誤に乗る、こういうように私は申し上げておるのです。 それからもう一つは、やはり大阪、東京などの都市交通の問題です。これが基本的な問題だと思うのです。将来、いまのように道路が拡大できずして、タクシーやその他自動車の利用がふえてきた場合には、この都会というものがもう自動車で行き詰まってしまう。これは私は当然そういう機会が近い将来くると思うのです。その場合には都会の交通をどうするかということを、根本的に考えなければいけない。そういう問題もあわせて考えて、タクシーの問題を解決したいというのが私の考えでありまして、そういうことについては、いま運輸省のほうにも御研究願っておりますが、なお私のほうでもそういうものを研究してもらって、そうしてひとつ、いまお話しのとおり、国民の納得のいく方法で解決したいと、こう考えておる次第です。
○岡沢委員 菅野長官は私の郷土の大先輩で、尊敬する先達でもございますし、また経済のご専門でありまして、御答弁、私も傾聴いたしましたけれども、ただし、そうは言いながら、ほんとうに国民の納得のいくような、利用する国民も、運転手も、業者も、あるいはまあ責任をとっていただく役所の皆さんも、納得のいく解決がほんとうにそううまく考え出されるかということになりますと、私は法律的な考え——専門が別でございますから、長官の経済という御専門に対して、私が弁護士的な立場から考えました場合には、いささかこの点については問題があるように感じます。 と申しますのは、料金に触れるわけでございますけれども、その前に、先ほど運転者の人の問題をおっしゃいました。運輸省がお答えになりましたような運転者の教育の不足、あるいは教養の不足等も考えられますけれども、それ以上に、やはりいまのタクシー業界の実情からして優秀な運転者を集めるだけの賃金を払えない、いわゆる労働条件その他が、悪質の運転者をタクシー業界から追放できない、あるいはそういう運転者を教育する余裕がないということも大きな理由ではないかという感じもいたします。 それからまた、タクシー業界につきましては、大臣がお答えになりましたとおり、過去の業界は俗に言ってかなり大きなもうけがあったような感じが私もいたしますし、またその利潤のために安住しておった業界の方々があったことも事実だろうと思います。しかし、現実のこのタクシーの不足、特に乗車拒否の実態、サービスの悪さ等を考えました場合に、やはり経営者の無理がその一つだという率直な感じは、やっぱりわれわれも否定できないんじゃないか。日本のタクシーがソ連に次いで二番目に安いというのが数字上出ているようでございますけれども、もちろん安いにこしたことはございませんし、われわれ国民の立場から考えまして、物価の安定、特に国民の足といわれるタクシー料金が上がることを好んで求める人は一人もないと思うわけでございますけれども、しかし、無理な押え方というのは業者を苦しめるだけでなしに、結局国民に返ってくるということも否定できないと思いますし、その段階に来ているような感じもわれわれいたします。と申しますのは、先ほど長官もお触れになりましたように、五人乗った場合なんか考えますと、バス料金よりも安い。したがって、通学生が、あるいは会社へ行く若いサラリーマンがタクシーを利用する。交通体系の乱れがここに見られるわけでございますけれども、これはやっぱり料金の妥当でないことがそういう現象を生んでおるという見方もできるかと思います。 また、人の問題についてお触れになりました。利用者のほうが悪いという長官の御発想も、そういう場合がなきにしもあらずでございますけれども、やはり利用者の立場から申しますと、乗せてくれてありがとう、ほっとした、乗車拒否を三台も四台もされますと、ほんとうにとめてくれた運転者に感謝をしたい、そんな気持ちで、何か済まぬというような気持ちになって渡す場合もあろうかと思うのです。私も、適正料金、定価以上のタクシー料金を払うことは必ずしも正しいと思いませんけれども、いまの実態だと、何か乗らせてもらっているような感じだ。しかし、これは逆に申しますと、やはりタクシーの料金が安過ぎるということも一つの理由にはなる。高いものを買わされて、さらにいわばチップを払う、こういう人が一人ぐらい——私はないとは言いませんが、これはきわめて少ない。しかし現実は、むしろ何とかして車に乗りたい、そしてサービスのいい運転手に接したい、たまに気持ちよくとめてくれて、ありがとうとでも言われますと、こっちこそほんとうに何か別の世界に来たようなうれしさを感ずる。しかしそのこと自体が異常なことで、逆に考えますと、異常な低さが逆にそういう現象を生んでおることも否定できない。これは私の党の立場から、こういうことを率直に申し上げるのは実は心苦しいのでありますけれども、私は、やはり現在のタクシーの料金については、国民の偽らざる気持ちは、少々上がってもいいからサービスのいい、安全な、しかもいつも乗れるタクシーであってほしいというのが実感であろうと思うのです。 で、タクシー料金につきましては、御承知のとおり、タクシー汚職というものがございました。そのためにタクシーの値上げについて論ずることはタブーとされ、またことさらにそれを避けようという雰囲気がお互いにあったと思います。私は、しかし、すなおに考えまして、政治的に無理な値上げをすることはもちろん間違いでございますが、しかし逆に、当然要求されるべき適正利潤、適正原価に基づく経営が成り立たないような状態に押し込めておくということも、必ずしも正しいとは思えない。むしろそこに無理を生ずることによって、結果としては、悪い、乗車拒否をするようなタクシー、あるいはサービスの悪い運転手を生み、結局は国民の足としてのタクシーの利用が阻害される行為は、むしろ国民自身も被害者なんだという結果をもたらしておるのではないか。そういう意味から言いますと、公共料金とはいいながら、国鉄の場合とか、もし赤字の場合に国庫財政から補てんができるような業種とは若干違いまして、私企業に対する公共料金の抑制には限界があるのじゃないかと感ずるわけでございます。 四月三日の質問におきましても、この問題に触れてお尋ねをしたわけでございますけれども、いわゆる道路運送法の規定による料金の改定について、これは法規上は明らかに陸運局長の権限であります。しかし現実には、この前の御答弁によりましても四十四年三月十一日の閣議の了解によりまして、物価対策閣僚協議会に付議し、総合的観点から判断してきめるという処置を現に政府ではおとりになっておるようであります。私もこれは、物価の安定ということが現下の最大の政治課題の一つであることは否定いたしませんし、国民の立場からもこれを求める。そのこと自体を否定するわけではございませんけれども、しかし法規を曲げて、あるいは私企業の限界を越えて抑圧するということが法的に許されるかどうかということについては、はなはだ疑問でございます。まあこの件につきましても、すでに局長のほうから、この物価対策閣僚協議会の立場というのは、ただ単に相談的なもので、法的な抑制力がないという御答弁がございました。しかし実際問題としては、この閣議了解が大きな現実の働きをしておる。そのこと自体を私は悪いと言うのじゃありませんけれども、この観点から、この際きれいごとではなしに、ほんとうにタクシーについての国民の希望を、またタクシーの機能を果たさせるためにも、この運賃の問題について、やはり正しい意味での勇断が必要ではないかというふうに感ずるわけであります。 例を大阪のタクシーにとってお尋ねをしたいと思うわけでございますけれども、大阪のタクシー料金はいつから現在の料金になっておるか、お尋ねをいたします。
○見坊説明員 申請の状況を申し上げます。 大阪市域地区は四十年十二月二十七日に申請が出ております。内容は、現行基本料金二キロ百円を一・八キロ百二十円、爾後料金として、四百三十メートル二十円を三百二十メートル二十円に変更するという内容でございます。
○岡沢委員 私の承知しております範囲では、昭和三十八年から現在の料金のまま据え置かれておる。いま部長がお答えになりましたように、四十年十二月二十七日に運賃料金の改定の申請がなされておるというふうに理解しておりますが、この申請も、四年近く前に料金改定の申請がなされているわけですが、この審査手続はどうなっているのでございますか。
○見坊説明員 四十年に申請がなされまして、その後四十四年の三月、ことしの三月に追申がございまして、一部手直しがございましたが、現在、局で検討中でございます。陸運局におきまして、内容を審査いたしておるところでございます。
○岡沢委員 四十年に申請がなされて現在検討中、常識的にはちょっと考えられない役所の扱いだろうと思います。そんなにのんびりしておって、業界が立っていくこともふしぎでございますけれども、実際問題としては、これはどう考えても適正な措置ではないというふうに感じます。黒住局長さんはこの前の私の質問に対しまして、タクシー運賃改定については、ケース・バイ・ケースで、経営の内容等から見て改定の必要があるということになれば、所定の手続その他を経て認可するというお答えをなさっております。このいわゆる所定の手続がまだ終わっていないのか。一応第一次的な権限は大阪の陸運局だと思いますが、陸運局長の段階で終わったけれども、先ほど指摘さしていただきましたような政府の政策によって、経企庁との調整、あるいは物価対策閣僚協議会の結果がまだ出ていないということでおくれておるのか。その辺の事実はどちらか、真相についてお尋ねいたします。
○見坊説明員 先ほど先生が御指摘になりました、タクシーの運賃が安過ぎるのではないか、低過ぎるのではないかという点といまの点、申請との関係でございます。現在の運賃が低過ぎるのではないかという御意見がございますが、そういう御意見も少なくないわけでございますが、一方で、特に東京、大阪におけるタクシーのサービスに関しまして相当な批判がございます。そこで私どもといたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、サービス改善策の実施と並行いたしまして、現行の運賃について、企業内容、あるいは他の交通機関との比較、検討というようなことを総合的に検討いたしまして、処理してまいりたいというふうに考えておるわけです。大阪その他大都市につきましては、別に閣僚協議会でこれの審査が押えられているということではなくて、現在の時点は。大阪の局におきまして数字をなお詳細に詰めて検討をいたしておるというところでございます。
○岡沢委員 お答えにくいのかもしれませんが、四十年に出された申請をいま検討中というのは、どう考えても、これは役所のほんとうのあるべき姿ではないと思います。その申請が適当であるかどうか、間違っておったら、あるいはその中身について疑問があれば、これは十分ただされるのはあたりまえでございます。私はその申請をうのみにせいと言っているのじゃございませんけれども、これだけ変化の激しい時期に、四十年の申請について、まだいま検討中だということは、どう考えても私は正しい役所のあり方だというふうな理解はできません。 率直に言って、業者の申請があれば、道路運送法の八条にいう適正な原価、適正な利潤という観点から、いわゆる法の精神に従ってその適否を御判断なさるべきなんで、長官が先ほどお答えになった、業者がいままで甘い経営、もうけ過ぎておったという実感がお互いにあるとしましても、しかしそれとは別に、申請の中身については、客観的な条件に従ってすみやかに検討をなさるのがあたりまえじゃないか。この前の答弁でも、能率的な経営とは何かというむずかしい問題はあるにいたしましても、これはやはり一応の基準も、また客観的な判断の材料もあるわけでございますから、これは私はどう考えても、役所の運営について疑問を持たざるを得ないと思うわけであります。 これは先ほど来繰り返しておりますように、タクシー業界は単なる経営者のための、運転者だけのためのものではない、国民の足的な要素を持っておりますから、都市における重要な交通機関としての役割りを果たしておるということを考えました場合、また先ほど来指摘いたしました乗車拒否、サービスの悪さ、事故との関連も無視できない問題であるだけに、これは事故防止対策としても、乗車拒否対策としても、すみやかな、適切な措置が必要ではないかと感ずるわけであります。 これに関連いたしまして、菅野長官が、別の機会ではございますけれども、大都市のタクシーが赤字であるか疑わしいと国会で御答弁になっておられるわけであります。いまでも菅野長官のほうは、業者の言う、赤字だ、値上げしてくれという申請について、疑わしいという判断で御処置をなさらないのか。これはそうではなしに、まだその検討はなされてないのか。もし疑わしいというお考えであれば、その根拠を示していただきたいと思います。
○菅野国務大臣 疑わしいということは、まだ私どもで実際はその内容を検討しておりません。検討してないが、ただ料金さえ値上げしてしもうたらそれでいいのだというような甘い考えではいかぬということを申し上げているのであって、それよります経営の合理化をやりなさい、こういうように合理化をやって、それでも赤字ですということをはっきり言いなさい、それをただ赤字だ赤字だと言うてきただけで、そのままこっちが、ああそうですか、それじゃあというわけにはいきませんということを申し上げているのであって、それは私は業者の人には言うておるのです。ほんとうの赤字なら、赤字でございますということをはっきり数字を出しなさい、そうして運輸省とよく相談しなさい、こういうことを私は申し上げているのであって、私自身は大阪の業者は心安いですから、君、ほんとうの赤字かいと言うと、だれも、はいそうです、赤字ですと言う人はない、笑うておる。それは、私らに対してだから笑うておるのであって、運輸省あたりに行っては、ほんとうの赤字だ、こう言って説明しておるかもしれません。私はそれで、君らほんとうの赤字かいとこっちが笑うて言うと、笑うておるということで、だから、私らにはやはり根拠のある数字を示してもらわぬといかぬ、私はこういう考えをしておるわけです。 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、三十九年に、公共料金の引き上げは行なわないということを閣議了解しております。それから昨年も、いまの国鉄料金値上げのときにも、そういうふうに閣僚協議会で決定したのでございます。そこで、いまお話しのとおり、タクシーを利用する人は国民の大多数ですからして、大衆の交通機関になっておるのです。したがって、それだけやはり大衆の生活に非常な影響を及ぼす。したがって、料金の値上げということも、やはり業者のためということよりも、われわれはわれわれで、やはり大衆を考えなければいかぬ。大衆のために料金を値上げしてはいかぬということを考えていかなければならぬということになると思います。 それから、政府がいま重要施策としておるのは、御承知のとおり大学問題と物価対策であります。物価をどうしても何とかして安定させることが、私は国内政治としては最重点だと思うのです。その意味において、政府はいろいろと苦心しておる。米価の問題も据え置きで、農業者からもいろいろ反対はありましたけれども、断固としてそういうことにするということにしたのであります。農業経営者から見れば赤字だということを、よく私も聞かされましたけれども、しかし、これは米価を上げれば同時に物価は上がるというたてまえから、据え置きということをきめたわけであります。私たちとしては、あくまでこの際政府は物価を安定させるという、この基本的な政策をとっております。したがって、それがためには、タクシー業者に対しても、あるいは大阪の私鉄の社長さんに対しても、国策にひとつ準じて、この際しばらくしんぼうしてくださいということを申し上げておる。あなた方はあるいは困っておるかもしれない、しかしながらこの際は一般大衆に悪影響を及ぼさない、一般大衆の生活に影響を及ぼさない政策を政府はとらなければならぬのだから、その意味において料金値上げはこの際思いとどまってほしいということを申し上げておる。でありますから、私たちは、あくまで大衆ということ、国民の生活ということを考えてやっておることでありますから、その点は岡沢委員も同じ気持ちだと思うのです。物価は上げない、それにはやはり大衆の交通機関であるタクシーの料金をこの際上げてはいかぬという考え方でわれわれ行きたい、こう思っておる。業者はあるいは実際は赤字であるかもしれません。しかしいままでもうけておるのだから、もうしばらくしんぼうしたらいいんじゃないかということで、私は友だちには笑って話しておるのでありますが、この際政府は物価安定という政策をとっておるから、君らもひとつそれに準じてやってくれというお願いをしておる次第であります。そのようにわれわれとしてはやっていきたいと考えておるわけであります。
○岡沢委員 すでに予鈴が鳴りまして、あと十分足らずで、御迷惑をかけてはいかぬけれども、私は、もちろん大臣から言われるまでもなく、私自身国民の立場から、大衆の立場から質問しているわけです。ただ、その場合に、タクシー料金の値上げを抑制しておることがはたして大衆のため、国民のためかという観点から、先ほど来繰り返しておりますけれども、料金は安くても乗れないタクシーならば意味はない。私たちは、何も業者の代弁者でもなければ、特別な関係があるわけでは全くない。ただ、私がこの際勇気をもってあえて質問するのは、むしろ国民の立場から考えて、無理な値上げ抑制ということは、結果として国民のためになるだろうかということをこの際明らかにする必要がある。なるほど物価安定が現下の最大の政治課題の一つであるということは重々承知した上で、しかし一方であまり無理な押え方が、逆に乗車拒否を生み、交通事故を生み、悪質運転者を生み、結果としては交通機関としての働きを阻害しておるということを言いたかったわけであります。 大臣は、業者の赤字について笑って話しておるとおっしゃいました、検討もしていないということを言われましたけれども、それならば、私は運輸省の責任ではないかと思う。四十年に申請されてあるのを、経企庁の長官は一切中身を検討もしていないということになれば、行政責任者としての正しいやり方かどうか、それで済ませるかどうか。赤字は間違いだ、そういう値上げ申請の理由がないならば、はっきりとその理由を示して拒否されればいいわけで、やはり業者としては納得できない。国民の立場からしても、物価安定は大事でありますけれども、物価抑制だけがすべての政策だと言い切れないものを私は感ずるわけであります。特に先ほど申し上げましたような理由で、私が法律家の端くれであるだけに、やはり私企業に対しての料金抑制の限界、道路運送法の規定からいって、政治的な抑圧、そこにも無理がある。われわれ便乗値上げにはむろん反対ですけれども、政治的な値上げについてもむしろだれよりも強く反対したいと思いますけれども、適正な値上げあるいは合理的な根拠のある値上げを抑制すること自体は、むしろおできをつぶしてかえって毒を体内に回すという結果になることをおそれるわけであります。 自動車局長もお見えでございますが、四月三日の御答弁で、九十七ブロックから一万八千七十七社のタクシー、ハイヤー運賃改正の申請があったという御答弁もありました。その後、運輸省としては、この改正についてどういう御回答といいますか、結果が出ておりますか、お聞きいたします。
○黒住政府委員 その後さらに地方につきまして認可をいたしまして、七月一日現在では、十八ブロックの九百十社につきまして認可をいたしております。現在申請中のものは十九ブロックで一万七千七百四十九社でございますが、その中では、個人が一万二千七百二十七名おりますので、法人といたしましては五千二十二業者でございまして、これにつきましては、現在陸運局あるいは本省等におきまして調査を進めております。
○岡沢委員 経企庁、御専門でおられますから、ちょっと聞きたいと思うのですが、三十八年から現在までの物価の値上がり、特に国鉄運賃その他の交通関係の上昇率、きわめて大まかでけっこうでございますから、お尋ねいたします。
○八塚政府委員 三十八年を一〇〇に計算をしなければわかりませんが、数字を申し上げますと、これは過去の時系列をとりますので、人口五万以上で一応申し上げたいと思いますが、四十年を一〇〇にいたしまして三十八年は九〇・二%でございます。それから四十年を一〇〇にいたしまして、四十三年は一一六・〇%でございますから、三十八年から四十三年までは、四十年を一〇〇にいたしまして二六という差になっております。消費者物価指数でございます。
○岡沢委員 時間の関係であまりこの点を詰めることは避けたいと思いますが、三十八年に認可された料金が、現在そのまま大阪ではタクシー料金として現行されているわけですね。いま局長がお答えになりましたように、一般物価は二六上がっている。もし三十八年の価格が正しいとすれば、いわゆる道路運送法八条に従って、能率的な経営のもとにおける適正な原価、そして適正な利潤ということを基準にしてきめられたものであるとすれば、これはその後タクシー関係の人件費、物件費がそのままということは考えられないので、一般に上がっているということを考えましたら、現在の経営が無理であることは明らかであろうと思います。また、三十八年の認可の料金が正しくなくて不当に高かったものだとすれば、これは認可されたほうがおかしくなるということになるわけでございまして、やはりかなり大きな無理が実際問題としてタクシー業界の経営にしわ寄せされているということは、すなおに見ていいんじゃないかという感じがいたします。 すでに本会議の本鈴が鳴りましたから、質問が中途になりましたけれども、やはり適正な料金あるいは適正な利潤を生む経営——決して不当な利益とか便乗値上げを要請したりそれを認めよという意味では全くございませんけれども、やはり合理的な運営をさせるためには合理的な運賃体系も必要であるし、このほか先ほど部長がお答えになりましたような意味でのタクシーの施策あるいはタクシーベーの問題、その他も新しく考えていただいて、何とか国民の足であるタクシーが国民から愛され、喜ばれる、そして安全な転送機関として使命を果たすような努力をお願いいたしまして、質問を終わります。
○菅野国務大臣 お話しのとおり、私自身もこのタクシー料金の問題は、ほかの物価を見たら割り安です。これはタクシーに限らず、交通機関は一体に割り安だと思います。そこで、いままでの交通料金というものが割り高であったかどうかということも、これはひとつ検討する必要があると思います。がしかし、いま昭和四十年から見ても、また私たちの体験から見ても、交通機関の料金というものはほかの物価の値上がりから見ると割り安であります。その割り安であるということは、また日本の経済を発展せしめた一つの原因であるということを私は考えておるのであります。しかしながら、それが私企業として成り立たないということであればまた考慮すべきであるという考えをしておりますが、いま申し上げましたとおり、乗車拒否をやるとかいうようなことにいま国民の怨嗟の声があるときに、料金を値上げすること自体、私は国民の人心を決してよくしないということを心配しておるわけです。そこで、私としては乗車拒否みたいな事実がないということをまずお願いしたいのです。名古屋のタクシー業者が、この間一万名以上の人が、そういうことは一切いたしませんという誓約書をつくったということを私聞きましたが、ひとつ運転者自身反省してもらって、乗車拒否をしないというようにやってもらえば、タクシーの料金を値上げしても、世間では非難しないと思うのです。 そういう点で、先ほども申し上げましたとおり、運転手さんも恩恵に浴し、業者も困っておるのであれば恩恵に浴し、同時に国民も喜ぶという最善の道をひとつ考えなさいということを、業者並びに運輸省のほうにも、そういうようにお願いしておるのであって、そういう最善の道を幸いにして見出すことができれば、私たちは料金を値上げしても、これは物価の値上げには影響しないと思うのです。この際こういう国民の怨嗟の的になっておるタクシー業者が料金の値上げをすれば、それがやはりひいては物価に影響します。それを私心配するのであって、物価の上昇ムードということは高まります。しかし、国民が、ほんとうに安全ならタクシー料金は値上げしてもあたりまえだというような観念を持ってくれさえすれば、物価の上昇には影響しないと私は思います。でありますからして、その点はわれわれとしても、四方八方みんなが納得のいく方法をこの際見出してもらいたいということをお願いしておるわけであります。決して私企業をつぶすというような考えで、われわれ押えておるわけじゃありません。私企業は私企業で発展してもらいたいということを考えておる次第でございますから、岡沢委員の心配しておることは私も心配しておりますから、どうぞこの点は御了承いただきたいと思います。
○岡沢委員 やめるつもりでありましたけれども、時間もないことはわかっておりますが、阿部君から、もう一度あらためて質問してもいいというような御発言もありましたが、この問題で私が何回も質問することもどうかと思いますので、一言申し上げます。 長官のおっしゃる気持ちもよくわかります。しかし、国民の率直な気持ちは、もう少々値上げがあってもいいから、乗車拒否をしないサービスのいいタクシーであってほしいということが、むしろもう実感として、大都市では国民の感じとなってきておるのではないか。もちろん、値上げはされたわ、サービスはそのままだ、乗車拒否も続くというようなことは、国民の立場からしても許されないと思います。しかし、大阪の例だけを見ましても、二千台以上のタクシーがいま休業しておる。せっかく認可されたタクシーが遊んでおるということを考えましても、やはり動かすことがむしろ赤字を生むというような要素、あるいは適正な乗務員を得られないという要素があるのでありまして、やはりもう経営が無理な状態にきておるということはすなおな感じではないか。もちろんそれについては、客観的なデータによるきびしい審査がなさるべきだとは思いますけれども、単に抑制だけがすべての政策だという時期は、タクシーに関する限りは過ぎたのではないかというような感じがいたします。 あえて言いにくい質問を私もやったわけでございますけれども、しかし、あくまでも国民の立場から、この問題を役所のほうもお考えいただき、われわれも検討すべきではないかということを申し上げて、終わります。
○帆足委員長 次回は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日は、これをもって散会いたします。 午後二時五分散会