P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
61回国会衆議院1969/04/02

物価問題等に関する特別委員会 第5号

発言数
68
登壇者
8
会派数
2
開催日
1969/04/02

会議録

帆足計日本社会党

○帆足委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 きょうは消費者保護基本法の附帯決議に基づいて御質問を申し上げるのでありますが、厚生省と通産省ちょっとお待ちいただきまして、最初に公正取引委員会に若干御質問をいたしたいと思います。  当委員会で四十二年の六月以降、再販の問題についていろいろ論議が行なわれました。前委員長、また現在の委員長も、再販については品目の洗い直しを鋭意進めておる、こういう話でございまして、先般洗い直しの告示が行なわれました。これに関連をして最初に若干質問をいたします。  医薬品の告示は、日本標準商品分類によって行なわれたというふうに理解ができるわけですが、化粧品の告示にはそれがない。この点はどういうわけか、まず最初にお伺いしたい。化粧品の告示についてはどういう分類の方法をとられたのか、それをお伺いしたい。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 医薬品、化粧品ともに、基本的には標準分類によっておるわけでございます。ただ、その範囲内におきまして、取引の実情に応じた他の要因も参酌して行なっておるということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると、化粧品の分類は日本標準商品分類の中分類、大分類というものを適用しておやりになった、そういうふうに理解していいですか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それならば、公取が告示をされた九十一号、昨年の十二月二十八日付「薬事法に規定する化粧品(同法の規定により医薬部外品として取り扱われているものを含む。)」こういうふうになっておりますが、本来化粧品と医薬部外品というものは、危害の防止のためからもこれは明らかに別個のものである、このように私どもは理解をしておるのですが、なぜ今回この中にカッコとして「医薬部外品として取り扱われているものを含む。」このようにおやりになったのか、その理由……。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 一応、分類の基準といたしまして日本標準商品分類を基本にいたしておるわけでございますけれども、独占禁止法に基づく再販売価格維持契約の判定をいたします場合に、その中心となる考え方と申しますのは、やはり独禁法の精神でございます競争制限という点にあるわけでございます。ただ、関係官庁との関連でございますとか業界の取引の実態との関連によりまして、一がいに一つの角度からの分類だけではいきませんので、その辺が勘案された形としてこの告示はできておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたは、業界の取引の実態から見て「同法の規定により医薬部外品として取り扱われているものを含む」というふうにしたというような答弁のようです。私どもから言うならば、これは明らかに別個のものであって、そうしたものを化粧品に含むというのはむしろ業者保護であって、消費者保護基本法の精神からいうとむしろ間違ってやしないか、このように思いますが、公正取引委員会はそのように思いませんか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 独占禁止法の性格から申しまして、やはり特定の品目について競争があるという点に主眼を置きましてこの分類を考えておりますが、委員会といたしましてそういう点を検討した結果、こういう分類をとった次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 これは私はたいへん大きな問題だと思うのですが、きょうは一応、公正取引委員会がどういう理由で、こういう告示の中にこうした品目をお出しになったのかということだけを最初にお聞きしておいて、次の機会に具体的にこの問題について論争いたします。  そこで、十二月十八日に私は当委員会で資料を要求をいたしました。現品添付、リベート、景品類、こうしたものの直販メーカー別、新薬メーカー別、こうした資料をお出し願いたい、こういうことを言ったわけですが、今日いまだに資料の提出がないというのはどういう理由なのか、それが一つ。  いま一点は、例の新薬のかぜ薬の販売について、五十万円の薬を買ったものは東南アジアに七泊八日の招待旅行をするというような具体的な文書がここに、私の手元にありますが、これについては、当時は二月に発売の予定でしたから、二月発売のものを十二月に資料が出るわけはありませんから、それはよくわかりますが、すでにきょうは四月であります。これがどうなったのか、この二つを最初にお伺いいたします。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 初めの御質問でありますけれども、再販の業界で行なわれておりますリベート、現品添付等につきましては、先生の御質問に基づきまして相当広範な調査計画を立てまして現在検討中でございます。そのときにもお願いいたしましたけれども、もう少し時間をいただきたいというふうに考えております。  それから第二点の御質問に対しましては、取引部長からお答えいたします。

吉田文剛公正取引委員会事務局取引部長

○吉田説明員 七泊八日の招待旅行の件でございますが、景表課で現在調査をいたしております。景表課は非常に仕事が多くて錯綜しておるものですから、間もなく結果が出て御報告できると思います。

武部文日本社会党

○武部委員 最初の点は検討中で、時間が相当かかるだろうということは私どもも承知をしておりました。早急にひとつ資料の提出をいただきたい。それから景表課の問題も調査中で間もなくということですから——これは相当大きな問題でありまして、五十万円の薬で七泊八日、二十五万円の招待旅行なんてとんでもないことでありますから、これはぜひひとつ調査をして早急にお出しをいただきたい。  そこで、前回、皆さんのほうから私に資料の提出がございましたタキヤ商事のチラシの問題であります。このチラシの問題について回答がありまして、このチラシの結果については、両者間で紛争が円満に解決をして、裁判は和解が成立した、これは昨年十二月二十五日、こういうことで、そういう回答があった。  私がお聞きをいたしたかったのは、このタキヤ商事というものが消費者にばらまいたSS製薬商品の小売り価格、原価、リベート、こういうものの数字についてお伺いをしたわけですが、これについては何らの回答もないのであります。お聞きをいたしたいのは、この二百五十円で売っている薬は原価は百十六円である、こういうチラシを配っておる。あるいはまた三百円のものは原価は百三十八円だ、こういうチラシが配られたわけですが、この金額には間違いがあるのかないのか。この点は何らの答弁がないのですが、その点はどうなんですか。

吉田文剛公正取引委員会事務局取引部長

○吉田説明員 お答えをいたします。  私どもで調べました結果、たとえばエスカップの百円のもの、それが原価が四十六円というふうになっておりますが、マージンが二八%、リベートが最高のところで一五%、現品添付が一五・二%、合計して、これは金額に直しまして百円のうち五十四円がマージン、リベート、現品添付ということになっておるわけでございます。あと二百五十円、それから三百円のものについては現在ちょっと資料を持ち合わせておりませんが、一応調べてはございます。ただ、タキヤの点につきましては、裁判上の和解が成立して、それはそれで先生の御質問になった御趣旨とは報告の趣旨が違っておりますけれども、われわれとしては、多額のリベート、現品添付、こういうものがあれば、これは一般消費者の利益を不当に害するのではないかという点がまだ残っておりますので、その点については、先ほど申し上げましたように、ほかの業者の実態を把握した上で、はたしてこれが消費者利益を不当に害するかどうかという点を早急に結論を出したいというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 私が知りたかったのはいまあなたがおっしゃったことなんです。現実に百円のものが四十六円の原価で入っておる。これは四六%の原価で入って五四%もうかる。それからあとに四つの商品の名前を書いて、いずれも原価、カッコしてリベートその他全部書いてある。この金額が事実なのかどうか。タキヤ商事というのは事実として、これをチラシにして消費者に配ったわけです。こういうばかげたことをしておるのだ、これが原価であるということを出した。その事実を知りたかったのですが、あなたのほうの回答にはそのことが触れておらない。そこできょうは再度お伺いをしたわけです。一つの商品について、いま御回答によりますと、そのとおりのようであります。問題は、このことが「消費者の利益を不当に害する」、これに当てはまるかどうかということの根拠にこれをしたかった。そこで先ほど申し上げるような現品添付、リベート、景品、こうしたものの資料の際に、これが全部、五つの商品について真実かどうかということをあわせて御回答をいただきたい、これがまず最初であります。  次に、前回の、あなたが名古屋のゼミナールで御報告になった例の八〇%の問題であります。これについては回答がございました。あなたのほうの回答によれば七九%程度、約八〇%、こういう事実がある。これはC社商品ということになっておるそうですが、リベート、マージンその他で八〇%ももうけがあるということをお認めになっておる。しかしこれは、「全国の小売店のうちわずか一店にすぎないことが判明している。」こういうただし書きがここについておるわけであります。これは公取の調査によって全く間違いないか。一店だけしかないか、これが一つ。  かりに一つの店であっても、八〇%というような数字が、一体二十四条の二のただし書きの点からいって、あなた方はこれが妥当と思っているのか、違反と思っているのか、これをひとつ……。

吉田文剛公正取引委員会事務局取引部長

○吉田説明員 お答えをいたします。  私どもで調べました結果、この前御報告いたしたとおりでございます。その後、現在、C社から三月一日に届け出がありまして、三〇%の現品添付、これは最高でございますが、これを現在二〇%に修正したという届け出がございました。したがって、現在におきましては、マージン、リベート、現品添付、合わせて六九%ということに、一〇%現品添付のパーセントを減らしたということであります。現在こういう最高のマージン、リベートをもらっているのが一店のみということで、これは私ども調べた結果そうでございますが、はたして絶対にほかにないかどうか、現在さらに追跡して調べておるところであります。いままで調べたところでは一店だけということが判明しております。  それから、一体こういう多額の現品添付あるいはリベートを出しているのが、消費者利益を不当に害するのではないかという点につきましては、これは私どもも委員会にはかりませんと、まだ最終的に結論が出ませんけれども、私どもとしては、これは消費者利益を不当に害するんじゃないかというふうに考えておりますが、ただ、それじゃ一体幾らに下げれば害しないようになるのかという点もございますので、先ほど申し上げましたように、ほかの会社についての実態の判明した上で、大体妥当の線はどの辺であるかということを検討して出したいというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 七九%が一〇%下がって六九だ、私はこういうことでも、あなたがおっしゃったように二十四条の二に当然違反をしていると思うのです。問題は、こんなことはいま業界では通例のことだろうと私は思うのです。たくさん事実をあげました。その他、前回はA社、B社というふうにあげました。当然公正取引委員会としては、こういうケースはあなた方のほうとして捕捉されておるはずだ。それが一体何%の線になれば二十四条の二のただし書きに違反をするのかしないのか。こうしたことは委員会の決定がなければだめだとおっしゃるが、全く怠慢のそしりを免れぬと思うのです。少なくともいま薬品業界の内容というものは、私が申し上げたような、非常にたくさんの形でリベートや現品の添付や、その他景品とかたくさんある。それを私どもが指摘するまでもなく、あなた方は知っておられるはず。あなたは取引部長で知っておられるからこそ、あのゼミナールで八〇%あるというふうにおっしゃったと思う。それなのに、今日いまだに公正取引委員会が、消費者保護基本法で消費者問題が今日これだけやかましくなっておるにかかわらず、二十四条の二のただし書きの点について委員会で結論を出しておられない。こういうことについては私は非常に遺憾であると思う。一体、公正取引委員会はこの問題についてどういうお考えなのか、ひとつ事務局長からお伺いしたい。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 二十四条の二の運用につきまして、先生の御指摘のような角度から、公正取引委員会といたしましてはもっと掘り下げた検討をし、行政も進めていかなければならないというふうに私は強く感じておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 きょうは委員長がお見えになっておりませんが、資料を出せと言われれば幾らでも出します。われわれ自身が持っておるのですよ。どの薬屋を調べてみても、これははっきりしておるのです。このことがいまだに公正取引委員会で何だかわけのわからぬようなそういう態度では、消費者は納得しないと私は思うのです。二十四条の二のただし書きという項が明確に生かされるように、公正取引委員会としては早急に態度をきめて、当委員会へ、公正取引委員会のはっきりした態度を次回の委員会にひとつお示しいただきたい。そうでなければ、この八〇%というこういう数字が出れば——三五%とか六五%とかいうようなことを前回申し上げましたが、これが出れば、どこの薬屋も同じように取り扱っておるというふうに思われて、大いに迷惑をしておる薬屋があると思うのです。あなたがおっしゃるように、これは店によって非常に差があるのです。そうなってくると、まじめにやっておる薬屋としてはたいへん迷惑だと思うのです。この点についての疑惑を解くためにも、あなたのほうで態度をはっきり明確にされるべきだ。同時に、消費者の立場からいうならば、八〇%が一〇%下がって七〇%に下がれば、二十四条の二のただし書きに一体これは該当しないのかするのか。こういう点についても、取引部長は、自分はすると思うとおっしゃるが、公正取引委員会の決定ではない。あなた個人の意見である。それでは消費者はやっぱり納得いたしません。そこで、私が先ほど申し上げたとおり、公正取引委員会の態度を早急にお出しいただきたい。この点を特に要望しておきます。  きょうは公正取引委員会に、最後にもう一点だけお伺いいたしますが、このたび大塚製薬のドリンクがやみ再販にひっかかった。それであなたのほうとしてはやみ再販として摘発をされた。その経過と、前回、これは薬じゃありませんが、松下のやみ再販もいま裁判にかかっておる。こういう大塚製薬のような例がほかにあるように私ども思うのですが、公正取引委員会としては、この大塚製薬の問題にからんで、やみ再販についてどういう態度をおとりになるか、これをひとつお伺いいたします。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 大塚製薬のつくっておりますこれは清涼飲料でございますけれども、最近公正取引委員会といたしまして、やみ再販であるということで勧告をいたしました。これは医薬品でございますと再販制度があるわけでございますけれども、この対象になりました商品は医薬品ではございません。清涼飲料でございますために、この販売にあたりましてリベートというような手段をとっておったことが、やみ再販といたしまして違反事実に問われたわけでございます。  なお、こういったやみ再販につきましては、公正取引委員会といたしましては厳正な態度でこの取り締まりに当たっていくという態勢をとっておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 これはおっしゃるように清涼飲料水であります。ただ、私がこれを申し上げたかったのは、大塚製薬というのは長者番付のトップにことしはおどり出た製薬会社ですよ。そこでこういうことが堂々と行なわれておる。私どもはこういう点は知っておった。しかしあなた方としてはようやくこれに手をつけられたわけですね。やみ再販というものは必ずしも大塚製薬だけではないと思うのです。そういう点についてはひとつ厳正に調査をして、どしどし摘発をしていただきたい。この点は特に要望しておきたいと思うのです。  それから最後に、一つ落としておったのでこれもお聞きいたしますが、四十二年五月二十日に告示になった事業者に対する景品類の提供に関する事項の制限というのがありますね。これの適用が現在まで行なわれたことがありますか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 御指摘の告示は、大きな額の事業者間の景品添付を抑制しようという趣旨で出た告示でございまして、この告示によりまして相当実態的に効果をあげておると思っておる次第でございますけれども、違反事件として摘発をした事例は、たしか私の現在の記憶では、ないかと存じております。

武部文日本社会党

○武部委員 これは先ほどのことにちょっと戻るのですが、例の七泊八日の招待旅行とか、そういうことに関連をして、こういうことがすでに四十二年の五月二十日に告示をされておる。にもかかわらず、公正取引委員会としてこれを取り上げた例はない、このように私どもも承知しておったから、あらためてあなた方のほうにお伺いをしたわけです。それで、お答えのように、はっきりとこれによって取り締まりをしたという例はないわけですね。再度聞いておきますが、そのように理解をしていいですか。

吉田文剛公正取引委員会事務局取引部長

○吉田説明員 これは事件として正式に処理をした例はないと思います。ただ、行政指導で事前にやめさしたという例はあるかと思いますが、いま何件だかはっきり覚えておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 それならば、この告示の精神で行政指導をして取りやめたというものがどのぐらいあるのか、それは次回にお答えするようにしていただきたいと思います。  それじゃ公正取引委員会は次回に譲りますから、これでけっこうです。  次に厚生省にお尋ねをいたします。  消費者保護基本法が昨年の四月二十五日に可決になりました。   〔委員長退席、阿部(助)委員長代理着席〕 その際に、附帯決議として、生活協同組合について私どもは本文の中にもこのことを載せたわけであります。当時、この生活協同組合の問題は、私どもの附帯決議においては、「消費者の組織については、消費者自身の自主的活動に期待する面が大きいので、消費生活協同組合等民間の消費者組織の効果的発展をはかる方向で適切な措置を検討すること。」こういう衆議院の附帯決議が行なわれました。この法案が決定する過程において、厚生省はこの生協の問題について、何点か私どもと具体的な問題についてやりとりをいたしました。その数点について前向きに検討をし、時代も変わっておることだから早急に善処をする、こういう回答がなされたわけであります。その後の状況はどうなっておるか、それを最初にお伺いいたしたい。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  その当時数点申し上げましたが、特に大きなものは、第一は生協法の改正、生協法自身につきましては、いろいろな中小企業との関連とかございまして制約がある。たとえば員外利用の問題、あるいは地域の問題、そのほかにいろいろ整備する事項があるというのが第一点。それから第二点といたしましては、これはいわゆる融資問題、たとえば農協なり中小企業なりはそれぞれの系統金融機関を持っておりますが、生協については、労金という問題がございますけれども、まだ十分に利用できる状態に至ってない。そこで何か年金福祉事業団の融資の関係の拡張とかいうふうな、融資問題を何とか解決をいたしたいというふうなことを申し上げました。それから第三点といたしましては、これは酒税とかいろいろ関係がございますが、たとえば最近問題になりましたような酒の問題、なかなか米なり酒なりというふうなものの認可というふうなものができにくい。これは厚生省だけできめる問題じゃありませんけれども、これを関係各省にいろいろお願いをして、そういうネックを打開したい。それから第四点としましては、租税のいわゆる扱いでありますけれども、同じ他の協同組合から見て不利な点がまだ若干ある。それを何とか税法上の問題としてお願いしたい。大きく申し上げましてそのくらいの論点を、そのほかにもこまかいのはありますけれども、そういう問題について何とか厚生省としては前向きに取り組んでまいりたい、こういうふうに申し上げ、その後もいろいろ努力をいたしてきつつあるというふうな状況でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いまおっしゃった生協法の改正、特に地域の問題、員外利用の問題、このことについては、中小企業との関係もあって、これは相当むずかしいだろうということはあなたのほうの答弁にもありました、融資問題について、おっしゃるように農協とかその他の機関はそれぞれあるけれども、生協は融資問題について購買施設が対象になっていない、そのことについてその道を開いてもらえぬか、こういう点についての要望をいたしておりました。それから租税特別措置については、一千万ですか、損金算入のあれがありましたが、現実にいまの生協の実態から見ると、むしろ必要なものが該当しない、こういう現実の姿がある、これの改正もぜひひとつ検討してもらわなければならない、こういうことを申し上げたわけです。  きょうばいろいろ時間の関係もありますが、租税の問題等は別にいたしまして、当時の議事録を見ますと、ここに御出席の民社の和田委員から、特に西欧先進国の生協の実態、そういうものに触れて、今日生協法が地域的にもすでに考え直さなければならぬ時代に来ておるのではないか、こういう点に触れて質問をしておられるわけです。特に近畿圏あるいは東京の首都圏、こういうように非常に経済事情なり交通事情が昔と変わってきておる、こういう実態から見て、県単位というようなことではだめではないか、この法律は当然変えなければならぬじゃないか、こういうような点がありました。たとえば神戸の灘であれば大阪とか京都付近に当然伸びてもいい、こういうふうな具体的な例もあげられております。ヨーロッパのそうした発達した協同組合というものは、地域的な単位も何もない全国的なものになっておる、こういう例をあげて厚生省の見解をただされた。これについて厚生省からは、交通事情とか人口の移動とか、そういう点について情勢が変わっておる、こういう点は認める、そこでこういう点について検討する、こういうことをおっしゃったわけですが、まず最初にお伺いをしたいのは、この地域問題についてはどうなっておるか、どこにその隘路があって今回法改正ができなかったのか、それをひとつお聞きしたい。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  これは生協法ができます当時、二十三年でありますから終戦直後でありますが、産業組合の購買組合から、それが解散になって生協法のほうに移行する、その受けざらをつくらなければならぬというときには、いろいろ議論がありましたが、原則としては、農協なりあるいは中小企業なり、産業組合から分離しました生協、購買組合、三つのグループの協同組合法ができたわけでありますが、農協、中小企業につきましては、たとえば一県に限るというふうな地域的な制限はつけられなかったわけであります。ところが生協だけ、産業組合の購買組合から分かれましたものにつきましては、当時のいわゆる中小企業との調整等がありまして、地域による生活協同組合については一都道府県内に限る、こういう条件がそもそも出発のときからつけられたわけであります。  その当時はその程度で、それほど関連というか問題はなかったわけであります。最近のように、いまお話しのように、東京、大阪、この周辺、埼玉、とにかく団地なり住宅地なりがどんどん広がって、交通関係は発達するということで、現実論としては非常に問題が、一県限りという地域生協では困るということがあります。それで私どもとしましては、できますならば、地域による生活協同組合は一都道府県内に限るということは、他の農協や中小企業並みにはずしていただきたい。これはそのコミュニティーというものの消費実態というものが、もう県の区域に限られないというふうなところが多くなってきておりますだけに、はずしてもらいたい、これが基本的な考え方でございました。ところが、いろいろな中小企業との関係その他で、全国的にその都道府県のワクをはずすということは現実問題としてはむずかしかろう。  その次に考えましたのは、たとえば人口集中、あるいは人口の周辺拡大の非常に強い、東京でいいますならば埼玉、神奈川、千葉というふうな関連のところ、それから大阪でいいますならば、大阪を中心にして奈良とか京都、兵庫というふうなところだけでも、せめていわば首都圏、あるいは近畿圏整備法にいう地域のうちでも——近畿圏整備法では福井県なんか入っておりますけれども、そういうふうなものを除外してでも、特に人口集中の多い都市を中心にして、その部分だけでもというふうに考えました。しかしこれも実際は、たとえばいまお話しになりますように、灘と大阪というふうな問題、いろいろありますので、最終的に私ども厚生省として関係の団体その他の意見を聞きましてまとめた案が、たとえば東京、埼玉の例を申し上げますと、現に東京都のほうには生活協同組合があって活動している。ところが団地化がどんどん進んだり都市化が進んだりしている都外の埼玉県のほうには生協ができない、あるいはできても非常に弱小なものが申しわけぐらいにあるというところの隣接地域だけでもはずしてもらえないか、こういうふうな案をつくりましたけれども、これについては、関係各省との話し合いでは、原則としてはやむを得なかろう、しかしその場合でも中小企業とのいろいろな調整があるということで、その条件なんかにつきましていろいろ話し合いをしておったわけでありますが、ついに時間的にもどうにもならない、政府部内としてぴしっとした線がまとまりにくいということでございますので、いまお話がありましたように、厚生省としてはこれは打ち切るということではございませんで、もう少し時間をいただいて、次の国会、あるいはどういうかっこうになりますか、できるだけ早く詰めまして、一応最小限度の、生活協同組合が活動できるような法改正ができるまで煮詰めていきたい、こういうふうなことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 お聞きしておりますと、厚生省としては基本的に地域制限をはずしてもらいたいという考え方を持っておるように、いまのお話からは受け取れます。ただ中小企業との関係で現実的に非常にむずかしい面が起きた。これは業界なりあるいは関係官庁といろいろ相談をした結果、その点について話し合いがまとまらなかった、こういうふうに理解できるのであります。  そこで、農協法や労金法には地域制限というものはないと思いますが、そのように理解してよろしゅうございますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 ございません。

武部文日本社会党

○武部委員 私は日協連等からいろいろ聞いておるのでありますが、通産省に一つお伺いをいたしたいのであります。  中小企業の問題でこの生協との間にはいろいろ問題点があるという厚生省の答弁でありますが、これは通産省だと思うのです、中小企業庁もあるわけですから。こういう点について厚生省からいろいろ御相談があったと思うし、また日協連あたりから何かの方法で日協連のいろいろな意見もあなた方のほうに反映をしておるように思いますが、私の聞いておることが間違いならば間違いで訂正していただいてけっこうですが、この生協法の討議の過程で、生協の地域を拡張する場合には通産大臣と協議をしなければならぬというふうに通産省は主張されたやに聞きますが、事実でありますか。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の点でございますが、厚生省から先般生協法の改正の案について相談がありましたときに、どの程度の範囲の拡張を認めるのか、区域制限といってもどの程度の範囲の区域制限の緩和を認めるのかということについていろいろだだしまして、今日の段階では、私どもといたしましては、はたして府県の制限を完全に撤廃するということが妥当なのかどうか、その場合に、百三十万ある中小小売り業者の健全な発展ということもまた別途に考えねばならないものでございますから、もし許可する場合には厚生省から通産省に相談するということによって、一件一件その内容についての御相談を受けるようにしてはどうであろうかという提案をしたこともございます。

武部文日本社会党

○武部委員 この地域問題について、通産大臣に厚生省からそういう協議をしたらどうかというようなことをお話しになったという答弁でありますが、他の協同組合法では、いずれもこの区域については主務大臣の権限に全部まかせられておるはずです。にもかかわらず生協だけがなぜ通産大臣と協議をしなければならぬのか、それはどういう理由かをお聞きしたい。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 現行の消費生活協同組合法の十二条に、員外利用については許可してはならないという員外利用禁止の規定がございます。ただし行政庁が認可した場合はよろしい。その場合には「中小小売商の事業活動に影響を及ぼし、その利益を著しく害するおそれがあると認めるときは、許可をしてはならない。」という規定がございます。したがいまして、あくまで消費生活協同組合法は組合員の文化的経済的改善向上をはかるというところが主たる目的でございますので、小売り商業との調整という意味におきまして十二条の精神があるわけでございます。したがいまして、改正の原案についての御相談を受けたときは、その範囲について明確でないわけでございますので、十二条の趣旨からして通産大臣との協議という規定を設けてはどうかという提案もしたわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いまあなたがおっしゃったのは、生協法十二条第四項に規定してあるわけですね。員外利用の問題等にからんで「中小小売商の事業活動に影響を及ぼし、」こういう点に関係をして通産省はそういうことをお考えになったという答弁であります。このことは、たとえば区域を拡張する場合には通産大臣と協議をし、その同意がなければできぬというようなことを、何か法律的にも両省においてやらなければ、この問題について通産省としては同意を与えることができぬ、こういうような強い意向ですか。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 厚生省との話し合いはまだ二度程度しか行なわれておりませんので、その辺までのことにつきましては確たることは何らきまっておりません。話も詰まっておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 このことに関連をして、流通正常化推進中央協議会というところから「消費生活協同組合法改正に伴なう要望書」という文書が出ております。これは各方面に出ておりますから通産省もよく御承知だと思いますが、この中にいま私が申し上げたことと同じことが書いてあるのです。この流通正常化推進中央協議会というのは、全国農協対策推進協議会、これは大体二十五団体くらいであるようですが、その代表者とこの流通正常化推進中央協議会の代表者は同じ人間であります。全国農協対策推進協議会の規約の目的を見ますと、「本協議会は農業協同組合の中小企業分野への不当な進出を阻止し、自由経済社会の健全な担い手としての農業と中小企業の健全な振興発展を図ることを目的とする。」こういうふうにあります。片や、申し上げたこの流通正常化推進中央協議会の内容も大体同じものであると推定ができます。この流通正常化推進中央協議会なるものが各方面に出した文書の中に、「厚生大臣が都道府県の区域をこえる組合の設立の認可または定款の変更の認可を行なうにあたっては、通商産業大臣と協議のうえで、これを行なうこととすること。」こういう項目が一項目ある。これはたまたまいまあなたがおっしゃったことと同一になるのです。これからいろいろ推測をすると、中小企業の団体、特に日本商工会議所、全国商工会連合会、こういうような主たる団体は、今回のこの生活協同組合法改正について非常に強い反対を持っておることがこの文書の中で明らかにうかがえるわけであります。  そこで通産省にお伺いをいたしたいのですが、通産大臣は産業合理化審議会の中の流通部会から流通近代化について答申を受けておるはずであります。その答申によると、ボランタリーチェーンなりレギュラーチェーン化を、県を越えてやるべきだというふうに推奨しておると私どもは理解をしておるが、どうですか。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 通産省の流通近代化対策といたしまして、ボランタリーチェーンの推進ということをはかっているわけでございまして、それの活動の推進のためには必ずしも県の範囲にこだわらないことがよろしいかと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 いま流通段階というものは近代化されつつあるのです。そうしてこの答申によっても明らかなように、ボランタリーチェーンなりそういうものが県境を越えて自由に流通ができる、こういう点について答申が通産大臣にされておる。また一面ダイエーとか西友というビッグストアは、同一企業体であってもどんどん県境を越えて進んでおりますね。また一般小売り商業でも、別に同一企業で県境を越えてはならぬというものもない。そういうものもやっておる。しかるに、なぜ通産省としては生協についてそうした点を固執されるのか、この点をひとつ端的にお伺いしたい。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 消費生活協同組合は、その立法の趣旨が、一定の地域または職域における人と人との結合である組合員の生活の文化的経済的改善向上が目的であるということになっておりまして、企業とはおのずと異なるものであると考えます。さらに、現在の生協の活動を見ますと、私どもの聞いておるところでは、兵庫県の灘生協はすでに年間売り上げ二百四十億円というふうに聞いておりますが、もしそうとするならば、すでにビッグストアともいうべきような規模になっておるわけでございまして、府県内の活動ですら十分これだけの大きなものになり得る。現在府県の制限があるから大きくなれない、活動が活発になれないというものではないのではなかろうか。この点やや疑問に思っているわけでございます。府県の県境を越えて大量に購入し、大量に販売するという流通近代化の法則に従うというのであれば、現行法でも連合会形式というものが活用できるのではなかろうか。連合会の形式をとれば、府県単位の消費生活協同組合の独立性を保ちつつ、しかも大量仕入れ、大量販売というような活躍ができるのではなかろうか、かように考えておりまして、この点についての十分なる研究をした上でないと、先生の御質問に対してはお答えできないというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 確かにこの生協法の成立の趣旨は、あなたがおっしゃるように人と人の結合であって、企業と異なるという点はわかります。それは生協法の中にそういうふうになっておるのですから。しかし、現実にこれができてから二十年という歳月がたった。そしていまの日本の経済圏の中からいっても、あるいは交通の点からいっても人口の点からいっても、すでにこういうものではだめだ。消費者を保護するためにはどうあるべきかということで、私どもは消費者保護基本法を制定する際に、現在の消費生活協同組合のあり方ではだめだという点の論議をしながら、附帯決議で、消費者保護の立場から消費生活協同組合をこれから先はどんどん強化していかなければならぬのだという立場をとっておるのです。もう二十年もたっておるのです。そういう段階で、あなたがいま灘のことをおっしゃったけれども、なるほど灘というのは特殊な例です。さっき私はダイエーなり西友なりというものを例にあげましたが、あまりにもいまの日本の生協というものについての考え方が不足をしておるのじゃないか、こういうふうに思うのです。  というのは、一つの例を申し上げますが、通産省の統計によると、全国の小売り総額というものは四十一年に十兆五千億です。年間伸び率二・八%。こう見ると、昭和四十三年の小売り総額の推定は全国で十三兆一千億という数字が出てくる。その中で一体生協はどのくらいの売り上げをしておるか。四十二年の生協の売り上げはわずかに千二百八十億です。全国小売り総額のわずかに一・一%なんですよ。伸び率もたいしたことはない。こういう数字が出ておるのであります。  日本リテイリングセンターの発表した数字を申し上げますと、百貨店、スーパーマーケット、そういうものの売り上げの総額ですが、四十三年に五十億円以上の売り上げをした会社は八十八社。これは百貨店やスーパーマーケットですよ。その店は千三百十店で、実に一兆七千六百億円の売り上げをしておる。あなたがおっしゃるように、全国に小売り商は百三十七万軒あるけれども、現実に一兆七千六百億円というものはわずかに八十八社の百貨店やスーパーマーケットで売り上げをされておるのですよ。同じように、日本リテイリングセンター発表のこの伸びからいって一体どういう数字が出てくるだろうか、これを調べてみますと、四十四年の計画で五十億以上の売り上げをする会社は百十一社、この売り上げ高は二兆三千二百億ということが推定できるのです。実に三六%の伸び率になるのですよ。  あのダイエーがあれだけ進出をしておりますが、ダイエーの売り上げ高はどうですか、四十三年の計画は五百八十億ですよ。三十四の店が今度四十四年には四十一の店に膨張をして、四十四年の売り上げは七百四十億を予定しておるのですよ、ダイエー一社で。西のダイエーがそうでしょう。東の西友は四十三年が三百億の売り上げ、四十四年には五百五十億を予定しておる。これ一事をもってしても、ダイエーなり西友というものがどれだけの売り上げを占めておるか。  むしろ通産省はこうしたものの点にこそ配意すべきであって、全国小売り総額のわずかに一・一%にも足らぬような売り上げをしておる生協を、地域の制限がどうだこうだというようなことを言うのは私はちょっとおかしいのではないか、こう思うのですよ。それでダイエーとかそういうものについては全然地域の制限もなければ何もない。もちろん制限する法律も何もない。生協だけを、二十年前のこの法律をたてにとって、そして中小企業対策の面からどうだこうだということは、私は消費者保護基本法の成立したたてまえからいってもおかしいのではないか、こう思うのです。むしろ、消費者が自分たちで生協をつくって、そして合併をしたりあるいは店舗を新設したりすることは私は当然自由だと思うのです。これは私は消費者の団結権だと思う。そういうことで生協を制限しておいて、ビッグストアとか大きなスーパーマーケット、百貨店については、中小企業対策の面からあなた方としてはほとんど対策をおやりにならぬ。この点を私はたいへん疑問に思うのですが、いま私の申し上げた数字等の推移からいってどのようにお考えでしょうか。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 たびたびおことばをお返しするようなことで申しわけないのでございますが、先ほども申し上げましたように、すでに灘の生協が現行制度の府県の制限の中であって、しかも二百四十億円という売り上げをあげている、こういう事実があるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、府県の制限があるがゆえに生協が圧迫されたり、発展ができないというものではないのではなかろうかという感じがするわけでございます。何べんも申し上げますように、生協自体の活動の活発化ということにつきましては、何も通産省が反対しておるというわけではないのでございまして、ただ大半の生協が十分に伸び切れないでおるという事情には、歴史的な背景とか国民性とかいうようないろいろの事情があろうかと思います。あるいは先ほど今村政府委員からおっしゃられたような区域の制限以外の事情もあろうかと思うわけでございます。今日の段階では、区域を府県だけに制限しておるということのみによっては、生協の活動が阻害されているということは言えないのではなかろうかという考え方でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたは特に灘を例にあげられるわけですが、灘は御承知のように非常に長い歴史的な経過があるわけです。全国に生協が千二百ありますが、出資金百万円未満の生協は実に四百六十あるのですよ。非常に小さな生協なんです。その生協も消費者が自発的に自分たちで出資金を出してつくって、そうして細々とやっておる。こういうことはあなたはもう十分御承知だと思う。ただ灘のことをあげられて、灘は一県で確かにあれだけに成長している、この例をすべての生協に当てはめてお考えになることに私は問題があると思う。  先ほどから何べんも申し上げるように、もう府県の県境とかそういうものは、経済圏から人口から交通からいって、ここで線を引くというようなことは現実にできない段階になっているのですよ。これはもうあなたもお認めになっていると思う。そういう段階で、厚生省自身も、この消費者保護基本法の精神からいって、消費者を保護するたてまえからいって、地域制限を撤廃をすることが基本的には正しいのではないか、こういう厚生省のお考えが何回か当委員会で答弁されたわけです。われわれも同感だというので、ぜひひとつそれをやってもらいたい、こういう点を強く要請をしてきたわけです。今回必ず、おそらくやこの法律案は出てくるだろうという期待をこの一年間のうちに持っておった。ところが今日、今度の国会にはこれが提案されない。理由をいろいろ聞いてみたり、生協連からもいろいろな情報を入れてみると、どうも通産省のほうで、先ほど通産大臣のことを申し上げましたけれども、地域拡張についていろいろ難点がある。なぜ生協が成長しない、灘を見たらわかるじゃないか、こういうことでは私は答弁にならないと思うのです。いまの生協の実態というものを現実に把握しておられないと思うのです。事実はそういうものではない。ですから、かりに県境を越えて、そこの経済圏で店舗を設けたいとか、あるいは組合を合併したいとかいうことがあれば、当然政府としてはそれに手をかして同意すべきではないか、私はこう思うのです。  重ねてお伺いいたしますが、それでは通産省としては、この地域制限の問題について基本的にはどういうお考えですか。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 先ほどからたびたび申し上げておりますように、生協の活動拡大という目的のためには、必ずしも府県制度が束縛にはなってないという基本的な考え方でございます。単個の生協がもし拡充したいということであるならば、県内において合併するということも可能でございましょうし、また今日、現行法の連合会形式によりまして、先ほどから何べんも申し上げましたように、大量仕入れ、大量販売というような方向も可能かと思います。ただ、先ほど若干御指摘がございましたように、もし県境に生協の施設があって、その隣接の都道府県の住民がこれを利用するのに不便であるという場合には、例外的に県境を越えて区域を拡大するということについては、住民の便益増進のために反対するものではないということを申し上げたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 それは非常に抽象的なんですが、たとえばここが県境だったとする、ここに生協の店があったとする、ものの百メートルも離れておらぬところに店があったとすると、こちらの県の者がこの店に買いに行くことは認める、こういうことなんですか。ここに県境がかりにあったとして、そこに線が引っぱってあるわけではない、へいがあるわけではないのですから、交通だって自由だし、人口流通だって自由にやっておるのだ。そのとき、ここに支店をつくるとかあるいはここの生協とここの生協が合併するとか、こういうことを私どもは厚生省に要望しておるのですけれども、それについてあなたのほうでは異論がない、こういうことなんですか。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 こまかい内部の問題について若干の食い違いがあるいはあるかもしれませんが、大筋においては異論がないということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いまの点は大事なことですからちょっと確かめておきます。そうすると、かりに県境を接し、たとえば東京都の中でも東京都と埼玉県の県境の近くに東京のある生協があって、埼玉県のすぐ続いたところに支店を設けるとか、あるいは埼玉県の生協とこの生協とが合併をして一つの生協をつくるというようなことについての基本的な問題については、そう大きな差はないというふうに理解できるわけですね、いまの御答弁で。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 最初から何べんか申し上げましたように、現在、現行法のたてまえの現制度というものは維持しながら、これを原則としていく。ただし例外的に、県境にたまたま施設があって、しかも付近の住民が隣接の他府県にも及んでおる、その消費生活がほとんど一体をなしておるという場合については、区域制限を撤廃していいのではないか、かように考えておるわけであります。ただ、こういうたまたま珍しいようなケースをそのまま利用して、それならばすべて隣接であれば合併するとかいうようなことになりますと、これは現在の基本的なたてまえ、現制度で制限しておるというたてまえから少し逸脱するのではなかろうか、かように考えます。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、いま言ったことを実行していただければ消費者保護基本法の附帯決議の精神が生かされるとは思わないのですよ、都道府県の区域を撤廃すべきだという基本的な意見を持っておりますから。ただ、あなたのほうの意見がわからないから、一応通産省はどういうお考えなのかということを知りたい、そのためにいまのような質問をしたわけです。私どもの考え方は、和田さんも言っておったとおり、われわれもそのとおり、府県の地域制限は撤廃すべきである。灘というのは特殊な例であるから、さっき申し上げるように事実はそういうものではないのです。ですから、この際、消費者保護基本法のたてまえからいって、区域制限の撤廃を私どもは求めておるのであります。あなたのほうはこれに反対だとおっしゃるから、反対ならばどういう反対なのかということを知りたかったのでこういう質問をしたわけです。特殊な例ならば、そういう特殊な地域に限っては必ずしも反対ではないというような御答弁ですが、それでは実は私どもは満足できないのであります。満足しませんが、あなたのほうの御意見は御意見ですから、それを知りたかった、こういうことであります。  先ほどから何回も言いますように、あなた方は中小企業ということをたてまえにとっておられるからこういう意見が出るのだと思う。生協がどんどんできるということは、中小企業にも一半の責任があると私は思うのです。むしろ中小企業が、このような時代の流れにおいて、それならば協業化とかそういうものによって、中小企業がただ単にマージンを得るということだけのそういう商売ではなしに——小売り商もそうですよ、そういうことではなしに、もっと通産省としては、生協のそういうような意見もあり、ビッグストアの進出もある、こういうことならば、何も目にかどを立てて生協だけにそういうような制限をするということではなしに、私どもが言うような法の精神にのっとって、ぜひひとつこの問題については厚生省と御協議願わなければならない、このように思うのです。  時間的に余裕がなかったというようなお話でありましたが、その点はむしろ厚生省が怠慢だと私は思う。一年近くの日にちがあるにかかわらず、今日まで通産省と二回ばかりの話し合いをしたという程度のことですが、それは全く怠慢だと私は思う。こういうことは当委員会で何回もやりとりしたことであって、当然法改正を伴うことであり、同時に通産省はこれについていろいろな意見を持っていることは厚生省自身もよく御承知のはずなんです。このことを何かどろなわ式のように、ごく最近になってからやってみたところがどうもうまくいかぬ、うまくいかぬから今回は間に合わない、こういうことでは一年前につくった基本法というのはどういうことなんです。われわれはそれを指摘したいわけです。  ですから、ここでいろいろ、今日出ないものをけしからぬ、けしからぬと言っておってもこれはしかたないのですから、そういう面で、きょう私がずっと申し上げましたように、農協や労金に区域制限がない点、あるいはビッグストアの進出、今後の総売り上げの傾向、あるいは店舗の拡大、そういうところから見て、当然生協法についても改正が必要ではないか。そのためにはぜひひとつ厚生省と通産省が、これで打ち切ることなしに、十分協議をされたい。  通産省のほうにもこういう、さっき申し上げるような流通正常化推進中央協議会、こういうものがどんどんいろいろなことを言ってきておると思います。内容を見ると、関西地区の某生協がどうだ、関東地区の某生活協同組合の不当な大規模の直売方式がどうだこうだ、いろいろな文章がありますよ。こういうものから推定すると、この中小企業の二十五団体の人たちがどういう意見を持っているかということは、私どもは大体推測できます。推測できますが、事消費者の問題ですから、私たちは消費者の立場から、この消費者保護基本法に基づいて政府に対して改正を求めているわけであります。これは四党共同一致、共同で完全に一致をしてそういう要求をしているわけであります。あなた方がどうしてもそういう点についてはおやりにならぬ、こういうことならば、議員立法でつくった消費者保護基本法なんですから、議員立法でもって法の改正をやらざるを得ぬ、ここまで私どもは決意をせざるを得ないのです。そういう点について厚生省と通産省から最後に、今後の取り扱いについての見解を述べていただきたい。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 この折衝は、去年の、ちょうど一年前でありますが、それ以来ということで、通産省との実際の折衝が始まりましたのは、予算が済んで一月の末からであります。これは課長段階とか局長段階でいろいろやっておりますが、いまおしかりのように非常に不十分であったということはおわび申し上げたいと思います。  そういうふうな、いま表面に出ましたような府県のたてまえは、府県の制度というふうな問題を中心としていろいろ問題はあると思いますけれども、あるいは私どものほうで、隣接府県といっても一体どこまで進むのか、どの辺で切るのか、その辺の技術的な切り方をはっきりすれば、あるいは関係省庁でもそれならば安心だろうというふうな線が出るかもしれません。ただ、私どもも明確に県境を経ること何百メートルとか一キロとかいうふうに切るわけにもまいりませんので、その辺が非常に両方とも詰めが足らなかったということでございます。これは今国会につきましてははなはだ申しわけございませんが、今後とも通産省のほうなり、建設省、住宅生協の問題もありますので、そっちのほうともあわせて、事務的に間違いのないように詰めてまいるように努力いたしたい、こういうふうに考えます。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 中小企業庁の考え方は先ほど申し上げたとおりでございまして、その線に沿ったような提案であるならば協力の用意ありというたてまえでございます。今後厚生省のほうからいろいろ御相談があると思いますから、その節は十分協力して検討してまいりたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは最後になります。  厚生省としてはいろいろ意見もあって、通産省の意見も聞きたいでしょうが、少なくとも主務官庁はあなたのほうなのですから、あなたのほうがき然たる態度をもっておやりにならぬと、側のほうのことにあまり耳を傾けて右顧左べんをしてやってもらったのでは困るんですよ。少なくとも厚生省がきちんとした態度をもって、これこれやらなければ消費者のあれは守られぬ、そういう立場でひとつ通産省とも折衝していただきたい。  で、先ほどあなたがお答えになった中の融資問題ですね。融資問題については別に法律の改正とか、どうとかこうとかしなくてもやれるのではないかというような御答弁もあった。これについてはどうですか。

今村譲厚生省社会局長

○今村(譲)政府委員 これは去年申し上げましたように、年金福祉事業団のほうで現在、医療機関あるいは休養施設、体育、それから教養文化、給食、住宅、それから老人とか母子の施設というふうなものについての施設整備だけでありますけれども、融資をいたしております。これに何とかして生活協同組合の店舗は含められないかというふうな折衝を厚生省内部でいろいろ検討もし、折衝したわけであります。現在生活協同組合につきましては、四十二年度でありますが、住宅関係は生活協同組合に対して十七億四千九百万、それから療養施設、小さい診療所なんかありますが、それが約九千二百六十万、それから厚生福祉施設といって、集会場とか生活改善合理化講習会なんというのをやりますが、そういうものに一億七千三百六十万、合計二十億一千五百六十万というふうな融資をいたしております。これを先生おっしゃいますように何か運用面で、いわゆる店舗のほうに出してもらいたい——もちろん運転資金は出せないたてまえになっておりますが、という話をいろいろいたしましたが、実はこういう仕組みになっておるわけです。  年金福祉事業団法の中で、被保険者の組織するいろいろな団体、農業協同組合その他の法人で政令で指定するものがまず借り受けの資格あり。施設はあとで申し上げます。それから政令によりますと、農協、生協、中小企業協同組合、それから水産業協同組合、ずらっと並んでおりまして、そのほかに厚生大臣の指定するものというのは商工会議所とか商店街振興組合とか、ずらっと並んでいるわけであります。そういうふうな一連の法律と政令と告示によります団体の対象が非常に多面的である。それから対象施設が、先ほど申し上げましたように、病院とか診療所とかいうもの、休養、体育、教養文化、給食、住宅、それから老人とか母子とか児童福祉施設とかいうふうなものというふうに、これも政令で列記してあるわけであります。  したがって、どうしてもこの中に載せなければぐあいが悪いということになりますと、率直に申しますとこれは年金の融資問題でありますので、社会保険審議会の年金部会でいろいろ御議論がございます、これを広げろ、あれを広げろと。それからもう一つは、農村なんかが中心であります国民年金の年金審議会というのがございます。そこでも、たとえば農村に対してはどういう還元をすべきであるかというふうな議論があって、農協にも回せとかいろいろ議論が出てくるわけです。そういうふうな意味におきまして一つだけ問題になりますのは、普通の文化施設とか教養施設とかいうふうなものならば一向かまいませんけれども、いわゆる店舗というかっこうで出てまいりますと、これが農協なり中小企業なりひっくるめたもののかっこうになるわけであります。その辺がどうしても踏み切れない。へたをしますとそれが中小企業者の生産施設、設備手段に対する融資まで伸びるのじゃないか。その辺、審議会の関係がございましてまだ結論に至っておらないという状況でございますので、これはいましばらくわれわれ内部でいろいろ方法を考えてみたいということであります。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員長代理 和田耕作君。

和田耕作民主社会党

○和田委員 いまの武部委員の御質問の生協の問題についての関連の質問で、通産省にお伺いしておきたいと思います。   〔阿部(助)委員長代理退席、委員長着席〕  いろいろといままでのいきさつをお聞きしたのですけれども、通産省として生協をできるだけ伸ばしたい、育てたいというふうにお考えになっておられるのか、あるいはこれを押えたいとお考えになっておられるのか、その点をひとつ……。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 生協の発展につきましては、現行法の趣旨にもございますし、またこの間の衆議院の附帯決議にもあるわけでございまして、生協自体の活動が活発になるということについては、何ら反対するものではございません。

和田耕作民主社会党

○和田委員 たとえば灘生協が、地域の問題とかそういうことをやらなくてもああいうふうに大きくなるじゃないかということばは、それであれば私は出ないのじゃないかと思うのだ。現に灘生協自体が、地域の制限は非常に困るということを強く言っているわけでしょう。また、生協というものが日本の配給機構あるいは国民生活の向上の中で重要な意味を持っているという判断を持っておられれば、もっと違ったアプローチのしかたがあるのじゃないかという感じがしてならないのです。何かしら生協というものはやっかい者のような、あまり大きくしちや困るという感じを持って行政指導に当たっておられるのじゃないかという感じがしてならないためにこういう質問をしたのですけれども、重ねてひとつお答えいただきたいと思います。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 生協の活動の拡大については、現行法の範囲内でも十分いけるのじゃなかろうか。現行法を改正するとなれば、それはそれだけの非常な意味があるわけでございます。いかなる趣旨でやるのかという意味があるわけでございまして、生協法の一条ないし二条の原則というものにのっとりつつ、しかも生協を拡大していきたいというたてまえでなければならない。もう一点は、現在の生協の大半が活発でないということの原因は、必ずしも府県の制限が一番の障害になっているというふうには判断できないという点を申し上げているわけでございます。

和田耕作民主社会党

○和田委員 つまり、現行法自体が生協の発展というものをチェックする、そういう意味があるわけですね。いわゆる地域条項にしても、員外利用の問題にしても、資金条項にしても。それはあなたのおっしゃるように、地域条項があるから決定的に生協が伸びないというものじゃないでしょう。一つの原因なんでしょう。ほかにたくさんの原因があるけれども、この日本の物価状況あるいは商品の配給状況から見て、生協、つまり国民の自発的な配給機構への寄与をやろうとする運動の意味を認めるならば、現行法についてわれわれはこれを改正したいと願っている。また消費者基本法を承認した各党の人たちも、生協を中心としたものに対して政府はもっと便宜をはかれという決議をしておる。  そういうことですから、現行法がこうだからこれを守るというのではなくて、われわれが、あるいは消費者保護基本法をつくった各党の人たちが、生協をもっと活動しやすいようにしろ、このたてまえに沿ってお考えいただければ、先ほどからお話を聞いているのとは違った態度が出るのじゃないかという気がしてならないのですけれども、その点について、たとえば小売り商の問題が確かにある。私ども小売り商の問題は非常に重要な問題だと考えております。小売り商の人たちは、現に私どもは選挙区でいつも接触しているし、大事なものだと考えている。その利益を無視して生協をどんどん発展させろというようなことを言っているわけじゃない。もしあなた方が小売り商の問題をほんとうに考えているとすれば、先ほど武部委員も言ったように、スーパーとかああいうふうな問題に対して、もっと違った観点を持つべきじゃないでしょうか。数字のスケールからいってもスーパーマーケットの小売りに対する圧力が非常に大きい。むしろこれは野放しにして、そして生協というものの発展に対して、小売り商を守るという立場でこれを必要以上にチェックしようとしている、こういうところに問題があるわけじゃないでしょうか。  先ほどあなたは、生協は企業でない、片一方は企業だというお説があったが、生協だってりっぱな企業でしょう。営利事業ではないとしても企業であることに間違いはない。また生協が現在伸びない一番大きな原因の一つは経営の主体にまずさがあるということ、企業としてのりっぱな経営の主体ができない、こういうことでしょう。これは営利事業じゃないけれども、りっぱな企業だ。この企業が、もっともっと広域化していく経済状況の中で、県を越えて活動をやる必要があるとなれば、なぜそういうような問題を好意的にお考えなさることができないのか。一方、スーパーに対しては、あるいはその他の大企業の大配給組織に対しては野放しにしておる。しかもこの圧力が小売り商に対しては最も決定的に強い。たいして強くない生協に対してどうしてそういう制限をとるのかわからない。その二つの関連について通産省の御見解を承りたい。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 先ほども何べんか申し上げましたように、現行制度の中でも、単個の組合が府県単位に合併というようなことでの規模の拡大ももちろん認められているわけでございますし、また連合会という制度もございます。したがって、今日の流通機構の変化、大量仕入れ、大量販売という形に沿うならば、現行法の中でも連合会という制度を使っても十分できるのではなかろうか。この点については府県の制度がどうしても障害になっているのかどうかということについては、非常に疑問を持っているわけでございます。  なお、今日スーパーとかあるいはビッグストアとかいうものの伸展に伴いまして、小売り商業者の立場が確かに悪くなっているわけでございます。しかしこれについては、単にスーパーを押えるとかいうような形で小売り商業者の利益を維持擁護するという方策ではなくて、小売り商業者をボランタリーチェーン——小売り商業者の独自性を保ちながら、しかもチェーン組織によって、大量仕入れ、大量販売ということによって対抗させるようにしよう、そういう形で、協業化によって強くさせるという考えで指導しております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 スーパー、ビッグストアの圧力に対してはこれを制限しないで、いい刺激として、小売り商はその立ち直りの方途を協業その他のほうに持っていく。同じような考え方を生協にどうして持てないのですか。しかも生協は、各党とも超党派で、生協の発展が必要だという決議をしておる。法律もできておる。スーパーの発展に対しては、流通合理化のいい刺激剤として、これをチェックしないで認めるのに、各党が超党派で認めている、基本になければならないこの精神に沿って生協というものをどうして扱えないのか。どういうふうにお考えになりますか。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 先ほどから申し上げておりますように、現在のたてまえの中で、現行法のもとで生協の活動が活発化するということについては、何ら反対はいたしていないわけであります。

和田耕作民主社会党

○和田委員 だから、いまの員外の利用にしても、たとえば生協をやっている人がよく言うのだけれども、私の店で一ぺん買ってください、組合員だけの店でなくて、組合員をふやすためにも私のところで売っている品物を一ぺん買ってくださいというので、組合員でない人に買ってもらう。買ってもらって、これはいいなということを経験して初めて組合員になっていく。こういう過程で生協は発展していくのですね。だから、この員外利用のきびしい制限を緩和しようというのが改正の一つの目標です。つまり、生協というものがもっと発展していくことが望ましいということであれは、いまの員外利用にしてもそういうふうな考え方が出てくるわけです。  地域条項にしても、先ほど武部君が言っているように、いままで県境というものがあったけれども、現在の大都市中心の県境は、事実上境はありません。こういう地域条項があるから、生協というものが発展しようとしても発展できない。何とかしてこの地域条項を撤廃ないし緩和しようというのが生協を伸ばすための要求でしょう。  そういうふうな、生協を伸ばすという気持ちがおありになれば、そういうふうなものに対してなぜこまかく制限をするのかということですね。それはつまり生協というものの発展を望まないという気持ちであればわかるのですけれども、生協の発展を望むということを再三おっしゃられておるあなた方が、どうしてそういう問題に対して制限をするのか。私どもは、そういう態度はむしろ小売り商のためにならないと思うのです。あなた方先ほど言ったように、大企業の大スーパーに対しては正しい受け取り方をしておる。なぜこれを生協に対して同じような性質の受け取り方をできないのかということなんです。現行法によってできるといっても、いまの員外利用、地域制限、二つの問題からいってもむずかしいから、そういう法改正の要求を出しているわけなんです。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 これは私のほうは生協法自体の担当の省ではないわけですが、やはり生協というのは、職域とか地域による人と人との結合ということで始まる自発的な組織の活動だろうと思うわけでございます。したがいまして、そういう人たちの組織としての組合が員外にまでやらなければならないということであるならば、これは一体協同組合なのかあるいは企業なのかという問題になるのではなかろうかと思います。企業であるならば、それぞれの競争が一定のルールのもとで行なわれていいわけでございますが、もともと別の目的でつくられた組織体でございますので、これと商業者とを同一レベルで競争させるということを御指摘いただいておるわけですけれども、これはやはり法律の目的が違うのだ、組織の目的が違うのだということで別に考えなければならないのじゃなかろうかと思います。

和田耕作民主社会党

○和田委員 先進国でほとんど例外なしに消費生活の基本組織の一つになっておる生活協同組合についての御理解が、どうも私どもの理解とかみ合わないようですけれども、つまり、最初に私が、あなた方は生協というものを押えたいと思うのか、伸ばしたいと思うのかと御質問したのはそれなんです。伸ばしたいと思いながら押えている。結局伸ばしたいというのは言うなりのことではないか。  先ほど言ったように、消費者保護基本法というのは、生協を伸ばしたい、また伸ばすのが適当だという法律なんです。総理大臣も何回も言っているように、生産者中心であり過ぎた、もっと消費生活、国民生活を重視しなければならないというのがこの法律の精神だし、大事なことだ。   〔委員長退席、阿部(助)委員長代理着席〕 そういう方向づけを何回も何回も、総理大臣も、企画庁長官も、各省大臣もそれを認めておられる。そういう立場からの消費者保護基本法です。なぜそういう問題をもっと前向きに考えることができないのか。  もう一歩進みまして、現在の状態で小売り商——あなた方は小売り商の利益を守らなければならない、これは全く私ども同意見です。私どもは、中小企業、小売り商の問題については深い関心を持っております。現在の小売り商として一番大きな問題は、お客さんをできるだけたくさん固定化するということでしょう。そういうことですね。そして生活協同組合の一番重要な問題は、協同組合の事業の主体を安定させていく、もっと信用のできるものにしていく、もっとサービスのできる、安心できる企業に近寄せていこうというのが、協同組合の打開しなければならない事態なんです。小売り商はもっとたくさんのお客さんを固定していきたいというのが主体です。この二つはまるきり対立したものではなくて、もっと前進した状態から見れば、調整できる問題じゃないかと私は思う。調整させなければならぬ問題じゃないかと思うのですよ。消費者みずからの自主的な一つの消費生活を改善するための組織と、小売り商という歴史的な大きな流れに洗われておる、どこか変わっていかなければならない小売り商という問題での問題点を見れば、ちょうどかみ合ってくる。つまり、小売り商のボランタリーチェーンあるいは協業化したものと、消費生活協同組合という消費者の組織とを、どこかに連なりをもって考えるという段階も、私はそう遠くはないと思うのです。そういうふうな目で見れば、生活協同組合を目のかたきにするような現在の保護のしかたというのは、むしろ、小売り商の保護のようなかっこうに見えて小売り商の発展、近代化を阻害しておる、こういうふうに私は思えてならないのです。  この問題は非常にむずかしい。単に二百や二言の議論で解決する問題じゃございません。けれども、ひとつ端的に見て、小売り商の問題が、自分たちのお得意さまを確かなものにし拡大していくというところが問題である。また消費生活協同組合の問題が、もっとしっかりした事業主体というものが必要である、こういうふうに考えてみると、りっぱな近代化されていく小売り商と消費者の組織化された協同組合とは、何かの連なりが、現在は考えられなくても、あした、あさっては考えられるのです。そういうふうな問題の取り上げ方ができないかということなんですね、中小企業の行政指導の問題としても。  そういうふうに、将来こういう状態がある、これが一番正しい、現在よりもよくなるという目標をもっとお考えになってみれば、生活協同組合という問題をもっと前向きに考えることができるのじゃないか。こういう場合に、生活協同組合という形を現在の姿に考えなくてもいいじゃないか。生活協同組合の組合員が、ある小売り商の幾つか集まったものと結びつくということだって考えられるんじゃないですか。そういうふうに前向きに考えて、初めて近代的な行政指導というものができるわけじゃないですか。現在矛盾だらけでしょう。大スーパーに対してはとにかくいい刺激として、これに負けないようにやれ。大スーパーを事実上野放しにした結果になっている。小売り商が一ぱいある中に、大スーパーは突如としてできているのがどこにでもあるじゃないですか。東京にも大阪にも兵庫県にも、幾つかそれを見たのですけれども、小売り商の大海の中に大きなスーパーがにょきにょきとできてきている。これをあなた方は放置しているでしょう。なぜそういうことを放置しておって、先ほどから申している生協の問題をとやかく制限をつけてあれするのかということがわからない。そういうことなんですね。もう一度いまの生協の問題についての通産省の考え方をお伺いしたい。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 先生の、生協の組織と小売り商との結びつきということで、たいへんむずかしい問題をいまいただいたわけでございます。ちょっとこういう点についてはいままで発想がなかったものですから、よく先生のお説を熟読して研究してみたいと思っております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 これで終わりますけれども、むずかしい小売り商の問題、いわば袋小路に入っているような状態、御苦労よくわかりますよ。私どもだって毎日毎日苦労している。何とかしてこの小売り商の問題を将来もっと好ましい姿に変えていく、そういうところから生協の問題もあわせて関連させて考えるところに、正しい一つの行政指導の方向が出るのじゃないか。このことを特に重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午後零時十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗