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61回国会衆議院1969/07/24

農林水産委員会 第51号

発言数
75
登壇者
10
会派数
2
開催日
1969/07/24

会議録

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 これより会議を開きます。  農林物資規格法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案について参考人より意見を聴取することといたします。  御出席の参考人は、主婦連合会副会長高田ユリ君、財団法人日本消費者協会理事長野田信天君、消費科学連合会会長三巻秋子君、以上三名の方々でございます。  参考人各位には、御多忙中にもかかわらず本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。  ただいま本委員会におきましては、農林物資規格法の一部を改正する法律案について審査いたしておりますが、本案につきまして、参考人の方々の忌揮のない御意見をお聞かせをいただきたいと存じます。  なお、はなはだかってではありますが、参考人各位からの御意見は、お一人おおむね二十分程度にお願いすることとし、その後委員からの質疑があれば、これにお答えいただくことにいたしたいと存じます。御意見の開陳は高田参考人、野田参考人、三巻参考人の順序でお願いいたします。  まず、高田参考人にお願いいたします。高田参考人。

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 主婦連合会としましては、すでにことし、昭和四十四年三月末に会長奥むめおの名前で、議員の先生方に書類をもって要望いたしておりますので、十分御承知いただいていることと存じますけれども、このたびの農林物資規格法の一部改正案の中に、表示の規制の項を挿入することについては次の理由で反対いたします。  まず第一に、この法案の内容は、消費者の利益を保護することに期待できないこと。第二が、農林省案の表示の規制については、各省の統一的な見地から検討されてからつくられたものではないために、消費者保護の見地から見ますと、これから表示制度を消費者保護の見地からつくる場合に、混乱を来たすおそれがあると同時に、障害になるという心配もございます。第三番目に、自由化の問題を含めて、国際的にも表示を統一的な見地から検討される時期に来ておりますので、その改正は早過ぎるということです。第四番目に、改正案に盛られている表示の規制などについては、現行法でも、農林省がその気になれば行なえることがたいへん多いということです。第五番目に、農林省のいままでの姿勢を見ますと、この法律ができまして、表示の規制をきめてみましても効果が疑わしいという、おもにこの五つの点から、私はこの表示を規制する項を農林物資規格法の一部改正案の中に盛り込むことに反対いたします。  第一の、この法案の内容について、消費者の利益を保護することに期待できないということにつきましては、昨夜お届けいただきました資料に基づいて申し上げてみますと、たとえば、この法律の目的のところに消費者の項に触れるところがございますけれども、第一条の法律の目的、ここに「農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」というようにうたっておりまして、たとえば、この法律によく似ております通産所管物資の家庭用品品質表示の問題について触れております家庭用品品質表示法の目的の中には、「家庭用品の品質に関する表示の適正化を図り、一般消費者の利益を保護することを目的とする。」というようにうたっているわけなんですけれども、この法案の中には、「農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資し、」ということで、消費者の利益を保護するということはうたわれていないということでございます。  それから第二番目に、たとえばこの法案の第二条の二項でございますけれども、「品質に関する表示」というところに、「栄養成分の表示を除く。」というように、栄養の問題はこの表示のことからはずれるわけでございます。そうしますと、栄養の問題は厚生省でございますので、ばらばらになるという問題が出てまいります。  また第三条に、「農林物資規格調査会を置く。」ということがうたわれておりますけれども、農林省の性格から、消費者保護のために大きな期待を持ち得ないので、要するに、そういうところに表示の適正化の権限をゆだねるということは非常に問題があるというふうに考えられます。  それから、第七条の二項でありますけれども、「不公正に差別を附することがないように制定しなければならない。」この不公正に差別をつけることがないようにということは、取引の適正化ということで、消費者保護になり得るかどうか疑問があると思います。それから同じく第三項に、農林大臣は、品質を消費者が容易に識別することができると認められる農林物資については、表示の規格を制定するときは、その品質に関する表示の基準をきめないことができるというように、必ずしも表示をしなくてもいいということがうたわれております。  それから第十四条の二項でございますけれども、農林省の機関だとか、都道府県または登録格付機関は、要するに農林大臣の承認を受けるということになっておりまして、第三者的機関にゆだねることが望ましいのでございますけれども、この中には、当該農林物資の製造もしくは加工に従事する者、そういうものを業とする者にもこの格づけの表示をつけさせることができるというようなことがうたわれていることが、はたして第三者的機関の性格を持っているかどうか、たいへん心配でございます。  それから、その次に第十五条でございますけれども、格づけの表示について、一応格づけをする前に、農林物資その他容器、包装に格づけの表示をつけることができるということで、その品質が規格どおりであるかどうかというようなことの確認をしたあとに表示がされるということがたてまえでございますけれども、そうしなくてもいいというような除外例が一つございます。たいへん急げ急げというような形で、この法案の中に表示をつけることを急げ急げというような機運が盛られていて、ほんとうに品質を格づけするということのために慎重にしなければいけないというようなことがうたわれていないところに、私は心配がございます。  それから、第十六条の二項の二号でございますけれども、「申請をした者が、営利を目的としない法人であり、」というふうにうたっておりますけれども、このいただきました資料の中に、格付機関の業態を見てみますと、要するに業界の工業会がたいへん多く格付機関の役目を果たしているということ、要するに業界の集まりました中で、消費者の立場に立ってほんとうに格づけがしていただけるかどうか、もっと公正な第三者的機関が考えられなければいけないのに、業界の組合などもこういう格付機関になり得るという点に、やはり消費者の立場から問題があると考えられます。  それから第十七条の二でございますけれども、この件についても、要するに格付機関が幾つかの問題を起こしましたときに、「その登録を取り消し、」というようなことがうたわれておりますけれども、期間がたいへん短うございまして、一年以内の期間を定めて、これを格づけの停止を命ずることができるとか、それからこの条項の中では、すべて「その登録を取り消すことができる。」というような表現が使われております。「できる。」という表現が使われておりますことは、ある場合にはしなくてもよいということにつながりますので、たいへん心配でございます。  それから、第十九条の三でございますけれども、この項には、「一般消費者の経済的利益を保護するためその品質に関する表示の適正化を図る必要があるものとして」ということで、経済的利益ということだけがうたわれておりまして、安全の問題、自由な選択の問題その他を含めた消費者の利益を総合的に考えられていない形で、単に「一般消費者の経済的利益を保護するためその品質に関する表示の適正化を図る」ということで、少なくとも消費者保護には役立ちにくいという問題がございます。  そのほか、表示に関する指示、公表ということだけで終わっておりまして、すべてに義務づけの罰則なども適用されておりません。  罰則の規定につきましても、大体一年以下の懲役、十万円以下の罰金、五万円以下の罰金というように、業者にとりましてはたいへん少ない金額で、これが罰則規定に該当するかどうかということにも、非常に問題があると思われるわけです。  そういう意味で、この農林物資規格法の一部改正案の内容というのは、あらゆる点から消費者の利益を保護することを期待できないというふうに私は思います。  その次に、農林省案の表示規制というものが、消費者保護の見地から統一的に検討されていないところに非常に問題があるので、今後こういう問題を検討する際に混乱が起きて、障害が起きるという問題につきましては、主婦連合会がことしの三月末に要望書を出しました中にも申し上げてございますけれども、農林物資の規格について、その規格の引き上げや適用範囲を輸入品まで広げるということ、そのことのほかに、食品の表示についても義務づけていくということについては、昨年成立いたしました消費者保護基本法の附帯決議の中で、「食品衛生法、栄養改善法、農林物資規格法、不当景品類及び不当表示防止法を通じて食品の表示制度が海外諸国に比しても立ち遅れており、かつ、最近の消費生活の実態にも適合しなくなっていることにかんがみ、統一的な観点から食品の表示に関する制度のあり方とその運用について根本的な再検討を早急に行なうこと。」というようにうたわれております。ところが、この法案と申しますのは、消資者保護基本法の統一的な観点からという真意が反映されていないばかりか、統一的な食品の表示制度をつくりますときに非常に障害になるという心配がございます。  去る三月八日でございますけれども、総理大臣の諮問機関でございます国民生活審議会の消費者保護部会でも、食品の表示の適正化については、現行制度の運用を強化して、食品法というような統一法をつくることを関係各省が協力し合って推進するように、そのため農林物資規格法の一部的正案の表示義務制の措置は、再検討の必要ありと意見書を出しておる次第でございます。  そういう意味からも、私どもとしては表示の相制の項については問題があると考えられます。  それから、自由化の問題を含めて、国際的にも表示を統一的な見地から検討される時期に来ているということにつきましては、この食品の表示の問題については、WHOとFAOの食品規格委員会が一九六二年以来ずっと食品の表示に関する合同委員会を開いておりまして、第四回の合同委員会が昨年の九月カナダの厚生省食品薬品局長を議長にしてオタワで開かれております。そして国際的にもそういう問題が検討されておりまして、すでに第八ステップに移行して、近く秋には、各国政府に一部の表示については批准を求めるというような段階に来ているわけでございます。そういうような観点から、私どもとしては表示の規制については問題があると考えられます。  それから、この改正案で盛られております表示の規制などにつきましては、現行法でも農林省がやる気になってくださればやれる。たとえばここに見本を持ってまいりましたけれども、これはJISマークの規格品でございまして、そして果汁入り濃厚シラップという表示があるわけでございます。これには濃縮ジュースとうたっているわけです。これは規格では、シラップが濃い、果汁入り濃厚シラップということで、シラップが濃いということになっておりますので、果汁の含有量も三五%以上入っていればいいという規格があるわけでございます。ところが、名称には濃縮ジュース、これはリボン濃縮ジュース、たった一つメーカーのものを持ってまいりましたけれども、私どもが試験室でテストしていろいろ調べてみたりしておりますけれども、濃縮ジュース、ジュースが濃いというようなことが表示されているわけなんです。ところが、JASの規制の中には、絵だとか表示は消費者に誤認させないようにするということが、いまの規制の中でもはっきり各品目別にそういうことがうたわれているわけなので、そういうことを規制するのでしたら、いまの法律の中でも十分やれますし、それからこの規格の格上げの問題につきましても、要するにシラップが濃いんで、これを私どもが飲みますときには、五倍か六倍に薄めて飲むというときに、三五%以上の果汁という場合には、ほんとうに私どもが薄めて飲みますときには果汁は五%前後ということで、それをあたかも、私どもは果汁がたくさん入っているようなものを飲んでいるような誤解をしてしまうという問題が現にあるわけで、現にこういうものは現行法でも取り締まられるわけなんでございます。  それから、農林省のいままでの姿勢を見ますと、法律で表示規制をきめておりましても、効果がたいへん疑わしいという問題につきましては、たとえばパンなどは、JBSという表示をして包装用紙に量目だとか、水分だとか、焼きぐあいだとか、小麦紛、砂糖、イースト、油脂の混入割合を表示するということをきめておりますけれども、現にそれを実施しておりますメーカーはたいへん少のうございます。これは要するに、消費者の立場でやらないからこういう問題が起きるのかもしれませんけれども、現実にこの規格をつくりますときには、メーカーの代表者が大ぜい集まりまして、その中で、メーカーの意向を十分尊重して非常にゆるい案をつくりましたのにもかかわらず実施がされないということは、農林省があくまでも産業育成官庁であるというような問題があって、その実施が行なわれにくいというようなことだと思います。  こういうように、五つの問題について幾つか事例をあげてみましたけれども、現実にいま消費者保護基本法にのっとりまして食品表示の規制の問題については、社会党をはじめ各種の消費者団体で、食品の表示は統一していかなければいけないんだというような検討がされ始めている段階でございます。農林省としては、これはなかなか行なわれにくいから、現実にこの問題をまず農林省が手がけていくんだというような御説明をしていらっしゃいますけれども、ほんとうに農林省がやる気になればやれないはずはないものが、ほうっておかれているというところに問題があるわけでございます。  こういう食品の表示の問題については、諸外国でも、要するに日本の厚生省に当たる役所が担当しているわけで、特に先進国といわれておりますアメリカ、カナダでは、やはり厚生省が担当しているわけでございます。アメリカにおいては、前には農林省で担当しておりましたが、現実に幾つかの問題が起きて、厚生省に移管されたというような経緯を経ております。  それから、私どもは経済企画庁の委託を受けまして、主婦が暮らしの中にどんな苦情を持っているかという調査をいたしております。昭和四十三年度に、消費者行政を進めるということでいろいろと苦情処理の窓口が開かれまして、一般の主婦はどういう苦情を持っているかという調査を、三千人の主婦を対象にいたしました。その結果でも、要するに役所の中でどこを一番よく知っていますかという問いに対しましては、保健所を一番よく知っているという答えが多かったわけですし、要するに農林物資規格法の中のJAS表示については農林省の所管の窓口、それから食品衛生法の表示の問題については厚生省の窓口、それからごまかし表示の窓口については公正取引委員会というように、私どもが食品の一つの苦情を受けましたときに、それぞれの問題について窓口の違ったところに足を運ばなければならないというのは非常に問題が多いと思います。そういう意味でも、現にいま、せっかく食品の表示の規制法というようなものをつくろうという動きが出ているときに、何もここで農林省が急いで、この法案の中に表示の規制の問題を入れ込むという必要は私はないと思います。  それから、消費者の保護というものは思いつきで、一つの省がこれをやっていくということで済むのではなくて、消費者保護基本法の中でうたわれておりますように統一的に、ほんとうにいまできている法律の中で矛盾はないか、抜けるところはないか、運用に問題がないか、アフターケアはだいじょうぶかというようなことが十分検討されてきて初めて出てくるということになれば、ほんとうの消費者保護になると思います。JAS法というのは、あくまでも生産、流通、消費の合理化の観点から取引の適正をはかるということ、それから規格のレベルアップを目ざすという制度の改善をしていくということで行なうべきであって、表示の規制を導入していくということは、私としてはどうしても納得がいきかねて、反対する次第でございます。  それですから、幾らかこのJAS法の中に表示の規制を入れるということは、消費者保護の前進であるという御意見をおっしゃる向きもございますけれども、この表示の規制を織り込むということによって、たいへんくどいようでございますが、これから生まれようとしております食品の規制法、こういうものをある程度混乱させたり、それから障害を起こすという問題があることを十分お考えいただいて、JAS法の表示規制の項は削除して、むしろ消費者保護の観点から食品の表示の規制、食品の規制法というようなものをつくることに積極的になっていただきたいと思います。  たいへん長くなりましたが、いろいろと具体的なものを持ってまいりましたので、あとで御質問がございましたときに、よろしければお見せいたしたいと思います。(拍手)

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 次に野田参考人にお願いいたします。野田参考人。

野田信夫財団法人日本消費者協会理事長

○野田参考人 野田でございます。  きょうここへお呼び出しにあずかりました三人は、いずれも消費者の利益といいますか、消費者側の意見を御聴取くださるのが御趣旨だと思いますけれども、消費者と申しましてもいろいろございますので、いまの高田さんの、主婦連さんの御意見と私の意見とが、必ずしも一致していない点もありますので、そういう点を御参考のために述べてみようと思うのです。  いまの高田さんのお話の点、根本的に何も反対しているわけでも否定しているわけでも何でもないんです。ただ、われわれとしましては表示問題、いまJAS法の改正ですから、主としてこれは品質ないし表示の問題が問題の中心だし、これが消費者にとって非常に重要な、また緊急を要する問題であることは、これはもう言うまでもないことなのです。ただ、それだけにわれわれの立場としましては、あくまでも現実的でありたいと思っておるのです。つまり、急がなければならない緊急の課題である、そういう認識に立って考えますと、この主婦連さんの考え方とは、ちょっと別な観点が出てくるのはやむを得ないと思います。  と申しますのは、何でもいいから早く、少しでもいいことをやってもらいたいというのがわれわれの希望で、その点は主婦連さんの考えは、もう農林省不信ということで、それでもう塗りつぶされて、全部それから議論が出ておるのですが、私も、決して農林省をそう信用はしておりません。日本で一番おくれているのは農林省ですから、決して信用しておりませんが、しかし、それがここを踏み切って、少しでもいいことをやろうといっておるのですから、それに何も水をかけることは要らぬじゃないか、そう思うだけのことなんです。そこを誤解しないようにしていただきたい。  つまり、われわれのほうとしては、いまお話しのありましたように、その表示の統一ということ、これは私たちも望んでおります。望んでおりますが、これは、政府のことを御存じのあなた方がみな御承知のように、そう簡単にできることとは思えません。したがいまして、統一、統一とおっしゃいますが、一体それはいつできますか。できるまで消費者は待っておれ、こうおつしゃるのか。すぐ目の先できるというのならば、それは待ちます、それは統一したほうがいいにきまっていますから。けれども、それを待てとおっしゃるのかどうかということが、私まだちょっとその辺がわからないところです。だから立法論や、それから、これは根底には各官庁の所管争いといっては語弊かもしれませんが、所管の分け方がからんでおるのです。ですから、統一しようとしますと、そういう点から整理してかからなければ、統一はそう簡単にはできないと思います。そうすると、そう急に、そう早く統一ができようとも思いませ  ん。だから、われわれはそんなものを待っておられないというたてまえ、そこをよく申し上げておきます。  そうして、現在どうしてこんなばかげたことが問題になっているかというと、問題は、いまの各官庁がかかえておる権限の矛盾なのです。矛盾と  いうのはばらばらなんです。というのは、公取のやっておる景表法というのは、排除命令は出せるけれども、基準は立て得ない。それは業者に立て  てもらえば別ですが、自分で一方的に規格をつくったり、標準をつくったりする能力が第一ない  でしょう。それから、食品衛生法は、これは表示  を義務づけることはやっておりますが、しかし、  名のごとく衛生問題に限られておるのです。しか  し、衛生に関してはここが権限を持っておるので  す。そうしてJAS法はどうかといいますと、基準をつくることができるのです。つまりJASをつくることはできる。しかし、たいした強制力はない。こういうちぐはぐな、各官庁の権限がそういうふうになっておるのです。これを改めなければ、統一せいといったってどう統一なさるのか、それは知りませんけれども、そう簡単にはいくまいと私は思うものだから、消費者はそんなことは待っておられぬ。だから一歩でも前進したらいいのではないか、こう考えます。  また、統一するとしてもいまのようなぐあいですから、一体どこが中心になってその統一をするのか。統一といっても、この場合表示の統一だけです。こんな簡単なことですが、しかし、どこが中心になってなさるのか、所管省はどこになるのか、そういうようなこともわれわれにはさっぱりわかっておりません。だから、統一してくれることを消費者は望むといいますけれども、望んだっていっそれが実現できるのかという点にただ疑問を持っておるだけです。そこが、主婦連さんと違うといえば違うのです。統一がいいということはもちろん異議はありません。  それと、表示ということは商品自体に表示させることですから、そうしてそれは義務づけ、強制するということは、必ずしも私は好ましいこととは思いません。アメリカのように強制しないで実行しておるところのほうが成績はあがっておるのですりこれは当然表示の前提として必ず標準化、規格化、品質規格ですが、われわれの望んでおるいわゆる消費者規格というものが特に商品についてはほしいわけです。こういうものは、ただ末端で売っている消費物資、ことにこの場合食品ですから、食品にそういう規格がちゃんとつくようになるためには、生産から流通過程の全部を通じて取引標準が制定されていなければ、末端で表示をするということは、ほかのものでもそうですけれども、特に食品についてはむずかしい、むしろ不可能といったほうがいいと思います。  そうすると、業者が自分の取引からいっても規格が必要だ、取引規格がなければ正直者がばかを見るということは、もう現にいま行なわれておるでしょう。たとえば、卵なら卵で正直者がばかを見ておる。卵にも一応の取引規格はできておるのです。それ守ったり守らなかったりしておるのです。それは業者が悪いのですが、これなんかもその取引段階で乱れてしまうから、末端をごらんなさい、皆さん規格卵をお買いになったことがあるかどうか知らないが、卵は規格化されておりません。取引段階でくずれてしまうのです。そういうばかなことをやっていたのでは、末端の消費者の手に渡るときに、品質が保証されて渡るという可能性はきわめて薄いのです。  だからこそアメリカを見てごらんなさい。あれほど徹底しておるところは、みな生産から末端の小売り店まで一貫してその受け持ち官庁が監督しております。したがって、表示は統一されております。たとえば肉類、これは卵を含みますが、野菜、果実、こういうものは、当然農林省が所管しております。その衛生監査、衛生基準の設定まで全部農林省がやっております。だから表示は統一されております。こうなっていなければならぬはずです。それで皆さんよく御存じのUSDAという紫判が肉にみんな押されておるでしょう、小売り段階に至るまで。USDAというのは、ユナイテッド・ステーツ・デパートメント・オブ・アグリカルチュアの略です。野菜にはそういうものが押せませんから押してありませんけれども、肉には押してあります。卵もそれで小売りに出ております。したがって、これは何級の卵であるかということは、全国的に消費者は安心して買えるようになっています。加工食品については、日本でいえば厚生省に近いのですか、衛生教育及び福祉省というのがございます。これがフーズ・アンド・ドラッグス・アンド・コスメティック・アクトを所管しておりますから、加工食品はこっちへ行っております。しかし、これも徹底しております。全部をここが所管しておりますから、表示は完全に統一されております。何もほかに乱れるはずがないのです。  日本は、そこへいくといまお話ししたように、食品ですから通産は別としても、いまのように三つの官庁がそれぞれ自分がいま握っておる職権の範囲で仕事をしようとし、それに何か抵触するようなことがあると足を引っぱっているのですから、いつまでたっても統一が成るはずがない。たとえば、今度のJAS法だって、、農林省は多少義務づけ、強制しようかという原案が出たのです。それがいいか悪いかは別として、これが出ますとすぐ公取から反対が出る。それでこれは引っ込めちゃった。これは官庁間の妥協でしょうけれども、こんなものはあってもなくても私はいいと思いますから、引っ込めたっていいのですが、それはただ例として官庁間にそういう摩擦が必ず起こるのです。これをだれも調整し得るところはないのです。  だから、そういう状態で統一、統一とおっしゃいますが、その統一はいつできるかわからぬのを、われわれは待っておられぬということです。しかし、究極はやはり統一していただかなければならぬことは確かです。しかし、この道はなかなかたいへんです。本道路を本舗装でこしらえるようなものですから、それができるのはいつだといって待っておられぬ。その間に、本物ができるまで、ここからここまで仮舗装でいこうやといっているのが、いまのJAS法の改正じゃないんですか。仮舗装でも、舗装がないよりいいじゃないですか、いままでの道よりかまだ少しはよくなるのだから。  かといって、この仮舗装をしたがために、本道路建設がおくれるとか、そのじゃまになるとかよくおっしゃいますけれども、どういう意味かよくわからないのです。じゃまになるようなものじゃそれは確かにいけません。しかし、私たちの考えでは、そう別にじゃまになるほどのことでもなかろうと思って、少しでもいいんならやらせたらどうか。たとえば、輸入食品までやろうというのでしょう。これはわれわれは早くやってもらいたいのです。しかし、これをいかぬといえば、いつまでたったらそれができますかね。それじゃ消費者が困るのじゃないかと思うのが、私の申し上げたいところなんです。  繰り返して申しますが、消費者は現実を望むのです。したがって、私はもうあくまでも現実主義です。つまり、消費者にとって少しでもいいものをやろうとなさるのならやっていただいたほうがいい。ただ、それが将来じゃまになったり矛盾したりするものであったら、それはそのじゃまになり、矛盾するところは変えなければなりますまい。だから、それはよく御審議くださって、そういうところは改めていただけばいいと思う。全体としては、趣旨としては私は一向差しっかえないのではないかと思います。  私、企画庁の国民生活審議会の消費者保護部会の部会長をやっておりまして、先ほど高田さんのお話になった表示の統一化ということも問題になりました。けれども、これはいまお話ししたように非常に複雑な、めんどうな問題ですから、それでわれわれとしてはこういういい方をしておるのです。「とくに現在問題となっている農林物資規格法の改正案の趣旨は、消費者保護対策を前進させようとするものであると認められるが、そのうちの表示義務制の措置は、表示の統一化への配慮を含めて再検討すべきであろう。」こういう答申をしておるわけなのです。つまり表示の統一化ということは、先ほど申したように非常に複雑でむずかしい問題ということはもうわかっておりますから、、それにじゃまになるようなことであるならそれは困る、そしてそれは十分よく検討してもらいたいということは申してあるわけです。だから、統一というものはもちろん望むし、なければならないのですが、したがって、それのじゃまになるようなことであるならば、それは私も困ると思います。  しかし、いまの農林省の改正案を拝見しますと、先ほど高田さんこまごまいろいろお話しになりましたが、何といいますか、心配すれば切りがないといいますか、文句をつけようと思えば幾らでも文句もつくかもしれませんが、それは要するにどういうつもりで改正なさっておるのか、いままでよりかも農林省も態度が一歩前進しておるのだから、この際そのくらいの前進ならオーケーしていいのじゃないか。消費者から見ても、これだけの前進をするのが、決して消費者の不利になるとは私としてはちょっと考えられないのです。文句その他において不備な点もあるし、立言方法でおへたなところもあるかもしれません。けれども、全体としては一歩前進なんです。一歩前進なら一歩前進させたらいいのじゃないか。目ざすところは統一表示を望みます。けれどもその統一表示は、いま申したように基礎が割れていますから、その割れた基礎をどういうふうに継ぎ合わしてくださるのか、それのめどもつかないうちは、それができるまで待てといわれても、一体いつまでわれわれはどろをかぶって待っていなければならぬのか、消費者はそんなのんきなことではない。いま食品に関する表示の問題は緊急の問題ですから、それに少しでも役に立つものならやったらいいのじゃないか。何ゆえに悪いのかと思う次第です。  私の申し上げたいのはそれだけであります。(拍手)

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 次に三巻参考人にお願いいたします。三巻参考人。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 三巻でございます。  本日はせっかく発言の場をいただいておきながら、残念でございますが、昨晩おそくお電話をいただきましたようなわけで、十分に構想を練っている間がございませんでした。具体的な内容も持たずに出席いたしましたことをまことに残念に思いまますが、まずお許しいただきたいと思います。  いま高田先生、野田先生からのお話がございましたが、お二人のおっしゃることもよくわかります。ことに野田先生の御意見には全く賛成でございまして、私の狭い体験上のことだけを申し上げまして、きょうは責めを果たしたいと思うのでございますが、その説明に先立ちまして、一言当連合会の性格を申し上げたいと思うのでございます。  私たちは、会の名前にまで「消費科学」ということを提唱いたしまして、科学的に物事を見直そうじゃないかということで、消費者教育をモットーとしておりますが、消費者活動をいろいろやっておりますときに、毎日の買物についてお互いの生活の知恵を出し合ってはおりますが、当面の現象だけにとらわれることなくして、国の政策からとか、経済の動きに関連づけて判断していこうという大局的視野に立ってお互いに励んでおります。たいへん大きなことを言ってすみません。  広告が茶の間まで入り込んでまいりまして、この時代には、消費者は何をもって商品の判別をしたらよいのかというと、正しい表示にたよるほかにはないのでございます。私たちは表示に強くなろうと、各省の法令、制度を勉強してPRしてきましたが、残念ながら商品には一にも二にも疑いの目をもって見なければならない現状でございます。  先年、ちょっとアメリカへ参りましたとき、農務省で畜産物の規格の格づけのあることを聞いてまいりました。ヨーロッパでは生協自身が大いに規格をつくってつけております、卵などは、朝市に至るまでABCDEFと並べてありましたり、ジャガイモなどは二つに切って中を見せながら、どこ産のものが幾らというようなことをちゃんと表示しております。あの有名な世界一のハンブルグの大市場では、入り口のところで、ときどき抜き取り検査を出荷してくる車ごとにやっておりますが、その検印が各国でたいへんに権威づけられて、それが全部通用しているということを聞いてたいへんうらやましく感じたものでございます。このことは、表示の方法こそそれぞれ違いますけれども、消費者に対する信頼をかちとろうという努力はほめていいのではないでしょうか。  ひるがえりましてわが国では、法律はあっても運用においてはまだまだ十分とはいえません。ここ一、二年ようやく消費者保護の立場を徐々にとられるようになりましたが、生産行政が少し変わってきたことがうかがえるだけでございます。本日御審議にのぼっております農林物資規格法は、昭和二十五年にきまりました。厚生省の食品衛生法は二十二年にきまっております。工業標準化法は二十四年、その後一部の変更はありましたけれども、その根本精神は産業育成からのものでありますことは、皆さま御承知のとおりでございます。これではいけないということで、消費者保護基本法もできたというのでございますから、それに対して何らか実際的にやっていこうという空気が、私ここへ出てきたのじゃないかということを察します。それかといって、厚生省とかそういうところは一体どれだけ進んでいるのかといった場合に、まあまあここで少しでもこの規格を改正しようという努力は認めてもいいんじゃないか、こう思うわけでございます。  農林物資規格法も、その目的を読んでみますと、この法律は、「適正かつ合理的な農林物資の規格を制定し、これを普及させることによって、農林物資の品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化」とうたつております。生産取引の公正化が主目的であることは、法文から見ましても明らかなように、消費者のことはつけ足しといった感じは私のひが目だけではございますまい。  あるときは、連合会の一会員からこんな声が出ました。自分の家では家族の者に糖尿病がいてお砂糖をとれないのだけれども、ハチみつがいいというのでこれを食べていた。ところが、最近のものは純度とか、天然だとか、ローヤルゼリー入りだとか書いてあって、たいへん心配だということを言ってまいりました。さっそく市販品を二十四品目買い集めまして、一グラム当たりの価格を計算してみましたところ、何と四十八円から百十七円の差がございます。見たところは同じようでございますが、これだけの差があるということは、あまりにも疑問を持つものでございまして、さっそく都の衛生研究所へ試験方を依頼いたしましたところ、そのきめ手になる試験方法がないとのことで断わられてしまいました。これでは何といっても納得できませんので、工場へかけ合ってみたりいろいろいたしましたが、どうしようもございません。公取がある会場に来ておりましたので、持ってまいりましょうということでございますので持っていっていただきましたが、その後約二年でございますが、まだその返事がございません。最近になりまして、検査方法がやっと見つかりました、いまに御返事申し上げますとのことでございますが、あとになって農林省のほうで聞きますと、検査方法がなかったからJASにしなかったのだということでございます。検査方法がなければJASにしないのもやむを得ないのでございましょう。  しかし、いまあらためて、この二十年たっていままでのJASを調べてみますと、指定商品が五十二品目で三百四規格がございます。加工食品はその中で二十一品目で百十九規格となっておりますが、何とぞれを平均いたしまして二十年で割ると、一年に二品目くらいしか取り上げていない。これではいかにも心もとないのはあたりまえでございます。もっともっと基準も検査方法も研究して、一日も早く品目もふやしていただきたいということが私の願いでございます。  たとえば、お米の管理法を見ましても、厳然としていまだに一粒のお米も自由にすることができないという法律がございます。いまや自由米は全国の六〇%が野放しでございます。こういう状態で、政治情勢から見て法の改正がたいへんにむずかしいということはよくわかりますが、でも新時代に即応した改正はどんどんすべきであるということで、今回の改正はおそきに失していると思うのであります。いままで業界を引っぱってこられました御苦心はわかりますけれども、もっともっと規格においてもきびしくしてもらわなければなりませんし、いつまでたっても、大企業品までがこういうJASのマークの中に包含できないようなことではしかたがございません。  この農林物資規格法が、今回名前を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律と改正されるようでございますが、食料消費の高度化、多様化のときに、加工食品がだんだんと多く出回ります現在、品質の向上と表示の適正化の強化は論をまたないことでございましょう。前に述べましたハチみつのごとく、基準もなし、表示もなしでは、何と何とを比較して消費者はものを考えたらいいのでございましょう。一日もゆるがせにできない食品関係を野放しにするわけにはまいりません。この意味からも、大局的見地から見まして、今回の改正には基本的には賛成でございます。  しかし、他方問題となっております統一的食品法、薬事法にも見合うと申しますこの食品規制法、そういわれておりますが、これにつきましては、消費者の一人といたしまして最も希望するところでございますが、現実の問題といたしましては、農林、厚生に関係いたしますこの食品行政を一本化するには、野田先生がおっしゃいましたように、ほんとうにたいへんだろうと思います。いままでの縦割り行政の中を見ておりましただけに、相当の年月がかかると思われるのでございます。しかしながら、食品表示の適正化は緊急を要するものでありますし、当面は関係各省庁がそれぞれの責任において相互に連絡調整をはかりつつ、一歩でも前進させることが必要なのではないかと考えます。よって本改正案は、理想とする食品法への一過程として評価したいのでございます。  次に、JAS規格の内容でございますが、消費者の希望いたします規格としては、十分でないことは先ほどからもたびたび申し上げましたが、輸入の自由化というこのときにおいて、いままでたくさん輸入品が入ってまいりますときに、いつもこれが問題になります。次々と輸入品が出回りましても、これが規制の対象でないことは片手落ちでございます。品質の悪さはいつもアウトサイダーが問題になってまいります。何か事があると組合に入ってないから、これはアウトサイダーでございますからといっていつも逃げられるのが手でございますが、これを対象品目の拡大によって防ぎ、そしてのJAS規定が改正されたときには、そのアウトサイダーまでがこの義務規制になるということを聞いておりますだけに、一歩前進ではないかと思うのでございます。  基準のきめ方は、既設のJAS規格の見直しを行ないまして、FAOとかWHO等の国際規格の基準を下回ることのないように改めるべきでございます。  指定商品におきましてアウトサイダーの表示を義務づけるようになったことは、いままでとかく問題のあったことでございますが、消費者にとりましては大きな利益となりましょう。また、指定商品に表示の基準を守らせる手段といたしまして、守らない者にはまず指導する。そしてその次には名ざしで指示し、三番目、最後には公表するという順序を経まして、いろいろとこれを義務づけさせるような方法がこの法案に出ておりますけれども、これについて罰則のないのは骨抜きではないでしょうか。  昨今、食品添加物の乱用が一般消費者に非常な不安を感じさせております。JAS規格の制定にあたりまして、不必要な添加物の使用を極力制限いたしますとともに、JAS規格の検査に際しまして衛生に関する検査もあわせて実施して、制度に対する一般消費者の信頼を裏切らないように要望いたすものでございます。  以上、いろいろ申し上げてまいりましたけれども、食品は私たち国民にとりましては重大な関心事でございますことはもう論をまちません。法の成立をお願いすると同時に、工場の品質管理をもチェックできるような食品法ができました場合には、抵触するものについてはすみやかにこのJASのほうについても何らか改めるぐらいの度量があってもいいんじゃないだろうか、こういうように考えます。  以上、私の意見を申しましたが、一日も早い法案の成立をお願い申し上げます。(拍手)

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 以上で参考人の御意見の開陳は一応終わりました。     —————————————

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 引き続き質疑に入るのでありますが、高田参考人には所用のため、十二時半に退席いたしたいとの申し出がありますので、これを御了承の上質疑されるようお願いいたします。  柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 三人の参考人から、それぞれの立場からいろいろ貴重な御意見を聞かせていただいたわけでありますが、高田参考人は十二時半でお帰りになる予定があるようでありますから、まず高田参考人から御意見を聞かせていただけたらと思います。  先ほど高田参考人は、反対の理由を五つあげられて、それぞれ各条文にわたっての御意見を申されたわけであります。逐一お尋ね申し上げる時間がございませんので、簡単に要点だけお尋ね申し上げたいと思います。  第一点は、この農林物資規格法の改正に伴って、農林省が一つの考え方として、国民生活審議会にも提出した文書があるわけです。この国民生活審議会に提出した文書の考え方というものの由に、「統一的食品法を制定して、統一的な義務表示制を設けるというのが理想的な姿であるが、これは我国行政機構の現状とあり方にも関連する困難な、したがって相当の年月をかけて十分準備しなければならない問題である。」こういう定義をしておるわけです。こういう点について、私たちは何か農林省はこじつけなような考え方ではないかという受けとめ方をしておるわけですが、この困難なとか相当年月を要するということについて、高田参考人はどういう御意見を持っておられますか、この点を第一点にお尋ねしたいと思います。

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 やる気がなければいつまでたってもやれないのじゃないか。たとえば、私ども諸費者の問題でいろいろと運動を展開しておりますけれども、何か声をあげてやってほしい、やってはしいというふうに要望いたしますと役所が動き出す。これは農林省だけでなくて、公取なり厚生省なりそういう形で、役所の姿勢というのはできるだけ無事に終わるようにというような、事なかれ主義が比較的多いようでございます。  この食品の問題につきましては、JAS法は取引の適正化ということに重きを置かれるわけで、しまあります厚生省の食品衛生法は、公衆衛生上危害を及ぼさないというようなところに一つの大きな目的があるものですから、幾つか問題が起きてくるわけですけれども、食品の問題というのは、衛生の問題のほかに栄養の問題とか、味の問題とか、そういういろいろな問題が入ってくるわけです。それからごまかし食品であってはいけないとか、ごまかし表示をしてはいけないとか、そういうものが入り込んでこないとなかなかやりにくい問題でありますけれども、私、個人的には、食品の問題は厚生省がやるべきだというふうに考えております。厚生省がほんとうに食品衛生法でやろうという気になれば、決してやれないわけではない。  この問題については、野田先生が部会長をしていらっしゃいます国民生活審議会の消費者保護部会の中でも、実は総理大臣から、消費生活についての情報、知識に関する諮問を受けておりましたやさきに、このJAS法の改正の問題が起きました。これは消費者保護基本法の附帯決議の中に、いろいろ統一的に考えて、表示の問題は栄養の問題とか、農林物資規格法とか不当景品類及び不当表示防止法、いろいろな観点から、国際的におくれをとらないようにすべきであるとかいうような意見が出ているのに、農林省からこの問題が出てくるということは、消費者にとって非常に問題が大きいので、検討しようじゃないかということで検討し始めて、各省の御意見を聞いておりますと、決してそんなに困難ではない、相当年月をかけなければだめだということにはならないということがわかったようなわけです。  私としては、先ほど野田先生が、道路の部分的な補修をやって本道をというようなお話でございましたけれども、もう本道もできるというきざしが見えておりますので、相当年月をかければと農林省がおっしゃっていることは、決して私どもへの説得にはならないというように考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 高田参考人は国民生活審議会の委員もしておられて、長い間苦心をされておる点を簡単に要点だけ説明されて非常に参考になったわけでありますが、特に、国民生活審議会の中で消費者保護部会というのがあるということを仰せられました。この保護部会で今年の三月にいろいろと検討されて、先ほど御説明があったように、各省問でいろいろ折衝してみると、さほど困難ではないではない、やる意思があれば、ほんとうにやる気があればできるという、そういう印象を高田参考人は強く受けた、こういう御意見でございます。この法案についても、先ほど参考人が申されましたが、急いでやらなくても、もっとじっつくり考えればもっとりっぱなものができるではないか、こういう御意見のようでございますが、先ほど御説明ございましたように、やはりこの問題を、国民生活審議会の委員として十分取り組んだ結果、自信を持っていろいろの案を出されておるのではないか、こう思うわけです。  この中で、「再検討すべきであろう。」という文章があるのです。要するに、「そのうちの表示義務制の措置は、表示の統一化への配慮を含めて再検討すべきであろう。」こういう文章になっておるが、この「再検討」ということについて、もう一回ひとつ御意見を聞いておきたいと思います。

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 先ほどお話ししましたように、消費保護部会の中で、野田先生は個人的な御意見を先ほどお述べになっておられましたけれども、実はこの会が、この法案が提出されるのを非常に急がれるというような御意見がございましたものですから、何回か会を開いたわけでございます。その会を開く間に、野田先生はお忙しくて御出席のなかったときに、要するに今度のJAS法の改正については、議事録をお読みいただければわかると思いますけれども、幾つかの問題が各委員から提起されて、そしてこの法案というのは、まとめて申しますと、農林省が表示を前進させようという意図は十分認められるけれども、要するに、内容自体がほんとうに前進させるものかどうか問題があるので、留保したいという意見が圧倒的に多かったわけでございます。  そういうようなことで、「とくに現在問題となっている農林物資規格法の改正案の趣旨は、消費者保護対策を前進させようとするものであると認められるが、」というように、前進させるものであるというふうには表現しないで、前進させようとすることが認められるものであるけれども、「そのうちの表示義務制の措置は、表示の統一化への配慮を含めて再検討すべきであろう。」ということで、留保したいという意見が圧倒的に多かったのです。これには、基本的な見解をまとめるのを待って、それから再検討すべきではないかという意味が含まれているわけなんです。   〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕  要するに、食品の表示のあり方については、「消費者の安全確保のために必要かつ十分な表示であること。」それから、「消費者が、商品を正しく識別するに足りる表示であること。」それから、「わかりやすく明確に表示されていること。」こういう三つの要件を充足するものが望ましい。そして特に食品の表示の問題については、やる気になればやれる可能性があるんではないか。特に農林省のほうで、この表示の問題を消費者保護基本法にのっとって前進させようとする意図は十分認められるけれども、内容自体が前進させるものかどうか、非常に問題があるので留保したいという意見が圧倒的に強かったわけです。  そういう意味で、この審議会がもう少し基本的に見解をまとめてから、再検討するようにしてみてはどうかというような意味が含まれているわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 先ほどの高田参考人の御意見の中にも出たのですが、私たちはこの前この要望書をもらっているのです。この要望書というものは、主婦連合会会長奥むめおということで、「農林物資規格法の一部改正案に関する要望書」というのをいただいているわけであります。この要望書の中に、先ほどと重複するのですが、「農林省案の表示規制は各省の統一的な見地から検討されておらず、農林省の独走が強く感じられます。」という文章があって、これらと関連して先ほどの御意見の中で、何かこういう表示制度ということについて、十分検討しないとブレーキをかけるようなことになるのではないかというような御意見が出たように感じられるのですが、この点について、もう少し詳しく御意見を聞いておきたいと思います。

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 具体的に申し上げますと、た、とえば牛の絵がかいてあって、中身が鯨であったというようなかん詰めの事件がございました。この問題につきまして厚生省のほりにまいりましたところが、牛の絵がかいてあって、中身が鯨であったり馬であったりしても、おなかをこわさなければ厚生省の管轄ではないのだということで、それではどこへ行ったらいいのか戸惑いしまして農林省に参りました。そうしましたところが、農林省ではJASの規格をつくっていくということで取り組むことはできるけれども、これは任意制なのであくまでも強制権はない。しかも農林省の規格の場合には、業界の意見がたいへん強いので、消費者か規格をつくってくれ、つくってくれと言わなければなかなかっくりにくいということでした。それで、いろいろ検討しましたところが、公正取引委員会の独占禁止法の中の不公正な取引方法を指定するという項目の中に、このごまかし表示の問題が入るということで、初めてここでもってごまかし表示を取り締まっていただけるということがわかったわけでございます。それにあわせて農林省のほうでも、牛かん馬肉の事件が起きないようにということで、かん詰め類についての規格をつくりました。  そのつくりましたときに、馬肉や馬肉の入っているようなものは、畜肉のかん詰めというようにいわせるということにきまったわけなんでございますけれども、畜肉という表現は非常にイメージが悪いので、それで精肉といわせてはどうか。それからもう一つは、原材料名表示を書く場合に、馬肉というのはたいへんあくどいので、うま肉とひらがなで書かせるというようなことを農林省では一応認めるということが、もちろんこれは農林物資規格調査会で一応きめたのでございますけれども、要するにそういうことが認められた。  そうしますと、今度公正取引委員会のほうで、独禁法の中の不公正な取引方法の指定では、一年ぐらい牛かん馬肉の問題でかかるというので、最も手続が簡単で手軽にできる、不当景品類及び不当表示防止法が成立しまして、その中で公正競争規約をつくることができる運びになっているということで、かん詰め業者の公正競争規約をつくりますときに、私どもはあくまでも精肉というのはいい肉だというイメージがある、牛肉だというイメージがあるので、やはり中身の見えないものについては、馬肉ならば馬肉のかん詰めというふうに正直に表示してほしいのだということを業界のほうに言ったわけです。そうしましたら農林省では、もうJASでもって精肉といってかまわないのだということをいっているではないかということです。  そういうことでなかなか問題が解決しませんで、やっと一昨年、私の記憶が間違っていなければ、一昨年にかん詰めの公正競争規約ができて、やっとその精肉ということはいわせないようになったということで、一つの省でもって表示の問題をきめてしまいますと、あと、ほかの役所で、その問題についてよりよい、消費者のためになる表示を、消費者が買いものをするために便利な表示をきめようとするときに、過去にきめられている表示が非常にあいまいとしております場合には、改善しにくい、つくりにくいという問題があるわけです。ですから、昭和三十七年にそういうかん詰めの表示の問題ができまして、そしてほんとうに公正競争規約が消費者のためにでき上がったのは七、八年かかっているわけなんです。  そういうようなことで、農林省でこの表示の問題を取り組むことはよろしいというような御意見もございますけれども、農林省でおきめになる表示は、非常にそういうようにあいまいもことした事例が過去に多うございました。で、今後の運営の問題もございますと思いますけれども、そういう場合に一つきまってしまいますと、たとえば、ほかの省できめるときになかなかきめにくい。  それからもう一つ、たとえば果汁飲料にいたしましても、農林省のほうでは清涼飲料とか、それから果実飲料とか、果汁入り濃厚シラップとか、天然果汁というような区分けをいたしております。ところが、厚生省のほうでは、どういうような表現でもいいというような形になっておりまして、各省が非常にばらばらになっているわけですね。またこれを統一するということになりますと、非常に問題が各省ともに複雑になってくるわけです。  私は、要するに近い将来、もう社会党はじめ各党、それから消費者団体も、具体的に食品の規制をこうしたらいいじゃないか、それから厚生省のほうも、今度の場合は間に合わないけれども、近く厚生省のほうでも政省令の改正の発表があるようでございますけれども、添加物の表示の義務づけをしていくとか、何か前向きに向かっていこうというような気配も見えているやさきなんでございます。そういう意味では、やはりここでもって農林省でせっせこせつせこ表示をきめてしまうよりも、いまここのところでもう少し待てば、食品の表示の統一とか食品の規制というようなことが立法化されるのではないかというような、もうこれが何にも世論が起きていなかったり、社会党はじめ各政党からそういう御意見が出ていなければ別ですけれども、ここの運びになって、いまここで急いでこの改正案を通されるよりも、いま少し慎重に検討していただいて、まず食品の規制法をつくっていただいてからにしていただきたいということでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 時間の関係で、あとの方もあろうと思いますが、私たちは農林物資規格法の改正の出されたこの動機、また農林省の取り上げ方等は、要するに出発点は、国会で消費者保護基本法制定のときの附帯決議、この附帯決議に基づいて農林省も取り組んだ、こう私たちは理解をしておるのですが、現行の規格法が制定されて約二十年近くなる。この二十年間農林省はどれだけの努力をしてきたか、この法律また政省令に基づいてどれだけ行政指導してきたかということについては、国民のほうがよく知っておるわけです。私たちもそういう点を取り上げておるから、この法案については軽々しく取り扱うべき法案でない、慎重に論議をして問題点を明らかにしていかなければならぬ、こう思っておるわけですが、高田参考人はこの問題については十分取り組んでこられておるわけですが、今後のこのJASマークについての、何といいますか、いままでの不十分さの上に立って、どうあるべきかということを簡単にお答えを願いたい。  それからもう一つは、高田さんの所属しておられる団体の中に、消費者の苦情処理機関というものがあるようでありますが、そういう消費者の日常におけるいろいろな苦情が持ち込まれて、それに対する調査研究せられて、処理の方法というか、それをどう取り組んでおられるのか、ひとつ具体的に簡単にお答えを願いたい、こう思うのです。  以上、時間がございませんから、いろいろお尋ねしたい点もございますけれども、高田参考人にはそれだけお答えを願って終わりたいと思います。

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 いまの御質問の苦情の問題について、特に農林物資に関係することについて話してみたいと思いますけれども、たとえば果汁でございますね。果汁について、ごらんのように同じようなびんに入りまして、同じような色をして、そうして同じ値段で売られているけれども、この中で果汁がほんとうに入っているのだろうかどうだろうかというような苦情もございます。これについて私どもでいろいろテストしてみますと、あるメーカーのものは一〇%くらい入っている。一〇%と申しますのは、大体これが二百ミリリットル入りでございますから、二十グラムということで中くらいのミカンが二粒入っているということでございます。これが大体同じ値段の四十五円で売られている。果汁が一〇%と確認されるものはまだいいのですけれども、色だとか、においだとか、甘味料だけを入れたものも同じ四十五円で売られている。それでこんなに同じような形をしているので、そういう問題について、やはりどんな果汁が入っているか、そういうようなことを義務づけてほしいというような形で処理をいたしております。  それから、JASの規格関係では、たとえばイチゴのミックスジャムとか、混合プレスハムとか、混合ソーセージというようなものがあるけれども、この規格を見てみると、たとえばミックスジャムのようなときに、主成分が五一%あればイチゴのミックスジャムといってもいいとか、それから混合プレスハムというときには、要するに食肉が五一%以上あればいいとか、それからソーセージでも食肉が五一%以上あればいいというようなことで、イチゴのミックスとか、ハムとか、ソーセージという表現はしておりますけれども、ほんとうに私どもそういう表現がありますと、主成分が八〇%から九〇%くらいあるものではないかというように思いますけれども、いまのJASの規格の中では、半分以上あれば一応その名前を使ってもいいというようなものがあるわけなんです。そういうことについて消費者側から、こういう問題は規格の格上げをしてほしい、それから、表示できちんとどういうものが入っているかということも表示してほしいというようなことが参ります。そういう点については、審議会に出ます代表者に、私どもから出ております者に、そういう点を処置させていくというような形をとっております。  それから規格に乗ってこないものに、たとえばブドウ糖の規格はあるけれども、砂糖の規格はない。砂糖の農林規格がないというのはどうなのか、砂糖にも規格をつくってほしい、それからまたマヨネーズにも規格をつくってほしい、それからてんぷら油にも規格をつくってほしいというような苦情がございます。そうして植物性のてんぷら油には調合油というような規格がございますけれども、参考にいただきました資料の中には、現実にてんぷら油の認定工場というのは全くないというような形になっておりまして、役に立っていない面もございます。  それから、私どもが商品テストをしておりまして、幾つかの問題点として気がつきましたことを二つだけあげてみたいのですが、実はカタクリ粉、要するに受験勉強をしております夜食用にカタクリ粉を溶いてみたら透明にならない。でん粉というものはみな同じ粉でまつ白でわからない。で、つくり方が悪いのではないだろうかということで、もう一度煮てみたけれども透明にならないということで、それを私どもでは顕微鏡で調べてみました。そうしたところが、いまカタクリ粉というのはカタクリからとったでん粉ではなくて、性質の非常によく似ているバレイショでん粉が使われているということがわかったわけなんです。そのバレイショでん粉は、顕微鏡で見てみますと、ごらんのように、こういうようなお米の粒のような形をいたしております。それから、苦情者の持ってまいりましたでん粉を見てみましたところが、こういうように多角形の、まん中にちょっとおへそのあるような写真がとれたわけなんです。これをいろいろ標準物質と比較してみますと、要するにトウモロコシのでん粉であるコーンスターチであるということがわかったわけなんです。要するにコーンスターチが三割ばかり安いので、バレイショでん粉の中にまぜて、それを売っているということがわかったわけです。  それで、もちろん農林省の消費経済課の方にもおいていただたり、原局の方にもおいでいただいたり、それから公取の方にもおいでいただいて話し合いの会を持ちましたときに、農林省は、二十五キロ袋詰めのものまでは検査しているけれども、−要するに末端消費者のところまでは検査が行なわれていないというようなことがわかりまして、そのときの主婦連合会の要望としては、末端消費者の手に入るところでこの品質が一体どうなっているのか、品質の保証はどうなっているのか、要するに規格化ということが望ましいというようなことをいっております。ですから、規格の問題については、規格を改善するとか、規格を格上げしていくということには、私どもとしては全く反対はしておりません。  それから、昨日でございますけれども、ゴマをテストしてみました。お百姓さんが非常に一生懸命つくっておりますゴマに色がついているのじゃないかということで、ゴマが持ち込まれました。そのゴマは非常に黒く染まっておりますので、いろいろ調べてみましたら、厚生省で許しているタール色素ではなくて、天然の色素と鉄との化合物が一ぱいくっついているということがわかったわけです。時間がございませんので説明を省かせていただきますが、現実にお百姓さんの汁水たらしてつくったゴマをまつ黒く染めてごまかして売っている。もとの色はこういう色なんですが、こういうふうに染めて、そして商品価値を高める。こういうことについても、農林省がほんとうに生産者の立場に立ってお考えになるのでしたならば、こういう問題こそ、ほんとうは農林省の立場でもって取っ組まれることが望ましい。  表示の問題については、幾つか問題がございますものですから、いまここでもって急いでこの法案をお通しになるよりも、もう一度この点などを慎重に御検討いただいて、その上でもって、食品規制法ができてから、何とかこの法案の問題について御検討いただきたいというふうに考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 高田参考人は十二時半に帰られるそうですので、ほかの委員の方で御意見を聞かれる方がありましたら……。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 ちょっと申し上げますが、野田参考人も所用のために十二時半までに退席いたしたいとの申し出がありますので、御承知おき願います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 それでは、野田参考人にお尋ねしたいのですが野田参考人の所属しておられる機関の性格なりまた、先ほどは賛成という立場の理由として、一歩前進という気持ちでの現実論、そして困難な問題はいまの機構論というような立場から、御意見がいろいろ出たのでありますが、簡単に申し上げますと、野田参考人が所属しておられる団体、今日までいろいろと御苦労されておることを承っておるわけですが、去る四十一年十二月二十五日の朝日新聞に、この消費者協会が農林省の委託調査として行なわれたミカンのかん詰め、イチゴジャム等の調査結果の発表に、農林省が調査を委託しながら、その発表についてはいろいろとストップをかけたということが報道されておるわけですが、こういう点について私たちは非常に疑問を持っておる。農林省の予算で委託をしておきながら、その発表がまた農林省から多少なりとも圧力がかかる、こういうことについて私たちも矛盾を感ずるし、野田参考人もそういう点については、農林省の今日までのあり方については矛盾を感じておられるのかどうか。そういうことで、発表するにもやはり相当な期間がかかって、要するに四十一年が今度は四十二年二月に内容を発表する、こういう発表のしかたなんです。これらの点について、多少野田参考人も矛盾を感じておられるのではないか、こういう気がするわけですが、その点ひとつ簡単にお答えを願いたいと思います。

野田信夫財団法人日本消費者協会理事長

○野田参考人 確かに農林省の予算をいただいて、食品のテストをして発表することをやってきました。これは本年度から打ち切られましたからありませんが、昨年度、つまり四十三年度まではやっておりました。いまのお話のようなことも中にはないでもないのです。それは何も農林ばかりに限りません。というのは、テストはしてみますけれども、食品は非常にむずかしいのです。先ほどもハチみつのことがありましたように、テストしょうといっても基準がないというようなこともたくさんありまして、結果の発表は相当慎重にしませんと、業者のほうの利益から見ればたいへんな問題です。  そのために農林当局からはいろいろの心配が持ち出されて、こういったならばこういう誤解が生じゃしないかとか、こういう発表をするとこう思われはしないかとか、いろいろ複雑な点が指摘されますと、われわれのほうとしても、それをかまわずにやってしまえというほど、まだ踏み切りがつかないことが間々あります。そういうことはございますが、それは何も圧迫とか何とかいう意味ではなくて、やはりわれわれのほうで発表いたします限りは公正で確実でなければならない。それを踏みはずすとテストの信用にもかかわります。  したがって、それが世間一般の、いわゆる平均的読者に誤解を生じないような発表を考えなければならぬので、その発表の手段といいますか、文句の書き方でも非常な苦心を毎号しておるわけなのです。それで、われわれのほうの考えや編集者の考えや当局の考えが一致しませんものは、どうも発表する段にならないということがありますが、これきわめてまれです。非常に例外的なものです。テストしておきながら発表しなかったものなどというのは、私の記憶では、いままで二つくらいあったかなかったかと思うくらいのものです。それですから、そういう点はないとは申し上げませんけれども、それでゆがんでおるというようなことは決してございません。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 野田参考人の先ほどの御意見の中で、ちょっとふに落ちぬ点があったのですが、現実論にとらわれ過ぎておられるという気がしたのです。その中で、なぜできないかというと、厚生省も公正取引委員会も今日までの長い歴史の中でそれぞれのなわ張りがあって、やろうとすれば公正取引委員会は足を引っぱる、こういう御意見が出たのです。この法案の審議に、いずれ公正取引委員会に来ていただいて見解を聞きたいのですが、そういう印象を持たれるということは、何かとそういう動きがあったという事実がなければ、そういう発言はなかったと思うのですが、その点、ちょっと簡単に聞いておきたい。

野田信夫財団法人日本消費者協会理事長

○野田参考人 別に公取から来てわれわれに文句を言ったり、反対資料を出したりというようなことをしたわけではもちろんございません。そんなことがあったってわれわれは受けつけません。けれども、いろいろの委員各位の御発言などから推しまして、私がただ判断しただけのことであります。その辺、誤解のないように……。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 では、ちょっと三巻参考人のは保留していただいて他の委員にかわって……。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 大野市郎君。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 高田参考人に一つ御質問いたしたいのですが、先ほどからの御意見開陳を承っておりますと、あなたの所属される団体のお考えなんでしょうけれども、農林省の仕事のやり方に対して、たいへん不信をお持ちになっていらっしゃるわけです。承れば、当然やらなければならぬ仕事がおくれておるのですから、理解できるのですよ。ただ、思いますのに、行政の組織の中で、いわゆる農林省設置法というふうな法律があって、その中でそこの仕事がきまるのですね、法治国ですから。その中で、飲食物につきましては、明らかにその生産、流通、消費、この関係を一貫して農林省が仕事としてやれという、そういうふうになっておるわけなんです。ですから、どんなことをきめてもやらなければだめなんですけれども、たてまえは、やはり先ほどから生産保護を主にする農林省であるからというお話ですけれども、すなおに見ますと、設置法の中身では、やはり消費まで一貫して、これが責任官庁になっているわけなんです。ですからそういう観点で、いままで怠っておったかどうかは議論があるとろですけれども、消費者の保護の問題を含めて、国民経済に寄与するということで目的が結んでありますが、万能でないわけなんですよ。ですから、役人が万能というふうなお考えで消費者団体の方々が立ち向かわれますと、これはなかなかむずかしいと思うのです。  それで、特にお台所の関係のことになりますと、お互いやはりそれを使ってみた者でないとわからぬ点がありますので、こういう点の御理解で、あなた方の主宰される団体などではどんなふうな議論が出ていますか、これが承りたい一点でございます。  それから、法律の中に試行錯誤もあるわけですから、表示の適正を欠くと見た場合には、農林大臣にそれを申し出て、農林大臣はこれを是正するという規定も今度用意があるわけですから、消費者団体のほうでやったら、これは違っておるぞというような問題がありましたときには、そういう方法があるわけなんですが、そのほうが一歩前進でいけるように私は思うのですけれども、先ほどのことといまの二点ですね、これに対して、簡単でようございますが、お考えを承りたいと思います。

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 農林省の設置法も私、存じております。ですから、要するに消費者保護万能ではないというふうに考えております。それだけに、いまの農林省の御説明では、消費者保護になるんだというようなことで非常に期待が大きく受けとめられているわけですが、現実にこの法案を読んでみますと、あくまでもそれは部分的な問題であるというようなことで、そしてそれがいまの表示の問題と、食品の表示を統一していくという問題とかね合っているというようなことで、私ども主婦連合会としては、要するに農林省が消費者保護をやり抜くというのは、非常に問題があるし、無理があると思います。そういうときに、一体ほんとうの消費者保護というのはどういう形であったらいいのかというような考え方で、問題を解決していくべきではないかというふうに考えております。  それからもう一つは、要するに何か問題があったときに農林大臣が受けとめるということは、そういうことをおうたいいただくのはたいへんけっこうでありますけれども、消費者の若情処理制度なりそれから消費経済課なりがございまして、逐一、絶えずその問題は私どもは連絡いたしております。ただ、その問題を取り上げられるか取り上げられないか、引き延ばされるかどうかというのは、やはり農林省のお考えによらざるを得ないというところに、私は問題があるというふうに考えております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 ただいまのお話はよく理解できるのですが、そのほかにもう一つ国会という場もありまして、やはりそういう意味合いから、そういう一般消費者の声を農林大臣がほしいままにこれを料理するということには、国会を通じて制肘を加える方法もございます。きょうは質疑でございますから、これ以上は申しませんが、ぜひひとつそういう意味も含めてさらに御勘案がいただけたらしあわせだと思います。  終わります。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 まず、高田ユリさんにお伺いしたいと思いますが、先ほど同僚議員からかなり具体的に質問がありましたので、二点ほどにしぼって御質問したいと思います。  第一点は、今回農林省がJAS規格の改正を出したわけですけれども、この点について、昨年の四月二十五日の物価特別委員会の附帯決議としては、そのほかに食品衛生法なり栄養改善法なり関連の法律改正も統一的な観点から検討すべきだという決議がなされておるわけですけれども、なぜ今回JAS規格だけが表面に出てきたか、その辺の関連は、特に消費者の立場からよく研究されている高田さんの御見解を承りたいと思います。

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 私どもは、先ほど話しましたにせ牛かん事件以来厚生省に行って、おなかを痛くしなければその問題はだめだというようなときから、食品の表示の統一、規制ということが必要なんやないかというようなことで、その問題についは関心を持っておりました。それで消費者保護基本法ができますときも、御担当の各党の議員の先生も、食品の表示の問題その他がやはり非常にばらばらになっているというようなお考えから、ああいう附帯決議がついたのではないかというらうに考えますので、JAS法だけが、この問題の解決の一助だということで先に出てくることはやいへんいいように一見見えますけれども、本質的には消費者保護基本法の附帯決議の真意を受けとめていないのじゃないかというふうに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 もう一点お伺いしたいのでありますけれども、けさの毎日新聞で、先ほど高田参考人が御説明されましたように、「ゴマ化しの黒ゴマ」という表題で出ておりますが、主婦連としてこちして消費者の代弁者として食品検査をやっておられるわけでございますけれども、消費者全体の立場から考えるならば、この機構は当然国の機関)してでも将来拡大強化していく、そしてほんとえに生産、流通、消費、この三つの関連と、食品関係の基本である安全性、栄養性、さらに嗜好性、経済性、この四つの点が確立をされるところの基礎的な役割りを果たさなければならないのではな」かと思うのですが、食品衛生検査室の機構等については、どういう形で運営なされておるのかお旧いをしたいのです。   〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕

高田ユリ主婦連合会副会長

○高田参考人 私どもは消費者団体でございますので、資金がたいへんささやかでございます。云ういう中で試験の担当者が五人おります。繊維関係と、それから食品関係と、それから一般雑貨関係の五人のメンバーで、毎日参ります苦情と、それから集中的に社会的に問題を解決しなければならないというような、二つの目的に向かってテストをしているというようなことで、その資金は、私ども主婦連合会の会員の会費と、それから財団法人主婦会官というのを会長の奥むめをが経営しておりますけれども、その中の利益の上がりの一部を試験室の運営に回していただいて、その中で、だれからも制約されないで自由に発表して」くという形をとっております。将来はやはり消費生活研究所というような、ほんとうに消費者の立場に立って、そうして消費者のために消費者がやる試験所をつくっていきたいというふうに考えております。  消費者自身がこういうことをやらないで済むように、政府機関がほんとうに消費者の立場に立ってものごとを考えてくだされば問題は解決すると思いますけれども、現実に非常に消費者のことを考えているというふうにいわれておりますアメリカでも、要するに消費者をごまかしたり、危険を与えるというようなものをつくったりしているものが次から次へと出てくるということで、やはりそれは消費者団体の非営利機関がやらなければならないのだということがいわれておりますところを見ますと、やはり私どものようなどこからもひものつかない試験研究機関で、そういう消費者の安全性の問題、経済性の問題を含めた機関が必要だと思われますので、そういう機関はぜひ伸ばしていきたいと思いますけれども、何ぶん資金がないので、その点が悩みの一つになっております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 あとの三巻参考人並びに野田参考人に共通の問題としてお伺いしたいわけでございますが、第一点は、先ほどの御意見を聞いておりますと、今回のJASの改正は一歩前進として受けとめられる、こういうことで賛成の立場からお話を伺ったわけでございますが、御承知だと思うのですけれども、昭和四十二年の三月から四月にかけまして、関西を中心にしました血清豚製品が堂々とJASマークをつけてまかり通り、食肉行政におけるところの問題が大きな波紋を呼んだ事実が二年ほど前にあったわけであります。そのときに党の農水部会でも私はその所在を追及したわけでありますが、そのとき農林省と厚生省はお互いに責任のなすり合いをしているわけでありまして、JAS規格というのは衛生規格とは全く関係ないんだ、今度は厚生省は、その内容についてのいわゆる衛生的な立場からの検討に対して大きな壁がある、そういうことでみずからの責任を回避して、消費者ばかりが、あるいは生産農民が犠牲を見るような状況というものが展開をされております。  この過程で私たちが理解されたことは、農林物資規格というのが昭和二十五年に制定をされて、昭和三十五年ににせ牛かん事件というものがやはり国内的な政治問題になって初めてこの表示の価値というものが実質的に認識されるようになった。こういうように考えますと、やはりこの機構というものは相当抜本的なメスを加えなければ、常に生産者と消費者が犠牲になるということから考えます場合に、戦後すでに二十五年、この問題の解決は根本的な改革を早急にやるべきではないかと考えるわけですが、この二点についてお二人の御意見を承りたいと思います。

野田信夫財団法人日本消費者協会理事長

○野田参考人 ちょっと不在にしておりましたので、第一の点が何であったかちょっとわかりませんですが、あとの点につきましては、それだから統一した行政機構を必要とすると、私は先ほども申し上げたわけです。アメリカの例を引きまして、アメリカでは農務長官が、そういう畜肉であれば、その設備、それの加工プロセス、衛生関係、全部について責任を持っておるわけです。そのプロセスにおいて、それが通ったものがあのUSDAのしるしをつけるわけです。そうしないといまのようなことがどうしたって起こるのです。そうしてこっちへ来れば、おれはそれは知らぬ、おれのほうの権限じゃない、こっちへ来れば、おれのほうの権限じゃないと一言わざるを得ないことにいまなっておるのです。これがいかぬから、統一するのなら、こういう線から統一してかからなければ統一にならぬだろうと私は思うのです。そうすると、これは各省の設置法の改正になりますよ、それは一体いっできますかということなんです。消費者はそれまで待っておられぬから、いまのままでも少しでも改善しようという意欲がある法律ならば、通すのにやぶさかであってはいけない、少しでも消費者にとって利益のあることなら通していただかなければならぬ、これは消費者の要求していいところだ、さように考えます。  一の点は、ちょっと聞き漏らしましたので……。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 お答え申し上げます。  いまの血清豚の問題でございますが、私も豚のほうの関係には明るいと思っておりましたが、よその地方でそういうものがあったということをいま初めて知りましたので、これは農林省のほうへお尋ね願いたいといま思っているほどでございます。  いろいろといままでの各役所の行政というものが不十分なままに置かれたから、今日消費者保護基本法ができたのだと私は思うわけなんですけれども、保護基本法というものは精神であって、やはり役所自身が根本の精神を入れかえてくれなければだめだということでございます。それじゃ厚生省に何かやらしたらいいかと申しますと、昔ミルクの砒素事件がございましたね。それから最近では米ぬか油中毒事件がございましたね。これとても何ら私たちには満足する答えが出てまいりません。だからやはりこれは役所の考え方、姿勢というものを、政府自身、役所全部これを、また、たいへんに申しわけないのですけれども、代議士さん自身もどうか消費者のことを考えていただくように、私はむしろお願いしたいと思います。  それから、抜本的なことがなければならないじゃないかということでございますが、私たちもこういう問題についてはいろいろとやってまいりましたけれども、この間から引き続きまして、牛乳の問題とソフトアイスクリームの問題で厚生省と都がだいぶハッスルしてくれました。昨日は牛乳関係のいろいろな会合に出ましたところ、そこで生産者の方とそれから小売りの方が言いますのには、ああやって大腸菌うようよと騒がれると、伸びるべきときに一切牛乳が伸びなくなるんだ、農林省のほうは消費拡大、拡大と言っておきながら、厚生省で水をぶっかけている。どこそこのどの冷蔵庫が悪いというならば、はっきりと名前を書いてくれればそこだけが悪いのであって、いまのままでは何もかもみんな悪いものだと消費者は思って、もう牛乳は飲まぬわというのでは、これは生産者のほうにも迷惑がかかるのじゃないかというようなことを言っておりましたけれども、総合農政ではございませんけれども、これはもうほんとうにすべての点において総合的にやっていかなければならないシステムではございませんでしょうか。ですから、もうほうっておかれない段階なんだ。  食品添加物では、生活学校をはじめ各種の消費者団体が声をあげて、いまもう大きく浮かび上がって消費者行政に取っ組んでおります。ひどいところになりますと、どのくらい入れるのか知りませんけれども、洗剤を入れて、金魚が死んだ死んだと言ってやっております。それもいろいろなことで浮かび上がってきたことに対して、ここで皆さんで食品法にすぐ取っかかるんだ、そういうかけ声のもとに、所轄官庁がどこへ行ってどうやるかということができるのならばよろしゅうございますよ。ですけれども、やはり代議士さんにもそれぞれ所属があると思うのですね。それでいろいろと問題もございましょうから、そうそううまくはいかないのだ、だからいまこれが必要だということを申し上げているのでございますが、どうぞ抜本的なことはお考え願いたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 時間の関係もありますので、最後に、三巻参考人は消費科学連合会の会長として、特に消費部門には研さんを重ねた方と聞いておりますが、問.題の本質は、やはり実際に被害を受けている消費者が根強い抵抗をすると同時に、食品行政のやり方について、やはり一致した運動が展開されなければ消費者自身が被害を受ける、こういうことになろうかと存じますので、今後ともこのような国民の健康と衛生をむしばんでいる食品行政にますます研さんを加えられまして、われわれ社会党が主張している食品衛生法が最も理想的な形で、消費者並びに国民全体を守る法律であるということに確信を持っておりますので、今後ともひとつ十分私たちの考え方も御検討いただきまして、一そうの御協力をお願い申し上げ、質問を終わりたいと思います。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 時間をとりまして恐縮でございますが、私はいろいろと二十年間こういう問題に取り組んでまいりまして、農林省がとかく業者から足を引っぱられるというところもわかります。私たちの代表も公正取引委員会のほうへも、それからJASのほうの審議の場にも臨んでおりますけれども、その場で、今後強力に人数もふやしてやるということでございますので、まずそこへまかしてみたら、さっきの問題がある程度改善されるのじゃないかと思うのです。  それと同時に、先ほどからありがたいおことばをちょうだいいたしておりますけれども、消費者自身がいかにも教育がなさ過ぎるということを、自分の口から申し上げなければならぬのはまことに残念でございます。最近需要と供給のアンバランスから、いろいろと物が残っては値が上がる、生産者が泣かなければならぬという例をいつも見るわけでございます。  私は、今度お米と牛乳の問題について、あなたの考え方は間違っていませんかというキャンペーンをやりまして、お米でも何か食べ方があるはずだ、小麦を大量に輸入して、そして肉食をしたならばそれが栄養改善なんだという考え方もあるでしょうが、余ってしかたがない米であるならば、これを少しでも消費する方法を考えていけばお互いに喜ぶのじゃないだろうか。琵琶湖の底へ沈めるだけが能じゃありません。そういうようなわけで、牛乳においても販売方法が改善されなければ、人件費の高騰でどうしても消費者がかぶらなければならぬというならば、宅配を一切テトラパックに切りかえまして——いまそのほうのPRを大いにしております。販売方法としては、牛乳をぜひ買いに来てください、びんだったら重くてお買いもののついでにというわけにいかぬけれども、テトラパックならば簡単ですよ、いま世界的に流通段階で一番費用がかかるのは日本なんだということを印刷物にして、消費者啓蒙をしているわけでございまますので、どうぞ今後私たちの様子もお見詰めくださいませ。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 三巻参考人にお尋ねしたいのですが、先ほど御意見を聞いておりますと、角度を変えての御意見で、最終的には、基本的には賛成だ、消費者啓蒙というか、そういう立場の中では消費科学問題に重点を置いて取り組んできた、こういう御意見もございます。またその中で、表示だけではなくて、検査というものにも重きを置いて考えたらどうか、こういう御意見がございました。三巻参考人はJASマークの調査会のほうの消費者代表として、今日まで委員として参加されて御努力されておることはよく承知いたしておるのですが、この法の制定以来今日まで二十年間、法そのものに欠陥があったのか、運用の面に欠陥があったのか。どちらも欠陥があるといえばそれでもけっこうですが、調査会の委員に消費者を代表して入っておられる参考人ですから、いままで取り組んでこられてそういう矛盾と欠陥というものが、法の欠陥か運用の欠陥か、そういう点お聞かせ願いたいと思います。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 私はJASのほうの会合には出ておりませんで、きょううしろについてまいりました戸田つるが出ておりますので、何かこまかい点についてならば戸田のほうに発言させていただきたいと思いますけれども、いまの大体の感覚からつかみまして、法か運用かということでございますが、どちらもということでございましょうね。しかし、いままでの法からいうならば、アウトサイダーの規制はできません。そして大企業が、たとえばジュースがここへ並べられましたけれども、バヤリースのような大きい会社は、自分のところの名前で売れるからこれには入らないのですね。そういうようなことを法律でつかまなければ、どうしようもございませんということはあると思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 この規格法の現行法の二十三条に、本法の規定は食品衛生法の適用を排除しないという文が入っているのですが、わざわざこういう文を入れておるということは、この法律と食品衛生法とは関連がある、こういう認識の上に立ってこの法の運用をはかっておるのではないか、こう解釈をしておるわけです。こういう問題については、あらためてこの法案審議にわれわれ別の立場で質疑を続けてまいりたいのですが、参考人の立場から、農林物資規格法と食品衛生法は非常に関連があるという御理解をいただいておるかどうか、その点を……。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 お答え申し上げます。  食品衛生法は衛生をたてまえとして取り締まりの対象にするということでございますし、農林省の関係のJAS、これだって優良品じゃございません。六十点の点しかやれないというようなこともございますので、当然高いJASも低いJASもあっていいと思うのですけれども、これにさえ入っておけばというような表示のしかたでございますので、あまりにも重視されないというんで、今度はもう少し強力なものにしていただきたいということでございますね。  それから、公正取引委員会の景表法のほうは、表示がうそかどうかということにしぼってやるということになっておりますので、これが大いに関係はございますが、おのおのの役所として違った立場でやっているのであって、こういうことこそそれぞれの役所が一つになって、時には会合しながら問題点を究明していってくださることを望みたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 私たちの手元に、この法案が国会に提案されて、その後に「果実飲料の表示に関する公正競争規約(案)に対する意見書」というものをいただいて、今日までいろいろ参考にしておるわけですが、これは公正取引委員会に出している。主婦連合会会長奥むめをさん、消費科学連合会会長三巻秋子さん、全国地域婦人団体連絡協議会会長山高しげりさん、日本消費者協会理事長野田信夫さん、日本生活協同組合連合会会長理事石黒武重さん、公正取引委員会表示改善協力委員岩田友和さん、こういう代表の名前で、公正取引委員会委員長山田精一殿、こういう文書をいただいておるのです。この中で二、三お尋ねしてみたいのですが、ここに書いてある文章をちょっと読んでみますと、「日本農林規格は、農林物資の規格基準を引上げ、対象品目を拡大し、取引等の合理化というその本来の目的を貫徹することによってのみ、消費者保護法としての性格が出てくるといえるのであって、例えば「食品」の表示制度は食品衛生法の改正、栄養改善法の運用の改善、景表法の改正、並びに運用のより一層の強化を通じて、統一的総合的に行なわれなければならないことは、われわれが消費者保護基本法制定の前提条件として主張してきたのであって、農林規格法のみによって、これを行なうとすれば、消費者保護の名をもって何か別の目的を求めているのではないかと勘ぐられても仕方がないといえるのである。」こういう文章が入っております。これに参考人の名前が入っておる。「何か別の目的を求めているのではないか」と、何か意味深長な文章が入っているのですね。先ほど参考人は、基本的には賛成という前提に立っての意見を付して賛成意見を述べておられたのですが、この文章は参考人が出されたのですから間違いないと思うのですが、こういう点について何か……。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 申し上げます。  その意見書につきましては、公正取引委員会のほうへ出しております。ここに来ております戸田さんが一緒に加わりまして、消費者としての意見を出そうじゃないかということで、みんなで話し合った事実はございます。そしてせっかくいろいろの団体が消費者として一本になれるならばということで、そういうのを出したことも覚えております。  それは、その前提におきまして、いろいろと公正取引委員会のほうにおいて、果汁一〇〇%にしなければ消費者が絶対にだめなんだというようなときにも、四五%で果汁飲料というようなことをきめてしまうような形勢があったので、それに対してもっと強力にしてもらいたいという要望が一番根底にあったと思います。ですからその内容について、農林省だけでなくて公正取引委員会にも、やはり消費者の意見をまとめ合いながら、どの辺で落ちついていくかということを探り探り相談させては内容を進ませておるのが事実でございますので、そういう結果になりました。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 これを全部読んでみまして、それと参考人の御意見とは、ちょっと理解ができにくい点があるわけでありますが……。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 私は、根本的には統一法、食品法というものに将来はしなきゃならぬということは前提に置いておりますので、規格として国際基準にまで引き上げるべきだ、そしていまの現段階では、こういうことを申し上げておるのでございます。現にマーガリンにいたしましても、水分率幾らというときに、国際基準では二八でございましたか、それなのに日本は一七でちょっと弱いというようなことがございます。それなんかも、審議に出ていましてもそういう結果になるのでございます。ですから、今後の審議におきましては、消費者をよほどたくさん入れていただくことをぜひしていただきたいということと、それから、出てまいりますものの中で、やはり国際基準というものがあるならば、それを早く検討して、そこへ持っていくだけの、各役所が先に立ってそれを指示させていただくようにお願いしたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 柴田委員に申し上げます。三巻参考人より所用のため一時前に退席いたしたいとの申し出がありますので、御了承の上質疑をお願いいたします。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 十分お尋ねしたいのですが、なかなか時間が制約されるので何ですが、私たちは、生産、流通、消費という三つを切り離して、農林委員会ならただ農林省だけの立場でものを考えたらいいんだということでは筋が通らない、やはり生産、流通、消費というものの全般にわたって考えなければならぬ、特に日本の農民が生産する農産物の市場拡大、生産を高める反面、市場拡大の面で消費者に喜んでもらう、そういう方向で取り組んでいかなければならぬ、こう思って、それだけに私たちは慎重にこの法案に取り組んでいかなければならぬと思うのです。この法案でいくと、いま農林省は農林省の管轄外のものまで、なぜこれでやらなければならぬだろうかという気も私たちはするわけです。  要するに、農産物を原材料にしないもの、化学薬品、つまりジュースにしても、また人造肉、人造米、こういうものまで全部この表示だけで農林省がやってみたところで、責任が持てるのか持てないのか。検査機関も十分でないし、また機構なり人員なり、そういうものを一つも考えずに、法だけをどんどん進めてはたしてやれるかどうか。現行制度、法規の中でも、二十年の歴史を持ちながら矛盾をたくさん出したということは、やれる面でも、農林省がやらないという姿勢でなくても、やろうにもやれない機構であり、やれない人員ではないかとわれわれは理解する面もあるわけですから、そういう機構なり人員なり、そういうものを法をつくる限りにおいては、法とあわせてやはり万全にやっていくべきではないか。こういう基本的なものから解決していかないと、法だけ急いでこしらえてみたところで意味がない、こういうように理解をしているわけです。  何としても統一表示の義務制、統一ということについては三人の参考人が強く申されたわけですが、そういう強い意思表示をしながら、ただ現実論だけで、やらないよりやるほうがましではないかというのは、国会の場合はそういう論理ではほんとうの前進にはならない、こういう気持ちがするわけですが、参考人が途中でにわかに現実論に立って、早くやってもらいたいというような立場で賛成された気持ちがよくわからないものですからお尋ね申し上げたので、最後にひとつその御意見だけ聞いておきたいと思います。

三巻秋子消費科学連合会会長

○三巻参考人 いまのおことばは、私は受け取れません。この問題について、生産から消費に至るまでのことを考えることにおいては人後に落ちないつもりでおります。タマネギなんかは豊作で北海道ではとれ過ぎた。できないだろうと思ったタマネギが、輸入が加わってたいへんに困って捨てるというような状態ですが、私たちは冷凍のタマネギ、北海道のタマネギ、そうして現実にいま出てくるタマネギ等をみんな食べ比べてみて、そうしてこれをみんなでもって値段の上がり下がりを研究しながら、それじゃ生産をどうすればいいのか、需要と供給をどうマッチさせればいいのかということで、私は、一日でもいいからタマネギデーぐらいは開いたらどうなんだということを、物価安定推進会議にも申し上げてきたものでございます。それだけに、いまの市場の問題については、みんなで考えなければならぬと思います。  今度のJAS改正にあたりましては、いまのこれだけの人数でこれだけ大きなことを考えてもやれないではないかとおっしゃいますけれども、それは反対の反対だと私は思います。そうして幾つやるかということは、これから先の調査会の委員が、どれに合わせてどのくらいきめていこうというのは、調査会の委員にかかっていると思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、御多忙中のところ長時間にわたり御出席をいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表して委員長より厚く御礼を申し上げます。(拍手)  ちょっと速記をやめてください。   〔速記中止〕

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 速記を始めて。     —————————————

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 引き続き本案に対する質疑を行ないます。三ツ林弥太郎君。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 時間の都合もありますので、若干御質問申し上げます。  先ほど参考人の各位から、農林物資規格法の改正について賛成、反対の立場から、それぞれ問題点について開陳されましたが、農林行政は、これまで一般に農林、漁業、あるいは農家、漁民を対象とした行政と考えられておりまして、食品工業の発展とか消費者の保護とかいった問題は、従来あまり取り上げられていなかった問題だと思います。  このJAS法改正法案をはじめとして、今後農林省は食品に関する消費者保護に積極的に取り組む姿勢を見せておりますが、農林省は消費者保護ということを農林行政の中でどのように位置づけ、どのような角度からこれに取り組もうとするのか、まずこの法案を提出したことについて、農林省の基本的な姿勢について伺いたいと思います。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 御承知のように、農林省はとかく生産者本位であるというふうにいわれがちでございます。確かに過去において、経過的にはそういうふうに非難をされる面もあったかと思いますが、最近の消費者行政の要望、特に消費者保護基本法も制定されまして、われわれとしましても新しい決意でもってこの法案の提出をした次第であります。  と同時に、これは私ども総合農政の重要な一環と考えておりまして、昨年農林大臣から総合農政についての話が発表されました際にも、流通機構の合理化、消費者行政という、生産から消費の末端までをになっていくのだ、農林省は農林省であると同時に食糧省である、こういう表現を当時にも公表されておりますとおりでありまして、私どもは、総合農政の中でも大きな問題として取り上げていく。過去にとかくあった農林省に対する批評に関しましては、新しい決意をもって消費者行政と取り組んでいく、かような考えでおります。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 次に、わが国の食品工業は、これまで新しい加工技術を用いて、絶えず新しい製品を世の中に送り出すことによって発展してまいりました。食品工業の発達は、農産物、水産物の需要を増大させ、また国民の食生活を豊かにするためにきわめて重要な問題であります。  そこで、食品の規格化をはかったりあるいは表示を強制したりすることは、企業の自由な活動を制限し、食品工業の発展を阻害することになるのではないかと思います。消費者保護は重要なことでありますが、これを考えるあまり、食品工業の自由な発達の芽をつむようなことがあってはならないと思います。そこで、このような不安はないということを明らかにするために、この法案のねらいと食品工業の発達育成とはどのような関係にあるのか、明確にしていただきたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 本法案は、直接的には消費者保護対策強化の要請ということを契機として立案をいたしたものでございます。したがいまして、このような要請にこたえまして、適正な農産物資の規格の普及及び品質表示の適正化をはかることを目途といたしております。しかしながら、御指摘のように、食品工業の発展と消費者の利益というものは、どうしても両者が並存する形でしか究極的な発展はあり得ないというふうにわれわれは確信をいたしております。消費者の意向を無視した企業の存立というものも考えられない次第でございます。同時に、消費者の健全な消費を促進するということは非常に重要なことでございまして、健全な消費の促進によって初めて食品工業の発展があり得るということであります。  このような意味で、物資につきまして広範に規格が設定される。従来はJAS規格ということ.で、いわばこの程度の品物ならばだいじょうぶですよという認定を希望によって受ける、受けない者はどうでもいいのだという現在の法制が、一たび今回の提案が了承されました場合には、かなり広範に、指定された物資については例外なく、最低限の消費者にとって有用な表示をしなければならないということになりますと、これは同時に、業者間の健全な、公正な競争を促進することになる、不正にインチキな品物をつくるとかという者は排除されるかわりに、最低限の合理的な食品としての表示をする基礎を持っておる、その土台の上にさらに品質の優秀さというものが表示の基礎になるという意味で、私どもは、決して自由競争を阻害するというようなことがあってはならないし、またその運用は、十分食品工業の健全な発展ということも取り入れて、実際の規格の設定指導に当たりたい、このように考えております。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 現在、食品の規格及び表示に関する制度といたしましては、食品衛生法、不当景品類及び不当表示防止法並びに農林物資規格法がありますが、これに基づいて、その各法律を所管する各省庁において、それぞれ食品の規格、表示に関する行政を行なっているわけであります。このような現状に対して、きょうの参考人のお話にもありましたように、最近消費者団体等において、食品に関する統一的な法制度を制定すべきであるという声が強いことは御承知のとおりであります。消費者の立場からはもちろん、事業者の不便を少なくするためにも、現在各省にまたがり、各種の法令によって行なわれている食品の品質や表示に関する規制を統合し、統一的な食品制度をつくることはもっともな要求でありますし、また必要なことであろうと考えられますが、この点について、農林省はどのように考えておられるのかお尋ねいたしたい。  また、現在の段階でJAS制度についての改正を行なうことは、将来における統一的な食品法制を検討する際に障害とならないかどうか、この点もあわせて考え方をお聞きいたしたいと存じます。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 確かに、現在の食品に関する制度は、所管が農林省、厚生省あるいは公取というふうに非常に多岐にわたっておるという点から、統一食品制度という要望の非常に強いということは私どもも承知をいたしております。  しかしながら、統一食品制度と申しましても、この中身につきましてはそれぞれの御要望がございまして、単に衛生的な面の統一——アメリカに例があるということでございますけれども、外国のものは、大体食品法と申しましても多分に衛生法的なものでありまして、化粧品までも一緒になっておる、薬品までも一緒になっておるというものでございまして、さらにそれに農林省がいま所管をいたしておりますような品質の問題を加えるということになりますと、技術的にも非常にむずかしい問題がございます。それから、もちろん行政機構の上でも、役所の組織をかなり変革しなければならぬという問題がございまして、私ども、これが長期的にはもちろんそういう方向へ進まなければならないけれども、これは制度的、技術的に十分慎重な検討をやった上で着手をするのが適当であるし、またそうせざるを得ないだろうというふうに予測をしております。  今回の立案に関しましては、現在の所管のもとでできるだけ各省とも円滑な実施をはかるということで、私ども、本法案提出までに三ヵ月ばかり各省とこの問題について協議をいたしたわけであります。法案の提出がおくれたのも、実は各省と完全な話し合いをするというようなことのもとにおくれた次第でありまして、提出に際しましては、経済企画庁を中心に関係各省がこの運用については十分協議をしていく、さらに、新しい品目をやる場合には必ず各省庁が政令で指定をする、いわば閣議できめるという線で、各省の統一をはかって運用をしてまいるというふうに調整をして、本法案を提出いたしているわけでございます。  将来、統一食品法をつくるときの妨げにならないかという御質問でございますけれども、特に食品の衛生面についてもこれはしかりと思いますけれども、食品の品質面ということになりますと、非常に技術的な問題がございます。この技術的な問題を一挙に解明することはむずかしいので、これはやはり長年の累積が要るわけでございまして、本法案の通過によりまして逐次品目別に明らかにされた技術的な累積というものが、統一食品法制定の際には大きな貢献をするであろうと私ども確信をいたしております。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 次に、このJASの普及の問題でありますが、現在JASが消費者が食料品を購入する際に、選択のよりどころとして役立っていることを否定するわけではありませんが、率直にいって、JASの権威はそれほど高いものとは思えないし、また、JASが国民生活に密着しているといえるほど普及しているとはとうていいえないと思います。  そこで、この改正制度を円滑かつ有効に運用していくためにも、JASの権威を高めその普及を促進する必要があろうと存じますが、JASの普及促進について、農林省はこれまであまり積極的でなかったという声も聞きますけれども、今後どのようにしてJASの普及促進をはかっていくおつもりか、お伺いいたしたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 御指摘のように、いまのJAS制度は簡単にいえば任意制度でありまして、あまり高い品質の基準をつくるとだれもそれに入りががらない、またあまり低いものをつくるとこれは消費者に喜ばれないということで、まずまず大体品質的にもこの辺ならということでつくっております。しかしながら、別にそれに入らなくても自信があれば売れる、あるいは安いものをつくって消費者の目をごまかすことができるということは、現在のJAS制度のもとでは、制度的欠陥と申しますか、さような点から、これは完全にJASだけで要望に応じていくことは不可能な状態でございます。  私ども、いろいろ努力をしてまいりました。もちろん今後も努力をしてまいるつもりでござい示すが、私ども今後、本法案が制定されればJASの設定品目自体をさらに拡大する。それから、将来JASをつくり変えても、つくる前から表示制度を設けることができるというふうに相なって心りますので、いわばアウトサイダーについても最低限の要求はできるということから、かなり普及がはかられると思いますが、さらに同じものでも等級別を設けて、単純な一つの等級だけにしないで、一等、二等というふうにしてこれを受け入れやすくする。さらに、工場における品質管理を強化するというふうなことも考えております。  また、消費者に対しましての普及宣伝、あるいは先ほど人員はあるのかということでございましたが、私ども経済局の所管に輸出品検査所というのがございまして、これは従来輸出品だけやっておりましたけれども、物資の検査については約三百人の専門家がおります。率直に申しまして、農林物資の輸出もそう大きくふえない、むしろ減る傾向にございますので、私どもはこういう人を、今後モニターあるいは抜き打ち検査というような面で、この職員なり予算なりを本年度に関しましても十分に活用できるという確信を持っております。  さらに業界に対しましても、従来の生産者だけよければいいという時代ではなくなったという点も十分これは認識も高まってきておりますので、業界その他に対しましても、消費者保護意識の徹底ということに十分つとめて、本法律の成果を高めるように、JASの成果を高めるように具体的な方法も持っており、また、その努力をする用意があるという点もつけ加えておきます。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 次に、JAS規格は、現在加工食品に関する規格が大半を占め、JASといえば加工食品の規格であると考えられているようであります。加工食品にJASを広めていくことはもとより必要でありますが、最近のように生鮮食品にもプレパックされたものが多くあらわれるようになりますと、生鮮食品にもJASを設ける意味が強くなってくると思いますし、今後積極的に生鮮食品のJASを設定していくべきであろうと思いますが、農林省の考え方はいかがですか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 この農林物資の規格につきましては、一般的には、食糧庁ですと米麦などそういうものの検査によるいろいろな規格がございます。それから農林物資規格法による規格もございます。さらに各種の団体によりまして相当量の規格がある。これは指導的規格でございます。たとえば、先ほどのタマネギでございますとか、ほとんどの生果野菜類について、いわゆる取引者間の指導規格というものもきめられております、、したがいまして、卸、いわゆる商人同士の取引段階における規格につきましては、かなり進んでおると思います。  消費者段階までおろす点につきましては、野菜なり魚の消費者段階における規格化ということが必要でございますので、たとえば、プレパックというようなものが普及するとか、あるいは消費者用に向けるサイズがきまってくるとか、売り方が逐次消費者サイズというものが行なわれてくるようになりますので、こういうものにつきましても逐次広げていくことを考えておりまして、たとえば、冷凍食品等については、私はきわめて早急に可能ではないかと考えております。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 今回の改正点は幾つかありますが、その眼目は法案第十九条の三以下の表示の義務づけの措置を新たに設けたことであると思います。この点についてお伺いをいたしたいと思います。  まず、この法案の立案過程において、農林省の原案に対し消費者団体の一部等が反対をしたと聞いております。われわれとしては、加工食品等に一定の適正な表示を義務づけることは非常に必要なことであると考えておりますが、この反対理由は何であったのか。また、農林省はこのような意見に対してどのように考え、またどのような修正を行なってこの改正案を提出したのか、お聞きいたしたいと思います。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 立案の過程におきまして、消費者団体の一部に反対がありましたことも事実でございます。主たる反対理由は、やはり統一食品法ができるまでは、こういうものにはおよそ着手すべきでないとか、農林省は農民のことばかり考えているので、消費者のことは考えないからあまり信用がならないという気分的なものもあったかと思います。さらに、現在のJAS制度だけでいいんだ、任意のものでいいんだ、それを一生懸命やればどんな食品でも表示ができるので、農林省が先べんをつける必要はない、大体こういうような御集約であったかと私、承知をいたしております。  私どもこれにつきましては、先ほどお答えしましたように、農林省としても新たな決意をもって本法案と取り組んでおるということ、それから統一食品法制というものについては非常な研究問題があるし、その理想には私ども賛成でございますが、早急にできない現段階において、私どもがこの程度の改正で、各種の品目について逐次表示義務を充実していくということは、JAS制度の普及の上からいって必要なことであり、また同時に、統一食品法をつくるときに各もの別にすでに技術的な基礎が解明され、いわゆる、ものについては技術的に政府としても非常な自信が出てくるということから、そういう懸念は一切ないのだという御趣旨でいろいろ御説明をしてまいりました。  政府部内におきましても各種の意見がございましたが、また、先ほど申し上げましたように三カ月の議論を尽くしました結果、経済企画庁、公取、厚生省も含めまして、本法案については閣議前に十分御了承をいただき、事務的にも、事務次官会議でも結論を得て、閣議の了承を得て提出した次第でございます。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 次に罰則の問題ですが、表示の基準を業者に守らせる手段として、この法案では、基準を守らない業者に対しては個別の指示をし、さらに指示に従わない者についてはその旨を公表することといたしております。このように強権的色彩をできるだけ避け、指導、誘導で対処していくという考え方はよろしいと思います。また、零細な多数の業者を相手とする食品行政というものはそうでなければならないとは思いますが、やはり最終的には伝家の宝刀ということで、罰則による強制という措置を設けることは必要ではないかと思いますが、この点についての考え方をお聞きいたしたいと思います。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 表示義務を守らなかった者に罰則を科するという案は、われわれも一時そういう案を持っておったのでございます。いわゆる各省の審議過程におきまして、最終的には、公正取引委員会が不当表示については排除命令が出せる、その排除命令に対しては罰則がすでにあるということで、公正取引委員会と主として議論した結果、罰則につきましては公正取引委員会にまかせてほしいということでありまして、私ども、その点は政府部内のことでございますが、確かに民間指導の上からは農林省としてはできるだけそういうことは避けたい、最悪の場合には公取の排除命令でやるのだということで一致を見たわけでございます。  しかしながら、従わない者は社会的に公表することにいたしております。これは消費者あるいは他の業者にとっても非常に重要な社会的な制裁であろう、それはおそらく、こういう者にとっては罰則以上の経済的意味を持つものであろう、私どもかように考えて本法案のようにいたした次第でございます。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 この表示の義務づけのような制度は、制度の組み立ても大切でございますが、それと同時に運用の問題も大切であります。せっかく制度を設けても、実際に適用されないということになっては意味がないと思います。  そこで、農林省はこの制度ができれば、今後どのような品目についてこの表示の義務づけを実施していこうとするのか、その考え方と、当面適用を考えている品目としてはどのようなものがあるのかを、具体的にお答え願いたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 この表示につきましては、実は現在の法案で最初は非常に広い範囲を考えておりましたが、逐次効果をあげていく趣旨から、最終的には、JAS規格のあるものあるいはJAS規格を近く設定するものという範囲から、逐次広げていくべきだというふうに政府部内で決定をいたしましたので、そのようなラインからいたしまして、私どもは、現在すでにJAS規格があるもので受検率が低いものについては、できるだけ早くこの表示の基準を設定する、さらに、JAS規格が設定されていなくても近くやれそうなものについては、JAS規格の設定に先行して表示基準をつくることにいたしたいと思います。  当面、表示基準に何を考えておるのかという御質問でございますれば、私どもいま一応描いておりますのは、JAS規格が設定されているものの中ではジャム類、トマト加工品、植物油脂、畜肉、ハム、ソーセージ、べ−コンというものを考えております。現在JAS規格は設定されておりませんが、JAS規格の設定と同時に、または先行して表示の設定を考えておりますのは、つくだ煮、冷凍食品、かまぼこ、ソースというものを一応考えておりまして、これは当面の計画でございますが、逐次年次を追いまして拡充をいたしたい所存でございます。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 次に、この法案にいう表示の基準とはどのような内容のものであり、また、現在JAS規格の中で定めている表示についての基準とはどのような関係になるのかを明確にしておく必要があると思います。現在のJAS規格における表示の項目については大ざっぱで、また具体的でないため、いろいろ抜け穴があるということをよく聞きますが、現在のJAS程度の規定では、この表示義務制の効果も期待しがたいのではないかと思われます。  そこで、表示の基準として考えている内容及び現在のJAS規格で定めている基準との関係、またその差異について、農林省の考えをお聞きいたしたいと思います。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 私ども、ここで考えております表示の基準は、消費者にとって最低必要な事実を事実のまま記載させるという趣旨でございます。したがいまして、品質の上下というふうなことは、むしろ従来のJAS規格、すなわち品質の表示の標準のほうでまかなっていくという考えでございます。今回つけます表示の標準は、したがって最低限の義務的事項になるわけでございまして、品名とか原材料名、使用した添加物、内容量、製造年月日、それから使用、調理または保存の方法等を、きまった様式で必ず書かなければいけないということでございます。  JASの従来の表示はこのほかに品質の表示ということを大きな要素にいたしております。ということは、JASは一定の品質を持っておるということを証明するものでございまして、先ほど申し上げましたことのほかに、たとえば、先ほどからお話しの出ております果汁であれば、何%のほんとうのジュースが入っておるとか、あるいはジャム類であれば、糖度が何%であるとかいうふうな品質的なものも含めて記載をさせる、かような考えでございまして、今後この制度ができますと、たとえば、ジャム類ならジャム類で申しますと、一定以上の品質を備えているものはJAS規格の受検をしてJASの表示をする、それ以下のものは、少なくとも製造年月日であるとか、イチゴを使っているとかいないとか、最小限のものを書かなければならないというような状態になるわけでございます。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 次に、この表示の義務づけによって農林省は、完全でないにしてもかなり強い規制手段を持つことになります。食品業界の育成指導の任に当たる農林省のことでありますので、その心配はないと思いますが、業界の一部には、農林省が消費者の意見にとらわれ過ぎて、実態を無視した規制を行なうのではないかという心配をしている向きもあります。消費者保護が重要なことは当然のことですが、食品業界を苦しめるだけの結果に終わるようではと考えますが、この法案が制定されて、改正ができたあとのこの法の実施に対する農林当局の所信について、ひとつこれは大臣からお聞きをいたしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 もう御承知でもありましょうけれども、今度の改正は、世論としてこれでいいのか、農林省は何をしているんだという声が出ております。消費者というものがあって生産が行なわれ、したがって加工というものが行なわれて、加工というものがだんだん高まっていっているにもかかわらず、それに対する消費者の見分げ方というものは、適正な見分け方ができないような実態である。こういう上に立って、少なくとも日本の家庭というものが、昔と違って非常にアパート住まいなどに変わってきている今日、高度に利用されていっているものですから、どうしてもこういうものははっきりと消費者本位にものをすべきではないか、こういうような意見と投書というものがたくさんあります。あるとき私がテレビに出まして、表示をどうするかという話が出たときに、これはことしは必ず出して、そして審議を願う形にしたいといったところが、非常にそれを喜んで、ぜひそれをやってもらいたいというのが多くの世論の集まりだったと私は考えます。  そういう上に立って行なうのであって、決して生産者のために、加工業者のためにこれができるのではなくて、要は消費者のためにできるのでございますから、ただいま御意見のあったような製造業者、加工業者に引きずられるようなことは絶対あってはならないし、そういうことはまず絶対にないというふうに私は考えております。そういう点については厳重に監督もいたしますし、そのような方向でやらせるつもりでございますから、そういうような御心配だけはないようにいたしたい、このように考えております。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 最後に、先ほどの参考人の意見でもお話がありましたけれども、問題になっております果実飲料の規格、JASを改める問題でございますが、果樹振興という見地から、このジュースの問題はきわめて重要な意義を持つものだというふうに考えております。  そこで、こういうふうな果実飲料のJASを改める考え方があるかどうか、これをひとつ最後にお聞きいたしておきたいと思います。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 御承知のように、現在の果実飲料の規格は三種類に分かれておりまして、一〇〇%のものを天然果汁、それから四五%以上、それ以下はさらにこまかく三〇%、二〇%というふうに分けてございまして、いままで私どもが聞いております要望は、特にミカンに関しまして、一〇〇%のものだけを果汁と呼ばせるようにしたらどうかという御要求でございます。先ほど高田参考人からいろいろなものを並べられましたのは、JAS規格の問題ではなくて、むしろこの法律が通れば、バヤリース等そういうものがかえってつけられなくなるということになるわけでございまして、私どもジュ−スの規格に関しましては、この法律が通ればまずはっきり、果汁の入っていないものはもちろん果汁が入っていると書くことは許されませんけれども、果汁入りという名称を、まぎらわしいような名前をつけるということもやめさせるわけであります。  それから、現在一〇〇%だけを果汁にしろという御意見は、生産者からもございます。消費者からもございます。この点につきましては、園芸局といまいろいろ協議中でございまして、現在ジュースという名が一〇%のものでもついておる。それがジュースという名がつけられなくなる。現在のJAS規格は、ジュースという英語は使っておりませんからなんですけれども、ジュースという名は一〇〇%のものだけに使わせると、逆に一〇%入ったものが全然売れなくなって、あるいはミカンの消費の減退を来たすのではないかという懸念が多少あるわけでございます。そこら辺の問題を究明いたしまして、いまの果汁、特にミカンにつきましては、そういう事情でございますので、消費の増大という点を十分考慮に入れて、それに役立つような方向での改正を早急に検討するという態度で、いま各局と協議中でございます。  そのほかの果汁につきましても、リンゴジュースその他ございます。これにつきましても、とかくまぜものがあるとかいう風評も聞きますので、この点も、私ども本法案が通過すれば、さらに一段と強い規制がとれる。目標は、果汁の消費増大ということを考えに入れたいと思います。  それから、若干ではございますけれども、外国産果汁が入ってきておりますが、これは、まるっきりいままではそういうものが野放しになっておるわけでございまして、果汁ではございませんが、先ほどゴマの例が出ましたけれども、あれは全部インドネシアのゴマでございまして、インドネシアは白ゴマで、黒く染めてくるのでございます。われわれ輸入品もやりたい。果汁も若干ではございますが入ってきておりますので、そういうことも含めまして、果汁につきまして、消費の増大という点を考慮しながらやってまいりたいと考えます。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員 終わります。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 暫時休憩いたします。    午後一時四十分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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