農林水産委員会 第47号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/07/09
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 真珠養殖等調整暫定措置法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。工藤良平君。
○工藤委員 私は、真珠養殖の暫定措置法案に関連いたしまして、ごく短い時間でありますけれども、若干変わった角度から御質問をいたしたいと思います。 今度のこの法案が出されました背景というものは、すでに大臣のほうからもその趣旨の説明の中で明らかにされておりますし、また、いろんな問題点については、同僚議員のほうからも御質問があったわけであります。そこで、私はこの真珠の不況の原因というものを、もう少し幅を広げて見ていきたいと考えているわけであります。 まず、現在の真珠のこの不振の最も大きな原因といわれる点については、先般から再三御説明をいただいたわけでありますけれども、これは話の糸口でありますし、一応大きな面についての原因というものを、ぜひ水産庁長官のほうから御説明いただきたいと思います。
○森本政府委員 先般も御説明を申し上げましたように、真珠の輸出は戦後一貫して順調に伸びてまいりましたけれども、四十一年の後半に入りまして輸出が停頓をし、不振におちいるという状況になりました。 その原因としましては、一つは、生産がやや過剰ぎみになってまいりまして価格に対する不安が生じてきた。それから、品質が低下してまいりまして、そういう点からまた価格に対する不安、真珠の品質に対する不安というものが生じてきた。そういうことを契機にいたしまして、海外の業者が、真珠に対して先行きの不安により買い控えをするということが生じてまいりました。それとの関連で、従来海外の消費地の在庫としてかなりの数量を保有しておりましたけれども、漸次その在庫を日本側に肩がわりをするというような傾向が生じてまいりまして、輸出が不振になってきたということでございます。 こういう現象の裏には、何といいましても日本の真珠業界における体制といいますか、需要の変動あるいは品質の向上に対する体制が必ずしも十分ではないといったようなこと、根本的にそのもとにそういった体制の弱い点があるというふうに私どもは見ております。
○工藤委員 そのような真珠の不況というものを打開していくために、一つの方法としてこのたびの法案が出されたわけでありますが、この内容というものは、特に生産調整という段階の中で、調整組合の設立によってそのことを自主的に規制をさせていこう、こういう考え方と、なおアウトサイダーの問題につきましては、農林大臣が規制を設けてその点のカバーをしていこう、こういうような趣旨のように考えられるわけでありますが、主としてこの二つの法案の改正によって、この真珠業界の不況というものが乗り切れるかどうか。この点については多くの疑問が残るわけでありますが、この点についてどのようにお考えになっているか、これはひとつ大臣のほうからも御答弁をいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 ただ単に生産調整というのは一つの段階でありまして、世界各国を見ましても、現在人類というものが、この真珠というものをどういうように見ているか、その角度はまず研究はできておるだろうと思う。われわれしろうと目で見たところからいいましても、各国の人たちが、パールをつける方々というものは相当高級な方々でなければつけられない。人類としてこれを身につけたくないという人はだだ一人もないと私は思う。しかしながら価格といい、そういうようなものの経済的な実態の上に立って、なかなか身につけることができ得ない。こういう面がたくさんあるだろう。 ですから、販売という点についてもう少し拡大させていく、それらの手段をとることが最も重要なことであって、その手段としては、やはり何といっても、われわれ政府としてもめんどうは十分見るつもりではございますけれども、業界自身ももっと覚せいをしなければならぬ。海外に向かっての宣伝活動というものをもっと積極的に行なうべきである、こういうふうに私は考えます。 さらに、これらと相あわせまして、外務省あたりの外交官あたりも、これらの宣伝等については相つとめるように、いろいろな方法をもって海外宣伝を行なっていく、これが私は一番重要な点であろうと思います。 いずれにいたしましても、先ほど長官からお答え申し上げたとおり、国内の調整というのは品質というものを、やはり何といっても日本のパールはかくのごときものであるという、今日まで誇りを持ったものの品質の低下はあくまで防がなければならぬ、これが最も現在においては重要なことだと思います。こういう上に立って、先ほど工藤さんからもお話のあったような調整をとり、規制をして、そして品質の向上をあわせはかっていく、これが最も重要なことであると思います。 したがいまして、私はいまお話しのように、ただこれだけで能事足れりというのでなくて、今後の生産と相あわせまして、その生産を上回ったほどの宣伝というものにつとめるべきである。これには本腰を入れて今後するように、十分連絡をとるつもりでございます。
○工藤委員 いま大臣がお話しのように、真珠につきましては、全体的な生活水準の向上、そういった意味から、今後におきましても相当その需要というものは期待できるのではないかというように思うわけでありますが、この点について、特に品質の低下というものが輸出不振というものを起こしている。もちろんこの真珠の場合に、その生産されました七〇%以上のものが国外に向けて輸出をされている。水産物の中に占める輸出の割合というものも非常に高いわけでありまして、そういった意味から、特に輸出に対する対策というものは必要であろう、こういうように思っているわけであります。 特に、真珠の生産調整をやるにいたしましても、あるいは品質の問題を考えるにいたしましても、価格の問題を考えるにいたしましても、これからの長期的な真珠の需要の状態というものをどういう形で把握をするかということは、非常に大切ではないかと思うわけでありますが、非常にむずかしい問題でありますけれども、私たちが基本的にこの問題を取り上げる場合に、どうしてもやはりこの点を中心に考えざるを得ないと思うわけです。したがって、国内における真珠に対する需要のこれからの見込み、あるいは国外における真珠に対する需要の見込み、こういう問題について、実は長官のほうからお答えをいただきたいと思います。
○森本政府委員 海外におきます真珠の末端における需要は、こういった状況のもとにおきましても減退はしていないということが、ジェトロその他市場調査をやっております関係から報告をされております。それから、御承知のようにいろいろな国がございますけれども、やはり所得との関係がございまして、所得の高いところほど真珠の保有の率といいますか、そういうものが高いというような関係になっております。したがいまして、われわれとしても今後真珠の国内における体制が十分整いますれば、十分末端需要というものが、所得の増加とともに向上してくるものというふうに思っておるわけであります。 それから、国内におきましても、御承知のように真珠の需要が最近出てきておりまして、輸出と国内内需の割合も、少しずつは内需の割合のほうが高くなりつつあるというのが最近の状況でございまして、やはり真珠に対する国内の需要も、漸次将来は増加するものというふうに私どもは見ております。
○工藤委員 いまお話しのように、国外におきましても、国内におきましても、真珠につきましては需要というものは必ずしも悲観するような要素だけではない、このようにいまの御答弁の中から私は聞き取ったわけでありますが、そういたしますと、現在のこの業界の不振というものを立て直していくためには、この法案にもありますように、相当の業者間同士の自主的な規制によってそのことは相当部分改善をしていくだろう、このように判断をされてこの法案を出されていると思うわけであります。 現在、昨年それからことしと状況を見てみますと、その傾向というものはあらわれてきておるようでございますが、この説明にもありますように、現在の状態の中で生産というものはどの程度に保持していくということで、安定的な日本の真珠というものを今後維持していくことができるのか。その点については、先般来からいろいろと議論がなされておるようでございますけれども、その点についてもう一度、確認の意味でお聞きをしておきたいと思います。
○森本政府委員 御承知のように、現在はいわゆる余剰在庫といいますか、そういうものがございます。大体全真連におきまして六千貫ばかり余剰在庫をかかえておるということでございますから、ここ当分は、そういった余剰在庫を解消していくというようなことで生産の調整も行なわなければならないということで、大体そういうふうな見当でまいりますと、年間二万五千ないしは二万六千貫程度の生産が、適当な水準ではなかろうかというふうに思っております。 そういういわゆる過剰在庫の調整段階が終わりました後におきましては、先ほど言いましたように、海外並びに国内における需者も漸増していくというようなことでございますから、生産もまたそれにつれて安定的な増加をはかっていくというようなことで業界としてはやっていったらどうか、私どももそういう感じでひとつ指導していきたいと思っております。
○工藤委員 大体生産していく数量というものは、二万五千ないし二万六千貫というような一つの見込みが立つわけでありますが、問題は、やはりそのできた品物の品質の問題であろうと思うわけでありまして、この品質をどのようによくするかということでこの規制が出され、自主規制をこれから進めていこうとなさるわけでありますけれども、私は、品質低下の要因というものが、いわゆる過密の問題にあるのか、それともその他の要因というものは一体どういうところにあるのか、この点についても、ひとつ幅を広げて見ていく必要があるのじゃないかと思います。 これは一つの例でありますけれども、たとえば、近ごろ非常に沿岸漁業というものが、海水の汚濁という面において汚染をされ、侵食されていくという事態を実はときどき聞くわけでありますが、この海水汚濁の影響というものを、水産庁としてはどのように考えていらっしゃるか、その点をお聞きいたしたいと思います。これは一般的な問題として……。
○森本政府委員 御承知のように、最近の都市化あるいは工業化に伴いまして、沿岸の海域において水質が汚濁してくるという問題が、沿岸漁業の振興上かなり深刻な問題として私どもも考えております。 ただ、真珠について申しますと、御承知のように真珠はかなり遠隔の地帯といいますか、そういうところで一般的に生産をされる、いかだが敷設されるというふうなことでございますので、比較的沿岸漁業の中では、水質の汚濁の影響が少ない分野ではなかろうか。もちろん特定の海域なりあるいは特定の地域におきましては、そういった問題も発生はしておると思いますけれども、沿岸漁業の全般的な関係から真珠を見てまいりますと、その中では比較的水質の汚濁の原因が少ない分野ではないかと、一般的にはそういうふうに私どもは見ております。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
○工藤委員 一般的には、真珠養殖の地帯というのは、いまおっしゃるように海水の汚濁という面から見ると、比較的遠隔の地にある、こういうことは一般的に確かにいえると思います。私もそのように理解をしているわけですが、しかし、水質の汚濁の範囲がだんだん拡大をされてまいりますと、やはりその影響というものは当然出てくるのではないか。現実に私どもが現地に入りましていろいろと調査をしてみますと、たとえば貝の生育におきましても、海水の汚濁によって、従来の生育からいたしますと半分以下の生育しか見られない。こういう状態も出てきているし、しかも貝そのものについても、あるいは玉についても、非常に黄色に変化をしていく、真珠養殖の方々の個々の実態を見てみますと、そういう現実も生まれておるようであります。 したがって、この問題はただ単に一般的な問題ではなくて、真珠という問題一つとってみましても、それがどういう影響をあらわしてくるかということは、水産庁としても常時調査あるいは監視というものを続けていく必要は、当然起こってくるのではないか。そういった意味で、密殖ということだけではなくて、やはり他の要因というものについても、これは水産庁としても常時十分に気をつけてやる、こういう行政というものが必要ではないか、私はこういうように思っているわけでありまして、この点については、現在調査をしていく計画がおありであれば示していただきたいと思いますし、もしなければ、これはこの試験研究機関を通ずるなり、いろいろ各県を通ずるなりして、今後の調査というものを、そういう立場から見ていく必要があるのではないか、私はこういうように思いますので、この点に対する御見解をいただきたいと思います。
○森本政府委員 もちろん、御指摘のように真珠につきましても、単に密殖のみでなく、そういった水質の関係から生産性が低下してくる、あるいは品質が下がってくるというようなことについて十分注意をし、その動向を見守っておる、また必要な対策は講じなければならぬということは当然でございます。 いま私ども水産の関係で、何といいましても公害で一番大きいのは、水質の汚濁ということでございますので、御承知のように水質保全法によりまして、地域を指定をして必要な水質の基準をつくるというふうなことを、企画庁を中心にしてやっておられますが、水産庁としても、そういった事務ができるだけ早急に進みまして、水産関係の心配のある地域については、さような水質基準ができるだけ早急に設定をされるよう、政府間においても促進をしておりますし、また。今後もしていきたいと思っております。 なお、私どもとしてやっておりますことは、一つは漁場の環境に関する基礎調査というのを、ここ二、三年来地区をふやしながらやってまいりました。そういう関係から、漁業の点から見まして、一体水質がどう変化しておるか、危険な状態になっておるかどうかといったようなことを、できるだけ広い範囲に独自に調査をいたしまして、先ほどの水質の基準をつくる際の一つの資料にした いということでやっております。 なおまた県等におきまして、できるだけ早急に水質の変化を知るようなことも必要であろうということで、水質監視のための自動観測施設といったようなものも、二、三年来各県に補助をしてまいりまして、今後も続けていくというような、水産プロパーとしても水質の保全のための手段を、できるだけ整備したいということでやってまいりました。今後も、ひとつさようなことで取り組んでいきたいと思います。
○工藤委員 この点については、特に水の関係を担当しております経済企画庁にお伺いをしたいわけでありますけれども、水質の汚濁につきましては、先般水質保全法の改正も行なわれたようでありますけれども、公害の取り上げ方として、もちろん人体に影響があるということが、公害の場合には最も大きな重要な要素であります。そのことは当然でありますけれども、やはり農産物あるいは漁業関係に及ぼす影響というものも、日本の産業の立場からいたしますと、たいへん重要な問題であろうと私は思っているわけであります。 したがって、特に沿岸漁業という立場からとらえますと、これからの水質汚濁の問題はたいへん重要な問題になるだろう、こういうように思っているわけであります。この点に対して経済企画庁として、水を治める立場としてどのような態度で、しかも、具体的に今後そういう小まめな行政指導というものを実際に行なわれていくのかどうか。もちろん、現在も水質調査のための地域も指定してやられておるようでありますけれども、これはますますその区域を拡大をし、綿密な調査というものが必要になってくるだろうと思いますが、その点に対する御見解をお伺いしたいと思います。
○白井説明員 最近における水質汚濁の特徴点は、ただいま先生御指摘のように、海域における汚染が非常に進行しているということによりまして、漁業環境の悪化が顕著に出てきております。したがいまして、経済企画庁といたしましても、四十四年度におきまして公共用水域全体十九水域を調査するのでございますが、そのうち約十一水域につきましては、これは海域の調査をいたしまして、必要があれば水域を指定して水質基準を設定してまいりたい、かように考えております。
○工藤委員 現在、主として海水の汚濁の原因になっている主要な問題これはたくさんあると思いますけれども、特に主要な種類といいますか、その点についての見解をお伺いをしたい。
○白井説明員 これは場所によりまして多様な汚濁源があるのでございます。しかし、海域において汚濁によりまして漁業被害が起こるという場合は、主としてパルプによるものとか、あるいは石油化学によるもの、かようなものが中心になるかと思います。
○工藤委員 いまお話がありましたように、特に河川の場合には、いままで起こっておる経緯からいたしますと、たとえば、鉱山の廃液とかそういうものが非常に中心になっておるようでありますけれども、海水の場合には、これから特に化学工業を中心にいたしまして大きく発展をしてまいりますと、大量の水を必要とする。その中に入ってまいります廃液というものが、相当広範にわたってまき散らされるということが今後予想されるわけでありまして、この点については、特に事前の十分な調査というものが行なわれる中で、やはり全体的な産業の調和というものが出てくるだろう、私はこのように思っているわけであります。 この点については、できるだけその調査水域を広げて綿密な調査をやる、こういうことが特に必要ではないだろうか、こういうように思っておりますが、現在行なっておる十九水域というものが、今後どのような形でその調査区域が拡大をされていくか、計画があれば一応お示しをいただきたい。
○白井説明員 御承知のように、水質保全法ができまして約十年たっておるわけであります。その間高度成長によりましていろいろ汚濁の現象が、特に後進地域においても顕著に目立つようになっております。われわれといたしましては産業間の調整という、水資源をめぐる最も大きな問題がございますが、特に漁業資源の保存あるいは上水道とか都市の環境衛生上重要な河川または海域については、今後とも調査をし、必要があれば水質基準を設定ないしは変更をして水質保全行政を強化してまいる、かように考えております。
○工藤委員 次に、輸出の問題に関連をいたしまして、もうちょっとお聞きをいたしたいと思います。 さっきもお話がありましたように、輸出をする場合に一番重要な問題は、これは国内の需要でもそうなんですが、品質の問題ということがもちろん中心になるわけです。現在、国外に輸出をいたしておりますものは、全部検査をすることになっているようでございますけれども、海外に不法持ち出しすることによって——不法持ち出しということは未検査品とかいうことになるのですが、未検査品を持ち出すことによって日本の真珠の真価というものを問われる、こういうことがあるのではなかろうかと思いますが、この点に対してどのように把握をし、実際にどの程度のものが出ているのか、水産庁としてわかっておればお答えをいただきたいと思います。
○森本政府委員 御指摘がございましたように、真珠を輸出いたします際には、国営の真珠の検査を受けたものでなければならぬということに制度上はなっておるわけであります。したがいまして、検査をしていないものが海外に流れておるとすれば、それは何といいますか、一つのもぐりの輸出ということになるわけであります。巷間では、そういったものもあるというふうなことを私ども耳にしておりますけれども、いま申し上げましたような性格のものでございますから、どの程度あるかという実情を把握することはなかなかむずかしいのでございまして、数字的にどの程度あるというふうなことは、調べたものはございません。
○工藤委員 これは、実は税関等で問題になって、あるいはその数量を把握しているという事実はございませんか。一体未検査品がどの程度出て品位を落とすのかということは、これはやはり貿易上からも非常に重要な問題でありますが、相当数のものがあるんじゃないかと思うのです。それが事実ないとすれば、これはたいへんけっこうなことですけれども、私はこのあといろいろと御質問をしますが、検査その他の関係からいたしましても重要だと思いますから、わかっておれば伺いたい。少なくとも水産庁としてはその程度のものを把握しておられることが、全体的な対策を講ずるためには重要じゃないかと思いますから、お聞きをいたしたいと思うのです。
○森本政府委員 先ほど言いましたようなたてまえのものでございますから、税関のほうで調べたようなものは実はございません。もしそういうものが出ておるとすれば、海外に渡航いたします人がポケットにしのばせる、あるいはかばんにしのばせるといったようなことで、事実上輸出の手続を経ないで真珠が海外に持ち出されるといったようなケースであろうと思います。残念ながらさようなケースがどの程度あり、また数量としてどの程度にのぼるか、私どもとしては把握をしておりません。また調べようとしても、これはなかなかむずかしい話ではないかと思います。そういうこともわかっていろいろ行政をすべきであるという御指摘はもっともでございますけれども、調べようとしてもなかなか把握がむずかしいのではないかというふうな感じがしております。
○工藤委員 この問題は非常にむずかしい問題でありますけれども、これは関係省との関係もありますので、これらの問題については、特に輸出振興という立場から、農林大臣としても特別の配慮を払っていく必要があるんじゃないか、こういうように考えますので、その数字の把握というのは非常にむずかしいと思いますが、しかし、不法持ち出しの問題もずいぶん起こってくるのではないかと思いますし、これらの問題については各省にまたがる事項でありますので、特に大臣の配慮をお願いいたしたいと思います。 次に、真珠のこれからの問題といたしまして、私はやはり試験研究の問題が重要なウエートを占めてくるのではないか、こういうように考えているわけでありますが、試験研究機関の現在の実態と、特にこれから真珠の試験研究がどういう形で進んでいかなければならぬか、こういう問題についての考え方をひとつ示していただきたいと思います。
○森本政府委員 現在、御承知のように真珠の単独の試験研究機関が、国のものがございます。三重県にございます。こういった一つの業種といいますか、それについて単独の試験研究機関を設けておるということは、非常に異例に属するわけでございますが、そういうことで試験研究をやっております。 従来からもいろいろな方面にわたって、生産面あるいは真珠の品質面といったような各種の項目に分けて試験研究をやらしておりますが、今後は、何といっても品質の向上といったようなこと、それから漁場の生産力をどうして高めていくかといったような点、今後真珠の生産を安定的に伸ばすために必要な諸項目については、できるだけこういった研究所で力を注いでやってまいりたいということでやらしております。
○工藤委員 それと同時に、真珠の検査の問題でございますが、私は米の検査の専門だったわけですけれども、米の検査と比較いたしまして、これはたいへん高価なものでありますから、検査そのものについても慎重に、しかも、これは相当な技術を要するだろうと私は思っているわけであります。特に、海外に輸出をいたします真珠につきましては、これを検査をしなければならないという規定がもちろんあるわけであります。現在の検査、東京と神戸にあります検査所の実態、陣容、こういうものについて、長官としてどのようにお考えになっておるか、お伺いをいたしたいと思います。
○森本政府委員 検査の状況でございますが、一つは、こういった真珠の海外における声価の維持というふうな関係からいきまして、検査の基準がもう少し引き上げられるといったようなことが考えられないかという問題がございます。従来からもそういう観点から輸出検査の基準につきまして検討をし、数回にわたり検査の基準の引き上げは行なってまいりました。今後におきましても、先ほど言いましたような真珠の特性からいきまして、検査基準については特段の検討をいたしまして、その研究の結果に応じて検査基準を変更していく、あるいは改善していくというふうな努力をすべきではないかと思っております。 それから、検査をやっておりますところの検査所の問題でございますが、検査所におきまして、ああいったきわめて特異な検査でありますから、検査に従事しておられる人の技能といいますか、そういう技術といったようなものも、なかなか一般的には習得しにくいということで、検査員の確保ということも、検査を現実的に遂行していく上におきましてはきわめて重要なことだという考えを持っております。 また、検査をいたしますところの環境、これもできるだけ、ああいった特異な検査でありますから、一定の条件が要るわけでございますけれども、検査をする検査官が十分健康を保持し、また快適な検査が行なわれるというふうな形で、そういった環境についても、ひとつ留意すべきではないかというふうな感じを持っております。
○工藤委員 この検査の実態を見ますと、非常に検査数量というものがふえておりますし、また、検査の現場というものを見ますと、あの小さな玉を一つ一つ検査をしていくということが行なわれているわけでありまして、二万貫という検査を現在八人の人でやっている。この状態を私、見まして、しかも、あれは全部光によりまして見ていくわけでありますから、相当目にも影響するだろう、やがて職業病も起こるのではないかということも、実は懸念するわけであります。 そういう面からいたしまして、やはり検査の陣容なりあるいは検査の方法というものについて、今後改善をしていくような考え方があるのか。もしも現行の検査の方法以外にないとするならば、これはやはり相当な陣容というものを考えてやらないと、あの二万貫という玉を全部見るということなんですから、しかも、品質が悪化して、低品位の検査数量も増加しておるという中においては、その重要性というものはますます大きくなるわけでありますが、この点についての考え方をひとつ伺っておきたいと思います。
○森本政府委員 御指摘のことにつきましては、一つは検査の手間を省くといいますか、機械化をするといいますか、そういう方法はないかどうかということも問題になります。従来からそういう点について種々研究もなされてまいりましたけれども、何ぶんああいった特殊な商品の検査でありますから、いまだ検査そのものを機械でかわってやるというようなところまでは、なかなかいかないということになっております。 ただ、肉眼で検査をいたしましたところを、機械で特定のものをチェックするというふうなことは行なわれておりますけれども、まだ十分機械で代替するというところにはいっておりません。一つには、こういった機械による検査をできるだけ範囲を拡大をして、人間の労働が節約されるといいますか、軽減されるといいますか、そういう方向に持っていくべきではないかと思います。 それからまた、どうしてもそういった人による検査に当面たよらざるを得ないわけでありますから、検査員の確保ということも考慮をしなければならぬ。従来、人の増員なり確保ということは、予算折衝においても非常にむずかしいしろところでございます。私ども、検査数量の増加につれまして、若干ずつは検査員を増員もしてきておるのでありますけれども、ごらんになりましたように、必ずしもそういった点も十分ではないというふうに思っております。増員等の点についても、ひとつ十分私ども検討してみたいと思っております。
○工藤委員 この問題については、いま長官からもお話がございましたが、特に品質の問題、海外における声価を高めていくためにも、検査の充実というものは必要であろう、こういうように思っておりますし、また、特殊な検査でありますので、特に理化学機械の開発と利用という面については、これは非常に局部的な問題でありますからむずかしいだろうと思いますけれども、やはりできるだけそういう面を加味しながら、より科学的な、しかもりっぱな検査が行なわれる、こういうことが一番いい方法ではないか、こういうように思うわけでありまして、この点については、特に今後格段の努力をする必要があろうと思います。 特に、この実態を見てみますと、検査というものは、私どもは米の検査でありましたけれども、たとえば、朝始めて午前中一ぺん休憩をする。休憩後しばらくはいいけれども、また夕方まで相当時間がかかりますので、やはり肉眼鑑定というものが相当粗漏になってくるし、等級のつけ方も変わってくる。こういうような状態があるわけでありまして、特にああいうような微妙な光なりそういう小さな玉でありますから、これを一々検査をするということはたいへんむずかしい状況でありますから、できるだけ陣容を整えて、検査に粗漏のないような対策を講ずる必要があろう、私はこういうように思うわけであります。特にこの点は、そういう日本真珠の声価を高めるためにも、今後検査に対する陣容なりあるいは設備について、万全な措置を講ずる必要があろう、こういうように思いますから、この点については、大臣のほうから、ひとつしっかりとしたお答えをいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 私はまだ見たことがございませんけれども、工藤先生みずからいろいろ御視察をなすってきたとのことでありますので、全部を御信頼申し上げまして、私どもも増員を可能ならしめるよう十分検討をいたします。ここに携わっておる方々は、なかなか肉眼鑑定ということになりますとたいへんなことだと私も思います。これらの人が、職業病にならないような措置もとることは当然だと考えますので、そのような御意見は十分尊重をいたしたいと考えております。
○工藤委員 時間が参りましたから、一応これで終わりますが、最後に、私はこの真珠の問題については、先ほどから再三指摘をしておりますように、品質の低下、もちろんそれは過剰生産という形の中から出てまいった事項でございますが、いろいろとこれを深く検討してみますと、それらの原因というものは、もっともっと広い分野にわたってあるのではないか、私はこういうような気がするわけであります。きょうはその一部分を指摘をしたわけでありまして、この法案をたとえ通過させたといたしましても、根本的なもっともっと違った意味の原因というものが除去できないのではないか、こういうように思っているわけであります。 これは、特に七〇%以上のものが国外に輸出をされる、その輸出をすることによって、真珠業界というものが安定的なこれからの産業として発展をし得る、こういうことになるわけでありまして、この点については特に農林大臣といたしまして、沿岸漁業を守るという立場で、ひとつ全力をあげて各省との調整に当たり、大臣としても熱意を持って取り組んでいただくように、特にこれは最後に大臣のほうから、ひとつ決意を披瀝していただきまして、私の質問を終わりたと思います。
○長谷川国務大臣 申し上げるまでもなく、わが国の輸出産業のうち最も冠たるものでございまして、われわれはこれに向かっては十分に熱意をもって、輸出をさらに一そう可能ならしめるよう大いに努力を傾けるつもりでございますし、ただいまのいろいろのお話の中にあった御注意の点は、十分尊重をいたして今後に処したいと考えております。
○三ツ林委員長代理 稲富稜人君。
○稲富委員 最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、今回のこの調整暫定措置法案の目的は、申すまでもなく、この真珠もしくは真珠貝の品質が著しく低下するという問題、あるいはこういうようなおれがある、こういうことから、「真珠の正常な輸出を確保して国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」ということをはっきりうたっております。 私がここでお尋ねしたいと思いますことは、すでにこの真珠に対しては、真珠養殖事業法というものが昭和二十七年に制定されて、三十七年にこの改正を見ておるわけでございますが、この目的の中にも、この暫定措置法案の目的とほとんど同じ目的が示されているのでございます。それで、私がここでお尋ねいたしますのは、この暫定措置法案を提出されるにあたりまして、現在の真珠養殖事業法を改正する、あるいはこれに対する行政的な指導を強めることによって本法案の目的を達することができたのではないか、何のためにわざわざここで暫定措置法案を提出されたのか、その点のねらいを明確に承りたいと思のでございます。
○森本政府委員 今回の法律の眼目は、特に最近のような不況時におきまして、特別の事態に対応する措置を定めるということでございます。真珠養殖事業法のほうは、そういった特別の事態ということではございませんで、通常な事態における真珠の振興のために必要な措置を規定しておるというふうに理解していいと思うのであります。そういうことで、今回の措置は、特別な事態に対して、そういった必要のある期間存続をする規定ということになっておりますので、できれば別の法律によって規定をしたほうがよかろうという法律的な扱いの問題としてそういうことにいたしたのであります。 また、多少技術的な話でありますけれども、今回の法律は相当条文も大きい。また、規定そのものも組織関係が非常に多いというふうなこともございまして、ていさいとして従来の事業法の中に入れ込むことが適当かどうかといったような法律上のていさいの議論も法制局等でございまして、別建ての特別の法律ということに整理をしたわけであります。
○稲富委員 今回の立法措置の目的と、真珠養殖事業法の目的とは同じような目的で、その要点は、いかにして自主調整をやるかということにあると思うのでございます。これは従来のこの養殖事業法を改正し、あるいはもっと強力に行政的な指導をやるということによって、わざわざこの法律をつくらなくても、十分目的が達せられるのじゃないかとわれわれは考えるわけでございます。いま御説明がありましたが、どうもそれは不十分でございます。あえてこういうような暫定措置法をつくらなければできないほど、現在の事業法では十分目的を達することができないのであるか、なぜ改正に踏み切らなかったか、どうもこういう点がはっきりしません。この点、もっと的確な理由をお示し願いたいと思うのでございます。
○森本政府委員 特に需給のバランスがこわれてきておる、また異常に品質の低下がきておるために、その対策として、今回の法律にありますように調整組合をつくって、いわゆる自主的なカルテル、調整活動をしてまいる、それから、それを補完するために、政府のほうでも適切な命令その他の措置をとる、あるいは密殖規制に対する今回の法律のようなものは、どうしてもやはり立法的な手段方法によりませんと、いまの情勢においては行なえないということになっております。したがいまして、現在のような状況に対処するために、かようなことがどうしても必要であるということであれば、法律的な手段を講じないとできないということに実はなるわけであります。 それを講じます際に、従来ありました事業法の改正といいますか、体系でいくか、あるいは特別の法律によるかということになるわけでありまして、法律的手段をもって特別のこういった状況に対する手段を講じなければならぬということは、業界におきましてもあるいは有識者におきましても一致した意見でございます。要は、その法律措置をとるていさいといいますか、事業法の中に入れるかあるいは特別の法律にするかということが、検討の一つの主題であったというので、先ほど申し上げましたような説明をいたしたわけであります。
○稲富委員 それでは、さらにお尋ねしたいと思います。 この暫定措置法案の取りきめでございますが、この暫定措置法案は、当分の間これによって、このような場合に適切な事業活動をやっていこうということになっております。この当分の間は、一体どのくらいを目途とされておるのか、なおまた、年限を切られなかったという理由はどこにあるか、この点を承りたいと思います。
○森本政府委員 はなはだ抽象的なお答えになるかと思うのでありますが、一口にいいますと、当分の間といいますのは、こういった手段、方法を講ずることが必要だ、そういう必要性が存続をする期間というふうに私どもは見ております。それを、たとえば何年間というふうに限るということは、いまのところ確定的にはなかなか出てこないのでありまして、一つの経済的な現象でありますから、かような需給の関係、あるいは品質の関係といったようなものが十分解決をされまして、こういった手段、方法にたよる必要がないような事態になれば、もちろん当分の間というものは解消するということになろうかと思います。しかし、そういう必要性が存続する間は、当分の間ということで、この法律が存続をするというふうに御理解をいただきたいと思います。
○稲富委員 そうすると、いろいろな情勢が必要がないようになったときは、おのずからこの法律の効力はなくなるということになるのですか。当分の間というのは、いつごろまで必要であるという見当もついていない。それが解消される時期はいつなんですか。自然に解消されるのですか。この点どういう解釈なんですか。
○森本政府委員 自然にといいますか、この法律の条文にありますところの諸手段を講じまして、先ほど言いましたような特別の事態がなくなるというふうなことになれば、事態が解消されるということになろうかと思ます。一体何年ぐらいでそういうふうになるだろうかと言われましても、いまここ何年ということをお答えをするのは、ちょっとむずかしいのでありますが、私どもとしては数年の間には、さような事態をできるだけ克服をしていきたいというふうに思っております。 なお、それじゃ自然に法律はなくなるのかというお尋ねでありますが、これは将来のことでありますけれども、あるいはこの法律を廃止するような、特別の法律を出して区切りをつけるということも、一つの方法であろうというふうに思っております。
○稲富委員 実にたよりないような御答弁で、私も何となくはっきりいたしませんけれども、この問題にかかっておりますと、これだけで時間が過ぎますので、このくらいにいたしますけれども、こういう暫定措置法をつくる以上は、何年くらいはこういうような事情だろう、何年ぐらいたったならば、現在の真珠業界はこの法律が必要がなくなるだろうという見通しが、立っていなければならないのではないかと思う。しかしながら、これを議論しておりますと長くなりますから、どうかひとつ一日も早くこの法律を廃止するような時期が来ることを私も要望するわけでございますが、そういうことで善処してもらいたいと思うわけであります。 さらにお尋ねしたいと思いますことは、今回の法律案の目的を見ましても、いまの真珠業が非常に品質が低下し、世界的にも信用をなくしたということは、密殖その他の養殖に対するものが大きな原因であるということをいわれているのでございますが、はたしてそれだけが原因であるかということは、私たち相当に検討しなければいけないと思うのであります。ただいま工藤君は。海水の汚染、汚濁の問題を取り上げて言っておったのでございますが、さらに私は、今日の品質が非常に低下した大きな原因には、養殖業者への金融措置が不十分であるところに、大きな原因があることを見のがすことはできないと思うのであります。十分な養殖をしたいと思っても、金融のために非常に行き詰まられますと、おのずからやっぱり粗悪のものでも販売に出さなければいけない、値段が十分上がらなくても出さなきゃいけないという問題が起こってくるわけでございます。こういうような点が大きな原因であるということは、どのくらい政府は確認されておるのであるか、この機会に承りたい。
○森本政府委員 真珠の品質の低下の問題でありますが、私ども基本的には、やはり真珠の生産の段階におきまして密殖がある、あるいは従来の既存漁場の生産力が低下をするといったような生産の環境といいますか、体制といいますか、そういうところに原因があるというふうに思っております。 ただ、御指摘がございましたように、金融面から金詰まりというふうなことで、できるだけ早く揚げるように業界としては迫られる。そういう関係から、自然薄巻きの真珠ができるのではないかというふうな事情もあったであろうというふうに思います。したがいまして、そういった金融的なサイドから真珠の養殖が十分行なわれない、品質が低下をしてくるということは、私どもとしてはできるだけ防止をしなければならぬというふうに思っております。 今回の調整組合の調整のやり方の中に、養殖期間に対する制限といったようなこともできることになっております。生産の共同といったような面でさようなことが行なわれ、また、御指摘のような金融サイドで早揚げをするというふうなことに迫られないように、十分ひとつ金融面でも、私ども注意をしてまいりたいというふうに思います。
○稲富委員 長官、あなたは金融面その他が困難であるために、これに対する指導等をやらなくちゃいけないとおっしゃるが、それは無理でございます。現在の密殖をやるということも、やっぱり生産業者が非常に生産を急ぐためであるということの一つである。さらにまた、金融が非常に困難な結果、つい粗悪品でも市場に出さなくちゃいけないという問題が起こっているという、この事実を認められておるかどうかということなんです。そういうような金融に対する指導をやらなくちゃいけないということは、いまの御説明でわかりましたが、こういうような金融に非常に困っているという事実が、こういう品質の低下するような結果をもたらしているという事実を、政府は知っておられるかどうかということを承りたいと思っております。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたようなことで、金融的なサイドから生産業者のほうで早く揚げなくちゃいかぬ。それが品質に影響があるような関係があるであろうというふうなことは、ないというふうに否定はいたしません。さような関係も、従来あるであろうというふうに見ております。したがいまして、できるだけ金融的な面でさようなことのないように今後もひとつ注意をしなければならぬというふうに思っております。
○稲富委員 それで、ここで長官に特に申し上げたいと思いますことは、今回こういう調整組合をおつくりになる、調整組合において自主調整をやられる、これは非常にけっこうでございます。ところが、自主調整をやる上においても、この組合に、やっぱり金融面に対する何らかの措置をやって、しかも、それを含めた指導、あっせん、そういうものがあることが、自主調整も非常に効果的じゃないかと思うのですが、こういう面に対しては、お考えになっていないのでございますか。
○森本政府委員 主としてそういった真珠の養殖段階に対する融資は、農林中金なりあるいは系統信連なりといったようなところで担当してまいりまして、また、一部市中銀行等に、よっても行なわれておると思うのでありますが、真珠の調整組合等でさような行為をしてまいるというふうなことが、漸次体制として固まってまいりますれば、真珠養殖に対する金融においても、できるだけそういった体制に即応したような、融資面からそれをバックアップできるような融資をやっていくように、私どもとしては、関係金融機関を指導していきたいと思います。
○稲富委員 ここで考えなければいけないことは、最近におきます真珠業界の非常な不振の結果、どういうような点で不安をもたらしているかというと、従来真珠業界に融資をしておった農林中金その他の一般市中銀行もありますが、この真珠業界に融資をしておった金融機関にとっては、今日のような真珠業界の不振というものが、自分たちが融資しておった金融に影響しやせぬかという不安が非常にある。さらにまた、従来融資を十分受けてない人が融資を受けようとすると、真珠業界に対する不安があるために融資が思うようにいかないということになります。これが今日の現実なんです。それで、こういうような点を考えて、もっと優秀な品物をつくり、真珠業界の発展、振興をはかろうとするならば、こういうようなものに対しては融資の道を開くのだということで、安定するような、安心するような方法を講じなければ、真珠業界の真の伸展というものは非常に困難だと私は思うのでございますが、この点はどうお考えになっておるんですか。 現在、融資をしておるものが不安になっておりまして、真珠業界はだんだん不振になってくる、融資をしてどうなるか不安で、今度新しく借りようとしても、真珠業界はだめです、貸しませんということになる。そうすると、結局粗悪なものを売らなければならないということになってくるので、こういうような金融面というものに積極的に取り組むことが、真珠業界の発展のためにも、品質を向上するためにも必要であると思うのでございますが、こういう点をどういうようにお考えになっておるか、この際、長官から承りたい。
○森本政府委員 真珠のこういった事態が発生いたしまして以降、真珠の金融についての問題がかなり私どもにも提起をされてまいりました。ただ私どもの感じといたしましては、単に金融サイドのみを解決しようといたしましてもなかなかむずかしい面があるわけでありまして、輸出の不振あるいはまた在庫ができる、品質も必ずしもよくないといったようなことで、真珠の先行きについてかなりな不安が生ずる、また、真珠業界の体制についても必ずしも十分でないといったような、真珠全体を取り巻くところの諸情勢といいますか、諸環境といいますか、そういうものが悪化をしてまいりますれば、自然金融機関としても、真珠に対する金融に対してかなり警戒をするといったようなことが発生をしてまいりますので、これに対する金融を円滑にしていくために、まっ先に根本的にこれに取り組みまして、こういった真珠業界なり真珠の生産需給に対する体制を整えていく、そういうことが今後における輸出の振興にもなりますし、売れ行きの増大にもなりますし、また、真珠に対する安定した金融を確保する、かなり回り道のようでありますけれども、根本的な対策であろうということで、私どもはこういった法案も考え、また、真珠の調整保管に対する国の利子補給といったようなことも考えるということで、ともかくも体制の立て直しに全力を注ぐということで今日やってまいりました。 とはいいましても、一時的に金融面から業界に大きなショックを与えるということではまずいということで、先ほど御指摘がございましたように、従来貸しておりますところの融資についても、こういった情勢等から、できるだけ取り扱いを、ひとつ業界のために配慮をしてもらいたいということを、関係金融機関に対してしばしば役所側としても要請するといいますか、指導するといいますか、そういうこともやってまいりました。 今後の問題としても、養殖段階については、先般国会で御審議をいただきました漁業の近代化資金といったようなものも出てまいります。その他真珠に対する従来の融資機関からの融資態度につきましても、私ども十分よく要請をいたしまして、金融面から真珠の業界が問題を起こすといったようなことのないように、ひとつ十分配慮をしていきたいと思っております。
○稲富委員 私は、金融サイドだけで一切解決するというのではありませんけれども、この問題は非常に重大な問題だと思うのであります。重大な要素を持つ問題だと思う。後ほどお聞き申し上げたいと思いますが、時間がありませんので、結論に入りたいと思うのであります。 今回のこの法の制定によりまして——中小養殖業者というものが非常に多い。この中小養殖業者というものが、金融面においても非常に困難な状態に置かれている。それでこの自主調整をやる上において、中小業者が非常に圧迫をされるというか、不利な取り扱いを受けるようになる、こういうような不安が生じやしないかと思うのでございますが、こういう問題に対しては、どういうような措置、どういうような考え方をしておられるのでございますか。
○森本政府委員 前にもそういう御指摘、御質問がございました。私ども、十分そういう点については、今後生産調整あるいは密殖の改善の措置をやってまいります際に、十分ひとつ留意をしてまいりたいと思います。 たとえば、生産の調整のやり方にいたしましても、単にいかだの従来持っております台数に応じて調整をしていくといったようなことでなしに、一定の基礎的な数量については均等割りにしていくとか、あるいは一定の数量以下のものにはそういった調整を及ぼさないとか、そういった方法によりまして、零細な真珠の養殖業者がこういった調整行為によって重大な経営上の影響を受けないように、私どもとしても十分配慮をしていきたいと思います。
○稲富委員 最後にお尋ねしたいことは、この真珠というものが国際的な輸出上必要な問題であるし、これの国際的な信頼をなくするということは非常に大きな問題です。国際的に真珠に対する信用を保つ上においては、やはり輸出に対する法的規制というものが必要じゃないかと思うのです。現在、非常に粗悪なものが外国に流出する大きな原因というものは、やはり先刻申しましたような、金融面において不十分であるがために、つい投げ売りをやる、正式な貿易業者というよりも、やみ貿易業者といいますか、香港とかあるいは台湾あたりから来まして粗悪品を買っていくという、こういう傾向があるのです。はなはだしいのになりますと、これはうわさでございますが、いわゆる青田売りまでするというような状態も聞いている。こういうようなことで粗悪品が海外市場に流れていくという問題も起こってくるのだから、こういうことを防ぐためには、何とかやはり輸出に対する法的な規制というものが必要じゃないか。わが国の真珠の信用というものを低下させないためには、そういうことが必要じゃないかと思うのでございますが、これに対してはどういうような含みがあるか、承りたい。
○森本政府委員 御指摘のとおりでありまして、輸出につきましてその体制を整備していくということは、日本の真珠の輸出を確保していきます上にきわめて重要なことだと思います。 いままでやっておりますことは、先ほど来御議論がございました検査の強制といいますか、そういうことをやっております。 それからもう一つは、輸出組合におきまして輸出の価格なり、あるいは品質なり、決済方法なり、そういうことにつきまして自主的な規約をきめておりまして、一定の規約で定められた基準に該当しないような品質なり、あるいは値段なり、決済方法で輸出することを禁じておるという形になっております。それを員外者に対しても及ぼしますために、通産省令でもって輸出をする人全般に同様な制約といいますか、規制を及ぼしておるというようなことでやってきております。 ただ、その輸出の水ぎわだけでは、またなかなかこれは効果があがりにくいということで、最近は、加工業者が輸出業者に売り渡しをする段階におきましても、やはり同様な考え方でもって調整事業がやれるようにということで、一、二年前からやってきておるのであります。さようなことで、漸次輸出体制についても整備をするように心がけてまいりました。 しかし、御指摘がございますように、真珠の海外取引の問題については、輸出業者の性格の問題等を含めまして、なお十分検討し、体制を整備しなければならぬことも多かろうと思います。そういう点については引き続き検討し、とるべき手段をひとつ十分考えてみたいと思います。
○稲富委員 最後に、これは農林大臣に特に腹に据えていただきたい問題でありますが、何といいましてもわが国の真珠の品位を保ち、真珠の振興をはかるためには、円滑なる金融制度を真珠業界にもたらすということが、最も必要な条件であるのでございまして、こういうことが品位のいい品物をつくるということになりますので、これに対しては特段の考えを持っていただきたいことが一つ。 さらに、わが国の真珠の品位につきましては、ややもしますと、今日国際的に非常な不評を買っておるという点もあります。こういう点を何とかして挽回することが最も必要でございますが、そういう点から申しますと、来年は幸いに万博が開かれます。この万博を機会に、わが国の真珠の品位というものを世界に知らせることは最も必要であると思うのであります。それと同時に、また逆に万博を機会に、外国からお客さんが来て、粗悪な真珠が市場にはんらんいたしますと、これが逆にわが国の真珠の質が非常に低下したという世界的な不評を買うことになると思いますので、この点来年の万博こそは、わが国の真珠の声価を世界に発揮する最もいい機会であると思うのでございます。そしてこういうことに対しましては、日ごろ真珠の振興なり品位高揚につとめられておる農林省が、この機会をとらえて遺憾なきを期するような十分な措置を、もうすでに今日からとっていく必要があるのではないかと私は思うのであります。どうかそういう点に対しての決意のほどをこの際十分承りまして、遺憾なきを期していただきたいということを特に私は申し上げたいと思う次第でございますが、いかがでございますか。
○長谷川国務大臣 お説のとおり、輸出という点についてはかなりわが国においてもウエートを持っていますし、なさなければならないことでございまして、その輸出の大本であるパールでございますから、これに対しては金融、こういう面については農林省は責任をもって、先ほどのような苦しみのないような方法を今後さらに一そういたします。 したがって、それにはやはり何といっても業者自体も考えておいてもらわなければならないのば、品質の問題だと思うのでございます。これらは、やはり輸出で全世界に出ていくという、それに恥じないような品質をつくるということが一番先決問題であり、重要な要素である、こう考えます。でありますから、これらの指導にあたっては、さらに十分強く指導いたさなければならない。万博の問題もさることながら、先ほどもお話し申し上げたのでございますけれども、私もいろいろ外務省とも話をいたし、外交官を通じまして海外宣伝というものをさらにいたし、さらに通産省等とあわせまして、この宣伝には万般怠りないような方途を開いていくつもりでございます。 万博につきましては、いろいろお話もございますし、それは機会としては非常にいい機会だと私も思います。でき得る限りその意に沿うような方向に向けていきたい、こう思います。
○三ツ林委員長代理 樋上新一君。
○樋上委員 真珠養殖業界をめぐる不況の原因は非常に複雑で、その根は深いものがございます。まだ根本的な対策は打ち出しておらない現状でございますが、問題の根本原因について考えるときに、漁業法による漁業権制度、特にその運用に基礎的な問題があるのではなかろうか。昭和二十七年制定以来改正されたことのないこの真珠養殖事業法は、その後における情勢の進展に十分対処できなくなり、改めるべき段階に来ているのではないか。真珠業界の不況の発端は、輸出の不振と過剰生産に求められておりますが、これらに伴う金融事情に問題の核心があり、金融問題を解決して経営の正常化をはかることが当面する緊急の課題であり、まずとらねばならない施策ではないか。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 さらに、養殖業者の経営の安定と合理化をはかって、真珠の正常な輸出を確保しようとするためには、真剣に検討を加えるべき時期に参ったのではなかろうか。こうした問題を一つずつお伺いしたいのですが、同僚議員からの質問ですべてもう尽きておると思いますので、要点のみを簡単に質問申し上げたいと思うのでございます。 昭和二十五年度の真珠の浜揚げ量はわずか千貫でございましたが、真珠養殖事業法制定の二十七年でさえ二千八百貫程度であったものが、今日、真珠生産の平均値は三万二千貫とされておる。およそ二十五年当時の三十二倍と著しい発展を遂げているのですが、この間、どのような施策を政府は講じてこられたのか。また、生産過剰については次のような点が考えられると思います。すなわち、生産者の市況の動向に対する認識不足、または価格の低落を量で補なうおうとする態度などによって、生産の増大傾向をとめることができなかったと考えますが、これらについてどのような見解と具体策を持っておられるのかお伺いしたい。
○森本政府委員 真珠に対しましては、先ほど来お話がございますような事業法がございますので、その規定により、またその他の指導手段によって、真珠についての育成あるいは助成の措置等をやってまいりました。 真珠の生産の数量でございますが、御指摘のようにかなり増加をしております。戦後需要が一貫して増加をしてくるといったような関係がございましたので、そういった需給の関係、あるいは事業者から出してまいりますところの計画数量等を勘案をして目標数量を定めてまいりました。そういった目標数量をできるだけ尊重して、業界においても生産を行なわれるよう私どもは期待をし、指導してまいったつもりでございます。
○樋上委員 政府が立てた施術数量の目標設定の趣旨は、密殖の防止、需給の不均衡などを是正するところにあるように思います。しかし、現実にはこの目標が守られず、密殖による粗悪真珠の生産、経営内容の悪化を招いている現状でありますが、そのような事態にどう対処してこられたか、この点をお伺いしたいのです。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたようなことで施術数量の目標を定めてまいりました。現実に、そういった目標と実際にやりました数量の間にギャップがございます。私どもとしましては、そういった国全体の施術数量をきめまして、県におきましてブロック別、あるいは県によっては業者別にそういった施術数量をブレークダウンしまして、目標をきめてやってくれというようなことで、できるだけこういった目標数量に実際の数量が合うように努力をしてまいりましたけれども、需要が一貫して堅調であるといったような情勢のもときにおきまして、目標を越えて現実の施術が行なわれたという事態が過去においてありましたこと、これははなはだ残念に思っております。
○樋上委員 三十四年には一二三%であったものが、三十五年に至っては前年度対比で一七五%を示しているのですが、現状を見通した上でのことか。また、将来の見通しとしての目標を甘く見た点が、これらの異常な目標の設定となっているのではないでしょうか。
○森本政府委員 三十五年におきまして、前年に比べて目標数量がかなり増加をしております。ここれは三十五年以前の二、三年間におきまして、三重県のみでなしにその他の新しい県におきまして、真珠の養殖が相当拡大をしてきたといったようなことで、公表いたしました目標に対して実態がかなり増加をしてきておるといったようなことがありましたために、そういった実態をある程度考えた上で目標をきめようというような形になりまして、前年に対して相当上回ったような目標数量が定められてきた、さような事情にございます。
○樋上委員 他面、設定目標以上に現実の生産が毎年伸長していること自体、運用のしかたを誤ると同時に、施術数量の設定段階における基準を誤ったのではないか。それとも業者側の密殖によるものか。この点はどうでしょうか。
○森本政府委員 私どもとしては、先ほど言いましたように、目標数量をできるだけ尊重してもらうといいますか、励行してもらうといいますか、そういうことでブロック別なりあるいは業者別にもそういった数量をブレークダウンしてやっていただくように指導いたしました。しかし、現実にはかなり需要が強調である、また値段もよろしい、あるいは他の漁業者から真珠に転換するほうが有利であるというような沿岸漁業者の事情等もございまして、目標数量を上回る施術が行なわれてまいったわけであります。そういった事情にあることを御了承いただきたいと思います。
○樋上委員 くどいようでございまするが、当然、最近のように真珠の輸出が不振であったり、生産過剰の傾向のもとにあっては、減産のための目標を示し、計画的生産を行なってしかるべきだ、こう思うのですが、その点、徹底を欠いているのではないでしょうか。
○森本政府委員 こういった二、三年来の事態に対応いたしまして、関係業界におきましても三割生産の自粛といったようなことで、各種の自粛的な手段を講じられております。また、現実の浜揚げ数量等も、昨年の模様を見ますと、かなり数量が減少してきておるということで、業界におきましても、こういった事態に対する対応策としてはかなりの努力を払われておるというふうに私どもは見ております。 ただ、こういったことは、単に自主的な形だけでは法律的にも問題がございますし、また、体制としてもかっちりしたものではないということで、今回の法律によりまして、需要に見合った、あるいは事態に即応したような生産の調整が行なわれるよう手段を設ける、また、それによってひとつ今後は運用を十分円滑に、適正にやっていきたいというふうに思っております。
○樋上委員 真珠養殖の収益は年々低下し、経営は次第に悪化しております。その原因は、コストの上昇によるものが多分にございますが、政府はいかなる見解をお持ちでございますか。 また、経営悪化の原因として考えられることは、歩どまりの低下と品質の悪化であると思いますが、これらに対する解決策はどのように考えておられますか。
○森本政府委員 経営の悪化の原因としまして、特に先進地といいますか、そういった昔からやっておりますところの漁場におきまして、品質の低下なりあるいは歩どまりの低下といったようなことが出てきておるという点が、経営の悪化の大きな要因であるというふうに見ております。したがいまして、先ほど来言っておりますように、漁場の密殖をできるだけ防止してまいる。また、生産性の低下に対しまして技術的な向上、たとえば、母貝の仕立て技術等についてもできるだけひとつ改善をはかるといったようなことで、そういった経営悪化の原因に対して改善をするように努力をしてまいりたいと思います。
○樋上委員 これらは海外にも影響を与えておりますし、また、業界においても粗悪真珠の輸出禁止に努力しておるようでありますけれども、真珠はもともと輸出規制の困難な商品でございます。現状では、規制すればするほど粗悪真珠が裏口から出ていくことが考えられますが、いかなる対策をお持ちでしょうか。 また、粗悪真珠の流通の阻止は生産の段階で行なうべきだと思うのですが、それには、まず品質の悪い真珠をつくらないよう指導すべきだと思うのですが、その対策を考えておられるか。それとも業者の判断にまかされておるのですか。
○森本政府委員 輸出について体制を整備しなければならないということは、御指摘のとおりでございまして、従来、私どもがとってまいりました体制の整備については、先ほどお答えを申し上げましたとおりでございます。 それから、下級真珠についてのことでございますが、根本的には、やはり密殖の改善等によりまして、生産段階でさような下級真珠がたくさんできないようにやってまいるということでございますが、浜揚げをいたしましたもののうち、いわゆるすそ玉を市場に流さないというふうなことも当面必要なことでございますので、従来から、ここ一年来自発的に業界においてさような措置を講じております。今後は、生産なりあるいは流通調整の一つの方法として、さようなことも取り上げられてくるというふうに思います。
○樋上委員 品質の悪い真珠を廃棄しても、収益のあがるべく真珠事業の経営体質を改善しなければならないと思うのですが、その具体策はあるか。 また、密殖などによって漁場の老化現象を生じている場合、粗悪真珠の発生にもつながっておるのではなかろうか。これら漁場の対策をどういうふうに進められるか。
○森本政府委員 御指摘のように、漁場の再開発といいますか、老化を防止するということは、単に真珠のみではございませんで、沿岸漁業を通ずる一つの共通の問題として、私どもいま浅海漁場開発のための事業といったようなことを従来調査をし、着手しようということで、目下検討をいたしておるわけでございます。 それから、経営対策としましては、先ほど申し上げましたようなことで、できるだけ歩どまりの低下なりあるいは品質の低下を解決するようなことで努力をいたしたい。また、技術の点につきましても、母貝の仕立て方法その他について技術的な改善の手段を講じて、経営の安定に資してまいりたいと思います。
○樋上委員 四十二年から、前年に比べると輸出の数量、金額とも下回っておりますが、将来この傾向はどうなるのか、慢性化の様相を呈するのか、その見解を承りたい。 さらに、今日の輸出不振の直接の要因は、輸出加工業者のダンピングにあると思うのです。そして輸出不振を不況に転化している原因は、輸出体制の不備にあるのではないか。すなわち、日本の業者によって輸出されているのは四〇%にすぎず、残りの六〇%は在日バイヤーか季節来日バイヤーなどによって輸出されている現状でありますが、この点、改善の余地はないかどうか。
○森本政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、輸出体制を整備してまいるということは、きわめて必要であろうと思います。従来からも輸出組合におきまして、価格なり品質、決済方法についてそれぞれ規約を設けまして、また国としてもそれを通産省令によってバックアップするというようなことでやってまいりました。 御指摘の加工業者がダンピングをするというふうなことがあってはいけないということで、加工業者が輸出業者に売ります段階についての規制も、輸出水産業の振興に関する法律に真珠を指定いたしまして、そういったことができるように体制を整えてまいったということでございます。
○樋上委員 海外での真珠の流通と消費の状況など、市場調査、宣伝について、政府は適切な指導体制を講ずべきであると私は思うのですが、この点はどうでしょうか。また、農産物においては輸出振興費が予算に計上されておりますが、真珠についてはどうでしょうか。
○森本政府委員 真珠についての海外における需要の調査ないし宣伝は、主としてジェトロにおいて担当してきておりまして、かなり従来からも継続をしてやっておるわけでございます。国のほうでも、これに対して必要な国庫助成をやってまいりました。四十三年からは、従来の金額に対しても増加をするというふうなことでやってまいりましたが、今後、真珠のかような情勢を解決するために、できるだけこういった宣伝の事業を強化する必要があろうということで、私どもも十分ひとつ意を用いてまいりたいと思います。
○樋上委員 それでは、現在どの程度の生産縮小によって需給の均衡が保てるのか、またその方法についてもお伺いしたいと思うのです。いかだの台数などの制限によって中小業者を圧迫し、または切り捨てをするようなことはないでしょうか。また台数の基準をどこに置くか、これは問題だと思うのですが、この点はどうでしょうか。
○森本政府委員 しばしば御指摘がございました、零細業者についての調整行為の上の取り扱いでございますが、私どもはそういった零細な養殖業者が経営上重大な影響を受けないように、できるだけ調整の方法について配慮をするようにしてまいりたい。 調整方法として先ほど来申し上げておりますように、平等割りといったようなものを加えるとか、あるいは一定のいかだの台数以下の保有者については、そういった調整活動を及ぼさないとか、さような方法を目下検討中でございますので、御指摘のような事態がないように、できるだけひとつ配慮してまいるつもりであります。
○樋上委員 最後に、母貝の問題でお尋ねしますが、母貝業者が相当倒産しているような現状ですが、それは寄生虫による被害である。その被害が約九十億円にも達しておるということですが、その寄生虫については、ポリキーターとセルカリアと二種類あるということですが、この寄生虫問題についてはどう措置をとられていますか。また、その方法についておやりになったことがあるならば、その結果を知らせていただきたい。
○森本政府委員 御指摘のような病害虫がございます。ポリキーターのほうは、国立の真珠研究所の研究の結果、濃い食塩水の処理をすることが適当だということで、現在そういった方法について、業界並びに府県の協力を得て、普及につとめているところであります。 それからセルカリアのほうは、なかなか駆除はむずかしいというふうなこともございますが、幸い発生の水域が非常に限られておるということでございますので、さような発生水域とみなされるところでは、養殖を行なわないように指導をしていくというふうなことで対処しつつあるところでございます。
○樋上委員 この塩の問題でございまするが、相当の量の塩を使ってやるということにつきましては、その塩の価格の問題は、何とか安く配給はできないものか、この点いかがでございますか。
○森本政府委員 専売物資でございますので、専売公社その他と相談を、あるいは打ち合わせをしなければならぬという問題がございます。従来から、さような問題については私どもも伺っておりますので、できるだけひとつ関係方面と十分打ち合わせをしてみたいと思います。
○樋上委員 次にお尋ねしたいのは、真珠の核の問題ですが、現在、輸入の核を使っておる業者は、おもにどこの国のものを買い入れているのでしょうか。
○森本政府委員 アメリカ産のどぶ貝を使用しているように思います。
○樋上委員 中国のものを入れるというと、アメリカの三分の一で入手できるということを聞くのですが、これは使っておらないのですか。
○森本政府委員 中共産のものにつきましては、真珠の主要な輸出国がアメリカであるということで、アメリカのほうで、中国なりあるいは北朝鮮の産品の輸入の防止といいますか、そういう措置がございますので、真珠業界が自発的にさようなことを考慮いたしまして、中共産の核原料を使用しないというような、使用自粛の申し合わせをしておるという事情がございます。さようなことで、アメリカ産のどぶ貝を使っておるということでございます。
○樋上委員 私は、これは非常に政府が、中国産の核を入れることを何か推進しようとしない、また暗に、業者も買いたいのだけれども、どうもアメリカさんのほうに遠慮をしておるような状態ではなかろうか、こう思うのでございますが、私は、業者が三分の一で入手できるというものを、また買いたいという業者があるならば、政府もこれを指導すべきではなかろうか。大臣、この点はいかがでございましようか。
○森本政府委員 先ほどのような情勢にございまして、そういう情勢のもとで、真珠の業界がみずから申し合わせをしておるというふうな状況でございますので、私どもとしては、そういった業界の意向も尊重するということ、また、現実的な問題としては、主要な仕向け先がアメリカであるというふうなことを考えますと、単に経済的なそういった配慮からのみで行動するということも、なかなかむずかしい情勢ではなかろうかというふうに思っております。
○樋上委員 最後に、大臣に答えてもらってこれで終わりにいたします。 この母貝対策でありますが、真珠養殖業界の不況は、直接母貝業界にも悪影響を及ぼし、すでに養殖され、用意された母貝は、極度の売れ行き不振に加うるに価格の低落のために、母貝養殖業者の中には転廃業する者が続出している、こういう次第でございます。しかも本年度における三重県下の母貝の廃棄量は千二百トンにも及ぶということであって、これはゆゆしき事態を惹起している、こう思うのです。 この対策として、基本的には、真珠の養殖事業法の改正にあたって、真珠養殖の場合と同様、母貝の生産規制と需給の調整に関する規定を明確にするとともに、当面、母貝の廃棄事業に対して助成の道を講じてほしいという要請もあるのですが、この点はいかがでしょうか。 これで私の質問を終わりますが、中共の核の輸入についても、ひとつ今後大いに考慮をしてほしいということについて、大臣の御見解をお聞きいたしたいと思います。
○長谷川国務大臣 今回お願いしておる法案によって、母貝業者のほうにも相当これによって好影響があるだろうと思います。要するに、養殖業者自体そのものがよくなっていくということが条件でありますから、これによってよくなっていけば、結局母貝業者のほうもこれに伴ってよくなっていくということは、当然な関連性を持っておるのでございいまして、そういう上において、今後とも母貝の点についても大いに力を入れますけれども、まず、養殖と母貝を並行させるような方法をとって進みたいと考えております。
○丹羽委員長 他に質疑の申し出もありませんので、本案に対する質疑はこれにて終局いたします。 午後二時再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時九分休憩 ————◇————— 午後二時四十四分開議
○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案及び兒玉末男君外十二名提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野幸泰君。
○松野(幸)委員 農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる農林年金法が、農林漁業団体の職員の福利厚生をはかり、農林漁業団体の事業の円滑な運営に資するために、昭和三十四年に発足してから今日まで十年を経過しました。当初は、国家公務員共済組合等他の共済組合制度と農林年金との間には、かなりの格差が存在しておりましたが、過去数次の改正により、相当程度これらの格差は解消されました。 しかしながら、既裁定年金や旧法組合員期間などの点について、なお格差が存在するために、これらの格差を解消することが、農林漁業団体職員の年来の願望でありました。私自身も県農協中央会会長、県農林年金連絡協議会会長として、長年心配をいたしておりましたが、今回、政府においてこれらの格差を実質的に解消するための立法措置として本法案を提出されましたことは、非常に大きな成果で、これによって、全国の農林漁業団体役職員の長年にわたる悲願が達成されようとしているわけでありまして、一日も早くその成立を願うものであります。 しかしながら、本法案をめぐり、社会党からも対案が提出されておることもあり、また、今後における問題もございますので、以下数点について質問し、順次これらの点につき政府の見解を明らかにしていただきたいと思います。 まず第一点は、昭和四十一年改正の際の附帯決議についてでありますが、前回の法改正の際に、農林水産委員会において本制度に関連して、第一として旧法組合員期間の給付の改善、第二として年金スライド原則の発動基準の明確化と既裁定年金の給付の改善、第三は国庫負担の増額について附帯決議がされましたが、その後の措置状況、特に、今回の立法措置との関係はどうなっているのか、お尋ねいたします。
○池田政府委員 前回の法改正の際の当委員会の附帯決議の実施状況でございますが、大別いたしまして四点ございまして、いまお話しのとおりでございます。 第一の旧法の組合員期間の給付の改善につきましては、いわゆる完全通算ということばでいわれている問題でございますが、実質的には、私どもは今回の改正でこれは実現した。形はちょっとややこしい形をとっているわけでございますが、実質的には実現をした、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、年金スライド原則の発動基準を明確にせよという決議でございますが、これは実は農林年金だけではなしに、各年金制度を通ずる問題でございまして、政府部内におきましてそういうことを、関係の官庁が集まりまして協議をいろいろしておるわけでございまして、まだ結論的なものは出ておりませんが、鋭意検討しておる、こういう段階でございます。 それから、既裁定年金の給付の改善の問題でございますが、これにつきましては、従来農林年金の場合、国共済等と比べてかなりおくれていた点がございまして、私どもは改善に努力をしたわけでございますが、今回の法改正では、既裁定年金の給付額につきましてベースアップをするということで、まず十分であるかどうか、これはまた御批判があるかと思いますが、私どもは、一応附帯決議の趣旨に沿いまして、今回の改正案を御提案申し上げたというふうに考えているわけでございます。 国庫負担の増額の問題でございますが、これもなかなかむずかしい問題でございますが、不十分ではあろうかと思いますけれども、四十二年以降財源調整費ということで、現在まで合わせて二億円、本年度は一億円でございますが、増額をしたということで、いろいろ努力をしておるわけでございます。
○松野(幸)委員 次に、平均標準給与の改定、いわゆる完全通算についてでありますが、旧法組合員期間の給付の改善について、附帯決議にもあるように、新法の給付を旧法にも適用する、いわゆる完全通算の措置をとらずに、平均標準給与を二〇%引き上げるという方式をとったのは、いかなる理由によるものか。 また、今回の改正は、既裁定年金について十一万円の頭打ちを設けているために、現在の年金額の算定の基礎となっている旧法の平均標準給与の月額が十一万円となっている者にとっては、せっかくの改善措置もその恩恵が及ばない結果となっており、問題があると思量されますが、政府がこのような頭打ちの措置をとったのはいかなる理由に基づくものであるか、お伺いいたしたい。
○池田政府委員 これは、確かに完全通算という形で、旧法期間につきましても新法の率を適用するという形が、一番簡明であるということは事実でございますけれども、今回そういう方法をとりませんでしたのは、実は他のいろいろの共済制度との関係を配慮したということでございます。国共済その他におきましても、まだ同じような措置がとられていないということで、年金制度というのは、やはり公平ということが一つのポイントでございますので、その点で、いわゆる完全通算措置をそのままやるということは、どうもそこらにいろいろ問題があるというふうに考えたわけでございます。 しかしながら、やはり農林年金についての給付内容を充実するという必要はございますので、いろいろ苦慮いたしました結果、一つの便法でございますけれども、従来国共済と農林年金との間に、たとえば国共済におきましては、最終給与をとる、ところが農林年金においては最終三カ年間の平均をとる、こういうような違いもございますので、そういう点に着目をいたして計算いたしますと、その間にほぼ二割程度の格差があるということでございますので、その間の修正をいたしましてその均衡をとるために、実はこういうような措置をとったわけでございます。 そういう措置に伴いまして、いや後段において御指摘ございましたような、若干の矛盾があるというのは事実でございます。これは私どもも否定申し上げるわけではございませんで、確かにそういう点がございますけれども、そういう方式をとりましたことの一つの当然の結果といいますか、要するに、標準給与の最上限以上の給与というのはあり得ない、理屈っぽい話でございますけれども、標準給与の最上限以上の給与はないという考え方からそれができなかった、こういうことでございまして、私どももその点はだいぶ頭にはあったわけでございますが、全体として、今回そういう方式をとるということでいかざるを得なかった関係もございまして、若干そういう矛盾みたいなものが残っております。 ただ、これは御参考までに申し上げておきますが、それだからいいということを申し上げるつもりはございませんけれども、全体の数から見ますと、ごくわずかな例でございますので、そういうことがあることは、私どもも念頭にはあるわけでございます。
○松野(幸)委員 次は、既裁定年金のベースアップについてでありますが、今回の改定措置は、国家公務員の年金ベースの改定に合わされておるのであるが、今後国家公務員共済ベースの改定が行なわれるたびごとに、農林年金についても当然の措置として、同様の改定が行なわれるものと期待されますが、そのように理解してよろしいかどうか。 さらに、このような措置ではなく、所得水準、生活水準の上昇の著しい今日、これに対処するためのスライド方式を採用すべしとの意見もあるが、この点についてはどう考えられるか。また、スライド方式を実施する場合は、何を基準にすることが最も妥当であると考えられるか、お尋ねいたします。
○池田政府委員 今回、農林年金につきまして初めてベースアップが実現を見るわけでありますが、これは初めての例でございます。従来ほかの共済制度におきましては、同じような措置が行なわれておりましたけれども、農林年金については、従来その措置がとられていなかったので、かなり格差があったわけでございますが、私どもは、初めてこういうことができましたので、今回の事実というのは、将来に対して明るい見通しを持ち得る一つの事実ではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、そういうような方式より、むしろスライド原則というようなことでやれという考え方がもちろんあり得るわけでございますが、これは実際問題になりますとなかなかむずかしい問題でございまして、先ほども申し上げましたように、政府部内でいろいろ検討いたしておりますが、まだしっかりした結論が出ておらないわけでございます。もちろん、たとえば物価水準をとるという考え方もございますし、あるいは消費水準というようなものをとるという考え方もございますし、あるいは給与水準というようなものを参考にするというような考え方もございますし、いろいろあるわけでございますが、まだ自信のある結論を得られていない、こういう現状でございます。
○松野(幸)委員 次に、最低保障の問題について。本法で既裁定年金の最低保障額の引き上げを行なうとともに、厚生年金保険法などの一部改正で、農林年金の新規裁定年金にかかる最低保障額を引き上げることとしているが、こういう新規裁定と既裁定との間で最低保障額に格差があるのはいかなる理由によるものであるか。 また、今回の法改正において、二十年未満の既裁定遺族年金について最低保障額は引き上げられていないが、この分の改定を行なわなかったのはいかなる理由によるものであるか。これに該当する人々は、その引き上げを最も痛切に要望している階層でもあるので、この分についても、何らかの改善措置が必要であると判断されますが、この点はどうなのか、あわせてお伺いをいたします。
○池田政府委員 今回御審議を願っております法律と厚生年金法の改正案の附則、両方合わせまして新規裁定、既裁定の最低保障の引き上げをやるわけでございますが、その間に若干の格差があるわけでございます。これは、私どもは本質的に格差があるべきものであるという気持ちは持っておらないのでございまして、望むべくんば極力給付水準を厚くするという意味で、最低保障額の引き上げをするのが好ましいと思うわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、やはりこの年金制度、特に共済制度の間には、ある制度だけ引き上げをしまして、他の制度は云々ということになると、なかなか問題があるわけでございます。今回の場合若干そこに差異が出ましたのは、やはり他の国共済等とのバランス問題というのが、実は裏側にそういう理由としてあるわけでございます。 もちろん、そういうことのほかに、もしかりに最低保障額の給付水準を上げましたときは、一体その追加費用をだれが持つかという問題が当然からんでくるわけでございます。要するに、年金制度のあれからいいまして、後代負担ということになるわけでありますが、後代の人にあまり負担をかけ過ぎますと、これはいろいろ問題も起きてくるということなんで、そこいらを勘案いたしまして、引き上げはいたしましたが、一ぺんにそこまで行き切らなかったというのが実態でございます。 それから、遺族年金につきまして同じような問題がございまして、いま御指摘のように、二十年未満の最低保障が前のままに据え置かれた非常に低い額でございます。これは私どもも、対象になります方々には非常にお気の毒であるという感じを強く持っているわけでございますが、やはり恩給制度とのバランス等から、いまこれを全部引き上げるということはなかなか財政的に困難である、こういうような事情がございまして実現を見なかったわけでございます。私どもも、今後の方向としてはぜひとも引き上げに努力をいたしたい、こういう考えを持っているわけでございます。
○松野(幸)委員 次に、財源の問題でありますが、今回の制度改正により、財源率が千分の四・九程度増加するにもかかわらず、掛け金率を引き上げないことにしているが、このための財源措置はどのようにされるつもりか、お伺いします。
○池田政府委員 いまございましたように、制度改正によって、千分の四・九程度本来ならば掛け金の引き上げをするのが筋でございますけれども、農林年金の現在の率はかなり高いわけでございますので、私どもは、内容はよくいたしても、組合員の方に迷惑をかけるようなことは極力したくないということで、掛け金は据え置きという線を考えておるわけでございます。 その場合に、一体どうしてまかなうかということでございますが、これは財源調整補助が、四十四年度におきまして一億円計上されておりますし、それから、前に合わせまして一億円ほどございますので、合計二億円ございますし、さしあたりの給付に支障を来たすということはないわけでございます。 ただ、年金財政という面から見てやはり問題があるのではないかということが一つあるわけでありますが、これにつきまして、私どもは年金財政の中身を少しよく洗いまして、もし将来そういう問題が起きてくるような状況であるならば、それは十分そのための対策を考える必要がある。しかし、ここ数年ながめてみますと、大体現在の年金財政でまかなっていけるのではないか、こういう考え方をしているわけでございます。
○松野(幸)委員 そこで、四十四年度分については問題がないわけでございますが、組合員としては、将来不足する財源に対する保障がないために、はたして掛け金率の引き上げが行なわれないでも済むのかという不安が強いわけであります。したがって、法改正に伴い、農林年金の財源率はどのように変化し、また、組合員の負担軽減策について、政府は将来にわたってどのような方法をとろうとする方針であるか、明確にしていただきたい。 なお、組合員の負担を軽減するため、国の補助率を二〇%に引き上げるべきであるという意見があるが、今回も見送られる結果となったので、その間の事情についても、あわせて政府の考えをお尋ねいたしたい。
○池田政府委員 今回の制度改正で、財源率にいたしまして千分の四・九、それからあと若干こまかい数理的保険料の問題がございますけれども、大体その程度財源率としては上がるわけでございますが、私どもはそういうことに対しても、先ほど申し上げましたように、財源調整補助を使っていくとか、あるいは年金財政の中で、資産の運用によってまかなわれる利益というものもございますから、そういうものを考え合わせていけば、まずここ四、五年のうちに、組合員に掛け金の引き上げということで御迷惑をかけるということはないというふうに、実は確信をしておるわけでございます。 もちろん、政府の側におきましても、今後いろいろ助成措置等については十分検討する必要があるという気持ちは一方ではございますが、そういうものとあわせまして、そういうように組合員に御迷惑をかけることのないように考えてまいりたい、こういう気持ちでございます。 国庫補助の率を、現在の百分の十六を百分の二十に引き上げるという考え方は、私どもも、実は率直なところ従来考え方としては持っておりまして、いろいろ政府の予算編成の際に努力をしたわけでございますけれども、いろいろな事情で実現を見なかったわけでございますが、一方では財源調整補助というようなものも、若干ながら増額をしたというようなこともございまして、当面は組合員に御迷惑をかけることはない、かように考えておるわけでございます。
○松野(幸)委員 法改正による不足財源について、補助金、積み立て金の運用などによって対処する方針であるとの説明でありましたが、積み立て金の運用によって法改正に伴う必要な財源をカバーすることは、とても不可能であると考えられるがどうか。 また、積み立て金の運用は、法律、省令によってその範囲が定められており、この積み立て金は将来の給付金の財源であるから、安全を旨に管理することは当然であるが、有利という点も非常に重要な問題であると思われますが、この際、官業共済組合並みに、運用可能な公社債、株式の投資信託までは運用範囲を拡大する必要があると思いますが、この点について、政府はどう考えられるか。
○池田政府委員 共済組合におきます積み立て金の運用と申しますか、資産の運用と申しますか、そういうようなことで、やり方によりましてかなり利益が出るわけでございますが、やはり健全性という点もあわせて考けなければなりませんが、現状は、確かに他の国共済等と比べまして若干きつくなっているわけでございます。しかし、いま御指摘ございましたが、現在の範囲のほかにもうちょっと広げてもいいのじゃないかということもございますので、これにつきましては、現在私どもも検討いたしておりまして、たとえば、証券投資信託というようなものは元本は大体だいじょうぶでございますから、そういうようなものにつきまして、あるいはさらにもう少し範囲を広げるというようなことも含めまして、実は検討いたしたいという心づもりでございます。 なかなかそういう運用だけではむずかしいのではないかという御質問でございますが、私どもは、先ほど申し上げましたように、かなりの運用益が出るということもございますので、まず当面はそういうものをあわせて考えていけば、年金財政としてはまかなっていけるのではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
○松野(幸)委員 農林年金の対象団体の範囲の拡大については、さきの農林水産委員会において附帯決議がなされており、今回の改正にあたっては政府において検討されたことと思うが、その結果はどうなったか、お尋ねします。
○池田政府委員 この問題は、かねがね非常に御要望の強い問題でございまして、私どもも、法案を提案いたします前の段階でずいぶん検討をしたわけでございます。 ただ、実は制度としては非常に扱いにくい問題でございます。と申しますのは、年金制度というのは権利義務を伴う制度でございますので、法律上分野をはっきりしておかなければならない、こういう一つの法律テクニックとしての問題があるわけでございます。制度としてそれをはっきりするということになりますと、たとえば、現在は特別法による団体ということでこれははっきりいたしますが、その他のものでございますとそこいらが非常にむずかしいわけでございます。そういうことがございまして、実は政府案といたしましては、いろいろ検討はいたしましたが、法案の中に盛り込むに至らなかったということがございます。 それからもう一つは、やはり年金体系の問題が一つからんでおりまして、要するに、厚生年金と農林年金の境をどこで引くかという問題がございます。現状は、特別法による団体ということに農林年金は限っているが、そこが若干また境の問題でございますので、いろいろ問題があるというようなことで、政府案といたしましては盛り込むに至らなかった、こういう経緯でございます。
○松野(幸)委員 最後に、農林漁業団体職員の給与が低く、このため年金の給付水準も低くなっているが、これら職員の給与改善についての政府の考えをお尋ねして、私の質問を終わります。
○池田政府委員 これは、確かに現状御指摘のようなことでございまして、特に単協の場合、他の、たとえば市町村というようなものと比べましてもかなり低いわけでございます。 私は、この問題はやはり農協の経営基盤あるいは事業のあり方ということと関連をいたす問題——これは農協だけではございませんが、一例を農協に取り上げれば、そういうような問題とからむ問題でございまして、やはり、従来規模が非常に小さいものでございますならば、これは合併等をいたしましてその基礎を強くしていく。そういうようなことを考えまして、組合としての基礎を強くした上で給与の改善にいくということにいたしませんと、なかなか実現ができない問題でございますので、そういう点については、従来、農協法の制度の改正、あるいは実際の指導面を通じて、いろいろ努力をしているわけでございますが、実態は、確かに御指摘のようなことでございますので、私どもも、農協の組織と力を合わせましてそういう面の努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○丹羽委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 第一にお尋ねしたい点は、今回の農林年金法の改正にあたって、これは手続上の問題といたしまして、総理府の社会保障制度審議会に農林大臣から諮問することになっておるわけでありますが、この諮問に対しまして、二月の十四日に社会保障制度審議会会長の大内兵衛君から答申が出されておるわけであります。 答申の内容を見ますと、すなおに理解しがたいような表現になっておりますので、この点について政府から、その答申の意のあるところを明らかにしてもらいたいと思うわけです。 昭和四十四年二月十三日四四農政第六七〇号で諮問のあった標記の件について、本審議会の意見は次のとおりである。 記 旧法と新法との調整を長年にわたり放置し、今日とりあげることは時期的に適当とはいい難い。もし、国家公務員の共済制度と均衡をとることが必要であるならばこの案のような複雑で問題の多い方式をとるよりも、最終三カ年の平均標準給与に全期間と新法の給付率を乗ずるほうがはるかに簡明であって問題も少いと考える。 既裁定年金の引上げ方式については慎重に対処の要があり、ことに平均標準給与の倍率を政令に委ねることおよび退職時期によって取扱いを区々にすることは賛成しがたい。 整理資源の負担関係については速かに合理的で明確な制度を確立する要がある。 この答申の内容は、昭和四十一年における本法の改正の場合の答申と相当趣が異なっておるわけでありまして、この答申の内容を区分して尋ねたいと思います。 まず、「旧法と新法との調整を長年にわたり放置し、今日とりあげることは時期的に適当とはいい難い。」この点は、農林省としてどう受けとめておるわけですか。
○池田政府委員 これは、社会保障制度審議会でかなりきついおしかりをいただいたようなわけでございますが、農林年金といたしまして、従来から完全通算等の要請があったわけでございますが、今回の改正案では、若干形は違いますけれども、一応その趣旨を実現をする、こういうことに至ったわけでございますが、これは私どもの理解では、どうも非常に時期おくれではないか、いまごろになってこれをやるというのは、どうもいささか怠慢ではないか、こういうおしかりであろうというふうに実は考えているわけでございます。 確かに、そういう点はございまして、われわれ努力はいたしたつもりでございますが十分でなかったわけで、今回初めてある程度実現を見た、こういうふうに理解をしているわけでございます。
○芳賀委員 それでは、「適当とはいい難い。」という点は、今回の農林大臣が諮問した改正案そのものが適当といいがたいというのではなくて、いままで長年の間、農林省の怠慢によって放置したものであって、いまごろこの時期に改正案を出すというようなそういう農林省の態度、熱意というものは適当じゃない、こういうことですね。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
○池田政府委員 私どもは、さように理解をしているわけでございます。
○芳賀委員 農林年金の最大の特徴は、公的年金の中で給付水準が最も低いということと、組合員の掛け金負担が最も高いという、これが農林年金の最大の特徴ですから、そういう特徴をいつまでも温存するということは、不適当のそしりはやはり免れないと思うわけです。 それではその次の、「国家公務員の共済制度と均衡をとることが必要であるならばこの案のような複雑で問題の多い方式をとるよりも、最終三カ年の平均標準給与に全期間と新法の給付率を乗ずるほうがはるかに簡明であって問題も少いと考える。」これはどう受けとめておるわけですか。
○池田政府委員 私は、この御意見はある意味では非常にごもっともな御指摘であるというふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、今回私どもがやりました方式というのは、確かに複雑な点がございます。一部矛盾みたいなところもございます。でございますが、いろいろな経過がございましてああいうような形をとったわけでございますが、社会保障制度審議会ですらっと御検討になるならば、それは当然もっと簡明な、旧法期間につきましても百分の四十というような率をそのまま使ったらいいじゃないかというのは、確かに大局的見地から見ますと、非常にごもっともな御意見であり、御指摘であると私は思うわけでございます。 これは、先ほど松野先生の御質問にお答え申し上げましたときに若干申し上げたわけでございますが、実は年金制度というのは一つの、これはある意味では悪い点かもしれませんが、バランスの問題という点がございます。そういうことがございますので、国共済と同じ方式をとるというのも一案でございますけれども、農林年金の場合は、国家公務員のように給与表というものが確立されていないという問題がありますので、それもなかなかとりにくい。さりといって、国共済では新法期間の率を旧法にも適用するという方式をとっておりませんので、それをとるというのはややバランス的にどうか、こういうような意見が政府部内にございまして、窮余の策というとことばはちょっと適当でございませんけれども、私どもは実質的に何とかその制度を実現をしたいということで、二割アップというようなやや複雑な方式を編み出した、こういう経緯がございます。 そういうそれぞれの立場からする妙なことを——妙なというとあまり適当でございませんが、いろいろなバランスとかそういうことを考えないですらっと考えますれば、確かにもっと簡明な方式のほうがいいんじゃないか、そういう意味の御指摘である、実はこういうふうに私は理解をしておるわけでございます。
○芳賀委員 この点は四十一年の改正の際も、旧法期間といわゆる新法期間との給付率が異なる、これはやはり新法期間の給付率に基づいて百分の四十に改めて、これを完全通算すべきであるということが非常に論議されたわけですね。この答申の趣旨から見ても、結局、旧法期間の百分の三十三・三というものを、新法の百分の四十に基づいて完全通算するやり方のほうが、むしろ簡明で妥当ではないかということだと思うのです。
○池田政府委員 この審議会の御指摘は、まさにいま先生がおっしゃったようなことだと私どもも理解をしております。
○芳賀委員 次に、「既裁定年金の引上げ方式については慎重に対処の要があり、ことに平均標準給与の倍率を政令に委ねることおよび退職時期によって取扱いを区々にすることは賛成しがたい。」この点は、農林大臣の諮問のこの部分に対しては、賛成しがたいということが表明されておるわけでありますが、この趣旨はどういうふうに理解すべきですか。
○池田政府委員 この表現は、私どもから見ますと、若干はっきりしない点があるわけでございますけれども、一つの問題は、完全通算を実現するための手段といたしまして、先ほどの完全通算という方式ではなしに、標準給与のほうをある倍率をかけたものに直すという方式をとっているわけでございますが、それを政令にゆだねているわけでございます。その問題につきまして、この種の制度はやはり法律できめるのがたてまえではないか、そういう観点から政令にゆだねるのは適当でない、こういう御指摘が一点。 それから後段のほうは、私どもの理解では、ベースアップをいたします場合に、これは退職時期によりまして倍率が違っておるわけでございます。したがいまして、退職時期によって違っているということはどうもあまり賛成できない、こういう御指摘のようでございます。 私どもは、内容といたしましてはそんなふうに一応理解をいたしております。
○芳賀委員 最後の点ですが、「整理資源の負担関係については速かに合理的で明確な制度を確立する要がある。」この点は四十一年の審議会の答申の中においては、農林年金の整理資源の確保について非常に欠けるところがあるので、この点を抜本的に改善すべきであるという一節があるわけです。これは、やはり前回の指摘と関係があるところではないかと思うのですね。そうじゃないですか。
○池田政府委員 関係があるように私どもも考えるわけでございますが、私どもの理解といたしましては、このことば自体は非常に簡単に書いてございますのではっきりしない点がございますが、やはり制度改正というようなことで整理資源が出てくる、そのときにはそれはどういうふうに負担をするか、あるいは国が負担をするということもあるかもしれませんし、あるいはその他の方法もあるかもしれませんが。そこいらがどうもはっきりしない、そこいらの負担の考え方というものをもっとはっきりする必要がある、こういう御指摘であるというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。
○芳賀委員 内容については後刻具体的に質問しますが、次に、改正の内容に入るに先立って、この農林年金関係の昭和四十四年度の予算の関係について尋ねたいと思います。 まず第一に、昨年農林省当局が原案として作成して、大蔵省に概算要求を行なったこの年金関係の予算要求の内容と、政府の一般会計予算として決定されたその内容との比較、並びに農林省の概算要求が、結果的にどういうような経過をたどって最終決定になり、その中で特に問題になったような点は、どの点であるかというような点について、局長から説明してもらいたいと思います。
○池田政府委員 当初、私どもが大蔵省に要求いたしました共済組合に対します補助金の額は、端数は別にいたしまして、大体十四億五千万程度でございます。 内容といたしましては、給付費の補助と財源調整の補助と事務費補助と分かれるわけでございますが、考え方といたしましては、給付費の補助につきましては、いわゆる国庫負担の引き上げということで、従来一六%でございますものを二〇%まで引き上げる、こういう要求をしたわけでございます。それから、財源調整補助につきましては、三億二千四百万というような要求でございます。これに対しまして、一応決定を見ました総額は九億六千万円でございますが、給付費の補助に つきましては、要求は実は認められなかった、従来どおり据え置きである、こういうことになっているわけでございます。それから、財源調整補助につきましては、一億円が認められたということで、従来の金額に比較いたしまして、たとえば昨年度が六千万円でございますから、四千万円ほどの増額になった。 大体内容といたしましては、そんな内容でございます。
○芳賀委員 この点は、明年度の昭和四十五年度の予算、さらに年金制度の改正等にも重要なつながりがあるわけですから、さらにお尋ねしますが、最初農林省の要求された各項目の積算内容を見ますと、法第六十二条第一項第一号に基づく要求としては、これは給付に対する補助ですが、いま局長の言われたとおり、法律の六十二条第一項では、給付額に対する百分の十六を国が補助するということになっておるわけです。これに対して百分の二十、これは当然法律に根拠を置いて要求するのがたこまえだと思うわけです。ですからわれわれとしては、法律では百分の十六になっておるのを、農林省が昭和四十三年度、四十四年度の両年度の要求に、それぞれ百分の二十の要求を出して、結果的には法律どおり百分の十六ということで決定しておるわけです。ですから、これはただ見せかけに、毎年百分の二十要求しておるというような、形式的な熱意の表現だけではならぬと思うのですね。 これを完全に確保するためには、むろん法律の改正ということで、百分の十六を百分の二十に改正すれば、これは財政当局といえどもこれをさらに削減することはできないと思うのですよ。この点がわれわれとして、農林省の意のあるところはわかるが、きめ手として、国会において法律の改正を行なってでも実現させる、この熱意に欠けておるわけですね。こういうことを毎年繰り返しても、法律改正を行なわない限り、四十五年度もこのとおりに要求しても、また決定は百分の十六ということになるのではないかと思うのですよ。 去年の暮れ農林大臣も、年金の予算要求には、これはもう大きな柱としてがんばるということをわれわれにも言って、まあがんばった事実はあるわけですが、結果的には、法律の改正が伴わないので、結局むだな骨折りということで終わっておるわけですからして、今後どういう姿勢でこの百分の二十を確保するかという点についても、農林省の方針を明確にしてもらいたい。 それから六十二条第二項、これは四十一年の法改正のときに、委員会修正の形で第二項を入れたわけですね。ですから、これはわれわれ立法府にある者として非常に責任を感じておる条項なわけです。ところが、農林省が要求しましたのは、掛け金率に相当する分として、掛け金率に対して千分の八相当額の金額である、いわゆる三億二千四百四十万というものを要求されたわけですが、これが大蔵省のほうでは、決定段階で一億円ということになっておるわけです。 昨年度は六千万円、それから四十二年度は、最初の年で四千万円ということでいっておるわけですが、毎年金額において増加しておるということはわかるわけですが、これらの要求の積算基礎、あるいは大蔵省が決定した一億円の積算の根拠というものは、どういうことになってこの一億円になったかということは、これは非常にわれわれとしても関心のある点ですから、この二点について、大綱的な点については農林大臣から、内容的な点については局長から説明してもらいたいと思います。
○池田政府委員 私が先に御説明申し上げまして、あとで大臣から……。 財源調整補助につきましては、一億円ということで決定を見たわけでございますが、これは、端的に申し上げまして、非常にはっきりした根拠があるわけではございません。まあ一方では、制度改正によりまして財源率がふえてくる、こういうことがございますし、それからまた一方では、年金財政の状況というものを考えなければいけないわけでございますし、また一方では国のふところの問題、こういうことがいろいろございまして、まあ客観的な数字というとあれでございますが、一億円ということできまりましたわけでございます。 私どもといたしましては、小さな金額の問題ではございますけれども、従来、四十二年に四千万円、その次の年に六千万円、まあ二千万円ふえたわけでございますが、今回はややそれに比べますと、金額としてはふえ幅が大きかった、経過といたしましてはそういうことでございます。 まあいろいろな予算折衝の段階で、大臣も非常に御苦労されたわけでございますが、それにつきましては、また大臣から……。
○長谷川国務大臣 何しろ十二月の折衝のことだから、いろいろ思い起こすのに——忘れておるわけではないけれども……。いずれにいたしましても、今回のただいま御審議を願っておるこの段階に入るまでには、私は私なりに相当の努力をしたつもりでございまして、したがって、皆さんのほうからもぜひやれというような御意見もございまして、そういう意に沿ってやったつもりでございますが、こまかいことについては、いま局長からいろいろお話を申し上げたとおりでございます。 たとえば本年度——こう言うとまたおしかりを受けることになるかもわかりませんけれども、米の値上げも本年度はできないが、また農業者の方々には何とか方法はできるけれども、今年度までの米の生産にいろいろの努力をしてきた農業協同組合におつとめになっている方々、また漁業協同組合におられる方々もございますけれども、こういう方々には、長年の願望であるので、これだけは本年度はなし遂げたい、こういうような考え方の上に立って、私もでき得る限りの努力をいたしましたし、局長にも、これだけは何が何でもやらなければ顔が立たないというような話もいたしまして、そして曲がりなりというか、お気に召す、召さないは別でございますけれども、これまでにこぎつけた、そういう経緯でございます。 以上、こまかい点については、また局長からもお話があると思います。
○芳賀委員 この点は、明年度また出てくる問題ですが、重要な予算の確保ということになれば、最終的には担当大臣が努力するということになるわけですね。それで、昭和四十一年に予算の中で、当時給付額に対する百分の十五の補助率を、それを法律を改正しないままに百分の十六予算がついたわけです。これは別にふやしたのが悪いというわけではなくて、この予算措置は、法律の改正をしないままで行なうということには問題があるではないかということを、農林委員会あるいは大蔵委員会で指摘いたしまして、最初政府は法律改正の意思はなかったのでありますが、国会の追及の結果、当時の福田大蔵大臣が、それでは政府としてもこの分については、農林年金法の一部改正を行なって適法な措置を講じますということで、四十一年の改正の場合に補助の百分の十五が十六に変わった、そういう経過があるわけです。その年に六十二条二項の修正を国会において行なったわけです。 ですから、これは四十一年の経過から見ても、法律をそのままにして幾ら補助率を高く計算して要求しても、これは実現しないということが、もう前例として証明されておるわけですね。ですから、これを実行するためには、百分の二十の要求をした場合には、どうしても法律の中身の補助率を百分の二十に改正する、そういう法的措置の裏づけがなければ、これは実行できないわけですね。われわれは、農林省の立場を十分配慮していま質問しているのですよ。 だから、せっかく今回の改正の機会ですから、もうすでに各省においては明年度予算の作業に入っておるわけですから、明年度も百分の二十の要求を当然お出しになると思うので、それにはこの国会で、この農林年金の改正案審議の機会に、この分はわれわれが国会においてこれを改正して、皆さんがやりやすく、農林大臣が予算をとりやすくするようにしてはどうかということを十分配慮しているものですから、そういう意味でいま大臣に質問をしておるわけです。そのほうが、大臣、やりやすいんじゃないですが、ことし百分の二十に法律改正をしておけば、もう大臣が直接折衝しなくても、池田局長だけで、大蔵省は法律にたてつくわけにいかぬですからして、ちゃんと百分の二十の確保はできると思うのですよ。 だから、そういう改正に絶対反対であれば反対であるとか、ぜひこの機会に、政府としてはやりづらいので、委員会においてやってもらいたいという御意思があれば、これは内輪のようなものですから、率直に大臣の御意思を表明してもらいたい。
○長谷川国務大臣 どうもまことにけっこうづくめなお話でございますけれども、お話の補助率一六%、しかし、実質をよく計算してみるとこれが二〇%に間違いない。いままでやったこれだけの苦労といおうか、これにもずいぶん努力をしたわけなんで、予算の裏づけのないのをここで、いかに立法府だからといって、立法府が裏づけなくしてそれを修正するということは、ちょっと困難ではないでしょうか、と思いますが、私のほうはそういうふうに考えます。裏づけを立法府で持っておるなら別ですが、裏づけのないのを私のほうでやれといわれたって、さよでございますかとそのままお引き受けしていくわけには、ちょっといかないのではないか、このように考えます。
○芳賀委員 これは論戦をする気ばないが、それでは何ですか、法律の根拠がなくても、先に予算の措置を行なって、そのあとを追って法律というものは制定されればいいと、そういうお考えですか。
○長谷川国務大臣 いずれも予算を組み立てるまでには、予算の裏づけというものがあって、その裏づけによったものが提案されることになっておるということは、これは議論をする余地がないと思うのです。これも何年か先にそれを行なうというならまた別の話ですけれども、いま行なっておるのに、裏づけがないというのをお引き受けするわけには、政府としてはいかないのです。
○芳賀委員 それでは、毎年の国会で予算関係の法律については、予算が両院を通過する前に各委員会の審議を促進してもらいたい、これは毎年の政府の要請でしょう。法律が通らなければ、予算だけ通ってもそれは使用ができないので、予算が成立するまでに、少なくとも予算関係の法案については、これをぜひ成立してもらいたい、これは大臣も国対委員長時代には、相当そういうことで野党工作をやられたと思うのですよ。いまの答弁を聞くと、反対のようなことをあなた言っているのですね。 連日いろいろな法律や問題をかかえて狂奔されておるので、この年金問題だけに集中する答弁がなかなか無理かもしれませんが、四十五年度の予算を要求する場合、この国会で補助率の百分の十六が百分の二十というふうに改正されておれば、それを根拠にして、当然四十五年度の予算要求というものは、農林省が四十四年度の予算要求をやったと同じようなこういう百分の二十で出せるし、出せば必ず予算の確保ができるということになると思うのです。そうじゃないですか。局長でもけっこうです。
○池田政府委員 これは、予算が先か法律が先かというのは、いろいろなケースがあり得るだろうと私どもも考えるわけでございます。通常でございますと、やはり相当な財源を伴いますものでございますから、そういうものはまず予算のめどをつけて、その上で、それに合わせまして法案を御提案申し上げて、早い時期に御提案申し上げて、同時に御審議をいただくというのが普通の形であろうと思うわけでございます。 今回のこの二〇%問題は、いままでのいろいろな折衝の経緯等から見ますと、一つは、やはり他とのバランスの問題がございましてなかなか実現がむずかしい、こういうような実態があるわけでございますので、やはりそういう点について、十分政府部内としては見通しをつけませんと、それを制度化するというのはやはりなかなか問題があるわけです。私どもはそう申し上げて、来年はもうあきらめたんだなんという気持ちは毛頭ございませんで、これは、今回ある程度の改正も見ましたけれども、残された第一の問題でございますから、またひとつ来年度の問題として、大臣を先頭に大いに努力をしたい、こういう気持ちでおるわけでございます。
○芳賀委員 それでは、この分は法律が改正されなくても、来年度も百分の二十で要求をする、そういう作業をしておるわけですね。
○長谷川国務大臣 私のほうの考え方、方針というものは、全くそのとおりなんでございます。何とかして御期待に沿わなければならぬ、そうしなければならない、それが当然だという考え方に立って、本年度もあれだけ長くかかって折衝したのでございますから、来年度につきましても必ずそのような要求をして、十分折衝をする考えでございます。
○芳賀委員 これは折衝の努力だけじゃなくて、ぜひ実るようにやってもらいたいと思うのです。そのきめ手は、やはり法律の改正以外にないということを、私は冒頭から言っているわけです。 それから次に、調整財源としての一億円ですが、農林省の場合には、掛け金率にして千分の八相当額の三億二千四百四十万を要求されたわけですね。これはたまたま給付額に対しては百分の六ということになるわけですね。どっちを根拠にしたかはいま説明してもらいたいと思いますが、この点は、いずれかを根拠にして積算されたと思うわけです。ただ、大蔵省が毎年四千万とか、六千万とか、一億円というものをつけるわけですが、これはどういう積算の根拠を用いて、たとえば一億になり、六千万になったのか、この点は、今後の問題としても非常に重要ですからして、大蔵省から説明してもらいたいと思います。
○辻説明員 お尋ねの財源調整補助につきましては、先ほど農林省からお答えを申し上げたとおりでございまして、前年までの補助の状況でございますとか、その他諸般の状況を総合的に勘案いたしまして、四十四年度におきましては一億円、かようなことにいたしたわけでございます。
○芳賀委員 一億円はわかるのですよ。これはことしの予算にも載っておるわけですからね。その一億円というものが、農林年金法の六十二条の二項の規定に基づいてこれは一億円つけたわけですね。ただ、その一億円の計算の根拠というものは、何を根拠にして一億円という答えが出たか、その点を聞いておるわけです。
○辻説明員 財源調整補助の趣旨でございますけれども、これは御承知のように、将来いろいろなことで農林年金の給付費用の増加が予想される、一方、農林年金の掛け金率が、現在の状態ではかなり高いということ、そういう実態を勘案いたしまして、特に財源調整補助という形で補助することになっているわけでございますが、何ぶんにも将来の給付費用の増高というものを、正確に見積もることは非常に困難でございます。そこで、先ほど来申し上げておりますように、前年までの補助の状況等を勘案いたしまして、四十四年度は一億円と決定したわけでございます。
○芳賀委員 何を根拠にして計算したかですね。すると、大蔵省というのはそろばんは使わないのですか、全然。
○辻説明員 先ほど米農林省からも申し上げておりますように、ほかの予算と違いまして、員数、単価というような積算はいたしておりませんが、この財源調整補助の趣旨、先ほど私が申し上げましたような趣旨にかんがみまして、将来の給付費用の増高を正確に計算することは、ちょっと現在の段階では不可能でございます。そこで、そういう趣旨を勘案いたしまして、従来からそういうやり方でやっておるわけでございます。
○芳賀委員 従来といっても、ことで三年でしょう。そうじゃないですか。すると、あくまでもつかみで査定するということになるのですか、これは。たとえば、一億あればいいという場合でも、何らかの計算をしなければ——要求は三億二千四百万だが、これは一億でいいじゃないかという場合には、やはり計算の結果、四十四年度は財源調整として一億円国が負担すればやっていけるじゃないかということにならなければ、そうしなければ、いかに腰の弱い農林省としても、そうですがといってすぐ引き下がるわけはないと思うのですよ。 この百分の二十のほうはわかるのですよ。いわゆる六十二条の一項に百分の十六としか書いてないじゃないか、法律に根拠がなくて百分の二十の要求をするのはおかしいじゃないか、これは百分の十六にしろということで、これは農林省も、局長にしたって次官にしたってわかりましたで引き下がるが、財源調整のほうは、もう少し計数的な説得力があなたのほうになければ、何でもかんでも大蔵省の言うとおりに、わかりましたで下がるわけじゃないと思うのですよ。ですから、もう少しその点を明らかにしたらどうですか。それば秘中の秘で言えぬというわけじゃないでしょう。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○辻説明員 再三繰り返して申し上げておりますように、給付費の何%でございますとか、あるいは掛け金の幾つでございますとか、そういう積算にはなっておりません。 ただ、給付額に対する率で申しますと、四十二年度の四千万が一・四五%程度だったと思いますし、四十三年は大体同じようなパーセントということでございますが、四十四年度の一億円は約二%弱の一・九六%程度に当たっております。そういう数字も勘案いたしまして、また別途、同じような補助をいたしております私学共済とのバランスも考えまして、先ほど来申し上げておるような額を決定したわけでございます。
○芳賀委員 そういう点を最初から言えばいいじゃないですか。最初にえらそうに、そんなことは何も説明する必要はないというような、そういう態度は、少なくとも国会の中では通らぬですよ。役人同士がやる場合には、さいふ持ったほうが優位ということになってまかり通るかもしれぬがね。給付率に対して根拠を置いたということになれば、それは一応の方法だからわかりますよ。 それから、事務費の関係については、農林省の要求は百十一円を根拠にして要求されたわけですが、これは組合員と年金給付、それぞれ人員と件数について百十一円ずつですから、五千二十四万ということになるわけです。これは結果的には、従来同様百円ということで終わっておるわけですが、この点は農林省としてどう考えておりますか。
○池田政府委員 これは考え方といたしましては、やはり他の例をいろいろ検討いたしました結果、私学共済並みに引き上げをお願いしたいということでそういう要求をしたわけでございます。 結論は、いまお話しのとおりでございますが、私どもが承知しております理由といたしましては、まあ一人当たりの事務費というような点からまいりますと、農林年金のほうがはるかに数が多うございますから、数が多い場合には、必ずしも一人当たりの単価としては同じでなくても、少なくても済むのではないかというようなお話もございまして、いろいろな事情を考えまして、一応原案どおりということに相なったわけでございます。
○芳賀委員 次に、今年度一億円、昨年六千万、一昨年四千万ですから、三カ年累計すると二億円という調整財源になるわけですね。このいわゆる今年度一億、累積二億円の調整財源というものは、これはどういうふうな方法でこれを運用処理しておるか、この内容について明らかにしておいてもらいたい。
○池田政府委員 年金の経理のやり方の問題がからむわけでございますが、従来四千万円、それから四十三年度六千万円、合わせまして一億円あったわけでございますが、これは財源調整ということで一応年金当局といいますか、共済組合がそういう交付を受けたわけでございますが、一応別途経理をいたしまして、いわばややたな上げということばが適切ではございませんが、別途経理をしておったという、こういう経緯がございます。 それで私どもは、今回の一億円の財源調整補助を合わせまして二億円になるわけでございますが、これはそういう別途経理をしておくということでは、本来の趣旨からいって適切でない、これは一般の責任準備金をさらに補うという趣旨のものでございますので、そういう別途経理ということではなしに、年金の準備金の一環として他のものとあわせて考えていく、こういうようなやり方をすべきものであるということで、大蔵省当局とも相談をいたしまして、そういうようなやり方をとるようにいたしたわけでございます。
○芳賀委員 それでは従来は、この調整財源というものは、いわゆる財源率の中には入っていなかったわけですね。その外にたな上げされておったというわけでしょう。そうすると、今年度からこれは財源率の中に繰り入れて、いま局長の言われた責任準備金等の中に繰り入れて運用するという趣旨ですか。
○池田政府委員 要するに、そういうものがございませんと、年金当局の財政としては財源が不足するということがございますので、そうではなしに、その不足を補うということで、結局、そういう意味で給付をいたします場合に、もしその金を必要とするならば、その二億円の財源調整費というものを使うことも一向差しつかえないわけでございますので、そういうような趣旨で、従来はいわば差しとめみたいなかっこうになっておったわけでございますけれども、そうではなしに、給付をいたします場合の資金として使ってよろしいということでございます。
○芳賀委員 つまり、この調整財源を有効に運用するということになれば、責任準備金のほうへ入れるか、あるいは整理資源のほうへこれを入れるか、二つの方法しかないと思うのですよ。ですから、完全たな上げということになれば、毎年わずかなつかみ金をたな上げして、これは最初から凍結ですよということになれば、十分な運用というのはできないのです。ですから、いま局長の言われた、従来はたな上げにされておったが、累積二億円については、今年度からは具体的に運用処理できるようになった、あるいはするということですか。
○池田政府委員 大体そういうことでございまして、要するに、責任準備金の中にそれを入れまして、そして給付の費用に充てるということはもちろん一向差しつかえない。その結果として整理資源の分に、ある意味では充当されるということもあり得るわけでございます。要するに、従来別途経理をしておったものを解除したということでございます。
○芳賀委員 結局、法律の六十二条第二項にいうところの、財源調整上必要な場合には、その分に対して国が補助することができるとあるので、最初から凍結しておったのを、いま局長の言われたように、法律の趣旨に基づいて運用するということですね。これは大事な点ですから、大蔵省の主計官が来ていますから、あなたからも明確にしてください。
○辻説明員 ただいま農林省からお答え申し上げたとおりでございます。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、昭和四十一年に農林年金の改正を行ないました際に、全会一致で四項目の附帯決議を付しておるわけであります。この決議の実施については、今回の改正で一部実現を見たものもありますし、実現を見なかったものもあるわけですので、この点について、これは局長からでもよろしいですから、明快にしてもらいたいと思います。 すなわち、附帯決議の四項目の内容というのは、 一 旧法の組合員期間の給付については、新法の給付を適用する等の改善措置を講ずること。 二 いわゆる年金スライド原則規定の発動基準を早期に明確化するとともに、これに伴い既裁定年金の給付額を実情に即応して改善すること。 三 本改正案に対する社会保障制度審議会の答申中「整理資源の確保に欠くるところがあるので、他の年金制度との均衡を考慮しつつ、国庫負担の増額を今後ともはかっていく必要がある」旨の主旨を尊重して措置すること。 四 農林漁業団体職員の給与が著しく低位で、給与水準に不均衡が認められる実情にかんがみ、給与の改善、給与体系の整備等のため、適切な指導を行なうこと。 以上でありますが、この四点の前回改正時における附帯決議について、この点が今回の改正で実施された、この点はまだ実施に至っていないというような点について、若干の内容を付して局長から答弁してもらいたいと思います。
○池田政府委員 前回の附帯決議に対します措置でございますが、第一点の旧法の組合員期間の給付の改善、これはいわゆる完全通算問題でございますが、今回御存じのように、やや形を変えて実施をする。内容的には私どもは大体同じであるというふうに理解をしているわけでございますが、やや形を変えて実施をする。要するに、標準給与に一定の倍率を掛けまして底を上げるということで実現をする、こういうことでございます。 第二点のスライド原則の問題でございますが、これはいまだ実現を見ていないわけでございます。と申しますのは、この問題は年金制度を通じます問題でございまして、先ほども御質問がございましたが、一体基準としてはどういうふうにとるのが妥当かとか、あるいはその他いろいろな技術的な問題もございまして、現在政府部内で鋭意検討中ではございますが、結論を得ておりませんので、今回は実現を見ませんで、それにかわる措置ということになるかと思いますが、既裁定年金の給付につきましては、いわゆるベースアップというような、国共済とのバランスをとるというようなことについては、農林年金としては初めての改善がなされた、こういうことでございます。 それから国庫負担の問題でございますが、これは当然、先ほど来御議論のございます二〇%問題を含んでの決議の御趣旨であろうと思うわけでございますが、それにつきましては実現を見ませんでしたが、財源調整補助ということにつきましては若干ながら増額をいたしたわけで、一部につきましては、若干その趣旨に従って措置が行なわれた、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。 それから、最後の団体職員の給与改善の問題でございますが、これは、方向としてはまさにそういう方向にわれわれも努力をすべき問題でございますし、また、農協等の団体の体質を改善する、経営基盤を強化するというような方式を通じまして職員の給与改善をはかっていくという方向が必要でございますが、これは、今後とも一つの大きな問題であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○芳賀委員 ただいまの局長の説明の中の、第二番目のスライド原則規定の基準の設定の問題ですが、これは四十一年に、昭和四十年の旧令共済の改正の際に、各公的年金共通にスライド原則規定を法的に決定したわけですね。その際、農林年金におきましても、第一条の二に、「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」これは局長も言われましたように、今回の改正は、やはり国家公務員共済組合の水準に追随するということを最大の目標にしてのベースの引き上げということは、われわれも承知しておるわけです。そういう意味においては、この第一条の二のスライド原則規定の発動基準を設定して、それによって改定したということには全然ならぬわけです。これは、各公的年金とのバランスの問題等もあるが、法律で明定されてから二年たつわけですから、この発動基準等についても明確な根拠を設定して、適切にこれが行なわれて、恩恵が広く及ぶようにすべきであるというふうに考えるわけです。 社会党から提案しました改正案の場合には、このスライド原則適用の場合には、物価変動が五%以上の場合には発動させるということを、法律上明確にしておるわけですが、政府の場合には非常に抽象的で、一体どのような経済的な変化が生じたような場合に行なうかということが、いまだ不明になっておるわけです。この点を、まだ実現に至らぬとしても、どの程度まで具体的な内部検討が進んでおるかとか、作業が進んでおるかとか、そういう点について説明してもらいたい。
○池田政府委員 この問題は、各年金制度を通ずる問題でございまして、確かに実際問題といたしまして、物価水準をとるとか、あるいは消費水準をとるとか、あるいはその他の給与の水準等を考えるとか、いろいろ問題があるわけでございまして、非常にむずかしい問題でございます。 それで、政府の部内といたしましては、厚生省が中心になるわけでございますが、関係の局長、座長はたしか総理府の審議室長であったと思いますが、関係の深い官庁の局長がメンバーになりまして、従来いろいろ検討しておるわけでございます。まあ、なかなか画一的な基準がとりにくいというようなことで、まだ発動基準としては明確な基準を出すに至っておらないわけでございます。私どもは、現状はそういうふうに理解をしておる次第でございます。
○芳賀委員 この問題は、あとでまた改正点の際にお尋ねいたします。 附帯決議の第四の、農業協同組合、漁業協同組合等、いわゆる農林年金に参加しておる団体の職員の給与水準は、まだ非常に低いわけですね。各公的年金の給与水準に比較しますと、昨年度現在においても、月額にして約一万円ぐらい低位に置かれておるわけです。これは国として、そういう農林団体職員の低い給与を、具体的に上げるというところまで行政責任は及ばないと思いますが、やはり農業協同組合にしろ漁業協同組合にしろ、各農林団体の給与の実態が一体どうなっておるかとか、あるいは全国的なバランスがどうなっておるかとか、あるいは単位組合とか都道府県、中央の連合会、その同じ系統における職員の給与水準がどうなっておるかというような点については、指導機関である農林省においても、十分調査を進めておると思うわけです。 その調査の中においては、欠点と思われる点も幾多あると思うわけです。ですから、そういう点に対して、行政的に指導改善措置を農林省が積極的に行なうということでなければ、根本的な改善の実をあげることはなかなかできないと思うわけです。ですから具体的に、この点については相当困難があると思いますけれども、実効のあがる方法としてはいかなる指導を行なうかというような点について、対策があればこの際明らかにしてもらいたい。
○池田政府委員 農協の場合を中心にして申し上げますと、それぞれ段階によりまして給与に差があるわけでございますが、この中で、私ども横並べにいろいろ給与水準を考えてみますと、大体県の段階、あるいは全国段階では、他の、たとえば公務員、全国でございますと国家公務員、それから県の場合でございますと地方公務員等と比べまして、ほぼバランスをしておるのではなかろうか。これは、もちろんいろいろな年齢構成とか、あるいは教育程度とかございますので、一がいには申し上げられませんが、大体は同じような水準のように理解をしているわけでございます。 問題は単協でございまして、単協が、たとえば同じような段階の市町村の職員と比べますとかなり低い。大体二割程度低いというように私ども思うわけでございます。やはりそういう点から考えますと、特に単協の職員の給与改善、待遇改善が必要であるという感じを持つわけでございます。 これに対しましては、いま先生のお話のように、私ども直接的にどうこう言うのがなかなかしにくい問題でございますが、私どもといたしましてはやはりしなければならないことは、こういうことの基礎には、組合の基盤が非常に弱いということがございます。三十六年以来農協合併という法律をつくりまして促進をしてまいりまして、一応実績といたしましては、ほぼ当初計画に近い実績をあげておるわけでございますけれども、なおかつこういう状態である。こういうことなんで、私どもは、やはりなお必要な合併はさらに進めていく、そうして組合の基礎を強くしていく。 これはまた農協問題一般の中で、たとえば各系統の事業の流れぐあいが、どうも上のほうが非常に中心になっている。たとえば、マージンの問題等も、全国連とかあるいは県連あたりに非常に有利で、単協が非常に不利であるという御指摘が一方にあるわけでございますので、そういうものを通じまして、特に単協を中心にした経営の改善をはかっていく、こういうことを通じましてやはり給与の改善に持っていく、こういうふうに努力すべきものである、また私どもが指導申し上げる筋もそういうことであるべきであるというふうに、私どもは実は考えておるわけでございます。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、今回の改正は、農林年金法の改正案と、それから、内閣提出にかかわる厚生年金保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案、これは社会労働委員会に付託されておるわけですが、この厚年法等の改正案の中に、一部農林年金法の改正部分が載っておるわけです。社会労働委員会のほうは審議の都合上、まだ実質審議に入っておりませんので、この部分だけについて当委員会において審議の対象にするということは、いささか問題があると思いますけれども、しかし、いずれにしても農林年金法の改正にかかわる点ですから、この際、厚年法等の所管の厚生省のほうから、農林年金法の改正部分についての一応の説明を聞きたいと思うわけです。
○山口説明員 今回提案されております厚生年金保険法の付則によりまして、農林年金の一部改正をしております点は二点ございます。 一点は、年金給付の最低保障の関係でございます。これは前回、四十年に厚生年金の改正がございまして、そのときにも厚生年金の付則で、各共済組合の最低保障額をそろえて改正をしたという経過がございますので、前例にならいまして、今回もこの法律の付則で一部改正をしておるということでございます。 それから二点は、老齢年金の資格期間の特例でございますが、従来は、国民年金が始まりました昭和三十六年四月以後の期間だけで、特例的な十年の資格による通算老齢年金を認めておりましたけれども、これをさらに緩和いたしまして、当時五十歳以上の高齢にあった方につきましては、三十六年四月前の期間も含めて十年あれば、通算老齢年金を出すということにしております。 この二点につきまして、各共済組合同一の改正を行なっておるということでございます。
○芳賀委員 それはわかりますが、もう一つ、農林年金の任意継続組合員の申し出期間の改正というのがあるのじゃないですか。
○山口説明員 どうも失礼いたしました。これは農林年金関係だけでございますので、ちょっと申し落としました。これは厚生年金のほうで任意継続できます手続のできる期間、並びに継続される資格を取得する時期、これを今回、申し出ができます期間を六カ月に延ばしております。 それから、継続の有効になる時期を、本人の選択によりまして、申し出のとき、あるいは成規の資格を喪失したとき、どちらでも選択できるということにしておりますので、それにあわせましてこの部分の改正を行なっておるということでございます。
○芳賀委員 これは農林省からでも厚生省でもいいですが、法案提出の時期が著しく離れておる場合は別ですが、今回の場合には、農林省から政府案で出された法案も、厚生省が提出した法案も、いずれも二月ですね。二月の提案ということになっておるわけです。これは内閣提出とか議員提出とかの差があれば別ですけれども、同じ内閣のもとにおいて、同一の時期に年金法の改正をやる場合、一部分は農林省所管のほうの改正案を出す、そのまた一部分を厚生省所管の法律の改正の中に入れるというのは、どうもわれわれとしてはすなおに了解できがたいのですよ。これは何か特別の事由があってこうしなければならぬというようなことで、切り離して改正案を出しておるのか、その点はいかがですか。
○池田政府委員 これは、特に深いわけがあるわけではございませんで、実は、私どもが当初いろいろ部内におきまして検討している段階では、必ずしもそうなっていなかったわけでございますが、法制局の段階におきまして、いろいろ整理をしました結果、そういう形をとったわけでございます。 その趣旨といたしますところは、いま厚生省からお答えがございましたような事項、これはいわば厚生年金制度の改正に伴うというと若干問題がございますけれども、それにいわばバランスをいたしまして、たとえば、最低保障額の引き上げをする、こういうような趣旨でございますので、ある意味では、やはり厚生年金の年金法改正の附則でやるのが筋ではないか、まあ一部従来もそういうことが行なわれているようでございまして、そういうことで一応整理をいたしました。 それで、それ以外の農林年金個有の問題につきまして、いま御審議願っております法案で扱う、こういうことで、特に特別の意図があってやったわけではございません。確かに一般の方がごらんになる場合には、非常に不便でございますので、できれば一本が非常にわかりがいいわけでございますけれども、そういうような経緯でございます。
○芳賀委員 次に、改正の内容について若干尋ねたいと思います。 御承知のとおり、われわれ日本社会党からも、今回抜本的な農林年金法の改正案を出しておるわけでありまして、本日は、政府並びに社会党案一括審議ということになっておるわけです。社会党案については、私も提案者の一人ですから、社会党提案に対して質問をする必要はありませんが、せっかく両案一括審議ということになっておりますので、この際、政府案並びに社会党案の相違点、あるいは優劣等についても、明確にしておきたいと思うわけであります。 時間の都合で、社会党案の特徴点等についての私からの詳しい発言は避けますが、総括的に言いますと、社会党の改正点としては、第一に対象団体の範囲の拡大、第二が年金額スライド基準の明確化、それから第三が標準給与の改定、第四が遺族給付の改善、第五が年金の最低保障額の引き上げ、第六が掛け金の負担割合の改正、第七が国庫補助の増額、それから第八が完全通算の実施、第九が既裁定年金の改正、第十が通算退職年金原資の選択期間の延長等が主たる改正の内容になっておるわけであります。 先ほど局長からも説明がありましたとおり、この中で、相当部分は社会党案も政府案も同一の方針で法案の改正を行なっているわけでありますから、これは解決済みとみなす点もあるわけでありますが、まだ重要な問題については、国庫負担引き上げの問題等をはじめとして、相当未解決のような状態で残されるわけでありますので、この際、まず政府側の農政局長から、社会党の改正点と比較して、こういう点が今回政府は行なえなかったとか、こういう点は社会党案のほうが政府の改正案より非常にまさっておるというような点は、すでに研究されておると思うのですよ。先に池田局長から、その比較検討についての説明を聞いて、そのあとで、社会党の提案代表の兒玉委員から、また同様趣旨の説明をしてもらいたいと思います。
○池田政府委員 私どもは、政府提案の関係者でございますので、政府提案が妥当である、こういうことを実は申し上げざるを得ないわけでございますけれども、それは別にいたしまして、いろいろ社会党案も検討さしていただいたわけでございますが、一般論といたしましては、私は給付水準、給付内容を厚くするという意味では、社会党案のほうが確かに非常に厚いわけでございます。ただ、その厚くなった給付内容に見合う費用をどうまかなうか、こういう問題になるわけでございまして、その点につきましては、やはり政府といたしますと、他のいろいろな年金制度とのバランスとか、その他いろいろな事情でなかなか実現を見ない、将来の目標としては、確かにそういうふうにやるべきものであろうという感じは持っておりますが、なかなか現状においてはまだ実現を見ない、実は大部分そういうふうな感じのことが多いわけでございます。 そういう前提の上で、若干のことをさらに補足して申し上げるわけでございますが、対象団体の範囲の拡大の問題につきましては、先ほども実は申し上げたわけで、これはテクニックなりあるいは年金体系という点からなかなかむずかしい問題があるわけで、御要望は御要望として、私どもも十分理解をする、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、スライド原則につきましては、先ほどお尋ねがありましてお答え申し上げたようなことで、筋としてはまさにそういうことでございまして、われわれもそういう方向に努力をすべきものである。現在さらにいろいろ詰めている、こういう段階でございます。 それから、標準給与の改定の問題。これは、大体ほとんど同じでございまして、非常にわずか違っておる点はございますが、これは、大体私どもは同じようなものであるというふうに思っております。 それから、遺族給付の改善につきまして、職務外死亡の遺族年金について、六カ月以上に資格期間を引き下げ、厚年並みにせよ、こういう案であるわけでございますが、これにつきましては、やはり他とのバランスの問題とか、あるいはその追加費用の負担をどうまかなうかというような問題がからみますので、現状においては、政府案としてはなかなかそこまで踏み切っておらない、こういうようなことでございます。 それから、新規裁定の年金の最低保障額の引き上げの問題でございますが、これは、若干時期が違う点がございますが、おおむね、内容としてはほぼ同じものであるというふうに理解をいたしております。 それから、掛け金の負担割合の改正の問題。これは、社会党案は現在の五、五を四、六にして団体負担を多くするという案でございまして、組合員の負担軽減という趣旨からいえば、確かにそういう趣旨にかなう案だと思うわけでございますが、やはり年金の現在のいろいろなたてまえが、大体フィフティー・フィフティーというかっこうになっておりますので、こういう例外をつくるということは、やはり若干その関係で問題がございますし、また、団体自体の負担能力の限界もあろうかということで、現状におきましては、なかなか踏み切れないわけでございます。 国庫補助の問題は、先ほど御議論のございました問題で、補助率アップ問題は、私どもは目標としてはぜひ実現をしたいという、そういう考えを持っております。 それから厚年期間の通算措置に伴う整理資源の半分を国が補助をする、こういう考え方ですが、年金財政という点から申しますならば、非常に手厚い措置でございますが、やはり他の制度とのバランスその他の問題で、なかなか実現を見ておらないわけでございます。 完全通算は、これは先ほどの社会保障制度審議会の答申にございますような、社会党案は明快な方法ということでございますが私どもは、先ほど申し上げましたような趣旨で現在の案をとらざるを得ない、こういうことでございます。 それから、既裁定年金の改定の問題につきましていろいろございますが、一つの問題点として、平均標準給与の額を十一万円で政府案は頭打ちしておりますが、これにつきましては、新規裁定並みに上げようという案でございまして、まあ給付を厚くするという趣旨からいえば、まさにそういうことが理想的であろうと私どもも思いますが、現状におきましては、そこまでまだバランスその他の点で踏み切れない、こういう事態でございます。 それから、通算退職年金原資の選択期間の延長の問題でございますが、これは男子につきまして、社会党案は当分の間現行どおりという案でございます。政府案は延長を認めないということでございますが、これは農林年金だけではなしに、各年金制度を通ずる問題でございまして、やはり通算退職年金制度というものを置いた以上は、ある時期で打ち切らざるを得ないのではないかという感じを私どもは持っておるわけでございます。 それから、なお施行期日で若干の違いがございますが、大体そういうような内容でございまして、私どもは、基本的に社会党案が云々ということではなしに、端的に申し上げますと、他の年金制度とのバランスとか、あるいは政府の財政事情とか、そういうふうなことが大きく影響いたしまして、なかなかそこまで踏み切れないので、まあその大筋の点につきましては、今回政府案においても実現を見ている、こういうふうに考えるわけでございます。
○兒玉議員 お答えをいたします。 この件につきましては、先般当委員会におきまして社会党の改正案の大要を申し上げましたが、特に問題となる点として、第一点は、わが党の場合は、適用範囲を拡大すべきだという点が第一点の特徴であります。この点に対して、政府案は改正する意思がなかったわけでありますけれども、本日あとで、この点一点だけ適用団体を加えるということになっておるようであります。 なお、また、年金額のスライドの基準の明確化につきましては、恩審等におきましても、特に生計費または消費者物価の五%以上上昇の場合は、これを改定すべきであるという答申も出されておる現状から考えました場合に、わが党がこのスライド基準の明確化をうたったことは、政府案に対して前進した内容だと考えております。 同時にまた、標準給与の引き上げにつきましては、ほぼ内容については同様でございます。 次の第四点の遺族給付の改善でございますけれども、特に遺族年金の受給資格期間を十年から六カ月以上に引き下げ、年金を受けられない遺族に対しては、掛け捨て防止のための遺族一時金を支給できるようにしている点、同時にまた、本人以外に全く対象者のない場合等の年金受給の範囲等を拡大している点が、政府案と異なる点であります。 さらに、特に問題の焦点であります掛け金の負担割合でございますが、この点は特に、農林漁業団体職員の現在の給与水準というものを見てみますと、他の公務員、他の団体等に比較しましてきわめて低位にあるわけであります。そういう点から、先ほど農政局長は答弁されておりましたが、現行大体五〇%、五〇%の負担割合でございますけれども、特に農林漁業団体職員等の場合は、そういう標準給与の低い現状から判断しましても、これを組合員負担四〇%、団体六〇%とすることは決して妥当を欠くものじゃない、こういうように考えるところであります。 次に、国の補助の改正点でございますが、この点につきましては、政府案はその改正の意思がないわけでありますけれども、わが党の案は、この給付に要する費用の負担につきましては、特に現行の一六%を二〇%とすることに改正案を出しております。これらの点につきましては、特に現行の厚生年金法の適用者なり、あるいは船員、あるいは坑内夫等の場合については、百分の二十五という現実的に国が補助を出している例もあるわけでございまして、負担の公平論から申し上げますならば、確かに問題があったにしましても、理論的には、このように国庫の補助率の改正をすることが適当であり、しかも、本年の場合は財源的な措置もあるわけでございますから、百分の二十に当然すべきではないか。こういう点が、特にわが党の強調する特異点であろうかと思うわけであります。 なおまた、完全通算の点につきましても、政府案の場合は、いわゆる旧法の平均標準給与を二〇%引き上げる、こういうことでありますならば、やはり完全通算を実施するということも、実質的に何ら国の負担が増加することでもございませんし、社会党の完全通算の実施を行なうのが、当然妥当ではないかと考えておるわけであります。 なおまた、既裁定年金の改正につきましても、わが党のほうは全勤労者消費水準により給与を引き上げ、年金の改定を行なうべきであるという点、さらにまた、実施期日につきましては十月一日から国家公務員基準、十一月一日からすべてに新基準を適用して、同時に最低保障を引き上げる、この点が、政府案よりもわが党案の進んだ点であろうかと存じます。 なお同時に、現行まで適用されております通算退職年金原資の点につきましては、やはり組合員に対する選択期間を当分の間延長することが、今日の情勢から見てもきわめて妥当ではないか。こういう点から、この点については、当分の間延長することを明確にいたしておるわけであります。 そのほか、施行期日につきましても若干の相違点がございますが、わが党のほうは、やはり組合員の現状から判断をし、総体的なこの共済年金制度の立場から考えまして、わが党の施行期日というものが最も妥当である。 以上七点につきまして、わが党の案の政府案に対して有利な点を申し上げまして、答弁にかえます。
○芳賀委員 以上で、両案の特徴あるいは優劣が明らかになったわけでして、私としても社会党案を出しておるわけですからして、特に政府案に対して追及するということは紳士的に控えて、社会党案がいかに優秀なものであるかということが明確になれば、それでよろしいと思うわけであります。 そこで、局長でよろしいですが、政府案の改正が行なわれた場合、年金ペースの改定の関係について、今回の措置は、審議会の指摘にもあるとおり、おそきに失したような措置ではありますけれども、ただ今後の問題ですね。スライド原則の適用という形でなくて、あくまでも国家公務員の年金に追随するということがベース引き上げの方針であるとすれば、今後毎年のように、たとえば人事院勧告によって、今年度も一〇%程度の給与引き上げが行なわれる、また来年は恩給法関係の改正が行なわれるということが、これは反復するわけですね。そのたびに国家公務員、あるいは公共企業体、地方公務員関係等の共済年金法の改正は適宜行なわれると思うのですよ。 そうしますと、農林年金法あるいは私学共済年金法等は、なかなか迅速に改正措置をいままでは行なっていないわけですね。しかし、今回の改正を契機にして、今後他の年金等において、ベースの改定あるいはスライド等が行なわれる場合においては、同時的にそれに劣らないような内容を盛った改正というものを、随時進める必要があると思うわけですが、この点は、農林省としてどう考えておられますか。
○池田政府委員 ベースアップにつきましては、今回初めて実現を見たわけで、私どもは、非常に農林年金の関係者に明るい希望を持たせるものであるというふうに考えでいるわけでございます。 もちろん、私どもといたしましても、そういういろいろな状況の変化に応ずる給付内容の充実ということは、非常に必要なことでございますので、そういう線で今後努力をいたしたい、かように考えております。
○芳賀委員 その点についてですが、今回のベース引き上げの方法としては、この改正案の別表として、昭和三十四年一月から三十九年九月までの各年において、それぞれ引き上げ率というものの倍率が載っておるわけですね。いわゆる旧法期間における各年の引き上げということになるわけです。もう一つは、この引き上げを行なってさらに政令にゆだねるという措置で、先般の説明によると大体二〇%のアップを行なうということにこれはなっておるわけですね。 この政令に基づいてベースの引き上げを行なうということについては、これは審議会においても指摘した点ですが、これらの別表あるいは政令というものが、今回の改正はこれで適合できるとしても、明年、明後年と次々に改正をしてベースの引き上げを行なうというような場合、この倍率を当てはめるあるいは政令に基づいて倍率をきめるというようなやり方は、今後妥当な措置として運営されるかどうか、それはどう考えておるのですか。
○池田政府委員 これは、非常にわかりにくい、ややこしい計算をいたしているわけでございますが、要するにベースアップにつきましては、国家公務員とのバランスをとるということで、国家公務員について従来適用されております倍率を、農林年金の職員の標準俸給との関係を調整して、一定の倍率をかけるという方向でございまして、将来やはり同じような問題が出てくれば、またその法律改正によりまして、違う数字を乗じていくというようなことに相なるかと考えるわけでございます。 それから、政令できめます倍率の問題でございますが、これは考え方といたしまして、確かに政令見込み事項で、私、申し上げておりますように一・二をかけるという考えでございますが、考え方の根拠は、要するに完全通算にかわる措置である。 さらに、もうちょっと詳しい理屈づけをいたしますと、要するに国家公務員の場合は最終俸給をとっておりまして、それに一定の率をかけていく、ところが農林年金の場合には、最終から三カ年の平均俸給をとる、こういうことになっておりまして、従来の農林年金の対象者の給与の上がりぐあいを見ておりますと、いまの最終給与をとるということと、標準給与の三カ年間の平均をとるということとの間に、約二割の格差があるわけでございます。二割の格差ということが、たまたま百分の四十ということと百分の三十三・三ということの格差が、これが二割でございます。一致をいたすわけでございます。そういう点に着目をいたしまして、二割を標準給与にかけていくという方式をとったわけでございまして、もちろん、これは政令できめておりますので、将来俸給の上がりぐあいが非常に変わってくるということがございますと、変更いたすという可能性があるわけでございますけれども、私どもは、やはり完全通算にかわる措置ということでとったという経緯がございますので、それを、まあ一・二を一・一五に直すとか、そういうことは、現在の段階では全く考えておらないわけでございます。
○芳賀委員 次に、退職年金、障害年金、遺族年金等についての改定措置が講ぜられておるわけですが、遺族年金の関係については、二十年以上の組合員の遺族年金については、現行六万七千二百円が十万五千六百円に引き上げられたわけですが、問題は、二十年未満の分については、現在の二万一千三百六十円がそのまま据え置きということになっておるわけです。これは特にバランスを尊重する年金制度の中で、二十年未満だけについて、現在においても非常に低額であるにもかかわらず、今回さらに据え置きということになれば、これは年金の全体のバランスから見ても、非常に不当な措置ではないかと思いますが、これはどう考えておりますか。
○池田政府委員 私どもも、その点につきましては、非常に関係者の方には御同情を申し上げるような気持ちを持っておるわけでございますが、実はこの問題は、やはり他の問題との関連でございまして、特に恩給との関連があるわけでございます。それで当然、農林年金でもし引き上げをいたしますならば、恩給でも引き上げをするということに相なるわけで、そうなりますと、いろいろ財政事情からして問題があるというふうに私ども承っておるわけでございます。 そういうような観点から、確かに問題はございますけれども、今回は実施できなかったという、こういう経緯でございます。
○芳賀委員 次に、財源措置の問題ですが、今回の場合には、国の負担を増額しない形の中において、そうしてベースの引き上げ等を行なったわけですが、たとえ昭和四十四年度においては掛け金の引き上げを行なわなくて済むとしても、明年度以降の問題としては、国の負担の増額等が行なわれない限り、これはなかなかたいへんな問題ではないかと思うわけです。今回の提案の趣旨説明の場合も、組合員に対する掛け金の引き上げは行なわないということを特に明らかにしておるわけですが、今後の問題としては、農林省としてはどう考えておるわけですか。
○池田政府委員 私どもは、今回の制度改正に伴いまして、掛け金を引き上げるということはいたさないということをはっきり申し上げているわけでございまして、その点につきましては、現在計上されております財源調整費なりあるいは年金財政の運用面を勘案いたしまして、十分実施できると、こういうことを考えているわけでございます。 ただ、未来永劫そういうことで問題がないということを申し上げるわけではございませんで、当面私どもとしては、やはり一つの年金財政を考える場合には、たとえば五年程度、農林年金の場合には、はっきり財政的に何年をとるというあれはございませんが、常識的にやはり五年程度は十分にらんで考えなければならないというふうに思うわけでございますが、そういうような観点で見まして、その間は十分掛け金の引き上げを行なわないで、年金財政としては給付に支障を来たさない、こういうふうに計算をいたしているわけでございます。その後の事情につきましては、これはまたその後の経過をよく見ながら、善処をいたしたいと考えるところでございます。
○芳賀委員 この点は、非常に問題のあるところですよ。冒頭にも言ったとおり、給与水準が特に低い、掛け金負担が一番高いというのが農林年金の特徴ですから、この好ましくない特徴点を一日も早く是正するというところに、この改正の目標を置かなければいかぬと思うのですよ。ただ現状維持でいくということだけでも、われわれとしては了承できないわけですから、数年後のことはわからぬというようなたよりにならぬ答弁では、これは永遠の契約といわれる年金法の審議においては、局長として不適当な答弁だと思うのですよ。将来とも掛け金の引き上げは絶対行なわないということを基本にして、しかも、その改善に努力するということであれば話がわかるが、何年か後には掛け金が上がるかもしれぬということじゃ、これは納得できませんから、もう一度腹を据えた答弁をしてもらいたいと思うのです。
○池田政府委員 これは、非常に遠い将来のことについて云々するのはどうかと思うわけでございますが、私どもは、先ほど申し上げましたようなことを、まず現実の問題として念頭に置いて、いろいろ計算をいたしておるわけでございますが、少なくともそういう時期におきまして、引き上げをするという意図は毛頭持っておらないわけでございます。もちろん、でき得れば極力軽減をしてまいるのが好ましいわけでございまして、そういう点につきましては、今後の国の補助の問題とあわせて考えなければなりませんので、そういう面においても十分考えてまいりたい。目標としてはおっしゃるとおりでございます。
○芳賀委員 ちょうど申し合わせの時間がきたので、これで質問はやめますが、特に昭和四十五年度の予算要求あるいは政府の予算編成にあたって、先ほど論議したとおり、農林省としては、補助率の改定を行なわない場合であっても、国の負担としては百分の二十を要求する、そういう考えにこれは変わりないですか。
○池田政府委員 そのとおり考えております。
○芳賀委員 それとあわせて、六十二条二項の財源調整に必要な費用を国が負担する。この点も非常に大事な点ですからして、農林省は昨年、掛け金率の千分の八あるいは給付額の百分の六というそういう計算でこれは試算をして要求を行なっておるわけですからして、この点についても、従来と同様な基礎に基づいた要求を起こすというような考えですか。
○池田政府委員 これにつきましては、現在、部内でいろいろ検討いたしているわけでございますが、私どもは、気持ちといたしましては、おっしゃるような方向でやりたいと、こういう希望でございます。
○芳賀委員 では、この程度にしておきます。
○丹羽委員長 佐々栄三郎君。 〔委員長退席、藤木委員長代理着席〕
○佐々委員 今度のこの改正によりまして、従来農林漁業団体が要求いたしておりました完全通算が、実質的には一応実現したように思います。それから、改正の内容で重要な点がありますが、もう一つは、既裁定年金のベースアップ、それから三番目は最低保障額の引き上げ、こういうのを内容とした改正案でありまして、このこと自体は、先ほど申したように、従来農林漁業団体が要求しておりました要求の一歩前進として、私は高く評価をいたしたいと思うのであります。 ただ、問題になって残りますのは大体五つ、六つありますが、今度のいわゆる、私は実質的な完全通算と申しましたが、農林漁業団体なりあるいは社会保障制度審議会なんかの意見は、やはり旧法期間の三三・三三という支給率を、新法の四〇%という支給率にせよというのでありまして、これが、この要求どおりにいっておらない。ただし、実質的にはいっておるわけですけれども、この点が問題であります。これは、先の質問者によって疑問点がかなり氷解いたしましたので、重複を避けたいと思いますけれども、この点については、先ほど来要求がありましたように、平均標準給与の四〇%を旧法期間にも適用するというのが、やはり私は正しいと思うので、そういう方向へ努力をしていただきたいと思います。 それから、第二の要求としてはベースアップの問題ですが、これは、これから支給される新規裁定年金についても、既裁定年金と同様にベースアップを行なうことと私は思いますが、そういうふうにしていただきたい。さらに一歩を進めれば、先ほどお話のありましたいわゆるスライド制の原則というものを、すみやかに具体化してもらいたいと思います。 三番目は、最低保障額の引き上げがありましたけれども、やはり依然として最低保障額が低い。全く年金制度の意味をなさない。生活保護法によって支給せられる金額にもならぬというようなことであります。これはすみやかに、他の年金との関係もありましょうが、引き上げの措置を講じて、老後の安定をはかるようにしていただきたい。 それから四番目は、整理資源の問題でありますが、これは国家公務員共済、それから地方公務員共済、公共企業体の共済、いずれも全額国が補助しているように思います。したがって、これも今後全額国で補助するような措置を講じてもらいたいと思うわけです。 それから、五番目は事務費の問題ですが、これも国公、地公、公共企業体ともに全額国庫補助になっているように思います。今度も農林省なりあるいは年金当局から大蔵省に対して、百円を百十一円にせよという要求がありましたが、また従来どおりに押えられております。他の年金では、いま申したように全額国が補助しているのでありますから、この点も、今後の問題として解決をしていただきたいと思います。 六番目は、以上総括してこれらを解決するためには、どうしても従来の給付費に対する補助一六%というのを二〇%に引き上げるということが、問題解決のかぎであると思いますので、これはぜひとも実現をしていただきたいということを、冒頭に要求をいたしたいと思います。 そこで、私は時間の制限がありますし、先の質問者と内容が重複するおそれもありますので、なるべくそういうことを避けまして、若干の問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 まず第一番は、いわゆる農林年金の支給額と国家公務員の年金の支給額とがどういうふうに現在なっているかということ、これを、一応最近の調査によってお答えをいただきたいと思うのです。
○池田政府委員 農協の場合、先ほど来いろいろ御議論がございましたように、給与水準が低いということが基本的に影響いたしておりまして、他の国家公務員等に比べまして、給付金額におきましても非常に低いわけでございます。 四十二年の数字で、ちょっと古いので恐縮でございますが、大体申し上げますと、退職年金について、一人当たりの給付金額でございますが、農林年金の場合には十二万九千円、約十三万円でございます。それに対しまして国家公務員の場合二十五万四千円、地方公務員の場合三十万円、私学共済の場合二十四万五千円、厚生年金の場合九万六千円、こういう状況でございます。
○佐々委員 国家公務員の年金と農林年金との比較でよろしいのですが、一体農林年金に対して国家公務員の年金は、倍数にしてどれだけになりますか。
○池田政府委員 内容を洗うとまたいろいろな差異があるわけでございますが、単純に一人当たりの金額を比べますと一対二、国家公務員のほうが倍額、こういうことに相なっております。
○佐々委員 倍ですね。二対一になるのですね。 そこで、今度の改正によって、農林年金の支給額は、一体従来と比べて何割方増加しますか。
○池田政府委員 非常に荒っぽい言い方でございまして、いろいろなあれによって違うわけでございますけれども、既裁定の場合、今度の改正をいたしますと少ないもので大体一・五倍、五割くらいふえる、ないし倍くらいになる、大体こういう感じでございます。
○佐々委員 そうしますと、もう一つお尋ねしたいのですが、この改正が行なわれた後に、国家公務員の年金額と農林年金の年金額がどういうふうになるか、その差がどの程度になるかということです。
○池田政府委員 国家公務員の共済組合のほうの内容が、十分私のほうで把握できませんので、いまのお尋ねに対しまして、どの程度ということははっきり申し上げかねるのでございますが、いろいろな改正事項が、ほぼ国家公務員に近い線で今回実現を見るわけでございますから、私どもといたしましては、給与水準の差異が大体現状で四割くらいあるわけでございます。したがいまして、その差異は依然として残るわけでございますけれども、制度的な開きというのは非常に縮まりまして、ほとんどそれに近いものになっておりますから、まず、給与水準の差異が一応基準になるのではなかろうか。若干違う点もございますから、下回るという点もございますけれども、ほぼ近くなるのではなかろうかという感じを持っておるわけでございます。
○佐々委員 私もそう思いますが、そうしますと、年金制度が制度として国家公務員制度に近づいても、賃金水準の開きがある限りは、依然としてそれだけの開きがあるということは間違いありませんね。 そうしますと、また数字をお尋ねして恐縮ですけれども、現在の国家公務員の平均賃金、月額、それから農林漁業団体の平均賃金、これは農協を代表して言ってくださってもいいのですが、新しい数字で、どれだけ違うか言ってください。
○池田政府委員 これも最新の数字でなくて、四十二年度の平均額で、若干古いので恐縮でございますが、農林漁業団体職員の場合には平均の給与額が約三万円、三万二百円くらいでございます。それに対しまして、国家公務員の場合には四万三千五百円くらいでございまして、約四割くらいの格差があるわけでございます。
○佐々委員 一万円以上の差があるわけですね。だがら、結局先ほど申したとおり、年金制度が変わりましても、やはり年が寄ってもらえる年金給付額というものは、それだけの開きがあるわけですね。 いまおっしゃった農林年金の中には、県段階、中央段階、それから単協、こうあるのですが、それを突っ込んだものですかどうか。それともう一つは、諸手当を含んでおるかどうかということをお尋ねをしたい。
○池田政府委員 これは単協、連合会その他すべてをひっくるめました平均額でございます。 それから、諸手当を含んでおるかどうかという御質問でございますが、これはそういうものを含みません。基本的なものでございます。
○佐々委員 そうですがね。私は含んでおるというふうに理解をしておるのですが、まあそれでよろしいでしょう。 単協だけでは、一体幾らになりますか。
○池田政府委員 単協だけでございますと、約二万七千五百円、端数がございますが、大体その程度でございます。
○佐々委員 それで、私が調べたところによりますと、これは四十二年三月末の調査でありますが、いまの単協の二万七千円余りの平均給以下の者が、約六割おるというのですね。それから二万円以下の人が四割、約十五万人、それから一万円以下の者が約八千人で、これが二・二%というようなことになっておるのですが、あなたはこれを認めますかどうですか。
○池田政府委員 大体そのとおりでございます。
○佐々委員 実にこの低賃金に私は驚くのです。こういうような一万円以下の人がおりまして四割もらいましても、これはどうにもならぬでしょうね。これは後ほどまたさらに申し上げたいと思います。 さらに給与関係について若干お尋ねしたいのですが、家族手当とか時間外手当の実施状況が、一体農協においてどういうようになっておるか。あなたは監督をする立場にあるのだから、その程度の把握はしておると思うのですが、いかがですか。
○池田政府委員 ちょっといま手元に数字がございませんので、具体的な数字を申し上げかねるわけでございますが、私どもは、いまお話がありました扶養家族手当あるいは通勤手当、これはもちろん非常に近距離である場合にはたいして支給されないわけでございますが、相当な距離である場合には、そういうものがおおむね支給されておるというふうに承知をいたしております。
○佐々委員 それはどうも私は納得できぬのですね。単協ではそんなに実施はされておらないです。私は香川県ですけれども、香川県の状況を調べたのですが、香川県で家族手当が実施されておるところは、全組合員の三分の一ぐらいしか実施されておりません。それから、その金額は大体月に五百円ぐらいですね。これはどうも一日と間違えそうですが、やはり月です。それから、時間外手当を実施しておるところが、三分の一または二分の一ぐらいです。しかも、それは予算の範囲内で形式的に出しておるだけですね。こういうようなのが、私の知る範囲での実態です。 それじゃ、さらにお聞きしますが、退職金制度がどの程度、どういうような内容で実施されておるか、御存じですか。
○池田政府委員 これもはっきり把握した数字がございませんが、まあ大体県の連合会あるいは全国連合会等では、おおむね退職金制度というのは完備をしておる。ただ単協になりますと、なかなかそうはまいりませんで、必ずしも完備しておるという状態ではないというふうに私、承知をいたしております。
○佐々委員 お説のとおりでして、実施されておるところもあれば、されておらぬところもある。実施されておるところでは、大体一年につき一カ月ぐらいですね。御承知のように公務員は一・七カ月、普通大体一カ月半というのが常識なんですね。それが、実施されておらぬところもあるし、されておっても一カ月というふうなことになっておるのですね。単協の職員の状況はこういうような状況です。したがって、農協がそうですから、たばこ耕作組合とか漁業協同組合、農業共済組合なんかもまあこれに近いことになっておるのじゃないかと思うのです。 その次にお尋ねしますが、実はきょう、私は労働省の労働基準局の局長に御出席を求めたのですが、何か差しつかえがあって出られぬので、あまり局長に具体的なはっきりした御回答を求めようとは思いませんが、大体のところは、やはり局長として御存じだろうと思うのですが、現在、労働基準法が農協において、単協において守られておると思うか、守られておらぬと思うか、いかがでしょう。
○池田政府委員 これは、まことに残念なことでございますが、あまり守られていないのが実態でございます。かって調査をいたしたことがございまして、三十七年から四十一年までの五カ年間に、労働基準法の適合状況を調べたことがございますが、実は、完全に労働基準法に従った措置がなされているというのはほとんどございませんで、大部分が違反をしていた。 内容は、大体労働時間の問題とか、休日をそのとおりやっていないとか、そういったようなことが主でございますが、そういうような実態で、まことに私どもも遺憾なことだと考えておるわけでございます。
○佐々委員 私は、この問題は昨年だったか、当委員会で基準局の係の方に来ていただきまして、相当きびしくお尋ねをしたのです。そういう先ほど来申したような低賃金の上に、加えて時間外手当は非常に少なく、出ておるところもあれば出ておらぬところもある。それで、いろいろ共済の加入勧誘とか物品の販売とかでノルマを課されるというような、そういう賃金は安いわ、労働は過酷。それで過酷であっても、十分労働基準法違反として取り締まれない、取り締まらないというような状況に置かれておるのですね。 私は、この問題について特に局長にこの際申し上げたいのは、いままで農林漁業団体の職員については、こういうような待遇問題についてずいぶん決議が行なわれておるのですね。四十一年五月二十六日の衆議院の農林水産委員会においては、こういう決議が行なわれております。「農林漁業団体職員の給与が著しく低位で、給与水準に不均衡が認められる実情にかんがみ、給与の改善、給与体系の整備等のため、適切な指導を行なうこと。」それから三十九年六月十六日には、参議院の農林水産委員会で、「農林漁業団体等の役職員は、これらの団体が農山漁村において果たしている役割の重要性にもかかわらず、いまなおその社会的経済的地位は低位におかれている。この際政府は、それらの者の給与の改善について積極的な施策を講ずるとともに、」云々と、こういう決議が行なわれておるのです。 それは私ども農村で生活しておるわけですが、農村のいわゆる町役場とかあるいはその他の会社ですね、こういうところの人たちと比較して、農協とか漁協とかいうようなところへつとめておる人の待遇が非常に悪く、労働がきびしいということは、十分承知をしておるのですね。政府として、こういう決議が行なわれておらなければともかくも、行なわれておるのですから、私は、何らか積極的な姿勢を示すべきだと思うのですが、いままでの実態を見ると、一向に向上しておらない。一体どういうふうに局長は思っておられるか、お聞きしたいと思うのです。
○池田政府委員 給与の問題、あるいはいま御指摘のございました労働基準法の問題、特に単協、市町村段階の団体を見ますと、そういう点で、他の町村役場とかその他のところにつとめている人に比べまして非常に条件がよくないのは、まさに御指摘のとおりでございます。 たびたびそういう決議等もいただいているわけでございまして、私どももそれに対しては、やはり基本的にはそういう組合の一つは財政的な内容、経営基盤といいますか、そういうようなものをよくするということが、やはりそういう待遇改善というようなことにつながる問題でございますので、そういう面から改善をしていきませんと、なかなか給与等も改善を見ない、そういう基本的といいますか、基礎的なことからやっていくことが、まず何より必要であろうということで、いろいろ農協の合併促進でございますとか、その他のいろいろな事業面の改善でございますとか、そういう点を実は指導してまいっているわけでございます。 単刀直入に、給与改善について指導いたすということが、もしそのまま給与改善につながりますならば、それはもちろん大いにいたさなければならないわけでございますが、なかなかそれが実現を見ないことでございますので、私どもは、やはりそういう組合の経営基盤をまずよくする、こういうことに実は全力をあげてきている次第でございまして、もちろん、それだからそっちの面の指導を怠っていいということではございませんが、そういう考え方で実はまいってきておるわけでございます。
○佐々委員 農協法の審議のときにも、農協の姿勢ということがずいぶん問題になったのですね。農協は生産指導に力を入れずに、家屋共済であるとか、化粧品なんかの物品の販売であるとかいうようなところへ力を入れるとか、あるいはマーケットをやるとか、いわゆる購買事業で商売人の領域へ農協が進出するとか、こういう問題について、これは農協の領域から外へはみ出したものだというような批判がかなりあったのですね。 局長は、農協がいまこういう方向へ進んでおる根本的な原因はどこにあるとお思いになるか、そして、労働省もずいぶんいろいろ指導しておるのでしょうが、農協が基準法違反は依然としてあとを断たないというのはどこにあるか、その原因はどういうふうに考えておられるかということをお尋ねしたいのです。
○池田政府委員 やはり一部、確かにそういうような傾向があるわけでございますが、これはやはり、農協は農協として極力組合の事業の発展をはかりたい、こういうことから、一部行き過ぎ的な傾向が出ておるというふうに私ども考えるわけでございまして、もちろんその行き過ぎを是正しながら、いわゆるノルマ主義ということをいわれないように、本来の趣旨に従って、組合員の利益を目標に事業をやるべきものであるというふうに私どもは考えているわけでございます。
○佐々委員 私はこういうふうに思うのですね。私は、農協の組合長もあえて基準法違反をやりたいと思わないし、時間外に職員を働かそうとは思わぬと思う、普通の経営さえうまくいっておれば。それから、生産指導から逸脱をした方面へ何も好んでいっていると思わない。しかし農協の役職員が、周辺の農村のいろいろな団体、会社なんかと比べると非常に待遇が低い、賞与も人並みに出そうと思っても出せないというようなことになってくると、生産指導ばかりに力を入れていたのでは、やはりいつまでも待遇の改善ができぬというところから——私はそのほかにも原因があると思いますよ。中央における農協幹部の姿勢の問題もあると思いますけれども、しかし、末端の善良な農協の組合長の立場としては、やはりそういうところから、農協の職員の待遇改善もやりたい、給与改善もやりたいという、そういう気持ちが私はそこにあるのではないかと思うのですが、どうですか。
○池田政府委員 確かに、御指摘のような点もあろうかと考えるわけでございます。
○佐々委員 それで局長はよく、農協の待遇改善はやっぱり農協が自主的にやってもらうべきだ、こう言われるわけですが、しかし、政府は農協に期待するところ非常に大きいのですよ。これはもう何といわれようとも、政府の末端機関として農協を現実に活用しておるのですから。だから、生産指導なんかはもっとやってもらいたいと思うのですよ。それに力を打ち込んでやれぬということの原因が、農協の職員の待遇が悪いというところにあるとするならば、私は、農協の職員の待遇をよくするということは、政府としてもっと真剣に考えなくちゃならぬ、日本の農業に直接結びついた大きな問題だということを感じるのですが、いかがでしょう。自主的に云々というのじゃなしに、日本農業のために、もっと積極的に何らかの方法でよくする必要があると思う。どうですか。
○池田政府委員 私どもも全く同じでございまして、別段違う考えを持っているわけではございませんで、先ほど申し上げましたのは、組合の経営基盤を強化するということがまず基礎的なことであるという意味で申し上げたわけでございまして、そういういま御指摘のありましたような面の配慮は当然いたすべきだと思うわけでございます。 いま御審議願っておりますこの農林年金の問題も、そういうような観点から実は私どももいろいろ努力をしてまいってきているわけでございまして、さらにそういう点の改善をしていく必要があろうと考えているわけでございます。
○佐々委員 農林年金をよくすることも、その一助ということもわかりますが、その農林年金が実質的に公務員の年金と対等になるためには、やはり最大の問題として、農協あるいは農林漁業団体の職員の賃金の引き上げとか待遇改善というのが前提にあるので、これはゆるがせにできぬと私は思うのですね。 特に、時間がありませんからもうこれはあまり言いませんけれども、私は農協は現在でも経営が非常に困難だと思う。だから、自然経営第一主義に行かざるを得ないのですね。今後食糧管理法の改正——改正でなくても、現在いわゆる自主流通米の問題が出ておりますが、だんだん米の保管料とかその他の手数料というようなものが減少していくということは、これは必然の勢いでしょう。そうすると、農協経営というものはますます悪化していくことも必然だと私は思うのですね。そうすると、給与はますます悪くなるわ、あるいは基準法違反はますますふえていくわということになる。年金制度を改正しても、その基本が悪くなれば、年金による給付もまた悪くならざるを得ないのですね。 いま農協が当面している問題は、いま申し上げた政府からの手数料なんかの減額というような問題に当面しておるわけです。これは新しい要因ですけれども、こういうようなことを考えると、日本の農村における中核的な農業指導機関であるところの、しかも政府が非常に重要視しておるところの農協職員の待遇改善という問題について、いままであなた方が繰り返すように、それは自主的な団体だからと言って突き放した形で置かれたのでは、これはいけないと思うのですよ。現実に二十年間つとめて年金をもらった人は、いままでのところ、三十五、六万人の中でおそらく三千人か四千人でしょう。非常に移動率が高いでしょう。 私どもが農協職員にアンケートで調査しましたら、いいところがあったらかわりたいと思っておる人が四六%あるのですね。もう非常に浮き足立っておるのです。それはもちろんそうでしょう。こんな低賃金でこんな激しい労働をしいられるのですから、これはそのとおりだろうと思います。だから、私はいまこそ、ほんとうに農協を農村の中核と考え、指導的な団体と考え、農協の職員を日本農業のためにそういうふうに頼みにするのなら、そういうような突き放したものの言い方でなしに、もっと実のある対策というものをまじめに考えるべきだと思うのです。 最後に、私はこの問題について、農林大臣だいぶん退屈そうですから、ひとつその決意を聞かしていただきたい。
○長谷川国務大臣 御熱心な御質問でございます。私も決してこれに対して努力することばやぶさかではございませんし、したがって、先ほども申し上げましたとおり、本年農林漁業団体の年金を不足ながらもここまで持ってきたということは、私は真剣にやったつもりでございます。 したがって、その原因は、やはりいまおっしゃっているように、農協職員がいかなる立場に立たされておるか。たとえば、市町村役場あたりと比較してみてもおっしゃるような点が多いのでございまして、こういう点の是正も当然しなければならない。しかしながら、もっと安定した面も反面考えていきたいというような点から、これを本年度はここまでこぎつけたのでございまして、以下は、皆さん方の御意見もございますので、また来年度から引き続いてこの点は努力をいたさせます。 また、ただいま御質問の給料といいましょうか、この点に対しましては、十分今後留意いたしまして、事あるたびにこの点については、中央会を通じましてお話を申し上げる考え方でございます。
○佐々委員 中央会を通じるというような、そういうなまぬるいことではなしに、もっと積極的に——中央会を通じておれは、農協そのものがああいう弱体ですから、いま私の話を聞いてくれたと思うのですが、お米の統制撤廃という方向へ進むとすればますます手数料収入も減るのですから、中央会へまかすというのではなしにやっていただきたい。中央会を指導するというのは、自主的にやれということなんですよ。やはり政府として、農村の中核機関であり、政府の末端農村政策をになっておるものに対する対策として、もっと積極的な姿勢を示してほしい、こう言っておるのです。これに対する答えを聞きたい。
○長谷川国務大臣 私のほうから、一々単協に直接申し上げるということは非常に困難でございまして、何といってもそういうシステムがあるのでございますから、一応中央会へ厳重にお話を申し上げて、これを通じて流すということが順序でございますから、そのような方法をとらざるを得ないわけでございます。しかし、佐々さんの御意見は十分尊重いたしまして、お話を申し上げます。
○佐々委員 いろいろほかにお尋ねしたいことがありますが、これで終わります。
○藤本委員長代理 柴田健治君。
○柴田委員 時間がございませんから、簡単に要点だけお尋ねしたいと思います。 いろいろ芳賀委員から具体的に問題点を指摘されたのでありますが、まず第一点お尋ねしたいのは、対象団体の範囲の拡大ということで、関係団体からいろいろ陳情されておると思いますが、この対象団体の範囲の拡大は、われわれは当然認めるべきではないかという立場からお尋ね申し上げるわけであります。一部加入を認めるという意思が出たのでありますけれども、一部ではなくして、要望があるところは全部認めてもいいではないか、こういう考え方をわれわれは持っておるわけですが、いま、ぜひ加入させてくれ、こういう要望が出ておる団体は幾らあるのか、まずその点をお尋ねしたい。
○池田政府委員 これはいろいろあるようでございますが、私どもがいろいろな関係で承知しておりますおもだったものを申し上げますと、共済協会というのがございます。これは県の共済連のいわば連合体みたいなものでございますが、農業共済協会、それから畜産会がございます。これは、畜産関係の団体がそれぞれ入っておる畜産会、それからあと農協関係のいろいろな団体がございます。たとえば信連協会、これは信連のいわば連合体みたいなものでございます。それから家の光協会でございますとか、あるいは農林年金の福祉団体でございますとか、そういったようなものが農林年金のほうに加入したいという希望を持っておられるということを、私どもは承知をいたしております。
○柴田委員 いろいろ各団体があるでありましょうが、その中で、政府として当然その加入を認めてやってもいいではないか、こういう考えもあるやにうかがわれるのですが、、私たちはそれぞれの団体の特殊性、また持っておるいろいろな事業内容等を検討しても、早急に加入させるべきではないかと思う。農業共済協会、また畜産会、また農林年金の福祉事業団、こういう点については早急に認めてもいいんではないか、こういう気がするのですが、まず大臣から、この点について見解を承りたいのです。
○池田政府委員 実は、これはちょっと技術的な点がございますので、まず私から申し上げたいと思います。 実はこの扱いは、希望は希望といたしましてかなりむずかしい問題なのでございます。と申しますのは、一つは年金体系の問題がございます。要するに、一般の民間団体、会社等は、厚生年金に現在加入しているわけでございますが、その中から、御存じのような経過で農林年金というものができてきたわけでございます。農林年金は、特別法による特殊な目的を持った団体ということで、法律に列挙されているわけでございます。そういうことで、その他のものを入れるということになりますと、その年金体系の上からどうだろうか、こういう問題がございます。 それからもう一つは、技術的な問題でございますが、これは厚生年金法にしろ農林年金法にいたしましても、法律で権利義務の関係がはっきりいたしておるものでございます。したがいまして、特定の人が、政府の考え方のいかん等によりまして、あるいは希望によりまして、あっちに加入するとかあるいはこっちに加入するとかいうことが認められないたてまえでございまして、これは法律上明らかにならなければならない。ところが、いま問題になっております団体は、これは民法法人でございまして、特別法による団体ではございませんので、内容がいろいろ変わり得る要素を持っておるわけでございます。そういうようなことがございますので、いろいろ技術的に非常に問題点があるわけでございます。 そういう問題があるということだけ、私から申し上げておきます。
○長谷川国務大臣 私のところへは、まだ期間が短いからだと思いますけれども、別に他の各種団体から、いろいろな陳情を受けた覚えはございません。ただ、その中の一、二の方からは、そういうような話を承ってはおります。また、厚生省と話をしたことはありますけれども、なかなかむずかしいお話で、ただいま局長が答弁申し上げたようなことでございます。 私も、いますぐにこれらの方にどうこうということ、最終的にこういたしますという結論を、ここで申し上げるわけにはまいらない次第でございます。
○柴田委員 ここで論戦をやる時間もないので、いずれあらためてやることにいたします。 先ほど芳賀委員から、総理府の社会保障制度審議会の答申についていろいろ質疑があったわけでありますが、これらの点を、われわれが十分私たちの立場に立って判断した場合には、政府の怠慢というものは非常に大きいのではないか、こういう解釈いたしておるわけであります。その中で、私たちは今度の予算に関連して、農林年金の予算の内容で、事務費の問題です。事務費を、他の年金との関係で、なぜこれだけの額で押えていくのか、この点理解がしにくいので、やはり事務費についてももっと考えるべきではないか、こういう気がするわけですが、局長、この点についてどうですか。
○池田政府委員 事務費につきましても、国が相当額の補助をいたしているわけでございますが、現状におきまして十分でないので、増額を要望する声があるわけでございます。私どもも、今回いろいろやったわけでございますが、実現を見なかったわけでございます。 その一つの理由といたしましては、私学の場合等との比較が問題になるのでございますが、農林年金のほうが対象人員がかなり多いということで、私学と同じにする必要は必ずしもないのではないか、こういうようなことがありまして、結果としては実現を見なかったわけでございます。しかし私どもは、やはり事務内容を極力充実したいという希望がございますから、今後努力をしたい、こういう気持ちでございます。
○柴田委員 将来、この問題は年金の運営の中で重要な地位を占めるわけでありますから、事務費においても軽率に取り扱わないように、重点的に今後考慮を願いたい、こういうことを強く要望しておきたいと思うわけであります。 先ほど佐々委員からも言われたように、農業団体の職員は非常に給料が安い。たとえば、厚生年金関係の月額報酬を見ると四万一千五十七円、船員保険関係四万三千九百七十九円、国家公務員四万一千四百五十九円、地方公務員四万五千二百六円、公共企業体四万二千五百八十八円、私立学校共済関係三万六千六百七十九円、農林年金関係が三万二百三円というふうに、平均報酬が非常に低いのは数字的にはっきりしているのです。 〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕 こうした年金制度においても、給与体系の確立の面から見ても、地域社会の秩序を保つためにも、また社会機構を維持するためにも、やはり平等という原則に立って、給与が大きく改善されなければならないと私は思うのですが、こういう低い原因は、佐々君からもいろいろ指摘されたわけであります。局長もすなおに認めておられたのですが、私はやはり単協が問題だ、こう思っておるのです。二万七千五百円、また二万円以下というのが大多数です。 ところが、この単協の職員の給与の出発点は、その時代の経済の実態からいうとまだよかった。自分のところでは食うだけつくっておるから、まあ農協なり役場の職員になって、片手間で安定した給与がもらえれば、それだけ生活が安定だというような安易な考えで終戦直後の給与体系をきめた、こうわれわれは理解しているわけですが、その後、今日では社会経済の変化に伴って、農村といえども生活費は相当大幅に引き上げられておることは、統計的にもはっきり数字が出ておるわけですが、何としても将来の年金制度の完全な確立を求めるためには、基礎的な給与の改善が必要だ、これをわれわれは強く感じております。給与改善にいい手はないのか、どういう方法があるのか。 農業協同組合法の一部改正の時分にも私は申し上げた点があるわけですが、その中でも、先ほど中央会という名前が出ましたが、中央会については、国や県は補助を出しているのですから、自主管理体制の強化という中には、やはり単協の運営なり管理については指導する責任があり義務がある。そういう中で、先ほど大臣が答弁されておりましたが、やはり農協を自主監査する場合に、給与の問題、人事管理を重点的に指導すべきではないか。やはり優秀な人材を養成しないと、政府がどんなに新しい農政を打ち出してみても、これはなかなか浸透しない。農村に有為な人材が残らないというのも、そういうところに原因があるわけでありますが、とにかく、給与改定を具体的にどう進めていくかという施策を、局長からひとつ御答弁願いたいと思うのです。
○池田政府委員 非常にむずかしい御質問で、どうも御満足いただけるような答弁ができないのでございますが、先ほど佐々先生の御質問に対して御答弁申し上げましたように、私どもは、それは農協でかってにやれという意味ではなしに、やはり農協の経営内容をよくしないと、給与の改善になかなか結びつかないのではないかという意味で、農協の経営基盤を強化するということから、合併の促進とか、その他事業の刷新をはかっていく、こういう面の御指導は、従来かなりやっているわけでございます。 給与水準に、直接役所というような立場からいろいろ御指導するというのは、おのずから限界があるわけでございます。これはもちろん、たとえば労働省というような労働行政の観点から、いろいろな制度なりあるいは指導の方向というものは、当然あり得るわけでございまして、私どもも、そういうところのお知恵は十分かりて努力をしたいという気持ちでございますが、おのずから私どもの力の及ぶ範囲もございますので、従来は、そういうような面からいろいろ努力をしておる、こういうことでございます。
○柴田委員 どうもそのときそのときの法案の審議のときに、くらりくらり答弁を変えてもらっては困るのです。農業協同組合法の一部改正のときの質疑で、農政局長はあの法案を通すために盛んに、その場のがれの答弁をしたのかどうか知りませんが、農協の運営管理については、たとえば不正事件を一つ取り上げたときでも、もうやはり給与の問題も、またそうした管理、事務能力の養成にしても十分配慮しますという、そういう答弁をしておいて、きょうになったらまたいろいろな条件だ、こういうのでは、私はどうも理解ができかねる。やはり給与の改善については、運営管理のそうした行政指導の中で、強く打ち出していくだけの姿勢がほしい。 日本の生産額は、世界第二位だ、三位だといいながらも、農業と他の産業との格差がひどいということで、やはり農業の面では非常に格差が出てくると思うのです。そういう産業に携わっておる職員は、世界の労働賃金の平均より低い日本の労働賃金の中でも、農業団体に携わっておる職員はうんと低いということ自体を早く是正するということを考えなければならぬ。ただ、基盤がどうだということではなくして、やはりまず人間を尊重するという立場で、そうした給与改善が当面の問題だ。低い給与の中でも、地方税のごときは非常に高いのですよ。農村へ行くほど地方税が高い。都市と違って地方税がなぜ高いか、それは総合所得税でがさっといかれる。いまもう税制の中でも、通勤手当まで課税対象にして、国は取るときにはかってに取ってしまうが、給与の改善については知らぬ顔をしておる。これでは血も涙もないやり方だと思うのですよ。だから、そういう点を是正するという姿勢をまず具体的に打ち出してもらいたい、こう私はお願いしておるのです。 時間がないのでいろいろ申し上げたいことがございますけれども、その事務費の問題、給与の改定の問題、それから先ほど言った対象団体の拡大の問題、この三つで、最後に、大臣から見解を聞かしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 御承知のように、いま中央会で役員が総辞職して、新たなる構成が二十五日に誕生することになっております。それは御承知のとおりでございます。したがって、私はこの機会に、農協の不正事件は目に余るものがあるというような観点に立って、新たに誕生する役員の方々と直接お会いする考えでございます。その節には、きょうの皆さん方からの御意見、ただいまあなたのおっしゃる三つの案、こういう点についても十分に触れて、納得のいくだけの要求を申し上げるつもりでございます。 ですから、さっき佐々さんからもお話があったのですけれども、直接私のほうから末端の単協に要求するということは、非常な困難もございますし、県連もあるので、これを飛ばしていくことも困難であります。やはり一連のシステムがあるのですから、それにのっとった方法をとり、中央会を相手にして、一応強くこれを要請することが順序だと思いますので、その節、十分にきょうの審議で要求のあった点等につきましてはお話を申し上げて、その意思が貫徹できるようお話だけは申し上げるつもりでございます。
○柴田委員 いろいろ申し上げたいこともございますけれども、時間がございませんからこれで打ち切りますが、当局にいろいろ資料も要求しておりますから、資料をいただくことにして、機会を改めてまた論議をしてみたいと思いますので、これで終わります。
○丹羽委員長 神田大作君。
○神田(大)委員 法案につきまして、問題点だけを簡単に御質問申し上げます。 今回の農林年金の改正は、一歩大きく前進したという形において、われわれはいままでの関係者の努力に対しましては敬意を表するわけであります。しかしながら、この中で、今回の改定の問題点だけを指摘いたしますと、この改定は国家公務員の年金ベースの改定に合わせているようでありますが、今後国家公務員の共済年金のベースの改定が行なわれるたびごとに、この農林年金につきましても、当然それに合う措置をとるべきだと思いますが、これに対しましてどのようなお考えを持っておるか、お尋ねを申し上げます。
○池田政府委員 そのような事態が多くなる場合には、当然私どもは、同じような線でベースの改定をするというふうに努力をいたしたい考えでございます。
○神田(大)委員 局長は努力をするということでございますが、公務員の改定のたびにこの法案の改正をやるというようなことは、なかなかわずらわしいことでございますが、これはひとつスライド制か何かをとって、公務員の改定が行なわれれば、自然と農林年金の改定も行なわれるというふうな方法をとるお考えはありませんか。
○池田政府委員 方向といたしましては、そういう方向でいろいろいま政府部内で検討いたしておるわけでございます。もちろん給与水準だけではございませんで、物価水準でございますとか、その他いろいろ経済情勢の変動に応じまして内容を変えていくという方向が、でき得るならば好ましいわけでございます。 ただ、現実にそれをやります場合に、いろいろむずかしい問題もございますので、その点を詰めておるわけでございます。私どもは、そういうことが実現されますことが一番望ましいわけでございますが、なかなかそれができません現状でございますので、その場合には、いま申し上げましたような方向で努力をいたしたい、こういうことでございます。
○神田(大)委員 このことは、大臣、年金関係者にとって非常に重大なことでございますので、局長はそのように努力をするという答弁でありますが、大臣はどう考えますか。この問題は非常に大事なことだから、大臣から一言御答弁願います。
○長谷川国務大臣 局長からもただいま御答弁申し上げましたとおり、私もでき得る限りの努力をいたすことをお約束申し上げます。
○神田(大)委員 二番目に、制度改正に伴う不足財源につきまして。今後組合員の給付率の引き上げを行なうためには、不足財源ができるのでありますが、これらにつきまして、政府といたしましてはどのような措置をとられるか、お尋ね申し上げます。
○池田政府委員 財源調整の補助を本年度増額を いたし、計上いたしておるわけでございまして、当面給付に支障はございません。 先行きどうかという問題がございますが、私どもはやはり年金財政でそれをカバーすることを期待してはおりますが、今後推移のいかんを十分見まして、それに応じましてまた適切な、必要な措置を講じていく、こういう考え方でまいりたい考えでございます。
○神田(大)委員 もちろん本年度におきましては、この補助金によりましてそれはまかなえるであろうが、これは今後の問題が非常に重大でありまして、このままでいきますというと掛け金率を上げなければならぬ。それでなくとも、いま農林年金の掛け金率はほかの年金に比較いたしまして非常に高い。このままでいくというと、いままでの千分の九十六を千分の百六にしなければ合わぬというような状態でありますが、これらを解消するためには、この際政府の補助率を二〇%に引き上げていただきたいという強い要望があるようでありますが、このような措置をとって、これら不足財源を補うという、そういう考えはありませんか。
○池田政府委員 補助率アップの問題は、従来から関係団体からも非常に強い御要望があり、また、私どももそういう線で極力努力をしてまいったわけでございます。 ただ、他の共済制度とのバランス等から、今日まで実現を見なかったわけでございまして、私どもも残された改善の一つの重要なポイントということで、そういう方向に努力をしてまいりたい考えでございます。
○神田(大)委員 このことについても、ひとつ大臣、いまのことは農林年金の基本的な問題でありますから、大臣としても、いままでは努力はしたであろうけれども、今後この補助率二〇%の引き上げの問題につきまして、ほかの年金に比較いたしまして、掛け金率が高い、給料が安くて掛け金率が高いというそういう現実をよく見きわめ、二〇%引き上げに対しましての大臣の見解をお尋ねします。
○長谷川国務大臣 これらは他人事ではないのでございまして、私のほうから皆さん方へもお願いしたいくらいでやっておるのでありまして、もちろん、一生懸命その目的を達するためには努力することは当然でございますので、われわれも懸命に努力しますが、また皆さん方からもぜひお口添えを願いたい、こう考えております。
○神田(大)委員 口だけで努力するということじゃなしに、ひとつ実現をしてもらいたい。これは全農林年金関係者の強い要望でございますから、いまの答弁をお忘れなく、ひとつ実現に努力していただきたいと思います。 次に、本年金では三十九年十月一日の前後にまたがって、前の期間とあとの期間とに分けて年金額が算出されるという非常にややっこしい計算の方法であります。旧年金と新年金との、旧の場合は百分の三十三・三、新しい場合は百分の四十というように加算されておりますが、これは公務員の共済年金と同じように、ひとつ新年金に旧年金も通算してやるというような、そういう考えのほうがすっきりするし、また不公平が除かれると思うのでありますが、この点どう考えますか。
○池田政府委員 確かに、そういう方法をとりますと、非常にはっきりいたしましてわかりやすい制度でございますし、むしろ現在政府案で考えております案よりか、矛盾が少ないという点もございます。その点は、私どももそういう感じを持っております。 ただ、やはり他の年金制度とのいろいろなバランス問題がございまして、国家公務員でもそういうような方式をとっておりませんので、今回は実はそのような形をとらなかったので、いわば現在の二割アップというのは、その間の苦心の策であるという点は、ひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。
○神田(大)委員 二〇%アップというような、苦心の策はわれわれも承知しております。しかしながら、これをやりますと、たとえば、現行の標準給与の最高限が旧年金では十一万円、改正後においては十五万円ということでありまして、旧年金と新年金を加算をした場合に、旧年金十一万円でもって頭打ちされるというようなことになりますと、旧年金でもって計算されるほうが非常に不利益をこうむるという問題が現実に起こるわけでありますが、この問題をどう考えます。
○池田政府委員 確かに、そういう矛盾がございます。私どもも、それは一つの矛盾であると思っでいるわけでございますが、いまのような方式をとりますと、どうしてもそういうことにならざるを得ないわけでございまして、その点につきましては、関係の方にはやや申しわけないという感じもいたしますけれども、どうもやむを得ないということが実はあるわけでございます。 御参考までに申し上げますと、ただ、該当の方は比較的少ないわけでございまして、パーセンテージにいたしますと、〇・何%ということで、一%に満たない数でございます。それだからいいじゃないかというつもりはございませんが、まあさっき申し上げたように、いろいろくふういたしました結果そういうことになって、確かに一つの矛盾点ということでございますので、私どもも、何とか将来はそういうことを解消するようなくふうもできればいたしたい、こういう気持ちでございます。
○神田(大)委員 これは、乏しきを憂えずひとしからざるを憂うという名言がありますが、たとえこれは少しであろうとも、そういう不公平というものは、法律においてこれを許すべきじゃないので、この点、たとえばこの十一万円を十三万五千円にすればその問題は解消するわけでございますから、やはりそういうような親心が必要ではなかろうか。これは早急に政府当局においてもぜひ考慮願いたい。たいした額でもないのでありますからして、やはり公平な法律均つくるべきである、こう考えますが、その点どう考えますか。いま一回御答弁願います。
○池田政府委員 おっしゃいますように、確かに十一万円を十三万五千円でございますか、認めればよろしいということではございますが、ただ、これは標準給与というものがございまして、その上限が十一万円ということになっているわけでございます。したがいまして、十一万円以上の給与はあり得ないということになりますと、十三万五千円の給与というのを認めるというようなかっこうになりますと、そこに矛盾が出てまいるので、それを矛盾ということで申し上げたわけでございまして、理屈っぽい話でございますが、私どもはやはりそういうことは、将来何とか知恵を出しまして解消するように努力したい、こういう気持ちでございます。
○神田(大)委員 最低保障額の引き上げについて、特に二十年未満の既裁定の遺族年金が一万九千円に据え置かれておるが、これはまことに不均衡であろうと思いますが、その点どう考えますか。
○池田政府委員 私どもも、率直なところそういう感じを持っているわけでございます。関係の方にはまことにお気の毒であるという感じを持っているわけでございます。これは、先ほど申し上げましたが、恩給との関係があるわけでございまして、恩給でも同じようなケースがございます。それを上げるということは、国家財政の見地からなかなかむずかしいという事情があるようでございまして、その関係で実は今回は実現をできなかったということで、これまたそういう面におきましても、私どもはぜひとも努力をしたいという気持ちでございます。
○神田(大)委員 国家財政の見地からむずかしいと言うが、一日にしますと、ほんとうに六十円かそこらの少額の年金です。これは、もう国といたしましても一番あたたかい思いやりの手を伸ばさなくてはならぬような遺族の人たちに、国家財政上といったような大上段なことばでもってこれを打ち消すということは、政府としてやるべきことではない。恩給のほうもそうなら、こういう不均衡を改正したらいいでしょう。どうですか。財源上できないほど日本は貧乏しているわけじゃない。社会保障制度を強化するといっておきながら、当然改正しなければならぬようなことを、国家財政にかこつけて実現しないということは、われわれは承認できないと思うのです。この点、どう考えますか。
○池田政府委員 御議論は私もよくわかります。私どももそういう気持ちを持っていろいろ折衝したわけでございますが、率直なところを申し上げますと、旧軍人関係の恩給の問題でございまして、非常に対象人員が多いそうでございます。もちろん、日本の経済力から負担できないということはなかろうかとも思いますが、そういうような問題がからんでおりますので、その問題と同時に解決をいたしませんと、この問題を解決できないということがございますので、実は、私どもがお答え申し上げることは非常にむずかしいことでございまして、私どもも、先生がいまお話しのような気持ちを持っておりますので、ひとつ今後の問題として、ぜひ努力の目標といたしたいという気持ちでございます。
○神田(大)委員 このことにつきましても、局長の答弁したことで、大臣としては、このような零細遺族年金者に対する均衡のとれた措置を早急にとるべきであると私は考える。軍人恩給やその他に関係するからしかたがないのだということでほっておくべき問題でないと考えますが、大臣はどう思いますか。
○長谷川国務大臣 この問題だけを取り出して、これだけをきまりをつけるというわけにもまいりません。日本の社会制度全体に立って、これらの問題は考えなければならないのでございます。 なお、御承知のとおり、恩給をいただくのはこの部面だけじゃない、全部の人がそれだけのことをやってきたから恩給がついておるのでありますから、それだけを抽出して、これだけをやるのだというわけにはまいりません。でありますから、国全体の上に立って、どういうふうな取り扱いをするかということをおきめ願わなければならぬ。そのときには、そういう点についてはわれわれも十分努力を傾けて、御期待に沿うようにいたしたい、こう考えます。
○神田(大)委員 これだけを取り上げてと大臣言われますが、これは年金全体を通しての不均衡な点を私はついているわけです。年金全体においてこれだけが不均衡ではないか、なぜこれを均衡のとれるように引き上げないのかということを私は言っているのであって、大臣の答弁は、何か言いのがれをしておるようでありますから、いま一回はっきりとこの点御答弁願いたい。
○長谷川国務大臣 言いのがれするわけではございませんけれども、神田さんの御意見はよくわかりますから、またその点については十分に努力をいたします。
○神田(大)委員 最後に、前の同僚委員からもいろいろ質疑があったように、農協職員の、特に単協の職員の給与が低い。このことにつきましては、政府当局といたしましてどのような措置をとるのかということを前の方から聞きましたから、私は再び答弁は求めませんが、農協全体の近代化、合理化がおくれておるのではないか。もうあらゆるもの、あらゆる経済機構が改善、合理化しておるのに、現在中央段階、県段階、町村段階とあって、これらにつきまして改善されておらない点等が、農協の職員の給与の上げられない一つの原因であろう。 たとえば、県段階等における幾つかの連合会が——単協におきましては合併等も行なわれております。しかし、県段階においては、いまなおそれらのことについて努力をしておらない。たとえば、役員の共通制等におきましてもなかなか実現できない。あるいはまた、中央段階における機構の改革等もそのままになっておる。こういう点を政府は強力に合理化、近代化を進める対策をとる必要があると思いますが、どうお考えになります。
○池田政府委員 考え方のポイントといたしましては、私どもも全く同感でございます。確かにいまの系統三段階、特に県あるいは全国連合会のあり方というような問題につきましては、やや新しい観点で合理的な、特に事業のあり方というものを考える必要があるわけでございまして、この点につきましては、系統の中でもそういうことが行なわれておりまして、ほぼ結論に達しておるわけでございます。 でありますから、たとえばある事業を取り出して考えました場合に、単に現在そういう連合会があるから、そういうルートで仕事をするんだということではなしに、それぞれの事業なりあるいは品目の実情に応じて、その必要がなければ、たとえば二段階でもいいじゃないかということもあるわけでございますが、そういうようなことにつきましては、私どもも、あるいは手数料のあり方とかいうことも含めまして、実は農協にもいろいろ御指導申し上げたいという気持ちを持っておるわけでございます。たまたま系統農協の中でもそういう動きがございまして、ほぼ結論が出ておるような段階でございますので、そういう点につきましては、私どもも、おっしゃるような観点から今後大いに努力をいたしたい考えでございます。
○神田(大)委員 給与問題等においても、単協にしわ寄せをされておる。そういういろいろな矛盾が、単協の職員の給与改善を阻害しておる。そういう点において特段の努力をしていただきたい。いま単協が一番苦しい立場に立って、しかも、むずかしい仕事をやっておる。しかも、中央段階あるいは県段階等における職員との給与の格差が非常にはなはだしい。これはひとつあとで、中央段階の職員の給与の平均、それから県段階の給与の水準、町村段階の給与の水準をひとつ資料として提出願いたいと思います。いかに末端の各農協の役職員は苦労しておるか、非能率的な仕事を押しつけられておるかというようなことにつきましてぜひ検討し、強力な指導、強力な措置をとるべきであるということを私は申し上げたいと思います。 大臣も農協の運営等につきまして重大な関心を持たれておると思いますが、この際、大臣の見解をただしまして私の質問を終わります。
○長谷川国務大臣 最初の第一点の資料は、至急に整えさして提出をいたします。 以下、農協に対する今後の運営、これらに対しましても、先ほどもお話を申し上げたとおりでございますので、ごく最近その機会を得て、そして皆さん方の意のあるところは十分お伝え申し上げ、合理化すべきところは当然合理化しなければなりませんし、このような点については、決して私はやぶさかではございません。大いに努力を傾けて、御期待に沿うようにいたさせます。
○丹羽委員長 斎藤実君。
○斎藤(実)委員 私は、今回の農林年金の改正案について、二、三の点を御質問申し上げます。 今回の改正では、掛け金率の引き上げは行なわれなかったわけであります。おそらくこれは、財源の関係上引き上げは行なわれなかった。しかしながら、将来掛け金率については引き上げるのか、あるいは据え置くのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○池田政府委員 今回の制度改正に伴いまして、掛け金率を引き上げるということはいたさないわけでございますが、現在のところ、今後、当面そういう引き上げをいたすという気持ちはございません。
○斎藤(実)委員 将来にわたって、掛け金率の引き上げは行なわないという答弁で了承いたしました。 次に、今回の法改正に伴って、明年度以降の農林年金の財源率については、どのように考えておられますか。
○池田政府委員 今回の改正に伴います分といたしましては、ほぼ千分の五程度の財源率の引き上げになるわけでございますけれども、これは、いま申し上げましたように引き上げを行なわないということでございまして、私どもは、給付に支障をなからしめるという観点から、財源調整等の措置もとっているわけでございまして、年金財政の推移を今後見ながら、その点については善処をしてまいりたいという考えでございます。
○斎藤(実)委員 次に、国庫負担のうち事務費についても、他の年金が全額国庫負担になっているという例がありますが、この年金では一部の補助になっているわけです。この補助率を、全額国庫負担というふうにしてくれという要望が非常に強いのですが、これについてどう考えておりますか。
○池田政府委員 国共済の場合には、国家公務員が対象でございますので、やや違う形になっておりますが、その他の場合には一部についての補助でございますが、本年度の措置といたしましては、引き上げの実現を見なかったわけでございますけれども、これにつきましても、今後内容を充実させるという意味で、努力をいたしたい考えでございます。
○斎藤(実)委員 だいぶ時間も過ぎてまいりましたので、農林大臣に一つ最後にお尋ねします。 組合員の負担軽減については、先ほどからいろいろ大臣からも答弁がありました。大臣が、今後この組合員の負担軽減についてどのような見解を持っておられるか、最後に大臣の答弁をお願いします。
○長谷川国務大臣 ぜひともそういうようなことにしていきたい、そういう目標のもとに今後も努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
○斎藤(実)委員 以上で質問を終わります。
○丹羽委員長 これにて、内閣提出、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案に対する質疑は終局いたしました。 ————◇—————
○丹羽委員長 この際、真珠養殖等調整暫定措置法案を議題といたします。 本案につきましては、先刻質疑を終局いたしております。 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。(拍手) ————◇—————
○丹羽委員長 この際、角屋堅次郎君外三名より、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表いたしまして、ただいま議決されました真珠養殖等調整暫定措置法案に対しまして、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 真珠養殖等調整暫定措置法案に対する附帯決議(案) 昭和四十一年以降における真珠不況の経過と現状にかんがみ、真珠養殖業者および真珠母貝養殖業者の経営の安定と合理化を図り、真珠の正常な輸出を確保するため、政府は、本法の施行に当たっては、生産対策のみならず、加工、輸出対策を含めた対策を総合的に推進するとともに、当面特に左記事項の実現に努めるべきである。 記 一、本制度の実施に当たっては、真珠および真珠貝の養殖に関する現行漁業権制度ならびに真珠養殖事業法との関連を十分考慮して、これら制度の運用に遺憾なきを期すること。 二、真珠養殖業者および真珠母貝養殖業者に対する融資の円滑化に資するため、制度金融および系統金融の積極的な活用を図るとともに、真珠養殖漁業協同組合の整備について実態を調査のうえ、指導、助成等所要の措置につき検討すること。 三、養殖いかだの敷設に関する制限特に密殖改善措置の実施に当たっては、一定規模以下の零細な経営体を除外する等これらの者の保護に特別な配慮を加えること。 四、国は、真珠養殖等調整組合の行なう調整事業の円滑な実施を図るため、検査員の設置に要する経費その他の事務費につき、所要の助成を行なうよう配慮すること。 五、真珠養殖業および真珠母貝養殖業の安定的な発展を図るため、真珠の価格安定機関の新設等長期的安定策について検討すること。 右決議する。 これらにつきましては、委員会の審議を通じまして十分審議されておるところでありますが、簡単に五項目についての点に触れておきたいと思います。 第一項の点は、言うまでもなく、従来の真珠養殖事業法並びに漁業法との関連において、本法が生まれましたときの制度運用に遺憾なきを期する趣旨で、附帯決議を付したのでございます。 第二項の点については、御承知の不況対策の中で、融資対策を十分配慮することは重要な要素でありますので、そういう観点から、制度金融及び系統金融の積極的な活用を、今後ともはかることが必要でありまして、そういう趣旨とともに、不況の中で、真珠養殖漁業協同組合の実態が相当悪化をしておる。これらの問題については実態精査の上、指導、助成等所要の措置について検討をはかる必要があるという趣旨でございます。 第三の「養殖いかだの敷設に関する制限特に密殖改善措置の実施に当たっては、一定規模以下」これは海域によっても若干の相違があろうかと思いますけれども、一応十五台以下程度のことを想定しておりますが、いずれにしても、零細経営に対するところの特別配慮というものを加える必要があるという趣旨でございます。 第四点は、新しくできます真珠養殖等調整組合の調整事業の円滑な実施をはかるためには、当面、予算的措置は裏づけられておりませんけれども、やはり今後の問題としては、農業災害補償法あるいは漁業災害補償法における共済団体等の慣例から見ましても、検査員の設置に要する経費その他の事務費につきまして、所要の助成を行なうよう、今後配慮するという趣旨でございます。 第五は、真珠養殖業及び真珠母貝養殖業の安定的な発展をはかるためには、本法による生産調整というばかりでなしに、将来にわたっての安定的な対策を講ずるためには、どうしても価格安定機関というものについて今後検討を進め、適切な措置を講ずる必要があるという趣旨でございます。 これらの点については、本委員会を通じ、与野党の質疑の中で十分尽くされたところでありますので、簡潔な説明をもって御了解をいただきたいと思います。 何とぞ各位の御賛同を得まして、提案の趣旨に満場御賛成賜わりますようにお願いをいたしまして、提案理由の説明を終わります。(拍手)
○丹羽委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 本動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 角屋堅次郎君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。長谷川農林大臣。
○長谷川国務大臣 ただいまの決議につきましては、御趣旨を十分尊重いたし、努力をする所存でございます。 ————◇—————
○丹羽委員長 引き続き、内閣提出、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案を議題といたします。 本案は、先ほど質疑を終局しております。 この際、私の手元で起草いたしました本案に対する修正案を提出いたします。 修正案はお手元に配付してありますとおりでありますが、その案文を朗読いたします。 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案に対する修正案 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案の一部を次のように修正する。 附則第四項中農林漁業団体職員共済組合法第二十条第一項の表の改正に関する部分の前に次のように加える。 第一条に次の一項を加える。 2 昭和二十三年八月二十七日に設立を許可された社団法人全国農業共済協会及び昭和三十年十二月一日に設立を許可された社団法人中央畜産会は、この法律の規定の適用については、前項に掲げる法律に基づいて設立された法人とみなす。 以上であります。 なお、本修正の結果必要とする経費といたしましては、加入人員、標準給与の額の推移等により変動はあり得るが、平年度約二十万円であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三により、内閣の意見があれば、お述べ願いたいと存じます。長谷川農林大臣。
○長谷川国務大臣 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案に対する修正案については、年金制度の体系、他の民間法人との均衡等から見て、賛成いたしかねます。 しかし、修正案が院議をもって決定された場合には、その運営に万全を期する所存でございます。
○丹羽委員長 本修正案に対して御発言はありませんか。——御発言がなければ、本案並びに修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に申し出もありませんので、これより順次採決いたします。 まず、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案に対する修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
○丹羽委員長 この際、芳賀貢君外三名より、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。芳賀貢君。
○芳賀委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表いたしまして、ただいま修正議決されました昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、農林漁業団体役職員が、農山漁村において果している役割の極めて重要なものがあるのにかんがみ、その社会的、経済的な地位の向上に資するため、昭和四十五年度を目途に左記事項の実現に努めるべきである。 記 一、農林漁業団体の特性にかんがみ、組合員の掛金負担の増高等をきたさないよう、給付に要する費用に対する国費補助率を百分の二十に引き上げる等国の補助を増額すること。 二、旧法平均標準給与の最高限度額については、これを新法なみに改善すること。 三、既裁定年金の最低保障額については、新規裁定年金の最低保障額なみに改善することとし、特に、二十年未満の遺族年金については、今回の改正の恩典が及んでいないので、可急的速やかに改善すること。 四、既裁定年金のベース・アップについては、今回の改正の骨子は、国家公務員に準じたものであるが、農林漁業団体職員共済組合法第一条の二の主旨に照し、すみやかに、スライド原則の具体化をはかること。 五、公益法人等で農林漁業の発展に資する事業を行なっている団体については、本法の適用対象団体とするよう措置すること。 六、農林漁業団体職員の給与が著しく低位で、給与水準に不均衡が認められるので、給与の改善、給与体系の整備のため、さらに適切な指導を行なうこと。 右決議する。 以上でありますが、その趣旨につきましては、委員各位の熱心なる質疑を通じまして明らかにされておりますし、政府においても、長谷川農林大臣をはじめ十分熟知されたことと信じまして、説明は省略させていただきます。 何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○丹羽委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 本動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 芳賀貢君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。長谷川農林大臣。
○長谷川国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、誠意をもって努力をいたします。寺
○丹羽委員長 なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕
○丹羽委員長 次回は明十日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十五分散会