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61回国会衆議院1969/07/03

農林水産委員会 第45号

発言数
80
登壇者
9
会派数
2
開催日
1969/07/03

会議録

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、先般の集中豪雨による農作物等の被害状況について、政府より説明を聴取いたします。小沢政務次官。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 今般の梅雨前線豪雨につきまして、その被害の概況と当面とりました対策等につきまして、若干現在までの状況を御説明申し上げます。  被害の概況は、都道府県並びに営林局からの報告によりますと、去る二十四日から二十六日までの被害は三十都府県に及び、内訳は、農作物等が果樹、野菜を中心に約十二億四千万、農地が約二千百カ所、約二億八千万、農業用施設が約二千五百カ所、約十億八千万、林野関係が、国有林を含め約十四億一千万、水産関係が約二千万で、被害額の合計は約四十億三千万円であります。  さらに、二十八日以降の被害は現在進行中でありますが、二十一府県に及び、被害の内訳は、農作物等が水稲を中心に約二十四億八千万円、農地が約千七百カ所、約四億九千万円、農業用施設が約四千二百カ所、約十九億八千万円、林野関係が、国有林を含め約二十億一千万円、被害額の合計は約六十九億六千万円に及んでおります。  以上の梅雨前線豪雨の現在までの被害額の合計は約百九億九千万円でございます。  私どもといたしましては、当面、災害の発生直後に係官を現地に派遣いたしまして、現地の調査及び指導を行なってまいりました。  農地、農業用施設、林道及び治山施設等の被害につきましては、暫定法、負担法等により万全の措置を講ずるほか、特に田植え期であるので、かんがい施設の被害のある場合は、応急水路の設置等によりかんがい排水の確保に遺憾のないよう処置いたしたいと思っております。なお、査定は、被害県から書類提出があり次第早急に実施をいたしたいと考えております。また、復旧が緊急を要するものにつきましては、査定前着工も当然認めるように措置いたしたいと思います。  山地の崩壊により人家、公共施設等に被害を及ぼし、また、今後及ぼすおそれがあると思われますので、民生安定上放置しがたい個所につきましては、緊急治山事業費を充当して早急にこれが対策をとりたいと思います。  特殊土壌地帯、シラスあるいはボラ、コラ等の農地侵食、崩壊を防止するために、シラス対策、特殊土壌対策及び特殊農地保全施設整備事業を実施いたしておりますが、さらに努力をいたしたいと思います。  水稲につきましては、九州地方は一部を除き田植えはほぼ終了したところであります。したがって、苗対策を講ずる必要が生じておるわけでございますが、苗の確保あるいは輸送対策を含めまして、再仕立て苗しろの設置等の対策を講じてまいりたいと考えております。  お手元には七月二日現在の、いろいろ現地からの報告によります被害の総括表をとりあえず御提出を申し上げておるわけでございますが、今後の対策につきましてできるだけの努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 引き続き農林水産業の振興に関する件について質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。實川清之君。

實川清之日本社会党

○實川委員 ことしの二、三月ごろ、日本近海にソ連の漁船団が出漁いたしまして、沿岸の漁民に相当なショックを与えたわけでございます。このソ連漁船団の動向と沿岸漁業、特にサバを中心とする漁業に対する影響、こういう点について水産庁長官にお伺いをいたしたいと思います。  この問題は、ただいまも申し上げましたようにことしの早春の問題でございまして、たいへん時期っぱずれの感じがしないわけでもございませんが、しかし、来年来ないという保証もございませんし、むしろいろいろソ連漁業の動向を見てまいりますと、やってくる公算のほうが大きい、このように考えておりますのでお伺いをいたすわけでございます。  ソ連漁船団は、通常学術調査あるいは試験操業というようなことを名分にして、日本近海に出漁いたしておるようでございますが、その辺の点はどういうことなのか、まずお伺いいたしたいと思います。  なお、聞くところによりますと、ソ連の漁業政策と申しますか、八百万トンくらいを漁獲目標にいたし、その三分の一くらいを極東海面でとりたい、こういうような方針と承っておりますが、そうなりますと、三分の一にいたしまして二百七十万トンくらいになるわけでございますが、これは非常に大きな数字だと考えます。サンマ漁業の場合を考えてみますと、一九五五年にソ連では調査を開始し、試験操業段階を経て、南千島を根拠地にいたしまして一九六一年から母船式にいたしまして本格的な操業に入ったわけでございますが、昨年には日本のサンマの漁獲高の四分の一程度の漁獲量があったといわれております。  こうしたソ連の漁業政策を背景に考えてみますと、ソ連漁船団の日本近海出漁は、むしろ必至の情勢にあるのではないか、このように考えられます。また、そういたしますと日本の漁業、特に沿岸漁業に与える影響は非常に大きいわけでございまして、われわれといたしましても等閑視するわけにはまいらないのではないか。  そこで、まず具体的にお伺いいたしますが、ソ連漁船団の出動の状況についておわかりになれば、数字的にお答えをいただきたい。それから、この船団はいつごろどの海面にあらわれてどのくらいの期間漁をやっておったか、あるいは船団の規模、そしてどのくらいの漁獲量があったと思われるか。  さらにまた、問題になりますのは漁労の方法でございます。聞くところによりますと、たとえば神津島から銭州のあたりにやってきたソ連船団は、日本の一本釣り漁船が操業いたしている中へ割って入ってくるのだそうでございます。したがって、一本釣り漁船は操業をやめて漁場から退避しなければならない、こういうことになるわけでございます。しかも、ソ連の漁船はまき網を使っておりますので、魚は海中に深く沈んでしまってなかなか浮き上がってこない。したがって、日本の一本釣り漁船は仕事にならないというような結果になるわけでございます。  あるいはまた、この近海では禁止をいたしております集魚灯の使用の問題、こういうようなことが、伊豆あるいは房総沖ということになりますと、これは日本の内庭とでも申しますか、ごく日本に接近した地帯でございまして、そういうところでこういうようなことが公然と行なわれるということになりますと、日本漁業にとりましても、特に沿岸漁業にとっては重大な問題だ、このように考えます。この点についてひとつ長官から具体的にお答えをいただきたいと思います。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 お尋ねの第一点のソ連漁船の動向でございますが、いろいろな地域にソ連漁船が出没をしておりますから、当面お尋ねがございました銚子あるいは銭州近海、いわゆる伊豆沖におきますところの操業の状況について申し上げます。  これも、一月から四月くらいまでの期間にわたりまして、いろいろな形で出入りしておりますが、大体の大まかな動向をかいつまんで申し上げますと、一月の下旬くらいまでは銚子沖でやっておりました。それから、その後銭州沖なり、いわゆる伊豆沖にやってまいりまして、一月の下旬ごろから二月のころまでやっておりました。銚子沖あるいは一月の末くらいまでの船団の大体の規模といたしましては、一万トン級の母船を一隻、それから千トン級のトロール船が二隻、それから三百ないし五百トン級のまき網船が七ないし八隻というような形で操業しておったようでありますが、二月以降、こういった銭州沖なりあるいは伊豆沖に参りましてやっておりましたときには、やや船団の規模が小さくなりまして、三百ないし五百トン級の漁船が三、四隻程度というふうな形に縮小をしておったようであります。  漁法でありますが、漁法はハイカラ釣りなりあるいは立てなわ操業というようなことで当初はやっておりましたが、その後まき網の操業も加味するというようなことで、伊豆沖、銭洲沖において出没をいたしました。最終的には、四月の十一日以降この近辺からは消息を断ったという状況であります。ただ、一月なり二月から四月までの間も、出たり入ったりということで、継続的にある地点に常駐をして操業をしておるというような形では、どうもないように見受けられました。いわゆるあっちへ行ったり、こっちへ行ったりして操業をしておるというような状況でございます。  そこで、先ほどのお尋ねの試験的と称しておるということでございますが、そういった状況から見ますと、あるいはこの近海における操業は、試験的ということであるのかもしれないと私どもは思っております。またソ連の大使館のほうから、私どものほうで資源保存措置に対して協力を申し入れた際に、向こうからの説明によりましても、伊豆諸島近海における操業は試験的な操業で、まだいわゆる商業的漁獲の段階に入っていないのだというような答えをしておるわけであります。大体ソ連船の動向は以上のとおりでございます。  それに対しまして私どもとしては、一つは、御承知のようにこういう地帯は、日本の漁業においても漁業調整が行なわれておりまして、御承知のような越冬場あるいは産卵場というような地帯でありますから、まき網による操業は禁止ないしは自粛をしておるということで、ソ連側においてもそういった形の操業は、ひとつ自粛をしてもらいたいということを申し入れをいたしたのでございます。先ほど申し上げましたような説明はございましたけれども、私どもとしてはそういうソ連に対する申し入れは、二月以降引き続きやっております。  先般の日ソ漁業委員会で、向こうから人がやってまいりまして、その機会にも、私のほうから向こうの代表に対しまして、従来から申しておったと同様の趣旨を強く申し入れをいたしまして、ソ連側において善処してもらうように、特にまた本国に帰りましたならば、本国政府に対して、日本側の主張あるいは要望について十分ひとつお伝えを願って、善処してもらうようにしてもらいたいということを申し伝えたような次第でございます。

實川清之日本社会党

○實川委員 長官のお話を聞きますと、この房総沖から伊豆沖の操業は試験であって、来年はもう来ないだろう、そこまではっきりおっしゃらなかったが、聞き方が少し甘いと、そういうようにも受け取れる御返事だったのですが、どうも私はそうではないのじゃないかと思う。やはり本格的にやってくる下準備としての、要するに試験操業としての出漁ではないかというような感じを持っております。それが一つ。  それからもう一つは、日本政府が二月以降ソ連政府に対しましていろいろ交渉を持っておられる。業界新聞かなんかで私、見たのですが、それによると、ソ連は非常に高飛車であって、日本の領海内に入ってやったわけじゃないし、公海でやったのだから、大きなお世話ではないかといったような非常に強硬な態度だったというように伺っておりますが、その点はどうなんでしょうか。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 一言お断わり申し上げますが、私は、向こうが試験的な操業であるという説明をしておるということでありまして、来年からは来ないであろうといったような観測を持っておるわけではございません。ただ、言っておりますことと、本年における現実のあの地方における漁船の動向を考え合わせると、あるいはそういうことであるかもしれぬ。しかし、試験操業というのはどうせ本格操業の一つの前提でありますから、来年以降も、あるいは向こうがやってくることがあり得るかというふうには思います。  それから、向こうの出方でありますけれども、高飛車というと非常にあれでありますが、公式論をやりますと、領海の範囲の中に入ったわけではありませんから、向こう側としては国際法上悪いことをしておるといったような問題ではないということはございました。しかし、いずれにしてもこちらのほうはそういった越冬場であり産卵場であるから、資源保護の観点から協力をしてもらいたいと言っておるわけでありますから、本格的な商業的な漁獲をするという段階になれば、日本側と十分打ち合わせたいというふうなことを言っておりますから、何といいますか、理屈といいますか、論理としては、そう向こうとしても高飛車といったような言い方ではないのじゃないかという感じはいたしております。  しかし、先ほどお話がございましたように、ソ連側としても水産の漁獲を上げるということはかなり大きな国策になっておるようでありますから、東洋付近におきましてもかなり積極的な漁業の動きを見せるであろうということは、十分予測がつくわけであります。

實川清之日本社会党

○實川委員 その中で、特に私たちが問題にしたいと思いますのは、銭州あたりはサバの産卵地だというように聞いております。それがほんとうかどうかということが一つと、もしサバの産卵地だということになりますと、その付近へ大きな船が来てどかどか網を入れ、根こそぎ未成熟魚までとり尽くしてしまうというようなことになりますと、これはもうたちどころにサバ資源というものは枯渇をしてしまうだろう、こういうような心配があるわけでございます。これについては、単にソ連の漁船だけではなくして、日本のまき網漁船にしましても同様なことになるわけですが、この銭州周辺はサバの産卵地だと仮定いたしました場合に、その資源保護のたてまえから、ソ連、日本にかかわらず、まき網一切をやめさせてはどうか、こういうぐあいに考えますが、その点はどうでしょう。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 銭州付近は、北太平洋のサバの系統群といいますか、そういう系統のサバの産卵場であるということになっております。したがいまして、あの付近では日本のまき網は、漁業調整によりましてやらないことになっております。そういう関係から、私どもとしてもソ連側に、日本の漁業内部においてもさようなことをしておるのであるから、特にあの方面におけるまき網漁法というのは困るのだということを、強く申し入れをしておるというわけでございます。

實川清之日本社会党

○實川委員 それから、話はまたもとに戻るのですが、ソ連との交渉の際、公海でやっているのだから、積極的にこちらからどうこうは言えないというお話でございますが、最近、何といいますか、いわゆる領海を三海里から十二海里、あるいはひどいのになると、一番大きいのは二百海里ですか、そういうようにかってに領海を一方的に拡張している。こういうようなのがほとんどの国のとっておるやり方のようですが、日本だけがそういつまでも三海里を墨守する理由もないのじゃないか。むしろある程度広げて、日本は昔から水産国といわれておったわけでありますから、日本の漁業保護に対する政府のはっきりした態度をこの際示すべきではないか。  領海を、三海里から拡張する考え方はお持ちになっていないかどうか。そして、もしかりに領海を広げる気持ちがないとするならば、その理由はなぜかということをお伺いいたしたいと思います。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 御指摘のように、最近領海の幅を広げる、あるいは領海の外に漁業専管水域といったようなものを宣言するといった傾向が、各国にあらわれてきております。従来わが国がとってまいりました、国際的なそういう動きに対する態度は、そういうふうに各国が非常に乱雑に、まちまちに領海の幅をきめる、あるいは漁業専管水域をかってに宣言するということになると、国際的な海に対する秩序というものが非常に乱れてしまう、したがって、現在の最も文句のない線というのは領海の三海里、これはだれが、どの国に聞いてみても文句のない線だ、それ以上各国がまちまちに、かってに領海を広げる、あるいは漁業専管水域を設けるということは国際的には対抗できないので、相手の国が了承した場合にのみ国際的な主張ができるのだというような態度をとってきたわけであります。これは一つには、何といいますか、抽象的な原則論ということであったと思います。  それから、実利といいますか、実体的な話としましては、領海ということになりますといろいろな角度の問題が出てまいりますけれども、領海、漁業専管水域を含めての水産サイドの問題としては、やはり各国の相当近くにまで行って漁業をやっておる、また、現にそういった水域を宣言しておる国と、日本の漁業の実績を確保するということで、いろいろな交渉を持っておる。そういった際にみずから領海を広げる、あるいは漁業専管水域を宣言するということが、どういうような関係になってくるであろうか、こちらのほうの権益を守ることについて、微妙な関係が出てくるのではないかというようなことで、日本みずからとしても、そういう行為に出るということを差し控えておったわけであります。  しかし、御指摘のように外国の漁船が日本の近海に、特にかなり近くにまでやってきて操業をするというような事態が、ここ一、二年来出てきております。そういう関係から沿岸漁業者としても、こういうことについて非常に強い関心なり要望が出つつあるということも、われわれとしては十分頭に置かなければならぬというふうに最近は考えております。  したがいまして、従来とってまいりましたそういった日本の原則的な立場、あるいは漁業における利害得失といった問題と、最近起こってまいりました外国漁船の動向、また沿岸漁民の感じといったものを十分ひとつ頭に置きまして、こういった問題については、真剣にひとつ検討してみたいというつもりでおります。

實川清之日本社会党

○實川委員 いま長官のお話でちょっと気になるのは、三海里だとあまりどこからも抵抗が起こらない、だからそれをやっているのだというお話でございますが、いま世界で三海里をとっているのは何カ国くらいあるのですか。抵抗ということだけを問題にするのだったら、二海里あるいは一海里のほうが抵抗ははるかに少ないし、世界各国から歓迎されるであろうと思うのですよ。しかし、そういうことでは国益は守れないのではないかと私は思うのですがね。相手の言いなり次第、相手の出方次第でどんどん譲歩してしまう、そういうことでは困る。北方漁業におきましても、あるいはいま問題にいたしておりますサバの問題にいたしましても、次々に日本の既得権益らしきものがくずされてきているというふうに私は考えるわけです。  特に相手国、この場合の相手国はソ連ですが、ソ連は三海里じゃないはずですね。十二海里だと私は考えるのですが、そういたしますと、少なくとも最小限度十二海里までは相手を説得をし、相手に理解せしめるということは必要じゃないか。そういう努力は一切おやりにならないで、ただ相手の鼻息をうかがって、退却また退却ということでは、日本の漁業は立ち枯れになってしまうのではないか、このように心配されます。その点もう一回、ひとつ水産庁なり農林省としての御見解を承りたい。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 最初に数字のごとをお答えしておきますが、領海三海里にしております国は二十二カ国ということでございます。  それから、先ほど私が申し上げましたのは、相手の国に遠慮をして、文句の出ないような線でわが国の専管水域なりあるいは領海の問題を考えるのである、そういうことで申し上げたのではないのでございまして、先ほど来お話がございますように、各国がきわめて乱雑に、かってに領海を広げる、あるいは漁業専管水域をかってに宣言する、さような海に対する国際的な秩序が乱れてくる、そういうものに対して、日本が専管水域を引くとか引かぬとかいうことでなしに、およそ世界各国としてかような問題をどう考えればいいかといったような、いわゆる海の秩序に対する日本の原則的な考え方ということで申し上げたのでありまして、別段、国際交渉上相手がどうこうするから、日本が無難な線で主張するんだというふうなことを申し上げたつもりではございません。むしろ対外的な折衝ということになりますれば、ここ二、三年来数カ国と、さような外国の領海なりあるいは専管水域に対して、積極的にこちらのほうから交渉をしかけまして、日本の権益を擁護するということをやってまいりましたし、また、将来もさようなことで引き続きやらなければならない、また、やりつつあるということでございます。  そういうことでございますから、その点については、対外的な日本の権益を守る折衝の態度ということになれば、これはいままでも非常に強くやってまいりましたし、今後も一そうそういう点については、対外的に積極的な交渉をやるということには変わりございません。

實川清之日本社会党

○實川委員 私は、いままでの主張を繰り返すようですが、とにかく世界の趨勢に従って、日本もこの際領海を広げることを考えてはどうかということと、もしそれで足らなければ、少なくともその先に漁業専管水域を設定してもいいんじゃないか。そういうことを、水産庁としてもひとつ真剣に考えていただきたい。  それからもう一つ、銭州のようなところはサバの産卵地であるということならば、その地域一帯は、少なくとも内水面扱いとでも申しましょうか、そういうような扱いにして、完全に水産庁がコントロールしていくというくらいにしないと、みんな根こそぎとられてしまう心配があるわけです。内水面扱いというのは、先月ですか、モーリタニアですでに、みさきのとっぱなとみさきのとっぱなを結んで、その中を内水面だというような、そういう主張をしたように聞いておりますが、幾つかの島があると、その島を一括して、その周辺十二海里なら十二海里を別扱いにするというような考え方も成り立つんではないか。それは決して日本がガリガリを主張するだけではなくして、やはり広く魚族の資源確保というような点からも、その程度のことはやって差しつかえないんじゃないか、私はこう考えております。  次に、日本の船が外国の領海近くに行って操業する。したがって、日本があまりかって気ままな、領海を拡張したり漁業専管水域を設定する、そういうことをやると、日本の船が外国の近海で操業する場合に、報復的な処置をとられるというようなことを御心配になっているようですが、かりにそういう事態の起こった場合、具体的にどのくらいの損害が見込まれるのか、あるいはまた、いまのような状態で外国の船がのそのそ日本近海を荒らし回る、そういうことを放任しておいた場合どのくらいの損失があるのか。この二つを比較してみた場合、これは沿岸漁業者の言い分ですが、外国に行ってかせいでいる船はいわゆる大企業であって、日本近海を荒らされることによって損害を受けるのは零細な沿岸漁業者である、水産庁がこういう問題に踏み切れないのは、大資本の利益を考えているからではないかというような勘ぐりもいたしておるようでございます。私は、水産行政を掌握しておられる水産庁は、そういうことはないだろうと確信いたしておりますが、少なくともそういうようなうわさの立つようなあいまいな措置は、この際とらないほうがいいんじゃないか、こういうぐあいに申し上げたいわけでございます。  以上の点について、もう一回ひとつ長官から御見解を承わたいと思います。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 外国に出かけていきまして漁業をやっておる、それはどの程度かということですが、これは、その部分だけ取り出しまして算定をするというのもなかなかむずかしい点がございますので、いまここで、何トンとか何億というのも言い切れないと思いますが、現在、私どものほうで外国のほうと交渉をしてき、また交渉しつつあるという国はかなりございます。アメリカにいたしましても、あるいはメキシコにしても、豪州、ニュージーランド、あるいはインドネシア、これからまたアフリカの方面といったようなことで、かなりな国と折衝を要するような、そういうことでございますから、相当漁業の面におきましても多面的でありますし、また、数量等についても相当なことになるであろうというふうなことでございます。  また、外国に出かけていっておるのは主として大きな会社であり、どうこうというお話でありますが、必ずしもそうは言い切れない面がございまして、いろいろな、漁業の種類にもよりますけれども、カツオ・マグロの漁業であるとか、あるいは先般ソ連とカニの交渉をいたしまして、これも一種の、ソ連の大陸だなに対する日本の、多少法の形式は違いますけれども、問題としては似たようなことでありますが、折衝いたしました。やはり北海道なり東北における中小漁業者の問題ということに、私どもはかなり頭を痛めたということでございまして、一がいに図式化して、外に出ていくのは大きくて、沿岸が小さいというふうに言い切れないと思っております。ましてや、私どもは、いまあげられましたような感じでものごとを処理しておるというつもりは絶対ございません。やはり外に参りまして魚をとるということも、全体の日本の食糧確保、あるいはたん白資源の確保といった全体的な問題もございますし、従来の日本の漁民が非常に努力をして、非常な苦心をして開いてまいりました実績なりあるいは漁場というものを、やはり日本としては守りたいといったようなこともございます。  いずれにいたしましても、先ほど言われましたような大業者を守って、中小あるいは沿岸業者をどうこうするといったつもりで行政をやっておることはないということを御理解いただきたいと思います。

實川清之日本社会党

○實川委員 次に、サバの資源の問題についてお伺いをいたします。  参考にサンマの場合を考えてみますと、日本のサンマ業界とでも申しますか、漁業者の間では、ソ連の船がどんどん南下してサンマをとる、その対抗策として生産拡大をやって対処しよう、そのために早期解禁その他の措置を水産庁にお願いをする、そういうことをやったわけですが、この生産拡大ということはけっこうなことだと思うのです。  サンマの場合の漁獲量の変遷を見てまいりますと、一九五八年の五十七万五千トンをピークにいたしまして、それから四十万トン、三十万トン台がそれぞれ二カ年ずつ続いておるようです。それから、一九六四年から二十万トン台が四年続いて、さらに昨年、一九六八年は十三万トンをちょっと頭を出した程度で、この漁獲量が激減しておるわけでございます。これは生産拡大の措置をとったが、結果的には生産が縮小した。その縮小したのは、乱獲によって魚族が激減をしたのだ、こういうことになるのじゃないかと私は思います。農業とか、同じ漁業でも養殖のできる栽培漁業といったようなものならば、これは生産拡大をやっても必ずしも資源枯渇ということにはならないわけですが、広い海原にいるサンマとかあるいはサバ、そういったようなものを生産拡大で大きな船を無制限に入れてとりまくるということになれば、当然一定の限界に突き当たり、減産に転ずるわけだと考えております。それと同じように、ただいま申し上げましたサンマの場合でも、同じような形で逆に生産が縮小した、こういうような結果になっておるのではないかと思います。いわゆるネコまたぎといわれたのだそうですが、ネコまたぎがこの二年間ぐらいは、何といいますか高級魚になって、なかなか貧乏人の食卓には、私の味覚としてのサンマが食べられないというような状態になっております。  サバの場合ですが、サバの漁獲量は、一九五二年には二十八万トン程度で、その後三十万トン前後の水揚げが約十年間くらい続いております。ところが、一九六〇年ごろから次第に漁獲量が上昇いたしまして、六〇年から二年置きに十万トンずつ上積みをし、一九六五年には六十万八千トンにのぼっております。さらに六六年にはちょっと下がって六十二万四千トン、六七年には六十八万七千トン、こういうぐあいにサバの漁獲量が累年ふえております。昨年一九六八年は、全国どのくらいとれたかはまだわかっていないようですが、釧路沖から伊豆七島にかけての水域で、まき網で四十三万三千トン、一本釣りで十三万二千トン、合計五十六万五千トンの漁獲量があったといわれております。このほかにソ連の漁獲量があるわけですから、六十万トン程度の水揚げがあったのではないか、このように推定されるわけです。  これは、どの程度信憑性のあるものかどうかは私しろうとでわかりませんけれども、一部の学説によりますと、一つの魚種で、日本近海における漁獲高が六十万トン以上をこえると、資源的には赤信号が掲げられたことになるといわれております。さっきのサンマの場合でもそうでございましたが、サバの場合もすでに六十万トンを数年持続いたしているわけでございまして、こういうような点から考えましても、サバが今後いつまでたっても同じような状態が維持できるならばこれは問題ございませんが、大型漁船がどんどん入ってめくらめっぽうにとってしまう、乱獲をする、そうして資源を枯渇させるというようなことになれば、これは日本漁業にとりましても、将来やはり大きな問題になってくるだろう。  サンマが滅び、サバが滅び、次は何というぐあいに、次々に日本の漁業を潤しておったそういう魚種が壊滅をしていくという状態は、これは非常に大きな問題だと考えますが、水産庁ではこの点について、資源的な角度からサバの問題をどういうぐあいに把握されておるか、その点をお伺いいたします。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 いま御指摘のように、サバの漁獲量はここ数年傾向的に増加をしてきております。ただ、言われましたように、一つの魚で六十万トンをこせば資源は枯渇するというのは、必ずしもそういうことは言い切れないのではないかという私どものほうの専門家の話でございます。  したがいまして、もちろん資源の状態については十分その動向を注意していなければならぬと思いますけれども、いまのところでは、それほど資源的に枯渇するというようなことで心配をするような状況ではないんじゃないか、一口に言いますと、資源状態についてはそのように見ております。

實川清之日本社会党

○實川委員 しろうとがくろうとにつべこべ言うのもどうかと思うのですが、私の見た書類によりますと、産卵量が非常に減っておるという報告があるようです。その減ったのは親サバといいますか、その親が減ったからだ、こういうようなことも一部でいっていますね。したがって、あなたのおっしゃるように無条件に資源的に何ら心配の必要はないとは、私はまだ言い切れないんじゃないか、こう考えますが、いかがですか。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 産卵量のグラフを見ますと、上がったり下がったりということがありまして、もちろん同じような水準にずっと動いておるわけじゃありませんで、年によって浮動がございますから、どの年とどの年を比較するかによって、見方が多少異なってくるようなことがあるといっております。したがいまして、こういった資源に対する評価でありますから、専門家の間でも、あるいは多少の見方の差というものがあろうかと思います。  実はきょう御質問があるというので、ゆうべそういう人に話を聞きましたところ、いまのところそう悲観をするといったような程度ではなかろう。ただ、今後十分そういった動向については注意を払っていかなければならぬのではないかというふうな結論でございました。その点をお答え申し上げたわけでございます。   〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕

實川清之日本社会党

○實川委員 資源保護の問題はまたあとでお伺いしますが、水産庁としては、昭和三十五年から漁業制度調査会ですか、この点私ははっきりわかりませんが、その調査会の答申に基づいて、知事許可から大臣許可に許可権を取り上げたというか、移したようです。小さい船は県知事が許可をするが、漁業の種類、漁船の規模といったようなものについての許可権が、知事から農林大臣に移った。この問題に関連いたしまして伺いますが、知事にそういう許可権を与えておくと、これは当然のことだと思いますが、千葉県の知事なら千葉県の漁業者を優先的に考える、茨城の知事は茨城のことを考える、神奈川は神奈川というように、地元主義になる弊害は当然あるわけで、そういうことでは漁業生産力の発展のためにじゃまになる、こういうことでそういうような措置がとられたと聞いております。私は少し見方がゆがんでおるかもしれませんが、これは、どうもその結果から判断いたしますと、大企業優先のようなことになりはしないか。  たとえば、今日沿岸漁業が苦しんでおる一つのもとは——先ほどあなたは、大企業、大資本と言ったら、必ずしもそうは言い切れないというお話でございましたが、大ざっぱに言うと、やはり大小で区分してそれほど大きな間違いじゃないと思うのですけれども、沖合いあるいは遠洋漁業というようなものが伸び悩みになってきておる、横ばいになってきておる。そういうような結果から、そのはね返りが、生産拡大の名のもとに沿岸漁業の領域に食い込んできておる。沿岸漁業が大企業に圧迫をされて困っておる。サバの場合ですと、一本釣りとまき網の関係になるわけですが、そういうようなことが随所に見られるようになっておるように私は考えます。  ここで、サバの一本釣りとまき網の関係ですが、一本釣りは釧路から伊豆にかけての海面でやっておるわけですが、このまき網と一本釣りの関係につきましては、昭和の初めからいわゆる火光利用の問題その他について紛争が起こっております。人力車と汽車が競走したと同じように、在来の一本釣り方式とまき網という形で、お互いに同じ漁場で仕事をするということになりますと、当然これは競合が起こり、紛争が起きてくるわけでございますが、資源保護という立場から、集魚灯の禁止というような形で夜間操業を禁止してまいった関係もありまして、サバの資源が今日まで維持されてきたのではないか、ある程度こういうことが言えるのじゃないかと思います。  しかし、この夜間操業の禁止の問題にいたしましても、最近では魚群探知機とかあるいはまたナイロン網の出現というようなことで、サバのまき網業者がこの制約をこえて大規模な操業が可能になり、沿岸漁業との競合が各地に見られております。競合の結果はあらためて言うまでもなく、まき網が圧倒的に強くて、一本釣りの凋落になっております。このことは数字をあげるまでもなく、もうはっきりいたしておりますが、こういうような問題について水産庁といたしましては、一本釣りとまき網との操業上の競合について、調整の必要があるとお考えになっているか、あるいは野放しにしておいてもよろしい、そういうぐあいにお考えになっているか、さらにまた、調整をするという場合には、具体的にはどういうような措置をお考えになっているか、その点をお伺いいたしたいと思います。

森本修水産庁長官

○森本政府委員 御指摘のように、まき網と一本釣り、あるいは場所によりましては底びきとはえなわといったようなことで、漁場の競合なりあるいは漁具の競合といったようなことが見られるわけでございますが、水産庁としましてもそういった競合の著しい漁場におきまして、あるいは関係の業界の自主的な協定を中に入ってあっせんをするといいますか、中に入って取りまとめをする、また、あるいは漁業法の規定によりまして一定の制限を課するといったような形で漁業調整をやっております。  御承知のように、一本釣りとまき網の競合の特に著しい地帯、これは八戸の近辺あるいは利根川じりの付近といったようなことで、数年前から一本釣りとまき網の間の漁場の利用の関係について協定が行なわれております。八戸のほうは昨年切れましたので、本年、御承知のようによく関係業界を指導いたしまして、ごく最近新しい協定が成立をいたしました。利根川じりのほうは、できるだけ早くそういった協定の締結について指導をしていきたいということでやっております。それは一例でございますが、全国的にもさような競合に対しまして、できるだけ私どもとしても紛争が起こらないように、あるいは合理的な漁業の関係が行なわれるように、調整を強力に進めていくという方針であります。

實川清之日本社会党

○實川委員 最近のものは私わかりませんが、前の八戸沖ですか、あそこの協定書をちょっと見たのですが、何だか非常に回りくどくて、あまり端的に両者の間を裁定をしたというような印象は受けなかったのです。両方当たらずさわらず、多少は調整効果もあるのじゃないかと思うのですが、どたんばへ行くと、強いほうが押し切っても差しつかえないような印象を受けたのです。できれば沿岸漁業者、特に弱い一本釣り業者にとって、もう少し漁場なりあるいはまた漁期の点なり、あるいは漁獲量の制限といったようなことはあれでしょうが、漁労方法についてなり、もう少しぴしゃりと零細企業の保護という色彩を強めていただいてはどうか、こういう印象を受けました。最近八戸沖ができたそうですが、それから銚子がこの秋だそうですけれども、ひとつ百尺竿頭一歩を進めて、沿岸漁業者のためにもう少し保護的な色彩を強めていただきたい。これは私の希望でございます。  なお、もう一つサバの問題で、漁場の角度から見てまいりますと、サバ釣り漁業は東京、千葉海面を中心にいたしまして、遠くは斉州島、東シナ海、あるいは襟裳岬、八戸沖、こういうぐあいにサバ漁場を開発してまいったわけでございますが、李ラインの設定とかあるいはまき網の進出、こういうことでだんだん操業区域が狭められまして、現在は銚子一の島正東線以南から伊豆近海がサバ釣り漁民の最後の漁場といったような形になっておるのではないか。サバ釣り漁民にとりましては、最後の拠点になっておると思います。  その残された唯一の漁場、そこへソ連の漁船が進出をしてきたということで、まさにこれは泣きつらにハチと申しますか、沿岸漁民にとりましては最後の関頭に追い込まれたわけでございます。したがいまして、今回のソ連漁船の日本沿海出漁を機会にいたしまして、零細な沿岸漁業に対する抜本的な保護政策をひとつ水産庁として御検討をいただきたい。サバ釣り業者の立場から申しますと、広い海面が狭くなり、乱獲によって資源枯渇の心配も出てきた中で、前からはどん欲なまき網漁業に、うしろからはソ連漁業に、こういうように攻め立てられまして、いま言ったような最後のどたんばに来た、そういうような印象を強く業者自体は持っておるようです。  水産庁といたしましてはこれをほったらかしておいて、いわゆる強食弱肉、なすがままにまかすということではなく、時代の趨勢だといってしまえばそれまでかもしれませんが、何とかこの辺の点を十分お考え願いまして、零細な沿岸漁民の保護のために、さらに一段格段の御配慮をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 簡単にやらせていただきたいと思いますが、二点についてお尋ねしたいと思います。  まず第一点は、四十四年産米の米価据え置き決定に伴って、今度稲作対策事業費ということで、二百二十五億円が特別支出されるようなことになっておるようでありますが、農林大臣はこれについてテレビを通じ、あらゆるマスコミを通じて、農民に感謝の気持ちでこの金を出すのだという浪花節的な論理なんですが、われわれ聞いておるとまことに不明朗です。国民の納税者の立場からこれを聞くと、何か農民がだだをこねて、それに思いやりで大臣が出すような、どうも割り切れないような印象を国民全般に与えておる、私はこう理解しておるわけです。こういうことでは、税金を納める国民の立場からいうと、前回五十億出したときにも、農業団体の圧力団体によってもぎとられた、こういうような風評も立って、農民は非常に迷惑したということもいわれておるわけであります。こういうことを再び繰り返して国民に悪い印象を与え、耕作農民にはプラスにならない、こういう気持ちがいたしますので、この点についてお尋ねをしたいと思うわけです。  前回は、農業協同組合を窓口として五十億という金を交付をしたわけですが、聞くところによれば、今度市町村が窓口、地方公共団体が窓口で出す、こういうことになっておるのですが、どうもこの点については、なぜ市町村を窓口にしなければならないのか、その理由を、ひとつ簡単に農政局のほうにお尋ねしたいと思います。

遠藤寛二農林省農政局参事官

○遠藤説明員 お答えいたします。  前回は農協であるとおっしゃいましたが、農協も市町村も両方ございまして、補助金の経路といたしましては、前回の五十億のときにおきましても、農協に行きました分につきましては、市町村を経由いたしまして農協へ交付したわけでございます。  今回も、行政系統という意味で市町村を通じていって、その下が、農協に行きます場合と、それから今度の場合は、米の生産というものにからんでおりますので、農協系統だけでは米の政府売り渡し量が確認できないものもございます。といいますのは、全集連系統で米を集めておるのも多少ございます。そういった点もございますので、前回のときにおきましても、やはり市町村を通じましてやりましたわけでございます。行政的な系統という意味と、それからそういった配慮と両方から、市町村を通じまして、農協あるいは個人にいくということになろうかと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 これはもう末端へ、市町村を窓口にしてあくまでも個人に交付していくということに間違いないのですね。

遠藤寛二農林省農政局参事官

○遠藤説明員 これは、何といいますか、資材費的なものの購入費等ということになっておりますので、個人に行きますことはもちろん差しつかえないわけでございます。  ただ、農家の皆さんが共同して何かをやろうという段階である団体をつくり、あるいは農協一本で何かをやろうというようなお話し合いがあります場合に、それを妨げるというつもりはございません。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 それなら、個人が町村なら町村単位で一カ所に何かで使うという場合には、個人個人が承認をしなければその金は使えないということになるんですね。

遠藤寛二農林省農政局参事官

○遠藤説明員 形の上ではそういうことになろうかと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 形を聞いておるのではないのです。実際のことを聞いておるのです。これは末端では非常な関心を持っているわけでありまして、これについては、現行の立法の中ではどうもやりにくい。政令か省令か、それに基づいて実施要綱をきめられるのではないかと思うのですが、この実施要綱はいつごろつくられる意思がありますか。

遠藤寛二農林省農政局参事官

○遠藤説明員 実施要綱は、ただいま財政当局を含めまして、私ども一緒に検討いたしております段階でございます。何ぶんにも二百二十五億という金が、どういう形で支出をされるのかもまだ確定いたしておりませんので、それまでに準備を進めたいとは思っておりますが、いつになるかということは、まだはっきり申し上げられない段階でございます。ただし、内容につきましてはかなり詰めております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 どうもたよりないお答えをいただいてぴんとこない。過去三カ年ということを聞いたのですが、過去三カ年は四十一年、二年、三年だけですか。四年は入れてないわけですか。

遠藤寛二農林省農政局参事官

○遠藤説明員 三カ年と申しましたのは、これは原則として三カ年というふうに御理解を願いたいと思います。ただし、四十四年につきましては、これもまだ確定はいたしておりませんですけれども、四十四年を入れますことは、非常に計算上といいますか、その四十四年産の米の集荷の時期は年を越す場合もございますので、四十四年は原則として入れませんで、四十一年、二年、三年ということで考えたい。  ただし、その場合、先般大蔵委員会でもそういう御質問がございましたが、極端な災害がその三年間にありまして、その実績が著しく下がってしまっているというような特殊な場合が散見されますので、そういったものにつきましては、過去を、必ずしも四十一年から三年間だけの実績をとるという考え方はとれないのではないかと考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 過去三カ五ということばが出てくると、いまお答えがあるように、三カ年の間にいろいろ風水害その他の災害関係で、非常に不利益をこうむるというようなことが出た場合に、またいろいろな問題が物議をかもすということがあるのではないかと思いますので、この点についてわれわれも関心を持っておるが、何としても補助の実施要綱が出てこないとわれわれはとやかく言えないけれども、一応いま農民は植え付けを終わって関心を持っているのであります。  要するに、四十四年を入れるということになれば、結局交付がおくれる。早くという気持ちがあるから四十四年を入れない。そうすると、この交付の時期というものは、年内支給ということが大体目途として考えられておるのか、年を越すのか、その点について伺いたい。

遠藤寛二農林省農政局参事官

○遠藤説明員 まことに申しわけないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、金の出し方について何から出すかという問題が確定いたしませんと、いつの時期に出るかということがまだ申し上げられないわけであります。私どもといたしましては、極力努力をいたしましてなるべく早い時期には出したいとは思っておりますが、そういうようなわけでございますので、なかなかむずかしい面がございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 こういう金の出し方は、どういう形になるのですか。政務次官に聞きたいのですが、普通の何か交付金的な考えに立つのか。たとえば、名前が対策事業費ですから、事業費ということの補助金ということになると、この点については公共事業的な、要するに建設的な投資的経費か、消費的経費になるのか。この点について政務次官、この金の出し方についてどう理解されておるのか、お答え願いたいと思います。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 これは、稲作対策の特別事業費の補助金として市町村に交付する、その交付をする算定の基準は、過去三年間の供出量を基準にする、こういうことで一応原則的には考えを持っておるわけでございます。  いま、どういう金から出るかまだ不明なものだから、なかなか明確にお答えできないという参事官からの話があったのですけれども、この金は、一般会計から出すことは事実なんです。ただ、それを大蔵大臣としては、一体予備費からというようなかっこうに財政法上できるのか、あるいはまた他の経費から流用をし得るのか、あるいは補正予算というような形で組まなければいかぬのか、こういう点についていろいろ検討し、苦慮しているからという答弁が本会議でもありましたように、そういうような意味で、まだ支出の形といいますか、そういうものが財政当局で本ぎまりになっておりませんから、先ほどのような御答弁を申し上げたわけでございます。金の性質としては、稲作対策特別事業費に対する補助金でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 この財源措置については財政当局のほうで、大蔵省関係でやる。問題はその補助金の中身であって、これは社会保障費のようなものかどうか。事業費ということになれば、これはあくまで公共事業ということに位置づけされるのか、その補助金の定義の問題になってくる。現行制度の中にいろいろな補助制度があるわけですが、これらの点でどの項に適用されていくのか、その立法的な制度の中で私たちはどう理解していいのか、その点を解明してもらいたい、こう思うのですが、次官どうですか。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 これは法律に基づく補助でございませんで、予算補助でございます。稲作対策特別事業としての肥料、農薬、あるいは機械等の購入に対する一部補助、予算補助、こういうことになります。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 次官から対象物件を言われたのですが、農機具、農薬、肥料ということになれば、たとえば肥料にしても、農薬にしても、それぞれ土壌関係、気象条件等でいろいろ価格の点で差があると思うのです。それらの点についてどう基準を出してくるのか、これまた非常にむずかしい問題になってくる。  たとえば硫安を、一斉に硫安だけ使っているというのはない。窒素も使っておるし、いろいろ種類があるわけですが、それは価格がみな違う。それだから十アール当たりの肥料の価格によってこれは差をつけるのかどうか。農機具だとか、農薬だとか、肥料だとか、そういう資材費に対する補助対象ということになれば、この点は支給するほうもたいへんなことだと思うのです。次官、そういうことがそう簡単にできると思われますか。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 稲作対策事業として、土壌改良のためにどういう種類の肥料、それは一々こういうものでなければいかぬと限定をする考えはいまのところ私どもは持っておりません。肥料、農薬あるいは機械等の購入の事実があれば、その費用の一部として補助をするわけでございますので、特に肥料、農薬について、それぞれの性質に応じた基準を設け、たとえばその二分の一に相当するものとか、三分の一に相当するものとかいうようなことでなくて、基準はあくまでも供出数量に応じまして、市町村全体の中で何俵といいますか、何トンといいますか、何キロといいますか、そういう供出数量が出ますと、それによって日本全国の推計ができますから、それで二百二十五億円を割ってみますと単価が出ます。その単価をもとにしまして、いわゆる米価の追加払いでありませんので、農薬とか、肥料とか、機械の導入とか、あるいは先ほどちょっと参事官が言いましたけれども、その方々が全部承諾の上で集まって、共同事業として暗渠その他のいろいろな資材の購入をするとか、事業をやるとかいうことについても、これを補助金として支出をする、こういうことでございますから、そうめんどうに考えられないでいただいていいのじゃないかと思うわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 いやしくも二百二十五億ということになると、税金を納める者からいうと、それは当然出すべき補助は出してもいいが、しかし、国の金を出す限りにおいては、使途が明らかにならないものを出すというのは、これはもう筋が通らないので、その使途を明らかにしていく、これは当然国会もそうだし、行政においてもそうだと私は思う。  会計検査院がいま見えていると思うのですが、こういう一つの補助を事業費として出す場合、検査の方式は、書面検査もあれば実地検査もある、その他検査方法はいろいろありますが、全国の、たとえば米を出している農家、数量は多少違っても、農薬だ、農機具だ、肥料だということで対象物件を明確にして出したものが、はたしてそういうものに使われたかどうかということについて、確認の方法はどうですか。この点について、補助金の適正化法という法律があって、また会計検査院の任務や役割りの中で、当然国費を投じた金については、適正な、厳正な、そうして国民の前に明らかにする任務を持っている会計検査院が、はたしてこれらの能力があるのかどうか、会計検査院に見解を聞いておきたいのです。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、今回の補助金につきまして、先生先ほどもおっしゃいましたように、要綱その他まだきまっておらぬというふうな話でございますし、私ども四十四年度の検査といたしましてはこれから始めますので、ここでどういうふうにということをちょっと申し上げかねます。方法その他いろいろきまりました上で、私ども検討さしていただきたいと思います。  なお、補助金の検査の方法につきまして、確認はどういうふうにされるかというふうなお話でございますが、私ども検査に参りますと、市町村に参りましてそこにありますいろいろの資料を固めまして、その結果、積算の内容あるいはその対象というふうなものにつきましてできる限りの精査をいたして、補助金の適正に使われるということにつきましての検査をいたしております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 次官、問題は幾らの金を出しても、それが何倍かの投資効果というか経済効果、とうとい国民の血税を使うのですから、そういう効果がなければならない。そういう点を十分理解をして取り組んでいかないと、これは国民から批判を受けて糾弾される。マスコミにも取り上げられる。ただ思いつきで、ただ感謝の気持ちという浪花節理論でそういう金の出し方をすると、今後問題を起こすのではないか、こう心配するわけですが、この経済効果というか、投資効果というものはどの程度あるものか、次官として見解があると思うのですが、述べていただきたいと思います。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 本会議でも、農林大臣あるいは大蔵大臣から御答弁申し上げたわけでございますが、今回の二百二十五億円の稲作対策特別事業費の補助金を支出することにいたしましたのは、米作農家に対してことしは米価の据え置きをいたしました。したがって、二つの意味がある。一つは、激変緩和の措置としてこれを考えたのであるということが、大蔵大臣なりその他から答弁をされているわけでございまして、私どももそのとおりだと考えております。それと、大臣がおっしゃいましたのは、そういう米価据え置きの措置をとったがゆえに、今年について特別事業費を予算的に支出して、個々の農家の肥料なり、農薬なり、機械の導入についての補助をひとつしましょうというふうにいたしましたのは、特に過去長い期間にわたりまして、国民食糧の確保に貢献していただいた事実そのものをやはりつかまえるという気持ちがあるんだという意味で申し上げておるわけでございますので、私どもは、そういう米価据え置きの事態に対処いたしまして、激変緩和なりそういうような意味で、稲作農家に一定のものを支出をするということについては、しかも、いまおっしゃいましたような国民的な感情から見てどうかというお話もございましたが、それについてはやはり御理解いただきたいというのは、過去長い間にわたる国民食糧の確保に挺身していただいた稲作農家に対する——先生が浪花節調と言われますけれども、私はそこにあたたかい農政のあらわれがあるという意味でお考えいただければいいのではないかと思うわけでございます。  そういうような意味で御理解いただきたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 感謝の気持ちということで、次官も何か大臣の受け売りのように言われるのですけれども、結局それは、自民党が特別に自民党の金を出されるならばけっこうです。出すのは国民の金なんですから、国民の金を出す限りは、特に四十四年産米の米価に伴ってですから、その点に食い違いがあるのではないか、われわれの考え方と。四十四年の産米に対しての措置、過去の三年、農薬、農機具、肥料、どうもこれはかみ合わせがうまくいかないという気がするわけです。私は二百二十五億の金を出してはならないと言ってはいない。出すならば、二百二十五億の国民のとうとい金であるから、今後の流通の近代化のために別の施設に充当して、低温倉庫に対する補助をもっと出すとか、たとえば果樹、蔬菜の貯蔵庫をつくってやるとか、そういうことに使ったらどうか。この前五十億の金のとき、あんなでたらめな使い方はなかったのです。あるところにおいては、バスを借り切って国民宿舎に連れていって、一晩飲ましてはあっと使ってしまった。こんな使い方をするのは、自分のポケットマネーでやる仕事だ。国民の金でやる仕事ではない。この点ははき違えたらいかぬと思うのです。  この前の形に少し不備な点があるから、今度少し形を変えても、結果的にはそういう可能性が起こり得る、こうわれわれは心配しておる。二百二十五億円で一カ所一億の倉庫の補助を出してみなさい、二百二十五カ所が全国的にできるわけですよ。流通の近代化といいながら流通の問題を改善しないから、生産者も迷惑し、消費者も大きな迷惑をしておるのですよ。あなたももっと早く起きて、六時半からの「明るい農村」などNHKの時間を見たらどうですか。もっと早く起きて、あれを見ただけでも賢くなりますよ。生産者がどんな気持ちを持って、消費者がどんな気持ちを持って、いま流通の面でどれだけ改善をしてくれという要求が強いか。こういうところに金を使うべきではないかと思う。  それを、二百二十五億を感謝論で、何もわけのわからぬことに国民の金を使う。おそらく会計検査も将来困るのではないか。そういう点に、農林省も頭のいい人がおるんだから、もっといい知恵を使ったらどうか、こういう気がするわけですね。いやしくも国庫支出金として出す限りは、そういう点を考えたらどうか、私はそう思うんですよ。いまのような出し方では、二百二十五億円は死んでしまいますよ。結局、農民が悪者になってしまう。そういう考え方にならぬですか。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 今年は、米の需給が異常に緩和した時期でございますので、先生方からいろいろ御意見がございましたけれども、国民の血税を使うという見地から、やむを得ず米価据え置きの措置をとったのは御承知のとおりでございます。いま言われますように、二百二十五億を出すくらいなら、農産物の流通対策なりあるいは果樹、園芸なり、そちらのほうの前向きの金に使うべきじゃないかという御意見については、それなりの一つの見解だと私は思いますけれども、しかし、一方においてそうした異常な需給緩和の時期でございますし、将来食管を守るために、現状を何とかいろいろと考えていかなければいけないときでございましたから、米価の据え置きというものもやりましたけれども、一方において稲作農家については、他の経済上の諸条件等の推移を考えますと、やはり非常な激変をするような措置ということは、ここに何らかの緩和措置を、別途の方法において考えていくということ、これはやはり国民全体の見地から考えても、必要なことではなかったんではないだろうか。  したがって、政府・与党としてのそうした全般的な、それぞれの階層のいろいろ経済的な条件というものを配慮していかなければいけない立場から見ますと、一方において果樹、園芸の対策なりあるいは流通対策について、これはもう当然今後大いにわれわれとしては予算措置をしていかなければならぬけれども、当面、この金は米作農家を対象に考えて、これらの方々に対する激変緩和措置を考えるということを、いまのような経済事情の毎年の進展等を考えた場合に、米価を据え置くという以上は、やはり米作農家について何らかの別の措置を考えてやる、しかもそれが効果的に使われていくならば生産費の低減に役立つだろう、こういう意味で、機械なり何かの導入によって近代化し合理化し、稲作の生産性を上げてもらう、同時に肥料、農薬等の補助も考えながら、そういう稲作特別対策事業費として補助することによって、稲作農家の稲作に対する生産性の向上をはかってもらおうじゃないかということで、私は、先生の御意見ではございますが、政府・与党として非常に考えた、意義のある善政であると考えておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 心情としては私はある程度理解できるんですけれども、そういう稲作だけということになれば、片方では稲作転換、作付転換ということをいい出しておって、何か稲作という名前をつけると、また稲をつくる人だけに——これは四十四年産米の米価決定に伴っての措置でしょう。そういう論理でいくと、それじゃ作付転換をさせられた者は何の対象にもならぬじゃないですか。そんな論理でいくと、米をつくる皆さんが、わざわざ農林省の方針に従って他に作物を転換した人は、何もならぬじゃないですか。そういう稲作だけに考えるということは、農業がもう曲がりかどにきた、ここで転換してもらいたいとすなおにいうているのなら、もっとすなおな金の使い方をしたらどうですか。そんなのは精神論ですよ。そんなへ理屈を言わずに、もっと筋の通った金の使い方をしたほうがいい。個人個人が幾らもらったって、それがもうほんとうに——今後有効適切に、その投資した効果というものが出てきて初めて思いやりのある政治じゃないですか。  どうも次官の言うておるのを聞くと、何か稲作だけにいくということになると、いよいよ偏してしまって、あとは何に使われてもいい、そういうことになる可能性がありますよ。やはり稲作だけということばにとらわれずに、二百二十五億をもっと、果樹に転換した人、蔬菜に転換した人、そういういろいろなものに転換した農家まで恩恵が受けられるような施設をし、そして消費者にも喜ばれるような流通の近代化資金にもっと出したほうが筋が通る、私はこう言っているんですよ。私は農林省のお先棒をかついだようです、正直言うて。だから、稲作対策特別事業費なんという四十四年の米価に伴っての措置なら、転換したらどうなるんですかということ、その点お答え願いたい。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 御意見ではございますが、たとえば、果樹なり流通対策にやるということについては、私ども今年度予算で相当大幅な配慮をしているつもりでございます。いまの二百二十五億については、もっぱら米価問題から起こってきたわけでございます。これは各党、先生方も含めて、とにかく労賃も上がっているじゃないか、あるいは物価も上がっているじゃないか、何で米価を据え置くんだ、なぜ政府は上げぬのだということを強く、各党各界からもいわれました。しかし、私どもとしては、これは今後の農政の方向を考えると、ここで泣いて、一時米価据え置きの措置をとるが忍んでもらいたいということで、先生方の御意見に従わなかったわけでございます。その意味は、いま先生の言われたような総合農政の進展というものを考えて、むしろ農民のために、農村のために今後の農政の方向というものを考えたから、そういう措置をとったわけでございます。  さて、そこで考えてくると、やはり労賃なりあるいは物価なりその他の経済事情というものを考えたときに、稲作農家について、しかも農業所得の半分近くを占める稲作というものを考えたときに、このままでいいのか、あまり一時に激変を与えるということはどうだろうかというような観点から考えてきましたのと、いま先生が言われましたような点も考えてくると、そうすると、過去の、そして農林大臣が言われましたような貢献というものもあわせて考慮をしていくという理屈が出てくるわけでございまして、今年作付転換をして米を全然つくらない者、あるいは都市近郊で土地を転用して、過去三年間供出しておったが、ことしはアパートになってしまったというようなところもあるだろう。そういうような点を考えますと、またもし米価に上積み分として使うようなことになれば、将来やはりこれが大きく尾を引いていくようなことになるから、そこで、政府としていろいろ苦心の末、いままで申し上げましたような考え方で、いろいろ与党との協議の上に立って、二百二十五億円というものを稲作対策特別事業費としてひとつ補助をしていこうじゃないかということになったわけでございます。その場合に、基準のとり方としては、原則として過去三年間の供出量というものを一応基準にしようじゃないか、こういうことにいたしたわけでございます。  なお、この点については、先ほど言いました災害地等のこともあり、あるいは他のいろいろこまかく配慮していかなければならない点もございましょうから、政府といたしましては十分、政府・与党折衝の上できまったこの事業費でございますので、与党の御意見等も十分伺って、そうして万遺憾なきを期するようにいたしたい。まだ詳細に実施要綱をきめていないものですから、こまかいところについて御答弁申しかねますけれども、大体そんなこの予算の支出の決定経過その他から見まして、私がいまわかり得る範囲を申し上げておるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 次官の意見を聞いておると、一つも筋が通っていないのです。米づくりなら米に上積みすればよかったのです。米にずっと一俵百八十円なら百八十円上積みすればよかった。そのほうが筋が通る。私はどうも理解ができない。  要するに、いま一番農民が迷っておるのは、何をつくったらいいのか、こういう一つの不安を持っておるわけですよ。そういう場合、蔬菜にしても、果樹にしても、畜産にしても、やはり長期の展望というか、ビジョンによって安定させるという、そういう一つの路線をしいてやる必要がある。その路線をしくためには、やはり生産コストというものをどう下げていくか、また、それに伴って消費者価格というものをどう下げていくかということを考えるのが政治家の任務であって、それを一つも考えずに、ただ米価決定に伴って暫定措置としてこういう方法をとらざるを得なかったというのは、どうもやり方、ものの考え方が思いつきのようなやり方なんです。筋も何も通ってない。いずれ実施要綱が出たらあらためてまたお尋ねをするといたしまして、この二百二十五億という金の使い方については、ただ思いつきであるとか、その場のがれとか、ただ農民への心理作戦をねらって宣撫工作費的な、そういう意味合いの金の使い方というものは厳に慎んでもらいたい、私はそう思う。これを論争したってあなたと私とがかみ合わぬから、もうこれ以上やりません。  次に、この前の農地法の審議の時分に、農地転用に関連をして資料要求いたしました。農地法は衆議院を通ったのですが、しかし、私としてはけじめをつける必要があるということから、お尋ねを申し上げたいのです。資料をいただきました中で、特に干拓地の転用の問題なんですが、一昨日これを配っていただいた。この干拓地の転用を見ますと、農地として日本の沿岸地帯の干拓の可能地を、面積の大小にかかわらず、できるだけ国家財政を投資し、そうしてあくまでも農地として農林省予算でやる。これは経済企画庁の国土開発だとか、また現在いろいろな制度がある、新産都、工特、低開発、そういう法の下で土地造成という形でやった事業ならいざ知らず、農林省の予算で農地として土地造成をした干拓事業、これが転用されるということについて、農林省はこれは正しいことと思っておるかどうか、まず見解を聞きたい。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 前回にもその御質問があったわけでございます。農林省の予算で農業用地をつくるということで干拓をいたしたわけでございますから、本来の目的の趣旨に沿ってやられることが望ましいというふうに、基本的には考えておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 こういう事態が起きることは、当初の計画というものがずさんであったのかどうか。他に転用しなければならぬような環境の悪いところに、農業用地としてつくること自体がおかしいので、そういうことをいろいろ十分検討しなかった手落ちというものは、農林省としてないのですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 資料を差し上げましたように、千八百ヘクタール程度の転用をいたしました地区は、大体緊急開拓で昭和二十一年、二年あるいは二十五年というふうに古い地帯でございます。当時は、当然そこは農業地帯にするというつもりで工事にかかったわけでございますけれども、  御承知のように、特に昭和三十年以降の日本経済の伸びというような点から、その地帯が鉱工業の地帯に変わってくるという事態が非常に多く出てきたわけでありますので、そういたしますと、そういう地帯の中でぽつんと数十ヘクタールの農地だけを残して、農業をやるということも非常にむずかしくなるわけでございます。そういうような地帯が大部分転用になっておるというのが実態でございまして、初めから計画がずさんでそういうふうになったというふうには、われわれ考えていないわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 この千八百十二ヘクタールの中で、造成された後、平均何年くらい耕作した実績があるのですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 差し上げました資料の転用は、まだ農家に売り渡さない前の土地でございますので、そういう耕作をした実績というのはございません。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 一回も耕作しないのですか。設計をして、大蔵省から調査費その他の予算措置をしてもらう以上は、相当綿密な計画書を出さなければ認可も、予算もつかないと私は思うのです。だから、完全に実施計画に入るまで相当綿密な計画を立てなければならぬと思う。要するに、農地としてつくる場合には、農道の整備、かんがい用水の施設、そういうものを全部完成してこそ、初めてその一団地の土地造成の完了ということがいえるわけです。ところが、完了せぬ前に、未完了のままに使用したというのが多いのですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 地区によりましては、いろいろ工事の段階の差がございますので、一がいに申せませんけれども、地区内工事もやって圃場にしたというところよりも、そこまではいきませんで、干拓でございますから、堤防をつくりまして海を干し上げて、その段階で土地を転用したのが多いわけでございます。そのあとは、主としてこれは公共団体等に売っておりますので、そこは、鉱工業その他の用地を造成するというのが大部分でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 農地局長がどんなに弁明しても、農林省はまことに良心に恥じるようなことをしておると私は言えると思うのです。  会計検査院にお尋ねしたいのですが、こういう国の投資で、直営であろうと補助干であろうと、こういう事業に対して完成後における検査、また中間検査、検査は随時やることになっているのですが、みなこの個所別について会計検査院は、竣工したところは竣工検査、中間においては中間検査、これは大体単年度事業で上がっていないで、ほとんど二年ないし三年かかっただろうと思うのですが、こういう年次計画的に三カ年なら三カ年で事業をやっている個所についても、それは単年度における工事費に対して、適正に投資されているかどうか、設計どおり完全にやられているかどうか、この点について会計検査院は検査をしておられると思うのですが、ひとつ見解を聞きたいのです。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 ただいまの国営干拓、補助干拓も含めましての検査につきましては、私ども従来から検査をいたしております。  その結果と申し上げますか、昭和四十年度の決算検査報告におきまして、「国営干拓建設事業の施行について」ということで、農林大臣に改善意見を出したものが一件掲記してございます。この対象といたしましたのは、三十二年度から四十年度までに完成した工事、それから途中で中止しているといいいますか、そういうものにつきましての転用あるいは中止していることについて、先ほど先生もおっしゃいましたように、農業の資金が投ぜられているのに他に転用されるものもあるので、こういうことについて、計画あるいは施行について検討を要するということ、それから、他に転用いたしました場合におきましては、やむを得ずやったものであるならば、農業資金といたしましても投資額を回収すべき方法を講ずべきであるというようなことを、意見として申し上げております。  なお、途中の検査そのものといいますか、あるいは完成した検査は、従来も実地に検査の計画を立てまして、行った際にはつぶさに検査をいたしております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 農地局長は、戦後間もなく工事を施行したところが多いと言う。ところが転用の年月日を見ると、この四、五年のほうが多いですね。それから、投資したその時分の物価と今日の物価を考えて、農地としては多少国が犠牲を払って、農民の入植または増反、こういうことで計画を立ててやられた。農民に売り渡す場合には、相当低い価格で渡す、国が責任を持って。その他に使用目的を変える場合、転用の場合は、これは農地でない、一つの土地という考え方ですね。だから、土地の見方というか、価格について、大蔵省とか日銀のその地方の土地の基準をもとに評価したとか、法的だとかいままでの慣例だとかいうことの立て方でなしに、その土地が農地から他に転用されて工場用地になる場合、それが第三者の手に渡って、それがまた膨大な価格で取引される、こういうことが行なわれておる。この実態を農林省としてはどうつかんでおられるのか、またそういうやり方が正しいのかどうか、この点のお考え方を聞きたいのです。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 転用いたします場合は、御指摘のように農地価格で転用いたすわけではございませんで、先生御承知のように、農家に売り渡します場合には事業費の四分の一で売ります。ところが、転用いたします場合は時価で売るということにいたしております。  そこで、これは前回申し上げましたけれども、千八百ヘクタールの土地に対します投資額は四十六億でございましたけれども、先ほど御指摘のように、売った時期も後年度になっておりますので、時価が高くなっております。われわれが売りました価格の総額は約八十億ということで、その金はもう一ぺん土地改良特別会計に入れまして、必要な干拓地の工事に再投資するという考え方でやってきておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 四十六億を投資して八十億になったと言うけれども、二十年前の金額と今日の金額、その時分の工事額と今日の工事額とでは話にならぬですよ。ただ数字の上だけで、四十六億投資して八十億だ、倍になったからいいんじゃないか。そういう安易な考えを持つからいろいろな弊害が起きるのであって、二十年前の物価と今日と、どのくらいの違いがあるという数字の押え方をしておるのですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 私、ちょっとことばがあるいは足りなかったのかもわかりませんが、着工したのが二十年前のが多いということを申し上げました。大体干拓は十年あるいは十五年かかっておりますので、その間、順次投資を続けておるわけでございますから、全部二十年前に完了した土地を売ったということではございませんので、御了承いただきたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 十年も十五年もかかって農地としてやって、手しおにかけて農林省がやってきたものを、他のそういうものに転用していくということ自体が——一山何ぼというか、もちはだんごになるという主義で、農林省の予算でつくったものを他に売ったっていいじゃないか、こういう安易な考え方があるから、いろいろ国民から非難をされるのです。こういう単年度で農林予算はたくさんとった、干拓事業費もたくさん予算をもらった、こういって農民を喜ばしておいて、でき上がったものは他に転用しちゃう。あまりにもやり方が卑劣だと私は思うので、この点について農林省はもっと認識を改めてもらいたい。今度農地法が改正されて、既存の既耕地ですら他に転用される可能性があるから、規模拡大にならずに他に転用されるという心配があるから、いろいろと農地法についても御意見を申し上げたのです。こういう干拓地で、国でやっておる事業さえ他に転用されるということは、あまりにも軽率だと私は思うのです。  会計検査院にお尋ねしたいのですが、この取引の価格、またそれが適正な価格でやられておるかどうか、その点はどうですか。

鈴木治久会計検査院事務総局第四局長

○鈴木会計検査院説明員 私どもは、検査いたします際には、あるいは専門家の鑑定の評価基準というものも参考にいたしておりますので、ただいまのところでは、私どもの調査した範囲内におきましての転用価格というものは、適正かと思っております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 農地局長、農民に一たん四分の一価格で払い下げたやつを、地方公共団体がまた買い戻しをして他に転売をして、県ももうかる、農民ももうかる、そういうことが許されていいのかどうか。それは私は具体的なことを知っておりますけれども、あまりここで具体的なことを言うといけないので言いませんけれども、農林省のほうは、一ぺん質疑があったから軽く答弁して逃げたというのではなくて、そういう点をどう理解しているのか、お答え願いたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 私も、先生の御指摘の地元のことは存じておるわけでございますが、一般論といたしましては、ああいうこと等もありましたので、土地改良法をたしか昭和三十九年に改正をいたしまして、農家に売りましても八年間は、もし他に転用するような場合は、もちろん許可が要るわけでございますが、転用する場合には、事業費かあるいは時価かいずれか低いほうで政府が回収をするという規定を置いたわけでございます。  したがいまして、農家がそのあとになりまして、あるいは先生のおっしゃいましたような事態が、その地帯が非常に工業地帯に変わりましたような場合にあり得るかと思いますけれども、行政なりあるいは立法措置といたしましては、過去の例にかんがみまして、そういう措置を講じておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 農用地造成事業をやる場合の法律規定と、住宅地造成ということでやる法規とは違うわけです。今後私は農林省に考えてもらいたいことは、農地として農林予算でやる場合には、あくまでも農地として使っていくという基本線はくずしてもらいたくない。日本の農林省が持っておる干拓技術というのは、世界でも優秀な技術を持っているのですから、日本の干拓事業というものは世界的に有名なんですが、そういう技術を生かすにしても、やはり工場用地であるとか宅地用地であるとか、そういうものに将来使われるような地域においてはやらないようにしてもらいたい。  干拓をするということも必要なことだと私は思うので、やってもいいと思いますが、やはり国土総合開発という中で国土を広げていく、そういう形で土地造成をするのなら、農林省はやらない、これは経済企画庁が計画を立ててやるべきではないか、それが本筋じゃないか、私はこう思うのです。いまやるところがないから農林予算でやらして、でき上がったらあっという間に他に転用してしまう、こういうことは筋が通らないので、農林省でやる干拓についてはあくまでも農地である、一般の工場用地だとかその他についての干拓事業については、経済企画庁が国土総合開発の中でやっていく、こういうことを、これは政府部内で調整をはかってやるべきじゃないか、こういう気がするのですが、政務次官のお考えをお聞きしたい。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 農用地の造成については、あくまでも農業用の土地として確保する方針でやるわけでございまして、工業用地なりあるいは住宅用地なりその他の用地を、私どもの予算で考えたり、また実施したりすることはございません。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 そういうことについては政府部内で、先ほど申し上げたように関係大臣と話し合いをして、やはり工場用地なり住宅用地については——干拓はどんどんしたらいい。できる可能性のところはどんどんふやしたらいい。将来人口がふえていくし、太平洋ベルト地帯においては、干拓の可能地は、面積の規模はどうあろうともやったらいいと思うのですが、あくまで農地としてやるところは——次官が明確に言われたんだから信用いたしますけれども、いままだ相当干拓地が農地として残されておるのです。このもらった資料では千八百十二ヘクタールですが、現在、農林省に転用の申請がたくさん出ておるのではないかと私は思うのですが、転用申請が出ておったなら、その取り扱いについてはどういう考えを持っておるのか、お尋ねしておきたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 現在、われわれのほうに大きく転用したいというのは来ておりません。若干小さいところがあるようでございますが、先ほども申し上げました趣旨に沿いまして、できるだけ転用はさせない。しかし、そこを農家に売り渡しましても、また農家がすぐ転売するということでは、またこれは国費のむだということもございますので、われわれといたしましてはできるだけ転用させないけれども、全くやむを得ないものにつきましては、慎重に取り扱っていきたいというふうに考えます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 私は、人間社会だから、機械的に何もかもぴしっといかないとは思うけれども、やはりこれから転用するところは、原則として国有地として、農地では環境的に使えないというところは、公園にするとか、そういう緑地地帯にするとか、また災害の場合の避難場所にするとか、そういう空閑地というか、そういうものに残しておくべきではないか。何でもかんでも転用したら、全部そこに工場を建ててしまうとか住宅を建ててしまう、そういうのではなくして、そういうところにやはりこれから人間社会、住む環境の整備ということは必要なことではないか。一たん災害が起きたら避難場所もないというような、子供の遊ぶ場所もないというようなことではいけないのではないか。  それから、ある程度転用については、きびしい規制とそれから使用目的を限定すべきではないか、こう私は思うのですが、局長どうですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 われわれも、そういう点はそういうふうに考えておるわけでございまして、転用いたします場合も、大体地方公共団体あるいはそれの出資してつくりました公社というものに限定をして、いま売り払いをいたしております。  その県なりあるいは公社なりでは、お出ししました資料にもございますが、現在住宅用地、工業用地、それから学校、公民館の用地、あるいは公園、総合グラウンドというようなものもあり、また一方では、伝習農場に使うとかあるいは県の試験場用地にしたい、そういうこともございますので、その辺を十分わきまえまして、転々売買されるような使い方をされるようなところにつきましては、やらないようにいたしたいと考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 各県に民法上の制度で、住宅公社だとか開発公社がいろいろできておる。この住宅公社自体が、県の知事が理事長であったり、副知事が副理事長であったり、各部長が全部役員に入って、結局、ていさいのいい行政機関の逃げ道的な機関になっておる。それは半面からいえば、事業がしやすいというプラスの面がある。地方公共団体が直接直営としてやれないから、そういう民法上の法律によって開発公社をつくったり住宅公社をつくってやって、それがまたしても問題を起こしている。地方新聞をにぎわしたり、滋賀県のように刑事事件のようなことはまれですが、ややもすれば民有地、公有地、国有地、そういうものをいろいろな計画を立てて転用していくのに、いろいろと疑惑の点を提起しておるのです。  こういう開発公社や住宅公社がやるにしても、地方公共団体の影響力というか、支配力が強い。そういう法人に対しても、農林省はもっと理解をさせるべきではないか。いま土地造成を急ぐからといって、開発公社に手当たり次第させるというようなやり方は、行政上の開発公社や住宅公社に対する指導が十分ではないではないか、こういう気がするのですが、農地の転用と関連しての今後の方針というか、指導方針を聞いておきたいと思う。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 現行農地法によりますと、転用許可制度の例外といいましょうか、許可を受けなくていいのは国と県でございます。いま御指摘の県の開発公社等については、農地転用をいたします場合の許可を受けなければなりません。御承知のように、二ヘクタールをこえますと農林大臣の許可になっておりますし、それ以下は知事の許可でございます。したがいまして、その転用の許可の運用にあたりましては、県の公社であるから、あるいは民間の会社であるからということで何ら差別はつけておりません。転用許可基準に基づきまして、厳重に審査をいたしました上で許可をしていきたいというふうに考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 国なり県はともかくとして、公社は県知事が理事長なんですね。右手で判を持って、左手で別人格の法人の理事長をやっているのです。右と左は血が通うておる。離れてない。都合がいいのです。よほどうまく指導していかないと、現行法規では、片一方では権限を持っておるから、よろしい、ぱんと判を押す。いつの間にやら土地が公社に入って、その土地ができ上がったあとは、坪当たり四千円で買った土地が、造成費、金利その他必要経費を含めて坪八千円も九千円もする。場合によったら、滋賀県のようにひょんなものが中に入って事件が起きる。こういうことは、国はそういう農地転用について、半ば脱法行為をしておるのを見のがしておるのではないか、県民から言うとこういう意見があるわけです。だから、農地の転用については、そういう法の盲点をくぐるような点について、現行法規ですから、きびしくやれという改正をするわけにもなかなかいかぬと思いますが、行政的指導で、開発公社の将来の農地転用については、そういう別の人格のものについては、第三者が理事長になり、県知事は原則として理事長にならない、こういうくらいの指導をやるべきではないかと思うのです。県知事と両方兼ねて、それで許可権を持っているから自由にやる、そこに問題が起きるのではないか、こう私は思うのですが、局長どうですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 県の開発公社が、大きく住宅地なり工場用地を造成いたします場合は、大体二ヘクタールをこえておりますから、いまのような場合は、許可権者は農林大臣でございますから、その点はだいじょうぶだと思います。  ただ、二ヘクタール以下の小さいときは、確かに先生御指摘のような点がございます。県の知事さんなりあるいは農林部長が理事長をやっているのもあるようでございます。その点につきまして、農地転用にからみまして、これをやめるというのはなかなか困難かと思いますけれども、十分その辺は農地転用行政の運用上、県の農林部局に対しまして今後も注意を喚起しながら、厳重にやっていくようにいたしたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 いろいろ具体的な問題を持っておるのですけれども、こういうところではあまり言うてはどうかと思いますので、この辺でとめますが、先ほど申し上げた二百二十五億円の金の使い方、それから農地転用、そうした農林省の予算で投資した土地造成について、今後もっときびしく運営の面で指導し、また、そういう国有地になっておる土地については十分な管理体制、こういうものを配慮してもらうことを強くお願いして、質問を終わりたいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 次回は来たる八日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時八分散会

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