農林水産委員会 第41号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/06/25
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案、兒玉末男君外十二名提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案、内閣提出、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案、内閣提出、真珠養殖等調整暫定措置法案、伊賀定盛君外十名提出、学校給食の用に供する牛乳の供給等に関する特別措置法案、内閣提出、開拓者資金に係る政府の貸付金債権の償還条件の緩和及び農林漁業金融公庫への移管等に関する特別措置法案、及び内閣提出、農林物資規格法の一部を改正する法律案の各案を便宜一括して議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。小沢農林政務次官。 ————————————— 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案 真珠養殖等調整暫定措置法案 学校給食の用に供する牛乳の供給等に関する特別措置法案 開拓者資金に係る政府の貸付金債権の償還条件の緩和及び農林漁業金融公庫への移管等に関する特別措置法案 農林物資規格法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小沢(辰)政府委員 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 農林漁業団体職員共済組合制度は、農林漁業団体職員の福利厚生の向上と農林漁業団体の事業の円滑な運営に資するために、昭和三十四年から実施されたものでありますが、その給付内容につきましては、過去数次にわたる改正により、逐次改善を見てまいったのであります。 しかしながら、現行の本制度を国家公務員共済組合等他の共済組合制度と比較いたしますと、既裁定年金については、これらの共済組合制度では、恩給の引き上げ措置等との関連でこれまでその額の改定措置が講ぜられてきているのに対し、本制度では従来このような措置が講ぜられておらず、また旧法組合員期間にかかる給付の額につきましても、これらの共済組合制度と本制度との間にはなおかなりの格差が存するのであります。 そこで今般、これらの事情を考慮し、さらに他の共済組合制度等における新たな改善措置に準じて、本制度の給付内容をさらに改善することといたした次第であります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一は、既裁定年金のうち昭和三十九年九月以前の組合員期間を含むものにつきまして、昭和四十四年十一月分以後、年金額の算定の基礎となった昭和三十九年九月以前の各月の標準給与の月額に、国家公務員共済組合制度における既裁定年金の額の改定措置に準じて各年ごとに算出した率を乗じて得た額を、新たな標準給与の月額とし、これによって年金額を改定することとしております。 第二は、これらの年金につきまして、旧法組合員期間にかかる年金額の算定の基礎となる平均標準給与と最終標準給与との調整をはかるため、さらにその旧法の平均標準給与の額を、従前の額に政令で定める率を乗じて得た額に引き上げ、これによって年金額を改定することとしております。 第三は、既裁定年金の最低保障額を、国家公務員共済組合制度に準じ、昭和四十四年十月分以後、退職年金または障害年金については現行の八万四千円または六万円を九万六千円に、組合員期間が二十年以上の遺族年金については現行の三万円を四万八千円に引き上げることとしております。 以上が既裁定年金の改定措置でありますが、このほか、新規裁定の年金及び一時金につきまして、第二で述べました措置に準じた措置を講ずることとするとともに、標準給与の等級及び月額の区分につきまして、農林漁業団体の役職員の給与の実態等にかんがみ、また他制度の例をも勘案し、下限を八千円から一万二千円に、上限を十一万円から十五万円に引き上げることとしております。 なお、これらの措置により給付内容は大幅に改善されるわけでありますが、掛け金率につきましては、組合員の負担を考慮し、その引き上げは行なわないことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由と内容の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○丹羽委員長 兒玉末男君。
○兒玉議員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 農林漁業団体職員共済組合法は、農林漁業団体の役職員を取り巻く経済的、社会的条件がきわめて劣悪であるためにすぐれた人材が他産業へ流出し、定着せぬため、団体本来の使命である農林漁民の協同組織の発達を促進し、農林漁業生産力の増進と農林漁民の経済的、社会的地位の向上をはかることに大きな支障を生ずるおそれすらあるところから、とりわけ劣悪である労働条件や老後保障を主体とする年金制度を厚生年金から分離独立させることにより、優秀な人材を確保することに寄与するため、昭和三十三年四月に制定された制度であります。 したがいまして、制度設立の目的が、他の共済制度と同様に同法第一条には、農林漁業団体の事業の円滑な運営に資することとなっておりますが、役職員全体の多大の期待のもとに設立されたものでありますだけに、発足当初は、きわめて意義のある制度であったのであります。 しかるに、わが国における社会保障制度の足取りは、本制度の制定の時期を一つの契機といたしまして急速な変遷を見せ始めたことは、広く知られているところでありまして、国家公務員に対する老後保障として、恩給制度と共済制度とを合体して新たな国家公務員共済組合法が昭和三十三年に制定されましたが、その後、この国家公務員の例にならいまして地方公務員の共済組合法が三十七年に、また三十六年には、私立学校の教職員を対象とした私立学校教職員共済組合法が改正される等、各制度相次いで新しい支給基準による制度に改正されたのであります。こうした社会的条件を背景に、農林漁業団体職員共済組合法も昭和三十九年六月と昭和四十一年六月にそれぞれ制度内容改善がはかられてきたのでありますが、これらの改正は、農林漁業団体役職員が真に希求している改善となっていなかったために、三たび改善の要請が一昨年来続けられており、この要請にこたえるべく、政府は第三次改正法案を今国会に提出しております。 しかしながら、この政府提出法案は、農林漁業団体役職員が真に希念ずる内容にこたえていない点の多いことは、まことに遺憾であるといわざるを得ません。 この点について、昭和四十四年二月十四日岡法案に対して社会保障制度審議会が答申しているとおり、新法の支給率を旧法の期間にも適用し、国の補助のあり方を明確にし、制度としての不合理な点を是正するという趣旨は、同法案には残念ながら見出し得ないのであります。 この点、制度を改善するという方針をせっかく政府が打ち出したのですから、農林漁業団体職員共済組合法の改正案として整理されなかったことは、他制度との均衡を重んずるあまり、真に役職員が希求する改善の方向を変え、単に多少とも制度が改善されればよいというきわめて一部手直し的な改正に終始しているやに思うわけであります。したがってわが党は、制度設立以来十年を経過した今日、社会的な背景もそれなりに変化している状況を十分に勘案し、農林漁業団体役職員に最もふさわしい制度の確立こそいま必要な国政担当者がとるべき姿であるという趣旨からここに相はかって、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案を御提案申し上げる次第であります。 何とぞ意のあるところをおくみ取りの上御賛成くださいまして、すみやかに成立せしめられるようお願いいたします。 次に、改正案の内容の概要につきまして御説明いたします。 まず第一は、第一条目的の中に政令で指定する法人を加え、適用団体の範囲の拡大をはかることにいたしました。 第二に、年金額の改定の基準を明確にし、国民の生計費または消費者物価の水準が年金の額が決定されたときの水準と比較して百分の五以上上昇した場合等は、これに基づいて年金の額を実情に即応して改善することを義務づけました。 第三に、標準給与の引き上げを行なうこととし、標準給与の月額を最低八千円から一万二千円に、最高を十一万円から十五万円に引き上げることといたしました。 第四に、遺族給付の受給資格の改善を行なうことといたしまして、遺族年金については、現行十年以上となっている資格期間を厚生年金並みに六カ月以上ということにし、あわせて遺族年金を受けられない遺族に対して、新らしく年金者遺族一時金を支給することといたしました。 第五に、掛け金につきまして、現在労使の折半負担となっておりますのを、使用者六〇、組合員四〇の負担割合に変更することといたしました。 第六に、給付に要する費用の国庫補助率を百分の十六から厚生年金並みに百分の一十とすることといたしました。さらに、厚生年金期間を通算したことによって生ずる追加費用の二分の一を国が補助することといたしました。 第七に、更新組合員にかかる新規裁定年金並びに一時金について、旧法期間にも新法の支給率を適用することといたしました。 第八に、既裁定の年金につきまして、年金の額の計算の基礎となった各月の標準給与の月額を、全国勤労者世帯の標準的な消費水準の伸びに応じた額に引き上げるため、一定の率を乗じて新たに平均標準給与を算定し、これに新法の支給率を乗じて年金の額を改定することといたしました。 第九に、すべての年金の最低保障額を次のように改正することといたしました。退職年金十三万五千六百円、障害年金一級十六万五千六百円、二級十三万五千六百円、三級九万六千円、遺族年金十万五千六百円。 第十に、以上の諸点の改正は、昭和四十四年十月一日から実施することといたしました。 以上が、この改正法案の提案の理由並びに主要な内容の説明であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますよう重ねてお願い申し上げます。
○丹羽委員長 小沢政務次官。
○小沢(辰)政府委員 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 肥料価格安定等臨時措置法は、その制定以来、肥料価格の安定、肥料の輸出調整等についておおむね所期の効果をあげてまいりました。 この法律は、昭和四十四年七月末日までに廃止することとされておりますが、最近におけるわが国農業の実情及び肥料の輸出市場の状況にかんがみ、なおこの法律を存続する必要があると考えられます。 すなわち、農業の基礎資材としての肥料の重要性はいまさら言うまでもありませんが、特に総合農政を推進し、農産物の価格安定、農業所得の確保等をはかろうとしております現在、肥料価格の安定措置の継続をはかる必要性が従来にも増して高まってきていると考えられるのであります。 一方、輸出競争の激化から肥料の輸出価格は急激に低下しており、世界的な設備大型化の進展とも粗いまって国際価格はなおしばらくの間変動するものと考えられ、輸出の一元化と国内需要の安定的確保をはかる措置が引き続き必要と考えられるのであります。 このような内外の諸事情に対処して肥料工業の側におきましては、徹底した合理化をはかるため、現在設備の大型化を中心とする構造改善を推進しているところであります。 以上のような状況にかんがみまして、本年八月以降におきましても引き続き国内需要の確保、肥料価格の安定、輸出の一元化等の措置をとるものとし、この法律を廃止する期限を五年間延長することとした次第であります。 以上が、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案の趣旨でありますが、なお政府といたしましては、本措置とあわせて肥料工業の合理化を一そう推進し、また流通の合理化、円滑化を指導して肥料対策に遺憾ないよう配慮してまいる所存であります。 何とぞ慎重に御審議くださいまして、すみやかに可決されるようお願いする次第であります。 次に、真珠養殖等調整暫定措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 わが国の真珠養殖事業は、旺盛な輸出需要を背景として戦後一貫して順調な発展を遂げ、その輸出金額も昭和四十一年度には約二百三十億円に達しまして、水産物の輸出総額の一八パーセントを占めるに至りました。 しかしながら、昭和四十一年下期から戦後初めての輸出不振に当面し、これに伴い不況は逐次真珠関連事業のすべての部門に波及いたしまして、現在に至っても目立った回復の徴候はなく、依然として不振のままに推移しております。 このような事態に立ち至りましたのは、最近における生産の急増傾向からする生産過剰を契機として価格不安が生じ、加えて買い手市場のもとに品質の低下傾向が顕在化し、これらを警戒しての海外業者の買い控えを招いた結果と考えられ、このことは真珠の生産が成長段階からようやく調整を要する段階に入ったことを示すものであります。しかし、真珠産業の将来の見通しにつきましては、世界各国における真珠の末端消費者需要そのものが大きく減退したとは考えられませんので、需給調整による価格不安の解消、品質の改善等につとめますならば、将来にわたり安定的な需要を確保することは十分可能と考えられます。 このような見地から、当分の間、真珠養殖業者及び真珠母貝養殖業者が、生産調整、品質改善等のための自主的な調整活動を効果的に実施できるようにするとともに、これに関連して行政庁が必要な補完措置を講ずることができるようにすることによりこれらの者の経営の安定と合理化をはかり、真珠の正常な輸出を確保するため、本法案を提出した次第であります。 次に、本法案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一に、真珠養殖業者または真珠母貝養殖業者が調整組合を設立し、この組織によって、生産制限等不況の克服あるいは品質の改善のための調整活動を行なうことができることといたしております。 第二に、養殖いかだの敷設の過密化が真珠及び真珠貝の品質低下を招来している事態に対処するため、必要な海域について農林大臣が密殖改善計画を定め、これに基づいて密殖の防止、改善を促進することといたしております。 さらに、以上に述べました措置を補完するため、生産調整等不況克服のための調整事業についての農林大臣の員外者規制命令、及び密殖海域における養殖いかだの削減に関する農林大臣の共同行為の指示、並びにこれらの措置に関連し都道府県知事が漁業の免許をするにあたっての配慮義務等の措置を定めております。 以上が、本法案の提出理由及びその主要な内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○丹羽委員長 伊賀定盛君。
○伊賀議員 ただいま議題となりました学校給食の用に供する牛乳の供給等に関する特別措置法案について、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 昭和二十九年に学校給食法が制定され、自来今日まで、全国の大部分の義務教育小中学校において牛乳の学校給食が実施に移され、児童及び生徒の心身の健全な発達と、国民食生活の改善に大きく貢献してまいったのであります。 しかしながら、他方において、既往のこの制度のあり方に関し、アメリカの余剰農産物である脱脂粉乳がその主体をなしておりましたために、これが衛生的、栄養的見地から、また一方国内の酪農振興の観点から世論の強い批判を受け、その結果、四十一年度から計画的に国内産の牛乳による学校給食の実施に切りかえることになったのであります。 すなわち、四十年第四十八回国会において酪農振興法が改正され、国内産の牛乳による学校給食の計画的な実施及びその援助措置等を行なうための規定が設けられ、引き続きこの規定に基づいて四十一年四月、四十五年度を最終年次とし、全国の義務教育小中学校等の全児童、生徒のすべてに対し、国内産の牛乳による学校給食を完全に実施するための学校給食目標を定めたのであります。 国は、この供給目標に従い、目下牛乳の学校給食を実施しておりますが、その年次ごとの計画は、四十一年度十九万トン、百万石、四十二年度二十五万トン、百三十万石、四十三年度三十五万トン、百八十五万石、四十四年度四十八万トン、二百五十万石、最終年次の四十五年度は六十六万トン、三百五十万石とされております。 しかして、その実績は、四十一年度及び四十二年度はおおむねこの計画どおりに実施されたのでありますが、四十三年度以降その実績が計画を下回り、四十四年度については、供給目標に対し八〇%の予算措置が講ぜられているにすぎず、はたして四十五年度に計画どおりの完全実施ができるかどうか疑問視されているのが実情であります。この点、最近におけるわが国酪農の生乳生産状況は、四十年以降停滞傾向を示したものの、四十三年度に至り四百万トンの大台を越すといった、前年比一二%強の大幅な回復を示すとともに、今後ともこの生産拡大傾向が続行するものと考えられることから、これが乳用牛乳の消費拡大策が強く叫ばれているところであります。しかるに、政府の学校給食に対する措置が、供給目標をすら下回っているといったことに対しては、われわれのみならず、広く国民全般に不信の念を抱かせているのであります。 次に、牛乳の学校給食に伴う父兄負担についても、国費の半額負担が実行されず、百八十cc当たりの平均供給価格が、四十年十円八十銭、四十一年十一円四十七銭、四十二年十二円七十銭、四十三年十二円九十八銭と年々上昇しているのに対し、国の補助は四十年以降五円に据え置いており、これが父兄負担を連年増大させているのであります。 そこで、日本社会党といたしましては、かかる国内産の牛乳による学校給食に対しまして、この際、憲法第二十六条の義務教育費無償の精神にのっとり、かつ、学校給食制度調査会が三十六年八月答申した中において指摘している、ミルクの全額無償給与を行なうことの趣旨を尊重し、今後においては、全額自費をもって実施することとし、さらに、これに必要な牛乳を完全に確保し、あわせてわが国酪農の健全な発展に寄与するため、特別の措置を講ずることが必要であると認め、本案を提出した次第であります。 なお、これがために、学校給食法の改正を必要と考え、別途同法の一部改正案を提出し、その御審議をお願いしているのであります。 以上が、本案を提出した趣旨でありますが、そのおもな内容について、以下御説明申し上げます。 まず第一に、国は、毎会計年度、学校給食の用に供する牛乳を買い入れ、公立または私立の義務教育設置者に無償で給付することとしております。 第二に、農林大臣は、毎会計年度開始前に、文部大臣と協議して、学校給食の用に供する牛乳の買い入れ及び給付に関する計画を定めなければならないこととしております。 第三に、学校給食の用に供する牛乳または乳製品の買い入れ価格は、毎会計年度、当該年度の開始前に、畜産振興審議会の意見を聞いて、牛乳については、生乳の生産者価格に処理及び販売に要する標準的な費用を加えて得た額を基準として農林大臣が定める価格とし、乳製品については、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法において安定指標価格が定められているものにあってはその価格、その他のものにあっては農林大臣が定める価格とすることとしております。 なお、生乳の生産者価格については、生産される生乳の相当部分が飲用に供される生乳と認められる地域における生乳の生産費を基礎とし、物価その他の経済事情を参酌し、生乳の再生産を確保することを旨として定めることとし、この場合において、生乳の生産費に含まれる自家労働の価額は、他の産業に従事する労働者の賃金の額と同一水準のものでなければならないものとしております。 第四に、国は、学校給食の用に供する牛乳の買い入れについては、生乳生産者団体からの買い入れを優先的に行なうこととしております。 第五に、国は、予算の範囲内において、生乳生産者団体に対し、学校給食の用に供する牛乳の供給の円滑化をはかるため、牛乳の処理または乳製品の製造に必要な施設の改良、造成または取得に要する経費について、その三分の二を補助することとしております。 第六に、附則において、この法律の施行を昭和四十五年四月一日からとし、そのほか、国が学校給食の用に供する牛乳を買い入れる場合には、食糧管理特別会計において処理することとし、さらに酪農振興法の一部を改正し、学校給食の用に供する牛乳の無償給付についての義務づけを新たに設けること等を規定いたしております。 以上が、本案の提案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○丹羽委員長 小沢政務次官。
○小沢(辰)政府委員 開拓者資金に係る政府の貸付金債権の償還条件の緩和及び農林漁業金融公庫への移管等に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 戦後の開拓事業もすでに二十有余年の歳月を経てまいったのでありますが、開拓農業の現況を見ますと、新振興対策に基づく諸政策の効果もようやくあらわれ、一般農家に比べてその農業生産の伸びはすこぶる顕著なものがあり、その農家所得も一般農家水準に急速に接近しつつあるのであります。 そこで、今後の開拓行政の指向すべき方向は、開拓農家のすぐれた特性を生かしながら、これを円滑に一般農政に移行させていくことにあると考えるのでありますが、一面、この開拓農家の営農の進展をささえている資本装備が多額の借り入れ金によってなされていることから、開拓農家の負債問題の解決が、円滑な一般農政への移行をはかるための必須の要件であると考えるのであります。 そこで、政府といたしましては、開拓者負債実態調査の結果を十分検討の上、開拓営農振興審議会、関係各方面等の意向をも十分に組み入れて今回の負債対策を策定し、この法律案を提出することとした次第であります。 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一は、開拓者資金融通特別会計から貸し付けられた政府の貸し付け金に関する償還条件の緩和及び徴収停止等に関する措置についてであります。 その一は、営農の基礎が不安定な特定の開拓者に対しては、償還期間を二十年に延長するほか、その償還が著しく困難な一部の開拓者に対しては、償還期間を二十五年に延長することであります。 その二は、開拓者の金利負担の軽減と債権管理の適正化に資するため、現在五種類に分かれている貸し付け金利を、三分六厘五毛及び四分に統一するとともに、同一金利別に債権の統合を行なうことであります。 その三は、開拓農協に対する転貸資金または共同利用施設資金にかかる貸し付け金債権について、個人分割または債務引き受け等を促進し、開拓農協の負債の整理と債権の健全化に資することであります。 その四は、無資力者、所在不明者等、償還能力が乏しいかまたは償還を期待し得ない者に対する貸し付け金債権その他開拓農協に対する貸し付け金債権でこれに準ずるものについては、保証責任を追及することなく、徴収停止の措置を講ずることであります。 第二は、一般系統資金等にかかる固定化負債についての措置であります。 一般系統資金等にかかる固定化負債については、自作農維持資金による借りかえ措置を講ずることとし、その場合の自作農維持資金の貸し付け条件については、償還期間を二十五年に、据え置き期間を五年にそれぞれ延長することといたしております。 第三は、開拓者資金融通特別会計にかかる権利義務の農林漁業金融公庫への移管に関する措置についてであります。 まず、特別会計にかかる権利義務については、昭和四十五年度以降順次農林漁業金融公庫に移管し、昭和四十六年度末日をもって一切の権利義務の移管を完了し、昭和四十七年四月一日をもって特別会計を廃止することといたしております。 次に、特別会計にかかる権利義務の移管にあたっては、特別会計にかかる資産の額が負債の額をこえる部分の額について政府から公庫に対し出資されたものとするとともに、その出資額については、承継債権の消却に要する財源として必要に応じ取りくずすことができることといたしております。 以上が、本法案の提案の理由及びその主要な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。 次に、農林物資規格法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 近年、食品工業等の発展と相まって、食料消費の高度化、多様化は著しいものがあり、特に加工食品等についてその品質の向上と表示の適正化に対する要請はますます強まっております。このような状況に対処し、加工食品等につきまして適正な規格を制定し、その普及につとめるとともに、その品質表示の適正化をはかることは、消費者保護基本法の趣旨に沿って消費者保護対策を強化するという見地から、現下の急務であるばかりでなく、食品工業等の健全な発展を期するためにも重要な課題であります。政府といたしましては、このような見地から、農林物資規格制度に必要な改正を加えることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 その第一は、今回の改正が単なる制度の手直しにとどまらず、消費者保護の強化という新たな観点からするものであることを明らかにするため、題名を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律と改めるとともに、目的に農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって、一般消費者の選択に資する旨を明定いたしたことであります。 その第二は、最近における加工食品等の輸入の増加の傾向に対処し、この法律の対象となる農林物資の範囲を拡大し、輸入品をも対象に含めることとしたことであります。 その第三は、日本農林規格の運用に関する諸制度を整備改善することであります。すなわち、日本農林規格の普及をはかるため、加工食品等の工場生産の実情に即した格づけ方式として、いわゆる認定工場制を法律に明記することといたしますほか、登録格づけ機関の公共的性格にかんがみ、登録格づけ機関の格づけの義務、登録の要件等についての所要の規定を整備することとしております。 その第四は、品質表示の適正化に関する措置を定めたことであります。 日本農林規格におきましては、品質の基準のほか表示の基準をも定めているのでありますが、これによる格づけを受けるかどうかは、あくまで事業者の自主的選択にまかせることとなっておりますので、日本農林規格の制定のみをもってしては、表示の完全を期することはできないのであります。他方、一般消費者が商品を選択する際、品質を識別するために必要な表示を事業者に行なわせることは、社会的な強い要請となっているのであります。 このような状況に対処するため、この法案におきましては、新たに、日本農林規格が制定されているか、または制定されると見込まれる農林物資のうち必要があるものについて、事業者が守るべき表示の基準を定めるものとし、また、これを順守させるため、農林大臣が、表示の基準を守らない事業者に対してこれを守るべき旨の指示をし、この指示に従わない者があるときは、その旨を公表することができることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○丹羽委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 ————◇—————
○丹羽委員長 次に、国有林野の活用に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 私は、この国有林野の活用に関する法律案について、貴重な時間をさいて質疑をお許しいただきましたことを、委員長に厚くお礼を申し上げます。 実は私は、この法案は国会に提案されてからも相当長くなりますし、いまさらこの案についてこまかく議論と申しますか、質疑をする必要がないと考えておりました。ところが、いまもって一部の人たちがこの活用法案に反対をされる方があるわけであります。正直なところ、私はなぜ反対をされるのか、その反対される理由というものを全然理解し得なかった。国有林の周囲の町村あるいは山村に住む、失礼でありますけれども、生産、生活に困っておる方々に、その周囲のいわゆる国有林を利用さして、そして多少でもそういう地域の人々の福祉と申しますか、生活の安定に資するという目的でありますから、これに反対されるということはどうしても私には理解できない。 ところが、先般、実は林政民主化中央共闘会議、このごろは共闘ということばがはやりますけれども、そういう人々が私のところに文書を持って、これを阻止してくれ、反対だ、こういうことで見えました。その文書を読みますと、なるほどそういう人々が反対されることはこういうことかという文字が書いてある。理由はわかりませんが、文字はわかった。そこで、こういう人々がいっておられることは、この国有林活用法案が、私から言わせると非常になまぬるいのでありますけれども、このなまぬるい活用法案に対して非常な曲解をしておる。場合によっては、誤解と申しますか、ためにするためにいわゆる反対の共闘をやっておられる、こういうふうな感じを率直に受けたのであります。 そこで、これは相当な誤解があるのではないか。ためにせんがため、ためにするためのものならやむを得ませんけれども、誤解に基づくものであれば、この際やはり国民の前に、この活用法案がなぜ必要なのか、一日も早く成立させて、先ほど簡単に申し上げましたように、みじめな山村地域の人々に多少でも利益をはかるべきだと確信しておりますから、この際、時間をさいていただいたわけであります。そういう前提と申しますか、立場で、私はこの法案のよって来たったゆえん及びその目的と申しますか、ねらいというものを明らかにするために、ただしてみたいと思います。 そこで、いつも幼稚な質問をしておそれ入りますけれども、林野庁長官のほうが専門でありますから、林野庁長官からでけっこうでありますが、まず第一番に、わが国では国有林野法によって、相当膨大な林野を国有としておりますが、この国有林野はなぜあるんだと世間でいわれております。国有林の使命というものをどういうふうに林野庁と申しますか、国は考えておるのか、これをまずここに明らかにしていただきたいと思います。
○片山政府委員 お答え申し上げます。 国有林野事業の使命いかんということでございますが、御承知のように、林業基本法の四条にうたわれておるわけでございますが、それらを要約いたして御答弁申し上げたいと思います。 まず、国有林野の使命の一つといたしまして、国土保全その他公益的使命達成のために、その機能が十分達成されるようにはかってまいらなければならない、これが第一点でございます。第二点につきましては、木材その他重要な林産物の価格並びに需給を安定するという目的でございます。したがいまして、それから関連いたしまして、奥地未開発林等の開発は、当然国有林野事業の大きな使命として、木材総生産の増大のためにこれを実施してまいるというふうに考えるわけでございます。 さらに、基本法にもうたわれておりますように、先生も先ほど御指摘になりましたように、地元産業の振興、地元農山村住民の福祉の向上、こういうことに中心を置きまして、各事業をやってまいるということでございます。
○瀬戸山委員 いま、幾つに分けてよろしいかわかりませんけれども、二、三お話がありましたが、いまの国有林の使命として言われました国土保全、あるいは木材の需給、あるいは価格の調整、あるいは地元住民の福祉、これに合致していると確信を持っておられますか、もう少し突っ込んで意見を承りたいと思います。
○片山政府委員 国土保全その他の問題につきまして、先ほど四つほど申し上げましたが、国土保全その他の公益的機能につきましては、治山治水緊急措置法によって、国有林もその中の一環といたしましてそれぞれ重点的に投資を行なっております。 それから、木材の生産その他重要林産物の価格安定等でございますが、これにつきましては、先生御承知のように、閣議決定をいただきました長期見通しというものを持っております。それに基づきます森林の基本計画というものを樹立いたしております。それを通しまして、国有林につきまして経営計画というものをつくり、林相改良、木材総生産増大ということを中心に置きまして経営計画を樹立し、それの実行に当たっておるわけでございます。したがいまして、奥地の幹線林道等に特に重点を置いているわけでございます。 なおまた、山村の福祉向上等につきましては、御承知のように、国有林野の中で三つの区分をいたしております。第一種林地というのが、先ほど申し上げました国土保全等でございまして、第二種林地というのが、木材の生産の場としての経営をやっております。第三種林地というのが、いまの地元施設、地元福祉の向上、そういうものを中心にいたしまして面積を定め、たとえば、共用林野であるとか部分林であるとか、こういうものを地元にマッチした形でやっておる、こういうことでございます。なおまた、事業以外のいわゆる活用、国有林を地元にいかに活用するか、いわゆる農地に所属がえするとか、これは国有林野事業以外の問題でございますが、地元の御要望に応じて対処しておるということでございます。
○瀬戸山委員 いま長官が国有林野の使命と申しますか、国有林野を国が持っておるという必要性、意義についておっしゃったことは、ある程度そうだろうと私は思います。しかし、これはいま議論しないで、承っておき、ます。 そこで、その次は、そういう使命を持っておると称せられる国有林野が、わが国の三十七万平方キロの国土の中にどういうふうに分布されておるか、それをこまかく言いますと、一時間ぐらいかかると思いますから、およそでよろしゅうございますからお示し願いたい。
○片山政府委員 要約いたして申し上げたいと思いますが、全国の森林面積の約三二%が国有林でございます。したがいまして、三二%を基準として、それより多い、非常に片寄っている県がございますが、そういう点をちょっと御説明申し上げますと、北海道が五五%、青森が六二%、それから岩手が三六%、秋田が五〇%、山形が五三%、福島が四二%、栃木が三三%、群馬が四七%、飛びまして新潟が三四%、富山が三五%、長野が三五%、大体以上の県が標準の三二%よりも多くなっておる県でございます。小さい県は、特に近畿地方でございますが、京都、大阪、あるいは山口、山梨、そういうところが一、二%というような比率でございます。 概要以上でございます。
○瀬戸山委員 大体そうだろうと思います。これを地域的に見ますと、私の調査いたしましたところでは、北海道、東北六県、それから関東の北西部といいましょうか、そこら辺が国有林の多いところだと思います。中部地域にはそれほどない。山国といわれておる紀伊半島、和歌山県あたりもほとんどない。四国は山国でありますが、これも高知県がややありますけれども、ほかはあげるべきほどのものはない。中国筋は、皆無とはいえませんけれども、ほとんど皆無といっていいくらいの状況であります。九州では、私の県でありますけれども、宮崎県の半分と鹿児島県、ほかに各県多少のものはありますけれども、まあ国有林があるというほどのものではないと思います。 そういうふうな大まかな分布になっておるわけでありますが、どうしてそういうふうになっておるのかを歴史的に、これも簡単でいいですから御説明を願いたいと思います。
○片山政府委員 国有林のよって来たった存在の経緯をというお話だと思います。 御承知のように、国有林は、明治二年に版籍奉還がございまして、それが国有林になりました一つでございます。それから、同じく明治三年に社寺上地によりまして、これも国有林になり、これがそもそも国有林になりましたいきさつの始めでございます。その後明治六年におきまして、地所名称区別というのが公布されまして、官民有区分を実施したわけであります。さらに、明治十八年から二十一年にかけまして再度の調査をいたしまして、地押し調査によりまして、さらに官民区分を明確にいたしてまいったわけでございます。 しかし、その後におきましても、その区分問題においていろいろの問題がございました。したがいまして、さらに明治三十二年に国有土地森林原野下戻法というものが制定いたされまして、それによりまして官民の区分を、地元の具体的な過去の使用実績等からさらに明確にこれを区分されて、そのような形が終了いたしまして、明治三十二年に国有林野法というようなものが制定されて現在に至っておるわけでございます。 なお、御承知のとおり、昭和二十二年に、終戦直後に、北海道のいわゆる内務省所管の国有林、内地の農林省所管の国有林、それから御料林、この三つが統合されまして現在の農林省所管の国有林に相なって、特別会計法ということも同じく施行されまして、実施に移されているというのが現在までの状況でございます。
○瀬戸山委員 歴史的に簡単にいいますとそういうことであろうと思います。 そこで、まだほかにもいろいろありますけれども、いまお話のような分布状況、国有林を設定した歴史的経過はそのとおりでありますが、その国有林を設定したのは、先ほど私が長官にただしましたそういう使命を持って、かくかくのところにこれほどの国有林を持たたければならないんだ、そういう使命を前提にして国有林を持っておるのかどうか、この点はいかがですか。
○片山政府委員 国有林は、先ほども御説明いたしましたように、歴史的の所産として実は国有林に相なったわけでございます。そういう使命を前提に置いて、国有林というものが編入されたわけではございません。歴史的所産でございます。 しかし、その所産として、いま国有林を預っておる林野庁といたしまして、あるいは農林省といたしまして、その運営のしかたは、先ほど申しましたような使命を持って、基本法にもうたわれておりますそのとおりの運営をやってまいっておるということでございます。
○瀬戸山委員 そこに、非常な国有林の問題が私はあると思うのです。先ほど私が国有林の使命はいかがですかと聞いた、そこに私は問題があると思うから、あらためて、幼稚なことで恐縮でありますがという前提で明らかにしてもらったわけです。それで、先ほどおっしゃったいわゆる国有林の使命というものは、林野庁のお役人さんや、林政を研究しておられる学者の方、そういう人々が、こういうことがやはり国有林にはあるんだなと、あとでつけられた使命でありますから、もし、先ほどお話になりました国有林の使命というものを前提にして皆さんが国有林を守ろうとされるならば、国有林のあり方は、先ほど簡単におっしゃったような姿ではないんです。 たとえば、国土保全と言われましたが、北海道や東北だけ国土保全をして、中国筋の国土保全は必要でないと言われるのか。いまはそうなっておるのですよ。山口県あたりにはほとんど国有林がありません。そういうところは国土保全は国は必要としないのか、こういうことになってくるのです。これは林野庁長官を痛めるつもりで言っておるのではないのです。要するに、国有林というものを真剣に国民が考えなければならないという意味で、私は政府と申しますか、国として、昔からこれはあったんだ、だからこれを国有林という名前で守っていくのだという、そういうことでは私は林政にはならない、こういう考えを持っておりますから、ひとつもし私の言うことを御納得くださったら、林野庁とは言いません、農林大臣でも総理大臣でも、もう少し国有林について真剣に検討して、国有林のあり方を根本的に改めることを積極的にひとつ御研究願いたい。 先ほどお話のありましたように、国有林のあり方というのは、これはまだ百年にならない。いわゆる旧封建時代には山の所有権というものはだれにもなかったんです。そうしてこれは自然物でありますから、そのころは——もちろん徳川幕府時代も、藩々によってはある程度造林、植林をしたところもありますけれども、大半は自然林であります。いまの国有林でも、相当努力はされておりますけれども、まだまだ大部分は自然林であります。天然物なんです。その天然物を利用して、いわゆる活用して、そうして山村僻地の人々はそれによって生活を守ってきておった。きのうこの委員会でも、森林関係で入り会い権などのお話がありましたが、複雑な、いわゆる習慣によってこれを利用してきておる。 明治の新政府が、いわゆる近代国家をつくるということから、国民から税金を取るために、先ほどお話しのように官民の区別をするということでできたのであります。これはそういうことでありますならば、国全体について国有林の分布を公平にし、そうして国土保全にも資する、あるいは森林資源の培養にも資する、木材の需給調節や価格の安定にも資する、こういうふうにされなければ、国有林、国有林といっても、これはおかしな存在であると私は思うのですが、長官はいまどう考えておられますか。
○片山政府委員 先生の御指摘のとおり、国有林は確かに偏在をいたしております。あるいは国有林の中で北海道とかそういう特殊のところだけが、保安効果をさしておるのかというような御指摘もございます。 林野庁といたしましても、国有林それ自身は国土保全そのものを中心に考えておりますが、さらに民有林等に対する国土保全上の措置といたしまして、これは非常にむずかしい、あるいは限られた資金からでございますけれども、いわゆる重要河川流域につきましては、保安林を国がみずから買い取っていくという制度でいま進めておるわけでございます。しかし、資金その他の関係から大幅なものはなかなかできておりませんけれども、逐次そういう方向でいっておるわけでございます。 そのようなことで、やはり林野庁といたしましても、先ほど申し上げました四つの使命を達成するためには、国有林というものも全国的にある程度ならされてあることが非常に望ましいというふうにはわれわれ考えておるわけでございますが、ただ、先ほど申しましたように、歴史的所産でそういうことになったわけでございますので、一挙になかなかそこまで行き切れない。ただ、方向としてはそういうふうに行くべきではないかというふうに考え、一つの方向として、先ほど申し上げました保安林の買い上げの措置ということを進めておるわけでございます。
○瀬戸山委員 歴史的所産でそうなっておる。その歴史的所産には、まさにわが国の百姓一揆といいますか、農民の苦闘史がこの裏にあるわけですね。 明治維持後土地の所有権というものを生み出して、それから山林原野に至るまで所有権制度を立てるようになった。それは税金を取るためです。現金で税金を納めるという制度が封建時代にはなかった。すべて物納でありましたから、それになれておるわが国の先輩たちが土地をもらって、特にああいう——いまは時代が進んできましたからそれほどでもありませんが、山、原野などというものをもらって、それで現金で税金を納めるなどということはとてもたいへんなことだった。したがって、そういう場所を利用することだけに関心を持って、それを所有するなどという意識はほとんどなくて、むしろそれを所有させようとする国の政治の方針には、非常に反発をした歴史があるわけであります。 ところが、先ほども長官言われましたように、官民有の区分をするということも、いまの時世と違いますから強権であります。最初に国有林は歴史的な所産と言われましたけれども、これはまさに明治維新戦争の占領政策、それから明治十年、いわゆる西南戦争、西郷さんの戦争の占領政策の残滓なんです。それだからこそ、関東北部から東北、北海道、賊軍がずっと逃げて戦ったところなんですが、そういうところは、いわゆる百姓が利用しておったところを全部取り上げてしまって、それが今日まで残っておるというのが、いわゆる長官の言われる歴史的所産であります。中国地域に一つもと言っていいぐらいに国有林がないのは、あの付近は官軍の発祥地であります。でありますから、そういうところは全部そのままに住民に渡してあるわけです。 ふしぎなのは、先ほども申し上げましたように、土佐の高知だけが残っておるのですが、こいつはどういうわけか私もつまびらかにいたしません。紀州和歌山あたりは日本でも有数な雨の降るところ、山の生育のいいところ、そこには国有林などというのは、あの熊野三山でもない。九州では、先ほど申し上げましたように、これは宮崎県の南の半分、鹿児島県に接続した宮崎県の半分と鹿児島県でありますが、九州の場合は特別でありまして、先ほど、明治三十何年かにさらに下げ戻しの法律までつくったということを長官言われましたけれども、明治十年代から三十年代までは、いわゆる百姓が山によって血を流したり、一揆が始まったり、苦闘の連続で今日こういう状態を来たしておる。九州の場合は、全部一応明治維新によって民有地になりました。なりましたが、十年の西郷戦争によって、全部一ぺん民有にしたのを、さらに再調査をするということで、全部これは没収してしまった歴史があります。そして宮崎県はなぜ半分か。これは薩州でありますから、宮崎、鹿児島がいわゆる賊軍でございます。そこでこれを全部没収した。没収にかかったのですが、宮崎県が半分だというのは、どういうわけかと歴史を調べてみますと、やはりその当時も豪傑がおりまして、いまの共闘会議みたいなものでありましょうが、その当時はまだ荒っぽい時代でありましたから、やりを持ち出し、刀を持ち出して、途中で、いわゆるその当時の官員さんをたたき切るということで防いだ。さすがその当時の政府もおそれをなして、それ以上はやめてしまった。こういう歴史で、宮崎県は、御承知のとおり南のほうだけ半分国有林になっている。北のほうは国有林は一つもありません、山はたくさんありますが。話のあらましを申し上げておるのですけれども、そうして非常な一揆が、各地に国有林の多いところで起こってきた。取り上げられたのですからね。 最初は、取られても、所有権なんというのは頭にありませんから、まあどうせ草は取ってよろしいと思っていた。その当時は下草を取るか、ある程度の材をもらうだけですから、自由に出入りをして取れるのだと思っておったところが、国有林の制度というものが完備されてきて、だんだん制度がはっきりしてくると、かってに取ってはならぬという法律、規則ができてきて、なかなかそうはいかない。それから、こまかく言いませんが、各地にいわゆる百姓一揆が起こって、たいへんな騒ぎが起こった。そして国有林には、いまもそうでありますけれども、いわゆる警察権を持たせて、これを退治るという制度が出てきた歴史があります。 まあ私はこういうことを長く言うわけじゃありませんけれども、そういうことでいまの国有林ができている。そういう次第で非常な偏在をしてきておるのだということなんです。最初から国有林制度というものをつくって、国土保全——日本はこういう山岳地帯が多いですから、国土保全も非常に大切であります。そういう一つの目標を持って制度をつくったのでありますれば、こういう全然ないところと、全林野の八〇%、九〇%が国有林の町村もあります。私は、昭和三十七年に全部調査いたしましたが、ここにそれがありますけれども、一々申し上げません。いかにそういうところの人たちが、そういう自然を利用することができないで、今日まで約八十年苦闘を続けてきておるかというところに、この国有林の活用の問題が今日できておる。長い叫びでありました。国会でも相当前に提案されました。 率直に申し上げますが、いまの長官の時代じゃないと思いますけれども、林野庁の皆さんは、これにはあまり気が進まなかったのです。それはなぜか。こういう歴史あるいは国有林の使命に合わない国有林の姿というものに対する反省がない。それを多少でも分けてやったり利用させるということは、何か自分の財産を削られるような気持ちでおられたのではないか。いまの長官がそうだと言うのではありませんよ。そういうことでは国民の政治をするということにはならぬじゃないかと私どもは思っておるのですが、どうですか、長官。
○片山政府委員 ただいま先生の御指摘は、官軍、賊軍のような、そういうことから国有林の偏在ができたんじゃないかというお話でございます。私は、官軍、賊軍というそういう表現ではなかったかもしれませんが、そういう形で偏在ができたんじゃないだろうかという説、そういう本を確かに読んだ記憶がございます。 しかし、国有林の実際なっている姿は、私が先ほど申しました藩有林が国有林になったその際に、官民有区分なり下戻法なりの中で、どういう形でそれが整理されてきたかということを振り返りますと、藩有林の中で、地元民がその土地を利用しておった、そういうことがはっきりしているものは、これは民有林にする、そうでないものあるいは直轄で藩がやっておった山、それは国のものである、こういう区別の中でこれがきめられてきたために、裏を返せば、地元民が山の利用を積極的にされておったという地帯、そういう環境のところは民になり、そうじゃないところが国に残ったということでございますから、したがいまして、経済的にあるいは社会的に非常に未開発であったという地帯が、現在でもそうでございますが、その当時は特にそういう未開発の地帯、なかなか利用困難な地帯、そういうものが残っておるという説もございます。 私は、そういうふうな意味で、単にその一つだけで、そういう判断じゃなしに、やはり経済的、社会的の環境からそういうふうになったものだというふうに判断いたしております。
○瀬戸山委員 私は、ここで歴史のことで長官と論争するためにやっているのじゃないのですから、そういうことはどっちでもいいのです。ただ、いま相当わが国も進歩してきましたけれども、明治三十二年当時は、まだ南洋の土人みたいな時代だったのです。それはちょんまげ切らされて、何のことかわからぬ時代ですから。そこで、いろいろ政府のお役人さんたちがやられると、それに対してこたえるだけの素養は、いわゆる百姓にはありません。しかし、それでも百姓はどうしてもたまらぬから、全国に百姓一揆が僚原の火のごとく起こった。 そこで、御承知のように明治三十二年に、先ほどお話の国有土地森林原野下戻法というのが国会でできたわけですね。私はその記録も全部調べております。その当時の速記録も見ております。さて、その下戻法ができて、全国の関係農民は非常に喜んだ。それでいま長官がお話しのように、いろいろ資料を出させた。どういうことをやっておったかということは、もちろんこれは行政でありますからやらされた。これは、これに反対される人に、私はこういうことを考えてもらいたいというために言っておるのですが、ここに申請したものの件数がありますけれども、下げ戻しをしてもらいたいという申請件数が、これは広大な土地ですから、全部で二万六百七十五件出されておる。そのうち、いま長官が言われたようなことで、許可になったのが千三百三十五件です。六・五%であります。許されなかったもの、お前たちの言うことは認められぬというのが一万九千三百四十件、九三・五%はそういう申し出はだめだと却下されております。面積にいたしまして二百七万三千九百六十九町歩、これが申請の面積であります。しかし、その面積といっても、これはそれこそ、いまでも国有林の面積なんかそう簡単にわからぬところもあるでしょうが、その当時のことでありますから、いわゆる絵図面にかいたような、子供の漫画みたいな図面であります。でありますから、それはもっと何倍かでありましょう。これが二百七万三千九百六十九町歩になっておる。ところが、許可になったのはどのくらいか、三十万四千七百三十九町歩、一四。七%であります。不許可が百七十六万九千二百二十九町歩です。面積にして八五・三%、申請件数にして九三・五%、これだけは許されないで悲涙を飲んだというのが国有林の中にあるのだということを、われわれ忘れてはならないのです。そして、長官御存じのように、町村の全林野面積の中で八〇%、九〇%、軒先まで国有林、こういう状態が今日もう固着してしまっておるというのが現実です。私は、歴史をもとに戻せということじゃないのです。こういう時代になって、これを戻せとかなんとかいう議論をしようとは思いません。 人間の生活というものは、御承知のとおります水がなければいかぬ。海岸におった人は、海を利用して魚をとって生活をいたしました。川のふちに住んでおった人は、川魚をとったりあるいは何か耕作をして生活をした。山の中におった人は、山を利用し、山のいろいろなものをとって生活をしておったのです。温泉が出れば、温泉の付近の人は、温泉を利用して生活をするのであります。これが人間の自然の姿なんです。それを、この国有林という問題になりますと、山の中におる人に山を利用してはならぬという現実の姿になっておる。そこに非常に深刻な問題があるのだと私は思いますが、長官あるいは農林大臣代理の次官でけっこうでありますが、どうですか。
○小沢(辰)政府委員 私も全く同感でございます。しかも、国有林野が非常に地域的に偏在をしておることの理由については、いろいろお話がございましたが、確かに先生のおっしゃったような歴史的な事実というものが基礎になっていることは、これはもう否定できないと思うのでございます。いろいろお説を拝聴いたしまして、しかるがゆえに私どもも、すでに以前から国会の御協賛を得たいと思いまして、この国有林野の活用に関する法律案を一日も早く成立さしていただきたいという念願で、昨年来御審議を願っておるわけでございます。 私どもは、いま非常に偏在をし、しかも、それがおくれている地域ほどそういう事態が強いわけでございますので、したがって、国有林野がその使命を全うしながら、十分地元の所期の目的に応ずる活用がはかられてまいりますことについては、当然この法案の提案をしました趣旨で理解をしていただける、また、この成立を強く念願いたしているわけでございます。
○瀬戸山委員 自治省の方にお尋ねしておきたいのは、いわゆる不動産の固定資産税というものがありますが、これは地方自治体の大きな財源になっておるわけであります。ところが、いわゆる国有林地帯、これは国有林でありますから、もちろん固定資産税は地方団体は取れないわけであります。もしこれが民有林であれば、固定資産税が取れるのは当然であります。 そこで、自治省は地方財政のことをいろいろ心配されておりますが、この国有林が非常に偏在しておるということについて、民有林だけでやっておる市町村、国有林が八割、九割、六割、いろいろありますけれども、そういう地域の固定資産税と、国有林野は少しばかりの交付金を交付しておりますが、その関係について検討され、あるいは地方財政にいい影響はないと思いますが、どういう影響を及ぼしておるか、それについて自治省の御意見を聞いておきたいと思います。
○山下説明員 市町村の区域の中に広大な面積を占める国有林野がありますために、市町村で固定資産税が課税できないという事情がございます点を考慮いたしまして、昭和三十一年から固定資産税にかわるべき性格のものとして、国有財産に対する交付金制度ができたわけであります。これによりまして、固定資産税が取れないという面を交付金によって補てんしていくという制度になりまして、それによりまして、そうした特殊な事情のもとにあります市町村に対する財政上の考慮は、ある程度できているのではないかというふうに考えております。 ただ、実際問題といたしまして、本来、できれば固定資産税相当額あるいは固定資産税との均衡のとれた額の交付金が交付されることが望ましいわけでありますが、現在、まだ完全にそこまでまいっておらないのが実情でございます。 そこで、昭和三十九年度から林野庁にもいろいろ御協議申し上げまして、できるだけ交付金の額が増額されますように御努力を願ってまいりました。最近数年間におきましても、毎年相当額の交付金の増加を見てきております。こういう点によりまして市町村の財政上の考慮を払ってまいっておるのでございますが、さらに一段と周囲の民有林野にかかる固定資産税額と交付金の額が均衡がとれますように、今後も一そう関係方面にも御協議申し上げて、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○瀬戸山委員 いろいろ心配しておられるのはわかりますが、どのくらいになっておりますか。いわゆる民有地ならばこの程度だが、これが国有地であるために、いまの交付金はどのくらいですか。私が昭和三十七年に全国町村を調べましたときには、この比較は、固定資産税でありますから、もちろん土地の場所によっても違いますので、これが完全に合理的であるとは言いませんけれども、概括して見ますと、大体固定資産税の二分の一、場合によっては三分の一、これが国有林野への交付金になっておりましたが、だいぶ前の話でありますから、いまはどういうふうになっておりますか。
○山下説明員 昭和四十四年度に交付されます国有林野にかかる交付金の総額は、予算上十三億二千二百万になっております。この額を基礎にいたしまして、反当たりの平均価額を推計いたしますと、千二百七十一円ということになります。 これに比較いたしまして、民有林野に対して固定資産税を課税いたしておりますが、この固定資産税の課税の基礎になっております民有林野につきまして、反当平均価額を調べてみますと、四千二百三十一円になっております。したがいまして、その割合は大体三〇・五%という程度になっております。
○瀬戸山委員 大体そういうことだと思います。 全国を言うわけにはまいりませんが、たとえば、最近は町村の数がだいぶ変更されましたから、いまは数は違うと思いますけれども、昭和三十七年私が調査いたしましたときには、北海道が全林野のうち民有林の比率が四一%から六〇%で、全林野のうち民有林が二〇%以下というのが九十町村、全林野のうち民有林が八一%以上というのが八町村です。一、二の例を申し上げると、島根県は、あそこも山国でありますけれども、全林野のうち民有林が二〇%以下というのは一町村、山口県には一つもありません。こういうように非常に偏差がある。 そこでいま自治省にお尋ねしたわけでありますが、それが少なくとも六、七〇%でも民有林ということになりますれば、少なくとも二倍ないしは三倍の固定資産税が入るわけです。ところがそれは国有林であるから、そういういわゆる山の町村は、国有林偏在のために二分の一か三分の一の収入で、少なくとも固定資産税が減らされておる。しかも、その山をいろいろ農耕その他に活用することも許されない。こういう残酷な政治が一体あるものでしょうか。残酷というものです。 もし先ほどのように、国有林の使命によってこうこうだとおっしゃるなら、それだけのものをほかの財政でカバーしてやらなければ、利用はさせないわ、税金は取らせないわ、そしていま過疎地帯がどうのこうの、総合農政がどうのこうのいっておりますけれども、そういう実態をつかんでそういうところを改めなければ、どんなに法律をつくったり、りっぱな政策を立てても、そういう農山村地域、僻地というものは、浮かぶ瀬がないというのはこういうことじゃないかと私は思うのですが、自治省と農林政務次官、ひとつお答え願いたい。
○山下説明員 お答えの前に、ちょっと先ほどの御説明に補足させていただきたいと思いますが、先ほどの数字は全国平均の数字でございますために、国有林野が立地条件の悪いところにあるというような事情もありますために、単純に、同じ条件のもとにある国有林野の交付金と民有林野がこの率にあるということばかりは、言えない点もあるのではないかというように考えております。 そこで、ただいま御質問のありました点でございますが、私どもといたしましては、やはり固定資産税が課税されないという事情のところは、できるだけ交付金で考慮をしていくべきであろうと考えておりますので、今後におきましても、国有林野にかかる交付金の増額につきまして、林野庁とも御協議申し上げまして、できるだけこの額がふえますように、一そう努力をしてまいりたいと考えます。
○小沢(辰)政府委員 おっしゃるような事態がいろいろあることを否定するものではございません。おっしゃるように、税金は取れないわ、利用はさせないわというようなことでは政治にならぬと言われることは、私どももよくわかります。 そこで、税金が取れない分については、できるだけ交付金制度がその穴埋めになるような配慮をしつつ、昭和四十二年から実施をしてまいっておりますし、また、たとえ保安林に指定をされたところでも、国有林になるところは交付金の対象にいたしまして、一方、民有林の場合に保安林に編入されたところは税金は取れない、こういうこともありますので、したがって、全くこれがバランスがとれてちゃんとそれに見合う財源が完全に補てんされているとは私どもも言いませんけれども、できるだけ先生のおっしゃるような弊害といいますか、起こらないように配慮をしてやっているつもりでございます。 ただ、何としましてもやはり山村僻地が多いものですから、したがって算定の場合の金額が、固定資産税等と比較した場合に、立地条件等からしてそれが十分でないというようなこともございますので、要は、今後ひとつ大いに国有林野の正しい活用をはかってまいりまして、御趣旨に沿うように努力をすべきだと考えております。
○瀬戸山委員 もちろん固定資産税ですから、最初申し上げたように、それは土地の状況等によって違います。えてして国有林は奥地に多いですから、必ずしも私は同等に扱えというわけじゃない。しかし、国有林の偏在しておるところは奥地というんじゃない。庭先まで全部国有林ばかりであります。県道も通れば、国道も通る、その付近は全部国有林、これが実態であります。その先に民有林があるというところもたくさんある。でありますから、奥地のことを私は申し上げておるわけじゃありません。 そこで、こういうことをひとつどうか真剣に農林省も自治省も研究してもらいたいという参考のために、私、全部調べてありますから申し上げますが、これは県平均であります。北海道は、民有林が反当たり五円五十六銭であります。国有林は二円七十一銭の交付金です。青森は十七円三十四銭、交付金は八円六十二銭。全国言うとたいへんですから申し上げませんが、群馬県は民有林は六十六円二十一銭、交付金が六円二銭であります。まあ数を申し上げるといろいろありますけれども、全国そういうかっこうになっておる。重ねて申し上げますが、こういうふうに自分の地域の土地から税金が、国有地なるがゆえに非常に少ない。しかも、さっき申し上げたように、その中にあって林野というものを適当に活用することはできない。民有林であれば、全部これが活用されて税金もあがる。こういうことを見のがしておいて、一体政治が国民のために行なわれておるなどということが言えるのでしょうか。私、真剣にこれを申し上げたいのです。これは研究しておいてください。改めるという決意でひとつ御研究を願っておきます。今度は、したがっていろいろ反対もあるけれどもこれを法用する、こういうことでありますから、私は一日も早くやはりそういう住民に活用させることが、ほんとうの血の通った政治だと思っておるのです。 そこで、もとに戻りますけれども、林政民主化中央共闘会議、これの実態、私わからないんですが、林野庁長官は、もちろんこれは林政と書いてありますから、どういう人々が構成しておるかおわかりでしょうね。
○片山政府委員 明確にわかりませんので、ちょっとお答えしかねますが、調べまして御返事申し上げたいと思います。
○瀬戸山委員 それはおかしいですね。これは私が直接そういう人々から、どういう構成か聞かなかったのは残念ですけれども、林政中央共闘発第一九号、ここにちゃんと文書があるのですから、こういうことを知らないで林政をいままでされたということはおかしいのですが、わからないはずはないと思うのです。一九六九年五月、日は入っておりません。たくさんこういう文書が出て、団体的に反対運動をして、これを阻止するため——「阻止」と書いてある。「「国有林野の活用に関する法律案」阻止と林野行政の民主化に関する要請」というのを私は突きつけられたのです。民主化という意味はわかりませんが、そういう先ほど申し上げたようなことが民主化だと思ってやっておるのですが、この国有林活用は、民主化に反するからというのでこうやっておられるのです。これは共闘ですから一人じゃないので、団体がいろいろあるんじゃないかと思う。 私が聞きたいのは、この中に林野庁長官の配下のお役人さんたちが入っておるんじゃないかということを確かめるために聞いておるのですが、その点はどうですか。
○片山政府委員 実は私、正式に文書はいただいておりませんのでわかりませんが、調査して検討いたしたいと思います。
○瀬戸山委員 私は責めるわけじゃありませんけれども、長官が知らなくても、林野庁の人はこれを御存じないのですか。ほかにだれか林野庁の人でおられませんか。この共闘会議の議長は笹川運平という人です。 私が問題にしようと思っておるのは、これは私の想像ですからわかりませんが、長官の配下というと恐縮でありますが、管下のいわゆる国有林野行政に関係しておるお役人さんたちが、この共闘会議に加わっておるということでありますれば——そこで私は最初に、国有林野の使命はどういうことですかということを確かめておいたのです。これにもそう書いてあります。「周知のように、わが国土は狭少、急峻でその約七〇%が山林原野であり、木材生産、森林資源の維持と、林地保全、国土保全とは切り離すことができない現状」にある。そこでこういう全森林の三〇%を占有する国有林の経営は、国土の保全と公共的役割りを果たさなければならないから、こういう国有林の活用なんというのはとんでもないということが書いてある。そこで私は、いまの国有林というのは、そういうようなあり方で、ここに並べてある国土保全の使命を果たしておるか、こう聞いたわけです。 重ねて申し上げますが、北海道や東北は国土保全が必要であるけれども、中国なんというのは、こんなものは国土保全の必要はないから国有林は持たないのだ、こういうふうな考え方で、もしかりに国有林を管轄せられるあなたのお役所の中に、その程度の思想を持っておる人があるということならば、とんでもないことだと私は思う。そういう誤った考え方で国有林の運営をしようなどということはたいへんなことだと、私は議員としてよりも国民の一人として思うのですが、長官はそういうことはだれかわからぬとおっしゃるが、もしかりに、国有林を国民のために持っておるのだ、そういうはずの人々の中に、いまのこの活用の反対の共闘の中に入っておる人があるということになりますれば、あなたはどうお考えなさいますか。
○片山政府委員 ただいまの民主化中央共闘の中に、職員が入っているかどうかということでございますが、これはどういう形か、十分私、調査した上で御返答申し上げたいと思うわけでございます。 なお、国有林の運営その他につきまして、先ほどもちょっと触れましたように、中国地方は何も国有林がなくともいいんじゃないかということは当然考えておりませんで、先ほど申しましたように、保安林等につきまして、国みずからがそれを持つことが必要であるというものについては持ってまいる。保安林整備臨時措置法ということで時限立法でございますが、十カ年の延長を願いまして、それをやっておるというようなことでございます。 要は、私たち国有林として当面やろうとしておりますのは、確かに過去いろいろな説がございました。先ほど私、御説明したように、それがどれが正しいかということは私はわかりません。しかし、百年前のことでございますから、それがどうであるということは、はっきりしたことは私は申し上げられませんけれども、今後の国有林の活用につきましては、いわゆる土地の高度化利用、土地の有効利用というものに対しましては、積極的にこれは対処してまいるということで御提案を申し上げておるのでございます。
○瀬戸山委員 これは御参考までに申し上げておくのです。国有林は国土保全のため非常に重要なものであります。当然であります。私もそれは間違っておると言うんじゃないのです。ところが、おもしろいというか、おかしな現象があるのです。これは一々申し上げません。昭和三十九年から四十三年までの災害の実態を全国調べてみますると、残念ながら国有林の多いところには災害が非常に多い。災害はいろいろな原因がありますから、これは必ずしも一がいに結論を出すわけじゃありませんが、国土保全をモットーとしておる国有林の多い県ほど——ここにちゃんと、これは間違いのない三十九年から四十三年までの災害の実態です。一々申し上げませんが、参考のために見てみますと、国有林の多い県ほど災害が年々多い。これはいろいろな原因がありますから、これでどうのこうの林野庁に文句を言うわけじゃないのです。この共闘会議の皆さんが、国土保全ということを大きくうたって、だから活用なんかだめなんだ、こういうことをいっておられますが、そういう国有林の多いところは年々一番災害が多い。この実態を知ってそういうことをおっしゃっているのかどうか。これは参考までにひとつ申し上げておくわけであります。 これに関連して申し上げておきますが、なぜ国有林地帯が最近災害が比較的多いか。民有林は何十町歩というようなものを皆伐することはありません。これは相当広く持っておる人でも、そんなに皆伐はいたしません。ところが国有林は、国有林会計その他の関係でいろいろ皆伐をやられる。広大な地域を皆伐をやられる。そのために、その国有林地帯の川が思いもよらぬところではんらんをしておる。こういう実態があって、いろいろ国有林の伐採の方法等について、国有林地帯の人々は非常な不満を持っておる地域がありますが、長官もそういう問題を認識しておられると思います。これはいろいろその輪伐の施業計画もあると思うのですが、そういうことを認識しておられるかどうか。国有林は国土を保全するのが大きな使命になっておるのにかかわらず、ただ林業だけの関係で、皆伐のためにそういう地帯に不慮の災害を起こすということがあっては、これはたいへんな本末転倒であろうと思いますが、こういう問題についてどういうお考えを持っておられるか、お聞かせ願いたい。
○片山政府委員 国有林の経営のあり方に対しての御質問でございます。 国有林は、御承知のように、先ほども申しましたように七百数十万町歩持っておるわけでございますが、その内訳といたしまして第一種、第二種、第三種、こういうように区分してございます。第一種林というのは、いわゆる保安林あるいはそういう施業を自然公園法等によって制限する、そういうものを第一種林といっておりますが、その面積は、国有林七百五十万町歩に対しまして約三百万町歩そういうものを持っております。したがいまして、実際切って出しておるといいますか、経済的にいろいろやっておりますのは三百七十万町歩でございます。五割ちょっと余がそういう姿で経営をしておるということでございます。したがいまして、国土保安等につきましては十分配慮をしてやっておるわけでございますが、この点は民有林と比較しましても、はるかに率の高い保安林を有しておるわけでございます。 しかし、今後いわゆる開発が進むその諸情勢の中におきましては、さらに保安林制度というものを拡充いたしまして、保安林整備五カ年計画というものを策定いたしまして、われわれは国有林のうちの約四五、六%程度までは保安林にすべきじゃないだろうかということで検討を進め、国土保安の万全を期してまいりたい、これが方向でございます。 ただ、先ほど申しましたように、先生も御指摘のように、宮崎県におきまして非常に災害がございまして御迷惑をおかけしたわけでございます。宮崎県に限らず、場所によってございます。しかし、これは統計的に見ましてもおわかりだと思いますが、非常にその土地に豪雨がございまして、一日何百ミリという豪雨がございまして、そのために、通常の保安施設をして生産しておったわけでございますが、その末木が流れて御迷惑をかけた。まことに申しわけないことでございますが、非常に異常な豪雨であったということでございます。今後ともわれわれは十分注意をしながら、先ほど申しましたそういう方向で、かつ、木材生産についても十分注意をした形で進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○瀬戸山委員 こういう総括的なことはこれで終わりますけれども、そこでこれは私の考えでありますが、国有林をもっと広げなければならぬのじゃないかと思うのです。保安林制度もありますけれども、やはりいわゆる奥地などというものは、日本は非常に山岳地帯が多いのですから、長官もおっしゃるように、民有ではなかなか森林資源の開発というものはそう簡単にいかない。やはり国の力をもって、国土保全上からも、森林資源の増殖の面からいっても、土地の高度利用からいっても、一挙にはいきませんけれども、もう少し国有林を全国にまたがって、奥地は国家の力で大いに国有林としてこれを開発する。こういうことをもう進めなければいかぬのじゃないかという考えを私は持っております。 先ほどもお話のありましたように、いまの制度でも、国有林の金でまた新たに民有林を買ってもいいということになっておりますが、そういう微々たることでなしに、もう少し資源開発の上からも、全国に適地をできるだけ普遍的に買って、そして国の力で森林資源を増殖する反面、国土保全の実もあげる、こういうことを積極的に、ただ林野庁の会計の余ったので買うということでなしに、何千億といろいろな方面に出しておりますが、それこそ国を守るために、相当ばく大な国費を投じてやるべきだと思っておりますが、それについてどうですか。林野庁長官でもいいが、長官だけでもいかぬから、大臣代理でもけっこうです。
○小沢(辰)政府委員 まことに私ども御同感でございます。 ただ、従来のあれからいいますと、国有林野の特別会計のワク内に縛られている点がございますので、いま先生がおっしゃるような国土保全という観点から、これを大幅に伸ばしていくとすれば、当然特別会計以外で、こういうものについては国として配慮願わなければいかぬだろうと思いますし、大臣ともよく相談をいたしまして、また党のお力もおかりいたしまして、今後ひとつそういう面で、できるだけ予算を獲得するように努力していきたいと思います。
○瀬戸山委員 これは農林大臣だけでもいかぬと思います。どうかひとつ農林大臣から積極的に閣議でも言ってもらいたい。一挙にはいきませんけれども、総合農政とかなんとかいっておりますが、ばく大な木材を外国から買っておる。しかも、日本は狭いといってもまだまだ国土の三分の二は山なのです。きのうの委員会でも御説明がありましたが、国有林地帯でもまだ今日活用されない濶葉樹ばかり、日本の山は。いまはもう薪炭なんというのは頭にありませんから、これをいろいろ改植していっておられますけれども、こういう国全体の将来にわたる大計画を立てられ、そして計画的に、自分のさいふの中だけなんてそんなことじゃとても進みませんから、長官が言うと自分のことのように聞こえるといけませんから、農林大臣、ひとつ積極的に推進してもらいたいと思います。 山国におって、よその国から木材を買うなんというのは実際おかしいのじゃないですか。木材は三、四十年かかりますから急にはまいらぬと思いますけれども、やはり明治百年のことを考えるなら、今後百年のうちには、日本の森林資源をよそに売るようになるぐらいのことをやったらどうかと考えておるのですが、いかがですか。
○片山政府委員 日本の山林の姿をもっと生産力を高める姿に持っていかなければならない、これは国有林、民有林ともどもそうだと思います。そのような形で、民有林の非常に困難な場所というのは多々あろうと思います。われわれもそういうことを見ております。したがいまして、そういうものを合理的に推進するために国有林としてそれを開発するということは、われわれも非常に期待いたしておるわけでございます。 そこで、これは一林野庁の問題でもございません。それぞれの方の御支持も得ながら、そういう方向で推進してみたいというふうに考える次第でございます。
○瀬戸山委員 長官がそんなことを世間に言うと、率直に申し上げますが、いま林野庁なんかつぶせというような意見もありますからね(発言する者あり)何か国民の財産を持っておって、それで遊んでいるのじゃないかという間違った——私はそれに賛成するわけじゃないのですよ。ないけれども、そういう議論がいま出つつあるときですから、国有林を広げるなんということを長官は言われぬほうがいい。これは日本の大政治ですから農林大臣から発言をされて、そういうことをひとつ検討してもらいたいということであります。いま林野特別会計は廃止しろという雑音が聞かれましたけれども、ああいうものはつぶしてしまえという意見がある。何をしているのだ、日本はこれほど膨大な国有林を持っていながら損をしている、こういう意見もあるのです。私は、そういう意見に賛成しませんけれども、(笑声)これは笑い話じゃなくて、どうかひとつ真剣に……。 重ねて申して恐縮ですが、日本は三分の二が山でありながら、北方から、あるいはアメリカから、あるいは南方から木材を買って家を建てるというのは、どこか政治にちょっとおかしなところがあるのじゃないかと私は思うのです。狭いですけれども、まだ山はたくさんある。山ぐらいは国の力で開発したらいいのじゃないか、こう思うわけです。これはお答えは要りませんから、御研究を願いたいと思う。 あとは法案について少しお尋ねしておきますが、第四条、これは農林大臣の仕事でありますが、農林大臣は、国有林野の活用について、その推進のための方針等について、「基本的事項を定め、これを公表しなければならない。」この「基本的事項を定め、」ということはどういうことを考えておられるか、これをひとつ御説明願いたい。
○片山政府委員 基本的事項の内容でございますが、われわれ現在考えておりますのは、大きく分けますと三つございます。一つは活用推進のための方針、二番目が活用の選定の方法、三番目がその他活用の実施に関する基本的事項、大きく分けますとその三つでございます。それについて簡単に御説明します。 第一点の活用のための方針というものにつきましては、第三条の一項の各号にいろいろあるわけでございますが、たとえば開拓パイロット、あるいは農業構造改善事業等々の、そういう農林省あるいは府県が推進しておるものを、具体的にその内容と相手方を明確にしてまいりたいということでございます。 第二番目の活用の選定の方法でございますが、これは活用の具体的の適地選定基準はどうあるべきか、それからそれを実施してまいる場合の申請あるいは調査あるいはそれを審議会にどういう形でかけるか、こういうものを明確にしてまいりたい。 第三番目の活用の実施に関する事項といたしましては、適正な円滑な活用がはかられるということを前提にいたしまして用途指定をやってまいる。その用途指定がもしそのとおり守られないというような場合には買い戻しの特約もする。要は、適正な土地利用をはかるということに対する基本的な事項を定めてまいりたい。 大体要約しますと以上のとおりでございます。
○瀬戸山委員 私がこの条文についてことさらに、どういう考えですかということを聞いておりますのは、これはいまの国有林野法でも前の国有林野整備臨時措置法でも、いわゆる活用と申しますか、利用することがいろいろ定められておったわけです。そういうことで、今度のこの活用法案に反対する人たちの意見の中に、現行法でも活用できるのだからこれはよけいなことだ、何か悪いことをするためにこの活用法案を政府・自民党は推進しておるのだというふうなことがこの文書にも書いてありますけれども、長くなりますから読みませんが、そういう意見の人もあります。現在の制度でできるじゃないか、こういうことを言われておる。 そこで、私がこの基本方針をどういう気持ちできめられるかということを、この際ことさらに確かめますのは、従来の国有林野法の一部改正でこういう活用、いわゆる部分林の設定、その他草地等いろいろありますけれども、あるいは国有林野整備法にも、一条にいろいろ国有林の利用のことを書いてありましたが、それでやってきた時代があるわけです。ところが、林野庁といいますか、政府といっていいのでしょうか、いままでの考え方は国有林を主体にし、国有林を温存することを主体にして、国有林の経営に不便なところ、そういう妙なところを利用させあるいは割愛しよう、こういうたてまえに立っておることは、長官は専門でありますからよくおわかりであろうと思う。 今度の場合は、それではいかぬのです。御存じのとおりに、林業基本法にも第四条一項、二項等に、積極的に活用するようにつとめなければならないというようにいろいろ書いてあります。問題は、そういう考えでこの四条の精神を生かすか生かさないかということだと私は思う。国有林をうまく運営するために、どうも場所がへんぴだ、あそこは何かこう少し出っぱっておる、ここは少し飛び地になっておるから、いろいろな点で非常にめんどうだから、こういうところは切り離してもよろしい、こういう従来の考え方に立っておりますと、軒先まで国有林があるようないわゆる国有林地帯では、意味をなさないことになるのではないかと私は思うものですから、項目はさっきおっしゃったけれども、四条の基本方針の姿勢と申しますか、それはどういうふうな姿勢でいかれるのかということをここで確かめておこうというわけであります。
○片山政府委員 先生先ほど御指摘のとおり、なかなか活用のできないところが国有林から放された、そういうことがあったじゃないだろうか、こういう御指摘があったようでございますが、確かに、反省いたしまして、終戦直後三十八万町歩ぐらいだと思いましたが、大量の所属がえをいたしたわけでございます。その段階におきましては、非常に大量であったことと、あるいは即時にやったというようなこともございまして、あるいは不適地が所属がえされていったということもあり得たのじゃなかろうかというふうに反省をいたしております。 最近におきまする農業構造改善事業等におきましては、十分な選定基準をつくりまして、それがりっぱに活用できるかどうかというものを十分お互いに話し合いまして、そして対処しておりますので、現在の利用、活用については、私は十分な、円滑な、そしてりっぱなことがはかられているというふうに考えておるわけでございますが、今後もそういう姿を法律の中で明確にいたしまして、そして推進してまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○瀬戸山委員 この点については、大臣の見解も承っておきたいと思います。私が言いたいのはこういうことなんです。従来の法律の考え方、国有林のいわゆる活用、利用の考え方は、こういうふうなことになっておるわけです。 前の国有林野整備臨時措置法、これは国有林野整備という法律ですからそうかもしれませんが、「孤立した小団地の国有林野」、「搬出系統の関係により現に孤立した施業を行なっている小面積の国有林野」、「民有林野との境界が入り組んでいるため経営に支障がある国有林野」といったように、自分たちのほうに都合が悪いところはやりましょう、たてまえはこうなっておる。こういうことでは、せっかく国有林野の活用法をつくって、先ほど申し上げましたように、山の中に暮らす人たちの生産あるいは生活の向上に資そうという法律の精神を、こういう態度でやられたのでは、意味をなさないということを私は思うのです。それを申し上げておるのです。 従来の法律は全部そうでありまして、自分たちの都合の悪いところはいろいろ利用させましょうということになっておる。この姿勢を根本的に切りかえなければならないのが、今度の法案提出の目的であるわけでありますが、農林大臣はどういうようにお考えか。これは大事な姿勢の問題です。
○長谷川国務大臣 私は、活用法というもは、売り払いが目的ではないと思う。いかに国有林を活用するかということでありますから、売り払いでなくて、貸し付けて高度利用をするということがその目的であってもよろしい、そういうふうに考えます。 さらに、わが国のようなこういうような細長い小さい国において、なるほど国有林野というものが三分の二を占めておる。それがためにわが日本という国は、水不足もなく生活ができ得る。この島国の中において十分安定をして生活ができるということをまず考えなければ相ならぬ、こういうふうに考えます。 そういう上に立って、国有林というものはいかに今後開発し、そして公益的に使っていくか、こういう問題でございますが、私の考え方は、まず国土をいかに保全するかということが第一条件でなければならない。そうして今日のような、たとえばいろいろ公害問題がたくさん起こってきております。御承知のように、わずか一万くらいの町においても、養豚を行なうこともできず、養鶏を行なうこともできず、あるいはまた牧畜もできないというような関係もございます。こういうような点について、国土というか、その山をいかに活用していくかというところにも考えを置かなければならない問題だろうとも考えるのであります。 したがって、私は今後、先ほどは来たばかりでわからなかったのですが、民有林の要らない土地があるならば、他に売り払う土地があるならば、どんどん国は買い入れて、そして国土の保全ということには重点を置く必要がある、こういうふうに考えます。また、奥地の開発等におきましても非常におくれておる。このままの姿によって国有林の——それは国土の保全ばかりじゃなくて、いかに活用するかという点については、国民から大いなる疑問を持たれておると思う。 もっとも考えてみれば、二十有余年前にあれだけの苦しい中に立って林野がいかに荒廃したか。それをわずか二十年間においてもとの姿といおうか、これが万全を期す姿になることはむずかしい問題だろうけれども、今後といいましょうか、現在においても、外国から輸入している材木がおそらく半分以上占められておる。したがって、いまこれらは外国から断わられているという実情もあります。こういうような点を考慮に入れて、今後発展していくわが国において、山林というものがいかに大きな使命を持っておるかということも考えなければならない。それには、大きな植林計画というものを立てなければならないということもあります。あわせ考えまして、国有、民有を問わず林野をいかに今後重要視し、そしてその開発と開拓に向かっていくかということが、一番大きな役割りだろうと考えるのであります。 したがって、ただいまわれわれは総合農政ということばを使っております。総合農政とは農業そのものばかりでなく、林野もしかりであり、漁業もしかりであり、合わせた中に立った総合農政の確立を期さなければならない、こういうように考えておるのであります。 したがって、ただいま御質問のような点につきましても、全くしかりと私も考えますので、今後はさらにそういうような点に重点を置いて、林野の行政を行なわしめたいと考えております。
○瀬戸山委員 いまの大臣のお答え、ここで論争する気はないのですが、大臣は途中から見えたのですから、抽象論としては大臣のお話けっこうなんです。後段のほうはけっこうである。それは一ぺんにはできませんけれども、全国の奥地を開発するのはぜひ国でやるべきだ。できるだけ国有林に編入して、買って、そして広大な土地を利用して森林資源を培養してもらいたい。大臣の決意を伺いましてけっこうだと思いますが、わが国の国有林があったから、国土保全がこうなったんだということになりますと、これはとんでもないことになりますが、抽象論としてはいいのですよ。 私はいままで、議論ではありませんけれども、国民の皆さんに知ってもらうために、ここでいろいろ申し上げてきました。国有林は北海道と東北と九州の一部、関東の一部にあるだけなんで、これで国を守ってきたのだということになると、中国地方はそれでは守らなかったのかということになりますので、それをあまり言わないほうがいいと思います。これは議論をするわけではありません。そこで、どうかそういうつもりで、従来のような立場でなくて、国有林を積極的に山の中の住民に利用させる、そしてその人々の、あるいはそういう関係市町村の福祉をはかる、こういうひとつ積極的な立場で、いわゆる基本的事項を定めてもらいたい、これをお願いするわけであります。 それから、もう一つ第五条、これが大きな誤解を生むもとになっておると私は思います。これについて、いま長官からもお話がありましたが、「買戻しの特約をつける等当該活用に係る土地の利用が当該活用の目的に従つて適正に行なわれるようにするための必要な措置を講じなければならない。」これが、全部そううまくいくのかどうか。いろいろなケースがあると思いますから、そう簡単ではないと思いますけれども、国有林の、これはいま大臣もおっしゃったように、活用であって、利用であって、土地を人に渡すのが活用法の目的ではありません。土地は渡さないで利用できるのなら、土地を渡さないで利用するのがいいことだと私は思っています。しかし、土地を渡さなければならない場合もあるわけです。いろいろな活用の項目がありますが、しかし、これにもありますように、用途をもちろん指定している。これは国有林野を、草地その他いろいろありましょうが、利用して、その土地の生産力を応用して、その地域の利便と申しますか、福祉をはかろうというのがねらいでありますから、もし土地の所有権を移した場合でも、その目的に反する、あるいは目的以外になったときには、これは国に買い戻す、よそに売ることは禁止する必要があると私は思う。 農地法の改正は、一応きのうで衆議院は委員会を通りましたけれども、私の考えでは、あの農地改革の一番の欠点は、分割してそれぞれ耕作者の自己所有に移しましたのを、それを所有権を渡しっきりにした。これは農業によって、国家のためにも、その農業者自身のためにも、大いにこれを活用してもらうためにああいう土地改革をしたのだと私は思う。ところが、所有権を渡しっきりで、そのあとの措置をしておらなかった。それで、その土地の生産力じゃなくて、土地そのものによって利益を得ようという、現代の非常な混乱の大もとを築いたのはそこにあると思う。でありますから、いまから言っても間に合いませんけれども、あの農地を全国の耕作者に分けたときに、農業をやめるときには国家に戻すのだ、もちろん憲法の規定がありますから、その際の適正価格で買い上げて、国以外には売ってはならない、こういう一項を設けておきますと、今日の土地問題、地価問題というものは、こんなぶざまなかっこうにはならなかったと思います。しかも、いろいろなそのほかの不正やその他が行なわれないし、国民の不満も起こらなかったと思う。これはそうなってしまったのでありますから、次善の策をとるよりほかにありません。 この国有林野の活用については、現にこの目的を逸脱し、この目的の活用がもう意味をなさない、こういうときには、国以外には売ってはならないという法律上の規定をして、間違いなく法律上その規定ができるならば——私はそこまで念を押しておかないといけないと思うのですが、これには、その措置をとるといわれますけれども、実際に障害やいろいろなことがありますから、そううまくいくかどうか、私はやや疑念を持っております。できることならば、活用しないとき、あるいは活用の目的を達したあと、あるいは活用する目的以外のかっこうになっているときは、これは国に戻す。もちろん、物価その他に変動がありましょう、あるいはそれに対していろいろ施設をしたということもありましょうから、そのときのいわゆる適正な価格、原価計算で国に売る、それ以外には売ってはならないという厳重な措置をとっておかないと、これは妙なかっこうにならないとも限らない。 これを世間の人は、たとえばさっき申し上げました共闘会議などのような、そういう黒い霧のためにこの法律をつくるのだなどということは、誤解、曲解でありますけれども、しかし、そういうことをいわれる余地がややあるのじゃないかと思う。私は、この際そこまで明確にしておかないと、敗戦後の農地改革の大失敗を再び繰り返すことになるという考えでございますが、こういう点についてはどう考えておられますか。
○長谷川国務大臣 ただいまいろいろ御説もございますように、今回の活用法案につきましてもいろいろ疑義を持って見られておる。これは、一応払い下げたものを転売して、そうして、あるいは黒い霧だとか青い霧だとかいわれるようなことになるだろうということを憂慮しておられる方々もたくさんおられます。 私は、ただいまの御意見のように、そういうことがあってはならない、すなわち、あくまで活用するのが目的であって、そうして土地の高度利用をしようという目的でございますので、ただいまの御意見等は十分尊重をいたして、そのような方途を開いていきたい、こう考えております。
○瀬戸山委員 そのような方途とは、どういう措置を考えておられるか。これは長官でよろしいですが、これは民法上の約束なんていったって、なかなかそううまくいかない場合があるかもしれませんよ。いろいろな場合が想定される。活用を大いにしなければならないが、しかし、それが別なほうに走っていってはとんでもないことになりますので、活用しないものは返せばいいです。ほかに転売など絶対許すべき性質のものではない。私は、要らない土地は全部国が買うべきだと思っているのでありまして、土地を個人の利益のために動かすということは間違いだと思いますが、その歯どめは、いまのところこの条文だけではどういうふうに考えておられるか、こういうことです。
○片山政府委員 ただいま大臣がお答えになりましたように、これは十分注意してまいらなければならない、その意味でこの条項を入れたわけでございます。 具体的には、第三者に売っていくというような場合がありとすれば、買い戻しの特約につきましては、登記も行なうということをやってまいるわけでございます。したがいまして、そういうようなものを通しまして、とにかく確実にその目的に達するように指導してまいりたい、こういうように思う次第でございます。
○瀬戸山委員 それよりも、どうですか、いま提案されたのですから、なかなかおいそれと簡単に返上できない事情もあるかもしれませんが、買い戻しをするような事態が起こったら、とにかく他には転売を許さぬとか、国以外には売ってはならぬのだ、こういうふうに明確にしておけば、登記料も要らぬし、めんどうくさくないのではないかと私は思うのです。こういうことをはっきりしておいたほうがいいんじゃないかと思うのですが、どうですか。
○片山政府委員 先生のただいまの御不安等に対しまする御忠告、十分検討いたして対処してまいりたいと思います。
○瀬戸山委員 もう終わりますが、参考のため聞いておきたいのは、この中に、「農林省令で定める」といろいろあります。省令で定めるのでありますから、そうむずかしいことではないのだろうと思いますけれども、この条文だけではわかりませんので、大体の考え方をこの席で明らかにしておいていただければけっこうだと思います。第三条にいろいろ書いてあります。 その前に、私が申し上げましたことに関連して、問題の基本をきめられるときの心がまえにやや関連があり、ちょっとどうかなと思うような条文の表現がありますので、これをまず承っておきたいと思いますが、第三条に、「農林大臣は、国有林野の所在する地域における農林業の構造改善その他産業の振興又は住民の福祉の向上に資するため、国有林野の管理及び経営の事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ、」これはえらい疑い深くて恐縮でありますけれども、念には念を入れておかなければ、この法律の意味がなくなるおそれがあるので、もう一ぺん言うが、「国有林野の管理及び経営の事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ、」これは国有林野を主体にして書いた条文じゃないかと私は思っておるのです。さっきくどいように言いましたけれども、前の国有林野整備臨時措置法のように、きれ端だけやりますという姿勢の片りんがここにあらわれているのではないかと思いますが、どうですか。
○片山政府委員 お答え申し上げます。 この「適切な運営の確保に必要な考慮」と申しますのは、林業基本法に書いてあるわけでございます。具体的に申し上げますと、先ほど大臣がおっしゃいました国土保全等公益的な機能、林産物の供給及び価格の安定の機能、さらに奥地未開発林の開発というようなことを十分考慮を払いながらやるということでございます。
○瀬戸山委員 私も、林業基本法に書いてあることを承知いたしております。ああいう法律をつくった時代の思想というものは、この国有林野活用法案の思想とは違った時代に書いた法律なのです。国有林野を主体として書いた法律ですから、全部そういう表現になっております。その表現をそのまま第三条に表現してありますので、私はどうかなという気がして念を押しておるわけなのです。さっき四条の基本的事項をきめられる農林大臣の姿勢はどうですかということを、くどいように聞いたのはそういうことでありますが、この四条の姿勢を本体として、もちろんいまの三条の必要な考慮——考慮せぬというわけにもいかぬでしょうから、これは従たる立場でひとつ考えてもらいたい。これを注文しておきます。重ねて申し上げますが、従来は、活用というのはきれ端を活用させるという思想のもとに立った、国有林野そのものを主体とした時代の法律の条文の表現でありますから、それをここにそのまま持ってきておるんだという、そう簡単なものじゃないと私は思うのです。どうかひとつ、お答えは要りませんが、さっき申し上げました四条の姿勢を中心にして、ひとつ今後の活用の実施に関する基本的事項をきめていただきたい、これをお願いしておきます。 そこで、もう終わりですけれども、省令ということばが三条にたくさんありますが、全部は言いませんから、そちらでどういうことを考えておるというお話をしてもらいたい。一号に、「農林省令で定めるものの用に供することを目的とする国有林野の活用」二号にも同じく、「譲渡をした者で農林省令で定めるもの」とあるのですが、どういう区別をするのかわかりません。それから三号にも、「農林省令で定めるものの用に供することを目的とする国有林野の活用」続いて「団体で農林省令で定めるもの」これは区別をされるわけですから、当たらぬものと当たるものとあるわけです。四号にも同じく、「造林及び保育、家畜の放牧又は養畜の業務のための採草で農林省令で定めるものの用に供することを目的とする」云々と書いてある。同じく四号の中にやはり「当該造林及び保育、家畜の放牧若しくは養畜の業務のための採草を行なう者若しくはこれらの者が主たる構成員若しくは出資者となつている団体で農林省令で定めるもの又は当該市町村」こういうふうにありますから、この一連の省令。もう一つあります。第六号に「農事組合法人、農業協同組合、森林組合、地方公共団体その他農林省令で定める者」この大事ないわゆる末端は「農林省令で定める」とありますから、これをいま考えておられると思いますが、この際ずっと順次解明をしてもらいたいと思います。
○片山政府委員 第三条の中に省令で定める事項が幾つかございます。順を追って御説明申し上げます。 第三条の第一号の「農林省令で定めるもの」これは先ほどもちょっと触れましたように、活用の対象となる事業として、国または県が積極的に助成を行なうそういう事業、したがいまして、具体的に申し上げますれば、農業構造改善事業であるとか、開拓パイロット造成事業であるとか、草地改良事業であるとか、そういうものを規定してまいりたいということでございます。 それからその次に、「農業生産法人、農業協同組合、地方公共団体その他農林省令で定める者」ということがあります。「その他農林省令で定める者」というものにつきましては、大体農業協同組合連合会、あるいは土地改良区、そういうものを指定してまいりたい、かように思うわけでございます。 その次に、第二号に林地を持っている人が農業のためにその土地を活用した、その代替として国有林を活用するというのがございますが、この場合に、その代替した対象としてどういう人を対象にするかということにつきましては、林業を経営しておったわけでございますから、それを農業に活用したわけでございますから、その場合に林業経営として非常にお困りになる、いわゆる小所有者の方、そういう方はお困りになるわけですから、そう人を対象にしてこれを明確にしてまいりたい、こういうことでございます。 それから、第三号の林業構造改善のための「農林省令で定めるもの」これは森林組合とかそういう協業体を指導しておるわけでございますので、そういうものを対象にしてこれを定めてまいりたいというふうに考えております。 それから、第四号の造林及び保育、家畜放牧または養畜の業務ということでございます。これに対して「農林省令で定めるもの」これは大体部分林とか共用林とか、そういうものを実は対象に考えておるわけでございます。したがいまして、そういうものに適当な団体、その構成、運営等に対しましては、一定の規約を定めてもらいまして、それに該当する団体を対象にして一応考えてもらいたいというふうに考えているわけでございます。 それから、その次の第六号の「農事組合法人、農業協同組合、森林組合、地方公共団体その他農林省令で定める者」これは山村振興計画に基づきます国有林野の活用でございますが、これにつきましても、先ほど御説明しました土地改良区、あるはい中小企業協同組合等を対象にして定めてまいりたい。 大体、以上のような考え方でございます。
○瀬戸山委員 どうも荒っぽい議論をして恐縮でしたけれども、これで終わります。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次回は明二十六日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二分散会 ————◇—————