農林水産委員会 第24号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/04/23
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 農林水産業団体に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、農林水産業団体に関する件、特に農業協同組合の管理、運営等に関する問題について、本日本委員会に、全国農業協同組合中央会常務理事安井七次君の出頭を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 安井参考人には御多用中にもかかわらず、本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。 ただいま本委員会におきましては、農林水産業団体に関する件、特に農業協同組合の管理、運営等に関する問題について調査いたしておりますが、本問題につきましては、参考人の忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、参考人の御意見は、議事の都合上、委員との質疑応答の形でお述べいただくことといたします。 ―――――――――――――
○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。柴田健治君。
○柴田委員 安井参考人には、御多用中おいでをいただきましてありがとうございます。私たちの考え方を率直に述べさしていただき、それにお答えを願いたい、こう思っておるわけです。ぶしつけな、失礼な点があろうかと思いますけれども、前もってお許しをいただいておきたいと思います。 今国会に農協法の一部改正法案が提出されましたことは御承知のとおりだと思います。それに関連して質疑を続けてまいりました。最終段階で、今日の農業協同組合の運営なり、管理なり、また経営の内容なり、こういう点で多々問題点がある、こういうことから私たちは論議を深めておるところであります。 特に、三段階制になっております今日の日本の協同組合の実態から見て、末端の総合農協なりまた専門農協、府県段階、中央段階、こういうことで、安井参考人も御承知のように、戦後いろいろ紆余曲折してまいりました協同組合の経過というもの、そうした背景は十分御理解願っておると思いますが、昭和二十四年にドッジ経済九原則が示されてデフレ政策をとられた。その時点で戦前戦後の産業組合、農業会、そういうものの不良資産を受け継いだ点もございますけれども、非常に農協運営が苦境に立ったことは御承知のとおりだと思う。そういう苦い経験を私たちはよく見て、体験をいたしておりますがゆえに、今日のインフレ的な通貨政策の中で、安易な農業協同組合の運営ということを考えたらたいへんなことになるのではないか、将来のことを考えて、われわれは一つの不安と心配を持つがゆえに見解を尋ねておきたい、こう思っておるわけです。 いま、私たちが問題といいますか、考えておりますことは、中央会が果たす役割りというものです。昭和二十九年の法改正で、そういう戦後の歴史的経過を踏まえて、全国中央会、府県中央会ができたその意義、そういうものについて、今日まで中央会の幹部諸君が最大の御努力をされた功績は認めますけれども、私たち外部から、第三者的な立場からながめておると、まだまだもの足りないという点がある、そういう考えを持つわけであります。これは見解の相違と言われればそれまででありますけれども、私たちが公正な目で見て、中央会の役割りというものは、法の精神から見て十分機能が発揮されておるかどうか、こういう点で、まず自信のほどをお伺いしたいと思うのです。
○安井参考人 中央会の果たす役割りを現在果たしておるかどうか、さらに将来にわたってどう考えるかという御意見のように承りました。 お答えをいたしますと、農協の役割りは、農民の組織を発展させて、組合員の経済的な社会的な地位を引き上げていくところにあります。この組織を土台にして、中央会の役割りは、法の七十三条の九で、組織、教育その他いろいろのことの指導をいたすということに相なっております。 そこで、それはそれなりに私は県の段階を含めて果たしてきたと思っております。しかし、十分であるとは考えません。しかしながら、問題は農村の事情が変わり、農家経済が変わっていく、それに即応した組織あるいは事業、そういう指導をやっているかどうか、ここのところは、私は今後十分考える必要があると思っております。事態に即応をいたすように、われわれはわれわれなりで組織の問題なり、事業活動の問題は進めておりますが、しかし十分でないことは、やはり認めざるを得ないし、同時に、農村の経済状態が非常に変化が目まぐるしい。これに対応するには、十分な今後の検討なり即応する対策が必要であろう、こう考えています。 しかし、一言で申し上げますならば、われわれは二年前の農協大会で、これらの事情を踏んまえて基本構想を立てております。これに即応する組織も考えております。それで農協全体が意識統一をして事業を進めるのが、いまわれわれの最も大きな役割りであろう、こう考えております。
○柴田委員 現状の経済の諸情勢の認識の上に立って、中央会が持っておる役割りとして、組合の組織、事業及び経営の指導、教育全般にわたって、組織運営の自主的な監査、そういう運営の内部にわたっての指導力を強めていく、そういう役割りを持っておることは、私たちもそういう点は理解いたします。そういう理解の上に立って判断した場合に、今日農協のあり方というものが、いま国民各階層からいろいろ批判が出ておる。これは率直に私たちも認めざるを得ないのではないか。 それはなぜかというと、協同組合、協同主義というものの本質、そういうものからいえば、一般の民法上できておる法人組織の株式会社、そういう株式会社とは違って、やはり相互援助、相互協力という共存共栄という立場で、お互いの組合員同士の社会的、経済的地位の向上をはかっていくという一つの組織的な任務というものがある。そういうことから考えて、協同組合、協同主義の大原則というものは営利主義をとってはならない。非営利主義であり、最大奉仕主義でなければならぬ。こういう原則がくずれてはいけない。 しかし、いまややもすればそれがくずれている傾向がある。どちらかというと半ば利潤追求というか、利益優先というか、もうけたらいいんだ、もうけなければやっていけぬではないかという、独立採算制といいますか、そういう考え方が半ば支配しておるのではないか。協同組合の非営利主義、最大奉仕主義、こういう路線から、幹部諸君の認識が少しはずれておるのではないか。これは認識の問題ではないか、こう思うのですけれども、そういう点で世の各階層から批判を受けて、御承知のように農林省のほうがこういう――お手元にもらわれたらいいのですが、こういう経営の内容ですね。 結局、生産農民の直接生産に関連のない、間接的にあるといえばあるような事業がたくさん行なわれてきたということ。ホテル事業もやり、不動産売買事業もやる。農協の役員がそういう別法人をつくって、別の人格を持つ会社組織をつくって、それに重役に入っておる。農業が曲がり角に来た、農業の危機だといわれながら、農協の役員が全精力を集中して、農協の運営に当たらなければならぬのに、役員がそういう方向へ加わっていくという幹部のものの考え方というものが、私はみんなから批判を受ける一つの原因になっておるのではないか、こう思うのですが、そういう姿が正しいものかどうか。農協中央会のあり方として、指導性を強めていく内部的な強い機関である中央会の立場からいって、そういう役員の行為というものが正しいと思うかどうか、その点の見解をお聞きしたいのです。
○安井参考人 原則を離れて営利主義になっているのではないかという御指摘のようでございますが、全体としてそうなっておるとは私は考えておりません。しかし、一部ないとも申し上げかねます。 そこで、問題は農村の事情も変わり、組合員の経済も変わり、したがって農協の事業範囲が拡大をいたしましたために、往々にして何でもかんでもやり、営利主義におちいっているのではないか、そういう考え方を持たれる方も多くなったのではなかろうかと思いますけれども、組合員の経済活動をやっておるところでございますから、間口が広くなることもやむを得ないと思います。 具体的に、ホテルを経営しているというお話がございましたけれども、いまお話しのように第二会社として、組合員の福祉事業として、健康の問題として、普通の営業並みのホテルでは組合員では入れませんから、安くしたそういうものを施設しておるところがございます。しかし、出資を要しますから、総会等で十分組合員の意見を聞いて、同時に積み立て金等の長期資金の運用の観点からも考えて、そういうことに相なっておると思います。その内容を見ますると、一、二のもの以外は、必ずしも営利的な利益をあげていないのではなかろうか、さように考えております。
○柴田委員 私は、安井参考人の実態調査が足らぬのではないかという気がしますが、これは一つの例を申し上げたので、その他冠婚葬祭、美容院、あらゆるものをやっておられますが、営利主義に立っていないと言われるのですか。ホテルのごときは、六千円も七千円もの宿泊料金をとっているところがあるのですよ。この点は、各地の料金一覧表くらいは、中央会の幹部は常に目を通して、内部指導を強めていくという自主監査というか、自主的な監督を強化していく立場から、常に資料を集められて勉強せられたほうがいいのではないかという気がいたします。これは、今後十分そういう点は御検討を願いたいと思います。 それから、時間がございませんからいろいろ申し上げますが、それならなぜ不正事件が起きるのか。結局、職員がつい使い込みをするとか、少しどうしたとかいうのは額が小さい。役員が不正事件を起こすのが額が大きい。この四十二年度だけを見ても、一人頭の役員の不正事件の被害金額は一億五千六百九十四万二千円も出ておる。これは何を意味しておるか、何で不正事件が起きるのか、もうけ主義になっているからですよ。ある程度利益を上げよう、資金運用の面でうまく効率的にやって利益を上げようということが半ばねらいにあって、こういうことがたまたまひっかかったのではないでしょうか。これは利潤追求か、利益優先という考えが幹部のどこかにひそんでおるのではないでしょうか、こういう不正事件を起こすのは。この点どうですか、安井参考人。
○安井参考人 先生のおっしゃいましたように、不正事件が、件数、金額とも毎年ふえてきておりますことは、申しわけがないと思っております。 そこで、全中といたしましては、いま御指摘のような、なぜそういう事態があるのかというところを、件数等を調べてその対処策を考えておりますが、やはり役員のところ、それから首脳職員のところ、その仕事に長く職員がおるところ、そういうところに問題が発生しておるようであります。と同時に、信用事業、このところに多いようです。 この対策としては、やはり何といいましても、根本的には役職員の自覚の問題であろうと思います。先生御指摘のようなところもあるかと思いますが、やはり組合原則に立っての、組織としての職員、役員の自覚の問題、次は管理体制、牽制作用等の仕組み、また、どういってもやはり誤って間違いを起こすということもありますから、監査体制を強化する、われわれはこの三点を中心にして、監査体制の場合には昨年から三カ年計画で、三年目には監査員を約倍にして、一年に一組合は、役所と同時に、地方庁と同時に全部やれ、そういう仕組みでいま進んでおります。
○柴田委員 いまの御答弁の内容は十分私は理解します。今後の取り組み方として監査機能を強化して、国または府県の行政機関とタイアップして監査を強めていくというそういう考え方はいい。 ただ、私が御指摘申し上げたのは、この不正事件が起きる原因というものは、ただ役員の人の問題であるとか、またその職に長年勤務しておるからというのじゃなくて、自分の金ではないんだ、組合員の金であるのをうまく運用して、もうけてやろうという利益優先主義があったのではないかという点を私は尋ねておる。利益優先主義というか、何としてももうけていこうというそういう安易な考え方があったのではないか、こういう点をどういう分析のしかたをしているのか、不正事件の内容の分析のしかたが問題なのです。その点お尋ね申し上げたのです。利益主義に立っていないと先ほど御答弁をされたのですけれども、こういう不正事件を一つ取り上げてみても、どうも利益優先というもの、利潤追求というものが、頭のどこかにあるから、不正貸し付けをしたり、定款以外の、きめられた貸し付け限度額以外に金を貸すとか、土建会社に金を貸すとか、何とかしてもうけてやろうという、資金運用だけの問題ではなくして、もうけようという気持ちがあったかどうかということにわれわれは関心を持っているわけです。そういう点の一つの解明がないというのは、中央会の常務理事としてはどうかと私は思うのですが、この点どうですか。
○安井参考人 その点は、十分なる調査はもちろんできておりません。先生のおっしゃるのは、個人的な利益追求、利潤追求、それから組合としての経営上の利潤追求、それから正しくないと心得ながらやった問題、知らないでやっている問題、深みへおちいった問題、それらに分かれるだろうと思います。農協全体が利益追求のために不正事件を行なっているとは考えておりません。
○柴田委員 この問題は、内部矛盾として、今後ひとつ御検討を願いたい重大な問題だと思います。 もう一つは、自己資本と固定資産との関連なのですが、いまはインフレ的な通貨政策ですから、固定資産のほうが自己資本より少々ふえてもそう表面にあらわれてこない。けれども、これがデフレに方向が変えられた時分に――組合の自己資本をオーバーして固定資産をふやしておる組合がたくさんある。この点についての指導、今後の中央会がそういう面においてどういう役割りを果たしていくかという、そういう取り組みの姿勢をひとつ伺いたいと思います。
○安井参考人 御指摘のように、自己資本の不足は農協全体として認めています。そこで、一昨年の農協大会で自己資本造成に取り組むことにきめまして、昨年から農協の自己資本造成の運動に入っております。 御承知のように、現在農協の自己資本は一千四、五百億と思います。かなり財務処理基準令に達しないものが多いのですが、今後流通施設等を考えますと、先生御指摘のような必要がさらに生じますので、この運動の目標としては一組合員五万円――現在は大体二万円足らず、ところによっては、北海道のようになりますと五万円ほどになっておると思いますが、全国的に見れば二万円足らずのものです。それを全国的に五万円程度にして、総額三千五百億円。そういたしますと、われわれが計算いたします場合に、三年後ではやや財務処理基準令にひっかかる組合が少なくなる、そうしてかなり見込まれる施設も、流通上、生産上の施設もそれでやれるのではなかろうか、こういうことで、いま第一年度を終わりましたが、第一年度は第一年度でかなりの効果をおさめておると思っております。
○柴田委員 私たちが一番心配しておるのがその点です。もう一つは固定資産への投資の問題ですが、やはり農業協同組合は生産協同体なんです。その生産協同体として生産から販売、それから消費者に至るまでの流通の面の全部に任務、役割りを持っておるわけですから、その点に力を入れていかなければならぬと思うのです。だから、生産に必要な固定資産の増加ならわれわれは認めざるを得ないけれども、生産にえらい関係のないような固定資産をふやすような運営のあり方というものについては、中央会はもっときびしく監督を強める必要があるのではないか。そうしないといろいろな弊害が出て、他の中小企業者との摩擦が起きて、お互いに共存共栄という立場でやっていかなければならぬのに、中小企業、零細企業というのとけんかをしてまで他の施設をふやしてどんどんやる。一方では、固定資産がふえてくると自己資本とのバランスが破れて、アンバランスになってくると出資金の増額だ、これは財務処理基準令でこうだということで、罪汚れのない農民にぶっかける、こういうことになりますから、やはり地域社会全体のことを考えて、農業協同組合が果たす役割りというものをある程度明確に指導していかなければならぬではないか。 その明確の線というものは、これだけ経済が複雑化してき、世の中が多様化してきたから非常にむずかしい問題ではあるけれども、やはり農業協同組合の任務というものは明確にする必要があるのじゃないか。だから、生産即販売に至るまでの施設、こういうものについては、たとえば選果場をつくるとか、集荷場をつくるとかなんとかいう、そういう生産に必要な、組合に必要な施設の固定資産をふやすのは理解できます。けれども、何でもないことでいろいろなものをつくっていくということは私は疑問がある。この点の線をどこで引くか、それをどこで指導を強めて是正さしていくかということなのですが、この点についての見解をひとつ……。
○安井参考人 御指摘のように、この自己資本造成運動を起こしますときに、生産、流通の対策が必要で、いかなるものをその県ではつくるか、組合ではつくるか、団地を中心に具体的に考えて、それに所要する資金造成、それを考えております。いわゆるわれわれの基本構想の一環として昨年から取り組んでおるわけです。私は、これで自己資本の造成ができると思っておりますが、さらに考えますのは、これとあわせて組合員の生活設計、これとあわせてむだなく運用するということを考えたい、こう思っております。そうなりますれば、いま先生おっしゃるように、農協もむだなところへは投資しないし、総会も認めないでしょう。そういう方向に進んでいきたいと思っております。
○柴田委員 私、今度の不正事件や、現在の農協の運営管理をずっと見てまいりますと、組合の中にどこかに欠点というか、欠陥があるんではないか。その欠陥の早期発見というか、そういうものを常時見つけ出すのは、その役割りを果たすのは中央会ではないか、法の精神からいっても。それから、中央会はなぜつくったか、そういう点からいっても、中央会がそういう欠陥を見出す役割りをする一つの重要な機関である。それだけに、われわれは中央会にそういう期待感も大きいわけです。期待も大きいわけですから、中央会の現状の機構、人員、給与、そういうものについて万全な対策が、府県を含めて中央会では立てられておるのか。 それから連合会では、県段階から以上の職員給与ばかりでなしに、末端の単協の職員の給与に至るまで、どうやって指導強化というか、中央会が指導して給与の平均化というか、均衡をはかっておるのか。まだある組合では低いし、ある組合では高いしというアンバランスがあるんではないか、バランスが破れておるんではないか、こういう考え方もわれわれ持っておるわけですが、そういう機構の問題、人員構成の問題です。 それから、要するに管理の面からいうと、役職のポストをたくさんつくっておる。これは、府県段階はたくさんできておるようですが、単協のほうはまたそれに準じ、課長制、部長制、たくさん管理体制を強化する。意味はわかるんですが、あまりにも役職員が多過ぎるというか、役付が多過ぎるというか、そういう面から、そういう機構いじりでポストだけをたくさんつくっていく、そういうことに力が注がれて人を使うというか、職員のチームワークをとるのにある程度欠けておるんではないか、こういう気もするわけです。これは見方によりますけれども、そういうことで機構なり、人員なり、給与なり、この問題について、中央会としてはどういう考えをもって今日まで指導してこられたか、今後どういう方法でそういう点については取り組んでいかれるのか、見解をお聞きしたいと思います。
○安井参考人 お話の資料をきょうは持ってまいっておりません。全国的な人員、給与、そういうものはあとでお届けをいたしたいと思いますが、あるいは農林省にあるのかと存じます。 そこで、考え方ですが、中央会からいたしますと、これは単協、県の段階、われわれの段階、一体活動を必要といたしますから、機構は全国的に見てどうあるべきかというところで研究をいたした結論を出して、それで、各県がそれを基準に機構をつくるようにお願いをいたしております。ただ、県の大小、それから経済事情、それらで必ずしも統一をされておりませんが、一貫性を持つようにやっております。 賃金は、私ここでお答えする資料もありませんが、おおむね地方庁、そこを目途に進んでおりまして、これも大小さまざまです。地方によって違うようです。単協の段階になると、一様に私は低いと思っています。大型合併農協は、最近非常に伸びてきております。これが現状であろうと思います。 これは、先生御指摘のとおりに一体化活動ですから、それらの条件を含めて、全国的にできるだけ統一をしたい、こういうことで考えております。
○柴田委員 まあ私は、そういう人の問題で、特に先ほど申し上げたように、今後気をつけてもらいたいことは、たとえばある農協の理事が、農協も出資しておる別の法人に役員で入っていく、こういうことが起きておるのですね。そういう場合に、そういう法人組織に役員は入ってはならないという規定はないけれども、その農協を今後どう発展させていくかということを考えた場合には、エネルギーを分散させるということは好ましい姿ではない。ただ職員を出向させることは考えられるけれども、役員が出向いていくというようなことは、私はどうかと思う。役員がそういう別法人の重役として入っていく行為は、中央会としては好ましいと思われるか、いたし方がないと思われておるのか、今後は直すべきだと思われるか、その点の見解を聞いておきたい。これは人の問題と関連して、職員ばかりの人事でなくて、役員の問題についても、あわせて今後の考え方を聞いておきたい。
○安井参考人 おっしゃいますのは、兼業を禁止するというお考えじゃなかろうかと思います。この問題はいろいろ意見がありまして、私は、いまどちらがよいかきめておりません。
○柴田委員 私は、中央会がまだ何とも考えていないというのはどうもふに落ちないのですが、結局中央会の果たす役割り、任務というものは、やはり農協の運営管理、全体の指導性を強めていくという役割りを持っておるのです。組合員の教宣活動も経済活動も、それは農政活動の中で指導することはわかっておりますけれども、組合という組織の強化と組織運営の合理性、近代化、こういう面から考えて、指導をする役割りを持っておる中央会ですね。その中央会の幹部の皆さんが、そういうことについて検討もせられないということは私はおかしいと思うのです。これはおかしいと思うのですよ。それで、国会で一つこういう問題が提起されたのだ、役員会でそういう問題を今後検討して、どちらか方向を打ち出してもらいたいと、こう私は強い意見を持つのですが、この点については、中央会の幹部会にでもかけて、将来の農協運営のあり方、こういう立場から、兼職の問題についてはどうあるべきか、あるべき姿というものを私は検討して打ち出すべきじゃないか、こう思うのですが、今後そういう点については、役員会でも検討される御意思があるかないかを聞いておきたい。
○安井参考人 私が申し上げましたのは、兼業禁止をしてよいという考え方もありましょう。ところが、これは組合員の意思を受けて、重要なる第二会社だから、会長が兼務をしながら見なさい、これも組合員の意思である場合は、それは尊重しなければいかぬ。これは先生もよく御承知のとおりだろうと思う。われわれが頭の中で兼業禁止を考えてみたって、組合員の意思をはねのけてそれでいくということには、こういう組織には非常に困難性があると同時に、矛盾があると思います。やはりこのところは、組合員の意思と兼業禁止とどうかみ合わすかということをわれわれはいまきめる段階に来ていない、問題ではあるけれども。したがって、ここで理事会にひとつ提案して、直ちにどうという考えは持っておりません。もう少し模様を見たいと思います。
○柴田委員 これはまあいずれ農林省の考え方も聞かなければなりませんので、日を改めて聞きたいと思うのですが、中央会に国も県も助成をしておるのですから、金を出しておる農林省がそういう考え方でどうとられるか、中央会だけに私たちがお尋ねを申し上げても結論が出ないと思いますから、将来この問題に対しては、中央会の独自の立場で検討してもらいたいという一つの問題点として提起をしておきたい、こう思います。 次に、私は今日の単協の実態から見て、今度の法案で請負耕作ができるということで法の改正を急いでおるわけですけれども、この請負耕作について、中央会の受けとめ方、それはほんとうにやれるのかということは、人員の問題、労働力の問題、また技術の問題、この三本の柱がはっきりしないと、これはなかなかできにくい問題だ、こう思うのです。 今日中央会、農業団体が、いまの農村の出かせぎの状態、出かせぎをどう踏まえてこれに取り組んでおるのか。いま、東北はもちろんですが、大都市付近に近距離の出かせぎ、遠距離の出かせぎ、長期の出かせぎ、短期の出かせぎ、いろいろ分類すると種類はたくさんございますけれども、しかし、出かせぎをしておることは間違いない事実なんですから、農業団体が、中央会が、独自で指導性を発揮して、この出かせぎの実態くらいはつかむようにひとつやったらどうか。それと取り組んでおられるのかどうか。そして取り組んでなければ、今後どういう方法で取り組んでいくか。各府県別なり出かせぎの実態をある程度つかまないと、実際の営農方式というものは計画が立たないのではないか、単協自体において。一年三百六十五日、ただ自分のところで五反なら五反つくっておって、あとはもうほとんど出かせぎをしておる、そういう農家を今後どう転換さしていくのか。それを中心に、いま五反つくっておっても、この人間には専業農家としてやる力もあるし、これは出かせぎをやめさして農業専門にやらしたらどうかという、そういう出かせぎの農家もあるわけです。これは将来どうしてもだめだ、これは専業農家にはならない、そういう農家は方途を考えて転業してもらうとか、そういう実態をつかむには、やはり今日の農村の出かせぎの実態、労働力の関係というものを調べないと、総合農政なんといったって、これは、基本的なものを調査しないと、そういうものを分析しないと、私は成り立ってこないと思うのですが、この点について、農協中央会はどういう構想を持っておられるのか、見解を聞きたい。
○安井参考人 お話の調査はいたしておりません。今後どうするかは十分検討いたしたいと思っております。 そこで、それらに関連をする将来の考え方は、われわれのほうでは、当分兼業、そういうところから自立農家へとゆるやかに進んでいくのではないだろうか、そうして十年後、われわれはこれを世代交代期と考えておりますけれども、かなり農村の世代は交代して、じわじわと兼業農家が離農に進んでいく、十年後にはかなり変わるであろう。そこへいくまでに営農団地造成、基本構想の中にあります集団生産組織、それで進んでいって、自立農家造成のところへ進んでいったらどうだろうか、こう考えております。 そこで、それに対応するために、われわれは、基本構想なり営農団地の造成なり、今度御審議をいただいております農協が組合員の委託を受けて農業経営をすることが一番よいのではなかろうか。 そこで、いまそういうことをやっておりますのは非常にたくさんございます。しかし、これは技術信託、作業の受託の形でいまやっております。今度の法律が通りますれば、営農の受託のところまで、農業経営全体の受託までやるわけでありますが、私は十分でき得ると思っております。非常に大きな問題でありますだけに、そこへ進んでいくことはまた十分慎重にやりたい、こう思っております。
○柴田委員 十年先のことを安井参考人は言われたのですが、十年先まで漸進的に取り組むという考え方も、それは一つの考え方としてはわかりますけれども、当面、こういう現行法規を改正して直ちに作業をやるということになりますれば、やはり技術体系の整備、また機械器具の整備、労働力の問題、こういうので、安井参考人いま農協の当面の最高責任者だから御承知されておると思うけれども、農業協同組合が生産から販売という役割りを持っておりながら、販売、加工というものは全然考えてないのですね。ただできたものを売るというだけで、その売る問題についてもあまり力を入れてない。現在、長い歴史を持ってきたその機構の中へ送り込んでいく役、そういう役割りだけであって、要するに流通の改善の役割りは、いま農協としてはあまりできてない。それから加工の面においてもあまり力を入れてない。農民はただつくるだけの役割りをしている。つくって出したら、あとは全部今度は消費者生活になるわけです。要するに、農産物の加工というものにもっと力を入れるべきではないか、こう思うのです。 いま、私は農協を回ってみて一番おそれ入ることは、農協がコカコーラを売っている。バナナを売っている。バナナを売ったりしなくてもいいんです。日本の農民がつくるリンゴでもブドウでも売ればいいんです。バナナをわざわざ農協が売らなければならない理由がわからない。コカコーラをなぜ売らなければならぬか。牛乳を売ったらいいじゃないですかね。コカコーラの弊害というものは、どれだけ弊害があるか。あれをあまり飲むと、糖尿病がふえるのですよ。医学のことは別として、要するに即消費者だから、組合員の嗜好に合わして売ったらいいんだというのでなしに、やはり生産から加工、販売という、消費者ということに関連して、農協の経営、運営については、そういうきめのこまかい指導も必要じゃないかと私は思うのです。それで、やはり農協が労働力を確保するためには、農産加工にも力を入れていく。そして出かせぎをしなくて、やはりAならAの町村のその出かせぎの労働力をどうその村にとどめていくかという、ただ耕地の拡大で経営に参加するのでなしに、加工場でも参加をしていく、農村の加工場にも参加をしていく、そして労働力を確保していくという方法も、一つの方法論としては考える必要があるのじゃないか、こう思うのです。 この点について、十年先のことを私は聞くのでなしに、今日から労働力の問題というのは真剣に取り組む必要があるのじゃないか。だからその点について、私は中央会はもう少し綿密な調査をする必要があると思う。ただ役所に、農林省にまかしておけばやるのだとか、指導を強めればできるんだとかということではなしに、中央会はそこまで心を配って、農業協同組合の運営、管理なり機能を充実するように指導性を発揮すべきじゃないか、こう私は思うのです。見解をお聞きしたい。
○安井参考人 米麦以外はいろいろ加工にも手をつけ、販売もやっております。加工の問題も、たとえば中央機関では、御承知のように集配センターに付属するそれぞれの加工施設を持ってやっております。ただ、全体として少ないじゃないかという意見には、私も同感でございます。 ただ、加工事業は、先生も御承知のように、よほど規模の大きさを考えませんと、大体失敗をいたしております。失敗にこりて単協ではやらない、県の段階もなかなかやりにくいというのが実情であろうと思います。しかし、勇敢にやっております。今後、この点は十分検討させてもらいたいと思います。
○柴田委員 最後に、わざわざ来ていただいて、苦言を呈したり、かってな意見を申し上げました点はお許しをいただきたいのですが、とにかく農業協同組合が、今後元気を出してやってもらわなければならぬ点がたくさんございます。しかし、今日の農協の購買事業、販売事業、生産事業、加工事業全体を含めて判断した場合に、率直にいってどちらかというと売らんかな主義におちいっておる。何でも売ってもうけさえすればいいのだという営利主義の方向に走っているのじゃないかというのが、大体万人の認めざるを得ない点ではないか。それは中には優秀な農協もございます。優秀な農協もございますが、ややともすればそういう営利主義に走っておるのではないか。昭和元禄のムード、レジャームードに酔うて、営農を忘れて、どちらかというと購買事業に力点を置いている。これは組合員へのサービスだといって割り切ってしまえばそれまでですが、やはり員外利用の区分というものはまだ明確になっておるわけですから、そういう点の違反のないように、他から誤解を受けないように、農協のほんとうのあり方というものを、今後中央会が良心に従って指導的な役割りを十分果たしてもらいたい。 苦言を呈しまして、失礼な点はお許しをいただきたいと思いますが、どうもありがとうございました。
○丹羽委員長 神田大作君。
○神田(大)委員 非常に時間がないところでありますが、せっかくのおいででございますし、今後農協は、この法改正によって営農指導、委託経営をやらなければならぬというような重大なことでございますので、私から、このことと関連して二、三について御質問申し上げます。 まず第一に、営農指導体制が、いまの単協にいたしましても、あるいは県段階、中央会段階等におきましても、実際に営農を指導したり、あるいは委託するだけの準備が私はできていないのじゃないか、こういうふうに考えます。今度の法改正の重点は委託経営をやるということでございますが、これに対しまして中央会はどのような準備と、今後これに対する指導を行なうつもりであるか、お尋ね申し上げます。
○安井参考人 営農指導員は、現在一万四千五百人ほどおります。おそらく一組合二名くらいおりましょう。そうして、さらにこれを強化して進んでいきたいと思います。 それから当面の問題農民の委託を受けて農業経営ができるかどうかは、先ほど申し上げましたが、現在技術信託という名前で、経営全体の受託ではありませんが、もちろんこれは現在の農協法では許されておりませんが、許されておる技術信託、作業の受託ですね、これはずいぶん行なっております。かなりの成果もおさめております。先ほどお話しのありました労働力不足、それから、各農家が一々農業機械を買っておってはたまらぬ、そういうところからそういう傾向がふえて、事実行なっておりますから、これをさらに具体的に、作目の基準から、どれだけの反収をあげてどれだけの経費をどうするかというこまかい営農指導、経営受託、そこへ入っていくことになりますが、その点は、私は経験から見てやれる、やらなければならない。しかし、きめ方は慎重に、十分単協の方と協議をしてやればやり得るという確信を持っております。
○神田(大)委員 われわれも、日本の農業の大きな転換期にあたりまして、農協が営農経営に乗り出して、これを合理的に、しかも近代化して、農業の今後の行き方を示すことは非常に大事だと思うのです。やれるというようなことでありますが、やれるかやれぬかは今後の問題といたしましても、これはやらなくてはならない準備体制、これを私はぜひ本腰を入れてかかってもらいたい。そのためには大型の機械化、あるいは機械の共同利用とか、そういう点においては、基盤整備の問題もありましてだいぶおくれておる。諸外国に比較すれば問題にならぬほどおくれている。これが日本の農業の隘路になっておるのであるから、それを大きな力を持っておるところの農協組織が、計画的にしかも合理的にこれを取り上げることができるかできないかが、今度の法改正の骨子にもなるから、この点をひとつ本腰を入れてびしびしやって、諸外国等にひけをとらないような農業の近代化を進めてもらいたいと思うのです。安井さんはそういうお覚悟であれば、それ以上は申し上げません。 次に、いままで農協のあり方を見てみますと、私は大臣にも質問したのですが、どうも大企業の製品をただ受け売りしているとか、あるいは農産物を市場に送るだけである。こういうことじゃなしに、単なるそういう購買、販売というようなことでなしに、やはり、先ほどもちょつと質問があったように、もっと加工とか利用とか、そういう単協や県段階ではやれないようなことを全国段階等においては取り組むべきである。そうしなければ、三井や三菱でつくったものをマークだけ変えて農協の製品だなんといって売って、しかもマージンを相当高く取つて、市場の製品と比較すると何ら安くないというような批判を受ける。特に、農薬等におきまして、そういう批判が多い。農協で売ってる農薬は高いのではないかということを、われわれ末端におりましてしょっちゅう聞いている。それはどこに原因があるか。それはいろいろ原因はあるでしょうが、そういうような問題について、購買、販売ということ以外にもっとしなければならぬ問題がたくさんある。加工方面においても、利用方面においてもある。あるいは大企業を牽制するような施策をとらなければならぬと私は考えておる。それでなければ意味はない。何も大資本のもっこ持ちをいつまでも農協はやっているべきではないと私は思う。そういう点についてどうお考えになりますか、お尋ねしたいと思います。
○安井参考人 ここで、私は仕事のやり方を多少申し上げたいと思いますが、全購連の購買事業、それから全販連の販売事業、それから中金、信連がやっております五兆円運動にいたしましても、決してばらばらにやるのではなくて、先ほどから申し上げました農協全体で立てておる基本構想の中で、その角度から購買事業はどうあるか、販売事業はどうあるか、貯金の吸い上げはどうすべきか、それらをきめてやっております。したがって、売らんかなというものとは、総合的に見まして私は多少違いがあるように思います。違いがあると私は確信を持っております。 そこで、大企業の受け売りというお話は、外観上そういうぐあいに見られても私はやむを得ないかと思いますけれども、いまの都市の消費者が無防備に近い購買状態から見れば、農村の消費物資、生産物資の購入は非常に防衛をされておる。それが全体運動として大メーカーと、たとえば、皆さんにこれから御審議をいただきましょう肥料新法等、大メーカーとの価格の協議決定としてありますように、大都市に比べてわが農村の組合の消費者防衛の対策は、私はこれは認めていただきたい。 そこで次に、先ほど先生もおっしゃいましたが、一番手がおくれておる加工事業、食品事業、これは、私もこれから十分検討して、その規模を考えながら拡大強化すべきだ、こう考えております。この点は先生おっしゃるとおり、十分そういうところで進みたいと思っております。
○神田(大)委員 次に、最近単協の役職員の給与と、県段階の給与と、中央段階の給与が格差があり過ぎる。なぜあり過ぎるかというと、やはり手数料といいますか、マージンといいますか、そういうものが不均衡である。これはぜひ是正しなければならぬと思うのです。しかも、中央段階においては、農村の実情もよくわからぬようないわゆる官僚化の傾向が強い。一番末端で働く農協の役職員が苦労して、しかも給与も少ない。ところが、中央においてはこれをさばくペーパー作業をしておりながら、比較的待遇がいいというようなことに対して、末端からの不平不満が非常に強いですね。これはひとつ中央会あたりで、ぜひこの段階で是正すべきである。働く者が貧乏して遊んでいる者が豊かになる、そんなことは協同組合の精神に相反することであって、私は、この問題は徹底的に是正してもらいたいと思うのです。 そのためには機構、組織の問題、これにもやはり手をつけるべきであるが、私は、単協の無制限な膨大な合併は賛成しません。五千人とかあるいは一万人とかいうような合併をやっておりますが、こんなマンモス単協をつくってうまくいくわけがない。人間の能力には限度があるのでありますから、組合長にいたしましても、あるいは専務にいたしましても、これらの統括する能力には限度がある。そういう意味合いにおいてマンモス的な合併じゃなく、ある程度適正な合併はやむを得ないでしょう。しかし、そういうように末端の合併を推進しながら、中央段階、県段階においては、何らこれに対して努力をしておらない。こういう点においても、私は改善すべき点があろうと思いますが、これらの給与関係、マージン関係、手数料関係等は、詳細あとで資料がありましたらお届けいただければ幸いだと思います。これを一つお願いすると同時に、これらについての安井常務のお考えをお伺いしたいと思います。
○安井参考人 御指摘のような情勢が窮迫をいたしております。といいますのは、大型農協ができましてから、簡単にいいますれば、県の段階は荷物を軽くしていいのではないか。そこで、事業の合理化、事務の合理化あるいは手数料の問題、そういうところに発展をしてきておりますので、一昨年から一年半ほどかかりまして、単協の意思を反映させるその立場から見た系統の事業はどうであってよろしいか検討を続けてまいりまして、結論が出ました。 結局、この際合理化を急ぐべきだ。具体的に、手数料を合理化の線で幾らにするかは当事者同士できめろ、また、いかなる仕事をこの段階ではずすか、そういう合理化も十分当事者同士でやりなさい、全中が相談に乗りましょう。それから発展をいたしまして、大型農協と全国連との問題ではない。御承知のように大型農協は、われわれの意思が反映しないから直接全国連に加入をさせろといっておりますが、しかし、それより先にいまのを検討して、段階を一段階はずすのがいいかどうかは次の結論にして、おのおの段階の機能分担のあり方、これを検討して、それから組織問題に入りましょうという研究会を一年やって、私は過日の理事会で申したのですが、これはもう農協全体として考える問題だ。そこで、全中の定款上定められてあります総合審議会で、事務の合理化、単協の意思の反映する事業のやり方、それに関連するマージンの問題、それはいかにあるべきか、それからそれがだんだん発展いたしますと、現在の組織三段を認めるにいたしましても、事業二段的な方法もあるのではないか、農協全体の意向としてきめて実施に移したい、こういうぐあいにいま進んでおります。先生お話しの資料は、われわれのほうで調査をいたしましてお届けをいたしたいと思います。
○神田(大)委員 そういう話でございますから、私は最後に、非常に重大な段階に来ておる日本の農業をどのようにして近代化し、合理化するかという問題、いま言った農協自体の合理化、近代化の問題、これをやらなければ、単協にしてもあるいは大型の農協にしても系統を離れます。これを離れるということになりますと、これは農協組織といたしまして、また農民の立場からいいますと大きなマイナスになることでございますが、それをみずから農協自体において墓穴を掘るようなことをしないで、この際これを引き締めていくために、早急に近代化、合理化の点について御努力をし、諸外国に匹敵できるような農業経営に持っていくようにひとつお願いしておきたいということを、最後に申し上げまして私の質問を終わります。
○丹羽委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人には、御多忙中のところ長時間にわたり御出席をいただきましてありがとうございました。委員会を代表して、委員長より厚くお礼を申し上げます。(拍手) ――――◇―――――
○丹羽委員長 漁業近代化資金助成法案を議題といたします。 この際、政府より補足説明を聴取いたします。森本水産庁長官。
○森本政府委員 漁業近代化資金助成法案につきまして、補足して御説明申し上げます。 この法案は、提案理由で御説明申し上げましたとおり、漁業者等に対し水産業協同組合または農林中央金庫が行なう長期かつ低利の施設資金の融通を円滑にするため、国が、都道府県の行なう利子補給の措置に対して助成し、またはみずから利子補給を行なう漁業近代化資金融通制度を設けて、漁業者等の資本装備の高度化をはかり、その経営の近代化に資することを目的としております。 以下、法案の内容につき若干補足させていただきます。第一に、漁業近代化資金の貸し付けの対象となる者及び貸し付けを行なう融資機関の範囲について申し上げます。 まず、漁業近代化資金の貸し付けの対象となる者につきましては、第二条第一項において「漁業者等」として規定しております。その範囲は、漁業者及び水産加工業者につきましては、漁業を営む個人及び水産加工業を営む個人のほか、漁業を営む法人のうち常時使用する従業者の数及び使用漁船の合計総トン数が一定規模以下であるもの、漁業生産組合並びに水産加工業を営む法人のうち常時使用する従業者の数が一定規模以下であるものといたしております。これらは、いずれも漁業協同組合または水産加工業協同組合の組合員資格のあるものであります。以上のほか、貸し付け対象となる者は、漁業協同組合、水産加工業協同組合及びこれらの連合会といたしております。 次に、漁業近代化資金の貸し付けを行なう融資機関につきましては、第二条第二項に規定しております。すなわち、融資機関は、組合系統資金を活用するという本制度の趣旨に従いまして、貸し付け事業を行なう漁業協同組合または水産加工業協同組合、信用事業を行なう漁業協同組合連合会または水産加工業協同組合連合会及び農林中央金庫といたしております。 第二に、漁業近代化資金の内容についてでありますが、これは第二条第三項に規定いたしております。 漁業近代化資金は、漁業者等の資本装備の高度化及び経営の近代化に資するために、融資機関が貸し付ける漁船の建造等に要する資金及び漁具、養殖施設、水産物処理施設、水産物保蔵施設、水産物加工施設その他の施設の取得等に要する資金で政令で定めるもののうち、一漁業者等にかかる貸し付け金の合計額、償還期限、据え置き期間及び利率が一定の要件に該当するものといたしております。この場合、漁船資金につきましては、おおむね沿岸及び沖合い漁業に従事する漁船に重点を置くという観点から、原則として総トン数七十トン未満の漁船にかかる資金を貸し付けの対象とすることを予定しております。 次に、一漁業者等にかかる貸し付け金の合計額は、漁業協同組合、水産加工業協同組合及びこれらの連合会に貸し付ける場合には、原則として一億円以内といたしております。また、漁業者または水産加工業者のうち、政令で定める者に貸し付ける場合には、原則として四千万円以内とし、その他の者に貸し付ける場合には、一千万円の範囲内で政令で定める額以内を原則とすることといたしておりまして、漁業者等の経営の実態に応じて所要の額を定める予定であります。 次に漁業近代化資金にかかる償還期限及び据え置き期間は、それぞれ二十年及び三年の範囲内において政令で定めることといたしております。これらは、それぞれの施設の耐用年数等を考慮して定める予定であります。 さらに、漁業近代化資金にかかる利率は、年七分以内で政令で定める率以内といたしております。この政令におきましては、漁業経営の実情、他の制度金融とのバランス等を勘案して、総トン数二十トン未満の漁船、漁具その他の個人施設にかかる資金については年六分以内、二十トン以上の漁船及び共同利用施設にかかる資金については年七分以内と定める予定であります。 第三に、漁業近代化資金にかかる利子補給の措置についてでありますが、これは第三条及び第四条に規定いたしております。 まず、都道府県の利子補給にかかる政府の助成措置につきましては、都道府県が融資機関との契約により漁業近代化資金につき利子補給を行なうのに要する経費の一部を補助することができることといたしております。この場合の補助率は、二分の一を予定しております。 次に、農林中央金庫の貸し付けについて政府が直接利子補給を行なう措置についてでありますが、都道府県の区域を越える区域を地区とする連合会等の共同利用施設資金につきましては、都道府県による利子補給によりがたいと考えられますので、このような場合には、全国的機関たる農林中央金庫が貸し付けを行ない、これに政府が直接利子補給の措置を講じようとするものであります。これに伴い、政府と農林中央金庫との利子補給契約、利子補給金の支給年限、利子補給金額の限度等につき所要の規定を設けております。 また、これらの措置に関連して、農林中央金庫が行なう漁業近代化資金の貸し付けにかかる期間につきましては、第五条において農林中央金庫法の特例を規定しております。 このほか、漁業近代化資金の貸し付けを受けて取得された共同利用施設につきましては、附則において地方税法の特例を設け、不動産取得税の軽減をはかることといたしております。 以上、この法案の内容について申し上げましたが、昭和四十四年度におきましては、漁業近代化資金の融資ワクとして百億円を予定し、利子補給補助金及び利子補給金を含め、所要の予算額として二千四百万円を計上いたしております。 なお、漁業近代化資金の円滑な融通に資するために、本資金にかかる漁業者等の債務につきましては、中小漁業融資保証法に基づく保証及び保険の制度の適切な運用をはかる所存であります。 以上をもちまして、漁業近代化資金助成法案についての補足説明を終わります。
○丹羽委員長 以上で補足説明を終わります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤波孝生君。
○藤波委員 漁業近代化資金助成法案の審議に入るにあたりまして、問題点についてお伺いをいたしたいと思います。非常に時間が限られておりますのと、質問の申し出の方々も多いようでございますので、ごく簡単にお伺いをしてまいりますから、簡潔にお答えを願って、ひとつ審議の促進をはかってまいりたいと思いますので、御協力をお願いいたしたいと思います。 最初に、農林大臣にお伺いをいたしますが、近年、水産物の需要が非常に増大してきておりまして、国内の食料需要を中心にいたしまして、高度化、多様化の様相を呈しておるわけであります。そういう中で、漁業の総生産量につきましても、増加の一途をたどっておりますけれども、漁業界内部を見ますると、いろいろな問題をかかえております。資本投下による金融の問題でありますとか、労働力の不足でありますとか、また沿岸等におきましては漁場が荒廃して、水産資源が枯渇をしてしまうといったたいへんな問題を各業界ともかかえておるわけであります。 そういう中で、幸いに農林大臣御就任以来、水産行政につきましては積極的にお取り組みいただいて、第四次漁港整備計画を中心として、漁業の伸展については非常な御熱意を示していただいておるわけであります。この際、この法案を御提出になるにあたりまして、漁業施策についての大臣としての基本的な姿勢を、ひとつお伺いをいたしておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 お話にもございましたように、昭和四十二年度の漁獲高は例年にない数字を示したことは事実でありますが、しかし、反面また需要のほうもだいぶ多くなってまいりまして、それでもまだ足らないというのが現在の日本の実情でございます。 さらに、このごろになりまして沿岸漁業というものが非常に少なくなってまいりました。そこで、まず第一に沿岸漁業というものをどういうような施策をもって今後進めていくか、これをまず考えなければならぬ。 それには、本年度提案していろいろ皆さん方に御審議を願ったりしましたところの漁業関係の法案にも載っておりますけれども、さらに、現在海の土地改良をやりたいというような考え方も持っておるわけでございます。したがって、海の基盤整備を行ない、そしてさらに、漁礁が老化してきておりますから、これを若返らせなければならぬ。それには、日本の潜水技術というものが非常に各国に比べて高いから、これらを大いに活用して、魚礁というものをひとつ改革したらどうなんだというような考え方も持って、着々その方向に進めておりますし、さらに放牧をやろうじゃないか。陸上の放牧ばかりではなくして、海の中の放牧的なものも考えていこうじゃないか。そういうようないろいろな施策を考えまして、そうしてまず漁港の整備、大型魚礁の設置等、こういうような漁業生産基盤というものの整備をまずしていきたい。つまり、それによって漁獲を高めてまいりたい。 要するに、一言でいえば、もっとつくる魚に専念していきたい。そういうような考え方をもって、昭和四十四年度から新たに発足をしているところでございます。
○藤波委員 そういった考え方の中で、今度漁業近代化資金助成法案を御提出になったわけでありますが、この法案を創設する趣旨と、並びにこの制度によってどのような政策効果をあげようとしておられるのか、簡潔にひとつ御答弁をお願いいたしたいと思います。
○長谷川国務大臣 申し上げるまでもなく、漁業をめぐる諸情勢に対応して、漁業の近代化を強力に進めていきたい。それには漁船、漁具、養殖施設等の整備拡充が、ただいま申し上げたようにまず必要である。したがって、長期低利の資金の融通を一そう円滑にする必要があるだろう、こういうような考え方、また漁業協同組合等の系統金融機関においてもこれらを十分考えていただいて、資金量の充実をはからせていきたい、こういうような考え方によって、今回の法案を提案いたした次第でございます。
○藤波委員 この制度は、いまも御説明のありましたように、漁協の系統資金を活用して行なっていくわけであります。現在、漁協などの系統組織の現状はどういうことになっておるか、また漁協及び信漁連の貯金、貸し付け金の現状について、ひとつ水産庁長官からお伺いをいたしておきたいと思います。
○森本政府委員 系統組織の状況でございますが、地区組合が現在約三千七百。概況を申し上げますと、組合数は年々減少しております。そのかわり組合の地区あるいは組合員数、職員数等々が増加して、組織としては充実しつつあるというのが概況でございます。 それから金融の状況は、御案内のように三十七年、三十九年貯蓄増強運動をやってまいりまして、貯金も漸次増加をしておる。最近では千数百億に達しておるという状況でございます。また、それに伴って貸し付け金もやはり増加をしておる。一口にいいますと、漁協系統の金融の関係の事業も漸次拡大、伸長しつつある概況でございます。
○菅波委員 ただいまの漁業問題に関連をしまして、私から二、三お伺いしたいと思います。 ただいま日ソ漁業交渉中でありまして、非常な微妙な段階になっておりますので、私のほうからはできるだけ、大臣としてこの席で発表でき得る点についてお伺いをしたいと思うのでありますが、まず、本年度の北太平洋におけるところのニシンの刺し網漁業についてであります。 すでに御承知のとおり、昨年の操業期日をもうすでに過ぎておるわけであります。現地におけるところの船主並びに乗り組み員というものは、非常な不安と動揺にかられておるわけでございます。また御承知のとおり、一日この操業というものがおくれますと、まことに価値のないものになってまいる段階であるわけであります。当然、所管大臣である農林大臣は、非常に努力しておることは私も承知はいたしておりますけれども、こういうような状況にかんがみまして、ただいままでの交渉の推移、経過並びに今後の見通しについて、御発表のできる点だけをひとつまず最初にお伺いをしたいのであります。
○長谷川国務大臣 今度の日ソ漁業交渉問題は、非常な重大な問題がひそんでおります。それは、御指摘のようなニシンの問題でございまして、いまあちらでも、ソ連の主張をわれわれは聞き入れるわけにはまいらない、したがって、これらの問題を打開すべく――資源保護という建ついてはわれわれも同じ考え方でございまして、ソ連だけが資源保護をやっておるのではなくて、増繁殖をどうやるか、そしてその資源保護をどうやるかという点については、わが日本も今日まで大いなるこれに対するところの考慮を払って進んできておるところでありまして、したがって、これらの問題をめぐりまして、保護上この水域には云々というような問題も出てきておる関係もございますので、それらに対しまして、われわれはそれを認めるわけにはいかぬ、こういうような主張でございますから、長引いております。したがって、漁民がこれらに大いなる心配をしておりますこともよくわかりました。漁業に携わる方々が心配しないように、なるべく早くこれらを除去し、そしてその目的が達せられるようにと思いまして、日夜努力を傾けておるところではございます。 しかしながら、残念ながらまだその解決を見るに至っておりません。したがって、それに対する今後の施策といたしましては、もうこのままにしておくわけにはいかないから、解決次第すぐに漁獲に出られるように、一般の出漁する十分な用意を整えてもらって、その期間になるべく早目にこれらの交渉の結果を得たい、こういうように考えておるところでございます。 詳細な経緯につきましては、長官から御説明を申し上げます。
○森本政府委員 日ソ漁業委員会のほうは、御承知のように、前段としまして資源状況の検討をやりますが、ほぼ現段階におきましてはそれが済んだところであります。したがいまして、ニシン並びにサケ・マスにつきまして、規制内容というのをいま討議に入っておるという段階であります。 目下交渉中のところでございますから、内容を詳しく御説明するのは差し控えたいと思いますが、ニシンにつきましては、特にコルフォ、カラギンなりギジが湾におけるソ連側の主張は、そういう地方における資源状況が非常に悪化してきておる、したがって、ソ連内部においても沿岸漁業に対して相当な規制をやってきたし、また、今年もやらざるを得ない、したがって、日本側に対してもその点は協力してくれというのが、一口にいいますと向こうの主張であります。 資源の見方につきまして、ソ連側と日本側にも食い違いがございます。そういった点をベースにいたしまして、私どもとしてはソ連側の主張には応ずるわけにはいかないということで、目下交渉を熱心にいたしておるという段階でございます。
○菅波委員 すでに御承知のとおり、昭和三十八年から母船式四船団、七十一そうの船が出漁しておるわけであります。しかも、その内容を見てみますと、単船操業、単船経営の漁業者であるわけでございます。御承知のとおり、昨年のニシンとサンマの棒受け網漁業というものは、二つともいままでにないような未曽有のいわゆる不漁であったわけであります。そういうさなかに、年頭から今度のいわゆるニシンというものに最後の期待をかけまして、そしていままでの借財とか、そういうものを返済すべく船体の準備、もちろん機械の準備あるいは乗り組み員の確保、そういうふうに実はあらゆる努力をしておったわけでございます。 ここへまいりまして、ただいまのような形でありますと、おそらく船主といたしましては、あるいはまた漁民といたしましては、路頭に迷う、倒産をするという非常に危険な状態にあるわけであります。したがって、交渉がどうであろうと、一部には強行出漁しなければならないという考え方も実はあるわけであります。そうしますと、続いて非常に重要な鮭鱒の漁業問題が、これまた継続して討議されるわけでありますから、それに及ぼす影響も国際外交の中で、漁業交渉の中で非常に支障が生ずるのではないかと思うのであります。 したがいまして、そういう状況の中でありますから、政府といたしましても努力はいたしておるでありましょうし、ただいまのお話を伺いましても、さようであると私も信じておりますけれども、一日も早く、一ときも早く、ひとつ妥結の方向に持っていくように、この委員会を通じて強く要望すると同時に、最後に、大臣が立ってしまったので、ひとつ政務次官から強い決意のほどをお伺いしたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 菅波先生おっしゃるとおりだと思いますが、先ほど大臣からもお話がありましたように、私どもは、現在非常な危機にあるそうした漁民、漁業経営者の方々のことを考え、今回の交渉に期待を持っておられることも十分承知をいたしておりますので、最善の努力を払う決意でございます。
○菅波委員 ありがとうございました。
○藤波委員 続いて、近代化資金の問題について二、三点お伺いをしてまいりたいと思うわけでありますが、今度この近代化資金制度を創設したわけで、一応波に乗ってくれば、漁業者のほうもこの制度の活用については、十分ワクもとれるでありましょうし、早くいえば、なれていくというかっこうになると思うのですが、問題は、特に初年度の場合に、従来の農林公庫資金を活用しておったワクとの関係で、どういうふうにこの近代化資金へ切りかえていくかという問題があろうかと思うのであります。したがって、どういうふうな形で初年度調整をしていこうとしておるのか。 資金需要は、大幅に増大してきつつあるのが昨今の現状でありますけれども、そういう中で、金融公庫の水産関係の四十四年度の融資計画を見てみると、共同利用施設や主務大臣指定施設については、相当な減額の計画になっておるわけであります。こういう中で、増大する資金需要に対応できるのかどうかというたいへんな心配があるわけでありますが、従来の公庫資金との調整について、考え方を承っておきたいと思います。
○森本政府委員 今回、近代化資金ができましたので、原則として七十トン未満の漁船、それから漁具とか養殖施設等の、いわゆる従来の農林公庫で主務大臣指定施設といわれておりましたもの、それから共同利用施設、こういったものは、近代化資金によって融資をするということになろうかと思います。 ただ、そうはいいましても、御指摘がございましたように、初年度ではございますし、また系統の組合員になっていない、あるいは系統機関の必要によりまして資金の供給が受けられないケースもあろうかと思います。そういう事態につきましては、もちろん公庫からも貸し出しをするということで、系統からも借りられないし、公庫からも借りられない、そういった状態にならぬように、私どもも十分配慮してまいりたいと思います。
○藤波委員 ぜひひとつ御配慮をお願いしたいと思うわけでございますが、時間の関係もございますので、ごく一例だけお伺いをしておきたいと思うのです。 たとえば真珠業界、これは現在いろいろ御努力をいただいておるように、たいへんな不況におちいっているわけでありますが、従来、公庫の融資ワクで御無理をお願いして資金が流れておった。ところが、新しい近代化資金の制度でやろうと思いますというと、あなたの業界は信用力が低下をしておるのだからということで、なかなかワクが取れない。しかも、従来の公庫資金にたよろうといたしますと、これは新しい近代化制度ができたんだからそのほうへ行きなさい、こういうようなことで、従来の公庫の資金にたよっておったものが、新しい近代化資金助成の制度ができたばかりに、というとことばが悪いかもわかりませんけれども、ちょうどその初年度不況におちいっておって、業界の信用が低下をしておりますだけに、それが口実になって非常にワクが狭められてしまう。両方からあっち行け、こっち行けというかっこうになってしまうというたいへんな心配があるわけであります。これは、ほとんど現地では恐慌に近いような気持ちで今度の近代化資金制度の運用を見守っておるわけでありますが、その辺についての調整をどのように持っていこうとしておるのか、もう一つ追加をして具体的にお伺いをしたいと思うわけであります。
○森本政府委員 従来こういった個人の施設等につきましては、もっぱらといいますか、公庫から制度資金としては貸し出しをしておる。今回は、近代化資金もできるわけでありますので、貸し出しのワクとしては、総体はかなり増加をするということになります。したがいまして、資金需要に対しては、こちらの制度資金の融資ワクというのは相当拡大を見るというふうに見ておってけっこうだと思います。 ただ、両制度の運用上の調整といったような点から、関係業者のほうで、あっちへ行っても借りられない、こっちへ行っても借りられないということになりはせぬかということで御心配をされておる。私どもも、従来からそういった御心配があることは十分承知をいたしております。したがいまして、繰り返すようでありますけれども、そういったことにならぬように十分ひとつ実行上配慮してまいります。
○藤波委員 非常に明快な御答弁をいただきましたので、安心をしたわけでありますが、ぜひひとつ、初年度でありますだけに、運用につきましては十分な御配慮をお願い申し上げたいわけであります。 次に、この制度の貸し付けの対象となる資金の種類、それから貸し付けの金利、償還の期限及び据え置き期間及び貸し付けの限度などは、この法の第二条第三項において政令で定めることになっておりますが、どんな方針で運用していこうとしておるのか、お考え方を承っておきたいと思います。
○森本政府委員 資金の種類は、大宗は漁船でございますが、先ほども申し上げましたように、漁船は総トン数七十トン未満を原則にいたしたい。それからその他の漁具、また養殖用施設等も、大体現在資金需要のある施設は網羅をいたしたい。なお、環境整備資金といったようなものもこの中に加える予定でありますが、漁業者の研修施設等についても、今後検討をしてこの範囲を定めていきたいと思っております。 それから金利のほうは、二十トン未満の漁船その他の漁業用施設につきましては六分、それから二十トン以上の漁船と共同利用施設は、末端金利は七分というふうに考えております。 それから償還期限及び据え置き期間、これはそれぞれのものについてこまかくきまるわけでありますが、きめますときの考え方といたしましては、農業近代化資金なりあるいは従来農林漁業金融公庫で貸し出しをいたしております実態なり、あるいはその施設ごとの耐用年数なりというものをよく精査をいたしまして、実情に無理のないような償還期限、据え置き期間をきめてまいりたいと思っております。
○藤波委員 さっき御説明がありましたように、七十トン未満、それから漁連並びに漁協以外では最高四千万というワクといいますか、限度が定められておるわけでありますが、おそらく七十トン以上のものについては公庫のワクで振興をはかっていく、こういう考え方であろうと思うのでありますが、本筋に乗せて、やはりこういう限度というものはあまりこだわらないで、近代化資金の制度を適用させていく。だから、七十トンというワクや四千万という限度というものは、将来にわたってはやはりなくしていくという考え方のものであろう、こう思うのでありますが、その点についてのお考えを承っておきたいと思います。
○森本政府委員 こういうものは、現在における系統金融機関あるいはその組合員の状況をもとにして、私どもは当面定めていくという考え方でありまして、もちろん、将来事情が変わってまいりますれば、十分これに即して検討していくということになろうかと思います。 現段階におきましては、やはり資金が限られておるということ、それから組合員が主として沿岸漁業なり沖合い漁業に従事しておるというふうなことを考えますと、この資金の範囲としては、やはりそういつた沖合い漁業の漁船なり施設に対して充足するということを第一番に着手しなければならぬということで、先ほど申し上げましたような漁船のトン数なり、あるいは貸し付け限度といったようなものを考えておるわけであります。もちろん、将来事情が変わってまいりますれば、それに即して検討することにはやぶさかではございません。
○藤波委員 信用力の非常に薄弱な中小漁業者については、債務保証によって貸し付けを受けられるこの制度は、漁業の振興のために役立ってくることは多大なものがある、こう考えておるわけでありますが、近代化資金にかかる債務保証につきましては、保証料の引き下げといったところも十分考慮をして、保証をつけやすくするような考え方がやはり打ち出されなければならぬ、こう思うわけであります。その点についての水産庁の考え方を承っておきたいと存じます。
○森本政府委員 御指摘のように、現在の保証制度におきまして、保証料の問題が非常に重要でございます。私どももできるだけこれを引き下げまして、利用者の便になるように計らっていきたいというふうに思っておるのでありますが、従来の事故率等の関係からいきまして、現状のようなことになってきております。 四十四年度からは、政府の保険料率を引き下げまして、従来〇・八%でありましたものを〇・七%に引き下げるという措置をいたしました。それに伴って、各県における保証料も引き下げをしていただくということで、強力に指導する予定であります。
○藤波委員 最近漁船などの、漁業についての資金需要は相当に強いものがある。これは、資本投下をしてどんどんと振興をはかっていかなければならぬわけでありますから、けっこうなことであると思うわけでありますが、初年度百億円という融資ワク、これにこだわっていろいろ御答弁になったわけでありますけれども、相当な御努力というものがあったと思いますけれども、現在の漁業の実態や、近代化を進めていこうとしているという先ほどの農林大臣の御答弁から考えても、こういった程度のワクでは、十分なものではないと私どもは考えておるわけであります。農業近代化の資金の場合なども、創設からずっと年次を追って、相当大幅に融資ワクも拡大をしていって、大きく近代化に役立ってきておる実績がありますだけに、漁業につきましても、ひとつ水産庁が中心になって、今後さらに御努力を願って、融資ワクを拡大して漁民の期待にこたえていただきたい、こう考えるわけでありますが、百億の融資ワクということをめぐって、ひとつお考え方を承っておきたいと思います。
○森本政府委員 四十四年度は、御指摘がございましたように初年度でもございますし、それから、制度の発足が年度の途中になるというふうな事情もございますので、とりあえず百億ということで出発をするということになっております。私どもも、今後本制度に対する漁業者の融資の需要の動向その他を十分考えまして、必要な資金ワクの設定については、来年度以降努力をいたしたいと考えております。
○藤波委員 お伺いをいたしてまいりましたが、その中で、重ねて申し上げますが、従来の公庫を活用しておった漁業者と今度の新しい制度との調整の問題、これをひとつ運用の面で十分御配慮を願うということ、それから今後融資ワクにつきましては、初年度はこういう形でありますけれども、来年度からは大幅に増大をさせて漁民の期待にこたえるということをぜひお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○丹羽委員長 美濃政市君。
○美濃委員 最初にお尋ねしたいことは、この法律ができまして漁業の資金を増大するということは、漁業振興のためにいいことだと思いますが、個人の場合で、漁業協同組合の組合員資格のある者、これは政令で規制するんですか。大体そういうふうに聞いておるのですが、その関係をちょっと……。
○森本政府委員 その関係は法律に書いてございまして、一口にいいますと、漁業協同組合の組合員資格のある人が、今回の融資の対象者になるということになっております。
○美濃委員 資格外の者には貸さない、これははっきりしておりますか。組合員でない者には、この近代化資金の融資は行なわない、こういうことになりますか。
○森本政府委員 申し上げておりますことは、組合員でなくても、そういう資格のある人は対象になるということでございまして、こういった資格からはずれる人は、中小漁業者あるいは沿岸漁業者といわれる人の中にはまずない、そういうふうに判断しております。
○美濃委員 この資金は系統資金の活用です。国が利子補給するとしても、資金そのものは系統資金ですから、系統資金は、員外貸し付けは規制されておりますね。ですから、いまの答弁はどういうふうに解釈したらよろしいんですか。組合員以外でも貸す、しかしそういう者はおよそないと思うと言われるが、これはどういうことですか。きちっと整理しておいてもらいたいと思います。
○森本政府委員 漁業協同組合におきまして、あるいは定款か内部規律で員外貸し出しを規制しておるものもあろうかと思います。そういうものにつきましては、こういった制度ができましたので、あるいは組合の内部問題として、今後どうするか検討をされることと思っております。 そういった形で、単協といいますか、地区の漁協から貸し出しが困難だと思われるものについては、県の信連からも直貸をするというふうな道もあるわけでありまして、私どもとしては、そういった資格のある人には、何らかの金融機関から貸し出しが行なわれるよう考えていきたいと思っております。
○美濃委員 次に、この「漁業を営む法人」という解釈ですが、これはどのような解釈になりますか。それから生産組合は、漁業協同組合によって設立されておる生産法人と解釈をしてよろしいかどうか。それ以外のものもあろうかと思うのです。 それから漁業を営む法人、その従業者の数が三百人以下ということになると、かなり漁業としては中規模のものになると思う。これは組合に加入してない場合、どういう資金の回し方をするのか。
○森本政府委員 後段からお答え申し上げますが、三百人以下というのは、漁業協同組合における組合員資格の一つの縛り方であります。こういった人に対して、単協から貸し出しができない場合にどうするかというお話しかと思いますが、そういう場合には、先ほど申し上げましたように、あるいは県の信連から直接貸し出しを行なうといったようなことも可能であります。
○美濃委員 その単協の資金から貸せる貸せぬの前に、単協に加入してない場合どういうふうにするかということを聞いておきます。漁業を営む法人が、地域のどの漁業協同組合にも加入していない場合の取り扱いはどう考えておるのか。
○森本政府委員 その場合には、先ほどから申し上げておりますように、信漁連といいますか、県の信連からこういう資格のある人には貸し出しをするというたてまえであります。
○美濃委員 私は、系統資金の活用という表現からいうと、少しおかしいと思うのです。それでいいのですか。系統資金というものは、だれが貯金しておるのですか。系統資金というものは、どこから金を集めておるのですか。系統資金の活用であるというときに、地元の組合に加入していないで、その上の――私はあとで特に聞こうと思っておりますが、いま私の調べでは、信漁連の貯貸率は高いですね。この資金がことしは百億だといっておるが、これは、漁業振興のためにはもう少し多くしなければならぬ。農林漁業金融公庫に、それは直貸のものは別としても、この融資の裏が持ち込まれると思うのです。その農林中央金庫の大宗をなしておる資金源は何ですか。そういう系統に資金蓄積をしておるものを、何らかの指導なりなんなりも加えぬで、組合に加入しておろうと、しておるまいと、系統資金に利子補給をして、それを引っぱり出して使わすのだ、それでいいのですか。
○森本政府委員 もちろん、系統資金の活用ということでありますから、組合員関係以外といったような人も系統に加入をして、そういった形で信用事業を利用するというふうなことに向かっていくのが理想だと思います。 ただ、御承知のように、協同組合は、一応たてまえとしては加入、脱退自由ということになっておりますから、あまり行政的に加入を強く勧誘をするということもいかがなものかということで、私どももその点は配慮しなければならぬであろうとは思っておりますが、考え方としては、やはり御説のように、できるだけ組合員となって、そこで金融事業を利用していく、また、それに対して政府あるいは地方公共団体でも援助をしていくというふうな関係に立つのが正常な姿であるというふうに思っております。
○美濃委員 私もいまここで、組合加入していない者に、今回のこの措置で規制措置を主張しようとは思いません。いろいろの事情もあると思います。しかし、貸すときにはやはり加入勧奨になりますね。いま長官が言われたように、加入してなくとも直貸で貸してやるのだという安易なものの考え方はだめだと思う。加入、脱退自由であれば、いやであれば系統の金は使ってもらわぬほうがいいと思うのです。農林中央金庫の金といったらほとんど農業の金ですよ。それの貯貸率を見たら、大体年度末千四百億ぐらいじゃないですか。貯貸率が非常に高いですね。農林中央金庫にそうネットはないんじゃないですか。普通貯金の貯払い等の資金を見れば、これはおそらく百億か、来年には何ぼになりますか。この表にも出ておりますが、資金の結集力が非常に弱いと私は見ます。系統資金を大幅に、これから百億出す、来年二百億、三百億出していくのであれば、指導の上からも、系統の資金の活用でありますから、こういう資金は結集力を高めていかなければならぬ。しかし、ほんとうは政府資金で出せばいいんですよ。そうばかりもいかないから、系統資金に利子補給をして活用させようというのでしょう。そうしたら、その裏には資金力が蓄積されるような指導措置が加わらぬと、他の者が積んでおる金をかってに引っぱり出して、利子補給をしてやったらそれでいいんだというのは、私に言わせればありがた迷惑です、そういう指導方針では。してならぬということではないですよ。すぐ規制措置を設けろとは言いません。しかし、指導理念だけはしっかりしてかからなければ、筋が通らぬじゃないですか。系統資金活用はけっこうなんですが、やっぱり資金力が集中して活用力を持つような指導が加わらぬといかぬ、そう思う。
○森本政府委員 言われておりますことは、私どもも同感であります。今回の近代化資金をつくります際にも、やはり系統の金融事情がどういうふうに変化しているか、また将来変化するかということを踏まえまして、この制度の検討をいたしました。 貯貸率の関係でも、ここ数年間の傾向では、やはり貯金量の増加のほうが貸し付けよりもふえてきておるといったような傾向もございますので、そういったことで近代化資金を創設いたしますと、漁協系統の自己資金が充実をしていくといったようなことも、間接的には効果があるだろう。金を借りれば貯金をしたくなるといったようなことにもなりますから、そういった意味もありまして、系統金融機関の資金量としては、まだ必ずしも農協などに比べれば潤沢ではないという段階でありますけれども、こういう制度をつくることが、また金融事業の充実、発展にも役立つというふうな考え方もあって、こういった制度を今回発足させるということで御審議をお願いしておるわけであります。
○美濃委員 いま長官も言っておりますように、私はもう少し系統資金の利用率というものを高める指導が必要だと思うのです。いまの御答弁の次第もわかります。ですからそれを否定したり、それではいけない、こう言うのではなくて、今回の指導の腹がまえです。資金力が集中するように必ずやる、こういう腹がまえがほしいわけです。
○長谷川国務大臣 これは、いま日本の政治自体そのもの、政策そのものが、おそらく共通な立場に立っておるだろうと思う。それはかつては、農業においても水産業においても、一人一人の人に対するいろいろな施策が施されてきた。それが逐年変化をいたしまして、対象となるのは組合であり、そのグループでなければ、今日その対象とはいたしておりませんとはっきり申し上げられるだろうと思う。 しかしながら、法のたてまえ、国民平等なる憲法に示された上に立って、一応かくのごときものを形成しておかなければならないというのがたてまえであります。組合員以外の人が行って、それは系統だからと言われて、今度は県信へ行ってはたしてその目的が達せられるかどうか、非常に困難性があることは、議論の余地がないだろうと私は思います。私は、こういう上に立って、憲法のたてまえの上に立って、このような法案の制定をしなければならない理由、その点も御理解を賜わりたいと存ずる次第でございます。政府は、御指摘の点、全く同感でございます。
○美濃委員 次に、これは私どもの手元に出された資料ですが、これを見ますと、これは三十八年からの対比ですが、小型漁船の二十トンから百トン未満、この隻数が非常に減少し、三十八年当時の隻数を割っておるわけですね。漁獲高も、大規模漁業の漁獲高がぐっと伸びておる。この関係はどういうふうに理解したらよろしいのか。いわゆる大型に押されて小型が縮んだのか、何に原因があるのか。それとも小型が成長発展して大型を持つようになったのか、どういう相関関係にあると見ておるか。
○森本政府委員 六ページの漁獲高の推移でございますが、これは漁業の種類によって分類をしておりますから、大型漁業が多くなれば中小漁業に影響があるといったような関係はありません。したがって、中小漁業のほうは、御承知のように最近のサンマでありますとか、アジでありますとか、そういった多獲性大衆魚の漁獲が従来ほど進まないといったようなことが反映をして、大規模漁業等に比べて伸び率が少なくなっているというように考えます。 それから漁船のトン数のほうは、現在の漁船の動き方は、大体無動力船のほうから動力船のほうに変わっていくのが非常に多いということと、それから二百トン以上なり百トン以上の漁船の増加がかなり大きいというようなことで、まん中の辺はややトン数としては、中身は入れかわっておりますけれども、総体としては停とんしておるといったふうな傾向を示しておるわけであります。そういった漁船のトン数、規模別の数字の動きがこれに反映しておるというふうに考えております。
○美濃委員 この現象は、たとえば遠洋へ魚資源が出ておる、沖合い遠くに出ておる関係ですか、安全の関係ですか、どういうふうにこれを掌握しておりますか。こういうふうにいわゆる大型が伸びて、二十トンから百トン未満の伸び率が後退しておるこの関係は、安全に重点が置かれておるのか、いわゆる漁業海域の関係で、資源の関係で、船を大きくして沖合いに出た関係なのか、どういうふうにこれを掌握しておりますか。
○森本政府委員 いろいろな関係がこれに影響しておると思いますが、やはり漁場自体がかなり遠隔になりつつある。したがって、船としても大きくしていかなければならないといったような要因があろうと思います。 それからもう一つは、乗り組み員の居住の改善、要するに労働環境の整備といったようなこと、あるいは漁船の安全性の向上といったようないろいろな要素で、漁船の大型化が進んでおるというふうに見ております。
○美濃委員 そうすると上限規制措置は、そういう起きておる状態から見たときには、もう少し大型化する制度が必要だと思うのですね。七十トンで規制しておるというのは、必ずしもそれは七十トン未満という需要がないというのではないけれども、しかし、漁船員のいわゆる漁労条件の改善なり、あるいは安全度合いなり、あらゆる条件を勘案して自然的にこういうふうになってきておると思うのですね。そうすると、もちろんこれは二十トン未満の沿岸漁業にも適用すべきでありまして、二十トン未満を無視するのではないんだが、七十トンというのをもう少しトン数を上げてきめる必要があるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○森本政府委員 この点は、私どももかなり慎重に議論をいたしました。また、学識経験者に集まっていただきましてずいぶん議論をしたわけでありますが、もちろん御指摘がございますように、トン数の多いほうにやっていったほうがいいんじゃないかという御議論もあることはあった。ところが、先ほど申し上げましたように、今回の制度の関係を見ますと、やはり利用する組合員というのは大体沖合い漁業の人が多い。それから、資金も必ずしも現状は充実してないということになると、あまり大きいトン数を普通の状態の対象にいたしますと、一人の人に片寄っていくといったようなこともあろうかと思います。そういったことで、大体沖合い漁業の総体をほぼカバーするというトン数は何トンぐらいだろうかというのをはじいてみますと、七十トンくらいになるということで、原則としてそれを融資対象として押えてまいる。 ただ、御指摘がございましたように、それを画一的に守ってまいりますと、いろいろ実情に合わぬということもありますので、実情必要であればそういったトン数についても、七十トン以上でも特別に承認をする、そういうふうな実際の措置もあわせて考えておるわけです。
○美濃委員 たとえば、これからの漁業の近代化の中で、漁業生産法人等をつくって船を大きくして、いわゆる安全を主体にしたというような申請の場合には、これは七十トンにこだわらないで特別承認をする、こういうことですか。
○森本政府委員 実情を見まして、こういった原則を定めました考え方とそれほど大きな隔たりが――どえらく大きい沿岸漁船を持ってこられてもなかなかむずかしいのでありますけれども、少なくとも常識的に沖合い漁業に従事する船というふうに考えられます場合には、私どもは、そういうことについて十分配慮したいと思います。
○美濃委員 次に、先ほどもちょっとお話があったようですが、北洋のサケ・マス、それからカニ交渉が非常に――サケ・マスは本格的な交渉に入っていないでしょうけれども、もうそろそろ出漁期も迫ってまいりましたが、この関係がかなりことしは、ニシンもさることながら、漁獲制限がきびしいように新聞に出ておるわけですが、どのような状況にあるか、サケ・マス漁業あるいは過般から行なわれておるカニ漁業交渉について……。
○森本政府委員 カニのほうは先般妥結をいたしまして、すでに出漁しておるところもございます。これからしようというところもございます。そういう状況であります。 それからサケ・マスのほうは、先ほども御報告申し上げましたが、現在の段階は資源についての科学者の討議が終わりまして、これから本格的といいますか、規制内容について討議を始めつつあるという段階でございます。ソ連側としましても、ソ連のほうにおきまするとろのサケ・マスのとれ高が年々減ってきておるというふうなこともありまして、資源評価の段階でもかなりきびしい見方をしておるようでありますが、私どもとしては、本年は昨年に比べて豊漁の年に当たるといったようなことを十分考慮し、関係業界における要望等も十分伺っておりますので、そういうことも頭に置いてソ連側と十分折衝してまいりたいと思っております。
○美濃委員 前にもちょっと申し上げたことがあるのですが、こういう資金を出して近代化を進める中に、私どもから見ると、サケ・マスの指定海域というのが、七トン未満とトン数を縛っておりますから、少しでも大きくしようということで、トン数計算に入らない部分を少しふくらますということで、変形的な船をつくっておる。 それから、出漁の状況から見て非常に船が小さいということは、海難事故の多発に結びついておると思うのですが、ああいう面は改善しようと考えておりますか。たとえば漁獲高制限がありますから、同じ隻数を船だけ大きくしたのでは、一面過剰投資になって困ると思う。いわゆる指導によって隻数を抑制して船を大型化して安全性を保つ、こういうことを検討しておるかどうか。
○森本政府委員 従来から私どものほうでも、端的にいいまして北海道の東海岸における七トン未満の漁船の問題、十分伺っております。御案内のように、あの海域はいろいろな形の漁業の種類が入りまじっておって、漁業調整上なかなかむずかしい。したがいまして、あの種類の漁業だけをとっていろいろ関係者の御意見を伺いますと、まさにもっともであります。私どもとしても考えなければならない要素が多々あるというふうには思っておりますが、ほかの漁業との調整問題を考えますと、そう簡単に割り切るわけにまいらないという性質の事柄であります。 実態その他要望については、十分伺っております。そういうような両面を十分よくにらんで対処しなければならぬ問題だというふうに思っております。
○美濃委員 他の面と関係がそうありますか。たとえばどういうことです。そう関係はないと思うのです。あの面はあの面で、たとえばサケ・マスの指定海域出漁という点で、私が申し上げたような検討が――他の面というのは、いわゆる同じ四八船が何かとの関係ですか。そうでなければ、そんな以西底びきやなんかとも競合するものではないと思うのですが……。
○森本政府委員 従来の歴史から見ましても、やはりトン数をふやしてまいると、漁場が狭隘になるといったようなイタチごっこみたいな関係で進んできておるように私は聞いております。したがいましてあれ以東に、御承知のようにサケ・マスの漁場がかなりあるわけでございますから、これらの問題との調整ということを私は申し上げたわけでございます。
○美濃委員 私が申し上げておるのは、漁獲高の制限がありますから、トン数をふやせと言っておるのではないのです。トン数をふやさない範囲内において船を大きくして安全性を保つ、これはやはり検討しなければならぬ事項だと思うのですが、いま結論はよろしゅうございます。 ことしは幸いにして少ないようですけれども、かなりの海難があの漁業から発生しておるわけです。昨年は三十五名も死んでおる。出漁例対象の五%も死んでおる状態なんです。これはやはり検討すべき事項じゃないかと思うのですが、どうですか。トン数をふやせと言うのではないのですよ。同じトン数の中で船を大きくする。船を寄せるということになります。
○森本政府委員 そういうお話も伺っております。繰り返すようで恐縮でありますけれども、七トン未満の漁業の実態と、それからそれを取り巻きますところの他の漁業との調整問題、両方にらみまして、私ども慎重にその問題を検討いたすつもりであります。
○美濃委員 次に、債務保証をすることになっておりますが、債務保証するにあたって、基金協会の基金なりそういうものを積み足してやらないと、保証体制が弱まると思うのですが、その措置はどうなっていますか。
○森本政府委員 御承知のように、この保証制度は相当前から、昭和二十七、八年ごろから出発をして、地方公共団体の出資も含めて漸次基金は充実をしてきております。したがいまして、今回の近代化資金をつくるに際して、いま直ちにその基金を考えなければいかぬというふうには私どもは思っておりませんが、本制度が円滑に軌道に乗ってまいりまして、かなり保証に対する需要も多くなるというふうな段階におきまして、それ相当の対応策を考えなければならぬ、そういうふうに考えております。
○美濃委員 将来資金量が増加すれば、その保証額とにらみ合わせて増加する、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○森本政府委員 私が申し上げたのは、そういうことでございます。
○美濃委員 次に、先ほど実態に合うようにというお話しでございましたが、これは、やはりもうすでに法案の審議の中でありますから、どういう条件で――全部こまかいものまではよろしゅうございますが、たとえば、木造船は据え置き何年、償還年限何年、鉄船は何年、漁具はどういう条件、共同利用施設あるいは研修施設、こういうものに対する融資条件、あるいは融資率、融資率は八〇%なのか、事業費に対しては何%まで融資するという考えか、こういう点をもうちょっと明らかにしてもらいたい。政令を出す段階まで多少変わってもやむを得ないと思いますが、計画しておる内容は、法案審議の中ですから、ある程度明らかにしてもらいたい。
○森本政府委員 償還期限のお尋ねであろうと思いますが、先ほど申し上げましたような考え方で具体的にきめてまいるつもりでありますが、現在の腹づもりでは、漁船につきまして、たとえば鋼船であれば十二年以内、それから養殖の作業施設、あるいは水産物の処理加工施設等々については十二年以内、もちろん共同利用施設につきましては、規模が多少大きくなりましょうから、それは十五年以内、あるいは漁村環境整備施設といったものについては二十年以内というふうに、それぞれ施設の耐用年数なり、あるいは他の制度金融との均衡といったものを考えながら、具体的に定めていきたいと思います。
○美濃委員 木造船の予定は……。
○森本政府委員 木造船は六年以内というつもりでおります。
○美濃委員 据え置き期間を聞いたのです。各段階の据え置き期間の予定です。
○森本政府委員 ものによって違いますが、二年ないし三年というつもりでおります。
○美濃委員 融資率は……。
○森本政府委員 融資率は八〇%。
○美濃委員 次に、多少基金協会で債務保証はすることに法律上なりますが、しかし債務保証ということは、いわゆる代位弁済というようなことができるだけ起きないように推移することが一番望ましいと私は思うのです。そこで、こういうものを進めるようになると、漁業共済がどういうふうに進むか、その内容をちょっとお知らせいただきたい。いわゆる船舶、漁具それから漁獲高三種につきまして、たとえば船舶、漁具であればどういう加入率になるか。
○森本政府委員 漁船につきましては、漁船損害補償制度というものが御承知のようにございまして、現在の制度のたてまえは、百トン未満の船は義務加入ということになっております。それ以上は任意加入ということでありますが、全体の漁船の加入隻数は十四万四千隻ということで、加入率としては六〇%くらいになっております。それから、保険金額としては二千四百億程度でありまして、保険価額と申しますか、それに対するいわゆる付保率が八五%程度というのが概況であります。 それから、漁具等につきましては、別途漁業共済のほうでやっておりますが、ちょっといま数字は……。
○安福説明員 漁業共済のほうで、漁具を単独に対象にしたのがございます。それの最近の加入状況について申し上げますと、四十年以降につきましてその件数は若干の増加を示しております。この漁具共済金額につきましては、十億前後でほぼ固定化して推移しておるような状況でございます。 ただ、漁業自体が非常に地域的なローカル性を持っているものですから、それに入る態様といたしまして相当ばらつきがあります。それから、支払い量につきましては、御承知のように年により金額の多少はございますが、赤字と申しますか、支払い超過、そういう事情に現在推移いたしております。
○美濃委員 漁獲共済はどういう伸長状態にあるか。
○安福説明員 漁獲の共済につきましては、漁獲と養殖と二本に分かれております。全般的に申しまして、漁獲共済はわりあい設計どおりの推移を見ておりまして、これ自体の独立の勘定では黒字になっております。 養殖の中で一番問題になりますのはノリでございますが、この制度が発足しましてから、ノリ養殖全体の生産がかなり不安定な年を繰り返しておりまして、昨年、本年と引き続いて赤字を出しております。共済全部の勘定の一応のトータルとしましても赤字が出ておりますけれども、その大部分はノリが占めておる、現在数億円の赤字になっておる、こういうような状況でございます。
○美濃委員 これは、法律をつくって制度化した以上、漁業振興のためにかなり進めていかなければならぬと思うのです。そこで、一番資金源として集められるのは――損害共済は損害共済ですから資金は集まらないわけです。これは、やはり漁業協同組合の仕組みの中に生命共済事業、こういうものを入れさすという考えはあるかどうか。そうすると資金は集まるわけですね。資金を集めるには一番いい制度なんです。系統資金を活用していくということになると、かなりこれは来年からはふやしていかなければならぬし、あるいは需要も大きくなるのじゃないかと思うのですが、そうすると、資金量というものを蓄積していかなければならぬ。他の資金ばかりに依存しておったのでは、系統資金の活用だとはいえないわけですね。そういう点はどうですか。
○森本政府委員 現在、制度的にやっておりますところの漁業共済あるいは漁船保険、こういったものと同一の制度によって生命保険をやるということは、ちょっといま私ども考えるわけにはいかないように思っております。 ただ、御案内のように、全国水産業協同組合共済会というのがございまして、これがいま言いましたような、いわゆる任意的な共済を系統機関を通じてやっておるわけであります。そういうものの中には、いま御指摘のようなものもございますから、そういった任意共済制度といいますか、民間の共済制度に対して、できるだけこれを活発にさしていくというふうな方途でやっていくのが適当ではないかと考えております。
○美濃委員 それは、いまやっておるのは代理店業務でしょう。法律に基づく生命共済はいまやっていないと思うのですが、やっておりますか。代理店業務でやっておるのでしょう。
○森本政府委員 必ずしも代理店ではございませんで、系統協同組合の事業として、全国の団体としては、先ほど申し上げました共済会が主体となってやっておるということでございます。
○美濃委員 そうすると、責任準備金は自己で保有するのですか。また、どのくらい保有されておりますか。
○森本政府委員 責任準備金はみずから保有をいたします。ちょっといま数字を問い合わせておりますから、後ほどお答えをいたします。
○美濃委員 以上で終わります。
○丹羽委員長 佐々栄三郎君。
○佐々委員 農林大臣にまずお伺いいたします。 私は、この法律案自体は非常にけっこうな法律と思います。むしろできるのがおそかったと思いますが、まずこの法案の内容に入るに先立ちまして、私が一言農林大臣にお伺いしたいのは、私は瀬戸内海に面した地域におるのですが、最近公害と申しますか、たとえば船舶の油、それから工場の廃液、それから埋め立て、こういうことによりまする漁場の喪失とか海の汚染、こういうような問題が非常に起こりまして、沿岸漁民の生活が非常に行き詰まりつつあるのではないかという気持ちを、特に私はそういう海域に面したところにおりますので、痛感をしておるわけです。また、さらに最近では、海上交通法案が上程されるような様子にも聞いておるのでありますが、こういうようなことを考えてみますると、いまこの資金をもってするところのいわゆる沿岸漁業等の近代化を策しましても、それ以上に沿岸漁業を後退させる条件というものが非常に激しい勢いをもって、いま申し上げましたような地域等におきましては進んでおるわけでございます。ですから私は、こういう法案をつくること自体非常にけっこうと思いますけれども、同時にこれとあわせて、沿岸漁業を守る確固とした抜本的な対策を講じていただかぬ限りは、沿岸漁民が将来とも安心して漁業を進めていくということは、私は不可能だと思っておりますので、こういう問題について、ひとつまず初めに農林大臣のお考えをお聞きしておきたいと思うわけです。
○長谷川国務大臣 御指摘のように、工場排水等によって水質の汚濁、したがって海水の変化、こういうような点からくる非常な漁獲の不漁というようなことも起きておるのでございますけれども、反面また、日本の国内の沿岸が、非常に魚礁そのもの自体が老化してきたという、これはやはり見のがしてはならない問題だと思います。 したがって、土地改良をこれほど陸上においてやっているのに、それらがやはり並行して、海というものに対しても同じような施策が講ぜられていかないというところにも欠陥があるだろう、こういうような考え方をもちまして、本年に入りまして、まあ本年の予算を見ていただいてもおわかりがいただけるだろうと思うのでございますが、まず、これを基礎づけていく漁港というようなものにもっと重点を置いて、そうしてこの施策を進めながら、瀬戸内のような条件の整ったところには、先ほどもちょっと触れたんですけれども、まあ陸でいう大牧場というような、そういうような施設を十分政府が見てやってつくって、そうして魚をつくっていく方法をとろうではないか、こういうような点について、もっぱらこの面についての研究をしておるところでございます。あわせまして土地改良とかいう、さっきもお話ししましたのですけれども、これと同様な、すなわち海の中の土地改良をやって、そうして漁業の増産につとめよう、特につくる魚、こういうような点に重点を置いて今後進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○佐々委員 ただいま農林大臣から御答弁がありましたが、ぜひとも、私が先ほど申しました沿岸漁民が当面しておりまする問題につきまして、ひとつ全力をあげてこの被害を防止するようにお願いをいたしておきたいと思います。 それから、次にお尋ねをいたしたいのは、私は先ほど、これはけっこうな制度だと申しましたが、こういうような制度ができますというと、もうこの制度が、法律ができまする前に、漁連とかあるいは単協の幹部連中は、もう早くこういうことを知っておるわけなんです。そうして一番口に利用するのはこういう方たちが利用しまして、末端のほんとうの零細漁民、資金的に困っている漁民が、なかなかこういう制度ができたということを知らないんです。そうして、一部の者だけが利用するというようなことになるように、私は従来の状況を考えて感じるわけなんですが、金額も総ワクは百億円という、現在の沿岸漁民の借り入れ金高と比較いたしますと少ないわけです。そういたしますというと、またたくうちにこういう一部の連中だけがこれを利用して、末端までの利用ということがまずないというようなことになるんじゃないか。この問題について、どういうような方法で末端漁民にこれを浸透させるつもりか、この点をお伺いしておきたいと思うのです。
○森本政府委員 御指摘のように、こういった制度金融が一部の人にのみ利用されるということでは、その目的は十分果たされません。私どもとしては、末端の漁業者が広くこういった制度の内容をよく知りまして、利用していただくということを希望しております。そのために、できるだけ前広に、系統団体等を通じて内容の趣旨徹底をはかりたい。したがって、県ももちろんやっていただきますし、あるいは全漁連なり、漁連系統といったようなところも動員をいたしまして、こういった制度内容についてのPRといいますか、そういうものをやっていきたいと思います。 また、制度の内容におきましても、先ほど来御議論がございますように、融資対象あるいは融資の限度のつくり方等も、できるだけ一部の大口のものに融資が片寄る、利用が片寄るというようなことがないように、制度の出発にあたって、内容の検討もそういう角度から進めていきたいと思います。
○佐々委員 従来とも、系統金融の貯貸率というのが非常に高いように思うわけです。貯貸率が高いというのは、結局、需要に対して供給が応じ切れないというか、そのために、やはり公庫資金なんかの利用というものの必要性というものがより多くなるわけだろうと私は考えるのです。そういう点からいたしますと、この制度がせっかくできたからといって、先ほどどなたか御質問がありましたが、公庫資金のワクを少なくするというようなことになりますると、これはどういうことになるかというと、結局のところ、財政投融資資金を漁業のほうへ回すのを倹約してこれをほかに回す、そうして漁民資金は漁民自身で自分でやれというような形にならざるを得ないと思うのです。 ですから、こういう制度ができたからといって、公庫資金を減らさないようにするということがやはり私は必要だろうと思うのですが、今度の公庫資金の四十四年度の計画を見ますと、総ワクとしては二百二十億余りで従来より若干ふえておりますが、特定の、たとえば主務大臣指定施設とかあるいは共同利用施設ですか、そういうようなものにつきましては非常に減っております。こういう点につきまして、ひとつ長官の御意見を伺っておきたいと思うのです。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
○森本政府委員 一応この漁業近代化資金も制度金融でございますから、私ども制度をつくります際、あるいは運用いたしますには、やはりそれぞれの制度の利用といいますか、適用の分野というものを原則的には想定せざるを得ないということで、今回の近代化資金ができましたことによって、主務大臣指定施設なりあるいは共同利用施設なりは、原則として近代化資金を利用していただく、こういうたてまえでやってきております。しかし、全体の水産関係の制度金融の総ワクとしてはかなり充実をしておる。特に漁船資金等は、前年に比べれば非常にいろいろな制度金融を出します。 ただ、主務大臣指定施設なり共同利用施設については、先ほど申しました原則的な考え方で、公庫の資金ワクは、近代化資金ができるということを想定して、前年に比べて多少削減をしておるということであります。しかし、運用上は、先ほど来申し上げましたように、不足を来たすあるいは不便を招来するというふうなことにはしないつもりでおりますから、その点は十分心がけてまいりたいと思っております。
○佐々委員 いわゆる農林漁業公庫の資金の貸し出し状況を全国的な統計で見ますると、遠洋、沖合い漁業が二一%に対して、漁船漁業に対しては四一%出ておるわけです。ところが、香川県の場合、これは四十一年十二月末現在でありますが、遠洋、沖合いが九三%、四億六千二百万円出ておるのに対して、漁船漁業に対してはわずかに三%、一千三百万円しか出ておらないということになっておるのです。この点について、この要旨は先般申し上げておいたので調査していただいたと思うのですが、どういう事情かということをお聞きしたいと思うのです。
○森本政府委員 御質問の予定をいただいておったようでございますけれども、香川県における漁業の実態ということで、私ども県庁等にも問い合わせまして調べておるのでありますが、必ずしもまだ、いま御指摘のような事実に対する原因なりあるいは事情なりというものは十分つかめておりません。後ほどよく調べまして、また御報告申し上げます。
○佐々委員 この融資ワクの対象になる、いわゆる利子補給される金額については、政令で規定される者に貸し付ける場合は四千万円、それからそれ以外の個人については一千万円、もちろん漁協、連合会に対する一億円という問題もありますが、これを除きまして、個人に対する貸し付け限度についての問題ですが、これらについて私がお伺いしたいのは、上のほうはこういうふうに一応の金額の指定があるのですが、下のほうはどうですか。たとえば、われわれが沿岸の漁民と話し合ってみまして、非常に金がほしい、金が借りたい、けれどもなかなか借りられないという場合が非常に多いのですね。しかもそれは零細な金です。この制度で借りる場合に、上のほうは、いま言ったとおり一千万円とか四千万円という非常に大きな金額なんですが、これによって、三十万とか五十万というような金も利子補給されるのか、あるいはそういうものはもうこれに入れないのだというようなことになっておるのか、この点についての御見解を聞いておきたいと思います。
○森本政府委員 制度的には、下の限度は設けておりません。ただ、融資対象はこういった施設が主でありますから、おのずからそういったものに対する見合った必要資金の額というものは、金融上出てくると思います。制度上はこういった限度は設けておりません。
○長谷川国務大臣 佐々さんが長い間農民運動を通じて、その零細な農民をいかにするかということで、今日まで御苦労なすってきておることもよくわれわれは承知しております。したがって、これらが漁民までになかなか手が届いておらない、こういう実情でございましたので、これらを並行して、何とか漁民をある程度一定のレベルまで引き上げなければならぬ、そして船そのものも大きくすることを望むだろう、そういう面にも配慮をしなければならぬ、こういうような種々の問題から、初めて本年度からこういう制度を設けて、今後はさらに、佐々さんのおっしゃるような点にまでほんとうに手が届くような方法をやろうじゃないか、そうして漁民というものの生産の拡大をはかり、そして安全操業ができるような方途を切り開いてやるべきである、農林省としてはこういうような方針を決定いたしまして、今後の水産、漁業という面に十分な方途を切り開くべくこの提案をしたわけでございますので、まだ不十分だとは思いますけれども、逐次これらを拡大していく考えでございますことを、十分御了承賜わりたいと存じます。
○佐々委員 いま農林大臣から御答弁をいただいたわけですが、とにかく沿岸漁民というのは、いろいろ保証とか担保物件というような関係から、あるいは頼母子講をしたり、あるいは沖買い人から高利で金を借りたり、いろいろ金融面では苦労しておるわけです。ですから、私はこういう制度ができましたならば、そういう零細漁民にまでその恩恵が行き渡るように、特に心がけていただきたいと思うわけです。 その次に、また香川県の問題が出るのですが、調査ができておらなければやむを得ませんけれども、香川県の養殖漁業について、これは四十一年十二月の統計でやや古いのですが、この四十一年十二月現在におきましては、全国的な統計によりますと、養殖漁業者の民間資金の利用率というのが三二%です。これに対して香川県の場合は六〇%と、ほとんど倍民間資金を利用しておる。つまり、制度金融と系統金融の利用率が非常に低いということになっておるのですが、これはどういうことか。それから、こういう状況が現在も続いておるのかどうかということをお聞きしたいのです。これもお願いしておいたわけですが……。
○森本政府委員 養殖業にもいろいろございますが、特にノリの養殖業は、真珠なりカキなりに比べまして比較的設備費が少ないというふうなことで、借り入れをいたしますところの資金は、主として中期資金なり短期資金ということになります。そういう関係から民間の資金に依存する割合、主として制度資金は設備なりそういったものを対象にしておりますから、その割合が多くなるというふうなことに一般的にはなるわけであります。 ただ、香川県におきましては、全国の状態に比べてかなり傾向が違う。その理由は何かということになりますと、香川県におけるノリの養殖の実態をもっと調べてみませんと、なかなかその要因がつかみにくいということもございますので、これもあわせまして調べさせていただきたいと思います。
○佐々委員 おそらく、これを聞いてもおわかりにならぬと思うのですが、やはり香川県の場合なんですけれども、これはいずれも四十一年十二月の統計でありますが、カキ、真珠がいずれも三〇%程度長期資金を利用しておるのですが、ノリが三・九%、四%くらいしか利用しておらないという事実があるのですね。こういうようなことにつきましていまわかりませんか。これも以前にお願いしてあるのです。
○森本政府委員 全国的に見ましても、やはりノリと真珠なりあるいはカキなりというものの借り入れ金の傾向は、御指摘のように、ノリのほうは制度金融に依存する率が少ないということが出ております。それにはやはりそういった、先ほど言いました資金需要の形態が、ノワとしては設備資金が比較的少ないということに関係をしておるものと思っております。 ただ香川県で、全国のものに比べてどういう特色を持っておるかということになりますと、全国の状態と香川県の状態とずっと比べまして当たっていきませんと、なかなかその原因につきましても急にはわかりませんので、その点はひとつ調べさせていただきたいということを申し上げておきます。
○佐々委員 ことしの暖冬異変で、白腐れ病や赤腐れ病でノリが非常に被害を受けたということは全国的なんですが、香川県も同じなんです。これに対して、県のほうではいろいろやっておるようですが、水産庁のほうではこれはどういうふうに対応せられたか。
○森本政府委員 各地におきまして、ノリが不作であるというような状況を聞いております。しかし、制度金融といいますか、それに対してどういうふうな、たとえば天災融資法を発動するかどうかといったような問題については、減産の状況なり要因といったものが非常に区々でありまして、隣の県においてはかなりできておるが、すぐ境を接しておる次の県ではできが悪いといったようなことで、減産の状況の要因というものをもう少し検討いたしませんと、そういった問題についても踏み切れないというようなことで、私どもとしては、現在のところそういう事情について検討しておる段階でございます。 県のほうでは、宮城県はじめ福島県、香川県、大分県等の諸県におきましては、県単独の方策を講じつつある、あるいは講じる準備をしておるということを聞いております。そういう意味合いで、ひとつ十分検討していきたいと思います。
○佐々委員 養殖漁業は、真珠にしましてもノリにしましても、いわゆる漁船漁業の行き詰まりを、これによって打開しようとして非常に苦労しておるわけです。それが、先ほど言うたように、いろいろ公害によりまして非常に当事者は苦しんでおるわけです。特に天候に支配されますから、そういうような問題については、今後金融の面からひとつよく配慮をせられるように希望しておきたいと思います。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕 それから、ちょっと金利の問題についてお伺いしたいのですが、基準金利を九分というふうにしておりますが、実際の漁民がいま貸借しております金利というのはもっと高いはずです。調査室の調べたのを見ましても、九分以下というのは約二割くらいしかないのですね。その他は九分以上なのです。具体的に利子補給をしようとする場合に、この点にどういうふうに対応していくかというようなことについて伺いたい。もう九分以上だからだめだというような形になるのか、利子補給をするということになれば、向こうは九分に下げるだろうという見通しを持っておるのか、これをお聞きしたい。
○森本政府委員 御指摘のように、現在の実勢の金利を見ますと、大体九分五厘前後というような状況で、傾向としては漸次下がってきておるということだろうと思います。したがいまして、私どもとしても、実勢金利がそういうところでありますから、基準金利を九分にするということについてはかなりむずかしい問題があろうというふうには思っておったのでありますが、ただ、こういったものについては、他の制度金融とのバランスといったようなこともございます。それから、今後こういうてこ入れをすれば、資金量、貸し付け量も漸次増加をしてくる、それに見合って資金コストも下がってくる、また系統においても、こういった制度的な財政措置を講じるというふうなことになれば、それに対応してそれ相当の合理化の努力もお願いをしなければいかぬといったふうなことを勘案をいたしまして、多少現在の状況では、系統機関としてはつらいということは、私どもも、前から感じておりますけれども、九分でやるということに踏み切ったわけであります。踏み切りました以上は、九分を基準金利として三分の利子補給をするという計算で、政府なり地方公共団体が利子補給してまいるということになるわけでございます。
○佐々委員 その問題に関連してですが、農業近代化資金の利子補給率と、それから、利子補給したあとの貸し付け金利とこの制度とを比較してみますと、農業近代化資金におきましては利子補給率が三分から四分の間、それから漁業近代化資金においては一分から三分の間というふうに、漁業近代化資金のほうが補給率が低いですね。したがって、貸し付け金利もこれと同じような形で、逆に農業近代化のほうが安く、すなわち五分ないし六分で、漁業近代化資金のほうはこれより高く六分ないし七分というふうになっておるわけなのです。言うならば、農業近代化資金より漁業近代化資金の条件が悪いということになっておるのですが、そういう点については、どういう理由でこういう差を設けられたかということについて聞きたいのです。
○森本政府委員 農業近代化資金におきましても、貸し付けのほとんど大部分といいますか、大宗を占めますものは六分で、共同利用施設については、七分というような末端金利になっておるように承知をしております。ただ、御案内のように、この農業近代化資金制度は、沿革的に他の制度を引き継いできたというようなこともございますので、小規模の土地改良でありますとか、あるいは耕地防風林といったようなものについては、そういった沿革的な原因もございまして、末端金利が五分あるいは五分五厘になっておるものもございます。 しかし、これは私の承知しておるところでは、貸し出し総ワクの中できわめてわずかな部分を占めているというふうに承知をいたしておる。そういった農業近代化資金の状態と比較いたしますならば、漁業近代化資金は高くなっているというふうに、決して私どもは思っておりません。
○佐々委員 時間がないから、その点でこれ以上云々することはやめますけれども、私ども根拠のないことを言っているわけではないので、いま申し上げましたことは、調査室から出ているものの十ページに出ております。農業近代化資金の利子補給率と貸し付け金利が出ておりますから、それとあなた方がいま制定しようとしているのと比較したわけですから、あとで調べてみてください。 次は、この法律をつくりました場合、各県に対して、やはりこれを実行させるのにどういう努力を払われるか。あるいはこれをつくれば、県は必ず実行するという見通しを持っておるのですか。中には実行しない県もあるのですか。
○森本政府委員 現在の見通しでは、すべての県が実行していただけると思っております。
○佐々委員 これを実行した場合に、従来各県がやっておるところの都道府県単独融資助成制度というのがありまして、これは大体県数で三十七県がやっているわけです。香川県でも、香川県小型漁船近代化促進要綱というのに即しまして、町村の貸し付けに対して県が利子補給するというようなことをやっておるのですが、これが実施された場合に、従来やっておるこういう県の制度というものはどういうふうになるのか、水産庁としてどういうふうに指導するのか。やめてもよいというのか、今後ともそれは続けてやれ、こういう指導をされるのか、念のために聞いておきたいと思います。
○森本政府委員 各県でかなり漁業のこういった融資制度をやっているようであります。それは、県の漁業の実態によって制度の内容はかなり違って、県独自といいますか、そういう内容のものになっております。私どもの感じとしては、画一的に県に対してどうこうしろと指導するのはどうかと思っておりますが、おそらく県としては、今回の近代化資金ができまして、県としてもそれ相当の利子補給をするということでありますから、制度内容が今回の近代化資金にひとしいものあるいはそれに近いようなものは、それに合体をしていくということはあり得るのではないかと思っております。 しかし、いずれにいたしましても、この近代化資金ができまして、県が従来やっておった独自の制度が後退をするというふうなことになりますと、全体を通じて漁業に対する金融制度というのはマイナスになるわけでありますから、できるだけ県に対しては、この制度ができたことによって県自体もあまり後退をすることのないように、私どもはよく話をしてまいりたいと思っております。
○佐々委員 もし県が廃止するということになりますと、いままで私のほうの県では、町村の貸し付けに対して三分の利子補給をしている。そうすると今度この制度ができると、県は最高一分五厘利子補給したらいいわけですね。一分五厘が減るわけですね。県としてはそれで助かるわけです。しかし、漁民としてはそうではない。この点は、やはり従来の利子補給の県の予算に相当するもの以上を、この制度ができても県が実施するように、ひとつ指導していただきたいと思います。よろしいですか。
○森本政府委員 できるだけそういう精神で、県のほうによくお話をしてみたいと思います。ただ、これができますと、県のほうでもこれ自体に要する財政負担もありますから、そういった財政的な事情もありますから、精神は精神としてよくお話をしまして、県のほうの検討を待ちたいというふうに考えております。
○佐々委員 私が考えておった時間より非常に制限された時間になって、十分質問ができないので、はしょって、最後に基金協会の保証の問題についてだけお伺いをしておきたいと思うのです。 水産庁から提供を受けました資料によりますというと、一会員当たりの基金協会に対する出資額が、漁協の場合は百三十六万円、それから漁業者個人の場合は四十二万円、こういうふうな非常に高額な加入金になっておるのですね。これは事実こうなっておるのですか。私は、これはずいぶん多いから、こんな金を出して入る人があるのかどうかとふしぎに思うわけなんです。
○森本政府委員 単協で平均的に百三十六万円、個人四十二万円ということになっております。これは平均でございます。
○佐々委員 やっぱりそうなんですね。そうしますと、これはもう少し聞きたいのですが、なかなかこんな金を出してこの保証制度を利用するというのは、個人としてはあまりないと思う。漁協としてもあまりないと思うのです。これはおそらく、何かまとまった金を借りるときに、何口入れというて貸し付け金の中から天引きしておるのじゃありませんか。天引きしておるとすれば、大体どのくらい、貸し金の何割くらいは天引きしておるか。この点は、協会の利用ということについて非常に重要なことだと思うのですね。
○森本政府委員 出資金は、沿革的に言いますと、水産業協同組合は、昔というとあれですが、漁業権の補償が行なわれまして、その漁業権の補償を出資に切りかえるというふうなことで、かなり増大をしてきた面があるわけです。たとえば、水産業協同組合の出資金が、現在全体で二十七億円ですが、そのうちの二十億は、いま申し上げたような形で出資に切りかえたというような形でございます。 現在出資を増額している中で、どういうふうな形でその金を協会としては調達しておるかというのが、天引きではないかというお話でありますが、私どもも、そういった形で金を借ります際に、同時に出資金も追加していくというふうな形態があるであろうというふうなことは、否定はいたしません。まあそういうことも一がいに悪いというわけにもまいりませんので、もちろん過重な負担をあまりにかけるということは、十分戒心をしなければならぬと思いますけれども、そういった実態もあるということは、私ども聞いております。
○佐々委員 そうしますと、たとえば工場の埋め立て地帯になったというようなところでは、非常にたくさん金が協会に入っているわけですね。そうすると、そうでないところはあまり入っておらないということになりますね。そうすると、各県別々ですけれども、規約では一口幾ら、何口までというようなものがあるのですか。
○森本政府委員 一口五万円ということで、何口までというきまりはないようでございます。
○佐々委員 そうすると、先ほどお尋ねして御答弁がなかったように思いますが、お金を借り入れた場合に、同割くらいを基金協会へ入れてくれといって天引きしておるのですか。
○森本政府委員 その借り入れ金額の何割を天引きして出資にしておるかというのは、これは、それぞれのケースによっていろいろな形態があろうと思いますので、一がいには言いにくいと思います。また調べましても、なかなか千差万別でむずかしいのじゃないかと思いますけれども、必要な額は、先ほど申し上げました一口五万円でありますから、それを単位にして出資を増額しておるというようなことになっております。
○佐々委員 調査室の調べによりますと、貸し金の六分の一と書いてあるのですね。これは私の見間違いではないと思うのです。印刷の間違いかもわからぬが。六分の一というと、六百万円金を借りると百万円天引きされるということになるのです。おそらくそういうことはないと思うが、いかがでしょうか。
○森本政府委員 御指摘の数字は、現在の出資金に対して借り入れといいますか、保証しておる額が六分の一ということであろうと思います。それとこの問題がどうからむのか、どうも私よくわかりませんけれども、これは保証額と出資金の比率というふうに御理解をいただきたいと思います。
○佐々委員 とにかく、これはよくひとつ研究していただきたいのです。せっかく基金協会というものがありながら天引きの額が多いとか、加入金をたくさん出さなければいかぬということであっては、せっかくあってもこれは利用しないと思います。私がこの間漁村で聞いてみましたら、入っておらぬ漁協がかなり多いのですね。おそらく入っておるところは、いままでかなりの金額を借り入れた漁協だろうと思うのです。そのときに天引きされたのだろうと思うのです。この点は十分検討していただきたいと思います。 最後に、一問だけで私は終わりますが、水産庁のほうから出されました参考資料の二三ページに、「金融機関別保証の状況」というのがあるのです。これを見ますと、農林中金が貸した金についてしておる保証が四〇%、信漁連が三二%、銀行や信用金庫が二五%、漁協が三%、すなわち基金協会の利用率というものは、いままで保証したものの中で、単協が保証にかけておるものがわずかに三%ということなんです。私これを見て非常に感じたことは、上部の団体で、たとえば農林中金とかあるいは信漁連というようなところでお金を貸すときには、基金協会に入らせて保証料を単協に払わす。ところが、その単協がお金を貸すときには、末端の組合員から保証料を取っておらない。すなわち、基金協会が利用されておらぬということになるのです。しかも単協の貸し付けの状況は、言うまでもありませんが、上部団体からの転貸が一番多いのですね。たとえば、農林中金とかあるいは信漁連とか公庫から単協が借り入れて、そうして借りた金を末端の漁民個人個人に貸すという場合が多いのです。単協が借りるときには、上のほうへ保証料を払っておる。だから、上の団体としてはもう絶対安全ですね。基金協会が代位弁済をしてくれますから、絶対安全です。しかも、それを借りて末端の組合員に貸すときには、入っておりませんから、単協は非常に不安なんですね。担保がないのです。だから、せっかく基金協会というものがありながら、この基金協会というものは、上部団体の債権確保のためには役には立っておるけれども、単協の債権確保には役に立っておらないと思うのです。 同時に、単協から借りる末端組合員というものは、単協に対して、せっかくこういう制度があるにかかわらず、これが利用されないために、いろいろな物的担保を提供しなくちゃならぬということになっておるのです。ですから、私はこの基金協会の制度を見て感じたのは、先ほど言ったとおり、これは上のほうの上部団体の貸し金担保にはなるが、末端組合員の、ほんとうに金がほしい、担保がない、こういう零細漁民は、全くこの制度の恩恵に浴しておらぬと思います。 しかし、これに対してはこういう意見があると思います。反射利益があるだろう、それは確かにあります。単協が上部団体から金を借りるときに、こういう保証協会の保証がありますから、上の団体は貸しやすい。その制度によってたくさん金を借りるとするならば、単協がたくさん金を借りて、それを末端組合員に貸してくれるというような点の反射利益はあるのです。しかし、この制度によって直接保証されて、担保力のない者が金を借りるという点については何らの効果がないと私は思うのです。いかがですか。私は、これはいろいろこの間じゅう考えてみたのですが、結論はそうなると思うのです。私はいまの基金協会の保証制度というものを、末端漁民が無担保でもこの保証で金が借りられるように、そういうふうに制度の改革をすべきだと考えるのです。いかがですか。
○森本政府委員 中小漁業の融資保証制度の沿革といいますか、これは二十何年ごろにできまして、その当時の系統金融機関の実勢なり実態なりといったようなものを反映をいたしておるわけであります。したがいまして、漁業者が融資を受けます際に、単に系統金融機関ばかりではなしに、一般の市中銀行も保証対象に入れておる。また系統金融機関としても、末端の単協の資金量というものはきわめてわずかだというふうなことで、そういったことに相応してこの制度が発足をし、今日まできております。 御指摘のような方向に向かうべきであるということは、十分私どもも同感でありますし、また制度の経過におきましても、三十九年から金融機関としては単協を指定するし、また、漁協の出資金を組合員が共同で利用して、組合員自体が出資をしなくても、漁協の出資を利用して保証が受けられるという制度を開いておるというふうなことで、漸次先生御指摘のような方向に、本制度は変貌しつつあるというのが現在の段階であります。沿岸漁業者が保証を受けておる割合が大体四割程度に、漸次全体のシェアが拡大してきておるというのが沿革であります。 私どもも、御指摘のような方向にこういった制度が役立っていくことが非常に好ましいというふうに思いますので、いろいろな面から、この制度がさような方向に向かっていくよう努力していきたいと考えております。
○佐々委員 ぜひひとつ、この基金協会につきましては、私がいま言った趣旨で検討して、資金の乏しい、担保力のない人たちがこれを利用できるようにしていただきたいと思うのです。 最後に、忘れておったというと語弊がありますが、非常に大事なことで一言お尋ねしておかなければいかぬのは、この前の委員会で、私は与島の漁協の問題について、連合会が持っておる共同漁業権については関係組合員の同意を要するかどうかということについて、その後水産庁のほうでは、私の言う説に同感されたような印象を私は受けているのです。聞くところによると、共同漁業権の場合であっても、漁業権の得喪変更については、単協の総会を開いて同意を得るべきであるというような通達を各県に出すというふうに聞いておるのですが、これは出されたか、あるいはいつ出されるかということだけ最後にお聞きして、これでやめたいと思います。
○森本政府委員 先般の委員会でお尋ねのございました、あのときにおける法律論としては、私ども先般申し上げたとおりでありまして、別段変わってはおりませんが、組合運営としては、実態をよく調べ、あるいは関係者の意見を聞きますと、連合会の総会に理事者が出かけていく前には、やはり総会なりしかるべき会合において関係組合員の意思を十分確かめた上で、出かけていって意思表示をするのが適切であると思いますので、さようなことを近く関係都道府県に対して、何らかの形で通達をするというつもりでおります。
○佐々委員 早く出してください。
○丹羽委員長 午後二時三十分に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時五十六分休憩 ――――◇――――― 午後二時四十六分開議
○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き質疑を続行いたします。伊賀定盛君。
○伊賀委員 午前中から引き続いて論議がありましたので、二、三要点を御質問いたしたいと思います。 一つは、百億本年度限度額があるのですが、この貸し付けの対象が、たとえば、七十トン未満二十トン以上とか、二十トン以下とか、あるいは共同利用施設とかいうふうに分かれておるわけでありますが、その貸し付け対象別の百億の内訳ですね。たとえば、二十トン以上七十トン未満が極端に資金需要が多い場合、そちらに取られてしまって、共同利用施設とか加工施設とかいうものにうんと少なくなるというようなことになってはいけませんので、一応のめどというものがなければいかぬと思いますから……。
○森本政府委員 百億の中におきますところの種類別のめどといいますか、そういう資金のめどでございますが、百億のうちの漁船資金として四十九億という見込みを立てております。その内訳は、二十トン未満が二十四億、二十トン以上が二十五億、それから漁具その他の個人施設は三十一億、共同利用施設として二十億というような内容になっております。
○伊賀委員 その場合、貸し付けの対象に「政令規定見込事項」というのがあるのですが、この中に、「漁具又は養殖用の」云々、あるいは「漁船漁具保全施設、」云々というようにあるのですが、許可漁業の場合、権利金というものをどういうふうに評価されておるのですか。
○森本政府委員 漁船の資金としては、必要な漁船を建造ないしは改造するために必要な資金ということで、やはり漁船そのものの建造に必要な事業費といいますか、取得費といいますか、こういうものを融資の対象にしたいと考えております。
○伊賀委員 いま、権利金の相場はどれくらいですか。
○安福説明員 一応われわれとしては、公に行政ベースとして権利金がどうだこうだというあれはないわけでございますけれども、いろいろ事業の利潤率、そういったものを換算いたしまして、そういった観点から実際個々の売買が行なわれる、こういう事例があることは承知しております。また、漁業自体が収益率がだいぶ違う実態にございますから、それに応じましてそれぞれのその時点における評価がされておるようでございます。 たとえば、まき網であればトン当たり五十万であるとか六十万であるとか、あるいは特殊な非常に歩のいい漁業でありますと、さらにそれが七けたの数字にのぼる、こういう事例もあるように聞いております。そのときの漁業の実態に応じて相当の評価が行なわれておる、こういう実情でございます。
○伊賀委員 確かに、権利金というのは行政ベースでは認められてないと思います。しかし、いまお話しのとおり、まき網の場合でトン当たりかりに五十万としますと、十トンで五百万、七十トンといいますと三千五百万です。これはばかにならない金額になるわけでして、漁業近代化資金が今度創設されて、いわゆる近代化、合理化を進められるわけですけれども、実際に権利金というものが売買の対象になっておるわけです。それも行政ベースで認めるか認めないかというだけであって、実際は事実あるわけです。 たとえば農地法の中で、小作権というものが所有権のほかに認められ、雑作する場合に離作料というものが、行政上認めたわけでもなく、法律の上にも明文はないけれども、事実上農業委員会なんかが評価する場合に、離作料というものを評価しておるわけですね。もちろん、これは全国的に一律に評価されたものではない。その地域地域によって離作料というものの差はあります。しかし、やはりこれは実態に即して農業の場合に離作料というものが評価されておるのです。しかも、その金額がわずかならば――これは融資率ですかが、ざっと八〇%ということになっていますね。今度、たとえば漁船建造の場合にはそういうことになっていますが、その金額が決して軽微なものではないというふうになってまいりますと、この際やはり――事実上だれでもできないわけですから、そこに一つの権利金というものが生まれてくることは、これはやむを得ないわけであります。そう考える場合、権利金というものを貸し付けの対象に加えるべきだと思うのであります。場合によりますと、その比率が非常に高ければ高いほど、建造資金の自己資金の二〇%は調達できたけれども、権利金のほうがかえって苦になって、ついにそれができなかったという場合もあり得るわけであります。私どもの場合、カニなんかの場合でもそういうことがいえるのでありますけれども、権利金が非常に大きいわけでございます。したがって、いま直ちにということにはならないにしましても、権利金というものを一つの物権といいますか、そういうものとして事実上これを認めて、貸し付けの対象に入れるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○森本政府委員 漁業許可制度の一つの反射的な形として、いま先生が御指摘になったような事態が発生をしておることは、業種によっては事実であろうと思います。ただ、自由漁業といったようなものもありますし、いろんな形態の漁業の姿があるわけでありますから、すべてがすべてそういう事態であるというふうにも私どもは思えないのでございます。 そういうことでありますし、また発生をしておりますところの評価額といいますか、そういうものも、ものによってまちまちだといったようなこともございますので、そういったものを今回の融資の対象にするかどうか、これはなかなか慎重にかまえなければならぬだろう。私は、特にそういったものがいたずらに高額になっていくということは、漁業の進歩発展という点からいって必ずしも好ましいことではないというふうに思いますから、そういったものに対して制度的な金融をつけていくということについては、私どもとしては、かなり慎重にかまえなければならぬ事柄ではなかろうかと思っております。
○伊賀委員 それはそのとおりだと思います。思いますけれども、制度上認めるかどうかは別にして、たとえば、通達とか内規とかという形ではむずかしいかもしれませんけれども、その金額の評価等については、おのおのその地域の、たとえば漁業調整委員会とか適当な機関で査定をすることによって――事実上あるわけですから、これをほおかぶりをして通るということが、かえっておっしゃるとおり漁業振興になるかどうか。権利金が高まることは、漁業の振興のためにならないことは事実ですけれども、というて、それを否定したからといって権利金が、それならだんだん減ってくるかといいますと、むしろそうではなくて、資源保護とかいうような立場からいいますると、むしろ無制限に自由操業にすべての漁業を持っていくことが、資源保護には逆行するわけでありますから、そうならば、むしろ長官のおっしゃるように、好ましくないけれども、事実は逆に権利金は高まっておる、こういう見方をしたほうが、私は実際的だと思うし、事実はそういうふうにいくのではなかろうかという感じがするわけであります。 そうしますと、長官の言うように、それは好ましくないからといってほおかぶりをして通れるかどうかということになりますから、いま直ちにというわけにはまいらないと思いますけれども、少なくともこれは前向きで検討してもらったほうが、おっしゃるとおり漁業振興のためになるのではないかと思います。
○森本政府委員 個別の企業者の立場に立ってみますと、そういうふうな事態が事実として存在するわけでありますから、漁船を新しくつくる場合に、そういったものに要する金もかかるということはわかるわけであります。しかし、全体の漁業のあり方といったような点等とも関連して、こういう問題を扱っていかなければならぬということでございますので、前向きといいますか、私どもとしては、なるべく慎重にそういう問題は検討すべきだというふうに思っております。
○伊賀委員 それから今度七十トン未満、二十トン以下とかいろいろあるわけですね、貸し付けの限度額が。ところが単協にいきますと、定款に基づいて、おのおのその単協の総会で貸し付けの限度額を決定していますね。その限度額と今度の貸し付けの限度額とがうまくかみ合えばいいのですが、かみ合わなかった場合は、どういうふうに措置されたらよろしいですか。
○森本政府委員 確かに御指摘のように、総会等で一組合員当たり幾ら貸すかという限度を、単協で設けておる例が多いようであります。しかし、その例を見ますと、そのワクを計算いたします際に、制度金融については別扱いだというふうになさっている例もまた多いようであります。したがって、近代化資金も制度金融でございますから、当然、そういった組合の定款で定めておる限度からは別扱いのものになるというふうに思っております。私どももさような方向で指導しております。
○伊賀委員 事実はそうでない単協がわりに多いのです。ですからひとつそういう点、行政指導でけっこうですからおやりいただきたい。 それから、先ほど佐々委員からお話がありましたが、保証制度がありますが、私どもずっと回りますと、大体単協の役員さん、監事さんとか理事さんとかあるいは総代さん――総代さんなんかになりますと、もはや保証制度のあることを御存じない方が実は多いのです。一般組合員になりますと、むしろ知らない人のほうが多いと見ても差しつかえはないと思う。県なんかで聞いてみますと、いやそんなことはありません、総会にはちゃんと県の何やら課長が出て報告しておりますと、これは農協でも漁協でも一緒でありますが、県あたりではおっしゃる。おそらく水産庁長官もそういうふうに御答弁になるだろうと思う。ちゃんと周知徹底せしめるような措置をとっております、こう言うておりますけれども、しかし、実際農協の総会なり漁協の総会の実態はどうかといいますと、御承知かどうか知りませんけれども、浪花節が来たり踊ったりなんかしまして、そしてその踊りや浪花節が来るときには、組合員が全員そろいますけれども、いわゆる正規の総会なるものは、もう三分の一かそこそこのうちに、異議なし異議なしで全部終わってしまうわけですから、全員組合員がそろったときには、踊りや浪花節が始まっているというのがいなかの実態です。したがって、一般の組合員の方が、こうした近代化資金の制度のできることも、あるいは保証制度のあることも、御存じないというのが事実なんです。そういう事実を長官、御承知ですか。
○森本政府委員 私どもも、こういった制度の普及には努力をするつもりでおりますけれども、ただいま先生がおっしゃられたようなことは、おそらく末端におけるといいますか、現地における実相をかなりあらわしておるものというふうに思います。したがいまして、できるだけそういうことを頭に置きまして、保証制度なりあるいは今回の近代化資金の制度なりの普及あるいはPRには、できるだけひとつ努力していきたいと思います。
○伊賀委員 もう最後の質問で私は終わりたいと思いますが、これは、一昨年漁業災害補償法の一部改正のときに、前の長官のときに私は御質問を申し上げたのです。それは、今度の近代化資金の種類や対象がいろいろと政令の中にも出ておるのですが、漁業の本来の目的というのは、安い価格でコンスタントに国民に食料を供給するというのが本来の目的です。ですから、できるだけ安く生産して安く消費者に提供していくというのがたてまえであります。もちろんその間、漁業者の生活というものはこれは保護されなければなりません。その場合、海から生産されまして、そしてそれが直接なまのまま消費者にいくか、あるいは一次、二次、三次と加工をされて消費者にいくわけですけれども、いわばその生産から加工もしくは流通段階の一つの接点として、いわゆる価格形成の場としての産地市場というものがとらえられねばならないわけです。昨年の卸売り近代化資金のときにも、私はたしか質問をしたように記憶しておるのですけれども、卸売り近代化資金の昨年の創設のときにも、消費地市場は貸し付け対象になりましたけれども、産地市場は貸し付けの対象にならなかったという経緯があるわけであります。しかし、それは法的には貸し付け対象になっておりますから、順次その方向に持っていきますという御答弁だったと記憶しております。 したがいまして、その後の経緯と、それからもう一つは、先ほど申し上げますように、今度この保蔵施設でありますとか、あるいは処理加工施設、運搬施設というようなことで、私がいま言わんとするものがある程度満たされておるような印象を受けるのでありますけれども、しかし、私が昨年申し上げたのは、御承知のとおり、これは農村といわず漁村といわず、どんどん労働力が都市に集中してまいりまして、いわゆる一次産業の従事者というのは、急速に減退を見ておるわけであります。ですから、どこも、たとえば漁業の乗り組み員にしましてもあるいは加工施設にしましても、いわゆる働く労働者諸君というのが確保しにくい状態になっております。特に加工なんかの場合ですと、女子労働化しつつあるわけでありまして、そういうものを確保するためにも、たとえば住宅とか、あるいは主婦労働を確保するためには保育園とか、子供の一時預り所とかいうようなものも含めて、私はこれを水産団地というふうに申し上げたのですけれども、こうした水産団地というふうなものを構想する必要がありはしないかということを昨年申し上げたのですが、今回近代化資金でそういうものを想定しておるのか、おらないのか。もしおらないとすれば、積極的にそういう方向にこの近代化資金の中で消化するか、あるいは単独立法で考えてもらうかは別にしまして、水産庁としてそういう考え方を持つ時代に来ておるのと違いますか、個々ばらばらにやるということでなしに。たとえば農・林・漁・畜、これを考えますと、資金の種類というか、それは百七、八十種類ありまして、これではなかなか思い切った総合的な近代化、合理化というものはむずかしいと思うのです。そういう意味でいかがですか。
○森本政府委員 御指摘のように、水産について市場を整備してまいる。特に産地市場というのは、水産においてはきわめて特異な存在でありまして、また水揚げをいたしまして、そこで利用配分がこまかにきまる、また加工も行なわれるというような特異な存在であります。したがいまして、そういうふうな市場を中心にして、そこの加工なりあるいは流通施設を総合的に整備してまいるということは、きわめて重要なことでございます。今回四十四年度予算におきましても、そういった観点から、いわゆる主要な漁港におきまして流通加工センターといいますか、そういうものの一つの形成調査というふうなものも新しく予算に載せまして、これから発足をさせようというふうなこともやっております。また、今回の近代化資金におきましても、産地市場の必要な施設の融資に対しては、その対象に取り上げるというふうなことにもなっております。それやこれや各種の手段方法を用いまして、市場なり加工施設を一体とした合理的な整備につとめてまいりたいというふうに考えます。
○丹羽委員長 この場合、暫時休憩いたします。 午後三時十分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕