農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/04/03
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲富稜人君。
○稲富委員 まず、自主流通米についてお尋ねいたしたいと思うのであります。 私は先般、自主流通米というものは管理外の米だ、ところが、食管法の第一条には、政府はそれを管理することになっているので、管理外の米を認めるということは食管法第一条に反するんじゃないか、こういうことを私は質問いたしたのでございますが、そのときに桧垣食糧庁長官は、「この場合の管理というのは、私どもの解釈は、政府が農家からの直接買い入れを行なって、政府が所有権を取得して管理する場合としからざる管理とございます。」こういうふうに言われております。それで、この食管法全体をごらんになりましても、直接の政府買い入れ以外の規定が入っておる、こうおっしゃっておるのであります。どうも私は、ずいぶん食管法を見ますけれども、管理外の米というものを、食管法のどこでそれを認めておるのかわかりませんが、この点ひとつ大臣も、食糧庁長官と同じような考え方を持っていらっしゃるのであるか、まずお聞きしたいと思うのであります。
○桧垣政府委員 私どもの解釈いたしますところでは、一条の「食糧ヲ管理シ」という管理というのは、食糧に関する広範なコントロールを規定しておるものだというふうに理解をいたすのでありまして、たとえば、十一条の輸移出入の統制というのも、それ自体は政府自身が輸移出入そのものをやるということではない。これは政府以外のものが輸移出入をやることは認めて、かつそれに対する統制をするということをいっておるのでございますから、これはやはり政府が、主要食糧そのものを直接管理をするという以外の場合を考えておるというふうに考えるべきであるし、また九条の規定をごらんいただきますと、「主要食糧ノ配給、加工、製造、譲渡其ノ他ノ処分、使用、消費、保管及移動ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得」ということは、政府自身が持っておるものならば、こういう規定は必ずしも必要がない。政府が持っておらない、所有権を持たない食糧についても管理権を及ぼすことができるという規定でございますから、一条の「管理」というのは、私は広義に解釈するのが正当であろうというふうに思うのでございます。
○稲富委員 ところが、この食管法においては、全部を政府が買い上げるということになっておる。これもあなたのほうは、買い上げぬでもいいのだという解釈をされておるようでございます。 私は、ちょうどこの食管法が提案された昭和十七年一月二十四日の七十九回帝国議会、衆議院の会議録を見ましても、そのときの井野農林大臣は、食管法の提案に対してこういう説明をしております。すなわち、「農民が安ンジテ生産ニ従ヒ得ルヤウニ、生産セラレタル米麦ハ、必ズ政府が之ヲ買フト云フ態勢ヲ明カニ致シマシテ、」こう言っている。生産された米麦は必ず政府が買う、これが食管法のたてまえだということを、これはもう提案理由の説明のときに農林大臣ははっきりしております。 さらにまたその当時におきまして、湯河食糧管理局長官ですか、この湯河さんの説明を聞きましても、此ノ管理法ノ建前ト致シマシテ、茲ニ米麦トゴザイマスノハ、寧口内地ニ於テ生産サレタ米麦デ、是ハ三条、四条ノ規定ニ依リマシテ政府が謂ハバ専売的ニ之ヲ買入売渡ヲ致シマス、」こう言っている。これほど非常に強く、政府が全部を買わなければいけない、こういうことが立法のときに明らかにされている。 それを、その情勢は変わったか知らぬけれども、政府が全部買わないでいい、あるいは管理外の米というものは認めていいというのは、やはり食管法の成立の当時の精神からいうと、非常に便宜的な解釈をしているのじゃなかろうか、こう思われるので、この点私は納得がいかないわけです。それでこの点から、当然国が管理すべきものであって、管理するということは第一条にきめているのじゃないか、こういう解釈が私は妥当じゃないかと思うのであります。その点、私どもとしてこういう解釈をいたしておりますと長官は言われますけれども、その解釈に非常に無理があると思うのです。この点を私はまずはっきりすることが必要じゃないかと思うのです。
○桧垣政府委員 食糧管理法制定当時における政応の説明あるいは答弁につきましては、私ども承知をしております。それは昭和十七年というああいう時期における、政府が食糧管理法で何をねらいとするか、あるいは何ができるかという説明として、私はまさにそのとおりであったと思うのでございます。しかしその後、たとえば国内において生産された米麦はすべて専売的に政府が管理するという考え方でございますというのは、その後食糧事情の変化に応じて、すでに変わっておると私は思うのでございます。 というのは、麦につきましては、制定当時においてはまさに米と同様の管理の対象であったのでございますが、現行の食管法のもとでは、麦はすでに自由流通を前提とする政府の無制限買い入れ制度ということに変わっておるのでございますし、私は今日の段階で、米につきましても事前売り渡し制度、予約制度をとったということ自身も、制定当時の説明からは事情が変わって、ああいうような事前売り渡し申し込み制度というのがとられたというふうに私は思うのでございます。 実定法の解釈としては、一条は国民食糧の確保、国民経済の安定のためには、主要食糧の管理の必要があるということを明言し、そのための手段として第三条で、政府は強制的に米について生産者に売り渡し命令をすることができるという規定が置かれておるのであって、実定法のたてまえとしては、およそ全景を政府が買い入れなければならないという規定ではないというのが、これはもう疑いの余地がないと私どもは思っておるのでございます。 ことに、三条の強制買い入れの規定というのは、生産者に対する自由の制限の規定でございますから、自由制限の規定は、本来法律解釈の基本的な態度として、制限的に解釈するのが私は正しいと思う。しかし、これは三条の二項の規定との関連で、政策的には、私は法律解釈と別に、わが国の農業の作目の中で最大のものであり、国民食糧の基幹となる米のことでございますから、いわゆる無制限買い入れの原則を貫くということは、実定法の解釈以上のものとして、政策として私はあり得ると思うのでございますが、法律論として、私は全量を政府が買わなければならない、全量を政府が直接管理をしなければならないということではないというふうに解釈をいたしております。 また、この点の解釈は、政府部内で慎重に検討いたしました結果、統一的な解釈として確認をされておるところでございます。
○稲富委員 どうも私はその点が、この食管法ができた昭和十七年と今日においては、それは食糧事情及び社会事情、こういう点は変わっていることは認めます。しかしながら、法の基本的な考え方、解釈というのは変えるべきではないと私は思う。運用においてはいろいろ変わるといっても、しかし、法の基本的な考え方をはずすことは、法を改正しなければ、それ以外にはできない、私はかように考える。ただそのときの情勢によって法の解釈をおのずから変えるということは、私は許されないと思うのです。 この点、どうも私のふに落ちないところなんで、広範に法の解釈を広げる、そういうようなことは私はいけないと考える。特に、食管制度の根幹をはずさないのだというたてまえであるなら、なおさら私は法の基本的な考え方というもの、その解釈というものを変更すべきものではないのだ、こう思うのですが、私の考えが間違っているでしょうか。
○桧垣政府委員 法律というものは、これは国会において審議をされ、その上で法律としての性格を持って実施されるものでございますから、したがって法律の解釈が、事情の変化によって解釈を異にするような、そういう浮動性があってはならないのであります。その点については、先生のおっしゃるとおりだと思うのであります。 しかし、食糧管理法自体につきましては、私は実定法の解釈としては、私の解釈は制定当時といえども同様に、実定法解釈としては変わりはないと思うのであります。ただ、食糧事情の変化に応じて一条、三条の適用についての変化だけがあるのだというふうに私は理解をいたしておりまして、食糧管理法の解釈を食糧事情の変化に応じて変えたとか、あるいは曲げたとかいうことではないというふうに、私どもは確信をいたしておるのであります。
○稲富委員 大臣もそういうような考え方でございますか。
○長谷川国務大臣 ただいま長官が言われましたように、法律というものは人、人によって解釈が異なるということではないものだ、これは原則だと思います。 御指摘のように、昭和十七年の状態といまの状態は違っているから変えたのだという意味ではないのでありまして、要するに、ここにあるとおり全量買い入れ、無制限買い入れはいたします、するのです。ですから、もしそれそのものを無制限に全部持ってくるということならば、政府は全部買い入れるということをちゃんと行なっております。言ってもおりますし、行なうことになっております。 ですから、食糧管理法第一条は、その基本的な目的として、「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為」国民の一人一人の食糧というものは確保するのです。政府管理米がほしいというのならば、それはいつでも要求どおりに配給いたします、こういうことがはっきりとうたわれてもおるのでありまして、でありまするから、このため第三条で買い入れに関する規定を置いているわけですが、この規定は、つまり第一条の目的を達成するために、必要な米を政府が農家から強制的に買い上げることができる旨を定めたものであって、政府に全量買い上げを義務づけたものではないという、ただいま長官と同じような私たちは解釈を持っておるのであります。 したがって、今日のように米が過剰になった状態におきましては、自主流通米を認めても、究極の目的である米の価格や需給の調整というものは一般にできて、その必要な政府管理米の量は十分に確保されるので、食管法違反にはならないのだ、こういうような統一解釈をしているわけでございます。
○稲富委員 私は、食管法の基本というものは、食糧を政府が管理するということに問題があると思うのですよ。端的にいいますと、政府管理外の米を認めるということが、食管法に違反しているのじゃないかと言っているのですよ。それでそのほかのいろいろな、食糧の確保とか経済の安定をはかるとか、こういうようなことのために、管理するということが主たるものでなければいけないと私は思うのですよ。食管法の精神は、やはり食糧を管理することにあると私は思う。それを管理しないと言うから、食管法に反していないかと言う。ところが食管法には、管理せぬでもほかにいい方法があると言うから、どこにそんな方法があるかと私は聞いておる。二通りあるとおっしゃるが、そこに問題があるのです。私の理解が間違っているというのならしかたがございません。それはまた機会をあらためて、法理学者か何か呼んできて参考人として聞かなければならない。私は非常に簡単なんですよ。
○桧垣政府委員 先ほど申し上げましたように、一条の管理というのは、広範なコントロールの意味を持っておるものだと解釈すべきである。でございますので、自主流通米を認めるということでございましても、それはかねて申し上げましたように、だれがだれに売ってもよろしい、何らの規制なしに流通してもよろしいということを認めるのではありません。食糧管理のたてまえからする行政上の規制のもとに自主流通を認めます。したがって、自主流通を認めること自身、食糧管理法一条の、政府が米穀の管理をするというたてまえのもとで認めようという趣旨でございますので、その点は私どもも、稲富先生御指摘の本質には反していないので、そういう線に沿って自主流通米を認めていきたいということでございます。
○稲富委員 今日までのいろいろな政府の方針を聞いておりますと、自主流通米というのは、管理外の米だとおっしゃるでしょう。それだから問題があるので、政府が管理しているのだ、そして自主流通米を認めておるのだと言うのなら、私、そういうことを聞くわけじゃないけれども、管理外の米を認めておるとおっしゃるから……。食管法は、管理するということが一番の大きな問題であるので、そこに非常に疑義があるということを私は言っておるわけなんですよ。
○桧垣政府委員 説明が十分でなかったかと思いますが、政府が米穀を買い入れいたしまして、政府が所有権を持って管理をする場合と、法律上の権限に基づいて流通、消費の規制をするという管理のしかたと二つあるはずだ。それが、食管法の現行法の中にもそういうふうに規定があるということでございますから、自主流通米も、広義の政府管理のもとに置かれる米穀であるというふうに、御理解をいただきたいということを申し上げておるのでございます。
○稲富委員 私、この問題は前から繰り返して、どうも納得いきませんが、こればかりやっておるとこれで時間が何時間も過ぎます。これはいずれ法律の専門家でも呼んで、この問題をさらに検討する機会をひとつ与えていただきたい。どうも事情が違ったからといって、法を幅広く解釈するとか、幅狭く解釈する——法の解釈というものは、そういう時勢に応じて変更するということはあり得ないことだと私は思う。そういう点から、管理外の米を認めることが食管法の違反にならないとおっしゃるが、それがどうも私にはふに落ちないから、こればかり繰り返しお尋ねしておる。しかし、どうも話は同じことの繰り返しなんで、これでは限りがありませんから、この問題はまたあらためての機会ということで、時間がありませんからこの程度にいたしたいと思います。 次に、畜産局関係に対してちょっとお尋ねしたいと思うのですが、農林省は従来、飲用向けの原料乳価については、その指導価格を設けて小売り価格の規制をしていらっしゃった。ところが、最近これをおやめになっておるようでございます。 聞くところによりますと、これに対しましては、公取委員会とかあるいは経済企画庁等の意見などがあって、指導価格をきめることはかえって牛乳が値上がりをするから、これを撤廃したほうが値下がりするのではないか、こういうようなことからそういうことになったということも私は聞いているのでありますが、この点の事実はどういうふうになっているか承りたい。
○太田政府委員 御承知のとおり、四十二年に小売りの値上げが行なわれたのでございますが、その際、先生の御指摘のように、経済企画庁にございますところの国民生活審議会消費者保護部会等で、従来の指導価格を設けておりますと、何円以内という指示をいたしたのでございますが、どちらかというと、その何円以内という一番上にくっついてしまってなかなか下には下がらない。したがって、自由な競争原理を導入したほうがよろしいのではないかというようなことで、指導価格の撤廃に踏み切ったということでございます。 そういった経過がございまして、四十二年から指導価格というものは廃止いたしたという経過でございます。
○稲富委員 その指導価格を廃止された結果、その後は二円値上がりしたけれども、生産者がその二円のうちの六〇%の配分を受け取った。 ところが、最近東京都内におきまして、これはすでに御承知だと思うのでございますが、新聞配達労務費の値上げ等があって、これは販売業者のほうで値上げをしたようであります。これがまた地方にも非常に影響を及ぼしておるので、地方のほうでも、それでは生産者と販売業者あるいは乳業者、こういうものの話し合いで少しばかり上げようじゃないかというので、これはみな話し合いでやっていこうということになっております。ところが、中央の問題が解決しないからというので解決しないでおるようでありますが、こういうようなことでは、将来販売業者の意向によって乳価の値上げ等がまた行なわれるということは、非常に生産者に影響するところ大きいと思うのであります。 こういう点から考えて、やはり乳価指導というものをこのままほっておいていいかどうか。指導価格というものに対して、どういう考え方を農林省はお持ちになっているのか。これを放任しておくのかどうか。こういうようなありのままにまかしておくということは、これは農林省といたしましてもあまり芸がなさ過ぎると私は思うのですよ。何か手を打たなければいけないのではないかと思うのですが、これに対してはどういう考え方をお持ちですか。
○太田政府委員 先生御指摘のとおり、昨年の十月中旬ごろ、小売り業者が配達労賃の値上がりを理由に、東京を中心といたしましてまず三円値上げということが出たことは事実でございまして、われわれはその小売りの配達の労賃が非常に上がっておるというような事情もよくわかるわけでありますが、そういった事情は、生産者のほうにも実はあり得るわけでございまして、三円値上げしたものをまるまる全部小売りが取るというのは、従来の慣行等から見ましてもいかにもおかしいということで、実はわれわれも、両者の間に入りまして指導をいたしてまいったのでございます。 最近におきまして、東京を除きましてほぼ全国的に、乳業メーカーと小売り業者の間で、卸売り価格の改定についての話がついたようでございまして、その段階で、さらに乳業メーカーと生産者の間で、改定になりました卸売り価格の配分につきまして、いま話し合いが行なわれております。われわれもできる限りすみやかに、両者の話し合いによって適正な配分が行なわれるように、側面から指導をいたしておるのでございます。 先生御指摘のとおり、飲用乳価の価格形成というのは、不足払い制度をつくりましたときに、飲用乳は地域の需給実勢によって価格がきまるのだということを申し上げてまいったのでございますが、確かにここ数年来の経緯を見てまいりますと、毎年飲用乳価の問題をめぐりましてトラブルが起こっておるわけでございますので、われわれもその価格の適正な形成について、どういうふうにしたらいいかということにつきましては、慎重に今後検討いたしまして、できますれば何らかのルールをつくってまいりたいということで、ことしひとつその問題に真剣に取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○稲富委員 これに対しましては、いま局長が言われましたように、やはり価格形成に対するルールを確立して強力な価格指導をやらなければ、現在の状態のままにしておきますと、先から先に無方針に上げられる、しかも生産者は非常に迷惑するという問題が起こってくると思うのです。 何といいましても、やはり農林省が中心になって価格形成に対するルールを確立していき、そして乳価問題に対してはもっと適確な手を打たなければ、現在の状態では全国的に波及するおそれがありますので、この点を強く要望して、抜本的な対策を確立してもらいたい、こういうことを考えておるのであります。これは畜産局長もそのお気持ちになっていただいて、農林大臣としてもそういう考えでこの問題に対して取り組んでいただきたいということを、この機会に要望しておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 この問題は、物価安定推進会議に参りましたところが、物価安定推進会議から、価格が三円高くなるのはどういう理由だということがお話として出ましたので、それはあなた方がおっしゃったようにやったことであって、というお話を一応はしてまいりました。その結果がこうでございますという話はいたしました。 しかし、このままでほっておくということもということで、これに対しましては、局長が中間に立って、両者の面に立っていろいろな指導をしておるようでございます。まだはっきりした結論は出ておりませんけれども、大体近いうちにその結論が出るだろうと思うのです。 しかし、この先どうするかという問題だと思うのです。牛乳の生産はますます高まっていくであろうし、このまま価格が高くなっていくようなことだったとすれば、結局、生産はしたものの需給の面にアンバランスを来たすような時代も来るであろう。こういうような点、あるいはまた、かつて日本が、人間の手間が多過ぎて困ったときに配達制度を行なったという——どこの国へ行っても、こんなにサービス過剰の国はおそらくないのであって、これらをあわせて考える必要があるのじゃないか。一定の個所に大きいびんで五日分、一週間分ずつ取りに来てもらうというような方法も、現在はどこの家庭に参りましても冷蔵庫がありますから、そういうような方法等もあわせ考えて、そうしていま御指摘のあったような点については、十分今後の指導に当たっていく考えでございます。
○稲富委員 この問題は、四十二年に指導価格を撤廃されたときに、あまり農林省が弱過ぎたと思うのです。農林省はこういう方針でいくのだと、もっと強くそのときにやられたらよかったのじゃないか。そのときにどういう情勢だったか知りませんけれども、ひとつただいまのような情勢を十分考えて、今後これらに対しては強い方針をもって臨んでいかれることを切に希望したい。そうすることが、生産者が安心して生産に取り組むということにもなると思いますので、この点を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 なお、食管法の問題、自主流通米の問題については、またいずれ機会を見まして大いに検討したいと思います —————————————
○丹羽委員長 この際、昭和四十四年度畜産物の安定価格及び加工原料乳の保証価格等について、政府より説明を聴取いたします。太田畜産局長。
○太田政府委員 お手元に、ただいま委員長からお話のございました四十四年度の加工原料乳生産者補純金等暫定措置法に基づきますところの加工原料乳の保証価格及び基準取引価格、それから生産者補給交付金にかかる加工原料乳の数量の最高限度として、農林大臣が定める数量並びに指定乳製品の安定指標価格を定めました告示をお配りしてございますので、これに基づきまして御説明を申し上げます。 まず、加工原料乳の保証価格でございますが、ただいまお配りした資料の二ページの注の1、2に書いてございますような条件のものにつきまして、一キログラム当たり四十三円五十二銭ということにいたしております。これは、前年度の保証価格が四十二円五十二銭でございますので、一円のアップということでございます。 それから、加工原料乳の基準取引価格につきましては、一キログラム当たり三十七円三銭ということで、前年度が三十六円五十八銭でございましたから、四十五銭の値上がりということになっております。したがいまして、不足払いの単価といたしましては、保証価格が四十三円五十二銭、基準取引価格が三十七円三銭でございますので、六円四十九銭、これが前年度が五円九十四銭でございましたから、五十五銭のアップということでございます。 それから、指定乳製品の安定指標価格につきましては、そこに出ておりますように、バター、脱脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳、それぞれそこに書いてございます単位ごとに価格をきめてございますが、実はこの安定指標価格につきましては、昨今の需給実勢にかんがみまして、前年度据え置きということにいたしております。 それから、生産者補給交付金にかかる加工原料乳の数量の最高限度として農林大臣が定める数量という、いわゆる限度数量でございますが、百三十五万トンということに決定をいたしまして、三月三十一日に告示をいたしたということでございます。
○丹羽委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○丹羽委員長 質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀委員 ただいま畜産局長から、昭和四十四年度の加工原料乳の価格等に関する報告がございましたので、これに関連して質問を申し上げます。 まず、第一にお伺いしたいのは、三月二十八日、畜産振興審議会の酪農部会が開かれまして、同日答申が農林大臣に出されたわけでございます。そこで、この畜産振興審議会の答申の内容を、農林大臣としてどういうように受けとめて善処されたかということを先にお尋ねしたいと思います。 答申の記の一は、加工原料乳の保証価格をきめる場合には、特に生産に投下された自家労働の評価を適正に行なえということがうたわれておるわけであります。これは毎年問題になっておる点でありますが、私の判断では、なぜ審議会が自家労働の評価の点を強調したかというと、これは、いままで生産費の計算の中で飼料作物費というものがあるわけですが、この中で飼料作物を生産するために投入された自家労働の評価というものが行なわれて、それがそのまま加工原料乳の生産費の要素になっておるわけであります。他の労働費については、昨年ようやく飼育労働費については、加工原料乳の主要な生産地域である一道六県の五人以上規模の製造業の平均労賃ということになりまして、残されたのは、飼料生産に投下された自家労働の評価というものが日雇い労賃ということになっておるわけですね。だからことしは、長谷川農林大臣のもとにおいては、自給飼料費の日雇い労賃を製造業並みに直してもらうというのが、長谷川農林大臣に期待される大きな問題だったわけです。 ところが、この点については是正のあとが見られないわけでありますし、特に審議会がこの点を強調したのは、残された問題である自給飼料に要した自家労働費というものを適正に評価がえせいということは、飼育労働費と同様にやるということが明確になっているわけです。ただ、いまの審議会は国会議員をもう締め出しておるわけですから、ほとんど政府の御用委員としての役割りしか果たしていないわけですから、答申の内容を国民が見ても、何を意味しているかほんとうはわからぬわけですね。当委員会としては、これは何を意味したかということはよくわかるわけですから、この点をまず農林大臣からお答え願いたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 酪農における飼育管理労働は年じゅう無休で、また一日の中でも最も長い時間を労働する、こういうような拘束される労働でありまして、一般の雇用といいましょうか、そういうような労働には類のない労働が多い。そのために他産業の労賃をもって評価がえしておりますけれども、自給飼料の生産は飼育管理労働と異なって、このような特殊性はないので評価がえは行なわないのだということになっておるようでございます。 また、加工原料乳の保証価格は、暫定措置法の第十一条に、加工原料乳地域における生乳の再生産を確保することを旨として定めることになっておりますので、保証価格の算定の基礎となる生産費調査その他の調査を、すべて一道六県のものを用いて算定をしているのでございまして、また、賃金が比較されるのは同一地域の労働についてであり、当該地域の他産業労賃を用いまして、そして評価がえをするのが適当であると考えるわけでございます。 特に本年度の加工乳の決定にあたりましては、いろいろの議論もございましょうけれども、政府としてはできるだけのことをしなければならぬ。すなわち、再生産を確保するために、昭和四十三年度に生産された限度量を越えた分、こういうような点につきましても配慮をいたしましたし、さらに、これらの生産の安定をはからなければならないというような考え方の上に立って、昭和四十四年度百三十五万トンというような大きな数量も限度数量として定めたわけでございます。御指摘の点等もございますけれども、つとめて、申し上げたような再生産が確保できるような方法に万全を尽くした、このようにわれわれは考えておるのでございます。
○芳賀委員 いまの大臣の御説明によると、労働費については、全面的に一道六県の製造業の平均賃金によったということのようですが、それでは自給飼料費についてもそのようにされたわけですね。
○太田政府委員 大臣がおっしゃいましたのは、自家労賃をどう評価するかという場合に、酪農経営の特殊性にかんがみということで、飼育管理労働につきましては、当該一道六県の五人以上規模の製造業賃金に置きかえました。一般の作物、いわゆる耕種労働に類するものにつきましては、そういった飼育労働のような特殊性もございませんので、先生御指摘のとおりの評価がえは行なっておらないということを申し上げたというふうに私は理解をいたしております。
○芳賀委員 答申が、特に自家労働を適正評価しろということは、飼育労働費は去年までで片づいておるわけですから、片づいた問題を強調しているわけじゃないと思うのです。未解決の自給飼料費に投下された自家労働についても飼育労働費と同一の——同一労働同一賃金の原則からいっても、そうするのが当然なわけです。ですから答申が不明確なわけですよ。だから、どういうふうに大臣としては受けとめて——記の1が、残された自給飼料費についても、飼育労働と同じようにしなさいという答申の趣旨であるか、それをどういうふうに受けとめられたかということを、第一点として聞いておるわけなんですよ。
○太田政府委員 確かに先生の御指摘のとおり、自給飼料作物の労働も、他産業労賃で評価がえをしなさいという議論があったことも事実でございます。また逆に、そういうことをすべきでないという議論もあったわけでございます。 そこで、審議会の部会長といたしまして答申の一本化ということに非常に御苦労なされまして、ここで「酪農経営の特殊性を考慮し、その労働の評価を適正に行なって定めること。」というふうにおまとめいただいたものとわれわれは考えております。 「酪農経営の特殊性」といいますのは、酪農が現在生々発展している段階でございまして、米のような全面国家管理のものでないというようなこと、あるいは酪農労働の先ほど申し上げたような年じゅう無休拘束性、あるいは非代替性というような性格からまいりまして、飼育労働につきましての評価がえは、御指摘のとおり昨年全部行なったわけですが、今年もその線どおり行なって、一般の耕種労働と類する自給飼料の作物の労働につきましては、これは雇い入れ労働等でも行ない得る性格のものでございますから、評価がえは行なわないというふうに、私のほうといたしましてはこの「酪農経営の特殊性を考慮し、」という、そして「その労働の評価を適正に行なって定めること。」という点につきまして、そういう理解のもとに、ただいままでに申し上げたようなことをいたしたのでございます。
○芳賀委員 それでは、自家労働の関係については、昨年同様でよろしいという答申の趣旨であるというふうに判断したのですね。自給飼料についても、去年並みの日雇い労賃でいいと……。
○太田政府委員 そのとおりでございます。
○芳賀委員 これは問題になる点ですから、またあとで、保留して……。 そこで、飼育労働は特殊性があるが、飼料の生産は特殊性がないということになれば、これは米とは性格が違うとあなたは言うかもしれぬが、米の耕種労働というのは特殊性があるので、全国の他産業並みにしなければならぬわけですね、いまやっておるわけだから。米以外の畑作物とか飼料作物については、米のように特殊性がないから、地元の日雇い農業労賃並みでいいという政策上の判断に立っておるわけでか。これは単純だけれども大きな問題ですから、大臣から……。
○長谷川国務大臣 なかなかむずかしい御質問でございますけれども、価格というものは、ただ生産だけでおきめするものばかりではなくて、農業の他の産物あるいは他産業というような面からも、いろいろな点を考慮してきめなければならない、こういうように考えておるわけでございます。 したがって、価格はおっしゃるような点もあるであろうけれども、ただそれのみによって決定するというものでもないだろう、こういうふうに考えておるのでございます。
○芳賀委員 そこで大臣にお尋ねしますが、自給飼料についても飼育労働並みに正当に評価がえをすれば、キロ当たり一円九十二銭労賃がふえてくるわけですね。ふえれば、それは当然ことしのキロ当たりの加工乳の保証価格が一円九十二銭ふえるわけですよ。特別にやってもらうのでなくて、あたりまえの計算をすれば、何もお世話になりましたというお礼を申し上げなくても、当然一円九十二銭出てくるわけですね。 それから基準取引価格が、合理化を追求した結果四十五銭出てきておるわけですから、この二つを合算しただけでも二円三十七銭当然乳価が上がるわけですね。これは物価、賃金の急激な上昇を特別配慮したり、あるいは自家労働費を全国並みに評価がえしない場合であっても、二円三十七銭前年度よりも上がることになる。そうすると、大体前年度対比五%台に上がるわけですね。この程度は、当然長谷川農林大臣としてはやるというふうにわれわれは理解しておったわけです。これ以上のことを大臣に期待することは、いまの佐藤内閣のもとにおいては無理なことはわかっておるが、これさえもやれぬということになると、非常に失望するわけですね。 おととしは倉石農林大臣が——まあ最後は非常に気の毒な状態で終わったわけですが、とにかく飼育労働費について、そのうちの直接労働だけは、倉石農林大臣の時代に他産業労賃並みにしたわけです。去年の西村農林大臣の場合には、飼育労働費の残された間接労働部分だけは他産業並みに直したわけですよ。だから、去年では飼育労働費は主要なる生産地域の他産業並みということになって、残ったのは、今度は乳牛に与えるいわゆる自給飼料に投下された自家労働をどうするかということ、これが長谷川農林大臣に受け継がれたわけです。 だから、長谷川さんがこの問題を片づければ、三年かかって三人の別々の大臣が一つずつ問題を片づけてまあまあということになるけれども、長谷川農林大臣がこれもやらないで、来年また別の大臣にバトンを渡すということになると、最も親愛なる長谷川農林大臣が、酪農、乳価問題については何らの貢献をしなかったというような後世の非難を受けることは、私たちは長年のつき合いからいっても非常に残念なわけですね。これは農林大臣がそうする必要がないと言ってこういう乳価にきまったのか、畜産局長あるいは官房長が盛んに、大臣そういうことをやったらいけませんよということで、自給飼料の関係は一年見送ることにしたのか、その間の事情を、農林委員会ですからざっくばらんに内容を明らかにしてもらいたい。これは大臣から。
○長谷川国務大臣 一円九十二銭という芳賀さんの計算された資料はいただきました。しかしながら、先ほど申し上げましたように、価格だけをいじって高くしてみても、本年度の数量が、限定されたあまりにも低いところに定められるというようなことがあったのでは安定しない。こういうような点も考慮に入れて、百三十五万トンという大きな数字を本年度の限度数量といたしたようなわけでございますし、また、昨年度は限度数量以上の数量がたくさん出ていたことも御承知のとおりでありまして、それを見ないということも、あまりに生産者に対して酷ではないだろうか、こういうような観点に立って、金額というものを相当支出させることにいたしました。 したがって、本年度は一円という値上げの価格は少ない金額ではございますけれども、これにあたりましても、農林省は一体となって財務のほうと十分に交渉も重ねましたし、私は、これらに対しましては数十回というほどいろいろ交渉を重ねまして、その結果がいま発表しているようなことになったのでございます。 したがって、苦労したからどうこうという意味ではなく、当然のことではございますけれども、そういうような経過もぜひとも御推察賜わりたい、こういうふうに申し上げて御了解を得たいと思うのでございます。
○芳賀委員 統計調査部長さん来ていますか。——それでは官房長しばらく代理で答えてください。 これは加工原料乳の補給金の審議の場合も、それ以前から価格問題について、自家労働の評価問題は毎年やっておるわけですけれども、特にこの問題に関係した点としては、昭和四十年の法案審議のとき相当時間をかけてやっておるわけです。それで、私が特に指摘した点は、床農林省がすべての農畜産物に対して自家労働を評価する場合には、その地域における農業の日雇い臨時労賃を採用しておるが、それは何らかの法令上の根拠があって、どうしてもそれでなければならぬということでやっておるのかということを、当時の赤城農林大臣並びに木田統計調査部長にただしたところが、何もそういう根拠はないというのですね。法律にも政定にも省令にも何もないというのです。臨時日雇い労賃でやりなさいということは全然根拠がないが、ただ、昔から何年となしにそういうことでやっておるのだから、昔からやっておったとおりやれば間違いないというふうに考えてやっておるという全く理論的に根拠がない、前からそうなっておったのでやっていますという答弁しかなかったわけです。それでは、この一番不安定な、劣悪な、最低な条件である賃金構造の中では——これぐらい劣悪な条件というのはないんですね。民間産業の日雇い労賃よりも、農村における農業の臨時日雇い労賃のほうが、質的にも、安定度においても、また水準においても、これは日本で最低の賃金ということになるわけです。それをどうして採用しなきゃならぬかということになると、それは何も根拠がありませんと言うのです。そうすると、昔から先祖代々これが伝わっておったんだから、そのとおりやっておるというようなことと変わらないわけですね。ですからこれでは、大事な農業政策を進め、あるいは農業基本法に基づいて、少なくとも農民の所得を他産業水準に接近させるという政策努力というものをやることができないんですよ、これが障害になって。 そこで、赤城農林大臣も、従来はそうであったけれども、この点は十分農林省でも研究をして、そうして適切な改善をはかるようにいたしますというやりとりが実はあったわけです。もうそれから四年もたっておるわけでありますけれども、いま論議したこの自給飼料の問題についても、昔からそうなっておるからことしも、この加工乳価をきめる場合に、そういう最悪な賃金をこれに当てはめることが妥当であるということにはならないと思うのですよ。この点はどう考えておりますか。
○大和田政府委員 統計調査部長が参りましたから、私がごく簡単にお答えして引き継ぎたいと思います。 私は、別に統計の専門家ではございませんから、詳しいことは存じませんけれども、農産物の生産費の調査というのは、おそらく日本が一番進んでいて、農産物の価格でこれを利用している国は、しいて求めますと、EECの共通価格以前にオランダがあっただけというふうに承知いたしております。 農産物の生産費を考える場合に、一番問題は、やはり家族労賃をどういうふうに見るかということで、家族労賃でございますから、これはどういうふうに考えても一種の犠牲でございます。生産費で家族労賃を評価する場合に、一番普通の学説といいますか、理論は、いわゆるオポチュニティーコスト、機会費用の理論でございまして、家族労働者がその地帯で働けばすぐどれだけの金が得られるか、それを犠牲にして農業で働く場合にどうかということでございますから、農業の日雇い労賃で評価することは、決して非理論的なことでもございませんし、また、従来の伝統からそうやっているということだけではないというふうに理解をいたしておるわけでございます。 これは、それなりの生産費の理論から出た一番自然な考え方でございまして、それを価格に引き直す場合に、どういうふうにそれを実施するかということはまた別の理論でございまして、生産費計算の手段としては、私はそんなにおかしいものというふうには考えておらないわけでございます。
○芳賀委員 これは、統計調査部長もあなたと同じような答弁をしなきゃならぬと思うのですよ。先輩が先にそう言っちまえば、そうじゃないですか。それで念のために、当時の質疑の問題になった要点だけをちょっと読んでみます、これは記録に残るわけですから。ここで議論になっておる点は、この農林省の統計調査の資料というものを、特に価格政策上悪用しておるという点が一番問題なんですよ。それを何にも使わないということであれば、これは無害無益ですか、そういうことで終わると思うが、これを悪用する場合には有害の面だけが出てくるわけです。ここに問題があるのですよ。 これについては、当時の赤城農林大臣は、「統計調査部の機能というと、非常に広範囲にわたると思いますが、機能をどういうふうに考えるかということ、独立的に考えるか、こういうことかと思います。私はこれはあまり政治的な制約とか筋等でなく、ほんとうに純粋に統計というものは扱ってもらわなければ、これは大きな政策の間違いを起こします。他に影響も大きいので、公正に、干渉を受けず、統計事務を続けさせていきたい、」こういうことを言っておるわけですね。悪用をすると、これは政策上の間違いを起こすということを、赤城さんも私とのやりとりの中で言っておるわけです。 ところが、あなた方は悪用を毎年毎年続けているわけです。一円九十二銭上げなければならぬのに、これを悪用して上げないで済むように、統計の飼料作物の生産費を使っているわけなんです。これは、歴代の大臣の考えと違うことを役人の皆さんはやっているが、これを長谷川農林大臣が漫然と許容しているというところに、ちょっとニュアンスの違いが出てくるのではないかと私は心配しているわけです。 それから、当時の木田統計部長は、「私ども統計調査部での生産費の考え方は、先ほども申し上げましたように、現に生産費として投下されたものとして考える家族労賃は、何を基準にしたら適当であろうかということで、従来臨時雇用の労賃をとっておるということを申し上げたわけであります。」その次に、もう一度こういうことを繰り返しております。「いまの生産費の考え方につきましては、先ほど申し上げましたように、従来ともそういう考え方で継続的にやっておりますので、同じ考え方でもって生産費の考え方を継続しておるということでございます。」それからさらに、特別何か法令に根拠があるかということになると、特別の法令の根拠はありませんと言うわけです。だから根拠は付もないんですよ。こうやれば農民を圧迫することができるというような、そういう古い過去の封建的な考えというものは、やはりいまの官僚制の中に残っておるんですね。これはやはり官僚制の弊害の最たるものの一つのあらわれであると思うんですよ。 だからもう少し真剣に——一体いまの農村における臨時的な労働というものは、どういうような質と内容を持っておるかということは、皆さんよくわかると思うんですよ。だから、この四十二年度の生乳の生産費の中にも——酪農家は、生産農家は、臨時労働というのは雇用していないんですよ。雇用しておれば、それは実績として賃金を支払っておるわけですから、たとえば一日八百円なら八百円支払っておる、これは雇用労賃で出てくるから問題がないんですよ。支払ったものがそのまま生産費として統計の中に出てくることはいいんですよ。ただ、農家は長年の労働の経験とか熟練度を持っておって、その直接生産者の労働の成果である。これは農村の婦人たちが、いまは全国的に、農家の田植えとか、稲刈りとか、除草のいわゆる労働力の給源になっておるんですよ。男子の臨時労働というのは、ほとんど農村にはないんですからね。全部出かせぎに行ってしまっておるからいないんですよ。婦人の下熟練な、質的に非常に能率の上がらぬ労働というものに対して、仕事の成果以上に農村ではやむを得ず、労力不足から支払わなければならぬ。 しかし、酪農の場合は、飼育管理にしても飼料の生産にしても、そういう労働では仕事にならないんですよ。自給飼料の生産費というものが、時間的にも生産費の面でもなぜ逓減しているかといえば、ほとんど機械化になっているでしょう。太田局長は、この飼料の生産というのは臨時雇用でできると言うが、そういうことにはならないですよ。 北海道をはじめ一道六県の主要な生産地域における自給飼料とか草地の経営というのは、どういう形でやっているかということは、太田局長もよくわかると思うのですね。ほとんど機械化してやっているんじゃないですか。牧草の刈り取りにしても、乾燥にしても、梱包にしても、サイロの切り込みにしても、ほとんど機械力を利用しておるから、生乳百キロ当たり二・三九時間で済むということになるわけです。それが、市街の給料取りのかあちゃんたちの、そういう不熟練労働で代替できるというような考えで問題を片づけるわけにはいかぬですよ。もしできるんであれば、そういうことをやっている地帯というもの、これを統計のほうから示してもらいたいのですよ。たとえば、北海道のどの地域で、自給飼料の生産は全部地元の市街地の給料取りのかあちゃんたちが来て、機械の作業も、サイロの切り込みも、全部やっているというような実例があれば示してもらいたいのです。 この統計の資料には、そういう役に立たない臨時雇用などは使っていないのですよ。使ってないということは、そういう労働力を雇い入れても仕事にならぬから雇い入れしないということなんですよ。何も飼育管理と自給飼料の生産において、飼料の生産のほうが質的に劣って差しつかえないということにはならぬと思うのですが、どうですか。これは統計調査部から言ってもらいたいと思います、これは四年、五年来の懸案ですから。これは統計に問題があるのですよ。使ってないものを、安い日雇い賃金で評価がえするなんというのはおかしいじゃないですか。
○岩本説明員 生産費調査の原則は、実際農家が使いました費用を正確に反映するのが原則でございまして、自給飼料の場合におきましては、種子代、肥料代、建物費、農具費、労働費、畜力費、その他の材料費等につきまして、農家が使いました費用を一切計上いたしておるわけでございまして、労働費につきましては、自家労働費及び雇用労働費を計上いたしております。 自家労働費につきましては、先ほど官房長から御答弁ございましたように、農村の現状から見まして、そこで支払われておるであろう労賃を計上することを原則にいたしております。
○芳賀委員 そういう原則というものは、法令にも規則にも何もないじゃないですか。そんなものは原則じゃないですよ。昔からばく然とやっておりましたからそのとおりやっておりますというのが、何が原則や原理ですか。そういうばかなことを十年一日のごとく繰り返して、何も発展性がないじゃないですか。どれだけ日本の農業にそれが貢献しているんですか。それも、他産業の労賃とそういう農村の日雇い労賃の水準がそれほど違わないというんなら話がわかるが、大体二対一でしょう。それ以下じゃないですか。全国の三十人以上の規模の去年の労働賃金は、一日当たりにしたら二千七百円ということになっているんですよ。農業の関係は五人規模以上ですから、それよりは若干下がるかもしれぬが、畜産局が四十四年の日雇い労賃を、去年のものを評価がえしても一日千百円にしかなっていないのですからね。他産業の五人以上規模のものは、一日二千二百円からになっておるわけですから、その半分の日雇い労賃で農家の労働の報酬はいいということで、一体生活ができるんですか。経営維持をして拡大生産ができるから、これでいいというそういう評価をやっているんですか。何が一体原理原則なんですか。実態に当てはめた場合、そういう極端な低賃金——これは世界にだってこういう例はないでしょう。また、そういうばかな統計を扱っている国はないはずなんですよ。 しかも、もう四年前に、こういうばかげたことを続けるのは問題があるから十分検討して、仕事をやればやりがいのあったようなことに研究しますということを、国会に向かって言っているんですよ。それを、その後統計調査部長がかわっても、毎年毎年同じようなことばかり繰り返しているだけじゃないんですか。そうなれば、何も農林省の統計調査部というのは要らぬということになるのですよ。総理府の統計局に移すか、賃金部分は労働省の労働賃金調査のほうに移したほうがいいじゃないですか。大臣、一体どう考えているのですか。
○大和田政府委員 農産物の生産費と農産物の価格を、生産費を利用してきめる場合のきめ方とは別の問題でございます。農産物の生産費を考えます場合に、肥料とか農薬というのは現実に金を支出するわけでございますから、生産費がすぐわかるわけでございますが、家族労賃は現実に支出いたしておりませんから、家族労賃、家族労働をどうやって評価するかということでございます。 それは、その家族労賃、家族労働が、現場において一番手っとり早く、農業日雇いに出てそこで得られる賃金を犠牲にして自分のところの農業を営むという、そういう前提で生産費の計算をいたしておるわけでございますから、その生産費を使って、あるいは家族労賃をどういうふうに評価して、たとえば、米のように均衡労賃で評価するというような形、あるいはものによりましては、その農業日雇い労賃で評価した家族労賃をそのまま価格に使うという場合もあるわけでございますけれども、生産費を使って農産物の価格を算定する場合に、その農産物の種類にしたがっていろいろな考え方があるわけですけれども、生産費をどういうふうに考えるかということと、生産費を使って農産物の価格をどうきめるかということは、これは別の議論でございます。 したがいまして、御指摘のように、酪農で雇用労働をほとんど使っていなくても、その自家労賃は、生産費の計算ではやはり農業日雇い労賃を使うということの十分な理由があるわけでございまして、それを乳価に換算する場合に、酪農の管理労働については一道大県の他産業労賃で評価する、あるいは飼料作物の栽培はそのままの農業日雇い賃金で評価するということは、価格の問題として十分考えられることであります。 それは私は、統計調査部にそれ以外のオポチュニティーコストといいますか、機会費用以外のもので家族労賃を評価しろというのは、生産費の理屈からいって多少無理ではないか。それは私は、三年あるいは四年前の、先生の御指摘の当時の議論の経緯をつまびらかにいたしておりませんけれども、何もいままで十年、二十年それでやっているからそれでやるんだということではございませんで、これは、当然生産費を考える場合の理屈として、私は十分の根拠があるというふうに思うわけでございます。
○芳賀委員 これだけで議論していると、きょうはもう時間がないので、これはときどきやりますよ。いままでは皆さんを信用して、ことしは改めるかと思ったが、ことしも改めないんですからね。去年、おととしは幾ぶんでも改めてきたが、ことしは、長谷川農林大臣のもとにおいて改めないということになれば、これは委員会としても黙認できないですからね。随時随所でこの問題はわれわれとして取り上げます。あなた方が門を開かなければ、日本の農政は破壊しますよ。えさが足らぬから、草地の造成を国が大幅に助成をしてやるとか、水田までもつぶしてえさに転換しろというようなことをいって、それは農林省のいうとおり水田を飼料作物に転換して、できた生産物は地元の日雇い労賃並みでたくさんだなんということになれば、だれもえさの生産なんかしないですよ。そういう思想で農林省が指導しておるから、年間の濃厚飼料の八〇%も外国から買ってこなければならぬということになるのですよ。だから、もう米も酪農も果樹も全部全滅させるという、そういう使命感で農林省がこれからの農政をやるというなら、これは別ですよ。農民を殺すためにこれから政策転換をしてやるというのであれば、われわれもまた別な角度で皆さん方と応対しなければならぬわけですが、いまの佐藤内閣は、そういうふうに方針が長谷川さんきまったんですか。酪農農民が食えぬように日雇い労賃並みで押える。米は三年間生産者米価を政治的に据え置きをして、これもだんだん全滅するようにする。果樹についてもそのとおり。これはこの際農林委員会を通じて天下に明らかにしてもらいたいですよ。何とかして一日も早く日本の農業を崩壊させる、農民を殺す、ちょっとまあ端的な言い分かもしれませんけれども、これは間違いないと思うのですよ。その点ははっきりしてもらいたいと思うのですね。どうですか。
○長谷川国務大臣 評価がえの点については、ただいま官房長が申し上げたように、そう御無理ではないと私は考えておりますし、御指摘の農民を殺すつもりかということについては、いささかこれはどうも……。私のほうは再生産を確保する、こういうことでございますから、少しおっしゃることと違うのですが、私のほうは、殺すのではなくて再生産を確保するためにいろいろの施策を講じて、したがって、価格というものにのみとらわれないで、生産をいかに拡大するかという点についてはまた別途非常に考えており、その施策を講じておるのだという点も、あわせてお考えいただいてもらわないと、いまのような議論にもなるのだろう、こう考えるのでございます。
○芳賀委員 それでは、大臣は十二時までしかおられぬのですからもう一点。 答申の第四に、年の中途で実際の加工原料乳の販売が限度数量を超過した場合には、法律の十一条八項の規定に基づいて改定、増額しなさい、そういう取り扱いをしなさいということが明らかになっているわけですね。これはことしの二月二十四日の予算の分科会や三月二十日の当委員会において、この限度数量の改定については、法律の十一条八項にちゃんと明文があるわけだから、畜産振興審議会が開かれる場合に八万トン増加すればいいわけだからして、すみやかに改定の諮問をなさるべきだということを、これは繰り返し大臣にもこちらから指摘をしているわけですね。それを今度やらなかったわけです。 しかし、答申には明らかに——こんな答申をする必要はないのですよ。法律に書いてあることを何もここへあらためて書く必要はないのですね。なぜ書いたかというと、おそらく四十三年度の不足分というものを一体どうするか、超過分をですね。当然これは法律に基づいて、農林大臣として手続上は畜産振興審議会に諮問して改定すべきではないかということから、答申の中にあらわれてきたと思うのですよ。国会でも指摘をされ、畜産振興審議会の答申の中でもそういうことが指摘されておるにもかかわらず、これもえさの自家労賃と同じように、全くこれを不問に付して、そして終わっちゃったわけですね。一体この取り扱いというのは、結果的にどういうふうになされるわけですか。
○太田政府委員 確かに四十三年度の問題として、先生からどうするのだというようなお話があったことは、私もよく承知をいたしておりまして、その際、現在この法律で設けられております限度数量なるものの性格につきましてもお話し申し上げたのでございます。 本年度の扱いとしてこれをどうするかという点につきましては、実は審議会でも議論になりまして、お手元にお配りしてございます答申の附帯事項にございますように、「四十三年度の限度数量をこえて発生すると見込まれる加工原料乳については、酪農経営の安定を図るため、適切な措置を講ずること。」四十四年度の問題としては、ただいま先生御指摘のようなことが答申に書かれたのでございまして、四十三年度の問題といたしましては、「酪農経営の安定を図るため、適切な措置を講ずる」というように附帯事項として答申をされたのでございます。 そこで、われわれといたしましてはこれを受けまして、先ほど大臣もおっしゃられましたように財政当局とも折衝いたしまして、御承知のとおり畜産振興事業団の助成勘定から、こえた分のうちの半分につきましては、実際は交付金が交付されたと同じような効果を持つようなことにしよう、残りの半分につきましては、指定生乳生産者団体が、たとえばクーラーステーションを建てるとか、あるいはその他いろいろ事業があるわけでございますから、その事業をいたす場合に助成をするということで最終的に解決を見た。限度数量の修正は行なわずに、適切な措置ということで、以上申し上げたような措置を講ずることにいたしたのでございます。
○芳賀委員 それでは、四十三年度については法律の規定による改定はしない。そのかわり、いわゆる不足の八万トンの分については、これは大体キロ六円ですから、その四億八千万の半分の額については畜産振興事業団から支出をして、その分については生産者に直接渡るようにするわけですね、交付金額の半分については。残り半分については、その地域の指定生産者団体あるいはそれにつながる協同組合等が、いま局長の言われたようなクーラーの施設等の近代的な施設をした場合には、それに対して、これも畜産振興事業団が助成を行なう。ただし、それは直接的には生産者に対しては均てんしないということですね。 もう一つは、四十三年度はそういうことで強引にやったが、四十四年度以降については、答申にもあるとおり、ことしは百三十五万トンですね。それでまた飲用が伸びないとか、外国から無制限に乳糖とかカゼインの輸入を政府が認めて、それが還元牛乳とか合成牛乳になって飲用乳、分野を荒らして、そうなれば加工乳がどんどんふえるわけだから、そういう事態になったときには、限度数量の改定を法規に基づいて行なって迷惑はかけないようにする、そういうことですね。
○太田政府委員 答申の第四項で、先生が御指摘のように、「異常な変動があった場合には、法第十一条第八項の手続をとること。」こういうことになっておりまして、さらに建議といたしまして、「政府及び関係者は、国内産生乳の市乳化の促進について今後特段の努力を払うこと。」という建議をいただいたのでございます。 われわれといたしましては、現段階におきまして百三十五万トンまで、たしか去年に比べますと相当ふやしたわけでございます。基本は、酪農経営の近代化は市乳化の促進でございますので、いま先生が御指摘になったような輸入問題等も含めまして、市乳化の促進につきましては、政府あるいは生産者、乳業メーカーあるいは小売り屋の方々が一体となって、国内産生乳の市乳化の促進ということについて努力を払いまして、少なくとも百三十五万トン以内でおさまるように、われわれは現段階においては努力してまいるということを申し上げるのでございます。
○芳賀委員 最後に、ちょうど桧垣長官もいますが、この自給飼料の扱いは、いまのやり方は、労賃の評価がえもこれでやれば問題がありますけれども、こういう変則なやり方をすべきでないと思うのです。やはり自給飼料であっても、飼料価値を一定基準によって評価がえをして、そして一頭当たり年間どれだけの数量を投与したので、この自給飼料の分については飼料代幾らという計算をするのが順当だと思うのです。 たとえば、かって桧垣長官が畜産局長時代、ピーターソン方式でやるのが一番合理的だということを言ったことがある。これは、大豆かすと大麦の価格というものを基準にして、そしてでん粉質とかたん白質のあらゆる飼料をこれに換算して、そして牧草であれば、ピーターソンでどうなるとか、こういうことを桧垣さんが学説を発表して、いきなりピーターソンなんて言い出すものだから、みんなちょっと何が何だかわからなかったが、そういう意味なんですよ。あれも桧垣さんが言いっぱなしで、飼料生産に貢献もしないようですね。あるいはまた可消化栄養分総量に基づくTDNの方式というのもあるわけですね。 だから、いろいろな種々雑多の飼料がありますからして、これを一定の基準から換算して、それに正当な価値づけを行なって、購入飼料は一頭についてどれだけかかったか、自給飼料はどうというような、そのくらいまでにやらないと、これはいけないと思うのです。いつまでも日雇い方式で、自給飼料は安いから加工乳の保証価格も安くできるというような、統計の悪用だけで問題は片づかぬと思うのですが、そういう改善をやる考えはありますか、ないのですか。これは大臣でも畜産局長でもいいです。
○太田政府委員 先ほど官房長も答弁をなされたわけでございますが、自家労働をどう評価するかということについての方式として、従来統計調査部でとっております方式自体が正しいものであるというふうにわれわれも信じております。それをどう評価がえするかという点につきましては、その農産物の置かれておる需給の状況とか、政策的にこれを大いに伸ばしていく必要があるかどうかというような、政策判断に基づきまして評価がえするものもあり、いわゆる臨時日雇い賃金で評価のままのものもある。これはそうあってしかるべきだろうと私は考えております。 そこで、酪農の場合には、酪農の飼育管理労働の特殊性にかんがみまして、これは先生御承知のとおり、一道六県の五人以上の製造賃金に置きかえまして評価がえをいたしておるのでございまして、それは何かと申しますと、先ほども申し上げましたように、年じゅう無休であるとか、非常に長時間拘束された労働であるとか、非代替的な労働であるというようなことに基づきまして評価がえを行なっておるわけでございます。
○芳賀委員 そういう評価がえ方式だけではなくて、飼料そのものの価値というものは、これは自給であっても購入であっても変わりはないわけですからね。ですから、前に桧垣局長時代に定義されたいわゆるピーターソン方式によって、でん粉質、それからたん白質の飼料価値というものは、あらゆる作物飼料にしても、あるいは濃厚飼料にしても、換算してそうしてやるのが最も合理的であるように私は考えますということを桧垣君が言っておるのですよ。そういう方式についても学説の発表だけで終わって、何もこれはやっておらぬでしょう。ですから、非常に問題の多い自給飼料を、自給作物費ということで、飼料費ということで、その中に投下された労働費を日雇い労賃で換算するという、これは全くちゃちなやり方ですよ。小手先だけでやって、ほかに目的はないわけですね。正々堂々ともう少し近代科学の上に立脚したピーターソンでやるならやるとか、それからTDN方式でやるならばやるとか、何か原理原則を明らかにして、無原則なことをやって原則がありますなどというばかなことを、来年の決定時期には繰り返さないようにつとめる意思がありやいなやということを私は聞いているのです。なければないと言えばよいです。
○太田政府委員 桧垣元畜産局長が、ピーターソン方式で評価すべきであるというようなことをおっしゃったか、おっしゃらなかったかは、私は実は不勉強で存じ上げていないのでございますが、おそらく、生産費の計算の問題としてそういうことをおっしゃったのじゃないだろうかと私は思っております。 ただ、そういった考え方が一つの考えとしてあり得るということはわかるわけでございますが、現段階におきましては、従来やっておりますような費用価計算でやらざるを得ないだろうというふうに考えております。
○丹羽委員長 石田宥全君。
○石田(宥)委員 大臣にお伺いしたいと思うのですが、米価審議会委員の任期は一月で満了しております。これは年じゅう諮問をしているわけではございませんから、米価審議会を開いて諮問をするときに存在すればいいような審議会ではありますけれども、やがて新しい年度の米価審議をしなければならない時期が近づきつつあるわけでありまして、これに対してはずいぶんいろいろないきさつがありましたが、大体いつごろまでに任命をされる見通しであるかということ。 それとあわせて、従来は、大蔵官僚とか農林官僚などで、どうも大蔵省や農林省のひもつきと思われるような人たち、それと報道関係の人たちで、限られたメンバーの中で選任をされてまいったのでありますが、そういう従来の考え方の中に、やはり何か一定のワクがあるように思われてならないのでありますが、私は、そういうことにとらわれることなしにやはり選任すべきであると考えておるわけです。これらの点について御意見を伺いたいと思います。
○長谷川国務大臣 米価審議会の委員の任命につきましては、なるべく早目にこれを行ないたいというような考え方を持っておりましたけれども、御承知のように、一昨々日まで参議院の予算委員会が開かれておりましたので、ほとんどそれらにわれわれはくぎづけにされておりまして、なるべく早く構成したい、そして審議に入ってもらいたいというようなことを考えたのではございましたけれども、そのような国会との関係もございまして、つい任命がおくれておりますが、なるべく早目に任命を行なってまいりたいと考えております。 お尋ねの二点につきましては、昨年の経緯等もございますので、これらを十分考慮に入れてその任命をして、十分な御協議を願いたい、したがって、御答申がいただけるようにしていきたい、こういうように考えております。
○石田(宥)委員 先ほど指摘しましたように、大蔵官僚であるとか、農林官僚であるとかいうような系統の、とかく大蔵省や農林省に迎合するような傾向を持っておる人たちに限られておったようです。同時に、報道関係の人もまた、ここ二、三年来のことでありますけれども、非常に多くなってきておる。これはちょっと意図的な選任のように思われるので私ども納得しがたいのでありますが、そういう点についての考え方と、あわせて、最近革新系の委員は除外すべきであるというようなことがそれとなく言いふらされておるわけです。端的にいって、総評や全日農の代表は除外すべきであろうというようなことがささやかれておるようでありますが、私は、やはり全日農や総評というような団体の代表も参加させて、いろいろの意見を十分聞いた上で処理すべきものであろうと思うのでありますが、この二点について、重ねてお伺いをいたしたいと思います。
○長谷川国務大臣 御指摘のように、米価審議会は多くの知識を集めて、そして生産者の立場、消費者の立場、そして需給というものが現在どういうふうになっておるか、こういう点、したがって生産は、消費というものが第一の条件となって生産をされるものでございますが、こういうような点については、お話しのように多くの観点から審議をしてもらうということでございますので、なるべく多くの階層の人に御委託申し上げまして、そして十分な検討を加えていただきたいというような考え方でございます。
○石田(宥)委員 次に、生産者米価の算定についての考え方でありますが、またもう一つは時期の問題であります。自民党の役員会では、四月中に生産者米価を決定すべきであるということを農林大臣に申し入れをされたと伝えられておるのでありますが、従来のような算定方式に基づいて算定されるとすれば、四月中ではこれはできるはずはないと思うので、農林大臣は五月中というようなことをある委員会の答弁で発言をされたようでありますが、大体いつごろをめどにお考えになっておりますか。
○長谷川国務大臣 米価の決定の時期をどうするかということは、まだはっきりはきめておりませんけれども、生産者米価はできるだけ早目に決定することが、すなわち生産者に対するところの親切であろう、そういうふうな考え方を持っておることは事実でございまして、したがって、なるべく早目に行ないたいと思っておりますけれども、基礎となる統計の資料がまだそろっておりません。 こういうような点もございますので、先ほどもいろいろ議論の中にあったように、統計の資料というものを十分備えて、そしてその資料の上に立って御検討を願わなければならないと思いますので、なるべく早目にというふうには考えておりますけれども、五月中にぜひこれらは行なうようにやりたいとは思っておりますが、はっきりここで、五月中にはいたしますということは申し上げられない状態でございます。
○石田(宥)委員 さっき質問をしたのですけれども、この算定方式を変えようという御意向はあるのかないのか。従来のいわゆる生産費及び所得補償方式という算定方式については、どうお考えになりますか。
○長谷川国務大臣 四十四年産米価の算定でございますが、具体的にどのような算定方式を採用するかということは、いまの段階ではまだはっきりときまったわけではございませんけれども、いずれにせよ生産費及び所得補償の考え方の上に立って、さらに需給の点もあわせ考えてこれらを決定していただきたい、こういうように考えております。
○石田(宥)委員 そうすると、何が何だかわからなくなってしまいますね。生産費及び所得補償方式も考えながら需給の関係も考える、こういうことでありますから。農業基本法による農産物価格の考え方というものは、需給均衡論なんですから、需給均衡ということになると、米がだぶついてきたならば安くするというのが、農業基本法における農産物価格の考え方なんです。それをちゃんぽんにしておきめになるということなんですか。何かこの前の委員会では、生産費及び所得補償方式でやりたいという意向が述べられたようでありますが、その点はどうなんですか。
○長谷川国務大臣 もちろん、生産費・所得補償方式をそのまま取り入れていくわけでありまして、幾ぶん考えなければならぬ需給事情というものもその中に考えるという、限度価格というような点もあわせ考えていかなければならない、こういうふうに考えております。
○石田(宥)委員 そこで、先ほども牛乳の議論の際に、大臣は再生産を確保することを旨として云々という答弁があったわけですが、米の場合には、特に食管法で、再生産を確保することを旨として定めなければならないことになっているわけでありますから、この点は、かりにさっき申し上げたようないろいろな事情がありましても、再生産を確保するというこの一線は守らなければならない法律上の責任があると思うのですね。その点はどうなんですか。
○長谷川国務大臣 もう先ほどもお話し申し上げたのでございますけれども、再生産を確保する、これはお話しのとおり基本的な考え方でやりたいと考えております。
○石田(宥)委員 どうもその点が、大臣の歯切れが悪いので心配なんです。 そこで、ちょっと長官に伺いたいと思うのですが、昨年の七月十六日に統計調査部で発表されておる米の生産費の問題ですが、それによると、十アール当たりでは労働費で一三・七%、農具費で二八・六%、水利費で二〇・五%、防除費で一六・四%、建物費二八・五%、これを総平均すると一六・一四%になる。この中には、地代が約三倍になっているが、これは入れなくてもそうなるのですね。 ところが、せんだって予算委員会で私がちょっと触れたときには、長官は、十アールでは第一次生産費は二二・四%、それから第二次では二五・五%に上がっている、こういう答弁なんですね。それから百五十キロ当たりもありますけれども、これは解れませんけれども、米の生産というものに第一次生産費と第二次生産費とありますけれども、第二次生産費の地代ですね、それから資本利子、これを加えない生産費というものは、一体可能だとお考えになっているのですか。
○桧垣政府委員 生産費というものは、いわゆる直接投下コストというものと擬制的に計算されるコストというものがあるわけでございます。したがって、一次生産費というのは、直接投下された物財及び労働費用の合計をいうわけであります。資本利子、地代というのは、これは擬制的に計算をするものでありますから、したがって、これを加えたもので二次生産費というものを算定する。したがって、第一次生産費というのは直接投下コストであり、第二次生産費はそれに擬制コストを加えたものだ。資本利子、地代というのは、現在の経済社会における一つの必要な経費として認識すべきものであるという意味でございますから、生産費に資本利子や地代を入れて第二次生産費という形でとらえることが、最終的な生産費の姿として私は正しいというふうに思うものであります。
○石田(宥)委員 大臣、いまお聞きのとおりなんですね。経済性を考えた場合に、地代や資本利子を加えないで計算した場合に再生産が確保できるかどうか、これは議論の余地はないと思うのです。 ところが、昨年の生産者米価決定にあたってはそれを無視されておるのです。ことしの生産者米価を決定するにあたって、統計調査部の資料というものは大体いつごろまでにそろうのですか。
○桧垣政府委員 統計調査部長がいないようでございますので、私がお答えしますが、例年統計調査による米の生産費の資料は、大体五月末くらいまで整理に時間がかかったのでございます。ことしは、大臣からの御指示もありまして、できる限り早く生産者米価をきめることが、生産農家に対して親切であるということで、データの整備を急げということで、統計調査部に整理を急いでもらうということにいたしております。 初めてそういう資料整備の迅速化ということを考えておりますために、いつまでに必ずできるということは、統計調査部もちょっと約束できない。しかし、おおむね食糧庁の計算に必要な程度のデータは、四月末くらいまでには何とかできるのではないかという返事でございます。
○石田(宥)委員 大体五月下旬くらいまでにならなければ、従来は完ぺきな資料というものはできなかったわけです。 そこで、さっき芳賀委員からも指摘がありましたように、急ぐためにいいかげんな資料を出されては困るのです。 〔委員長退席、安倍委員長代理着席〕 ここで相当完ぺきな資料をつくってもらいたいということは、経済変動が激しいからです。経済変動の激しいときに、貴重な資料が不十分、不完全なものであっては困る。さっき大臣から、なるべく早くきめることが農民に対して親切なことだという答弁がありましたが、そのとおりだと思う。河野さんが早くきめるようにされたのは、これは大臣も御承知だと思うのですが、以前は九月にきめたものです。投下資本などがはっきり把握されてからきめたものです。ところが、それを春に切りかえたのは、作付前に価格がきまっておれば、たとえば、モチ米の加算が多くなればモチ米をたくさん植えようか、あるいは食味のいいものがよかろうか、増収用のものがよかろうかということの選択の可能な時期にきめるという方針で、春きめることにされたわけです。 ところが、このごろでは六月下旬から七月半ばになってしまって、全くその趣旨は生かされておらないのです。七月ころになってきめるくらいなら、これは秋きめたほうがいい。投下資本がはっきり把握された後にきめたほうがいい。物価の変動もはっきりする。私はそのほうがむしろいいのではないかということを考えておるわけです。大臣の所見はどうですか。
○長谷川国務大臣 いろいろ私のほうも考えまして、なるべく早目にということを考えております。ことしのような需給というものにアンバランスを来たしているときでもありますし、また一方、いまのお話のように、モチ米ならモチ米が、米は余っているけれどもモチ米だけは買ってこなければならぬというような状態のものもあるし、こういうときでもあるから、なるべく早目にきめることが、保証価格制度をとっておるわけではないけれども、いま食管法というものの上で価格がきめられるものですから、なるべく早目にきめて発表することが、生産者に対して親切なあり方であろう、こういうような考え方でございまして、別に何の他意があるわけでもないのです。そういうような考え方で早目にきめていきたいと思ったのでございますけれども、いまお話しのように統計の資料が出ておりません。基礎となるべきものはそんな簡単なものでやっては相ならぬ、やはり出てきた統計資料というものを十分検討しなければならぬ、その上に立って決定すべきである、こういうような考え方の上に立ちまして、ついだんだんとおくれまして、五月一ぱいぐらいには何とかきめていきたいというような考え方でございます。
○石田(宥)委員 大臣はお忙しいそうですから、もう一問だけやって、あとは官房長なり食糧庁長官なりに伺いたいと思うのですが、それは、さっき米審委員の任命の点で、なるべく広く意見を聞いて決定をしたいという答弁でございましたが、その趣旨でぜひやっていただきたいということ。それから、さっき私が何回も指摘しましたような、従来一定のワクのようなものがあって、そのワクの中で人選をされるということはまことに困る。もう一つは、なるべく広い範囲の人たちの意見を十分聞いて決定をしたいという御趣旨であるならば、やはり従来任命をされておった総評の代表あるいは全日農の代表——全日農の代表などは、大体二年以上はやらせぬようにいたしておるわけでありまして、新しい人を入れて初めて、ほんとうの意味における生産者の代表だということができると私は考えるのです。 なぜかというと、これはほかのことでありますけれども、農業会とかあるいは農業会議所などは、若干農民の心理というものと違ったニュアンスでものを言っておる。農業会議所はもちろん農林省の予算でまかなわれておるのだから、かなり農林省でコントロールできるという性格を持っておる。私はそういう点ではやはり区別をすべきだと思うので、そういう点では、全日農の代表というようなものをはずすなどということはもってのほかなんで、これはぜひ参加させるべきだ。総評と全日農の代表を入れるべきであるということに対する答弁がどうもあまりはっきりしてないようですが、これは委員の中から、いろいろ苦情なども出ておるという話も前から聞いておるのです。昨年の任命にあたっても、ああいう諸君が入ってくるならば私は受けませんよと言った委員があるといわれておるのですが、そんな委員があったら、そんな者ははずしてしまえばいいんです。なぜ一体そんな者に遠慮気がねが要るのか。いやだという者はやめてもらったらいいじゃないですか。そういう点をもうちょっと、長谷川農林大臣はざっくばらんな人ですから、あまりものごとにこだわらないで、役人まかせにしないでひとつやっていただきたいと思うのですが、もうちょっとはっきりした答弁を伺いたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 もうお気持ちは十分わかっておりますので、いろいろの広い範囲から人選をしてその目的を達していきたい、このように考えておりますが、ただいま御指摘のように、全日農はどうだ、総評は入れるかとただいま申し上げるということは、まだちょっと早計だと考えております。
○石田(宥)委員 ちょっと長官に伺いますが、最近、ずっと前から問題になっていることでありますけれども、大阪におけるやみ米の問題です。新聞報道によると、登録されない小売り業者が一千軒ぐらいになっておる。中には、スーパーマーケットに袋詰めで出して、そのメーカーの名前まで入ったものが並べられておるというようなことが報道されておるわけであります。 これは、昨年政府が等外上米を買い付けなかったということで、それが理由となってやみルートができ上がったとわれわれは考えておるのでありますが、大阪市場に出回っているその自由米は、おそらく検査をしない米じゃないかと私は考えるのです。検査をしない米は米として扱わないのかどうか。等外米は米として扱わないのかどうか。この点は非常に重要ですから、はっきりしておいていただきたいと思うのでありますが、大阪市場をお調べになりましたか。
○桧垣政府委員 関西におきまして、いわゆる正規のお米の配給ルート以外に、相当数の非正規流通の経路があるということは、私ども聞き及んでおります。大阪府にその実情についてただしたこともございますが、いわゆる自由米の小売り業者というのは、米の販売専業はほとんどないようでございまして、荒物屋とかあるいは野菜の店でありますとか、そういうところで付随的な商売としてやっておるのが大部分のようであります。 でございますので、正確にはなかなかつかみにくいということでございます。それらの店で扱います米は、御指摘のようにおそらくは未検査米であろう。未検査の、小口の農家の販売のものが流れているというふうに推測をされるのでございます。これは、一つは大阪という特殊な米の環境がそういう事態を生んだと思うのでございますが、私ども、たいへん好ましくない遺憾なことであるとは思いますけれども、実体的に現在のような米の過剰の状態に入りまして、消費者が自分の選好する米を購入いたしたいという需要が根強くあり、またそれに対応して、違法ではございますが、供給の余力があるということが、本質的にはこういう事態を生んだ原因であるというふうに私どもは考えておるのでございます。 こういう事態がさらに拡大をする、こういう事態で食糧管理制度がくずれるというようなことのないように、私どもとしては、食糧管理のあり方を実態に順応させていく必要があるというふうに思っております。
○石田(宥)委員 そういたしますと、やはり違法性があるといういま御答弁なんですが、違法性が明らかだと私は思うのです。専業では成り立たない、こうおっしゃるけれども、それは登録業者であるかどうかという点を私は指摘しておるのです。登録をしていない者が一千軒ぐらいあるといわれておるが、実態を調べておるかと言っておるのです。登録をしない者が自由に販売をするということはどうなんですか。それも違法であるし、同時に、自由にトラックで持ってきて、そして登録業者でない者が袋詰めにして、ちゃんと判こを押して売るというようなことは、明らかにこれは違法行為だと私は思うのですが、この違法行為を一体お取り締まりになるのかならぬのか、どうなんですか。
○桧垣政府委員 登録業者でない者が米の販売をいたすということは、これは明らかに違法でございます。また、政府の管理の外で米が流通しておるということ自体、これも違法であることは間違いがございません。 取り締まるべきではないかということになりますと、取り締まる必要はないということは私は言えないと思うのでございますが、先般法務大臣が予算委員会で答弁をされましたように、現在の需給事情のもとでは、すべての食糧管理法違反の事例について、刑事的措置をとることは実際問題として困難であるけれども、大口悪質な違反については、食糧の管理制度の面から見、あるいは不当な利得を許すわけにはまいらないという意味で取り締まりをいたすということでございまして、私は法務大臣の御答弁が、現状ではその程度のことではないだろうかというふうに思うのでございます。 それよりも、私ども食糧管理の立場から申しますれば、集荷というものが秩序正しく行なわれ、流通というものが秩序正しく行なわれるという、そういう食糧管理のあり方を現状に即して順応させていくということが、より重要ではなかろうかと思っておるのであります。
○石田(宥)委員 いやしくも食管法というもののために多くの農民が処罰され、同じ法律のもとにおいて自由に行なわれており、それが違法であることは明らかであるにもかかわらず、食糧庁がこれを傍観しておるということは、これはやはり怠慢だと私は思うのです。少しずつ裏口回りで取引するようなものは、私はここで取り上げようとしませんよ。トラックで積み込んできて、登録業者でない者が大っぴらに店頭に並べておくというようなことに対して、警告一つ発しないというのは、何といっても怠慢のそしりを免れないと思うのです。これくらいのことはやはり配慮さるべきだと思うのですが、これは手がつかないですか。
○桧垣政府委員 私ども、法治国家のもとで、法律に違反した米の流通があるということははなはだ遺憾であり、また、今後そういう事態を規制していく努力をすべきであるとは思いますけれども、あまり立ち入って議論いたしますと、私どもも舌が詰まってしまうわけでございますが、現在の需給事業のもとにおける食管法違反と、食糧不足時代における食管法違反とは、私は社会的な意味は非常に違っておると思うのでございます。 形式違反としての法律違反はあると思いますけれども、どこにも米の不足のために困っておる国民はいない。また、政府の必要とする米の集荷にこと欠いておるという事態でもないというもとで、食糧管理法違反という形式的な意味での法律違反は、とがめるべきであると私は思いますけれども、反社会性という意味では非常に事態が違っておる。そこに取り締まりの困難性が現実にあるんだというふうに私は理解するのでありまして、大口悪質のやみ行為については、私どもも警察あるいは法務当局と連絡の上でそれを規制する措置は考えておりますが、そういう事情下にあることは、念頭に置かざるを得ないと私は思うのでございます。 〔発言する者あり〕
○安倍委員長代理 お静かに願います。
○石田(宥)委員 時間がないようですから、もう一点だけ伺いたいと思うのですが、いろいろな理由があったでしょうけれども、自主流通米というものについて農協は受け入れ体制をとったわけですね。自主流通米というものは農協が受け入れ体制をとらなければ、私は現行法のもとではできなかったと思うのですが、農協はそれを受け入れをすることになったので、政府は自信を持ってやることになったと思うのですが、どうでしょう。
○桧垣政府委員 二十数年にわたります米の全面直接管理ということから、最近の需要の動向に即応して、自主流通米の制度を食糧管理体制のもとで、一定の規制のもとに認めるということで、私どもとしては当初から、これは現在の需給事情に即する食管制度の運用のあり方だというふうに考えておったのでございますが、農業団体は御案内のように、長年にわたる食管の制度運用の変化ということに相なりますから、やはり団体の立場として積極的賛成をするわけにはまいらない、反対であるという意向を示したのでございますけれども、その反対には若干誤解もあったようであります。 私ども政府としてはそういう措置をとりたいし、それについて誤解のないようにということで、説明の努力はいたしたわけでございますが、最終的に政府としてそういう方針が定められたということに相なりますれば、農協として農産物の共販ということは重大な任務でございますので、したがって自主流通米について、これに農協として対応していくということに遺憾な点のないようにしたいという見解が示されました。したがって、御指摘のように、もしも農協が自主流通米については対応しないという基本姿勢を打ち出しますれば、実行上はきわめて困難な事態になっただろうと思いますけれども、そういう食管制度運用の面でも、政府の方針に対して対応するということになりましたので、私どもは順調に自主流通米制度が発足するのであろうというふうに見ておるのでございます。
○石田(宥)委員 いやしくも自主流通というからには、農協が末端まで、小売りまでというわけには事実上いきませんが、しかし大部分を卸につなぐ、これでは自主流通にならないと思うのです。少なくとも小売り段階までつないで、初めて自主流通ということがいえると思うのですね。農協からはそういう要請はなかったのですか。
○桧垣政府委員 農協の側から、集荷の段階からさらに配給の段階まで、農協の立場としては関与をいたしたいという希望は示されたのでございますが、その考え方には、若干私は先走った観念があると感じたのでございます。といいますことは、自主流通米といえども食糧管理制度の管理のもとにおく流通でございますから、したがって、現在の食糧管理制度の流通の形態をくずすということについては、私は行き過ぎであるというふうに考えまして、そういう見解を示したのでございます。 ただ、農協には二面ございまして、集荷団体としての性格と、傘下の組合員に対する物資の供給、いわゆる配給業者の性格とございますから、したがって、本来の農協の果たすべき配給業者としての機能というものについては、これは私ども評価をせざるを得ない。しかし一般消費、都市消費について、農協が末端まで進出をするということについては、私は配給の秩序保持という意味からも問題がある。少なくとも現段階においては問題がある。しかし、農協が組合員の生産物の集荷、販売をするという機能をできるだけ伸ばしていく、そういう機能を充実させていくということについては、私どもも十分配慮をしていく必要があるであろうというふうには思っています。
○石田(宥)委員 そうすると、小売り段階まで農協に扱わせるということについては検討をする用意がある、こういうことですね。どうですか、簡単でいいですからはっきり……。
○桧垣政府委員 農協法が本来予定をしておる機能という限りにおいては、私は小売りの問題を考えてよろしいのではないかと思います。ただし農協が、御案内のように組合員に対する共同経済行為ということが本来の使命でございますから、それを著しく逸脱するような形で出ることについては、私は疑問を持っています。
○石田(宥)委員 長官、混乱しているのですよ。もちろん、いまも定地域では小売りもやっていますけれども、そう大幅に小売りということは困難であろう。ただ、小売り業者にまでつなぐということは重要じゃないか、こういうことを言っておるのです。だから、その点は小売り業者にまでつなぐということについて検討をする用意はある、こういうようにさっき答弁をされたのですが、さっきの答弁とちょっと食い違っておるようなんですが、どうなんですか。
○桧垣政府委員 現在の段階では、先般も政令の改正要綱で御説明申し上げましたように、集荷業者の団体を通じ、卸売り業者を通じて、正規の流通をさせたいという考えがございますので、現段階で直ちに農協と小売り業者との取引、流通というものを認めるという考え方はございませんが、ただ、そこに制度運用の問題としては、私は最終的には消費者の要望する米の流通ということがございますから、経済的な結びつきとしてのそういう関係というものは、検討をする余地はあるのではないかというふうに思っています。
○石田(宥)委員 さっき稲富委員に対する答弁の中で、自主流通米も政府管理米である、こういう答弁があったようですね。自主流通米が集荷されて卸に回り、それから小売りに回る。一体それは、その自主流通米というものと政府管理米というものはどこで線を引くことになるのですか。自主流通米と政府管理米の線をどこで引くか。
○桧垣政府委員 先般も申し上げたのでございますが、自主流通米ということを考えましても、それの流通については、農林大臣の許可を得た計画のもとに流通することを認めるということでございますので、広義の政府管理のもとにあるというふうに私どもは考えておるのでございます。 で、自主流通米と政府の売り渡しにかかる米との区分というのは、法律的には、これは政府の直接管理いたします米について、それぞれ法律上の制限、規制があるわけでございますから、法的性格には変化はございますが、物理的な意味での米の区分というのは、私は非常に困難であるというふうに思うのでございますが、先般農林大臣もお答え申し上げましたように、自主流通米は消費者の信用のもとに流れる性質のものでございますから、自主流通米については産地、銘柄、年産等を明らかに表示をして、小袋詰めで配給させるというようなことを指導することによって、自主流通米の本来の役割りを果たすようにしたいと思っております。
○石田(宥)委員 いまだと、集荷をずっとやっている。これは農協が集荷をしている。その段階では、集荷は政府の管理のもとに行なわれる。ところが卸のほうへ行くときに、農協から直接行ったものは、そこで政府の管理米ではなくなる、常識的には。けれども政府へ売り渡すものは、もちろんこれは政府管理米として卸、小売りとずっと流れるというふうにわれわれは判断をするわけですが、そこはあいまいだなどという答弁もちょっとおかしいのですが、どうなんですか。
○桧垣政府委員 お話しのように、集荷段階について政府の管理のもとにあるということはそのとおりでございます。農協等の集荷段階から卸に売り渡されました自主流通米につきましても、政府の売り渡しの米穀と同様に購入券によって流通をさせるという考え方をとっておりますので、少なくとも流通規制に関します八条関係の規制はするつもりでございますので、やはり流通についても、私どもは政府の管理のもとに置いておるというふうに考えておるのでございます。
○石田(宥)委員 わかります。 政務次官にちょっと伺いますが、いまお聞きになっておるように、非常に広義に解釈すればどうだとか、直接管理するものは問題ないけれども、そうでなくて業界に流れるものについては、なかなかこれは取り扱い方によってはいろいろな弊害も生むわけですね。そういう問題でございますから、これはやはり相当秩序を整然として取り扱わせるように、食糧庁としては指導すべき性質のものであるし、法律によって農林大臣も義務づけられておる問題でありますから、それらの点をあまり放漫にならないようにやるべきであろうと思いますが、政務次官おいででありますから、御意見を伺っておきたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 自主流通米につきましても、みだりに放漫に流れないように、政府が十分これを整然とした秩序のもとに考えていくべきじゃないかという御意見でございます。私どももそのつもりでおります。
○安倍委員長代理 兒玉末男君。
○兒玉委員 専売公社のほうにお伺いいたしたいと思います。 現在計画されております新長期計画による原料対策並びに原料工場の統廃合に関連する点でお伺いしたいのでありますが、まず第一点、この原料工場の統廃合について、具体的にどういった個所を計画されておるのか、お伺いしたいと思います。
○黒田説明員 現在廃止したいと思っているのは八つございまして、西金沢、それから四国の小松島、土佐山田、それから広島の本郷、九州へ入りまして久留米、諫早、それから加世田、都城、この八つの古い型の原料工場を廃止したい、かように考えて「おります。
○兒玉委員 廃止をする理由といいますか目的は何であるのか、お聞かせをいただきたいのです。
○黒田説明員 実は、いまたばこの製造工場におきましては、原料を使います際に、原料の形を変える方向で合理化をやっております。以前は葉たばこを原型のまま使っていたわけでございますけれども、現在は葉たばこを使います前に、一たんスレッシャーという機械にかけまして、葉肉の部分と、中骨と申しまして葉のまん中の葉脈でございますが、これを別々に分離しまして、それから使っているわけでございます。そういたしますと、配合する際も非常に均一にまざりますし、また、香料を使う場合に均一に香料がかかります。また、葉肉だけでございますと、非常に高性能のカッターを使える。また、作業運営の面におきましても、連続作業とか自動化とか、こういうことができまして非常に製造工場の合理化が進む。 こういう観点で、現在公社の工場の半分以上はこの新方式に切りかわっております。スレッシング方式と申しておりますが、これに伴いまして、やはり原料工場のほうもそういうスレッシングをした葉っぱを供給するという体制に当然なるわけでございまして、原料工場につきましても、現在二十三の工場のうち十五工場はすでにそういう新しいスレッシング方式の工場になっておるわけでございます。 そういうことになりますと、耕作者が納付しましたたばねた姿のままで葉っぱを使うということがだんだん少なくなりまして、現状では、もう束の原料の在庫というのは、今後使用する見込みをすでに上回わって過剰になっておる、こういう状態にございます。そういうことで、この際旧型の束の再乾燥をやる原料工場につきましては廃止したい、かような理由でございます。
○兒玉委員 この廃止問題につきましては、関係の地元の市町村議会等が絶対反対の決議をしておるわけです。しかも、専売公社は社会的役割りを達成しようというその主張とはうらはらでありますし、なお、現在経済企画庁の新しい国土総合開発計画におきましても、いままでのいわゆる拠点開発主義からブロックの開発主義に重点を置きかえて、そして進行する過疎化現象等にも対処するような方針が出されているわけですけれども、現在専売公社がとろうとするこの措置は、明らかにこの経済企画庁等の新国土総合開発の方向とは逆の方向にいくものではないかと思うのです。 このような関係地方自治体が絶対反対を主張することについて、どういうふうな理解をされておるのか、お聞かせをいただきたい。
○黒田説明員 地元からそういうような反対の陳情がずいぶんあるわけでございます。私どもとしましては、やはりこれまで各地にそういう原料工場を設立しまして、いろいろと地元の御援助等も受けておるわけでございますので、それには非常に感謝いたしておりまするし、これまでも何とかそういう御援助に対しまして、お報いしたいということで努力してきたわけでございます。 しかし、先ほど御説明申し上げましたように、現在すでに、束の再乾燥の工場を動かしても、公社としては何も動かす理由はないわけでございます。過疎対策とかそういうものと相反するというようなおことばでございますが、やはり私ども専売公社としましては、安くてうまいたばこをつくるというような、企業としての合理化、改善ということが第一ではないか。結局、そういうことを怠ったがために消費者にそのしわ寄せがいくということは、公社としての基盤を失う一番のもとじゃないか。かようなことで、先生のいまの御意見よくわかるのでございますけれども、やはり企業の立場としては今回廃止せざるを得ない、こういう気持ちを持っております。
○兒玉委員 この関係の原料工場が廃止されることによりまして、相当数のここに働いている労働者の生活権というのが奪われることは、十分御承知だと思うのですが、特に原料工場の場合は、大体一年の期間を通じて、短い期間の季節労働者というのが相当数いるわけですけれども、これにしましても、現在のいわゆる農業等だけでは食えない、やむにやまれぬ状況下で専売公社の原料工場に働いている労働者が大半ではないかと私は思うのですが、これらの労働条件なりいわゆる工場閉鎖に伴うところの失業対策等については、どういうふうな対策を請じられようとしておるのか。 また、これに関連をいたしまして、原料工場廃止地域において、たばこ耕作に営々として何十年間もがんばってきた耕作農民についても、非常な不安を与えておるわけでございますが、これらの点についてどういうふうな措置をとろうとされておるのか、明らかにしていただきたい。
○黒田説明員 今回廃止の予定をしております八つの工場に勤務をしております公社の職員が百九十七名おります。それから季節的に雇用しております季節作業員、これが千二百二十五人です。公社の職員は、配置転換とかそういうようなことで処理できると思っておりますが、季節作業員につきましては、これは毎年十月から翌年の一月ないし二月、平均百日くらいの期間、期間を限って雇用契約を結びまして働いていただいておるわけでございますが、これは形式的には、やはり毎年そのつど契約しておるわけでございますので、作業が終わりますと、一応公社との関係は白紙になる、かように私ども考えておるわけでございます。現在の時点で特段の対策というようなことは考えておりません。 それから耕作者でございますけれども、耕作者の方は別に原料工場の廃止と直結しておるわけではないわけでございまして、耕作者の方が納付される葉たばこは、公社の葉たばこ取り扱い所へ納付いたしまして、それからどこの原料工場へ送るということは、全く公社の一方的な仕事でございますので、直接耕作農民の方には関係がない、かように考えております。
○兒玉委員 昨年の十二月二十六日の税制調査会が考えましたたばこ消費税制度の創設、これが自民党におきましても賛成に踏み切れずに、結局、ことし一月の閣議で答申は見送りになった、こういうことが報道されておるわけです。この点から考えた場合に、合理化の対象というのが、結局、国税と地方消費税を先取りをして、そうして専売に働く労働者あるいは耕作農民、こういう者等にしわ寄せをされるようなたばこ消費税制度の創設が、その大きな根本をなすものではないかと思うのです。 この新しいたばこ消費税制度を、四十四年度に導入することができなかったという基本的な背景というものはどこにあったのか、この点お聞かせをいただきたいと思います。
○黒田説明員 私はあんまり明確な、こまかい点は存じませんが、結局、案が出ましたのが非常に時期がおそくなっておりまして、十分審議するいとまがない、かようなことが一番の理由だったというふうに聞いております。
○兒玉委員 この制度の導入が実現しますならば、先ほど触れました、いわゆる合理化による労働者の首切り、さらにまた一般の小売り価格、あるいは生産農民へのしわ寄せになることは明らかに指摘できょうと私は思うわけです。 今回専売公社当局が、特に相当強力的な減反方針をとっておるようでございますけれども、消費の動向から勘案しました場合に、私はこの減反措置ということについても疑問ですし、特に、耕作農民に重大な不安を与えていようかと思うわけであります。たとえば、今年度の黄色種の場合でも、諮問は四万七千二百三十三ヘクタールの諮問、これは前年度対比一二%というまことにわれわれが驚くような減反を諮問しております。それから答申は、耕作農民と関係団体の抵抗によって、結局、四万九千五百六十四ヘクタール、七・七%減に押えることができたわけでございますが、こういう減反の方向をとっている理由はどこにあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○黒田説明員 実は、需要と供給のバランスの問題でございますが、詳細に申し上げますと、まず需要の面でございますけれども、昭和三十年代後半におきましては、毎年毎年たばこの売り上げ数量の伸びが非常に大きかったわけでございます。年率六%程度というような伸びを示したわけでございますけれども、最近、いろいろな理由で伸びが非常に鈍化してきたということがございます。さらに、昨年の五月定価の引き上げというようなことを実施いたしましたがために、現在は消費数量はほとんど足踏みしておりまして、三月中旬までの実績で前年度と対比してみますと、四十三年度の販売数量は、四十二年度に対しまして一%強というような伸びにとどまっております。しかも、御承知のように、最近はフィルターたばこが非常にふえてまいりまして、現在全体のシガレットの八四%というものはフィルター製品でございます。フィルター製品になりますと、これは中に填充します葉たばこの量が両切りより減るわけでございますので、それだけ葉たばこの所要量が減るということがございます。また、公社におきましては、最近の工場合理化によりまして、原料のロスというものが非常に少なくなってきた。こういうようなことがいろいろございまして、総体の葉たばこの需要量というものがなかなか伸びない、かような情勢になっているわけでございます。 一方、供給の面につきましては、三十七年から四十一年まで逐次増反を実施いたしたわけでございます。順調に計画に協力していただいたわけでございますが、そういうことと、それから最近のたばこ耕作農家が非常に規模が大きくなりまして、事業化の傾向があるわけでございます。それだけに非常に技術的にも安定して向上しているということで、最近の十アール当たりの収量というものは非常に伸びてきているわけでございます。たとえて申しますと、昭和三十四年から四十三年までの十年間をとりまして、前の五年間とあとの五年間の平均の収量というものを見てみますと、一番ひどい黄色種におきましては、前の五年の平均が二百十一キロでございます。あとの五年の平均が二百四十キロ。前半に対しまして一四%後半の平均が上がっておる。これは在来種、バーレー種につきましても同じようなことがございまして、全体を通計いたしますと、前の五年に対しましてあとの五年は大体一一%程度、十アール当たり収量が上がっておる。こういうようなことで供給が非常に、予定以上にふえたわけでございます。 そのほか、私どもといたしましては、何とか国産葉をもう少し使いたいということで、従来外国の高級葉を使っておりました部分の一部を国産葉で代用するということもやってまいりましたけれども、これもほとんど限界に来ている。輸出につきましても、かなり努力はいたしておりますが、何ぶん日本の価格がかなり高い、あるいは品質的にニコチン、タールが多い、こういうことが障害になりまして、せいぜい現在のところ七百万キロ程度の輸出しかできていない。 このようなことで、需要がそう伸びないのに対しまして供給が予想以上にふえたということがありまして、需給のバランスがくずれてきております。そういうことで、現在公社の葉たばこの在庫は、三十一カ月分持っております。これは、平均の標準在庫というのが二十三カ月でございますので、約八カ月分だけオーバーした在庫を持っているということで、私どもとしましては、やはりこういうような必要以上の在庫をかかえるということは、公社の経営上非常に困ることでございますので、なるべく早い時点で過剰在庫の解消をはかりたい。かようなことで、やむを得ず今年黄色種につきましてだけ七・七%の減反を実施したわけでございます。
○兒玉委員 在庫数量が非常に多いということを言われるわけですけれども、これは過去の実情から見ましても、結局、その犠牲のしわ寄せがたばこ耕作農民に来ることについて、われわれは非常に不満を持つわけであります。昭和三十八年から四十年当時におきましては、いわゆる増産奨励あるいは乾燥場等の施設増強を専売公社みずから指導してやってきているではございませんか。これらのことについても私たちは絶対納得できない。 しかも、聞くところによりますと、これは某新聞でございましたが、これから十年以内に四〇%程度のたばこを輸入して、現在の二十八万程度の耕作者を五割程度削減させる、こういうこと等も報道されておりますが、これはまさしく耕作者農民をばかにした考え方ではないかと思うのです。いままでは生産奨励に一生懸命協力させておきながら、こういうふうな構想が出るということはきわめて遺憾でありますが、その辺の実情はどうなっているのか、お聞かせをいただきたい。
○黒田説明員 実は、その過剰在庫の問題でございますけれども、四十年度で大体標準在庫になったわけでございます。ところが、先ほど申しましたように、ずっとそれまで増反を続けてまいったわけでございますが、そういうような情勢の中で急に面積を縮小する、こういうことは非常にできかねたものですから、私どもとしましても農家の経営の安定ということも考えまして、あえて四十一年度は若干の増反をして、それから四十二、四十三年度と面積据え置きということになったわけでございまして、全然耕作農家の経営というものを顧慮しないということではなかったと思っております。 それから、今回のこの七・七%の黄色種の減反と申しますのは、過去三年間に毎年自然に耕作をやめる方がございます。その過去三年の実績をとりますと、大体五%程度の面積が減る。それから毎年規模を縮小する方がございます。これも過去三年の実績をとりますと大体二・七%。したがいまして、七・七%の減反と申しますのは、全体的に見ますと耕作者の方に出血減反をしいないという数字になるわけでございますので、その点で御了承いただいたかというふうに考えておるわけでございます。
○兒玉委員 これは昨年の十一月二十日の参議院の農林水産委員会において、わが党の足鹿委員の質問に対してこういう答弁が載っております。これは農政局長にお伺いしたいわけでございますが、第二次構造改善が一応これから発足する体制にあるわけですが、農基法二十一条によるところのいわゆる基幹作目としてのたばことに対して、「専売公社の側で一方的に耕作許可面積の制限をしないという方針をとっておるつもりでございます。」こういう答弁を当時の太田局長はされておりますが、これから新しい農業振興地域の策定等を含めて、新構造改善事業推進の中において、やはりたばこ耕作ということは大きな比重を占めると思うのですが、この辺の関係についてどういうふうなお考えを持っているのか、お伺いしたいと思います。
○池田政府委員 たばこの需給の問題等につきまして、先ほど専売公社からお答えがあったわけでございますが、やはり地域的には非常に重要な、特に農家にとりまして重要な意味を持っている作目でございますので、今後構造改善事業の中でどうそれをさばいていくかという問題は、非常に慎重に扱う必要があるのじゃないかという一般的な考え方をしているわけであります。 今回のいろいろなそういう作付の制限の問題につきましては、構造改善地区においてどうするかという問題がございまして、私どもは公社のほうとも御相談を申し上げているわけでございますが、すでにもう実施地区で計画が発足をしているというところについて、これは従来の計画も当然ございますから、そういう地区につきまして、従来の想定されました規模に基づいて作付面積の増加等を行なうことは、これは一般の例外といたしまして、当然そういうことはあり得るというふうに御相談申し上げているわけでございます。 なお、第二次の構造改善事業でどう扱うかという問題は、私どもはまだ具体的に、非常にこまかくその点をどうするかということはきめていないわけでございます。ただ、先ほど来の一般的な需給の問題がございますし、また、一方ではその地域における非常に重要な作目であるという点がございますので、もちろんこれは第二次構造改善事業でも基幹作目として取り上げられることは当然だと思いますけれども、どういう取り上げ方をするかということについては、今後そういう地域の要望等もいろいろあると思いますので、そういうことを十分考えました上で公社と御相談を申し上げたい、そして実態上差しつかえのないようなふうに持っていきたい、こういうような考え方でございます。
○兒玉委員 これは公社のほうにお伺いしたいのであります。いま農政局長の御答弁を聞きましたが、結局確認をしたいわけですけれども、耕作農民の意思を無視したいわゆる一方的な耕作面積の規制はしない、こういうふうに理解していいかどうか、お聞きしたいと思います。
○黒田説明員 私どもは面積を公示いたしまして、そして各地方局なり支局、出張所の区域に配分をしておるわけでございますが、こまかい配分につきましては、耕作者の組織でございます耕作組合なりあるいはその下の総代区という十人くらいを平均の単位にした耕作者の団体がございますけれども、この辺と相談をして配分しておるわけでございます。したがいまして、全然意思を無視してということにはならないのじゃないかと思います。 それから、先ほど先生の御質問にうっかり答えなかったのでございますけれども、将来四〇%を輸入したい、こういう考えがあるのじゃないかというお話でありますが、実は私ども、将来の長期的展望ということでいろいろ検討しておるわけでございます。しかし、なかなかこういうことを的確に把握することは非常にむずかしいわけでございまして、いろいろな方面から検討しておるわけでございます。ただ、その中で考えられますことは、将来はたして日本で公社が必要とするだけの葉たばこというものを生産してもらえるかどうか、これに非常に疑問があるわけでございます。 と申しますのは、御承知のように、葉たばこと申しますのはかなりほかの作物に比べまして労働日数が多い。したがいまして、そういう面からやめていくという方が非常に多いわけでございます。最近の傾向を見ますと、昭和三十九年に耕作者の数が一番ふえておるわけでございますが、その後全体の面積はふえながら、耕作者の方の数はどんどん減っていくわけでございます。年間平均五%程度の耕作人員が減っていく。これまでは、人間が減りましても人当たりの規模が拡大されるということで、総体の面積はふえていたわけでございますけれども、たばこ耕作農家の平均の経営面積が大体一ヘクタール強というようなことでございますので、これ以上の規模拡大ということも無理になってくるのではないか。 そうしますと、将来におきましては、この耕作者の方の数が減るだけ総体の面積も減ってくるのではないか。そういうときに原料対策をどうするのかということになってまいりますと、やはり後進地域の葉たばこの輸入ということも、一つの案として考えなくちゃいかぬというわけでございます。そういうことで、四〇%という数字は別に何もきまったとかそういうことではなくて、そういう将来の状態を予想した場合の一つの試算としまして、途中でそういう数字も出たということがあるわけでございます。 したがいまして、現在は極力国産の葉を使える場合にはすべて国産の葉を使う、外国から輸入する葉は国内でできない特殊なものを輸入して、味つけ用とかそういうものに使うということで、現在は一六%程度が輸入葉を使っておるわけでございますが、基本的には、将来といえども国内生産ができるならば、国産葉を主体として使う、こういう立場をとっております。
○兒玉委員 時間がございませんので、あと二点ほどお聞きしておきますが、先ほどの工場廃止に伴う対策の点ですけれども、いままで季節労働者といえども、それがまた毎年毎年更新契約があったにしても、少なくともたばこ産業のにない手としてやはり貢献してきているわけですが、先ほどのお話だと、何か一片の通告で突っ放してしまうような非常に冷淡な感じを受けているわけです。 これはおたくが出しているのですが、「これからのたばこ事業 長期経営計画」この一番最後にある「労使関係の調和」の項の中においても、「労使はたばこ産業の共同の担い手であり、それぞれの繁栄の基盤は事業の成長と拡大にあるという認識に立って、企業成果の確保と職員の社会的、経済的地位の向上との調和に努める。」ということが明らかにされているわけでございます。もちろん、このような対象地域に働いている労働者は、今後の非常な不安を持っているかと思うわけです。その点は、単に公社の企業目的のためだけの犠牲が強要されることを、われわれは断じて許せないと思うわけですが、そこに働いている労働者の今後の対策なりあるいはそういう人たちの不安の解消については、もう少し血の通った施策がとられてしかるべきじゃないかと私は思うのですが、これについての御所見を承りたいと思います。
○黒田説明員 現在の段階では、先ほどお答え申し上げたとおりでございますが、実はこの原料工場の廃止に伴いまして、いろいろ労働条件等につきまして、今後労働組合と交渉するわけでございます。その結果、どういうことになりますかわからないわけでございますけれども、交渉の結果またその時点で判断していかなくてはならぬ問題がいろいろ出てくるのじゃないか、かように考えております。 〔安倍委員長代理退席、委員長着席〕
○兒玉委員 それでは、問題が重要な問題でありますので、特に関係組合等の意向を十分尊重して対処していただきたいということを、最後に御要望申し上げたいと存じます。 次に、園芸局長に一言聞きたいのですが、四月十日がビート価格の確定の時期になっておるようでございますが、これに対してどういうふうな作業を進めておるか、お聞かせをいただきたい。
○小暮政府委員 四十三年産のビートの生産費の調査が、まだ統計調査部のほうから出ておりませんので、この数字が出ますのを待ちまして、昨年の検討の経緯等を十分考慮に入れながら、四月十日までに決定いたしたいと考えております。
○芳賀委員 関連して質問しますが、てん菜の価格決定があと一週間後に迫っておるわけですが、いま局長の答弁によると、まだ算定上必要な資料が整わないということでありますけれども、たとえば、この生産費の関係あるいは農業パリティの関係等は何日ごろ出るのですか。
○小暮政府委員 関係の数字は、統計調査部が今週一ぱいぐらいに間に合わせたいというふうに申しております。
○芳賀委員 パリティの関係はいつごろ……。
○小暮政府委員 パリティも同様でございます。
○芳賀委員 それではきょうは、二月二十四日の予算分科会で私が質問した、圃場からもより集荷場所までの原料運賃については、従来の原料価格においてそれが不明確になっておったので、ことしの決定の場合は、取り残されたこの運賃の分について、これを原料価格に算入して価格を決定するか、あるいはまた買い上げ糖価にこれを算入して糖価の中で解決するか、このような問題についてどういう方針でやるかということを、ことしは明確にすべきであるというふうに指摘しておるわけですが、この方針はどうなっているのですか。
○小暮政府委員 先般御注意をいただきましたので、その後昨年までの経緯等もいろいろといま調べております。 御承知のように、現在の最低生産者価格は、圃場からもよりの、近接した集荷場所での価格というふうに理解するのが、一番従来の経緯にかなうようでございます。したがいまして、そうした場合の最低生産者価格には、圃場からそのもよりの集荷場所までの搬出の経費というものが、やはり入っておるというふうに理解すべきであろう。 ところで、これまでの価格のきめ方を見てまいりますと、統計調査部からは圃場における生産費が調査として出てまいっております。価格決定のためにいろいろ相談を申し上げるときには、その数字を判断の一つの基礎にしておる。ところが、そのほかにパリティ指数を用いて算出します価格も別途ございます。その他バレイショ等との関連等をいろいろ議論するというようなことで、各種の参酌値がございます。それらを総合判断して年々きめておるようでございます。したがって、搬出費が明確な調査に基づいて、何円何銭ということで決定価格の中に織り込まれるということに、どうもなっていないようです。 今日までの姿はそういうことだというように了解いたしますが、本年のきめ方につきましては、これらの経緯を十分念頭に置きまして、少なくとも四十三年における搬出費の実態、これはどうしても平均値ということでつかまえる以外にないと思いますが、そういうものを、今回の価格の決定の際に総合勘案いたします判断の素材の一つに加えたらいかがだろうかということで、統計調査部のほうにその実態の調査を依頼しておるわけであります。これも、先ほど申し上げました価格の議論のために必要な基礎資料と同時に、今週末に統計調査部から入手できるものというふうに考えております。
○芳賀委員 それでは、いまの局長の説明からいうと、従来の最低生産者価格に別途運賃部分を明らかにして、加算したものを原料の最低生産者価格ということで決定したい、こういうことですか。
○小暮政府委員 これまでも、生産費でいきなりきめておったわけでございませんで、生産費、それからパリティを用いた価格、あるいはその他の他作物との関連、そういったものを総合勘案しておるわけでございまして、総合勘案いたします際に、圃場からもよりの集荷場所までの搬出費についての実態調査というものも判断の一つの基礎資料にいたしたい、そういうことでございます。
○芳賀委員 それじゃはっきりしないのです。たとえば、生産費調査によるものには運賃というものは入っておらぬですから、それではわからぬと思う。パリティ指数というものは、特に運賃についてどうだということを指向するものじゃないわけです。これもわからぬと思う。それから類似の他作物の収益性がどう変北しておるという比較対象にするものの収益あるいは生産費についても、運賃というものは入っていないわけです。だから、それを総合しても従来と同様の結果しかできないわけですね。問題は、最低生産者価格に、圃場からもより集荷場所までの運賃を加算した最低生産者価格というものを形成する方針でいくとすれば、その分だけが独立して明らかになって、それを従来の最低生産者価格に加算したものをもって原料最低生産者価格として告示するということに当然なるものですが、そういうふうにことしはやるわけですか。
○小暮政府委員 ことしのきめ方は、これから十分関係の方面とも相談して考え方を整理したいと思いますが、いまのおことばとの関連で昨年の価格を振り返ってみますと、昨年の価格の決定がたしか七千二百六十円でございます。そのときに、いろいろ参酌いたします。非常に大事な基礎の一つの生産費は、六千六百四十二円ということに相なっています。したがいまして、七千二百六十四円という決定と当時の生産費六千六百四十二円ということの間には、約六百円の差がございます。この六百円の差をどういうものであると理解するか、これはいろいろ理解のしかたがあると思いますが、現実にそういう価格に決定いたしておるわけでございますが、いま、昨年の圃場からもよりの集荷場所までの運搬費の調査を急いでおります。それがどのように出てまいりますかまだわかりませんが、たとえば、生産者団体が昨年いろいろ主張されました数字がたしか四百何十円かでございます。ことしは、それに物価等の伸び率を加えて五百円何がしの主張をなさっているように聞いておりますけれども、いま申しましたような価格の決定でございますので、昨年の価格は生産費に搬出費を積み上げて決定したものでございませんけれども、しかし、昨年の決定価格は平均的な搬出費をまかなっておるというふうに私ども理解しております。したがいまして、昨年の例でいえば、調査がはっきりしてまいりましたときに、昨年の決定価格の上に、今回たぶん明らかになると思います搬出費をその上に乗せなければ、昨年がおかしかったという理解にはならないと思うのです。したがって、そういうものとことしとの連続と申しますか、そういうことで考えるわけでありますから、くどいようでございますが、搬出費を明らかにいたしまして、それを総合判断の一つの基礎資料にするということではなかろうかというふうに、現在のところ考えております。
○芳賀委員 局長、それでは少なくとも私を納得させるということにはならぬのですよ。ほかのしろうとなら別ですけれども、あなたの言う六百円ぐらい弾力のあったというのは、これは統計調査部のてん菜の生産費調査の結果、これは加工乳で議論したとおり、農業日雇い労賃の計算に立ったわけですから、当然そういう差は出てくるのはあたりまえですよ。だから問題は、法律上パリティを大体基礎にした価格決定をやるということになっておるわけですけれども、それにあわせて農林大臣が定める生産費、それからまた他の畑作、これは主としてバレイショ等が一番比較できる作目ということになるわけですけれども、ですからパリティの上昇率とか他作目の収益性というものを比較すると、やはり去年の価格というものは何も高過ぎたということにならぬし、むしろ低いという非難があるわけですよ。だから、ことしはそのほかに原料代に運賃を加算するということになれば、どういう形で加算するかという問題が残っておるわけです。同じあなたの所管の農産物価格安定法に基づくバレイショの原料運賃費、これは三年前の法律改正によって、圃場からでん粉工場までの運賃は、改府が買い上げをする場合のでん粉の価格に明らかに算入するということに、法律できめてあるから間違いなくやっておるわけです。それから糖安法のほうも、もよりの集荷場所あるいは圃場から工場に直送する分については、原料運賃というのは、糖安法に基づく政府の砂糖買い入れ価格の中に算入されておるわけですね。理論的にいえば、その圃場からもよりの集荷場所までの運賃といえども、これは当然砂糖の価格をきめる場合にそれらを全部取り入れてきめて、そうして圃場から工場まで直送した分についてはその分はもう、明確になっておるわけですから、圃場から中間場所までの分については糖価に算入するということであれば、これは工場が、生産者との協議によって適正な運賃というものを支払いをするということのほうが合理的なことだと思います。あなたの言うように、その分を原料価格に入れるということになると、これはその分を明確にして原料代に加算するという方式をとらぬと、非常に混乱するわけですね。 きょうは、まだ問題の整理をしておらぬようですから深く追及はしませんが、一週間後にはきめるわけですから、決定前に当委員会において問題を明確にする必要があると思うが、これは、畜産物のように審議会に諮問してきめるということになっていないから逃げるわけにはいかぬ。まだ審議会に諮問しませんから委員会に資料も出せませんとか、答弁できませんというわけにいかぬ。ですから、来週の火水木が定例日で、木曜日は価格を告示するわけですから、その委員会の予定日の中で、これは明確にしてもらうことになるんですが、そういう用意はいいんですか。
○小暮政府委員 御指摘のようなでん粉等の場合には、工場までの経費を価格に算入いたしております。この国内産糖の場合にも、もよりの集荷場所から工場までの運搬費は、むしろ原料費ということで工場の経費の中に含まれておるわけでございます。これらの問題をどのように整理したらいいか、御指摘のように来週価格を決定いたしますまでに、十分検討して結論を出したいと思います。具体的な評価の姿との関連もあろうかと思いますが、これも十分勘案いたしまして方針を明らかにしたいと思います。
○芳賀委員 委員長、いまお聞きのとおりですから、来週四月十日に原料の最低生産者価格を告示するわけですから、それ以前の委員会において、いま提起した問題等についても十分質疑を行なうようにしたいと思いますので、その点は委員長においても御了承願います。
○丹羽委員長 承知いたしました。 石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 時間もあまりありませんので、簡潔にお伺いをいたしますが、私は農協の問題について若干お伺いをいたします。 三月二十六日の読売新聞の埼玉版でありますが、名栗農協の問題が大きく出ております。その内容は、名栗農協の組合長が、三億二千万円の預金しかないのに三億三千万円を貸し出したということで、そういうような事件が載っておるわけであります。それでこの組合長は、法律で定められている基準を大幅に上回って、組合長自身が六千万円貸し出しを受けており、そうしてこれを長男と次男の経営する不動産会社と建設会社の事業資金に回しておる。さらにまたこの組合は、自動車販売会社に対して一億五千万円の大口貸し出しをしておる。 こういうような問題が実はクローズアップされておるわけですが、こういう問題が現在農協関係には非常に多いわけですね。一体農林省は、こういうような農協問題に対するいろいろな問題についてどの程度報告を受け、どこで検討し、どのような指導をしておるのか、これについてまずお伺いしたいと思います。
○池田政府委員 ただいま埼玉県の例の御指摘があったわけでございますが、農協のいわゆる不祥事件というのは、確かに御指摘のようにかなり件数が多いわけでございます。 私どもといたしましては、従来からこれの処理に非常に苦慮しているわけでございますが、一般的にはやはり組合の、特に信用事業の業務のやり方について、従来欠けている点が間々見られるわけでございますので、これに対する是正措置をやるような指導それからさらには、組合の役員なりあるいは幹部職員等に対する自覚の不足と申しますか、そういう点がございますので、そういうものに対する指導等をやっているわけでございます。 実は、過去におきましてもしばしば通達等を出しまして、その点に対するいろいろな注意をし、また、そういう事件がありましたときは、私どものほうに早急に報告をせよということを言っているわけでございますが、なかなか思うように改善が進まない点がございます。 実は、先般もたしか石田委員の御指摘だったと思いますが、そういうことがございまして、大臣からもそれに対してはまたあらためて厳重に通達等出して、是正措置なりあるいは報告の励行ということをやるということをお答え申し上げたわけでございますけれども、その後、私どももさらにそういう通達を出しましてやっているわけでございます。 そういうことでございますが、特にやはり私どもといたしまして必要なのは、検査を適確にやるということが必要だと思います。私ども、いままでのいろいろ協同組合の事業の発展の過程をたどってみて、やはり検査というものが非常に大きなウエートを占めておりますので、要するに、農協行政としては検査というものに相当力を入れるという体制でまいってはおるわけでございますけれども、何ぶん組合数が多いということ、それから最近におきましては業務量が非常に拡大をしてきているということで、十分手が回りかねる面が間々あるわけでございます。そういうことでございますが、さらに私どもといたしましてはそういう点を努力したい、こういう考え方でおるわけでございます。
○石田(幸)委員 私は農林省の関係で、農政局の農業協同組合課並びに水産庁の協同組合課のほうから、日本全県下にわたって報告書を求めたのでございますけれども、どうも農政局のこういった問題点の把握のしかたがかなりいいかげんじゃないか、こう私は思うわけです。 私どもがいろいろ調べた状況についてちょっと申し上げますと、実にいろいろな問題点があるわけです。たとえば、群馬県においては不法融資が行なわれておる、あるいは会計監査というのは二年半に一回ないし三年に一回程度である。山形県に至っては農協をA、B、Cに分けて、Aクラスに対しては五年に一回も検査を実施していないというのですよ。こういうような状態でほんとうに農政行政というものが十分に監督できるか、こういうような問題を私は非常に疑問に思っているわけです。山口県の状況を見ますと、全組合に全部指摘事項があります。 そかれら組織制度の諸規定にも問題がありますし、貸し付け規定、貯金規定、利息計算等、こういうものも細目はきまっておらぬ、こういう問題があります。それから、静岡県においては公金の不等使用による横領事件、経理組織が不備で、一人の係が全部やっておる。秋田県においては浮き貸しが多い、使い込みが多い、経理業務を一人でやっておるため不備である、こういわれております。また京都においては、貸し付け金は、営農資金というよりは一般資金へ回されている傾向が非常に強い。員外貸し付け、あるいは限度を超過したところの貸し付け、こういう問題が指摘されております。読み上げれば切りがありませんけれども、全組合にわたってこういう問題が指摘されておるわけです。大阪府の農協の状態をちょっと申し上げますと、検査も非常に不備ですね。検査対象にすべき組合が二百十三あるのに対して、約半分の百七しか一年度に行っておらない。こういうようなことは全県にわたって見受けられるわけですね。 一体農協法というものがありながら、農政局、特に農林省のほうでは——こういうような監査は一年に一ぺん監査すべきことになっております。これは各県において県知事がやる責任になっておりますけれども、県知事段階ではこれをやろうという、そういうような姿勢は全然見られません、いままでの例からいって。いまもお話がありましたように、農林省等においてはずいぶん通達を出されておるらしい。しかし、これはちっとも実現されておらぬじゃないか、こういう問題については、いまも通達を出されたそうですけれども、どう処理されていくのか、もう少し具体的な計画を私は持たなければいけないと思うのですよ。 大阪の状況を申し上げますと、四十二年度において百七組合に対して六百五十五件の指摘事項があります。それから四十三年度においては六十七組合調べておりますけれども、五百四十九件の指摘事項があります。そうなってみると、この一組合当たりの指摘事項が年々ふえているわけです。そういうことからいって、農林省の通達は全然効果を発揮しておらない、こういうことが申し上げられるのじゃないかと私は思うのですね。この点について、今後具体的にどういう指導をなさるおつもりなのか、もう少し明快な御答弁をお願いしたいと思うのです。 それからもう一点、各県の段階においては、こういうような指摘事項を全部みな書き出して県会等には報告されるようにはなっておりますけれども、一体農林省のほうにはこういうような文書はきているのかどうか、この二つの問題についてまずお伺いしたいのです。
○池田政府委員 いま御指摘のような点がございますので、私どもまことに苦慮しておるわけでございますが、私どもが従来そういう県からのいろいろな御報告を受け、また私ども自体がいろいろ連合会に対する監査等をいたしました結果から申し上げますと、非常に大きく分けて、そういうことが起こる原因を考えてみますと、一番大きなのは、やはり内部の管理体制というものが非常にできてない。本来からいいますと、預金の受け入れをするというような場合には、これは当然数人の人にわたって、そうして数人の人がそれぞれの立場からチェックをして受け入れる、あるいは貸し出しの場合も同様ということになるわけでございますけれども、そういう点が農協の場合、まあ比較的人員が少ないというようなことがあって、適確に行なわれてない場合があるわけでございます。いろいろな不正事件がありました場合のそういう原因を当たってみますと、それが最大の原因でございまして、私どもがまとめました資料でも、それが六十五件ほどございます。次には組合長の管理能力が非常に足りないというようなのが、そういうものの次にございますが、そういうのは十件以下ということで、まるで比率が違うわけで要するに管理体制が非常に不備であるという点が最大の原因になっている点でございます。 そういうことがございますので、従来私どもが非常に具体的なそういう指導方針をきめまして、こういう場合にはこういうようなチェック組織をしなければいけないという、実はかなりこまかい指導をしているわけでございます。もちろん、検査等におきましてもその点を十分注意して見まして、それが実行されてないような場合には、それを事後措置として実行をさせるというようなことも実はいたしておるわけでございます。 ただ、先生御指摘のようなことなんでございますけれども、検査人員というものが非常に限られておるわけでございます。現在ございます検査担当者の数は、都道府県の職員が三百五十八人でございます。本省関係が二十九人というようなことで、これだけで県のほうは大体七千程度の農協、それから本省のほうは各県に十くらいあります。そういう連合会の検査を担当しておるわけでありますので、どうしても一年に一回厳重な検査をするということが不可能でございます。そういうことで、単協の場合には一年にやります回数が全体の四割くらいという統計になっております。 そういうようなことでございますので、私どもはそういう原因に対する究明と、それに対する適確な指導、それから検査を、できる範囲内の人間でできるだけポイントをつかまえて検査する、こういうことを特に重点的にやっているわけでございます。 それから、県から報告が上がってきているかという御質問でございますが、これはそういう報告をいただいて、私どものほうは整理をしているわけでございます。
○石田(幸)委員 私は農協それ自体を問題にしているのではなくて、農協自体にも当然問題はありますけれども、そこに加入している大ぜいの農民の方々、農家の方々、こういった方がそれによって大きな損害を受けているわけですよ。たとえば、大阪の状態を見てみましても、たとえば財務管理の問題で、法令、定款、総会議決を順守すること、こういうような事項が八十一件、四十三年度には四十三件も指摘されておるわけですね。極端にいえば、総会をやったのかやらないのか、あるいはそういった総会できまったことが一般の組合員に告知されているかどうか、まず私が当たってみたところでは、そういうふうにちゃんとやっている農協というのは非常に数が少ないですね。そういうところが、たとえば漁業組合なんかの問題になりますと、補償の問題がからんでくるわけですね、正会員であるとかないとか、自分は正会員であると思っても補償は全然もらえなかったというので、全国で裁判ざたがたくさん起きている。それで私はこういう問題を問題にしておるわけなんですよ。 ですからそれは、人件費等の予算の関係もありましょうけれども、現在の農協がほとんど法人としてのていさいをなしていないところが多いわけですね。最近愛知県等におきましては、有力な農協が十三も合併して新しく信用業務をやるというようなことをいっておりますけれども、こういうふうにすれば、かなりこういった貸し付け業務にしても信用業務にしても職員をかかえることができるし、スムーズにいくのじゃないかと私は思うのですね。こういう問題の指導といいますか、とにかく農協の事務機構が法人に適しないようなところはどんどん指導して、早く合併させるところは合併さして、組合員全体の繁栄のための農協にするというふうにしていかなければならないし、また、組合長あたりがかってに三億からの金を簡単に融資できるような制度ではだめだと思うのです。 私の言いたいのは、要するに農協というのは、法人という資格は法律によって与えられておるけれども、そのおそらく七割、八割というものは法人としてのていさいをなしていないのだ、こう思うのですよ。ですから、この農協という問題を、単なる通達事項や何かで片づけるのではなくして、抜本的に改正をする必要がある、私はこう思いますね。こういう点についてのお考えはどうですか。簡単でけっこうです。
○池田政府委員 いまお話がございましたように、一部の農協が非常に体制が不備であるということは、確かにそういう事実があるわけでございます。で、今回実は農協法の改正法案の御審議を願っておるわけでございますが、そういう点も考えまして、やはり組合の基礎を強くすることが必要であるということで、そういうような弱小の組合は極力合併を進めていく、そのためのいろいろな法制的な裏づけも従来あったわけでございますけれども、やはり組合の管理についてもう少し現状に即した改正を加えたほうがいいというようなことで、今回実は総代会制度その他についての改正を御提案申し上げているわけでございますので、そういうようなことと相まちまして、私どももそういう線で努力をしたい、こういう考えでございます。
○石田(幸)委員 時間がありませんので簡単にお伺いしますけれども、これは農政局長さんどうします。たとえば宮崎県にしましても、検査対象は五十七組合あっても全面検査をしたのは実に二十組合しかないわけですよ。これは一部においてそういうような不正事件が起こっておるというこういう状態です。検査が一年に一ぺんもないのです。それで、農協の経理担当はたいてい一人でしょう。どこの組合だってまず七〇%、八〇%の組合は不正が起こり得る体制にあるわけじゃないですか。これは人数が足らないとか、予算措置がどうとかこうとか言っていられない問題じゃないでしょうかね。これの検査というものに対して、もう少し基本的に補助金を増大させるとかいうような方向で片づけなければ、何年たってもこういう問題は解消しませんよ。この点どうですか。
○池田政府委員 まあそういうような考え方が私どもにもございまして、極力従来の検査体制というものを強化していきたい。ただ、人間の増加というのは現実同順として非常にむずかしいわけでございますので、そういうことをやるような経費面か非常に制約を受けている点がございますが、そういう補助金の増額というようなことを、実は本年度もやっているわけでございます。金額全体はそう大きくはございませんので目立ちませんが、伸び率としてはかなり実は大幅な増加をやっておるわけでございます。 それから私どもは、やはり県の職員の数が足りませんので、それだけにたよるわけにはまいりませんので、特に農協の中央会の組織がやっており、ます監査事業というものを同時にやはり活用していきたい。現在この農協の中央会が持っております監査士が三百六十人ほどおりますので、そういうものを活用して、県の検査と相まちまして足りない点を補っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○石田(幸)委員 最後に、時間がありませんからこれでやめますけれども、いま局長さん、かおっしゃったように、県の職員を増加したりあるいは中央会の監査士を増加したりする程度のことではこれはだめですよ。やはり民間にも公認会計士等があるのですから、こういうものもどんどん活用できるような制度を何か考えなければ、いつまでたってもこの問題は解決できない。おそらく十年たったってこういう問題は解決できないのじゃないですか。そういった点で、きょうは時間がありませんのでこの程度でとどめますけれども、もう一歩突っ込んだ議論を私は当委員会においてさしていただきたい、こう思うのです。農政局長さんにだけぎゅうぎゅう言ったんではお気の毒でございますけれども、しかし、これは大至急に改善をしなければならない問題だと私は思います。そういう点で申し上げたわけであります。 非常に残念でありますが、以上で私のほうは終わりますが、十五分ばかりでございましたので、できれば質問を留保いたしまして次の機会にお願いをしたい、こう思います。委員長によろしくお取り計らいのほどをお願いしておきます。
○丹羽委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 じゃ速記を始めてください。 次回は来たる八日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十八分散会