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61回国会衆議院1969/04/01

農林水産委員会 第15号

発言数
177
登壇者
10
会派数
3
開催日
1969/04/01

会議録

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 これより会議を開きます。  農業振興地域の整備に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 質問に入る前に、ちょっと資料要求しておきたいと思うのです。  過般から行なわれております畜産振興審議会、これの肉類、飼料、それから加工乳、これを合わせまして、審議会に提出しておる一切の資料を提出していただき、その結果の報告を求めたいと思うのですが、いかがでしょうか。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 御趣旨に沿うように、委員長ともまた御相談いたしまして整えたいと思いますが、私も出ておりましたけれども、いままでの資料等といろいろ重複している面もありますので、整理をいたしまして御要望に沿うように努力いたします。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 まず最初にお尋ねいたしたいことは、この法律は、見ていきますと宣言立法的な要素もあるわけですが、この法律が制定されると、具体的に政令なり省令なりをつけて、ほんとうに農業地域が振興されるように運用する方針なのか。読んでいくと、何か宣言立法的な要素もあるわけです。これはどういうふうにお考えになっていますか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 内容は、宣言立法的な内容のものと、それから、かなり具体的な内容のものと両方あるように考えるわけでございますが、もちろん、先般私が申し上げましたように、政令で具体的な手続を相当規定する予定もございますし、あるいはまた、それだけでも十分でなくて、行政指導でさらに明らかにこまかい点を指導するというものもございます。内容によりましていろいろございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 この法律では農業地域の振興、こうなっていますが、私から申し上げるまでもなく農業生産というのは天地人の合作で農業生産が行なわれるわけですから、もちろん農業振興地域の整備ということも必要でありますけれども、農業の振興というのは、やはり農家が安定しなければ振興にならないと思うのです。この関連はどのように考えておられるか。たとえば、具体的に振興地域整備計画を市町村が立てる、こう書いてある。その場合に農家というもの、農家の安定ということを考えないで地域振興、農業振興、こういってみても、どうもそこがピンとこないのです。したがって、この法律の全部に地域振興とこういうその中には——あとからまた具体的に条文について質問いたしますが、前段でお尋ねしておきたいことは、いわゆるその条文の中には、農家の経営にわたる面もあるわけです。経営の形態ですかにわたる面もあるわけですが、その点をどのように解釈しておるのか、それをお伺いしたいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これは、この法案の第一条にも書いてございますが、もちろん直接的には、地域の整備について必要な施策を計画的に推進するというのが目的でございますけれども、それは、当然農業の健全な発展をはかるという観点からなされるわけでございます。農業の健全な発展というのは、総生産の拡大をする、あるいは生産性の向上をはかるということが一方ではございますが、同時に他方では、農業経営の健全な発展をはかる、こういう観点が当然含まれておるわけでございます。それで、いまおっしゃいましたように、当然そういう観点から、農業経営の振興と申しますか、発展と申しますか、そういうことをやることを考えておるわけでございます。  たとえば、この点をごらんいただきますと、そういう点が若干出ていると思うわけでございますが、この農業振興地域の整備計画というものを市町村がきめるわけでございますけれども、まあその具体的な内容としてはいろいろあるわけでございますが、たとえば三号等では、農地の保有の合理化をはかるというようなことがあるわけでございます。こういう事業をやるためには、当然その前提としまして、農業経営をどういうふうに持っていくかという具体的な構想がございませんと、その農地保有の合理化のための事業をするということも意味がないわけでございますので、私どもといたしましては、ここにははっきりそういうことばは出しておりませんけれども、指導といたしましては、こういう計画を立てる前提として、その地域における生産の将来の姿というものと同時に、農業経営の姿というものを出すように指導いたしたい。そこの中におきまして、将来農業経営の形をこういうふうに一応育てていくのだというとかうな姿を出す、こういうふうに考えているわけでございまして、そういう線からその地域における農業の健全な発展をはかるというようなことに努力したい、こういう考えでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 その振興地域計画を市町村が進める過程において農業経営の姿を出したいと、こういまお聞きしたわけですが、その姿というものは、四十二年八月に出しました「構造政策の基本方針」を基本として姿を描こうとするのか、これとは無縁のものであるか、その政策の方針はどうなんですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私どもといたしましては、「構造政策の基本方針」が将来のまさに農業構造のあるべき姿である、こういうふうに考えておりますので、そういう線に沿って指導をいたしたいと考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは、具体的な問題に入ることにいたしまして、まず最初に市街化区域の考え方。この法律で調整を意図しているようでありますが、この市街化区域の考え方について一、二お尋ねしておきたいと思うのであります。  市街化区域は、公害防止あるいは人口の過密という観点から、工場用地の取り方についてはどう考えるか。これはやはりいま市街地域に接続して区域を取るのか、それとも公害の関係、過密化の関係を考慮して離して取るという考えなのか、これをお尋ねしておきたい。これは建設省の方見えておりますか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 ただいまの御質問の点は、市街化区域を設定いたしますと、その区域につきまして、具体的な用途地域というものをきめることになっております。その用途地域のきめ方について、公害等の問題を十分配慮してきめるかどうかという御質問のように考えます。  その場合には、やはり用途地域制は総合的な観点から、その都市における市街化区域の地域の利用方法、土地の合理的な利用方法を考えての地域、地区を指定するわけでございまして、たとえば、工業地域とすべきところであるとか、あるいは住居地域にすべきところであるとかということを十分勘案の上、公害等の関係も勘案の上指定することとするわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 具体的に聞いておるのです。その勘案の中に、たとえば特定の重化学工業、これから工業も進歩するでしょうから、そういうものは、公害対策上現実の市街地域とずっと離したところに設定するというような構想は、この区域指定の中で具体的に考えておるのか。考慮するとかせぬとかそういう抽象的でなく、とにかく全然市街地域と離れたところへ工場を建てるのか、大きな工場あたりは、そういう方法が公害対策上いいと考えておるのか、そういう構想は全然入っていないのか、具体的にもう一回……。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 ただいまのような公害のあるような産業等につきましては、これは都市に立地することがふさわしくないわけでございますので、そういうような公害の非常に多いところについては、できるだけ公害の起こらないような地域に立地してもらうような形になろうと思います。  現在の都市計画の中におきます用途地域制の関係で、たとえば工業地区とか、あるいは工業専用地区という形で地域が指定されますと、そこへはやはり都市的な産業と申しますか、都市の近郊あるいは都市の市街化の中にあっても差しつかえないような工業が入ることを許容するわけでございまして、もしその内容等が、当然都市内における公害を発生させ、または増大させるような内容のものでありますれば、その立地はむしろ遠慮していただくとか、あるいはむしろ立地しないように、関係各省とも連絡をしながら排除していくような形に進めてまいりたいと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、この市街化区域を計画するにあたって、新たな人口の増加、これは住宅地としては当然加味されると思うのです。現在日本の都市の生活環境というのは、日のささないような住宅が多くて、すでに住宅というのは、人間生活の適正規模を欠いたところがかなりあると思うのです。こういう面の解消等が計画に入るのかどうか、どういうふうに面積はとっていくのか。たとえば、ある町がある計画を立てようとする場合、そういう不正常な過密現象を一面解消いたし、新たに増加するであろうという想定の上に立ってするものか、新たな造成だけであるのか、そういう計算の基準はどうなっておるのか。しかも、一応地域計画を設定するにあたって、現在さしあたり困っておる部分だけをやるのか、五年くらいの推移の見通しを持ってやるのか、十年くらいの推移の見通しでやるのか、この関係をお聞かせいただきたい。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 ただいまの御質問は、市街化区域内におけるいろいろの施設の計画、特に住宅等の計画について、十分計画的な配慮をしておるかどうかという御質問と承ります。  市街化区域の中におきましては、大体三つのランクづけと申しますか、性格づけと申しますか、それができるように考えております。その中で既成市街地とその周辺部、それから新たにこれから市街化をはからなければならない区域というふうに分けられると思います。それで、大体その市街化区域は、今後十年に市街化をはかるべき区域として市街化区域をきめるわけでございまして、その中における人口、産業というようなものがどのように張りついていくかというようなことは、過去のいろいろのデータとかあるいは今後における十分な見通しを立てまして、そうして必要と認める産業、人口というものの想定と、地域に張りつく想定とを勘案いたしまして市街化区域を設定するということになるわけでございます。  特に住宅の問題につきましては、その配置ということがきわめて重要な内容になっておりますので、市街化区域につきましては、当然市街地再開発というような形で、住宅をできるだけ市街化区域の中にとどめておくというような施策も必要と思いますが、さらに、周辺部であるとかあるいは新市街地等におきましては、中高層の住宅あるいは一団地の住宅施設等できるだけ計画的に計画を立てまして、そうして具体的に、環境のよい住宅地を造成していくように考えていかなければならぬ、このように考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、新たに市街化区域を計画しようとする場合、現在の既成の市街地との連檐接続関係はどう考えておるか。たとえば、市街化区域を計画しようとしても、いろいろ何か困難な事情があって、現在宅地割りができて、既成市街地ときちっとくっつかなければ、地域指定は困難であるのか。何かの事情があれば、多少離れてもそれは認めようと考えておるのか。  もう一つは、もうすでにその地方自治団体の区域では余裕がない。よその村、地方自治団体の区域が違う区域外で——ある市が、自己の地域内は全部宅地になってしまって地域計画をつくる余裕がない。ここへつくろうとすると地方自治団体の区域が違うのだ。たとえば、ある市の外へできた村であるとか町であるとか、そういう関係はどう考えておるか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 今度の都市計画の区域と、ただいま仰せの行政区域との関係でございますが、前の都市計画の区域の決定は、法適用いたしますとすぐ適用市町村ということで、その市町村の行政区域がすなわち都市計画区域になっておったわけであります。ところが、今度の都市計画法の五条によりますと、一体としての都市というものを策定いたしまして、その都市にふさわしい都市計画区域というものをきめることになっておりますので、その行政区域には全然とらわれないで策定することになるわけでございます。したがいまして、たとえば二つとか三つとか、場合によっては四つ、五つのような一体として機能を果たしておるような都市がございますと、それを一つのグループにまとめまして、都市計画区域をきめるということもあり得るわけでございます。  そういうふうに考えてまいりますと、行政区域とは全然かかわりなく、真に一体としての都市が形成されると認められるところに都市計画区域がきまる、こういうことになるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 接続関係はどうですか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 さらに具体的に、市街地が十年間に連檐して整備されるとは必ずしも考えられぬ場合が非常にあると思います。そういうような場合には、やはりある市街化区域をきめるといたしましても、飛び地として発展させて差しつかえないような場所も出てくるわけでございます。したがいまして、たとえば一つの区域に全部無理をして入れるというようなことにはしませんで、場合によっては、飛び地的に一定の範囲の区域で十分市街化をはかるに必要な場所がございますれば、そこの部分を大きく区域としてきめるということがあり得るわけでございます。  また、市街化区域の設定におきましても、いろいろ自然的な条件とか、あるいはその周辺の農業等の事情を勘案いたしまして、出たり入ったりするような区域を具体的に定めなければならないような場合が、相当あるのではないかと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、この計画が出れば具体的になってくると思いますが、いま予定しておるこの計画によって、転用されるであろうという予想はどのように考えておるのか。どのくらいの面積が計画化されるのか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 ただいま具体的な設定の準備を進めておるところでございますが、現在の都市計画の区域としてきめております広さが十一万平方キロぐらいあるわけでございます。それを新しい法律によって市街化区域を再編成いたしますと、大体六万二千平方キロぐらいに再編成できるように考えております。その中で、特に附則三項と申しますのは、市街化区域と市街化調整区域を区別して都市計画をきめる市町村になるわけでございますが、それが大体四万三千四百平方キロぐらいな広さになろうかと思います。  大体そのような区別でございまして、特に市街化区域内あるいは市街化調整区域内等における農地等がどのくらいあるかという見当でございますが、両者合わせまして、大体一万六千平方キロぐらいな農地がその中に含まれるのではなかろうかというように考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 一万六千平方キロというのは新たにですか。私の聞いておるのは、新たに転用される推定見込みは何ぽかということです。現在の状況は別にして、この計画によって新たに農地が転用されるであろうという推定面積です。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 この中で、ヘクタールであらわしまして、大体この十年間に約二十万ヘクタールぐらいではなかろうかという推定でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 この二十万ヘクタールというのは、この都市計画法によって指定する面積と考えてよろしいのですか。その部分が二十万ヘクタールですか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 都市計画区域として指定してまいりまして、その中で市街化区域と市街化調整区域と両方分けていくわけでございますが、その中で市街化区域というのは、これから十年市街化をはかるべき地域として指定するわけでございますので、その市街化区域内における農地が農地でないものに、要するに宅地化されるという見込みを立てたものでございます。大体その程度じゃなかろうかと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 指定地域外の市町村は、それに入っていませんですね。二十万ヘクタールに入らないわけですね。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 そのようなものも大体含めまして二十万ヘクタールぐらいになるだろう。ですから、正確に申し上げますと、市街化区域内における農地というのが千九百平方キロぐらいになるわけでございますから、やはり市街化区域内における農地が農地でないものになるものが、大部分であるというふうにお考えいただいてよかろうと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 最近の政府統計ですが、三十九年以降四十二年まで、これは平均いたしまして、二万九千ヘクタールくらい田だけで壊廃されているわけですね。これは田が宅地に壊廃された面積、田の部分だけです。転用の総数は、三十九年が二万九千四百、四十年二万六千九百、四十一年二万八千五百、四十二年三万ヘクタール壊廃されたわけですね。これはもうこういう実績で推移しておるわけですが、従来の実績が延長するかどうか、これはわかりませんね、都市の膨張も無限大じゃないですから。従来の実績の十年分というと、その二十万ヘクタールをこえることになるのです。田の壊廃だけでもこういうことになる。しかし、これは膨張度合いがそう無限大というものでもないから、そこらの測定が、実際に推移してどうなるかということは、推移してみなければ断定すべき問題ではないと私は思います。  したがって、私が特にここでこの関係と農振法とあわせて推定を聞いておきたいと思うのは、いま米が生産過剰だといって、田の転用をやかましく言っておるわけですね。二万円の補助金を出して云々などと、こう言っておるのだが、しかし従来の実績は、大体二万九千ヘクタール以上の田がつぶれておるわけですね。これは私は抜粋しておるのだけれども、政府から出ておる資料ですから、間違いないと思って私は信頼しておるのです。そうすると、大体従来の三十九年以降四カ年間の実績が、多少の変動はあっても伸びていくということになると、十年間たてば二十万ヘクタールぐらい田がなくなるという要素があるわけですね、これは現在の実績から推定すると。この相関関係は、今度農地局にお尋ねしたいのですが、こういう点はどういうふうに見ておるか。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 御説明いたしますと、ただいま建設省のほうから御説明がありました約二十万ヘクタールと申しますのは、市街化区域の設定に伴ってその中に含まれる面積というふうに考えられまして、実は、従来の農地の壊廃の実情を見ますと、ただいま先生のおっしゃったような数字にはなっておるわけでございますが、その中には、要因別に見でまいりますと、宅地でつぶれますもののほかに、あるいは道路用地とか、あるいは工場用地、それから場合によっては植林等がかなりございまして、そういうつぶれ方の面積がやはり半分近くを占めておる。それから宅地等に見ましても、全部その市街化区域の中でということに限りませんで、やはり農村部等においても、かなり最近新築等もございましてつぶれておる状況もございますので、市街化区域との関連で見ますと、二十万ヘクタールというのは、実はまだ建設省のほうから、どこの地域についてはどれだけという具体的提案がございませんので、それでいいかどうか、最終的な判断をいたしかねるのですが、およその推定といたしまして、そう無理な面積ではないのではなかろうか。というのは、先生のおっしゃいましたつぶれが、市街化区域以外においてのつぶれが含まれておるというふうに理解しております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 もちろんそうなんです。国道整備や何かの道路整備も含めてですから、いまのとおりなんだが、農地局は農地全体を管理しておるわけです。いわゆる米作転換等を考えているが、この相関関係をどう考えておるかということを聞いておるわけです。どう変化していくか、政策の基調は何か、これはどうなっておりますか。新聞やその他で見ただけで、まだ私ははっきりこの委員会で聞いたことがないのですが、米作二十万ヘクタール転作したい、さしあたり当初年度において、本年度において一万ヘクタール、反二万円の転作奨励金を出して、二十億ですか予算化しておるわけです。その相関関係、こういう関係をどう見てものを考えておるかということを聞いておるのです。

森整治農林大臣官房企画室長

○森説明員 ただいま転換との関連での御質問がございましたが、結局、長期見通しで約百八十万トン余剰を生ずる。そうすると、大体反収四百四十五キロでありますと、約四十万町歩の余剰になるだろう。四十万町歩余剰になるのですが、いま先生のおっしゃいましたように、最近の水田の壊廃をずっと織り込んでいきますと、大体今後十一年間に三十万町歩壊廃があるのではないか。差し引きいたしますと十万町歩転換が必要である、こういうことになるわけであります。それはそうなんですが、そのほかに、すでに農地局で計画済みの土地改良計画、これをいろいろ調整いたしましても、約十万町歩は新規開田を行なう必要がある。そういたしますと、残りました十万町歩と、いま申しました十万町歩合わせて約二十万町歩はやはり今後とも転換をする必要があるのではないか。  ただ、これは壊廃その他の動きというものがどういうふうに変わっていきますか、これは見通しでございますから、厳密には申し上げられませんけれども、ただいまのところわれわれといたしましては、安全度を見まして十五万町歩ないし二十万町歩の転換は必要なんじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうするとかなりの面積になりますが、この農業振興地域の整備をするにあたって、おおよそあなた方のほうでは、その二十万ヘクタールの壊廃は——新たにつくるのを認めて、新たにつくるところは、たとえば八郎潟干拓とか、ちょっと大きくやっておると私どもの目に映るもの、ああいうものは進めるということですね。そうすると、いま言った新たに十万ヘクタールはつくるのだ、だけれども二十万ヘクタールは減らすのだ、この相関関係はどういうふうに考えておるか。これはおおよその目安でもってそういうことを言っておると思うのですね。県まで言うということは支障があると思うが、条件だけはちょっと聞いておきたいと思う。振興地域計画を立てるときに、おおよそどういう条件の田で二十万ヘクタール壊廃を政策指導で——法律をつくって強制するものではないというふうにいつも言っておりますから、私もそういう尋ね方はいたしませんが、いわゆるこの法律で振興地域計画を立てるときに、農林大臣は知事にいろいろ条件を指示するようになっておりますね、ある程度。この中へ入ってくるのじゃないですか。入れる入れぬは別としても、そういう表明をする以上、その条件はあなた方の頭に描いておると思うのですね。どういう条件の田を二十万ヘクタール転換させて、どういう条件のものは——片一方では金かけていま田にしてつくっておるものを二十万ヘクタール壊廃さすわけですから、新たに十万ヘクタールはつくるのだ、これはどういう条件で、おおよそどういう計画に基づいてそういうふうになっておるのか、それをお尋ねしておきたいと思うのです。ある程度具体的に言ってもらいたいと思います。あるいはまた資料ができておって、およそどの県で何ぼという面積までいっておるならば、それも聞いておきたいと思います。言えるのであればそれまで説明をしていただきたいと思います。県別の目標までですね。十万ヘクタールを伸ばさなければならぬ県はどこそことどこそこである、二十万ヘクタールをこういう条件で、今後奨励金を出して政策指導して転換を求めたいと思っておる、反別はおおよそどういうものである、これを聞いておきたい。

森整治農林大臣官房企画室長

○森説明員 ただいま先生のおっしゃった問題は、今後転換をどういうふうに進めていくかということと理解いたしますが、いま申し上げましたように、当面ことしは一万町歩の転換を予定しておるわけであります。これは先生おっしゃいましたように、稲作の転換というのは、御承知のように日本で初めてでございます。非常にむずかしい問題で、それぞれの稲作経営のいろいろな形がございますが、これを進めてまいります上にそういう非常にむずかしさがございますので、むしろことし、そういう実際の経営に即した転換が、無理のない形で行なわれるようないろいろ条件を見出しながら進めていくというのが基本でございます。  そこで現在は、やはり裏と表から飼料作物等、あるいは果樹、蔬菜というものもございますけれども、やはり飼料作物が重点にならざるを得ないであろう。そういたしますと、やはり裏も表もということのほうが、むしろ転換の条件としてはやりやすいのではないか、一般的にそういうふうに考えております。したがいまして、現在の重点は西日本に置いて、いろいろ転換の策定に当たっておるわけでございます。そういう条件が整いませんと、口で申しましても、二十万町歩ということはなかなかたいへんなことでございます。そういうそれぞれの地域に応じました転作の形のできる経営というものをつくり上げながら、われわれといたしましては、四十四年度中に地域別の、稲だけでなしに、できる限り農業生産の地域的なあり方と申しますか、そういうものをはっきりさせていきたい、こういうふうに考えております。したがいまして、現在二十万町歩の、どこで転換があってということの地域的な問題は、全部詰めておりませんが、今年度中には明らかにいたしたい、こういうふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 ちょっと委員長に申し上げておきますが、建設省の方の質問は終わりましたから、お忙しいようであれば……。  それで、西日本に一応の目標を立てておる。いまお尋ねしておきたいことは、お話を聞いておると、この振興地域の計画を立てる上にもこれは重大な問題になると私は思うのですが、一体転換する作物は現況においてあるのですか。

森整治農林大臣官房企画室長

○森説明員 ただいまのところ需要の強いといいますと、やはり果樹なり蔬菜その他園芸作物ということになるわけでございますが、飼料の例の自給度というのが、畜産につきまして、ことに酪農につきまして非常に低い。そういうことを考えますと、やはり飼料作物が重点にならざるを得ない。前者の果樹なり蔬菜というものは、面積的にあまり多く期待いたしますと、すぐ需給バランスがくずれる、こういう問題がございます。われわれといたしましては、飼料作を入れていくということについて、あらゆる努力をしていくはかなかろうと思います。  ただし、先生も御承知のように、多くの稲作経営のにない手といいますか、そういう方々の多くが、わりに兼業層によって占められておるわけでございます。そういたしますと、転換先の作目というのは、どうしても専業農家でなければできないという性格のものを持っておるわけです。そこに稲作転換の非常なむずかしさというものがあるわけでございますが、やはり農協あるいは請負、そういう形を通じまして、あるいは第三者を媒介とし、あるいは今国会でまたお願いをしておりますいろいろな農地の問題、そういうものを含めまして、根本的にはいまの飼料作を入れていくというつなぎを考えざるを得ないのではないか、こういうふうに思っておりますが、確かにむずかしい点はございますが、そうすることが、やはり日本の今後の農政の向かうべき道としては一番正しい方向ではなかろうか、こういうふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 最近、この動きを見ておりますと、たとえば果樹という表現が出ましたが、最近の状況から見て、ここで一回お尋ねしておきたいのですが、過般の本会議でも、私の質問に対して佐藤総理は、農産物といえども自由化はそのらち外ではない、時期と方法については慎重を期さなければならぬという概要の答弁だったと思うのです。そうすると、やはりそういう自由化に対する方法ですね。いまの国際環境から自由化は避けられぬとしても、方法は慎重を期すと言うなら、方法というのが明確になっておるのかどうか。ただアイデアだけでそういうふうにしておるのか。それと自給率との関係ですね。一体こういう振興地域法を立てて、あくまで日本経済の基本に立った国内農業生産の自給はどこまで確保するか、政策上確保すべきその農産物については、いわゆる総合的にこういう振興地域計画を立てて、国際競争力を高めるということももちろん一つの政策でしょう、確かに。それをやってはならないと言うんではないが、しかし、現況を考えるに、自由化というものは、最もすぐれたコストの安い、たとえば畜産物にしても、オーストラリアあるいはニュージーランドというような条件で日本の国内で生産せいと言われたら、これはやめろということなんですよ。変なことを言わぬで、やめなさいならやめなさいと言ったほうが、かえって農民に親切だと思うのです。そうではないんですから、そうでなければあくまで、いわゆる国内食糧の自給確保の計画を立てれば、それに向かってやはり最大可能な限度の経営拡大なり、国際競争力を持たすように政策をしむける、あるいはまた、農業者も努力するということは、これは当然です。  そうなければならぬと思いますけれども、それには限度があるわけです。限度と目標をきめて、あとはその自由化に対する方法です。内政措置による絶縁の方法をきちっととらなければ、やめなさいということも同じことなんです。この関連はどういうふうに考えておるのか、どういうふうにしようとするのか。いたずらにこういう振興地域計画を立てて、農民にその中間的な構造規模を示したりなんかして、それが三年か五年、本気になってやっておると、とんでもない経済状態になって、たとえば最近の牛乳のように、牛乳は輸入量から全部入れても過剰ではないんです、米とは全然条件が違いますから。しかし、最近は牛乳も需給が緩和したのだということを、きょうは畜産局長来ていないけれども、畜産局の連中が言うのですよ。何かといえば需給が緩和したと言って生産を押えようとするんですよ。  いまきめようとしておる乳価あたり、生産減退を企図して、農業のパリティは五%も上がるのに、乳価は据え置きだなんと言うのですよ。米はもうそれに入ったのですよ。生産を減じようというのです。農民の生活はどうでもいいのだ、少し多過ぎるから懲罰的な政策をとれば、米が減るだろうというのですか。この振興地域計画などというものは、政策で愚弄されるのですよ。その基本計画が立っていないのにこういう法律をつくってみたって、農民は全く愚弄されるということですよ。牛乳の生産は、四十一年に七百万トン要るのだからつくってくれということだったのですよ、近代化計画というものを立てて。今日どうですか、七百万トンどころか四百万トンになったら需給が緩和したと言いだす。四十一年に近代化計画を立てておるのですから、四十二年、四十三年、満二年しか経過していない。計画した年度を入れて三年ですよ。三年前に七百万トン生産してくれと言ったのだ、農民に農林省は。ところが、四百万トンになったら需給は緩和した。その背景には、米と違っていろいろな形で、そのとき予期しなかったほど植物性脂肪の占有率が高まった。乳脂肪を圧迫しておる、需給の面では。チーズあたりは、ほとんど自由化によって国内ではつくっておりません。そういう貿易自由化、いわゆる原材料の輸入による加工の変化によって、三年前に言ったことが今日守られぬ。七百万トンが九百万トンにもなって需給が緩和したと言うなら話はわかる。そうすると、あんたらの言っておることは信用できないのですよ、三年たたぬうちにそれはすっかり変わっちゃうのですから。  最近、いわゆる総合農政といわれておる。総合農政ということは、そういう意味においてはそういう点がきちっとせんけりゃならぬ。ただ振興地域法だとか、総合農政だとか、単に気休め的な、何か宣言立法を一時的に一年か二年か、農業者をごまかすわけじゃないのでしょうけれども、変な希望、一応の希望を持たせて、本気になって農民が取っ組んだらもうだめなんだというようなことでは、一体どうするのだということですよ、農業振興というのは。その点は、こういう法律をつくる以上は、あんた方はふんどしを締め直して、どういうふうに考えていくのか、この際お聞きしておきたい。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 先般「農産物の需要と生産の長期見通し」というのを公表したわけでございますけれども、この中で、これに関するいろいろな御批判があったわけでございます。一つの問題として、確かにいまおっしゃいましたような、貿易面の条件というものを一体どういうふうに考えておるか、どうもその点が明確でないではないかという御批判があったわけでございます。確かにそういう批判もあり得るかというふうに私ども考えておるわけでございます。  ただ、私どもといたしましては、やはり基幹的な農産物、日本農業が今後それによって立っていかなければならないような農産物については——これはいろんな外国産の農産物との条件、コストの違いというものがありますので、一がいには申せませんが、やはり基幹的なものは、これは極力自給度を高めていく。しかし、現在あります農産物の中でも、ものによりましては、なかなかやはり外国産のものに対抗するのは非常にむずかしいというものもございますので、そういうものにつきましては、ある程度自給度が下がるというのは、これはやむを得ないのじゃなかろうかというふうなことで、先般も長期見通しを立てたわけでございます。  外国からの自由化の圧力というのは、非常に強いわけでございまして、これは必要があればまた、経済局長参っておりますので、今後のその問題についての具体的なスケジュール等についてお話があるかと思いますが、私どもはやはりそういうような基本的な考え方で、日本の農業の柱になるようなものは極力守っていく、そういう前提で農政というものを全般的に考えていきたい。そういう前提の上で、この農業振興地域につきましても、基本方針というものはこれは知事が具体的にはきめるわけでございますけれども、農林大臣の承認を受けるということになっておりますので、当然この基本方針の中では、それぞれの県におきます今後の農業生産の見通しというものが明らかにされるわけでございますので、私どもはそれを、全般的な長期見通しとの関連を十分考えて適当な内容のものにしたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、まあ全般的な考え方としては、そういうような考え方でいるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それではここで具体的にちょっとお尋ねしておきたいと思いますが、去年の暮れの日米経済会議で——たとえば私どもはパイナップルの自由化については、沖特委員会で、当面これは沖繩の農業事情に重大な問題であるから、当分自由化をしてはならないという、これは全会一致ですから、全会一致ということは国民の総意だということですが、その決議をして、各関係閣僚に委員長名で送付をしたはずです。しかし、会議に臨む方針は、これは新聞でありますけれども、両三年はできないという態度で政府側はこの交渉に臨んだと新聞は報道しておるわけです。このいきさつをひとつここで具体的に聞いておきたいと思う。両三年というのはどういうことなのか。  それからその後、この交渉は現在どうなっておるのか。聞くところによると、ある品目は一応両三年以内はがまんするけれども、とりあえず昭和四十四年度において、二割輸入量を増加するということで了解を得たなどという報道も流れておるわけです。一切のてんまつの結果と、今日までこれこれについては自由化をしない一あの会議を通じてですよ。あるいは二割増加するとなったものはどれどれだ、自由化するときまったのは何か、これをちょっとここで明らかにしてもらいたいと思います。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 昨年の暮れに、御承知のように日米の貿易交渉がございまして、アメリカ側としては、御承知のように、現在日本のほうがどちらかといえば輸出が多いというような事情、あるいは日本に非常に残存輸入制限が多い。世界の先進国で日本が大体農産物が六十八ございます。その他の国で一番多いのがフランスの三十九というような事情で、日本が非常に多い。もちろん工業品についてもそう少ないわけではないが、日本が国際的に貿易上非常に優位な立場に立ちながらそういう体制に置くということは、ガットの規定から見ても非常におかしいことであるというような主張でございまして、具体的には、十数品目の品目につきまして自由化を要求してまいりました。ただいま御指摘のパイン等もその中にございます。しかしその際に、パインにつきましてのみならず、日本側としては両三年以内にかなりな程度において自由化をする、すなわち現在工業品を含めて百二十一品目、若干また四月一日に自由化したものもございますけれども、当時は百二十一品目だったと思いますが、その百二十一品目をかなりな程度に、両三年以内に減らすという閣議決定をしたわけでありまして、これは日本政府の一般方針でございます。したがいまして、対米交渉に具体的にアメリカが、工業品あるいは農産物についてあげてきた品目の自由化という問題は、もちろんそういう関連はございますけれども、一応別の問題でございます。  そこで、具体的に農産物につきまして十数品目の要請がございましたが、これにつきましては、日本側としては直ちに自由化できるものはペットフードだけである、それ以外のものについてはすぐには自由化できない、特に総合農政という観点から、純粋の農産物については早期自由化はきわめて困難である、さような回答をいたしております。パインにつきましても同様でございます。アメリカはこれに対しまして非常に不満な面持ちで帰りまして、その際に、この協議は今後とも継続をしたいということで日本側に申し入れがございまして、日本側としても、もちろんこれは全体の通商貿易上の問題も種々ございますし、アメリカ側におきましても、工業製品の輸入制限であるとかあるいはガット提訴という声も、自由貿易主義者からは聞かれておるような状況でございましたので、外交ルートを通ずる交渉には日本側としても受けて立つと、このような返事をして今日に至っております。  その後の日米の経過はどうかという話でございますが、これにつきましては、工業製品等については相当量の輸入の増加を向こうに回答してある事情もございます。農産物につきましても、大体先方が昨年の暮れに十数品目の自由化を要求してきたものについて、早期自由化が困難ならば割り当ての増加を認めてもらいたいということで、具体的数量をいま申し上げるわけにはまいりませんが、相当な量を日本側に提示をしてきたいきさつがございます。日本側におきましてもこれを種種検討いたしましたが、アメリカの要望に応ずることが困難な面も相当ございます。特に、最近価格が低落しておりますものもございますので、われわれとしては最小限の答えを出して、現在回答いたしておるというような事情でございまして、ものによりましては、二割程度の増加ならば応ずる用意があるという回答をいたしておるものもございます。しかし全般的に、アメリカ側はそれに対しても非常に渋いという印象を持っておると思います。具体的に先方に提示したかどうかは明らかでありませんけれども、農林省といたしましては、大体いま申し上げましたような線でアメリカ側に回答するように、外務省に申し入れをして現在に至っておる事情でございます。  それから、閣議決定の両三年というのはどういう考え方かということでございますが、これはもちろん対米のみならず、全世界の問題として、日本が対処をする意味でそのような方針をきめておるわけでございまして、これはもちろん対米あるいは韓国、東南アジア、ヨーロッパの国々等に対する含みもございますが、かなりな程度に自由化するという具体的な数字につきましては、別に特別に内閣としての方針もきまっておりません。もちろん政府の中にも、少なくとも百二十一は半分くらいにすべきではないかとかいろいろな御意見はございますけれども、農産物については、総合農政の進展ということも含みながら、今後十分慎重に検討してまいるということ以上に、具体的な数字について特に政府内できめたということはございません。しかしながら、現在農林物資で六十八品目、米麦等国家貿易といわれるものを含めますと七十二品目になるのでありますが、その中には、実際上二次製品的なものあるいは国産が全然ないもの等、慎重に検討すればあまり農政に大きな影響を与えずに自由化できるものもあるのではないか、かように考えております。したがいまして、そのようなものについては各方面とも話し合いながら、直接総合農政に大きな影響を与えないものについては、逐次これは自由化をしていくべきものであろう、かように考えて作業も逐次進めておるような事情でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そこで、ちょっとただしておきたいのですが、この両三年という表現ですね。これはいろいろ学者の意見も聞いてみたのですが、なぜ両という字がつくのか。両というのは複数を意味しているので、六年以内と解釈してもいいわけだが、この両という字の解釈はどうなんですか。両とつけば複数年に解釈していいのか、六年と解釈していいのか、三年以内と解釈するのが正当なのか。どういうわけで両というのですか、ちょっとこれを聞いておきたいのです。解釈がまちまちなので、これは私自身もわからないのだが……。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 これは、この閣議決定をいたしました当時のわれわれ事務的ないきさつでは、二、三年内という二の意味であるというふうに私は了解をしております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 二年ですか、複数でなくて。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 二年もしくは三年、そういう意味であると私は了解しております。当時の事務当局の了解は、大体そのとおりであろうかと存じます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、いまお話のありました二割程度は輸入割り当て量を増加すると回答した中で——全部を聞いておると、これは時間がかかりますからやめますが、これからの政策の関連で聞いておきたいと思うのですが、たとえばオレンジジュースも二割割り当て量を増加するという方針だというふうに聞いておるのですが、どうですか。

亀長友義農林省農林経済局長

○亀長政府委員 オレンジジュースの御質問でございますが、いま交渉中でございます。実は、言ってきておるものでもあまりふやさない、大体従来の輸入水準でいくのだというものもございますし、二割あるいは三割程度ふやすというものもございます。  オレンジジュース、御質問がございましたのでお答えいたしますけれども、先方からはかんきつジュースということで申し入れがございました。これに対しましては、従来もいろいろレモンジュースを自由化してくれ、こういうこともございましたが、われわれ相変わらず応ずることはできないという考えでおります。かんきつ類のジュースということで申し入れはございます。しかし、これにつきましては、われわれとしては従来の水準をなるべくふやしたくないというふうな線で、大使館に回答するように指示はしてございます。非常に濃縮的なものを持ってこられると——普通のいわゆる日本の町で売っておるようなものならばそれほどの影響もあるまいと思いますが、濃縮的なものを持ってきて日本で水を入れてふやかすというようなことになると、これはなかなか問題であろうというような点がございますので、先方の意向も十分確かめた上で、今後の交渉の進展を待って慎重に検討したいと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 新聞では、いわゆるかんきつジュース、二割輸入増加、こう私は読んだのです。切り抜きも持っておりますが、しかし、それは新聞の記事ですから、あなたの答弁をそのとおり聞いてもいいわけです。そこで、新聞の記事を証拠にしてあなたのいまの話を否定しようとは思いませんけれども、しかし、ものの考え方として、それはそれとして、そういうことが将来起きるとするなら——果樹振興法をつくって、日本の農民は一生懸命にかんきつ類をつくったわけですね。しかし、その流通機構が悪いから、私ども都内でミカンを買って食べるとかなり高いけれども、産地へ行ってみると、少し質の悪いものは箱代にもならないという状況ですね。収穫を放棄しておる。やはりつくり方が悪かったりなんかして玉が小さかったり、品質の多少落ちるミカンは箱代にもならないから、すでにもう収穫をあきらめておる面も若干あるくらいに、かんきつ類はもう、いわゆる需給緩和の状態くらい生産が増大されておるわけですね。そこへ二割、三割という、これは入れなければいいですけれども、入ってくるとするならば一体どうするのだ、ミカンをつくっておる農民の立場は。農林業の長期資金を貸し付け、七年も八年も、苗を植えてやっとなり出したときに、かんきつジュースが二割も増大されたら——ミカンの生産はなま用と国内のジュース加工用、両方売れていくわけです。その一方がある程度圧迫を受けてふさがれてきたら、果樹振興法をつくって農林業長期資金を貸し付けて、苗木を植えて今日に至って、やっとなり出した農民の立場は一体どうするのだということになる。貿易が大切なのか何が大切なのか、問題はきわめて深刻なわけですね。やらなければけっこうですけれども、しかし、いまのあなたのお話を聞いておっても、絶対ならないという話じゃないので、極力避けるというので、新聞の記事よりはちょっと前向きでありますけれども、新聞の記事は、私が読んだのは毎日だったと思いますが、二割増加することにきまったと書いてある。しかし、それは新聞の記事ですからそれはそれとしても、もしそういうことが行なわれるとしたら、こういう振興地域法をつくって、それぞれ振興地域計画を立てて投資をやらして、やっと収穫量が出たときに自由化でたたかれるというのだったら、私は農民にはやらさぬほうがいいと思うのです。借金がないだけいいです。  そういう点、きちっと政策が指示しないと、こういう法律をつくって、そして農民がほんとうに真剣になってやって、三年後、四年後——たとえば畜産でも果樹でも膨大な先行投資、借り入れ金をもってやるわけですから、その借金も払われていないときにそういう問題が起きてきたんではどうもならないわけです。借金も払えないしね。それなら、政策が変更したのだから、政府資金なんか棒引きにすればいいようなものだけれども、それもやらぬでしょう。貸すときには抵当権をつけて縛っておいて、払えなければ資産を処分せい、おまえのやり方が悪いんだから、借金が払えなければ土地を売って整理をせいと言うんでしょう。この不安に全国の農民がどれだけおののいておるかということですよ。この法律をつくって、農業総生産の拡大なんて農政局長は言っておるけれども、農民は不安におののいておるということですよ。どうすればいいんだか、何をつくればいいんだか、将来農業者の立場はどうなるんだという不安におののいておるという現実なんですよ。これでは総生産の拡大にも何にもならないと思うのです。総生産の拡大だなんだとかここであんた方の変なアイデアでわれわれに答弁しておるけれども、起きようとする現実はそうじゃないということなんです。ある面においては、生産を縮小してもらいたいという要請があるわけですね。それが経団連の要請でしょう。経団連は、あまりコストの高い農産物は縮小したほうがいいという意見を堂々と出しておるでしょう。  一体日本の農政はどっちを向いておるか。ここに政務次官おいでになりますが、農林大臣はどっちを向いてこれから農政をきちっとかじをとっていくのか。経団連の要請を主体に考えて、日本の農政はその財界の圧迫には抗し切れないというのか。そうじゃない、こういう法律をつくって、やはり一定の目標で安心して拡大生産、それは一面農政局長が言うように、非常にコストの高いものはやめてもいい、それで輸入したほうが消費者のためにもいい。一部の農産物はやめても、やはり日本の将来の食糧需給計画や何かに重大な支障がないというものも、それは若干の品目はあるでしょう。だけれども、そうではなくて、そういうものはらち外として、大綱はどうするのか、そのけじめがつかぬでこんな法律をつくったって、私は問題外だと思うのだ。なまじっかこんな法律をつくって、責任の持てない農政ならやめてもらいたいと思う。  いまここで、オレンジジュースの二割——果樹振興法をつくって、まだいま借金を一ぱいかかえて、農林業長期資金を借りて果樹をつくって、いまなりかけて喜んでおる、かんきつ類をつくっておる農民に、破綻を起こすようなことはどんなことがあってもやめるべきだ。自由化を断わったからすぐ戦争になるものじゃないですよ。日本の自主的な外交で断わり切れないというものではないでしょうが。かんきつジュースをいま交渉中だと言って、できるだけ避けたいという経済局長のあれですが、これは絶対堅持してもらわなければならぬ。いやしくもこれを二割も増加するようなものだったら、こんな法律をやめたほうがいいと私は思うのです。変なアイデアの宣言法みたいなものをつくって、なまじっか金を貸して、その責任も持てないようなことならやらぬほうがいい。農民を苦しめると思うのですよ。政策の責任も持てない無責任なことを進めて、片一方で経済問題で自由化というのを控えておる。自由化がなければいいのですよ。それでたたかれるのだったら、なまじっか対応できないような中途はんぱなことをやらさぬほうがいい。そっとしておいたほうが農民に親切じゃないかと私は思う。農地法も現在のまま据え置いて、そっとしておいてやったほうがかえって親切だと思う。そういう一面が出てくるということですよ。  その点はどう考えるか。どっちを向いて農林政策をやっていくのか、財界の圧力に農政は抗し切れないのかどうか、ここではっきりしてもらいたいと思う。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 私どもも、各界各層からいろいろの意見が出ることについて、一応参考にはいたしますが、特に経団連の農政に対する考え方について、これを私どもが受け入れて、その方針をもって進めるようなことは全くございません。  御承知のとおり、ただいま先生がおっしゃいますように、確かに現実の農業生産を取り巻く国内のいろいろな諸情勢、あるいは国際的な諸情勢は非常に変化が急速でございますし、また、国際的な環境まことにきびしいものがあることは事実でございます。それだからこそ、私どもはこの国土の中で農業を振興すべき地域というものをやはり基本的に明確にして、そうして先ほど申し上げました「農産物の需要と生産の長期見通し」というものの中で、農業生産の地域的な展望を行ないつつ、それぞれ農産物についての地域の生産の見通しを立てまして、そして各地域ごとの農業生産の分担のあり方等について十分検討し、その地域における農業生産の効率的運営をはかっていかなければ、こういうようなきびしい環境のもとで農業を安定的に成長さすわれわれの任務は果たし得ない。先生のおっしゃることとたいへん逆なような感じになりますが、むしろそれだからこそ、先生の御心配があればこそ、私は、この法律のねらいというものがますます重要になってくるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。  いま果汗の問題について、特に果実ジュースの輸入が二割増加すればたいへんな影響だというお話もございましたが、私ども先ほど申し上げましたように、国内の果汁生産を守るための努力はあくまでも農林省ベースで考えつつ主張をして、断わるものは断わり、できるだけ抵抗すべきものは抵抗して、国内生産に支障を来たさない範囲内にとどめよう、こういう努力をしているわけでございます。  ちなみに、果実ジュースにつきましては、御承知のとおり、国内の生産量は四十四万二千キロリットル。そうしますと、輸入の実績は幾らかといいますと、千四百キロリットルくらいでございますから、したがって、大体四百分の一くらいのものでございます。もちろん私どもは、これをいまできるだけ、少しでもとにかく防ごうという努力をいたしておりますけれども、たとえこれが若干の、あるいは一割なり二割なりのものが増加いたしましても、私は、国内の果実ジュースについての圧迫になるような数量とは全然考えられないわけでございます。しかし、総体的な議論として先生のおっしゃる御懸念は、私どももこのきびしい国際環境の中で持っているわけでございます。  したがって、この法律の基本的な考え方を御協賛願って、全国のそれぞれの地域を農業地域として振興すべきものを早く基本的に整備をし、そしてその中で農業生産の地域的な分担等も計画的に進めてまいりまして、農業を安定的にしていきたい。当然そこには、過般来繰り返し農政局長が申し上げておりますように、構造改善なり基盤整備なりの重点的な事業の実施をそういう地域にはかっていって、そして構造政策と基盤整備の両面からできるだけひとつ日本の農業の力をつけていきたいというふうに考えておるわけでございますので、その点は、ひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは、この「農産物の需要と生産の長期見通し」この見通しは、日本経済の貿易自由化がどうあろうと、日本経済の長期安定のために農業政策としてはこれをあくまで期するのだ。そうして、この生産を期するためには、やはり自由化に対する問題あるいは生産性の向上の問題、これは先ほどから申し上げておるが、そういうように総合的にやって農業を守るのだ、そのためにはこの法律が必要なんだ、これは政務次官はっきり言ってください。私は、このあと法律の条文について、それならこうしなければならないじゃないか、ああしなければならないじゃないかと言いたいのだけれども、そこがはっきりしないと、もうこの法律を審議する意欲がないのですよ。はっきりしてくれたら、私、意欲を持ちます。もう一歩政務次官、はっきりしてください。この法律は必要なんだ、昨年の十一月二十二日に公表した農業の生産はあくまでやるんだ、財界がどう言おうと、海外の自由化の圧迫があろうと、これはあくまで国策としてやるんだと、はっきり明言してくれませんか。そうしないと、こんな法律は役に立たないと私は言っておるのです。それがほんとうの日本の農政の基本に触れるなら、この法律は貴重な法律だというふうに私は変わってくるのです。否定もしていない、この法律の中身が悪いとも考えていないのです。そこの政策の基本方針がはっきりしなければ、こんな法律をつくったって私は何もならぬと思う。そこがぐらぐらしておるのじゃ、こんな法律をつくってもだめです。先ほど言ったように、中途はんぱな構造政策を農民にやらすのだったら、かえってやらさぬほうがいいと思う、そっとしておいたほうが。そこをはっきりしてくれませんか。はっきりすれば、私の考え方もはっきりしますから。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 十年間の需要と生産の長期見通しは、私どものやはり指針でございますから、その方向で農政を進めていくということは、はっきり申し上げていいだろうと思います。  ただ、もちろん十年間の見通しでございますので、その間にいろいろな、毎年私どもとしては、この需要と生産の見通しにつきましてそれぞれ国内、国際的な環境の変化に応ずる修正といいますか、そういうものの考え方はしていかなければならぬだろうと思いますけれども、基本的には、先生おっしゃるように、私どもはこの見通しをもとにして、それをはっきり踏まえながら、わきまえながら政策を進めていくということにきめておるわけでございます。  この法律をぜひお願いをして成立をさしていただきたいと私が思っておりますのは、この農産物の需要に応ずる安定的な供給と生産性の高い農業というものをつくり上げていきます場合には、やはりどうしても今後は、主要な作物につきまして、それぞれ各地域の特性に応じて立地せしめる必要があるのじゃないか、同時に、それによりまして資源の効率的な利用をはかっていかなければならぬじゃないか、そういう基本的な考えからお願いいたしておるわけでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは、法律の中身を数点お尋ねいたしたいと思います。  まず第一に、需給の見通しは、多少の変化はあるだろうが、これでいくというのだから、一応了解をいたします。  その次に、「地域の人口及び産業の将来の見通し」に対する考え方。これは法律の目的に出ておりますが、まずこの法律の目的でいっているこの考え方は、どういう基準に立っておるのか。ちょっと判断が迷う点は、先ほどちょっと前段でお尋ねしたこの「構造政策の基本方針」この方向へ、これは付属統計表ですから、このとおり政策はするというんじゃないが、このとおり推移していくだろう。この方向へ向かって、この法律でいうところの地域の人口及び産業の将来の見通しに対する考え方です。振興地域計画を立てるにあたって、この人口なり農業に対する就業想定というものは、大勢としては、この「構造政策の基本方針」に向かって進める、さらに戸数と農家の人口減をねらっておる、こう考えておるのですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 先ほど来問題になっております「農産物の需要と生産の長期見通し」でも、実はその前提といたしまして、どういう農業の姿になるかということをごく簡単に描いているわけでございますが、その中で、一応十年後には農業就業人口としては六百万程度になる、こういう見通しを立てておるわけでございます。現在が九百数十万でございますから、それの三分の二くらいの一応姿になるというわけでございます。私どもといたしましては、これはいま先生の御指摘がございましたが、就業人口が減ることをねらっているというおことばがございましたが、何と申しますか、必ずしもその地域から人口を外に追い出すということを、特に積極的に考えておるわけではございませんけれども、やはりいまのいろいろな農業が置かれている条件から見ますと、相当就業人口は減っていく。一方、その就業人口が減るということを、私どもは、やはり農業経営の内容を向上させるという面でむしろプラスのほうに誘導していきたい、こういう気持ちを実は持っておるわけでございます。これは、構造政策の基本方針の一つの主たるねらいでございますけれども、やはり自立農家というようなものを極力育てていく。もちろん全部がそうなりませんので、兼業農家等も相当たくさんあるわけでございますから、これにつきましては、協業等を助長いたしまして農業経営としての向上をはかる、こういうことを考えておるわけでございますが、そういうような意味で、当然今後一般的には相当就業人口は減っていく。  それから、具体的に今度は個別の農業振興地域について見ますと、これはやはり一般的には減るとは思いますが、その地域の農業をりっぱにやっていく場合に、一体その地域の農業就業人口というものはどうなるか。たとえば、過疎地帯におきまして非常に人口減が激しい、むしろその地域は農業をやるんじゃなくて、ほかの方向で地域の振興をはかっていくのがいいというような地域も中にはあると思います。しかし、やはり今後農業として人口は相当減るわけでございますが、当然その地域の農業をささえるに足る人口になるであろうというようなところは、農業振興地域として指定をする。こういうようなことで、私どもは、一般的にはそういうことでございますが、その人口減というものはプラスのほうに生かしていきたい、こういう気持ちが実はあるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 しかし、農村でも、先ほど言われておりますある程度の規模の何か工業でも入れば人口は減らないけれども、いま局長の言っておる、そういう条件でないところは減るんではないか。いま局長が言われたような人口及び産業の将来の見通しに対する考え方というのは、これは、やはり工業の伴わない条件の農村地帯は人口がまだ減っていく、こういう想定に立っておりますか。それよりほかに方法がないと思うのです、農業をやめて生活の手段がないですから。どうですか、その辺の考え方は。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 一般的には、確かに私どもも、人口は従来のテンポかどうかはわかりませんけれども、先ほど申し上げましたような程度には減るのではなかろうかというふうに考えているわけでございますけれども、それはそういう人口でありましても、たとえば、現在の農業経営の形というものを相当に変えていくということであれば、十分りっぱに農業をやっていくことができるという確信を持っているわけでございます。  たとえば、現在機械化等もかなり進んではおりますけれども、まだ決して十分ではないので、機械化の一貫体系等が相当整備されれば、現在の二分の一なり、あるいは地域によりましては三分の一の人口でも、これはりっぱに農業ができるわけでございます。私どもはやはりそういうようなことで、他産業とバランスのとれた経営というものを育てていきたい、こういう気持ちでございまして、先ほど申し上げましたように、人口減というものをむしろプラスのほうに役立たせていきたい、こういう気持ちでいるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 この計画は、前の質問者に対する局長の話を聞いておったのですが、五百七十万ヘクタール、大体計画に乗ってくるのでありますか。こう判断して間違いないのですか。前の答弁がそうだったが……。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これは、そういう数字を実は申し上げたわけでございますが、前提がついておりまして、もしかりに対象になります地域の住民が、農業を中心にして今後その地域の振興をはかっていきたい、したがって、そういう意味で農業振興地域の指定を受けたい、こういう場合には、そういう資格を備えている地域がその程度はあるんじゃなかろうか、こういうことでございまして、私どもは、その全部が農業振興地域になるかどうか、これは必ずしも明らかでないわけでございます。今後それぞれの地域でいろいろな具体的な基準が示されますと、それに基づいて判断されると思いますが、その結果によりましては、その地域をやはりある程度は下回るということになるのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 しかし法律では、相当の面積がある地域、こうなっておるのだが、相当の面積というのをどういうふうに考えておるのですか。きょうの答弁は前の答弁と違って、前は、私が聞いておったのは、大体振興地域計画に乗る面積は五百七十万ヘクタールというふうに聞いたと思うのです。それはきょうの答弁ならきょうの答弁でもどちらでもいいですが、そういうふうに聞いておったわけです。そうすると、この法律で指定する町村は、相当の農業地域ということをいっておるわけです。「その地域内にある土地の自然的条件及びその利用の動向からみて、農用地等として利用すべき相当規模の土地があること。」こういうようになっている。「相当規模の土地」というものはどういうふうに考えておるか。「相当規模の土地」というふうに制約すると——五百七十万ヘクタールというと、これはいま六百万ヘクタールちょっと切れておるのですよ。それに先ほどの都市計画法でつぶれるであろう、また新たにふえるであろうそういうものを差し引いても、現況で五百七十万ヘクタールというと、おおよそ総面積に近い面積になってくるわけですね。それを法案審議の中では、おおよそ総面積に近い面積が該当するだろうと表現し、法律では、「その地域内にある土地の自然的条件及びその利用の動向からみて、農用地等として利用すべき相当規模の土地があること。」となっている。相当規模の土地に達しないところは、指定しないんだということになればかなり違ってくるわけなんです。この相当規模という解釈を明確にしておかぬと、どこからどこまでが指定条件に入るのか入らぬのかわからない。それで五百七十万ヘクタールを主体とするならほとんどが——全然ない村や市は別です。農地がないという行政区域もあるのですよ、末端行政区域には。都内の市あたりはないと思うんだね。そういうものもあるだろうけれども、相当規模ということで制約しようとしておるわけです。この相当規模の範囲というものが明確でなければ、どうも言っておることと法律とが合わないと思う。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 この法律で地域指定の要件といたしまして、その地域内におきまして「農用地等として利用すべき相当規模の土地があること。」こういうことがあるわけでございます。私どもは、相当規模の土地というのは、一応頭の中にありますのは、大体二百ヘクタール程度を考えたらどうだろうか、こういう気持ちを持っておるわけでございます。これは別段、二百ヘクタールというのは非常にしっかりした根拠があるわけではございませんけれども、従来土地基盤整備等をいろいろやっております場合のいろいろな採択基準等を考えまして、大体その程度があれば、今後その地域を農業振興地域として扱っていいんじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。  ただ、これは一応のそういう目安でございますので、地域によりましてかなり幅を持って考えてもいいんじゃなかろうか。たとえば山がかった、山地のようなところでは必ずしも二百ヘクタールはない、しかし、やはり農業としてやっていきたいというようなところでございますならば、これは相当弾力的に考えてもいいんじゃなかろうかという気持ちを、実は持っておるわけでございます。  先ほどの前段の数字でございますが、確かにおっしゃいましたとおり、昭和四十三年の耕地面積が五百九十万ヘクタールでございますので、私どもは、その中から都市化されている地域、これを一応除外するということが一つございますが、それにしてもかなりそれに近いではないか、こういうお感じの御質問だと思うわけでございますけれども、これは現在の耕地だけではなしに、やはりここにおきましては、今後たとえば耕地等につきましても開発をするということも一部では——一部というか、計画の中では当然考えているわけでございます。そういうふうに今後開発される土地もありましょうし、いろいろそういう点を勘案してみると、現在の耕地からある程度が落ちることは明らかでございますけれども、全体として五百七十万ヘクタール程度は、何といいますか、有資格というとちょっとことばがおかしいのでございますけれども、そういうような程度の規模が一応考えられるのではなかろうか。しかし、具体的にはめていきました場合には、さっき申し上げましたように、若干それを下回るということがむしろ常識かもしれません。大体そんな感じでいるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 大体この二百ヘクタールを下回る市町村は、何ぼくらいあるとお考えですか。大体検討しておると思うのです。二百ヘクタールは、いまの答弁では多少の弾力性はあると言われる。それでいいと思いますが、基準として考える場合、二百ヘクタールを下回る市町村は何ぼあるか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 非常にしっかりした数字は、ちょっと申し上げられないので恐縮でございますが、大体の感じで申し上げますと、町村数で大体五%程度ではなかろうかというような感じでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そこら辺をもうちょっと調べておいてください。  それからその次の問題点は、先ほど、この計画に向かって農業の基本政策を貫くと言われたのでありますから、農業生産を考える場合、特に振興地域法をつくるのでありますから、この場合、農業生産というものには選択的拡大と計画的に生産するという、やはりこの生産を貫いていく上に二つの方法が私は必要だと思うのです。選択的に拡大してもいいもの、たとえば、農産物の中で一例をあげるならば、大豆なんかは、政策を伴い生産条件が伴って、つくろうと思えば、とにかくいま八%しか供給力がないのですから、何ぼつくっても、またやめてしまっても、農民にもたいした影響もないし、国益にもたいした影響がないまでに沈んでしまっておる。だからこの大豆あたりは、やはり選択的拡大できるような生産条件なり価格条件なりで何ぼつくっても、これは需給上たいした問題は起きてこぬでしょう。あるいはてん菜等についても、いまのところ選択的拡大でいいのじゃないかと思います。  そういうふうに選択的に拡大さしていいものと、たとえば豚肉のように、選択的拡大で生産をやらしても、農民はわからぬですし、県でもわからぬ。全国の需要に大体均衡する生産なんかということは県段階でもやれませんから、これは国がやらなければならぬ。そこでおととしですか、四十二年に非常に豚肉が安くて、七十万頭からの枝肉を事業団が買い入れて、二十億の赤字を出してそして予算で始末しておるでしょう。そしてあの四十二年の安値にこりて、去年急激に生産が減ってしまった。えさ代しかとれなかった。そこで去年は豚肉が暴騰した。現在でも生産が低下して、豚肉は支持価格を上回っておるでしょう。こういう上回りが二年も続くと、また生産意欲が起きてきて飼うわけですね。子豚を飼う。そうして生産意欲がついてくると、また過剰生産になって事業団が買い入れをしなければならぬということになってくる。これを見ておると、私としては、二十億といえどもいたずらに国民の税金をむだづかいして、どうしてこういうことをやらすのか疑問に思う。さっき言った豚肉あたりは、海外供給に仰いでなくなってもいいのじゃないかと考えておる品目ですか。まさか私はそうじゃないと思う。  そうすると、ここにやはり計画生産が必要になってくる。こういう振興地域法に伴って、たとえば、豚肉の需要量はちゃんと測定はできておるのでありますから、その需要に向かって、豚肉の生産に一番適合している地帯を選んでいく。一例をあげますならば、たとえば、北海道は畜産地帯といえども、北海道の道北地帯はもう酪農生産一本でいきなさい、小動物を入れなくてもいいんですから、酪農主生産地帯でいいから、そのかわり酪農政策に力を入れてやる。牧野もつくってやる。北海道の道北関係は全部酪農一本で、それに力を入れて、ややこしい小さい動物なんか力を入れなくてもいい。しかし、地域によっては、小動物を入れることがそこの条件に一番合うのだから、豚はどこそこどこそこと、やはり主産地として計画的に、そこでおおよそどのくらいの生産をさせるかきめて、それをこえると非常に生産過剰になってしまうから、それでそれらを指導する。こういう計画を立てて、それに基づいて県なりあるいは農協なり農民団体なり、それらのものが計画生産に対する指導を受け入れる。それはやはり農民自体もやらなければならぬ。むだなものをつくって事業団に買わして、税金でしりぬぐいをしておってもそれはいいことではない。その中で農民がよくなっておればいいですけれども、どうも農民自体も安値にこりて生産が減退する。そして暴騰したときには、農民は豚は飼っていないわけですね、一部の人は飼っておるけれども。こういうことが繰り返されるわけですね。  そうすると、農業生産というものは選択的拡大じゃだめだと私は思うのです。やはりこういう法律をつくる以上は、需要量に限度のあるものは計画性を示すべきですよ。それを選択的拡大だといってほうっておけば、その限度量を上回れば国益にもならないし、農民のためにもならない。これでは農民の生産意欲が減退してしまって、それで暴騰して消費者は高い肉を食わなければならない。こういうことが起きる原因は、やはりこの農業政策に筋金が入っていないからこういうことが起きるのだと私は思うのです。それが現実に起きておるのですから、やはり農業生産というものは、需要に限度があるものは生産目標を、せっかくこの法律をつくるのですから、こういう法律をつくる以上は、適応する地域に最も生産性に合致した農産物を、地域特産体制を高める必要がある。  昔のように百姓百品などといって、農業というのは何でも総合的にいろいろなものをつくって、安全性を保つという農業のやり方は、昔の集約手労働時代だと私は思うのです。もちろん二品目なり三品目なり——一品目一辺倒というわけにはいかぬけれども、これからの近代的農業というものは、できるだけ作目の数は減らすべきだと思うのです。減らすことによって生産性が向上するし、コストは下がるわけです。百姓百品などといって品目を多くつくればつくるほど、農業のコストは高くなるわけです。   〔委員長退席、安倍委員長代理着席〕 ですから、やはり可能な限度において品目を制限して、地域特産性における農業の作目、そしてそれには需要にマッチした生産に計画性を持たすのだ。どうですか、それは全然この法律にはないですね。それでやらぬのだったら、ただこういう法律をつくって選択的拡大でいくのでは、まことに不親切であると思う。その選択的拡大というものは、国益に大きく損害を起こしておる。場合によっては、そういう過剰生産による処理によって大きく財政負担もしておる。それをできるだけ縮小するには、やはり地域特産性を高めて、そして計画的な生産体制に持っていくという体制が必要だと思うのです。  もちろん、選択的拡大でいいものは選択的拡大でいいと私は思うのです。需要量に限度がなくて、一定限度のいわゆる価格支持政策なら支持政策によって、あとは何ぼつくっても需給上の問題が起きないという農産物は、選択的拡大でいいと私は思うのですけれども、選択的拡大でやらした場合には、国の財政損失も加わるし、農民のためにもならなければ消費者のためにもならぬ。いたずらに二十億でも三十億でも国の財政支出を伴っておる。そのことが、二十億か三十億か現実に農民の農業振興につながっておる財政支出なら私はいいと思うのですけれども、それは過剰生産で農民もその中で苦しんでおる、国も損しておる、こんなばかげたことはないと思うのですね。どうですか、そういう考え方は。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 私から基本的なことをちょっとお答えしますが、先生のお気持ちはよくわかりますし、また、そういう考えも一つの考え方ではないかと思いますけれども、やはり資本主義経済のもとで厳密な計画生産というものが、かえっていろいろな意味で弊害の伴うおそれもございますので、やはり私どもは需要と生産の長期見通しをつけまして、そして計画的に生産が行なわれていくように誘導しつつ、先生のおっしゃるような弊害をなくしていきたい。こういう考え方の基本的な差が、ちょっとあることだけは私から申し上げておかなければいかぬだろうと思うのでございます。  なお、こまかいといいますか、補足的に局長からひとつ答えさせます。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 いま政務次官からお答え申し上げたとおりでありまして、あまりつけ加えることもございませんけれども、私どもの気持ちは実は当然、今後こういう地域をきめまして計画を定めていくということになれば、その生産の見通しというものを明らかにしなければならない。その生産の見通しとしては、今後需要にマッチした、相当需要が伸びていくようなものが中心になるということは当然でございます。  それから、この知事がきめます基本方針の中でも、そういう生産の見通しというものは、私どもはやはり国の全体の見通しに合うように適切なものをつくっていただくというふうに、実は指導したいという気持ちを持っておるわけでございますけれども、そういう意味では、いま政務次官からお答えがありました、そういう計画的に生産を誘導していくということ、これはそういう一つのあらわれでございますけれども、そういう中でこの地域の見通しというものも、私ども一応いま内部的には作業いたしておりまして、主要な農作物につきまして地域的な見通しを出したい、こういうつもりでおりますので、そういうものが一応できました場合には、そういう線に沿って、県の知事が立てます基本方針というものをそれにうまく結びつけていきたい、こういう気持ちを実は持っているわけでございます。  ただ、そういうものは一応いたしますが、やはり農業振興地域におきます生産の姿というものをぴったりそれに結びつけるということは、これは実は実行段階になりますといろいろ問題が出てこようと思います。私どもは、その場合に基本になりますのは、地域におきます農業者の意思というものがやはり中心にならざるを得ない。その人たちがよく納得した上でこういう生産の姿に持っていくということがありませんと、当然あとでまたいろいろ問題が起きてまいりますので、そういう地域の農業者の意向と知事が立てます基本方針というものをうまく結びつけるような御指導を、いろいろ申し上げたいと考えているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いや、私も戦時中の作付統制令のような、そういうものの考え方をしなさいと言っておるわけではないのですよ。そうすると、ここは大切なことですからもう一回念を押しておきたいのですけれども、それは、やはりこの地域計画の中で、過剰になる、需要量に限度のあるものの生産は、計画性を持たせるという指導、それは選択的拡大とは違いますね。どうですか。  もう一つお尋ねしますが、蔬菜の指定地域をつくって、ある程度集中生産体制と計画性を持たした。あれは私は一面、ある程度成功しつつあると思うのです。あれと今度計画出荷とが結びつけば、もうちょっとよくなると思うのですが、あの蔬菜の指定産地、そして集中生産をやらしておる体制は、一面ある程度の経済効果を発揮しておると私は見ておるわけです。政策の失敗とは見ていないのですが、どうですか、当局者はああいうやり方は失敗だと見ておりますか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 そういう計画的生産の指導といいますか、そういう条件を整備するということは、実はいま先生のお話のございました野菜の生産出荷安定法でございますか、それの事業、それからその他にも、たとえば果樹農業振興法によります場合は、国が基本方針をきめまして、県の計画をそれに合うように誘導していくというようなことをやっているわけでございますし、また酪農関係でもやっているわけでございますが、そういうものがありますけれども、そのほかにも、現に農協等が、御存じのように営農団地というような構想がございまして、これもやや似た観点だと思いますが、需要と生産とをうまく結びつけよう、こういうようないろいろな具体的な事業があるわけでございます。私どもは、やはりこれは非常に意味のある事業でございますし、確かにそういう方向は今後さらに推進していかなければならないという気持ちを持っておりますので、今回の農業振興地域の計画をきめます場合には、当然そういうものとうらはらの関係でこれを取り入れていきたい、こういう気持ちを実は持っているわけでございます。  もちろん、今後の需要にうまく合うような農業生産をしていくということでございまして、需要がないのに生産をふやすということは、これは意味がございませんし、またいろいろ問題もありますので、それに合うような指導をしていきたい、こういうふうに考えているわけでございまして、それはいま申し上げましたような、この法律のほかにもいろいろな体制がありますので、それとこれとの調整をはかっていきたい、こういう気持でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これは非常に大切なことなので、アイデアだけでなしに、いまの構想を統制法的にきちっと、戦時中の作付統制のようなものでなしに、そういう計画的な体制を持つことを、この法案に入れるということはどうですか。それは、ある程度はやはり正しい指導なのでありますから、もちろん法律をもってがんじがらめに縛るというのではなく、やる意図はあるわけですから、この法律に入れたらどうですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私どもは、先ほど来申し上げておりますように、生産をあるべき姿のほうに誘導していく、こういう気持ちを持っているわけでございます。ただ、これをあまり強く出しますと、いわば国がもう全部農業の生産を指図する、こういうような形になるわけでございまして、これはまた一面非常に問題があるわけでございます。当然国全体としては、価格政策等で農産物の価格の安定をはかっていかなければならないわけでございますけれども、やはり、必ずしもその農業者の考えているような価格が実現をしないというようなことも、場合によればあり得るわけでございます。そのときに、もしかりにそれを指図をしたというようなことになりますと、そこいらは当然国が補償をすべきではないかというような問題も、あるいは起きてくるかというふうに考えられるわけでございまして、やはりあくまでも農業経営の主体は農業者が責任を持つべきものでありまして、国はそれに対して必要な助力なり誘導なりをするという限度にとどめるべきではないだろうかという気持ちを持っているわけでありまして、そういうような趣旨では、どうも自画自賛になりますが、現行程度の法文の扱いが一番いいのではなかろうかと考えているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 何かあったら農業者が判断することだと言うが、そういうことは、前段に申し上げておるように、農業者だけでなくて、県でも判断ができないことです、全国需要の捕捉ということがあるから。だから、どうもその辺が、これは考えを聞いておりまして、率直に申し上げてあなた方はずるいと思うのです。自己の責任を回避して、何かといったら農民の自主的な判断だと言って農民に押しつけている。それをやればやはりあなた方の責任は強化されるわけです。勇気が要る。しかし私は、何も昔の作付統制令みたいなものをつくって、法律で強行せいと言っているんじゃない。やる意図があるのだから、それをもう少し考え方を前進さして、やはり国益を守り農業のむだな生産を排除するという行政をもう少し高めなさいということを言っておる。だけれども、あなた方がそれをやるということは非常に勇気が要るし、もちろん行政当局の責任はある程度加重される。それが苦しいから逃げようとしておるのだ、私はそういうふうに判断するわけです。やるかやらぬかと言えば、ある程度やりますと言う。アイデアは出す。そのアイデアだけではいかぬから、もう少しきちっとそれが進められる、秩序を保つまで踏み込んだらどうだと言えば、それは苦しいからいやだと言う。どうですかその点……。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 責任をのがれようとしているのではないのでありまして、この制度の中でも、知事が基本方針を立てました場合には、農林大臣の承認を受けるということに実はなっておるわけでございます。そういう意味では、知事が基本方針を立てて、それは農林省としては関知しないということでは決してないわけでございまして、当然国の全体のそういう見通しに基づいて判断をした上で承認をする、こういうことになるわけでございます。  ただ、私どもが先ほど申しておりますのは、農業経営の形というものは、あくまでも最終の判断をするのは農業者であるということは当然のことでございまして、その考え方を誘導するということは当然必要でございますけれども、それに対して若干強制的な要素みたいなことが入る計画生産と申しますか、それは多少政府の行政としては行き過ぎではないだろうか、こういう感じを持っておるわけでございます。農協が、たとえば営農団地の事業を始めまして、そこで一定の計画をつくるというようなことは、当然非常にけっこうなことだと思いますけれども、政府がそこまで具体的な計画を立てるなり指示するなりということは、政府の行政としてはやや範囲を出ているのではなかろうか、こういう感じを持っておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私は、範囲を出ていないと思うのですがね。計画生産でこれ以上つくってはならないというようなきついことをやれと言っておるのではないのです。どうですか。たとえば、豚なら豚の消費量は年間これだけというなら、そうするとその地域に合致して生産目標を示して、そうしてその目標を守るか守らぬかは、おのおのの県の考え方なり農民の意識で、守らなかった場合には、それは農民なり県なり守らなかったほうの責任で、一方的に国だけの責任だと言うのではないが、目標を示さなかったらだれが判断するのですか。それはどれだけの消費量でどれだけの生産量、消費量から見てそれをオーバーすれば過剰生産になるし、少ないということはやはり需給上困る。  農業政策というのは、片や生産の振興であり、片や消費価格の安定ということを考えなければならぬ。消費価格の安定のない農業政策というのは私はあり得ないと思うのです。両面から見て生産目標を示すということは大切だ。勇気を持ってある程度明確に目標を示して——局長の答弁のとおりでいいのですが、その目標に地域生産計画が合致するように誘導政策を強化しなさいということを私は言っておるのです。ところが、あなたの言っておるように目標を示さないのです。生産目標を農林省が示さない限り、だれがその目標を出すのですか。県知事がかってにつくったものを見て批評する、それはひきょうですよ。目標を先に示さないで県知事につくらして、つくったものを見ていいとか悪いとか言っておるのは、それはやることでないのです。  ですから、農業構造改善事業なんかやったって、アウトラインの目標を示して、計画をつくらすわ、いいの悪いのとその干渉たるや、全く地域の実情を無視している。中央集権で硬直した頭で干渉するわけですね。計画をいいとか悪いとかいじくり回す。末端の農民にしてみれば、構造改善事業をやっても、国費の補助をもらってやろうとした計画は、最終決定するまでには全く実情に即さなくなる。一〇〇%即さないとはいいません。あなたたちにいじくり回されてしまって一〇〇%の効果は出ないのですよ。結局は金をかけて七〇%しか効果を発揮しないものしか出てこない。七〇%の効果はあります。ですから、補助金をもらってやるんだから、やらぬよりはやったほうがいいということでやっておりますけれども、真にその地域に適合したものにならないんですよ、あんまりいじくり回すものだから。地域の実情に全然知識のないあなた方が、いいとか悪いとかかってに全国画一の机上の判断でいじくり回すものですから、変なものがでてしまう。そういうことでは私はいけないと思うのです。  ですから、行政というものは、地域に主体性を持たすべきものは思い切って主体性を持たすべし。これは、これから大幅な第二次構造改善事業をやるのだから、その目的以外の流用はあくまで禁止すべきです。これは財政法もあります。流用は禁止すべきだけれども、これこれの事業と項目を示した中で、どの事業に一番やろうと、それは知事の権限に大幅にまかすべきですよ。それで出てきたものに、あまりああだこうだ講釈をやらぬほうがいいと思う。同時に、そういう点は全然まかせないで、国が生産目標を示さなければならぬ。ところが、自己の責任でやらなければならないものは、責任を回避してさっぱりやろうとしない。そこに私は農政の問題があると思う。私はそう見ておるのです。余分な講釈をやり過ぎるということだ。行政を硬直させて、せっかく国費を投じながら、全く効果の薄い方向へ持っていく。あなた方は中央で国が流す面、こういう生産面では責任を回避して、やらなければならぬ仕事をやらない。そして県知事や何かが出してきたその計画を見てから判断するんだ、そういうものじゃないでしょう。  たとえば、豚肉なら豚肉を大体大まかに九州地区では何ぼ、東北地区では何ぼというふうに生産量を割り当てて、まず大体目標を農林省は考える。それを農林省だけでやったらいけないから、県の農政局なりあるいは知事会で、大体全国の生産量をこう考えるがどうだろう、そういうものを示して、それを目標にして計画しなさいと先行していいんじゃないですか。豚の生産目標はこうあるべきだ、あなたの県はこのくらいの生産が適当だと思うというように、それは全国でそういう常識でやってもらわぬと、過剰生産が起きる、あるいは安値にこりて非常に生産が萎縮して暴騰してしまう、これでは非常に困るから、こういう常識を守ってくれないだろうかという生産目標というのは、率先して私は農林省が出すべきだと思う。目標を先に示さぬで、知事がつくったものを見て判断してやるなどというのはおかしいです。都道府県がばらばらにつくった生産目標を見て判断するなどという考え、これは全くおかしいと思うのですね。どうですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私どもは、実は先ほど来申し上げておりますように、国全体の農業生産、これは、当然需要を考えた上での農業生産の見通しというものを公表しているわけでございます。さらに私どもといたしましては、これだけでは各地域の方々が、今後それぞれの地域において、どういう生産をするかという点で必ずしも十分でないということで、主要な農産物につきましては、さらに地域別の見通しを出そうということで、実は作業しているわけでございます。でございますので、そういう大筋の見通しというものは、当然現在ある程度はなっておりますし、さらにそれがもう少し詳しくなる、こういうことになっているわけでございます。  一方、この振興地域におきます各県の基本方針というものは、先ほども申し上げておりますように、農林大臣の承認を受けるということになっているわけでございます。これは知事がかってにつくってばらばらで持ってこい、こういうことでは必ずしもないわけでございまして、そういう全体の見通しがすでにあるわけでございますから、それに応じまして、また地域別の分担関係もある程度明らかになるわけでございますので、それに応じて知事がその地域における農業生産の姿をまず考えてほしい。これは、もちろん農林省も勉強はしておりますけれども、やはりその地域のことでございますので、その地域の行政の主体がその地域の状況は一番よく把握しているわけでございますから、そういう全体の計画の上に立って、それぞれの県におきます姿をまずひとつ考えていただいて、そしてそれが全体との関係で非常に妙な関係になる、たとえば過剰生産であるとか、妙な関係になる場合には、私どもはそれは十分県と御相談した上で調整をしたい、こういう気持ちを実は持っているわけでございまして、そういうふうなことで、決して無責任な形を考えているわけではないわけでございます。  ただ、先ほども申し上げておりますように、初めから農林省が具体的に、この県はこういう生産をすべきであるというような指示をすることは、これはいささかどうだろうか。やはりあくまでも農業者なりあるいはその地域におきます行政の主体なりが、まず考えるべき問題ではないだろうか。そして各地におきます意向を中心にした上で必要な調整を農林省が行なう、あるいは御相談に乗るというのが、やはり農業者の気持ちを生かしながら全体との調整をはかるという意味で、一番いい方法ではないだろうか、こういう気持ちを持っているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 どうもこれだけで時間をあまり長くかけておってもいけませんから、きょうはこの程度にしておくが、そういう体制に対してもう少し前向きでやってもらいたい。先に示すのはどうかと言うが、先に示してやるくらいにならなければいかぬのじゃないですか。農林省が、あなたの県の豚の生産はおおよそ何頭が適当と思う、このくらいの勇気を持っていいんじゃないですか。こうせいと言うのではなくて、このくらいという全国の評価をつくって知事に示せばいいのですよ。   〔安倍委員長代理退席、委員長着席〕 こういう状態にしないと、豚肉は変動する、過剰生産や品不足が起きてきて、国益にもならなければ農民のためにもならぬし、消費者のためにもならぬから、こういう体制を農林省は考えるべきだ。振興地域計画を立てるにあたって、でき得るならばこれを参考としておのおの計画を立ててもらいたい、豚の生産あるいは何々の生産については、この指標がその県に適合するかどうか持って帰って検討して、その過不足については、でき上がる過程において相談しようではないか、そこまで私は踏み込まなければならぬと思う。示すことはどうかなんて言ったって、示さぬで一体どうやってやる。私は話にならぬと思う。だから、口が悪いかもしれぬけれども、あなた方の考えはまことにずるい。農業のために奉仕するという信念が固まっていないからそういうことを言わなければならぬ。もう少し前向きに取り組んでもらいたいと思うのです。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 あまり意見が違わないと思うのです。先生のおっしゃる意味も十分私どもはわかっておるわけでございます。  ただ、この法律の中にそういう計画的なものを入れる意思はないか、こう言われるものですから、この法律そのものはそういうような性格の法律ではないわけです。運用したりあるいはこの計画を全体的に立てていく場合の考え方を、今度は別の面からいま先生もおっしゃっておられるので、したがって、先生の御意見と私どもの意見がそう私は違っていないと思うのです。ただ、大事をとって答弁をしますから、あまり厳密な計画的なものを押しつけるようなやり方はしたくないということを強調して答弁しますと、何か違うように思われるのでございますけれども、先生の御意見を十分承って、私どもも基本的には同じような考え方で進んでいきたいと思っております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 この問題は長期的な問題ですから、きょうはこの程度にしておきます。この法案審議の中では再びこの議論は繰り返しませんけれども、あとの実績でまた別の機会にやります。私の考え方には政務次官も賛成なわけですね。ですから、それを具体的に政策の上で強力に実行してもらえば、私も満足できるわけですから、そういう考え方でひとつ今後進めていただきたいと思うわけです。  次に、農地保有の合理化と円滑化、こういう表現をしておりますが、農地保有の合理化、円滑化を進めるということになれば、これにもおのずと——これはどうですか、青天井ですか。これは法律の中にうたってありますが、農地保有の合理化というものを、それぞれの県なりまた小さくいえばそれぞれの村が——農地保有の合理化というものは、「構造政策の基本方針」にも出ておりますけれども、大体このとおり進めるということにも私どもとしては問題があるのですけれども、一応私は政策の基本を聞いておるわけですが、いわゆる構造としてはこれを考えておるというのでしょう。この地域計画を立てる構想は、四十二年八月に出した「構造政策の基本方針」とは無縁のものじゃない、大体の基本として考えておる、こういうのでしょう。私はこのよしあしはきょうは言いませんよ、言っておると反論が多くなって問題が複雑化しますから。すなおにあなた方のこの計画を見ると、それぞれ戸数条件なりその他が出ておる。この計画表でいっても、たとえば東京都、東北あるいは北海道における、いわゆる政策上からいって、農地保有の合理化をせしめる標準のものの考え方というものがなければならぬ。青天井、無条件で、北海道あたりだったら五百町歩でも六百町歩でも持ちなさい、こういうのですか。そうじゃないのでしょう。やはり農地保有の合理化を進めて、そして振興地域計画と農業の安定を結びつける一つの指標というものがなければならぬでしょう。これはどう考えておるのですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これは、農地保有の合理化ということばの内容はいろいろあると思います。たとえば、非常に農地が散在をしている、それを今度は集団化するということも農地保有の合理化でございましょうし、あるいは個々の経営規模とすると非常に零細規模である、これをもう少し規模の拡大をするようなかっこうで誘導をしていく、これも農地保有の合理化だと思います。私どもは今後、「構造政策の基本、方針」にもございますように、日本農業がほんとうに海外農産物等との関係においてもりっぱな農業になるためには、構造改善ということがぜひ必要なんじゃなかろうか。構造改善というのは、これもいろいろな意味があると思いますが、端的に申し上げるならば、経営規模の拡大なりあるいは個々の経営としては規模拡大じゃなくても、集団としまして協業等のかっこうで事実上の規模拡大ができる、こういうようなかっこうがやはりぜひとも必要である。そういう意味で、今度の振興地域の整備計画の中にそういう事項を取り入れまして、そしてそのためのいろいろなあと押し的なこともやっていきたい、こういうことを考えておるわけでございます。  その場合に私どもは、やはりそれぞれの地域の土地条件もございますし、農業の形もございますので、たとえば、経営規模というのはどの程度が一つの目標になるかというようなことは、これは地域によって相当違うわけでございます。それで、そういうようなことにつきまして非常に一律的な、たとえばこの程度のものにしろというような一律的なものはなかなかむずかしいし、現在の農地保有の姿もございますので、これはそれぞれの地域におきます条件に即しまして一つの改善といいますか、目標を立てていただきたい。それを立てる場合には、当然その地域におきますいろいろな関係の農業団体でございますとか、あるいは農地委員会でございますとか、そういう方々の間でよく相談をしていただいて、そしてこういうような姿に持っていこうということになった場合に、それをそういう方向にあと押しをするようないろいろな施策を考えていきたい、こういう気持ちでございますので、一律的に、たとえば全国でこの程度の経営が一応目標であるというようなことを出すつもりは実はないわけでございます。  ただ、自立経営ということからいいますと、これはこの程度の農業所得というようなことが当然ございますし、その農業所得を生み出すためには、現在の農業生産のいろいろな価格関係等からいえば、この程度の規模というものはおのずから出てくるわけでございまして、これは地域によって非常に違う、こういうふうに考えているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 先ほど貿易自由化のところで、あらゆる政策をもって総合的にやるというふうに大体政務次官言明したでしょう。それとこれと関連があるわけですね。さっきの生産目標を示すことと同じように、そこがまたおかしいのですね。どうもあなた方らの言うことを聞いておったら、いまの局長の答弁のようなことでは私どもとしては納得できないのだが、市町村、農業委員会がおのおのきめますと言ったって、これだけ流動化している経済の中で、たとえば貿易の自由化を、何の政策手段も講じずにストレートで自由化したということになれば全然話は別だろうが、そこがいま全国の農民の最も不安がっている一点なんです。経営が持続できるのかできぬのかということ。だから、そこにいわゆる一つの目安をつけてやらなければならぬわけです。  たとえば酪農であれば、酪農だけで搾乳をし七、牛乳主体の生産で、いわゆる他産業並みの所得を維持する経済頭数は何頭かということは、これから先は政策のめどづけをしてやらなければならぬ。努力目標は、たとえば搾乳牛十二頭でいいのか十三頭でいいのか示して、その目標に向けて、それ以下の経営のものをその経営になるように土地取得を行なわしめ、土地保有の合理化からあるいは経営設備の問題、家畜導入の問題等資金の裏づけもしてやって、その構造に持っていくというのが農業政策です。それに達して平均搾乳量をあげた場合には、いわゆる補給金なら補給金によって、あとの自由化との間は、政府の責任で絶縁してやるから不安がらぬでもいいということにならなければならぬでしょう。そうでしょう。  そうするとまず、いわゆる農地保有の合理化というものの指標となる目標というものは、国が示してやらなければだめでしょう。市町村の農業委員会や市町村長が判断したって、自由化の方向はどうなるかわからない。自由化に対してここまではやりなさい、これ以上は責任を持つということを国が明示しない限り、市町村長や農業委員会がどうやって判断する。市町村長や農業委員会が判断すべき事項でないということですよ。この表現は「農地保有の合理化」となっているけれども、どの程度の構造でいわゆる自立経営と言えるのか。野放し自由化ということを考えたらそんなものだめなんですから、野放し自由化をやった場合、日本の農業で残れるものは何が残るかということです。輸入対象にならないなま野菜だとか、そういう輸入と全然関係のないものだけは残るけれども、それは世界の最もすぐれた生産構造の、最も条件のいいところと対等でやらすというなら何をか言わんやなんです。さっきから言うようにこんな法律は要らぬ。法律をつくらぬで黙ってそっとしておいたほうが農民のためにいいのです。なまじっか変なことをやらぬほうがいいと思う。そうじゃないと政務次官は言うから、そうじゃないと言うのなら、農地保有の合理化目標は政府がつくって示さない限り、市町村長や農業委員会はどうやってそれを判断する。判断のしようはありませんよ。どれだけの構造にしてやったら自立経営が安定になるか、自由化に対する見解とそれに対する方法というのを明示してやらぬ限り、だれがそんなものつくれるのだね。私は変なことを言うと思うのですよ。その責任を、あなた方は農民だとか農業委員会だとか町村長だとかに押しつけてしまって、みずからの責任を全然明確にせぬでどうやってやるのだ。  私は、それがいまの日本農政の最大欠陥だと思う。あなた方は農林大臣以下責任をしょっていないのだ。それを明示せぬで、どうやってこの振興地域計画を立てるのだね。農地保有の合理化はどうやってやるのだ。市町村長や農業委員会がやれぬことをやれとあなた方は言っているのですよ。やる自信はありませんよ。それを明快にする義務があなた方にはある。できぬならできぬとはっきり言いなさい。自由化の攻勢の前にはもう日本農業は成り立ちませんというならはっきり言いなさい。そうでないと政務次官は言うが、そうでないというならそうでないことを言ってください。そういうことはそうでないと大みえを切って、こういう大切なところにきて、それは農業委員会や市町村長だなんて、そんなばかな話がどこにあるのです。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私が申し上げましたのは、これは地域の農業振興の問題でございますので、当然地域の農業者なり、あるいは直接それに関連いたしております農業団体なり農業委員会なり、そういう方々の意見の上に立って計画がつくられるべきであるという一般論を実は申し上げたわけでございます。これは、具体的に県知事が基本方針をきめる場合にそういうことに当然触れてまいるわけでございますし、また、その地域によりましていろんな条件が違いますけれども、私どもは知事等を通じまして、またいろいろ行政的な御指導は申し上げたいという気持ちは実は持っているわけです。  特にこの点を御理解いただきたいと思うのですけれども、第二次構造改善事業につきまして、先ほども御批判がありましたけれども、私どもは今度の第二次構造改善事業では、文字どおり、従来のいろんな批判にこたえまして、農業構造の改善に役立つような計画にしたい、こういう気持ちを持っているわけで、やはり農地のいろんな問題等についても、事業としてこれを取り入れていこうという気持ちを持っているわけでございます。  構造改善事業は、先般の御質問に対してもお答え申し上げたわけでございますが、大体今回農業振興地域として指定されるようなところはまず構造改善事業が行なわれる、こういうふうにお考えいただいていいと思うわけでございます。そういうようなところでは、具体的な計画をつくりまして、そういう方向への事業の推進なりあるいは誘導なりをする、こういうことになっておりますので、おのずからそういう関係でも明らかになってくる、そういうようなことでございます。これは、先ほど生産の問題もございましたけれども、それとまたうらはらの関係で、いろいろ地域的な非常に特殊な条件の上に成り立つ問題でございますので、私どもは、やはり画一的に頭からこれを押しつけるようなことはよくないんじゃなかろうか。十分実態に即しまして、知事等を通じまして具体的にいろいろ行政指導をしたい、こういう気持でございまして、先ほどの生産の問題と同じでございますが、責任をかぶらないというような趣旨でそういうようなことを申し上げているわけでは毛頭ないわけでございます。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 先生のおっしゃるように、それぞれの農業振興地域において、一体農地の合理的な規模というものはどれくらいかというような点を、たとえば、その県なり町村なりで考えたって、全国的にいろいろ見た場合には実情に合わなくなってくる。むしろ逆に先行して、国が一定の目標を与えて、それに基づいておよそ農地の合理的な保有というものは、それぞれの作物についてはこういうものだというような指針を与えて、その上でつくらすほうがいいんじゃないかというお考え、これは私ども、いま局長の答弁でも決して否定をしていないわけでございます。当然合理的な農地保有というものは、一体いかなる姿であるべきかということは、地域によっても違いますし、また同時にその作物によって違うと思うのです。畜産なら畜産の経営というもの、あるいは果樹の経営というものが、どれくらいの農地が合理的なものであるかということは、やはりそれぞれ違うと思います。米なら米でも違うと思いますので、やはり需要と生産の長期見通しから割り出して、国内あるいは国外のいろんな環境、状況等も判断に入れた上で考えていかなければいかぬと思いますので、それは当然別個な意味で示されていくだろう。  それを、ただこの法律の中に、特に条文上要求をされる必要はないんじゃないだろうか。計画をつくって持ってくるものは、できるだけその地域の実情に応ずるような自主的なものを持ってきて、そして一方国のほうが、それをできるだけ指導によって調整をしたり、あるいは一定の目標から指導していくような立場に立てばいいんじゃないだろうかというお答えを申し上げているので、上ちょっと先生のあれとかみ合わない面があるのですけれども、先生のおっしゃるような考え方は、当然それぞれの作物については、やはり私どもは都道府県知事なり、あるいは農業団体なり、生産者団体なりについては、別の面で、畜産なら畜産の振興という面で、あるいはまた園芸なら園芸の面で、果樹なら果樹の面で、ひとつ十分全国的なものの需要と生産の見通しをつけながら、指導、誘導をしていくということは、この法律を補足する意味、あるいはまたこの法律の効果をさらにあげる意味においても、また他の農政の効果をあげる意味においてもやっていかなければならぬ、これはもう当然先生のおっしゃるとおりだと考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そういう考え方が、具体的に言うと、一面農業政策に矛盾を起こしてきておるわけです。私は、農地保有合理化の標準目標を法律にうたえというのは農地法です。これはこの法律にうたえとは言いません。その農地法が青天井でいいのか。しかも、土地取得資金はどうですか。現実にこれを何とかしてくれというのですよ、私ども帰ると。どういうことをいっておるのです、土地取得の貸し付けにあたって。それはその村の平均面積以下の取得には貸さないというのです。その平均面積というものは、離農家ができれば絶えず移動していくわけです。どこまでいったらこれはとめるのですか。私は、こういうでたらめな土地取得資金の業務方法の縛り方というものはないと思うのです。ですから、農地保有の合理化といったって、どこを目標にやるのかということを聞いておる。どだい土地取得資金の貸し方がそうです。平均面積以下の取得には貸し付けぬ。私に言わしたら、ふらちきわまる話だと思うのです。そういう無責任な農政は一体だれがやっておるのだ、と言いたくなりますよ。  それは政務次官の言うとおり、作物により地域によって面積は違います。同じ標準所得をあげるにしても、違うことは当然です。当然だが、たとえば、それは北海道の地域で、私の所在地のように酪農の多いところは、十三頭なら十三頭の牛を北海道の十勝というところで飼育する。これは例ですよ、地元の問題を言っておるのじゃないのですからね。そこで十三頭飼育する。平均を二十ヘクタールあるいは十五ヘクタール。あまり零細な、いまから北海道の道北で、五ヘクタールや七ヘクタール取得して農業をやろうという者には貸しませんよ、それでは償還もできないし、思いつきみたいなものには政府資金は貸しませんよ、それはいいのです、貸さぬで。ただ、平均面積以下の取得には貸さぬというのはどういうことですか。その平均面積は、年々離農者がおることによってふえていくわけですよ。農地法を青天井にして、そして北海道の酪農あたりを二百ヘクターなり三百ヘクタール、五十頭なり八十頭なり、将来は全く青天井で自由化してしまって、オーストラリアやニュージーランドと同じことをやらぬ限り、農業というものは生き残れないのか。それをやるとしても、オーストラリアやニュージーランドは、一番寒いときで十七度、年間放牧して八十頭も飼えるのです。あんなに寒地で、雪が降って、サイロ詰めで六カ月の粗飼料を貯蔵せぬ限り動物の飼育はできぬところで、どうして同じに飼えるのですか。  そこで、農地取得の資金の貸し付け方を、平均面積以下は貸さない、こういう政策を改めてもらわなければ、どうにもならぬと思うのです。どうして平均面積以下の取得に貸さぬというか。何町歩以下の零細な取得には貸しませんよという限度を、どうしてつくらぬのですか。あなたらのやっていることを見たら、黙っておれないんですよ。

小山義夫農林省農地局管理部長

○小山説明員 取得資金は、いま先生からお話がございましたように、昨年貸し付け条件をそのように改めたわけであります。取得資金は、元来経営規模の拡大をはかるために、できるだけ使われるようにという趣旨の制度でございますので、平均経営規模以上という基準を設けたわけであります。  ただ現在、その市町村の平均規模以下であれば絶対借れないというのではなくて、その資金を借りて取得後、その市町村の平均規模以上になればよろしいというわけでございますので、現状でもって直ちに、小さな経営規模の方には絶対貸せないという制度ではございません。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 しかしおかしいですよ。取得後でいいのです。取得後でいいが、平均面積以下ということは限度が明確でないです。年々変わっていくのですね。北海道は面積が広いです。内地でもそうだと思うのですが、その地域によってたとえば十アール上がっていく。その場合土地取得資金はどこまで面積要求をしていくのですか。年々平均面積というのは上がっていくのですよ、この政策を見ておっても。それではものの限度がないです。  ですから私の申し上げておるのは、いま申し上げたように平均面積という表現でなくて、それは北海道と内地と実情が違いますから、たとえば、どこの地域で田をやろうとする、あるいは果樹をやろうとする、この面積以下では、やはり自立経営、標準農家としてやっていけないから、この県では、この面積以下の取得には土地取得資金は貸せませんよ、それはいい。それは自立経営の見通しも立たぬし、政府資金を貸しても償還も不可能であろうから、そういう零細なものには、昔の零細農耕育成時代と違って今日では、この法律でいえば農地保有の合理化あるいは近代化の資金は、そういう所得的に見ても構造的に見ても、この構造から発生する所得の中では、償還もできないし生計もできないのだからおやめなさい、政府資金は貸しませんよ、こういう二回はあっても私はいいと思うのです。それがどこまでも悪いと言わぬが、ただ際限のない、取得後に平均面積以下の者には貸さぬと、無限大の経営拡大の競争に農民を追い込んでおるのですよ。無責任ですよ、私に言わしたら。政務次官も言っておるのでしょう。この農業生産を確保するには、やはり貿易自由化に対する方法も講じる。どの限度でやるんだという政策を明示すれば、そこにはおのずと所得に対する構造というのはできるでしょう。  たとえば、果樹であれば何ヘクタール、酪農の経済頭数は、先ほど言うように搾乳牛十二頭なら十二頭、この経済頭数で一応自立経営を保証しよう、そこまでは農民は努力せい、現在平均九頭の地帯であれば十二頭まで飼いなさい、その必要な土地なりあるいは設備をする資金は、マル寒資金とか総合資金で貸しましょう、そこに達しないきわめて貧弱なものをつくろうとする者には貸しませんよという、私は貸さぬという一線があっていいと思うのです。それを、ただ無限大に、際限のない平均面積以下は貸さぬという。どうしてその限度をきちっと見解を示さぬのですか。平均面積というのは、限度のない無限大な競争に追い込んでいくということですよ。政策じゃないですよ。暴挙ですよ、私に言わしたら。制度資金の貸し方の暴挙と私は考えておるのです。むちゃなことをやるものだ、一体日本の農地局長なんか何しておるんだ、自分が苦しくなかったら、農民に何を言うてもいいと心得ておるのだろうかと思うのです。無責任もはなはだしいと思うんだ、ああいう方法では。私どものところでものうのうとそう言っておる。恥ずかしくないですかね、そんなことを言って。ほんとうに善良な農林省の幹部ですか、そんなことを言って。そういうことで恥ずかしいと思わぬですかね。

小山義夫農林省農地局管理部長

○小山説明員 一定の面積で貸し付けの条件を定めることも、実は検討してみたわけでございますが、地域により作目により非常に差がございまして、なかなか実情に合う面積を定めることがむずかしいという問題にぶつかりまして、それからまた都市近郊では、非常に零細な面積を資産保有の目的で買うという傾向が非常に強うございまして、そのために取得資金が利用されるということは好ましくないわけでありますが、それを押えるにもなかなか有効な手段が発見しにくいといったようないろいろな事情が検討の過程でございまして、結局、結論としては、取得後の平均規模以上ということが、一番それぞれの地域の実情に合うのではなかろうかということで考えたわけでございます。御指摘のように、確かに離農が非常に急激に進みますと、平均規模そのものが上がっていくということはそのとおりでございますけれども、現実の問題としては、それほど急激に平均規模が移動するという状況には、まだ現在の段階の農村ではなっていないのではないかということもあわせ考えまして、確かに理屈としては、平均規模そのものは上に上がっていくわけでございますけれども、それの実態がまだそれほど、そういう平均規模という方式をとっても、実害が非常に出てくるような状況ではないであろうという判断で、あのような改正をいたしたわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 都市近郊で宅地化などをねらって、投機的に小面積を買おうとする者に土地取得資金が流れる。これは土地を取得しようとする目的が、農業経営拡大でない目的があるのに、そういう取得の意図がはっきりしておる者に、それは政府資金は貸さぬほうがいいですよ。それを押える手段は、何も平均面積以上といわなくたって、そういう私の言っておるような標準面積で押えられるのですよ。専業農家でないですし、きわめて土地は高いですから、そんな者の取得の目的はそこで判断がつくわけですよ。しかし、だからといってそんなことにこじつけて、いまの取得後平均面積に達しない者には貸さないという、これはもう現実に当てはまらぬですよ。専業地帯に行くと、どこまで平均面積が上がっていくのか、これは一年の上がる率は、離農者の数から見て少ないにしても、それが五年いくのか十年いくのか、際限のない競争に立たされておるということです。こういう政策が進んで——この政策を基本にしておると言うのですよ。この政策を基本にしておるなら、この政策でいけば、専業農家は半分にしようという計画なんだ。いいですか、専業農家は半分にしようというわけです、このとおりいくとしたら。たとえば、私のほうの農協には千戸の組合員がおるが、十年後には五百戸になるということです、この計画どおりいけば。そうなるかならぬかは地域事情もあるし、努力も加わりますから、私もそう単純には考えておりませんけれども、この計画どおりさっとそろばんをはじけば、専業農家は十年後に半分、こうなるわけだ、その半分になったときに、はたしてほんとうに保証してくれるのか。半分になってほんとうに自由化に対応できるのか。これはできません。ほんとうに自由化が行なわれた場合にはどうなるのだといったら、もうやりようがないということですよ。これは裸で働いたって間に合わぬですからだめなんだ。どうせ将来の政策からだめになるのだったら、いまのうちに、中途はんぱな金をかけて苦しみたくないというのがいまの農民の心情なんです。  それに対して、平均面積でなければ貸さぬ。そこはどうなのか。平均面積では貸さぬというような、いまあなたの言ったような答弁では現実とは合わないわけです。それはあなたらのテーブルのエゴであって、そのエゴが国民を心理的に非常に苦しめておるということ。あなたらはエゴで満足しておるかもしれぬが、そのエゴにほんろうされる農民の立場を考えてみてくださいよ。あなたらはやはり農政に奉仕する義務があるのですから、あなたらのエゴの都合のいい農政をほんろうして農業振興ができると思ったら、そんなことは大間違いだ。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私どもは、いま管理部長からお答え申し上げましたように、やはり地域の実態に合った農業経営の実現というような観点から、いまの土地取得資金の運用もやっておるわけでございますが、これは相当構造改善等が進みまして、ただいま先生のおっしゃいましたように、たとえば農家の数が半分になるということになれば、これは土地の規模等もかなり違ってくるわけでございますので、そういうように事態が変われば、またその事態に即して、おそらく農地局としても検討されるのじゃないかと思いますが、現状におきましては、まだ望ましい規模と現実の個々の農家の経営規模というものが、実はかなり開きがあるわけでございますから、そういうような観点から現在のような運用がなされておるというふうに理解をしておるわけでございます。  確かに、具体的な規模を出したほうが農家としても非常にはっきりするじゃないかという御議論、私も一理ある御議論だと思っておるわけでございますが、また一面からすると、実地に合わない点が出てくるおそれがあるということで、役所は非常に心配性でございますから、そういうようなことも考えて、現在のような運用がなされておるというふうに理解しておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いまの土地取得資金の考え方あたりは、早急に整理をしてもらわなければならぬですね。現実の表現のあれは、ここで私が言うとおり、一〇〇%そうですと言うのは、あなた方の立場もあるでしょうから、そういう行き違いは、私も全然考えぬで無鉄砲に言っているつもりはないけれども、この土地取得資金あたりは、すみやかに平均面積というものは変えなければ、現実にも合わないし、農民は、そういうことで借りるにしても非常に困っておるということです。どこが目標なのか際限がないわけだ。あまりにも不親切ですよ。私の言ったこともきついかもしらぬ。しかし、私はそう考えます。  通例日本の政治の行き方というものは、官僚が非常に強い。徳川幕府時代も、やはり武家政治の中で官僚が強くて、最近でもそうです。ところが地方へ帰ると、われわれだけじゃないんだ、政権を担当する与党の議員さんでも、われわれはこう考えるのだが、どうも官僚のやろうが、こう言うわけだ。国民ひとしく官僚のやろうと。しかし、私は必要以上にあなた方を官僚などといってののしろうとは思わぬ。だけれどもあなた方のエゴで、エゴの都合のいいように制度化して、それで農政をやろうとするところに私は問題があると思う。やはり苦しいだろうけれども、自分たちの都合のいいことだけ考えぬで、あなた方はやはりその苦しみに耐え抜いてもらわなければならぬ立場にあるわけです。その立場も尊重いたしますが、人格識見もすぐれてやってもらわなければならない。あなた方がなくては困るんだ。なくては困るのだが、あなた方のエゴの都合のいいように政策を仕組んで、ほんろうされては困るというんですよ。やっぱり国民も苦しいのだから、あなた方も政策立案や、あるいは国民のためになる制度をつくってもらわなければならぬ。  それはあなた方の責任も少しは重くなるでしょう。先ほどから言っている生産体制の問題でも、責任が重くなってもあえてあなた方がこなしてくれるところに、やはり農政は進展をしていくわけです。農民は安心して、政治はよくなったと喜んでくれるわけだ。あなた方のエゴで、あなた方が消極的で、あなた方の都合のいいように、あなた方の責任はきわめて少ないように、そうして重要な部分を、市町村長だとか市町村農業委員会だとか末端へなすりつけて、あなた方はできるだけ責任の立場を軽くして、そうして推移しようとするから、やはりきちっとした農政が展開されないのです。どうですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 先ほどの生産の問題、あるいはただいまの問題、あるいは農業経営の規模の問題等について、もう少し役所が責任を持った指導をすべきではないかという先生の御議論、これは私ども農林省に対する激励である、こういうふうに私、理解をいたしまして、そういうような趣旨で極力努力をしたいと考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に十四条関係で、この法律で、所有権以外の権原に基づく勧告がございますね。これはどうですか、この法律でやれますか。これは農地法の事項じゃないですか。その農地法では、いわゆるこういう標準面積もつくらぬで、先ほどから言っておるように、取得資金は平均面積以下の取得はだめだぞといって、いわゆる日本の農民の専業農家をひたすら自由競争に、一〇〇%かり立てようとしておるわけだ、農地法改正というのは。私はそう思うのですよ。そうなっておる。そうしてこの法律で勧告事項をつくっても、これは成立しますか。市町村長が、余分なことを言ってくれるなと言ったらどうしますか、こんな法律の権限のないものをつくって。農地法でこういうことを規制することができるようにするならともかく、勧告に従わなかった場合にはどうするか。農地を管理する基本法にうたわぬ。基本法は青天井にして、そうして農地、採草放牧地以外のいわゆる混牧林のようなものは全く任意にしてしまって、この法律だけで勧告する。市町村長が勧告する。市町村長の勧告に従わなかった場合には知事に依頼する。知事が行こうと市町村長が行こうと、余分なことを言わないでほっといてくれと言われたらどうするのですか。所有権のほうが強いのですよ。この法律より民法のほうが……。  もう一つ言っておきますが、いま市町村長も知事も民選ですよ。余分な土地を持っているような人は財力もあるから、その人が気が向けば、あるいは貸してもいいということになるかもしれぬ。その所有者がおれは貸さないという方針をきめたときに、それは拘束できぬでしょう。やはりこういう余分のものを持っておる人は大体権力者ですから、選挙の票もだいぶ持っておりますから、おっかなくて、次の選挙を考えたら、こんな法律をつくったって市町村長はよう勧告をやりませんよ。おれは持っておるけれども、こんなものは貸さぬぞと言ったら。そういうものを持っておる人というのは、その地域に行けばかなりの権力がありますから、選挙のとき影響する力も持っておる階層が多いのですね。裸で働いておる労働者はかわいそうですよ。日雇い労働者は、自分の一票すら自分の意思で行使できないという状態に立たされている。土地所有者は他を左右する能力を持っていますから、こんな法律をつくっても、勧告をよう受けませんよ。やはりこれは農地法でやるべきことですね。  今度の農地法改正はこんな点を青天井にして、小作料も全部青天井にして、全く農地というものを、法律上の根拠法では、旧小作地を若干条件を縛ってあるだけでありまして、あとはほとんどはなやかな資本主義体制、昔の旧地主時代のようなニュアンスの方向へ持っていく。若干前とは違っておりますが、かなめははずれてしまった。この法律で知事が勧告するという、この勧告に従わなかった場合に、法律上どうするのですか。気休めに勧告してみるだけですか。従わなかった場合にはどうなるのですか。勧告を受諾しなかった場合には次の段階はどうするのですか、この法律で。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 この十四条の制度は、整備計画の中で農用地利用計画というものをきめるわけでございますけれども、農用地利用計画で定めております用途に農用地が使われてないという場合に、その本来の用途に供しなさいということを勧告する制度でございまして、これは実際の運用といたしましては、かなりむずかしい制度だということは、いま御指摘のように確かにあると私も思います。  ただやはり、こういう整備計画をきめまして、そしてその中で農用地というものをきめてそこの用途区分をする、それに応じまして土地の基盤整備なりその他の施策を進める、こういう制度でございますので、当然その農用地利用計画をきめるときには、関係の方の御意見も聞きますし、また、異議のあるときにはいろいろな手続もあるわけでございますから、一たんきまりました場合には、当然それについてはその用途に使っていただかなければ非常に困るわけでございまして、もし使わない場合にも、それは全く何もしないということでは、これこそ非常に無責任ということになるので、私どもは、やはり市町村長あるいはそれで片がつかない場合には知事ということで、勧告なり調停なりをして、極力そういう線に持っていっていただくというふうにこれは努力をすべきではなかろうか。  ただ、これがそういういろいろな個人の権利とからむ制度でございまするので、やはりどうしても調停をいたした場合にも従わないという場合に、これに対して実は強制力を付与するということは、制度的に非常にむずかしいので、私どもは、それはその地域におきます市町村長なりあるいは知事さんなりの勧告と調停まであれば、これはいろいろ問題はあろうけれども、やはり地域の住民としては相当大きな強制力ではないだろうか。だから、最後にそれを強行するという制度的な裏づけはございませんけれども、相当な力を持つものではないだろうかという感じを持っているわけでございます。それに対して一人異論を唱えるということになると、これはあくまでも引きずっていくというのは非常にむずかしいわけでありますが、やはりそれもまた一面からほっておくわけにはもちろんいかないので、二段階の制度を設けてその本来の目的に従うようにしたい、こういうふうにしているわけでございます。そういうことで、実際上の運用はむずかしいということは、確かに御指摘の点はあろうかと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 勧告制度ですから、私はこの条文があったからといって、特別にこれを取り除かなければ害があるとは考えておりませんけれども、効果がない。ほんとうにこういうことで効果が出るには、あまり市町村長だ知事だと末端の首長にやりづらいことをさせぬで、農林大臣であれば、選挙区が違うからきびしい勧告もできるので、農林大臣の勧告事項にしたらどうですか。勇気を持ってやってみなさいよ、どのくらいのことがやれるか。どうですか、修正する意思があるかどうか。どうせやるなら、そんな選挙にからんでやりもせぬような無理なことをやらぬで、農林大臣の勧告事項一本にしたらどうですか。市町村長から申請があったら、農林大臣が勧告をするというふうに修正する用意がありますか。そうでもしなければ効果がないですよ。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私ども、やはり地域の問題でございますので、ものごとの制度は、一次的には市町村長なり知事なりがやるべきである、やはりそのあとで国がそれを承認するとか、いろいろな指導をするなりあるいは援助をするなりの措置があるのが筋ではないだろうか。この制度につきましても、これは地域のいろいろな事情がある問題でございますので、直接それに対して農林大臣が指示をするとかなんとかいうことは、やはり制度としては適切でないのじゃなかろうか。やはり地域の問題として、その地域の責任者であります市町村長なり知事なりが責任を持ってそういう仕事をするのが、最も適切であろうと考えておるわけでございまして、やはりそういうような制度でまいりたいと考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、今後造成できる見込みはどう考えておりますか。田、畑、放牧地で……。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 一応長期見通しに即して試算いたしました数字で申し上げますと、御承知のとおり長期見通しでは、五十二年におきます農地面積を、五百七十五万ヘクタールというふうに一応見通しております。要造成面積として一番大きな要因となりますのは壊廃でございますが、壊廃のほうは、五十二年までに田が約三十万ヘクタール、畑が四十万ヘクタール、合計七十万ヘクタールの壊廃があるというふうに見込んでおるわけでございます。そういう観点から五百七十五万ヘクタールの農用地を確保するためには、田畑の造成面積合計で約五十五万ヘクタールというふうに一応試算いたしております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 最後に、国有林活用の計画の目標、それからこの法律が通った場合の取り扱い方針、これはどういうふうにして取り扱っていくのか。国有林を活用するということでやっているわけですから、これに対しては、やはり法律をつくるのですから、制度上どういう方法で国有林活用を進めるのか。いままでのように活用規模は、一件一件市町村長が地元の営林署を経由して、そういう申請を出すべき性格のものじゃないと思うのです。やはり制度的にどういう方法でこれをきちっと進めようとするのか。それからもう一つは、今後造成の場合に、国有林活用というのはどれだけ見込んでおるのか。これは調査しておるのでしょう。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 この法案の二十二条に、国有林の活用に「努めるものとする。」という規定があるわけでございますが、これは当然この農業振興地域の整備計画をきめます場合に、積極的に国有林野の活用をはかっていくということが必要でございますので、これは林業基本法の規定にもあるわけでございますけれども、そういういわば国の姿勢というようなものをここに書いたわけでございまして、具体的には今後——現在国会に提案されております国有林野の活用に関する法案等にも関連をいたすわけでございますが、私どもといたしましては、具体的な手続等につきましては、きょうはちょっと林野庁が来ておりませんが、林野庁とも相談をいたしまして、積極的にやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。  具体的な数字は、これは私の頭にありますのがあるいは若干違いがあるかと思いますが、たしか林野庁と御相談しております線は、全体として三十七万ヘクタールぐらいではなかったかと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうすると、計画の大綱としては、この計画で出した場合、一件申請でなくて、法案の体系からいうと、この振興地域計画に国有林活用が入ってきた場合、それはどういう方法でやるのですか。審議機関をつくるかどうかして、市町村長に陳情さすというのじゃなくて、計画承認の過程で、きちっとこの法律で審査するというような仕組みをつくろうということですか。どういう考えですか。全然それもまだいまのところは、林野庁長官も来ていらっしゃらないから、言えないなら言えないでこれはやむを得ないと思うが……。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これは国有林野でございますので、当然国の管理しておりますものでございますので、実は十一条の「農用地利用計画の決定手続」の中に規定があるわけでございますが、市町村がそういうものを、国有林野を含めまして農用地の区域を定めようとするような場合、これにつきましては、林野庁長官のほうに承認を受けなければならぬと、こういう規定があるわけでございます。でございますので、当然そういうものにつきましては個別に検討をする、こういうことになるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 政務次官に最後に、これは見解を承っておきたいと思いますが、先ほど申し上げました土地取得資金ですね。これは取得後は平均面積以下の者には貸さぬというのは実情に合わないですから、これはひとつきょうどうするという約束はせぬでもいいが、十分検討してもらわなければならぬと思うのです。どうでしょうか。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 先ほど来の質疑応答を聞いておりまして、先生がいろいろ実情に合わない面をお知りになり、その考え方から、この方針の変更を求めておられるのだろうと思っておりますが、私もよくまだ検討いたしておりませんので、きょうの先生の御意見を参考にいたしまして、次回適当な機会にひとつ答弁をさしていただきたいと思いますけれども、よく担当局長なり大臣と相談をして、検討を進めてまいりたいと思います。  ただ最後に一言だけ。農地局のほうは決して責任回避なり、あるいは非常にふまじめな態度で考えておるわけでありませんで、ほんとうに誠意を持って、またこの資金のワク等の制約もあって、いろいろな意味でまじめに検討したものであることだけは、先生もひとつ御理解を願っておいていただきたいと思います。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 以上で終わります。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 午後二時二十分に再開することとし、これにて休憩いたします。    午後一時四十四分休憩      ————◇—————    午後二時五十五分開議

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。樋上新一君。

樋上新一公明党

○樋上委員 農業振興地域の整備に関する法律案において、農業振興地域の指定は、おおむね五年間に行なうことが予定されておるようでありますが、農業振興地域の指定は、全国三千三百市町村の中から都市地域を除いた市町村において、できるだけ多く行ないたいというのが農林省の方針でありますが、指定の見込まれる市町村は、今後の市街化の進行状況等にもよりますが、現段階においてはおおむね二千八百程度と考えられるのです。  しかし、本法案の考え方として、五年間の地域指定によって全国の農業地帯がカバーされた場合には、これら以外の地域については、集中的、総合的な農政の展開を行なわないたてまえとなっている。したがって、農政の主要な対象は今後振興地域に置かれるわけで、この地域が将来の国民食糧の基幹的な供給地帯としての期待をになうことになるのです。  そこで問題と思われる点は、本法案と、農産物の自給度の向上、農業地域確保の方針等、農政の基本的な方向との関係でございますが、政府は、農業基本法第八条の規定に基づき、重要な農産物について需要及び生産の長期見通しを策定し、これに基づいて自給度の向上、生産調整等の措置を講じており、また、土地改良法に基づき、土地改良の長期計画を樹立し、これを基礎として農用地の改良造成事業を計画的に進めているが、最近、食糧の自給度が年々低下する傾向を強めて、これが農政上の問題となっているときでもありますので、政府が本法によって農業の領土宣言を行なおうとする以上、振興地域においてどの程度の農地を確保して、そこでどの程度の食糧の供給を期待しているのか、農政の基本方向に関する政策態度を明白にすべきであると思うのです。そうでないと、農地を確保しようとすることについて大義名分がないと思うのですが、この点いかがでございますか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これは、第一条にこの法律の目的が書いてあるわけでございますが、「農業の健全な発展を図る」こういうことで、内容を分けて御説明申し上げますと、一つは総生産の増大、あるいは生産性の向上、こういうようなことがあるわけでございます。他の一つとしては、私どもが従来力を入れております農業構造の改善ということで、他産業に匹敵するような農業所得が得られる農業経営を育成するという、大きく分けますと二つの目標があるわけでございます。  いまお話しのような点から申し上げますと、私どもはやはり、そういう総生産を増大して自給度の向上をはかるというのは、当然これは農政の主要な目標であるというふうに考えているわけでございます。ただ、これは毎々申し上げているわけでございますが、自給度の向上というのは、これは各作物によりましてかなり考え方に幅があるわけでございまして、主要な農産物については、当然、完全自給なりあるいはそれに近いような自給率を確保するということが必要だと思いますけれども、また外国産の農産物との関連、あるいは国内におきます生産性等の関係から、必ずしも高い自給率を維持するということが得策でない農産物も中にはあるわけでございます。  そういうようなことでいろいろ仕分けをしました結果、これは「農産物の需要と生産の長期見通し」ということで一応公表されております線が、私どもの一応今後十年くらいを見通した場合の姿で、少なくともこの程度は維持しなければならないというふうに考えておるわけでございます。  こういう点からいきますと、当然これの生産に必要な農地の確保ということも必要で、私どもは、この農業振興地域制度の中で、従来の優良な農地を確保するということのほかに、当然今後新たに農用地になるようなところも確保するということも含めて考えているわけでございますが、大筋の数字といたしましては、この見通しにもございますように、五百七十五万ヘクタール程度を少なくとも確保する必要があろうというふうに考えておるわけで、米につきましては、御存じのような状況でございますので、若干生産の調整というような意味を含めて、作付面積の減少ということが出てくると思いますけれども、野菜、果樹あるいは飼料作物等はそれぞれ相当増加をする、こういうことで、合わせまして五百七十五万ヘクタール程度の耕地は確保したい、こういうふうに考えているわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 なお補足してお伺いしたいのですが、この点とも関連するのですが、本法は農業振興地域整備の基本方針を策定することとしております。その場合、基本方針策定の主体は都道府県知事として、農林大臣はそれを承認するという方式をとっていますが、基本方針については、農政の基本方向をも含めて農林大臣が策定するほうが適切ではないのか。本制度と食糧自給度などの農政の基本方向との関係、並びに農業振興地域整備の基方方針の作成者を農林大臣としないで都道府県知事とした理由、これを明らかにしてほしい。また、酪農近代化基本方針及び果樹農業振興基本方針との関係も明らかにしてほしいのです。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 いま御質疑の点は、午前中からの議論でもだいぶその関係の議論があったわけでございますが、私どもといたしましては、やはり今後の農業生産の全体的な見通しの上に立ちまして、そういう方向に、各地域の基本方針なり計画がそれにうまく調整のとれたかっこうであること、これは当然必要であると考えているわけでございますけれども、一方、それぞれ地域のいろいろな土地条件とか、あるいは農業経営の現在の姿というようなものがございますので、やはりその地域の農業の姿というものは、それぞれの地域の農業者の意向、あるいは直接的には当該地域の地方公共団体の御意見、そういうものを一応前提にいたしまして、それぞれの地域の農業生産の姿というものをまず描いていただく。そしてそれと国全体の生産の姿、あるいは私どもといたしましては、これをさらに六ブロックぐらいに分けて生産の見通しというものを立てるということで、現在作業をしておるわけでございますけれども、それとの調整をはかる。  そこで、基本方針につきましては農林大臣が承認をするということにもなっておりますし、当然事前にいろいろ知事さんにも御相談をして、国の全体の方針と県の方針、あるいはさらには各地域の計画というものがうまく合わないというようなことがないように、事前にいろいろ御相談をし、国全体の生産の方向に合うような誘導をしていきたい、こういうことでございます。  要するに端的に申し上げますと、国全体の方針と、それから各地域におきますそれぞれの地域の意向とをうまく調和させたい。これは確かに非常にむずかしいことであろうと思いますけれども、私どもはやはり筋としてはそういうような両面を考えまして、国全体の方向との調和を保っていきたい、こういうふうに考えて、制度といたしましてはそういうふうな仕組みにしておるわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 では、この指定を受けない農地面積はどのくらいできるのか。また、この指定を受けない農地に対して農政の推進をどうするか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 この地域の指定につきましては、当然それぞれの地域の住民の意向というものの上に乗っかって指定が行なわれるというふうに私どもは考えておるわけでございますので、最終的には、この法案が成立をいたしますとさらに具体的にいろいろ地域別に御相談をしていく。その段階で、初めてこの地域は農業振興地域として将来農業を中心にして地域の振興をはかっていこうというようなことがはっきりいたしまして、そこで初めて指定が行なわれる、こういうことになりますので、現在の段階では、どの程度の地域が農業振興地域になり、そうしてそこにおきます農用地の面積はどのくらいになるかということは、確定したことは実は申し上げられないわけでございます。  私どもが全国的なものの考え方で考えます場合に、現在相当市街化されておる地域、あるいは近い将来に相当市街化が進められるであろう地域というものがございますので、これを除いてその他の地域がどのくらいあろうか、そこにおきます農用地はどのくらいの面積があろうかということを、ざっと計算をしてみますと、大体五百七十万ヘクタールくらいはあろうというふうに考えるわけでございます。  ただ、これはたびたび申し上げておりますように、そういうようないろいろな条件が整ったときに初めて指定されるということでございますから、あるいは資格に該当しても、その地域としては、むしろもう他の産業を中心にして地域の振興をはかっていこうということになりますならば、これから相当落ちていくわけでございますので、私どもは五百七十万ヘクタールという一応の数字を申し上げておるわけでございますが、それからさらに落ちる面積が相当あるわけでございます。それがどのくらいあるかということは、実はいまの段階でははっきりしたことはわからないわけでございまして、今後実施に入りました段階でそれは逐次明らかになってくるだろう、こういうようなことを考えておるわけでございます。  それから次に、農業振興地域に対してどういうような施策をするかというお尋ねでございますが、これは私どもは、やはり農業振興地域としてこういう特別の法律に基づきましてはっきり線が引かれました以上は、今後農政といたしまして行なわれる施策の主要部分というものは、この農業振興地域を中心にしてなされるべきである。具体的には、たとえば土地基盤の整備の関係のいろいろな事業でございますとか、あるいは構造改善事業でございますとか、そういったようなものは原則的にこの農業振興地域に対してなされるべきであるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今後農業振興地域として指定されました地域につきましては、従来ともそういう地域についてはかなり重点的に施策が行なわれておるとは思いますけれども、さらにはっきりしたかっこうでそういう施策が重点的に実施をされる、こういうことになろうかと考えているわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 将来ますます人口は都市部に集中することが予想されるのです。そのため、振興地域を市町村主体に考えているようですが、この形態は今後大幅に変化していくものである、こう思うのです。最近の傾向を見ますと、工場用地、住宅用地など、人為壊廃による農地の転用が非常に増加している。この転用面積などの推移も含めて、大体現状はどのくらいの区分がされているのか、わかっている範囲で教えていただきたいと思います。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 最近の実績で申し上げますと、壊廃は年によって多少波がございますが、五万ヘクタールないし八万ヘクタール程度となっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 このような工場用地、宅地用地への転用の傾向は、これは全国的なものですか。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 壊廃の態様は、宅地、道路敷地、それから工場用地、場合によっては農地に植林をされるというような形で壊廃されているものがございまして、地帯別に分けますと、都市近郊とか、あるいは純農村地帯とか、あるいは山村地帯とかございますが、そういう意味では、全国的にそういう傾向になっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 農林省の統計調査部の資料によると、北海道、東北、関東、東山、九州といった農業地域の人為壊廃が他地域に比べて特に著しいことは、この地域が農業の中心地域であるだけに、わが国農業の将来は破壊への道をたどりかねないのではないか、こう心配をするのです。この点どのような見解をお持ちになるか。また、この地域における壊廃、転換の原因は何か。また、その対策はどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたい。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 ただいま先生御指摘になりましたように、地域によっていろいろ壊廃の要因に違いはございますが、全国的にいろいろ、農地として今後振興させなければいけない地域におきましても、農地がつぶれておるということは御指摘のとおりでございます。  いま例にあげられました北海道で申し上げますと、最近の実績で一番大きなのはやはり宅地でございまして、その次は植林という形になっております。その他は工場用地とか道路、鉄道等であります。そういう形になっておりますが、他方、北海道等におきましては、こういうつぶれる面積を上回る農用地の造成が、国の施策によって、あるいは自力によって行なわれておりまして、差し引きで申し上げますと、今後農業を振興すべきであると考えられる地域におきましては、プラスマイナス農地面積の増という状態になっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 私は特に感ずることは、都市近郊の田畑壊廃より、平地農村、農山村のそれのほうが上位を占めているということであります。この現象をどのように見ておられるのか。また、この地帯で拡張より壊廃が著しいということはどういう事情によるのか、お伺いしたいのであります。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 御指摘の問題は、やはり平たん地におきましては都市化の進展に伴う壊廃がおもな要因になっているものと考えております。それから、そういうつぶれ方につきましては、やはり国全体の立場で見ますと、国土の利用という観点から考えますと、農業だけという観点で土地利用を考えるわけにもまいりませんので、やはり他の国全体の土地利用目的との調整をはかりながら、農業上の土地利用がそういう都市近郊等において後退をするというのは、やむを得ない現象かと思っております。  そうかといって無政策に、そういう虫食い等によって、不規則にあるいは大量に農地面積が壊廃するということは好ましいことではございませんので、新しい都市計画法におきましては、市街化区域の設定に際して、建設側と十分調整をとりながら、農業上の土地利用をも確保した上で都市計画との調整をはかる、こういうふうな態度で臨んでおります。

樋上新一公明党

○樋上委員 転用によって減少する農地を、どのような計画によって拡張、造成をしていくのか、その対策をお聞かせ願いたい。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 先般公表されました「農産物の需要と生産の長期見通し」に基づきまして、先ほどの御質問にもありまして農政局長から答えがあったところでございますが、米につきましては一〇〇%の自給、その他果実とかあるいは畜産物等につきましてもほぼ一〇〇%に近い自給、それからその他の大豆等につきましては、今後生産を積極的に伸ばすということは、非常に困難な状況等もございますので、そういうような事情をいろいろ積み上げました結果、五十二年度におきましては、農地面積、田畑合わせて五百七十五万ヘクタールを確保いたす、こういう前提に立っておるわけでございます。  他方、いま御指摘のありましたような壊廃の問題がかなり予想されるわけでございます。そこで、従来の実績を前提といたしまして事務的に試算をいたしますと、水田につきましてはほぼ五十二年までに三十万ヘクタール、畑につきましては四十万ヘクタール、合計七十万ヘクタール程度の壊廃があるのではないかというふうに見込まれるわけでございます。  そこで、四十三年度現在におきましては、農地面積、田畑合計で五百九十万ヘクタールございますが、五十二年の目標であります五百七十五万ヘクタールを確保するという観点から、この壊廃によって急激に減少いたしますものを、新しい農用地造成ということで確保しなければいけないわけでございます。こういう観点から、五十二年までに約五十五万ヘクタールの農用地の造成をはかる必要があるというふうに考えております。  その手段といたしましては、従来とも、土地改良長期計画等におきまして必要な造成目標を立てまして、これに対して土地改良事業を、特に開拓パイロット制度等を通じまして、国の助成あるいは融資制度等を通じまして、必要な造成を進めているところでございますので、今後ともこの必要面積につきましては、ただいま申し上げましたような手段を通じまして確保してまいりたいというふうに考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 その計画どおりに政府は方針を立てられてやられるということは一応信用いたしまして、大いに私たちは期待をするのでございます。  現在までの土地改良長期計画の進捗度は、どのくらいになっておりますか。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 土地改良長期計画におきましては、四十年度以降十年間で事業規模二兆六千億という計画を前提にスタートをしているわけでございます。そして四十三年までの実績で申し上げますと、九千三百億ということであります。これに四十四年度の見込み事業量を加えますと、一兆二千五百億円という達成率になってまいりまして、十年間の計画に対しましては四八%の進捗率でございます。  なお、長期計画におきましては、計画達成の中間目標ということで、前期五年間の事業量を一兆一千五百億というふうに想定いたしておりますので、参考までにその前期分に対する達成率を申し上げますと、一〇九%ということで、目標をやや上回るぐらいの状況になっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 土地改良計画では、四十年から四十九年まで農地はほぼ横ばいと見ているようですが、農地は毎年減少しておる。さらに都市計画が進むにつれてますます農地は減少を続けるのではないかと憂うるものであります。また、現在の面積で生産は計画どおりだいじょうぶですか。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 先生御指摘のように、現行の土地改良長期計画におきましては、その当時三十九年を基準にいたしまして、農地面積六百四万ヘクタールを、四十九年におきましても同面積を維持したいということで、壊廃面積三十五万と見ておりましたので、それに見合う三十五万を造成して、農地面積を横ばいで確保するという前提に立っておりましたが、御承知のとおり、昨年新しく作成されました長期見通しにおきましては、特に米等の需給事情を中心にいたしまして、現行の土地改良長期計画におきます目標量を、一部手直しをする必要が生じたというふうに考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 昭和二十八年、神奈川県の相模原台地におきまして、水路総延長約八十キロの大畑地かんがい施設が完成し、それによって約三千ヘクタールの畑が潤ったのでありますが、現在その土地の受益面積は千六百ヘクタールへと、半分近くに減っているのであります。そのほとんどが工場敷地と宅地に転用されている事実がございます。このような問題は各地に見られるのですが、都市近郊のこのような姿にも増して、数字上、特に平地農村、農山村における農地の侵食が著しいことは、今後における農業振興及び土地基盤整備の計画の上に大きな影響をもたらすのではないか、こう思うのですが、その見解をお伺いいたしたい。

島崎一男農林省農地局計画部経済課長

○島崎説明員 ただいま御指摘になりました例におきましては、おっしゃるとおりの問題が生じております。そういう事例がほかの個所にも一部見られますので、先ほども触れました新都市計画法におきます市街化区域の設定に際しまして、今後このような問題の起こらないようにということで、集団的に今後農業振興地域として確保したいというところは市街化区域に入れないという方針、それから、現に土地改良事業を行なっておる、あるいは土地改良事業が済んでそう期間が経過していないというような地域は、やはり農用地として確保するという観点から、市街化区域には入れないという姿勢で新しい都市計画に対応してまいりたい。  そういう観点から、土地改良事業におきましても、そういう近く都市化が予想されるところには積極的な投資は行なわない。それから逆に、積極的に投資を行なったところは、市街化区域には一定の期間編入しないというようなことで、方針をはっきりすることによって、こういう問題が今後起こらないように対処してまいりたいということで、近く施行が予想されます新都市計画法と即応しまして、農林省としてはこれらの方針を検討中でございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 土地利用区分の確立の必要性が提唱されてすでに久しいのですが、実際には今日まで有効な措置がとられないままに市街化は無秩序に進んでいき、そして農地や山林は至るところで侵食されてきたのです。  このような情勢の中で、建設省は都市計画の側面から、都市計画区域内を市街化区域と市街化調整区域とに二分して、土地利用を規制する都市計画法の改正案が通り、農林省から本案の提出がなされ、さらに通産省においても、工業立地の適正化をはかる見地から、工業立地適正化法案が検討されておる。このほか自治省でも、土地利用計画法案の検討に入っておるようであります。  このように、現在の土地利用区分設定の法制は、各省がそれぞれの所管事項からセクト的に利用区分を打ち出しておるのが特徴でありますが、土地利用区分の設定は、このような方法で行なう前に、より高い次元に立った国土の総合的な利用計画の確立が望ましいわけです。そうでないと、わが国の政治的な風土の特質から、それぞれの相互調整に多くの困難な問題を伴うのではないか。たとえば、農業振興地域と市街化調整区域との関係について、農林省は農地を守り、建設省は市街地を確保するというような立場に立っておる。したがって、各省間にまたがる土地利用区分の設定について、その総合調整の尺度と判断を何に求め、どのような方法でそれを行なおうとする方針であるか、政府の見解を明らかにしてほしい。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 国土の利用の全体的な姿というものにつきましては、これは全国総合開発計画で当然明らかにするはずのものでございまして、現在の計画はかなり実態に合わなくなってきておるということで、企画庁で現在新全国総合開発計画の策定を進めておるわけでございますが、いま先生おっしゃいました土地利用区分を明らかにして、それに沿ってそれぞれの用途に応じた地域の施策を進めていく、こういう意味の土地利用区分という点から申しますと、確かにおっしゃるように、わが国の場合には、従来全国を総括した土地利用計画というものは必ずしもなかったわけでございます。  ただ、今回のこの農業振興地域の整備に関します法案は、私どもとしましては、やはり農業についての土地利用区分を明らかにして、それに対して施策の計画的な推進をはかる、こういうことでございます。一方、御存じのような新都市計画法がございまして、宅地なりあるいは工場用地なりを含めました都市の利用計画について、これは規定しておるわけでございます。私どもは、この両方が合わさりますと、やはり国全体の土地利用計画というものが当然そこで描かれるはずである、そういうふうに考えておるわけでございます。  もちろん、これは外国の制度等で、土地利用計画というものを一本にしました一つの制度をつくって、その中でいろいろ、市街地でありますとか、あるいは農用地でありますとかの計画を進める、こういう制度も非常に多くあるわけでございますが、私どもの理解では、それは形はいずれでありましても全体がカバーされ、また、それぞれの用途が十分斉合性を保つならば、それはどちらでなければならぬということは必ずしもないんじゃなかろうか。  特にわが国のように、都市計画というものはかなり古くから行なわれまして、それがかなり整備されたかっこうで従来行なわれてきておるというところにおきましては、全部それを御破算にしまして、土地利用計画をつくるという必要は必ずしもないんじゃなかろうか。従来の足りないところを補いまして、全体が斉合性を保てば、それで目的は達せられるのじゃないか、こういうふうに考えているわけでございまして、そういうような意味で今回この法案を御提案申し上げた、こういうふうなことになっておるわけでございます。  ただ、それぞれの所管省が違うというようなことがございまして、どうもその間にいろいろなギャップが出てくるのじゃないか、こういう御懸念が一つおありだろうと思います。その点は、確かに私どもも十分留意しなければならないというふうに考えているわけでございまして、この法律の上におきましても、新都市計画法で農業のほうのこととの調和を十分考慮しろという規定がございますし、また私どものほうも同じように、やはりこういう、たとえば振興地域の整備基本方針を承認いたしますような場合には、関係行政機関とも御相談をする。当然建設省、通産省等とも御相談をいたしまして、食い違いの起きないようにする。片や新都市計画法におきましても、その市街化区域とか市街化調整区域を決定いたします場合には農林省に御相談があるということで、そういうような面でギャップの生じないように十分留意してまいりたい、こういうことを考えているわけでございます。私どもは、それで土地利用に関する全国的な計画として、一応カバーできるのじゃないかというふうに考えているわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 土地利用の合理化ということはまことに望ましいのです。しかし現実には、すでに多くの都市でスプロール化が進み、市街化区域や市街化調整区域と目されるところにかなり多くの農家が存在し、生鮮食料品を中心に、都市の消費地への農畜産物の供給量もかなりの比重を占めているように思うのですが、この点はどうでしょうか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 特に野菜等は、わりあいに近郊において生産をされているという実態が確かにあるわけでございます。最近、かなり遠隔の地で生産されるという傾向も一部出てきておりますけれども、かなり近郊地域のウエートが高いわけでございます。そういうことでございますので、私どもも、いまの段階で直ちにそういうものが振興地域からはずれるということは、必ずしも適当でないと考えているわけでございます。  相当まとまった農用地等につきましては、先ほど農地局からお答え申し上げましたけれども、まとまったものがある場合には、それは市街化区域からはずしていく。それから、一方市街化調整区域というものがきめられるわけでございますが、これは積極的に農業振興地域に指定をしていく。こういう方針を大体考えているわけでございまして、そういうようなそれぞれの地域をきめるような場合には、私どもは、やはりいまのそういう近郊におきます農業生産のウエートというものを十分に考えて、実態に合ったやり方をしてまいりたいと考えているわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 特に、東海道ベルト地帯では全国農業生産の四分の一も占めており、このような地域内の農地が宅地化していくと、必然的に生産量が低下し、消費地への生鮮食品の供給量も低下すると思うのですが、この点政府はどのような具体策を考えていらっしゃるのでしょうか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これは私がお答え申し上げるのがいいのかどうかわかりませんが、私どもが、たとえば野菜というものを取り上げて考えました場合に、現在野菜生産出荷安定法という法律がございまして、これは消費地と生産地とをつなぐパイプを考えて、そして消費地への入荷が円滑に行なわれるように産地を確保する。そして、その産地における生産のいろいろな基盤の整備でございますとか、あるいは施設の設置でございますとか、そういう政策を進めているわけでございまして、それは当然今後のある期間の見通しの上に立ってやっておるわけでございますので、地域が少し遠方に移っていくということはあろうと思います。そういうような点から、若干姿が変わるかとは思いますが、現在の大消費地に対する入荷が非常に減りまして、価格の高騰を招くとか、そういうような事態はないように十分留意してやっているはずでございます。  そういうような施策を今後さらに継続して進めていくということ、それからまた、農業振興地域が指定されました場合には、当然それに対しまして、私どもは重点的な施策の推進をはかっていくというふうに考えておるわけでございますので、その際には、やはりそういう比較的都市に近いところでも生産される必要がある、あるいはそれが適当であるようなものについては、相当力を入れてやっていくつもりでございまして、御懸念のようなことは大体ないとは思いますけれども、さらにその点は留意してまいりたいと思います。

樋上新一公明党

○樋上委員 この市街化区域内に、自立経営農家や企業経営と見られる農家が多いのですが、この点はどう取り計らわれますか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 市街地に非常に近いようなところの農業というのは、これは妙なことばでございますけれども、商業的農業というようなことばが一つあるわけでございますが、必ずしも非常に広大な土地を使わないで、たとえば施設園芸でありますとか、あるいは畜産関係のいろいろな農業でございますとか、そういういろいろな相当密度の高い農業があるわけでございまして、そういうようなことで、確かに自立農家というのに該当する農家もかなりあるわけでございます。  しかしながら全体としましては、私どもは、自立経営農家というようなものは、都市近郊よりはやはり農村地帯といいますか、そういうようなところが今後相当大きなウエートを持つようになろうというように考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、そういうような経営規模といいますか、他産業とバランスのとれる農業所得をあげるような経営を育成していくというのが、私どもの構造政策の基本方針でございますし、それから、それに至りませんような経営については、これは協業化等を進めて、それに近いようなかっこうに持っていくというのが私どもの方針でございますので、そういうような地域についても、それぞれの地域に応じた農業経営の形というものを、十分頭に置いて指導をしてまいりたいという考えでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 市街化区域に指定したところで、いままでの都市開発の実態や財政資金の裏づけ等を考えると、直ちに市街化が進むとは思われないところも多いのではないか。この点はどうでしょう。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 ただいま御質問の市街化区域と申しますのは、これから十年後に市街化をはかっていくべき区域として指定するわけでございますので、指定と同時にそれが市街化されるということでなくて、十年の間に漸進的に市街化がはかられていくわけでございます。したがいまして、その期間に漸次市街化がはかられていく。そうなりますと、その区域内にある農地等は漸進的にまた宅地化され、市街化されていくという順序になろうかと思います。

樋上新一公明党

○樋上委員 それでは、市街化調整区域では地価が抑制され、農業投資についても、農業振興地域のように重点的に行なわれないとしたら、農政の谷間のようになるおそれがあるのですが、この点はどうでしょうか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 現在、建設省で市街化調整区域としていろいろ予定をされております地域の広さを伺いますと、大体三百五十万ヘクタールくらいのように実は私ども承知をしているわけでございます。その中で農用地というふうに考えられますのは、大体百五十万ヘクタールくらいではないかということのようでございますので、この市街化調整区域というものも、私どものほうから見ますと、農業の上ではやはり非常に大きな面積を占めることになろうというふうに考えておるわけでございます。でございますので、当然この市街化調整区域の中の地域も、農業振興地域として指定されるものが非常に多いだろうと思います。  そういうことになりますれば、これはもちろん私どもとしては、いろいろな農業施策というものは、むしろかなり重点的にこの地域で推進をしていくということになりますので、いま御懸念のようなことはないと思うわけでございますが、かりに市街化調整区域の中で、農業振興地域にならないような地域についてはどうかということでございますならば、これは確かに、農業振興地域に比べれば、その農政上のいろいろな、たとえば公共投資というような点は若干薄くなるということは、私どもは制度の筋からいうと、やむを得ないのではなかろうかという気がいたすのでございます。  ただ、それならばそういう地域は、もう全然農政から見捨てられた地域になるのかというと、そうは考えておりませんので、当然これは必要な、従来からやっております営農の指導とかその他いろいろな事業で、事情の許す限りのものは実施をしたいと考えておりますけれども、ただ、土地基盤整備といったような公共投資的なものは、どうしても農業振興地域に重点的に投下されるということになりますので、そういう地域は、農業振興地域に指定されないということは、いずれかの時期には市街化される可能性があるという地域であるとも理解されますので、そういうところに公共投資を重点的にやっていくということは、必ずしも適切でないと考えているわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 市街化区域には集団優良地は含まれないとして、集団の規模を二十ヘクタールと予定しているようですが、二十ヘクタール以下でも農家が希望すれば容認するのですか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 市街化区域になりますと、これは市街化すべきことを予定するということで、ただいまのようなかなり大規模の優良農地が、かなりの期間存続するというような場合が想定いたされますと、それはむしる市街化区域に含めないほうが取り扱いとしては正しいのではないかということで、これは市街化区域に含めないという方針で進みたいと思っております。  この点についての取り扱いは、建設省と農林省とで十分打ち合わせをいたしまして、その辺のそごのないように指定をいたしていきたいと考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 いま申しました二十ヘクタール以下でも、農家が希望すれば容認するかということは、まだ決定していないのですか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 大体、原則として二十ヘクタールが適当ではないかということで、目下農林省のほうと打ち合わせをしておる最中でございまして、さらにそれをどの程度まで、それに満たないものでも市街化区域に含めないというようなことができるかどうか、目下検討中でございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 農業振興地域は、市街化調整区域も対象としているのですが、都市計画法では、市街化調整区域に対する農業政策が、どの程度約束されるかがはっきりしていない。これでは農業者といえども、この調整区域への編入を歓迎しないのではないか、こう思うのですが……。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 確かにこの地域の住民の方から見ますと、そこらが非常に関心の的であろうと思います。農業振興地域に指定をされました場合に、一般的には相当農業施策が強化されるということは、期待されているだろうと思うわけでございますけれども、一方、農用地計画というものがきめられる。農用地計画がきめられますと、これは他用途への転用が規制される、こういうことになりまして、都市近郊等で、むしろ地価の上昇というようなことを一部期待されている向きには、非常にマイナス的な要素になるわけでございます。  私どもは、やはりこの農業振興地域になりました場合には、先ほど申し上げましたように、従来以上に、原則として農業振興地域を中心に事業をやっていく、たとえば土地についての公共投資というようなものをやっていく、それから構造改善事業等も、農業振興地域以外の地域に構造改善事業をやるということは、原則的に考えない、こういうような態度でおりますので、その点につきましては、その地域の農業の振興をはかるという観点からいえば、相当大きなプラスになるというふうに、当然そういたしたいと考えているわけでございます。  そういうことについての住民の理解については、今後私どもも県当局等とも十分連絡をして、いろいろ趣旨が徹底するようにつとめたいと考えているわけでございますが、そういうような、要するに農業を中心にして今後地域の振興をはかっていくのか、あるいはそうでないのか、そこいらについてのその地域住民の考え方あるいは公共団体の考え方、そういうものが結局最終的にはその問題の結論を出すわけでございますので、そこいらにつきましては一般の理解が行き届くように、私どもは十分努力をしたいと考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 市街化調整区域は都市計画の区域内であり、また都市に隣接しており、制度的にも五年ごとに再検討して、市街化区域への編入が可能となっています。このような性格を市街化調整区域が持っているとすれば、限られた予算で農業振興地域の設定と整備を行なう場合、純農村、山村が優先的に扱われ、調整区域はあと回しになることが懸念されるのですが、この点はどうですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私どもは今後、この法案が成立いたしましたならば、本年度から地域の選定に入るわけでございますけれども、その場合には、どの地域を特に優先するということは必ずしもきめていないわけでございます。これはやはりそれぞれの地域におきます条件がどうなっているか、条件がどの程度整うかということが、判断の一番の基礎になるわけでございまして、都市に比較的近い地域はなるべく指定をしないようにするとか、あるいは山村等については除外をしていくとかいうような一般的な考え方は、実はしておらないわけでございまして、当然市街化調整区域の中でも、先ほど申し上げましたように、農地の大体四分の一程度はそういう地域にあるわけでございますので、そういう地域におきましても、今後農業で立地をしていこうということでございますならば、これは相当農業の中で大きなウエートを占めますし、積極的に指定をしていく、こういう考えでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 市街化調整区域に対する農政としては、振興地域法とは別に、新たな手法による近郊農政政策の確立が必要になるのではないかと思うのですが、どうでしょう。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私どもは、市街化調整区域でありましても、あるいはそういう都市計画に入らないような地域でありましても、農業として地域の振興をはかっていくという地域につきましては、特に制度面で別の扱いをつける必要は必ずしもないのではなかろうか。これは地域の条件というものも、経済事情の変化でいろいろ変わってまいりますし、かりにいま先生のおっしゃいましたように、別の制度をつくった場合に、その地域に入っていたものがまた条件が変わって、他のほうのグループに仕分けをしたほうがいいということもあり得るわけでございますので、制度として別のものをつくらないで、むしろ制度としては同じワクの中で、ただ実際の実施面におきましては、それぞれの地域の条件というものを十分に考えて施策の推進をはかっていく、こういうふうにするほうがむしろ実際的なのではなかろうか。確かに一つのお考えではあろうと思いますが、私どもはそう考えておるわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 市街化の条件が成熟した場合、市街化区域内の農地の固定資産税は宅地並みに扱うとの方針が、国会における答弁及び税制調査会の答申で示されていますが、市街化の条件整備とは、具体的に何を意味するのですか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 市街化するという形になりますと、市街地が連檐していくという形が一つ一般的に言えると思いますが、その区域には、やはり必要な道路とか、下水道とか、公園とかいう公共施設が整備される。そういうような形になりますれば、そういった区域にはやはり住宅とか、そのほかいろいろの都市生活を営むに必要な一つの生活環境ができ、住宅も建てられる状況というようなことが考えられるわけでございます。そういった段階を、われわれは市街化する段階として取り上げておるわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 いや、いま私が言うておりますのは、固定資産税を宅地並みに扱うという方針が国会の答弁に出ておった、税制調査会にも出ておった。だから、その条件整備とは具体的に何を意味するのか、また条件を整備しても、固定資産税、相続税を軽減する考えはないのか、これが聞きたい。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 では速記を始めてください。

樋上新一公明党

○樋上委員 それでは、この点については保留しておきます。  税制の問題は飛ばしまして、四十四年度は四百の市町村について地域設定を行なうことが予算要求されていますが、この四百市町村は、どのような地域について選定するのか、また最終的には、どのくらいの地域を考えておられるのですか、お伺いしたい。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、今年度は地域の指定の予定といたしましては、四百地域といまおっしゃったとおりでございますが、私どもといたしましては、現在あります市町村の中で、今後都市化が相当進むような地域、あるいは現在でも相当都市化されているような地域がございますので、そういうものを除外をいたしまして考えますと、これは上下いろいろ考え方があると思いますが、非常に雑に申し上げれば、三千程度の市町村が一応考えられる。これを五カ年間で私どもは指定をしていきたいという考えでございますので、かりに五年で割りますと、一年に六百地域ぐらいということになるわけでございます。  ただ、初年度でございまして、いろいろまだ法案成立後趣旨の普及をはかるというようなこともございまして、初年度から六百地域を指定するのはちょっと困難でございますので、若干そのテンポを落としまして、四百地域ということを考えておるわけでございます。  この四百地域については、どういう地域を目標にしていくかということにつきましては、いろんな考え方があり得るわけでございます。たとえば、都市計画の地域の線を引く作業が、大体建設省のほうの御予定としては、今年度一ぱいにはそういう作業を終わらせたいという考えのようでございますので、それとの関連を重点に置けば、むしろ都市に近いところを先に指定をするという考え方もあり得るわけでございます。しかし、また一面からいたしますと、構造改善事業というようなものも、四十四年度から地域指定が行なわれるということでもございます。第二次の構造改善事業が行なわれますので、そういうような関連もございます。私どもはいろいろ検討したわけでございますが、現状におきましては、やはり地域の条件が整ったところから優先的に地域の指定をしていくのが、一番現実的ではなかろうかという気持ちを持っているわけでございます。したがいまして、都市に近い地域、あるいは平地農村、あるいは山村というふうに特に区別をいたしませんで、条件の整ったところから早く取り上げていく、こういう考え方を持っているわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 振興地域に対する投資は、既存の土地改良事業、近代化施設資金の活用にすぎない。このような現行制度の資金だけでは投資額に限界がある。農業振興の達成のためには、財政投資の増大、高率補助など、国の積極的な財政援助措置と、離農対策、自立農家への農地の供給などを強力に進めなければならない。そうしなかったら絵にかいたもちではないか、こう思うのですが、この点はどうでしょう。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 いまおっしゃいました点は、確かにこの制度が実施されました場合の一番の問題点であり、また、関係の方が非常に関心を持たれる点だと思います。  これは私どもの考えといたしましては、従来行なっておりました農業施策、あるいは今後新たに実施されるものもあるわけでございますが、そういうものは、農業振興地域を中心にしまして重点的に推進をしていくということでございますので、これは従来と比較をいたしましても、かなり強化されるという考えを持っているわけでございまして、その意味はかなり大きいのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  特に、たとえば今回四十四年度から実施することに予定しております第二次の構造改善事業、これは農業構造の改善をさらに強く推進をするという見地から、従来の規模にいたしますとさらに相当拡大をした、三倍以上にふえているわけでございますが、そういうものを実施いたしまして、これを農業振興地域から選ばれた地区について行なっていく、こういう考えでございますので、そういうような面を考えた場合、あるいはまたさらに融資等も、四十四年度からは近代化資金等も非常に大幅な増加をいたしておりますので、そういうものを総合的に農業振興地域に対しまして実施をした場合には、私どもは、従来に比べまして格段に強化された形でそういう事業が実施をされることになるというふうに考えているわけでございまして、そういう意味で今後の農業振興の上に、かなり大きな意味を持ち得るものだという考え方を持っておるわけでございます。  これをさらに、たとえば補助率アップをするということは、これは非常にモデル化された事業でございますならば、あるいはそういう考え方もあり得るかと思いますけれども、私どもは相当これを広範に実施していく、むしろ今後の農業というものは、農業振興地域を中心にして行なわれるという考え方でございますので、全般的に補助率のアップをしていくというようなことは、実際問題としては非常にむずかしいわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたようなことを総合的に考えれば、従来に比べて格段に強化されるということになる、そういうふうに考えているわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 振興地域では農業投資や関連投資を集中的に進めるといっていますが、その具体策をお伺いしたいのです。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これは、特に新しい特別の事業ということでそういうワクをつくっているわけではございませんけれども、土地基盤整備でございますとか、それからいろいろ機械化の推進でありますとか、あるいは共同利用施設の設置でございますとか、そういうものについて、いろいろな面で従来事業が行なわれているわけでございます。たとえば、従来農地局がやっております基盤整備のほかに、各作目ごとに、果樹でありますとか、あるいは畜産関係の事業でございますとか、あるいはその他の地域特産でございますとか、それぞれの事業に対しまして、機械なりあるいは施設なりの補助というものが従来行なわれているわけでございます。これを私どもは、農業振興地域に重点的に実施をしていくというふうに考えているわけでございまして、特に新しい別ワクのものを考えているわけではございませんけれども、それを集中していく、こういう考えでいるわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 農村の生活環境整備について、振興地域法の原案にはあったようですが、それが削られてしまっている。いわゆる農業振興と生活環境の整備は切り離せない、また環境整備を行なわなければ農村の近代化がはかれないと思うのですが、なぜそれを削られたか、そのところを明らかにしてほしいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 これにつきましては、私いろいろな考え方があると思います。原案では、確かにおっしゃいますようなことも立案の過程ではあったわけでございますが、結論といたしましては、生活環境施設の整備については計画の中に特に取り入れるということはいたしませんけれども、国なりあるいは地方公共団体が、そういうような観点を十分に配慮して施設の整備をはかるように努力をする、こういうことになっているわけでございます。  これは、結局考え方としては、農業振興地域の整備でございまして、農村地域における総合的な計画ということでは必ずしもないわけでございます。やはり農業を中心にいたしまして必要な農地を確保する、あるいは農業施策の推進をはかる、こういう考え方でございますので、宅地とか、あるいはその他の農業以外の観点を含めました生活環境施設の整備を、この計画の中の必要事項として盛り込むということをいたさなかったわけでございます。  これはいまさら申し上げるまでもございませんが、こういう生活環境施設の整備については、都市、農村を通じまして、それぞれの所管省が事業の実施をやっているわけでございますので、私どもといたしましては、特にそれをこの中で切り離してやるということに、若干やはり無理があるというふうな結論になりまして、一応現在のような形をとったわけでございます。  そういうような形をとりましたけれども、しかしながら、農業の振興をはかるという観点からいうと、やはり生活環境が整備されませんと、特に若い人たちが農村にとどまるというような点では非常に適当でございませんので、計画そのものの中の必要事項にはなっておりませんけれども、実施面においては、この点に十分努力をするという考え方でいるわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 これは私は重要な問題だと思うのでございます。こういう生活環境整備という問題については、別に削る必要はない。せっかくそういうような御意思ならば、何もこれをそこから削る必要はなかった。非常に私はこれは残念に思うわけでございます。それは削ってしまって、もうあなたのおっしゃるようにはたしてできるやいなや、私たちは見守るわけでございます。いまおっしゃったことを、しっかりやっていただきたいと思うのでございます。  今度は、計画を定める時点における農業委員会の役割り、また地位はどのようになってくるのか。単に市町村がつくった原案について意見を述べるための機関か、この点をはっきりしておいてもらいたいと思います。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 私どもは、実は農業振興地域の制度が推進される段階におきまして、農業委員会の役割りというものは、実はかなり重く考えているわけでございます。  農業委員会の任務というのは、いまさら申し上げるまでもございませんが、農地関係の仕事と、それから一般的に農業の振興に関する事業と二つあるわけでございます。  農地関係の仕事といたしましては、この計画の中でも、農地保有の合理化をはかるという観点の事業がございますが、私ども構造改善を今後やっていく場合に、この点は実は非常に重視しているわけでございまして、当然そういう事業の実施の段階におきまして農業委員会が中心になって仕事をやっていくということになろう。したがいまして、そういうような観点からは、計画作成の段階におきましても、十分農業委員会の考えに沿いまして計画の作成が行なわれるのが好ましいということで、そういう意味の実は行政指導をしたいという考えを持っているわけでございます。  さらに、一般の計画の中におきましても、農業委員会におきましてそういう指導をいたそうという考えでございますが、農業委員会が計画をつくるというような体制ができている場合におきましては、私どもは、そういうものを積極的に整備計画の中で取り入れるように行政指導をいたしたいという考えでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 農業委員会法の第六条二項には、農業、農村に関する振興計画の樹立と実施推進は、その重要な所管事務であるといわれておりますが、このことと市町村との関係性はどうなるのか、お伺いしたい。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 農業委員会というものは、御存じのように、これは市町村の一つの機関でございます。そういう意味では市町村長も市町村の機関でございますが、御指摘いただきました六条の四項で、「第二項の規定は、」「市町村長その他の市町村の執行機関の法令の規定に基く権限の行使を妨げない。」ということになっておりますので、農業委員会がこれを独占するものであるということではないわけでございます。でございますので、この法案におきましても、市町村長のいろいろな権限が書いてございますけれども、それと決して矛盾はしない。ただ私どもは、やはり同じ市町村の機関でございますので、実際に計画をつくる場合には、十分市町村長と農業委員会とが密接な連絡の上で、計画の樹立、実施の推進に当たってほしい、こういう気持ちを持っておるわけでございます。  他の農業団体等でございますと、これはいささか性格が違いますので、たとえば、市町村長が農業団体の意見を聞いて計画をつくるというようなことになろうと思いますけれども、農業委員会は市町村の機関でございますので、そういう形はとれない、むしろもっと中に入った、計画の段階でいろいろ相談をしてやるというのがいいのではなかろうか、こういう気持ちでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 農用地域内の農地転用規制に対し、農民が私権の立場から抵抗なく従えるかどうか、これは疑問を持つものでありますが、農地に対する転用規制については、すでに農地法の適用があるが、振興地域法案では、さらに地域指定をし、転用を認めないようにしておる。この農業振興地域整備計画を立てるにあたって、農民の意向が十分に聞き入れられる体制になっていないように思えるのです。また、兼業農家の立場はどうなるのか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 確かに、この農用地利用計画の中に取り入れられました地域につきましては、転用が規制されるわけでございまして、かなり関係者が拘束をされるわけでございます。そういう意味で、私どもは実はこの法案の十一条以下におきまして、農用地利用計画をきめます場合には、かなりいろいろなうるさい手続を規定いたしまして、十分関係者の御意見を聞くという体制をとっているわけでございます。異議のある場合には、市町村に申し出ることができる。それで、それに対して市町村が決定をする。それからさらに、決定に対しても不服がある場合には、知事に審査の申し立てができる。こういうことになっておりまして、関係者の利益というものは、実は十分に考えているというつもりでございます。このほかに、なお知事の裁決にも不満であるという場合には、これは裁判所に訴えることももちろんできるわけでございまして、そういう意味では、関係者の利益というものは私どもは十分に考えているつもりでございます。  ただ、やはりそういう制度だけではありませんで、これはむしろ事前のいろいろな話し合いといいますか、というようなものを通じて、よく関係者の意思の調整をはかっておくということが、実際上は一番大事だと思いますので、そういう点につきましては、私どもも十分御指導申し上げたい、こういう気持ちでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 兼業農家の立場はどうなるのですか。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 兼業農家も、別段特にその点で差別を設けてはおらないわけでございまして、ただ実際問題といたしましては、おそらく、もしかりにそういう不服を申し出るというような人があるといたしますならば、どちらかというと兼業農家側のほうに多かろうという気はいたします。しかし、特に兼業農家の場合にどうこうという別段の規定は置いていないわけでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 都市計画の施行にあたり、地域農業者の意向はどのように反映させるのか。私はここで、市町村ごとに審議会を設置したらばどうか、こう考えるのですが、どうでしょうか。

山下武建設省都市局参事官

○山下説明員 都市計画の執行につきましては、地元住民の意向はできるだけ反映させたいという基本的な考え方に立っておりまして、特に市町村の段階におきましては、審議会をできるだけ活用して都市計画にこれを反映させたい、こういう考え方で具体的な指導をしていきたいと考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 都市近郊の農業、特に畜産等が都市化の波に押されて公害問題として数多く起こっている、こういう問題があるのですが、これにつきまして私は具体的な一つの例を申しますが、調査いたしましたのは、東京都の町田市の場合に、年間子豚千頭を販出しておるある養豚組合が、同地域の宅地化に伴いまして、周辺の住民からの苦情を避けて、自発的に自宅から二キロメートルほど離れた山の上に移転をして、コンクリート製のりっぱな豚舎等近代設備のものをつくりましてやっておったのです。ところが一年もたたないうちに、隣地にブルドーザーが入ってきて宅地造成を開始し、新しい住宅が建ち、また移転問題が起こっているという現状である。これは明らかに無計画な宅地計画による農民への圧迫である。このような農民に対して、どのような対策を講じようとしておるのか。  また、し尿処理問題は年々深刻になってきましたが、浄化槽一基が百万円以上もかかる。しかも豚五十頭、牛で十五頭分程度の処理能力しかない、こういわれておるのですね。現在の養豚経営では、それほどのし尿処理費を負担できるような収益はあげられない。ある養豚農家は、そんな金があったならほかの作物に転換すると言っておるのです。これはすでに御承知かと思いますが、これらのことはここ一件だけでなくて、ちょいちょい公害問題として起こっておるのですが、政府はこれらの農家を、将来どういう方向に持っていくおりもりですか、政務次官にお伺いしたいのです。

小沢辰男自由民主党農林政務次官

○小沢(辰)政府委員 おっしゃるように、畜産関係の公害問題は、私どもも、この前も当委員会で大臣が答弁されたと思いますが、非常に重要視いたしまして、今後は何らかのし尿処理施設の整備、充実、促進をはかっていかなければならぬと思って、今年度の予算で御審議をいただきましたように、この畜産関係のし尿処理等のための実験処理施設というものを全国三カ所、とりあえず予算を計上しているわけでございます。今後ともこれに対する適確な処理方法というものを見当をつけまして、来年度からはこれらの普及促進をはかっていくつもりでございます。  同時に、ただそういう施設をいたしましても、無計画に、いま先生が御引例なさいましたように、ある場所に移転した、すぐそこがまた市街地になるということでは困りますので、この法律の御審議をいただきまして御協賛を得れば、それこそ都市計画の建設省所管の考え方と、われわれの農業振興地域の指定の考え方と調和をとりながら、いろいろそうした無計画な土地利用というものが起こらないようにしてまいりたい。両々相まって、御趣旨のような十分な処理ができますような方法で、ひとつ善処をしてまいりたいと思っておるのであります。

樋上新一公明党

○樋上委員 十分早急にそういう手を打っていただきたい。私がここで言っておるのは二回目ですが、よろしくお願いいたします。  今度は国有農地ですが、これは今後、都市計画及び振興地域の設定にあたり問題となってくるのではないかと思うのです。この国有農地は、前々からいろいろと取りざたされてきておるのですが、現在、全国でどのくらいの面積があるのか。また、利用状況等も説明願いたいのです。この国有農地が、十分活用されていないように思うのですが、この点どうですか。

小山義夫農林省農地局管理部長

○小山説明員 昭和四十二年度末の国有農地の面積は四千百十三ヘクタールでございます。  管理の形態に分けて申し上げますと、農耕に供する目的で貸し付けをしておりますものが、そのうち二千二百十二ヘクタール、それから売り払いをいたします手続の過程で転用貸し付けをいたしておりますものが四百七十一ヘクタールでございます。その他が千四百二十八ヘクタールあるわけですが、この千四百二十八ヘクタールのほとんどといいますか、約千ヘクタールは北海道にございまして、僻地その他にございまして、買い受けあるいは借り受けの希望がなくて、そのままの状態で、貸し付けも何もしないで国が保有をしておるというのが、その他の中の北海道の大半でございます。管理の状況としてはそういう現状になっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 この国有農地を、農林省は農地法八十条のもとに旧地主に払い下げているのですが、毎年どのような実態か説明願いたいのです。また、その払い下げ価格はどのようにきめているのですか。

小山義夫農林省農地局管理部長

○小山説明員 農地法八十条の規定によりまして、最近数年間の旧所有者に売り払いをいたしました実績を申し上げますと、昭和三十八年では二百七十七ヘクタール、三十九年では二百四十ヘクタール、四十年で百七十九ヘクタール、四十一年で百二十一ヘクタール、四十二年で百二ヘクタールということで、売り払いの面積は毎年減少をいたしております。また、そのように運営をいたしておるわけでございます。  価格は、農地法の八十条の規定で、旧所有者に売り払います場合には、昔の、当時の買収価格ということになっておりますので、大体坪当たり一円から二円台という、当時の買収価格でございますから、非常に安い値段になっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 ここに私は大きな不満があるのです。現在農地が、また土地が上昇しておるのに、いまおしゃったような昔の値段でそれを払い下げておる。こんなことがあっていいものだろうか。現在の地価に比べまして不適当である、こういう声はもう全国に起こっておるのですが、特に農地法八十条についてどう考えるかということをお伺いしたいのです。  四十二年に国有農地の調査結果に対し、佐藤総理は、不用農地は公園など公共施設に開放、特に遊び場の少ない子供たちの広場として活用するよう指示をした。その指示に基づいて、農林省は全国都道府県に不用農地台帳を公開し、希望地の利用計画を取りまとめたようですが、その結果がわからない。どうなっておるのか。  また、この利用計画に対し、各都道府県は非常に積極的に取り組もうとしているのですが、それなのに、その後何らの音さたがないのは一体どうなっているのですか、お伺いしたいと思うのです。  さらに、農林省は農地法八十条を理由に、事をうやむやにしているように思う。今後国有農地は、どのように活用する考えでいるのか。また、総理の指示された案を推進する考えはあるのかどうか、お伺いいたしたい。

小山義夫農林省農地局管理部長

○小山説明員 国有農地の中で、近く市街化見込みというふうに目されます場所にあります農地がどのくらいあるかを、当時調査をいたしたわけでありますが、全国で大体六百ヘクタール近くそういう農地がある。すわなち、農地法で買収をいたしました、その自作農創設という目的には、客観的に見て供することができないであろうというふうに考えられます場所にある農地が、六百ヘクタールぐらいあるという調査結果になっております。  この農地の取り扱い方についてでありますが、現行の農地法では、御承知のように、そういう農地は買収をされました旧所有者に、その当時の、昔の買収価格で売り払いをするんだということが規定されておりますので、現行法のもとにおきましてはそうせざるを得ないわけでございます。  ただ、実際問題として、いまの時点で考えますと、非常に安い値段で、ただのような値段で買えることになりますので、できるだけ公共用に利用されるようにということとの調整をはかるように、現行法のもとでできるだけそういう運営をいたしたいということで、具体的な売り払い申請が出ました場合に、市町村なり、県なり、あるいは公共の団体、住宅公団等が、そこの土地について利用計画があるかないかということをできるだけ確かめまして、具体的な利用計画があります国有農地については、売り払いを保留いたすような扱い方を、現実の処理としていたしておるわけでございます。そういうこともあって、先ほど申し上げた売り払いの面積が最近は非常に減っておる、減らしておると言ったほうが実態に合うかと思いますが、そういう扱いをしておるわけであります。  ただ、それ以上のことになりますと、法律改正をいたしませんと直接公用、公共用に使うということができませんので、総理の指示もございまして、法律改正について検討いたしておるわけであります。  問題になります点は、自作農創設という買収をいたしました目的と違ったことに使おうというものですから、法律問題が出てきて、具体的には、そういう直接公用、公共用に転用いたしますときには、はたして旧所有者に何らの補償をしないで済むかどうかということ、それから、いままで現行農地法でずっと旧所有者に対して買収価格で売り払いをいたしてきておりますこととの関係で、ある日突然に制度改正をして、旧所有者に対する売り払いをストップさせてしまうことができるかどうか、行政の公平性の問題だと思いますが、そういったことが法律上の問題になります。  そこで、制度改正をいたしますと、旧所有者から訴訟が出ることが必至でありますので、いま法律関係の専門の先生方若干の方に意見を聞いております。その先生方の御意見も、いま私が申し上げた、補償が要るか要らないかとか、はたして補償なしにできるかとか、あるいは従来からずっと売り払いしてきておることとの関係で、突然に切り捨てることができるかという二点については、非常に消極的でございまして、補償しないでは、あるいはある日突然に切り捨てるということについては、法律論としてはなかなかむずかしいぞという意見がわりと多いのであります。できるだけそういう方向にしたいという気持ちは、法律学者の先生方も同じでございますけれども、訴訟をはたして維持できるかどうかというふうに問題を煮詰めますと、消極的といいますかなかなか慎重な御意見が多いので、いまだ結論を得ておりません。しかし、あの当時の農地法八十条の施行令の改正をいたそうとした時点といいますか、いま御指摘のように、できるだけ公用、公共用に使う道を開くように制度改正をしろ、こういう世論も非常に強うございますので、私どもとしては前向きに検討を、従来も続けてきましたし、今後もできるだけ早く結論を得まして、いまのような旧所有者に旧価格で返すという道だけでなくて、せっかくの国有地でございますから、もう少し公共用に使えるような道を何とかして開きたいという方向で検討いたしております。

樋上新一公明党

○樋上委員 では最後に、これは答弁はよろしいけれども、一言申しておきます  今後の農政は、農業振興地域に対し、土地の有効利用と農業の近代化のための措置、これが重点的に集中され、計画的、優先的に実施されるほか、農業構造改善事業の次期対策として、特別助成事業の実施が計画されている。その場合、政府が農業振興地域を、単に農業の維持、保全のためのものとしてではなく、一歩進んでその地域を農業として積極的に開発、振興していくという方針であるならば、そこに対しては、農地の基盤整備については、全額国庫負担でこれを進めるか、その農業の開発、振興のためには思い切って財政資金を投入して、地域農業の振興と農村の近代化をはかるべきである。その論拠としては、限定された国土において、国民食糧を確保するという農業の国策的な使命達成という面から当然であります。  また、現在の農村の実情は、農地を資産的に保有する傾向が強く、地価上昇にブレーキをかけられる農業振興地域へ編入されるよりも、むしろ都市計画区域への組み入れを希望する者が多いので、農地の値上がりや都市生活への魅力を上回る施策を講じなければ、本制度に対する農家の支持と納得を得ることができず、ひいてはせっかくの制度も画餅に帰するものである、こう私は申すのであります。  以上申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 次回は明二日午前十時三十分開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十二分散会

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