農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/03/19
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を、便宜一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕恵三君。
○小渕委員 私は、ただいま議題となっております繭糸価格安定法の一部を改正する法律案に対しまして若干の御質問を申し、あわせて、関連する数点の問題について政府の見解をお伺いいたしておきたいと思います。時間が限られておりますので、早口でなるべく多くのことを御質問申し上げたいと思いますので、簡明に御答弁のほどをお願いいたしたいと思います。 そこで、まず内容に入りますが、過般蚕糸局長は、ある新聞の記者の質問に答えまして、この法案の中で最も論議を呼ぶであろう十二条の三項の問題につきまして、この輸入規制の問題をあとに残したが、今度の規定で、いかなるときに発動するかというような議論、これを何円になったら発動するというような抽象的な議論を、いまやってもしようがないと思うと、こう答えておられるようでありますが、この措置を講ずるにあたって、著しくあるいは重大な影響を及ぼすという判断の基準についてお伺いをいたしたいと思います。
○小暮政府委員 条文にもございますように、外国産生糸の価格の著しい低落あるいは予測しがたい事態による急激な輸入量の増大、それを原因としまして国内の糸の需給がはなはだしい混乱におちいり、蚕糸業の経営の危機が予測されるという、こういう場合でございます。 具体的には、現在中間安定という価格安定の仕組みと、異常変動防止という二つの仕組みを用意いたしておりまして、国内的な努力で、まず中間安定の段階で糸価の安定をすることが期待できるような状況のもとでは、まだ輸入の問題を議論する段階ではないんじゃないか、かように考えておる次第でございます。
○小渕委員 御承知のように、現在生糸の価格そのものは、四十二年の十一月十八日最高値八千四百二十八円から下落を始めまして、現時点で六千百円内外を漂っておるわけでありますが、この下落については、外国産生糸の輸入によって、その及ぼしたる影響はまことに多大であると私は感じておりますが、局長はいかがでしょうか。
○小暮政府委員 一昨年来非常に高値で推移しておりました生糸の価格が、その後昨年から軟調に転じました。その理由の最大のものは、やはり二カ年続きました比較的高い価格に対応いたしまして生産の増強がはかられましたことと、それに加えまして、幸いにして気象条件が非常によかったということで、戦後最高の繭の生産量になっております。この点が主たる原因であると思います。
○小渕委員 しからば、歴年輸入がきわめて増大してきた数量には関係ないという御見解でしょうか。
○小暮政府委員 物資の交流の問題でございますので、無関係であるとは私、思いません。 ただ、いま申しましたように、七千九百円といったような比較的堅調な価格がかなりの期間続きましたために、片一方では輸入を刺激したわけです。当時、国内の需給が、いわばやや供給のほうが不足という状況になって価格が上がったわけでございますから、そのことは、国内の生産を刺激すると同時に、隣国からの輸入も刺激したということがございます。その結果、輸入の成約ものがかなりございまして、かたがた国内の増産によって糸が下がりましても、すでに約定済みのものの輸入の実行がその後行なわれたということでございまして、短期的な現象としては、価格が下がったにもかかわらず輸入がなお続いておるという姿が、昨年の末から数カ月ございますけれども、やはり基本的には、需給が回復したというところから価格が低落したというふうに判断しております。
○小渕委員 輸入が依然として多いということは事実でありますが、価格が暴落し始めてから一部減少していることもまた事実なんです。 そこで、いま現実問題として、糸価にして八千二百円という事態に比べれば、これから春繭の出荷の季節に入って、おそらく手取りになる農家の所得もきわめて減少するし、かつまた製糸業も、これの下落による相当の被害も、これまた事実であろうと思います。したがって、この事実をとらえて、私は、やはり蚕糸業に重大な影響を及ぼす事態だというふうに感ぜざるを得ない。しかも、その原因が、生糸の大きな輸入にあるとするなれば、この時点において、こうした条項が発動されることが最も望ましいことではないかと私は考えておるわけであります。局長いかがでしょうか。
○小暮政府委員 先ほどのおことばの中にもございましたように、価格が高騰いたしました場合には輸入がふえましたけれども、その後、国内の価格が低下するにつれて輸入も細っておるという事実がございます。かたがた、非常に激減しておりました輸出も、四十二年と三年で、一年だけで比較いたしますと約三倍にふえております。 したがいまして、いろいろ国内で、いま繭糸価格の水準について問題があることは事実でございますが、近く明年度の繭糸価格の安定についての基準とすべき価格を議論するわけでございますけれども、現在の蚕糸業の置かれております状況は、やはり価格のメカニズムを通じて、価格が上がれば輸入はふえる、価格が下がれば輸入が減る、また細々ながら、価格が下がれば輸出が三倍になる、こういう形で国際経済とつながっておるわけでございまして、しかも、日本の総生産高は依然としてまだ世界最大でございます。韓国の三万俵に比べますと日本は三十数万俵の生産力を持っておるわけでございまして、やはり日本における生糸の需給の安定ということが、現段階では最も基本的なものではなかろうかというふうに考えております。
○小渕委員 そこで、冒頭申し上げましたように、何円になったら発動するんだというような抽象的な議論——私はこれは抽象的な議論でなくして、むしろ具体的な議論であろうと思うのですよ。したがって、いろいろ仄聞するところによれば、現在の中間安定の買い上げ価格を相当下回った事態にならなければ、著しいかつ重大な蚕糸業に及ぼす影響がある時点ではないというような御理解をされておられるとするなれば、まことに残念でありますし、同時にまた、現在下値になっておる五千二百円というような数字で、その近辺というようなことでありますれば、この価格では、養蚕農家が生産にいそしむ意欲そのものは決して出てこない数字であると思いますので、ただ単に価格の問題だけではありませんけれども、市場の急激な変化、そういうものによって蚕糸業に重大な影響を及ぼすという判断も加えていただきたいということを要望いたしておきます。 この質問だけで時間が終わりますので、先に進みまして、次に、輸入の問題について若干お伺いいたしておきたいと思いますが、その輸入の実数についてであります。現在、農林省はその数字を掌握されておられると思いまするが、しからばその輸入については、一体どういう商社がどの程度輸入しておるかというような数字については、把握をされておられますか。
○小暮政府委員 生糸の輸入数量につきましては、昭和四十三年で約二万二千俵程度というふうに承知いたしております。絹織物を糸換算したものを加えますと、四万俵に近いものになるかと思います。 商社別等につきましては、ただいま資料を手元に持っておりません。
○小渕委員 どこで調べたらわかりますか。
○小暮政府委員 政府の統計といたしましては、通関統計が最も正式のものでございます。取り扱い商社別という政府の統計資料はないように存じます。
○小渕委員 この問題も、ただ実数としてどのくらい輸入されておるかというような数字だけでなくして、どういった商社がどのくらいの実績をもって輸入しておるかということを的確に把握しておりませんと、これから行なうすべての措置ができないだろうと思うのです。ですからこの点についても、きょうはここでは要求いたしませんけれども、またの機会に、私自身も勉強の資料にさしていただきたいと思いますので、ぜひお教えをいただきたいと思います。 それから、先ほど生糸の輸入問題につきまして、価格が暴落いたしておりますので、やや数量的には減少しておるというお話を申し上げましたが、しかし事実は、必ずしも激減しておるというようなことではなくして、むしろ中共貿易に関する限りは、いろいろな品目との抱き合わせによって、かなり非公式の輸入数量もあるというようなうわさすらあるわけです。したがって、これも輸入商社が何ぼ入れたかというはっきりした実態がわかりませんと、ここでは明確にできませんけれども、こうしたものを勘案しながら、この輸入の問題を検討していかなければならないというふうに考えます。 そこで、次に韓国生糸の問題についてお伺いを申し上げますが、この問題につきましては、すでに金韓国蚕糸会長が参られまして、現在の日本の相場あるいは蚕糸の現状を見られまして、韓国としても日本のそうした困難な状況にお手伝いをしようというようなことを言われたと聞いております。そこで私は、これは単なる外交辞令でなくして、両国の蚕糸業が両立していく形で共同歩調をとりたいということを、ほんとうに真剣に考えておる姿勢であろうというふうに考えております。しからば、そういう態度が相手国に見られるといたしますれば、日本側としてそれにどういうふうに対処されているのか、あるいは対処する何らかの努力を相手方との交渉においてもされておられるのか、この点について、簡単でけっこうですからお答えをいただきたいと思います。
○小暮政府委員 先般、韓国の生糸輸出組合の理事長が、イタリアに在外事務所を設けるための旅行の途次東京に寄りまして、日本の蚕糸業が当面需給の問題に苦慮しておる、価格安定に官民あげて努力しておるという実態に着目しまして、韓国の日本向け輸出を抑制したいという申し入れをして、そのままヨーロッパへ行ったわけでございますが、一昨日ヨーロッパから帰ってまいりまして、東京、大阪を回って昨日韓国へ戻ったわけです。その際、蚕糸業界の幹部に対しまして、前回の申し出を再確認いたしまして、帰国すると同時に韓国内部の政府の上層部とも相談して、さらに実行の方法を固めたいということを申しておりました。 私どもといたしましては、この問題につきまして、政府間で直接話し合いを始めますことは、貿易自由化のたてまえをとっております現段階では、むしろ問題があろうかと思います。日韓双方の蚕糸業界が十分話し合いを継続するということにつきまして、政府としても積極的にこれに協力したい、かように考えております。
○小渕委員 そこで、私が申し上げたいのは、いかなる申し入れをされたか、それに対してどう対処されるかということは、相手方のある問題でありまするが、いずれにいたしましても、現在韓国では、輸出能力が一万三千俵程度残っておる。これを一時的に凍結をいたしましても、やがてこれが何らかの機会にまたわが国に輸入をされると、及ぼす影響まことに多大である。したがって、わが国としてこういった韓国の生糸に対してどう対処するのか。かりに申し入れ事項が一時的なものとして、将来また解除された暁においては、こういう一万数千俵というような問題についても、どうわが国として対処することが最も望ましいかということを、蚕糸局としても十分検討しておく必要がある、こういうことであります。 次に、中共生糸の問題であります。これも非常に重大な問題でありますが、これも時間がありませんので省略をいたします。 次に、いま価格の問題として一番大切なのは、その価格の形成でありますが、御承知のように、取引所で価格が形成されております。したがって、この取引所の問題についてお伺いいたします。 まず第一点に、取引所が設立されて以来十八年間たっておるわけでありますが、きわめて理想的な姿でそれが推移をされてきたかどうか、通産省の関係の方から御答弁願います。
○植田説明員 お答えいたします。 おっしゃいますように、戦後二十年近くたちまして、その間出来高等も、物資によって相違はございますが、かなりふえているものもございます。その間におきまして、たとえば、大衆の玉がふえましたこととも関係いたしまして、委託者粉議等がかなり出てきたというふうなこともございまして、その辺率直に申しまして、若干問題が出てきたとも考えているわけでございますが、そういうふうな観点から、一昨年の国会で法律の改正もしていただきまして、現在、登録制から許可制に移行する等、業界の秩序の充実につとめているところでございます。
○小渕委員 しからば、農林省管掌の生糸市場について、農林省いかがでしょうか。
○亀長政府委員 お答え申し上げます。 通産省のほうから、全般的な商品取引所の問題についてお話がございました。生糸の取引所につきましても、商品取引所の一つでございますので、新法の施行の準備を着々進めておるわけでございます。 現在、生糸取引所は、大体二万トンの生産に対して、扱い量は十八万トン近くになっておる。何回も回転をする関係もございましてそうなるのですが、現在の生糸価格における流通上の地位と申しますものは、かなり高いと思います。しかしながら、決して問題が全然ないというわけではございませんので、私どもも将来とも監督を強化したい。さらに、価格の異常高騰時には、証拠金等の操作によって価格の調節をはかる、あるいは外務員の登録数に関しましても制限を課する等、各種紛議の予防措置に努力をして、今後とも適正化をはかってまいるという考えで対処をしております。
○小渕委員 一番最近の例だけ見ましても、先ほど指摘いたしましたように、四十二年の十一月で八千二百円から最近は六千百円。それから、これが暴騰いたした段階においては、四十一年の大体四、五月ごろ五千五百円から上がっておる。それから三十八年には、三千八百円から六千六百円まで、わずか一年の間に上がっておる。こういうことは、私は適正な市場取引から形成されたものでないという見解をとっておるわけでありますが、農林省もいまそれらしき御答弁がありました。しからば、どういう努力をしてきたかというと、それについても幾つか御答弁がありましたが、その努力そのものは、きわめて適切に報われてきた、こういうふうにお考えですか。
○亀長政府委員 三十八年当時、さらに昨年の確定額等につきまして、具体的にはやはりその時点の経済情勢を反映したという点が多分にございます。もちろんそれぞれの時期におきましても、売買証拠金の引き上げであるとか、各種の措置をとってまいりました。非常に流動的な業界でございますので、また、もともとこの商品取引所の対象になっております品目というのが、生糸に限らず比較的価格の高騰のあるものが対象になっておるという本質的な点もございまして、必ずじもそれぞれのときの価格低落が、需給実勢の正確な反映であるかどうかについては、私どもも全く疑問がないわけではないと思います。 また、役所の打ちました手につきましても、証拠金の増額といっても若干時間を失するとか、あるいは代替品の供用等についても、認める際の時点がおそ過ぎたとかいうふうな反省も十分いたしております。 今後とも、こういう経済ビジネスをする役所のスピーディーな措置というものにつきまして、とにかくおくれがちであるということについては、私ども十分反省をし、また対処してまいりたいと思います。
○小渕委員 適正であったかどうかという議論も、いろいろこの取引所の問題は、調べてみればみるほどむずかしいかとも思いますが、農林省は過去数回の暴騰、暴落について、数次の規制をされておられるということ自体が、これはやはり適正でないという御判断の上に立ってのことだろうと私は解釈せざるを得ない。したがって、その規制そのものがきわめて時宜を得たかどうかについては、いま御反省がございましたが、現在の仕組みの中において、そういうものがなかなか困難であるのか、また、現在の取引所法の中において問題点があるのか、こういった問題については、やはり十二分な検討がされるべき必要があろうかと思います。これは蚕糸事業団法を制定する段階において、衆参両院の附帯決議の中にも盛られておられることでありますし、商品取引所法の一部を改正いたしましたときに、同じく三項目の取引所のあり方に対しての附帯決議の中にも盛られておることでもありますので、この点については、十二分なこれからの検討が必要であろうかと思います。 そこで、通産省にお伺いいたしますが、この取引所の問題について、特に農林物資の取引につきまして、取引所審議会の諮問にゆだねて、抜本的といいますか、ほんとうにこれから長い将来にわたって、この取引所が円滑に運営のできるような反省に基づいた問題点が解明されるように諮問する意思があるかどうか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○植田説明員 御説のとおり、衆議院におきまして附帯決議といたしまして、上場商品の適格性につきましての検討、それから過当投機の抑制、あるいは委託者保護対策の強化、それから、そういう点を含めましての商品取引所のあり方に関する根本的検討について指摘されておるわけでございます。これらにつきましては、いずれも商品取引の基本に関する事項でございまして、また、内容も多岐にわたっておりますので、私どもといたしましては審議会の場におきまして、順次慎重に調査、審議していくこととしております。 現在までに、いま申しましたうちの上場商品の適格性問題を取り上げておりまして、たとえば、綿糸とかゴム等につきまして基礎調査を終えまして、一応委員の先生方の御討議をお願いしたところでございます。 またこれと並行いたしまして、緊急を要する過当投機対策でございますとか、あるいは委託者保護対策につきましては、先ほどもお話が出ましたように、農林省とも共同で検討いたしまして、可能なものから逐次実施してきているという次第でございます。
○小渕委員 短い時間でありますので、この取引所の問題をここで究明することはできませんけれども、ほんとうに、現在取引所の中における価格の暴騰、暴落というものが、その影響するところまことに多大でありますし、それによって、現在二百万をこえる養蚕農家をはじめとして、蚕糸業に携わる数百万の方々に、まことに影響することが大きいという事実を勘案しながら、政治の目標が、少なくとも最大多数の最大幸福ということであるとするならば、この市場において、一部うわさされるような、相場の動きを操作する力があるなら、きわめて問題があると私は判断しておりますので、この点につきましても、十分な検討をされることを強く要望しておきます。 時間がありませんので、その他の問題につきましてもいろいろ申し上げたいのでありますが、蚕糸政策の中で私は農林省に希望をいたしておきたいと思いますが、今日、日本の蚕糸業に関係するいろいろな、技術をはじめとして機械その他が外国に輸出をされておる現況については、御承知だろうと思います。最近の例だけでも、農林省の担当者が、タイ国へ養蚕の技術指導に行かれておる。あるいはまた蚕種の輸出については、過日来問題にもなっておる。さらにごく最近では、ソ連に向けて製糸プラントが、約十億でありますが成約されて、これも輸出されると聞いておる。 私は、日本がこれだけ高い技術水準を持っておるのでありますし、こうしたものが世界の多くの、これから発展されるべき各国に提供されて、そうした国々もこれまた繁栄されることを、決して否定するものでもありませんし、そういうもの一切がっさい輸出してはいかぬというようなこそくの見解をとるものではない。しかしながら、こうしたものが多くかつ無制限に、日本の現況を観察しないで輸出されるという事態に相なりますると、蚕糸業に及ぼす影響これまた大きいといわざるを得ません。 そこで、ソ連向けの輸出については、過般お聞きしたら、あなた方はまだフォローしていなかったようでありますけれども、少なくともこうしたりっぱな機械が輸出されるにつきましても、機械そのものができたことは、その会社のきわめて高い技術水準のたまものであろうかとは存じまするけれども、それが成り立ってきたゆえんは、日本の製糸業者各位がそういう機械を使ってきたということをはじめとして、その底辺には、日本蚕糸業のすべてが存在をしておることを考えまするときに、やはり十二分な検討をされておくことが当然だろうと思います。 そこで私は、こういうものが今後さらに、技術を含めて輸出されるという動向は、日本の将来にとって当然なことであろうと思うと同時に、それが日本の蚕糸業に及ぼす影響もこれまた大きい。したがって、この間をどういうふうに考えていくか、この間の問題に答えを出してくる、ここに蚕糸園芸局の重大な課題がある。また、これに答弁ができるようでありますれば日本の蚕糸業も繁栄し、同時に、これから世界の中で蚕糸業にいそしんでいこうという国々の期待にもこたえ得る。日本が先進国として何十年来蚕糸のために果たしてきた努力そのものも、国際社会の中に生かし切れるということなんです。したがって、この間の答弁を見出すということが、今後蚕糸園芸局に与えられた最大の課題であろうとも考える。ここで答えをお聞きいたしませんけれども、十分な検討をはかりつつ、この技術の輸出、機械の輸出という問題について、御検討されることを強く期待をいたしておきたいと思います。 それから、希望でございまするけれども、私は、今日の蚕糸業の全体をながめてみまして、このままで推移をいたしていきますれば、これは率直に申し上げて、名誉ある撤退の不安を感ぜざるを得ない。したがって、この状況を乗り越えていくためには、私は、せっかくできた日本蚕糸事業団というものを今後きわめて強力なものにしていって、日本の蚕糸事業団が、日本の蚕糸業のみならず、世界の蚕糸業についても重大な影響力を持つという形にしていかなければならないと考えております。 私は、国会に入りまして以来中共、ソ連、韓国その他蚕糸業についてつぶさに視察をしてみまして、そうした国々が労働力の面、あるいはまた、特に政府として第一次産業に対するてこ入れその他から、今後そうした国々の蚕糸業も、大きな発展を遂げていくであろうということも予想にかたくない。したがって、そういう段階にあって日本の蚕糸業をこれからさらに推進していくためには、私は、事業団の活躍にまつこときわめて多大であるという見解をとっておるわけであります。 そこで、事業団につきましては、時間がありませんから、幾つかの御要望を申し上げて終わりまするけれども、事業団につきましては、これから中間買い上げをいたしまするけれども、こういう買い上げなんかにつきましても、さらに大蔵省と緊密な接触を保ちつつ、いままでのように最悪の事態になって買い上げるというような、こういうことでなくして、弾力的に、機動的に仕事ができるような体制をひとつ強く期待をいたしておきたい。 それから、輸入の問題につきましても、輸入をできれば一元化して取り扱って、輸入については蚕糸事業団がこれを一括して扱う。それから輸出についても、同じような仕組みにするというようなことについても考えてほしいと思うのです。 さらに、これは若い者が大きな口をたたくとお聞きになられるかもしれませんけれども、韓国の生糸の問題につきましても、中共の生糸にいたしましても、この事業団を通じてそういう生産国と今後緊密な連携を保ちつつ、国際市場における生糸の存在価値というものを高めていくような努力すら、今後に私は期待をいたしておるわけであります。 今後、この蚕糸業界というものは、なかなかいろいろむずかしい問題もありますし、多くの業界が存在をいたしておりまするので、簡単明快に結論はできませんけれども、お互い業界自体がそれぞれのエゴイズムを排し、日本の蚕糸業は一体であるという、こうした観点に立って前進のできるように、私は期待をいたしておるわけであります。 蚕糸業そのものは、どの業界がなくなってもこれは成り立たない産業でありまするので、そういう観点に立ちまして、これからは各業界がばらばらで行動するのでなくして、一体となっていっていただきたいということをお願いし、事業団がますますその機動力を増加して、一段と活動していただきたい。 さらに、行政的な立場からも、こうしたものを適切に指導、助言その他を行ない、さらにまた、でき得るならば財政的にも大きな措置をとることによって、この蚕糸業が一段と飛躍されることを、私は期待をいたしておるわけであります。 時間が参りましたので、まことに中途はんぱに終わりましたけれども、政府当局の適切な指導によってこの難局を切り抜けて、過去持ってまいりましたその実力を、さらにこれから引き続いて持ち続けることのできるように期待をいたしております。これに関係する方々は少なくなったといえども、まだ三、四百万人おるわけでありますので、そうした方々の生活の問題も考えつつ、適切な指導があられんことを期待してやみません。 幸い、大臣におかれましても、また局長も、産繭量並びに製糸の生産量を最も誇る県の御出身でありますので、きょうは大臣おりませんけれども、ぜひ政務次官からその旨をお伝え願って、一段の御努力を願うことを期待いたしております。 時間が超過いたして申しわけございませんが、委員長並びに各位に、質疑の時間を与えていただきましたことをお礼申し上げて終わります。
○丹羽委員長 實川清之君。
○實川委員 蚕糸園芸局長に御質問します。 この法律改正は、いわゆる行政簡素化の目的で、一省一局削減ですか、これが打ち出されて、農林省において蚕糸園芸局という形になったわけでございますが、この行政簡素化の結果、蚕糸園芸局になったということは、農林省の中で、蚕糸業に対する考え方を比較的比重を軽くして考えているんじゃないか、こういうような感じがいたすわけでございます。まあ表面上は蚕糸業振興といったようなものを打ち出しておりますけれども、本心は蚕糸業をあまり重くは見ていない、こういうような考え方が、いわゆる行政簡素化に関連して、法律改正というような形をとってまいったんではないかと感じております。ちょうど、蚕糸振興とは言いながら、衣の下からよろいがちらついておるというような、蚕糸業に対する農林省の基本的な姿勢があらわれておるように私は考えておるわけです。 これは、法律案の条文の中でも、その目的として、現行法では、蚕糸業の「安定を図るために、」というようなことが書いてございますが、今度の改正では、「安定に資するため、」というように言いかえておりますけれども、このこと自体、やはり農林省の蚕糸業に対する積極性の喪失と申しますか、蚕糸業に対する政策の一歩後退と、このような受け取り方をいたしておりますが、この際、農林省の蚕糸業に対する基本的なかまえと申しますか、姿勢をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 一局削減によりまして、蚕糸園芸局というふうになりましたことにつきましての御指摘がございましたが、私どもは、決して蚕糸業を軽視してこれをいたしたというようなつもりはございません。畑作関係のものを一括して一つの局で所管をしていこう、こういうことで、蚕糸園芸一本の行政機構で責任者を置いてやろう、こういう考え方でございますので、御了承をいただきたいわけでございます。 御承知のとおり、生糸の長期的需要の見通しにつきましては、国民所得の増大に伴いまして、国内的にも海外におきましても、相当今後伸びていくだろうと期待されるわけでございます。したがいまして、この法案を中心にしてさらに私ども行政に力を注ぎまして、繭の生産あるいは製糸業等の近代化、合理化を一そう進め、また、繭及び生糸の価格の安定をはかりまして、今後とも一そう振興するようにいたしてまいりたい、こういう考え方で、今回の法案の審議をお願いをすることになったのでございます。
○實川委員 ただいま政務次官から、決して軽視はしていない。まことにごもっともなお話でございますが、養蚕業の現状について見ますと、これは蚕糸局の資料によって見たわけですが、昭和三十年以降の傾向というものを見ますと、養蚕農家戸数においては約半分に減っておるようでございます。それから桑園面積については十八万七千ヘクタールから十六万二千ヘクタール、これもまた緩慢な減少傾向をたどっております。それから繭の生産量は、年によってこれは豊凶がございますから、一がいには言えませんが、大観的に見ますと、横ばいの状態を続けておる。養蚕農家戸数が減って、面積が減って、生産量が大体横ばいということでございますから、当然その裏には、技術が改善されたとか、あるいは二月当たりの経営面積が拡大をした、こういうことになろうかと思います。資料によりましても、一戸当たりの経営面積が二反三畝から三反五畝ぐらいに、約五〇%程度の着実な規模拡大を続けておる。当然これに伴いまして、掃き立て量あるいは収繭量というものがふえるわけですが、反当収繭量も六十一キロから七十四キロと相当反収も増大をしておるようでございます。労働の生産性という点でも、上繭一キログラムの生産のために、昭和三十年当時においては七時間半、それが現在では三・九時間ですか、確実に省力化の傾向が看取されるわけでございます。 これらの点についての農林省の指導というようなものが、相当あったことはわかるわけですが、養蚕業、これは一つの企業でございますから、経営的に条件が合わなければ、これは幾ら政府で指導いたしましても、なかなか振興はしないだろうと思います。たまたま昭和三十年ごろを境にいたしまして、日本の経済が高度成長を遂げた、したがって国民所得が向上した、こういうようなことが絹織物に対する消費を誘い、需要が増大をした。需要が増大し、供給がこれに伴わない場合は、価格の上昇になることは当然でありますが、そういうぐあいに、繭なりあるいはまた糸なり反物の値段が、所得向上に伴ってどんどんよくなった。これが農民の生産意欲を刺激し、一生懸命に養蚕をやろうということでやってまいったのも、その反面の大きな理由だろうと考えております。 ところが、最近いわれておりますのは、蚕糸業の問題につきましても、だんだんと一つの壁らしきものが出てきておるのではないか。これらに対する農林省の今後の——今日までは、大勢的に申しまして非常に順調に伸びておりますが、今後の蚕糸業に対する農林省の、農政の中でどのような位置づけをし、あるいはまたどのような指導をしていこうとなさるのか、この点についての御見解を、次官からひとつお願いいたしたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 畑作の中で繭の生産、及び生糸の問題につきましては、やはり適地適産を考えまして、十分需要の増大に即応するような生産体制をとっていくということが基本方針でございますが、先ほど小渕先生から御指摘ありましたように、後進国との競合問題、しかも一方、機械の輸出等によって相手国の競争力をつけていく、それが逆に、国内の繭及び生糸生産に非常な影響を与えてくるというような点も、特に重視していかなければいけないと思いますが、何しろガットによる協定等がございますので、国内生産の一そうの合理化と近代化をはかって、何とか国際競争力を持つようなものに、また、御指摘のように経営規模も若干増大はいたしておりますが、適地については、さらに一そうそれが進んでまいるように、われわれもなお問題点を検討しつつ十分な振興対策をはかっていきたい、かように考えております。
○實川委員 これに関連して、農林省で昭和四十一年から五十二年までの間の長期見通しというのを立てられた。その中での繭の生産と生糸の需要見通しというのがございますが、これを見ますと、非常に楽観的な見通しが立てられておるようでございます。たとえば、桑園面積にいたしますと、十六万一千町歩から十六万九千町歩に、八千ヘクタールですか、これが伸びるだろう。五%の伸び。それから反当収繭量につきましては、六十五キロから九十九キロと五三%以上の伸びが予想されております。繭の生産量につきましても、十万五千トンから十六万八千トンですか、六〇%の伸びを予想されておる。当然、生糸の生産量につきましても、三十一万二千俵から五十二万五千俵と六八%程度の伸びを予想しておるようでございます。 このような楽観的なと申しますか、場合によると積極的なこの展望のもとに立ちまして、はたしてこういうような形になるだろうかということが考えられるわけですが、この点につきましても、私は非常に楽観にすぎるのじゃないかと思う。先ほど申し上げましたように、これは前提として、日本の経済がいままでどおりの成長を引き続き持続するというような前提があるようでございますが、この点についての蚕糸業の今後の展望とでも申しますか、具体的にひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○小暮政府委員 先ほど来だんだんとお話しのございましたように、やはり三十年代の後半までの非常な高度成長のときに、それまで化合繊との競合に敗れたと申しますか、そこにやや需給の混乱がございまして、やや生産の減退を見ておりました日本の蚕糸業が、三十年代後半の急激な消費の増大に対応できなかったということで、非常な高価格になりましたことが、むしろ結果的には災いしまして、その後三十八、九年ごろから外国市場を失うというような形でまいって、今日の姿になっておるわけでございます。 ただ、振り返ってみますと、戦後の混乱から立ち直りました経過で、農業の生産分野で、私は蚕糸業ほど労働の生産性を高め、経営の合理化を達成してまいった部門は少ないと思うのです。かつての非常に労働力多投的な丁寧な養蚕の姿から、御承知のように稚蚕共同飼育を出発点として、年間条桑育、自然上族、さらに協業ということで、さまざまな手段を駆使いたしまして、先ほど先生のおことばにもございましたような、非常に急激な労働生産性の向上を実現しておりますが、今後もこの点につきましては、十分努力の余地があるというふうに、まず生産面では考えております。 それから、需要の面につきましては、確かに十年間の見通しでございますから、ある前提に立たざるを得ないと思います。日本経済の経済としての成長率をおむおね年率七、八%というふうに見ました場合に、やはり過去の経験から、昨年発表しました長期見通しに見られる程度の需要の増大はこれは期待し得る。ただ、これがふところ手で期待できるという意味でなくて、価格の安定といった仕事を通じまして、需給に混乱を起こすことを極力抑止しながら、経済の成長に即して需要を伸ばしていくということであろうかと考えております。
○實川委員 まず、昨年の糸の暴落の問題でございますが、この原因は何にあるか、この点をお伺いいたします。
○小暮政府委員 一昨年まで比較的高い価格で推移いたしましたために、生産の意欲が増強されたことは事実でございまして、掃き立て量も着実にふえておりましたが、そのほかに、昨年は全蚕作を通じて気象条件にも恵まれました。戦後最高の収繭量を記録したということがございます。 その反面、ポンドの問題その他外貨面で若干の混乱があった年でございまして、そういった面から、生糸のような海外市場と若干関連いたしますものにつきましては、やや市況の混乱が外的にもあったということでございますが、しかし基本的には、やはり高価格に刺激された生産の増強ということが、直接的な原因であろうかというふうに考えております。
○實川委員 値段が高過ぎて、その反動で下がった。もちろん、繭がことのほか豊作であったという昨年だけの原因もあったようでございますが、日本はもとは生糸の輸出国、日本の貿易では生糸が輸出の大宗といわれた戦前の状態があるわけですが、最近では、むしろ日本は輸出国より輸入国に転落しているのじゃないか。ここ数年の現象のようですが、非常に輸入がふえてきておる。これは外国の糸が、中国なり韓国の糸が、非常に安いということが大きな理由だと思いますが、それがまず昨年の繭の暴落の一つの原因にもなったというふうにもいわれております。 そこで、外国の糸が安いというのは、一体何で安いのかということが問題になるわけですが、この点について、局長のお考えを伺いたいと思います。
○小暮政府委員 養蚕は、御承知のように桑園の段階で、土地の生産力が一つのきめ手になりますが、そのほかに、蚕作の面では労働力をかなり使うものでございまして、韓国と日本の養蚕を比較してみますと、土地の生産力という点では、日本の養蚕業のほうが数段まさっておるようでございます。ただ、労働力の評価と申しますか、こういった点は、韓国と日本では、韓国のほうが低いようでございまして、そのほかに韓国では、器械生糸の輸出の振興という角度から、韓国独自での若干の補給金制度がございます。 それから、中国につきましては残念ながら、中国内部での生産事情を詳細把握するような環境にございませんので、的確なことはわかりかねますが、ただ、輸出価格の建て方を見ておりますと、日本や韓国と異なりまして、おおむね六カ月間据え置くというような形で、かなり政策的に、意欲的に輸出価格を固定させるということを、ヨーロッパ向けにやっておるようでございまして、生産費の状況はわかりませんが、輸出政策上価格を、おそらく政府の責任で一定水準に押え込んでおるのではなかろうかというふうに推測いたしております。
○實川委員 韓国の場合、たとえば輸出向けについては補給金を出しておる。これは一種のダンピング政策とも受け取れるわけですが、こういうような安い価格の糸を自由に日本に輸入させる。まあ生糸の業者にいたしましても、あるいは織物業者にいたしましても、安い原料でつくったほうが企業利潤は高いわけですから、割り高な内地の糸を避けて外国の糸を歓迎するというような形も当然出てまいるわけです。こうなりますと、農林省がいろいろ力を入れて蚕糸業の振興のために努力をされましても、結局、安い外糸に圧倒されて、国内の養蚕業が伸び悩むというような事態が起こる可能性もございます。 これはひとり糸の問題のみならず、他の農産物にも一般的にいえる問題ですが、こういうような点について、今度の法律改正では、輸入の規制を必要に応じてやるというようなことがあるようですが、具体的に、この輸入規制はどういうようなことでおやりになるか、その点についてお伺いいたします。
○小暮政府委員 十二条に予想いたしましたような事態がかりに起こりました場合には、具体的には、まず関税の面では、緊急関税という手段が一つ国際的にも認められております。 それから輸入の問題は、そのときの価格の急激な下落という問題と、量的な——価格はそれほどでございませんが、向こうに膨大な数量ができてしまって、しゃにむにこれを投入してくるといったような量的な問題の場合と両方あり得ると思います。緊急関税といったような関税的措置では目的を達することができないというふうに判断されます場合には、臨時にこれを輸入制限品目に移しかえる、目的を達するために必要と思われる期間輸入制限するという方法も認められると思います。
○實川委員 次に、輸出の点について。農林省の長期見通しによりますと、昭和四十一年から五十二年に至る間で三万三千俵から八万五千俵に輸出を拡大するということになっております。しかし、実際の最近の実績から申しますと、むしろ輸出は増大しているんじゃなくして、頭打ちか逆に押されておるというような形が出ておるわけですが、輸出を伸ばすためには、外国の競争糸である中国糸あるいは韓国糸と値段の点で競争するという点も一つあるわけですが、これは、先ほどあなたのおっしゃったような事情から、急速に値段の点で外糸を外国市場で打ち負かすということはそう一朝一夕にはできないだろうと思います。 それから、日本の輸出が伸びなくなったというのは、蚕糸局の資料のグラフを見ましても、日本の経済成長に伴って、内需が毎年活発に上昇傾向をたどっておる。それに対応して輸出に向ける、あるいは輸出に回る分が内需に回っておる。こういうことになると、輸出を増大するためには技術革新をやるか、あるいは消費抑制をしなければならない、こういうような問題が出てくるのじゃないかと思います。好景気と申しますか、所得の上昇を押えることは適当ではありませんので、したがって、何とか別の方法で内需を抑制するというようなことしかないのじゃないかと私、考えるのですが、この長期見通しにおける輸出の増大という問題を、具体的にはどのように達成されようとしておるのか、その点をお伺いいたします。
○小暮政府委員 長期見通しでは、御指摘のように五十二年に八万五千俵程度の輸出を見込んでおります。これには、やはり生産性の向上を通じまして、海外での価格水準としての競争力を維持培養することが大前提になろうと思いますけれども、そのほかに、やはり何と申しましても韓国、中共等の労働力事情と日本の労働力事情ということを考えながら、ただ絶対水準での競争力だけをいいましても実現しない面もあろうかと思います。 ただ、日本の蚕糸業は、糸の段階でも織物の段階でも、御承知のように非常な先進段階にございまして、今後技術上の努力を続けることによりまして、品質の面でまだかなりの競争力を持っておるというふうに私ども判断しております。 先ほど申しましたように、価格が低落する経過の中で、四十二年に年間わずか三千俵に落ちてしまいました輸出が、翌年には九千俵と、元数が小さいから数は小そうございますが、とにかく三倍のところまでゆり返しております。 先日も関係者が集まりまして、輸出の問題についてさらにいろいろと協議したのでございますが、やはり日本でなければつくれないような織り方、あるいは糸のより方といったようなものを注文をとって、そういう面で海外の市場を確保していくということについても、特段の努力を傾けなければならないというような関係者の意見のようでございます。 基本的には、生産性の向上を通じて競争力を培養することでございますが、他面、いま申しましたようなことについてもやはり努力を積み重ねる。さらに消費宣伝、需要増大といった面で、国際絹業協会等を通じまして、多年やってまいりました努力を、放棄することなしにこれを継続するというような、努力の積み重ねが必要であろうというふうに考えております。
○實川委員 私が心配いたしますのは、この長期見通しのような楽観的な形で今後蚕糸業をやってまいりますと、予定したように輸出は伸びなかった、それから輸入のほうはどんどん国内に上陸をされたということになると、当然これはいまの計画がくずれまして、爾なり糸なりの供給過剰というような状態が生まれ、さらに価格の低落、蚕糸業の経営不安というような事態が起こってくるのじゃないか、こういう点が心配な点でございます。したがって、この点につきましては、ひとつそういうようなことのないように、農林省としても十分御指導いただきたい。 さらに、今度の法律改正によりまして、いわゆる糸価安定特別会計が廃止され、従来、繭糸価格の異常変動の場合には、国がこれを処理しておったわけですが、それを蚕糸事業団に一本でやらせる、こういうことになったわけでございます。 そこで、いままでの糸価安定特別会計の資本金三十億円を事業団に繰り入れる。この金は異常変動の場合にだけ使う金で、通常の場合はこれは使えないという形に区分けをいたしておるようでございますが、どうもわれわれしろうとから考えますと、むしろそういうような区分けをしないで、異常、通常といったようなことなしに事業団の資本金に繰り入れて、存分にこの金を生かしてやったほうが、いわゆる中間安定の実をおさめ得るのじゃないか、こういうようにも考えられますが、なぜこういうような区分けをして、異常変動の場合にしか使えないような繰り入れ方をするのか。また、将来もこういうような区分けを続けていくのかどうか。むしろ私は、一本化したほうがより効率的ではないか、こういうように考えますが、この点について御見解を伺います。
○小暮政府委員 生糸の価格の安定という問題を考えます場合に、まず生糸の価格変動にいろいろな態様があるのではないかということが、従来も議論の出発点になっておるわけです。外国における非常に急激な経済の変動、あるいは為替レートの改定、あるいは国内におけるいわゆる不景気といったような、いわば蚕糸業とは別の側面からの非常に大きな経済の変動が起こりまして、関係者の努力を全く押し流すような形で糸価の変動が起こるといったようなことが一つ予想されます。もともと生活必需品じゃございませんで、国際的にも国内的にも一つの奢侈品でございますから、そういう景気変動の影響を非常に大きく短期的に受ける。そのほかに農産物である、また関連する加工企業が中小企業であるというところから起こります、いわゆる短期的な予測のズレと申しますか、これは農民あるいは中小企業者が関連いたします物資については、不可避的に間々起こる問題でございます。こういった角度から起こります価格変動、大ざっぱに言って二つの価格変動があり得るわけであります。 そこで、いわば関係者の努力というものがかなり力を出し得るし、また、出すべきであると思われる価格変動に対処するための仕事は、これまで蚕糸業界と政府との多年の話し合いの中から、民間と政府が半分ずつ出し合って、いわゆる中間安定というような仕事をやろうということでやってまいっております。それから、蚕糸業者の努力をもってしてはいかんともしがたいような大きな変動、これにつきましては、業界出資ということを求めることなしに、国が特別会計でいざという場合の買い入れをやる、こういう考え方でこれまでまいりました。 今回の改正は、それぞれの考え方を従来どおり一応受けとめながら、これを行政簡素化の趣旨にも即応いたしまして一つの事業団でこれを行ないたい、こういうことでございますので、従来、国が異常変動の場合に用意いたしました金を事業団に出資して事業団の原資といたしますが、それにさらに、いざという場合の債務保証というものを、国が予算総則に掲げるというような形をとりまして、やはり仕事の性格が違うということで、これを区分経理いたしたい、かような案になっておるわけでございます。
○實川委員 これは繭糸の場合だけじゃなくて、ほかの農産物にも、同じような形で需給調整をする、そして価格安定をはかるということはやっておりますが、実際上は、やるほうの効果という点から申しますと、あまり効果がないのじゃないか。いままで、蚕糸局の図表を見ますと、安定帯の下限を破ったというのは比較的少ないようですが、上限は絶えず破りっぱなしで、しかも、何年も継続して持続的に安定帯の上限を突破している。これは、生糸の安定帯の設定そのものが、天井が低過ぎるから破れるのだろうというように私は考えております。 したがって、この糸の場合におきましても同じように、いまの中間安定価格を求める場合におきましては、はたしてこの安定法の効果で蚕糸業が順調に伸びたのかどうかという点になると、私は相当疑問があるだろうと思います。むしろそれ以外の大きな要因があって、蚕糸業は今日まで発展を続けてきた。安定法があったから、養蚕農家なり製糸業者の経営が安定を続けて発展したということではないのではないかと考えております。 いずれにいたしましても、この中間安定価格を求めます場合におきまして、いまの資金量では非常に少ないのではないか。さらにまた、異常変動が起こった場合の措置のしかたにいたしましても、あまり現実には合っていないというような問題があるようでございます。したがって、この点につきましてはなお検討の余地があるのではないかと考えておりますが、いずれにいたしましても、この法律改正によりまして、さらに日本の蚕糸業の発展が期せられますように、特別のお考えをいただきたい。 時間がありませんので、話が中途はんぱですが、以上で私の質問を終わります。
○丹羽委員長 伊賀定盛君。
○伊賀委員 時間に制約があるようでありますから、要点だけお尋ねしてみたいと思います。 今度の繭糸価格安定法の一部改正というものの中身をまとめますと、一つは生産性を高めること、二つ目には国内的、国際的な需要を喚起すること、それから三つ目には、したがって外国から安いものが入ってきたのでは困るので、輸入を規制しなければ安定をしない、四つ目には輸出をますます増進しなければならないというふうに、私なりにまとめてみたわけでありまして、以下これらに関連して、問題点をお尋ねいたしたいと思います。 〔委員長退席、安倍委員長代理着席〕 先ほどからも論議がありましたが、まず最初に輸入規制の問題でありますが、局長からの答弁を聞きますと、緊急規制ができるというお話がありましたが、具体的に、いかなる条件が整ったときにそういう措置が講ぜられるのか。あわせて、根拠法規もお示しいただきたいと思います。
○小暮政府委員 今回の改正法案の十二条の三で申しておりますことは、実はそれ自身は創設的な意味合いはございませんで、どちらかといえば宣言的な規定であるというふうに思いますが、ここで想定いたしておりますのは、現行の法令では、条約も含めて考えまして、いわゆるガット第十九条というものを一つの判断基準にいたしております。これはこの十二条の三の中にも、その趣旨が、いわば言いかえてあるわけでございます。 生糸に即して申し上げれば、生糸の外国の価格が急激に下落する、あるいは異常な形で日本に対する輸入が増大する、そういうことを原因として日本の蚕糸業の経営が重大な危機におちいるという、国内の事情ではなくて、そういう外国の事情を主たる原因として、日本の蚕糸業の経営が危機に瀕する、こういう状況になりました場合には、原則としては、主たる利害関係国と協議の上、緊急関税あるいは一時的な輸入制限というようなことをやることになりますが、協議が間に合わない場合には、まずやってから協議するというような道も認められております。 いずれにしても、外国産生糸の価格の低落あるいは急激な輸入量の増大ということを原因として、日本の蚕糸業が危機に瀕した場合というように御理解いただきたいと思います。
○伊賀委員 私の少しばかりの勉強によりますと、いわゆるガットの十九条によって規制ができる。その場合具体的には、中国と韓国から入っておるわけでありますが、韓国の場合には締約国ですから、相手国と協議できるということになるわけですが、中国の場合にはガットに入っておりませんから、相手国との協議というものは成り立たない。 そうなりますと、相手方があることですから、韓国との交渉がどういうことになるかは別にして、これはまた外交手段あるいは業界その他を通じてやるとしまして、中国の場合には、結局、輸入規制でいく以外にないことになるわけでありますが、こういう場合、農林省だけでこれはおやりになれるのですか。
○小暮政府委員 前段の問題でございますが、中共と日本と現在正式の外交関係にございませんで、事実上のいろいろな接触をやっておるわけでございます。それから、中共はガットに入っておりませんから、御指摘のように、ガット上の義務を日本が中国に対して履行することは、法令上は要らないだろうと思います。その意味では、主たる利害関係国である韓国と相談することになるのだと思います。ただこれまで、隣国との経済上の友好的な交易ということが、やはり基本方針でございますから、ガット関係がなくても、やはり中共との経済関係につきましては、慎重な配慮をいたしておるわけでございますので、そういう事実上の配慮は必要だろうと思います。 後段のお尋ねの点でございますが、御指摘のように、関税ということでやります場合には、主たる所管は大蔵大臣でございます。物資所管大臣である農林大臣からの申し入れに応じて大蔵大臣は受けて立つ、あるいは大蔵大臣みずからが発議するということになります。それから、輸入制限を臨時に行なうという場合、これも物資所管大臣である農林大臣の意見を聞いて、通産大臣が措置するということに形の上ではなりますが、いずれにしても、経済問題でございますから、関係の経済閣僚間の話し合いということになろうかと思います。
○伊賀委員 大蔵省の方にお尋ねいたしますが、いま局長さんからもああいう御答弁があったわけでありますが、農林省から具体的にそういう申し出があった場合、大蔵省はどういうお立場で御相談になられますか。
○松下説明員 関税局の職員がただいまちょっと参っておりませんので、私、主計官でございますが、かわりに御答弁を申し上げます。 ガットの十九条あるいはこの新しい改正法案に定められておりますところの規定に合致するような、そういう国内の状態が認められます場合には、最も実情を把握する立場におられる農林省からの御相談があるということであろうと思いますけれども、これは私どもとしましても、法律の定めるところに従いまして、条約上認められた手段の発動につきましては、実情を十分検討いたしながら、誠意を持って検討いたしていきたいというふうに考えております。
○伊賀委員 あわせまして、これは通産省にも関係があると思いますし、それから、外務省にも外交その他の関係があると思いますが、何かきょう外務省がまだ参っておられないようでありますけれども、通商産業省のほうでひとつお答えをいただきたいと思います。
○楠岡説明員 この件につきましては、私ども従来より蚕糸園芸局とよく御相談しております。御承知のように、通産省は生糸のいわば主要官庁でありまして、生糸の価格安定即輸出の振興につながる問題でございます。ただいま小暮局長が申されました要件があります場合、適時適切な措置をとりたいと思います。 具体的に申し上げますれば、輸入貿易管理令の第三条の規定によりまして、輸入の割り当てを行なう品目にするということになると存じます。
○伊賀委員 蚕糸園芸局長にお伺いいたしますが、そういう情勢になった場合ということばですね。それは具体的に、たとえばいま中間安定価格というものが設置されておるわけでありますが、この金額の中でどの時点に、何十何円というところまではいかないでしょうけれども、中間安定の最低価格ないしは基準価格、その他の価格がおのおの規定されておるわけでありますが、これらの価格の、どの時点になったときにそういう情勢が発生したと御判断なさるのか、お示しをいただきたいと思います。
○小暮政府委員 先ほど来ほかの委員の方の御質問のときにもるる申し上げておるのですが、価格水準が、たとえばある水準を割る、これを防ごうと思っても防ぎ切れないといったような事態が、主として外国産の生糸が膨大な量が入ってきた、あるいは外国産の生糸の価格が急激に下落したというようなことを主たる原因として起こります場合と、主として日本の国内的なものから起こります場合とあり得ると思うのです。現実の姿はその複合でございましょうから、そこの読み切りがなかなかむずかしいと思います。ですからたてまえとして、幾らになったら発動するという機械的な問題ではなかろうかと思います。これが第一点。 それから第二点は、糸の価格は過去の経験から見ましても、動き出す場合には非常に短期間に急激に動きます。そこで、やはり若干時間的余裕を置いて予測することが非常に大事ではないかということを、私ども真剣に考えております。と申しますのは、ある金額を割ったら発動というのでは間に合わぬという問題があろうかと思うのです。動き出しますときには、一日から二日で急激に動きます。これが第二点。 したがいまして、私ども常に、何円になったら発動するという問題ではないということをいろいろな機会に申し上げておるわけでございますが、やはり韓国、中共等の生糸のその年の生産の事情あるいは輸出の見込み、日本国内の生産の事情、内需の動向、こういったものを常時慎重に監視いたしまして、やはりそのおそれがあるという場合には、できるだけ早く検討を始めるということでなかろうかと思います。
○伊賀委員 時間がありますと、もっとこれを具体的に論議してみたいのですけれども、いまのような抽象的な表現では、この規定、十二条の三というものは、あってもなくても一緒なんですね。いままでこの規定がなくても、もともと緊急関税その他の法律というものはあったのですから、そういう抽象的なものなら意味がないと思うのです。ここにあらためて十二条三を設けた以上は、具体的にそういうものが示されて、はじめて養蚕農家なり製糸業者というものが安心をしてその業に励むことができるわけでありまして、どうもいまの局長さんの答弁では、価格安定法の二部改生を出すのだから、まあまあこれはしかたがないからくっつけておけというくらいにしか解釈できないのですが、それでよろしいですか。
○小暮政府委員 外国産の生糸によりまして、日本の蚕糸業が危機に瀕するという事態が起こりましたときには、政府は迅速に必要な措置をとるということを、これで義務づけられるわけでございますから、その意味におきましては、この規定は、この問題についての一つの方針を示すものとして、非常に重要なものであると私は考えております。
○伊賀委員 御答弁は、同じ意味を繰り返しておられるので、これ以上はしかたがありませんが、局長さんが、具体的にそういう事態が発生した場合には、そういう措置をとる義務が発生する、いまこうおっしゃっておられるのですから、これは局長さんの善意を期待する以外にはございませんので、遅滞なくそういう措置をとるようにしていただきたいと思います。 二番目には、輸出増進ということにつきまして伺いたいのですが、何か生産農家も去年あたり、キロ当たり二円ぐらい出しまして、一億からの基金を出しておるようでありますが、やはり生産農家といえども、たとえ零細な金でも出し合って、みずからの生活を安定させるためにかなりの努力をしておるわけですが、何か最近聞きますと、国でも海外宣伝なんかをやっておるけれども、どうもあまり効果がないので、引き揚げるとかいう話も聞くのですが、むしろ生産農家から見ますと逆なんですね。価案安定法の改正案を出しながら、一方においては海外でいろいろやってもおるけれども、どうも効果がないということで引き揚げるというようなことでは、逆効果になると思うのですが、具体的に輸出振興策について、何かおとりになっていますか。
○小暮政府委員 輸出の振興のために、海外の市場調査並びに商品宣伝の仕事は、現在、ジェトロ等を通じまして、鋭意これを続行いたしておりまして、蚕糸園芸局としては、この仕事をやめたり縮小したりする考えは持っておりません。 なお、前段のおことばにございました業界の自主的な努力の問題は、これは糸の値段あるいは需給等を慎重に勘案の上、製糸と養蚕の関係者が相互に話し合って実行いたしたことでございまして、これは、政府が直接関与いたしたものではございません。
○伊賀委員 ジェトロに委託しておるとおっしゃいますけれども、いままで、日本絹業協会というものがあって一元的にやっておったものが、一部はジェトロ、一部は蚕糸事業団に分割をしまして、責任の所在が明らかにならないような姿になっておるわけでありまして、いまの局長さんの御答弁とは、むしろ逆だと思うのでありますがね。
○小暮政府委員 今回、特別会計を廃止して事業団を強化するという措置との関連で、一部仕事の分担を組みかえたことはございますけれども、ニューヨーク、リヨン等に駐在させております職員は、今後も引き続き現在と同様に駐在させる考えでございます。関連の諸経費につきましても、今後ともその充実をはかってまいりたいというように考えております。
○伊賀委員 時間がありませんので、さらに先に進みますが、今度は蚕糸事業団のいわゆる買い出動に出る時点、これはいつの時点で買い出動に出るのですか。
○小暮政府委員 中間安定を行ないます場合の買い出動は、現在中間買い入れ価格が五千九百円でございますが、先ほども申しましたように、糸の相場は、動きますときには、一日二、三百円動くこともしばしばございます。五千九百円で買い出動をいたします判断は、五千九百円という相場が出ます前に、実際の仕組みといたしましては、いま六千百円を一つの判断の基準にいたしまして、六千百円を一定期間割るような相場が出ますと、買い出動を考えるというようなことで実際上措置 いたしております。
○伊賀委員 いままではそういうことであったようでありますが、すでに買い出動に出た経験が二、三回ございますね。そういういままでの実績から見ますと、一つは、六千百円の時点で買い出動に出たということ、一つは、一年間に三万俵という一つの買い入れのワクがあるわけでありますが、これは大蔵省あたりからやはり資金的に締められるということもあるようですけれども、ちょび買いですね。ちょこちょこ買う。要するに、金額が六千百円というところが少し低いのではないか。言いかえますと、少なくとも六千二百円あたりから、しかも、買うならちょび買いではなしに、やはり思い切って買わなければその影響が少ない、こういうふうにいわれているわけであります。 この際、そうしたいままでの経験に照らしまして、六千二百円時点くらいまで一つは引き上げるということ、一つは、ちょび買いをなくして、思い切ってやらなければ価格に影響がないということでありますが、これは大蔵省のほうも関係があるようでありますから、大蔵省の見解もあわせましてお尋ねしておきたいと思います。
○小暮政府委員 中間安定をはかります場合の一つの目安となるべき価格水準、これは毎年蚕糸審議会にはかりまして、政府が最高、最低価格並びに基準糸価を定め、それをもとといたしまして、蚕糸事業団が農林大臣の認可を受けて、中間安定の水準を定めるわけでございます。したがいまして、近く新しい年の価格水準について、十分慎重に検討いたしたいと考えております。 それから、買い方の問題でございますが、実は中間安定の仕事は、先ほども申し上げましたように、業界と政府との共同の努力で、最高、最低の価格のさらに中間で、そのときの需給情勢等も勘案しながら、もっと小幅な価格の帯の中に相場をおさめたいという努力でございまして、これにつきましては、これまでの過去の経験から、年間三万俵の買い上げということでそういう中間安定の仕事はできるはずだ、こういう判断のもとに、実は原資等も民間から半分拠出するというようなことでやっております。 この点につきまして、制度をつくりましてから動きましたのは、昨年の夏に一回と、それから、今回ずっと買い続けておりますのと二回でありまして、昨年の夏の場合には、おおむね三千俵のワクを開きまして、実際には九千俵程度の買い入れで事態が回復いたしたわけです。それから、昨年の十二月以降の場合には、まず年末に三千俵のワクを開きましたが、直ちにこれを消化し、年明けてさらに七千俵追加し、さらに一万俵追加するということで、現在二万俵のワクを開いておりまして、一万五千俵買い上げたところで、ほとんど事業団への持ち込みがなくなったというような形に相なっております。いずれもそのときの在庫の状況、あるいは糸価の状況等を見ながら判断をするという問題でございまして、この点につきましては、中間安定の仕事が理論上いろいろと議論されて、仕組まれましてから現実に動き出しましたのは、いま申しましたように昨年の夏と今回と二回でございますので、この二回の経験を十分関係者とともに分析いたしまして、御指摘のような弊害のないように、運営につきましては、さらに特段の努力をいたしたいというように考えております。
○伊賀委員 それはそうでしょうけれども、三万俵のワクにしましても、一々農林省なり大蔵省なり、関係各省が多ければ多いほど、やはり時宜に適した措置というものがとりにくいわけで、むしろこれは事業団一本にして、三万俵の範囲内で自由にひとつやりなさいというようにしたらどうか。 というのは、御承知のとおり生糸の値段というものは、日々取引所で上がったり下がったりしているわけですから、そのときに農林省のほうで、課長さんや局長さんが協議をして大臣の決裁を経て、それから通産省、大蔵省に相談をしておったのでは、そのうちに値段がどんどん変わってくるわけでありまして、むしろ臨機応変な措置をとらせるためには、明文化しまして、事業団にはっきり三万俵の範囲内でおやりなさいというふうにしたほうがいいのと違いますか。
○小暮政府委員 制度上、事業団に三万俵までの買い入れを認めておるわけでございます。その点は御指摘のような心配はないわけでございますが、現実に資金を農林中金等から借りまして、どういう事業計画で買い上げをやるかといったような具体的な判断の問題がございまして、事業団の運営審議会というようなものを活用いたしまして、事業団の自主性並びにその判断を十分尊重するように、今後努力いたしたいと考えております。
○伊賀委員 いま話が出ましたから、ついでみたいな話になりますけれども、事業団が新しく発足するわけでありますが、業務計画というものは、これは衆議院の農林水産委員会の調査室の資料でも指摘されておりますけれども、業務計画なんというものはできてないわけですが、いつごろまでにつくる予定ですか。
○小暮政府委員 現在作成中でございまして、四月から発足いたしますものでございますから、今月中にそれを固めたいというように考えております。
○伊賀委員 ですから、業務計画ができるならば、いまの三万俵の問題なんかにしましても、業務計画の中ではっきりして、自主性を持たしたほうがいいと思うのですけれども、これは要望として、意見としてとどめておきます。 それから、買い入れ停止の問題がありますが、これは時間が超過しそうですからやめます。 それで、買い入れの資金量と関係をしまして、いわゆる通常変動と異常変動ですが、異常変動と通常変動の区別、境目というのはどこにあるわけですか。
○小暮政府委員 先ほども申し上げましたように、理論上は、通常変動というのは、やはり蚕糸業関係者の努力によって年間の生産高のおおむね一割程度の買い入れという武器で阻止できる程度の価格変動。異常変動は、むしろ景気の循環その他外国為替の状況の急変といったような、外的な要因に主として動かされながら大きく起こります価格変動というように考えております。 ただ、実際には、それぞれに買い入れ発動いたします価格水準をきめてございますから、現実には、五千九百円の水準以下に下がるのを、三万俵程度の買い上げで阻止できるというふうに判断できる程度の価格変動を通常変動と、一応こう理解しておるということでございます。
○伊賀委員 異常変動というのは、国内事情でなしに、もっぱら外国の事情だけですか。
○小暮政府委員 景気変動と申しましたのは、国内の景気変動ももちろん含むわけでございますが、需給の構造的な変化というように御理解いただきたいと思います。
○伊賀委員 それじゃお尋ねいたしますが、三万俵の範囲内で一年間、いまのようなちょび買いですからなかなか価格には影響がない。さらにこれが二年間続いた場合、あるいは三年間続いた場合はどうですか。これは想定ですから、現実にそういう事態が発生するかどうかわかりませんが、こういう場合どうなりますか。
○小暮政府委員 中間安定という仕事の考え方の生まれました経過から見ましても、たとえば、毎年毎年三万俵ずつたな上げしていかなければ、価格が維持できないといったような事態は、実は想定していないわけです。と申しますのは、毎年毎年一定数量たな上げしなければ価格が維持できないというような状況は、すでに構造的に需給が不突合になっているというふうに判断せざるを得ないと思います。 しかも、先ほど来申しておりますように、価格安定というのは、みずからの体質がどうしようもなくなったものを、買い入れ、売り渡しというようなものでおさめるという性格のものでなくて、みずから一つの生きた自律的な行動を持った活動体として動いておりますが、やはり発熱することもございますし、あるいは外的の状況で病気になることもあると思うのです。そういうものを除去するというのが買い入れ、売り渡しという仕事の機能でございますので、やはり構造的に需給が不突合になるという姿は、むしろ生産面を含めての調整の努力というものでこなす以外にないと思います。ただ、短期的な変動のために基本的なものを見失うことのないように、短期変動に対処して買い入れ制度があるというふうに御理解いただきたいと思います。
○伊賀委員 短期的な場合をお尋ねしますが、一年間に三万俵の買い入れの限度がある。そうして一年間やってみました。しかし、どうしても価格がもとに返ってこない。そうしますと、いま資金というのは二十億ですね。三万俵といいますと、いま五千九百円ですから、これをかけますとざっと百億ほど要るのですね。そうすると、一年間に三万俵買い入れて原資が二十億だ。金融の常識から見まして、特に政府関係でもありますから、百億程度までは二十億でいけるかもしれません。ところが、引き続き翌年度にもそうしたいろいろな条件によってさらに三万俵買い入れなければならぬということになりますと、二百億要ることになりますね。その場合の資金手当てというのはどうするのか。 異常変動の場合は、債務保証が百十五億ですかありますけれども、短期変動もしくは通常変動の場合の債務保証という規定はない。与えられているものはわずかに二十億程度ですね。そうしますと、一年の場合なら、先ほど申し上げましたようにできるかもしれませんが、二年間引き続いて行なわれた場合、資金手当てというものは具体的にどういうふうにされるのですか。
○小暮政府委員 ある年に三万俵の買い上げを行ないまして、次の事業年度でさらに三万俵の予算を組むというような事態がございました場合、次年度の三万俵につきまして、当然資金手当てをしなければならないわけですが、実は、中間安定のために事業団が買い上げるであろう三万俵につきましては、従来から、そのうち輸出適格生糸二万俵につきましては、一定期間経過後、国の特別会計に移しかえることができるという仕組みを持っております。今回の制度の改正の場合にも、異常変動のための特別勘定、これは三十億の原資と、初年度百十五億の債務保証がついております。いわば国が色濃く援助しておる分ですが、この特別勘定のほうでは、二万俵は一定期間経過後移しかえることができるようにされております。 これは、先ほど来いろいろ御議論ございましたが、生糸につきましては、政府あるいは政府関係機関が一定量の現物を握っておりません年には、価格が高騰いたしましたときにいかんともしがたいというのが過去のにがい経験でございました。取引所のさまざまな規制措置も過去においては全力をあげてやりましたけれども、政府あるいは政府関係機関が現物を握っていないことには、いかようにも市況のさましようがないということでございますので、やはり中間安定のために買い上げたものを、途中で業界に売り戻して無事に中間安定の仕事が終わるというのが通常の姿でございますが、そういうふうになりませんで、ずっと持ち続けるというふうな状況の場合には、二万俵を特別勘定のほうに移しかえる、こういう仕組みになっておりますので、そこで特別勘定のほうと、いわば資金的につながりを持つということでございます。 こういった状況を背後に持っておりますので、現在一万五千俵買っておるわけでございますが、なお若干の日数がございますから、もう少し買うかと思いますが、次年度やはり三万俵の予算を組みたいというふうに私ども考えております。これについての資金手当ては、十分できるというふうに判断いたします。
○伊賀委員 おたくの課長さんと一ぺん話をしてみたけれども、一定期間というのは、政令で一年間ということですね。年度の前半に買い入れが行なわれて、そして翌年度にさらに買い入れを行なった場合には、なるほど一年間が経過しているから特別勘定に持ち込めます。ところが、前年度の後半期に買い入れを行なって、そして翌年度の前半に買い入れを行なった場合には、一年間の経過がありませんから、したがって、特別勘定のほうに繰り入れることができません。したがって、その場合どういう資金手当てをおやりになるのか。課長さん方もちょっとそのことには困っておられたようですがね。
○小暮政府委員 非常な現実感を持ってことしの姿を考えました場合に、これは基本的には農産物でございますから、四十三年度の収繭量というものを出発点として、一カ年間の需給を頭に描いていまものを考えておるわけです。その次に新しい年のいわばニュークロップがまた一年間ある、こういう問題でございますので、二カ年継続してかりに三万俵一ぱい買わなければならぬという事態が起こりました場合、前年度のおしまいと新年度の頭で買うということではなくて、やはりそれぞれの収穫にかかわるものについてそれぞれ三万俵ということになりますので、しかも、先ほど来申し上げておりますように、中間安定というのは、買ったら最後ずっと持っておるという仕組みではございませんで、六カ月間買い戻し条件つきでございますから、事業団に出資した製糸業者が、みずからの生産した糸を事業団に売り上げる、六カ月以内に相場が戻りました場合には、その製糸業者が買い戻していく、しかし、その六カ月間に買い戻すような状況が起こらないで、さらにその後半年事業団が持っておりますと、先ほどの特別勘定に移しかえる、こういう仕組みでございますので、やはり年間にさまざまな市況の動きがございます、それらのものを頭に置いて事業団としての運営をやるわけでございます。 しかし、基本的には、かりに持ち越しますれば、一年先には二万俵を特別勘定に移せるのだということは、制度的に確立いたしておるわけでございますから、必要な資金手当ては、関係の金融機関と十分話がつくというふうに判断いたしております。
○伊賀委員 これももう少しお話をしてみたいと思いますけれども、もうこの程度でやめることにいたします。 次は、先ほど最初の委員の方のお話にもありましたが、生糸の価格形成というものが取引所で行なわれておるわけですね。これは国際的に、いま生糸の取引所があるのはどことどこですか。
○亀長政府委員 申しわけありませんが、調査はいたしておりません。しかし、私の知っている限りでは、おそらく日本だけであろうと思っております。あるいは、あるとすればフランスあたりにあるかもしれません。十分調査をいたしまして、あらためてお答えを申し上げます。
○小暮政府委員 私もしろうとでございますが、若干不確かでありますけれども、六カ月までは先物取引という形で、生糸について市場でやっておりますのは、私の記憶では日本だけだと思います。ただ、いわば日本の現物市場に相当いたします市場は、ニューヨークとリヨンにございます。 なお、先ほどの答弁の中で、一つの間違いが事務当局からきておりますので、ここでおわびかたがた申し上げますと、ヨーロッパの駐在は、実は私リヨンと申し上げましたけれども、本年度からハンブルグを予定いたしております。これは訂正をいたしておきます。
○伊賀委員 局長さんがしろうとだといいますと、くろうとがおらぬことになるのですがね。 それはよろしいとして、世界の生糸並びに絹織物の総生産量の半分以上を日本が生産しておるわけであります。いま不確かではあるけれどもという御答弁のとおり、生糸の取引所は日本だけにしかないんですね。あったとしても、それは世界的な影響力というものは非常に少ないわけであります。そうしますと、世界の生糸相場を実は日本がつくっていく、こう理解していいと思うのですが、どうですか。
○小暮政府委員 かつては、日本の生糸の価格がそのまま世界の生糸価格水準になったわけでございますが、今日では、先ほど来御議論の中に出ておりますように、ヨーロッパには主として中共、アメリカには主として韓国という大きな競争相手があらわれまして、現状では、ニューヨーク、リヨンの国際市場は、日本だけの糸の相場ではきまらないという現実でございます。
○伊賀委員 お話しのとおり、確かに中国、韓国が進出してきております。しかし、ずっと統計なんかを拝見しますと、中国の生糸も韓国の生糸も、大体日本の相場が上がるときには上がっておるのですね。下がっておるときにはほぼ下がっていますね。したがって、これは考え方はいろいろありましょうけれども、世界の生糸相場を、実は日本の取引所、日本の相場が決定しておる、こう判断して差しつかえないと私は考えるわけであります。 そういうふうに考えた場合、これも先ほど議論にちょっとありましたけれども、いわゆる取引所の機能といいますか、というものをいろいろな角度から判断した場合、私は説明は省略しますけれども、むしろ取引所を廃止したほうが、いわゆるその間に思惑買いということで、わずかの要因がばばっと価格を上げたり、あるいはむちゃくちゃに下げたり、あるいは投機的なものが出てきたりというようなことで、かえって日本の蚕糸業を不安定におとしいれておるのではないか。しかも生糸が、いわゆる完全な自由販売といいますか、それが国内あるいは国際的にもそうならばともかくとして、幸いこうした価格安定帯というようなものができておるわけでありますから、そこに関係業者なりあるいは関係各役所なりが集まって、適正な需要の見通しであるとか、その他諸条件を勘案して適当な値段を設置するならば、それがほぼ世界の相場を支配し、かつあまり大きな変動なしに、いわゆる安定しておのおのやれるのではないかという意味で、私はこの際、いろいろ議論はあろうと思いますけれども、そうした理由から取引所を廃止すべきではないか、こう思うのでありますが、これはひとつ農林省だけでなしに、通産省その他関係各省からのお考えもあわせて聞いておきたいと思うのであります。
○小暮政府委員 取引所そのものにつきましては、しかるべき担当の方からお答えいただきますが、生糸という観点から申し上げまして、御承知のように輸出は、現状では残念ながらだいぶ数字も少なくなっておりますが、やはり年間一万俵近いものを出しております。輸出取引というようなもの一つを考えましても、やはり数カ月先のものについて約定して、これを清算して引き渡すというようなことをやるわけでございますので、保険と申しますか、かけつなぎと申しますか、そういう意味で多年にわたってくふうされました先物取引といったものは、そういった面での取引の安全というものにつながるような機能もございまして、非常に長い沿革と歴史のあるものでございます。そういう保険機能等もあるという点も、あわせてひとつ慎重に判断してまいりたいというふうに考えております。
○伊賀委員 時間がありませんから、これはもう簡単にしますが、たとえば、昔は米あたりがずいぶん相場でがたがたしたことがありましたけれども、このごろは米の取引というものはないのですね。ないほうがかえって価格が安定するのと違いますか。ひとつ今後の課題として御検討をいただきたいと思います。いまの点、通産省のほうからお考えをお聞かせ願いますか。
○亀長政府委員 私、経済局長でございますが、生糸取引所につきましては、これは御指摘のとおりいろいろ問題があることも事実でございます。しかし、蚕糸園芸局長もお答えしましたように、長年の歴史もあり、また、現在の日本の生産が二万トン、取引所の扱い高、取引所を通過する量は、何回も通るというようなことでございまして十八万トン、それだけにかなりな現実の影響力を持っておるということも事実でございます。 先ほど先生からお話しの、日本である程度その価格をきめて、それで生糸の価格を動かしたらどうかということでございますが、取引所の機能といたしましては、現実の需給実勢をできるだけ直ちに反映するようにするというのが、取引所制度の目的であろうと思います。これを価格安定ということから考えます場合には、おそらく制度としては別個の機能を考えるべきではないか。たとえば、現在の事業団の機能の拡充というような方向で、生糸取引所の価格が事業団の価格調整機能と相まって安定化をしていくのではなかろうかと思います。 米の例が引用されましたが、米につきましても、事実戦前には、御承知のように正米取引所がございまして、それが食管制度の拡充によって、国家の米穀の管理価格によって逐次機能を失っていったということであります。したがいまして、生糸の場合におきましても、取引所自体の改廃というような問題よりも、別個やはり価格安定機能を持つ制度を確充することによって、取引所も自然それに順応していくという形が、普通の制度でないかと思います。 取引所のみに価格安定の機能を負わせるということはなかなかむずかしい問題で、取引所としては、あくまで自由経済のもとにおける需給実勢の正確なる反映ということが理想であろうかと思っておりますが、この問題は非常にむずかしい問題でございますので、私どもも十分各省とも相談をいたし、また蚕糸園芸局とも相談いたしまして、今後研究を進めたいと考えております。
○伊賀委員 次は、生産の対策といいますか、四十四年度の施策の中に蚕業生産改善対策事業というのがありまして、これは詳しいことは申し上げませんが、壮蚕飼育の合理化以下大体七項目が一つのセットになって、いわゆるメニュー方式というのだそうでありますが、これが、実際農家なり地方自治体からいいますといろいろ不満が出ております。というのは、やること自身はいいのですけれども、メニュー方式で、その七項目の中の四項目くらいの一項目を取り入れた二つ以上のセット方式、言いかえますと、たとえば、壮蚕飼育の合理化に八百万くらい事業費が要る。それとどれかを取り入れなければならぬということで、実は農家からいいますと、それは欲しないというのです。七つの中のどれか自分のほしいのを二つ以上とればいいというのならいいのだけれども、とにかく四つのうちのどれか一つをとらなければいかぬということで、要らぬものまでやらなければならぬということなんで、これをひとつ何とか改善してほしいという末端町村なり生産農家からの要望が非常に強いのです。これはひとつお考え願いたいと思うのです。
○小暮政府委員 繭生産改善推進施設設置事業の運営につきましては、御指摘の点も種々検討いたしてみたいと思いますが、端的に申し上げて、こうした生産改善の施策につきましては、基本的には生産者がみずから選択されるものについては、一応融資その他の措置があるわけでございまして、特にモデル事業として、これに直接補助するということを考えました場合に、生産技術の指導面から技術者がよりより協議いたしまして、一種の必須科目といいますか、こういうものをモデル的に発展させたいといった、いわば必須科目と選択科目、こういうものの組み合わせで地域で選んでいただくというようなことで、実際の事業の運営上必要があるというようなことも御理解いただきたいというふうに考えます。 〔安倍委員長代理退席、委員長着席〕
○伊賀委員 各府県なりその他から意見をよう聞いてもらいたいのです。農林省のお考えはそうでしょうけれども、やはり受けるほうの立場も聞いてもらいたいと思いますから、今後ひとつ検討してもらいたいと思います。 それから最後に一つだけ。蚕糸事業団の職員構成といいますか、これをずっと拝見いたしますと、全部で二十九名いらっしゃいますね。何もこれは天下り人事とかなんとか言って大げさなことを私は言おうとは考えませんけれども、二十九名のうち、いわゆる課長補佐さんを加えますと十七名が役付ですね。そうしていわゆる一般職員というのが十二名なんです。これはまさに頭でっかちで、ちょっと頭が重過ぎて足のほうがうまいこと動きにくいのじゃないかというような感じが実はするのです。どうでございますか。
○小暮政府委員 こういった生糸の買い入れ、売り渡しといった事業を所管する事業団でございますので、具体的な末端における指導とかあるいは調査といったような仕事は、直接分担させておりません。やはり事業団の運営には、現在程度の陣容で適当ではないかということで定められているというふうに了解いたしております。
○伊賀委員 ちょっと、そういう御答弁になりますと不満を表明せざるを得ませんですけれども、それ相応の事情があってこういうことになったろうと思います。しかし、年齢構成あるいは給与等から見まして、必ずしもいま局長さんがおっしゃったような姿ではないと私は思うのであります。今後これらの点につきましても、直ちに答弁を求めようとは思いませんけれども、将来価格安定機能というものを、この事業団に十分力を発揮させようと思うならば、やはり職員にしましても、十分な配慮をする必要があろうかと思いますから、今後ひとつ御検討をいただきたいと思います。 最後に、一つだけ政務次官にお尋ねしておきたいと思うのですけれども、いろいろお聞き願ったと思いますが、おたくの資料によりますと、一日当たり家族労働報酬費が、繭が千五百七十七円、水稲が二千六百二十七円、陸稲これこれ、大麦これこれとずらっと書いてあるわけです。いま農林省は作目転換、言いかえますと米がもうだめだからひとつ果樹と畜産——総合農政の中身がまだ的確に発表されてないようですけれども、要するに転換しなさい、こう言うておるわけです。転換しなさいと言いますけれども、米の一日当たり家族労働報酬が二千六百二十七円だというのに、ただいま申し上げましたように繭で千五百円しかありません。それから果樹、果樹といっていますけれども、果樹でも、ナシは千二百二十二円しかありません。リンゴも千八百円ほどしかありませんでして、ミカンも、おととしあたり三千円ぐらいまでいったようですけれども、去年あたりからがたんと下がりました。したがって、一番いい米をやめて安い報酬しかないところに総合農政で作目転換さしていこうということが、どうも私どもには理解しかねるのでありますけれども、ここら辺、ひとつ次官として大いに考えてもらう必要があろうかと思うのであります。 これに関連しまして、いまの繭にいたしましても安定帯価格なんというものがありますけれども、これは国際水準その他いろいろありましょう。ありましょうけれども、少なくとも国内における所得の格差是正とかその他から考えまして、安定帯価格も安いという意味も含めまして御答弁をいただきたいと思います。
○小暮政府委員 政務次官からお答えいただきます前に、事務的な面からの所見をちょっと申し上げます。 御指摘のように、単位当たりで見てみまして、一日当たり家族労働報酬をもの別に比較いたしますと、御指摘のとおりの数字に相なります。そうすると、米からほかのものへ移るというようなことは、一見無意味なようにも見られますけれども、これは申し上げるまでもないことでございますが、それぞれの農家の営農形態の中で、たとえば、現にある規模の養蚕をやっておる、それからある規模の水田をやっておるというときに、養蚕そのものの生産性の向上という角度からある規模を追及するといいますか、あるいは近隣の生産者と共同である規模の共同桑園に持ち込むことによって、たとえば、導入された機械が償却面からも無理なくいくといったような、そういう畑作経営全体としての生産資材と労働力の配分、その組み合わせによってできるだけ高い所得水準を実現しよう、そういう角度からの判断が行なわれまして、現状のもとでも、国が特段の措置をしない状況のもとでも、それぞれの作目からそれぞれの作目へ、かなりのものが年々移動をいたしておるわけでございます。 そういった生産者の努力に対し、国が米の需給事情等を勘案いたしまして、ある方向での指導と協力を求める、こういう問題でございますので、蚕糸園芸局といたしましても、一部水田から養蚕への転換ということを、新年度においてはかりたいというふうに考えております。
○小沢(辰)政府委員 確かにいま局長申し上げましたように、時間当たりの労働賃金にいろいろ差があるわけでございますが、繭の生産性につきましては、御承知のとおりこの十年間で、時間当たりの繭生産量に換算してみますと約四〇%伸びているという点もございます。また労働時間については、やはり四〇%程度の省力化が行なわれている。あるいは十アール当たりの収穫量につきましても、今後相当伸びる期待があるわけでございます。 いずれにしましても、われわれとして生産性の向上にうんと力を入れる、あるいは省力技術の普及をはかる、経営規模の拡大をはかる等の努力をできるだけいたしまして、今後一そう御期待に沿うように努力していきたい、こういうように考えております。
○丹羽委員長 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 前の人から質問があったついでですから、そっちのほうから先にお尋ねしたいと思います。 長期見通しによれば、五十二年あたりにおいては五十一万ないし五十四万俵、こういう見通しのようです。それから反当生産性、労働生産性、それぞれいただいた表にあるように、昭和三十年のときには十フール当たり六十一キロが、昨今では七十五キロになってきた、こういうような見通しで、昭和五十二年には十アール当たり百キロぐらいでしょうか、そういう見通しのようです。そういうことになると、この五十一、二万俵のうち輸出が八万俵前後ということになると、いま稲作転換というんだけれども、第一に、ことしは一万ヘクタール転換しようという中で、何か転換対策費が九億ですかあるのですが、蚕糸園芸局の関係の桑園には大体どのくらい想定をしているか、それが一つ。 それから、これは質問してもまだどうもよくわからないようだが、伝えられるところによれば、五年間に二十五万ヘクタール、これだけ転換していこうということをいわれているのだけれども、その中で桑園をどのくらい転換をしていこうという見通しでございますか。 それからもう一つは、転換対策事業費ですか何か九億あるわけですね。それは桑園の場合に、反当たりにすれば九千円かそこらになるはずです。それから規模はどういうことか。果樹だと十五ヘクタールという規模があるが、その規模の制約、そういうものをついでに……。
○小暮政府委員 稲作転換の仕事で、初年度桑園関係に予算上想定いたしましたのは二百五十ヘクタールでございます。 それから、特別事業を行ないます場合に、地域の実情に即して判断いたしたいと思いますが、予算の積算上は十ヘクタールの共同桑園ということで考えております。
○小沢(貞)委員 それで、五年間にはどういう計画ですか。
○小暮政府委員 五年間の総体につきましては、現在まだ見通しを整理いたしておりません。
○小沢(貞)委員 反当生産性はずっと上がっていく、それはいいわけですね。それで、稲作のほうからこういうように転換をして、ことしだけでこういう一応の想定で、今後五年間でもやはり桑園面積をふやしていこう、こういうわけで、それで五十二年のときに、オーバープロダクションにならないように計算はできておりますか。
○小暮政府委員 長期見通しを行ないました際の桑園面積の見方でございますが、約十六万ヘクタールのものが十年間で十七万ヘクタール弱になるという見通しをいたしております。現在、ここ数年の姿を見ましても、年に相当程度の桑園面積が、片っ方でつぶされて、片っ方でほぼ同じくらいのものがつくられておるわけです。これは実は俗に見積もり桑園といっておりますような、畑地のへりを額ぶちのようにやっております桑とか、あるいは老木になったような桑とか、そういうものを役所のほうももちろん指導しておりますし、生産者団体もいろいろお考えになって、そういうものを整理していく仕事が一方にございます。他方に新たに共同桑園というような形で、省力化可能なような桑園をつくるという事業が並行いたしておりますので、それぞれ相互に消し合って、片一方では面積が減り片一方ではふえる。しかし、見積もり桑園のような非能率のものは減って、比較的生産性の高い桑園がふえるという形で、桑園面積がほぼ横ばいに推移しているというのが現状でございます。 そこで、十年間で数千ヘクタールふえる程度のものは、先ほど申しました需給の長期見通しからいって、いま申しましたように生産性の高い桑園に置きかえていくということを含めて考えました場合に、十分成り立ち得るのではないかというように考えております。むしろ面積でかせがずに、反収のほうで生産の増強をはかっておるような数字になっておるはずでございます。
○小沢(貞)委員 私もそう思うのです。反当収繭量がふえていくわけです。過去の趨勢を見て五十二年を見通せば、反当収繭量がふえていくだけで、五十二年の見通しの生産ができそうなような可能性すらあるわけです。それを稲作転換ということで、米のほうの犠牲でまた桑園をふやしていけば、間違いなくまたオーバープロダクションになって、生産し過ぎたからだめだ、こういうことになっていかないですか。それが一点。 それから、過去の指導によれば、桑園は山にのぼれということだった。われわれのいなかは長野県だが、山にのぼれ、山にのぼれ、こういうことだった。本来米をつくっているような平地のいいところの桑園は、反当収繭量を大いにあげて、労働生産性も、過去十年ばかりで倍になってきた。キログラム当たりの労働時間が半減してきたわけです。これも、さらにいい場所でやればさらに半減をする、こういうことになっていく可能性を持っていると思うのです。一体桑園を山にのぼらせるのか、今度の転換にあたって一番いいところに持ってきて、平らなまん中の一番いいところでやろうとするのか、どういう方向でいこうとするのか。
○小暮政府委員 決しておことばを返す趣旨でございませんので、お許しをいただきたいのですが、やはり地域の実情によるのではなかろうかと思います。実は、先ほどの説明の中で数字を申し上げなかったのですが、最近数年の姿で、壊廃されますものが年に約九千ヘクタールで、新たにつくられるものが九千ヘクタールでありまして、かなりの規模での桑園の交代がございます。これは同じ村でつぶしてつくるということばかりを意味するものではございませんで、むしろ分散したところはだんだん整理されて、主産地のところに若干濃密になるといった、産地の成長発展の姿も含めての問題でございますが、年に九千ヘクタールつぶして九千ヘクタールつくるというような事情が現実にございます。 そこで、九千ヘクタール新たにつくりますものを、いろいろ地域で具体的に計画をつくります場合に、従来は、戦後の長年の食糧需給に対しての私どもを含めての認識が、水田は大事でございますから手をつけないということでございましたが、これからは、米の需給状況がいま考えられるようなことである限りは、やはり新たにつくります桑園につきましては、地域の実情に応じて、省力化の可能性ということを含めて、山地だけでなしに、水田あと地も計画の中に織り込んでいくことが十分考えられると思います。なるべく地価の安いところで、交通等の問題は自動四輪車でこなしながら省力桑園をつくるという指導は、今後も当然続けなければならぬと思います。 年に九千ヘクタールふえるものが、全部水田からいくということはおよそ考えられないことでございまして、やはり山にのぼるという要素が量的には多いと思います。しかし別途、屋敷回りの、非常に見回り等の便利な、しかも労働生産性の最も高い、土地生産性も高いところを桑園として選ぶ道も今後開けてきた、かように理解しておるのでございます。
○小沢(貞)委員 あまりかかわっておられませんが、とにかく五十二年までの長期見通しがあって、需要の予測があって、それから労働生産性も反当生産性も趨勢はわかっているわけです。それから稲作の転換だということなんだから、今度は反当収繭量の多いところでやろうということだから、やはり生産、面積、価格、そういう総合的な面から考えてもらいたい。またつくり過ぎだ、補助金を出すから桑を米に、私はそうなる可能性を持っているような気がするから、いまからそういう長期見通しを立てて、ある程度の計画性を持ってやってもらうように要望しておきます。 それから、先ほど来たいへん質問がありましたが、やはり十二条の三が問題です。これは私、二十日ばかり前の蚕糸業危機突破大会に行って、一体この条文を入れたのは選挙対策じゃないか、こんなものはあったってなくたって、関税定率法九条によってやろうと思えばいまでもできるだろう、輸入貿易管理令でもってやろうと思えばいまでもできるだろう、しかるに今回の改正にあたって、ここに入れた理由は何だろうかということだった。そのとき私は、善意に解釈すれば、関税定率法九条のほうは大蔵省のイニシアチブでやっておる、輸入貿易管理令は通産省のイニシアチブだが、ここにうたわれた以上は、いま少し農林省のイニシアチブでもってこれが発動できるような方向というものがあるならば、この制限規定みたいなものは意義があるだろう、こういうことをあの当時考えたことがあるのだけれども、先ほど来の質問を聞いていると、やはりどうもめどというものがちっともわからないわけです。局長さんのおことばを要約すると、外国産生糸によって日本の蚕糸業が危機におちいるような場合には、こう言うのですから、どこが危機であるかということは、その人の判断にによるであろうし、いつどういうときに発動できるかということは全然わからないし、これをつくった意味が私はないような気がするわけです。 そこで、もっと具体的にお尋ねすると、たとえば、中間買い入れ価格以下になってしまいました、一生懸命で事業団は買い入れます、にもかかわらず外国から来ます、しかし値段はそんなに下がってない、そういう状態がいま続いていると思うのです。買い入れの資金には限度があるから、五千九百円で幾らでも買い入れたら、資金がもうなくなってしまう、外国からは入ってくる、たとえばこういう状態というものが、外国産生糸による日本の蚕糸業の危機だと見るか。つまり、そういうときが発動の時期かということなんです。
○小暮政府委員 先ほど来申し上げておりますように、中間安定という仕事は、その年の需給事情というものも勘案しながら、まさに官民協同で中間の適当な水準に維持しようという仕事で、買い入れの限度数量も、政令で年間三万俵というように定められておりますから、その意味からいきますと、ある一つの限られた手段であるわけです。これはその水準に維持するために、無限に買い続けるという性格は持っておりません。 しかしながら、その中間買い入れという手段を駆使して、相場が基準糸価の前後に維持されているという姿を想定いたしますと、本来そういうときに中間買い入れ制度で短期変動を除去しようということで、かねて用意しておった手段が動いて、そこで相場が維持されておるという姿でございますから、これは、決して日本の蚕糸業が危機に瀕しておるというふうに理解する必要はないだろうと思うのです。 それから逆に、今度の特別勘定で考えておりますような、ことしでいえば五千二百円水準でどんどん買ってもどうしようもないという事態がかりにございますれば、これはもうほんとうにお手あげであるということは、万人が認めると思うのです。ですから、その両方の場合はどなたも御理解がしやすいと思うのです。 問題はその中間だと思うのです。そこでそういうものについて、何円になったら発動するかという問題として本件を理解することは、やや適当でないのではないかということを今朝来るる申し上げておるわけですが、韓国、中共等の生産事情、あるいはアメリカ、欧州の需要の姿、日本国内の需給の姿というものをやはり総合判断いたしますと、これはとてもわれわれの用意しておる安定機構では、いかんともしがたいということが予測されるような事態が不幸にしてございました場合には、五千二百円で買いまくって、討ち死にしてみせてから輸入調整をするというような、何もくどいことをする必要はないというふうに私は確信いたしております。そういう意味で、別に何円になったら発動するという問題ではないということを申し上げているわけです。
○小沢(貞)委員 よくわかりませんが、五千二百円を割ったときには、もう間違いなく買い入れる、これはいいわけですね。それからその次には、その可能性のあるときには、この十二条の三は発動される、こういうように理解してよろしいわけですか。
○小暮政府委員 たいへんくどいようで申しわけございませんが、外国産生糸の価格の下落または輸入量の急激な増大により、というのが一つございます。日本で大増産をして、いやな例でございますが大暴落して、五千二百円を割ったから輸入制限であるといっても、これは、実は多年にわたって世界の市場を支配してきました日本の蚕糸業というものの性格から見ましても、国際的に理解と納得を得ることはできないと思うのです。その外国産生糸というものを原因として五千二百円を割って、安定機構ではいかんともしがたいという事態が、十二条の三の事態であるということは、何人といえども疑わないだろうと思うのです。ただ、それ以外にあり得るであろうというのが、むしろ私が申し上げていることで、五千二百円で買って討ち死にして見せなければこういう規定を設ける意味はないということでなく、逆に申し上げているのです。ですから需給状況、国際市況、外国の状況というものを常時監視し、やはり前広に、適切な判断をする必要がそのときにはあるのじゃないかというふうに考えておるのです。
○小沢(貞)委員 関税のほうからいうと、関税定率法の九条というものを利用しよう、こういうわけでしょう。いまだかつてそれは発動されたことがないというが、そうなんですか。
○小暮政府委員 まだ発動されたことはないと思います。
○小沢(貞)委員 それでは今度、ここで一条設けて発動しようということになれば、あらかじめ大蔵省その他との打ち合わせがおそらくあったと思いますが、まあ書いておけ、農林省で書きたければ書いておけ、おれのほうでは知らないぞ、簡単にいえばそういうことじゃなかろうかと思うのです。そうすると、ここに書くからには、具体的にはどういうときに発動するか、どういうときにはどうだという打ち合わせはなかったのですか。きょうは大蔵省はいるのですか。——いなければ局長でいいです。
○小暮政府委員 政府提案の法案でございますので、法案を御審議いただく段階にまいりますまでには、関係各省と十分打ち合わせをいたしております。 ただその際にも、先ほど申しましたように、たとえば何円を何日間割ったら輸入制限するといったふうな、そういった種類の相談ではございません。
○小沢(貞)委員 これはガットのあれによって、相手国と協議をするとか、こっちでいいだろうと思って発動したって、またあとでその報復手段がこわいから、何とかして相手国の承認をもらわなければならぬというような、こういうむずかしい問題にまで発展していく可能性もあるので、いまだかつて関税定率法九条の二ですか、これは発動したことがない。これはここには書いてはみたものの、何の意味もないのだ、こういうように理解せざるを得ないのですよ、そうなってくると。どうでしょうか。
○小暮政府委員 これまで自由化されております品目について、緊急関税を適用することを必要とするような事態が現実に起こらなかったということでございまして、緊急関税にかかわる制度が全くの死文であるというふうには、私どもは理解いたしておりません。
○小沢(貞)委員 こういう条文を設けたのも、最近の蚕糸業の現状を憂えて、蚕糸業関係者が輸入規制をしてくれ、こういうことで各種大会を開いて、それにおこたえしてこの条文は設けられた、こういうようなぐあいにさえ考えられるのですが、去年や何かの実情から見ると、この条文は書いてみても何の効果もないんだ、これはそういうふうに理解せざるを得ないと思います。 それからさらに、これはさっきも御質問があったようですが、中共や北鮮等ガットの未加盟国については、私は関税のことはしろうとでよくわかりませんが、関税定率法第九条によって、これは一五%だかでいいわけですね。それがケネディラウンドで、四十七年までにはだんだん税率は下がってまいります。昭和四十七年のときには七・五%まで下がっていく。こういうことになりますと、ガットに加盟している韓国その他の国にとっては、日本に輸出するのにたいへん都合よくなってくる、そういう傾向だと思います。片方未加盟国については、関税定率法一五%の税率そのままで推移していく、こう思います。 ところが、先ほどの答弁では、加盟していない国についても友好だとか何だとかいう立場で、それに準じてやるみたいな御答弁があったと思うのですけれども、そういうぐあいに、だんだんガット加盟国に対しては七・五%までここに数年間で下がっていく、中共や北鮮のほうは一五%のままの税率でいく、これはそういうことですか。
○小暮政府委員 経済問題でございますので、何年先まである方針で固定するというふうに申し切ることは、やや適切ではないと思いますが、現在の情勢判断では、韓国に対しましては、ケネディラウンドを通じて生糸の関税率を半減させることを約束いたしました。この約束は、通常の状況のもとでは、このまま進めてまいることになると思います。 中共の養蚕業の問題につきましては、これはガット税率を均てんさせるような状況にはないと判断いたしますので、現状の国定税率を適用してまいりたいというふうに考えております。
○小沢(貞)委員 私もそうだろうと思うのです。片方はガットへ入っておるものだから、ガットで約束されたように四十七年度までに、韓国からの輸入については一五%——いま一二%で、それが七・五%に下がっていく、中共その他は、国できめた一五%の税率がそのまま、先の情勢の変わることは別として、いま考えるとすればそういうことだろうと思います。ところが、これは一%下がるごとに六、七十円ずつ輸出するものにとっては有利になっていく。 そこで、日本の蚕糸業にとって一番脅威なのは、やはり韓国だろうと思いますが、関税が五%、六%、七%というように税率が下がっていけば、七%下がれば三、四百円韓国にとっては日本に輸出するのに有利になってくる、こういう情勢になってくるかと思うのです。 その場合に、これは私なりのしろうと論議ですが、日本の農林水産物と韓国の農林水産物と、こういう大所高所から判断をした場合に、韓国の輸出何とか理事長さんが最近来られて話をしたという話なんですが、われわれの想定するところによれば、日本はいま米が余っておるから三十三万三千トンですか、ことし貸してやろうじゃないか、こういう話になりました。それから生糸は、韓国が日本にとって脅威を与えておるから、向こうとしては何か考えなければいけないじゃないか、こういうことになろうと思います。そのほかにノリとかなんとかありますが、これはどうなるかわかりませんが、両国の関係というものは、もっと大きな政治レベルで話し合いをしなければ、これからケネディラウンドでだんだん下がっていって、ますます韓国は日本に輸出しやすくなる。これは政務次官がいいかもしれませんけれども、もっと政治的に韓国と話し合いをする必要があるのではないかと思います。どうでしょうか。
○小暮政府委員 蚕糸業は、御承知のように非常に伝統のある業界でございまして、これまでにも実は韓国の養蚕業というのは、日本の蚕糸業者の明治以来つちかいました技術水準なり指導の力なりがあの半島に及んで育ったというものでございます。したがいまして、韓国の蚕糸業界は日本の蚕糸業界と、少なくとも敵対関係にはないというふうに、向こうの人たちも思っておりますし、私どもも思っておるわけです。しかも、韓国の土地の広がりなり労働力の大きさなりというものを考えまする場合に、これが急速に日本の蚕糸業を壊滅のふちに追い込むような力を持つというふうにも考えられません。 それから、蚕種その他につきましても自給ができないで、日本からの供給に期待するといったようなものでもございます。やはり日本側の蚕糸関係者が、一致結束いたしまして国内での糸価安定をはかり、政府がこれを強力にバックアップするという体制を堅持しつつ、やはり民間ベースで韓国の蚕糸業者と十分の協調を保っていくというような余地があるのではないかというふうに考えております。
○小沢(貞)委員 私は関税のことはしろうとでよくわかりませんが、ガットに加盟していない中共や北鮮の生糸が脅威を与えるならば、これは国内で緊急関税で二〇%にでも三〇%にでもしよう、国会でもよろしい、こういうことになればすぐ発動できると思う。だから、中共や北鮮の生糸についての脅威というものは、この十二条の三によって発動しやすい条件があって、これは可能性を私は持っていると思います。ところが、韓国のほうはガットに加盟しています。それには事前に協議しなければいけません。あるいはまた発動後、後に報復手段があるとかいろいろの方法があるので承認を求めるとか、ガットの条約上の大きな制約があるということで、ガット加盟国からの生糸の脅威というものについては、簡単に十二条の三というものを発動する条件というのはなかなか困難で、実際はこれは発動できないようなことではなかろうか、私はこういうようにも理解できるわけです。 だからこれは、きょう農林大臣いませんけれども、もっともっと高次元において、向こうへ米をやりましょう、向こうからは、ノリのことはどういうようになっているのかよくわかりませんが、高いレベルでやる必要がある。日本においては、五十二年までに五十三万俵、五十四万俵つくりましょうという長期見通しがある。それに対して、稲作転換でやっていこうという長期プログラムができていて、反当収繭量がどうなるからどうだということはみんなわかっているから、価格もこれくらいで安定しなければならないということはわかっているのだから、そういう長期見通しの上に立って、韓国の脅威を除くために、もっと友好的に政治レベルで話し合う必要があるのじゃないか。これは政治的な問題だから、次官のほうに聞きたいわけです。
○小沢(辰)政府委員 韓国との貿易関係は、御承知のとおり私どものほうから見ますと非常な輸出超過でございます。したがいまして、やはり貿易全体としてのバランスをとっていく上で、この点はやはり考えていかなければならぬ面があるわけでございますが、いまおっしゃいましたような点は、日本の蚕糸業の立場から見ますと、確かに先生御指摘のような点も十分考えていなかければいけませんので、さしあたりは民間ベースで十分ひとつ話し合いをし、理解を求めていきますけれども、そういうような方向で、政府としても十分ひとつ今後検討してみたいと思います。 なお十二条の三の規定がどうもあまり効果がない、いままでもやったことはないのだし、そんなものは入れたってしようがないじゃないかと言われますけれども、少なくとも蚕糸価格の安定法という法律の中にこれがないのも、ちょっとおかしいんじゃないかというふうにお考えいただければ、やはり念のためそういう緊急事態には対処していくのだということを、価格安定法をはっきり今度改正して、価格安定を十分ひとつわれわれが考えるとすれば、やはりこの規定があるほうが穏当なのであって、ないのはむしろおかしいのじゃないかというふうに、実は考えていただきたいと私どもは思うわけでございます。
○小沢(貞)委員 政務次官の言うのはよくわかります。しかし、事務的によく考えてみると、これを入れたところで、いままでだって、入れなくも、日本の蚕糸業を救うためにやろうと思えば緊急輸入制限もできただろうし、緊急税率もかけられたでしょう。そこを入れたからには、実効というものがあるかないか、こう言っている。 私は、この前も農林大臣にトマトの話をして、トマトがこれから自由化になってくると、たよりになるのは関税定率法九条で、緊急関税でもかけてもらえるかというと、これもなかなかむずかしい問題だということがわかってきたんだが、せっかくここも、入れたからには実効があるような——しかしいま聞いてみると、実効はいつあけられるかという見通しはさっぱりつかない。実効のあるようなことをひとつぜひやっていただきたい、こういうことだけを希望して、ちょうど時間も参りましたので、質問を終わりたいと思います。
○丹羽委員長 午後二時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時十五分休憩 ————◇————— 午後二時五分開議
○安倍委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 柴田健治君。
○柴田委員 漁港法の漁港整備計画について、ちょっと短時間にお尋ねをしたいと思いますので、答弁をせられる方は、簡単に御答弁願いたいと思います。 今度の整備計画は第四次ということになるわけですが、第一次は二十六年から二十九年まで、第二次は三十年から三十七年まで、第三次は三十八年から四十三年まで、今度第四次は四十四年から四十八年まで、こういうことで、経過を含めて今後の整備計画なんでありますが、いままでこの国会で承認を得るということは、よほど重要視された問題でありますから、国会で承認を求めた計画については、完全に実施してもらわなければならぬ、こう私たちは強く感じるわけであります。 ところが、この点について、第三次の計画は現在まで六三%の実施率である、こういうことを考えますと、第四次も非常に心配をせざるを得ないのでありまして、この計画どおり資金の面、またほんとうにそれだけの計画どおり四十八年度までできるのかどうか。ただ手続上国会で承認を得ておけばいいのだ、こういう軽い考え方で承認を求められるということになれば、われわれは何をか言わんやである。国会で承認を求める限りにおいては、これだけは完全に実施するのだ、こういう決意がわれわれは聞きたいのであって、いままでの経過を判断しまして、あまりにも国会を軽視されておるのではないか、こういう気がいたしますから、この点の決意を、次官が見えておりませんから長官からひとつお答えを願いたい。
○森本政府委員 御指摘のとおり、前三回の整備計画は事情の変化がございまして、途中で新しい計画に乗りかえるというふうな経過をたどってまいりました。もちろん、その間に完成したものもございますし、また、未完成なものも新しい計画の中に引き継ぎまして、発展的に拡大をして計画をし直してやってまいるというふうな経過をたどっております。 前回及び前々回は、八年というふうなかなり長い期間でございまして、今回はできるだけ短期間に集中的にやるというので五年の計画ということで、私どもある意味ではかなり欲ばった計画でございますけれども、それぞれ後年度の予算編成の過程におきまして最善の努力を尽くしまして、期間内に本計画を完遂するよう努力をいたしたいというふうに思います。
○柴田委員 いま全国で第一種、第二種、第三種、特定第三種、第四種という漁港の種類があるわけですが、これを含めて合計二千七百七十五港という数があるわけですね。この二千七百七十五港のうちで、今度の整備計画は三百七十という。その三百七十の内訳を見ると、第一種が八十三、第二種が百四十四、第三種が七十五、特定第三種が十一に対して十一、これは満ぱいですが、第四種が七十七に対して五十七ということで三百七十の計画になる。 問題は、私は第一種のこの二千百二十八、全体の二千七百七十五港の七七%の比重を占めておる小さい漁港ですが、これらの港は、施設は、国会で承認を得て整備拡充をしていくというように、施設についてはそういう手続論を踏まえて実施をしておるわけでありますが、さて、一方の漁業振興という計画がビジョンが一つもない。施設と漁業振興というものはうらはらであって、施設を充実する限りにおいては、一方では、将来漁業振興というものはどうあるべきか、日本の漁民に、日本の国内のたん白資源の確保に、どういう任務と役割りを果たさしていくのか、長期の展望に立っての計画が一方では出てこなければならない。施設の計画は出てくるけれども、漁業振興の計画が出てこない。これはどういうことなのか、私たちは非常に疑問を持つところなんですが、長官、その点についてお考えを伺いたい。
○森本政府委員 お説のように、漁業の振興をはかってまいりますには、長期的な一つの姿というものを描きまして、それに向かって努力をするということが当然必要であろうと思います。ただ、従来まで漁業の全体の項目にわたりまして、ひとつの計画のようなものを立ててやっておるのはないわけでございます。漁業を振興いたしますために必要な重要な手段、御指摘のような漁港整備、あるいは構造改善、また魚礁の設置といったような、それぞれの振興をはかるに必要な重要なものにつきましては、やや長期的な計画といいますか、めどをつけましてものごとを運んでまいるというふうなことになってきております。 もちろん、そういっためどをつけて計画を立てます裏には、バックデータといいますか、そういう形で、漁業の将来のあるべき姿というふうなものは想定をしてやっておるわけであります。そういうふうなものとマッチしながら、それぞれの手段、方法についての計画を立ててまいりたいというふうに思っております。漁業の将来の全体の振興計画のあり方といったようなものについては、お説のようなことでございますから、十分ひとつ将来の問題として検討さしていただきたいと思います。
○柴田委員 長官はその必要性をすなおに認められたのですが、私たちがこういう施設の整備計画、構造改善その他魚碓の改善等を含めて施設の改善を論議する反面に、漁業振興というものは将来こうあるのだという計画を一方では考えなければならぬ。これはやはり国会の当委員会としては当然の任務である。こう私たちは思うわけで、いますなおにお答え願ったのでありますから、いつまでというのでなしに、近い将来、いずれまた漁業近代化資金法の改正の法案も出てくるようですから、それまでには漁業振興の五カ年なら五カ年、十カ年なら十カ年の一つの基本計画、振興計画というものを示してもらいたい。大綱だけでもいいから示してもらいたい。ただ自分のところの水産庁の中だけで、腹の中だけで考えて、そして絵をかいたのでは、各都道府県にも劣ると私は思うのです。各都道府県は、それぞれ漁業振興に対する計画を持っている。府県でも計画を持っているのにかかわらず、国が漁業振興計画を示さないというところに、私は片手落ちがあると思うのですから、次官もよう聞いておいてください。この振興計画を、きめのこまかいものはたいへんでしょうから、大綱くらいは、この次の漁業近代化資金法の改正法案を審議する際までに示してもらいたいということを、強くお願いしておきます。 それに関連して私が申し上げたいのは、この第一種の二千百二十八ある小さな漁港のことも、われわれは将来の考え方を変えなければならないのではないか、角度を変えて検討する場合には、この問題を論議するときがくるのではないか、こういう気がするわけであります。 〔安倍委員長代理退席、委員長着席〕 この五つの種類の漁港の整備というものは、それぞれ地域的特殊性、その地方の実情等もございまして、なかなかむずかしい問題もあろうと思いますけれども、長官にお尋ねしておきたい。 それから、いま約四十万隻、三十九万何ぼの漁船がある。その約四十万隻の漁船の中で、一番小さい五トン未満の漁船が半分を占めている。約二十万隻。この五トン未満のいまの数字が、今日までの日本の沿岸漁業、近海漁業という立場で、それぞれのたん白資源の供給の体系、流通の体系から見て、半ば小範囲な供給地を持っている。こういうことはやはり国の、先ほど申し上げた漁業振興計画のないところに、自家消費を含めてのささやかな漁業というものが重きをなしてきた歴史ではないか、こう私は思うのですが、将来その漁船の大型化ということを考えられるのかどうか。 それに関連して、漁港というものの整備計画というものはどう踏まえているのかということ。その点がわれわれの知りたい点で、いまの実態のままの漁船の姿で将来進めていくのであるか。将来大型になるのか。また、行政指導の中でどういう方法で漁船に改善を加えていきたいのか。その点をひとつ明確にお答え願いたい。
○森本政府委員 漁港の計画をつくります際に、最も重要な関連を持ちますのは、漁船の今後の動向でございます。御指摘のように、現在までの動向あるいは見通される将来の傾向といったようなものを考えますと、一つは無動力船から動力船にかわる、いわゆる動力化というのが急速な勢いで進んでおります。その勢い、傾向は、おそらく近い将来においても変わらない。それから動力船におきまして、十トン未満の範囲は従来大型化が進んでおりますから、そういった傾向は依然として続いていくであろうというふうに思っております。十トンから百トンの範囲は、何といいますか、まず停とん状況といったような——内容の出入りはありますけれども、そういう状況。それから百トン以上のものは、かなりふえるといったようなことを見通しを立てまして、それぞれの港についてのキャパシティというか、規模を計算いたしまして、今回の整備計画になっているということでございます。 したがいまして、もちろんこれはそれぞれの港についてそれぞれ若干の特殊性はあろうかと思いますが、全国的な傾向としては、そういった展望をもって計画が立てられているということであります。それぞれの港においては、また県におきまして、具体的な実態に即応して、漁船の動向をつかみながら計画が立てられているということでございます。
○柴田委員 長官の答弁を聞いているのと数字を見るのと、推移の状態が違うのですね。五トン未満のほうが案外伸びているのですね。昭和三十年を基準として数字を見ると、四十一年には、隻数においても、大型も伸びているが、同じような比例で五トン未満も伸びている。ほぼ同じようなんですね。それから、いま答弁せられた漁船の改善で、巷間に伝えられておるところでは、ぼちぼち漁船も木造船でなしに、プラスチックの漁船にかわるのではないか、鉄船よりそういう化学漁船になるのではないかというような意見もちらほら出ておるようです。漁船の改善、改造というものについて小型だけふやして、半ば観光漁業の面で考えるなら、それは小型でもいいであろう。しかし、観光漁業の計画もなければ何にもない。われわれが論議をするのに、漁業振興計画というものを明確にしない限りは、漁港の整備も、漁船の改善策も何にも論議できぬではないか、こういう気がするわけですよ。 それから、いま長官の答弁を聞いてみると、おざなりのような答弁なんで、もう少し明確に、いまの四十万隻の漁船の姿というものを、どういう方法で将来改善を加えていくのか、これを減してもいいのかふやしてもいいのか、この点について考え方を聞かしていただきたいと思います。
○森本政府委員 漁船の全体の計画のバックになる見通しといたしましては、全体の姿としては四十一年を基準にしておりますが、動力漁船が四十一年では二十二万六千隻、これが目標年次である四十八年には二十五万六千隻まで増加が見込まれる。一三%増。それからトン数にいたしますと、二百十二万トンから二百五十九万トン、二二%くらいふえるというふうな全体の姿を想定しております。それから規模別の動向といたしましては、先ほど申し上げましたように、トン数の階層によってそれぞれ過去の趨勢がございますし、また将来の見通しも立てて、そういった漁船勢力の変動に応じて漁港の整備をはかっていこうということになっております。トン数階層は、私が先ほど申し上げましたのは、十トン未満という切り方になっておりまして、お手元にお配りをしております漁船のトン数規模の区切り方とちょっと違っておるものですから、あるいはおわかりにくかったと思いますが、私が先ほど申し上げましたことを繰り返しませんけれども、一応現在までの趨勢、将来の見通しとしては、さような動きを示すものというふうに私どもは思っておるわけであります。
○柴田委員 次に進みますが、この漁港の整備計画を完全に、国会の権威を高く認めて、これを四十八年度までに実施する場合に、受け入れ体制というのは府県がするわけですが、この都道府県の受け入れ体制というものは万全であるのかどうか。いま特に水産業というものは、いろんな面で問題が起きておる。一つの公害だけでも、ただ油が少し流れたというだけでもたいへんな問題を起こして、各都道府県は、それに対する調査研究という人的資源、職員の配置から見てたいへんなことだと思うのですね。 それで、一方では漁業振興という計画に基づいて推進をし、構造改善もやらなければならぬ、漁船の改善もやらなければならぬ、養殖施設の改善もやらなければならぬ、指導もしなければならぬ、また漁港の整備もしなければならぬ、一方では至るところに起きておる漁業公害、これらを総合的に判断した場合に、いま都道府県の水産関係の職員構成、機構という点から、はたして受け入れられるのかどうか。国がどんなに音頭をとっても、それを消化するだけの能力を各都道府県が持っておるのかどうか。これが非常に心配なのでありまして、完全実施をするための体制というものが十分であるかどうか、この点についてお答え願いたいと思います。
○森本政府委員 御指摘がございましたように、水産関係全体としても、公害等の仕事がふえてきておる。また漁港自体今回の計画は、前回の計画よりもかなり拡充されておるといったようなことで、全体として県等におきますところの水産関係の機構問題あるいは人員の整備ということは、きわめて重要であろうと思います。特に漁港に限って見ますならば、一つは、漁港をやってまいりますところの県における事務の分担といいますか、そういった問題も、従来指摘をされておりますように、水産部の中にある、あるいは土木部と共管のような形になっているといったようなことがございまして、必ずしも機構的に機動的に動くような体制になっていないというふうな御指摘もございます。 そういった点については、私どもとしても十分機構そのものが機動的に動くように、将来とも地方自治体と打ち合わせをし、指導をしてまいりたい。また人員につきましても、仕事の量等の関係からいきまして十分ではない、また仕事のボリュームがふえるのに対して、どう対応していくべきであるかということは、現実問題としてはきわめて重要でございます。御指摘のようなこともございますから、そういう点については、今後漁港整備計画実行とも関連いたしまして、県とも十分打ち合わせをして、遺憾のないようにしてまいりたいと思います。
○柴田委員 時間が参りましたから打ち切りたいのですが、資料要求を含めてお願いしておきたい。 ただいまお答えを願った点ですが、各府県別の資料要求としてお願いしたいのですが、水産関係の機構と職員数を、四十六都道府県の一覧表をつくって当委員会に、いつまでという日にちは言わないが、できれば今月一ぱいに出していただきたいと思うのです。これを委員長、ぜひひとつお願いしておきたい、こう思うのです。 それに関連して、先ほど長官が答弁したように、県の水産課で漁港の改築までやっておる県もあるし、土木のほうでやっておるところもある。まちまちなんですね。ところが、普通の港湾は運輸省が握っておる。そこで、いま力関係からいうと、悲しいかな農林省自体も弱いが、農林省の中でも特に水産庁というものは非常に弱いという漁民の声もあるし、われわれもそう認識せざるを得ない。予算の面から見ても何から見ても水産庁というものは弱い。建設省と比べたらたいへん弱い。それで都道府県に対しても、やはり漁港整備、施設や漁業振興全部含めて農林部が持って、農林部の中で水産業一本の振興をはからしたほうがいいんじゃないか、こういう気持ちが私はありますから、これは将来の検討していただく問題点として提起をしておきたいと思うのですが、いろいろこまかいことはいずれ次の漁業近代化資金の改正法案のときに、きめこまかいお尋ねを申し上げたいと思いますので、資料要求をいたしまして、最後にどういう決意を持っておられるか、次官に簡単でよろしいですからお答え願いたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 今回お願いをいたしております整備計画の承認案件でございますが、非常に大きな改定をやりまして、漁港の整備をはかっていこうということでございますので、これを受け入れる実施側の各都道府県の行政機構の充実につきましては、非常に大事だと私も考えております。したがって私どもは、それぞれ整備計画の予算の配分その他いろいろやりますときに、十分ひとつ県側とも打ち合わせをし、その弱いところ、あるいは従来いろいろな点で欠陥のあらわれているようなところにつきましては、特別に今回は、知事さん以下首脳部に理解を持ってこれにこたえていただくような努力をできるだけいたしたい、かように考えておりますし、また、せっかく先生方の御協力を得まして、ぜひ充実した方向に持っていきたいと考えております。
○柴田委員 これで終わりたいのですが、資料要求をしておりますから、ひとつそのようにはからっていただきたい。
○丹羽委員長 私から柴田委員の御要望に沿って……。
○柴田委員 それでは終わります。
○丹羽委員長 樋上新一君。
○樋上委員 今回提出されました繭糸価格安定法の一部を改正する法律案は、糸価安定特別会計を廃止することとし、この特別会計の機能を日本蚕糸事業団の業務に一元化することになっておりますが、これは蚕糸業界における強い要望でしょうかどうか、いわゆる法案を改正されたところの趣旨を聞かしていただきたいと思います。
○小暮政府委員 糸価の安定につきましては、長い経過の中から、国が行ないます特別会計による最高、最低の価格安定と、業界と国が協力してやる中間安定という二つの仕組みに固まってまいったものでございまして、そのいずれも必要とするというのが業界の一致した希望でございます。 したがいまして、行政簡素化の趣旨から両者を合体する、片一方をやめるということでなしに、両方の機能を残したいというのが、全体の希望であるというふうに了解しております。
○樋上委員 事業団の買い入れ限度が、通常変動の場合年度内に三万俵とし、異常変動の場合の買い入れ限度は設けていない。三万俵をこえてもなお下落する場合は、異常変動の事態が発生しないということで買い入れができない結果となり、中間安定の価格水準の維持が困難となることが予想されますが、政府は将来ともこのような二重にわたる安定帯を認める必要があるのか、その理由を述べていただきたいと思います。
○小暮政府委員 中間安定の仕事も、それから異常変動に対する措置も、いずれも糸価の安定をねらう措置ではございますけれども、中間安定には、またかなり別の意味合いもこれに合わさっておりまして、これは毎年毎年製糸業者が養蚕農家から繭を買って、これを糸にひいて織物屋に渡すという経済行為をやるわけでございますが、年間に糸のほうの価格も変動いたしますし、繭も農産物でございますから、年に限られた時期にとれました繭を、まとめてあらかじめ収買しておく。必要な数を買うということでなしに、まとめて繭を手配する。そのときに値段をきめなければいかぬわけですが、そういうふうにしてやったものを使って糸をつくっていく。その糸は、またいろいろ変動するわけでございますから、やはり業界と国とが協力してこの中間安定という仕組みを考えまして、そのつど繭の取引と申しますか、製糸業者としての経営計画というものが、いわば具体的にかみ合っておるわけです。 異常変動防止のほうは、そういったものとはまた趣を異にしまして、経済変動等によって糸価が大きく動く。これは別に業界の出資とか、業界が繭の生産者とどういう約束をしているとかいうこととは関係なしに、今日でいえば五千二百円を割るような事態であれば、これをできるだけ買ってささえる、こういうことです。 いずれも糸価の安定の仕事ではございますが、中間安定と申しますのは、やや具体的なその年の繭取引あるいは糸の製造計画というものとからんでおりますので、これを従来、業界と国の出資の資金の範囲内で、政令で一応年間三万俵と限度を設けてやっているわけでございます。したがいまして、両者の性格がやや違うということを御了解いただきたいと思います。
○樋上委員 異常変動と通常変動との業務を、資本金、積み立て金、借り入れ金等にわたって経理区分をしなければならないその理由と、将来の一元的運用方針についてお伺いしたい。
○小暮政府委員 中間安定の仕事は、先ほど申しましたように、非常に現業的な色彩を持った業界との共同行為であるということと、異常変動防止は、まさに行政上の判断に基づく、いわば最低の価格のささえでございます。そこで、それぞれの仕事にどのように資金が調達され、どのようにものが取得され、経理されたかということを明らかにしておくことが必要であろうということが一つと、それから異常変動防止の仕事は、これは業界の努力でとという性格のものではございませんで、政府が蚕糸事業団をしてやらせるということに今回なるわけでございますから、その原資を全額国がこれに出資いたしますと同時に、これに国が債務保証をする。裏返しますと、中間安定の部分は債務保証しない。そういう債務保証のあり方もございまして、両者はやはり経理区分をして、その経理を明らかにしておく、こういう趣旨でございます。
○樋上委員 異常変動の場合の買い入れについて、借り入れ限度が設けられていないにもかかわらず、政府の債務保証額が百十五億と限定されたその理由はどこにあるのですか。
○小暮政府委員 異常変動防止のための勘定では、原資三十億をもとにいたしまして、農林中金等から金を借りて実際の買い入れをやることになると思います。その場合、通常の状態では三十億の五、六倍は借りられると思いますけれども、これまでは国の特別会計でやっておりますから、特別会計時代には、国として債務を負担してよろしいという限度として借り入れの限度を設けたわけです。今度は事業団でございますから、事業団にはそういう意味での借り入れの限度は設けませんで、原資三十億を出資しておくということでございます。 ただ、この事業は公共性がきわめて強いので、先ほど申しました趣旨にかんがみまして、国が予算上百十五億円まで債務保証をするという態度を明らかにする、こういう趣旨でございます。
○樋上委員 事業団に一元化された業務の運営は、養蚕、製糸、輸出の業界代表者によって、事業団の運営審議会を中心に、効率的に、融和的に実施されるものと思われますが、事業団の新業務計画の運営方針等についてお伺いしたい。
○小暮政府委員 事業団の事業の基本は、やはり価格帯がまずきまらなければいかぬわけですが、その点につきまして、国と事業団との分担関係を申し上げますと、まず農林大臣が、従来の最高、最低価格、今回から安定上位、安定下位と呼称を改めましたが、この最低、最高の価格は、農林大臣が蚕糸審議会の意見を聞いてきめます。同時に、農林大臣は基準糸価というものを定めます。事業団は、ただいま御指摘の運営審議会にはかりまして、事業団としてきめますものは、国の定めた基準糸価、これをまたもとにいたしまして、事業団としての中間買い入れ価格と中間売り渡し価格、従来の事業団では買い入れ、売り渡し価格ですが、これを運営審議会にはかって事業団がきめまして、農林大臣の承認を求める、こういう仕組みになっております。この分担関係は、今度の新しい事業団におきましても、同様に引き継がれるということになると思います。
○樋上委員 最近における糸価の低迷と、事業団の生糸保有水準といったものについて、一体どうなっているのですか、お伺いします。
○小暮政府委員 昨年暮れからの糸の需給状況並びに価格の推移を見ますと、やはり約二万俵程度の生糸のたな上げをすることが必要ではないかというふうに判断いたしまして、現在、二万俵のワクを事業団としては窓口をあけて待っておるわけでございます。今日までに事業団で買い上げて保管しておりますのは、約一万五千俵でございます。
○樋上委員 価格変動の主原因である需給調整の機能は、今後事業団の保有生糸、乾繭によって安定化に伴い措置されると思いますが、将来にわたって、事業団の価格調整のために必要とする保有数量はどの程度でしょうか。
○小暮政府委員 過去におきまして、特別会計も事業団も一俵の糸も持っていないという状況のもとでは、糸価の高騰をいかんともすることができなかったという経験が何回かございますので、事業団である程度の糸を保有しておることは、糸価の安定上、きわめて有効な働きをするというように考えますが、ただ、これまでのところ、何俵くらい事業団が持っておれば糸価の高騰が確実に防げるかということについての経験的なものが実はございません。また、非常に巨額の資金を要するものでございますので、あまり大量のものを事業団で保有するということも、別の面に無理があろうかと思います。 ただ、昔と違いまして、近年は、午前中にもいろいろ問題として指摘されました輸入の問題が一方ございまして、あまり国内の糸価が高騰いたしますと、輸入の量がふえてくるという要素が、昔と異なった新しい要素としてつけ加わっておりますが、この面から、ある程度価格の高騰を防げるという要素もございますので、あまり多量のものを事業団で保有する必要はなかろうと思います。
○樋上委員 最近における生糸の価格は、昭和四十三年九月を頂点とし、その後下降を続け、十二月以降六千二百円台を上下しておるようでありますが、この原因はどこにあるのだろう、こういう点伺います。
○小暮政府委員 一昨年から昨年の初めにかけまして、繭の生産が必ずしも需要に追いつかなかったために、糸価がかなり高くなっておりまして、それに刺激をされまして国内の生産が増強されましたことと、また同時に、輸入が誘発されたという事情がございました。輸入のほうは、かなり長期の契約に相なるものでございますから、国内の増産の効果が出まして、国内で戦後最高の繭の生産高を見たわけでございますが、それによって市況が低下いたしましたにもかかわらず、若干輸入の続きがあったというようなことがございまして、両々相まって市況の低下を見たと思いますが、基本的な原因は、やはり繭の生産の増強と申しますか、供給の潤沢化にあるというように判断します。
○樋上委員 輸入生糸によって、日本の蚕糸業は脅威にさらされておるのですが、輸入生糸については、事業団が一括輸入をして、国内の価格の調整を行なうという方法が考えられないものか。その点はどうでしょう。
○小暮政府委員 農林省関係の事業団で、たとえば畜産振興事業団が、畜産物につきまして排他的、一元的に輸入をするという仕組みが例としてはございますけれども、これは、目下輸入制限をしておりますいわゆる外割物資についてでございます。生糸につきましては、これは早くから完全な貿易自由化品目に相なっておりまして、輸入は自由ということになっております。したがいまして、これについて事業団が、独占的、排他的に輸入業務を行なうということになりますと、これはまた、自由化しておるということとの関連が非常に理解しがたくなります。 それから、かりに外国産の生糸の影響で、先ほど来いろいろ申しましたように、価格が急落するかあるいは数量が急激にふえるということで問題を生じました場合には、実は輸入は要らないわけなんです。ですから、問題を生じたときに窓口を一元化すると申しましても、問題が生じたときには入れたくないわけでございますから、事業団で輸入させるというよりも、むしろ関税を高めたりあるいは暫定的に輸入制限したりというほうが、より直接的ではなかろうか。通常の状態では、逆に自由化されているものを政府関係機関が独占的に入れる、しかも、そこで買い入れ、売り渡しの間に課徴金的な性格のものが結果的に出たりいたしますと、またその辺からもむずかしい問題を生ずるのじゃないか。こういうことで、事業団一括輸入という考え方にならなかった次第でございます。
○樋上委員 いま、この方法に難点がいろいろあるとおっしゃいましたが、これは十分検討してもらって、この方法を取り入れるならば、この問題は解決すると思うのです。本腰を入れて、いま私が申しましたような、事業団が一括輸入して国内の価格調整をするということは考えていただきたいと思うのでございます。 いろいろ理由があると思うのですが、生糸の相場は需給に関係なく変動する。この原因は生糸の流通機構によるものと思われますが、この流通はどのようになっておるのか。また、この機構について考えるべきではないか。この点はどうでしょうか。
○小暮政府委員 生糸につきましては、まず原料でございます繭の生産と売り渡しの段階は、むしろ農業団体の多年の努力で、きわめて秩序立ったものになっておりまして、共販率も非常に高い形で、養蚕農協が繭を集めて製糸家に引き渡すということにいたしております。この面は、年々価格の協定等にさまざまな苦心はもちろんございますけれども、原料農産物の受け渡しの形としては、きわめて進んだものであるというふうに思います。 その次の段階の、製糸家がこの繭を生糸にいたしまして、これを織物屋に渡します段階は、これはきわめて多数の業者が関係いたすという点では、いろいろと問題があろうかと思いますけれども、これまたかなり長い間にでき上がりました一つの流通の仕組みがございまして、それぞれ中小企業相互の受け渡しとしては、かなり練られた形になっておると思います。 むしろ、市場で生糸の相場が行なわれるということが、時に実需とやや離れた相場の形成を見ることがあるという点にいろいろ問題があろうかと思いますけれども、生糸全体の生産並びに消費の姿には、なお改善すべき点は多々あると思いますが、現状において致命的な問題点は、比較的少ないのではないかというふうに判断いたしております。
○樋上委員 いま相場の話が出ましたが、横浜、神戸取引所並びに前橋、そういったところの取引所に、私は非常に改善すべき点があるんではなかろうか、こう思うのです。大衆投資家が非常に泣かされておる。いわゆる大手投機筋がこの相場の変動をやっておる。証券取引法のあれも改正せなければならぬと思うのですが、しろうとはこういった相場に手を出して泣いておるのが多々ある。こういう点について、私は政府がこの短期相場なんかにもっともっと監督権を持たなければならないと思うのですが、この点はいかがでございましょうか。
○小暮政府委員 市場関係の担当の者が参っておりませんので、私から、やや間接のお答えになって恐縮でございますが、生糸の市場取引をめぐりまして、いわば相場で失敗をするというような例が間々あるやに聞き及んでおります。市場取引そのものにつきましては、これまでも生糸の価格が異常に高騰いたしました場合に取引所を監督いたしまして、保証金の積み方あるいは約定の立て方等につきまして、投機的な動きを抑制する措置をそのつどとっております。ただ、基本的には、先ほどもちょっと触れましたけれども、相場が下がりますときに買い上げ等の措置で下ささえするほうの成功率はわりあいに高いのです。過去においてはどうしようもなかった経験は一回だけで、あとは何とか買い上げということで下ささえしたのですが、非常に高騰いたしますときに、特別会計にも事業団にも一俵も生糸がないというような状況になりますと、これは取引市場の取引のやり方を規制するという程度ではなかなか相場はおさまらない。むしろ一時取引を停止するといったような措置までとらざるを得なかった例もございます。やはり需給そのものの実態が望ましい姿になることが、こういった面での異常な相場変動を回避する最も基本的な道ではなかろうかと考えまして、そういった面での努力をなお続けたいというふうに、蚕糸園芸局としては考えております。
○樋上委員 従来に見られたように、生糸等の需給関係を無視した、いわゆる思惑的な短期相場の変動を緩和する方策をとっていかなければならぬと私は思うのです。また、今後における見通しが、特に輸出において八万五千俵も五十二年度に見込んでおる。これはどのような考えの上に算出されたのでしょうか。
○小暮政府委員 生糸は価格弾性値の非常に高い商品でございます。また、所得弾性値も高いわけです。したがいまして、価格が乱高下いたしますと需要が減退するおそれがございます。しかし、所得が上昇するにつれて需要は増大する、こういうことがきわめて顕著にあらわれるものでございます。価格安定の努力をいたしますことを前提とし、また、輸出増大のための調査、宣伝等の事業にも努力するということを前提といたしますと、内外ともに所得水準が上がっていくという長期的展望のもとで、内需も外需も生糸については、長期的にかなりのテンポで伸びるのではないか、かように判断いたしまして、見通しを策定した次第でございます。
○樋上委員 昨年より、韓国からの輸入生糸が、いつの間にか袋の中がぼろきれと化しておった。新聞紙上に報ずるところによると、悪質な抜き荷が続出しておる。これが非常に大きな問題になっておるようですが、その状況をお伺いしたいし、また、この問題について、政府はどのような対策を立てられたのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○小暮政府委員 生糸の輸入取引に、一部事故があったということは、報告は受けております。関係者の間で実情を取り調べまして、それぞれ取引のルールに従って賠償を要求するという形で、現在話を進めております。
○樋上委員 昨年十二月から二月までの間に、約一億円の被害を受けているようですが、一体この被害補償はどうなっておるのでしょうか。
○小暮政府委員 まだ輸出入双方の当事者の間で話し合い中でございますので、私どもの口からしかとしたお答えはいたしかねますが、もともと本件は通常の問題でなくて、輸出し、輸入し、受け渡すどの段階で犯罪が行なわれたかというきわめて具体的な問題でございますので、政府間の話あるいは団体間の話にいたします前に、まず事実そのものの的確な把握が先決ではないかというふうに考えております。
○樋上委員 時間の関係上、最後にお伺いしたいのですが、昨年の十一月に公表された「農産物の需要と生産の長期見通し」の中で、生産の見通しについて、桑園面積は激増し一万ヘクタールの増、約十七万ヘクタール、反当たり収繭量は二十九キログラム増、百キログラム、繭の生産は基準年次の一・六倍、十七万トンと推定した結果、五十二年度における生糸の生産量は五十三万俵程度となっておる。 次に需要について見ると、まず内需については、今後における所得の伸び率に見合う需要が、高級絹織物の分野を中心としてあるものとされ、輸出については、欧州市場は中共に、米国市場は韓国にともにほぼ独占されるところとなっておるのですが、これを前提としながらも、なおわが国の養蚕経営の合理化と糸価の安定という条件のもとに、世界需要の増加によって、基準年次の二倍、八万五千俵とした結果、総需要量については五十一万から五十四万としている。 この結果、養蚕経営は、畜産、果樹に次ぐ第三の需給バランスのとれた成長作目であるとされておりますが、このような見通しの背後には、養蚕農家については養蚕作業の合理化、省力化を促進するとともに、桑園あるいは掃き立て規模の拡大を通じて経営内容の充実と生産性の向上をはかり、また業界については、企業内部、流通段階等について近代化、合理化を促進して、関係業界が全体としてその体質改善を行なうべきであると思いますが、この見通しについて、生産面においてほぼ順調な伸び率が期待できるものとしても、需要面、特に輸出においては、大きな問題を含むものとされておりますが、この見通しのもとに、政府は昭和四十三年度予算を要求していますが、養蚕業界の近代化、特に養蚕経営の自主振興策とあわせて、生産振興の強化施策をなさねばならないと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○小暮政府委員 御指摘のとおり、生産面での見通しにつきましては、全国平均ベースでこのように並べますと、十年間でかなりの生産性の向上になるというふうに読めますけれども、御承知のように、養蚕関係の精農家の段階では、ここに掲げましたよりもはるかに高い生産力の水準になっておりまして、やはり能率のよいものに逐次集中していくという過程を通じて、十分この程度の生産性の向上は期待し得るものと考えております。需要の拡大の問題は、御指摘のようにかなり努力を要する面があると思います。ただ、基本的には、三十年代に一度ひどい目にあいましたけれども、あのときの化合繊と絹との需要の大混乱というような事態は、実は今日ではございません。所得水準も上がり、生活も安定いたしましたので、化合繊は化合繊、綿製品は綿製品としての需要があり、絹には絹としての需要があるということがきわめて明瞭になってまいりましたので、その意味で、見通しにも書きましたように、高級織物を中心とした需要というものは、一つの安定的な路線をたどるものというふうに考えております。 輸出につきましても、やはり韓国、中共にかなりのシェアを奪われたとはいえ、やはり努力次第によってかなりの輸出が確保できるのではないかという、努力と申しますか、やや意欲的な見通しであることは率直に認めますけれども、十分その可能性があると考えますので、逐次施策の強化をはかってまいりたいと考えております。
○丹羽委員長 米内山義一郎君。
○米内山委員 四十一年度の漁業白書は、十年あと、つまり五十一年には水産物の需要は一千万トンにも及ぶであろう、こう書いてあったのであります。これに対しまして、四十年以降生産はやや上昇しているのでありますが、これを充足するにはまだきわめてむずかしい問題が横たわっているものと考えるのであります。いまの段階で生産増に最も大きく寄与しているのは、北洋底びきによるスケソウダラあるいはスルメイカであるということも白書に書かれているとおりであります。 だが、これまでの漁港整備計画を見ますると、必ずしもこのような生産の動向と合致したものとはいいがたい点があったと思われるのであります。私は、全国的な漁港の現場の事情には全く暗いのでありますが、たとえば、北方面における漁業の今後の発展、開発を考えた場合でも、その根拠地となる漁港の整備は、著しく立ちおくれていると思われるのであります。 その例を青森県に見まするならば、三百トン型のトロール船の根拠港としてどうやら使えるように整備されているのは、八戸港があるにすぎないのであります。そのため大量の水揚げがこの一港にだけ集中する傾向にありますために、漁価の維持や加工流通面においても過重の状態になって、人間の食品となり得る貴重な魚たん白が、大量に動物飼料になっているのであります。これらの問題は、例をこの地域にとってみるならば、大畑港を整備することによって、きわめて合理的に解決ができるのであります。また、それによって沿岸及び近海の中小漁業も著しく生産性を向上するものと思われるのであります。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 御承知のごとく大畑港は、日本有数の水産県である青森県においても第二位を占める漁港でありますが、川口港であるために土砂が堆積し、そのため浅くかつ狭隘であります。さらに、干潮時には入出港も困難であります。そして危険の度合いも大きいのであります。客観的に見まして、このように重要な漁港が今日まで未整備のまま放置されてきたことに、私は今日まで重大な疑問と、漁港政策に対する不信感さえ抱いてきたものであります。また、その結果として、漁港整備における著しい地域偏差が生じているともいわれておるのであります。 今次の改定計画において、大畑港は整備対象にはなっているようでありますが、このような生産性の高い漁港に対しては、漁港政策上今後とも早く、そうして大きくというような特段の措置がなさるべきであると思うのであります。このわれわれの主張に対して、政府はどのような御見解を持っているかを、まずお尋ねしたいのであります。
○森本政府委員 御指摘のように、現在の漁業の状況を見てまいりますと、北方の漁業に依存することがきわめて大きいのでございます。したがいまして、漁港の修築にあたりましても、さようなことをよく念頭に置いて計画を進めるべきであるということは、全くお説のとおりでございます。 具体的に御指摘のございました八戸並びに大畑の漁港の整備につきましては、いずれも今回の整備計画にあげております。八戸漁港も引き続き拡充整備をするということで計画にあげております。 ただ、御指摘がございましたように、この港だけではあの地方の漁船に対して十分ではないので、大畑漁港についても、第三次整備計画から引き続いてやってまいりましたが、川口の外側にりっぱな漁港を整備するということが緊急の課題であるということで、第四次計画においてもそういった観点から早急にひとつ整備してまいりたい、そういうような考え方で具体的な計画を立てておるというところでございます。
○米内山委員 同時に、この北日本の地域では、生産面におきまして北洋漁業の占める比重はますます大きくなっているわけであります。したがって、船は大型化してきていますが、航海の経費も非常に大きくなっております。そのために利潤が少ない。勢いピストン出漁ともいうべき、安全性を軽視した出漁が多いのであります。また、過積み等の原因で海難事故がきわめて多くなっているのも顕著な事実であります。政府としては当然、生産対策上からも、また人命保護、財産保護の上からも、避難漁港の整備を急ぐべきであると思うのであります。 その例を白糠漁港に見ますると、地元漁船によって満船の状態であります。他港船の入港の余地は全くございません。このような状態でありまして、避難港としての機能を果たしているとは思われないのであります。また、この近海はわが国有数のスルメイカの漁場でもあり、さらにサバまき網漁場でもあることから、地元船だけではなく、外来船の密集する海域でもあります。これも、これまで不十分なまま放置されてきたのでありますが、まことに遺憾千万だと思わざるを得ません。この避難港の整備計画はどうなっているか、お尋ねしたいのであります。
○森本政府委員 御指摘のように、港の種類によりましてそれぞれ機能が若干ずつ違っております。第四種港というのは、主としてそういった避難のために必要な機能を営む漁港ということで、今回の漁港整備計画におきましても、御指摘のように人命にかかわることでございますので、できるだけそういった漁港について採択をはかっていくという方針を立てて、全国的にもやっておるところでございます。 御指摘のございました白糠漁港につきましては、いま言いましたようなあの地方における避難港としてきわめて重要なものでございます。第三次の整備計画でもやってまいりましたが、四次の整備計画におきましても、隣の泊漁港と一体となりまして全体の計画を立てて、四次計画でも約六億ですか、そういう事業費のもとに整備を急いでいきたいということでございまして、白糠漁港の御指摘のような機能にかんがみまして、私どもも十分意を用いながら整備をはかっていきたいというふうに思っております。
○米内山委員 また、最近の傾向としまして、沿岸漁村の衰退というものはますます明瞭、顕著になってきておると思うのであります。漁家の所得は、初めて都市人口の所得と均衡したと今度の白書も書いておりますが、その過半は、漁村においての水産業によるものではないのであります。したがって、これはむしろ憂うべき現象でもあると思われます。それは若い働き手が漁村を出てしまい、漁業生産のにない手はますます老齢化していることでございます。このことは白書の示しているところでもありますが、このままで推移しますならば、労働力構成の上からも、漁村は崩壊せざるを得ないのであります。 このような地帯においては、漁港や船だまり場は生産施設であると同時に、生活基盤でもあるのであります。由来漁村というものは、曲折した海岸に点々と村落を形成しているもので、隣村とはわずかに線のつながりを持っているにすぎないのであります。平場の農村と違う点は、普通の場合、面としての広がりを持たないのが特徴であります。このような自然的な規制が、今日漁村をして低生産、低所得、低文化のまま停滞させている重大な要素となっているのであります。 このような小漁港の整備は、社会問題であると同時に文化政策であるとも思われるのであります。この立ちおくれをすみやかに克服すべきは、政府の責任だと思います。それは、漁村における基本的な生産基盤であるこれらの施設の近代化整備を何よりも優先し、先行しなければならないのは当然であります。 しかるに、今日なお名前ばかりの漁港指定はあっても、国の施策の不十分と地方財政の貧困がからみ合って、手のつかない漁港は無数にあると思われるのであります。今次の計画改定におきましても、この根本的な問題の解決に対しては、何らの前進が示されていないのはまことに遺憾であります。これには、多額の費用を要するというのが政府の最大の逃げ口上であろうと思われますが、それは、これまで放置してきた政府の責任でありまして、期限の切れた古い債務を弁済することと解釈すべきであります。この点に対する政府の方針なり考え方をお伺いしたいと思うのであります。
○森本政府委員 御指摘がございましたように、漁港は、一方には生産の基地でありますとともに、他方におきましては、ある地域における生活といいますか、生業の拠点でもあるといったような関係になっております。したがいまして、今回の整備計画を進めてまいります基本的な考え方といたしましても、単に漁船の利用なり水揚げ高の大きさといったようなことばかりではございませんで、漁港の持つ地域社会に対する影響と貢献といったようなことも十分頭に置きまして、整備計画を進めていくというふうな考え方をとっております。 たとえば、採択をいたします基準としましても、漁港の背後にどの程度の人口があるか、またその地域における漁業の依存度はどの程度であるかといったようなことを頭に置きまして、漁港の持つ地域社会に対する機能を十分考えながら採択をし、整備を進めていくというふうなことでやっておるつもりであります。 具体的には、そういった関係の漁港は一種、二種といったような漁港になろうかと思いますが、整備計画全体を通じまして、そういったものにも採択上かなりの配慮をしておりますし、また修築事業と並びまして、改修事業なりあるいは局改事業というのをやっておるわけでございますが、そういう事業は、主として一種、二種の漁港がかなりの比重を占めているといったようなこともございますので、それらの整備計画全体を合わせますと、一種、二種漁港の整備にはかなり力を入れておるつもりであります。将来ともさような考えで漁港問題を扱ってまいりたいと考えております。
○米内山委員 これは最後でありますが、次官を通してこのことは政府に強く要望いたしたいと思います。それは海難救助対策の問題であります。特に最近注目しなければならないのは、五百海里以遠における遭難の問題でありますが、これはしばしば乗り組み員全員が死損するところの事例がきわめて多くなっております。 これにつきましては、それぞれの船における救難資材が整備されたといたしましても、遭難現場への救助の速度の問題であります。特に北洋におきましては、遭難しますと、寒冷のためきわめて切迫した時間の問題があるのであります。これに対しまして、船やあるいは軽飛行機やヘリコプターではおよそ問題にならないのであります。現場を発見することができたとしても、救助することはできません。なぜかと申しますと、北洋の低温に人体がさらされますと、数分にして手足が動かなくなるのでありますから、ヘリコプターでつり上げようとしてもほとんどそれが不可能であります。 このためには、何としても高速度かつ航続距離が大きく、海上に着水できる飛行艇でなければならないと思われるのであります。軍事的にはすでに一般的に使用されている機材を、漁業者の人命救助のために使ってならないという理由はないと思うのであります。しかも、わが国では世界最高の性能の飛行艇がすでに開発されているはずであります。世界一の水産国である日本が、これを今日まで使う気持ちもなかったことは、これは一種の世界的な恥辱ではなかろうか、漁民に対する不誠意ではなかったろうかと思うのであります。この問題こそ、過般農林大臣が言明されたように、漁民とはだを触れ合うあたたかい施策であろうと思うのであります。この点を強く要望いたしたいのでありますが、政府の御見解をお願いしたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 おっしゃるように、最近の漁船の海難につきましては、まことに心痛むものがございますので、私どもも、過般も大臣が予算委員会等で申し上げましたように、海上保安庁等関係各省と十分連絡をとりまして、緊急救助体制に万遺憾なきを期するようにいたしたいと考えております。 先生いま申されました新鋭の飛行艇といいますか、これは実は整備を急いでおりましたのですが、その完成が、この四月に新鋭のものができ上がるわけでございますので、たいへんおくれて残念でございましたが、今後はそれらの新鋭の艦艇あるいはヘリコプターの活用をはかりまして、関係各省と十分に真剣にひとつ協議をいたしまして、万遺憾なきを期するように努力いたしたいと思っております。
○米内山委員 ただいまの政務次官の誠意ある御答弁に強い期待をかけまして、質問を終わる次第であります。
○三ツ林委員長 代理続いて稲富稜人君。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○稲富委員 私は、今回の漁港整備計画は、当然なことだと思って賛意を表するものでございますが、この際二、三の点につきましてお尋ねしたいと思います。 まず、最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、三十八年に第三次漁港整備計画を策定して、本年は六年目に当たるわけでございますが、今回さらにこれを変更して新しい計画を策定しなければならない、こういう原因等は、いろいろ提案理由で述べられてはおるのでございますけれども、六年前のこの計画があまりにもずさんだったのではないか。見通し等に対して六年経過した今日あらためてまた新しい計画を策定しなければできないというような状態になったということ、こういう点についてどういうお考えを持っていらっしゃるか、まずお尋ねしたいと思います。
○森本政府委員 昭和三十八年に第三次の漁港計画を立てまして、そのときに、八年間の計画でございますから、計画の達成年次における漁業の一定の姿を想定いたしましてやってきたのでありますが、その後におきますいろいろな漁業内部における条件の変化、それからまたまわりにおきましても、御承知のようにいろいろな経済計画というのが、昨年、一昨年あたりずっと改定をなされております。そういった外部における事情の変化といったようなものもございまして、今回第四次ということで計画を改定するということになったわけであります。 もちろん、予測が的確に的中をいたしますれば、あるいは第三次整備計画というのは途中で改定を要しないといったようなことであったかと思うのですが、漁船の数にいたしましても、あるいはトン数にいたしましても、当時予測をいたしましたものよりはかなり急激に変化をしております。そういったことが現実にあらわれてまいりますれば、やはり漁港整備計画としては、実情に合うようになるべく早く計画を変更して、実態に合ったようなことで整備を拡充していくほうが適切ではないかという判断に立ちまして、今回の改定を立案いたしまして御審議をお願いするということになった次第でございます。
○稲富委員 私は、このことをお尋ねいたします理由というものは、いま申したように、もちろん漁船の関係その他の状態というものは近代化してくるし、だんだん変わってくるということは当然予想されることなんで、それを、三十八年の計画の当時はもちろん見通しはつけてあったと思うのでございますけれども、その見通しよりもさらに変化が大きかったということだと思うのであります。それが、さらに本年度より五カ年間の整備計画を立てられるわけでございますので、今後の五カ年間の見通しについては、また計画を改めなくちゃできないようなことのないような、自信を持った的確な見通しをつけておられるかどうか、こういう点を伺うために私はお尋ねをしたわけなので、これに対する確信のほどを、ひとつ承りたいと思うのでございます。
○森本政府委員 前回の計画は八年間ということで、期間としてもかなり長いということがございました。今回は、これをもっと集中的にやるということで、期間を五年間に縮めております。したがいまして、その間における事情の変化という可能性も、また若干少なくなっておるということが言えるかと思います。 また、私ども今回の計画をつくりますのに、全体的な観点から、漁業の水揚げなり生産の姿、それから漁船の隻数なりあるいはトン数の姿というのをチェックいたしておりますし、なお、何ぶんにもそれぞれ具体的な漁港に関する計画でありますから、県におきましても、それぞれ現地において関係者を集め、技術者を動員いたしまして、それぞれの目標年次における姿を考えまして、それをもとにして今回の整備計画を立てたということになっております。 そういう関係から、私どもとしては今回の整備計画は、まずまず改定をすることなく完遂に向かって進むものというふうに確信をいたしております。また、その実行にあたりましても、さような熱意をもって本計画の完遂に努力をしたいというふうに考えておる次第であります。
○稲富委員 そこで、お尋ねしたいと思いますことは、今回の計画を見ますと、第一種漁港が二千百二十八港のうち八十三港、第二種漁港は四百六十六港のうちの百四十四港、第三種漁港は九十三港のうちの七十五港、特定第三種漁港は十一港で、これはもう全部計画されておるわけでございますが、第四種漁港は七十七港のうち五十七港でございます。これらを見ますと、一番関係の深い最も零細な第一種漁港のごときは、二千百二十八港のうちの八十三港が整備計画の中に入っておるのでありますが、これではたして万全を期することができるかどうかという問題もあると思うのでございます。こういう問題につきまして、将来この計画を終わった後にでも、また計画を立てて整備されるというような含みがあるかどうか、この点を承りたいと思うわけでございます。
○森本政府委員 今回の整備計画のうちの修築に関します部分につきましては、ただいま御指摘がございましたように、全体の漁港に対して修築事業に採択をした港の数の割合ということになっております。何といいましてもこういった修築事業のほうは、かなり重要な漁港といいますか、事業の量も大きいといったようなことも一つの採択の勘案事項になっておりますので、かような姿を呈しておりますけれども、別途といいますか、これと並行いたしまして改修事業なりあるいは局部改良事業というのを進めております。そういったものを合わせまして、あとの事業のほうは、まだ完全に詰め終わっておりませんけれども、概略で考えますならば、地方的な漁港でありますところの一種、二種を合わせますと、大体七割程度は今回の第四次の計画の中で整備が行なわれていくものというふうになっております。 そういうことで、各事業を並行的に進めますことによりまして、こういった一種、二種漁港の整備がかなり進捗するものというふうに私どもは思っております。
○稲富委員 これは提案理由の説明にも申されておりますように、漁港というものが、漁民が安全な職につくためにいかに必要な条件を持つものであるかということは、論をまたないところであります。でありますがゆえに、今回の整備計画に対する予算措置等に対しても、今後、ある場合におきましてはさらにもっと予算を組まなければいけないようなことも生ずるかもしれない。したがって、この整備に対しては、十分万全を期するような措置をとることが最も必要である、かように考えますが、その点に対する今後の予算措置、あるいはこれが実行にあたっては、しかもこれは非常に急を要する問題でございますので、十分なる措置をとるということをもって臨むことが必要であると思うのでございますが、これに対して、政府としていかなる考えを持っておられるのか、この機会にその決意のほどを承りたいと思うのでございます。
○森本政府委員 今回の計画は、三次の計画に比べますと、かなり単年度の事業規模も大きくなっております。それから、一つの漁港の整備の事業規模も大きくなっているということで、計画としてはその完遂にかなりの努力を要する、そういうふうな規模になっておると私ども思っております。 しかし、御指摘がございましたように、漁港の整備というのはきわめて緊急を要するということで、ある意味では欲ばった計画にしなければいかぬということで、こういう計画を立てております。今後、予算の編成なり工事の施行といったような実施面におきまして、もちろん私どもは非常な努力を要すると思いますけれども、本計画の完遂のために、最善の努力を払っていきたいというふうに思っておるわけであります。
○稲富委員 ここでひとつ承りたいと思いますことは、最近、漁船の海難事故が非常に多いことを承っております。これは、漁港が完全に整備されておったならば、あるいはその海難事故にあわなかったかもわらかないというような点も多々あると思うのでございます。これは、いろいろ聞いてみると、統計上なかなかあらわれていないそうでございますので、的確な統計がないということならば、ここでお尋ねしませんが、ただ、われわれ聞くところによりますと、漁船の海難事故におきましても、いわゆる川口における漁港というものが、非常に海難事故を出しているというようなことも聞いておりますので、今回の漁港整備にあたりましては、この川口におきまする漁港の整備というものに対しては、一段の考慮を払わなければできない問題があるんじゃなかろうかと思うのでございますが、こういうことに対して、何かお考えになっていることがあれば承りたいと思います。
○森本政府委員 御指摘のように、日本の漁港はかなり川の下流にございます。典型的なものは、御承知のように銚子の漁港で、あそこは、川の下流と風向きの関係からいきましてきわめて難所だということで、遭難も前からあったというので、そういう漁港につきましては、できるだけその外の海岸を掘さくいたしまして外港をつくるというふうな、技術的に可能なところは、さようなことで処理をしたい。具体的には、銚子港もそういったことで第三次に引き続いて第四次もやっていこうと思っております。その他相似たような計画を進めておる漁港もかなりございます。 そういった漁港の整備と海難の防止というふうなことは、きわめて密接な関連がございますので、私どもとして漁港の設計にあたっては、さようなことを十分取り入れてやってまいりたいと思っております。
○稲富委員 それから、漁港の整備に際して特に考えなければいけないことは、漁港とその陸上における問題でございます。漁港が整備されましても、往々にして陸上の道路等が非常に狭隘であって困るという問題が多いのでございますが、これは、やはり漁港整備とともに陸上の道路、こういうものの整備も総合的にやらなければ、漁港としての十分な機能は発揮することはできないんじゃないかと思うのでございます。 さらにまた、漁港に対しては、近代的な冷凍倉庫であるとかいろいろな設備等も必要であると思うのでございます。こういうことに対しましては、漁業近代化資金等の活用によって行なわれると思いますけれども、要は、やはり漁港の整備と同時に陸上のこれに対する総合的な計画というものをやることによって、漁港というものがほんとうに生きたものとして使われるということになると思うのでございますが、こういうことに対しての総合的な計画を立てておられるのであるか、こういう点についても承りたいと思います。
○森本政府委員 今回の漁港の修築計画の中にも、漁港の地域内における輸送施設というふうなものを整備する計画がございます。また、それだけでは御指摘のようなことは十分でございませんから、漁港の地域内と外の大きな幹線道路をつなぐような、いわゆる漁港関連道路といったものの整備並びに漁港周辺におけるいわゆる流通その他の機能的な施設の配置、これが十分有機的に結びつきませんと、漁港の機能が発揮できないということは御指摘のとおりで、関連道路につきましては、例のガソリン税の身がわりの事業ということで、ここ数年来かなり整備につとめてきております。また、漁港の整備とそういった関連道の整備の関係というふうなことについても、十分気を配ってきたつもりであります。 また、機能施設なり流通施設の整備、これは主として流通対策といったような観点、あるいは構造改善事業というふうなことで、そういった施設が整備をされてきております。今回の漁港の整備計画をつくるにあたりましても、そういったものを現地でよく突き合わせをいたしまして、計画なり実施が片びっこにならぬように、十分県庁においても目を配ってもらう、また、私どもも具体的な事業の打ち合わせにあたりましても、そういうふうな点について食い違いがないようにしていきたいということで、今後の実行に当たるようにつとめていきたいと思います。
○稲富委員 最後に、希望として述べたいと思いますが、漁業の発展の上に漁港の整備がいかに必要であるかということは、申すまでもないことであります。漁業振興に対する問題は、いずれまた漁業近代化資金等もございますので、またの機会に譲るといたしまして、いま申しましたように、安心して漁業者がその業に挺身するためには、何と申しましてもそのよりどころは整備された漁港でありますので、そういう意味から今回の計画もできておると思うのでございますから、どうかこれが実施にあたりましては、先刻から長官から決意のほども承ったのでございますが、その万全を期して、一日も早くその整備ができ、予算面におきましてもできるだけこれに対する裏づけをする、こういうようなことがなければいけないと思いますので、最後にひとつ政府を代表して次官から、これに対する決意のほどを承りまして、私の質問を終わることにいたします。
○小沢(辰)政府委員 おっしゃるとおり、漁港の整備につきましては、むしろ漁業振興の非常に大きな基盤をなすと思いますので、今回、新しく五カ年計画をお願いいたしているわけでございますが、これを完全に達成するためにも、来年度からの毎年の年率の伸びは、相当確保しなければなりません。したがって、私ども非常な決意を持って対予算折衝に臨むつもりでございます。 なお、日本の漁業及びその基地としての漁港というものの全体を見ますと、ただいま御意見がありましたように、まだ整備を要するものが、この五カ年計画以外に相当あるのだ、またしなければいかぬのだと私は思うのでございまして、私どもはこの計画だけに安んじないで、今後も一そう公共事業の中でも、農林省の担当の面では最重点にがんばるつもりでございますので、何ぶん先生方の御協力をお願いいたします。
○稲富委員 それでは、私の質問は終わります。
○丹羽委員長 兒玉末男君。
○兒玉委員 まず、水産庁長官にお伺いしたいのでございますが、ただいままで同僚委員から、大綱についてほとんど質問がありまして、多少重複する点もあろうかと存じますが、お伺いします。 今回ここに、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件が出されたわけですけれども、これからの日本の水産業の進展なりあるいは漁港整備が、国民生活に重大な影響を与えることは言うまでもございません。いままでの第三次計画の状況等から見ましても、今後全体の漁港整備を完成するためには、まだ相当の長年月を要すると思考されるわけですが、これからの漁港整備のあるべき姿、長いこれからの展望について、長官としてはどういうふうな御所存であるか、お伺いしたいと思います。
○森本政府委員 数次にわたりまして漁港の整備計画を立ててやってまいりました。それぞれの整備計画は、その置かれておる条件のもとにおいて、一つの使命を帯びて現在までやられてきたと思います。一次あるいは二次の整備計画においては、御承知のように終戦直後の状態、いわば漁港施設としてもほぼ壊滅的な状態から、とりあえず漁船を安全にかくまうといったような、いわば最低限度の要請を満たすというふうな形で進められてきたと思います。三次の計画は、漁業が回復し、さらに戦後発展をする段階に相応した計画、四次もややそれを引き継ぐ形で、それぞれの漁業の置かれておる状態並びに将来の展望といったようなものを見ながらやってきたわけであります。しかしながら、しばしば御指摘がございますように、それぞれ計画そのものが十分完成を見ないうちに、計画の変更をしながらやってきておるということであります。 四次の計画は、一言で言いますと、四十八年度の漁業の実勢にとりあえず間に合わせるというふうな形の計画になっております。したがいまして、今後それ以降の段階におきましても、漁港についてはさらに十分な体制を整えるという意味の計画が引き続いてくるものというふうに私どもは想定しておりますが、とりあえず一次から三次までの計画を踏まえまして、現在の時点から四十八年度の時点までの展望に立ちまして、いずれの漁港につきましても必ずしも十分な状態ではございませんから、そういった目標年次において、一応現在の水準で考えられるようなところまで持っていきたいということになっております。それ以降も、また漁業の実勢に応じて整備をはかっていくべき計画も、あるいは次の段階では出てくるかというふうに思っております。
○兒玉委員 いただきました資料によりますと、一応昭和三十八年から四十三年度までの経過で、進捗の状況というのが大体六三%でございますか。このような情勢から判断します場合に、今回出されました、いま長官の言われた四十八年次を目標とする第四次計画というものとの比較におきまして、なぜ六三%程度しか実行ができなかったのか、その原因は那辺にあるのか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 第三次の計画は八年間ということで、最終年度は昭和四十五年ということになっております。したがいまして、そこにお出しいたしました資料は、昭和四十三年までの実績あるいはそれの見込みということになっております。しかし、テンポとしては多少おくれぎみというふうな感じがいたします。ただ、そこの表にもございますように、漸次事業実績というものがあがってきておりますから、四十五年まで年度をかしますれば、かなりなところまでいったのではないかというふうな感じがいたしております。 しかし、先ほどから繰り返して申し上げておりますように、一定の想定のもとに整備計画を立てておったわけでありますが、漁船の隻数なりあるいは大型化なりという傾向が、私どもが目標年次に想定いたしました姿よりは急速度に進んでおる。したがって、このまま計画を四十五年まで続けるよりは、この際全面的な改定をして、新しい姿に即応した整備計画を早く出発させたほうが漁業の実情に合うということで、今回改定をすることにしたわけであります。 従来の計画が、テンポがおそいということの理由はいろいろあろうかと思います。具体的な港につきまして、他の事業との関連からいって、予定したような形で具体的な事業が進まないといったような、個別の港の事情というようなものもございます。また、予算の執行にあたりまして、各年度の予算の獲得が必ずしも適切に行なわれなかったといったようなことも、あるいはあろうかと思います。そういった要因が複合いたしまして、お手元にお配りをしたような実績を示しております。 今回の計画の実行にあたりましては、そういった従来の経過を踏まえまして、できるだけ、先ほど来申し上げておりますように完遂に努力をしたいと思っております。
○兒玉委員 この整備計画を進めるにあたりまして、以前、いわゆる地方自治体への財政負担ということが問題となったわけですが、今回のこの第四次五カ年計画に示された全体の予算の状況から見た場合、予想されます地方自治体の負担が、この第四次五カ年計画を遂行する上に支障を来たすような点はないのか。また、過去における財政負担が、本委員会においても問題として指摘をされた経過があるようでございますが、それらの地方自治体の財政負担と、本整備計画の遂行に関連する問題についてお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 地方自治体におきます財政負担といいますか資金の確保、これが本計画を実行してまいります際に、きわめて重要であることは御指摘のとおりであります。私どももそういった観点から、地方の負担に対しまして交付税の観点、それから地方負担に対する起債の観点といったようなことから、できるだけ実行上支障のないように、自治省とも折衝をしていきたいと思っております。 交付税につきましては、従来からこの漁港の事業をやってまいります際の特別の補正といったようなことで、漸次交付税を計算いたします際のやり方が改善を見つつあります。四十四年度におきましても、そういった点の前進を見る予定になっております。 それから地方債につきましても、いっときは非常に深刻な問題でございましたが、その後私どもも自治省と折衝をする、また自治省のほうもかなりな改善をするというふうなことで、問題は一時ほど深刻ではなくなったように承知をいたしております。しかし、そういったものの確保については、今後とも私どもとしても自治省等との折衝にあたっては、十分配慮していきたいというふうに思います。
○兒玉委員 重複を避けまして、いままでこれはたしか質問になかったかと思うのですが、特に今回の新しい予算の中において、二千三百億の事業費の中に調整額二百億というのが含まれておりますが、これはどういうふうな方針によって運用されるのか、お聞かせをいただきたい。
○森本政府委員 調整費は、一口に申しますと、計画を実行いたしてまいります際に、種々事情の変更があろうかと思います。もちろん計画の骨子の大きな変更をいたします際には、整備計画全体の変更になるわけでございますが、実施上の細目といいますか、そういった変更、たとえば、ほかの事業との関係で、道路事業とかそういった関係で漁港のやり方が変わってまいる、あるいは地盤その他のことを精査いたしますと、もう少し事業費がかかるといったような、事業を実施いたしてまいります過程で、当初見込みました事業費よりはかさんでまいるというふうなことも、こういった個々の計画の実行でありますから保しがたいということで、そういうふうな場合に調整費を使って必要な計画を進めてまいるというために、一口に申しますと設けた次第であります。
○兒玉委員 そこでお伺いしたいのは、御説明を受けたわけですけれども、結局修築事業、改修事業、局部改良事業と三つの事業に分類されるわけですが、これは予算の金額の多寡によってきまっておるわけですけれども、説明を受けましたり諸資料等で見ますと、修築から今度は改修、局部改良と、こういうふうな総合的な事業を通じまして漁港整備が完成されるという段取りになっておるようでございますけれども、特に今次の場合、第三次の経過等からも判断しました場合に、承認の対象になっている修築事業と、承認の対象でない改修なり局部改良事業等も、この修築事業の一環として考えるべきではないか、こういうふうに思うのですが、なぜ修築事業だけが承認の対象としてなっておるのか。今後の整備計画を進める上においても、この三つは三者一体として考えていくべき筋じゃないかと思うのですが、これに対する長官の御所見を承りたいと思います。
○森本政府委員 御指摘の問題は、従来から多少問題になっておるところだと思います。私どもとしても今回のこういった計画を御承認願う際に、そういうことも含めまして検討をいたしました。そういった改修事業等も含めて御承認を願うというあり方も、一つの方法ではなかろうかというふうなことで検討いたしました。しかし、一長一短といいますか、そういう感じでございまして、従来から修築事業、かなり計画としても大きい、漁港としても重要性を帯びておるといったような漁港の今後整備をはかっていきます上の、最も基幹的な事業について御承認をいただく。もちろん、漁港の整備は修築事業だけでは完全ではありませんから、補完的と申しますか、そういう形で改修なり局改事業を進めておる。それも必要であります。また、こういうものはそういった性質のものでありますから、漁港の採択なりあるいは計画の立て方なりというものについては、やはり弾力性を持って、そのときどきの事情に応じたような形で進めていく必要もございます。そういうことを彼此勘案をいたしまして、従来の慣例に従ったような形の整備計画ということで御承認をいただいておるわけでございます。 御指摘のような点は、一つの意見としては私は十分拝聴に値する御意見であろうと思いますが、従来からとってまいりました慣例に従って、一応この際は御承認をいただいたらどうかというふうに思っております。
○兒玉委員 次に、これはうちの柴田議員からも質問があったかと思うのですが、長官の答弁を聞いておりませんでしたので伺いますが、特に全国の漁港の中で、第一種漁港というものはきわめて零細な沿岸漁港になるわけでございますけれども、ここに出入りする漁民というものは、きわめて経済力においても零細な漁民が多いわけですが、この地域の人たちが利用するといわれる第一種漁港の整備のテンポといいますか、これは、今回のこれによっても八十三港が対象になっておるようでございますけれども、これから完全な整備ということは不可能にしましても、やはりもう少し第一種漁港に対する配慮というものがあってしかるべきじゃないかと思うのですが、この辺はどういうふうなお考えを持っておるのか、またその対策についてお聞かせをいただきたい。
○森本政府委員 先ほどもお答えを申し上げましたが、修築事業におきましては、先ほど来のような採択の方針ということでやってまいりましたので、御指摘のような形になっております。改修事業、それから先ほど申し上げました局部改良事業等におきましては、主体はほとんど一種、二種という形になっております。特に改修事業におきましては、補助率等も修築事業と全く同じであります。そういう関係から全事業を通観いたしますれば、先ほども申し上げたのでありますが、第一種、第二種の地方的な漁港を合わせまして、全漁港の約七割程度がカバーされるような計画になってまいります。そういった全体の事業を通観いたしまして、私どもとしては、そういった地方的な漁港についても、十分意を用いて整備をはかっていきたいというふうに思っております。
○兒玉委員 時間の都合がありますから、あと二問にしぼって御質問しますが、第一点は、いままで長官からいろいろと答弁がありましたが、今回の第四次計画の中において、四十四年度に事業費として組まれた予算は百七十三億と聞いておりますが、総事業費を単年平均しますと約二百八十四億円になるわけでございますが、初年度百七十三億という事態から考えますと、今後のいわゆる事業計画予算の獲得といいますか、そういう点から考えましても、相当馬力をかけないと、また再度途中において計画を変更しなければいけないということが予想されるわけでございますが、その辺の見通しと確信のほどを、ひとつお聞かせをいただきたい。
○森本政府委員 先ほども申し上げましたように、今回の整備計画を実行していきますには、予算の獲得上私ども相当な努力を必要とするというふうに思っております。ことしといいますか、四十四年度の予算では、事業費べースにいたしますと百七十四億というふうに整備計画分についてはなっております。全体の漁港の整備計画の千五百億に対しますと、約一二%程度の進捗率であるという形であります。次年度以降におきましては二十数%の対前年度氏増といった形で、毎年予算を獲得していく必要がある計算になります。私どもそういうことを十分踏まえまして、本計画の達成、それに必要な裏づけとなる予算の獲得について努力をいたしていきたいというふうに思います。
○兒玉委員 これは政務次官にお伺いしたいのでございますが、ただいま長官から御答弁がありましたが、過去の第三次八カ年計画の事例から見ましても、特に予算の計画的な獲得ということは、相当困難が伴うと思うのですが、政務次官としてはどういうふうなお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。
○小沢(辰)政府委員 前回の計画がちょうどあと二年を残しまして、達成率六三%ということにつきましては、これは大部分の事情が、後年度に非常に予算の伸びをよけいいたしまして、五カ年計画なり八カ年計画を策定いたしましても、最初前半のほうは、伸び率は普通の公共事業並みに推移して、だんだんふくらましていくというようなやり方が多いものでございますから、そこで、最後の二年間を残した結果六三%という数字が出ているわけでございます。しかし、漁港のほうは、むしろ他の一般公共事業と比べますと進捗率はいいほうではないかと思われる。地方におきましても漁港の重要性を考えて、完全消化をしてくださっておるわけでございます。 今回の五カ年計画は、いま水産庁長官が申し上げましたように、どうも初年度が、平均五カ年に割ってみた伸び率よりも低いわけでございます。これから毎年少なくとも二〇%以上伸ばしていかなければ完全に達成ができませんので、この点は、漁港全体を理想的に整備するにはまだまだうんと金が要る。おそらく一兆一千億ないし二千億くらい必要だろうといわれておるわけでございますので、何としても今回御承認いただきます五カ年計画は、完全にひとつ消化をして実績をあげていかなければいかぬと思います。大臣も漁港については非常な熱意をお持ちでございますので、私ども、特に与野党の先生方の御尽力をいただきまして、必ずこれは達成していこう、こういうふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○兒玉委員 最後に、特にこういう漁港整備の短期完成の必要性ということが主張されている一つの理由としては、一例でございますけれども、たとえば銚子漁港の場合を見ましても、昭和二十六年に始まって、まだ残余の事業計画として五十億の事業が必要だということが指摘をされておりますが、御承知のとおり本年の三月、さらに昨年の十二月、強風波浪によって、特に利根川の川口でありますこの地域において、悲惨な漁船の海難事故が起きているわけですが、そういう事情等からも、特に早期の完成ということが強く主張されているわけです。一つの例ではございますけれども、こういう点についてどういうふうなお考えをお持ちなのか、長官にお伺いします。
○森本政府委員 御指摘のような事情にございますから、私どもとしては、銚子の漁港について、川口から外のほうに漁港をつくるということでやってまいりまして、まだかなり残事業といいますか、それを残しております。今回の第四次整備計画では、事業費としては約五十三億程度かけて漁港を整備していくということになっております。 御指摘のようなこともございますから、そういった全体の事業を実施していきます手順といたしましては、平均的に進めるということではなしに、とりあえず漁港なりあるいは航行の安全をはかるに必要な施設をできるだけ早く完成をさしていく。全体の計画が五カ年でございますが、そういったものについては、とりあえず三カ年ぐらいで早急に完成をしたいというふうなことで、事業実施の手順なり計画を現地と打ち合わせつつあるというのが、実情でございます。御指摘のようなことで、安全性の確保ということをできるだけ優先にした事業の実施をやってまいりたいと思います。
○兒玉委員 終わります。
○丹羽委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 第一の点は、今回の第四次整備計画と北海道総合開発計画との関係であります。もちろん漁港整備計画は、これは大臣の行政権限で策定されるわけでありますが、北海道の一種から四種に至る漁港については、これは北海道開発予算の公共事業費の中に包括されておるわけであります。したがいまして、前回の三十八年の第三次整備計画の際にも、この北海道総合開発計画との関連について私、当委員会で政府に指摘した点があるわけであります。大臣がおられればいいわけですが、参議院に行かれましたので、これは水産庁長官にお尋ねしますが、事前協議の形において、北海道関係の漁港整備計画の変更に際しては、十分な協議をされたかどうか、その点はいかがですか。
○森本政府委員 一般的に私ども漁港の整備計画をつくりますには、十分県になりあるいは道なりと具体的な港の点についてまで打ち合わせをいたしております。北海道につきましても、同様な手順で今回の計画を進めてきたつもりでございます。
○芳賀委員 私が聞いているのは、北海道に対して協議したかというのではないのです。北海道の総合開発計画を実際に所管している官庁は北海道開発庁ですが、これが企画官庁になっておるわけですね。したがって、農林、建設等の公共事業についても、一応計画の策定や予算の編成については、北海道分は北海道開発庁がこれを行なっておるわけであります。ですから、農林省と開発庁の間でありますけれども、やはりこれは北海道の公共事業の一環をなしておる漁港整備事業ですから、当然この整備計画を立てる場合は、事前に協議をしておったことと思います。従来はそうやっておった。したがって、今回の場合は、現在の整備計画から変更計画に移行される場合に、除外された漁港が北海道においても相当数出てきておるわけでありますからして、それだけに問題は重要だと思うのです。ですから、事前に両官庁において、この整備計画を立てる場合に十分な打ち合わせをして、おおよその合意に達してこの計画というものが策定されたかどうか、その点を明確にしてもらいたいと思います。
○森本政府委員 私ども、北海道開発庁とも計画の立案の過程におきまして、打ち合わせを十分いたしております。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、本案の提案理由の補足説明の中にあるわけでありますが、「今回の変更整備計画の整備漁港とされていない百八港につきましては、このうち現在整備を必要としない十三港を除いた九十五港は、別途改修事業または局部改良事業により整備することといたしております。」という説明でありますが、これは当然今回の変更整備計画からは除外される扱いになっておると思われるわけですね。 そういうことになりますと、北海道等においても、昭和二十六年の第一次整備計画の場合に、たとえば第一種港に指定は受けたが、現在においてまだ着工に至っていないという漁港さえもあるわけなんです。そういうものが、十何年も前に指定だけ受けて、今度は、たとえば九十五の中に入って除外されておるというようなことになると、これは政府の責任上も重要な問題になると思います。ですから参考までに、除外された九十五港のうち北海道分について、北海道の開発予算に関係のある分について、一種から二種、三種、四種に至るまで、どの程度のものを現在の変更整備計画から除外したかという点を、これは漁港部長でもいいですから説明してもらいたいと思います。 それから、この補足説明の中には、「現行の漁港整備計画の整備漁港以外のもので、今回の漁港整備計画の変更に際して新たに加えるよう要望のあったもののうち、この整備計画に採択されなかったものについても、整備を必要とする漁港は、同様に改修事業または局部改良事業により整備することといたしております。」と述べておりますが、これも相当数に及んでおると思うわけですね。これらの漁港は、当然整備計画に採択すべきもの、そういう強い現地の要望もあったにもかかわらずこれを採択しなかったということを、わざわざ補足説明で述べておるわけですからして、相当の漁港数に及んでおると思うわけであります。採択すべきものをしなかったというようなものについては、おおよそどのくらいの漁港数があるか、これもこの際明らかにしてもらいたいと思うわけです。 最後に、除外された九十五並びに採択すべき必要性のあるものを採択しなかった分と合わせて、農林省としては改修あるいは局部改良事業を行なうということになっておりますが、これらの分については、当然第四次整備計画からはずれた漁港の整備ということになって事業が行なわれると思いますけれども、これらの国が行なう、当然これは補助を対象とした事業でありますけれども、どういうような位置づけでこれらの漁港に対して——整備計画には全然載っておらない、修築、改修にも載っていない、除外されて、しかも国として必要性を認めて、国が補助をしてやらなければならぬ漁港に対しては、この整備計画に今回載った漁港とどういう関係を持たせて、また国としてはどういうような位置づけを行なって、これらの漁港のすみやかな整備を進めるかというような点についても、これを明らかにしてもらいたい。 この点が明らかにならぬと、除外された地元の漁港、あるいは今回の整備計画にぜひ採択してもらいたいというような要請があったにもかかわらず除外された地域の漁港等については、相当不安動揺があると思うわけです。ですから、これらの不安を一掃させるためには、政府として、農林省として、今後、たとえば五カ年計画でどれだけ道についてはやるとか、毎年どの程度の予算を確保して実行するというような点については、やはりこの際内容も明確にしてもらわないと、いたずらに政府の出したものを賛成賛成で承認するわけにはいかぬと思うわけです。
○森本政府委員 先ほど来御説明を申し上げておりますように、修築事業のほうは、一定の基準に従いまして私ども選定をいたしております。そういった基準に該当いたしますものについては、要望のありました分はほとんど全部拾い上げたというふうな形になっております。 それからお尋ねの、従来修築事業でやってまいりましたものが、今回の第四次の整備計画からはずれるというふうなもの、これは主として残事業量がかなり少なくなっておるといったような分でございます。そのうち計画の実行を必要としないもの以外、つまり今後整備をしていかなければならぬというふうな港については、全部改修事業でもってこれを引き続きやってまいる。改修事業の採択にあたりましても、さようなものは優先的に取り上げるというような形で、計画の完遂をはかっていきたいというつもりでございます。 それから、お尋ねのございました全体の目安でありますが、修築事業のほうは、ここにございますような港数規模でやってまいります。改修事業のほうは、港数としては約五百五十ぐらいを予定いたしております。それから局部改良事業のほうは、これは大体同一の期間内に八百ないし千港といったような規模で工事が行ない得るものというふうに思っております。そういうふうなものを全体総合いたしまして、先ほど来申し上げておりますように、対象の漁港としては相当、大部分と言っていいくらいのカバレージをもって整備事業が進行していくものというふうに私どもは思っておるわけでございます。具体的な北海道の関係につきましては、漁港部長のほうからお答えを申し上げます。
○瀬尾説明員 先ほどの、北海道の第三次漁港整備計画におきまして整備をしていた漁港で、第四次整備計画にはずれて他の事業でやるもの、やらないものについて御説明を申し上げます。 第三次整備計画に入っておりまして、その事業規模等が小さくなりまして、四次整備計画に入らずに改修事業で整備するものが八港ございます。それから局部改良事業で整備するものが七港ございます。あとの二港は完成でございまして、当分の間工事をしなくてもいいということになっておるものでございます。
○芳賀委員 昭和四十四年度の新予算によると、北海道に関する漁港の関係予算は、幸いにして前年度に比べて一三%程度伸びておるわけです。その中には、今回の第四次計画から除外されたもの、あるいはまた当然採択されるもので採択されなかったものもすべて含まれているということです。四十四年度の予算は両院を通過すれば当然それが実施されるわけですが、問題は四十五年度、それ以降の分についても、四十四年度の予算編成と同じような方針、構想に基づいて強力に進めるべきだと思いますが、その点については心配ないですか。これは長官から明快にひとつお答え願いたいと思います。
○森本政府委員 先ほど来しばしばそういうお尋ねがございます。私どもとしても、かなりな計画でございますけれども、全力をふるって予算の獲得に努力をいたしたいということでございます。
○丹羽委員長 他に質疑の申し出もありませんので、両件に対する質疑はこれにて終局いたしました。 —————————————
○丹羽委員長 引き続き両件について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○丹羽委員長 この際、本案に対し、伊賀定盛君外三名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。伊賀定盛君。
○伊賀委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表して、ただいま議決されました繭糸価格安定法の一部を改正する法律案に対しまして、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当り、日本蚕糸事業団がその機能を充分発揮しうるよう、その自主的な運営を尊重するとともに、左記各項の実現に努めるべきである。 記 一 農産物の需要と生産の長期見通しに即した繭の増産施策を促進するとともに、養蚕経営、製糸業の近代化と合理化を推進し、これが達成に必要な予算の確保その他の措置を講ずること。 二 最近における外国産生糸等輸入の増大の傾向にかんがみ、繭糸価格安定制度による価格安定の効果が阻害されることのないよう必要があるときは、時宜を失せず生糸の輸入規制等の措置を講ずること。 三 生糸及び乾繭の取引所に対する指導をさらに強化して、その投機的要因の除去に努めること。 右決議する。 以上であります。 これらにつきましては、委員会の審査を通じまして十分審議されたところでありますから、この際、説明を省略させていただきます。 何とぞ各位の御賛同をお願いいたしまして、提案の説明を終わります。(拍手)
○丹羽委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 本動議に対し別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 伊賀定盛君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。小沢農林政務次官。
○小沢(辰)政府委員 ただいまの附帯決議の趣旨を尊重いたしまして、善処してまいります。 —————————————
○丹羽委員長 次に、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件について採決いたします。 本件を承認するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本件は承認することに決しました。 —————————————
○丹羽委員長 この際、本件に対し、稲富稜人君外三名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。稲富稜人君。
○稲富委員 私は自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表して、ただいま議決されました漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件に対しまして、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件に対する附帯決議(案) わが国水産業の積極的な振興を図るため、漁業の根拠地である漁港を漁業情勢の進展に即応して計画的に整備拡充することは、最も重要な水産施策の一つである。 よつて、政府は、昭和四十四年度以降五年間に整備しようとする新漁港整備計画の実施にあたつては、特に左記事項について万遺憾なきを期すべきである。 記 一 今回の漁港の整備計画は、修築事業、改修事業および局部改良事業を含めて、五年間に総事業費二千三百億円のうち国費約一千四百億円余を要することにかんがみ、特に、次年度以降においては毎年度適正な事業の進捗を図るため必要な予算を確保し、目標期間内における計画の完遂を期すること。 二 最近における漁船遭難事故の発生状況に徴し、漁港整備事業の実施にあたつては、特に事故防止に必要な施設の早期整備に努め、海難事故の防止に資すること。 右決議する。 これらにつきましては、委員会の、審議を通じまして十分審議されておるところでありますから、この際説明を省略させていただきます。 何とぞ各位の御賛同をお願いいたしまして、提案の趣旨の説明を終わります。(拍手)
○丹羽委員長 以上で趣旨説明は終わりました。 本動議に対して別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 稲富稜人君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本件に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。小沢農林政務次官。
○小沢(辰)政府委員 ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。 —————————————
○丹羽委員長 なお、ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○丹羽委員長 次回は明二十日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十分散会