農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/02/18
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野市郎君。
○大野(市)委員 長谷川農林大臣が御就任されまして、われわれは大いに期待をいたしておるところがあります。と申しますのは、やはりお互い人生経験の上で、たとえば、農地関係で専門の知識を持つ国会議員もおられますし、あるいは水産業の専門の国会議員もおられるというぐあいで多彩でありますが、特に農林大臣に、流通の関係で多年御苦労された長谷川大臣の御就任に対しまして、われわれはその点で特に期待をいたしておるわけであります。 先日の施政方針のお話を承りましても、特に生鮮食料品関係の高騰が、消費者物価の上昇の大きなポイントになっておるというような観点から、流通問題に対して予算面の要求も大きく、また、非常な御熱意を持っておられるということで、その成果を期待しておる一人であります。特に、御就任以来是々非々で、こうと信じたならば右顧左べんされないで、ずばりずばりと自分の信念を表明されたということは、御就任早々で勢いもおつきのところではあろうと思うが、歴代農林大臣はふらふらしておって、われわれ与党まで心配しておったのが、あなたがしゃっきりとはっきりした声明を続々出されるので、快哉を叫んでおる一人であります。ひとつその方針は曲げないで貫いていただきたいと思います。 そこで、この際いろいろと御質問申し上げたいのでありますが、特にその中で、世間があげて問題にいたしておりまするのは食管制度の問題であります。これは御所管の農林省の一番骨になるような性格のものだと思いますが、その影響するところは、生産者のみならず流通段階の各種業界、それから一般国民の消費者層、こういうぐあいで、ほんとうに全国民の間に非常に関心を深くしておる問題であります。この問題で、いろいろな客観情勢を分析された上で、政府の責任者として農林大臣は御決意をなさっておることは、先ほど各種声明の中で、特にはっきりといろいろな言明をされたその中身の大部分であります。それだけに、さて御発表になって、食管制度の、一種の過剰米という名前でいわれる、これが妥当かどうかは、これから質問によってさらに明らかにしていただきたいのでありますが、いわゆる過剰米という問題から、打開策を政府として講ぜられるのは、これは当然であろうと思う。その結果、自主流通米という構想が発表されたものでございましょうが、しかるにかかわらず、この世論の受け取り方は賛否両論でありまして、特に主要米作県などにおいては、今日ただいま、なお群盲象をなでて形をおのおの判断しておるような姿で、一言にして言えば、不安動揺をいたしておるのであります。そういうような社会の一つの断面を前提にしていただきまして、私のこれからの御質問に対して簡単直明にその根拠、その本旨、これをひとつ御説明をいただきたいと思うわけであります。 私ともも、その基礎の姿としてのいわゆる平年作が幾ら幾らで、保有米を含めて売れたものが幾ら幾らで、去年の四十三年には幾ら幾らとれた、そういうふうな数字的な基礎ももちろん一応承知してはおりますけれども、一番の根拠でありますので、まず、自主流通米を考えられた根拠について端的にお答えがいただきたい。
○長谷川国務大臣 食管制度の中における自主流通米というものは、どういう考え方かとおっしゃるわけでございますけれども、現在の需給状況という観点から見て、現在の需給をどういうふうにパランスをとっていくようにするか、反面には、どうやって消費者に喜ばれるようなお米をつくってもらうようにするか、そうしてさらに消費の増大をいかにしたらはかることができるだろうか、こういうような観点から、自主流通米というようなものを考えたわけでございます。
○大野(市)委員 時間の節約もありますし、むしろ質問の種になります資料を申し上げてお話をしたほうが、時間が早いと思いますのでそういう方法をとりますが、農林省が一月の中旬でありましょうか、各県の関係部長を集められてお示しになった、米穀の自主流通についての試案というものを、私は資料として手元に持っておりますが、これによりますと、いま大臣が言われたそのことを趣旨としては、ほんとうに簡単に書かれておって、食管制度の根幹は維持する、直接管理の長所を生かす、米穀の品質問題の前進をはかる、自由というものの長所もあわせて実現させるんだという幾つかの要素が、趣旨の中に組み合わぜてございます。 そこで実は、先ほど世論が云々と申し上げたのは、私どもの選挙区ではございませんけれども、市町村地方自治体の長、そこの議会議長の名前で、われわれのところにも、自主流通米あるいは食管制度の改悪に反対というふうなことで印刷物を回しておるような動きがありまして、これによると、やはり政府は食管制度の改善と考えて御主張なさっていることは明らかなんだけれども、改悪であろうから反対というふうなことが出ておるのであります。そういう意味で、食管制度を堅持するという事柄は趣旨にも述べておりますが、これと自主流通米というものが、食管制度を堅持しながら、先ほど趣旨の中で私が引用さしていただいた直接管理の長所、米穀品質の前進、また自由であるところの長所というような問題との関連を、もう少しわかりやすくお話を願いたいのであります。 それで方法としまして、わが国は法治国でありますから、食管法というものの法律としての体系、それとの関係で御説明をいただかないと、何か法律の改正そのものを目ざして、食管法をなくしてしまうんじゃないかというふうな心配で、この発言が手紙などによって書かれておると思いますので、その点を明らかにしてもらいたい。
○長谷川国務大臣 自主流通米と食管法という制度でございますけれども、食管法第三条の規定によりますと、食管法第一条の目的を達成するために、必要な米を政府が農家から強制的に買い上げることができるものと定めてあるのでございまして、政府による全量買い上げを義務づけたものではないのであります。こういうような判断から出ておるのでございまして、今日のように米が過剰になっておる状態においては、すなわち自主流通米を認めても、米の価格や需給の調整に必要な政府管理米の量というものは、十分確保することができ得る、こういう観点でありまするから、食管法というものの違反にはならないんだ、私たちはこういう解釈を持っておるのでございます。 したがって、食管制度の根幹をあくまで維持するという方針に対しては少しも変わっておらない、こういうように自分たちは考えております。したがって、自主流通米を認めても、米の価格や需給の調整に必要な米は、申し上げたように、食管法第三条の規定に基づいて、政府が農家から直接買い入れをすることは続けていくんだ、したがって、無制限買い入れをいたします、こういうことを申し上げておるわけでございます。 さらにこまかく言うならば、その場合政府の買い入れ価格は、食管法の規定に基づいて、米の再生産を確保することを旨として定めてあることには変わりはないのでありますから、これによって消費者に対しては、必要な一定量の米の配給は必ず確保する、また政府は、売り渡し価格は、消費者の家計の安定というものを旨として定められるのでございまして、これは継続をいたします。以上のような点を堅持する上に立っては、食管法というものには違反をしておらない、こういう解釈の上に立って行なっておるわけでございます。
○大野(市)委員 御趣旨は私は理解ができるのでありますが、ただいまお話しになりました食管法の根幹は、私は大臣と結論は同じでございます。第一条の目的のところにある、「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為」というのがその根幹であろうと思います。その目的を達成するために、幾つかの手段がそこに添えられておる。その手段として、食糧管理と米穀需給の調整と、価格の調整と配給の統制、これが第一条の目的事項に網羅されておるものと理解しておるわけであります。 そこで、結論は同じでありますけれども、私の本日大臣に求めますのは、法治国であるから、たとえ昭和十七年の軍部はなやかなりしころに押しつけられた法律であったとしても、その最初の根幹をやはり法律として理解をしておきませんと、何でもかんでも、どんなに米が余るか足らないかしても、とにかくしゃにむに、問答無用で政策の手直し、変更がむずかしいような印象をいま持っておる傾きの方々があるのです。それでは私どもは、この食管法の精神の誤解であるというふうに解釈をするので、この機会に食管法の法的な根拠をただしておくわけでございます。 したがって、私が問題にしたいのは、第三条の米穀の強制買い上げです。この強制買い上げの中で、「生産者ハ命令ノ定ムル所二依リ」命令をもって定むるものを売り渡せということで、具体的内容は、全部命令事項に委任されておる特殊立法であります。この部分が、生産農民諸君が非常に心配しておるところなんです。これは国会であるならば、お互い国会議員が十二分に審議の機会があるが、命令で生殺与奪の権をにぎらされておるから、一体政府はどうやるんだろう、もう要らない、つくった米は海に捨てろくらいのことでも言いかねないというふうな不信感が大きく尾を引いておるのです。私は、この政府の方針に対する不信感があったならば、どんないい手直しをやっても、それはなかなか協力が得られないと思う。この「命令ノ定ムル所二依リ」ということについて、現行法はどういう命令をもって運用をしておられるか、根拠を示していただきたい。
○檜垣政府委員 私からまず御説明を申し上げます。 現行食管法令の体系では、「命令ノ定ムル所二依リ」というのは、食管法施行令の第五条の五で、生産者の米穀の売り渡し制限とその例外ということで、「米穀の生産者は、その生産した米穀を政府以外の者に売り渡してはならない。」として、例外的に、特別指定集荷業者に売り渡す場合だけは、これは例外であるという現行政令規定があるのであります。これによりまして、例外に当たるもの以外は全部政府へ売れという規定になっておりますから、したがって、事実上全量政府買い上げという体系になっておるのであります。 なお、よけいなことかもしれませんが、との売り渡し制限は、米の全体的不足ということを前提にいたしまして、政府への集荷を万全ならしめるための規定と理解をいたすのでございます。
○大野(市)委員 いま五条の五を引用されましたが、同時にこの管理制度の中で、第六条には米穀の買い受け制限とその例外規定がありまして、ただいま長官が述べられたような趣旨で、政府以外の者は生産者から米を買い受けてはならぬ、だけれども特別指定集荷業者は、前条の規定のような形で、農林大臣が指定するならばこの限りでないという規定が第六条にあります。私は、ただいま説明を受けた趣旨は、あなたのほうで一月の中旬に出された試案の中の自主流通の仕組みの中で、自主流通の経路として、農林大臣の許可を受けて、指定集荷業者またはその組織する団体に委託して売り渡すことができるというふうな説明がしてございまして、その注に、ただいま読み上げた第五条の五及び第六条の改正を用意するとございますが、私は、ただいま長官が読み上げられ、私が補足して六条を読み上げましたその趣旨のとおりであるならば、改正の必要はないと思いますが、いかがですか。
○檜垣政府委員 本来のお答えの前に、六条の引用がございましたので念のために申し上げますと、六条の規定は、食管法第三条の委任命令ではないと私ども解釈しております。食管法九条の譲渡に関する命令というふうに理解をいたしております。しかし、これもお話しのように、自主流通米を考えますときに当然問題になる規定であります。 特別指定集荷業者に売り渡す場合を例外にいたしておりますから、改正の要はないではないかということでございますが、ここでいっております特別指定集荷業者というのは、かつて行なっておりました匿名供出の際の特別な集荷業者のことでございまして、今回私ども考えております指定集荷業者というのは、およそすべての指定集荷業者のことでございます。また、指定集荷業者に売り渡すということを認めるのではなくて、指定集荷業者に委託をして自主流通を行なうということを認めようとするものであります。 なお、現在私どもが考えておりますのは、五条の五の第一項の、米穀の生産者は、生産した米は政府へ売り渡さなければならないという規定は残すつもりでございます。ただし、自主流通の現在の構想によって流通するものは、これは例外であるという書き方に改めたいというふうに思っておるわけでございます。
○大野(市)委員 私は、こういう新しい道をさがし求められて、命令の内容を考案されるときには、こういうふうに直すのだというふうな、いまの施行令の改正案文もやはり同時に示されて、そして、こういう形で法制的にも整えるので、一般が心配するように、つくっても買い上げをやめるのではなかろうかというふうな当面、ただいまの心配ですね、その心配を払拭していただいて、いわれなき不安を、置いていかれるのではないかというふうな生産者の不安を払拭していただくのが、政府の大事な仕事だろうと思うのです。この問題をいま取り上げたわけなんです。 そこで、自主流通についての試案を見ますと、政府の買い入れは、「現行の事前売渡申込制を基本とし、生産者の生産した米穀をその保有限度をこえる数量の範囲内で無制限に買い入れる。」という着想が出ておりますが、これをもう少しわかりやすいことばで御説明を願いたい。
○檜垣政府委員 事前売り渡し申し込み制度というのは、俗に予約制度と呼んでおる制度でございます。政府としましては、自主流通米の創設を考えるにいたしましても、農家に対しましては、農家の意思に基づいた予約の申し出は全量政府として受け付けをするという考え方をとっております。したがって、事実上また法制上も、全量買い上げということを明らかにしたいということでございます。
○大野(市)委員 いま長官が明らかに言明をされました全量買い上げ、これを続けるのである。これが、いわば当面の不安を押えていただくためには一番端的な、最もほしい表現でありましたが、ただいまその表現をいただいたのですけれども、そのとおり理解してよろしいですね。
○檜垣政府委員 私の表現に若干適切を欠く点がございましたならば、おわびを申し上げて訂正をいたしたいと思いますが、私がただいま全量買い上げと申し上げましたのは、予約制度によって無制限に買い入れをいたしますということでございます。したがいまして、自主流通に回るもの以外は、先ほども政令のところで申し上げましたように、それ以外のものは全量政府買い上げということでございます。
○大野(市)委員 非常に鮮明になりました。いまわれわれの選挙区などへ帰りましても、一番心配しておるのは、とにかくいまの制度が根本的に変えられるのではないかという心配をしておるので、予約を申し出たものは全部政府が、法制も変えないのであるから受け入れるのである、こういうふうに再確認をしますと、ずっとこの自主流通米の受け入れの態度は変わってくると思います。この点確認をしたので、次の質問に移ります。 第五の価格に関する措置で、その前段に、自主流通米の販売価格は規制しない、こういう方針が述べられたあとで、「なお、これに伴い政府管理米については、基準価格を設けて指導することとし、政府はその指導価格が実現しうるよう売買操作を行なうほかその他必要な措置を講ずる」とありますが、これはちょっとわかりにくいので、さらに説明を望む次第です。
○檜垣政府委員 自主流通米の構想というのは、先ほど農林大臣からもお答え申し上げましたように、消費者の選好に応じて、その好む米を購入できる道を開く、そういう需要に応じた米の生産、消費の維持増大をはかるという考え方でございますから、したがいまして、戦前ございましたような、一種の米に銘柄の格差が価格の上では出てくるものと思われるのでございます。したがって、それぞれ需要に応じた価格の形成がされますから、一律な価格形成ではないということが考えられるわけであります。 でございますので、現在米につきましては、政府の配給米のほかのものは元来ないはずでございますが、それぞれ各段階の価格を物価統制令で統制をいたしておるのでございます。これは、自主流通米の場台に適用することはなじまないものでございますから、物価統制令の適用ははずしたいというふうに考えておるのでございます。 ただ、政府管理米の配給にあたりましては、これは政府が財政負担をいたしました上で、価格の安定ということを配慮して価格をきめておるのでございますから、これについては何らかの価格規制を必要とする。現在私どもが考えておりますのは、食管行政上の指導的な価格として、現在の物統令による価格の規制と同じような水準のものを指示をする。そういたしまして、それについて十分な量を供給しなければこの問題は守らせにくいということもございますから、量的な操作をすることは当然のことである。 そのほか、それを守らせる一つの方法としましては、末端における小売り業者の競争ということを考える必要がございますので、小売りと消費者の結びつきの登録を廃止をしたい。同一市町村内では小売り店の選択は自由にできるというようなことにいたしたい。また、消費者団体等と行政当局との、現在もやっておりますが、配給改善に関する協議会のようなもので末端の事情を把握をした上、著しく政府の方針に反するような小売りが出るというような場合には、それなりの措置をとるというようなことを検討いたしたいというふうに思っておるのでございます。
○大野(市)委員 私がいま承っておるのは、政府管理米について基準価格を設けるということなんです。それで、御承知のように政府管理米の配給価格は公定されておるわけです。だから、いわゆる千五百二十円の小売り価格があります。これにいわゆる基準価格ということがどうはまってくるのか。管理米は配給米だと私は直感するものだからお聞きするわけで、基準価格というのはどういう意味ですか。
○檜垣政府委員 先ほども申し上げましたように、自主流通米について、もはや価格規制ということが適当でないという段階になりますと、現在の物価統制令による最高販売価格というのは、およそいかなる米であろうとも、末端では幾らということにきめておるのでございますし、また、どうも私どもの理解では、物価統制令の適用はそういう性質のものではなかろうかというふうに思っておりますので、政府配給米についてだけ物価統制令の適用ができるのかできないのか、私どもは疑問に思っておるのでございます。でございますので、もしそういうことは物価統制令の性格上できないということになれば、全面的に米の価格についての物価統制令の適用を廃止をいたしまして、政府配給米については政府が適正な価格水準を定めまして、これを基準価格として配給業者に指示をするということにいたしたい、こういうふうに思っておるのでございます。
○大野(市)委員 そういたしますと、自主流通米のほかに、いわゆる予約売り渡しによって政府の管理米に所属したものが小売り店に渡り、消費者の手に渡るときに、自主流通米と同じような銘柄格差を加味して基準価格をつけるという意味ですか。
○檜垣政府委員 政府の配給につきましては、現段階におきましては、あるいは将来も問題があろうかと思いますが、銘柄の格差をつけて売り渡すということは事実上不可能でございます。でございますので、政府の配給米は、画一的な基準価格を設ける以外にないというふうに思っております。
○大野(市)委員 公定価格と基準価格というのは違うのですよ。だから私が問題にしておるのは、一月の中旬にあなたのほうで自主流通についての試案として出された印刷物に基づいて、どうも政府管理米の基準価格ということがちょっとわからないので繰り返して聞いているのです。いま最後のあなたの御答弁は、配給米については一本の値段でやるんだということでありますから、この通知書の内容は変わったのですね。
○檜垣政府委員 表現が適切でなかったかと思いますが、実体的に私どもが考えておりましたのは、ただいまお答えしたと同様のことでございまして、途中で変更したものではございません。
○大野(市)委員 これは、最後のあなたのお話で公式には了承いたします。 それから、いま施行令の中で述べられたように、第五条の五と第六条というようなものが施行令の中にあって、言うならば厳格な政府管理統制ができておるのにかかわらず、やみ米市場が現実にある。大学の教授までが、そのやみ米市場の取引状況を視察して実況談が載るというような時代に、百七十万トンの自主流通米を試験的にとにかく出発をされるという着想は、私は諸般の事情から賢明な一つの方法だと思う一人なんですが、そのやみ米市場というものを、しからばどのようにしてこの施行令のもとで制約せられるのか、その方法をひとつ承りたい。
○檜垣政府委員 御指摘のように、今日に始まったことではございませんが、世間では、食管法並びに食管法施行令の厳格な規制があるにかかわらず、不正規な米の流通があることは事実でございます。また、今日のように米の需給がゆるんでまいりますと、消費者側は、正規の流通経路で政府の定めた価格で一定量を配給するということ自体に、制度の恩恵をそれほど感じないという階層が出てきた。そういうことから、自分の選好において米を求めるという傾向と結びまして、自由米といいますか、やみ米といいますか、そういうものの流通がふえる傾向に私はあると思うのでございます。 自主流通米を認めることによりまして、消費者については、正規のルートによる自分の好きな米を求めるという道を開き、また生産者は、政府売り渡しよりも有利な条件で売れるものについては、農協等の集荷団体を通して販売することができるということによって、私は、従来不正規流通をいたしておりましたいわゆるやみ米というものを、相当程度正規流通の中に吸収することができるのではなかろうかと思っております。
○大野(市)委員 今度は大臣にひとつ御決意を承りたいのですが、法治国であって、経済の実態が先走ったために法律が追認をするという事柄がずいぶんあるのです。ですから、自主流通米の着想も、あるいはやみ米横行の一つの流通形態を追認するようなこともあったのではないかと私は陰ながら思う点もあるのですが、かくなる上は、やはり自主流通米を認めるからには、やみ米の市場を——こそこそと背中にしょって隠れて歩くというのは、どんな時代にもないことはないかもしらぬが、堂々と市場が立って競争をするということになると、これは流通が混乱するわけでありますが、これに対して、大臣は米穀管理の責任者としてどのような処置で対抗されますか、御見解を承りたい。
○長谷川国務大臣 これにはなかなか深い理由もあると思うのです。ただ単に自主流通米を認めたとかという簡単な問題ではなくて、食管制度というものをいかに堅持するかという、基本はそこになければならないと思うのです。そういうことで、たとえば、このまま米が需給のバランスを欠くことが何年も続いていくということになりますと、政府が食管制度というものを確立しその根幹を残したくても、なかなか世論というものが許さなくなりはしないだろうか。だから、まずここに消費者の要求するような、うまい米と申しましょうか、良質米といおうか、こういうようなものに転換してもらうということも、消費を増す一つの基礎でもあるであろうし、したがって、申し上げたように、だんだんと米の需給のバランスを欠いていくようなことになってまいりまして、どうしても世論というものにかなうことができなくなれば、いかに政府が食管制度というものを確立し残したくても残せないような状態になってくる。それについては、まず自主流通という点も半面考えてみれば、良質米とか、あるいは農民自身の考え方もそこにいってもらうような方途を切り開くことができるのじゃないか。こういうような考え方なんでありまして、私たちの考え方は、無制限買い入れということはあくまで行なうのであって、予約米制度もそのとおりでございます。 いまそういうようなことで、やみ市場が開かれるであろうというようなことは想像もしておらないので、そこは、なかなか米の価格というものが、政府の配給米というものと自主流通米というものの価格はおのずから相違がありますので、ただ単にそういう点にまで発展するようなことはないだろう、こういうふうに考えております。
○大野(市)委員 私の言うのは、これからもっとやみ市場が開かれるだろうということを聞いたのじゃなくて、とにかく現実にやみ市場が公開のような形であるものだから、それを政府がどう対処されるかという対抗策を承っておるのであります。そうでないと、自主流通米をやりましても、やみ市場との競合になりますと、生産者が得になるか損になるか考えは二つありますけれども、たてまえとして、やみ市場が伸びるようなことではいかぬのだろうと思うので、対処策を聞いておるわけです。
○長谷川国務大臣 でありますから、たとえば配給制度にいたしましても、いままでは小売り屋さんに一つの登録をいたしますと、そこよりほかには購入することができなかった。これを今度は、いままでAといううちと予約してあった、購入をしておったけれども、AからBに移ってもCに移っても、その町内ならば選択権を消費者に与えるというふうな制度に変えていくものですから、私は、そういうやみ市場が公開されて——現に、いま伺いますとそういうようなのが関西のほうにはあるそうでございますけれども、そういう点が、自主流通が行なわれていくならばある程度セーブすることができていくのじゃないだろうか、こういうふうに考えられるわけでございます。
○大野(市)委員 この問題は、まだ私は満足はできないのでありますが、時間がないので、最後に一つ申し上げて御見解を承りたいのであるが、今日こういう形で米が余った。わずか二年間の余り方だが、ことしの十一月には五百五十万トンになるというので騒いでおる。私は、もみ貯蔵によって一年分ぐらいのいわゆる備蓄は、どんな天災地変があるかわからぬので、もみ貯蔵であれば相当もつのだから、それだけの食糧は、農政の根幹として対策が用意してあるべきであるという所論を持っております。これは一応の所論であります。 それから第二には、そんなふうに良質美味の、篤農家が胸を張って食べてくれというような品種をそろえて、大量に千四百四十万トンもとれたものであれば、ほんとうにこれはまた喜ぶべきことであろうが、私がいただいておるいわゆる米穀の品種別作付状況、昭和四十二年度産、こういうものを一つ見ましても、いわゆるフジミノリのような、明らかに消費者がまずいというのであまり好まない品種が、良質美味の米が反収が少ないために、それが多収穫であるからということで、等級間格差の買い上げ制度だけですから、外側さえ同じであれば、値段はうまくてもまずくても同じだという、食べものの本質を忘れた政府買い上げ制度のために、悪米が良米を駆逐してしまって、一ぱいとれればふところは豊かになるという形で、いわゆる消費者の好まない水っぽい米あたりが天下にはんらんしておる事実を、作付面積の変化からも把握ができて、十年来私どもはこれを心配してきたのであります。 しかし、今回よくも踏み切られて、政府の力では銘柄格差や値段をきめる権限もその自信もないから、実際上消費者の評価を通して、銘柄格差を実現させたいという意図を考えられたのではないかと思いますが、そうであるとすれば、自主流通米の制度は、いま都市生活者の四割からがやみ米に依存しておるという総理府統計から見ても、私は一歩前進した改善策であると思います。 そういう意味で、この良質美味のものを消費者に提供するならば、現実に今日配給米よりやみ米が高いのは明らかなんです。そういうような形において、自主流通米が多少配給米より割り高になっても、都会の消費者の四割が高いやみ米を食べている現実から見ましても、生産者と消費者にこの制度のほんとうのよさというものを、もっと丁寧にわかりやすく政府当局が説明の労を惜しまないならば、私は成功すると思います。この点についても、ひとつ大臣は確固とした信念で、せっかくお考えになったならば、男頭あなたを御推賞申し上げたように、腹をきめたら断じてやるんだというその信念を貫いていただくことを、ひとつこの機会に御進言申し上げたい。ただいまのいわゆる早場米などの時期別格差の消滅した今日、良質美味の米に対する銘柄格差を確立される意思があるか。私は、今日品種、銘柄は四十三品種に統合ができると考えておりますので、そういう品種、銘柄の奨励を政府としてなさる御用意があるかないか、これを最後に承りたいのであります。
○長谷川国務大臣 御承知のように、食糧管理制度というものがなぜつくられたかという根本理念というものは、消費者にいかに平等にこれを分配するかということが根底でございます。その考え方の上に立って、農業者というものにたいへん御苦労をかけたわけでありますから、あくまで食管制度というものは私は残すべきである。その上に立った方途は、いろいろあるかもしれないけれども、あくまで根幹は残さなければならない、こういうような考え方でございますので、先ほど申し上げたように、無制限買い入れもいたします。したがって、そういう点は心配かけない。 ただ、現今に至って需給の状況の上から、消費者が喜ぶようなお米をつくってもらうということだけはやってもらわなければならない。しかし、これらも強制的にどうこうということが、現在の立場上できませんので、自主流通米というものをつくって、幾らでもこの方向に転換して、やはりいい米をつくって喜んでもらう、その生産に励んでもらうことが、おのずから全般に向かってできるようになるではないであろうか。こういうような大きな意図と希望を持っておるわけでございまして、あくまでもこの制度だけは確立して、そして御協力を願いたい、このように考えておる次第でございます。
○大野(市)委員 終わります。
○丹羽委員長 工藤良平君。
○工藤委員 私も、食管の問題につきましていろいろ具体的にお聞きをいたしたいと思います。ただいまの討論の中でまだ非常に不審な点もありますから、これから逐次御質問をいたしたいと思います。 まず、この自主流通米を実施する目的でございますが、先ほど大臣から一応お聞きをいたしましたけれども、この問題について私たいへん疑問を持ちますので、もう一回大臣のほうから、その目的について御説明いただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 自主流通米というものはどういう構想かというお尋ねでございますが、自主流通米の構想は、消費者の選好というか要求に応じた米の生産、また半面消費の増大をはかっていきたい、こういうことがねらいでございまして、食糧管理の立場からする行政的な規制のもとに、政府を通さない米の販売を行なおう、こういう考え方でございます。
○工藤委員 さっぱりわかりませんけれども、この趣旨を読みますと、消費の傾向が良質の米を求めている、したがって、それにこたえていくために自主流通米を行なうんだということが書かれているわけでありますが、私は、少なくともこの自主流通米を政府が考える以上は、もっと大きな目的がなければならないと思うわけであります。たとえば、政府が再三おっしゃっておりますように、四十二年産米については二百六十五万トン内地米の古米が持ち越された、四十三年産米についても二百万トンをこして手持ち米がふえるだろう、こういうことがいわれておるわけでありますが、全体的な量の問題については何ら考慮をされないのか。その点について大臣、私は一つ一ついまからお伺いしますから、答弁をしていただきたい。
○長谷川国務大臣 全体的の量、需給のバランスをとっていくという考え方の上に立って、御承知のように、毎年毎年ただ米をつくればいいんだというようなかっての方法でなくて、やはり生産は消費というものが一番の目的でなければならない。それには消費者に喜んでもらうようなものをつくっていく、これは今日の農業を行なう上に立って一番考えなければならない問題だ、このように考えるわけでございます。 したがって、そういう需給のバランスの上に立ってある程度そういう良質米に変えてもらうということで、幾らかでもそのバランスを合わせていくことができるだろう。ただ単に、食管制度を変えるために自主流通米をつくっていくんだということは毛頭考えておらないのでございますから、その点だけはお間違えのないように御理解願いたいと思うのです。
○工藤委員 それでは大臣は、一応消費を高める、こういう視点に立ってこの自主流通米というものを考えていらっしゃるわけでございますか。
○長谷川国務大臣 もちろん、消費を高めなければならない。いろいろ今日までの質疑等を通しましても、消費を高める方法をとっているかとっていないかという質問がたくさん出ておりますが、もちろん消費を高めていく。それには、消費者に喜ばれるものを供給するということでなければならない、こういうような考え方が基礎となっておることは事実でございます。
○工藤委員 それでは端的に申し上げますが、この自主流通米によって全体的な量の調整、いわゆる需給と供給のバランスがどのようなかっこうで今後とれていくのか。そういう一つの大きな長期的な展望の上に立って、この自主流通米が出てきたというように私は判断したいわけでありますけれども、それが具体的に、長期的にどういうかっこうで進んでいかれるのか、その点をお伺いいたします。
○長谷川国務大臣 御承知のように、需給のバランスというのはただそれだけではできませんので、何とか作付転換というほうへも御協力を願いたい。こういうことで一万ヘクタールを、来年度は御承知のような方法によって転換にぜひ協力をお願い申し上げたい、こういうような考え方をいたしておるわけでございます。
○工藤委員 それは、私は後ほど詳しくまたお聞きをいたしますけれども、少なくとも農林省は米がだぶついた、余った余った、こう言っていらっしゃるわけでありますから、全体的な需要と供給のバランスをとるという意味でこの自主流通米が考えられているとするならば、それなりに私は理屈は通ると思うのです。その点を大臣はっきりしてください。
○長谷川国務大臣 自主流通米だけで、そのバランスをとることは不可能であると私は思います。したがって、申し上げたような作付の転換、これらもあわせて並行的に行なっていかなければならない、こういうふうな考え方でございます。
○工藤委員 そういたしますと、全体的な量の調整の問題については、必ずしもこの自主流通米一つでは解決できない。それは、全体的な面積の問題とかそういうものが関連をする、そういうことですね。そういたしますと、私はこの自主流通米のほんとうの意味は、なるべく政府の扱う量を減らしたい。たとえば、四十二年産米を九百八十万トンをこえて政府は買った。政府が買えば、約四千円前後の政府負担というものが、正直に言ってかかるわけでありますから、それをだんだん減らしていけば食管の赤字は増大をしてまいりません。私はほんとうのねらいは、なるべく国が扱う量を減らして、自主流通という名のもとに、その手を省いていくというのが本旨ではないのか、このように理解せざるを得ないわけでありますが、その点についていかがでしょう。
○長谷川国務大臣 御承知のように、今日まで政府配給米というものは、買い上げにしても等級はございますけれども、末端に参りまして配給ということになりますと、良質米、消費者がほんとうに喜ぶものもその中にはたくさんあるわけでございますけれども、それらを合わせたものによって配給をしておる、こういう点もあります。今日、いろいろ食糧構造というものが変わっていき、その基本をなす経済力もそのとおりでございますから、どうしてもうまいものを食べたいということは、当然なる意欲だろうと考えるのであります。こういう上に立って、現在政府が、いま消費者がこうだから、おまえたちのつくった米は一度に格下げをしていくというようなこともなかなか困難であろう。どうしても良質米というものに転換をしてもらわなければならない時代を迎えているのであるから、私たちの考え方は、自主流通によって生産意欲も転換をしてもらう、そしていい米をつくれば、なるほどこうなんだというような方向に自動的に持っていきたいというような考え方が、大きくその中にあるということだけは知ってもらいたい、こう私は思うのでございます。
○工藤委員 私も、米の質をよくしていかなければならない、消費傾向に合わせて、生産の質的な転換をはからなければならないということはわかるわけであります。おいしくないお米をたくさんつくるよりも、おいしいお米をたくさんつくるということは、それは消費者のためでもあるし、農民のためでもあるわけであります。私はそのことを否定するわけでありません。肯定をいたしたいわけです。しかし問題は、この自主流通米というものの真のねらいというものはそういうことではなくて、私は大蔵省あたりからの強い圧力によって、食管会計が年々大幅に増大をする、このような状態が続いていくならばたいへんなことになるということから、そこら辺に視点が当てられて、政府の扱う量をだんだん減らしていって、その中間的な経費というものを消費者と生産者に負担をさしていくということがほんとうのねらいではないのか、こういうように質問をいたしているわけでありますが、その点について明確にひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○檜垣政府委員 御指摘のように、政府が買い上げをいたしまして配給をいたします場合には、いわゆる逆ざやがございますから、したがって、政府負担が相当多額のものになっていることは事実でございます。自主流通米の場合は政府負担はしないということで、自主流通米については政府負担を免れるということも、これも事実でございます。しかし、私ども本来のねらいとして、財政負担を免れようということで考えたものではございません。もちろん、これ以上財政負担が増高することを好むものでもございません。ただ、大臣からも繰り返しお答えをいたしましたように、現在の需要の動向というのは、まさに量を求めるのではなくて、むしろ自分の好む米を買いたいという性向が非常に強く出ておる。先ほど大野委員も御指摘がありましたが、家計調査の上でも全都市で約三割、七大都市では約四割の量が非配給米に依存しておるという記帳がされておるのでございます。記帳の正確性は私もよくわかりませんけれども、ともかくそういう傾向があることだけは間違いがない。それに対応することが必要であるということが、この構想を持つに至った発端であります。 なお、今日そういうような傾向にあり、また、需給の関係から見ましても、量産主義の米作よりも需要動向に合った米作へ転換をすべきである。したがって、結果的には何がしかの生産に対する効果というものもあるわけでございまして、これは、全体として需給のバランスをとる方向に政策を進めるべきであるということと、相いれる考え方であるということだけは申し上げられるかと思います。
○工藤委員 それでは具体的にお聞きをいたしますが、自主流通米で集荷業者に販売の委託が行なわれた場合に、その格づけなりそういったものは具体的にどうなるわけでございますか。だれがどこでどうやるのですか。
○檜垣政府委員 格づけといいますか、販売の委託が行なわれますれば、まず農産物検査法による検査を必要とするわけであります。検査を必要といたしますが、従来は、銘柄についての検査は必要検査事項ではなかったわけでございますが、自主流通米の性格から申し上げて、今後の検査には銘柄検査を加えて、食糧検査員による検査を行なわせるということにいたしたいと思うのであります。 そういたしますと、正確な銘柄格差あるいは格づけというものはかなり時間がかかると思うのでございますけれども、米屋、販売業者の中では、かねて相当銘柄についての研究をいたしておる者がございます。でございますので、銘柄格差、格づけについてのある程度の検討は、生産者、それから流通業者あるいは米についての学識経験のあるような人によって、一種の民間の協議会というようなものをつくりまして進めていってもらうということが、なるべく早く自主流通米についての格づけが定着するために必要であろうというふうに思っております。
○工藤委員 米は一年に一ぺんしかとれないのであります。すでに四十三年産米の検査は終わっております。これから食糧検査官が銘柄を検査をする。検査をしていく銘柄の中には、品種別の銘柄もありましょう。あるいは産地銘柄もあります。いろんな要素があるわけです。私は、農林省の中でもこれはすでに検討されておると思います。現実に自主流通米の場合に銘柄検査ができるとするならば、なぜ現在の状態の中においても銘柄検査ができないのか。政府管理の中においても、その食味を加味するということは不可能ではないと私は思う。現在の管理の状態の中で不可能であるとするならば、それは自主流通米の場合でも、格づけをするということは不可能になってくるだろうと私は思う。そうすると、全く野放しで自由に売りたい者と買いたい者でかってにやりなさいということ以外には、ほんとうの意味の自主流通米というものはできないのじゃないかと私は思うのですけれども、その点はどうなんですか。
○檜垣政府委員 政府の買い入れにかかる米につきましても、銘柄検査をやってできないとは私は思わないのでございます。ただ、政府管理米の場合には、これは一般的に国民食糧の確保ということで、画一的な統制のもとで処理をいたすものでございますから、ある意味で銘柄の問題は、それほど重要な事項ではないというふうに従来考えられておった。 今後といいますか、自主流通の制度の定着と相まって、産地銘柄、品種銘柄、そういうものについての需給の実態から生ずる格差といいますか、格づけというものがはっきりいたしてまいりますれば、政府の管理についても検討を要するであろう。関係方面からもそういうことが指摘をされておるわけでございますが、そういうような事態になりますれば、私どもは、政府管理米についても全面的に銘柄検査ということを実施する必要があるというふうに思うのでございます。
○工藤委員 何かさっぱりわかりませんけれども、正直に申し上げまして検査官が銘柄の検査をするわけでしょう。現在、全部国が管理してこれだけの機構を持っておる状態の中で、銘柄検査ができないといわれておる。それはできるかもわからないといま長官はおっしゃいましたけれども、できるとするならば、もうすでにそういう実施の段階に入って、消費の動向に合わせていくということは一つの方法として考えられると思うのです。しかし、それが現実にはできない。できないから自主流通米に流す。自主流通米については、米の検査官に、これは銘柄の検査をやりなさい、これは自主流通米の別のものでございますということで、買い付けまで別にやらなければこれは意味をなさぬわけでございますから、そういうことがさっそくことしの秋九月から起こるわけでしょう。それについて、具体的にそういうことができますかと私は聞いている。
○檜垣政府委員 食糧庁内で検討を重ねてきたのでございますが、全部の銘柄について明確に銘柄検査をやる、これは自信がない。しかし、それぞれの産地における代表的銘柄については、銘柄検査は可能であるという結論が出ましたので、そういう考え方で銘柄検査をやっていきたいというふうに思っております。
○工藤委員 そうすると、ある産地のものは銘柄がそれぞれ明らかになるけれども、ある産地の自主流通米については、一等、二等、三等というような等級だけの格づけに終わってしまう。そういうアンバランスができてくるということが、当初は考えられますね。
○檜垣政府委員 私は、ただいま申し上げましたように、全銘柄についての検査をやるということはとてもいまの段階では不可能だということのようでございますから、お話しのような問題が残らないとは断言できないと思います。しかしながら、自主流通で流通します米は、需要者の側である卸売り販売業者は、注文をいたします場合に産地の特定銘柄、代表的銘柄に集まることが、私はもう当然であるというふうに思いますので、現実には、そういう問題は大きく出ないというふうに思っております。
○工藤委員 画一的に銘柄の問題についてはできない、部分的な問題についてはできるだろうけれども、画一的な問題についてはできないというふうにおっしゃるわけでありますが、技術的には確かにそうかもわかりません。しかし、自主流通米百七十万トンが流れるという状態の中において、そういうことが食糧管理行政上よろしいのかどうか、その点に対する考え方を伺っておきたいと思います。
○檜垣政府委員 御質問の御趣旨を的確に把握しなかったのでございますが、百七十万トンの自主流通米を見込みましたのは、そのうち七十万トンが加工用の米である。酒米あるいは米菓等のためのモチ米等で七十万トン見込んでおるのでございます。一般家庭消費用として百万トンを見込んだのでございますが、大体全家庭の消費量の一五%程度を見込んでおるのでございまして、その後、やはり関係業界あるいは農業団体等でも、どの程度の需要があり、またどの程度の流通が行なわれるであろうかということを内々検討をし、あるいは積み上げをいたしておるようでございますが、政府の見込みとしてあげております大体百万トンというところが、いい落ちつき場所のようであるということでございまして、私は、食糧管理行政から根本的に問題になるというような点はないというふうに思っております。
○工藤委員 話が横道にそれましたけれども、本題に戻りまして、私は全体の量の調整の問題について、どうも大きな疑問が残るのであります。今度のこの制度は、さっき質問のやりとりを聞いておりまして、国はとにかく全部買います、こういうことをおっしゃっているわけですね。予約をしてもらって、そのうちに自主流通米とそれから政府に売る米を分けて、出来秋には、自主流通米に分けるものは別にやっていいんだということをおっしゃるわけでありますね。そうすると、生産者は政府に一応予約をいたします。予約をしたけれども、予約以外に実はたくさんとれて売りたい、これを自主流通米として流したい、こういう場合に具体的にどういうことになりますか。
○檜垣政府委員 お話しのとおり、私どもとしては農家が収穫以前に予約申し込みをする、その量は政府としては受け付ける。その予約量の中で、これは自主流通に回したいということで、農林大臣の許可、具体的には食糧事務所長の許可を受けた分は、売り渡し義務を免除していくというやり方をしたいというふうに思っておるのでございますが、予約量のほかにも、確かに農家としては売り渡しをしようとする量が出てくるのでございます。その出てきます量を、政府に買ってもらいたいというふうに申し出るのか、あるいは自主流通に回すかは、農家、農業団体の判断にまかせたいというふうに思っております。
○工藤委員 予約外の米が出た場合、政府に売りたい、こういうような事態が起こった場合には、政府が責任をもって、政府の買い入れ価格で買い取るわけですか。
○檜垣政府委員 さように考えております。
○工藤委員 そういたしますと、たとえば七百五十万トンがオーバーして八百万トンなり八百五十万トンになっても、それは責任をもって国が買います、こういうことでございますね。
○檜垣政府委員 現段階で、まだ作柄等も見通しが立たず、自主流通にどのくらい回るかということも一応の見込みで百万トンといたしておる段階でございますから、計数をあげてのお話のお答えはいたしかねますけれども、自主流通に回る以外のものは、これは全量無制限に政府としては買い入れをいたします、そういう考えでございます。
○工藤委員 それではっきりいたしましたが、それでは自主流通米の方法でございますが、集荷業者を通じて生産者は自主流通米に流すことができる、こういうようにさっきおっしゃいましたが、もしも個人で政府以外に売ったということになった場合に、それが食糧管理法に問われるかどうか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○檜垣政府委員 自主流通米といえども、全体の国民食糧の一つの役割りを果たさせる、価格や需給の調整の対象として考えていくべきであるということでございますので、個々の農家が政府以外へ米を売るということになりますと、現在私どもが考えております政令の改正の範囲内では、食糧管理法違反になるということでございます。
○工藤委員 それでは、農家がつくったものは全量国が買う、こういう解釈になるわけですか。これはもうこの前の国会からの論争ですけれども、いま言ったような申し込みがくれば全部政府は買いますということと、つくったものを全部政府が買うということとどういうように違いますか。そこをはっきりしてください。
○檜垣政府委員 先ほども政令改正の構想のところで申し上げましたが、自主流通米として販売をするものは合法的に販売ができるということでございまして、それ以外の米については、もちろんそれは保有米を越えるものでなければいけないわけでございますけれども、それ以外の米については、政府に売らなければならないという規定を残すつもりでございますので、したがって、自主流通米に流す以外のものは、政府が無制限に買い入れをいたしますということでございます。
○工藤委員 私はそこをはっきりいたしたいのですが、たいへん違うわけですよ。国に全部売らなければならないという規定で農家が解釈をする場合と、余ったから、政府が買ってくれるから持っていくという場合とはだいぶ違うんですよ。違うでしょう。私がこの前から論争しておるのはそのことで、長官はこの前、国は全部買い入れるという義務はないとおっしゃった。しかし、いま持ってきたら全部買いましょうとおっしゃっておるんです。そこら辺を明らかにしておかないと、たとえば、もしもそういう問題が起こったときに、食糧管理法のどういう形でその人を罰するかという問題が起こってくるわけですよ。集荷業者を通せば、これはいま言ったように、政府に売る米よりも消費者は高く買わなければならぬということは現実の問題なんです。政府に持っていけば、据え置いておきましても平均で二万六百七十二円で買ってくれるわけです。そうすると、生産者は二万一千円か二千円で農協や集荷業者を通じて売ります。売ったものは、最低限見ても四千円中間経費がかかっているわけでありますから、二万六千円か二万七千円に売らなければ引き合わないわけであります。農家の人は、農協に持っていけば二万二千円だけれども、親戚とか小売りの米屋に直接やれば、二万三千円か二万四千円なりで売れるということが現実に起こった場合に、このことは、今度の自主流通米としてどういう形で罰せられるか、それが食糧管理法のどこに触れるか、そこら辺を法的にどのように解釈しようとするのか、私はぴしっと明らかにしてもらいたいと思います。そういう現実は起こりますよ。
○檜垣政府委員 まず制度的に申しますれば、政府の買い入れは、余ったから買うということではございません。現行法令のたてまえは、政府は、国民食糧の確保のために必要な場合に、第三条の権限を発動して買い入れをするということになっておるのでございますから、余ったものを政府が買うという考え方ではない。自主流通米は、先ほどから申し上げましたような構想で、現行の食管制度の体系をくずすことなく、自由の長所も取り入れた流通の仕組みを考えたにすぎないのでございます。そういう体制の中で考えまして、政令で、自主流通米の方式以外では他へ売ってはならないという規定にするつもりでございますので、個々の農家が売りましたときには、食糧管理法三条違反ということにならざるを得ないのでございます。
○工藤委員 食糧管理法三条違反、こうおっしゃいますけれども、あなたはこの前の国会で、政府は全量買う義務がない、こうおっしゃっている。「命令ヲ以テ定ムル」というのは、政府が必要な量だけを買うというのが前提だ、こうおっしゃっている。そうすると、七十俵なら七十俵を私が予約をいたしました。これについては政府の命令として受け取るわけです。しかし、幸いにして十俵余分にとれた。その米は予約をしてありませんから、私はこっちのほうへ売りますよということで、親戚やあるいは米屋のほうに直接売ったという事態が発生した場合に、それは施行令の五条の五の、政府以外に売ってはならないということによって罰則を受けるのか、そこら辺を私ははっきりしていただきたいということなんです。明確にしてください。
○檜垣政府委員 ただいまのケースの場合に食管の法令違反ということは、食糧管理法第三条の委任命令であります施行令の規定に違反するということであるから、三条違反として処罰さるべきものであるということになるわけでございます。したがいまして、政令の規定のしかたいかんによりましては、政府と予約した数量以外のものを他へ売っても、法律違反にならぬという場合もあるのでございますが、先ほどから申しておりますように、私どもは、五条の五の第一項の規定はそのまま残したいという考え方でございますから、農家は、自主流通米として政府を通さずに販売するか、または政府へ売り渡すか、いずれかを選ぶ以外にはないということで発足をしたいということでございます。
○工藤委員 そういたしますと、自主流通米というものは、いま申し上げましたように、農家の方方は集荷業者を通じて売らざるを得ない、それ以外は一切まかりならぬ、こういうように解釈をするわけですね。それでよろしゅうございますか。
○檜垣政府委員 そのとおりでございます。
○工藤委員 そうしますと、これは論争をもとに戻すようでありますけれども、国が全量買わなければならないという解釈、政府以外に売ってはならない、こういう規定をするというわけでありますから、つくったものは政府で全部責任をもって買う、こういうことになりませんか。
○檜垣政府委員 以前の当委員会あるいは他の委員会で、食糧管理法第三条の法律自身が、政府に全量買い入れの義務を課しておるのではないかという御質問に対して、私は、第三条は全量買い上げを義務づけた規定ではない。しかしながら、委任命令で政府以外へは売ってはならないということを書いておる限り、農家は政府以外に売ることを、法制上認められていないのでありますから、政府は、そういう政令をきめておる限り、全量の買い入れをせざるを得ない、する義務があるということになるのだ、こういうことを申し上げたのであります。
○工藤委員 そこで、一応政府が全部買ってくれる、こういうことについてははっきりいたしましたから、農家の人は安心するだろうと私は思うのです。つくっても、とにかくできたものは全部買ってくれる。ただその方法は、政府が買うか自主流通米か、こういうことになるのですね。 そこで農林省としては、非常にむずかしい問題ですけれども、自主流通米の生産者の販売価格、家庭における消費者の買ういわゆる消費者価格というものは、一体どういうところに実勢価格というものが落ちつくだろうか、このような判断がなされてしかるべきだと思うのですが、大体どのような推移で価格の問題が動いていくか、その予測をひとつお知らせいただきたい。
○檜垣政府委員 現段階で、自主流通米の価格水準がどうなるかを予測することは、私は非常に困難であると思うのであります。ただ、一応の目安として申し上げられますことは、現在の政府経費に当たります集荷経費、運搬費、保管費、事務費、金利、こういうものを基礎に置いて、あとは現在の政府の生産者買い入れ価格というものを基礎にして、自主流通米は販売期間が短い、また過剰米の経費負担というものは何らかぶる必要はないというようなことを修正をして試算いたしますと、十キロ当たり大体二百六十円ないし二百七十円程度経費の増高になるということでございます。 その辺が一つのめどになると思いますが、自主流通米ということに相なりますと、市場環境というものがそれぞれ産地によって違う、また、消費者の選好の違いによりまして格差というものも違ってくるということでございますので、一がいにただいまの数字に何らかのアルファをつければ推測されるというふうなものでなかろうと思っております。
○工藤委員 そこで問題になりますのは、先ほどの御質問の中にありました政府管理米の価格の問題で、基準価格という問題でございますが、私は、やはり生産、消費の価格の動向というものは、これによって相当左右されていくだろうと思う。そんなに極端に価格が開きますと、やはり配給米のほうにずっと消費というものが集中するでしょうから、これは極端な格差というものは、ごく一部のものを除いては生じないのではないだろうかということは、一応考えられるわけです。 その場合に、私もさっき説明を聞いたがどうもはっきりわからないのですが、政府の管理米に標準価格を設けて指導するということは、いまの配給米と内容が違うのですか。それ以外にないと思うのですが、その点ちょっとお知らせいただきたいと思うのです。
○檜垣政府委員 私ども考えておりますのは、現在の末端消費者価格というものと実質的には変わらないものを考えております。ただ、それを物価統制令の適用による最高販売価格にするか、行政指導上の指示価格にするか、その法的な性格の違いだけが残るというふうに考えます。
○工藤委員 それは物価統制令上から二つの米の値段をきめるか、撤廃してしまうと、こういういわゆる政府管理米の基準価格というかっこうにしなければ、法的に問題があるというふうにおっしゃるわけですか。
○檜垣政府委員 さようでございます。
○工藤委員 そうしますと、大体いま言われる政府管理米の基準価格というものは、現行のいわゆる配給価格、こういうことに現実には読みかえてよろしい、こういうことでございますね。
○檜垣政府委員 そのとおりでございます。
○工藤委員 そこで、特に政府のいわゆる管理米の基準価格という新しいことばが出ましたから、ここで問題になりますのは、政府米の消費の動向というものを今後どのようにやっていくのか。ちらちら問題が出ておりますけれども、新米と古米の関係、これはこの前の国会でも私が質問をいたしましたけれども、格差はつけないというお話であったのですけれども、現状を見ますと、配給米の中の新米と古米の混合率は、現在五〇%ずつで配給しておりますけれども、これに対する苦情が非常に多いということから、若干それを引き上げなければならないということが考慮されておるようでありますが、それと関連をいたしまして、この新米、古米の格差というものを農林省としてはどうするのか、考えているのか、お聞きをいたしたいと思います。
○檜垣政府委員 現在は、消費地におきましては、新、古米の混合率は五〇%、五〇%で実施をいたしておるのでございます。これに対しまして、いろいろな事情があろうかと思うのでありますが、消費者に苦情があるということから、流通業界等で新米の混入率をもっと上げてほしいという要請があるのでございます。で、私どもも、昨年の秋以来政府米の売り渡し量がかなり目立って減少をいたしておるのでございまして、これは、一つには米の全体消費量の問題ももちろん反映をしておると思いますが、同時に、配給米の食味に対する難点があるのじゃないかということも反省をする必要があるのじゃなかろうかというふうに思っておりまして、現在、三月以降をどういうふうにするかということを検討中でございますが、まだ最終的な結論は出ておりません。 それから、古米の販売価格の格差の問題でございますが、一体格差の前提として、新米、古米を別々に売ることによって古米の処理が進むのか進まないのか、かりにそれを進めようとするならば、相当大幅の格差を設けなければむしろ動かないのではないか、あるいは正当な配給が行なわれなくなるおそれがありはしないかというふうに考えておるのでございまして、現段階では、古米については搗精歩どまり一%相当分の値引きをして、一月から政府売り渡し価格には若干の差異をつけておるのでございますが、末端価格は、搗精の歩どまりを上げるということで混合同一価格ということにいたしておるわけであります。 今後の処理も、私は、新、古米の大幅な価格格差をつけて古米の処理を進めるというのは、これはいろいろな意味で困難なのではなかろうかというふうに思っておりますので、少なくともこの梅雨期以前については、特別のことを特に考えなくてもいいのではないか。むしろ新、古米の混入比というようなことを配慮して、混合配給を継続するということにしたらどうかというふうに現段階では思っております。
○工藤委員 新米、古米の問題は、食味の問題とも関連してくるのですけれども、私は、必ずしも新米だからおいしい、古米だからおいしくないということは一がいに言えないと思います、これはもちろん品種なりあるいは産地銘柄によって相当違いますから。ただ、非常に長期に保管をするということになりますと、そこには問題も起こってきましょうが、それは技術的な問題として相当解決できるのではないか。 たとえば、京都の満田教授あたりは、保管の方法をいろいろと開発をいたしまして、低温倉庫をつくればもっと安く、三年間保管をいたしましても全く品質が変わらないというようなことも、開発をして発表なさっておるようでございますけれども、こういう改善というものを、一体農林省としては今後開発しようとするのかどうか。長期的な米の貯蔵という意味において、ひとつその点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○檜垣政府委員 一億人の消費人口をかかえております日本の基幹的な食糧である米でございますので、いろいろな事態に備えまして、ある程度の米の貯蔵、備蓄ということは私は必要であろうというふうに思うのでございます。現実にこれだけの繰り越し米が出るということになれば、備蓄方法について新しい技術の開発をし、長期に保存できるという道を開くべきであるというふうに思っておるのでございます。 一つは、現段階で確立されておりますのは、御指摘のございました低温倉庫でございまして、これには昨年度二百億の農林漁業金融公庫資金を出しまして、約百万トンの貯米倉庫の建設を進めておるところでございます。また、本年度も七十億円の融資ワクで低温倉庫の整備というものを進めておるわけでございます。 なお、新しい技術開発としては、実は農林大臣からも御指示がございまして、白米のコーティングによる保管、貯蔵能力の付与といいますか、そういう問題を技術的に追求をさせるために、現在その試験に取りかかろうとしております。 また、とっぴなようでございますが、潮など水中の温度変化の少ないことに着目いたしまして、水中に米を沈めておくという実験も本年度から琵琶湖の一部において行なうことにいたしております。 満田教授の方法については、私はたいへん不勉強で承知をいたしておりませんが、米の長期保管に関する研究、またそういうことの実用化のための開発ということについては、真剣に進めてみたいというふうに思っております。
○工藤委員 古米と新米の問題については、実際に消費者の好みなりそれぞれによりまして違うと思いますけれども、しかし、いずれにいたしましても一般的に古米のほうがまずいということになっておりますから、やはり米の消費を何とか高めていくというためには、食糧庁当局としても改善の方法というものを当然検討すべきではないか。したがって、やはりそういう古米に対する格差をつける、そういう形で消費を高めていく、こういうことは私は当然の措置として考えられてしかるべきじゃないかと思いますが、その点についてひとつ大臣のほうから、その方針を承っておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 後段は、工藤さんのおっしゃるとおりでございます。そのような考え方で進んでおります。 さらに、先ほどの備蓄というか保管というか、こういう点については、いろいろな角度から大いに至急検討すべきだということを申しつけまして、いまもっぱら懸命にその研究を始めておるところでございますから、近いうちに、御期待と申しましょうか、御相談申し上げる時期がくるであろう、こういうふうに考えております。
○工藤委員 ただ、この新米、古米の場合に、古米を下げるかわりに新米の値段を上げる、こういう構想があるように聞いているわけでありますが、私は、これ以上消費者価格を上げるということは非常に困難だと思いますので、その点については、もちろん私が申し上げるまでもなく、新米の値段を上げておいて古米を下げてとんとんにするということではなくて、やはりそれは古米として値下げをするということで進んでいただきたいと思うのですが、その点いかがでしょう。
○長谷川国務大臣 政府の考え方が、両米価を据え置くというところにお気に召さない点もございましょうけれども、消費者米価につきましては、おっしゃるとおりにいたす考え方でございます。
○工藤委員 それでは、この全体の量の調整の問題でさっきちょっと大臣からもお話がありましたが、自主流通米だけでは全体の量の調整はできない。むしろ私は、さっき申し上げましたように、これは政府の扱う量を少なくしていって、なるべく食管会計の繰り入れを少なくしていこうという意図が中心じゃないか、こう思っているのですけれども、この形で進んでまいりましても、私は全体の量の調整というものは、需要と供給のバランスをとるということは非常に不可能ではないか、こういうように思うのです。 そこで、その一つの方法として考えられたのが、農林省のいわゆる稲の作付転換だと私は理解をしているわけであります。もちろん、これに私は全面的に賛成をするわけにはいきませんけれども、これも確かに一つの方法だと思うのですが、当初農林省が考えておりましたその作付転換の規模よりずいぶん少なくなっておるようでございますが、こういう状態で米の生産体制というものは今後ずっと継続をしていかれるわけでございますか。その点、具体的に示していただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 先ほど長官とのお話の中にもいろいろございましたが、自主流通米というものをわれわれが行なおうとするゆえんというものも、お話のあったやみ米をどうするかというような点もございましたので、こういうものをやはりある一定の機関を通してやることになるならば、そのやみ米というような点もある程度セーブできる、こういうような考え方も、その自主流通の中には入っておるのでございます。いまのような野放しのやみ米制度というものを置くということもどうかと思われますので、これらは農協というか、集荷団体を通すという方法のほうが、より一そういい方法だろうというような考え方もその中に含まれておるということも、御了承願いたいと思うのでございます。 したがって、今後の作付転換につきましては、来年度は一万ヘクタールというような考え方を、一応皆さんの前に御協力をいただくためにお示ししたのですが、これによった全体の作付、またその収穫の上に立って、また新たなる構想を考えるべきものである。いずれにしても来年度は皆さんの御協力を得て、そしてこの制度というものをひとつ確立していきたいというような考え方でございます。
○工藤委員 この作付転換の一万町歩の具体的な内容でございますが、たとえば、個人で作付を転換をする、こういう場合にも対象になるのか、あるいは集団でなければいけない、こういうのか、その点具体的にお聞きしたいと思います。
○大和田政府委員 作付転換の実行の方法につきましては、いま地方の実情の調査あるいは地方からの意見の聴取等を重ねて検討中でございますが、大体の方向といたしましては、個人がばらばらに作付転換することを対象にしないで、むしろ相当程度まとまったところに機械、施設の補助金を出しながら反当の奨励金もあわせ出していく、そういう構想にだんだん固まりつつあるわけでございます。
○工藤委員 都市計画法が昨年から実施されたわけでありますが、この都市計画法の対象内にある、そういうものは一体どうなりますか。
○大和田政府委員 都市計画法の地域の中には、御承知のように、市街化区域と調整区域とがございますが、市街化区域につきましてもこれから指定することで、まだ必ずしも明確でございませんが、市街化区域に必ずなるようなところは、やはり作付転換の奨励金を出したり、あるいは特別事業を行なったりすることは適当ではないだろう、そういう考え方でございます。
○工藤委員 もう一つ聞きますが、それでは飯米農家といわれる農家につきましては、むしろこういう人たちがたいへん多く起こってくるのじゃないかと思うのですが、これの対象はどうなりますか。
○大和田政府委員 個々の農家がばらばらに作付転換することを、今回の事業の対象にはいたしませんで、ある程度までまとまった団地についての事業でございますから、その中に飯米農家が入っておりましても、当然対象にするということでございます。
○工藤委員 私どもの想定するところでは、集団的に作付転換をするということが考えられるかどうか。ある程度まとまったということは、一体どの程度のものを意味するかわかりませんけれども、もちろん総合農政という立場で選択的拡大ということで、いろいろ果樹とか畜産とかそういうのをやらせますから、そういう一つの集団を考えていらっしゃるのかもわかりませんけれども、現実の問題として、都市近郊とかあるいは特に過疎地帯とか、こういったところでもうすでに米づくりをやめて、クヌギを植えようとか、植林をしようかという極端なところまでいっている方がある。むしろそういうことが、この状態の中で非常にたくさん起こってくるのではないか。ところが、その人たちは対象からはずれて、集団的なものでなければ扱わないということになると、具体的にそれが実施の段階で行き詰まるのじゃないか。この点、一体農林省として、はたしてそういうことで実際やれるのですか。どうでしょう。
○大和田政府委員 そう多くの面積を最初から期待はいたしませんで、水田面積三百万町歩をこえるところに一万ヘクタールでございますから、また地域のそれぞれの事情から、自分のところではブドウ園にしたいとか、あるいは苗畑にしたいとか等々、いろいろな話も現にございますわけで、集団の面積をどの程度にするかということは、作物によって違えていきたいと思いますけれども、一万ヘクタールの作付転換が決してやさしいことではございません。これは私どもも相当努力もいたしますし、また農家の皆さんあるいは農業団体の人の協力も必要なわけでございますけれども、まず、大体の計画はいくのではないかという気持ちを現在持っておるわけでございます。
○工藤委員 それは結局、総合農政といわれる選択的拡大の問題と関連をして、そういうものに集団的に転換をするという場合に国がこういう措置をとる、そういうような方針と理解してよろしゅうございますか。個人にはあくまでも——個人でも、たとえば私が下五ヘクタールをつくっておるのを全部やめていくという場合にはそれは出すかもわかりませんけれども、そういう点についてある程度明らかにしていただかないと、もうすでに苗しろの準備に入るわけでありますから、私は農民にとりましてはたいへんな問題だと思いますので、方針を明らかにしていただきたいと思います。
○大和田政府委員 確かに、もうすでに農家の側の実情からいいますと、できるだけ早くということでもありますし、また農林省の行政として、稲作の転換というものは何しろ初めてのことでございます。昭和八年に、戦前の豊作のときにそういう案がありましたけれども、実現に至らなかったという経過もございますけれども、私どももそうあわてて、あとで悔いを残すことのないように、十分地方の実情を現在調査中でございます。したがいまして、近く、できれば今月一ぱい、おそくなりましても来月早々には詳細を、府県の担当の者を集めまして説明もし、また意見も聞いて、そこで大体下に流すことができるようにいたしたいと考えております。
○工藤委員 ただその場合に、集団ということが一つの前提、こういうことになるわけですか。その点だけでもはっきりさせておきたいと思います。
○大和田政府委員 大体、まだ決定はしておりませんから、確定的に申し上げるわけではございませんけれども、私ども反当二万円の作付転換奨励金のほかに、牧草あるいは果樹、園芸等々をいたす場合の施設あるいは土地改良等々の補助金も用意しておりますので、その特別事業と反当奨励金とを合わせてできるだけ使うということでございます。したがいまして、個々の農家がばらばらにやりましても、それが全体として一つの計画の中にはまるということであれば別でございますけれども、たまたまその村でただ一人の農家が、たとえば、極端にいいますれば一枚のたんぼをどうするというような場合には、今回の対象にはいたすつもりはございません。
○工藤委員 それではもう少し詰めてみますけれども、たとえば、面積は非常に小さいけれども離農していく、こういうような事態が起こった場合に、そういう者に対してはどういう措置をいたすか。そういう場合に対象になりますか。
○大和田政府委員 離農していく場合にどうかというふうに端的にお尋ねになりますと、ただ一人の農家がたまたま二反、三反の土地をだれかに売っていくという場合には、今回の事業の対象にはならぬと思います。
○工藤委員 わかりました。あくまでも集団というものを一つの対象にしてこの作付転換というものは考える、こういうように御説明がありましたから、私もそういうように理解をしたいと思うのです。そこで、そういう形で進めてまいりますと、これはいまのところどういうかっこうで出てくるかわかりませんけれども、農林省全体として、これからの長期の見通しというものを一体どう立てるのか、これは非常に重要な問題だろうと思うのです。 そこで、昨年の十一月に出されました「農産物の需要と生産の長期見通し」によれば、昭和五十二年までの間に四十二万ヘクタールの水田面積を減らしていこう、こういうような計画が出ているようでございますが、この計画と今度の作付転換の計画との関連性というものは、一体どのようになって発展をしていくのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○大和田政府委員 長期見通しにございますように、昭和五十二年を見通します米の需給で申し上げますと、平年作を前提といたしまして大体百八十万トン程度の過剰があるということから、昭和四十三年の三百十七万ヘクタールの水稲作付面積に比べますと、四十万町歩程度の減少がなければ需給が均衡しない、そういう見通しでございます。 ただ、それでは現在の水稲作付面積を四十万町歩作付転換するのかといいますと、それはそういうことではございませんで、約十年の間に水田面積で三十万ヘクタール程度の壊廃がございます。それから開田面積の抑制ということが一方にございますから、これはいろいろな条件が動きますので明確には申し上げられませんけれども、大体、現在から出発して昭和五十二年度までには、二十万ないし二十五万ヘクタール程度の作付転換があれば、米の需給はほば見通せるのではないかということでございます。
○工藤委員 これは三十七年の長期見通しによりますと、昭和四十六年に千四百二十三万ないし千四百五十五万トンという生産が見込まれる、こういうようなことが出されていたわけであります。すでにその二年前にこの生産見通しを突破しているわけでございますが、それと同時に、私は長期見通しの中で非常に疑問に思いますのは、そういった見通しが非常に甘いということです。それから反当収量にいたしましても、五十二年が四百四十五キロです。そういたしますと、現実にいわゆる四十三年産米の反当収量というものを見てみましても、すでに五百キロをこしている県が十二、三県あるわけでありますが、そのような状態を推測をいたしますと、昭和五十二年にはこの反当収量というものは、見込みをはるかにオーバーをするのではないか、これが一つ私はたいへんな問題だろうと思う。 それから、消費の傾向というものが出ておりますけれども、これはずっと前のほうにも書かれておりますが、消費の傾向はこれからだんだん下降線をたどっていく、こういうことがいわれております。そういうふうな消費のほうは下降線をたどり、生産のほうは反当収量は上がる、面積はいま言ったようなかっこうで計算をしてまいりますと、五十二年の時点におきましておよそ四十万ヘクタール前後の面積の削減の状態では、米の問題は、私はいまの長期見通しからすると、おそらく途中で大幅な修正をしなければならない状態におちいるのではないか、このように考えるわけでありますが、その点は三十七年とそれから昨年の暮れ出されたものとの関連の中で、私はこの統計というものが非常に事務的に出されておるという感じがするわけであります。その点について、ひとつ考え方を伺いたいと思います。
○大和田政府委員 昭和三十七年に第一回の長期見通しを出しまして、米の生産は伸びるし消費は落ちるという見通しでございましたが、四十六年の最終目標に対しまして米の需要は、一人当たりの食糧消費にいたしますと、すでに昭和四十一年に四十六年想定を割っておりますし、生産はすでに四十二年において四十六年の生産の見通しをオーバーしておるわけでございます。四十二年、四十三年というのは一割前後の大豊作でございますから、これを平年作にいたしますと、生産は必ずしもそれほどのオーバーではございません。 ただ私ども、三十七年度の農作物の長期見通しを顧みまして、米において非常に食い違っておるものでございますから、新しく長期見通しを立てます場合に、米についてはずいぶん、ただ統計上の操作ばかりではございませんで、各地の普及員でありますとかあるいは試験場の技師でありますとか、そういう人たちの意見も聞いておるわけでございます。そして昭和五十二年の長期見通しの反収は、御指摘のように四百四十五キロでございますが、それはいわば平均といいますか、まん中の数字で、下は四百三十、上は四百六十でございますから、上下に相当開いておるわけでございます。ただ、一方において生産がふえるファクターもございますし、同時に、相当労力が減少することも事実でございますから、反収が落ちるという要素もあるわけで、現に東海、近畿等の地帯では、ここ数年反収は停滞するというよりも、むしろ落ちているわけでございますから、平均しますれば、まず平年作が四百四十五キロというのは、そんなに低過ぎる数字ではないというふうに考えます。 それから、米の消費の面でいいますと、確かに米の消費量も全体として昭和三十八年に千三百四十一万トンでございますか、それが四十一年にはもう千二百四十万トン弱でございますから、それに比べまして、今後十年間にわたって大体千二百四十万トン程度の消費が続くということは、少し過大ではないかという御意見が確かにあるわけでございます。ただ、三十七、八年ぐらいからの米の減り方を見ますと、相当小麦がふえて米が減っているという事情がございます。私どもの見通しでは、小麦のふえ方はいままでのようにはもうふえないのではないか。したがいまして、穀物全体としての減り方はかりに同じように減ったとしても、米の減り方は、いままでに比べれば相当テンポが落ちるのではないかということで、昭和五十二年に九十一・六キロというふうに押えているわけで、とれも米だけでここ数年の米の減り方と、これから十年の米の減り方をごらんになりますと、いかにも過小だというふうにごらんになるかもわかりませんが、小麦を間に入れてお考えになりますと、まずまずこの程度と考えてよろしかろうと思います。
○工藤委員 いまの発言の中にもありましたように、私はこれからの米の生産というものは、やはり集中的に主産地が形成されていくのではないかと思う。たとえば山形とかいったところでは、すでに県平均が六百キロをこえているというような状態でありまして、そういう地域は米づくりというものも、おそらく品質のいい米をたくさんつくろうということで専念をするだろうと思いますが、東海、近畿のように工業地帯に隣接をした地帯は、反当収量が大体現在の状態を平均をしていくのではないだろうか。 そういたしますと、これからの農地の壊廃とかあるいは作付転換というものが集団的に行なわれるとするならば、私はそういった都市近郊のものに集中をするのではないかと思う。したがって、米作というものは主産地、大体米を主として生産をしていくという地域になるだろうと思うし、そういうことになると、おそらくこのような四百四十五キロぐらいの反当収量では足らないわけであります。生産をどんどん上げていって、そのせり出した面積で何をするかということが、すでに農民の間にも新しい構想として打ち出されているわけであります。 そこで、私はこのような甘い反当収量によってこれからの長期見通しを立てるということは、農民に対して非常に不親切ではないかと思う。大胆に、たとえば五百キロとか五百五十キロというものが出るという状況の中で日本の新しい農業というものを想定をしながら、全体的に総合農政といわれるもの、これは農民的なものじゃないということがいわれておりますけれども、そういうものが親切に方針として出されていかなければ、四百四十五キロというようなことで、何かたくさんつくると罪を犯すような感じが起こってきて、逆に米の生産が低下をするというかっこうになって、場合によってはたいへんな事態も起こるのではないかということが心配されますし、その点については、私はこの長期見通しの内容と今度出てまいりました作付転換の目標との関連が、非常にばらばらなような気がするわけでありまして、そういう点については、ひとつもう少し率直に農林省の考え方を私はお聞きをいたしたいと思います。大臣どうでしょう。
○長谷川国務大臣 おっしゃるように、今度の作付転換も、ほんとうに一年に一回米をとるだけだというような主産地的なところに作付転換しろということも、無理じゃないだろうかというようにも考えておるわけでありまして、したがってなるべく、都市近郊というお話もございましたが、そういう方向にしていきたいというような考え方で指導はしておるつもりでございます。 さらに、将来の農政についてというようなお話もございましたが、まさにおっしゃるとおりでございまして、将来の日本の農政というものに対しては、おっしゃったような方途に向かって開発をしていかなければならない。こういうような点については同感でございます。
○工藤委員 私がそう言いますのは、たとえば、ことし九州あたりではたいへんミカンが暴落をしているわけであります。しかも、現在なお五〇%の未成園をかかえておるという状況の中で、たいへんな事態が発生をいたしております。ところが、全体的な需要と供給の関係を見てみると、この長期計画によりましても、まだ果樹は一七〇%にふやしていくんだという計画があるにもかかわらず、すでに現在においてこういう事態が発生をしている。これはこの長期見通しというものを、いま個々の農民もやはり相当関心を持って見ているわけであります。こういう生産の状況にあるのに、これから上昇状態にあるんだからということで、ミカンをつくったらたいへんいいじゃないかということで飛びついてみた。しかし、それはすでに未成園五〇%をかかえた段階で、いま行き詰まってしまっているという深刻な問題に立ち至っているわけであります。 そういうことを考えてみると、この長期見通しというものが、米は四百四十五キロで見積もって五十二年を想定したけれども、三年たったらすでにもう平均して五百キロをオーバーしたというような事態が起こった場合に一体どうなるのか。そこまでいくんではないかと私は思う。ただその場合に、非常になだれを打ってやめていったということになると、面積はそれはバランスはとれましょうけれども、極端にいうとそういうことが起こるかもわからない。あるいは場合によっては、非常に凶作が来て悪い事態が起こるかもわからないけれども、しかしその凶作というものは、これはおそらく三年も四年も続くわけじゃありませんから、さっき言ったように、いまのたくさん米のとれたときに、きちんと一年分なりそういうものを貯蔵することによって、私は問題の解決になるんだろうと思いますけれども、長期の農業という視点に立って問題を考えた場合に、この長期見通しというものが一体役に立つのかどうかということを検討してみると、すでに現在の時点において、それがほとんど変わってしまっておるということから考えると、私はもう少しこの現実を——もちろん見ておると思います。見ていないとは言いませんけれども、もう少しほんとうにこの現状を分析をしながら統計というものが示されてしかるべきじゃないか。何かこうつじつまを合わせたような数字というものが出てくると、これは途中でこわれてしまうということになります。 そこでこの点については、やはり今度の作付転換の問題にいたしましても、私はそこにどのような形で、何に農民が飛びついていったらいいのか、途中でこわれないようなものを示していただきたい。すでに畜産のごときも、ことしの一月市場は、昨年の夏からいたしますともう三割も価格が下落をしているわけであります。それじゃ生産が伸びているのかというと、生産も全体に伸びていない。常にこのような流動的な状態の中で米の作付転換をどんなにいわれてみても、私は絵にかいたもちにしかすぎないと思います。そのような具体的なこれからの政策というものを、大臣はどのような決意でやられようとするのか、私は、この点はぜひ今度の国会で明らかにしていただきたい、このように考えます。
○長谷川国務大臣 最も重大であり、重要なことだと考えております。したがって、長期見通しというものとこれからの長期指導方針、たとえば、いま御指摘になったように、米がいいといえば米ばかりできてきて、北海道の果てから九州の果てまで米をつくる。ミカンがいいといえば、これまたミカンに変わっていく。こういうような場当たり的な農政であってはならないんじゃないだろうか。したがって、こういう点についてはやはり長期の指導というか、需給のバランスをどうとるかということを基本に置いたところの一つの主産地主義というものをとっていくというような考え方をしなければ、いつになっても今日のごときことを繰り返していくだろうと考えられます。 でありますから、つい最近の話でございますけれども、ここまできた農政をもっと親切な方法でやろうとするならば、長期的な見通しの上に立ってどのようなものを指導していくか。これは私が申し上げても、農林省の全体の考え方でも何でもないのですから、それはちょっとお聞き流し願いたいと思いますけれども、たとえば、米作地帯なら米作地帯というものも、主産地主義で指定地区にしなければならぬだろうし、ミカンならミカンをやる場合には、これも指定地区というものをつくらなければならぬだろうし、いま御指摘の酪農なら酪農という点についても、この地区をこういうふうな指定をする、都市近郊の野菜供給地帯というものも当然指定していって、そして指定された地区内においての奨励方法というものは、思い切った方途というものを切り開いていく。それによっていくならば需給のバランスもおのずからできるであろうし、さらに、いま怒濤のごとくということばも過ぎぬかと思うほどの海外からの貿易問題、農産物に対する自由化の問題、これは各国から来ておりますし、さらに近ごろに至って、工業に持っていこうという考え方を持った東南アジア諸国が、今度ほとんど農業に変わってきておる。しかもその農業には、日本の指導者が行って今日大いなる成果をあげているという現実。とするならば、わが国の国内の農政というものも、おっしゃるように、ここでほんとうに考えなければならない立場に立ってきているだろう。とするのには、そういうような方法において国内の需給のバランスもとりつつ、さらに、いつでも海外から持ってこいという体制だけは整えるような農政を行なっていかなければならないんじゃないか。 こういうような点について、いろいろな構想もまだできておりませんけれども、最近一応の話を進めておるところでございまして、おっしゃるような方法が、まさに必要に迫られているということだけは間違いない、このように考えております。
○工藤委員 あと総合農政の問題については、柴田議員のほうから貿易関係も含めまして質問がありますから、私は省略をしたいと思いますけれども、食管問題の締めくくりといたしまして、いま農林省が、もちろん農民も含めてですけれども、たいへん直面している問題は全体的な量の問題、それと同時にやはり今後の価格の問題であろうと思います。 先般の佐藤総理の所信表明の中にも、両米価は据え置く、こういうことが言われているわけであります。特に生産者米価の問題は、まだこれから米価審議会の委員の任命なりあるいは審議会等を経て、最終的に決定されるだろうと思いますけれども、この生産者米価の据え置きの問題について、農林大臣として一体どのように考えるのか。これから農政がどのように転換するにいたしましても、やはり中心は現在のところ米であります。それにかわるべき農業政策というものが完全に打ち立てられてまいりまして、生産性が高まった状態の中においては、生産者米価のあるいは据え置きなりあるいは値下げということも、場合によっては考慮される時期が来るかもわかりませんけれども、現在の時点においては、何をつくっても非常に流動的であるという状況の中において、残念ながら米がその柱にならざるを得ない。この時期に生産者米価を据え置くということをいち早く決定するということは、非常に大きな問題があるんじゃないだろうか、こういうように考えますが、その点に対する大臣の考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 申し上げるまでもなく、現在の米穀の需給というそのバランスの上に立ってみて、そしてさらにいろいろな物価体制の中にもありまして、まず政府としては、いろいろなものから考えた上に立って、本年の生産者米価、消費者米価を据え置くということがまず妥当な考え方ではないだろうか、こういうことで一応政府の方針というものをきめただけであって、もちろんこれは食糧管理法にございますように、米価審議会がございますので、その米価審議会の決定を待たずに、政府がきめたのだからそうだ、こういうわけにはまいらないと考えます。いずれにしても審議会にはかった上、十分にこれらの意見を尊重するつもりでございます。
○工藤委員 さっきの長期見通しにもありますように、反当収量はさほど上がらないということでございますし、一反当たりの土地生産性というものは、一ぺんに五%も上がるわけじゃありません。ただ物価のほうは、ことしもまた政府が予想しておりますように、五%上がるということは当初から見ているわけでありますから、少なくとも私は、反当収量がそれまでに追いつかないとするならば、物価に見合った分だけでも農林大臣が値上げを認めてやるということは、私は最小限の措置ではないだろうか、こういうように考えているのでありまして、もちろんそれでいいというわけではありませんけれども、それは最小限のものだ。農林大臣はその点ひとつ勇気をもって、初めての仕事でありますから、ぜひひとつ農民のために最大の努力を払っていただきたい。私どもそのことに期待をし、また今後の総合農政に対する大臣の熱意の尺度にしていきたい、こういうように思いますからどうぞよろしく。最後にその点大臣のほうから考え方を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○長谷川国務大臣 御意見を十分伺いまして、きょうは工藤さんの御意見、非常に建設的な御意見ばかりあったので、これらをもとにして今後の日本の農林行政を行なわしめるような方向へ持っていかなければならぬ。したがって、後段の御意見も十分尊重する考えでございます。
○丹羽委員長 暫時休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕