内閣委員会 第46号
- 発言数
- 270 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/10/08
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 国の防衛に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。受田新吉君。
○受田委員 総理の沖繩返還に関する訪米を間近に控えて防衛論争を展開することについては、政府としてもいささか遠慮してほしいというお気持ちがあるかもしれませんが、ここで有田長官は、その沖繩返還交渉に関する外交上の機密にわたらざる点において防衛問題の追及をすることについては、いささかも遠慮することはないという判断に立つかどうかをちょっと御答弁願います。
○有田国務大臣 これは外交上差しつかえないという範囲なら、そういう前提がありますから、やはり、いま交渉しておりますから、それに影響があるということならば、私としても差し控えたいと思います。仰せのように、外交上影響のないという前提ならば答えるのにやぶさかでない。
○受田委員 そこで、ちょっとやっぱり外交上に関係があると思われる節がありますけれども、それにあまりとらわれない気持ちでやれる分については、すかっと御答弁願うという前提で、いまからお尋ねをいたします。 有田長官は、防衛力整備計画、長期計画の第四次の立案について着手しておられる、すでにその基本構想を固めておられると承っているが、ひが目かどうか、ひとつお答え願いたい。
○有田国務大臣 四次防の防衛整備計画は、御承知のとおり、再来年じゅうにはきめなければならぬ。しかし、作業に相当手間取る関係もありますので、近く一応いわゆる長官指示といいますか、そういうものは幕僚長のほうに出してみたいと思っておりますが、まだ頭の中で構想を描きつつある段階でありまして、具体的にはまだ指示はいたしておりません。
○受田委員 長官は、これまでの当委員会の御答弁を承りましても、第三次防衛力整備計画の中では、日米安保体制を基調として、これに重点が置かれてある、しかし、いまや自主防衛に力点を置くべきであって、日米安保体制はその自主防衛の補完任務を持つ方向に第四次防を考えていきたいという御答弁を承ったと私は了承するのであるが、これは私の了承どおりでございますかどうか。
○有田国務大臣 最近の国際情勢を見ましても、これだけ科学兵器がどんどん進歩発達しておりますから、一国のみで自国の防衛をやる、いろいろきめるということはなかなか困難でしょう。したがいまして、世界の情勢はいわゆる集団防衛の姿に大体入っておるわけですね。したがいまして、日本も日米安保条約というものは堅持していく、われわれとしてはこういう方針でおりますが、同時に日本の防衛方針としましては、国力、国情に応じて、これをだんだんと増強していくという基本方針があるわけであります。したがいまして、自衛隊の発足した当時と今日の日本の国力というものを比べたときに、これは雲泥の差といいますか、非常に飛躍的に日本の国力が増強されております。したがいまして、日本の国はわれわれ日本人の手によってこれを守り抜いていこうという、すなわち自主防衛の精神で進みたい。そうしますと、通常兵器によるいわゆる局地侵略に対しては——あるいは局地戦争ということばを使われておることもありますが、そういう侵略に対しましては、まず自衛隊が主となってこれを排除する、これが私たちのいういわゆる限定的な自主防衛、いわゆる自主防衛ということを言っておるが、そういうことになりますと、いろいろ侵略の、これはあるわけではないと思いますけれども、万一の備えをやるわけですが、様相によって変わることもありましょうが、先ほど言うように、通常兵器による侵略に対してはまず自衛隊が主たる役割り、すなわち、私はよくシテ役ということを言いますが、そういうことでいかなければならぬ、そうしてその足らざるものを米軍の力によって補っていく、それがいわゆる専守防衛、あるいはあなたたちのことばでいえば補完ということばを使われますが、ことばはともかくとして、考え方はそういう方向で進まなければならぬ、かように考えております。
○受田委員 そうしますと、第四次防衛力整備計画の中には、日米安保体制を基調にするということばを削除して、自主防衛を基本として、その上に安保体制を補完的なものにするような形にこの計画目標を立てるようにするのか、依然として日米安保体制を基調とするという前提は残しておくのか、これはやはり長官、構想としては日本の防衛の路線をどちらに向けるかという非常に大事な問題でございますので、すかっとこの際御意思のほどをお示しを願いたい。
○有田国務大臣 先ほど言いましたように、われわれは日米安保条約を堅持していく、こういう基本方針でおります。しかし内容的には、日本人の力によって日本への通常の侵略に対しては備える、こういうたてまえでございますから、ことばはどう出ようと、これはいろいろありましょうが、私はやはり日本の自衛隊によってみずからの国を守るという基本体制で進みたい。といって、五年間四次防で全部そこまでの段階ということは、それはやはり国力、国情というものをよく勘案しながら進めなければなりませんけれども、方向づけはそういうような方向で進みたいと思う。
○受田委員 ことばはどう出ようとという、これはたいへんあいまいな御答弁が一つあるわけです。これは非常に大事なことなのです。つまり、防衛力整備計画を、日米安保体制を基調にして、自主防衛を副に考えるような印象をいままでは受けておるのです。これを四次防では方向転換をするという、主客を切りかえるという構想がおありかどうか、これは非常に大事な点ですから、あやふやに御答弁をごまかしては困る問題ですから……。
○有田国務大臣 私は何回も繰り返して申しておるのですが、やはり日米安保条約というものはこれを堅持する。それを基調ということばで表現しても、堅持する、これはそんなに変わらない。しかしここまで国力ができたのですから、先ほど何回も言うように、みずからの国はみずからの手によって守るという、しかも通常兵器による侵略に対しては、いわゆる自衛隊がシテ役といいますか主たる役割りを持ってやる、こういう方針でございますから、それだから私は、そういうのが中身であって、ことばづかいは基調ということばを使うか堅持するということばを使うか、これはどうか知りませんけれども、考え方はやはりそういうことであって、やはり安保条約というものは堅持していかないと、いまの情勢では日本の安全は確保できない、こういう見解の上に立っておる。
○受田委員 集団安全保障体制の中にある安保条約という意味においては、私は安保条約の価値は十分理解しておるわけです。しかし、日本の防衛という問題を、安保体制を基調にしてその中に自主防衛がプラスアルファでいくというような考え方は、自主防衛を主にして集団安全体制において日本の防衛を補う意味で安保体制を持つというのとは考え方が違うわけです。そのいずれの線をとられるか。ことばは堅持とかなんとかいう文句があろうとなかろうと、そのいずれの路線をとるかはっきりしておれば一ただ気持ちはそうだけれども形はいまのまま残すというのであれば、私は気持ち自身が変わっていないと思う。長官、御答弁。
○有田国務大臣 受田さん、どうもすべて割り切っていこうとされるのですけれども、やはり国防というものは相関関係にあるわけですよ。だから私は堅持ということばを使うときには、堅持しなから——それは基調ということばを使うかもしれませんが、通常兵器による侵略ということをいっておりますね。そういう前提においては、それは日本がいわゆる主たる役割りを持って自衛隊がやるという前提に立てば、こちらの自衛隊が主たる守りをやっていく、そういう意味ではいわゆる補完的な作用になりましょう。しかしまたいろいろ様相が変わりますから、そういうときには、日本がいかに主役を演ずるといいましても様相によっては違う場合もありますから、その気持ちはいま申したように、通常兵器による侵略に対しては日本がシテ役をやる、こういうことだから、そういう前提に立って——気持ちはわかってくださると思いますが、そういう考えでおります。
○受田委員 これは文章をお書きになる場合に、たいへん大きなポイントの違いになってくるわけです。ポイントをどこに置くか。それは四次防では、そろそろ文章の上で自主性を尊重するかっこうに切りかえていいのではないですか。依然として安保を堅持するを前提にし、もしくは安保を基調にして自主防衛を補完的に考えようという文章上の構想がまだ残っておるような印象を受けるわけです。これは独立国家という立場をあなたはお考えにならなければならないのであって、アメリカの従属国家じゃないのでございますから、独立国という考えを念頭に置くときに、この防衛力整備計画にすかっと独立国らしいものが要ると思うのです。お答え願います。
○有田国務大臣 何回答えても同じことですが、もちろん独立国日本としてはみずからの国をみずからの手で守る、これは当然のことであります。そこで、その前提は、通常兵器による侵略に対しては日本がやっていく、こういうことですね。それはしかし、そのために安保条約があるのだから、その様相がいろいろ変わる場合がありましょう。そういうときに日本が何ぼがんばってみても、それはいまから五年先、いろいろと前進してはありたいと思っておりますけれども、完全に日本の手によって守り得るかというと、様相によってはまた違う場合もありますから、その辺の私の考え方はよく御了解願えるはずだと思うのだけれども……。だからことばの端にはそうこだわりなく、実質的にそうだ。だから、私もしばしばここで言っておりますように、自衛隊が発足した当時は、日本の国力は底が浅かったために、それは通常兵器による装備でもずいぶんアメリカに依存しておったことがありますが、それがだんだんと進みまして、そうしてここまできたのだから、そういうものはアメリカにたよらずにわれわれの手でもってやっていこう、こういうことを言っておるわけです。考え方はよくおわかりだと思いますが……
○受田委員 もう議論的にはあなたのほうも納得していただいておると思うのですけれども、日本はいま独立国家なんでございますから、独立国家の長期防衛計画に、日米安保体制を基調にして、そして日本の自衛力というものを補完的に考えるということ、これははっきりしておるのです。第三次長期防衛計画でそれはっきりしておるのです。四次で、このあたりですかっと切りかえられないかということを私はお尋ねしておる。何かアメリカに対するお気がねがあるようでございます。それは局地戦に対しては防衛で間に合う、核戦争ということになれば全面戦争として向こうにたよる。全面戦争が重点で局地戦が補完ということもあり得ぬことなんで、このあたりで独立国家らしい防衛力整備計画を文章の上でもすかっと打ち出すというところにきておると思うのです。それでアメリカがおこるということはあり得ぬ。戦争の規模において、大きい規模を前提として日米安保体制を基調にするというあなたのお説のようです。局地戦のほうは小さいから補完的に考えるということのようです。そういう構想の立て方でたなくて、逆にとって、全面戦争の場合には、これは補完的な立場で考えていいと思うのです。だから自主防衛を柱にして、そして集団安全保障をその補完に考えていく。これは独立国家として当然の責任であると私は思う。第四次にはその線を文章の上ですかっとお出しになる勇気がありませんのかな。私がこれに極力固執するのは、独立国家の防衛庁長官が、日米安保体制の陰で小さくなっているような防衛庁長官ではたよりないと思うのです。
○有田国務大臣 あなたのお考え方も私の考え方もほぼ一致しております。ただ、みずからの国はみずからの手によって守るという、すなわち自主防衛の線を強く出しておるということは、四次防においてもこの点は一そう明らかにしたいと思っておりますよ。だから、そういう前提に立っておるということは、受田さんも長い間のあれで国防の私の考え方もよく御了知くださっておると思いますが、私は自主防衛、しかも積極的ということばを使っておりますが、そういうように自主防衛ということを積極的に考えていくということは、独立日本としてみずから国を守るというその根本に立って言っておるのですから、ことばの端々といってはお怒りかもしれませんが、これはまだ指示をしておりません、どういうことばを使うということは限定しておりませんが、気持ちは、いま申したような気持ちで進んでおりますから、ひとつおまかせ願いたい、信頼してほしいと思います。
○受田委員 私が発言しておることは、あなた御自身が十分御理解いただいておると思います。この点、あなた御自身は独立国家の防衛庁長官でございまして、向こうの従属国家の防衛庁長官じゃないのですから、そこを十分お含みくださって、勇気を持って敢然とおやりになる。文章についてはまだ指示していないということでございますから、文章について指示される際に、私の発言を十分考慮されることを希望いたします。 私、新聞で、予算要求から見る第四次防に関連のありそうな問題をちょっと指摘してみたいのでございますが、四十二年、四十三年、四十四年、四十五年、第四年目に三次防はかかってくるわけです。そろそろ四次防の基本構想が予算の上でもにじみ出る段階にきておると思うのです。今度、本年度予算よりも一千億円ばかり余分に要求されておるようでございますが、この一千億円のポイントをどこに置いておられるのか、新聞報道だけでは納得しがたい点もありまするので、構想を承りたいと思います。
○有田国務大臣 いま防衛庁からは大蔵省に対して、いわゆる概算要求を八月末に出しております。これは御承知のとおりです。そのときの考え方というものは、ともかくいま第三次防計画の進行中でありますが、ああいう計画というものはややもするとおくれがちになる点があるのですね。それで第一には、そのおくれを取り戻すという考え方が一つ基本にあるわけです。それから、沖繩問題をわれわれは具体的にこうやらねばならぬから、ひとつ沖繩問題の予算をこうしたいという気持ちはあるけれども、それはまだ出せない、まだ具体的にきまっていない。しかし、沖繩が七二年に返還されるということは、われわれはほぼ常識的にできるものと考えておる。そうすると、艦艇にしましても飛行機にしましても、一年ですぐできるわけでもない。したがって来年、再来年の荷を軽くするという意味合いもあって、常識的に考えてどうせ四次防でやらなければならぬものがありますから、できるだけそういうものを繰り上げて将来の沖繩に備えるかまえといいますか、比較的荷を軽くして、沖繩問題がそこへ入ってなめらかに、いわゆる漸増という姿にしたいということが腹の中で基本的にあるわけです。 それから、具体的になりますといろいろありますが、私は、三自衛隊を見たときに、一番おくれをとっておるのが海上自衛隊じゃないかと思う。だから三自衛隊が一つになって、その威力といいますか、その力をいっぱいに発揮するためのやはり形をとってほしい場合がある。ことに海国日本としていまの海上自衛隊では不十分である。もちろん空も陸もそれぞれの装備をよくしたり何かする面がありますけれども、特に海上自衛隊に力を入れたい、こういう考え方が一つあるわけです。 それから今日基地問題が、とにかく今日始まったわけじゃありませんけれども、基地周辺の人々は日本の国の安全のために迷惑をこうむっておることは間違いないと思う。それでありますから、基地対策に対してしっかりと予算の面も入れて、本年もいままでからいえば相当飛躍的に取ったつもりでございますが、一そう基地対策に力を入れたい。 それから一つは、自主防衛という線を進めるについては、やはり装備自身もできるだけ国産品を使うことが本筋だと思うのです。しかし、御承知のとおり日本のいまの兵器をつくる力は何といってもおくれておる。しかし国際的の進歩に伴って、そうして国産品であるということはなかなかむずかしいことです。そこに力を入れるために、私のほうに防衛研修所、技術研究本部というものがありますが、その研究開発の予算をたくさんいただいて、そういう方面に力を入れたい。そういうような構想を持ちながらいま大蔵省に対しておる、こういうことでございます。
○受田委員 私、構想を一応承ったわけですが、海空に力を入れたい、こういうことでございます。私ここで有田先生に英断をふるっていただきたいことがあるのです。沖繩返還交渉に佐藤総理が御苦労される、そのときに、日本の防衛については日本が責任を持つという形で——ある程度向こうさまが安保問題にもひっかけて、沖繩の基地返還、沖繩の施政権返還、これに肩がわりするための何か新しい注文をつけるのではないかという不安が国民の中にも一応ひそんでおります。無条件全面返還と本土並み返還という方式でない場合がありはしないかという懸念がある。そういうことについて有田先生御自身が、佐藤総理のニクソンとの間の会談にいい答えが出るように、長官みずからも、日本の防衛は私におまかせください、あなたのほうに御不安は与えませんからというところで、総理と一緒に乗り込んで、一応沖繩の本土並み完全返還への大きな約束、その裏づけとしては、あなたが、自主防衛ははっきりおれのほうがやるんだ、こういう基本的な考えを打ち込んでおかれるということは、私、沖繩返還交渉に非常に有利な答えが出る可能性があると思うのですが、長官、いかがですか。このときこそ、日本の防衛庁長官として、自主防衛の親玉が、総理にまかせきりでなくして、防衛問題についておれはアメリカへの認識を深めるために出かけるんだという熱情があってほしいと思うのです。あなたの思いやりか、部下の各位が海外旅行に出かけられることに長官としての愛情のこもった発言、やはり有田先生らしいなと思う節を私この間拝見したのですが、今度はあなた御自身が日本の防衛の最高責任者としての立場でお出かけになるということは、私は意味があると思う。いかがでしょう。
○有田国務大臣 御親切な御忠言を承りました。しかし、佐藤総理は、御承知のとおりわが自衛隊の最高指揮官でもある。したがいまして、佐藤総理も自主防衛に対する理解は十分持っていらっしゃる。そういうので総理ともよく話はしておりますし、意見は一致しておりますので、私は総理を信頼して、私が出しゃばっていかなくても、総理が十分なし遂げてくれる、私はこういう確信と信念を持っております。御親切はよく承っておきますが、こういう気持ちでおります。
○受田委員 あちらにもタカ派がいろいろあるわけです。あなたのようなハト派の親玉がお出かけになると、そこに自然と空気が緩和されて、振り上げたこぶしのやり場に困って、有田さんまかせるよというようになりかねないんですよ。外交交渉としてはあなたのハト派の——総理か完全ハト派であれば私は心配しないんです。総理もいろいろな立場はおありだと思うので、あなたのやさしいまなざしで向こうさまの激しい要求をそっと避けるという、これは防衛外交という意味からはたいへんな役割りだと思うのです。この点、歴代の長官がとかく訪米したがる空気の中で、あなたは訪米をなさらない。ここにおられる前長官の伊能先生も訪米のない長官として歴史をつくられたわけですが、このあたりで、この沖繩返還という重大時期であるがゆえに、こういうときこそ長官みずからが訪米する、これは総理も非常に心強いと思うのですが、あなたから申し出られてはいかがでしょう。
○有田国務大臣 野党の受田さんからハト派という刻印を押されて非常にうれしゅうございます。ハト派かタカ派かどうかわかりませんが、私は私の考え方をすなおに、しかも率直に進めつつあるわけでありまして、ハト派と言われることも甘受するし、またタカ派だと言う人もあります。どっちでもいいことでありますが、御親切のお気持ちは十分理解しておりますので、ひとつおまかせを願いたいと思います。
○受田委員 それに関連して、沖繩の防衛についてちょっと一言されたわけですが、沖繩が返還された場合に備えて、沖繩の自主防衛体制、ちょっとあなたはいまそのことも含んだ意味の御発言があったのでございますが、来年度予算には、七二年に返還されるとして、沖繩に配置される部隊の一応のあり方についても構想の中へ入れて増強計画を考えてあるのか、沖繩に対する返還後の自主防衛体制は一切抜きにしてこの四十五年の予算要求がしてあるのか、お答え願います。
○有田国務大臣 先ほど御説明したように、沖繩は七二年に返還されるだろうということはほぼ間違いないと思いますが、その態様についてはまだ具体的にきまっていない。したがいまして、沖繩が返還されたときには、第一義的には日本の国内と同じように自衛隊が沖繩防衛に当たる、これは当然のことだと思います。しかし、その以外の面はまだいろいろと相談しなければならぬ面があります。かるがゆえに、七二年まで三年間の期間があるわけです。またその間に具体的な交渉が始まって、かくかくになるということがきまるだろう、こういう考えであります。いま直ちに沖繩をこうするのだ、ああするのだというところまでは具体的に申し上げる段階ではないと思います。
○受田委員 基本的な考え方には、沖繩防衛を終始念頭に置きながら増強計画を立てるが、具体的にはまだ示す段階ではない、こういうように理解してよろしゅうございますね。——そういうことでありましたら、ちょっと掘り下げてお尋ねしましょう。 沖繩の自主防衛ということは、沖繩の返還態様がどうなるかわからない段階でかれこれ議論すべきでないとおっしゃるかもしれないが、沖繩の本土並み返還という願いを国民全体が持ち、総理もその線でやるということになっておる以上、一応そういう形で返還された沖繩に対する自主防衛体制というもの、自衛隊のあり方というものが、もう長官の胸中に一応きまっておらなくちゃならぬ。つまり本土並み返還の場合における自衛隊をいかに沖繩に配置するかということ、それは長官お持ちでしょう、あなたの基本構想だけは。
○有田国務大臣 これはさっき言ったように、具体的にはまだ言う段階ではありません。しかし考え方としては、いわゆるあそこの広さ、面積といいますか、それはわりあい小さい。神奈川県に匹敵するかどうかという小さいものです。けれども、海域、空域というものが、列島でございますから相当ありますね。そうすると、自衛隊が行くのだが、やはりあの海域、空域は沖繩防衛として日本の自衛隊が責任を持たなければならぬということ。もう一つは、あそこは災害が非常に多いところです。そういう沖繩の特徴ということを考えながら、陸上自衛隊を配置するにしましても、たとえば施設隊とか、そういうものを比較的多く配置しなければならぬというような、そういう考え方を持って、要するに沖繩の地理的特徴、そういうものを勘案しながらやっていかなくちゃならぬ、こういう考え方はありますけれども、先ほど来言うように、しからば具体的にどれだけの部隊を置いてどうだという段階ではない。その程度でひとつ御了承願います。
○受田委員 沖繩に対しては海空に力を入れたい、陸上はあまり重視しなくても、施設隊程度を中心に考えればよかろう、こういう御構想のようです。自然にそういう方向へいくと思いますが、ここで、海上自衛隊の防衛力の増強に重点を置きたい、特に護衛艦群をひとつ固めていきたい、こう要求がされておるようです。そうすると、海上の護衛に当たる実力を強めたいということになると、さっきの長官の限定戦、局地戦というものに対処してわが自衛隊があるのだということになると、海上はるか向こうからわが国を侵略する場合、そういう部隊があった場合に、そこへ行ってわが国の領海まで入ってこない間になるべくこれをたたいておきたいというような立場、そうしてその場合に護衛隊というものの任務がある、こういうふうに見てよいのかどうか。領海近くまで来て初めてこれを撃滅するのか、公海の中でこれをたたきつぶすという計画があるのか、防衛体制の上で基本的な考え方を伺いたいと思います。長官でむずかしければ、技術問題として防衛局長でもけっこうです。
○有田国務大臣 御承知のとおり日本の防衛は、こっちからしかけることはないのですね、向こうからしかけられてそれを守るという体制でありますから。しかし日本の領土へしかけてくる、しかもそれが一ぺんだけでなく続いてくる場合がありますね。そういうようなしかけは向こうが先にやるのだけれども、防ぐのはやはり領土、領海じゃなくても守る。領土を守るために、もう明らかになってどんどんと侵略されていけば、公海の上でもこれを防止するということが当然のことではなかろうかと思います。 〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕 といって、それなら世界七つの海にそうやって見張ってやるかというと、それは無理なことで、不可能なことでありますから、少なくとも日本並びにその周辺近海あるいはその上の空あたりは、公海、公空といいますか、そういう面でできるだけ排除するような体制に、それは一ぺんにできませんけれども、だんだんと持っていきたい、かように考えます。
○受田委員 今度われわれの要求を採択されて国防白書を年内にはお出しになろうと、長官たいへん熱心なお取り組み方であることを承っております。その熱心さには深く敬意を表します。ところが、新聞にはもう国防白書の構想が出ているのもあるわけなんです。大体発表されたああいう構想なんですか。これはえらい早く内示されたのかなと思っておったのでございますが、大体あまり違わないかっこうで出ることになっておるのかどうか。
○有田国務大臣 いま、目下防衛白書は検討中でございます。まだ防衛庁としての成案を得ておる段階ではありません。しかし、近く成案を得て一般に知ってもらうようなときをつかまえたい。この席でも、少なくとも年内ということを私は申しました。したがいまして、少なくとも年内のうちには防衛白書を公にしたいと思っておりますので、いま新聞にいろいろ出たところもあるようでございますが、それはまだ防衛庁の案だというわけではないわけでございます。
○受田委員 防衛庁の案ではない、ただ新聞がそんだくして出した新聞案ということでございますね。
○有田国務大臣 やはり案ができるまでには草案があり、それがだんだん、もとがあってそれからいろいろわれわれが手を入れたり、またほかの人のいろいろな意見を聞いたりして直していくわけでございます。だから途中の段階のものか一番最初の段階のものか、そこは私はよく調べておりませんけれども、とにかく防衛庁の案はまだ成案を得るところまで行っておりません。
○受田委員 この案は、非常に微に入り細にわたった、私から見ても妙案だと思うような案になっております。私、一応新聞の案を拝見をしてみて、苦心の作に近いものだという感じはしておるわけなんです。ただこれを拝見すると、いろいろ問題が出るのですが、防衛庁の考えておられるのと大体似通っておるかどうか、それだけを答心していただいて、それからちょっとお尋ねしたいのですけれども。
○有田国務大臣 まだ防衛庁の最後の成案ができてない段階で、新聞に一部載ったものが違っておるかどうかということは——違っておることは事実でしょう。一言一句も間違いないわけではない。こちらのほんものができてないときに、どの点が違っておるかということをここで言うことは困難であります。
○受田委員 私は、いま四十五年度の概算要求をされたということに関連して、これとつないでみたいのですが、海、空に力を入れたいお気持ちはわかりますが、海に力を入れるということになると、護衛任務を果たすための部隊を増強したいということになってくる。そうすると、いま専守防衛だから、もっぱら防衛に当たるという意味から言うならば、船団が侵略してくるときに、日本の近海、領海に入られるころから、その近くからこれをたたくのが普通であるのだが、公海の中で迎え討つというような形になってくると、その敵の基地の近くまで出かける危険も起こってくるわけです。攻撃は最大の防御なりという名言もあるわけなんです。防御のための攻撃であったという理屈が成り立つ危険があると思うのです。この点、専守防衛と海上部隊の増強ということは、領海近くまで来たころにこれをたたくという意味でなくして、公海で、あるいは敵の基地から発進して間もないころから、わがほうへ来る目的がはっきりした以上は、敵の基地近くでたたくということもあり得るのですか。攻撃は最大の防御なりということばの意味の専守防衛かどうか、はっきりしておきたいと思う。
○有田国務大臣 私は攻撃は最大の防御なりとは思っておりません。防御は最大の安全を守る防衛である、こういう考えを持っております。あくまでも私たちはその線を守りながら、相手の領海や領空あるいは領土に入るというようなことは全然考えておりません。そのかわりに日本の領土や領海にも入れたくない、そういうことでありますが、その辺のところは、私はそういう疑われるような危険をおかさずして、その領土、領海に入るまでに排除する、しかし、しかけは向こうですよ、うちのほうからのしかけは絶対なさない、こういう前提の上に立って防衛体制をつくり上げたいという考えでございます。
○受田委員 結局海上部隊の増強計画ということは、護衛任務を果たすというところに力点を置かれた構想である、伺うとそうなる。しかし、それは敵の基地をたたく近くまで行くわけではなく、敵の領海に入らない、領土に入らない、しかしわがほうにも入れない、公海で精一ぱい勝負するということですね、海上の場合。
○有田国務大臣 私は、海上がおくれをとっておると言いましたが、陸だってやはり力を入れておるのですから、有田長官は海上と空ばかりやっておるとあまり思われては士気に関係しますから、特に海ということがおくれをとっておるから、特にということばを入れたのですが、これは均斉ある三自衛隊をつくりたいと思っておりますが、そういう前提に立っておりますから、あなたが言うのは自由だけれども、私の立場からいえば、三自衛隊の士気を旺盛ならしめて、ほんとうに国民の負託にこたえさせたいという気持ちでございますので、陸上のほうにも、人間をふやすというよりも、むしろ装備というものにより力を入れたいということに一とおり御了承願って、そしてしばしば申しましたとおり、日本は決してこちらからしかけはしないが、向こうからしかけられたときに、これを防ぐには、できるだけ領土、領海の外でこれを排除するというほうが国民も安心されますし、そういう考え方で進めたいということで、いまの自衛隊はそういう力を持っているかというと、必ずしもそう言えないと思います。その進め方について、方向づけについてそういうことを考えておる、こういうことであります。
○受田委員 これからの侵略戦争、また戦争の形態というようなものがどういう形で行なわれるか、エンタープライズと潜水艦とどっちが今度の北鮮事件で重い役割りを果たしたかということをお考えになるときに、空よりも海、潜水艦の任務というものが非常に重くなっているということを、最近の情勢からも長官御判断されておると思うのです。これに対する御認識を、この概算要求とあわせて御答弁願いたい。それは防衛局長長でもけっこうです。
○宍戸説明員 海の警護につきまして潜水艦が第一ではないかということにつきましては、われわれもそのとおりではないかという感じがいたします。つまりそういうことで、われわれの海上部隊の増強なり訓練の重点は対潜作戦といいますか、対潜訓練、そういうことにあります。今度の予算の概算要求のことからのお話と思いますけれども、護衛艦隊の中身を、三つの護衛隊群があるのを四つの護衛隊群にするというようなことを発表しております。これはやはり潜水艦に対するわがほうの海上防備、港湾防備あるいは船団護衛というようなところを強化したいというふうなことから、そういう概算要求をしておる、こういう考え方でございます。
○受田委員 わがほうは四面海にめぐらされておるだけに、潜水艦の脅威というものはたいへんなものだと思うのです。そういうことに対する自主防衛体制というものが、これは対潜哨戒機の建造計画などがおありのようでございますが、むしろそういうところに、わがほうへ、近海へ侵略してきたそれをたたくという意味なら、これは専守防衛というにおいが確かにする。護衛ということになると、そこに何か攻撃的な要素が入る感じもなきにしもあらずと思うのでございますが、専守防衛という線を逸脱しないような自主防衛体制というものを常に念頭に置きながら御計画を進めていただきたい。 そうしてもう一つ、陸海空のバランスの問題を長官御自身がいま指摘されましたけれども、今度予算要求をされている中にも、自衛官の四百七十名という増強計画がここに出ておるのですが、こういうものは、陸上の増員はもうまっぴらである、欠員充足に重点を置くべきであって、新たな自衛官の増員計画というものはやるべきじゃないと、この前あれだけ御注意を申し上げておいたのですが、この四百七十名というのは、たとえば別の幹部とか特別の任務を持った自衛官のことですか。
○宍戸説明員 陸上自衛官の増員のことにつきましては、われわれはこういうふうに考えております。先般の国会で六千人増員、九千人師団を三つふやしたいということをお願いしたわけですけれども、それに関連しまして十八万体制というものをつくりたいということを御説明申し上げました。五方面十三個師団の骨幹部隊は、おかげさまで概成するめどがつきました。それに匹敵するようなさらに一個師団つくるとか、あるいは九千人師団また別につくるとかというようなことは、さしあたり考えておりません。やはり充足のことも考えまして そういう大きな部隊の増勢は考えておりませんが、しかし陸上自衛隊の骨幹部隊はできましたけれども、よく分析してみますと、輸送力、機動力等がまだ不足しております。あるいは空と一緒になってやります対空能力等もまだ不足しております。部分的に質的に増強しなければならぬ点がいろいろございます。たとえば防空部隊をふやすとか、あるいはヘリをふやすとかというようなことは、骨幹部隊を五方面十三個師団で維持しながらでも、やはり増強しなければいけない部面が、陸上自衛隊についても相当残っておりますすので、その点を三次防中もさらに強化したい、四次防にかけましても強化したいという基本的な考えを持っております。御指摘の四百数十人の増強は、そういうふうに部分的な、骨幹部隊の増強ではございませんで、ヘリ要員だとか、防空部隊の要員だとか、あるいは新しい編成でございますけれども、科学消防的な部隊だとかということのために増員をお願いしたい、こういうふうな考え方でございます。
○受田委員 増員計画ということよりも欠員充足計画を緻密にやるというほうが適切である、これは終始私からも指摘しておいたことなんです。この点、欠員充足対策はどう進んでいるか、先般の国会以後の実情を御報告願いたい。
○麻生説明員 陸上自衛隊の自衛官の充足につきましては、従来から三つの柱を中心にしてやってきております。一つは、処遇あるいは生活環境の改善という施策でございます。第二は、退職後の就職の援護でございます。第三は、組織募集の推進あるいは広報の近代化という点を中心にしてやっておるわけでございますが、明年度の予算におきましては、これらの施策をさらに強力にやっていく考えでございます。特に募集自衛官の充足の問題につきましては、特別退職手当の増額というものを考えまして、来年度予算要求に掲げておるわけでございます。 なお、何と申しましても募集の中心は、自衛隊におけるところの勤務、すなわちわが国の防衛に献身するということが国民から誇りと思って迎えられるというような社会環境というものを造成することが一番肝要なことであるわけでございまして、このために、私のほうの直接の所管とは申し上げかねますけれども、広報の強化、防衛思想の普及徹底ということに、さらに一段と意を用いていきたいという考えであります。
○受田委員 いまのお話では、具体的には、実質的には前進がない話です。これは私、全国の自衛隊をながめてみまして、また自衛隊の父兄会等にも最近顔を出して見ておるのですけれども、その自主防衛の形を、現役の自衛官をふやすということでなくして、退役した自衛隊のOBというものをもっともっと最高に生かす方針をおとりになるべきじゃないか。退役除隊者というもの、予備自衛官以外の者、すでに自衛隊で苦労したという前提のある人々を活用する道をもっと講ずべきじゃないか。予備自衛官の増員計画などというほうが味わいがあるという−現役の自衛官の欠員不補充のままで増員するという形は、私はとるべきじゃないと思うのです。私が指摘した点について御答弁願いたい。
○麻生説明員 予備自衛官の問題につきましては、来年度は根本的にこの問題を検討するということで、来年度の大きな検討事項として来年度の乗務計画を考えておるわけでございます。 なお、自衛官としてやめました者の多くの者が隊友会、これは社団法人でありますが、退職した自衛官で組織しておる団体がございます。約十万近くの会員がおるわけでありますが、この組織を強化していくということが、国民の中におけるところの防衛の基盤というものを築く上において必要なのではないか。国民と自衛隊のかけ橋となるような任務を持っておりますこの隊友会というものを何とか強化していきたいということで、若干の声援ができないかということで、来年度の問題として一つ考えておるわけであります。
○受田委員 私、特に陸上がなぜ応募者が思うようにならぬかということについては、隊員の待遇が悪いということも一つあると思う。いかに宣伝してもなかなか集まらない。だからとんでもない架空宣伝などをして、何もかも入れた手当、表面価格を魅力の対象にするというようなことで批判を受けるということもある。実質的な待遇改善ということで、多少サラリーマンとしても希望が持てるような形にすれば、陸上の欠員というものは十分補いがつく。増員計画というのをやめて、定員内における充足に真剣に取っ組むという、処遇を含めた対策をどうお考えになっておるか、お答え願いたい。
○麻生説明員 先ほど申しましたが、来年度の予算要求の一つといたしましては、任期制の隊員がやめます場合の退職手当を五割アップするという予算要求を一つやっておるわけであります。これも一つの任期制隊員に対する待遇改善の対策であるわけであります。 なお、自衛隊において今後長く、任期制から曹になってつとめようという者もあるわけでありますが、その者につきましては、やはり住居の問題というものが非常な問題であるわけであります。したがいまして、従来に増しまして住居住宅の建設というものを大幅に考えておるわけであります。明年度は本年度の建設戸よりも六百戸をこえる住宅を増設したいと考えて予算要求をし、そういう生活上の一つの不安をなくするという面につきまして力点を注いでおるということを申し上げておきます。
○受田委員 お話をまたもとに戻します。 長官に御答弁願いたいのでございますが、わが国をめぐる諸情勢というものは、われわれの党がながめているものと、それから社会党の皆さん、公明党の皆さん、またあなたの政府・与党の皆さんがながめているものと、大体情勢分析というのはそう差があるものじゃありません。ただその情勢分析に対処して、わが国の自衛隊のあり方がどうあるべきかというところに各党の見解の相違があるわけなんです。私はこの国土、国民を守るための最小限の自衛措置というものを認めている党の立場から考えても、できるだけ国論は強大な世論を背景にした一本化をはかるべきものだと思うのです。実際、沖繩返還なども、本土並み完全返還というところなら公明党の皆さんも社会党の皆さんにも御協力が願える線だと私は思うのです。それを、何かひもがつくのじゃないかということで各党が疑心暗鬼して、そこにおのずから見解が分かれてくるという危険がある。やはり内外情勢というものに対して、ある特定の国の侵略というものを、率直に申し上げると仮想敵国的なものを考えるという行き方でなくして、ばく然とした対象にしておいて、国土防衛ということを前提に考えるのが本筋だと思うのです。そうしないと、ある特定の国家を仮想敵国と考えるような形で日本の防衛体制、防衛構想を進めていくと、自然にその国に関係のあるいろいろな問題が別途派生する危険がある。この点について、国防白書というものは仮想敵国は想定しないという前提に立つのかどうかを、これから大事な問題でございますので、これは一ぺん出されてしまうとあとから取り返しがつかぬようになりますので、ひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○有田国務大臣 私どもは仮想敵国というようなことは何ら想定もしておりません。ただ極東のそれぞれの国が軍備を持っておりますね。それは一応示さなければならぬ。仮想敵国はないのだけれども、しかし政治情勢——いま平和共存ということで平和の流れがずっといっておりますが、政治情勢というものは比較的短期間に変わる場合がありますね。ところが防衛というものはそう一年や二年で急に増強することはできない。したがいまして、仮想敵国は全然ないのだけれども、万一に備えるというのが防衛でございますから、こういう脅威があるからこれに対してこうしたければならぬというようなどろなわ式、私たちはそういう考えを持たない。それでありますから、万一に備えるために日本もしっかりしたいわゆる戸締まりをやっていかなければならぬ、こういう考えに立って、いまあなたの言われる専守防御、自主防衛、こういう線でいっておるわけでありますから、決して仮想敵国などということは考えておりません。
○受田委員 外国の情勢の中で、集団安全保障体制についての実情は報告されますね、国防白書で。
○有田国務大臣 これは詳しいことは要りませんけれども、こういう集団体制になっておるということはやはり国民に知らす必要がある、かように思っております。
○受田委員 そこで日本を仮想敵国にしている条約があるわけです、不可侵条約が。中共・ソ連、ソ連・北鮮、それから北鮮・中共、こういう国の日本を仮想敵国にしておる条約のあることは白書に書きますか、書きませんか。
○有田国務大臣 まだ最終的の結論に達しておりませんから、ここで書くとか書かぬとかいうことははっきり申しませんけれども、仮想敵国としてこういうものがあるなんという表現は私はどうかと思う。だから先ほど言いましたように、日本周辺にはこういう軍備がされておりますよ、しかしそれが直ちに脅威というわけではない。けれども、政治情勢のいかんによってはそれが脅威となる場合もある。日本はあくまで平和でいかなくてはならぬが、万一に備えるだけの防御はやっておかなければならぬ、こういうような考え方に立っていま練りつつあるわけですけれども、その表現がどうなるかということは、まだ最終案にはいっておりませんからはっきりは申し上げられません。
○受田委員 内外の情勢分析をされるにあたって、国民にきわめて親切に理解をさせる意味においては——これは共産圏諸国家の条約には日本を仮想敵国とする規定がある。しかし、国連の憲章に基づいてやむを得ずこういう制度ができておるが、これはやがて国連の平和機構に吸収する日をわれわれは待望してやまないとかいうところをすかっと正直に、あることはあると書いて、そしてまたこれをどうすべきかについても希望を持っていく。それから安保条約の基本条約の中に駐留規定があるのだが、基本条約に駐留規定を設けているのは韓国、台湾、日本とアメリカの国だけであって、あとは特別協定等でやっているのだ、こういうことも親切に書くべきだと私は思うのです。そういうことはいかがですか。国民に親切に理解させる上においては、わざとこれを伏せておくというようなことがあってはいかぬ。また各党の主張等も、こういう主張があるけれども、わが党としてはこうだ、政府としてはこうだというようなところを書くべきではないかと思うのですが、まだ最終案ができておらぬということでございますから、この私の希望している問題についても、できるだけそれを検討の材料にしてもらったらと思うのですがね。
○有田国務大臣 国民にわかりやすく親切に知らせるということは必要だと思います。しかし、かくかくだというのは、受田さんの御意見として承っておきます。
○受田委員 これは政府・与党に非常に都合がいいというだけの国防白書でなくして、広く国民に理解せしめるという国防白書でなければいけないわけです。出されたものが政府・与党の宣伝文書になってくると、それに都合の悪いものはみな消してしまっていくということになると、国防の真相でなくして皮相、表の皮だけの白書になる危険があると思うのです。この点は、内外の情勢分析にあたってすなおに大勢を描写すると同時に、十分その真相をすかっと書いて、その中にわが国の国防はいかにあるべきかということで国民に理解、協力を求めるという方式をとるべきである。私の言うことは間違っているかどうか、御答弁願いたい。イエスかノーかだけです。
○有田国務大臣 間違っておるとか正しいとかいうことはこの際差し控えたいと思いますが、御意見は十分承っておきます。
○受田委員 さらに、今度佐藤さんの交渉にあたってまた問題になることでもあるのですが、朝鮮海峡で、朝鮮に何か起こって火の粉がばんばん散ってきたというような場合、その付近を航行する船その他の防衛のためにわが自衛隊の艦隊その他が出かけていくということ、これは別に安保条約のかれこれの議論でなくして、自衛隊として当然わがほうの国土、国民、海上にある国民、海上にある財産を擁護するために行動することは可能ですよね。行動しなければなりませんよね。これは防衛局長でもけっこうです。 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕
○宍戸説明員 ちょっと御質問の趣旨がよくわからない点がございましたけれども、もし日本に対する侵略自体でなくて、一般に国際的な紛争がお示しの海峡にあって、わが国の漁船なり商船なりがその火の粉をかぶりそうだという場合にどうかというふうなことでございましたら、そういう事態であれば防衛出動として自衛隊が出動を命ぜられることはないと思います。日本に対する侵略自体でないという場合であれば、自衛隊の出動命令はないはずだと思います。それじゃ全然何もないかといいますと、一般的にそれは警察行動的なことで、わが国の国民の財産、生命を守るということでございますから、海上保安庁が警察行動的に出動しまして、漁船なり商船なりを守るということがまずありましょう。それから、御承知の自衛隊法にも、海上における警備行動という規定がございますので、必要があればそれが下命される。そして海上保安庁と一緒に、あるいは場合によっては別個になると思いますが、自衛隊の活動があり得る、法律的にはそういうことになろうかと思います。
○伊能委員 関連、実は前回、先輩受田議員と私が質問した問題に関連するのですが、防衛庁長官、来年度の予算に関連して自主防衛の問題を強調せられております。まあ集団防衛と自主防衛との関連等についてはここで伺おうと思いませんが、自主防衛に関連して防衛産業の育成という問題を取り上げておられますが、この問題は、先般私どもが質問した国防会議の協議事項の内容にはっきりうたってあるわけです。したがって、長官が防衛産業の育成というものを打ち出された場合に、今後国防会議についてどういう論議をされ、どういう趣旨で持っていかれるのか。国防会議にそれに関連する産業との調整というような項目が明らかになっておると思うので、今後防衛産業と国防会議との関係——私どもは先般、もっと国防会議をひんぱんに開いて、そうして国の防衛に関する明白な態度を決定すべきではないか、受田議員はさらに、国家安全保障会議とかいう問題に触れられましたが、これは機密保護法のない現状においては私どもは民間人を入れることは無理だろうと思いますが、少なくとも防衛産業について、国防会議との関連において長官どういうお考えで今回ああいう新しい考え方を打ち出されたか、その点をお伺いしたいと思います。
○有田国務大臣 さっきもちょっと受田委員の質問に触れたように、自主防衛という線をやりますためには、装備自身も日本の国産品を使うということが最も望ましい姿だ。いざというときに即応するためには、やはり外国の品物だったらちょっとした修繕一つだって長いことかかる、国内だったらすぐいける、こういうことがありまして、やはり自主防衛のうちの一つの筋として、国産品で装備を整えていく、これはやはり基本的な問題だと思います。 そこで、この前の通常国会におけるこの委員会におきましても、伊能委員も受田委員も、国防会議をもっと活用せい、こういうお話でした。私もあのことはよく覚えておりまして、国防会議をできるだけひんぱんに開いて活用する、懇談会でもいいけれども。ただ、これは私のほうから言うのもどうかと思いますけれども、防衛というものと国防というものは、やはり国防のほうがずっと幅が広いわけですね。防衛庁としては国防会議にかけるべく、それは防衛整備計画をはじめ、まあつとめてやるつもりでありますが、やはり大きくいえば外交問題、ことに経済問題、かるがゆえに国防会議の議員を見ましても、経済大臣もみな入っておるわけですね。だから事務局が防衛庁になくて内閣にあるわけですね。あれが防衛庁の内局であれば私の考え方のようにずっといくのですけれども、内閣のほうの事務局でありまして、やはり招集役が内閣にあるわけですね。私も、総理あたりにも、こういう国防会議というものをもっと活用すべきだ、もっと広めるべきだということは進言しておりますけれども、何ぶん現段階におきましては、内閣のほうも当面沖繩問題とか、そういうものに一生懸命になっておる段階でございますので、まだすぐそういう広い意味の国防会議をひんぱんにやろうかというところまでは進んでおりませんけれども、ことに沖繩問題が一応のめどがつきましたら——沖繩問題一つめぐりましても、それに外交もあれば経済もある。いろんなものが入ってきますから、そこに防衛というものはもちろんおもなる役割りをなすものと思いますけれども、国防会議はそういう方面からも活用される。私はやはり国防会議というものは、防衛庁から出すそれだけがいままでやられておりますから、非常に少ないように思いますけれども、もっと経済面あるいは外交面からも出して、そしてあの国防会議というものを活用していけば、それはいまの倍、三倍の会合も開かれる機会があるのじゃないか、かような基本的な考えは持っております。しかし同時に、防衛庁としてもできるだけ国防会議にいろんなことを相談して、そして皆さんの御者見というものを尊重しながら進みたい、かように思っておるわけです。
○伊能委員 失礼ですが、実はそういうような抽象的なお話を伺おうとは思わなかったのです。私が前回質問しましたのは、前回はちょっと具体的な問題に私は触れたと思うのできょうは差し控吏ますが、航空機だけをとっても、航空機産業は防衛産業の根幹をなすもの。それらについても、通産省の考え方あるいは防衛庁の考え方に完全に一致があるのかどうか。私どもが見ておると、通産省については非常に限定的な行政指導というか産業指導をやっておられる。しかし防衛庁としては、防衛産業を今後大いに活用し充実していこうという点になると、通産省が従来とっている考え方とやや違った方向が当然出なければならぬ。ところが現状においてもそういう形になっておらないので、私は例を航空機の国産についてだけ言いましが、その他についても同様な問題があるように思うのです。これらの問題は防衛庁自身として、装備局等で十分今後の防衛産業の問題を検討せられた上で、国防会議にかけられる前に、少なくとも政府部内でそういった防衛産業の自立性あるいは防衛産業の整備という問題を検討せられないと、どうも口で長官が防衛産業の整備強化と言われても、現実はそうなっていないということを率直に感じますので、その辺のところを伺いたいと思うわけです。
○有田国務大臣 そういう問題につきましては、国防会議も大事ですけれども、まず通産省と防衛庁がいろいろ話し合いをしていかなくちゃならぬ問題だと思いますが、いまは通産省とも密接な連携をとりながら、具体的な問題についてはそのつど相談しながら進んでおる、こういう姿でありまして、やはり基本的に防衛産業を国産でやるということは通産省も了解してくれております。しかし個々的な問題になれば、いろんな面で、それぞれ人間のすることですから、考え方の違う面があるかもしれませんけれども、しかし政府部内としては、初めは見解が相違しておっても最後は一致するということでなければならぬと思っておりますが、幸いにして装備局長も通産省の関係局長とよく連携をとってくれておりますし、私も通産大臣とそういう話は進めて、政府部内一致した結論で進んでいきたい、かように考えております。
○伊能委員 どうも話が抽象的で、私は不満ではありませんが不十分です。国防会議の条項に、それに関連する産業の調整ということまでうたってあるわけです。しかしいまの情勢では、私はどうも長官の言う防衛産業の整備強化というかっこうに、長官は口では言われますが現実にはさっぱり進んでいない。今後どう進められるかという問題ですが、この問題は急速に防衛庁内で取り上げられて、長官の言われたその趣旨を実現していただきたい、これを希望として申し上げておきます。
○受田委員 いまの伊能さんの御質問については、それで私一応終わりますが、さっきのお話に戻ってお尋ねを続けます。 局長が答弁された中に、朝鮮海峡で火の粉がふりかかるときに、日本の漁船や一般的な国民の海上における防衛、安全のためには、治安的な任務でこれを守るというのでなく警察の力でやる、こういうことでございました。しかし現実にそういうときに私は非常に心配しておる。そういうことがあり得るかもしれぬという懸念さえあるような段階で、向こうがこちらに攻撃を加えてくるというようなときに、防衛出動はしない、しかし警察でやるという、そこに私は一つの限界があると思うのですね。警察だけで片がつくものかどうか。この点は、いま四十五年度の概算要求の防衛庁の予算の中にヘリコプターあるいは救難艇、こういうようなものが相当用意されておって——実は日本の近海で漁船やら一般の船舶がどんどん沈没していく、ああいう人を救う意味においても自衛隊が力になれと私は激励したことがある。ほんとうに野放しで、この海上の船舶の遭難による死亡者というものはたいへんな数字にのぼっておる。それを海上自衛隊というものが、あるいは航空自衛隊というものが出かけて、陸上もヘリコプターなどが出て、総がかりで救うという体制が事実とれていない。自衛隊はもっともっとそうした救難用の航空機とか救難用の船とか、自主防衛に役立ちながら一方でそういう人命救助に役立つ、そういうものにどんどんと力を入れるというのなら、私はこれは非常に筋が通ると思うのです。自衛隊の働きは、そうした災害出動などというときに準ずる、一般船舶の沈没などのときにはもっともっと私は働いてもらいたいのですが、働くだけの船もなければ飛行機もないというかっこうじゃないかと思うのです。そういうことを含めて、朝鮮海峡などで事件が起こって、その影響をわが善良なる国民に与えるときに、それを保護するための海上装備、航空機の装備、こういうようなものがもっともっとあっていい。それは救難を含めて防衛の力を養うことになるのだ、こういうことと、もう一つ、たいへん不愉快ではありますけれども、そういう朝鮮海峡などで起こった事件で、事実問題として日本の自衛隊の治安行動、災害出動行動のようなかっこうでやったものが、向こうさまから逆に挑発的な行動に出られて、これが防衛戦争に発展する懸念が起こらないとも限らない。こういう際に、長官、身近なところに——これは私別に条約関係などで議論をするわけじゃない。きょうは朝鮮における国連軍などで聞こうと思ったが、外務省来られないために国連関係の質問をやめるわけでございまするが、防衛庁だけで答弁ができることをひとつお答え願いたい。そういう火の粉がふりかかってきて、善良なる国民が船舶に乗っている場合、漁船であろうと一般の客船であろうと、そういうものに対する警備というもの、それが直接戦闘に発展する懸念がないように自衛隊というものは考えるのだ、こういうことですが、そういう場合に、もしこちらへ危害を加えるということであるならば、防衛出動でなくて、これに対して処分をするという、向こうを撃ち沈める。あまりにどんどん撃ち込んでくる場合は、防衛出動までいかないけれども、つまり正当防衛の立場から武力を行使するという場合があるかどうかお答え願いたいのです。防衛局長でもいいです。
○宍戸説明員 お話が二点にわたっているようでございますけれども、一つは災害派遣、救難を強化したらどうかという御趣旨のようでございます。この点に関しましては、御指摘のようにまだ十分とは申せませんけれども、来年度の業務計画あるいは三次防、さらに将来の四次防におきましても、おそらくわれわれもその一つの重点として考えていかなくちゃならぬだろうという感じは持っております。しかし不十分ながら、年々相当強化はしてきております。特に海上保安庁とか警察とかと協定をいたしまして、平時から災害派遣では相当評価を受ける程度に活躍しているつもりでございます。これは全く平時のことで、有事の際に役に立つことが平時における救難なり災害派遣に役に立てばもちろんけっこうなんで、これは平時に訓練もするし活動もするわけです。そういうことを基盤にしまして、実際にある程度国際紛争なりその他の問題が周辺に起きまして、そうしてわが国の漁船なり商船なりがその危険にさらされそうだということになった場合にどうかという前段のお尋ねがございましたので、そのときにつきましては、まず理論と実際の問題があると思いますが、理論的には、防衛出動でなくて、海上における警備行動で対処することになりましょう。これは平時つちかっておりましたそういう救難たり災害派遣なりのやり方が十分役に——それも一種の有事でございましょうが、役に立つことが期待されるであろう、こういうことをまず理論的に申し上げられると思います。 後段の御指摘のそういうことがあるとしまして、それがいわば紛争国に対して挑発になって、そしてわがほうがやむを得、ず防衛出動を命じなければならぬようになる懸念があるという御指摘につきましては、これは理論の問題ではなくて、実際の場面における実際の外交なり防衛のやり方としまして、そのときの判断としまして、そういうことは従来の日本における経験からも、あるいは国際的な歴史が示すところで、かりにそういうことがありましたら、そういうことは懸念としては十分あり得ると思います。これはやはり実際の問題としては外交上十分その機微を考えられて、理論的に自衛隊の警備出動を命じ得る事態であっても、それがまさに挑発と受け取られてわが国がやむを得ず防衛出動に至らざるを得ないようなことを引き起こすような状態であれば、自衛隊の出動についてはよほど慎重にお考えになる。海上保安庁だけにまずやらしておく。しかしそういう懸念がなくてまさに漁船を救わなければならぬ、しかし海上保安庁の力では不十分であるという場合には、自衛隊の警備出動もなさる場合があるでありましょう。しかし非常に防衛出動とまぎらわしいというようなことであれば、その点は慎重にお考えになるということは、おそらく実際の政策運用であろうと思います。それは実際の問題で、そしてさらに進んで、日本がまさに客観的に侵略を受けている。わが国を目がけて、領土なり領空なりを目ざして侵略が行なわれようという事態が明白であれば、これは警備出動でなくて防衛出動を命ぜられて、自衛隊の万一の場合の力が発揮される、こういう事態になる。理論的にはそういうふうに分けられることになろうと私は思います。
○受田委員 朝鮮海峡というものはやはり非常にわれわれとしては気をつかっておるわけです。事実そういう危険なきにしもあらずという状態である。アジアにおける一番爆発の危険のある場所という形です。そういうところへ商船や漁船が通りかかったのがどんどんやられる。しかしそのやられるのに対して、正当防衛から今度は警備上の問題として向こうを撃ち沈める。そのときに自衛隊機が行動する。これは警備的な自衛隊機の行動ということです。そのために警備戦という、つまり自衛戦にはならぬが、そういう警備戦ということが当然朝鮮海峡で予想される場合が私はあると思う。そういうときに向こうを撃ち沈める。防衛出動ではなくて警備のために向こうを撃ち沈めるということが考えられる。そのときに自衛隊の出動、向こうがどんどんわが商船を撃ってくる、そのときにそれを処分するということ、防衛出動にあらざる自衛隊機の出動によってわが商船、漁船を守るための、自衛のための措置という形、これは防衛出動でなくてやれると解釈してよいかどうかです。
○宍戸説明員 理論だけの問題で申し上げますと、たとえば航空機が領空侵犯をしまして、わがほうが領空侵犯措置をいたすことは、国際的にも許されるし、自衛隊法もそれを予想しております。その場合に、こちらが積極的に撃ちませんけれども向こうがかりに撃ってまいりますと、パイロットなりあるいは個人の——まさに爆弾を落とそうとすれば、個人になるかもしれませんが、正当防衛の発動としてそれを撃ち落とすというのは理論的にはあり得るわけでございましょう。船の場合も、まさにわが国が危険にさらされるというのではなくて、漁船が紛争に巻き込まれて、漁船に向かって機関銃なり小銃が撃ち込まれるということの危険がありそうだということで、海上保安庁なりわがほうが警備行動をするというのは自衛隊法も予想しておるかと思います、保護しなければいかぬということを。その場合に、まさに機関銃をかりに撃って、間違いででも撃ってきますれば、その漁船の人も、それを守っている海上保安庁の人も、あるいは自衛官も、個人的な正当防衛としてその撃ってきたものを撃ち返すということは理論的には許される。理論はそういうことになろうかと思います。しかし、わが国全体の自衛権の発動になるかどうかということになりますと、それが直ちにわが国全体の自衛権の発動として防衛出動を命ぜられるという事態には、いま申し上げたようなことを前提にすれば必ずしもならないのじゃないか、かように思います。
○受田委員 これはデリケートな問題でございますので、これ以上なにしませんが、しかし非常に危険な状態にさらされやすい場所が朝鮮海峡である。その場合に、日本の自衛隊がやったことが、あとから防衛出動かあるいは警備出動かというようなことで議論にならないように、ぴしっといまからそれぞれの場合を想定して対策を用意しておかれる必要があると思います。 そろそろ質問を終わりますが、もう一つ、駐留なき安保を考える党の立場からも、日本の基地は、現実に駐留なき安保の条約改定という形にならなくても、自然になくしていくという形でわれわれの目的もだんだん達成されるわけでございますので、いま日本にある百五十に近い基地を整理するように、いま日米安保協議委員会はどう話が進められておるのか、向こうからどの程度の基地は整理しようと申し出があるのか、わがほうではこれはぜひ返してもらいたいと思うもので、どういうふうに交渉しておるのか、そういうことと、最終的に向こうさまはどのくらい日本に基地を残したい、これだけはどうしても残したいという基地があるのか。われわれがいろいろと聞いてみるところでは、残したいという重要基地というのが極東で日本に五十くらいあるとアメリカの見解を聞いておるわけです。 私、ここでちょっと基地問題に触れて、米上院の小委員長をやっているサイミントンという人が、日本に基地をあまり持たぬで兵は引き揚げろ、または、日本だけでなくて遠隔地の駐兵はできるだけ避けて引き揚げろという理論を進める上で、有事の際の大量輸送が空中輸送で技術的に可能であることを言うておるわけです。したがって、在外駐留ということをだんだんとアメリカ自身が、サイミントンでなくてニクソン自身もそういう方向へ傾きつつあるときに、日本だけに大量の基地を残しておくということは、アメリカの政策からいっても問題がある。これに肩がわりする防衛力を高めるという意味とは別に、基地をどう整理する方向にあるのかをまずお答え願いたいと思います。 そして、その基地によって起こっておる公害がばかに多い実情というものをどう認識しておるのか。問題を一ぺんにまとめてお尋ねして、御答弁願うことにします。その第二の問題については、基地整理と関連して基地公害、現在までに防衛庁が調査されたところの犯罪その他の事件の処理件数というようなものがどうあるのか、そしてその傾向はどうなっておるのか。今度、岩国にベトナム兵が帰っております。この間から町を盛んに散歩しておる。私も目の前に見ておる。また基地公害に住民が非常に不安を抱いておるわけでございますが、岩国基地にベトナム兵はどういうかっこうで戻っておるのか。 もう一つ、ひっかけて問います。岩国基地のウィリアム・クインという司令官が、あそこの基地におる人間の数字を発表しておるのです。その数字は、海兵隊が千八百六十六、海軍が九百十八、空軍が六という数字を発表しておる。こういうようなものは一体とういうふうな形で——現地の飛行機の数まで言うてあるのです。一々読んでもいいのですが、あなたのほうに資料があると思う。この現地司令官が米軍の装備についてきちっと数字まで発表するということができるのなら、全国の基地別の装備、兵員の数字を全国どこでやってくれてもいいわけだけれども、岩国基地だけがこういう発表をしておるのかどうか。これをあわせて、基地公害対策及び基地の実相を、岩国基地司令の発表した形で全国みな発表してもらえるのかどうか。問題を三つに分けてお尋ねしたわけでございます。お答えを願います。
○有田国務大臣 わが国における米軍の基地の問題、これは基本的には日米安保条約を存続する以上、やはり提供の義務がある、また日本の国を守る意味においても基地は必要なものである、こういう前提に立っております。したがいまして、有事駐留というあなたたちの考え方とは、私たちはその辺が違います。しかしながら実際問題としては、まあ比較的さびしい地域だと思ってつくられた基地が、だんだんと都市の発展によってそこがふさわしくないところもあるし、またアメリカ自身も、いまおっしゃるように在外米軍を引き揚げる、だんだん減らそうという傾向にあることも事実だし、そういうようなところをいろいろ勘案して、そしてアメリカと折衝を重ねて、昨年の暮れに約五十を対象としまして、あるいは返還、あるいは使用転換、あるいは移転というものを相談し合ったことは、皆さん御承知のとおりだと思います。その前提に立ちまして、その具体的な処理は、昨年暮れの日米安保協議委員会は合同委員会にゆだねておる。その結果、今日まですでに返還あるいは移転され、同時に合意に達しておるもの、それを合わせまして二十五です。約五十のうちで半分は合意に達したという状況であります。そういうことで、だんだんと漸減傾向にあることは事実であります。われわれもそういう方向で進んでおるわけでございます。 また、それに対する公害の問題、これはさきもちょっと触れましたように、基地周辺の人は日本上体のために一つの犠牲をこうむっておられるわりだから、われわれとしてはそれに対する対策を十分やっていかなくてはならぬ、こういう見地に立ちまして、本年も前年度から比べれば相当ふやしてもらったのですが、来年度はさらにその増強をやって、騒音防止対策、その他民生安定対策、いろいろな施策をやっていきたい、かように考えております。その他基地にどのくらい人がおるかとか、いろいろ詳細のことがありましたが、それらの具体的はことは施設庁長官から答弁させていただきます。
○山上説明員 基地の整理の問題につきましては、ただいま大臣からお答えがございましたように、昨年の十二月の安保協議委員会におきまして、整理の大方針として約五十の施設の返還、移転あるいは使用転換等をいたすということで、その後、ただいま大臣のおっしゃいましたように、個々の委員会におきまして具体的な処理の推進をはかっておる次第でございます。ただいままでに合意に達しましたものは、返還、使用転換を含みまして二十五施設でございます。そのうちすでに日本側に返還が済んでおりまするのが十七施設になっております。その他のものは、合意には達しておりますが、まだ時期的に来月とか再来月という先に至って返還されるというものがその他の施設でございます。面積にいたしまして約五千八百万平方メートルというものがすでにさような措置で返還に相なっておる次第でございます。なお、今後こういう問題の整理の方法についてはどうするかということでございまするが、これは大方針のきまりました五十の施設につきましても明らかなように、施設におきますところの利用度の少ないもの、あるいはあまり利用しておらないもの等をまず漸次整理していくということでございまして、この五十の施設の整理ということが一つの大きな柱でございまして、今後ともこういう点につきましては、大臣からお話のありましたように、基本的には安保条約を維持していくということでございますが、利用度のないようなものにつきましては、今後もさらにこれらについて調整を加えてまいりたいというふうな考えでおる次第でございます。 それから、基地周辺の問題につきまして、いわゆる公害というようなことについてはどう考えるかということでございまするが、これにつきましても、御承知のように周辺整備法という周辺の公害を防止するような趣旨の法律も十分に活用して、その障害が基地周辺の皆さま方にしわ寄せにならないよう、できるだけこれを軽減するような措置を努力いたしておるのでございます。明年度におきましても、基地の移転等の予算を組みまして、約四百億円の予算の要求をただいま大蔵省に対していたしておる。これはもちろん大蔵と今後協議いたさなければ決定いたさないのでございまするが、さような趣旨に基づきまして、今年度の基地周辺対策二百五十億に対して大幅な増額を企図いたしておる次第でございます。われわれといたしましては、周辺の障害防止、民生の安定ということにこの上とも最善の努力をいたしたい。 それから事故の状況でございますが、これらにつきましては、毎年相当数の交通事故であるとかあるいは窃盗犯とかいろいろな事故がございます。これの件数も詳細にわかっておりまするが、すでに何だびか申し上げましたので、数字はまた御要望がございますれば申し上げまするが、ただいま省略させていただきます。一般的な傾向としては漸次減少の傾向には相なっております。これは数字を見れば明らかでございますが、方向としては減少いたしております。特に航空機等の事故によるところの死亡等のものは非常に減少いたしております。軽犯罪等につきましても漸次減少はいたしておりまするが、なお継続いたしております。最近ベトナムの戦況等にからんで、日本に帰還の一部が来るというような状況もございまするので、こういった帰還の人たちが日本に来るということによって、あるいは事故がさらに起きるのではないかというような予想もされぬこともないというようなことも危惧いたしましたので、米側に対しまして、これらの取り締まりあるいは犯罪の防止というようなことについて厳重なる措置をとるように申し入れておりますし、また米側においても、これについて最善の努力をいたすということで現地を指導いたしておるように承知いたしております。 それからもう一つ、基地の実相についてどうであるかということでございまするが、先般岩国につきましては、岩国の基地の司令官が、どういう理由か私も承知いたしませんが、詳細に発表されたようでございまするが、われわれといたしましては、日本の全体としての在日米軍の数、これは約四万、御承知のように陸、海がそれぞれ約一万、空が二万弱というようなことになっておりまするが、個々の施設におきまする個々の軍の構成実数を詳細に発表するというようなことは、これは在日米軍のいたすことであって、われわれがかってにいたすべき性質のものではないというふうに考えておるのでございます。また米軍におかれても、そういうものを全部個々に発表するというようなお考えは必ずしもないのではないかと思っております。そういうようなことで、われわれとしても基地の概数的なことは承知いたしておりまするが、みだりに発表すべきものでもないというふうに考えておる次第であります。
○受田委員 後ほど大出委員からも関連質問があるそうですから、私質問をこれで結びますにあたって明らかにしておきたいのですが、いま施設庁長官の御答弁の中で、米軍の実数というものは米軍が発表するものであって、われわれが調べるわけにいかないのだ。岩国だけ発表したがほかのところは発表していない、これはおかしい話であって、米軍がどういう考えでこれを発表したのか、向こうの装備は、飛行機の数まで言っておる。そうすると、向こうの飛行機がどこに幾らおり、そうして人間がどれだけおる、そういうものを前提にして日米の防衛関係を検討することができるのであって、日本の自衛隊としても、向こうの在日米軍の力というものがどういうものになっているかを、装備と人員とをはっきりつかむことが日米の関係を明らかにする上に一番必要ではないか。日本側は全部言っておるのでしょう。日本の自衛隊のことは隠すことはない。みんな言っておるはずです。それなら向こうのほうも正直にこっちに言ってくれなければならない。向こうのほうは黙っておる、こっちだけ知らす、これは勝負にならない。それはどうなっているのか、ちょっと疑問が起こりましたのです。われわれは全部さらけ出してお手あげで言っている、向こうは秘密で言うておらぬ、そうして共同防衛をやろうというのでは大きな問題があろうと思う。ただ防衛庁としては、秘密で日本の政府は聞いておる、向こうの装備は、飛行機が何台ある、潜水艦が周辺に幾らおる、全部向こうははっきり秘密では言うておるのだが、国民には公開をできないというのであれば、私あえてそれ以上は追及しませんが、およそ言えることはその程度で、あとはもうわかりません、米軍自身が発表する以外には向こうは発表しないのだからというのは、政府自身に発表しないのかどうかという問題が一つ出ましたから、これをひとつお互い正直になろうじゃないかということがある。 それから長官、私はきょうはあなたと外務省が来られたら、できれば外務大臣と一緒にお話ししたいことがあったのですが、一つ課題に残しておきたい。 朝鮮におる国連軍というのはみんな米軍です。それだから問題がある。あるいはほんとうは米軍以外の国連軍が朝鮮に国連軍として派遣されるという形であるならば、沖繩問題は非常にスムーズにいくと私は思うのです。沖繩の本土並み返還にあたって非常にスムーズに私はいくと思う。やっかいなことには朝鮮の国連軍は米軍であるということ、日本の防衛庁としても、米軍以外の国連軍が朝鮮におるというのであれば、自主防衛の上から非常に私は都合がいいと思う。やっかいな点が少なくなる。その点どう考えるか、ちょっと希望的観測という意味でなくして、長官にお答えをいただくのがむずかしければこれは遠慮しますが、国連軍が米軍であるというところに問題がある。 それから沖繩の基地をそのままの基地の数にして返すか、基地を整理して返すのか。たとえば百十七ある基地を整理して日本に返すかというのがこれからの問題ですが、自衛隊のあり方として、基地が現在のまま残ったとしたときに、沖繩にもし三年先に自衛隊を派遣する場合に、新しい自衛隊の基地を設けることになるならば、現在の百十七以外にまた陸、海、空の基地が要ることになる。自衛隊が行くほど余分になる。それは土地の狭い沖繩にとってはたいへんな苦痛である。これは一応御答弁できると思う。つまり米軍基地がこのまま残って返還された場合に、新しい自衛隊の基地を別につくらないで、米軍の基地内で操作するという形をとるのかどうか、これは言えると思うのです。つまり、土地の狭いところへ新しい基地を要求はしないで、米軍基地内で共同使用という形をとる、こういう形になるのかどうかを大体構想としては承っていいと思います。 それから最後にもう一つ、これは簡単でいいですが、私、去る内閣委員会でも発言しました美保関の航空ショーで高村搭乗員、私の郷里の人がなくなられた。ああいうショーのためにとうとい自衛隊機を使うようなことがあってはならない、とうとい生命を失ってはいけない、航空機搭乗者の死亡、殉職をできるだけ避ける強烈な指導が要ると私は思うのです。あの御注意に対して、その後の自衛官の死亡、殉職をできるだけ避ける防衛庁内の体制についてお答えをいただき、私の質問を終わります。
○有田国務大臣 朝鮮の国連軍問題については、これは外務大臣のほうから答弁すべきものだと思いますから、私はこの際差し控えさせていただきます。 沖繩の基地に対して自衛隊が入ったときにどうなるか、これはまだ具体的の話が進んでおりませんから、こうだと言うわけにはまいりませんけれども、私のいまの考え方としては、原則としては、あれ以上基地はつくるべきでない。したがいまして、自衛隊があそこに入るにしましても、米軍の基地と共用というような形、そういう考え方で進みたい、かように思います。 さっきのショーの問題については、政府委員から答弁いたさせます。
○宍戸説明員 前段のお尋ねの、日米間の情報交換といいますかの問題ですが、これは情報部門として、在日米軍の編成、装備、人員等について、日米共同防衛という立場から必要な情報を得ております。またわがほうの編成、装備等で必要なものは米軍に情報として提供する、つまり情報交換をしているということでございます。ただ基地の、個々の毎日の出入りのこまかいことまで一々毎日毎日全部わがほうが、私なら私が全部つかんでいるかといいますと、そこまで毎日やっているわけじゃ、ございませんが、およそ戦力といいますか軍事力として評価すべき必要な装備上の変更、あるいは編成上の変更等についての情報は得ているつもりでございます。
○受田委員 ちょっとはっきりしない点があるのです。私が長官にお尋ねしているのは、米軍の兵員、装備というのは政府部内にはきちっと言うておるのかどうか、政府は承っておるのかどうか、国民はわからぬが、政府は知っておるかどうかということです。日々出るとか入るとかいう議論じゃなくして、その基地におる米軍の数、基地にある装備、武器、こういうものは一体日本政府は知っておるのかどうか、聞いておるのかどうか、よくわからぬというのは、国民がわからぬだけでなくて、日本政府も秘密で知らされぬのかということです。
○有田国務大臣 そういうことはわれわれとしてはわかっておるわけであります。小さい毎日の出入りのことはわからぬけれども、大局ここにはどういうものがあってどうだということはわかっておりますけれども、いま局長の言ったのは、その発表は日本だけでは発表できない、米軍の了解を得なくては発表できない、こういう意味で言ったものじゃなかろうかと私は推察するのですが……。
○受田委員 はい、わかりました。それではそれでおきます。
○大出委員 ちょっと関連質問。中身に深く入る気はないのですが、先ほど受田さんの質問に対する答えの中に、ちょっとどうもこのまま聞き過ごせない感じの問題があるので、念のためにこの考え方を聞いておきたいのです。 三点ばかりございますが、一つは海上における警備行動に関する問題でございますが、受田委員の質問で、救難等に触れまして保護する、こういう行動をやった場合に、撃ち返されあるいは撃ち落とすというふうなことが議論を離れて現実に起こる、こういう意味の御発言がありまして、防衛局長のほうからそういうことが現実の問題としてあるという意味の先ほど話がありましたが、そうなると、これは海上における警備行動と申しますものは自衛隊法上は限定をされておるわけですね。そこで問題は、この撃ち落とすなんということが起こったのではたいへんなことになるわけですね。まずこの警備行動に関して一体どういう武器を使うのかという点等について、これは警職法上準用なんですね、中身は正当防衛ということにほとんど限られる。携帯し得る武器になっておるのですね、警職法でいくと。そうなると、その持っていける武器ですから、きわめて小さなものに限定されるわけですね。にもかかわらず、どう撃ち落とすなんということばで入ってきたのでは、これはえらいことになっちゃうので、そこらのところはそういう認識をお持ちになっていたのではちょっと困る。これは、かつてプエブロ事件が起こったときに日本海がだいぶにぎやかになりまして、いろいろここでやりとりもありました。逃げて帰ってくるような自衛隊では困るのだという話が時の防衛庁長官から出てまいりましてね。結局、そういう紛争があった場合に、漁船を保護する自衛隊の海上においての警備行動というものは、相手とこっち側の船との間に割って入る、子うしてこちら側を保護するという一つの限界があるわけですね。ところが、理論を離れて現実の問題として撃ち返すの撃ち落とすのという話になろと穏やかでないので、そこらの基本になるべきものを、つまり自衛隊法上の海上における警備行動はある、あるがそれは限定されておる。携行し得る武器という警職法準用のワクもきまっておる。そうなると、とんでもないことが起こるはずがないのであって、そこらのところははっきりしておいていただかぬと、先々の問題もありますし議事録にも残りますから、そこらのところを長官明らかにしてもらいたい。それが一点です。 それからもう一点は、先ほど長官の自主防衛にからみまして防衛白書の草案、これはこまかいことになるならぬは別として、腹案か腹案でないか知らぬが、そんなようなものがあるでしょう。この中で、沖繩の返還というものが一つの契機になって日本の自主防衛というものが進むというふうに書いてあるのだけれども、兵器国産の問題に触れて、国産の兵器産業その他を拡充あるいは整備あるいは強化、こういうことばが二、三出ているのでありますが、そこまでいくと、これは本年四月日経連の総会が開かれ、五月に経団連の総会が開かれまして、財界筋はいろいろな決議をしておりますね。さらに六月に入りまして防衛生産委員会総会が開かれました。さらに日本兵器工業会が、六十八社か何かありましたが、開かれました。そこで数々の決議が行なわれて、総理にものを言うようになって、申し入れも行なっておるはずです。その中で、旧来は黙って選挙だといえばいまの政府・与党の皆さんに金を出した。これからはそうはしない。出すけれども条件をつける。その条件は何かといったら、一九七二年というところでベトナム戦争は終わるだろう、そういう見通しを一面持たざるを得ない。そうなると、国内のいままでの高度成長という形がこれから先どこまで続けられるかという問題とからんで、どうしてもここで必要なことは、東南アジアその他に対する兵器輸出なんだ、すみやかに兵器輸出を認めるべきである。自主防衛という予算の拡充をする、そして兵器の国産もやる。やった場合に、兵器輸出というものを一つの前提にしなければ、兵器産業の拡大をしただけではこれは成り立たない。だれが考えたってあたりまえだ。日経連総会、経団連総会、防衛生産委員会総会、日本兵器工業会、全部同じ趣旨の決議をしておる。ずっときめてきているわけですね。だから早急に兵器輸出の許可をしろ、政府はすべきである。さらに八月七日の日に、国会が終わりまして間もなく、与党の皆さんの船田中さんの外交防衛委員会ですね、この船田私案、沖繩返還後の日本の防衛構想なるものの中身は三点ありますけれども、その三点のうち二点は、自主防衛の徹底的な強化をうたっていて、もう一つは兵器輸出を早急に政府は認めるべきだということをうたっているわけですね。そうなると、四十一年に、すでにフィリピンには鉄砲のたまをつくるプラント輸出を金属加工機械という名称で、これは賠償の関連で輸出しているわけですから。そうなると、そこらの問題まで発展をしなければ、政府のおっしゃる整備強化、拡充にならぬのですよ、これは。そこらのところは一体どうお考えかという点を——たいへん国民一般に関心のある問題ですし、なおまた最近ではいろいろな面で出てきている問題ですから、この際は、やはりきわめて中途はんぱな御答弁でしたから、はっきりしておいていただきたい。将来の方向として、それは産業界とすれば資本の原理ですから、そういうものをとっておかなければ、七二年から先に向かって、ポストベトナムの段階に向かって、これは中心のことだと思うのですが、そこらのところを一体どうお考えになっているかという点。これは先ほどの質問との関連で第二番目であります。 もう一つ、施設庁長官お見えになっておりますが、今回の千七百十九名の駐留軍要員の整理通告が出ておりますね。これはけさの新聞、ゆうべの夕刊等に載っておりますが、これは米軍の縮小方針に基づいたものだとは思いますけれども、先ほど受田さんからの質問で、将来に向かっての基地の整理なり縮小なり、今度はそこの人員の問題、こうあるわけでありますが、これをめぐって、この調整期間をなるべく延ばしたいというふうな防衛庁当局のお気持ちと、それからもう一つは、配置転換といっても人員がいささか多い、三十九年以来初めてくらい多い、したがって、そう簡単にこれは配置転換というわけにいかないという意味の二つの趣旨がこの新聞紙上では載っているわけであります。したがって、なるべく縮小してもらわなければ困るわけでありますが、あわせてこの委員会で私ども苦労して、雇用奨励金制度の問題だとか、就職促進手当に関する問題だとか、議員立法の形で実はお通しをいただいているわけでありますが、そこらの関連も出てまいりますが、防衛庁、特に施設庁としては、この整理というような形の方々について、長年つとめておられる方が多いわけでありますから、どういうふうにこれに対処するかという点が、ここでいっている新聞紙上から見ると非常に不十分きわまるという気がするのであります。明日社労で河野正さんが質問するそうでありますから、あまりこまかいことは申しませんが、その点がさっききわどい、つまり関係のあるところまでいっておりますけれども、そこらで、さっきの施設庁のお考え、防衛庁のお考えがはっきりいたしませんので、その点を明確にしていただきたいのであります。 以上三点をひとつお答えをいただきたい。
○有田国務大臣 第一点の警備出動の問題、これはおのずから限界があるということは御説のとおり。したがいまして、普通の陸上における治安出動の場合よりも警備出動は比較的長官だけのあれで行けるようになっております。そういうような基本的のことからいいましても、これがそういうような誤解を受けるような行動に出ることは、よほど慎重にやらなくちゃならぬ、こういうことでありますし、あくまでこれは警備出動であって、こちらの保護ということが中心になっているものである、かように考えております。 それから次の、装備の国産化、つまり武器輸出の問題、これはおっしゃるとおり、日本の防衛装備というようなものも比較的少のうございますから、日本の自衛——防衛庁の購入するものだけでなかなか産業をもり立てるということはむずかしいことだと思います。しかし、輸出につきましては、現在も原則がありますが、やはりいまの原則を守りながらいくべきである。そこにむずかしさがあるのでございますけれども、しかし、そういう原則を守りながら、やはりあくまで原則としては日本の装備は国産品でやるという原則を打ち立てていきたい。そこで私は、研究開発費とかいうようなものを——防衛庁の技術研究本部でそういうものをもり立てていく、そうして研究を進めていきたい、かように思っております。何とか兵器工業会とか、それから経団連がどうだとかいうことがありますが、それはもう私どもの考え方とは無関係でありまして、私は、この綱紀という点は、これは慎まなければならぬ、けれども、そういう国産品をもり立てる意味において、防衛庁なり通産省なりがこれを指導するということは当然のことだ、あくまで誤解を受けないような綱紀粛正はしっかりやっていかなければならぬけれども、またそれとは別に国産をもり立てていくということはやはりやるべきものである、かように考えております。 それから、最後の今度の駐留軍の解雇の問題、これは詳細は施設庁長官から答えると思いますが、私自身としては、約千人——ほかへ移る人もありますから千何人から差し引いて九百何十名かと思いますが、やはり自発的にやめたいという人もその中にあります。しかし、やはりわれわれが責任を持って、そうして配置転換なりあるいは他のほうに就職のあっせんをやるべきだ。これはひとり防衛庁ばかりではなく、政府全体として、ちょうど石炭の労務者に対するいろいろな考え方があって、みなそれぞれ再就職の道を考えたように、関係閣僚にも協議をしながらこれの対策を講じていきたい、こういう考えで、詳細は施設庁長官からお答えいたします。
○山上説明員 ただいま大臣からお答えいたしましたとおりで、私から特にもう詳細に申し上げることもこざいませんが——数を先ほど千七百十九名とおっしゃいましたが、千七十九名という数字でございますので申し上げておきます。その通告を実は昨日受けたところでございまして、この数は整理をいたすという数ではなくて、米側の従業員の定数をこれだけ削減する。その事情といたしましては、予算の削減あるいは経費の節減、いわゆる一〇%減というような世界的なアメリカの政策の一環としてそういうものを考えるというような趣旨でございまするが、考え方としては、私どもが従来いろいろ申しておりました基地の整理の方向に沿うものではないかという感じを私は持っておるわけです。まだこれは詳しく確かめてはおりませんけれども、そういう考え方だと思います。ただここでいろいろ基地の動きにつれて人員整理が行なわれるということになりますと、基地の労務者に非常な影響を与えまするので、われわれといたしましてはこの影響を極力少なくしていくということはかねて考えておるところでございまして、実は昨年から御承知の特別給付金を相当飛躍的に増額したのも、そういったような整理の方向に対処してやめられる方々の手当を増そうという考えで対処したのでございまするが、今回の削減というのは、相当数の、数の点でここ数年来にない大きな数字になっておりまするし、したがってこれらの配置転換をいたすとか、あるいはいろいろ希望退職の方がおれば、これはまたそれを募るというような措置をいたすにいたしましても、相当の期間を必要とする。御承知のように労務基本契約では四十五日の事前通告ということで、昨日の話では十一月末を目途ということを米側ではいっておりまするが、われわれとしてはこういうことが可能な期間をできるだけ延長するというような措置で円満にやるようにいたしたい。 また、ただいま大臣からもお話しのありましたように、これらの人々の配置転換あるいは希望退職、あるいはそれぞれの就職あっせんというような、いろいろな方法によって部内でできるだけ充足をする。しかしどうしても整理しなければならぬというような数がかりにある程度出てきた場合におきましては、これまたそれぞれの方々の再就職のあっせんその他につきましても最善の努力をいたす、そういうような考え方でおる次第でございまして、これらの処置につきましては、われわれ政府といたしましてもできるだけこれらの方々に御迷惑のかからないように努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○大出委員 これでおしまいです。簡単です。 いま一番最初の海上における警備行動ですが、これはいま長官のおっしゃった答弁でもちょっと不満足でしてね。これは前にすでにだいぶ論議をしまして相当詰まっておる問題なんですよ。ですから、よほどのことがなければ正当防衛というような範囲に限られるのだとおっしゃるけれども、よほどのことがあってはたいへんなことになる。よほどのことがあっては困る。よほどのことがあると、先ほど受田さんが言ったところに発展しちゃって、海上における警備行動じゃなくなっちゃう。あくまでも海上における警備行動ときめられているワクの中で、絶対そのワクの中でやるというのでなければ困るわけでございますから、そこのところは宍戸さんのほうから明確にしていただきたいのです。
○宍戸説明員 お話しのとおりでございまして、海上における警備行動については限界があると思います。法律的にも理論的にもあると思います。 まず分けて申し上げますと、行動上の限界があると思います。それから一つは武器使用上の限界があると思います。行動上の限界としましては、人命、財産の保護、治安の維持というふうな趣旨でできておるわけで、先ほど申し上げました警察行動である、つまり国際的な侵略に対して自衛権が発動するということではなくて、人命、財産の保護という警察行動であるというところに行動上の限界があると思います。 それから武器使用に関しましては、先生御指摘のように自衛隊法の九十三条で警職法の準用ということになっております。警職法の準用ということですと、結局犯罪の防止、鎮圧、捜査、犯人の逮捕といったようなことのために武器を使うということになるわけです。ただ、武器の大きさについては直接法律には規定はございませんけれども、いま申し上げました趣旨から、ミサイルを撃つとかいうようなことにはなりませんで、こういうことに使用する趣旨に合うような武器であるということがおのずから出てくる、こういうことになろうかと思います。
○大出委員 これは携帯し得る、さげていくのですから、大船巨砲の巨砲のほうなんということはあり得ない。いまの御答弁ならば、大体そういう従来の論議でございますから、そこをはっきりしていただきたい。 それから、二番目の兵器輸出の問題なんですけれども、AR18なんという小銃も開発されています。短いし、銃床にジュラルミンをつけてあるのですから軽い。もう八百メートル離れて、いま使っている鉄かぶとをぽんと撃ち抜く威力があるわけでありますから、東南アジア各国がほしがるのはあたりまえです。イスラエルのダヤン国防相も言ったとか言わぬとか。中東戦争のとき問題になっている迫撃砲、追尾ミサイル、これは技研が開発したのだそうですけれども、こういうふうなものがある。さすがにかつてたくさん武器をつくっていた日本ですから、優秀な武器ができるのはあたりまえです。しかし問題は、産業界が言っているのは、いいものを安く、しかも防衛庁単価に合わしていいものを安くつくろうとすれば、たくさんつくり得るシステムにしなければ、いいものはできない、安くもならない。だとすれば、やはりそういうシステムにしなければならぬじゃないか。そうすると、よけいつくる限りは、そんなに防衛庁には必要ないわけですから、国の予算の関係もあるので、それをどこかに輸出するということにしなければ、自主防衛を強めて兵器国産を考えてもやっていけないのではないか。いわば資本の原理がある。何かそっちのほうは私は知らぬということを長官おっしゃるけれども、それでは防衛庁長官はつとまらぬと私は思う。それでも何でもかんでも兵器輸出というものは認めないんだと言い切れるのですか。ここのところを私ははっきりしていただきたい。それならそれで話はわかる。この点いかがですか。
○有田国務大臣 先ほど御答弁申しましたように、兵器輸出についてはいま一つの原則は立てております、こういうところには売らないという。その原則を守りながら、その範囲内でやっていこうということを私答弁したのでありまして、兵器輸出を絶対やるとかやらないとかというのじゃなくて、いまの原則を守りながら、輸出すべきものは輸出しよう、こういう考えです。
○大出委員 それはおかしいのですよ。原則とおっしゃるけれども、いまは政府は兵器輸出は認めてないのですよ。フィリピンのものだけは例外なんですよ、プラントなんだから。だったらその原則を説明してください。
○有田国務大臣 私は、大出さんはもう三原則は十分御承知の上という前提に立って、具体的に言わず三原則と申しましたが、その三原則につきましては、ひとつ間違いがあってはいかぬから、政府委員の装備局長から答弁させます。
○蒲谷説明員 現在、兵器の輸出についての外務省、通産省の方針といたしております原則は、第一点は、紛争当事国には出さないということ。第二点は、国連で決議をした輸出をしてはならぬという国には出さない。それから、共産圏には出さないという三原則がありまして、その原則に照らしていま規制しております。
○大出委員 そこで私がいま聞いているのですが、つまりフィリピンなんかもフク団がありますけれども、紛争国ではないのです。輸出の送り状を見ると、小銃のたまをこしらえるプラントなんですけれども、金属加工機械ということで輸出しているわけですよ、四十一年のものは。そうすると、詰まっていけば三原則があるからと言う、それに抵触しないのだと言いたいわけでしょう。そうすると、そのワクの範囲でものを考えると、タイ国だっていろいろなゲリラがあって、いろいろになっている。兵器がほしくてしょうがない。サリット氏が日本に来たというのは、裏にはこの目的があったと言われるくらい世の中の文筆の方々がお書きになる、当然そういうふうに見るだろうと思う。そういうところは、かくかくしかじかで紛争当事国ではないのだからということになるとすると、だんだん兵器輸出のしりが抜けていって、三原則の範囲内、範囲内と言いながら、三原則がそういう形で拡大されていくということにかると、これは結果的になしくずしに兵器輸出を認めることになる。 そこで私は、そう他人事をおっしゃらずに、防衛庁の長官なんだから、いわゆる紛争当事国でない限りは、まあ、いま三原則といってもしかたがないのだというふうにワク内解釈ができるのだというふうにお考えなのか、そうでないのか。だから問題ないと言い切れるのか、聞きたいのはそこなんだから、そこらのところを言っていただかぬと、こんなに財界の会議が持たれて、今度は条件をつけて、兵器輸出についてうんと言わなければ金を出さぬとまで論議されているわけですから、しかも国会が終わったとたんに船田さんが、船田私案なんて、兵器輸出を許可すべきであるなんということになってくると穏やかでないから、やはりはっきりしておいていただかぬと困る、こういう意味で聞いているのですから、はっきり答えてくださいませんか。
○有田国務大臣 私ははっきり言うているもりですが、三原則の範囲内でやっていく、こういうことを申し上げます。
○大出委員 これでやめます。では、タイ国だとかフィリピンだとか、国内にいろいろなゲリラだなんだというのがあるのは、紛争当事国じゃないのですな。
○蒲谷説明員 紛争当事国という概念は、外務省のほうで、国際情勢の中で決定されてくるという問題でございまして、フィリピンがどうか、タイがどうかという問題は、むしろ外務省の判定と思っております。
○華山委員 関連。紛争当事国というのは、いまベトナムに出兵している国は紛争当事国になるのか、このことを聞いたところが、ベトナムに出兵している国はすべて紛争当事国だ、そう言っているのですよ。私にそう答弁している。したがってベトナム戦争が終わった暁には、これらの国が紛争当事国でなくなるのであって、どこにも輸出ができる、こうなるのじゃないのか。だから三原則でやりますということは、ベトナム戦争が終われば、どこの国でも、この近辺の国には日本は武器を輸出できるということになるのじゃないのか、その点ひとつ長官お考えになって御答弁願いたい。
○蒲谷説明員 ただいま華山先生のおっしゃったように、現在のベトナム出兵国は紛争当事国という概念をとっております。しかし、ベトナム戦争が終わった場合にどのようになるかという問題は、その時点で考えるべきで、たとえば、現在ベトナムに出兵していない南米のある国に対しましても、付近の国と紛争がある、紛争のおそれがあると出しておりませんので、その点はベトナム戦争が終わったからといってすぐ出すということではなくて、その時点で、現在の国際情勢で、日本の政策として判断されるということであります。
○藤田委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 先ほど受田議員から基地の問題についていろいろ質問がありました。私は具体的な問題として、きょうは立川の基地についてちょっとお尋ねいたします。 在日米大使館が、三日外務省に通告してきたところによれば、立川基地が近いうちに飛行停止をすると発表されたが、そのいきさつについてまずお伺いします。
○山上説明員 三日の米軍の発表によりますところの立川におきますところの飛行業務の停止につきましては、府中の第五空軍司令部で発表されておりますが、これは、立川基地における飛行業務を、近い将来、基地の大部分の飛行部隊及び飛行活動が米国または横田基地に配置転換された後に、その飛行業務を終結する予定である、これは国防長官が八月に発表された軍事費の削減及び米国大統領の海外要員一〇%の削減発表、そういったものの結果計画された一連の措置の一部として行なわれるものであるというふうに、米側からは申しておるのでございます。したがいまして、こういう立川におきますところの飛行業務の停止ということは、米側におけるところのそういった国防費の削減であるとか、あるいは全体におけるところの海外要員の削減といった趣旨から、これを削減するというふうに、われわれも受け取っておる次第でございます。
○鈴切委員 防衛施設庁では、立川基地の返還を促進するために、日米合同委員会でこの問題を取り上げる考えはないか。また、具体的にはどのような点を基本的な構想として折衝をされるつもりでいるか。また、日米合同委員会で折衝されるとするならば、いつこれを問題提起をされるのか。また、話のぐあいによって、いよいよ返還をされるというふうになった場合においてのあと地使用計画というものについては、御構想はあるのかどうか。その点についてお伺いいたします。
○山上説明員 米軍の飛行業務停止の発表には、同時に、立川基地におきますところのその他の支援機能は継続されるということを申しておるのでございます。また、しかしながら、同時に海外派遣軍の合理化について研究しておる、それはその後そのたびに発表するというふうに申しておりますので、この点につきましては、現在のところ一応われわれが確かめたところでは、米側としては、現在の施設については、一応支援業務等によって使っていくという形というふうに承知いたしております。しかし、この飛行活動の業務が停止されるということになりますれば、その間に滑走路が余るではないかというような問題もございましょうし、いろいろな面で、今後、われわれとしても、整理の問題を取り上げていくということも、あるいは考えなければならぬのではないかとも考えております。ただ、現在のところ、それらにつきまして、はっきりした米側の意思表示もございません。われわれとしては、これらについては、もう少し検討を加えた上で、いかなる措置をとっていくか、合同委員会でどういうふうにしていくかということをきめてまいりたい、かように考えております。
○鈴切委員 合同委員会に持ち出す問題でありますけれども、すでに米側のほうから、この飛行活動の停止ということを通告されてきている以上は、合同委員会はたしか隔週ごとに開かれておると思うのですが、この次の週におけるところの合同委員会に、この問題を、真意も含めて、その返還等についても交渉されるかどうか、その点についてお伺いいたします。 〔委員長退席、三原委員長代理着席〕
○山上説明員 合同委員会は、明日ある予定になっておりまするが、直ちに正式議題として取り上げるという考えはございませんが、米側の意図につきまして、いま少しく詳細なる情報を得るような努力はいたしたいと思っております。整理ということで直ちに交渉を開始するという段階では、まだないというふうに考えております。
○鈴切委員 飛行活動と関係のない通信などの支援活動は続行されるということでありますけれども、飛行場の場合におけるところの飛行活動の停止というものは、事実上の第二条第三項に該当する議題として十分に私は問題提起できるのではないか。そういう意味において、私はこの際、防衛施設庁としては、この全面返還、あるいは全面返還にならなくとも一部返還については、当然問題提起をすべきである、そのように思うわけであります。その点について、少し防衛施設庁長官は弱気であるような感じを受けるわけでありますけれども、その点についてもう一度その所信のほどをお伺いします。
○山上説明員 ただいまお答え申し上げましたとおり、あと地の利用方法その他について、いま少しく詳細なる情報交換をした上において、必要なればさような措置を考える、返還等の要請をするというふうに進んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○鈴切委員 立川基地の返還交渉は、昨年の暮れの安保協議委員会の整理縮小の対象になった五十カ所の中に入っておらないように思うわけでありますけれども、これ以外にも防衛施設庁としては、独自に返還交渉したいと考えておる基地がおありであるかどうか、それについてお伺いします。
○山上説明員 先ほど受田先生の御質問にもお答え申し上げましたとおり、基地の整理につきましては、ただいま、昨年十二月の日米安保協議委員会において話のありましたものの実施について努力いたしておる段階でございます。したがって、われわれとしては、まだそれが全部片がついておりませんし、一気に何でもかんでもというわけにはまいらぬというふうに考えております。したがって、まずこれの整理を第一義に努力いたしたいと思っております。しかる後において、われわれは、基地の実情が、何べんも申しますように、利用度が少ない、あるいは、十分使われておらないというようなものにつきましては、整理なり統合なりということをいたしていくのが当然ではないかというふうに考えておりますので、その後の第二段の措置としては、そういう問題を今後検討をしてまいりたい、かように考えております。
○鈴切委員 第一段において確かに、五十カ所におけるところの返還の交渉は、これは重点に話を進めなくちゃならないわけでありますけれども、それと同時に、やはり、第二段として当然、周辺に公害をもたらしておるところの基地については、この話を進めていかなくちゃならぬではないか。これを終えてからようやっとそれを手をつけるなんて、そんななまやさしいことでは、現在、その基地の周辺で公害に悩んでいる住民は、防衛施設庁長官の要するに弱腰に対してふんまんやるせない思いで聞いているのではないかと私は思うのであります。その証拠に、日米安保協議委員会で話題に出なかった立川基地の飛行停止が急にアメリカから通告が出た。施設庁としては、もっと独自に基地返還交渉に対して、問題の提起を含めて、やはり強力な態度でいかなければ、こういう問題はなかなか進まないのではないか。向こうの言っているのに対してこちらで待っているというような、そういう行き方でなくして、私は、防衛施設庁としては少なくとも、米軍の基地総点検というのは、私どもの公明党が基地総点検をやった、それを踏まえてかなり詳しい総点検をやられているのではないかと思うのですが、その点について明らかにその所信のほどをお伺いいたします。
○山上説明員 遊休施設等の返還の問題については、すでに昨年の九月の日米協議委員会の事務レベル協議会におきまして、政府の考え方を米側に話をいたしておるのでございまして、考え方といたしましては、当然単に十二月のものだけが前提でそれだけをやっていくという考えではなく、私どもとしては、遊休施設についてはこれを整理なりあるいは集約なりしていくということは考えておる次第でございます。ただ、具体的にこれを処理していくのは順序立ててやっていくのであるということを申し上げておるのでございまして、その辺もひとつ御了承願いたいと思います。
○鈴切委員 運輸省の航空局来ておられますか。——それではお聞きいたしますが、羽田の飛行場の使用状況と将来の計画についてお伺いいたします。
○丸居説明員 羽田の使用状況でございますが、羽田は、たびたびここでも申し上げますように、離発着回数の能力が十七万五千回というのが大体の限度でございます。ただいまのところは十四万回弱のところでございます。それは国際線と国内線と両方でそれだけでございますが、国際線が三万回弱。これが十七万五千回に到達するだろうと考えられる時期は昭和四十六年中であろう、大体五年度末というようなところに時期を合わしております。それで、その時期に合わしまして新東京国際空港の建設をいま急いでおるわけでございますが、そういう時期に新東京国際空港が供用を開始することができますれば、国際線を全部新東京国際空港へ移していくというふうにしたい。そうしますと、その時点においてはおそらく国際線が三万回ちょっと余るだろうと思いますので、その三万回余りの範囲においては国内線がそれだけ羽田によけい着陸できるというふうに考えておるのであります。しかし、もうすでに御経験なさった方も多いと思いますが、羽田を工事しておる関係もございますけれども、すでに上空でかなりの時間待機するというふうな状況にもなっておりますので、それの措置といたしまして小型機を羽田へなるべくおろさないようにしてという措置をとるようにいたしております。それからもう一つは、まだいま十七万五千回になっておりませんので、もう少し着陸援助装置、これは電波施設でございますが、こういうものの精度を高めることによりまして、もう少し需要に応じられるようになるのではないかということで、そういう点の強化をはかるような措置もとっております。それから、時間帯がある時間帯に集中するのが大きな原因になっておりますから、最初からそういう時間帯にスケジュールが集中しないように、航空会社等とも打ち合わせをいたしまして措置をとるようにいたしております。
○鈴切委員 羽田飛行場の現在の使用状況については、確かに羽田飛行場がフルに使われるときには十七万五千回だということは聞いております。ただし、いま現在B滑走路は工事中でありますために使用ができない。たしか十一万五千回ぐらいしか使用されていないのじゃないか。あるいはもう少し使用されているかもわかりませんが。それが今度B滑走路ができれば十七万五千回は使えるようになるし、国際空港の成田ができあがりますと、これは国際空港として約二十六万回。そうなりますと、国内線がはたしてそれで十七万五千回より減るであろうかということになると、いま現在非常にたくさんの申し込みがあるために断わっている等も非常にあるということからいうならば、行く行くは十七万五千回の国内線というものはやはり使用されるのではないかという観点から考えていきますと、どうしてもいまの羽田では国内線自体でも足らなくなってくるのではないかということから、この立川基地については、すでに運輸省では防衛庁を通じて小型機用の発着に使わしてほしい旨の要望を出した、そのように聞いておりますけれども、羽田飛行場の使用状況から見て、もし飛行場が返還をされるというならば、第二の羽田飛行場というような、そういう考えを持っておられるのではないか、そのように思うのですが、その点についてはどうでしょう。
○丸居説明員 米軍の基地が使われなくなりましたときには、横田であるとか厚木であるとかいうふうな基地は大きいですから、これはわれわれ民間に使わしていただいても十分使わしていただくだけの値打ちがあるわけですが、立川の基地は滑走路が千五百メートルしかございませんしいたしますので、大きな飛行機を持っていくということはちょっとできないのであります。民間の航空機もだんだん大きくなりまして、どうしてもやはり二千メートル以上くらいの滑走路が必要な飛行機が多くなってまいっておりますので、千五百メートルではちょっと短か過ぎるように思っておるわけであります。しかし、羽田で飛んでおります飛行機も必ずしも大型機ばかりではございません。やはりかなりたくさんの小型機が飛んでおりますが、そういうものは立川の基地で十分飛べますし、それから必ずしも羽田という都心から非常に近いところでなければならぬような飛行機ばかりもございませんので、立川基地がそういうことで返ってまいりましたときには、ぜひひとつそういう飛行機を立川で使わしていただくようにさしていただきたいというふうに考えまして、実はまだ施設庁のほうへもお願いを正式にはいたしておりませんけれども、できれば適当な機会を見まして正式にお願いをしたいと考えておる状況でございます。
○鈴切委員 もし返還されれば、そのあと地計画についてはやはり地元の意見等も十分参考にされて使用をしていくべきが原則ではないか、周辺が公害等で非常に悩んだ問題等も含んで、今度そういうふうなことになるとするならば、私は基本姿勢としては十分に自衛隊あるいは地元の人たち等の考え方も聞いてやるべきではないか、そのように思うわけであります。基本的な考え方を防衛施設庁長官お願いいたします。
○山上説明員 立川の問題につきましては、ただいま飛行業務の停止ということの発表があっただけで、その後どういうふうにするかということにつきましては、いま少しくはっきり調査した上でないと返還云々ということにはならないかと思いまするが、返還後、もしかりに返還ということになった場合のその後の措置をどうするかということにつきましては、もちろん地元あるいは関係機関の御意向を十分に尊重してまいるということになると思います。いずれにいたしましても、その後どういうふうにするかということの問題は、必ずしも防衛施設庁で問題をきめるという立場ではございませんで、大蔵省等が主体になって政府——われわれもちろん関係はいたしまするが、そういうふうなことでございますので、私が直ちにどういうふうにするというふうに申し上げるべきではないと思っております。
○鈴切委員 それと同時に、先ほども大出委員から質問がありましたけれども、千余人の定員を削減するという通告があったわけですけれども、それについて、防衛施設庁長官並びに防衛庁長官は、その再就職のあっせんや配置転換が労務者の犠牲にならないように善処をするという意味の御答弁がありました。その点は十分に考慮をされていただきたいと思うわけでありますけれども、現在の労働協約からいいますと、四十五日間の通告によっていわゆる首にすることができるということになっているわけですけれども、四十五日間というのは、あっという心の準備すらできないうちにそういうふうな処分にあってしまうということになってしまうのですが、私は、少なくとも三カ月から半年くらいは事前に通告をしないと、今後基地の返還がだんだん進んでまいりますと、こういう問題は非常に大きな問題になってくるのではないかと思うのですが、そういう点について、労働協約について防衛施設庁のほうとしては米軍と話し合いをされる用意があるかどうかということについてお伺いいたします。
○山上説明員 従来、労務基本契約におきましては、御案内のように四十五日という整理通告期間、その間に調整をいたすということに相なっておるわけでございますが、このたびの事態は、過去数年来にない大きなものでございまして、こういった大量的な問題の処理にあたっては、いま協約にある四十五日ということでは必ずしも十分じゃないというふうにわれわれも考えております。ただ、この場合、直ちに協約を改定する云々というふうには必ずしもいくかどうかは別といたしまして、今回の措置につきましては、これはもう少し期間をできるだけ延ばすというような、その間に十分円満な調整をしていくようにしたいというふうに考えておる次第でございます。
○鈴切委員 話題は変わりますけれども、去る六月の二十九日、新島本村の前浜海岸において、砲弾の爆発事故があり、死亡者を含む重軽傷者を出した事故について、その事故の概要をお伺いいたします。
○山上説明員 では、私から簡単に申し上げますと、この新島本村において旧日本軍弾薬の爆発によって発生した事故は、本年の六月二十九日、新島本村前浜海岸の砂防堤付近で、同村の新島中学校三年生四人が遊んでいたところ、砲弾——これは直径が七センチくらい、長さが三十センチくらいのものだそうですが、これを二個発見して、そのうち一個を火の中に投じて一時避難した。それほど大きな爆発でなかったために、もう一値を火に投じたが、これも爆発しなかったので、そのまま火に砂をかけて帰ってしまった。そうしますと、そのあとへそこの海岸に海水浴に来た少年が三人、前のたき火の残り火を発見して、寒かったので木片を集めて三人がその場所でたき火を始めて、約十分経過したところ、突然爆発した。そして前田国徳という少年が即死、宮川橋一という少年が顔面爆傷、右の眼球破裂の重傷、梅田順という少年が軽傷を負った。宮川橋一は、現在都立の駒込病院で入院加療中であるというふうに事故の現状を承知いたしております。
○鈴切委員 新島在島の働ける住民及び船舶を全部動員いたしまして、終戦後連合国占領軍将校の直接指揮によって約十日間にわたって弾を本村前浜海岸に集積し、前浜沖二キロの海中に投棄したことが判明して、非常に危険である、そのようにいわれてきたにもかかわらず、今日までなぜこのことを処理しなかったか、その点について……。
○山上説明員 危険物の除去ということでございますので、これは必ずしもそういう場合に施設庁は担当いたしておりませんので、防衛庁のほうからお答えいたします。
○宍戸説明員 私具体的な事案についてはまだ承知いたしておりませんが、陸上自衛隊では不発弾の処理等の業務を行なっております。法律の規定もございますし、実際の業務としても行なっております。一般的に申し上げますと、年間二千件からの件数、あるいはトン数でいいましたら百トン前後のトン数を処理いたしております。そういう危険物がありましたら、町村当局なりあるいは警察当局から通報なり御依頼があって、自衛隊が出かけていって処理するということで、いま申し上げたような件数、トン数でやっておるわけでございます。 ただ、お話の新島の件につきまして、どういうふうな通報があったか、どういうふうな行動をしたかということは、いま私承知いたしておりませんが、もし自衛隊まで通報があったとしますると当然やっておるはずなんでございますが、やってないというお話であれば、陸上自衛隊としてはまだその通報を受けてなかったのではないかと思います。
○鈴切委員 ずいぶん無責任な話でありますね。それは、まず第一に、新島でそういうふうに海中投棄されて、島の人たちが非常に危険だということを言っておったにもかかわらず、全然処理をされないままに今日まできておって、そうして事故が起きてから初めてさあたいへんだということで実際の処理に当ったわけでありますけれども、実際にこの弾が新島の前浜海岸二キロ沖に投棄されたという事実を防衛庁では知らなかったのかどうかということなんです。それと類示する問題として、全国にやはりこういうふうな問題があろうかと思うのですが、それに対して防衛庁としては、少なくとも米軍からこういうふうな問題についての受け継ぎがなかったのかどうか、それについてお伺いします。
○宍戸説明員 一般的にそういう危険物の処置、発見の通報なりその処置につきましては、市町村当局、地方公共団体、特に警察等が第一次的に責任に任じて、そうして住民の保護をしているというのが行政のたてまえになっておると思います。しかし警察等でそういう危険物を処理できないという場合に、自衛隊に依頼があって、自衛隊としては専門技術を活用してその支援を行なうというのがたてまえでございます。その支援の活動ぶりは先ほど申し上げましたとおりでございます。 〔三原委員長代理退席、伊能委員長代理着席〕 お示しの新島等にそういう危険物が海中に投棄されておったという事実は、私自身は承知いたしておりませんでしたけれども、町村当局なり警察当局が十分調査をしておったのかどうか、それも存じておりませんが、すべきであったのではないか。そして、かりに危険と判断をして、技術的な処置が必要であるというふうな判断をされれば自衛隊に要請がある、こういう筋道のものであろうかと思います。
○鈴切委員 たとえば機雷等の問題については、米軍が戦争中どれだけの機雷を敷設したかということについては、すでに日本側に対してその内容等を全部知らしてあるということは、この間、私、呉の海軍の司令官にお聞きしているわけであります。それによって、その場所をさがしておるけれども、実際には見つからないのもある。こういうことなんですが、米軍が今日このような処理をしたたまに対して、非常に危険であるという立場に立って、当然その内容等については、防衛庁としては受け続いで、そしてその検討をすることが今後必要ではないか。また、現在日本の国において、そういうふうにして処分をされた問題が全然わからずして、事故が起きて初めて防衛庁として動き出すというようなことは、私は非常に職務怠慢であると思うのですが、その点について、防衛庁として米軍とお話し合いをし、またどういうふうな処理をされたかということについての資料は全然ないのかどうか、これについてお伺いします。
○宍戸説明員 機雷等の処分につきましては、海上自衛隊で米軍からの情報もできるだけ得、かつ警察、市町村当局からの情報も得まして掃海等の処分をやっております。それで、お話しの旧陸軍なり米軍の爆弾等の危険物が、実際に住民の危険になっているということでありましたら、自衛隊としては、その通報を受け次第積極的に支援活動をするということはやぶさかではございません。ただ、積極的に住民に対してどこにどういう危険があるかというふうなことは、通常そういう行政を自衛隊としては担当いたしておりませんので、市町村当局なり警察のほうの通報を待つしかない。別にその職務的権限争いをするつもりはございませんけれども、常時そういうことを知るだけの行政をやっておりませんので、そういう行政当局からの通報を待って、自衛隊としては万全の支援をいたしたいというのがわれわれの姿勢でございます。
○鈴切委員 私は防衛庁は非常に怠慢ではないかと思うのです。その点について、少なくともそれだけ海中に砲弾あるいはそういうたまを投棄してあるということに対しての何らかの資料は、アメリカにその提出方を求めるべきではないか。そして、それに対して非常に危険であろうと思うところについては、積極的にそういうふうな回収をすべきではないか。事故があってから、地元のほうの要請によってやったのでは、とうとい命がもうなくなってから、結局はあとの祭りというかっこうになってしまうわけですね。現在、新島におけるところのそういうふうな砲弾等で事故があってから、驚いて防衛庁としてはその回収に当たったわけでありますけれども、それでは、どれだけのたまが回収できましたか、具体的にひとつ。
○鐘江説明員 陸上自衛隊で付近を捜索いたしました結果、砲弾が十三発、銃弾百六十発が発見されまして、これが新島の警察署に保管中でございます。
○鈴切委員 あなたは、よく内容を知らない。新島の警察署長が出した証明によりますと、手りゅう弾が五発、砲弾が五十発、それから信管が百七発、薬きょうが百三十発、迫撃砲弾が六発、小銃弾が七千六百四十発、弾種不明が十二発、合計七千九百五十発が発見されているのではないか。あなたは、どういう調査をしているのですか。訂正しなさいよ。
○鐘江説明員 ただいま申し上げました数字は、中間的な報告でございます。最近の数字については、資料を持ち合わせておりません。
○鈴切委員 こういうふうにいいかげんに処分がされているということは、私は大きな問題じゃないかと思う。この七千九百五十発の砲弾は、どのようにあと処分がされているのですか。七千九百五十発の砲弾が海中に投棄されて、そしていまだに見つからない砲弾等もあるでありましょう。それが漂流してきて、二発がそういうような事故を起こしたということに対して、中間報告だけで事を終わらせてしまうような、そんな怠慢な防衛庁は、私は国民に対して申しわけないと思う。その点、防衛庁長官どうですか。
○有田国務大臣 それぞれの事情があったのでしょうけれども、そういうことが事実となれば、まことに遺憾に存じます。したがいまして、今後そういうことには十分注意を払っていきたい、かように考えております。
○鈴切委員 昭和四十四年の八月十二日に、警視庁の新島警察署長の証明で、七千九百五十発という砲弾が回収されたという証明が出ているわけです。それであるとするならば、当然この問題に対して、この処分方ももう一度検討すべきではないか。なお、いままでそういうふうに海中投棄あるいは処分が不明であった問題に対しても、私はもう一度ここでこういう危険性のある問題に対しては、やはり善処していかなければならないと思うのですが、その点について長官お願いします。
○有田国務大臣 先ほど御答弁申しましたように、この上とも十分留意して善処したい。ただ、こちらからもお願いしたいのでございますが、警察署長がそういうことを知っているならば、島民の皆さんにもよく注意してもらって、まだ残っているかもしれない、そういうものは、こうしてこういうふうにせよとか、官民ともに注意してもらわぬと——そういうものを持って、そしてもてあそんで、そういう事故があったことはまことに遺憾である。こちらも注意するが、島民の皆さんにもそういう扱い方に対して注意をするようにお願いしたい。
○鈴切委員 注意するというのではなくて、そういうふうな危険性のあるものに対して、積極的に防衛庁として今後処分をしていくべきではないか。こういう危険な、しかも死に至らしめたような状態の問題が起こってから騒いだのではおそいということであります。ゆえに、きょうここで論議をされている段階において、そういうふうなことがわかったならば、一度は、やはり米軍のほうに、その処分方について、資料がなければ、こういうふうなことがあったかどうかということについて申し出すべきではないか。ただ注意をする注意をすると言ったって、たまが流れてきて、言うならば、たまたまそういうふうな事故が起きたということになれば、私は非常に大きな問題だと思うんですよ。そういう点について、防衛庁長官は積極的にこういう問題について取り組むかということです。
○有田国務大臣 注意をするということは、当然その問題と取り組んで善処するということでありますが、しかし同時に、ああいう事故を起こしたのは、その扱い方が、危険なものにもつと注意してやってもらわぬと、やはり海のことですから、何ぼさがしても、またどこへ流れていくかも知りませんから、私のほうは十分善処しますが、同時に島民の方々もこういうものをもし拾ったりしたときには注意してこうしてくれ、こういうことを申し上げているわけです。
○鈴切委員 明らかに連合国の占領軍時代の行為による被害者であるとすれば、給付金の支給に関する法律によって当然給付金の支給をしてやるべきではないか、このように思うのですが、その点いかがですか。
○山上説明員 連合国の行為とこの爆発との関係には相当因果関係がございます。ございますので、そういった点につきましては給付金の対象として考える事案の一つになると思いますが、ただ、この給付金の法律には、この事実の中にございまするように、第三者であるところの学生の行為というものが間に入っておりまして、それがどういうふうになりますか、法律によりますと、故意もしくは重過失の行為があった場合にはこれはできないというような規定もございますので、それとの関連をかれこれ考えなければいけないというような事態でございますので、目下慎重に検討をいたしておるという段階でございます。
○鈴切委員 確かに故意または過失によるかよらないかということについては、警察のほうで取り調べ中でありますのでどうとは言えないにせよ、このような砲弾が現実に漂着した、そしてなお危険をはらむ砲弾が多数発見されたということについては、原因はその処分の怠慢によって起こった事故と私は言わざるを得ないわけです。また、有為な少年を死に至らしめ、不具者とならしめ、また罪として問われる立場にさせたのも、そのもとをただせば、原因は全部そこにあるのではないかと思うのです。とすれば、当然この種の問題について、故意または過失でないとすればどのような種類の給付金が考えられるか、それについてお伺いいたします。
○山上説明員 給付金の支給できる範囲といたしましては、旧法による給付金として障害給付金、遺族給付金、葬祭給付金、それから新法による給付金として特別障害給付金、特別遺族給付金等を支給できることになっておる次第でございます。
○鈴切委員 給付金等の支給額については、旧法と新法との支給基準があると思うのですが、その適用をどのように判断をされておるか。旧法だけにしかできないものであるか、あるいは新法においてもこれはできるというふうなお考えでいるかどうか、それについてお伺いします。
○山上説明員 ただいま申し上げたのは、いわゆる第三者の重過失というようなことがないとすれば、それだけはできるというふうなものを申し上げた次第でございます。したがって、できないほうから申し上げますと、旧法の療養給付金についてはできない、それ以外はできるというふうに御了承願います。
○鈴切委員 旧法による支給額というのは経済情勢等を勘案して、いまの経済情勢とは非常にかけ離れたという観点から一部改正が行なわれて新法等になったと思うので、そのいうふうにまず故意あるいは過失等でないという状態であるならば、少なくともいまいろいろ論議をされた中において最大の支給額をかわいそうな方々にこの際見舞うべきではないかと私は思うのですが、施設庁長官なり防衛庁長官は、このなくなられた方あるいは目を片目失ってしまって、いまだに病床についているという方々、あるいは軽傷を負った方々に対してどのようなお気持ちでおられるか、それについてお伺いしたします。
○山上説明員 おっしゃるとおり、この被害を受けた少年はまことにお気の毒な実情でございますので、ただいまの法の適用上重過失でないということになれば、できるだけ手厚い措置でやってまいりたいというふうに私も考えておる次第でございます。
○有田国務大臣 まことに遺憾なことであります。犠牲を受けられた方々に対してはまことに相済まぬと思います。いま施設庁長官が申しましたように、法律的のことはともかくといたしまして、われわれとしてはその気持ちを十分あらわして、けがをされた方、あるいはなくなられた方、あるいはその遺族等に対してできる限りの善処をしたい、かように考えております。
○鈴切委員 ではけっこうです。
○伊能委員長代理 浜田光人君。
○浜田委員 防衛庁長官、時間がないようでありますから、せっかく長官がおられるときに二点ばかり質問しておきたいと思います。したがって問題ずばり質問いたします。 第一点、きのうの夕刊から今朝にかけまして在日米軍の縮小問題が出ております。当面は雇用関係で縮小が出ております。したがって、前々から私たちは常に言っておったのですが、少なくとも人員整理をするときには当然基地の縮小が伴わなければならぬと思います。したがって、政府は当然それらの基地の縮小なり撤去なりを強く要求すべきだと思いますが、それらについて、ただ人員の首切りだけでなくして、そういう基地の縮小問題についてはどのように折衝をしておられるか、まずそれを一点。
○有田国務大臣 基地の従事者に対して整理が行なわれるということは、それだけ基地が縮小されるという前提に立ったものと思います。したがいまして、残された基地につきましては、それ相応のあるいは集約的の考えを持たなければ、たとえば千人おって五十人首になったからといって、その千分の五十だけというわけにはいかぬ場合もありましょうけれども、そういうことを配慮いたしまして、そうして返還すべきものは返還してもらう、あるいはその他使用転換してもらうものは使用転換してもらう、そういうような態度で臨みたい、かように考えております。
○浜田委員 そういう大臣の決意のほどですか、そういうことはわかるのですが、具体的にいままでいわゆる占領時代からずっと私たちがそういう基地問題にタッチいたしまして、とかくそういうことがかみ合っておらないのですよ。私たちが現地でもしばしば軍と折衝するときもそういう点は言った。したがって、これからの折衝では、ぜひ勇気を持って、当然人員整理をするときにはそれに伴った基地の返還、ただいま答弁なさったような、集約してそれらを返還さすということは、要望とかいう形でなくして強く要求してもらいたい、実行させてもらいたい。そうせぬと、いとも簡単に人員だけを整理、そういうかっこうに持ってくるのですから。これはいままでの調達庁時代からどうもこの二つはかみ合っておらぬですから、この時点では大臣は先頭に立ってやってもらいたいことを強く要望しておきます。 次に、大臣が出られるから大臣にずばり質問いたして、あとから施設庁長官のほうに質問します。 例の大久野島の毒ガス島、これはかっての軍がやったことですが、この前は陸上関係の毒ガスが五、六百トンも格納されておる点を言ったのですが、今度は海底にたくさん——占領軍が進駐する前にああいう国際法規上に違反する兵器をつくっておったからたいへんだというので、近くの海底にたくさん毒ガスを捨てておるのですね。たとえばホスゲンというような、きわめて危険なホスゲン関係を酸素ボンベ型に入れたままで何千本も海に捨てておる、こういうわけです。それは本日も三十何名、六つの漁協の代表者の方たちが陳情に来ておられる。そこで、この前から私は防衛庁に、いまの日本のこれらの掃海なりそれをやるのは自衛隊しか能力はないと思いますから、自衛隊のほうにしばしば折衝をお願いいたしておるのですが、いまだに地方の総監部に、それらがまだあるかないか、あるとすれば撤去するとかどうするということになるのですが、それをやるように正式指示をなさっておらぬようですが、その点はどのようにお考えになっておるのですか。いまだに指示なさっておられない。
○有田国務大臣 この問題は、先月のこの委員会におきましても浜田委員から詳細承った。所管は厚生省かその他かと思ったけれども、私は政府部内でそういうことをやらなくてはならぬ、ついては、実際に排除するというのは、おそらく見たところわがほうが一番力を持っておる。したがいまして、まずあるかないかの調査を第一にやる。あるということならば、これをわれわれのほうにおいて実行に移す、こういうことを浜田委員の前でも私ははっきり申し上げたと思います。その方針は変わっておりません。私もさようなことを内部で申したこともありますが、関係省と早く打ち合わせて、そうして、別に浜田委員のおっしゃることを疑うわけじゃないけれども、やはり順序としましてあるかないかということをはっきりと調査して、その上に立って、あるならばこれを早く取り除くように善処したい、こういう考えでおりますが、幸いにしてきょう夕方陳情団の方も見えるようですから、よく事情を承って、そうして善処したい、かように考えております。 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕
○浜田委員 そこで調査を、まずいまの能力からいくと、やはり地方の総監部に指示していただいてやってもらわなければならないわけですね。それで地方の総監部がある程度研究なり準備はしておるやに仄聞するのです。しかし正式な命令がないものですから、調査するまでいかないので、調査した後に、あるとするなら各省とどうするか、予算的にどうするかということ、こういうことはわかるのですが、その調査をぜひ地方の総監部に指示していただかなければできないので、その点をぜひやってもらいたいと思うのです。それは指示してくれますね。——じゃ長官いいです。また後刻にします。 ————◇—————
○藤田委員長 次に、公務員の給与に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 総務長官、この勧告が出ましてから日にちがだいぶたったわけですけれども、大蔵大臣が帰ってくるのが九日だというお話でありますけれども、その後の給与に関する七人委員会なり、また総理府という立場で以後どういうふうに進んでいるかをまずお述べいただきたいと思います。
○床次国務大臣 人事院勧告が出ました直後におきまして、直ちに給与関係閣僚会議を開きまして、その内容を報告いたしまして意見を交換したのでありますが、早々でございましたので、十分な内容ある意見というものは出ずにまいりました。その後九月の十九日と思いますが第二回の給与関係閣僚会議を開いたのでございます。いろいろと意見を交換いたしましたが、財政の事情等も説明を聞きました。それぞれ意見の開陳があったわけでありますが、しかし、いまだ最終的な決定をいたすのには熟しておらないということでもって、第二回は散会いたしました。 なお、大蔵大臣が欧米を回りますので、帰られました後を期して第三回を開きたい、それまでの間にはある程度までの検討の材料も進むのではないかという考え方でもって、近く第三回の関係閣僚会議を開きたいと思っております。なお、その間におきまして、委員会等におきまして質疑のありましたこと、並びに共闘会議その他から意見書等の提出を受けております。これは関係閣僚それぞれよく内容を承知しております。
○大出委員 福田さんが帰ってこられたあとの段取りでありますが、十四日、十七日あたりは閣議の定例日だと思うのですが、そのあたりで七人委員会を開く、こういうふうな予定を立てておられるおけですか。
○床次国務大臣 まだ具体的な日取りは交渉を進めておりませんが、帰られました後に、大蔵大臣の都合等を聞きまして打ち合わせを決定いたしたいと思います。
○大出委員 大ワクを聞きたいのですけれども、前回は木村副長官御出席の上で、九月の末あるいは十月に入るかもしれぬけれどもその辺のところで何とか決着をつけたいという答え方をしておられるわけでありますが、またその後十月の二十日くらいのところでという話までちらっと出たことがありました。きょうは保利官房長官に御出席をいただこうと思いましたが、党内の事情その他があって、最終的にぐあいが悪いというお話でございましたから、あらためて質問をするつもりでおりますけれども、担当の総務長官のほうで、大体いまの雲行きでいって、いずれにせよこれは佐藤さんがアメリカにおいでになるわけですから、その前にできるだけきめておきたいという話が前にありましたが、そのころまで見通しまして、大体どの辺のところまでにまとめようという実はお考えがおありなのですか。
○床次国務大臣 ことしの給与勧告につきまして、すでに勧告はありまするが、これの問題を決定いたしますのに、なかなか問題が多いのであります。したがって相当これを、情勢の推移と申しまするか、内外の情勢の推移、見通しを得るまでに時間がかかるのではないか。きょう午前中におきましても地方行政委員会において木村副長官からもお答えしておるのでございますが、まあ九月はどうか、十月そこそこになるんじゃなかろうか、訪米前にはある程度まできめざるを得ないことになるんじゃなかろうか、そういうような意味の答弁があったのでございます。
○大出委員 この十月二十一日には国際反戦デーなんというのもありまして、その前になどという話が一ぺんありまして、しかしこれは給与そのものではないということで、その時点であせってきめなくてもいいんじゃないか、十一月の中旬というところで、公務員の皆さんの団体が賃金ということで例年やっておりますような規模あるいはそれ以上の規模で考えておられるようでありますが、したがって訪米前ということになるとすると十一月の上旬ぐらいのところで、あるいは上旬から中旬にかけてというところできめていいんじゃないかというふうな話がそれとなく耳に入ったりしておりますが、大体いま長官がおっしゃった中で幾つか問題がある、こういう話でありますが、その問題というのは大体どういう問題なのかをまずあげていただきたいのです。
○床次国務大臣 財政上の問題と申しますか、日本の経済上の問題もありまするが、同時に国際情勢というものも、国際経済の情勢も相当動きがある、そういうこともよく検討したいというのが大蔵当局の意向でございまして、この点は昨年等とはだいぶ情勢が変わっておるのじゃないかと思います。
○大出委員 大蔵政務次官がお見えになっておりますが、国際情勢、経済情勢というようなお話等もあるのですが、大体そこらは、一体大蔵当局としてどういうとらえ方をしておられるか。
○上村説明員 いま総務長官からお話がございましたけれども、大蔵当局としましては、いま国際経済の問題につきましては、先生も御案内のように、マルクの問題にしましても、その他それに次ぐところの日本の円の問題にしましても、いろいろな動き方があるし、また最近の国際経済につきまして多少のインフレぎみというようなところも出てきたりしまして、慎重な態度でいまのところ見守っていきたい。もちろんいつまでもという意味じゃございませんが、いまのところ慎重な態度で見守っていこうという意味でございます。 〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕
○大出委員 あわせて承りたいのですが、慎重に見守っていくというのはいいのですが、そうすると、たとえばマルクを切り上げるとかいうふうなことがあったら、公務員給与に至るまで影響があるとお考えなんですか。
○上村説明員 それが公務員給与に特にどうという、こういう意味じゃございませんけれども、結局今後の収入の問題とかいろいろな問題には考えていかなければならぬ、こういう意味でございます。
○大出委員 もう一つあわせて承りたいのですが、法人の九月期決算、これは十月に入ってからサンプリングか何かの形で調査をおやりになるのが例年のしきたりでありますが、十月の末という段階あるいは十一月の初めという段階で、これは締め切ったあと二カ月期間があるわけでありますけれども、そこらのところで、いつごろになれば大体はっきりすることになりますか。
○上村説明員 先生も御存じだと思いますけれども、十二月に入ればこれはもちろんはっきりいたしますけれども、十二月に入ってはっきりする前に多少の見通しがついてくるであろう、こう思いますが、詳細な点につきましては主計局次長が参っておりますので、現在までの動きなどにつきまして答弁をいたしたいと思います。
○橋口説明員 前回の委員会で、本年度の七月末現在における租税収入の状況について御報告申し上げたわけでございますが、今日の時点におきまして、八月末の租税収入の状況が判明をいたしておりますので、御報告を申し上げたいと思います。 八月末におきます四十四年度の租税収入総額は二兆三千十八億円でございます。予算額五兆七千三百八十一億円に対するいわゆる進捗率、進捗度合いは四〇・一%となっております。七月末現在で御報告申し上げましたときは三一二%というふうに申し上げたわけですが、八月末現在におきましては四〇・一%となっております。これを前年の同月の決算額に対する進捗割合を申し上げますと、三九・〇%となっております。したがいまして、昨年に比べて約一%の進捗の増加を見ておるわけでございます。ただ、これは統計上の比較の問題でございますが、前年の八月の決算額に対する増加割合、したがいまして正確な比較ということになりますと、ことしの八月末現在の当初予算との比較、昨年の八月末現在における昨年の当初予算との比較ということが、正確な比較になるわけでございます。それで申しますと、ことしの四〇・一%が昨年に対して一%増加をいたしておるわけでございます。それと同じ比較差をとりますと、昨年は約二%の増加の上回りの実績を示しておるわけでございます。したがいまして、今日の時点におきまして、八月末現在の租税収入ぐあいを中心としまして、どの程度の見通しが立つかという問題につきましては、的確には申しにくい段階でございます。 先ほどお尋ねがございました九月決算期の見通しでございますが、これも御承知のように、日本の租税構造の特色といたしまして、法人税に依存する度合いが大体全体の三分の一くらいでございます。したがって、景況によって影響を受ける法人税の収入がどうなるかということが本年度の税率見通しに大きな影響を与えるわけでございます。これにつきましては、御承知のように十一月末が申告期限ということになっておりますので、これから十月以降、大体どの程度の法人税の収入見通しがあるか、九月決算期における納税申告があるかということについてこれから調査をするという段階でございます。
○大出委員 もとへ戻りますが、副長官がいろいろ地方行政でお話しになったというのは聞いておりますけれども、総務長官としてどうですか。これは給与担当の責任あるお立場でこれからどういうふうに進めていって、どの辺のところで決着をつけようとお考えなのか、そこらはいかがですか。
○床次国務大臣 本年の勧告の実施につきましては、御指摘のとおりなかなか問題があると思います。相当多額の財源を要すると思います。したがって、政府といたしましてはその対策に苦しんでおるところでございまするが、今後の方策につきましては給与関係会議でもって十分検討したいと思います。しかし給与担当の私の立場から申しますと、人事院勧告を完全実施するということをめどといたしまして最大限の努力をする、従来の基本方針をできるだけ実現するように努力したいと思っております。
○大出委員 もう少しこまかく分けて申し上げたいのですが、先般私の質問の中で、五%アップ七月よりというふうになっていた給与費の関係からいきまして、これは事務的な段階で大蔵省が当然措置をすべきものである、そこで何%削減というふうなお話が出ておりましたが、結果的にどのくらい節約財源をつくろうとなさっているのですか、大体そこらのめどはどうですか。
○橋口説明員 本年度予算の節約につきましては、九月に大蔵大臣から閣議に御報告を申し上げまして、各省に御協力を願っておる段階でございます。当初、節約の対象範囲をどうするか、節約率をどうするかという問題につきまして各省と内々折衝をいたしておるわけでございます。これは従来からの取り扱いの慣例もございますが、御承知のように本年度の予算は、四十二年度ですでに節約をかけた予算で計上いたしておるわけでございます。したがいまして、そう大きな節約率を適用するということは予算執行上必ずしも適当でないという判断もございましたので、本年度の節約につきましては大体一般の行政経費につきまして五%、ただし特殊な経費につきましてはその半分の二・五%の節約の率を適用いたして現在計算をいたしておるわけでございます。当初の予定といたしましては、大体九月の末までに見通しを立てたいということで作業を進めておったわけでございますが、今日の時点におきまして完全に各省との間に調整が済み金額がセットしてあるというところまではまだ来ておらないわけでございます。ただ大体の見通しとしましては、九月に大蔵大臣が閣議で申し上げましたように、百億円を下回らないという見通しをつけて現在作業をいたしておりますが、おおむね百億円台は確保できるというふうに考えております。
○大出委員 予備費ですが、これは二百二十五億の米のときのいきさつがありますが、こちらのほう、災害関係は今後の問題もあるかもしれませんが、八月にあったのを計算の基礎においてやっていって、どうも例年よりはだいぶ少ないような額に今日的時点では考えられるわけでありますが、そこらはどのくらいに動いておりますか。
○橋口説明員 予備費は、御承知のように本年度九百億円を計上いたしておるのでございますが、現在までに支出いたしました予備費総額は八十三億円でございます。したがいまして八百十七億円余が現在残っておるわけでございます。予備費につきましては御承知のように予見しがたい予算の不足に充てるために計上いたしておるわけでございます。したがいまして、どの歳出項目と申しますか、どの歳出要因に対して優先的に充当するか、予備費のいわゆる充当順位というものがないことはよく御承知のとおりであります。したがいまして、当然考えられる要素といたしましては、御指摘のありました稲作対策特別費二百二十五億円、災害関係経費、公務員給与というようなものであろうかと思います。災害につきましては、本年度は八月までに相当集中豪雨等の災害が発生をいたしたわけでございまして、当初の見通しでは相当な金額になるんじゃないかという見通しを持っておったわけでございます。ただ御承知のように九月になりまして例年の台風シーズンに台風がほとんどこなかったというような特殊の事情もございまして、したがって、今日現在におきましては予備費から充当を予定される災害関係の経費としましては大体三百五十億円程度ではないかという見通しを持っております。ただこの災害関係の経費につきましては、台風シーズンがかりに経過したとしましても、いわゆる冬季風浪等の災害も最近たいへんふえております。したがいまして、あくまでも今日時点における見込みの数字は大体三百億ないし三百五十億程度というふうに見ておるわけでございます。
○大出委員 予算当局ですから、しかも公務員給与勧告を受けているわけでありますので、いま幾つか私質問いたしましたが、おおむねの見当というのはつかないはずはないと思うのであります。まず当初大蔵省が立てておりました五%アップの七月よりという、七月でやった場合に、これは国家公務員というワクの中で——私のところに九百八十七億円という数字があるのですが、七月ということにした場合の九百八十七億円、つまり四百四十三億でありますからプラス五百四十四億ということになるわけでありますが、ここらあたりについては事務的な段階において措置可能であろうと思うのでありますけれども、そこのところはいかがですか。
○橋口説明員 これは計算だけの問題でございますので、仮定の数字を追って申し上げるということになると思いますが、いまお話がございましたように、かりに七月から実施をするということにいたしますと、四百四十三億円を引きました五百四十四億円が一応のいわば候補ということになるわけでございます。五百四十四億円と稲作対策特別費の二百二十五億円、災害関係の約三百億ないし三百五十億ということでございますので、この数字を合計いたしますと九百億では足りないということになるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように節約に相当程度の期待を持ち、また御承知のように六兆七千億の予算でございますので、執行の過程においてある程度の不用額が発生するというのもこれまた経験的な事実でございます。したがいまして、節約額、不用額等を合わせまして、お話がございましたように五百四十四億円程度を公務員給与に充当するということであれば何とかやれるのじゃないだろうかという感じを持っておるわけでございます。
○大出委員 公共事業費に手をつけるつけないという問題が論議の過程ではあったように新聞等で見ますけれども、そこまで検討を進めるということでなくて、例年不用額というのは皆さんが計算の俎上にのせておるわけでありますから、これまた見当はつくわけであります。したがって、結論は九百八十七億、つまり今日の給与諸費に入っている四百四十三億プラス五百四十四億、この五百四十四億については六兆七千億の予算全体の中で考えてみれば何とかなってくるであろう、事務レベルの今日的検討において、こういうことになったわけであります。 さて、そうすると九百八十七億、つまり四百四十三億プラス五百四十四億の九百八十七億円、七月、こういうことになるのですけれども、この場合であってもこれは組みかえ措置は必要なんでしょう。
○橋口説明員 これは前回の委員会でも華山先生から御質問をちょうだいしたわけでございますが、その当時の時点におきましては節約につきましても検討中でございましたので的確なお答えができにくかったわけでございます。今日の時点におきましては節約をやるという方針がきまっておるわけでございます。したがって、節約を実施いたしますと、項款間の異動が生ずる場合がございます。したがいまして、一般会計につきましてはおそらく組みかえ補正が必要であるというように考えております。
○大出委員 そうしますと、これは福田さんが大蔵大臣の立場で七月実施も非常に困難だという見通しを最初にお話しになっておられたわけでありますが、確かに楽ではないということはわかるのでありますが、しかし事務レベルでいろいろ御苦労をされた結果として、当初の見通し、ここからいきまして七月ということになれば事務的には可能である、九百八十七億ということになる、足らぬ分五百四十四億は全体の予算のワクの中で考える、こういうことでございまして、さてその場合に組みかえ補正が一般的に考えて必要になる、ここまで来たわけでありますが、さて問題の目標は、いま総務長官がお話しになっておりますように五月実施という見通しで最大限努力をしていくんだ、こういうお話がいまございましたが、そうなると、まず七月を六月にするということになると、予算上は九百八十七億の上に一体どのくらい要るということになりますか。
○橋口説明員 実施月を一月繰り上げますに伴いまして大体八十億円見当の経費が必要になるわけでございます。ただ、六月は御承知のように公務員につきまして期末・勤勉手当の月でございます。したがいまして、それを加算いたしますと約百七十億円の所要額になるわけでございます。
○大出委員 平均月でやるとすると、普通の月でやるとすると八十億ぐらいで片がつくのだけれども、六月という月にすると、期末・勤勉手当へのはね返りを考慮するとなると百七十億要る、こういうお話ですから、そうなるとこれは、六月ということにするとすれば九百八十七億に百七十億、千百五十七億になりますが、ということになると、事務的操作で可能である九百八十七億のほかに、あと面七十億の金の捻出が必要である。それが最終的に不用額等もまだ確定的ではないでしょうから、その百七十億が予算のワク内でおさまるかどうかは別として、現時点において事務的段階における節約財源その他を考慮してまだ不用額もある程度あると見て、また災害等についても三百億ないし三百五十億ぐらいに見ていって、九百八十七億という数字ができる。だがしかし百七十億は、いまのところはまだそこまでの検討の段階にない、こういうわけでありますが、さてそこで、さらに六月となりますとこの先もう一カ月——完全実施ならば五月なんですから、五月ということになりますと、百七十億プラスもうあと八十億という計算になりますが、そこはどうですか。
○橋口説明員 そのとおりでございます。正確に申し上げますと、五百四十四億に相当するのが、六月の場合には七百十五億円でございます。五月実施の場合には七百九十六億円ということになります。
○大出委員 五百四十四億はいまの予算のワク内でどうやら——ずいぶん苦しいようでございますが、まあ何とかなるというふうに考えるということになりますと、結局五月実施ならば七百九十六億から五百四十四億を引いた数字、つまり二百五十二億円、こういう数字になりますね。したがって、これは総務長官、大蔵省の担当橋口次長さんのほうで当っている限り、七月といういまの九百八十七億というめどはある。つまり五百四十四億というもののプラスという意味の操作は可能であろう、それは組みかえ補正によらざるを得ぬであろう、ここまで来たわけです。そうすると、そこから先完全実施ということになるとすれば、あと二百五十二億予算捻出が必要になる、こういうことになるわけですね。ここまではよろしゅうございますね。そうなると、総務長官のほうの努力の目標というのは、大蔵事務当局が一生懸命おやりになっておる七月という、つまり九百八十七億、これにあと二百五十二億という点について、大蔵大臣なりあるいは官房長官なりを含めまして、そこでいかなる政治的話し合いをするかというところがポイントになるのだろうと思うのでありますが、総務長官、だいぶ数字的にははっきりしてきたわけでありますが、御努力を願う目標というのが、六月ならばプラス日七十億、さらに五月ならば概算八十億要る。正確な数字をいうと五月となるとすれば二百五十二億円あと考えなければならぬということになる。こういうわけなんですけれども、そこら辺どうですか、長官。完全実施を目標に努力する、こうおっしゃっておるのですが、そこらのところ少し突っ込んで御検討いただいておるということはないですか。
○床次国務大臣 ただいま質疑によりまして明らかになりましたように、完全実施のためには相当多額の財源を要することは御指摘のとおりでありますが、私どもは人事院勧告を尊重するという基本的なたてまえをひとつとってまいりたいと思っております。したがって、その上に立って十分諸般の情勢を考慮しながら、給与担当大臣としての立場から最善の努力をひとついたしたいと思います。
○大出委員 臨時国会をいずれにしても開くわけでありますが、臨時国会で給与法改正という形で今回の勧告の具体的実施をするという筋書きになるのだと思いますが、臨時国会ということでよろしゅうございますか。そう理解してよろしゅうございますか。
○床次国務大臣 その点は十分検討しないと、私からいつという時期を明示することは困難でありますが、しかし、時間的に先ほど申し上げますようにいろいろの要素がありますので、開かれますならば、そういう時期にもひとつ具体的な話をせざるを得まいかと私は予想いたしておりまするが、まあ今後の関係閣僚会議の検討の状況によりまして最後的にはきまる、こう御了承いただきたいと思います。
○大出委員 長官、どうも何か持って回った言い方になるのですけれども、勧告が出ておって、七人委員会で何回か検討されておって、佐藤訪米の前にという一つの目標があって、そしてそのあと数数の案件が宙に浮いてしまっているわけでありますから、先般恩給法の質問を申し上げましたが、十二月のころになるであろう、木村副長官の言によればそういうことになるのですが、十二月ということになるであろう臨時国会に何らか出てくる。公務員給与のほうは腕を組んで見過ごして来年の通常国会ということになりますと、おさまりがつかぬと私は思うのですよ。だから、その筋からいけば、十二月の臨時国会には給与法改正案を出さなければならぬ筋合いだと思うのですが、そこは何か問題があるのですか。
○床次国務大臣 この問題につきましては、まだ臨時国会の時期というものも確定しておらぬものですから、私の立場上先ほどのようにお答え申し上げましたので、大出委員が御想像のような形でまいりますならば、そういうような考え方にもなるのじゃないかと思います。
○大出委員 十二月臨時国会ということになるのだとすればそういうことになるであろうといういま御回答でございますから、先のことですからそれでいいのでありますが、さてそこで、そうだとすると、ここでもう一つ問題があるので、ここから先は政治的な話なんですが、なかなか臨時国会を開くといっても、参議院のほうは寝ちゃっているわけですから、これは参議院の議長さんのところでの問題でございましてね。この間、参議院の皆さんに話してみたところが、そんなこと言ったって簡単に起きるか。おれのほうは寝ちゃっておるのだ。解散があるわけじゃない。そうすると、これは寝た子を起こすには何か考えなければならぬ。寝た子はなかなか起きないですからね。そうなると、ここから先は私は政治的なと申し上げておるので、政治的にこれをお考えいただきませんと、昨年もどうも政治的、政治的という実は御配慮をいただいたことになったわけでありますが、したがって、ことしの一月だと思いますが、七人委員会では来年は完全実施、こういうことを申し合わせておられるわけでございますから、来年二カ月一緒にやるといってもなかなかむずかしいのでありまして、できれば来年は問題のある年でございますから、ことし完全実施をやっておかなければならぬことになるわけでありまして、そこらの政治的なところはやはり御判断をいただかなければならぬと思うわけであります。 実はもう一つ問題があるのでありますけれども、これは人事院の皆さんに承りたいのですが、何かどうも再勧告だというような話が耳に入ったりして気にはなったのであります。どうも高年齢者問題だけで再勧告するのもおかしな話だというふうに私は思っておりましたが、この本年の勧告の中で「なお、本院の調査による官民給与較差を年齢階層別にみれば、相当の高齢層職員の給与については、若中年層とは逆に、一般職国家公務員が民間を上回っている傾向があり、その昇給の実情についても官民の間に差異が認められるので、右の事情を勘案して、これら高齢層の職員の給与制度のあり方について検討する必要があると考える。」特に、この中に「昇給の実情についても官民の間に差異が認められるので、」こういうふうに断わっているわけですね。これは、私は総裁と少し論争いたしましたが、総裁だいぶあのときに御立腹でしたが、総裁があまり強く発言をなさるときは、長年の論議の経験からいたしまして、内心少しぐあいの悪いことがあるときなんであります。しかし、私はそこから先、先輩である総裁をおこらしてもしかたがないので黙りましたが、さてそこで、そうなるとこれは相当考えるところがあっての報告になるわけでありまして、もしいまの私が言う想定でいくとすれば、臨時国会に給与法の改正が出てくる、こういうわけなんであります。その中間に、高齢者対策、将来の勧告の扱い等とからみまして、たとえば民間に比べて高齢者層が公務員は高い、だからそれを全体の公務員に割り振っていくというと、それが〇・何%かに当たる、だから、たとえば人事院勧告を一〇%やろうというときに、その分だけはダウンするという結果に官民比較の面ではなる、こういうシステムをとっていますから——公労協なんかはこういうシステムをとっていませんから、これは別でありますが、つじつまが合わない勧告もできるということになるわけであります。だからそういうことがこの間の総裁の答弁にあったわけであります。あそこまでお答えになる、堂々と報告をいたしましたなんと言っておられるわけでありますから、だとすると、何かその後意見を聞いておやりにならぬ限りもないのじゃないかと思うのでありますが、たまたま公務員法二十三条で制度改正等について意見の申し出ができることになっておりますから、そこらの問題とからんで、何か再勧告というぎょうぎょうしいことでなしに、すなおに考えるとすれば、そんなことぐらいじゃないかという気がするのでありますけれども、何かお考えございますか。
○佐藤説明員 全く御推察のとおりに私ども考えております。別段事荒立てた再勧告のようなぎょうぎょうしい形をとらなくても、今度の法案に間に合わす手だではあるだろうということで目下検討を進めております。 この間きげんが悪かったようなお話でございますが、私、はなはだ上きげんでお答えしたつもりでございます。
○大出委員 法律の悪魔ですか、魔術ですか、妙な本があって、これは一ぺん読んでおかなければならぬと思ったのですが、佐藤達夫著「法律の悪魔」という本でありますが、なかなか法律というのはむずかしくて、二十三条と簡単にいいますけれども、へたな意見を申し出られては困るのですね。そこでその意見の中身のほうを、悪魔になるかならぬかという点を聞きたいのですけれども、高いから下げるのだ、官民の比較の面で昇給を含めて公務員が高い、それは勧告全体に響くから下げるのだ、手当てをしたいのだ、こういう実は先般のお話が中心なんですよ。だということになると、何かやらなければならぬわけですよ。そうすると、たとえば五十八歳なら五十八歳というところをめどにして、昇給期間を少し延ばすとか、あるいは六十というところをめどにしてもう少し延ばすとか、あるいはどこかで昇給させないことにするとか、何かを考えなければならぬわけですね。昨年三十八歳の平均年齢が本年は三八・五になっているわけでしょう。だから、そこらを振り返ってものをおっしゃるならそうでなければならぬのです、昇給の実情に差異があるというのですから。そこのところは何かお考えがありますか。
○佐藤説明員 これもただいまおっしゃるとおりでございます。焦点はそういうところにあるだろう。前回御説明したかどうか忘れましたけれども、民間の場合について見ますと、昇給なしというのが三一%、それから昇給額が減るというのが五〇・何%、それから昇給額が変わらぬという、普通の形でまいりますのが一八・何%という程度でございます。型は大体そういうところにわれわれとしても焦点を合わすべきだという気持ちでおります。
○大出委員 そうなりますと、たとえば五十八歳という例をとると、五十八歳以上は一年半なら一年半という昇給期間をつくるとか、六十歳、このあたりに何かまた線を引いて、六十歳から先のところは二年くらいの昇給期間に延ばしていくとか、あるいは、さて六十五歳というところに線を引いて、それから先は昇給はないということに落としてしまうとか、具体的なお考えがなければならぬと私は思うのですが、そこらはどうなっておりますか。
○佐藤説明員 これは根本について一応申しますと、先ほど格差がどうこうというような、格差についての影響の点で御指摘ありましたけれども、それも結果については、この問題は格差に重大な影響があるということは認識としてはわかりますけれども、たてまえは、やはり従来の昇給制度がはたして合理的であったかどうかという点に着目して、われわれ検討を進めておるわけでございます。したがいまして、その合理性というものを求める際に、職種によっての違いもございましょう。その他年齢、階層で適正な年齢を期して、そうしてある段階は延伸、ある段階以上は停止というような型も考え得るわけでございます。私どもはそういう合理性を追求しつつ、かつ冷酷むざんな形になってはいけないという点に強く心を用いながら、目下検討を進めておる次第でございます。
○大出委員 たまたま冷酷むざん、こういう話が出ましたが、確かに「法律の悪魔」じゃありませんが、法律がこうなっているんだからというので冷酷むざんなことをやられてはかなわないわけであります。 専門家である給与局長がお見えになっておりますから承りたいのですけれども、行(二)ということもあるわけでありまして、私どもにすると、こういう俸給体系はなくしてもらいたいと思っているのですが、なかなかそれじゃ人が集まらぬというので皆さんががんばっておられるわけですけれども、途中採用の人が非常に多い。途中採用だからまだ恩給もつかない、こういう人もおるわけですが、そこらも含めていまのような考え方で、昇給期間は五十八歳以上は一年半でございますとか、さて六十をこえたら二年でございますとか、六十 五になったら昇給はしないですというふうなことをやるお考えだとすれば、これは総裁、まさに冷酷むざんですよ。したがってそういうお考えをお持ちになるわけはないという気がするのですけれども、これは、先々この方々も百までつとめているわけではないのですからやめなければならぬわけでありまして、落ちていったとすれば、最終俸給ということになると、退職金あるいは退職年金、いろいろなものに響くわけですね。そこらまで考えなければそういう措置は簡単にはとれないはずだと思うのです。 そこで、自治大臣においでをいただいておるわけですけれども、地方公務員の場合だっていろいろなことをされておるわけですね。そこらのところを考えると、一体人事院が何をお考えかを私は聞きたいのでこういう質問をしておるのですけれども、少しそこら差しつかえなければ——あればあったで私のほうで言いますけれども、差しつかえなければ、もう少し突っ込んだ、技術的な点を含めたお話をいただけないものかという気がするのでありますが、お答えできる範囲でお答えいただきたいと思います。
○尾崎説明員 行政(二)表の職員につきましては、俸給表の構造が、比較的に中途採用ということで入っておるケースが多うございますから、初任給を高くするとか、そういう昇給制度について別途の考え方をとっておるわけでございます。したがって年齢構成もかなり高いという関係がございまして、ただいまのお話の昇給制度の再検討をした場合に対象となる職員も多いということはございます。したがいまして、そういう職員につきましての措置というものを行政職の(一)表の職員と同様にしていいかどうかとか、あるいは実際に非常に低い格づけをされている職員がいやしないかどうか、そういうことにつきまして、少し具体的にいろいろ検討してみる必要があるというような気持ちで現在検討しているところでございます。
○大出委員 総裁、断わっておきたいのですが、ぽかっとこういうものが給与法改正で出てきますと、これはそれこそまたハチの巣をつついたようなことになってしまう心配も私はある。したがって、人事院が報告に触れたのですから、そういう意味で、やはり公務員一般が、人事院が持っている考え方が一体那辺にあって、それは結果的にどういうことになるのかということを十分相互に検討し合うぐらいの、事前にそういう人事院の意思表示があってしかるべきだと私は思っている、長い人事院という制度ですからね。だから制度改正の二十三条、意見の申し出というのはあるのですから、それでやるという、先ほど、やれば間に合うという話がありましたので、それでやるとして、いま確定的なものじゃないとは思いますが、たとえば私がいま例に引きましたように、五十八なら八で線を引いて、そこから一年半なら一年半という昇給期間になっていくのだ、六十というところは二年なら二年になっていくのだ、六十三なり六十五なりというところから先は昇給はなくなってくるんだというふうな、そういう昇給制度の手直しを考えているんだ、あるいは検討中なんだというならいうで、やはりそこらあたりは触れてものを言っていただきたいと私は思っている。そうしないと、これは政党政治ですからいたし方ないのですが、与党の皆さんのほうは国対で、これから佐藤訪米まで各種委員会は一切開かないのだというような通達等をしたという話でしょう。わが委員会にとってみれば、人事院の勧告を受けているわけですから、しかも政府の閣議決定というものは訪米前にあるのだとすれば、その間開かぬでおっぽらかしたんじゃ迷惑千万なんです。しかし、やれ、その意味の国益だということになってきて、開かぬのだなんということになってきては、これまた国民一般に国会というところを通じて知らせるすべはなくなるわけでありますから、そういう点もひとつ頭に置いておかなければならぬわけでございます。だから、できるだけこう考えているのだということは言っていただきたい。そういう意味で総裁、もうちょっと、はっきりしていただけませんか。
○佐藤説明員 ただいま大出委員がたとえばというようなことばをつけておっしゃいました考え方も、私は一つの考え方であろうと思います。三段階にしますか二段階にしますか、先ほど触れましたように、その点の年齢の線を引く場合に、どういう線をそこに当てはめるかというような問題は、これはございます。したがいまして、私ども鋭意給与局において目下いろんな案を検討しておりまして、正直のところまだ私どものところまで上がってきておりませんけれども、しかし組合の代表の皆さんあたりとはこの問題を中心にしてしょっちゅう給与局でも会っておりますし、この間私は自身お会いしておる。しかし絶対反対ということが前ぶれになっておりますから、まだその中身に立ち入った段階までいっておりませんけれども、かりにやるとすればどういう方法が考えられるかというようなことでもひとつ協力を願いたいというようなことで、ざっくばらんにお話し合いを進めつつある次第でございます。
○伊能委員長代理 大出君に申し上げますが、床次総務長官は理事懇で御理解願ったような時間になってきたので、よろしければ床次総務長官は退席させていただきたいと思いますが……。
○大出委員 これが床次さんに質問する結論に結びつくわけでございます。 総務長官、さっきの九百八十七億なる七月実施という事務的操作の当面の可能な限度、そこから先さらに百七十億、これは六月ですが。さらに五月になると八十億ばかり要る。正確な数字でいって二百五十二億ばかり要る。そうなると、それは政治的な判断であり、かつ政治的な分野になる。その場合に、どうも異常な形で終わった国会のあとを受けておるわけでありますから、通常国会、臨時国会といってみたって、それなりにだいぶこれは政治的にはむずかしい。さらに、いま人事院がお考えのようなことが給与法改正に入ってくるのだとすると、なおこれは政治的に大きな問題がある。なぜならば、国家公務員、地方公務員の定年制とのからみ合いもある。ということになると、そこらのところはやはり大きな政治的な立場でお考えをいただいて、これはよほど総務長官には御尽力をいただかないと全体的にものがまとまっていくことにはならないという気がする。そういう意味で、実はきょうは官房長官にもほんとうはお出かけをいただいて、そこらの政治的判断についての御意見を求めたかったわけでありますが、特段の御事情があるようでありますから私も遠慮申し上げたので、たいへんどうもワクの広い質問になって恐縮なんですけれども、総務長官のところで、給与の担当大臣でございますから、もう少しそこのところを前向きで御答弁をいただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○床次国務大臣 いずれにいたしましても、できるだけ早く人事院勧告に対する政府の態度をきめるということが必要じゃないかと思います。その節におきましては、先ほど来申し上げましたように、完全実施をするということを基本的な方針で最善の努力をするということになりますが、それまでの間、いまお話がありましたように、いろいろと事情があるわけで、政治的情勢もあるというわけでありまして、そういうことをひとつ十分頭に入れた上で私ども努力を続けたいと思います。
○大出委員 床次さん、これは政府決定が十一月に入っていくという公算のほうがどうも強くなったように思うのですが、そうお考えになりませんか。
○床次国務大臣 いまのところ、まだ何ともその点は私としてお答え申し上げる材料を持っており、ません。
○大出委員 くどいようだけれども、どのぐらいのところをめどにという考えもないですか。
○床次国務大臣 ちょっといま見当がつきませんから、その点私としては申し上げかねます。
○大出委員 総務長官時間の関係があるようでありますから、その辺のところはあらためて次回に護りたいと思います。 いま、定年制との関係と申し上げましたが、自治大臣にお見えをいただきましたので、ちょっと承っておきたいのであります。この定年制法案はああいうことになりましたが、まあ地方公務員法の改正案でございますが、次の臨時国会との関連で、総理は全国知事会議の席上で、この定年制は一日も早くやりたいというようなことを、この間おっしゃっておりましたが、自治省のほうとしては、私が申し上げた意味で十二月となった場合に、まさかそこにお出しになるということはまずなかろうと私は思うのですが、いかがでございますか。
○野田国務大臣 この臨時国会に出すか、通常国会に出すかということでしょう。まあいずれにしてもああいう結果になりましたのですが、自治省としては、地方公務員に対して出したいと思っているが、時期は、この次にこれを出すとかなんとかいうことはまだきめておりませんので、ちょっとここでお答えしにくい。
○大出委員 これまた言うてみれば、海のものとも山のものともつかぬとはいしながら、来年はよしんば、これまた仮定の問題出すけれども、四十二年の例じゃありませんが、十二月解散、一月選挙でもおやりになるということになりますと、予算審議は二カ月ずれるのですから、そうすると、五月末まで予算審議がかかる。ところが来年の六月二十三日の午前零時というのは安保の十年目ですから、その辺はどうも国会を閉会中にしておいたほうがいい、したがって法案は来年の通常国会には出さないなんてことになってくると、来年の通常国会にもちょっとこの定年制法案というものは顔を出しかねる状態である。 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕 この臨時国会にもちょっと——どうもこれは寝た子を起こしてから臨時国会をやろうというわけでありますから、まだみんな横になっちゃっているわけですから、そうなると、そう簡単に定年制のほうは当面の政治情勢からすると出てきにくいように私は受け取るのですよ。そこで、どうも人事院のいまの高齢者対策なる制度改正、これはある意味では高齢者のベースダウン、押えていこうという考え方で進めていくわけでありますから、そうすると、これは国家公務員に対して給与法上そういう措置をとれば、地方公務員にも、それはそれなりの自主性はありますけれども、準ずるというワクの中で考えていけば、そういう高齢者に対する体系のつくり方が右へならえになっていく可能性も十分にある。しかも、自治省が定年制法案をもう一ぺん出すというのに時間がかかるとすれば、なおのことそういうかっこうになって進んでいく可能性もある。となると、そのことは、定年制という法律は、法案を考えるにあたってそういうものはいいじゃないか、片一方でこういう措置がとられて民間にならっていっているのだから、年齢平均でいけば、国家公務員のほうが地方公務員より高いのですからね、そうなると、どうもそこらの関連があって、自治省にも一言なければならぬ筋合いなんですね、いまの国家公務員の高齢者に対する措置は。陰でいろいろ耳にする点もあるので、きょうはここらの点を自治大臣に、ひとつさしつかえがなければ、高齢者の国家公務員に対してとらんとする人事院の意図というものについて、定年制法案というものをお出しになった自治省の側から見るとどうお考えになるのかということを正面から一ぺん聞いておきたいと思いまして、御出席いただいたわけでございます。いかがですか。
○野田国務大臣 いわゆる定年制——大出さんはさすが国会のベテランで、臨時国会後解散、その他いろいろなことを想定、予定、仮定してお話しでございますから、いろいろなことをおもんぱかっておれると思うのです。私が臨時国会で出すか通常国会で出すかと言ったのは、臨時国会の会期のこともございました。ただ出せばいいというものじゃない。形だけでおさめれば、これは臨時国会で出すということ、そういうことだって考慮しなければならない。私も仮定論を申しますと、解散があって云々、しかし通常国会には予算編成の関係で出せないではないか、これも一つの常識論ですが、私の考え方では、総理も言っておりますが、これは何といっても次の国会、臨時国会ということに限って——いま申しました事由で政治上のいろいろな変転があったり情勢もありましょうから、いつ出してどうだということを申し上げることはなかなかむずかしいことでございますが、少なくともやはりできる機会を見まして早く出したい、こう考えております。 それから第二の問題でございますが、人事院勧告の中の高齢者の給与問題についての報告、私も拝見いたしました。これは人事院の独立的な自主的なお考えで出された報告でございます。もちろん事前に何ら私ども御相談もあるべきでもないし、またいたすということもない。しかしこのお考えが正しいか正しくないか、これは人事院のお考えでございますから、私ども何ら批判はいたしません。ただ自治省といたしましては、国家公務員の高齢者の給与問題でいろいろな手直しがあったり、またいろいろな結論が出るといたしました場合の影響ということも、これは大出さんも常識論としてはそういうことがありましょうが、国家公務員の定年制を出される前にわれわれ独自の見解でやはり必要だ、基本的にこういう認識のもとに従来出しておりますから、たとえ人事院の勧告がそういうものに触れてまいりましても、現時点におきましてはやはり自治省といたしましては定年制というものを出したい、こう考えております。
○大出委員 せっかく自治大臣に一、二点承ったわけでございますので、あと一、二点承りたいのでありますが、財源という面で先ほど私大蔵事務当局の皆さんに数字を分けて承ってみたわけですが、七月ならこう、六月ならこう、五月ならこうなる、これは補正を組んだ場合の交付団体に対する交付金ということもありますけれども、それはともかくとして財源的に見ていま申し上げた七月、六月あるいは五月というところに触れて自治大臣としてどういうふうに各自治体をながめておられるわけでございますか。
○野田国務大臣 実は先般大蔵大臣が今度の人事院勧告のアップ率を非常に驚いたと言っておりましたが、自治省といたしましてもこの財源をどうするかということでやはり悩んでおるわけであります。詳しいことは事務当局から申し上げますが、一応これを昨年と同様な七月としました場合に、いままで用意しておったことも御存じのとおりでございます。これは説明いたしません。大体三百五十億ぐらい不足すると言っております。そのほかのことにつきまして詳しいことが必要でございましたら、事務当局がおりますから御返答いたさせます。
○森岡説明員 お答えいたします。 先般の当委員会でもお答え申し上げたわけでございますが、七月実施の場合に一般財源所要額で一千三百五億円でございますが、地方財政計画ないしは地方交付税ですでに措置いたしました分は約九百五十億円でございますので、七月実施でも約三百五十億円不足いたします。六月実施ですと五百八十億円、五月、実施ですと六百八十五億円くらいが不足すると予想されております。
○大出委員 もう一つ承りたいのですが、公営企業関係でせっかく大臣に御努力をいただいて覚え書き等をまとめていただき、かつ進んでいるわけでありますが、ここらは大体いつごろまでにどうというふうな見通しを立てておられますか。いかがですか。
○野田国務大臣 公営企業問題は、私特別の注意をいたしております。これも実をいうと一々内容が違うのです。画一的ですと、給与ベースなんかわりに財源幾らとはっきりいたしますが、これは内容がさまざまでございます。しかし私は、これは特別な注意と申し上げるだけに非常な関心を持っております。いろいろ考慮いたしておりますから、十分この点はのみ込んでやっております。それだけお答えいたしておきます。
○大出委員 これはむずかしい問題が山積しておりますことは、大臣にも再三個別にもまた委員会の席上でも質疑をし、かつまたお答えをいただいておりますから、私も重々承知の上なんですが、いまだいぶ前向きで非常に熱意のある御発言をいただきましたので、ぜひひとつ……。むずかしい事情はわかっておりますけれども、かといって、一般の公務員のほうは何とか固まっていくのに、総理がお答えになったように、事公営企業だからというので上がらないのだというのでは困るのであります。それなりにつらい職場の配置転換その他がどんどん横浜なんかでも続いておりますし、路線廃止もまたどんどん進んでいるわけでありまして、きのう交通にいた人があしたは区民相談室なんかのところに席を移して区民相手に一生懸命別な仕事をやっておるわけでありますから、ぜひひとつそこらをくんでいただいてせっかくの御努力をいただきたい、こう思うわけであります。 本日は、大蔵大臣があしたお帰りだそうでございますから、どうもなかなか決着がつけにくいところへもってまいりまして、官房長官が何か与党通達の手前上ここに顔を出してはぐあいが悪いということのようでありまして、これはなかなかむずかしくなってまいりました。したがってこれ以上詰めようがないわけでございますから、ぜひひとつ、上村政務次官お見えになっておりますので、橋口さんのほうは現時点ではあそこまで、組みかえ補正というところまでお答えになるのが事務的段階ではぎりぎりだと思いますから、それ以上求めるほうが無理だろうと思います。したがってそこから先は政治的なレベルでのものの考え方を進めていただく以外にはない。政治的課題というのが山積しておりますので、そこらのこともお考えになって前向きでこの問題の処理に当たっていただきたい。総務長官は、完全実施ということで全力をあげて努力をする、こうお答えになっておりますが、ぜひひとつ政治的な御配慮をいただきながらそこに向かって御尽力をいただきたい。地方財政そのもののむずかしさもこれまたわかり切っていることでありますが、財源ということで、だから上がらないというのは理屈ではないわけでありまして、あくまでもこれは政策、したがって政治的配慮でありますから、そういうことで自治大臣に御努力をいただきたいと思うわけであります。 時間の関係等もございますので、中途はんぱになりますけれども、これで終わっておきたいと思います。
○藤田委員長 給与関係の政府委員、御苦労さんでございました。 ————◇—————
○藤田委員長 行政機構並びにその運営に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。伊能繁次郎君。
○伊能委員 ただいま委員長からお話のありましたように、国政に関して二、三御質問を申し上げたいと思います。 先般来知事会議等において河川法施行法第五条の問題がたいへん大きな問題になっているようで、これは来年、昭和四十五年三月三十一日で時限になる重要な部分が含まれておりますので、建設省、自治省等においてもこの問題がいろいろと検討せられておると思います。またわが党内でもこの問題についてはきわめて重要な問題として、第五条は当分存置しておくべきだという意見が逐次固まりつつあるような状況ですが、これらに関する四分の三が三分の二になった場合に、昭和四十四年度、五年度等で予算的なあるいは金銭的な負担関係がどう変わるかというような問題並びに政府においてこの点に関するお考え等があれば伺いたいと思います。
○坂野説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、河川法の施行法をもちまして、昭和四十四年度末までの時限措置だということで、本法では三分の二となっているところを経過措置として四分の三が認められておりまして、それによって現在まで長期計画に基づく改良工事を実施してきたわけでございますが、一級河川の改良工事のこの負担割合が三分の二になりますというと、国の割合、国庫の支出が大体百億以上の差額が出てまいりまして、それだけ地方の負担がかさんでくるというようなこともございます。また地方の単独事業もこれによって阻害を受けるというようなことも考えられるわけでございますので、建設省といたしましては、この治水の長期計画を円滑に遂行するためには、ぜひともこの四分の三の特例措置を継続することが必要であるということで、ただいま大蔵省財政当局と折衝中でございまして、まだ結論は出ていない段階でございます。県別にかなりアンバラはございますけれども、それぞれ県の一級河川の改良工事の経費の総額によっていろいろ差異はございますが、そういったことで非常に知事会等の要請等が強く出ておりますので、私どもはそういうものを受けまして、さっき申し上げたように、いま事務的に折衝を続けておる段階でございます。
○伊能委員 ただいま建設省の河川局長から御説明がありましたが、自治省としてもこの点について何か御見解、御意見があれば承った上で、さらに質問をいたしたいと思います。
○森岡説明員 ただいま建設省のほうからお話がございましたように、負担割合の特例が廃止されますので、地方負担はかなり大幅にふえてまいります。治水事業の円滑な実施という面からも非常に問題があろうかと思いますので、ぜひ来年度以降も引き続き特例措置が存続される必要があろうと考えております。またその線で努力してまいりたい、こう思っております。
○伊能委員 ただいま建設省並びに自治省の見解はお聞き及びのとおりでございますが、われわれ党内においても、また全国の知事会議においても、この点は非常に切実な要望もございますので、大蔵省側においても、まあ全体の金額からいけばそれほど大きなものとも思われませんが、各府県にとってはきわめて重要な問題であり、またこれが遂行をぜひこのままでやってもらいたいという非常に強い希望がございますので、ぜひそういう方向でお進めを願いたいという私の希望をも含めて、大蔵省側におけるこれの事務的な関係省との折衝がどうなっておるか伺いたいと思います。
○井上説明員 先生御承知のように、この問題は三十九年の新河川法の施行に伴いまして経過措置といたしまして四十四年までの時限を切って始めた制度でございます。私どもの考え方といたしましては、この間の新河川法体系への切りかえが比較的スムーズにいっておりますし、その後の地方の行財政の実態あるいは国庫負担の問題、事業量を確保しなければいけないという要請その他いろいろございまして、私どもの立場といたしましては、この特例は四十四年度限り廃止してしかるべきものと心得ております。ただ建設省から存続の要求が出ておりますので、結論は今後の折衝の段階できまる問題かと考えております。
○伊能委員 たいへん明確で、しかも残念ながら冷たい御見解を明らかにされたのでまことに残念なんですが、今日までの経過についてはいま伺ったとおりでよく私も了承しておりますが、今日までこういう形できて、これを来年度からいきなり三分の二に引き下げる。と同時に、これは国道関係にも直接には影響がありませんが、同じような関連の問題も生ずるということで、ぜひこの問題の存続、これは党内でも近く最終的な結論を、建設部会とかいうことでなく、政調として最終的な結論をきめなければならぬ、私どもはいま逐次お願いしたような方向できめていくというかっこうにもならんといたしておりますので、どうかひとつ大蔵省側においても、ただいまの御答弁、お話しのとおりだとすると残念なんですが、さらに十分御検討が願えるかどうかということをお答えをいただきたい。
○井上説明員 ただいま申し上げましたように、事務的にはいま申し上げましたとおりの考え方を持っております。ただ、予算は各省との折衝の過程できまってきます。これは当然時間もございますので、検討をさしていただくのにやぶさかではございません。
○伊能委員 予算の事務的折衝についてはお話のとおりでありますから、その点はこれ以上お尋ねをいたしませんが、一方われわれ党のほうの方針としても、この問題は公共事業、治水関係としてきわめて重要な問題でございますので、党のほうでもこれについては前向きで十二分に検討をしてまいりたいと考えておりますので、党の考えがきまったときには、ぜひ政府、党間においてできるだけ円満な解決のできるように、ひとつ井上さんにお願いを申し上げておきたいと思います。 この問題はこれで終わりまして、次に第六十一国会において私が若干政府に御質問申し上げた印旛沼の再開発に関する問題でございますが、御承知のように米が三年続けて豊作で、将来の方針としてはもう干拓とかなんとかいうようなことではなくて、水資源の有効適切な利用ということが非常に重点になってまいったと思うのでございます。ところで印旛沼についても、現在農業用水、上水、工業用水、多目的的に非常に有効に使われておりまするが、干拓後の最近の情勢を見ますと、周辺堤防が非常に沈下が激しくなってきておる、こういう状態で、これを急速に回復をしてもらわなければならぬ。これが回復の方法については政府内でいろいろ論議がされておりますので、私どもはその問題には触れようとは思いませんが、印旛沼の再開発という観点に立ったときに、堤防の沈下の防止の問題とあわせて、現在の印旛沼は、御承知のように平均下五メートルくらいの非常に浅い、あと下は十メートルもしくはそれ以上のヘドロで、大事な水質源の確保に非常に不適当な状態になっておりますので、堤防をかさ上げするとかあるいは周辺を高くするという際には、この際京葉工業地帯方面の水が御承知のように非常に不足をしておって、一部こそくな手段で両総用水から養老川のほうヘポンプで揚げて京葉地帯に水を供給するというような、非常に手数のかかった方途さえとらなければいけないというときに、印旛沼のような天然の大きな沼があり、それを活用する余地が十分にあるときに、この際堤防沈下とあわせて中を十分に掘って、多量の水を豊水期にこれに入れて、京葉工業地帯はもちろん上水、工業用水等に有効に使用したい、かように私ども考えておるわけでございます。千葉県においても、この問題については目下検討中であるようにも伺っております。 さらにもう一つ、われわれが、この印旛沼について成田新国際空港建設に関連して早くに措置をしてまいったことは流域下水道の問題でございます。日本で一番最初に大蔵省の、政府の御理解を得て、建設省で流域下水道の方針を確立してもらいましたが、それはいまの状態でおくと、印旛沼北部のニュータウンあるいは成田のニュータウン、その他佐倉周辺の人口の急激な増加をこのまま放置しておくにあたっては、ちょうど我孫子の手賀沼が現在泥沼のようになって水利用がほとんど不可能になっておる、それの二の舞いを、印旛沼がその轍を踏むようなことがあっては毛頭相ならぬ、かように考えますので、そういう点からも印旛沼の水資源の確保とその有効利用ということを私どもは急速に政府に御考慮を願わなければならぬ、かように考えておりますが、当面第一の責任官庁である農林省においてこの問題どうお考えか承っておきたい。
○井元説明員 この前の国会で先生の御指摘によりまして、私どもの小沢政務次官がお答えいたしました。ただいまも、率直に申し上げますとそのとおりでございます。また先生のいまおっしゃったことに対しては、私ども何ら申し上げる余地はないわけでございまして、その後若干日にちもたっておるわけでございますが、その間私どもも、先ほどお話にもありますとおり、県当局とも折衝し、あるいはいろいろ資料等も調べまして、いろいろ参考になることを実は研究したわけでございます。それでいろいろ御指示をいただいたような手がかりをもちまして、地元有志のつくりました兼坂案なんかも一つのこの開発の資料だと思います。それからなお、東亜港湾の橋川さんの何かパンフレットもございますが、こういうものについても研究課題としていろいろ研究しているわけでございます。ただ、これらは技術的にも相当専門的な案だと思いますけれども、農林省側から見ました見地からは、技術的及び事務的にもまだ若干問題点が残っているわけでございます。ただいま御趣旨の気持ちは、われわれとしては十分あるわけでございますが、来年、再来年どうこうというまでにはいっておりませんけれども、これらの問題点、研究課題を十分検討いたしまして、なるべく御趣旨に沿うように私どもは努力していきたいと考えておる次第でございます。
○伊能委員 たいへん適切な御回答をいただいたわけでございますが、われわれとしては、もちろんすぐ来年取りかかれとか再来年取りかかれとかいう問題にしては、大きな、かつ重要な問題でありますので、これらの問題についてぜひ周到な調査をしていただきたいことと、一方、経済企画庁見えておられますか、水資源の観点からいっても、昭和四十五年度から昭和五十年度までにおける利根川の下流における潮どめ堰堤のあの流水の使用計画、また上流から下流を通じての用水計画もまだ未決定であるというようなことで、利根川の下流沿岸は被害ばかり受けて利益を受けることが少ない、こういうような状態でありますので、経済企画庁においてもこの問題を農林省と手を携えて積極的に調査をしていただきたいと思うのですが、これに関する経済企画庁の御見解を伺っておきたいと思います。——それでは、経済企画庁、まだ参らぬようでありますが、いまの問題に関連して建設省の河川局長にお伺いしたいのですが、四十五年度以降五十年度における利根川の用水計画等について、その後、経済企画庁を中心に関係省で総合的な利用についていろいろ御検討だろうと思うのですが、現在どの辺まで進んでおるか、御承知でしたらお漏らしをいただきたい。
○坂野説明員 この詳細につきましては、経済企画庁の担当課長が参ってからお願いしたいと思うわけでございますが、建設省としては、経済企画庁を中心として利根川水系の水資源の基本計画の改定ということで実は作業中でございます。県の意向等もございますし、その辺を目下調整中でございまして、できるだけ早い機会に基本計画の改定ができるような方向で進んでまいりたいと思うわけでございます。 それと別個に、建設省といたしましては、昭和六十年度を目標にして広域利水調査というものを実はもう三カ年くらいやっておりまして、関東地方全体の水の需要はどうなるか、それに対して供給はいかにあるべきかということを河川ごとに詳細なる調査をやっておりまして、その成果が逐次出ておるわけでございます。できるだけ上流側にダムをつくり、下流の天然湖沼においても開発していけるものは開発したいという総合的な計画を立てておる段階でございます。
○伊能委員 それでは、私のお尋ねをした問題について、別途経済企画庁と相談して正式な御答弁を願うことにいたしたいと思います。 さらにもう一点、私が農林省並びにこれは主として経済企画庁なんで、参らないので非常に困るのですが、本年度大利根用水並びに北総東部用水という問題は、成田空港に関連し、大利根用水は多年の懸案でありましたので予算化をしていただいたわけでありますが、さらに千葉県としては、残された最後の千葉県東部末端の東総用水、銚子、旭市を中心とし、あの台地一帯にかんがい用配水を前々から希望しております。銚子市、旭市の上水あるいは東部台地一帯のかんがい用配水、これらの問題で東総用水の問題を数年前から千葉県並びにわれわれお願いをしておいたのです、が最近この点について政府でいろいろ御配慮を願っておるという点も伺っておりますが、来年東庄町の潮どめ堰堤ができたあかつきには、東総用水が四十五年度から五十年度までには何ら用水計画の中に入っておらないということで、千葉県はじめ地域住民はたいへん心配をしております。しかも毎秒三十トン潮どめ堰堤から下流へ砂の流入を防ぐために利根川へ水を流すという問題を、二十五トンにしてもいいからぜひ東総用水の計画を樹立をしてもらいたいということが千葉県、茨城県の共通の願いで、近くそういう書面を持って政府へ陳情したい、こういうことすら言うほど切実なお願いでございますので、政府として、ぜひこの点について来年度以降調査なり、またこれらの問題に対する用水配給計画について御配慮を願いたいと思うのですが、農林省としてこの点について何らか御計画があれば伺いたいと思います。
○井元説明員 ただいまおっしゃったとおり、ずいぶん長いこと御指導をいただきましたが、農林省といたしましては、従来から利根川水系開発事業調査費の中で基礎的な調査を進めてまいりました。ようやくこのたび地区の具体的な計画を樹立するために、来年度から新規地区といたしましてその地区の調査費を要求しているわけでございます。
○伊能委員 たいへん長い間御調査を願って、いよいよどうやら実を結びかけるという段階になったことを非常にありがたく思うのでございますが、この点については、農林省はたいへんそういうような前向きの御計画を願っておりますが、来年度以降の水の配分等について主管の経済企画庁がおりませんので、この点に関する経済企画庁の答弁は、委員長からひとつ書面をもって十分御回答いただくよう御配慮をいただくことにして、私は質問を終わります。 ————◇—————
○藤田委員長 次に、国の防衛に関する件について調査を進めますが、この件に関係ない政府委員は御退席をお願いします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 本日朝以来の各委員の質問を聞いておりましてもわかるとおり、在日米軍がその定員を削減することというのは、すでにもう始まっておりました米軍基地の撤退が予想されるのであります。当然予想される形として、そのあとに自衛隊の基地の問題が出てくるのですが、私本委員会でしばしば取り上げましたこの自衛隊と米軍との関係ですが、これはどうもまだ明確な御答弁をいただいていない。特に共同使用と米軍が撤退したあとの自衛隊への移行措置などについては、まだ相当疑問点が残っているのであります。きょうはその点について明確な御答弁をいただきたいと思うのですが、第一に、先般委員長はじめ皆さんに御苦労願いまして、私の県の三沢基地の御調査を願ったのですが、おわかりのとおり天ケ森の射爆場では米軍と自衛隊が共同使用している。共同使用しておりますが、以前は何らの日米合同委員会の取りきめなしにこの共同使用が行なわれている。最近これが日米合同委員会で取りきめがあったのですが、取りきめがあった場合となかった場合とではどう違うのか。従来やってきた共同使用を改めてまた米軍との合同委員会を開いて決定した、こういう違いは一体どこにあるのですか、わかりかねますので……。
○鶴崎説明員 三沢の射爆場は、航空自衛隊が三十六年ごろから米軍の許可のもとに射爆場付近を使用してきておったという事実がございます。ところが、この使用の根拠は何かということにつきましては、国会におきましても再々問題になったわけでございますが、地位協定の三条によりまして米軍は施設の管理権を持っておる、米軍はこの持っておる管理権に基づいて自分の使用に支障のない範囲で航空自衛隊に使用を認めてきておった、こういう形になるわけです。ところが御承知のように、地位協定には二条四項(a)によりまして、米軍が施設、区域の提供を受けております場合に、それがしょっちゅう使っていないというような場合、そういうときには一時的に日本国の政府あるいは国民に使用を許すことができる。それにつきましては、もちろん合同委員会の協議を経てきめるわけでございますが、そういうもう一つの道があるわけでございます。そこで三条によって米軍が施設の使用を自衛隊に許すことも可能ですけれども、やはりこういう問題は合同委員会を通じ両政府が協議をしてきめるほうがより好ましいというようなことから、従来使ってはおりましたけれども、これを正式化したいということで、防衛庁のほうから地元にも御相談をし、関係の市町村あるいは漁業組合の御同意を得た上で、施設委員会、合同委員会を経て日米間で話し合いがまとまった、こういうような経緯になっておるわけでございます。
○淡谷委員 そうしますと、従来の扱い方というのはいわば略式であったというふうに理解してよろしいですね。本式のやり方はやはり合同委員会を開いて地元とも十分話し合いをしながらこれを使用する、こういうふうに理解いたしますが、その場合、その日米合同委員会で取りきめた内容というのはどういうものでございますか。
○鶴崎説明員 現在、米軍に、この三沢の天ヶ森射爆場として陸上の部分と、それに関連しまして制限水域を提供しておるわけでありますが、この全域に対しまして、自衛隊が射爆撃訓練のために使用することができるという内容でございます。使用条件等こまかい点は、これは米軍と同じ使用条件によらなければならないということは当然でございます。さらにこの共同使用に関連しまして、こまかい具体的な取りきめということが必要になるわけですが、これにつきましては、これから案をつくって防衛庁側と米軍側と折衝するという段階になっております。
○淡谷委員 取りきめの内容の文書がございましたら、資料として御提示を願いたい。きょうはいいです。あとでけっこうです。さっきそのことをお願いしましたら、ない、こういうのですが、合同委員会を開いてちゃんとした協定をつくっておきながら、文書がないということはどうもおかしいので重ねて御質問申し上げておるのですが、これはあるのは当然と思いますから、きょうとは申しませんから御提示を願いたいと思います。 もう一つこれに関連してお聞きしたいのですが、あとで防衛局長が来ますと自衛隊のほうは聞きますが、これは米軍に関する問題ですからあなたのほうでおわかりになるだろうと思います。あそこの天ヶ森射爆場を使用する在日米軍の範囲、もしくは在日ならざる米軍の演習する範囲というのは何か限定がございますか。どこから来てもやれるのでございますか。
○鶴崎説明員 まずただいまの資料の問題でございますが、御承知のようにアメリカ側とのいろいろな文書は、向こうの了解を得なくては発表できないというようなことになっておりますので、その点はひとつ御了承願いたいと思います。 それから、この射爆場を使用する米軍の範囲でございますが、これにつきましては、合衆国の軍隊であれば使えるということでございまして、特に限定はございません。 〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕
○淡谷委員 日米合同委員会の協定文書が公開できないような秘密なものとは私は考えておりません。これはやはり国民同士が協定するのですから、詳細にわたる文書は要求いたしませんけれども、少なくとも共同使用の協定くらいは、示し得ない文書というふうにはどうも受け取れない、これが一点。 もう一つは、どこから来る米軍でも演習するとなってくれば、演習の範囲が非常に広くなりますね。たとえば茨城県の水戸射爆場における米軍が天ヶ森の射爆場を使用したいというような希望があった場合は、これまたできるわけですね。
○鶴崎説明員 ただいまも申し上げましたように、この射爆場を使用できる米軍はどういう範囲のものかということについては、特に限定はございませんので、たとえば一番近くに三沢の飛行場に部隊がおるわけですが、それだけでなくて ほかの米軍の空軍からも必要があれば行って使用することは可能である。使用条件の上からは、特にそういう問題について制限がないという実態になっております。
○淡谷委員 水戸射爆場における米軍が実質的には天ヶ森でも演習ができるという見解ですね。 この間、岐阜県の山林に墜落しました飛行機は岩国から発進したと聞いております。そうしますと、水戸の射爆場の中で演習している在日米軍が新島へ移転するということが、新島がだめになったので他のほうを物色すると言っておりますけれども、ワクをそのまま水戸射爆場にしておいて、実質的にはあそこにいる在日米軍も天ヶ森射爆場で演習ができるというケースが生まれてくると思うのです。これも、まことに変な話になりますが、じゃ、あらためてあっちこっち場所を求めなくとも、看板はちゃんと茨城県にかけておきまして、実質は天ヶ森で演習をするというような事態も起こり得ると思うのでございますが、その点はいかがですか。
○鶴崎説明員 私が申し上げましたのは、そういう可能性がないとは言えないという趣旨でございまして、現に水戸の射爆場は米軍が使用しておりますし、ここは横田の部隊あるいは厚木の部隊が使っておるわけでございますが、現に使える状態になっておるのにこれを使わないで、わざわざ三沢に行って演習をやるというようなことは、これはもう実際問題としてないと思います。しかしながら、何かの事情によって、ごくわずかの例ではございましょうけれども、よその部隊が来て使うということは、日本側として、それは使用条件違反であるというようなことから拒否できる立場にはないということでございます。
○淡谷委員 これはたいへん危険なお考えですが、現に水戸の射爆場が移転しませんと、原子力発電の廃棄物の処理工場を引き受けないという話があるので、あの射爆場をどこかへやろうというので必死になっているのでしょう。たとえばいま米軍が使ったとしても、廃棄物の処理工場をつくるためにどっかへ移さなければならぬというような場合に、水戸の射爆場を廃止しましても、そのまま何も、言わぬでも黙って天ヶ森の射爆場で演習ができるということになりますね。もしそうとするならば、天ヶ森の射爆場の危険というのは非常に大きい可能性があるという御答弁ですから、私はそのように考えて地元へも報告いたしますが、もしそうなったら、実にこれは、もう歯どめのない、無制限に拡大された演習が天ヶ森で行なわれるという可能性が出てくるのです。そのとおりでしょうな。
○鶴崎説明員 ただいまのお話のように、水戸の射爆場が原子力関係の問題の関連で事実上使えないから、かわりに三沢の射爆場を使うというようなことになりますと、これは使用実態の大きな変化になると思います。私が先ほど申し上げたのは、まれにはそういうことがあり得るという程度の話で、いまのように、使用実態が大きく変わるということになれば、たとえそれは使用条件の上でその禁止はしてなくても、当然政府としては、そういう大きな実態の変更については地元のほうとも相談をし、了解を得てやるべき性質の問題である、このように考えております。
○淡谷委員 少しはっきりしませんが、これは、実際の状況は、占領後に入ってきた米軍ですから、かっちりした取りきめはしてなかったろうと思うのです。ほうぼうにそういう事例がございます。ここまで秩序が回復し、いまや日米合同委員会ではっきりとした共同使用の取りきめをするならば、まれにはあるでしょうとか、例外があるでしょうとかいうようなことでは納得できない。取りきめるべきものははっきり取りきめておくのが協議の本筋だろうと思うのですが、全面的に移る場合は地元の了解を得るのだけれども、部分的になしくずしに演習する、これは可能でございますというのでは、地元にとっては非常に不安だと思います。この点はやはりきちっとした取りきめをしておく必要があると私は思う。したがって、米軍の演習方法なども明確に日米合同委員会で取りきめておくのが至当だろうと私は思います。これは要求でありますけれども申し上げておきます。 さらに同じようなずるずるべったりが基地の使用転換の場合に起こっているのです。これはこの前の質問の場合に、米軍が日本の内政に干渉するかのごとき、あとは自衛隊が使うならば撤退するけれども、自衛隊に使わせないならば米軍がこれを放さぬというようなことは許されぬという御答弁を得ておりますけれども、おそらくは施設庁としても、米軍が撤退したあとの基地を自動的に自衛隊に引き渡すといったような構想はお持ちになっていないでしょうな。
○鶴崎説明員 自衛隊が米軍の基地を共同使用する根拠は、あくまでもこれは地位協定にあるわけでございます。したがいまして、この地位協定に基づいて米軍に提供している状態が終結した場合は、それまで自衛隊が共同使用しておった根拠がなくなるということでございますから、共同使用しておったという事実のみで引き続き使えるということにはならないと思います。当然施設区域が米軍側から返還された時点において、あらためて国としては関係機関、地元とも協議して、将来に引き続いての使用について相談をするということになろうかと思います。
○淡谷委員 それが原則だと私は考えるのです。ところが実際はそうじゃなくて、いつの間にか米軍の基地が自衛隊の基地にかわり、しかも自衛隊がこれをまた米軍に使わせる。名前は違うけれども実質は同じという事例が方々に出ていることは、この前の私の質疑の中で明らかにされた。しかし、これはあくまでもあなたがいまおっしゃったような手続を踏んでやりませんと——これは基地だからまだがまんできますが、米軍が撤退したのだから、その穴を埋めるために自衛隊が米軍と同じような行動をするんだという観念があれば、明らかに日本の軍隊の復活です。少なくとも自衛隊が日本の憲法上制約があるので米軍と同じ行動ができないというので共同防衛論が出てくるのですけれども、最近における自主防衛論なんかの台頭に便乗して、米軍の持っていたすべての機能、すべての行動というものをそのままそっくり自衛隊に乗りかえるというような思想でもあれば、憲法上非常にゆゆしい問題が起こると思いますので、その点のけじめは、いま転換期を迎えて切りかえの時期に立っておる防衛庁としては、慎重な考慮を要する点だろうと私は思う。 そこでお聞きします。この前の調査の結果わかったのですが、従来共同使用しておった三沢の米軍基地の中に、すでに防衛庁の行政財産に移した一区画がありますね。米軍は撤退しております。前は完全な共同使用であった。それがいつの間にかそこの土地、建物が行政財産として防衛庁に移っておる一区画がある。しかも基地のまん中にある。これはどういう手続をおとりになったのですか。
○江藤説明員 三沢の米軍基地の中に北部航空方面隊の庁舎がございます。その土地は国有財産でございまして、大蔵省所管の普通財産になっておるわけであります。その普通財産に防衛庁が行政財産である庁舎を建てるという場合に、まず手続としましては、地位協定二条四項(a)によりまして、日米間でその地区の共同使用を先に決定していただきまして、その後にその地区に防衛庁の行政財産を建てることにつきましては、大蔵省に、将来これは自衛隊が使うという長期見通しの上に立って、普通財産について防衛庁が使ってもよろしいという了承を得まして、北部航空方面隊の施設が現在建っております。私はっきり記憶がございませんが、現在その土地については、まだ普通財産のままで残っているのじゃないかというふうに考えます。
○淡谷委員 これは一緒に調査に行った方もございますが、建物だけを防衛庁の行政財産にしたとは受け取れない説明を聞いてきたので、これはなお調べてみればわかると思いますが、ただ、いまの御答弁はちょっと施設部長の答弁と食い違う点があるのです。この前に私質問したときには、明らかに共同使用しておるのだという答弁であったのです。それがいつの間にかあの中に、かりに土地、建物ともに共同使用のままで米軍の基地内に防衛庁の行政財産ができたとすれば、これは自然にそこに居つくということを意味しはしませんか。もし地元が、米軍の場合と自衛隊の場合は違うのだから、これは平和産業の開発のためにどうしても転換してもらいたいのだということもあり得る。それをやはり共同使用のままで財産まで移管して、何か根を張ったような感じがしますが、そういうことはございませんか。
○江藤説明員 一般的に米軍に提供しておりまする施設区域の中に防衛庁の庁舎等をつくる場合におきましては、大体におきまして、その土地は米軍提供のままで防衛庁が共同使用を受けてその土地を使うという形式になっております。その上に防衛庁が行政財産としての庁舎をつくるわけでございますが、もし将来この基地全体が返還になるという場合におきましては、これはやはりあくまで普通財産でございますから、その時点におきまして、大蔵省の立場におきまして普通財産をどういうふうに使うか、地元の要望はどういうふうになっているか、あるいは防衛庁の将来の防衛施設の整備計画なり配置計画はどう考えるかという点をもう一度全面的に洗い直しまして、これは検討される問題でございまして、その場合におきまして、もしこの施設が防衛庁で引き続き使えないというような場合におきましては、その施設は行政財産でありましても、これは大蔵省の普通財産に戻りまして、防衛庁としてはこれを放棄するという形式になろうかと思います。
○淡谷委員 さっきの他の委員の質問の中で、米軍あるいは日本の自衛隊は、海軍の兵力による防衛の線がだいぶ強く浮かび上がってきております。たまたま横須賀には米軍の原潜が今度はダブルで入ってきた。現在、陸上の施設の提供はかなりはっきりしておりまするけれども、まず、港湾施設その他の施設として提供しているのは横須賀並びに佐世保の二つだけですか。ほかにございますか。あるいはこの後さらに米軍から要求されるような港湾施設があるかどうか。その場合の施設庁の態度をお聞かせ願いたいと思います。
○鶴崎説明員 現在港湾として米軍に提供しておりますのは、佐世保並びに横須賀の海軍基地でございます。そのほかに小さなもので呉の第六突堤とかあるいははしけ停泊施設とか小規模のものはございます。
○淡谷委員 きょうは時間がだいぶおそくなっておりますので、他の委員の方も御迷惑と思いますからなるべく簡潔にやりますけれども、これまた陸上もしくは航空の米軍が随時日本を撤退するとしましても、極東戦略上の変化の中で海に重点を置くということになれば、新しく港湾その他の施設を要求される可能性があると思う。これはやはり慎重に注意をされて、もうすでに米軍基地撤退の方向がきまったのであれば、あまりに逆行するような傾向が出てこないように十分なる御配慮をお願いしておきたいと思うのであります。 防衛庁の防衛局長お見えになりましたからさらに御質問申し上げたいのですが、三沢の天ヶ森の射爆場で自衛隊が今度共同使用することが合同委員会できまったようです。あそこの天ヶ森の射爆場は、米軍の場合、場所に制限なしにどこの米軍でも使えるという形になっておりますが、自衛隊の場合は、あそこで演習する部隊というものは大体きまっておりますか、どうか。
○宍戸説明員 三沢の天ヶ森の射爆場につきましては、八戸の航空自衛隊が主として使うということに、地理的にそういうことになろうかと思います。しかしそれ以外の部隊が一切使わないというふうなきめということがあるわけではございません。
○淡谷委員 これまた米軍と同じように、米軍は在日米軍以外の米軍がありましょうけれども、自衛隊は全国的にあそこの射爆場が使えるというお考えですね。現地で聞いてみましたら、何か福島以北の部隊というようなことも聞いたように思うのです。まだ報告書が来ませんのではっきりしませんが、それは思い違いないでしょうね、局長。
○宍戸説明員 理論的にいいまして、特別、どこの部隊でなくては使えないということにはならないと思います。ただ内部の実際の使い方としまして、割り当てをしまして、そうして東北方面なり北部方面のどこの部隊が使うというふうなことは、内部として割り当てるということはあり得ると思います。
○淡谷委員 これは現地の実際を見ていただいたのですから、当委員会でもいろいろお考えがあるだろうと思いますが、特に長沼の問題に関連しまして、札幌を防衛するためには五十キロ外部から爆弾を落とされるような演習に対する防御だという御説明を聞いたのです。そうしますと、あの射爆場がああいうふうになっておりますと、かりに五十キロ外から爆弾が落とされるとすると、非常に危険な状態に置かれるわけですな。これは戦術に関する問題ですから、この委員会でお聞きするのはなんだと思いますが、自衛隊などが完全に危険区域の中でやっていることを見てまいりましたが、米軍の演習というのは完全に外からやっているんですね。誤爆あるいは誤投というものは危険区域外で行なわれておる。まさか防衛庁が米軍のあれを干渉するわけにいきますまいが、施設庁としてはこの点をもう少しはっきり確かめて、この前も御答弁を得ておりますが、誤射、誤投による大きな災害が起こらぬように、よほど慎重な注意が要ると思います。前にはこの委員会で三トンの模擬爆弾を投下していることをお話し申し上げたのですが、今度調査に行ってみますと、二十五トンという模擬爆弾があるのです。これは模擬爆弾で爆発はしないにしても、万一誤投あるいは誤爆があった場合には、これはたいへんな災害だと思いますから、この際合同委員会で取りきめた場合ですから、この模擬爆弾は自衛隊のものですが、十分そういうふうな危険がないように御配慮願いがたいと思う。 それから防衛局長に一つお伺いしたいので丈が、この間の私の要求に基づいて北富士の治安出動訓練の概要が出てまいりましたが、市ヶ谷駐とんの陸上自衛隊東部方面隊第一師団第三十二連隊ですが、四十四年の八月二十七日に五百四十八名の参加人員でなされている。主要装備は車両(トラックなど)四両、装甲車六両、戦車六両、ドーザー一両、給水車一両、ヘリコプター一機、かなり大がかりな出動です。これは治安出動としてはとても機動隊なんかの比ではないような大がかりな装備でなされている。その訓練の内容ですが、連隊の市街地における暴徒制圧準備及び同制圧行動、暴徒制圧準備とその制圧行動だというふうにその訓練内容は規定されている。状況、つまり想定ですが、石、角材、火災びん、猟銃等を手にした多数集団が、仮定の市街地内においてバリケードを築き、警察と衝突後付近の建物を占拠、その後建物内から猟銃による射撃が行なわれているという想定なんですね。これはここまできますと明らかに内乱であり、内戦の様相を示してまいりますが、一体この訓練内容に示されました暴徒というのはどういう性格の暴徒としての訓練をされたのか、その点をお聞きしたいと思います。
○宍戸説明員 どういう性格の暴徒というお話でございますけれども、特に暴徒の性格づけをいたしたわけではございませんで、ここに資料として御提出申し上げましたように、石とか角材とか火災びんとか猟銃等、そういったいわば相当性能の高い凶器類まで持っている、そういう多数の集団がいわば治安を乱しているといいますか、騒擾的な行動に出ているということを想定しまして、その鎮圧訓練をいたしたということでございます。
○淡谷委員 確かに想定ですから何を想定してもかまいませんけれども、まさか冒検漫画の月世界制覇みたいな想定じゃないだろうと私は思う。やはりこの想定を見ていますと、どこかに現実性を持っていますね。石持ったり、角材持ったり、火災びん持ったりするのは、だれが持っているか大体わかりますね。猟銃というのはこれはどういう意味ですか。石、角材、火災びん、猟銃。現在行なわれている、はっきり申しますと三派全学連その他の行動派の学生のやっている行動ですが、あの中で猟銃を持ち出しておるのはないでしょう。ことさらにここに猟銃を加えたわけというのはどういうわけですか。
○宍戸説明員 最初のお話のように、特別の性格なり集団なりを特定して想定をつくる必要もございませんし、正直に申し上げて、そういう特定のものを想定したわけじゃございません。ただ石とか角材とか火炎びん等のことをやりましたのは、もちろんこれは警察の仕事ですけれども、そういう事態が現実にあるものですから、実際に想定もつくるときに現実の知恵しか浮かばないものですから、そういう例に自然になってしまうということしか意味はないと思います。要するに治安を乱している暴徒を想定すればよろしいわけです。そういうことと、それからいわば銃みたいなもの、飛び道具を使わないで、せいぜい石とか火炎びん程度のもの、現にそういう事態がありますけれども、原則としてはその程度の事態では警察の機動隊で現にやっておりますし、今後も警察で十分に対処できるであろうということは、われわれの原則的な考え方でございます。もっと事態がエスカレートするということがないことを望みますけれども、かりにあるとしますと、それに飛び道具が加わるという事態を想定して、そういう事態がかりにあるとしますと、自衛隊の仕事にならざるを得ないだろう。警察は小銃は持っておりません。猟銃に対抗し得る飛び道具を持っておりません。拳銃程度でございます。それから警棒程度、催涙ガス程度で対処できる事態であれば、警察が十分対処できるはずであるから、原則的な訓練の想定としては、そういう程度のものはあまりつくらないほうがいいわけです。もっとエスカレートしたことを考えるほうが自衛隊の訓練としては効果的であるということで、一段高いものを考えると、日本の事態ですから、実際に猟銃店なんかありますから、猟銃店から盗んでくるというようなことで、猟銃を相当程度暴徒が持つかもしれぬということをかりに考えて、そういう事態は警察の手に負えないから、自衛隊が装甲車なり戦車等のような、少々たまが飛んできても現場に行けそうな装備を持っておりますから、そういうことで活動する事態が不幸にしてあるかもしれぬ、その場合のことを考えて演習をやるのがよかろう、こういうことでございます。
○淡谷委員 逆にいいますと、石、角材、火炎びん等を持っているいわゆる暴徒ならば、警察機動隊の手に負えるけれども、猟銃の段階までいけば治安出動せざるを得ないだろう。そうしますと、現実的に学校などを占拠しております人たちが、かりに猟銃もしくはその他の火器によって、この想定にあるような行動に出た場合には治安出動するということになりますね。
○宍戸説明員 具体的に学校騒動等の事態で先生のほうからお示しがあったわけですけれども、われわれはそういうふうな事態になるとは現実には思いません。講堂にバリケードなんかをつくっていまは火炎びん程度投げておりますけれども、かりに相当数が猟銃で武装する。猟銃でもライフル銃でもよろしいですけれども、要するに飛び道具で武装する。そうして機動隊が来るのを頭から、ただ、いまのように火炎びんを投げつける、石を投げつけるというようなことでなくて、飛び道具で機動隊に対抗するようなことになれば、おそらく屈強な警視庁の機動隊もちょっと近寄りにくい。死者も出る、そういう装甲車等持っておらないわけですから。かりにそういうことになりますと、自衛隊の出動云々ということを考えなくちゃならない。仮定の問題でございますけれども、理論的にいうとそういう理論になろうかと思う。具体的な事態としてそういうことを想定するということになると、これは困ることになるのですけれども、具体的な事態としては、警察もそういうことはあり得るとは考えておりませんし、われわれもそのために訓練しておるわけではございませんから、理論だけで申し上げますと、相当の飛び道具が飛ぶということになれば、原則論として、理論として申し上げれば、警察の力を越えると言わざるを得ない、こういうことかと思います。
○淡谷委員 ともかくも、自衛隊が装甲車を出し、戦車を出し、そうして全面的にこれを鎮圧する段階になれば、これは単なる騒動くらいじゃなくて、一つの内乱状態になると見ざるを得ない。そこで問題になるのは、自衛隊法の第七十八条ですが、「命令による治安出動」、「内閣総理大臣は、間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもっては、」云々という一項がありますが、この治安出動はどっちに属したものですか。一般緊急事態と見るのかあるいは間接侵略と見るのか。
○宍戸説明員 この八月二十七日の想定ということでございましたら、これはいまの七十八条の条文からいきますと、「その他の緊急事態」ということになろうかと思います。つまり「間接侵略」のほうの事態を想定することは、もちろん想定としては可能なわけですけれども、そうしますと、おそらくもっと、何といいますか、間接侵略の定義は先生よく御存じですけれども、外国の教唆、扇動があるということで間接侵略ということになるわけですから、こういう想定の場合も、某国のほうから教唆、扇動があって、そうして、たとえば武器が輸入される、その武器によって多数集団がこういう事態を起こしたというような想定を——もちろん想定ですからつくることは可能ですが、そう書いておりませんので、いま御指摘の方法で申し上げれば、法文上は「その他の緊急事態」の場合を想定したと申し上げるほうが正しいかと思います。
○淡谷委員 きょうは伊能前防衛庁長官でもいらっしゃればたいへん話がしやすいのですが、委員長を除いて自民党のほうの委員がほとんどおられないようですから、私はあまりこれは暴露いたしませんが、自民党で出されました安全保障調査会の答申書なるものに、政府がいままで非常にためらっておった仮想敵国の名前があがっております。これは党ですから、そう思っているのでしょうけれども、しかし、少なくともいまの自民党というのは政府の与党ですから、ここで具体的な名前は、国会の質問ですから私申し上げませんが、その中に間接侵略に関する一項がある。間接侵略とおほしき運動の名前が具体的に列記されておる。基地闘争なども入っております。それからそれを行なう間接侵略を受ける可能性のある団体の名前までもあがっております。社会党の名前もあります。その他の団体の名前もあります。そうしますと、間接侵略の仮想敵国が何かわれわれみたいになる。これは非常に憂うべき国内相克を生み出す事態だと私は思います。実は安全保障調査会の答申書を見ましてぞっとしました。ちょうどこの前の大東亜戦争の前夜的なあれは一つの構想になっておる。 そこで、お聞きしたいのですが、もしもこの行動が間接侵略によるもの、その他の緊急事態によるものとしても、形の上ではたいして変わりはないだろうと思うのです。想定されておるように角材、石、火炎びん、猟銃などを持ち出すということは間接侵略であれ、あるいはその他の緊急事態であれ、形は変わりはないただ判断です。それが間接侵略によったものか、その他の緊急事態なのか、この判断はどのようにしてなさるのですか。 同時に、その間接侵略の場合とその他の緊急事態の場合で、装備その他の鎮圧のしかたに相違があるかないか、これを御答弁願いたい。
○宍戸説明員 装備とか、実際のオペレーションといいますか、作戦行動といいますか、運用の方法については、侵略の事態、緊急事態の事態によって当然異なってくると思います。小さな——自衛隊が出るのですから、一般的にはもちろん大きいのですけれども、自衛隊が出るような事態の中でも、あるいは下限、下のほうでありますと、機関銃であるとか小銃程度でよろしかろうし、上のほうに近づけば近づくほど、つまり相対ですから、向こうの武器が強力であればあるほど、こちらの武器も、もちろん強力でなければ鎮圧の目的は果たせない、こういうことになろうかと思います。 間接侵略とその他の緊急事態の、事態の差異はいま申し上げたようなことになろうかと思いますが、どこでそういうことを判断するか、だれが判断するかという前段のお尋ねでございますけれども、ここの七十八条で規定しておりますことは、自衛隊の全部または一部を出すか出さないか、その前に、一般の警察力で不足している事態であるかどうか。警察力では対処できるかできないか。つまり、内乱騒擾的な大きな事態があるわけですけれども、それで、警察力では十分でないかどうかということを判断されるのは、もちろんいろいろな補佐役はありますけれども、最終的には総理大臣、法文上当然そうですし、もちろん実際にもそうであろうと思います。その場合に、総理は、これは間接侵略だからどうこうせい、これは侵略でない、緊急事態だからどうこうせいということを、おそらく御判断になる必要はないだろうと思います。自衛隊が出るか出ないか、警察力が不足するかどうかということは、防衛庁の大臣なりあるいは警察担当の大臣なりが十分補佐されて、総理が決断されることになろうと思いますが、事態は内乱騒擾的な事態があって、いま申し上げたような条件に当てはまるのかどうかという御判断であって、それが間接侵略かどうかということは、その場合に判断されるというものではなくて、あと理論的に、あるいはある外国からの教唆扇動があったから、その内乱騒擾は単なる国内の内乱騒擾ではなくて、間接侵略ということに規定すべきであるかということは、議論はもちろんあり得ると思います。現に間接侵略的に某国からの教唆扇動が明らかであれば、それを遮断する方策を自衛隊なり警察もとれというふうなことになろうかと思います。それは間接侵略事態と規定されたから、判断されたからということでなくて、現に某国からこういう種類の教唆があり、こういう種類の宣伝があるから、それを断ち切らぬことには内乱騒擾はおさまらんじゃないか。だから、警察はああせい、自衛隊はああせいということになろうかと思います。それは間接侵略だからと総理が判断されるわけはないだろう、実際問題としてそういうことになるだろうというふうに私は想像いたしております。
○淡谷委員 私は、自衛隊がこういう想定のもとに、治安出動の訓練をしなければならない事態というのは、非常に憂うべき事態だと思うのです。一歩間違ったら国をまっ二つに割って、同じ日本人同士が敵、味方に分かれて一つの闘争を行なうということは、日本の歴史にかつて見なかったような、非常に惨烈な事態を引き起こすと思う。こういうふうな訓練をされたこと自体が、これは自衛隊だけとは言いませんけれども、これは自民党の安全保障調査会の答申などにも多分に私は不満を持つのですが、いたずらに国内にそういう相克する二つの陳営を予想することは、逆に、そういう事態をかもし出すという危険を感ずる。ただ、その騒乱を、その他の緊急事態としての内乱だからこうするんだ、間接侵略だからこうするんだというような区別をつけた鎮圧方法というのは、自衛隊はないわけですね。間接侵略の場合は装備も変える、その他の緊急事態の場合は、別な装備でやるというふうに、その原因についての装備あるいは方法の差異があるかどうか。
○宍戸説明員 さっきもちょっとお答えをしたつもりでございますが、まず、これは間接侵略だからと先にきめる、あるいは間接侵略でない緊急事態だからというふうに先にまずきめて、そこで、さっきの場合をAとしますれば、Aの場合だからこうぜい、Bの場合だからこうせいというふうな手順を考えているわけではございません。もっぱら事態によりまして、相手の武器がどうである、あるいは間接かどうかというお尋ねのほうの問題とすれば、外国からのこういう教唆の行動なり宣伝なり、いろいろなやり方があると思いますけれども、そういう事態があるかどうか。どっちにしろ、内乱騒擾的な事態が現実に出なければいけないわけですが、それが外国と縁があるかどうかということによって、法文上の間接侵略かどうか分かれるわけです。自衛隊が主として考えるのは、法文上の差ではなくて、外国からそういう行動なりいろいろな教唆扇動的なものが現実にあれば、それを自衛隊なり警察が遮断することもしなければいけないし、同時に、現場の内乱騒擾的な事態の鎮圧にも当たらなければならぬということになりましょう。それから、そういういろいろの情報等の判断からしまして、外国の手助けその他はない。ないけれども、大きな騒擾があるという場合には、そっちのほうは別にどうせい、こうせいということを命ぜられる必要はなくて、もっぱら現場の鎮圧に当たることだけを考えればいい。実際問題として、そういう差は出ると思いますけれども、最初に申し上げたように、まず、どの事態だと先にきめて、Aの手段、Bの手段とあらかじめ分けておいて、間接侵略だからこうだ、そうじゃないからこうだというやり方は考えておりません。もっぱら事態の大きさによって、こういう武器のときにはこういう対処をするんだ、この程度であればこういう対処をするんだという考え方、その考え方によって訓練をする、こういう考え方をしております。
○淡谷委員 もうやめますが、これはもう長官はいないことだし、近いうちに国防白書も出すそうですから、白書が出た上であらためて本格的な議論をしてみたいと思いますが、ただ、この訓練をやった場合に、たまたま北富士の基地返還を求める忍草母の会の御婦人たちが抵抗しまして、この演習との間にトラブルが起こったことは、この前に聞きました。そうしますと、訓練が非常に不幸なことに実際になっちゃったわけですね。しかも、さっき言ったとおり、基地闘争も間接侵略の一種だなんていう規定が政府・与党においてされている場合ならば、そうじゃなくとも、そういうふうな国内相克を、こんな事態、治安出動自体からも起こす可能性がだいぶあると思う。だから、この点は、一線で出動する皆さんに要求するのは無理かもしれませんが、十分配慮していただきたいと思う。 それから、間接侵略によるものかその他の緊急事態かというこの判断を、これはおそらく内閣総理大臣がやると思います。出動についても、二十日以内に国会に承認を求めることになっておりますから、われわれにも責任がありますが、これを簡単に自衛隊が現地で、間接侵略だ、あるいは、その他の緊急事態だと判断して、それで手かげんを加えるなんていうことがあっては、これはたいへんにあぶないと思いますから、幸いないというのですからそれはそのままに承りますが、少なくともエスカレーションさせるような方法、こういう訓練自体が逆に国内における騒乱を引き起こすようなことだけはしないように深甚なる御注意を促しまして、きょうの私の質問は打ち切ります。 ありがとうございました。
○塚田委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会 ————◇—————