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61回国会衆議院1969/08/26

内閣委員会 第44号

発言数
303
登壇者
24
会派数
4
開催日
1969/08/26

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  公務員の給与に関する件について調査を進めます。  去る十五日の、一般職の職員の給与の改定に関する人事院勧告につきまして当局より説明を聴取いたします。佐藤人事院総裁。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 閉会中にもかかわりませずこの機会をお差し繰りお設けいただきましたことに対して、厚く御礼を申し上げます。  ただいま委員長からお話がございましたように、去る十五日に人事院は、国会及び内閣に対しまして、公務員給与の改定に関しまして報告及び勧告を申し上げた次第でございます。ただいまから、その要点をかいつまんで御説明申し上げたいと思います。大体お手元に回っておると思いますが、「給与勧告についての説明」といたしました刷りものを見ながら申し上げます。  第一点として、人事院が従来民間給与の調査、それと公務員給与の調査との比較を常にやってまいっておるわけでございまして、例年のとおり、本年も四月におきましての官民給与の正確な比較を行ないますために、一般職国家公務員の全員について、国家公務員給与等実態調査を実施いたしますとともに、片や民間側につきまして企業規模百人、事業所規模五十人以上の事業所すなわち全国で約七千の民間事業所につきまして、約五十万人の従業員を対象といたしまして職種別の民間給与実態調査を実施いたしました次第であります。  右の調査に合わせまして、ここ数年来やっておるのでありますが、いわゆる春闘において四月にさかのぼって実施される給与改定の状況ということにつきましても、付帯的に調査をいたしましたのですが、その結果いわゆる積み残しの問題に関連いたします事業所は従来どおり依然多数にのぼっておりますので、四月現在の官民給与の格差を基本といたしながら、この遡及改定の影響も加味して格差を算出いたしました。その結果一〇・二%という給与改善が必要であるということを認めました次第でございます。一〇・二%の改善をいたしますにつきましても、その配分の問題といたしまして当然俸給表に重点を置きました。なお、諸手当についてもきめこまかい配慮を加えたつもりでございます。その内訳は俸給で八・七%、諸手当で一・〇%、その他で〇・五%、計一〇・二%。これを金額にいたしますと平均五千六百六十円ということに相なります。これによって民間の水準に見合う給与の改善ができるものと私どもは信じております。  次に、給与改定の内容について申し上げます。  第一は、俸給表の改善でございます。これはたびたび申し上げておりましたところでありますが、公務員志願者の近年における激減に顧みまして、初任給の問題についてわれわれ非常に関心を持っておったのでございますが、このたびもやはり初任給の民間の状況に照らしまして相当力を入れました。それから、なおもう一つは、世帯形成時、いわゆる結婚する年齢に当たるようなところの職員の給与についてもできるだけ措置をいたしたいということで、結局中位等級以下の給与改善に重点を置いたということになります。  なお、俸給表の金額の改定につきましては、これはすべての俸給表の全等級にわたっておりますが、その中でも医師の関係それから研究職員の関係につきましては特段の考慮を払ったつもりでございまます。  なお、先ほど触れました初任給につきましては、民間との均衡をも考慮いたしまして、一般の事務・技術系の場合について大学卒が三千二百円の引き上げ、高校卒が二千八百円の引き上げとなっております。  次に、諸手当の改善でございます。  そのうち第一は、扶養手当でございます。ことしは扶養手当について民間調査をいたしました結果、相当民間において増額が行なわれている。しかもこれが配偶者に対してほとんど集中的に引き上げが行なわれている。これが千七百円というところになっておりますので、現在の国家公務員の場合の現行千円、これを民間に合わせて千七百円に引き上げた次第でございます。配偶者をこのように大幅に引き上げますと子供との関係、現在では第一子六百円、第二子以下四百円ということになっておりますので、その間の段階が少し広くなり過ぎますので、そこで一案を考えまして、母子家庭の場合、配偶者を欠いており、しかし子供がおるというような片親の家庭の場合につきましては、そこの第一子については特に手当額を千二百円ということにいたしたわけでございます。  次に、通勤手当でございますが、これは国鉄運賃の定期代の引き上げが大体平均一五%行なわれておりますので、その関係を考慮いたしまして、これに見合った改善をしております。全額支給します限度額は現在二千四百円になっておりますのを二千八百円に引き上げる。なお、あと第二段階として、二分の一加算の限度額が御承知のようにございますが、この限度額千二百円を今回千四百円に引き上げることにいたしております。なお、職員の通勤定期券を購入される側の実態等を考慮いたしまして、従来三カ月定期券ということで算出しておりましたのを一カ月定期券ということに基礎を改めております。  なお、これに伴いまして、自転車等の使用者に対する定額の支給分も六百円のものを七百円、原動機つきの場合は七百円を九百円ということに引き上げております。  次に、従来非常に頭を痛めておりました医師の関係でございます。これは官民の格差が最も顕著なるものでありまして、その間を埋めるべく近来非常な努力をしておるのでございますけれども、依然としてなかなかその格差が埋まりません。今回さらに従来の初任給調整手当に大幅の改善を加えて、その間の調整をはかりたいということでございます。医師の場合は、御承知のとおりへんぴなところに行くほど採用難があり、したがって給与が高いのであります。初任給調整手当も、医師の場合につきましては地域別に段階を設けて去年から措置しておりますが、ことしの場合は一番辺地に当たりますところ、一番高い初任給調整手当につきまして、たとえば一例として申し上げますと、今日二万円になっておりますのを一躍三万二千五百円に引き上げ、他の段階についてもこれに類似した措置を講じております。同時に、支給期間の限度も、場合によって十五年未満のところもございますが、今回すべて支給期間は十五年、そういうところに限度を置いた次第でございます。  次に、期末手当でございますが、これは昨年は据え置きでございましたが、今年の調査の結果によりますと、民間の場合、公務員に対するいわゆる期末、勤勉の支給額に比べますと相当上回っておりますので、これに合わせて、公務員につきまして〇・一カ月分だけ増額することにいたしております。  次に、最近世論の関心を引いております看護婦の関係の問題がございますが、これは、夜間の看護婦の勤務に対しましては、先年夜間勤務手当として一回百円という額を制度化したのでございますけれども、さらに昨今の需要にかんがみまして今回はこれを倍増いたしまして、従来の一回百円を二百円ということに引き上げております。  それから夜勤関係では、交代制勤務で、しかも深夜にわたって非常に密度の高い勤務をされる方々に対して、従来看護婦以外にもある程度措置をしておりましたが、今回さらにその対象を広げまして、国際空港における旅具の検査、旅券審査、検疫というような仕事に従事される職員あるいは気象庁における予報業務に従事する職員の方々というような人たちに対しまして、勤務一回につき百円、深夜にわたる場合は百五十円という特殊勤務手当を支給することといたしております。  最後に、これは勧告そのものには載せておりませんけれども、報告書にうたっておいたところでございますが、年齢階層別に官民の給与格差というものを見ますと、民間における昇給制度のあり方等が反映いたしまして、一定の年齢を越えた高齢の職員の場合については民間のほうが非常に低くて、公務員のほうが非常に高くなっておる。その結果、逆に申しますと働き盛りの人が公務員の場合は低くなって、民間のほうが高くなっておるというような非常にアンバランスが認められますので、これはやはり公務員側において調整すべきであろうという意味で、民間における昇給制度というようなものも十分勘案いたしまして、公務員側においてこのほうの検討をぜひひとつ進めたい、成案を得次第これを立法化していただきたい、そういう気持ちで特に報告の中でそのことを指摘しております。  なお、一番大事なことは、この改定の実施時期でございますが、これは従来どおり勧告におきましては本年五月一日といたしておりますが、これはこの春の官民給与の比較に基づく格差を埋めていただくものということになっておりますので、当然五月一日にさかのぼっていただかないと筋が通らないという気持ちでおるわけでございます。ことしこそはぜひこれが完全に実施されますよう、強くこの機会にお願いを申し上げます。  以上、簡単でございますが、御説明を終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 総裁に開会中に私一ぺんこの席で人事院のお考えになっておるところを承ったことがあるのでありますが、以来たいへん御努力をいただきまして、ああいう情勢の中といたしましてはともかく一〇%台に乗ったという点は私どもも評価をするところでございまして、たいへん御苦労さんでございました。  ただやはり、どうも四十年を境にいたしまして、労働省調査等に基づく民間賃金の上昇幅というものと出された人事院の勧告というものをながめますと、どうもだんだん幅が開いてきたような感じがしておりました。四十三年など特にそうであります。今回は、労働三権も完全にないのでありますから、何とか、せっかく民間賃金も大幅に上がって、労働省が一五・八%と言っておるわけでありますから、せめてそのくらいのところまではこれはいってもらわなければ困る、   〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕 こう思っていたわけでありますけれども、またまた今回どうも、またパーセンテージにすればけっこういいところにいったということになるのかもしれませんけれども、労働省調査の中身にすると九五・五%ぐらい。ただ調査のやり方が違うことは私も百も承知でありますけれども、これがなぜこういうふうに、一方世間一般をながめてみて、労働省調査では一五・八である。いつかも私、この下の職員の方々が掲示板に書いているのを例にあげましたが、そういう期待感が一般にあるわけでありますが、それがどうしてもそういう数字が出てこない、ここらあたりに旧来の人事院の調査方式にも少し検討を要する時期が来ているような気もするのでありますが、それはともかくとして、とにかく一般の民間が上がったところまでいかなかったという点はまことに私は残念であります。どうして今回こういう結果になったかについて総裁の感じを、これは調査をサンプリング方式をとっておやりになっておりますから、方式が違いますから、克明にということになると、またいつかみたいに総裁がおこり出すように、個票を出してみてくれということも言わなければならぬことになりますから、どうして四十年以降今日まで民間の上昇率を割ってしまうという結果になっているのか、ここにある意味で、どうも少し政治的に人事院を取り巻く諸般の情勢がきびしいのではないかというものの見方も成り立つわけでありますから、それが誤解であれば誤解であるようにやはり総裁から解明をしていただく必要がありますので、冒頭に一言お答えをいただきたい。御努力のほどは認めます。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 十分おわかりになってのことで、また調査のやり方も違うということも御指摘のところでございます。まことにそのとおりでございまして、春闘の上がりが一五・八ということは十分承知しておりますけれども、何ぶんこれは私どもの直接調べたものでもなく、またその中には定期昇給その他も入っているというようなものとしてわれわれは見ておるわけであります。私どもとしてはあくまでも四月の調査、すなわちこれは百人以上でございますから企業規模は中小企業から上になりますけれども、とにかく百人以上の企業規模の七千事業所をとらえて、そして五十万人の従業員一人一人から個票をとって集めた結果でございますから、私どもは現在の水準を突き合わせるとして考えるならば、これが一番正確な方法である。したがいまして二けた出たことも、これはやはり自然な形であります。またいまの春闘相場といわれるものとの隔たりにつきましても、これは若干いまおっしゃいました定期昇給その他も考えるとそう非常識な形ではないという気持ちで、自信満々としておる次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 非常識でないということは、これは多少低くても非常識でないと言える場合もありますから認めるのですが、そのあとがいかぬですね。自信満々としておりますというのはよけいだ、これは総裁一言多かったわけであります。  そこで、いま定期昇給、定期昇給とおっしゃるのですけれども、実は一〇・二%といっても、これは引き直して一〇・二になるので、実際に出てきた数字から言えば一〇・一五であります。それを一〇・二と見て、この一〇・二%プラス定昇をいつもの計算万式で四%と見まして、そうしてさらに暫定手当の本俸繰り入れその他ありますから、それを〇・八と見まして、つまり一〇・二%プラス定昇分の四%プラス暫定繰り入れ分〇・八%、合計一五・〇%でございますから、私が先ほどから申しておりますように、労働省は一五・八といっている。総裁は定昇も含んでおるとおっしゃるのだけれども、定昇を入れて比較をして一五・〇と一五・八なんですね。そこで〇・八違う。そこが非常識な数字ではないとおっしゃるなら、百歩下がってそれを認めてもいいが、どうもそのあとのほうで自信満々じゃこれは困る。しかもいつも完全実施をしない、こういうことでございますから、なお困ることになる。そういう自信満々というのを、完全実施のほうで自信満々とおっしゃるなら非常識じゃない数字というのをそのとおり承ってもいいのですけれども、そこらが一般の民間の上がりぐあいからすると非常に納得しかねる問題だという点を指摘しておきたいわけであります。  そこで官房長官——前官房長官でございますね。どうもつい口に出ますが、これはかつてから何べんもやりとりをしている副長官のことでありますから十分おわかりだと思いますし、かつまた時間もないようでございますが、実は保利官房長官とのやりとりで、勧告が出たときにということになっているのでございます。したがって、出たのだから、出た上に立って、さて当時のやりとりからするとどうなるのだ。実は一点の曇りもなく完全実施をこの席で申し上げるわけにはまいりません、こういう御答弁でございまして、一点ぐらいは曇ったって完全実施と言ってくれればいいと私はあのとき言ったのだけれども、だからそこを聞きたいのでございますけれども、日韓閣僚会議の初日だそうでございまして、保利さんもお忙しいようでございますから、給与については副長官のほうが詳しいわけでございますから、まことに好都合だというふうに考えまして御出席をいただいたわけでございます。  そこで、まず冒頭に承りたいのは、先回の国会の幕切れのいきさつから見て、実はやらなければならぬことが幾つもあったのだが、時の勢いでやれなかったという結果です。責任の度合いがどちらにウエートがあるということを申しませんけれども、どこかでこれは処理しなければならぬ問題もある。ということになると、臨時国会の時期なんということもひとつこのあたりで言っておいていただきませんと、たとえばこの委員会の所管である恩給法などに関しましても、私のところなどにも非常にたくさん質問が参りまして、どうしてくれるんだ——あの法律は十月実施になっておるわけでありますから、臨時国会がそれまでに開かれないとなると、大体がお年寄りでございますし、六十五歳以上の方々が大多数でございますから、そういう点もありますので、一体政府側のまとめ役という立場でお考えになって、どの辺の時期にそれらの問題を含め、かつ給与法という問題も、これは改正が出てこなければなりませんしするので、どの辺のところでそこらのところをお考えなのか、概略めどだけでもひとつお漏らしをいただきたいのです。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 いろいろ報道はされておりますが、政府といたしましてはまだ臨時国会を開く時期はきめておりません。ただ御承知のとおり、臨時国会を開きますにはいろいろな前提があるわけでございます。従来の例によりますと、野党のほうから成規の手続によって御要求のある場合もあります。また当然開くべきときには政府が召集する場合もございます。今回の場合いろいろ想定いたしますと、まず、いま大出さんがおっしゃったとおり、前国会のいい意味におけるあと始末が第一にございます。第二はこの人事院勧告、また今後いろいろ発生してまいります災害の問題、この三つが前提条件であります。したがいまして、災害状況のことは今後を待たないとわかりませんが、人事院勧告はもう出ておるのでありますから、前国会の成立を見なかった法律案等の処理につきましては、これはできるだけ早い機会に臨時国会を開いていただいて、そこで処理をしていただくということは、政府としては非常に希望するところでございます。ただ、御高承のとおり、長い通常国会のあと、政府といたしましては予算編成の作業に入らなければならないし、また、これもいろいろ日程が取りざたされておりますが、まだきまっておりません佐藤総理の訪米ということもございますし、まだ政府といたしましては、いずれの時点で臨時国会を召集するかきめかねておるというのがいまの実情でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 問題点が三点あって、一つは前国会の国民生活に影響のある法案の処理をしなければならぬという点、これはもう与野党いずれの立場に立ちましても、いろんな理屈がありますけれども、国民という立場から見れば、処理されなければ困るわけです。どっちにしても、これは責任の所在は、今日国会は閉会しておりますので、政府にあると私は思うのです。そうすると、これはどうしてもそれをやってもらわなければ困る筋合いですね。そこへ人事院の勧告が出ている。さて、やる気になれば、これは補正という問題だって出てくるかもしれない。これからの問題としてこれはお伺いしたいのですけれども、そうなれば、なおのこと、これは国会が必要になる。それから、いまもお話が出ました災害問題、米のときの二百二十五億、どうされるか知りませんけれども、そういうような問題がある。そうなりますと、やはりこれはおおむねのめどくらいは出しておいてくださらぬと、閉会中といえども審査手続は衆議院の場合はとっておるわけでありますから、そこらに合わせてこれは閉会中も論議していかなければなりません。  そこで、もうちょっと具体的に伺いたいのですけれども、九月という時期は、皆さん方の日程等をいろいろ承っておる限りでは、ちょっとやれそうもない。そうすると、当初内閣官房から出てきたお話のようでございましたが、十月という話が出ました。ところが、予算編成その他をやっていく、つまり行政事務という面からいきますと、とてもじゃないが十月に開いていられない。これはしかとそういうふうに承りました。そうすると、十一月に開くか十二月、年内開くことよりないということになる。  さて、いま話に出ました佐藤訪米という問題もある。やはりこれは開会すれば、前のこともございますので、取りまとめという意味では総理がおいでにならなければ困る。そうすると、総理がアメリカにおいでになる時期というのは十一月末あるいは十二月の初旬、こういう予定で進めておられるように新聞は報道しております。そうすると、その前に開けなければ、そのあとということしかないわけでございます。したがって、私は、どうも残念なことだけれども、十二月という想定を、これは全くばくとした観測になりますけれども、して、そういう腹づもりで、これは総裁は勧告をしたのだからやはり早く審議をしてもらいたいという気持ちもおありのようでありますし、そうすると、大体そこらの想定でものを考えていかなければ間違うような気がするわけでありますけれども、九月はこれは物理的に無理だ、十月は予算編成とからんでいろいろやってみるけれども無理だ、そうすると、それから先どうやら十二月というところにいきそうだというくらいは概略、見当としてお話しおきいただけぬかと思うのです。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 私がそういうことを申し上げたとして報道されております佐藤訪米の時期は、全くこれはきまっておりません。あるいはそれより早くなる可能性のほうが十分でございます。したがいまして、そういう点も勘案いたしますと、あるいは十一月のある時点に佐藤訪米が実現するかもしれないということになりますと、お察しのとおり、やはり常識的には、見当といたしましては、十二月という月を聞くのではないか、こう考えます。

大出俊日本社会党

○大出委員 わかりました。  そこで、この勧告の問題に入る前に一つだけここで承っておきたいのですが、総理府の総務長官お見えになっておりますので、所管の恩給の関係でございますが、私の当時の記憶でいきますと、六十五歳未満の方が二〇・七%くらい、そのまん中が、七十歳までの間が一二・七%、七十歳以上が七・三%だと思いましたが、そういう三段階の仮定俸給表の改正があって、これは十月実施、こういうことになっておるわけですね。これは地方自治体の関係もございまして、右へならえするわけであります。退隠条例なり何なりつくらなければなりません。そういうことからいたしますと、どうも十月のつもりで皆さん腹づもりをし、胸算用をして待っておられた方々に、これは廃案という結果になってしまったわけでありますから、これは一体どういうふうに皆さんの気持ち等をお考えになって先行き処理をされるかという点をやはり明らかにしていただきませんと、心配で心配でたまらぬという、われわれの先輩各位から連絡をいただきまして、私も困っておるわけであります。その辺のところはどういうふうにお考えになっておりますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 恩給法の改正法案が、本院におきましては成立いたしましたけれども、参議院におきましてああいうような事態になりまして不成立になり、まことに残念に思っておりまするが、国民生活への影響、仰せのごとくまことに大きいのでありまして、これは政府といたしましては、次期国会に前の案どおりを提出して、そうして施行の時期はやはり十月一日として実施いたしたい、こう思っております。遡及させたいと思っております。しかし、この点につきまして、非常に事務の関連がございます。証書の発行その他の手続を要する。なるべくおくれないようにひとついまから心がまえをいたしまして、次期国会において成立の際におきましては、すみやかに実施できますように、できるだけの努力を今日考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 たいへんどうも深刻な手紙までもらいましてね。七十をこえて七・三%というのはどうも残念だ、しかし説明を聞いてみれば、審議会の勧告もあって三本立てのやつを一本にするのだということでこうなったということの説明を聞いた、しかしわずかであっても、生活の状況から見て一日も早くほしいのだ、したがって十月というふうに考えていたのが延びるようなことがあっては困るのだけれどもどうなんだということなんですけれども、ひとついまのお話のように、われわれの先輩各位のことでもございますので、御年配の方も多いわけでございますから、ぜひひとつこれは事務的に進めるものは進めておいていただいて、次期国会で通る、すぐ遡及改定ができるというふうにこれはお取り運びいただきたいとお願い申し上げておきます。  恩給関係につきましてはそれだけでございますので、関係の方お見えのようでございますけれども、心配なので実は念のために御質問申し上げた、こういうわけでございますから……。  そこで、この前の質疑のやりとりの経過からいたしますと、これは総務長官も何べんもお答えを言っていただいているのでありますが、本年の人事院勧告が出た場合に、どういうふうに予算的にお考えなのかという質問をいたしましたら、大蔵省の方も当時お見えになっておりまして、五%アップ、七月よりなんだと言う。予算説明の面ではそうなっている。さてそこで総務長官に、それだけかという念を押しましたら、いや、それだけじゃない、予備費のほうにも何がしかある、こういう実はお話だったのです。  まず、実は官房副長官時間がございませんので、いま総務長官と過去のやりとりを申し上げましたが、官房長官は、総定員法にひっかけた御質問でございましたから、遠慮もあっての御答弁のようでありましたが、人事院勧告というものの性格は申すまでもないのだ、政府としても、したがってこれは何とか、毎年毎年のことで、こういうことがあっては芳しいことではない、だから、でき得べくんば完全実施をしたい、こういう実はお話があって、政府もそれなりの予算措置はしてきたつもりだというお話がありました。さてそれをこまかく詰めましたら、いまここで一点の曇りもなく完全実施をいたしますとは私からは申し上げかねる、ではその一点の曇りとは何だという質問をいたしましたら、勧告の上げ幅の問題でまあえらい高い勧告でも出ると、どうもせっかく予算措置はしたのだけれども完全実施と言えない、それがつまり一点の曇りなんだ、こうなったわけなんですね。そうすると、保利官房長官の一点の曇りになるところに今回の人事院勧告というのはなったのかどうかです。これはたいへんなことだということになるのかどうか。そこらのところ、どう受け取っておられますか、副長官のほうでは。えらいことだということですか。そんなことはないと思うのですがね。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 保利長官がどういう意味で一点の曇りかあるいは多少かげりもあってということばを使われたか、私よく存じません。人事院勧告が出まして、確かに引き上げ率は私どもの予想しておった以上のことでございます、これは正直に申し上げまして。しかしながら、えらいことになったという感じはいたしません。これは当然のことでございます。人事院勧告をわれわれとしては尊重するという基本線は昔から変わっておりません。したがいまして、一点の曇りなくこれを実現したいというのが、これも、いまも変わっておりません。ただ、御承知のとおり、毎年のことながら、財政あるいは国民経済全般との関連がございますので、最大限の努力をして、政府の姿勢に一点の曇りもないような結末をつけたい、こういうふうに申し上げたい。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは総務長官に後ほど承りますが、七人委員会等の本年に入りましてからのやりとりもあるようでありますので、いま、まあ前向きで努力しようという意味のお話だと受け取りますが、いつごろまでに——大体新聞の報ずるところによると十月というようなことが書いてありますが、中身はともかく、取り運びのほうは副長官の手元だろうと思いますので、大体いつごろまでに政府の態度をきめようとお考えなのか、そころのところを承りたい。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 人事院勧告をいただきまして、即日第一回給与関係閣僚懇談会を開きました。いろいろまだこれからたび重なってこういう会議を開くと同時に、また全官公あるいは公労協の方々とか、そういうような打ち合わせの機会もあると思いますので、そういう過程を経まして、できるだけ早く閣議決定に持ち込みたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたとおり、人事院勧告を実施するについてのいろいろな前提、災害の状況、財政状況、特に税収の状況がございます。まず、私どものいま予想いたしますところは、やはり九月下旬から十月の声を聞くころではないか、こういうような予想をいたしております。

大出俊日本社会党

○大出委員 昨年はいつでございましたですかね、決定をいただいたのは。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 たしか八月三十日の閣議だったと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 実は昨年はいささか皆さんの決定が早過ぎた関係で、私ども国会におります者も、いささかつんぼさじきの感も免れなかったわけです。八月の二十七日でしたか、私記者の方にちょっとそれを聞きまして、あわてて確かめたら、どうもそういうぐあいだったので、公務員共闘の諸君にも、おい、どうも八月末にきまっちまうぞという連絡を入れた記憶がある。それであわてたようなところがあったのですけれども、これまた、なかなか世の中はひとりで動いているわけではありませんから、タイミングもありまして、あっという間におきめになるのもいいのだけれども、今回も総理が何か言っておられますが、きめたものをまたきめ直すなんというぶざまなことは困るから、今度は慎重にきめて、きめたら最後動かすなということを総理がおっしゃったということです。これは私にも責任があるので、まことに恐縮なんですが、したがって、そこらもありまして、やはりあまり極秘裏におきめにならぬで、ある程度七人委員会で論議をされたことなどは表に出していただく、公務員の諸君も心配しておりますからね。そこで、いま九月末なり十月の初めというようなお話だったと思いますけれども、そこにすなおに持っていけるような論議のしかた、表に知らせる、こういうような形をとっていただいたほうがいいような気がするのでありますけれども、そこら、いかようにお考えでございますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 決して政府部内で秘密裏にきめようとは思っておりません。したがいまして、いま十月という声を聞くであろうと申しましたけれども、あるいはこういう問題はおくれがちのものですから、必ずしも十月初旬とは限りません。できることならばなるべく早く、しかしながら最大限の努力をするという意味において、おくれがちであるということを申し上げたわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 財政当局ではございませんが、副長官ごらんになっておって、先ほどお話が幾つか出ましたが、災害もありましょうし、公務員給与もありましょうし、あるいはなお生産者米価のやりとりのときも農機具代なり肥料代なり補助金として二百二十五億円という問題もありますし、総合予算主義云々というたてまえなどを勘案いたしまして、いまのお話にも税収というお話もありましたので、したがって、そこらを考えて、補正財源というものを見つけて何か少し手直しをしなければならぬなという、そこらのところはどうなっておりますか、   〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕 ちょっと微妙な質問で恐縮なんですが。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 幾度も申し上げるとおり、最大の努力をする、こういうことは当然でございます。ただ、現時点で補正予算を必要とするかいなかということには、私はお答えできません。そういう点は御了承願います。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、七人委員会というのは今月これから何か予定がございますか。この間の給与の関係委員会ですね、七人委員会等で会合をお開きになったようでありますけれども、どういう日程でこれから相談をしていくというようなことをおきめになっておられますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 そういう具体的な日程はきめておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 この間会合をお開きになった中身というのは、差しつかえない範囲で承りたいのですが、どんなふうなことですか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 これは総務長官からお答えすべきことかと思いますが、人事院勧告を受けましたその日だったものですから、人事院当局及び総理府人事局長、その勧告の内容について説明を受けたところでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 副長官が大体三十分程度というお話でございましたので、時間の関係で私も急いで質問をいたしましたが、災害関係は暦年で計算をされる、一月から十二月、こういうことだと思います。まだわかりませんけれども、本年は非常に多発、こういうふうに見ておられますか——災害でございます。先ほどお話があった災害関係の予算もありましたが、これは十月という時期がありますからまだわかりませんけれども、現在のところ例年とはだいぶ違って多い、こういう見方をされておりますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村説明員 現在のところでは、それが多少多いぎみでございます。しかしながら、今後発生する災害のことは、これは予測できません。ただ、気象庁その他の予想によりますと、大型の台風がございますので、大いに警戒をしたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 いまの段階で副長官にこれ以上完全実施論争をやってもいたし方ないのでありまして、官房長官自身も、先般の私への答弁では、さっき例に引きましたように、完全実施を何とかやりたい、ただ、一点の曇りもなくといわれると、これはどうも一点の曇りもなく完全実施するということを言い切れない、こういう言い方で、相当その答弁は前向きになっていたと思うのであります。ぜひひとつその趣旨に従いまして、せっかくの御努力を副長官にお願いしたい、こう存じます。  そこで、総務長官に承りたいのですが、本年に入りましてからの七人委員会で、何か本年は六月、来年は五月などという相談をなさったやに新聞紙上その他で承るのですが、ここらのところはどういうふうになっておりますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 政府の態度といたしましては、人事院勧告を完全実施するということを基本方針として最善の努力を尽くすという形でございまして、なお、昨年にも、前国会にも申し上げましたけれども、おそくとも四十五年には完全実施できるように努力したいというわけでございまして、本年一月繰り上げて云々ということにつきましては、確定いたしておりませんが、しかし、できるだけの努力をいたしたいということにつきましては、意見の一致を見ておるところでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、いまのお話は、四十五年には完全実施をしたいということを七人委員会は相談をした、その過程において、ことしどうするかということは確たる結論は得ていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 さようでございます。しかし、予算におきましては給与改善費の意味におきまして、計上方法を改善しておることにつきましては、すでに申し上げたとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 さてそこで、人事院の側に承りたいのですが、人事院所管の分でいきまして、大体一〇・二%で、人事院側の見方としては概略どのくらい予算を必要とするとお考えになっておられますか。参考までにお聞かせください。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 従来その種のお尋ねがございまして、大蔵省当局の答えと私どもの申し上げる答えとは必ず食い違っておるので、そのつどしかられておるわけであります。したがいまして、今後は一切人事院ふぜいがお金の計算などはしないという決意で、今回は全然やっておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 どうも人事院ふぜいになっちゃ困るのですね。天下の人事院がそういうことじゃいかぬですよ。自信満々でございますと言うておいて、今度は人事院ふぜいがなんというのはよくない、衛生上よくないですな。だから私も気をつけて、参考までにと申し上げたのですが、参考にも聞かせられない、人事院ふぜいだから。そうなれば、大蔵省に聞くよりしようがない。  そこで総務長官の答弁によりますと、五%アップの七月よりということで、四百四十三億、そのほかに予備費に多少考えております、こういうお話だったのですが、予備費のほうというのは具体的に言うとどうなっているのですか。たしか九百億予備費は組んでおるわけでありますが、そこらのところをちょっと御説明いただけませんか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 予算委員会等におきましても申し上げたのでありますが、九百億の予備費の中の内ワクというのは、ワクははっきりとつくってあるわけではございません。

大出俊日本社会党

○大出委員 それじゃもう時間の関係もありますから、もう少し具体的に承りましょう。方々でいろんな発表が行なわれておりますが、大蔵省に承りたいのでありますけれども、一般会計、それから特別会計、それと重複分が出てまいりますから、それを整理した純計ということになりますか、これで今回の人事院勧告を実施するにあたって、話は三つ出ております。総務長官は来年五月実施を完全実施、こういうめどだ、こういうのでありますが、当委員会としては完全実施決議を何べんもしております。そうすると、これは五月実施、こういうことになる。それからどうもまん中で、新聞等を見ますと、来年二カ月一ぺんなんというわけにいかないんだから、ことし一ぺんやっておけというようなことで、六月なんて新聞に出ているものもあります。それから党の関係のほうでも、六月なんということを言っている方もあります。それから五%アップ、七月ということで、予算書の面からいきますと、七月というのが出てきています。したがいまして、今回の勧告を、五月実施、六月実施、七月実施に分けて、一般会計、特別会計、重複分を差し引いて、純計というふうに分けた場合に、どういう数字になりますか、大蔵省側からお答えいただきたい。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 勧告どおり五月実施といたしますと、一般会計で約千二百三十九億円でございます。特別会計が約二百七十八億円、合計いたしますと千五百十七億円。お示しがございました純計で申しますと、千三百三十三億になります。  それから六月、七月という御質問でございましたが、あわせてお答え申し上げますと、ただいま申し上げました数字に対応する数字を六月で申し上げますと、一般会計が千百五十八億円でございます。特別会計が二百六十億円、合計千四百十八億円。純計の数字で申しますと、千二百四十六億円でございます。それから七月実施で申しますと、一般会計が九百八十七億円、特別会計が二百二十二億円、合計千二百九億円。純計で千六十一億円でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 この際、あわせて自治省のほうに承りたいのですが、地方公共団体の関係につきまして、いまの数字に対応して、地方財政計画等の関係から見て、五月、六月、七月というふうにいたしますと、どういうことになるかという点を概略御説明いただきたいのですが……。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 五月実施の場合でございますと千六百三十五億円、六月実施の場合千五百三十億円、七月実施の場合千三百五億円でございます。これはいずれも国庫負担金を差し引きまして、一般財源関係でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうなりますと、重ねて大蔵省に承りたいのですけれども、今回の五%アップ、七月実施というのは、私の記憶では四百四十三億だったと思いますが、あと予備費のほうはかきねがないというので九百億。だがしかし、例年大体七百億見当が予備費、昨年は給与財源を予備費に持っていった関係で多少変わっておりますが、この何月にするかという問題はもちろんあるわけでありますから事務的に承りたいのですが、いまの予算計上分あるいは節約財源、これらのことを含めて大蔵省側で見て、一体この人事院勧告を完全実施、あるいは六月、七月、こうありますが、実施するにあたって、いまの予算内容でやれるとお考えになるのかどうか、ここのところを承りたい。事務的に答えてください。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 四十四年度予算におきまして、一般会計で四百四十三億円の給与改善費を計上いたしておるわけであります。お示しのございましたように、予備費としては九百億円の用意をいたしております。その内容につきましては、予備費の性格でございますから、予見しがたい経費に充てるためということでございます。したがいまして、そのうち給与費に幾ら充当するかということにつきましては、きまっておらないわけでございます。かりに勧告どおり実施するということになりますと、先ほど申しましたように膨大な経費を要するわけでございますが、先ほど官房副長官からもお答えがございましたように、本年度の災害状況の見通しもまだはっきりいたしておりません。したがいまして、現段階におきましては極力一般会計の歳出予算規模の範囲で解決をしたいというふうに考えておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 一般会計の歳出規模の範囲内で解決をはかりたい、こういうのでありますが、さてそうなると、一般会計の歳出規模の範囲で解決ができるのかという問題が出てくるわけでありまして、そこから先は、少し私のほうで申し上げないとなかなかお答えいただきにくいのかもしれませんが、新聞では「大蔵省は各省庁の行政経費を対象に(一)原則として七%(二)特別の事情があって困難なものは三%——の支出留保を求めることを考えている。これによって二、三百億円の財源を捻出し、年度末近くになればはっきりする不用経費と合わせて四百億円程度の財源を確保する考えである。しかしこの支出留保の率がかなり高いため、大蔵省内には公共事業の一部も加えることによって留保の率を低く押えるべきだとする議論もあり、この点をめぐっては省内の意見は分かれている。公共事業の一部を節約ないし繰り延べると、秋口にも予想される金融政策面からの景気調整との関連性が色濃くなるが、大蔵省内の大勢は、いまのところ、景気調整のために財政面での引き締めまで積極的に打ち出す必要はないとの判断であり、社会資本の不足が指摘されているおりから、公共事業を留保の対象に加えることには問題が多いとの見方も強いからである。」と、こうなっているのですね。これはすなおに平たく読みますと、公共事業費まで手をつけないで、とにかく七%、できないところは三%の支出留保を求める、それと不用経費というものを頭に置いて、おおむね四百億円くらいの財源捻出を考えようということに読めるのですね。ここらのところの事情はどうなんですか。よく新聞には出ておっても、ここで言ってくれないと、これは人事院勧告を審議しているのですから困るのです。これは政務次官、政治的に答えてください。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 いま大出先生が読み上げられましたこと、いろいろと新聞社のほうでも予測されたり、御意見をいれたりしてお書きになると思いますが、大蔵省としましては、いまのような方針に決定したというような段階では現在ございませんので、各省にも、実は支出の点について、ひとつ七%とか三%くらいとかいうようなものをどうせよとお願いしたいというようなことを申し上げてはいないわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 政務次官も当内閣委員会の御出身でございまして、完全実施決議をやるときにはおいでになったのですから、政務次官がどうも灰をまいたようにどこかへ飛んでいったのでは困るのです。はっきりお答えいただかないと困るのです。どうもいまはないとおっしゃったって、いま向こうの事務当局のお答えは、歳出規模の範囲でとにかくやるのだ、こうおっしゃるのですから、そうすると、四百四十三億しかないのです。予備費の金がないのですから、災害で食われるかもしれません。そうすると、どこかで財源捻出を考えなければできないことだけは間違いない。たとえば七月だってできないことは間違いない。ただ、これは、私はかつて海掘さんに、ことしの予算でいくと五%アップ、七月実施じゃないかと言ったら、絶対そうじゃないと言ったのです。そんなことでだいぶやりとりをした。ところが、そこは専門家としろうとの違いで、何と答えたかというと、七月実施とは書いてありません。五%アップ七月よりと書いてあるので、実施とは書いてない。実施と書いてなければたいへんありがたいので、七月実施はしない、五月か六月にするのじゃないか、こうなったわけでありますが、そこのところは、完全実施決議に参画をした責任上、政務次官ですから、政治的にそういうお考えをいただかなければ困るのです。そこで、やはり本年度の財政支出の範囲内で、規模のワク内で、これは最大限努力をするのが事務的には筋でございますから、一体、七%なり三%なりまだ言ってませんというのですけれども、言うつもりなんですか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 実は大出先生がおっしゃったとおりでございます。私も一年半ばかり総務副長官をいたしておりまして、だいぶ完全実施のことはぜひいたしたいということはたびたび申し上げておったわけでございます。いまも少しも私の考え方は変わりはございませず、また、内閣自身も完全実施の状態で検討し、前向きにしたいということは、先ほど木村官房副長官がおっしゃったとおりでございます。いま私が各省に対しまして、ひとつ七%、万やむを得ない場合なら三%というものについては節約をしてほしいというようなことは、現実にはまだそういうことを申し上げていないということを言っただけで、将来どうなるかということはわからないことで、いまのところ、新聞でお読み上げになったようなことを大蔵当局で決定し、また各省にお願いをいたしたということはない。将来はどうなってきますか、これはまた別のことでございます。  それから、私は、人事院勧告につきまして、これは完全実施の方向でいくべきものであろうし、そういうふうに十分努力すべきものであろうというたてまえは、これはそうだと思うし、また努力すべきものだと思うのです。ただ、先ほど事務当局のほうから御説明申し上げました財政の苦しさということは、これは通常のことでございますので、明白なんでございます。また、予備費の九百億の問題につきましても、現在のところ二十三億くらい出しております。そうしてあとのものはまだ出してありませんが、御案内のように、二百二十五億の稲作の対策事業費もございますし、それからいまの災害の問題で、これははっきりしませんけれども、いまのところ、二百五十億くらいになるのではなかろうかというように思いますが、まだはっきり出ておるわけではありません。それから今後災害がどうなっていくかということは、これまたわかりませんが、こういうような問題を考えてまいりますと、財政当局としては非常に苦しさを持っているということは、いま事務当局が申し上げたとおりかと思うのでございます。しかし、これをどうするかという問題は、先生もよく御承知だと思いますが、財政だけでもいきませず、そうかといって、財政が余裕があれば完全実施をすべきものではないかというわけにもいかなかったことは、公務員給与の関係が国民経済にすべて影響があるであろうというようなことから、前は六人委員会でございましたが、この前文部省が入りまして七人委員会になっておりますが、そこで高度の政治性をもって御判断を願うという段階でございますので、さあそこでどういうふうにきまってくるかということになりますと、いま申し上げましたような財源をどういうふうに出すかということになってまいりますと、いまの新聞みたいなことが起きてくるかどうかということにもなりますので、いまここでどうこうということを申し上げるわけにはいかないだろうと思うし、段階でもなかろう。ただ、新聞でいま読み上げられたようなことは、大蔵省としてはまだ決定してお願いしたというわけではない、こういうふうに申し上げるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 どうも上村さんは、私と一緒にこの委員会におられたころと違って、副長官を長い間おやりになったり、政務次官をおやりになっておりますから、最近たいへん政治的にものをおっしゃいますので、まことに困るんですけれども、いまのお話しの中で一点明確にしておいていただきたいことがある。それは例年——昨年もそうでございましたが、予備費の中の災害予算がいつも問題になる。田中前総務長官は、当時、ことしはまことに幸いなことに災害が少のうございましてという御発言をされているわけでありまして、いまのお話しの中からいきましても、事務当局からのお話しからいきましても、災害が災害がと、こうおっしゃる。そうすると、これは一つ間違うと、予備費の中にかきねがないから、災害がふえてくると、給与は充てるべき金が入っていた分があるけれども、災害が食ってしまってありませんよということになる。そうすると、何のことはない、公務員は、人事院勧告の中において災害が多ければそれだけ実施がおくらされたり、削られたりする。公務員が災害の犠牲にされてはたまったものじゃない、これは明らかに筋違いでありますから、災害が多いから公務員には人事院勧告の完全実施ができないというような理屈は、公務員諸君にとっては全く聞き捨てならぬことになりますので、そういう角度からものを考えるのではないのだということを、いま政務次官は最後のほうでつけ加えられましたけれども、予算の計算上はありましょうが、公務員の人事院勧告は災害がふえたからしかたがないから据え置くのだということになったらたいへんなんで、その理屈は願い下げにしていただきたいが、よろしゅうございますか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 これは大出先生がおっしゃるとおりだと思います。いま事務当局が申し上げたり、私もいま数字を言いましたのは、要するに、予備費という問題につきましては、先生も御案内のように、予見し得ない予算上の支出ということで出しておりますので、いろいろな要因の腹がまえはございましょうけれども、金額はこれだけこれだけといって九百億の区分がされているわけではございませんので、いまの実情を申し上げたわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 ここで大蔵省の方に承りたいのですけれども、春の賃金引き上げの運動が方々で起こり、賃金が上がる。そうすると、これは当然所得税の税収がふえることになる。これはあたりまえのことであります。このどのくらいふえるかをひとつはっきりさせておいていただきたい。たとえば年間五十万円の単身者の賃金、この賃金が一〇%上がる、そうすると、これは五十五万円になりますが、この場合、所得税のほうからいきますと、どう動きますか。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 ただいま先生がおあげになりました設例についてお答え申し上げますのは、専門家でございませんので、お許しいただきたいと思いますが、どの程度税収の実績があるかということでお答え申し上げますと、六月末の租税全体の収入実績でございます。これは一兆二千百九十四億円でございます。いわゆる進捗率と申しますか、収入歩合、これは二一・三%でございます。六月末現在でございますから三カ月分でございますので、これをもって一年分を推計することはもちろん困難でございます。ただ、昨年、一昨年等と比較いたしまして、税の収入歩合はおおむね平均並みというのが現状でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 ちょっと最後のほうが聞き取れなかったのですが、それじゃ質問の角度を変えて事務的にお答えいただけばけっこうですけれども、所得税収入、国程三税ございますけれども、大体どのくらい本年は予想されておりますか、当初予算で……。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 四十四年度の租税及び印紙収入の予算額でございますが、所得税の源泉分、これは一兆三千二百九十六億円でございます。それから申告所得税、これが五千七百九億円でございます。所得税の合計が一兆九千五億円でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 実はベース改定、たとえば人事院勧告を実施した場合に、これが上がると、所得税がそれだけふえていくということになる。この相関関係がいつも問題になるのだけれども、なかなかはっきりしない。そこで、一ぺんこれをはっきりさせておく必要がある、こういう気がしまして、自然増収ともからみ合いが出てまいりますから、そこで、実はいま取り上げたのですが、いまうしろに村山さんがおいでになって、大蔵委員会で専門家ですから、ちょっと耳打ちもいただきましたが、ここでそうこまかくあげていこうというつもりはないのです。時間がありませんからないのですが、たとえば私どものほうの計算でいきますと、いま私が例にあげました年収五十万の単身者、これは一〇%上げると五十五万になりますね。そうすると、この所得税は現在一万三千円、一〇%上がると一万七千円になります。四千円上がる。それから夫婦と子供三人、つまり五人家族ですね。ここで年収百万円の人、百万円で切りますと、一〇%上げると百十万になります。そうすると、所得税は現在一万三千円から一万六千円になる。これは二〇%以上ふえる。  ところで、総評などがつくっております酷税白書なんというのを読みますと、ここに賃金が一〇%ふえた場合、年収四十万円以下の単身労働者、これは所得税が倍になりますね。そこで百万円で三四%、それから五百万円で一八・八、一千万円で一三・七、こういう所得税のふえ方がするようにこちらのほうを見ると表ができている。したがって、いずれにしても相当なふえ方をする。そうすると、本年は一五・八%、労働省調査に上りますと、ことしの春の賃金引き上げで上がっている。そうなると、相当この面から、自然増収の形で所得税の面からはいやでもはね返りが入っていくことになる、こういうわけですね。したがって、一五・七%の賃金引き上げが行なわれたということになると、どのくらいふえるのですか、例年のことですから、見当はおつきになると思うのです。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 総合予算の考え方を昭和四十三年度から採用いたしておるわけでございますが、その考え方の基本は、年度当初におきましてできるだけ正確に、適確に年度の歳入を見積もって、それをもとにして当該年度の予算に対して合理的な経費配分を行なう、こういう考え方が基本になっておることは御承知のとおりでございます。  ただいまお尋ねがございました本年度予算の所得税の見積もりでございますが、これは御承知のように、本年度の経済見通しを基礎として推算をいたしておるわけでございます。したがって、手法といたしましては、マクロ的な手法をとっておるわけでございます。その中には、経済の成長に見合う雇用者の所得の増というものも相当程度織り込んでおるわけでございます。ただ、御指摘がございましたように、予算作成後、春闘その他で民間賃金の相当の高騰がございます。これがいわゆるはね返り計算ということになっているわけでございます。  ただ、日本の租税体系は、御承知のように、法人税が相当大きなウエートを占めておるわけでございます。したがいまして、当該年度の租税見積もりを立てるという場合には、ある程度年度が相当深くなってまいりませんと、具体的に申し上げますと、九月末、法人税の適確な見込みが立ちませんと、適確な予測は立ちにくいわけでございます。たとえば昭和四十年度のごときは、むしろ自然減が生じたわけでございます。そういう意味におきましては、経済の成長がおおむね順調にまいっておりますので、ある程度の自然増収が出ていることも事実でございます。  ただいまおあげになりました、具体的に所得税にどのくらいはね返りがあるかということは、ただいまの段階では、適確なお答えを申すことができないわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 いまお話が出ましたから、重ねて申し上げておきますが、承りたいのですけれども、九月期決算はもちろんまだ先のことでありますけれども、日本経済新聞がこれを調査しておる。八月十八日に集計結果が新聞紙上に載っております。企業収益、これは「史上最長の連続増益へ」という見出し、「東証一部上場会社九月決算予想本社集計」「八・三%増収、七・三%増益」、こういう見出しです。これを見ますと、先ほどあなたがおっしゃったように、経済成長というものを基礎にしまして、弾性値云々ということを掛け合わせて出しておりますね。そちらのほうはそちらのほうとしても、九月期の決算の予想からいきますと、「企業収益は前三月期で岩戸景気と並ぶ七期連続の増益決算となったが、その後も輸出の増勢を背景に好調を続け、今九月期で史上最長の連続増益が確実となった。懸念された大幅賃上げによる人件費の増加も吸収したことになる。増、復配会社も引き続き多く、平均配当率は五年半ぶりに一一%台を回復する可能性が出てきた。」これは日経が調べた中身で、すね。「日本経済新聞社は東京、大阪、名古屋証券取引所第一部上場会社の今九月期決算予想を行なったが、東証第一部上場会社のうち継続的に比較できる三百五十五社について集計した。それによると今九月期も前三月期に比べ八・三%の増収、七・三%の増益となり、岩戸景気時を上回る八期連続増益を達成することが確実となった。」以下集計の数字が全部詳しく載っている。これもあげてみたってしかたがありませんけれども、大蔵省も、おたくのほうの所管ではありませんけれども、各会社に人が出かけていってずっと皆さん調べておられますよ。私もこれは一ぺん調べてよく知っている。だから八月の、下期のここまでくると、九月期決算の予想というものは、ほとんど皆さんのほうでも見当はついている。したがって、これは前に小沢さんが政務次官のときにいろいろやりとりしたことがあるのですけれども、ですから、ことしは総合予算主義というたてまえに立っていろいろ推計されたことはわかりますけれども、これは相当な伸びを示しているということになる筋合いだというふうに思うものでありますが、そこらのところを、それは確たる数字が出ぬにしても、大蔵省のほうでそのくらいのことはおわかりにならないことはないと思いますが、所管が違うとおっしゃられれば別ですけれども、いかがですか。政務次官でもけっこうです。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 ただいま大蔵省で調査をしているというお話がございましたが、これはいわゆる一般の税務調査でございまして、九月の決算期にどの程度の増益があるか、それに伴ってどの程度の法人税の増収があるかということの調査はまだいたしておりません。これは相当程度おそくなって、十月ごろに調査をする予定でございます。ただ、最初御指摘がございましたように、国内景況の問題もございます。ただいま新聞をお読み上げになりましたが、そういう国内景況の判断の問題もございますし、また国内景況を取り巻く国際的な金融情勢、経済情勢もございます。したがいまして、年度経過数カ月で年度中の自然増収を予想するということは、事務的に見ましても非常に困難でございます。したがいまして、先ほど来お答えいたしましたように、日本の法人税体系の特殊性から見ましても、相当程度深くなって初めて自然増収額の見込みが立つのが現状でございます。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 いまお名ざしでございましたのであれしますが、事務的に申しますと、いま主計局次長が申し上げたようになると思うのでございます。実際の状態としては、それはいまの状態が進んでいけば増収の状態になりはせぬだろうかという常識的なことは言えるかもわかりませんが、しかし、計数的なものに入りますと、いま言ったような御答弁になるかと思います。ただ、いま大蔵省で非常に心配しておりますのは、先生も御承知のように、国際経済の動きというふうな問題その他、それがどういうふうに響いてくるだろうか、あるいは国内の問題につきましても非常に将来に警戒ぎみ的な考え方が相当強くあるというふうなことにもなっておりますので、一般常識としましては、従来からいえば、多少伸びてきたというふうに感じられますけれども、しかし、事務当局としましてはそういうような御答弁になるかと思いますので、御了承を賜わりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 これはやはり日経だってめちゃくちゃなことをいっているわけではない、名だたる経済紙ですから。いまお話しの国際市況その他を含めて全部書いている。お読みになっているのだろうと思いますが、これは全部海外の状況その他を集計しておるのです。これは、業種別では輸出増と市況好転をささえに鉄鋼の増益が非常に大きくなっているということ、海外の銅市況高騰から金属鉱山が非常に伸びてきているということなど、海外情勢を背景にした市況産業の好転が非常に目立ってきているというようなこと、中身が全部載っているわけです。また、電機、薬品なんかにつきましても、引き続きこれは非常にいいということ。機械、重電、造船、建設など受注産業も、これも確かにそうですね。たとえば東芝のタービンなんかにしましても、いま四十五万キロのタービンをつくっておりますが、海外からたくさん受注がある。これは受注がなければつくりませんからね。あとはつくりきれないくらい、これはここに書いてあるとおり非常にいい。それから非製造業では、建設業が不採算工事が非常に少なくなったということで、ことしは旧来になく非常に高水準の増益が出てきている。それから海運なんかも、これまた非常に大幅な増益が目立っている。それで、減配懸念のあるところは十九社あるというのですね。この中身を全部分析しているのです。要するに、業績不振というのは日本通運一つだというのです。悪いところはないというのです。これはこまかく資料が別なページにありまして、ここに張ってありますけれども、そういいかげんな集計ではないのです。  それで、私がここで取り上げておるのは、人事院勧告の完全実施を言っているわけですが、だが皆さんのほうは予算云々ということで、かつ災害だ、災害だというお話があるから、だから予算内で幾ら努力されてみても、この一〇・二%の勧告を歳出規模の中で消化しようとすれば、たとえば四億捻出をしてみても、不用額その他を計算してみて、七%の節約財源を考えて、公共事業その他に手をつけなければ、それでもこれは四百億だというのですね。そうなると、これは手一ぱいだろうと思うのです。そうすると、四百四十三億に四百億で八百四十三億でしょう。そうすると、先ほどの皆さんの答弁からいきますと、大蔵省側の答弁からいきますと、これはいまの歳出規模の中でどういうふうにやってみたって、とてもじゃないが金が足りないことだけは明らかです。そうなると、そこのところをどうするのかということを、これはやはりものを言わなければ論議が進まないのです。先ほどのお話、私も、これは言われるまでもなく調べてあるのですけれども、五月実施で千二百三十九億、これは一般会計です。純計で千三百三十三億、六月実施で純計で千二百四十六億、七月実施で千六十一億、七月実施にしたって、これは四百四十三億に四百億捻出してみたって八百四十三億ですから、千六十一億要りますから、そうすると、どうしてもそこから先についてものを言ってもらわなければ、これは話が前に進まない。そこで承りたいから聞いているのです。もうちょっと何とか確たる答弁がいただけませんか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 ごもっともなことでございますが、何しろいま申し上げておりますのは、金銭的な事実上の計数上の問題でございますので、これはとにかく政策的な問題とはちょっと御説明が違うわけでございます。で、基本的な姿勢というものは、人事院勧告の完全実施の線で検討していくということについては間違いがない。けれども、いま事務当局が申し上げたり、先生が御指摘になったような計数上の問題ということは、これは厳然たる事実の問題でございますので、これをどういうふうにしていくかということについては、これは実は七人委員会でいろいろ御検討されたり、またそれに対応いたしまして、あるいは先ほどの、各省に対してまして支出について御節約を願うようにするとか、いまの増収関係についてどういうふうにするか、あるいはどういうふうな見通しを先に立てるかというようなことがこれから起きてくるだろう、こういうふうに思うわけでございますが、これは一つのいろいろな高度の政治性、政治的判断というようなものも起きるからこそ、内閣全体で御検討される、これを踏んまえましてわれわれのほうはいろいろと検討していく、こういうことに相なると思うのでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 この時点であまり突っ込んでもいたし方がないのですけれども、先ほど私が読み上げた新聞の切り抜きの裏側に何と書いてあるかというと、「結局、六月実施か」とある。「結局、六月実施か」ではこれは困るのです。結局五月実施かというなら話がわかるのですけれども、これは総裁も自信満々でお出しになったのですから、そこらのところをひとつ上村さんも——くどいようだけれども、これはいにしえの内閣委員会の約束事なんですから、「結局、六月実施か」なんというたよりないことを新聞に書いてもらっては困るわけです。そうなると、どうしてもやはり金が入ってくるのかこないのか、総合予算主義というものは一体何なのだということに返らなければならないことになる。そこで、ここまでものを言ってみたわけでありますが、いずれにしても、官房長官なり総務長官なりのお話を総合すると、九月末あるいは十月の声を聞くかもわからぬが、その辺までに政府としてはきめたい、できればもっと早くきめたい、こういうのですから、そうなると、いまの大蔵省事務当局のお話によると、世の中の新聞はこう書いているけれども、十月もおそくならなければわからないというのだから、そうすると、九月末あるいはもっと早くきめたいとおっしゃるなら、九月期決算というのがわからないままに政府はきめるということになる。そうでしょう。そうなると、政策的に人事院勧告をどうするかということをきめて、金はあとだ、それならそれでもいい。ともかくここまで詰まってきたわけですから、ことしは学校の先生にしても何にしても、もうこうなると黙っていられないというので、雰囲気は去年どころの騒ぎじゃない。ですから、私は、この際、災害が多いからとかなんとかというのでなくて、政策的に、やはり人事院勧告はせっかく御努力いただいたんだけれども、しかし、民間の伸び率を上回っていない、結果的に下回っている。だとすると、これはせめて実施時期は完全実施をするということで、総務長官推し進めてくださらぬと困るわけでございまして、そこのところをしかと申し上げておきたい、こう思っておるわけでありまして、どうですか、総務長官、ことし完全実施で大いにがんばってみるおつもりはございませんか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 政府の態度としましては、先ほども申し上げましたように、基本的には完全実施のほうへ向かっておりまするが、本日いろいろと御意見もありまして、政府委員との御質疑もありましたごとく、本年におきましては、昨年よりも相当複雑な要素を含んでおると思います。したがって、この態度を決定いたしますのも慎重にせざるを得ないというのが、この間第一回の会議でありましたけれども、ひとつ非常に意見が多いようだから慎重に考えて、検討して結論を出したいというように話し合った次第でありまして、したがって、今後関係当局におきましても、それぞれの問題につきましてもう少し徹底しました検討をいたしまして、そうして結論を持ち寄って最後の結論を出し得るようにいたしたいと思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 それでは人事院総裁、給与局長お見えになっておりますから、時間を急ぎまして何点か承りたいのでありますが、一つ不可解なことがあるのでありますけれども、人事院勧告ではない、報告になるのですか、官民比較の面で、どうも少し高年齢層が公務員は民間に比較して高過ぎる、こういうふうにものを言っておられるようでありますが、たしかこれは報告になるのですか、ページが書いてありませんが、終わりのほうに、「なお、本院の調査による官民給与較差を年齢階層別にみれば、相当の高齢層職員の給与については、若中年層とは逆に、一般職国家公務員が民間を上回っている傾向があり、その昇給の実情についても」これにひっかかるのですが、昇給ストップでもやろうというお考えかもしれないが、「官民の間に差異が認められるので、右の実情を勘案して、これら高齢層の職員の給与制度のあり方について、検討する必要があると考える。」これは私は皆さんの説明を聞いてないからわかりませんが、説明の際に総裁がおっしゃったか、給与局長がおっしゃったか知りませんけれども、これを出しておいて、各方面からいろんな意見が出てくるだろうと思うから、そうしたら、人事院がそれを検討して今年度の給与に盛り込みたいというふうにおっしゃった。そうすると、これはどうもたいへん政治的な文章のような感じがするのであります。調査のしかたにも実は問題がある、こう思わざるを得ない、民間の実情を私も知っておるだけに。したがって、そこらの調査のしかた、一ぺんダウンして嘱託になる、あるいは再雇用しておるというような形になっておるのは、これは人事院が知らぬはずはない。そういうものはほんとうをいうと、官民比較というものは、両方にあるものは比較できるけれども、ないところはどけていかなければならない旧来からのシステム。そうすると、再雇用をやったというと、そこから先はどけていかなければならぬ。畑が違うのだから、比較できない。それを比較をされておいて、こういうふうに承知の上でお書きになると、高年齢層の方々にとってはこれは事件です。これはどうも国家公務員、法律をつくらなければ定年制はできないですけれども、やろうとか、昇給はどこかでとめようとか、何かの考え方がなければこんなものは出す必要はない。本来載せるべきものではない。官民比較の面からいけば合わない。そこらのところを何でこれをお書きになったか、明確にしていただきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 いまお述べになりました再雇用とかなんとかいうものは、当然われわれとしては問題にしておらないわけで、除いているわけです。普通の在職者に対応するものをとらえて常に比較をやっておるわけです。その問題は全然御心配は要らないわけです。それを除いて考えた場合に、民間の場合についてこれを見ますると、たとえば一定の年齢以上のものについては昇給なしというのが三一%ばかりあります。それから昇給額は減るというのが五〇・三%、それから昇給額は変わらないというのが一八・六%近くというわけで、したがいまして、私ども年齢階層別に官民を比較いたしますと、これは如実に出てくるわけで、高年齢者の場合は民間に比べて高い。先ほどちょっと触れましたように、働き盛りの人を比べてみると、民間のほうがずっと高くて、公務員は損をしておるということになりまして、配分の問題も、これは重要な問題でありますのみならず、先ほどもお触れになりました官民格差全体としても、これは相当マイナスの要素、格差の開きに対してはマイナスの要素がある。このままほっておいた場合には、格差がだんだん縮まる方向にあるのではないかという見方もある。これは専門筋でもそういうことを言われた方もおります。したがいまして、すべて官民比較の立場に立っております以上は、民間の昇給制度というものもやはり見ていく、それが一種の合理性を持っておるならば、こちらもそれに合わせる、それから格差を調べるなり配分の問題を考えるというのが筋だろうというのが、実はおそまきであったかもしれないが、ことしの調査の結果、そういうことを確認いたしました。これはそういう点から、いわば昇給制度の問題として、この際すわり直してじっくり検討しなければならない。そして先ほどお触れになりましたように、検討が間に合いますれば、その結果適当な方法が確認されれば、今度の法案にも間に合わせたい、そのくらいの気持ちを持って慎重にいま検討しておる次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これはいまここでやり切れないと思いますけれども、やはりそうなると、人事院勧告自体、片っ端から、実情にそぐわないものが一ぱいあるから、全部総ざらいしてやらなければならない。これ一つだけぽんと取り上げてそんなことを言っても、通用する筋合いのものじゃない。あなたのほうが大まかに最後のところでいっておるのは、職種を一切考慮しないで年齢別にとらえた場合というところ、三九ページに資料が載っております。五十六歳以上六十歳未満が九・二公務員が高い、六十歳以上が八三・五ですから、逆にいうと一六・五高い、こういう数字だと思う。これもずいぶん不親切な資料です。これではわからない。ところが、これを質問しておると半日くらいかかる。だから、この点は機会を改めてあとから触れます。少し承りたいことがほかにあるのです。  一体、国家公務員の皆さんの場合に、今度の勧告を見ましても、勤続年数がまた延びておりますね。入ってくるほうは、公務員試験を受かっても横に逃げてしまう人があって減っておる。つまり、どんどん平均年齢も高まっていく、勤続年数は延びていく、こういう傾向を持っておる。そこで、八等級、七等級、六等級、五等級、四等級というものについて職員分布の表がありますね。皆さんのほうでお出しになった表があります。この中で、四千人以上というところ、つまり、職員が等級号俸に四千人以上分布しておるところ、これを当たってみますと、昭和四十一年、五等級のところ——つまり、高年齢者といったら八等級、七等級にいないのです。四等級以上になると、最近は級別定数の関係もあって、ようやく係長で四等級というものをぼつぼつつくるという段階、これは高年齢になって勤続年数が高いからそうせざるを得ない。級別定数がないというかっこうですから、そこでどうしても五等級というところにしわが寄る、人がたまる。そのたまり方が、かつてもっと下のほうにたまったものが、だんだん五等級の最高号俸のところにたまっていく、こういう傾向を持っておる。五等級の例をとりますと、昭和四十一年の勧告時は四万四千九百九十三人で、これは七号から十二号のところに集中している。昭和四十二年は四万八千十七名で、これがさらに上がって八号から十三号まで集中的に伸びてきている。四十三年になるとさらにたいへんな現象で、五万一千四百五十五人の人が八号から十四号のところに一ぱい詰まっている。四十四年、今日的現象というのは、五万五千二百十六人というのが今度は十五号のところまできている。四等級には、これはなかなか上がれないからですよ。そうでしょう。ここのところに集中的に集まっちゃって——これは現在二十四万四千九百二十四人、四十三年は二十四万四千四百六十二名、四十二年は二十四万二千六十四人、四十一年は二十三万九千六百九人、こういう数字なんです、全体の数字は。このうちで、四万四千九百九十三というところがあります。現在は五万五千二百十六人という人がいて、しかも九号から十五号のところにぎっしり詰まっている。そうでしょう。これは上がっていけないから。初級試験しか通っていない人は上がっていけない、何だかんだ人事院が言ったって。この間の通産省の堀田さんの汚職事件のときにも私は言った。上級試験を受かった人は、みんなぽんぽん上がっていくんだけれども、あそこまでいったらあれ以上上がれない。そうして長年苦労しているのに、追い越して課長になった人は、一年か一年半たったらいなくなっちゃう。そういうところにみなたまっちゃう。だから、人事院は一つ大きな矛盾をおかしている。高年齢層は高くなる高くなるといっておって、やはりいたし方ないから一号俸の頭を延ばしているでしょう。頭打ち是正というので、十四号なら十四号をもう一号延ばして、十五号にするという延ばし方をどうしてもせざるを得ない。そういう延ばし方をせざるを得なくなっている。しかし、実情やむを得ざるところはやむを得ない。この現実を尾崎さん、あなた認めますか。あなただって公務員なんだから。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 国家公務員につきましては、その職員構成がいわゆる終戦直後に非常に採用になりまして、非常な中ぶくれ的であるということは、もう御承知のとおりであります。そこで、そういう職員が年々年齢の増加がございまして、そうしていわゆる集中的な号俸というのが上がってきておるということは、いま御指摘のとおりでございます。そこで人事院といたしましては、そういう職員につきましての実態をよく見ておるわけでございますけれども、ただいま御指摘の、制度的にたとえば八等級の二号俸から入りまして、八等級、七等級、六等級、五等級というふうに昇格をしていって、五等級の最高号俸につきましての現在の制度的な年齢は、四十八歳でございます。そういう意味合いで、現在の等級表の幅というのは決して長過ぎるということはないというふうに考えておりまして、そういう意味合いで、実態に即しまして本年も五等級につきましては一号俸延ばしたわけでございますけれども、実態に即しまして昇給額の改定あるいは幅を延ばすということを措置してまいっております。そういうことを毎年やっておりますし、今後もそういう関係をよく注視してまいりたいというふうに考えておりますし、他面におきまして、そういう職員がふえてまいりますと、いわば熟練という関係もございまして、中において職務のやり方というのもいろいろ能率をあげるように職務の配分も行なわれるということになりますので、そういう意味合いにおきまして、等級別定数の関係におきまして評価もしていくということで、両方対処をしてきておるのが実情でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 総裁、これは公務員というのはどんどん途中でやめる性格を持っていないんです。おまけに標準職務表があって級別定数があるのですから、これはおたくの傘下でやっているわけでしょう。各省一〇%なんていって見当つけて、それを削っていっているでしょう。これは大蔵省の出先とは申し上げないけれども、そうなると、制度的にこういうたまり方をせざるを得ない。そうして上級試験を通っている人は、それをみんな追い越していっちゃうんです。何と五等級のいまあげたところは、四十四年で五万五千二百十六人いるんですよ。ところが、四等級に行きますと二万九百八十一人しかいない。四十一年の例から言うと、四万四千九百九十三人五等級にいるんだけれども、四等級に行ったら一万九千三百五十一人しかいない。上がれないんですよ。係長をやっておって、しかもいまお話のように勤続年数が長くなりますから、いたし方がない、しかたがないから四等級の係長をつくるということまでお考えなんでしょう。そういう実情にある。だから、これはシステムが民間と違うのです。それをいきなり職種を一切考慮しないで、年齢別にとらえればということでこう出されたのでは、これは長年苦労された公務員諸君に気の毒だと私は思う。それならそれで堂々と定年制を論議するのなら、また話は別ですよ。ところが、かつて私が本年の通常国会で、総裁に国家公務員の定年制をお出しになる気があるかと聞いたら、あなたはないとおっしゃった。そっちはないと言っておいて、国家公務員の定年制には手もつけないで、地方公務員だけ定年制を出してくる。そういうことをやっておいて、今度はいきなりこういう形をやるということになると、私はいささか政治的に、意図的に過ぎると思うのです。私は、これはどう考えても制度的にこうなっているんだからしょうがない、そこらのところをここまでくると、もう少しお考え願わなければならぬ点がある。だから、いま気がついておそまきながらということならば、人事院の勧告のシステム自体をおそまきながら変えなければならぬ点がたくさんあるはずだということになる。今回だって世帯別という形で年齢別にとらえて、そこに重点を置いてあなたのほうは改正されている、俸給体系、配分について。これはずいぶん私どもが唱えてきたことですよ。ようやくそこにあなたのほうは来た。そうでしょう。ようやく一部分そういう考え方に立った。標準生計費だってそうですよ。さんざっぱらいろいろ言って、こんなものはなくしてしまえまで言って、あなたはそれは言い過ぎだとおっしゃった。私もそれは言い過ぎだと認めたけれども、ことしだって新高初任給を計算してみなさい。あなた方はシステムを変えている。一般労働市場というところに重点を置いて算定をされていますよ。そうでしょう。そうせざるを得なくなったんだ。だから、おそまきじゃない、そういう趨勢なんですから、そういうところは変えてしかるべきなんですよ。そういう意味で、少しこれはどうもとってつけたような感じがするのです。総裁、お出しになったらお出しになったでいいけれども、あまり張り切って、ことしの法改正に間に合わせるなんていうことは、お考えにならないほうがいいのですよ。これはもう少し論議をしましょう。いかがです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 いまお話しのように、私どもとしてはきわめて手がたく、着実に改善の一歩一歩を進めておるということを御承認いただいたわけなので、私どもの態度をお認めいただいたことだと思います。したがいまして、先ほど申し上げました高年齢層の人の問題も、これは定年制とかなんとかになりますと、次元が全然違う問題であって、これはまた給与問題とは別の問題でございますから、これをどうこうと、この問題を通じて問題を出してみようとか、あるいは論議いただこうとはゆめ思っておりません。ただ、技術的に見て、昇給制度そのものから見た場合に、民間との格差にこれほど違いがあるじゃないか。そのもとを合わせておかぬことには、将来どんどん格差が開くばかりで、公務員の側としては損にこそなれ、得にはならない要素をいまかかえている。これを少しでも着実に解消しておかないと、将来がおもんばかられるという面も大きくございまして、したがって、何とかこれを打開しないことには先が危ぶまれる。それから内部の配分の問題ももちろんついてまいりますけれども、そういう気持ちで実は報告書に声高らかにうたったわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 声高らかにうたったとあなたはおっしゃるけれども、この声高らかにが間違いだと私は思うのです。これはもろ刃の剣みたいなもので、あなたの言い分からすると、民間は非常に低い、こっちは高い、高いから官民比較をする面で全体がダウンする、こういう理屈が一つ背景にある。それはわかりますよ、理論的には。だけれども、そういう言い方をもしあなたのほうがされるとすれば、じゃいままでの官民比較はどうやっているんだということになる。ずいぶん矛盾だらけなんですよ。あなたのほうはそうおっしゃるけれども、追跡方式だって限度がある。たとえば、これは時間がありませんから飛んで恐縮なんだけれども、議論のやりとりの中で出てきちゃったからしようがないのですけれども、教職員俸給表の(一)、これは四・六%、官民比較の面では公務員が高い。ところが、人員からいきますと、民間というのは一万二千百五十八人しかいない。公務員はというと、三万七千八十人いる。民間というのはうんと少ない。それから二表へいきましても、これは二・二%公務員が高い。これも——二表のほうは少し民間のほうが多いからいいですけれども、官民比較の面で、こちら側、公務員の側がうんと多くて、民間がうんと少ないというにもかかわらず、公務員が民間を追わなきゃならぬというどっちが主体なのかという問題ですよ。追わなければならぬというのは一体どういうわけだ。こういう問題は、民間のほうが非常に少ない、公務員のほうが圧倒的に多い。これは本来の公務員のあるべき姿というものを、むしろ民間が公務員に追随しているのです。そうでしょう。それを依然としてやはりそういうかっこうでいかなければならぬのかという問題だって、中身を見ればある。そこらは、総裁どうお考えになりますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 大ざっぱな考え方としては、いまおあげになりましたような職種について、これを民間と比べた場合には、露骨なことばで言えば、こっちの損になるというような面が、それは確かにあります。それをぶった切って、みんな得になるような部分だけを拾って官民格差を調べましたといっても、これはまた世間さまに通用することではない。やはり納税大衆の信頼のもとにわれわれは勧告しておるわけですから、そういうことは、全体としてこうなりましたということは一番説得力のあることでありますから、それはそれで従来の方針が間違っておるとは、私ども思いません。先ほどの話で、くどいようでありますけれども、高齢者の問題にしても、その話の大体基礎の昇進制度が違っている。それを合わせていかなければならぬ。また、数が合わぬのではないかという問題でありまして、いま御指摘の問題とは、これは性格の違う問題だと私は思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 あなたはそれだけ言っているんならいいんだ。ところが、あなたはもう一つ、だからもろ刃のやいばと言うんだけれども、相手方は昇給がダウンしている。こちらはそうでない。比較する面で公務員が損をするとあなたおっしゃるけれども、そういう問題をとらえるなら、数の上で差があるのに、何で民間を追随しなければいかぬのかといっているんだ。だから、そういう理屈はやめなさい。高齢者の給料が上がり過ぎているというなら、上がり過ぎているという面だけとらえておっしゃったらいいと思う。そうなれば、お年寄りはよけいもらっているんだから、早い話が総定員制じゃないけれども、新陳代謝をやる。地方公務員じゃないけれども、あれは年寄りが高給をもらって、高齢者がのうのうとしているのはけしからぬというので、定年制を出した。そうなると、地方公務員よりも国家公務員のほうが平均年齢が高いのだから……。ただ、これは各省別にながめると、肩たたきをしてやめさせる。そうして各省別々にしていたのでは、ばらばらでなかなかそれができない。たとえば、国家公務員の女の先生なんて、おおむね五十でやめるというのが世の中の習慣だ。ところが、五十六歳、五十七歳というと、まだ六、七年それまであるということで、そういうことでは困るという高齢者に対する世の中の、政治的なものの考え方があるんだ。そういう世の中に、人事院がこういうものを出すと、あなたが言っているように受け取られない。そこにあなたがつけ加えて、損になりますよなんと言う。だから私は、そういう理屈はおやめになったらいいじゃないか、こう申し上げている。そういう意味で、これはやはり検討していただかぬと、これでこの委員会は終わるわけではありませんけれども、簡単にことしの俸給表に入れますなんということをおっしゃられたのでは、まことに迷惑で、そこら辺じっくりとわれわれの意見も聞いて論議をしていただかなければならぬという点だけ申し上げておきます。  それからもう一つ、時間がありませんから、こまかいことを申し上げませんでしたが、初任給、標準生計費との関係がございますけれども、これは少しおかしい気がする。というのは、中学を卒業して十五歳で五等級の一号に入っていく人がございますね。これはこの場合高校に行けないのですから、この人は世の中全体からながめてみると、一番不遇な人ですよ。十五歳の人は、本来なら高校に行かなければならぬ人が、中学卒業でつとめるのですから。そうすると、これは五等級の一号から四号まで、つまり十八歳になったといった場合、これは今回の生計費の関係からいったら、九百円くらい下回るのじゃないですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 標準生計費につきましては、十八歳程度の独身男子ということで算定をいたしておるわけでございますけれども、これは初級試験で入ってくるというのが通常でございますので、そういう初級試験で入ってくる人たちに一応見合わせるということでございます。これはあくまでも標準ということでございまして、最低ということではございませんので、若干の高低という点がございます。確かに五等級一号俸で入ってまいりました職員につきましては、三年後に十八歳になるという場合には、二万一千九百九十八円ということになるわけでございますけれども、そういう意味で標準生計費との関係につきましては、大体見合うつもりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 きょうは時間の関係もありまして、十二時過ぎくらいまででやめるということになっておりましたから、あまり理屈を言いませんがね。いまの先を読んでいますと、行政二表の新俸給表でいって二万二千三百四円、もちろん扶養手当はありませんが、そこへ調整手当が千三百三十八円、合計二万三千六百四十二円、この人から共済掛け金が本俸の七・八%ですか、給与局長そうでしょう。——共済掛け金本俸の七・八%を差し引きますと千七百三十九円、そうすると二万一千九百三円になる。そこで行政口の五の四、これが二万一千三百九十八円、扶養手当がゼロ、それから調整手当が千二百八十三円、合計二万二千六百八十一円、そこへ共済掛け金を本俸の七・八を引くと、千六百六十九円ですから、二万一千十二円。片一方行(一)の八の二、これが二万三千四円、これが新俸給月額、扶養手当がゼロ、調整手当が千三百八十円、合計二万四千三百八十四円、共済掛け金七・八%を差し引くと千七百九十四円ですから、合計二万二千五百九十円、こうなりますね。そうすると、まん中で申し上げている行政職(二)の五の四の二万一千十二円、これが人事院資料の四〇ページにある十八歳程度の独身男子の標準生計費でいくと、二万一千九百十円でしょう。二万一千十二円となると、九百円違う。標準といったって、九百円も違って標準もへちまもないでしょう。すべて全部で二万一千円台のものなんでしょう。しかも一番不遇な、高校に行けないで十五歳で中学を出てつとめなければならない人、それが三年たって十八になった人に合わないという標準生計費、逆に言うならば、標準生計費を下回るという(二)の五の四、こういうばかなことを何でおやりになるかと言いたい。その点はいかがですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 標準生計費は十八歳程度であって、そして独立した生計を営むというところにポイントがございます。いま御指摘の関係でございますけれども、職種としましては、いわゆる事務見習いといいますか、いまでは給仕というのはあまりおりませんけれども、見習いでございまして、そういう低作業に従事するものでございます。そういう職員につきまして、御指摘のような行政(二)表にとりまして、三年たった場合には、御指摘のとおりになると思います。そういう関係で、標準生計費との関係は、御指摘のとおりになりますけれども、いま申し上げましたとおり、標準生計費というのは、東京におきましての独立して生計を営む、そういう標準ということでございますので、いわば最低的な意味じゃございませんから、大体見合うというところでやむを得ないというふうに考えておるわけであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうごまかしてはいけませんよ、尾崎さん、旧来、人事院は、標準生計費の初任給決定に関する理屈がくずれてきているということでしょう。いま人事院は、これはお認めになるでしょう。もう認めたほうがいい。そこで人事院は、従来高校卒の公務員の初任給の決定は、まず民間初任給の実態調査をやりますね。そうでしょう。いまお話しの東京における十八歳の独身男子の標準生計費、これを算出する、その対応によっておきめになった。そうでしょう。今度あなた方がやっておるのは、説明によると、二十七歳から二十八歳の世帯形成期、ここに重点を一つ置く。三十二歳から三十三歳の三人世帯、三十六歳から三十七歳の四人世帯、この三つの各時期、この時期に、世帯別の生計費をもとにあなた方は対応して配分をやったと言っておられる。そうでしょう。そうすると、明確に世帯別の標準生計費というものと見合うように計算をされて、そこにポイントを合わせて配分をした。そうでしょう。そうだとすれば、中学を卒業して十五歳から五等級の一号でつとめた。そして三年たって十八歳になった。ここにやはり標準生計費というものは見合わなければ、これは理屈からいって非常におかしな理屈になる。いままでのように世帯別の考え方があるならいいですよ。冒頭申し上げたように、東京における十八歳の独身男子の標準生計費を算出される、それに新高卒を合わせるならいい。その辺理論がくずれてきて、労働市場の状況に見合って、今回は、十八歳の独身男子の新高卒の初任給決定を別にしている。世帯別という考え方が入ってくるならば、これはやはりおかしな理屈になるじゃないですか、あなた方は旧来の方式を変えたのだから。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 標準生計費の使い方につきまして、二人世帯以上につきましては、いわゆるチェックということでとどめておったわけでございますけれども、本年におきましては、こういう世帯形成期あるいは三人世帯、四人世帯という生計費につきまして、俸給表との見合いを考えながら十分に考えるというところが、今回の特徴でございます。それは、標準生計費には二つございまして、一つには全国平均の標準生計費、それからもう一つは東京の生計費という二つの種類を算定しております。ただいま申し上げました俸給表上で標準生計費との見合いを十分チェックしたという点につきましては、全国平均の標準生計費としてチェックしたということでございます。そういう意味合いで申しますと、独身男子の生計費は二万一千九百十円というのが東京でございまして、全国平均の場合には一万九千百二十円ということで、約二千七百円ほど下がるわけでございます。そういう意味合いで、全国平均の標準生計費との見合いにおきましては、ただいま御指摘になりました行政二表あるいは行政一表の八等級一号俸、こういったような関係は十分の見合いになっておるということを御了解いただきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 だから、そこが問題なんだというんですよ。旧来、東京だって全国に引き直して、それだけダウンするから、公務員共闘なんかでも、そこがまことにけしからぬという議論が成り立つのだけれども、その議論をしたってしかたがない、旧来その議論をしたのだから。しかし、少なくともここであげている、つまり東京をとっている標準生計費、十八歳で独身男子の場合には、それよりもダウンするんですね。もう結論を申し上げれば、行(二)の五等級というのは、十八歳の独身男子がここにくるのですから、低過ぎるということを私は結論的に言っているわけですよ。もう少し上げてやらなければ気の毒じゃないか。とにかく十五歳で、一番不遇な人が同じですよ。あなた、いまの行(一)の八の二でいった場合だって、東京よりは高いんですからね。そちらの場合は、そうでしょう。片一方は東京より高くなっている。八の二はそうでしょう、試験を通っていった人は。そして片一方は、十五歳で中学を出て、上の学校に行けなくてつとめた、それが制度上、行(二)にいかざるを得ないわけだ。そうでしょう。その人たちが、三年たって十八歳になった。なったらこれだけの差があるというかっこうではおかしくないかということを言っている。標準生計費の使い方は、旧来からいろいろ論議しているので、どうもこの間の勧告あたりから、あなたのほうは実情に合わぬものだから、四苦八苦して変えてこられたから、そういう言いわけを言ってもしようがない。  もう一つ、総裁に聞いておきたいのは、昇進のしかた、これは私は通産省の問題のときに、しみじみそう思ったのですが、今回の皆さんのほうの勧告の付属資料ですが、これは説明を聞きに行こうと思って行かなくて、独断で恐縮ですが、これを見ますと、民間の場合の支店長というのがありますが、この支店長というのを見ますと——官庁というのは、全く私はしかたがないものだと思うのですが、付属資料のまず三二ページ、これは調査実人員が、支店長というのが五十三人いるわけです。これは五百人未満で、小さいところですが、五百人未満のところの支店長が五十三人おって、何と大学を出た人は十四名、それから専門学校、短大が九名、旧制中学、新高卒が二十六名いるのです。それから高小、新中卒が四名いる。五十三名の中で三十人は大学、短大出ではない。中学、新高、小学卒、これが三十名で半分以上ですよ。ところが同じ支店長で、全規模の支店長、これで行きますと、二〇ページのところを見ると、調査実人員が九百九十四名いる。その九百九十四名の中で、新しい大学、旧大学を出た人が四百二十七名いるんですね。短大出が百八十一名、中学と新制高校と新中卒と小学校、これは出た方々が三百八名プラス七十八名。高小、新中卒の方々が七十八名いる。中学卒と新高卒が三百八名いる。九百九十四名ですから、四百人近い人がみな大学も何も出ていない。そうでしょう。これをながめて見て、皆さんは対応等級で比較してこられるわけですが、これが公務員だということになると、それこそこういう支店長といわれるところに対応する等級の方々で——これは五百人以上の規模のところも念のため申し上げておきますが、これは二八ページにありますが、支店長が、九百四十一人を対象に調べているが、何とこの中では旧制中学、新高卒が二百八十二名もおる。高小卒、新中卒が七十四名ですね。そうすると、これは三百五十六名になる。民間の状況というのは、こういうことになっているのですね。そうでしょう。そうすると、いまの公務員の昇進のあり方というものについても、さきの堀田事件じゃございませんが、力がいかにあっても、いかに熟練の度合いが高くても、頭がよくても、また努力をしておっても、あとから上級試験か何か通ってきた人はぽんぽん飛び越えて、そこらで西も東もわからぬ者が課長になってしまう。国会で質問すると、マイクでみな残して、昇進できない人がそれぞれそこにおって全部手配をして、資料をこしらえて、西も東もわからぬ人がそれに乗っかって、そこに来て答弁している、こういうことになる。そういういまの官庁機構、昇進のあり方というものを、これでいいとあなたはお思いですか。総裁、あなたは成績がいいから上級試験通って上がっていくんだなどと言うけれども、この間私は通産省を詳細に調べてみた。そうしたところが、一人残らずみんな直近上位にぽんぽんと上がっていってしまう。ただその人が大学を出ていないということだけで、いかにできても、万年係長であったり、せいぜいいったって課長補佐どまりである。ところが、民間を見てごらんなさい。いま申し上げたように、半分近くみんな実力主義でいっている。こういうことにしておくところに、つまり今日の官庁機構のマンネリ化がある。これは一にかかって人事院の責任です。総裁いかがですか。感触をひとつ述べてください。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 おっしゃったようなことは、私どもとしては、まさに根本的には御同感でございます。したがいまして、そういうことのないように、とにかく実力主義ということが公務員法の精神でございますから、実力主義で——いまおことばに西も東もというおことばがありましたが、これはたとえのおことばだと思いますけれども、あくまでも実力主義でやっていただきたいということは、かねがね念願いたしておりますし、また人事院当局者にもそういうことはしょっちゅう申しておりますが、具体的な人事の総括になりますと、これは総務長官のほうの管轄でもございますし、総務長官のほうとさらに連携を強く固めまして、適正なる昇進制度が運用されるようにやってまいりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 委員長からいま昼食という紙が回ってまいりましたから、これだけが機会じゃございませんので、申し上げなければならぬことがまだいろいろとございますけれども、ともかく私がいま幾つか指摘しましたのは、マバ方式からできて、いままでやってきたいろいろな方式が、今度の勧告をながめますと、非常に部分的ではありますけれども、変わらざるを得なくして変わっているという面がある。実情に沿わないから変わってきている面がある。標準生計費のとり方にしてもしかり、世帯別というところに重点を置いて配分をしようというふうにお考えになったこともしかり、幾つもあります。それはなぜかというと、今日的実情は、旧来の人事院の方式というものを変えざるを得ないところに持ち込んできているということなんですね。ですから、そういう意味で私、いま支店長の例をあげたのですけれども、片や職階制という問題もある。級別定数もある。その前に、職務内容と責任の度合いという問題もある。そういうワクの中でできている。だから、どうしてもたまるところにたまってしまって、五等級にたまっている。この人は大学を出ていないから四等級にいけない、片やそうなっているのですよ。いま私が例にあげたことが、五等級なら五等級に全部たまってしまっている。しかも級別定数の改定というものに限度があるから、上がらない。職務の責任の度合いという職階制の問題ともからむ。だから、そうなると、そこらのこともあわせ考えて、全体的に公務員の制度というものを人事院が再検討する気にならぬと、単にこの中で年寄りの問題だけ取り上げて、高いのだなどと言ってみたって、それではとてもじゃないが人事院の職責は果たせないと私は思う。そういう意味からこの際申し上げたわけであります。  そこで総務長官、せっかくでございますので最後に一つ。これから七人委員会をずっとお開きになって御検討いただいて、政府としての給与決定というところまで持っていかれるわけでありますが、これはもう例年のことですから何べんも繰り返したくないのですけれども、いまの雰囲気からしますと、新聞その他の論調から見て、少なくとも六月にはなるのだろうというのがみなの空気である。しかし、毎年毎年こういうのも困るので、何とかひとつ、ことしは五月実施をしてもらいたいという気持ちが非常に強くなってきておる。こういうことですし、そこらをひとつ十分御勘案をいただきまして、総務長官も先般と今回と二回にわたることになりますが、ひとつ何としても今回は完全実施ということで、それこそこん身の御努力をいただきたいと思うのでありますが、そこらいかがでございますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 前の国会におきましても、完全実施に対して最善の努力をするというお答えを申し上げております。この勧告を受けまして、なかなかむずかしい問題があるようでありますが、文字どおりこれは慎重に検討いたしまして、その所期の方針が実現できますように、なおさらに努力いたしたいと思っております。これは十分検討させていただきたい。

大出俊日本社会党

○大出委員 佐藤総裁に申し上げておくのですが、給与局長の尾崎さんを含めまして、職員団体その他の方々とずいぶん念の入った意見をお聞きになって努力をされてこられた経過を知っておりますから、そういう意味で私はあまりとやかく申し上げたくないのでありますが、ただ特別手当なんかにしましても、私は勧告の出る前にここで質問したときに、民間の調査の中身からいくと〇・一七くらい上がっているのではないか。何も無理に〇・一にまとめなくてもいいじゃないか。〇・一に端数がついてもいいじゃないかということを言ったことがあるのです。〇・一七と思っていたら民間は〇・一八上がっておる。ここで〇・一七と言ったのは遠慮した結果になりますがね。それを皆さんは今回やはり特別手当は〇・一に切っておる。そうでしょう。これは一般の公務員の人たちからいえば、毎年毎年で、みなやめないでおられるわけですから、職場の方もみなだんだん給与に詳しくなる。いままでは知らなかったけれども、最近は職員団体の方々が——この国会だって、一階の掲示板にいきますと、職員団体の方が書いてある。克明に書いてある。そうすると、人事院の出したのは、〇・一八という数字が出ておるのに〇・一に切った、こうなるのです。それからまた扶養手当にしても、児童手当とのからみ合いでいろいろ御検討のようでしたが、やはりそういうところを最近は一々職員の方々が目にし、耳から入れてきておるわけです。だから、そういう点きめこまくおやりになってはおるけれども、やはりどうもおかしいじゃないかという意見が出てこないように御配慮いただくような、これはこれ以上総裁にものを言ってけんかしてもしようがないけれども、そういう点特にお気をつけいただきたいですね。今回の勧告について、これ以上やる時間がいまありませんから、指摘だけ申し上げておくのです。  それから住宅手当なんかにしても、これは公務員宿舎外居住手当ですよ。公務員宿舎というのは、上級公務員の方々はほんとうに安上がりのりっぱな宿舎に入っておる方々がたくさんある。下級公務員の方々になるほどそうはいかない。いまやまさに民間でいうならば、社宅外居住手当ですよ。そうすると、これなんかも確かに六大都市中心の手当との問題もあるけれども、踏み切るときは踏み切っていただかぬと困る。そうでしょう。まして皆さんがやっておるのは個別対応させていって、そうして出てきた総ワクで比較をしてきめて、それを今度は配分をするわけですからね。片一方に調整号俸なら調整号俸をくっつけようとすれば、それが官民比較の中に入っているものだとすると、それだけの分はほかにしわが寄ってどこかが引っ込む。先生だ、研究職だ、少し何とかしてやろう。お医者さんと看護婦さん——対応等級の面でいくと、看護婦さんなんか公務員のほうが民間よりも高い。そうでしょう。だから、筋からいえば高いものを高くする必要はないのだ。しかし、総ワクをきめて一〇・二だ、一〇・一五なら一〇・一五にしておいて、配分とこうなって、夜勤手当は倍にふやします。そうなると、超勤なら関係ないけれども、それはみなどこかにしわが寄ることになる。そうでしょう。そういう矛盾がいろいろ出てきているので、今回は出してしまったのでしょうがないけれども、この辺で人事院の勧告制度そのものも含めて、一ぺんもう少し官民比較の面で、民間を追っかけるにしても、追い足らぬ追い足らぬという形にならないように、ぜひひとつ御検討いただきたい。完全実施に総裁の全力をあげて御努力いただきたい。この点をつけ加えまして、一言何かございましたら……。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 それはもうおっしゃるまでもないことでありまして、現にやっておりますし、国会におかせられましても、ひとつぜひ完全実施になりますようにお力を賜わらんことをこの席を借りて強くお願い申し上げておきます。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 華山委員より関連質疑がございますが、昼食後の冒頭に譲ることとして、暫時休憩いたします。    午後一時一分休憩      ————◇—————    午後二時二十二分開議

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 自治省の皆さんにちょっと承りたいのですが、公営交通に関する問題でございますけれども、いま第九次賃金確定に至る過程で覚え書きが結ばれているわけでございますが、当時、たしか佐々木参事官等中心になっておったのですけれども、何項目かございましたですね。ちょっとそれをあげていただきたいのですが……。

小田恵堆自治省財政局公営企業第一課長

○小田説明員 ただいま大出委員の質問がありました四十三年度の給与改定について、自治省とそれから都市交通労働組合連合会との間の覚え書きでございますが、一点は、四十三年度の給与改定については、本年の七月を目途に解決する、それから第二点は、公営交通事業の財政再建をはかるために、各都市の実情に応じて、撤去する軌道にかかる赤字に対する配慮等、合理的な一般会計からの繰り入れを考慮する、それから第三点といたしましては、公営交通事業の改善と発展をはかるために、労使双方が協力して調査研究機関を設置し、すみやかに経営に関する問題を解決する、以上三点でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 重ねて承りたいのですが、この調査研究機関の設置というのはその後どういうふうに進んでおりますですか。

小田恵堆自治省財政局公営企業第一課長

○小田説明員 調査研究機関につきましては、労使双方より六名ずつ出しまして二回の準備委員会を開きまして、八月の半ばに第一回の委員会を設けました。名前が公営交通事業改善委員会ということで、労使双方十五名ずつの委員を出しまして、合計三十名で議題についての討議を終わりまして、大体三つのことについて、すなわち一つは地下鉄問題、一つは大量輸送機関の運行確保の問題、それからもう一つは雇用確保の問題、その三点について小委員会で検討するということになっております。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは委員会を二月に一ぺんくらい、あるいは小委員会を毎月開こうという話を私も聞いておりますが、たいへん御努力をいただいて、私も、大臣をはじめ再三御質問いたしましたが、ここまで交通企業再建ということに中心を置かれてお進めいただいたわけでございますから、そうしてまた七月の自治体の議会、これは東京がきまっておりますが、他はまだのようでありますが、というところにめどを置いて進めていただいておるわけでありますから、その限り理解をしておるわけであります。  そこで、自治省の財政局長さんの名前での「昭和四十四年度の地方公営企業繰出し金について」という通達が出ておりますね。これは何か特別に意味がございますか。

小田恵堆自治省財政局公営企業第一課長

○小田説明員 昭和四十四年度の地方財政計画におきまして公営企業への繰り出しを千百億余するということにしたわけでございますけれども、計画はあくまでも計画でございます。負担の合理化といいますか、その観点から各地方団体が計画によって運営できるように、一応の私たちの考え方を示したものでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうしますと、いま人事院勧告が一〇・二%当年度分出されておるわけでありますけれども、それについて財政計画等については承りましたが、いま進めようとされておる委員会等との関連、特にそういうものはございますか。

小田恵堆自治省財政局公営企業第一課長

○小田説明員 労使の調査研究機関ではいまそれを議題として取り上げるような動きはございません。ただ、どちらからか議題として出せば討議の対象になるという議事の運営をやっております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、両方のうちどちらからか提案をすれば議題になるという、これは運営上そうなると思いますね。  実は、昨年の通常国会の幕切れに各党の幹事長、国対委員長会談等がありまして、そこで、給与の実施については七月からということで、この給与の実施は国家公務員、地方公務員並びにその他の機関で実施する、こういうように申し合わせがありまして、これを一つの契機にして、この席上で総理が御出席になって——その前に官房長官も御出席いただいておりますが、このときに、そういう各党間の話し合いがあるということであれば、当然尊重しなければならぬと思うという官房長官の話があり、その後総理からは——私はメモを手にしているのだけれども、各党の間でそういう話があったということである限りは尊重すべきものであろうと思いますということと、あわせて、公営企業だからということで遠慮をしてどうも給与改定ができないなどというようなことがあっては、一生懸命やっている諸君にこれは相済まぬことになる、したがって私として善処をいたしますと、こういう実は総理の答弁をここでいただいたわけであります。これを受けて自治大臣も、総理もああいうふうにお話しになっておりますので、ということで、ずいぶん御努力をいただいて、ようやく昨年の分についてはあるいはまとまっているところ、それからいままとまりつつあるところ、こういうふうになっているわけでありますが、それだけに私は私なりに、昨年の経過にかんがみまして、一〇・二%出たこの人事院勧告をめぐりまして、公営企業に対してどうするかという点を非常に心配をしているわけでありますけれども、せっかく御努力をいただいている中に雇用の確保という問題が入っていて、これは私は大臣にも申し上げたのですけれども、賃金体系に触れる問題というのは非常にむずかしいわけですから、確かに民営交通等と比べてみて初任給に格差があったりすることも承知をしております。しておりますが、一つのワクの中で体系をいじるということになるとすれば、どこかで昇給曲線に触れなければならぬという問題が出てくる。したがって何かそれが一つの条件になるというふうになると、なかなか労使間の問題は進まない。したがってそれはそれで検討するとしても、やるべきものはやはりやっていただかぬというと、働いている諸君の立場というものも非常に苦しくなる、こういうふうに考えておりまして強調したところなんですが、この点自治大臣にも御理解をいただいてきたつもりなんです。したがって、今回のこの勧告実施にあたって、特に公営企業、こういうことで考えますと、再び再建計画その他とからむというふうな問題が当然出てくるわけでありまして、勧告が出るということは、官民比較の面から勧告しなければならぬ法律上の義務があって人事院はするのですが、なかなかそういう情勢に追いつかない企業の状態というものが一面あるわけですから、出たがしかし頭が痛いということになりかねないところばかりなんです。そういう意味で、せっかくここまで先般来お進めいただいたので、何とかひとつそういう先般の話し合いの筋に乗せて、このたびもひとつ公営交通については——これは全国的に見るとあるいは病院、水道も入るかもしれません。しれませんが、ぜひひとつ継続的な御努力をいただいて、あんまりどうも、先々この席上等でこの種の論議を繰り返さぬで済むような解決方向にひとつ御努力をいただきたいと思っておりますが、そこらの点についていかがでございますか。

小田恵堆自治省財政局公営企業第一課長

○小田説明員 ただいま大出委員からお話しもございましたように、特に公営交通事業につきましては非常に苦しい経営状況にございます。特に問題の多い六大都市におきましては、いずれも再建団体に指定いたしまして、鋭意交通企業の再建ということをやっているわけでございます。昨年度の給与改定につきましても非常に苦しい思いで現在各企業と相談しているところでございます。端的に申し上げまして、本年度の給与改定について考える余裕はいまのところないというのが実態であろうと思います。  交通事業の問題につきましては、根本的に検討もしなければならない点も多々あるわけでございます。今後交通企業が企業として成り立つという中でどういうふうに考えていくか、十分検討してみたいと思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 再建計画あるいは再建団体という形になっているということで余裕がない、こういうふうにいまお話しなんですが、本来これはどこに責任があるかということになると、これは少なくとも公営企業である限りは、その性格からいたしまして、いままでこれはさんざん論議したことですけれども、諸外国の例からいってもやっぱり国が相当な措置をしないと、企業それ自体の要因でないところに大きな要因があるわけですから、したがいましてこれは私どもとしては、総理も答えておりますように、やはり旧来から公務員に準じてきて、多少法律改正がありましたけれども以後やってきているわけでありますから、どうしてもやはり一般の国家公務員あるいは地方公務員と同様に、関連するその他の機関と、こういう表現で、各党の話し合いで進んでおりますけれども、そういう関連するその他の機関にも実施するのだという前提に立ってやっぱりものを考えていただきませんと、これは話が逆になるのですけれども、いまの答弁の一番最後のところ、ちょっと気になるのですが、もう一ぺん言っていただきたい。

小田恵堆自治省財政局公営企業第一課長

○小田説明員 いま大出委員のお話しのありましたように、各党でお話がありましたことについては鋭意努力するつもりでございますけれども、先ほども申し上げましたように企業が非常に苦しい状況にあります。また個々具体的に当たりながら検討してまいりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 いま言い直されて、各党で話し合っている点については鋭意努力する、こういうことでございますから、それはそれでいいのでありますが、企業が苦しいから個々に検討したい、こういうわけでありまして、ここから先を言い始めるとまたこれはもとに戻ってずいぶん長くなりますので、小田さんも気をつけて言っておられるようですから、私は心配でございますから触れずに過ごすわけにもまいらぬ性格でございまして、とりあえず御努力をいただきたいということを申し上げて、いま課長のほうも、鋭意努力する、こういうことでございますから、その努力の結果またいろいろ問題が出てくればこれは取り上げざるを得ないことになると思いますけれども、最初でございますから、とにかく各党でずいぶん苦労してきたこともありますので、御努力をいただきたい、こう思うわけであります。  それからもう一つ、これは方々から質問が参りますので、こういう理解で間違いがないかという点だけちょっと念を押しておきたいのですが、これはいま承りますと担当の方がいまおいでにならぬそうでありますから、そこから先の質問は後刻に譲ります。譲りますが、所管の関係からいたしますと、一つは休職専従という制度が、政令が出ましてからILO問題とからみましてとられることになっておるわけでありますが、したがいましてまず一つは、復職後の措置というのが問題になります。これは尾崎さん、人事院規則があるわけですな。休職専従をやっておられた方が復職した場合、その休職専従期間についての復職に伴う身分回復という問題について、たしか一応の区切りが三カ年間ということですから、三分の二ということだと思いますけれども、規則が何かございますか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 人事院規則の九の八におきまして、三分の二というふうに規定しております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、その規則どおりやっていくということである限りは、三カ年というと一号ずつでいえば三号でございますね、したがって三年で三号ならば、三分の二だったら二号、具体的に言えばそういう意味でございますな。そう理解していいですね。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 そのとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 それからもう一つ、これは大蔵省の方のほうに、所管がそちらだそうでございますから。国家公務員共済組合法の関係でございますけれども、休職専従の期間中の共済長期、つまり年金ですね、こちらのほうの掛け金その他の措置を含む問題がございまして、これもどうも方々から質問が参ります。国家公務員共済組合法第二条の定義というところでありますが、「国から給与を受けない者で政令で定めるもの以外のものを含まないものとする。」妙な表現でございますけれども、要するにこれは政令できめればよいという趣旨だと思うのでありますが、政令のほうで施行令の第二条の二号、国家公務員法の百八条の六の第五項、ここに専従休職の規定があります。したがって、当然これは職員の中に入る、言いかえれば共済年金の通算はする、こういう規定ですね。つまり専従休職中の共済年金の通算をする。これが基礎になりまして、さて通算のしかた、掛け金の方法という問題が出てくるわけでありますが、掛け金の方法についてはこれは規定がありまして、共済組合法九十九条の費用負担の原則、これとの関連で、長期は百分の四十二・五、これが本人、国が百分の五十七・五、こうなっているわけですが、読みかえ規定がございまして、国の負担金が百分の十五で、職員団体の負担金が百分の四十二・五、つまりこの読みかえ規定は、百分の五十七・五という国の負担分を二つに分ける、つまり国が百分の十五であって、職員団体の負担金が百分の四十二・五、こういうふうに読みかえる。だからこれは、結論的に申し上げますと、本人が百分の四十二・五、それから職員団体が負担金百分の四十二・五、そして国が百分の十五、つまり合計百、こういうふうに読みかえ規定がございまして、分ける。したがいまして、当然この休職期間中は、職員団体が百分の四十二・五を負担をする、本人が百分の四十二・五、こういう措置がとられていかなければならぬということになるわけでありまして、そしてこの休職専従期間は、共済組合長期つまり年金については通算をする、こういう形で、というふうに理解をするのでありますが、それでよろしいかどうかという点、そこから先のこまかい点につきましては、これはまたあらためて質問したいと思いますが、そこまで、そういうふうに理解してよろしいかどうかという点を承っておきたいと思います。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 ただいま大出委員からお話しのとおりに、掛け金の部分につきましては、費用負担の原則、九十九条の二項、そのとのりでございます。同様に四項に読みかえ規定がございます。おっしゃるとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 担当がいないそうですし、それじゃそれだけ、いろいろ方々から問題が出ておりますので、触れたわけでございますが、あとはまた後刻……

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 先ほど大出委員に対してお答えになりました数字のことにつきまして、関連をいたしましてお聞きいたしますが、前に私が決算委員会でいろいろお尋ねをいたした際に、一〇%ということを前提といたしまして、七月実施、六月実施、五月実施というふうなことで数字をお聞きいたしまして、大蔵当局から御答弁がありました。そしてその際に、たとえば七月実施で一〇%というふうなことを仮定いたしますと、その際の答えでは、所要額が八百八十六億であって、四百四十三億が当初予算に組み入れてあるので、不足額はやはり四百四十三億だというお答えがあったわけであります。これは当初予算では五%アップということになっておりますから、一〇%アップになれば、当然それと同額のものが、四百四十三億というのが増してくるということになるわけでありますが、先ほどお答えになった額が、この基準ではいかないようでございますので、あとで承りますと、この中には一〇・二%ですか、多少末尾のほうが違うことは別といたしまして、相当の差額がある。それにつきましては、期末手当が入っていないからだというお答えがございました。  それで人事院の事務当局にお聞きいたしたいのでございますけれども、この「給与勧告についての説明」がございますが、その中で、「改善の内評は、俸給で八・七%、諸手当で一・〇%、その桁で〇・五%、計一〇・二%」こういうふうに書いてあるわけであります。そしてその次に「給与改定の内容は、次のとおりである。」1として、「俸給表の改善」、2として「諸手当の改善」、この「諸手当の改善」に、小さな内訳でございますが、(1)、(2)、(3)と書いてあって、(4)には「期末手当について、民間における賞与等の特別給との均衡を考慮し、十二月の支給額を〇・一月分増加することとした。」こう書いてございます。この説明の書き方はおかしいのではないか、これは実際そうだとすれば、この説明の書き方というものは、もう少ししろうとにもわかるように、誤解のないように、この次からお願いいたしたいと思うのでございます。というのは、これはこの給与改善の中の一〇・二%のうちには期末手当の分は別なんだということをどこかを見ればわかるのですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 確かに御指摘のとおり、民間の調査をいたしました場合に、いわゆる月給として毎月支払われる部分という関係で詳細な官民比較をいたしましたところ、一〇・二%の格差がある、それから毎月月給で支払われるという関係以外で特別給として支払われるもの、そういう関係につきましては、別の調査をいたしまして〇・一月分増額の必要を認めるという関係でございますから、書き方につきまして若干誤解があるかもしれませんが、しかし説明の初めのほうの一の関係はそういう格差があり、そしてその改善についてはこういうような内容で改善をするというようなことを述べておるわけでございまして、二は「給与改定の内容は、次のとおりである。」ということで、給与改善の内容のすべてにつきまして説明をしておるという関係でございまして、一と二とは直接の、一によって二がという関係には必ずしもないわけでございますけれども、若干御指摘のような誤解があるかもしれませんので、今後気をつけたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 私の頭が悪いのか、しろうとかもしれませんけれども、若干ではないですね。この書き方を見たら、普通の人だったならば、これは給与改善の分として初めのほうにちゃんとこう書いてあるのですから、一〇・二%の中には、こう書いてあって、そしてその中にこういうふうに書いてあるのですから、この書き方はちょっとおかしいと思うのです。来年からひとつわれわれが見てもわかるように変えてくれませんか、お願いしたいと思うのです。  それから、そういうことでございまして、先ほど大出委員におっしゃった数字が、いま申し上げたようなことで抜けているということもございますので、もう一度あらためて一般会計における所要額の数字を重ねてお聞きをいたしますが、おっしゃっていただけませんか。つまり所要額と、当初予算に四百四十三億組まれておるわけでありますから、その差額をおっしゃってください。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 五月実施で経費を申し上げますと、一般会計で千二百三十九億円でございます。それで四百四十三億円控除いたしますと、七百九十六億円ということになるわけでございます。それから六月実施の場合の経費を申し上げますと、一般会計で千百五十八億円、四百四十三億円を控除いたしますと、七百十五億円、それから七月実施の場合は九百八十七億円、四百四十三億を控除いたしまして、五百四十四億円でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで昨年のことを顧みますと、私の記憶が間違っているかもしれませんけれども、初めは予備費にはもう金がないのだということを大蔵大臣は常におっしゃったわけでございます。それで私どもいろいろ計算をいたしますと、まだ一月程度は予備費から出せる余裕があるというふうなことで、野党等におきまして政府とも交渉をしたわけでございますけれども、十二月でございますか、そのときになりまして、大蔵大臣は金はないということはおっしゃらなくなった。そして他の諸施策との均衡上といったことばでしたか、そういうことばをお使いになったわけですね。それで一カ月前進ということはできないということを言われた。大体そういうことであったと私は記憶いたしております。  そういたしますと、他の諸施策との均衡上できないということになりますと、非常にこれは不明確なものになってくる。人事院総裁にお伺いしたいのでございますけれども、いろいろな批判とか何かはございましても、まあ科学的に、客観的におきめになった勧告だと私は思うのでございますけれども、どうでございましょう。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 おっしゃるとおりでございまして、私どもはその立場を貫いておるつもりでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 その立場に立たれた数字に対しまして、金がない、財政上の余裕がないというふうなことでありますれば、これまた一応考えなければいけない問題もあるかと思いますけれども、諸施策との均衡上出さないということに至っては、これはもう人事院の勧告というものが無意味に帰するおそれがある。そういうふうなことによって、科学的なあるいは客観的なことが曲げられるおそれがある。長官にお聞きいたしたいのでございますけれども、ことしも諸施策との均衡上できないということがあり得ますか。この間、関係閣僚会議もおやりになったそうですけれども、どうでしょうか。何か、諸施策との均衡上できない、こういうふうなことで完全実施ができない、こういうことがございますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 これはたびたび申し上げておりますとおり、私どもは政策面の考慮はまだ全然いたしておりません。またいたすべき立場でもないわけであります。いまおっしゃった科学的、合理的の立場を貫いて、これが絶対に正しいということを、先ほど自信満々ということを申しましたけれども、それほどやはり自信満々たるものを御提案を申し上げているつもりでございます。政策とのからみ合いの問題はこれは国権の最高機関のほうで御批判、御判定いただいてしかるべきものだと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 人事院総裁からは勧告をいただきましたが、この勧告の内容につきましては先刻申し上げましたが、検討を開始しておるわけであります。したがってこの点は慎重審議をしておる最中でありまして、これがどういう形になりまするか、ただいまのところは申し上げる余地は、まだそこまで至っておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 検討するというのは、この勧告が正しいのかどうか、客観的に貫いているかどうかということでございますか。検討するというのは、この勧告が実施できるかどうか、そういうことであって、実施のできない場合には財政上の問題もあるとともに、われわれはそれを取らないのでございますけれども、他の諸施策との均衡ということを昨年初めて言われた。他の諸施策との均衡の意味で検討されるのでございますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 昨年の給与の関係閣僚会議の際におきましては、ただいまお話しのように諸施策の均衡云々という字を使ったと思います。今日におきましては、人事院勧告そのものに対しましては、人事院におかれまして十分な公平な立場において、また正しい勧告をなさっていると思いまするが、これを実行する段階につきましては、いろいろと検討しなければならないものがあるわけでありまして、財政上はもとより、その他の社会情勢等を勘案しなければならないのではないか、そういう意味におきましていろいろ議論が出ておりますので、今日検討中でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 いろいろな議論を具体的にだれが言ったかということは言わなくてよろしゅうございますから、財政上の問題は別にいたしまして、他の諸施策との均衡上の問題について議論を具体的にひとつおっしゃっていただきたい。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 まだ第一回の会合をしただけでありまして、他のいろいろの理由につきましては、いろいろ問題があるから皆さん慎重に検討しようということでありまして、具体的に個々の検討事項につきまして述べ合ったというところまでまいっておりません。大蔵大臣自体は額の大きさに驚いて失神したと、まあそういうような表現を新聞がいたしたのは雑談のときの話でありますが、一般的にどういう事由によりまして検討すべきかということの話題と申しますか問題点を詰めてはおりませんのです。ただこの際十分に慎重審議をという感じはみな受けておりますので、追ってひとつ持ち寄って相談をしようということになったわけであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 いままで大体十二月までにはきめているわけであります。ことしは何月ごろにきめられるのですか、それも見当つきませんのですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 これは先ほど木村副長官からもお答え申したのでありますが、どっちかと申しますならば、昨年は八月中に数回審議会を開いて結論を出したようでありますが、ことしはずいぶん問題点が多いようにみな予測しておるわけでありまして、そう早目にはなかなか結論は出せないのではないかというふうに考えておるわけであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 昨年は、八月の決定だとおっしゃっておったのですが、とうとうその決定が変わったわけですね。それは十二月じゃなかったかと思うのですが、私心配するのですけれども、これから補正予算を組むのか組まないのか、客観的には組まなければ何ともならぬと私は思っておりますけれども、補正予算を組むのだということになれば、この十二月に補正予算が決定されなければ十二月中には支給できないということも考えられるわけであります。あるいは給与であるから、また給与の残額があるからそれで出しておいて、今年の年度末までに補正予算を出せばいいということも考えられるわけでありますけれども、その点につきまして大蔵当局はどうお考えになりますか。十二月までと補正予算との関係はどういうふうになりますか。補正予算でなくてもよろしゅうございますよ、修正予算だって同じ問題が起きる。七%減ということであるならば七%減じてこれを人件費のほうに回すという修正的な予算が出なければいけない。その点主計局の次長さんどうお考えになりますか、これからの見通しは。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 技術的な問題を含めての御質問でございますが、補正予算につきましては午前中木村副長官からお答えになりましたように、いまの段階におきまして財政当局としては結論を出しておりません。午前中にも申し上げましたように、財政事務当局としましては最善の努力をいたしまして極力一般会計予算規模の範囲内で善処したい、こういう心境でおるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 範囲内で善処するとおっしゃったって人件費では間に合わない。したがって事務費的なものでも回すとか、先ほどお話にあったように公共事業を削るとか、特に何か修正した予算が出なければいけないわけですね。流用ができないわけですが、そういうふうなものは十二月にでも出さなければ十二月の支給には間に合わないということをお聞きしておるわけです。どうなのでございますか。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 午前中の御質問にも上村政務次官からお答えがございましたように、そういう問題を含めて、一切現在検討いたしておるわけでございます。いまの段階におきまして的確なお答えを申すことはできないわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 あなたのほうは検討しておるとおっしゃいますけれども、できないのじゃないですか、十二月末までに。予算の範囲内でやるといったって、予算を修正しなければ、七%の節約といったって、できないでしょう。どうしたって予算が出なければならない。どうなんですか。あなたがこういうふうにお答えになるなら、また別だ。とにかく給料なんだから、その給料によってまかなっているのだ。しかし、三月末までにはつくだろうから、その際に予算を出しても間に合うのだというお答えであるならば、私もそうかなと思うのでありますけれども、どういうふうにお考えになりますか、これからのことを。予算の技術上のことだから、あなたからお答えいただいてもいいと思う。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 いろいろな前提を置いての御質問だと思いますが、現段階におきましては、お答えしましても、いろいろな前提を置いてのお答えしかできにくいわけでございます。  先ほど来申しましたように、現在予備費というものも予定いたしております。その他財政全体の運営合理化によりまして、一般行政経費の節減等も考えておるわけでございます。それからさらに、経験的に申しまして、人件費にはある程度の不用額が出るわけでございます。それらを総合勘案いたしまして、人事院勧告の取り扱いの御方針をおきめいただく日までには、政府としての態度をきめなければいかぬというふうに考えております。ただ、いまの段階におきましては、それがすべて検討事項でございます。したがって、的確なお答えはできにくいわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私も給与のことにつきましてはしろうとかもしれませんけれども、予算とか決算については少しはしろうとから離れておると思うのですよ。あなたのお答えは、何かぼやっとして、私が前提を置いておるとかなんとかおっしゃっておられますけれども、前提なんか置いていない。あなたのほうで言われる前提のもとにおいて、十二月に間に合うかということを聞いておる。間に合いますか、これは。十二月に予算を組まないで間に合いますか。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 繰り返してお答えして恐縮でございますが、先ほど来お答えしたように、給与改善のための経費として四百四十三億円を予定いたしておるわけでございます。先ほど来御説明申し上げましたようなことで実施時期がきまりまして、それによって計数が変わってまいります。それによってどの程度経費が不足するかということも確定してくるわけでございます。一方におきましては、財政の運営合理化につきましても、さらに最善の努力をいたしたいというふうに考えております。  さらに、先ほど申しましたように、給与費につきましては、ある程度の不用額が出るということも、現在の段階で申し上げ得ることじゃないかと思います。ただこれがどの程度のベースになるかということは、一般的には申し上げにくいわけでございます。それらをすべて総合して、最終的な態度をきめたい、こういうことでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 少し見通しが甘過ぎるようですね。給与の残というものが昨年は出ました。昨年も給与の残というもので五十九億ほど出した。こんなものは、五十九億というものは、去年洗いざらい給与の残として出されたもので、そんなに多くのものを期待できるものではない。各省、各省において新しい予算として出さなくても、その各省において持っている給与の残が五十九億ということである。何も補正予算で出した数字じゃないわけです。そういうふうなものは時の運なんであって、こんなものがたくさん余るようだったらば、予算の編成がきわめて粗雑だったということなんです。こんなものはできるはずはない。そんな粗雑な予算というものを大蔵省が組んでいるはずはない。そういうふうなことじゃ、私はできないと思う。予備費の中で、これからの災害の模様もありますけれども、この中から二百二十五億でしたか、いろいろな農業に関する経費を出されるということでございますから、これを考えたら、予備費には余裕はございませんよ。二、三百億のものです。どんなにしたって、二百億ぐらいのものだと私は思う。そういう見通しを立てて、私はお聞きしておる。ただぼんやり、こうだろうああだろうということでは私は納得はいきません。予備費で間に合いますか。不用額で間に合いますか。かりに最小限——そんなことがあってはいけないのでございますが、私は、七月実施だって間に合わないと思う。予備費の中から、五百四十五億の中からあるいは百億の金が出たとしても、四百四十五億、百億の金が、あなたのおっしゃるような不用額で出たとしても、四百四十五億の金が予備費から出るはずがないじゃないですか。そういうふうに、農業の経費を加えたならば、大体もう七百億になる。だれが考えたって、こんなものから出るはずがないじゃないですか。それだから七%という問題が出る。七%というものを出すとするならば、これは更正予算といいますか、予算の組みかえをしなければいけない、予算の組みかえが十二月までに間に合うのかどうかということをお聞きしたい。解散にでもなったら、十二月にもう金は出ませんね。どうなりますか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 華山先生、いろいろ決算関係その他で非常にお詳しいわけでございますので、おっしゃることはよくわかるわけですが、いま事務当局は、実際上の数字を、経過を申し上げておるわけであります。まあ数字的におっしゃいますれば、いま華山先生おっしゃるとおりでございます。でございますので、先生も御承知のように、財政だけでなくて、諸施策あるいは国民経済全体とにらみ合わせながら、これをどういうふうに検討するかということになっておるわけでございます。でございますればこそ、いま七人委員会でこれを検討するということでございますので、財政当局としましては、財政状態はいま次長が申し上げましたようなことを申し上げるわけであります。そうしたところが、高度の政治的判断でどういうふうに判断されるかということによりまして、ある程度財政のいまの数字と離れてどう判断するか。そうしますれば、たとえば来年度の増収ですね、そういうようなものをどう考えるかというようなことなどを勘案されていくだろうと思うのです。先ほど大出先生からいろいろお話がございました際に、事務当局としましては、きわめて事務的なお答えをしたわけでございますが、私は、いろいろと常識的にいきまして、いろいろな変化がなければ増収関係も考えられるのじゃないか、こんなふうなことをきっと七人委員会では、いろいろ勘案しながら検討すると思います。それを踏んまえましてわれわれのほうは対処していく、こういうことに相なるかと思いますので、いま先生のおっしゃいましたこともごもっともと思いますが、事務当局としましては、計数的なことと、総合予算主義というものを内閣で堅持しておりますので、結局それをどう判断していくかということになりますと、今後の七人委員会で御検討される、こう思うわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 まだ時期が早過ぎますから、私は、この程度にとどめますけれども、政局はこのようにこんとんとしておる、予備費が少ない、そういう状態におきまして、いろいろな問題を整理して、国会に、予算の審議を経て出すという段階になって、十二月には間に合わないのじゃないかということを私はおそれているわけです。御善処をお願いしたいと思う。こういうふうに思いますし、完全実施の点につきましてはもちろんお願いをするところであります。  簡単でございますから一つだけ承っておきますが、従来、昨年来は言わなくなりましたけれども、国には金があるんだけれども、地方には金がないから完全実施ができないとかいうようなことをよく言われた。そこで地方財政の状態、これは局長なり責任者がおいでにならないので、課長さんに、そう言っちゃまことに失礼でございますけれども、数字の点だけきょうはひとつ伺っておきたいと思うのでございます。  先ほどお答えになりましたが、かりに五月実施にいたしまして、地方における所要額は幾らになりますか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、五月実施でございますと、一般財源ベースで千六百三十五億……。

華山親義日本社会党

○華山委員 一般財源でなく、所要額全額について……。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 全額でございますと二千四十億であります。

華山親義日本社会党

○華山委員 その中で特定財源は。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 特定財源が四百四億でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと、その差し引きが一般財源になるわけでございますね。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 そうでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 その一般財源が幾らになりますか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 億単位でまるめまして申し上げたわけでございますが、千六百三十五億でございます。   〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕

華山親義日本社会党

○華山委員 千六百三十五億が府県と市町村とにどういうふうに分かれますか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 府県分が千八十一億、市町村分が五百五十五億ということになります。

華山親義日本社会党

○華山委員 初めの財政計画で九百五十億を計上されていますね。そうですね。——この九百五十億というのはもう配賦されたのですか。特別会計の中で保留してあるのですか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 地方財政計画におきましては、国の予算措置に準じまして、いま財源を留保するというたてまえをとりまして、五百九十七億を給与費に計上、別に災害、給与改定等の要素を織り込みまして、五百億ということで組んであるわけでございますが、交付税の基準財政需要額を計上して決定しなければならないということでございますので、九百五十億円を普通交付金の基準財政需要額に算入いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと、残りが純粋に不足する金、要る金はどのくらいになるのですか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 先ほど申し上げました一般財源計算で千六百三十五億円ということでございますので、地方交付税の基準財政需要額に算入いたしました九百五十億円を差し引きますと、六百八十五億円という見通しに相なります。

華山親義日本社会党

○華山委員 その中で交付団体は幾らですか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 五百八億円でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 これは五月実施ですね。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 そうです。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういたしますと、これは地方はやれますね。どうなんです、地方は、五百八億円程度のものなら、やれますね。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 五百八億円という金はたいへんな金額でございます。こういう意味合いで、財源的には私どもはたいへん苦心が要るというわけであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 五百八億円じゃ出せないから、そんなに上げてもらっては困るということを自治省言いますか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 先ほど来お話がございましたが、国家公務員の給与改定に準じて地方公務員の給与改定も行なわなければなりませんので、給与改定の全体的な方針を政府できめていただきます際に、地方公務員を含めて慎重に御決定願いたい、こういうふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 これも非常に影響があるのですよ、予算の組み方によって。たとえばこれについて補正予算を組むということになれば、幾らかわかりませんけれども、法人税、酒税、それから所得税の三税を財源にせざるを得ないと思う。そうしますれば、その三二%が地方に行く、入りますね。それによって私はこの五百八億、そういうものもある程度カバーできると思いますし、これは地方財政と国の財政とに相当共通な問題がここに起きてくると思う。しかしそういうことはなくったって五百八億——大蔵省のほうでもこのごろ、私はそう思わないけれども、地方のほうは金があって金があってしょうがないみたいなことを言っておるから、私は五百八億、こういうふうなものは、一般会計のほうに地方のほうの交付税関係のほうからいま金を貸しておるのでしょう、あれを返してもらっただけでもできるのでしょう。ひとつお願いしたいことは、国はいいけれども地方財政が困るから完全実施はできないんだということだけは、納得ができませんので、その点は出さないでもらいたい。近いうちに地方行政委員会もございましょうから、そのときに論議があると思いますから、私、時間もありませんのでこの程度で。……

塩谷一夫自由民主党

○塩谷委員長代理 受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総務長官、私は、あなたが国務大臣でいらっしゃる関係で、今度出された人事院勧告に伴う予算措置について、基本問題をお尋ねしたいのです。それに対する補足説明は大蔵省でけっこうです。給与課長あるいは主計局次長で御答弁願います。  総合予算主義というものはおととしからこれを爼上にのせて、現にそれを進行しておられるわけでございますが、健全財政を維持する上からいったならば、別に総合予算主義という形をとらなくても、その運営を健全にすれば、従来の方式をそのまま踏襲しても一向差しつかえないのじゃございますまいか。と同時に、この予備費というものは、予見することのできない、予見しがたい経費の支出を必要とするときに予備費を組むという財政法上の規定、このことの中に給与費を入れて、それから給与費をまかない出すという行き方はきわめて変則なものであって、財政法上、いうたらナンセンスのようなものを、いまいかにも得々としておやりになっているという印象を良識を持った人に与えておるわけですが、この点について御見解を伺います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 総合予算主義の定義につきましては、政務次官がおられますから申し上げると思いますが、でき得る限り、いわゆる補正等を必要とせずして、当初の予算をもって基準をはっきりしてまいりたい、確定してまいりたいという気持ちがあるんだと私は思っております。したがって給与の問題につきまして、これまたどこに計上するかという問題につきましては、かねていろいろ検討をいたしたのでありますが、何ぶんにも人事院勧告が年度の半ばにありますので、これに対応するための処置につきましては、昨年もずいぶん関係閣僚会議において検討いたしたのであります。その結果、まず方法として考えられましたのが、給与改善費の中に一定額を繰り込む、なお予備費の中に入れるという二本立て案を採用することになったのであります。たてまえから申しまして、いろいろの考え方はあるかと思いまするが、現状では一つの進歩ではないかと考えておる次第であります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 政務次官、適当に御答弁いただきたいと思いますが、給与費というものが予見し得ざる支出経費とは私考えないのです。もう毎年きまっておるのです。だから、予備費の中に、予見し得ざる支出に充てるための経費というようなものでまかなう仲間に入れるべき性質のものではないですよ。やはり与給改善費として一部計上してあるような形を本物に切りかえて、総合予算主義という形をおとりになるとしても、そういう形で予備費からはずした給与改善費というものでやる道が正当なのであって、予見し得ざるなどというものにこの給与改善費を入れるなどという——これはどう考えてもナンセンスですね。私はこれを去年もおととしも議論しながら、ここのこの問題で行ったり来たりしておることを実に嘆かわしく思っておるのです。  それから、人事院総裁は、何とかしてこれを完全実施せしめたいという熱情をそのつど示しておられる。ことしは相当おおばんぶるまいという得々としたお気持ちで勧告されておられるのでございますけれども、しかしこの予備費の中で給与改善費をどうひねり出すかということについては、九百億しかないものの中からそれをみな持ち逃げしてしまったんでは、あとには何も残らぬという事態も起こるわけでありますから、もうこのあたりで予備費の中に給与改善費を入れることをおやめになったらどうかと思うのです。これは予算編成上の技術の問題があって、たとえば勧告を十一月ごろにしてすぐ新年度予算の中に織り込む、そういう方途がとれるというならば、これが一番いいと私も思います。けれども、それがなくても、やはり何かの方法でやる道があるはずなんでございますが、このあたりでひとつ、床次先生、あなたが給与担当国務大臣として、総務長官としてすかっと結論をお出しになっていいと思う。もう来年に持ち越してはいかぬです。今度は片づけねばいけません。予備費というナンセンスをこの際解消する。おそらく大蔵省のお役人さんにしても、予備費の中にこれを入れていることを、専門の方々のお立場から見ても内心まことにじくじくたるものを感じておられると思うの  。主計局次長、そうでしょうね。——それじゃ、まず政務次官。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 いま受田先生がおっしゃった点はごもっともでございまして、もう受田先生はその点十分御存じかと思います。ほんとうはその点についてじくじたるものがある。あるから、この四十四年度のときに五%の分を給与改善費に充てた。私はこれは進歩だと思うのでございます。従来いつも問題になったのは、人事院勧告の時期をどうするか、制度をどうするかという場合にいつも御議論があったわけです。ところが、なかなか結論が出ない。そのうちに一方、予備費でというのはちょっとおかしくないかという御議論があった。そして結局先生も御案内のように、国家公務員法の第二十八条に、俸給を五%以上改定する必要があると認められる場合には人事院の勧告義務があるというわけで、五%というやつが結局国家公務員法第二十八条にある。こういうようなことで、従来からいえば八%が多いわけでございますが、結局五%というやつをこの基準で出した。そして、実は四十三年度に七月実施になっておりましたが、七月という基準を置きまして四百四十三億円というのを給与改善費として計上した。従来はどうも途中で出てまいりますもので、予備費というようなことでいろいろ——そんなことになっていったわけでございますけれども、これはどうも改善する必要があろうということでお説のように進めていった、こういういきさつです。  ところが、今度実は一〇・二%出てきたということでございまして、大蔵当局が考えておったよりもちょっと多く出てきた。それは、先ほど木村官房副長官がおっしゃったとおりでございます。でございますので、この点は今後いろいろ検討して、前向きにいかなければならぬというふうな感じを持っておるわけでございます。  なお、それじゃ予備費で出せないかというと、結局災害の場合にも、発生の予見がむずかしいという場合と額の予定がむずかしいという場合と、実際上は二色あると思います。災害の場合でも、災害発生自身ということが必要であろうかと思うけれども、必ずあるともいえない、こういうような意味で、災害などはもちろん予備費の関係でいくわけでしょうが、人事院のやつは、ある程度の常識としてどうも上がっていくことは予定し得るじゃないかというような御議論もいろいろございまして、四十四年度は五%やったけれども、実際問題としてはそれで十分というわけにはいかない、こんなようなことで、先生おっしゃるとおり、いろいろ検討の余地があろうかと思うわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 内心じくじたるものを上村先生御自身が感じておられる。そこで、今度一〇・二%という勧告案を見て、福田大蔵大臣が失神したのですか。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 私は福田大蔵大臣にじかにそのお話を承ったこともございません。ただ、新聞に出ておりましたけれども、多少オーバーな表現みたいなことになっておるかと思いますが、思ったより多く出ておったということは率直にお感じになられたのじゃないかと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私は、失神をした理由の中に、これは予備費でまかなえない、補正予算を組まなければいけない、総合予算主義をここで転換しなければならぬという大蔵大臣の——きょうここにおられれば私は論議したいところなんでございますが、そういうところにちょっと気を使い過ぎて顔面蒼白になられた、こう私は見ておるわけでございます。  これは上村先生、この予備費支出というようなきわめて不自然な形のものでなくして、ことしは総合予算主義を次の臨時国会ですかっと切りかえて、補正予算を組むという方式におそらく変わるのではないかと、政務次官としてそういう方向へ行かざるを得ぬ情勢であると御判断になりませんかどうか。あなたの政治家の良心から御答弁願いたい。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 私は総合予算主義という問題は今後も堅持していく方針だろうと思いますが、今後どういうふうに行きますかということは、これはいま総務長官も再三おっしゃっておられるように、今回のこの処置につきましてはいろいろ問題もございますので、慎重御審議をされると思います。その結果を踏んまえまして、大蔵当局としては善処していきたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 五月から実施するとしてさえも一般会計分で約八百億の財源が不足するわけですね。そういうことから見ると、もう予備費工作などということは文字どおり予見し得ないような事態に出すべきであって、こう割り切った数字が出て天下の人も認めておる、国民も承知しておる。こういう形のものを補正予算ですかっと組み直すべきだと思うのです。これはもう予備費などで支出しようとしても、六月にするか——さっき大出さん言われたように、落ちつくところは六月かというようなことになってくるが、補正予算にすれば五月にすかっと割り切れるし、来年の七〇年安保対策にもなる。私たちはそうむずかしく考えていないのだけれども、政府は非常にむずかしく考えておられるようである。そのおみやげにもなるわけで、ことしはこのあたりで公務員の多年の要望を補正予算という筋の通った方式ですかっと措置をされるという形に大蔵省の首脳部として副大臣として上村先生は割り切るべきである。それを大臣にも進言すべきであると思うし、また床次国務大臣としても、閣議においてこの給与費については予備費などというこそく手段をこの際改めて一歩前進させる。四十三億という各省の暫定措置もとられてはおるが、この機会に全公務員にきちっとした予見し得る予算として計上してもらえたという形で措置をしてもらう、そういう御努力を願いたいと私は思うのです。私は何回も、去年田中先生のときから床次先生にかわる途中、大出さんや浜田さん、鈴切さんたちからあれだけ——もちろん私を加えて、当委員会の責任者は終始筋の通った質問を繰り返してきて、なおかつ実を結んでいないというこの嘆かわしい実情をほんとうにもう繰り返したくない。この機会に補正予算を編成して全公務員に待望の喜びの日を迎えさせるという、人事院勧告完全実施ということを六九年のおみやげとして十分御考慮願いたい。私はこれ以上言いません、議論が繰り返されることになるから。完全実施、その一本で御配慮願う。しかも佐藤先生御自身がことしは何かえらい自信のあるような交渉を政府、与党にもされておるようでございますから、総裁としての御努力も今後ゆめおろそかにしてくださらないように要望します。よろしゅうございますか。  そこでちょっと予算のことに触れておかなければいかぬが、さっき主計局次長から大出委員の例の東証上場会社の一部、二部の好成績、岩戸景気を上回るイザナギ景気、八期連続増収益の結果からくる税の自然増はどの程度になるかということに対して、主計局次長が現在ではまだ予見できぬというようなことでございましたが、十月ごろになるとそろそろ見当がつき始めるというような意味にも聞こえた点があるのです。そうすると、十二月から一月ころになるとはっきりした数字が大体見当がつくわけですね。そう了解してよろしゅうございますか。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 午前中大出委員の御質問にもお答えいたしたわけでございますが、現段階におきましては年度開始以来わずか数カ月でございますので、今年度どの程度自然増収が出るかということについて的確に申し上げにくいということを申し上げたわけでございます。その際、あわせて経済見通しの基盤といたしまして税の収入見積もりをいたしておるわけでございますから、経済見通しの当初見込みと実績の食い違いということに主たる原因を持って税制その他の歳入の見積もりが狂ってくるわけでございます。したがいまして、現在の景気情勢から見まして、当初見通しを下回るとはまず予想されないわけでございますが、たとえば、昭和四十年のごときは、当初見通しを経済全体の成長が下回った関係から、大きく自然減を出したような事実もございます。それやこれや考えまして、いまの段階においてどの程度出るかあるいは出ないかということについて的確に申し上げることはできにくいわけでございます。  そこでいつごろになればというお話でございますが、これも申し上げましたように、日本の租税構造におきまして法人税は相当大きなウエートを占めておるわけであります。法人税は御承知のように景況によって非常に大きな差がございます。そういうものの総合的な見通しということになりますと、法人の九月決算期を控えてある程度見通しを持つということでございます。これもいつということは的確に申し上げにくいと思いますが、かなり年度が深くなればある程度見通しが立つのじゃないか、こういうことでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そこで見通しが立ったころには給与改善のための経費ということがまた当然問題になってくるとも思うわけなんで、財源の捻出のしかたには、財政上の合理化とか、経費の節減とかあるいは人件費の不使用部分の支払い充当とかいろいろな手があるという中に、税の自然増による政府自身としての心豊かなれば体豊かなりという気持ちからくる財源ということが当然考えられる。私はその意味から、十二月ごろになったら補正予算を組むのに、自然増を背景に、ゆっくりした、ゆとりのある対策が立てられるのではないかと思う。これは上村先生どうですか、主計局次長がおっしゃったように年末ごろになればおそらく私は自然増のめどがつくと思う。もちろん景気の過熱を避けるために公定歩合いの引き上げであるとかいろいろな措置を政府がやられる、金融引き締めをやられるとかいうような問題が派生したとしても、今年は自然増にはそうひびは入らないはずです。そういうことの見通しとあわせて、この自然増に対する相当額の増額が期待できる。それから公務員の給与が今度上がってくる。上がってくる分から今度所得税増ということがまた考えられるのですね。これはもうはね返ってくるわけだ。そういうことになると、公務員の側から見ても、上がった部分に対してまた税をよけい納めるわけです。自然増に貢献するわけです。そういうことからいっても、この機会にもうすかっとした補正予算措置というものが当然考えられていい。それから、このイザナギ景気が続く限り、来年も一〇%からその前後の給与改定ということが当然予見できる。これは大体予見できるかっこうになると思う、こういう情勢が続く限り。これは総裁としても、来年のことを言えば鬼が笑うのですが、大体ことしに近いかあるいはことしぐらいのものが、この景気が続く限り給与改善というものは期待できるはずと私は思う。これについてもひとつ、あまりむずかしく考えられないで御答弁を願いたいです。  お二人からそれぞれ御答弁願います。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 自然増の問題につきましては、大出先生から御質問があった際にもお答えいたしておりますが、まあ事務的にいいますれば、結局次長が申し上げたようなことと思うのでありますが、常識的にいいまして、いろいろな変化がないということになりますれば、先ほど大出先生もデータを示されながらおっしゃっておられたのが常識じゃないかと思うのでございます。けれども、どのくらいいってどうするかという問題は、これはあくまでも先のことでございますので、ここら辺はまあ、内閣の大きな政治判断としまして、七人委員会その他でいろいろなものを考えながら実際上御決定をされていくだろう、それを踏まえまして大蔵当局としては善処していきたい、こういうふうに思うわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ちょっと、総裁に御答弁願うのにあたって……。と同時に、勧告の時期について、総裁としては、予算編成上の便宜を考えながら何とか歩み寄る道があるのかどうか、これも二年間検討されたはずです。そろそろ答えが出ていいと思うのです。これをあわせて御答弁願いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 先ほど、来年の見通しに触れてのお尋ねがございましたけれども、たびたびここでも申し上げておりますように、私たちはあくまでも科学的、合理的の調査ということで貫いておりますから、来年どうなるというような予測がましいことを申し上げる筋合いでもない、むしろそれよりも、ことしの勧告をぜひとも完全実施していただかなければいかぬということで胸一ぱいというところでございますから、その方針でひとつよろしくお願いしたいと思います。  勧告の時期の問題は、これはかねがね問題になっておりまして、結局いまのやり方は、これは御承知でありましょうけれども、日本は外国と違うのは大体春に賃上げが集中しておるわけです。したがいまして、賃上げが集中しておるその時期をとらえて格差を調査して、そうしてその時期に追っかけて、その時期までさかのぼって給与を引き上げていただく、これがやはり一番実態に即したやり方であろうと思います。勧告時期をずらすということは要するに調査時期もずらさなければならぬという問題が伴ってまいりますので、なかなかそこは別な問題がある。  それからやり方については、これはもう御承知のように、数年前から特に勧告のあり方について、関係閣僚はたびたび集まられて、そうして私もそれに加わって検討いたしました。それは予算編成時に予備勧告を人事院がやる、そうして従来どおりの調査をして本勧告をやって、そこで調整を加える、これはどうであるということで話が出ております。私どもはそれはかねがね反対しておりましたけれども、完全実施していただけるというのならば、そこまでおりてもよろしいということまで申し上げておる段階になっておるわけです。われわれはそれは非常にこだわらない立場にある。しかし、どうも考えてみますと、いまのやり方でいっても、完全実施は可能らしいぞという自信が近ごろ大いに出てきたということを申し上げておきます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると床次先生、いまのままでもこの勧告の完全実施がやれぬことはないぞという気持ちをいま言うておられる。そうすると十二月ごろになって、五月へさかのぼって支払いをするとかいうのであれば、半年以上あと払いになるのですね。そのことを考えるときに、八月に勧告が出る、九月に臨時国会を開いて補正予算を組んで、十月からその支払いをする、こういうような、今度は政府の予算案の扱い上の技術というものが生まれてくると思うのです。このことはどうお考えになりますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 先ほど以来御意見がありましたごとく、完全実施に対して努力する方針につきましてはいろいろな行き方があると思います。なお現在におきまして検討すべき事項は確かにあります。きょう午前中からも諸先生から御意見がありましたごとく、いろいろの検討すべき問題、要素があるわけであります。これを詰めてまいって、できる限り完全実施の目標のもとに努力していきたいというのがいまの立場でありまして、相当問題が多いわけです。したがって、いまどの方法でもって結論を出すというところまでは行き得ないということを実は申し上げておるのでありまして、御意見は十分に、ひとつ私どももそういう問題点がありますことを踏まえて結論を出してまいりたいと思うのであります。  なお、ただいま人事院総裁からもお話がありましたごとく、従来から毎年毎年実施時期を繰り上げて、あと二月という形になってまいりました。額もだいぶ詰まってまいりましたので、予算全体の立場から申しますと、完全実施の予算を組むのにだんだんむずかしさが少なくなってきたのではないかということはいえると思うのであります。なお二月ありますのと、ことしは一応五%並びに予備費というもので財源を見たわけでありますが、これが一〇%になってくると相当不足額があるというために問題がある。もしもこれがパーセントがそう多くなければ、五%の給与改善費と予備費でもってある程度まではこなせることもあり得たと思いますが、この点、いま財政当局からも申し上げましたような数字が出ておるわけであります。したがって、御指摘の点は十分に検討いたしまして結論を出したい。しかし、結論を出すにいたしましても、否定的な立場で出すのではなしに、政府といたしましても完全実施するという基本方針を従来から持っておりますので、そのたてまえに立ってできるだけ努力していきたい。時間的に申しまして、何と申しましてもいろいろな要素が未確定分子があまりにも多いし、なお検討すべきことがあるので、しばらく時間をかしていただかざるを得ないだろうというのがいまの実情でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 技術的な問題ですけれども、勧告が出る、できればその勧告をそのまま直ちに法律化して、予算化していくというように臨時国会を即時召集して片づける、そして十月ごろにはもう給与の追加支払いもできる、こういうようなかっこうになるのが完全実施をやることに私はなると思う。いまのところ、勧告した、しかし支払いは十二月の末である、あるいは年を明けてくるとかいうことになったのでは、これは総裁、すみやかにというあなたのほうの完全実施の要望に沿わぬことになる。完全実施ということであれば、五月までさかのぼって払うてくれれば、年の暮れでも来年の初めでもいいというわけじゃないでしょう。早くということが一方にあるのではないですか。このことをちょっとお答え願いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 私どもの提出いたしました文書の一番表に「すみやかに」と書いてあります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 だから、暮れになってあるいは年を越えて五月にさかのぼって実施してくれてもそれで完全実施だ、総裁はそれでもいいという気持ちにいまおありのようだが、私は、完全実施というのは、やはり勧告とあまり時間をかけないでこれが実施されるというのが、完全実施の任務達成という解釈が成り立つと思うのです。大臣もそうお思いでしょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 きわめて簡明直截に完全実施ということを考えますと、御意見も一つの行き方だと私ども考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 一つの行き方こいうことよりも、それがあたりまえのことなんですね。当然のことです。ここをひとつ含んでいただいて時間をかけないように、私はその意味では、臨時国会というのは九月の末から十月の初めには開かれるのが筋だと思っておったのですが、この点は政府当局で善処を要望しておきます。  そこで、この勧告の中身について総裁にお伺いしたいのですが、私、毎年これをこうして拝見をし、また、ちょっと時間がたつと、これが「人事院月報」の中にきれいにまとまって出るから、これを開いてみる複雑さがなくて済む日もそう遠くないと思うのですが、毎年御苦労をしてお出しいただいているこの調査の対象が五百人以上、それから五百人以下、それから全規模とにお分けになっておられるわけです。   〔塩谷委員長代理退席、委員長着席〕 この御調査の結果、これを公務員の現在に結びつける結びつけ方において、私がもうそのつどといっていいほどお尋ねしておるのですが、上級の公務員のほうは五百人以上の規模の対応等級で大体職種を同じにして結びつけておられる。下のほうにいくと、公務員の係長が五百人以上の規模の主任のところに対応等級を結びつけておられる。これは上の者は優遇され、下の者は向こうの低いところに結びつけるというので冷遇されているというそしりを免れない。それから今度は、指定職、これについては対応等級がないのだということでしたが、以前これは対応等級があったのです。それを抜き出して別ワクにしてしまって、別格官幣社にまつり上げてしまって、ばかに優遇措置を今度とっておられる。指定職甲の七号俸を拝見すると、二十八万五千円が三十二万円になっておる。これが東大、京大の総長のワク。次官のワクにしましてもやはり三万五千円上がって、どっちも三万五千円上がっている。次官の場合は一三・二%上がっている。課長及び部長クラスで八・七とか八・六とかいうところに遠慮しているのに、指定職になると倍近い引き上げ方というのはどうしたことか。指定職はむしろつつましやかにやるべきであって、これをはね上げていくことによって特別職の俸給表にはね返りがくる。今度は栗山人事局長の御答弁を願わなければならぬ。この特別職の俸給表は、指定職の該当者が多いわけでございますが、これをもとにやられるのか、別にこれにはとらわれないで、特別職は遠慮したいというお気持ちか、あわせてお伺いしたい。いま私の唱えた上厚下薄の傾向をこの扱い方にもちょっと拝見せざるを得ないという、こういう勧告案をどういう考えでお出しになったのかを御答弁願いたいのです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 前段の問題は、おっしゃるとおりたびたび御指摘を受けております。非常に素朴な荒っぽいことばで私の考え方を申し上げますと、要するに課長というおことばがありましたけれども、同じ課長でも、公務員部内をごらんになりましても、人事院には地方の出先の地方事務局というのを持っておりますが、そこにもちゃんと課長さんというのを持っております。人事院の本院にも課長さんがおります。地方の出先の課長さんが今度本院のほうに転任したら、そのときは本院の課長になるかというと、決してそうじゃなくて、課長補佐の下ぐらいに来るわけです。ですから、職名だけでそれを判断するわけにはいかぬ。民間にももちろん同じようなことがございます。したがって、やり方としては五百人というようなやり方をしないで、びっしりと課長というものであっても、名前のいかんにかかわらず、何人程度の部下があって、どういう程度のむずかしい仕事をしておるというかけ合わせ方があればそれはいいのでありますけれども、遺憾ながらそこまでこまかなことはできませんから、便宜五百人以上の企業であれば、そこの課長さんというのは一つの組織のかしらとして、まずこっちと合わせてよかろうというようなところから出発してのこれは比較でございます。  それからもう一つ指定職です。これは従来遠慮がち遠慮がちにやってきてはおりますけれども、ことし特にまた民間の重役クラス、役員クラスの給与を久しぶりで調べてみました。やはりたいへんな違いが出てきております。ということから、これに合わせるというよりも近づけるべくやった結果がこういうことになりました。御指摘のように、指定職には指定職以外の者につきますような手当類もつきませんで、そういう点では、俸給額だけをお比べになってもこれは困る。もちろん税金がごっそりこれにかかることは当然で、全体を通覧して、まあまあほどのいいところにいきはせぬかという気持ちを持っておるわけでございます。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山説明員 ただいま、特別職の給与が一般職の給与改定に伴って、一般職の中の指定職の関連でどういうことになるのかという御質問でございます。受田先生、非常によく御承知のとおりだと存じますが、この特別職の給与の中におきましても、一般職の、ただいま申し上げました特に指定職関係の給与と密接に関連を有する部門がございます。したがいまして、一般職のそういう面の給与改定に伴いまして、どうしても特別職の中で、これに影響がきましてその結果特別職の給与を改定せんならぬという面が出てくるわけでございます。しかしながら、先生もこれはよく御承知の面でございますが、特別職の給与の中におきましても、単に技術的と申しますか、事務的と申しますか、そういう面だけで措置できない面も一つあるわけでございまして、その辺総合勘案する必要があるわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたような密接に関連しておるという部面がございますから、この点はどうしても従来どおり特別職の給与を改定させていただくということに相なると存じます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総裁はいま、指定職になると超勤のようなものが消えてしまって、下級の公務員の持っている給与上の特典というものがある程度減殺されておる、かつ税金を相当の比率で取り上げられるので、たいした昇給にならぬというお話があった。しかし上下の格差というものを私は比較しなければならぬと思うのです。指定職甲の最高と一号から始まる最低と比較して、上下の格差がどういうふうになっておるか。給与局長でけっこうですが、この前と比べて、指定職を前提にして指定職の最上位と最下位とを比較してもらいたいのです。つまり、いままで局長、次官まで入れておった行政職(一)から指定職が今度はみ出たわけだが、いまの局長以上をはずしたものでなくて、局長以上、前の十年昔と同じ関係で上下の格差を比較した数字をお出し願いたいのです。官民比較検討の上で公務員間の格差をひとつ。これは数字がこうあるのだから、すぐ出ます。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 行政職の一等級の最高号俸につきましては、上下倍率を計算したものはございますけれども、指定職の最高号俸につきましては現在計算したものを持っておりませんので、概算でございますけれども、現行約十五倍程度のものが十六倍程度になるのじゃないかというふうに考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そのとおりです。これは上下の格差が少しずつ広がっておる。去年も十五から十六くらい。去年も一倍程度、そういう、昭和三十二年か三年の給与の大改定をやったとき十二倍であったのが十六倍までいったのですね。これは上下の格差がぐんぐん広がっておる。明らかに上厚下薄といういき方がこの給与体系の中にひそかに生まれておる。実に巧妙なる方法をもってこれを生み出してきておるのです。  もう一つ問題は、午前中にも質疑の中に出ておった、私もきょうそれを聞こうと思っており、前にもお尋ねしたのですが、公務員の上級職試験にパスした者だけがたんたんと大道を歩んでいくという、この公務員の体系というものに問題がある。あの上級職試験ですね。中級にしても初級にしても、試験で一生の運命がきまるようなこういうかっこうになったら、これは人間尊重の精神にもとることであって、試験の点だけよかった者に特に優秀なコースが自分の身についてくるというこのいき方は、これは総裁として、公務員法の精神からいって改めていかなければならぬ。だから適当な時期に、たとえば昇級昇格の時点において、あるポイントに来たときに適当な試験をやる。昇級試験、昇格試験をやる。そして課長として適任かどうか、係長として適任かどうか、こういうようなものをあらためてそのつどやって、そして見えないところにまで行き届いた、国民の全体の奉仕者として人格もりっぱであり、精励恪勤するような人を発見するようにする。そして、そのつどそのつどのテストには単に知識だけでなく、その特性も発見できるようなテストをやって人材を開発するというような形に持っていくというような方法をとる。これは諸改正とつながるかという見方をされるかもしれませんが、私は、職務の能率化、行政の能率化という意味からも、そういう段階的な、人材を発掘する方法をとるべきではないか。したがって、もう上級職試験の者だけが指定職の上のほうまでたんたんと進んでいって、さらに天下り人事で公社、公団等で重ねて三十万、五十万ももらう恩典に浴するという、こういう行き方に対する批判が減ってくると思うのです。私は、その意味からほんとうに努力して、国民の側から見てほんとうに感謝にたえないような人材がどんどん責任の地位についていくというなら、あえて反対するものではありません。しかし現実は、公務員の生活の中を見ると、もう大体大出議員が指摘したような形のものが相当濃厚である。この間、NHKの、課長クラスのテレビ対話を私もちょっと見せてもらった。その中で、民間の給与にあこがれを持って、われわれと同じ者が民間ではもっと高い給与をもらっておるんだ、おれはうらやましいと答えを出した者が七、八〇%もある。これは不心得もはなはだしい。国民全体の奉仕者となる気持ちとしては、給与の問題は人事院がきめ、政府がきめることで、忠実に国民全体の奉仕者としてそれに誇りを感じておるということで、民間にはまだ高いものがあるというあこがれを持っているということは、公務員としては不心得である。君子は義にさとり小人は利にさとる。私は、こういう形で課長以上の皆さんに対して、もっと清貧に甘んじて国民のために奉仕する気持ちを持ってもらいたい。同列の者でもっと薄給の者、四等級、五等級くらいで一生を終わる公務員がたくさんおる中で自分自身は課長になり、また局長になる道もたくさん開かれておるときに、下級に残された人々を思いやる気持ちがなければならぬ。そして人材を発掘しなければいかぬ。ただ試験だけで人生をきめるという日本のこの公務員制度のあり方に、私一つの疑義を感じておるのです。いかがでしょう、総裁、ひとつそうした人材を発掘し、公務員の士気を鼓舞する人事行政上の革命、改革をおやりになる御決意はないか、御答弁願いたいです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 たいへんな御激励を受けたわけでございますが、いまのは課長連の不心得をおっしゃいましたけれども、まあ不心得とばかりおっしゃらずに多少は同情もしていただきたい。現に脱落していく人がおるのですからね。したがって、課長もよくする、下の人もよくする、そして課長さんは下の者をよく同情を持って見てもらうという姿が一番望ましい姿だろうと思いますけれども、不心得の一言をもってこれを律することばどうかという気持ちを実は持っております。  それから昇進の問題です。昇進の問題についてはこれは私個人としてはまことに同感するところがあるわけです。すなわちおっしゃるように上級職といい初級といい、これは採用の際の試験であって、それが将来どうなるかということまで保障した制度でないことはおっしゃるとおりです。したがって、それから先は上級職試験を通った者がとんとん拍手でいくということは、はたして実力によってとんとん拍手にいったのか。上級職を通ったがゆえに、実力がないのにとんとん拍子でいったのか。これは認識の問題ですから、すべて上級職を通ったゆえのみをもって、とんとんといったというふうには私は考えませんけれども、しかしそういう目を持って見られる面もあるわけです。したがって、さらにいまお話しのように、上へ上がるときはみな試験をして昇進試験をやったらどうか。実は個人的にはそういうことを考えたこともありました。また人事院はひそかにそういう考え方を持っておりますが、さてこれを実施する場合に、利害得失はどうだろうか。これは御承知のように東京都でやっております。それから警察でもそれをやっておる。しかし一面においては、やはり皆さん試験勉強ばかりに一生懸命うき身をやつされるということも、当然人情の常として出てくるわけであります。その辺もやはり相勘案しながら、要するに人事の運用の妙を発揮して、そしてその人の実力、その人の勤務ぶりというようなものを見て、任命権者が適材を適所に昇任させてもらうということにむしろ努力するのが、当面のわれわれの最も賢明な方法ではないかということで、さっき大出委員にもお答えいたしましたように、これは総理府の所管でもございますし、総務長官と大いにタイアップして、その辺の適正を期していこうということでお答えしたわけです。そういう気持ちでおります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 人事院で御検討される場合に、たとえば級別定数の中における同等の等級の中の一つのワクがあるわけです。そのワクの中へはめ込まなければならぬわけで、ワクが狭ければ人材がおってもはみ出るわけです。それから今度は本省の課長以上には人事院が承認するという手続が一つある。そこで人事院がチェックして、これは各省の間のバランスも考え、この省は課長になるのが非常に早い。この省は非常におそくなっている。たとえば大蔵省は課長になる割合はおそいですか、主計局次長。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 そのとおりです。

受田新吉民主社会党

○受田委員 さいふを握っておられる役所で、非常にしあわせな楽しみの多い役所であろうと思いますけれども、課長になるのがおそい。それから非常に早い役所がある。昭和三十年ごろの試験にパスした人が課長になっている役所もあるのではないか。こういうふうに差がある。外務省などもちょっとおそい。こういうように各省間にアンバランスがある。そういうものを人事院が適当に調整する必要があるのではないか。この省には何か特色があるなと思ったら、大体のバランスをとるような配慮をするとか、それから公務員試験の中で初級や中級の中からももう上級にひっついてくるぐらいの人間がどのくらいおるか。こういう全体の中で上級の者が何人おり、そのうち中級が何人おる、初級が何人おるから、初級が上級の倍ぐらいおれば、課長以上ぐらいの者を選び出してもいいのではないか。そういう全体的な観点から見た幹部の採用の基準等も、ある程度各省へ勧告なり適当な指導を加えてやる必要はないか。こういうところは人事院が十分配慮して、その中から初級職試験の合格者の中でも、精励恪勤しておる者については課長、局長にまでどんどん進んでいけるように道を開く。私は、ちょっと資料があれば数字を示していただきたいのですが、要求しなかったので覚えがないかと思いますが、各省の、この間百人の方のあのお顔を見たときになつかしい顔ぶれも私何人も拝見しましたが、あの課長以上の皆さんに出身がどういうところであり、上級、中級、初級の試験ではどういう出身者であるというような調査がされておるのかどうか、そういうのがあれば——それからその出身学校というようなことを見ていくと、東大が圧倒的に多いという結論は出ておりましても、他の大学はどういうのがあるかという一つの検討もできるわけです。そういうところから、初級の中からもっと課長以上にも持っていくべきではないか。現に比較する民間では、重役の中にも、飛躍的に発展をしている、先般ちょっと頭をもたげた千円以上の株価を構成したソニーその他の大会社の社長は、学歴においては小学校を出ただけというような人もたくさんおって、その下に東大以下の学閥が無学歴の社長に使われて繁栄をはかっておるという事例もあるわけなんです。別に学歴や試験によって人生がきまるというようなことは、民間会社じゃありませんよ。民間を調査されたならば、東大閥で官界を押えているような現象はよその会社には見られない。そしたら日本の官界が非常にうるわしく豊かな社会になると私は思うのです。つまり官界に東大の皆さんばかりが集中するという現象でなくして、官界にも各国公私立のバラエティに富んだ出身者がおり、また初、中、上の各級試験の合格者からできるだけ公平に課長以上のポストの人も選ばれてくるというような形であるならば、これは非常に目をみはらかすような、大衆のための、国民全体の奉仕者としての官庁になると思うのです。そういうところに切りかえる必要がないか。民間会社のように、一学校に偏した人々で官界が占められるという形でなくて、また上級の者だけが勢力を占めるという形でなくして、初級も中級もみんな道が開けるというような、そういう社会を日本の公務員の社会に実現したいものですね。総裁、これはあなたの御努力でできると私は思うのです。あなたがそういう人事院規則を適当につくって、そして各官庁の協力を得て、人材簡抜についてのいろいろな知恵をめぐらして規則をおつくりになっていく、こういうふうにされて、すべての公務員が希望を持って、また民衆が、最近のお役所は頭が下がるほどよく奉仕してくれる、役所に喜び勇んで行くような時代を迎えたいものだと思うのですがね。御答弁願いたい。これは総裁とあわせて国務大臣たる総理府総務長官も御答弁願いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 学歴偏重の問題は、私は少なくともこれは非常に気にしながら事に臨んでいるわけです。私どもの役所のことを申し上げては恐縮でありますけれども、名前を言えばすぐ御承知でありましょうが、かつて、高等小学校を出ただけの人で私どもの人事院の局長になった人もおるわけです。私どもの役所はいろいろ各学校それから科目、理科系、文科系入り乱れて、その点では非常に模範的な構成になっているといつも自慢しているわけです。しかし、よそさまもそうであるべしということで、あるいは規則をつくってそれを強制するというようなことは、これはまた一つの利点はありますけれども、たとえば、幾らできる人でも、この人は東大だから課長にしてはいけない、出世させてはいけないという面がどうしても出てくる。これは逆の面の学閥にとらわれた措置になりますから、これは結局規則等をもって律すべきものではない、これは各管理者の良識をもって臨んでいただくべきものだろうと思います。そういう意味で、私どもは、たとえば先ほどお触れになりました人事の選考が参りましたときに、ある程度の注意を申し上げることもあります、課長以上の選考について。それから、先ほど申しそびれましたが、課長補佐以下は、これは各省を信頼して各省のほうで選考をやっていただく。そしてわれわれのほうは任用の事後監査というような形で、適正であったかどうか、事後にこれを監査をするたてまえでやっておりますので、実力主義、成績主義という面からは形は一応整っておりますが、さらにその上にも管理者が良識をもって適材を適所にということに徹していただきたいというふうに強く考えております。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 人事に関しまして、人事院の一応の基準がございますけれども、これをほんとうに生かすのはやはり管理者たる者の手腕に待つものだと思うのであります。いわゆる適材適所によりまして能率を十分増進いたしまして、そして公務員としての職務をつとめ得るようにいたしたいと思います。最近、従来からもやっておりましたが、総理府におきましてもすでに人事管理者を毎月一回は必ず集めておりまして、そういう問題に対しまして検討を続けまして、十分公務員としての職責を果たせるように努力をいたしている次第であります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私、もうあまり申し上げたくないのですけれども、方法論としては、たとえば局長、課長のポストが、——課長のポストが二十あるとするならば、その中で上級の試験に合格した者を七割くらいとって、あとの三割くらいは初級、中級からとる。身体障害者雇用促進法などで割り当てをしておるような形で、省内の全体のポストの中で初級、中級から来た人にどれだけのワクを持っていくかぐらいの配慮をして、そこから人材を持っていく、こういうような運営のしかたも私はあると思うのです。そうすると、初級、中級の人も、そういう道が開けると思うと非常に希望を持ってくる。人事局長のところで各省の人事担当者を集めておられるわけでしょう。そういうときに、各省間の人事運営上における一応の基本的な方針というものを、人事院、総理府ぐらいで具体的に御相談されてしかるべきものではないかと思うのです。そういうことを一応やらぬと、割り当てぐらいしておくようでないと、中級、初級から課長にはなかなかなり得ないという、現実はきびしいと思うのです。類は類をもって集まるという現象が起こる危険がある。よほど心していただきたいと思うのです。  総裁、もう一つ調査のことでお伺いしたい。男女別の給与というのは御調査されておるのかないのか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 実地調査といたしましては、それぞれカードによりまして男女別の調査をいたしております。しかし、官民比較におきましては、男と女という単なるそういう男女だけで区別をするというのも適当でございませんので、仕事の上で男と女の間に違うというおそれのあるそういう職種につきましては、たとえば行政職の俸給表の一番下のほうの七等級、八等級、そういうところにつきましては、比較の上で別々に比較をする、そういうことでやっております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それから職種別にたとえば行政(一)に当たる者と対応する号俸の調査の結果こういうものが出たというので、行(一)、行(二)あるいは教育の(一)、(二)、(三)、(四)、こういうような分け方での調査というものはされていないのですか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 いわゆる官民格差を算定するにあたりましては、非常にこまかく、つまり職種それから段階、学歴、年齢、地域、それに一部の職種につきましては男女、こういう関係につきまして、つまり五つないし六つの条件におきまして同等の者を比較するということでやっておりますので、したがいましてそれぞれの、たとえば職種なら職種として格差を平均的に出すとか、あるいは年齢なら年齢として平均的に出すというようないろいろな操作は可能でございますけれども、そういう意味で、それぞれのたとえば職種ごとの格差というものは算定すれば出るわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私、それがある程度必要だと思うのです。たとえば行(一)と行(二)を全部混同して六万何がしというような数字を出してくださるというと、これは全部がばく然としているからわからなくなってしまう。行(一)の平均が幾らで、行(二)が幾らで、教育(一)、(二)が幾らでということになると、その中で非常に冷遇されている職種がすぐわかる。それから男女は平等の原則を憲法で保障され、労働基準法においては、四条によって男女の給与の差をつけてはならぬということを書いてあるけれども、民間では男女差が相当あると思う。しかし、民間の実態は男女差がどうなっておるかをやはりわれわれは知りたい。それに公務員の比較からいっても、やはり人事院は数字を出すべきだと思うのです、男女の差を。そうして民間に示唆を与える、民間を指導して、公務員は男女同じ給与にしているのに、民間はなぜ差をつけるかというので、経営者にも反省の機会を与えることができる。民間給与の実態調査をやるには、男女差のあることを、実態を調べる必要がある。すなおに調べていいのだ。これが民間給与の実態調査です。民調の中の男女差を隠しておるそのものがおかしい。これは明らかにするのがあたりまえなんだ。だから、その男女の賃金差というものが、自民党の政治を支持する大会社などでは男女の賃金差が非常に激しい、社会党や民社党や公明党を支持する組織では男女の賃金差が圧縮しておるという数字が出たとするならば、お互いの政党も勉強になる。こういうことでお互い政治の参考にもなるわけだ。法律の規定は、男女の差を調査した結果を出してはいかぬと書いてない。出すのが筋なんです、ほんとうは。  それから、あと二人の先生おられるから、質問をこれでおきますが、期末手当、今度は民調の結果は〇・一八。〇・一八とすると、四捨五入すると二になりはしませんか。どうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 四捨五入すれば〇・二になるように思います。ただ、この特別給の問題は、これは御承知のように、民間の場合決して固定的なものではないので、その年の業績の上がり下がりによって年によって違うものでありますが、公務員の場合は、従来の扱い方はその業績の上がり下がりということよりも、大体そのままきまったものは維持していく。大体ですよ。かつて民間が下がったことがありましたけれども、わが方では下げずにそのまま置いたこともあるので、将来そのままやるということは断言できませんけれども、大体こちらは安定した形でそれをつくっていくという気持ちなものですから、これはそういう場合は少しも差しつかえないということですっきりと切り捨てたわけであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総裁、〇・一五であれば〇・二にするという、大体コンマ以下の中で五以上は四捨五入するということを、総裁もその考えを述べられたことがあるんじゃないかと思うのですけれども、〇・一八は〇・一で押えて、その下の八は切り捨てという結論というのは、これは愛情が少し薄いと思うのです。やはり〇・二というかっこうで処理をされる愛情のこもったところを——これはもう〇・〇二をプラスするだけだから。これはデリケートですが、やはりデリケートなところに公務員の誠実に対する報いをしてあげなければならぬと思うのです。総裁、もうちょっと愛情をいただきたい。  それで、総裁が〇・一八という分を〇・一に切ったという補いを、今度は政府でおつけになるという意味で、これはこの程度の修正をされるくらいのほうが、政府はどこか何か、人事院勧告よりも完全実施がおくれるだけでも何かのサービスをするという意味から、完全実施が十二月になったという場合は、その半年のおくれを補うために、人事院勧告よりもちょっとサービスするということにするならば、この期末手当の〇・一にプラスする、これは私はたいへん意義のある政府修正案になると思いますから、政府の提案としてここを配慮してもらうように、大臣、局長に指示をしていただきたい。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 ただいまの点は御意見として拝聴しておきます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それでは最後に文部大臣のお考えも聞くべきところですが、局長どなたか来ておられますか。——人事院総裁にお答えを願いたいのは、今度の勧告の中に、教員の給与に対する改善事項というものがきわめて平凡な形でなされているにすぎない。文部省は教育公務員特例法による特別手当制度なるものを提唱して、超過勤務手当にかわるものを何かの形で提出し、そして超勤制度を廃止して教員に特別の任務を与えようという案があります。これに対しての心づかいがこの勧告の中に何かの形で出るべきではなかったかと思うのですが、御答弁を願いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 いまの問題は、前に政府案として提案されたこともございまして、そのいきさつも知っておりますけれども、人事院そのものの技術的発想というのとはちょっとニュアンスが違っておるわけであります。しかしながら、いやしくも教員の給与問題である、ということは、われわれのまたこれは責任事項であることは、これは言うまでもないことであります。したがいまして、われわれとしては、着々とわれわれなりの調査研究を進めております。実は給与局次長を外国に派遣をして、そうして各国のものを調査してもおるわけであります。したがいまして、そういう態度で手固いところで着々と準備を進めておるという段階でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 井内審議官にお答えを願う前に、ちょっと総裁の御答弁に関して質問しますが、いま着々と研究を続けておる、これはもう二年がかりにも三年がかりにもなっておるのですが、総裁、そろそろ答えが出てもいいのじゃないでしょうかね。教職員の場合に超過勤務手当を出さぬということになると、教職員は聖職に従うという意味で、無定量な勤務を要求されるという懸念を持っておる教員が多いわけです。そういうことに対して国立学校の教官は超過勤務手当制度なるものが生きておるのです。にもかかわらず、小、中の者だけに超過勤務手当をなくして、本俸を上げるのでもなくして、特別手当制度をつくろうという行き方に対して、私は実は非常に疑義があるわけです。人事院がそれに対して何らかの答えを出して、超勤制度を生かしながら教員を優遇し、また教師の持つ特別の使命というものを考える道はないかと思うのですが、井内審議官、文部省は、そのことに対して、超勤制度を廃止して、そうして特別手当を出そうということをいまでも考えておられるのか。そういうことをもしやられるとするならば、これは一般職でなくて特別職に切りかえて、教職員を特別職にすべきではないかと思うのですが、御答弁を願いたい。

井内慶次郎文部省初等中等教育局審議官

○井内説明員 先生御存じのように、第五十八回国会に政府案として教育公務員特例法の一部改正案を出しまして、廃案になったわけでございますが、それ以降文部省といたしましても、この件は政府の中におきましてもいろいろと関係各省等もございますし、関係各省等の御意見をいただきながら、前国会会期中におきましても何とか成案を得たいということで努力を続けておったわけでございますけれども、今日なお成案を得ていないのでございます。  ただいま受田先生から御意見の出ました時間外勤務に対する措置を一体どうするかという問題がございますが、それをその問題だけとして処理していくのか、あるいはそれを吸収して何らかの措置を考えていくようにするのか、その辺等に関しましてもなお目下検討中である、ただいまのところ以上しか御答弁できませんので、御了承いただきたいと思います。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 受田委員に申し上げますが……。

受田新吉民主社会党

○受田委員 これでおしまいです。気持ちよく知っておりますから。  それで井内先生、私は、文部省の考えの中に、超勤制度を認めないで超勤手当を廃止しようという意図があることをあなたはもう十分わかっておられると思うのです。ところが国家公務員たる国立学校にはある。それは人事院も認めなければならないと私は思うのです。そういう意味から、私はむしろこの教員の給与改善については人事院に一任されるという方式をとられたほうが——一般職を担当される人事院が、高い立場で他とのバランスを考えながら、かつ教職員の特別の使命も考慮に入れながらその優遇策を考えて勧告すべきだと思う。なぜ今度勧告しなかったかということで私は非常に残念です。これは総裁、最後にその私の気持ちを十分くみ取った答えをいただいて、私質問を終わることにしましょう。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 お気持ちは十分わかります。ただ、私どもの国家公務員の場合、国立学校の先生の場合については、いまおっしゃいますように、超過勤務手当制度はあって、予算にもわずかずつながら組み込まれておる、それからなお労働基準法は排除されておるというようなことで、地方の先生方と基本的な条件がだいぶ違うわけです。地方の先生方の分まで勧告するわけには、われわれ管轄違いになりますから、それはちょっとできません。ということで、われわれが独走的にこれを言って出る問題でない。この給与の官民格差の問題の中で処理すべき問題なら今度出すのが当然でありますが、これは格差の問題などとは、ちょっと先ほど申し上げたように違う分野の問題でありますから、何もここにあわせて一緒に勧告申し上げる筋のものとも思えない。しかも文部省あたりとも相当地方の学校の先生との関係におきましては関連がございますが、それらの点もにらみ合わせながら慎重に検討を続けておるというのが実態でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ちょっと一口意見を……。  いまあなたは地方公務員と違うと言うけれども、国立学校の付属小学校、中学校、高等学校の先生は、これはやはり基準になるわけで、その基準になる先生方に特別手当制度を創設しなければ地方へはいかぬという形をとるのが私は本則だと思うのです。そういう意味で、やはり地方の小、中、高の先生に基準を与えるのは国立学校の付属の小、中、高の先生であるという意味から、私はあなたのほうへ地方の基準になる勧告をしていただきたいということ、文部省の井内先生もきょう御苦労でございましたけれども、私ほんとうに教育の前途を憂えて、ひとつ先生たちにほんとうに勤務に喜んで従っていただけるような優遇措置をとってあげないと、教師はますます志願者が少なくて教育界は人材不足にあえいでいるという意味からも、人材を吸収する意味で人事院とよく相談をされて、教職員の優遇措置を早急にとる結論を出していただきたいという希望を申し上げて、質問を終わります。御苦労さま。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 人事院は、例年どおり国家公務員の給与を五月一日にさかのぼって改定するよう勧告し、引き上げ率は一〇・二%、すなわち五千六百六十円とされたが、問題の焦点は何といっても勧告どおり完全実施をするということが私は一番大きな焦点ではないかと思うのです。そこで、人事院から公務員給与に関して本年の勧告を含め二十一回の勧告が行なわれたにもかかわらず、実施時期を含め完全実施されていない状態であります。なお特に人事院は、昭和三十五年の勧告以来五月一日実施を勧告しながらも、また九回政府は無視をして今日まできました。これらに対して、勧告をした立場である人事院総裁としてどのようにお考えになっているか、この点についてまずお伺いします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 事実はまさにいまおことばのとおりでございます。ただ、近年わずかずつではございますけれども、だんだん一月ずつというようなことで前進はしております。あと二月というところに参りましたけれども、私どもの立場から申しますと、やはり四月調査の結果民間に追いつかせる、それでなければ勧告の筋が通らぬという立場をとっておるわけでございますから、これはもうぜひ五月実施でないとわれわれの立場は貫かれたことにならぬ。したがいまして、過去の経過は多少の前進は見ましたけれども、やはりこれははなはだ遺憾な事実であると申し上げざるを得ないわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 人事院勧告の完全実施については、毎年政府は口では極力尊重ということを唱えながら、財源不足あるいは景気過熱、財政硬直を理由に、勧告の時期が明示されながらも、これまでに一度も勧告どおり実施されずに値切り倒されてきた現状であります。人事院は政令二〇一号によって公務員労働者から団体交渉権と争議権を奪った代償として、中立的第三者機関として設立された以上、公平かつ公正に公務員の給与を決定するためにも、勧告が当然完全実施されなければならない。そういう意味において、人事院の存立の価値、制度等を考えたときに、政府に対し人事院勧告を完全実施させるための方策をどのように考えられているか、現在の人事院勧告のやり方によっても完全実施はできると、そのように判断されておられるかどうか、それについて総裁からお伺いします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 基本のお考えを拝聴いたしまして、全く基本的には私ども同感でございます。そういう重大な責任を負っておるという自覚を持って臨んでいるわけでございます。ただ、いまのお話にありましたように、さてしからば、いかようにすればよいかという問題になりますというと、まず当面、先ほどもちょっと御質疑がありましたように、いまの勧告のやり方のままでは完全実施は一体できないものかどうかということについては、これはもうはっきり可能である、いまのやり方をもってしても完全実施は可能であるということで、ますます近ごろ自信を得つつございますということを申し上げたわけでございます。私はさように考えます。したがいまして、勧告方法をさらにいい方向に変えるということはあるかもしれませんが、いま変えなくてもこれは可能であるという基本の考えを持っております。さらに技術的に何か、政府が完全実施される措置を提案されるような保証はないかということになれば、これは普通だれでも考えることでありますけれども、たとえば法律の中に、政府は尊重しなければならぬとか、努力しなければならぬということを書いていただくかどうかくらいのことでございまして、それよりもたびたび申し上げますように、私どもの勧告はもうこれは他に類例のないことでございますけれども、国権の最高機関である国会に直接勧告を申し上げておる。これは一政府機関が国会に直接勧告を申し上げるということは他に例がない。これはいかに法律がこの勧告について重要性を認めておるかということがわかるわけであります。したがって、最後は結局国会におすがりするよりしようがない、よろしくということに尽きるわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 国会も、このように休会中でありながらも、かなりおそい時間まで審議をし、そして完全実施の方向へとそのように政府を督励をしているわけであります。そこで私は、政府原案が国会に出て、そして手直しをされたというのは、たしか昨年の八月を七月に実施時期を早めたということであり、それも自然増収の見込みが大きく立って、ようやく政府は重い腰を持ち上げて、そうしてただの一回だけあったわけでありますが、何といってもいま現在の政党政治からいうならば、しょせんは私は政府原案が出る前に、一つはそこに大きな焦点が合わされなければならないのじゃないか。そうなると、人事院としては、完全実施については政府と国会に勧告をしたのだからそれでよい、そういうふうなものの考え方でなくして、やはり代償機関としての人事院の役割りを完全に果たし得るためには、どうしても総裁としては責任ある立場であり、しかも、いわゆる三百五十万の公務員の生命をあなたが預っておる以上、私はやはり政府に対しても、いい意味においての圧力団体になっていただきたい、このように私は思うわけでありますが、それに対して人事院総裁としては政府に対して今後どのようなプランを持って臨まれるか、お伺いをいたします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 制度的に冷たいことを申し上げますれば、公務員法上は人事院の職責は勧告を国会と内閣に出せばすべて終わり、あとは国会なり内閣なりの良識ある判断にまつということが、おそらく私は法律のたてまえであり、それ以上のことは何ら書いてありませんけれども、しかしたびたび申し上げますように、私ども勧告申し上げた者の立場として、公務員の給与はぜひかくあるべきだという大きな確信を持って御提案申し上げております以上は、これはもうぜひ完全実施していただかなければわれわれとしても立つ瀬がないという気魄を持って、ただいまおことばにもありましたように、従来も努力してまいりましたし、今回も努力を大いに続けておるわけであります。今後とも最後の決着を見ますまでは、とことんまで努力を続けてまいりたい、こういう決意でおります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 たしか新聞の報道によりますれば、人事院総裁は自民党の田中幹事長にも会見を申し入れて、そして完全実施ということについての申し入れをされたというふうに聞いております。私はそういう意味において、確かに人事院という立場から考えてみると、それだけの公務員の生命、財産というものを守るという責任ある立場とし、完全実施がされていないという現在の状態において、私はいま一息の強力な戦いをやはり展開していかなければならぬじゃないか、このように思うわけであります。  それでは、内容について少々お伺いをいたします。  住宅手当の支給でありますが、人事院の勧告資料では、民間は四六・二%支給をされております。「転勤あり」の項目では五七・二%の支給になっております。したがって、過半数をこえているのであるから、当然本年は勧告すべきであった、そのように思います。その点、どのようなお考えで見送られたか、人事院総裁からお伺いいたします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 これもかねがね御追及を受けておる問題でございます。また、公務員諸君の要望も非常に強いことも私十分承知しておりますけれども、さればこそ毎年これだけはもうしつこいくらいに民間調査をやってまいっております。そしてその帰趨を見守っておるのでありますけれども、ただいまおことばにありましたように四十数%というところで、まだまだちょっと数字が足りないということもございまして差し控えたのでございます。しかし、結局はこれはいわゆる一〇・二の全体の格差の中の配分の問題でございますから、これによって、住宅手当が実現しなかったからその分だけ損をしたというものでもないわけであります。配分の問題としてわれわれが住宅手当創設の措置をとらなかったというだけのことであります。  なお、今後の民間の実態を見守ってまいる。しかし、それにつけましても、公務員宿舎に入っておる人と入っていない人のアンバランスというものは、これはわれわれとしてもうはっきり確認できることであります。したがって、これもたびたび申し上げておるように、従来勧告のたびごとに公務員宿舎の拡充ということを強くお願いしております。いままでは上の人ばかりしか入れないというような形でありましたのを、だんだんと全員が入れる方向へ向かっております。これはなお今後も努力を続けてまいりたい、こういう二本立ての体制で臨んでまいりたいと思っております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 住宅手当については、毎年毎年その支給をされておるところの民間会社もふえている状態であります。そこで本年は四六・二%の支給ということで見送りになったわけでありますが、おそらく来年においては五〇%の線はこすのではないか、そういうふうに私は現在思うわけでございます。もしも五〇%、過半数を過ぎた場合において、人事院としてはこの住宅手当についてやはり勧告をされるかどうか、この点についてまず見通しをお伺いいたします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 これはだんだん現実、具体化の問題になってまいりますと、またいろいろな問題がございます。たとえば、住宅手当としてどのくらいか。たとえば、五千円、六千円というようなことになりましたら、今度本俸の引き上げはがまんしてもらわなければならぬ。貸し家住まいの人たちだけに給与の改善がみないってしまうというバランスの問題もございますし、それから持ち家の人はどうするというようなこともございますから、これはまたそれとして検討しなければなりませんけれども、要するにいまの民間のパーセンテージ、これは私どもは圧倒的多数の民間企業においてと申しておりますので、五〇%こしたらすぐ実現するということはまだ軽率には申し上げかねる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 確かに住宅手当の問題は非常に微妙な問題等も含まれておると思いますけれども、すでに民間あたりではそのような状態でどんどんと支給されておるという状態においては、これを公務員においてはただ見のがしておくというわけにもいかない時代にもうなってきたのではないか、このように思いますので、来年もしそのような状態でありますれば、十分それを含んでひとつやっていただきたい。  それから医師の初任給の調整手当でありますが、人事院は今度の場合においては相当考えられておるようでありますが、医師の給与という点から考えた場合、本俸の改定分は大体四千六百円になります。それから調整手当が第一種一万二千五百円、第二種一万二千五百円、第三種が一万円、こういうことで手当でそれを調整をしておりますが、本来の考え方からいうならば、やはり本給で改善をするのが正しいやり方ではないか、そのように思うのですが、その点についてお伺いいたします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 確かにおっしゃるような考え方は十分成り立ち得ると思いますけれども、御承知のように特に医師の場合は地域別の段階が非常にこまかく分かれておりまして、それぞれやはり適切な手当によって調整を加えなければならぬということもございますし、本俸の問題になりますと、今度は他の俸給表の公務員とのバランス問題もございます。退職金でありますとか、年金の問題にもこれはすぐ響いてまいりますので、部内の均衡というような面も、これは一般の給与の原則でございます。それらもあわせて考えますと、まずいまの初任給の調整手当ということで参るほうが一番穏当ではないか、そういう気持ちでやっております。これもずいぶん思い切ったことをやっておるわけでございまして、二万円のものを三万何千円に引き上げるというようなことで相当思い切ってやっておりますので、その努力だけはひとつお認めをいただきたい、こういうふうに思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 昨年の五月から本年四月までの一年間において民間事業所で支払われた特別給は平均月額の四・五八月分に相当しておる。これは先ほどからいろいろ論議されておるわけですが、一般職の国家公務員の四・四カ月分から比べると〇・一八月分上回っておるとしておりますが、昨年の場合も四・四で〇・〇四、期末手当を切り捨てております。本年も四・五八で〇・〇八期末手当を切り捨てるようになるわけですが、期末手当の調査は一年おくれになっておるということから考えるならば、私は本年は〇・一カ月分をやはりふやして〇・二カ月分とするのがあたりまえではないか。〇・一カ月分切り捨てたということは非常に慈愛あふれる総裁の見方からいうならば非常に冷たい仕打ちである、そのように思うのですが、その〇・一カ月切り捨てたという理由について。並びに〇・一カ月分に対するところの所要経費はどのくらいなのか、その点について。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 昨年〇・〇四お預けにしたことがことしものをいって〇・一八ということになったわけで、去年は去年でことしの分の中に入ってそういう数字が出たものと考えてよろしいと思います。  いまの切り捨ての問題は、先ほどもちょっと触れましたけれども、普通の給与とこの特別給とは全然性格が違いますので、どういう形で民間を押えるべきかということ自体、実は民間の場合はその年その年の業績いかんによって上がり下がりがするものでございます。公務員の場合はその年その年上げ下げというわけにもまいりません。大体の従来の考え方は固定的なものというふうな扱いできておりまして、たとえば、かつて民間の特別給が減ったことがありました。そのとき公務員の場合はそれは減らさないままにしてきたというようなことがありまして、根本の性格が企業の場合とだいぶん違うのであります。そういうことから端数はがまんしていただこうというたてまえで従来もきておりますし、今度も、はなはだ冷たい仕打ちだと言わんばかりのおことばがございましたけれども、それはやはり心を鬼にしてがまんしていただくということで踏み切った次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 次に、通勤手当については本年五月から実施された平均一五%の国鉄旅客運賃、定期の改定に伴って全額支給の月額の限度を二千八百円とされたが、それをこえる部分については二分の一の加算の限度額を千四百円としておりますが、通勤手当というものは実費支弁的な性格があるのであるから当然完全実施に踏み切るべきであったと思うのですが、その点についてどうか。  先ほど〇・一カ月分の所要経費はどれだけだということについての御返答がなかったので、その点についてひとつお願いします。  それからなお、実費支弁的な性格から完全実施する場合の所要経費と推定対象人員は何名であるか、その点についてもお答え願いたい。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 先ほどお尋ねがございました期末手当〇・一カ月を〇・二カ月にする、かりにそういう計算をいたしますと、増加分は六十八億円でございます。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 通勤手当について全額支給にしたらどうかというお尋ねでございましたが、いまのおことばにもありましたように、公務員関係のいまの制度は全額支給の限度とそれからそれを上回るものについて二分の一の二段がまえにしてあるのでございます。これは実はわれわれとしてはいささか特異な行き方なんでありまして、民間の支給方法を見ますというと、限度額を設けて支給限度制を持っておる事業所と、それから全額支給制をとっておるところが大体半々ぐらいになっておる。したがいまして、民間にならわんとすれば、これを二つかみ合わせた形として現行の二段がまえの形が生まれてきたということでございまして、民間のほうで全額支給制がよほど徹底的に普及してまいりますれば、またわれわれとしても考えなければなりませんけれども、現在のところではその辺変わりがございませんので、いまの制度のところで適当な改善を加えるというところが穏当であろうというふうに考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 人事院の報告の中で、高年齢層の給与についてはずいぶん重要な点を指摘をされておりますが、しかしそれが案外とあいまいに勧告をされております。特に勧告資料では年齢別に民間との格差を示しておりますが、たとえば五十六歳からは九〇・八%、六十歳以上は八三・五%であるとしておりますが、人事院はこれら高年齢層の給与について将来どのような考え方でいくのであるか、その施策はどうか、またこのような重要な事項はその取り扱いについても当然勧告をすべきであると思うけれども、これを除外した理由というものについてお伺いいたします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 データはおっしゃるとおりでございまして、したがいまして、これをこのまま放置はできないということを指摘し、検討の必要があろうということを報告で述べたわけでございますけれども、まず私どもの考えておりますところは、これは先ほど触れましたように民間の昇給制度ですね。昇給制度というものがどうも一定年齢に達しますと頭打ちになるという制度、それから昇給額はずっと減るという制度というものが大多数になっております。したがって、公務員の場合を民間と比べますについても、基本のほうの体制を、やはり民間を参考にしながら昇給のあり方について検討を加える必要があろうという、昇給制度のいわば技術的な面からひとつ取り組んでまいろうということでございます。したがいまして、これを堂々と勧告にあげるまでのことはいたしませんでしたけれども、私どもの研究が結論を得ますれば、これは手続はいずれまた考えますけれども、いずれにしても今度の法案に間に合えばのせて、あわせて御審議をいただきたいというような心づもりで、せっかく検討を進めておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いまもあなたがおっしゃったとおり、確かに民間給与と公務員の給与の場合、おのずと昇進制度の違いがあるわけです。人事院勧告の中にもずいぶんいろいろ矛盾と思われる点もあるわけですけれども、何も高年齢層の問題について、取ってつけたように勧告をするということは必ずしも必要はないのじゃないか、むしろ堂々と勧告の内容が明らかにされる時点において勧告をすべきであって、何か刺激するようにここのところでちょろりと顔を出すようなやり方はあんまりよくない。やるならば堂々と、こういうふうな状態でこうすべきであるということをやっぱり勧告すべきではないか。それによって国会の論議をかもし出して、それに対しての正否というものはやはりきめなければならぬのじゃないか、そう思うのですが、その点について伺いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 私どもの考え方は、この国会に対して報告をお出ししておるわけでございまして、この報告書の中に特筆大書をいたしておりませんけれども、はっきりと問題点を指摘申し上げまして、検討する心がまえもここで表明しておるわけでございます。これをめぐって今日もすでに御議論がありまして、今後もおそらくいろいろと御議論があることと思います。とともに、われわれといたしまして結論を得ましたら、今度法案の段階においてさらにいろいろ御審議をいただきたい、そういう大体の心組みでおる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 勧告内容は民間主要産業の春闘妥結の結果一五・八%、公企体の二二・七%上昇に比べて、公務員の場合の一〇・二%は、きわめて低いわけであります。人事院勧告は、八等級においては一二・九%のアップ、一等級においては八・四%のアップだから上薄下厚というふうにいっておるけれども、実際には、八等級においては、三千円にも満たない二千九百三十六円のアップにしかなっていないわけであります。一等級に対しては平均一万百五十三円のアップとなって、実質の金額には格差があり、決して上薄下厚の額面どおりとはとれない点もあるのではないか。このように初任給の低い状態で、公務員として安心して職務に精励できるのか。また、公務員として、魅力ある給与として、引きとめることに役立つ給与体系になっておるか。その点がどうかということをお伺いします。いずれにしても、現在その証拠に、公務員を志望するというのは非常に少なくなってきて、民間へ志望する人たちが非常に多くなってきておるわけであります。ことに通産省みたいなところでありますと、そういうことが特にいわれておるわけでありますが、そういうことも考えていろいろ考慮はされたと思いますけれども、はたしてその給与体系において引きとめるに役立っていくという自信を持ってやられたかどうか、その点についてお伺いします。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 上薄下厚のかけ声というようなおことばがございましたけれども、私どものほうでは、上薄下厚とか上厚下薄とかいうような表現は、できるだけ差し控えておるわけであります。何も上薄下厚が美徳であって上厚下薄が悪徳であるというふうなものでは、性格上ないのであります。その等級、その号俸、それぞれの職種において適正な給与が配分されておるということが一番望ましいことであります。それをながめてみて、上薄下厚とごらんになる方もありましょうし、上厚下薄とごらんになる方もありましょうし、それは一向気にしないという立場で貫いております。  ただ、いま御指摘のように、公務員の志願者がない、あるいはある程度までいった方が、たとえば税務署の中堅の職員がどんどんおやめになって税理士におなりになる、相当そういう途中から抜けていかれる方があります。そういう方々の問題をあわせ考えながら、公務員の方々の生計、生活というものを考えながら、われわれとしてはいろいろと勘案した結果、この俸給表は適正であろうという結論に到達した次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは総務長官ですが、すでに四十年の十二月二十四日、本委員会が行なった完全実施決議に対し、毎年その趣旨に基づく決議がされておりますが、官公労使関係の信頼と安定を樹立していく上においても、完全実施するにはことしはまたとない時期ではないか、私はそのように思うのですが、まずその御見解をお伺いいたします。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 政府といたしましても、かねがね勧告を完全実施すべく努力をいたしておるのであります。基本方針においてはその趣旨でございます。本年度におきましても従来からの方針に従いまして、最善の努力をいたしたいと思います。特にあともうわずかであります。できるだけの努力をいたしたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 毎年毎年国会で決議をされていることが踏みにじられるということは、国会軽視もはなはだしいと思います。それについてドライヤー報告は、わが国の官公労働の問題に触れて、わが国の公務員の、憲法に保障された団交権もなく、その代償として人事院勧告はなされている実情を、露骨で絶え間ない緊張を生み、不信感を育てると指摘しておりますが、問題は、人事院勧告の完全実施を踏みにじっている政府の責任にある。違法ストまでしなければならない公務員諸君の実情を、公務員給与担当大臣としての総務長官はどのようにお考えになっておりますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 人事院勧告が完全実施できないということを理由に違法ストをされるということはまことに遺憾に考えておるのであります。政府といたしましては、でき得る限り完全実施に努力する。過去の事例をごらんいただきますればわかるのでありますが、昭和三十五年に期限を五月一日からという勧告を受けましたときに、いままで翌年度から実施しておりましたのを十月から実施するし、その後、次第次第に努力をいたしまして、七月実施までなったわけであります。この間、完全実施に対して絶え間ない努力をしておるわけであります。今後におきましてもこの努力を続けまして、完全実施をしてまいりたい。同時に公務員のほうにおかれましても、それを理由に違法ストをされることのないように、私どもも努力をいたしたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 公務員給与の完全実施がなされないから違法ストをするのは非常に遺憾であるというお話でありましたけれども、違法ストをすることを、やむにやまれない状態に追い込んだのはしょせんは政府ではないか。完全実施が行なわれているならば何も違法ストをする必要は毛頭もないわけであります。今日完全実施がなされていないところにそういう大きな問題を残しているということを考えたときに、やはりそれはただ一方的に違法ストをするのは悪い、こういうふうな責めを、私は政府の給与担当大臣として言うべきではないのではないか、かように思うのですが、人事院の完全実施について、常に勧告を尊重するというふうなことばを聞いているわけでありますが、実際には不完全実施ばかりでありました。  そこで、私は人事院勧告について当然完全実施をせねばならぬ義務がある、そのように判断をされているか、あるいは完全実施は義務はないけれども、当然実施すべきであると考えられているか、完全実施はそのときの国策にのっとって決定されるものであるか、その点についてはっきりとお伺いしたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 人事院勧告は名称どおり勧告でございまして、できるだけこれに対して完全実施に努力すべきものだと思います。今日までの政府の実際とってまいりました態度は、完全実施に一歩ずつ近づくべく努力をしてまいったのであります。この点は予算上の問題その他いろいろの問題がありまするが、毎年相当大きな努力をいたしまして、積極的に一歩ずつ前に出ており、今後ともこの前向きの姿勢を維持して解決をいたしたいと思っております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 当初予算で、このたび公務員の給与については本来義務的経費として五%組み込まれているわけであります。そういう意味におけるならば、人事院勧告に基づく給与増額は当然義務として支払うべきではないか。財政上の理由あるいはその他の理由をもって実質的な改善率を引き下げているということは、私は所得政策、すなわち賃金上昇の抑制政策だ、そのように言わざるを得ない。結論からそういうふうに私は思うのですけれども、いまあなたは努力をされているというふうにおっしゃったけれども、さらに私はことしこそ完全実施に踏み切る最大の一つの山場である、かように思うのですが、もう一度御決意のほどを伺いたい。   〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 政府といたしましては、いわゆる所得政策を実行する考えではないのでありまして、今日の公務員の給与に関しましては、人事院制度の趣旨を十分に尊重してまいりたいと思っておるのであります。長い間の努力によりまして、ようやく残りわずかと申しますか、もう少しの努力をもって完全実施ができるわけでございます。この機会におきましては従来以上の努力をいたしたいと思いますが、しかし最後の残されたものが、案外今日の状態におきますると問題を含んでおる。したがって、その実施問題に対しましては、現在慎重に検討を続けておるわけであります。先ほど以来いろいろの要素について、不確定要素もありますし、なお手段、方法等につきましても、はたしていずれの方法が是なるかということにつきましても検討をいたさなければならないわけでありまして、なおしばらく時間をちょうだいいたしまして、そうして結論を出したいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 大蔵省にお伺いいたしますけれども、四十四年度の自然増収の動きは九月決算を見なければということでありましょうけれども、いまの段階においてはなかなか予測がしにくいということは先ほどもいわれたとおりでありますが、昨年度に比較して一般会計の税収、租税及び印紙等の収入は決算額に対してどのような割合になっているか、その点につきましてお伺いいたします。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 四十四年度の税収の現状でございますが、これは六月末までの収納ぐあいが判明いたしております。これは二一・三%でございます。これは例年の六月末の進捗率とほぼ同じ率になっております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 念を押す意味において、大蔵省としては七月実施あるいは六月実施、五月の完全実施というその三通りについて当然担当官庁としていろいろ試算をされていると思いますけれども、一般会計についてはどのような金額になるか、その点だけちょっと……。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 五月実施で積算いたしますと、一般会計で千二百三十九億円でございます。これから四百四十三億円を控除いたしますと、七百九十六億円になるわけであります。六月実施で申しますと千百五十八億円であります。四百四十三億円を引きますと七百十五億円であります。七月実施で計算いたしますと九百八十七億円で、同じく四百四十三億円を控除いたしますと、五百四十四億円ということでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 本年度の予算編成の際、政府は総合予算主義のたてまえから、一般会計予算に給与改定五%アップの四百四十三億円を予備費から不足分を補てんするつもりで予算を組まれたわけでありますが、九百億円の予備費に対し、いかにも予備費でまかなえるような印象を与えておられますが、給与改定分としてはどれくらいの積算をされたか、それについてお伺いします。

橋口收大蔵省主計局次長

○橋口説明員 四十四年度の予算を編成いたします際に、五%、七月からということで、一般会計四百四十三億円を組織別、所管別に給与分として計上しておるわけであります。  一方予備費につきましては御案内のように総額九百億円を予定いたしておるわけであります。予備費につきましては、予備費の使用順序とかあるいは使用目的というものに特に順序はございません。予算執行後予見しがたい事由によって歳出を必要とする場合に予備費を充当するわけでございます。予見しがたい経費の内容としまして当然考えられますのが災害対策費でございます。その他事務的経費の精算増もあります。ただ九百億のうちから、何がしかを給与改定に予定するというような予定は立てておらないのが実情でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 予備費の性質からいうとそういう御答弁になるかとも思うのですけれども、昨年も最終的には予備費に対して、大体積算としては災害対策費としては五百億円とか、給与改定費が幾ら幾ら、大体そういうような御答弁が実はあったわけであります。九百億円について実際にその内訳を考えていきますと、少なくともあなたのおっしゃるとおり災害対策費あるいは給与の改定費としても予備費が組まれているというならば、災害対策費は毎年毎年大体五百億円を計上しているのがいままでの慣例になっております。ことしは集中豪雨などでかなり災害対策費は昨年を上回るであろうという予測がされているわけでありまして、昨年は三百八億円、ほとんど災害というものがなかったことで非常に助かっているわけであります。何も災害が多く起こることを好むわけではありませんけれども、しかし、大体五百億円というものを昨年の状態からいうならば上回るのではないか、そのように考えられます。もう一つは、稲作対策特別事業費二百二十五億円が予備費から支出されるようになるとするならば、その残りは百七十五億円ということになるわけであります。ところが、百七十五億円の中で、全部それを給与費というふうなことに当てはめてしまうということもできない。やはり緊急必要な経費等があるとするならば、私はやはり百億円ぐらいが給与費としての予備費というふうに考えられるわけであります。そう考えてきたときに、四百四十三億円の給与改定費に予備費の百億円、すなわち五百四十三億円の給与充当分とすれば、たとえて言うならば、七月実施としても九百八十七億円で四百四十四億円の不足額が出るわけであります。そう考えてくると、もはや公務員ベアに対しては予算の追加補正は必至だ、科学的分析からいうならばどうしてもそう思うわけでありますが、その点についてお伺いします。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 きわめて政治的な判断も含まれますから、私のほうからお答えを申し上げたいと思います。  これは鈴切先生も御案内のように、また先ほども大出先生あるいは受田先生にもお答え申し上げたわけでございますが、計数的に言いますと、いま先生のおっしゃったような計数が比較的出てくるわけでございます。でございますが、これをどういうふうに扱うかという問題です。  それにつきましては、従来の役所に対します支出関係について御節約を願う分はどうするかとか、あるいは今後の増収見込みなどをどうするかとか、諸般の事情が考えられると思いますが、その根底となるものは七人委員会がいろいろ慎重に御審議をされるわけでございます。先ほど総務長官もお触れになりましたように、非常にいろいろな問題を今回含んでおりますので、高度の政治的な御判断をされて結論をお出しになられると思います。それを踏まえまして、どういうふうに処理をしていくかということを財政当局としては検討をいたしていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いま七月実施ですら、そういうふうな状態であるとするならば、予備費あるいは経費の節減あるいは給与の不用額という観点だけでこれをまかなうということはなかなか困難になってくると思うのです。そこで、当然それに対してことしは自然増収というものが大きく見込まれる状態になってきております。まず第一に、九百八十七億円の改善費に対する税収見込み額もあるでありましょう、あるいは春闘一五%アップ分に対する税収見込みもあるでありましょう。また史上最長の連続増益ということで法人税として、法人配当八期連続による増収等も考えるときには、私はかなりの自然増収は見込まれる、こういうふうに思うわけでありますが、そういうことから考えると、何も総合予算主義というワクだけに閉じこもったかた苦しい考え方じゃなくて、堂々と完全実施するためにはそのワクをはずして補正を当然組んでいくべきじゃないか、そのように思うわけでありますが、あえて総合予算主義に閉じこもられて、そのワクを絶対くずさないというお考えであるか、その点についてお伺いします。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 総合予算主義というものにつきましてはこれを堅持していく、守っていくということは、内閣、政府全体の御方針でもあるわけでありまして、その問題につきましては守っていきたい、こういうわけでありますが、いま申し上げましたように、非常にいろいろな問題を含んでおりますし、また財政だけを唯一の点として処理すべき案件でもございません。こういう意味から、先ほど総務長官もおっしゃったように、七人委員会で慎重に諸問題を解決しながら高度の政治的判断で結論をお出しになられると思います。それに基づきまして、財政当局はこれを善処していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 総合予算主義を堅持していく、その考え方に立っていろいろ七人委員会で給与改定の問題等も含めて考えていく、そういう政府のお考えでありますけれども、実際には総合予算主義を堅持すれば、七月実施すらあぶない状態になってくるわけであります。そこで、先ほど最善の努力をする、そのように言われておりますけれども、具体的にはどのような方途があるか、それについてお伺いいたします。

上村千一郎自由民主党大蔵政務次官

○上村説明員 これはいろいろ過去におきましても、現実において財政でまかなえるというような見通しがつきましても、完全実施をしていなかった事例もございます。それは結局財政だけでなく、この公務員給与関係が国民経済全体に及ぼす状態あるいは諸施策のいろいろな検討というような総合的判断をいたしまして決定をされております。でございますから、結局財政だけの問題でございますれば、これはもう客観的に数字は出てくる問題でございますが、いまのような高度の政治的判断も加わります。そういう関係上、実は従来六人委員会でなされたのが、文部大臣もお入りになって七人委員会というような状態にもなっておるわけでございますので、これはいろいろ申し上げておるわけでございますが、特に今回はまた非常な問題を含んでいるわけでございますので、高度の御判断をされて決定をされる、こういうふうに思っております。そういうことによりまして私ども財政当局はこれに善処をしていく、こういうふうに申し上げておきたいと思うわけです。ただ、従来たびたび申し上げますが、完全実施をしていくということに対して努力を払っていくという基本方針は、内閣において御決定になっておられるわけでありますので、財政当局もそういう考え方に立っておることは間違いないところであります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 実は四十四年度の予算編成にあたって、政府は昨年十一月五日の閣議後に給与関係閣僚協議会を開いて人事院勧告に基づく公務員給与の改定問題について話し合い、四十四年度から人事院勧告を時期を含めて完全実施するということに意見が一致した。ところが二週間後の十九日には、四十四年度予算編成に際し、人事院勧告の完全実施の基本方針を踏まえてできるだけすみやかに最終的結論を得ると、政府の方針は後退をしております。さらに、八月十五日勧告が出されまして、首相官邸で第一回の給与関係閣僚協議会が開かれたときに、佐藤首相がこの日の閣議で、時期にこだわらず慎重に討議せよと指示したとありますが、時期にこだわらずとはどういう意味であるのか、その点をお伺いいたします。佐藤首相は昨年の給与改定の際に、総定員法の実施と公務員の給与とはうらはらであるので、合理化が進められれば、四十五年度までには勧告どおり五月完全実施に踏み切るとたびたび言明されているわけですが、私どもは当然人事院の勧告というものは完全に実施されなければならないという立場に立っておるわけでありますが、時期にこだわらずとは一歩も二歩も後退した考え方ではないか、その点についてひとつ、おられた方にお伺いいたします。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 上村政務次官からお話がありましたように、財政的に見ましてもことしはずいぶんいろいろの問題点があるわけであります。しかし、予算そのものから見ますと、給与改善費並びに予備費というふうに二本立ての計上をするような改善をいたしておるわけでございます。しかし、勧告の内容は相当予想以上の大幅である。従来にない大幅であるというような問題。なお、今日の内外の情勢その他から見まして、いろいろ問題がありますので、したがって、慎重に検討いたしたいというわけでございます。  昨年は八月の末に関係閣僚会議の結論を出したわけでございますが、しかし、かようなむずかしい、慎重に検討を要することでありますので、昨年の八月末というような時期にとらわれずに、この点は慎重にひとつ検討をいたしていきたいというのが総理の発言の要旨だと思います。私どもも、財政当局の立場、なお公務員の給与を完全実施するという給与担当の私どもの立場、もちろんでございます。あるいは、財政当局といたしましては総合予算を堅持するというようなこともいろいろありますが、そういうことをいろいろと、利害等に対しまして検討して、また手段、方法等におきましてもいろいろの検討の余地があろうかと思います。かようなことを考えまして、結論を出してまいりたいと思うのであります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 では最後に。  前向きに、いろいろ完全実施については検討されるというふうなお話でありますけれども、うわさによりますと、こういうふうな考え方もあるという人がいるわけであります。   〔塩谷委員長代理退席、委員長着席〕 たとえば、六月一日をはずして六月二日という考えにもあるやに聞いておるわけでありますが、まさかそんなちゃちな考え方というか、不細工なことは、とうていお考えになっていないと私は思うのですけれども、給与担当大臣として前向きということがいかなることであるか、また完全実施に対する御決意というものをこの際明らかに、もう一度お伺いします。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○床次国務大臣 政府の方針といたしまして、特に給与担当大臣といたしましては、人事院勧告を完全実施することを基本的な方針といたしまして、最善の努力をいたしたいというわけでありまして、その努力につきましては今後ともいろいろ尽くすべき検討すべき問題がたくさんあると私は思っております。いま引例されましたところの、六月のちょっと過ぎから実施するというようなこと、これはどういう考えか知りませんが、憶測いたしますると、六月にはいわゆる給与の時期がありますので、中間まで持ってくるというような気持ちからそういう説も出たのではないかという気がいたすのでありますが、いろいろと配慮いたしまして、いわゆる人事院勧告を完全実施する、その基本方針をひとつできるだけ進めていきたいというのが今日の私の決意でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 浜田光人君。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 本日は、わが党では大出委員が勧告問題をやりましたので、私は私の質問があるから、質問はやめたんですが、三十秒間、要望しておきます。  完全実施なんというのは、これはもう本来人事院ができたそれから見て、文句なくやらなければならないことなんですが、これを毎年毎年繰り返している。しかも、この委員会でも決議して、本会議に報告して承認していることなんだ。自民党の内閣委員諸君、これがほごになったら、これだけでも総理の不信任問題が出る問題ですよ。くどいことは言いませんが、いろいろ諸要素があると言われるが、これはやはり七〇年問題を考えておられるならなおさらのこと早く決定したほうがいいですよ。そういう意味でひとつずばっと本年はやってもらうことを強く要望しておきます。総務長官は、災害問題があるそうですから、私もこれから終戦処理関係の問題ですから必要なんですが、事、災害のことですからがまんする、帰られてもそれはしかたがありません。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 速記を始めて。      ————◇—————

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 次に、国の防衛に関する件について調査を進めます。浜田光人君。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいまから私は、毒ガス島といわれる大久野島の毒ガスに関して質問したいと思うわけであります。  御案内のように、六十一国会におきましても、終わりごろになると、例のCB兵器の問題で、沖繩から国内にも来るということでずいぶん問題になりました。ところが、かつて日本の陸軍が製造したという毒ガスが、今日なおまだこの大久野島に貯蔵されておるという、こういう事実が本日の新聞等にも報道されておる。さらに、私たちは、二十九年から三十年、当時の駐留軍労務者並びに船員等が、それらしきものに、皮膚等もただれてきたので、しばしば指摘したことがあるのでありますが、それらについても何ら手を打たずして、今日具体的にそれらがあるということを指摘されておる。とかくこの毒ガス問題は、この二、三年はやっと政府も取り組むようになりましたが、それまでしばしば訴えても、やはり国際法規上の機密兵器だというので、表面へそういうことは言わないということでひた隠しに隠してきておったと思うのです。  そういう意味で、まず第一に、この大久野島に旧陸軍が製造したと思われる毒ガスがあるかどうかという点について、政府、だれでもいいから、まずひとつ見解を聞きたい。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎説明員 大久野島に旧陸軍時代に製造した毒ガスがあるというようなことが新聞に報道されております。私どものほうとしましては、いわゆる米軍に施設を提供する関係の業務をやっておるわけでございますが、この大久野島を米軍が使用したおった状態について概略を御説明しますと、この大久野島は、占領期間中、時期はちょっと明確でございませんが、少なくも昭和二十四年から以前の時期において、ある一時期、接収をしておったということが判明しております。その後、昭和二十八年になりまして、この島の灯台の地区約二千二百坪を除きまして残余の二十一万二千坪ばかりが米軍に提供をされました。その使用目的としましては、弾薬の貯蔵施設ということで当時提供をしたわけでございます。その後、三十年になりまして、隣接の一部の水域が提供をされました。それから三十三年の八月にこれは全面的に米軍から返還になっております。  これが提供から返還に至る概略の状況でございますが、この問題の毒ガスの処理は、いま申し上げた中で、この占領期間中に一時米軍がこの島を接収しておったというころの問題ではなかろうかと思います。  先生から御質問があるということで、さっそく局のほうにも照会をしまして、いろいろ調べてもらったわけでございますが、当時の使用の詳細な状況、あるいは毒ガスをどういうふうに処理したかというようなことにつきましては、何ぶんにも古いことで、時間もございませんでしたので、調査はしましたけれども、新聞報道以上のものはちょっと判明しなかったというような状況でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 防衛庁側の説明は新聞に載っておる程度だと、こういうことですから、追って質問はいたしますが、まず大蔵当局にお願い——お願いよりか、聞きたいのだが、大体この大久野島の所有権というか、あるいは管理責任者というか、そういうことの終戦後の移り変わりですね、それらについて、わかれば年次ごとに、昭和二十一年はこうだではなくていいですから、二十年当時にはどこが所有権があって、どこが管理しておる、二十八年はどうである、そういうことについてまず説明していただきたい。

永松慶也大蔵省理財局国有財産第三課長

○永松説明員 お答えいたします。  何ぶんにも急のことで、十分な調査がまだ尽くされているとはいえない面があるかとも思うのですが、ただいま私どもが掌握している事実は次のとおりでございます。  この島は、当時陸軍の造兵廠がありまして、その敷地として使用されておったわけでございますが、終戦と同時に米軍に接収されまして、その後、米軍から昭和二十三年の一月に接収が解除になりまして、国の普通財産として国が引き継いでおります。その後、昭和二十九年の三月に再び米軍のほうに提供いたしまして、三十二年の九月に再度普通財産として国のほうに引き継いでおります。その後、この土地は利用されておらなかったわけでございますが、昭和三十五年の十二月に、国立公園集団施設地区として厚生省へ所管がえになりまして、現在国民休暇村として利用されておる、こういうことになっております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そういたしますと、いまの防衛施設庁ですか、当時はおそらく調達庁だったと思うのですが、その接収されておる期間というものは、いわゆる現在の防衛施設庁、調達庁が所管し、管理をしておったのか、そういう点どうですか。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎説明員 当時は米軍がオールマイティーの権限を持っておりまして、接収の命令が出ますと、これはもちろん拒否できなかったわけでございます。しかも、この接収になった区域内において米軍がどういう作業をしておるかというようなことにつきましても、現在のように日米対等の関係でございませんので、日本政府としてそれに何ら口出しをできなかったというようなのが実態であろうかと思います。当時の調達庁の業務としましては、米軍に提供するにあたってのいろいろな事務的な問題をやっておったということでございまして、管理権を当時の調達庁が持っておって、これに基づいて米軍の行為についていろいろ制約を加えるというようなことは、もう当時としては全然考えられなかったというような実情でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 軍が施設を使っておるときは別といたしまして、軍が接収解除をして、一度あなたのほうの手に渡って、それから大蔵省管財に渡るのだと思うのです。軍から受け取るときは、民間財産等を接収しておるときには原形復旧だ、きちっとありますね。そういう受け取るときはどういう検査をしますか、調査をしますか。そういうことをどういう程度やって受け取って、さらに今度大蔵省へ渡すときはどういうことで渡しておるのか、それらはむろん書類があると思うのですが、詳しい説明じゃなくてもいいですから、それらについて大綱だけ説明してください。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎説明員 米軍から返還になりますと、わがほうと米側と双方立ち会いのもとでその施設、区域を調査しまして、それで必要な資料をこさえまして、大蔵省のほうに引き継ぐということに相なっております。ただ、問題の毒ガスが入っておるごうが、当時調査の段階においておそらくは発見できなかったんじゃなかろうか、これは推測でございますが、もちろん発見できたならば、こういうものがあるということは当然大蔵省のほうにも連絡をして、あるいは必要な措置をとることになったかと思いますが、当時の調査の詳細も現段階ではわかりませんが、一応全体の調査はしたけれども、発見できなかった、おそらくこういうことではなかろうかと存じます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ずばり核心に触れますが、少なくとも軍から接収解除があって、いろいろ引き継ぎをやる、やって大蔵省財産に移すまでがあなたらの責任なんですね。したがって、まず米軍からおたくに特に大久野島——全国とは言わぬですが、大久野島を引き継いだ書類の写しをひとつ次の委員会までに出してもらいたい。  そこで、しばしば言われるように、第二回目の接収のときに、これは私も組合員だったのですが、労務者も船員もみんな江田島のアメリカの司令部から毎日連れてきておったのです。距離はあるけれども、忠海のほうからじゃなくて、直接呉、江田島から連れてきておったのです。そういう諸君が当時も訴えた。そのときの罹災した人たちが今日でもなお苦しんでおるのですよ。そういうときにはほんとうに真剣に取り上げておらぬ、皆さんは。だから、この管理とかいう問題が次々にうまくいかぬ。大蔵省は、今度は受けたときは、あなたたちが管理をしておるはずなんだ、しなければならぬ、これは普通財産だから。  その前に、この毒ガスというのは兵器なのかどうか。

安田寛防衛庁防衛局運用課長

○安田説明員 お答え申し上げます。  兵器の定義でございますけれども、防衛庁では、特に兵器ということばを法律その他規定の上から使っておらないのでございますが、いわゆる武器ということばには当たるかと思います。つまり、人を殺傷する性能を有する、またその目的のために製造されたものという定義に当てはまるといたしますならば、武器に当たると存じます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 戦前の兵器に当たるかどうか。戦前は兵器ということばを使っておった。

安田寛防衛庁防衛局運用課長

○安田説明員 戦前、兵器ということばが使われておりましたが、その意味でまた同じような定義を用いますれば、兵器ということばにも当たるかとも存じます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 この間も、私が給油艦を兵器だということでずっとやってみて、あとから資料を出さすと、ほんとうに大砲が据えられるように設計書にちゃんとなっている。そういうふうに、皆さんと議論をしておると、あとからあとから出てくるので、遠慮せぬと、考えておることは、上司に迷惑がかかるとかそういうことは考えないでいい。議論だからずばずばと答弁してもらわぬと、あとからややこしくなる。兵器だ、こう言われる。兵器だとすれば、国有財産法に基づいて、当然大蔵省が管理をしなければならぬと思うのだが、どうですか。

永松慶也大蔵省理財局国有財産第三課長

○永松説明員 国有財産であれば、当然管理することになると思います。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そうすると、国有財産法の四十三条に、「旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた機械及び重要な器具」、これは新しくできた法律だから、あなたが言われるように兵器ということばを使えぬから、こういうように書いてある。したがって、これはいわゆる第二条に云々、こうなる。そうすると、普通財産であなたたちが管理をしなければならぬ、こうなってくるのですが、その点どうでしょう。

永松慶也大蔵省理財局国有財産第三課長

○永松説明員 国有財産であれば、大蔵省で管理するわけでございますけれども、通常の兵器でありますれば、これは物品でありまして、大蔵省で管理するものではございません。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 あなたはさっき兵器だ、こう言う。物品だと言えばいいんだ。当時こういう国際法規にも違反したような毒ガスを物品扱いしておりますか。さっき、この前の委員会で私が論議したことと同じことをあなたらまた繰り返そうとしておる。これは九日あたりに防衛庁長官、大臣を呼んでまた議論してみるが、いずれにせよ、あの大久野島がいわゆる昔の調達庁、いまの防衛施設庁から大蔵省の管財に返ってからは、あなたらに関係がある。また責任もある。義務もある。そうしたときに、それから引き続いて、特にいま言われたように、発見されたその地域は接収から除外されておる区域なんです。そうすると、昭和二十一年当時は、これは確かに日本政府はかんでおらぬですよ。マッカーサー司令部でどこでもこうやっていく。だからそれは無理だと思う。しかし、その後は、国有財産法の十条に、大蔵省が管理するのは、これこれしなければならぬということがちゃんとある。そういう点から見て、なぜこういう危険な毒ガスが管理している大蔵省でわからなかったのか。みじんもこういうことは察知できなかったのかどうか。皆さんは当時はまだまだそういうポストではなかったから知らぬと言われるかもしらぬけれども、全体としてこういうことなら大臣を呼ばなきゃいかぬかもしらぬけれども、ほんとうに正直なところ、大蔵省ではそれを管理している問題にこういう懸念は全然なかったのかどうか、その点どうです。

永松慶也大蔵省理財局国有財産第三課長

○永松説明員 そういうものがあるということは、当時から全く夢にも思っていなかったわけでございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 しかし、それは毒ガスの大久野島というのだから、夢にも思わなかったといって、実にこっけいなことだと思うのだが、しかし、その後でも指摘しているのだよ。そうすると、今度は大蔵財産から厚生省に所管がえしたときには、確認までいかぬかもしらぬけれども、どういう認識の上に所管がえしてもらったのか。さらに、いま協会の運営管理にまかしておるのかしらぬけれども、どういう認識の上にそれらに運営管理を委託したのか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 厚生省は、ただいまお話のありました三十五年に大蔵省から所管がえを受けまして、国立公園の地域としてその利用をはかるという目的でいろいろ検討いたしたのでございますが、もと毒ガス島であったということは承知いたしておりましたので、もちろん、そういう先生のおっしゃいましたような点につきまして、特にこれが施設をつくって人を収容いたします場合におきましては万全を期する必要がございますので、その点はもちろん慎重な配慮をいたしたわけでございますが、毛頭そういう心配ないという確信のもとに、三十七年七月に休暇村の整備の工事に着手した次第でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 確信に基づいて、こう言われますが、それは主観的なものであると思うのですがね。やはり確信を持つ以上は、何か客観的な判断資料、こういうものがなければいかぬと思うのですが、そういう点の配慮はどうですか。   〔委員長退席、佐藤(文)委員長代理着席〕

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 厚生省といたしましては、昭和三十七年当時でございますので、すでに戦後十数年を経過いたしておりますことと、それからさらに念を入れまして、三十七年三月に私どものほうの衛生当局とともにこの島について調査をいたしておるのでございますけれども、その調査の結果によりますと、心配ないということがはっきりいたしましたので、三十七年の七月に、調査の完了を待ちまして工事に着手した次第であります。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 その調査は、どういう要領で調査されたのですか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 厚生省にそういう毒物に関する試験研究ができます能力と施設のございます国立衛生試験所というところがございますが、そこの職員に依頼をして調査をいたした次第でございます。これは現地に参りまして調査いたしております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 確かに間違いありませんか。よその機関にその調査とか検査とか、そういうことを頼まれたことはございませんか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 私のほうは、厚生省の直轄の国立衛生試験所以外に調査した事実は、いまのところ承知いしたておりません。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 他の、たとえば協会なりあるいは県なり、そういうものに調査を依頼したとか、その確信の上に立ったとか、そういうことはございませんか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 承知いたしておりません。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 私が聞いた範囲では、何か防衛庁のほうにその調査を依頼した、こういうことを聞いたのですが、その点はどうですか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 広島県で防衛庁に調査を依頼されたというようなことは承っておりますけれども、私のほうでは、その詳細につきましては承知いたしておりません。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 だから、いま現在実際運営管理をやっているグループやらあるいは県なんか誘致運動をした、そういう点でその調査を依頼したのでしょうが、そういう事実はないですかと言うと、承知しておりません、こう言うのです。事実やったのであろう。やった結果はどういうものが出ておるか。私はその資料の提出を求めておるのだけれども、その資料が防衛庁と話し合いをしてどんなになったのか、調査の結果は。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 広島県が防衛庁に依頼をされて調査された結果、危険性がないというような報告であったということを承ってはおりますが、これは広島県と防衛庁の関係でございますので、私どものほうは承知しないわけでございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 防衛庁は、これは十三師団でやったことであろうが、これらについて確かめられたことがありますか。

安田寛防衛庁防衛局運用課長

○安田説明員 昭和三十六年に広島県知事から私どもの中部方面総監部のほうに、大久野島における毒ガスについて御要請がございました。私ども調べたのでございますが、その調べた結果、及びその後どういうぐあいに処置されたか、その点については、ちょっと私どもここへ参ります前に調べたのでございますが、だいぶ昔のことで、はっきりその後の様子はわかっておりません。−かし、私どもの調査によりますと、大半の建物は米軍の処理により反応はない。しかし、一部に反応もあるというようなぐあいになっておるのでございますけれども、その反応があったので、その後どういうぐあいに処理されたか、その点が私どもここに参ります前に調べた限りでは、ちょっといまのところわかっておりませんので、後刻もっと調べたいと存じます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そういたしますと、いまの資料も次の委員会までにはよく調査し、その写しを出していただきたい。委員長、これを要求しておきます。  それから、最初の調査の問題もそうですよ。厚生省に伺いますが、あなたたちがこの休暇村をやる工事のさなかに、毒ガスらしいものが地下から出た、こういう事実があったかどうか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 けさの毎日新聞の記事によりますと、工事中に何らかあったということが出ておりますので、当時の関係者につきましていろいろと聞いてみたのでございますけれども、私どものほうの記録では、具体的なそういうものはございませんので、実はわからないのでございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そこらがたとえば調査でもそうです。厚生省は技術屋が少ないのでぴんとこないかもしらぬけれども、ほんとの大久野島の実態をよく知った人で、当時からあそこで働いておった人が、毒ガスの処理で困っているということをしばしば訴えておったんですから、ああいう人たちに道案内を頼まなくても、小さい島だから、そういう人たちと一緒に行くなり聞くなりしていったら、ずばりと調査はできておるのだ。今度ニューギニアの遺骨収集でも、厚生省の役人だけ行くのじゃなくて、向こうで何万人か死んだ人の中で、実際は二百人か三百人か生き残って帰ってきている人がいるから、そういう人を連れていけば、ほんとうの意味の遺骨収集ができるんですが、そういう者が行くなら、あなたたちが旅費を出して行きなさい、こういうかっこうになるのと一緒なんですよ。真剣にそういうものを調査しようと思えば、そういう該当者がおりますから、そういう人たちと一緒に行ったらずばり調査ができるのだ。しかも、いまの問題は、そういう事実はわかりませんと言っておるが、そういうことがあって、米軍がコンクリをしたその上に、さらに皆さんはまたコンクリをしておるんです。それはそういう事実があるからやっておるのだ。どうしてそこまでしてこの大久野島を休暇村にしなければならないのか。そういう毒ガスのことを考えたらまだ行けないのに、今日ではどんどん行っておるけれども、そういうことでしゃにむに伏せてきたのか、あるいは当時池田総理の選挙区だから、やれといわれるからしゃにむにやったのか、これはどっちかだろうが、そういうことをやられるから、いまだに当時働いた人——これは駐留軍労務ですよ。一般の陸軍の兵器廠で働いた人じゃないんですよ。そういう人たちが悩むようになるんだ。早くそういうものの禍根を断たないからなんです。それがお役所仕事だといわれることになるんです。  そこで、正直に答えてもらいたいが、ほんとうにあの休暇村をやるときに実際そういう懸念はなかったかどうか。いろいろ具体的なことを拾い上げると、どうもその点は私は納得がいかないのだ。いまは盛んにあの休暇村にたくさん人が行くから、りっぱな場所になったと思っておられるかもしれないけれども、いまはレジャーがどんどん盛んになるから、あの島をやらなくても、瀬戸内海のどこの島をやっておってもけっこう人が行くようになっておりますから、あそこがいいからじゃない。だから、そういう点を遠慮なく、ほんとうに正直なところやってもらわぬと、あとからそういう苦しんでいる人をどうするかという問題にも関連してくるんだが、この点どうですか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 先般先生の御質問にお答えしましたとおり、厚生省といたしましては、島が戦前におきまして兵器廠であったことにかんがみまして、慎重な態度をとったことは事実でございまして、特にたくさんの人をそこに誘致するということになりますと、この安全につきましては、当然厚生省といたしましては責任がございますので、先ほども申しましたとおり、衛生試験所の技官に調査を依頼いたしまして検討した結果、心配ないということで工事に着手いたした次第であります。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 心配ないというが、毒ガスがあるじゃないですか。この位置は、本土から渡っていく桟橋のすぐ右上なんだ。こっちから渡っていく人のすぐそばなんだ。心配ないというが、あるじゃないか。どうでしょうか。

中村一成厚生大臣官房国立公園部長

○中村説明員 けさの新聞に出まして、私どもも非常に驚きまして、さっそく広島県当局を通じまして本日から調査を始めておりますので、いずれはっきりすると思いますが、私ども、もとよりその当時もしもそのごうの中にまだ有毒のものがあるとすれば、これは私どもとしては非常に申しわけないと思いますが、少なくとも建設の当初におきまして、あるいは運営いたしております今日までは、そのようなことはなくて順調にきておるわけでありますが、ただしかし、けさの記事によりまして、新たな事実でございますので、さっそく調査を開始したということでございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 新たな事実だというけれども、知ったのは今日だ、こういうことだから、安全だということと別問題ですよ。知ったのは今日だ。あるのは過去からずっとあったんだからね。そうしてちょっと行って帰る人はすぐはわからない。大久野島のそこで働いておった人のいまの状態はたいていそうですね。呼吸器なんかやられておる人は、初めの間何ということはないのですよ。それが自然にこう来て、いま非常な重症患者みたいな人がたくさん出てきておる。したがって、委員長、まあいろいろこう言っても、みんな調査せなければならぬ、資料も提出してもらわなければならないので、そして事務当局ではむずかしい問題もあろうかと思うので、さっきから言うた資料提出、毒ガスがあったのか、なかったのか、そういう問題、ほんとうに防衛庁の十三師団が調査して、これは何にもなかったと言っておったなら、これはまたたいへんだが、あったとして、いま若干反応があった、こう言われるが、それはどうしてそれをやったのかという問題が起きてくるから、いまさら責任をどうだこうだというようなことは別として、ずばりそういう問題は資料として出していただいて、そしてこれからどうしたらいいのか、こういう問題を検討したいと思いますので、ずばり出していただきたい。さらに大蔵省ですが、これも政務次官に残っておってくれと言ったが、上村さんは帰ってしまった。まあこれは九日大臣を三人一緒に並べてやりましょう。  そこで、この被災者、罹災者の救済の道ですよ。駐留軍労務の問題は、これもまた後日にします。時間がないし、まだ淡谷先生が若干時間がほしいと言われますから、後日にしますが、そういう人があったときにはどういう処置をするか、これも研究してもらいたい。後日ここで議論するけれども、大蔵省関係は例の旧令共済会のほうでいろいろ行政措置でやっていく、そういうことでやっておられるらしいのですが、確かに、毒ガスということは国際法規上の問題があって表面へ出してこない。県会議員当時から私どもはそう言ってきた。しかし、今日は表面に出てきて、実際実物があるということになると、これは文句ないことになるから、これらの救済措置については思い切った措置を講じてもらわなければいかぬ。かってに国際法規にも違反して秘密兵器をつくって、そしてそこで呻吟させた国民に、今日はもう文句なしに手を差し伸べなければいかぬですよ。今日問題になっておるCB兵器なんというのは、原爆よりかまたひどいといわれておる。原爆の患者と同じような措置をせよというような点は、どこに私はちゅうちょする点があるかと思うのですが、そういう意味で、これらの人々に対する救済措置はどのようにお考えになっておりますか。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 ただいま先生のお話がありましたように、大久野島の旧陸軍造兵廠忠海兵器製造所の従業員の被害者に対します救済につきましては、先生のお話しのとおり、行政措置によって国家公務員共済組合連合会におきまして、全額国庫補助という形でもって救済をしております。具体的には障害給付とかあるいは療養の給付とか、そういう形でやっております。  最後に先生がちょっとお話がありました原爆との問題がございますが、先ほど来申しておりますように、旧陸軍造兵廠忠海兵器製造所従業員で毒ガスにより傷害を受けた者に対する救済措置は、全額国費をもって行政措置によって共済組合の連合会において行なっておるわけであります。これは同製造所従業員が所属しておりました旧陸軍共済組合において行なっていた業務災害給付というものを連合会が承継をしておる、こういう事実に基づきまして行なっておる措置でございます。したがいまして、このたてまえに反しない限度におきまして、業務災害と認定されるものにつきましては、できる限りの救済措置を講じていきたい、かように考えておる次第でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 これは事務的な問題になろうかと思いますからあまり議論しませんが、いまそう言われると、これは全くいい処置を与えられておるようだが、とんでもないことなんで、きわめてもう該当者の方たちは不平満々なんです。しばしば国会へも来ているじゃないですか。六十一国会中でも、私たちも何回となく東京まで——私たちは大蔵大臣にも会ったが、話にならぬ。したがって、これも後日に回しますが、来年度予算編成の時期になってきますから、早急に、こういう具体的になった以上は、われわれ政治的にもやりますが、事務的にもひとつ検討していただいて、来年度については原爆被災者並みのようにやる方向で検討していただきたい、こういうことを要望しておきます。  以上で、時間ございませんから終わりますが、次の九日の委員会には関係大臣に出ていただいて、この問題を引き続いてやりたいので、委員長としてはそのような取り計らいをしていただきたいと思いますが、いいですか。

佐藤文生自由民主党

○佐藤(文)委員長代理 了承しました。  それでは防衛庁、厚生省両当局は、浜田理事から要求のありました実施調査の結果の報告を内閣委員会に提出を求めます。  淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 北海道の長沼の例の施設について、当委員会でもしばしば論議になったのでありますが、あの聴聞会その他の状態にかんがみて、また事の性質にかんがみて、やめたほうがいいではないだろうかと、しばしばわれわれ申し上げたのですが、やはりこれを強引に押し切りまして、農林省に保安林の解除をさしたのですが、この訴訟にあたりまして、今度執行停止の命令が出た。またこの命令の理由が、自衛隊の本質に関し、また戦力に関する憲法に関連のあるような理由があったのであります。容易ならない問題であります。前の砂川の問題あるいはまた恵庭の問題で、自衛隊の違憲性があらためて問題にされるような事態になっているのであります。まだ新聞記事以外には詳しい情報をとっておりませんので、できるだけ詳しく防衛庁からこの裁判の判決の内容及びこれに対する防衛庁としてのお考えを聞かしていただきたい。

鶴崎敏防衛施設庁施設部長

○鶴崎説明員 この訴訟の問題は、実は農林大臣、法務大臣が国の代表でやっておりまして、もちろん防衛庁のほうも実質的な関連はございますが、私はその訴訟のほうには直接関係していませんものですから、ここで責任ある御答弁はできないと思いますので、その点御了承を得たいと思います。私のほうは、どうも施設のほうだけなものでございますから……。   〔佐藤(文)委員長代理退席、委員長着席〕

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 突然の質問ですから、御答弁ができないのはしかたがありませんが、九日にはあらためてこの問題も質問したいと思います。防衛庁長官、それから農林大臣、ぜひともこれは出ていただきたいと思います。  それからなお、その前に資料をお願いしておきたいのですが、この長沼町の問題は防衛庁に関する問題でありますから、どこへ要求されるか、これは委員長に一任いたしますけれども、この裁判の書類、つまり訴状並びに判決理由、これはもちろんついておると思いますが、この訴訟に関する書類を資料として御提供願いたい。これは非常にこの委員会でも問題になった事件でございます。将来また第四次防衛計画についてもわれわれ考慮しなければならぬと思う。三権分立といいましても、やはり同じ国の機関である立法府と、それから司法府とが、意見が合わぬということは、これはやはり国政からいっても思わしい状態ではございませんので、この問題をやはり重大に取り扱っていくことがわれわれの義務だと思っておりますので、その資料をぜひ御提出をお願いいたします。  きょうはこれでよろしゅうございます。委員長、いいでしょうね。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 いいです。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時十分散会

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