内閣委員会 第39号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1969/07/08
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 公務員の給与に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 例年のことですが、人事院のほうの作業の現段階というのは、大体どんな順序でどこまで進んでいるかということをあらかじめお知らせをいただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 例の四月調査の結果、全国各地から持ち帰りました調査表を一応まとめまして、現在それの集計中でございます。したがいまして、今日に関する限りは、大体例年のペースと同じようなペースで進んでおるというふうに御了解願いたいと思います。 〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕
○大出委員 事務的なことを聞いておきたいのですが、したがってほかの方でけっこうなんですけれども、毎年多少のサンプリング調査の事業所数なり数なりという点が相違があるのですけれども、ことしは大体どのくらいの規模で、かつまたどのくらいの人数調査されたということになりますか。
○尾崎政府委員 今年の民間給与調査は、六千九百の事業所につきまして調査をいたしております。昨年は六千七百でございましたので、二百増でございます。
○大出委員 対象人員についてはどうですか。
○尾崎政府委員 六千九百の実調査人員は、四十九万人と推定いたしております。昨年は四十七万でございます。
○大出委員 この新聞に書いてあるのを見ますと「全国の民間事業所のうち従業員百人以上の事業所約七千カ所、従業員数で約五十八万人」、こういう数字があげられていますが、これはあとで出どころとの関係がありますので、違うのかどうかという点です。つまり、これは少し気になる資料を使っている感じがするんですね。日本経済なる新聞に「九・五%上げ勧告か」というふうに書いてある。どこから出た資料かと思って、私はだいぶ調べてみましたが、ちょっとどうもひっかかるものですから、そこでこれを聞いておきたいのです。ここで七千カ所、そして五十八万人というところ、これは人事院のほうで、ひとつ否定をされるんなら、正確に正数をいただきたい。
○尾崎政府委員 ことしの民間給与調査の内容につきましては、記者クラブにもよく説明をいたしてございます。
○大出委員 そうすると、片一方はおおむね六千九百カ所、四十九万人、こういうふうに発表されておるわけですか。
○尾崎政府委員 そのとおりでございます。
○大出委員 もうちょっと詳しくほしいのですけれども、総理府が最後に作業をするんだと思いますが、そこらのところ、いまどこまでやっておりますか。
○尾崎政府委員 六月十五日に一応実地調査を締め切りまして、それを人事院の本院でその調査内容をチェックをいたしまして、脱漏しているようなところにつきましてはさらにそういう点をチェックをいたしまして、そしてチェック済みのものを総理府統計局に送りまして、現在所定の内容につきまして集計中でございます。
○大出委員 ところで、ことしの民間の春の賃金引き上げの交渉が各所で続けられたわけでありますけれども、大体人事院のほうで把握している限り、どのくらい上がったとお考えですか、調査結果云々と関係はありますけれども。
○尾崎政府委員 本年の現在得られておりますデータは、労働省の毎月勤労統計におきまして、一年間の上がりが、四月現在の対前年比でございますけれども、全産業で一三・一%でございます。これは昨年の一二・八%に対しまして若干の上がりでございます。それから労働省がいわゆる春闘妥結結果ということで調べておりますけれども、これは大手約百五十社につきまして定期昇給込みの値でございますが、その平均といたしまして一五・八%、六千七百六十八円というのがございます。これは昨年の一三・五%、五千二百十三円に対しまして約二%程度の上昇でございます。それから御承知の仲裁裁定は、これは調査の結果でございませんけれども、そういうデータもございます。
○大出委員 この春闘共闘なりあるいは公労協の公労委をめぐる使用者側、労働者側委員の最後の場面で、お互いに数字を出し合いましたね。このときに労働者側委員が出しておりますのは組合側調査が主になっておるわけですが、これがだいぶ開きがある。そこらはどういうふうにおとりになっておりますか。
○尾崎政府委員 仲裁過程の中身につきましては十分承知しておりませんけれども、いずれにせよあの時期は、さっき申し上げました労働省の調査結果の関係で申しますと、中途段階であったというふうに考えております。あのあとで労働省の関係としましては、そのほかの妥結結果も入れまして結果が出されておるというふうに承知しておるわけでございますが、いずれにせよ、私どもといたしましては、それを確認するためにさらに精密に現在民間給与調査の集計をやっておりまして、その結果によりましてことしの給与改定の状況を正確につかむということを現在やっておるわけでございます。
○大出委員 これは初めてのことじゃありませんで、例年民間給与が春の段階でどのくらい上がるかという点が一つ出てくる。労働省がこれをおおむね集計している。あるいは中労委で一つの資料をつくる。モデル賃金というのなどがありますね。さらに公労委がいつも一つの場面を迎えたときに、使用者は使用者なりに、そして労働者側は労働者側なりに、そして公益委員側は公益委員側なりの結論を出し、あとまた毎月勤労統計もある、こういうことでございますから、その辺でいわゆる春闘相場なるものがここ十数年来形づくられることに一般的にはなってきている。それと、さて人事院がサンプリング調査をされて諸票をつけて、総理府に持ち込んで結論が出る、こういうふうに動いているわけなんですね。ですから現実問題として、人事院の調査をされた結果だって一つの数字を中心にして考えれば幅があるわけですから、そこでどれをとるかということで人事院は最終的に結論を出すわけです。そうなるとおおむねのめどというものは、人事院が結果確認をする前に大体出てきているというのが実際には大勢ですよ。最後には人事院と大蔵省との間で多少のやりとりがあるやに承っておる。こういうかっこうで、一つの幅の中でたとえば九%から一一%だとかいうことをいろいろ世の中でいわれる段階が出てきて、この辺で人事院が最終的に結論を出される。調査資料その他お出しになったことはないのだから、少しものを言い過ぎたら、総裁かつてはだいぶ御立復でございまして、そうなると最終的に幅がある。その幅というのは、いま私が申し上げた幾つかの給与に関するデータというものと見合って、政府なり国会なりに勧告をするのですから、そこらの雲行きというふうなものも頭のどこかにあるのかもしれない。そこで結論を出してくる、こういうことですからね。そういう意味で前提条件の一つでございまして、いま幾つか私が申し上げ、お答えをいただいたのはそういう意味ではたいへんに重要な点なんですね。そこでいま承ったわけであります。 そこで新聞に妙なものが載っているのでさっき例に引きましたが、これは一体何事でこういうことになったのですか。少なくともここにある数字は人事院ではないのでしょうな。総裁、これはいかがですか。
○佐藤(達)政府委員 九・五%というのは……(大出委員「私は額を言ってない」と呼ぶ)その記事であろうということを確認しておきませんと話が不明確になりますから……。 御承知のとおりわれわれのほうでは、従来かねがね申し上げております民間調査の結果に厳重に基づいて勧告を申し上げております。いま幅があるというおことばがちょっとありましたが、幅があるというのはどういう御趣旨かわかりませんが、幅がないように七千近い大幅の事業所をつかまえて、五十万人近い従業員をつかまえての調査でございますから、私はここで出ましたパーセンテージ、数字というものは幅のないものとして考えてよかろうというたてまえで、公務員の水準と他の水準とを引き比べて、ここで出た格差というものを詰めていただく、こういうたてまえできておりますので、たびたび申し上げますように、これはわがほうの全責任を持って調べました結果に基づくもので、予測がましいことはとうていできるはずのものではないということでございます。新聞にはおそらくこれからまたいろいろと推測の記事が、これは例年のことでありますから、出るとは思います。そのたびごとに私はここへ出てしかられているわけでありますけれども、これはしかられてもしようがないわけで、選挙の前になると、やはり当落の予想というものも新聞で自由にお書きになっているわけであります。これもだいぶ迷惑な問題もあるようでありますが、これまた新聞の自由でございますから、やむを得ないとあきらめております。
○大出委員 総裁、最後にうまいことを言われたわけですが、例年やっておりますと、具体的な数字が大体どこから出てきたかというようなことは、全くそちらの方向に首を突っ込んでいない人間ならともかく、そうでないとわかることになっているのですね、これは妙なもので。去年もしきりに、これはあとから承りたいのですけれども、暫定手当の本俸繰り入れ等の関係があって、どこをスタンドポイントにするというようなことがあって、それがこれだけ上がっておりますというような大蔵省の言い分が出てきてみたりいろいろするわけですね。これは事実ないとは言わせない、私も昨年は直接いろいろ承ったわけですから。人事院との間にいろいろな見解の相違のあることも表に出てきている、こういうわけですよ。またがって恩給法なんかでこの委員会が手直しをし修正をする——恩給なんというものは、なかなか関係の記者の方が調べても、そう簡単に、一日や二日では正確な数字が出てこない。ところが恩給審議会の事務局というのは、大蔵省の方々が相当入ってやっておられて、大蔵省筋でなければどうしても出てこないはずの数字がある種の新聞にずらり並んで載ってしまう、そうしてまさに国会がきめたことに対してけしからぬという調子の書き方をしている。私は満日ケースをここで修正したときにひどい目にあった。それが三日も四日も執拗に続けられた。あんな数字は恩給を長年やっている人間から見れば、どこから出てきた数字かすぐわかる。同じ意味でここに書いてある、いまあなたがおっしゃった数字というものは、出どころがおおむね見当がついておる。これは予算があるとかないとかということで、人事院が結論を得る前に別な筋からものが流れて、直接言ったらえらい騒ぎになるから、書ける立場にある人に書いてもらうという調子になるとすると、これはちょっと捨て置けぬという気がしまして、そこらの見当はどこから出てきたかおつきになりませんか。総裁は、ついていても言われぬというなら、ついていても言われぬと言っていただきたい。
○佐藤(達)政府委員 興味の問題としては、これは教えていただくとたいへんうれしいと思いますけれども、私どもはどこから出てこようと、どういう活字で大きく書かれようと、私どもの最後の集計には全然影響がないものであります。私自身非常に興味を持って見ておる次第で、これは楽しんで見ておる、しかし何の影響も受けるべきものではないということで、非常にのんびりした気持で臨んでおるわけでございます。
○大出委員 どうもあまりのんびりもしていないですね。あなたはさっき一番最後に、選挙の予想をお書きになるのが幾らもあってたいへん御迷惑をこうむる人もいるでしょうとおっしゃったが、これは実は迷惑をこうむるのは一般の公務員の諸君です。こう書かれたことによっていろいろな心配をする、しかもこれは単なる予想ではなしに、最終的には人事院が権限を持っておるのです。だから、どこがどう言おうと、というのじゃなしに、人事院の権限に触れる可能性のありそうなことをほかのほうがものを言うということについては、それに左右されないとかされるというよりも、制度的にそういうことがあってはならないわけですよ、筋からして。人事院が結論を出さないのに、ふところ勘定はこれしかないんですよというようなことで、ここからここまで幅がある、この辺ぐらいのところではと、もし言ったのがあるとすると、それは事件です、たいへんなことですよ。そういう意味で、そう総裁に無関心でいられちゃ、落ちつき払っていられちゃちょっと困るのだ。そういう意味で承っている。人事院が集計をして結果を求める前に、いろいろそこらに数字が出ていったりなにかすることがあっては困る。それは総裁の立場で、どこかではっきり言ってくれなければ、法律的に権限は人事院にあるのですから、私はまことに迷惑だと思う。だから私はあなたに聞いているのです。私は関係ないなんてのんきなことを言ってちゃだめですよ。関係がある。
○佐藤(達)政府委員 どうもおっしゃる御趣旨がよくわかりませんが、いまちらっとお金のことをおっしゃいましたが、お金のことには私どもは全然こだわりはないので、どうせことしは自然増収もたっぷりあるでしょうから、これはやむを得なければ補正をうんと組んでいただけば済むのですから。お金のことを気にしておったら正しい勧告はできない、これはたびたび申し上げておるわけです。それ以外に何を気にする必要があるわけでもない。たとえば、選挙管理委員会が最終的に集計をなさる前にいろいろな予測が出て、それを選挙管理委員会がどうしたといって追及なさっても、これは私どもが責任を負って集計をするので、その結果によって見ていただきたいと申し上げるだろうと思います。私どもの立場もその点についてはまさにそのとおりであると申し上げざるを得ないと思います。
○大出委員 大蔵省にちょっと承りたい。これはかつて大蔵省に一ぺん聞いておりますが、確認の意味でもう一ぺん承りたいのですが、給与に関する予算というのは、四十四年度の予算の中でどういうふうになっていますか。
○相原説明員 昭和四十四年度の給与改定費につきましては、本年七月より五%改定ということで四百四十三億計上してございます。
○大出委員 四百四十三億とおっしゃいましたが、四百四十三億一千百万円ですな。これは一般会計に組んであるという意味ですか。
○相原説明員 一般会計に組んでございます。
○大出委員 これは予備費との関連はどういうことになりますか。
○相原説明員 予備費との関連はございません。
○大出委員 昨年は、例の七百億ぐらいの予備費に給与改定分と称して合計千二百億、こういう予備費の組み方をしたのですが、さてそれが五百億であるかないかについては、一生懸命垣根がないのだ垣根がないのだという話だった。一番最後になったら、幸か不幸か、本年は幸のほうでしょう、なぜならば災害が少のうございましたからというお話になった。これは明確に関係があった。関係がございませんとおっしゃるが、そうなると官房長官保利さんを一ぺんここへ呼ばなければならぬのだけれども、全く関係ありませんか。
○相原説明員 関係ございません。
○大出委員 この前ここで総定員法とからみまして、私、総務長官、保利官房長官等々に質問をしたときに、この給与費は一般的に予算に組まれている、そのときに予備費のほうもいささか、九百億ということだからと言ったら、どのくらいの範囲になるかがわからないという答えをして、完全実施とからんで、一点の曇りもなく完全実施をいたしますということは申し上げかねるというところで、予算というものはいろいろと操作のしかたがある、だから、あるものを出さないとは言わないという意味のことを言っている。したがって、関係ございませんということになるとすると、そこらあたりいささかふに落ちないので聞いておきますが、総合予算主義というたてまえはくずれそうですが、くずれそうにないですか、どっちですか。
○相原説明員 総合予算主義の原則は堅持いたしたいと思っております。
○大出委員 これ以上言いませんが、いたしたいということと堅持できないということとは違うのです。あなたいまいたしたいと言ったけれども、あなたに聞いても政策の問題ですからしかたがないけれども、総合予算主義というものは今日この段階でくずれている。昨年もそうです。米の計算その他で福田大蔵大臣だいぶ苦しいことを言ったわけですから。だから、いま総裁の言うように、補正をやることになればいいんだから、自然増収はたっぷりありますから、こう言っているわけですが、補正をするとなればたてまえはくずれる。そこで先ほど話が出ましたこの九・五%の新聞記事、ここで七月実施、一般会計負担分七百八十一億、こう書いてあるのですが、かりに九・五%としたらこの数字になりますか。
○相原説明員 手元に九・五%の数字はございませんけれども、これは割り算すれば出てくる数字でございますが、かりに九%とすると七百九十七億になります。一〇%といたしますと八百八十六億、したがって、このまん中をとりますと手元の概算では八百四十一億という数字になろうかと思います。
○大出委員 九%、九・五%、一〇%、三つ数字を言われたわけですが、もう一ぺん言ってください。
○相原説明員 七月実施、九%が七百九十七億、それから九・五%が八百四十一、一〇%八百八十六億でございます。
○大出委員 そうすると逆算をして、四百四十三億一千百万円を十二カ月かける五%で割る。わかりますか。予算に計上されている給与費は四百四十三億一千百万円、こう先ほどはっきりしたわけですね。だからこれを、五%アップを想定してあるわけですから十二カ月かける五%、これで割る。そうすると、七億三千八百五十二万円、こういう数字が出てくる。つまり、これはどういうことになるかというと月額単価でしょう。というのは、これをまた先ほどのお話のこの単価で計算をして九%、一〇%というものを計算すると、ここにある数字でいきますと、九%でいまお話しの七百九十七億、端数が六千万、それから一〇%で計算すると八百八十六億、ここまではあなたの計算と合っている。端数が二千二百万、こういう数字になる。だから、これはおおむね間違いないことになる。そこでいまの九・五%の数字は間違いございませんか。あとでもう一ぺんはじいておいてください。こっちの数字と関係があるのです。 そこで、佐藤人事院総裁に承りたいのですけれでも、総裁、昨年は「サクネンナミ」という数字が出たんですね。つまり、三千九百七十三円という数字ですね。八%で実際には〇・一が特別昇給等もからんでおりましたが、これはいわゆる「サクネンナミ」から見ると、ことしは昨年並みということはないと思うのでありまして、民間の趨勢その他から見てことしは相当大幅に民間給与は上昇している。したがって、結果の確認という形の調査をいまされておりますけれども、まず相当大幅な公務員の賃金の引き上げの必要が出てくる、こういう程度のところは現段階で予測はつきますか。
○佐藤(達)政府委員 毎年御同様の形の御質疑を受けまして正確なお答えを避けつつまいっておるわけでありますけれども、先ほど来申しましたような考え方からいたしますと、私どもとしては完全に回答待ちであるということに尽きるわけであります。ただ、お金の問題ですから、先ほど触れましたように、一望雄大な御審議をしていただかなければ困るだろうという気持ちを持っておるわけであります。
○大出委員 ちょっといま最後のところを聞き漏らしたのですが、最後のところが大事なんですが、もう一ぺん言ってください。
○佐藤(達)政府委員 いずれにいたしましてもお金のほうで足りないということになっては困りますので、勧告いたしました節は完全にこれが実施できますように、先ほど申しましたようにあらゆることを講じていただきたい、こういうことであります。
○大出委員 そうすると総裁は、お金のほうから見るといま大蔵省で言っておる数字はとてもじゃないが足りそうもない、だから勧告をした場合にはお金のほうは十分その措置をしてもらいたい、あらかじめそう言っておきたい、こういうわけですか。
○佐藤(達)政府委員 七月から五%ということですから、とにかくこれは心細いというのは私ばかりじゃないと思います。
○大出委員 この労働省調査では先ほどお話がありましたように一五・八、そうでしたね。それから公労協の最終の数字でいきますと一三・八五、こういう数字が出ておるわけであります。そこで、日経連もいろいろなことを当時言っておりまして、使用者側もいろいろな数字を出しておりましたし、いまのように労働省あるいは公労協関係のほうも、公労協でそれなりの調査をやりまして数字を出しておる、こういうわけでありまして、したがって私どもの考え方からすると、ことしはどうしても一五・八という労働省の数字、これは公務員の場合四かける四分の三という定期昇給がありますから三%くらい違ってまいりますが、それにしても一二・何%かの勧告が出てこなければおかしいのです。ところがどうも九・五なんてのが出てくるとそこらあたり非常に私もひっかかる。だから執拗にものを言っておるのですけれども、給与局長、いま私が言った理屈、これだけ世の中の相場というものが表に出てきておるから、人事院の調査の結果がこういった数字とたいへんかけ離れるということは非常に私はおかしなことだと思う。あなたは先ほど各方面の数字についてはみずからお答えになったわけでありますから、一般的に見てこういった数字とそんなにかけ離れる結果が出るはずがない。もし出るのだとすればこれはどうしても調査のしかたという問題になってくる、こう思うわけでありますが、これはまだ総裁何も言ってないようでありますから給与局長に承りたいのだけれども、そこのところそう私はかけ離れた質問をしておるつもりはないのですけれども、平年一般に出てくる数字とそんなにかけ離れた結果ではない、人事院の調査というものは。その点どう考えておるか。
○尾崎政府委員 本年におきましても民間給与の上昇傾向が昨年よりも一般的に高いという感じはいろいろな調査で先ほど申し上げたとおりでございます。私どもの民間給与調査は、非常に精密に迅速にこれをとらえるという形でやっておりますので、このことしの内容につきましては、やはり民間の動向が反映されるというふうに考えております。
○大出委員 したがって、調査のしかたというのが多少違いますけれども、全く調査なしに出しているはずはないのですから、そんなにかけ離れることはない。民間の上昇が反映される、こういうことだと思うのですよ。そこで念のために申し上げておきますが、公労協の賃専の調査によりますと、これは資料はおそらくおたくのほうに行っていると思いますけれども、五百二十九企業、二百三十万人をとっているのですね。四月三十日現在で調べてみて一六・七%という数字が出ている。労働省のほうが一五・八という数字が出ている。ということになりますと、民間の賃金上昇の趨勢が反映をされる、そういった調査結果になるのだという予測の上に立つとすると、どこからどう考えても、先ほど私が申し上げたように、ここから定期昇給を差し引いた分、四かける四分三を引いた分、このくらいの見当にならざるを得ない。これがつまり民間の上昇の反映だということになる。ここまで詰めるとあなたはなかなかそうだとは言えないと思いますけれども、私はあえて詰めてみたいのです。どうも人事院が一二・何%かを下回るような勧告をされたのでは迷惑なわけですね。そこらはどう思いますか。
○尾崎政府委員 私どもの調査は、非常に正確に迅速に精密にとらえるということで現在やっておるわけでございますけれども、その限りにおきまして民間の動向が反映されるというふうに考えておりますが、いわば民間の給与、それから公務員の給与との格差の問題になりますと、公務員の給与がどうなっているかという実態調査も別にやっておりますので、両方の要因によりまして格差というのが算定されるということになるわけでございます。その関係につきましては、今後調査結果を待って精密に計算をするということが今後の課題でございます。
○大出委員 まだ少し時間が、時期的に早いですから、あまりこまかく総裁に例年のような詰め方をする考えは正直言ってないのです。私のほうもいささか資料不足の面もある。そこで最後に申し上げておきたいのですが、これはやはり十三日に、公労協の仲裁裁定の最終段階ですね、ここで労働者側の委員があげて数字を出しているわけでありますが、労働者側が出したのは七千九百六十八円、これは十三日段階です。使用者側が出しているのが六千七十円。これはどっちにしても数字は二けたですよ。そこで、やはりことしの民間賃金というものの趨勢は、どこでも認めているように、相当これは例年になく大幅に上がったという感じです。それで実例をあげて一つ申し上げておきますと、この一階におりていきますと、衆議院職員組合の掲示板がある。帰りにあそこの前をお通りになったらちょっと見てください。なかなか衆議院の職員組合の皆さんは熱心で、いつも私、立ちどまっては見るのだけれども、たまたまきょうは賃金の質問をしようと思って何が書いてあるかと寄ってみたら、こう書いてある。まず石川島播磨重工七千三百円、横河橋梁九千円、日本テレビ九千五百五十五円、帝国ホテル一万四百六十一円プラスアルファ、こう書いてある。その下に何が書いてあるかと思ったら、国鉄七千百二十九円、一三・五%、電電六千五十二円、一四・三%、林野六千五百五十七円、一三・九%、こう書いてある。 〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕 そうして七千円から八千円の間で賃金が上昇したところ七百八十六企業、八千円から九千円という幅で上昇したところが一青九十六企業、九千円から一万円というところの企業数が八十三、一万円以上というところが百十二、こうなっているわけですね。そうして全国平均六千八百円、パーセンテージにして一六%。これがあそこにぴたっと書いてある。衆議院に入ってこられる事務局の方々はそれをみなながめてこっちに入ってくるわけですね。いいところに掲示板があります。ことしは一六%上がっちゃっている。とすると、国会で論議しておりますから、国会の職員の皆さん、衛視の皆さんも含めて、関心がありますから、これはちょっといただきになるかもしれぬと思っている。 そこで、総裁のようにいまだから言えぬということになるのだけれども、どうもみんなが考えているその空気にそぐわないとんでもないものが出てくると、これは人事院というのはひどいということになりかねぬ。まして団交権、ストライキ権がないのですからね、法律的に、皆さんには。ですから、人事院の動向を注視しているわけです。私は、そういう一般的なすなおに上がっている——うそを書いているのではない。すなおな調査結果としてこれは上がっちゃった結果なんですから、上がっちゃった結果として書かれている。職員組合の幹部の皆さんが書いているのをすなおに見ておる。これは一国会の衆議院の職員組合の皆さんに限らず、至るところに今日公務員の皆さんの職場にはあるわけですよ。だから、その気持ちをやはり裏切らぬでいただきたい。それは数字だからとおっしゃるかもしれぬが、民間の上昇というものを反映しているはずなんだとおっしゃっているのだから、ここのところを総裁、みんな真剣なんだから、ことしは物価も上がっているわけですから、この掲示板をちらっと見て忙しいから行かれるけれども、腹の中にはみんな女房、子供のことを考えて一つの腹案が自分であるのですから、そこのところを——片一方、先ほど日本経済新聞の数字を例にあげましたが、どうしても大蔵省が出したものだととれる。これはあとからあなたのところへ調べに行きますけれども、しかしこういうものにとらわれない、予算にはとらわれぬでやりたいとおっしゃっているのだからいいのだけれども、そういう皆さんの気持ち、空気というものを正確につかんでおいていただきたい、その上でやはり最善を尽くしていただきたい、こう思うのですが、ここのところ、いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 いまお述べになりましたような周囲の空気というものは私どもも十分わかっております。私どもはその空気はわかっておるつもりでありますけれども、結局勝負は一月半ばかり先になるわけであります。これは厳正公平に、数字の示すところに従って公正な勧告をいたしたい。そうしてこれをぜひ完全実施していただかなければ困るということでやっております。
○大出委員 そこで総務長官に承りたいのですが、完全実施なんですが、これはよもや不完全実施だというようなことはおっしゃらぬと思うけれども、いかがですか。
○床次国務大臣 政府といたしましてのたてまえ論でございますが、基本方針といたしましては、人事院勧告を完全実施する、これに対して万全の努力をするたてまえを持っておりまして、終始その努力をいたしたいと思っております。
○大出委員 これは例年いろいろやりとりがありまして、だんだん完全実施に向かって詰まってきていることはお認めになると思うのです。かつて私、保利官房長官にお出かけいただいて、総務長官にも御出席いただいて、総定員法にからんで質問を申し上げたときに、総務長官の御答弁がどうも少し田中さんの時代から見るとあとへ下がったような言い方をされた。私は当時、たしか昨年十一月十三日だったと思いますけれども、七人委員会が終わって田中総務長官がここにおいでになって、どういうふうになったか経過をまずお知らせいただきたいと私が質問いたしましたら、七人委員会を開いて実は相当突っ込んだやりとりをしたのです。そうして完全実施をどうしてもやりたい。そこでどういうふうにやったらできるかという実は技術的な論争に入ろうということになった。ところが、完全実施するということを申し合わせなければいかなる手段、方法について論議をしても意味がない。だから、まず完全実施するということを満場一致で申し合わせを願えないかというふうに切り出したら、みんなそれはそうだ、そこのところを明確にしておかぬと制度論に入れないということで、七人委員会は来年は完全実施をするということをまず申し合わせました。そうして、さてどうやったらそれができるかという論議に入って、その過程で予備勧告という制度等について論議が行なわれて、人事院が賛成をしなかったが、しかし完全実施をするということを申し合わせるんだ、あるいは申し合わせたんだから、だとすれば人事院が、いろいろ問題あろうけれども、完全実施をするための方法として予備勧告ということが出てきている限りは乗ってくれてもいいではないかということを人事院に言ったんだということをここで報告をされた。そこで私は、当時総裁に、ということになるとすると、人事院は一体予備勧告制度に乗るのかどうかと言ったら、予備勧告というものがいかなるものかという意味では問題がいろいろある、あるけれども、問題は完全実施をすることでなければならぬと思うから、私のところは予備勧告制度に乗るという腹をきめました、こういうお答がここであった。そこまで国会の担当委員会の場所で煮詰まっているわけですよ。私はやはりそれをこわしていただきたくない。せっかくたくさんの方々の、歴代の総務長官の御努力なり、あるいは歴代の給与関係閣僚の皆さんの御努力なり、またはここで与野党含めての議論なりということでそこまで煮詰まっているんですから、そこのところはぴしゃっと床次総務長官にとらえておいていただいて——さっき衆議院の職員組合の皆さんの例をあげましたが、みんながそう思っているのですから、その線に向かって、ひとつ昨年のそういう完全実施の申し合わせというところを踏まえて結着をそこでつけていただく。という意味は、うしろを振り返ったら予算がということになるわけですから、そういう意味で実は申し上げているんです。過去の経過を少し申し上げましたが、再度そこのところについて総務長官の確たる御答弁をいただきたいのです。
○床次国務大臣 政府といたしましては、先ほどもおっしゃいましたように、人事院勧告を完全実施をするということに対して最善の努力をするということ、これが基本的な方針だと思います。なお、私自身といたしましても、給与関係閣僚会議も継続をいたしまして、そうして完全実施を期するという方針に沿うために、予算の編成等にあたりましても編成の方法を従来と変えて、給与費に五%、なお予備費に若干を計上するというような新しい予算の計上方法を講じた次第であります。気持ちにおきましては、完全実施に対して最善の努力をするという基本方針は依然として変わっておりません。
○大出委員 これは大蔵省を責めるわけじゃありませんが、課長、私がさっき、一般会計分ということで各給与費に五%アップ七月より、こうなっている、それだけじゃないんじゃないか、予備費に何がしか考えておられるんじゃないか、九百億という予備費の数字は、こう言ったら、全く関係ないという。そこで、私がかつて官房長官保利さんと総務長官とに御出席いただいた席上でこの点を尋ねたら、予算の組み方としては予備費というほうにも若干の配慮をしてある、使い方の問題だ、だからそういうワクでできる限りの努力をする、その上で完全実施を絶対に約束せよといわれれば、一点の曇りもなしに完全実施をいたしますとは言い切れないんですというのが官房長官の答弁なんです。あなたは、何べんも念を押したけれども、予備費とは全く関係ないとおっしゃる。しかしいま総務長官自身が、給与費が五%アップしているように予備費のほうにも若干考慮してあるとちゃんとおっしゃっている。大蔵省、そこのところはいつもそれじゃ困るんじゃないか。これは確かに、大黒さまじゃないけれども袋の口を握っているんだから慎重でなければならないことはわかるけれども、答弁し直してください。担当総務長官がそうおっしゃっているのですから、あなたがさつきのようでは困るじゃないですか。
○相原説明員 私がさっき給与改善費四百四十三億と予備費との関係がないと申し上げましたのは、数字的に関係がないということで申し上げたのでございまして、もしかりに人事院勧告がありまして五%をこえるという数字が出た場合には、予備費の範囲内で諸施策との均衡を考慮して十分努力するということは当然のことでございます。
○大出委員 さっきからそう答えればいいんですよ。数字的には関係ないが、政治的には関係があるということだから、相原さん立場上答弁をしなかったというふうに善意に受け取ります。総務長官がいまおっしゃったとおりだということになるのですから、政治的には予備費の配慮をしてある、こういうわけです。人事院総裁はそれでもなおかつ足らない勧告が出る、ことしは増収たっぷりあるだろう、だから補正予算を組んでくれればいいだろう、尾崎給与局長は、民間賃金は労働省の調べで一五・八%上がっている、公労協が調べてみたら一六%以上上がっている、しかも公労協の仲裁裁定の最終は一三・八五という数字が出ている、どこからながめても一二、三%の数字になるはずだと言ったら、民間賃金の反映ということになるでしょうということをおっしゃっているわけですから、そうなると大体話の落ちは、下に、衆議院の職員組合の皆さんの掲示板にちゃんと書いてある。皆さんこれをながめて、ことしは民間がえらい上がった相場をつくってくれて、これでかたくななる政府、大蔵省、特に大蔵省も、総合予算総合予算と言わぬで、すでに破れているのだからあきらめたろう、だからことしは完全実施もできるだろうと思っておられるわけですから、結論は出た。総務長官、大体の空気はそうなんですからね。ひとついまお話がありましたように、この給与費に組んである、予備費に若干の配慮がある。総裁はそれでも足らない幅が出たら——また出そうなんですね。ことしは増収もたっぷりあるでしょうから補正で組んでくれればいいんです、こう言っているのですから、その御決意はありますか、総務長官。
○床次国務大臣 その点は先ほど人事院総裁もお答えいたしましたように、まだ時間がございます。私ども人事院から勧告を受けました際におきまして最善の努力をいたしたいと思っております。
○大出委員 御決意がありますかと聞いたら、まだ時間がありますから勧告を受けた段階で最善の努力と、こうおっしゃるのですから、御決意がありますかと言ったら最善の努力をするとおっしゃるのですから、そうなると、足らなければ足りるように最善の努力をする、こういうことになるわけですね。それはいいでしょう。
○床次国務大臣 これは勧告を受けました時点におきまして最善の努力をいたしたいと思います。
○大出委員 最善の努力をしてくださるということですから、総裁ひとつ御安心をいただいて、衆議院の職員組合の皆さんから始まって、全国至るところの公務員の職場で首を長くして、下の掲示板に書いてあるように、全国平均六千八百円、何べんも言いますが、一六%という数字があるのですから、おれたちの昇給というのはその四分の三だろう、それで差し引きは大体一三%くらいなのだろうとみな思っておるわけです。したがって金のほうは自然増収がどんどんある、総務長官は勧告が出た時点で最善の努力をする、こうおっしゃるわけですから、ひとつ安心をしてことしは、先ほどの日本経済新聞の九・五%などというのは全く別だ、こういうのは関係ないと堂々としておられるわけですから、その信念をひとつ貫いていただいて、ことしはあわせて完全実施ということで格段の御努力をいただくということにしていただきたいと思いますが、総裁いかがです。
○佐藤(達)政府委員 先ほど来申し上げたとおりの気持ちで臨んでおるわけであります。完全実施はまたこれは第二の問題になると思いますけれども、これをやっていただきませんと、せっかくパーセンテージが民間と合いましても、実施期日でずらされればこれはまた落ちることになりますでしょうから、その点も十分御考慮の上御努力をお願いしたい。
○大出委員 たいへんいまありがたい御答弁で、せっかく民間賃金と合いましてもと、こういうお話なので、民間賃金と合うということになりますと、私がさっきから申し上げていることになるので、せっかくそこまで持っていけても、——どうやら総裁は持っていこうという努力をされるおつもりのようだから、さてそこでずらされたのじゃ、民間賃金とせっかく合うようになりましてもあとから削られることになる、こう総裁はおっしゃっているわけです。歴代総務長官御努力をいただいておりますけれども、ことしはそういう事情ですから、先ほど御努力をいただくということになりましたが、ひとつ格段の御努力をいただきたい、このことを申し添えておきます。 そこで、山上さんお見えいただいてたいへん恐縮なんですけれども、山上さん自身は米軍から給料をもらっているわけじゃないのですから、やはり公務員のベースアップには関係ございますので、たいへん恐縮ですがもうちょっとお待ちをいただきたい。もう少し人事院のほうに御質問申し上げてから関係の御質問をいたします。 そこで、諸手当関係その他いろいろあるわけでありますが、時間の関係でできるだけ簡単に承ってまいりますのでお答えをいただきたいのであります。 初任給でございますが、これはNHKあたりは三万四千六百円なんというとんでもない高い——高いといって、こうなければならぬのですけれども、出ておりますけれども、いま人事院のほうでおわかりになっている、制度的に見てこの新高卒の各種初任給、これは現状どういうことになっておりますか。——もう一ぺん言いましょう。初任給の、新高卒というところをとって、現状はどうなっておりますか。
○尾崎政府委員 初任給につきましては、民間の給与調査におきまして特別に民間の初任給を調査いたしております。民間の初任給は公務員との競争関係としては重要な資料でございますので、十分留意をしまして調査をし、これに合わせるということをやっておるわけでございます。
○大出委員 そこで民間の大手の初任給というのは、新高卒でどのくらいになっているとお考えですか。
○尾崎政府委員 現在たとえば東商の調査等、若干の民間団体の調査がございますけれども、私どもとしましては、やはり先ほど申し上げましたような大規模な民間企業調査をやっておりますので、その内容によって把握をいたしたいというふうに考えております。
○大出委員 人事院なりの調査をやって、その結果によって把握をしたい、こういうのですね。 これはいろいろな調査がありますけれども、民間のやつ、私の手元にある資料、二つばかりありますが、大体間違いないだろうと思うほうで申し上げると、四十四年度の銘柄企業の確定初任給、もちろん新高卒でありますけれども、上場会社、非上場会社に分けまして、上場会社が百二十三、それから非上場九十五、これでいきまして、男子が二万六千七百二十九円、確定数字であります。女子が二万五千八百八十八円、こういうわけであります。したがって、単純平均いたしまして二万六千三百八円。これはすでにもう上がっちゃっているのですからね。人事院は調査諸票のほうでいろいろやっておられるのですからおそくなっているのだと思いますけれども、これはそう違った数字は出ないでしょう、人事院がお調べになっても。そうすると、民間の二万六千三百八円に比べて、どうもいささか公務員は低過ぎる、どうしてもそう考えざるを得ないのであります。 さらに、時間の倹約上私は申し上げますけれども、私の出身母体の郵政省なんというのは、公労協の中で二万三千円台の初任給になっている。国鉄においては二万二千七百円、それから電電公社関係が二万二千円ということになっている。これに比べてやはり国家公務員の皆さんはたいへんに低いといわざるを得ぬわけであります。そのことが、総裁よくおっしゃる公務員試験合格者のうちで逃げる部面等々から考えてみて、これは捨て置けぬ問題だと私は思うのですね。だからやはりそこらのところはどうしても逃げないようにしていただきたいんですよ、初任給の面で。そこのところは総裁どうですか。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃるとおり、ここ数年来初任給の問題には頭を痛めておるわけでございます。いま、たまたま公務員試験のお話が出ましたから便乗するわけではありませんけれども、まだことしの初級の応募状況はわかりませんけれども、四十二年、去年において、すでに前年に比べて一七・五%という大幅の減少を来たしております。上級職のほうは大体六%程度、前年比で減少になっておりましたところが、ことしは驚くなかれ応募者が上級職についても一二・四%というたいへんな低落なんです。それで私ども血みどろになっていわゆる求人開拓をやっておるわけでありますが、これじゃとてもだめだ、これはこのままほうっておいたのでは公務員は民間のより残しの人ばかりになってしまって日本の国が滅びるのじゃないか、非常にオーバーでありますけれども、これはなぜそういうことを申し上げるかといいますと、近ごろガイドポスト的な考え方があって、公務員の給与を低賃金政策の先兵に持っていこうという非常におそろしい説がちらちら見えますので、もしもそういうことになったらたいへんなことだという気持ちを持っておりますので、それにかこつけて申し上げたわけでありますけれども、いずれにいたしましても、初任給の問題は、優秀な人材を公務員に導入するということだけから申しましても、われわれとしては非常に頭の痛い問題であるわけであります。したがいまして、いまお話しのようにできればもう一流中の一流の、一番トップクラスの者の初任給に負けないようなものを差し上げないともうこの競争には勝てないのだという気持ちさえ思い詰めればいたしますけれども、そこにはまたわれわれが従来堅持しておりました大義名分がございますので、そうもいかないというわけで、やはり先ほど給与局長の申し上げましたように、われわれの調べました民間調査の結果に即応しつつ、その辺を勘案して従来やっておるわけであります。 先ほど御指摘がございましたように、従来は標準生計費を高校卒の初任給のささえにしておったわけですけれども、もうそのささえどころか上まで行っちゃってるわけで、標準生計費は調べる必要はないという貴重な御示唆までいただいて非常に安心したのでありますけれども、そのくらいに努力はしておりますけれども、さて今度は驚くほどにぴたっと初任給を上げてみましても、今度は中だるみだ、やれあるいはハンモック型だという中堅クラスどころの給与をどうするか、またそのほうの御批判がはっきりしてから、給与体系としてそれを見ました場合には、中も上げなければならぬ、最初の入り口も上げなければならぬという——これは民間でも同じ苦労をしていらっしゃると思いますけれども、われわれとしてはそういう点もやはり勘案しなければならないという立場にございますものですから、そればかりに気をとられるわけにもいかずということで非常に苦慮はしながら、いま申しましたような事情に少しでも即応してまいりたい、そういう気持ちで臨んでおるわけでございます。
○大出委員 よくわかりますが、標準生計費なる点は、昨年私は確かにそんなものなくしてしまえと申しました。なぜこれはそう言ったかというと、初任給が社会の現象に応じてどんどん上がらざるを得なくなってきているんですね、人手不足という、こういうところからまいりまして。これは従属人口負担係数という数字がありまして、ゼロ歳から十四歳、十五歳から五十九歳、六十歳以上というふうに分かれておりまして、日本の人口動態というものはゼロ歳から十四歳までがだんだん減っている、六十歳以上はだんだんふえている。こうなってまいりますと、日本の六十歳というところをとった場合に、高齢者人口というものががさっとふえてしまう、それが今日の社会情勢ならば従属人口の形でまん中の稼動人口にかかっていくということになる。そこまできている。そうなるとますますもって初任給というものは変わらざるを得ない。つまり同一賃金同一労働の原則に見合った形で、年功序列という形のものがどんどん変わっていくということにならざるを得ないわけですね。そうなったら、初任給の上昇幅に旧来の人事院の公式の標準生計費システムが何かの操作をしなければ追いつけようがないということになる。そこで私はそういう操作までして無理して追いつくのならやめたほうがいいのじゃないかと言ったのです。ただ、しかし、皆さんの気持ちが、とにかく官庁に入って十七年勤めた、六等級から五等級にいく、年齢からいって三十四歳さらに三十五歳という段階まできますと、大体十七年くらいかかるでしょうけれども、そうなると六万円以下じゃ実際は食えないですね、家庭の生計費実態調査をやってみると。子供さんもできますからね。そうなると、どうしてもある意味ではささえが必要なんですね。だから、標準生計費というものを一つの基礎にして、そういうことのささえに使おうというお考えがあるなら、これは大いに私は使っていただきたい。ところが、こっちのほうには関係ないんだ、到達年数なんていって、いろいろ騒ぐ人があるけれども、それはまた初任給決定の一つの要素に使っているのだということだけなら、せっかくの標準生計費という一つの考え方は意味をなさなくなる、だからやめちゃったらどうだと私は言った。しかし、それに反発をされる皆さんが、ことしはどうやら少してっぺんのほうまで考えて一つのささえに使っていこうというならば、これは旧来からそう考えていただけばいいのであって、一つも悪くはない。そこまでお進みになったというのは評価すべきだと私は思っている。そういうふうに体系変更をせざるを得ない社会情勢が出てきているわけですからね。だからできるだけひとついまの点は、昨年のやつは取り消しますから、ぜひそういうふうに御努力していただきたいと思います。 それから、民間の売れ残りばかりが官庁に入ってくる、こういういまのお話。売れ残りばかりが上級職へ入ってきたら、その売れ残りがやがて局長さんになったり次官になっちゃったんではこれはえらいことで、それが民間に向かっていばっておったんじゃ話にならぬ。売れ残りのほうが局長だ次官じゃ……。これは初任給というものはそういう意味では思い切ってひとつ民間にさや寄せしていただかなければ困ると私は思う。 私はここに、一つの新聞記事でございますから、私は信用しているのですけれども、なかなか政府の皆さんは新聞の記事を信用なさらぬ、悪い傾向なんですが、ここに書いてあるのを読みますと、「新規採用者のうち採用辞退の形で民間企業に入社する新規学卒者が上級試験合格者のうちでも四九%に達しているので、」と、こう書いてある新聞の記事がある。こういうことになると、受かった人でみんな逃げてしまうということになると、まず試験を受けるという話をいまされましたが、受けない、減ってくるという。しかも、今度は受かったほうが民間企業にみんな逃げていっちゃうということになると、売れ残りが受けにきて、またその売れ残りのいいのがみんな民間に行っちゃうということになると、売れ残りの売れ残りが官庁に入ってくるということになる。こうなるとこれは事重大です。ですからこういう事実があるかどうかという点と、ひとつ民間のいまの初任給動態というものをあわせて考えて、ことしは少しそこのところは力を入れる、こうしていただきたいのですが、そこの御答弁をいただきたい。
○佐藤(達)政府委員 何か私は最近入ってきた人がみんな売れ残りだと申し上げたというふうにとられたといたしますと、これはたいへん意外なことでありまして、いままでのようなのんびりした気持ちでおると、将来売れ残りの人しか来なくなりますよということを申し上げたのでありまして、いまおられる若い方々はみんなごりっぱな方方がそろっていらっしゃるということで申し上げておるわけであります。 そこでいまのお話で実は刺激されたわけなんで、先ほどは応募者の数がことし上級で一二%、おそらく初級になりましても一七、八%減ったということになるのじゃないかと思いますが、そのくらい応募者で激減しておる。 そこで、第二段階として、実は今度は試験当日に何人お客さんが来るかということは、われわれはまた心配の種です。応募された方は全部いらしていただくという保証はないわけです。ことしの場合は、この間行ないました上級職の試験は、幸いにして五%減か六%減くらいだったと思います。 それから第三段階に、いまめでたく合格された人で、役所のほうから呼びかけをいたしますと、辞退いたします、もうほかへきまりましたという方々が、これは毎年相当の出入りがございますから、ここで数字は覚えておりませんけれども、それは相当にありますということを申し上げておきたいと思います。
○大出委員 そうすると総裁、初任給についてはことしも大いに力を入れるという理解でよろしゅうございますか。
○佐藤(達)政府委員 初任給につきましては重大なる関心を持ち、先ほどの体系上も考慮しながら重大な関心をもって臨みたいというふうに考えております。
○大出委員 体系上も考慮しながらというところがひっかかりますが、重大な関心をもって臨むという点をひとついただいておきます。 それからついでですから申し上げるのですけれども、厚生省の人口動態というのがありますね。これによりますと、二十六歳で世帯を持つ、つまり奥さんをもらう。そして二十九歳で三人家族、つまり子供さんが一人、そして三十四歳で子供さんが二人、四人家族、こうなるのですね。で、三十五というところで、大体十八歳で入ったとして新高卒でいって十七年くらいかかるということになる。そうするとここに、資料はそちらでもお持ちだと思いますから申し上げませんが、この辺のところで大体六万円くらいないと生活はやっていけない、赤字家計になってきているわけであります。だから、ここらの点は何らかの方法でささえていくべきだというふうに思うのです、実態がそうなんですから。この辺のところは給与局長どういうふうにお考えになりますか。
○尾崎政府委員 標準生計費につきましては、現在算定しておりますのにつきまして俸給表との関係につきましては種々の角度からチェックをやっておるわけでございますけれども、ただいま申されました二人あるいは三人あるいは四人、そういう関係につきましても今後そういう角度からもう一度見直すということをしてまいりたいというように考えます。
○大出委員 これ、もう一度見直す。なるほど。 そこで、いま申し上げた年齢層のところで高卒でようやく五等級になったということになりますと、大体五万一千二百円ぐらいです。これに扶養手当がいま言った人数でいきまして二千円くらいある。そうしてこれに読みかえ加算が幾らかつくということになっておるのですが、それにしてもここで、さっき申し上げた赤字家計というものと比べるとたいへん問題がある。したがって、そこらを十分ひとつ、まだ時間がありますから御検討いただいて——私は前に、郵政省なら郵政省、郵便局なら郵便局の職場に入って大体八年ぐらいから一つの苦しさが出てきて、そして大体十六、七年くらいたつと、まあ家族の構成が変わってまいりますので、非常に苦しくなるという実例を申し上げたことがありますけれども、最近のこの調査の中で私はかつて言ったようなことがきわめて顕著に出てきているのですね。だから、この辺はひとつ十分御配慮をいただきたい。この点申し添えておきます。 それから、級別定数との関係があるのですけれども、いま七と八は一緒に使っているのだと思いますけれども、この六等級を取っ払えというのはちょっと言い方が悪いと思うのですけれども、この辺もう少し何とかならぬですか。最近何しろ四等級の係長さんができるという世の中ですからね。最近そこらは少し御研究になっておられないですか。
○尾崎政府委員 現在の八等級制度につきましては、昭和三十二年につくられましてからもうかなりの時期を経ているわけでございまして、その間における運用の過程といたしまして標準職務表の改正とか種々適用するための措置を講じてきておるわけでございます。そういう意味合いで、現在なお民間の職務段階の状況とかそういう関係をいままでも調査をしてまいっておりますけれども、今後もさらにそれを強化をいたしまして反省をしてみるということをしてまいりたいというふうに考えております。
○大出委員 けっこうですが、この七の四が六の初号ということになる。見合うわけですけれども、三十二年のその改正の前に、実は公労協関係のほうでも新しい体系を、当時郵政省の土生給与課長などのおられるころに郵政で一ぺんつくったことがあるのですが、これは人事院の皆さん、当時相当の意見もありました。だからあのときのいきさつからすると、私もあのときタッチしておりましたからよく知っておりますが、ずいぶんたちます。だからどうしても今日的事情にそぐわない点がたくさん出てきている。級別定数そのものも三課でおやりになるのでしょうけれども、大蔵省が、と言えば皆さんおおこりになるのだが、どうも第三者的に見ると心配なわけです。だから、そこらをもう一ぺん合理的にどうあればいいかという点を考えておいていただく必要がある、こう思っているわけです。時間がありませんから、つけ加えておくにとどめます。 それから住宅手当でありますけれども、住宅手当は、まずどういうふうに住宅手当というものを規定をしたいとお考えですか。たとえば公務員住宅が、大都市の場合はたとえば何十%ある。そうすると公務員住宅に入れない人がいる。そうなると、それは非公務員住宅手当とでもいうものを考えるのか。会社の場合に社宅がある。六大都市の場合たくさんある。ところが社宅に入れない人がある。しかし社宅がもっとあれば入りたいという人がある。そうすると、そこにもやはり社宅外居住手当のような性格のものが出てくる。こういうことなんですが、そこらのところを今度は調査をされたようでありますから、どういうふうにお考えになりましたか。
○尾崎政府委員 住宅手当につきましては従来から——大体ほかの手当は数年ごとに調査をしておりますけれども、住宅手当はこのところ毎年調査を特別にやっているということでございます。それはやはりたとえば大都市、特に東京などにおきましては住宅についての苦況と申しますか生計への圧迫感というものが最大であるというデータがいろいろ出ておりまして、そういう関係がやはり職員の生活問題としてもかなり重大な感じになっているんじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。そのために毎年調査をしておるわけでございまして、その結果によって措置をいたしたいというふうに考えておりますけれども、一方におきましてやはり住宅そのものが問題でございまして、公務員住宅につきましての増設ということをかねてから毎年お願いしてまいっておりますし、実際問題として相当な増加ということが行なわれてきております。そういう関係と並行いたしまして、民間における住宅手当の普及状況はどうかということを注目しつつ現在調査をしておるというところでございます。
○大出委員 時間がありませんので簡単にいたしますが、そうすると、ことしは勧告の面では何も出てこない、こういうお考えでございますか。
○尾崎政府委員 ことしも住宅手当につきましては、昨年に次ぎまして調査をいたしておりますので、その結果を十分見まして措置すべきかどうかということを検討いたしたいというふうに考えております。
○大出委員 調整手当というものはこれは都市手当ですね、勧告の中身は。これは大体ことしで一つの区切りがつくわけでありますが、三年となっておりますから来年は何とかしなければなりませんね。主としてこれは大都市をさすわけでありますが、何かそこらとの関連はお考えございますか。
○尾崎政府委員 調整手当につきましては、先年御勧告を申し上げました結果といたしまして、かなりの議論をして御審議を願ったわけでございますけれども、その結果としまして研究調査ということになっているわけでございます。いま御指摘のところは住宅手当のお話かと存じますけれども、住宅手当の関係につきましては、やはり住宅が非常に払底をしているといったようなところに、特に大都市東京等におきまして、生活の圧迫感という感じが非常に強うございます。そういうデータがいろいろ出ているということがございまして、そういう意味合いから申しますれば、いわば地域的な問題もあるんじゃないかという感じもございます。しかし、手当としては別の問題でございますので、それぞれ別途に調査をいたしたいというふうに考えております。
○大出委員 せっかく山上さんおいでいただいておりますので、これは別の問題ですが、防衛庁の例の住宅でございますね。私、千歳をちょっと見たことがあるんですけれども、ずいぶんひどいところがありますね。横浜なんかにも東寺尾ですか岸谷ですかにありますが、だいぶひどいところが多いようですけれども、あれはどういうふうに扱っておられますか。
○山上政府委員 自衛隊の隊員の宿舎の問題であろうと思いますが、これにつきましては、防衛庁におきまして隊員の宿舎の充足計画をもちまして、創設以来逐次充実してまいっておるわけであります。御承知のように陸上自衛隊におきましては、北海道は非常に当初から重点を置きましたので、特に北海道方面におきましては住宅の施設が当初から相当たくさんできておると思います。それらにつきましては今日になりますと相当の年月を経ております。したがって、いろいろ欠陥も出てまいると思うのでございます。これらにつきましては、今後逐次改良なり改善なりあるいは修理なり、いろいろな方法をもって漸次整備していくという考えでございます。
○大出委員 これは自衛隊についても賛否の議論がありますけれども、現におられるわけですから。私も実は二、三見る機会がありまして、また二、三隊員の方から手紙などをもらっておるのですが、あまりといえばあまりだと思われるところがある。北海道なんかの場合は、あなたはよく御存じだと思いますけれども、まわりがずいぶんりっぱになってしまいましたからね。まるで帝国ホテルのうしろに三軒長屋があるという意味じゃないけれども、そこまで言っちまえばあれだけれども、一見それに類するという感じがするのですね。雪の降るところですから、それこそマッチ箱みたいな家に煙突だけが立っているという感じがする。谷間の中に別な部落があるような感じがする。私どもこの委員会で自衛隊の諸君の給与等についてものを言ったことは旧来もあまりないのだけれども、そういう生活の面というものはやっぱり考えていかなきゃならぬと思うので一言だけつけ加えたわけですが、その点は十分世の中をながめていただいて言うべきところは言う、これはやっていただきたいと思うのです。それをお願いしておきます。 あと急いで何項目かケリをつけたいのでありますが、次に通勤手当でございます。この調査結果はちょっと国会のほうが決定がずれましたから出てこないんだろうとは思うのですが、今日の二千四百円プラス千二百円ですかね。そうですね。それで三千六百円。したがってこれは四千八百円を想定している、そして二千四百円から上は半分出している、こういうかっこうだと思うのです。この通勤手当は、一五%上がったのですからまさか上げないとはおっしゃらぬでしょうな。
○尾崎政府委員 通勤手当につきましても、民間の支給状況、昨年からの改定状況というものを調査しておりまして、その結果によりまして検討をいたしたいというふうに考えております。
○大出委員 この四千八百円というのは、想定は東京−辻堂間なんですね。これが一五%上がったわけですからね。そうすると一カ月平均では七百円上がったことになりますかね。したがって五千五百円ということになって、これで現状維持なんですね。これが最低です。だからこれはとにかく何とかしなきゃならぬということだけは間違いない。どうなんですか。
○尾崎政府委員 国鉄の値上げがあったことは御指摘のとおりでございますけれども、私どもとしましては現在調査をやっておりまして、その結果を十分見まして判断をいたしたいというふうに考えております。
○大出委員 それじゃ時間がないようでありますので、並べてあげますから一括答えていただきたいのですが、四輪それからオートバイ、こういうふうなものがありますね。これは四輪もオートバイも七百円ですわね。この四輪が今日七百円といってみても、ダイヤ等の関係があってそうしなきゃならぬという人たちも中にはいる。これもどうも少しこまかいようだけれども、もう少し定期並みに距離制なら距離制で、家から停車場までなんという場合もありますけれども、もう少し器用なことはできないのですかな。これを一つ承りたい。 それからさっきの上げるという点は、これは上げないなどとか検討するなどというのはおかしな話で、人事院がいつも機械的にやっていることと合わなかっただけの話で、それと関連してあわせて聞いておきたいのは、この通勤手当がワク外でないとすると、それが載ってないというと、これは追加調査でもしない限り官民格差に影響が出てくる可能性がある。そこをどういうふうにお考えになるかということ。 次に扶養手当でございますが、扶養手当は、正確に申し上げておきますと、昭和四十三年、千人以上の企業で配偶者が二千六百四十五円、第一子が千二十一円という中労委の数字が出ていますね。配偶者のない場合は第一子加算ということで二千二百六十二円、こういうわけです。人事院の過去のいきさつからいけば、昭和二十三年に千二百五十円の勧告が出た。これは国会で当時直しまして六百円という数字が出てきておるわけであります、これは六千三百円の勧告のときです。だから、これは四十一年に妻が千円、第一子六百円、以下四百円にしたのだけれども、これは当然手直しをしなければならぬ時期に来ておる。しかもこの国会、この委員会で恩給に関する改正案が出まして、恩給のほうで扶養家族の加給問題、ここでも千円とあとは一律六百円というふうに改正をしておる。実際よりは高くなっている。こういう趨勢で、ことしはまあしぶしぶだろうけれども人事院は調査をされたはずだから、しぶしぶおやりになった結果はどうもしぶしぶなのか、民間との関係で、これはとてもじゃないが何とかしなければならぬというお考えになったのか、そこらをひとつはっきりしていただきたい。 それから、交代制勤務その他夜勤手当等の問題で、医療職の俸給表というのは、病棟勤務なりあるいは外来なりあるいは各種の診療所なり、いろいろなものを一本で医療日表なんというもので全国平均を出しているのですね。そうすると、ここらあたりも何とか少し考えなければ、看護婦さんを充足するという面で欠けることになりはせぬかという気がするのであります。特に行政職との関係でいきまして、この初めのほうは必ずしも悪くはないのであります、二万六千三百円ですから。しかしこれがずっと上がっていきますと——時間がありませんからこまかく申しませんが、七年ばかりたつと行(一)のほうがよくなってしまうのですね。そうすると何が起こるかというと、家庭に入った看護婦さんの資格を持っている方々などを引っぱり出そうということを厚生省は毎年やっているのだけれども、そういう段階で、七年というところで逆に悪くなるというと、免許を持っている人に出てきてくれなんと言ってみても、何かどうもなかなかすなおに出てきかねるという俸給表なんですね。ここらのところで何とかお考えになる気はないかということなんです。 まずこの辺のところと、あわせて調整手当なんというのもありますから、まん中のところも考えるということにするのか。これは夜勤手当に百二十五円というものがあるわけです。さらにそのほかに調整手当、そして十二時のあとと先に八十円、百円とが今日あるわけでありますが、そこのところをどうするかというふうなことをこの際考えていただかぬと、人事院も全医療の行政措置要求にこたえて結果をお出しになって、今度はそれをめぐって国立あるいは公立、こういう中で増員協定なんというものをつくって認めているところが、公立にはたくさんある、国立には職員に力がないものだからまだ取れない、こうなっている。しかし自治体関係のところが増員協定を認めても、さてそれを充足しようにも今度は出て来手がない、看護婦の対象のほうがそうなっておるということですから、そこらのところを考えなければならぬことになると私は思うのですが、時間がないから一括順序よくお答えをいただきたいのであります。
○尾崎政府委員 四点御質問がございましたけれども、第一点のいわゆる通勤手当におきましての交通用具の問題でございますが、これは現在定額制になっているわけでございます。この点につきまして、民間において定額制になっているかどうか、あるいは距離別にされているかどうかという関係の調査をことしもやっておりますので、その結果を見まして検討いたしたいというふうに考えます。 それから第二点の通勤手当の関係につきまして、これをワク外にすべきかワク内にすべきか、そういったような問題かとも存じますけれども、たてまえといたしましては、四月現在で格差を見ておりますので、その格差から支給すべきものは支給するというのが考え方でございまして、通勤手当をどうするかという点とあわせましてそれは検討するということになるわけでございます。 それから第三点の扶養手当の関係でございますけれども、扶養手当はことし調査をいたしておりますので、その結果を見まして判断をいたしたいということでございます。 第四点の医療職(三)と申しますか看護婦さんの給与の話でございますけれども、この関係は現在たいへん問題になっているところでございます。私どもとしましては、看護婦さんの民間における給与のあり方という点を現在調査をいたしております。その上さらに夜勤関係の調査もやっておりますので、その結果を見まして妥当な措置を講じたいというふうに考えております。
○大出委員 どうも一つもはっきりおっしゃらぬのですが、調査過程ということもありますから、私は一つだけ私の意見を申し上げておきますが、通勤手当を調査しそこねたあるいは調査なさらなかったということですが、これは関係があるわけですけれども、この点は将来ワク外か何かにして考えるということにしていただかぬとぐあい悪いのじゃないかと思うのです。これは研究されているようでありますから、ひとつあわせて御検討をいただくことにして、時間がありませんからあらためて質問をいたします。 それからいま申し上げなかった点で、最後に期末手当、これは現実にどこを聞いてみても民間がだいぶふえております。だから、おそらく私は〇・一や〇・一五ぐらいはふえておるのだろうと思いますが、これは何といってもことしはふやしていただかなければならぬと思うのです。いかがですか。
○尾崎政府委員 この点も現在調査をいたしておりまして、その結果によって措置いたしたいというふうに考えます。
○大出委員 まあ夏あたりのは〇・九と、うまいぐあいに数字が欠けているようなぐあいに昨年整理しましたから、〇・一ぐらいをふやせば一になるということでうまくできているわけでありますけれども、しかし〇・一で一になってきれいになるということを言ったって、これは民間が上がっているのだから、これは端数が出たっていいのですから、遠慮していてはだめですよ。事実民間が出ておりますから、念を押しておきます。 時間がありませんから、調査中、調査中ということなので、私は実は十日のこともあるので少し詰めたかったのですけれども、ほかのこともありますし、他の方もおられますので、あらためてひとつ質問をいたします。 山上さん、お見えになりましたので承りたいのですが、これは古くて新しい問題と言えば言えないことはありませんけれども、実は私が昔官公労におって、PW方式などで駐留軍労働者の方々の賃金がきまっている時代からすでにいろいろ問題があったわけですが、その何点かをまず事務的に承りたいのですけれども、今年度の予算定員、このうちの基地労務関係を扱っている旧調達庁関係ですが、施設庁関係の国家公務員の方は百十三人、こういうことのようですけれども、間違いがないかどうかという点。それから大阪なり神奈川なりあるいは東京なりというふうな、これは全部で十八都道府県あるわけですが、ここの基地労務関係を扱っている地方公務員の方、この方々が千二十二名、こういうことなんですけれども、まず間違いがないかどうかという点。それからあわせてこの方々の人件費というものは年間どれくらいかかるのかという点を承りたいのです。
○山上政府委員 ただいまの御質問のうち労務関係の人員並びに都道府県の労務関係の人員は、御質問の中にありました数字のとおりでございます。 それから都道府県の人件費の総額は、四十四年度におきましては十億二千六百万円ということになっております。防衛施設庁労務部の人件費が約一億円。合計十一億であります。
○大出委員 私の、ここにあります資料によりますと、今年度約十一億円、こういうことです。予算定員で国家公務員が百十三人、米軍基地のある十八都道府県で千二十二名、これは地方公務員ですよ。人件費が年間おおむね十一億円、こういうことになっておりますが、これは私のほうで調べた内容であります。 それから昔、これは調達庁時代ですね。私何べんかお伺いしたこともあるのです、官公労時代に。調達庁長官の給料の一部、全部じゃないと思いますが、一部は会計上米軍から支払っていた時代がありまして、これを改めた歴史的経過がある。今日五万の米軍労務者の皆さんの給料の支払いにまず特別調達資金を使っているのですね。ここから先のところをお答えいただきたいのですが、これはどういうふうにして、またどういう理由で、法的根拠をどこに置いて一般会計に繰り入れて——もちろん一部でありますが、一般会計に繰り入れて百十三人分、それから十八都道府県におろしていくのは、これは委託費の形になっているわけでありますが、どういう理由でそういうことにしておられるのかという点をあらためて承りたいのです。
○山上政府委員 労務関係の提供に伴いまして、当庁では労務部の職員がおりますし、また都道府県には都道府県の労務関係の職員がおるわけでありまして、それらの人件費並びに事務費等を総称して労務管理費というふうに考えておりますが、これを米側から償還を受けておるということは事実でございますが、これはどういうわけかと申しますと、基本的には安保条約に基づきますところの、いわゆる地位協定、これの第二十四条、これに根拠がございまして、二十四条の第一項に「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は、2に規定するところにより日本国が負担すべきものを除くほか、この協定の存続期間中日本国に負担をかけないで合衆国が負担することが合意される。」とありまして、「2に規定するところにより」というのは、いわゆる施設及び区域を提供するための経費、これは日本国政府が負担すべきである。しかしながら、それ以外の経費は米軍が負担するということになっておりまするので、米軍が雇用いたしますところの日本人従業員の給料は、当然米軍の負担になる。また、これに伴うところの管理費も当然米側が負担すべきであるというところから、これに伴いますところの協定といたしまして、基本労務契約に根拠がございまして、これで管理費関係の費用は米側から日本側に償還させる、こういうことに相なっております。 それでは、その手続をどうしておるのかといいますと、これは提供労務等その他米軍に対するところの調達を管理するために、特別調達資金というのが、昭和二十六年以来設置せられておりまして、その中に調達に要するところの事務の経費は一般会計の支弁とするということで、その費用はこの特別会計から一般会計へ繰り入れる。この特別会計は、米側から——日本政府が米軍にかわって支払っておりますところの、いわゆる労務者の、従業員の給料を主として払うわけでございますが、それに米軍から経費を受け入れる、そしてその管理費の一部もその中に受け入れる。そして一般会計に繰り入れておる。したがって、当庁の労務部の職員並びに地方都道府県の労務関係の職員の費用は、かくして財源的には特別会計から繰り入れられますけれども、一般会計予算、この中におきまして、歳出として、そういうしかるべき項目において支出しておる、こういう形でございます。
○大出委員 その基本労務契約は途中で三十二年にいろいろ変わりましたが、中身は変わらぬで今日きていると思うのですが、問題点だけちょっと読んでいただきたいと思います。
○山上政府委員 ちょっと詳細でございますから、労務部長から申し上げさせたいと思います。
○長坂政府委員 御指摘の個所は、基本労務契約の第四条補償条項の点でございますが、「この契約の円滑な履行に対する唯一の、かつ、完全な代価として、A側は、次に定める経費(詳細は、この契約の各章に規定する。)で、B側がこの契約の実施の結果として負担し、かつ、法律上支払わなければならない経費をB側に補償するものとする。」とありまして、a項からL項までずっと項目が書いてございます。その中にK項として「管理費」が載っております。
○大出委員 つまり管理費というのは事務費なんですね。私もそれを読んでおりますが、管理というのは人が管理するのですから、したがって当然その管理を含むと解釈している。かつて昔ですけれども、全駐労の皆さんが、たとえば賃金の交渉をやっても、間接雇用ということのために隔靴掻痒の感がある。直接会いに行った時代なんかもあります。山田節男さんが全駐労の委員長をやっておられた当時であります。ところが向こうの米軍のシビリアンが、調達庁の役人どもは、われわれが雇っておるのだ。大きなことを言うなということを言われた時代がある。昔、私も腹に据えかねた時代があるのだけれども、当時の時期が時期だからと思ってがまんしていた時代がある。ですから私は冒頭に、古くて新しい問題だと申し上げた。しかし、これはまた別な新聞のほうに載っておるのを見ますと、いや、別に給与をもらっているんじゃない。見合う金を出させているんだなんて言っているのがありますけれども、しかし、どういつでも古き時代に問題になったことなんで、これは歴史がある。さんざんがたがたいろいろな話があって、調達庁の長官のが一部繰り入れているというのは、どうもうまくないというので直した時代がある。ですから人件費に間違いはない。やり方が違っても、これは法律規定があるなら、そうせざるを得ないわけですから……。 時間がありませんから、こまかいことは言いませんが、ここまでくると、この間この席上で、山上さんもおいでになったが、有田防衛庁長官何と言ったかというと、自主防衛という点をずっと追及していったら、米軍に負い目になるということは、ここまでくると困る。もうこじき根性はやめるんだということを再三再四強調される。何べん言ったかわからぬのです、有田さんが。そういう時代がきているのですね。私はやはりアメリカに対する日本側の姿勢という面で、これは全駐労の方々が今度の大会でも取り上げるという話がありましたが、その方々が言う言われぬにかかわらず、やはり対米姿勢という点をもう少しこれは皆さんにお考えいただかなくては困る時代がきている。こう私は思う。 そこで私、ここで承りたいのですが、防衛庁として、昨日定例の庁議をやっておられるわけでありますが、この問題で何か結論をお出しになりましたですか、だいぶ長い評定をおやりになっておりましたが……。
○山上政府委員 特別にこれについての結論を昨日の庁議で出したということはございません。新聞に、おもに管理費の、この償還の問題について出ておりましたので、そういったものにつきまして事情等をいろいろ聞いたということはございます。そこで、ただいまお説もございました、だんだんと自分でもってやっていくという中に、こういうものも考えたらどうかということでございますが、私どもはこの労務を提供する。これは地位協定に基づきまして、日本側が米側の要請によってこれを提供する。その提供のいたし方としては労務の雇用主としては政府自身が雇用主になるという姿勢を考えておる。そういう姿勢で米側にも話をいたしております。しかしながら、実費につきましては、これは当然アメリカ側が償還するということで、その内容につきましていろいろやはりやりとりがございます。しかしながら、われわれはこの労務の関係の話し合いをいたしますときに、別に管理費の償還を受けておるから向こうの下働きだというような感覚は毛頭持っておらぬのでございまして、政府として日本人の従業員が適正に勤務できるようにということにつきまして米側と折衝いたしておる、こういうつもりでおるのでございます。したがいまして、経費の償還ということにつきましては地位協定にも明文がございますし、かような費用は当然米政府が負担する。しかしながら、一方施設の提供のほうは当方で負担するというような一種の分担みたいな形になっておるのでございまして、労務の費用が償還されるということは特別に労務関係をどうするということではないと信じておる次第です。
○大出委員 それはいろいろな言い方がある。また地位協定は拡大解釈だという考え方もある。私はそう思っておるのですがね。しかし、当時戦後のことでございますから、もらえるものはもらったほうがいいという考え方があったことは事実です。調達庁の長官までそんなことがあったのです。だから、いまさらそのことを取り上げてもしかたがない。そこまでくると、精神論としては山上さん毛頭そういう意識はなくて交渉したり何かしているのだと言うけれども、中身は古くて新しい。お互いみなわかっている。向こうだって払っているのだと思っている。そうでしょう。そういうことで、組合の方々の口の端に上ることは、幾ら防衛庁に言ったって労務は弱いのだ、何しろ向こうに飼われているのだということになるのですよ、第三者から見ると。だから、そういうことにしておくということがいけないというのです。ここまでくると、私は正直に言って、はっきり言って、取るものは取る。しかしこっちは国家公務員であり地方公務員なんですから、それは一般会計で、特別調達資金から繰り入れるとはいってみても、財源はそこにあることは明らかなんだ。だからそういうことははっきりすべきだ、私はこう思うのですよ。しかし、いまやれと言っても、ことしの予算は組んでいるのだから、そうはいかぬだろうが、近い将来これはどうにかお考えになる気はないのですか。
○山上政府委員 これは先ほども申しましたとおり、地位協定に基づいて当然負担させるべきものを負担させておるというふうに考えておるのでございますが、これらの問題については、今後どうあるべきかということについては、長い目で十分今後慎重に検討してまいりたい、かように考えます。
○大出委員 今後慎重に検討するという答えが出てきたのですが、防衛庁内部にも、私が直接聞いたわけじゃありませんが、いろいろ耳にするところによると、こんなものもらっておかないほうがいいのだという考え方の方もあるようですね。それから取るものは取ったほうがいいのではないかという考え方もある。地位協定の解釈のしかたでこうなってきたのだからという意見もある。しかし、いまのお話は、慎重に検討したいということですから、ことしどうしろと言ってもこれは簡単にいかないものでしょう。その点、わからなくはございませんが、そこでやはりあり方として、地位協定というものがとかく安保の陰に隠れて論議の対象にならぬ面が多い。 私は幾つか承りたいのだけれども、イギリスの基地ですね。これは第二次大戦中、というのはナチスの軍隊に追い詰められた英軍を助けるという形でアメリカ軍が入っていったわけですから、たくさん基地があった。一九四八年の例の四月のベルリン封鎖、このときに米軍の英国駐留が再開をされているわけですね。だから英国内に十七カ所米空軍基地がある。それからホーリー・ロッホなんかに海軍の基地がある。原潜基地等があります。これは米空軍の中心部隊は第三空軍、その司令部はロンドンから東に四十分、サウス・ルイスリップというのですね。これらの基地の中でどういうふうになっているかといいますと、確かに日本と必ずしも一緒ではない面がありますが、しかし税金なんかはガソリン税、家屋税、車の税金、電信電話の料金、これは日本の場合には特例法で免除されている。ところが、イギリスでは特例が認められていない。だから、米駐留軍というのは、これらの税金をイギリス政府に全部支払っている。したがって、車の税金が非常に英国は高いですから、大部分のアメリカの兵隊さんは車を持たないでメトロあるいはバス、これで通勤しているのですよ、現に。これは最近の調査です。それから宿舎も大部分はイギリス人の家屋を借りて下宿しているのですよ。だから問題は、この例に明らかなように、地位協定というものを、ここまでくると日本側で再検討して考え方を明らかにさせて、取るものははっきり取る。置いてもらっているのだという認識でない限りは、先ほどおっしゃっている意味では対等なんだから。対等という認識ならば、日本ぐらいルーズな基地協定なんというものはない。地位協定は非対等な部分だらけなんです。これをいわく対等に変えていこうという認識に立たなければならぬ時代が来ている。てっぺんでそういう考え方を持たないと、昨年の十二月二十三日に五十カ所ばかり返すあるいは移転云々というのですけれども、実際六カ所かそこらです、ほんとうに返すというのは。移転なんといったって板付の例じゃありませんけれども、移転なんかできっこないところをきめて五十カ所。これは基本的な姿勢の問題だと思っている。そこまで地位協定というものをあなたはお考えにならなければいかぬときがきている。いまの事実は御存じですか、英国の例。
○山上政府委員 英国の実態につきましてはいろいろ御教示に富んだお話を伺いましてまことにありがとうございました。私必ずしもつまびらかにしておりませんので、今後十分に検討してまいりたいと思います。 なお、地位協定のあり方等につきましてはいろいろ御批判があるようでございまするが、これらの運用につきましては、われわれとしては適正な方法で運用しておるというつもりでおる次第でございますので、今後ともそれについて十分誠意を持ってやっていきたい、かように考えております。
○大出委員 いま適正な方法で運用しているつもりだと言われるのですが、そこに問題がある。いま行なわれている地位協定という取りきめそのものに日本の自主性というものからいって疑いを持つ、あるいはいかぬという考え方になるとき、そこのところはもう素通りして、これは地位協定というもの一般で戦後ここまできているのだからしかたがないのだ、行政協定から変わって今日になっているのだから、それが前提で適正運営のつもりになっているのじゃだめだと私は申し上げている。もう少し申し上げますが、英国の場合は、ここにずいぶんこまかく書いてありますが、一々詳しく申し上げませんが、PXなんというものですね。これは地位協定の十五条一項の(a)です。だから米軍の基地内にPXを置いてある。いろいろの特典があります。しかしイギリスの場合はこれは一切ないのですよ。置かせないのです。だから兵隊さんはみんな町で買いものをする。特典はない。おまけにこの米軍基地の基地司令というのはイギリスの将校がやっているのですよ、国民感情にそぐわせるということで。それから、基地の警備も英国兵なんですよ。デモ隊が基地に押しかけていく例は、英国だって何回でもあります。ところが、デモ隊が押しかけると、みんな英国の兵隊さんが立っている。だから、まず基地の周辺では地方警察が、それからその基地の一番外側は英軍、米軍の顔は見えない。そのすぐ先は英国の憲兵です。こうなっている。憲兵も武器なしでそこに待機をする。ここまで慎重な配慮をしているのですよ。そらして、地域の民家にみんな民宿していますから、そこを基地の関係責任者が定期的に回って歩いて礼を尽くしている。そこまで明確になっているわけですね。そこらのところは日本の地位協定というものはしかたがないんだという前提でものを考えられたんじゃ困る。この点をあなた方のほうは全く考えたこともないとおっしゃるのですか。
○山上政府委員 地位協定の内容につきましては、特に防衛施設庁といたしましては、この運用の適正を期するということを主体にして仕事をしてまいっておるわけでございますが、地位協定そのものについて、いろいろ将来の問題というような点につきましては、これは基本的な問題でございますので、十分慎重に研究してまいる、こういうふうなつもりでおります。
○大出委員 念のためにもう一つ言っておきますが、日本の地位協定の八条、(a)(b)(c)(d)までありますが、八条をごらんになったらわかるように、日本の気象観測、天気予報は当たらないということについて気象庁の学者に聞いてみたら、学者いわく、いまの地位協定の八条などというものがある限りは当たらないんだ。国際気象学会では気象情報を各国間で交換することになっている。けれども、地位協定八条の(a)項から始まって、米軍の飛行機が飛びいいように気象観測をやるように書いてある。しかも、日本政府に入った全部の気象情報というものは、即ストレートに米軍に渡すことを約束すると書いてある。だから、中国大陸の政府が、日本政府に大陸の気象情報をもってきた場合に、ストレートに米軍に渡すとなっているものを、交換しっこないでしょう。その点を気象庁の学者は明確にしている。だから、去年の夏みたいに、そこまで台風が来た。海水浴を約束してあったのをキャンセルしたら、夜も明けたら日本晴れで、波おさまって風静かで、台風はUターンして帰った。しまいには東シナ海で遊んでおった。それを日本の新聞は大陸性気候のいたずらと書いている。大陸の気象情報が入らないように地位協定はできている。そうでしょう。これはほかのフィリピンの例からいきましてもあるいは西ドイツの例からいきましても、航空権というものは日本の地位協定とは逆なんですよ。ちゃんとその国の航空路というものが設定されていて、その間を基地の飛行機が飛ぶように協定ができている。日本は逆なんです。アメリカの飛行機が飛ぶことが優先していて、その間を日本の旅客機が飛んでいる。ここまでくると、先ほどの問題に返りますけれども、英国なんかは地元の人との間に基地に関する委員会ができていて、基地に対するいろいろな問題を常時話し合っているわけです。そこまでいっているのです。日本もここまでくると、まず施設庁のこういう金等についてはあなたのほうはすっきりさせて、このあたりを契機に、地位協定全体に対してあらためてひとつ……(「再検討」と呼ぶ者あり)おっしゃるように再検討して、米軍とちゃんとこれをまな板にのせて、在日米軍司令官のマッギー、参謀長のウイルキンソンなどの方々ではなしに、アメリカのてっぺんと——沖繩だってそうでしょう。出先じょ片がつかない。やはりてっぺんで、地位協定をどうするかということを十分検討して、とるものはとるということで対米交渉にのせるべきですよ。形骸化といっている政党の方もある。これはやはりそういう姿勢を明確に打ち出さないとたいへんなことになると思いますので、給与と関連をいたしまして、伺っているわけです。これらの国家公務員であり、地方公務員である方々の財源はアメリカさん持ちである。だから、全駐労の諸君じゃないけれども、幾らものを言ったってだめなんだ。向こうに金をもらって飼われているんじゃ話にならぬということを、現場の諸君が言う。こう見られること自体、まず考えなければいけない。だから、もう少しはっきり答えていただきたい。いま、近い将来何とかくしゃくしゃ言われましたが、くしゃくしゃのところを、近い将来何なんですか。検討いたしますならいたしますでいいですけれども、どうですか、もう一度はっきり言ってください。
○山上政府委員 労務関係の問題につきましては、われわれとしては、先ほどもお答え申し上げましたとおり、決して自主性がなくやっておるつもりは毛頭ございません。あくまで適正な、対等の話をいたしておる、交渉をいたしておるつもりであります。また、さような実績をあげておると私は信じております。 なお、そういうことに関連して地位協定の関連を今後いろいろ検討すべきではないかという御意見でございますが、これは有益な御意見として拝聴させていただきたいと思います。
○大出委員 先ほどあなたは、近い将来に向かって慎重に検討するとおっしゃったのですか。そうあなたはおっしゃったでしょう。それをもう一ぺん言ってください。議事録に残っているんだから、そこだけはっきりして……。
○山上政府委員 長期の観点に立って慎重に検討いたしたいとお答え申し上げました。
○大出委員 長期の観点というのは何の観点ですか。あなたは長期の観点と言いましたが、長期の観点というのは——ことしは予算上しかたがないと私は申し上げている。しかし来年度はこれからなんですから、来年度に向かってどうするかということを検討していただきたい。あなたは幾ら精神論でやっているんだと言っても、第三者がながめてみてそう思えない。形を整えなければ、第三者はやはり向こうからもらっているんじゃないかと言うんだから、これはあなた検討しなければならぬですよ。いかがですか、それは。
○山上政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、先生の御意見は有益な御意見として拝聴いたしました。私どものほうといたしましては、これは長期的な観点から十分慎重に検討してまいりたい、かように考えております。
○大出委員 長期的な観点というのは何か意味があるのですか。長くやってきたことだからというのならわかりますよ。そういうことですか。
○山上政府委員 問題の性質上軽々に結論は下せない、こういうことであります。
○大出委員 そうしますと、それは対米軍との関係でという意味ですか。問題の性格は初めから明らかなんです。だから古くて新しい問題だと言っている。古い時代に問題になったんだが、その時代といまとは違う。こじき根性をやめるんだということを何べんも長官は答えている。そういう時代になった。だとすれば、あの当時とは違う。問題の中身は明確なんです。だから検討されるかと聞いている。
○山上政府委員 事きわめて重要でございますので、長期的な観点に立って慎重に検討したい、かように申し上げておるわけであります。
○大出委員 長期的な観点というのがどうもさっぱり明確になりませんが、ともかくこれだけ表に出ていることですから検討する、こういうことですから、あらためてこれは防衛庁長官等に承りますけれども、慎重に検討していただきたい、これだけ申し上げておきます。
○浜田委員 関連して。長官は急いでいるから、質問よりか意見みたいになりますが、労務基本契約の管理費、本来、軍に雇用されておる労務者をいかに守ってやるか、労務基本契約そのものはそうなんだが、そこから不利益を受けてくる管理費、だから極端に言うなら、管理費を、あなたらは自分のところの公務員だからどんどん取る。昔はどんぶり勘定だったけれども、いまはどんぶり勘定じゃないかもわからぬ。だから、これはふやしても、一般労務費の予算はそのように考えぬ、こう言うかもしれないけれども、人間である以上、どうしてもそういう方向にいく。だから、少なくとも公務員として公務員の仕事をするんだから、それらはきちっと、さっきの質問どおり将来やっていくべきだ。それが一点。 さらに、地位協定からくる労務基本契約にしてもそうです。いまの地位協定でもみんなさっとやっておらないんだ。先日も私は言った。二条(a)項で、きちっと個々協定を結ばなければならぬということになっている。しかし、それはアメリカさんのほうが合意せぬと発表できません、とこう言う。結ばなければならないということになっている。これは国民に対しての一つの義務なんだから、したがってアメリカさんが合意しなければでなくして、当然合意した事項を文句なしに発表する、国民に知らしめる、こういう義務があると私は思う。それすらもやらぬ。さっき言われたように、地位協定の中で矛盾したり、是正したりしなければならぬこともたくさんある。現在ある中でもそういうことを皆さんやられる。当然こういう管理費よりか、郵政省なんかで払うべきものは払わさなければいかぬ。そういうことなんかでも遠慮したりする。したがって、いまある地位協定というものをきちっきちっとやらす。さらに、それの中で日本側に不利な点、立場上当然変えなければならぬ問題点についてはひとつすみやかにやる。それこそ長期の観点とか言うておらないですみやかに処理しなければならぬ。そういうことをやらぬから、施設だって、しばしば私たちが指摘するように、ほんとういうたら、そういう本来の使用目的でないのにその目的を変更してどんどん使っておる。たとえば、広弾火薬庫なんかでも三回答弁が変わっておる。だからそういうことのないように、あなたが一番米軍との折衝の接点だから勇気をもってやっていかなければならぬと思う。 時間がないから質問せぬが、問題点だけ指摘して終わります。
○山上政府委員 施設の問題、労務の問題等につきましても、われわれといたしましては、安保条約を履行するというたてまえ、それから日本国民の利益、あるいは地域の利害等を十分慎重に考えて、われわれとしては十分米側に対しても話し合いをいたしておるというつもりでおりますので、今後ともさようにいたす所存でございます。
○藤田委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕