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61回国会衆議院1969/07/03

内閣委員会 第38号

発言数
130
登壇者
13
会派数
2
開催日
1969/07/03

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  運輸省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いま航空局長が大臣の代理として渡米をされておるわけで、日米航空協定の不平等性をなくするための交渉であろうと思うのです。相当異例の措置があったわけですが、ジョンソン大統領の方針をニクソン新大統領が一応御破算にして新方針を出したわけです。日本政府としてこの協定の不平等性をなくする具体的な方針、どういう交渉方針でいま臨まれておるのか、まずそれをお伺いしたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 楢崎さん御指摘のように、昨年の末ジョンソン大統領がパシフィックケースについての措置をいたしました。そうして大統領の職を去っていったのでありますが、私どもこの措置に対して非常に、一様に驚いておる。対応策について考えておりましたところ、新任のニクソン大統領がその措置を変更する措置をとった。これはアメリカの国のことでございますから、こちらがどうこう言う筋合いのものではありませんが、いまお話しのようにたいへん異例の措置であったように私どもは考えております。いずれにいたしましても、日米間の航空問題につきましては重大な問題でございますので、実は太平洋ケースのアメリカ側の措置に対して、日本側の航空業務に及ぼす影響を考えまして、将来の日米航空関係全般の問題について討議をすることを目的にわが国から申し入れをいたしております。私自身がおもむきまして交渉に当たろうという決意も一時持っておりましたけれども、国会が延長になりまして、この設置法等ほかにも法案を御審議を願っております関係から、今次はいまお話しの手塚航空局長を中心に交渉団を組織いたしまして、六月二十三日よりワシントンにおいて交渉をいたしておるのでございます。  いまもお話しのございましたように、私どもは日米航空業務の秩序ある発展をはかるためには、日米航空企業が公平かつ平等な機会のもとに運営されること及び両国企業が合理的輸送力の供給をはかることが必要であるとの基本的な考えに立ちまして、この点から太平洋ケースの決定によりまして強化されてくる米側の路線に対応いたしまして、日本側路線の修正を行ない、その強化をはかる、輸送力の供給の合理化をはかる、このことを目的として米側に強く主張しておるところでございます。交渉過程における米側の反論はきびしいようでございます。わがほうはさきに申し上げました基本的な考え方に立ちまして、わがほうの立場を一そう強く米側に対して主張をしておりまして、政府といたしましては、日米間の均衡のとれた航空業務の実現につとめてまいりたい、これが私の考えでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それで、お伺いしましたところ、出張期間は、六日に帰国するという一応の予定で行かれておるようですが、もうあと二、三日でございますが、大体日本政府の方針の方向で妥結になるものかどうか、その辺の見通し、現在の交渉——外交交渉ですからいま明かにできない点もありましょうが、もう少し詳しく現在どのような交渉の段階になっておるかお知らせをいただきたいと思います。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 いまお話しのように交渉ごとでございますので、これをすべて明らかに申し上げるわけにはまいりません。最初の申し合わせで、この交渉の結果は終わってから発表するということが約束ごととして入っておるものですから、したがいまして、まだ具体的には一度も中間的に両国とも発表いたしておらないのであります。  私がいま申し上げましたように、向こうの態度が強いというのは、ジョンソン大統領が措置をいたしましたことと、それからニクソンがそれに対して措置をいたしましたことから、私のこれは想像でございますけれども、向こうは、これは当然のことである、いわゆるニューヨークへ日本が航路を設定いたしまして世界一周航路というものを獲得をした、そのために非常な努力をいたしました結果、これは実現いたしましたが、そのためには相当な犠牲を払っておるわけでございます。その間におきまして、向こうは、当然のことである、それに対する当然の措置であると考えておるであろう、これは私、大臣に就任いたしまして、四囲の情勢を聞きまして、そういうふうな判断をいたしておりましたので、これは相当がんばらなければならぬ、こういう考えを私はいまも持っておるわけでございます。そういう態度で臨んでくるようにということを局長に命じております。向こうはやはり私が想像しておるような態度で、これは当然のことであって、いまさらというような感なきにしもあらずというような感も最初いたしておりましたが、より一そうがんばれということでいま交渉を続けておる次第でございまして、私どもといたしましては、新しく米側が大圏コース、中央コースに新しい路線を設けてきたということに対しまして、これに対応する措置というものをとらなければならない、こういうことが一番大筋であることは、交渉に入る前からも申し上げておったところでございますが、これらの線に沿って、いま鋭意努力をいたしておる、こういうことでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大体、必ず妥結をして帰ってこられるということになっておるのですか。それともペンデイングにして帰ってくることもあり得るのですか。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 そこらが非常に交渉ごとの微妙なところでございますから、ここで明快に申し上げるわけにはまいりませんが、やはり妥結をしてこいというふうには申し上げております。そのために努力を一生懸命やっておる模様でございます。  それから、いまお話しのように、最初に、六日に帰ってくる予定で行っておりますので、ここ二、三日が交渉の山である、こういう段階でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 事と次第によってはぺンディングになるということもあり得るわけですか。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 まだそこまできょう申し上げることはできないと思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 非常に国益上重大な問題でありましょうし、本来ならば大臣が行かれて交渉に当たられる問題であろうと思いますので、その辺は国益の観点からひとつ御努力をいただきたいと思います。  次に、せんだって防衛二法のときに時間の関係で十分詰めが行なわれなかったわけですが、例の立川の事件の問題でございます。それで、航空法の適用除外の特例法があることは承知しております。あの特例法というものは、米軍の飛行機は対象に入っておるが、飛行場は対象に入っていない、おおむねこういうふうに考えていいわけですね。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 この法律問題、非常に具体的な問題でございますので、政府委員からひとつ御答弁いたさせます。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 お答えいたします。  航空法の特例法におきましては、米軍に提供いたしております飛行場につきましても、また米国の使用しております軍用機につきましても、大半の規定が適用を除外されております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで、せんだって確認をしたのですが、四十九条は米軍の飛行場には適用されない、これは航空局としてもあるいは施設庁としても確認があったと私は思っておりますが、それでよろしゅうございますね。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 御説のとおり、四十九条につきましては、提供飛行場について適用がございません。適用を排除されております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 結局、障害物制限が米軍基地については適用されない。そうすると、障害になりそうなものがあっても、百三十八条に該当する事件が発生しない限りは何ともできないわけですね。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 四十九条におきまして、先生も御存じのように、転移表面、進入表面あるいは水平表面といった安全表面を越えてその上に出る高さのものにつきましては、物件の設置、留置あるいは植栽を一応制限いたしまして、その上に出るものについては除去を求めることができるというようになっているのが四十九条でございます。四十九条との関係におきましての百三十八条というふうに私ども実は必ずしも理解してないのでございます。  百三十八条の規定といいますのは、どちらかといえば自然犯的な刑法規定だと私どもは理解いたしておりますが、航空の危険を生ぜしめた場合に、単にそこにものがあって、そのものによって危険を生ぜしめたという場合だけに限らず一般的に危険を生ぜしめた場合に関する罰則の規定でございますので、必ずしも四十九条の規定と百三十八条の規定とを一緒に並べて論ずるわけにはいかない、かように私は考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 よく説明がわからないのでございますが、米軍の基地の周辺に、航空法適用の飛行場からいえば当然その制限を受けるものがあっても、米軍基地の場合は、強制的にそれを撤去せしめることはできないわけですね。そうでしょう。  そこで、その百三十八条は、米軍基地の場合は四十九条が適用にならないのだから、百三十八条の「その他の方法で航空の危険を生じさせた者」ということは直接結びつかないわけですね。そう理解してよろしゅうございますね。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 基本的には先生のおっしゃるとおりかと思います。そこで、ただいま先生の御質問の趣旨を私は私なりに了解したところで御回答を申し上げたいと思うのでございますが、四十九条の規定がいわゆる公共飛行場について安全制限を越える物件に対する制限あるいは除去に対する規定としてございまして、これは米軍に提供されている飛行場には適用がない。したがって、提供されてない飛行場について、実際にはその四十九条が適用されるならば、障害物件として考えられるであろう、そのものが立川飛行場に設けられた、これが百三十八条に該当するかどうかという御質問の御趣旨と私は了解したのでございますが、具体的な百三十八条の適用という問題について、これは必ずしも私どものところが所管ではないかとも思います。法務省その他の御見解も本来法務省から申し上げるほうが妥当かもしれないと思いますけれども、いま了解している点であえて申し上げさせていただきますと、百三十八条の適用そのものはやはりケース・バイ・ケースで考えていくべきであって、そこにあるいわゆる障害物件と客観的に考えられる物の設置の状態あるいは高さ、それと航空機の運航の状態というものとを比較検討いたしまして、ケース・バイ・ケースで百三十八条を適用されるもの、したがって四十九条という関係はそこではもう出てまいりません。四十九条がもし働くならば、障害物件であろうと思われるようなものが、たとえば立川飛行場の場合にそういうものがあったと仮定いたしますと、直ちに百三十八条違反にならないということもございます。またケースによって百三十八条の違反になる場合もある。いずれの場合もケース・バイ・ケースによって百三十八条は判断されるというふうに理解いたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 法務省のほうは……。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 御質問の趣旨は、航空法の百五十条の二号、ここに規定しております「建造物、植物その他の物件を設置し、植栽し、又は留置」の違反と、それから百三十八条の航空危険罪、この両罪の関係についてであろうかというふうに考えるわけであります。刑罰法規的に見ますと、百五十条の違反、これはもちろん当該空港の運営確保ということが究極の行政目的であるわけでありますけれども、そこで建造物等の設置が禁止行為とされますのは、そういう行為というのは抽象的に危険な行為であるということが基本にあるからだろうというふうに考えるわけであります。それと対比しまして、百三十八条という条項は単なる抽象的な危険、つまりそういうものを建てれば直ちに違反というのではなくて、航空の危険を生ぜしめることが要件になっている、つまり講学上いわれるところの具体的危険犯ということに相なっておるというふうに考えるわけであります。したがいまして、先生御質問のように、危険を生じせしめる場合でないともちろん百三十八条は成立しないということに相なるわけであります。これは最初の御質問に戻るわけでありますけれども、そういたしますと、百三十八条が依然として適用になるのはどういうわけだという点にもう一つの論点があるわけでありますけれども、先ほど運輸省から説明がありましたように、いわばこれは自然犯である。つまり刑法でいいますところの、たとえば往来の危険を生ぜしめた場合の処罰というようなものと平仄を同じくするところの自然犯である。したがって、何人が運航する飛行機であろうと、またどこの飛行場を飛び立った飛行機であろうと、こういう危険を生ぜしめるような行為をそれに対してすればそれは処罰されるのである、こういう趣旨で航空法の百三十八条は生きるんだ、こういうことに相なろうかと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまの運輸省あるいは法務省のどちらも私は問題があろうと思うのです。まず運輸省のほうですが、ケース・バイ・ケースではまるかはまらないかをきめるなんという、そういうあいまいな法律解釈では私はだめだと思うのですよ。   〔委員長退席、伊能委員長代理看席〕 それで百三十八条が結びつく場合もケースによってあり得るというお答えのようでしたが、それは具体的にはどういう場合ですか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 具体的なケースとしては、必ずしも適切な例を私はいま考えつきませんけれども、一つの例といたしまして、航空機が着陸しようとして進入態勢に入ろうとしました場合に、にわかに風船を下からあげるといいますか、そういうふうなことによって実際に航空の危険を生ぜしめるという場合、こういうことが一つの例としては考えられるのではなかろうか、あるいは非常に地面に近くなってきている段階におきまして旗ざおを立ててそこで車輪に当たるというふうな行為が行なわれる、こういうときにはまさしく百三十八条に該当するケースとも考えられるのではなかろうか、かように私は思うのであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、立川の場合竹ざおでしたが、竹ざおの高さいかんによるわけですか。いま前段におっしゃいました例ですね、急にそういう風船をあげたりするというような場合は確かに問題のあるところでしょうが、あらかじめああいうふうに立てられておった竹ざおですね、その高さによってあなた方は法適用の問題を考えられるわけですか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 その設置されあるいは留置されております物件の高さそのものが必ずしも問題ではなくて、その高さと航空機の高度との関係、そういったものが関連されて総合的に判断して、具体的に航空機の安全に対して実害を生ぜしめたのかあるいは生ぜしめる危険度が非常に高かったものであるのか、そこらあたりが百三十八条を適用するかしないかのポイントであろうかと思うのであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そういう解釈ですか。そうすると立川の場合はどうやったのですか。あの飛行機があれをかすめるまでは問題にならなかった、かすめたから問題になった、事件が起こったから問題になったのですか。いまの局長のお答えによりますと、事件が起こらないでも、それが予見されるときも——発着の高度とその高さの関係なんかをおっしゃっているから、予見されるときでも百三十八条という問題は起こってくるのですか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 これも私から御説明するよりも、法務省からむしろお答えしていただくべきものかと思います。  百三十八条の具体的に航空の危険を生ぜしめる場合というのは、現に実害が発生する場合はもちろんでございますけれども、決してそれだけではなくて、その蓋然性が非常に高いと申しますか、そういう場合も当然に含まれるかというふうに了解をいたしておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それはおかしいじゃないですか。そうしたら四十九条も適用になることになるでしょう。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 四十九条は適用になるのではなくて、百三十八条そのものにおきまして、航空の危険を生ぜしめるという罪に該当するという理由によって警察は事件の捜査をいたしまして、物件を証拠物件として押収したものというふうに私どもは伺っておるのでございます。四十九条との関係はその際には私は生じないと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いや、立川の場合は現実にかすめた事件があったから私は百三十八条が適用されたと思っておるのですよ、あの法務省の見解をとれば。その点については争いがありますから、いま係争中でございますけれども、いまの御答弁によりますと、事件が発生しなくとも蓋然性なり予見される場合には百三十八条を適用する、そうして警察はそれを押収できる、そういう解釈ですか。いまのお答えはそういうふうに聞こえましたが、そうですか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 私はいままで私どもが解釈をいたしています限りにおいて申し上げたわけでございますが、なお本件につきましての本来の法解釈を法務省からお答えしていただきたいと思うのでございます。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 現に捜査中の具体的な事件につきまして価値判断を加えることは差し控えさせていただきたいというふうに考えますが、一般的に申し上げますと、通常空港におきまして物を設置することによって危険が発生したという場合を考えてみますと、御指摘の百三十八条のほかに百五十条違反というのが、これは同時に考え方としては成立しておるわけでございます。しかし、当該ケースの場合には百五十条の適用は排斥されておりますので、百三十八条の適用に相なる、これのみの適用に相なるという関係でございます。  そこで百三十八条でありますけれども、これはこの条文にも明らかになっておりますように航空の危険を生じさせたという要件が必要なわけでございます。この航空危険ばかりでなくて一般の電車、汽車往来の場合でも、あるいはそのほかの車両なんかの道路運送法でございますか、そういう車両の往来の危険罪の場合でも、これは危険罪でございますから俗にいう期待犯であって、危険が生じればいいということに解釈上はなっておるわけでございます。これは判例等もそういう明確な解釈を刑法の往来妨害罪については示しているわけであります。危険を生ぜしめるというのは、先ほど運輸省から御返事がありましたように、具体的に航空機に損壊が発生した、故障が発生したということを必要としないわけであります。したがいまして、先ほどもちょっと御説明ありましたように、危険性の高い、高度の危険の蓋然性のある場合に、この百三十八条が成立するわけでございます。物件を設置する場合につきましては、先ほど説明がありました突然そういうものを建てるというような場合はもちろんのこと、そのほかのものの設置のしかたであるとかあるいはそのときの航空機の運航状況、これの頻度であるとか飛び方であるとかそういったものであるとか、あるいはそういうものを設置した場所であるとか、その高さであるとか、あるいはそれの本数であるとか、それからどういう太さのものであるとか、そういう構造というようなものを総合してはたして危険を生ぜしめたといえるかどうかということを判断していかなければならぬものだというふうに考えるわけであります。具体的な事案につきまして、はたしてそういう航空の危険を生ぜしめたという場合に該当するかどうか、これは捜査を遂げた上でないと私どもの口から直ちにどうこうであるという判断はいたしかねるというふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 法の不備なところは不備だとやっぱりはっきりしたほうがいいのですよ。これは米軍基地でない普通の民間の飛行機なり飛行場等が大体想定して、そして四十九条あるいは百三十八条というのは連動しておると思うのです。その限りにおいてはたいへんわかりやすいです。ところが、たまたま米軍基地については四十九条が適用にならないから、いまのような単独で百三十八条を考えるというような問題をあなた方提起されておる。本来ならば、四十九条と百三十八条は関係がありますよ。制限できるのですから。だから、すなおに関係が出てくるのだけれども、四十九条が米軍基地に関しては適用されないから関係ないなんということをあなた方はわざわざ言っている。そして百三十八条自体を大きく掲げて蓋然性なり予見されるときは強制適用できるなんという解釈を言っておる。だからこれは、私は法の不備であろうと思うのです、あなた方の立場からいえば。それをいまみたいに解釈されれば、四十九条は結局米軍基地に適用される、結果的にそういうことになるじゃないですか。   〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 百五十条つまり四十九条関係については、最初に申し上げましたように、これはいわゆる危険犯ではない。したがって危険を生じさせようがさせまいが違反になる、そういう類型の違反でございます。それに対しまして、百三十八条というのはあくまでも危険発生を要件にしておる。したがいまして、具体的事案におきまして危険発生という要件を満たさない場合には、これは百三十八条の適用の余地はない。空港の場合におきましては問題にならなくなるということであります。しかしながらその危険の発生というのは、具体的に事故を起こしたということまで必要かといいますと、それはもうそうではない。この二つの条文は御指摘のように確かに関連しておるわけでございます。したがいまして、実際の空港の保護ということになりますと百五十条、四十九条というような条文がありますれば、これはなお一そう保護は完全であるということはいえると思いますけれども、ただ、百五十条の適用がない場合に、百三十八条の適用をしていけないかという法律論になりますと、それは百三十八条が適用される場面というのは当然あり得るわけであります。しかもその場合は百五十条と違って航空の危険発生が要件になっておるということでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それではもう一度確認しておきますが、この百三十八条の危険を生じさしたものというのは、現実にわかりやすくいうと、事故みたいなものが発生したということが要件ですね。明らかにそのような危険が生ずる可能性ありという場合も含むわけですか。はっきりしてください。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 後者でございます。つまり具体的に損壊が生じたという場合だけではございません。危険でございますから、それは具体的な損壊ではなくて、危険な状態が発生すればいいということでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はこれは非常に大事なところだと思います。法務省はそういう解釈ですね。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 これは、汽車等の往来妨害なんかの判例に徴してもその点は明らかでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは直接あなたの関係ではないかもしれないけれども、今後私どもは予算委員会等があったら取り上げるつもりをしておりますが、安保条約の第五条の武力発生という問題があります。武力攻撃の発生というのはいまのような解釈からいくと明らかに侵害行為が起こったのみに限定するのじゃなしに、その侵害が急迫の場合も含む、武力攻撃の脅威と申しますか、明らかな脅威の場合も含むというような解釈に通じますが、それでいいですか。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 御指摘の武力介入云々の問題につきましては、私しろうとでございますので知識を持ち合わせておりませんけれども、(楢崎委員「同じことです」と呼ぶ)危険という概念につきまして、これは刑法の場合でもそうでございますが、あるいはその他の条文もございますが、いまの百三十八条と同様の条項は、たとえば、刑法の百二十五条で「鉄道又ハ其標識ヲ損壊シ又ハ其他ノ方法ヲ以テ汽車又ハ電車ノ往来ノ危険ヲ生セシメタル者」というような規定があるわけでありますけれども、この危険という概念というのは実害という概念とは違うのだということはきわめて明らかであるというふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何回言ってもそうですがね。そうしますと、百三十八条で、実際問題としては、米軍基地に対しても四十九条が現実の問題としては取り扱い上生きてきますね。そういうことになるでしょう。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 四十九条つまり百五十条違反の場合には危険の発生を要件としないということでございます。危険すら必要でないということであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 四十九条がですか。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 そういうことです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何のために制限するのですか。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 そういう建築物等は抽象的にそういうこと自体が一般的に危険なものであるということから禁止しておるわけであります。しかし、要件として危険の発生を必要とするかという点につきましては、それを要件としていない、つまり危険発生は百三十八条と異なり百五十条の場合には要件になっていないという違いがあるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 航空局、そうですか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 ただいま法務省がお答えになられたことと実は同じ考えでございます。  なお、私からふえんして申し上げますと、航空法四十九条の規定といいますのは、公共用飛行場におきましてどのような飛行機が入ってくる場合にでも一応安全に入れるという最低限度の安全性を保つための規定でございまして、個々具体的な場合に、それが安全であるか危険であるかではなくて、どんな飛行機が入ってくる場合にも安全に入れるような表面というものを確保しようという、そういう公共的な立場から、その上に出るものを制限している規定なんでございます。したがって、先ほど法務省からおっしゃられたのと同じことと私も理解いたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 百三十八条が単独に生きて、しかも危険が生じる可能性ありという判断を拡大解釈をして、そうして実際問題としては四十九条的なものが生きてくる。結果としては、私そうなると思うのです。これは議論が並行線です。  それでは、たとえば立川の場合、あのケースが起こらなくても——起こらなかったと仮定します。起こらなくても強制収用する対象であったわけですか。強制撤去をする対象物であったわけですか。どうなんです、立川の場合。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 ただいまの先生の御質問に対しましては、所管ではございませんのでお答えできません。  なお、先ほど申し上げました四十九条につきまして、これは御参考まででございますが、これは公共用飛行場についての表面を維持するための制限規定でございます。したがって、民間航空用の飛行場でございましても、非公共用飛行場におきましては、私権の制限をその非公共用のためにするわけにはいかないということから、四十九条の適用は非公共用飛行場についてはございません。しかし、この場合にも「航空の危険を生じさせる等の罪」といういわゆる百三十八条の規定は、同時に働いております。単に公共用飛行場についてだけ見るというふうには私理解しておりません。したがいまして、四十九条と百三十八条というのは、そういう非公共用飛行場のことも考えあわせました場合、先ほど法務省から自然犯的な規定であると言われましたが、何人も人命の安全という立場から犯してはならないし、何人も守らるべきそういう規定であるというふうに了解しておるのでございます。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 私どもの立場からいたしますと、結局そういう違反が発生した場合に、それをどう処理していくかという検察庁の立場に相なるわけでありますが、その場合の解釈といたしましては、先ほど申し述べたとおりでございます。ただ、私の舌足らずもあるのかもしれませんけれども、申し上げておる趣旨は、百三十八条につきまして危険の概念をどう理解するかということを申し上げておるわけであります。それは損害の発生というものは必要でないということを申し上げておるわけであります。  それから蓋然性というようなことを申し上げましたのは、損害の発生する蓋然性、それを危険だというのだということを申し上げておるわけなんで、先生がおっしゃられることと私が返事をしておるところはあるいは同じなんじゃないかという気がいたすのでございますけれども。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はそれがわからないのですよ。立川の場合は実際にかすめたから強制撤去の対象になったのであって、かすめなかったならならなかったと私どもは解釈をするわけです、あなた方の解釈の立場に立っても。ところが、きょうのあなた方のお考えでいくと、あの事故が起こらなくてもあの竹ざおは強制撤去の対象になるのかならないのかということを具体的に聞いておる。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 まあわれわれ論議します場合に、抽象論議を議論いたしますので、はなはだどうも言うことさだかでないという御指摘を受ける場合が多いのでございますけれども、具体的に触れたということをどう評価していくかという点になりますと、確かにそのこと自身が危険を生じせしめたことの一つの証標である、つまり証拠だというつかまえ方は現場の捜査官にはあるのだと思います。しかし、その旗ざおに触れない場合はすべてそれじゃ危険を生ぜしめたことにならないのかという逆の問題提起をしてみますと、それはそうじゃないのだ、危険という概念は損害の蓋然性ということで足りるわけでございますから、触れなくても、それは危険を生ぜしめたというふうに評価できる場合というのは、これは理論上はあり得るということに相なろうかと思います。ただ、実際の具体的な適用場面におきまして、旗ざおにもならぬような小っぽけな旗を立てたのに一体どうなんだという議論になってきますと、おっしゃるように、触れるような立て方であるがゆえに危険なんだというふうに評価をしていく、そういう証拠の評価のしかたというのが妥当ではないかという御指摘であるならば、それは私正当な評価だろうというふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは係争中ですから何ですけれども、七、八回旋回しているのです、わざわざあのときに。なかなか曲芸飛行をやっているのです。そうして目撃者の証言によると、わざわざかすめたのですね。そうして無理にその事態を発生せしめて、だから危険だ、それ見てみろ危険だということで、百三十八条を無理やり該当せしめるような問題を起こした、私どもはこう思うのです。だからさっきからそういう質問をしておる。本来ならば、あれはかすめなくても十分着陸できたのを、もろにぶち当たるならば落ちるかもしれぬから、曲芸飛行でしょう。あのときの事件を地元の人は、何回も旋回をしてうまいことちょっとかすめた、こう言っておる。実際はそうです、あのケースはですね。だから、その辺の解釈というのは、危険が予見されるという、それを拡大解釈されると、これは何ぼでも強制撤去の対象になる。それを言っておるのです。これは係争中ですから、あとは裁判所で争うしかないのですけれども、いまの法務省の見解というのは、私はたいへん拡大解釈の余地を残す問題であろう、このように思います。

豊島英次郎法務省刑事局公安課長

○豊島説明員 きわめて危険という概念を拡張解釈するということは、もちろん法解釈をする立場の者として十分考えなければいかぬ点というふうに私も思っております。先生が御指摘になりましたような飛行機の飛び方、そういう飛び方によって危険であるかのごとく、これは損害ということを離れて危険であるかのごとき状況を作出したものであるという事実関係がありとすれば、もちろんそういう点を含めまして慎重、厳格な捜査をしなければならぬというふうに考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それじゃ問題を板付の問題に移したいと思います。  私も国会で再三指摘をしまして、やっと日本航空——日本航空というのはジャパン・エア・ラインじゃないのですよ。日本国内航空という意味です。日本の民間航空のエプロン——地位協定の二条四項の(a)ですかね。その二条四項の(a)というものを適用している日米共同使用の飛行場は板付のほかにどこがありますか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 もう一つの例といたしましては調布がございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 では、調布の場合も板付と同じような協定を米軍と結んでありますか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 合同委員会の合意におきまして使用についての条件その他が定められております。板付の場合とその点は同様でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 板付の場合、協定が二条四項(a)に切りかえられたのは一九六七年三月一日、そうですね。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 ただいま先生おっしゃられました一九六七年三月一日というのは、現地における細目協定のことかと思います。そのもとになるものといたしまして、合同委員会におきまして三回合意がなされております。すでに先生も御承知のように、むしろ先生の御提案によって行なわれたと思っておりますが、外国の民間航空機に板付飛行場を使用させる場合、それから日本の国内航空企業に使用させる場合、それから三番目には、板付における民間航空の使用の頻度が高まりましてエプロン地域が狭くなったということで、エプロン地域の共同使用につきましての合同委員会の合意がございます。先生おっしゃられました四十二年三月一日の協定というものは、そのときの合同委員会の合意に基づきましてその細目の運用をはかるために現地において取りきめられた協定のことをおっしゃっておるのではないかと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この協定は福岡の航空保安事務所長と現地の司令官がやりました。これは日本政府として責任を持たなければならない協定でございますか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 日本政府として基本的に責任を持つといいますか、直接に関係いたしますものは合同委員会の合意のほうでございます。現地におきます基地司令官と航空保安事務所長との間の現地協定といいますか、そのエプロンの運用に関する現地の細目協定、合同委員会の合意に基づく細目協定ということでございます。いずれにいたしましても、そういう取りきめでございますので、少なくとも無責任というふうにはわれわれ考えるわけにはまいりませんが、現地の協定が一番根っこの協定であるということではないと申し上げたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしますと、この現地協定のうち一番ポイントは、私はやはりナンバー2のロであろうと思うのですね。「第五空軍司令官は、事前通告なしに、この協定による航空局の共同使用権を無期又は臨時に終了させることができる。」このくだりは、合同委員会でそのような了解を双方ともしているのですか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 いま先生御設例の一九六七年三月一日実施にかかわります現地協定の中に「事前通告なしに、この協定による航空局の共同使用権を無期又は臨時に終了させる」という規定は確かにございます。先ほどから申し上げております、その典拠になります合同委員会の合意の中の付帯条件といたしまして、必要がありますときにはやはり一時停止あるいは終了させるというふうなことが条件として規定されております。したがいまして、この現地協定の第二項ロ号の規定といいますのは、合同委員会合意の事項を再掲したというふうに私どもは理解しております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうであろうと思うのです。そこで私どもが指摘をしまして、三条から二条四項(a)にしなさいと要請したわけです。なぜそういうことを私どもが要請したか、その理由はどのように理解されておるのでしょうか。この二項のロというものは三条時代の協定と変わらないのです。では何のために二条四項(a)に切りかえる必要があったのかという問題が出てきます。内容は地位協定の三条時代と変わっていない。ただかっこうをつけるために二条四項(a)にされたわけですが、その辺はどのように理解されておるのでしょうか。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 いま先生がおっしゃられましたのは、三条の規定に基づいて使用を認められた当時の状態と、この二条四項(a)による合同委員会の合意によって使用を認められている状態と、その立場においてどれだけ違いがあるかという御質問かと思います。この点は先生御指摘のとおり、本来合同委員会の合意を得て日本政府が共同使用の立場に立ち、それによって外国並びに国内の航空機に使わせるという立場でございますと、それを中止したりあるいは終了させることにつきまして、また日米合同委員会における日本側の同意を本来は必要とするはずなのでございますけれども、まことに申しわけないことながら、板付につきましては、合同委員会合意における付帯条件といたしまして、米側において必要があるときには一時中止あるいは終了させることができるという規定がございまして、必ずしも合同委員会における日本政府の合意が必要条件というふうにされていないのでございます。これは先生御承知のとおりの現状でございます。そういうふうな現状でございますので、実態的に差がないのではないかとおっしゃられますと、そのとおりというふうに申し上げざるを得ないと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 一番最後のところは声が小さかったのですが、内容は全く三条時代と変わらないのです。それで、昨年プエブロの事件があったときに、現地司令官がいつでもこの民間航空の関係はコントロールできるのだと記者団に言って大問題になった。それはいまおっしゃった内容であるからです、この協定なるものは。だから三条を二条四項(a)に変えた効用は何もない。合同委員会にかけずに、このような事前通告もなしに、全く一方的にいつでも無期にあるいは臨時にシャットアウトできる。三条による使用の状態がまさにそうであります。これは三条の使用状態とちっとも変わらないのですね。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 先ほど私、説明が足りませんでまことに申しわけなかったのでございますが、少し違います点は、二条四項(a)におきます場合に、板付に関する限りでは、合意の付帯条件として先ほど申し上げましたようなケースがございますので、必ずしも合同委員会を通じて日本側の同意を必要とするというわけにはまいりませんけれども、ただ米軍が合同委員会を通じてあらかじめ日本政府に通告するというこの分だけは、三条時代と少し違っている点ではなかろうかと思います。そういう通告を受けました場合に、政府といたしまして民間航空の立場を考えて最善の努力をするという道は、三条時代における一方的に認め、一方的にこれを拒否していくという立場に対してやや前進している点ではなかろうか、かように考えます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうですか。この二項ロは、「第五空軍司令官は、事前通告なしに、」と書いてありますよ。事前の通告をするようになっておるのですか。この協定は「なしに、」と書いてある。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 その点で、先ほどから申し上げておりますように、これは現地における細目協定でございまして、あくまで日米合同委員会の合意というのがその最も基本のよりどころでございます。その合意におきまして事前にといいますか、合同委員会を通じて中止あるいは終了せしめる場合には日本政府に連絡するということになっております。その点は現地協定によって事前の通告なしに行なわれるというのではなくて、合同委員会の合意によってあらかじめ日本政府に対する通告が行なわれるものというふうに了解いたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 だから、私がこの協定は日本政府が責任を持つ協定かと一番最初に聞いたのは、そこなんです。もし合同委員会における了解事項とこの現地の協定が違っておるならば——このところが一番ポイントですよ。屈辱的な使い方をさせられておるかどうか、これがポイントですよ。そうすると、「事前通告なしに、」というのは、これは明らかに間違いですよ。では、この協定を変更される必要があろうと思いますが、どうでしょうか。この辺は一番大事な点ですから、大臣にひとつお伺いしたいと思います。かつて中曽根運輸大臣は、このようなことになっておるけれども、しかしこの協定いかんにかかわらず日本としては国益上米軍の一方的な申し入れをそのまま受ける気はないという決意を表明されましたですがね。しかし、やっぱりこういう協定がある以上、米軍が一方的にやる可能性はあるのです。だからこれを変えられますか。この辺はひとつ運輸大臣に決意を聞きたい。なぜならば、去年の六月二日に九大の構内にジェット機が落ちて以降、ちょうど参議院選挙の前であったから、板付基地は移転させると政府は明らかに言明をしました。ところがその後の一連の措置を見てみると移転させるような気は全然ない。とするならば、結局参議院選挙用のごまかしであった、こういうことになるわけです。そして米軍は、現在板付は三十九年の状態に復した。だから、有田防衛庁長官なんかはもう実戦機はいなくなるのだから移転の必要はないのじゃないかという失言までやる。しかし、去年のプエブロ事件のようなことが起こるとすぐまたああいう状態になるんですよ。いつでも第一線の基地になるのです。それは何の歯どめもないからです。それで、これは非常に大事なところですから、ひとつ大臣の決意を聞いておきたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 いまお話しのなには、そういうものがあるのでしょうが、これは外へ出せないということになっておりますから、いま政府委員が答えておりますことを私否定するために言っておるのではありませんが、いまお話しのようにこの経緯をずっと聞いてみまして、政府の立場でやれることをあなたが御指摘になって、そしていまの第二条四項の(a)というところに運んできた。こういう話を聞かされて、私はそういう点ではあなたに敬意を表します。そのことについておしかりでございますけれども、一生懸命やった、そこでただし書きがついておる、これが問題の根本であろうと私は思うのです。このただし書きを取るということについてどうなんだということがお尋ねの根本であろうと私は考えます。それから引き続いてもう一つ言いますと、やはり根本的なことは、板付の飛行場を民間飛行場にすることが一番の解決になる、こういう順序になると私は思うのであります。逆から申し上げていきますると、政府は確かに、軍事基地としての使用というものを別に考えて、あそこを民間飛行場にするように考えるということを明らかに国会で申し上げておるのでございますから、このことについては私は実現をするように関係方面と努力を重ねたい、こういうことをまず申し上げておきます。  それから、現在の中では、現地のほうで、いま民間航空がふえていきますので、エプロン使用という問題で交渉ごとが多いと聞いておりますが、そういう場合にはどんどんと遠慮しないで話をして、その使用をこちらの言うようにできるよう督励をし、努力をし、現実にはこちらの目的が達成されるように運んでいくように取り計らいたい、このように考えます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 実際の運用についての大臣のお考えはわかるのですけれども、私がお伺いしているポイントは、現地の協定と中央の日米合同委員会の了解と違う点について、これが一番ポイントだから、中央の日米合同委員会の了解のとおりに現地の司令官と現地の航空保安事務所との協定をつくり変えなさいと言っておるのです。何も無理じゃないでしょう。この現地の協定の終期は、四項目あげておりますね。一番目が「施設返還のとき」、二番目は「航空局がこの協定に違反したとき」、三番目は「両者の合意によるとき」、四番目が「六十日前の書面による通告」この四つです。そのうちの三の、両者の合意によるという問題も含まれておるのです。中央の日米合同委員会の合意というものは、いまあなたがおっしゃいましたから、事前通告はするということである。そうするならば、この現地の協定は重大なポイントにおいて間違いをおかしておる。だから、これは日米双方で変更させる必要があろう、それはどうですかと言っておる。

川上親人運輸省航空局監理部長

○川上説明員 この現地協定といいますのは、基本的には全部をこの席で申し上げるわけにはまいりませんけれども、共同使用地域、エプロン地域に関する現地協定ということでございます。板付飛行場そのものの共同使用というものとは性格を異にした、いわば現地におけるエプロンの運用ということに関連する現地協定という性格を持っていると思います。その点で合同委員会における合意というものとこの現地協定の内容というもの、合同委員会は前後を通じて三回ございますので、その三回の合意全般を合わせた範囲とこの現地協定の範囲とが一致するというふうには私は考えておりません。  そこで、しかしながら先生おっしゃられるように、実は「事前通告なしに、」一方的に「使用権を無期又は臨時に終了させることができる」ということ、これ自身はいまあのエプロン地域が非常に混雑していることも事実でございます。われわれとしても、この使用を一方的にとめられるということについては、非常に問題があるわけでございます。この協定の改定という方向、またその事前におきます米軍との間の折衝におきましてそういう方向に、先生の御趣旨の方向に努力をいたしたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは間違いですからね。あなたさっきエプロン地域の協定だから滑走路に関係ないのだ、あなたそんなことで、そこでいばっていられぬのですよ。本来ならば全部を二条四項にしなければいけない。しかし十分でなくても、二条四項(a)になったから、それは私は評価しているのだ。逆ですよ、あなたのおっしゃっていることは。本来ならば、全体を二条四項(a)にしなければいけない。しかし、二条四項(a)になっているエプロン地域だけでも国内航空と関係いたしますから、それでこの協定をきちんとしなさいと言っている。しかも、私は無理を言っていない。あなたの御答弁に間違いがなければ、中央の日米合同委員会では事前通告するということになっておる。それならば、この協定は事前通告なしに一方的にできるというような協定になっている。しかも、現地の協定ですから一番問題ですよ。中央では事前通告なしにできるということになっておっても、現地では事前通告することになっておるというならまだわかりますけれども、現地の協定のほうがきびしいのだ。事前通告なしだ。だから、これは明らかに中央の日米合同委員会の了解事項のとおりにつくり直すべきです。大臣、これはひとつ運用の問題じゃなしに、この協定の問題をきちんと私はしていただきたいと思います。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 いまの問題は、現地の一部分のエプロン使用の問題についての問題である、こういうことで政府委員からいま答弁をいたしておりまして、事実上間違いがないというように——間違いがないというよりも、事実上この協定云々の問題よりも、こちらの事実上の目的を達成していっておるということを申し上げておりますが、御指摘の点については、なおよく検討いたしまして、あなたの言っておられるように努力をすると申しておりますから、なお一そうよく検討してみたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 三条時代も私は粘り強く、しつこくこれを指摘をしまして、やっと二条四項(a)——大韓航空なり、キャセーパシフィックと同じ条件に、やっと日の目を見たわけですから、これは単に努力するだけではだめだと私は思うのです。これは確実にそのように直していただきたい。これは今後ずっと監視というと悪うございますけれども、見ておりますから、この点はひとつきちんとしてください。いま軍事基地が実際問題としては、移転する方向ではないのだから。とするならば、政府としてはこのくらいのことはきちんとやらないことには、福岡の市民というものは安心されませんよ。いつでも一方的に、もう民間機はシャットアウトして、第一線の基地になるという条件が、これによってつくられているのですから、そういう状態に板付があるということです。きちんとしていただきたいと思います。  それから一番最後になりましたが、海上安保庁のほうにお伺いをしたいと思います。  六月の五日でございますか、第一伸栄丸がソ連の沿海州のデカストリ沖で事故にあいました。その後調査をされた結果、ミサイルらしいものが船に落ちた。負傷者も出ておる。それでその辺の詳しい報告をしていただきたいと思います。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 第一伸栄丸事件の概要につきまして申し上げます。  本件は、去る六月五日十四時二十分、ソ連沿海州のデカストリ港を木材を積みまして出港いたしました日本の汽船第一伸栄丸二千九百九十六トン、二十四名乗り組みでございますが、同日十五時二十五分ごろ、デカストリの沖約六・二海里を真東に向けて航行しておりましたときに、突然右舷の真横五百ないし六百メートルの海上に水柱が立ちまして、赤い火の玉となりました多くの破片が同船に飛び込んだものであります。  この結果、乗り組み員三名が重傷を負い、二名が軽傷を負いました。重傷者一名はデカストリで、他の重傷者二名は小樽で、それぞれ入院加療中でございます。  また、第一伸栄丸の船体各部にも被害が生じまして、右舷の外板が三カ所破孔を生じましたほか、十一カ所に損傷を生じ、レーダー、無線機等の使用が不能になっております。  このような損害を受けましたので、本船は同日十六時三十六分、デカストリに引き返しまして、ソ連側の調査を受け、破孔の修理を行ないまして、七日二十時、デカストリを出港し、負傷者の治療のため、九日二十二時三十分、小樽に寄港いたしまして、本来の荷揚げ地は小名浜であったわけでありますが、船体の損傷状況にかんがみ、距離の近い石川県の七尾港に十二日朝五時四十分入港いたしました。荷揚げを終了いたしまして、この船は船主が今治の、今治船舶というところでございますので、母港である今治に十六日回航いたしまして、今治造船所に入渠、三十日出渠いたしまして、現在同港において待機中でございます。  それからこの事件に関し、海上保安庁といたしましてとりました措置につきまして、簡単に御説明申し上げます。  まずこの事件は六月の七日、この船を用船いたしております新和海運から事件発生の報告を受けたわけでございますが、外務省は直ちに在ソ大使館を通じまして、事実調査と負傷者の状態等について照会を行なっております。さらに六月十日、外務省は前記の回答を督促するとともに、日本船舶のその後の航行安全についての保障を申し込んでおります。六月十一日にソ連から回答がございまして、事故原因については現在調査中である。それから船舶の航行安全の保障についての措置をとることについては、これを了承する。デカストリの入院中の負傷者は生命に異常はないという返事が一応まいっております。その後、先ほど申し上げましたように、六月十二日本船が七尾に入港いたしましたので、海上保安庁といたしましては、これを海難として通常の例に従って取り調べ、乗り組み員から事件の状況を聞くとともに、損傷状況等を一応調査し、またそのような破片が、ある程度船内に残っておりましたので、それを調べたわけでございますが、その結果、これは通常の砲弾、爆弾あるいは機雷というような性質のものではおそらくないであろうということが推定されましたので、兵器であると考え、これを専門的な見地から防衛庁に鑑定を依頼したわけでございます。さらに外務省は六月十七日に、この件に関する督促を行なっております。  次いで六月の二十六日、防衛庁から残船物件についての調査結果の回答がございました。その内容は、訓練用の巡航ミサイルと推定されるということでございますので、六月三十日これを発表いたしますと同時に、外務省は二十七日に在ソ大使館に訓令を発しまして、事件を抗議すること、損害賠償要求の留保を行なう、ソ連側に事故調査結果の速報をさらに督促する、この三点につきまして文書で申し入れるように訓令を出しております。六月三十日、在ソ日本大使館はいま申し上げました三点を口上書で申し入れておりますが、現在までのところこれに関する回答はいまだございません。さらに外務省は、損害賠償の要求については、船主からの被害額の報告その他がはっきりし次第行なう方針である、このように伺っております。  以上でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 巡航用のミサイルと海上自衛隊は推定したそうでありますが、どういうミサイルでありますか御説明をいただきたい。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 この点につきましては先ほど申し上げましたように、海上保安庁といたしましてはそのような点について専門的な知識を持っておりませんので、もしでき得れば、防衛庁のほうから専門的な見地から御説明を聞いていただければ非常にありがたい、こういうふうに考える次第でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この巡航ミサイルと普通いいますけれども、これはどういうミサイルであるか私ども非常に関心があるわけです。もちろん米国のミサイル関係も関心がありますけれども、同時にソビエトのミサイル関係もこの際明らかにしておいてもらいたいと思います。この種の事故はミサイル競争がある以上は皆無とはいえないわけですから、これはぜひ明らかにしていただきたい。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 ちょっと速記やめて。   〔速記中止〕

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 速記を始めて。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまお伺いしているのは第一伸栄丸に事故を起こさせたソ連の兵器について、海上自衛隊としては調査の結果巡航ミサイルと推定する、そういう結論を出された。巡航ミサイルとは一体どういうものか御説明をいただきたい。

室城庸之防衛庁防衛局調査課長

○室城説明員 巡航ミサイル一般につきましてごく大ざっぱに申し上げますと、通常クルージングミサイルといわれておりまして、これは俗にいうジェット飛行の無人機であるというふうな性質のものでございます。これに対比されますものとしてはバリスティックミサイルというようなものがございますが、これは途中の段階までブースターで推進いたしましてそのあとは慣性にまかせて飛ばせるというのが弾道ミサイルでございますが、クルージングの場合は飛行機の場合と同じように自分で終始ジェットを吹かしながら推進して飛んでいく、そういったものでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 シャドックというやつですか。それだけしかわかってないんですか。ソ連の巡航ミサイル、クルージングミサイルについては、それだけしかわからないのですか。

室城庸之防衛庁防衛局調査課長

○室城説明員 ただいま一般的なクルージングミサイルというものの性格を申し上げましたが、今回の破片などから海上自衛隊でこれをシャドックまたはその類型のものではないかというふうに推定いたしました根拠といたしましては、部品が非常に不完全な形でしか残っておらないということで、十分な推定は機材だけからは不可能でございましたが、その後、被害を受けましたときの状況などを間接的に伺いまして、最初に、ミサイルとしました場合に艦対艦のものであるか、空対艦のものであるかというような対別をいろいろ検討したわけでございます。その結果これは艦対艦という性質のものであろうということに一応しぼりまして、その系列のものとして、われわれが承知しておりますものを一般資料などから拾ってみますと、ソ連が持っておりますクルージングミサイルで艦対艦のものということになると、シャドックしか実は一般資料でも——シャドックそのほかクルージングミサイルといたしましてはストレラとかスチックス、そういったものがございます。その中で出てきました破片をもとに推定いたしました。直径であるとかいうようなものを総合して考えますと、シャドックというものに近いのではなかろうかというような、手がかりのきわめて少ない材料の中から推定いたしました結果が、いま申し上げたようなシャドックもしくはその系列のものであろうというふうな推定になったわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 このシャドックの性能はもう少しわかりませんか。

室城庸之防衛庁防衛局調査課長

○室城説明員 実はソ連の兵器につきましては資料がきわめて少のうございまして十分なものがございませんが、軍事雑誌その他をいろろ総合して考えますと、一応シャドックの性能としましては、弾頭は核、非核両用であるということ、それから射程は四百ないし六百四十キロぐらいのものである。それから速度は二マッハ程度であるというようなことがわかっております。なお、シャドックの形状といたしましては全長が十二・二メートル、直径が一メートルというふうな資料もございます。私ども承知しておるのはその程度でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いま報告がありましたとおり、これは核、非核両用兵器ですね。それでこの種の訓練は公海上、日本の場合からいうと三海里説ですから公海上でしょう、ソ連の場合からいえば領海は十二海里ですから領海内という認識かもしれませんが、非常に私は危険な事件であろうと思うのです。したがって、運輸省としましても、海上保安庁としても、やはりこの種の問題については、公海の安全の保障並びにその損害賠償の点については厳然たる態度をとられる必要があろうと思います。  以上、要望しておきまして終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これにて楢崎弥之助君の質疑は終了いたしました。  次に、浜田光人君。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 まず大臣にいまのタクシー業ですね、さっきも本委員会の理事懇談会で問題になったのです。いろいろ問題はあろうかと思うのですが、現実に私たちもしばしば出くわすのですが、乗車拒否の問題なんです。大臣がかわられますと、夜間調査に出られたりして、でかでかと新聞あるいはマスコミには取り上げられるのですが、実態は依然として改善されてきておらない。あとから佐藤委員のほうからも関連質問があろうかと思うのでありますが、もう東京というところは全国の国民の集まり、都民だけの足じゃないのですね。全国から集まる。さらに昨日あたりは、御案内のようにライオンズクラブの大会があって、ずいぶん外国から外国人が入ってきておる。そういう中で目に余る乗車拒否。これは一ぺんで国際信用は失墜することになるのです。私たちもしばしばもう出くわしておる。こういう点でこういう状態をどのように実態を把握されて、どういう対策を立てるように考えておられるのか、そういう点について大臣から……。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 タクシーの問題に対してどういう考えかという問題でございます。これは料金問題だけでなしに、タクシーというもののあり方ということからお答えしなければならぬと考えます。  私は就任以来運賃問題についてよく質問を受けたわけであります。タクシーの運賃を値上げするのかしないのかということでございました。この御答弁は、しばしば申し上げておりますように、地方におきましてはケース・バイ・ケースでやっておる。いわゆる七大都市といわれておるところでは、陸運局から上がってまいりましたものを物価の関係閣僚会議にはかって認可をするという閣議了解事項になっておりますので、閣議でそのことをきめておりますので、そういう形できめておる。こういうことで本年は特に物価の問題と関係があるので、政府としては公共料金中運賃の問題に関しましては、国鉄以外は極力これを抑制する、こういう態度をとっておるということを運賃問題につきましてはお答えを申し上げてきたのであります。タクシー料金についてもそういう方針である、こういうことを申し上げてきたのであります。  私は、しかし料金問題だけでは、タクシーの問題の根本解決にならないということを考えておるのであります。そのときにもお答えを申し上げておりますけれども、乗車拒否というような問題が起きて、非常に一般の世論から非難を受けておる。そういうことが解決をされないままに、何でも運賃を値上げしたらいいのだ、こういうことは私はとれないと思っておるということを申し上げておるのであります。しかし、乗車拒否もいろいろありまして、夜おそく自分が酒を飲んで、そしてそれが帰れないから、タクシーはおれを連れて帰るべきだという発想に立ったタクシーの乗車拒否論というものは、私はいただきかねる。女、子供が安心をして乗れるタクシーにしたい、それにはどうしたらよいかということをいま考えておりますということを申し上げてきたのであります。  このことにつきまして答弁をいたしますと非常に長くなりますけれども、目下私どものほうでは、特に大都市、たとえば東京、大阪というようなところではタクシーの増車をはかりましても、もう運転手はございません。ただ増車することによってお客さんにサービスができるということは、ある一定の限度がきておるということでございます。  それからもう一つは、運転手がどうして安心をして働けるかという問題と取り組んでいかなければならない。その問題について完全請負制というようなことでやっていくほうがよいのか、請負制度というものを加味した運賃制度がよいのか、あるいは歩合給というものを少なくして、固定給というものを多くした制度がよいのかというような、いわゆる働く人たちが安心をして働けるということを考えることによって、それがお客さんのサービスに結びついていくという方面から考えなければならないのではないかというような問題。それから運転手というものが、地図も知らない。もう人がいないからといって、きょうタクシーの運転手になって、お客さんにどこへ行けと言われて、どこへ行っていいか教えてくださいというような者がタクシーの運転手というのははたして適当であるかどうか。こういうタクシーの運転手としての資格の問題。これらを総合した対策というものがタクシー対策である、こういうように考えまして、目下検討を重ねておる次第でございます。  近いうちに、私はこの問題についての具体的な——全部一ぺんというわけにまいりませんが、これらの問題について、私の責任においてタクシー行政のあり方ということを明らかにしてまいりたいと考えておりますが、何はともあれ、いま御指摘のように、ちまたにおいて乗車拒否ということが行なわれて、非常にこれが国際親善関係にも影響を及ぼすというお話でございます。これらのことにつきましては、そういうことのないようにひとつ速急に検討いたしたいと考えます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 関連質問で具体的な質問があろうかと思うのですがね。昨日、帝国ホテルの前でずいぶんやみ金を払って外国人を乗せようとしても、ずいぶん車が通っても乗せない、そういうことが佐藤議員のほうにいろいろ一都民から指摘されたそうですが、これは国際信用にもかかわることです。こういうことは、これからも万博もやるとずいぶん出てくることですが、具体的な対策を立てないと、幾ら外務省が、どうだこうだ、政府がどうだこうだといっても、その足元から国際信用というものがくずれてしまうと思うのですよ。ですから、早急にこれの対策は立てる必要があると思うのです。  さらに、一般論としては、確かに酒を飲んで夜おそく帰ったりする、こういうけしからぬ者は乗せぬでもいいかもしれないが、これも正規な料金を払ったらお客さんだからさっと乗せなければいかぬだろうと思うのです。ところが実際、そこを通るけれども乗せない。私は酒は飲めないから酔っぱらっておらないけれども、しばしば出くわす。そういうときにはほんとうに大臣なり役所の人がどんどん実態をつかまえてきちっとやっていけば、少しは改善されるのじゃなかろうか。塚田先生みたいな人あるいは大臣はそういうタクシーに乗らないから知らないかもしれないけれども、宿舎へ帰るのに五百円なら五百円先に約束している、おりてみると五百円要求される、先の人が約束しているならしかたがないと思って払う。あすこには警察官もおる、おるけれども平気でやはり取る。こんなことをしてはいかぬ、ぼくらのほうからひとつ姿勢を正すかなと思うけれども、前の人が約束していたというからしかたなく払うのです。そういうことも平気でやるし、たとえば、新橋のポリボックスの前で、私十一時ごろ帰ったのですが、そこで盛んに乗車拒否をやっておる。それをポリボックスのポリはぽかんとしておる。そういう現実にほんとうにしばしば出くわすのです。これでは幾らやってもだめだから、何とか対策をしょっちゅう言うのです。これは何年も前から言っておる。いま行政云々ということを言っておられるけれども、改善されない。どこに原因があるのか、運賃問題あり、モラルの問題、いろいろあるでしょうけれども、それでほっておいたのではいつまでたっても是正できぬですね。具体的に手を打っていかなければいかぬと思うのです。一般論とするなら、たとえば個人タクシーの問題等についてどうお考えになっておられましょうか。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 個人タクシーは非常にサービスがよいという評判でございまして、そこで個人タクシーの認可もふやしてまいりました。ただし、個人タクシーは自分一人で運転するのでありますから、それに対して、夜はできるだけ労働強化にならないようにという条件を付してやっておるようでございますが、個人タクシーも、先ほど言いましたように、もう人の限界で、個人タクシーの認可をいたしましても、今度はいまタクシー会社で働いておる人が個人タクシーの運転手になる、それはけっこうでございますが、一方では供給をしなければならないほうの運転手が減ったということだけで、すべての根本の対策というものにはならないという面が出てきておるのが今日の大都市におけるところの実態ではなかろうか。いまおっしゃるように、個人タクシーというものはけっこうであります。たとえば運賃問題をつかまえましても、いままでは個人タクシーの人たちはこれでやれる、いまタクシー会社が運賃の値上げをせよと言っておることは、これはもっと経営努力をすべきだということを個人タクシーの人たちも言っておったように私は聞いておりますが、個人タクシーも現在の運賃では一ぱい一ぱいである、何とか運賃を上げてほしいという声が現在では個人タクシーの人たちからも上がっておるというような状態に立ち至っておるのではないか、このように私は把握をいたしております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 確かに個人タクシーの方たち、いわゆる自分が車を持ってやっていこうというのはドライバーの一つの夢ですね、ですから非常に張り切っておる。車の整備にしてもそうです。乗ってみますと、非常に車内もきれいに掃除をしてあって、感じも違う。おのぼりさんという人たちが東京に参りましても、個人タクシーに乗ればまずいいから個人タクシーに乗りなさい、こう言われておるのですね。しかし、東京都の、都内は別としましても、地方の二十万ぐらいの都市に参りますと、やはり業者との競合問題もあろうかと思うので、そこらは一がいにどんどん許可をしなさいというわけにはいかないかもしれませんけれども、確かに良心的であり、サービスもいいことは間違いないんです。ドライバーとしての夢ですから、誇りも持ってまいるようになるのですね。ところが実際地方では、これらはいろいろ基準がありますね、その基準にマッチして出しても、許可のときにはもういろいろなことを言われて許可してくれないのです。私は基準にマッチすればどんどんこういうものは許可してもいいのじゃないか、むろんさっきの競合の問題もございますから、それらも考えるのでしょうが、どうもウエートがそっちへかかるような気がするのですが、地方の陸運局に対して、個人タクシーの指導はどうしておられますか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 現在全国で約一万五千人弱の個人タクシーがございます。われわれといたしましては、個人タクシーは、いま大臣からもお話がありましたように、評判がいいわけでございますから、その評判のいいことを保持しつつ免許をしていくというふうな方針で、先般もタクシー従事者等につきましては、年齢四十歳を三十五歳に引き下げる措置をいたしております。全国的に見ましても、逐次免許いたしておりまして、たとえば、最近の東京陸運局あたりの免許率を見ますと、申請に対して約七割六分というふうに相なっておりまして、これは一定の免許基準もございますし、また具体的には各局でこういう点について審査をするというので公示をいたしておりますので、年齢であるとか事故歴等を見まして、基準に適合するものは免許をするというふうな方針で指導しております。ただ、申請者の中で従来事故を起こしておるような人あるいは車庫等が狭くて物理的にそれがだめなような人、そういうものも相当ありますので、それらは却下いたしますけれども、おおむねこの基準に合っているものにつきましては逐次免許しておるようなわけでございまして、各地の実態に応じつつ事務処理を促進するように各局を指導いたしておる次第でございます。

佐藤文生自由民主党

○佐藤(文)委員 運輸大臣に、関連して……。  けさ東京の一市民から電話がありまして、いま浜田委員が言われましたとおりに、昨夜帝国ホテルの周辺に立っておりましたところが、外人が三、四十名、私の想像では多分ライオンズクラブの参加者だと思うのです。十数台の車が目の前をどんどん通るのに、全部乗車拒否で通過していった。そこで目に余って、五本の指を出してとめて、そして最初は自分が千円ほうり込んで、どうか乗せてやってくれ、そうして料金が二百円出たら二百円正確にもらってくれということで、千円をないしょに渡してやったらすぐ乗せていってくれた。ところがあまり続くので、見かねて次から五百円をどんどん渡して、十数台までは自分のポケットマネーで外人を乗せてあげた、そういう目に自分はあって、もうあまりにもひどいので、何とかこれをひとつ大臣に言ってくれということで、けさ無名の人から直接電話がかかりました。こういうことを先ほど浜田委員に話しましていまの質問になったと思いますが、いろいろ原因があると思いますけれども、緊急対策と長期にわたってのタクシー対策というものは当然立てておると思いますけれども、たぶん外人に運輸省のほうでサンキューカードというのを出しておるのじゃないかと思うのですが、出しておるのですか出していないのですか、お答え願いたいと思います。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 おそらく東旅協が出しておるカードのお話だと思いますけれども、これは外人には出していないと思います。

佐藤文生自由民主党

○佐藤(文)委員 そうすると、このサンキューカードというのはだれに出しているのですか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 これは主要会社とか官公庁のほうに出しておるようであります。

佐藤文生自由民主党

○佐藤(文)委員 私の聞いたところでは、外人の観光客に対してサンキューカードを渡して、そして日本の観光その他にやってきた外人がタクシーに乗ったりホテルに泊まったりしたときに、非常に親切にしてくれた日本人に対してありがとうという意味でサンキューカードを出す。そのサンキューカードが相当数たまるということで、たまった者を一年一回運輸省のほうで表彰する、こういう制度であるということを私は前のトイレット部長で有名な藤島さんから聞いたことがある。そういうことをして国際観光面で日本の内輪の体制を整えようとしておるとき、こういうタクシーの現況を見たときに、しかも昨夜は陛下の御出席なさったライオンズの会でもあるし、佐藤総理も出席してやった盛大なオーブンセレモニーのその前後に、こういう恥部をさらけ出すということは、私は非常に残念だと思うのです。たぶん東京都の一市民はその現実を見かねて自分のポケットマネーをほうり出してやったのだと思います。これは私は容易ならざる事態だと思うのです。したがって、増車の問題もあるでしょうし、あるいは先ほど大出さんのお話を聞きますと、タクシーの料金がどうも国際的に安いということも大出さんの調査ではあるようです。しかし、そういったようなタクシー料金だけではないかもしれませんけれども、タクシーが足らなければしかたないかもしれないけれども、あの銀座の周辺の夜はタクシーが余ってしようがないのですね、私の目の前ではタクシーがないということはないです。からタクシーがたくさん回っておるのに乗車拒否をする。これはいろいろな原因があると思いますけれども、私は何とかひとつ早急に対策を立ててやっていただきたい、こう思います。  さらに、サンキューカードが出ておるか出ていないかという点はまだ不確定のようですから、それならばこれはけしからぬカードという——何という名前になりますか、こういうタクシーが乗車拒否をしたんだ、サンキューというならけしからぬというカードぐらい出してやるような方法も必要じゃなかろうか。聞くところによると、乗車拒否をしたところのナンバーをすぐ届ければいいじゃないかと言うが、口で言うだけで届ける方法がない。ですから、サンキューカードのかわりにけしからぬカードくらいを考えて、そして市民の協力によってまじめな運転手さん、ふまじめな運転手さんと色分けしていくということも、私は行政指導の一つの案じゃないかと思うのです。この点について自動車局長、ひとつお答え願いたいと思います。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 いま先生が御指摘のような点につきましては、非常に残念、遺憾に思います。われわれといたしましては、一つは行政的に取り締まりをするということで、警視庁と東京陸運局とでよく連絡をいたしまして、取り締まりの強化、結果といたしましては従来よりも行政処分の場合の車両停止の単位をふやしまして、十両という単位でもって処分をしていく。初犯におきましても十両十日ということで処分をしていくということにしたわけでございます。  いまのサービスの点につきましては、東京の旅客自動車協会の特別指導部に窓口を設けまして、一般からの連絡、苦情を聴取するというふうな処置をやっております。なおこれは警察なり役所のほうに申告が参ることによりまして処置するものが大部分でございまして、申告件数の中の八五%は一般の、乗車拒否をキャッチいたします中で一般の申告が八五%のようになっておりまして、一般利用者の御協力を得まして取り締まりに従事しておるわけでございます。今回の事態につきましては、さっそく陸運局に連絡をいたしまして措置いたしたいと思います。  なお、根本問題につきましてはいま大臣からお話がありましたように目下検討いたしておりますので、取り締まりを強化いたしますと同時に、根本的な改善策を推進して事態に処してまいりたいというふうに思います。

佐藤文生自由民主党

○佐藤(文)委員 最後に一問。先般警視庁が出ての取り締まりの実態を私見ました。そのときに、どういう事態が起こったかといいますと、警察官がたいへん御苦労だと思うのですけれども、門々に立ちまして乗車拒否をせんとする車をとめてどういう問答を行なっておるかということを私はそばで調査をいたしました。その結果やはりけんかになるのですね。なぜここを通過するのか、いや、向こうにお客さんが待っているから行くんだ、そんなことないじゃないか、ここのお客さんを乗せろ、乗せない、乗せろといってぽんと乗せる。乗った私はおそろしくて、この運転手から何か暴行されるのではなかろうか、自分の希望する宿舎に帰ることができないのではなかろうかという不安感を味わいました。したがって、この取り締まりも非常にけっこうです。けっこうですけれども、取り締まりの結果はそういう不安感を与えて乗るというのが現実なのです。ですから、取り締まりも必要です。それからタクシーに乗る場所の設定も必要です。だがしかし、現実に目の前で動いているのですから何か根本原因があるのではなかろうか、私はこういう疑問に逢着して解決点が出ませんでしたが、私はやはり運賃問題、運輸大臣は運賃だけではないと言うけれども、運賃問題というものもあるのじゃなかろうか、こういうぐあいに私はいま考えているわけでございます。早急にひとつ対策を立てて善処していただきたいと思います。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 関連して。ただいま浜田、佐藤両委員からお話があって、黒住局長早急にと言っておりますが、実はこの問題は、ライオンズクラブもしくはロータリークラブなど、世界のいろいろな催しが日本にある場合に間々起こることで、今回のように一万人以上の外国人が来て、もう東京のホテルはほとんど満員になっているという際には、御承知のように帝国ホテルあるいはニューオータニ、ホテルオークラには出入りのタクシーが毎日来るわけですね。ちょうど東京駅が一番典型的だと思うのですが、東京駅の八重州口それから本屋口には夜になれば駅に行きさえすればお客があるということで、構内指定の車が常時行っておりますね。ああいうような形をこういう際には事前に適宜に当然はかるべきであると私は思います。したがって、あの東京駅と同様、こういう際は帝国ホテルあるいはニューオータニ、ホテルオークラに配車するよう特に事前から配慮して、外人のサービスに万全を期するように四大会社にやかましく言えば、私はある程度はサービスにそれほど文句を言われなくともやれる体制ができるはずだと思う。そうして東京ハイタクの指導委員会、いまあなたのおっしゃった特別指導部の指導委員会と相談して、この種の問題は国際問題に関連するので、いま佐藤委員は恥部とまで言われたが、こういう点は従来から間々あることだから、こういう際には、ライオンズの場合など一万人の人間が出てきてホテルが一ぱいになっているということが新聞にも出ているのですから、こういう問題はぜひ事前から対策を講じ——東京駅は夕方雨でも降ればどんどん、四十人か五十人がすぐ待ってしまうくらいになる、しかも東京駅には絶えず来ますよ。ですからああいう形を、期間は四日か五日、そんなものです。また大阪、京都にも観光で行けば同様な問題が起こるから、こういう点は適宜、適切な措置をとれると思うのです。だからぜひひとつとっていただきたい。一方、私は一昨日菅野長官ともこの問題でお話をしたんですが、運賃以外の問題で合理化の余地があるといううちに、菅野長官は、時間制の問題あるいは人が三人以上乗っかったらどうしろとかいうことまでしろうとながら言われているわけです。ですから、こういう問題については、私は大都市——大臣がさっき七大都市と言われましたが、私は一昨日菅野大臣にそれじゃ市川と東京、浦和と東京、川崎と東京がどう違うんだ、物価の上に。違いっこないですよ。浦和や市川が上がって、東京が上げられない。東京のほうは物価に影響するが、市川は物価に影響しない。はなはだしきは市川から越境して、川崎から越境してタクシー営業をやっておることは、局長、御存じのとおり。したがって、料金以外の問題でといって苦しくなったものだから菅野長官ああいうことを言ったんだろう。だから、時間制の問題あるいは三人以上、——外国のようなところでは、トランクを一つ横に積んだら有料というようなところもあります。さいぜん世界で一番安いと言いましたが、大出君は、それは東京とソビエトロシアだと言ったが、ソビエトロシアでは国営ですよ。民間自由営業というものはない。私の知った限りでは、安いのは東京とメキシコだ。確かに安い。さいぜん大臣からいろいろなお話を伺ったから私はこまかいことは言いませんが、当面の問題は、何とかしようと思えば処理できる、それだけでも早急に——こういう大きな世界的なコンベンションの際には、事前にできるだけ東京陸運局なり東京陸運事務所で適宜、適切な方策をとるように、ひとつ御指導いただきたいことを私は希望しておきます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 関連。先ほど運輸大臣から、個人タクシーは非常にいいというお話がございましたが、それは一つには個人タクシーを選択するときの基準がきびしいというか、そういうことで優良な運転手を生んでいるということが一つあります。もう一つは、個人タクシーの運転手さんは同時に経営者であって、収入が非常に安定している。まじめに休息をとりながら働いていけば、とにかく食っていけるという面があると思うのです。その点、自動車局長はどうお考えになりますか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 個人タクシーは、タクシー事業の免許を与えておるわけでございまして、一つの事業者でございます法人と相並ぶ事業者でございまして、自分でもって、適宜運行をするわけでございますから、自分の健康の管理というふうなことを十分気をつけて、安全なる運転をしていけば、一定の収入は得られますから、安定をすると思います。しかし、健康管理という問題等は個人で相当注意しないとややオーバーロードになるような場合もございますので、それらの点は注意するように指導いたしております。  なお個人タクシーはいまのところ毎日働くというたてまえでございますから、その時間割り等につきましては、個人の事業者の良識にまかしておるわけでございますけれども、われわれといたしましては協会等を指導いたしまして、特に御指摘のような夜間等におきましても個人タクシーが積極的にサービスを提供するというふうな方向に指導するというふうに、関係陸運局に対して指導いたしておる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 個人タクシーの運転手さんの、東京都の場合で平均収入は月幾らぐらいですか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 一日平均でおおむね五千円ないし六千円の収入を得ております。したがいまして、休みを差し引きますからまあ十四、五万円の収入かと思います。その中で、燃料費、車両費等を引き去ります。車両の場合に償却を終わったような場合には非常に有利になってきますが、一般の車を使いまして、個人タクシーの車両は長く使えますから、月賦販売等が終わったあとにおきましては相当の実収入が見込まれるというふうに思われます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 水揚げといたしましては、大体十四、五万円ではないかと思われます。  私が伺いたいのは、平均して、償却、油代、その他を引いて、大体幾らぐらいになるか、そういう統計が当然あるはずだということでございます。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 これは大体一般の法人タクシーの場合と違わないわけでございまして、ただいま資料を持っておりますのですぐ調べまして、後刻お答え申し上げます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 その個人タクシーに対比されますのが、会社で働くタクシーの運転手さんでございますが、その運転手さんの平均賃金は東京都の場合で幾らですか。自動車局長は東京陸運局長を長くおつとめになっておられましたから、当然おわかりだと思いますのでお伺いいたします。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 おおむね大阪におきまして六万四千円、それから東京におきましては六万七千円、この場合は、年齢三十三・八歳の場合の調査でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 参考のためにお伺いしたいのですが、五年前と比べてどのくらい手取りはふえておりますか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 ハイヤー、タクシーの場合に、たとえば六大都市で平均給与が四十年度におきましては四万二千五百円程度でございます。それに対しまして、四十二年度では五万三千円、それから現在ではただいま申し上げましたような数字でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 そのタクシーの働く運転手さんの賃金の中で、歩合給それから固定給の割合はどのくらいになっていますか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 固定給は基準賃金、すなわち基本給と生活補助給、通勤手当でございまして、六大都市ではおおむこれが四十一年度におきまして五三%、四十二年度で五一%という固定給の率になっております。全国的には四十二年度で五二%が固定給の率になっております。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 そうすると残りの四七、八%が歩合給ということだと思いますが、こういうふうに固定給と歩合給で支給するというのは陸運局なりの指導によってそういうことになったのでしょうか、それともタクシー業者が独自に考えてそういうことになったのか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 先ほど申し上げました、固定給に対応するものは歩合給でございますが、その他の給与として基準外賃金というのがございます。基準外賃金を加えますと、固定部分が約六割に相なります。先ほど申し上げましたものは、基準賃金でございます。これは、道路運送法に基づきました運輸規則という省令がございまして、その省令では、著しく刺激的な給与であってはならないという規定がございます。しかし、これは抽象的でございまして、しかしながら、固定給と歩合給の率を法規的に何%にしろということは非常に困難でございます。でございますが、われわれといたしましては、極力、固定給部分の率を上げまして、運転手に安定して仕事ができるようなということでございまして、さらに、自動車運転手の労働時間等、それらの労働条件の改善につきましては、一昨年の二月九日に労働省の労働基準局長から通達も出ておりまして、いわゆる二九通達というものでございますが、その二九通達の中にも、極端に労働者を刺激するような、いわゆる歩合給制度をやめて歩合給の率は、水揚げ等の多寡にかかわらず一定率にするように逐次改善していきなさいというようなことも出ております。したがいまして、歩合給対固定給の率で、固定給部分の率を上げると同時に、歩合給についても、刺激的な歩合給を採用しないで、一定率による歩合給にするようにというふうな指導をしておるわけでございまして、これは運輸省と労働省とで、法規に基づきまして、通達等によって指導している次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 収入の半分足らずが歩合給であるということは非常に不安定であると思うのです。いま、そういう歩合給から固定給の比率を上げていくよう行政指導等しておるということをおっしゃいましたが、現実にどのくらい上がりましたか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 先ほど申し上げました二九通達を出しましたのが一昨年の二月でございますが、二月におきまして調べました場合に、歩合給の点につきまして、四十二年の二月の調査では、歩合給の一律歩合が四十二社、積算歩合が五十三社、累進歩合が三百十一社、これは四百十社の調査でございますが、その後、昨年の七月の調査によりますと、一律歩合が二百十四、積算歩合が百十四、累進歩合六十二というふうに、この累進歩合が、四十二年二月の調査では七五・九%でありましたものが、四十三年七月には一五・六%になっておりまして、この面におきましては改善しているというふうに考えております。しかしながら、まだ全体といたしましては、かなり改善の余地があるわけでございまして、労働省と協力いたしまして、この面の改善をはかっていきたいと思います。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 ぜひそういう方向で改善していただきたいと思いますが、理想的に、当局としては、何%ぐらいに固定給がなればいいと考えておられるか、その点。  それから、ほかに運輸省所管のそういう雇用労働者で、そういうように歩合給と固定給というようなシステムをとっているものがあれば、それをひとつ教えていただきたいと思います。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 歩合給と固定給の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、固定給というものは基準賃金、歩合給は走行乗務手当、能率給というものでございまして、そのほかに、基準外賃金、早出、残業手当とか、隔日出勤手当、超勤深夜手当とか、基準外のものがございます。これらを加えた場合の計算におきまして六割というふうに相なるわけでございまして、少なくともわれわれといたしましては、現状七割というものを目標にして指導してまいりたい。  さらに、歩合給の面につきましても、先ほど申し上げましたような、累進的なものはそれをやらせないというふうに指導をしていきたいと思います。  それから、固定給、歩合給がありますところは、わが運輸省にも関連の局もございますが、自動車局におきましても、通運事業でありますとか、トラック運送事業でありますとか、われわれのほうの自動車運送事業におきましては、やはりこの歩合給を一部採用しているところが相当ございます。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 葉梨委員に申し上げますが、本会議の都合もありますし、関連ですから、なるべく簡明に……。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 もう一問でやめます。  最後に伺いたいのは、いま七〇%ぐらい固定給にしたいという御答弁をいただきましたが、それをいつまでに実現されるおつもりでございましょうか。もちろん、タクシー業者あるいはその他トラック業者でも、経営を不安定にしたり経営自体を危うくするような賃金改定をするということはいけないと思いますが、それと同時にやはり雇用労働者の立場を考え、安心して働けるような労働環境をつくるという意味で、早くそういう状況に持っていっていただきたいと思うわけでございます。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 われわれといたしましては、いま総合的な改善対策を大臣の御指示によりまして検討をいたしておるわけでございますが、その場合におきまして、当然、この運転手の労働条件の改善という項目が重要な項目であります。それで、その項目につきまして、業界の指導等をやるわけでございます。さらに、この方法といたしましては、こういう場合の指導いたします方法は、通達その他で指示いたしますと同時に、自動車その他の行政処分をやりますチャンスがございますから、そういうときにおきまして、従来からも、役所の指示等によってサービスの改善、企業経営の改善ということを努力しておる者には報奨的に自動車等をたくさんやるというふうな措置をやっておる次第でございまして、通達その他でやると同時に、行政処分のときには信賞必罰という方法でもって対処していきたいと思っております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 幾ら私がおとなしいといっても、本質問者にかわって三人も次々に立つということは、委員長は、幾ら与党といえども、ああいうことをやらしたんじゃいかぬ。もっと整理してもらいたい。ぼくは厳重に通告しておきますからね。時間がありやせぬじゃないか。  そこで、結論に持っていくが、大体公団問題、それから海上交通法、ベトナム船員問題、これを質問する予定だったが、できせぬようになっちゃった。しかし、法案だけは質問しておかんいかぬと思うので、少しだけ質問いたします。  大体、この法案で、倉庫関係を海運に移すと、こういっている。それらに対する人員の配置の問題さらに、今日では、審議会を削るという方向なんですが、いろいろ操作をしておられるようですが、これらは実質的に審議会は数はふえないのかどうか、そういう二点について……。

鈴木珊吉運輸大臣官房長

○鈴木(珊)政府委員 最初に、審議会の件でございますけれども、現在、中央に十一ございます。地方に十九ございまして、このたび二十三を廃止いたしまして、廃止した結果、統廃合がございますので、十二新設いたします。差し引きいたしまして、十一減るということでございます。これが四十四年度の、このたびの設置法の改正案の内容でございます。  それから、ただいま御指摘の倉庫行政の件でございまするが、実は現在までは倉庫行政は、臨港倉庫につきましては地方海運局の所管、それから内陸倉庫につきましては地方の陸運局が所管しておるのでございます。このたびの設置法の改正案では、陸運局がやっております倉庫行政を海運局へ移してしまう。したがいまして、海運局が内陸倉庫までもやるということでございます。お尋ねはそれにつきまして仕事がふえるので、それに対する人間の手当てもどうするのかという御質問でございますけれども、これにつきましては、たとえば、これと並行いたしまして、海運局の出張所というのがございます。これらを廃止いたしまして、そういう人間をこの倉庫のほうの新しい仕事のふえたほうへ振り向けるあるいは海運局の中でいろいろ操作いたしまして、そのほうへ持っていくという手当てをいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そこで出張所を廃止して、それらの人員を振り向ける、こう言われる。ところが実際は雇い入れ、雇いどめ等のあるいは船員手帳の更新とかこういう問題などは、そういうへんぴなところが一番困るのですよ。それは市町村に事務を委嘱するのだ、おそらくこう言われるのだろうと思う。そうすると、何というか、やはりわからない人がやると、それでなくても船員というものは沖へ行ってしまって、気性は荒いし、うまくいかないようになると思う。文句のあるところですが、これらについても十二分にひとつ配慮していただいて、将来業務が円滑にいくようにやってもらいたいと思います。  時間がないのですが、さっきの問題です。大臣、私が四、五日前に赤坂の宿舎へ行って、用事があって、江田さんと碁を打って十時過ぎに出た。そうしてニュージャパンのところに行くと車が拾えると思って行ったら、その途中で客が降りたから、これを拾おうと思ったら御婦人が降りられた。まだ十時ちょっと過ぎです。どうしたのですと聞いたら、あんな車に乗れないというのです。私は家へ帰るのですが、家へ帰るのにとても危険なので降りたのです、そういうのです。事実なんだからね。さっき佐藤さんも言っていたが、そういう状態が所々方々にみなあるんだよ。だからここらで何かひとつ活を入れてきちっとやるものをやらぬと、幾ら運輸省陸運局関係がやってもだめですよ。幾らやりおっても、これでは陸運行政はでたらめだ、なっちゃおらぬ、こういうことになるから、そこらも強く要望して、しようがないからきょうは質問を終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 次回は、来たる八日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十四分散会

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