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61回国会衆議院1969/06/19

内閣委員会 第33号

発言数
319
登壇者
23
会派数
4
開催日
1969/06/19

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 時間の関係がございますから、できるだけ問題の核心に触れて申し上げたいと思うのでありますが、七十年代というところを一つの境にいたしまして、一つはいま問題になっております自主防衛、沖繩返還等々とからみまして、自衛隊そのものが質的に、特に質的にと申し上げておきますが、どう変わるかという点、非常に大きな問題だと思うのであります。  もう一つは、自衛隊が本来法的に持っております治安維持機能とでも申しますか、治安出動といいますか、これが国民の前に出てくるかどうかということ、これまた非常に大きな問題だと思うのであります。したがって、その二つに焦点を合わせて承りたいのでありますが、その前に、十三日の内閣委員会におきまして、有田防衛庁長官に、木原君の関連質問で、私質問いたしましたが、それは、愛知さんの訪米後における説明等とからみまして、沖繩の基地の機能の低下をさせないのだという一つの前提で返還を考える、こういうことでございまして、ということになると、日本の基地あるいは沖繩が返ってきた場合の沖繩基地から日本の区域、施設を使っての直接戦闘行動を行なう場合、どうしても事前協議というもの、これを明らかにしておきませんと、基地機能の問題とからみまして問題が残ります。この点について、私御質問を申し上げましたが、長官の答弁は、核についてはこれは核抜きで、言うならば核なしなんだから、核がないのだから、事前協議もへちまもないとお答えになったあとでつけ加えられて、それにしても核を持ち込むということがあれば明確にこれは断わる、こういう御答弁でございました。  もう一つ、それ以外の場合、つまり日本の区域、施設を使っての直接戦闘行動、この場合には、ケース・バイ・ケースで国益というものを中心に考えてイエスがあり、ノーがある、こういう意味の御答弁でございました。時間の関係で、そこで反論いたさずにやめておきましたが、そのあとで新聞の報道等によりますと、佐藤総理が指示をされまして、六月の十四日だと思います。つまり十三日の私の質問が翌朝の新聞に出たわけでありますからその日になりますが、どういう関連かわかりませんけれども、事前協議についてあらかじめ、どういう場合に応諾をする、あるいはノーと言うふうなことを含めて、米側と具体的な折衝をしておく必要がある、そうしてそれをあらかじめ合意議事録というふうな形にしておきたい。これは交換公文じゃないですね。条約でもなければ協定でもない。交換公文でもない。合意議事録。合意議事録ということになりますと、これは旧来の慣例からいきますと国会の承認が要らない。そういうものをあらかじめこしらえて置いておきたい。それによって、日本の区域、施設を使ってのアメリカの直接戦闘行動あるいは戦闘行動、たとえば三十八度線に何かあった場合、そういった場合の保障ということをその合意議事録によって明らかにしておくんだ。こういう趣旨で折衝をしろ、検討をせよという総理の指示があったということがあるわけでありまして、関係の記者の諸君にも聞いてみましたところが、どうもそういうことのようであります。  したがって、そうなると、これは事前協議ではなくて、すでに事前了解を与えておくことになってしまう。そうなると、これは岸総理みずからがおっしゃっていた拒否権であり、歯どめである。この間、防衛庁長官に反論しようと思ったのですが、時間がなくてやめましたが、アメリカの国会の議事録に、フルブライト氏等がハーター国務長官に当時質問しておりますけれども、この中で、事前協議と申すものは合意を必要とするのかと聞いている。そうですとハーター氏が答えている。だとすると合意に達しなかった場合には行動ができないのか、そうです、それはたいへんなことじゃないかという議論になって、しかしだいじょうぶなんだ、転移ということがある。海上に航空母艦がいた、日本の基地から艦載機が飛んだ、日本に帰らぬで航空母艦に行けばいいんだというようなことをハーター氏が答えている。そこから先は秘密議事録で、いまだに表に出ない。つまり歯どめであり、日本側の拒否権であることは認めているわけであります。そうなると、合意議事録等で国会の承認を必要としないということで、こういう場合にはイエスと言うんだ、こういう場合にはノーと言いますよというようなことをあらかじめきめて合意しておいたなんというようなこと、これは一方的に発表できないですからね、合意議事録というのは。両方の合意がなければ発表できない。そういうことになると、これはそれこそ国家主権にも関係しますよ。もちろん国益にも関係します。  したがって、こういう節書きをお考えになるとすれば、これは国民の皆さんを前にして重大な問題だということになると私は思う。この点、総理から明確な御答弁をいただいておきたいと思うのでございます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この委員会でどういう論議があったか、私十分は知りません。また、いまの記事自身、これも私と外務大臣との話を正確に伝えておるものではありません。私、これは別に、何というか秘密事項でもありませんから、誤解のないようにこの際申し上げておきたいのですが、愛知君が帰ってまいりまして、いろいろ話をしていると、どうも私と愛知君との間にも食い違いがあるようだし、全部内閣としての話を十分まとめる必要がある。それで、見てやや気になるのは事前協議の問題です。どうも質問はそれぞれが、みんな事前協議のフォーミュラというようなものが前もってきめ得るんじゃないのか、こういうところに質問が集中している。ケース・バイ・ケースというようなことで逃げてもらっちゃ困りますよという、実は念まで押されて、私自身が質問を受けている。しかしこの事前協議そのものは、これはケース・バイ・ケースできめる以外に手がないんじゃないのか、前もってフォーミュラをきめておくこと、それこそとんでもないことじゃないのか、こういう話をして、事前協議についての発言はその意味で、そのときの環境、そのときに最も適して国益を守り得るという、そういう態度できめるべきだ、だから前もってきめるなど、そんなことはできないよ、こういう話を実はしたのです。それがおそらく、その程度の話ですから、漏らしても当然だというので外務省は話したんだろうと思う。ただそれがいまのように誤解をして伝えられているんじゃないかと思います。これは本会議の席上で、どうもこの話を聞けば、これはたしか参議院だったと思いますが、ケース・バイ・ケースといって逃げるかわからないが、そういうことじゃ逃がしませんよ、こういって実は聞かれたのです。けど、どうもケース・バイ・ケースできめる以外にない問題でしょう。これは、はっきりしているような場合は別ですよ。これは日本が侵略されるということがもうはっきりしている、そういう場合にイエスと言うことはあり得るだろう。しかしそれにしても、侵略されることがはっきりしているというものをどうしてきめられるか、こういう問題が必ずついてくるんですね。そういうことを考えると、それこそ前もってフォーミュラをきめて決定するわけにいかぬだろう、だからこれはもうケース・バイ・ケースできめるより手がないですよ。そこに誤解がないようによく話をしてください、こういうことを申したのです。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうしますと、事前協議に合意議事録方式をとるというふうなことはない、報道が誤りである、あらかじめノーの場合、イエスの場合等々について米側と話し合いをしておいて、合意議事録にそのことをうたって、国会の承認を経ないで日本とアメリカと両国が持っておるという方式はとらないし、そういう記事等が出ておることについてはこれは間違いだ、はっきり否定願えますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この点は、私の代になりましてあらためて新しいことをきめるわけじゃありません。岸内閣以来、事前協議の形、これはイエスもありノーもある、その点はハーターさんが言っているとおり、ノーと言った場合に、日本国民の意思に反してアメリカは行動することもないという在来からのはっきりした取りきめがありますから、それより以上のものはないわけです。今回の場合におきましても、そのフォーミュラはいままでの話し合い、それは守っていくつもりであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、この合意議事録方式はとらない、それでよろしゅうございますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ただいま総理からお話のあったとおりでございまして、いま事前協議についていろいろの角度から御心配やお尋ねがあるわけでございますけれども、これは本来日本が主権国としての立場で、日本の意見というものを条約論からいえば保留しているわけですから、その保留しているものをあらかじめこういう場合にはこうだとか、こういう場合にはこうだとかいうようなことを本来あげつらうことが性格としておかしいんじゃないだろうかというふうに私は考えております。したがいまして、これを合意議事録というようなことでもって、こういう場合はこう、こういう場合はこうだというようなことを取り上げるのにはなじまない問題ではないだろうか、かように私はただいま考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 重ねて承りたいのですが、私も岸総理が当時答えておられますように、拒否権、つまりいま外相おっしゃる条約論からいって、日本が明確にこれは保留している問題、つまり拒否権ですね、これを放棄するという手はない、どっちからいっても。国民の皆さんの前にそういう危険なことはできない、日本の安全ということを考えれば。日本に全く関係のない地域における問題、それが極東条項というものとからんで、日本の区域、施設を使う戦闘行動、直接発進行動が行なわれるというようなことがあり得るわけですから、その場合に日本に危険が及ぶと考えれば、これはノーと言わざるを得ぬわけでありますから、当然のことであります。その点は明確にされたようでございますからけっこうでございます。  次に問題は、けさの新聞の記事にいまの点に触れて書いておりまして、四条の随時協議、これをフルに活用してきわめて密接な随時協議をやっていくということになれば、何か事があった場合に、事前協議ということになっても間に合うとか間に合わぬとかいうことはないだろう。だから随時協議を徹底的にやるんだ、密接にやるんだということを前提にされておりまして、一番最後のところに、そのために日米側の制服組による、つまり軍人同士という意味ですね。「制服組による定期協議の開催などを提唱することも考えている。」こうなっているんですがね。これは実は沖繩返還の——あとでこれは申し上げますが、こまかい中身になりますというと、軍事委員会みたいなものをつくりたいという意思がアメリカ側にあるような報道が幾つか出ている。そうなりますと、どうもそういうものとからんでくる非常に危険な点がある。指揮権なら指揮権という問題をめぐってなかなかそり合わない。それらを沖繩の防衛という問題を含めて何とかうまく合うようにしなければならぬ。だから、軍事委員会が必要だということが向こうの主張の中にある。それらとからみますからね。随時協議というものをどう活用するというお考えなのか。それともう一つ、制服同士の何かの機関、これをつくっておくというお考えがあるのかどうか、たとえば軍事委員会、これについて明確にしていただきたいのであります。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 軍事委員会というようなことについて新しく何にも考えておりません。それから随時協議の問題も、御案内のように今回の沖繩の施政権返還の問題について申し上げれば、日米安保条約はもちろんのこと、これに関連するいろいろの取りきめや了解は従来本土について行なわれたと同じことが沖繩に適用されることが最も望ましい、こういうふうな態度で交渉をいま始めつつあるわけでございますから、そういう点から申しましても、いままでのところと変わったことをこの際やろうという気持ちはございません。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま、外務大臣がお答えしたからもういいかと思いますが、私から一言つけ加えさしてもらいたいのは、日米安全保障条約ができておる。その安全保障条約を締結しておる日本並びにアメリカ、これはもう申すまでもなく基本的な同じような立場に立って相互が利益を受けている。だから、そこに相互信頼関係がなければ、こういう条約はできるわけのものではないんですね。そういう前提をしっかりと踏まえて、そして今後も、期間中も相互の間に意思の疎通を欠くというようなことがあってはいかぬ。疑惑、誤解を生ずるようなことがあってはならない。そういうような意味で相互の間緊密な連携をとること、これはしばしばあると思います。しかし、いま言われるような形式的なものをこの際設けて、それで事足れりとするのではない。だから、この点を誤解のないようにひとつお願いしておきます。

大出俊日本社会党

○大出委員 その点はっきりしたようでありますが、けさの新聞報道等によりますと、「事前協議を補強」というふうに書いてあるんですね。そして一番最後のところに日本の制服の皆さん、防衛庁の制服の方々、アメリカの制服の方々、つまり軍人でございますが、この両者の間に——もちろんこれは直接戦闘作戦行動等になるということになれば制服の皆さんが専門屋でございましょうから。そういうことで両方の側に定期的な協議をする機関の開催というようなことを考えると書いてありますので、その点念を押したのでありますが、より密接に相互信頼の上に立って相談をしていく、旧来の方式とそういう意味では変わらない。それを密接にやっていく、こういうことだというふうに受け取ります。十三日の問題と関連をいたしまして、問題がございましたので明らかにしていただいたわけでありますが、時間の関係で先に進みます。  四十二年の十二月の国会で、佐藤・ジョンソン会談をおやりになって、佐藤さんお帰りになりましてから国会で発言をなさいましたときに、国民一致してみずからの国をみずからの手で守る気概を持てという言い方をされたわけであります。あわせて当時安保堅持を強調されたのですけれども、私はこれは自主防衛ということがいましきりにいわれておりますけれども、ほかならぬ総理みずからがこの自主防衛をこのときに提起をされた。これはものの記録にもそうなっておりますし、私もそう理解をいたしております。そこで、ものの考え方が私どもと総理あるいは政府の皆さんと違いますが、そのことはさておきまして、今日七十年代というものを迎えまして、あるいは七十年という時点を画しまして、さっき申し上げましたように、重ねて申し上げますが、日本の自衛隊というものはどういうふうに性格的に、特に質的に変わるのかというふうな点の国民の皆さんの心配がございます。  さらにもう一つは、さっき申し上げました治安維持能力あるいは機能というふうな形のもの、これが国民の前にどう出てくるのだろうかという心配、その前段でございます自主防衛というもの、これは総理、一体こういう発言をなさるについては、それが佐藤・ジョンソン会談のあとであっただけに何か一つ動機がなければならぬ。ジョンソン大統領から強く日本の防衛の強化を要請をされたのか、あるいはその他各種の事情がございましょうが、その点について一体どういう動機でこういうことをお話しになったのかという点、それから総理みずからが提唱されたのですから、総理の考えている自主防衛というのは一体どういうことなのかという点、時間がありませんから簡単でけっこうでございますが、お示しをいただきたいわけであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これは一ぺんどうしても懇談をすることが必要だと実は思っておる問題であります。私が言っておるように、国民に呼びかけてみずからの国はみずからの手で守るのだ、その気概を持てという、これは他のことばで言えば独立心、あるいは自立心、こういうものだと思いますね。おそらくいま日本国民がみずからの国を守るというその気概はみんな持っておると思う。ところが、気概は持っておりましてもいま言われる機能というような点になってくると、これは憲法の拘束もあるし、二つの限度があるし、国力そのものの限度もある、こういうように思います。私、別に一九七〇年、そのときにどうというのでこの国を守る気概を持てといって呼びかけておるわけではないのです。独立国家たるものはすべからくしかるべきだ、これが私の実は信念なんですね。  ちょうど皆さん方のところも独立した家庭を持たれる。自分の家庭はまずだれのやっかいにもならないでりっぱな生活をさせようという、これはおそらく御主人の決意でもあるだろうし、御家族の方の協力される点でもあるだろう。それが何よりも必要だろう。しかし、と申したからといって能力が十分あるとは思えない、そこに問題があるのであります。  これは非常に簡単に申せば、国の場合も個人の家庭の場合においても私は同様のことが言えるのじゃないかと思う。だから個人の家庭の場合だと、自分のうちは自分たちでりっぱなものをつくる、かようにいたしましても、どうしても社会構成の一員としてやはり社会的な協力は求めなければならない、それは当然のことだ。いまちょうど国も自分自身の限度がある、国力の限度がある。同時に法制上、憲法上の限度がある。そういう場合に自由主義陣営、その仲間の協力、支援を得る、こういうのがいまの機能、能力の問題だと思います。だから、気概を持つということと機能とこれはやはり区別して考えて、誤解のないようにしたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 いま言われた中で、気概を持てというのはある意味では精神論なんですね。そういう国を守ろうという気持ちになる、そういう意味の精神論ですね、これ。機能ということを先ほど私申し上げましたが、それは具体的に防衛の体制あるいは質、量、そういう面においてアメリカとの関係もあります、安保体制のもとである限りは。そこらがどうなっていくのかという点ですね。もう一つ大きな問題は、安保条約と、日本のいま言われる自主防衛というものの気概という意味の精神論ではなく、現実的な機能という面における量と質、私が軍備というのはいかぬかもしれません、あなた方の認識からすれば。しかしそう言わなければはっきりせぬと思うのでありますが、そういういわゆる軍備あるいは質と量、これがどういうふうになっていくのだ、安保との関係を含めまして。ここがはっきりしませんと、国民の皆さんには、なかなか自主防衛はわからない。防衛庁長官の言によれば、アメリカの兵器その他の供与を受けるなどというこじき根性は起こさないようにするのだ、国力、国情というふうに防衛の基本方針に書いてある。国力も国情もだいぶよくなった。だから、その意味で、言うなれば自前で日本を守る質と量というものを考えていくのだ、こういうことになるのでございますけれども。  そこで、それをもう少し具体的に、いまの発想が起こったゆえんのものは、ジョンソン会談をおやりになって帰ってきて、総理が精神論としてそうお思いになったというだけでなくて、具体的なことがあると思うのです。幾つか例をあげますが、時間がありませんから私のほうから申し上げますけれども、アメリカは極東情勢などというふうなものを分析をして、まずアメリカ自身にとってベトナム戦争もありますから、深刻なドル防衛という側面があることも事実でございます。そうなると、その問題から、日本が自前でこれから軍備を増強していくという面での兵器の輸出という関係も出てまいりましょう。あるいは、さらに問題になる日本の自衛隊が米軍に肩がわりするという意味の経費の節約もありましょう。そういう観点からの日本に対するものの言い方も旧来から行なわれています。そういう点についてどう考えているのかという問題。  それからもう一つ、国内的に見ると、先般経団連の皆さんが総会をお開きになった中で、幾つものことをきめています。言うなれば、日本の防衛産業強化方針ですね。さらに国民への防衛意識のPR、こういうことをきめておりますが、さらに、そこから先に、兵器工業会が先般これまた会議をお開きになっている。三菱重工だとか、あるいは三菱電機だとか、明和工業だとか、富士重工だとか、川崎重工だとかいうところですね。こういうふうなところの方々が集まって、この中で、ポスト・ベトナムあるいは七一年に米軍がアジアから撤退をするというふうなところを考えての兵器の東南アジアヘの輸出の問題、旧来これはタブーになっておりましたが、堂々とこれを表へ出されたわけであります。かと思いますと、与党の皆さんの各集まりの中で、けさの新聞にも載っておりますが、ずいぶん最近ははっきりと、安保体制下における日本の防衛問題というのを再検討する必要があるのじゃないか、それは自主防衛という意味においてと、こういうことなんですね。つまり産業サイドの側からは、総括的に申し上げますと、安保条約の五条の共同戦闘行動がございます、これにも触れております、経団連の討議の中身というのは。調べてみますと、将来に向かって、日本が五条の共同戦闘をアメリカに助けてもらうというふうなことについては、それが通常兵器による局地戦だというふうに限る限りは、核戦争だ、云々だということがない限りは、実際上五条の共同戦闘は無意味であるということにしていきたい、そこまで日本の自衛力というものを増強すべきである。そうなると、将来の日本とアメリカの関係というものは、安保条約を前提にして、極東というもの、極東条項というものを中心とする事前協議、これにかかわるものにしぼられていく、つまり、日本それ自体ではなくて、極東の地域における何がしかの問題、紛争が起こった場合に、日本の区域、施設というふうなものを使っての戦闘作戦行動、そういうふうなものが将来は中心になっていく——六条ですね、これでいきますと。こういう言い方をやりとりの中でしている。つまり、これらの要素、アメリカの強い要請、ドル防衛であるとか、あるいは肩がわりであるとか、兵器輸出であるとか、さらに国内的に産業サイドの側の兵器工業会その他、あるいは経団連の方々がいう要請、強い要求、また、党内がそれを受けて、そちらの方向に動こうとしている、こういうふうなところに、総理の言う国を守る気概という精神論が結びついた形になって自主防衛ということが表に出てきている気がするのでありますが、この点を総理は一体どういうふうにお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 大出君、だいぶんいま雄弁をふるわれて、問題が幾つもありますので、それをどういうように説いたらいいかといま考えて立ち上がったのですが、まず第一に、一つ誤解があるのは、私が急に自主防衛論者になった、こういうように言われる。これは、アメリカへ行って特例な示唆を受け、何か要求でもされてこういうことになったんじゃないか、こういうような疑念を持っておられると実はとれたのであります。この自主防衛論というか、自分の国は自分で守れという、これはかつては愛国心ということばで表現しておったと思います。どうも戦後において愛国心というのは通用しない、もっとわかりいい方法はないか、その愛国心の別な変形から見て、自分の国は自分で守る、そう言うほうがわかりいいんじゃないか、これが実は一つの問題であります。だから、私が自主防衛論を言っていることも、これは事新しい問題じゃないと御理解をいただきたい。  そして、私がアメリカに参りまして、いろいろ話をしている。さらに私がこのことをもっと強く言わなければならないなと思った点もあります。これは、やはり何といいましても国際情勢というものがそれぞれあるのだ、日米安全保障条約を締結しておる相手のアメリカにしても、日本に期待するものがある。日本の憲法を、これは誤解はしておりません。だから、これは正確に考えて、日本でできる限度はしゃんと心得ておる。しかし、日本でやり得ることは軍備ばかりの問題じゃないだろう。やはり平和を維持する、それに協力することの方法は幾らでもあるのじゃないのか、そういうことは日本はどういうように考えているか、こういうような指摘がなかったわけではありません。しかも、私は、吉田さんからサンフランシスコ条約を締結したその前後の経緯も直接聞いておりますが、日本自身はもう兵隊を持ってどうこうすることは考えない、しかしながら、日本の経済力というものはアメリカに協力できるんじゃないのか、占領軍司令部も、そういう意味で日本の力をひとつ利用したらどうか、そういう話をして、マッカーサー司令官に対しての再軍備を断わる口実にもしておる、そういういきさつもございます。日本の国が生まれ変わって、新しい平和国家としてスタートするんだ、そういう場合に、やはり自分の国が繁栄し、平和であるためには、国際的な役割りを果たしていくという、そういう意味からも考えていかなければならぬ。しかし、われわれは他の国に奉仕するものじゃない。野党の諸君からしばしば言われるように、米国に隷属する日本ではないのだ。また、日本の国を守る、日本の国の自立、その上で、われわれの力を、世界平和のために貢献するような意味で役立たしていこう、これを考えるべきだ、実はかように考えております。  したがいまして、まずみずからの国を守る気概を持つ、そうでないと、他に出かけてまで他の国の自立を、これを協力するというか、ことはできないはずです。これは、私は、いま東南アジアの諸国から出てきた人にもはっきり言うのです。われわれは、いま平和的な国家としてやるんだ。日本の憲法は御承知でしょう。一向侵略的な考え方は毛頭ない。経済的援助をしても、かつてのような経済侵略、そういう道はたどらないですよ。お互いにパートナーとしての、りっぱにその国の生活ができるような、経済自立ができるような、そういう意味で援助をするのです。昔のように、ちょっと援助をすれば経済侵略だといわれたが、そういうような誤解があったら、私どもはいたしませんよ、こういうことを実ははっきり言っておるのが、いまの現状であります。でありますから、この国を守るその気概を持つという一つの愛国的熱情に燃える。そうして日本の国をりっぱにする。同時に、日本と同じような共同運命体とでも申すべき極東のアジアの自由主義陣営の諸国が、お互いに繁栄していく。そして他から侵略されない、これが望ましい姿ではないだろうか、かように思います。一面に、日米安全保障条約、そのもとでわれわれが他から侵略されて、そうしてこれを防ぎ得ない、いまの憲法ではどうも不十分だと思えるような点は、これはアメリカの力も借りようじゃないか、それはそれでいいんじゃないだろうか。それによってわれわれが従属的な考え方に堕すとは思わない。そのためにも、自分たちが自分の国をみずから守るんだというその気概を持つならば、アメリカも喜んでこれを援助してくれるだろうし、またそこにわれわれの生きる道もあるんだ。外国に対してもそういう意味では十分助け得るのじゃないか、これが私の基本的な考え方であります。したがいまして、いろいろ言われますが、いまの国際情勢そのものから見て、やはりわれわれも一方で自分の国の平和、繁栄もこれは大事なことだ。同時にまた国際的な役割りもつとめていく。そこにお互いに助けを得る、そういうものもあるのじゃないのか。これは個人の場合も同じです。それは自立の志なき者を他が助けるはずはないのだということがいままで言われてき、私どももそういう教育を受けてきたのですが、やはりそういうことが国の場合もいえるのではないか。これは非常にプリミティブな考え方かもわかりませんが、私はそういうような気持ちでわかりやすくこの話をしておるわけです。

大出俊日本社会党

○大出委員 総理の話がだいぶ長いものですから、またポイントに触れてませんが、時間の関係ございますので、あとは少し短くお答えいただきたいのですが、基本的な、いつも言われる考えは、見解を異にいたしますが、それなりにわかります。そこで承りたいのは、外務大臣が行かれたときに、レアード国防長官と話をしておられる。いま総理は私に、どうもジョンソン会談で、もっと日本は軍備を増強してやらなければいかぬというようなことを押しつけられたのじゃないか、あるいは言われたのじゃないかという疑いを持って聞いておられる、こう言われたのですが、これは事実そういうことなんじゃないですか。これは外務大臣に聞いてもはっきりすると思うのでありますが、今度レアード氏とお話しになった中に——これは時間がありませんから私のほうから先に言いますけれども、外国の新聞、外電等によりますと、幾つか書いてありますが、このレアード氏と愛知外相のやりとりの中でレアード氏が言っていることは、日本の高度経済成長は日米安保によって達成されたのだ。だから、日本は今日指導的な先進国家としてもっと防衛問題に真剣に取り組んでほしい。国民総生産に占める日本の防衛指数はあまりにも低いということを、レアード氏が強調している、こうなっているのですね。これはもう厳とした事実でございます。これは外務大臣、レアード氏がそういう趣旨のことを相当きびしく外務大臣にお話しになったのだと私は認識しているのですが、記者会見等で、愛知さんは、あらためて相手方の自主防衛努力という、日本に対する防衛努力をもっとしろ、国民総生産に対しても、こういうことを再認識をしたというようなことを言っておられるわけでありますが、その事実に間違いございませんな。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 レアード氏に限らず、アメリカの主要閣僚の人たちとは、きわめて自由で率直な意見の交換をいたしたわけでございます。中には、なかなか掬すべき意見もあるように思います。もちろんこちらの見解に対しましても、非常に先方の理解も進んだと思います。その一々を申し上げることを差し控えたいと思いますけれども、ただ一つ、いまのお尋ねについて申し上げたいと思いますことは、レアード氏ももちろんでありますけれども、日本の政策その他について、こういうことをしたらどうだとか、差し出がましいようなことは一切ございません。いろいろの質疑は双方でかわしましたけれども、そういったような、日本に対して、たとえば自主防衛計画が足りないとか、あるいはこうしろとか、そういうような干渉がましいこと、差し出がましいことは、こちらも申しておりませんが、向こうも申しておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 ただしかし、総理が先ほど言っていた、アメリカからそういう要請をされたのではないかという疑いを持ってというのですが、いま外務大臣のお答えによれば、レアード氏に限らず、国務省関係筋の方々にしても、アメリカ側の皆さんは、率直な話の中で防衛努力を強く要請をしている、こういうのでありますから、してみると、これは総理は先ほどああいうふうにおっしゃいましたが、事実に反するので、相手方はそういうふうに考えているということであります。これは別に御答弁は要りませんがね。  ところで、もう一つ承りたいのですけれども、これは法的な問題がからみますから、法制局長官もおいでになるようですから、ひとつあとからお答えいただくのはけっこうですが、あまり長く答えないでください。そこで総理に承りたいのは、先ほどの機能という面での自主防衛、これは一体憲法の制約、それからまた国情、国力——国情の中には国民世論が入っておると思うのでありますが、これの制約もある。だから、安保との関係ということをさっきお答えになっておる。そうすると、一体日本の自主防衛というものを中心にして考える自衛隊の質と量、これをどういうふうに考えておるのですか。具体的にいうと——抽象的ではなくて、具体的に話していただかぬと国民の皆さんにわからぬと思うのですが、具体的にお示しいただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これは最初から池田大蔵大臣時分の池田・ロバートソン会談でしたか、とにかく自衛力の増強、大体陸上自衛隊十八万という、そういうものを大体了承して帰ってきているのではないか、こういうことがいわれ、その後とにかく陸上自衛隊は十八万、ほとんどそれが一つの目標になっていままできておる。それがいつまでも実現していないじゃないか、こういうことはしばしば言われることです。だから、国力、国情に応じてといいながらも、それも実現していないじゃないかというようなことを言われる。それからもう一つは、やはり憲法上私どもは、他国に脅威を与えないものだ、これが一つの問題だと思うのですね。だから、質と量の問題においても、そこにおのずから限度があるんだ。じゃ他国に脅威を与えないものというのは一体どういうことか、それは人によりまして、自分の国の防衛力は放棄しても、どうも他国に脅威を与えるといって一切持つことを否定する人もありますから、なかなかむずかしいことですが、とにかくわれわれはそれを常識的に考えて、他国に脅威を与えない、また国力、国情の許す、そうして防衛力、こういうように実は考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 もうちょっと具体的にいって——そうすると、憲法の制約というものがある。したがって、他国に脅威を与えないという意味は、攻撃的な兵器は持たない。具体的にいうと、そういうことですか。ひとつ聞かしてください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いままではしばしばそういうようにお答えしております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、核はこれはもちろんのこと——総理がこれは予算委員会で答弁されておりますから、これはもちろん持たない。さてそこで、攻撃的な兵器は持たないということになりますと、その範囲における自主防衛というものは量質ともにあるわけでございますけれども、防衛的な兵器を、あるいは人員をふやすということだけにしぼられる、そういう理解をしていいのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 国内の治安を維持し、そうして外国の侵攻を防ぐという、これが私どもの考え方です。ところが、いま紙一重なんですね。他国に脅威を与えない、防衛的なもの、いま航空機等についても、爆撃機は足の長いものは持たないと、こういっている。あるいは非常に速度の高いもの、これも持たないという。けれども、やはり防衛という観点からいくと、そうばかりもいっておれない場合があるだろうと思います。だから、これは具体的に個々のものについて、これが脅威を与えるか与えないかという、そういう具体的なものとして相談しないと、自分のほうの大事なのは防衛なんですからね、国の防衛まで犠牲にして、脅威を与えない、脅威を与えないという、そんな都合のいいものがあるかどうか、そこらをよく考えてもらいたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 具体的な点について承りましょう。その前に愛知さんが時間があるようでございますから、一つだけ承っておきたいのでありますが、これはASPACとの関係等がどうもひっかかるわけでありまして、これは四年前に、PATOつまり太平洋軍事同盟条約機構などという提案を朴大統領がされて、ベトナム参戦国を中心にASPACなるものができ上がってきた経緯がありますが、ここで一つ承りたいのは、沖繩が日本に返ってくることになった場合に、アメリカと他の国とコミットしているいろいろな条約があります。この条約等の中で、米比条約あるいは米華条約、米韓条約あるいはANZUS条約、SEATO、こういうふうなものがずっとある。その中の四条、五条にほとんど大体似たような書き方をしておりますが、四条が条約の適用範囲でございまして、五条が共同戦闘、たとえば沖繩が他国に攻撃をされれば、フィリピンも、ANZUSに入っている豪州、ニュージーランドも、あるいは台湾も韓国も、これはすべてアメリカと共同戦闘という形になる、こういう条約ですね。その四条の適用範囲の中に、沖繩というのはいずれも入っている。となると、沖繩が返ってくるということになると、一体この条約と日本との関係というのはどうなりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは一言にして言えば、無関係になります。いまもお触れになりましたように、それらの条約の文言は、そのできたときの状況によって若干違っております。たとえば沖繩という地域を規定したものもあれば、あるいは沖繩というアメリカの施政権下にある地域における米軍の地位を規定したものもございます。しかし、いずれにいたしましてもそれらの条約は、たとえばアメリカがフィリピンに対し、あるいは豪州がアメリカに対し、二国間の義務関係を規定したものでございますから、沖繩が日本の施政権下に編入されるということになれば、それらから自動的になくなります。さように理解しております。

大出俊日本社会党

○大出委員 なくなるとなりますと、アメリカが日本に沖繩を返そうということになれば、当然なくなることにかわる何らかの責任を日本が負えというのは、常識で考えてあたりまえでしょう。沖繩というものを中心にして、一つ事があれば、フィリピンも、あるいは豪州、ニュージーランドも、台湾も、韓国も、あるいはSEATO関係諸国も、共同戦闘の義務を負っている条約でございますから、それが日本に返る、そうなると、日本とアメリカの関係における安保しか残らない。そうなると、そこに何がしかのものがなければならぬ。だから、ニクソン大統領は、一昨年十月のニクソン論文の中でファンデーションストーンということばを使ってASPACを評価している。太平洋防衛の礎石だという。これは一九四九年、一番最初の安保が問題になるその時代に、太平洋防衛の軍事同盟機構というものをダレスが考えたいにしえの歴史もある。そうなると、ここに日本が何がしかの責任を明確にしなければならぬというところに、アメリカ側の出方とからんで進んでいくということになりかねない。事前協議の問題も先ほど申し上げましたが、今度アメリカと日本との関係において、沖繩が抜けるからなくなるけれども、韓国なり台湾なりあるいはSEATO関係諸国なりというところに問題があった場合に、沖繩に基地は厳として存在する、機能は低下させない、だとすれば、沖繩から——これは日本本土です、今度は。日本の施政権下です。ここから発進をするという問題が、当然起こってくる。ということになると、そこに例の事前協議の問題等とからんで、実質的自由使用、こうなっていかなければ——あるいは核の問題、これは沖繩の地下にポラリスA3が置いてあるなんということは、国際的にさんざんいわれていること。だから、上にあるメースBだけをどけてみたからって、どういうことにもならない。一九七二年にメースBがどくことになっているのは、マクナマラ以来の方針なんですから、あたりまえのこと。ここに国民の皆さんが心配をするポイントがあるのですけれども、アメリカ側はここのところはどういうふうに考えておりますか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これはすでに沖繩の返還問題は日米間の正式の懸案事項として処理することに、舞台に上がったというか、レールの上に上ってきたわけですが、あくまでこれは日米間の問題でございまして、先ほど申しましたように、条約的にいえば、もう沖繩が日本の施政権下に入れば、そこから当然自動的になくなります。しかし、その中には、たとえば沖繩にある米軍に対して、オーストラリアとかフィリピンが万一の場合に救援に来なければならない義務というようなものもあるわけですね。そういうものはもう一切なくなりますから、沖繩は日本の領土になってしまいますから、それはこちらとしては全然無関係。そこで日米間の問題としては、日米安保条約の目的に従って、そして沖繩に残る基地については日本の本土と同じような機能を期待される、こういうことになるわけでございます。あくまでそういう考え方に立って、日本としては日本の立場をアメリカに対して十分主張し、かつそういう方向で結論を得たい、日本はそういうところに徹していけばよろしいと私は考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 いみじくもいまおっしゃったのですが、日米安保条約のもとにおける基地機能ということで、日本が責任を負っていかなければならぬということですね。これはたいへな私は大きな問題だと思う。ということは、ANZUS条約の中の沖繩を中心とするものはなくなる。米比条約も同様、米華、米韓条約も同様、SEATOについても同様。そうなると、日本の領土あるいは施政権下にある沖繩県ということで、安保条約の約束に従っての沖繩の基地、この責任を日本が負うということになると、旧来沖繩を中心として米比なりANZUSなり、あるいは米韓、米華条約なりが果たしていた関係というものを、当然日本が責任を負わなければならぬことになる。形式的には抜けるということになるけれども、実質的にはアメリカが日本の責任を強調するのはあたりまえ。レアード氏の言っているのも、そこに中心がある。ニクソン大統領自身も、愛知大臣に、事沖繩ということでなくて、アジア全域の問題、安全保障という問題を考えましょうということを提起しているのも、そこに問題がある。そこで問題は、そうなると、日本の安保条約というものは、アジア全域におけるこれらの各種の条約、この中心になっている沖繩というものを、各条約にかわって日米安保条約の名のもとに責任を負わされる結果になる。アメリカ側から見れば、負わしたことにしなければ、韓国も説得できなければ、台湾も説得できなければ、フィリピンも説得できない、こうなる。そうなると、これは世上よくいわれるように、日米安保条約の性格はそこまで変わっていくことになる。いま直ちにアジア安保と断定するかしないかという問題はありますけれども、そういう機能をアメリカ側は日本側に負わせなければならなくなる。コミットしていることについての責任が負えない、こうなるのだということにどうしてもなるわけです。総理、ここのところはいかがですか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 ちょっと私、たいへん失礼ですが、一言だけ補足して申し上げますが、結論的にそうではないのです。大出さんのおっしゃることとその点は違うのでありまして、日米安保条約の性格、目的その他の点を含めまして、安保条約を現体制で続けるということが私どもの考え方で、だからこそ、沖繩返還の基地の態様につきましても、日米安保体制の現体制、その中に含まれる一切の取りきめ等がそのまま沖繩にも適用されるようにしたい、これを交渉の基本線にしているというのはそれだからでありますので、安保条約の性格が変わるというようなことは、断じてございませんし、またそうしてはならない、これが私どもの考え方でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは日本側としては当然そういうふうに言わなければ、またそういうふうに進めるというふうに明らかにしなければ、これは国民は納得しない。そう言わざるを得ぬと思います。しかし、アメリカの側からすれば、沖繩基地というものをアメリカが押えているということは、コミットしている各国、アメリカの側に立つ国々に対する責任をアメリカが負っているということなんですから、そうなると、そのことの責任というものを、安保条約を通じて沖繩に依然として置かれる基地、ここに一つの機能を持たせて、その責任を果たさなければならぬ立場に相手方はある。ここに性格が変わってくるということにならざるを得ぬということになる理由があるので、外務大臣が言っていることは、私だって政府の主張だからわかりますよ。わかりますが、質的にそう変わらざるを得ないと断定をしたい、こう言っているわけです。これは確かに見解は違うかもしれないけれども、そうならざるを得ぬ。ここのところを総理ひとつ……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 時間があまりないけれども、もうちょっとこれを聞いてください。私は、そこに社会党とわれわれの主張の相違があるように思います。いまおそらくアメリカは、現在果たしておる機能、これを今度日本に果たさせようとしようと必ず言うに違いない。だから、さらに突き進んでいえば、沖繩が返ってくるためには日米安保条約、これを廃棄しなければだめなんだ、そういうところに結論を持っていかれるのだろうと思うのですね。そうでないと、沖繩は返らないほうがいいんだということになる。おそらく日米安保条約があるからそういうことになるのだから、それを廃棄しなければだめだ、ここに社会党の言い分があるだろうと思います。私は、いまの点に今回の沖繩返還の交渉のむずかしさがある、これをよく理解してもらいたいのだ。本土が沖繩化するのではなく、沖繩が返還されれば、沖繩が本土化されるのです。だから、本土の基地と沖繩の基地が同じような扱い方を受けるのだ。それをアメリカをして了承せしめるための、説得するためのわれわれの努力が必要なんです。その際に話をぶちこわすような話はちょっと困るのです。逆な方向ですね。だから、この二つがいま真正面から対立しておる。これは私はたいへん日本国民の不幸だと思うのです。私どもは、日米安全保障条約のもとにおいてわが国の安全を確保しようとしておる。しかし、それをやれば必ずアメリカにかわった日本が軍事的な能力を持たなければならぬ、こういうように社会党の皆さんは言われるが、アメリカと同等の軍事力を持たなくてもこの沖繩復帰を実現さし得るというのが、私どもの信念であり、そこにわれわれの交渉の目標があるわけなんです。でありますから、ただいまのところは苦心しておる一番の問題なんだし、言われるように沖繩が日本に返ってきたために、沖繩の基地、その機能を日本軍が果たさなければならぬという、逆に核まで持たなければならぬとまでなったら、それはたいへんなことだ。いま、核はようやく皆さんから持たぬでもいいという、これは日本が強く主張すれば持たなくて済むだろうという、その辺は一応御了承いただいておるが、あるいは米韓、米台、米比、それにおいてアメリカが果たしておる軍事的役割りも今度は日本がかわって果たせ、こういうようなことになったら、それはたいへんだと思います、私どもの憲法はさようなことは許さないのですから。だから、さようなことを要求されるようなことだとしたら、われわれは拒否する。沖繩は日本に返ってこないということになる。だから、そこのところをよく話がわかるようにして、そしてお互いに誤解が残らないようにする。私どもはいま沖繩が返ってくれば、この陸上というか、沖繩を守ること、これは本土の一部として私どもは守っていく。さらにまた防空も、さらに周辺の海域についても私どもの力で守っていく、これは私がみずからの力で守ると言うことになると思います。しかし、米韓、米台、米比の条約は、これはアメリカのことであって、日本のことではないこと、これははっきり区別していただきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 時間がないけれども、そこのところ、どうもそういう理解をされているとすると、もう一つはっきりしておかぬといかぬですが、総理のいま言っている筋道は、旧来、沖繩という形で施政権がアメリカにあるという形と、安保の適用下における沖繩という形に返還されれば姿が変わるということを、まず明らかに分けてものを考えてもらわなければ困ると思うのです。現在ならば、先ほど来あげている各種の条約の相手方、フィリピンなりあるいは韓国なり台湾なりというところ、ここで何かが起こった場合に、アメリカの施政権下にある沖繩ですから、そこから直接戦闘作戦行動に出ていこうと、沖繩は安保条約六条に基づく基地ではないのですから、日本にかかわりはない。ところが、返ってくるとすれば、安保条約六条に基づく基地になるのですから、そうなると、そこから旧来ベトナムにB52が飛んでいくというふうな形のもの——何か起こった場合に、日本にある沖繩基地、安保六条に基づく沖繩基地からベトナムにB52が飛んでいくのですよ。韓国に直接発進をしようとすれば、日本の沖繩から飛んでいくわけですよ。いままではアメリカの施政権下にあったのだから、日本は関係ない。今度はそうなったら、関係がある、明らかに関係がある。日本が事前協議という段階で応諾を与えてイエスと言ったら、日本政府の意思を明確にしてイエスと言う限りは、相手方がその基地に対する攻撃をされてもいなやは言えない。今日、かつての朝鮮戦争時代と違って、各種攻撃兵器は進歩していますね。ベトナムなんということになれば日本に届くようなものは持っていないけれども、アメリカの施政権下でない沖繩、日本の安保の六条に基づく沖繩、それを日本が六条に基づく事前協議でイエスと言った、だとすれば、日本の基地を攻撃されたからといって、これは国際的にながめてみて、当然の結果になる。そういう非常に大きな違いがある。国民が心配するのはそこなんですが、にもかかわらず、事前協議その他というものが拒否権を放棄するかのごとく新聞に載っておるから、私は確かめたのだけれども、先ほど来の答弁になったが、しかし、なおかつ、いま私が申し上げた問題だけは、明確に残る。しかも、フィリピンに対しても、豪州、ニュージーランドに対しても、韓国に対しても、台湾に対しても、そういう責任を、事前協議等で日本がイエスと言うとすれば、あわせて日本政府が負わざるを得なくなる。もしそうなるとすれば、そこに自主防衛というものだって、すれすれとあなたはおっしゃる、防御的、防衛的、あるいは国内の治安、そういう意味の兵器と攻撃的な兵器とすれすれ、紙一重とあなたはおっしゃるけれども、紙一重だといって三千七百キロもあるようなF4Eファントムを持った。紙一重だといってさらにそれをもう少しエスカレートさせた、紙一重といってまたそれをひとつ上に上げた、こういう結果になりかねぬ、攻撃をされる危険性が当然出てくるのだから。そこが違うと私は申し上げた。これは明確に違う。違うでしょう。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまアメリカの施政権下にある沖繩、返還後の日本の本土と一体となった沖繩、これは明らかに違います。そうしてそれが、いわゆる事前協議がいまの状態ならない。これは沖繩はどう使われようが、アメリカの施政権下にあるから、事前協議の対象になっておらぬ。だけれども、今度日本に返ってくれば、アメリカの兵隊に関する限り、やはり事前協議の対象になる。もちろん返ってくるときに沖繩の米軍基地がどういうような態様であるか、まだきめちゃおりませんよ。おそらく小さいものになるにしても、これは必ず事前協議の対象になる。そうして事前協議の対象になって、万一、これは仮想的なことですが、イエスを言って、これが作戦行動に出たとしたときに、沖繩の米軍基地だけが攻撃を受けるのならいいですが、そんなことじゃなくて、東京が受けることになる。だからこそ、その事前協議に対するイエスかノーかは、よほど慎重でなければならぬと思うのですよ。それこそ私どもは戦争に巻き込まれることになるのだ。だから、これは慎重に、簡単なものじゃないと言う。だから、前もってフォーミュラをきめておくわけにいかないと言うのです。沖繩の米軍基地だけが受けるのなら、これはまた何をか言いません。また非常に限定されたものだと思います。しかし、それにしても、沖繩の住民は非常に不幸な目にあうだろうと思います。しかし、そうじゃなくて、本土自身がそれを理由にしての攻撃の対象になる、かように考えますから、この事前協議に対するわれわれのイエス、ノーは非常に慎重にきめなければならない、こういう問題であります。でありますから、前の段階はたいへんけっこうなんですが、あとのところが、どうも無理やりに大出君の主張のほうに政府を引っぱり込もうとしておられるが、ちょっとそこのところは私どもは違っておる。それは誤解のないように願っておきます。

大出俊日本社会党

○大出委員 引っぱり込むつもりも何も私はないのだけれども、国民の多数の方々が私と同様の危惧を持っておることは事実です。したがって、いまの総理答弁からいけば、時間がないから長い論議はしませんが、事前協議というものに一つのポイントがかかってしまっている。もしイエスと言ったら、さっき私が言ったようになりかねないという危惧を持つのは、私だけじゃない。国民多数が持っている。ならば、日本に直接関係のない極東地域における紛争に日本が巻き込まれることだけは困るのだから、それならば事前協議というものはすべのノーであるというところまでいかなければ、日本に直接関係のない紛争について、日本に返ってきた施政権下の沖繩基地から発進をするということについては、そのことによって日本が巻き込まれる危険を生ずるんだからというので、すべてノーとあなたがおっしゃるなら、これは話が別だ。そうでない、イエスと言う場合があるとあなたが言う限りは、日本に全く関係のない極東のどこかで起こった紛争に、日本の施政権下、安保条約六条に基づく事前協議で日本が応諾を与えて直接戦闘作戦行動に出ていくのでありますから、その基地である沖繩を攻撃される、日本を攻撃されることについては、当然なんだ。その危険があることは間違いない。そういうものに一切あなたがノーとおっしゃるなら別。先ほど来イエスと言う場合があると言う限りは、この危険がいつになっても残る。あなたはノーと言えますか、事前協議について、そういう場合。日本に直接関係がない極東のどこかの地域に起こった問題で、日本の中の沖繩基地、安保六条に基づく事前協議でイエスと言わないと言い切れますか。それなら問題は別です。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これは、国民の皆さんも心配だろうと思います。だから、政府も、こういうことについての明確な答えをすることが必要だと思う。事前協議は、申しますようにイエスもあればノーもあるという、これは誤解のないように。また同時に、これは日本の国益を守るという立場において私どもはイエスと言うこともあり、ノーと言うこともある。これはその基準をはっきりさしておる。そしてしかもそれを自主的にきめてまいります。他国からしいられるようなことはいたしません。これだけははっきり申します。だから、ここに国民が信頼するかしないか。それは必ず国民は政府を信頼する、そのわれわれの態度について十分信頼を持つ、そこが問題があるのですね。だから、いますっかり安心を与えるためにどういう場合でもノーと言う、こういうように言ってくれ、これが大出君の言い方だが、私は自主的であって、国益を守るという立場に立ってこの応諾をきめるということが、日本の態度であってしかるべきだと思う。この点においては国民を私は説得し、国民もやはりその点ならば納得がいくだろう。何でもかんでもアメリカの言うとおりになる、あるいは力でそこに押しつけられるとか、また従属的だ、こういうものじゃないのですから、そこは誤解のないように願いたい。

大出俊日本社会党

○大出委員 違う点を明確にしておきます。沖繩が今日ある姿というのは、日本の施政権下にございませんから、アメリカが結んでいる各種の軍事条約、その義務に従ってB52がベトナムに飛んでいこうと、あるいは三十八度線に航空機が飛んでいこうと、その意味では日本に関係がない。だから、日本には関係ないんだということを日本は相手国に向かって言い切れる。しかし、沖繩が日本に返ってきてしまえば、安保六条に基づく沖繩基地であることに間違いない限りは、極東条項等を踏まえての事前協議、これに応諾を与えれば、日本の国家的意思でイエスと言うのですから、当然日本も相手国にとって敵対国になる、日本の国内の基地から行くのですから。そうなると、日本に全く関係のないEC121であるとかプエブロ号の事件であるとかいうふうなことによって、日本、沖繩から発進をした。攻撃される危険が日本も当然生ずる。だから、それを国民は心配をするんだから、そういう事前協議については、日本に関係ないんだからノーと言うんだということを明らかにしてくれと私は申し上げた。しかし、日本の国益ということを考えれば、ノーとは言い切れないとあなたはおっしゃる。イエスと言う場合も、したがってあり得ることになる。そうなれば、日本は、日本に関係のない極東の地域における紛争に巻き込まれる危険を持つことになる。私は、あえてここで、日本に関係のない極東地域における紛争に、返還後の沖繩、安保六条に基づく極東条項等に基づく事前協議、これによる場合には、関係ない限りはノーと答えるということを明確にしていただきたいんだが、あなたはそれを言わない。ここが違う。いいですな。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 基本的ないま日本に関係のない地域、そのものに巻き込まれる、それは日本だっておそらく賛成することはまずないでしょうね。だから、私は具体的な問題として、そのときになって国益を守る立場から自主的にきめるんだ、これを私は申しておるので、これが独立国家の政府の当然の責務である。国民に対する責務だ、かように思います。私はあえてことばじりをとって言うのじゃありませんが、日本に関係のない極東の地域の問題に、日本が巻き込まれる、介入する、さようなことは絶対にありませんよ。

大出俊日本社会党

○大出委員 明確に違うという点だけを明らかにいたしまして、私は日本に直接関係のない地域において——皆さんの党の中にだって、極東条項なんというものは削除すべきだという意見がたくさんある。極東条項があるから、ベトナムの場合だって——私がベトナムは極東かと聞いたら、御存じのとおり、極東ではございませんが、そのすぐ隣ですと、こうきた。密接な関係はございます、藤崎条約局長そう答えた。苦しい答弁ですよ。国民の皆さんはそこを心配しておる、巻き込まれることを。この点だけは将来に向かって、いまあなたは言えないでも、国民の皆さんが心配しておるところに手を当てて心配を片づけるのが政治なんですから、お考えを賜わりたいということだけを申し上げておきます。  最後に、時間がなくなりましたので、ほんとはここで防衛庁長官に、沖繩防衛のこまかい点が実はあるので、日本が肩がわりをするという意思を持っておられて、皆さん相談されておる中身がここに書いてある。これは非常にむずかしい問題がある。特に航空について、空について、レーダーサイトの松前・バーンズ協定等に基づく、日本の防空には、指揮権が分離しております。岡田さんが質問した例の件。ところが、これをレーダーサイト、迎撃機、ミサイル、そういう組み合わせ、だから第五空軍の下の三百十三師団が嘉手納にある。ここを中心に那覇の防空指揮所がこれを総括をしておるのですけれども、ここらの肩がわりまで皆さんはいろいろ相談されておる。そうなると、たいへんな問題がある。指揮権の問題もある。自主防衛といって、日本の自衛力を拡大しなければならぬ問題も出てくる。これはナイキハーキュリーズ、ホーク、二個大隊、八中隊あるのですから、合計百二十基あるのですから、それだけのものを日本が肩がわりをしようといったら、合計ホークとナイキで百二十基といったら、日本国内にあるものとそっくり一緒ですよ、数は。それを肩がわりしようというなら、自主防衛ということで相当な予算を組まなければできない。大蔵省とこれはどうもぶつかっておるようだけれども、総生産の一・五%なんていって。これは詰めたいですけれども、時間がありません、ありませんので、あらためてこれは委員長、私の長官に対する質問のほうで申し上げますが、最後に一点明らかにしていただきたいのは、今日の治安維持機能といわれる自衛隊の機能、治安出動、これについて、この間私は国会討論会で保利官房長官に申し上げたら、訓練時間もうんとふえているじゃないか、たいへんな訓練をやっておるじゃないか、市ケ谷なんかでも、プールの上に国会の模型をつくって置いておいて、しかも防石面つきのヘルメットをかぶって、ジュラルミン製たてを持って、やっているじゃないか。山形県の神町だって、暴徒とそれから鎮圧部隊、治安出動部隊に自衛隊を分けられてやっておるのを農民や皆さんが見ているじゃないか。ヘリコプターで写真をとって、朝日新聞に載せた記事だってあるじゃないか。昨年二月ですか、市ケ谷ですが。そういうことを、朝霞、あるいは東富士、あるいは相馬ケ原というところの例を幾つもあげた。そうしたら、そんなことは全然聞いていません、どこからそんなことをお聞きになりましたかという言い分。もうそういうことはいけません、これは任務に明確になっているのだから。そういう訓練を、年間二千二百時間のうち大体四十五時間ぐらいが業務計画の中身であったはずだ。それが最近は、私が練馬の第一師団なんというのはおおむね四百時間やっているのじゃないかと言ったら、あとで新聞記者の方が私のところに来られて、大出さんあんなことを討論会で言ったけれども、そうじゃない、あそこは六百時間こえてますよ、行ってみたのだからという。タイムスケジュールを見てきたという。そういうことまで現に出てきている。それでもあなた方はそこまで訓練を——治安出動準備、四十三年度予算でジュラルミン製のおまわりさんが持っておると同じたて、防石面つきのヘルメット、あるいは三・二九トンの催涙ガス、今度は四十四年度の装備品の中で出てくるのは五トンですよ、催涙ガスというのは。そうでしょう。木銃、そういうふうなものを全部準備しているという事実がある。なぜ否定されるか。もうそのことは自衛隊法三条の任務の中にもあるのだし、七十八条の治安出動という条項もあるのですから、これは明らかにすべきです。そういうやっていることの事実について、治安出動準備がどんどん進んでいることについて、総理御存じないですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまの実情よりも、治安出動、そういうことについての問題をもっと申し上げておきたいのです。いま、日本の国で日本の秩序が維持されて、そうしてびくともしないような体制なら、この国を侵そうとするような考え方を絶対に起こさないと思うのです。私は、やはり間接侵略あるいは直接侵略——直接侵略をしばしば口にする者もあるし、またそのために自衛隊があるような言い方をしますが、そうじゃない。やっぱり日本の国の治安を維持する、そこに直接侵略のすき間がないようにする、間接侵略のすき間がないようにする、これが大事なことだと思います。そのために、私は自衛隊というものはあると思うのですよ。だから、自衛隊法にもちゃんとその任務が書いてある。それをやるのはまず当然だ。そういうこともやらないような自衛隊こそナンセンスなんだ。これは全く国内の治安を維持すること、これは大事なことですよ。これはひとつ立場は違ってもよく御理解いただいて、国内の秩序が維持され、そうして何らの動揺がなければ、間接侵略あるいは直接侵略の余地がないのだ、そこに思いをいたしてもらいたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 一つづつ答えてくださいよ、時間がないので。そういう訓練の事実を、総理はお認めになりますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 治安に対する自衛隊の任務は、御承知のとおりあるわけです。でありますから、われわれといたしましては、与えられた任務としまして、万一の備えとして、その訓練なりをやることは当然のことと私は思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 私は、昨年二月の市ケ谷の国会の模型までつくった話もいましたのですけれども、富士の、あるいは相馬ケ原の、あるいは山形県第六師団神町の話もしたのですけれども、お認めになったようですから、もうこういうことはお隠しにならぬで、最終的にやはりシビリアンコントロールというのは国民が監視する立場にならなければいかぬのですから、総理に、私が、法律七十八条を変えろと申し上げた、二十日たって国会承認なんというのじゃだめだ、要請による場合には、治安出動の場合に地方議会に報告義務しかないのですから、そういうことでは困ると言ったら、閣議できめるのだから、私の独断にはならぬから、変える必要はないとあなたはおっしゃった。しかし、訓練の事実まで隠すようなことでは、国民は信用できません。ですから、やはり最終的には国民に監視権があるのですから、そこまでいかなければやはり私はシビリアンコントロールにならぬと思うので、そういう点はお隠しにならぬでいただきたいと思うのです。  そこで、間接侵略の定義をはっきりしていただきたい。いまあなたは間接侵略とおっしゃったが、どうお考えになりますか。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 間接侵略の定義いかんということでございますが、この内乱、騒擾等に対して他国の教唆扇動等がそこに加わる場合、これが一つの典型的な間接侵略になろうと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 旧来は、一国または二国以上の外国の教唆または干渉によって生ずる国内における大規模な内乱や騒擾を言う、これが国会答弁ですよ。もうだいぶ前のことですからお忘れになって、簡単におっしゃったのだけれども、いいですな、これで。議事録によればこうですから——よろしいそうでございますから、そういう定義でございます。さてそこで、そうなると間接侵略というのは、認識の問題なんですね、どう認識するかという問題。そこで、旧来防衛庁筋の言っておりますのは、治安出動について、外国の干渉というのはどういう事態をさすのかということも明確じゃない。したがって、最終的には時の総理の政治判断——防衛庁は、かつて高度の政治判断と言われた長官がおいでになりましたが、それはそのとおり申し上げれば、時の総理の高度な政治判断だということになる。それ以外に基準がない。いま総理がおっしゃった間接侵略あるいは国内の治安、一緒におっしゃった、そこのところを総理自身はどうお考えですか。どういう状態をさして治安出動の対象にする、どうお考えですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 とにかく普通の状態なら、これは警察力でこれに対応することができます。したがって、いま自衛隊法で任務をちゃんと定めてはありますけれども、自衛隊が動き出すというのは、これはたいへんな問題だと思いますので、そういう点は十分慎重にしますから、ことばだけの問題で、こういうときは自衛隊が動くのだとかいうように簡単に考えられないで、私のほうも慎重にするつもりです。

大出俊日本社会党

○大出委員 実は佐藤さん、私も佐藤郵政大臣のころから、私は当時の組合の執行委員の一人ですから、それ以来交渉に参画もしておりますのでよく知っておりますけれども、これは最後の質問でございますけれども、三十五年の安保のときに、おにいさんの岸総理は、自衛隊の出動をずいぶん強くおっしゃっておる。ここに記録がございまして「安保と自衛隊」というので、これは毎日新聞ですよ、朝日新聞じゃなくて。朝日にもありますけれども……。これはアメリカだって、ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ両方が書けば、たいていほんとうだということになる。取材した記者の方々に聞いてみた、私はいろいろと。その方々が加藤陽三さん、当時の防衛局長にも合って聞いておられるんですよ。それから第一師団の師団長さんにも聞いている、現にいる人ですから。これを見ますと、岸さんはずいぶん——私は総評副議長で、当時総理官邸の前で、大蔵大臣で佐藤さんは中におった。私は表で演説をぶっていたのですから……。あなたもその当時一生懸命——池田前通産大臣、前総理、おなくなりになりましたが……。佐藤さんが当時大蔵大臣、椎名さんが官房長官、もうとにかく出ろ、自衛隊が出動せよという相当強いお考えを持っておられたんですね、これを見ますと。岸さんに劣らず出動を粘ったのは、通産相池田勇人さんと蔵相の佐藤榮作さんだというんですね。その一カ月後には首相の座につき、寛容と忍耐を打ち出した池田さんも、このときはタカ派の筆頭だというんだ。佐藤さんも、赤城さんが「一応市ケ谷の部隊はいつでも非常呼集できる態勢にある。」——赤城さんはここにおいでになりますが「「十分そこそこで官邸までヘリで飛んでくる」と説明しても、「もっと近くに置けないか」と不安を隠せない。」当時の佐藤大蔵大臣です。現在の総理です。これは加藤陽三さん等が言っているんですよ、ずっと。ところが、このときに、あとのほうへ行きますと——赤城さんも最初は出そうかという気持ちがおありになったという。ところが、そこまでいくと、しっかりしているのは自衛隊の制服なんですね。これは旧軍です。日本軍というのは外へ行って戦争したことしかない。国民相手に鉄砲を持って出られるか、冗談じゃない、自衛隊が将来なくなってしまう、そんなことをすれば。鉄砲を持っているのですから、おまわりのまねして小回りしろといったってできない。もみ合った、発砲でもした日には、それこそ自衛隊の存立にかかわる、出られない、がんとしてこれを聞かない。内局の皆さんも、当時一致して聞かない。加藤陽三さんは自分で言っている。だから、皆さんが一生懸命出ろと言ったのだけれども、その内局、制服の方々の話を赤城さんがお聞きになって、そこまでのことであればもう腹をきめるというのでおきめになって、最後まで賛成をされなかったという。しかも、このときに椎名官房長官もずいぶんお迷いになった。迷ったんですね。椎名さんの秘書の方がここのところでしみじみ語っている。なんと産経の水野成夫社長にまで電話をかけている。官房長官の職を賭して反対しろと言われたと書いてある。とうとう反対をして、当時の大蔵大臣佐藤さんを含むたいへん強い要請に対しても、出さなかったという歴史があるんですよ。私は、出しておったらたいへんなことになっていたと思います。いま特にスチューデントパワーの皆さんなどは、国民の前に自衛隊というきばを明らかに出させるのだということで、むしろ引き出しの方向に向いている、方針を読むと。そういう時期だけに、自衛隊の持つ治安維持機能なんというものが、この七十年なんというときに表に出てくる準備を一ぱいしてしまうと、出たくなるものです、出させたくなるものです。その時点を何としても皆さんが乗り越す腹をきめなければ、日本の国内世論というものは、まん中でよたって、どっちへ行くかわからぬ人もいる。いるけれども、そこで発砲事件でもあった日には、国民世論というものを抜き差しならぬまっ二つに分けてしまうということに私はなると思っている。そうなると、これは私は社会主義を考えている人間ですから、いまの民主主義というものを信用し、信奉している一人ではありません。ありませんけれども、公正な政治活動も行なわれ、大衆運動も行なわれなければいかぬのですよ、いまの世の中というものは、近代国家というものは。そうなると、どうしてもそこから先は、国民世論の大きなみぞというもの、片や徹底的に自衛隊の存在に反対をする勢力、片やエスカレートしていって治安対策にますます突っ走るという勢力、そこへ産業サイドの東南アジアへの武器輸出などを含めての考え方が出てくると、これはえらいことになるという私は心配をするので、これは決して総理を悪く言うつもりで言っているのではないのですけれども、三十五年に書いてある事実だから申し上げた。体質的に私はそういう気持ちがあって心配をするので、もう一ぺんそこのところをお答えをいただきたいのでございます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 大出君のただいまの御高察——あえて御高察と申しますが、慎重に拝聴をいたしておきます。また、いまちょうど大出君のまうしろに当時の赤城防衛庁長官がすわっている。私も赤城君とその当時いろいろ話し合ったこともある。また赤城君が防衛庁内の実態を十分つかんで対処されたこと、これは間違いのなかったことだ、かように思います。だから、その御心配なさるような、一部の連中で国家の大事がきまるという、そういうようないまの時期ではありませんから、それはもう必ず当を得た正しい処置がとられるものだ。御心配は御心配として、御注意は私もあるがたく拝聴いたしておきます。またあえて当時の事柄についての弁解は、何もいたしません。以上、申し上げておきます。

大出俊日本社会党

○大出委員 総理の、振り返れば苦い御経験だろうと思うのでございまして、慎重に、私いま心配を申し上げましたが、そうならぬような御決意、御配慮のほどを期待を申し上げておきたいと思います。  一分ずつでけっこうですから、三点だけ関係の方からお答えをいただきたいのですが、先ほど私申し上げました東南アジアへの武器輸出などという問題、これをどういうふうにお考えになっているかという点が一点。  それからもう一つは、自衛隊の治安出動に対しては、三十五年赤城さんの名前で訓令が出ておりますが、それしかありません。治安行動教範草案がございますが、廃棄処分になっているが、現地の一線の指揮官は、廃棄処分になっているけれども参考にいたしております、あとは指揮官の自由裁量ですと答えておられる、新聞記者の方に。そうすると、指揮官心得というふうな基準が明確になければ、あぶなくてしかたがない。できたのか、公表する気があるのか。聞くところによれば、国会でも終わった八月の中ごろに部隊に配るなんというのですけれども、こそくなことはおやりにならぬほうがいい。できたものはできたとおっしゃっていただいて、出すか出さぬかについても、これは明らかにしていただきたい。これが二つ目の問題でございます。二つだけひとつ……。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 武器輸出の問題については、まだそういうことについて検討もしていなければ、関係各省とも協議もしておりません。  それからもう一つの教範の問題、これは御承知のとおりで、教範はやめる。それでいま指揮官心得というものを事務当局が検討中でありまして、私のところで検討するという段階になっていない。それを、この法案も通してもらったりして、私のあれにおちついたときに慎重に検討したい、こういう考えでおります。

大出俊日本社会党

○大出委員 大蔵省にお出かけいただいた三点目でございますが、新聞によると、国民総生産、GNPに対する対比の面で、アメリカがベトナムの関係があるから九%、台湾なんかが七・三%ぐらいですね。フランスが四%ですが、日本の場合に一・五%にするというふうにおっしゃる。これは沖繩の防衛等をこまかく計算をしますと、そうならざるを得ないと私は思っている。ただ、大蔵省との間にだいぶこうなっているのですね。大蔵省の側で反対理由を四つ五つ述べておられるのですけれども、大蔵省のあの問題についての打ち合わせに反対をされている理由、この点だけ述べてもらいたい。

海堀洋平大蔵省主計局次長

○海堀政府委員 まだ現在第三次防衛計画を実施中でございまして、そろそろファントムの採用等の決定に応じまして四次防の計画に着手しなければならないという時期にまいっておりますが、まだ今後防衛費が国民所得に対してどうであるかというふうな点を正規にお互いに話し合ったということは、全くございません。

大出俊日本社会党

○大出委員 新聞に出ているのは、それじゃ非公式ですか。一・五%について、その気がおありになって、そういうふうに進めるおつもりですか。それだけ聞いておきます。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 過般の内閣委員会でも私はお答えしたと思いますが、国民総生産に対する一・五%なんということは、考えてもいない、そういうことでありまして、新聞に出ているのは何らかの間違いではないかと思っています。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 浜田光人君。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいま大出委員のほうから主として安保なり外のことについて質問がございましたので、私は主として国内の、しかも国民の素朴な疑問について質問いたしますので、総理もわかりやすく国民にこの委員会を通じてひとつ御答弁をいただきたいと思います。  そこで、まず第一点は、今日世界のいろいろな状態を見ましても、核武装時代だと言われている。そういうときに、日本の置かれた立場を考えた場合、一たん戦争に巻き込まれていけば、やはり核武装に拡大していく可能性が非常に大きいと思うのです。要は、戦争になった場合にどうするかということでなくして、どうして戦争を起こさないようにするかが大切なことだと思います。この観点から、わが国の安全保障をどのように考えておられるのか、総理の所信をまずひとつお聞きしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 核戦争、これは浜田君お一人ではない、すべてがたいへん心配している問題だ。ことに広島出身だという意味で、世界でも唯一の被爆都市、そういう意味からも、これについて非常な深い心配をしておられること、これはよくわかります。そこで、そういう危険のないような、戦争の起こらない世の中をつくっていく、これはもうお説のとおり、私もそうあるべきだと思います。幸いにわが国のいまの憲法、これはいわゆる平和憲法といわれておりますが、ほんとうに自由を守り、平和に徹する憲法ができている。そのもとでただいまのような繁栄をもたらしております。そうして、私どもも日清、日露両役を考えてみると、十年ごとに戦争をしていたのが、もうそんなことがなくて、戦後二十五年平和で今日まで経過している。われわれのいまの選択の方向は、間違っていないのだと思うのですね。戦争をやらなくて済む方法、これは何と申しましても、いろいろ方法があるが、やはり自分の国は自分で守る気概を持ち、国際的な協力を得るということ、ただいま不十分ではありますが、国連というものがそういう意味の役割りも果たしている。私どもいま日米安保条約、そのもとにおいて国連中心の外交をやる、また、平和外交を推進している、そういうところにも、ただいまの平和と繁栄の基礎がある、かように思います。今日の選択の方向は間違いはないので、この方向をやはり強く推進していきたいと思います。先ほども、あるいは私発言しようかなと思ったのですが、大出君のお尋ねの中に、最近のASPACの問題がありました。このASPACについてなども、いろいろな誤解があるのではないかと思うのです。ことに、三木外務大臣が前回のASPACの会議に出かける前に、特によく打ち合わせをいたしまして、ASPACがどうも一部から誤解を受けておる。何か軍事同盟であるかのような言い方をしている。日本の国はさようなものには参加できないのだから、積極的にひとつ平和外交、平和協力、それを打ち出そうと思うがどうだろうといって私は相談を受けて、そうしてその方向でASPACの今次の総会を日本で開くこと、これを実はきめたのであります。私は、今回も当初いろいろの疑念があったようでありますが、最後にASPACの真のねらいがどこにあるか、これは国民大多数の方が理解してくれた、かように思います。これはもうあえて社会党を云々するわけじゃありませんが、社会党も、最初は軍事同盟であるかのような反対をされましたけれども、後には軍事同盟だということは言われないようになりました。しかし、どうも自由主義陣営だけでああいう会議をすることは不適当じゃないか、こういうところへ落ちついたようであります。これは軍事同盟でないことだけはひとつ御理解をいただきたいし、私は特にこの点を申し上げますのは、この平和を守るということは、単に軍事力だけではないのだという、そのことが申し上げたいのです。でありますから、ただいまとっております道は、軍事力の充実だけではないのだ。経済的な繁栄、経済的協力、ここらにも基本的な外交の方針があり、そこにまた平和を維持するものがあるのだ、このことが申し上げたいから申したのであります。  以上、簡単でございますが、御了承をいただきます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいま総理の答弁では、確かに日本の平和憲法の精神を踏まえてとか、さらに平和外交等に触れられたのですが、しかし、実際見ておりますと、むしろ国際的な緊張緩和の方向でなくして、ずばり申し上げますと、その緊張を高めるような外交をやっておられる、と言うと、また社会党が、そう思われるのでしょうけれども、事実中国政策なんかしかりですね。そういう意味で、いまの答弁ではそう申されるのだけれども、何か本音とたてまえが違うような気がする。たとえば確かに日本の国防の基本方針においては、第一に「国際連合の活動を支持し、国際間の協調を図り、世界平和の実現を期する。」第二には、民生の安定これこれ、第三には「国力、国情に応じ、自衛のため必要な限度において効率的な防衛力を漸進的に整備する。」、第四が「外部からの侵略に対しては、将来、国際連合が有効にこれを阻止する機能を果たし得るに至るまでは、米国との安全保障」これこれ、四つになっておりますね。今日の防衛庁あるいは政府のいろいろな自衛力問題についての動きを見てみると、これが逆のようですね。一と二よりか三と四にウエートを置いておる。この基本方針から見て、私は、傾向が逆になっておる、ということは本末転倒のような気がするのですがね。そういう国防の基本方針から見て、総理の考えをお聞きしたいわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 まあそれぞれの分野においてそれぞれの分を守ること、そのつとめをすることによって平和は維持できるのだと思います。いまの自衛隊をなくしてしまう、こういう議論もありますけれども、自衛隊は、とにかく直接侵略に対しても、また治安を維持する上からも、これは必要だという、だからその意味においての訓練は、先ほどもお尋ねがありましたが、やはりやっていく。平和に徹するのにそういうことをやっておるじゃないか、こう言われましても、これはちょっと、総体としてものごとを見ていかないと、これは無理な批判になるのじゃないだろうか。どうも世の中が平和なんだ、なぜ警察があるのだ、こういうような見方は、私は、ちょっと当たらないのだ。警察は警察としての十分の職務を果たす。自衛隊もまたしかり。また、私どもは今度は国連で十八カ国軍縮委員会のメンバーにもなっておる。またそういう場を通じてわれわれの本来の平和的な存立を主張していく。やはりお互いに核戦争をなくしようとか、軍備の縮小をはかろう、縮減をはかろうとか、とにかくわれわれは大目的のために進む方向、それに協力できるというか、働けること、これはそれぞれあるわけですね。だから、一部一部をつかまえてみて、これが矛盾しているとか、これが反対だとか、これはちょっと当たらないように思うのです。どうも浜田君、政治家としてごらんになる上から、やや片寄った見方をしておられるのではないか。総体的にやはり見ていただきたい。たいへん失礼な言い方をして恐縮ですが、そういうように思います。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 時間がありませんから前へ進みますが、自主防衛についてさっき若干大出委員のほうからの質問がございましたが、これを中心に総理にいろいろとお尋ねしてみたいのです。  確かに佐藤総理は、一昨年お帰りになってからは、みずからの国はみずからの手で守るべきだということを言われた。それに呼応するがごとく、防衛庁は自主防衛、自主防衛だと、言って進軍ラッパを吹き出したのですよ。さらに防衛産業界からは、自主防衛の強化とか、防衛費の増加、これらを強く要請してきておると思うのですね。そこで、ほんとうに自主防衛だということを考えておられるとするなら、国民がまず自主防衛がほんとうに必要なんだ、そのためには基本的な構想を、さらにもっと国民にわかりやすい具体的な自主防衛の内容等について示して、そうして認識を新たにしてもらうとか、国民に説得するという、こういうものが必要だと思うのです。そういう意味で、この自主防衛の考え方、内容、こういうことについて、ひとつわかりやすく国民に——ただ口で自主防衛、自主防衛と言っても、国民はわからないのです。そういう意味で、ひとつわかりやすく、素朴なこういう国民の疑問に対して答えていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほど大出君のお尋ねに対しまして、この席を通じて一応申し上げましたが、国民はわからないと言われる。まあわかってくださると私は思っておりますが、さらに、時間のないところですが、簡単に申し上げます。国の場合も個人の場合も大体同じような考え方でスタートしていいと思います。とにかく自分の家庭はひとつりっぱな家庭をつくろう。それと同じように、われわれの住む国もりっぱな国にしよう。その場合に、自分の家庭はひとつ——最近は核化もするという話もありますが、しかし、やはり家長のもとにおいて一家団らん、そうして平和なうちにりっぱな家をつくろう、これはお互いのねらいだと思います。そういうところを考えて、あまり他人の援助も受けないで自分のところだけはやろう。しかし、いわゆるマイホーム主義になりましても困りますから、やはり社会の構成の一員としての社会的な役割りを果たしていく。その意味において社会的な援助、協力もまた求める。これはやはり国の場合においても同じことが言える。われわれの住むこの国土、風光明媚なこの日本、まだりっぱな習慣がある、これもひとつ子孫に残していこう、こういうことになって、そのためには、他からいろいろの干渉を受ける、これはごめんこうむろう。侵略なぞもってのほかだ。自分たちは自分たちの気持ちでひとつこの国をりっぱに治めていこう、ちょうど家庭と同じような気持ちでひとつこれを守っていこう、そこに発展があると思います。あるいは一面に国際的分業というようなことも申しております。国それぞれが、やはり国際的分業でいこうじゃないか。しかし、国際的分業だと申しましたからって、私どもは、政治を担当する、あるいはまかせられるというそういう意味からは、自分の国の産業を犠牲にしてまで国際分業、それに走ることは間違いだと思う。やはり自主的なもの、そうして自分たちの身につながるもの、それがまず第一に考えられる。国際的な役割りはやはり果たしていく、そこにお互いの協力も求められる、これが大体ものの考え方であります。私は、機会あるごとにこういう点は皆さま方にも御協力を願って、より国民に理解していただくように、その方向で活動したいものだ、かように思っております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そういう抽象的な答弁で——それはさっきも大出委員が、確かに精神的なものだ、こう言っておられましたがね。そうすると、一昨年から総理が自主防衛、みずからの国はみずからの手で守るのだ、こう言われる。それでどんどんどんどん防衛庁は勇気を得てそういう方向へ進みよる。ということになると、いままでは自主防衛でなくて、何か他主防衛といいますか、どこかに守ってもらって防衛しておったのか、こういうことになると思う。したがって、自主防衛という以上は——また確かに、いままで安保条約等で共同防衛とあったのではなかろうかと思うのですが、日米の防衛の比重といいますか、ウエート、これはどういう変化があるのですか。これについて……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほどはひとつ精神論だ、こういう御指摘がありました。確かに、私がまず第一に申し上げているのは、国民がみずからの手でみずからの国を守るという気概を持てという、これは気概は、確かに明らかに精神論であります。これは精神論だけで世の中は済まない。やはり機能、どれだけの能力があるかという、そういう問題になる。その能力は、いまの憲法では、とにかく他国に脅威を与えるようなものを持っちゃいかぬとか、あるいはまた、自分たちもこの国土が侵略を受ければこれを防衛するという、そういう意味のものをその限度で持つ。その限度にしても、さらにまた国力、国情に応じてその限度も果たせないというのが、いままでの現状であります。でありますから、非常な条件がついておるのが現在の防衛力であります。でありますから、足らない点を日米安全保障条約によって補っておる、こういうことです。しかし、やはり主体は、幾ら不十分といっても、この国を守る気概があって、それによってつくったものが中心であることには変わりはありません。だから、国力、国情に応じてそれが強化できるなら、それはやはり強化すべきだと思います。そうしてまた、憲法その他の基本的な考え方に違反しない限り、国力、国情に応じた防衛をするという、これが基幹でなければならない。これは私どもの基本的な考え方であります。でありますから、日米安保条約、これもごらんになればわかるように、本土においての占領当時からの——これは占領当時ですから、米兵がたくさんいたのもしかたありませんけれども、安全保障条約を締結してからは、どんどんどんどん米兵の数は減っておるし、基地もだんだんだんだん整理されておる、そうしてわが国の基本的な姿に返りつつある、こういうことであります。で、新しくいま問題になるのは、小笠原は返ってきた。ここには大した基地らしい基地はなかった。また人もいなかった。しかし、沖繩の問題になってくると、これは百万の同胞がおる。同時に、アジアにおける一つの拠点として、米軍が膨大な基地を持っておる。これがいまの現状だと思いますね。この基地をそれじゃそのまま受け継ぐか、そうしてそれを維持するかというと、これからの問題ですが、私はさようにはならないだろうと思う。この本土における基地の態様のように、順次整理される、それが当然のことだと思います。アメリカ自身にいたしましても、日本に返した上で、たいへんな国費を費やして、そうして在来どおりの米兵をあそこに残す、これは考えられません。こういうこともございますから、これから先の問題でありますが、とにかくわれわれがかわり得る能力、これはひとつかわるべきだ。しかし私どもがどうしてもかわれないもの、あるいはまたそういうものは持てないもの、そういうものもある。これはどういうようなものがどこにあるかわからないが、核基地があるということは、とにかく一つの常識になっておる。その核基地、これは私どもは核は否定しておる、核三原則というものを堅持する、こういうことでありますから、沖繩が返ってくる前にそういうものが片づく、こういうことでありますし、さらにまた米韓、米台、米比等の有力なる基地としての沖繩の機能というものは、沖繩が本土に返った後には変貌するだろう、変わるだろう、これは当然でありますから。そういうようなことを考えると、いまのような基地の姿そのものが維持されるとは、私は思わない。こういう点に、沖繩返還に際してアメリカとさらにさらに協議を遂げる必要があるわけであります。でありますから、いま返還問題というのは、そういう意味でたいへん根深い問題を持っておる、これからの交渉のむずかしさもそこにある、かように私は思います。  ただいまお尋ねになりましたのは、そこまで発展することはどうかと思うが、ちょうどいい機会だから、いまの防衛、また日本の防衛力というものがどういうものであるか、そういう意味から、沖繩の問題にも触れたわけです。御了承いただきます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 少なくとも自主防衛を声高らかに叫び、防衛庁は進軍ラッパを吹くくらいでしたら、日本ではどのくらいの防衛力を持つんだ。たとえば、いま総理が沖繩にも言及されましたが、沖繩が返ってきて、沖繩の機能の低下を来たさないことを考えながら、日本の自衛隊の配備はどうするのか、こういう具体的なものがないと、国民に自主防衛、自主防衛と言っても、国民はただ精神論だけではわからないですよ。そうして、そういう気概を持て、そうなくてはならないんだと言ってもだめです。そういう意味で、少なくとも自主防衛を唱える以上は、たとえば、いままでは共同防衛であったけれども、抽象的には、むしろ今度はアメリカが補完的な立場でやってもらうんだ、こういって防衛庁長官は答弁しておられるが、そうすると、いろいろ陸・海・空、これらの問題を、どのように、量から質、装備、こういうものはやるんだ、こういうものを提示せぬと、国民はわかりませんよ。そういう意味でお聞きしておるので、ずばりとお答えをいただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 一つの問題、徴兵をやるか、やらないか、こういう問題、徴兵はやりません。もう一つの問題、陸上自衛隊は幾らにするのか。これは十八万、これが私どものねらいであります。これはずばりそのもの。さらに、いまの航空力、これはもっと強化しなければならないと思う。しかし、なかなか財力も許しません。また海上自衛隊力、これももっとふやさなければならないと思うが、これまた予算との関係でそう進むわけにいかない。しかし、ただいま申す基本的な考え方、一部で盛んにいわれておるような徴兵制度をやるんじゃないのか、こういうことがございますが、その点はやらない。これははっきり具体的に申し上げます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 まず、徴兵制はやらぬ、こう言われるが、あたりまえのことです。しかし、これから自衛力を増強してやっていくと、どうしても重武装といいますか、そういう方向にいかざるを得ないと思うのですよ。そうなると、先週の金曜日ですか、十三日の日に、東京新聞でずっと自衛力の自前の構想が出ておりましたが、こういうところはどうしても国民は結びつけて考えますよ。だから、総理は前もって徴兵なんかやらぬとか、核は持たぬとか、こう言われる。そうすると、たとえば沖繩の問題を出されましたが、沖繩が返ってきたときの自衛隊の配備はどうされるのか、あるいは守備範囲ですね、守備範囲はどのようにお考えになっておるのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 沖繩が返ってきたときの守備範囲はどうするか、そういうことは、いま自衛隊でもいろいろ研究されている最中であります。また、いま防衛二法という定員増加を考える。これもいまの配置状況等から見まして、弱い点を強化する。そのためにはどうしても必要だ。これが基本的な考え方であります。しかし、限度は、先ほど申しますように、十八万にするといってずいぶん長いこと目標だけ示していたが、それができておらないのが現状であります。この程度までは、どうしてもいまの国力からはしたい。ただいま沖繩の返還交渉の最中でありますが、私どもはこれについて十分ひとつ検討しよう、せっかくいま研究中であります。これはいま公表できないのがまことに残念でありますけれども、準備でき次第、そういうものについても交渉して、アメリカに、返還しても安心のいくように、そういう処置をとりたいものだ、かように思っております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 いま検討中だ、こういう総理の答弁ですが、大体沖繩が返ってくれば、その沖繩県の領土、領空、領海ですね、そういうものは想像がつく、想定できると思うのですね。そういう意味で、沖繩の地域なのか、領域なのか、そういう点について質問しているわけなんで、答弁いただきたい。——質問はわかりましたか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ちょっとわかりにくかった……。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 当然、沖繩の上の領空とか、領土とか、領海はわかります。それは当然守備範囲のうちに入ると思うのです。ですから、そういうところに限られるのか、あるいはいわば領域なのか、地域なのか、そういう点について御答弁いただきたい、こういうのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 領土、領空は、これは問題なしに御理解いただける。周辺の海域ということになり、同時にまた海上輸送路を確保する、こういうことになると、相当広い範囲になるだろう、かように思います。いわゆる海上自衛隊の守備範囲、これは相当広いものになる。私どものいまの貿易の状態、そこに産業の基礎があるのですから、これはぜひとも守らなければならない、こういうふうに思います。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そういたしますと、沖繩周辺の地域はやはり守備範囲だ、このように理解していいのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 大体そういうことです。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 これは領域と地域といいますと、たいへんな差があると思う。ましてや沖繩の性格から見て、沖繩の地域が守備範囲だということになりますと、それでなくとも返還してきたときにいまの機能は低下させないように考えなければならぬということになると、核ぐらいは核抜きでやられても、そのほかのことはやはり極東のかなめ石としてのこの沖繩の使命を達成しなければならぬ、こういうことになると思う。また地域を、沖繩地域のということになると、そうなる。そういう点はどうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この点は、いままでもしばしば申し上げておりますように、兵器の発達その他ございますから、そういうことでそれは補い得るものもあるだろうと思います。でありますから、そう極端に、米軍基地が日本に返ったら直ちにこれは弱化する、救うべからざる弱体化するんだ、こういうように考えないほうがいいのじゃないだろうか。沖繩が日本に返ってくるためにもそういうことを考えてやらないといかないんで、私ども、これは沖繩の県民が納得するばかりじゃなく、アメリカをやはり納得させなければならないんだと思います。日米安保条約があろうがなかろうが、アメリカが日本の立場を十分理解してくれて、いままでよりかやや便利は悪くなる、不便にはなるが、こういう方法で補っていく、こういうようなことも、アメリカ自身でくふうしてもらう、こういうことでやらなければならぬと思います。いまのように、沖繩が本土に返れば、現に日本軍がその機能に肩がわりができるか。これは日本の憲法から申しまして、全部が肩がわりはできません。そしてまた施設そのものも、財力等から見まして、米軍にかわるだけのものは、いまわれわれは持っておらない。核について申すわけじゃありません。それ以外の点でも不足しておる、かように思います。しかし、米国自身が、日本の立場もよく理解し、沖繩住民の願いもよく理解した上で、アメリカ自身が他の方法もひとつ考えてもらう、こういうことで問題を解決すべきだ、かように私は思っております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいまの総理の答弁で私が問題にするのは、沖繩地域と沖繩領域というのでは、たへんな相違があるのですよ。だから、拡大解釈されて、日本の自衛隊が、これから返還後に沖繩に守備についたときに、沖繩地域一体を防衛するんだということで、ずいぶん外へ出られる懸念がある。領域といえばすっきりしておる。これは国連憲章でも、地域は非常に拡大されておる。これは小笠原返還の場合でもやはり論議がされたはずなんですよ。これはわが党の成田委員長が地域と領域との問題ではやはり論議して、かつて訂正されているはずである。この点どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまの誤解があっては困りますから、法制局長官からお答えさせます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 さっきの取り消しますか、地域と言われるのは。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 地域、領域についての考え方は、法制局長官から一応説明させますから、それを聞かれた上で、しかる上で必要があればお答えいたします。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 私、総理大臣のうしろでお話を終始伺っておりましたが、とにかく沖繩がわが国に戻りました場合に、わが国の領域も、何といいますか、当然の姿の領域になる。その領域になる沖繩を防衛するというのが、自衛隊の任務でございます。わが国を防衛するのが自衛隊の任務でございます。したがって、そこで防衛すべきものは、わが国の一部としての沖繩であり、その場合に自衛隊が行動する範囲、それがその領土、領空、領海に限られるかどうかというのは話が別でございますが、防衛の対象になるのはわが国であり、わが国の沖繩である、こういう意味だと思います。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいま法制局長官が答弁したように、守備範囲はどうですか、こう言ったのですから、それを総理は沖繩地域と、こう言ったわけです。だから、それを領域と訂正されるのですか、こう言っているのだから、はっきりしておいてください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私の用語が不適当で、たいへんな相違だという、それは用語が不適当——ただいまの法制局長官の答えたとおり、私考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 では、それで理解します。たいへんなことになる。  時間がないから先へ進みますが、法案について、大体陸上の自衛隊は、しばしばこの法案審議にあたって、毎年毎年一万から二万名くらい欠員なんです。普通欠員を補充して、さらに必要だからといってものごとというものは充足する。これは国民だって、そんなに欠員がいつもあるのに、どうして六千名の定員をふやすのに国会であれだけの論争をされるんだろうか、こう疑問を持っているんですよ。大体予算でも九〇・二%しか大蔵省は認めておらぬ。そのものを、ぬけぬけ六千名というものを提案される。まあそれは政府にせよ、総理は最初は消極的だったということはちょっと聞きましたが、それからいよいよ今度はアメリカへ行かれるのに必要なんか知りませんが、積極的になられた。そういう点で、実際これはそういう欠員をまず補充しようにもできないのかもわからないんですが、応募してもこないんですから。それと今回の六千名の増員法案、この関連でどういうお考えを持っておられますか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 今回の六千人の増員の問題は、浜田さんよく御承知と思いますけれども、われわれとしてはいわゆる編成上の定員のことを言っておる。欠員があることは事実です。しかし、幸いにしまして、だいぶん国民の自衛隊に対する理解が深められまして、充足率はだんだんと向上されております。最近は九二%とまでいわれておる。そういうことでありまして、編成定員でございますので、一般の公務員の定員とはやや趣を異にする。そこで編成定員六千名といいましても、それは装備から、それから幹部、いろいろと訓練上必要な部隊の編成が必要だ。そうすると、結局いま欠員が多いというのは、一般の陸士といいますか、兵のほうに多い。それは有事のときにはそれを補えばいける、こういう私たちの考え方で、常に有事の際に全うできるだけの体制をつくっておきたい、これが今日の考え方でありまして、欠員があるということと、それから編成定員とは、そこに趣が違う、かようなことでございますから、そういうように御理解を願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま防衛庁長官が答えたとおりであります。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 総理も同じ考えだと言われますが、この定員をふやす法案を審議するたびに、これは問題になる。ところが、なぜ充足できないのか、いろいろ問題があると思うのですが、その中で大きな問題を指摘してみたいと思います。いわゆる無理な募集充足が、いろいろな矛盾と不正の温床になっておる。いわゆる政府と防衛産業、自衛隊、この結びつきによって無理な隊員募集、さらに除隊後の就職という、これが不正の温床となっておるのですよ。そこで、今度は防衛庁でいいですが、この三カ年間、四カ年間ぐらいの防衛指定企業者の増加傾向は、どんなになっておるか、まずそれを報告していただきたい。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 数字のことでございますから、政府委員をして答弁させます。

麻生茂防衛庁人事教育局長

○麻生政府委員 私から、昭和三十九年度から本年度までの退職した者を分母といたし……

浜田光人日本社会党

○浜田委員 違う、違う。防衛庁の指定企業がどういう増加をたどって今日ふえてきておるか、こう言っているんだよ。退職者を言っているんじゃない。いままだそういう企業へ高級将官が何名行ったかといって聞いておるんじゃないんだよ。指定企業がどのくらいふえたか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いまの先生の御指摘の点は、私のほうの契約する相手方の登録企業の問題と思いますが、大体千三百から千五百の間でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいま報告があったように、多数の企業にいろいろな形で——これからはさっきの答弁でもいいんだけれども、この企業にいろいろ募集を依頼されるのですよ。総理、これからはほんとうにたいへんな問題なんですぞ。そういうことをやるから、企業に借りができるのですね。さらに自主防衛強化という、そういう中で、防衛産業側からいろいろと防衛費をふやせとか兵器の国産率を高めろとか、そういうことで政治にいろいろな圧力めいたものをかけてきているのだ。そのかわり除隊者は受け入れるという、いわゆるこれが退職幹部を迎え入れているわけなんですね。そういう悪循環がくされ縁となって、機密漏洩とか綱紀の弛緩とか、そういう最大の原因になっているんですよ。ところが、それはもう発表されているんだから、ここに書類があるのだから答弁してもらわなくてもいいんだけれども、昨年の予算委員会、さらにわが委員会でもそうですが、非常に問題になっている。当時の増田長官、そこにおられます。本委員会には元防衛長官というのは三人も四人も来ておられますが、そのときに、すみやかに対処せなきゃならぬ、議事録を見ましても、こういう答弁をしておられる。ところが、その後依然として、本年の一月までに、空将や将官クラスがやはりそういう企業に行っているんだ。こういう機密漏洩やら綱紀の弛緩を来たすような最大の原因だといわれるのに、それを防止するためにどういう手を打ってこられたんですか。そういう点について、佐藤総理は、これは総理としてでも、ざらに国防会議の議長としてでも、どういうお考えを持っておられますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 綱紀の粛正につきましては、政府はもうかねてから苦心し、腐心しておるところであります。あらゆる機会に指弾されるようなことのないように、かように思って努力するつもりであります。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 どういう手を昨年から打ってこられたんです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 その就職等につきましても、それぞれやっぱり資格審査を部内におきましてやって、これはだいじょうぶだというようなのをつとめさせていく、再雇用、そういうことを許しておるということであります。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 防衛庁、いまの何か答弁があれば、答弁してください。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 自衛官であった人が民間へ行く、これはまあ自衛官もいろいろ種類がございますが、若い二十代前後の人ですね、二年、三年より兵としておりませんから、それは、やめた人はなかなか優秀な人材であり、むしろ企業としてはそういうしっかり自衛官として鍛練された人を歓迎しております。私は、このことはいいことじゃないかと思います。ただ問題は、将官なんかも出ますが、こういう方はやはりせっかくつちかわれた能力があるから、政府のほうで一定の基準がありますが、その基準の範囲の中で必ずしもこれは否定すべきことじゃない。要は、民間の会社と防衛庁との間に悪因縁ができちゃいかぬ。これはさっき総理が御指摘になったように、綱紀粛正という面において、いろいろ防衛庁で調達をする調達関係においてそういう弊害が起きないように、しっかりとそれをやっていきたい、こういう態度で臨んでおります。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 幾らそう言われても、やめた上官が嘱託や顧問で会社におって、そしてかつての部下の防衛庁のところに来ていろいろと話し、情報をとってやる。これが一部汚職めいたこともあったけれども、こういうことを繰り返しておったんではだめなんですよ。そうしてあれだけ自殺者も出してみたり、たいへんあぶない状態になったじゃないですか。したがって、これを防止するには、具体的に何をやったのかというんです。どういう制度がえをやったんですか。やらなきゃならぬことなんです、国民に対して。具体的に手を打って防止策を講じなきゃ、とうとい血税であれだけの自衛隊をやっているんですからね。これも追及したいけど、また後日の委員会で答弁していただくとして、総理にここで聞いてもらわなきゃならぬのは、そういう高級将校はいろいろ天下りをやっておる、これに対していわゆる上官がいろいろ隊内でも不正をたくさんやっておることは、投書がたくさん来ているんだ、わが党の中にも。九州からも来ておる。これを読み上げると時間がないけれども、それはでたらめやっておるんですよ。上官が公私混同してやる。それをみな部下は見ている。さらに不正なことでいろいろ買い込んだりして、そして自分がぽいしたり、あるいは私ごとでけがしても、それを公傷にして補償金を取って、その補償金で土地を買ったり、いろいろな投書が来ておる。こういうことをやると、その人たちも言っておるが、幾らまじめにやろうと思ってもばかばかしいと、こう言っているんだ。だから、口で幾ら自衛力云々と言われても、具体的にこういう状態を見のがしておったりしたんでは、もう精神面で総理が幾ら言われてもだめですよ。そういう点で強く指摘しておきますから、よく天下りの問題、さらにそういう綱紀の問題について、すみやかにそれらの対策を制度上ひとつやってもらうように。また基地問題がありますが、これは時間がございませんからこれで終わりますが、特にひとつその点を強く要求して、私の質問を終わります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいまのは重大な問題ですし、これはひとり自衛官ばかりじゃございません、公務員全般について、しばしば同様の趣旨のことがいわれております。そういう意味で、政府自身が綱紀粛正に乗り出しておるわけであります。私は、自衛官に特にこういう問題が他の公務員とは別にあるんだというわけでもないように思いますが、とにかく国民の信頼を得なければならない職務でございますから、そういう意味におきまして、厳正にいたしたい、かように思います。ありがとうございました。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ————◇—————    午後一時十二分開議

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 きょうは防衛二法案に対する、法案そのものに対するポイントを一点と、これに関連いたしましてわが国の防衛に関する基本的な諸問題点を、ほとんど総理に御答弁をいただくという形でお尋ねをいたします。  今回のこの法改正案、すかっと申し上げて、はなはだ簡単な法案です。従来例年のごとく出されている部隊の編成、装備等をあまり取り入れてない。率直に申し上げて、陸上自衛隊の六千名増員計画を何とかしてほしいという改正案という結論に尽きると思います。そこで私は、こういう法案をお出しになるときに、自由民主党の政府としては、この六千名を増員するのは、大所高所から見て、わが国の防衛においてこういう理由で必要なのだという前提が今回も一向出ていない。第一次防衛力整備計画から始まって現に進行中の第三次防衛力整備計画に至るまで、わが国の防衛に対する前提、なぜこの数字が必要だというはっきりした背景がないままに、全く国力、国情に応じて防衛力の漸増計画を進める、今回の陸上につきましても、十八万という人員が三次を通じて一向変わっていない。なぜ十八万要るのかという根拠がない。思いつきで、場当たりで法案をお出しになっているという印象を多分に私感じるのであります。六千名なぜ必要なのか、この点につきまして、私先般防衛庁長官にもただしましたけれども、十八万の大半を充実する方向にある過程におきまして三連隊をつくるという必要を言うておるにすぎないので、なぜそれが必要なのかという背景がわかりません。総理大臣、大臣はこの点につきまして、少なくとも防衛庁長官を指揮下に置いて国の防衛の最高指揮官でいらっしゃる。あなたによって日本の自衛隊は自由に動かされ、あなたによって自衛戦争というような形のものも起こる危険がある。また、あなたによってこの自衛隊を中心とする外交も進められるという非常に強大な権限を現在の佐藤総理はお持ちになっておられる。  そこで最初に法案に関連する質問を申し上げます。  最初、防衛庁長官の提案にはいささか消極的であったと、浜田委員も言われたとおり、私もそう思います。ところがこれをお出しになった理由がはっきりしない。なぜかというと、私から申し上げるならば、現に一万五千の陸上自衛隊員は欠員である。この欠員補充という前提をやらないで、なぜ六千名の増員を御提案になったか。この六千名の中身を見るというと、その大半は、大半というより六割は大体兵率に当たる、いわゆる士であります。士の階級は現に八六・六%という非常に充足率が悪い。九一・七の陸上自衛隊の充足率の中で、士は最も充足率が悪い。幹部それから曹、漸次充足率がよくなっているけれども、最も悪い士の充足率が八六%という、この低率になっているところを思い切ってひとつ海と空ぐらいの比率まで充足率を高めて、しかる後に六千名の増員計画をお出しになるというのなら、私は筋として通ると思いました。総理大臣、あなたのお考え、最後にこれを法案としてお出しになることを決断を下されたお立場は、この陸上自衛隊のはなはだしく定員不足の状態にかかわらず六千名をふやしたというこの提案はどこに根拠があるか。沖繩問題を中心に、対米交渉にアメリカにおみやげとして持っていかなければならぬといううわさは、もうこれは世間周知のとおりになっておる。そういうようなことに一向おかまいなく、日本は日本独自の防衛計画という形でいいと私は思っております。日本の総理として、この点を特にはっきりと御答弁を願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 たぶんもうすでに議論は尽くされたんだと思っておりましたが、なお疑問があるようです。御承知のようにわが国の自衛隊をつくった際に、いわゆる自衛隊、直接侵略あるいは同時に治安を維持するためにどのくらいのものが要るだろうか、これは一応計画されてみた。しかし装備の点、その数等におきましても、国力なかなかこれを許さない、こういうことでただいままでそれを充実しないで今日まで経過した。もうしばしば言われておりますようにわが国の陸上自衛隊としては十八万、これが目標になっておる。これは機会あるごとにこれを充足しよう。ところがいままでも装備を強化することのほうが急で、この数の充実にまではなかなか手が回らなかった。最近の状態から見ますると、この十八万にふさわしい編成をとにかくすべき時期にきている。ただいま御指摘になりましたように、定員はあってもなかなか充足してないじゃないか、充足率の悪いときにさらに数をふやそうとしてもできることじゃないだろう、こういうことですが、これは見方が、やはり部隊編成とその充足と両面を考えていかなければならない。だからその編成は編成としてやはり適当な編成をする、そうしてそれぞれの編成がやはり充実されるように日常募集その他の計画でやっていく、そのもとで訓練をしていくということでなければならないと思うのです。いまようやく、この充足率とは別に編成上の必要から数をふやそう、これでございます。  この点が対米交渉のために何かおみやげ案であるかのような言われ方をすることは、たいへん政府も迷惑なら自衛隊自身もたいへん迷惑だと思っておる。沖繩返還問題、これは沖繩県民並びにわが国民の熱願であります。また自衛隊を充実していく、そしてわが国の安全を確保するということ、これまた政府の政策の基本でもあります。この二つが全然関係ないことだとは私は申しませんけれども、これは別個の立場において考うべき事柄だ。だからその返還は返還として交渉する。同時に私どもは自衛力の増強、これについては独自の立場から考えていく、こういうことで、これはやっぱり別々にして取り組んでいく、こういうことで御了解を得たいと思うのです。  たいへん打ち割ったお話を申し上げて恐縮ですが、いまの充足率もこれはたいへんなことで、さらに力を尽くさなければなりません。しかし同時に、部隊編成の面から見まして適当な編成が必要だ、これも御理解いただけると思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総理大臣、あなたは私の質問の核心に触れた御答弁をいただいていません。私ははっきり申し上げましょう。人間の数をふやすだけでりっぱな部隊ができるわけではない。量よりも質。とにかく一応編成をする体系を整えなければならぬから人間をふやすのだといういまの御答弁は、私は納得できない。それはいま現在ある十七万三千人の中で内部操作ができるはずです、部隊編成であるならば。ところがそこに別の要素が入っておる。つまり幹部、下士官、兵、そういう階層別の必要性ということも入っておる。あるいは返還後における沖繩に対する充足要員という含みが一部あるのではないか。沖繩が完全に本土並みに核抜きで返還された場合には、沖繩にどのぐらいの陸海空の部隊を置くのか、一応防衛庁もその構想があると思います。この構想だけごく簡単に御答弁願い、また総理も、いろいろな場合があるはずですから、その場合をそれぞれ計画するぐらいの防衛庁でなければならぬし、その最高責任者でなければならぬと思いまするし、この六千人増員というものがそういうところに因果関係が私確かにあると思います。すなおに御答弁を願いたい。  同時に量よりも質——総理大臣、あなたも戦前の軍隊の内容をよく御存じのとおり、兵隊、軍人というものは決して数でこなすというわけにいかないし、特にわが国は守る側に立つという自民党なりの防衛政策はおありなんでございまするから、攻めるほうはそれに数倍する、守るほうはその数分の一でいいわけだ。そういう意味からも、数を多くつくるよりもりっぱな自衛官を養成する。国民に信頼され、そして国民に尊敬され、また国民にとけ込む一人一人の自衛官、上官から下士官、兵に至るまで体系がさあっとできて、強い信頼感にみなぎって、そして国民のために国土、国民を守る部隊員としての一個人がりっぱであり、部隊がりっぱである、これが自衛隊でなければならぬと思います。人間をふやすだけでなく、むしろ人間を減らしてでも質をよくするという基本方針をお立てになるのがわが防衛一本、もっぱら防衛一本の憲法の規定に基づく自民党なりの自衛隊のあり方ではないかと思いまするが、私の言うことがひが目であるかないか、御答弁を願いたいのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ちょっと聞き方によりますと、いまの自衛隊は質が非常に劣っている、こういうようにとれるのですね。私はいまの自衛隊は装備その他の点においてもう少し充実すべきものがある、近代的な装備は足らない、こういうおしかりならば私もそれは納得しますが、何だか質が非常に悪いとか劣っているかのように言われると、どうも反抗せざるを得ないのですが、ことにこの自衛隊も、有田君も防衛庁長官として、私が最高責任者だが、同時に国の守りについておる自衛隊員、その職務においては非常に熱心にこれと取り組んでおります。しかし、いま量よりも質だと言われる。これもそれはたいへんけっこうなことですし、それは現在の量でもさらに質を上げていくようにくふうをすること、しかし、なかなか予算の面で近代的装備をしようとしても思うにまかさないのがいまの実情であります。ことに部隊の編成ということになりますと、なかなかいま言われるように簡単なものではございません。やはりそれぞれの部隊数をふやすということが、これは必要なのでございますから、そういう点を今回の定員増によって整備していこう、こういうことであります。そういう場合にいま言われるような質の向上にさらに力を入れろと、こうおしかりを受け御鞭撻を受けるなら、これは私も喜んでそういうようにしたい、かように思います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 いまのいわゆる十八万体制というのは、受田さんも御承知と思いますが、五方面隊、そして十三個師団という編成からなっておりまして、それぞれの地域を勘案し、また防衛的見地から十八万体制ができておりまして、それを編成するべくいま進んでおる。  沖繩関係は、言うまでもなく日本にそれが返還されるなれば日本の国土となるわけです。したがいまして、第一義的にはわが自衛隊が日本のいまの本土と同じようにこれを守る、いわゆる防衛する責任、またあわせて治安あるいは災害出動、そういういまの国内と同じような任務を持っておることは明らかですね。その面はわれわれはどうしてもやらなくちゃならぬ。そこでどういう程度の部隊が要るかということでございますが、これは実を言いますと、沖繩基地の返還さるる順序とか態様などで多少違う。さっき午前中にもお話がありましたように、ナイキとかホーク、これを見ましても、これは沖繩、本土自身を守るものでありますから、わが自衛隊の任務として引き受けることも可能であります。しかし、そういうのがどうなるかということがいまからの交渉によってきまるわけでございますから、まだその懇談と交渉がまとまっておりませんので、いまこれだけの部隊を置いてこうだということは、ここに数まであげてはっきりする段階ではない。しかし、あくまでも陸上自衛隊、海上自衛隊、そして航空自衛隊は、沖繩というあのあまたの島嶼、いわゆる領土また領海を守る、その姿で編成していかねばならぬ、こういうことでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 防衛庁自身が沖繩の返還態様に応じてそれぞれ沖繩の陸海空自衛隊のあり方をどうするかぐらいの構想があることは私はわかっておる。それをすなおに言ってほしいわけなんですけれども、態様に即応した防衛体制、それは言えませんか。そのくらいの用意はしておかなければいけない。その中に六千名の陸上の増員というものも、沖繩に配置することを考えた場合にはやはりこれくらいのものは置いていかねばいけないというくらいの気持ちがおありであろうと私は思うんだ。それはそれでなければ、いま内地に——総理がいま、人間がやっぱりそろわないと隊の編成ができないとおっしゃったが、この一個師団の人員が七千名だろうと八千名だろうと九千名だろうと一万名だろうと、優秀な隊員がそろっておれば、人数にはかかわりなく実力は発揮できると思うのです。だから今度の六千名をふやさなくたって、現在おる隊員を——いま私別に現在の隊員が悪いと申し上げたのではないのですよ。新しい希望を持つならば、全隊にまずい隊員のいないような、現在においても優秀であっても、さらに優秀な隊員たらしめようということを希望申したわけなんです。人間の数で自衛隊の実力が発揮できるという意味でなくして、その精神、心の持ち方、訓線、そして国民の強烈な背景がひそんでおる、こういうところに自衛隊の存在意義があると思うのです。私そういう意味で、今度の増員計画ははなはだまずい、質より量をお考えになられておる、主客転倒であるという点で、残念ながらこれに反対せざるを得ないことをここに申し上げておく。  私はここで、総理、あなたに国防の本義というものはどこにあるかをちょっと、その最高指揮官であるからお尋ねしたいのですけれども、軍事力を高めるだけで国防をこれ事とするような考えでないことも、さっきの御説明で私よくわかります。平和外交を進め、文化、経済の交流を各国とはかり、できるだけ親善外交を国際的に進めていく、国民に平和を愛好する筋骨を入れる、いろいろな立場がある。こういうものを総括して国防は成り立っておると思う。軍事はその一翼にすぎない。これははっきりしていますね。もう一度御答弁願いたい。そのとおりならそのとおりでけっこうです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 受田君のお説のとおりであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうするならば、ここで一つ国防会議という機関があるのです。これは防衛庁設置法の中にある。その中には、国防の大本をどうするか、基本をどうするか、防衛の大綱をどうするかということがある。その国防の大本という中に、私がいま申し上げたような親善外交、各国と仲よくする、経済、文化の交流をはかる、国民的に平和への意欲をわかす、国民意識を高める、いろいろな要素が入ってくる。そういうものを国防会議で扱ってきたことがあるかどうか。ただ防衛庁の提案した具体的ないわゆる軍事面の増強計画、そういう点だけを審査しておられるのじゃないか。はっきり御答弁願いたいです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 国防会議を重視されること、たいへんけっこうであります。またいままでもこれは活用されている。いわゆる形式的に国防会議というばかりではございません。懇談会形式等をも合めて、ただいまのような国際情勢一般につきましても十分意見を交換しておる、こういう場でございます。ただいま言われるように積極的に平和外交を推進するのは国防会議の直接じゃございませんから、そういうのが背景になっておるということを御了承いただきたい。

受田新吉民主社会党

○受田委員 いままでお出しになっている、一年に一ぺんぐらいしか審査をされていない問題は、防衛庁が提案された問題だけ、こういうことです。私はその点につきまして、国防会議のウエートをもっと高めるという総理の御意思はないか、防衛庁設置法の一部にそっと付属機関のような形になっておるものを、これをひとつ国民の国防会議という立場から、シビリアンコントロールの真価を発揮する意味から、いま申し上げた広い国防の観念を取り入れながら、これを国防会議設置法という独特の法律で体系づける必要はないか。  たびたび立ったりすわったりするのが御迷惑ですから、まとめてお答えを願いたい。  今度沖繩を祖国に返還するというのは総理の非常な非願、熱願です。これを果たすことについてはやはり沖繩の防衛という大事な問題が背景にひそむ。したがってこれも国防の大本であり防衛の大綱であるという意味から、国防会議にかけてアメリカへおいでになるという御意思を持っておるかどうかをお答え願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 あまりおっくうがらないで、国防会議というりっぱな制度があるから活用しろ、お説のとおりであります。また、私どももそういうことを気をつけるつもりであります。  また、沖繩の問題につきましても必要があらばそういう点にはかること、これももちろんであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 沖繩の扱いについても、それからこの安保の体系をどうするかという来年のあり方についても、国防会議に一応議題にするという御意思である、これは重大な基本問題だとして。そう了解してよろしいですね。安保も同様かどうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 そのとおりであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そこで、国防会議の議員に総理が議長でいらっしゃって、通産大臣と科学技術庁長官は単なるオブザーバーになっています。これはやはり防衛産業という大事な問題が、あるいは科学技術の大事な問題がある以上、正規の議員にこれを切りかえる。そしていま国防会議の新しい雄大な構想を、ひとつ機構としても練り直すという御意思が一応おありかどうか。また、そういう方向へ持っていきたいというお気持ちがあるならば、気持ちだけでもいいです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 現在オブザーバーという形ではありますが、大体会議にはいつも出ております。したがっていまの状態で十分だ、私はかように考えておりますが、さらにこの後の変化によりましては、いま言われるような点も取り上げなければならぬかと思いますが、ただいまのところはそこまでは考えておりません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総理大臣は、自衛隊法の規定に基づいて七十六条の防衛出動、七十八条の命令による治安出動という、そういう大事な出動を発せられる権限をお持ちである。この権限を乱用をされないために国会の承認という制約規定があるのでございまするが、総理は、さっき大出議員の指摘されたような、あの九年前のときに治安出動に非常に御熱意をお持ちであったという実績は、きょうも私有力な週刊誌の中に、タカ派佐藤榮作氏という見出しで書かれたのをけさ見たばかりなんです。それは赤城防衛庁長官がはっきり談話として発表をしておられる。当時の大蔵大臣佐藤榮作君が強烈に私に治安出動をせよとハッパをかけた、けれども私は断わった、こういうふうに書いてあるわけです。これは赤城先生もそういう点については佐藤先生と別にうそ偽りを言う間柄ではないのでございまするから、そういう行きがかりがあったことは天下周知の事実のようになってしまっておりまするので私は申し上げたいのですが、佐藤さんはその点、私は非常に平和愛好論者であると思っておるけれども、こういう雑誌などを見ると、そういうのがタカ派のほうへ書いてある。これは私ちょっと心外なんでございますけれども、命令の発動者が、命令権をお持ちの方が非常にきびしい考えを持っておられると、この防衛出動もそして治安出動も、総理の意図で閣内をまとめられ、それを強行される危険がある。そういうときに防衛庁長官がそれに反対をするという場合に、防衛庁長官を罷免してまたやり直すということになるのかどうか。これは法制局長官からでもけっこうですから、法律的な解釈をお願いいたします。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 とにかく国の最高の行政機関といいますか、国の政策を最終的に決定する政府部内の機関としては御承知のとおりに閣議でございます。閣議というのは御承知のとおりにこれは多数決ではございませんで、いわば全会一致ということで事が進行しておるわけでございます。そこでもし反対があったらどうかというのは、これは特に学問上といいますか、理論上といいますか、しばしば口頭試験なんかに非常に都合のいい問題でございまして、そういう場合にはどうなるかといいますと、公式的な説明としては、国務大臣を罷免して、この自己の何といいますか全会一致になるような者を選んでくればいいであろうというようなことが一つの解答になって出てきております。しかしそれはあくまでも、何といいますか、議論をするための議論でございまして、実際政治の面でそういうものがちょこちょこ行なわれるかどうかというと、これは私が申し上げる筋道の問題ではないかもしれませんが、それは理屈の問題と実際の問題と、その辺はほどよく総理の言われる統率力によってそれをうまく処理していかれるということが実際のところであろうと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 自衛官個々には、防衛出動に対する命令干犯をやると懲役七年、予備自衛官が防衛招集に応じないとこれまた三年以下の懲役、禁錮を命ぜられるようになっている。そういうきびしいときに、防衛庁長官が総理大臣の命令に従わないという場合に、これは一兵卒でさえも懲役七年にもなるようなときに、防衛庁長官が懲役七年になるというわけにはいかない。私は自衛隊の士気という点からいっても、上層部の間におけるトラブルというものを起こしてはならない。九年前の赤城さんの措置はきわめて私は適正であったと思う。あのときに、赤城さんが防衛出動を命じていたならばどのような事態が起こったかと、私たち憂慮にたえないものがある。これは私は佐藤さんが負けであったと判断をします。これは赤城さんが、この防衛出動では勝った、国民のために勝った、こういう判断をするわけでございますが、最高責任者としての立場で、この命令発動権を乱用してはならないという高い政治的判断を常に佐藤先生はお持ちにならなければならない。したがって、来年の治安出動という問題が討議されておるこの段階におきましても、総理は、この治安出動というものはできるだけ避けるべきであるという強い意欲を持って最後まで臨まれるかどうか、来年も引き続き総理でいらっしゃるはずの佐藤総理大臣の御答弁を願いたいのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 こういうことは、受田君の御高説は拝聴いたしましたということで答弁はいいかと思いますが、ほかならない受田君の私に対する激励のことばともとれるようなお話でありますから、私の感ずるところを——これはもう先ほども大出君にも申したつもりでございます。この治安出動というようなことは、慎重な上にも慎重にしなければならないことだ、かように理解をし、そうして私どもは何といっても警察によって治安を維持する、これが主体、本体であります。したがいまして、自衛隊には自衛隊の職務としてそういうことが期待されておりましても、それこそほんとにやむにやまれないというときでなければ、それを使うべきではない、伝家の宝刀をしょっちゅう振り回すものじゃない、かように私は考えております。したがって、あるいは同じであろうと思いますが、私の感じでは、受田君の言われたより以上に私自身が慎重な上にも慎重にこの問題と取り組むのだ、このことを申し上げて、私のほうがより慎重な気がしておりますので、誤解のないようにお願いいたします。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総理も非常に円熟された人格を形成されておることを、深く敬意を表したいと思います。  国民の不安は、みだりにこの治安出動等が起こって、自衛官が国民に銃口を向けるという悲劇を絶対に避けたいというのは国民的な熱願だと思います。またこの点につきましても、一般自衛官、いままで苦労に苦労を重ねて、日陰の者として歩んできた自衛官も、今日国民的な信頼を、世論調査でも相当広範囲に、幅広く得ておる段階でございますから、一方において、防衛出動の際に非常にきびしい罰則を用意され、また三百有余機というあの飛行機の墜落事故等で、航空自衛官というものは生命の危険に終始さらされておるという、こういう皆さんに対しまして、待遇の面につきましては一般公務員よりもより高い待遇をして、これらの皆さんに国土、国民を守るための自衛の任務に報いてあげなければならないと思うのです。そういう点につきまして、総理も十分心していただけると思いますけれども、国土、国民を守るための防衛意識を高めるということは、信頼できる自衛官、また信頼できる国民的規模に立つ自衛隊という意味から、隊員の処遇、上下の信頼のより一そう高まること等に御留意いただけますかどうか、よろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいまの受田君の御趣旨は、私も感激をもって伺ったのであります。さらにさらに処遇なり、また上下一体としての親和、そういう点について意を用いていくということに努力したいし、国民から信頼され、国民からほんとに愛される自衛官、自衛隊をつくることに一そう精出すつもりでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 誠実な決意を表明していただいて、全国の自衛官も国民もきっと安心していただけると思います。私はこの機会に、三矢事件で問題になったように、三矢研究をする皆さんが、国家総動員法の発動を考えるとか、そういう政治的な意図さえも持つような危険があるわけなんです。こういう点につきましても、常にシビリアンコントロールの立場で制服の皆さんから、政治の面ではあなた方におまかせするという安心した政治体制をつくっておかなければならぬと思うのです。この点も十分含んでいただきたい。その意味におきましては非核宣言、こういう決議案などには、核の唯一の被害国であるわが国として、どうか超党派で、自民党総裁としても、昨年のあの野党三派共同提案、また自民党も御協力いただくべき一切の非核宣言、非核武装宣言、この核に対するあらゆるものを排除する宣言に自民党の総裁としても御協力を願いたい。この点につきまして、国民に信頼される政治という意味から、総理の御答弁を願いたいのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この点は、私はもうしばしば非核三原則をこの席でも申し、国民にもその点を公約しております。いまさらあらためて宣言という形はとりたくはない、この点はもうしばしば申し上げましたので、重ねてその理由などは申し上げないことにいたします。

受田新吉民主社会党

○受田委員 最後に、時間が進行してえらい進むようでありますが、永末委員が訪米して、沖繩問題に非常に熱意のある交渉をしてもらっておりますので、そのほうへお譲りするといたしまして、私は、この総理訪米にあたって、十一月訪米の際に沖繩返還のめどをつけられる、それから外務大臣の御答弁あるいはお話によると、七二年ごろには双方の話し合いにより条約案をつくり国会の審査を受けるようにしたいという御希望のようですが、この沖繩返還のスケジュールにつきまして、総理は、めどをこの秋におつけになる、同時に返還の時期をどこへ置いておられるか、これをひとつ御答弁願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これはもういままでも外務大臣からしばしばお答えしておるように、七二年、そこにめどを置こうというのが現在の考え方でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それは条約案が国会を通過する時期を七二年に置いておられるのか、条約案ができるのを七二年に置いておられるのかです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これから出てみなければわかりません。そこで大体見当がつけば、愛知君が皆さんに御説明申し上げたように、話が基本的に両者妥結に達した場合に、了解に達した場合に、それからさらにその後手続を整備していく、こういうことになるわけでありますから、そうして最後のところが七二年に返還が実現する、こういうように御理解いただきたい。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総理は総裁三選にあたって、身命を賭して奉公したいという御決意の表明があった。その中には、沖繩返還というこの悲願がきっと入っておられたと思う。したがって、この沖繩返還、沖繩県民百万の熱願、一億の国民の熱願を果たす大役を総理はお持ちになっておられる。これを、総理がこの秋の訪米でめどをつけられるだけで任期いっぱいが終わるようなことでは、私ははなはだ残念だと思うのでございますが、めどをつけるだけでなく、りっぱにこれが成り立つまで総理の任にあって果たしたいという御決意があるかどうか、御答弁を願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 とにかく私にまかされた範囲におきまして私はベストを尽くしていく、これが私のただいまの心境であります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 総理、お互いの先輩吉田松陰先生は、至誠にして動かざる者はいまだこれあらざるなりと喝破された。武蔵の野辺に朽ちてもやまと魂を残すという熱意に燃えたこの偉大な先輩の後継者として、第二の吉田松陰先生という立場で総理にアメリカで交渉してもらえば、必ず実を結ぶと思うのです。この点、めどをつけるだけでなく、その実を結び切るまで総理の地位におってやろうというぐらいの決意のない総理では、私はなはだ期待が持てないと思うのですが、この点については、めどをつけ、同時に実を結ぶまで自分はやり抜くんだという御決意があるのかないのか、その点を私はお聞きしたいと思う。そして松陰先生の、このわれわれの先輩の意思を、今度の佐藤さんの交渉においても遺憾なく発揮していただいて、全国民待望の大用をぜひ有効に果たしてもらいたい。同時にあなたがしばしば国益国益ということばをお使いになられて、事前協議に国益を勘案して云々ということばがしばしば出るが、国益ということばの中にも、政治家の中には、おれは戦前は戦争に反対したんだというようなことをいまごろ言うような人もあるけれども、国益はそのときと場所で変わる国益であってはならない。どういうものが国益であるかということを最後に御答弁願って、関連質問の永末委員に譲りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 まず第一の問題は、いろいろ御意見は御意見として伺っておきますが、とにかく私は、私にまかされたその期間に最善を尽くすということ、これあるのみでございます。このことを重ねてお答えしておきます。  また、国益というもの、これは大多数の方々の意見というものはおのずから帰するところがあるのじゃないか、それはなるほどそれぞれの立場においてそれぞれの人が、これは国益だ、こういうことを申すことがありますけれども、そういうのでなしに、大多数の方の意見が一致する、その国益を守り抜くというのが政治家のつとめだ、かように私は考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 お許しを得て、若干関連質問をさしていただきたいと思います。  沖繩返還の問題は、日本人全体がかからねばならない重要な問題であるとわが民社党は考えまして、そこで今回の愛知外相の訪米の交渉に際して、佐藤総理大臣は予算委員会では、返還後の沖繩の米軍基地の態様は白紙だというはなはだあいまいな態度でございましたが、これが一転して本土並み返還論を出された努力に対しては、われわれ民社党としてはそれなりに評価をいたします。しかし、今回の愛知訪米は、いうならば沖繩返還に対する門戸を開かしめたというのであって、いよいよこれからが問題だ。われわれもこの愛知訪米に前後して、民社党使節団を送りました。この使節団が各方面の意見を徴しましたが、勝負はいよいよこれからだと思います。その勝負の最後の決着点があなたの訪米、こういうことになっておる。そこでわれわれのやらなくてはならぬこと、あなたのやらなくてはならぬことは、どういうことで沖繩返還を実現せしめるかということを、今度は日本側が提案しなくちゃならぬ、これが問題になっておる。本土並み返還ということは言った、これは門を開かしめるだけの役割りであった、今度はいよいよ返還を実現するについて、一体どういうことを日本政府として考えるか、これがあなたの内容を持っていかねばならない問題だ。その中での一番の問題点の一つは、いわゆる返還後の米軍基地の自由使用の問題であります。事前協議事項にかかる問題、これをあなたはいままで自主的に、そうして国益に即しつつ判断をしていく問題である、このように答えられた。私はもう一つ重要な要素が抜けておると思う。すなわち時間の要素であります。すなわち、日本政府が自主的に国益に即しつつゆっくり考える時間はなし、こういうことをアメリカ側が考えている。なぜかならば、朝鮮半島においてもし何らかの事件が勃発した場合に、あそこにアメリカ人の軍人軍属等がおる。まさに部隊がおる。それの救援のためには出ていかなければならない。沖繩は現在即時発動が可能である。ところが日本の施政権下に沖繩が入りまして、安保条約の事前協議事項にこれが該当いたしますと、事前協議を日本政府に求めなければならない。時間がかかる。その時間の余裕というものを一体あらかじめ測定できるだろうか、できない。できないとするならば、沖繩返還に際して事前協議の問題を取り上げます場合に、この点について日本政府の何らかのあらかじめのかまえを取りつけたい、これが彼らの一番のポイントだと思う。そこで、この時間の要素を勘案して、もう一度この点について総理大臣のお考えを聞いておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 沖繩返還問題につきまして、ちょうど愛知外相が交渉を始めるその際に、ほとんど時を同じくして民社党の代表の方がお出かけになった。私はたいへん重大な、国家の最も大事な問題について真剣に取り組んでおられるその姿に対して、敬意を表するものであります。  そこで、永末君もよく御承知のことだと思いますが、事前協議というもの、これが、時間的に一体ゆっくりとそんなものが考えられるかどうかという問題が一つある。もちろん時間的にゆっくり考えられないと、おそらくそういう場合にはノーという場合のほうが多いんじゃないか、かように思います。私は、しかし、いま時間的な問題と言われますが、過去の占領当時マッカーサー司令部等が、朝鮮半島に事変が起きた、それに対して日本駐在の米軍が救援におもむいた等々考えてみると、いわゆるパールハーバーの攻撃みたいな問題とは違って、相当時間的な問題はあるんだ、かように思います。また、もう一つは、やはり日本の国益という観点に立って考えた場合に、このときに一体どういうことが国益なのか。いま私どもは、平和な生活、これをどこまでも守っていくという、そういう意味で、自分たちに対しての直接侵略、そういう危険があるかないかということ、これが一番重大なキーポイントになるんだろうと思います。そういうこともやはり十分気をつけて、慎重に判断していくつもりでありますから、まずそういう点であまり御心配かけなくても済むんじゃないだろうか。こういう事柄がアメリカ側に不安を与えて、沖繩の返還に支障を来たすんじゃないだろうか、こういうことを言う人もあります。日本がはっきりしないことにはアメリカに不安を与える、そうするといま占有しているアメリカが沖繩を返さないのじゃないか、こういうことを申します。しかし、これもいま日米安全保障条約を締結しておるという、そういう関係にあるもの、しかもこのものについての評価がまちまちであります。日本では、一部、日米安全保障条約はアメリカの世界政策の犠牲に日本がなっているんだ、だからこの条約がある限りにおいて、日本は米国の政策に追随していかざるを得ないんだ、だから日本の進路というものがそれで誤られるんだ、こういうのが日本国内の一部にある。アメリカにもまた、アメリカの国内の一部に、一体安保条約というものは何なのだ、日本のために奉仕するだけじゃないか、何らアメリカに役立ってないんだ、こういう意見があること、これはもう御承知のとおりだと思います。この意見のもとでは日米安保条約という条約は成り立たないはずなんです。これは国際的に見ましても、日米両国は共通の利益を見つけて、そこで初めてこの日米安保条約ができたのだ、その基本に返るならば、私はいまのような問題も、あまり議論しなくて片がつくのではないだろうか、かように実は思っております。やはり日米安全保障条約を両国間で締結した、これは相互に利益があって初めてこの種の条約ができる、かように考えております。ことにせっかく戦いで占領した沖繩、その沖繩を領有しないで潜在主権を認めたのがサンフランシスコ条約だ、そのときに日米安保条約が締結されたのだ。潜在主権を認めてくれたからこそ、今日返還の問題にわれわれは取り組み得るのであります。しかもこれは国連統治というようなことには、その方向にはいかないで、やはりアメリカがこれを占有し、そして日本に返す時期、そういうことの交渉の方向へ向かうことができた、かように私は思っております。したがって、基本的に両国間に共通するものがあるのだ、その立場が相互の理解を深めて初めて日米安保条約というものができたのだ、だからその理解のもとにこの沖繩復帰も解決はできるし、この理解のもとに日米安保条約の運用もまた当を得るんだ、かように私は考えております。いま一番危険なのは、相互信頼をそこなうとか、疑惑、疑念を持つとか、そういうことが今後の日米間の関係だけの問題ではなく、との条約そのものの運用にもたいへんな支障を来たすのではないだろうか、かように思っておりますので、そういう点については十分注意していくつもりであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 基本的には、要するに安全保障をともにやろうというなら、両国の信頼感がなければ成り立たぬ問題だ。それはそのとおり。ただ問題は、それならば判断している状況に対しても、同じような判断がないと食い違うと思うのです。いまあなたは時間的余裕がなければノーという場合もあろうと言われました。私はそこでとどめておいていただければよかったと思うんですね。ところが、考えてみればパールハーバーみたいなものは起こらないだろう、時間的な猶予があるはずだ、こうおっしゃった。そこで、もしそういう認識でこれから対米交渉に臨まれると、私はやはり押し込まれると思いますよ。なぜかならば、たとえば昨年のプエブロ号事件のときに、アメリカの海軍の高官で、日本の航空基地から援助機を発進させたいと思ったけれども、事前協議事項があるので、それを日本政府とやっておるその時間的な経過を見通すと、なかなかむずかしいと思ったので云々ということばがあったと伝えられております。またことしの四月に韓国に対して、アメリカ本土からフォーカスレチナ作戦で人員空輸の作戦をやりました。その場合に、われわれから見れば用もないのに、沖繩にちょっとストップをして送っておるわけですね。これはやはり時間的猶予のなさというものを日本政府に知らしめようという私は一つの企てではなかったかと思われる。そこでやはり時間というものを相手方が頭に置いて迫ってくるわけだから、あなたがこの国会で言われたように、自主的に、そしてまたわが国益をというだけではいけない。いろいろな問題がある。この辺はやはりがんばって、ここでわれわれに、国民の前に言っておられるように、やはり全くの特別取りきめをつけなくても、両国の信頼関係でいけるはずだ、これはやはり貫かなければ、安保条約全体の構造がゆがむとわれわれは思います。  時間がございませんので、そのことをもう一言お答え願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 基本的な考え方は私、賛成ですが、ただ一つ誤解があると思いますのは、沖繩が日本に返ってきた、そのときの沖繩の基地の態様というものは、まだ話はできておらない。いまの本土並み本土並みといっておりますが、いま本土並みという——一体どの時期についての本土並みを考えておられるのか、日本にある米軍基地というものは、戦後から今日まで非常な変化がある、非常に減ってきております。そうしてまだこれからも減ろうとしておる、減少するのですね。だから沖繩にある基地が、いまのままでこれが続いていくと、だれも考えてはいないだろうと思います。だから沖繩にある基地、これが返ってくるときにどんなに変わってくるのか、ここらに一つの問題があると思います。これがまだ私どもがきめかねておる、またもうすでに他の委員会等では、一体あれだけアメリカが投資し、そうしてりっぱな基地をつくっても、それを一体どうするつもりだ、こういうようなことが議論をされておる、こういう問題があります。そうして一体日本に返ってきたときに、あそこにはどのくらいの兵力が残存するかというような問題があります。いま議論されておるのは、核基地が一番問題になっておるが、その核基地だけの問題じゃないのですね。そういう幾多の問題を、これから話を煮詰めなければならない。だから私は、沖繩の基地の態様はなかなかきまらないということを申しております。しかし沖繩が返還されて日本にくるということ、これは申すまでもなく日本の憲法が適用されるということだし、本土と沖繩との間に法律の適用が二になるというようなわけではない、どこまでも一つだ。また安全保障条約も、これは本土並みになるといいますか、これは当然のことだ。だからこれはしばしばもうお断わりして、特別の定めなき限り、これは安保条約はそのまま適用になる、いままでこういう条件をつけて説明してまいりましたが、愛知君が出かけていって、そういう今度は条件を抜きにして、そうして日米安全保障条約並びに関連事項はそのままここへ適用する、こういう話までしてきているのですね。これは交渉のスタートなのか最終的問題なのかといって、皆さん方からいろいろ聞かれております。しかし私は思いますのに、日本に復帰したという、そういう場合に、別な条約が締結されるような地域があるはずはないのだ。これだけは疑いなくひとつ信頼していただきたいし、またそういう意味で政府を鞭撻してもらいたいと思うのです。また、そのあります米軍基地そのものの態様、これは核基地の問題はもちろんノーでありますが、それ以外にいたしましても、アメリカ自身がいつまでも大軍をこの地域に残す考えはないだろうと思う。これはもう日本に復帰さす限りにおいて、米国の負担も軽くならなければならないのが当然であります。そういう意味のものが十分考えられなければならない。そこらにまだ、これから基本的な方針がきまったら、そういう意味の問題を煮詰めていくことが、これが必要なんだ、かように私は考えております。  またそういうことで、さらにさらに皆さま方の御支援、御協力を願いたい。こういう問題を、ひとつせっかくのお尋ねがありましたので、私の考えも率直に申し上げて御協力を得たいと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 伊藤惣助丸君。  この際、質疑者と答弁者に申し上げます。総理大臣が三時にやむを得ない用があるようですが、ぎりぎり一ぱいつとめてもらいます。したがって質疑応答、なるべく簡明にお願いしたいと思います。伊藤君。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 私は公明党を代表しまして、日本の防空問題、核の問題について若干の質問を行ないます。  これまで政府は、日米安保体制を今後とも長期に堅持する、このように申してきましたが、この安保問題は来年の七〇年六月二十二日にどうするかということで、いま国民は注目しております。最近の総理並びに外務大臣の答弁から考えられることは、総理が訪米のときに沖繩返還交渉の中で、共同声明のような中で、その安保問題もきめてくるのじゃないか、このようなことも推察できるわけでありますが、いつごろ来年の安保については態度をはっきりするのか、総理から伺いたいわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 安保の改定が可能になる時期ですが、それがもう来年くるのだ、その後の体制についてどうするのかということについて……(伊藤(惣)委員「いつ態度をきめるのか」と呼ぶ)いつ態度をきめるかというお尋ねでありますが、私はいままで機会あるごとに、今後も日米安保体制は堅持していく、こういうことを申しております。いまさらその堅持の方法に不審はないだろうと思うと、これはすでに表明してあることですから。ただ問題は、その形があるいは改正の方式をとるのか、あるいはどんな形で出かけるのかということが問題だろう。それについて比較的愛知外務大臣は、党内における大勢がこういうところへ向いておりますということ、自動延長と申しますか自然延長というか、そういう形のものを表明した、かように思っております。私も、そういう点も考慮しながらこれから最終的な段階で決定する、かように思います。事柄はまことに重大でありますから、そう簡単にいついつまでにきめます、こうは申しませんけれども、とにかくこの体制は堅持はしたいのだ、堅持はぜひする。同時にまた、どういう形にするかということは、もう少し時間があるし、それこそ国内世論の動向も十分見きわめる、もちろん当院の考え方を十分踏まえて、しかる上でこれと取り組む、こういう考えでございます。いま、いつかと、こう重ねてお聞きになりましても、ただいまはお答えはできません。(伊藤(惣)委員「おおよそ」と呼ぶ)おおよそと言われますが、どうもそこまでも申し上げかねる。ただ方向だけは非常にはっきりしておりますから、その点では間違いはないようにお考え、御了承いただきたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 この安保条約の問題について、また安保条約の欠陥といいますか、これはこまかい問題はたくさんありますが、そのうちでも最大の欠陥は、日本が関係のない国際紛争に巻き込まれるという点だと思うわけです。そのことについては岸内閣以来自民党政府は、安保条約によって日本が戦争に巻き込まれる歯どめとしては事前協議がある、このように説明してきたわけであります。この制度がある結果日本は、飛躍しますが、その歯どめがあるために日本に核兵器は持ち込めないというふうに言明してきたわけでありますが、総理はいまでもその考えを堅持するか、将来もともに堅持するのか、その点を伺いたいわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いわゆる非核三原則、これは堅持するということをしばしば申し上げてまいっております。今日もその点においては変わりはございません。  さらにまた、いまの歯どめ論でございます。この歯どめ論も、今日においても変わりがない、イエスまたはノーと言う、これが事前協議なんだ。ここに歯どめがあるのだ。ノーと言えば、日本の国民の意思を無視してまでもアメリカ軍は行動はしないという、これはもう約束でございますから、これが歯どめになっておる。そのイエスあるいはノーと、それをきめるのは、先ほど来も申しておるように、自主的にしかも日本の国益に合致するその観点に立ってきめる、こういうことでございます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 そのところでもだいぶ議論はしたいところでありますが、時間の関係上ほかに進みたいと思うのです。  現在の段階での法律または核の四政策等から見ましても、現在の段階では事前協議においてイエスとは言えない、こう思うのですが、その点について……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 たいへん申しわけないことですが、一般論として事前協議の性格上、イエスもあればノーもある、これより以上申し上げかねる。ただそうして、しかもこのイエスと言うかノーと言うか、これはやはりケース・バイ・ケースできめていかなければならぬ。これもいままでお答えしたとおりでございまして、同じお答えを繰り返してまことに申しわけございませんが、別な答えを申し上げるわけにいかないことを御了承いただきたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 そうしますと、これは前の国会における防衛論議の中では、現在日本には核は持てない、なぜか、それは一つは原子力基本法に触れるからだ、またこれは政策として持たない、こういう面から核については持ち込まない、こういう答弁をしているわけでありますが、その点は間違いでありますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 原子力基本法、これはもう問題のないところですね。これは平和利用には原子力を使うけれども、その他のものには使わない、軍事的には使わない、これに違反する考えは政府にはもちろんない。またもう一つは憲法上からもくることですが、これはやはり他国に脅威を与えるもの、それはいかぬという。これはやはり私どもが気をつけなければならぬ。  ところで問題は、外国から、外国の力で持ってきた場合に一体どうするか、こういうことですね。これは日本が持ち込むのじゃない。外国が持ち込むのだ。その場合に一体どうか。そのときにそれが重大なる装備の変更であるというような形において、これはノーとはっきり言う。これももうはっきりお答えしてきております。現在、一体日本には核があるのかないのかと言われると、日本には核はありません。これもはっきりお答えします。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 だから、現在の段階では、たとえ総理が、じゃ核を持ってもやむを得ないというようなことを決意したとしても、現在の法律がある限りは核については持ち込めないということですね。この点確認しておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いや、とんでもないことなんです。幾ら総理がそういうことを考えてもと言われるが、絶対に考えることはないんです。そんなもの仮定でも、総理が持ち込みを考えてもそれはだいじょうぶですねと言われますが、そんなことは絶対にないんですから、そういう仮定でも考えてもらっちゃ困るのです。これはもう伊藤君にも、私も政治家ですから、これはことばも十分気をつけて申し上げておりますが、仮定ででもそんなことを考えないでくださいとお願いをします。私はもう絶対にそういうことを考えない。これは正直に申し上げておるのですから、御了承いただきたい。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 心強い答弁を伺ったわけでありますが、ところがこの事前協議制度またはその運営において、いままで戦後二十何年かの間でいろいろなことがあったわけです。たとえば幾つかの疑問を投げかけるような、事件とは言わないけれども、問題がありました。そしてこの問題については国民が、疑問は持っておるのだけれども確認できない。核はどういうものだかわからないということではおりますけれども、しかし日本には核があるんじゃないか、エンタープライズが入ってきたけれども、あれには核が中にはあるんじゃないか、置いてきたというならばどこに置いてきたんだろうか。さらに日本にはいろいろな陸海空の在日米軍がいるけれども、核装備しておるということは世界周知の事実であるけれども、在日米軍に限って持っていないというけれども、ほんとうだろうかというような率直な疑問はあるわけであります。私はこのことについて今後一つ一つ聞いていきたいわけでありますが、その前に、事前協議について、いまも申しましたように核は絶対に持ち込まない、仮定という意味にわたっても考えてもらいたくない、非常に固い決意を聞いたわけでありますが、事前協議のその核の問題について、もし日本に事前協議に違反してあったとすれば総理はどういう決意をなされるか、その点を明らかに伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 もしも日本に核があったらどうするかと言われるが、その仮定も先ほどと同じようにお答えをいたします。どうかそんなことを考えないでくださいと。愛知外務大臣がアメリカに参りました際も、また私どもにいろいろ意見を聞かれて行かれる方にも、一番問題なのは、核というものについての日本国民の抱く核を憎むその気持ちなんだ、これは普通の方にはなかなか理解ができないだろう、これはやはり原爆を受けたその国民にして初めていまのような気持ちになり、またその考え方を持つんだ、その特異な考え方をどうか特別に米軍もまた米政府もひとつ考えてくださいという、これが第一の基本的な問題になっております。そういう意味で、十二分にその話をしたつもりでありますし、また今後も機会あるごとにその点は納得のいくようにしたいと思っております。ことに、われわれ今度はいい機会を与えられた。それは申すまでもなく十八カ国軍縮会議だ。軍縮会議の場において、この平和憲法を持っておる国、しかも積極的な軍備を持たない国、そうして核を持たない国、持ち得る科学的な力を持ちながらしかも持たない国、そういう立場から、いまのような感じを率直に披露することができるという、私はこの点は、軍縮会議に加盟したこと自身がそういう意味で非常に役立つようにも思っております。いまの点もどうか、私どもも機会あるごとにこの点はよく納得のいくように説明するつもりですが、皆さん方も外国に出かけられるとき、それがただ単に核アレルギーというような簡単なものでなくて、ほんとうに心から憎んでおるこの気持ちを率直にひとつ伝えるようにしていただきたいと思います。この点は最も大事な点でありますから、それでお尋ねになる伊藤君のそのお気持ちもわかりますが、そういう意味で政府も一まあ私がいまのところでは抜かりなくその点は向こうに申し入れておると思うが、まだそういう点で不十分だというようなことがあればさらに私ども注意いたしますが、この点はもうだいじょうぶ。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 それでは日本の防空問題について総理にお尋ねしますが、総理は国防会議の議長として、日本の防衛の最高責任者の要職にあるわけでありますが、防衛庁及び自衛隊の日本防衛についての一切の活動状況を報告を受けておりますか。まずその点から伺いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は受けておるように思っておるのですが、何か御疑念がございますか。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 それでは、安保条約に基づいて、在日米軍の駐留目的の一つに日本の防衛があげられておりますが、総理は米軍から日本防衛に関する一切の報告を受けておりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は直接米軍からはまだ受けていることはございません。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 自衛隊から受けて米軍からは受けない。日本の防空というのは、簡単に言えば、たてとやりという面で説明するならば、侵略者に対してたてが自衛隊であり、やりが米軍である、こういわれておりますね。したがって、片方聞いて片方聞かないということは、日本の最高責任者としてはちょっと手落ちじゃありませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 どういうたてとやりか私にわからないのですが、私は日米双方の友好信頼、そのもとにおいて日米安全保障条約ができていると思っております。そういう意味でそれぞれのクラスというか段階でそれぞれの所要の会議を持っておる。またその他の緊急な場合にはそういう会議を通じないで連絡を受けておる。そういうものを実は私自身がそれぞれの機関からまた聞いておるのです。したがって全然ほうってはないわけです。その点を御了承いただきたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 各方面から聞いておるということでありますから伺いますが、最近プエブロ号事件、また朝鮮沖のEC121型特別哨戒機の事件が発生しましたね、あのとき米軍は超アラート体制に入った、こういわれておりますが、御存じですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 もちろんあの二つの事件、これは即刻連絡を受けて、十分注意しております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 この日本の防空を担当しているのはアメリカの極東第五空軍であります。この第五空軍は日本、沖繩、韓国、言うならば極東における反共の最前線基地を担当しております。この防衛範囲は米国のあらゆる空軍部隊よりも広い範囲を担当しているといわれております。さらにまたこれらの第五空軍は核装備で常に待機をしておる、このこともいわれております。この点総理御存じですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 核装備をしておるという、これはさようなことはございません。はっきり申し上げます。日本にいる空軍が日本の防衛に非常な努力をしている、こういうことは日本国民もよくわかっております。しかし日本の近海並びに領空近く国籍不明機が飛ぶとか、あるいは国籍のはっきりした飛行機が飛んでおるとか、こういうような事柄について無関心であるいまの状態は、私たいへん心配しておるのです。私は、伊藤君はそれらの点も御承知の上で米軍のいまの働きを御指摘になったのだと思いますが、私はそういう点を絶えず同じように考えられて、そうして国民にも話し合う、こういうことが必要なように思います。国会で討議いたしますのも、そういうことで国民にも実情をよく話をしなければならぬと思います。以前はしばしば新聞記事等も出ましたが、最近はほとんど新聞記事も出ていない。しかし、ときにたいへん近くまでソ連機や何かは飛んでおる、こういうことで問題を引き起こしておる。これあたりも絶えず日本駐在の米軍といわず、これはわが自衛隊自身もそういう意味ではたいへん重大視している問題でありますし、いわゆるスクランブルという行動が空ではしばしば展開されている、そういう状態でありますから、やはりその安全を確保するという観点になりますと、あらゆる点に気をつけて、神経を細くものごとを見ていかぬといかぬと思います。だから米軍が、この際にはっきり申し上げることは、われわれのきらう核を装備しておらぬという、このことははっきりしておき、同時にまた日本防衛のために自衛隊と一緒になりまして、あらゆる行動をしている、このことを正しく認識してほしいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 総理、第五空軍が核装備していないなんということ、そんなことを言ったら軍事専門家から笑われますよ。日本にいる第五空軍は核装備してしないというなら話はわかりますよ。現に第五空軍の中には、沖繩にも韓国にも基地があります。しかも、韓国の基地においては、プエブロ号事件のあと、韓国政府が、韓国には核を常時持ったファントムが四機待機しておる、こういったことが公式に出ているじゃありませんか。私も、沖繩に行ったときに、やはり第五空軍の戦闘爆撃機を見てきました。やはり核装備でした。だからといって、私はそのまま、日本に第五空軍がいるから、横田基地には二十数機常時いて、第四十一航空師団があって、そうしてそれらが核装備している、こうは思いたくない。しかしながら、第五空軍の司令部というのは府中にあります。府中に行ってごらんになればわかりますが、日本を含めて、韓国、沖繩と、全部入っております。あの体制は全部一括してやっております。日本だけに限って特別なことがあるならば、それをお聞かせ願いたい。さらに、全部同じであるならば、同じ指揮系統、同じ命令で動くならば、アラート体制のときには必ず核の完全武装をして待機するはずなんだ。その点、御承知なら伺いたいわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、いま伊藤君のお尋ねは、日本における第五空軍と、こういうように聞いたので、お答えしたので、よそがどんなことをしているか、沖繩の状態だとか韓国の状態、これは私の関与するところじゃありません。しかし、日本にいる米空軍は、これは核装備していない、これははっきり申し上げておきます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 もう一回、大事なところですから確認しておきますが、沖繩に核がある、韓国にも核で完全武装をしてスクランブルに待機をしている、こういう事実があるわけでありますが、日本は別だ、同じ第五空軍であっても別な教育、別な体制で別な訓練をしているんだということですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 日本にいる第五空軍は、はっきり申しますが、核装備はしておらない。私は、アメリカの飛行機が沖繩で、また韓国でどういうような装備をしているか、そのことについては存じません。はっきり申し上げておきます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 総理は、もう日本には核兵器の力の字もないかのごとき確信を持って言われておりますが、ほんとうにないと断言できますか。それで、またそれを証明できますか。簡単に……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 日本には核兵器はございません。アメリカも持っておりません。はっきり申し上げておきます。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 現在第五空軍の直接指揮下にある横田基地、これは東洋においては第五空軍の最大の攻撃基地です。この基地においては核の貯蔵が行なわれているんじゃないかというようなことが、前にしばしば論議されたことがあるように聞いております。ところが、宣伝になっちゃ申しわけないんですが、潮という雑誌ですね、ごらんになったかどうかわかりませんが、この中には、もう読めば読むほどたいへんなことが書いてあるわけです。これは、おひまがあったら読んでいただきたいわけです。  その中で、要するに、読んでみますが、こういうことがあります。これは第五空軍に関することですが、「韓国最大の米第五空軍空軍基地烏山には「核被害救護所」ができている。韓国では米軍機ファントム四機が常に核装備していることはプエブロ事件の直後、発表された。日本では第五空軍は一九六五年三月一日付で傘下各部隊の指揮官と監督官あてに核兵器に関する「事故点検表」を」出しているわけです。先ほど確認した点はその点なんです。横田にある第五空軍は核装備はされていない、核はないというならば、なぜこんな事故点検表を横田に出したのかということです。これは、このことをもってしても、肯定する材料はあっても否定はできないんじゃないか。まず、この第一点を申し上げます。  さらに申し上げますが、この写真です。この写真に載っているのは、これは横田基地です。見る人が見ればよくわかります。この写真のここに兵器が出ております。これはブルパップです。核のブルパップです。しかも今度わが国が購入しますファントムにはファルコンやあるいはまたサイドワインダー、スパローというようなものを装備することになっておりますが、それはこういう兵器です。さらに、このほかにも写真はたくさんあります。おかしな写真です。現在核兵器というのは極秘です。したがって、これは防衛年鑑にも出ておりません。そういう兵器があります。そういう点について総理はどう思いますか。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 先生お示しの第五空軍の核事故点検表のお尋ねでございますが、お示しの雑誌、昨年の雑誌と思いますが、出ましたときに、私どもも気になりまして米軍に照会をいたしました。そうしたところ、そういうものはない、そういう事実はないという返事でございました。なお、先ほど先生から御質問の御通告がございましたので、再度確かめるために照会いたしましたら、やはり同様の返事、そういう事実はないという返事でございました。それが第一でございます。  第二の写真につきましては、私、その写真そのものを承知いたしておりませんが、お話の中のブルパップあるいはファルコンというミサイル兵器は、一般の資料で、非核のものもございますし、核のものもあるというふうにいわれております。その写真がかりに在日の飛行機の写真だということになりますと、その場合のブルパップは非核のもの、総理がおっしゃったとおり、日本には核兵器は一切ありませんので、非核のものということに相なろうかと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 非核だという証明できますか。写真持っていってもいいですよ。  それから、じゃ申し上げますよ。横田基地には第五空軍の第四十一空軍師団がいるわけですね。一九六八年六月一日付のさし込みのあるパイロットの操縦心得がある。このチェックリストの八一ページ、これにはニュークリアーリリース、これは訳せば核の投下です。この方法がきわめて詳細に書かれてあります。まあこれは機密でしょうからあまり述べることはできませんが、いずれにしても、投下するには、普通のミサイルと違いまして、六段階のスイッチがある。しかも、それがその中にきちっとあるということなんです。そういう点について……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 どうもいま機密であると言われながら、六段階だとかなんとかおっしゃるのですが、どうもことば自身にも、そういう点がはっきりするはずはないんじゃないですか。私どもは、機密だという、そういう点から絶対にそういうことはないと思っております、その真実がわからないと思っておりますよ。そういうことはないというのでなくて、真実がわからないというのが、その機密である事柄ではないか。機密であるといいながら——はっきりしていたらそれは機密じゃないのですね。だからそこらに、議論すると、ちょっと議論の余地もあるように思いますけれども、まあ問題は、日本にあるかないかというこの点が問題なんですね。核がどういうような機能を持っているか、またどこにあるかというようなことは、本来機密事項だと思いますね。沖繩に核基地があるといわれている。これは大体常識的にもう核基地があるということだ。しかし沖繩の核はどんな効力を持っておるか、こんなことになると、それは機密だということでわからないという、そこからいろいろの想像が出ておるというのが実態だと思いますね。  問題は日本に核が持ち込まれておるかおらないかという、そのことが問題なんだ。それはもう絶対にないという、これはもうはっきり申し上げておりますので、その点は、これは信頼していただく以外には方法がない。ないというものをどうして証明ができるか。まっ裸になってみましても、このとおりありませんといっても、どこかに入っているのじゃないかとまだ言われるような気がして、どうもちょっとないものの証明はなかなかむずかしいような気がします。そこらは信頼していただく以外にはないと思っております。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 核の論議の盲点はそこなんですよ。  それで、もう少し言いますよ。一九六七年七月一日付の横田基地所属のF4Cパイロットのハンドブック、これの第五章一ページに、飛行する前にはそれらの武器の点検をするところがあります。その「チェック・リストD」というところで、ここには、「ニュークリア・コンセット・スイッチ」とこうあります。これは核の投下のスイッチです。いつも飛行機が飛ぶ場合には、普通のスイッチを点検しながら飛ぶということになるわけです。先ほど、第五空軍でも日本のものは違うと言いましたが、じゃ日本独自でこんな訓練をやっているのかどうかということです。さらにまたこういうようなチェックまでしている。何かきのう、質問によりますと、施設庁長官が、わが国の模擬爆弾の投下には核であってもいいようなことも発言があった。また読売新聞にもそれがはっきり出ております。まずその点も伺いたいわけです。  さらにまた、これらの訓練や、またパイロットの心得、操縦教範というものの中に、はっきりこういった文がある以上は、必ず練習または装備しているんではないか、こう率直に私は疑問に思うわけであります。  さらにまたいうならば、横田基地においては消防訓練をやっております。その消防訓練の中でも、一カ月に一回、二回はシルバー色の防具、これを着て、酸だとか放射能に対する危険から防止するような消防訓練をやっておるわけであります。ということは、先ほどの事故点検表といい、操縦者の操縦心得といい、そこにあるブルパップの写真といい、さらには横田におけるそれらの消防訓練という一つの実態という面からいっても、いろいろな面からいっても、状況証拠は厳然とあるじゃありませんか。ただ、先ほど防衛局長が言うことには、非核がある、こういうわけですね。だから、これは核だったらたいへんなことになるわけですよ。非核であってもらいたいわけです。そのような状況があったならば、じゃ非核であるという一つの証明をしてもらいたい。そのような訓練をもう認めているのかどうか、許しているのかどうか、これもまた問題であります。  いまお話ししました幾つかの問題点について、総理から答弁願いたいわけです。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先日の私の答弁に関連しての御質問でございますので、私からお答えさせていただきます。  三沢におきます演習の種目の中で、二千ポンド以下の模擬爆弾、これには態様について特別の制限がございませんということを申し上げたのでございますが、その際、核の模擬爆弾は含まれるかという御質問がございましたのに対しまして、二千ポンド以下の模擬爆弾ということで、その他の制限はございませんということを申し上げましたが、私のことばが十分でございませんで、その後さらに調査いたしましたが、模擬爆弾と申しますときは、通例核の模擬爆弾は含まれないと解すべきであると存じますので、この際あらためて淡谷先生の御質問に対するお答えを正しく修正させていただき、かつ、ただいまの御質問に対するお答えにしたいと思います。

宍戸基男防衛庁防衛局長

○宍戸政府委員 いまの山上長官がお答えしました以外のことにつきまして、私から補足してお答えいたしますが、まず総理からお答えになりましたように、わが国には核そのものはないということはわれわれ確信を持っております。ただ先生御指摘のように、ファントムという航空機そのものは、核そのものではもちろんございませんが、核を運搬し得る航空機でございます。一般の訓練のためのいろいろな指令だとか、それからスイッチをどうするとかというふうなお話がございましたけれども、これは仮定の問題で、私事実を確かめておるわけではございませんが、一般の仮定を前提にして推定をいたしますと、かりにそういう訓練をいたしておるとしますと、一般にアメリカは核兵器を持っているわけでございますから、ファントムを飛ばす場合に、こういう順序で、たとえば通常爆弾のときにはここのスイッチを入れる、核爆弾のときにはここのスイッチを入れるという訓練を常時受けているということはあるいはあるかもしれません。しかしそれは在日米軍の場合にファントムそのものが核弾頭を積んでいるということにはならない、こういうことであろうと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 私はここで誤解をしてもらいたくないから簡単に申し上げますが、何もアメリカを敵に回したり、または国益に反することを暴露する、こういうことを私はやりたくない、そう思っておる。しかしながら横田基地といえば、あのすぐわきを道路があります。民間人がいつもあの近くに来ては基地を見たり、または飛行機を見たりして、展望台があってみんな写真をとっております。その写真の中にファントムであるとかあるいは105だとかという核装備のできる、またはあるのではないかと思われる飛行機があるわけであります。したがって、この点についてはもうその筋のマニアは、当然あるというふうに言っておるわけです。したがって、私はこういった人たちに対して誤解を解くためにも、総理は先ほど言っておったようでありますが、はっきりしたい、こうおっしゃったわけですから、私が先ほど申し上げました何点かの疑問については、単なる理論の上で否定するのではなくて、私はこの目で見、この耳で聞き、そして歩いてきたのです。ですから、一方的に米軍の立場に立っていままでの答弁を繰り返すような、そんな姿勢の中で私はこのことを答弁してもらいたくない。だから事故点検表が一九六五年に出ておった、確認すべきじゃないかと思うのです。ブルパップが来たけれども、これは非核なのか核なのか、これも確認すべきじゃありませんか。消防訓練だってやっているんです。これはいろんなことを言うでしょう。ミサイルと言うでしょう。しかしながら放射能が、やっぱり来たときには同じく使えるものです。さらに、あの横田の奥深くある弾薬庫の中には、憲兵隊長だってはいれない場所だってあるじゃありませんか。ペンタゴンから直接の連絡がなければ、憲兵隊長といえどもはいれない、こういう場所まであるんです。しかし、核というものは私も見たことがない。最近ではもう核、非核両用といって、通常爆弾と何ら変わらない。核とすれば、どうすればわかるか、ある専門家に聞いた。燃やしてみなければわからない、燃やしてみれば、通常爆弾は爆発する、核のほうはぼうぼう燃えるだけだと、こう言うんです。こういうふうに核の問題がもうわからなくなってきておる。したがって、今後われわれが核のことを云々したって、もう戦術核兵器はどんどんどんどん進んで小型化されておる。それがもう近代兵器の常識になっておるというところまで現在では来ておるわけであります。これは軍事専門家のひとしく言うところであります。ですから私はこの点を、アメリカ側に立って言うんじゃなくて、またはいままでの信頼関係からものを言うんじゃなくて、またそういうような米国を信頼するという感情論で言うんでなくて、どこまでも条約の上からも、日本の法律の上からも、政策の上からも、私は国民の前に明らかにすべきじゃないか、こう思うわけです。その点について……。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 もう日本に核が持ち込まれないということは、条約の上からいっても、またわれわれの平素からの米軍との交際、話し合いの上から申しましても、絶対そういうことはありません。それをどういう根拠があるのか知らぬけれども、潮という雑誌か何か知らぬが、そういうところから、いかにもあるがごとく言われることが、これがかえって国民を迷わすゆえんになるんじゃないかと思います。どうかこの公の場所において、総理大臣をはじめわれわれがここにはっきり申しておることですから、これはひとつ信頼して、このとおりであるということはひとつよく確認していただきたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 有田防衛庁長官は、どこの国の防衛庁長官ですか。  委員長、いま私は三つの点で、総理に、米軍に照会してほしい、確認してほしい——私も核は持ち込んでいないと信じたいし、今後も持ち込んでもらいたくないと思う。総理がおっしゃったのとその点は同じだ。であるならば、当然前向きで確認すると言ってもいいじゃありませんか。さらにいま防衛庁長官は、もう持ち込まないと言っているんですから、それで了承しろ、では、過去にはあってもそれはしようがないんだ、こういうことですか。でなければ、私がこれだけのことを言っているんですよ。書いてあるといったって、こんな簡単に、本や何かで私言っているわけじゃない、こんな事実は去年の四月に私知っておる。このものに載る前から知っておる。さらに一九六五年のときにもそういう事故点検表が出たことも聞いておる。あなたのように、この場で、ことばの上で今後のことを言って、そんなごまかしでいいんですか。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○有田国務大臣 私は、しばしば第五空軍のマッキー司令官とも会っております。そうして核の日本のいろいろな立場のことも話しておりますが、そういう際にははっきりと彼は言明しておりますよ。そうしてそういう疑うようなことは絶対ないということを言っています。そうしてわれわれも、これは日本の国民感情の上から見て、そういうことがあってはたいへんだということで、常に注意をしておるのです。ところが、もうお互い信頼と信頼ですよ。それから、少なくともそういう核があるということをどこかに立証されるものがあれば、われわれはあくまでそれは抗議をし、問題にしますけれども、そういうことが立証されない上において、いかにもあるがごとくこの委員会で言われることは、かえって国民に疑惑を招くゆえんじゃないかと私は思います。この上とも十分注意しますけれども、まず信頼をしていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま私、静かにお二方の話を聞いておりまして、防衛庁長官も、また先ほど私も、日本には核はないと実ははっきりそう申しております。しかし伊藤君の言われるのは、そうだろうが、またそういうことを希望するが、さらにこういうように注意するのだからもう一ぺん確かめたらどうかというお話であります。別に私、確かめることを断わっておるわけじゃありません。いままでの経過から見まして、ただいまも、第五空軍司令官とはしばしば会っておる、そういう席では、いつもこの話はしておる、それでもうはっきり司令官はなしと言っておるのだ、こう言っておるのが有田君のお答えでありますが、しかしその後また、いつそれじゃ司令官と会ったのだ、その後の変化はどうだというようなお話もありましょうから、これはまた時間をかしていただいて、私どものほうで絶対に私はなしと、かように確信はしておりますが、しかし調べるだけは調べる、その労をいとうものでないことを申し上げておきまして、このあるとかないとかという議論には一応ひとつ終止符を打っていただきたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 有田長官、いろいろおっしゃっておりますが、米軍が核兵器についてあるかないかをはっきりこちらに言うことは、アメリカの軍規によって言えないのですよ。まず米軍の軍規によれば、たとえどんな情報将校であろうとも、日本において核兵器のことについては否定も肯定もしてはいけない、こういう心得があるのです。それをないと聞いた。インチキではありませんか、そんなことは。そう言った人がいれば、この心得に反するのだ。だから、私が言いたいことは、委員長、先ほどから申し上げますように事故点検表、それから日本に来ておるブルパップには核がないという挙証、それから横田に絶対にないということ、これはことばではなくて、日本政府が正式の書類で第五空軍に提出をして確認をしてほしい、こう私は要望をします。その答弁が出なかったら進まないので、委員長にこの問題の取り扱いをおまかせします。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 ただいま伊藤委員からきわめて重大な発言がありました。以上の問題に関しましては、防衛上、外交上の手続もあろうかと存じますので、可及的すみやかに伊藤委員の意思に沿うように委員長として善処をいたしたい。御了承を願えますか。——質問を続行願います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 総理、いろいろいままで申し上げましたが、どうか国民のためにあなたの決意がほんとうにそうであるならば、明確に私の質問したことに具体的に答えていただきたい。またこの問題については、理事会等において扱うと思いますが、どうか正式な文書で——いままでも何回か騒がれた問題であります。したがって、その点については正式な回答を求めていただきたい、こう思います。私は、防衛庁長官がいろいろなことをおっしゃいましたが、核のことについて、もし先ほどのことをほんとうにあなたが思っているならば、また実際にあるのに、それの証拠というものをつかめないから、証拠があるならば出せなんということを言って、知ってとぼけるならば腹黒い、またそれを知らないならば無能です、そんなのは。  まあそういう点で、私は、いろいろ問題がありますが、時間も参りましたから今回の質問はこれで終わりますが、どうか最後に、総理に、その点の疑い、または非核、または来ていないという挙証をしっかりと国民の前に示してほしい、そのことをお願いしまして、私の質問を終わります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま核の問題がたいへん議論になりました。お尋ねもそれに集中されました。まあ日本国民の核兵器に持つ一つの憎むその気持ちが率直に出て、それがいまのような質問になったと思います。私は、普通の常識的なことを申しますと、これは常識的なことですが、核というものがそう簡単にしょっちゅう飛び回っておるはずはないのであります。幾ら核を持っておる国にいたしましても、核をそんなに楽に、軽易に扱ってはおらない。この点をひとつ申し上げて、いや、この写真が核を積んでおるとか、これはないんだということがどうして説明ができるかというようなお話が出ておりますけれども、とにかく核というものはおそるべきものですから、アメリカでもこれはなかなかそう簡単に扱いはしない。それはなるほど核を輸送し得る飛行機にいたしましても、それが目につくところで簡単にやられていないということ、これは普通の常識だと思うのですよ。しかしながら、訓練その他の問題もありましょうから、一がいにさようには言えない場合もあるかもわからない。また、核であるだけにその取り扱い方については慎重を期さなければならない、かように思いますので、政府はそういう意味において、米軍とも話し合いのできる事柄でありますから、よくその説明をして、また、その実情も話し合って、そして国民が納得してくれるようにしたいものだと思います。私は一部で、幾ら政府が、ない、かように声を大にして申しましても、声が大きいだけでだめだ、こういうおしかりも受けますから、それはどうもそこらの疑惑を解くということはなかなかむずかしいことだろうと思いますが、しかし、いまの普通の状況から見ると、私どもが集め得る資料を集めて、そして国民から疑惑を持たれないようにしたい、このことは私は皆さまにお約束のできることですから、そういう意味の努力をしたいと思います。

伊藤惣助丸公明党

○伊藤(惣)委員 最後に、先ほど答弁がなかったので伺っておきますが、第五空軍の横田基地において、日本の中において核の演習、これができるかどうか。ファントムあるいはサンダーチーフ等がおりますが、そういう装備をしているわけです。乗るときにチェックしております。もちろん訓練もやっております。これが認められるのかどうか、総理の見解を伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 対核消防をやっておるという……(伊藤(惣)委員「飛行機の訓練」と呼ぶ)まず消防隊のほうから言いますが、横田基地で対核消防の訓練をやっておる、その程度のものならおそらく問題はないと思います。そんな小範囲で被害が起こるようなものというものはちょっと考えられない。  それから飛行機自身、これが核を装備しているかどうかが問題だ、そういうものは絶えずしょっちょう飛んでいて、万一事故が起きたらどうなるのか、このことを考えると、そう簡単に訓練をしているわけでもない。ただ、飛行の方法については、これは戦闘機そのものですからいろいろな訓練もあるだろうと思いますが、したがって、その訓練のしかただけで、あれは核を……(伊藤(惣)委員「原爆投下の訓練がいいか悪いか」と呼ぶ)それはいまどうでしょう。他の場所に行ってやることがあるのでしょうし、日本自身で幾ら原爆は使わない、かように申しましても、アメリカの飛行機にまで、他の場所においてそれを一切使うなということは日本としては言えないことだ。しかしわれわれはそういうことを希望するといいますか、使わないような、これはやはり公式の場で議論しなければならないことだと思います。訓練をしていること自身直ちに核があるのだとか、そこまでの結論を出さないほうがいいのじゃないでしょうか。(伊藤(惣)委員「練習がいいか悪いか」と呼ぶ)だから、訓練自身はどんな高等飛行技術をやる、それはやはりあり得ることじゃないですか。その辺は大目に見てもしかるべきじゃないかと思います。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 以上をもちまして、防衛二法案に関する佐藤内閣総理大臣に対する質疑は終局いたしました。      ————◇—————

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 林野庁長官見えていますか。——実はこの前の質疑で保留されているのが二点ほどございますので、その点を明らかにしたいと思うのです。  北海道の長沼における例の聴聞会のその後の経過並びに施設がその後どうなっておるか、経過を御説明願いたいと思います。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 お答え申し上げます。  聴聞会のその後の経過でございますが、現在聴聞会の議事録を作成中でございます。急がせておりますが、まだ完成されておりません。そういう状況でございます。  なお施設の問題につきましては、保安林解除との関係もございますので、一切やっておらないはずでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ずいぶんむずかしい聴聞会だったのですね。この前の委員会では、ここで当時議長をされた方から様子を伺いまして、また私のほうにあります当日の手控えに応じて、大体これでいいのかということで半日くらい——半日もかかりませんが、ついえちゃった。しかしあれからもう何日になりますかね。だいぶたっておるでしょう。   〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕 そんなに長文の議事録でもないと思いますが、どうしてできないのですか。何かできかねるものがありますか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 前回の聴聞会のときにおきましても非常に急がせたわけでございますが、約一月半整理にかかっております。今回も実は非常に急がせております。ただ先生御承知のように、議場が非常に異常でもございましたので、録音等もございますからそういう点を突き合わせながらやっておるわけでございますので、日にちが若干かかっておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうもあの日の質疑応答の過程では聴聞会が完全に行なわれたとは思えなかった。したがって、この議事録を見ましてその内容をいろいろこっちでも調査をし、詰めていきたいと思うので、保安林解除は議事録を提出し、さらに一段と検討した上でなければやらぬという確約ができますか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 林野庁といたしましても、議事録を早く整理いたしまして、その議事録の整理を待ちまして、部内検討をいたして判断をいたしたい、かように思っておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 部内の検討だけじゃなく、この委員会でも問題になった案件ですから、この委員会へも提出をして、さらに検討を加えた上で処置するように私要望したい。それができますか、できませんか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 議事録の問題を通しまして部内、つまり農林省といたしましてあるいは関係官庁とも連絡をいたしまして判断をいたしたいと思います。  なお、議事録につきましては前回も御要請がございました。御要請がございます限り御提出申し上げる、こういうことを御答弁申し上げた次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 委員会で問題になったのは、正規の聴聞会が行なわれたか行なわれないかでだいぶもんだのであります。したがって、部内だけで検討しましても、これは部内のことですからどうきめるかわからぬ。やはりこの委員会で問題になったわけですから、その聴聞会の内容についてはここに提出をしまして、その上で解除するしないというようなことをおきめになるのが順当だと思うのです。あなた方がやられた聴聞会に対してこの委員会が幾多の疑問を持っている。その疑問に答えないで官庁内部だけで処置することは、どうも私は承服いたしかねる。その点はいかがでございますか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 保安林の解除等につきましては、これは先生御承知のとおり、農林大臣の権限として法定されておるものでございますので、国会の審議を待ってやるという性格のものではないと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ふだんの場合はそれでよろしい。しかし、あの聴聞会ができたできないということはこの委員会で問題になったわけですから、われわれはとてもあの聴聞会では聴聞会として認められない。その聴聞会が正規に行なわれたかどうかということは議事録を見ませんとわれわれは判断できないから議事録の提出を要請してある。これは農林大臣にも権限はございましょう。ございましょうけれども、すでに国会で疑義の生じた聴聞会が正規に行なわれたか行なわれないかということを議事録によって確かめないで早急に判断し、解除を行なうなんということがあれば、さらに新しい問題の混乱を招くと思いますので、この問題は円満に解決したいという御声明もございましたし、ぜひとも当委員会に提出をし、もしこれが正規の聴聞会として認められないならば、あらためて正規の聴聞会を開いてこれを行なうように手続をとりませんと、だんだんとこの混乱がエスカレーションするだけで何ら解決に向かわない。これは大臣の権限ですから長官に答えろといっても無理かもしれませんが、そういう手続をとっていただくように農林大臣に要望したい。いかがでございますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 きょうもこの委員会が開かれますので、議事録のほうをもう出せるようになったかということをいろいろお聞きしましたところが、もうあとわずかでございますから、あと一週間ほど待ってもらえば必ず提出いたしますと、こういう林野庁のほうからのお話もございますので、あらためて一週間以内には必ず提出いたさせますから、どうかひとつ御猶予のほどを賜わりたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その議事録を提出したあと、われわれにもこれを検討の時間をおかしくださいまして、解除をするかしないかはその議事録により聴聞会の正規成立を十分検討した上で、これは単に役所だけでなくて、当委員会においてもこれを検討した上でぜひこの案件は処理していただきたい。さらにもう一ぺん御答弁願いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 私のほうは、議事録ができましたらば、さっそく御提出申し上げますから、十分御検討を加えていただきたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 了解します。  それからもう一つ、この前、大臣にお願いしておいたのですが、総理大臣が、国有林はこれを地方自治体に貸し付けするということを言っておりましたので、この真偽についてお確かめ願うようにお願いしておきましたが、きょうは時間がございますれば総理大臣にも残っていただいて、あと一、二点先日の委員会でも保留した案件ございましたのでお聞きしたいと思ったのですが、たいへんお急ぎのようでございましたから遠慮申し上げましたが、何かその点で総理大臣の真意をお確かめになったかどうか、御答弁願いたいと思います。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 過日の委員会で先生の御質問がございましたので、さっそく連絡をいたしました。たしか代表の知事会議の際に、岩手県知事が発言されたことに対する総理大臣の御答弁のようでございます。自治省と打ち合わせました結果、以上のとおりでございますので御連絡申し上げます。  総理大臣は、地方公共団体等に対することで、酪農振興のために積極的に検討しておる、こういう御発言のようでございます。内容を打ち合わせましたところ、畜産振興につきましては、現在積極的にわれわれもやっておりますし、なおかつ国有林の活用法案というものを出しておりますので、それにも明確に積極的に推進することをうたっております。そのことと、それに対しまして、売り渡しじゃなしに貸付、貸し付けということを中心ということをおっしゃたようでございます。それについても打ち合わせましたことは、現在林野庁といたしましても貸付の方針でやっておりますので、さらにそれを積極的に貸付をしてまいるということで、草地造成等をやってまいるわけでございますが、売り渡しの場合はその成果を十分確認してやるという方向で対処してまいりたい。したがって、当面は貸付を原則としてやってまいるということでございます。  以上でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは活用法案ともたいへん関係がございますので、あえてお伺いしたわけなんですが、市町村に貸し付けをした国有林のその後の成績について、大体どういうふうに把握しておられるのです。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 実は詳細の情勢については、現在明確には把握いたしておりませんけれども、概括的に申し上げますと、農業構造改善事業等が行なわれまして、草地等に対しまして市町村等に貸付をいたしておることがございますが、これらにつきましては非常に良好に管理されておるというふうに判断いたしております。ただ、所属がえを行なったりいろいろそういうことに対しましては、終戦直後から実は行なっておるわけでございますが、この面積は相当多いわけでございます。ただ、これは町村ということに限らずに網羅された形でやっておりますので、町村がどうなるかということの資料を実は手元にございませんけれども、全体の姿といたしましては、約七割近くが農業用というようなことで、所属がえに対して有効に利用されているというふうに判断いたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いま払い下げでなしに貸し付けだというような御答弁があったのですが、従来の例を見ますと、簡単に払い下げをいたしますので、所期の目的が達成されない場合は、この土地を直ちに商品化して売り払ってしまう、この例がかなり出ているのであります。したがって、そういう点については活用法案の問題の所在点でもあるし、総理がそう詳しいことを考えて言ったことでもないと思いますから、当面林野庁等で十分なる注意を払って対処されたいと思う。  さらにそれに関連しまして、同じ林野に対する市町村の要求があり、あるいは地元農民の要求があれば、この利用権をもっと民主的に開放することはわれわれ反対じゃない。特に日本の農業が大きな転換期に立っておる場合は、いたずらに土地を遊ばしておくという手はございませんので、ただおそれるのはこういう土地が商品化して、土地そのものの生産性を発揮しないままで地価の値上がりがねらわれて転々と移動することは非常に困る。しかも、それが国有林に限らず、民有林においても同じことが言われるのであります。新しい農業の発展のためにも——民有林もまたそういうふうなケースになることは非常に多い。今度は農政局が農林局に改まるというこの法案でございますが、この農林局に改まる理由としては、今度は民有林の管理をやるのだ、こう言っている。したがって、その土地に対する態度は、そういう民有林あるいは国有林の区別なしにやはり広い観点から林野の開発利用という観点で立ち向かわれるのかどうか。国有林だけが農業のじゃまをして、民有林は一向じゃまをしないなんという方法があり得るはずはないと思う。もし国有林を活用するならば、民有林に対しても同じく活用するような方法をとるのが正しい農政の行き方であると私は思うのですが、農林局発足にあたりましてどういう構想をお持ちになっておるか、これは長官からも大臣からもひとつ御答弁願いたいと思う。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 御指摘のように、今回農地法を出しておりまして、ただいま御審議をわずらわしておるのでございますが、その中には国有林、民有林を問わずこれを活用しなければならない、こういうようなことでございますし、特に近ごろにおいての公害問題、たとえば、養豚、養鶏に対しましても、わずか五千か一万かの地区内においても非常にこれらが公害というような名のもとにじゃまもの扱いをされておる、こういうような点、今後の酪農事業あるいは養鶏、養豚事業に対しましても、それらを活用することこそ初めてその目的を達せられる、こういうような考え方に立ちまして、国有民有を問わずして林野を使っていく、こういうような考え方をもってただいませっかくの御審議を願っておるところでございます。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 大臣がご答弁いたしたことで尽きるわけでございますけれども、若干補足してお答え申し上げたいと思います。  国有林につきましては、農地法におきます草地利用権というのがございません。したがいまして、国有林につきましては、先生御承知のとおり、林業基本法第四条に国有林の活用の問題がうたわれておりますので、その趣旨によりまして国有林活用法案を出しておるわけでございますので、その趣旨によって対処してまいりたい。それから民有林につきましては、草地利用権というのがございますが、御承知のように、民有林のうちの約半分というのは薪炭林でございます。薪炭林の需要というのは急減いたしております。したがいまして、半分の民有林の薪炭林の山をいかに合理的に利用するかというのは、林業はもとよりすべての土地利用の合理化上必要なことであろうかと思っておるわけでございます。したがいまして、そういうようなことで草地利用権等も設定されることもございますので、林業との調整を十分はかりながら、土地の合理的利用に指導してまいりたい、かように思っておる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大臣、最近の傾向は土へんの景気が非常に高くなってきたという観点のもとに、どうも土地を金もうけの対象にしようという考え方がかなり一般的にあるようであります。われわれはやっぱり土地というものは商品化しないでその利用性を高く評価しなければならぬという立場に立っております。特に、山林林野は、あの終戦後のほとんど革命的だといわれるような農地改革から除外されている。田畑を持った地主はずいぶんあの農地法でゆさぶられたようでありますが、なぜか山林林野は手がつかなかった。したがって、三分の二は依然として民有林。将来の日本の農業の開発のためにはこれがやがて非常に大きな隘路になる。現在でもなお隘路になっております。国有林以上にこれが隘路になっている。これは憲法の面から所有権には手がつかぬといっておりますけれども、やはりそこには広い土地を遊ばしておくといったような、社会的に見て非常に理屈に合わぬというような性格に対しては、はっきりした施策を持って臨みませんと、危胎に瀕しておる日本の農業の開発は将来望めなくなってくると思う。したがって、この際国有林、民有林を問わず全国のこういう土地に対してはっきりした再調査を行なって、この全面的な利用の形をはっきりきめることが正しい日本の農政だと私は考えるのですが、私のたいへん親しい長谷川農林大臣が実現したこの好幾に、そういう点にひとつじっくり腹をすえて取っ組むようなお気持ちがあるかないか。特に農林局というのができるわけですから、従来閑却されておった民有林対策——取り上げろとは申しませんが、民有林を十分合理的に、社会的にあるいは国家的に活用ができるような方策をこの際大胆に打ち立てるのが、私は正しい行き方だと思うのであります。もしいまのままでいくならば、万一あの活用法案があのままで通りましたら、国有林を分散してまた新しく、農政の隘路になっている民有林を拡大する結果に終わりそうな傾向が多分にある。実例は幾つもございます。そういう点はこの際十分に配慮されて、大所高所に立って日本の山林林野の利用、農業開発という方面に十分な施策が必要になると思うのでありますが、大臣、いかがお考えになりますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 ごもっともなお説だと私は考えまして、今回の農地法の中にも民有林に対しましては所有権そのものはお持ちでけっこうでございます、ただし、利用権というものは希望するところに使わせてもらいたいというような点、それは、その最後の調整ができなかった場合には、それを知事の権限において調整を行なうというようなことまでいたしまして、民有林の活用という面には十分意を尽くしたと考えるのでございます。したがって、これら草地の利用でございますが、先ほど申し上げたような点もございますので、ただ国有林ばかりではなく、あわせて民有林の活用というところに大いに力を入れて今後の推進を行ないたい、こういうような考え方の上に立って今回の農地法を提出した次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも大臣、私、名前はあげませんけれども、自民党の代議士さんの中でこの活用法案をむしろ国有林開放の法案にしたいというような熱意を持っておる代議士さんにしばしば聞く話でありますが、百姓に対しておまえさんたちの持っている山林を国が取り上げたのだから、国のものをまた奪い返してやっておまえたちに分けてやるのに、なぜ社会党は反対するかということをしばしば言って、いまの国有林を国のもの、と言ううちはいいのですが、お上のものなんということばを使いますが、国有林をお上のものなんという発想はそもそも時代に合わぬ発想だと思う。特に維新前のこういう山林林野を利用しておった形は決して普通にいう土地所有権ではなかったと私は思う。明治維新以前と以後とでは、土地の所有の形というものは法制的に非常に変化を起こしておる。したがって、また国というものの形も変わってきている。国有林というものはやはり国民のものとして、これは農林省のものでもなければ林野庁のものでもない。国民全般のものとして、国民がこれを合理的にしかも社会的に利用するような道を開くのが正しい行き方であって、ただお上のものだからこれを持ってきておまえたちに分けてやるんだというふうな発想であるならば、これは一つの利権法案になります。その点は今後の審議においても十分に注意しなければならない一点だと私は思うのであります。したがって、国有林をばらして、土地景気が高まっているんだから、自由に処分できる民有林にしてしまうんだなんという発想だったならば、これは将来にたいへんな禍根を残すと思う。この点は十分に御留意を願いたいと思うのであります。  それから、これは長官にひとつ率直にお答え願いたいのですが、農林局でいろいろやる場合に、農林局でやっているうちはいいのですが、その指導、監督、命令系統などは林野庁が持つわけでしょう。従来は林野庁からまっすぐに各営林局へ命令がいって、そこでやった。まん中にぽこんと何か一つできるわけですね。道路でもまっすぐにいくような国土縦貫道路なんかできる場合に、わざわざ寄り道をして林政を行なうというこの形は後退じゃないかどうか、たいへん気になるのですがね。これは長官の率直な意見を聞かしていただきたい。長谷川農林大臣という方はたいへんすなおな方で、人の言うことをよく聞く人ですから、この際もし長官に御意見があれば、困った点でもあれば率直に言っていただきたいと私は思う。  われわれは一つ不安を持ちます。まっすぐに各営林局から林野庁へくればいいものを、わざわざ農林局——たぶん仙台にできるでしょうから、青森の営林局から仙台へちょっと寄って、またこっちへくるなんというのは、どうもいたずらに複雑にし、何かめんどうくさくしてしまうような感じがするのですが、どうお考えになりますか。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 今度の機構改正によりまして、農林局の中に林務関係の仕事を扱うということに対しての率直な意見を言えということでございます。私は、だんだん林業の問題につきましても、地方地方に応じたきめのこまかい施策をやはり推進していかなければならない、それぞれの特色がございますから、そういうことに中心を置いてきめのこまかい姿でやってまいらなければならないということが一つと、それからもう一つは、総合農政等、そういう表現でいわれておりますように、林業も農業も総合した形で判断をする、そういうことが必要であろうということから、林業だけがストレートに県とつながり、農業は農政局という形でつながっていくということではなしに、やはり農、林の中で十分討議をして一つの方向を出す。そこによって土地利用もりっぱな姿で推進されるであろうという二点から、この問題を林野庁としてもぜひお願いを申し上げておるという次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 最後にもう一言大臣にお答えおきを願いたいのですが、農政局をつくる場合も、いたずらにこれは屋上屋を架するのじゃないかという心配をいたしましたが、その欠点なきにしもあらずという現象が起こってきておるのであります。したがって、今度のこの農政局を農林局にかえるという構想の中には、私まだどうもちょっとふに落ちない点がたくさんございますが、ここまで進んだのであればしいて反対もいたしませんが、万一何か欠点が起こった場合には、大胆にこれを直すなりまたやりかえるなりといったような、かなり融通自在な農政を行なわれるというような御意思をお持ち願いたいと思う。その点に対する御見解のほどを最後に伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 これらは流動的であり、固定したものじゃないと私は思う。もし欠陥があるとなれば、当然その御期待に沿うべきがわれわれの使命だと考えておりますから、御期待に沿うようにいたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 わかりました。終わります。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長代理 大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは相当機構全体に及ぶ問題でございまして、かつまたそれが本年一年で済みません。昨年の振りかえの残りが、昨年この法案が通りませんためになお残っておりますし、さらにそれらとからんで本年の振りかえ分、さらに三年五%の分、こういうふうに進んでいく農林の機構が背景になっておりますので、したがって各部局、部門、係、単位ごとの人員の動きをチェックしながら申し上げてまいりますと一日かかってしまうと実は思うわけでありますが、全部最後の一人までというつもりで調べてみましたけれども、防衛審議の合い間に何とか決着のつくところまで審議をさせていただこうということに考えておりますので、できるだけひとつしぼりまして、中心的な点についての御答弁をいただいていこう、こう思います。  そこでまず承りたいのは、三年五%ということになりますと、農林省の削減される人員は一体何名になりますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 農林省といたしまして、昭和四十二年末の定員が六万二千百三十九名でございますので、五千八十七人ということになるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう一ぺん承りたいのですが、四十二年度末、つまりこれは四十三年の定数になってまいりますね。それが六万二千百三十九名、こういうわけですね。この六万二千百三十九名の五%、三年分、こういうわけでございますけれども、四十三年から四十四年の間に欠員が出ておるわけですね。昨年通っておらないわけですから、それは何名になりますか。   〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕  時間がありませんから私のほうから言いますから、正しいかどうか答えてください。  四十三年末で六万二千百三十九名、ここで千六百八十七名の欠がございまして、これは凍結ですね。そうなりますと、四十四年度予算にあがってまいります定数は五万九千五百十三人、こういうような数字になると思うのでありますが、間違いございませんか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 そのとおりであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 ということになりますと、基礎の数字をこういうふうにいたしまして、これから三年五%が始まるわけでありますけれども、緊急でありましたから、きょうは行政管理庁に御出席いただいておらないのでありますが、そちらのほうではじいております数字、それと皆さんのほうでお出しになった数字、この間にやりとりがございましたですね。多少そこに違いがあるのです。両方からとってみた限り、そこらの関係できれば御説明をいただいておきたいのであります。というのは、三年五%のことがありますので……。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 今後三年間で削減すべき定数は三千四百人でございます。したがいまして、一年平均三分の一ずつこれを減らすといたしますと、千百三十三人ないし千百三十四人ということになるわけでございますが、今年度削減いたします予定の数量は九百三十四名でございますから、機械的に三千四百人を三分の一減らします数字に比べますと、二百人ほどの開きがあるわけでございます。これは何しろ農林省といたしましては、三年、五%の削減すべき定数は多いものでございますし、大臣はじめ私どもも、事実上絶対首切りは行なわないという思想でこの問題に取り組んでおりますので、四十三年度末の欠員、それから四十四年度当初において当然新規採用が相当数なければならぬわけでございますから、欠員数と新規採用との差九百二十四名ということで四十四年度は出発いたすつもりでございます。今後といたしましては、実は四十三年度末の欠員の見込みは、詳細申し上げて恐縮でございますが、私どもの作業いたしました当時は千五百四十九人という数字でございまして、四十四年度当初における新規採用の必要数を六百十五名と計算をいたしまして九百三十四名ということで、これは行政官理庁長官の承認を得た数字でございますが、千五百四十九人という見込みが、若干四十三年度末の欠員がその後ふえまして、多少、百六十名程度の余裕があるわけでございます。それで、具体的に、人について首切りをしないというたてまえを残しながら、私どものやりようによっては三年間で三千四百人の定数の減ができるのではないか、そういう予想をいたしておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 実は私、たいへんこれは心配になっていたところでありますが、先ほど冒頭に五%、五千何名とおっしゃいましたが、先ほど私が数字をあげました千六百八十七名凍結しておりますから、三千四百ばかりの数字になるわけでありますが、これを新規採用見込みの方を皆さんのほうは少しよけい見てくれということを管理庁に言われた、そのやりとりの結果がお話しの千百三十三、最後は千百三十四という、三年、五%ということになっているわけでありますが、したがってこれは新規採用その他をやりとりいたしました結果が九百三十三、九百三十三、九百三十三、一つはこれはパキスタンの外務省定員が一名ありますから九百三十四ということになっておるわけでありますが、私が管理庁に、三年やっていって、つまり千百三十三ずつ落ちるのが九百三十三になっておりまして、二百人ばかりは新規増をよけい見ているという感じですけれども、最終的に五%にならなかったらどうするか、最後の年度にかける、こういう実は当初行政管理庁から答弁としてございましたが、それはだめだというやりとりをいたしまして、これは各部門が平等に落ちていくわけじゃないのですから、してみると、これはなま首を切らない、強制配置転換は本人の意思に反してはやらないという前提に立つとすると、そううまく当てはまっていかない。だから、三年、五%というのを先に延ばせというやりとりをしているわけですが、そこらのところを、いま多少欠員の面で手持ちの定数が幾らか出てきている、だからやれるかもしれない、こう言うのでありますが、これは省の側に立ってみれば非常にそこのところは危険でして、行政管理庁のほうの動き等からいって、これは行管もそう強い性格を持ってはいませんから、皆さんのほうでこれはそう言ったってということになるのだろうと思いますけれども、そこのところをもうちょっと皆さん、三年後ということに立って考えてみて、九百三十三、九百三十三、九百三十三、パキスタンの外務省定員が一入って一年は九百三十四になりますけれども、これと千百三十三というものと、落ち方をする開きの中でどういうおさまり方になるかという点、ここのところをもう一ぺん、行管と折衝もされておられるようでありますから、踏まえてひとつ御答弁をいただきたいと思います。私はわかっておりますが、議事録に残しておかなければいけませんから……。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 私どもといたしましては、三千四百人を、三カ年で定数を落とすということが、いわば政府としてきまったことでございますから、いまの段階でこの取り扱いがもしできなかった場合どうするかということをわれわれが詰めるわけにはまいらない実情でございます。私どもといたしましては、農林省は世帯が大きいわけでございますから、当初から相当大がかりの定数を落とすことは非常にむずかしいので、まず出発点を九百三十四と置いて出発いたしたわけですが、世帯が大きいだけに事態の好転も決して望まれないわけではございません。私どもの大原則といたしまして、とにかく首切りはしない、強制配置転換はしない、その二つの大原則を踏まえながら、誠意を尽くして三カ年で三千四百という数を実現するように努力いたしたいと思います。  その三年たちました時点で、かりに若干の数字が残りました場合の処置といたしましては、繰り返して申し上げますが、首切りをしない、強制配転はしないということが大原則でございますから、そのことと三年、五%を遂行するということの調和といたしまして、私はその時点において行管と十分相談をいたしたい、そういうふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 先ほど私が例にあげましたように、平等に落ちていくわけじゃありません、御本人のいろいろな都合でございますから。したがって、どうしてもうまくおさまっていかないという場合には残らざるを得ない。その場合には、私は、その時点で考えるということの言質はとってありますけれども、いまのお話で、その場合にはその場合でひとつ話し合える、こういうふうに見ておられるというふうに受け取りたいのでありますが、それでよろしゅうございますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、三年先のことをいま申し上げにくい状態でございますけれども、私が先ほど申し上げた二つの原則に立ってこの問題を処置いたすつもりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 ところで食糧は一番大きいわけでありますが、今回の問題の焦点は農林統計が中心になろうと思いますけれども、三年、五%で九百三十三と落ちていくのですけれども、各部門に大きく分けて、たとえば農林統計であるとか、あるいは食糧であるとかいうものに分けて、どういう数字になりますか、大ざっぱでけっこうですが。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 九百三十四名の処置でございますが、大きいところは統計調査部関係と食糧庁でございます。統計調査部関係が三百三十四名、食糧庁関係が五百名、他の部局にそれ以外を割り振りするわけでございますが、九百三十四名のうち統計調査部と食糧庁で八百三十四名ということになっておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 ところで四十三年度にこの法案が通りませんでしたから、振りかえと称する予定定数が四十三年度分処理されずに残っているはずでありますが、何名でございますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 予定が三百三、四十名でございまして、そのうち百十四名を四十三年度に処理いたしましたので、残りが約二百三十名程度であったと記憶いたしております。

大出俊日本社会党

○大出委員 この統計部門について申し上げると、四十三年度分の振りかえ分は幾つでございますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 四十三年度で実は設置法が通りませんものでしたから、食糧庁から本省へ定員の振りかえということができなくなりまして、食糧庁から本省に持ってくる予定の百十四名程度を統計調査部から振りかえた関係にございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 あれから日数がたっておるから多少の変化はあると思うのでありますが、四十四年度の統計の振りかえ予定定数はどのくらいでございますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 昭和四十四年度におきましては三百八十六名でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 ここに昭和四十四年度の定員増減一覧表という、おたくの省の文書課のおつくりになった数字があるのでありますが、これをこまかく集計をいたしますと、各部門別に全部ありますが、この数字の現状における違いがあれば、言っていただきたいのであります。統計の四十四年度における振りかえ定数は、この数字を集計をすると二百二十六になります。それから三年、五%の削減定数を計算いたしますと三百三十四名、これを足しまして五百六十になります。つまり、振りかえと三年、五%の削減、初年度分、それから四十三年度の数字上の残、振りかえてない、振りかえるべき予定のもの、これが百六十ございます、統計に限って申し上げれば。そうすると、この限り、合計七百二十名四十四年度に処理しなければならぬということになる数字なんですけど、ここらのところ、ちょっといまの言い方と合わないのです。これは各部門別に全部ありますから、こっちが減って、こっちへいくという形の書き方なんですがね。これはこまかく言ってみるとめんどうなので、大づかみの大筋が間違ってなければ、中身の疑問の点が十二、三ありますけれども、大ざっぱなところで押えておきたいと思うのであります。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 四十四年度の定数振りかえが、なかなか複雑なものがございますので、詳細申し上げますと、四十三年度末の定数が、統計調査事務所関係で一万二千三百二十七名でございます。それで、すでに総定員法に基づきます政令あるいは省令で五月二十一日に整理をいたしたものがございますが、それが振りかえで五十八名、定員の削減で五百六十六名でございます。その定員の削減五百六十六名のうち、四十三年度分が二百三十二名、四十四年度分が三百三十四名、したがいまして、四十四年五月二十一日現在の定員は一万一千七百三人でございます。  このほか、設置法が通りました暁に、振りかえが三百六名予定をいたしておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 具体的にこの問題点を指摘をしてまいりますので、お答えをいただきたいのでありますが、なるべく時間をかけないようにいたしますから、ひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。  畜産関係で、この設置法に出てきております高知の例の赤牛の種畜牧場がございますが、これの実在人員が、定数二十九名で二十六名でございますね。これは県に行かれる方が一名、これは人工受精師という方だと思うのですけれども、そのほかいろいろ移ってまいるわけでありますけれども、大体おさまりましたか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 高知の種畜牧場が県の畜産センターというような形になるわけでございまして、私ども、高知の種畜牧場を廃止することにつきまして、職員の前途を見届けるといいますか、できるだけ配置がえをすることで努力をいたしたわけでございますが、そのうちの五名ほどはどうしてもよそへ行けない、地元でやりたいということでございますので、県その他と相談を進めておりまして、大体おさまりました。で、最終的には全部おさまる見込みでございます。したがいまして、その五人分につきまして、十月一日で定数を五人落とすということになっておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは五条退職高齢者の方が三名おりますね。あと一人、御家族で精薄児の方があって病院に入っておる方がありますね。この人の、例の宿舎の関係なんというものは、大蔵省その他の関係がございましょうが、話はつきましたですか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 御指摘のように、相当年輩の方、いわゆる定年を越えているような方がいるわけで、この人たちの世話につきましてはずいぶん骨を折り、かつ、なかなかむずかしい事情がございました。したがって、まだ完全に話がついたというふうに申し上げられる段階でございませんけれども、私どもも、職員組合その他に、これは責任を持って処置するということを言っておりますので、御安心いただきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 こまかくなりすぎますから、この辺にいたしますけれども、たいへん気の毒な人も中にはあるように思いますので、宿舎その他の関係もありましょうし、これはひとつ大臣も——小さいことではございますけれども、本人は、片一方の熱帯農研その他の関係があって、まあこういう時期にきているといえばいえないでもない面もありましょうけれども、長年おったところが変わるわけでありますから、でき得る限りの御努力をいただきたいと思うのでございますが、大臣、一言お答えいただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 過日来、その点につきましては十分私も排聴いたしましたので、万全を期して御期待に沿いたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 前向きで御答弁いただきまして、ありがとうございました。  次に統計なんですが、旧来の経緯を知らないわけではありませんが、大きくものを見て、統計のあり方というものは今後一体どの辺でどう押えればいいのかという点、これは先のことですからなかなか言いにくい面がありましょうが、たとえば、かつて与党内部の皆さんの中にありましたような、各県には農政というものがあって裏づけの統計がないんだから切り離して全部都道府県に移してしまえだとか、いろいろな意見がありました。しかし、倉石さんが農林大臣の時代に統計の必要性をずいぶん強調された面があります。事実また、簡単につくろうと思ったってそうはいかない面があるわけでありますから、そういう面で、これはやはり相当慎重にいかなければならぬという気が前からしておるのでありますけれども、そういう意味で、今日の一万二千足らずの統計なるものが純然たる統計事務という形で将来どう残っていくのであろうかというふうな点、あるいはまた、流通サービス的な形でセンターをつくろうという考えもおありのようでありますが、そこらのところを一体どういうふうに押えておられるのであろうかという点を少し突っ込んで承っておきたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、統計調査部の定数は、四十三年末で事務所関係一万二千三百二十七名、本省関係四百九十二名ということでございます。  それで、私ども農林統計が農政推進上きわめて重要なものであり、これはあくまで本省で農林統計というものは行なうべきものだという確信を持っておるわけでございます。ただ、いろいろな情勢から考えまして、これだけの人数がはたして一人もあるいは少数でも削減できないかといいますと、これは必ずしも私どもそうは思いません。仕事の整理あるいは機械化等を進めながら、人員を統計から他の農林行政上きわめて緊急を要する部門に相当程度移しておくべきではないかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、一万二千三百名ほどの統計事務所の定数から、三年、五%の関係で約千人、それからいろいろな、主として流通改善でございますとか、あるいは消費者保護でございますとか、地方農政局を含めまして緊要な部面に大体三年間で千五百人程度を移すことがいいのではないか。そういたしますと、一万二千三百人ほどから約二千五百人減るわけでございますから一万人を多少割る程度、まあ一万人前後でございましょう。千五百人といってもぴしっと千五百人ということでもございませんから、一万人前後の中で流通関係の仕事に関係いたしておりますものが約二千名弱、千六百名ないし千七百名ほどでございますから、それを含めまして一万人の統計の職員ということはまず農林省としてどこへ出てもこれは必要だ、ここで落ちつくべきだという主張はできるというふうに私どもも考えて、そう処置をいたしたいと考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 いま冒頭にお話しのありました国の必要とする全国統計という部門が一つありますね。それから地域別統計といわれているものが一つありますね。それから地域統計といわれるものがありますね。全国統計は六割くらい、地域統計四割くらいと見て、まん中が多少ダブるのだろうと思うのですが、大体こういう分かれ方になっているものをいま言われた面からながめますと、どういう減り方になってまいりますか。全国統計といわれるもの、地域統計といわれるもの、まん中に地域別統計といわれるものがありますが、六割、四割の関係で、まん中が機構上これはやはり多少ダブることになると思うのです。そこらがどういうふうに変わっていきますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 地域統計とはなんぞやという問題は非常にむずかしい問題でございますので、そこは一応常識的に考えた地域統計ということで申し上げたいと思いますが、統計は大体農林省が行政に使うということを最大の重点にしまして全国統計を主としてとっておりますが、ただ地方の行政事情も考えまして、現在大体二割強くらいを地域統計にさいておると思いますが、今後地域の農政をきめこまかく行ないますために地域統計の需要が多くなるということを考えまして、若干この地域統計にウエートを増すように配慮をしております。したがいまして、これが三割になるのか四割になるのか、これは議論のあるところでございますが、大体その辺をめどにして全国統計と地域統計の割り振りをしていきたいというふうに検討中でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 いま言われるその議論のある、そこが問題なんですね。ほんとうを言うと、どういうふうに理論づけて、純粋な統計事務という形で残していくかということになりますと、そこに問題があるのですね。いまおっしゃるように全国統計、こう言うのだけれども、地域統計二割とおっしゃるけれども、実際にやっていることは全国の統計の分野をやっているのですね。だから、私はまん中でダブるという言い方をしたのですけれども、しかし、これは考え方によって見方が違ってまいりますから、必ずしも一がいには言えません。言えませんが、私はそこらを体系づけていただいて、先太の問題としてさっき官房長が話しておられましたように、必要なものは必要なものでやはり確保する努力はしなければいかぬと私は思っている。そういう意味でそこらの理論づけをちゃんとしていただきませんと、要らないのじゃないかという理屈が片方から出てくる、そういうことになると思うのです。そこのところを一つお願いしておきたい、こう思っているわけです。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 ただいま部内に研究グループを設けまして鋭意研究努力をいたしておりますので、その結論を待ちまして実施に移したいと考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 原局統計なるものはこれから先どういうふうになってまいりますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 ちょっと私御質問を聞き違えましてわからなかったのでございますが、原局統計という意味は、おそらく私どもが申している業務統計の意味だろうと思います。業務統計と申しますのは、各原局が農政を進める必要上業務に付随してとる統計でございまして、これは従来から各所でやっているわけでございまして、たとえばみそ、しょうゆの統計だとか、食料品工業の統計を食糧庁や経済局等でおつくりになっているわけでございまして、これは統計の骨幹になる基本の統計とそういう業務に必要な統計は両々相まって行政の資料たるべきものでございまして、割り振りをどこでするか、いろいろこれも議論のある点でむずかしいかと思いますけれども、なるべく私どものほうの職員の配置、労力量等を勘案してその辺合理的に対処するようにしてまいりたいと思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 これも私は議論をしなければならぬところなんですけれども、なるべく早く片をつけたいといいますか、区切りをつけたいというつもりでございますので、そう深く入っても時間ばかりかかりますから、能率的にと思って簡単に申し上げているのですが、原局、つまり畜産であるとか、水産であるとか、蚕糸園芸であるとか、食糧、おのおのに統計部分があるわけですから、これは何とかはずしていくという考え方が基本的にあるのですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 一切の業務統計を統計調査部のいまの一万二千の職員で背負うということは不可能のことに属すると思います。したがいまして、統計調査部の組織では、基本になる統計を主として力を注ぐことにしまして、直接その行政の特殊な目的のためにとる統計はできるだけ各原局にしぼっていただきたいというふうに私は考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、原局統計と私申し上げましたが、皆さんの言う業務統計ですね。これは手をつけない、できるだけ原局でそのままやっていく、こういう了解でいいわけですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 業務統計につきましては、私どものほうが窓口になりまして、行政管理庁に統計をとるための承認を求めております。その過程で各原局がどういう統計をとっているかということは一目りょう然にわかるようになっておりまして、その過程で調整をして、私どものやっていることとダブることはできるだけ御遠慮願うというふうに調整をいたしておりまして、全体がにらめるように相なっておりますので、現状どおりと申しましても、うちでやっていることとダブる点は整理をしてまいりますし、また足りない点はお願いすることもあるかと思いますが、そういうことで調整はできるだけとって不合理は起こらないようにしてまいりたいと思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 ここも実はそういうことがあるから、一体先々、原局統計、つまり業務統計というものは、統計調査部が窓口でございますから全体としてながめた場合にということになりますと、はずされるのではないか、全部ではないにしても、という心配が残る。このあたりは明確になっていないという理解をしなければならぬわけですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 業務統計といえども必要なものはとるべきであると考えますので、現在やっているものをやたらに整理をするという考えは持っておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 地方農政局に入らない、いわゆる各県の本所と言うたらおわかりになるのでしょうかな、というのがございますね。これは一体先々どういうことになっていきますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 大体そのまま存続していくと思います。ただしやっている業務の内容と申しますか、仕事の重点というものはおのずから違ってまいるんじゃなかろうか。特に今度農林局に入りまして、農林局の中に統計調査部ができまして、その統計調査部がブロック管内の各府県の事務所を指導するということになりまして、その指導を受けながら、さらにその出張所を指導するということで、むしろ従来のように統計の数値を集めて報告するということのほかに、そういう傘下の職員の統計をとるための組織活動を指導するという点に、おのずから重点が移っていくのじゃなかろうか。さらにもう一つ、とりました統計の結果を地方の県庁とか市町村役場とか、あるいは農協、経済連等、各種の農民の団体に周知徹底させ、またそれを通じて農政の前進をはかるような活動を展開することに重点が移っていくのじゃなかろうかというふうに考えます。したがいまして、機構の形式的な形としては現状どおり存置しますけれども、そのやります仕事の内容は、農林局の成立を契機として大きく転換をすべきじゃなかろうか、かように考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 なぜ私こういうことを言うかと申しますと、機構が人の面を含めてこれだけ大きく動く時期なんですね。しかも、統計そのものにとっては長年の懸案でもあったわけですね。行政管理庁の指摘事項があったり、皆さんがいろいろそれに答えられたり、さっぱり手をつけないで、行管がまたいろいろものを言ったりという繰り返しがあったわけですね。それだけにやはり先々のことを職場の皆さんは非常に心配しているわけです。原局統計と申しましたが、皆さんの言う業務統計の面の方々でも、いまはとりあえずこうなっても、先々またその辺に手がついてくるんじゃないかとかという心配。私はやはりここまで来ると、はっきりさせるべきものはさせて、できるだけ残したいものは残したいんだということでなしに、ぴしゃっと固めるものは固めていっていただかないと、問題があとに残るということになりかねない。そこに不安もつきまとうということになる、こういう点、私は心配なんです。それから、同じことなんですが、いまの各県の本所というものも、これは北海道は四カ所ございますね。それを抜くと、全体で四十五でしょう。だから二千五百から二千六百人の人がいる。ところが機構の面からいくと、これはたいへんな何段階にもなるのですよ、農林局に入ってきて、そこに統計調査部ができるわけですから、そうでしょう。そこに本所は入らないのですから、そのまま残るわけです。そうなると、機構がこういうかっこうになったということを、遠くから見てもさわらぬでおけばいまところいいんだということにはならぬ面がある。そこらのところをうしろ向きじゃなしに、ほんとうにそうお考えになるなら、理論づけをし、人一人に対する業務範囲というものを明らかにさせて、その上でひとつ安心して仕事をしてもらえるように、落ちつけていきませんと、この本所に残される方々の身になると、今度は屋上屋になっちゃって、やがて本所は要らなくなるんじゃないかという心配をする。そこらのところをやはり皆さんのほうで、あやふやじゃなしに、それはこうなるんだということをはっきりしていただかないと困る。大臣、もし御答弁願えれば、お願いしたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 はからずも同じ意見が出るとは思わなかった。私はけさほども、こういう屋上屋をつくるようなやり方は反対ですと申しました。それで、そこで説明を求めまして、なぜ本所というものが必要なんだという話も聞きましたところが、まさにこれは将来に向かっても必要性があるという話を十分承りまして、さらに現在の日本の経済の実態の上に立って、農作物の作目というものが全く変わってきている。嗜好が変わるに従いましてそういう状態になっておる。またさらに、いま統計事務を行なっている方々というものは、農林省におきましても最も優秀な能力を持った方々が多いんだ。こういう上からだって、こういう人たちが決して心配になるようなこともないし、さらに本所というようなものは屋上屋を重ねるようであるけれども、決してそうではないというお話をけさ私は承りまして、やっと私が納得したわけでございます。はからずも同じ御意見が出るとは私も思いませんでして、びっくりしたところですが、実は私はこれに反対でございますという話をして、やっときょうはそうでないという納得がいきまして、きょうここへ出たわけでございますから、そういう点は十分心得て今後の処理をいたす考えでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 大臣御自身が疑問をお持ちになって、ものを言われて検討をされてこられた。皆さんの確たる理由というのをお聞きになって納得された、こういうお話なので、どうかひとつそこのところは、末端のここに残る方々に不安がありますから、大臣がいまお答えになったようにはっきりと将来ともにさしていただくということをお願いをしておきたいと思います。  それから、先々人の動きというのは、これはたとえば本所一県七十名なら七十名程度という、こういう数字が出てくるとすると、本所そのものは残るにしても、そこの人の動きというのは一体先先どうなりますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 今後、地方農林局案が通りました暁におきまして、一番職員が心配するのは人事異動の点だろうと思いますが、その点につきまして形式的には地方農林局長の監督下に入り、人事権も五等級以下はそちらに入るわけでございますが、何分にも一万二千名という大ぜいの職員でございますし、急に農林局長にこの大ぜいの職員を預けましても顔もわからない、人柄もわからないということで、人事が渋滞したりあるいはおもしろくないことが起こる可能性もございますので、その辺は末端の組織、特に地方農林局の総務部と、それからその地方農林局に入りました統計調査部の部長さんなり、さらに各県の事務所の所長さんと十分打ち合わせをして、それにわれわれも参加をしまして、納得のいく人事交流をはかって、この人事交流を通じてまた処遇も改善されるように、万全の努力をしてまいりたい、かように考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 この農林局の部に入るか入らぬか、こうなりますね。その割り振りはどうなってきますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 地方農林局の統計調査部に入りますのは、その農林局の所在をする統計調査事務所の職員。これは出張所の職員を含めまして、全部でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 北海道の四事務所、これは将来どうなりますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 北海道につきましては、内地と違いまして面積が非常に大きいし、農業の実態も違うという実態的な問題もございますし、それから形式的には農林省の出先である地方農政局が北海道には存在しない、北海道開発庁というほかのお役所もあるというような、いろいろな条件を勘案をしまして、北海道につきましては、内地の統計調査事務所と違った性格のものとして、北海道統計調査事務所という考え方で本省が直轄していくつもりでございます。その配置は、現在の四事務所の配置を尊重してまいりたい、かように考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうすると、北海道については設置法上の解釈からいけば一つであるということになる、設置法上のものの考え方からいけば北海道は一つ、こういう理解ですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 設置法上におきましては、内地の地方農林局に入ります統計調査事務所と性格が違います。本省直轄であるという意味におきまして、北海道統計調査事務所という表現を使っておりますけれども、その内容は現在の現実を踏まえて、解釈、運用していくという立場をとっておりますから、現状と変わらないというふうに御理解いただきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 なかなかわかりにくい議論ですから、まわり近所にぎやかでございますけれども、もう少しがまんをしていただきたいと思うのです。  農政に入った分が七つ、入らないのが三十九、これはただし農政局のワク内ですけれども、北海道が四つある、こういうかっこうになる。これは将来一つになるのかどうかという点。先ほどのお話では、事務所のあるところは、四事務所ですか、尊重していくというお話なんですが、ちょっとそこのところがどうもぼやっとした感じがするのですけれども、そのまま置いておくという意味ですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 先ほどお答えの冒頭に申し上げましたように、北海道は、面積が広いし、それから内地のような密居性の農村形態をとっておりません。戦前の徳川時代の農村の歴史がなくて、戦後開拓をした土地でございまして、どちらかと申しますと散居性と申しますか、一軒の農家と隣の農家との間が非常に遠いといったような農村形態になっておりまして、調査をするにも内地のようなわけにまいらぬわけでございます。したがいまして、北海道をかりに一本にしてうまくいくかということになりますと、面積の広さや農家の散在していることを考えますと、いろいろ問題がございますので、現在の四つの事務所を存置してまいりたい、かように考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうなると、これは直轄というお話もさっきありましたが、ほかとは機構上形が全く違うことになりますね。つまり農政局のワク内という理解ができ得る他のところと、ワク外という形になる北海道の場合と、こうなるわけですね。そうすると、その場合の勤務条件上の格差などということ、これは級別定数その他みんな違ってくるのではないかという気がするのですよ。そこらはどういうことになりますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 地方農林局に入ります統計調査事務所は、将来地方農林局の統計調査部になりましてブロック機関になりますので、諸般の待遇上ブロック機関としての扱いを受けますが、その他の統計調査事務所は普通のブロック傘下の統計調査事務所としての扱いを受けるわけでございまして、北海道は地方農林局がございませんから、統計調査部になるべきものがないという点において、あるいは不利になるのじゃないかという御指摘かと思いますが、その辺はかりに地方農林局案が成立をしましても、人事の運営面につきましていろいろ私ども相談をしてやっていくつもりでございますから、その辺は合理的に解決できるような措置をとり得るのじゃないかというふうに確信をしております。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは労使の団交ではございませんので、あるいは話し合いでもございませんから、そこから先こまかく詰めることは差し控えますけれども、大きく申し上げて、勤務条件上の格差などということがあったのでは、機構上の問題からくるその結果としての格差になりますから好ましいことではないわけであります。超勤その他全部各省の行政機構をながめておりますと、そこにいる人の仕事という面で、たとえば大蔵省一つをとりましてもずいぶん超勤その他違う面が出てまいります。そこらのところはなるべく合理的に、そういうことも十分運用の面で配慮する、こういうお話がありましたから、そこらのところはひとつ万全の配慮をお願い申し上げたい。これは大臣にひとつぜひお願いしておきたいのでありますが、これはよほど運営の面で考えていただきませんと、まして広い地域に、ワク外に機構上違った形でおかれることになりますので、ぜひひとつ運用の面で、そういうところにしわが寄らないように、勤務条件、超勤その他を含めまして——特にこれは舎費というのがございますね。各省の庁費というのがございますが、あれと同じような意味の舎費あるいは庁費といったようなもの、こういうふうな点で、よく機関が違ってまいりますと格差が出てくる省があります。私も幾つかの省を当たっておりますので、そういう心配もございます。郵便局なんかでいいますと庁費と言っていますが、そういうふうな諸経費でございますが、そこらのところも含めて、そういう面の格差の起こらないように、運用の面でお考えを願いたい、こう考えるわけです。やむを得ないものもあります、これは規模の大小によりまして。それにしても、これを第三者からながめてみた場合に不合理でないという形にしていただかないと困ると思いますので、その点をひとつお答えをいただきたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田政府委員 事務的なことでございますから、私からお答えいたします。  地方農政局のようにブロック別的な機関と県ごとの機関で、庁費あるいは超勤等について相当な違いがあることは御承知のとおりでございます。私ども一ぺんにこれを一緒にするというようなことは申し上げてもなかなかできることではございませんから、そういう無責任なことは申し上げませんけれども、逐次改善の方向で努力いたすことは申し上げたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 規模の大小で一がいに——私もそれは官庁育ちの一人ですからよくわかります。したがって、私は、できるだけ合理的に、第三者が見て不合理でないように、こう申し上げておるので、労使間の団交ではございませんから、そう申し上げておるわけですから、そこらを御配慮いただければ前向きでものが解決できるのではないか、こう思って申し上げておるわけです。  それから機関別格差というもの、これもよく方方にあるのであります。たとえば、局長さんがおられて部長さんがその下におられるという場合に、事務所には事務所長さんがおいでになる。そうすると、部長さんと事務所長さんと同格であるとか、いろいろそういう定数その他からいってのあるいは級別定数からいっての配置があるわけでありますが、私はそこに格差が起こっては困ると思っておるのですが、そこらのところはどうお考えになっておりますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 地方農林局に入ります統計調査事務所は、将来地方農林局の統計調査部になりまして、そのブロック管内の各事務所を統轄いたすわけでありますから、当然ブロック機関としての扱いを受けると思います。その点、多少旧来の四十九事務所を並列しておるときと考え方において違いが出てくることはやむを得ないと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 並列しておるときとの違いが出てくる問題はやむを得ない。そこから先は人の配置ということがくっつきますけれども、たとえば局長さんと事務所の所長さんとの関係、あるいは部長さんとの関係、あるいは課長相互の関係等が出てまいります。その一級上であるとか下であるとかいう問題が出てくると思いますが、そこらはこまかいようですけれどもどういうことになりますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 非常に微妙な問題でなかなかお答えしにくいところでございますが、私は、人の配置と申しますか、人事の公正な運用によって解決できるものではなかろうかというふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そこから先は、これはその省の人事の問題とからんでまいりますから、その手前までにしておきますけれども、ここにこまかく各皆さんのほうの部局を調べてありますけれども、時間の関係もありますので省略いたします。人の運用その他の面で十分御配慮いただきたいと思います。  それから定員振りかえその他のつまり配置転換、これについて労使間でいろいろやりとりがあったことを書類で見てまいりましたが、このポイントが一つ今後の定員振りかえの事前協議という名前をつけて要求しているもの、それに対する大臣名でお答えになっておる中身等々、これはいろいろあるわけでありますけれども、この最近の一番最後の補足要求に対する補足回答みたいなものもありますけれども、協議ということばをどうしても使いたくないというお考えなんですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 私ども職員組合と話をしておりますときに、事前協議ということばの要求が実はあったわけでありますけれども、事前協議というようにしかつめらしくはしない。そのかわり今度の機構改革のようにきわめて大きな問題につきましては、当然職員組合に事前に話をして、よく詰めるからそれでいいではないかということでやっておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 どうも事前協議となりますと、総理の午前中のあれに戻ってまいりますが、なかなか事前協議のことはむずかしいようでございまして、各省のほうも団交権などというものの存在の当否あるいは有無というような問題ともからみまして、私もわからぬわけではない。しかし、やはりいっている趣旨はおわかりになるのだろうと思う、皆さんのほうもこれだけ人が動くのですから。そこのところをきょうは——いま委員長からなるべく時間を短縮してという御要望かございましたから、実は少し論議があるのですけれども簡単にしまして、強制配置転換をしないという——これはたいへん御親切にここにおたくの「農林だより」、ある意味では広報紙だと思うのでありますが、この中に総理の答弁その他ずっとだいぶ詳細に書いてありますので、いろいろ申し上げる手数がはぶけてしまったような感じがするのでありますけれども、つまりその約束を担保しておこうということになると、やはり事前協議というものの考え方が実態面から出てくるものなのですね。そのことをやはりある程度皆さんのほうでその趣旨をくんで、こなしてあげないと、今度働くほうの側が何の身分的心配もなく働いていけるということにつながっていかないという気がするのでありまして、これはひとつ時間の関係がございますから、深く掘り下げずにおきますが、大臣、職員団体の側がいっておる趣旨はおわかりだろう。総理以下もああいう答弁をされております。したがって、ぜひそこらのところはその趣旨をくんで、運用に誤りなきを期していただきたいと思いますが、政治的な質問でございますけれども、お答えいただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 強制的配置転換はいたしません、こう申し上げておるので、あとは申し上げなくとも、十分その点はおわかりのことだと思いますので、御了解お願いいたしたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 この出張所の再編成という問題で、これは全国でいまどのくらいあるのですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 昨年度は六百五十ございましたが、四十四年度に六百二十八になりました。今後とも総合計画を進めていくつもりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 一問一答式にずっと聞いていきますから、簡単にお答えいただければけっこうです。  いまお話しの六百二十八になった、これは従来四百五十にするという統合案がございましたですね。三十七年計画の中で、久我さんの構想というものがありましたね。それからさらに、これはもっと百五十くらいの構想などもないわけではない。そういうふうな点とあわせまして、将来どういうふうになるとお考えでございますか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 現在私どもが持っております出張所の統合計画案は、御説のとおり、久我さんの時代に立てられたもので、ちょっと時間が経過しておりまして、中には実態にそぐわない点もございますので、その後の社会経済情勢の変動に応じて、手直しが必要でございますので、目下手元で鋭意検討中でございまして、かっちり四百五十でいいかどうか、これは問題であろうと思いますが、一応すでにでき上がっておることでございますので、四百五十というのをめどにして、現状に合わない点を手直しをして、現地の実情に合わせるということで進めております。

大出俊日本社会党

○大出委員 てんぷら統計ということばがよく出てくる。てんぷら統計というものは何かというと、上から作付なり作況なりというものを調べろとおりてくる。何日までに……。人は限られておるというので……。最近の様子を聞いてみると、聞きに行っても昔と違って、役所の人が来てくれたからといって、のこのこ出てきて、一生懸命ひまをつぶして話をしてくれる人は少ない。追い帰されてみたり、野ら仕事をしておるところまで行ってみて頼んでみたり、いろいろなことをする。ところがさあ何日までにと言われるものだから、とてもじゃないがどうにも手がつかぬ。相手は話に乗ってくれぬということになると、どうしても旧来の経験に基づいて、適当なものになりかねないという面さえ出てくる。本来この久我構想のときに、大蔵折衝の段階で、出張所を新築するといった場合に、予算とのからみ合いで減らさなければならぬという分野があったはずです。かつて私も手がけて調べたことがある。だいぶ時間がたっておりますけれども、そこらのところも、ここまでくるとすっきりこの辺で固めていただいて、いま言ったようなことが末端に起こっていくようなことにならぬように御配慮をいただかぬと困る。そこらのところをひとつかっちりしておいていただきたい。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 出張所が六百二十八あると申し上げましたが、その現状を一つ一つ洗ってみますと、中には三名とか四名という出張所もかなりたくさんございまして、しかも三名、四名の職員のところに、いまある本省の統計調査部でやっております、数にして——数え方によりますが、行管に届けております各地域の、数でいうと三百五、六十ある。これがだんだん下がっていくわけでございますから、お説のような御心配もあり得ると思います。したがいまして、できるだけ統合を進めることによって、人員の面でそういう不合理をなくしたいということで、統合計画はその意味で一つの合理性を持っておると思って、そういう見地で、新しい立場から取り進めていくつもりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 この統計の、本省の仕事について、もう一つここで聞いておきたいことがあるのですが、流通統計センター、流通部門でやっておるところを見ると、出張所からきたものを、各調査項目別に集計してあがってくるわけですね。そうなると、トンネルであがっていってしまう。そうすると、統計の本省の仕事というものは、一体何が残るのかという問題がある。何がどう将来残るのですか。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 御質問の中に、流通情報サービスの仕事のお話が出てまいりましたが、これはいま私どもがやっております本来の統計とは、ちょっと異質の面がございますが、流通情報サービスの仕事は、今後発展をしていく分野だろうと思います。そのやり方は、御説のとおりオンライン・システムと申しますか、本省のコンピューター中継局と申しますか、中継事務所のテレタイプ、それに末端出張所のテレックスと結びつけて、自動的にデータがあがってくるようなシステムをとっております。おそらくあらゆる統計のとり方が、将来はそういう方向に行くんじゃなかろうかということで、現在機械化整備計画もそういうことを頭に置いて、鋭意検討を進めておりますが、そうなればなるほど、末端の調査員が間違いを起こしますと、チェック機関なしにずっとコンピューターに入っちゃうと、統計の基礎が狂うということになりますので、そういう間違いを起こさないように、中間段階の地方農林局なりあるいは県の統計事務所で、その指導監督を徹底することをやりませんと、いいかげんな数字があがるという心配がありますので、おそらく中間機関の任務というものは、従来人間でとっておる統計から、そういう自動する機関に性格が変わるんじゃないか、かように考えます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは答弁された方の専門の分野でございますから、そういう確信をもっておっしゃっておられる限りは間違いないと思いますので、その趣旨で進めていただきたいと思いますが、なくなるんじゃないかという心配がどうも至るところで出てきておるようでございますから、ぜひそういう点は徹底しておいていただいて、職員の諸君の心配のないようにしていただきたいと思います。  あと簡単に羅列的に聞いてまいります。  試験研究機関が幾つもございますけれども、この中で作況研究所——作況研究室といったほうがいいのですね。あるいは作況試験室の二十九名、これが将来なくなっちゃうんじゃないかという心配も出てきているわけであります。ここらの点を、簡単でけっこうですけれども、少し御説明していただきたい。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 いま御質問ございました、統計関係の試験研究の分野は二つございまして、一つは作況研究室と称しまして、国立の農業試験場の一隅を借りて、ここに七十三名ばかりが勤務しております。  それからもう一つは、県の農業試験場の一部を借りて一室三、四名ぐらいの陣容でもって試験に取り組んでおります。これを試験室と称しております。作況研究室と試験室と両方あるわけでございますが、今回作況研究室を技術会議のほうへ移管をしようという構想になっておりまして、それに伴ってそういう御心配が出てきておると思いますが、この作況研究室を技術会議に移管をします目的は、これは歴史的な経緯がございまして、話せば長くなりますが、現状におきましてこういう基礎的な試験の分野はやはり技術会議の御指導のもとに試験研究の一環としておやりになって、その成果を私どもがいただいて、それを使うということにしたほうがよかろう。したがいまして、研究室は国立試験場に移しますけれども、地方の試験場を借りてやっております試験室のほうはそのまま生かしまして、移った作研のほうからデータをいただいて、それを統計のほうに使う。またそれを農民に対する普及指導に使うということで、これはつぶす気はいまのところございません。

大出俊日本社会党

○大出委員 将来と申し上げたのですが、いまのところございませんという答弁になったので、ちょっと困るのですが、先々のことはどういうことになりますか。いまのところございませんという答弁なんで、私はこれは将来どうなりましょうということを伺っておるわけでございまして……。

岩本道夫農林省農林経済局統計調査部長

○岩本説明員 いまのところございませんと申し上げましたのは私の失言でございまして、取り消しを申し上げます。ずっと続けていく所存でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 なくなりはせぬかという心配が作況試験室の場合ございますから、それがいまのところはというだけになっておりますとちょっと心配になりましたので念を押したわけでありまして、はっきりいたしましたからけっこうでございます。  食糧庁について簡単に承りますが、どうもこれは本来ならば自主流通米のところを少しさわりませんと結論が出てこないのですけれども、これまたやり始めると、長官おいでになるけれども、またえらい時間になってしまいますから簡単に申し上げますが、わかりやすく申し上げれば規則改正ぐらいを簡単にやって——簡単でもございませんな、今度おやりになるのは。法律改正によらないで多少手直しを規則その他の面でやったということで、人が動く。これはいまの自主流通米なんかをとらえましてもそういう面が出てくるわけでありますが、将来そういうふうなことをおやりになるのだとすると、これは食糧関係たいへんな問題が起こってきやせぬかという気がするのであります。したがって、そこらのところは、これは先先何かお考えがあるのですか。どうも少し最近は法律改正によらざる手直しが自主流通米等を中心にして出てきそうな感じがするのでありますが、そこらはいかがでございますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 他の委員会等でも大臣も明らかにいたしておるところでございますが、食糧管理制度の根幹は維持をしていくというたてまえのもとで、現在の米の需給の関係が非常に変わってきておる、そういう社会の実態というものに合わせて運用する。法律上許され得る運用の範囲内で実態に即したやり方をやっていこうというのが基本的な考え方でございまして、将来にわたりまして私どもとしては食糧管理制度の基本、根幹というものは維持をしてまいりたいという考え方でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは歴史的に調べてみると、運送、保管のあり方なんかにつきましてもやり方を変えようとすれば変わるのですね。これは日通なんかの問題、だいぶ問題になった時期がありましたが、何本立てかにして運送、保管のあり方を変えていくということにすれば、これは法律改正によらなくても人を減らそうとすれば減らされる。それからまた現金の領収書、これはいにしえはためておいて処理をした歴史がある。今日は毎日発行、毎日預金の形になっている。したがってこれはいにしえに戻そうということになると人が動く。これは例でありますけれども、変えようとすれば変えられる。つまり片一方の統計のほうは振りかえだ、やれ何だという形の押し方をしているのですけれども、食糧の皆さんのほうの側からも、先々どうもそういう規則改正だ何だという、法律によらざる形でなしくずしに人が動かされたんじゃたいへんだという心配が、いろいろの論議の中から私の耳に入るのであります。その辺のところを、心配をする必要はないならないようにお話し置きをいただきたいのです。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 食糧関係にも御案内のように二万六千人をこえるような職員がおるわけでございます。今日のようにあらゆる方面で効率的な仕事をする必要があるという場合に、業務の改善によって人員を節約し得ることは、私は努力をすべき方向ではないだろうか。ただ食糧管理の根幹を維持をしていく、また新たに発足をいたしました自主流通米制度のごときものが将来定着するように、秩序ある流通態勢というものが確保されるというふうにいたしますためには、私は急速な食糧関係の人員の縮減をするということはできかねる事柄である。将来も問題としては、たとえば保管だとかあるいは出荷というような問題が、新しい時代の技術とともに変化をしてまいるという場合には、それに応じた人員の節約というようなことは考えてまいらなければなるまいというふうに思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 たとえば集荷業者ごとに百人の農家というふうなことになって単位がきまって、またそれが保管なら保管という形で保管契約を結んで保証金を積まして預けてしまう。そうすれば、これは法律上民法にしても商法にしても、これは農林省食糧庁に責任はない。だから、これは取り扱い改正をすれば動かそうとして人が動かないわけではない。というのは、自主流通米というものは法律違反でやりましたからね。この調子でいろいろなことを将来考え出されたのではたいへんだという、現場の諸君にそういう空気がある。それで私は念のために申し上げているのですがね。努力してそういうことを——いま私が例にあげたことをさしておるのではないようでありますが、事務的な手続あるいは規則というような面で人を減らさなければならぬことは当然なことだと思うけれども、ということばがいま一つついておりますので、当面そういうことを考えているということがあるのか、将来考えなければならぬというようなことがあるのか、あるいは全くないのか、そこらのところはどうですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 当面私ども食糧庁の人間関係で考えてまいらなければならぬと思っておりますことは、当然のことではございますが、三年、五%という人員の縮減をはかるという点については、一定の基準に従ったルールに基づいて私どもとしても政府あるいは農林省の基本的な方針に沿った人員の節減をはかっていくということだけはやらなければいけない。それ以上のことは現在考えておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 最近、今度の自主流通米をめぐりましていろいろな動きが方六に目につくわけでありますが、一例をあげますと全糧連という組織がありますね。これは卸でしょうね。それから集荷団体がありますね。集荷団体の側に丸紅だとか伊藤忠だとかいうところが手をつけようというので、やれ熱海に人を集めたり、一ぱい飲んだりというような話が耳に入る。ところが、どうも集荷団体、農協しっかりしておりますし、なかなか入りきれない。そうすると、卸のほうから入っていくということになると、理屈の面からいっても非常に近いところまではいくわけでありますから、そうするとそういう団体に相当な、つまり流通の機関に相当な資金を投入をする、こういう動きが現にある。そこでそうなると、かつてお米屋さんが集まって、公団でありましたかやっておりました。食糧を扱っておりました時代から、今日何々食糧、何々食糧という形で、かつてのお米屋さんの集団が金を出し合っていろいろなことをやってきているわけですね。私の足元なんかにも、やれ中部食糧であるとか南部食糧であるとかいろいろございます。これは全糧連に、亀井さんのところに入っていない団体もたくさんございます。ところがそちらのほうもそれなりに何とかいまのうちにまとまりをつくっておかないと、将来、これは農林省がどう考えるかによりますけれども、自主流通米というものに端を発していろいろな心配が出てきている。それから国あるいは県が金を持ち合って大きな精米所をつくるという動きも幾つもあります。相当な馬力の高い動力を入れてやり始めている。それで袋などを配って、自主流通米をこういうものに入れて配りますからなんということになりますと——この分野では最近はずいぶん動きが目立つ。  ところが、たまたまこの間ちょっと関係の方にお話ししたのですが、横浜で、一億六千万円の横領というので、米穀問屋の重役失踪というのがありましてね。これは戸部警察署というところでありますが、警察庁と話し合いをしてまいりましたが、実はこの席で質問をしてほしくないという警察のお話でございましたから、私も、どうもそういう調査機関に御迷惑をかけてもと思いましたから、ここでは直接出てきていただいてそれを承ることはやめたのでありますけれども。ところが、これはどうもある意味では、相当収入のある卸の会社なんですけれども、穴をあけさせて、そのことによってその会社をもう一つの会社に吸収合併の形で、穴があいた資金の回収ができないその分を持ってもらうという形で向こうにひっつける、こういうかっこうでひとつ大きくふくらんでいくという意味で使われているのだとすると、これは単なる失踪事件ではない、こういうことになる。これはいま私が前段で申し上げた全体的な動きの一つだということになる。その点について、当該の警察のほうは、とりあえずは重役が金を使い込んだのだということで調べるということにしている。それにもう一つ、最近は、そうでないかもしれないという点を気をつけて調べろ、こういうふうに少し捜査の方針がそういうふうな動きになっている、こういうわけです。  ですから、そういうことまで起るような騒ぎがその後段のほうであった場合に、これは将来に向かってたいへんなことになるという気がするのであります。ましてお米屋さんが集まってつくっているような卸の会社というのは大資本ではないのですから、そういうふうな点について皆さんのほうの、つまり農林省の権限という範囲、あるいは行政指導という範囲で、これは前に申し上げておきましたが、どういうふうに将来この動きを考えるかという点、これは考えなきゃいかぬ点じゃないかという気がするのです。これはどなたにお答えをいただいたらいいかわかりませんけれども……。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣政府委員 御指摘のありました神奈川県の米穀販売業者の職員といいますか重役の一人が社の金を費消をしまして逃走したという事件については、私も報告を受けております。ただ、犯罪の内容につきましては、捜査の途中でございますし、私ども十分承知をいたしておりません。私どもとしては、そういうことのために従来の卸売り業者が卸売り業者としての機能を営めなくなる、そのことのために登録をしております小売り店が米の配給ができない、したがって消費者に迷惑をかけるというようなことは、われわれの立場として放置できませんので、そのための指導なり措置はいたしたつもりでございます。したがって、結果において消費者に御迷惑をかけなかったと存じております。  さて、もっと広範な意味で御質問のございました卸売り業界等におけるいろいろの動きでございますが、当初自主流通米制度を政府が構想いたしましたころ、世間に誤解がございまして、米の完全に自由な流通が認められるかのごときイメージをもって、それに対応するような動きをしようとした向きが確かにございます。ただ、自主流通の制度はそういうものではございませんで、食糧管理の考え方に立つ行政規制のもとで流通を秩序正しくやらせようというものでございますから、順次そのような見当はずれの動きはなくなってきたと私は思っております。全国に卸売り業者約三百七十店ばかりあるのでございますが、御案内のように消費はちっとも伸びない、むしろ減退をするという事情のもとで、この業界が体質を改善しつつどうするかというような重大な問題でございますが、私どもとしてはできる限り既存の業者の統合あるいは営業の譲渡というようなことで規模を大きくしていって、小売り業者あるいは消費者にサービスできるような能力を持たしていくことが必要だというふうに考えておるのでございます。お話にありました大型精米所の設置につきましても、食糧庁としても本会計年度でも補助金の予算を取りまして、そういう業界の企業的な体質の改善に資するという一面と、それから米の流通の近代化、効率化というものに資さしたいという考え方で進めておるのでございまして、いずれにいたしましても配給機構の混乱ということは食糧管理制度の維持の上で問題でございますので、十分配慮をして指導を加えていきたいというふうに思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは私のところに投書なども来ておりまして、考えさせられることがいろいろ書いてあるのです。つまり米穀流通関係の各会社のいろいろな動き等についても、相当大きな、つまり全国的な団体もありますから、この中には政治の分野にわたるようなことまでいろいろ書いてありますけれども、どうも参議院選挙などあったあとの関係もございまして、おそらくそこまで——これは実際に携わっている方々でありますけれども、一人や二人じゃないのですけれども、この方々からはそう見えるんだろうという気がするのです。しかし本来ならば、もう少し時間があれば、基本に触れる問題もありますので、申し上げておきたいことがあるのですが、時間の関係もございますので、そう突っ込んだところまで参らない範囲にいたしますけれども、実はこの大型精米機を国あるいは県が金を出してつくるということについても、これは資格要件その他がございます。かなりこまかくずいぶん調べてみましたけれども、どうも将来そちらのほうが主になっていくということになると、力のないほうの諸君はいまの食糧の流通制度がゆるんでまいりますと非常に危険なことになる、成り立たなくなるのじゃないかという面まで発展しそうな雲行きも見える。たとえば、小田原なら小田原というところに大きなものができる。神奈川県下に幾つかできていますが、そうなると、はね出されるほうの諸君にすると、これはなかなか心配の種がふえる一方ということになってしまうというようなこともある。これはあらためた機会にそのものずばりの質問をしたいと思っておりますけれども、これから先々の問題としてはよほどお考えをいただかぬと、いまの自主流通米制度がどうなっていくかということもながめながら私もものを言いたいと思っているのですけれども、そこらとからんでこれは慎重にお願いをしておきたいと思うわけであります。  それから、警察の調査がここにあるのでありますけれども、先ほど私はこの席ですから名前をあげませんでしたが、米穀業者の一億六千万事件をめぐりましての投書によりますと相当突っ込んだものがあり、警察のこの調査はここにこう書いてありますけれども、どうもふに落ちない点もいろいろあります。こういうわけでございますので、このことが消費者のもとにいろいろ伝えられてまいりまして、その地域の方々が何を一体やっているのかということになってきている面もある。そういうふうなこともありますから、そのものずばり消費者に迷惑がかからぬ限りはいたしかたがないということだけでなしに、やはりこれからそういうなわ張りあるいは資本の動き等々とからんでいろいろなことになりそうな感じがするので、ぜひそういう面にも十分意をつかっていただきまして、国民の非難が出てこないような行政のあり方をお考えをいただきたい。  これは簡単でございますけれども、また抽象的でございますけれども、事の性格上、言ってしまえば少し時間が長くなりますので、ぜひその点は、大臣もおそらくお聞きをいただいておると思いますので、その辺の御配意のほどをお願いしておきたいと思う次第であります。  たいへん簡単でございますが、一言何か……。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 自主流通米の構想をしたときから、先ほども長官が申し上げたとおり、いろいろ誤解があったようでございますので、これらも一定の規制のもとに行なうことでございますので、最近に至りましては、その考え方がだいぶ変わってきたというようにも考えられます。しかし、御指摘の点等は十分考慮に入れまして、今後の指導をしてまいりたいと考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 最後になりましたが、少し統計、食糧のほかの、農地の関係について承っておきたいのですが、開田その他の事業を直轄事業でいろいろやってこられて、これは八郎潟の、大和田さんの当時やっておられた時代がありましたですが、ところが、どうも食糧事情の変化その他で、ずいぶん最近変わってきたように見えるのですけれどもね。本来の目的でないことになっているような気もするのですが、そこらどうお考えになっていますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 農産物の需給事情の変化を反映いたしまして、御指摘のように、土地改良事業の中身については変わってきておりますし、また、その方向に沿って変えなければいかぬというふうに考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 どうも、いまの御答弁では納得いたしかねる点があるので、もうちょっと申しますが、これは、干拓というのは、干拓して農地にするという筋合いだからこそ、農地局が国営事業ということで担当しておられるだろうと思うのです。そこで、長崎にもございますし、千葉にもございます。岡山なんかにもあります。千葉の長浦干拓なんというものもありますし、あるいは岡山の児島湾の干拓もありますし、鳥取の中海のやつもありますし、あるいは九州三池のものもありますし、愛媛の西条もあります。こういうふうにずっとあるわけでありますけれども、県に引き継いで用途変更をして、どうも妙なことになっているわけでございまして、本来なら農業予算で国がやったはずでありますから、そう簡単にこれは用途変更をして企業の側に使わせるということになってしまうとなると、その農業予算でそういうことをしておいて、開田だといってやって、これは一体、その趣旨からいってどういうことになるのかという、現実がそうなんですから、ここらのところをどう考えているのかという点を聞いているわけなんで、そう簡単なことじゃないと私は思っていますので、ひとつこれは大臣、どうですか、いまの点は。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 当初の目的は、開田をというような考え方で始めたのもございますし、しかしながら、完成に近づいてまいりまして、現在のような米の需給問題が大きく変わってきております。こういう面において、その開田ではあるけれども、お米でなくて、他の作目に変えてこれを行なってもらいたいというような点については、十分納得ずくの上に立ってその解決はつけておるつもりでございます。しかしながら、当初の目的はまさに開田をということが目的であったけれども、需給事情の関係上、両者と、県も中に入りまして、いずれもその点については了解の上で、納得をして、作目を変えているという、こういうようなこともやっておるわけでございます。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 ちょっと干拓の問題を具体的にお触れになりましたので、大臣の御説明に私から補足させていただきたいと思います。  干拓につきましては、戦後緊急開拓以来、相当な地区で相当な面積をやっております。その間、二十数年たってきます間に、経済事情が非常に変わってまいりまして、そのやっております場所自体の立地条件からいたしまして、工業地帯に変わるとか、あるいは、その他ほかの用途に転換したほうがいいというような土地利用計画が立ってくる場合がございます。その場合に、われわれ農林省といたしましては、本来、農用地をつくっているわけでございます。やはり全体の土地利用計画から見ましてやむを得ない場合がございます。そこで、例外的に、面積でいいまして、いままで累計しまして約千八百ヘクタールぐらいかと思いますが、その程度の転換をいたしております。ただし、この場合は、適正な時価で売りまして、それをわれわれの特別会計に入れまして、そうして再投資をするということにしておるのが実情でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 まあ長く時間をかけたくないので、結論めいて申し上げますが、公団方式、つまり干拓公団なんかが、構想が現にあるだろうと私は思っておるのですが、そこらのことについてどうお考えになりますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野政府委員 干拓公団の構想といいますのは、おそらく中身が、単に農用地をつくるだけでなくて、そこの堤防の上をバイパスにするとか、あるいは、できました淡水湖の水を上水、工水に使う、あるいは内水面漁業に使う多目的な利用ということになります。そうしますと、農林省独自でなかなか所管の問題としてはやれないということでありますから、そういう構想があるのではないかと私も思います。しかし、それをやります場合には、いまの所管の問題、それから、だれがどういうふうにしてやるか、はたしてそういう適地が今後たくさんあるかというようないろいろな問題がございまして、現在、農林省におきまして、具体的にそういう公団の構想を立てて検討しておるという段階にはまだ至っておりません。

大出俊日本社会党

○大出委員 この構想を立てておる方の周辺から話が耳に入るのですけれども、どうもいささか、今日の食糧の需給事情その他が変わってまいりましたことから、こちらのほうに逃げて、そのことがいささかことばが悪いんだけれども、もうけ仕事につながったようなことになると、これは捨て置けぬという気がする。個人の名前を申し上げませんけれども、これはあえてそうであってほしくないから、その構想を立てる方がこういうことを言うのですけれども……。したがって、そうではなくて、やはりいまお話がありましたが、真剣にいままでやってまいりました国営農地事業、その将来をどうするかという点について、これは積極的に、変わったら変わったなりの構想を皆さんでお立ていただかぬと、横のほうからある種の政治家諸君が妙なものを持ち込まれても、私は、不明朗ですから、困ると思うので、したがって、そこのところは、これは大臣、ひとつ農林省としてあるいは農地局として、事情の変わった今日、この国営農地事業というものをどうするのかということを、これはやはり早急に御検討いただきたい。また、そうしませんと、働く人たちの立場というものも不安定な気持ちになりっぱなしになってしまいますから、この点はぜひひとつ大臣、お考えおきをいただきたいと思うのでありますが、いかがでございますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 土地改良等は長期の計画でございますものですから、それに合わせまして、おことば等も十分尊重しながら考えてまいりたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 最後に、林野の関係が、林務部がございますので残っているわけでありますが、これも、実は、申し上げればずいぶん長いことになるわけでありまして、私も、ここに日本の林業の現状と問題点なんていうのがありまして、これはだいぶありますので、読んではいますけれども、ずいぶん長くなってしまいますから……。  そこで、ひとつ中心点を承っておきたいのですが、公有林と申しますか、中心は国有林でありますが、私有林あるいは民有林というふうなものの行政のあり方という意味では、今日的事情を踏まえましてどういうふうにお考えになっているかという一番の基本になるものを、簡単でけっこうでございますが、一言御答弁をいただきたいのですが……。

片山正英林野庁長官

○片山政府委員 日本の国有、民有を含めた林業のあり方いかんというような御質問だと思いますが、御承知のように林業基本法が出まして、昭和四十一年でございますが、木材の需給の長期見通しと森林資源の基本計画というものを樹立いたしております。それに基づきましてさらに全国森林計画というものをつくりまして、その全国森林計画は国有、民有を含んでおりますから、さらにそれを国有林、民有林別に分けまして、国有林につきましては御承知のように特別会計でやっておりますが、経営計画等も樹立いたしましてそれによって実行いたしております。民有林につきましては地域森林計画という大きな一つの単位で、県単位でやっておりますが、さらに昨年森林法改正でお認めいただきましたものに基づきまして施業計画というものを樹立いたしまして、計画的に林相改良その他の施業をやってまいる、こういう仕組みで指導いたしておる次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 長くなりますから理屈を申し上げませんが、単に林務部をつくって行政上の分離をしてみたからといって、民有林行政そのものが前進をするものでもない。むしろ一元化という原則を踏まえて国が責任を持って育てなければならぬ分野もある。外材にたよっているだけでいいものでもない、こういうふうに考えるわけでありまして、多くを申し上げませんけれども、そこらの点もまだ参議院という分野もありますので、そこまで触れて、これまた皆さんだいぶがまんしておられるところに長くしゃべってもしかたがありません。それなりの話が、それなりの団体からの要求もあり、出ておるのだと思いますので、ひとつそこらのところも御配慮をいただいて処理をいただきたいというふうに考えまして、本来ならば私はこの衆議院の段階で少し修正をしていただきたいと思っていた分野があるのでありますけれども、なかなかどうも早々の間にうっかりおそくなりますと、審議の経過その他を踏まえてむずかしくなってきたのじゃ困るという気がありますから、この辺で片をつけていただきたいという強い気持ちが反面ございますので、長く申し上げるのを差し控えたわけでありますが、回りくどい言い方をしましたことをくんでいただきまして、専門の諸君も参議院側にもおりますので、ひとつ英知を集めていただいた前向きの処理の方法を大臣に最後にお願いをしておきたいと思うわけでありますが、いかがでございますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○長谷川国務大臣 いろいろと御注意をいただき、また今後もなさなければならない方針等につきましてもおことばをいただきまして、十分それらを考慮に入れて今後の施策を行なっていくように心がけてまいりたいと存じます。

大出俊日本社会党

○大出委員 たいへんどうも長い時間恐縮でございました。終わります。

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これにて質疑は終了いたしました。     —————————————

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  農林省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十五分散会

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